行別ここすき者数
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(0)何処かの神社--
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(0)香澄は見知らぬ神社に1人で立っていた。
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(0)香澄(………あれ?ここ何処かな?夢……でも見てるのかな…?)
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(0)視界が朧げな中彷徨っていると、1人の制服を着た少女が香澄の目の前に現れる。
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(0)香澄(……誰…だろう?)
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(0)よく目を凝らしてみようとするが、ぼやけてしまい上半身が分からない。辛うじて黒髪が少しとすかーと、そして腰に刀を帯刀している事が分かった。すると香澄の脳裏に声が届く。
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(0)?(……もし、何かを守る為に…命を投げ出さないといけなかったら…………そうしないと守れないとしたら……あなたなら、どうする…?)
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(0)香澄(えっ……!?)
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(0)それだけ言い残し、その少女は姿を消し香澄は現実へと引き戻される--
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(0)戸山宅、香澄の部屋--
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(0)香澄「っ!?」
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(0)目を開けて飛び起きる香澄。夢だった事に安堵しつつその夢に妙な鮮明さ、そして懐かしさがあった事を訝しんだ。
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(0)香澄「今の夢は………。」
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(0)"命を投げ出さなければならない"。その言葉が何度も頭の中で繰り返される。
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(0)香澄「もし、私だったら………。」
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(0)巫女達の尽力もあり、見事"凶行型"を"打ち破る"事に成功した勇者部。あれから慌ただしかった毎日が嘘の様に穏やかな日が続いていた。気付けばもう間も無く4月、四国でも桜が咲き始める季節となった。
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(0)商店街--
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(0)蘭「今日の部活はこれで終了ですね。モカ、皆さんもお疲れ様でした。」
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(0)モカ「お花屋の手伝いなんて初めてだったから緊張したな。何とかなって良かった良かった。」
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(0)蘭「何だかんだモカの接客丁寧だったしね。」
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(0)紗夜「そうですね。一時はバナナの叩き売りかと思いましたが、美竹さんがフォローして何とかなっていましたね。」
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(0)高嶋「元気があって楽しかったけどね。お店の人も喜んでたし。」
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(0)蘭「それなら良かったです。」
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(0)現在勇者部はいくつかの班に分かれ、ホームページに寄せられた依頼をこなしている最中。蘭達4人はたった今花屋からの依頼を終え、報告の為に部室へと戻るところである。
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(0)高嶋「接客も楽しかったけど、色んなお花の世話が出来たのも楽しかったよね。」
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(0)紗夜「そうですね。普段しない事をするのも新鮮で良い経験になりました。」
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(0)蘭「私達も普段野菜の花は良く世話してましたけど、1から花を育てて見るのも悪くないと思いました。」
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(0)モカ「畑に空きスペースが出来たらまたやってみるのも良いかもね。」
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(0)蘭「そうだね。今度野菜の苗を仕入れに行く時に、花の種も見てみよう。」
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(0)花咲川中学、渡り廊下--
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(0)学校に戻って来た4人。早速完了報告をしに部室へと向かっていると、掲示板に貼ってある1枚のチラシが高嶋の目に止まった。
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(0)高嶋「あれ?」
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(0)紗夜「どうかしましたか?」
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(0)高嶋「見て!このチラシ。」
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(0)モカ「ふむふむ。夜桜ライトアップイベント…。」
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(0)蘭「この場所って…確か毎年花見に行く近所の公園ですよね。夜桜かぁ……。夜の桜も悪くないね。」
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(0)紗夜「ええ。夜桜は風情があります。」
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(0)みんなが釘付けになっていると、高嶋がある事を思いつく。
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(0)高嶋「そうだ!このイベントに勇者部のみんなで行ってみるのはどうかな?」
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(0)蘭「良いですね。みんなも行きたそうにすると思います。」
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(0)モカ「予備のチラシがあったから1枚持って行きましょー。」
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(0)高嶋「うん!みんな絶対に行きたいって言ってくれるよね!楽しみ!」
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(0)勇者部部室--
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(0)一方その頃、部室ではちょうどお花見の話でみんなが盛り上がっているところだった。
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(0)有咲「そういや、今年もそろそろ花見の季節だな。」
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(0)夏希「そうですね!今年もみんなでお弁当持って盛大に繰り出しましょう!」
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(0)中たえ「楽しみ楽しみ。でも、折角やるなら今までとは違うお花見してみたい。」
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(0)つぐみ「そうだね。私達はまだこの世界でお花見した事ないし。」
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(0)六花「それなら、何か面白いお花見してみたいです!」
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(0)赤嶺「面白いって?」
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(0)そんな事を話している中、高嶋達がチラシを持って部室へ戻って来た。
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(0)高嶋「お花屋さんの手伝い組、ただいま戻りました。」
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(0)ゆり「お帰りなさい。どうだった?ちゃんと出来た?」
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(0)紗夜「はい。お店の方も喜んでくださり、また依頼したいと言っていました。」
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(0)ゆり「そっか。それなら良かったよ。」
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(0)高嶋「それはそうとゆりさん、それにみんなもこのチラシ見てください!」
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(0)満面の笑みで高嶋はチラシを天に掲げる。
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(0)有咲「夜桜ライトアップイベント?場所は……いつものあの公園だな。」
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(0)中たえ「夜桜かぁ。いつもとは違って良いね。」
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(0)つぐみ「何か想像しただけで素敵だね。」
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(0)夏希「じゃあ、今年は夜桜でお花見で決まりですか?」
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(0)ゆり「ちょっとまって!ただお客として参加するだけじゃ勇者部らしい花見じゃないよ。」
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(0)美咲「と言いますと?」
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(0)ゆり「実は今さっき、このイベントのお手伝い依頼が勇者部宛に届いたんだよ!昼間は桜を見ながらイベント設営を手伝って、夜は自分達で準備したライトアップで夜桜見物!勇者部らしくて良いよね?」
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(0)香澄「それ凄く良いと思います!私は賛成です!」
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(0)いの一番で香澄が食い付き手を挙げた。
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(0)つぐみ「人助けとお花見が同時に出来るなんて、素敵です!私も賛成します。」
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(0)他のみんなも次々とゆりの提案に賛成する。
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(0)ゆり「よし!じゃあこの依頼、引き受けちゃうね。それじゃあ早速、この依頼のリーダーを決めようと思うんだけど、そうだなぁ……高嶋ちゃん、やってみない?」
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(0)高嶋「わ、私ですか!?」
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(0)ゆり「1番最初にこのチラシに気付いてイベントの事を見つけたのは高嶋ちゃんでしょ?どうかな。」
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(0)高嶋「え、えーと…ちょっと緊張しますけど、折角だからやってみます!みんな、ふつつかなリーダーですが、宜しくお願いします!」
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(0)こうして高嶋をリーダーとして、勇者部のライト設営の依頼が始まるのだった。
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(0)公園--
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(0)高嶋「それじゃあみんな、それぞれのグループに分かれて機材の設営を始めてくださーい!」
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(0)一同「「「はーーい!」」」
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(0)夏希「高嶋リーダー!このでっかいライトってこの辺に置けば良いんですか?」
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(0)高嶋「えへへっ。リーダーなんて呼ばれ慣れてないからちょっと照れちゃうね。」
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(0)紗夜「高嶋さん、恐縮する必要なんてありません。皆さんあなたを頼りにしているので大丈夫ですよ。」
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(0)高嶋「紗夜ちゃんありがとう。えっと、ライトの位置は資料によるともうちょっと右だね。」
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(0)小たえ「高嶋代表!照明機材の配線はこれで合ってますか?」
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(0)美咲「高嶋代表って……どこかの議員さんみたいになってるよ。」
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(0)高嶋「今、配線の図面をチェックするね。えーっと………このケーブルはこっちと繋ぐみたいだよ。」
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(0)小たえ「成る程です…。確認ありがとうございます!」
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(0)最初は出来るか不安がっていた高嶋であったが、いざ作業が始まると的確な指示を出し、滞りない作業をする事が出来ていた。
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(0)高嶋「他のチームの方はどうなってるかなぁ。ちょっと見に行ってみよう。」
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(0)あこ「むっ………うぐぐぐっ……!重たい!でもあこは負けないよ!」
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(0)2つ目のチームの様子を伺う高嶋。そこではあこが重たい機材を1人で運ぼうと奮闘している最中だった。
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(0)高嶋「わっ!?あこちゃん、そんなに一気に運んで大丈夫!?」
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(0)燐子「高嶋さんすみません…危ないから半分ずつ運ぼうと言ったんですけど……。」
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(0)あこ「りんりんに力仕事をさせる訳にはいかないよ。うぐぐぐ………っ!」
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(0)流石のあこでも自分の倍以上の荷物運びに苦戦していた。
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(0)燐子「あこちゃん…やっぱり私も手伝うよ…。ほら、後ろの方を持つよ…。」
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(0)あこ「ごめんね、りんりん。怪我しない様に気をつけてね。」
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(0)友希那「あこ、仲間同士での遠慮は無用よ。次の荷物を運びましょう。」
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(0)あこ「そう言う友希那さんだって、リサ姉の荷物持ってたよ。」
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(0)リサ「そうだね。だから私は友希那の分まで細かい配線作業を引き受ける事にしたよ。」
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(0)高嶋「うんうん。こっちもチームワークを活かしてやってくれてるみたいだね!」
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(0)自分が口出すまでも無いと判断した高嶋が他のチームを見に行こうとした時、紗夜がやって来る。
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(0)紗夜「高嶋さん、こっちの照明の設置が完了しました。」
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(0)高嶋「紗夜ちゃんすごーい!もう出来たんだね。そうだ!試しに1つ点灯確認してみようよ!」
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(0)紗夜「そうですね、やってみましょう。高嶋さんはお客様の位置に立ってみてください。」
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(0)高嶋「分かった!桜の下に立ってみるね。」
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(0)2人はそれぞれの持ち場へと移動した。
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(0)紗夜「それでは点灯します。」
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(0)高嶋「うわぁ!お昼だけどライトがしっかり当たると眩しいね。」
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(0)紗夜(桜をバックに佇む高嶋さん。昼間でも十分綺麗ですが……。これが夜桜なら、さぞかし美しいでしょうね。夜が俄然待ち遠しくなってきました。)
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(0)それから約1時間が経過--
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(0)高嶋「すごーい!みんなの頑張りのお陰でこのエリアの準備は終わりが見えてきたね。」
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(0)紗夜「高嶋さん、こちらのエリアの手伝いはもう大丈夫ですから、他の方々の様子を見てきても良いんですよ。」
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(0)高嶋「ホント!?それじゃあ、ちょっと行ってくるね!」
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(0)高嶋に固執していた事が多かった紗夜も、ここで色々な経験をしていく内にいつしかそっと背中を押して見送る事も多くなってきた。駆け足で走り出す高嶋だったが、途中で後ろを振り返り紗夜に向かって手を振る。高嶋の笑顔がいつもより眩しく感じる紗夜なのだった。
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(0)高嶋「おーい、こっちのチームの調子はどう?」
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(0)様子を見にきた班は防人の班だった。
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(0)千聖「お陰様で順調に進んでいるわよ。大方終わりが見えてきたわ。」
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(0)花音「一時は日菜ちゃんが氷河家同士で記念撮影大会始めちゃうんじゃないかって心配したけどね。」
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(0)イヴ「つぐみさんは別の班で頑張ってます。」
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(0)日菜「そんな事ないよー!私だって身を粉にして働いたよ。」
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(0)高嶋「そっかぁ!みんなで協力して頑張ったお陰で早く出来たんだね。じゃあ、他のチームはどうかな……。」
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(0)準備が滞りなく出来ている事を確認した高嶋は次の班の元へと向かおうとした時、蘭達の班が声をかけた。
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(0)蘭「高嶋さん、丁度良かった。今、私達の班の作業が全部終わりました。」
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(0)高嶋「えっ!?もう終わったんだね!凄いよ。」
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(0)夏希「みんなで気合いいれて頑張りましたから。」
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(0)小沙綾「ですが、凄いのは速さだけではないですよ。」
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(0)小たえ「桜が綺麗に見えるように、照明の角度に拘ってみたんです。」
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(0)モカ「みーんな頑張ったから夜になるのが楽しみですな。」
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(0)高嶋「そうなんだ!私もワクワクしてきたよ。」
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(0)そこへ更に、赤嶺達の班も完了報告の為に高嶋を探しにやって来た。
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(0)赤嶺「高嶋先輩、私達のチームも何とか終わったよ!」
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(0)これにより全ての班の作業が終了した事となる。
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(0)高嶋「みんなすっごく早かったね。朝から本当にお疲れ様でした!」
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(0)ゆり「おーい、みんなー!」
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(0)作業していた全員が戻ってきたところに依頼主と話し合いをしていたゆりが両手に大きな鍋を抱えて戻ってくる。何故か薫も大きな袋を持って一緒にいた。
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(0)中たえ「ゆり先輩?」
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(0)小たえ「クンクン……何か良い匂いがする。」
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(0)中沙綾「うどんの出汁の香りだね。」
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(0)千聖「ゆりさん、それに薫も、どうしたんですか?その大量のうどんは。」
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(0)ゆり「依頼人の方から差し入れだよ!みんなが良く頑張ってるからご褒美にだって。」
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(0)薫「さぁ、冷めないうちに食べようじゃないか。」
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(0)赤嶺「ありがとうございます。お姉様の運んでくれたうどん、大事に味わっていただきます!」
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(0)青空の下、鍋をみんなで囲んでうどんパーティが始まる。
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(0)六花「体を動かした後のうどんは本当に美味しいですね。」
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(0)つぐみ「達成感があるからいつもより美味しく感じるね。」
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(0)高嶋「みんなすっごく頑張ってたもんね。ライトアップが始まったら、絶対にみんなで見にこようね!」
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(0)一同「「「賛成!」」」
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(0)そしてライトアップの夜--
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(0)夜を待ち遠しにしていた勇者部は胸を弾ませて公園へとやって来ていた。日中は日差しもあり暖かい日和ではあるが、夜はまだ少し肌寒い。
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(0)高嶋「ゆりさん、勇者部全員集合しました。」
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(0)ゆり「みんな、昼間の設営作業で疲れてるのに、時間通りに集まってくれてありがとう。」
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(0)紗夜「ですがライトアップ開始の時間はもう少し先ですよね?何故こんな半端な時間に?」
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(0)紗夜の言う通りライトアップが始まる時間までは後1時間程ある。紗夜の質問にゆりは含んだ笑みを浮かべながら答える。
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(0)ゆり「ふっふっふ、それじゃあ発表しちゃうよ!なんと……設営のお礼と、機材確認の意味も込めて、先にライトアップを見せてもらえる事になったんだ!」
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(0)高嶋「えー!本当ですか!?」
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(0)紗夜「高嶋さん、良かったですね。」
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(0)高嶋「うん!すっごく嬉しいよー!」
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(0)友希那「一旦、作業用の照明を落としてからライトを点灯するそうよ。準備は良いかしら?」
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(0)リサ「それでは、一旦消灯!」
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(0)合図でぼんやり明るかった周りが一気に暗闇に包まれた。
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(0)高嶋「わぁ!真っ暗になっちゃった!紗夜ちゃん、はぐれないように手を繋いで待とう!」
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(0)紗夜「はい。高嶋さんの手、しっかり握りました。」
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(0)次の瞬間、一気に照明が点灯し闇夜にライトアップされた桜の木々が勇者部の目の前に現れた。
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(0)高嶋「わぁーーーー!綺麗!」
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(0)紗夜「本当に綺麗ですね。桜が闇夜に浮かび上がっています。」
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(0)高嶋「紗夜ちゃん、写真撮ろう!ライトの綺麗に当たってる所で!」
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(0)興奮のあまり握っていた紗夜の手を引っ張って高嶋は桜の木の下へと駆け出す。
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(0)紗夜「良いですね……っと、どうやら先客がいるようです。」
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(0)高嶋「え?」
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(0)2人が見つめる先にはいつも以上にはしゃいでいる日菜達の姿が。
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(0)日菜「るるるるんっ♪って来るよ!!これはいつも以上に綺麗な写真が撮れそうだよ!」
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(0)あこ「じゃあ日菜ちん!あことポーズ対決だよ!りんりん、ポーズを決めたところで撮って!」
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(0)日菜「良いねぇ、望むところだよ!」
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(0)あこ「負けないよ!」
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(0)燐子「………撮れたよ…。どうかな…?」
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(0)赤嶺「……あははっ、何これ!あこも日菜も変なポーズ!」
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(0)日菜「えー!そうかなぁ。」
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(0)リサ「みんな楽しそうだねぇ。友希那、私達も写真撮らない?」
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(0)友希那「そうね、この景色は滅多に見れないものね。」
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(0)みんなが思い思いに夜桜を楽しんでいる。そんな姿を見て口元が綻んでしまう紗夜。
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(0)紗夜「……皆さん、良い笑顔をしています。」
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(0)高嶋「そうだね、見てるこっちが嬉しくなっちゃう。リーダーなんて最初は出来るかちょっと不安だったけど、最後までやりきれて良かったよ。」
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(0)そこへ高嶋を探しにゆりがやって来た。
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(0)ゆり「あっ、いたいた。高嶋ちゃん、依頼人の方が高嶋ちゃんにお礼を言いたいんだって。」
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(0)高嶋「私にですか!?」
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(0)依頼人「中心になって頑張ってくれてありがとう。これ、良かったらお礼に受け取ってちょうだい。」
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(0)そう言って小袋を手渡す。中に入っていたのは花の種だった。
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(0)高嶋「すっごく嬉しいです!大事に育ててみます。」
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(0)紗夜「高嶋さん、良かったですね。」
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(0)高嶋「うん!何処に植えようかなぁ……。」
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(0)考えていると、高嶋は商店街での花屋の依頼を思い出す。
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(0)高嶋「そういえば、蘭ちゃんとモカちゃんが花を育てるのも楽しそうって言ってたし、後でプレゼントしよう。」
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(0)紗夜「ふふっ、高嶋さんは本当に優しいですね。」
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(0)写真を撮る事も忘れてすっかり話し込んでしまった2人。そうこうしている間に桜の木の下では撮影会が盛り上がりをみせていた。
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(0)あこ「おーい!香澄も紗夜さんもあこ達と一緒に写真撮りましょーー!」
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(0)日菜「そうそう。今回の成功の立役者が来ないと盛り上がらないよー!」
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(0)高嶋「うん、今行くよー!紗夜ちゃん、行こう!」
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(0)紗夜「ええ。」
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(0)紗夜(高嶋さん、楽しそうで本当に良かったです。今年もまた、最高のお花見になりましたね。)
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(0)手を引かれ紗夜と高嶋は駆け出す。桜の木の下では沢山の笑顔が咲いていたのだった。