行別ここすき者数
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(0)勇者部部室--
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(0)それは突然の事だった。
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(0)ゆり「ぐわぁーーっ!!」
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(0)中沙綾「どうしたんですか、ゆり先輩!」
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(0)急に叫び声を上げて崩れ落ちるゆりの周りに沙綾達が集まる。
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(0)ゆり「よ、予算が………ない…。」
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(0)有咲「は?予算って、勇者部の予算?」
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(0)ゆり「部員が増えた事は喜ばしい事なんだけど、それに伴って部費が枯渇してる……。」
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(0)香澄「でも、勇者部の予算は大赦がサポートしてくれてるんじゃ…?」
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(0)香澄の言う通り、大体の経費は大赦がサポートしている。但し、それは心身を安定させられ為の旅行や催し事に限っての事。あくまで"勇者部"とはここ花咲川中学の"部活"の一つに属している。だから純然たる部活動としての予算は、他の部活と同じ額しか使えないのである。
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(0)りみ「"ゴミ拾い"や"演劇"、"コンサート"にしたって、軍手やゴミ袋、衣装に小道具なんかのお金も必要だもんね。」
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(0)千聖「予算は年度毎に見直されるとしても、勇者部の部員は不定期に増えていくから、不足も無理ないですね…。」
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(0)この世界に来る前、勇者部は6人だった。しかし今となっては人数が27人、5倍近くも増えている。流石にどれだけ切り詰めても限界が来てしまう。
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(0)美咲「こうなったら、当分の間は活動休止にするしかないかな。ボランティアは一般の人にだって出来るんだから。」
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(0)ゆり「ダメダメダメ!活動しないと、生徒会に報告出来ないし、実績が無かったら部が潰されちゃう!」
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(0)小沙綾「それじゃあ、どうしたら……。」
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(0)みんなが考えている中、紗夜が声をあげる。
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(0)紗夜「それでは……"My-Tube"をやってみたらどうですか?」
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(0)イブ「何ですか、それは?」
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(0)"My-Tube"とは、ネットにある自由動画配信サイトの一つであり、視聴者数が増えると、スポンサーが付きお金が入ってくるのである。小学生でもやっている事があり、特に年齢制限は設けられていない。
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(0)高嶋「それなら、私達でもお金を稼ぐのにピッタリだよ!さっすが紗夜ちゃん!」
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(0)紗夜「そ、それ程でも……。」
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(0)ゆり「成る程……。法律にも触れず、大赦にも怒られずに活動費を増やせるのなら、それは良い提案だね。」
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(0)赤嶺「だけど、視聴者数を稼ぐのは大変だって聞くよ?人を惹きつける動画をどうやって作るの?」
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(0)友希那「それは、そんなに難しいものなの?」
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(0)紗夜「それはそうです。激戦としか言い表せないですね。配信者は、それを考えて毎日頭を悩ませるくらいですから。」
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(0)中たえ「My-Tubeの勇者チャンネル……否、"勇Tube"のアイデア……閃いた!」
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(0)リサ「おぉ、早速たえに天啓が降りたよ、友希那!」
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(0)友希那「何故かしら…危ない雰囲気が漂っているのだけれど…。」
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(0)中たえ「"My-Tube"の人気動画は"料理"、"大食い"、"実況"、"○○やってみた"なんだ。」
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(0)中沙綾「料理なら私達が出来るね。ね、沙綾ちゃん。」
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(0)小沙綾「はい!」
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(0)小たえ「中でも人気なのは、オムライスなんかの、カワイイ簡単チョイむず料理なんだって。」
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(0)小沙綾「簡単で可愛くてチョイむず……パン作りはダメでしょうか…。」
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(0)花音「難しくないパンだったら伸びそうだよね。」
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(0)燐子「"実況"とはどう言うものなんですか…?」
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(0)赤嶺「ゲームをプレイしながら、その様子を実況する事だね。特に良い声の人が人気らしいよ。」
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(0)高嶋「ゲームだったら、紗夜ちゃん!!」
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(0)紗夜「それは無理です!高嶋さんも、知ってますよね!私がゲームに夢中になってしまうと、黙ってしまうんです。」
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(0)有咲「さっき、大食いって言った?なら勇者部には適任の人物がいるじゃねーか。」
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(0)有咲の一言で、全員がゆりの方を向いた。
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(0)りみ「お姉ちゃん、やってみたら?」
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(0)ゆり「わ、私!?でも……そんな人様に見せる程のレベルじゃ…。」
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(0)夏希「ゆりさんが思う大食いのレベルってどれくらいなんですか!?いつかの大食い大会で食べた、パフェ700グラムにうどん34杯は既に爆食いですよ!」
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(0)りみ「お姉ちゃんはその後に夜ご飯でカレーを4杯食べたよ?」
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(0)全員「「「んなっ!?」」」
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(0)中たえ「それはそうとして、私が考えているのは、勇者部にしか出来ない唯一無二のアイデア!学園ドラマ制作だよ!!」
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(0)小たえ「配役も勿論考えています!だけど、人数を増やしても、元が取れなきゃ意味ないので、6人に出てもらいます!」
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(0)選ばれた人は、友希那、紗夜、薫、沙綾(小)、蘭、千聖の6人。
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(0)薫「なんて儚い企画なんだ…。勿論参加させて頂くよ。私達が入った事で逼迫してしまった勇者部の予算は、この身で補填するのが筋だからね。」
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(0)彩「薫さんだけのせいじゃ…。」
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(0)友希那「それはそうだけれど、元々は6人だった勇者部に私達が入ったのが原因だもの。」
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(0)蘭「働かざる者食うべからず…異論は言えないかな。」
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(0)中たえ「そうと決まれば、早速取り掛かるよ!!」
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(0)ゆり「あ、あれ……?私の大食いは?」
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(0)花咲川中学、屋上--
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(0)たえ達は早速屋上でドラマ撮影に取り掛かった。
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(0)紗夜「また来たのかよ……。説教なら御免被るぜ、山吹。」
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(0)小沙綾「どうしてそう不真面目なんだ、君は。今日という今日は引き摺ってでも……!」
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(0)紗夜「へぇ………どうするって?」
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(0)不意に紗夜は、沙綾の顎をクイッと引き寄せた。
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(0)小沙綾「な……っ!氷川君何を……!?離せ!」
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(0)紗夜「お堅い生徒会長様を……この俺が、とろけさせてやるよ…。」
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(0)中たえ「はいカットです!!次回に続くよ!」
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(0)カットの合図と同時に鳴り止まない拍手が沸き起こったのだった。
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(0)紗夜・小沙綾「「…………。」」
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(0)ーーー
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(0)数日後、花咲川中学、廊下--
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(0)薫「風紀委員長。お前のその頑なな、その心。必ずこの私が……溶かしてみせるよ。」
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(0)千聖「よして…。私の心は彼の手によって摘まれたいの。花咲く前にね……湊!」
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(0)友希那「やめろ、白鷺。お前になど興味はない。俺の身も心も、既に農業番長のものだ。」
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(0)蘭「解ってるさ……湊。お前はこの農業番長が大切に育ててやるぜ。」
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(0)小たえ「カーーーットです!!第6話終了!続く第7話は後日お届けしまーーす!」
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(0)モカ「毎度毎度混沌とした内容なのに、登録者数は刻一刻と増えてますね。」
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(0)彩「でも、内容はとっても面白いよ!早く次回が待ちきれない!」
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(0)リサ「はぁ………友希那の気品と色香で……もう…はふぅ。」
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(0)一方その頃、家庭科室--
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(0)ゆり「もぐもぐもぐ……ぱくぱくぱく…ん〜
(0)おかわり!」
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(0)こちらでは、丼物を食べる大食い動画を配信している真っ最中。ブラックホール並みの胃袋を持つゆりに、料理を作る手が追いつかなくなってくる程だった。
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(0)中沙綾「食べる勢いに盛り付けが追いつかない!」
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(0)日菜「香澄ちゃん達!早くどんぶりご飯頂戴!」
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(0)香澄・高嶋・赤嶺「「「わっせ!わっせ!わっせ!」」」
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(0)有咲「最初のうどん、2回目のハンバーガー。そして今回の親子丼……。配信する度に
(0)視聴者がどんどん増えてるぞ…。」
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(0)りみ「その度に、次に食べて欲しい物がリクエストされてるよ。」
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(0)イヴ「焼肉にジャンボパフェ……太巻きなんかもありますね。」
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(0)あこ「ゆり先輩がんばれーー!!」
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(0)そんな中、日菜が何かを見つけゆりの手が止まる。
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(0)日菜「あれ、ゆりさんのそれって……ニキビ?」
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(0)ゆり「えっ……!?」
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(0)その時、樹海化警報が鳴り響いた。
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(0)香澄「警報だ!みんな、出動だよ!」
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(0)日菜・イヴ・赤嶺「「「おぉーーー!」」」
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(0)続々と樹海へ消えていく勇者達。しかしゆりの足取りは重かった。
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(0)りみ「あれ、お姉ちゃんどうしたの?早く行かないと!」
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(0)ゆり「う、うん……。」
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(0)ーーー
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(0)バーテックスを撃退し、部室へ戻ってきた勇者達。しかし、戻ってきて早々に友希那の怒号が部室に響いた。
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(0)あこ「ど、どうしたんですか友希那さん!」
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(0)無言で友希那はあこに手を差し出す。そこには台本が握られていた。
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(0)あこ「どれどれ……ってえええぇぇぇっ!?」
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(0)台本に書かれていた内容は、"体育倉庫のマットに友希那を押し倒す千聖"、"苦しげに涙を零す千聖に絆され、その唇を受け入れてしまう友希那"という文字。視聴者から"キスが待ちきれない"という指摘を受け、ネタがなくなってしまった事も相まっての内容だった。
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(0)小沙綾「さ、ささささ流石にキスなんて…。」
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(0)中たえ「大袈裟に考えすぎだよ。ちょっと……ちょっとチューって。」
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(0)リサ「残念だけど、ここまでだよたえ。一回やっちゃったら、なし崩しで他の人までやらなきゃいけなくなっちゃう。」
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(0)千聖「内容もそうだけれど、最近動画の更新に追われて出撃が遅れたり、戦闘時に気が散ってしまっているのも問題よ。」
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(0)彩「部費の為とはいえ、御役目に支障がでちゃ神樹様に申し訳が立たないよね…。」
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(0)以上の事を鑑みて、ドラマの動画配信はこれにて終了となるのだった。しかし、まだ希望はある。同時並行で行われているゆりの大食い配信もあるからだった。
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(0)蘭「まだゆりさんの大食いが残ってるよね?今配信してるみたいだからちょっと行ってみよっか。」
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(0)家庭科室--
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(0)ゆり「もぐ……もぐ………。」
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(0)その場にいる全員が感じていた。明らかにゆりの食べるスピードが遅いからだ。
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(0)有咲「どうした?いつもの勢いが無いぞ?」
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(0)ゆり「………ご馳走様でした。」
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(0)赤嶺「ゆり…さんが…….箸を置いた…!?」
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(0)香澄「まだ6杯目ですよ!?ご飯は3升も炊いてあるのに!」
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(0)ゆり「あ…のね……もう、私……普通の女の子に戻ります!!」
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(0)イヴ「普通の女の子はご飯を6杯も食べません…。」
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(0)日菜「一体全体どうしちゃったの、ゆりさん?」
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(0)ゆり「…………………太っちゃったの!!その上肌は荒れるし、動きは鈍るし!!」
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(0)美咲「それはそうですね……。あれだけ毎日食べてれば…。」
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(0)しかし、悪い知らせはそれだけではなかった。今までに入ってきた動画の収入より、ゆりの食事への出費の方が、大幅に上回っていたのだ。
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(0)高嶋「えっ!それじゃあ赤字!?」
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(0)"勇Tube"の配信はこうして呆気なく幕を下ろすのだった。