行別ここすき者数
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(0)『テツロウ選手 起死回生のマーシャルアーツが炸裂!!!
(0)ノア選手 再び地面に叩きつけられた!!!』
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(0)地面に叩きつけられたノアは全く動かない。しかし哲郎はこれで終わったなどとは微塵も思っていない。
(0)すぐに次の攻撃の準備に入る。
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(0)『こ、これは一体!!?』
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(0)哲郎はノアと間合いをとって正座をし、左手首を掴んで構えた。
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(0)『これはどうしたテツロウ選手!!
(0)まるで観念したかのように 座してしまった!!!』
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(0)ノアは再びゆうゆうと立ち上がった。
(0)そして座っている哲郎を見て口を緩めた。
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(0)「…ふん。そう来たか。
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(0)対人はもちろんのこと、
(0)対異種族 対魔物 対武器 対魔法
(0)その全てに対応出来る究極の武術
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(0)《オールマイティ・マーシャルアーツ》
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(0)俺の転生前の時代から存在は謳われていたが、不可能なおとぎ話として本気にする者は1人もいなかった。」
(0)「……………」
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(0)「だが、お前の身体にはそれが宿っている。
(0)果たして究極の武術がこの魔王 に通じるのか、確かめさせて貰おう。」
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(0)ノアはそう言って魔法陣を解き、悠然と歩を進める。
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(0)『ノ、ノア選手、魔法を使わずにテツロウ選手との間合いをつめる!!
(0)まさかこの無防備の少年に接近戦を仕掛けるつもりなのか!!!?』
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(0)あの有象無象共は何も分かっていない。
(0)ノアは漠然と心の中で呟いて、哲郎に攻撃を仕掛けた。
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(0)ここからは自分との戦いだ………!!
(0)少しでも集中を切らしたら即座にやられる………!!!!
(0)自分の間合い にいるこの時に勝ちを掴む!!!!
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(0)ブォッ!!!!
(0)ノアの強烈な回し蹴りが哲郎を襲う。
(0)『が、顔面に下段 !!!!!』
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(0)哲郎はノアの蹴り足を掴み、蹴りのエネルギーを上方向にずらした。
(0)ノアの身体は足を軸に上半身を弧を描いて舞い、地面に叩きつけられる。
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(0)『な、何だ!!?』
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(0)続けざまに左フックを見舞うが、哲郎は拳が達する前に掴み、全力で引いた。
(0)ノアの身体は左腕に引かれ、バランスを崩し地面に転ぶ。
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(0)しかし意に返さずノアは背後から哲郎の首筋を狙って手刀を仕掛けた。
(0)哲郎は手刀が当たる直前で肩でノアの手首を掴み、上半身を前かがみに折り曲げる。ノアはその勢いに巻き込まれながら宙を舞い、再び地面に叩きつけられた。
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(0)『な、何が起こっているんだ!!?』
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(0)場内は哲郎の圧倒的に不利な構えから魅せる捌きに歓声をあげた。
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(0)『これは凄いぞテツロウ選手!!!
(0)まるで暴風を凌ぐ柳の木のようだ!!!』
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(0)ノアは再びダメージを全く見せずに立ち上がる。そして座っている哲郎に不敵な笑みを浮かべた。
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(0)「まるで要塞 さしずめ武術の要塞だな。
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(0)だが俺は、
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(0)魔法を使わないなどとは一言も言ってないぞ!!!!!」
(0)「!!!!!」
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(0)ハッとした哲郎の足元には赤色の魔法陣が展開されていた。爆発を避けるために哲郎は正座から立ち上がってその場から身を翻した。
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(0)「…やはりガキだ。」
(0)「ブッ!!!!?」
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(0)ノアは哲郎の腹に蹴り を見舞った。
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(0)『これは驚きだ!!!
(0)ノア選手が得意の魔法を囮に使い、接近攻撃を決めた!!!
(0)武術という鉄壁の要塞が今、無残にも破られたのです!!!!』
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(0)哲郎は吹き飛ばされ、外枠に背中から叩きつけられた。
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(0)『何という皮肉か!
(0)ノア選手を何度も投げ、地面に叩きつけてきたテツロウ選手の背中が今、外枠に深深と叩きつけられたのです!!!!』
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(0)「ガハッ」
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(0)哲郎は一瞬呼吸を乱された。
(0)背中の衝撃がここまで呼吸を崩すとは思ってもいなかった。
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(0)地面をのたうち回る哲郎に対し、ノアはゆうゆうと歩を進める。
(0)しかし哲郎の回復の方が一瞬早かった。
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(0)『た、立ち上がった!!!
(0)テツロウ選手、再び魔人族に向かい合った!!!』
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(0)息を切らしているテツロウにノアは不敵に笑いを見せる。
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(0)「この俺の筋力をも拒絶する武術の要塞………
(0)しかもそれをやってのけたのが人間族の小僧
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(0)ちゃんちゃらおかしいよな。」
(0)「…………」
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(0)「…だが、もうお前には付き合えない。
(0)もう十分 お前の間合いで戦っただろ?」
(0)「!?」
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(0)ノアの足元に再び風が巻き起こった。
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(0)『き、強烈な風!!
(0)これは━━━━━━━━━━━━』
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(0)ノアの身体は再び宙に舞った。
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(0)「今度は俺の間合いだ。
(0)お前が俺の間合いで戦う番だ。
(0)そうだろ?」
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(0)『ふ、再び浮遊魔法を使って見せた!!!
(0)空中という圧倒的アドバンテージ!!!!
(0)この不利状況を、どう迎え撃つ!?テツロウ・タナカ!!!!』
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(0)間合いに入れ………か………
(0)確かに僕にはその義務がある。
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(0)自分のわがままに付き合ってくれたんだから。
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(0)浮遊魔法 それがどれだけ凄いのかは分からない。だけど、今の僕でも似たことならできる。
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(0)そう。あの時 動体視力 をあの速さに【適応】させたように
(0)見えない状態 に【適応】し、克服したように。
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(0)こうやって飛べない状態 に【適応】して克服すれば
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(0)『わ、我々は一体何を見ているのか!!!!
(0)夢を見ているのか!!! 幻覚を見せられているのか!!!!
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(0)テ、テツロウ選手の身体が…………
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(0)宙に浮いているのです!!!!!』
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(0)事実、人間族の少年と魔人族の青年とが、観客席最上段にいて尚 見上げねばならないほどの上空で相対していた。
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(0)「ほう。そう来たか。」
(0)「言われた通り、あなたの間合いに入りましたよ。
(0)決着をつけましょう!!!!!」