THE COCKPIT 隻眼パイロットのその後 (放火後ティータイム)
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設定集

・ここでは、主人公、オリキャラ、搭乗メカニックのみを書きます。
艦娘は登場しません。

・ここで出てくるには今までに登場したキャラクターのみです。

・随時更新します。


登場人物

 

土方

沖縄付近で戦死した零戦パイロット。

戦死後、墜落という形で艦これの世界に迷い混んだ。

大怪我をしようが体さえ動けば出撃を続けるほど屈強な精神力を持つ。

生前の怪我で右目が見えない(実際は勘違いでした。原作では頭部から出血をする程度だった。すいません)

パイロットとしても高い技量を誇り、艦娘達の艦載機として活躍する。

愛国心や天皇陛下に対する忠誠心が高く、迷い混んだ当初は軍人として名誉ある死を望んだが

ここが日本国であり、天皇陛下がいることを知ったとたん、忠義を尽くすべく

軍人として生きることを誓う。

あの日以降加賀に少し怯えるようになった。

 

出典

戦場まんがシリーズ「音速雷撃隊」に登場した零戦パイロット。OVAにも登場(作者はOVAしか観てないが……)

漫画では名前、階級すら明かされず、OVAでも飛行服についていた名札から

辛うじて土方と読み取ることができる程度の場面作りの為の人物。(だと思われる)

OVAでは一式陸攻を救うべくF6Fに体当たりを行い相討ちになるというインパクトのある最後を迎えた。

音速雷撃隊の主人公である野上靖少尉を守れなかったことを悔やみ自信も怪我を負いながら

体当たりしてでも護衛すると誓い、約束を果たす。

本作品には上記のように不明な点が多いことから多数のオリジナル設定を加えている。

 

 

大倉茂信中将

鎮守府の提督

50歳で白髪混じりの髪が特徴。

仕事のときはしっかりしているが、実際は堅苦しいのが苦手でフリーになると

今までの雰囲気が嘘のように変わる。

重度ではないがロリコン

 

妖精さん

この世界の妖精というのは元々から小さく可愛らしい容姿をしている訳ではなく

普段は140~180cmと人間サイズの大きさで活動している。

必要に応じて伸び縮みする便利なやつら

女だけでなく男の妖精もいる。

 

基地航空隊妖精

ガチムチの野郎共

大きくなっても小さくなってもガチムチで顔も怖い。

パイロット勢と整備勢に分けることができ、

整備勢には僅かではあるが可憐な少女妖精がいる。

活躍の場の少なさからただの飯食らいになりかけてた。

 

・隊長妖精

基地航空隊妖精のパイロット勢の長

人間サイズはトリコのマンサムみたいになる。

小さくなってマンサム、大きくなってもマンサム

暑苦しい奴と呼ばれているが彼を尊敬するものは多い。

 

・パイロット妖精

基地航空隊妖精の大半を占める妖精達。皆男

その肉体は全員がブーメランパンツで人間サイズになればその場で

ボディビルコンテストを行えるほど。

一切華と言うべき存在がいない。

明るくノリが良い。基本皆甘党。

 

登場メカニック

・零式艦上戦闘機52型

土方の搭乗機体

情報提供をしていただいたところ意見が最も有力だった為採用

大戦後期の主力戦闘機として最多の生産量を誇る。

OVAでは8月6日の作戦の際に護衛として26機が投入された。

 

紫電11型

局地戦闘機

基地航空隊の主力戦闘機

水上戦闘機「強風」を陸上戦闘機に改造した機体。

稼働率が低く、大きな戦果を挙げられなかったが、これを改良した

紫電21型(紫電改)が傑作機として活躍することになる。

OVAでは零戦と同じく14機が護衛の任に就いた。

 

一式陸上攻撃機24型丁

2,2トン近い重量を誇る特攻兵器桜花を懸吊可能な力持ち

燃料タンク、操縦席に防弾鋼板を取り付け防御性能を高めている。

史実でもOVAでも同じように桜花を運ぶ前に撃墜されることがほとんどだった。

 

桜花11型

正真正銘の特攻兵器

作者にはよくわからないがロケットの点火により得た推進力で

飛んでいく人間爆弾。

OVAのように真っ直ぐ飛んでいくことは無い。

野上少尉はエセックス級と思われる空母に命中させてみせた。

 

 

 

 

 

 



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第一話 「墜落」

音速雷撃隊を見て書きたくなりました。
後悔は……めっちゃしてる……
漫画は見たことはなく、OVAをみただけです。


『右上方30度に敵機!全機、戦闘体勢にはいれ!!』

 

始まりは突然だった。

昭和20年8月6日

零戦、紫電を含む直衛機40機を護衛につけた桜花特別雷撃隊は

沖縄に展開する米機動部隊を叩く為に出撃した。

しかし敵艦を発見する前に、米軍のレーダーに探知され襲撃をうけたのだ。

 

直衛の零戦が増槽を切り離し迎撃に向かう。

すぐさま乱戦となり、味方が次々と墜ちていった

 

(野上!野上!野上!あいつは何処にいる!)

 

直衛の戦闘機パイロットの土方は桜花搭乗員である野上少尉の乗った機体を探していた。

彼は前日、野上に誓った言葉を思い出していた。

 

【今日のことはすまなかった。だが明日は何がなんでも完全に護衛するつもりだ。】

 

【例え敵機に体当たりしてでも……!!】

 

前日の戦闘で見えなくなった右目の代わりに残った左目をじっくり凝らし

必死に探し続けるが見えるのは堕ちる味方。そして敵機、敵機、敵機。

味方を貪り、次の獲物を求め自分に飛来するヘルキャットは後を絶たない。

 

「邪魔だぁぁ!!」

 

しかし土方はひたすら前に突き進む。

時には機銃で敵を蹴散らし、時には雲を利用し逃げ切った。

操縦席を覆うガラスをぶち抜き、右腕に銃弾が命中した。

そんなことも構わずただひたすら前に突き進む。

次第に弾も尽き、無理に動かしたからだろうかギシギシと音をたてる

今にも空中分解しそうな愛機の零戦だけが残った。

 

回りを見渡せば味方は半分以下に数を減らしていた。

さっきまでは味方によって水色の画用紙に緑の絵の具を垂らしたような空だったのに

今では堕ちる火の赤とヘルキャットの青に染められている。

一式陸攻はたったの2機、土方に最悪の展開が頭に浮かんだ。

 

(いや……弱気になってどうする!…誓ったじゃないか!諦めるな!)

 

その時、雲の隙間から火が見えた。

隙間から見えるのはシルエットは、一式陸攻そのものだった。

 

「……!!見つけた!」

 

土方はギシギシ音をたてる愛機のことなど気にもとめず、操縦桿を壊れんばかりに引っ張る。

 

そこには一機のヘルキャットに追われる一式陸攻があった。

 

(あの機体番号……間違いない!野上だ!)

 

しかし一式陸攻は既に炎に包まれかけていた。今飛んでるのが不思議なほどの損傷だった。

 

(まだ機体は生きてる……!!ならば俺のすべきことはただひとつ!!)

 

土方の手にギュッっと力が入る。革手袋が擦れてキュッと音がなった。

操縦桿を操り斜め上まで飛翔し、相手に狙いをつける。

 

(後は頼んだぞ……野上少尉!!)

 

「うわああああああ!!!」

 

操縦桿を前に倒し、体当たりした。

グシャっと機体同士が潰れあい、大爆発を起こした。

 

二重の窓越しに見える驚愕した米軍のパイロットの顔に満足しつつ土方の意識は飛んだ。

 

1945年(昭和20年) 8月6日 土方少尉 戦死

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつも通り艦娘達の艦娘達の声で賑わう鎮守府に突如警報が鳴り響いた。

 

「何事だ!!」

 

「鎮守府付近を警戒中の彩雲より入電です!『我、零戦ト思モワシキ物ヲ発見ス!

鎮守府ニ向カイ落下。注意サレタシ。マタ、通常サイズノ零戦ダト思ワレル』

 

「通常サイズ!?まあいい!!早く回線回せ!!」

 

 

鎮守府は騒然としていた。

突如鳴り響く警報が恐怖を煽るからだ。

余程の事態がない限りこの警報がなることはない。

すると突如、放送がはいった。

 

『提督だ!たった今彩雲より入電が入った!零戦と思わしき物が鎮守府に向かい落下中とのこと

報告によると通常サイズのものであるとのことだ!!人が乗っている可能性が高い!!

訓練中の艦娘は艤装を着けたまま待機!、その他の艦娘ならびに鎮守府職員は救護の用意を!!

何としてでもパイロットの命は救え!!いいな!!』

 

 

 

 

訓練中だった加賀は救助活動の指揮をとっていた。

 

「………!!見えた!!いつでも出れるように準備して!!」

 

その瞬間、航空機が不時着した。

かなりの高さから落ちたものの、奇跡的に操縦席は無事で、右翼が折れる程度ですんでいた

 

「……!!」

 

駆けつけた加賀と艦娘達は驚いた。

そこには血のにじむ包帯を右目に巻き付けた、パイロットがいたからだ。

右目だけでなく、操縦席はまるで無事なのに、至るところから血を流していた。

 

「彼は私が運びます!!皆周囲を警戒して!」

 

加賀がそう言うと皆急いで鎮守府に向かう。

 

男の胸元には土方という文字が書いてあった。

 

 




アニメでは名字しかわからず、階級や下の名前がわからなくてめっちゃ困ってますww
山岡中尉によれば護衛の戦闘機は紫電と零戦としかいってなかったので、彼の乗ってた
機体がよくわからないので零戦にしたのですが、誰か知っている人がいたら教えてください。
お願いします。


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第ニ話 「混乱」

よく見てみたら土方って頭には出血があるけど、目には一切血がついてないので
実際は目はまだ見えるのでは?とこの作品のタイトル詐欺疑惑が頭に浮かんでます。


「加賀、報告を頼む。」

 

「はい。」

 

鎮守府内にある提督執務室には鎮守府の責任者でもある提督と

本日の秘書官不知火、そして件のパイロットを救出した加賀がいた。

 

「今回救出した男性は大日本帝国海軍 第七ニ一海軍航空隊所属 土方〇〇少尉

です。」

 

「……!?……怪我の容態は?」

 

「意識不明の重体ですが命に別状はありません。しかし機体に血痕が無いにも関わらず出血部分が多々あります。

右腕にはかなり大きな口径の銃で撃たれた跡がのこっています。

右目と頭には既に治療の跡が残っていましたが右目はもうダメです。」

 

「そうか……ありがとう。しかし第七ニ一航空隊……知らない部隊だ……

不知火はしってるか?」

「いいえ、不知火はそのような部隊は存じ上げません。」

 

「私も初めて聞きました。」

 

提督は「うーん」と悩んだすえ

 

「まあいい、後で事情聴取することにする。加賀よ、もう少し監視を頼む。」

 

「了解しました。では報告は以上です。失礼しました。」

 

そう言って加賀は執務室を出た。

 

 

 

 

 

 

 

土方は夢を見ていた

空を覆い尽くすほどのヘルキャットの大群……

愛機に乗る自分の後ろには野上の乗る一式陸攻

夢のなかでひたすら守る為に戦い続けた。

 

「糞!糞!糞!何で俺を狙わねぇ!!何で俺を無視する!!」

 

ヘルキャットの大群は土方を狙わずひたすら一式陸攻のケツを追いかける。

 

「行くなぁ!!行くなぁ!!こっちにこい!!お前らの相手は俺だぁああ!!」

 

迫るヘルキャットをひたすら撃つ。

ずっとずっと撃ち続ける。

 

「なぁ!?」

 

弾切れになった。

力を失った土方に敵を止める術はない。

 

「おい……止めろ……止めろ……止めろ!!」

 

震える声を必死に振り絞って叫ぶ。

意味なんて無いとわかっていても叫んでしまう。

そして一式陸攻を大量の銃弾が貫いた。

 

一式陸攻は火を吹き、火だるまになり墜ちていった。

 

「野上ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

 

…………………………

……………………

………………

…………

……

 

「はっ!?」

 

気が付けば土方は操縦席ではなくベッドの上にいた。

真っ白なシーツは汗でびっしりと濡れていて、いつの間にか身体中に巻かれた

包帯からはわずかではあるが至るところから血がにじんでいた。

 

「ここは……いったい…!?」

 

ベッドと自分しかいない真っ白で小さな空間は天国なのか地獄なのかすらもわからない。

そんなとき、突然心地よい音をたてながら扉がノックされた。

 

「失礼します。あらもう起きていたんですね。土方少尉」

 

「だ……だれだ!?っつぁぁ!?」

 

土方は身構える。まだ生傷の怪我が開いて激痛がはしり、顔を歪ませた。

入ってきたのは自分より少し背の低い女性だった。

弓道袴と胸当て、青いスカートを着ていて、髪を後ろで結んだ女性が

籠に果物と果物ナイフを持って現れた。

 

「そんなに構えないでください。傷口が開きます。もうかれこれ2日間寝込んでるんですよ?」

 

「んなことはどうでもいい……ここはどこだ!?そして君はだれだ!!」

 

情報を整理するため脅すように質問を投げつけた。

女性は呆れたような顔をしながら

 

「……ここは佐世保鎮守府です。そして紹介が遅れましたが、私は航空母艦の加賀です。」

 

情報を整理するために質問をしたはずなのに反って頭が掻き乱された。

 

「馬鹿な…!俺は沖縄で死んだはずだ!!何故佐世保鎮守府にいる!!おまけに加賀!?

当の昔に沈んだはずだ!!何故君が名乗っている!!」

 

「起きたばっかりで混乱するのはわかりますが落ち着いてください。」

 

「落ち着いていられるか!!」

 

そう言うと土方は痛みを堪えながら加賀から果物ナイフを奪った。

 

「野上が立派に戦ったのに俺だけのうのうと生き残るなんて恥さらしだ!!」

 

そう言って腹にナイフをおもいっきり降り下ろそうとすると

加賀が手を握った。

 

「止めなさい。」

 

「五月蝿い!!これは君には関係ない話だ!!邪魔をするなぁぁぁぁ!!??」

 

加賀の手に力がはいった。

骨がミシミシと嫌な音をたてる。

とても女性の力がとは思えなかった。

あまりの痛さに手のひらからナイフを落とした。

 

「あなたがどんな目に遭ったのかはわかりませんが、せっかく助かった命を投げ捨てるような

愚かな真似は止めなさい。」

 

そう言って加賀は手を離す。

加賀という支えを失った体は痛みのせいで思うように動かず、重力に従って落ちた。

 

「殺せよぉ……俺を殺してくれよぉぉ……」

 

ひたすら殺せと懇願する土方を無視し、加賀は目覚めたことを報告するべく

提督の元へ向かうのであった。

去った後でもひたすら死を願う土方の声がずっと室内に響いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




土方の性格ってこんなんでいいでしょうか?
完全にオリ主と化してるような気が……

坂下郁さん、誤字報告と情報提供ありがとうございました。


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第三話 「襲撃」

今回はくっだんねぇ設定がでてきます。


「調子はどうかね?」

 

加賀が退室してから10分足らずで加賀と提督が土方がいる部屋へ入ってきた。

土方もだいぶ落ち着いたようでおとなしくなっていた。

 

「…………」

 

しかし土方は提督の質問に返事をしない。

 

「ああ紹介が遅れたな。俺は大日本帝国海軍 佐世保鎮守府の最高責任者の大倉中将だ。

ここで提督をしている。」

 

提督は気にせず話を続けた。

 

「しかし君は何処から来たんだい?突然入電が入ったと思えば空から君が落ちてくるんだ。

今時、戦闘機に乗るパイロットなんて殆どいなかったしね。

零戦が落ちてくるって入電にはとても驚いたよ。」

 

「………何を言っている」

 

土方が重たい口を開いた、

 

「何を……とは?」

 

「………パイロットがいない?そんな馬鹿な事があってたまるか!!パイロットは我が大日本帝国になくては

ならない存在だろうが!!」

 

土方は急に声を荒げながら提督に必死に訴える。

っがしかし、提督と加賀は困った顔をしていた。

 

「 ……??? 君こそ何を言っているんだ?航空機や艦艇なんて今じゃ深海棲艦の格好の的だ。

そんなの常識だろう?」

 

「深…海…棲艦?なんだそれは!?米軍の新兵器か!?」

 

「何故そこで米軍が出てくる。深海棲艦は全世界共通の敵だろう?」

 

暫くはお互いの言い合いが続いた。

お互いの話が全く噛み合わないからである。

延々といたちごっこを続けた、キリがないと判断した提督は「まあいい」と区切りをつけた。

 

「とりあえず君の出身を聞こう。」

 

「……第七ニ一航空隊所属土方〇〇少尉だ。」

 

「では聞こう。第七ニ一航空隊とはどんな部隊なのかね?」

 

「……桜花の訓練、実験部隊及び桜花護衛を任務とする戦闘機部隊」

 

「桜花……とは?」

 

土方は上の人間なら誰でも知っているであろう桜花の存在を知らない目の前の提督に呆れた。

 

「部隊名はともかく何故桜花を知らない?殆どのものが知っているはずだ。」

 

「いや、俺は俺は知らない。初耳だ。」

 

何を言っているんだ と愚痴を心の中でこぼしつつ取り敢えず説明する。

 

「1.2tの爆弾を機首に取り付け母機の一式陸攻から切り離し、ロケットの推進力を得て

操縦者もろとも突っ込む。」

 

「「!?」」

 

この発言にはこれまで一切表情を変えることがなかった加賀も提督と一緒に驚いた。

 

「それは……一体誰に向かって撃つ…?」

 

「米軍に向けてだ!!」

 

「米軍に……だと……!?」

 

提督は深海棲艦ではなく米軍に向かってというのに反応した。

 

「俺はそのパイロットを護衛する戦闘機乗り、米軍機に突っ込んで米兵のすっとんきょうな面を

拝んで死んだと思えば、目覚めたらここにいる。

まあいい、次はお前らの番だ。」

 

提督は一切偽りなく話した。

まとめるとこうだ

 

・1941年12月に深海棲艦が出現 現在1980年まで戦闘状態が続く。

 

・防衛力強化の為に、一時離脱した国際連盟へ技術提供を条件に再度加盟

 

・急ピッチで艦艇や航空機の製造を行うも艦娘登場までにおよそ9割近くが壊滅

 

・1944年頃、艦艇の記憶を持った少女 艦娘が登場。艦娘によって制海権の一部を奪還

 

つまり真珠湾攻撃直前以降の歴史が土方の知っている歴史と違っている。

おまけに自分は死んだ35年先の未来へ来てしまっている。

土方にとっては信じがたい話ではあるがこれが事実の場合、相手が桜花を

知らなかったことや、パイロットが少なかった事が理解できる。

 

その時サイレンが鳴り響いた。

 

「何事だ!!」

 

すると不知火がドアを開けた。

 

「哨戒中の彩雲より入電!!『我、鎮守府ノ50キロニテ敵艦隊ヲ発見ス!!』以上です!!」

 

「回線回せ!!」

 

『緊急連絡!!鎮守府の50キロ沖に敵艦隊を発見した!!直ちに出撃可能な者は臨時の艦隊を組織し

急ぎ迎撃せよ!!繰り返す!!鎮守府の……』

 

その時爆発音が響いた。

1回2回3回……次第に数を増やしていく爆発音は爆撃を受けたことを意味していた。

 

土方は急いで窓を見た。

そこには戦闘機とは遠くかけ離れた真っ黒ななにかが飛んでいた。

 

「あれが……深海棲艦………!」

 

 

 

 




土方の性格がだいぶひねくれた気がしますが、気にしないで頂けたら嬉しいです。


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第四話 「迎撃」

こちらのミスで書き上げられてない作品が投稿されるという事故が起こりましたので
改めて書き直したものを投稿します。
すいませんでした。

今回、言葉の使い方があっているのかわからないので指摘してもらえると助すかります。
今回も駄作ですがよろしくお願いいたします。


「あれが深海棲艦……!!」

 

先程までは信用すら出来なかった深海棲艦という人類共通の敵。

しかし爆風により割れた窓ガラスから見えるその風景は土方に現実を突きつける。

 

たった20cm程度の大きさの航空機とはとても言えそうにないほど奇妙な浮遊物

だがその小さな体から放たれる小さな爆弾は何十人の人の命を奪うのには十分だった。

爆発した後にはそこには真っ黒な跡が残るだけで以前の面影はない。

 

「……わかっただろう……これがこの世界の現実だ……!!」

 

提督から絞るように発せられたこの一言に土方は戦慄した。

土方は目の前の出来事が夢ではなく現実であるのだと受け止めることしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

その頃鎮守府から少し離れた所に設置された格納庫では屈強な男たちが飛行服を来て滑走路に集まっていた。

そして滑走路には敵機を迎撃すべく60機の局地戦闘機紫電が轟音を轟かせながら待機している。

しかしその機体はプラモデルを少し大きくしたようなサイズでぱっと見ても大の男が乗り込めるようなものではなかった。

そしてこの航空隊の隊長が前に出た

 

「諸君!!今回の任務は深海棲艦の艦載機から鎮守府を防衛することである!!

既に主力艦隊が敵艦隊撃滅の為に出撃した!!敵艦隊が壊滅するまでここを守りきれば我々の勝ちだ!!

今日こそタダ飯のツケを払うべくこの鎮守府を死守するのだ!!武運を祈る!!以上!解散!!」

 

そう言うと男達は一斉に動き出した。

すると不思議なことに男達の体はみるみる小さくなっていき遂にコクピット

に乗り込める位のサイズになった。

 

「第一航空防衛隊出撃!!」

 

「「「「おおおおおおお!!!!」」」」

 

紫電の無線からは男達の声が響き渡った。

 

 

 

 

 

「………あれは!?」

 

「あれは鎮守府の基地航空隊だ。非常時の防衛や大規模作戦に遊撃部隊として編成する。

たった今迎撃の為に出撃した部隊だろう。」

 

「いえ、その事を聞いているのではありません。

なぜ航空機があるのかということです。

それにあの大きさ……人が乗る物じゃない」

 

ちなみに落ち着きを取り戻した土方は口調を直していた。

 

「あくまでも使わないのは通常の航空機だ。

あの中に載っているのは妖精さん達だ。」

 

「……妖精さん……?」

 

「後程説明するそれより君は早く避難しなさ……」

 

提督の言葉を遮るように突然無線から音声が発せられた。

 

『こちら第一艦隊旗艦加賀!敵は大規模な航空戦力を所有!!近づくことすらままならず!!

至急、航空戦力の増援を求む!!繰り返す……』

 

流れたのは敵に近づくことすら許されず、一方的に叩かれるという

最悪の展開であった。

 

 

 

偵察機からの報告によれば

今回敵が投入した戦力は空母ヲ級のみで編成された航空艦隊と前方に守りように立ちふさがる

戦艦・巡洋艦隊、側面を守るように軽巡・駆逐艦隊が2つ

また加賀の報告から今回投入されたヲ級は艦戦をガン積みした空戦特化ヲ級、艦攻をガン積みした雷撃特化ヲ級

そして鎮守府を襲った艦爆の母艦である、爆撃特化ヲ級の三種類がいると推測された。

 

正規空母並みの搭載量を誇る空母ヲ級が遠距離からバンバン航空機を投入すれば結果は火を見るより明らかだ。

大量の艦戦により、瞬時に制空権を奪われ、安全を約束された空からバンバン雷撃や爆撃を行えば

少ない被害で相手に大きな損害を与えることができる。

ちょっとやそっとの質や技量のハンデ程度では覆せない全てを洗い流す空飛ぶ黒い波の完成だ。

鎮守府を襲った艦爆と護衛の艦戦は既に駆逐された。

しかし、その数からして攻めてきたには氷山の一角にすぎないのだ。

 

この問題は提督を大いに悩ませていた。

敵の元へ向かうにはこの壁を破る必要がある。

元々空母の所有数が少ないこの鎮守府の航空戦力は加賀の航空隊と基地航空隊によって成り立っている。

軽空母も少しは着任しているがこれでは到底勝ち目なんて無い。

一部の艦娘に対空火器をガン積みして突破できるかどうか……

少しでも戦力が欲しい……!!

 

「中将殿」

 

不意に後ろの男に声をかけられた。

 

「この日本に天皇陛下はご健在か?」

 

何をいっているんだ?と思いつつも答えを返す。

 

「ああ。」

 

「ならいい……」

 

しかし男が動く理由はこれだけで十分だった。

男にとって天皇陛下とは神そのもの。軍人である男にとって天皇陛下とは忠義を尽くすべき存在。

例え男が知らぬ歴史を辿った日本でも、男にとっては愛すべき祖国そのものであり

自分が知らぬ天皇陛下であろうとも、帝国軍人として忠義を尽くすべき存在である。

男に迷いなどなかった。

それら2つが存在するなら他に戦う理由なんていらない。

 

「あの戦闘機は人でも載れるのですか?」

 

「あ…ああ…載れる……」

 

「予備の機体は?」

 

「ある…ってまさか!?」

 

既に死んだ身である男は死を恐れない。

だからこそ、愛すべきものの為に戦うのだ。

 

「俺が……出ます!!」

 

 

 

 




妖精だからといって必ずしもメルヘンでファンタジーなものばかりではない……
嘘です。アニメにも登場したような可愛い妖精も出ます。

次回は設定集を出す予定です。
本編もできるだけ早く投稿しますのでよろしくお願いいたします。


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第五話 「初陣」

レポート:妖精専用航空機の調査報告
調査期間:1956年8月10日~1958年1月12日

・妖精の使用する航空機は15cm~20cm程度一番大きくて40cm程度である。
・艦戦、艦爆、艦攻、水上機など様々な機種が確認されている。
・航空機の性能や兵器の威力は通常の航空機と大きな差はなく、
機体の小型化による軽量化により、速度面では通常の機体より
遥かに上回ることが確認されている。

~中略~

・人による搭乗実験を行った結果、人でも操縦が可能なことが判明した。
・搭乗した場合、妖精と同じサイズへと縮む。
・無理な筋肉の縮小などにより元に戻った際に酷い激痛に襲われる。
・10人で実験を行った結果、全員の命に別状はないことが判明したが、
全員が2~3日は動くことすらままならなかった。
・戦力増加の為の手段とするにはあまり向かないと思われる。
----以上----


工厰では整備兵や整備妖精、そして工作艦明石と兵装実験軽巡夕張が

増援として出撃する航空隊や艦娘達に補給を行っていた。

 

「明石!!明石はいるかー!!」

 

「え!?提督!?」

 

いきなり提督が走って入ってきた。

本来なら執務室で指示を出している筈の提督が指示をせず工厰に来るのは

初めてのことで少し驚いていた。

執務室から工厰まで結構距離があり、普段は事務作業専門兼五十路の提督は

息を切らしながら用件を伝えた。

 

「航空機の…ゼエ……予備を出してくれ…ゼエ…できれば零戦の52型が…ゼエ…いい……」

 

「え…?あ!はい!!夕張ー!!52型の予備を確認してー!!」

 

明石は確認を夕張に任せると提督に質問した。

 

「一応あるとは思いますけど何に使うんですか?あと一応提督50代なんですから

無理しないでくださいよ。」

 

「わ…悪い……」

 

「予備の52型ありましたー!!」

 

夕張が確認を終えて戻ってきた。

どうやら予備の零戦はあったようだ。

 

「悪いが直ぐに整備してくれ。すぐに彼が出る。」

 

カツ……カツ……カツ……

航空機、艦娘全員の出撃を終え、避難を始めて少しながら

静まり返った工厰内に足音が聞こえた。

 

「「え!?」」

 

そして工厰に入ってきた人物に明石と夕張は声をあげた。

その男の頭と右目には包帯が巻かれていた。

飛行服に隠れているが恐らく体中の至るところに怪我をしているのではないか

と感じさせた。

現に男の歩き方はおかしく、足の割には歩幅が短く、こちらに来るのに

とても時間がかかっていた。

正直どうみても様々な負荷がかかる空中を飛行できるような状態じゃなかった。

 

「こ…この人が乗っていくんですか!?無理に決まってます!!」

 

「そ…そうですよ!!それに彼は妖精じゃないですよね!?負荷に耐えきれません!!」

 

明石と夕張が必死に説得しようとする。

しかしそれくらいで諦めるような男じゃない。

 

「心配してくださりありがとうございます。ですが行かねばならないのです。

行かせてください。お願いします。」

 

男は深々と頭を下げた。

それはもうほぼ水平に……

怪我をした部分が痛み、「グッ!」と声をだした。

 

「私からも頼む。この通りだ」

 

提督も男と同じように頭を深く下げる。

 

「て…提督!!……わかりました。どうなっても知りませんよ?」

 

明石が観念したように許可をだし、夕張をつれて飛び出した。

 

「私達も行こう!」

 

「了解しました」

 

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「ここに立ってください。」

 

土方は夕張の指示に従っていた。

ちなみに提督と明石は遠くから眺めている。

 

「提督、彼は一体何者なんですか?怪我をしているのになぜ避難のせずに

出撃を……?」

 

明石が問う。

 

「土方君はは先日の墜落騒ぎの時に零戦に乗ってたパイロットでね、

戦力不足に悩んでた私に声をかけてくれたんだ。」

 

「し…しかしあの怪我では直ぐにやられてしまうのでは?」

 

提督はあえて混乱を避けるため異世界人間だということを伏せた。

 

「今は信じよう。彼はベテランだ。そう簡単にはやられないさ。」

 

 

 

 

 

 

「わかった。ありがとう。」

 

滑走路に用意された零戦に向かいながら乗り方を説明

されていた土方は夕張に礼をいった。

そしていざ搭乗しようとしたその時だった。

 

「あ…あの!!」

 

土方は夕張から声をかけられた。

 

「お名前は?」

 

「土方だ」

 

「土方さん!必ず帰ってきてくださいね!」

 

「!?あ…ああ分かった。約束しよう。」

 

「破ったら許しませんからね!」

 

「………ありがとう。」

 

国の為に死ぬのが当たり前だったあの時代には決してかけられることのない言葉に

土方は嬉しさを覚えた。

 

体はみるみる小さくなっていきコクピットに乗り込む。

なれた手つきでエンジンをかけ

 

「出ます!!」

 

そう言うと敬礼をし、大空へ飛び立った。

 

 

 




夕張をヒロイン風にした。後悔はしていない。
女の子が「必ず戻ってきてください。約束ですよ?」って言って
主人公が「わかった。必ず戻るよ。」っていう死亡フラグっぽい
ことやりたかったんです!!夕張可愛いからいいじゃん。(真顔)

土方さんのクールなイメージをへし折ってしまいすいませんでした。


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第六話 「実力」

戦闘シーンなんて大っっっ嫌いだ!!!
戦闘シーンがまともに書けなかったので短めです。
あと深夜テンションで書いたので酷い出来です。

本当にごめんなさい。


土方は最高速度で大空を駆けていた。

エンジンの出力は本来の零戦と全く同じでありながら

搭載された零戦の重量は僅か5kg

機動性はこちらが圧倒的によかった。

 

敵艦隊までの距離僅か50km、交戦海域はその道中

出撃してから5分足らずで戦場へ着いた。

 

戦場と化した空域は鎮守府から25km沖

敵艦隊まであと半分の距離だった。

既に敵味方が入り交じりあちこちでドッグファイトを繰り広げ、

敵味方が火を吹き墜ちていく。

中には落下傘も見える。

 

「まるであの時みたいだな。」

 

8月6日の桜花護衛任務

生前の土方の人生最後の戦闘

目の前の出来事は生前の記憶をゆっくりはっきり蘇らせる。

 

「行くぞぉぉ!!」

記憶を再び心の奥底にしまい土方は戦場へ突っ込んだ。

 

 

 

 

支援要請からおよそ15分

基地航空隊の支援部隊が到着し、その5分後には

対空装備でガッチガチに武装した支援艦隊が到着し

敵機は明らかに数を減らしていた。

とはいえ数で劣勢なのは変わらない。

 

大破し、撤退する艦娘も次々に出てきて

一時的に優勢だった勢いも削がれていく。

加賀にも疲労がみえはじめていた。

上空の敵機にも気が付かないほどに。

 

気が付いたときにはもう遅かった。

艦爆から放たれた爆弾が加賀に吸い込まれるように命中し

艤装は壊れ服は焼き焦げた。

加賀自身も大怪我を負った。

 

【敵機直上!!急降下ぁぁぁ!!!】

 

【消化急げぇぇ!!】

 

【熱い熱いぃぃ!!】

 

走馬灯のように蘇る前世の記憶。

痛みに苦しみ、家族の悲鳴、怒声

 

(また……ここで沈むの?こんなところで沈むの?)

 

苦しみのあまり加賀は弱音を吐いた。

 

「加賀さん!」

 

増援に来た駆逐艦が叫ぶ。

直上にはまたもや艦爆

次こそ沈む…!と覚悟したときだった。

 

タタタタ

鳴り響く機銃の音、そして爆発音

爆発した敵機の煙が晴れると太陽を背にして

突っ込む影が見えた。

 

 

 

 

 

土方の戦闘は一方的だった。

零戦の速度を生かしたヒットアンドアウェイ戦法。

敵機の動きは単調だった。

視界に入った敵をひたすら追撃するだけ。

これまで人と人の戦闘を嫌になるほど繰り返した土方にとって

敵の動きはまるで撃ってくれと主張する鴨のよう。

そんな美味しい獲物を逃がすような土方ではない。

芸術的とも言える飛行で敵を殺る。

 

その動きは蝶のように華やかで美しく、敵を殺る姿は鬼神の如く

その持ち前の圧倒的な力で敵を蹂躙していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……は!?」

 

加賀が目を覚ましたのは医務室だった。

すぐさま体を起こし辺りを見回すとそこには

 

「目が覚めましたか」

 

土方が居た。

 

「あのあとどうなったの?」

 

「他の鎮守府からの増援艦隊が到着してこちらが勝利しました。

幸い轟沈、死者はいないようです。」

 

加賀が意識を手放した後、提督が要請した支援艦隊により事態は終結していた。

敵艦隊攻略は困難を極めたが壊滅に成功していた。

 

「そう…よかった。」

 

「加賀さん……命を大切にしてください」

 

「あら?あなたが言えることなのかしら?」

 

「お互い様ですよ。加賀さんの目は生きることを諦めてました

あんなんじゃ早死にしますよ。……俺が言えることじゃありませんが」

 

そういうと土方は医務室を出ていった。

 

「……恥ずかしいとこ見られたわね」

 

自分が死に急いでいた事と昼間とは立場が逆転している事を

顔を赤めながら恥じていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




あえて言おう……戦闘シーンなんて大っっっ嫌いだ!!!
大事なことだからもう一度言おう……戦闘シーンなんて大っっっ嫌いだ!!!
全然書けないんだもん!!

次回からピースフルになるよう努力します。


余談
なか卯×艦これ 獲得戦利品確認
第一弾 秋津洲×3
第二弾 天城×1 夕立×1

かもかも に愛着が湧きました。


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第七話 「新生活」

今思ったけど土方って、他作品キャラってこと除けば完全にオリ主と化してない?
THE COCKPIT 要素ほぼゼロじゃん……
野上少尉とか山岡中尉とか出した方がいいかな……?


襲撃事件から早くも一週間が経過した。

因みに土方は帰還後、激痛を耐えながら加賀の元に向かった為

傷口が開きまくるという大惨事が発生していたがそれは別の話。

鎮守府総動員で復興活動に励み、既にあの日の爪痕は残っていない。

 

「はい、今日でもう退院です。……一応言っときますがもうあんなことはしないように。」

 

「………すいません。」

 

怪我も大分よくなり、痛みも引いた土方に

整備長兼軍医である医務室の主 明石 が渋々退院許可を出した。

念には念を、と釘を刺した明石の言葉には土方はうなずくしかなかった。

 

医務室のベッドを綺麗に整えると一週間世話になった医務室を出た。

ほとんど寝て過ごしたので、おぼつかない足取りで執務室へと向かった。

 

執務室に入るとそこには提督と加賀がいた。

初めて入った執務室の感想は質素という言葉が一番適切だろう。

中は必要最低限の物しかおいていない。

学校の教員が使うような机に椅子、本棚にはレポートやファイルがぎっしりつまっており、

海域の地図が壁に張り付けてある。

強いて特徴を挙げるとすれば、窓際の鉢に植えてある小さなサボテンくらいか……

 

「やあ、怪我の様子はどうかね?」

 

「おかげさまで大分よくなりました。」

 

「そうか、ならよかった。」

 

「それで、ご用件というのは?」

 

そう、土方が執務室に呼ばれたのはただただ挨拶に来たのではない。

提督に呼ばれてきたのだ。

 

「君はこことは違う世界にいたようだが……元の世界に帰る当てはあるのかね?」

 

「恐らく帰れないと思います。」

 

土方は直ぐに否定する。

 

「ならどうするのかね?」

 

「我々、大日本帝国軍人にとって天皇陛下は神同然

ここが日本国であり、天皇陛下がいらっしゃるのならば、陛下のために

尽くす所存です。」

 

「そうか……ならば君はこの国の為に、未知なる敵に挑む覚悟があると?」

 

「はい」

 

「了解した。ならば君を基地航空隊に配属としよう。異論はあるかね?」

 

「ございません」

 

「よろしい……では!!土方君!君を基地航空隊に配属とする!!」

 

こうして土方は異世界から来たことは伏せられたまま正式に

基地航空隊に所属することになった。

 

「土方さん。」

 

土方は帰り際に加賀に呼び止められた。

「……無理をしないように」

 

「……了解しました。」

 

(ほほう……他人の心配をするとは……ついに加賀にも春が来たのかな?)

 

その場で唯一提督だけが心のなかでニヤついていた。

 

 

基地航空隊の兵舎へ向かう最中、土方は航空隊の格納庫へと足を運んでいた。

自分の愛機を見るためである。

実は航空隊への配属が決まった直後に提督からあの52型が与えられ、

この格納庫に移動されていたのだ。

 

業務時間を過ぎた午後6時

既に整備が完了し、誰もいない格納庫を覗くと奥にたくさんの紫電が並んでいた。

そんな中に異彩を放っている愛機があった。

 

「これが俺の機体……か……改めて見てもすごいな……」

 

一週間前のことを思い出す。

 

「これに本当にのってたんだよな……」

 

「あれ?土方さん?」

 

振り返るとそこには見覚えのある人物がいた。

 

「夕張さん……でしたか?」

 

「ええそうです!兵装実験軽巡の夕張です!

土方さんは何故ここへ?」

 

「今日から基地航空隊に配属になったんです。」

 

「ああ道理で52型がここへ来たんだ!

私、ここで整備長をしてるんです!!これからよろしくお願いしますね?」

 

「はいよろしくお願いします。」

 

「はい!それではまた~!」

 

夕張は心の中でガッツポーズしながら、寮へと戻っていった。

 

 

その頃土方は兵舎の前にたっていた。

土方は少し緊張気味になっている。

何故なら扉を開ければ……

 

 

ガチャ……

 

「よぉおおおうこそぉおおお!!新入りぃぃ!!」

 

 

 

 

 

新しい生活が待っているのだから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ヤバい……夕張さんがヒロインと化してる……まあ良いけどね!可愛いもん!!
できる限り頑張りますのでこのカップリングを見たい!!という場合は
感想かメッセージでお伝えください……出来は保証しませんが……
因みに夕張さんは嫁候補第一号です。

土方のキャラがズタズタになってますが気にしないでください……
原作の土方が大好きな原作ファンの皆様……申し訳ございません……

あとどうもいいですけど音速雷撃隊観てたらふと思ったことを
皆様に質問。
好きな航空機ってなんですか?
因みに自分は 夜間戦闘機 月光 です。
斜銃ってなんかかっこよくないですか?


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第八話 「食事事情」 前編

精神科行ってたんで投稿が遅れました。
今回は食事の価値観についてのお話です。
集中力が持たなかったんで前編と後編にわけました。




土方の歓迎会ということで厳つい妖精と野郎共に浴びるように酒を飲まされ土方は

翌日頭痛とラッパの音にたたき起こされ目を覚ました。朝の点呼を終えると

土方本人より多い酒を飲み干したはずなのにピンピンしている野郎共に連れられ

食堂へと連れ込まれた。

 

食堂は大きなホールだった。

縦長いテーブルと椅子が10本の列を作っていた。

ざっと見ても500人以上が一度に食事を取れるくらいの大きさである。

 

「でけぇ…」

 

医務室で食事を済ませてきた土方は一度も食堂に顔を出したことがなく

食堂そのものを見るのも初めてである。

艦娘、妖精、職員が飯を貰うために並ぶ列の最後尾に並ぶ。

 

割烹着を着た女性に朝食ののったトレーを受け取り席についた。

白米、茄子の味噌汁、鮭の塩焼きに沢庵

土方にとってこの食事は贅沢そのものである。病院食である粥すら贅沢品である。

戦時中の食事は味わうのではなく生きるためにかっ食らうものである。

 

白米は麦飯に、汁物は味が薄く、おかずなんてたまにめざしが出ればいい方だ。

最後に贅沢をしたのはいつかすら覚えていない。腹一杯食ったのはいつだったか……

 

「いただきます」

 

具だくさんの味噌汁は汁物であるのにも関わらず食べごたえがあり

塩焼きや沢庵はほどよい塩気と酸味でほんのり甘い白米によく合う。

 

旨かったが質素な食事に慣れている土方にはこの食事は味が濃く感じ

おかわりをせずに食事を終了した。

周りを見るとおかわりをしている者がたくさんいた。

艦娘なのだろうか、土方よりも若い女性がどんぶりに盛られた天高くそびえる

白米にかっつく者もいた。

この食事をきっかけに自分の世界とこの世界が別物だということを認識させられた。

 

 

 

 

鎮守府内に正午を伝える短いサイレンが響いた。

 

「もう昼だから先に飯を食いに行きな。俺ぁもう少しこいつらをシゴイてくるからよ」

 

「了解」

 

「おう行ってこい。……オラァ!!ちんたらしてると飯が食えんくなるぞぉ!!」

 

土方は隊長妖精に挨拶を済ませると食堂へと急ぐ

妖精の機体は副作用が強いので、人間、もとい退院したばっかりの土方に

戦闘機の操縦なんてさせてもらえる訳もなく

専用の訓練機ができるまで筋トレや見学続きなので早めの休息をとっている。

 

「この世界の価値観は俺の価値観とは全然違う……」

 

食堂に向かう土方はふとそんなことを呟いた。

それはこの世界と生前の価値観の差である(主に食事事情)

例を挙げるとするならば食事に出された米である。

病人食にすらふんだんに米を使用したお粥が出てくるし

朝にみた朝食の風景を思い出すだけで頭が痛くなる。

 

ちらっと見たメニューに関してもそうだ。

昼食は学食のように好きなものを選べるこの鎮守府ではあるが

それも土方を追い詰める言葉の暴力のオンパレードだ。

ラーメンに麻婆豆腐、ハンバーガーにオムライス等々

生前に食すことも…いや…名前すら聞くことがなかった料理名がズラリ。

味、形、香り、色などが全てが未知の料理である。

普通にリアクションできるのならそうしたいところだがそうはいかない。

異世界人兼過去の人間である土方は混乱を避ける為にこの事は自分と提督、

秘書艦の加賀の三人だけの秘密である。

大きなリアクションをすれば何らかの疑問を持たれかねない。

そういうことを避けるため知っているかのように振る舞わなければならないのだ。

 

「どうしたものか……」

 

そうこうしている内に食堂の入り口見えた。土方にとっては地獄の入り口だが…

覚悟を決めて土方は食堂の扉をくぐった。

 

 

 

 

 

-おまけ-

 

食堂の扉「ハハハw地獄への一方通行へようこそ」

※土方が聴いた幻聴

 

「はは……俺は疲れてるんだ……疲れてるに決まってる。」

【完】

 

 

 

 

 

 

 

 

 




お嫁さん候補を聞いたところ予想以上に多くの要望があってびっくりです。
まとめてみると

第一候補 夕張さん 第二候補 加賀さん 第三候補 翔鶴姉

第四候補 ブッキー(吹雪) 第五候補 祥鳳さん

となりました。

まだまだ募集してます。

ネタが切れてもうひとつの作品が全然進まん(泣



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第九話 「食事事情」後編

長らくお待たせして申し訳ありません
ようやく第九話投稿です。
リアルの都合ようかなり短く駄文となりましたが
楽しんでいってください(ただし確実に楽しめるとは言ってない)



地獄の扉をくぐった先には既に人で溢れていた。

飯を注文するため10人ほど並んでいる行列の最後に並ぶ。

運がいいことに土方の前には夕張がいた。

 

「あ!土方さん!今から昼食ですか?一緒にどうです?」

 

「構いませんよ。」

 

ほとんど顔を知らない人達のなかで孤独飯を食うより親しい人と

一緒に飯を食ったほうが緊張も和らぐだろうという事から土方は即決した。

 

「夕張さんは今日の昼食は何を食べるつもりだったんですか?」

 

「今日?今日はカレーを食べようと思ってたけど…」

 

「カレーですか…いいですね。俺もそれにしよう。」

 

土方は周りに合わせることでその場をやり過ごすことにした。

土方にとってカレーがどんな料理か知ったこっちゃないが

メニュー表の前でうろちょろするよりはましだった。

 

 

 

「おまちどうさま。カレーライスです」

 

割烹着を着た女性から手渡されたのは平たい皿にドンと盛られた白米に

ドロリとした汁のようななにかがかかった何かだった。

いや…普通の人から見ればカレーなのだが土方にとってそれは

自分の知っている料理の常識を覆すのには十分すぎた。

 

「土方さんほら早く食べましょうよ!」

 

「え…ええ」

 

夕張に言われるがまま空いてた席に座るり改めて目の前の「それ」を観察する

見れば見るほど食べ物かどうかすらも気になるほど不安になる。

しかし同時に漂う強烈な香りは腹の虫を泣かせ、土方の好奇心をくすぐった。

 

不安感も好奇心には勝てず、隣で美味しそうに食べる夕張を見ながら

見よう見まねでスプーンを構え口に運んだ。

 

(……旨い!!)

 

初めて感じる辛味という味覚。

ルーに溶け込んだ旨味は土方の頭に強烈なインパクトを植え付けた。

 

「でしょ!やっぱり間宮さんの作るカレーは絶品よね~」

 

まるで心を読まれたかのように夕張が土方に話かけてきた。

声が口に出ていると気付いた土方は頬を赤めながらしながら食べ進めた。

 

 

 

「ご馳走さまでした」

 

米一つ残さず食べた土方は食器を返却した後、水を片手に夕張と雑談をしていた

冷えた水すらあまり飲まない土方は最初から最後まで驚きっぱなしだった。

 

「ご一緒によろしいでしょうか」

 

声のする方をみると声の主がいた

腰まで伸びた綺麗な黒髪

あえて着崩しているのか着ている着物が片方だけ崩れており

さらしのような物を胸に巻き付けた女性だった。

 

「あ…!祥鳳さん!どうぞどうぞ!」

 

「あら…あなたは…」

 

「あ…はい…前日基地航空隊配属となりました土方です。

 よろしくお願いします。」

 

土方の前に現れたのは祥鳳型航空母艦一番艦の祥鳳だった。

 

 

 

 

 

 




感想にあった嫁艦候補からまず祥鳳さんを登場させました。
これからもどんどん出していきますのでよろしくお願いいたします。


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第十話 「覚えた幸せ、忘れた戦場」

長らくお待たせして申し訳ございません
一応1話分のネタが思い付いたので書きました

深夜テンションで書いたので非常に文章が雑ですがよろしくお願いいたします


美しい、その一言に尽きる

長く、美しい黒髪に綺麗な肌

あまりそういうのに慣れていない土方は露出が多い服装に違和感を感じたが

彼女達のことを悪く言うわけではないが黒髪くらいしか知らない土方にとって

派手な髪色や見慣れない服装が多いこの世界で祥鳳のような日本人らしい女性を見て

なぜだか懐かしさを感じた

 

 

「祥鳳さんはこれから昼食ですか?」

 

「ええ、お邪魔したかしら?」

 

「いえ!大丈夫です!」

 

 

前の席に祥鳳がゆっくりと座り焼き鮭の定食を食べ始めた

何気ない会話が続くが土方にはあまりわからない話題ばかりだった

 

 

「そう言えば土方さんは基地航空隊に所属してるんですよね?」

 

「はい、とはいっても先日着任したばかりですが」

 

 

「なら近いうちに私の艦載機(子達)がお世話になりますね、その時は

 よろしくお願いいたしますね」

 

「こちらこそよろしくお願いいたします」

 

「うふふ…ではまた」

 

 

そういうと祥鳳は立ち上がり席を離れていった

 

 

「私達ももどりましょ?そろそろ勤務時間だから」

 

「わかりました」

 

 

こうして土方の昼食は終わりを迎えた

 

 

 

 

 

 

 

 

土方が着任して三ヶ月の月日が経とうとしていた

 

 

土方は妖精ではなく人間なので副作用ゆえに訓練量こそ少なかったが

生前からアメリカ軍の熟練パイロット相手に培った技術は伊達ではなく

かつての愛機と同型である52型を使うことで多少の違和感があったが

すぐに馴染み、生前と変わらぬ実力を発揮していた

 

 

『八番機が十五番機を撃墜、十五番機は速やかに離脱せよ』

 

 

無線から撃墜の知らせが入る、勿論実戦ではなく模擬戦だ

因みに八号機のパイロットは土方だ

相手は祥鳳達、軽空母の艦載機で護衛側は基地航空隊である

 

 

内容は一式陸攻を6機、特定の位置まで護衛すること

3機編成の一つの小隊とし、護衛する側に6小隊、強襲側に10小隊

陸攻合わせ総勢54機が参加する

強襲側にいるのは祥鳳達軽空母から発艦する戦闘機、護衛側は基地航空隊に所属する部隊だ

 

 

強襲側は陸攻を全機の撃墜判定を得ること、護衛側は相手の全滅か守りきれば勝ち

空母とは違い拠点が移動できない基地航空隊は空母の数次第じゃいくらでも増える

敵艦載機を相手に護衛対象を抱えるというハンデを負いながら少数精鋭で迎え撃つしかない

護衛側はただの戦闘機同士の模擬戦より精神を磨り減らされる厳しい訓練の一つだ

 

 

『八番機が二四番機を撃墜、二四番機は速やかに離脱せよ』

 

「よし、いけるぞ!」

 

 

陸攻に近づく敵機を強襲し再び次の機体へと狙いを定める

特定の対象を守るということに関しては土方は生前からの経験がある

当時は相手の圧倒的性能差と戦略に苦戦したものだが今回の相手は日本機、

日本機のことはある程度なら知り尽くしている

相手を圧倒しつつ土方は強襲側最後の一機を撃墜した

 

 

「土方さん、お疲れ様です」

 

 

そこには祥鳳がいた

どうやら寮に戻る途中によったらしい

 

 

「すごいですね土方さん、ずっと昔から訓練をしていたよう……」

 

 

一瞬ドキリとしたが落ち着いて言い返す

 

 

「いえ、これも隊長のおかげです」

 

 

「うふふ……」

 

しばらく雑談をした後、祥鳳は寮に戻っていった

 

 

「おう土方……お前にいつの間に祥鳳さんを口説いたんだぁ?」

 

筋骨堂々、厳つく丸太のように太いうでが肩に乗っけられていた

基地航空隊の隊長である

 

「隊長!?いえ!祥鳳さんとはそのような関係では……」

 

「ははは…冗談だよ」

 

「冗談はよしてください……隊長……」

 

 

生前のようなピリピリした環境から一変したためか土方は変わりつつあった

家族のような存在がいるからだろうか、訓練に明け暮れる日々が続くからだろうか

 

土方は『戦場』というものを忘れつつあった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「提督、大本営より入電です」

 

「ふぁ?」

 

勤務終了の午後6時まで残り十分

出来上がった書類をまとめあげ日課である晩酌のことを考え

頭の中がほぼほぼオフ状態だった提督は突然の大淀の声に

驚き艦隊の長とは思えないだらしない声をあげる

仕事のことなど数分前に忘れていたので完全に口調がオフ状態である

 

 

「大本営直々に入電だと?何を言いたいのかだいたい予想はつくが…」

 

「作戦への参加要請です」

 

「大淀……はっきりいってちょうだいよ……小規模?それとも大規模?」

 

 

大規模作戦ともなると提督である大倉は莫大な書類と戦う羽目になると同時に

大破撤退、備蓄資源管理、時間というストレスに悩まされ

自分の艦娘達を通常よりさらに危険な海域に送りことになるため

あまり大規模作戦に良い思い出がない

 

 

大倉は大淀が大規模と断定せず作戦(・・)と言ったことから

もしかしたら小規模かもしれないという淡い希望を抱き

心から小規模であるようにと願った

 

 

「大規模作戦です」

 

「だよねぇ……だよねぇ……やっぱ仕事の話だよねぇ……それもとびっきり面倒なやつ…」

 

 

大淀の無慈悲な宣告に僅かな希望を打ち砕かれた大倉は

しばらくは徹夜続きで酒も飲めないことを嘆きながら

渋々とペンを手に取り作戦を練り始めた

 




正直自分でもなに書いているのかわかりません
あと最初の部分は艦娘達をディスっている訳じゃありませんので……

一応1話分のネタが思い付いたので書きました
連載再開とまではいきませんが再びネタが思い付き次第書いていきます
ただメインは別の作品なので遅いかも

もうこれオリ主のタグつけた方がいいかな



あと前回問題だったカレー回は後日いろいろ書き直すのでその時はまたよろしくお願いいたします


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