魔法少女リリカルなのはvivid~氷結の拳~ (園部)
しおりを挟む

番外編
アインハルト・ストラトスとの出会い


ちょいちょい番外編で過去話とかなんかやります(多分)


これは3年前のこと、JS事件が解決して1年が経ったころの、劇的でもないそこら辺にありそうな、よくある出会いの物語

 

 

今日はSt.ヒルデ魔法学院の入学式。それに合わせて俺はヴィヴィオと一緒に学院に入る。

 

「お兄ちゃん・・・・ヴィヴィオ友達できるかな・・・・?」

 

ヴィヴィオが不安そうに聞いてくる。

 

「大丈夫。お兄ちゃんより難易度低そうだから」

 

俺は転校生という立場のためヴィヴィオよりも若干難易度が高い。みんな一緒の立場であるヴィヴィオはともかく俺は最初ミスったら永遠にぼっちだろう

 

「そうなの・・・・・?」

 

「それに仮に友達が出来なくてもお兄ちゃんいるし2人のママもいるし八神家のみんなや聖王教会のみんながいるし大丈夫だよ。ヴィヴィオはそれだけじゃダメ?」

 

「ううん!みんながいればいいよ!」

 

「よし!その元気なら友達だってちゃんと出来るさ!なのはママが車だしてくれるらしいしママたちと一緒に行こうな」

 

「はーい!」

 

この調子ならヴィヴィオも大丈夫だろう。別に非社交的ってわけでもないし問題はない。問題なのは・・・・

 

「俺の方だよなー・・・・・」

 

まずは隣の席のやつから攻略していこう。それを切っ掛けに輪を増やしていけば大丈夫だよね・・・・・きっと・・・・・多分

しかし俺はそのとき予想していなかった。隣の席のやつが一番難易度が高かったことを・・・・・

 

入学式が終わり、その後始業式が執り行われた。俺はその間ずっと待機をしていた。

クラスの前まで行き担任の先生に呼んだら入ってきてと言われた。この瞬間が心臓に悪すぎる・・・・・・そして待つこと約1分、ついに呼ばれる

俺は教室に入って中を見渡す。特にオラついてそうな子もいないことに安堵した。一応教会系列の学校なだけあって育ちの良さそうな子が多いのは少しだけ救われた

 

「では、自己紹介をお願いします」

 

きた。俺は覚悟を持って話だす。

 

「えー高町紫苑と言います。1年前にミッドに引っ越してきたんですが、事情があり学校に通うのが遅れました。趣味は特にありません。特技は格闘技。俺は無趣味なので色々面白そうなことがあれば教えてください。あとこの学校についてよく分からないので色々教えてくれるとありがたいです。」

 

無難にいくことにした。

 

「はい、みんな拍手」

 

パチパチッと拍手が鳴った。少なくても歓迎されていないというわけではないので安心した。

 

「じゃあ席は・・・・・ストラトスさんの隣で。後ろの窓際ね」

 

俺は後ろに空いてる席をみつけそこに座る。

 

「(さて、まずは予定通り隣から・・・・)よろしくね、ストラトスさん」

 

「よろしくお願いします」

 

こっちを見ずに答えるストラトスさん。

碧銀の髪をツインテールに結い、左の大きな赤いリボンが印象的な少女。そして・・・

 

「(ヴィヴィオと同じオッドアイか・・・・)」

 

にしてもクールな子だな。無愛想だし無口そう・・・・でも、笑うと絶対可愛い

俺は何故かそう確信した。

 

「(うん、やっぱり予定通りこの子と最初に友達になろう)」

 

 

2週間が過ぎた

 

まずは色々話かけた結果を話そう。しかし得られた情報は彼女の名前だけだった・・・・

 

「(難易度高すぎだろ!どんだけ話かけても「はぁ」「ええ」「はい」「いいえ」しか言わないんだけどー・・・・)」

 

俺が溜息をついてると

 

「ねえ高町くん」

 

そこには数人の女子がいた。

 

 

俺たちは校舎裏に移動する

 

「で、どうしたの?」

 

「ストラトスさんにいっぱい話しかけてるけど無駄だよ」

 

「なぜ?」

 

「だってどれだけ話かけてもちゃんと返答しないし、いつも無表情だし多分見下してるんじゃない?」

 

「なんでそうなんの?」

 

「ストラトスさんって学年で一番成績いいんだもん。自分よりも成績悪い人たち見下してるんだよ。きっと。」

 

「それにちょっと可愛いからって男子に人気でさー。ムカつくよねー」

 

「あと、あのオッドアイだっけ?あれとか超気持ち悪い。左右で目の色違うとかさー笑えるよね。」

 

「そういえば新入生にもいたよね?左右で目の違う子」

 

あ?

 

「いたいた。金髪の子でしょ?一体どんな風に生まれたん・・・・ヒッ」

 

俺はそこにいた数人の女子に殺気をぶつけた

 

「お前らが陰口叩こうがどうでもいいが、醜い嫉妬に俺巻き込むのやめてくんない?」

 

「し、嫉妬って・・・・」

 

リーダー格の女が辛うじて声を出す

 

    

「お前らストラトスに嫉妬してるだけだろ?自分よりも可愛く成績も良く男子に人気があるアイツにさ。お前ら見た目も中身も醜いとかこの先どう生きてくの?ハッキリ言ってお前ら不愉快だ。」

 

「な、なんでそこまで・・・・」

 

ドガァ!!!!

俺は校舎の壁を砕いた。

中には泣き出す子もいたが俺は止まらない

 

「なによりお前らが気持ち悪いと言った新入生の金髪は俺の妹なんだよ。俺は自分の家族や仲間を侮辱するのは絶対に許さない・・・・・」

 

俺はゆっくり彼女たちの前に向かう

 

「しかし今回は許してやろう。ただし、次はない。もし今後ストラトスや俺の身内に何かしたら・・・・」

 

「し、したら・・・・・?」

 

俺は一部砕いた壁に指を指し

 

「こうなるだけだ」

 

そう言った瞬間彼女たちは逃げるようにこの場を去った

 

 

「(さて、まずは・・・・・)誰か来る前に壁を直すか。だから誰にも言うなよ。ストラトス」

 

「気づいてたんですか?」

 

「気配察知は得意なんだ」

 

「・・・・・すみませんでした」

 

「なにが?」

 

「下らないことに巻き込んでしまったことです」

 

ストラトスのほうを見ると申し訳なさそうな顔をしていた

 

「そもそもあれはお前のせいでもないんだけど?」

 

「・・・・・・・」

 

「お前って俺に話しかけられて迷惑だった?」

 

「いえ・・・・ただ何を話せばいいのか分からなかったんです。」

 

「そう、ならいい」

 

「え?」

 

「迷惑じゃないって分かっただけでも充分だ。後はこれからお前のことを知っていく」

 

「なぜ、貴方は諦めなかったんですか?今までにも話しかけてきた人はいました。でも私の反応を見ると皆さん離れていったんです・・・・」

 

「まぁ、興味無さそうに見えるからなー。諦めなかった理由?そんなの友達になりたかっただけに決まってんだろうが」

 

「友達・・・・・」

 

「だからこれからも毎日話かけることにするよ。嫌じゃなかったんだろ?悪いが俺の学校での友達1号はお前って決めてるんだから。ウザくなっても逃げるなよ」

 

「変な人ですね・・・・貴方は」

 

「せっかくだし名前で呼んでくれ」

 

「名前・・・・ですか?」

 

「姉の持論だが友達になるには名前を呼べばいいらしい。」

 

「変わってますね。」

 

「だが俺は姉の一歩上を行こうと思う」

 

「それって・・・・?」

 

「あだ名で呼ぶ。あだ名で呼ぶなんて友人以外ありえないだろ?だから俺は今後お前のことをあだ名で呼ぼう」

 

「それは恥ずかしいです」

 

「拒否権なんてないよ。アインハルトだから・・・・・アインでどうだ?」

 

「なんといいますか・・・・安直ですね」

 

「自覚はしてる。そして次はアインだ。」

 

「?」

 

「あだ名だよ。アインもあだ名で呼んでくれ」

 

「む、無理です!難易度が高すぎです!」

 

「おーデカイ声も出せるんだな・・・・・紫苑だからしー君とか?」

 

「うぅ・・・・せめて紫苑さんでお願いします。」

 

「それって名前にさん付けしただけじゃん」

 

「限界なんです・・・・許してください・・・・」

 

「許してやるよ。じゃあ今から友達決定な」

 

「乱暴すぎませんか・・・・?」

 

「いいんだよ。仲はこれから深めていけばいいんだからさ」

 

「はぁ・・・・これが私の初めてのお友達とは・・・・」

 

「手始めに今日は一緒に帰ろうぜ!アイン!」

 

「また拒否権ないんですよね?・・・・・・紫苑さん」

 

「いやーなんかテンション上がってきた!アインとは一生友達でいられるような気がする!!」

 

「私はそんな予感ありませんよ・・・・・」

 

 

紫苑の予感は良い意味で外れることになるのだが、この時は誰も予想出来なかった。




番外編書いてみたい!!って思って書いてみたけど内容薄すぎて書く意味あったかな・・・・


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ミウラ・リナルディとの出会い

この小説って自分の好み全開だったの忘れてた。開き直って好きなように書きます。誤字とかここおかしいってとこ報告してくれる人ありがとうございます。
投稿前に見直さないので今後も色々おかしいとことか出るでしょうが、よろしくお願いします

今回ミウラとの出会い。


「八神道場に?」

 

「そうなの。紫苑と同じ年くらいの子たちが結構いるんだけどね。紫苑の歳でも頑張ればここまで出来るよーって見本になってほしいってヴィータちゃんが」

 

「まぁ、別にいいけどさ。流派とか違うんだけど大丈夫?」

 

「うん、そこは大丈夫だって。いつも通りでいいの」

 

日曜日

 

今日は八神道場に行ってザフィーとの模擬戦を行う。なお格闘オンリーとのことらしいが俺は正直自信がなかった。

 

「そもそも中国拳法も最近始めたばっかだから基礎的な事しかできないんだよなーそれでザフィー相手にいいとこ見せなきゃいけないって普通にキツイんですけどー」

 

剣ならいいとこ見せられるのにな。そうボヤきながら八神道場のある砂浜に向かう。

 

 

「きたぞー」

 

俺は指導中の2人に声をかける。

 

「おう、きたか」

 

このちっこいのはヴィータ。小さいというとハンマーで殴りかかってくる危険人物だ。

 

「なら、早速準備をしよう。全員集合!」

 

今集合かけたのはザフィーことザフィーラ。白髪犬耳の大柄な男。地球なら即通報されるナイスガイ

 

「なんですかー」

「そういえば今日この子と師匠が戦うって・・・」

「相手になるの?」

「わかんないー」

「あんまり強そうにはみえないね」

 

好き勝手言われる俺。

 

「すまんな。終われば見方も変わるだろうから早速やるか?」

 

「いいよー。期待に沿えるかは分からないけど」

 

模擬戦が開始される。

ザフィー相手に長期戦は無謀。単純になんでもアリならともかく格闘のみだとザフィー相手に勝てない。なら・・・・

 

「(意表ついて即決めよう)」

 

俺は神速を使い一気に間合いを詰める。寸勁を当て吹き飛ばす

 

「はや!」

「師匠が吹っ飛ばされた!?」

「みえなかったよー」

「魔法?」

「でも、そんな形跡なかったはずだけど・・・」

 

ヴィータがそんな子供たちの為に解説を行う

 

「お前ら、あれは魔法じゃない。ちゃんととした技術だ」

 

「「「「「「そうなんですか!?」」」」」

 

「原理はあたしも分からないけど、あれは神速っていってな。あいつの使う流派の歩法奥義らしい。見た通り相手との間合いを一瞬で詰められる。魔力も使わないし魔法になれきった相手には気配すら感じさせない」

 

「あの、師匠が吹っ飛ばされたのは?」

 

「あれは寸勁。ワンインチの隙間だけで相手を6~7メートルもふっとばすパンチ技。あれは油断してたザフィーラが悪いな。」

 

まぁ・・・・・立つよな・・・・・

 

「油断したな。ちょっと打ち合うか?」

 

「やろうか」

 

そうして始まる打ち合い。技が少ないのを見抜かれて気を遣わせてしまったな。こっちのほうが激しいし伝わりやすいだろ

 

「はえー!」

「お互いの攻撃見えにくい・・・・」

「でも音が聞こえるし打ち合ってる・・・・・んだよね?」

「多分・・・・・」

「あの人僕らと同じ年じゃないの・・・・?」

 

そうして打ち合い始めて数分。

 

「じゃあそろそろ決めるか?」

 

「なら、来い!盾の守護獣として受けきってみせよう」

 

俺は基本中の基本である崩拳を放つ。

 

「ぐ・・・・まだ練度が低いのにこの威力か・・・・しかし甘い!」

 

「ぐわぁ!!」

 

俺はカウンターの餌食になり負けた。

 

 

 

「お前すごいな!」

「かっこよかった」

「僕もあんな風になれるかな?」

「師匠相手にあそこまでやるなんてすごいじゃん!」

 

俺は喝采を浴びていた。最初は疑うような目をしていた子供たちも今はキラキラした目でこちらを見てくる。

 

「あー今日は悪かったな」

 

「いや、気にしなくていいよー。楽しかったしな」

 

「そういってくれると助かるよ」

 

そう話しているとはやてとシャマルがワンピースを着た《男の子》をこちらに連れてくる

 

「みんなーこの子もいれてやってくれへんか?」

 

「はやて、その子は?」

 

「おー紫苑やん。この子はな、さっきまで2人の戦い見てたらしいんやけどどうせならやってみるか?って声かけてみたんやで」

 

「ミ、ミウラ・リナルディです・・・・よ、よろしくお願いします」

 

「気の弱そうな子だな・・・・アインとはまた違うタイプかも」

 

「アイン?」

 

「いや、なんでもない。で、リナルディだっけ?みたとこ格闘技好きってわけでもないんよな?なのに何で見てたんだ?」

 

「あ、あのその・・・・・」

 

「ゆっくりでいい。自分の言葉で聞かせてくれ・・・」

 

「は、はい・・・・・ボクは取り柄もないしドジだし弱いから自分を変えたいと思っていたんだす・・・・そうしたら砂浜で何かやってるなーって見てみたらお二人の戦いが始まっていました・・・・動きなんてほとんど見えませんでしたけど、ボクと年齢が変わらない子があんなに強いなんてと思いまして・・・・それで、えと・・・・」

 

「自分もあんな風に強くなりたいと?」

 

「は、はい!・・・・けどボクなんかじゃ無理なのは分かっているんです。気弱で泣き虫でいいところもない。こんなボクなんかじゃ・・・・」

 

「まぁ、そう言ってるうちは無理だな」

 

「紫苑!」

 

「待って、ヴィータ。任せてみよか」

 

「そうですよね・・・・やっぱりやめときます・・・・」

 

そういって泣きそうになるリナルディ。

 

「お前今の自分変えたいんだろ?声を掛けられてここに来たとはいえ自分の意志でやりたいと思った。強くなりたいから来たのに、逃げるのか?」

 

「だってボクなんかじゃ・・・・」

 

「いい加減にしろ!ここまで来たんだろ!?あと一歩勇気だせよ!自分自身に言い訳してんじゃねえ!お前はどうなりたいんだ!無理とか取り柄がないからとかじゃない!お前自身どうしたいのか重要なんだよ!」

 

「ボクは・・・ボクは・・・・強くなりたいです!弱いままの自分は嫌なんです!」

 

「よし!そういうことだみんな!コイツは泣き虫弱虫で見ててイライラするが、受け入れるよな!!」

 

「「「「「「いいよー!!」」」」」」

 

「よし、じゃあお前は今から俺達の仲間だ!リナル・・・・ミウラ!今日は時間微妙だから明日からこい!俺達がお前の性根ごと鍛えてやる!!」

 

「はい!よろしくお願いします!」

 

「じゃあまた明日な!」

 

そういってミウラは帰って行った。

 

「しかしお前・・・・女の子相手にあれはどうなんだよ?」

 

「え?女の子?」

 

「は?ワンピース着てたじゃねーか」

 

「女装だと思ってた・・・・・」

 

「やっぱお前バカだな」

 

はやても疑問を口にする

 

「そもそも紫苑ってウチの門下生でもコーチでもないよな?」

 

「・・・・・明日から当分練習参加させてくれ。さすがにああいった手前俺が来ないとミウラに悪すぎる」

 

「やっぱバカだ」

 

ヴィータが笑いながら俺を馬鹿にする。

 

 

2週間が経ちミウラも道場のみんなと馴染んできた

 

「紫苑さん!紫苑さん!」

 

そういって俺の後についてくるミウラ。なんか犬みたいだ。

 

「ちょっとザフィー、その犬耳取ってミウラにあげてやって」

 

「馬鹿言うな」

 

まぁ、いいや

 

「ミウラ!基本の型は教わったな?今日はミット打ちに挑戦するぞ」

 

「ミット打ちですか?」

 

「そうだ。俺が構えるからミット目掛けて打ってこい」

 

「はい!」

 

そう言って構える俺。ミウラはミットに目がけて打ってくる。

ほう、なかなか重いな。今の段階でこの威力なら期待できるぞ。

 

「今の全力でこれなら今後期待できそうだな」

 

「え?全力?」

 

「え?」

 

「えっと最初から全力はすぐにバテちゃいそうなので軽く打ってたんですけど・・・・」

 

「・・・・・何割くらい?」

 

「3割くらいです」

 

「・・・・・・・ちょっと一発だけでいいから本気で打ってみてくんない?」

 

「はい!」

 

そういってミウラは全力で打ってきた。

 

「(なんだこの威力!?一瞬とはいえ俺の手が痺れただと・・・・?)」

 

「ちょっとミウラ。拳は分かったから今度はこのサンドバッグに向かって蹴ってくれないか?」

 

「はぁ・・・・分かりました!」

 

そういってサンドバッグを用意する俺。

 

「ん?どうした?」

 

ザフィーが話しかけてきた。

 

「ちょうどいい。今から面白いもんが見れると思うからヴィータも呼んできて」

 

「?構わんが・・・・」

 

そういってヴィータを呼んでくるザフィー

 

「紫苑面白いものってなんだ?」

 

「今からサンドバッグにミウラが蹴りこむから見ててくれ」

 

「ミウラが?それが面白いのか?」

 

「いいからまずは見てくれ」

 

そういってサンドバッグを準備してミウラのもとに向かう

 

「助走してこのサンドバッグを蹴ること。俺が支えてるから遠慮なく全力でな!」

 

「はい!」

 

言われた通りに助走して蹴りこむミウラ

 

ズドォン!!!

 

砂浜にいたみんながこちらを見る。

 

「な、なんだよこのバカ威力は・・・格闘技初めて2週間のやつの蹴りじゃないぞ」

 

「驚いたな・・・・・」

 

思った通りだ。ミウラにはハードヒッターの才能がある。

ただパワーがあるだけじゃない、本能的に急所を的確に見極めてる。

 

「ミウラ!お前来年のDSAA出ろ!」

 

「え!?ボクがですか!?」

 

「お前には才能がある。さすがに今年は無理でも来年出ればいいとこまで行けるさ」

 

「でもボクなんかじゃ・・・・・」

 

「弱気になるの禁止!鍛えてやるといったろ!自分自身を信じられないならお前を信じてる俺を信じろ!」

 

「紫苑さん・・・・・」

 

「・・・・・信じられないなら今年のDSAAを見とけ!」

 

「え?」

 

「俺は今年お前の為だけに10代最強の男になる!最強がお前を信じてるならさすがにお前だって俺を信じるはずだろ?」

 

「いくら紫苑さんでも10代最強になるって・・・・・まだ11歳なのに・・・」

 

「それでもお前の為になるなら絶対勝つから!TVでしっかり見ろよ!」

 

「なんでボクなんかの為に・・・・・」

 

「仲間の為なんだから当たり前だろうが。じゃあ早速申請してくるから、今日はおしまい!じゃあな!」

 

そういって俺は走り出した。

 

 

「仲間のため・・・・・」

 

「あれは仲間の為ならどんな無理なことでも可能にする男だ。」

 

「師匠・・・・・」

 

「10代最強か・・・・まぁ、アイツなら無理じゃないがな。今日の練習は終わりだ!全員片づけ始めろ!」

 

そういってザフィーラは去っていった。

 

「紫苑さん・・・・・」

 

 

 

 

今年の男子DSAAは異常だった。初出場の、まだ少年と呼ばれる年の子が世界を取った。

評論家は語る。未知の剣技もあまりに凄かったが氷の魔法。あれ以上の氷使いは存在するか?いや、いるにはいる。時空管理局の八神はやて。彼女なら彼以上の使い手ではあるだろう。しかしあの年代では存在しないのは断言できる。むしろ彼女を除けば最強の氷使いではないだろうか?私は彼に敬意を込めてこう呼ぼう・・・・”氷帝”と

 

この件により高町紫苑の名は一層有名になった。初出場で世界戦に行くだけで史上初なのに優勝。歴代最年少の10代最強男子になった。

そして、ある1人の女の子の勇気になった少年となった。

 

 




おつかれさまでしたー


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

本編
第1話


始まりました
ダラダラ書いて行きます


「ヴィヴィオ~学校いくぞ~」

 

俺の名前は高町紫苑。

今年からstヒルデ魔法学院中等部に通う12歳の男だ。名前が女っぽいって?そんなの俺の名づけ親に言ってくれ。

 

「お兄ちゃん待ってよ~」

 

俺の事をそう呼ぶのは、妹である高町ヴィヴィオ。

ヴィヴィオは今年、初等部に通う4年生だ。

俺たちは本当の兄妹じゃない。色々あり俺の姉である高町なのはが養子に引き取った子である。つまり本来なら俺は叔父であるのだが、さすがにこの歳で叔父さんとは呼ばれたくないし、ヴィヴィオもそう呼ぶ気はないので特に問題はない。

 

「今日から新学期なんだし遅刻はマズイだろ?」

 

「まだ時間はあるし、問題ないよ」

 

「まぁ、そうだな。ところで今日なのは姉さんが早く帰ってくるといい事あるよって言っていたんだが何かあるのか?」

 

「そうなの?私は分からないなぁ・・・・・。あ、リオとコロナだ」

 

前方に見えるのは、リオ・ウェズリーとコロナ・ティミル

コロナもリオもヴィヴィオ経由で俺の知り合いだ。

 

「おはよう、ヴィヴィオ!紫苑さん!」

 

「おはよう、ヴィヴィオ。おはようございます。紫苑さん」

 

「おはよう。リオにコロナ」

 

「おはよう、2人とも」

 

そうして3人の少女と共にに学院に向かう。

これがいつも通りの朝の風景。朝にヴィヴィオと学園まで向かい、途中で2人と出会う。

 

「(いつも通りなのはいいんだが、何か面白いことが起きないかなぁ。)」

 

 

・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

「やったー3人一緒で同じクラス!」

 

学院につき、クラス掲示板の前で騒ぐ。

 

「よかったな。3人とも。じゃあ俺こっちだから」

 

「あ、そっか紫苑さんって今日から中等部でしたもんね」

 

「うん・・・・ちょっと寂しいけどしょうがないよね」

 

「お兄ちゃん、寂しくなったらいつでもこっちに遊びに来ていいからね!」

 

「いやいや、どこの世界に寂しいからって理由で妹の教室に行く兄がいるんだよ」

 

「え?だってお兄ちゃんって友達が・・・・・」

 

「いるからね?いや学校では少ないかもしれないけど外行けば結構いるから」

 

いや、ホントにいるぞ。数は多くないかもしれないが、その分質は素晴らしい友が・・・・友が・・・・

 

「だってお兄ちゃんの友達って紹介してもらったことないし、家にも連れてきたことないし・・・・・」

 

「いや、それはな。たまたま機会がなかっただけというか・・・・分かったよ今度紹介するよ」

 

なんか疑わしい目線で見つめる妹につい言ってしまった。別に紹介できないわけじゃないんだがなぁ。学校でいうなら、根暗ボッチのオッドアイとかトレーナー志望の子とか、外なら八神道場に通ってる子犬っぽい子とか住所不定の王者とか可愛いもの好き番長とかデコ委員長とかお嬢様とか。色々いるにはいるんだが、家族に異性の友人とか紹介しずらいじゃん?男で友人とかエリオしかいないんだよなぁ・・・・・エリオってほぼ身内みたいなもんだし友人ですらないのかもしれない・・・・・

 

「と、とりあえず俺は行くから!」

 

これ以上この場にいれば墓穴掘りそうだからとっとと退散しよう。

さて、俺のクラスはどこかな~っと・・・・あれは・・・・

 

「おーい。アインハルト・ボッチ!」

 

「・・・・なんですか?ボッチ仲間の紫苑さん」

 

ヴィヴィオと同じオッドアイのアインハルト・ストライキ。同じオッドアイでどうしてここまで差がついたのか分からない・・・・

 

「今何か変な事を考えませんでしたか?」

 

「気のせいじゃない?愛しのアインに向かってそんなこと思うわけないだろ?」

 

「騙されませんよ?最初のほうこそ動揺はしましたが何回も何回も言われていれば耐性もつきます」

 

最初はこれで何回も騙せたのにさすがに多様しすぎたか・・・・次から別の手を考えておこう。

 

「ところでまた一緒のクラスか?」

 

「露骨に話を変えていきましたね・・・・そうですよ。また同じクラスです」

 

「おーこれで4年連続じゃないか。地味にユミナもいるし楽できそうなクラスになったな」

 

「また宿題でも写す気ですか?私はユミナさんのことあまり知りませんが、迷惑をかけてはいけませんよ」

 

「だったらアインのでも写せばOKだな」

 

「自力でやりなさいと言っているんですけどね。なぜ自分で出来るのにやろうとしないんですか?」

 

「自分で出来るからだよ。分かりきってる問題やってもつまらないだろ?難易度の高い問題とか多数の答えがある問題だったら自分でやるけどな」

 

「相変わらずですね。」

 

「当然。俺は自分のスタイルは絶対変えたくないし」

 

「それで毎回毎回写されるこっちの苦労を考えてほしいんですけどね」

 

なにかアインが言ってるが無視でいいだろう。とりあえず教室も確認できたしとっとと移動しよう

 

「ああ、そうだアイン」

 

「今度はなんです?」

 

「今年もよろしくな!」

 

「・・・・はい、よろしくお願いしますね」

 

そういうアインは軽く微笑み一緒に教室に向かった。

 

 

 

 

 

 

「あ、今年の新入生代表は俺だから」

 

「はい!?」

 

 

こんな会話が道中あったが省略省略

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

「今日はこれで終了です。明日から本格的な授業が始まりますので準備を怠らないように」

 

今日最後のSHRが終わり。俺たちはそれぞれ帰りの支度を始めた。

 

「あーやっと終わった」

 

「とは言っても今日は午前で終了ですが」

 

「いや~俺には新入生代表の挨拶で緊張したからさ」

 

「緊張してたんですか?とてもそうには見えませんでしたが・・・・」

 

「真面目に挨拶とかしんどいよね。キャラじゃないっていうかさ・・・・」

 

「ああ、そういう意味でしたか」

 

「まぁ、それはいいんだよ。アインはこの後どうすんの?」

 

「私はこの後予定があるので・・・・」

 

「そうなの?一緒に昼飯でもどうかと思ったんだけどな」

 

「すみません・・・・」

 

「いいよ。アインボッチさんの予定とかぼっちに関係してるんだろうけど孤独を極めすぎて引きこもりにならないでね?」

 

「ぼっちに関係してる用ってなんですか。というか人を乏しながら心配する風にするのやめませんか?というか貴方にぼっちとか言われたくないんですけど」

 

「ほら、俺は・・・・・ぼっちじゃないし」

 

「その間はなんですか。まぁいいです。今日はこれで失礼しますね」

 

そういうとアインは教室を出て行った。さぁ、これで本当にボッチだな。気づかないうちにユミナもいなくなってるし・・・・・・おや?

 

「ヴィヴィオからのメール・・・・・?」

 

それを開くと関係者各位に送られたリオとコロナと共に写った写メールだった。

 

「(元気でやってます・・・・か。色々辛い過去がありながら元気でいられるのは高町式教育のおかげか、周囲の温かさか、はたまたヴィヴィオ個人の資質か・・・・)」

 

「まぁ、なんでもいいよな」

 

そう言うと俺は席を立ち学校から出て行った。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「さーてこの暇な時間を俺はどうするべきか・・・・」

 

別に家に帰ってもいいんだが、この時間はまだ誰も帰ってないだろうし、練習にあてるのもいいけど今日は休息日だし、つーか昼飯まだなんだよなぁ・・・・・

 

 

 

「と、いうわけで昼飯たかりにきた」

 

「どういうわけですの?」

 

俺の目の前にいるお嬢様は、ヴィクトーリア・ダールグリュン

 

「いやな、今日俺は午前中で学院が終わったのよ。で、これからどうするかなぁ、と思ってふとお前の顔が浮かんだんだ。そうと決まればヴィクターと共にご飯を食べよう。そう思ったんだ」

 

「あなたたかりに来たとか言ってませんでした?」

 

「そんな昔の事は忘れたなぁ」

 

「はぁ、相変わらずですわね・・・・まぁちょうどお昼にしようと思ってたんですの。一食分増える程度ですし何も問題ありませんわ」

 

「お、さすがヴィクター愛してる!」

 

「ふ、ふん。そんなこと言われてもお昼ご飯にデザートがつくくらいですわよ」

 

デザートGET!あ、そういえば・・・・

 

「最近ジーク見てないんだけど、ヴィクターって場所把握してんの?」

 

「残念ながら、あの子の居場所は把握していませんわ。恐らく無事ではいると思いますけど、やっぱり心配は心配ですわね」

 

「相変わらずなのね。まぁ、今年のI.Mには出そうだしそんとき捕まえればいいんじゃないか?」

 

「そうですわね。ところで、氷帝さんは今年のI.Mには出ますの?」

 

「氷帝はやめてくれ。今年はな~妹が俺の代わりに頑張ってくれそうだからパスで」

 

「あら?貴方に妹さんがいましたの?」

 

「いるよ。可愛い妹がな。俺と違って礼儀正しい良い子だからもし機会があったらよくしてやってくれ」

 

「言われずとも、邪険にする気なんてありませんわよ。それにしても、そうですか・・・・出ないんですか。勿体ないですわね」

 

「勿体ないって言ってもな。一度優勝してるし連覇に興味があるわけじゃないし、特にこれといって強い相手もいなかったしな」

 

「その歳で10代世界最強の男子になった貴方はI.Mの世界戦といえど退屈なんですの?」

 

「いや、そういうわけじゃないんだけどな。ただ、単純に今年のI.Mは妹の初舞台だし応援やサポートに集中したいだけさ」

 

「そうですの。まぁ個人的には少し残念ですけど、なら私の応援もお願いしますね?」

 

「もちろん、応援するさ。お前が妹とあたったら妹を優先するかもだけど」

 

「あら?妹さんはそこまで来ますの?」

 

「来ると思ってるよ。恐らく今年は初参加組が熱いと思うぜ?」

 

「そうですか。それは楽しみですわね」

 

会話に一区切りがつくと。エドガーが食事をもってきてくれた。

 

「ありがとう、エドガー」

 

「いえ、恐縮です。いつでもいらしてくれていいんですよ?いつ来てくれてもいいようにお嬢様は「エドガー!」っと少し口が滑りましたね」

 

「よく分からないが感謝してるよ。エドガーにもヴィクターにもな」

 

「ありがとうございます」

 

そう言うとエドガーは下がっていった。

 

「さ、いい加減食べましょう。冷めてしまいますわ」

 

そう言って俺たちは食事にうつった。

やっべ相変わらず超美味い・・・・・

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・

 

 

「今日はありがとな」

 

「いつものことではありませんか。」

 

「いや、そうだけどやっぱり礼は必要だろ?」

 

「貴方ってこういうときはちゃんとお礼を言いますわよね。」

 

「ほら、俺って素直だから基本的に真っ直ぐなんだわ」

 

「素直な人間はそう言いませんわよ」

 

「ま、いいけど。じゃあまたなヴィクター」

 

「はい、ではまた」

 

そう言って俺はダールグリュン邸から出る。

そろそろいい時間だし、今日は大人しく家に帰りますかね~

 

 




というわけで1話終わりです。
本来ならアイン強襲までの話を書こうと思ったんですけど今手元に原作本無いのでここで終了。誤字脱字があっても気にしない設定に矛盾があっても気にしない地の文が適当でも気にしない。

軽いオリキャラ設定
・オリ主は魔王の実の弟です。
・7歳のときにこっちの世界に来ました
・8歳で嘱託魔道師になりその後機動六課に協力者として在籍。
・氷の変換資質の持ち主
・魔力ランクS-
・去年のI.M覇者
・氷帝と呼ばれる理由は、氷の変換資質を上手く使っていたから
・原作キャラとは大抵知り合い

ツッコミ所のある設定ですがご容赦くださいませ
追加するときは後書きで追加していきます


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第2話

エマージェンシーエマージェンシー
本棚みたら2巻だけないでござる。


帰宅するとそこにはフェイトさんがいた。

 

「あれ?フェイト姉さん?」

 

「おかえり、紫苑」

 

優しく微笑みかけてくれるのはフェイト・T・ハラオウンさん

フェイトさんはなのは姉さんの親友で、姉さんとヴィヴィオが親子になる時に後見人になってくれた。そしてヴィヴィオにとってはもう一人の母親で、俺にとってはもう一人の姉でもある。

 

「艦の整備で明日の午後までお休みなんだ」

 

「そうだったの?じゃあすぐ帰ってくれば良かったかも」

 

「2人のお祝いもしたかったしね。お茶いれてあげるから着替えてくるといいよ」

 

「ありがとう」

 

俺は部屋に行き、制服から私服に着替えるとすぐに居間に下りて行った。

 

「あれ?ヴィヴィオも帰ってきたんだ」

 

「お兄ちゃんただいま!お兄ちゃんも帰ってきたばかり?」

 

「そうだよ。フェイト姉さんがお茶入れてくれるってさ。ヴィヴィオも着替えておいで」

 

「はーい」

 

そういうとヴィヴィオは部屋に行った。

俺はフェイト姉さんがいれてくれたお茶を啜りながらゆっくりとしていた。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

 

なのは姉さんも帰ってきて4人揃っての夕飯。

今日の出来事とか他愛もない話をしながら夕飯を食べる。フェイト姉さんやなのは姉さんは料理が上手くいつも夕飯を楽しみにしてるのは内緒にしてる。家庭としては少し変わってるかもしれないが、俺はこの家族が大好きだ。このことを言うのはさすがに恥ずかしくて言えない・・・・

夕飯も食べ終わり。席を立とうとすると

 

「あ、待って2人とも」

 

なのは姉さんは俺たちを呼び止める

 

「どうしたんだ?」

 

「ヴィヴィオも4年生だし、紫苑も中学1年生になったよね」

 

「「そーですが」」

 

俺とヴィヴィオはハモってそれを肯定する。

 

「ヴィヴィオは魔法の基礎が大分できたし紫苑はデバイス壊してたよね。だから2人とも新しいデバイスを持っていいんじゃないかって」

 

「ほ、ほんと!?」

 

ヴィヴィオは興奮気味に聞き返す。

 

「いいのか?ヴィヴィオはともかく俺はデバイスに関しては自分で治そうかと思ってたんだけど」

 

「いいの。入学祝だし。紫苑のは復旧するの大変でしょ?それに機能的にも前のストレージデバイスより高性能になってるからね。期待していいよ~」

 

「なら、遠慮なく。貰おうかな」

 

2人でそれぞれ受け取ると箱の中には・・・・・・・クリスタルタイプのキーホルダー状のデバイスだった

 

「そのデバイスは手甲にも出来るし小太刀二刀にも出来るんだよ」

 

「それは随分便利だな~ありがとう。なのは姉さん」

 

「うん!」

 

嬉しそうな笑顔をするなのは姉さん。というかそんなに笑顔だとこっちも嬉しくなる。

ヴィヴィオのほうを見てみると、どうやらヴィヴィオのデバイスは補助型のタイプなようだ。ウサギの外装はおまけかなんかかな?

 

「そうだママ!あれできる!?」

ヴィヴィオが興奮したように言うとなのは姉さんはそれに頷いた。っというかあれ・・・・?

 

庭に出るとヴィヴィオがセットアップする。あれ?あの恰好ってまさか・・・・

 

「やった~うまくいった!ママありがとー!!」

 

「上手くいったねー」

 

それを見てどうやらフェイト姉さんが腰を抜かした。

 

「ちょっと、フェイト姉腰を抜かしたんだけど大丈夫?っていうかヴィヴィオ・・・それって・・・・」

 

「あれ?なのはママ2人に説明してないの~!」

 

「いや、その!・・・・うっかり」

 

「うっかりってー!!」

 

フェイト姉さんをフォローして2人は夜の練習に向かった。(夜のってつくといかがわしく聞こえるのはなんでだろう)

 

「ねぇ、紫苑・・・・実際どう思う?」

 

「どうって大人モードだよね?」

 

「うん」

 

「うーん、格闘技やるうえで必要であるとは言えるし別に卑怯な手でもない。ヴィヴィオくらいの年齢でもやってる子も多いしね。心配する必要はないと思うよ。ヴィヴィオならそれを悪用しないだろうし・・・・・悪いがエリオとキャロもなんとか言ってやれ」

 

と、エリオとキャロと通信中でもあったりする。

 

「え!?・・・・紫苑も言ってましたけど心配する必要ありませんよ。周りに頼れる大人も多いですしね」

 

「そうですよ。ヴィヴィオは純粋に魔法も格闘技も好きなだけですからできる事は何でも試したいんだと思います。」

 

「うん」

 

微笑みながら納得してくれたフェイト姉さん。話題は来月のことに切り替わる

 

「で、そっちは仕事はどうなんだ?」

 

「順調だよ。来月辺りそっちに帰れるかな?」

 

「そっか。ならスケジュール調整しておくね」

 

「お買いもの行きたいですね~」

 

他愛もない話を続け夜もふけてゆく・・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

 

「最近見てなかったけどいい感じじゃないか」

 

「だろ?」

 

俺と話してるのは、ノーヴェ中島。よくヴィヴィオの事を見ていてくれてる。

言葉はぶっきらぼうだが根は優しく色々考えてくれてる頼もしいお姉さん。一度殺しあった仲なのは当時JS事件を知ってる者以外にはいない

そもそもここはどこで何をしているのか・・・・・・それは今日の朝にさかのぼる

 

 

日曜日

本来なら一人で適当に街をブラつくか訓練をするはずだったんだが

「練習?」

 

「うん、今日久しぶりに一緒に練習してくれないかなって・・・・・」

 

俺は朝ご飯を食べた後にヴィヴィオと話していた。なんでも最近一緒に練習してなくね?ってことで今の現在値とか色々見てほしいということらしいが・・・・・

 

「ノーヴェもいるんだろ?俺も一緒である必要ないんだと思うけど・・・・」

 

「いいじゃんたまには!だってお兄ちゃんいつも一人で練習してさ!たまには付き合ってよー」

 

背中から腕を首に回して甘えてくるヴィヴィオに負けて今日は一緒に練習に付き合うことになった。(本来なら頼めば付き合うが、妹とのじゃれ合いを楽しむ為に一度軽く拒否するのは内緒)

 

待ち合わせ場所には中島家が結構いたが初見であるリオとの自己紹介やノーヴェ持ち上げを楽しんで公民館に向かった。そこで、今にいたるっと

 

「ヴィヴィオだけじゃないな。リオも実家の拳法やってるだけあって中々筋がいいしコロナは正直若干落ちるが、それでも年齢で考えれば及第点だ」

 

「最近教えてないんだって?せっかくなんだし教えてやればいいじゃないか」

 

ノーヴェはそう言うが、正直教えることが・・・・・・

 

「んー、俺とヴィヴィオではスタイルが違いすぎるんだよ。俺も拳は使うけど本気の場合は小太刀二刀だし拳の場合は拳法使うから。格闘技に関しては正直教えれることってそんなにないんだわ。それに俺が教えられない代わりにノーヴェ師匠がいるしね(笑)」

 

「からうかうな・・・・アタシだってそんなに教えられることは多くない」

 

「謙遜しなくていいのに・・・・ってノーヴェ、ヴィヴィオが呼んでるぞ」

 

「うん?じゃあ行ってくるわ」

 

そう言ってヴィヴィオのところに向かうノーヴェと入れ替わりにリオとコロナがこちらに来た。

 

「お疲れ、2人とも」

 

俺は2人にスポドリを渡した。

 

「ありがとうございます。ハー疲れた・・・・」

 

「ありがとうございます。紫苑さん」

 

「うん、2人とも中々よかったよ」

 

「「ありがとうございます」」

 

そして2人で話していると2人のスパーは終わった。

 

「お兄ちゃん!見ててくれた?」

 

「ああ、見てたよ。カッコよかったぜ」

 

「えへへ~ありがと」

 

そうしてそれぞれ訓練をしていると空が暗くなってきた

 

「そろそろ帰るか」

 

その言葉を合図にみんな着替えて帰宅準備をしてそれぞれ外にいく。

 

「みんなは先に帰ってくれ」

 

「ノーヴェはなにか用事が?」

 

「救助隊があってな。悪いが紫苑みんなを送ってやってくれ」

 

「分かった。ノーヴェも気を付けてな」

 

それぞれを家まで送り、俺もヴィヴィオも家に着いた。

 

 

「「ただいま~」」

 

「おかえり~」

 

俺たちが帰ってくるとなのは姉さんはお風呂の準備をしていた。

 

「なのは姉さん今からお風呂か?」

 

「うん。フェイトちゃんが今入ってるからその後にね」

 

「あ、それじゃあみんなで入らない?」

 

・・・・・ん?ヴィヴィオさん?みんなってまさか俺も含まれてる?

 

「あ、あのヴィヴィオ?それって俺も入ってるの?」

 

「もちろんだよ!みんなでなんだから!」

 

「あ~・・・・兄ちゃん走り足りなかったよ。ちょっと外でランニングしてくる!!!」

 

そういうと俺は全力疾走で外を走りだした。

 

 

「お兄ちゃん、どうしたんだろ?」

 

「あはは・・・」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

 

ヴィヴィオには困ったな~。さすがに兄妹といえど・・・・・・いやヴィヴィオなら大丈夫だけど、フェイト姉さんやなのは姉さんとは一緒には・・・・・ねえ?

そうして外で全力疾走してると・・・・・

 

「あれ?あそこで誰か倒れてる・・・・・?」

 

俺がそこに近づくと、倒れてる人が寝ながらモニターを出したって

 

「ノーヴェ!?そこで何倒れてんの?」

 

「お、紫苑かちょうどいいや。ちょっと手を貸してくれ」

 

「いやいや何を言ってんの?つーか何があったの?」

 

「やられちまってさ。今スバルに繋いでるとこ」

 

おいおい、ノーヴェを倒すやつって一体・・・・

 

「はい、スバルです。ノーヴェどうかした?」

 

「ちょっと頼まれてくれ。喧嘩で負けて動けない。ちょうど紫苑が来たからアタシのほうは大丈夫。で、例の襲撃犯に合った。ダメージブチ込んだしセンサーつけたから今なら補足できる。頼むぞ」

 

「うん、了解。紫苑はノーヴェのことよろしくね」

 

「任せろ」

 

にしてもノーヴェを倒すとは・・・・・興味あるな

 

「とりあえずノーヴェを運ぶか、スバルの家近いしスバルのとこでいいよな?」

 

「ああ、大丈夫だ。」

 

そうして俺はスバルの家に向かった。

 

 

・・・・・・・・・・・・・

 

スバルの家につくとスバルはもう家に戻っていた

 

 

「あ、スバルもう戻ってきてたんだ」

 

「うん。紫苑、ノーヴェをありがとね」

 

「いいよ。気にしなさんな」

 

「と、肩かしてくれてありがとな。もう大丈夫だぞ」

 

そう言うとノーヴェは俺の肩からどいた。

 

「で、襲撃犯は今頃警察か?」

 

「ううん、今部屋に寝かせてるよ」

 

「部屋?なんで?」

 

「うーん、ちっちゃい女の子だったし。なにか事情があったのかなぁって」

 

「相変わらず甘いというか優しいというか・・・・まぁ、いいや。ノーヴェを倒したやつの顔を見たいし。部屋入るぞ?」

 

「どうぞー。起こさないでやってね?」

 

「分かってる。」

 

そう言って俺はスバルの部屋に入って襲撃犯の顔を見た。そこには・・・・・

 

「は?・・・・・・アイン?」

 

 

そこで寝ていたのは同じクラスのぼっちだった。

 




2話終了



1日1話でいければいいと思ってます。予定なら明日更新だけど気分次第かも


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第3話

お気に入り43件!!ありがとうございます。
なるべくエタらないように頑張ります!


「ねぇ、どんな気持ち?自分から喧嘩ふっといて結局補導されるって恥ずかしくない?ねぇ、ちょっと聞いてる?」

 

顔を赤らめながらプルプル震えているのは、昨晩ノーヴェを強襲した同じクラスでそこそこ付き合いのあるアインハルト。

 

「ねぇ、ぼっちを極めるとこういうことするようになるの?さすがアインボッチさん。俺にはとてもできないわー」

 

何故かアインの目から水が出てるように見えるが気のせいだろう。

 

 

「(ねぇ?紫苑ってこういうキャラだっけ?)」

「(いや、あいつって不真面目なとこもあるけどあーやって人を弄るやつだったってアタシの記憶にはねーな)」

「(ん~仲は悪くなさそうだし、そういう事を言い合える仲なのかな?)」

 

なにか後ろでヒソヒソと話している声が聞こえるけど、何言ってるか聞こえないなー

とりあえず、ふざけるのは止めて真面目に話をしますかね・・・・

 

「さて、色々聞きたくこともあるだろうし、こっちもお前に聞きたいことあるからそろそろ真面目に話すわ」

 

「あ、はい・・・・」

 

アインハルトが目をこすりながら辺りをキョロキョロする。

 

「あの、すいません。ここはそもそもどこなんでしょうか?」

 

「ここはあそこにいる青髪ショートの家だよ。名前はスバル・ナカジマ。お前が昨日襲撃したノーヴェの姉だ。で、あっちのオレンジの髪はスバルの親友で本局執務管のティアナ・ランスター。ティアナとスバルは倒れてたお前を保護してくれたんだから後で礼いっとけよ。」

 

「そうですか・・・・私はこれからどうなるのでしょう?」

 

「どうなるかは2人次第・・・・というかノーヴェ次第か?お前が連続襲撃事件の犯人でも、別に被害届は出ていないし。お前が今までやった行為はお互い了承したストリートファイトって感じになってるからな」

 

そう話しているとティアナがこちらに来てアインに話かける。

 

「大体の状況は分かった?これから朝ごはん食べながら色々聞かせてもらわね」

 

そうしてアインとスバル、ノーヴェとティアナの5人で一緒に朝食を取りながら事の顛末を聞いた。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

なるほどねー。自分の今の現在値の確認と最強の証明か・・・・・というかアインが覇王の子孫とはさすがに驚いたな・・・・・・

 

「アインは別に、聖王や冥王に恨みはないんだな?」

 

「うん、ならよかった。」

 

「?」

 

「紫苑は聖王のお兄さんだからね。」

 

驚いた目でこっちを見るアイン。

 

「正確には義妹だよ。いや叔父か?まぁ、なんにせよ俺の家族なんだわ。で、冥王に関しても俺の友人なんだ。それに関してはスバルもだな」

 

「うん、2人と仲良くしてるつもりだよ」

 

「さて、食事が終わったらアインハルトにはこれから近くの署に一緒に行ってもらうわよ。被害届も出てないし、路上喧嘩はしませんって約束してくれたらすぐに帰れるはずだから。」

 

「あたしも一緒に行くよ。先に手を出したのはあたしだし喧嘩両成敗ってやつにしてもらおう。お前もそれでいいよな?」

 

「はい」

 

「なら俺もついていこっかなー」

 

「アンタは関係ないじゃない。」

 

「ほらアインが心配だし、別に学校サボりたいわけじゃないよ」

 

「ダメよ。ちゃんと学校行きなさい。」

 

「はーい・・・・」

 

食事も終わり俺たちは家を出てそれぞれの目的地に向かった。ノーヴェだけでもなくスバルもついていくらしい。さて、時間的にみて今から家に戻り鞄を取りに行ってから学校にいくとなると遅刻は確定だな。

 

「なんか行く気になれないし・・・・・サボるか?」

 

「サボリはダメだよー」

 

後ろを振り向くとそこには登校中の我がクラスの委員長・ユミナ・アンクレイヴがそこにいた

 

「ユミナか、おはようさん」

 

「おはよう紫苑くん。サボろうとしている紫苑くんは朝からここで何をしているのかな?鞄を持っていないところをみると登校中でもないみたいだし」

 

「朝帰り」

 

「朝帰り!?ダメだよ!不健全だよ!!」

 

顔を赤らめながらユミナは必死に言葉を荒げながらこっちに詰め寄ってくる

 

「一体ユミナは何を勘違いしてるのかな?都合があって友人の所に泊まっていっただけだよ」

 

「あ、なーんだ。そうだったの」

 

ユミナがホッとしているところに俺は追い打ちをかけた

 

「女の友人だけどな」

 

「不健全だよ!!」

 

「冗談だよ。それにしても何でユミナがそんなに必死になるのかな?」

 

「そ、それは・・・・・委員長としてクラスの和を乱さないように・・・・」

 

「ふーん、そうなんだ。ユミナが嫉妬してくれたと思ったのに」

 

「嫉妬!?そ、そんなのするわけないよ・・・・・」

 

「まぁ、いいや。じゃあユミナは学校頑張ってー」

 

「うん・・・・・って紫苑くんも学校でしょ!」

 

「あーほら、制服に着替えないといけないし鞄も取りにいかなきゃいけないしな。先に行っといてくれ」

 

「うーん、分かった。ちゃんときなよ?」

 

「分かってる。また学校でな」

 

「うん。またね」

 

さすがに行かないとユミナがうるさいし大人しく行きますかね・・・・・

 

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

 

「ヴィヴィオにアインハルトを紹介する?」

 

「ああ、とりあえずヴィヴィオには事情をふせて紹介するつもりだ。悪いが今度の日曜にでもアインハルトを連れてきてもらわないか?」

 

ノーヴェからの電話があり俺はそれに返事をした

 

「事情をふせるって・・・・・いずれバレるだろ?最初のほうに言っといたほうがいいんじゃないか?」

 

「急にそんなこと言われてもどう対応していいか困るだろ?まずは普通に格闘仲間として紹介して段階踏んでからのほうがいいと思ってる。」

 

「ノーヴェがそう言うならいいけどな。アインには俺の方から伝えとく」

 

「ありがとう。悪いな。」

 

礼を言われて電話を切ってさっそくアインに連絡した。

 

「アイン、今いいか?」

 

「はい、大丈夫ですよ。」

 

「今度の日曜なんだがお前をヴィヴィオに紹介したいってノーヴェがな。俺としても異論はないしどうだろう?日曜暇だろ?お前ぼっちだし暇だよな?じゃあ決定で」

 

「さらっとまた毒吐いてきましたね。いつものことなので特に気にはしてませんが何で私の予定が真っ白だと断定するんです?」

 

「え?だってお前ぼっちだし。実際日曜になんかあんの?大抵トレーニングしかしてないじゃん」

 

「・・・・・確かに今度の日曜は暇ですが私は断じてぼっちというわけではありません。たまたま・・・そうたまたま空いてただけです。」

 

「そっか。まぁなんにせよOKってことな。じゃあ迎えにいくわ」

 

「はい。待ってます。」

 

 

 

日曜日、アインを迎えにいき一緒に待ち合わせ場所に向かう。

 

「どう?少し緊張してる?」

 

「そうですね。別に人見知りというわけではないんですが、初めての方が多いのは少し緊張しますね。」

 

「ま、俺もついてるし問題ないない。それに気のいいやつらばっかだしすぐ馴染むさ」

 

「そうですか。それを聞けて少し安心してます。」

 

「お、そろそろ見えてきたぞ」

 

そこには予想よりも多い人数でノーヴェ達が待っていた。

 

「アインハルト・ストラトス参りました。」

 

「やっほー。つーか何?この人数」

 

「野次馬だ。あんまり気にするな」

 

とは言っても久しぶりの面子だし挨拶程度はしておくかね。ヴィヴィオもアインに挨拶しているみたいだし。

 

「チンクたちは久しぶりだね」

 

「紫苑か、久しぶりだな」

 

「チンクは少し背が縮んだ?」

 

「縮んでない!紫苑が伸びたんだろう。全くお前ときたらいつも・・・・」

 

おっと説教は聞きたくないし他のとこいこ・・・・・

 

「オッスー!紫苑」

 

「ウェンディは相変わらず騒がしいな。」

 

「ヒドイっす!いつもじゃないっすよ~」

 

「いつもじゃねーか。ノーヴェもそう言ってたし。まぁ変わってなくてなによりだよ」

 

「久しぶり、紫苑」

 

「ディエチか、お前も相変わらず微妙に影薄いな」

 

「そんなことないよ。他の姉妹が濃すぎるだけ。私は普通だよ」

 

「そうかもな。お、シスターの2人も久しぶり。いつもヴィヴィオが世話になってるな」

 

「お久しぶりです。紫苑様。私達は陛下の従者なんですから当然ですよ」

 

「いや、シスターであって従者ではないと思うんだけど・・・・まぁ、お前らがそれでいいならそれでいいか」

 

一通り挨拶が終わるとノーヴェがみんなに聞こえるように声をかけてきた

 

「場所も押さえてあるし、挨拶が済んだなら早速移動するぞ。」

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・

 

 

 

2人の試合が終わったが結果はアインハルトの勝利に終わった。

その後一悶着があり来週また試合をすることになった。

 

 

その日の夜・・・・・・

 

 

「ヴィヴィオ。ちょっといい?」

 

部屋をノックして俺はヴィヴィオの部屋を訪ねた。

 

「お兄ちゃん?」

 

「ふむ。思ったよりかは元気そうだな」

 

「うん、アインハルトさんには私がお遊びでやってるように見えたのはショックだったけど来週挽回のチャンスあるしね。凹んでる暇はないよ。それより何の用なの?」

 

「そのアインハルトについてだ。本来なら段階を踏んで事情を話すんだがこんな事になったからな。俺から説明するよ」

 

~説明中~

 

 

「そっか・・・・そういうことだったんだ」

 

「別に秘密にしたくてしてたわけじゃないんだぞ。ただなぁ・・・・」

 

「うん、分かってる。ノーヴェもお兄ちゃんも私の事を考えていてくれたからこそ秘密にしといたんでしょ?」

 

「結果的には裏目になったかもだけどな。まぁ、この話を聞いてどうこうってことじゃないんだ。ヴィヴィオはただヴィヴィオの本気を見せつければいいんだからさ」

 

「そうだね。じゃあ来週に向けて特訓するね!お兄ちゃんも手伝ってほしいな」

 

「ああ、じゃあ外行こうか」

 

 

 

 

そして決戦の日は近づいて当日

 

 

2人とも最初から全力を出した。ヴィヴィオはどれだけ本気かを伝える為に思いを拳に乗せて戦った。しかし善戦はしたもののアインハルトには届かなかった

 

「お疲れさんアイン。双子もヴィヴィオの介抱すまんな。」

 

そう言うとアインが俺の方に寄りかかってきた

 

「す、すみません・・・・」

 

「あーいいからいいから。ラストのカウンターが時間差で来たのかね」

 

「みたいだな。で、ヴィヴィオはどうだった?」

 

「彼女には謝らなければなりません・・・・先週は失礼なことを言いました。訂正しますと・・・・」

 

「そうしてくれきっと喜ぶさ」

 

アインはヴィヴィオの手を取り自己紹介を始めた。

 

「はじめまして、ヴィヴィオさん。アインハルト・ストラトスです。」

 

「それ、起きてる時に言えよ・・・・」

 

「恥ずかしいので嫌です」

 

「アインボッチさんだししょうがないか」

 

「また貴方は人の事をぼっちって・・・・」

 

そう軽口を叩きながら俺たちは帰る。アインハルトとの仲を深めたことによって新しい関係になろうとしてるなんて今はまだ想像できなかった。

 

 




原作通りの戦闘描写なんて書くわけないだろ!!
というわけで1巻終了!!!!!


アインハルトが仲間になるまではプロローグみたいなものなので4話からは本格的に頑張ります。
2巻はないけど大体流れは把握してるから多分書けます。
あ、主人公以外のオリキャラはモブ程度しか出す気ないのです。

早く主人公活躍させたい・・・・・


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第4話

ここから本格スタートなう


さて、アインはまだ来ないな。なら早速イタズラを始めようか・・・・・・

なぜ朝からアインにイタズラをしようとするか、それは朝にノーヴェからの電話に関係する・・・・・

 

 

 

「で、次の連休で旅行に行くだろ?そんときアインハルトも誘えないかって思ってな。」

 

「なるほど、確かに誘っても問題はないね。アインにも勉強になるしどうせ連休はぼっちで練習してるだろうし」

 

「おまえアインハルト相手だと容赦ないよな・・・・・。というわけで誘ってくれないか?」

 

「構わないよ。姉さんたちには俺から言っておくからさ」

 

「頼む。なんだろうな、アイツを放っとけないんだよな」

 

「面倒見のいいノーヴェだしね。それはノーヴェの美点だね」

 

「と、とにかく頼んだぞ!」

 

そう言って通信を一方的に切った。

 

 

 

イタズラの理由だが、ただ普通に誘うんじゃつまらないだろ?趣向を凝らした誘い方を模索した結果。せっかくだしアインには今日1日ドキドキしてもらおうじゃないか!

 

 

「というわけで、このラブレター?かもしれない手紙をアインの机に投入しまーす」

 

内容は、「アインハルト・ストラトスさんへ

         

        まずは急な手紙を送ってすみません。

        でも、どうしても貴女に大事な話があります。

        僕のこの想いを貴女に伝えたい。そう思って筆をとりました。

        しかし手紙で伝えるのは失礼かもしれないので直接伝えたいと

        思います。

        今日の放課後、屋上で貴女が来るのをずっと待っています。

 

                         貴女のクラスメイトより」

 

 

完璧だ!あの真面目一辺倒のアインなら必ず来るだろう!いや~今から楽しみだね!

お、アインがきたな

 

「おはよう、アイン」

 

「おはようございます。紫苑さん」

 

そして鞄に入れてある教科書を机の中にいれる。そこで違和感があったのか机の中を覗き込むと手紙に気づいた。その手紙を取りだし読むと、顔が一気に赤くなり辺りをキョロキョロしだした。

 

「アイン?急に顔を赤くしたと思えば今度は周りを見だすなんてどうした?」

 

「い、いえ!なんでもありゅませんよ!」

 

やばい・・・・・腹が痛い・・・・・・

どんだけ動揺してんだろ!しかもアインが噛むとか地味に初めてだし・・・・手紙貰っただけでそこまでの反応するとか・・・・・面白すぎる!

 

「そ・・・・そうか何もないならいいんだ。」

 

やばい・・・・笑いをこらえるの超大変・・・・・

 

 

・・・・・・・・・

 

 

いつも通り授業をやった放課後。

 

「アイン、俺今日用事あるから一緒に帰れないんだけどいい?」

 

「い、いえ!私も用事があるので大丈夫ですよ!」

 

そういうとアインはそそくさと教室を出る。

 

いや~今日は一日動揺してたな~。授業中も上の空でまったく授業に集中してなかったし昼食のときもコロッケに醤油かけようとしてたし。

うん!ネタバレが楽しみだなぁ!

 

 

 

屋上に行くとアインが既にいた。

 

 

「待ったか?」

 

俺はこちらに背を向けているアインに向かって声をかけた。

声に反応したアインはこっちを向き驚きをあらわにする。

 

「し、紫苑さん?」

 

「ああ、どうしても伝えたいことがあってな。バレると恥ずかしいから文体とか気を使ったんだよ」

 

「そ、そうですか。た、大切な想いを伝えたい・・・・ということですけど・・・・」

 

「そうだ。これを伝えるまで俺は帰れないんだ。聞いてくれないか?」

 

「は、はい」

 

顔を赤らめるアイン

そして俺は間をたっぷり空けてアインに言った。

 

 

 

 

 

         「俺達と一緒に旅行に行かないか?」

 

 

 

 

 

「は、はい!・・・・・・・はい?」

 

 

 

「いやな、うちの家族と仲間たちとで今度の連休旅行に行くんだよ。で、それが毎年恒例行事になっててさ~。今年はアインもどうかってノーヴェが言うし俺自身もアインと一緒だと色々楽しいしさ」

 

「・・・・・・・・」

 

「アインにとっても良い経験になると思うんだ。オーバーSランクのトレーニングとか間近で見られるし」

 

「・・・・・・・・」

 

「連休中も一人で特訓してるんだろ?だったら俺達と一緒に行こうぜ?合わなかったらそこらで自主練してればいいし絶対損はさせないよ」

 

「・・・・・・・・」

 

「・・・・・あーアイン?もしかして・・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

「告白だと思った?残念でした!ただの旅行のお誘いです!」

 

「・・・・・・・・」

 

「いや~普通に誘ってもつまんないしさ、ちょっと趣向こらしちゃったぜ!」

 

「・・・・・・・・」

 

「今日1日アインの様子を笑わないようにするの大変だったよ~」

 

「・・・・・・・・」

 

「いつも通りの日常にスパイスをってさ」

 

「・・・・・・・・」

 

「アイン?さっきから反応ないけど大丈夫?で、旅行行くの?行かないの?」

 

「・・・・・・・・覇王」

 

「うん?アイン?なんで断空拳の構え取ってんの?」

 

「断・空・拳!!!!!!!」

 

吹き飛んだ。20mくらい吹き飛んだ。今まで見た中で恐らく一番の断空拳だろう。

 

「最低です!!私どれだけ今日1日緊張してたと思うんですか!?」

 

「え?さぁ?」

 

「手紙なんて初めてだったんですよ!しかも告白かと思ったら旅行のお誘いって・・・・・」

 

「ドキドキしたろ?」

 

「今日1日緊張していたのはなんだったんですか・・・・」

 

「日常の中の非日常ってやつかな」

 

「そんなのいりませんよ・・・・」

 

「さて、そろそろ返事が欲しいんだけど」

 

「こんな誘い方で行くわけないでしょ!」

 

「デスヨネー」

 

そういってアインは1人で帰ってしまった。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

今日の戦果をノーヴェに報告する。

 

「ダメでした」

 

「お前馬鹿だろ」

 

 

解せぬ

 

 

 

 

 

アインは結局ノーヴェが直接誘ってOK貰いましたとさ。

 

 

 




勢い余ってつい投稿してしまった。
いつもより文字数半分です。


主人公の性格が自分でも把握できてない・・・・・・


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第5話

旅行編スタート!


「さて、そろそろかな」

 

旅行当日。無事に試験を乗り越えた俺たちは今日から3泊4日の大自然旅行ツアー&オフトレーニング。そのための準備を終えノーヴェ達がやってくるのを待つ。

 

呼び鈴が鳴り出し早速玄関に向かう。

 

 

「いらっしゃい。ノーヴェにアイン」

 

「おう」

 

「こんにちは」

 

あの偽ラブレター事件から話かけてもシカトしていたアインだったが機嫌を直してくれたようで、今では普通に話してくれるようになった。

 

「中に入りな。ヴィヴィオたちが「アインハルトさん!!」言ってるそばから・・・・・」

 

「こんにちは、ヴィヴィオさん。今日から4日間よろしくお願いします。」

 

「もう大歓迎ですよ!!あ、先日はうちの兄が大変な失礼を・・・・・」

 

そう頭を下げるヴィヴィオ。偽ラヴレター事件についてはノーヴェ→ヴィヴィオ→なのはに伝わり、なのはとヴィヴィオによってOHANASHIを受けた。

 

「大丈夫です。もう気にしてませんよ。」

 

「そうだよヴィヴィオ。あれは一種のコミュニケーションだからね。全力の拳を受けたけどあれは愛情表現の1つだから」

 

「そんなわけないでしょ!もーホントに反省してるの?」

 

「若干やりすぎた感はあるけど反省は「紫苑?」!?」

 

「またOHANASHI受けたいのかな?」

 

「い、いえ・・・・」

 

いつの間にか後ろにいたなのは姉さんに気づかなかった・・・・・

 

「初めまして、アインハルトちゃん。紫苑の姉でヴィヴィオの母です。この前は紫苑がごめんね。紫苑にはお灸すえといたから」

 

「い、いえ大丈夫です。」

 

「そういえば格闘技も強いんだよね?凄いね!」

 

「あ、あの・・・えっと・・・・」

 

「なのは姉さんあんま詰め寄るなよ。アインは大人しいタイプなんだからさ」

 

「えー・・・・」

 

 

「さて、ここから出発するメンバーは揃ったしそろそろ行こうか」

 

「他のみんなとは次元港からだっけ?」

 

「エリオとキャロはもう現地にいるらしいからそれ以外はね」

 

「そっか。」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

次元船で約4時間

無人世界カルナージは一年を通して温暖な大自然の恵み豊かな世界である

 

 

「みんないらっしゃ~い」

 

みんながそれぞれ挨拶を交わす。

 

「紫苑!久しぶり~」

 

こちらに来るのはルーテシア・アルピーノ。エリオやキャロと同い年で少しイタズラが好きなところが俺に似てる。

 

「直接会うのは久しぶりだな。そうだ、ルーこっちが通信で話した」

 

「初めましてアインハルト・ストラトスです。」

 

「ルーテシア・アルピーノだよ。ここの住人でヴィヴィオたちの友達14歳」

 

話しているとエリオとキャロが木材を持ってこちらに来る。

 

「おーエリオとキャロか。相変わらずキャロはちっこいな」

 

「なんですと!?」

 

「アイン、この2人はエリオとキャロな。ルーと同年齢だ」

 

「初めまして。」

 

 

 

「大人のみんなはトレーニングでしょ?子供たちはどこで遊ぶ?」

 

彼女はメガーヌ・アルピーノ。ルーテシアの母親だ。

 

「やっぱりまずは川遊びかな。お嬢も来るだろ?」

 

「うん!」

 

「アインハルトもこっちな」

 

「はい」

 

「なら俺も川遊びにでも行くかね」

 

「紫苑はこっち」

 

「え?何でわざわざ地雷原に行かなきゃいけないの?」

 

「だって久しぶりに一緒に訓練したいんだもん♪」

 

確かになのは姉さんたちと訓練したのは去年以来ではあるけど・・・・・

 

「はぁ、分かったよ。最初は体力トレだっけ?正直体力の方はあんま鍛えてないからお手柔らかに頼むよ。」

 

「うん♪」

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

嘘つき!!!なにがお手柔らかだあの魔王め!!!

 

「ほらほら頑張って~」

 

いやいやキツイって!スバル以外ダウン寸前じゃねーか!!!

 

「おう、エリオはまだ大丈夫か?」

 

「結構キツイけど・・・・まだ行けるかな・・・・・」

 

「マジで?正直体力に関しては六課時代からあんま進歩してないかも・・・・・」

 

「え?それホント?」

 

「ああ。技のトレーニングや筋力トレばっかしてたからさ・・・・持久力鍛えるよ・・・・」

 

「そのほうがいいね。あ、休憩みたいだよ」

 

そういってその場に座り込むとみんなが集まってきた。

 

「お疲れさま~」

 

「お疲れ・・・・正直もう逃げたい」

 

「紫苑さ、強いんだからもうちょっと耐えなよ」

 

ティアナがそう言うとみんな一斉に頷く

 

「強さ=体力じゃないじゃん・・・そう言うティアナもバテぎみ?」

 

「体力が落ちてるのは否定しないわね・・・・デスクワークが多いし本格的な訓練は久しぶりなのよ・・・」

 

「執務管だしね・・・・・私もそうだよ」

 

「フェイト姉さんもか。元気なのってスバルとなのは姉さんくらい?」

 

「わ、私も・・・けっこう・・・・・キツい・・・・」

 

「おーキャロもか。仲間がいると安心する・・・・」

 

「そんなことで仲間意識持っても・・・・・」

 

「エリオだってここまでの訓練は久しぶりのはずだろ?なんでお前は割と元気なんだよ。」

 

「紫苑と違って体力トレーニングもしてるから・・・・・あの2人には勝てないけど・・・」

 

「だらしないな~みんな」

 

「魔王と人間様を比べないでよ」

 

「OHANASHIする?」

 

「いえ、結構です・・・・・」

 

「みんな~昼食の準備できたわよー」

 

メガーヌさんが俺達を呼びにこちらに来る。

 

「ありがとうございます。じゃあみんなお昼しっかり食べて午後も頑張ろう!」

 

「「「「「「はーい」」」」」」

 

 

お、ヴィヴィオたちもきたか。

 

「みんなおかえり。たくさん遊んできたか?」

 

「はい!紫苑さんもたくさんトレーニングしてきましたか?」

 

「ああ、もうお腹いっぱいだ(笑)」

 

「紫苑さん、大丈夫ですか?」

 

「大丈夫だよ。ありがとう、コロナ」

 

と、そこへ遅れてくる2人が登場する。

 

「ん?ヴィヴィオとアイン?少し遅かったな。どうしたんだ?」

 

そこへノーヴェが

 

「ああ、ずっと水切りしてたから体がうまく動かないんだよ。」

 

「なるほどね・・・・」

 

水切り練習か。アインは初めての経験で思いのほか楽しかったのかな?

 

「2人ともお疲れさまだね。」

 

「「はーい・・・・」」

 

「じゃあ全員揃ったとこだしメガーヌさん!」

 

「じゃあ今日の良き日に感謝を込めて」

 

「「「「「「「いただきます!!」」」」」」」

 

 

めちゃくちゃ食った。

 

 

 

「さて、片づけ終わったら大人チームは陸戦場ねー」

 

 

片づけも終わり陸戦場へ・・・・・

 

 

 

 

「うおー!!!!!!」

 

俺は叫びながらスバルとともになのは姉さんに特攻をかます。

 

「くっそ、防御硬いなぁ・・・・」

 

「どうする?」

 

「あー・・・・・ティアナ!」

 

「なに!」

 

「俺が囮になるからスバルと一緒に隙ついて!!」

 

「なのはさんに一人で向かうの!?いくらアンタでもそれはキツイんじゃ・・・・」

 

「大丈夫!必ず隙を作るから見逃すなよ!!」

 

「OK!!!」

 

「スバル!なに軽く返事してんの!!」

 

「大丈夫!六課時代から紫苑はやるといったらやるし!」

 

「おう、というわけで信じろ!」

 

「あーもう・・・・やるからには絶対成功させなさいよ!」

 

「当然!」

 

そうして俺は単騎でなのは姉さんに向かう

 

「なのは姉さん!俺一人で相手させてもらおうか!!」

 

「紫苑1人?それは舐めすぎじゃないかな?」

 

「舐めてるかどうかは今から確かめてみな!」

 

そういって俺は拳でのラッシュを開始する。

 

「確かにスピードはあるしパワーもスバルほどじゃないけどいい感じ。だけど・・・・」

 

なのは姉さんはこちらのラッシュを捌きながら余裕の笑みを向ける。

 

「まだ甘い!!」

 

こちらに向けてノーモーションからの砲撃を打とうとする。

 

「(チャージしてない分威力は低いけど、このタイミングとこの距離なら避けられないし防御も無理だよね?)」

 

そうしてこっちに向けて砲撃を打った

 

「崩・一点破!!!!」

 

中国武術における基本技の1つ・崩拳。

簡単に言えばただの中段からの突きではあるが、紫苑が放ったそれは若干違う。

崩・一点破。それは文字通り一点のみを破壊する技。

拳に魔力を纏わせそれを放ち自分の狙った場所を的確に破壊する。

今回紫苑が狙ったのはブレイカーである。

ブレイカーを相殺し余波でなのはを吹き飛ばした

 

「(ブレイカーを相殺した!?威力は低いけど拳で相殺するなんて・・・・・すごいなぁ・・・・・闘う度に強くなっていってる・・・・)」

 

「いまだぁ!!!!!ティアナ!!!!スバル!!!!!」

 

油断。

弟の成長が嬉しい姉ではあったが今は戦闘中であることは一瞬忘れてしまった。

 

「絶対に隙を作る・・・・・か。これで何も出来なかったら年上として失格ね・・・・スバル!!!!」

 

「分かってるよ!」

 

絶対に隙を作ると行った紫苑の言葉を心の底から信じていたスバルは既に動き出していた。

 

「うおおおおおおおおお!!!!!!」

 

雄叫びを上げながらスバルは態勢が崩れたなのはに拳をぶつける。

 

「くっ!さすがにキツイかな・・・・・・・」

 

それでも反射的にレイジングハートでガードをするが勢いを止められず地面に激突する。

 

「さすがなのはさん・・・・・吹き飛ばされ、追撃され、それでも防御するんですか・・・・でも、ティア!!」

 

「よくやったわ紫苑!スバル!」

 

「な!?」

 

気づいたときにはもう遅い。なのはのほうに無数にあるオレンジの弾が向かった。

3人は勝利を確信した。タイミング、速度、ここから逆転の手は絶対ない。シナリオ通りの絵に3人はホっとしてしまった。

 

「(・・・・シナリオ通り?ちょっと待て・・・・なのは姉さん相手にここまで上手くいきすぎてないか?1つもミスもなく?・・・・・ヤバイ!!)」

 

「スバル!ティアナ!そこから移動しろ!!!!」

 

「「え?」」

 

そう言った瞬間2人はバインドによって拘束された。

 

「前に言ったことあったっけ?最大の危険は勝利の瞬間だって」

 

「「な、なのはさん!?」」

 

「・・・・地面に激突したあと?」

 

「正解♪」

 

「ちょっと、どういうことよ?」

 

「地面に激突したなのは姉さんは途中で幻術に変わったんだ・・・・・」

 

「は!?」

 

「土煙が凄かったろ?あのとき自分の偽物を作りだして置いたんだよ・・・。」

 

「そういうこと。ティアナほどの幻術精度はないんだけどね?でも完璧である必要なんてなかったんだ。だってあの時3人は大量にあるティアナの弾で私の姿を正確に見えなかったもんね」

 

確かに、せいぜいシルエットくらいだ。大量にあるといっても目標はなのは姉さんだった。つまり大量にあるが拡散させていたわけじゃない。避けるのも難しくないだろう。

 

「そうして私自身の姿を隠して2人を拘束。これが全てだよー」

 

「「「やられた・・・・・」」」

 

 

 

話は戦闘の始めまでに遡る。

 

 

 

「ヴィヴィオさんのお母様も模擬戦に参加なされているんですか?」

 

「参加といいますか・・・・うちの母は航空武装隊の戦技教導管なんです」

 

 

 

これは・・・なんでしょうか?

確かにヴィヴィオさんのお母様にも驚きましたが・・・・・

それ以上にいつも私をからかう紫苑さんがこんな必死になって戦っているなんて・・・・。

普段とのイメージと違い過ぎて私が言葉を失っていると

 

「凄いよね~紫苑さん。」

 

「うん!闘っている姿はほんとかっこいいよ!」

 

コロナさんとリオさんが紫苑さんを褒める。

 

「お兄ちゃんは戦闘や訓練は真面目にしますからねー」

 

あんなに熱く叫ぶ紫苑さんは初めてみた・・・・

 

「驚いたか?」

 

ノーヴェさんに声をかけられた

 

「はい、私の知っている紫苑さんとは全然違うので・・・・」

 

「確かに紫苑はふざけたりするが、戦いにおいては真面目なヤツなんだよ。大事な人達を守りたい。その一心で幼い頃から厳しい訓練を重ねた。アイツが一時期管理局に属していたのは知っているか?」

 

「紫苑さんが、管理局に・・・・?」

 

「まだ当時8歳だ。ここで今訓練している連中と一緒にその頃から前線で体を張ってみんなを守ってたんだ。」

 

今日だけで驚くことが多すぎて脳の処理が追いつきません・・・・・

 

「ということはあの奇跡の部隊と呼ばれた機動六課に?」

 

「お、さすがに知っていたか。そうだ、階級こそ低かったがその実力はその頃からエース級に近かった。まぁ、六課に所属した後は普通の生活に戻ったみたいだけどな。」

 

ボロボロになり歯を食いしばってる様子が見える。

思えば私は紫苑さんについてあんまり知らない。3年同じクラスでなんだかんだ一緒にいたのに、あまり彼自身の話を聞いたことはなかった。

・・・・・知りたい。どうしても紫苑さんのことが知りたくなった。

この連休中に聞けたらいいな・・・・・

 




地の文がなー。3人称になったり紫苑目線になったりと分かりづらいくてすみません。



補足
・ノーモーションからの近距離砲撃でも神速(御神流歩法奥義)を使えば避けれるはずですが、身体が満足に出来てない紫苑は1日2回までの回数制限があります。それでも使えたはずですが、なのはの隙を作りたくてあえて相殺を選びました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第6話

引き続き旅行編
車の中に2巻あったので


「午後のトレーニングはここまで!」

 

「「「「「お疲れさまでした!」」」」」

 

今日1日のトレーニング終了。

さすがに姉さんの訓練はハードだったけどプロなだけあってやっぱ身になるよなー

お、リオとコロナとノーヴェか

 

「紫苑さん!お疲れさまです!」

 

「おうリオ、途中から見てたろ。なんか勉強になったか?」

 

「いえいえ、レベルが高すぎて参考にするのは・・・・・」

 

「そっか。コロナは感想あるか?」

 

「あまりにも凄くて言葉が出ませんよ~」

 

「まぁ、姉さんの訓練は凄いからな。そういえばヴィヴィオとアインは?」

 

「2人とも触発されてトレーニングにいってますよ~」

 

「そうなんだ。じゃあみんなで呼びに行こうか」

 

 

森のほうに行くと、2人がスパーリングをしていた。

こっちには全く気付いてない様子だったが声をかけて止めさせる

 

「2人とも、そろそろ戻るよ」

 

「あ、はーい」

 

「分かりました。」

 

 

 

 

夕食前にエリオと共に温泉に浸かる。

 

「去年よりも遥かに豪華になってないか?」

 

「そうだね。ルーが全部1人でやったらしいよ」

 

「この滝湯とか去年なかったよな?明らかに趣味レベルじゃないんだが・・・」

 

「凄いよね」

 

そういって他愛のない話をしていると

 

「ねぇ紫苑・・・・」

 

「どうした?」

 

「明日のチーム分けってどうなるのかな?」

 

「決めるのは姉さん達だからな~。奇数だし人数とか偏るから・・・・」

 

「まぁ、紫苑とは別のチームがいいけどね」

 

「え?俺って邪魔?」

 

「違う違う。そうじゃないよ。僕の目標はフェイトさんだけど、最も倒してみたいのは紫苑だから・・・・・」

 

「え?そうなの?初耳なんだけど・・・・・」

 

「紫苑には勝ったことないからね・・・・初めて会ったときは驚いたよ。僕よりも2つ年下で、だけど隊長陣除いたメンバーでは誰よりも強かった。」

 

「・・・・・」

 

「だから明日戦うなら勝ちたいなってさ」

 

「ふーん・・・・じゃあ俺はこう言うよ、やれるものならやってみろ」

 

「もちろん!」

 

と、話していると隣の女湯から悲鳴が聞こえた。

 

「どうしたんだろ?」

 

「セインが来てたから、どうせセインが何かイタズラしたんだろ。」

 

 

風呂から上がり夕食をとり、それぞれの寝床につく

 

「(寝れない・・・・・エリオの宣言で気分が高揚してるのか?楽しみすぎて寝れないとかやっぱりまだまだ子供か・・・・・)」

 

俺は気分を落ち着かせる為に外の散歩に行った。少し歩いているとそこにはアインハルトがいた。

 

「アイン?」

 

「紫苑さん?」

 

「寝れないのか?」

 

「環境が変わると寝ずらいんですかね・・・・・紫苑さんは?」

 

「俺は気分を落ち着かせるために散歩。ちょっとテンション上がることがあってさ」

 

「そうですか。ちょっと座りませんか?」

 

「いいぞ。旅行中アインとあまり話せてないし」

 

そういって木の下にアインと座った。

 

「さて、アインハルトさん?旅行初日が終わりそうですが、何かご感想は?」

 

「なんですか?その口調・・・・・そうですね、とても刺激になりました。皆さんと遊んだり、トレーニングしたり・・・・・知らないことを知れたり」

 

アインはこちらの顔をジっと見つめる。

 

「どうした?何か含みがあるけど・・・・」

 

「いえ、ただ私は紫苑さんのことを何も知らなかったなって思いまして。」

 

「どういうこと?」

 

そしてアインが訓練を見たときに思ったことを言った。

 

「なるほどね~確かに俺は自分自身のことを話題に出したことはなかったな。別に秘密にしたいとかじゃないからな。で、ぶっちゃけ何を聞きたいの?」

 

「え?」

 

「幸い外は涼しいしな。寝るまでの子守歌みたいな?そんな感じで話してやるよ。まぁ、勿体付けるほどのもんでもないけどな。まぁ、しかしどう話したもんかな・・・・・」

 

「では、こちらから質問するのでそれに答える感じでどうですか?」

 

「じゃあ、それで頼むよ」

 

「まずは・・・・武術はいつから始めたんですか?」

 

「物心ついたときには剣に触れてたよ。実家が剣術道場でさ、父さんや兄さんに扱かれてた。」

 

「え?でも今日の模擬戦では武器を使ってませんでしたよね?」

 

「拳も剣もどっちも極めたいと思ってるから・・・・・本番では状況に応じて使い分けるけど今日は拳のほうを鍛えたかっただけ。」

 

「拳と剣ではどちらのほうが強いんですか?」

 

「剣だな。バランスよく鍛えたいとは思ってるけど年季としては剣のほうが長いし、今使ってる拳はまだまだ甘いんだ」

 

「流派は?」

 

「剣は、御神二刀流。正式名は「永全不動八門一派・御神真刀流小太刀二刀術」だな。無駄に長いだろ(笑)。小太刀を使うんだ。明日のチーム戦で使うから楽しみにしとけよ(笑)」

 

「分かりました(クスクス。拳のほうは?」

 

「中国拳法。俺の実家がある管理外世界の中国という国が生み出した伝統的武術なんだ。流派も色々あって、俺の場合はアレンジが多くて特に流派とかはない。」

 

「御神流って剣のみなんですか?」

 

「いや、飛針や鋼糸も使う。暗器と呼ばれるものだな」

 

「え?」

 

「・・・・・ずっと昔は、殺人術としても使われてたからな。でも今は違うぞ。健全に技を使ってるだけ。それに御神の剣は大事な人を守る剣であって人を殺す剣じゃない。」

 

「そうなんですか・・・機動六課に所属していたということですけど、その経緯が気になります。」

 

「経緯か・・・・そうだな、長くなるし簡単でいいなら話すけど」

 

「はい」

 

「ミッドに来たのは7歳のころ。高い魔力と氷結変換資質があるのが分かって六課の部隊長にスカウトされたのが最初。あの時には御神流も実践に出るには問題ない程度の実力とある程度の思考力は持ってたから。でも、なのは姉さんだけは反対していたな。」

 

「なぜです?」

 

「姉さんにとっては俺はいつまでも子供・・・・っていうか当時は子供だったけど。単純に心配だったからだよ。剣の実力を見せても反対するからどうしようかと思ったら、部隊長が提案したんだ。「だったら模擬戦をしてその内容で決めればええやん」って」

 

「模擬戦って・・・・エース級の18歳と魔法素人の7歳がですか?」

 

「そう。結果的には負けたけど認めてもらって、1年の魔法訓練を経て六課に入れたんだ。」

 

「そうなんですか・・・・・六課が解散した後は?」

 

「色々な部署からスカウトはあったよ。けどエリオやキャロみたいに生き急いでないしね。地球に戻って普通に学生をしようかと思ったけど、ヴィヴィオがいたからね。残って一緒に学院に通うことにしたんだ。」

 

「そうなんですか・・・・」

 

「結果的に残ったのは正解だったってこと」

 

「なぜです?」

 

「アインと友達になれたから・・・・かな」

 

「/////そうですか・・・」

 

「そ、それじゃあそろそろ戻ろうか。明日に響くとマズイし」

 

「そ、そうですね!」

 

さすがに少し恥ずかしくてつい急ぎ足で部屋に戻った。




ミッドに小太刀ってあるのかな・・・・・?
次回はチーム戦。チーム分けは原作とは違くなるのでご容赦ください


時間なくてここまでです。すみません
明日は更新できるか分かりません


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第7話

更新しないと言ったな。あれは嘘だ


「これが俺のチームか」

 

朝になり姉さん方からチーム分けの発表があった。

 

青組

・なのは

・スバル

・エリオ

・ルーテシア

・ヴィヴィオ

・リオ

・コロナ

 

赤組

・フェイト

・ティアナ

・紫苑

・キャロ

・ノーヴェ

・アインハルト

 

数はこっちのほうが少ないのか。でも戦力的にみればイーブンか?

この構図ならどう攻めるか・・・・・。

 

「じゃあ早速作戦会議しようか」

 

フェイト姉さんが青組のみんなを集めて対策会議を行う。

 

「じゃあ俺から早速いいか?」

 

「うん、いいよ」

 

「序盤で早速だけどエリオとの1on1させてほしい」

 

みんなが興味深そうにこっちを見る。

 

「昨日なにかあったの?」

 

フェイト姉さんがこちらの発言の意図を聞いてくる

 

「エリオからの宣戦布告受けたからさ、そうしたいなって」

 

「でも上手く1on1に持ち込めるの?数はあっちのほうが多いのよ。」

 

「俺がエリオを挑発する。そもそもあっちからの宣戦布告だったんだ。絶対乗ってくるよ。」

 

「そう、なら任せるわ。ただし!こっちの指示は聞くこと。これはアンタ達だけの戦いじゃないんだからね。」

 

「分かってる。じゃあ次に性格的に開幕特攻してくるであろうスバルを誰が止める?」

 

「アタシが止めるよ。姉を止めるのは妹の役目だぜ」

 

「ノーヴェなら適任か。じゃあ次にキャロ。」

 

「はい」

 

「いつも通りでいい」

 

「え!?あたしだけいつも通り!?」

 

「いつも通り的確な支援を頼む。状況的によってはルーとやり合うかもしれんがそれまでは支援に集中。お前がいるだけでこっちは心強いんだ。頼りにしてるよ」

 

「うん!」

 

「次ティア・・・・は、俺が言わなくても自分で把握してるよな?」

 

「基本は遠距離からの援護とルーとの騙し合い。後は状況によっては変化するけど」

 

「そうだな。ティアは赤組の心臓で頭脳だ。お前がやられたらチームが崩壊する。立て直す隙は与えてもらないと思っていい。」

 

「うん、理解してるつもりよ」

 

「なら問題ないな。一番キツイポジションだが、頼むよ」

 

「任せて」

 

「アインは子供3人の相手を頼む。」

 

「分かりました。」

 

「言っとくが、絶対侮るなよ?リオはテクはまだまだだがパワーに関してはお前よりもあると言っていい。コロナのゴーレム操作も初見だと対応が遅れるだろうし、その隙をヴィヴィオに突かれて瞬殺は勘弁してくれよ。」

 

「絶対に油断はしません。自分よりも強者のつもりで挑みます。」

 

「OK.その精神状態なら問題ないだろ。」

 

改めて全員に向けて言う

 

「さて・・・・今言ったことはあくまで序盤についての方針だ。中盤からは状況を見て指示を出す。ルーも序盤は様子見だろうし何かしらの策を用いてくるのは中盤からだろう。しかしうちは特に策を出す気はない。その代わり相手の策を読み切って逆手にとる予定だ。恐らく望み通りに行くことは少ないだろうし混戦になるかもしれないし自分にとって想定外が起こるかもしれない。その時はすぐティアか俺に連絡して指示を仰げ。何かする時も報告・連絡を忘れるな。ティアの負担が大きいが中盤からは俺もフォローに周る。それでいいか?」

 

「「「「はい」」」」

 

「さて、じゃあそろそろ・・・・フェイト姉さんどうした?」

 

うずくまって目に生気がないフェイト姉さんがいた

 

「うん・・・・・チームリーダーが紫苑っぽくなってるのは別にいいんだけど私の存在忘れられてないのかなーって・・・・・」

 

・・・・・・・・・ホントに忘れてたとは言えない

 

「いや別に忘れてたわけじゃないよ。フェイト姉さんはうちのエースだからね。ホントに忘れるわけないじゃないか。ただ、俺があれこれ言うよりフェイト姉さんの場合は自由にしてほしいから俺は何も言わなかったんだよ?」

 

「自由に?」

 

「そ、うちで最もスピードがあってみんなのフォローにも回れるし単騎でもかなり強い優秀な魔道師だもん。状況に応じて必要な場所に行ってほしいなーって・・・・フェイト姉さんなら俺が何も言わなくてもどこ行ってほしいか分かるもんね?だって俺のお姉ちゃんだもん。すっごく強くてすっごくカッコイイ自慢の姉だもん」

 

「自慢の姉・・・・」

 

目に生気が戻ってきた。もう少しだ。

 

「そう自慢の姉。・・・・ちょっと耳貸して」

 

「?」

 

「・・・・実はなのは姉さんよりもフェイト姉さんのほうが姉として一番大好きなんだよ・・・・」

 

「!?」

 

「恥ずかしいからみんなの前では言わないけどね。俺の自慢の姉さんの活躍する姿みたいなー」

 

「任せて紫苑!お姉ちゃん頑張るから!」

 

チョロイ(笑)。復活ついでにモチベーションも上がったみたいでなにより

 

「さて、じゃあそろそろ行こうか」

 

「(相変わらずのタラシっぷりね)」

「(相手が身内であろうとあのタラシっぷりは逆に尊敬するわ)」

「(紫苑は天然+計算で相手を籠絡しますから。アインハルトも気を付けなよ?)」

「(え?あの・・・・その・・・・・)」

(((手遅れだったか・・・)))

 

そう言って歩き出す俺達。後ろについてはスルーだ。タラシじゃないし・・・・・・

 

 

 

 

 

試合会場につく俺達。既に青組はスタンバっていた。

 

「遅かったわね。赤組さん。こっちに勝つ秘策でも思いつかなかったのかしら?」

 

ルーが開幕一番挑発してくる。

 

「時間には間に合っただろう。むしろ俺達より早く来たお前らは潔いな。大した策は作れなかったから早く来たんだろ?無策で挑むなんて愚かとしか言いようがないな」

 

「(スゴイわね。自分のチーム棚上げして罵ってダメージないのかしら?)」

「(凄いブーメランを見ました。)」

 

後の先を取ることに特化しただけですし。策を思いつかなかったと策を作らなかったとじゃ意味が違います・・・・・言い訳じゃないよ?

 

「お互い挑発はやめなさい。せっかくなんだから楽しくやりましょ?」

 

今回観戦するメガーヌさんに注意される。まぁ、本気の挑発ではないとはいえあんま気持ちの良いものではないか。

 

「まぁ、腹の探り合いはここまでにしとくか」

 

「そうね。後は試合の中でね」

 

そういって俺たちは自分のチームに戻った。

 

 

 

 

「さてじゃあ始めるわよ~」

 

各々配置に付き、開始のゴングがガリューによって鳴らされる

 

「アイスロード!!」

 

俺はゴングが鳴らされると同時にエリオの前まで氷の道を作った。

 

「さて、エリオ。俺に勝つのが望みなんだろ?最短距離で道を作ってやったんだ。俺とやり合いたいならお前から来い!」

 

「道作ってもらってありがとう。じゃあ早速行かせてもらうよ!」

 

そういってソニックムーブを使い槍を構え最速でこちらに向かってくるエリオ。俺は二刀の小太刀を構えそれを迎撃する。

 

「は!前やったときよりも身体能力は上がってるみたいだな!」

 

「当然!今まで漫然と日々を過ごしていたわけじゃないよ!」

 

さて、正直体力のほうはエリオに軍配があがる。長期戦はこっちが不利か・・・・・

 

「エリオがスピード自慢なのは知ってる。しかし・・・・・俺の方が早い!」

 

相手へと突進しながら、神速からの4連続の抜刀斬撃

 

「御神流奥義之六・薙旋」

 

エリオは想定以上のスピードと4連撃からくる威力に驚愕したが・・・・

 

「く・・・・は!」

 

「へぇ、3つ食らったが初見で1撃は防いだか・・・・」

 

「あまり舐めないでよね。」

 

「舐めてないさ。(やっべテンション上がりすぎてつい神速使っちゃった。)」

※神速は1日2回の制限付き

 

「舐めてるよ。だって、今の攻撃に魔力は纏っていなかった」

 

「様子見だと言ってくれ。さて、エリオ一つ教えてやる」

 

「?」

 

「さっきのスピードは俺はもう使わない」

 

「やっぱり舐めて「違う」・・・・」

 

「単純に回数制限があるんだ。まぁ、使えなくても・・・・」

 

その瞬間エリオは寒気が感じてその場から後ろに飛んだ。

 

「速さでも力でも俺の方が強いけどな」

 

エリオはゾっとした。あの場にとどまっていたら本気で斬られていたことに。なにより、動作が見えなかったことに。

 

「直感。動物的な本能か?・・・・・どちらでもいいか。それよりも俺の攻撃を防げるかな?」

 

紫苑VSエリオ 戦いはまだ始まったばかり

 

 

その頃別の戦いが各地で行われていた。

 

 

さて、私は3人を相手ですか。リオさんとコロナさんの実力が不透明である以上最初は様子見をするべきか・・・・・・そして3人の姿が見つかる。

 

 

「「「アインハルトさん!」」」

 

「さて、お三方。一手どうです?」

 

「「「喜んで!」」」

 

よかった。素直な良い子達です。こちらの提案を無邪気な顔で承諾してくれました。

 

「では、3人でどうぞ!」

 

「行くよ!ヴィヴィオ!コロナ!」

 

初手はリオさんですか。彼女は春光拳という武術を使うんでしたね。それと炎と雷の変換資質ですか。

 

「雷神装!そして雷神炮」

 

雷を纏っての身体強化ですか。そしてそれを纏った蹴り。

 

「さすがに当たるわけには行きませんね。」

 

それを避けると次はヴィヴィオさんが来る。

 

「次はアタシです!」

 

リーチを生かしたラッシュ。この間よりもスピードが上がっていますが

 

「アクセルシューター!ファイア!」

 

何発かの魔力弾が襲ってきますが私には関係ありません。

 

「覇王流・旋衝破」

 

私は襲ってくる魔力弾を受け止めて投げ返した。

 

「次は私です!」

 

どうやら詠唱が終わってたみたいですね。それにしてもゴーレム操作とはマイナーですが油断できませんね。

 

「叩いて砕け!ゴライアス!」

 

ゴーレムがこちらにチョップを仕掛けてくるが・・・・

 

「覇王・断空拳!」

 

それと相打ちになるが問題ない。スピードはこちらのほうが・・・・!?

 

「雷龍!」

 

リオさんが操作する龍がこちらに襲う。

 

「(早く避けなきゃ・・・・ってヴィヴィオさんも!)」

 

「一撃必中!ディバインバスター!」

 

さすがにキツイですね・・・・別に舐めてるわけではありませんが、コロナさんとリオさんが予想以上です。

 

「(とはいえ、泣き言を言うと紫苑さんに笑われますね。)」

 

再度気合いを入れなおしてそれぞれ迎撃しようとするがあまりに手が足らない。

しかしそこへ女神の助っ人が来た。

 

「さすがに1対3はキツイだろうし、私も参戦させてもらうね。」

 

そこには黒のバリアジャケットを来た管理局の「金の閃光」フェイト・T・ハラオウンがいた。

 

「フェイトママ!?」

「ちょ!?フェイトさんって・・・・」

「逆にこっちが厳しいよ~」

 

「助っ人のタイミングとしては悪くないでしょ?それとも余計だった?」

 

「いえ、正直助かりました。舐めていたわけではありませんが、リオさんコロナさんが想定以上に強くて・・・・」

 

「うん、ならその2人は私が受け持つから。アインハルトはヴィヴィオをお願い。」

 

「了解しました。」

 

「(紫苑、お姉ちゃんのカッコイイところを見せるときがきたよ!)」

 

などと心の中で思ってるが自分の年齢の半分程度の少女たち相手に無双してもカッコイイどころか大人気ない大人としてしか映らないし、紫苑はそもそも、対エリオに夢中で全く見てなかったがそのときのフェイトには気づかなかった。

 

 

 

 

さて、場が動いてきたわね。序盤は想定していた通りの展開で、フェイトさんが子供たちのとこに行ったのも戦況みれば必然。さすがにアインハルトだけじゃキツイしね。

紫苑は予想通りエリオを圧倒、キャロは支援完了、ノーヴェは互角、アインハルト・フェイトさんコンビのところは優勢。フェイトさんはさすがに子供たちには本気を出さないから少し時間かかるかもね

ということは、そこを突破するのが一番早いのは紫苑かな?次いでアインハルトか・・・。紫苑とアインハルトならなのはさんの動きを封じられるかもしれない。いや、あえてなのはさんを無視してルーを叩くのもアリか?でも無視はさすがに怖いからなのはさんに紫苑、ルーにアインハルトがいいか・・・・・。指揮官として常に先を予想しシュミレーションしとかないとね。




試合は次で終了かな?旅行自体次で終了かな?
今回1つ御神流の技を出してみました。神速に制限があると出せる奥義も限られてくるのね。余計な設定だったかな・・・・・
ノーヴェVSスバルは原作通りだから書かないよ。キャロはせっせと支援の準備をしていたのさ


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第8話

引き続きチーム戦です。そして旅行終了
気づいたらお気に入りが100件超えてましたね。ありがとうございます。
評価付けてくれた方もありがとうございます。


「はぁはぁ・・・・・・」

 

槍を構えたエリオの息が上がる。攻撃が全然通らず自慢のスピードも通じない。焦りからくる精神的疲労がモロに出てしまった。

 

「どうした?俺はまだまだ余裕だぞ」

 

二刀の小太刀を構え余裕綽々の紫苑。本来、体力的にはエリオに分があった。しかしここまで通用しないと気持ちが保つことさえ難しい。

 

「(攻撃の速さには慣れてきた。けど僕自身の速さも通じない。ソニックムーブを使っても簡単に見切られる。正直ここまで実力差があるなんて思いもしなかった。昨日の模擬戦は見てたけど・・・・・刀があるだけでここまで違うなんて・・・・)」

 

エリオは必死に考える。ここからどうするべきかを、撤退はしたくない。自分から挑んで逃げるなんて絶対にしたくない。しかし・・・・・

 

「(ライフが残り少ない。ここで早々に敗北したらみんなの迷惑になる・・・・せめて・・・・・まともな1撃を・・・・)」

 

「なにボーっとしてやがる」

 

いつの間にか目の前に来ていた紫苑に気づかなかった。

 

「!?」

 

「オラァ!」

 

魔力を纏った斬撃が襲ってくる。それを避けられずにくらってしまった。

 

「く・・・・・」

 

ライフ残り120。そのときルーテシアからの通信がくる。

 

「エリオ戻ってきなさい!今ここでアンタがやられるわけにはいかないわ!」

 

「・・・・・了解。」

 

エリオがしぶしぶ答える。熱くなっていたがチームのことを優先させる程度の冷静さは持っていた。

 

「行く前にヒントをやる。」

 

召喚術で転送されるエリオに言い放つ。

 

「お前は決して弱くない。速さに関しても自分が劣っているように感じてるだろうが、単純な速さならお前のほうが早いんだ。なのにお前は俺にまともに1撃を加えられなかった。別にお前が俺より劣っているからじゃない。全ての可能性と状況を考えてみろ」

 

「分かったよ・・・・・次は勝ってみせるよ」

 

「おう、やれるもんならやってみろ。」

 

エリオはここから離れて俺はすぐにティアナに連絡した。

 

「こちら紫苑。エリオは一旦下がった。次はどこ行けばいい?つーか状況教えて。」

 

『こちらティアナ。状況は見てたわよ。というかあそこまでやったんなら倒しなさいよ』

 

「んーここで倒すのもつまらないだろ?せっかくなんだしもっと楽しみたい」

 

『はぁ・・・・まぁいいわ。今はスバルVSノーヴェ。アインハルト&フェイトさんVSチビ3人組ってとこね。スバルとノーヴェは互角。アインハルトのところは優勢って感じ』

 

「フェイト姉さんはやっぱりアインのとこに行ったのか。」

 

『予想通り?』

 

「ああ。別にアインハルトを信用してないわけではないんだろうが、性格上苦戦してる仲間のほうに向かうのは分かっていた。」

 

『で、アンタにはなのはさんのところに向かってもらうけど』

 

「いや、俺はルーのところに向かう。」

 

『は?じゃあ、なのはさんには・・・・・』

 

「ちょっと、通信するから待ってろ。アイン、今いいか?」

 

『ちょうどいいタイミングですね。ヴィヴィオさんは下げられました。』

 

「なら、青組リーダーのなのは姉さんのところに行ってくれ。」

 

『分かりました。』

 

そう言ってウインドウを切る。

 

『ちょっとどういうこと?なのはさんの相手ってキツすぎるでしょ』

 

「それでもいい経験にはなる。せっかくの合宿なんだ。色んな相手をさせてやりたい。」

 

『まぁ、アンタが決めたことならいいけど・・・・アインハルト、トラウマにならない?』

 

「・・・・・大丈夫だろ。アインはそれほどヤワじゃない」

 

『ぶーん・・・・・随分アインハルトを信用してるんだ。』

 

「友人だしな。俺の友人はそんなにモロいハートは持ってない。」

 

『分かった。じゃあアンタはルーのところに行くんでしょ?』

 

「ああ、時間経っちまったからある程度エリオも回復してるしヴィヴィオとも戦うことになるのかな。楽しみだ。」

 

『じゃあ、気をつけなさいよ』

 

「分かってる。」

 

さて早速向かうかな。ルーがなにかしら策を実行するまでに潰してやろうじゃないか。

 

 

 

向かってる。途中なのは姉さんとアインハルトが戦っていた。それを観戦するスバルとノーヴェ

 

 

「お前らなに観戦モードに入ってんの?」

 

「えーだってアインハルト心配だもん」

 

「お前に至っては敵チームじゃねーか」

 

「まぁ、アイツがなのはさん相手にどこまでやれるか気になるな」

 

「そう。じゃあ俺はもう行くわ」

 

そう言ってここから去ろうとするが

 

「行かせないよ」

 

スバルが後ろから抱きついてくる。

 

「・・・離しなさい。」

 

ため息つきながら言うがスバルは気にもとめずその拘束を強めた

 

「せっかくアインハルトが頑張ってるんだよ?友達ならしっかり見ないとね!というわけで、ここでお姉さん達と一緒に見よう!」

 

「・・・・・胸当たってるぞ」

 

「気にしない気にしない!」

 

全く気にも留めない様子だし俺は諦めた・・・・・堪能したいしね。ティアに連絡しとこ

 

「ティア、緊急連絡だ。予想外の妨害にあって動けそうにない。」

 

『なんですって!?・・・・・オイ、どこが妨害だコラ』

 

どうしよう。ティアナの口調が・・・・キャラが若干崩壊気味だ・・・・

 

「いや、この状態だと動けないし」

 

『アンタなら振りほどけるでしょうが!』

 

「さっきのエリオとの戦闘で予想外に力を使ったせいで振りほどけないんだ。」

 

「あれ?今そんなに力込めてないよ?」

 

バカスバル!余計なこと言ってんじゃねーよ!!

 

『・・・・オボエテナサイヨ・・・・』

 

一方的に通信を切ってしまったが、さすがに許されるよね?後でOHANASHIされないよね?

 

「いい加減みるなら見ようぜ」

 

ノーヴェは呆れた様子でこっちを見るが俺は悪くない。

 

 

 

「へぇ、アンチェインナックルか・・・・・」

 

アレって極めるとシールドすら無意味になるからな。やっぱスゴイな。

いつの間にかノーヴェも後衛攻めに行ってるし、スバルもそれを追っていない

そう思ってると上からオレンジの弾が・・・・・あれ?

 

「なんで敵だけじゃなくて俺にも降ってくるんだよ!」

 

ティアのクロスファイアか!さっきの恨みか!?くそー・・・・・

 

「まさか味方すら敵に回るとは恐ろしいぜ・・・・」

 

「また何かやったの?」

 

後ろから声が聞こえる。

 

「フェイト姉さんか。リオとコロナの相手はもういいのかい?」

 

「うん、楽しかったよ。とは言っても倒してはいないけどね。下がらせただけになったかな」

 

うん?ということは後衛にいるのって、ほぼ全快してるだろうエリオとヴィヴィオ。そしてリオとコロナ?あ、ノーヴェを追ったスバルもか。つーか青組のほぼ全員じゃん。

 

「さすがにノーヴェだけじゃ無理だな。すぐに相手の本陣に向かうよ」

 

「うん」

 

さて、ティアに通信するか

 

「あー・・・・・ティアナさん」

 

『・・・・なに?』

 

うおー・・・・まだ怒ってる。

 

「今から相手の本陣にフェイト姉さんと行って暴れてきます。ブレイカーの用意が出来たら言ってくださいませ」

 

『分かったわ。あたしのほうはいいから早く行ってやって。』

 

さて、早速行くとするかね。こっちの本陣にはアインがいるし問題ないだろ。

 

「フェイト姉さん、全速力で行くよ」

 

 

 

 

「さて、このメンツ相手にどこまで粘れるかしら?」

 

なのはさん以外の青組全員か。さすがにキツイけど・・・・・

 

「そうは言ってもそっちが今動けるのは4人。うち2人はまだ治りきってないだろ?充分粘れるさ。それに今にうちのダブルエースがこっちに向かってくる」

 

「ええ、正直紫苑は予想以上だったわ、強さもバカさ加減も」

 

否定できない。

 

「紫苑が余裕ぶってなかったら本陣は落とされてこちらの負けが決まってたかもしれない。でも、仮定の話はどうでもいいじゃない。ノーヴェも疲労状態だしあの2人がこっちに来るにはまだ・・・・」

 

その時、銀の閃光と金の閃光が相手の本陣に到着する

 

「間に合ったみたいだな」

 

「そうだね。」

 

「・・・・・いや、早すぎるでしょ。まだ戦ってすらいなかったんだけど・・・・」

 

さすがに俺のミスでノーヴェが落とされるのは申し訳ないし、俺は神速の回数制限を解除した。

 

「最速2人が全速力で来たんだぜ?舐め過ぎたな。ルーよ」

 

「でもまだこっちの方が数は多いわよ」

 

「それがどうした?リオとコロナはまだ動けず、お前も2人の回復に専念したい。実質動けるのは3人じゃないか。しかも回復しきれてない2人+1人。それに対してこっちは大したダメージのない2人+1人。数の利なんてもはやないぞ。さぁどうする?」

 

自信満々に言う紫苑は実は焦っていた。

神速の回数制限を解除し間に合ったのはいいが、精神的疲労と肉体的疲労がピークに達していた。神速は身体の出来てない子供が使うのは負担かかるが、それ以上に集中力もかなり削られる為、多様するにはまだ早い。

 

「(さて、時間稼ぎは相手もしたいがこっちもしたい。さすがに俺が動けないのがバレると一気に相手は攻めてくる。ティアナ・・・・チャージまだかな・・・・)」

 

「(マズイ・・・・下手するとなのはさん以外青組は全滅だ・・・・なのはさんにはチャージを止めてこっちに来てもらう?でも、ティアナもやってそうだし・・・・・あれ?というか何で攻めて来ないの?時間稼ぎはこっちは望むとこだけど相手にメリットがないよね?もしかして・・・・)」

 

「ねぇ紫苑?もしかして・・・・」

 

「なんだ?ルー」

 

「動けないの?」

 

紫苑が反応する。そういうことか

 

「流石に早すぎたもんね。無理しすぎたのかな?よし、そうと分かれば話は別!青組さん、紫苑はほっといてノーヴェはスバル!フェイトさんには他のみんなで当たって!」

 

やはりバレたか・・・・・でも

 

「確かに俺は動けない。が、動けないだけで魔法は使えるんだぞ。」

 

!?しまった。

 

「全員下がって!」

 

「氷の楔!」

 

地面から氷柱を生やして敵を貫く。今回は非殺傷のため当たるだけ

前方に氷の柱が出来て敵の動きも封じる

 

「串刺しになりたいなら来るといい・・・・それにどうせお前らもブレイカー待ちだろ?それまでジっと待ってようじゃないか」

 

「・・・・正直信じられないわね。そう言って他になにか策でもあるんじゃない?」

 

「策か・・・・そうだな。例えばこの戦いで何も見せ場がないやつがいるだろ?今は本陣でアインを回復してるヤツが・・・とっくに終わってこっちに向かっているとしたらどう思う?」

 

「どういうこと?」

 

「俺が本気でお前にバテてるのがバレないと思ったか?」

 

待って、ということは時間稼ぎっていうのは・・・・・

 

「キャロとアインハルトが来るまでの時間を稼いでいたんだよ。キャロが来れば俺も回復できるしその間アインに守って貰えばいい」

 

「・・・・それを言っていいの?」

 

「ああ、だってもう来ているし」

 

そう言われてあたしは辺りを見渡した・・・・・が

 

「来てないじゃない」

 

「ああ、出任せだからな」

 

ムカつく!危うく信じそうになったじゃない!

 

「でも出任せって言葉は嘘かもしれない。さて嘘かホントかどっちかな?」

 

だから紫苑は敵に回したくないのよ。普段はバカっぽいくせに腕も立つし頭は切れる。

さて、この氷柱に関しての強度はそこまで強くないはず、これならエリオでもスバルでも壊せる・・・・・しかし

 

「(砕いた瞬間あそこで鎌を素振りしてるフェイトさんに撃退される。ノーヴェもいるし2人同時でも無駄だろう。)」

 

というか何で鎌を素振りしてるの?殺る気マンマンすぎて正直引くんだけど。

 

「(さて、どうするか)」

 

あたしが悩んでいると

 

「悩んでいるところ悪いが・・・・・・全部ウソなんだ」

 

そう言った瞬間赤組は全員、後退していった

 

 

 

ネタバレをしよう。全部ウソと言ったが、2つ本当のことを言った。

・身体と精神の疲労がピーク

・ブレイカーの準備をしている

 

が、別に動けないほど疲労しているわけないだろ。それで相手の本陣行くって自殺行為で詰むだけじゃないか。

ブレイカーの準備をしている。それは当然ホントのことだ。言っても支障ないしね。

 

 

魔法を出した後、念話で各々に通達していた。

 

『(ねぇ?紫苑、本気で動けないの?)』

『(んなわけないじゃん。本気で動けないのにここに来るとか自殺行為じゃん)』

『(だと思ったよ。で、アタシらはどうすればいい?)』

『(そうだなぁ、俺が「全部ウソ」って言ったら各々全力で後退してくれ)』

『(ブレイカーが来るからか?)』

『(そ、敵と一緒にいたら巻き添えくうしな。恐らくルーなら直に察して反射的に追うように言ってくるはずだ)』

『(は?お嬢ならむしろ各々の身を守るように指示するんじゃ・・・)』

『(反射的にって言ったろ。ルーは確かに頭はいいが、瞬間的に判断が必要な場面。人は慣れてないと無意識の素が出る)』

『(それが追うってことか?)』

『(すぐにそれが間違いだってルーなら気づく。が、躊躇は一瞬で充分。お前らは速いから一瞬あれば逃げられる。)』

『(お前は?)』

『(俺はあまり動けないから足止めと相打ちする)』

『(いいのか?)』

『(別にいいさ。チームが勝つなら必要な犠牲だ。)』

『(・・・・・・また私だけ仲間外れ)』

『(姉さんはとりあえず相手を威嚇するために素振りしといて)』

『(・・・・・・うん)』

 

ブレイカーが来るまで残り30秒。ここからは全力で足止めだ。

 

「エリオ、最後の勝負するか?」

 

「悪いけど、早く逃げなきゃいけないんだ。」

 

「ツレないなぁ。けど、全員ここにいてもらおうか。」

 

そう言って俺は最後の魔法を放つ

 

「アイスウォ・・・」

 

「させない!」

 

スバルに妨害されたか、というかまた俺の邪魔を・・・・

 

「また俺の邪魔をする気かスバル!」

 

「あれは紫苑だって望んでいたことでしょ!」

 

「望んでいた?」

 

イカン!ヴィヴィオが興味を持ち始めた。

 

「ヴィヴィオ!気にするな。今はここから逃げていいから早く行け!」

 

「え!?あたし達敵同士だよね!?どれだけ聞かせたくないの!」

 

馬鹿野郎!煩悩に負けた兄の話なんて聞かせられるわけないだろ!

 

「とかなんとか話してるうちにブレイカーが・・・・」

 

ブレイカー同士の激突。俺は咄嗟にヴィヴィオを抱いて守ろうとする。

 

「いや、何で敵チームの紫苑がヴィヴィオを守るの・・・・」

 

スバルが何か言ってブレイカーに巻き込まれたが知らん。兄が妹を守るのは当たり前だろうが

 

 

ブレイカーがはれるとそこに生き残ったのが数名

 

 

「はぁ、なんとか凌ぎきった・・・・」

 

ティアナ。魔力量がなのはよりも残っていたためギリギリsw生きている。

 

「他の方は大丈夫でしょうか?」

 

アインハルト。全力のキャロの結界の為に軽傷で済んだ。

 

「うん?凄いスピードでこっちに向かってくるのってスバル!?」

 

「じゃなくてヴィヴィオです!」

 

そこには軽傷ですんだヴィヴィオが向かってきた。

 

「は!?なんで軽傷で済んでんの!?」

 

「お兄ちゃんに助けてもらいました!」

 

「・・・・・・あのシスコンがぁ!!!」

 

その頃の紫苑

 

「ヴィヴィオを守れたしまぁ、いいか」

 

「あとでティアナに怒られるよ」

 

「・・・・・全力で謝ればなんとかなるかな?」

 

「ごめんね、お姉ちゃん助けてあげられないかも」

 

「俺を助けてくれない痴女服の姉さんなんて知らない・・・・」

 

「痴女!?」

 

ボロボロのジャケットで色々際どいフェイト姉さん。最高です。

 

その頃のアインハルト&ティアナVSヴィヴィオだったが

ティアナは速攻で撃沈。2人は相打ちでこのチーム戦は引き分けで終了した。

 

 

 

 

 

「うん、気持ちの良い引き分けだった」

 

「死になさい」

 

ティアナに銃口を押し当てられる。

 

「まぁ待とうか。まずは落ち着いて・・・・そう落ち着くべきだ」

 

「アンタが最初から真面目にやっていたら恐らく勝っていたのよ!なにスバルに胸当てられて行動不能にしてんの!それだけじゃなく敵チームのヴィヴィオを守るとか意味分かんないだけど!」

 

「な!?胸は関係ないぞ!あの時は疲れてたから動けなかっただけだし!ヴィヴィオに至っては兄の本能が守れと囁いたんだ!」

 

「自慢げに言うことか!」

 

「よし分かった!次で挽回しよう。あと2戦あるしそこで名誉挽回してやるよ!」

 

「え?あと2戦あるんですか?」

 

「ん?アインハルト聞いてなかったのか?チーム振り分けし直してあと2戦やるんだ」

 

「そうなんですか。楽しみですね。ところでスバルさんに胸を押し当てられたってどういうことですか?」

 

「いや、あれは拘束されてただけだし。決して俺の本位じゃ・・・・」

 

「あ、コイツデレデレしてたぞ」

 

ノーヴェ!空気読め!

 

「そうですか・・・・私だって胸があれば・・・・・」

 

「うん?なんか言った?」

 

「いえ!何も!」

 

ブンブン手を振るアインハルトしかし・・・・・

 

「そっか。ところでアインは胸が小さくても魅力的だよ」

 

「聞こえてたじゃないんですか!」

 

「あっはっはー紫苑さんは鈍感主人公特有の難聴スキルは持ってないのだ」

 

「何意味が分からないことを言ってるんですか!あ、逃げないでください!」

 

だが断る。さて、次のチーム分けが発表されるまで遊んでようか。

 

 

 

 

 

今日の日程が全て終了して、各々自由に過ごす。

 

「お前らはダウンか?」

 

子供部屋でヴィヴィオ、リオ、コロナ、アインがベットで横になりダウンしている。それを見ている俺とルー

 

「なんでお兄ちゃんとルーは平気なの?お兄ちゃんは1戦目でダウン寸前だって言ってたじゃんー」

 

「年長者なりのペース配分よ」

 

「俺は体力ないけど回復は早いんだ。」

 

「うー・・・・・・」

 

「アインハルトってこういう試合初めてだけどどうだった?」

 

「そうですね。色々反省することができましたし自分がどれくらいか確認もできました。私の見ていた世界は狭かったんですね・・・・」

 

「今日の試合が良かったんなら、DSAAでも出てみるか?」

 

「DSAA?」

 

モニターにDSAAの映像を映す。

 

「10~19歳の公式魔法戦競技戦。全世界から10代を対象とした魔法自慢が集う大会。インターミドル・チャンピオンシップ」

 

「今年は私たちも出るんですよ~」

 

「数は多くないけど格闘家も出ますし」

 

「自分の力を試したいならうってつけの大会です!」

 

「ちなみに今年は私も出る!」

 

「「「お~」」」

 

そこへなのは姉さんとメガーヌさんがジュースを持ってきてくれた。

 

「みんなー栄養補給の甘いドリンクだよー」

 

「うん、ありがとう。」

 

「DSAAかー紫苑くんは今年は出るの?」

 

「いや、出ないよ。」

 

「え?紫苑さん出たことあるんですか?」

 

「あるよ。去年だけね」

 

「お兄ちゃんは男子の部で優勝しているんですよー。次元世界最強10代男子です!」

 

「そうだったんですか!?そういえば、去年クラスで騒がれていたような・・・・・」

 

「うん、あれだけ騒がれてたのに知らないって正直ショックなんですけど」

 

「う・・・・すみません」

 

「いや、責めてるわけじゃないって(笑)」

 

「初出場で優勝でしたもんね~。凄くカッコよかったです!」

 

「ありがとう。薄情な友人とは違ってコロナは優しいな~」

 

そう言ってコロナを抱き上げる。ちょうどいいサイズだな。抱き枕にしたい。

 

「わ、わわ・・・・////」

 

「お兄ちゃん!コロナが困ってるでしょ!」

 

「困ってないもんなー。コロナは抱き心地がいいね!」

 

「あ・・・・あう・・・・////」

 

コロナが俯いてしまった。恥ずかしがってるだけだよね?ホントに嫌だったら自殺を考えよう。

コロナを離しアインハルトに向き合う。

 

「さて、どうする?」

 

「・・・・出たいです。」

 

「OK.じゃあ参加資格についてだが・・・・」

 

「セコンドとコーチはノーヴェが引き受けてくれるそうです!」

 

「なら、後はデバイスだな。CLASS3以上のデバイスを所有して装備すること。アインは、デバイスなかったよな?」

 

「はい、持ってないです。真正古代(エンシェント)ベルカのデバイスは中々手に入らなくて・・・・」

 

「なら、ルー」

 

「任せて、今ミッドは早朝よね。八神指令にメールしてお願いしてみるよ。」

 

「頼む。あそこの家族ならきっとノリノリで組んでくれるだろう。」

 

「お、お願いします」

 

トントン拍子で決まったが、さてどうなるか。

 

 

 

 

早朝になり、みんなで朝ごはん。

 

 

「今日はみんなお休みよね?」

 

「そうですね。ゆっくり散歩でもする予定ですよ」

 

「アインハルト、八神家のみなさんとは連絡取れたから。朝ごはん食べたら一緒にお話ししよ」

 

「はい」

 

 

アインハルトはたぬ・・・・はやてさんと連絡中で俺はノーヴェとヴィヴィオと散歩中。

 

 

「ありがとね。ノーヴェ?」

 

「なんだよいきなり。」

 

「アインハルトさんを誘ってくれたこととかコーチやセコンドを引き受けてくれたりとか。」

 

「ちょっと待て、アインハルトを誘ったのは俺だぞ」

 

「お兄ちゃんじゃ連れて来れなかったじゃん。言いだしっぺはノーヴェだし」

 

「ま、あたしは声をかけただけだよ。」

 

「そのおかげで一緒にインターミドル出てくれる」

 

「ま、あいつが魔法戦競技の楽しさとか知ってくれて夢中になれそうならなによりだ。そして、お前らも一緒に楽しんで強くなってくれれば一番さ」

 

「はい、コーチ!ご指導よろしくお願いします!」

 

「おう、よろしくな!さて・・・・」

 

「どうした?」

 

「お前は今年出ないのは何でだ?」

 

「あー今年はヴィヴィオ応援したいからな。初出場だし試合は全部見たい。」

 

「お前にリベンジしたいやつとかいるんじゃないのか?」

 

「知らん。そもそも男子選手には知り合いという知り合いいないし」

 

「まぁ、お前がそれでいいならいいけどよ」

 

「その代わり。U-23総合の大会に誘われてる。」

 

「は!?お前まだ12歳・・・・今年で13か・・・・いやそれにしたって・・・ホントか?」

 

「ホントだよ。去年のインターミドルを見た関係者が是非出てくれってさ。一応23歳以下ではあるし、ただジム通いではないからセコンドについては知り合いに頼むことにしてる。」

 

「それなのはさん達には?」

 

「私聞いてないよ!」

 

「2人の姉さんには言ったよ。普通に喜んでくれた。ヴィヴィオに言ってないのは単純にその場にいなかったから。2回言うの面倒だし言うほどのことじゃないしね」

 

「勝てるのか?」

 

「勝てるさ。格闘オンリーなら分からないけど何でもアリの総合なら俺に勝てるのはそういないと思ってる。油断はしないけどね。大会の結果が微妙だったら次からは流れるらしいし」

 

「うー・・・・応援してるからお兄ちゃん頑張ってね!」

 

「俺よりも先にヴィヴィオだよ。俺の試合はまだまだ先だし。相手がほしかったら言いなよ。協力は惜しまないから」

 

「うん!私も頑張るよ!」

 

 

アインのデバイスもどうにかなりそうで、3泊4日の旅行は終了してミッドに戻る俺達。

DSAAの予選まで残り2ヵ月。この期間で彼女たちがどう成長するのかが、楽しみである。

 

 




読んでくれてありがとうございます!

文字数的にいつもの倍多めに書いてあります。
戦闘シーン難しいなぁ・・・・
大勢のキャラを動かすってのは大変だな・・・・
全然動かせてなかったけど・・・・・

反省はしない!自分勝手に書くよ!ごめんね!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第9話

今回オリジナルストーリー

メインは住所不定の王者とヘンテコお嬢様です。


楽しかった旅行も終わり、インターミドルまで残り2ヵ月。

ヴィヴィオ達もそれまで特訓するつもりだが・・・・・

 

「暇だな」

 

俺は暇を持て余していた。

それぞれの特訓相手についてはノーヴェが既に手を打っていた為俺のやることが何もない。なら・・・・・

 

「探したぞ、ジーク」

 

「何で居場所分かったん・・・?」

 

森の中にテントを張って昼食を食べていたジークを発見した。

 

「この時期ならお前は大抵首都を離れてない森の中にいると前に聞いた気がする」

 

「まぁ、インターミドル終わるまでならここにいるけど・・・・・何しにきたん?」

 

「もちろんお前に会いたかったからだよ」

 

「え!?・・・ホンマ?またいつものようにからかってるだけとちゃうん?」

 

「そんな訳ないだろ?(暇つぶしに)お前を探して一緒に過ごしたかっただけさ」

 

「そっか・・・・そんなにウチといたいなら一緒に居てもええよ!」

 

「あ、なんかウザイから帰るわ」

 

「冗談や!いかんといて~!」

 

「そこまで言うならいいだろう。一緒に居てやる」

 

「あれ?訪ねてきたのはそっちなのに何でウチがお願いしとるん?」

 

「気のせいだろ」

 

さて、俺はその場に座りながらジークに近況を聞いた。

 

「お前ずっとここに居たの?」

 

「ん~1ヶ月前くらいから?」

 

「相変わらずのホームレスっぷりに感動するよ」

 

「確かにホームレスやけど!言い方に悪意あるやん!」

 

「そんなことはないけど、あ、ヴィクターも心配してたぞ。連絡一つ寄こさないって」

 

「ヴィクターには機会があったら連絡しとく・・・・」

 

「それしないパターンだな」

 

「う・・・・紫苑のほうはどうだったん?何か変わったことあった?」

 

「ああ、あるぞ。お前にも関係することがな」

 

「え?」

 

「少し前に連続して起きた格闘家襲撃事件知ってるか?」

 

「知らん」

 

「期待はしてなかった。で、その犯人が覇王の末裔だった。今では俺の友人だけど」

 

「一体何がどうなってそうなったん?」

 

「説明するよ」

 

俺はここ最近の出来事を掻い摘んで話した。

 

「なるほどな~まぁ、今は良い子なら別にええんちゃう?」

 

「ああ、本人も反省してるしそもそも悪い子じゃないからな」

 

「・・・・その子のこと好きなん?」

 

「友人としてな」

 

「そっか・・・・」

 

「で、お前インターミドル終わるまでずっとここにいるの?」

 

「そのつもりやけど」

 

「・・・・前からヴィクターのところに居候する話あったけど何で受けないの?」

 

「だって、悪いし・・・・」

 

「悪いなんて思ってたらそんな話来ないだろ。せめてインターミドル終わるまでやっかいになっとけば?体調管理だってしやすくなるだろうし」

 

「ウチ何も返せるものないよ?」

 

「別にヴィクターはそんなの望んでないだろ。お前自身納得いかなかったらいつか返してやればいい。」

 

「・・・・・」

 

「今日ここに来たのは暇つぶしが大半だったけど、さすがにこんな生活してるやつを目の前に見るとお節介焼きたくなる。」

 

「けど・・・・」

 

「じゃあ部屋でも借りるか?昔働いてたときの金が丸々残ってるし・・・・・いっそ一緒に住むか?」

 

「え!?・・・・それはまだ早いと思うんよ・・・・でもええなー」

 

「冗談だバカ」

 

「ヒドイわ!乙女の純情なんだと思ってんねん!」

 

「そんなもんゴミ箱に捨てちまえ。とにかくお前に拒否権はない」

 

「なんで!?」

 

「お前が強いのは知ってる。けど、お前が女の子であるには代わりない。体調崩してるときに襲われたらどうする?いくらお前でも対処できないかもしれない。」

 

「そんなん・・・・」

 

ジークの肩を両手でつかんで必死に言う。

紫苑の必死な顔にジークは顔を赤らめる

 

「ハッキリ言う。お前が心配なんだ。頼むから安心させてくれ・・・・」

 

「・・・・うん、分かった///」

 

「というわけで行くぞ」

 

 

 

 

ところかわってダールグリュン邸

 

「で、ジークを拉致してきたと?」

 

呆れた様子のヴィクターに俺は

 

「と、いうわけでこの放浪娘を住まわせてくれ」

 

「ヴィクター久しぶり・・・・よろしく」

 

溜息をつくヴィクター。

 

「まぁ、もともとはそのつもりでしたから別に構いませんけど。あなたのやり方は少し強引ではなくて?」

 

「結果的に連れてこれたしいいだろ」

 

「まぁ・・・いいですわ」

 

諦めた様子のヴィクター

 

「ヴィクター!?」

 

「実際貴女のことは心配していたのよ。それに大会前に不安を取り除けるのはいいことよ。」

 

「まぁ、なんにせよこれは決定だから。覚悟を決めろよジーク」

 

「うう・・・・・」

 

「・・・・ついでに貴方も住む?」

 

「は?俺が?」

 

「ええ、別に一緒に暮らしたいわけじゃないけどインターミドルも近いし特訓相手になってほしいのよ。ほら、いちいち呼ぶのも面倒じゃない?ならいっそのことここに住んで一緒に訓練したほうが効率も良いと思うわ。」

 

ヴィクターが妙に必死な顔をして説得に移った。

 

「あー住むのはマズイな。家族が許してくれそうにない・・・・けど泊まるくらいならアリだしそれでいいか?」

 

「ええ!もちろんよ!」

 

ヴィクターの顔が満面の笑みに変わる。

 

「じゃあ、訓練内容はともかく1日だけじゃ意味ないよな?どれくらい泊まる?」

 

「2ヵ月で」

 

「それ予選始まってるじゃねーか!」

 

「冗談よ。とりあえず1週間でいいわ。後のころはその時決めましょう」

 

「OK、じゃあ家に荷物取りに戻るわ。ここから学校にも通わなきゃいかんし」

 

「ええ行ってらっしゃい(今の感じ職場に行く夫を見守る妻っぽくなかったかしら!じゃあお帰りなさいのあれもしなきゃね!!)」

 

脳内で暴走中のヴィクター。

 

「なんやお泊り会っぽくて楽しいなー(1つ屋根の下なら一気に距離を詰めるチャンスや!ヴィクターも同じこと考えてそうやけど出し抜いて見せるわ)」

 

さて早く行くか

 

 

 

 

「ちょっとただいま~」

 

「紫苑お帰りーちょっと?」

 

「あ、なのは姉さんいたのね。」

 

「うん、今日は早めに終わったからねー。ヴィヴィオもクタクタになって帰ってくるだろうし今日の夕飯頑張っちゃうよ!」

 

頑張ってるところ申し訳ないなー

 

「あーごめん姉さん。今日から一週間友人のところに泊まりに行くから夕飯いらない」

 

「え・・・・・?」

 

満面の笑みから一転絶望の表情

 

「一週間も・・・・・えっと、家になにか不満でもあるの?ヴィヴィオばっかりに構い過ぎてイジけちゃった?大丈夫だよ。紫苑のこともお姉ちゃん大好きだから」

 

「いや、そういうのじゃないから。不満なんて何一つないからイジける年でもないから後、俺も姉さん大好きだけどそれ人前で言うのはやめてね?」

 

「じゃあ、なんで?」

 

「インターミドルに出る友人が特訓つけてほしいって・・・家を提供する友人ともう1人と3人で。学校にもちゃんと行くし、いいかな?」

 

「うーん・・・・あっちの親御さんは何て言ってるの?」

 

「いや、あっちは親とは別々に暮らして執事さんと2人暮らしなんだ。心配ないよ」

 

「執事さん・・・・お金持ちなんだねー。今度友達に挨拶させてね」

 

「ああ、まぁ、いずれ」

 

「私は許可するしフェイトちゃんは航海中だからいいけど、ヴィヴィオには自分で言ってね?多分イジけるかもしれないし」

 

「ヴィヴィオには後で通信しとくよ。じゃあすぐ準備して行くから」

 

「うん。行ってらっしゃい」

               

でも驚いたなー。紫苑にちゃんと男友達がいたなんて。学校の友達かな?それとも外で作った?男友達なんてエリオしかいないと思ったけど。なんにせよ紫苑の友達ならきっと良い子だよね。会うの楽しみかも

 

なのはは2つ勘違いをしていた。

1つは泊まりに行く相手が男であると思っていたこと。

そしてもう1つは、紫苑に男友達がいると思っていたことに。

 

 

 

ダールグリュン邸に戻った俺を出迎えたのは、

 

「ご飯にします?お風呂にします?それとも「ストップや!」ジーク邪魔しないで!」

 

エプロンを付けたヴィクターとそれに飛び蹴りするジークであった。

 

「あーなにしてんの?」

 

「た、ただの遊びよ・・・ただのね・・・」

 

「あー・・・・・あ?」

 

「あなたがくるまで暇だったからちょっとハメを外していただけ!気にしないでいいわ!(ジークのせいで完全に失敗したじゃない!なんで邪魔するのよ!)」

 

「紫苑は気にせんでええよ。うちとヴィクターの問題やから(邪魔するに決まってるやろ!なんなん?新妻プレイって・・・・あざとすぎや!)」

 

「あー分かった。いやよく分からないけど分かった。とりあえずメシにしよう。エドガーいるか?」

 

そう言った瞬間エドガーが現れる。

 

「ここに」

 

「飯の準備はできてるよな?」

 

「もちろん、出来ております。」

 

「ならまずは食べて休憩した後に練習しよう。それでいいか?」

 

「ええよー」

 

「それでいいですけど、エドガーが紫苑の執事っぽくなってるのは何故なんですの?」

 

「気にすんな。じゃあ移動しようか」

 

 

 

 

 

飯を食べ休憩した俺たちはトレーニングルームに居た。

 

「さて、具体的にはどうするか決めてるのか?」

 

「ひたすら模擬戦って感じですわね。2人とも扱う流派は違いますから教えを乞うことも難しいですし。」

 

「そうやねーヴィクターや紫苑クラスなら模擬戦だけでも成長できるやろうし」

 

「じゃあ時間決めてやるか。戦闘時間は15分。その後各々納得するまで反省会。それをずっとループする。俺はインターミドル出ないからなるべく2人を中心にやるぞ」

 

「え?出ないん?」

 

「ジークには言ってなかったか、今回妹が参戦するから俺は応援に回る。」

 

「へー妹さんかー」

 

「じゃあ早速始めるぞ。まずはヴィクターとジークからだ」

 

「「はい」」

 

 

3時間経過

 

 

「さすがに・・・・キツイですわね・・・」

 

息を切らしながらその場に座り込むヴィクター

 

「まぁ、実質休憩は反省会の5分程度だしな。お前ら2人なら反省会もすぐ終わるし」

 

「2人レベルだと気も抜けないしホントにキツイなぁ・・・・」

 

「じゃあ総評を俺から。まずヴィクターだが、攻撃も防御もいいけど速度が遅い。スピードを重視する俺らクラス相手には苦戦するぞ。だからお前は読みを鍛えろ。」

 

「読み・・・ですか」

 

「ああ、装甲が厚いから自身のスピードアップはほぼ望めない。なら、相手の動きを先読みして動け。読みを極めれば相手の移動する場所も分かる。一朝一夕じゃ厳しいが残り2ヵ月あるしある程度モノにできるだろ」

 

「分かりましたわ」

 

「一番問題なのはジークだ。お前の場合全ての能力が高水準でスキがない。しかし俺には勝てなかったな。何故か分かるか?」

 

「・・・・分からん」

 

「本来ならお前が全敗なんてあり得ないんだよ。俺とお前に差なんてほぼない。あるとしたら・・・・・覚悟の違いだ」

 

「覚悟?」

 

「俺は守るために絶対に負けないという覚悟がある・・・・・が、お前はどうだ?未だに自身の血を受け入れきれてない部分がある。本気で勝とうとする意志も弱い。だからこそ『エレミア』の制御も出来てないんだろ」

 

「・・・・」

 

「一度自身を見つめなおせ。キツイ言い方するが、その姿勢じゃこれ以上の成長もないし俺には一生勝てない」

 

「紫苑!」

 

非難めいたヴィクターに俺は

 

「黙ってろヴィクター。いつまでも逃げてんじゃねーよ。お前は何のために格闘技をしてるんだ?」

 

そう言うとジークはその場を去っていった

 

「紫苑!ちょっとキツイんじゃないの!あれじゃジークもショックを受けてしまいますわ!」

 

「確かにショックは受けるが、現状でジークより強い俺が言わなきゃいけなかったんだよ。ちゃんと後でフォローはいれる」

 

「今から追いかけませんの?」

 

「今は俺の言葉を受けて考えてるころだからな。後の方がいい」

 

「明日までに直せますの?」

 

「分からない。けど全く受け入れてないわけじゃないんだ。後で話してみるからヴィクターは汗を流してきな」

 

「・・・・分かりましたわ」

 

そう言ってヴィクターは風呂に向かう。

 

「さて、エドガーいるか?」

 

「ここに」

 

「ジークを見張ってろ。無いとは思うが、外出たら教えてくれ」

 

「分かりました」

 

そういってエドガーはここを去った。

 

「あ・・・・ヴィヴィオに通信すんの忘れてた・・・・」

 

 

 

俺はすぐさまヴィヴィオに通信する。

 

『遅い!』

 

「ごめん、怒ってるよね?」

 

『だっていきなり外泊とか聞いてないよ!』

 

「いや、こっちも急だったし・・・・」

 

『しかも一週間も!ヴィヴィオ寂しいな~』

 

「帰ったら何かしらに付き合ってやるから機嫌直してほしいな」

 

『じゃあ一週間一緒に寝ること!』

 

「はいはい」

 

『ヴィヴィオは疲れてるのでもう寝るね!おやすみなさい!』

 

「はい、おやすみー」

 

良い子に育ってるけどまだまだ子供だな。まぁ、甘えられるのは大歓迎だし別にいいか。

 

「さて、ジークの部屋にでもいきますかね。」

 

 

 

ジークの部屋の前までに着いた。

 

「ジークいるか?」

 

「・・・・・・」

 

「まぁ、気配で分かるからいるのは分かるけど(エドガー、ジークの見張り解除していいぞ)」

 

エドガーにそう念話で伝えると気配もなくここを去った。

 

「ああ、鍵開けないと扉壊して入るから。」

 

そういうと慌てた様子で扉を開けた。

 

「傷心中の女の子の扱い考えて!」

 

「悪いがシリアスに付き合う気はないぞ。俺はシリアスが大嫌いだ。」

 

「うう・・・・・入ってええよ」

 

言われずとも入るけどな。

 

 

「で、お前のことだ。色々考えてはみたが何も思いつかなかったんだろ?」

 

「う・・・・・」

 

「というわけで、俺が助けてやる」

 

「え?」

 

「まずは俺が聞く。お前自身その力をどう思ってる?」

 

「出来れば使いたくない。けど、ダメージが一定になると無意識に解放されてしまうからどうにもならんのや・・・・」

 

「なぜ使いたくない?」

 

「だってズルイやん・・・・与えられた力で戦うって・・・・」

 

「それのどこが悪い?」

 

「え・・・・?だって・・・」

 

「与えられた力でもそれはお前自身の力であり、それは周りも納得してる。ミカヤなんかは解放したお前自身を倒したいと思ってるぞ。ミカヤだけじゃない、ヴィクターだってハリーだってそうだ。」

 

「・・・・・」

 

「それとも誰かにズルイって言われたのか?」

 

そう言うとジークは首を左右に振る

 

「だろうな、その力を否定してるのは俺の記憶ではお前だけなんだから」

 

「・・・・・解放したらまた壊してしまうよ?」

 

「俺が止める。」

 

「・・・・・いっぱい迷惑かけるよ?」

 

「友達ってそういうもんだろ?お互い迷惑掛けて迷惑掛けられる。そういう遠慮のない関係が友達じゃないのか?」

 

「・・・・・・」

 

俺は泣きじゃくるジークを抱きしめる。

 

「大丈夫だ。何があろうと俺はお前を見捨てない。ずっと傍にいる」

 

「ずっと・・・・・ずっと怖かった・・・・・この力でみんなが離れていくって思ったら怖くて・・・・力を否定して・・・・」

 

「分かってる。今まで辛かったよな?本当は寂しがり屋のくせに、被害だしたくないから1人でいてさ・・・・でも、これからは大丈夫だ。お前の力もお前自身も俺が守るよ。俺の剣は泣いてる子を守るためにあるんだから」

 

その晩ジークは溜め込んでいたものを全て吐き出した。小さい子供のように一晩中ずっと泣いていた。

 

 

翌朝

 

 

「えへへー紫苑~」

 

「なんですの・・・・これは・・・」

 

俺の腕にしがみつくジークをみて絶句するヴィクター

 

「慰めたらこうなった。後悔はしてない(キリ」

 

「キリっじゃありませんわ!慰めるように言ったかもしれませんが落とせなんて一言も言ってません!」

 

「えへへ~ずっと一緒~」

 

「(クッ・・・・元々好意を持っていたのは分かってましたが好感度が限界突破していますわ・・・・)」

 

「とりあえず離せ。」

 

「え~」

 

「えーじゃない。この状態だと飯も食えないし学校もいけない。」

 

「・・・・しょうがないなぁ」

 

そう言ってジークは腕を離す。

 

「さて、今日の予定は昨日言った各々の課題をこなしてもらう。ヴィクターは読みをジークは力のコントロールだ。ジークについては俺が学校から帰ったら訓練を始める。ヴィクターについては、まず観察力を鍛えてもらう」

 

「観察力ですの?」

 

「そうだ。まずは見た目だけで相手がどんな人間かを把握してもらう。そうすることで相手がどんな性格をしているかを判断し、読みに繋げる。色々資料持ってくるからヴィクターも俺が帰ってからそれについて鍛えるぞ。」

 

「分かりましたわ。」

 

 

そしてこの一週間の訓練合宿が終わった。

隙あらばべったりしてくるジークをヴィクターが止める。この光景も大分慣れたな。

訓練については、一通り終わった。

ジークは無事にエレミアの力を制御できるようになった。とはいっても完全にではなくある程度だ。少なくても俺が見てなくても力を暴走させることはないだろう。

ヴィクターについては読み精度はある程度上がったが、やはり完全ではない。しかし2人とも短期間の成果としては上々だろう。

 

 

「じゃあ俺はそろそろ帰るよ」

 

「えー・・・・ずっと一緒・・・・」

 

「また近いうちに来るさ」

 

「本当にお世話になりましたわ。ジークについてはやりすぎた感がありましたが、ジークがちゃんと吹っ切れたのは貴方のおかげです。ありがとう紫苑」

 

「ん、まぁこっちも勉強になったしな。ジークのことよろしく頼むよ」

 

「ええ、任せてください。ほらジークいつまでも項垂れてないで」

 

「うん・・・・・じゃあまたね。紫苑」

 

「ああ、またなジーク」

 

 

そう言って俺は自分の家に戻った。色々あった一週間だったが(ジーク風呂特攻事件とかヴィクター料理爆発事件とか朝起きたら両サイドに2人がいたとか。夜通し2人とトランプしたとか)あれ?いや、訓練についての記憶が少ないのは気のせいだろう。

 

 

 

「ただいまー」

 

「お兄ちゃん!!」

 

家に着くとヴィヴィオが飛びついてきた。

 

「おーヴィヴィオ久しぶり?でも一週間程度だしな」

 

「一週間でも体感的に一ヶ月ぶりだよ!」

 

「どういうこと?」

 

なのは姉さんもきた

 

「紫苑ー!!」

 

「姉さんどうした?急に抱きついて危ないな・・・・」

 

「だって久しぶりだもん!体感的に1ヶ月は待ったよ!」

 

「それさっき聞いた」

 

血は繋がってなくても親子だなぁ・・・・・

 

「だってお兄ちゃんと一週間も離れたことなかったし・・・・」

 

「そういえばそうだな。地味に最長記録更新か。」

 

以前の記録は修学旅行だ。

 

「そんな記録更新しなくていいよ!今日は練習休みだからずっと一緒にいられるよ!」

 

「私も休みだからずっと一緒にいるよー」

 

「うん、じゃあ今日は家族水入らずということで・・・・フェイト姉さんはいないけど」

 

「フェイトちゃん航海中だからね~。早く戻ってくればいいのに」

 

「仕事だししょうがないよね。じゃあそろそろ離れようか?」

 

この会話中でも抱きついて離れない2人。

 

「やだーこのままリビングまで行ってー」

 

「紫苑がんばって♪」

 

「しょうがないな。ちゃんと捕まってろよ」

 

俺は二人を抱えリビングに向かう。家族に甘々なのは高町家ならしょうがないよね。

 

 

ヴィヴィオはトイレに行くため席を立ち、姉さんがお茶を用意して泊まりについて聞いてきた。

 

「で、どうだったの?」

 

「どう・・・とは?」

 

「色々だよ。遊んできたり練習してきたんでしょ?成果はどうとか楽しかった~とか」

 

「ああ、そうだな。俺自身の変化はそんなにない。基本的にコーチの真似事だったし。ただ、友達のトラウマの克服を手伝いできたのは一番よかったな。」

 

「へーそうなんだ。やるね紫苑」

 

姉さんが笑顔でガッツポーズをとる。

 

「役に立てたのは良かったな。あーでも・・・・」

 

「なにかあったの?」

 

「いやそのお蔭?せい?で凄い懐かれたのはいいけどさ、お風呂に乱入してくるのは焦ったよ。」

 

「え(同性同士なら)普通じゃない?」

 

「え?(異性でも)普通なの?」

 

「んー私よく(フェイトちゃん相手に)やってるしね」

 

「は!?(異性相手に)よくやってんの!?」

 

「え?そんなに(同性同士でお風呂って)驚くことなの?」

 

「いや驚くよ!(異性同士って・・・・)え?そういう相手いたの?」

 

「え?(フェイトちゃんだけじゃなくてってことかな?それならヴィヴィオとかはやてちゃん達とかと入ったことあるし)いっぱいいるよ?」

 

「は!?いっぱいって・・・・」

 

マジかよ・・・・うちの姉はいつから・・・・ヤバイ少し泣きそう・・・・

 

「そんなに驚愕することかな?ヴィヴィオだって(同性同士で)一緒に入ることあるし」

 

「はぁ!?ヴィヴィオも一緒だと!!!」

 

うちの天使と風呂だと!?しかもなのは姉さんも一緒に?ふざけんな俺の家族になんてことしてやがる!

 

「ちょ・・・・どうしたの?そんなに怒ることかな」

 

「そりゃそうでしょ!つーかなに冷静に言ってんの?自分の言ってることおかしいって思わないの!?」

 

「(同性同士でお風呂って)そんなにおかしい?」

 

「いや付き合ってるならいいかもしれないけど、それにヴィヴィオも一緒っておかしいだろ!」

 

「え?付き合う?」

 

「え?付き合ってないの?」

 

「・・・・・もしかして勘違いしてる?」

 

・・・・・勘違い?

 

「なのは姉さんが複数の男とヴィヴィオ連れて一緒に風呂に入ったってことじゃないの?」

 

「え!?ないよ!どんな勘違い!?」

 

「だってさっきそう言ったじゃん!」

 

「違うよ!会話の流れを考えてよ!紫苑の男友達がお風呂に乱入してくるって言ったけど同性なら普通だよねって・・・・」

 

「は?男友達?同性?」

 

「え?男友達じゃないの・・・・・?」

 

・・・・・・・・・あ

 

「えっと・・・・・」

 

「もしかして紫苑、泊まりに行ったのって男友達じゃなくて・・・・・」

 

「・・・・いや・・・その・・・・」

 

「2人の女友達との泊まりだったの?しかも一週間も?」

 

「・・・・・・言ってなかったっけ?」

 

「聞いてないよ!・・・・・・じゃあお風呂に乱入してきたのって女の子なの?」

 

「はい、そうです。」

 

「そうですじゃないよ!もしかして紫苑手を出したんじゃ・・・・・」

 

「してないです!未遂です!何もしてません!」

 

「・・・・・分かった。信じるよ・・・・それにしても女友達だったなんて・・・・」

 

「いや、純粋に仲良いだけだから邪推はしないでね」

 

「分かってる。待望の男友達だと思って嬉しかったのになー」

 

「俺に男友達なんていません」

 

「悲しいこと言わないでよ。あれ?エリオは?」

 

「あれはもはや身内のカテゴリーですし」

 

「そっか。エリオも喜ぶんじゃないかな?」

 

「まぁ、いいや。あ、このことは内緒にしておくからヴィヴィオには言わないようにね。多分卒倒するか口聞いて貰えなくなるかもだし」

 

「あー・・・・うん」

 

ヴィヴィオがトイレから帰ってきた。

 

「おかえりヴィヴィオー」

 

「なに話してたの?」

 

「一週間なにしてたかだよ」

 

「ヴィヴィオも参加する!聞いて聞いてノーヴェがねー・・・・・」

 

やっぱり家族はいいなー。こういう時間を過ごしてると一生このままでいたいと思ってしまうのはしょうがないよな。でも、勘違いだったけどいずれヴィヴィオも男を作るだろう。もしかしたら姉さんたちも旦那を作るかもしれない。そうなったとき俺は耐えられるだろうか?この居心地の良い空間を他人に犯されるのはあんまり気分の良いものじゃない。でも今は、今だけは・・・・

 

「お兄ちゃん聞いてるー?」

 

「ああ、聞いてるよ」

 

この時間をただ楽しもう。いずれその時が来るまでは、この愛しい家族達と共にいさせてほしい




まぁ、紫苑が不安に思ってることなんて一生来ないんですがね(ゲス顔



キャラの口調ムッズいー


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第10話

始まりました。インターミドル

そのインターミドルなんですが、結果や内容は原作と変わらないので戦闘シーンは書きません。だって紫苑出ないし。せいぜいダイジェスト?戦闘シーンが見たいなら原作みてください




「さて、そろそろ開始かな。」

 

あれから2ヵ月。あっという間に時間が過ぎたが、4人ともみっちり練習してきたし予選で落ちることはないだろう。

 

「これ全部参加者なんだよね?」

 

あまりの人の多さに面食らうヴィヴィオ。

 

「そうだな。少なくても10代の女子は全員参加者とみていいだろう。中には参加者の家族もいるんだろうけど。あ、開会のセレモニーあるからみんな行ってきな。」

 

4人とも見送ってセレモニーを見る。今年の選手宣誓はエルスだったのか・・・

去年も同じこと思ったけど、「えいえいおー」ってなんか恥ずかしいよな。男子も同じノリだし変な伝統になってる気がする。

 

こちらに大柄で白髪の犬耳が付いてる男が来る。地球だったら即通報ものだろう。

 

「ノーヴェ、紫苑」

 

「ああ、旦那」

 

「久しぶりか?ザフィー」

 

彼はザフィーラ。八神家の犬だ(誤字ではない)

 

「あ、ザフィーラ!」

 

セレモニーが終わってヴィヴィオがこちらにくる

 

「ちょうどいい、ミウラを紹介しよう」

 

そういってミウラを呼ぶザフィーラ

 

「ヴィヴィオさんですよね?ミウラ・リナルディです!」

 

「初めまして!お噂はかねがね!」

 

「ホントですか?ありがとうございます!ずっとお会いしたかったんです!」

 

別にミウラは有名じゃない。ただ俺やなのは姉さんの話を聞いてただけ。ミウラも俺が話してたのを聞いてただけ。

 

「ミウラ~俺には挨拶なしか?寂しいなー」

 

「そ、そんなことありませんよ!紫苑さんもお久しぶりです!」

 

「相変わらず犬っぽいよな。今度犬耳と首輪とシッポ買ってくるから付けてみてくれ」

 

「嫌ですよ!」

 

「お兄ちゃん!ミウラさんに失礼でしょ。すみませんうちの兄が・・・・」

 

「いえいえ、いつもこんなノリなので慣れましたよー」

 

「いつもなんですか!?」

 

「じゃあ俺は観客席に行くから試合頑張れよー」

 

そういって俺は去った。別に逃げるわけじゃない。選手でもトレーナーでもない俺がずっとここにいるわけにはいかない。

 

 

 

みんな順調だな・・・・あれは・・・・

 

「2人とも来てたんだな」

 

そこにいたのはヴィクターとジーク

 

「あら、紫苑?帽子被ってて気づきませんでしたわ」

 

「あ~紫苑やー。」

 

「ジーク、ここでは抱きつくなよ。ヴィクターこの帽子は軽い変装みたいなもんだ。」

 

「あなたは有名ですからね。中々似合ってるわ」

 

「ありがとう」

 

ジークが間を空けて座るように諭す。俺は遠慮なく2人の間に座った。

 

「2人はどうだった?誰か面白そうな子いた?」

 

「今それを話してたの。」

 

「何人かおもしろい子が{あー寝坊しちまった」・・・・」

 

お?この聞き覚えのある声は・・・・・

 

「ハリーか。地味に久しぶりだな」

 

「紫苑?それにヘンテコお嬢様じゃねーか。」

 

「誰がヘンテコですって!?」

 

そういって喧嘩になる2人。こいつら会うたび会うたび喧嘩ばっかだな。

 

「この2人ってなんで仲悪いんだ?」

 

「多分水と油みたいなもんやない?」

 

ああ、決して相容れることはないのな。

いがみ合ってる2人を見つめてると。チェーンバインドが飛んでくる

 

「都市本線常連のトップファイターがリング外で喧嘩なんて何考えてるんですか!」

 

「だからってリング外の魔法使用はいかんでしょ。せめて最初は口で言えよ」

 

俺がそうエルスにダメ出しすると

 

「ああ、チャンピオン!?」

 

あ、この馬鹿デカイ声でバラしやがった。あとでシメる

辺りがガヤガヤうるさくなったじゃねーか。あーヴィヴィオ達もこっち見てるよ・・・

 

「去年世界戦男子優勝の氷帝・高町紫苑選手と一昨年の女子世界戦優勝の鉄腕・ジークリンデ・エレミア選手だ!」

 

誰だ今の説明口調。

 

「去年の都市本選の3・5・8位のトップファイターも揃ってるぞ!」

 

いい加減黙れくそ。ジークが俺の背中にしがみ付いて隠れやがった。

あ、ヴィヴィオ達の目が憧れからちょっと険しくなったぞ・・・・

 

そして2人は絡まってるバインドを解除する。あ、エルスが悔しそう・・・・きっとすごく練習したのにあっさり解除されたのが悔しいんだろうな。

 

「つーか何で紫苑がいるんだ?今年は同日に別会場で予選じゃなかったっけ?」

 

そうハリーが聞いてくる。

 

「俺はそもそも予選は免除されるだろうし、それ以前に今年は出ないからだよ」

 

「は!?マジ!?」

 

「マジだ。今年は観戦させてもらうぜー無様な試合は見せるなよ」

 

「だったら見せてやろうじゃねーか!この1年で相当鍛えてきたぜ!}

 

そういってハリーはここを去っていった。

 

「さて、予選もあらかた観終わったし私達もそろそろ帰りましょうか。」

 

「じゃあまたな。ジークもう見られてないし背中から出てこい」

 

「えへへー紫苑ー」

 

「えへへじゃないから、とっとと帰れ。どうせ来週にはまた会えるんだ。ヴィクター後は頼む」

 

「分かってますわ。」

 

ヴィクターもジークを連れてここを去った。さて・・・・

 

「エルス~お前なに俺がここにいることバラしてんだコラ」

 

「へ?」

 

「OSHIOKIだ・・・・・」

 

 

 

 

 

エルスにお仕置きした後、俺はヴィヴィオ達のところに戻る。

 

「よく頑張ったなみんな。カッコよかったぞー」

 

みんなを激励するが反応が微妙なのはなんでだろう・・・・

 

「お兄ちゃんってチャンピオン達と知り合いだったの?」

 

「そうだな。友達だよ」

 

「じゃあ紹介してくれてもいいじゃないですか!ハリー選手とかヴィクトーリア選手とかファンなんですよ!」

 

そう怒りながらリオが言う。

 

「あーじゃあ今度紹介してやるよ」

 

「「「やったー!」」」

 

3人が大喜びする。

 

「アイン、お疲れさま」

 

「紫苑さん」

 

「どうだった?」

 

「緊張はしましたが特に問題ありません。」

 

「そっか。本番は来週からだしな。また応援するよ」

 

そう言ってアインの頭を撫でる。

 

「あ、ありがとうございます・・・・」

 

顔を赤らめるアイン。それを見つめて3人は羨ましそうに

 

「アインハルトさんだけズルイ!お兄ちゃん私も撫でて!」

 

「私もよろしくおねがいします!」

 

「私も!」

 

要望には応えてそれぞれ撫でることにする。なんか妹が増えたみたいだな。

 

「さて、うちに戻るか。姉さんたちがフルーツタルトを作って待ってるよ」

 

 

 

「みんなお帰りー!」

 

「お帰りなさい。怪我がなくて本当によかった」

 

フェイト姉さんは相変わらずの心配性だなぁ・・・・

 

「お菓子の準備も出来てるからまずは手を洗ってから、リビングに集合ね」

 

そうしてお祝いというかお茶会が始まった。

 

「みんなスーパーノービスクラスだし、1回勝てばエリートクラスの仲間入りか。」

 

「そうだよー」

 

「まぁ、お前らの今の実力ならエリートクラスにいくのは楽勝ではあるな。本番はエリートクラスに入ってからだ。対戦相手については当たってから考えるとして、今はゆっくり休みな」

 

「うん!」

 

「試合のある日はなるべく会場に顔出すからねー」

 

「うんと応援しちゃう!」

 

そういって皆が笑顔になる。

 

「あれ?ミウラが出るってことはもしかしてはやても応援に来るのか?」

 

「そういえばはやちゃんも行くって言ってたね」

 

「ミウラのエリートクラス1回戦の相手って強敵だからな。どう倒すのか見物ではあるな」

 

「誰が相手なんです?」

 

アインが聞いてくる。

 

「お前もよく知ってる相手。2年前の都市本選3位のミカヤだ」

 

「ミカヤさんですか・・・・・手強い方ですからね・・・・」

 

「まぁ、なんにせよ来週が楽しみだな。」

 

 

 

 

 

来週になりみんなスーパーノービスを突破して、エリートクラスになった。

俺となのは姉さんとフェイト姉さんは観客席で観戦していた

 

「全員特に怪我もなく順調だな。これなら一回戦も突破するのは容易いだろう。ミウラ以外は」

 

「あんまり酷いこと言わないの!」

 

「ミウラだって頑張ってるのに・・・・・」

 

なのは姉さんとフェイト姉さんに叱られる。

 

「いや厳しいだけで勝てないなんて言ってないぞ。ミウラにも勝算はある」

 

「「そうなの?」」

 

「ミカヤの装甲は薄くミウラの攻撃は重い。当てさえすればなんとかなる。それにミウラには一撃必殺がある」

 

「一撃必殺って・・・・」

 

「ブレイカーだ。片足に魔力を圧縮し放つ。並みのバリアはものともしない。ま、当てるまでが大変なんだけどな」

 

「勝てるといいね」

 

 

そしてミウラの試合が始まった。

最初は無謀な特攻をして失敗に終わったが、攻撃が決まりだすとミウラのペースになり最後は一撃必墜のブレイカーで勝負が決まった。

 

 

「ハリー、その様子じゃ見てたみたいだな?」

 

俺は別の観客席にいたハリーに話をかける

 

「ああ、今日はミカ姉に合わないほうがいいな。自分の試合に集中することにするよ」

 

「ジャイアントキリングはお前らにも当てはまる。相手がルーキーでも油断すんなよ」

 

「うん。そういえば紫苑の妹はどうなったんだ?」

 

「順調だよ。ほらあの4人組のルーキー」

 

俺はヴィヴィオたちのほうに指を指す

 

「あれってお前の身内だったのか?結構やるじゃねーか」

 

「だろ?可愛くて強くて最高の妹だよ」

 

可愛さならうちの妹は世界最強だろう。

 

「(シスコンか?)お、おう・・・・」

 

「2回戦も終わったみたいだしまた来週だな。」

 

「おう、来週は俺はデコメガネとの試合だ。あいつも結構やるから油断できないぜ」

 

「当然だな。1回勝負の戦いで油断なんてアホがすることだ」

 

「じゃあまた来週に。しっかり見てろよ!」

 

「分かってる。」

 

 

 

 

 

「来週はヴィヴィオとミウラでリオはハリーかエルス。そしてアインとコロナ・・・・か」

 

ああ、そういえばシャンテもルーも勝ち残ってたっけ?ヴィヴィオ達のほうが心配だから普通に忘れてた。

ああ、でもシャンテは残念ながら敗退だな。相手がヴィクターなのはドンマイすぎる。

 

「お兄ちゃん?」

 

「どうした?」

 

「どうしたっじゃないよ。ボーっとするなんて珍しいね」

 

今は家に帰ってヴィヴィオとソファーでだらけていた。

 

「いや、来週のことを思ってね。どっちも厳しいなーって」

 

「アインハルトさんとコロナ?やりずらそうだね・・・・」

 

「まぁ、お互いの手の内はバレバレだからな。どうやって出し抜くかが勝負のキモになるかもな」

 

「そうじゃないよ!」

 

え?俺見当違いのこと言った?

 

「今まで一緒に練習してきた仲間だよ?どっちが勝っても雰囲気悪くならないかなーとか、どっちを応援すればいいのかなーとか」

 

「あの2人なら雰囲気悪くならないだろ。応援に関してはどっちも応援してやれ。つーか勝ち負けの世界で何言ってんだ?勝ち続ければいつかはそうなるかもって考えもなかったのか?」

 

「そんなことはないけど・・・・」

 

ヴィヴィオが顔を俯かせる。ヤバい少し言い過ぎたかも

 

「あー・・・・こういうのって当事者同士は案外サッパリしてんだよ。いつも心配するのは周りだけ。そもそも、お前だってミウラとの試合だろ。ミカヤを降したミウラ相手に今他人の心配する余裕があるのか?」

 

あーまた言い過ぎた・・・・・

 

「それは・・・・・余裕はないけど・・・・」

 

「なぁヴィヴィオ。お前の友人関係はこの程度で壊れるほど脆いものなのか?」

 

「そんなことないよ!」

 

「なら信じてやれ。お前がっつうか周囲が何かする必要はない。あの2人なら双方納得するような気持ちの良い試合をするはずだ」

 

「うん・・・・」

 

 

さてさて、来週は見ごたえのありそうな試合ばっかだな。ま、万が一何かあった場合はフォローもするし問題はないだろう

 

 




すみません。今日はここで終わりです。


あー・・・うん


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第11話

「コロナが負けたか・・・・・・」

 

俺は観客席でアインハルト対コロナの試合の行く末を見届けていた。

しかしコロナはよくやった。はっきり言ってコロナは純粋な格闘技の才能はない。しかしゴーレム操作というマイノリティーの技法とチーム1の知性でその才能の無さをカバーしている。だからといってアインにここまで善戦できるとは・・・・正直侮っていたな。それに・・・・

 

「あんなオットー初めて見たな」

 

オットーは基本的に冷静沈着で、人によっては冷たい印象すらあるが、あんな大声で激励をするとは、付き合いは結構あると思っていたがあんな一面があったとは

さて、コロナは医務室に運ばれたか。ノーヴェやオットーも一緒に行ったみたいだし、様子を見に行くか。

 

 

「コロナ、大丈夫か?」

 

俺は医務室に入りコロナに声をかけた。そばにノーヴェとオットーもいる

 

「あ、紫苑さん。怪我しちゃいましたけど大丈夫です。」

 

顔色も悪くないし無理言ってる感じでもないな。

 

「そっか。でも後で何かあるかもしれないし今日1日は安静にな。」

 

「はい。試合どうでした?」

 

「どっちも良かったよ。コロナもアインも自分に出せる全力を出してて観てる方も気持ち良く見れた。」

 

「それなら良かったです。」

 

「さて、次はヴィヴィオだな。応援行けるか?」

 

「はい!大丈夫です!」

 

この笑顔が見れるならもう安心だな。遺恨もなさそうだし、まぁ遺恨については最初から心配してなかったけど

 

「にしてもオットーには驚いたな」

 

俺はニヤケながらオットーを見る。

 

「え?」

 

「だってあのオットーが大声であんな熱い激励を送るなんて思ってなかったし」

 

「あ、あれは・・・・」

 

オットーの顔が赤く染まる

 

「短期間とはいえ自分が育てた子には愛着が湧いたか?」

 

「そうですね。初めてトレーナーをやったんですが子供が傍で育っていくのを見てると楽しくて嬉しくて・・・・こんな感情は初めてですね。さっき紫苑様が来る前に引き続きトレーナーをしてよいかと聞いたら了承してくれました。」

 

「よかったじゃないか。案外お前にトレーナーは合ってたかもな。じゃあ俺はそろそろ観客席に戻るよ。」

 

俺は観客席に戻ると姉さんたちが急いでる姿を発見した。

 

「姉さんたちまだ始まってないから焦んなくていいよー」

 

そこにいたのはなのは姉さん、フェイト姉さん、はやてとシグナムとリインだった。

 

「あ、紫苑ひさしぶりやな~」

 

そういって抱きついてくるはやて。

 

「久しぶりだからって抱きつくなし。」

 

「ええやん。あんまり会えないんだし堪能させてな~」

 

そう言って離れる様子をみせないはやて。するとシグナムが

 

「すまんな紫苑。まぁ、好きにさせてやってくれ」

 

「本気で嫌なわけじゃないし別にいいんだが、人目がな・・・・」

 

たださえ目立つ容姿が揃っている状態でなおかつチャンピオンである俺が見知らぬ大人の女性に抱きつかれてるのは、はやてにも俺にもよろしくないし嫌でも人目が引いてしまう。

 

「それもそうやね。しょうがないし離れてやってもええよ」

 

あれ?なんでこっちがお願いする立場になってるんだ

 

「まぁ、いいや。5人は一緒に来たの?」

 

「ううん。そこでたまたま一緒になったんだー」

 

なのは姉さんがそう答える。

 

「なら折角だし一緒に見ようか。目当ての試合は同じだしね」

 

俺達は席を移動する。

 

「さて、この試合どっちが勝つと思う?」

 

シグナムがそう聞いてくる。

 

「この試合に関しては両方のことを知っている俺から言わせれば、どっちが勝つかは本気で予想がつかない。スタイルは違うが、それほどに実力が伯仲してるんだ。」

 

「そうなんですか?トップファイターを倒したミウラのほうが勢いありそうだしミウラが勝つと予想してました」

 

「確かにミウラに勢いはあるが、それすら楽しみに変えるヴィヴィオのメンタルを甘くみてもらっては困る。ヴィヴィオ程試合を楽しめるやつを俺は知らない。どんな試合であろうと純粋に楽しめることが出来るヴィヴィオはメンタル面で言えば世界の強者と遜色ないよ」

 

ヴィヴィオは重たいものを背負って今まで生きてるからな。そこら辺のガキがメンタルでヴィヴィオに勝てるわけがない。

 

「なるほど、メンタルはヴィヴィオが上。実力は同じくらい。ならヴィヴィオに軍配が上がるとお前は予想してるのか?」

 

「どっちが勝つか分からないって言ったろ。些細なミスが命取りになるくらいの差だ。ヴィヴィオには勝ってほしいが最後の最後まで分からないよ」

 

「そうか」

 

とは言ったが、今現段階では互角なのは間違いない。しかしファイターの資質はミウラのほうが上。将来的には差がつくかもな・・・・・

 

「あ、そろそろ始まるよ」

 

フェイト姉さんがそう言った瞬間、舞台にミウラとヴィヴィオが上がってきた。

 

「さて、どっちが勝つのやら」

 

試合のゴングが鳴った。最初はヴィヴィオ優勢に思えたがすぐにミウラが巻き返し一進一退の攻防が繰り広げられた。結果は・・・・

 

ミウラの勝利で終わった

 

最後動きが鈍ったヴィヴィオにミウラの抜剣が炸裂。そして・・・・

 

 

 

 

「シャマル!ヴィヴィオは!?」

 

「落ち着いて紫苑くん。消耗しすぎて意識が落ちただけ。治癒促進もかけたし大丈夫よ」

 

「そっか・・・・・」

 

俺は姉さんたちと医務室にいた。ミウラとの試合で意識を失ったヴィヴィオは即医務室に運ばれた。今は姉さんたちとヴィヴィオが目を覚ますのを待っている。変身が解除され、外にクリスが出てきた。

 

「ありがとうございます。シャマル先生」

 

「いーえー」

 

「クリスもありがとな」

 

俺がそう言うとクリスが落ち込む。

 

「お前はよくやったよ。そう気に病むな」

 

そういうと少し元気が出たようだ。

 

「とりあえずうちのチビ達とミウラに無事だったこと伝えてきます。」

 

「あ、私もいくよー」

 

「私はルーテシアやセインたちに伝えてくるよ」

 

そういってノーヴェとはやてとフェイトが退出する。

 

「一応近くの病院で精密検査の予約入れてくるわね。紫苑くんやなのはちゃんはついててあげて?」

 

「「はい」」

 

シャマルも退出した。

 

「死ぬほど心配した・・・・」

 

「そうだね。だけど無事でよかった」

 

「ああ。自分で試合したほうがよっぽど楽だよ」

 

そうして話してるうちにヴィヴィオが起きた。

 

「あ、目覚ましたか?」

 

「ヴィヴィオ・・・起きた?」

 

「お兄ちゃん・・・ママ・・・クリス・・・・?」

 

どうやら意識がハッキリしてきたようだ

 

「わたし、負けちゃったんだね・・・・いい試合できてた?」

 

「ああ、会場もすごく盛り上がってたし」

 

「恰好よかったよ」

 

「えへへ、ありがと」

 

照れた様子ではにかんだヴィヴィオ。そこへノックが鳴る

 

「ヴィータとミウラ?」

 

そこにやってきたのはヴィータと泣いてるミウラ。どうやらヴィータはミウラの付き添いらしいが・・・・・

 

「あ、あのすみません、なのはさんに紫苑さん。ボクのせいでヴィヴィオさんが・・・・」

 

「正々堂々と試合した結果だ。ヴィヴィオも無事だし謝ることはねーよ」

 

「そーですよーミウラさん。勝者なんですから胸を張ってください」

 

ヴィヴィオがなのは姉さんの後ろからひょこっと現れた。そうして2人で話し今からリオの応援に行くことになった。

 

「俺もヴィヴィオ心配だしついてくよ」

 

「うんよろしくね」

 

なのは姉さんにそう言って俺はヴィヴィオとミウラの後についていく

 

 

「お前らなに2人で支え合ってんの?」

 

「だってダメージ抜けてないし・・・・」

 

「フラフラ同士ですから支え合ってるんです」

 

なら俺が2人を支えていくか。そう思って俺は二人を抱える。

 

「ちょっと恥ずかしいよお兄ちゃん」

 

「さすがに恥ずかしいです・・・・」

 

「いいから支えられてろ。見てるこっちが心配になる」

 

 

 

試合会場につくと試合はもう終盤に差し掛かっていた。

 

「おーハリー相手に健闘してんじゃん」

 

「リオ凄い!」

 

恐らくハリーは初見の武術で戸惑っているところもあるんだろうが、それを差し引いてもリオはよくやってる。しかし・・・・・・

 

「リオ負けちゃったね」

 

「でもトップファイター相手に凄いです!」

 

「この試合に関しては実力差が出たな。だがハリー相手に本気を出させたのは勝算に値する」

 

最後の大技はヴィクターとあたるまでとっときたかったんだろうな。それほどまでにハリーを追いつめたリオは間違いなく強い。

 

今日の試合は全て終わり、それぞれ帰宅する。

疲れてるせいかヴィヴィオは帰ってすぐに寝た。

 

 

早いもので次の土曜が来た。

アイン対ジーク。どっちも応援したいところだが・・・・・

 

「(時を越え、子孫同士が激突か。何もなきゃいいけどな)」

 

2人の体調は万全っぽいな。今日はどっちとも会っていない。結局どっちも応援することにしたし、どっちも最高の戦いが出来ればいいが・・・・

 

アインとジークの戦いが始まった。予想してたがやはりアインが劣勢か・・・・

 

「紫苑」

 

ミカヤに話しかけられる

 

「どうした?」

 

「ジークのあれは出るのかな?」

 

「あれなら心配ない。もうある程度コントロール出来てる。」

 

「なに?」

 

「以前ちょっとな。まぁそれからは意識を失うこともない。アインも怪我はしないだろ。」

 

「なら安心だな。君がジークに何をしたか気になるところだけど」

 

「あれってなんですか?」

 

ヴィヴィオが不思議そうに聞いてくる。

 

「エレミアの神髄。まぁ、ジークの特異体質みたいなもんだ。本来あの状態になると自分の意志と反して暴走するんだが、今ならその心配もない」

 

そして試合が終わった。予想通りジークが勝ったか・・・・

しかしあの状態は抑えられたみたいでよかった。

 

「じゃあ早速行こうか。」

 

「そやね。まずはダールグリュンさんのとこ行ったほうが早いやろ」

 

この後アインとジークを交えて話をする。議題はベルカ諸王時代についてだ

 

 

「こんにちは~」

 

「ようお二人さん」

 

「えーっとチャンピオンと・・・・?」

 

「時空管理局海上指令・八神はやてです」

 

「ヴィクトーリア・ダールグリュンです」

 

紹介を終えるとヴィヴィオたちがくる。

 

「主役の2人がいないが、このメンツで話すことがある。落ち着いて話せる場所をはやてが押さえてあるからジークの取材が終わったあと移動するぞ」

 

「はやてって・・・・呼び捨てにしてるんですか!?」

 

エルスが聞いてくるが関係を知らないやつらが聞きたそうにしてる。

 

「まぁ、俺は生まれたときからの付き合いではあるな。姉の親友の1人でまぁ、もう一人の姉みたいなもんだ」

 

「えー愛人やないのー」

 

ここで悪ノリしてくるのか!?空気読めよ!!

 

「「「「あ、愛人!?」」」」

 

「冗談だ。真に受けるな」

 

「へー・・・・そうなんですの」

 

「ヴィクター顔怖い。般若は実姉で充分だ」

 

「ママに言いつけちゃおー」

 

「やめてくれ!まだ死にたくない!」

 

「お前の姉って・・・」

 

「管理局のエースオブエースだ」

 

「マジか!?あ、苗字同じかよ!」

 

とそこで話してるとジークが来たので移動する。

 

 

 

移動した場所はとあるホテルの最上階

 

「うわーまた金掛けたな」

 

「ええ眺めやろ?料理もあるしみんな食べてなー」

 

そうして料理を取りに行って食べる

 

「食べながらでいいから聞いてくれ。みんなも知ってる通り今日の試合で戦った2人には複雑な因縁がある。「黒のエレミア」継承者のジークリンデと「覇王インクヴァルト」末裔のアインハルトそして・・・・二人を繋ぐ聖王女オリヴィエ。かつて戦乱を生きたベルカの末裔が今この時代に生きている。雷帝の血統やここにはいないがベルカ王家直系の子がいる。これを偶然か何かの縁かは知らないが、どうやら大人たちはこれだけの濃密な旧ベルカの血統継承者たちが一堂に会するのは気になるらしい。」

 

「ま、インターミドル中の大事な時期に事件に巻き込まれたりせえへんように私たちは守っていきたい。そのためにも2人が過去のことを話し合う会に参加させてほしいんよ。行きたい場所や欲しい資料なんかあったら私も協力するよー」

 

「じゃあまずは記憶のある限りでいい、アイン話してくれ」

 

「はい」

 

そうしてアインは過去について話した。




戦闘シーンとか色々カットするとペースが速いなぁ・・・・
色々カットしすぎてわけわかんねーかも
あ、タグに「原作既読推奨」って追加しときますね


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第12話

お疲れさまです。どうぞー


「なるほどな」

 

アインからクラウスの歴史を聞いた。俺は以前一度軽く聞いてみたことはあったが深く聞いたことはなかった。

エレミアの名を聞いたとき激昂していたから不倶戴天の関係かと思ったら普通に友人だったらしい。そしてアインはジークに当時の資料がないか聞きたかったらしいが実家にすらあまり残されてなかったらしい。

 

「前に無限書庫に行ったときエレミアの手記があったような・・・・」

 

俺がそう呟くとヴィヴィオも反応する。

 

「私も観たことあるよ。やっぱりあれってそうなんだよね?」

 

「なら早速明日無限書庫に行ってくるか」

 

「わたしも協力しますよ!」

 

「ありがとう。リオ、コロナ」

 

「無限書庫って確か一般人は許可がないと入れませんでしたわね。八神指令、無限書庫の調査許可を頂くことは可能でしょうか?」

 

「んー私から許可を申請するよりも紫苑やヴィヴィオと一緒ならてっとりばやいと思うよ?」

 

みんなに疑問が浮かぶがそれについて俺が答える。

 

「俺とヴィヴィオは無限書庫の司書資格を持っているからな」

 

「「「「「えええええええええええ!?」」」」」」

 

「私達も立ち入りパスを持っているので」

 

「そうなんです」

 

「お前らどんな兄妹だ!」

 

ハリーがツッコムが俺の場合は単純にヴィヴィオが欲しいと言ってたときに勉強に付き合ったときついでに俺も取っただけ。

 

「まぁ、そういうわけで俺とヴィヴィオ達は明日無限書庫に行ってくる。持ち出しできる資料については持って帰るし、それが不可の場合は重要そうなところを書きだして持っていく」

 

「私も行きます。」

 

「ウチも」

 

「アインやジークは今日試合したばっかだろ。」

 

「大丈夫や。うちのご先祖様についてなんやからうちが行かないでどうすんの」

 

「私もです。私自身のことなのに蚊帳の外に置かないでください」

 

結局ほかのやつらも行くといいだし結局みんなで行くことになった。

 

「本局の宿舎も取れたしみんなで一泊して朝イチで行こか?」

 

そういって俺達は宿舎のほうに移動する。

 

「部屋割りはどうなってんの?」

 

「んー、チビちゃん達5人とハリーさん組4人とミカヤンとジークリンデさんとヴィクトーリアさんとエルスさんの4人とうちとノーヴェと紫苑の3人や」

 

「なら良い」

 

「なんやなんや~私たちと一緒はそんなに嬉しいんか?」

 

「茶化すな。ただ盗聴や窃視の件について聞くのに都合が良かったからな。」

 

「気づいてたんか?」

 

「気づかないわけないだろ。はやてならとっくに気づいて対処すると思ったから放置してたけど結局逃げられるし」

 

「う・・・・るー子のせいやし」

 

「人のせいにすんなし。にしてもルーが捉えきれなかった相手か・・・・目的はアインとジークか?」

 

「だと思うよ。まぁ聞かれて困ることは言ってないし」

 

「なら、恐らく明日無限書庫で会うだろうな。あっちから来てくれるのなら楽だし」

 

「明日は頼むで。みんなを守ってやってな」

 

「分かってる。あいつらには怪我一つ負わさせない」

 

そういって各々の部屋に行くと・・・・・

 

「さぁ二人っきりやで!存分にイチャつこうや!」

 

手をわきわきさせてはやてが迫ってくる。

 

「2人きりじゃないから、ノーヴェいるから。」

 

「あたしには気にせずどうぞ」

 

「ノーヴェ!?そこは止めるとこだぞ!」

 

「邪魔しちゃ悪いしヴィヴィオたちのところに行ってくるわ」

 

「ちょ・・・・」

 

ノーヴェが退出するとはやてが遅いかかってきた

 

「ええやないか~お姉さんと熱い一夜を過ごそ♪」

 

「・・・・・明日から八神さんって呼ぶことにします」

 

「明日も早いしはよ寝るでー。電気消してなー」

 

そんなに他人行儀に接せられるのは嫌なのか・・・・

 

 

 

早朝。みんなで朝のトレーニングをすることになり広場に移動する俺達

 

「まぁ、軽いストレッチの後それぞれ好きに練習してくれ。それぞれトレーニングメニューも異なるだろうしな。あ、勝ち残ってるやつら同士での模擬戦は禁止な。あと絶対怪我はしないように。」

 

みんなが返事をするとそれぞれ散らばる。

 

「おー紫苑、軽く模擬戦やろうぜ!」

 

「ハリーか。ダメだ。お前の場合模擬戦禁止だ」

 

「は!?なんでだよ!」

 

「お前いつも熱くなって本気になるだろ。」

 

「そんなことねーよ!ちゃんと軽くするって!」

 

「お前そのセリフ今まで何回言った?」

 

たまに一緒に訓練するときがあったが今まで軽くと言って軽くした試がないんだよ

 

「お兄ちゃんってハリー選手と一緒に練習したことあったの?」

 

「たまにな。ここにいる面子じゃエルス以外とは一緒に訓練したことがある」

 

「ズルイ!ヴィヴィオも誘ってよー」

 

「今度な」

 

そう言ってぽんぽんっとヴィヴィオの頭を軽く撫でる

 

「以外と兄ちゃんやってんだな」

 

「あ?俺は妹想いの良いお兄ちゃんだぞ」

 

「自分で言うなよ(笑)」

 

そうしてハリーと話しているとジークがやってくる

 

「紫苑~!おはよー!」

 

そう言いながら抱きついてくるジーク。みんながこっちを見る。」

 

「人前ではやめろと言っただろう。」

 

「お、お二人はお付き合いしてるのでしょうか・・・・?」

 

アインが代表して?聞いてくる

 

「付き合ってないよ」

 

「そんな!?あのときずっと一緒にいるって言ってくれたやん!」

 

「いや、言ったけれども・・・・」

 

「じゃあやっぱり!?」

 

「違うって言ってんだろうが」

 

「お、お兄ちゃんが・・・・・」

 

ヴィヴィオが凄い動揺してる。

 

「そんな・・・・紫苑さん・・・・・」

 

コロナが今にも泣きそうになってる

 

「だから違うっつってんだろうが!誤解すんなよ!ただずっと一緒にいるって言っただけだ!」

 

「それもはや告白どころか結婚と捉えられてもおかしくないんだが・・・・」

 

ミカヤ!?それは・・・確かにおかしくないかもだけど違うからな!

 

「ずっと一緒にいるって嘘だったん・・・・・?」

 

「違う!言葉自体は嘘じゃない!!」

 

だから泣きそうにならないでくれよ・・・・・

 

「紫苑さん・・・・・」

 

アインもなんで泣きそうなの!?

 

場がカオスになりノーヴェが呼びに来るまでこの状態は続いた。

 

 

 

無限書庫についた。それぞれのグループに分かれ探索を開始する。

もしもの時には、はやてやノーヴェもいるしめったな事にはならないだろう。

ハリー組+エルス、ヴィヴィオとミウラ、リオとミカヤ、ヴィクターとコロナ、ジークとアインハルトがそれぞれ組んで探索を行う。

 

「俺は待機のほうがいいのか?」

 

「そうやね。ここなら何かあったらすぐに行けそうやし、るー子もクリスとティオを連れてすぐに来るだろうから」

 

アスティオンは昨日の試合で無茶してメンテ中である。それにクリスが同行してるので今アインとヴィヴィオはデバイスを持っていない。

 

そうしてしばらく話ながら待っていると

 

「なんか中から妙な気配がするな」

 

「紫苑もそー思った?うちもなんか感じるんよ」

 

「そうですか?ジェットには何も反応ありませんが・・・・・?」

 

「昨日のヤツならデバイスに反応をさせずに進入することは容易いかもな。」

 

はやてが通信や念話を試している。

 

「ダメや、応答せん。空間隔絶系の魔法やな」

 

「俺がすぐに出る。ちょうどルーも来たしな」

 

俺が振り向くとこちらにルーが来る。

 

「八神指令」

 

「るー子と紫苑、すぐに私も行くからとりあえず頼むで」

 

「「了解」」

 

そう言って俺はルーと共に中にはいる

 

「さて、遅れるなよ?」

 

「もちろん。全力でね」

 

俺は意識を極限まで集中し神速を発動させる。

俺はその場から消えるように移動する

 

「(ちょ・・・・どんだけ速いのよ!?旅行のときみたけどその時の比じゃないじゃない!シスコンパワー恐ろしい・・・・)」

 

俺はヴィヴィオの気配を探りそこまで神速をかけた。

 

「(見つけた)」

 

俺はヴィヴィオに近づくと、そこには裸になって倒れてるヴィヴィオがいた。

 

「(殺す・・・・・男だったらナニを切り取ってから殺す女でも殺すどっちにしろ殺す・・・・・)」

 

「お兄ちゃん・・・・?」

 

「目覚ましたか?もう大丈夫だ。怪我はないか?」

 

「うん。怪我はないよ。」

 

「なら、とりあえず変身しとけ。ほら、クリスだ」

 

クリスを手渡してセットアップするヴィヴィオ。

 

とりあえずヴィヴィオを拾った後一緒にルーのところに行ってみるとルーがやられそうになってたから抱き抱えて助けた。

 

「何やられそうになってんだ?」

 

「ちょっと油断しただけよ。最初は押してたし・・・・」

 

「そうかい。で、あのガキが?」

 

「ええ。」

 

そこにちょうどアインが来る。

 

「無事だったか?」

 

「ええ、一応は」

 

「ああ、瓶が壊れたから脱出できてたのね。」

 

「はい、ティオも居たのでそのまま変身して来ました。」

 

「魔女っ子~」

 

「あ?お前ジークか?」

 

「紫苑!?」

 

「なんで小さくなってんの?」

 

「あの魔女っ子のせいや!」

 

ヴィヴィオとアインハルトとジークが揃うと襲撃者の様子が変化した。

そしてそのままこっちに攻撃してくる。

 

「まだやり足りないのか?ならお兄さんが相手してやんよ」

 

「お兄さんって年じゃないでしょう・・・・」

 

そんなの知らん。

 

「黒炎!」

 

相手が黒い炎をぶつけてくる

 

「遅い」

 

俺はそれを避けて相手に近づく、そして

 

「まずは話そうか」

 

ヴィヴィオを裸にひん剥いたのは万死に値するが、俺はまず相手に話をかける。昔なのは姉さんが言っていた。まずは相手の話を聞いてその後納得いかなかったら殴り合って解決するのが高町式だと。あれ?なんかちょっと違うか・・・?まぁ、いいや。

 

「話すことなんかない」

 

「お前は昨日のホテルでも窃視や盗聴をしていたな。目的がエレミアならお前は古代ベルカの関係者。その子孫か?もしそうなら戦う必要はないんだがね。話し聞かせてくれれば・・・・・」

 

「必要かあるかどうかは私が決める。最初の魔女クロゼルクはずっとあの子たちの先祖を怨んでいた。子孫の代でもまた私の邪魔をする・・・・・馴れ合う気はない」

 

「それでも俺は話を聞きたいな。俺自身は旧ベルカとは関係ないが妹がどっぷりハマってるし・・・・話しを聞かせてくれ」

 

「箒星」

 

相手が箒の矢を投げてくるが

 

「悪いがその程度じゃ傷一つつかないよ」

 

俺はそれを掴んで捨てる。

 

「あの距離で掴むとか・・・・威力もあったはずなのに相変わらず人外ね」

 

ルーうるさい。俺は魔女っ子に近づいて肩をつかむ

 

「いいか、あの3人はそれぞれの子孫ではあるが本人じゃない。それはお前もだな?先祖たちのことやお前が拘っていることがあるなら、それを俺達も知りたいんだ。」

 

そう説得している最中にハリーのイレイザーが炸裂して瓶から脱出する。

 

「と、余波がこっちまで来るな。」

 

俺は魔女っ娘を抱きしめて回避する。

そして脱出するハリーたち。

 

「よし、紫苑そこをどけ!」

 

「どかねーよ。待ってろ」

 

「待たねえ!」

 

ハリーが攻撃を放とうとしてるが・・・・・・調子に乗ってんじゃねーよ

 

「俺は待てと言ったんだ・・・・・・聞こえなかったのか?」

 

俺はハリーに殺気を送る。

 

「い、いや・・・・・」

 

ハリーの体が震える、周りも少し驚いて硬直する。殺気を送るのはやりすぎたな・・・

 

「すまん、だが今は俺が魔女っ娘と話してる最中なんだ。納得できないかもしれないが矛を押さえてほしい」

 

その隙にアインとヴィヴィオが魔女っ娘を拘束。ルーが魔力錠をつける。魔力錠というのは付けた相手の魔力を付けている間0にする魔法具だ。

おっと、ちょうどヴィクターとコロナも来たしあれ?そういえば・・・・

 

「ルー、ミウラはどうした?」

 

「あ、出し忘れた」

 

おいおい。すぐにミウラをだしたのはいいが全裸だった。俺はすぐに布をかけてやる。

 

「あ、ありがとうございます。」

 

「すぐに掛けたから安心しろ」

 

さて、魔女っ娘のほうを見ると涙目になっていた。

俺は魔女っ娘の頭を撫でながら言う

 

「大丈夫だ。悪いようにはしないしさせないから」

 

そう言うと抱きついてきたのでさらに頭を撫でる。ヴィヴィオが不満そうなのだし家帰ったらしてやろう。

そうしてるうちにはやてが来たが

 

「出遅れてるうちに状況が解決したってことでええんよね?」

 

「解決はしたが、やけに遅くなかったか?」

 

「ごめんなー。色々あったんよー」

 

それで魔女っ娘と色々話した後、魔女っ娘を連れてはやては一旦戻ることになった。

 

「あー待て魔女っ娘。名前なんていったっけ?」

 

俺がそう尋ねると

 

「ファビア」

 

「覚えておくよ。ちゃんと反省して戻ってきたら一緒に遊ぼうな」

 

「・・・・うん///」

 

ファビアが笑顔になる。この様子なら心配ないだろう

 

「(またですか)」←ヴィクター

「(またやで)」←ジーク

「(いい加減にしてほしいですね)」←アインハルト

「(ついさっきまで敵対してた相手なのに・・・・)」←コロナ

「(敵だろうと味方であろうと家族であろうと全ての女性を手籠めにする気なのかな?)」←ミカヤ

「(お兄ちゃんの節操なし・・・・)」←ヴィヴィオ

「(後でみんなに報告しとこーっと)」←ルーテシア

「(さすが未来のハーレム王、留まることを知らんなー)」←はやて

 

ファビアと別れたあとオットーとディードが服を持ってきてくれた。

さすがにその場にはいられないので俺は彼女たちが着替えるまで別の部屋で待機

すぐに着替えが終わってコロナが呼びに来る、

 

「え?リオ見つけてたのか?」

 

「はい!すごいでしょー」

 

褒めて!褒めて!と言わんばかりに頭をこっちに向けてくるので撫でてやった。

 

「じゃあ今から読むのか?」

 

「はい。人数が多いのでアインハルトさんが代表して音読しますね」

 

そうしてアインハルトの音読が始まった。




今日はここまでです
なるべく毎日更新したいとこですが、もしかしたらたまにサボってしまいます。許してね


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第13話

ハイペースだぞい


話が終わり、それぞれ帰宅する一同。

家に着いたらなのは姉さんのテンションが妙に高かったがたまにあることなので別に気にしないでおく俺は風呂に入りながら今日のことを考える。

 

「(アインから軽い拒絶を感じた・・・・多分ヴィヴィオも感じ取ったと思うけど・・・・・俺は何をしてやればいいのかねぇ)」

 

恐らく口で言ってもあの頑固者には伝わらないだろう。だからといってアインの立場に立てない俺が何を言ってもな・・・・情けない話だがヴィヴィオに任せるしかないか。

 

「(同じ立場であるヴィヴィオなら、アインをなんとかできるかもしれないしな)」

 

考えがまとまったし風呂から出ようとしたとき、なのは姉さんとヴィヴィオが入ってきた。

 

「「お邪魔しまーす」」

 

「なんでやねん」

 

「元気なさそうだったし背中流しにきましたー」

 

「いや、そんなことはなかったけど・・・・心配させたのならゴメン」

 

「さぁ、お兄ちゃんお背中流しますからこっちに来てねー」

 

ヤバイ正直動揺してる・・・・・いや家族同士だ別になにも問題はないだろう・・・・きっと多分。うん大丈夫2人は家族。

 

「つっても洗うとこは洗ったし2人でやりな。俺はもう出る」

 

「じゃあもう1回洗おうか。」

 

「いや2回も洗う必要ないし・・・・」

 

「だって久しぶりに一緒のお風呂なんだから流しっこしようよ!」

 

これはもうダメそうだな。俺は諦めて湯銭から出る。

 

「じゃあ頼むわ。」

 

「「頼まれましたー」」

 

背中を2人に向け座るとスポンジで2人が洗ってくれる。

 

「お兄ちゃんガッシリしてるねー」

 

「鍛えてるしな」

 

「身長もここ数年でおっきくなったよねー」

 

「今はなのは姉さんと同じくらいかな。まだ伸びてるしすぐに追い抜くよ」

 

「ヴィヴィオ早くも大きくなりたいな」

 

「大人モードみるに焦らなくてもいいだろ。時間が経てば自然に伸びるさ」

 

「そうだね・・・・そうだママ」

 

「どうしたの?」

 

「明日はお休みなんだよね?」

 

「そうだよ~」

 

「久しぶりに練習相手になってもらっていいかな?」

 

「アインか?」

 

「やっぱりお兄ちゃんも気づいてたんだね。」

 

「アインハルトちゃんがどうしたの?」

 

なのは姉さんが訪ねてくるが正直言いづらいな・・・・

 

「どうしたってほどじゃないさ。ただヴィヴィオがアインと試合をしたいから練習に付き合ってほしいんだって。で、なのは姉さんの都合は大丈夫?」

 

「うん、大丈夫だよー」

 

ならアインのことはヴィヴィオに任せよう。はぁ、情けない・・・・

 

「「背中終わったよー」」

 

「ありがと、じゃあ俺はもうで・・・・」

 

「次はヴィヴィオにしてやってねー」

 

もう勘弁してください・・・・・

 

俺は結局2人の背中を洗った。出ていこうとしてもヴィヴィオがひっぱるから出ていけず、浴槽に3人で入った。

 

「毎回思うけどうちの風呂って広くない?」

 

「広いのはいいと思う!」

 

「たまにはいいねー」

 

タオルもなにもつけてないので目のやり場に困ってしまう。なのは姉さんはスタイル良いしヴィヴィオはまだ幼児体型ではあるが昔一緒に入ったときよりも膨らみがある。

 

「今度はフェイトママと4人で入りたいね!」

 

「それはアカン」

 

なのは姉さんは実姉ではあるしヴィヴィオは義妹だが幼児体型なのでまだいいがフェイト姉さんはダメだ。なのは姉さんよりもスタイルは良いし美人で、俺も姉だとは思っているが正直抑えられる自身がない。

 

「仲間外れにしちゃ可哀想だよ?」

 

「そうは思うけど・・・・この話は今度にしよう」

 

とりあえず保留という形にした。

 

「紫苑は照れ屋さんだからねー無理強いしちゃダメだよー」

 

無理に入ってきた貴女がいいますか?まぁ、助け舟をくれたのは感謝。ヴィヴィオもしぶしぶ引き下がる。

 

「まぁ、あれだ。俺の歳で家族と風呂に入るのは恥ずかしいから許してくれ」

 

別に恥ずかしくはないんだが理性的な意味でキツイ。

 

「ところで紫苑?ヴィヴィオのほうばかり見てるけどもしかして紫苑って小さい子好きだったの?」

 

なんか誤解された!?

 

「違うから、というか分かってるんだからイジメないでほしい・・・・」

 

「分からないなー?お姉ちゃんを見れない理由でもあるのかな?」

 

そういうとなのは姉さんが後ろから抱きついてきた。

 

「ちょ・・・・・待って・・・・」

 

「わたしもー!」

 

ヴィヴィオは前から抱きついてきた。

ああ、もう・・・・・無理だ。

 

「すまない、見たいテレビがあるのを思い出したからもうあがるな」

 

俺はそういって神速を発動させた。こんなくだらないことに神速を使うなんて・・・・

 

「どうしたんだろ?」

 

「ちょっとからかいすぎたかなー?」

 

 

 

 

朝になりトレーニングに向かう高町家

 

「アインを想定するならまずディフェンス訓練からだな。姉さんが弾幕を操ってヴィヴィオがそれをガードする。」

 

「格闘戦想定なら紫苑のほうがいいんじゃないの?」

 

「俺はヴィヴィオに対して厳しくできないから練習にならない」

 

「昔からフェイトちゃん同様甘々だもんねー。しょうがないか・・・・・」

 

トレーニングを開始する。なのは姉さんは基本的に容赦はしない。たとえ身内だろうと訓練の時は限界ギリギリまで追い込む。しかしその匙加減は絶妙で明日に疲れが残ることはない。

 

「(こういうとこは素直に尊敬できるんだよなー)」

 

そうは言ったが基本的になのは姉さんは尊敬できる。仕事をしているときも姉としても母としても・・・・

特訓から数時間が経った。ボロボロになりながらもアインハルトの為に頑張っている姿は目尻が熱くなる。つくづく思う。アインハルトが女でよかったと・・・・

 

「(男だったら多分ヴィヴィオ惚れてたし、アインも惚れていたろう。そうなったら・・・・・・)」

 

いや、想像するのは止めよう。重要なのは現実だ。

 

1人考えにふけっているとどうやら訓練が終わったらしい。

 

「疲れた~」

 

「おつかれヴィヴィオに姉さん」

 

「この調子なら大丈夫じゃないかな?」

 

「ならよかった。来週はいい試合が出来そうだな?」

 

「うん!」

 

そういって俺たちは訓練場を後にした。

 

 

 

 

来週になり、場所は聖王教会。

今回は聖王教会内の敷地でやるそうで、無限書庫を探索した面子も呼んでいる。そして

 

「紫苑!」

 

「ファビア!」

 

魔女っ娘ことファビアが俺を抱きしめる。

 

「元気だったか?」

 

「うん、紫苑は?」

 

「元気だよ。今日は一緒に観戦しような?」

 

「うん!」

 

どうやらこれが本来の素なのか、ファビアが甘えてくる。

 

「私たちもいること忘れないでほしいなー」

 

「全くだよ」

 

そこにいたのはルーとセイン

 

「ああ、なんだいたのか」

 

「居たよ!というか連れてきたの私なんだから感謝してよね!」

 

「してるしてる」

 

試合会場に移動するとみんなが揃っていた。始まるまでファビアを愛でる、ファビアも心地良いのか俺に体を預けてくれる。

 

「そうしてると兄妹みたいやな」

 

ジークがそう言い

 

「妹が増えた気分だよ」

 

「ジークは嫉妬しませんの?」

 

「ふふん、そんな器量狭い女じゃないもーん」

 

「なら私も甘えてみましょう」

 

そういってヴィクターは背中から抱きついてくる

 

「な!?」

 

「あらどうしたの?嫉妬はしないのよね?」

 

「ぐぬぬ・・・・」

 

なにか2人が張り合っていると試合が始まろうとしていた。

 

「2人とも始まるぞ。」

 

ヴィクターは俺から離れ、ジークは2人を見つめる。直に黙って観戦モードに入るのはさすがだな。

 

「(アインは驚いてるな。ただの練習試合だと思ってきたらガチ勝負だったって、しかしすぐに切り替えるだろう。あいつは分かりやすい。どうせ今もこれ以上弱くなりたくないとか思ってんだろうな・・・)」

 

 

試合が始まる。ベストコンディションのヴィヴィオは開幕速攻でアインを叩きのめしにいく。アインが起きてからもヴィヴィオのペースは変わらないが・・・・

 

「(少しの油断もするなよ。実力はあっちが上なんだ)」

 

しかし油断は見られず2度目のダウンを取る。アインにコロナとリオの応援がいく

 

「(ちょっとは調子出てきたか?しかし本調子ではないか・・・・それでも今のヴィヴィオにダウンを取るとは・・・・)」

 

「ヴィヴィの防御はキレイよね」

 

「ハルにゃんの捌きもカウンターも上手かったんやけどな~」

 

「2回目でWを防ぐあたりアインはさすがだが・・・・・集中しろっての・・・・」

 

どうやらヴィヴィオが自分に対して怒ってるのか?なぜ怒ってるのか?それが気になりいまいち集中できていない。

そこにアインのカウンターのボディブローが決まるが・・・・みんなも気づいたか

 

「しかしヴィヴィは大丈夫なの?」

 

「大丈夫じゃねーよ。本来なら止めたいが・・・」

 

「どういうこと?」

 

シャンテだけが理解してなかった

 

「えっとね?限られた魔力を攻撃と防御の瞬間に完全に集中してるの。その魔力を防ぐ一点に集中するのがディフェンダー、攻撃の拳に集中するのがアクセルスマッシュ。今日のヴィヴィオは攻撃のときも防御のときも魔力を全振りしてる。」

 

「え?ていうことは防御0のときに攻撃を喰らえば・・・・」

 

「水着姿のときにお腹をトゲつきハンマーで殴られるようなもん?」

 

「例え怖い!」

 

お互い一進一退の攻防が続く。しかし均衡はすぐに崩れる・・・・

アインのカウンターがヴィヴィオに突き刺さった

ダウンしたヴィヴィオが立ち上がる。

 

「(相当痛むはずなのにな・・・・)」

 

ラウンドが終わりヴィヴィオとアインが話す。

 

「(本来なら俺がアインを助けるべきだったのにな・・・・)」

 

友達だと言いながら全て年下のヴィヴィオに任せ傍観者気取り。本当に友達だと思ってるなら立場とかを言い訳にせず動くべきだった。

 

「(俺は何をやってるんだか・・・・守ると言っときながら何一つ守ってないじゃないか・・・・)」

 

俺が物思いにふけってると試合が終盤になった。

どうやら思うことがあるようで吹っ切れたアイン。

最後に2人の技が交差して勝者は

 

ヴィヴィオに決まった。

 

そしてアインとヴィヴィオが話す。そのときにアインが笑った。無理な笑顔ではない自然な笑顔で・・・・

 

「(遠いな・・・手を伸ばせばすぐに届くのに・・・)」

 

 

 

医務室でヴィヴィオが説教される。当然だ。あんな無茶な戦いをしたんだから

 

「ヴィヴィオも反省してるしいい加減許してやれよ」

 

「お前は妹に甘すぎだ!今回は無事だったからいいけどこんな戦いが続くようならすぐに選手生命が来るぞ!」

 

「分かってる。しかし今回は必要なことだったんだ。もう二度としないと誓うなら今回は許してやろうじゃないか」

 

何もしない俺が一体何様のつもりなんだか・・・・

 

「・・・・はぁ、分かったよ。今回許したのはアインハルトの事情を考慮してだ!二度目はないからな!」

 

「はい!」

 

どうやら話がまとまったようだ。

もうアインも大丈夫だろう。この子たちがいる限り絶対に大丈夫だ。

 

 

 

「はぁ・・・・」

 

俺は自室にいて溜息をつく。俺はいつから人任せにするようになった?ヴィヴィオに任せる?大事な妹が無茶する事態になるのは予想できていたはずなのに?守る?たった1人の女の子の心すら守れずにおこがましいな・・・・

 

「いつから腑抜けた?これならまだミッドに来たころのほうがよかったぞ」

 

実力がつき世界戦も優勝しチヤホヤされてきた。温かい家族と優しい友人に囲まれて幸せでもあった。

 

「体力トレをしなかったのも腑抜けから来たことだったのかなー・・・・」

 

心のどこかで自分なら瞬殺だからしなくてもいいなんて考えてたんじゃないだろうか・・・・・

 

「鍛え直そう・・・・」

 

俺は1つ決めた。

 

 

 

朝になりみんなで朝食を摂る。みんなと言ってもフェイト姉さんは仕事でいない

 

「2人とも話がある。」

 

「どうしたの?お兄ちゃん」

 

「なにかあった?」

 

俺は2人を見つめ言い放った

 

 

 

 

「実家に戻ろうと思うんだ」




シリアスじゃないからね!

次はオリジナルストーリーです。その後は文化祭?だっけ


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第14話

今日2つ目!


俺は今生まれ故郷である海鳴市に来ていた。

 

「動きが遅いぞ紫苑!!」

 

「はい!!」

 

俺は恭也兄さんと一緒に山籠もりをしていた。

何故こうなったかというと朝にまで遡る

 

 

 

「実家に戻るってどういうこと?」

 

「お兄ちゃん、実家に帰っちゃうの・・・・?」

 

俺は2人に海鳴に帰ることを言った。ヴィヴィオが泣きそうになる顔をするが心が痛くなるから止めてくれ

 

「思うことがあってね。このままじゃ自分が情けなく思えてしょうがないんだ。だから一度実家に戻って鍛え直したいってね・・・・」

 

「思うことって?」

 

「それは・・・・・」

 

俺はヴィヴィオを見つめる。

 

「?」

 

ヴィヴィオは分からないという表情をする。

 

「理由はここで言う気はない。後で話す」

 

「・・・・・いつまであっちに居るの?」

 

「予定では1ヶ月。昨日連絡を取ってみたらちょうど恭也兄さんが日本に戻ってきてるらしいんだ。あんまり束縛するのも申し訳ないし1週間ほど兄さんには時間を貰って指導してもらって後は自主練にあてる。」

 

「学校はどうするの?1ヶ月後って定期テスト直前だよね?」

 

「学校については1ヶ月の休学届けを出す。テストについては問題ないのは分かるでしょ?」

 

「お兄ちゃんはなんて言ってた?」

 

「『事情については分かった。しかしなのはの許可を取ったらだ。』ってさ」

 

「そっか・・・・・」

 

「お兄ちゃん1ヶ月も離れ離れになるの・・・・?」

 

「ヴィヴィオ・・・・・ごめん、どうしても必要なことなんだ」

 

なのは姉さんが熟考する。

 

「・・・・・分かった。」

 

「ママ!?」

 

「条件を出そうと思ったけど紫苑ならどんな問題もクリアしそうだしね。寂しくなるけどいってらっしゃい」

 

「ありがとう、なら早速休学届けを出してくるよ。」

 

「待ってよ!ヴィヴィオは反対!」

 

「ヴィヴィオ・・・・・」

 

ヴィヴィオがここまで年相応に我がままを言うなんて珍しいな・・・・

 

「やだよお兄ちゃん行かないで!前にヴィヴィオを置いてどこにも行かないって言ったよね!あれは嘘だったの!?」

 

六課時代のことを覚えていたのか。

 

「嘘じゃないよ。ちょっと長い旅行みたいなもんだ」

 

「だったら夏休みのときに一緒に行けばいいじゃん!今行く必要なんて・・・・」

 

「今じゃないとダメなんだよ。」

 

「なんで?」

 

「それは・・・・・」

 

今じゃないと、こんな情けない気持ちを持ったままここで過ごしたら・・・・この気持ちに慣れてしまったら・・・・俺はお前の兄だって胸を張って答えられない。

 

「ヴィヴィオ」

 

「なのはママ・・・・」

 

「紫苑を行かせてやって。そして帰ってきたときにはうーんっと甘えればいいよ」

 

姉さんが助け舟を出してくれた。

 

「・・・・・絶対帰ってくるって約束すること」

 

「ああ」

 

 

「・・・・・帰ってきたら私を抱きしめること」

 

「ああ」

 

「・・・・・ならいいよ」

 

「ありがとう、ヴィヴィオ」

 

俺はヴィヴィオの頭を撫でる。

 

「行く準備は出来てるし後は休学届けを出すだけか。」

 

「なら学院によった後そのまま行ってくるといいよ」

 

「そうするよ」

 

そういって俺は学院に向かった。

 

 

 

「ありがとうございます。」

 

「まぁ、貴方は素行も良いし成績も良いし一ヶ月の遅れくらいなんともないしなにより家庭の事情ならねぇ」

 

俺は職員室に行って、休学届けを渡した。家庭の事情にしたのはそのほうが受理しやすいから。

 

「では行ってきますね」

 

「はい、では1ヶ月後にまた」

 

俺はそう言って職員室を出た。

 

「紫苑さん」

 

「・・・・アイン」

 

「少し話しませんか?」

 

行くまでに時間はあるし屋上に移動してアインと話す、

 

「ヴィヴィオさんから聞きました。」

 

「そっか・・・・まぁそういうことだ」

 

「なぜこのタイミングで?」

 

「・・・・・それはアインに話す気はないよ」

 

「では勝手に話しますね。この前、ヴィヴィオさんと戦った後様子がおかしかったんですけどそれと関係が?」

 

「・・・・・・・」

 

「無言は肯定と受け取りますよ。私と紫苑さんは長い付き合いです。お互いのことを知ったのは最近ですけどそれでも大事な友達であることには変わりません。私に貴方を助けることは出来ないんでしょうか?」

 

アインがそんなこと言うなんて変わったな・・・・これもヴィヴィオのおかげか

 

「同じことを思ったよ。」

 

「?」

 

「お前がエレミアの手記を読んだ後、様子がおかしいのに気付いた。些細な変化だったが俺とヴィヴィオは気づいた。」

 

「そう、ですか」

 

「お前が苦しんでるのは分かった。なのに俺は・・・・・」

 

「最後まで話してください。何を言っても軽蔑しませんし絶対に秘密にします」

 

「・・・・・俺は同じ立場のヴィヴィオが助けてやればいいと思った。立場の違う俺が言ったところで何も変わらないと決めつけて、自分からは動かず妹に任せ・・・・大事な友達なのに俺はお前の為に何もしなかった。」

 

「そうですか・・・・」

 

「それだけじゃない。無限書庫探索のときも・・・・俺はお前らを守るべき立場だった。なのに事が起こってから動いてみんな怪我こそなかったが結果的にそうなっただけで誰も守れなかった。」

 

嫌われたかな?それでもいい。それを覚悟して言ったんだ。

 

「なるほど、大体分かりましたから震えないでください」

 

そういってアインは抱きしめてきた。

震えてる?俺が?自分ですら気づかなかったなんて・・・・・

 

「大丈夫です。別に嫌ったり軽蔑しませんから安心してください。それに大体分かりました。」

 

「なにが?」

 

「理由です。鍛え直すのは聞いてましたが、今の話で大体分かりました。自分が許せなかったからですか・・・・?」

 

「・・・そうだよ。妹に委ねてお前を救おうともしなかったのは俺の中で許せることじゃない・・・・」

 

「なら私はもう何も言いません。私自身気にしていませんが、紫苑さんが納得いかないなら満足するまで鍛えてきてください」

 

「ありがとう、アイン」

 

俺から離れるアイン。震えはもう止まっていた。

 

「折角ですし約束しましょう。今以上に強くなって戻ってくることを」

 

「約束する、俺は絶対強くなって戻ってくる。それまでヴィヴィオ達のこと頼むな」

 

「頼まれることでもないですね。言われずとも」

 

そういってアインは教室に戻った。俺は少し気が軽くなったきがした。

 

 

 

俺は海鳴に戻ってきた。

 

「来たか」

 

「恭也兄さん。」

 

「直接会うのは久しぶりだな。時間が惜しいまずはあの山まで神速を使って行くぞ」

 

そういって走りだした兄さん。俺は置いて行かれないようについていく。

 

山に着くとテントの準備をする。それが終わり本格的な訓練を開始する。

 

「まずはひたすら自分の肉体を追いつめる。力尽きるまで今日はひたすら模擬戦だ。」

 

その瞬間兄さんが目の前迫ってきた。

 

「反応が遅い。戦いは始まってるぞ」

 

俺は2刀の小太刀を構え、距離をとる。しかし・・・・・

 

「遅いと言っている。今まで何をしてきたんだ?」

 

すぐに追いつかれた

 

「神速の回数制限か・・・・・お前ほんとに何をしてきたんだ?子供のころはともかくお前はもう12だ。いつまで回数制限をしているつもりだ?その状態では一部の奥義はともかく神速を主体とする奥義は使えないぞ!!」

 

「くっ・・・・・」

 

「足を止めるな!甘えを捨てろ!そんなんじゃ守るものを守れんぞ!」

 

「ちくしょう・・・・・・」

 

今日の訓練が終わった。これが戦場なら何回死んでいるんだろうか・・・

 

「まずは神速を自由自在に使いこなせ。神速は肉体よりも精神のほうが負担が強い。肉体よりも精神のほうを鍛えろ。今回の山籠もりでの課題は自由自在の神速と鈍った体力強化だ。そしてなによりお前自身を見つめ直せ」

 

「見つめ直す?」

 

「そうだ。お前が剣をふるう理由。守るべきもの。これからどうしたいのかを見定めろ」

 

まさか過去にジークに言ったことが返ってくるなんて皮肉だな・・・・・

 

「今日は休め。明日からは更に厳しく行くぞ。」

 

今日以上のトレーニングか・・・・・上等だ。そうじゃなきゃここまで来た意味がない。

 

「よろしくお願いします」

 

守るべきものについてはずっと俺は家族や友人を守るべきものとして定めていたが、それじゃあダメだったのか?剣を振るう理由?子供のときからずっと剣は俺の傍にあった。いわば俺の相棒と言っていい。今更それに理由なんて必要なのか・・・・?

 

2日目が始まった。

 

「今日はひたすら山を神速を使って走れ。」

 

「それだけ・・・・?」

 

「そうだ。ただし真っ直ぐのみでな。」

 

「え?」

 

「崖があろうと川があろうと何があろうと真っ直ぐだ。真っ直ぐ行った先に洞窟があるから奥まで行ったら一周して戻ってこい。一応言っておくが魔法を使うなよ?剣も使うな。己の肉体のみで真っ直ぐ走れ。」

 

俺は山を走っていた。途中川があって足が重かったが問題はない。崖に関しては少しキツかったがここもクリアした。しかし・・・・・・

 

「マジかよ・・・・」

 

俺の目の前に洞窟があった。しかし入口にいたのはクマだった。まさかクマがいることを分かっててああ言ったのか?

 

「剣も魔法もダメ。神速を使って抜くにはスペースが狭すぎる・・・・・」

 

倒していけということだろうか・・・・生身で?

 

「無茶を言うなよ・・・・・でもここで諦めるくらいなら最初から頼んでない」

 

俺はクマに向かって神速を使って突進してみたが・・・・

 

「微動だにしないのかよ!」

 

それどころか反撃すらしてくる。神速を使っているからスローにみえるが・・・・

 

「これじゃあ先にこっちが消耗する・・・・クマを誘導する?いや無理だ。こっちは前後しか動けない・・・・・・なら、俺の全力の一撃をクマの額にぶつけて倒す?確か額が弱点って某ボクシング漫画でも言ってたしいけるか?」

 

でもあのマンガの場合はクマを倒したのは人外だったからなぁ・・・・・

 

「まぁ、やってみるか」

 

俺は構えを取り、意識を集中させる。

 

「(神速+中国拳法。これが俺に出来る全力だ)」

 

七寸靠 どこの流派かは知らないが緑髪の中国人に教わった中国拳法の1つ。

間合いを詰めて体当たりする技で単純ではあるが破壊力が高い。

寸剄 ワンインチの隙間だけで相手を6~7メートルもふっとばすパンチ技

 

クマに利くかは知らないが

 

「(神速で間合いを詰めて額に当てる!!)」

 

俺は今までにない集中をみせて発動させる。

 

「うおおおおおおお!!!!」

 

神速でクマの間合いを詰めてクマを吹っ飛ばす

しかしクマはフラつきながら起きだす。

 

「悪いがこれで止めだ!崩・一点破!!」

 

クマは倒れて道が開いた。

 

「はー・・・・・早く進むか」

 

洞窟の中では特に何もなくキャンプ場に戻ってきた。

 

「戻ったか」

 

「戻ったよ。クマがいるなんて聞いてないんだけど」

 

「言ってないからな。何があってもと言ったろ?」

 

「そうだけどさ・・・・」

 

「ところで神速は何回使った?」

 

「数えてないくらい」

 

「体に異常は?」

 

「・・・・・特にないな」

 

「だろうな。お前の体は本来なら何回使っても問題ないように既にできていた」

 

「どういうこと?」

 

「知らないうちに自分自身でリミッターをかけていたんだよ。回数制限という呪縛があったからこそ脳がそう認識してしまっていた。今回クマに気を取られ回数制限について忘れていたからこそ異常が出なかった。これに関しては幼い頃に神速を習得した弊害だな。」

 

「そっか。」

 

なら俺はどれだけ使っても問題ないんだな

 

「回数制限がなくなったからといって使いすぎるなよ。負担が大きいことには変わりないんだからな」

 

「了解」

 

「じゃあ今日は休んで明日な」

 

3日目

 

「教えられてなかった奥義について教える。」

 

「奥義?」

 

「あの時は時間がなくて全て教えていなかったからな。今日はそれを教える前に・・・・また行ってこい」

 

「は?」

 

「真っ直ぐいけよ」

 

「昨日で終わりじゃないのかよ!」

 

「終わりなんて誰が言った?毎日やるぞ。お前の体力不足解消につながるし神速に慣れるのもいい、今回からタイムも計るから明日から今日のタイムより遅かったらペナルティを与える。」

 

「な・・・」

 

「ああ、クマは毎日いるからな。クマがビビるまで倒せよ。ただし殺すな。せっかくの練習相手がいなくなる」

 

鬼だ・・・・・なのは姉さんが可愛くみえる。実際可愛いけど

 

「じゃあタイムを計るぞ、よーいスタート!」

 

「ちくしょー!!!!」

 

俺は全力で走った。途中クマがいたがそのままブン殴って気絶させて放置させた

 

 

「お帰り、昨日よりは早かったな。じゃあ早速始めるぞ」

 

「了解」

 

「教える奥義についてなんだが・・・・・教えていなかった奥義を全て教えるから今日中に習得しろ。」

 

「は!?」

 

「数はそんなに多くない。大丈夫だ。歴代御神流の中で最も天才(多分)のお前ならきっと1日でできる」

 

「ちょ・・・・・」

 

「拒否権はない。始めるぞ」

 

そして地獄の特訓が始まった。

 

 

4日目

 

正直体がダルイ。それだけじゃない精神のほうもヤバイ。

 

「いい感じに追い込まれてるな。その時こそ自分の本質が見えるもんだ」

 

「は?本質?」

 

「いいから朝のダッシュに行って来い。」

 

俺は神速を使い今日も洞窟に行く。川?崖?そんなもん今の俺にとって障害にすらならん

 

「5頭もいるー・・・・・・」

 

クマが一気に増えていた。仲間を呼び今日こそ俺を仕留める気マンマンな様子だった。

 

体は限界に近く心が折れそうだ・・・・・俺何やってんだろ・・・・別にいいじゃん情けなくても・・・・・それでも幸せならいいじゃないか・・・・ある程度強くなったしそこら辺のやつには負けないレベルだし・・・・・ここで帰っても姉さん達やヴィヴィオは受け入れてくれる・・・・・温かい家族と優しい仲間たち・・・・・たとえ不甲斐なくても優しく包み込んでくれるだろう・・・・・クマ5頭だぞ?逃げ帰っても決して誰も責めないって・・・・・

 

 

 

それでいいのか?

 

 

 

相手に甘えるだけでいいのか?逃げてもいいのか?

 

 

 

 

俺は・・・・・

 

 

 

 

「折角ですし約束しましょう。今以上に強くなって戻ってくることを」

 

 

 

 

アイン・・・・・そうだな、約束したもんな

 

 

 

「ここで逃げ帰る選択なんてあり得ないよな」

 

 

俺はクマの目の前に立つ。

 

「俺は逃げない。これから先何があってもどれだけの絶望が襲いかかっても、信じてくれる仲間がいる限り絶対に信頼を裏切るようなマネはしない」

 

だから戦おう。自分自身にすら負けないように。

 

「こっちは丸腰だぞ・・・・ビビってんじゃねーよ!!!」

 

そういうとクマがこちらに襲いかかってくる!退路はない!必要はない!なぜなら俺が勝つからだ!!

 

 

 

「なんとか全部倒してやったぜ・・・・・」

 

けどボロボロだ。体中が切り裂かられ、血も止まらない。

足音が聞こえる。まだ仲間が?

 

「ボロボロだな。」

 

「恭也兄さん」

 

「すぐに治療をしよう。」

 

そういって治療をしてくれる兄さん。

 

「なぜ、魔法を使わなかった?」

 

「使ってはダメだと言ったのは兄さんだよ」

 

「これは正直予想外だった。クマが徒党を組んで待ち伏せするのは過去に例がなかったからな。俺のミスだ。すまない」

 

「別にいいさ。結果的に勝ったし」

 

「これはイレギュラーだとお前も気づいたはずだろ?なのになぜ?」

 

魔法も使わず逃げもせずって意味か・・・・

 

「俺は誰にも負けたくない・・・・・」

 

「?」

 

「どんなに巨大な相手でもたとえそれが自分だとしても負けたくない。たとえイレギュラーでも枷を外したら自分に負けることになる。」

 

「だから逃げなかったんだな。」

 

「ヴィヴィオがアインを救ったとき恐らく俺の根底にはこんな気持ちがあった『自分に出来なかったことを妹が出来たのが死ぬほど悔しい』と」

 

「プライドが高いな」

 

「それを自覚したときゾッとしたね。愛する妹に嫉妬を向けてたなんて・・・・口では守るとか救うとか言ってた癖にな。初日に剣を振るう理由を聞いたよね?」

 

「ああ」

 

「今ならハッキリ答えられるよ『誰にも負けたくないから』って。御神の剣は守る剣なのにな。」

 

「ああ」

 

「あー・・・・・自分自身のことを知れたのはいいけどこんなに醜いとは思わなかったなー・・・・・・」

 

「・・・・・」

 

「ねえ?俺はこれからも剣をふるっていいのかな?」

 

「さあな」

 

「冷たくない?自分自身を知れたのはよかったけど今度はそれに対して悩んでるのに、それが弟に対する反応なの?」

 

「お前の根底にあるのはそれだけか?」

 

「え?」

 

「お前はその剣で守った人がいたはずだぞ。」

 

「六課時代を思い出してみろ。俺は話に聞いただけだが、間違いなくお前の剣に守られた人がいたぞ」

 

治療が終わり兄さんは俺を置いて歩き出す。

 

「ヒントはここまでだ。後は自分で考えろ」

 

 

 

六課時代か・・・・・

 

色々あったなー。FW組を倒してティアナを殴ったりみんなで海鳴に来て銭湯に入ったり、教導のことでモメたり、みんなでご飯食べたりガジェット倒したり、そういえばノーヴェともやりあったな。今では考えられないなー。そして

 

「ヴィヴィオ・・・・」

 

大事な妹のヴィヴィオ。聖王のクローンとかびっくりな展開があったが初めて会ったときから俺を兄と呼んだ妹。なのは姉さん不在のときはなるべく一緒にいて遊んで食べて寝て・・・・・下の兄妹とか初めてだったから楽しくて嬉しくて・・・・・ヴィヴィオが攫われたときは自分の不甲斐なさに泣いて・・・・・

そういえば、ヴィヴィオ覚えていたな。あのときのこと

 

これは六課時代のある日のこと

あの日なのは姉さんが不在だったことを知らず隊舎内を探し回っていた

 

『なのはお姉ちゃんいないね。』

 

『うん。』

 

『でも大丈夫だよ!』

 

『なんで?』

 

『兄ちゃんがいるから!』

 

『そうなの?』

 

『そうだよ!兄ちゃんが一緒にいればヴィヴィオ1人じゃないもんね!』

 

『じゃあヴィヴィオとずっと一緒にいてくれる?』

 

『もちろん!ずっと一緒だよ!』

 

『うん!』

 

 

その後だっけ。ヴィヴィオが攫われてしまったのって・・・・

あの時は地上本部を守っていたが狙いはヴィヴィオだとは思いもせずまんまと連れ去られた。俺は後悔の念が強くて絶対に救ってやると剣に誓った。

ゆりかご内に姉さんとヴィータで入ってヴィヴィオを救出して・・・・

 

「あ・・・・・・」

 

『もう二度と離れないからな!ずっと兄ちゃんがヴィヴィオを守るから!』

 

そうだ。俺が剣をふるいつづけたのも格闘を始めたのも全部ヴィヴィオを守るためだった。ヴィヴィオが悲しい想いをしないように・・・・・アインをヴィヴィオが救ったとき俺は嫉妬してるんだと思ってた。でも違ったんだ・・・・・

 

「守るべき対象だったヴィヴィオの成長が寂しかったんだ・・・・・」

 

俺は勘違いをしていた。誰にも負けたくないという気持ちも本物だけどヴィヴィオを守りたいという気持ちも本物だった。

 

「うん、今ハッキリと確信できた。」

 

俺はこれから先誰にも負けない。大好きな家族と友人の為に剣も拳も振るう。そして何よりも

 

「ヴィヴィオをこれから先も守り続ける。」

 

 

 

新たな誓いを胸刻みキャンプ場に戻る

 

「その顔は分かったようだな」

 

「うん、俺の剣は戦う為、そして守る為にある」

 

「そうか。なら今日は休め。明日から訓練を続けるぞ」

 

「はい」




シスコンが強化されました。
細かいことは知らない


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第15話

お気に入り300件突破ありがとうございます。
修行は今回で終了になります。


一週間が経った。

俺は自身を見つめ直せたことと新たな誓いを胸にさらに強くなることができた。

 

「今日で俺は下山するが、教えられることは全て教えたつもりだ。残り3週間いるんだろ?後は自分自身で反復練習を欠かすな」

 

「はい」

 

「朝のダッシュだけは続けろ。その際は抜刀のみ許可する。」

 

「いいの?」

 

「今のお前なら問題ない。刀を持ったお前は魔法抜きでも俺と良い勝負ができる。」

 

「魔法を使えなくても負けないよ。今の俺を初日の腑抜けてた俺と一緒にしないでほしい」

 

「確かに初日とは段違いだ。特に心構えがな。しかし俺はまだ負けてやれんぞ?」

 

「なら時間無制限1本勝負といこうか」

 

「問題ない」

 

そして俺と兄さんは時間の許す限り激しくぶつかり合った。お互いに全力の勝負。

初日は圧倒されたが、今は良い勝負ができている。

常時神速を多用しているが今の俺には問題ない。恐らく一般人には刀のぶつかる音しか聞こえないだろう。

 

日が暮れるまで切り合う俺達。結局勝負はつかなかった・・・・・

 

 

「はぁー負けはしなかったけどさ・・・・」

 

俺はその場に座り込み不満そうに言う。

 

「俺相手に引き分けで不満があるとは・・・それにしてもお前は恐ろしいな」

 

「は?」

 

「確かに精神的に一皮剥けたがそれだけでここまで変わるなんてあり得ない。奥義についてもほぼ全てマスターしているといっていい。お前が天才と言われる所以は常人を遥かに凌ぐ成長スピードにある。」

 

「確かに俺は人より成長が速いのは自覚はあるよ。」

 

「しかし俺は不安だ」

 

「なにが?」

 

「今でもお前は強い。だがお前に敵う人間は今はいるだろう。しかし断言する。このまま訓練すれば数年後お前に勝てる人間はいなくなるだろう。俺は魔法については知らないがそっちの才も相当高いんだろう?俺は最強ゆえにお前が孤独になるんじゃないかと心配しているんだ」

 

「それなら問題ないよ」

 

「なぜ言いきれる?」

 

「家族がいる。友人がいる。俺を支えてくれる人達がいる限り絶対に孤独にはならない。」

 

兄さんはフッっと笑うと

 

「そうだな」

 

俺の言葉を肯定した

 

 

兄さんとの最後の特訓の翌日。とうとう兄さんが下山をする。

 

「また何かあったら声をかけろよ。決して1人で悩むな」

 

「ああ、ありがとう。兄さん忍さんと仲良くね。姪たちによろしく」

 

「分かった。」

 

そうして兄さんは下山した。

 

 

俺は残り3週間ひたすら訓練を重ねた。

魔法戦も鈍らせないように結界を張って訓練する。

俺の愛機、”スノードロップ”を出しセットアップする。

 

「デバイス出したの久しぶりだな。すまないスノー」

 

『No problem(問題ありません)』

 

「ありがと。」

 

俺のバリアジャケットはフェイト姉さんのバリアジャケットを白にしてスカートをズボンに変えた感じだ。ただし露出はしない。

 

「じゃあ早速始めようか・・・・・」

 

これからの一週間のサイクルを説明すると、お昼まで剣、夕方まで拳、夜は魔法にしようと思っている。万遍なく鍛えていきたいので1日もかかさず鍛えぬく。

朝は練習を始める前にウォームアップ代わりに山をダッシュ。途中クマが出ても何も動じなくなった。

 

それから3週間経った。

自然に触れ、訓練して、俺の心はすっかり晴れやかになった。

 

「(色々あったが来てよかった。このまま下山して翠屋によって報告しよう)」

 

俺は翠屋に来た。

 

「ただいま」

 

カウンターから慌てた様子で母さんがやってくる

 

「お帰り紫苑!怪我はない?疲れてない?料理いっぱい作ったから食べる?それとも先にお風呂入る?」

 

「とりあえず落ち着こう?怪我は多少あるけど大丈夫だからさ」

 

「そう?あ、士郎さん!紫苑帰ってきたよー!」

 

そういったら厨房から父さんがやって来た。

 

「紫苑か!お帰り!」

 

「ただいま父さん」

 

「ふむ・・・・・」

 

父さんは俺を髪の先から足のつま先まで凝視する。

 

「なるほど、1ヵ月前より見違えるようだ。大分成長したようだな。よく頑張った」

 

「うん、自分でもよく分かるよ」

 

「だが、油断や慢心はしないように。」

 

「分かってる。」

 

少し話すと美由紀姉さんも来る

 

「紫苑おかえり~!」

 

「ただいま姉さん!」

 

「そうだ、母さんが料理作ってたよ!」

 

「まずはお風呂入るよ。川で水浴びだけだったからね。」

 

「大丈夫!そっちも準備できてるから!」

 

俺は移動してお風呂に入りあがった後は母さんの料理を食べる。

 

「母さんの料理久しぶりだな。なのは姉さんの料理も美味いけどどやっぱ母さんのは特別だなー」

 

「ふふっありがとう。食べたらどうする?もう休む?」

 

「うん、今日は家で休んだら明日朝イチで戻るよ」

 

「あら、もう少しゆっくりしててもいいんじゃない?」

 

「あっちで待ってる人達もいるからね。それに長期休暇のときはまたこっちに来るし」

 

「そう、分かったわ。紫苑の部屋はそのままにしてるから」

 

「ありがと。じゃあおやすみなさい。」

 

「おやすみなさい」

 

 

朝になり家を出る。転送ポートの月村邸に俺は向かう

 

「おはよう、紫苑くん」

 

「おはよう、すずか?こんな朝からどうしたの?」

 

「帰ってきたとき顔見てなかったでしょ?今日戻るのは知ってたから一目見たいな~って」

 

「そっか。で久しぶりに俺を見た感想は?」

 

「去年よりも背伸びてるね。顔も昔は可愛かったのに今はカッコイイ感じかな?」

 

「ありがと。すずかも前も美人だったけど今はもっと美人さんだ」

 

「ありがとう。あっちに行っても頑張ってね。長期休暇のときはみんなで戻るんだよね?」

 

「そうだね。なのは姉さんやフェイト姉さんの休暇に合わせる感じかな?」

 

「じゃあそれまで元気でね?無茶して怪我しちゃダメだよ?」

 

「大丈夫。無茶しない程度に頑張るからさ」

 

「うん。じゃあまたね」

 

「うん、また」

 

そう言って俺はミッドチルダに戻った。

まずは何をしようかな・・・・・

 

 

 

俺はミッドに戻ってきた。今はこっちは夕方か。まずは学校に明日から行くことを伝え、とりあえず家に戻る。

 

「姉さんたち帰ってきてるかな?」

 

俺は扉が開いてるのを確認して家に入る。

 

「ただいまー」

 

そう言うと奥からドタバタ音がしてヴィヴィオが来た。

 

「お兄ちゃん!」

 

そう言って俺にダイブするヴィヴィオ。俺はそれに抵抗せず受け止める

 

「久しぶりだね。会いたかったよヴィヴィオ」

 

「わたしのほうが会いたかったよ!」

 

「そうかな?」

 

ヴィヴィオを抱きしめながら頭を撫でる。

 

「これで約束は果たせたかな?」

 

「もっと!」

 

「はいはい」

 

俺はヴィヴィヴォを抱えリビングに行く

 

「おかえりー!紫苑!!」

 

なのは姉さんも抱きしめてくる。

 

「おかえりなさい、紫苑」

 

フェイト姉さんも駆け寄ってくる

 

「ただいま2人とも。姉さん今ヴィヴィオ抱いてるから後にして」

 

「えー」

 

「なのはママは後ね!」

 

「はーい」

 

そういってしぶしぶ離れる

俺はヴィヴィオを抱きながらソファーに座る。

 

「色々話聞きたいしお茶いれるねー」

 

なのは姉さんはキッチンに行った。

 

 

「じゃあ早速聞いてみるよー」

 

「なんなりと」

 

「じゃあ私から!」

 

ヴィヴィオが手を挙げる

 

「あっちでは具体的に何をしてきたの?」

 

「そうだね。最初の1週間は恭也兄さんと修行。あ、魔法なしでクマと戦ったよ」

 

「「「クマ!?」」」

 

「うん、魔法なしでキツかったけど何とかなったよ。で、奥義とか教わったり色々教えてもらえなかったこととか重点的にやった」

 

「魔法なしでクマって・・・・・怪我はしなかったの?」

 

「もちろん怪我したよ。特に4日目はやばかった。5頭もいてさ、一気に襲われたなー」

 

そういって俺は上半身を脱ぐ。切り裂かれたあとがいくつも残ってる。

 

「大丈夫なの!?病院いく?シャマル先生呼ぶ?」

 

フェイト姉さんが慌てたように聞いてくる

 

「大丈夫だよ。ちゃんと治療はしたし多少痕は残るらしいけど異常はないって」

 

「痕残るの・・・・?お嫁にいけないじゃない・・・・」

 

「フェイト姉さん、俺男だからね」

 

動揺しすぎて性別すら忘れたのか

 

「あとは?」

 

「まぁ、精神的なことについて。自然に触れて剣だけじゃなくて拳法も魔法も一通り鍛えてきた。全体的に能力は上がったけど一番は精神的なことについてかな」

 

「答え見つかったんだ」

 

「うん、俺自身見つめ直せたのはよかった。行ってよかったと本気で思う」

 

「ならもう安心かな?」

 

「なのは姉さんには心配かけたね。ゴメン」

 

「ううん、紫苑が元気になってよかったよ」

 

ヴィヴィオが話についていけず困惑する

 

「えっと・・・・どういうこと?」

 

「ヴィヴィオは気にしなくていいんだよー」

 

「仲間外れは寂しいなぁ・・・・」

 

「そうじゃないよ。俺のカッコ悪い部分を説明しなきゃいけないからね。ヴィヴィオには恥ずかしくてそれが出来ないんだよ」

 

「そうなんだ・・・・でもお兄ちゃんはカッコ悪くないよ!」

 

「ありがとー。ヴィヴィオは最高の妹だな」

 

「えへへ・・・・」

 

 

「じゃあ次はこっちが聞くけど、この1ヶ月なにかあった?」

 

「ミウラさんが勝ち進んでるってこととー」

 

「まだ残ってたのか。やるじゃないかミウラのやつ」

 

「でしょ!初出場で話題になってるし凄いよねー」

 

「それ以外では?」

 

「えっとねー。イクスが目覚めたの!」

 

「え・・・・?イクスが目覚めたって・・・・」

 

「その目覚めたっていうかなんというか・・・・」

 

そして俺はヴィヴィオに詳しい話を聞く

 

「(なるほど、ようは精神体ということかな?なんにせよ本体も目覚めかけてるってことには違いないか)なら明日行ってみるかな」

 

「うんそうしてあげて!」

 

それから俺達は1ヶ月の空白を埋めるように色々話した。

 

 

夜になり俺はある人に会いに家を出る。

そいつが住んでるマンションに行って呼び鈴を鳴らすと目的の人物が出てきた

 

「久しぶり、アイン」

 

「お久しぶりです。紫苑さん」

 

俺はアインに会いに来た。どうしても会いたかったから

 

「驚かないんだな」

 

「ヴィヴィオさんから一斉送信がありましたから。とりあえず中へどうぞ」

 

俺は家の中に入る。

 

「久しぶりだな。ここに来たのは」

 

「変わってないですよね?で、ここに来たのは・・・・・」

 

「約束を達成した報告を・・・・・ってのは建前でアインに礼をね」

 

「私に・・・・・?」

 

「アインと約束してなかったら途中で心が折れてたから・・・・・あれがなかったら俺はダメだったかもしれない。俺はお前に救われた」

 

「・・・・それなら私もお礼を言わなければなりませんね」

 

「アインが?俺はお前に対してなにも・・・・」

 

「初めてあったときのこと覚えていますか?」

 

「懐かしいな。新しい学校でテンション上がってるときに隣の席が無口で無愛想なやつだったのはショックだった」

 

「私も貴方が隣に来たときショックでしたよ。うるさい人が来たなーって・・・・」

 

「でも口を開いてくれたときは嬉しかった。」

 

「でも話しかけてくれるのは嬉しかったです。」

 

そう言うとお互い静かに笑い出す。

 

「私はずっと学校が退屈でした。友達もいない、話の合う人もいない。ずっと孤独でした。でも貴方が来てから退屈な学校もいつしか楽しみになりました。今日はどんな話をするんだろう?とか今日も私をからかうんだろうかとか・・・・貴方は私に対して救えなかったと言ってましたが」

 

アインが俺を抱きしめて言う

 

「私はもうとっくに・・・・・貴方に救われていたんですよ?」

 

「そっか・・・・・気づかないうちにお互いがお互いに救われてたんだな・・・・」

 

「友人ってそういうものなのでしょうかね?私は貴方以外に友人がいなかったのでまだ把握できてないんですよ」

 

「俺的に友人って言うのは迷惑かけてかけられて、それをお互い許せる関係が友人だと思ってるよ。」

 

「なら、これからもお互い迷惑かけますか?」

 

「いいんじゃないか?これからも嫌になるほど迷惑かけてやるよ。今のうちに謝っておくわ」

 

「それはこちらも同じです。嫌になるほど迷惑をかけます。だから今のうちに謝っておきます。」

 

「「ごめん(なさい)。そしてありがとう(ございます)。」」

 

 

 

「礼を言いに来たのに何でこうなるのかな?」

 

「多分それが私達なんでしょうね。」

 

「ところでいつまで抱きついてるつもり?」

 

「私が満足するまでです。我慢してください」

 

今はソファーに座ってなすがままにされている。

 

「ここまで甘えてくるなんて随分変わったもんだな・・・・」

 

「昔のほうがよかったですか?」

 

「いや、今のアインのほうが心地よい」

 

「ならいいじゃないですか。貴方がいなくてずっと寂しかったんですよ?みなさんも貴方がいなくて寂しそうでしたし」

 

「そっか。寂しいと思ってくれるのは嬉しいな。」

 

「もういなくならないでくださいね?」

 

「ならないよ。これからもずっとお前らの傍にいるさ」

 

「ならいいです。夜も遅いですがどうしますか?」

 

「今日は帰るよ。帰ってきた初日で外泊なんてさすがにな・・・・・」

 

「そうですか。ならそろそろ離しますね」

 

アインが俺を離し、俺は玄関に向かう

 

「明日学校に行きますか?」

 

「いくよ。定期考査始まるしな」

 

「明日からですけど大丈夫ですか?」

 

「誰に言ってるんだか・・・・こうみえて主席ですよ?」

 

「そうでしたね。なら、明日学校で」

 

「ああ、また明日な」

 

 

 

俺は家に帰る途中空を見上げて思う。

 

「(色々なことがあったけど今日ほどここに残ったのはよかったと思う日はなかったな。アインとより一層仲を深めた気がする。明日は学校行ってみんなと話して聖王教会に行ってイクスと会おう。意思疎通はできるっぽいし、楽しみだな)」

 

そして家に着くと遅くなったことに関して姉2人とヴィヴィオに怒られた。

罰として今日は4人で寝ることになったが、罰にならないだろう・・・・

 

「4人で寝るの久しぶりだねー」

 

「そうだね。多分六課以来じゃないかな?」

 

「自然とそうなったよねー」

 

「寝るのはいいけど、この態勢はキツイ」

 

俺の上にヴィヴィオが乗り左右になのは姉さんとフェイト姉さんが腕に抱きつく

 

「心配かけた罰だからしょうがいないねー」

 

「そうだよ。それにたまにはこういうのもいいね」

 

姉2人はまぁいい。問題は・・・・・

 

「ヴィヴィオさんは寝づらくないんですか?」

 

「大丈夫です!むしろいつもよりよく寝れそう・・・・」

 

「俺の体は硬いし寝づらくなったらちゃんと避けるんだよ?」

 

「はーい」

 

「でも珍しいね?」

 

フェイト姉さんが疑問に思う

 

「なにが?」

 

「こういうとき紫苑は抵抗するものだと思ってたんだけど・・・・」

 

「色々受け入れるようになって余裕が出来たからかな?前ほどの羞恥はないよ」

 

「そっか。大人になったのかな?」

 

「これがそうなのかは分からないけどね」

 

「寂しいなー」

 

今度はなのは姉さんが言う

 

「なにが?」

 

「弟の成長は嬉しいけどお姉ちゃん的には寂しいものがあるんだよ!」

 

「そう言われてもね・・・・」

 

「いつか紫苑は離れていくのかな?」

 

「いつかはそうなるかもしれないけど、学生でいる間はないかな。人生何があるか分からないけど当分は一緒なので安心してくださいな」

 

「うー・・・・・いつかは弟離れしなきゃいけないのかな・・・・」

 

「寂しいからしなくていいよ」

 

「へ?紫苑が素直にそう言うなんてやっぱり変わったんだね。前は仮に思ってても言わなかったのに」

 

「自分の気持ちには素直に行動したいからね。それで後悔したくないし」

 

「うん、いいことだと思うよ。」

 

変った、か・・・・・確かに変わった。視野が広くなったし大抵のことでは動じなくなった。もしかして無自覚に考え方も変わったのかな?自分自身を理解したからか・・・・それが理由かは分からないけど、少なくとも今の自分は嫌いじゃない。




自分で書いてて意味分からなくなった

次から原作に戻るよー。定期考査終わって文化祭だっけ?
前にちょろっと出せたけどやっとルミナを本格的に出せそう。


最新刊でルミナがアインハルトの通い妻になってたなー。アインハルト不在のときに家でご飯作ってやって一緒に食うってもう夫婦じゃないですかー。さらにクロにも手を出すとかハーレムまっしぐらですねー


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第16話

前半オリジナルで後半学院祭です

アニメみたときU-15の次がU-19らしんだけど、4年区切りだったの?
そうならU-21ないんだね。後で編集しておきますー


俺が帰ってきてから数日が経った。帰ってきたときはみんなに訪ねて心配かけたことを謝ったりした。聖王教会に行ってイクスともあった。ミニアムサイズのイクスだし喋れないが意思の疎通は聞いていたとおりできた。早く本体が目覚めてほしいと思う。

 

「現実逃避はそれくらいにしてそろそろ始めませんか?」

 

俺はテスト勉強のためアインの家にいた。勉強しなくても楽勝だぜヒャッハーとか思ってたらそんなことは無かったよ・・・・・

 

「今回は赤点さえ回避すればいいと思ってる。」

 

「初日のミッド史はボロボロだったんですからやらなきゃいけないでしょう?暗記科目を舐めてた罰ですね。」

 

そうなのだ。余裕綽々で挑んだテスト初日。予想以上に忘れていた為初日のミッド史はボロボロ。数学やミッド語、ベルカ語は余裕ではあったが・・・・

 

「意外と忘れるものなんだな。」

 

「というより1ヶ月不在で忘れるというより知らないが正しいんじゃ・・・・」

 

「いや、去年に今年やる内容は詰め込んだんだよ。だから忘れてるで正しい」

 

「貴方って基本的に有能なのにどこか抜けてますよね。」

 

「自覚はしている」

 

 

そして夕方になりペンを置く俺達

 

「あー疲れた。」

 

「お疲れさまです。今お茶のお代わりいれますね」

 

「ありがとー」

 

そういってキッチンに向かうアイン

俺はそのまま横になる

 

「はーまぁ、明日のテストはなんとかなるかな」

 

「おまたせしました」

 

アインがお茶の入ったコップを持ってくる。

 

「ありがと。アインのほうはテスト大丈夫なのか?」

 

「もちろんです。予習や復習はしてるので」

 

「なら安心だな。俺もなんとかなりそうだしよかったよ」

 

「そうですか。明日が最終日なので頑張りましょうね」

 

「ああ」

 

そう言って会話が終わるとアインがこちらに寄ってくる

 

「またですか」

 

「またですよ」

 

そう言ってアインは俺に抱きついてきた。

 

「あれから毎日引っ付いてるけど癖にでもなった?」

 

「なんでしょうね?ただ安心するんです。出来ればずっとこうしていたい・・・・」

 

「それは勘弁、家に帰らなきゃいけないしな。」

 

「なら今度泊まりに来て一緒に寝てください」

 

「お前俺を男として見てないだろ?」

 

「見てますよ。ただ羞恥に染まる段階は過ぎ去ったというべきなんでしょうか・・・」

 

「熟年夫婦かなんかか?付き合ってすらいないし出逢って3年くらいなのにな」

 

「ではお付き合いしますか?そうなった場合自宅に帰しませんけど」

 

「怖いからノーセンキュー」

 

「残念ですね」

 

なんだろう、先日からアインがおかしい。明るくなったというか冗談すら言うようになったのはいいけど

 

「お前変わりすぎだろ。襲撃してたころのお前と会わせたいくらいだ」

 

「あれは正直黒歴史ですね。それにこういう態度を取るのは貴方にだけですよ。貴方にだけは自分の感情の赴くままに行動しようと思ったんです。自分には何をしても許し許される。最も気を使わない相手と2人きりなんですから許してください」

 

「へー・・・・・・え?」

 

あれ?じゃあさっきの告白みたいなのって・・・・

 

「付き合ってほしいと言ったのは冗談ではありませんよ。返事は必要ありませんけどね。OKでもNOでもずっと傍にいますし」

 

「怖!!さらっと何言ってんの!?」

 

これにはさすがに動揺するわ!この子永久ストーカー宣言しちゃったよ!!

 

「まぁ、正妻じゃなくても愛人として囲ってくれれば・・・・」

 

「さすがにキャラ変わりすぎじゃないかな!?」

 

愛人とか許すタイプじゃなかったよな!?

 

「それほど好きだということなんですよ。さっきも言いましたが傍にいさせてくれればいいんです。貴方がいないのは嫌なんです」

 

俺はどうするか考えた。アインは真面目に本音でぶつかってくれたなら、俺も真面目に本音で向き合おうと思う

 

「俺もお前のことが好きだよ・・・・でもぶっちゃけると他に気になる子もいるからお前だけとは付き合えない」

 

「ぶっちゃけましたね。その返答は最低ですよ?」

 

「自覚してる。でもアインが本気で言うならこっちも本気で言うしかないだろ」

 

「そうですか。ではお付き合いしてくれるんですね?」

 

「男として最低の俺でよければ」

 

「では、これからもよろしくお願いします。」

 

はにかんで笑顔になるアイン。うん、この笑顔が見れるだけでも付き合ってよかったと思う。

 

「じゃあ俺帰るから」

 

「あ、このタイミングで帰るんですね。でもダメですよ。付き合うなら今夜は帰さないと言ったでしょう」

 

「それもマジだったの?」

 

「マジです」

 

「・・・・・家に連絡するから待ってろ」

 

俺は通信でなのは姉さんに今日は外泊して明日そのまま学院に行くことを伝えた。

やはりあれから数日なので渋る様子を見せてたが「友人と会えなかった分仲を深めたい」と言ったら渋々ながらOKを貰った。相手については言及される前に通信を切った。

 

「これでよし。じゃあ飯にするか。」

 

「今から作るのは遅くなるのでピザでも注文しましょうか?」

 

「そうするか」

 

注文したピザが届いたので一緒に食べる。その後テレビを見ながら談笑した。

 

 

「いい時間だし風呂入るか。」

 

「ではタオルを用意しときますね」

 

俺はそのまま脱衣所に向かい風呂に入った。

そうするとタオルを用意してくれたアインが話しかけてきた

 

「湯加減はどうですか?」

 

「いい感じだよー」

 

「じゃあ私も入りますね」

 

そういって扉を開けると生まれたままの姿のアインがそこにいた。

 

「あー・・・・まぁ、今のお前ならやってくると予想はした」

 

「付き合ってるんですから、別に構いませんよね?」

 

「拒否しても無理やり入りそうだからどうぞ」

 

そういってこちらに背を預け浴槽に入る。

 

「2人で入るのは初めてですけど結構余裕ありますね」

 

「それ浴槽のサイズ?それとも俺の精神状態?」

 

「前者について言ったんですけど、後者について聞きたいですね」

 

「余裕なんてほぼないよ。今自分を抑えているのに必死なだけ。」

 

触れたいのに触れれない、もし少しでも触れてしまったら暴走しそうで自分を律する自信がなかった。

 

「我慢しなくていいんですよ?」

 

妖艶な笑みを浮かべるすアインはそう言ってこちらを向き首に手を回し抱きしめる

 

「私は受け入れますから・・・・」

 

 

 

同じベッドで一緒に寝る俺達。俺はアインの満足そうな寝顔を見つめて思う。

 

「(幸せそうな顔してるよ・・・・別に後悔はしていないからいいけど、ヴィヴィオにバレたらどうしよう。泣くかな?祝福してくれるかな?まぁ、予想してもしょうがないし今は、愛しい彼女の寝顔でも見ときますかね)」

 

俺はアインを抱きしめて睡眠に入った。

 

 

 

 

 

「テスト終了!今回も3人揃って花丸クリア~です!」

 

「「わーい♪」」

 

テストが終わって3日が経ち、答案が返却される。

俺はアインと結ばれたことは誰にも言ってなかった。聞かれたら答えるスタンスでいいとアインと話し合った決めたからだ。

 

「アインハルトさんと紫苑さんはどうでしたか?」

 

「私は一応全科目でA評価を頂きました」

 

アインがみんなに成績表を見せる。見事にAしかない。あ、今回のトップはアインだそうだ。

 

「俺はBとCばっかだ。」

 

「お兄ちゃん・・・・最初は主席じゃなかったの?」

 

「あーうちの場合のテストってただペーパーで好成績残せばいいわけじゃないんだ。授業態度とか提出物とか・・・・そういうのを全て熟してなおかつペーパーで好成績を取る。これでやっとAを貰えるんだが、俺の場合は1ヶ月休んで提出物を出していないしそもそも授業に出ていないからペーパーで満点を取ってもAは絶対取れない。休学届けを出し事情があったとしてもそれは変わらない。」

 

「逆にそれでもBをいくつも取ってくるところはさすがなんですけどね。Cはやはり暗記物でしたか」

 

評価方式はA>B>C>D>Eの5段階評価である。

 

「テストも終わったし次は学院祭かー」

 

「そういえばお兄ちゃんのたちのクラスも今日決まるの?」

 

「だと思うよ。委員長がしっかりしてるしクラスの連中も協力的だから滞りなく決まるだろ」

 

お昼休みが終わり午後になった

 

壇上には委員長のユミナが立ち決まったことを発表する。

 

「えー我がクラスは厳選なる投票を行いました結果。『スポーツバー』に決まりました!!」

 

スポーツバーか、運動部に所属してるやつらが多いしいいかもな。運動できないやつは実況なり裏方なりをやるんだろう。

 

「簡単な室内競技でお客さんと競ってもらい、こちらが勝ったらチャリティー品を買ってもらって負けたらドリンクサービス。で、各運動部はそれぞれの競技で頑張るとして・・・・・・アインハルトさんと紫苑くん!」

 

「は、はい・・・」

 

「ん?」

 

「2人は格闘選手だしそれにちなんだ競技をしてもらいます。紫苑くんのほうは去年話題になったしみんな知ってるよね?アインハルトさんも今年のインターミドルでエリートクラス4回戦だし凄いんだよー」

 

周りが称賛してくるが、正直ヴィヴィオのほう見て周りたいからサボリたいんだよなー

 

「い、いえ凄いほどでは・・・・」

 

「あーユミナ。格闘系は危ないしやめといたほうがいいんじゃないか?」

 

「んーそれもそうだね。じゃあ危なくない競技で!」

 

どうやっても逃げられそうにない・・・・・周りも期待してるような目で見てくるし腹を決めるか

 

 

「アームレスリングの選手?」

 

放課後ヴィヴィオ達と下校してる最中に今日決まった出し物についての話をする。

 

「はい、何故かそんな役目に抜擢していただいて・・・」

 

「すごいじゃないですか!」

 

「お二人ならきっと大活躍ですね~」

 

「どうでしょうか?」

 

話しているとこちらにユミナが駆け寄る

 

「アインハルトさ~ん!お話し中ごめんね。こんにちは、みなさん!」

 

「どうした?そんなに急いで・・・・」

 

「今日急に話を振ったことに謝りたくてね・・・ごめんね、アインハルトさん。迷惑じゃなかった?」

 

「迷惑だなんて思ってませんよ」

 

にこりと微笑み否定する

 

「ありがと。えっとね・・・・今まであんまり話たことなかったけどさ、これを機に普通に話せれば嬉しいかなって」

 

「いいんじゃないか。そろそろ俺ら以外に友人が出来るのはいいことだし、見る専だがユミナは格闘技好きだから話しも合うんじゃないか?」

 

「うん!チームナカジマの活躍もテレビで見てたんだ~。ヴィヴィオ選手にリオ選手にコロナ選手!」

 

「「「ありがとうございます!」」」

 

おー部外者に真っ向からそう言われるのって初めてじゃないか?チビ達嬉しそうでなによりだ

 

「それじゃあそういうことで!みんなもまたね~」

 

そう言ってユミナは帰っていった

 

「ユミナさん楽しい方なんですね」

 

「まーな」

 

「お兄ちゃんユミナさんと前からお友達だったの?」

 

「んー友達だと思うけど・・・・・そういえばヴィヴィオのクラスってなにやんの?」

 

「うちは『魔法喫茶』だよ!」

 

「来てくれた人に基礎魔法の楽しさを見てもらう喫茶店です」

 

「特にコロナのゴーレムが大活躍の予定です!」

 

「へーそうなんだ。頑張ってねコロナ。絶対見に行くから」

 

そういってコロナの頭を撫でる。若干アインの目が険しくなったがすぐに戻る

 

「あ、ありがとうございます。頑張ります!」

 

「さて、学院祭もいいですが今日からトレーニング再開ですのでそろそろ行きましょうか」

 

 

 

そして学院祭当日

 

俺は体育館でひたすら腕相撲をしていた。

2人なので難易度に分けて相手をする

「ハード」「ベリーハード」の2つ

難易度が高いものしかないけど俺とアインならしょうがない。ハードを倒せばベリーハードに挑戦できる権利が与えられるがハードのアインにすら未だに誰も勝ててなく俺は暇をしていた。

 

「今ので20連勝目か?

 

「そうですね。ところでこの衣装は恥ずかしいですね・・・・」

 

「よく似合ってるし可愛いよ」

 

「あ、ありがとうございます///」

 

と、そこへ次の挑戦者が現れた。

 

「ハリーじゃねーか。お前って暇なの?」

 

「うるせーよ!客として来てやったんだからありがたく思え!」

 

ユミナが場を盛り上げそれにハリーが乗る。ユミナも上手いがハリーはどこ行っても主役になれるやつだな

そしてゴングが鳴ると、一気に魔力がぶつかり衝撃波となって襲ってくる。

 

「マズイな。ユミナは俺の背に隠れてろ。それと実況代わる」

 

「う、うん・・・・」

 

マイクを俺に渡してしがみつくユミナ

 

「実況が変わってすみません!女の子のほうがよかったかな?まず、観客の皆さんはあと2歩下がってください。なにかあった場合は私が責任を持って皆様をお守りします!さて一進一退の攻防が繰り広げられる両選手。やはりどちらもパワーがあってどちらが勝つか予想つきません!おっとハリー選手が若干押しているか?しかしすぐにアインハルト選手も巻き返す!どちらも譲る気はないのは格闘家としてのプライドなのか!?この戦いはどちらに軍配があがるのかー!」

 

まぁ、勝負決まる前に競技台壊れそうだけど。ミシミシいってるし

 

「おっと、ここで競技台が壊れた!ノーコンテスト!両者引き分けー!!」

 

マイクをユミナに渡す。

 

「観客に被害がなくてよかったな。ユミナは大丈夫か?」

 

「うん。その、守ってくれてありがとうね」

 

「ああ、気にしなくていい。怪我がないならよかった」

 

頭をポンポンっとして2人のもとに向かう。

 

「盛り上がったのはいいがやりすぎだ。」

 

「「ごめんなさい」」

 

「大丈夫ですよーお客さんから寄付も貰えたし競技台もすぐ直りますから」

 

「じゃあそれまで休憩行っとくか(早くヴィヴィオのとこ行きたい)」

 

「そうですね(ヴィヴィオさんのとこ行きたそうですし)」

 

ハリーとアインとでヴィヴィオのところに向かってる途中でミカヤと会う。他のやつらも来てるっぽいしそのうち会うかもな

 

「おー随分ファンシーって感じだな。」

 

「可愛いらしいね」

 

「みなさん!来てくれたんですね!」

 

そこには可愛い制服をきたヴィヴィオとリオがいた。コロナは操作中のため不在

俺は即行でデバイスを取りだし連写する

 

「ヴィヴィオその衣装可愛いね」パシャパシャパシャ

 

「うん、ありがとーでもそんなに連写しなくていいんじゃないかな?」

 

「妹の晴れ姿だしね。ぜひ記念に残したいんだよ。あ、リオもハリーやミカヤなんかと話してないでこっちおいでー」パシャパシャパシャ

 

「リオちゃん行っちゃダメだよ?あっちにはロリコンという妖怪がいるからね」

 

「ミカ姉ちょっと晴嵐貸してくれあいつ斬ってやるから」

 

そうして話しているとジークが来る

 

「紫苑~写真撮りたいならウチをとってええよ~」

 

「いらねーよ帰れ」パシャパシャパシャ

 

「ヒドイわ!せっかく久しぶりなのに~・・・・」

 

「後で相手してやるから下がってろ」パシャパシャパシャ

 

「ハルにゃん~紫苑が冷たい~」

 

「すみません。いまシスコンモードなので邪魔しないでやってください。」

 

「なんやの?それ・・・・」

 

さてヴィヴィオは充分だろ。次は・・・・・

 

「コロナー!」

 

「え、え!?紫苑さん!?」

 

「写真撮るぞー!拒否権はない!」パシャパシャパシャ

 

「あ、あう・・・・・////」

 

「紫苑、いい加減にしないと本気で出禁になるよ?」

 

「・・・・・それは困るな。後で撮らせてなー」

 

「は、はいー」

 

どうやらヴィヴィオが隣のクラスで助っ人をするらしい。

俺は早速見に行くことにする。

 

「さて、行くか」

 

「心配なので(捕まらないか)私も行きます」

 

「頼むよアインハルトちゃん。」

 

「任せてください」

 

 

「高町ヴィヴィオ。デビルモード準備完了!」

 

「くぁwせdrftgyふじこlp;@:」

 

「紫苑さん正気に戻ってください。あまりのキャラ崩壊ぶりに私ですらドン引きしています」

 

「アイン・・・・これ(デバイス)で写真を頼む・・・・・俺はもう満たされた・・・隣で休んでくる・・・・・」

 

「あ、はい行ってらっしゃい」

 

そう言って隣に戻るとなのは姉さんたちが来ていた

 

「ああ、姉さんたち来てたのか・・・・・」

 

「紫苑?そんなに憔悴してどうしたの?」

 

「ヴィヴィオが可愛すぎて・・・・・」

 

「ああ、シスコンモードだったんだね。おつかれ」

 

「あれ?他のやつらは入れ違いだったのか。まぁいいやリオとコロナー。あとで昼食一緒に食うぞ」

 

「「はーい」」

 

午前の部が終わり。大人たちは先生の挨拶をしてトップファイター達は練習があるので帰宅。ミウラについてはオーバーワーク気味なので無理やり残らせる。

 

アインがユミナを連れてきて一緒にご飯を食べる。

 

「リオママが作ったこれって中華料理に似てるな」

 

俺はふと思ったことを言う

 

「中華料理??」

 

「俺の故郷である管理外世界にある1つの国で「中国」っていうんだ。この料理は似てるなーって・・・・」

 

「そうなんですかー」

 

まぁ、中華料理だけじゃないんだけどな。武術に関しても似ている。初めてルーフェン武術を見たときは驚いたもんだ

 

料理を食べていると、スバルとディエチとイクスがやって来た

 

「おースバルとディエチか久しぶりだな。」

 

「見に来たよーイクスについては久しぶりじゃないの?」

 

「ああ、結構様子見にいってるしな。」

 

「そっか。やっぱり気になるもんね」

 

「そうだな・・・・」

 

マリアージュ事件では悲しいことあったけど、でもそれがあったからイクスと出会えた。眠りについたイクスがいつ目を覚ますか待ちわびて今は目の前にいる。本体ではないとはいえイクスはイクス。一生の友達だ。

 

そのまま話しているとユミナがミウラに気になることがあるようで声をかけた

 

「余計なお世話かもだけど、もしかしてオーバーワークなのかな?すごく疲労が溜まってるみたい」

 

そういうとミウラをうつ伏せにさせる

 

「え?え?」

 

「ミウラ、悪いようにはならないからユミナに任せろ」

 

「あ、はい・・・・」

 

ユミナのマッサージが始まった。あいつってマッサージ上手いんだよな。俺もよくやってもらってたからミウラの気持ち良さがよく分かる。だからって・・・・

 

「喘ぎ声とかエロイな」

 

「お兄ちゃん!」

 

顔を真っ赤になったヴィヴィオが嗜めるように声を上げる。顔真っ赤になってるヴィヴィオとコロナは耳年増かなー。

もう一人顔真っ赤のアインは俺に耳打ちしてくる

 

「(もしかして私もあんな声を・・・・・)」

 

「(もっと喘いでたけど?)」

 

耳まで真っ赤にする覇王様。かわいいねー

 

ミウラはマッサージが終わり体が違うのを実感した。

 

「すごい!下半身が大分軽くなりましたよ!」

 

「取ったのは最近だがユミナは整体技術の2級持ってるから。練習に付き合うついでに俺もコリをほぐしてもらったよ」

 

「そうだったんですか・・・・」

 

「うん、本当はアインハルトさんにもしてあげたかったけど。資格もないのに気軽に触っちゃいけない気がして・・・・・アスリートの体はその人が時間と想いを掛けて作り上げた作品だから。気軽に言っちゃ失礼かなーって」

 

「一応言っとくが俺の場合は俺自身がやってくれって頼んで説得してやってくれてたんだ。」

 

「失礼なんかじゃないですよ。今度私にもして頂けたら嬉しいです」

 

「それはもちろん!」

 

話が終わり、リオがミカヤに今度の連休ルーフェンに行かないかと誘った。

チーム全員+etcでいくらしい。当然俺も同行する。アインがルミナを誘い参加人数も増えそうだ。

 

「(春光拳の「拳仙」と呼ばれるレイ・タンドラ。どういう人かは知らないけど一度手合せできないかなー・・・・・申し込むのはさすがに失礼かな?)」

 




やぁっちまったやぁっちまったやぁっちまったぜ~


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第17話

誤字報告感謝です

ルーフェンです。


今日からルーフェンに向かう俺達。

ミカヤが異様にはりきっているが、俺も楽しみである。

ルーフェンの歴史や武術についてしっかり学んで帰りたい

 

「到着~!ここが私の実家の最寄駅です!迎えが来る予定なので少し待っててくださいね~」

 

辺りを見渡すと大自然と言うべきところである。

 

「ミッドじゃここまでの自然はないからな。新鮮で空気も美味しい」

 

「そうだね。それだけでもここまで来る価値はあったんじゃないかな?」

 

ミカヤと話しているとミウラから悲鳴が聞こえた。

そこにいたのは白い虎とリオに似た色黒のお姉さんだった。

 

「あれうちの猫なんですよ」

 

猫?どうみても虎です。

白い猫(?)たちがリオにじゃれつく。

 

「アインは平気なのか?」

 

「ええ、クラウスが大型の豹を飼っていたので」

 

そして色黒の女性が俺達に挨拶をする。

 

「リンナ・タンドラです♪リオのいとこで春光拳の師範代をやっています」

 

俺達も挨拶をそれぞれ返すと、荷物を2匹が運んでくれるそうで背に全員分の荷物をくくりつけて運んでもらう。

 

「凄いですねー。」

 

「ルーフェンの猫は人1人乗せて野山を駆け回ることも余裕で出来る子たちだからね~」

 

そうして少し歩いていると見えてきたのは道場だった。

 

「あれが我が家である、春光拳道場だよ~」

 

「すごい!広ーい!」

 

コロナが感激の声をあげる

 

「今は練習生が練習してるね~。もう少し歩いたら着くからねー」

 

再び歩き出す俺達。一つの建物がみててきた

 

「この奥でじーちゃんが待っているから」

 

緊張が走る大人たちにアインが疑問に思う。こいつ有名人とか知らないからなー

レイ・タンドラか・・・・彼の立場上戦ってくれることはないんだろうなー。試合申し込むだけで他の門下生に顰蹙かいそうだし。

アインに説明が終わると奥に見えてきたのが・・・・え?

 

「おお、リオ」

 

温和な笑みを浮かべる白髪で白い髭が生えている優しそうな老人。

いや、問題なのは身た目じゃない。彼を見た瞬間、彼の後ろに綺麗な自然が見えた。これはどういうことなんだ?どうやらヴィヴィオたちにも見えていたみたいだし。

リオがタンドラさんに向かってダイブする。どう見ても孫を歓迎するお爺さんにしかみえない・・・・・でも

 

「(隙がない。あー戦いたいなぁ・・・)」

 

挨拶をして子供たちはリオと共に移動する。

 

「総師範。ご無沙汰しています」

 

「ノーヴェ面識あったのか?」

 

「ああ、まぁ色々な」

 

「おお、ノーヴェ師範か。リオが世話になっとるのう」

 

「と、とんでもないです・・・・」

 

おおノーヴェ照れてる。

 

「で、引率を手伝ってもらっている、聖王教会のオットーとディードそして・・・・」

 

「ミカヤ・シェベルと申します。ミッドチルダで抜刀居合術を学んでいます。」

 

「高町紫苑です。古流剣術と拳法を学んでいます。」

 

「リオの祖父。レイ・タンドラじゃよ。春光拳の師範をやっとる。気軽に『じーちゃん』とでも呼んでくれ」

 

「分かったよ。じーちゃん」

 

俺がそう言った瞬間4人に頭をはたかれる。

 

「ホントに呼ぶ奴がいるか!」

 

「流石に失礼です!」

 

「師範に向かってじーちゃんなどと・・・・」

 

「君という男は・・・・」

 

4人に呆れられる。呼べと言ったから呼んだのに理不尽じゃないか?

 

「ほっほ。面白い子がいるのう。紫苑と言ったか・・・・?お主強いな。恐らく今日来た中でも1番じゃろう。それ故の自信。そして過信ではないのう。その歳でそれだけ強く驕らないとは・・・・・剣術のほうは見たことなさそうじゃが使ってる拳法はルーフェン武術・・・・に似たなにかじゃな?将来が楽しみな子じゃのう」

 

そこまで見抜くのか?恐らく俺の動きをみて当てたのだろうけど・・・・日常の動作しかしていないハズだぞ?観察力1つとっても化物クラスか・・・・

 

「・・・・御見それいたしました。どうか無礼を許していただきませんか?じーちゃん」

 

「本当に面白い子じゃのう。ワシには敬語もいらんよ。いつも通り話すとよい」

 

「ありがとう」

 

後ろでハラハラしてる4人には悪いが我慢してもらおう

そして俺たちはそれぞれの場所に分かれる。ミカヤ以外の3人は子供たちのところへ、俺とミカヤはミカヤの刀剣が届いたとのことなのでそれを取りに行く

 

「あ、ごめんじーちゃん」

 

「なんじゃ?」

 

「ここって指南書とかの他に歴史書なんかあるかい?ルーフェンの成り立ちとかルーフェン武術の起源とか書いた本なんか」

 

「ふむ、恐らくそれも指南書とともに書庫にあるから自由にみてええよ」

 

「ん、ありがと」

 

俺達は案内人と共に刀剣のあるところにいく

案内人の名前はタオ・ライカク。どうやらここで使用人として置いてもらっているらしいが

 

「タオって武術やってないのか?」

 

「そうですね。使用人なので」

 

にしては経験者特有の空気を持っているように見えるけど・・・・・

 

俺たちが着くとそこには2人の子供がいた。どうやら勝手に開けて刀剣を触ってるらしい。触るだけならともかく汚してすらいた。

 

「(マズイな、ミカヤがキレる)キレる気持ちは分かるから止めないけどやりすぎるなよ?」

 

「分かっている」

 

そう返事をして、相手に返すように諭すが相手は聞かないのでミカヤは実力行使に出た

 

「(今謝れば許してくれそうなものなのに、バカだし弱い。相手との力量すら感じられないのか・・・・あ、組んで叩きつけて剣を奪って目の前に刺すとかやっぱキレてんじゃん)」

 

お仕置きとして尻叩き。相手の子も今回のことで学んでくれたらいいのにな

 

 

尻叩きした後はもう1人の子に飛び火する。まぁ友人なら止めるのが正解なのはそうなんだけど・・・・・その後はお互い自分が悪いとかばい合ってる。なるほど・・・

 

「(イタズラ好きだけど根は良い子たちなんだな。)ミカヤ、分かってるだろうけどその辺で勘弁してやれ。実行犯にはお仕置きしたし止めず見てた子には口頭で注意。タオは別に悪くないし今回のことはこれで終わりだ。」

 

「ああ、分かっているよ。」

 

俺は2人に向き合って言う

 

「君達2人もよく聞きなさい。俺達は一応客という身分でこちらに滞在している。その結果、こういうことが起きた。問題にする気はないが春光拳の門下生は客に対して平気で無礼を行う。そんな風に思われていいのか?」

 

「よくないです・・・・」

 

「よくない・・・・」

 

「だよな。でもお前らはそういう行為をしてしまった。じゃあ、どうする?」

 

2人は顔を合わせミカヤのほうに向いて

 

「「すみませんでした・・・・」」

 

頭を下げた。それを見たミカヤは

 

「うん、反省してくれるなら許すよ」

 

「よくできました。」

 

俺は2人の頭を撫でる。すると奥のほうからドタバタと駆け寄る人影が

 

「イェン!シェン!」

 

「「リンナ師範代!」」

 

「お前らまた悪さしたのか!?」

 

俺はリンナさんに事情を説明する。

 

 

「ほんっと~に申し訳ない!!」

 

「いや、リンナさんが謝ることじゃないですよ。それに当事者同士で解決しましたし、な?ミカヤ」

 

「そうだね。まぁ、子供のうちならやんちゃもいたずらもしょうがないんじゃないのかな?そこで叱られて痛い目をみて成長していけばいいし。それにさっき謝ってもらったし私もとっくに許してるよ」

 

「だそうです。彼女たちも謝ったし後はこちらから言うことはありません。残りはリンナさんにお任せします」

 

そして訝しげに俺を見ているノーヴェ。

 

「どうした?」

 

「お前そんな口調出来るなら総師範にもそうしろよ・・・・・」

 

「いや、じーちゃんには無理。別に目上として見えないとか尊敬してないとかじゃないけど、なんか無理」

 

ごめんね、俺自身もよく分からないんだよ

 

「え?紫苑君じーちゃんのことじーちゃんって呼んでるの?」

 

「ええ、無論門下生がいる場や公の場では改めますが、それ以外では砕けたスタンスで行きたいです」

 

「なら、私の事も普段の口調でいいよ。そっちのほうが楽だしねー」

 

「ありがとう、リンナさん」

 

「じゃあ案内役どうするかな?今回のことがあったしコイツらにさせるのもな~」

 

「「やらせてください!!」」

 

「あ、でもミカヤ先生や紫苑さんが嫌じゃなければですけど・・・・」

 

「嫌じゃないよー」

 

「じゃあ頼もうかな」

 

 

そういって移動する俺達

楽しそうな子供たちを見るとほっこりするね

 

「紫苑は混ざらなくていいのかい?」

 

「俺は書庫に行くよ。ミカヤも行くんだろ?タオ、案内頼む」

 

「分かりましたー」

 

移動しながら俺達は話す

 

「しかし君が書庫に来るなんて」

 

「意外か?」

 

「少しね。てっきり子供たちと混ざるものだと思っていたよ。」

 

「まぁ、混ざりたい気持ちはあったがどうしても調べたいことがあってね」

 

「興味があるね。どんなことだい?」

 

「ルーフェンの歴史やルーフェン武術の起源」

 

「そんな事を調べてどうする気だい?」

 

「前々から気になっていた。ここはあまりに似すぎているんだ。」

 

「一体・・・・」

 

「お二人とも着きましたよー」

 

と、どうやら話してるうちについたようだ。

 

「ミカヤ先生にお出しする教練書や伝統剣術についての本は今用意しますねー。紫苑さんは少し待ってください」

 

そういってタオは梯子を使って上の段にある本を取ろうとする。

 

「危なくないか?焦んなくていいぞ。」

 

そう言うとタオが本を抱えて落ちた。

俺は神速を駆使してタオを支える

 

「だから焦らなくてもいいと言ったんだ・・・・」

 

「す、すみません。でも本は無事です」

 

あの一瞬で何冊もある本を抱えたのか?反射神経だけじゃない運動能力も高いんだな。

そうすると、上から1つの紙が落ちてきた。

 

「これは・・・・・地図か?」

 

「そうだね。大分古いように見えるけど・・・・」

 

「この周辺みたいですね。後でリンナ師範代に聞いてみます!」

 

「ああ、タオ。俺は自分で探すから歴史書のある本棚教えてくれ」

 

「はい。歴史書はあちらですねー。」

 

俺はタオに差された方に向かって何冊かある歴史書を持ち読み始めた

 

 

 

これは、やはりそういうことだったのか・・・・?

だから文化も武術も似通っていたのか・・・・・

いや、多少推測も入ってるしこれだけで断定していいものなのか・・・・

 

「紫苑くーん!」

 

俺は声の方向に向くとリンナさんとノーヴェとミカヤがいた。

 

「リンナさん?それに2人も」

 

「うっわ!紫苑くんもこんなに読んでる!意外と博識なのかな?」

 

「地味に失礼だな。で、何かあったのか?」

 

そしてリンナさんは俺に耳打ちする。

 

「へぇ・・・・・面白そうじゃないか。一段落ついたし是非参加させてもらおう」

 

 

 

ロビーに行くと既にメンツは揃っていた。じーちゃんが地図について探検してほしいと遠回りに言ってくる。入口が3つあり3組に分かれて探検することになった。

 

「紫苑くん、これって・・・・」

 

「ああ、ユミナは気づくか。そういうことだよ」

 

「なら、現場引率組はユミナちゃんとミカヤちゃんにに任せようかな」

 

「トラブルがあってもすぐ対処出来るようにあたしや双子もいるからさ」

 

「別にリーダーがアインやミウラでもいいけど、アイツら純粋に信じ切ってるし・・・」

 

アインはこういうことに関してはまだ子供なんだよなー。

 

 

そうして準備が出来るとみんなで出かける

すると、どうやらじーちゃんはタオも行かせたいらしい

やはりタオには何かあるのか。

みんなで写真を撮って洞窟の入り口まで移動する。

 

「さて、早速メンバーを分けるが・・・・まぁ行きたいルートに好きにしろ。それぞれのリーダーにはミカヤ、オットー、ユミナを据える。」

 

そういって分かれる子供たち

 

「ふむ、まぁこうなるか。」

 

技・ミカヤ、ヴィヴィオ、イェン、ミウラ

力・ユミナ、アインハルト、リオ

心・オットー、コロナ、シュエ、タオ

 

「よし!じゃあ頑張ってこいよ!」

 

「「「「「「「はーい!!」」」」」」

 

そうして見送ると俺はノーヴェやリンナさんのところに向かう

 

「あれ?ディードどうした?」

 

「いえ、それが・・・・・」

 

どうやらチャンピオン・・・・ジークがエドガーとこちらに向かっているらしい

 

「エドガーは分かるが、なんでジーク?」

 

「あの執事さんこっちになんかあるのか?」

 

と、ノーヴェが聞いてくる。

 

「ああ、妹が華凰拳にいるお嬢様の執事をやっているらしいからな。だからエドガーが来るのは不思議じゃないけどなぜ・・・・あ、スパーの相手か?」

 

確か決勝でルーフェン武術の子と当たるとかなんとか、どうでもいいから忘れてた

 

「女なのに執事?」

 

「詳しくは知らないけどそうらしい」

 

「まぁ、なんにせよ子供たちの様子を見ようか」

 

 

 

「序盤程度ならクリアも余裕だろうな。得意技を出しやすかったしテンション上がるだろう」

 

「でも、テンション上げた後は・・・・」

 

「苦手項目にチャンレンジしてもらおうか?」

 

「「「ふっふっふ・・・・」」」

 

「お三方怖いです」

 

 

「いやーヴィヴィオもミウラもやりにくそうだな!いい感じに苦戦してくれる」

 

「この2人って似てるよね?」

 

「欠点と苦手が分かりやすいしね」

 

「今の2人の心を代弁してやると『つまんねー』だろうな」

 

「でも必要なことだしね」

 

「上に行く為にも苦手を苦手のままにしちゃダメだからな」

 

 

そうして話しているとこちらに2人の女性がやってくる

 

「ごきげんよう、リンナさん」

 

「アイリン!それにクレア!」

 

2人に挨拶をするリンナさん。こっちに紹介してくれるのでこちらも挨拶をした。

 

「どうも、リオの友人の高町紫苑です。アイリンさん初めまして、クレアさんはエドガーの妹さんだそうで、エドガーから聞き及んでいます。」

 

「私も紫苑さんのことは兄から聞き及んでいます。これからも兄をよろしくお願いします。ついでにお嬢様とも仲良くなっていただければ・・・・・」

 

「クレア!」

 

「・・・・・?アイリンさんとは初めましてのはずでしたが・・・・」

 

「去年のインターミドルの世界戦を見たお嬢様は紫苑さんのファンになったんですよ。いつか会ってみたいとも言ってましたね。よかったですね、お嬢様」

 

「クレア・・・・やめて恥ずかしいから・・・・」

 

「そういえば今年は出場なさらなかったんですね。お嬢様は大層悲しい思いをなされて・・・・・」

 

「クレアもういいです。ごほんっ、クレアの言うことは気にしなくてもいいですわ。」

 

「うん、そういうならそうするけど。でも俺もアイリンさんとは仲良くなりたいな」

 

「え!?」

 

「扱う武術も似ているしきっと話も合いそうだし、どうだろう?」

 

「そ、そういうことなら喜んで・・・・・」

 

 

「(ノーヴェちゃん、紫苑くんって・・・)」

「(天然の女ったらしだから気をつけて。今まで落とされた子も多いよ)」

 

「アイリンさんは誰の対戦相手になったほうがいいかな?個人的にはヴィヴィオのほうに行ってほしいかも」

 

「ヴィヴィオさんが誰かは知りませんが、私はこの子がいいですわ」

 

指したのはヴィヴィオだった。

 

「その子がヴィヴィオだよ。じゃあよろしく頼んだよ。君の身体に染みついてる技を見せてやったほしい」

 

「!?分かりましたわ・・・・(私の実力が見抜かれた?さすが世界チャンプ。でも嬉しいですわね・・・・敬愛している方に頼られるなんて最高の気分ですわ!)」

 

「さて、じゃあ力の方は俺が行くよ。」

 

「紫苑くんが?予定ならノーヴェちゃんに行ってもらおうかと思ったけど・・・・」

 

「悪いな、ノーヴェ代わってくれないか?」

 

「別にいいけど、何かあるのか?」

 

「ああ、リオにもアインにも伝えることがある。」

 

「じゃあ任せたぜ」

 

そしれ俺は力の道に行こうとすると「ストップ!」・・・・・

 

「なに?リンナさん」

 

「行くなら変装してこーか?」

 

「え?ちょ・・・・ハァー!?」

 

俺は絶叫を上げるがリンナさんは気にせる素振りすらみせず俺に女装を強要した・・・

 




次回は明日更新(多分)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第18話

お気に入り400件突破ありがとうです
そして毎度のことながら誤字報告いつも感謝しています。


俺は今女装している・・・・・

 

「いや~なかなか似合っているね!」

 

そう笑顔でグッジョブしているのは俺に女装を施したリンナさん

 

「女装してるとなのはさんに似てるな」

 

兄妹の中じゃ俺となのは姉さんが母さん似だし年も年だからそこはしょうがない。

 

「とてもお似合いですわ!」

 

なぜアイリンさん・・・・・もうアイリンでいいや。アイリンがテンション上げるんだよ

 

「本当によくお似合いですよ。写真に収めて兄に送ってもよろしいですか?」

 

「やめろ!エドガーに見せたら絶対ヴィクターやジークにいくだろ!」

 

これ以上恥の上塗りは勘弁してほしい!

 

「とりあえず、俺はもういくぞ。この格好なら俺だってバレないはずだしな」

 

そうして念の為サングラスも着用して洞窟内に入る

 

 

お、いたいた。ちょうどいいし敵だって思い知らせるためにユミナには犠牲になってもらおうかな。

俺はユミナにバインドを掛ける

 

「はれー!?」

 

はれーってどんな悲鳴だよ・・・・・すかさず俺はアインとリオに攻撃を加える

さて声色を変えて・・・・

 

「君たちが試練に参加する人たちかな?ここは私が相手になるよー」

 

おお、声色変えると姉さんっぽい声になるな。今度この声で物真似してみよう

 

「・・・・・・もしかして紫苑くん?」

 

即バレ!?ユミナの観察眼舐めてたっぽい・・・・・

 

「(とりあえず静かにしてくれ!あと今は紫苑じゃなくてただの番人だからさ・・・)」

 

「(あ・・・・うん・・・・その恰好似合っているよ・・・・)」

 

「(感想なんて求めてないから!)」

 

小声で話していると2人が好戦的になる。よかった2人にはバレてないっぽい

 

「にゃはは♪返して欲しかったら1人ずつかかっておいでよ。怪我が怖いなら逃げてもいいけどさ・・・・」

 

「絶対逃げません!」

 

そうしてリオがこちらに特攻してくる。

 

「(なるほど前見たときよりスピードが上がってるな。)あははは♪その程度じゃ相手にならないよ!」

 

俺は冷静にリオの特攻に対処する

 

「じゃあこのまま攻撃に専念しなよ。少しの間だけ攻撃しないからさ。どうせ私には傷1つ付けられないだろうしね♪」

 

「その言葉後悔させてあげますよ!」

 

5分後

 

「はぁ・・・はぁ・・・なんで・・・」

 

「あれ?もう御仕舞?ならそろそろ攻撃するね♪」

 

「絶招・・・「だから遅いって」!?」

 

俺は技を発動させる前に攻撃を加える。

 

「キミの技は珍しいだけあって初見じゃ対応しづらいのも強みだね。けど以前ハリーとの対戦でキミの技は多くの選手が知った。研究されれば技の隙も分かりやすい。さっきのようにね・・・・・キミのこれからの課題は技の速度と制度をもっと上げることかな?」

 

「貴女は・・・・・?」

 

「ちょっと参考までに見せてあげるね♪・・・・虎心掌」

 

そうして俺はリオに掌底をぶつける

 

「カハッ!・・・・」

 

見えない掌底がリオを襲い壁に叩きつけられる

 

「今の速度を目標にね♪・・・・・・・まぁ、これからは今まで以上に基礎トレと反復練習をこなしていけ。強くなっていく実感は感じにくいけど、去年の世界チャンプの言うことだ。信用していいぞ」

 

俺はサングラスを外した。

 

「・・・・・・・はい!あれ?でもなんで紫苑さんが・・・・?しかもなんで春光拳を?」

 

「そのことについては後でな」

 

さて、お次は・・・・

 

「そこのキミだね♪」

 

「はい!」

 

俺はアインのもとに歩いていく

 

「キミはそのままでも充分強い。普通に練習しててもいずれ世界の頂点を取れるだけの才覚もある。そんなキミに足りないのは・・・・・純粋なパワーだよ」

 

アインは呆けるようにこちらを見る。

 

「意外かな?パワーには自信ありそうな顔してるもんね♪」

 

「い、いえそんなことは・・・・」

 

「キミの技には威力があるっていうのはあくまで並の選手と比較してのことなのさ♪・・・・お前の拳に眠る本来の威力はお前が思うよりずっと上の場所にある。」

 

俺はカツラも取った。本来ならバレたくなかったが身元不明のやつの言うことなんて聞きたくないししょうがないよね

 

「さて、それを今から教えてやるよ」

 

俺は断空拳の構えを取り、アインにぶつける。

 

「断空拳。ここまでは誰でも練習すればやれる程度の技だ。しかし断空の神髄はこんなもんじゃないらしい。今までお前がいたのは覇王流の入り口にすぎなかったってことだ。でも今のお前なら断空の神髄に少しは近づいているはずだ」

 

あれ?なにを呆けてるんだ?

 

「どうした?どっか怪我しちゃったか?」

 

「いえ・・・・紫苑さんの格好に驚いて・・・」

 

「今更か。この格好についてはどうでもいいよ」

 

「似合ってますよ」

 

「嬉しくないしもう触れるな」

 

「今度その恰好で抱いて「言わせねーよ」」

 

リオなら誤魔化せるけどユミナは無理なんだからあんま迂闊な事は言って・・・・・ユミナなんか超こっち見てるー・・・・・

 

「とりあえず先に進むか。歩きながらでも話せるし」

 

「「はい」」

「・・・・・」

 

 

「他の試練ってどうなってるんですか?」

 

「あーそれぞれ俺と同じように試練を出す人が向かっているよ。心がリンナさん。技がアイリン」

 

「アイリン来てるんですか!?」

 

「ああ、少し話したよ。礼儀正しい良い子だった」

 

「アイリンというのはどなたですか?」

 

「えっとですねー。ルーフェン武術はそれぞれ流派があってですね・・・・その中の1つに華凰拳というのがあってそこの道場の1人娘なんです。」

 

「なかなか強そうな子だったぞ。恐らくアインと同等かそれ以上に感じた」

 

「それは戦ってみたいですね」

 

「で、さっきから黙っているユミナは何かあるの?」

 

「え・・・・ううん・・・・」

 

やっぱりさっきの発言だけで理解したのか・・・・・観察力が優れてすぐに察せるのも考え物か

 

「(とりあえず今は普通にしとけ後輩に心配かけるマネはするな。とりあえず後で話すから待っとけ)」

「(うん・・・・)」

 

俺達は扉の前についた。

 

「さて、力ルートの宝はこの扉を壊した向こうにあるらしい。誰がいく?」

 

「はい!私やります!」

 

そしてリオは魔力砲で扉を壊す。

 

「やりました~」

 

「うん、偉いぞリオ。おっと、もう一枚あるみたいだし・・・・アインやってみ」

 

「はい」

 

断空拳で扉を壊した。

 

その向こうに宝箱があったので開けてみると

 

「魔力バンド・・・・」

 

アインは喜んでるけどリオは微妙だな・・・・嫌ではないんだろうけど喜びづらいのは分かる。

そして他のところに行ったみんなと合流すると、そこにはシャンテ、イクス、ジーク、エドガーもきた。

 

「あ、紫苑~!」

 

俺はジークが抱きついてこようとしてるのでそれを避けた

 

「なんで避けるん!?」

 

「当たり前だろ。で、なんでお前らがここに?」

 

「華凰拳道場に用があったんやけど相手してくれる子がこっちに来てるらしいからや」

 

「ああ、アイリンのことか」

 

最後にじーちゃんがやってくる。どうやら立場を明かさず案内をしていたのでリンナさんやリオが軽く窘める

 

「師範クラス3人おるし3人と1本交代の乱取り戦といこうかの」

 

そうじーちゃんが言ってみんな準備を始める

 

「じーちゃん俺もいいか?その・・・・勝ち負け気にせず和やかにやろうぜ?」

 

俺は軽くそう言ってみる。

 

「そういう言葉は闘争心を押さえて言ってほしいのう、今は子供たち優先じゃからまたの機会にの」

 

「ちぇー」

 

「あ、あの紫苑さん・・・・?さすがに総師範に失礼ではないのですか?」

 

アイリンが俺を窘めるように言う

 

「ああ、じーちゃんから許可は取ってるし問題ないよ」

 

「分かりました。しかし他の人間の前では・・・・・」

 

「身内だけでしか使う気ないよ。アイリンも俺の友人だし問題ないよね?」

 

「友人ですの!?それに今アイリンって・・・・・!」

 

「あれ?嫌だった?」

 

「そんなことはありません!これからも呼び捨てで呼んでくれれば!」

 

どうやらよかったらしい。

 

「折角だしアイリンもさん付けじゃなくて普通に呼んでよ。友達なんだしさ」

 

「そ、その・・・・・うぅー・・・・すみません、これからも紫苑さんで・・・」

 

「残念だな。まぁ、少しは仲も深まったし今日はこれでいいか。今度はちゃんと呼び捨てで呼ばせるようにしてみせるよ」

 

「お、お手柔らかに・・・・」

 

そのやり取りを見ていたアインハルトは

 

「(初めて会ったときの私と同じパターンですね。基本は離れているとはいえ油断できませんね)」

 

そして乱取りが始まったがじーちゃんには誰一人クリーンヒットが与えられない。あのジークですら子ども扱いで終わった。

 

「(想像以上だな。ジークならせめて一撃を・・・・・と思ったけど甘くないか)」

 

そうして乱取り戦は終了。コーチ陣以外は汗を流す為風呂に向かう。俺は汗もかいてないのでコーチ陣とお茶会をする。

 

「じーちゃんから見てみんなをどう思った?」

 

「どこの子も良い子じゃのう、全員自分の流派をしっかり納めておるし、完成度でいえばミカヤ嬢が一番じゃった」

 

「天瞳流の師範代だしね。」

 

「そういえば紫苑くんに聞きたいことがあったんだけどいいかな?」

 

「なに?リンナさん」

 

「リオから聞いたけど虎心掌使ったらしいじゃない。しかも完成度がリオよりも高いってどういうこと?紫苑くんてどこかの拳法も使ってるらしいけどルーフェンと何か関係が?」

 

「あーそのことか。そうだなぁ、まず俺が虎心掌を使えたのは不思議じゃないんです。だって俺の使う拳法とルーフェン武術は根っこの部分で同じなんだから」

 

俺が一同が驚く

 

「みんなもまだ風呂からあがるまで時間あるでしょうし話しましょうか」

 

そして俺は説明を始める

 

「俺はリオのルーフェン武術を見たときから不思議でした。俺の使う拳法と似ているから。それだけならまぁ、無くもないんですけど、ルーフェンという国自体俺の知ってる国とあまりにも似すぎていた。だから俺は俺の知ってる国の歴史と、ここに来たときにここの一番古い歴史を調べてみました。そうするとある1つの事実が分かりました」

 

「その事実って・・・・?」

 

「ルーフェン武術が作られたのは三千年前。その三千年前に俺が使う中国武術の起源である中国で武術家が行方不明になってました。本来なら三千年も前の行方不明者なんて歴史書に載るはずはないですけど彼は中国拳法の神様とまで呼ばれた人物です。名前はソウ・パイレン。ルーフェン武術の創始者ソウ・パイレンと同性同名です。」

 

「ちょっと待って・・・・・それはおかしいよ。じゃあなんでルーフェン武術なんて言われてるの?彼がほんとに中国武術の神様なんて呼ばれてるなら・・・・」

 

「中国武術と呼ぶはずだって?そもそも中国なんて国名は最初からそうだったわけじゃない。色々変化もあったよ。で、彼の手記がここの書庫にあったんだ。そこにはこう書いてあった。『知らない土地であったがみんなは心優しく私を受け入れてくれた。私は腕っぷしにしか自信がない。だからこの技でみんなの役に立ちたいと思う。この技で敵を倒しこの技を後世に残すことが私に出来る恩返しだ。』ってね。実際彼は技を後世に残し、後にルーフェン武術の神様として拝められている」

 

「確かに彼の名はルーフェン武術を使うもので知らない者はいないほどじゃ・・・・それにしても手記なんてよく読めたのう。誰も読めなかったはずじゃが・・・」

 

「そこは彼が中国からきた証明になったよ。あの文字は当時中国で使われた文字だからね。誰も読めないし知らないのは当然だよ」

 

なんせ管理外世界の古語だからな

 

「それに、彼が広めたのは武術だけじゃない。他にも色々あった。しかし細かい部分で言えば色々違う。その1番の要因になったのは魔法の存在だ。」

 

「魔法?」

 

「魔法の有無は世界に与える影響は大きいってこと。この星では当然のように使っても地球ではありえないことだからね。ああ、地球は中国がある管理外世界の星の名前ね」

 

「紫苑くんの話では他にも色々あったって言ったけど・・・・?」

 

「さっきは省いたけど、服装なんかもそうだし料理なんかもそう。彼は一番強く最も尊敬されてたからね。真似る人が多かったみたい。彼についての逸話は色々あった。彼1人の存在でルーフェンそのものを変えるほどに・・・・。さて、武術の話に戻ろうか」

 

そして俺は続きを話す。

 

「彼はここに武術を伝えたのは間違いない。しかしこの星には彼が知らない・・・魔法のことだね。それが存在した。しかし彼は『折角だし魔法を取り入れた拳法に変えてみよう』と言ったのがきっかけでルーフェン武術が生まれた。名前に関しては中身が似てはいても心機一転の意味を込めて自分が現れたここの土地の名前を使ったらしい。手記読んで思ったけど彼のメンタルは凄まじいね。」

 

異世界で1人ぼっち。しかもすぐに魔法を受け入れて今まで自分を支えてきたであろう武術すら変化させることに微塵も躊躇はなかった。それだけで彼が凄いのは分かる。

 

「で、後は歴史通りだね。ルーフェン武術もそれぞれ春光拳だったり華凰拳だったりに派生して今に至る・・・・と。最初に戻るけど俺が虎心掌を使えるのは似た技が中国武術にあるからだよ。中国武術もルーフェン武術と同じようにそれぞれ派生していったし」

 

「凄まじいのう。ソウ・パイレンの登場には色々な説があった。神の遣いと言われたり浮浪者だったり創作とまで言われることもあった。しかし正体が次元漂流者とは・・・・」

 

「細かいところで見ると魔法を想定してるルーフェン武術と対人のみを想定してる中国武術では色々違うからどっちが上とかはないんだけどね。まぁ、あくまで起源は同じようなもんだよーって話。それに俺も全部読んだわけじゃないしどっか違うかもしれないから話し半分に聞いてよ。文字からみて彼が古代中国から来たのは間違いないけど」

 

「今まで謎だったことが分かったのは素晴らしいことですわ。紫苑さんって知能にも優れていらっしゃるんですね」

 

「どこからどうみても知能派ですけど?」

 

「「「「「それはない」」」」」

 

ひどい。

そして俺達は子供たちが来るまで話こんだ。

 

 

 

夜。俺は待ち人が来るのを裏門で待っていた。

 

「もうすぐ約束の時間だな・・・・・少し気が重い」

 

奥から人の気配がやってくる。相手は・・・・

 

「ごめん、待った?」

 

「大丈夫。さて早速話をしようか?ユミナ」

 

待ち人はユミナ。内容は洞窟内でのアインとの会話について・・・・・だ

 




フィクションです。捏造設定です。想像です。矛盾あるかもです。本気にする人はいないでしょうが、念の為タグに「捏造設定アリ」と追加しときます


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第19話

サブタイトル入れたほうがいいのか?しかし1回入れると今後もいれなきゃいけないのが面倒臭い

前回の続きからです


「正直お前相手に変に嘘ついてもバレそうだから単刀直入に言う、というか想像はついてそうだけど俺はアインと付き合っている」

 

「そっか・・・・・アインハルトさんは冗談言わないタイプだもんね。そうだとは思ったよ。他に知ってる人は?」

 

「いない。聞かれたら教えるつもりだったよ」

 

「ねえ・・・・私はどうしたらいい?アインハルトさんとはもっと仲良くなりたいのに自分の悪い心がそれを邪魔しているの」

 

「それは・・・・どういうことだ?」

 

「察してほしいな。私は初めて会ったあの時から紫苑くんが好きなんだよ?でもアインハルトさんに取られちゃった。」

 

「それは違うな。俺がアインのものじゃなくてアインが俺のものなんだ」

 

「そこどうでもいいよ。人が失恋した時に惚気ないでほしいなぁ・・・・・」

 

「失恋?俺は返事してないじゃないか」

 

「返事は分かってるもん。あーもう・・・・・結構ダメージくるなぁ・・・・」

 

ユミナの目から涙が溢れ出る。

 

「分かってるのに涙が出るのか。あ、返事はOKだ」

 

「うん、分かって・・・・・・え?」

 

「だからOKって言ったじゃないか」

 

「いやいやいや!アインハルトさんと付き合ってるんだよね?」

 

「そうだけど?」

 

「じゃあ何でOKするの!?」

 

「何でって・・・・・俺もユミナが好きだからOKしたに決まってるだろ」

 

「ちょっと待って・・・・・それって二股するってこと?」

 

「二股程度に留まるといいな。せっかくだし順を追って話そう」

 

俺は以前アインと決めたことを話す。

 

「え?愛人でもいいって・・・・アインハルトさんがそう言ったの?」

 

「ああ、そうだよ。今の所アインだけだが、俺自身他にも気になる子もいるし告白されたら受ける。アインは好きだし愛してるけど1人に絞る気なんてさらさらない。」

 

「言ってること最低なの自覚してる・・・・?」

 

「してる。凄くしてる。それでユミナの心が俺から離れるならそれはしょうがないとは思っている。本当は凄い嫌だけど、俺の考えは一生変わらない。愛してる人は全員貰う」

 

「うわー・・・・ハーレム宣言とか・・・・」

 

「ドン引きしてるとこ悪いけど今度はこっちが返事をもらう番だ。ハーレム宣言してるクズ野郎だけど、俺と付き合ってほしい」

 

「・・・・・あまりの衝撃に涙も枯れたよ。えっと・・・・返事ならもちろんOKです。正直ドン引きしたけど、それ以上にあの日から貴方のことがずっと好きです。」

 

「うん、ありがとう。全力で愛すけど本当にいいの?」

 

「うん。それにアインハルトさんと険悪になることなさそうだしこれを機にもっと仲良くなれそうだから」

 

「そっか。俺の恋人になるならお前が嫌という日がくるまで絶対に手放さないから覚悟しろよ?」

 

「うん、絶対ありえないけど覚悟します」

 

「じゃあ今日はこれだけで・・・」

 

俺はユミナに口づけをした。

 

 

 

翌朝になり、俺はアインに話す。

 

「ユミナとも付き合うことになったから」

 

「予想の範疇です」

 

結構あっさりしてた

 

 

遊んだりルーフェン武術を体験したりと中身の濃い三日を過ごした夜のこと。どうやらじーちゃんがヴィヴィオを呼んでるらしいので俺はこっそり様子を見に行くことにした。

 

どうやらヴィヴィオを試すらしい。俺がやってもよかったが守るべき愛する妹に殺気は送れない・・・

どうやら合格したらしい。

 

「(やはり神眼の領域に入りかけてたのか・・・これでヴィヴィオももっと強くなるな)」

 

ヴィヴィオが去った後じーちゃんの所に向かう。

 

「結構無茶やったね。でも感謝するよ」

 

「なんじゃ覗いていたのか。ビックリするのう」

 

「普通に気づいてたくせによく言うよ。で、どうだった?」

 

「ふむ、思った通り神眼に半歩踏み込んでおったのう。将来が楽しみな子じゃな」

 

「そっか・・・・・ところで今周りに人はいない。止める人もいない。俺の一番の目的を果たす手伝いをしてくれないか?」

 

「昂ぶっておるのう、年寄りを労わる気は?」

 

「ない。そんな余裕を貴方に見せるのは同格かバカしかいない」

 

「しょうがない。爺の力を特別に見せてやろう。ヴィヴィオ嬢ちゃんにも殺気は見せたがこれは・・・・その時の比ではないぞ?」

 

じーちゃん・・・・・タンドラ氏から濃密の殺気が放たれる

 

「(ここまでの気を発するか・・・・)いいね!楽しめそうだよ!」

 

「楽しんでいる余裕があるのか?」

 

俺は背後に音もなく忍び寄ったタンドラ氏に吹き飛ばされた

 

「・・・・これでお終いか?やれやれ期待外れじゃのう。儂の目も曇ったじゃろうか?」

 

「そんなわけないでしょ」

 

俺は神速で目の前に移動すると寸掌で吹っ飛び返す

 

「あれあれ?じーちゃんってこの程度?拳仙って言っても所詮は全盛期がとうに過ぎたオイボレか・・・・」

 

俺は挑発し返した。かなり失礼ではあるが今は勝負の最中。手段を選ぶ気はない

 

「ほっほっほ。あまり調子に乗らんほうがよいぞ?負けたときが恥ずかしいじゃろ?」

 

「無理しなくていいよ?腰にきたら悪いしね」

 

そういって俺は神速を使い間合いを詰める。スピードは・・・というか身体能力は俺の方が上。技では敵わなくても体の差で勝つ。

 

「速いのう・・・・・しかしそれだけじゃ儂には勝てんよ?」

 

俺の目の前に拳が通過する・・・・え?

 

「速さなら俺に分があるって思ったかのう?速くても読めればなんてことないんじゃよ・・・・・」

 

「知ってるよ。読む技術なら俺も鍛えてる」

 

俺はすぐに態勢を立て直して攻撃を加える

 

「ほう・・・・・読む技術も持っていたか。本当に底がしれんのう・・・・」

 

「様子見はもういいだろ?そろそろガチでやろうぜ!!」

 

「テンションも高まってきたか。これは本気を出さないと負けるかもしれんの」

 

「負ける気なんてさらさらない癖に何言ってんだ?」

 

俺達は打ち合いを始める。常人には音しか聞こえないだろう速さで

 

「本来お主は拳よりも剣のほうが強いな。遠慮なく使っても構わんよ?」

 

「まずは拳同士って思ってたけど、なら遠慮なく使わせてもらおうか」

 

俺はスノードロップを展開し、切りかかる・・・・・が、いなされる

 

「いいデバイスじゃのう。作った人には感謝しなさい」

 

「そうするよ。最高の愛機を貰った礼ついでに拳仙に勝ったって報告もしたいしな!」

 

「口が減らん小僧よのう」

 

俺は奥義を駆使してるが決定打には繋がらない

 

「ここ最近本物の強者と相対するなんてことなかったし最高の気分だ!」

 

「素直な若者は好感がもてるぞい!」

 

基本的に攻撃が読まれてしまうため膠着状態が続く。

 

「(チッ、この人レベルなら読むことも可能なんだろうが、ここまで決められないなんて・・・・)」

 

「どうした?剣が鈍り始めたぞ」

 

この人相手に半端な攻撃は通用しない。なら読んでようが防げないし躱せない一撃を用意するため俺は距離を取って集中する。

 

「ん?何かするのか?なら年長者として受けてやろう」

 

「後悔するなよ・・・・・防げるものなら防いでみやがれ。この技は読んでようが関係ないからな」

 

俺は極限まで集中して放つ

 

神速の中の神速。速度は倍に・・・・そして

 

「小太刀二刀御神流斬式 奥技之極 閃」

 

「!?」

 

この技は俺の持つ究極奥義。これの前に力も速さも関係無しであらゆる動きを超越して相手を倒す。

 

「(もらった!)」

 

「(反応できん!?まさかここまでの・・・・・)」

 

「「コラー!!!!」」

 

俺はその声に反応してしまい、奥義が失敗して転げまわる。

俺はつい・・・・

 

「ざけんなコラァ!いいとこで誰だ邪魔しやがったのは・・・・・」

 

「邪魔するに決まってるだろ!バカ!」

 

そこにいたのはノーヴェとリンナさんだった

 

「お前総師範になにやってんだ!というか周りみてみろ!」

 

そこには余波でボロボロになった庭が・・・・・

 

「じーちゃんも!安易に受けちゃダメでしょうが!」

 

「ワ、ワシは悪くないぞい。そこの小僧が無理やり・・・・」

 

「ひでー!俺だけに責任なすりつける気か!爺ちゃんだって割と序盤からノリノリだったじゃねーか!」

 

「すまんのう、最近ボケが始まったのか・・・・・覚えてないのう」

 

あの爺!都合の悪い時にボケを使うなんて卑怯な!

 

「「とにかく2人とも正座しなさい!!」」

 

「「はい・・・・・」」

 

俺達は2人に説教を受けた。そして徹夜で庭の修復をさせられた

 

「(それにしても小僧は恐ろしいのう。あの時止められてなかったら腕の1本は持ってかれたかもしれん・・・・・)」

 

「(予想以上に手強い爺さんだったな。恐らく最後のあれは止められなくても失敗していたかもしれない。経験則から来る勘で反射的に避けてしまう。経験だけはどうしようもない。あれで全盛期じゃないって卑怯だろう)」

 

俺達は庭を修復しながら心の中で思っていた。

 

 

翌朝までかかった庭の修復も終わり、俺達は帰る準備をしていた。

 

「超眠い・・・・・」

 

「昨晩何かあったんですか?ノーヴェさんが大分怒っていたんですけど・・・」

 

「いや、ちょっとイザコザというかなんというか」

 

さすがに勝負の事は言いたくないし終わり方とかダサすぎて恥ずかしい

 

「そうですか。眠いなら出発まで寝ててもいいんですよ?」

 

「いや、そんな時間ないし移動のとき寝る」

 

出発の時間になり移動しようとする俺達

 

「紫苑さん」

 

アイリンが話かけてきた。

 

「どうした?」

 

「こ、今度は我が家のほうにも泊理に来てくださいね・・・・その友達として」

 

「ああ、分かったよ」

 

俺はじーちゃんのほうに向くと

 

「昨日はごめんな。無理に戦うことになっちゃって・・・・」

 

「気にするでない。お主の場合は技術よりもその戦闘欲求のほうをなんとかしたほうがいいのは確かじゃが・・・・・」

 

「明らかに強者を見るとどうしても抑えられなくて、我慢しようと思ったんですけど欲求には抗えずついあの時好機とみてしまって」

 

「ふむ・・・正直お主より強いものは10代にはいないじゃろ。20代でも今のお主に敵うのはそうはいない。故に自分より格上との戦闘チャンスが来れば我慢出来ずともしょうがないか・・・いつかお主の全力を受け止めてくれる同年代に出会えればいいんじゃが」

 

「恐らくその存在は来ないでしょう。ある人に言われました。お前は数年で世界最強にすらなれるだろうって・・・・」

 

「否定はせんよ。今は儂と互角じゃがお主はまだまだ伸びるし成長スピードも驚異的じゃ。が、腐るなよ?」

 

「そこは大丈夫です。俺の周りに仲間がいる限り絶対に」

 

「なら、いいんじゃがの」

 

「では、そろそろ行きます。総師範、ありがとうございました」

 

「なんじゃ、最後だからってしおらしいのう。いつも通りじーちゃんでよいぞ。全力で戦った仲なんじゃから戦友じゃろ?」

 

「そうだね。じゃあねじーちゃん!また来るよ!」

 

そういって俺達はルーフェンから移動する。

 

「・・・・・願わくばあの子にライバルと呼べる存在が現れることを祈るよ」

 

 

 

俺は次元船の中で寝ていた・・・・・ユミナの膝で

 

「疲れちゃったんだね。徹夜で庭の片づけしていたみたいだし」

 

「そうなんですね。ところでユミナさん。膝疲れるなら私が代わりますよ。慣れているので」

 

「大丈夫だよ。これからもこうする機会多いと思うから馴らしておかなきゃいけないもん。」

 

「・・・・・・ミッドに着くまで3時間あるので1時間半交代というのはどうでしょう?」

 

「・・・・・・そこら辺が落としどころだね。」

 

「私達じゃ修羅場にも発展しませんね。」

 

「アインハルトさんとも仲良くしたいもん。2人で共有していこう」

 

「そうですね。多分また増えますけど」

 

「覚悟してるよ。たとえそうなってもいいから一緒にいるし」

 

「お互い面倒な人を好きになりましたね」

 

「否定はしないよ。けど、好きになってしまったのはどうしようもないよ」

 

俺が寝ているときにそんな話になったとか・・・・・

 




ルーフェン終了!2人目はユミナちゃんでしたー


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第20話

俺達が家に帰りドアを開けると

 

「ヴィヴィオ~!紫苑~!おかえり~!!」

 

なのは姉さんが俺達をハグする。

 

「た、ただいま・・・・」

 

「フェイト姉さんもただいま。なのは姉さん胸当たってる」

 

「え~?紫苑のエッチ~♪」

 

だめだ離れる気ないな。そしてなのは姉さんはそのままヴィヴィオを抱っこする

 

「ちょ!ママ!抱っこはやめて恥ずかしいから!」

 

「えー!?」

 

ちょうどいい。そのままヴィヴィオに集中してもらえばこっちに被害も来ないだろ。

 

「ヴィヴィオ、久しぶりに娘に会えた母の気持ちを考えて今は好きにさせなさい」

 

「ここは諦めてあげよう、ヴィヴィオ」

 

「お兄ちゃん!自分には被害来ないからってズルイよ!」

 

「はは、聞こえないなぁ!」

 

俺は荷物を置き家を出ようとする。

 

「あれ?紫苑帰ってそうそうどこいくの?」

 

「ああ、ヤボ用があってね。夜までには多分帰ってくるから、夕飯はいらない」

 

「そっか。いってらっしゃい」

 

フェイト姉さんは手をふって見送ってくれた。

 

 

俺はアインの家に来ていた。

 

「入るぞー」

 

俺は勝手にドアを開けるとそこにはアインとユミナがいた

 

「紫苑さん、いらっしゃい」

 

「紫苑くん呼び鈴鳴らすくらいしたほうがいいんじゃないかな?」

 

「勝手知ったるもう1つの我が家ですし。ユミナは家に戻らなかったんだな」

 

「うん、うち両親超忙しいしね。今日は家に帰っても誰もいないし」

 

「じゃあ泊まるのか?一応連絡しときなよ」

 

「分かってるよー」

 

さて、これからどうする予定なのか

 

「で、今日は何する予定だったんだ?」

 

俺はアインに聞いた

 

「そうですね。ルーフェンでは3人でのお話はあまり出来ませんでしたので、ゆっくり話たいです。」

 

「それならユミナのマッサージでも受けながらどうだろう?」

 

「いいよー!合宿疲れありそうだし、特別メニューでしたあげる!」

 

「あ、すみません。その前に八神司令にメッセージを」

 

連絡を残している間に俺とユミナは2人で話す

 

「八神司令ってティオの生みの親なんだよね?」

 

「そうだな。で、うちの姉さんと親友でもある」

 

「そうだったんだー」

 

「機会があるなら紹介するよ」

 

戻ってきたアインも言う

 

「そうですね。私もそう思っていました」

 

「え?いいのかな?でもすごく偉い方なんだよね?」

 

「「もちろん」」

 

「優しくてすごく頼りになる友達です、と」

「大切にしたい人の1人だって」

 

ユミナの顔が赤く染まる

 

「・・・・ちょっと照れますね。」

 

「・・・・大丈夫。俺の方が恥ずかしいこと言ってるから」

 

「私も結構照れくさいかも・・・・・」

 

この雰囲気は・・・・・うん、決めた

 

「せっかくだしイチャイチャして過ごしたい。」

 

「「え?」」

 

「そもそも恋人といてイチャつかないなんてあり得ないよね。というわけで・・・」

 

「「キャッ」」

 

俺は2人を抱えて膝に座らせ、2人を抱きしめる

 

「3人きりなんだ。こういうのもいいだろ?」

 

「・・・・・うん、ちょっと恥ずかしいけどいいよ」

 

「・・・・・改めてやられると恥ずかしいですね」

 

「慣れて・・・ほしくはないけど慣れてくれ。これから先もこういう事がいっぱいあるんだからさ」

 

俺は幸せを噛みしめていると

 

「ニャ~」

 

「ん?ティオ?」

 

モニターが開くとそこには

 

『もしもーし、アインハルト♪』

 

モニターの向こうに居たのは、はやてだった。

 

『あれ?誰かといたん?あ、もしかして彼氏に甘えていたんかな~?』

 

「あ、その・・・・」

 

どうやらはやて側からは辛うじて俺の顔が見えてないらしい

 

『体にしがみ付いていたもんな~顔はよう見えんけど、アインハルトが選んだ子ならきっと良い子やね。』

 

あなたも知っている人です。そして絶賛二股中です。

 

「せっかくやしその子も連れて一緒に晩御飯でもどうや?今ちょうど準待機中やしな。るー子もくるでー」

 

「えっと・・・・・・(どうしましょう?)」

 

「(OKしとけなんとかなる)」

 

「(分かりました)ユミナさんは?」

 

「是非!」

 

「では、これから伺います」

 

 

 

そして俺達は本局に向かうと

 

「あ、アインハルト。待ってたよー♪そして君が彼氏さんか?私の知ってる子に似てるなー?本当にそっくりやねー・・・・・」

 

「八神司令現実を見てください。あれはどう見ても本人です」

 

はやてとルーがいた。

 

「ははははは・・・・・寝取られてもうた・・・・」

 

「八神司令しっかりー!」

 

「とりあえず寸劇はその辺にして。1人紹介したい子いるから」

 

「「紹介?」」

 

「チームナカジマのマネージャーやってます。ユミナ・アンクレイヴです!」

 

「ユミナはマッサージも上手いしちゃんと資格も持っている。ついでに3人同じクラス。」

 

「ほほう、中々良い子そうやね。八神はやてですー。よろしくなー」

 

「ルーテシア・アルピーノです。よろしくね」

 

「で、や・・・・・さっきの話に戻ろうか。ぶっちゃけ2人は付き合ってるん?」

 

俺とアインを見て言う

 

「付き合ってはいるがちょっと違う。」

 

俺はアインとユミナの肩をつかんで引き込む

 

「この2人と付き合ってる」

 

「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」

 

しばらく沈黙した後。

 

「「ええーーーーーーーーーー!!!!!!!!」」

 

 

「なるほど、そういう事やったんか」

 

「これはまた・・・・・」

 

2人に事情を話すと理解はしたようで、こちらを見て

 

「「ぶっちゃけ最低(やね)」」

 

「自覚してる」

 

「他に知ってる人は?なのはちゃんやフェイトちゃんは?」

 

「今の所2人だけ。聞かれたら答えるスタンスだけど、今のとこはやて以外には聞かれてないな」

 

「んー・・・・まぁ、3人がそれでよければええんとちゃう?倫理的にはともかく別に法は犯してないし」

 

「あれ?正直反対すると思ってた」

 

「反対せーへんよー。私は紫苑の味方や。けどなのはちゃんフェイトちゃんには自分から言うべきや」

 

「あー・・・・」

 

「聞かれたら答えるじゃなくてちゃんと自分から話すべきことの問題やからな」

 

「じゃあ帰ったら言ってみるよ」

 

「はやて姉さんとの約束な♪(これならまだチャンスあるし紫苑ならどんどん増やしていくやろ。どさくさに紛れてGETしたる)」

 

「そっか・・・・・ルーそういうことだからみんなに拡散しようとするのやめて。まずは2人に話してからだ」

 

俺はルーに警告しとく

 

「ちぇー面白いネタなのに・・・・」

 

油断も隙もないね。このイタズラ大好きっ子は

 

話が一段落つき別の話題に切り替わる

 

「そういえば紫苑は戦技披露会に出るんか?」

 

「あー、そういう話もあったね」

 

「戦技披露会ですか?」

 

局員と将来有望な若手がお互いの技を披露する大会。ぶっちゃけ局員と模擬戦するだけ

 

「紫苑も確か呼ばれてたしな。去年の世界チャンピオンやし。今年は出場してないから暇やろ?」

 

「一応OKとは言ったけどね。なるべく強そうな人と当たらせてもらうという条件で。U-23と日付もずれてるし」

 

「「「「U-23?」」」」

 

「言ってなかったっけ?俺今度開かれるU-23の総合大会に誘われてんだよ」

 

「え?聞いてへんよ??」

 

「ああ、家族とノーヴェにしか言ってなかったっけ」

 

「凄いなぁ、でも紫苑なら当然かも。今の10代に紫苑に勝てそうな人っていないだろうし」

 

「結果残せばそのままそっちの大会にずっと出れるらしいし。頑張るよ」

 

そうして話てるとファビアがこっちに来る

 

「あれ?ファビアか?久しぶりだな。でもなんでここに?」

 

「紫苑!」

 

俺に抱きついてくるファビア

 

「クロもるー子と同じ。民間協力者なんよ。」

 

「資格取得しながら魔女の森の知恵と技を未来に残せるようにって」

 

「そっか。よかった元気そうで」

 

俺はファビアの頭を撫でる

 

「うん・・・・あ」

 

アインハルトのほうに向くファビアはアスティオンをメンテルームに連れてってくれるらしい。

 

「ユミナってクロのこと知ってたっけ?」

 

「2人から簡単に・・・・あんなに懐かれてたとは思いませんでしたけど」

 

「敵対してたけど紫苑が説得してね。数分前まで敵対してたはずなのにその時にはもうあんな感じだったよー」

 

3人はこっちを微笑ましそうに見る

 

「ファビア~♪」

 

俺はファビアに抱っこしながら頭を撫で続ける。

 

「は、恥ずかしいよ・・・・」

 

それを見ていた他の人は

 

「いやー彼女2人の目の前で他の女とイチャつくとは・・・・」

 

「2人はそこんとこどう思う?」

 

「あそこまでされたら呆れすら通り越しますね。むしろ清々しさまで感じます」

 

「というかアレってイチャついてる自覚ないんじゃないかな?たまにヴィヴィオちゃんにする対応に似てるといいますか・・・・」

 

「あー・・・・・・ヴィヴィオな」

 

「あー・・・・・・妹みたいにしか見てないってこと?」

 

「付き合い始めてから思ってたんですけど、実際紫苑さんってヴィヴィオさんのことどう見てるんでしょうか?」

 

「え?妹じゃないの?」

 

「妹・・・・だと思いたいですね。過保護すぎな面とか」

 

「大丈夫。事情をよく知ってる私からすれば間違いなく妹や。あれはただの兄妹やないし、過保護すぎになる理由もよく分かる」

 

「それってもしかして六課時代のですか?」

 

「そうやね。そこ気になるなら話してもらったらどうや?ユミナも六課時代のことはよく知らないだろうし」

 

「そもそも元管理局員ってことすら今知りましたよー」

 

「なら尚更やね。私から言えるのは紫苑の根底にはいつもヴィヴィオがいるってことくらいや」

 

その後俺達は夕食を食べ解散することになった。ユミナはアインのところに泊まるらしいので俺だけ1人自宅に帰った。

 

「ただいまー」

 

「おかえりなさい紫苑。お風呂入る?」

 

「その前に2人に話すことあるから・・・・」

 

「?じゃあリビングで待ってるね」

 

さて、覚悟を決めるか・・・・・・

 

「で、改まってどうしたのかな?」

 

「なにか相談事?」

 

俺はお茶を飲みながら落ち着く

 

「相談事じゃなくて報告。うん、驚くかもしれないし冷静にね」

 

「「?」」

 

そして俺は話し始めた。2人と付き合っていること。そうなった経緯。

そして、これからも付き合う人数は増えるかもしれないことを・・・・

 

「「・・・・・・・」」

 

さすがに沈黙が重い・・・・・これならヒステリーを起こされた方がまだ・・・いや、ヒステリーより沈黙のほうがいいや。

そしてまずはフェイト姉さんが口を開いた

 

「そっか・・・・・2人を全力で愛するんだね?」

 

「うん」

 

「平等に全力で愛せるの?」

 

「誓うよ」

 

「人数が増えても変わらない?」

 

「もちろん」

 

「なら、私からは何も言いません。ただ、いつかは向こうの両親にも挨拶しなきゃだね。」

 

「分かってる。2人の両親は忙しいから時間が空いたら説得する」

 

フェイト姉さんは満足してなのは姉さんのほうに向く

 

「なのはのほうは?」

 

「うん・・・・色々ショックだけど、一番ショックなのは紫苑が私たちに1番に報告してくれなかったことかな・・・・」

 

「・・・・・」

 

「今回はやてちゃんにバレてはやてちゃんに言われたから報告したんだよね?それって元々自分からは言わないつもりだったんでしょ?私達に反対されると思ったから?だから言わなかったの?」

 

「・・・・・それは・・・・」

 

時間がほしかっただけで・・・・

 

「私たちは賛成するよ。だって・・・それが紫苑の幸せに繋がることだもん。私たちはヴィヴィオと紫苑の幸せを第一に考えている。紫苑からみて私達ってそう見えなかったのかな?」

 

なのは姉さんの目に涙が浮かぶ

 

「そんなの分かってる。けど、大好きな姉にもし反対されたら?そうなったら別れなきゃいけないのか?そうなったとき2人はどうする?俺のほうから絶対離れないと誓ったのに俺から離れるなんてあり得ない。だから、せめて聞かれるその日が来るまで黙ってようと思った・・・・・・反対された時のことを考える時間がほしかった。」

 

「そっか・・・・・紫苑は私達を信用してなかったんだね・・・・」

 

「それは違う!」

 

「違くないよ!だったら一番に報告出来たはずだよ!」

 

「それについては言っただろ!それに順番に信頼とか信用とかは関係ない!」

 

「反対しないって言ったでしょ!」

 

「それは結果論だろ!!いくら姉弟だからって賛成か反対かなんて分かるわけないだろ!」

 

「結果なんてどうでもいいでしょ!私たちを信じて一番に報告してくれたらそれでよかったのに!」

 

「いいわけあるか!!それに結果が変わらないならそもそも順番なんてどうでもいいだろ!」

 

「どうでもいい!?紫苑にとってお姉ちゃんはどうでもいいの!?」

 

「は!?順番のこと言ってるんであって姉ちゃんについては何も言ってない!」

 

何でこうなるんだろう・・・・・賛成ならただ祝福してくれればそれでよかったのに・・・・

 

「いい加減にしなさい!!!」

 

フェイト姉さんが俺達を止めに入る

 

「なのはも紫苑も落ち着いて・・・・・熱くなっちゃダメだよ」

 

「だって紫苑が・・・・」

 

俺のせいかよ・・・・・

 

「もういい。とりあえず報告はしたから。2人は賛成なんだろ?じゃあそれでいいよ」

 

俺はそう言って部屋を出ていこうとする

 

「ちょっと待って!どこ行くの!?」

 

「風呂入って寝る。落ち着きたいし・・・・・」

 

そう言い残して部屋を出ていく俺

 

 

 

なのはside

 

 

どうしよう・・・・・紫苑と喧嘩しちゃったよ・・・・・

 

「なのは・・・・・なのはにとって一番なのはヴィヴィオと紫苑の幸せなんだよね?」

 

フェイトちゃんがそう言ってくる。なにを今更・・・・

 

「うん・・・・」

 

「じゃあ何でそこまで順番に拘ったの?今回報告が1番最初じゃないのは少し悲しいけど紫苑には紫苑の考えがあったのに・・・・今回たまたまはやてにバレただけで反対されたときのことを考えてた紫苑は間違ってないと思う。考えが纏まったら紫苑本人はきっと一番最初に報告してくれたはずだよ?」

 

私もそう思う・・・・・・じゃあ何で?

 

「なのは・・・・もしかして順番なんてどうでもよかったんじゃない?」

 

え・・・・・?

 

「嫌なんだよね?紫苑が離れていくのが・・・・・」

 

「いつかはそうなるって分かってたもん・・・・」

 

「でもそれはもっと先だと思ってたんでしょ?まさかこんなに早く訪れるなんて思ってなかっただろうし」

 

「けど真っ先に報告してほしかった・・・・・」

 

「なのは優しいから・・・・心の奥底にある本音を言いたくなかったんだよね。だから順番なんてどうでもいいことに拘るフリをした」

 

フリじゃないもん。ほんとに・・・・・・

 

「紫苑が私から離れるなんて絶対嫌だ。でも別れろなんて言いたくないし彼女たちのことも悪く言いたくない。どうすればいいんだろう・・・・・・でしょ?」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「いい機会だし本音で語ってみるといいかもね。最近喧嘩もしてないんじゃない?それになのはの長所は全力全開でしょ?今回も思いっきりぶつかってみればいいんじゃないかな?」

 

・・・・・フェイトちゃんの言うとおりやってみよう。今まで全力で当たってなんとかなったし今回だってきっと大丈夫だよね!

 

 

 

紫苑side

 

 

俺は風呂に入っていた。

 

「言い過ぎた・・・・・かも」

 

風呂は熱いのに俺の頭の中は冷えていた。

 

「そもそも喧嘩という喧嘩も・・・・・六課以来だったし」

 

あの時は・・・・・指導方法についてだっけ?ティアナが思い悩んでいたのは誰が見ても明らかだったのに教育担当の姉さんはそれをスルーした。きっとティアナなら言わなくても分かってくれる・・・・・そんな思い違いを押し付けて

 

「懐かしいな・・・・」

 

すると風呂のドアがパーンと大きな音を立てて開いた

 

「紫苑!お話するよ!!」

 

「OHANASHI!?」

 

しまった。そこまで追い詰めてしまったのか!?というか全裸では止めようよ!

 

「私も入るから詰めてね」

 

「あ、はい・・・・・・」

 

俺と姉さんは背中合わせで黙っている。

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・いや喋ろうよ!」

 

「・・・・・・う、うん。その・・・・ごめんね」

 

「こっちもごめん、言い過ぎたかも・・・・」

 

「うん・・・・ホントはね順番なんてどうでもよかったの」

 

「じゃあ何に対してあそこまで突っかかったの・・・?」

 

「・・・・・・・紫苑が取られるのが嫌だったから」

 

「一般的に見れば姉さんはブラコンだしねー・・・・いいよ。もし姉さんが彼氏なんて連れてきたら似たような反応するだろうし」

 

「紫苑はシスコンだねー・・・・・そんなにお姉ちゃん好きなの?」

 

「好きだよ。他の男に取られるくらいなら自分がモノにしたいくらいは・・・・」

 

やばい・・・・・口が滑ってしまった

 

「そっか・・・・嬉しいけど姉弟は結婚できないしねー。せめて一緒にいるくらいなら許されるかな?」

 

「許されるんじゃない?姉弟だし」

 

「そっか・・・・・じゃあ紫苑の為に一生独身でいてあげる。だからずっと一緒にいてね」

 

「いつか家から離れること考えてたけど、無理になったな」

 

「2人も呼べばいいよ。この家でずっと暮らしていけばいいんじゃないかな?これからも増えるなら家を増築や改築してもいいしね。」

 

「それもアリかな・・・・まぁ、学生でいる間はこのまんまだから長い計画だけどさ」

 

今回のことをアインやユミナにどう報告したもんか・・・・・とりあえず許可は取っただけにしとこう

 

「うん、ずっと一緒にいられるって分かっただけで安心したよ」

 

「もう離れられそうにないな。あまりにも心地よすぎる」

 

「あ、そうだ。2人に対して学生でいるうちは節度を持った付き合いね。もし・・・・抱いたりしたら許しません」

 

「あ、ぶっちゃけるとアインは抱いた」

 

「・・・・・・・OHANASHIしようか」

 

俺は風呂の中で説教された。

 

 

 

風呂からあがるとフェイト姉さんが飲み物を用意してくれた

 

「解決した?」

 

「ああ、迷惑かけたね」

 

「いいよ。喧嘩なんて六課以来でしょ?たまには必要なことかもね・・・・」

 

「うん・・・・今日中に終わってよかったよ。明日まで引きずったらヴィヴィオに泣かれる」

 

「疲れてすぐ寝むちゃってよかったね。でもヴィヴィオにはいつ言うの?」

 

「明日には言うよ。もう隠す気はない」

 

「そっか。じゃあそろそろ寝ようか?」

 

「うん」

 

俺はフェイト姉さんと別れようとするけど・・・・・

 

「今日は一緒に寝るんじゃないの?なのはがそう言ってたけど・・・・」

 

「初耳だよ。まぁ、いいか」

 

 

 

翌朝

 

 

「おはよーヴィヴィオ」

 

「あ、お兄ちゃんおはよう」

 

「俺アインとユミナの2人と付き合っているから。増えたら教えるよ」

 

「うん・・・・・ん?お兄ちゃん今なんて・・・・」

 

「アインとユミナと付き合っている。」

 

「えええええええええええええええ!!!!??????」

 

朝から騒がしい妹だな

 

 

~事情説明中~

 

 

「と、いうわけ・・・・」

 

「えー・・・・驚きで一気に目がさめちゃったよ・・・・」

 

「だろうな。」

 

「しかも増えるんだよね?」

 

「そうかもしれない。その時はまた報告するよ」

 

「言ってることもやってることも最低だよ・・・・でもアインハルトさんもユミナさんも・・・・・」

 

「OKしたな」

 

「そっか・・・・じゃあいつか義姉になるのかな?」

 

「ヴィヴィオはいいの?こんな最低な兄だって発覚したけど」

 

「お兄ちゃんはお兄ちゃんだもん。少しショックだけど私のお兄ちゃんであることに何も変わりはしてないでしょ?」

 

うちの妹が予想以上に大人だった件

 

「もちろん。俺自身は何も変わっていない。ずっとお前の兄だよー」

 

「ならヴィヴィオは許します!」

 

「やっぱお前は最高の妹だよ」

 

その後はルーに拡散してもOKのメールを出した。アインとユミナも「いつかバレることだし好きにしていい」とのことらしいので

 

まずはノーヴェから連絡が来た

 

『お前もなぁ・・・・・はぁ、近くにいたのに気づかなかったよ』

 

「別に隠してたわけじゃないし、まぁ急にみんなの前でイチャつかれても困るだろ?」

 

『そうだけど、あたしには言ってもよかったんじゃないか?一応お前らのコーチや保護者的立場ではあるし・・・・』

 

「それに関してはそうだな・・・・・すまない」

 

『まぁ、いいけどさ・・・・・で増えるってどういうことだ?ルーからもそこんとこ詳しく書いてなくてさ」

 

「なんて着たの?」

 

『今見せるよ。こんな文面「紫苑に2人の彼女が出来ました!1人はみんな知ってるアインハルト・ストラトス!もう1人はユミナ・アンクレイヴ!チームナカジマのマネージャー兼トレーナーをやっている子だよー。公認の二股でまだまだ数は増えるっぽい?詳しくは本人に聞いてねー!!」って感じだな。』

 

「ああ、なるほどな。で増えるって言うのは単純に他にも好きな子が出来たらその子も彼女にするってこと。ただしアインやユミナの判断を仰がなきゃいけなくなった」

 

悪い女かどうかは2人が判断するらしい。出来た子たちだ

 

『はー・・・・お前最低だな』

 

「多分、今日色んな人に言われると思う」

 

ティアナ辺りなんかにはボロクソ言われるんじゃないかな?

 

『まぁ、支障がなければいいさ。ちゃんと大事にしろよ?」

 

「もちろん。言われずともね」

 

『じゃあな。多分姉貴たちや妹たちからも連絡くるだろ』

 

案の定他からも連絡がかかってきた。みんな最低とか言いまくるのね。特にティアナは終始ボロクソだった。




長くなってすみません

姉妹を異性として見れるのは二次元の特権みたいなもんですね。リアルじゃ絶対無理



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第21話

オリキャラが出てきますが、まぁ、一発キャラみたいなものですし・・・・


あれから3日が過ぎた。色々あったがなんだかんだでみんな受け入れてくれるらしい。

やっぱりアイツらは最高だな

 

俺となのは姉さんとヴィヴィオでお茶を飲んでいると

 

「で、戦技披露会で姉さんと戦うって?」

 

「ミウラさんに勝ったらね」

 

どうやら戦技披露会でミウラに勝ったら姉さんの挑戦権が得られるらしい。

なんだそれ?羨ましいなオイ

 

「姉さん俺にそんな話あった?」

 

「ないよー。今回は愛娘とか愛弟子とかだからねー。ただ、紫苑の対戦相手はちゃんと強い人用意するって」

 

「へー管理局の強者か・・・・・相手ってまだ決まらないの?」

 

「予定とかあるからねー。でも今日連絡が来るって・・・・あ、来た」

 

どうやらメールで来たようだ。

 

「へーこれは面白そうかも」

 

「誰?」

 

「シグナムさん」

 

「それは・・・・テンション上がるな」

 

どうやら俺の相手はシグナムに決まったらしい。

 

「試合まで2ヵ月か。その間にU-23もあるし楽しみが多いっていいな」

 

「怪我しないようにねー」

 

うん、相手がシグナムなら無理。お互い戦闘狂だし全力でやるだろう。

 

「でね。ノーヴェがトレーニングメニュー考えてくれるって・・・・お兄ちゃんも協力してくれる?」

 

「打倒姉さんってことね。いいよ他にも声かけてんだろ?」

 

「うん!元六課の人たちみんな協力してくれるって!」

 

「おー姉さん1人かよ。いいな、みんなで打倒姉さんだ」

 

「ヒドイなー。私の味方はフェイトちゃんだけだよー・・・・」

 

「今フェイト姉さんいないけどな。仕事長引いてるっぽいし」

 

 

 

俺は今悩んでいた。U-23にはセコンドが必要である。本来なら知り合いがジムのコーチをしているのでその人に頼もうと思ったけど、忙しいらしく断られた。

やっぱりノーヴェに頼もうかな。きっと快く引き受けてくれるだろう。

 

「で、どうだ?」

 

「急にうちに来てなんだ?セコンドを引き受けてくれだ?」

 

俺はナカジマ家に来ていた

 

「あ、女たらしッス」

 

「うるさいウェンディ。今日は2人だけか?」

 

「みんな仕事だ。で、最初は知り合いのコーチに頼むとか言ってなかったっけ?」

 

「そうだけど断られてね。今忙しいからその日は無理だとさ。で、ノーヴェどうだろう?」

 

「試合の日は?」

 

「一週間後。ミウラの都市本選を賭けた次の日」

 

「は!?時間ないにもほどがあんだろ!今まで何やってきたんだ!」

 

「色々だな」

 

「はぁ、別にいいけどさ・・・・・」

 

「乗り気じゃないみたいだがメリットはデカイぞ」

 

「メリット?」

 

「ジム作るんだろ?」

 

「・・・・・・」

 

「そこに俺も入る。それにジム探しも難航するだろうしな。人気選手がいるならともかくそんな知名度の選手はいないからいい場所はすぐ他に取られる。けど、俺が優勝でもすれば話が一気に進む。」

 

「人気選手で実力もあるお前を抱えるコーチとして逆に物件を紹介される・・・・か」

 

「俺1人じゃあれだけど、ミウラも入るんだろ?恐らく都市本選に進むだろうし人気も出る。それだけじゃ足りないならアインをどっかのU-15に出して優勝させればいい。そうすれば確実にいい物件を貰えるだろう」

 

「ミウラはともかく、アインハルトは出場するか?それにお前も優勝なんて出来るのか?相手を甘くみすぎてないか?」

 

「出場するよ。何故ならアインはお前に感謝してる。ジム作りに貢献できるなら絶対出場するし今のアインなら相手がワールドチャンプだろうが優勝は確実だ。俺に関しては愚問だな。相手がワールドチャンプでも絶対負けない」

 

「・・・・・・まぁ、ジムの方はともかくセコンドは引き受けてやる」

 

「ありがと、ノーヴェ。」

 

俺はそういってナカジマ家から出る。

 

 

ノーヴェside

 

あいつは絶対優勝すると言ったがあれは・・・・過信でも油断でもない。実力に裏打ちされた絶対的な自信だ。今のアイツは格闘でも優勝できるんじゃないか?

 

「はぁ、一応参加選手について調べてやるか・・・・」

 

ヴィヴィオのこともあるし、やることがいっぱいで嬉しいやら悲しいやら・・・

 

「なんだかんだでノーヴェ優しいッスねー」

 

「うるせえ!」

 

やるからには勝たせたいのは当然だろ!

 

 

 

紫苑side

 

さて、今日はインターミドルだ。みんな順調だし危なげもなく本選出場を決める。

ただ、ミウラは判定勝ちだった。しかし本選出場も決めたのでよかった。

 

「よかったなーミウラ!」

 

そこには他選手も混ざっていた。

 

「あ、女ったらしだ」

 

「うるせーハリー」

 

俺はミウラの傍による

 

「な?去年言った通りだろ?お前は強くなれるって」

 

「はい!」

 

俺はミウラの頭を撫でる

 

隣ではジークがアインに2度目の世界を取ると宣言

 

「まだ本選すら始まってないのに気が早いな」

 

「うちは負けんよ。ハルにゃんと戦うまではな~」

 

「はい!」

 

「紫苑にも負けんで!」

 

「なら、明日の試合を見にこい」

 

「明日何があるん?」

 

「俺はU-23の試合に出る。今のお前との実力差をしっかり見とけ」

 

「え?それホンマ?」

 

「本当ですよ。だから明日チームのみんなと見に行きます」

 

「それなら俺も行こうかなー。お嬢も行くだろ?」

 

「もちろん」

 

そしてみんな明日の試合を見に来てくれるらしい。

負けられないな

 

 

 

翌日

 

俺は試合の会場に来ていた。ジロジロこちらを見るような視線を感じる。

 

「(うっとうしいなーまぁ、珍しいのは分かるけどさ・・・)」

 

「おいあれだろ?最年少のI.M覇者って」

「みたいだな。なんでも開催者特別枠として今回出るらしい。年上として負けられないな」

「去年の試合みたことあるがヤバかったぞ。油断するとこっちが喰われる」

 

 

俺は会場に出ると歓声が聞こえる。去年の試合を見た客が結構来てるらしい

 

「調子はどうだ?」

 

「いつも通りだよ。ノーヴェ」

 

「そっか、初戦の相手だが・・・・」

 

「あれ?調べてくれたの?」

 

出たとこ勝負も面白いと思って調べなかったんだけど

 

「勝たせてやりたいしな。相手はワールドランキング2位のクロウ・シーク選手だ。初戦から強敵だな。遠距離からの射撃が得意らしい。タイプ的にはティアナに近い。相手になるべく近づいて自分の戦いをさせないようにしろよ」

 

「うーん・・・・」

 

「どうした?」

 

「いや、どうせなら相手の心をへし折ってみたいなって・・・・」

 

「お前なー・・・・相手に敬意を払えよ。」

 

「まーいいか。2位のレベルがどの程度俺についてこれるか期待しよう」

 

 

そして試合が始まった。相手は複数の弾丸を駆使して俺を足止めする

 

「おーっとこれは紫苑選手避けるので精一杯!クロウ選手の弾丸速度が速すぎて見防戦一方です!」

 

実況がそんなこと言ってるが・・・・・

 

「(防戦一方?冗談じゃない!この子・・・ボクの弾幕を完璧に見切っている!その証拠に・・・その場から一歩も動いてないじゃないか!)」

 

クロウはすぐに気づいたが、実況は気づけなかった。

 

「この程度ならもういいか・・・・」

 

俺は神速を発動させ弾幕の嵐を掻い潜りクロウ選手に拳を一発当てる・・・・クロウ選手はその場で倒れた

その瞬間歓声が沸く場内。

 

「・・・・・し、試合終了!え?何が起こったんですか!?ちょっと解析班!・・・・えーっと、今のスロー再生で見てみます。今まで防戦一方の紫苑選手ですが・・・・あ、動き出して弾幕の嵐を掻い潜っています!そしてクロウ選手にボディーブローを1発浴びせてKO勝利!え!?1発でクロウ選手を!?というか動きが早すぎて目で追えないとか本当に人間ですか!?」

 

失礼な解説だな。

 

「えっと紫苑選手!ワールドランク2位に勝った感想などは?」

 

「え?予想以上に速い弾幕で驚きましたが普通に対応できる速さだったので・・・・普通に対応しました。勝って嬉しいです」

 

 

 

アインside

 

相手は世界2位の選手みたいですが・・・ここまで強いなんて。

勘違いしてはいけない。秒殺されましたが相手は弱くありません。むしろ強者です。少なくても今の私が相手をしてもあの弾幕にやられていたでしょう。

 

「凄いね紫苑くん・・・・・」

 

ユミナさんの言うとおり・・・・ですが凄いなんてものじゃありません。

 

「チャンピオンはどう思いました?」

 

私は隣に座るチャンピオンに聞く

 

「アカンなぁ・・・・正直今の私でも紫苑の足元まで来てるなんて思うたけど・・・自惚れやったわ・・・・」

 

「ですわね。ここまでレベルが上がっていたなんて・・・」

 

ヴィクターさんも驚く。当然だレベルがあまりにも違いすぎるし、そもそも剣を抜いてすらいない

 

「なのははどう思う?」

 

フェイトさんがなのはさんに聞いてる。

 

「正直・・・・一対一なら紫苑に負けるかも・・・・それほど今の紫苑は強い」

 

あのなのはさんまでもがそう言うなんて・・・・

 

「紫苑さん凄いね!」

 

「うんうん!」

 

リオさんやコロナさんは無邪気に喜んでいるけど私は素直に喜べない。勝って嬉しいけどそれ以上に1人の格闘家として悔しいという思いがある。

今は無理でも・・・・・いつか、絶対に勝ちたい・・・・私はそう思った

 

 

 

紫苑side

 

 

面倒なので俺は普通に対応して終わった。

 

「ノーヴェー」

 

「お疲れ。どうだった?」

 

「期待値高すぎて落胆が半端じゃない」

 

「だろうな。今のお前なら優勝も出来るだろ。ほら、移動するぞ」

 

そうして俺は決勝までやってきた

 

「(つまんないなー・・・・今日剣すら抜いてないし、この程度のレベルなんて・・・)」

 

「さぁ!決勝戦が始まろうとしています!赤コーナーからは高町紫苑選手!紫苑選手はここまでダメージなしの1発KOで来ました!決勝でも見せてくれるか!?青コーナーはアイチ・フルール選手!現役のワールドチャンピオンにしてワールドランク1位の猛者です!彼もまた1RKOでここまで来ました!両者決勝ではどんな戦いをみせてくれるでしょうか!?」

 

「おい!」

 

「なんです?フルーツ選手」

 

「フルールだ!クロウすら1撃で倒したのは褒めてやるが俺も同じだと思ってもらっちゃ困るぜ!」

 

「分かりました。フルフル選手」

 

「フルールだ!あんなチ〇コみたいな化物と一緒にすんな!」

 

「すみません。ツルツル選手」

 

「頭か?今頭みて言ったろ?これはスキンヘッドだ!あえてこういう風にしてんだよ!いい加減にしろよクソガキ!」

 

この人いい反応するなー芸人にでも転職すればいいのに

 

「もうゴング鳴りますね。では」

 

俺は戻るとノーヴェが呆れていた

 

「あんまり挑発するなよ?気持ちよく試合してこい」

 

さて、決勝が始まる。今までやったやつらよりかは強いんだろうけど・・・・・

 

 

「さて、様子見に1発決めますか」

 

俺は神速を発動させてボディーを喰らわせる

 

「おっとー!開幕早々紫苑選手の必殺ボディーが炸裂する!しかし・・・・」

 

「は?それがどうした?」

 

俺は油断していたところに蹴りを入れられた

 

「決まったと思ったか?甘いぜ!俺の身体は鋼の肉体!鍛えられた肉体+身体強化魔法に全振りしてるおかげで防御じゃ誰にも負けないぜ!」

 

「それでは一回戦で負けて解説役になったクロウ選手に話を聞いてみます!」

 

「厳しいね・・・・・でフルールの防御だっけ?まぁ、フルールの言う通りあの身体は鋼でできてるんじゃね?って感じだよ。ボクの弾幕の嵐も全弾被弾してるのにノーダメで近づいて殴る・・・・・・あれは1つの恐怖だね。どんなに攻撃しても通らずに近づいてくる。しかもあの見た目で近づいてくるんだよ?トラウマになってもおかしくないね」

 

場内から笑いが起こる

 

「聞こえてるぞクロウ!後で覚えてろ!」

 

なるほどね・・・鋼の肉体か・・・・攻撃は殴るか蹴るか頭突き・・・・もう格闘オンリーのほうに行けって思うけど・・・・

 

「すみません、ハゲ選手」

 

「ハゲてねえ!!」

 

「その肉体は才能だけじゃ作れない。その努力に敬意を表します」

 

「お、そうか?」

 

「ハゲが照れてもキモイだけだぞフルール」

 

「クロウ!ちょっとイケメンだからって調子に乗んな!!」

 

「でも・・・・・」

 

「あん?」

 

フルールがこちらを見る

 

「中は鋼じゃありませんよね?」

 

その瞬間フルールは一気に俺を警戒する。バカそうに見えてもチャンプか

 

「(なんだこのガキ?急に雰囲気が変わった・・・・・警戒しといて損はないな・・・・・)」

 

俺は神速で相手の懐に入る

 

「バカな!?紫苑君!フルールに接近戦は危険だぞ!せめてその速さを生かしたヒット&アウェイに切り替えるべきだ!」

 

「あの、クロウ選手・・・・解説役なので特定の選手の助言は控えてください」

 

問題ないよ。さて・・・・・

 

「ここまで退屈だったし殴り合いでもどうだい?」

 

「俺相手に?おもしれえ!後悔させてやる!!」

 

「おーっとここで両者至近距離での殴り合いに勃発!しかし紫苑選手は避けるしフルール選手はダメージが通らない!」

 

「(全く通ってないわけじゃねーぞ!地味にだがダメージが通ってる。こっちの攻撃は当たらないし焦るぜ・・・・・)」

 

「(あぶねー・・・・一撃一撃が必殺クラスじゃないか・・・・いいねテンションあがるよ)」

 

「あの至近距離で避けてるぜ!」

「でもフルール選手の風切音パネェぞ!」

「どんなチキンレースだよ!あの至近距離だ!高町選手に当たったら骨が砕くぞ!」

 

さて、そろそろ行くか・・・・・

 

「フルール選手。これでラストだ・・・・・正直この大会は退屈だったけどこの試合だけは楽しかった。」

 

「へっ!最近手ごたえ無い野郎ばっかりだったがよう。俺も楽しかったぜ!」

 

フルールは全力の拳を放つが、俺はそれを避けて一瞬で構えて放つ

 

「勝つのは俺だ・・・・・浸透水鏡掌!!」

 

「あん?どんな技だろうが・・・・グホォ!!!!」

 

そうしてフルール選手は倒れた。

 

浸透水鏡掌・この技は相手の内面と内部を同時に破壊する掌打

どれだけ屈強な肉体を作っても内部までは鍛えられないだろ・・・・

 

「し・・・・試合終了!!!大番狂わせです!U-23ミッドチルダ支部総合大会!優勝は若干12歳の高町紫苑選手だー!!!!」

 

俺は手をあげて観客の声援に答える

 

「紫苑選手!優勝した感想をどうぞ!」

 

「あー楽しかった。うん、また出たいですね」

 

「ありがとうございます。しかし紫苑選手はジムなどには所属していないようですが・・・」

 

「ああ、でも近いうちにジムに入りますよ」

 

俺はノーヴェを連れてくる

 

「今度うちのセコンドがジムを作るのでそこに入ります。まだ物件は決まってませんが近いうちにできるでしょう。名前はノーヴェさんが会長の「ナカジマジム」ですね」

 

「そうですかーあ、ノーヴェさんも後でインタビューお願いします!」

 

「え!?」

 

ノーヴェが焦ってる横でフルール選手に近づく

 

「よ、もう眼覚めてるだろ?」

 

「いきなりタメ口かよ・・・・」

 

「悪いな。一度でも戦えば戦友扱いだからさ」

 

「図々しいやつだな。ちょっと手貸せ。動けねぇ」

 

俺はフルール選手に手を貸す

 

「イタタ・・・・最後の技は?」

 

「内面と内部を同時に破壊する掌打。さすがのお前でも内部までは鍛えられないだろ?」

 

「はぁ・・・・完敗だ。次は勝つ。それまで内部鍛えるわ」

 

「どうやって鍛えるんだよ(笑)」

 

「根性で」

 

「キミは脳みそまで筋肉で出来てるのかい?」

 

そこへ現れるクロウ選手

 

「あ、クロウ選手」

 

「優勝おめでとう。ボクも次は君に勝ってみせるよ」

 

「は!俺にダメージ与えてからいいやがれ!」

 

「その恰好で凄まれても滑稽だよ」

 

「うっせー・・・・ワンパンでやられたくせに」

 

「次の大会までに1から鍛え直してくるさ。そのときはフルールにも負けん」

 

「ハッ!受けて立ってやるよ!」

 

「次の大会っていつですか?」

 

「次は冬のU-23総合世界大会だね。支部予選があるけどワールドランキング1位と2位と去年の優勝者は予選免除だから、ボクとフルールは世界戦からの参戦になる。」

 

「それ俺も出れますかね?」

 

「君はこの大会で優勝したから問題なく予選から出れるだろう。次に会うのは冬だ」

 

フルールは手を離し

 

「冬の本選じゃ絶対負けねえぞ。それまで鍛え直しだ!」

 

「本選出れるか分かりませんよ?」

 

「あ?お前が出場しないで誰が出場するんだよ。じゃあまたな」

 

「ええ、では本選でツルッパゲ先輩」

 

「ハゲてねえ!!」

 

そういってフルールとクロウ選手も帰っていった

 

 

 

 

俺は表彰式や取材が終わりヴィヴィオ達のもとに行く

 

「勝ったぞー」

 

「お兄ちゃん!凄い!カッコイイ!」

 

「おめでとうございます紫苑さん」

 

「やったね、紫苑!」

 

みんながそれぞれ褒めてくれる。

 

「しかし至近距離で打ち合ったときはどうなるかと心配したもんだよ」

 

「ごめんな、ノーヴェ」

 

「あれ最初から使えば余裕で勝てたんじゃないか?」

 

「実はアレかなり難しくてさ・・・・・成功率3割なんだ」

 

「はぁ!?それほぼ未完成じゃねーか!お前あの状況でそんな技使ったのか!?だったら氷結魔法使えよ!何のための総合だ!」

 

「あの人相手に魔法は使いたくなかったし。アレ以外にダメージを通すやり方もあるにはあったけどあの人とは最後まで拳でやりたかった。」

 

「はぁ・・・・お前こんな戦い方ばかりしてたら選手生命すぐ来るぞ?」

 

「分かってる。次からはちゃんとするさ」

 

「今大会剣を使わなかったのは?魔法もほぼ身体強化のみだったし」

 

「剣を使うほどの相手はいなかったこと。フルールに関しては使えなかったし」

 

「なんでだ?」

 

「あの人は硬すぎる。だからと言って俺が本気で斬ったらバリアジャケットであろうと鋼の肉体だろうと死んじゃうだろ?」

 

「理由は分かった。なら次の予選は・・・・」

 

「多分魔法を使うし拳も使う。でも剣は恐らく使わない」

 

「分かった。まぁ、そこはお前が決めろ」

 

さて、後はみんなで試合について話ながら帰った。

帰った後は優勝のお祝いをしてくれて嬉しかったな・・・

 




ケンイチの技を拝借しました。多分これからも使うかもしれません


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第22話

ロウきゅーぶ書きたい


あの大会から一週間が経った、

ミウラは都市本選の1回戦は突破したが、2回戦の相手はジーク

ミウラも相当強くなったがさすがにジークにはまだ勝てないらしく敗退した

 

 

 

 

 

「と、言うわけでアインにはU-15の大会に出てほしい」

 

「どういうわけですか・・・・」

 

俺は今、アインと一緒にミカヤの道場にお邪魔していた。

今は休憩中な為お昼を食べている。

 

「予想外なことに、ジム探しが難航してるんだよ」

 

俺とミウラがいれば余裕に借りれると思っていたが俺のせいで予定通りとはいかなくなった。その理由は

 

「いい物件はみんな借りたいものだからね。本来紫苑クラスがいるならあっちから頼みこんでくるもんなんだろうけど・・・・」

 

「まさかあの決勝があそこまで問題視されるとは思ってなかった・・・・」

 

大会決勝でフルール選手を挑発した事。当事者間では別に問題にはならなかったし俺自身本気でバカにしていたわけじゃない。ただ調子に乗ってしまったのは反省したい。

 

「まぁ、戦いってだけで白い眼で見てくる人もいるからね。観客たちはそうでもなかったけど君の試合前の挑発行為は上の方にお気に召さなかったみたいだね。」

 

上にとって悪いイメージがつくと困るだろうしね。

 

「そうらしい。次やったら永久的に出場停止。二度と公式戦には出さないみたいだ」

 

「今度からは控えてくださいね?」

 

「ああ。もう俺一人の問題じゃなくなるし、気を付ける」

 

さすがにノーヴェやジムに通う他のみんなに余計な迷惑はかけたくない。

 

「で、ぶっちゃけ紫苑のせいでジム探しは難航中。だからイメージの良い強い子がもう1人ほしいわけだ。」

 

「そういうこと。アインがU-15の大会で活躍して話題になってくれれば」

 

「ジム探しも捗るんじゃないかな?」

 

「なら、出ます!」

 

他力本願で情けないけどこればかりは・・・・後悔しても遅いか。いつか絶対別の形で挽回しよう。

 

「なら大会については・・・・」

 

「ちょうど再来週にある知人が運営する大会で欠員が出てね。15歳以下で実力がある格闘系の選手を紹介してほしいと言われていたから推薦しておこう」

 

「お願いします・・・・・随分都合がいいですね?」

 

「たまたまだよ」

 

「嘘を言ったつもりはないだろう。実際人気選手がいればジム探しの追い風になるのは事実だしな・・・・それにお前の実力は地区予選程度で終わる器じゃないだろう」

 

今のこいつなら都市本選に出ても上位にいけるはずだろうし、将来的に世界の頂点にすら立てるだけの才覚もある。

 

「さて、君の覇王流でU-15の冬季・春季の大会を制しておいで。ただスケジュールもそれなりにハードになるし簡単な道程ではないよ」

 

「大丈夫です。負けません・・・・それにジークさんとも約束しました。世界の頂点でもう一度戦おうと」

 

・・・・・羨ましいな。俺もそんな相手に巡り合いたい。

 

「勝手に勧誘して私はナカジマちゃんに怒られるかもしれないなぁ」

 

「大丈夫。お前の分も俺が怒られるから」

 

「そうですね。きっと紫苑さんが怒られることになるでしょうから気にしなくてもいいのでは?それにコーチはミカヤさんに優しいですから」

 

アインがノーヴェに通信で報告する。

そこで年内のうちに10試合ほど出る。そして春までにU-15を制覇する。

大雑把だが報告はこんなもんだ。ミカヤはノーヴェと話しがあるようで午後の指導が終わったら出かけるらしい

 

「ミカヤ。無いとは思うがノーヴェに怒られそうになったら全部俺のせいでいいから」

 

「いや、私もそそのかしたしお叱りは受けるよ。君1人が責任を負う必要もないさ」

 

そう言ってミカヤはノーヴェに会いに行った。

 

「それで、今日はどうします?」

 

この言葉の意味は「私の家で夕飯を食べるか、自宅で食うか」って意味だ。

最近ユミナがアインの家でご飯を作っている。俺は1日置きで食べに行っている。状況にもよるがそのまま泊まることもある。

 

「行くよ。ユミナのご飯美味しいしな」

 

 

アインの家に行くとユミナがご飯を作って待っていた

 

「おかえり、2人とも」

 

「「ただいま(もどりました)」」

 

「準備も出来てるし手洗って座ってねー」

 

そして夕食を食べながら今日の出来事を話す。

 

「U-15のタイトルか~楽な道じゃないと思うけどいいと思うよ!」

 

「色々違いがあるから後でルールの確認しといたほうがいいな。」

 

「DSAAは無差別級で無制限。でもUSWやWGCは制限があるからねー」

 

「体重での階級とか魔力制限とか・・・・色々面倒だ」

 

「ええと、あの・・・・」

 

アインが話し辛そうにしているので黙って聞くことにする

 

「私が駆け足で目標に向かうのに2人に助けてもらうと嬉しいです。何も返せるものなんてありませんけど・・・・・それでも一緒に戦ってくれますか?」

 

「今更何を・・・・・好きで手伝ってるだけなのに返すもなにもないよ」

 

「そうだよ!というか私から手伝いたいくらいだし・・・・私で力になれるならなんだって頑張るよ!」

 

「あ・・・でも」

 

「欲しいものなら2つあるかな・・・・」

 

俺はユミナとアイコンタクトをとってからアインに向けて言った

 

「「(アイン)(君)の勝利と笑顔です」」

 

「勝ちます・・・3人で一緒に笑っていきましょう。これからもずっと」

 

「ああ」

 

「はい!」

 

俺達は顔を合わせて良い雰囲気になるが、ティオの鳴き声で冷静になる

 

「・・・・・・・・そろそろ片づけようか」

 

「・・・・・・・・そうですね」

 

「・・・・・・・・お茶出すよ」

 

冷静になるとすっごい恥ずかしい・・・・

 

 

「で、アインの初戦の相手って・・・・」

 

「この人ですね。U-15の現役世界チャンピオンです」

 

モニターに映像を写す

 

「え?初戦からこんなに強敵なの?」

 

「私は彼女との対戦を避けた方の代理ですね」

 

「でもラッキーだよな」

 

「「え?」」

 

俺がそういうと2人がこっちを見る。

 

「怪我もない状態。一番最高の状態で一番強いやつに当たれたのはラッキーって言ったの」

 

「そうですね。大会は1日で終わるので怪我を癒す時間もそんなにありません。そう考えると無傷でチャンピオンと戦えるのはラッキーというべきですか・・・・」

 

「物は考えようだね」

 

 

 

翌日

 

ランニング中。ヴィヴィオたちにもこのことを報告すると協力してくれるそうだが

 

 

「ヴィヴィオは姉さんとの試合があるだろ?」

 

「えーでも私のはエキシビションだし・・・・」

 

「でも、大切な試合なんでしょ?これから先それぞれに大事な試合を目指して・・・なんてことがこの先何度もありますし、一緒に歩いて行きましょう。あなたが自分の為に頑張るのは私の励みになりますから」

 

おー先輩っぽいこともさらりと言うとは・・・・あれから半年程度のはずなのにな。

 

「そういえば紫苑さんも・・・・・」

 

「ああ、俺もシグナムと試合がある。きっと全力で来るだろうから今から対策練って訓練して・・・・楽しみだな。昨日の夜手伝うとは言ったが時間があるとき限定に・・・」

 

「気にしないで下さい。貴方も自分の試合に集中するべきですよ」

 

「悪い。でも何かあるなら絶対言えよ・・・・」

 

「ちゃんと言いますよ。貴方の場合、余計に心配かけてしまいますから」

 

「余計か?」

 

「嬉しいから困るんですよ」

 

そのやり取りを見る3人は

 

「うー・・・お兄ちゃんたちランニング中なのに・・・」

 

「仲良くていいね!」

 

「・・・・・・・」

 

「コロナ?」

 

「う、うん・・・仲良いよね」

 

「「?」」

 

 

 

俺は夜に河原で1人練習していた。

イメージでシグナムを創造して立ち回る。ボクシングでいうところのシャドウと似た感じのものだ。

 

「(シグナム相手なんだ、全てを出さないと勝てない。開幕から全力でいくか、それとも調子を見るために様子見してからいくか。立ち回りの大体の方向性を決めないと・・・・・・中途半端が一番ダメだ。即斬られて終了になるかもしれない。速度は恐らく俺が勝っている自信がある。しかしそれ以外っていうと・・・・良くて互角くらいか・・・?悪くてそれ以下。最近の映像とか無いからイメージも去年のオフトレからさほど変わってない・・・・それで互角程度か・・・・。)」

 

ダメだな。今のシグナムが分からない以上イメトレはこれ以上するわけにもいかないか

 

「で、いつまで影から見てるつもりなんだ?・・・・コロナ」

 

「あはは、やっぱりバレちゃいましたか?でも何で私だって・・・・」

 

「気配はそれぞれ違うからな。途中から見てたろ?」

 

「そうですね。気分転換に散歩でも・・・・と思いまして、そうしたら紫苑さんが河原にいるからどうしたのかな?って」

 

「気になって見ていたと?」

 

「はい・・・・今の相手ってシグナムさんですか?」

 

「驚いたな。なんで分かった?」

 

「紫苑さんの動きから対剣士用って感じだったのでタイミング的に考えてもシグナムさんかなって・・・・・」

 

「え・・・・・?俺の動き見えてたの・・・?」

 

「はい・・・・え?ダメでした?」

 

え?マジで?コロナってそんなに動体視力よかったの?しかも対剣士用の動きって分かったの?あれ?そもそも対剣士用の動きってなに?

俺の頭が疑問で埋め尽くす

 

「コロナ、ちょっと公園のベンチ行かない?時間も遅いけど付き合って。ちゃんと送るからさ」

 

「あ、はい」

 

そういってベンチに移動して途中自販機で飲み物を買ってコロナに渡す

 

「冷え込んで来たから温かいココア。甘いの好きだよな?」

 

「はい、ありがとうございます。」

 

「で、ちょっと聞くけど俺の動きって全部見えていたの?」

 

「いえ、部分部分ですね。ただ動きを切り替える瞬間とかはハッキリと」

 

ナンテコッタイ・・・・・

 

「・・・・その時の俺って刀をどうしてた?」

 

「え?そうですね。下げているように見えましたけど・・・・」

 

・・・・試合前に気づけてよかった。そのまんまなら絶対狙われてた。

 

「他に・・・・対剣士用って言うのは?」

 

「えっと・・・いつも見ていたので分かったんですけど動きにパターンがあったんです。拳用と魔法使い用と剣士用。動きの流れが3パターンがあってそれで対応してるんだなーって、・・・・紫苑さん?」

 

ぶっちゃけ無自覚でした。というか3パターン!?

 

「・・・・・・その動きって分かりやすいから気づいたんだよな?」

 

「えっと・・・・多分よく見ないと気づきませんよ?ヴィヴィオたちも気づいてませんし、ずっと見ていた私ですら最近気づき始めましたし」

 

俺は今まで考えて動くなんてことはあまりしなかった。というかそもそも必要がなかったけど・・・・・これは

 

「(あっちにはバレてるとみていいよな?シグナムなら相手の研究もするだろうし八神家には、はやてがいる。アイツが気づかないわけがない・・・・。このことを知らず試合に挑んでいたら大したことが出来ずに負けていた?)」

 

俺はゾッっとした・・・・・・互角とかなんとか言っときながら・・・・・

俺は顔を真っ赤に染める

 

「紫苑さん?」

 

「・・・・・大丈夫。ただ自分の思い上がりとか勘違いっぷりとか恥ずかしいだけだから」

 

俺は気を取り直すことにする。

 

「ありがとうコロナ。コロナのおかげで最悪は回避できそうだよ」

 

「えっと・・・・お役に立てたのならよかったです。」

 

「にしてもよく分かったな。誰も気づいた様子なんてなかったのに・・・・」

 

「いえ・・・・ずっと見てきましたから」

 

「あーコロナとの付き合いも結構長いか?小1のころだから4年目か」

 

懐かしいな。初めての友達ってことでヴィヴィオから紹介されたときは嬉し泣きそうになったっけ

 

「いえ・・・・そういう意味じゃなくて・・・・」

 

「ん?」

 

「・・・・・好きだからずっと見てたんですよ」

 

「・・・・・・・え?」

 

「最初は一目惚れでした。ヴィヴィオがお兄ちゃんを紹介したいって言って紫苑さんを紹介してもらったときから。ゴーレム操作の練習に付き合ってくれたり、遊んでくれたり、心が折れそうになったときもノーヴェコーチと一緒に優しくしてくれて、益々好きになって・・・・」

 

「・・・・・・」

 

「先日アインハルトさんとユミナさんと付き合うって聞いたときはショックで倒れそうになりました。理解が追いつかなくて、延々家で泣いて・・・・・でも冷静になったときに思ったんです。私の初恋はまだ終わってないって・・・・」

 

「紫苑さんはまだ女性を増やすんですよね?」

 

「・・・・・言い方に身も蓋もないけど、そうだな」

 

「私も入れてください。貴方の3人目の彼女にしてください!」

 

コロナが頭を下げる。俺はコロナに言う

 

「いいよ。俺は何も・・・・・何も問題ない。」

 

「じゃあ!「だけど」」

 

「コロナはいいの?言っておくけど俺はこれらかも多分増やすよ。もちろんコロナのことも全力で愛すけど、コロナはそれで本当に後悔しない?」

 

「・・・・・分かりません。けど、ここでチャンスを不意にしたら絶対後悔します。もう一度言います。あなたの彼女にしてください!」

 

「分かった。じゃあちょっと待って2人に聞くから」

 

「え?」

 

「言ってなかったが、俺に新しい彼女が出来るときは既存の彼女に了解を取らなきゃいけない。つまり今の段階ならアインとユミナだな。理由は悪女対策らしい。コロナなら問題ないと思うけど・・・・」

 

俺はアインに連絡を取る

 

『どうしましたか?』

 

「よう、そこにユミナもいるな?」

 

『いるよー。お泊り三日連続更新中!そろそろ同居も考えてます!』

 

「なんかテンション高いが・・・・・報告がある」

 

俺は真剣な顔をして言う

それに釣られて2人も真面目な顔になる

 

「3人目が出来そうだ。」

 

『『やっぱり』』

 

どうやら予想されていたらしい

 

『相手はコロナさん辺りですか?』

 

『たまに視線が好きな人を見る目と同じだったからねー。バレないように気を付けてたけど、油断したときなんかはそういう目になってたよ』

 

どうやらバレバレだったらしい

 

「で、いいか?」

 

『もちろんです。コロナさんはよく知ってますし』

 

『もちろんOKだよー。』

 

「じゃあコロナ」

 

俺はコロナを呼ぶ

 

「は、はい・・・・・すみませんお二人とも」

 

『『?』』

 

「えっと、3人の仲に割って入るような感じになっちゃって・・・・アインハルトさんには大事な試合も控えているのに・・・・」

 

『大丈夫ですよ。増える覚悟は常にしていましたので問題ありません。これからもよろしくお願いしますね』

 

『私からも同じ立場としてよろしくね!』

 

「はい!よろしくお願いします!」

 

通信を切った。

コロナもやっと笑顔になってくれた。

 

「じゃあ改めて・・・・よろしくな、コロナ」

 

「はい!」

 

「恋人になるんだしその言葉づかいもタメ口にしていいんじゃないか?」

 

「えっと、それはまだ・・・・・」

 

「まぁ、徐々にやっていこうか。時間はいっぱいある」

 

「はい、あの紫苑さん・・・・」

 

なんかモジモジしてる・・・・ああ

 

「悪い。忘れてるわけじゃなかったんだ。」

 

そう言って俺はコロナに口づけをする

 

「じゃあ、今日は遅いし帰ろうか」

 

「・・・・はい////」

 

 

俺は手を繋いでコロナを家に送った

コロナの手はちっちゃいけど柔らかいだけじゃなくところどころ硬かった。

 

「(努力してるんだよなー)ただいまー」

 

「おかえりなさいー」

 

おっとヴィヴィオが出迎えてくれるとは

 

「ヴィヴィオー」

 

「なに?お兄ちゃん」

 

「コロナとも付き合うことになったから」

 

「・・・・・・・お兄ちゃん」

 

「じゃあ俺は疲れたし風呂にでも・・・・」

 

「お兄ちゃん!!!OHANASHIする?」

 

俺はヴィヴィオに説教された。

 




ロリコンじゃないし。紳士だし。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第23話

今ロウきゅーぶのほうにハマってしまって更新が・・・・

リンネ出します。ホントはViVid Strike!が終わるまで出さないつもりだったんですけど・・・・・リンネ可愛いししょうがないですよね。


コロナと付き合い始めて数日が経った。仲間内からロリコンなんじゃ・・・と言われ始めてるが年齢3つしか変わんないし正常だと思う。

 

「どう思う?ヴィクター」

 

「死になさい」

 

かなり不機嫌の様子だ・・・・

気を取り直して今日の要件について聞く。

 

「で、スパーの相手ってどんな子?」

 

「・・・・私が所属するジムにいる子よ。名前はリンネ・ベルリネッタ。知ってる?」

 

「知ってるもなにも・・・・才能ある子だと思ってたけど格闘技やってるんだ」

 

「もしかして知り合いだったの?それなら安心ね」

 

今日はヴィクターから誘われてフロンティアジムに行く。どうやらスパーの相手を探してるみたいで俺に声がかけられた。

 

「(あの事件以来会ってなかったけど、元気にしてるかな・・・・)」

 

あの事件とは3年前くらいに起きた少女誘拐未遂事件のことだ。1人の少女が複数の男に拉致されたのをその場にいた女性と俺で追いかけて鎮圧した。拉致した理由は妹の復讐みたいだったらしいけど

 

「もしかしてジル・ストーラも知ってる?」

 

「知ってるよ。共闘した仲だ」

 

「貴方たちに何があったの?」

 

2人で不良を健全にフルボッコしただけだ。

 

俺達はフロンティアジムに着くと既にリンネさんは待っていたそうなのですぐに向かう

 

「ごめんなさい。待たせてしまったわね。」

 

「いえ、大丈夫です」

 

あの頃より少し成長した姿が見える。

 

「今日のスパーの相手はこの子よ・・・・先日のU-23で優勝した・・・」

 

「久しぶり、覚えているかな?高町紫苑です」

 

「あのときは本当に助かりました・・・・改めましてリンネ・ベルリネッタです。」

 

雰囲気が少し硬いな。かなり強くはなってるみたいだけど・・・

 

「じゃあ早速スパーでも始めるか?」

 

「待って・・・ジルが来るまで少し待ちましょう」

 

俺達はジルが来るまで交友を深めることにする

 

「あの後は会わなかったけど、ジルのところで格闘技をやってるなんて知らなかったよ」

 

「強くなりたかったので・・・・ジルコーチが強くなりたいなら私と一緒に来なさいと言ってくれたんです。」

 

「そっか・・・今のランキングは?」

 

「DSAA・U-15で4位についてます」

 

「3年でそこまで・・・・来年辺りには1位になれるかな」

 

「なります。絶対に」

 

本当に変わったな・・・・・彼女から強い意志が感じる。

話しているとジルがこちらに来る。

 

「あら?スパーの相手ってあなただったの」

 

「久しぶりー。俺じゃ不服かな?」

 

「まさか。そういえば先日はおめでとう。でも上からこってり怒られてたわね」

 

「反省してるさ。もう始めようか?」

 

「そうね・・・・リンネは準備いい?」

 

「いつでも」

 

そして俺達はセットアップをしてリングに上がった。

 

「俺は純粋な格闘家じゃないから不満はあるだろうがよろしく頼むよ」

 

「貴方なら何も問題ありません。胸をお借りします」

 

嘘つき。胸を借りる気なんてないじゃないか。その証拠に勝つ気マンマンの目してるし。

そしてスパーが始まる。

 

開幕と同時に攻めてくるリンネ。

 

「(なるほど・・・・身体能力が高いし魔力も高い。たださえパワーが強いのにさらに高い魔力でブーストをかけるか・・・)」

 

俺は攻撃をいなして考える。

 

「(見た感じ不得意もなさそうだし・・・バランスの取れたオールラウンダータイプ。加えて1撃でペースをつかめる破壊力もあるみたいだな。これは練習量云々じゃなく才能か・・・・ある程度分析は済んだし打ち合ってみようか)」

 

俺はリンネさんと打ち合いを開始する。

俺の拳も防がれるがリンネさんの攻撃も防がれる。拳同士の応酬になる。

 

「慣れたか?じゃあスピードを上げていくぞ」

 

「!?」

 

俺はリンネさんに対応できない程度のスピードで攻撃を加える。だんだん防げなくなってきたな。

 

「(ダメージはあまり通ってなさそうだな。どうやら打たれ強さもあるらしい。才能の宝庫だな。ならどの程度打たれ強いか試してみるか)」

 

俺はパワーを上げ拳。それと蹴りも加える。

 

 

リンネside

 

 

「くっ・・・・(明らかに最初とは違う。スピードもパワーも・・・何でここまで差があるの?年は変わらないハズなのに!私の方がいっぱい苦労してきたのに・・・)」

 

あの事件の後、私は彼ともう1度会いたくて彼の居場所を調べた。あの時のお礼をしたかった。もう1度会って何であんなに強いか聞きたかった。そして私は彼に会いに行った・・・・・でも、私は家族や仲間と幸せそうに笑う彼を見て足を翻した。

今度は彼自身について調べた。優しいお姉さんと可愛い妹。温かい家族に囲まれた彼の家族は私がずっと欲していたものだ。彼は私が欲しいものを全て持っていた。家族も仲間も強さも全て・・・・忘れようと思った。彼のことは全て・・・・でもそれは出来なかった。なぜなら彼は有名人でもあったからだ。雑誌やテレビなどでも特集されていたこともあった。史上最年少の10代最強男子。そんな折に彼はU-23の大会も優勝した。そして今、私の目の前にいる・・・・・

 

「うあああああ!!!!」

 

sideout

 

 

ん?リンネさんの様子が変わった?

 

「っと・・・・」

 

俺何かしたっけ?ていうかマズイな・・・・これスパーじゃなくてもはやガチじゃないか。

 

「ジル!リンネさんの様子がおかしい。悪いが気絶させるぞ!」

 

俺はジルに声をかけた。

 

「・・・・しょうがないわね。怪我はさせないでよ!」

 

「了解!」

 

俺は神速でリンネに近づき首筋に手刀をあてた。

結果、リンネは気絶してスパーが終わった。

 

スパーが終わり俺はリンネを背負ってリングを降りる。

 

「なぁ、ジル。リンネさんの様子が途中で練習じゃなくなったんだけど何かあんの?」

 

「・・・・分からないわ。」

 

「あなたリンネの逆鱗に触れることをしたんじゃないでしょうね?」

 

ヴィクターが俺を疑ってかかる。

 

「まさか。俺がリンネさんと会ったのは2回目だぞ。しかも最後に会ったのは大体3年くらい前だし・・・・今日だって俺がリンネさんにおかしなことした様子はないだろ?」

 

「それは・・・・確かに」

 

日頃の行いのせいか、何かあると俺を疑うのはやめてほしい

 

「とりあえず医務室に運ぶよ。すぐに目を覚ますだろうし異常はないと思うけど念の為に」

 

「お願いするわね」

 

俺はリンネさんを医務室まで運んだ。

医務室にはドクターがいるかと思ったけど・・・・どうやら少し席を外しているらしい。俺はリンネさんをベットに寝かせようとする。

 

「ここは・・・・」

 

どうやら起きたらしい

 

「医務室だよ。途中で練習の雰囲気じゃなくなったから強制的に気絶させた。どこが痛む?気分はどう?」

 

「・・・・いえ、大丈夫です。」

 

「ならよかった・・・・聞きたいんだけどいいかな?」

 

「どうしました?」

 

「俺は・・・・君に何かしたかな?あんな敵意を浴びる理由はないはずだけど・・・」

 

「あれは・・・・・すみません・・・」

 

「リンネさんは・・・・いやリンネと呼ばせてもらうね。戦って思ったけどリンネはどうして強くなりたいんだ?」

 

「・・・・二度と大事なものを失わない為です」

 

ああ、そういうことか。俺がリンネに感じた違和感は・・・・

 

「戦うことが好きじゃないのに?」

 

「!?」

 

「リンネは優しい性格なんだろうね。だから無理して表情を作る。無理して戦う。全ては自分の大切なものを守りたい為に・・・・けど、だからこそ弱い」

 

「私が・・・・弱い・・・?」

 

「大事なものを守る。それは良い事だと思う。けど、自分自身は大切じゃないのか?その大切なものに君の心は含まれていないのか?」

 

「・・・・・・さい」

 

「だから弱い。君は自分というものが無いから」

 

「・・・・るさい」

 

「自分自身を持ってない人間が「うるさい!!!!」」

 

「貴方に何が分かる!私のほしいものを全て持っている貴方に!私は違う・・・ずっと1人で努力してきた。ずっとずっとずっと・・・・・」

 

1人ねえ・・・・

 

「ホントに自分は1人だと思ってる?君のそのデバイスは誰が与えてくれた?君の衣食住を整えてくれる人は誰?君だって家族はいるはずでしょ」

 

「・・・・・」

 

「あの事件が気になってさ・・・・・当時リンネのことを調べたんだよ。そしたらあのニュースの当事者だったとはね」

 

リンネの身体が震えだす・・・・やっぱりトラウマか・・・

 

「当時の生徒にも話を聞いたよ。で、俺はリンネを訪ねようとしたことがあった」

 

 

リンネside

 

 

調べた?訪ねた?私のことを?何で?幸せで満たされてる貴方が・・・・私に会いに?

 

「ただタイミングが合わなくてね・・・・あの後大分ゴタゴタしてたし俺自身忙しくて結局会えなかった。でも今日会えて本当に良かった。」

 

「何で・・・私に会えたのがよかったんですか?」

 

「心配だったから。あれだけ怖い目に合った君がちゃんと生活できているだろうか。本当は話す気なんてなかったんだけどね・・・・・リンネが格闘技をやっていたのは知ってたんだ」

 

え?じゃあなんで・・・・

 

「なんで知らないフリをしてたかって?それはね・・・・気持ち悪がられると思ったから・・・・かな・・・」

 

「どういうことですか?」

 

「だってしょうがないじゃないか。たった1度会っただけで調べるとかキモイでしょ?しかも理由が気になったからとか・・・・・はぁ、言う気なんてなかったのに」

 

どうしよう、私の胸が痛い。

 

 

sideout

 

急に胸を押さえてどうしたんだ?

にしてもかなり気持ち悪いよな・・・・・

 

「まぁ、何が言いたいかというともっと視野を広げろってこと」

 

「視野を・・・?」

 

「お前の事を大事にしてるやつはお前が思ってるよりも多い。大体お前は俺に全部持ってるとか言うけどリンネは俺の何を知ってるんだ?」

 

「・・・・・私も調べたので」

 

え?

 

「貴方のことが気になって・・・・一度お礼をしたくて・・・それで調べて会いに行ったこともありました。家族や仲間に囲まれて幸せそうな貴方を・・・・」

 

そうだったのか・・・

 

「全て持ってる貴方に嫉妬して・・・結局会わずじまいでしたけど」

 

「お互い似たようなところがあったのかなー・・・・中身はともかく強くなろうとする理由も同じだし・・・・・なぁリンネ」

 

「なんです?」

 

「俺はお前が1人だなんてとても思えないよ。予定変更、俺について来てくれ」

 

俺はベットで横になってるリンネを起こして手を引いた。

 

「どこに行くんですか?」

 

「お前の不安を取り除く。お前を大事にしてそうな人たちに今から会いにいくんだよ」

 

そういって手を引いたまま俺達は医務室を出た。

コイツをこのままにはしておけない。ちょっと強引かもしれないけど、俺は俺なりにコイツを救いたいと思った。




次回に続く!
短いけど許してくださいな

よく首筋に手刀あてて気絶させるシーンありますよね?
あれって実際気絶はしないけど人体に危険って聞いたんですけど本当なんですかね


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第24話

上手く書けない・・・・・助けてクレメンス


俺はリンネの手を引っ張ってまずはジルとヴィクターのところに向かう。

 

「あの・・・・」

 

「ちょっとここで待ってて」

 

俺は2人のほうに近づいて声をかける

 

「あら?リンネのほうは大丈夫なの?」

 

「ああ、それより2人に聞きたいことがあるんだ」

 

「聞きたいこと?」

 

「ああ、とても大事な事だ・・・・真面目に答えてほしい」

 

俺の雰囲気にあてられたのか2人は真面目な顔つきになる、

 

「格闘家としてのリンネではなく、1個人のリンネのことをお前らはどう思ってる?」

 

「どうって・・・・・大事な後輩よ。色々気が難しいところはあるけど、それでも私にとって大事な後輩。」

 

「そうね・・・妹みたいなものかしら?色々あったし長い付き合いだし・・・って言っても3年くらいだけどね。」

 

なるほど。

 

「じゃあありがとう。今日リンネ早退させるからーおつかれー」

 

返事を待たずに俺はリンネの元に戻る。

 

「どうだった?」

 

「どうだったって・・・・大事にはされてるんでしょうね。私が有力な選手だから・・・」

 

わーやっぱりこの程度じゃ無理かー・・・・

 

「なら、次はお前の家に行くか」

 

俺は再びリンネの手をひっぱって走り出す

 

「ちょ・・・・」

 

 

俺達はベルリネッタ邸に来ていた

 

「初めまして~リンネさんの友人の高町紫苑と申します!」

 

「あらあら、まさかリンネにお友達が出来るなんて・・・」

 

「ああ、しかも家に招くほどの仲だとは・・・」

 

俺は今ベルリネッタ夫妻とリンネで夕食を食べていた。

 

「すみません急にお邪魔しちゃって・・・」

 

「いいのよ。いつでも来てね。リンネのお友達ならいつでも歓迎だから。ヴィクターさんやジルコーチもたまに来て下さるけど異性のお友達なんて初めてじゃないかしら」

 

「そうだな。紫苑君、これからもリンネと仲良く頼むよ。」

 

「はい!」

 

ふむ・・・予想以上に良い両親じゃないか。

 

「(・・・・どういう事ですか)」

 

リンネが念話で話してくる。

 

「(どういうって?)

 

「(何故うちに来たんです?しかも友人だなんて・・・・)」

 

「(迷惑?俺はリンネとは友人のつもりなんだけどなー)」

 

「(別に迷惑というほどでは・・・・)」

 

「(今はご飯食べようか。話は後で)」

 

念話を無理やり切って俺は微笑みながら夫妻に向き合う

 

「そうだわ。紫苑君、今日泊まっていったらどうかしら?」

 

ローリーさんがそう提案してきた。

 

「いいんですか?」

 

「ええ!別に構わないわよね?あなた」

 

「え?しかし友人とはいえ男女一緒じゃ・・・・」

 

「リンネの為よ。いいでしょ?」

 

「・・・・ああ」

 

一瞬ローリーさんの顔が般若に見えた気がするけど・・・・気のせいか

 

「リンネもいいわよね?」

 

「はい、問題ありません」

 

「じゃあリンネの部屋で寝てちょうだい。今生憎他の部屋が使用中なの・・・」

 

「母さん!?部屋ならいっぱい空いてるハズじゃ・・・」

 

「いいからいいから、お友達なんでしょ?なら問題ないわ」

 

お、おう・・・・お淑やかに見えるけど結構強引な所もあるのか

 

 

夕食を食べ終わり俺はリンネの部屋に移動する。

リンネの部屋はあまり物もなく、最低限の家具を置いているだけだ。

俺はベッドに腰を落とす。

 

「良い両親じゃん。愛されてるのが分かる」

 

「はい・・・・私には勿体ないくらいです」

 

「なのに自分は1人とか思ってるんだ・・・・」

 

「・・・・・」

 

「俺がここでお前は1人じゃないって言っても信用しないだろうけど、お前の両親は信用していいんじゃねーか?血が繋がってなくてもお前らは確かに家族だよ」

 

「正直・・・・貴方に言われても皮肉としか捉えられません。幸せ家族に何が分かるんですか?両親から愛情を貰う度、私は2人に申し訳ないという感情を感じます」

 

「お前さ、孤児院に居たときもそう思ってたの?孤児院でも愛情は貰ったんだよな?」

 

「それは・・・・・」

 

「お前が申し訳ないと思ってるのは両親じゃなくて・・・・孤児院の連中じゃないのかな?」

 

リンネが驚いてる様子がうかがえる。俺は言葉を続けた

 

「自分だけ金持ちの家に引き取られて、申し訳ない。だから両親から愛情を貰う度にそれを実感してしまう・・・・・なるほどね、お前は孤児院に居たときのほうが今より幸せだったわけだ」

 

「そんなこと・・・」

 

「そりゃ今は幸せではないよな。好きでもない格闘技をやって養父母に心配かけないように無難に接して自分の感情を押し殺してる。そんな生活幸せなわけないよな」

 

「・・・・」

 

「お前はもっと素直になったほうがいい・・・・・家族なんだから迷惑かけていいんだよ。子供は親に甘えるもんさ。きっと2人だってそう思ってんじゃね?」

 

「でも・・・・私は強くならないと御爺ちゃんに顔向け出来ない」

 

そこら辺も調べたから知ってる。ロイ・ベルリネッタ。リンネを引き取った張本人だっけ。

 

「爺ちゃんってさ・・・お前にそんなこと望んでいたの?強くなれって・・・・そう言ったのか?」

 

「いえ・・・・・でも私が弱かったから、おじいちゃんの死に目にも会えませんでした」

 

「言ってはないのね・・・・爺ちゃんは何をお前に望んでいたんだ?」

 

「御爺ちゃんは・・・・私に笑顔で幸せになれるようにって・・・」

 

「なってないじゃん!爺ちゃん亡くなってから笑った?幸せ?お前のするべきことって強くなることじゃなくて幸せになることじゃん!」

 

「だって!弱かったら幸せだって来ない!!」

 

「強さとか弱さとか関係ないっつーの!弱くても幸せなヤツなんてゴマンといるわ!」

 

「さっきから説教ばっかり・・・・結局貴方は何がしたいの?関係ないじゃない!」

 

あ?俺が何をしたいって・・・・

 

「お前の笑顔が見たい。お前が幸せなところが見たい。友達の幸せを願うのがおかしいことか?」

 

「友達って・・・・・まともに会話したのだって・・・・今日が初めてなのに」

 

「時間は関係ない。俺はお前の笑顔を見たいから、お前の心を土足で踏み荒らすよ」

 

「最低・・・・・自己中。自分勝手」

 

「俺が最低なのは知ってるし自覚もある。」

 

だって複数人と付き合ってる時点で男としてもクズだし性格も悪いし。

 

「自覚してこれなんだ・・・・救いようがないね」

 

「俺に目を付けられたのが不運だったな。それより敬語抜けてるぞ」

 

「もういいよ。貴方に敬語なんか使わない・・・・・友達だし」

 

「やっと友達認定したか。じゃあ夜もまだまだこれから。いっぱい語り合おうぞ。明日も休みだしな」

 

「嫌。私明日練習だもん」

 

「あ、それならジルに連絡して休みにしたから」

 

「何勝手なことしてるの!?」

 

「それと次から名前で呼びなさい。友だち同士は名前で呼び合うもんだ」

 

「そこはどうでもいいよ!1日練習休んだら3日遅れが出るんだよ!」

 

「実際そんなことないよ。休みも立派な練習さ。無駄に詰め込んでも効率よくないしねー」

 

「・・・最初はこんな人だなんて思わなかった」

 

「最初はどう思ってたの?」

 

「・・・・優しくて強くて全てを持ってる人」

 

「実際そうでしょ」

 

「優しくない!イジわるじゃん!」

 

失礼な子だなー

 

「それも優しさの裏返しだよ。下手に気を遣わなくていい相手って貴重だよね」

 

「そうかもしれないけど・・・・自分で言う?」

 

「問題ないさ。じゃあ話の続きをしようか・・・・・」

 

「続きなんて・・・どうでも」

 

「じゃあ新しいお話をしよう。お前よりも生まれは不幸なのに幸せになった女の子の話だ」

 

「え?」

 

興味示したな。

 

「本物の強さをはき違えて不幸ぶってるお前には刺激が強いかもな」

 

「・・・・聞かせてもらう」

 

ムッとしたリンネの顔も可愛いね

 

そして俺は話始めた。ヴィヴィオの生まれについて色々バレないようにところどころ濁しながら。

 

「・・・・そんな子が存在するわけ・・」

 

「事実だ。そして彼女は過去を乗り切って今は幸せに新しい家族と暮らしている。なぁ、この話を聞いてお前はどう思う?話に出てきた女の子は当時6歳そこそこだったが弱いと思ったか?」

 

「・・・・・」

 

「お前に今必要なのは肉体的強さじゃなく心の強さだ。どんだけ肉体的に強くても心が伴ってないと意味がない。というわけで・・・・明日出かけるぞ」

 

「え?何で急に・・・・それにどこいくの?」

 

「・・・お前のもといた孤児院」

 

 

 

そして朝になり俺達はリンネが居た孤児院に向かった。

リンネが難色を示したので強制的に手を繋ぎながら

 

「なんでそんな顔してんの?お前にとって孤児院って嫌な場所だったわけ?」

 

「違う!・・・・でも私が・・・・・院長先生やあの子達に会う資格なんて・・・」

 

少し話題変えるか・・・

 

「そういえば部屋にあった写真って孤児院のときの?お前と2人で写ってた」

 

「あ、フーちゃんのこと?一番の友達だったんだ・・・・今も孤児院にいるかは分からないけど・・・」

 

「仲良かったんだな」

 

「うん。それにフーちゃんは強かったんだよ。私が近所の子にイジめられた時によく助けにきてくれたんだ」

 

「会えるといいな」

 

「・・・・・」

 

「お前を送り出したときの皆の顔は・・・・誰か嫉妬でもしてたのか?」

 

「ううん、皆笑顔で送り出してくれたよ」

 

なら問題なさそうだな。少なくても敵対みたいなことにはならないだろう。

 

 

そして孤児院の前についた。

 

「へー中々いいとこじゃないか!」

 

「・・・・・」

 

やはりリンネの顔は優れない

すると、扉が開いて誰かが外に出る。

 

「ふー・・・・最近腰が・・・・あれって・・・・リンネちゃん?貴方リンネちゃんよね!?」

 

「!?」

 

「あれが院長先生かな?リンネ・・・・逃がさないぞ。覚悟を決めろ」

 

俺はリンネの手をがっちり掴んで離さない。

 

「だって・・・だって・・・・」

 

俺達は院長先生の前に立つ。

 

「リンネちゃん元気だった?背も大きくなって・・・・」

 

「お、お久しぶりです・・・・院長先生」

 

緊張した様子のリンネが院長先生に挨拶をする。

 

「ふふ、それにしても本当に久しぶりねー。それで・・・貴方は?」

 

「ああ、申し遅れました。リンネの友人の高町紫苑です」

 

「あららーリンネちゃんも隅に置けないわねー。こんなカッコイイ人と良い仲なの?」

 

「はい、良い仲です」

 

「何を言って・・・・!」

 

リンネが顔を赤くしてこちらを見る。

 

「ふふ、ああ外は寒いから2人とも中に」

 

そういって案内された。

今は子供たちは遊び部屋というところで遊んでるらしい。俺とリンネは院長にコーヒーを貰い話をした。

 

「それで・・・今日はどんな用なのかしら?」

 

「ああ、リンネが育った場所に興味が湧きまして・・・・ここで幼少期は過ごしていたんですねー」

 

「そうね。当時はフーカちゃんと一緒にいることが多かったかしら?引っ込み思案な子だけど優しい子で、小さい子たちからも好かれていたのよ」

 

「へーそうだったんだー」

 

「み、見ないで・・・・」

 

ここ来てから真っ赤だなー

 

「でも意外だったわ、リンネちゃんが格闘技をやるなんて・・・」

 

「え?」

 

リンネが反応する。

 

「ふふ、たまに試合がテレビに映るでしょう?その時にねみんなで応援してるのよ。頑張れ―って」

 

「知っていたんですか・・・・?」

 

「もちろん!・・・・でもね、私は心配だったのよ。だって貴女・・・勝っても笑わないじゃない?もしかして強制してやらされてるんじゃないかって・・・でもベルリネッタさんがそんな事するなんて思わないし、ずっと気になっていたの」

 

「・・・・それは・・・」

 

「貴女はここを卒業したけど、それでも私にとっても娘同然なのよ。もちろん今まで居た子たちも全員ね」

 

「私は・・・・」

 

そしてリンネは今まであったことを話した。何一つ隠すことなく、まるで懺悔のようにずっと語った。

 

「そっか・・・・私の知らないとこでそんなことがあったのね」

 

「私は・・・強くならなきゃ・・・・フーちゃんのように私も・・・」

 

院長先生はリンネを抱きしめて言った。

 

「貴女は充分強いわ・・・・・でもね、人は1人じゃ何も出来ないのよ。だから人は群れて生活するの。だから孤独になる必要なんてない。貴女は1人じゃない・・・・」

 

「院長先生・・・・」

 

「それにね・・・・・この子も貴女を本気で心配してる1人なのよ」

 

「院長先生ストップ。それは言わなくていいです」

 

初対面のフリしてって言ったじゃないですかー!

 

「うふふ、実は今日貴方たちが来るのは知っていたの。昨日の晩彼から連絡を受けてね・・・あまりにも必死に懇願してきたわぁ」

 

「え?・・・・それって」

 

「リンネを助けてください。今の彼女を放っておけません。俺にとって大事な友達なんです。あの子に声をかけてやってください。ってね」

 

俺の顔が赤く染まる。

 

「それ言わない約束だったのに・・・・」

 

「うふふ、ごめんなさい。でも私嬉しくって・・・リンネちゃんはこんなに愛されてるんだなーって思うとつい口が滑っちゃったわ」

 

ドタドタ音がする。俺が少し警戒するとドアが思いっきり開いた。

 

「あー!やっぱりリンネお姉ちゃんだー!」

「ホントだ!リンネおねーちゃん!」

「だから言ったんだよー!あの姿はリンネねーちゃんだって!」

 

そこにいたのはここにいる孤児院で預かっている子供たちだった。

 

「あらあら、みんなお客様の前ですよ」

 

院長先生が嗜めるが・・・

 

「だってリンネおねーちゃんだよ!何で言ってくれなかったのさ!」

 

「うふふ、それはごめんなさい。話が一段落したら呼ぶつもりだったのよ」

 

そして子供たちがリンネに群がる。

 

「おねーちゃんおかえりー!テレビで試合みたけどかっこよかったよー!」

「おねーちゃんひさしぶりー!すっごいつよかったねー!」

「むかしはなきむしだったのにー」

「ぼくもね!りんねおねーちゃんのようにつよくなるんだ!そしてわるいやつからみんなをまもるの!」

 

「みんな久しぶりだね・・・私が強い?」

 

「うん!だっておねーちゃんつよいもん!」

「こいつおねーちゃんのまねばっかしてんの!まだまだよわいのに」

「いまはよわくてもすぐつよくなるもん!」

 

「そっか・・・・そうだね。すぐに私のように強くなれるよ」

 

リンネが子供たちに微笑む

 

「ほんと!?いつかぜったいおねーちゃんにもかつからね!」

「むりだよーおねーちゃんさいきょーだもん」

「ぜったいかつもん!ぜったいのぜったい!」

 

「こら、喧嘩はダメだよ。昔フーちゃんにも言われたでしょ?」

 

「「はーい」」

 

「よろしい」

 

一瞬で姉の顔になったな・・・・そして

 

「今、笑った・・・・よな?」

 

俺が驚いてると後ろから院長先生が近づく

 

「ええ、そうね」

 

「・・・・ここに連れてきてよかったです。院長先生と子供たちのおかげですね」

 

「でも、切っ掛けを与えたのは貴方よ。だから悔しそうな顔はしない。ほらスマイルスマイル!」

 

俺の頬をムニュムニュする院長先生

 

「別に悔しがってませんー」

 

「嘘おっしゃい。私はね長い間子供たちを見てきたおかげで子供の嘘が分かるのよ。ほら、本音を私に言ってみなさい」

 

亀の甲より年の功か・・・

 

「・・・笑顔になってくれたのはよかったけど、出来れば一番最初に見たかっただけですよ」

 

「女々しいわねー。一番最初じゃなくていいじゃない男ならシャキっとしなさい!」

 

女々しいか・・・・確かにそうだな。リンネが笑ったならそれでいいか

 

「それもそうっすね。じゃあ俺も子供たちに混ざってきますわ」

 

俺はリンネと子供たちに近づいて

 

「こんにちは、みんな!」

 

「だれー?このにーちゃん」

「ねーちゃんといっしょにきたよね?」

「りんねおねーちゃんのともだち?」

「きっとかれしだよー」

 

「か、彼氏じゃないからね!・・・・この人はね、高町紫苑っていうの・・・私の大切なお友達」

 

うん、リンネから言ってもらえると嬉しいな

 

「ねーちゃんのともだちならおれらもともだちだなー」

「じゃあいっしょにあそんでー」

「にーちゃんもつよい!?」

「きっとねーちゃんよりはよわいよ」

 

「俺はリンネよりも強いぞーじゃあまずはお前らと遊んで証明してやる!」

 

俺は子供たちを抱きかかえて一緒に遊ぶ

 

 

リンネside

 

 

「あははーにーちゃんたけー!」

「つぎおれもー!」

「わたしわたしもー!」

 

「おう順番だ順番!」

 

すっかり打ち解けたみたい。精神年齢が近いからかな?

 

「すっかり彼も人気者ね」

 

コーヒーカップを持ってきた院長先生がこちらに来て渡す。

 

「ありがとうございます。精神年齢が近いからですよ」

 

「うふふ、リンネちゃんも言うようになったわね。」

 

「当然です。紫苑には遠慮しませんから。」

 

こちらを見て笑ってる院長先生は・・・・

 

「リンネちゃん・・・ああいう子は大事にしなさい。あのタイプは全てを投げ出しても家族や友人を大切にしてくれるから」

 

それは・・・分かる。きっと昨日の話は彼と仲間の話・・・・そして主役の彼女は彼の・・・・妹のことだろう。深い事情がありそうだから私からは聞かない。いつか話してくれるまでは・・・・

 

「はい、だって私にとっても大事な人なので・・・・」

 

院長先生がこっちをみて普段よりもにっこり笑ってる。どうしたんだろう・・・

 

「大事な人かー。2人の結婚式は呼んでね!私はその時までは生きるからさ」

 

結婚・・・・結婚式!?なんでそんな話になるの!?

 

「院長先生・・・・別に私たちは付き合ってるわけじゃ・・・」

 

「でもお似合いだと「それより!!」」

 

これ以上はダメだ。それよりも・・・・

 

「今日フーちゃんはいないんですか?」

 

「フーカちゃんなら去年ここを出ていったよ・・・・」

 

え?

 

「もういい歳だからって言ってね・・・・私たちは止めたんだけどね。でもあの子は優しいから、働ける年になってまで世話にはなりたくないと思ったんだろうね」

 

フーちゃんが・・・・

 

「そうですか・・・・でもきっといつかどこかで会えると思うんです。」

 

「そうだね・・・もし会ったら言っといてね、いつでも帰ってきなさいって」

 

「はい、必ず。」

 

「もちろんリンネちゃんもまた来なさい・・・・みんな歓迎だからね」

 

ああ、本当に今日は来てよかった・・・・私は、1人じゃなかったんだ。

 

「リンネー!お前もそろそろこっちこい!・・・・こいつら体力無尽蔵すぎて1人じゃ捌ききれない!」

 

紫苑が子供たちに揉みくちゃになってるなぁ・・・

 

「行っておいで。」

 

「はい!」

 

私は紫苑のもとに向かう。

 

 

リンネsideout

 

 

子供たち舐めてたわー超強いわー疲れるわー

 

「だらしないね、紫苑は」

 

「こいつら容赦ねーの。いいから手伝ってくれ」

 

「はいはい・・・・みんなーこっちにいらっしゃい」

 

『はーい!!』

 

おおう、すげぇ・・・・というか変わりようが凄い。いや、こっちが本来のリンネなんだろうな。

 

 

「じゃあねーねーちゃんとにーちゃんまたきてねー!」

 

夕方になり俺達は孤児院を出る。あの後ひたすら遊びまくったから疲労が・・・

 

「で、リンネさん今日来た感想は?」

 

俺は一緒に歩いてるリンネに今日の感想を聞いた。

 

「そうだね・・・来てよかったって心から思うよ。だから・・・ありがと・・・しー君」

 

ん?今なんて呼ばれた・・・?

 

「なぁ、リンネ、今なんて呼んだ?俺の聞き間違いじゃなかったらしー君って聞こえたんだけど・・・」

 

「そう言ったつもりだよ?大事なお友達だもん。渾名で呼びたいなーって」

 

そういえば幼馴染のことも渾名で呼んでたな。小さいころからの習慣なのだろうか

 

「そうか・・・・・色々思うことはあったみたいだな。なんにせよリンネが笑顔になってくれてよかったよ」

 

「うん・・・・院長先生や子供たちのおかげでね。しー君もありがとう。しー君に連れてこられなかったら、私はずっとそのままだったかもしれない」

 

「どうだろうな?そのまんまならお前の誰かがお前の前に立ちふさがって今回のようにお前を変えたかもしれない」

 

「仮定の話はどうでもいいよ。私はしー君に感謝してるんだから。」

 

「そうか・・・・じゃあ有難く受け取ろうかな」

 

 

 

そして俺達はそのままベルリネッタ邸に向かった。

 

「お父さん、お母さんただいま!」

 

リンネの顔を見た2人が驚愕する。

 

「あれ以来笑顔を見せなかったリンネが笑った・・・?」

 

「リンネ・・・・何があったの?」

 

まぁ、気になって当然だな。

 

「色々あったんだ・・・・・今まで心配かけてごめんなさい。」

 

「いいのよ!リンネが笑って過ごしてくれるだけで私達も幸せなんだから!」

 

「そうだぞ!ああ、本当によかった!いつかこの日を夢見てたんだ・・・・やっと娘の笑顔が見れた!」

 

3人が抱き合う。俺の場違い感がハンパないな。

俺はコッソリ家を出ようとするが・・・

 

「待ってしー君!」

 

「「しー君?」」

 

昨日までと呼び名が違うので疑問に思いますよねー

 

「うん・・・・大事な・・・大切な友達なんだ・・・だからあだ名で呼ぶことにしたの」

 

色々察してしまった両親は・・・・

 

「(リンネに笑顔を取り戻してくれたのは)そっか・・・・じゃあ今日も夕食食べて行って!しー君!」

 

「(君だったか!)そうだぞ!大丈夫だ。今日はお祝いだからシェフが腕によりをかけて作ってくれるさ!」

 

そして急なメニュー変更にも関わらず、事情を聞いたシェフは今まで以上に頑張って料理を作った。それを聞いたメイドも今まで以上に給仕に徹した。

 

「そうなの、孤児院に・・・・」

 

「うん・・・・私はずっと1人だと思っていたし幸せになるべきじゃないと思っていたけど・・・・そんな事なかったんだよね」

 

「当たり前だ!お前は俺達の娘だ!血が繋がってなかろうと・・・・俺達の大事な1人娘なんだよ・・・・」

 

酒の入ったダンさんは泣き崩れてる。

 

「あらあら、あなたったら・・・」

 

そのまま寝入ってしまったダンさんを使用人は寝室に運ぶ

 

「大丈夫なんですか?」

 

「嬉しいことがあると毎回こうなの。前は・・・リンネがうちに来た初日だったかしら」

 

「そうですか・・・・」

 

「だからしー君には感謝してるわ」

 

「あの、しー君は止めてください・・・・」

 

「あら?それはリンネ専用だから止めてって?それならしょうがないわね」

 

そんなこと言ってないんですが・・・

 

「お母さん!別に私専用じゃ・・・・」

 

「うふふごめんなさい。とにかく紫苑君には感謝してるの。リンネを救ってくれてありがとう。」

 

そう言って頭を下げるローリーさん。

 

「頭上げてください。今回俺は切っ掛けを与えただけなので・・・・院長先生や孤児院のみなさんのおかげです。」

 

「それでも・・・・・ありがとう。これからもリンネをよろしくね・・・・・彼女として」

 

ん?

 

「いえ、彼女じゃないです・・・・友達としてならOKです」

 

「あら?うちのリンネに不満があるの?うちのリンネはどこへ出しても恥ずかしくない娘よ。見た目も中身も美人よ。今は胸が若干足りないけどそれも将来的にきっと大きくなるわよ。変身魔法を見れば分かるけど・・・・」

 

「お母さんもう止めて・・・・」

 

顔を真っ赤に染めるリンネに静止させられる

 

「あら?リンネ、チャンスを逃がしちゃダメでしょう。昨日も何もなかったみたいだし今日こそちゃんと既成事実を・・・・そういえば紫苑君って彼女とかいるの?」

 

あ、この質問出ちゃったか・・・・リンネもこっちをチラチラ見てくるし・・・

 

「そうですね・・・・今は3人ほどいます」

 

「「え?」」

 

2人がハモって聞き返す

 

「3人います。同級生2人と下級生1人・・・・一応みんな了承して付き合ってます。」

 

「あらそうなの。じゃあリンネも入っても問題ないわよね?3人も4人も変わらないでしょ?」

 

「ちょ、お母さん!?」

 

引くどころかグイグイきてるー・・・・

 

「そうですね・・・・でも今はリンネとは友達でいたいので・・・・」

 

「そうだよ!もう、しー君私の部屋行くよ!お母さんのテンションおかしいよ・・・」

 

そして俺達を背にローリーさんは言い放つ

 

「ちゃんと避妊はしなさい。子供のうちから作ったら絶対後・・・」

 

 

俺達はリンネの部屋に着いた。

 

「ごめんなさい。しー君・・・私のお母さんが・・・・」

 

「ああ、気にしなくていい」

 

空気が重い。さっきはサラっと流せたと思ったけど・・・・

 

「・・・・3人と付き合ってるのってホント?」

 

「そうだな・・・・」

 

「その子たちってちゃんと・・・」

 

「知ってるよ。それでも俺と一緒に居たいって言ってくれた・・・・俺も彼女達が好きだから付き合っている。倫理的には許されないことかもだけど、それでも一緒にいたい」

 

「そうなんだ・・・・私は軽蔑しないよ。」

 

「え?」

 

「ちゃんと平等に愛してるならいいんじゃないかな?それで私の態度は変わらないよ。それにしー君が最低なのは知ってるもんね。」

 

リンネ・・・・

 

「・・・・ありがとう。」

 

「最低って言ってありがとうって言われるのは変な気はするね」

 

「まぁ、この話はこの辺にして・・・・・リンネは格闘技続けるのか?」

 

「・・・・続けるよ。確かに私は格闘技はあまり好きじゃない。痛いのは嫌だし殴るのも辛い・・・・けど、子供たちが私の姿を見ていてくれてる。子供たちに私が頑張ってる姿を見せれるなら・・・・それだけで続ける価値はあるんだ」

 

「そうか・・・・お前自身の意志で決めたんなら俺から言うことはないよ。」

 

 

夜も深まりベッドに入る。俺達は一緒に寝た。単純にリンネの部屋には1組しか布団がなく残りはどこにあるかはローリーさんが使用人たちに口止めしてるせいで場所が分からないのである。

 

「少し恥ずかしいね・・・・」

 

「え?普通かな・・・・昨日も一緒に寝たじゃないか」

 

「昨日とは違うもん・・・・」

 

なにやら不満そうなリンネ。

 

「まぁ、昨日は線引きしたからなー今日はしなくていいのか?」

 

昨日は魔力で結界を作りお互い侵入しないようにした

 

「信用してるもん。それに襲わないでしょ?」

 

「襲うかもよーリンネは可愛いからね」

 

俺が手をワキワキさせてリンネに近づく

 

「きゃー襲われるー・・・なんてね。しー君はそんな酷いことしないもん」

 

「昨日と今日では大分違うな。正直若干戸惑っている」

 

「昨日とは違うもーん」

 

リンネが抱きついてくる

 

「コラ、俺は彼女持ちだぞ」

 

「友達同士のスキンシップだから平気。それにこれ以上はしないよ。友達と一緒に寝るの久しぶりだからかな?少し落ち着かないかも」

 

「まぁ、いいや。俺からは何もしないよ」

 

「えー抱きしめ返して撫でていいよ?」

 

「いいから寝ろ。明日は今日の分練習しなきゃなんだろ?」

 

「しー君が無理矢理休みにしたのに・・・」

 

今ここで手は絶対に出せない。一緒に寝るのはギリギリいいけどこっちから手を出したら理性が崩壊しそうだから・・・そうしたらアイン達に殺される・・・・

 

「(生殺しかー・・・・抱きつきながら寝てるし・・・昨日とは違って本当に対応が雲泥の差だな・・・・それにしても安心しきった顔して寝てるなー)」

 

無理にでもリンネを連れてって本当に良かった・・・・

 

 

朝になり俺は時計を見た。

 

「(8時かー・・・・遅刻確定だなー。だーれも起こしに来なかったのか?それともこの状態をみて起こすのは悪かったのか・・・)」

 

俺はデバイスを確認するとアインやユミナやコロナからの履歴があった。

 

「あー・・・・なのは姉さんには昨日のうちに言ってるけど、アインやユミナやコロナには土日相手出来ないとしか言ってなかったからなー・・・・」

 

俺はベッドから降りようとするがリンネががっちり掴んでるせいで起き上がれない

 

「リンネー朝だから起きろー」

 

「むにゃむにゃ・・・・」

 

起きねーな。しょうがない、俺の顔だけ見えるようにセットして通話するか

俺はアインに通信をかける。

映し出されるモニターにはアインの顔。

 

「おはよう、今いいか?」

 

『どうしたんですか?彼女達を放って知らない女と逃避行した紫苑さん』

 

あれ?バレてる?どっから・・・・あ

 

「・・・・ヴィクター?」

 

『正解です。正直怒っています。ユミナさんやコロナさんもマジギレです』

 

うーわー・・・・・

 

「もしかしてそこに2人もいるの?」

 

『いえ、ただ昨日の晩家に泊まったので・・・・紫苑さんに対する不満の暴露大会をしました』

 

「そっか・・・・うん言い訳しようもない。ごめんな・・・」

 

『後で返してくれればいいですよ。それより「しー君誰かと通信してるの・・・?」・・・・・しー君?」

 

リンネ!?このタイミングで起きるなよ!

 

「あ、ごめんなさい。今通信中だもんね・・・・彼女さんから?」

 

「そう、だから「あ、じゃあ昨日の事で誤解しないように言っておくから」え?」

 

「あの、彼女さんたちの1人なんですよね?大丈夫です、昨日一緒に寝ただけなのでしー君は別に取っていません。安心して大丈夫ですよ。」

 

安心出来ねーよ!言わなくていいじゃん!というか抱きつかれてんのあっちから見えてる?え?態と?天然?どっちなの?

 

『・・・・・教えて下さってありがとうございます。確かリンネ・ベルリネッタさんですよね?ヴィクターさんの後輩の」

 

「はい、ヴィクターさんとは同門で・・・・」

 

『そうですか・・・・ところでしー君とは?』

 

「あ、渾名です。大切な・・・・お友達なので」

 

顔を赤らめながら言わないで!

 

「アイン?確かに昨日一緒に寝たけど何もなかったから!健全だから!」

 

俺は必死に言い訳してる横でリンネは・・・・

 

「しー君は私の笑顔が見たくて頑張ってくれたんです。だから怒らないでくださいね?私の為だけにやってくれたことなので」

 

言ったけど!笑顔が見たいって言ったけどさぁ!

 

『・・・・・そうですか。ところで今日の放課後はちゃんと家に来てくださいね。ユミナさんもコロナさんも待っているので・・・・絶対に来てくださいね。し・い・く・ん!』

 

「・・・はい」

 

そうして通信を切った俺はベッドに戻った。

 

「これで彼女さんも怒らないよね?」

 

「・・・・学校サボろうか・・・・」

 

せめて放課後になるまでアイン達には会いたくないと思う俺だった。




リンネとは付き合ってませんよ




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第25話

たださえ駄文なのに久しぶりだからさらに・・・・色々忘れた
そして最初に謝っておく。不快だったらゴメンなさい。


「以上です。申し訳ありません」

 

俺は今アインハルト宅で土日について説明をした後土下座をする。

 

「あの・・・そういう事情ならしょうがないんじゃないでしょうか?」

 

おお、さすがコロナ。許してくれるんだろうか?

 

「でも一緒に寝たのはなぁ・・・・」

 

ユミナが難色を示す。

 

「そうですね。リンネさんを救ったのはいいですけど・・・・・問題なのはソコじゃありません」

 

「そうだね。土日という貴重な休日に私たちを放っておいたのが問題なの。ねぇ、私たちを全力で愛してくれるんじゃなかったの?」

 

何も言い返せない・・・・

 

「でも人助けは良い事ですよ?」

 

ユミナがコロナの肩に両手を置く。

 

「コロナちゃん。今回の件をなあなあで許すと、この男は性懲りもなく同じことをするよ?また知らない女の子たちを毒牙にかけちゃうよ?」

 

「それは・・・・否定できません」

 

「でしょ?だからこれを機に罰を与えたいと思うんだけど・・・・」

 

「紫苑さんの場合どれだけ肉体的にハードな罰を与えてもケロっとしちゃいそうで・・・じゃあ精神的に追い詰めようと思ってたんですが・・・・」

 

可愛い顔で何エグイことを・・・・

 

「下手に追いつめて弱ったところを突かれて知らない女の子と関係を持つ可能性があるし・・・・」

 

いくらなんでもそれはないと思ったがさすがに罰に対する口答えは出来そうにない。

 

「どうすればいいんでしょう・・・あ!ヴィヴィオにちょっと聞いてみますね!」

 

「ヴィヴィオさんに?」

 

「はい!ヴィヴィオならきっと良い案を出してくれるんじゃないでしょうか?」

 

そう言うと早速ヴィヴィオに通信するコロナ。

 

『はい?コロナどうしたの?』

 

「あ、ヴィヴィオ!実は・・・・」

 

ヴィヴィオに事情を説明するコロナとそれを見守る俺達。

 

『なるほどーそんなことがあったんだね。外泊っていうからてっきりアインハルトさんのところだと思ってたんだけど・・・・』

 

「で、ヴィヴィオさんはどう思いますか?」

 

アインがヴィヴィオに聞く。

 

『難しいですねー。お兄ちゃんは無駄にハイスペックなので肉体的な罰はほぼ意味がありませんし、精神的な罰なら・・・・あ、浮気してみたらどうです?同じ痛みを味わわせてみればいいんですよ』

 

え?ヴィヴィオさん?俺浮気してないんだけど・・・・

 

「それは無理です。紫苑さん以外の男性は不要です」

 

「んー・・・・私も無理かな」

 

「ごめんね。さすがにそれはちょっと・・・」

 

あ、よかった。了承されたら精神的に死ぬとこだった。

 

『愛されてるなー。じゃあそれぞれ何でも望みを叶える・・・・なんてどうです?お兄ちゃんなら多少の無茶もききますよ』

 

「まぁ・・・・その辺が妥当ですね」

 

そして通信が終わり俺はそれぞれの望みを聞くことになった。

願いについては別室でそれぞれ聞くことになった。

 

アインハルトの望み

 

「私は本気の貴方と戦ってみたいです」

 

「本気の俺?」

 

「はい。一度だけで構いません・・・・貴方の全てと私は戦いたい」

 

俺の全て・・・・・か。

 

「分かった。でもお前も俺も試合を控えてるだろ。すぐには無理だが必ず実現させる」

 

「構いません。絶対全力で本気と誓ってくれるなら・・・・」

 

アインは全力の勝負か・・・

 

ユミナの望み

 

「私の望みかー・・・・・じゃあ家を買ってほしいな」

 

いきなりデカイのきたなー・・・・

 

「あー・・・・・何で?」

 

「この先も増えるならこのアパートじゃ狭いでしょ?将来を見越して大きい家を買ったほうがいいよね。・・・・みんなで住めるような大きい家が欲しい」

 

ここアインの家だけどいつの間にか皆ここに集まるようになったからなー。

 

「それなら・・・言ってはなかったけど一応考えてはいる。正直ドン引きされそうだから言えなかったけどな」

 

前になのは姉さんと話していた。いつか家を増築して一緒にみんなと住めればなって・・・

 

「考えてたんだ?それなら大丈夫だねー。期待してるよ!」

 

「ああ。期待してていい。悪いようにはならない。」

 

ユミナは将来の家か・・・・

 

コロナの望み

 

「私は・・・・・もう少し触れ合いの時間が欲しいです」

 

切実な願いが来てしまった・・・

 

「ああ・・・・コロナとは付き合いたてだもんな。そういえばあんまりそういう時間作ってやれなかったな」

 

本気で反省だな。

 

「責めてるわけじゃないんですよ!ただ・・・・少し寂しいなって・・・でも紫苑さんは試合控えてるし忙しいのは分かってるので無理にとは・・・」

 

寂しいと思わせた時点でアウトだな・・・・

俺はコロナを抱きしめて持ち上げる。

 

「ゴメン。練習以外ではなるべく時間を作る・・・・もう少し寂しい思いをさせてしまうかもしれないけど・・・・許してくれるか?」

 

「大丈夫ですよ・・・・・紫苑さんのこと信じてますから」

 

コロナは触れ合いの時間か・・・・

 

 

願いを聞いた俺は3人に向き合った。

 

「とりあえず3人の願いは叶えられると思ってる。アインについては早くても戦技披露会から1週間後かな。ユミナについては・・・・・この段階では何とも言えないけど必ず叶える。コロナについては今すぐにでも叶えられる。」

 

「そうですか・・・・なら今回の件はこれで許します」

 

何とか許しを貰えた俺はソファーに腰を下ろす。

 

「ありがとう・・・・まずコロナかな。何をしたい?」

 

「え、えっと・・・・じゃあ膝枕していいですか?」

 

「いいよー」

 

そしてコロナが俺の膝に頭を乗せる。

 

「硬くない?大丈夫?」

 

「はい・・・少し恥ずかしいですね・・・」

 

それを見ていた2人が・・・

 

「コロナちゃんばっかりズルイなー」

 

「最近あまり触れ合えてませんでしたね・・・・」

 

「コロナの望みだからな。明日からまた忙しくなりそうだし今日は目一杯甘えさせるよ」

 

俺はコロナの頭を優しく撫でる。

 

「くすぐったくて・・・・気持ち良いですね」

 

結構満足してくれてるみたいだ。

 

「2人の空気が桃色オーラに・・・・」

 

「出遅れましたね。これで割って入ったらただの空気読めない女になってしまいます」

 

「しょうがないし・・・夕飯でも作っちゃおうか?」

 

「そうですね。手伝いますよ」

 

そして2人はキッチンに向かった。

 

「紫苑さん・・・・」

 

潤んだ瞳と赤い頬でこちらを見上げるコロナ。

 

「どうした?もう膝枕は終わりでいいのか?」

 

「はい。今度はいっぱい抱きしめてください」

 

「了解」

 

俺はコロナを抱きしめる。

 

「これでいい?」

 

「足りません。もっと欲しいです・・・・当分温もりが感じられなくなるので」

 

なら・・・俺はコロナを押し倒して耳を甘噛みする。

 

「ちょ・・・紫苑さん・・・」

 

「嫌?」

 

今度は首筋にキスをする。

 

「は、はずかしいです・・・」

 

「たださえ可愛いのに・・・・そんな反応するともっとイタズラしたくなる」

 

制服の上着のボタンを外してYシャツのボタンも1個ずつ外していく。

 

「そ、それ以上は・・・・」

 

Yシャツの下はピンクのタンクトップ。

それを捲ってお腹を露出させてキスをする。

 

「ひゃ!・・・・紫苑さぁん・・・・」

 

顔が真っ赤で若干息も乱れ始めたな・・・・

 

「次はどこがいい?」

 

「え・・・?」

 

俺はコロナの顔に近づく。

 

「次だよ・・・・コロナがしてほしい場所にキスをする。なんならキスマークでもつけようか?」

 

「えっと・・・・その・・・・」

 

「さすがに目立つ場所じゃアレだし・・・・・こことかどう?」

 

コロナの太ももに触る。

 

「はわわ・・・・・」

 

「太ももじゃ着替えのときに見られるか?ならもっと・・・・」

 

スカートの中に手を入れようとしたところで・・・

 

「ストップです!」

 

アインが俺の頭に熱々のフライパンを乗せる。

 

「あっつー!!!!コゲてハゲたらどうすんだ!」

 

俺はのた打ち回ってアインに文句を言う。

 

「そんなのはどうでもいいです。そんな事よりコロナさんに何をしてたんですか?恋人同士とはいえ年齢を考えて下さい!」

 

正論すぎて何も言えない・・・

 

「アインハルトさん・・・私は別に・・・・」

 

コロナがなんとか反論しようとするが・・・

 

「コロナさんもですよ!流れに身を任せるのは早すぎます!せめて後2年くらい経ってから・・・・」

 

ちゃっかり自分はOKにしやがったな。

 

「で、でも!愛し合うのに年齢は関係ないと思います!私は紫苑さんが大好きです!それの邪魔をしないでください!」

 

お、おう・・・このままじゃちょっとマズいな。

 

「分かった分かった。じゃあせめてキスくらいまでならOKにしてくれ。それくらいなら問題ないだろ?」

 

俺は妥協案を出した。

 

「嫌です!私知ってるんですよ。アインハルトさんが紫苑さんに・・・・」

 

あれ?それコロナに言ったっけ?

 

「そ、そうですけど・・・・・でもコロナさんにはまだ・・・」

 

「じゃあ想像してみてください。愛し合ってるときに邪魔されたらアインハルトさんはどうしますか?」

 

「邪魔した相手に断空拳です」

 

おい

 

「私だってそんな気分ですよ・・・・なのにアインハルトさんは邪魔するんですか?」

 

「それは・・・・でもぶっちゃけ面白くありません。やるならやるでバレないようにするか私も混ぜてください。というか私の家のソファーではやめてください」

 

「分かりました・・・・・じゃあ部屋貸してください」

 

「分かってないじゃないですか・・・・バレないようにするか私も混ぜなさいと言ったんです」

 

「初めてはせめて1対1がいいです!」

 

「気持ちは分かりますけど・・・。ならせめて防音結界を貼ってください。それなら部屋を提供します。その代わり終わったらちゃんと掃除してください」

 

え?

 

「ありがとうございます!紫苑さん、移動しましょう!」

 

「まぁ、ハーレムを容認しましたしね・・・・こういうこともこれから先何度もあるんですか・・・・悔しいので終わったら私も愛してくださいね」

 

えぇ・・・・・

 

「あのさ、この雰囲気でするの?そういえばユミナは・・・・」

 

そうするとキッチンからユミナが来る。

 

「話は聞いたよ!覚悟決めとくからアインハルトさんの次は私ね!」

 

「いや、無理はしなくても・・・・」

 

「無理じゃないよ。未来の旦那様だし遅いか早いかの違いだしね」

 

俺は心の中でなのは姉さんに謝った。

 

 

 

3人とした後は遅い夕飯を食べる。

 

「・・・・しんどい」

 

「えー?今すっごい幸せだけど紫苑くんは疲れただけなの?」

 

いや、後悔はしてないけどさ。

 

「久しぶりでしたけどよかったですね。今なら良い夢が見れそうです」

 

「私も・・・・凄く恥ずかしかったですけど幸せです」

 

うん、3人がそう言うならもうそれでいいか。

 

「あ、そうだ!今夜は4人で寝ようよ!」

 

今日も外泊が確定した。土日月の連続か・・・・

最近外泊が多いな。なのは姉さんやヴィヴィオのご機嫌取り考えなきゃ

 

「いいですね。寝る場所で揉めそうですが・・・・」

 

「私もいいですよ」

 

「問題は(あるけど)ないよ」

 

夕飯を食べ終わってそれぞれお風呂に入ろうとするが・・・

 

「紫苑さん・・・・一緒にお風呂入りませんか?」

 

「コロナ・・・・積極性が一気に上がったのはいいけど方向性考えないか?別に嫌ではないけど・・・・」

 

「じゃあ皆で入ろう!」

 

ユミナがそう提案するが・・・

 

「4人は流石に狭い気もします。1人が洗ってる間に3人で入りましょう。洗い終わったら交代って感じで・・・」

 

あ、一緒に風呂も確定なのか。

そして4人で入ることになった。

 

「流石に3人でも狭いか?」

 

「でも愛してる人にくっつけるのはいいですね」

 

「うん。お風呂も温かいし安心するなぁ」

 

最初はコロナが洗って俺、ユミナ、アインで入る。

 

「やっぱり大分引き締まってるよねー」

 

ユミナがぺたぺたと俺の肌に触る。

 

「傷が多くて醜いだろ?ゴメンな」

 

「そんなことないよ!でもこの脇腹の傷だけやけに大きいね?他は切傷ばっかなのに」

 

ああ、切傷は兄さんたちとの訓練で受けた傷だな。大きいのは・・・

 

「それは昔姉さんの零距離ブレイカーでバリアジャケット貫通して出来た傷だな。あの時は本気で死ぬかと思った」

 

「オーバーSの魔力砲を零距離ですか?自殺願望でもあったんですか?」

 

「ねーよ。神速でカウンターしようと思ったけど失敗して目の前で着地してしまったんだ。俺自身驚いたけど姉さんも驚愕してた」

 

「本物の魔力砲に逃げずにカウンターを仕掛けようとする発想自体が人外というか・・・・」

 

失礼な。予定だったら後ろに移動して背中から思いっきり斬るつもりだったけど目測誤っただけだし。

 

コロナが洗い終わったので次はアインが出る。

 

「何の話してたんですかー?」

 

「紫苑くんのドジの話だよー」

 

「言わなきゃよかった」

 

そしてアインも終わってユミナも終わって最後に俺だが・・・

 

「自分で洗えるから洗ってくれなくていいんだぞ?」

 

「いえいえ」

 

「遠慮せずに」

 

「私たちに任せてください!」

 

3人によって隅々まで洗ってもらった。

これ下手すると介護じゃないか・・・・?

 

風呂から上がり寝る場所を決める。

 

「場所は協議の結果・・・・」

 

「私が左隣、真ん中が紫苑さん、その上にコロナさん、右隣にユミナさんです」

 

ああ、前に家族で寝たときの感じか。

 

「了解。コロナはもし寝辛いならアイン蹴っ飛ばして新たに場所確保しろよ」

 

「はい!」

 

「え?コロナさん?」

 

アインが何か言いたそうだけどスルーでいいな。

 

「・・・・別に問題はないんですけどあれからコロナさんの遠慮がなくなってきた気がします」

 

「電気消すよー」

 

ユミナがそう言って電気を消す。

 

色々あったけど明日からの練習も頑張れそう・・・・・




この程度なら大丈夫だよね?
警告されないよね?
危なそうなら消す。


NGシーン
ラストの寝る場面

「電気消すよー」

ユミナがそう言って電気を消す。

「・・・・・みんなもう寝たー?」

ユミナが聞いてくる。

「修学旅行かよ」

俺はたまらずツッコンでしまう。

「おいお前好きな人言えよー」

アイン?お前ってそんな口調じゃないだろ。

「お前が言えよー」

コロナ!?

「これにはツッコミしないからな」

「ノリが悪いなー。ここは「俺だろ!」って言うべき場面じゃない?」

ユミナ・・・だから言いたくないんだよ・・・・

「おいお前好きな人いるのかー?」

アインが俺の脇腹をつついてくる。
そのキャラまだ続くの?

「いるのかー?」

コロナは本当にどうした!?

「いるいる本気で大好きな人が3人くらいいるわ」

3人が照れる。

「教えろよー」

「教えろよー」

もう気にしなくていいや。

「ヴィヴィオとなのは姉さんとフェイト姉さん。つまり俺の家族だな」

3人がそれぞれ抓ってくる。

「痛いわ!的確に脇腹はやめろ!」

「「「zzzz」」」

「寝たフリすんな!」

以上です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

26話

あけおめ!

原作崩壊・・・・・


朝起きて、学校に行って、放課後はトレーニング

試合も近づいてきてるので最近はこんな感じのサイクルだ。

アインのほうも試合が近づいてきてるので最近はマンションのほうに行ってない。

お互い大事な試合だ。息抜き以外では無暗やたらな接触はお互い控えるようにしている。

そして俺はシグナムとの試合も近づいてきて少し焦っている。

油断してくれたら嬉しいけどあの人に限っていえばそれは絶対にない・・・

今のシグナムがどの程度の実力か分からない・・・

 

「そんな感じなのですよ、店員さん」

 

「そんな事ワシに言われても・・・・」

 

この爺みたいな一人称を使ってるのはクレープ屋の屋台でバイトをしてる店員さん。

名前なんて知らないし聞く気もない。

しょせんは一期一会。二度と会うこともないしな。

 

「今休憩中なら暇でしょ?そこのテーブルで話そうじゃないか」

 

言っておくがこれは別にナンパじゃない。

ただ話を聞いてほしいだけだ。

 

「面倒な客じゃのう・・・・・まぁ今からお昼食べるとこだし・・・・隣でBGMに何か喋ってくれる人がいるのはいいかも」

 

なんだこの店員?ツンデレか?そんな感じはしないけどなぁ・・・

というかどこかで見たことあるかも・・・・競技者か?

 

テーブルに座って俺はクレープを店員さんは手作りのおにぎりを食べる。

 

「クレープ美味しいなー・・・・で、日々試合が近づくたび不安なんですよ。今まで戦ってきた中じゃ間違いなくトップクラスだし・・・・俺の性根的に不安じゃなくてワクワクするハズなのになぁ。対戦決まった時はワクワクしてたけど・・・・これなんだと思います?」

 

「知らん(モグモグ」

 

「冷たいなー・・・・店員さん俺と同じくらいでしょ?苦学生ってやつですか?」

 

「学校にはいっちょらん。日々を生きるだけで大変なんじゃ」

 

予想よりも大分苦労してるんだろうか・・・・

だからって助ける気はない。フェイト姉さんなら助けるだろうけど、俺はそこまで高尚な人間じゃないしな。

 

「ちゃんと家ってあるんですか?」

 

「ない。ネットカフェで寝てるしそこはシャワーあるし問題ないわ。服はランドリーで洗ってる」

 

そこまでかー

 

「屋台のバイト代だけじゃ厳しいだろうに」

 

「夜は居酒屋でバイトしちょる。賄い食べられるからかなり貴重なバイトじゃ」

 

どうしよう、正直聞かなきゃよかったと思ってる、

 

「兄さんは・・・・学生さん?」

 

「ん?そうですね。普通の家系に生まれて普通に暮らしてるただの学生ですよ」

 

「そっか・・・・羨ましいのう」

 

そうして店員さんと色々話していると・・・・

 

「おうゴラァ!!見つけたぜ糞ガキ・・・・」

 

なんだろう?あのいかにもなやつらは・・・・

 

「はぁ・・・アイツらか・・・」

 

「店員さん知り合い?」

 

30人くらいいるな。

 

「あぁ・・・・あのバカ共は前のバイト先で迷惑行為したから制裁したんじゃ・・・・8人くらいじゃったのに随分増えとるのう」

 

ほう、高校生くらいの男子を8人か・・・・

 

「テメーのせいで学校クビになっちまったんだぞ!この借りはたっぷり返してもらわなきゃあなぁ・・・・・」

 

自業自得だろうに。こういう輩はどこにでもいるもんだな。

 

「兄さんは逃げてええ。ワシの蒔いた種じゃ・・・・ワシが片つける」

 

「かっこいーねー!でも・・・・そいつの知り合いだってーんならそれだけでボコる理由になるんだわ!」

 

不良の1人がこちらに来る。

 

「兄さん!危ない!」

 

俺に殴りかかろうとした不良が店員さんに蹴っ飛ばされる。

 

「チッ!全員でかかれ!!」

 

あっちのリーダーが号令をかけてこちらに全員で来る。

 

「くっ・・・・(せめて兄さんだけでも・・・・・)」

 

「大丈夫だ店員さん・・・・・あいつらの足はもう動かない」

 

「え?」

 

俺はやつらの足元に氷結魔法をかけた。

 

「な・・・・何で動かないんだよ!?」

「足を見ろ・・・・俺らの足が凍って・・・・」

「くそ!動けよ!!]

 

「これは・・・・・」

 

「これは氷の魔法で、すこーしやつらの足元を凍らせただけですよ」

 

「兄さんって魔道師だったんか」

 

さて・・・・

 

「時空管理局嘱託魔道師・高町紫苑です。全員暴行未遂の現行犯で一時拘束しまーす」

 

俺は嘱託魔道師の証をやつらに見せる。

 

「管理局だと!?」

「つーか高町紫苑って・・・」

「インターミドルで世界制覇した・・・」

「氷の帝王・・・・・」

 

通報して駆けつけた警邏隊が逮捕した。

暴行未遂だからすぐには出て来ないだろうが・・・少なくても手を出そうとは思わないだろ。なぜなら・・・

 

「よう」

 

俺はやつらのリーダーに声をかける。

 

「ヒッ・・・なんですか?」

 

「いやぁ・・・・報復するつもりなら止めとけよって忠告さ。あの子に手を出そうとしたら・・・・・次は全身凍らせるかもしれないしな」

 

「わ・・・・・分かりました」

 

脅しはよくないけど、狙われないようにしないとな。

 

そして店員さんは・・・・

 

「無職おめでとう」

 

「無職じゃない!あーあ・・・・また昼のバイト探さなきゃならんのか・・・」

 

今回の件で屋台のバイトをクビになってしまった。

もしまた店員さんが原因でガラの悪いやつらが来たら・・・って理由だが、しょうがないね。

 

「で、これからどうするんです?」

 

「どうするって・・・・・昼のバイトを探すしかないじゃろ・・・・」

 

「ならウチ来ます?家族に相談しなきゃいけないけど・・・・多分皆OKするだろうしね」

 

うちの家族ならきっと快く迎えてくれると思うし・・・

 

「は!?いくらなんでも・・・・・初対面だし・・・申し訳ないし・・・・もしガラの悪い連中が襲ってきたら・・・・」

 

「そこら辺は大丈夫です。うちの家は保護者管理局員だし多分喧嘩したら次元世界でもトップクラスの人達なんで」

 

「どんな家族!?全然普通じゃない!」

 

うん、普通じゃないね・・・・鬼のように強くて怒ると鬼のように怖くて・・・天使みたいに優しい。

 

「どうせ今晩もネカフェなんですよね?ならせめて今日だけでもうちに来てくださいよ。それでもダメですか?」

 

しばし考え込む店員さん。

 

「・・・・何でそこまでしてくれるんじゃ?さっきも言ったけど初対面じゃし何か裏があるんじゃ・・・・」

 

まーそう思われてもしょうがないよね。

 

「最初は助ける気なんてさらさら無かったんですけどねー・・・・ただなんとなくここで別れたら後悔しそうですし・・・・あと友達になりたいから・・・・かな?」

 

「友達・・・・」

 

「それが理由じゃダメですか?俺的には共闘したやつらは基本友達扱いなんですけど・・・・あ、年も近いしいい加減敬語外していいよね?」

 

「・・・強引な人じゃのう・・・・フーカじゃ」

 

「え?」

 

「名前!ワシはもう店員じゃないし・・・・友達なら名前で呼び合うのが普通じゃろ?」

 

「あっはっは!それもそうだ!じゃあ改めて・・・・・高町紫苑だよ」

 

「フーカ・レヴェントンじゃ・・・・とりあえず今日だけはよろしく頼む」

 

俺達は握手をして家まで戻った。

 

 

「姉さんとヴィヴィオー!今日からこの子ウチで飼っていい!?」

 

「ワシは猫か!!」

 

リビングから出てきたなのは姉さんは・・・・

 

「えっと・・・・どういうこと?」

 

困惑したそうで・・・・

 

 

「・・・と、言うわけでとりあえず一晩家で泊まらせていい?」

 

リビングにはなのは姉さんとフェイト姉さんとヴィヴィオがいた。

俺の説明を聞いたなのは姉さんはレイジングハートを取り出して

 

「もしもし?管理局ですか?人攫いの現行犯を捕まえました」

 

「待って。あんた管理局員でしょ。いや、そこじゃなくて説明聞いてた?」

 

「冗談だよー。じゃあ真剣な話・・・・私はいいよー。フェイトちゃんは?」

 

「私もいいよ。そんな身の上ならむしろ住んでくれてもOKだよ」

 

「私も賛成ー!」

 

さすが俺の家族。心の広さは最高だね。

 

「えっと・・・・とりあえず一晩お世話になります!明日になれば出て行くので・・・」

 

「えー満足するまで居ていいんだよ」

 

「でも・・・・ご迷惑ですし・・・・」

 

別に迷惑じゃないんだけど・・・・・

俺は念話で姉さん達とヴィヴィオに繋ぐ。

 

『ぶっちゃけ住まわせたいんだけど』

『私もいいけど・・・・フーカちゃん自身納得しないよ?無理矢理住まわせても彼女絶対肩身狭い思いするだろうし』

『私はさっき言った通り賛成だし住まわせたい。後はフーカの意志だね・・・・』

『私もフーカさんは良い人そうだし・・・・お兄ちゃんの好みだから連れ込んだってわけじゃないんだよね?』

『違うから。そういうことじゃないから・・・・ただ放っておけないと思ってしまったんだよ・・・・・まぁ、皆住まわせることに賛成なら1つ良い案がある』

『『『じゃあよろしくー』』』

 

うわ、聞きもせず遮断しやがった・・・・

 

「フーカ・・・・住み込みで家政婦をやってくれないか?」

 

「「「「家政婦?」」」」

 

「そう。俺らは基本的に帰ってくるのは夕方だ。だから普段料理以外の家事をやってほしい・・・・その代わり衣食住を保障する。どうだろう?」

 

これならなのは姉さんの負担も減らせるしな。

 

「それならフーカも気兼ねしないで家に居られていいんじゃないかな?」

 

「・・・・すみませんけど、明日の朝まで待ってもらえませんか?急には答えられないです」

 

それもそうだな。

 

「分かった。明日の朝にもう1度聞く。ちゃんとお前自身の口から聞かせてくれよ」

 

「うん・・・・」

 

そして夕飯時。

 

 

フーカside

 

「もしかして紫苑ってウチで食べるの久しぶり?」

 

「そ、そんなことないよーちゃんと食べてるし」

 

「アインハルトさんのところでね!」

 

「紫苑。家族はなるべく揃って食べなきゃ・・・・」

 

「フェイトママも久しぶりだよね!」

 

「あ、あの・・・・仕事が・・・・」

 

温かい。院にいたときと似たような雰囲気じゃ・・・

ワシが院にいたときもこうして微妙な喧嘩もあったけどそれでも楽しかった。

リンネがいて、チビたちがいて、先生がいて・・・・食べるのに苦労したこともあったけど、それでも楽しかった。

リンネが養子に出た時は心から喜んだ。もちろんリンネが出て行ったことに喜んだわけじゃなくて、優しそうな夫妻に引き取られたことだ。少し嫉妬してしまったのは内緒にしたい。

その後少し経ってワシも院を出た。そうすれば少しは経営の助けになると思ったからじゃ。

でも・・・・・ワシみたいなやつが1人で生きられるほどこの世界は甘いものじゃなかった。

 

「フーカ?どうした?」

 

「フーカさん?」

 

「え?」

 

フーカsideout

 

 

フーカがボーっとしていたので声をかけた。

 

「何か嫌いなものでもあったか?」

 

「い、いや・・・・・違くて・・・・あれ?」

 

フーカの目から涙が出た。

 

「どこか痛いんですか?」

 

ヴィヴィオが心配してフーカに尋ねる。

 

「いや・・・・・ただ、温かくて・・・分かんないけど・・・急に涙が・・・・」

 

フェイト姉さんがフーカを抱きしめる。

 

「今まで・・・辛かったよね・・・・寂しかったよね・・・・。大丈夫だよ・・・もうそんな日々は終わりだから・・・・もう寂しい思いはしなくていい。私達が・・・フーカの力になるから」

 

「うっうっ・・・うわぁぁぁぁあああぁぁ!!!!」

 

フェイト姉さんの胸で大泣きしたフーカは泣き止んだ後、俺達に謝る。

 

「すみません・・・・楽しい食事中に急に泣き出しちゃって・・・」

 

「いいんですよー泣きたいときは泣いていいんですから!」

 

「それに今まで溜め込んできたんだろ?発散できてよかったな」

 

 

夕食を食べた後はソファーでゆっくりしてる。

なのは姉さんはお茶くみ、フーカはその手伝いをしている。

 

「久しぶりだね。家族でこうするのって」

 

「そうだなぁ・・・・やっぱり我が家が一番だな」

 

「2人ともたまにしか帰ってこないからじゃない?」

 

「「・・・・・・・・」」

 

ヴィヴィオの棘のある言葉が俺達の胸に突き刺さる。

 

「わ、私は仕事ですし・・・・帰ってこれるのにアインハルトの家に転がり込んでる紫苑とは違うからね!」

 

「いや待って!最近ちゃんと帰ってきてるし!フェ、フェイト姉さんこそ・・・・くそ!仕事で帰ってこれないのは事実なだけに反論できない!!」

 

困った。このままじゃヴィヴィオの好感度が下がりまくってしまう!

 

「あ、そうだヴィヴィオ!出張先でのお土産があるんだった」

 

「物で釣るとは卑怯な!そうだヴィヴィオ一緒に練習しようか?最近俺自身の練習ばっかりで付き合ってられなかったし、食後の運動にどうだ?」

 

「・・・・お土産もいらないし練習もいい」

 

俺は念話でフェイト姉さんに問いかける。

 

『このままじゃマズイ!本当にヴィヴィオの機嫌が最低になるよ!どうする!?』

『どうするって言われても・・・・紫苑はお兄ちゃんでしょ!何とかしなさい!』

『出たよ困ったときの常套句!何とかできるならとっくにやってるわ!』

 

「私は・・・・・・」

 

ん?ヴィヴィオが俺とフェイト姉さんに抱きついた?

 

「2人がいれば・・・・それでいいよ」

 

『かわかわkwくぁあwくぁっかwかかかkkw!!!!!』

『wwかかかkwかwkwくぁっかかkwかk!!!!』

 

あーご近所様に叫びたい。うちの妹が超可愛いって叫びたい!!!

というか・・・・やっぱり寂しかったのか。

 

「ごめんな・・・当分はアインハルトのとこにも行かないし・・・・いっぱい甘えていいよ」

 

「私もごめんね・・・・仕事はなるべく早く終わらせられるように頑張るから」

 

「じゃあ・・・・・今日の所は許します」

 

そしてキッチンからなのは姉さんとフーカがお茶を持ってきた。

 

「あれ?仲良しだー」

 

「お茶お待たせしましたー」

 

お茶を飲んでゆっくりする。

 

「そういえばフーカって院で暮らしてたんだよな?お前の歳ならまだ居てもよかったんじゃないか?」

 

「経営的に・・・ワシがおると負担もあるしのう・・・チビも多いし・・・幼馴染も院から出て良い機会じゃと思ってのう」

 

幼馴染かぁ・・・・

 

「幼馴染も出稼ぎか?」

 

「いや、幼馴染は優しい夫妻に引き取られた。」

 

「そうか・・・・でもよかったじゃないか。大事な幼馴染なんだろ?」

 

「そうじゃな。ワシは見たことないけど・・・・どうやら今は格闘選手みたいなんじゃ」

 

へー格闘選手かぁ・・・・・格闘選手?院出身の?チビが多い院?あれ?そういえばフーカの顔って・・・・

 

「へーそうだったんですか。名前なんて言うんですか?」

 

「リンネ・・・・・リンネ・ベルリネッタじゃ」

 

俺は盛大にお茶を拭きだす。

 

「ゴホッ!ゲホッ!・・・・」

 

「お兄ちゃん!?」

 

「紫苑大丈夫!?」

 

俺はなのは姉さんに背中をさすってもらって吹き出したお茶はフェイト姉さんが拭いてくれた。

 

「えっと・・・・紫苑さん大丈夫か?」

 

「あ・・・・ああ・・・あと・・・・さんはいらない」

 

「リンネさんって今DSAA4位の人だよね。有名だし強いし・・・・まさかそんな人がフーカさんの幼馴染だったなんて・・・」

 

「ワシも驚いてる。そういう性格じゃないしのう・・・近々試合あるから一度見てみようかと思ったんじゃ。ちゃんと元気にしてるかのう」

 

さすがに黙ってるわけにはいかないよなぁ・・・・

 

「・・・・大丈夫。リンネはちゃんと元気だよ・・・フーちゃん」

 

「え・・・その愛称は・・・・リンネがワシを呼ぶときの・・・」

 

「リンネとは・・・友人だ。今の今まで忘れてたが・・・・顔もリンネの部屋にあった写真とほぼ一緒だな。フーちゃんのことはリンネから聞いた・・・正直驚いてる。たまたま声をかけた人がリンネの幼馴染だったなんて・・・・」

 

「紫苑が・・・・リンネは元気じゃったか?」

 

「ああ・・・・・色々悩んでたみただけど、今では吹っ切れてるよ。会いに行くか?」

 

「・・・お願いします」

 

こちらに向けて頭を下げるフーカ。

なら、サプライズにしてみよう。

俺は早速リンネに連絡を取る為に自分の部屋に戻った。

 

「リンネー今いいか?」

 

『しーくん!大丈夫だよー最近会いに来なくなって寂しいなぁ・・・・』

 

「ごめんごめん・・・・・ていうかそんなに経ったっけ?」

 

『経った!・・・・・多分?それで今日はどうしたの?』

 

「お前に会わせたい人がいるんだ。当日までは内緒にしたいけどな・・・・」

 

『私しーくんのお母さんじゃないし彼女を紹介されても・・・・』

 

「彼女じゃねーよ!どこの世界に女友達に彼女紹介するやついるんだよ!」

 

いやいるか?

というか、あまりに変わりすぎて今でも慣れない。

正直二重人格って言われても信じるレベルだぞ。

 

『そっか・・・・じゃあ誰?』

 

「だから内緒だって言ったじゃねーか!・・・・で、いつ空いてる?」

 

『うーん・・・練習休みなのって明日だけだから・・・明日はダメ?』

 

「ああ、問題ないよ。じゃあ明日朝に行くわ」

 

『朝から?明日って学校だよ?』

 

「サボれ」

 

『分かった!じゃあ明日ねー』

 

そして通信が切られる。

 

「リンネは・・・・・アホの子じゃったんか?」

 

気持ちは分かる。

 

「なぜだろう。話す度にリンネの頭がお花畑になってる気がする・・・・」

 

純粋といえばそうなんだろうけど・・・・

 

「昔はああいう子・・・・・じゃったなー・・・・」

 

昔を思い出すフーカ。

どうやら幼い頃からそうだったらしい。

 

「もうなのは姉さん達も風呂から上がったっぽいし・・・・フーカも入ってきな」

 

「じゃあ・・・先にお湯貰います」

 

そしてフーカは俺の部屋から出て風呂に向かう。

そして上がった後は俺の部屋に来た。

 

「貰いました。なので・・・・最後どうぞ」

 

「ああ・・・・・・そうだ。リンネの事で忘れてないか?明日の朝返事貰うって・・・」

 

「あ・・・・考えておく」

 

「一応言っておくけど・・・・俺達は迷惑じゃない。重要なのは俺達じゃなくて、お前の意志だ」

 

「ワシの意志・・・・・」

 

「それだけ・・・・じゃあおやすみー」

 

俺は風呂に入った後今日はそのまま寝た。

明日・・・・フーカの答えがどんなものでも受け入れる。

たとえ出て行くことになっても・・・・友達としてサポートは勝手にするしな。




うぇーい


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

27話

前回のあらすじ
フーカと遭遇して拉致した

フーカの口調わっかんね
そしてリンネのキャラが定まらない


フーカを泊めさせて一晩が経った朝。

俺はフーカが寝ている客間に向かう。

 

「フーカ。朝だぞ」

 

客間の扉をノックしたが何も反応はない。

しょうがないので俺は扉を開けて中に入った。

 

「おーグッスリ寝てるな」

 

フーカは布団に包まって寝ていた。

そういえば、ネカフェが根城だっけ・・・

ネカフェに布団なんてないだろうし充分な休息なんて出来っこなかったんだろう。

布団で寝る。なんて当たり前のことすら久しぶりなんだろうか・・・

 

「そう考えると起こすのは可哀想か・・・」

 

フーカがこれからここで暮らすか元の生活に戻るかはまだ分からない。

ここを出て行くと言ったら布団で寝るのは当分ない・・・

 

「・・・9時になるまで待つか。どうせ今日は学校をサボるつもりだったし」

 

俺は客間から翻してリビングに向かう。

 

「あ、紫苑おはよう」

 

リビングでフェイト姉さんがコーヒー片手にテレビでニュースを見ていた。

キッチンで音がするということはなのは姉さんも起きてるのか。

 

「おはようフェイト姉さん」

 

「うん。何か飲む?」

 

姉さんが立ち上がろうとするが俺はそれを止める。

 

「いや、自分で淹れるよ」

 

そして俺はキッチンに向かう。

 

「あ、紫苑おはよー」

 

「おはよー」

 

キッチンでは姉さん朝食を作っていた。

 

「飲み物いる?ちょっと待ってねー」

 

何でこの家の人間はナチュラルにお世話しようとするんだろうか。

 

「いや自分で淹れるから・・・あ、俺とフーカの分は後で食べるからラップしといて」

 

俺は冷蔵庫から牛乳を取り出す。

 

「え?何で?」

 

「もしかしたらフーカって布団でゆっくり寝るの久しぶりだろうし・・・・だから、今日くらいは満足に寝てほしいからさ」

 

コップに牛乳を淹れながら答えた。

 

「そっか。ネットカフェだったもんね・・・・そういうことなら分かったよ。でも紫苑遅刻しちゃうよ?」

 

「今日はフーカと行くところあるから休む」

 

「紫苑、最近不真面目さん?訓練は頑張ってるみたいだけど、前は学校遅刻してたし無断欠席も・・・ちゃんと学校行かなきゃダメだよ?」

 

学校か・・・アインに休むことを連絡しとくか。

アインの傍には大抵ユミナもいるし・・・・アイツもう同居同然じゃないのか?

 

「今日だけだよ。どんな結果にせよフーカの件は片つくしね」

 

「ま、フーカの為なら・・・」

 

渋々ながらもOKはくれた。

フェイト姉さんにも伝えて俺は自分の部屋に戻る。

フーカが起きるまでシグナムさんの戦闘ビデオを見て研究を続ける。

するとノックの音が聞こえた。

 

「(フーカか)入っていいぞ」

 

扉の向こうには気配を察知した通り、フーカがいた。

 

「・・・おはよう・・・もしかしてワシが最後か?」

 

「おはようそして正解だ。皆もう職場や学校に行ったぞ」

 

そう言った瞬間フーカが崩れて頭を抱える。

 

「最悪じゃ・・・・世話になったのに一番最後?うわぁ・・・」

 

「一回様子見に行ったんだけどな。気持ちよさそうに寝ていたから起こさないでいたよ」

 

「起こしてくれてもよかったのに・・・・」

 

「あんな寝顔してたら起こせないよ」

 

「寝顔みたんか!?」

 

フーカの顔が赤く染まる。

 

「おう、可愛かったぞ」

 

「可愛いって・・・・・ワシなんかが・・・」

 

俺は立ち上がってフーカの脇を通る。

俺は振り返って・・・・

 

「朝飯出来てるし一緒に行くぞ」

 

「うん・・・」

 

フーカと一緒にリビングに降りてご飯を食べる。

 

「昨日も思ったけど・・・本当に美味しいのう」

 

昨日も思ったけど、コイツの食べてる姿っていいな。

好き嫌いなさそうだし本当に美味しく食べてるし・・・

 

「お代わりもあるっぽいし遠慮なく食えよ」

 

「うん!」

 

 

食事も終わって一服する。

お茶を淹れてまったりする。

 

「さて・・・・そろそろ答えを聞こう」

 

俺はお茶を置いてフーカに向き合う。

フーカもお茶を置いて俺を真剣に見る。

 

「・・・・・ワシは・・・・ここでお世話になれません」

 

「・・・・理由は?何か不満があったか?」

 

「不満なんて何もない!昨日おっただけでも分かる!この家は・・・・とても暖かいんじゃ・・・でも、だからこそ・・・輪の中には入りづらい・・・」

 

少し分かる・・・・この家はとても暖かく一つの理想形かもしれない。

自分だけが他人じゃ居づらいだろうし・・・

 

「分かった・・・じゃあこれを受け取れ」

 

俺は入居申請書と封筒をフーカに渡す。

 

「これは・・・?」

 

「無理矢理家に泊まらせた迷惑料だ」

 

中には札束が入っている。

 

「こんなん・・・・・受け取れるわけ・・・・」

 

「受け取れ。それが迷惑受けた側の義務だ」

 

管理局時代の給料の一部だ。

 

「ワシは迷惑なんて思っとらん!それにこの書類は・・・」

 

「ここから近いアパートに低収入でも借りられる部屋がある。そこは色々事情を持ってるやつ専用のアパートでな。大家とは知り合いで昨日の段階でもしかしたら部屋を借りるかもしれないと言っておいた。今日からでも大丈夫らしいからそこに住め。」

 

「色々ツッコミたいことあるけど・・・・ワシの給料じゃいくら安くても・・・」

 

「月3万程度だ・・・・それに半年分を一括で俺が支払う予定だし。その迷惑金を使えば最低でも1年はいられるだろ」

 

ま、家賃の他に色々あるけど・・・1年以上余裕に持つだろう。

 

「・・・・いくらなんでもやりすぎじゃ」

 

「迷惑金以外はタダじゃないぞ。ちゃんと返してもらうからな」

 

「それでも!何でそこまでしてくれるんじゃ!」

 

「友人だし・・・・友人があの環境なんて俺が嫌なんだよ。それだけ」

 

言ってしまえば俺の我がままだな。

勝手なのは理解してるよ。それでも、放っておけない。

 

「それだけって・・・・普通そこまでやるか・・・・」

 

「俺は普通じゃないし。あ、それらはお前のものだから・・・突っ返しても受け取らないし要らないならドブにでも捨ててくれ」

 

「卑怯じゃ・・・分かった。これらは借りることにする。いつか絶対返す」

 

「別に返さなくてもいいんだけどな・・・・・期限は設けないし好きにするといいよ」

 

折れるべき所は折れるよ。

一番の目的はフーカに住みかを提供することだったし。

 

さて、話は済んだし・・・

 

「じゃあそろそろリンネの家に行くか」

 

「・・・急展開すぎて忘れとった・・・」

 

拒否したらアパートの1室と金を渡されるとは予想外だろう。

 

 

 

「おっきいのう」

 

「ベルリネッタ家だしな」

 

俺はフーカを連れてベルリネッタ邸まで来ていた。

 

「じゃあ呼び鈴を鳴らすか」

 

そして家から出たのはベルリネッタ家のメイドさんだった。

 

「紫苑様、お久しぶりです」

 

「いつぞやは世話になりました。リンネと夫妻は?」

 

「リンネ様はお部屋の方で待っております。旦那様は本社のほうに、奥様は書庫で読書を・・・」

 

「じゃあリンネには告げずに、ローリーさんのほうだけ連れてきてほしい」

 

「分かりました。とりあえずこちらにどうぞ」

 

案内されたのは前にも来たことがある食堂。

 

「奥様を呼んで来ますのでお茶をどうぞ」

 

そして紅茶を置いた後はローリーさんを呼びにいった。

 

「・・・奥さんって・・」

 

「リンネの養母。落ち着いてて優しい人だよ」

 

そしてローリーさんが食堂に来た。

 

「紫苑さん・・・お久しぶりですね」

 

「久しぶりです。今日はリンネの院に居た時の親友を連れてきました」

 

「フーカ・レヴェントンです」

 

フーカがローリーさんにお辞儀する。

そうするとローリーさんがフーカに迫る。

 

「まぁまぁ!貴方がフーちゃんね!リンネから話には聞いたことがあるのよ。写真とあまり変わらないのね・・・・リンネの部屋にはフーちゃんと撮った写真が飾ってあるのよ」

 

「は、はぁ・・・」

 

ローリーさんの勢いにたじろぐフーカ。

 

「あらら・・・・ちょっと驚かせてしまったかしら?それにしても、リンネが今日学校休むって言ったときには心配したのよ。最近は学校でもお友達が出来たみたいで毎日笑顔のリンネがどうしたの?って思って聞いたら『しーくんが休めって言うから』って・・・・紫苑さんの言うことには疑問を持たずに何でも従うリンネ超可愛いわ!これなら紫苑さんと結婚したとき夫を立てられる良い妻になれると思うんだけどどうかしら!?あ、でも安心して!紫苑さん以外の命令ならリンネはちゃんと拒否するから!でも最近お父さんの言うことも拒否するときあるんだけど、それはそれでどうなのかしら?でも拒否するときのリンネの『嫌』って言葉と表情が凄く可愛いからアリね!」

 

「お、おう・・・」

 

「落ち着いてて?」

 

おかしいな。もっと落ち着いた人だと思ってたんだけど・・・

それから20分間もトークを聞かされることになった。

 

「それでリンネが・・・・あ、ごめんなさい。ちょっとはしゃぎすぎてしまったわ」

 

ちょっと?

 

「いえいえ、ところでリンネは部屋ですよね?」

 

「ええ。私は書庫にいるから、何かあったら呼んでね」

 

「はい。では・・・」

 

そして俺達はリンネの部屋に向かう。

 

「すっごいお母さんじゃな・・・事前情報と全く違くて焦った」

 

「優しい人ではあるんだが・・・・なぜああなった」

 

リンネが変ったことによってローリーさんも変わった?

なにかしら共有でもしてるのか?

リンネの部屋の前に着いたな。

 

「じゃあ呼ぶまで待機しててくれ」

 

「分かった」

 

俺はリンネの部屋をノックする。

 

「リンネ、俺だ。開けていいか?」

 

「いいよー」

 

了承を得たので俺が扉を開けて中に入った。

 

「久しぶり・・・ってほどじゃないけど、元気だった・・・・・グハァ!!」

 

「しーくん!しーくん!」

 

中に入るとリンネがタックルしてきた。

ここで余談だが、リンネはジルから100年に1人の逸材と呼ばれる。

髙い魔力と高い身体能力と高い格闘資質。

全身を魔力でコーティングし鍛えられた肉体が油断しきっていた俺の腹にめり込む。

 

「・・・・おま・・・・俺に何の恨みが・・・」

 

「え?そんなのないよ。それより汗が凄いけど・・・」

 

お前のせいだ・・・とは言えない。

悪気がないのは知ってるし・・・

俺は腹に捕まってるリンネを抱っこしてベットに座らせる。

 

「最近学校でも友達が出来たんだって?」

 

「うん!皆話してみると優しい子なんだよー」

 

心配させないように言ってるだけだと少し思ったけど、この様子なら本当に心配もいらないか。

 

「それはよかった。じゃあ本題に入ろうか」

 

「うん。会わせたい人がいるって言ったけど・・・」

 

「もう扉の前まで来てるんだ・・・入っていいぞ!」

 

扉が開かれて現れるのは・・・

 

「久しぶりじゃな・・・・リンネ」

 

「フー・・・・ちゃん?」

 

「なんじゃ。幼馴染の顔忘れたんか?」

 

「フーちゃあああああああああああん!!!!!!」

 

しまった。と思ったときには既にリンネのタックルがフーカの腹に決まった。

 

「グボァ!!」

 

「フーちゃんフーちゃんフーちゃんフーちゃんフーちゃんフーちゃんフーちゃんフーちゃんふーちゃんひゅーちゃ・・・・おぇ・・ふーちゃ・・・」

 

「落ち着けリンネ!そしてフーカが白目になってる!」

 

「フーちゃああああああああああああああああん!!!!!!!!!」

 

「落ち着けって言ってんだろうが!!」

 

俺はリンネの頭にゲンコツをして黙らせる。

 

 

 

「痛い・・・・」

 

リンネが頭をさすって涙目になる。

 

「落ち着かないリンネが悪い。フーカは大丈夫か?」

 

「・・・一瞬でリンネが目の前に来たかと思ったらワシはベットで寝ていたんじゃが・・・」

 

「ごめんねフーちゃん・・・しーくんなら耐えられたのに・・・」

 

「10代男子最強と一緒にせんでくれ」

 

手加減なしの全力全開だったからな。

なのに骨の2,3本折れないことに不思議だけど・・・

 

「見た感じ骨に異常はなかった。フーカの肉体の耐久性はそこら辺の格闘家以上だな」

 

「別に嬉しくないんじゃが・・・」

 

もしかしてフーカって格闘家の才能があるのか?

話に聞く限りじゃ昔から不良相手に大立ち回りしてたみたいだけど・・・

 

「ま、ともかく・・・久々の再会はどうだった?」

 

俺は2人に聞いた。

 

「臨死体験をして感動も何もない」

 

「痛かった・・・・」

 

ロクなもんじゃねーな。

そもそもリンネ、それはゲンコツの感想だ。

 

「そういえば・・・しーくんってフーちゃんと何処で知り合ったの?」

 

「ああ、それは・・・」

 

俺はリンネに説明する。

 

「・・・・そうだったんだ。フーちゃん大変だったんだね・・・・それなのに私は・・・・」

 

「リンネ、お前が気にすることじゃない。ワシが自分で選んだことじゃ」

 

「うん・・・・でもこれからは何時でも会えるね!」

 

「でも、ワシとリンネじゃ立場が違う。簡単に会っていいわけ・・・」

 

貧乏人といいところの娘って気にしてんのか?

 

「関係ないよ!だってフーちゃんと私は親友だよ。パパもママもそういうの全く気にしないもん!」

 

確かにあの2人の人柄ならそういう事は気にしないな。

 

「そっか・・・そうじゃな。なら、また遊びに来ていいか?」

 

「いつでもいいよ!フーちゃんと遊ぶためなら学校も練習も休むよ!」

 

「いや、そこまでせんでも・・・お互いの休日被ったら一緒に遊ぼう」

 

「うん!」

 

そして今までの分・・・・2人は沢山話す。

俺は静かに部屋を後にして書庫に行く。

 

「ローリーさん」

 

「紫苑さん・・・どうしたの?」

 

あれ?朝とテンションが・・・

ああ、フーカの存在があったからか。

 

「リンネとフーカが2人の世界に入ったので・・・」

 

「ああ、それはしょうがないわね。久しぶりの幼馴染同士だし・・・」

 

「で、俺は暇になったので・・・・ローリーさんとデートでもしようかと」

 

「あら?こんなおばさんでいいのかしら?」

 

「全然若いじゃないですか・・・・読書中なら退散しますよ?」

 

「ちょうど1冊読み終えたばっかだしお付き合いするわ。中庭にでも行ってお茶でもどう?」

 

「それはいいですね。今日は天気も良いし暖かいし絶好のお茶会日和ですね」

 

「じゃあクッキーと紅茶を用意させるわ」

 

そしてメイドさんに準備をさせて俺達は中庭に行く

 

 

 

「これは・・・綺麗ですね」

 

色取り取りの草花が綺麗に生えている。

 

「でしょ?うちの庭師がとても優秀な人なの」

 

既に庭にはテーブルが用意されて紅茶とお菓子が準備されている。

俺達がここまで来るのに5分程度で用意完了されてるとは・・・

 

「じゃあ座りましょう?」

 

ローリーさんに言われ椅子に座る。

既にカップには温かい紅茶が淹れられてた。

まずはお互い紅茶を飲む。

 

「クッキーは昨日の夜にリンネと一緒に作ったの。『明日しーくんが来るから作るんだ』ってね。味見したダンったら泣いたのよ。娘が自分の為に!って感じでね・・・作った理由を聞いたら別の意味でも泣いてておかしかったわ」

 

ローリーさんが笑いながら言う。

 

「自分の為だと思ったら別の男の為だった・・・・男親ならそういうものなんですかね?」

 

ちょっと想像してみるか・・・もしヴィヴィオが娘で知らない男に・・・・殺したくなってもしょうがないな。

 

「私としては全力で応援したいところだけど・・・・実際リンネのことどう思ってるのかしら?」

 

「言い辛いことをサラっと聞いてきますね・・・」

 

「ふふ・・・前にも言ったけど、別に複数人と付き合ってても私は文句ないわ。ちゃんと幸せにしてくれるならね」

 

幸せにか。当然不幸になんてする気なんてない。

 

「俺は、付き合った女性全員幸せにする覚悟はあります。仮にリンネと付き合ったら絶対に幸せにします」

 

「それは・・・・リンネも好きってこと?」

 

「いえ、現状では・・・・でも、これからどうなるか分かりません。あくまでその時になったら幸せにするってことです」

 

「そう・・・それならいいわ」

 

他にも色々他愛ないことを話した。

家族の事や友人の事、そして・・・

 

「そういえば、将来はどうするか考えてるのかしら?複数人を養うってことは相当収入がないとダメよね?」

 

「今の学校の卒業が確定次第すぐにでも管理局に入り直す予定です」

 

「入り直す?」

 

「5年前は管理局に1年くらい居たんですよ」

 

「7、8歳くらいから・・・」

 

今でも管理局からスカウト来るし、姉さん経由からも話があるし恐らく問題ないはずだ。

 

「一応将来なら問題ありません。道はあるので後は俺の努力次第ですね」

 

「そう・・・決まってないならうちにどうかと思ったんだけど・・・」

 

将来のことを考えるとそっちのほうがいいかもしれないけど、それでも俺は管理局に入りたい。姉さん達と改めて同じ道を歩みたい気持ちが強いから。

 

「お気持ちだけ受け取ります」

 

 

 

 

そろそろ良い時間になったのでお茶会はお開きにして俺はリンネの部屋に戻ると

 

「女ったらしじゃ!」

 

「大体理解した」

 

共通の友人である俺の話題になってリンネが洩らしたんだな。

 

「ごめんなさい・・・」

 

「いや、リンネが悪いわけじゃないんだけど・・・」

 

俺から言いたかっただけで別にいいんだけどな。

俺はフーカに向き合う。

 

「確かに俺は女ったらしかもしれない。けど、俺は付き合ってる女性全て幸せにする覚悟で付き合ってるんだ。決して遊びなんかで付き合ってるわけじゃない。嫌悪感があるのはしょうがないけど、遊びじゃないってことだけは理解してくれ」

 

「それは・・・・分かる。昨日が初対面じゃけど、相当なお人好しだし・・・」

 

俺が?お人好しって言うのは姉さん達の事を言うんだよ。

 

「ま、分かってくれるならそれでいい」

 

「そういえば、しーくんどこに行ってたの?」

 

「ん?ローリーさんとデート」

 

「やっぱり女ったらしじゃ!」

 

「冗談だ。お前らが2人の世界に入ってしまったから、ローリーさん誘ってお茶会してたんだよ」

 

「お茶会!」

 

リンネはお茶会がしたいのか?

 

「けどもうお昼だしな・・・・そろそろ帰るか?」

 

フーカに部屋案内して書類を提出して役所に行って住居登録とかしないといけないし・・・・

 

「え?もう帰るの・・・・?」

 

「そうじゃの。今度は休日になったら来るから・・・」

 

すると、リンネが俺とフーカの腕を掴む。

 

「嫌。今日は泊まっていって」

 

ああ、この嫌そうな顔。今朝ローリーさんが言ったのはコレか。

 

「フーカと話したなら聞いてたろ?新しい住居決まったんだから色々やることが・・・」

 

「嫌。明日にして」

 

「じゃあお前も来るか?」

 

「え?」

 

単純に離れたくないなら一緒に来ればいい。

 

「なんなら、今日はフーカの所に泊まればいい。鞄に制服詰め込んで明日はそのまま学校行けばいいだろ」

 

「うん!そうする!じゃあ準備するから待ってて!」

 

そして準備を始める。

 

「勝手に言って悪かったけど、ちょうどいいだろ?まだ話足りないだろうし・・・」

 

「問題は特にないし・・・別にええ」

 

そしてリンネの準備が終わって家を出ようとする。

 

「あ、ママに伝えてくるね」

 

そしてリンネがローリーさんのもとに行く。

戻ってくると手にはクッキーがあった。

 

「それって・・・」

 

「昨日作ったの。半分少なくなってるけどどうしたのかなぁ?」

 

リンネが不思議そうにするが、俺とローリーさんで食べたんだよなぁ

 

「しーくんとフーちゃんにあげるね」

 

そして歩きながらクッキーを食べる。

 

「美味いな。ほら、リンネ・・・あーん」

 

俺はリンネの口にクッキーを持っていく

 

「あーん」

 

「2人とも・・・街中で恥ずかしくないんか?」

 

この程度じゃ何も。

リンネも特に恥ずかしがってないし。

 

「慣れ・・・かな」

 

「しーくんのあーんはいつもより美味しく感じるね」

 

「この2人は・・・・」

 

大家さんの家に向かい書類を渡して鍵を受け取る。

中に入ると思ってたよりも綺麗だった。

 

「家電も揃ってるな。前の入居者が置いてってくれたのか。これなら・・・そこまで金も掛からないか」

 

「ここがフーちゃんの新しいおうちかぁ」

 

リンネが部屋を探検・・・というほど広いわけでもないけど。

 

「一人暮らしには充分じゃ。それにネカフェで過ごすよりよっぽどいい」

 

だろうな。一応風呂とトイレもあるし最低限は問題ないか。

 

「なら買う物は日用品と食材関係と布団か・・・まずは役所に行ってその後買い物しようか」

 

そして俺達は最初に役所に行って、お昼は近くのファーストフード店に行った後はホームセンターに行った。

 

「これは・・・買い過ぎたな。食材までは買えそうにないや」

 

俺達の両手にはぎっしり買い物袋でいっぱいだった。

 

「まぁ・・・食材関係は後でもええ。色々吟味してたら暗くなってしまったし今日は帰るか」

 

「そうだね」

 

そして俺達は家まで戻る。

布団は即日配送のところに頼んで夜には着くらしい。

 

「じゃあ俺は今日は帰るよ。飯は宅配ピザでも頼んでくれ」

 

俺が帰ろうとすると・・・・

 

「紫苑!・・・・今日は・・・今日だけじゃないけど本当にありがとう・・・恩は絶対に返す。落ち着いたら改めて挨拶に向かうから」

 

「ああ、気にすんな・・・って言っても無理か。また飯食いに来てくれ」

 

「うん・・・・」

 

「じゃあそろそろ行くから・・・・・離せリンネ」

 

俺の腰に掴んで行かせまいとするリンネ。

 

「しーくぅん・・・・」

 

泣きそうな顔してるけどさすがになぁ・・・

 

「悪いけど家に帰らなきゃいけないし・・・・今度また時間作るから」

 

「今度っていつ?」

 

んー来月の試合が終わるまでは無理だな。

 

「来月の中旬くらい」

 

「長い!長いよしーくん!」

 

フーカが俺からリンネを引きはがす。

 

「あんま無茶言うなリンネ。紫苑だって忙しいんじゃ」

 

「・・・・うん」

 

渋々ながら納得してくれてよかった。

 

 

 

俺は2人に別れを告げて家まで戻る。

 

「あ、おかえりー」

 

リビングには全員揃っていた。

 

「おかえり紫苑・・・・フーカちゃんと一緒じゃないってことはフラれたんだ?」

 

なのは姉さんは察しが良くて助かるね。

 

「ああ、でも近くのアパートに住むことになったし・・・当面は安心だよ」

 

「そうなんだ。それならいいかな」

 

なのは姉さんとフェイト姉さんには事前に言ってあるから特に突っ込まれることはなかった。

 

「え?どういうこと?」

 

事情を知らないのはヴィヴィオだけか・・・

 

「説明するか・・・」

 

俺は改めて全員に説明した。

 

「そうなんだ。でもフーカさんもこれでひとまず安心じゃないのかな?」

 

「ああ、フーカは義理堅そうだし恩を返すまでは多分離れることはないからそれまでは安心だよ」

 

「フーカさん、たまにはうちに来るんだよね?」

 

「お礼の挨拶には来るっぽいし・・・・その時は一緒にご飯食べようか」

 

「うん!」

 

フーカの件も一旦片付いて後は自分の練習か・・・

 

「上級キャリア試験の勉強もしないとな・・・」

 

「え?紫苑受けるの?」

 

なのは姉さんが俺の言葉を聞いて驚く。

 

「ああ、長い目で見ればキャリアのほうが収入高いし・・・将来に向けてさ」

 

「「「あー」」」

 

3人が納得する。

俗物的な理由だけど死活問題なんだ。

 

「ま、今はシグナムとの対決に向かって頑張るけどさ・・・」

 

「私はミウラさんとのリベンジマッチとなのはママとの対決。凄い楽しみだなぁ」

 

あ、その前にアインの試合があるっけ。

 

「アインの試合が2日後か」

 

「そうだよね!絶対応援行かなきゃ!」

 

初戦から強敵だが、アインなら問題ないだろう。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

28話

お久しぶりです。
4ヵ月も空いちゃって申し訳ないです。

で、この作品は今回で更新最後です。

実は、この作品をリメイクします。
『好き勝手に書く』が、私の基本スタンスなんですが、今まで見て下さった方がいるのに、事前に何も言わずにリメイクするのは流石に無礼といいますか、不義理だと思ったのでこの場を借りて、報告します。
主人公の設定を少し変えて、stsから書きたいと思っています。

次からは「魔法少女リリカルなのは~氷結の剣~」を新タイトルとして頑張るので応援よろしくお願いします。

あ、一応この作品は残しておきます。


アインがU-15の大会で優勝した。

初戦から世界王者で苦戦はしていたようだが、流石と言う感じだ。

そして今は……

 

『アインハルトさん!優勝おめでとうございます!!』

 

高町家で祝勝パーティーの真っ最中。

今日だけは練習を辞めて、盛大に祝ってやろうとのこと。

とりあえず呼べるだけ呼べばいいんじゃね?ってことで、知り合いが結構来ている。

仕事があってどうしても来れない人もいるが、それはしょうがないだろう。

 

「じゃあ、改めて優勝おめでとう」

 

「あ、はい。ありがとうございます」

 

持っているグラスで乾杯をする俺とアイン。

 

「で、感想は?」

 

「そうですね……皆さん強かったです。実力だけじゃなくて、絶対に勝つという強い気持ちも持っていました。少しでも油断すればこちらがやられていたくらいに」

 

なるほど、アインレベルでもそう感じるか。

 

「でも!そんな強敵さんたちを相手に優勝したのは凄いと思います!」

 

ソファーの後ろからひょこっと出てきたヴィヴィオが言う。

 

「ですねー!私達も頑張ろう!」

 

コロナもリオもヴィヴィオもU-12の試合が控えている。

きっと彼女達ならいいところまで行けるだろう。

 

「お次は、紫苑さんとヴィヴィオさんですね」

 

「ああ、ヴィヴィオはミウラとの再戦。勝てばなのは姉さんで」

 

「お兄ちゃんはシグナムさんとだね」

 

強敵だけど、心が躍るな。

と、思っているとミウラが来た。

 

「アインハルトさん、おめでとうございます!」

 

「ありがとうございます、ミウラさん。今ちょうどミウラさんのお話をしていたんですよ」

 

「え?ボクのですか?」

 

ミウラが首を傾げる。

 

「ほら、ヴィヴィオとの対戦が近いだろ?」

 

「ああ、なるほどです」

 

「で、コンディションは?」

 

「もちろんバッチリです!いつでもやれる準備は出来てますよー!」

 

気合い充分のミウラはその場でシャドーを始める。

そのシャドーだけで分かるやつは分かるだろう。

インターミドルのときよりもミウラがかなり強くなってるのを。

 

「それに、今度の試合はボクの卒業式なんです。」

 

そう、ミウラは今度の試合が終わったら八神道場を卒業して本格的にノーヴェのジムに入るのが確定している。

ヴィータもザフィーラも仕事がある以上、これ以上のものを教えるのは難しいとのことだ。ノーヴェなら安心してミウラを任せられると判断してのことだ。

それにしても・・・

 

「あの引っ込み思案だったミウラが、これだけ強く明るくなったのは嬉しいな」

 

俺は初めてミウラと会ったときの日を思い出した。

 

「紫苑さん・・・ボクがここまで来れるようになったのは、紫苑さんのおかげでもあるんですよ?あの日、紫苑さんは『お前の為だけに10代最強になる』と言ってくれました。そして、実際そうなった紫苑さんの背中を見て、僕はこの人のように強くなりたいと思ったんです。だから、紫苑さんのおかげなんです。」

 

「そっか・・・」

 

あの日、ミウラの背中を押す為に勢いでやったことだったけど・・・無駄じゃなかったんだな。

 

「はい、だから僕は、紫苑さんの事が好きです」

 

時が止まった。

 

「・・・え?」

 

誰が言ったのかは分からないが、その静寂が一瞬で騒がしいものに変わった。

 

「え、ええええええええ!!!!ミウラさんもお兄ちゃんが好きなの!?え!?」

 

「お、おちついてヴィヴィオ!まずは落ち着いて!!」

 

「そ、そうだよ!お、おおおおおお」

 

「リオも落ち着いて!」

 

コロナがヴィヴィオとリオを落ち着かせる。

 

「・・・なるほど、ミウラさんもですか。ええ、まぁ、不思議じゃありませんね。ところで、お前の為だけに10代最強になると言った件について初耳なんですか?」

 

「そうだねーそこら辺詳しく聞かなきゃねー」

 

こちらをジトーっと見るアインとユミナ。

 

「確かにお前の為に世界の頂点を取るって言った男・・・しかも、有言実行して惚れんなってほうも無理かもなぁ」

 

はやてがこちらをニヤニヤしながら見る。

 

「ま、また増えるんだね・・・ダメだよ紫苑。その・・・そういうのはあんまり良くないと思うんだ」

 

フェイト姉さん、それは今更だよ。

 

「にゃはは、そっかーミウラちゃんもかぁ・・・」

 

なのは姉さんが苦笑いをしながら困ったような顔をする。

 

「テメー紫苑!ミウラ泣かせたら承知しないからな!!」

 

「そうか、ミウラもそういう歳なんだな・・・」

 

ヴィータ、別に泣かせないよ。

ザフィーラに至っては、もはや親目線か。

 

「お前、マジで刺されないよな?正直、いつ刺されてもおかしくないと思うぞ?」

 

本気で心配してくれてるんだろうが、シャレにならないなぁ・・・

 

「え?え?」

 

ミウラが皆の反応を見てるが、分かってないような顔をしている。

・・・分かってない?

 

「ミウラ、その・・・一応聞くが、それはどういう意味で言ったんだ?」

 

周りから何を言ってるんだコイツ?という視線が来るが、今は気にしない。

 

「え?意味って・・・・あ!」

 

その瞬間ミウラの顔が真っ赤に染まる。

 

「ち、違います!そのそういうのじゃなくて、その、兄として好き!って意味です!」

 

ああ、つまり家族愛とかそんな感じの意味。

要は友愛か。

周りも分かったのか、「あー・・・」という感じだった。

しかし、1人だけ、それを認められない子がいた。

 

「そ、それって妹だよね!?だ、ダメだよ!恋人はまだいいけど、妹はヴィヴィオだけだから!いくらミウラさんでも妹の位置はヴィヴィオだけなんだから!」

 

「べ、別にヴィヴィオさんから奪おうとか考えてませんから!その、兄とは言いましたが、その心の兄とかそういう意味で・・・・そう!もう1人の師匠みたいな感じです!心の師匠という方です!」

 

「それもっとダメだと思うよ!お兄ちゃんみたいなのを心の師匠にしたら、ミウラさん女ったらしになっちゃうよ!」

 

「え?ヴィヴィオさん、お兄ちゃんのことそんな目で見てたの?」

 

なんだろう、悲しいけど事実なだけに反論できない。

ヴィヴィオは「しまった!」という顔でこちらを見る。

 

「ち、違うよ?ヴィ、ヴィヴィオそんな事思ってないよー?」

 

あ、思ってるんだ。

 

「うん、ヴィヴィオの気持ちはよく分かったよ」

 

「お、お兄ちゃん!」

 

ヴィヴィオの顔がパァっと明るくなる。

しかし俺は死刑宣告を下した。

 

「ヴィヴィオもこんな兄だなんて嫌だよね?ミウラー今日から俺がお前の兄だよー。存分に甘えていいからね?」

 

「いやあああああああああ!!!!!!」

 

俺はミウラの頭を撫でる、

 

「お、お兄ちゃん!い、妹は1人で充分かと・・・」

 

「だから、ミウラがいるじゃないか。そもそも、ヴィヴィオって正確には俺の姪だしねー。」

 

流石に血の繋がりは無いとは言わない。

冗談でも、それだけは言っちゃいけないのは分かってる。

 

「うぅ・・・じゃあ、これからは叔父さんって呼ぶ」

 

俺の動きが止まった。

 

「今、全力で、謝りにこないなら、一生叔父さんって呼ぶもん。絶対に許してあげないもん」

 

俺は一瞬でミウラから離れてヴィヴィオを抱きかかえる。

 

「冗談だよヴィヴィオー。本気でそんなこと言う訳ないじゃん!嫌だなー。あっはっは!」

 

「・・・頭撫でて」

 

「いくらでも撫でよう!だから、そんな不貞腐れるな。な?俺にとって妹はヴィヴィオ1人だけだからさ、安心しなー」

 

「うん・・・」

 

そのままヴィヴィオをあやした。

しかし、落ち着いたヴィヴィオは人の目があるのを思いだし別の意味で発狂した。

 

 

 

祝勝会も終わり、俺はアインとユミナとコロナでアイン宅に向かう。

 

「それにしても、今日のヴィヴィオは面白かったですねー。」

 

「そうだねー。面白・・・新たな一面を見たって感じだね。家族の前じゃ普段はあんな感じなの?」

 

ユミナが俺に聞いてくる。

 

「いつもって訳じゃないけどねー。でも、割と甘えっこなんだよ。可愛いだろ?」

 

「シスコンですね」

 

「自覚してる」

 

あんな可愛い妹がいてシスコンにならないわけないだろうに。

 

 

アインのマンションに着いた俺達はユミナが淹れてくれたお茶を飲んで落ち着く。

 

「さ明日からまた練習の日々だな」

 

「そうですね。一番近いのは戦技披露会ですけど、紫苑さん大丈夫ですか?」

 

「ああ、大丈夫だよ。対策もバッチリしてきた。きっと楽しい戦いになる」

 

さて・・・

 

「今日みたいにゆっくり出来る日はあんまり無い。戦技披露会終わったら今度は年齢制限の大会があるし・・・だから、ちょっとここで1つ、誓いをしたい」

 

「「「誓い?」」」

 

俺は、俺にとって必要な部分を記入した婚姻届と重婚届の書類を出した。

3人共、書類を見て驚く。

 

「これをお前らに預けたい。俺はお前ら3人と一生を生きていきたい。だから、これを預け、いずれ結婚してもいいと思ったら書いて・・・えぇー」

 

「ここに名前を書けばいいんですよね?」

 

「うん、そうだと思うよー。日付は・・・今は結婚出来ないから提出するときに書けばいいのかな?」

 

「自分の名前を書いてこんなにドキドキしたの初めてです」

 

アインもユミナもコロナも名前を書いた。

 

「なんでそんなに驚いてるんですか?」

 

アインが俺にそう聞いてきた。

 

「いや・・・俺はお前らを捨てないって覚悟で渡したから、あっさり記入するんだなーって・・・」

 

呆れた様子で3人が俺を見る。

 

「あのですね。もう私達は身も心も紫苑さんに渡したんですよ?」

 

「そうだよ。今更躊躇なんてすると思う?」

 

「そうですよ。もう一生をあなたと生きる覚悟は出来てます」

 

ああ、なるほど・・・覚悟が足りなかったのは俺だけだったか。

なら・・・

 

「アインハルト、ユミナ、コロナ・・・・幸せにする。俺と一生を生きてほしい」

 

俺は彼女達に手を差しだす。

 

「もちろんです!」

 

コロナが俺の手を取り

 

「それに・・・」

 

ユミナが俺の手を取り

 

「幸せになるのは、紫苑もですよ」

 

アインが俺の手を取った。

 

「アイン・・・」

 

「家族になるんです。さん付けは・・・今日でお終いです」

 

心が満たされていく。

今日のこの日は一生忘れないだろう。

将来どんな事が待ち受けていても、この4人ならきっと、大丈夫だと思った。




一応、終わりって感じですねー。
まぁ、区切りつけたってだけです。


で、前書きに書いたようにリメイクします。
stsの原作少し前から始めますので、これからもよろしくお願いします!


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。