一発ネタ集 (ザルバ)
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マクロスΔ×デジモン

 マクロス・エリシオン内ブリーフィングルーム。アラド隊長率いるΔ小隊とワルキューレが集まっていた。

「みんな集まってもらったな。これからブリーフィングを始める。今日は明日調査に向かうアル・シャハルについてだ。一月にヴァールシンドロームが発生している。その内三件で生態波の異常シンドロームが感知されている。そこでレディMからその正体を掴めってのが一つだ。」

 そんなアラドの言葉にデルタ4のミラージュ・ファリーナ・ジーナスが質問する。

「隊長、質問をしてもよろしいでしょうか?」

「許可する。なんだ?」

「先程ヴァールについてのが一つと申しましたが・・・・・・・・・もう一つは何ですか?」

「いい質問だデルタ4。そいつはこれだ。」

 アラドはそう言うとモニターにあるものを映し出した。

 モニターにはヴァルキリーほどの大きさのオレンジの恐竜や青い犬、サイボーグの様な恐竜にジーパンをはいた人狼、オレンジの鎧を身に纏った竜人にサイボーグドッグ、青い竜人に緑の昆虫人間、赤い恐竜に赤いサイボーグ恐竜、そして騎士の様なものまで映し出されていた。

「これは・・・・・・・・・なんですか?」

「あ、私知ってるよ。ミラミラ。」

 そう言ったのはワルキューレのメンバーの一人、マキナ・中島が話す。

「隊長。これってヴァールが発生するところに何度もあらわれている謎の生命体だよね?」

「その通りだマキナ。どういうわけかヴァールが発生するところに毎度と言っていいほどこいつが現れる。そんで極めつけにこれを見てくれ。」

 アラドはそう言うとある映像を出した。

 映し出されているのはオレンジの恐竜である。俺虹の恐竜に光が注がれた瞬間で映像を止める。

「この次だ。こいつが・・・・・」

 オレンジの恐竜はサイボーグの姿へと変わった。

「こうなるんだ。更に声も拾ってる。ちょっとノイズが入って聞きづらいが聞いてくれ。」

〈・・・・・・レイモン、ちょ・・・んか!メタルグ・・イモン!〉

「れいもん?」

 そう言葉にしたのはデルタ3のチャック・マスタングであった。

「これについては謎が多い。おそらくこのオレンジのがなんちゃらレイモン。そんでこれがメタルなんちゃらレイモンだ。そしてこの光を発したところを見たらなんと・・・・」

 映像にを部分的に拡大する。するとそこには鮮明ではないが人影が見えた。

「人・・・・・・・・ですか?」

 そう言ったのはデルタ2のメッサー・イーフェルトであった。

「そうだ。おそらくこいつがこれらと関係していると推測される。」

「そんなことがあり得るのかしら?」

「私は生命についてはわからないけど、こんなこと普通に考えても無理があると思う。」

 アラドの言葉に愚問を持ったワルキューレのメンバーの美雲・ギンヌメールに相槌を打ったのは同じワルキューレのメンバーのレイナ・プラウラーであった。

「断定はできないわ。でもこの人を確保して何か情報を引き出すのが私たちの任務でもあるわ。」

 そう言ったのはワルキューレのリーダーであるカナメ・バッカニアである。

「ま、とにかく俺たちはアル・シャハルで調査。もしヴァールが発生したらいつも通りするって事だ。各自気を引き締めて行け。」

『了解!』

「ウー・ラッサー!」

 

 アル・シャハル湾岸の宇宙湾。貨物コンテナが多く並ぶ湾の事務所の中でハヤテ・インメルマンはオーナーと話していた。

「リストラ・・・・・・・ですか。」

「すまねぇな。ヴァール騒ぎのせいで不景気でな。従業員減らせって上からうるさくて。」

「ま、仕方ないですね。てか俺これで何度目だろう・・・・」

 ハヤテは肩を落とす。

「まぁ・・・・・・・同情するわ。給料俺の分から弾んでおくから。」

「・・・・・・・すんません。」

 ハヤテはオーナーに感謝した。

 ハヤテはワークロイドに乗りシートベルトを着用、タッチパネルを操作しマシンを起動させる。

〔大変だね、ハヤテ。〕

「仕方ないよ。不景気なんだから。」

〔でもハヤテの不運って結構あるよね?大抵この場合・・・・・〕

「やめろい。考えたくもないから。」

 ハヤテは一人しかいないコックピットで二人と話していた。

 湾に設置されたスピーカーから音楽が流れ、ハヤテは踊る様にワークロイドを操作する。

「相変わらず踊るように操作するよな。」

「でも作業効率が誰よりも早い。あの技術欲しいよな。」

「なー。」

 ハヤテの操縦を見ている従業員は口を並べてそう言った。

「ん?これって・・・・・」

 ハヤテはワークロイドを操作しているとスピーカーからではない別の声に気付き、人目につかないところでタンカーを置くと中を開けた。そこにはリンゴの上でリンゴを食べている赤いフードを被った女の子がいた。

「ご、ごめんなさい!見逃してくれんかねぇ?」

 土下座をしてお願いする女の子にハヤテは言った。

「え~っと・・・・・・・とりあえず場所移動するか?なんか訳ありそうだから。」

 その言葉を聞くと女の子は顔を上げた。涙と鼻水を流しながら。

 そしてその訳を聞いた。要約すると14になっても結婚しないからリンゴ農園の次男坊に無理矢理結婚させられそうになったため、密航したそうだ。

「・・・・・・・・・大変だな。」

「そーなんよー。あ!申し遅れました。私、フレイア・ヴィオンって言います。この度は、本当に・・・・本当に・・・・・・腹減った・・・・」

 ハヤテはワークロイドごとズッコケそうになった。

 

 人気のない場所でハヤテは自分の昼をフレイアに分け与えていた。フレアは飢えた獣のようにおにぎりをほうばっていた。

「落ち着けよ。おにぎりに足が生えてるわけでもあるまいし。」

「むぐむぐ・・・・んっ!ありがとうね、ハヤテ。おにぎりまでいただいて。」

「しっかし家出で密航までするか、普通?」

「それだけじゃないよー。じゃっじゃじゃーん。」

 フレイアはそう言うと小型のデバイスを出し、起動させる。するとワルキューレの音楽が流れた。

「ああ。ヴァールを鎮静させるワルキューレってメンバーの曲か。」

「そう!そのワルキューレの新曲の“恋!ハイテンション THE WAR”。」

「ふ~ん。で?」

 ハヤテがそう言うとフレイアは笑い、懐からある紙を出した。

「来週、このラグナ星で新メンバーのオーディションがあるんよ!」

「そのために密航?」

「ほいな。」

「あー・・・・・・・言っていいか?」

「ん?なんなん?」

 ハヤテは言いづらいことを言った。

「ここはアル・シャハル。目的のラグナは三十光年隣だ。」

「え!?」

 フレイアの表情は一気に絶望へと変わった。

「まぁ・・・・・・・・俺も今日向こうの都合でリストラになったからこの星を出ようと思うから・・・・・・・・よかったら一緒に行くか?」

 ハヤテの提案にフレイアは喰い付いた。

「いいの!ほんまにいいの!」

「いいも何も・・・・・・俺が勝手にやるんだ。乗るか乗らないかはお前次第だ。保険は無し。失敗したらそこまで。やるか?」

「やるやる!やらせていただきます!」

 フレイアの言葉を聞くとハヤテは立ち上がった。

「よーし。んじゃお前がここを上手く出て行く最高の舞台づくりしてやる。ここに書いてある時間にこの場所に向かえ。」

 ハヤテはそう言うとメモに時間と場所を書いた。

「んじゃ、それまで見つかるなよ。」

「は、ハヤテはどこ行くん?」

「俺か?舞台作りだ。」

 いたずら顔のような笑みでハヤテはそう答えるとその場を去る。

〔いいの、ハヤテ?最後にこんなことして?〕

「みんな女性に話す話が無いって愚痴ってたから話題づくりくらいにこれぐらいっておもってさ。」

〔ハヤテらしいね。オーナーには伝えておくんでしょ?〕

「まあな。最後くらい、わがまま言わせてもらうよ。」

 

 数十分後。ハヤテはオーナーとフレイアを捕まえるために動いている人材に話と金を使って一芝居を計画した。

 まずフレアがハヤテが指定した場所で待っていると探していた人たちがフレイアを見つけ追いかける。当然フレイアは逃げる。そして上手い具合に追い込まれる。

 そこへハヤテが来て乗り物に乗って逃げる。

 ここまでは計画通りではあるが・・・・・・・・・一つイレギュラーが発生した。

 偶然湾に来ていたミラージュが二人の姿を目撃したことだ。

 

 夕方。人気のない裏道でハヤテはそのことを話した。

「は~、あんな短時間でよく考えたねー。」

「ま、経験だ。それよりお前どうする?明日朝一で行けば何とかやり過ごせるけど。」

「やる!命がけでやる!」

「命がけ・・・・・・・ね。まあお前にはその程度が命がけか。」

「なに?バカにしとるん?」

「・・・・・・・・かもな。俺の場合、就職したはいいがなぜかリストラ&ヴァール被害に遭う。そんで星へ星へと渡る始末だ。どこかに俺のいるべき場所ってのを探してるのかもしれない。けど・・・・・・・誰もその答えは教えてくれない。ま、教えられないんだけどよ。」

 そんなハヤテの言葉にフレイアは言った。

「そりゃそうだよ!行きたいとこに行かんきゃね!」

 フレイアはそう言うと木箱から建物から突き出しているもの、そして橋へと飛び移った。

「アタシは、好きな歌を歌いたい!一分でも一秒でも長く!だから絶対、帰らない!」

 そう言うフレイアの笑顔は夕焼けのせいか眩しく感じられた。

 が、足場が崩れフレイアは下へと落ちる。

「バカ!」

 ハヤテは受け止めようとする。受け止めたまではいいのだが・・・・・・どんな力が働いたのかハヤテがフレイアを押し倒す形になってしまった。フレイアはその状況に気付くと頭のハートが光り、ハヤテをポカポカ殴る蹴るする。

 と、そこへタイミング悪くミラージュが来てハヤテに銃を向けた。

「動くな?」

「へ?」

「この・・・・・変態!」

「ちょっ!まっ!話・・・・」

 ハヤテの話を聞く間もなくミラージュはハヤテを押さえる。

「密航犯確保!」

「なんでだ!証拠の提示を要求する!」

「じゃあ婦女暴行犯て呼ばれたい?」

 そんな状況にパニクってかフイレアが挙手をして宣言する。

「はい!密航犯はアタシです!」

 その言葉にミラージュは戸惑う。

「え?」

「あっ!」

 数分後。

「すみませんでした!」

「いいよいいよ。まじめな人だからあれを普通に見たらそう思うし。それにしても・・・・・・・・・港の人じゃないよね?どちら様で?」

「ケイオス、ラグナ第三航空団Δ小隊所属、ミラージュ・ファリーナ・ジーナス少尉です!」

「え!Δ小隊!」

 フレイアはその言葉を聞くと反応する。

「苦情でしたら、広報に―――」

「で、Δ小隊って、ひょっとしてワルキューレと一緒に飛んどる?」

 フレイアがミラージュに質問をする。

「ええ、そうですが・・・・」

「はぁー!ゴリゴリー!」

 フレイアは心底喜んでいた。そんな状況に困惑してミラージュはハヤテに問う。

「な、なんなんですか?」

「ファンだそうですよ。あ、ちょっとお願い頼めますか?」

「お願い、ですか?」

「そ。こいつオーディションのために密航したはいいけど行先間違えたから送ってやってくれないか?元々俺と一緒に同行する予定だったんだがアンタと一緒だったら安全性が八割増しだと思ってさ。」

「はぁ・・・・まあ、隊長に掛け合ってみます。」

「感謝します。」

 ハヤテは礼をする。

 が、その時であった。ハヤテの耳に謎の歌が聞こえてきた。

(これは・・・・・・・・・ヴァールの前の歌!)

 ハヤテはヴァールの度に聞こえてくる歌に反応する。

「どうしたん、ハヤテ?」

「マズイことになった。えっと・・・・・・時間無いからミラージュさんで。ミラージュさん、すぐにアンタはバルキリーのある方まで戻った方がいい。もうすぐ戦場になる。」

「どう言う・・・・」

 ミラージュが問おうとした途端、ヴァール警報が発せられた。

「っ!貴方一体・・・・」

「説明は後だ!早くしないと大勢死んじまうぞ!」

 ハヤテの正論に押し負けミラージュは自分の部隊の方へと向かおうとするが、立ち止まりハヤテの名前を聞いた。

「君、名前は?」

「ハヤテ・インメルマン。」

「ハヤテ・インメルマン・・・・・確かに覚えました。後程話を聞かせていただきますから。」

 ミラージュはそう言うとその場から走り去って行った。

 

 町は火の海となり、ヴァールになった隊員が操縦する104式リガードが破壊活動をしていた。

「警告する!速やかに基地に戻れ!従わなければ・・・・」

 デストロイド・ジャイアントⅡを操縦する隊員が警告するが口よりも手で応えた。104式リガードの一機がミサイルを放つ。デストロイド・ジャイアントⅡに乗っている隊員は撃ち落とそうとするが喰らってしまい倒れる。

「ダメだ!完全にヴァール化している!」

 圧倒的戦闘能力の差で新統合軍の部隊が次々に倒されていく。

 そんな戦場をハヤテとフレイアは走っていた。

 シェルターに逃げようとしても状況は悪くなる一方。ましてや体力が無いフレイアと一緒ではうまく逃げられない状況であった。

(・・・・・・・・二人共、悪いけど・・・・・)

〔気にしないで、ハヤテ。〕

〔そうだよ。僕たち何度もこんな状況を切り抜けてきたじゃないか。今更だよ。〕

「・・・・・・・・・・ありがとう、二人共。」

 ハヤテはそう言うと104式リガードの方を向く。

「は、ハヤテ?」

「フレイア。これから見ること、内緒にしてくれ。」

 ハヤテはそう言うと左手の甲に外、中、内と構成されている三つの光の円が現れる。ハヤテは左手を突き出し、叫ぶ。

「リアライズ!アグモン!ガブモン!」

 ハヤテが叫ぶと空中に円が二つ現れゲートを構成、そしてアグモンとガブモンがリアライズする。

 

 アグモン。成長期、恐竜型、ワクチン種デジモン。

 必殺技はヘビーフレイム。

 

 ガブモン。成長期、爬虫類型、データ種デジモン。

 必殺技はプチファイアー。

 

「な、なんなんこの生きもん!」

「説明は後。二人共、いくよ!」

 ハヤテがそう言うと内側の円の一つが光り手の甲に刻まれ、“EVOLUTION”という文字が浮かび上がった。

「ソウルチャージ!」

 ハヤテは左手を突き上げ叫ぶとそのまま下へ下ろし、突き出した。

「EVOLUTION!」

 ハヤテの目の前に一つの円が浮かび上がり、二つの光がアグモンとガブモンに向け放たれる。二体に大量の情報が注がれ、二人の肉体を再構成する。

「アグモン進化!グレイモン!」

「ガブモン進化!ガルルモン!」

 

 グレイモン。アグモンが進化した成熟期、恐竜型、ワクチン種デジモン。

 必殺技はメガフレイムとホーンストライク。

 

 ガルルモン。ガブモンが進化した成熟期、獣型、ワクチン種デジモン。伝説のレアメタルと言われる「ミスリル」のように固い体毛を持つデジモン。

 必殺技はフォックスファイヤー。

 

「ち、ちっこいんが化けた!」

 フレアはグレイモンとガルルモンを見て驚く。

「グレイモン、ガルルモン。分かってるとは思うけど・・・・・」

「ああ。いつも通り手加減だね。」

「大丈夫だよハヤテ。安心して。」

 二人はハヤテに向けそう言うとハヤテは頷いた。

「二人共、行って!」

「おう!」

「うん!」

 グレイモンとガルルモンはヴァ―ル化した104式リガードのへと向かう。

「おら!どら!」

 グレイモンは腕と尻尾を使い次々と104式リガードを倒してゆく。ミサイルを装備した104式リガードがグレイモンに向け放つ。

「メガフレイム!」

 グレイモンはメガフレイムを放ちミサイルを全て叩き落す。

「これ以上無益な争いは止めるんだ!」

 ガルルモンは自身の体毛の硬さを活かし、身体から伸びているブレードで砲身を斬る。それでもなお暴れようとする104式リガードにガルルモンはモニター部分へと跳び付く。

「フォックスファイアー!」

 ガルルモンのフォックスファイヤーによって104式リガードもメインモニターが破壊される。

「すごい!でも・・・・」

 フレイアは二人の活躍に感心する。しかし状況は悪いままであった。

「ちっ・・・・・仕方ない。グレイモン、ガルルモン。超進化だ!」

「わかった!」

「それしかないね。」

 二人はハヤテの提案に合意する。

 ハヤテの左手の甲に内と中の輪が刻まれ、“SUPER EVOLUTION”という文字が浮かび上がる。

「ソウルチャージ!」

 ハヤテが左手を上げるとハヤテの腕に二つの輪が現れる。

「SUPER EVOLUTION!」

 ハヤテが手を突き出すと二つの円が現れ二つの光が放たれる。二人に向け膨大な情報が与えられ、身体を再構成する。

 グレイモンの左腕と胸部がサイボーグへと変化し、頭部には鉄のヘルメット。背中には翼が生えた。

 ガルルモンは二足歩行になると右膝にスパイクが付いたジーパンに皮のショルダーアーマーを左肩に装備、左腕を布で防御し手にはブラスナックルが握られていた。

「グレイモン、超進化!メタルグレイモン!」

「ガルルモン、超進化!ワーガルルモン!」

 

 メタルグレイモン。グレイモンが超進化した完全体、サイボーグ型、ワクチン種デジモン。

 必殺技はトライデントアームとギガデストロイヤー。

 

 ワーガルルモン。ガルルモンが超進化した完全体、獣人型、ワクチン種デジモン。

 必殺技はカイザーネイル。

 

「またまた化けた!どうなっとん!?」

「進化だって。行け!メタルグレイモン!ワーガルルモン!」

「おお!」

 メタルグレイモンは飛行すると104式リガードに向けメタルスラッシュを使い足や砲身を斬る。

「トライデントアーム!」

 メタルグレイモンのトライデントアームが104式リガードを掠め、倒してゆく。

 ワーガルルモンは俊敏に動きラッシュを繰り出し104式リガードを戦闘不能にする。

「カイザーネイル!」

 ワーガルルモンはクァドラン・レアの武装を全て壊す。

 戦闘が激化する中、歌が聞こえてきた。

「虹色の、声?」

フレイアはその歌声を虹色の歌声と口にした。

一人の女性が戦場を見てこう口にした。

「やっと温まってきたわね。」

 すると女性はサングラスと帽子を取り、叫んだ。

「It’s show time!」

 女性の服装はアイドルの服装へと変化する。

「歌は、神秘!」

 その女性を見てフレイアは叫んだ。

「やっぱり!美雲さん!」

 すると飛行機の音が聞こえてくる。四機のVF-31 ジークフリートが旋回しシグナスが射出される。黄色いVF-31は足を出して急停止するとコックピットが開き、一人地上へと降りてくる。

「歌は、愛!」

 レイナがそう叫ぶと続くようにマキナ、カナメが続く。

「歌は、希望!」

「歌は、命!」

 そして三雲が言う。

「聞かせてあげる、女神の歌を!」

『超時空ヴィーナス!ワルキューレ』

 美雲、カナメは両手でWを作り、レイナとマキナは二人でWを作る。

『♪~~~~♪~~~~』

 ワルキューレは歌でヴァール化した人たちを静め、その隙にΔ小隊が無力化する。メタルグレイモンとワーガルルモンも協力して鎮圧に協力する。

「実際に見てみるとデカいな。こいつは。」

「確かに。しかもさっき名前を叫んだことから会話ができる程の知能を持ってます。」

「こんな生命体がいるなんて・・・・・しかもサイボーグ。」

「こいつはすっげーや!」

 Δ小隊の各はメタルグレイモンとワーガルルモンを見て驚いていた。

「よし、このまま・・・・・・・・っ!?」

 ハヤテは空を見上げる。見る先は遥か高くにある宇宙。

「・・・・・・・・・来る!」

「へ?」

 ハヤテの言葉にフレイアは間抜けな声を出し、ハヤテ同様に空を見上げた。すると突然空の上で爆発が起こった。そしてアル・シャハルへ大気圏突入をしてきたヴァルキリー隊が地上へ攻撃を仕掛けてきた。

「くそっ!ここにいても危ない!」

 ハヤテはフレイアをお姫様抱っこする。

「ちょっ!なにすんねん、ハヤテ!」

「こんな場所にいたらいつ巻き添え喰らうかわからない!行くんなら・・・・・」

 ハヤテは建物を超人と言っていいほどの跳躍でワルキューレがいる建物まで飛ぶ。

「ここでしょ!」

「な、なに貴方!ファン?」

 突然現れたハヤテとフレイアを見て美雲が驚いた。

「いや、こいつがアンタたちのファンで・・・・・って、そんなこと言ってる場合じゃなかった。」

 ハヤテはフレイアを降ろす。

 すると謎のヴァルキリーがワルキューレのいる方へと向けミサイルを放とうとしていた。

「マズイ!メタルグレイモン!ワーガルルモン!」

「どうした、ハヤテ!」

「何かあったのか?」

「貴方一体・・・・・」

 メタルグレイモンとワーガルルモンのことを知っているハヤテにカナメは驚く。

「話は後!究極進化だ!」

「なんだって!」

「危険だ!君は二回も僕たちを進化させた!!君の身体が・・・・・」

「時間が無いんだ!」

 ハヤテがそう言うとハヤテの左手の甲に三つの円が刻まれ、“ULTIMATE EVOLUTION”の文字が浮かび上がる。

 するとカナメの目も前に投影ディスプレイが現れ、ある反応が現れる。

「アクティブ反応?まさかこの子・・・・」

「ソウルチャージ!」

 ハヤテが左腕を上げ叫ぶと、ハヤテの左腕に三つの円が刻まれる。

「ULTIMATE EVOLUTION!」

 ハヤテが左腕を突き出すと三つの円が現れ、二つの光が放たれる。二つの光は二人に向け放たれ、これまでに無い膨大な情報を与える。

「メタルグレイモン!究極進化!」

 恐竜のような姿から一変し竜人の肉体に金色の鎧を身に纏った姿へと変わる。両腕にはドラモンキラー、背中には二つに割れたブレイブシールドを装備していた。

「ウォーグレイモン!」

 

 ウォーグレイモン。メタルグレイモンが究極進化した究極体、獣人型、ワクチン種デジモン。

 必殺技はガイアフォース。

 

「ワーガルルモン!究極進化!」

 ワーガルルモンは獣人の姿から一変し、全身メタルのサイボーグ獣型デジモンへと姿を変える。背中にはウィング、尻尾にはナイフを装備された姿へと変わった。

「メタルガルルモン!」

 

 メタルガルルモン。ワーガルルモンが究極進化した究極体、サイボーグ型、データ種デジモン。

 必殺技はコキュードブレス。

 

「うそ・・・・・」

「あの生き物が・・・・・」

「変わった・・・・・」

「しかも人の手で・・・・・」

 美雲、カナメ、マキナ、レイナの順に驚きのあまり言葉を述べた。

 しかしそんなことに構わずミサイルは接近してくる。

「メタルガルルモン!」

「わかった!」

 メタルガルルモンはミサイル群の前に立つと口を大きく開ける。

「コキュードブレス!」

 メタルガルルモンのコキュードブレスがミサイルを全て凍らせる。凍ったミサイルはそのまま海や地上へと落ちるが爆発はしなかった。

「ウォーグレイモン!」

「任せろ!」

 ウォーグレイモンは謎のヴァルキリーにドラモンキラーで傷を付けようとするがリル・ドラケンが邪魔をする。

「そこを退け!」

 ウォーグレイモンがグレートトルネードでリル・ドラケンを破壊する。

 しかし地上ではまだヴァールと化した兵たちが暴れていた。

 ハヤテは肩で息をしながら状況を整理する。

「マズイ・・・・・あいつらイカトンボのせいでヴァールになっちまった人たちの抑えが効かなくなった。助っ人追加するか。」

 ハヤテがそう言うと二つの円が空中に現れる。

「リアライズ!ブイモン!ワームモン!」

 すると円がゲートを構成し、ブイモンとワームモンがリアライズする。

 

 ブイモン。成長期、子竜型デジモン。

 必殺技はブイヘッドとブイパンチ。

 

 ワームモン。成長期、幼虫型デジモン。

 必殺技はネバネバネットとシルクスレッド。

 

「ハヤテ、無茶するな。」

「そうだよハヤテちゃん!三回連続進化をしたんだよ!これ以上は・・・・・」

「わかってる。だからこれを使う。」

 ハヤテはそう言うと二つのデジメンタルを手に取った。

「アーマー進化か。それなら普通の進化より負担が少ない。」

「ハヤテちゃん・・・・・・・・・・うん、わかったよ。僕たちがんばるからハヤテちゃんは休んでて。」

「悪いな、二人共。じゃあ行くぞ。」

 ハヤテは二つのデジメンタルを空中に投げると左手をデジメンタルの方へ向ける。手の甲に内側の円が刻まれ、“ARMOUR EVOLUTION”の文字が浮かび上がる。

「ソウルチャージ!ARMOUR EVOLUTION!」

 空中に円が現れ二つの光が放たれる。二つの光はデジメンタルに当たるとそのままブイモンとワームモンの方へと注がれる。

「ブイモン、アーマー進化!燃え上がる勇気、フレイドラモン!」

「ワームモン、アーマー進化!湧き上がる知恵、ハニービーモン!」

 

 フレイドラモン。ブイモンが勇気のデジメンタルでアーマー進化したアーマー体、竜人型デジモン。

 必殺技はナックルファイアとファイアロケット。

 

 ハニービーモン。ワームモンが知恵のデジメンタルでアーマー進化したアーマー体、昆虫型デジモン。

 必殺技はポイズンパウダーとパラライズスティング。

 

「また変わりよった・・・・・」

 フレイアはブイモンとワームモンのアーマー進化に驚かされる。ワルキューレも目の前でデジモンの進化に驚きを隠せなかった。

「ハヤテ、しばらく休んでてくれ。」

「僕たちがあっちの方を制圧してくるから。」

 フレイドラモンとハニービーモンはそう言うと戦場に身を投じた。

 ハヤテは見送ると座り込んだ。

「ハヤテ、大丈夫なん?顔色悪いよ!」

 フレイアが見るハヤテの表情は疲労の色でいっぱいであった。

「悪い・・・・・ちょっと連続で進化させすぎた。少し休んだら大丈夫だから・・・・」

 フレアに気遣いそう言うハヤテ。そんなハヤテにカナメが質問をする。

「ねえ、君。」

「はい?」

「聞いていいかな?」

「答えられる・・・・範囲で・・・・今ちょっとやばいんで・・・・」

「わかったわ。あの生き物たちは何?」

「デジモンです。俺にとって大事な仲間です。」

「なるほど・・・・・ね。君は私たちの敵?」

「・・・・・・・そちらの出方によりますが、今は味方です。」

 ハヤテがそう答えるとしばらく沈黙が続いた。

「・・・・・・・・・わかったわ。でも後で私たちについて来てくれるかしら?」

「いいですよ。それより・・・・」

 ハヤテは空を見る。するとそこにはSv―154がハヤテたちのいる方へ向かっていた。

「あのイカトンボ、何とかしないとな。」

 ハヤテはそう言ううと立ち上がり深呼吸、そして大きな声で叫ぶ。

「ウォーグレイモン!メタルガルルモン!」

「「ハヤテ!」」

「ソウルドライブだ!」

「「なっ!?」」

 二人はハヤテの言葉に驚きを隠せなかった。

「危険だハヤテ!もっと体を大事にしろ!」

「そうだよ!もしそんなことしたら・・・・・」

「二人の気持ちはわかる。でもな、俺は後悔したくないんだ!」

「「っ!?」」

 ハヤテのその言葉を聞くと二人は負ける。

「相変わらずだな、ハヤテは・・・・」

「全くだね。どうなっても知らないよ?」

「構うもんか。二人共、準備は?」

「「いつでも問題ない!」」

「よし!」

 ハヤテは両手に拳を作る。左に勇気、右に友情の紋章が浮かび上がる。

「ソウルドライブ!ウォーグレイモン!」

「おう!」

「メタルガルルモン!」

「ああ!」

 ハヤテは建物から飛び降りる。その行動にフレイアとワルキューレは驚く。

「合体!」

 ハヤテが叫ぶとウォーグレイモンとメタルガルルモンはデータとなりハヤテへ注がれる。

 ヴァルキリーサイズのデジタマが形成され、中から一体のデジモンが姿を現した。

「オメガモン!」

 

 オメガモン。ハヤテがウォーグレイモンとメタルガルルモンとソウルドライブし合体した究極体、聖騎士型、ワクチン種デジモン。

 必殺技はガルルキャノンとグレイソード。

 

「は、ハヤテとデジモンが・・・・・」

「合体したですって!」

 フレイアと美雲は言葉にして驚いた。

「行くぞ!」

 オメガモンは空を飛び、Sv―154へ向かう。Sv―154はファイターからガ―ウォークと変形するとガンポッドでオメガモンに攻撃する。しかしオメガモン派がルル問の腕を使い防御。そしてグレイモンの腕からグレイソードを出し切りつけようとする。

Sv―154はファイターへ変形し真上へと逃げる。オメガモンのグレイソードは空振りする。

「逃がすか!」

 オメガモンはガルルモンの口から砲身を出すとSv―154に狙いを定める。

「ガルルキャノン!」

 ガルルキャノンがSv―154に向け放たれる。Sv―154は回避しようとするが羽に掠りバランスを失う。ガーウォークに変形し地上に着地するとバトロイドへと変形する。オメガモンも地上に降りSv―154と向き合う。Sv―154はガンポッドをオメガモンに向け放つが、オメガモンは防御することなくゆっくりとSv―154へと近づく。

 オメガモンはグレイソードでガンポッドを破壊すると右腕、左腕を斬る。そしてオメガモンはコックピットへ向けグレイソードを突く。Sv―154のパイロットは恐怖しSv―154ごと尻餅を着く。

 が、オメガモンがグレイソードを止めたのはSv―154に刺さる寸前であった。

 オメガモンはグレイソードとガルルキャノンを収める。それと同時に謎のヴァルキリー隊もその一機だけを残し撤退した。

 

 デジタルワールドの戦士たちとワルキューレが出会う時、冒険が進化する。

 




こんな感じです。
一発ネタの理由としてここから先が動画サイトだと海外系統みたいのじゃないと見れないから。
パソコンをダメにしたくないので。
誰か書いてくれたら嬉しいです。


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マクロスΔ×トランスフォーマー(実写版)

 我々は機械生命体トランスフォーマー。

私の名はオプティマスプライム。

我々の星、セイバートロン星は長きにわたる戦争によってボロボロとなり、住めるような星ではなくなっていた。我々は宇宙に放ったオールスパークを回収するために地球へ向かった。

 だが、我々はその道中に異世界の人間と接触をしていた。

 その者の名はハヤテ・インメルマン。我々が住む宇宙とは別の宇宙から期待世界の地球人である。

 彼の協力もあり、我々は彼を通じて地球の潜伏を行った。そしてアーチボルト・ウィトウィッキーの子孫、サム・ウィトウィッキーを見つけ、オールスパークの在りかを示した眼鏡の回収をするはずであったがそこで地球人の一部の人間が我々の仲間であるバンブルビーを拉致。そして地球に降り立ったディセプティコンとオールスパークを巡る戦争をした。

 深手を負いながらもサムの勇気ある行動によりメガトロンを倒すことができた。その後ハヤテはアメリカの特殊部隊NEST兼サイバトロン戦闘員として行動を起こした。私は仲間に向けメッセージを送った。二年間で多くの仲間が増えたと同時に、地球に新たなディセプティコンも来た。

 そして私は蘇ったメガトロンによって一度殺された。次に目が覚めた時にはサムが私を生き返らせてくれた。しかしザ・フォールンにより私を生き返らせたマトリクスが奪われ、地球は消滅の危機に瀕した。ジェットファイヤーが自らの命と引き換えに命と力を与え、地球の危機と救い、ザ・フォールンを倒した。

 更にその三年後、我々は地球人に大きく裏切られた。地球人の一人が代表して説明を受けた。我々が地球に降り立つよりも前に、地球人は我々という存在を直接知っていた。そして月面へ行き、センチネルプライムを見つけた。私はセンチネルを地球に連れて帰り、そしてマトリクスで生き返らせた。その際にスペースブリッジの発生装置も回収した。

 しかし彼はディセプティコンに寝返っていた。彼はアイアンハイドを殺そうとしたがハヤテの助けもあり、彼は左腕を失うだけで済んだ。

 そしてディセプティコンは地球を侵略、我々オートボットは地球外へと退去せざるを得なかったが我々はブースターに身を潜めた。案の定スタースクリームが船を破壊。そして我々はシカゴを占領したディセプティコンへ、自由と平和のために反撃を開始した。

 だが反撃もそう上手くは行くものではない。バンブルビーとキューが圧倒的敵の戦力に一時は二人とも殺されかけた。だが我々の仲間であるNESTとハヤテが彼らを助けてくれた。そして私はセンチネルと戦った。勝つ出を失い、殺されるかと思われたがそこへメガトロンがセンチネルを攻撃した。私はその気を逃すまいとメガトロンを殺し、そしてセンチネルを殺して戦いに終止符を打った。

 そして我々はセンチネルが残したスペースブリッジの技術を活かし、別宇宙へのスペースブリッジの建設を成功させた。

「オプティマス、アンタとも今日でお別れだな。」

「仕方ないことだ。君には君の帰るべき宇宙がある。我々は地球人と共に、この星を守り続ける。」

「そっか・・・・」

 小型宇宙船に腰掛けながらハヤテはオプティマスと話す。そこへキューが来た。

「ハヤテ。君に渡したいものがある。」

「俺に?」

「ああ、これだ。」

 キューはそう言うと袋を渡した。袋の中を見るとそこにはキューお手性の武器が入っていた。だが一つだけスティック状の機械があった。

「キュー、これはなんだ?」

「そいつは私の自信作でな。名前をまだ付けていないんだ。」

「ふーん。で、どんなもんなんだ?」

「そいつをマシンに差せばどんな奴もお前の思う通り動かせるトランスフォーマーに変えることができる機械だ。」

「こいつが?」

 ハヤテは信じられないと思いそれを見る。

「更に面白い機能としてオートボットとディセプティコンのトランスフォーマーのデータを入力してある。名前を叫べばそのトランスフォーマーの機能が使えるというわけだ。」

「すごいな・・・・・オールスパークでも使っているのか?」

「察しがいいな。その通り。それにはオールスパークの欠片を使っている。」

「いいのか、それ?」

「問題はない。それに、今の我々には手に余る代物だからな。せめてもの選別だ。」

「そっか。サンキューな。」

 ハヤテはそう言うと袋の中に戻す。

「そろそろ時間だな、ハヤテ。」

「ああ。」

 ハヤテはそう言うと小型艇へ乗り込もうとする。すると立ち止まり、オプティマスの方を振り返った。

「どうかしたのか?」

「さっきのアレの名前、サイバトラーってのはどうだ?」

「サイバトラーか・・・・いい名だ。」

「へへ、そうか。」

 ハヤテは笑顔でそう言うと小型艇に乗り込んだ。

「オプティマス、元気でな。」

「ああ、君もな。」

 ハヤテはオプティマスにそう言うと小型艇を発進させ、スペースブリッジを通り自分のいた宇宙へと帰った。

 

 それから数年が経った。ハヤテが過ごした六年間はこちらではたったの二年しか経っていなかった。本来であれば17のハヤテではあるが、実年齢は21であった。

 そんなハヤテは惑星ラグナの宇宙湾で事務所にいた。

「リストラ・・・・ですか。」

「ああ。悪いな。」

「気にしないでください。

 ハヤテはそう言うと事務所を出た。ハヤテははるか遠くの空を見ながら黄昏る。

(オプティマス、俺はお前らといた方がまだやりがいがあるって感じるよ。)

 ハヤテはそう思いながらワークロイドに乗り、タンカーを踊りながら運ぶ。危なっかしい運転でありながらも腕は確かであった。

「今更だが、オプティマスたちとヴァルキリーってどこか似てるよな。でもまぁ・・・・オプティマスたちの方が自然と風景に溶け込めるけど。」

 ハヤテはワークロイドを操縦していると別の歌声が聞こえてきた。

「歌?しかもコンテナから・・・・・・」

 ハヤテはコンテナを置き、中を確かめる。するとそこにはリンゴの上でリンゴを食べている一人の女の子がいた。

「お前・・・・」

「ご、ごめんなさい!見逃してくれんかねぇ?」

 土下座をする女の子にハヤテは戸惑った。

(なんでこんなところに・・・・・・・・・・・そういやさっき見後者がどうたらって話があったよな?あれか・・・・)

 ハヤテはワークロイドに乗る前に耳にした話を思い出した。

(見たとこずっとこればっか食ってるぽいな。さすがに可哀そうだし・・・・・・・・・仕方ない。)

 ハヤテは腹を決める。

「なんか知らんが黙っててやるよ。」

 ハヤテがそう言うと女の子は涙と鼻水を流しながら事情を話した。

 要約するにリンゴ農家の次男と結婚しろと勝手な縁談を持ち掛けられたのだ。

「・・・・・苦労してるな。」

「そーなんよー。あ!申し遅れました。私、フレイア・ヴィオンって言います。この度は、本当に、本当に・・・・・・・・・・・腹減った。」

 ハヤテはガクッと前に倒れかけた。

 

 人気のない倉庫。ハヤテはキューから貰ったフィールド発生装置を起動させ、フレイアに食事を与えていた。フレイアは飢えた獣のようにおにぎりを食べていた。

「落ち着いて食べろ。行儀悪いぞ。」

「むぐむぐ・・・・・んっ!ありがとうね。おにぎりまでいただいて。」

「むしろリンゴだけで生活していたお前に尊敬するわ。それだったらカレーじゃないとだめだし。」

「なんで?なんでカレーなん?」

「どこでも持ち運べるスパイスとどんな野菜とかも一辺に食べられるから必需品なんだよ。最も、ちょっとした教官にみっちり教え込まれたせいなんだがな。」

 ハヤテはNESTのある人物を思い浮かべる。

「しかし家出で密航ってスケールデカいな、お前。」

「それだけじゃないんだよー。ジャッジャジャーン。」

 フレイアはそう言うと小型デバイスを取り出し起動させる。デバイスからはワルキューレの音楽が流れた。

「ああ、ヴァールを鎮静させるあのワルキューレか。」

「そう!そのワルキューレの新曲“恋!ハイテンショ THE WAR”。」

「ふーん・・・・で?」

 ハヤテがそう言うとフレイアはニヒヒと笑い、懐から神を出す。

「来週この惑星ラグナで新メンバーのオーディションがあるんよ。」

「そのために?」

「ほいな。」

 それを聞くなりハヤテは言った。

「喜んでいるところ悪いがここはハル・シャハルだ。惑星ラグナは三十光年先だぞ。」

「え!」

 フレイアの表情は一気に絶望へと変貌する。

「まぁ・・・・・・・ここに居ろ。少し強硬手段だが俺がこの湾からお前を出して、ラグナ行きの船に乗せてやるよ。」

 ハヤテの言葉を聞くとフレイアの表情はパッと明るくなった。

「ほんまなん?ほんまにほんまなん!?」

「ああ。その代り、この装置から離れるなよ。ジャミングが今働いてはいるが下手に離れたらお前見つかるからな。」

「うんうん、わかった!」

 フレイアは嬉しそうにそう返事をした。

 ハヤテは脱出のルートを検索し、乗り物の準備をした。

「後は強硬手段だが・・・・・・ゲートの親父に金掴ませときゃいいか。」

 ハヤテはそう言うとゲートの方へ行き、係員に金を掴ませる。

「んじゃ、俺はお前がしでかすタイミングの時に休憩に入るな。」

「ああ。裏切るなよ。」

「わかってるって。」

 ハヤテはそう言うとフレイアを迎えに行った。

「フレイア、ちょっと荒っぽいが行くぞ。」

「うん!」

 フレイアはこの後後悔した。言葉以上に荒っぽく湾を脱出するのであるから。

「きゃああああああああああああああああああ!」

 断末魔の叫びの様なものを上げてたがハヤテは無視した。その場に居合わせた者にも気付かず。

 

 湾から離れた街の路地裏。人気のない場所でありながらも見通しがいい。

「あんな強引だなんて思わなかったね!」

「仕方ないだろ。お前を無理やり連れて行ったってイメージの方が後々いいからな。」

 ハヤテはそう言うと壁に背を預ける。

「で、どうしても行くのか?」

「やる!命がけでやる!」

「命がけ・・・・・・・・・・か。本当に命かけているな。人生って意味で。」

 ハヤテは皮肉交じりに言う。

「バカにしとるん?」

「かもな。俺の場合、どこに行ってもリストラ。ま、不景気もあるけどな。けどそこにやりたいって気持ちよりも、生きてる実感がなかった。前にいた場所が生きてるって感じは舌が今の俺は死んでる。どうしたらいいのかわからないし、誰もその答えは教えてくれない。」

 そんなハヤテにフレイアは言った。

「そりゃそうだよ!行きたいとこに行かんきゃね!」

 フレイアはそう言うと近くにあった木箱から建物の突き出しに飛び移り、橋へ飛び移った。

「アタシは好きな歌を歌いたい!一分でも、一秒でも長く!だから絶対、帰らない!」

 夕日をバックに言うフレイアの表情にハヤテは見とれる。

 が、その時フレイアの足元が崩れ、フレイアが落ちる。

「おい!」

 ハヤテはフレイアを受け止めようと欠け負った。だがどこをどうしたらそうなったのか、ハヤテがフレイアを押し倒す形になった。フレアはそのことに気付くと頭の触覚が光り、ハヤテを殴る蹴るする。

 そこへタイミング悪く一人の女が銃を向けた。

「動くな!」

「へ?」

 突然の事態にハヤテは間抜けな声を出す。

「この・・・・・・変態!」

「ちょ!ま!」

 ハヤテの言葉を聞く間もなく女はハヤテを押さえつける。

「密航犯確保!」

「なんでだ!どこにその証拠がある!」

「じゃあ婦女暴行犯って呼ばれたい!?」

 そんな状況にフレイアが挙手をして宣言した。

「はい!密航犯はアタシです!」

 女はその言葉を聞いて間抜けな声を出す。

 事情を説明して・・・・・

「すみませんでした!」

 見事なまでに頭を下げる女。

(こういう人ってすごいよな・・・・・・・素直に自分の非を認める女性って惚れそうだな。)

 ハヤテは女を見てそう思った。

「ちなみにどちら様で?」

「ケイオス、ラグナ第三航空団Δ小隊所属、ミラージュ・ファリーナ・ジーナス少尉です!」

「え!Δ小隊!」

 フレイアはミラージュの言葉を聞くと反応する。

「苦情でしたら広報に―――」

「で、Δ小隊ってひょっとしてワルキューレと一緒に飛んどる?」

 フレイアがミラージュに質問する。

「ええ、そうですが・・・」

「はぁ~!ゴリゴリ~!」

 フレイアは触覚が光らせながら喜ぶ。そんな状況に戸惑ったミラージュはハヤテに問う。

「な、なんですか?」

「ファンなんだって。」

 ハヤテの言葉を聞いてミラージュは納得する。

 そんな時ハヤテのバッグから何かが振動した。

(これってもしかして・・・・)

 ハヤテはバッグの中からある道具を取り出した。そして英語でこう表記されていた。

 

—―――Danger, get ready action.

 

「っ!」

 その直後であった。ヴァール警報が発せられた。

「君たち、すぐシェルターに避難して下しさい!」

 ミラージュはそう言うとその場を去った。

「え?どういうことなん、ハヤテ?」

 状況が呑み込めないフレイアにハヤテは一言言った。

「ここが戦場になるって事だよ。」

 

 数分後、平和な町は一変した。

 賑やかであった町は一気に火の海へと変貌。町にはヴァールによって暴走した兵士たちが操縦する106式リガードが破壊活動を行っていた。

「走れ!」

「待って・・・・体力が・・・・」

「ああ、クソ!ワルキューレ目指すんなら体力作れ!」

 ハヤテはそう言うとフレイアを抱きしめる形で走る。

(せめて乗り物があったらいいんだが・・・・・・・どれも壊れてサイバトラーが・・・・)

 ハヤテがそう思っていると歌声が聞こえてきた。

「虹色の、声?」

 フレイアはその歌声を虹色の声と表現する。

 激化する戦場に一人、女性が立っていた。

「やっとあったまってきたわね。」

 すると女性はサングラスと帽子を放り投げ、叫ぶ。

「It’s show time!」

は、神秘!」

 その女性を見てフレイアは叫んだ。

「やっぱり!美雲さん!」

 すると飛行機の音が聞こえてくる。四機のVF-31 ジークフリートが旋回しシグナスが射出される。黄色いVF-31は足を出して急停止するとコックピットが開き、一人地上へと降りてくる。

「歌は、愛!」

 レイナがそう叫ぶと続くようにマキナ、カナメが続く。

「歌は、希望!」

「歌は、命!」

 そして三雲が言う。

「聞かせてあげる、女神の歌を!」

『超時空ヴィーナス!ワルキューレ』

 美雲、カナメは両手でWを作り、レイナとマキナは二人でWを作る。

『♪~~~~♪~~~~』

 ワルキューレは歌でヴァール化した人たちを静め、その隙にΔ小隊が無力化する.

「本当に・・・・歌で・・・・・」

 ハヤテはワルキューレの行動に驚きを隠せなかった。

 だがその時、またしてもハヤテのバッグから振動がした。

―――NEXT danger, coming!

 ハヤテは警戒を強める。するとΔ小隊が急に空へ上昇した。ハヤテも上昇する方を見ると未確認のヴァルキリーが飛行していた。

「・・・・・・・もしかして・・・・・そう言う展開か?なんで敵ばっかりそんな都合よく揃ってんだよ。戦力も、状況も。」

 ハヤテは心底経験上からそう思った。

 ヴァールを鎮圧化していた状況から一変。謎のオンノウンによってワルキューレが襲撃され、再び暴走が始まった。

 ワルキューレの美雲が襲われるが彼女はどんな状況でも歌を歌う。そんな状況にフレイアの触覚は光る。

「ルンピカー!」

 フレイアは戦場を歌いながら走り始める。

「バカ!くそ・・・・・・せめてなんか乗り物が・・・・」

 ハヤテが周りに何か乗り物が無いか探す。するとパイロットだけを除いたVF-171 ナイトメアプラスが放置されていた。

「ナイスなタイミングだな、おい!」

 ハヤテはナイトメアプラスに乗り込む。

「基本は同じか。これなら!」

 ハヤテはナイトメアプラスを操縦士動かす、コックピットからはフレイアがスーパー・グラージに踏みつけられそうになっていた。

「させるかよ!」

 ハヤテはナイトメアプラスのスラスターを吹かしスーパー・グラージを抑えるとそのまま押し倒した。

「このバカ!考えて行動しろ!」

「その声・・・・・ハヤテ!?」

 フレイアはハヤテがナイトメアプラスを操縦していることに驚く。ハヤテはフレイアを掴むとコックピットに乗せる。

「もうちょっと考えろ、馬鹿!」

「バカって何ねバカって!」

「バカだから言ってんだろ!」

 ハヤテはそう言いながらサイバトラーを取り出した。

「なんね、それ?」

「必要になる武器だ・・・・よ!」

 ハヤテはナイトメアプラスにサイバトラーを突き刺す。するとトランスフォーマー独特の変形音が響き渡り、ナイトメアプラスの表面に電流が走る。

「バンブルビー!」

 ハヤテが叫ぶとナイトメアプラスの色が黄色となり、バトロイドの姿も変わり始めた。

 格闘選手の様にポージングを取ると腕が一回り大きくなり、可動範囲が大幅に広がる。

「隊長、あれは・・・・」

「俺も初めて見る。なんだあのヴァルキリーは?」

 VF-31Cを操縦しているミラージュがVF-31Sを操縦しているアラドに話しかける。

「さあ・・・・・いっちょファイトしようか!」

 ハヤテはバンブルビーのバトルスタイルを真似てスーパー・グラージに接近すると背中に備え付けている二の砲台を殴って曲げ、使えなくする。スーパー・グラージは両手の武器でナイトメアプラスを攻撃しようとするがハヤテは両手で掴むと胴体に膝蹴りを食らわせる。スーパー・グラージは両腕を失いながら宙を舞い、そして地面に落ちる。

 そこへミサイル重武装のリガードがビームで攻撃を仕掛けてくる。

「これも使ええるよな?」

 ハヤテはキューを信じ、ナイトメアプラスの右腕を変形させる。右腕は銃砲へと姿を変えた。ハヤテはナイトメアプラスの右腕をリガードの砲門へ放ち、破壊すると続けて片足を破壊し戦闘能力を奪う。一騎を倒すと二機目も同様にするがそこへ両腕のあるリガードがナイトメアプラスの足元を撃ってくる。

「しつこい!」

 ハヤテがそう言うとナイトメアプラスのアイカメラにマスクが降りる。ハヤテはナイトメアプラスで足払いをすると片足でリガードを押さえつけ片腕を引きちぎり、右腕の砲でもう片方の腕を破壊した。

「このリズム・・・・」

 ハヤテの戦いのリズムにフレイアは気づいた。

「また・・・・風の色!」

 フレイアがそう言うとフレイアの触覚が光った。

 しかしその直後、ナイトメアプラスの後ろから攻撃が来る。ナイトメアプラスは倒れそうになるが空中で姿勢を保ち後ろを振り向く。目の前には無数のミサイル。そしてその上に輝く星々にはそれは無かった。

「スタースクリーム!」

 ハヤテがそう言うとカラーと形が一変する。色は灰色になり、背中に追加のスラスターが付き、腕は細くなり、足のスラスターの威力が上がった。

「うぉおおおおおお!」

 四つのスラスターを吹かしハヤテはナイトメアプラスを急上昇させミサイルを回避する。そしてバトロイドからファイターへと変形する。飛行しているとフレイアが歌い始める。その瞬間、ハヤテは不思議な感覚に見舞われた。

(この歌・・・・・・・風!)

 そんな時間を邪魔する様に真上から攻撃が繰り出される。

「くっ!」

 ハヤテは操縦桿を操作し回避すると敵を確認する。攻撃してきたのはあのアンノウンの一機であった。

「舐めるなよ、イカトンボ!」

 ハヤテはそう言うとナイトメアプラスをきりもみ回転させながらアンノウンの後ろを取るとバトロイドに変形し左腕を丸鋸に変え斬りかかる。アンノウンは両翼に取り付けていた小型機を飛ばし回避するが二機ともハヤテの手によって破壊された。

「フレイア、歌ってるところ悪いが吐くかもしれないぞ。」

 ハヤテはそう言うとナイトメアプラスをファイターに変形させ、アンオウンを追撃し始める。アンオウンはハヤテを振り切ろうとするがハヤテは逃がさないように喰い付き、攻撃をする。すると今度は後方に別のアンオウンが取り付いて来た。

「くそっ!厄介だなこのイカトンボは!」

 ハヤテはそう言うと期待を上に向けナイトメアプラスの足を出し後ろに大きく回転。回転しながらバトロイドに変形し左腕を変形させミサイルを放つ。ミサイルはアンオウンに直撃するがピンポイントバリアによって大きな破損を逃れた。だがそれでもまともな飛行は出来ない状態になり、バトロイドで地上に着地した。ハヤテはナイトメアプラスをバトロイドへ変形させると対峙するように立つ。

「オプティマスプライム、トランスフォーム!」

 ハヤテが叫ぶと舞止めアプラスの色と形が変わってゆく。

 足は太くなり、胸部もそれに合わして拡張。上半身を赤、下半身を青と主調としたカラーリング。そして顔がナイトメアプラスの顔からオプティマスの顔へと変形した。

「さあ・・・・・・・・・・・戦いの始まりだ!」

 ハヤテはナイトメアプラスをアンノウンに向け走らせると右手をナックルガードにする。アンオウンはガンポッドを放つがハヤテは前転して回避すると胸部をえぐるように殴る。アンオウンはバランスを失い倒れそうになるがハヤテは頭を掴むと右手を大型のヒートソードに変え、突き刺し、頭部をボディから抜き取った。アンノウンは糸が切れた人形のように倒れる。

 すると今度は後ろからガーウォーク形態の別のアンオウンが攻撃してくる。ハヤテはナイトメアプラスの腕を十字に組んで防ぐ。

「ちっ!やっぱ銃がいるな。なにか・・・・・あった!」

 ハヤテはパイロットがいない別のナイトメアプラスを見付けるとケーブルを伸ばし、無理矢理合体を始める。ナイトメアプラスの別のナイトメアプラスを合体させ、強襲用フライトパックに変形させる。

「さあ、出撃だ!」

 ハヤテはバックパックの追加スラスターを吹かし、急上昇。旋回しながらアンノウンに接近し、左腕に備え付けられたキャノン砲を放つ。キャノン砲はアンノウンを破壊する。

「さあ・・・・・次はどいつだ!」

 



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マクロスΔ×大怪獣ラッシュ ウルトラフロンティア

 宇宙

 常に拡大し、未知の世界が広がる世界。

 ひとつの宇宙に一つの世界、複数の宇宙に複数の世界がある。

 それはこの時代では当たり前だ。

 だが、前にいた宇宙より刺激がない宇宙はどれほどつまらないものだろうか。

「あー、やっぱこっちは何の刺激もないから暇だな~。」

「だな。やっぱ帰ってくるんじゃなかったな。」

 アル・シャハルで三人が小料理屋で愚痴をこぼしていた。

 一人はハヤテ・インメルマン。

一人はラック・ローレス。赤い長髪で黒い肌の男である。

「だが、お前の勘でなんかあるんだろ?お前の的中率98%だし。」

 そう言うのはナイブ・スロークス。白髪に右目に独特のタトゥーを入れている男だ。

「てかそのパーセンテージどうやって割り出したの?」

 ハヤテの問いにナイブは答えた。

「お前が100回予想してその内当たったのが98だからだよ。」

「数えてたんかい!」

 ハヤテはナイブにツッコミを入れる。

「まあまあ、落ち着けって。てかよ、お前の直感で言った先々でヴァールって何?あれか?ヴァールに愛されてるのか?」

「俺が知るかよ。ま、そんな話は置いといて。なんか面白い予感がすんだよ。ここから。」

 ハヤテはそう言うと地図のあるポイントを指さした。

「湾か?てかなんで?」

「さあ。」

「「おい!」」

 二人はハヤテにツッコミを入れる。

「・・・・ま、いつものことだからいっか。」

「だな。」

 ラックとナイブは溜息を吐きながらそう呟いた。

「飯代払って行こうぜ。」

「ああ。」

「ま、ここにいても退屈だしな。」

 三人はそう言うとその場から席を立つ。

 

 三人は湾に(違法に)侵入する。が、コンテナとワークロイド以外何もない場所なので特にこれと言った発見もなかった。

「なーんもねーじゃねーかよ、おい。」

「無駄足だったか?」

 ラックとナイブはそう呟く。しかしハヤテは一人耳を澄ませていた。聞こえてくるのは人の話し声、波打つ音、ワークロイドが動く音、ラジオの歌、そして一人の女の子の歌声であった。

「っ!なんかいた!」

 ハヤテはそう言うとあるコンビナートに向かい跳び始める。

「おいおい、バレルさんの弟子でも対照的だな。」

「それは俺たちも言えないか?」

 ラックの言葉にナイブはツッコミを入れた。

「まぁ、付いて行かないわけにもいかないだろ。何かありそうだしな。」

「仕方ねぇ。暇だし付いて行ってみるか。」

 二人はそう言うとハヤテの後を追った。

 

 いくつものコンテナが並ぶ中、ハヤテは一つのコンテナの上に立っていた。

「おーい、ハヤテ。」

「ここなのか?」

 後から来たナイブとラックがハヤテに声を掛ける。

「ああ。さーて、なーにが出るかな、なーにが出るかなーっと。」

 ハヤテはコンテナの蓋を開ける。するとそこにはリンゴの上でリンゴを食べている女の子がいた。

『・・・・・・・・・・・』

「・・・・・・・・・・・」

 双方ともに出る言葉が無かった。

「リンゴと一緒に女の子もお届けのサービスが今の常識なのか?」

「いや、それは無いだろ。てかそれ人身売買。」

「それ以前に起きてる時点でバレるリスクありまくりだろ。」

 ハヤテの言葉にナイブがツッコミを入れ、ラックが冷静に分析をする。

「え、えっと・・・・・・・・アンタたちは誰かね?」

『それこっちのセリフ。てか・・・・お前何?身を売られた哀れな女の子?』

「ち、違うねん!?」

 三人は女の子を連れ場所を他所へと移した。

 そして三人は人気のない場所で女の子の話を聞いた。彼女の名はフレア・ヴィオン。故郷から無理矢理結婚させられそうになったため家出をしたという話になったそうだ。

 そしてフレアはおにぎりを獣の如く喰らい付いていた。

「ま、リンゴばっか食ってたらフツーそうなるよな。」

「てかよく気付かれなかったな。」

「バカなのか天才なのか・・・・」

 ハヤテ、ラック、ナイブはフレアに呆れた。

「でもありがとうね。見ず知らずの私を助けてくれて。」

「なーに、俺たちもここに違法で入って来たからな。」

 フレアの言葉にラックはそう答えた。

「え?それってどういうことね?」

 言っている意味が分からないフレアにラックは説明する。別に止める理由もないのでハヤテとナイブは黙っていた。

「つまりハヤテの直感でここに来たって事ね?」

「まあそうだな。」

 ラックはげらげら笑いながらそう答えた。

「まあこいつは置いといて、フレア。お前ってさっき言ってたワルキューレって音楽ユニットのオーディションのためにここに来てんだろ?だが生憎ここお前の目的地じゃないぞ。」

「・・・・・・・え゛!?」

 フレアはハヤテの言葉に驚く。

「ここはラグナじゃなくアル・シャハル。目的地とは三十万光年離れてるぞ。」

「えぇえええええええええええええええええええええ!」

 ナイブが追い打ちをかけることを言うとフレアは鼓膜が張り裂けんばかりの声を上げるがハヤテたちは耳を塞がず、平然としていた。

「ま、手段がないわけでもない。」

「えっ!ホント!」

 ハヤテの言葉にフレアは喰い付く。

「俺たちと一緒に来るか?俺ら根無し草だからどこに行っても問題ないし。」

 ハヤテの言葉に二人も頷いた。

「でだ。いっちょド派手に行きたいんだが、どうだ?」

 ハヤテがにやけるとラックとナイブもハヤテの意図に気付いた。そしてフレアは一人嫌な予感を感じていた。

 

「ひやぁあああああああああああああああああああああ!」

「はっはっは!結構元気だな!」

「だな!」

「密航するだけの度胸があんだ。空元気もあるわ。」

 悲鳴を上げるフレアに対しハヤテたちは暢気にしゃべりながらコンテナの上を走りながら跳び、移動していた。

「こ、こんなことするなんて聞いとらんよ~~~~~~~~!」

「そりゃ言ってないからな。」

 そんな話をしていると後ろからドローンが追いかけてきた。

「おっと!早速気付かれたみたいだぞ。じゃあお前ら、アクロバティックミッション!」

「「スタート!」」

 ハヤテの言葉を合図にラックとナイブが叫ぶとコンテナからクレーンの方へと雲男の如く移動を始める。

「うわぁあああああああああ!」

「ははは、落ち着けって。」

 ハヤテはそう言うと赤いマフラーを取り出し鉄柱に巻き付けるとターザンをする。

「おーおー、お姫様抱えた怪盗ってか?」

「だとしたらあそこにいるのはお転婆姫だな。ん?」

 ハヤテを見て思ったことを口にするラック。そんな時ナイブは出入り口付近にいる一人の女性に気付いた。

(こいつは・・・・ハヤテの勘が当たったな。)

 ナイブは一人ニヤけ、ハヤテたちはフレアを連れて湾を出た。

 

 湾から大分離れ、日は水平線に沈もうとしていた。

「いやー。大分逃げたなー。」

「ホントだ。だが久々に面白かったぜ。」

「だな。」

 余裕をかます参院に対しフレアはゲッソリしていた。

「ん?どうしたフレア?元気がないぞ。」

 ハヤテが声を掛けるとフレアは弱々しく発言する。

「あ・・・・あんなどんちゃん逃げしてだいじょうぶに思う?」

『うん。』

「なしてそんな答え方できんねん!」

 能天気に答える三人に対しフレアは声を荒げる。

「で、こっからガチの話だ。俺たちは明日の便でお前が行きたい星に行く。その代り金八払ってもらう。もちろん出世払いだ。三人分だから結構な額だ。分かるな?」

 ハヤテの言葉にフレアは頷く。

「よし・・・ま、それよりも相手にしないといけないのがいそうだよな。ナイブ。」

「わかってる。」

 ナイブはどこからか小型の十字のレーザーガンを取り出すとトリガーを引き、レーザーを放つ。レーザーは傾向射撃によって曲がり、路地に隠れている第三者に向け放たれた。

「くっ!」

 路地から身を転がして回避する。手には拳銃が握られていた。

「やーっぱさっきの湾の奴か。」

「くっ・・・・・何者です貴方がたっ!」

 女の持つ拳銃に傾向射撃のレーザーが直撃し、銃は使い物にならない鉄くずへと変貌した。

「詰めが甘いな。教科書通り過ぎる。」

「だな。てかナイブ、気づいてんのなら先に言えよ。」

「いいだろ。大した実力もないんだし。」

 出てきた女を無視して三人は話す。

「あ、貴方たちは何者ですか!扶助友会で捕まえましょうか!密航犯!」

『密航犯?』

 突然の濡れ衣に三人は間抜けな声を出す。

「は、はい!アタシが密航犯です!」

「へ?」

『阿保か、お前。』

 三人は頭を抱える。

 そして事情説明・・・・

「とりあえず、勘違いしたことについては謝ります。しかし・・・そのような武器は私の知る限りではまだ開発されていません。ましてやレーザー兵器の小型化。冷却装置に砲身、さらに言えば発射時における人体への影響。その他もろもろのことを考えましてもおかしいです。貴方たちはいったい何者なのですか?」

「人に聞くときはまず自分から名乗るもんじゃないのか?」

 ラックがそう問うと女は答えた。

「失礼しました。ケイオス、ラグナ第三航空団Δ小隊所属、ミラージュ・ファリーナ・ジーナス少尉です!」

「え!Δ小隊!」

 ミラージュの言葉にフレアは喰い付く。

(あ、こいつ喰い付いた。)

三人はフレアの反応を見てそう思った。

「あ、あの!Δ小隊って、ひょっとしてワルキューレと一緒に飛んどる?」

「ええ、そうですが・・・・」

「はぁ~!ごりごり~~~!」

 フレアのルンが光り嬉しそうに微笑む。

「な、なんなんですか?」

「ファンなんだとよ。ん?」

「どうかしましたか?」

 何かに気付いたハヤテにミラージュが問う。

「お前ら・・・・」

「ああ、わかってる。」

「・・・・・・・戦いの匂いだな。」

「「へ?」」

 フレアとミラージュが間抜けな声を出した途端、ヴァール警報が発せられた。

「おい、馬鹿。シェルターに逃げるぞ。もうじき戦場だよ、ここは。」

 ハヤテはそう言うとフレアの手を握り走り出す。二人もハヤテとフレアの後を追いかけた。

 

 ヴァールと化した新統合軍の兵士が暴れ、町は昼の賑わいから一転し、戦場と化していた。

「もうちょっと体力付けろ!アイドルも体力がいる仕事だぞ!」

「わ。分かっとるけど・・・・もう息が・・・・」

「ええい、クソッ!」

 ハヤテはフレアをお姫様抱っこして走り出す。

「どうする、ハヤテ?流石にヤバいんじゃないのか?」

「少し暴れてもいいんじゃないな?」

 走りながらラックとナイブがハヤテに問う。

「戦いは契約に入ってない。それに戦いまでやったら支払いがいつになるかわかったもんじゃねぇ。」

「あ、それもそうか。」

 ラックは手をポンッと置いた。

「そうかもな・・・・じゃあこれは俺が勝手にやったってことで!」

 ナイブはそう言うと小型のレーザーガンを取り出しトリガーを引く。放たれたレーザーはヴァール化した新統合軍の一機に直撃、足を破壊し身動きが出来なくなる。

「お前何やってんの?」

「ほっとけ。」

 ハヤテの問いに対しナイブはぶっきらぼうに答える。

「おいハヤテ、いつものアレだよ。」

「っ!ああ・・・・」

 ラックの言葉でハヤテは納得した。ナイブは師匠同様に情が深い。特に子供に対しては優しい。ナイブが放った方には襲われそうになっていた子供がいた。だからナイブはトリガーを引いたのだ。

「しかしこのままじゃ・・・・ん?」

 ハヤテは走っていると耳に歌声が聞こえてきた。

「これは・・・・歌?」

「この声・・・・虹色の声?」

 四人は声がする方を向くとそこには一人の女性が戦場の中で歌を歌っていた。そして女性は身に纏っていた服を取っ払い、自分の姿を曝け出した。

 自分の姿を曝け出した美雲をきっかけにワルキューレとΔ小隊が集まる。

「おうおう、どうやらご搭乗のようだぜ。」

 ナイブがそう呟く。

「しっかし、随分凝った登場だな。」

「もう少し早く来れなかったのか?」

 ワルキューレとΔ小隊の登場にナックとナイブは冷静にツッコミを入れる。

「♪~~~~~~~」

 ワルキューレの歌でヴァールと化した新統合軍の兵を鎮静、そしてΔ小隊が無力化をしていた。

「順調のようだな。だが・・・・」

 ハヤテが空を見上げるとナイブとラックも見上げた。フレアは分からず釣られて空を見る。すると突然空で爆発が発生した。

「な、なにが起こったんね!」

「どうやらこの状況をよろしく思ってない輩がいるみたいだな。邪魔な蚊蜻蛉共がな。」

 アル・シャハルへ大気圏突入をしてきた謎のヴァルキリー隊をΔ小隊が応戦。しかし相手は手練れでΔ小隊も苦戦していた。

「・・・・・・・」

 ハヤテは状況を見て考え。そして微笑んだ。

「お前ら、今俺が考えていること分かるか?」

 ハヤテの問いに対し二人は答えた。

「当たり前だ。」

「ていうか、このビジネスチャンスを逃すわけないだろ。」

 二人もハヤテ同様に微笑んだ。

「へ?いったいなんの話ししてんねん?」

 フレアは三人の言っていることが分からず首を傾げる。

「お前さ、ワルキューレを間近で見たい?」

 ハヤテの問いにフレアは答えた。

「へ?そりゃもう・・・・」

 するとハヤテは微笑み、フレアを抱き上げ走り出す。

「な、何すんねんハヤテ!」

「お前のオーダーに応えてやんだよ!タダでな!」

 ハヤテはそう言うと尋常ではない身体能力でワルキューレのいる場所まで飛んだ。

「ほい、到着。」

「へ?え?へ?どうやってここまで来たん?」

「もちろん飛んで。」

 困惑するフレア同様、ワルキューレも困惑していた。

「相変わらずお前は足も速けりゃ飛ぶのも早いな。」

「つーか、流石先攻屋。」

 遅れて来たラックとナイブは感心する。そんな中カナメがハヤテたちに問う。

「あ、貴方たちは何者なの?」

「ん?俺たちは傭兵。んでこいつはファン。んでここでビジネス。俺たちを今だけ雇ってくれる?ヴァール騒ぎを気に入らないあいつ等からとヴァールになっちまってる奴らの鎮圧。どう?」

「どうって・・・・そもそもあなたたち子どもにそんなこと――――」

 カナメが答えようとした時であった。謎のヴァルキリー隊の一機がハヤテたちの方へと向かい飛行し、ミサイル群を放って来た。

「ナイブ。」

「わかってるって。」

 ナイブはクロスショットを手に取るとミサイルを全てロックする。

「ホークアーイ・・・・・フラッシュ!」

 ナイブはトリガーを引き、レーザーを放つ。放たれたレーザーは拡散し全てのミサイルを撃ち落とした。その光景にΔ小隊と謎のヴァルキリー隊は驚愕する。

「で、どうする?今なら俺たちチーム料金で割と安くしとくよ。」

「・・・・・・お願いするわ。」

 ハヤテの提案にカナメは乗った。

「よし、お前ら聞いたな。今からこの戦場で俺たちはワルキューレに雇われた。目標は三つ。

一つ、ヴァールと化した新統合のヤロー共のオムツ。二つ、蚊蜻蛉共からワルキューレを守ること。ついでにこいつもな。」

 ハヤテはそう言うとフレアを親指で指す。

「んで最後、必ず生きて帰ること。これは俺たちの絶対ルールだ。分かってるな?」

「ああ!」

「言われるまでもねえ!」

 ハヤテの言葉に二人はそう答えた。

「ザ・セカンド、装備展開!」

「「了解!」」

 三人は首にかけていたペンダントを手に握る。

『展開!』

 その瞬間、三人の服装に変化が起こった。

 ラックには黒いボディースーツに銀のアーマー、右手にはマグマスピア、アイマスクが装備された。

 ナイブには両手に赤いプロテクター、右手にはクロスショット、左腰には小型のクロスショットが装備されていた。

 そしてハヤテは黒のボディースーツの上に青いアーマー、右腕には籠手、左腕にはバルタン星人特有のハサミ、腰には分離状態のサイクロンソーサーが装備されていた。

 

 

 

「ザ・セカンド。ミッション、スタート!」

 

 

 

 ハヤテの言葉を堺にハンティングは開始された。

 



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ダンまち(リヴェリア)

 あれはまだ私が小さい・・・・ほんの小さいころだった。

 わたしは森で一人歩いていた。理由なんてもう覚えていない。だがあの日の出来事は今でも覚えている。

 私が森を一人で歩いていると突然ゴブリンが現れた。今の私ならどうということはないが子供だ。勝てるはずもない。私は逃げようとしたが逃げ道を他のゴブリンが塞いでいた。

 わたしはもうダメだと思い目をギュッと閉じた。

 そんな時だ。

 

 

「諦めるな!」

 

 

 私は突然聞こえてきた声に反応して目を開ける。すると不思議な力を持つ剣を手にした白髪に赤い瞳、まるでウサギの様なヒューマンがゴブリンを倒していった。

 私は彼の戦いぶりに見入ってしまった。彼の剣捌きはなめらかで鋭く、速くてしなやかであった。

 あっという間にその人はゴブリンを一掃した。その人は剣を鞘に納めると私の前に来て頭を撫で、こう尋ねてきた。

「怪我はない?」

 その一言に私の我慢していた感情が爆発し、私は彼の胸の中で泣いた。

 しばらくして警備の者たちが来た。私は事情を説明し、彼に掛けられそうな誤解を解いた。

 それからしばらくして父と母を交えて感謝を述べた。そして父と母も私同様に彼の持つ剣を気にかけていた。

 彼はそのことに気付いたのか話してくれた。

 そして私は驚いた。彼が持つ剣は聖剣。つまり魔剣とは相反する武器であった。そして同時にその聖剣に宿る精霊の加護により、彼は不老長寿の存在となっていた。

 少しの間ではあったが、あの人と過ごした時間は今でも鮮明に覚えている。

 だがその時間も永遠とはいかなかった。

 彼はまだ旅の途中ということもあり、別れる日が来た。あの人は私に言ってくれた。

「もしかしたら、また会えるかもしれない。それまで頑張って。」

 あの人は頭を撫でながらそう言った。

 そして同時に、私は気づいた。私はこの人に惚れたんだと。

 あの人の名は――――

 

 

 

「ん・・・・・・」

 リヴェリアは自分が所属しているロキ・ファミリアの拠点である黄昏の館で目を覚ました。

「懐かしいな。」

 リヴェリアはそう言うと窓の方へと視線を向ける。窓から朝日が差し込む。

「さて・・・・着替えるとするか。」

 

 黄昏の館の食堂でリヴェリアは食事を取っていた。すると主神であるロキがリヴェリアに絡んでくる。

「おー、なんやママ。今日はえらく上機嫌やな。なんかいいことでもあったんか?」

「誰がママだ。だが・・・・・・まあ、あったと言えばあったな。少し子供の頃に惚れた人を思い出した。」

 リヴェリアの言葉に食事を取っている団員が耳を傾ける。

「ほー。ママが惚れるっちゅうことはそーとーの事なんやろーなー。で、どんな奴なんや?」

「流石にそこまでは教えられないな。なにより・・・・お前は調子に乗ってからかうだろうしな。」

「えー。ママのいけずー。」

 ロキはリヴェリアにブーブー文句を言うがリヴェリアはスルーする。

(そう言えば・・・・アイズが昨日の遠征の帰りに言ってたな。ひ弱そうに見える冒険者がミノタウロスを一瞬で倒したと。だが・・・・)

 リヴェリアはベートの方を見る。

(あいつが返り血を浴びて血まみれになったことを酒の肴にしないか心配だな。全く・・・・上へと目指す向上心はいいがその反面、見下す癖は治らないものか・・・・)

 ベートの姿勢にリヴェリアは不安になった。

 

 その日の夜、ロキ・ファミリア一行は豊饒の女主人で宴会をしていた。

「おっしゃ!みんな遠征ごくろーさん!飲めや!」

 ロキの言葉と共に団員は騒ぎ始める。

 宴の中、ベートが酔った勢いでダンジョンでの話を出す。

 話の内容自体は簡単である。遠征帰りの途中で遭遇したミノタウロスの群れに対峙したロキ・ファミリアは討伐を開始したが突如として逃げ出し始めた。上の階層にいる冒険者のためにも追いかけた。

 五階層でアイズがミノタウロスを発見した時、ミノタウロスの返り血を浴びたパーカーの青年がいたという話だ。

 ベートはその人のことをトマト野郎とバカにした。酒に酔っているせいか口が悪いを越え、ひどいものであった。流石の私も我慢の限界である。

 が、豊饒の女主人は行きつけであるためあまりことを大きくしたいわけではない。なるべく穏便に済ませようとした。その時であった。

「全く。最近の子どもって口が悪いを通り越して、ひどいものだね。」

「あ?」

 ベートも、他の団員もその声の主の方へと顔を向ける。そこにはパーカーを被った一人の青年がいた。

(この声・・・・・どこかで・・・・・)

 その声にリヴェリアは聞き覚えがあった。

「テメェ・・・・あんときのトマト野郎か!はっはっは!傑作だな!トマト野郎張本人がいるなんざ笑いもんだぜ!」

 酔った勢いでバカにするベートに対し成年は面と向き合って言った。

「傑作・・・・・ね。もしほかの冒険者がミノタウロスによって死んでそれが言えるのかな?」

「あ?」

「自分たちの不手際で誰かが死んで、お前はその罪を背負えるのか?・・・・・・・・いや、お前は気にも留めないだろうな。それどころか後ろを振り向こうともしない。さっきの口調からしてもそれは分かる。弱者を見下し、高みへと進むためならば努力を惜しまない。

 後者については賞賛しよう。しかし前者については、賛同できない。後ろを見ずに進めば、いずれ後悔する。孤独になるだけだ。」

 深みのある言葉に誰もが黙った。見た目が若い。なのに年長者のような言いよう。

 その言葉に誰もが黙ってしまった。

「・・・・・・テンメ・・・・調子乗ってんじゃねぇぞ!」

 ベートが逆ギレをして少年へ殴りかかろうとする。咄嗟のことに誰も止めることは出来なかった。だが目の前の少年はベートの拳を片手で受け止めた。

『っ!?!?』

 誰もが驚いた。ベートのレベルは5。たとえ同じレベルであったとしてもそう簡単には止められるものではない。ましてやそれほどの実力であるならばこのオラリオで知らぬ者はいないはずである。

「はぁ~、ちょっとお仕置きが必要だね。此処は酒と料理を楽しむ場だというのに。」

 少年はそう言うとベートを店の外へと連れだし、路上へ投げ捨てる。

「立て、小僧。ちょっと教えてやる。自分がどれだけ奢っているかをな。」

「ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっ!?」

 ベートはその少年の言葉に反応して食い掛かる。ティオナが止めるように説得するが全くベートは耳を貸さなかった。

 誰もが少年がボコボコにされるのを想像した。

 しかし現実は違った。ベートが少年にあしらわれていた。あしらう度に目に入る腰の剣に、なぜか私の目は吸い寄せられていた。

「なぜそこまでされても立ち上がるのですか?力の差は歴然と言うのに。」

 少年に何度倒されても立ち上がるベートは答えた。

「俺はなぁ・・・・こんなところで立ち止まるわけいかねぇんだよ!だから何度でも立ち上がったやるんだよ!」

 ベートの本心からの言葉に少年は感銘を受ける。

「・・・・・・・・その言葉に信念を感じた。敬意を表そう。」

 少年はそう言うとパーカーを取り、顔を曝け出した。

「なっ!?」

 その顔を見た途端リヴェリアは驚きを隠せなかった。

 幼き頃に見たあの時から片時も忘れたことはない。村を出た時も、ファミリアが大きくなっても、その顔と名前は忘れることはなかった。

「我が名はベル・クラネル。そしてこの剣は―――」

 ベルは鞘に納めている聖剣を抜刀する。

「我が聖剣、エクスカリバー。生憎本気は出せない。此処が焼け野原になってしまうからね。だが・・・・君のような若い子にこの剣を抜いたのは久しぶりだ。誇っていい。」

「さらどうも。それと俺の名はベート・ローガだ。」

 ベートは構えを取るとベルはエクスカリバーを胸に構え、地肌にベートを映す。

「いざ!」

 ベルは刃をベートへと向ける。

「うぉおおおおおおおおお!」

 ベートは正面からベルへと向かってゆく。

「ふっ!」

 ベルは地面を蹴り、一瞬でベートの後ろに剣を振り下ろした状態で立っていた。

「・・・・・・・・・・あ―――――」

 ベートは地面へうつ伏せに倒れる。

「生き急がなくてもいい。有限であれ、君には素質がある。」

 ベルはそう言うとエクスカリバーを鞘へと納め、ベートを抱えロキの方へと向かう。

「すまない。少々やりすぎてしまった。」

「ええねん、ええねん。ベートの奴にも非があったんやし。」

 ロキとベルが話しているとリヴェリアが声を掛ける。

「あ、あの!」

「ん?君は・・・・」

 リヴェリアの顔を見てベルは驚く。

「なんや、ママを知っとるんちゅうんか?」

「ママ?」

 ロキの言葉にベルは首を傾げる。

「き、気にしなくてもいいです。それより私のことは覚えていますか?」

「ああ、覚えてる。大きくなったね、リヴェリア。」

 ベルのその言葉を聞くとリヴェリアはベルに抱き着いた。その行動にロキ・ファミリア一同は面をくらった。

「わ、わたしは・・・・・あ、あなたにまた会えて嬉しいです////////」

 リヴェリアは赤面しながらベルにそう言った。そんなリヴェリアの頭をベルは撫でる。

 そんな時レフィーヤが質問をする。

「あ、あの・・・・リヴェリア様。その方とはお知り合いなのですか?」

「え?・・・・・・っ!」

 リヴェリアは今の自分の状況に顔を更に赤くするが、落ち着いて話す。

「あ、ああ/////この方は私が子どもの頃にお世話になった方だ。」

「子供の頃って・・・・・・・失礼ですがおいくつですか?」

 レフィーヤの問いにベルは答えた。

「んー・・・・・・・今年で700だったかな?」

『っ!?』

 ロキ・ファミリアだけでなく酒場にいた全員がロキの方を見る。

「すまん。神のウチが一番驚いとるが本当や。」

 その瞬間、豊饒の館がこれまでにないくらいに揺れた。

 



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マクロス×ウルトラマンジード

「はぁ~・・・・・」

 惑星アル・シャハルの港。そこで一人ハヤテは溜息を吐いていた。理由はリストラである。

「人員削減とはいえど・・・・・・・・キツイな。」

「ハヤテ、大丈夫?」

 ハヤテの足元からペガッサ星人のペガが顔を出す。

「まぁね。けどここもだめだな。ヴァール騒ぎが多いって話聞くし、近いうちに他の惑星に引っ越そう。」

「うん。でも僕たちが行く先々でヴァール被害ってあるよね?」

 ハヤテは歩きながらペガと話す。

「別におかくしないだろ。宇宙のあちこちでヴァールシンドロームが起きているんだし。それよりも・・・・・」

 ハヤテは左腰に備え付けているものに手を置く。

「レム、この星で反応はあった?」

〈検索してみましたが全く反応はありませんでした。〉

「そっか。」

 ハヤテはワークロイドに乗り最後の仕事を始める。

「どうするつもりなの、ハヤテ?」

「わかってるだろ?こういう時こそ“ジード”だって。」

 ハヤテは真面目に操縦しタンカーを運ぶ。湾には作業員のモチベーションを上げるためにラジオが流されていた。

「・・・・・・・・ん?なぁ、ペガ。さっきから歌声聞こえないか?」

「僕もそう思ってたところだよ。ラジオとは別の女の子の声だね。」

 ハヤテは人目のつかないところでタンカーを置くと中を確認した。すると中には女の子がリンゴの上で座っていた。

「・・・・・・・・・・・なにこれ?」

 全くもってその通りであった。

 

 その後、彼女の名はフレイアと言うことが分かった。そして勘違いしてこの星に来たということもわかった。

「まぁなんだ、良かったら俺たちと一緒に来るか?」

「へ?」

「俺さ、今日ここリストラされたんだ。んで行く当てを考えてなかったんだがお前の言う惑星ラグナってところに行ってみてもいいかなーって考え。」

「ほんまに・・・・・・ほんまにええん!」

「あ、ああ・・・・・・」

 詰め寄ってくるフレイアにハヤテは体を後ろへ反らす。

「ん?でも俺たちって他にも誰かおるん?」

「ああ、それね。ペガ、出てきて挨拶して。」

「うん。」

 ペガはハヤテの言葉に従って姿を現す。

「初めまして。僕ペガッサ星人のペガって言います。」

「ど、どうもはじめまして!」

 フレイアは驚きながらも挨拶をする。

「まぁでも少し問題なのはこっそりここを出たらここの職場の人が逃がしたってことになって攻め立てられちゃうことだな。ペガ、システムを一部一時的にダウンさせて逃がすルートを作ることってできる?」

「大丈夫だよ。僕機械に強いし。」

「頼もしいな。んじゃ、イッチョ派手にやるか。」

 ハヤテはある作戦を考えた。近くドローンが彼女を見つけるのは分かり切っていた。ならドローンを一時的に機能停止にさせてゲートの方も解放状態にする。そこをハヤテが強行突破するという考えである。

 思った通りに作戦は成功。置き土産にシステムの爆や問題を直して行った。

 が、そこで一つ誤算があった。それは二人が出て行くのを一人の軍人が見ていたことだ。」

 

「いやー、上手くいったなー。」

「でもちょっと怖かったよー。」

 二人は一通りの少ないところで腰かけて休んでいた。

「でも今日行くのは無理だな。てか、まだお前見つけようとしている奴いるだろうから。とりあえず今日はこのまま俺の船に乗って寝泊まりして明日の早朝出発。これでイイな?」

「うん。あ、でもあたしどこで寝ればいいん?」

「安心しろ。消臭剤を掛けた俺の布団で寝ろ。俺は倉庫の方で寝るから。」

 そんな藩士をしているとふとハヤテは足元に落ちてる小石を手に取る。

「どうしたん?」

「いや・・・・・・ちょっとなっ!」

 ハヤテは物陰の方へと小石を投げる。とても普通の人間ではないほどの速度で投げた小石は壁に当たるなり壁を破壊すると同時に砕ける。すると物陰から一人の女性が拳銃を手に出て来た。

「っ!?」

 女性は驚いていた。あの一瞬でハヤテは距離を詰めていた。

 そしてハヤテは拳銃のスライドごと握ると握力で銃を破壊する。

「くっ!」

 女性はすぐさま銃を捨てベルトに仕込んでいた小型ナイフを取り出しハヤテに突き刺そうとするがハヤテは人差し指と中指で受け止めるとそのまま折った。

「はぁっ!」

 ハヤテは女性を投げ飛ばす。女性は受け身を取り地面を転がるとハヤテの方に戦闘態勢を取る。

(この少年、できる・・・・・・)

 女性はハヤテに警戒をする。

「一つ聞いてもいいですか?どうして俺たちをつけていたんですか?」

「君が彼女を誘拐した犯罪者だからです!」

「・・・・・・・・・はい?」

 ハヤテは首を傾げる。

「はい!密航犯はアタシです!」

 女はその言葉を聞いて間抜けな声を出す。

 事情を説明して・・・・・

「すみませんでした!」

 見事なまでに頭を下げる女。

(こういう人ってすごいよな・・・・・・・素直に自分の非を認める女性って惚れそうだな。)

 ハヤテは女を見てそう思った。

「ちなみにどちら様で?」

「ケイオス、ラグナ第三航空団Δ小隊所属、ミラージュ・ファリーナ・ジーナス少尉です!」

「え!Δ小隊!」

 フレイアはミラージュの言葉を聞くと反応する。

「苦情でしたら広報に―――」

「で、Δ小隊ってひょっとしてワルキューレと一緒に飛んどる?」

 フレイアがミラージュに質問する。

「ええ、そうですが・・・」

「はぁ~!ゴリゴリ~!」

 フレイアは触覚が光らせながら喜ぶ。そんな状況に戸惑ったミラージュはハヤテに問う。

「な、なんですか?」

「ファンなんだって。」

 ハヤテの言葉を聞いてミラージュは納得する。

〈ハヤテ、大変です。〉

 突然のレムからの知らせにハヤテは装填ナックルに手を置く。

〈ヴァールシンドロームが検知されました。間もなくその場は戦場になります。〉

「なんだって!」

 突然のハヤテの叫びに二人は疑問にも網がすぐに警報が鳴り響いた。

 

 ハヤテはフレイアと共に戦場と化した街の中を走っていた。

(こんなにもヴァールが発生してるのって何かがおかしい。もしかして誰かが意図的に起こしているんじゃないのか?)

 ハヤテがそう思っていると歌声が聞こえてきた。

「虹色の、声?」

 フレイアはその歌声を虹色の声と表現する。

 激化する戦場に一人、女性が立っていた。

「やっとあったまってきたわね。」

 すると女性はサングラスと帽子を放り投げ、叫ぶ。

「It’s show time!」

は、神秘!」

 その女性を見てフレイアは叫んだ。

「やっぱり!美雲さん!」

 すると飛行機の音が聞こえてくる。四機のVF-31 ジークフリートが旋回しシグナスが射出される。黄色いVF-31は足を出して急停止するとコックピットが開き、一人地上へと降りてくる。

「歌は、愛!」

 レイナがそう叫ぶと続くようにマキナ、カナメが続く。

「歌は、希望!」

「歌は、命!」

 そして三雲が言う。

「聞かせてあげる、女神の歌を!」

『超時空ヴィーナス!ワルキューレ』

 美雲、カナメは両手でWを作り、レイナとマキナは二人でWを作る。

『♪~~~~♪~~~~』

 ワルキューレは歌でヴァール化した人たちを静め、その隙にΔ小隊が無力化する.

「本当に・・・・歌で・・・・・」

 ハヤテはワルキューレの行動に驚きを隠せなかった

〈ハヤテ、正体不明のアンノウンがそちらへ接近中です。警戒してください。〉

 ヴァールを鎮圧化していた状況から一変。謎のオンノウンによってワルキューレが襲撃され、再び暴走が始まった。

 ワルキューレの美雲が襲われるが彼女はどんな状況でも歌を歌う。そんな状況にフレイアの触覚は光る。

「ルンピカー!」

 フレイアは戦場を歌いながら走り始める。

「バカ!くそ・・・・・・」

「どうするの、ハヤテ?」

 ペガの言葉にハヤテは答えた。

「ジーっとしてても、ドーにもならねぇ!」

 ハヤテはフレイアの下へ向かい走り出す。踏みつぶされそうにあるフレイアをハヤテは抱きかかえて救出すると一気にワルキューレがいるところまで一っ跳びする。

「っとと、着地成功。」

「な、ななななな、なんなん!どうやってあそこからここまで跳んだん?」

「別にいいだろ。助かったんだから。」

 二人がそう話しているとワルキューレのリーダーであるカナメが話しかける。

「ちょっといいかしら?君達は一体・・・・・・」

「ああ、俺は―――」

 ハヤテが自己紹介しようとするとレムからまた通信が入る。

〈ハヤテ、アンノウンの一機がそちらへ攻撃をしようとしています。どうしますか?〉

「・・・・・・・・・決まってるだろ、レム。」

 ハヤテはアンノウンの方を向く。

「ハヤテ?」

 フレイアはハヤテに声を掛けるが返事は帰ってこない。

「ジーとしてても、ドーにもならねぇ!」

 ハヤテは装填ナックルを手に取るとカートリッジからベータカプセルを取り出す。

「ユーゴ―!」

 シュワッ!

「アイゴー!」

 ヘアッ!

 二つのカプセルを装填ナックルに装填するとジードライザーで読み込み、胸の前で掲げ叫ぶ。

「決めるぜ!覚悟!!はぁっ!」

 頭上に高く掲げるとそのまま一気に胸の前まで持ってきてトリガーを引く。

「ジード!」

 ウルトラマン!

ウルトラマンベリアル!

フュージョンライズ!

ウルトラマンジード!プリミティブ!

 アンノウンから放たれるミサイルを謎の光が壁となり、ワルキューレとフレイアを守った。

 そこにいるのは闇の戦士の息子。しかしその心は光を持つ。

 光と闇の矛盾を体現したような戦士、ウルトラマンジードがそこにはいた。

「光の・・・・・・・巨人?」

 誰かがそう言った。

 



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ワールドトリガー×ゴーバスターズ

ワールドトリガーの二次創作を少し読んでいるとFateや仮面ライダーはあってもスーパー戦隊はないって気づきました。
そんな光景を見て書きたい衝動に駆られて書きました。
出来ればだれかゴーバスターズとワールドトリガーのクロスオーバー作ってください。
ゴーバスターズの細かい設定がワールドトリガーとかの設定で生きて行けるって思うんで。


 28万人もの人が住む三門市。そこは(ゲート)が唯一開く場所であった。

 つい昨日転校してきた空閑 遊真が近界民(ネイバー)であると知った三雲修は屋上でこちらの世界での常識をある程度遊真に教えていた。

 そんな徳昼食を取っている屋上で三バカが来てシャバ代を要求、遊真の足技によって黙らせるとその場は収まることはなく、教室でも遊真への質問があった。

「そういやさ、近界民もそうだけど去年確か消滅したんだよな?ヴァグラスって奴。」

 ある生徒が言った言葉に修は反応した。

「ヴァグラス?なんなんだそれは?」

「うそ!そのことも知らないなんてよっぽど紛争地帯だったんだね!

 あのね、メサイヤってのは近界民とはまた別の侵略者なの。確かアレは12年も前の話だったかな?エネトロン転送研究所てのがメサイヤの攻撃を受けたの。12月25日のクリスマスに。その時の研究者が亜空間ってところに転送して一時しのぎをしたらしいんだけど去年突然急激に活発的に行動してエネトロンを奪いに来たってわけ。そんでそのためにメガゾードとゴーバスターズって組織が作られてヴァグラスを完全に倒したって話らしいよ。隊員の名前とか詳しいことに関しては生存者にかかわることだから開示されてないんだけどでもスーパー戦隊ってのは間違いないね!}

「スーパー戦隊?」

「うん!地球を宇宙や異世界、いろんな悪の組織から救った人たちのことだよ!」

「ほほー。」

 遊真が興味を持つと突如警報が鳴り響いた。

 同時刻。修の家で一体のバディーロイドが通信を聞いて驚いていた。

「なんだって!アイツ等全部シャットダウンしたはずだろ!ああ、わかった。修にはトランスポッドを持たせてる!じゃあ俺学校に行くからな!」

 バディロイドはそう言うとバイクに変形し急いで修のいる学校へと向かった。

 一方そのころ修は廊下でモールモッドをイチガンバスターで応戦していた。

「先生たちの避難も完了したし、空閑には大丈夫って言ってある。ルールを破ってないし、やるか!」

《transport!》

 修の手にソウガンブレードが転送されと修は一気に超加速しモールモッドの弱点である目を切った。

「これで一体!もう一体は!」

 修は急いでもう一体がいる方へ向かう。

 少し時間が経ち、嵐山隊が到着した。

「嵐山隊到着。すみませんが現状を教えてください。」

「は、はい!」

 教師が現状を説明しようとした時であった。後者を壊してモールモッドが三回から後ろ向きに落ちて来たのだ。

「なんだ?」

 嵐山が三階の方を見るとそこには修の姿があった。

「これで止めだ!」

 修は三階からモールモッドへ向かい飛び降りると弱点である目をソウガンブレードで突き刺した。モールモッドは活動を停止する。

「ふぅ・・・・・・・・・ん?あ、嵐山隊長ですか!お疲れ様です!」

 修は嵐山に気づくと深くお辞儀をする。

「あ、ああ・・・・・これは君が片付けたのかい?」

「はい!C級隊員の三雲修です!」

 そのことを聞いて嵐山はまず修の服装を見た。服装はどう見てもトリガー発動時の姿ではなくただの制服姿。しかも手には見慣れない武器を持っていた。

「すごいな君は。どうやって倒したのかぜひ・・・・・」

 嵐山が聞こうとした時であった。バイク音と共に修を呼ぶ声が聞こえて来た。

「修―!」

 無人のバイクがいきなり学校に入ってきたことに一同パニックを起こす。

 バイクはロボットへと変形する。

「ニック!なんで学校に来てるんだよ!」

「そんな話はどうだっていい!それよりメタロイドはどこだ!」

「ちょっと待て!メサイヤもエンターもシャットダウンしただろ!なんでメタロイドが・・・・」

「俺にもよくわかんねーんだけど指令室から俺に通信があったんだ!しかもエネトロンを狙ってるって!01は今こっちに向かってるって話だ!それより早くメタロイドを・・・・」

「ちょっと待って!」

 そこへ木虎が割って入ってきた。

「三雲君と言ったかしら?何がどういう状況なのか説明してもらえるかしら?」

「いや、俺にもわからないです!第一ニック、メガゾードの転送時時間はあとどれくらいなんだ?」

「俺が聞いた話じゃ20分だって・・・・・」

「だとしたらあと14分くらいか・・・・・」

 修は腕時計を見る。するとニックは思い出したかのようにトランクを出す。

「そうだこれ!必要だろ?」

「ああ。」

 修はトランクの中に入っているモーフィンブレスを時計と入れ替えて装着する。

 その直後、倒したトリオン兵の中から1と0のデータが集合しモールモッドロイド」が出現する。

「新手のトリオン兵!」

 木虎は銃で応戦するが全く効いてはいなかった。

「効いてない!」

「下がってください。ここからは俺の仕事です。」

 修が前に出る。

「ちょっと!C級隊員が勝てる相手じゃないわよ!」

「こいつはトリオン兵じゃない、ヴァグラスです。」

 修はそう言うとダイヤルを回す。

《It’s Morphin’ time !》

 修の体にバスタースーツが転送される。

「Let’s Morphin !」

 モーフィンブレスのボタンを押すとヘルメットが転送され、修はレッドバスターへ変身する。

「バグラー!」

 モールモッドロイドがそう言うと多くのバグラ―が出現する。

 すると学校に一台の車が入ってきた。そして中からブルーバスターとイエローバスターが姿を現した。

「遅れてごめん。」

「いや、ナイスタイミングですよ。」

「さっさと片付けてボーダーに事情説明しないといけないんだから。」

 三人はそう話すと一斉に宣言する。

「レッドバスター!」

「ブルーバスター!」

「イエローバスター!」

『特命戦隊ゴーバスターズ!』

《transport!》

 二人は手にソウガンソードに転送する。

「バスターズ!レディ――――――――・・・・・」

『ゴー!』

 




余談ですが実家規制の時に書きたかったのに今住んでいるところにノートパソコンの電源コンセントを置いてきてしまって結局ヒロアカの方一話仕掛けなかったという情けない話ですよ、これが。


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マクロスΔ×シンカリオン

シンカリオンの二次創作のSSってないんですよね。
誰か作ってくれたらいいんですけど。
二人のはやぶさは私好きで見てます。
んで今回はブラックシンカリオンを主人公機にしました。
シンカリオン、今後の話の展開がすっごく楽しみです。
前のドライブヘッドと違って明確な敵がいるってのが大きい差ですよね。
マシンロボレスキューとドライブヘッドを比べるとわかるかと思いますが明確な敵がいません。
マシンロボレスキューは明確な敵がいながらもレスキューと言う概念を守ります。
でもドライブヘッドは明確な敵がいない上に後付けの敵って・・・・・・sりゃおも白くなくって長続きしないわけです。ダークAIとかって名前ダサくないですか?
それに比べてシンカリオンはエージェント、キトラルザスとカッコイイ名前を使います。
さらに言えば運転手たちの趣味やその地方での違いとか、そこらへんが面白いんですよね。
正直早くに情報公開がされているブラックシンカリオン・紅が気になります。
だってあれセイリュウ人間の状態でしたから。
ズバリ予想するとセイリュウが滅びゆく種族から人間へと新しい進化をするって展開になるんじゃないかって私は思います。
今後の展開が楽しみですね。




 マクロス・エリシオンのブリーフィングルームでワルキューレとΔ小隊が集まっていた。

「悪いな、集まってもらって。もうすぐアル・シャハルでの活動を始める。わかっているがヴァールシンドロームの調査だ。それとは別件でレディMからこいつを調査するように言われている。

 アラドはそう言うとリモコンを操作し、モニターにある写真を映し出す。

 そこには黒いボディに赤いラインが入った機械が映っていた。

「隊長、これは一体?」

「俺にもさっぱりだ。」

 ミラージュの質問にアラドはそう答えた。

「こいつが最近のヴァールシンドロームが発生しているところでよく見かけられている。もしかしたらこいつがヴァールシンドロームを起こしているんじゃないのかって情報が飛び交っている。実際、俺もそう思っていたんだがな・・・・・・・この映像を見てくれ。」

 アラドはリモコンを操作する。

 すると写真の物体は変形し、ロボットへと変形する。

「変形した!」

「なにこれ!きゃわわ!」

 レイナとマキナは驚く。

「隊長、これは一体?」

 メッサ―が問うとアラドは答えた。

「こいつはどうや変形するようだ。しかも複数の武器を展開し暴走する期待を戦闘不能にしている。俺なりに色々調べてみたんだが・・・・・・・・そしたらこんな言葉が出て来た。シンカンセンって言葉がな。」

『シンカンセン?』

「ああ。今でこそ俺たちは宇宙に進出し、星々を渡って移住しているが宇宙に進出する前には世界中にデンシャと言うレールの上を走る乗り物があったそうだ。しかしその電車でも長距離の移動には時間がかかった。そこで遠い区間を各地域の主要な場所で止まる高速移動する鉄道、シンカンセンと言う物が開発された。」

 アラドはそう言うとE5はやぶさ、E6こまち、E7かがやき、E3つばさ、N700ひかりなどと様々な新幹線を映し出した。

「結構いろいろあるのね。」

 三雲が興味を示す。

「ああ。なんでもその土地に合わせたりしたその土地に適した乗り物とかがあるそうだ。特に日本ではその種類が多いと聞く。」

 各々が感心する中、チャックが問う。

「じゃあこいつもそのシンカンセンって奴の仲間なのか?」

「それは無いな。当時の資料を調べられる限り調べたがロボットに変形する記述はなかった。そもそもVFが当時の最先端だった時代だ。こんなに複雑に変形するとしたらとっくに広まっているはずだ。」

 その言葉を聞いてチャックは納得する。

「じゃあ私たちの任務はアル・シャハルでの活動とこの謎の黒いロボットとのコンタクトってわけですね。」

 カナメの言葉にアラドは「どうだ。」と答える。

「相手は相当の実力を持っている。事実、一人でヴァールシンドロームの暴動を治めた奴だからな。各自、気を引き締めて任務にあたるように。」

『了解!』

「ウーラッサー!」

 

 アル・シャハルの宇宙湾。そこの貨物コンテナの上で一人の青年が海風に当たっていた。

「やっぱりいいな、この風は。あいつに乗っているときも悪い気分じゃないがこうやってじかに風に当たる気分も・・・・・・ん?」

 あるコンテナに目を凝らして煮ると人の面影が見えた。

「果物の中に人?」

 青年は気になりコンテナに飛び移ると蓋を開ける。

「おい、大丈夫か?」

「ああ!見つかった!どうか見逃してください!」

 中にいたのは女の子でいきなり土下座をしてきた。

「・・・・・・・・・欲は割らないが俺はここの従業員じゃない。何か事情があるならついてこい。」

「え?あ、はい。そうさせていただきます。」

 

 港から離れたカフェで青年・ハヤテは、女の子・フレイアに料理を奢っていた。

 フレイアは飢えた獣のように料理を食べていた。

「よっぽどお腹が空いていたんだな。」

「うん!密航してってずっとリンゴばっかで、お風呂には入れないし、音入れだって大変だったし!ホンマアンタには感謝しとるよ!」

「まぁ、俺もあそこに不法に入ったからな。それになんかほっとけないって思ってな。」

 ハヤテがほほ笑みながらそう言うとフレイアは顔を赤くしてしまう。

「どうかしたか?熱でもあるのか?」

「う、ううん!なんでもないよ!」

「そうか?」

 フレイアは手を振って大丈夫だと伝える。

「しっかしなんで密航なんかしたんだ?」

 ハヤテが問うとフレイアは答えた。

 ワルキューレのオーディションを受けるためにわざわざ密航したそうだ。

「それってこの星か?」

 ハヤテはタブレットを操作して惑星を映し出す。

「あれ?これGPS壊れとるん?」

「いや、壊れてないぞ。俺たちがいるのはこっちだ。」

 ハヤテはタブレットを操作するとアル・シャハルが映し出された。

「ここから30光年離れた。ところにある。」

「そ、そんな・・・・・・」

 絶望からの顔を項垂れるフレイア。そんなフレイアに気遣いハヤテが声を掛ける。

「もしよかったら俺が連れて行ってやろうか?」

「え?ええの!」

「あ、ああ・・・・・・・」

 ハヤテは若干引きながらも答える。

「ここであったのも何かの縁だ。それに、俺はあてもない旅をしている。」

「あてもない旅?なんでなん?」

「俺が乗っているものは昔遠い土地を結ぶ乗り物だったんだが、今じゃ宇宙を掛ける乗り物だ。そいつと旅をして、どこまでいけるか知りたいんだ。」

「ふーん、変わっとるね。」

「お前にだけは言われたくない。」

 

 二人はそれから少しばかり時間を過ごした。

短い時間ではあるが多少なりと互いのことが分かった。

「そういやハヤテ、なんで私があの中にいることわかったん?」

「ああ。俺の目は少し特殊な進化をしていてな。それで分かったんだ。」

 そんな話をしているとヴァール警報が鳴り響く。

「マズいな。早くシェルターに避難するぞ!」

「う、うん!」

 

 火の海へと変わった街を隼人とフレイアは一緒に走っていた。

「もう少し体力付けろ!」

「ご、ごめん・・・・・・」

 ハヤテはフレイアを抱きかかえて走る。

(ここでアイツを使ってもいいが、最近どこからか視線を感じる。うかつに使うべきではないか・・・・・・)

 ハヤテはあるものを使うことを迷っていた。

 その力はどんな敵をも打ち砕くことが出来るであろう力。その責をも破壊できる力である。

が・・・・)

 ハヤテがそう思っていると歌声が聞こえてきた。

「虹色の、声?」

 フレイアはその歌声を虹色の声と表現する。

 激化する戦場に一人、女性が立っていた。

「やっとあったまってきたわね。」

 すると女性はサングラスと帽子を放り投げ、叫ぶ。

「It’s show time!」

は、神秘!」

 その女性を見てフレイアは叫んだ。

「やっぱり!美雲さん!」

 すると飛行機の音が聞こえてくる。四機のVF-31 ジークフリートが旋回しシグナスが射出される。黄色いVF-31は足を出して急停止するとコックピットが開き、一人地上へと降りてくる。

「歌は、愛!」

 レイナがそう叫ぶと続くようにマキナ、カナメが続く。

「歌は、希望!」

「歌は、命!」

 そして三雲が言う。

「聞かせてあげる、女神の歌を!」

『超時空ヴィーナス!ワルキューレ』

 美雲、カナメは両手でWを作り、レイナとマキナは二人でWを作る。

『♪~~~~♪~~~~』

 ワルキューレは歌でヴァール化した人たちを静め、その隙にΔ小隊が無力化する.

「本当に・・・・歌で・・・・・」

 ハヤテはワルキューレの行動に驚きを隠せなかった。

 だがその時Δ小隊の真上から謎のVFが姿を見せ、Δ小隊と交戦を始めた。

「マズいな。このままじゃ・・・・・・」

 その時ハヤテはワルキューレがいる方向を見る。

「・・・・・・・・フレイア、ワルキューレを間近で見たいか?」

「え?」

「見たいかって聞いてるんだ。」

「そ、そりゃあ・・・・・・」

「・・・・・・・・・・じゃあ決まりだな。俺も、少しは自分に正直になろう!」

 ハヤテはそう言うと走りだ、そして跳んだ。通常の人間ではありえないほどの跳躍。そしてワルキューレがいる方へと着地する。

 そのことに驚くワルキューレ。いち早く回復したカナメが問う。

「君たちは一体・・・・・」

「こいつは一般人だ。とりあえずこいつを任せる。」

「え!ハヤテはどうするん?」

「戦う。俺にできることをするだけだ。」

 その時であった。謎のVFからミサイルが放たれる。その時ハヤテは叫んだ。

 

 

 

「来い!ブラックシンカリオン!」

 

 

 

 

 その声に応えるかのように漆黒の新幹線・ブラックシンカリオンがミサイルの側を取りすぎ、ミサイルを爆破する。そしてワルキューレたちの前にブラックシンカリオンが止まる。

 ハヤテはShincaを運転口にかざし扉を開けるとブラックシンカリオンに搭乗する。

 備え付けられているブラックシンカギアにSincaを翳す。

【この車両は、アル・シャハル港町行きです。】

 ブラックシンカリオンを発進させるとブラックシンカギアを装着し、レバーを一回動かす。

【加速します。】

1,225km/hの超進化速度に突入しレバーを一回上げ、Shincaをブラックシンカギアにセット、レバーを上げ、ハヤテは叫ぶ。

「チェンジ!ブラックシンカリオン!」

 ブラックシンカリオンは車両からロボットへと変形、ダークカイサツソードを両手に持つ。

【ブラックシンカリオン】

 

 新幹線とVF、決して交わらない二つの存在が歌と言うかけ橋で結ばれるとき、人の新たな進化の可能性が生まれる。

 



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ワールドトリガー×トランスフォーマー(実写版)

トリオン体っていわばその人の体をトリオンに換装しているんですよね?
だったら姿かたちにこだわらなくても大丈夫なのではって思いました。
てことでこう言うの考えました。
誰か作って!


 とある空間で一隻の船がバランスを何とか保ちながら航行していた。

「オプティマス!やはりこの人数での高校は無理があったのではないか!」

「だが奪還できたのはこの船だけだ!それに今は悠長に構えている暇はない!」

 オプティマスは操縦かんを名いっぱいの力で握りある場所へと向かっていた。

 しかしその時であった。船の四つのエンジンのうちの一つが突然火を吹いた。

「・・・・・・・だめだ。みんな聞いてくれ!予定のポイントよりも速い場所で出る。そこで各自飛び降りてくれ!この船はどの持ち使い捨てだ!俺が責任をもって着地させる!」

『了解!』

 オプティマスの指示に各自返事をした。

「さあ三門市に出るぞ!」

 

 大規模侵攻により戦闘態勢に入っているボーダー。

 作戦指令室でオペレートしている沢村が忍田に報告する。

「忍田本部長!門の反応を探知!本部から南西20km地点です!」

「なんだと!スクリーンに出せるか?」

「はい!」

 沢村はスクリーンに出すとそこには不安定ながらも門が開き、そこから煙を上げながら出てくる一隻の船があった。ふらふらとバラbb巣を取りながら次々と何かが降りて行っていた。

 

「オプティマス!自動操縦に切り替えて早く降りるんだ!」

「そうしたいのだけど・・・・・・ラチェット、どうやらさっきの衝撃で壊れてしまったそうだ!」

「なんだと!」

 最後に残ったラチェットがオプティマスの下へ向かおうとするがオプティマスは静止させる。

「君はボーダーとの交渉必要不可欠な存在だ!僕はこれを不時着させたらすぐに見つけなければならない人物がいる!早く行け!」

「・・・・・・・わかった。無茶するなよ。」

 ラチェットはそう言うと船から飛び降りた。

「さて・・・・・・ボーダー本部に突撃するイルガーがいるな。あいつらのことだから多めに用意しているはずだ。こいつには無理をさせた。」

 オプティマスは今乗っている船の操縦かんを撫でる。

「君はただの遠征用の船だが、僕たちのために頑張ってくれた。なら、最後に大きい仕事を与えようじゃないか!」

 オプティマスは操縦桿を操作しボーダーが来るとは思わなかった第四のイルガ―に向ける。

 オプティマスはイルガ―に100mの距離まで接近すると急いで船から脱出する。

 無人の船はオプティマスの機体に応えるかのようにイルガ―に突撃する。

 そのおかげもあって本来ボーダーにぶつかるはずだったいるバーは直前で爆発した。その衝撃の余波によってオペレーターは軽いケガをしたが死には至らなかった。

 

 某所で諏訪隊はイルガ―と交戦に入っていた。

 新型トリオン兵のイルガ―はA級隊員ですら一人で挑めば負けてしまう程の実力を持っていた。そして今正に諏訪が捕らえられようとしていた。

 そんな時であった。どこからか響くように聞こえてくるエンジン音。

「どこの馬鹿だ!こんな時に車を運転しているのは!」

 包みが文句を言うと目に映ったのは赤のフェラーリ458イタリアであった。

 フェラーリ458イタリアは迷うことなく向かってくる。そして独特の音を出しながら形を崩す。そして人の形へと変形、ディーノへと変形する。

「ha!ha!ha!イッチョ助けてやるか!」

 ディーノは両腕のブレードを展開するとイルガ―の上を飛びすれ違う際に両腕を切り落とす。

「うわっ!」

 諏訪は両腕を使えないため尻から地面に着く。

 ディーノはワイヤーを使いイルガ―を自分の下まで引っ張るとこ紛れにする。

「ケッ!イルガ―風情が勝てると思うな!」

 ディーノはイルガ―に言葉を吐き捨てると諏訪体の方に顔を向ける。

「おお、お前らどこかトリオン漏れはしてねぇか?」

 そんなディーノに対し笹森は弧月を構える。

「ちょっと待て!敵ならなんでそいつを助ける?むしろ邪魔になる奴らの手足をぶった切るのが定石だろ?」

 ディーノの言葉に「その通りだ。」と現着した風間が言った。

「おお、あんたは話が分かるようだな。」

「遅れてきたがさっきの動きを見せてもらった。俺たちが束になってもかなうとも思えん。お前たちはさっきの船から降りて来たのか?」

「ああ。俺たちオートボットは遠征艇でここまで来たんだ。人数にかなりの無理があったがな。言っとくが俺は向こうの住人だが、別に故郷なんて思っていねぇ。オプティマスに付いて行ってるだけだ。」

「オプティマス?それは誰だ?」

「俺たちのリーダーだ。最後に船から降りたんだが・・・・・多分向かってるな。」

「向かっている?どこにだ?」

「確か・・・・・・・チカ。アマトリチカって奴のところにだ。奴らに狙われるからな。」

 その名前に一同衝撃が走った。

 

 一方その頃千佳は他のC級隊員と共にA級隊員の木虎に保護されながら本部の方へと向かっていた。

 その時であった。三体のイルガ―が目の前に立つ。

「くっ!三体はキツイわね。」

 拳銃型トリガーとスコーピオンを構える木虎。

 その時クラクション音とエンジン音が響き渡る。イルガ―もその方を向いているのでつい木虎も見てしまった。そこにはファイヤーパターンの入ったピータービルト379トレーラートラックが近づいてきていた。

独特の変形音と共にオプティマスに変形すると木虎たちを無視し、イルガ―へと向かう。エナジーソードを右手に展開するとイルガ―に向け突き刺す。一体のイルガ―は両腕で防ぐが両腕とも貫通されてしまう。オプティマスは銃を展開しイルガ―の頭部に向け放ち破壊するとエナジーブレードを外し次のイルガ―へと狙いを定める。イルガ―はオプティマスにむっけ拳を振り下ろすが、オプティマスは倒したイルガ―を盾にするとエネルゴンフックを展開し弱点である目に引っ掛け一気に引き抜く。引き抜かれたところから鮮血ともとらえられるトリオンが放出される。

「ぬぉおおおおお!」

 オプティマスは雄たけびを上げながらイオンブラスターを構えイルガ―に連射する。腕と東部の防御力が強固であるイルガーですらその攻撃に耐えきれず、撃ち負かされてしまった。

 木虎たちは警戒する。助けたのは油断させるためかもしれない。そうであれば次は自分隊が狙われると。しかし出てきたのは意外な言葉であった。

「千佳、大丈夫か?」

 オプティマスは千佳の心配をする。

「う、うん・・・・・・・・て、なんで私の名前を知ってるの!?」

 普通に受け答えしている近田が名前を知っていることに驚く。

「ん?ああ、すまない。この姿じゃわからないな。トリガー、オフ。」

 トリオン体を解くとそこには驚くべき光景が広がった。

 ロボットのような姿とは一変して普通の人間のような姿になった。木虎はその姿にどこか見覚えがあった。正確には最近知り合った知人とどこか似ていた。

「修・・・・・・・君。」

「ああ。お前の知っている三雲修だ。」

 




修って弱いってポジだけどチート設定とかそう言うの少ない気がする。
人を引き付ける才能に着手してオプティマスにしました。


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ダンまち×アマゾンズ

ダンまちとアマゾンズの話って面白いって思うんですよね。
私はちゃんと見ていないんで内容を掛けないんですけど、誰か作ってほしいです。


 私が損光景を見たのは偶然だった。

 遠征の帰り道、武器をモンスターによって溶かされた私は素手で逃げたミノタウロスを折っていた。

 五階層辺りで残りのミノタウロスを見つけて倒そうと思ったときだった。

 赤、緑、銀の何かがミノタウロスたちを倒していた。

 本能のままに戦う獣のようでありながら理性を持った人の姿をした何かが容赦なく、残酷に、血しぶきを浴びながら蹂躙していた。

 そんな姿に私は見惚れてしまっていた。

「ふぅ~、俺五体。」

「俺も。」

「お前たちが押し付けるから俺四体じゃったじゃないかよー!」

「いいだろ、別に。」

「そうそう。」

「よくない!俺だってもっと戦って血をたぎらせたい!」

 白いのが赤と緑に対し駄々を捏ねる。

「でもこれくらいにしよっか。初日だし、エイナさんも怒るかな?」

「だがよ、あの言葉意味が分かんねぇ。“冒険者は冒険しちゃいけない”。なんだそりゃ?」

「命大事にってか?犬に食われようがモンスターに喰われようが人に殺されようが、しょせん死ぬときは死ぬんだ。だったら最後くらい派手に血って死ぬってのが生きざまだよな。」

 三人はそう言いながら魔石とドロップアイテムを回収し地上へと向かった。

「おい、バカゾネス。残りは倒したのか?ん?おいまないごばっ!」

 禁句をいようとした瞬間ティオナの裏拳がベートの顔面に炸裂した。

「うるさい、バカベート!それとミノタウロスはさっき三人が倒しちゃったよ!」

 プンスカ怒りながら仲間たちの下へと戻るのであった。

 

 地上に戻ってからある噂が絶えなかった。

 曰く、男のアマゾネスがいる。

 曰く、人型のモンスターがモンスターを蹂躙している。

 曰く、常に血まみれである。

 そんな噂が絶えなかったが、ティオナにとってそんな噂はどうでもよかった。

 あんな戦いをした三人のことがずっと頭から離れなかったのだ。

 そして夜の豊穣の女主人でロキ・ファミリアの面々は食事を取っていた。

 そんな時、三人の冒険者が入って来た。

「ミアお母さん、今日も来ました。」

「おや、あんた達かい。今日もよく食べてくれよ!」

「「「腹八分目に抑えときますから!」」」

「・・・・・・・・あれでかい。」

 三人はカウンター席に座る。ティオナは近くにいたウェイトレスに話しかける。

「ねぇ、あの子たちって新人?」

「え?ええ。どんな武器持ってるのかわからないんですけど、でもたくさんモンスターを倒してたくさん食べてます。でも給仕の私たちが一層忙しくなるんですよねー。」

 ウェイトレスのシルは押す言うとベルたちの方を見る。

「ところで、あのミノタウロスなんだったんだろうな?」

「聞いた話だと下の階層から来たって話だぜ。」

「ふーん。でももうちょっと歯ごたえが欲しいな。」

「となると強化種って奴らしいが要するに冒険者のポカ待つって話だ。」

「そら大変。てか、もっと本能のままに戦いたいよ。」

「あ、わかる!そうそう!やっぱ俺たちの性質上・・・・・・」

 ティオナはそんな話に耳を傾けていた。

「けっ!雑魚がうるせぇんだよ!」

 ベートはそう言うと立ち上がり、ジョッキをに入った飲み物を三人にぶっかけた。

「ベート!」

 ロキが立ち上がりベートを注意するがベートは酔っていた。

「・・・・・・・お前ら、売られた喧嘩は買うか?」

「「当然買う!」」

「じゃあ俺が・・・・・・」

「「待て!俺にやらせろ!」」

 一人が立つと二人は抗議する。

「なんでだよ!言い出したのは俺だぞ!」

「んなもんわかってんだよ!だけど戦うとなったら譲れねぇ!俺が出る!」

「お前らミノタウロス五体倒したじゃん!俺四体だよ!」

「少なくともこいつはミノタウロス二十体分の価値はあるぞ!だから俺がやる!」

「傲慢だぞ!」

「ああ、もう・・・・・こうなったら・・・・・・シルさん!」

 白髪の少年、ベルがシルの方を見る。

「は、はい!」

「誰に戦わせるかシルさんが決めて!俺たちだと泥沼の状況が続くから!」

「え?じゃ、じゃぁ・・・・・・・・ベルさんで!」

「よっしゃ!」

 ガッツポーズを取るベル。

「仕方ねぇな。」

「ベル、負けたら承知しねぇからな。」

 そう言うとベルは外に出る。

「来いよ。相手してやるから。」

「はっ!雑魚が調子乗るんじゃねぇ!」

 ベートもベルに釣られて外へ出る。

「ちょ、ちょっと!止めなって!あの子死んじゃうよ!」

 ティオナが立ち上がり二人に言う。

「そん時はそん時だろ。」

「むしろ戦って死ぬか最愛の人にめとられて死ぬ、どっちかが幸せな死に方だからな。」

 二人は全くベルを心配していなかった。

 そして店の外に出るとベルはベルトを装着していた。

(あれ?あれって・・・・・・)

 ティオナには見覚えがあった。

 ベルトのハンドルをひねると音声が鳴る。

【シグマ!】

「アマゾン!」

 突然の衝撃と白い炎が発生し目を覆う。そしてそこには、あの日に見た人型のモンスターがいた。

 



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