うちはマダラ「魔法少女育成計画だと...?」 (渺人)
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第1話:未知の世界へ

初投稿です。大目にみてください。
マダラのクロスオーバーがもっと増えて欲しくて自分も書きました。
ssを書くにあたり、マダラの万華鏡写輪眼の能力をオリジナルで当てはめました。

ねむりんに生きてて欲しい!
そんなあなたにオススメします。


まだやり残したことがあったのだろうか。

それとも、多くの者を殺めた罰だろうか。

未だ成仏できずに忍世界の上空を漂っていた彼は、忍界の外れの方に来ていた。

原始のチャクラが残る手付かずの森...

古い石碑にこう記されていた。

『六道仙人 世界の礎を築く時 異世界より知恵を授かった。

輪廻の力を持つ者が望むなら この空間は開かれるだろう。』

 

この世界が異世界の知恵によって

発達していったことに驚きを感じながらも

マダラは新たな世界で己の足らぬものを学ぶことを望んだ

 

 

気がつくと見慣れない建物が立ち並ぶ都市に来ていた。

「ここは...?」

 

「なんだあの人、コスプレか?」

「そんなことより、この状況まずいんじゃないの…」

 

何か騒がしい。

俺は複数の鉄の塊が高速で動く道の真ん中にいた。

俺の前に鉄の箱を乗せた大きな物体が迫る。

「やれやれ…」

 

マダラにとっては簡単なことだった。

跳躍し避けるか、受け止めるか。

 

だが、その物体を受け止めたのはどうみても弱そうな白い少女であった。

「危なかった〜。道路に立つと危ないよ!」

そう言うと少女はどこかに飛び去った。

 

「今、トラックの前に白い女の子がいたよな?魔法少女じゃね?w」

「最近噂になってるよなー!もう1人の鎧コスプレイヤーも突然現れて突然消えたけど何だったんだろうなw」

 

 

人が集まって来たから俺は路地裏に身を潜めていた。

「あの白い小娘の力…どういうことだ。

...まぁ、先に能力の確認をしておくか。」

 

◯火遁

・火遁・豪火滅却 数十メートル規模の火炎で焼き払う。

・火遁・豪火滅失 百メートル規模の火炎で焼き尽くす。

・火遁・灰塵隠れの術 火炎を使って灰や塵を巻き上げ身を隠す術

・火遁・龍炎放歌の術 瞬時に龍の顔の火球を複数個発生させる。

◯木遁

・木分身の術 精巧な分身体を作り出す。

・木遁・樹界降誕 無数の大樹を出現させる。

・木遁・花樹界降臨 巨大な茎や蕾を辺りに出現させる。花粉を吸い込めば一時的に動けなくなる。

・柱間細胞 自動で傷を治すことができる。

◯写輪眼 目が合った者を幻術にかける。相手の動きの先読み。チャクラを色で識別できる。

・イザナギ 自分に不利なことを無かったことにする代わりに失明する。

◯万華鏡写輪眼

木花之開耶(コノハナノサクヤ) 自身から生成される物質の威力を操作できる。

瓊々杵(ニニギノ) 消費チャクラが半分になり、蓄えられるチャクラの上限が増える。

須佐能乎(スサノオ) 青く硬質なチャクラの巨人を顕現させる。

◯輪廻眼 火遁、風遁、雷遁、土遁、水遁を扱える。

輪廻眼を持つ者同士で視界の共有ができる。

・天道 引力と斥力を操ることができる。

・人間道 魂を抜くことができる。頭に手を当てれば記憶を読み取れる。

・地獄道 引き抜かれた本人であれば閻魔を使い蘇生。

・餓鬼道 あらゆる忍術を吸収できる。

・畜生道 様々な動物を口寄せ(出現させる)できる。

・修羅道 カラクリの体を口寄せできる。

・外道 自身の命の代わりに死者を蘇らせる。

 

使えない術

・輪墓 見えざる世界のマダラを4体出現させる。

(異世界自体が忍界からは見えざる世界のため)

 

 

「輪墓以外は使えるようだな…。次は、この世界を調べるか」

 

続く



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第2話:探索・調査

まほいくはアニメしか知りません。マダラが現れたのは最初の脱落者が出るまで残り6日と半日ほどの世界です。


多重木遁分身の術‼︎

変化の術!

 

マダラは50人ほどの分身を作り出し

現代的な姿をした様々な人間を探索へ向かわせた。

 

「探索は分身に任せて、俺は行動の拠点を作らねばな...」

 

木遁・四柱家の術!

 

あっという間に家が完成した。

「こんなところか。次は...」

 

その頃分身達は街の探索をする者10人と白い少女を探す者40人で手分けして行動していた。

今は日曜日の午後3時である。

学生の魔法少女も昼間からキャンディ集めをしていたので、40人の分身が異常な身体能力を持つ少女を見つけるのは容易であった。

 

分身A「あれは箒...?早すぎるな。」

 

分身B「火事か.......ん?あれは...!」

 

分身C「規制線が張られているな。ヤクザの組織が壊滅させられたと言っていたか。」

 

分身D「この辺りは公園か。泣いてるガキがいるな」

 

「うぇーん!ふうせんとってー!」

 

高い木に風船が引っかかっている。取ってやるかと近づいた時、木の上にリスが登り風船を咥えて降りてきた。

 

「リスさんありがとー!」

 

リスは走り去っていった。

 

ユナエルの魔法『好きな生き物に変身できるよ』

 

住宅街の外れの空き地

 

ユナエル「やったあ!キャンディGET!」

 

 

分身D「キャンディと言ったな?その端末は何だ?」

 

ユナエル「後をつけてたのか〜。

てか、足速くね?w

教えるわけないじゃん。」

 

 

分身D「ならば聞き出すだけだ。」写輪眼‼︎

 

ユナエル「ゾクッ」(一瞬だけ意識が遠のいた...)

 

分身D(チャクラの流れを乱す幻術が効かないか...。

一瞬乱れたように見えたが、すぐに元に戻った。

至近距離でならわずかに色で確認できるが、感知ができないということは

体内にチャクラ以外の

特殊な何かが流れてると見た方が良さそうだな。

リスに変化したところを見るに普通の人間ではないか。)

 

ユナエル(土に潜って逃げよっと)モグラ!

 

面倒な男に絡まれた上、写輪眼の気迫に物怖じしこの場を離れた方がいいと思ったユナエルは

土の中を一目散に進んで逃げようとする。

 

分身D「逃がさん。」土遁・開土昇掘!

 

モグラユナエル「ぅわぁぁぁ!」

 

隆起した土から地中の異物とユナエルが噴き出してくる。

 

水遁・水牢の術‼︎

 

ユナエル「ゴボボ...息が......」 サメ!

 

鮫になり水の牢を壊し逃げだすユナエル

 

分身D「これを待っていたのだ。」ガシッ

 

マダラの分身Dは水から出たユナエルの頭を掴むと、人間道で記憶を読み始めた。

 

分身D「なるほど...携帯電話というものがあり、その中のゲームを遊んでいたら.........」

 

ザクッ

心臓を貫かれた分身Dはその場に倒れた。

 

 

ミナエル「優奈、大丈夫⁉︎」

 

ユナエル「うっ.....」

 

ミナエル「もう殺したから大丈夫だよ...!

あれ?」

 

分身Dは木になっていた。

不思議に思いつつも、夜は廃寺に集まらなければならないためミナエルはユナエルを連れて、自宅で休むことにした。

 

午後8時 森の奥の家にて

 

マダラは分身達が集めた大量の情報を整理していた。

「なるほど、街の地図は頭に入った。

この世界には魔法少女と呼ばれるものがいて、人を助けてキャンディを集めている。

ほぼ全ての人が携帯電話を持ち、魔法少女育成計画と云うあぷりというのを始めれば、魔法少女になることができるらしいが真相は不明。

火災現場に白い小娘と剣を持った女がいたが野次馬の前で力が使えず見失い、高速で飛ぶ箒を見て、壊滅したヤクザの建物には弾痕があった。ほう...1人、交戦した者がいたか。変化していたから大丈夫だろう。

分身とはいえ俺を倒すか。面白くなってきたな。」

 

マダラは購入した食料を口にしていた。

お金はマダラ本体が昼間に

パチンコ屋に行き写輪眼の動体視力を使ってスロットで稼いだものである。

 

「さすがに50人に分身し、長時間の行動はチャクラを使うな。まだ分からないことが多いが寝るか。」

 

廃寺にて

 

ルーラ「どういうこと?未知の魔法を使う誰かに襲われたってのは!」

 

ユナエル「髪の短い青年の姿をしてたけど、なんか違和感があった...。やけに落ち着いているというか。目が赤くなって

土を操ったり水を出したりしてた。

それに変身のことを()()()って言ってた。」

 

ミナエル「殺した後に死体が木になってた。

きっと偽物だったんだと思う...。」

 

スイム「......」

 

たま「」ガタガタ

 

ルーラ「明日から、キャンディ集めと並行して

そいつを探しなさい!」

 

一同「「はい!」」

 

ミナエルとユナエル(探すって言っても、特殊な魔法を使う以外分からないから難しくね?)(そうだよねー)

 

ルーラ「それから、今日のことは他の魔法少女には言わないこと。私の魔法で戦力にするわ!」

 

 

ファヴの魔法少女を半分にするという発表から丸1日が経過した。

1人脱落まで残り6日

 

続く

 

 




まだ1日しか経ってないので少しペースを上げます。
ルーラ達は密かに会話をしていてファヴにも明かしていません。


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第3話:ねむりんという小娘

月曜日、魔法少女とはいっても普通の人間でもある彼女たちは、それぞれの日常を過ごしていた。

ある者は学校へ、またある者は仕事へ。

 

だが1人だけ寝ている者がいた。

そう、ねむりんである。

 

ねむりん「ふわぁぁ...日本はもう朝だからまだ寝てる人が多い外国の人の夢を見よっと♪」

 

夢の中でアメコミのヒーロー達と地球規模の活躍をしたねむりんのキャンディは

現実では0個である。

 

その頃マダラは携帯ショップにいた。

マダラは女子高生に変化していた。

 

マダラ「すまほ?わいふぁいってなんですか?」

 

店員「ええっと...」汗

(今時の若い子なのに珍しいなぁ...)苦笑

 

マダラ「魔法少女のアプリが取れればそれでいいです」

 

店員「ああ、簡単ですよ!僕がとっておきます。」

 

かくしてマダラはなんとかスマホを入手した。

 

「もう、昼か...20人の分身に街を探らせ、魔法少女の探索と

異文化を勉強させておき俺はアプリを操作するか。」

 

魔法少女育成計画へようこそ!

僕は案内役を務めるファヴだpon!

自分の分身となるアバターを作成するpon!

 

マダラは長い黒髪にいつもの黒装束、赤い鎧を纏わせた

おなじみの姿のアバターを作った。

違う点を挙げるとすれば胸のふくらみがあることと、

団扇がないことだった。

 

魔法という言葉に違和感を感じたが

火を使って敵を倒していた。

 

マダラ「つまらんな...」

(本当にこれで魔法少女になれるのか...?)

 

 

一方、マダラのいる森よりもさらに遠い山奥にクラムベリーはいた。

 

クラムベリー「おや?面白い物が落ちていますね。

大きいですが団扇でしょうか?ファヴ、心当たりは?」

 

ファヴ「わからないpon。魔法の国のとは違う材質だpon」

 

クラムベリー「だいぶ使われていたみたいですが、傷一つないですね。面白い、もらっておきましょう。」フフフ

 

夕方になり、魔法少女たちはそれぞれキャンディを集めていた。

 

ウインター「よし、今日は帰ろうか。ナナ」

 

ナナ「ええっ、今日はたくさん集めました♪」

 

 

マダラはアプリに飽きて、今日の成果をまとめていたが

魔法少女は見つけられなかった。

とても退屈だったが、好物のいなり寿司を食べて眠りについた。

 

 

午前2時頃

 

ねむりん「あと5日かあ〜。今のうちに他人の夢を満喫しようっ☆」

 

「この夢がいいかな...」

 

山や川など綺麗な景色に誘われてやって来たねむりんだったが、次第にねむりんは悲しくなってしまう。

 

「うォォらぁぁ!」 「ぐわぁ...!」

「痛ぇよォォ…」 「手当はまだか!」 「まだ足りん!皆殺しだ!」「ガハッ」吐血 「焼き尽くせ!火遁....」

 

 

ねむりん「戦争の夢だったんだね...」ポロポロ

 

少年マダラ「夢じゃない。これは現実だ!」

 

「あなたの名前は?」ポロポロ

 

「姓は訳あって名乗れないが、マダラっていう。

これで涙拭いたらどうだ!」ハンカチ

 

「ありがとう。私はねむりん。」ニコッ

 

マダラはこの世界の千手一族は平和の実現を拒む一族であること、千手一族とは和解したいが滅亡させるしかないと説明をした。

 

夢の場面が切り替わり、マダラは一族の長として戦っていた。千手とうちはの戦いは均衡していて時間がかかっていた。

 

ねむりん「このままじゃ朝になっちゃう。

殺すんじゃなくて、消すのならいいよね」

 

ねむりんはいつの間にか

この夢の結末が見たくなっていた。

 

千手の忍の数はねむりんによって、ほとんどが消えていた。

 

青年マダラ「時空間忍術で次々と敵を消す奴がいると思えば、お前だったのか...!」

 

ねむりん「うん。久しぶりだね。

これで平和になるよね?まだ、数人...千手一族が残ってるけど。マダラはどうするの?」

 

マダラは情けをかけて、うちはに亡命することを望んだ者たちは生かすことにした。和解できる日を夢見て。

 

場面が変わり

うちは一族は大国を築いていた。

マダラはうちはに寝返った千手の者への待遇を厚くし

歩み寄ったが、家族を殺された恨みは深く

何人かは未だにうちはを憎む者がいた。

 

壮年マダラ「国ができたが、千手の者たちとは中々

仲良くできないな...」

 

ねむりん「どれだけ歩み寄っても、過去の傷はどうにもならないのかな...」

 

そんな中、うちはを憎む千手の残党が他国の長を次々と殺してしまった。うちはに寝返った忍であるので

うちは一族が他国への領土拡大として、侵略を始めたとされた。

 

長い戦争が始まった。

恨みの連鎖は止まらず、戦争は激しさを増すばかりだった。

 

 

中年マダラ「無限月読を実現させるしかないのか...」

 

場面が変わり焦土と大樹だけの空間にねむりんはいた。

人は皆、木に取り込まれ夢を見ている。

 

六道マダラ「何故お前は、幻術にかからない?」

 

ねむりん「私はあなたの夢の中に入ってる存在だから。」

 

六道マダラ「そうか、お前のことは不思議に思っていたが、ここは夢か...

夢の世界を実現しようとする夢ってところか。」

 

ねむりん「この結果は...幸せ?」

 

六道マダラ「あぁ。夢だとしても平和だからな...。

ところで、何故お前は俺の夢に居る?」

 

ねむりん「今まで見たこともない夢だったから。

あなたはどこか普通の人と違う感じがするし

最後まで見てみたくなった。」

 

六道マダラ「そうか。お前は.......」

 

 

言いかけたところで目が覚めた。

夢はうっすらとだが、覚えている。

 

マダラ「あの能力は、陰陽遁を用いた精神世界への干渉に近いな...。あの娘は魔法少女で間違いないだろう。」

 

 

続く

 

 

 




うまく収束するのか心配です。


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第4話:協力しよう

黒装束髪結い眼鏡マダラは、
ただの私の願望ですw


朝になり、マダラは考え事をしながら街を歩いていた。

直接自分の体で行動したくなり

今日は鎧を脱ぎ、髪を縛りメガネをかけるという簡易的な変装だった。

 

俺はどうすれば元の世界に帰れるのだろう。

かつて六道仙人やその息子達が行ったように、問題を解決していけばいいのか?

まぁ、まずは魔法少女について理解を深めるべきだろう。

 

昨晩の夢でも思ったが、人は争いを嫌う一方で

争いを望んでいる生き物だ。

あの、ねむりんという小娘もそうだった。

夢の中とはいえ、最初は争いの光景に涙していたが、次第にその光景に慣れた後は、参戦し時空間忍術で敵を消していたからな。

 

俺だってそうだ。平和を望む一方で、戦いの時は生を実感し血肉が踊るほど楽しいと感じてしまう。

 

ここは日本という国だが、本当に平和だと思う。

テレビのニュースで外国は内戦をして人が死んでいるということが伝えられるだけである。

 

30人に分身し、人間道で一般人の記憶を読み取っていったが誰1人として明確な情報は得られなかった。

 

(ここまで誰1人として噂程度しか知らないのはおかしい。

あのユナとかいう小娘も秘密を守ろうとしていた。

部外者にバレたらいけない理由があるようだが、

携帯の掲示板に写真が載っていたことや俺に見られたことを推測するに姿を見られるのは問題なさそうだな。

あのアプリで魔法少女になったのだから、変身前を分かられてはいけないのだろうか?)

 

(やはり、あの娘に尋ねるのが一番だな...)

 

ほどなくして夜を迎えた。

 

マダラはねむりんに会うべく、輪廻眼を発動させ印を結んだ。

木分身の術!

もう1人のマダラを眠らせてチャクラを練った。

 

マダラ(あの娘の能力は夢の中という限定的な条件下だが、おそらく魔法とチャクラの枠組みを越えて自由に精神世界を行き来するというものだろう...

分身と俺は輪廻眼で視界を共有しているから、分身の見る夢を見ることができる。俺は、チャクラを分身の精神世界とリンクさせ夢を訪れたねむりんと対話すればいいだろう。)

 

しかし、見る夢を操作できるわけではないから

多くの人が見る夢の中でねむりんがこちらに気づいてくれそうな夢を見るのは賭けであった。

 

その頃、分身マダラはイズナと川原で遊ぶ夢を見ていた。

 

 

一方、ねむりん宅にて

 

ねむりん「マダラさんとまた話してみたいな〜。

忍者って想像してたのと違うけど、面白かったな。

前回は途中でマダラさんの目が覚めちゃったから、今度はちゃんとお話ししなきゃね。」

 

そう言うとねむりんはねむりんアンテナの検索機能に

マダラと入れ、検索した。

 

「オオカバマダラを捕まえたぞ〜〜」

 

「真鱈おいしい!」

 

関係ない夢ばかりが結果に上がる。

 

その頃、分身マダラの夢が変わり柱間と死闘を繰り広げていた。

 

柱間「マダラァァァ‼︎」

 

マダラ「柱間ァァァァ‼︎」

 

 

諦めかけていたねむりんのアンテナに新着のお知らせが届いた

 

「マダラァァァ‼︎」← new!

 

「マダラカルト踊ってみた」

 

 

ねむりん「緊張するけど会いにいくよ〜〜!」

 

 

ねむりんはマダラの夢の世界へ着くと、

柱間を太陽に、九尾を月に変えてそれ以外は何もない空間を作り出した。

 

マダラ「来たか。分身の精神世界へ繋ぐか。」

 

 

ねむりん「ごめんね。お話の邪魔になるから、変えさせてもらったよ。」

 

マダラ「構わん。お話と言うことはお互い目的は同じようだな。今の俺は自由に会話ができる状態にあるということを先に伝えておく。」

(こいつの能力は万華鏡写輪眼の能力、月読(ツクヨミ)以上だな。)

 

 

ねむりんの魔法『他人の夢の中に入ることができるよ』

 

 

ねむりん「わかってるよ〜。あなたも不思議な力を使ってるんだよね?その目を見ればわかるよ。

私の能力も理解してるんだよね?」

 

マダラ「まぁ、ほとんどはな。だが、柱間と九尾の姿を変えたみたいに夢の中の世界を自由に変えることができるのは驚いた。いくつか質問に答えてくれれば俺も質問に答えよう。夢の中ではお前に勝てないことは理解しているから嘘はつかないつもりだ。」

 

ねむりん「わたしも嘘つかないよ。」ニコッ

 

マダラはねむりんから、アプリで魔法少女になれるという噂が本当だったこと、魔法少女は体内の魔力のおかげで驚異的な身体能力を手にしていること。

コンビを組んで活動している魔法少女がいることや、

知ってる魔法少女についての情報、

自分の意に反して変身前を普通の人間に見られてしまうと

失格になってしまうこと、

端末を使えば、他の魔法少女と連絡が取れること、

今この街には15人の魔法少女がいて来週1人参加すると同時に、1人脱落者が出て、

それを決めるためにキャンディを集めているということ、

あと4日経てばキャンディの総数が0の自分は魔法少女じゃなくなるということを聞いた。

 

そしてねむりんには、忍の世界から来たことと

チャクラが流れており忍術を扱えること、

ユナエルという魔法少女と戦ったこと、

魔法少女育成計画のアプリを始めたが、飽きて放置していること、チャクラと魔力は似ていること等を話した。

 

ねむりんが嘘をついているとは思えなかったし、ようやく魔法少女についての情報が得られた喜びや、

10年ぶりのまともな会話

マダラはいつもより饒舌だった。

 

ねむりん「もう一つ、聞きたいんだけどね。

チャクラが0になった忍はどうなるの?」

 

マダラ「死ぬことになる。」

 

ねむりん「さっき、チャクラと魔力は似ているって言ってたよね?だから...」

 

マダラ「俺に経絡系と呼ばれるチャクラの神経が通っているように、魔法少女には魔力が流れる神経があるのかもしれんな。

魔法少女じゃなくなるということは、

魔力が0になると言いたいのか?。つまり、死ぬと。

...確かにその理論は正しいと言えそうだな。」

 

ねむりん「私、死ぬのかなー...。

で、でも、普通は魔力が無くなった時の対処も運営がやってくれるよね?」アハハ

 

マダラ「考えもなしに魔法少女を増やして数を半分に減らす...

そんな無能を信用できるのか?

自分の命がかかっているというのに。」

 

ねむりん「確かに...。マダラさんの言う通りですね」ショボン

 

マダラ「お前のおかげで魔法少女の実態が分かった。

お前がまだ生きていたいと望むなら、俺が協力してやろう。それに、お前の能力と端末は何かと使えそうだしな。」

(俺も二度死んで変わったな。以前は何でも1人でやろうとしたが、この世界では誰かと協力しようと思うとは...)

 

ねむりん「生きたい。死にたくないよ...

マダラさん私を助けてください。

今まで人と競争することを避けてたけど

昨晩のあなたの夢と今のお話で戦わなきゃ死ぬということを学びました。お願いします...!」ポロポロ

 

ねむりんは泣いている。

 

マダラ(変身前は知らんが、恐らく幼いのだろう。

死ぬかもしれないと分かれば、怖いのは仕方ないか。)

 

ねむりんの涙で辺りが海になってきたので、

俺は月の九尾に乗り、ねむりんは太陽の柱間に乗った。

 

「いいだろう。コンビを組むことにしよう。」

(本当に何でもありの世界だな。)

 

「ありがとう!」ウェェェン

 

海はさらに水かさを増した。

 

ねむりんが創った星の上に乗ると

朝になったら会うことを約束し待ち合わせ場所を決めた。

 

安心したのだろう、夢の世界は星がキラキラと瞬き

大きな虹がかかって、雲や太陽、月などが笑う世界になっていた。

 

午前4時 森の家にて

 

マダラ「俺を呼ぶお前の声は、別の誰かとの繋がりを与えるのか....柱間よ。」

 

続く




マダラは純粋なねむりんの姿に、幼き頃の柱間を重ねてしまったのかもしれない、、


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第5話:キャンディ集め

朝の5時、ねむりんはファヴと話していた。

 

ファヴ「早起きだなんて珍しいpon!何かあったpon?」

 

ねむりん「いい夢を見たんだ〜。

それとね、わたしもキャンディを集めることにしたんだ」

 

ファヴ「キャンディなら7兆個を超えてるpon」

 

ねむりん「違うよ。現実の世界でだよ〜」

 

ファヴ「残り4日を切った時点で0個だから、

もう遅いと思うけど頑張るpon♪

あれ、どこに行くpon?」

 

ねむりん「キャンディを集めにだよ?」

 

ファヴ「なら、端末を持って数を確認しながらの方がいいと思うpon

連絡手段が無いと困るpon?携帯電話と同じd...」

 

ねむりん「それじゃ、行ってくるね」

ねむりんは

待ち合わせ場所のとある山に向かった。

 

ねむりん「魔法少女になって、外に出るのは

最初の日に嬉しくて外に飛び出した時以来だよ。

なんだか緊張してきたなぁ...」

 

約束の場所にいくと既にマダラは待っていた。

夢の中で本当の姿を見せていたので、変化の術は使っていなかった。

 

「来たか。」

 

「お、おはようございます...」

 

「そんなに緊張しなくていい。誰にも後をつけられてないな?

さて、キャンディを集める前に、昨晩聞きそびれたことを尋ねる。

夢の世界でその夢を見てる本人を殺すとどうなる?」

 

「試したことがないから、わからない...ごめんなさい。」

 

「気にすることはない。少し疑問に思っただけだ。」

 

「ありがとう。」ニッコリ

 

「では、始めるぞ。俺が火遁で森に火をつける。

お前は能力を使い眠っている消防士に、山が既にほとんど燃えている夢を見せ、今ならまだ間に合うと伝えればいい。」

 

「わかった!」

 

程なくして消防車が数台来たが、眠っていた消防士のおかげで早く気付くことができ被害は最小限に収まった。

 

ねむりんの見せた夢の中では、山のほとんどが全焼だったが現実では一部分が燃えただけで済んだことによって

消防士は予知夢を見たのだと納得し

ねむりんに感謝していた。

 

ねむりん「キャンディがかなり増えてる!」

 

マダラ「ふっ...木遁で森を戻したら次にいくぞ。」

 

マダラの忍術とねむりんの予知夢を見せる能力は

相性が良くキャンディは1日で大量に集まった。

 

その日の夜

 

ファヴ「何をしたpon⁉︎1日でこれだけのキャンディはありえないpon!」

 

ねむりん「能力を応用すれば簡単なことだ。

これで私は最下位では無いな?」

(マダラさんの真似してみよっとw)

 

ファヴ「...⁈ ねむりん、一体どうしちゃったpon!」

 

ねむりん「静かにしろ、私は寝る。」

(最近チャットルームにあんまり顔出せてないな...)

 

ファヴ「わけがわからないpon」汗

 

ねむりん(面白いww)

 

 

ここは魔法少女のチャットルーム

 

スノウホワイト「ねむりん、最近居ないことが多いけど

どうしちゃったんだろう。」

 

シスター・ナナ「以前お話しした時、キャンディ集めをしていないと仰っていましたから、キャンディが0で塞ぎ込んでいるのかもしれませんね...」

 

たま、ラピュセル、ウィンター「ねむりん...」

 

スイムスイム「......」

 

ルーラ(ねむりんはもしかしたら

あの謎の男と接触したのか...?)

 

ミナエル、ユナエル「確かに少し寂しいよね」「ねー」

 

クラムベリー(ファヴの話によれば、ねむりんのキャンディは最下位から1日で3位...

人格も変わったとか...気になりますね)

 

クラムベリー「今日はそろそろ帰らせていただきます。」

 

マジカロイド「それじゃ私も。主がいないんじゃ、ここも暇ですし」

 

一同「「私たちもそろそろ帰ろうか」」

 

ファヴ(このままだと最下位は たまpon)

 

 

続く




やっと物語が動き出しそうです。


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第6話:他の魔法少女を知ろう

0時を過ぎて結果発表まで残りちょうど3日になったところであった。

 

ルーラはねむりんにメールを送っていた。

 

ルーラ[ねむりん、起きてるかしら?]

 

ルーラ[ちょっと、起きなさい!]

 

ルーラ[おーーきーーろーー!!]

 

その後もメールは続いたが

ねむりんは夢の中で遊んでいたため朝まで起きることはなかった。

 

朝になり、ねむりんは大量の通知に困惑していた。

内容は2人で話がしたいとのことだった。

 

以前のねむりんなら疑うこともなく快諾していたのだろうが、マダラに会って用心深くなったのだった。

 

ねむりん(マダラさんに相談して決めよう。)

 

 

マダラの携帯にメールのお知らせが届く。

 

マダラ「初めて携帯とやらが本来の役割を果たしたな」

 

ねむりん[朝早くにごめんなさい。

おはようございます。相談があります。

ルーラという魔法少女が私に話があるので

会いたいと言っていました。どうすればいいですか?]

 

(ルーラといえば、この前遭遇した

ユナエル、ミナエルを含む他の魔法少女を4人も従えるほどの実力者だったか......)

 

マダラ[今後もキャンディ集めで

争うことになるであろう

他の魔法少女のことは知っておくべき。

後ろから見ているから会うといい]

 

ねむりん[ありがとうございます。

これで安心して話ができます。]

 

マダラには待っててもらうことにし、ルーラには了承のメールを送った。

 

そして、時間になり滅多に人がいない林にねむりんはついた。お互い魔法少女であるからとルーラが提案した場所だった。

時刻は午前10時半である。

 

ルーラ「こんなところまで、よく来てくれたわ♪」

 

ねむりん「同じ魔法少女だもん、助け合わないとね〜」

 

ルーラ「話っていうのは、あなたのキャンディのことだけれど、0個じゃないのよね?」

 

ねむりん「少しだけ集めたよ〜〜」

 

ルーラ「あなたはずっとチャットルームにいたのに、

ここ数日いないことが多かったわ。

その間キャンディを集めていたということでしょ?」

 

ねむりん「まとめサイトを見ていたんだよ〜」

 

ルーラ「でも、少量とはいえキャンディを集めたのよね?

キャンディの数をお互いに見せ合わない? 」

 

そう言うとルーラは端末を取り出し、ねむりんに端末を見せるよう促した。

 

ねむりん「端末は家に忘れちゃって」エヘヘ

 

その時、ルーラの端末からファヴが現れた。

 

ファヴ「ねむりんはいつも端末を持ち歩かないpon

ファヴは困っているpon」

(今のねむりんは、人格が変わってないpon...

ルーラと話すから元に戻してるpon...?)

 

マダラ(やはり端末の生物は、他の魔法少女のことを知っていたか。

持ち歩かせないで正解だったな。)

 

ルーラ「どういうこと?ねむりん。」

 

ねむりん「少ないキャンディの数字を見るのが嫌だった

だけだよ。」

 

ルーラ「スイムスイム!」

 

ルーラのかけ声を合図に地面からスイムスイムが飛び出し

ねむりんの体を拘束した。

 

ねむりん「苦しい...」

 

ルーラ「ねむりん、答えなさい♪キャンディの個数は?」

 

ねむりん「くっ...10845個です。」

 

ファヴ(面白くなってきたpon!)

 

マダラ(ねむりんの様子がおかしいな...あれがルーラの魔法か...?)

 

ルーラの魔法『目の前の相手になんでも命令できるよ』

 

 

ルーラ「はぁ⁉︎どうしてそんなにあるのよ⁉︎

答えなさい!」

(あんたに協力者がいて、それがあの赤眼の男だってことは知ってるのよ。でも、念のためあんたの口から

確かめておきたいのよね〜♪)

 

ルーラ達は勝ったつもりでいたので余裕の表情だった。

 

マダラ「...答えさせる必要は無いだろう。」

 

ルーラ、スイム「⁉︎」

 

ルーラ(長髪だけど、赤眼の男ってのはあいつのことか...

魔法少女について知りたいなら....)

 

ファヴ「何者だpon?」

 

マダラ「俺はうちはマダラ。この小娘に協力している。」

 

ルーラ「⁉︎....何故協力するのかしら?」

 

マダラ「言うなれば、気まぐれでもあり、帰るためでもある。」

 

ルーラ「意味わからないんだけど!もういい、

命令。動くな。」

 

マダラ「動けん......」(やるな...忍術も使えない縛りか)

 

ファヴ(誰かわからないけど、人間が魔法少女に勝てるわけないpon☆)

 

ねむりん(どうしよう...)

 

ルーラ「ピーキーエンジェルズ、捕らえなさい。」

 

林の奥から出て来たユナエルとミナエルは

スズメバチと鎖に変身し

毒で弱らせた後、マダラを拘束した。

 

ミナエルの魔法『生き物以外の好きなものに変身できるよ』

 

マダラ「ピキ...バキバキ」

 

一同「!!」

 

マダラだと思っていたものは分身であり、木になっていた。

 

ミナエルとユナエル「またこれかよ!クソッ!」

 

木陰に本体のマダラはいた

(ねむりんは人質か...。

しかし、この数の魔法少女を相手に

人質を助けるのは.....骨が折れるな。)輪廻眼!

 

ルーラ「出てこないと、この子が死ぬわよー?」

 

だがマダラはこのルーラという女が自分を戦力に加えようとしていること、

ねむりんは交換材料としてこちらの弱みを握るために

生かしておきたいこと、

ねむりんを殺せば作戦は破綻し、自分の命が危ないということをルーラ自身が理解していることを見抜いていた。

 

 

木陰から飛び出したマダラは高速の石つぶてを数発。

スイムスイムの死角に弾丸のような石つぶてが迫る。

ギリギリのところで気づいたスイムスイムは、部分的に透過させるのが間に合わなく、体を全て液状にし透過させた。

 

透過された石つぶての一つがユナエルの腕に当たり、

ひどく損傷した。

ミナエルはそれに気をとられている。

 

 

スイムスイムの魔法『どんなものにも水みたいに潜れるよ』

 

(オビトや鬼灯一族の忍術に近いな...)

高速で弧を描きながら進むマダラはそんなことを

考えていた。

 

拘束が外れた隙をついて、ねむりんはスイムスイムから

距離を取り、

マダラは天道の能力、万象天引を使いねむりんを引き寄せ

救出に成功した。

 

ルーラは何もできなかった。

 

わずか3秒の間の出来事であった。

 

ファヴ(人間とは思えない、神業だpon...!)

 

 

突如、辺り一帯が暗くなった

 

 

マダラ「これでおとなしく話ができるか?」

 

ルーラ、スイム、ミナエル、ユナエル「」

 

周りを見渡すと、空を覆い隠すほどの青い巨人に囲まれていた。

これはマダラと複数体の分身がそれぞれ須佐能乎を

発動したものだった。

ねむりんも須佐能乎の中にいる。

 

逃げ場は無く、一方的に要求を呑むしかないと悟るルーラ。

反抗する意思を無くし、立ち尽くしていた。

 

マダラも平和的な解決を望んでいた。

 

しかし、一体の須佐能乎が

その場に崩れ落ちた。

 

ルーラ「あの馬鹿...!ここで攻撃したら...」

 

本体のマダラ「攻撃しただと?

俺の須佐能乎を一撃で砕くほどの強者が他に居たとは....

やはり、話し合いは無理だな。」

 

たま「みんな!今のうちに逃げて!!」

 

ルーラはもしもの時のために、たまを逃げ道を作る係として任命していたのだった。

物陰から見ていた たまはその場の状況がうまく聞き取れず、良くも悪くも役目を果たしたのだった。

 

 

青い巨人が追ってくる。ルーラ達はなす術も無く逃げた。

 

しかし、ユナエルは腕の痛みでうまく飛べず、

気づけば目の前に巨人がいた。

 

マダラ「お前は逃げ遅れたみたいだな...」

 

 

続く

 




この後の話も全く考えてません。
書きながら考えます!


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第7話:それぞれの思惑

マダラの企みはねむりんは知りません。
ねむりんはマダラに聞いても教えてくれないことは
わかっています。
マダラに捕まったのは生き物に変身できる妹の方
ユナエルです。間違ってしまいました。ごめんなさい。


青い巨人は一体だけになっていたが、勝ち目は無いだろう。ここで死ぬのだろうか...

 

仲間に置いていかれ、正体の分からない理不尽な力を使う男に追い詰められ

ユナエルは絶望の淵にいた。

 

「殺すなら早く殺せ...」

 

恐怖の中、口からでたのは今までの人生で一度も使ったことがない言葉であった。

 

マダラ「攻撃さえして来なければ殺しはしない。

お前には役割があるからな...」

 

ねむりん(どこまで先を考えているんだろう...この人は)

 

 

その頃ルーラ達は寺に向かって走っていた。

 

ルーラ(まさか、ねむりんがあの男と接触しただけでなく

仲間にしていたなんて。

あの子の能力は何なの...?わからないわ...)

 

たまはひたすら謝り続けていた。

 

たま「ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさ.......」

 

ルーラ「たま、いいの。あなたは役目を果たしたのよ。

自信を持ちなさい。 」

(今回の目的はあくまでも、ねむりんからあの男についての情報を聞き出すことだった。

あの男がもし現れても、魔法少女について知りたいのだからねむりんを差し出せばいい...

2人が仲間だと分かっても

ねむりんを人質にし、すぐにあの男を捕らえた。

後は私の能力で戦力にすれば良かった。

勝利を確信した私は警戒することなく、策を練るのをやめたんだ....!そして、この結果....私は大バカだ...!)

 

ミナエル「優奈...どうなるんだろう」グスン

 

ルーラ「ねむりんとは協力関係にあるみたいだし、魔法少女を殺すのが目的ではないと考えられるわ。

おそらく、手駒として利用するつもりじゃないかしら...」

 

スイム「.....」

 

 

その頃マダラは須佐能乎を腕だけにするとユナエルを掴み、林道を歩き深い森の奥へと向かっていた。

 

ねむりん「どこに向かってるの?」

 

マダラ「俺の家だ。有事の際はここに来れるように

お前にも知ってもらう必要があった。」

 

ねむりん「へぇ〜、どんな家なんだろう」

 

それから10分ほど歩くと、4体の木分身が見張りに立つ

大きな家が見えてきた。

 

マダラ「ついたぞ。」

 

ねむりん「これも忍術?」(立派な家だなぁ...)

 

マダラ「そうだ。中に入るといい。」

 

外観に反して、家の中は広い部屋にもかかわらず木でできたイスとテーブル、ツルと根と木の葉でできたベッド、長持ちする食料が置かれているだけの寂しい場所であった。

 

ねむりん「広いねぇ〜♪」キョロキョロ

(家具が異常に少ないのは

異世界から来たっていってたし、しょうがないよね。)

 

マダラ「少しそこで待っていろ。」

 

ねむりんは頷くと椅子に座って食料を食べ始めた。

 

(人の家でくつろぐとは、大した奴だ....)

 

そう思いながらマダラは地下室へ行き、

木遁でユナエルを縛り上げた。

 

マダラ「分身体がやられて出来た木は成長していた。

つまり、お前たち魔法少女の魔力も吸い取ることができるというわけだ。」

 

ユナエル「どういう........つも....り?」

 

マダラ「お前が知ることでは無い。」

 

口寄せの術‼︎

 

マダラは部屋の大きさより一回りほど小さな犬を口寄せし

見張るように言うと地下室を後にした。

 

ねむりん「おいしそうだったから食べちゃった...

ごめんなさい」ペコリ

 

マダラ「構わん。食べたきゃもっと食べろ。」

 

ねむりん「ありがとう♪

ところで、地下室で何をしていたの?」モグモグ

 

マダラ「あいつの変身を解除させる準備をしてきた。

変身を解くということは、生身の人間に戻るということだ...やはり抵抗する意思が強いが、そう長くは持たないだろう。」

 

ねむりん(解除させてどうするんだろう)モグモグ

 

午後3時頃

 

山奥の古い小屋にて、ファヴと話すクラムベリーがいた。

 

クラムベリー「なるほど、そんなことがあったんですか。うちはマダラ....楽しみですね。」クスクス

 

ファヴ「1週間も経っていないのに、戦闘が始まるなんて

驚きだpon!

ねむりんの能力は(はた)から見たら地味だし厄介だから

最初のキャンディ集めの段階で殺しておきたかったpon....」

 

クラムベリー「ファヴ。強者と親しくなるのも強者です。十分に面白いですよ...」フフフフフ

 

ファヴ「最下位が変わって たま になったpon☆

この先の進行...マスターはどうすればいいと思うpon?」

 

クラムベリー「あぁ、ルーラのグループの1人ですか.....。

もし、ルーラが現状を打開しようとしたなら、魔法少女を誰か1人殺せば今週のキャンディによる脱落者は0だと

いうことを教えてあげてください。」

 

ファヴ「なるほど。これなら、すぐに殺し合いに移行するpon♪

ルーラのところへ行くpon♪」

 

寺の中ではルーラ達による会議が行われていて、

ファヴも昼の出来事を知っていたので、参加することができた。

長い話し合いだったが、まとめると以下のようになる。

 

・ユナエルが連れ去られたことは秘密。

(戦力が減ったことは隠しておきたい)

 

・よってミナエルも活動は自粛。

(2人一緒じゃないと怪しい)

 

・ねむりんが最下位じゃないなら、最下位はたま だということ。

 

・今晩のチャットルームは、ルーラだけが参加すること。

 

・ねむりんがキャンディを大量に集めていたことは秘密にすること。(理由は後述)

 

・マダラの存在はファヴが報告するということ。

 

・ファヴによれば、死亡による脱落者が出たら

その週はキャンディが最下位の者は脱落しないということ。

 

・たまを魔法少女として残すために、弱そうなスノウホワイトかシスター・ナナのどちらかを殺すこと。

 

・ねむりんが最下位だと認識させておくことで

皆を油断させるために

ねむりんとマダラが協力している事実も秘密にしておくこと。

 

 

ルーラ「もう日が沈んだのね...チャットの参加は私だけだから解散するわ。みんなは帰っていいわよ。」スッ

 

ルーラは立ち上がった。

 

「今日は私のせいで、ユナエルが捕まった。

本当に申し訳ないと思ってる。ごめんなさい!

 

..........必ず取り戻すから...」ポロポロ

 

 

思いもしなかったルーラの涙に、3人は衝撃を受けた。

 

たま「ルーラは悪くない。私のせいだよぉ...」ポロポロ

 

ユナエル「私、自分のことしか考えていなかった...

ルーラのことを信用してなかった。」ポロポロ

 

スイム「私も油断してた。」

 

気丈に振る舞っていたスイムスイムだったが、その目には涙が浮かんでいた。

この1日でルーラ達の結束力は増した。

 

 

午後8時ごろ、マダラ邸 地下室

 

ガルルルルルル....

 

ユナエル(いつまでこのじごくがつづくんだろう...

あたまがぼーっとする...)

 

暗い部屋、唸り声が響く中

左腕は激しく痛み、木には力をどんどん吸われ、

輪廻模様の目をした訳のわからない犬に小便をかけられ、体を舐められ唾液まみれになり、噛みつかれたりと耐え難い屈辱を受け、肉体的にも精神的にも抵抗をするのは限界だった。

そんな時、扉を開ける音が薄暗い部屋に響いた。

 

ガチャ ...

マダラ(予想以上に粘ったが...頃合いだな)

 

「お前はここまでよく頑張った。

変身を解けばもう苦しまなくて済むのだ...。

腕も治療してやろう。

さぁ、楽になるのだ。」ニッコリ

 

今にも途切れそうな意識の中では、マダラの言葉だけが全てだった。

 

ユナエルは変身を解き、眠りについた。

拘束されてから8時間以上の抵抗であった....

 

マダラは片付けを済ませると

一階には今日はお泊まりしたいと言ったねむりんが

椅子に座り携帯を見ていた。

ねむりんは小学生の頃から引きこもりで、友達の家でお泊りをするということに憧れていたのだそうだ。

コンビを組んだ以上は近くにいた方が都合がいいので承諾したのであった。

 

ねむりんはこの家にも家電が欲しいとゴネていた。

現代の忍世界にも家電はあるのだろうが、全く知ることもなく死んだなと思いながらも話を逸らすことにした。

 

マダラ「今日は色々あったが、お前がここまで落ち着いていられるとはな.....」

 

ねむりん「ルーラ達に捕まった時は怖かったけど、私を助けてくれたのがすごく嬉しかったから」ニコッ

 

ねむりんアンテナもニコニコ笑っている。

 

マダラ「ふん...朝にメールで交わした約束を果たしただけだ。

明日の朝は早い。もう寝るといい。」

 

ねむりん「うん。おやすみなさ〜い。」

 

二階の個室にて目を閉じるねむりん

魔法少女は普通、眠らなくても大丈夫なのだが、

ねむりんは眠るのが大好きなのであった。

しかし、そんなねむりんも

今頃チャットで魔法少女達が話していると思うと

気になって眠れないでいた。

 

今頃みんな集まってるよね。

私のキャンディのことも、マダラさんのことも

全部みんなにバレてるのかな。

もうみんなに嫌われちゃったよね。

はぁ...

 

 

その頃チャットルームには、ねむりんと たま とミナエルとユナエルとスイムスイム以外が集まっていた。

 

マジカロイド「おや、ルーラさん。今日はいつもの仲間が見当たらないようですが?」

 

ルーラ「今日はファヴの報告があるそうだから、

それを聞くのは私1人だけで十分じゃなくて?」

 

シスターナナ「そうでしたね。今日の集まりは

ファヴの報告を聞くためでしたね。」

 

ヴェス「で、ファヴ 報告って?」

 

ファヴ「マダラという未知の存在が魔法少女に接近して

何かを企んでいるpon!キャンディ集めの障害になってるpon。

既にルーラとスイムスイムは遭遇してるpon。みんなも気をつけるpon!」

(今日のことを言いたいけど、信用を失っては困るpon)

 

メアリ「な〜んだ、そんなことかい。

私が殺してあげるのに、会わないもんだね〜」

 

ラピュセル「一応、気をつけて行動してみるよ。」

 

トップスピード「私たちは見たことねーよなー!」アハハハ

 

りっぷる「あんたの箒が早すぎるんだよ...」

 

スノウホワイト「ねむりんはそのマダラって人に連れ去られたのかな?だって、全然チャットに顔出さないよ...」

 

ファヴ「ねむりんはどうしてるのか分からないpon」

(スノウホワイトは感が鋭いpon)

 

クラムベリー「とりあえず私たちはその男に気をつけながら、キャンディを集めましょう。残り2日ですから.....」

 

 

そうだねと言いながらもねむりんが最下位だと思って安心している者、もしかしたらねむりんが最下位じゃないのかもしれないと思った者

魔法少女たちの心の中はさまざまであった。

 

 

続く

 

 




今回は話が長くなってしまいました。
マダラに捕まったのをユナエルに変えました!ごめんなさい!
ユナエル 妹の方 好きな生き物に変身

ミナエル 姉の方 生き物以外に変身

なんだか混乱しますね。


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第8話:強くなろう

補足
NARUTOの原作においてマダラの右腕は、尾獣たちが尾を重ねた攻撃によって失い、ゼツ(柱間細胞)の右腕を移植しています。


早朝のことである。

今は金曜日であった。

 

少女は目を覚ましていた。左腕に巻かれた包帯を不思議そうに見つめている。

 

マダラ「目が覚めたようだな」

 

優奈「おはようございます。マダラ様。」

 

マダラ「あぁ。傷の様子を見せてみろ。」

(普通の人間ならば細胞に取り込まれ死ぬが、

やはり魔法少女はすごいな...順応したか。

今後何かあった時のために

培養しておいた方が良さそうだな。)

 

マダラの右手と左胸は柱間細胞で出来ている。

もはや、マダラの全身は柱間細胞と言っていいほどだ。

昨晩のうちに、己の体から切り取った柱間細胞をユナエルの傷口に移植しておいたのだった。

その驚異的な回復力で、折れた骨と損傷した筋組織は

修復されたのであった。

 

優奈「マダラ様、この傷は一体?」

 

マダラ「気にするな。お前は役目を果たせばいい。」

 

優奈「わかりました。マダラ様。」

 

その時、ねむりんが起きてきた。

 

ねむりん「おはよう〜」

 

マダラ「起きたか。」

 

ねむりん「...!目が赤いよ⁉︎」

(そっか、変身が解かれたんだね。)

 

マダラ「ユナエル、お前はそこにいろ。」

 

優奈「はい。」

 

ユナエルを地下室に残し、マダラはねむりんに

・ユナエルには幻術をかけて記憶を忘れさせ、目的のために行動させていること。

・ユナエルはマダラに忠実であること。

・ユナエルの幻術は同じ写輪眼を持つ者にしか解除出来ない強力なものだということ。つまり安心して仲間だと思っていいということ。

 

を説明した。

 

その後、ユナエルを呼び戻すと3人は家の外の森に出た。

 

ねむりん「何するの?」

 

マダラ「お前たちを強くする。」

 

ねむりん、優奈「⁉︎」

 

マダラは昨日のことを考えていた。ねむりんは普通の人間と比べれば驚異的な身体能力だが、

魔法少女が相手だと何もできないということ、

ユナエルは変化の術が使えるが身体能力は低いので、能力を活用しきれていないことを。

 

マダラ「お前たちは人間と比べれば一つ魔法が使えて運動神経が鋭敏になり少し体が丈夫になっただけに過ぎん。これから俺がそれぞれに合った修行をつける。」

 

木分身の術!

 

マダラは7人に分身すると、5体を街に行かせもう1体にはねむりんを任せて、

自分は優奈を変身させ修行を始めたのであった。

 

マダラ「お前の修行は忍組手だ。今回は武器や魔法を使わず素手で戦ってもらう。そして空は飛ぶな。

お前が瀕死になるか成長が見られるまで続く。」

 

ユナエル「はい。」

 

一方

 

分身マダラ「昨日、ほぼ一日中お前といて気づいたことがある。」

 

ねむりん「え、何?」

 

分身マダラ「お前のことをこの目でしっかりと感知できるようになった。お前にはチャクラが流れている。」

 

ねむりん「...え?ええぇぇぇぇっ⁉︎」

 

 

続く

 




早朝なので登場人物はマダラたちだけです。笑

補足
マダラは軽い拷問によりユナエルの変身を解かせることによって、ようやく幻術にかけることに成功しました。


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第9話:チャクラとは

チャクラについては原作の初期の頃に説明がなされていましたが、おさらいの意味をこめて長々と説明する場面を書きました。


チャクラが流れていることに驚いたねむりんが落ち着くのを待って、分身マダラは話を続けた。

 

分身マダラ「夢の中で話したのは、チャクラとは忍術を扱う上で必要不可欠だということだけだったな。この機会に詳しく説明してやろう...。

そもそもチャクラとは、身体エネルギーと精神エネルギーの二つに分類される。身体エネルギーは忍に限らず、生きとし生ける全ての生物がその身に宿す体細胞から生じるエネルギーのことだ。魔法少女も例外ではないが、魔力によって大幅に強化されているみたいだな。俺の眼で微弱ながらも視認できたということがその証拠だ。

なぜ微弱だったかというと、チャクラとは本来肉体エネルギーと精神エネルギーを印を結ぶことにより練り合わせた状態のことを言う。つまり精神エネルギーを持たない魔法少女や普通の人間の感知は難しいということだ。」

(結局魔力は目視も感知もできないがな。)

 

ねむりん「うむむ....」(難しい話だなぁ....)

 

分身マダラ「何故、忍以外の存在は精神エネルギーを持たないのかと言うと、それは忍界の神話にまで話は遡る。

俺たちの世界には遥か昔、六道仙人と呼ばれる

“最初に精神エネルギーを体内に宿した”神がいた。」

(厳密に言えば大筒木カグヤだが、六道仙人の方が話がわかりやすいな。)

 

ねむりん「ふむふむ...」(ちゃんと聞かなきゃ...でも眠い)ウトウト

 

分身マダラ「言い伝えによれば、彼は長い旅の中で心を通わせた者たちに精神エネルギーを分け与え、その子孫が現在の忍者であるとされている。まぁ、人間だけじゃなく一部の動物にも分け与えられたみたいだな。」

 

ねむりん「チャクラを持った動物ってどんな感じ?」

 

分身マダラ「見た目は普通の動物と変わらんが、知能が高ければ人の言葉を使うものもいるな。中には人間と契約を結び、協力してくれるものもいる。」

 

口寄せの術! ボン

 

「こんな風にな。」

 

輪廻眼の鳥「キー!」

 

ねむりん「すごい!」(眠気が覚めた^^)

「先生!その口寄せの術ってなんですかっ!」

 

分身マダラ「これは、予め契約しておけば距離に関係なく、生物や物を時空間を超えて移動させる術だ。そうだな...後でお前たちを契約しておくか。」

 

ねむりん「すごい便利だね、忍術って...!

あっ、私も忍術使えるようなったんだよね?チャクラが流れてるって。」

 

分身マダラ「あぁ。話を戻すか。チャクラとは元来、人と人の精神世界を繋ぐ為にある。六道仙人が旅をして分け与えた理由がそれだ。

皆が心の底から分かり合える平和を願ってのことだったが....」

 

長い沈黙の後にマダラは続ける。

 

「時が流れ皆忘れてしまっているが、チャクラを持つ者同士がお互いに望めば、互いのチャクラを繋げて精神世界で会話をすることができるのだ。もう気づいただろうが、

俺の夢にお前が侵入した時、お前は無意識の内に俺の精神世界と己の魔力の波長を合わせていたということだな...」

 

ねむりん「私はそんなことをしていたのかっ...」

 

分身マダラ「その時、体内の魔力と空間に存在する精神エネルギーも繋がれていた...というわけだな。」

 

ねむりん「先生、よくわかりました。」

 

 

分身マダラ「少し説明が長くなった。修行を始める。」

 

ねむりん「イエス!サー!」

 

分身マダラ(変わったやつだ...)

「修行の効率を上げる為に、影分身を教える。」

 

ねむりん「は〜い。...... あれ?先生も影分身だよね?

でも、確か木になって...」

 

分身マダラ「俺のは木遁で出来ている。性質変化はまた後だ。」

 

そう言うとマダラは仕組みと印を教えて、近くの岩に腰を下ろしたのだった。

 

ねむりん「影分身の術!!」

 

分身マダラ「煙だけか...」(先は長そうだな)

 

 

その頃、少し離れた場所ではマダラとユナエルの忍組手が行われていたのであった。

組手と言えば聞こえはいいが、あまりにも一方的な展開であった。

 

マダラ「どうした?そんなものか?言っておくが、柱間の治癒力が僅かにでも宿ったお前には、本当に瀕死になるまで止めるつもりはない!」ブン

 

バキバキバキバキ....ドゴンッ‼︎

 

マダラの蹴りで数メートル先まで、木をなぎ倒しながら吹き飛ばされたユナエル

 

ユナエル「ガハッ...ゲホゲホ」

 

2人の修行は始まったばかりだった。

 

 

それから数時間が経ち、廃寺ではルーラ達による作戦会議が行われていた。

たまとミナエルは2日続けて学校を休むことになるのだが、結果発表まで日数が無くそんなことはどうでも良かった。

 

会議の結果は

・ シスターナナには強いと言われているヴェス・ウィンター・プリズンがいるので、スノーホワイトを殺すこと。

・ラピュセルに邪魔されては困るので、速攻で終わらせること。

・掲示板のスノーホワイトの目撃情報から活動域と時間帯を割り出し、今日の夜に決行すること。

 

その後も念入りに作戦を練り、夜になるのを待ったのであった。

 

 

続く

 

 

 




ねむりんの能力を書いてなかったので、
編集しておきます。

前話でマダラは3人に分身したと書きましたが、
7人にしました。


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第10話:ルーラの策略

コメントを書いてくださる方々、とても嬉しいです。
ありがとうございます!

今回は長いです。


時はルーラ達の作戦会議から遡り修行から1時間が経過していた時のことであった。

 

ねむりん「影分身の術!」 ボボボボン‼︎

 

分身マダラ「ほう....」

 

ねむりん「やったー!できたよ!!」

 

ねむりんは5人に分身していた。

 

分身マダラ「煙しか出さんと思っていたら、お前まさか...」

 

ねむりん「最初から複数になるのをイメージして、分身していたよ。でも、5人が限界かなぁ...」

 

分身マダラ「1時間で4人増やしたか...中々やるな。これで、お前の修行は5倍の速度で進む。さて、次にいくか...」

 

ねむりん「はい!」(夢の世界で分身したことがあったから、イメージしやすかったかも。)

 

分身マダラは5人のねむりんを連れ、本体のマダラがいるところへ向かうと、情報を伝えるために消えてしまった。

 

マダラ「なるほど...影分身を会得したか。予想より早いな...。では、5人のねむりんにはそれぞれ分かれて

修行をしてもらう。」

 

木分身の術‼︎ボボボボン!

 

マダラは分身を4体作り出すと

 

①水面歩行、木登りなどの基礎運動を修行する者

②石などの投擲(とうてき)術、武器を用いた戦術を修行する者

③性質変化を学び修行する者

④幻術を修行する者

とにそれぞれ分かれさせ、ねむりんの本体にはユナエルと一緒に忍組手による身体、動体視力の強化を行わせることにしたのであった。

 

マダラは忍組手のルールを2人で協力して戦って良いということにし、相手をすることにした。

引き続き武器、魔法、忍術は使わずに戦って、成長が見られるか瀕死になるまでやめないという過酷なものである。

 

2時間が経つ頃には、バラバラだったねむりんとユナエルの動きが変化していた。

 

マダラ「もう疲れたか?」ブン

 

ねむりん「ぐっ...」(いつまで続くの....)

 

パシッ

 

ねむりん(腕を掴まれたッ⁉︎)

「キャアァァァ....!」ヒュ−

 

投げ飛ばされ木に叩きつけられそうだったねむりんだったが、ユナエルが身を呈して受け止める!

 

ユナエル「大丈夫ですか?」ガシッ

 

ねむりん「ありがとう!」

 

マダラ(身体強化はまだまだだが、連携は取れるようになったみたいだな。さて、どう来る...?)

 

ユナエルがこちらに走って来る。

 

マダラ「馬鹿正直に直進か...やられ足りんようだな!

ん...?この翼は...」

 

ユナエルは片方だけの左の翼を限界まで広げて、殴りかかってきた。

 

(考えたな...この翼で後ろのねむりんを隠すか....)

 

マダラはそれを避けると、ユナエルの横腹を蹴飛ばした。

 

「これで、お前の後ろのねむりんはガラ空きだ...」

 

ーーねむりんがいない...?

 

ねむりん「これで......どうだぁぁぁ!!」ネムリンパンチ

 

ガシッ

 

マダラは振り向きざまにねむりんの拳を掴みこう言ったのだった。

 

「なるほど...上出来だ。」

 

その後、30分の休憩を入れ再び修行が再開したのである。

 

その頃③の性質変化の修行グループは、五大性質変化についての説明を終え、ねむりんが持つ性質変化の確認を行っていた。

 

分身マダラ「この木は流されたチャクラの持つ性質によって変化する木でな...さっそくチャクラを流してみろ。」

 

分身ねむりん「うぬぬぬぬ....」

 

木を見るとシワシワになった木の葉があった。

 

分身マダラ「得意属性は雷遁か...」

(サスケを思い出すな...)

 

分身ねむりん「え、木は出せないのかぁ...」

 

分身マダラ「木遁は血継限界だ。

血継限界については、これを見ろ。」

 

 

【挿絵表示】

 

 

分身マダラは紙に図式を書きねむりんに見せると、雷遁の修行を始めたのであった。

 

 

時刻は夜9時30分になっていた。

 

スノーホワイトとラピュセルを見つけたルーラ達は作戦の通りにそれぞれの場所に散っていった。

2人はビルの屋上で呑気に話をしていた。

 

これこそ、戦闘をしたことがあるものと無いものの差であった。

 

 

スノーホワイト「今日もキャンディたくさん集めたね!」

 

ラピュセル「あぁ♪この後はどうしよう?明日は休みだけど、まだ続ける?」

 

スノーホワイト「期末テストが近いから、勉強しなくちゃ」

 

ラピュセル「いきなり現実味のある話をするなよな!

でも、確かにそうだな...。それじゃまた明日会おう。スノーホワイト。」

 

スノーホワイト「うん!また明日!」

 

ラピュセルは帰っていった。

 

スノーホワイト「私も帰ろっと。ん?」

<助けて...>

(え⁉︎...あれは、たまさん?)

 

見ると少し老朽化した巨大ビルの外壁に捕まり、降りれなくて困っているたまがいた。

もちろん、これは演技である。

スノーホワイトが気づかなければ、助けを求める声を上げれば良かったのだが彼女の能力は敏感に察してしまったようだった。

 

スノーホワイトの魔法『困っている人の心の声が聞こえるよ』

 

スノーホワイト「大丈夫だよ!今助けるからね!」

 

丈夫な紐を持ってそのビルの屋上に飛び移り、紐を垂れ下げて助けようとした時、体を動かせない自分がいた。

待ち構えていたルーラの魔法にかかったのである。

 

スノーホワイト「ルーラ...さん、どうして...?」

 

ルーラ「スノーホワイト、悪いけど死んでもらうわ。

出て来て!スイムスイム。」

 

スイムスイム「はい。」ツカツカ

 

スノーホワイト(嫌だ...来ないで....!)

 

少し離れた場所にて

 

ラピュセル(胸騒ぎがする....マダラって奴に警戒しろって言われてたし、一応スノーホワイトを家まで送り届けよう。)

 

ラピュセルがスノーホワイトのところへ戻っていくと

スイムスイムの手刀が彼女の心臓に迫っているところであった。

 

ラピュセル「やめろー!」ズォォォ

 

ルーラ「剣が大きくなった⁉︎」

(ま、プランBに変更ね。)

 

ラピュセルの魔法『剣の大きさを自由に変えられるよ』

 

スイムスイムは透過させ攻撃をすり抜けたが、剣が大きすぎた結果全身透過になり手刀は無効となってしまった。

 

ラピュセルの攻撃によりビル上部4階相当の範囲が崩壊し瓦礫と共に落ちていく4人。

 

ルーラとスイムスイムとスノーホワイトは、屋上の床のタイルになっていたミナエルが変身したクッションによって、衝撃を和らげることができた。

一方のラピュセルは、彼女が落ちる場所にだけ瞬時に空けられた大穴に消えていた。

 

ルーラ「ありがとう、ミナエル。

これで、あの剣士は地上まで落ちたかしら。」

 

ルーラの作戦とはこうであった。

プランA:(ラピュセルに妨害されなかった場合の作戦)

スノーホワイトを老朽化したビルにおびき寄せて、自身の能力とスイムスイムによって殺す。

 

プランB:(ラピュセルに妨害された場合の作戦)

老朽化したビルやその一帯に昼のうちから たまの傷をいたるところにつけておき、ラピュセルの落下地点に巨大な落とし穴を作って1階まで落とし弱らせて殺す。

それでも無理ならプランC。

 

さすがの魔法少女も高いビルの上から地上まで落下するのは、かなりのダメージなのである。

 

たまの魔法『いろんなものに素早く穴を開けられるよ』

 

 

たまが空けた大穴をスイムスイムは覗きこんだ。

見るとラピュセルは大穴の直径の大きさに剣を伸ばし、

その上に立ってこちらに向かおうとしていた。

 

スイムスイム「ラピュセルはここから7階下に剣を足場にして立っている。こちらに向かってる...」

 

 

ラピュセル(危なかった...でも、負けない!

スノウホワイトは私が守る...!)

 

 

ルーラ「しぶといわね...ミナエル、お願い!」

 

ミナエル「任せて!」

 

そう言うとミナエルはシリコーンオイルになり、ビルの大穴へと飛び込んだのであった。

これはルーラに教えられ、その構造を理解して変身できるようになったものである。

 

ラピュセル「元が人間なら、斬り裂けるはずだ...!」ズバッ

 

ラピュセルは手刀で一刀両断にした。

 

(スノウホワイト、今行く‼︎)

 

ツルッ...

 

無情にも、シリコーンオイルはラピュセルの足を滑らせ、

ラピュセルは足場の剣から落下してしまったのであった。

 

シリコーンオイルのミナエルは、その流動性によって元の塊へ戻ると地上へと落ちて、ガレキの隙間から

逃げ出していた。

 

ルーラ(これこそがミナエルの能力の真骨頂よ。

液体に変身することによって、あらゆる衝撃を受け流す体を得た。ここだけの話、スイムスイムの上位交換ね...)

 

スイムスイム(私より強いかも...)

 

たま「ごめんなさい。遅くなりました!」ヒョコ

 

ルーラ「たま、遅いわよ!急いでプランC!」

 

そう言うと、ルーラ達はスノウホワイトを拘束したまま、隣のビルの屋上へ移動すると たちまち老朽化したビルは崩れ始めた。

 

一帯につけられた たまの傷...

その全てが穴となり、甚大な規模の地割れが発生した。

これがプランCである。

 

スノーホワイト「そんな...ラピュセルはどうなるの⁉︎」

 

ルーラ「死ぬ。あの規模じゃ助からないわ。」

 

たま(これで私も、魔法少女でいられる!)

 

 

崩れ落ちる莫大な量の瓦礫や土砂、アスファルト...

ラピュセルの力ではどうすることもできなかった。

 

 

ラピュセル「スノウホワイト...ごめんね。君を.....守れなかった...」ポロポロ

 

ラピュセルは地面に空いた深い闇の中、絶命した。

 

決してラピュセルが弱かったわけではない、ルーラの作戦が完璧すぎたのだ。

 

ファヴ(いや〜、面白かったpon!それにしても、ルーラは頭が良すぎるpon!)

 

ルーラ「さて、生き残ったあなたには奴隷になってもらうわ♪」

 

スノーホワイト「好きにしてください。」白目

 

スノーホワイトは、ラピュセルを死なせた無力な自分を呪い、廃人のようになってしまったのだった。

 

 

その頃マダラ達は外で火を囲んでいた。

 

野外泊を教えるのと戦闘における大事なことを説明するためであった。

 

 

ねむりん「眠い...」

 

マダラ「この話が終われば寝ていい。戦闘における大事なことをお前たちに説明しておく。」

 

ねむりん「うん。聞く!」

 

ユナエル「教えてください。」

 

マダラ「どんな状況でも諦めないことだ。」

(うずまきナルト、うちはサスケ、マイト・ガイ...強い忍は皆、最後まで諦めずに戦っていたな。)

 

ユナエル「なるほど...」

 

ねむりん「単純だけど、すごく難しいね...」

 

マダラ「これからの戦いでは、それを忘れないようにな」

 

ねむりん「うん....zZZ」ムニャムニャ

 

 

初の影分身に5倍の疲労...よほど疲れたのか、ねむりんは寝てしまっていた。

 

 

マダラ「お前も寝ていいぞ。」

 

ユナエル「魔法少女は寝なくても平気です。」

 

マダラ「それは、通常の生活をしていればの話だろう。

無理をするな。」

 

ユナエル「...!ありがとうございます。」

 

マダラ(本当はこの後、戦場では交代で眠るってことも教えようと思ったんだがな...)

 

 

仕方なく1人、今日の成果をおさらいするのであった。

 

◯ユナエル

・スピード、動体視力、筋力が上昇した。

 

◯ねむりん

・影分身を覚えた。

・スピード、動体視力、筋力が少し上昇した。

・静電気を起こせるようになった。

・水に3秒だけ浮かべるようになった。

・簡単な幻術を覚えた。

・石を投げる速度だけは上昇した。(的には当てられない)

 

ユナエルはまぁ、軒並み程度か...

ねむりんはやはり、想像を司る陰遁が基となる忍術が得意なようだな。だが体術系統は覚えが悪い...

 

さて、そろそろ培養してた細胞が出来た頃か...

 

マダラはねむりんの右肩のところに、チャクラを纏った指で傷をつけて柱間細胞を埋め込んだのであった。

痛くしないようにしていたこともあってか、ねむりんは全く気づかずに爆睡していた。

 

「不用心な奴だな...」

 

そう言うとマダラは1人、星を見上げるのであった。

 

 

続く




性質変化の図表は個人的な解釈を含んでいますが、本編とは関係がないので説明はしませんでした。


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第11話:結果発表

読んでくださり、ありがとうございます。
ラピュセルは死体が見つからないので、男の子だということがわからなくて良かったのかもしれません。


マダラ達が眠っている頃、

ルーラ達の活動拠点である廃寺では反省会が

行われていた。

 

ルーラ「みんな、今日はお疲れ様。たま、どうして泣いてるの?」

 

たま「私のために戦ってくれてありがとう」ポロポロ

 

ルーラ「みんなでユナエルを助けるって約束したでしょ?」ニコッ

 

たま「はい!」ポロポロ

 

ミナエル「それにしても、今日のルーラは本当に凄かった!」

 

スイムスイム「うん。」

 

ルーラ「みんなが頑張ってくれたおかげよ。私1人では何もできないけど、みんながいるから強くなれるのよ。

来週はこいつが最下位だから、キャンディ集めはしなくていいわね♪」

 

ルーラが指をさした場所には檻に入れられたスノーホワイトが、天井を見上げて独り言を言っていた。

 

ラピュセル、お弁当作ってきたから食べてね。

 

そんなに美味しいの?ラピュセルに褒められると嬉しいなっ

 

また作ってくるから、2人で食べようね.......ブツブツ

 

ルーラ(完全に精神が壊れてるわね...)

 

 

ルーラはみんなを家に帰らせて1人になると、端末を起動したのであった。

 

「ねぇ、ファヴ。ラピュセルの死因はどう説明するのかしら。」

 

「こういうことは答えない決まりだpon」

 

「数が減って得をするあなたは、こういう殺し合いになることは好都合よね。

だから私たちの会議で、“誰か1人が死んだらその週はキャンディによる脱落者は出ない”なんてことを教えてくれたんでしょ?」

 

「ファヴは殺し合いなんて望んでないpon!

ファヴはルーラの“絶対にたまを普通の人間にさせない”っていう気迫が怖くて仕方なく教えたんだpon。

ルーラ達は普通の人間になっても友達のままだpon?

どうして、そんなに魔法少女にこだわったpon?」

 

「あなたもマダラと遭遇した時見てたでしょ。みんなであいつに一矢報いてやる為よ。」

 

「なら、ラピュセルを殺したのはうちはマダラだと伝えれば文句ないpon?

これで本格的にマダラの捜索が始まり、誰かがマダラを殺すかもしれないpon!

マダラがいなくなれば、平和的にキャンディが集められるpon。ファヴはちゃんと、みんなが安心してキャンディを集められるように考えているpon♪」

(本当はルーラ達がラピュセルを殺したことを報告して殺し合いを始めたいけど、邪魔なマダラとねむりんが狙われるのも面白いpon♪)

 

「あら、それはいいわね。もしマダラが誰かに先に殺された時は不本意だけど、しょうがないわ。」

(彼は絶対死なないわ...。私が期待してるのは、捜索の方よ...)

 

「それと今回の結果発表では、ねむりんのこととユナエルのことも報告するpon。もう たまの脱落を防いだんだから文句は言わせないpon☆」

 

「ええ、構わないわ。」

 

ルーラはファヴとの会話を終えると家に帰り、眠りについたのだった。

 

早朝、マダラは2人の少女を起こしていた。

まだ日の出前なのだが修行をさせる為であった。

 

マダラ「起きろ。」

 

ユナエル「はい。」

 

ねむりん「まだ寝たいよ...」

 

マダラ「では、昨日の続きだ。」

 

マダラはねむりんに柱間細胞の説明をし、それぞれ分身を散開させると忍組手が始まったのだった。

 

マダラ「今回俺は3人に分身する。

俺は体術だけだがお前達は武器を使っていい。木の枝、小石、砂...いたるところに武器は落ちている。

そしてユナエルは今回から空を飛んでもいい。」

 

こうして、2日目の修行は始まったのだった。

 

マダラ達が修行に明け暮れる頃、

ファヴとクラムベリーは山奥の小屋で話をしていた。

 

クラムベリー「驚きましたよ...まさか、ルーラ達がラピュセルを倒すなんて。彼女とは戦ってみたかったんですけどね...」フフ

 

ファヴ「殺し合いに移行させたかったけど、先にうちはマダラとねむりんを狙わせるようにしたpon♪」

 

クラムベリー「そうですか。それなら魔法少女達のやる気を高めるために、2人のうちのどちらかを殺した者には、キャンディの争奪戦から除外される権利を与えましょう。」

 

ファヴ「さすが、マスターだpon!」

 

クラムベリー「新参加の魔法少女を含め、捕らえられたユナエルとスノーホワイトを外して12人ですか...

これだけの魔法少女が街中を捜索する...これは見つからない訳が無い。」フフ

 

ファヴ「ユナエルが巻き添えをうけて死んでも、ファヴはどうでもいいpon♪」

 

 

それから時は経ち、空は沈む夕日の残光に照らされていた。

 

マダラ「今日は結果発表があるから、ここで終わりだ。

帰るぞ。」

 

ユナエル「はい。ありがとうございました。」

 

ねむりん「ありがとうございました!今日は家の中に入っていいの?」

 

マダラ「あぁ。ゆっくり休め。」

 

1日ぶりのマダラの屋敷に入ると、ねむりんは驚いて立ち尽くしてしまった。

 

ねむりん「ど、どういうこと⁉︎」

 

マダラ「家電が欲しいとか、生活感が無いとか文句を言っていたから分身に買わせて配置していたのだ。」

 

家の中は外観に相応しい落ち着いた木のテイストであしらわれた、立派な部屋となっていた。

 

ねむりん「す、すごいよ〜」ウルウル

 

ねむりんは目に涙を浮かべて喜んでいた。

 

ユナエル(私は地下室ですよね...)ショボン

 

マダラ「お前たちの部屋はそれぞれ二階にある。

20時から結果発表の時を待つ。好きに過ごせ。」

 

ユナエル「! あの...私にも部屋を与えてくださるのですか?」

 

マダラ「当然だ。仲間だろう?」ニッコリ

 

ユナエル「ありがとうございます...マダラ様。」

 

 

それからはねむりんとユナエルは2人でお風呂に入った。

一緒に修行をすれば、(おの)ずと距離は縮まるのだろう。

 

「洗ってあげるよ〜〜」

 

「自分でできますよ。きゃっ..くすぐったいです。」

 

「えへへ〜」

 

お風呂場からは少女たちの幸せそうな声が聞こえてくるのであった。

 

マダラ「」

 

それから2人でふかふかのソファに座りテレビを見ながら笑っていたのだった。

 

マダラ(仲良くなったものだな。ん?そろそろ時間か...)

「ねむりん、端末を起動させろ。起動させたら、後は俺に任せておけばいい。

ユナエルは隠れて見ていろ。」

 

ねむりん「わかった!」(みんなと話しづらかったから良かった。)

 

ファヴ「ねむりん、久しぶりだpon!」ヒョコ

 

ねむりん「.....」

 

ファヴ「本当にマダラに操られてるpon?」

 

ねむりん「........」

 

マダラ「何時から始まる?」ズイ

 

ファヴ「‼︎...驚かさないで欲しいpon!」

 

マダラ「質問に答えろ。」

 

ファヴ「21時からだpon。結果をお楽しみだpon♪

 

(操られてるのは可哀想だけど、死んでもらうpon)

 

ブツ...

 

マダラ「あいつはねむりんが操られてると思っているのか。ならばそれを利用するまでだ。」

 

ねむりん「緊張してきた...」

 

 

20時半、チャットルームにて

 

トップスピード「まだ私たち以外誰もいないなー?」

 

リップル「あんたがせっかちなんだよ...」

 

【シスターナナが参加しました。】

 

シスターナナ「こんばんは。」

 

【ヴェス・ウィンタープリズンが参加しました。】

 

ヴェス「こんばんは。」

 

トップスピード「2人ともうぃっす♪」

 

その後も魔法少女達は集まり、ルーラとスイムスイムとたまとミナエルが現れた時にはざわついていた。

 

ルーラ「どうしたのかしら。」

 

ヴェス「スノウホワイトとラピュセルがこない...」

 

シスターナナ「どうしたのでしょう...」

 

メアリ「あんたのところの双子の片割れもいないみたいだけど?」

 

ルーラ、ミナエル「.....」

 

クラムベリー「時間になったみたいですね。」〜♪

 

ファヴ「お待たせだpon♪今回は重大なお知らせがあるpon。さっそく報告するpon。」

 

【ねむりんが参加しました。】

 

一同「「!?」」ヒサシブリ イママデドウシテタ?

 

ねむりん「.......」

 

ファヴ「気になることもあるだろうけれど、全部説明するから落ち着いて聞いて欲しいpon。

まず、今週の脱落者はラピュセルだpon。ラピュセルはうちはマダラに殺されたpon...コンビを組んでいたスノーホワイトも襲撃に遭い行方不明だpon...」

 

たま「え⁉︎」

 

ねむりん「....」(ほう.....そう来たか。)

 

リップル「ちっ...」

 

スイムスイム「⁉︎」(そういうことにしたのね...ルーラは)

 

メアリ「....」チラッ

(スイムスイム達が驚いてるってことは、本当にマダラが殺ったのか...)

 

仲間であっても伝えずにいることで、皆を完全に欺く...

これもルーラの作戦であった。

 

シスターナナ「どうして...そんな!」ガタッ

 

泣き崩れたナナを支えるヴェス

 

ファヴ「みんなも気づいていると思うけど、ユナエルがいないのはマダラに捕まっているからpon。

そして...ねむりんはうちはマダラの仲間pon」

 

マジカロイド「これは、驚きましたね。」

 

トップスピード「はぁ?どういうことだよ!」

 

ヴェス「ねむりん、その話は本当かい?」

 

ねむりん「本当だよ。」

 

ミナエル「ユナエルを返せ!」

 

ねむりん「私に言われてもね...」

 

ファヴ「本人の前では言いづらいけど、ねむりんとマダラは魔法少女の脅威だpon!

ねむりんかマダラを倒してくれた者はキャンディ集めをしなくてもいい特別枠にするpon♪」

 

クラムベリー「倒すってことは、息の根を止めるってことですか?」

 

ファヴ「そうだpon。そうしないと、どんどん魔法少女が殺されてしまうpon。」

 

メアリ「はいはい、わかったよ。」

 

マジカロイド「キャンディ集めは怠いですし。ねむりんなら勝てそうですね。」

 

ヴェス「ラピュセルの仇を討とう、ナナ。」

 

シスターナナ「はい」ポロポロ

 

ねむりん「...」(2人を強くする良い機会だな...)

 

ルーラ「私たちも探すわよ。」

 

ルーラは誰かが見つけるのを待っていればいいと思っているが、空気を読んで言葉を発したのであった。

 

たま、スイム、ミナエル「はい。」

 

ファヴ「あ、来週からは新しい魔法少女も来るpon♪

もちろんキャンディ集めは継続だから頑張るpon」

 

集めたキャンディの順位の画面と共に、チャットは終了となった。

 

1位スノーホワイト

2位ねむりん

...14位たま

 

脱落者:ラピュセル

 

 

マダラは2人にチャットの内容の一部を改変して、マダラとねむりんとユナエルの3人の命が狙われていると説明した。

 

マダラ「...というわけだ。」

 

ユナエル「怖いです。」

 

ねむりん「ユナちゃん。一緒に修行頑張ろ!」

 

ユナエル「うん!」

 

マダラ(ラピュセルを殺しのはルーラ達と見て問題無いだろう。ファヴに根回しをして俺が殺したことにしたのだな...。俺が殺されることは無いとわかっているから、俺の居場所を見つけさせ、ユナエルを助けるのが目的か。さすがだな....)

 

 

深夜1時。二階の部屋では、ベッドの中で考え事をしているユナエルがいた。

 

(わからないよ...どうしてマダラ様やねむりんは優しくするの?地下室で生まれた私は目的のために動く操り人形でしかないのに。)

 

ギュ

 

その時、一緒に寝ていたねむりんが抱きついてきた。

 

(ねむりん....どうしてあなたは私と一緒に寝たいって言ったの?)

 

ねむりん「怖いよ...」ムニャムニャ

 

ねむりんは寝言を言っていた。

 

(そうだよね。命が狙われてるもん怖いよね...)ギュ

 

 

ーー2週間目が始まったのであった。

 

 

続く




平和な日常に突如襲いかかる恐怖

あの感じが好きです。

ねむりんとユナエルは過酷な組手の中で、信頼できる仲間になりました。
でも、ユナエルは心の中では
こんな自分に何故と思っているようです。


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2週間目
第12話:動き


読んでくださりありがとうございます。
2週間目の始まりです。


日曜日の朝、森では激しい戦いが繰り広げられていた。

 

ねむりん「雷遁・雷礫(かみなりつぶて)の術!」

 

マダラ「ほう、石に雷を纏わせるか」サッ

 

ユナエル「ハヤブサ!」ビュン

 

マダラ「早いな...」(撹乱させるつもりか?)

 

ねむりん?「こっちだよ!」

 

マダラ「...!」(移動したのか?)

 

ねむりん「雷遁・感激波の術!」

 

マダラ「くっ...」(ねむりんに化けていたのか...)

 

ユナエル「変身!ゴリラ!」ブン

 

ゴリラの腕で殴られたマダラは吹き飛ばされた。

 

ドッゴーン...

 

マダラ「強くなったな。」パッパッ

 

マダラは鎧についた埃を払い、言葉を続けた。

 

マダラ「これなら、もう少し力を出して良さそうだな...

分身は2人から4人に増やし、写輪眼と火遁と須佐能乎を使う。

写輪眼を使う以上さっきのように、ねむりんに変身するのは通用せんぞ。」

 

ユナエル「わかりました。」

 

ねむりん「分身も須佐能乎を使うの?」

 

マダラ「ああ。サイズは小さくするから安心しろ。」

 

ねむりん「わかりました....」(全然安心できないよ!)

 

 

その頃、黒い魔法少女はファヴから説明を受けていた。

 

アリス「白い魔法少女が行方不明...?」

 

ファヴ「そうだpon。うちはマダラの襲撃を受けたpon。」

 

アリス「その人はどこにいるの?」

 

ファヴ「みんな今日から探し始めたpon。」

 

アリス「私も探す...」

 

ファヴ「応援してるpon♪」

 

一方、ルーラ達は寺の地下の巨大な空間にいた。

この巨大空間はたまの能力で作ったものである。

 

ルーラはある仮説を立てていた。

 

(私たち魔法少女は身体を強化して潜在能力を高めれば、能力の強化や定義を広げることができるかもしれない...)

 

ルーラ「みんながあの男を探してる間、私たちはここで戦って能力の強化を図るわよ。」

 

スイムスイム「...強化って?」

 

ルーラ「私たちの魔法は、身体能力の上昇によって高められるんじゃないかと思ったのよ。もし無理でもやって損することではないわ。」

 

一同「わかりました」

 

ルーラ「準備体操が終わったら、さっそく組手から始めるわよ!」

 

一同「はい!」

 

 

そんな中、他の魔法少女たちは各地に散らばり、マダラとねむりんを探していた。

 

 

ヴェス「どこにいるんだ...」

 

シスターナナ「海沿いにはいないみたいですね...」

 

ヴェス「あの煙は何だ?」

 

シスターナナ「オフィス街の方ですね、行ってみましょう」

 

 

2人がそこにに着くと、カラミティ・メアリがビルを破壊していた。

 

メアリ「これはストレス発散にいいねぇ〜!」

 

ヴェス「カラミティ・メアリ!何をしているんだ⁉︎」

 

メアリ「あたしは先週からずっとあの男を探していたんだよ...ちっとも見つからないからイライラしてね、街を破壊すれば出てくると思ったんだよ!」

 

彼女はそう言うと、再びロケットランチャーで建物を壊し始めた。

 

シスターナナ「やめてください!関係ない人々まで殺すことはありません!」

 

メアリ「あぁ?」チャキ

 

ヴェス「銃を下ろしてくれ、戦いに来たわけじゃない。

ただ、今日のみんなの報告を聞いてからでいいんじゃないか?山に潜伏してる可能性もあるわけだし。」

 

メアリ「うるせぇーなぁ!」バン!バン!

 

トップスピードとリップル「やめろ!」バッ

 

メアリの放った銃弾はリップルの手裏剣に相殺され、明後日の方に飛んでいった。

 

3人「⁉︎」

 

リップル「カラミティ・メアリ、いくらお前でも4人の魔法少女を相手にするのは無理がある。」

 

メアリ「ハハハ!脅しかい?

わかったよ。でも、明日からは好きにさせてもらう。」

 

そう言うと、カラミティ・メアリはどこかへ消えていった。

 

トップスピード「けが人の救助を急ごう!」

 

シスターナナ「はい!」

 

夕方の廃寺では、ルーラは特訓に不満げな様子だった。

組手をしても4人の力は同じぐらいで張り合いが無く、能力が強化される兆しも無いからである。

 

ルーラ(ユナエルは辛い思いをしてるというのに、こんな調子じゃダメね...)

 

ルーラ「お疲れ様。今日は帰っていいわよ。」

 

ミナエル「筋トレなら1人で出来るから、ここでやっていい?」

 

スイムスイム「私も筋トレする。」

 

たま「わ、私だって!」

 

ルーラ「みんな....!!いいに決まってるじゃない!」

 

 

特訓に満足出来なかったのはみんなも同じであり、それでも何か出来ることが無いかと必死で考えていたのである。

 

 

一方、マダラ達の修行は過酷を極めていた。

既に分身マダラの一体は倒されていたが、まだ三体の分身がいた。

 

マダラ「これを防いでみろ!」バッバッバッ

 

火遁・豪火滅却‼︎

 

マダラは瞬時に印を結ぶと、彼女達の力を引き出すために最上級の火遁を放ったのだった。

 

ねむりん「嘘でしょ...⁉︎」

 

ユナエル「これは、やばいですね...」

 

豪火球などの比較的易しい術に安心していたねむりん達は、目の前に迫る灼熱にどうすることも出来なかった。

 

ユナエル「後方は空いています。逃げましょう。」

 

ねむりん「うん!」

 

しかし逃げた先には三体の須佐能乎がいた。

 

マダラ(さすがに無理か...。今日は終わりにするか...)

 

マダラ「ん...?」

 

火炎の先では、三体の須佐能乎に立ち向かっていた2人がいた。

2人は諦めていなかったのである。

 

マダラ(面白い!これでこそ戦いだ!)

 

マダラは興奮しさらに火炎を強めた。

 

 

2対1でなんとか倒せた須佐能乎に2対3で挑むのは無理があり、2人は火炎の方に吹き飛ばされてしまった。

 

ねむりん「ぐっ...」ズザザザ

 

ユナエル「う...」ズザザザ

 

ねむりん「やばい...もう火がすぐ後ろまで来てる!」

 

ユナエル「見てください。あれ......」

 

三体の須佐能乎は剣を出すと、同時に振りかざしてきた。

 

ユナエル(これを防がなきゃ死ぬ...やるしかない!)

 

「部分強化・腕!」シャコガイ

 

分身マダラ「⁉︎」

 

シャコガイの殻は生物の中で最も硬いと言われている。

ユナエルは腕の部分に貝殻を纏わせて須佐能乎の攻撃を防いだが、貝殻は割れてしまい吹き飛ばされてしまった。

 

ユナエル「まだ諦めません。部分強化・脚」バッタ!

 

「部分強化・腕」グリズリー!

 

「部分強化・胴」アフリカゾウ!

 

ユナエルはバッタの跳躍力と自身の飛行能力で一気に間合いを詰め、グリズリーの怪力とアフリカゾウの重さを組み合わせた一撃で須佐能乎の一体を吹き飛ばした。

 

ねむりん「すごい...。 ...‼︎ ユナちゃん後ろ!」

 

しかし、残る二体の須佐能乎は無情にもユナエルを殴り飛ばしたのであった。

 

ユナエル「ゲホゴホ....もう.....立てません........」

 

分身マダラ「後はお前だけだな?ねむりん。」

 

ねむりん(ユナちゃんは私を守ってくれた。私も守りたい!)

 

「はぁぁぁぁぁぁ‼︎」ズオオオオオ

 

ねむりんの周りを濃密なチャクラが(ほとばし)る!

 

………………

 

気がつくとねむりんは、マダラの屋敷のベッドにいた。

 

マダラ「気がついたか。」

 

ユナエル「痛いところは無いですか?」

 

ねむりん「大丈夫だよ、ありがとう。あれ、私は...」

 

マダラ「追い詰められた2人は新たな力に目覚めたのだ。

ユナエルは部分的に変身し、動物のいいところだけを組み合わせる能力。そしてお前は木遁を使った。」

 

ねむりん「えっと...木遁は血継限界なんだよね?」

 

マダラ「柱間細胞を持つ忍は、木遁を使うことができる。教えても良かったが、実戦の方が早く覚えると思ってな。事実お前は木遁で須佐能乎を縛り上げ、俺の炎も防いでみせた。」

 

ねむりん「そうだったんだね....

 

木遁を覚えたのは嬉しいけど.......

死ぬかと思ったよぉ...」ポロポロ

 

ユナエル「...」ポロポロ

 

マダラ(面倒な奴らだな...仕方ない。)

 

マダラはユナエルとねむりんの頭を撫でると

 

マファラ「すまなかったな。」

 

と謝罪の言葉を口にしたのである。不本意だったが、同じ家で暮らしている以上面倒なことは避けたいのだ。

 

ねむりん「許すっ♪」

 

ユナエル「!!??」(この感情は何でしょうか...)

 

 

マダラ「さて、晩ご飯を食べるか...」

 

昨晩に引き続き、マダラの分身達がごちそうを作ってくれていたのだった。

 

マダラは異文化の勉強の時に料理のことも覚えていたのである。

 

ユナエル「いただきます。」

 

ねむりん「いただきます!!」

 

マダラ「あぁ。たくさん食べろ。」

(1人の頃は食べないか簡易的な食事だったのに、誰かと暮らすと変わるものだな。)

 

ねむりん「美味しい!!」

 

ユナエル「美味しいです。」

 

マダラ「そうか。」

 

ユナエル「昨日も思ったのですが、私たち魔法少女は食事を必要としないのに、何故与えてくださるのですか?」

 

マダラ「食べる必要が無くなっても美味しいと感じるようでは、それは喜びを欲している証拠だ。その喜びの時間を誰かと分かち合えれば、喜びは幸せになるのではないかと考えるようになったからだ。」

 

マダラは忍界大戦での死から、人の本当の幸せについて考えていたのである。

 

ユナエル「分かる気がします。」

 

ねむりん「確かにみんなで食べると幸せだよね〜」ニコニコ

 

ユナエル「私たちは...仲間ですか?」

 

マダラ「そうだ。仲間だ。」

 

ユナエル「...すごく嬉しいです。」ニコッ

 

 

それは、ユナエルがここに来て初めて笑った瞬間であった。

 

それからは、3人でテレビを見ていた。

 

男性アナウンサー「日曜18時のニュースの時間です。今日午後2時頃、名深市において何者かがオフィス街を襲撃しました。犯人は未だ見つかっておらず、テロリストによる犯行も視野に入れ捜査が行われています。」

 

 

マダラ「俺たちを探すための破壊活動か...」

(ユナエルは強くなった。今夜動くのが最善だな...)

 

ユナエル「ここも見つかるのでしょうか。」

 

ねむりん「.....」

 

マダラ「黙って見つかるのを待つ俺では無い...これから街の方に向かう。ねむりん、お前は途中で分かれて自分の家に戻れ。家族が心配なんだろう?」

 

ねむりん「ありがとう。」

 

マダラ「では、行くぞ。作戦は走りながら説明する。」

 

2人「はい!」

 

家の見張りを分身に任せると、街へと続く道なき道を3人は進んでいた。

ユナエルは空を飛び、マダラとねむりんはチャクラを纏った足で枝と枝の間を飛び越えていた。

 

ねむりん「2人はどこに向かうの?」

 

マダラ「ルーラのいる廃寺だ。」

 

ユナエル(ルーラ...?誰でしょうか.......)

 

 

続く

 

 




マダラはユナエルが記憶を無くす前に、ルーラ達の能力と活動拠点を聞いています。

ねむりんが術を覚えるのが早すぎるという疑問があると思いますが、魔法少女とはそもそも数万人に1人の天才です。
天才が最強の天才に教わっているのですから、上達も早いのです。


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第13話:目的

前話からの続きです。
マダラ達は朝が早ければ夕飯の時間も早いです。



ねむりん「それじゃ私はこっちだから、またね。」

 

マダラ「あぁ、俺の分身もいるとはいえ気をつけろ。」

 

ねむりん「うん!」

 

屋根を飛び越え、ねむりんは久しぶりの家路を進んでいた。

 

ねむりん(作戦はこうだったよね。

マダラさんとユナちゃんはルーラがいるとされる廃寺にいく。

私は自宅で街の破壊から家族を守り、街を破壊する敵を1人倒せばいい...。他の魔法少女に合流されないよう場所を選びながら戦えば勝機はある。

この作戦は潜伏場所を市街地だと思わせ、私の戦闘力の高さを知らしめることが目的でもあるんだっけ。)

 

「ただいま〜。」

 

ねむりん母「おかえり。3日もネットカフェに泊まるなんて、珍しいわね。あら、その子は?」

 

子猫マダラ「ニャ-」

 

合歓(ねむ)「飼うことにしたんだ〜〜。」

 

ねむりん母「ふふっ、エサ代を払うためには、働くしかないわね。お父さんが帰る前にお風呂に入ったら?」

 

合歓「わかった〜〜。」

 

 

ねむりんの部屋にて

 

子猫マダラ「お前の変身前を初めて見た。」

 

合歓「⁉︎」(そうだ、この猫はマダラさんだったんだ...)

 

子猫マダラ「どうした?」

 

ダッダッダッ...

 

ねむりんは一階に降りて行ってしまった。

 

子猫マダラ「変な奴だな。」

 

しばらくして風呂から上がったねむりんは、

家族と楽しそうに会話をしていた。

 

子猫マダラ(家族か...)

 

しばらくして、ねむりんは二階に上がってきた。

 

合歓「ごめんね。突然いなくなって。」

 

子猫マダラ「何を慌てていたのだ?」

 

合歓「変身前を見せるのが恥ずかしくて......。

24歳にもなって魔法少女なんて、嫌いになったよね...」

 

子猫マダラ「この世界において、本当の姿を他人にさらけ出している人間などいないんじゃないか?

普通、(はらわた)までは分からない。誰もが偽りの仮面を被って生きているものだ。

お前の本当の姿が見えて、俺は嬉しく思うがな...」

 

合歓「私もマダラさんと友達になれて嬉しいよ。ありがとね。」ポロポロ

 

 

その頃、廃寺の入り口についたマダラとユナエルは、

扉の先に人の気配がないか耳を澄ましていた。

 

 

マダラ(いないようだな...)

「...ついてこい。」

 

ユナエル「わかりました。」

 

 

廃寺の地下空間にて

 

ルーラ「えいっ!」ブン

 

ミナエル「!」サッ

 

スイムスイム「はぁ!」バッ

 

たま「痛っ...。反撃!」ブン

 

 

マダラ(地下にこんな空間があったとはな...。それにしてもレベルの低い戦いだ。)ザッ

 

上から見ていたマダラはユナエルを残し、地下へと飛び降りた。

ドンッ...

 

土煙と共に派手な登場である。

 

 

4人「⁉︎」

 

ルーラ「フォーメーションC!」

 

ルーラ達はすぐに状況に適した陣をとった。

 

マダラ「待て。争いに来たわけじゃない。」

 

ルーラ「じゃあ、何かしら?」

 

マダラ「この前の話の続きをしようと思っただけだ.....

途中で攻撃され出来なくなってしまったからな。」

 

ルーラ「わかったわ。話をしましょう。」

 

マダラ「今俺たちが命を狙われているのは知っているな。それがお前達の仕業なのは見当がついている。俺の居場所を探させるためだということもな。」

 

ルーラ「さすがね。」

 

マダラ「ユナエルを助けるためにお前達が変わったのは、さっきの動きや顔つきからよく分かる.....そして今は、能力を強化しようとしていたのだろう。」

 

ルーラ「何が言いたいの?」

 

マダラ「お前は俺と似ている。そして何より頭が切れる。どうだ、俺と手を組まないか?」

 

ルーラ「ユナエルがどうなったかを知るのが先よ。」

 

マダラ「ユナエル!」

 

ユナエル「はい。」

 

ルーラ達が見たのは眼を紅く染めマダラに従順な、まるで別人のようなユナエルであった。

 

ルーラ「こうやって、私たちを洗脳するつもりね!」

 

マダラ「違う、ユナエルは俺に対する敵意が強かったから少し記憶を消しただけだ。目的が終われば全て元どおりに戻す。」

 

ルーラ「目的って何よ!」

 

マダラ「ユナエルには、俺の仲間になる利点をお前達に示す...という目的の下強くなってもらった。」

 

ルーラ「ふざけんじゃないわよ!人を道具のように扱うな‼︎」

 

マダラ「何を言っている?お前もあの白い魔法少女を閉じ込めているじゃないか。さっきも言ったが、お前と俺は似ている...お互い様ということだ。」

 

ルーラ「...ッ‼︎」

 

マダラ「話が長くなったな。ユナエル、あの4人と戦って強さを示せ。...くれぐれも殺すなよ。」

 

ユナエル「はい。分かりました。」

 

ルーラ「ユナエル正気に戻りなさい!」ブン

 

マダラ「無駄だ。お前ごときの能力で上書きできる幻術ではない。さて、俺は高みの見物と参ろうか。」

 

ルーラ「待て...!」

 

マダラはそれを無視すると、離れたところで観戦を始めた。

 

スイムスイム「戦うしかない。」

 

たま、ミナエル「うん...!」

 

ルーラ「フォーメーションE!」

 

フォーメーションEは指揮を執るルーラを、液化したミナエルが囲んで守るという戦術であった。

 

ユナエル「まずは、お前らから。」ブュン!

 

たま「早すぎるよぉ...」オロオロ

 

スイムスイム「透過が間に合わない...」

 

何も能力を使わなくてもユナエルは速く強かった。

 

ルーラ「なんて強さなの...」

 

気づけば、たまとスイムスイムは倒れていた。

 

ユナエル「なるほど、マダラさんの言う通りですね。

変身しても身体の堅さは変わらないから、液化させてすり抜けることしか出来ないというわけですか。」

 

ルーラ「そうよ。遠距離の攻撃は透過し威力を弱める。

近距離なら私には攻撃できても、その瞬間ミナエルがあなたを捕らえるわ!」

(これでユナエルを捕まえることができる!)

 

ユナエル「甘いですね。部分強化・頭、鼻、口」マッコウクジラ、シロイルカ、コウモリ

 

ルーラ「まさか、能力の強化⁉︎」

(部分的に変身することで、あらゆる動物の特性を組み合わせているのね...⁉︎)

 

次の瞬間、三種の動物の特性を合わせた破壊音波は2人に容赦なく襲いかかったのである。

 

ギィィィィィンキキキキィィィィブォォォォォォォォォジ ンジジジジンギギギギィィィィィィンピィィィィィピキピキピキブゴゴゴゴゴィィィィンォォォォ......‼︎

 

 

液体を伝わる音波に耐えられなかったのか、ミナエルは変身が維持できずその場に倒れてしまった。

 

ルーラ「くっ...」(お腹の中を.....突き破るような音ね......)

 

ユナエル(あっけない。これで終わりですか...)

 

 

音が鳴り止んだ時、よろめくルーラの首元にはユナエルの爪があった。

 

ユナエル「あなた達の負けです。」

 

ルーラ「ええ。認めるわ。」

 

パチパチパチ

拍手と共にマダラが現れた。

 

マダラ「よくやった、ユナエル。」

 

ユナエル「ありがとうございます。」ヒョイ

 

マダラ「?」

 

ユナエル「頭を撫でてください...」

 

マダラ「仕方ないやつだな。」ナデナデ

 

ユナエル「嬉しいです。」(幸せです...///)

 

ミナエル「」

 

たま「...///」カァァ

 

 

マダラ「さて、ルーラよ...このままお前達を殺すこともできるがどうする...?」

 

ルーラ「仲間に.........してください...」ポロポロ

(手も足も出なかった...。でも、この男につけばユナエルのように強くなれるかもしれない!)

 

マダラ「いいだろう。約束通り、ユナエルの幻術も解除する。」

 

万華鏡写輪眼! ギン!

 

ユナエル「⁉︎」フラッ...

 

 

ーーもう、お前は自由だ。

 

薄れゆく意識の中で、そんな言葉が聞こえた気がした。

 

 

ユナエルが眠ると、マダラとルーラ達はこれからのことについて話し始めた。

 

マダラ「話し合いを始める前に皆、端末の電源を切ってくれ。」

 

ルーラ「わかったわ。」

 

たま「切りました...!」

 

ミナエル「切ったよ。」

 

スイムスイム「...私も。」

 

マダラ「全員切ったようだな。まず...お前達が信用できるかを確かめる。お前達も知っていると思うが今日の昼過ぎ、この街の一部が破壊された。

敵が1人なら、ねむりんに倒すよう言ってある。

お前達はねむりんと協力し、そいつを倒せばいい。」

 

ルーラ「それなら、あいつしか考えられないわね。

...カラミティ・メアリ。能力は、武器の強化よ。」

 

マダラ「なるほど...ならば、そいつを討つ。」

 

ルーラ「でも、明日は市街地に現れないと思うわよ?」

 

マダラ「何故だ?」

 

ルーラ「今朝クラムベリーが、自分は山地を探索するから、後のみんなは市街地を探すようにと言ってたのよ。1日ごとに交替するって言ってたから、明日は大勢の魔法少女が山を探すわね。」

 

マダラ「そのクラムベリーって奴のことはわかるか?

今の話を聞くと、よほど単独行動を好む奴みたいだな。」

 

ルーラ「申し訳ないけど、何もわからないわ。」

 

マダラ「そうか。ここでクラムベリーを討ってもいいが、奴の性格を利用させてもらう。」

 

ルーラ「何をするつもり?」

 

マダラ「市街地と山...1日ごとに場所を変え、奴らを錯乱させて時間を稼ぐ。明日1日それがうまくいけば、お前らを信用して強くしてやろう。」

 

ルーラ「それで信用してくれるなら良かったわ。」

 

 

廃寺を出たマダラは暗い夜道を1人で歩き、屋敷へ帰ると作業を始めた。

家の家具全てに術式を組み込むと、購入した巻物の中にそれらを片付けてこう言った。

 

「後はこの家を木に戻し、ねむりんを口寄せするか。」

 

口寄せの術!ボン

 

合歓「ふぇ?」

 

マダラ「すまんな。話が変わった。」

 

 

マダラはねむりんに廃寺でのことを説明し、明日は安全とされる市街地へ向かおうとしていた。

 

ねむりん「今日はどこに泊まるの?」

 

マダラ「市街地で家を建てるのは不審だ。どこかのホテルに泊まる。」

 

ねむりん「今から泊まらせてくれるかな〜〜?」

 

マダラ「‼︎ そこにいるのは誰だ?」

 

クラムベリー「こんばんは、うちはマダラ...そしてねむりん。私は森の音楽家クラムベリー。

1人で山を探して良かった♪夜通しで探そうと思ったのですが......

こんなに早く見つかるなんてラッキーです♪」フフフ

 

 

時刻は23時のことであった。

 

 

 

続く

 

 




話の続きを考えていると、時間があっという間に過ぎていきます...
仕事中も楽しく時間が過ぎます。


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第14話:マダラの敗北

挿絵用の絵を描こうと思いましたが、絵の書き方すら分かりません。
ペンを買って、スマホのアプリで描くんですよね。


深い森の中に3人はいた。

 

マダラ「1人でと言ったな?よほどキャンディ集めの免除を望んでいると見える...」

 

クラムベリー「そんなことに興味はありません。私はただ...強い者と戦えればそれでいいんです。」

 

マダラ「なるほど...二体一だが、文句は無いな?」

 

クラムベリー「一対一の間違いでは?」クスクス

 

マダラ(こいつ...ねむりんのことを戦力として見てないのか?)

 

クラムベリー「始めましょう。」ビュン

 

マダラ「ねむりんは俺の後ろに下がれ。」写輪眼!

 

ねむりん「うん!」

 

ガキーーーンッ!

 

両者の手刀が激しくぶつかり合う!

 

クラムベリー「さすがですね。私の一撃を見切り相殺しますか。噂の赤眼...お目にかかれて光栄です♪」

 

マダラ「これは写輪眼という。」

 

クラムベリー「あなたを殺し、いただくとしましょう。」ブン

 

マダラ「ならば、」サッ

 

「お前を殺したら何が得られる?」ブン

 

クラムベリー「そうですね...」サッ

 

「この前、手に入れた物を差し上げましょう。」スパッ

 

マダラ「楽しみだな。」サッ ビュン

 

クラムベリー「⁉︎」

 

ドッカ--ン!

 

 

2人は戦いながら会話をしていたが、マダラの蹴りによってそれは幕引きとなったーー

 

ねむりん「倒せたかな?」

 

マダラ「いや...」

 

クラムベリー「動きの先読みができるんですか...便利ですね。」

 

クラムベリーは傷一つ負ってなかった。

 

 

 

マダラ「火遁・龍炎放歌の術!」

 

巨大な炎の龍が7体。クラムベリーに襲いかかった。

 

クラムベリー「へぇ...炎を使うんですね。」

 

ドドドドドドド!

 

マダラ(避けなかっただと...?)

 

クラムベリー「なるほど...すごい威力です♪」

 

マダラ「貴様、何故無傷なのだ?」

 

クラムベリー「これが私の能力ですよ。」フフフ

 

マダラ「なら、これはどうだ...木分身の術‼︎」

 

2人の分身はクラムベリーの足止めをし、残る3人のマダラはそれぞれ印を結んだ。

 

土遁・岩鉄砲の術‼︎

木遁・挿し木の術‼︎

風遁・真空連波‼︎

 

風によって岩の弾丸と木の枝は勢いづけられ、マダラの分身ごとクラムベリーに襲いかかった。

 

クラムベリー「無駄ですよ。」パァン...

 

マダラ「弾いたのか...」

(だがこれで、すり抜けないということが分かった。

こいつ相手に出し惜しみしてる場合ではないな。輪廻眼の能力を使うか...)

 

輪廻眼!

 

 

………………………………

 

 

2人が激しい戦いを繰り広げている時、廃寺に寝かされていたユナエルは目を覚ました。

 

ユナエル「ここは...?」

 

ルーラ「ユナエル‼︎」ガバッ

 

ミナエル「優奈!」ガバッ

 

たま「ユナエルちゃん!」ガバッ

 

スイムスイム「ユナエル...」ムギュ

 

 

4人の友に抱きつかれて、ユナエルは困惑していた。

 

ユナエル「みんなどうして泣いてるの?」

 

ルーラ「先週の木曜日に戦ったのを覚えてない?

うちはマダラ、ねむりん。...この言葉が印象に残っているはずよ。」

 

ユナエル「‼︎ そうだ、私は操られた...。汚い地下室で拷問を受けて...でも、そこから先は思い出せない。

私は何をされたの?」

 

 

ルーラは、ユナエルがマダラの修行を受けて強くなったことや、今日あったことをすべて話した。

 

ユナエル「部分強化ね〜。まぁ、試しにやってみる。何の動物がいいかな?」

 

スイムスイム「ネコ」

 

たま「私と同じイヌ!」

 

ミナエル「ここは、うさぎっしょ!」

 

ルーラ「うーん...。なら猫耳をつけなさい♪」

 

ユナエル「わかった!部分強化・耳」猫

 

ルーラ「あら、かわいいわね。どんな感じ?」

 

 

ユナエル(この感覚は何...?どこかで戦いが起きてるの?)

 

 

人間を除くほぼ全ての動物は大地の振動に敏感である。

それを強い魔力で高めることのできるユナエルは、遠くから地響きが起きているのを感じ取ったのだった。

 

 

ルーラ「おーい、どうした?ユナエル。」

 

ミナエル「優奈どうしたの?」

 

ユナエル「みんな。外では何が起きてるの?」

 

ルーラ「え?何も起きてないわよ?」

 

ユナエル「気になる....外に出よう!!」

 

ルーラ「わかったわ!ユナエルについて行きましょう!」

 

 

………………………

 

 

マダラ「ぐっ...」

(攻撃が通用していない。)

 

クラムベリー「眼の模様が変わったと思えば、ミサイルや動物に隕石落とし、さらには無数の青い巨人...あなたは本当に芸達者ですね♪」

 

マダラの全力とも言える攻撃を全て受けたクラムベリーは傷一つ負っていなかった。

そればかりか、無数の口寄せ動物と須佐能乎を一体も残らず殲滅したのである。

 

クラムベリー「あなたの回復力は素晴らしいです。ですが両腕を切り落とされては、しばらく技が使えませんね。」

 

マダラ「あぁ、その通りだ。」

 

 

柱間細胞があるとはいえ、マダラも人間である。

疲弊した隙を突かれてクラムベリーに両腕を切り落とされてしまっていた。

両腕が無い状態で使える忍術は須佐能乎しか無いのだが、その須佐能乎も全く通用しないのである。

 

 

クラムベリー「ふふ...体をぐちゃぐちゃにすれば、あなたは死んでくれますか?」ツカツカ

 

 

クラムベリーは瓦礫の山の方...(すなわ)ち、もたれかかっているマダラの方へ歩き出した。

 

 

ねむりん(...今だ!)

「雷遁・雷光弾の術!」

 

ねむりんは形態変化に成功し、粒状の雷を発出させた!

 

クラムベリー「不意打ちですか。」サッ

 

マダラ(俺の攻撃は散々受けていたが、今のは避けた...?)

 

マダラ?「ねむりん!後ろだ!」

 

ねむりん「え?」

 

マダラ「違う!奴は偽物だ‼︎」

(まさか、声を変えたのか...⁉︎)

 

クラムベリー「その通り♪」

 

 

グサッ...

 

 

ユナエル「この辺りで音が聞こえたよ! .......ん?」

 

ルーラ「どうしたの?」

 

ユナエル「あれを見て。」

 

ミナエル「⁉︎」

 

スイムスイム「...!」

 

たま「え?」

 

ルーラ「まさか...」

 

 

 

ねむりん「ガハッ...」ボタボタ

 

クラムベリー「心臓を潰しました。もう終わりです。」

 

 

ねむりんの心臓はクラムベリーの右腕に貫かれていた。

 

 

マダラ「貴様...!」

 

 

 

ドクン.......ド...ク..ン...............................................。

 

 

クラムベリー「心臓が止まったみたいです。次はあなたを殺しましょう。うちはマダラ。」ズボッ

 

 

腕を引き抜かれたねむりんは倒れた。

 

 

 

 

ユナエル(そうだ...思い出した。マダラさんとねむりん!

一緒に暮らしていたんだ!まさか......

あの、ねむりんが死んだ...?

そして、マダラさんも追い詰められている...?

 

......せめてマダラさんだけは助けたい。行かなきゃ。)

 

 

 

 

 

マダラ(右腕は修復されたか...)

 

「万象天引!!」

 

クラムベリー「⁉︎」グイン

 

マダラ「人間道!」

 

クラムベリー「敵を引き寄せ、魂を引き抜く必殺コンボですか?でも、通用しませんよ♪」

 

マダラ「これも効かないとはな...」

 

クラムベリー「私を引き寄せたのは、死ぬのを早めるだけでしたね♪」

 

マダラ(ここまでか......)

 

ユナエル「やめろ。」ビュン

 

クラムベリー「⁉︎」サッ

(素晴らしい速さですね。)

 

 

ユナエルの攻撃を避ける為、マダラから離れたクラムベリーであった。

 

 

ルーラ「ユナエル...勝手に飛び出したらダメじゃない!」

 

「私たちも行くわよ!」ザッ

 

 

マダラの前にチーム・ルーラが集まった。

 

 

クラムベリー「全員揃ったみたいですが、何の真似ですか?」

 

ルーラ「ねむりんを殺したんだから、マダラは私たちに殺させなさい。」

 

クラムベリー「あぁ、そういうことですか。殺すのは譲りますが彼の眼はいただきますよ...。」

 

ルーラ「その眼が狙いだって言ったら?」

 

クラムベリー「あなたたちを殺します♪

と、言いたいところですが5人の魔法少女を相手にするのは面倒です。特にユナエル...あなたが一番強そうです♪」

 

ユナエル「それはどうも。」

 

クラムベリー「仲良く分け合ってくださいね。」フフフ

 

 

クラムベリーは夜の森の漆黒に消えた。

 

 

 

 

マダラ「俺を殺さないのか?」

 

ルーラ「同盟を結んだでしょ。これで信用してくれた?」

 

マダラ「あぁ...」ツカツカツカ

 

少し離れた場所では4人の魔法少女がねむりんを囲んでいた。

 

ユナエル「ねむりん...私に優しくしてくれて嬉しかったよ......あなたのおかげで修行も楽しいと思えたよ。ずっとずっと、忘れないよ........ねむりん。

 

ねむりん....................うぅぅぅ...」グスン

 

 

ミナエルとたまは、ユナエルの泣く姿につられて泣いてしまった。

 

マダラ「....」ツカツカ

 

マダラは何も言わずに横に座ると、ねむりんの体を写輪眼で凝視した。

 

マダラ(やはりな...)

 

「泣くな。ねむりんはまだ死んで無い。」

 

ユナエル達「⁉︎」

 

ルーラ「どうすれば助かるのかしら。」

 

マダラ「お前らは、この地上に存在する魔力を体内に宿して魔法少女になった。だからねむりんに触れて体内の魔力をねむりんに移送させればいい。」

 

ルーラ「わかったわ。」ズオオオ

 

たま「わかりました!」ズオオオオ

 

ミナエル「わかったよ。」ズオオオオ

 

スイムスイム「...あなたは何をするの?」ズオオオ

 

マダラ「俺の体の一部を使って、細胞の修復をする。腕一本で足りるだろう。」

 

ユナエル「これを使ってください。」

 

ユナエルはクラムベリーとの戦いで切り落とされたマダラの腕を彼に手渡した。

回復するとはいえ、マダラが自分の体を傷つけるのを見たくなかったのである。

 

 

マダラ「...お前には謝らないとな。」

 

ユナエル「ねむりんを助けてからにしてください。」

 

マダラ「あぁ...。」ズズズズ

 

 

マダラ達がねむりんの治療に奮闘している頃、ねむりんは不思議な世界にいた。

 

 

ねむりん「どこだろう...⁇」

 

 

???「ここは、おぬしの精神世界だ。」

 

 

続く

 

 




ねむりんを殺すか殺さないか迷いましたが、殺さない方を選びました。

NARUTO界では やったか? は禁句です。笑


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第15話:六道仙人に会ったよ

活動報告にも書きましたが、マダラとミナエル達が突然仲良くしたように見えたので、編集で大幅に描写を増やしました。
コメントに書きましたが、まほいくはアニメ準拠です。
ねむりんはマダラと夢で話していたり、疲れて爆睡していたりとスノウホワイトとはほとんど会話したことがありません。


その空間は足首程度の水に満たされ、数本のかがり火が立ち並ぶ どこまでも限りない黒色だった。

 

(私の心は、こんなにも荒んでいたのか...)

 

そんなことを思っていると、謎の老人は口を開いた。

 

???「心というよりは、おぬしの命を表していると言った方がいいかもしれんな。」

 

ねむりん「えっと...心が読めるんですね!おじいさんは誰ですか?」

 

???「この水の波紋を見れば、考えていることがわかるのだ。

我は安寧秩序を成す者。名をハゴロモという。」

 

ねむりん「ハゴロモ...さん......?」

 

ハゴロモ「六道仙人といえば伝わるか?」

 

ねむりん「六道仙人...!!聞いたことがあります。」

 

ハゴロモ「うちはマダラにだな。」

 

ねむりん「はい。彼を知っているんですか?」

 

ハゴロモ「もちろん。異世界で死にかけているマダラのチャクラを感じたから、ここに来たのだ。それがまさか別人だとはな...」

 

ねむりん「どうしてここに来たのですか?」

 

ハゴロモ「我が忍界の礎を築いたのは知っておるようだな...ならば話は早い。ワシは時空の裂け目を開き、異世界の知恵と力を借りたのだ。」

 

ねむりん「力?」

 

ハゴロモ「ワシは万が一、異世界から敵が迫り来た時に備え、チャクラがその世界の力に対抗できるよう組み込んだのだ。あらゆる力に対抗できるようにした。だが、この世界の力を得ることは出来なかった。」

 

ねむりん「どうしてですか?」

 

ハゴロモ「魔法の国がそれを拒んだのだ。

それどころか魔法の国はチャクラについて研究する為にワシを捕らえようとした。逃げたワシは異世界の入り口を固く閉ざし、忍界の外れの方に封印した。

その後ワシは2人の息子に、魔法の国の者には気をつけるように言い、寿命を迎えたのである。」

 

ねむりん「兄弟仲良く、忍界を守り続けたの?」

 

ハゴロモ「いや、ワシの兄弟はワシが死ぬ頃には激しく対立しておった...ワシは2人に協力してもらう為にわざと、異世界に関することは輪廻の力を持たねば扱えぬようにしたのだ。」

 

ねむりん「輪廻の力って何ですか?たしか、マダラさんは輪廻眼を持ってるって言ってたけど...」

 

ハゴロモ「2人の息子の力を合わせたものだ。それを極限まで高められた者が輪廻眼を手にする。

話を戻すか...息子達は和解することも無くワシの言い伝えも忘れ、管理されないまま封印は弱まってしまった。

それから数百年が経った時、魔法の国の者たちが忍界に侵入してきたのだ。」

 

ねむりん「...‼︎」

 

ハゴロモ「魔法の国はチャクラについて、よほど知りたかったのだろう...。連れ去った者からチャクラについて研究すると、自分たちの魔力を強化したのだ。」

 

ねむりん「どうして、そこまで知っているんですか?」

 

ハゴロモ「わしは死後も魔法の国を危惧し、この世界にワシのチャクラだけを残して、奴らの動向を見ていたのだ。

この世界に来た忍を助けるという役割も兼ねてな。

...だが、奴らは強化した魔力を異世界の侵略に使うのでは無く、国をより良くするという平和に用いたのだ。

これこそが忍界の目指すべき姿...!

ワシは感銘を受け、裂け目から進入した者にこの世界の素晴らしさを教える為に待つことにしたというわけだ。」

 

ねむりん「関係ない私の為に、力を使わせてしまってごめんなさい...。でも、どうして私の精神世界に入り込めたのですか?」

 

ハゴロモ「忍界は今は平和となった。だから、大丈夫である。ふむ...おぬしには今言った輪廻の力があるからだ。

マダラから受け取ったチャクラと右肩の柱間細胞......それが輪廻の力ということだ。」

 

ねむりん「マダラさんと柱間さんは、2人の息子とどんな関係があるんですか?」

 

ハゴロモ「それはいつか、本人から聞くと良い。」

 

 

ボオッ!

 

 

かがり火の炎が大きくなり、暗かった世界は明るくなり始めた。

 

 

ハゴロモ「命の炎が大きくなった...つまり、お前は助かるということだ。これを見ろ。」スッ

 

 

ハゴロモは手をかざし、水面に映像を映した。

 

 

ねむりん「!」

 

ハゴロモ「おぬしの仲間達が、懸命になって助けようとしておるのだ。」

 

 

映像には、横たわる自分と真剣な眼差しで魔力を注ぎ込むルーラ達、柱間細胞を用いた医療忍術で傷を塞いでいる傷だらけのマダラがいた。

 

 

ねむりん「うっ...ううっ....」ポロポロ

 

 

ねむりんは嬉しくて涙が止まらなかった。

 

 

ハゴロモ「泣いているところをすまぬが、そろそろ時間のようだ...手短に話す。

ワシはおぬしがこうなった理由も全て見ていた。クラムベリー......奴は魔法少女の皆殺しを企てている魔法の国の者だ。魔力で強化された普通の人間とは違う!

よって魔力を持たないマダラには倒せぬ。...だが、チャクラと魔力を併せ持つおぬしになら希望はある。」

 

ねむりん「⁉︎」

 

ハゴロモ「だが、おぬしは弱い。ワシの力は僅かだが...おぬしの体を流れるマダラのチャクラを基にすれば、強くすることができるだろう。さぁ、手を出せ。」スッ

 

ねむりん「わ、わかりました!」スッ

 

 

ハゴロモと掌を合わせた時、ねむりんは己の内に湧き上がる力を感じた。

 

 

ねむりん「これは...!?」ズズズ...

 

ハゴロモ「おぬしに力を授けた。この力は強力であるが、同時に精神を蝕むだろう。そんな時は先ほどの映像を思い出すのだ...!」ズズズズ

 

ねむりん「わかりました!」

 

ハゴロモ「さらばだ...ねむりんよ。」スゥ

 

 

ハゴロモは消えていた。

 

 

ねむりん「ありがとう...六道仙人。」

 

 

……………………………………

 

ねむりんの治療が終わった一行は、ルーラ達の拠点である地下空間にいた。

マダラとユナエルはねむりんの横で目がさめるのを待つと言っているので、ルーラ達は別の場所で話をすることにした。

 

 

ミナエル「ルーラはどうしてマダラなんかを助けたの?」

 

ルーラ「ユナエルを連れ去られたのは確かに辛かったけど、私たちにも非があるわ。話し合いで解決しようとした彼を、間違いとはいえ裏切ってしまった。もしもの話だけど、ユナエルが連れ去られていなかったら...私たちは結束することもなくバラバラだったわ。たまも脱落していたでしょうね。それに、ラピュセルを殺した犯人にしても許してくれて、ユナエルを強くして返してくれた評価はかなり高い。私たちと協力し強くすると言っている以上、殺すなんてできない。最初の予定だった、戦力にすることも叶ったしね。」

 

ミナエル「ねむりんはいいけど、マダラとはいたくないよ...。ユナエルはきっと、マダラから辛い拷問をずっと受けていたんだよ。そんな奴と仲間になりたくない!」

 

ルーラ「なら、何故マダラを助けに一人飛び出したのかしらね。今も2人でねむりんの看病をしてるし。」

 

ミナエル「!」

 

ルーラ「彼は敵に回すと厄介だけど、仲間と認めたものには優しいのかもしれないわよ。

今からユナエルを呼んでマダラからされたことや、このままマダラといても構わないか聞いてみましょう?」

 

ミナエル「わかった。それを聞いて考えてみるよ。」

 

 

 

その頃、マダラとユナエルは会話をしていた。

 

マダラ「何故俺を助けた?ルーラの命令か...?」

 

ユナエル「わかりません。でも...思い出したからかもしれません。」

 

マダラ「優しくされたことをか?...勘違いするな。あれは、お前の縛りをより強固にするための演技だ。」

 

ユナエル「嘘つかないでください。」

 

マダラ「嘘などついていない。」

 

ユナエル「楽しかったんですよね...?3日間だけだったけど、あなたと私とねむりん...本当の家族みたいだった。」

 

マダラ「......」

 

ユナエル「...ずるいですよ。」

 

マダラ「...?」

 

ユナエル「最初に初めて会った時から始まって、2回目に会った時に腕を傷つけられ捕まり拷問された...記憶を失ってからは容赦なく修行だって言って殴ったり蹴ったり...。

あなたのことなんて大嫌いなはずなのに、体が勝手に助けてたんですよ...」ポロポロ

 

マダラ「もういい...」

 

ギュ...

 

 

ユナエル「そういうことをするから、わからなくなるんです...ううっ...」ポロポロ

 

 

マダラはユナエルを抱きしめていた。

 

 

マダラ「...色々とすまなかったな。助けてくれてありがとう。お前達2人に本当の家族を見てたのは事実だ。どうすれば許してくれる?」

 

ユナエル「みんなを強くして死なせないでください。」

 

マダラ「わかった。」

 

ルーラ「!」

 

ミナエル「!!」

 

たま「///」

 

スイムスイム「...」

(ハグしてる...)

 

マダラ「お前達か。ユナエルに用か?」

 

ユナエル「え、えっとこれは...その......」

 

ミナエル「優奈、この人のことどう思ってるの!」

 

ユナエル「嫌いだけど好き。」

 

ミナエル「どういうこと⁇捕まった後、この人に辛いことばかりされたんでしょ?」

 

ユナエル「最初は辛いことされたし、修行も厳しかった。でも、家具を買ってきてくれたり、おいしい料理作ってくれたりで優しかったんだよ。仲間だって言ってくれたし。」

 

ミナエル「!.....じゃあ、さっきの言葉の意味って何!?」

 

ユナエル「そのままだよ。マダラさんは私たちを強くしてくれるよ。」

 

ミナエル「マダラ!それは本当なの⁇」

 

マダラ「あぁ」

 

ミナエル「あなたを信じていいの?」

 

マダラ「強くなれば必然と信じることになる。」

 

ミナエル「よーし、こうなったら優奈より強くなってやる!」

 

ユナエル「負けない!」

 

ルーラ「よかったわ。他の2人も言いたいことがあるなら言っておきなさい。」

 

たま「えっと...よろしくお願いしますっ!!」

 

スイムスイム「...強くしてください。」

 

マダラ「約束する。」

 

ねむりん「んん...............あれ?」

 

マダラ「! 目が覚めたか。」

 

ユナエル「ねむりん...!!」

 

ねむりん「わたし...生きてるの?」

 

マダラ「あぁ。みんなに礼を言うといい。」

 

ねむりん「みんな...ありがとう!」

 

ルーラ「別にいいわよ♪」

 

ミナエル「ん。」

 

たま「大したことしてないよぉ〜」

 

スイムスイム「...いえいえ」

 

ユナエル「生きててよかった!!」

 

ねむりん「ここは...?」

 

マダラ「ルーラ達の拠点に匿わせてもらっている。」

 

ルーラ「そう。ここが私たちの拠点よ。」

 

ねむりん「地下にこんな空間があるなんてすごい...!」

 

たま「ちゃんと個室も作ったよ〜。」

 

ミナエル「でも、天井が落ちたら怖くね...?」

 

ルーラ「ったく、ちゃんと設計しなさい!」

 

たま「設計なんて無理だよぉ...」

 

ルーラ「マダラ、何とかしてくれる⁇」

 

スイムスイム「忍術...見てみたい。」

 

マダラ「...土遁・土回廊の術!」

(やれやれ...)

 

たま「おぉ!」キラキラ

 

ルーラ「ミナエル、さっそく頼もしいわね?」

 

ミナエル「まっ、これぐらいはしてもらわないと!」

 

 

マダラは1人、地下空間の補強をしに行った。

 

マダラ(クラムベリーが言った“一対一”っていうのは、ねむりんと俺で1つということだ...。奴は俺の忍術が通用しないことを最初から...)

 

 

マダラが考え事をしながら作業をしていた時、部屋では...

 

 

ねむりん「ねむりんです。マダラさんとコンビを組んでキャンディを集めてます。ユナエルさんのことで皆さん、怒っていますよね...ごめんなさい。」

 

ユナエル「ねむりんが眠っている頃、和解できたんだよ。ね?お姉ちゃん。」

 

ミナエル「うん。ユナエルが信じてるマダラを信じてみようと思ったの。」

 

ルーラ「ねむりん、謝るのは私たちの方よ。あの時、人質にとってしまってごめんなさい。」

 

スイムスイム「痛くしてごめんなさい。」

 

ねむりん「大丈夫だよっ!」

 

ミナエル「ねむりん、優奈に優しくしてくれたんだよね。ありがとうね。」

 

ねむりん「いえいえ〜。私、ミナちゃんとも仲良くなりたいな。あ、もちろんみんなと仲良くなりたいよ!」

 

ミナエル「よろしくね、ねむりん。」

 

スイムスイム「...仲良くしてね。」

 

たま「よろしくねっ」ニコニコ

 

ルーラ「魔法少女どうし仲良くしましょ♪」ニコ

 

ねむりん「よろしくね。お友達いっぱい増えて嬉しいなっ」ニコッ

 

ユナエル「よかったっ」ニコリ

 

ミナエル「実の双子より仲良しってどういうことよっ」

 

ルーラ「嫉妬かしらね」

 

ミナエル「そんなことない!」

 

ねむりん「ミナちゃんおいで〜」

 

ミナエル「し、仕方ないな。」ギュ

 

スイムスイム「...」ジ-

 

ねむりん「スイムちゃんおいで〜〜」

 

スイムスイム「はい。」ムギュ

 

たま「2人ともずるいよぉ〜〜」

 

一同「「アハハハハ」」

 

マダラ「」

(...年の近い小娘共は打ち解けるのも早いな。)

 

 

部屋の外

 

 

ルーラ「歴戦の戦士も女の子のノリには、ついていけないみたいね。」ニヤニヤ

 

マダラ「あんなことがあって、しかも朝の3時だというのに...不思議な奴らだ。そろそろ会議をすると伝えてくれ。」

 

ルーラ「わかったわ。」

 

…………………

 

 

ルーラ「これより会議を始める。まずはお互いのことから話し合いましょう。マダラ達からいいかしら。」

 

マダラ「まず最初に、助けてくれたこと...礼を言う。もう分かっていると思うが、俺とねむりんはコンビを組んでいる。ねむりんの能力は他人の夢に入る能力だ。」

 

ねむりん「それで私たちは知り合ったんだよ〜♪」

 

マダラ「あぁ...その時、ねむりんは俺の夢からチャクラを吸収し自らのものとした。」

 

ルーラ「えっと...チャクラって何かしら?」

 

マダラ「お前達の魔力と似たものだ。忍術を扱えば消費する。」

 

ミナエル「エネルギーってことでいいのかな。私たちはチャクラを扱えるの?」

 

マダラ「無理だ。ねむりんは魔法を応用して体内の魔力とチャクラを混ぜたのだ。強化された魔法と言っていいだろうな。」

 

ユナエル「ねむりん凄い...!」

 

たま「忍術、使えないのかぁ...」ガックリ

 

マダラ「お前達も魔力を強化すれば、ユナエルのように忍術以上の力を発揮することができる。」

 

たま「おぉぉ‼︎」

 

スイムスイム「水遁使いたい...」

 

マダラ「話を戻すか。俺はお前達がねむりんと会いたいと言った時、仲間にしようとしたのだ。...攻撃されてしまったがな。あの攻撃をしたのはお前だな?この空間を作ったのもお前だと言っていたな。」

 

たま「は、はい!」

 

マダラ「お前は強くなるかもしれん。俺たちの説明は以上だ。」

 

ルーラ「次は私たちね。チーム・ルーラを代表して私から説明するわ。私たちの魔法はそれぞれ説明するわ。私は王笏を傾けた相手に好きな命令をすることができるわ。相手との距離が5mを過ぎれば無効となるけどね。」

 

 

ルーラの説明を皮切りにそれぞれ魔法の説明をした。

 

 

ルーラ「次に私たちのこれまでの活動を報告するわ。

私たちはラピュセルを殺し、スノウホワイトを拘束しているわ。」

 

ねむりん「⁉︎」

 

マダラ「やはりな。詳しく説明してくれるか。」

 

ルーラ「ええ。」

 

 

ルーラはファヴから、魔法少女でいたければ誰かを殺せばいいと言われたことを説明した。

 

 

ねむりん「ファヴは最初に、この街の魔力が足りないから魔法少女を減らしたいって言ってたよね。そして誰かを殺せばその週は脱落しない...」

 

マダラ「そして、チャクラと魔力は似ていてチャクラが無くなったものは死ぬ。」

 

ルーラ「これらのことをまとめると、魔法少女じゃなくなると死ぬってことになるわね。」

 

たま達「「⁉︎」」

 

マダラ「それをスノウホワイトで確かめるってことか。」

 

ルーラ「そうよ。」

 

ねむりん「可哀想だけど...しょうがないよね。」

 

マダラ「あぁ、生き残るためだ。これから先は殺し合いになる可能性が高い。俺とねむりんが死んだってことも、隠し通せることではないからな。そうなれば、お前達も狙われることになるぞ?」

 

ルーラ「構わないわ。」

 

スイムスイム「...大丈夫。」

 

ミナエル「ちゃんと強くしてよね!」

 

マダラ「あぁ。」

 

ねむりん「私たちが戦いをしないって言ったらどうなるかな?」

 

マダラ「ファヴの目的が殺し合いにあるならば、敵は攻めてくるだろうな。」

 

ねむりん「殺し合い......そうだ!私みんなが治療してくれてる時、夢で六道仙人っていうおじいさんと会ったよ!」

 

マダラ「⁉︎」

 

ミナエル「りくどー専任?」

 

スイムスイム「りく道仙人...?」

(りくってどんな漢字だろう...?)

 

たま(クリとドーナツと千本のニンジン...!

ニンジン以外なら欲しいな〜♪)

 

ルーラ(この子達、絶対分かってないわね...)チラ

 

 

ねむりんは六道仙人との会話の内容や、聴覚が鋭いクラムベリーが何故、心音が止まったと勘違いしたのかを話した。

 

マダラ「よくあのタイミングで幻術を使おうと思ったな。」

 

ねむりん「マダラさんが、諦めない大切さを修行で教えてくれたから...」ニコ

 

マダラ「さすがだな。しかし、クラムベリーが魔法の国の者ってことは...」

 

ルーラ「運営側の人間ってことよね?つまり、ファヴとクラムベリーは繋がっていて、魔法少女の殺し合いを望んでいるってことか...」

 

ユナエル「これから先、どうすればいい?」

 

ルーラ「クラムベリーを倒せば終わるのかもしれないけど、今動くのは得策じゃないわ。」

 

マダラ「あぁ。今のお前達6人がかりでもクラムベリーは倒せないだろうな。奴らが俺たちを死んでいると思っている間に、どれだけ強くなれるかが勝負だろう。」

 

ルーラ「改めて言うわ。修行、よろしくお願いします。」

 

一同「「よろしくお願いします!」」

 

マダラ「...よろしくな」

 

ユナエル「ねぇ、ねむりん。さっき言ってた力って何?」

 

ねむりん「わからない...。」

 

ルーラ「でも役に立つ力みたいだし、そのうち気づくのかもしれないわね。今後の修行についてマダラ、お願い。」

 

マダラ「朝の4時だが.....今から修行を始める」

 

たま「」

 

スイムスイム「...」

 

ルーラ「容赦ないわね...」

 

ユナエル「わかりました!」

 

ねむりん「頑張る!」

 

ミナエル「やっぱ先輩達は意識が違うわ〜」

 

 

 

続く

 

 

 




ルーラとマダラ。2つの天才が手を組みました。
マダラの修行の幻術の伏線?が回収できました。

活動報告に書きましたが、ねむりんの授かった力を2つから1つにしました。

マダラさんはずるい人です。修行では厳しくするのに家では完璧に家事をこなしたり、優しい言葉をかけたりします。イケメンのギャップ萌えって怖いです。


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第16話:マジカロイド44

ここは朝4時の地下空間。

マダラは修行の内容を細かく説明していた。

 

マダラ「6人で18人の俺と戦ってもらう。武器の使用は自由。俺は須佐能乎の腕と骨格を出して戦う。...派手な攻撃は地下が壊れるから気をつけろ。そして、たまとスイムスイム以外は魔法を使ってもいい。ミナエルは体を液化させる変身は禁止とする。ねむりんは好きな忍術を使え。今日は月曜日だから、時間になればそれぞれ学校に行っていいぞ。終わり次第ここに来るように。」

 

一同「「わかりました。」」

 

マダラ「ねむりん、影分身をしろ。」

 

ねむりん「はーい。」

 

影分身の術!!

 

ボボボボ....ン!

 

ミナエル「すげー!!」

 

ルーラ「ほんと、便利ね...」

 

ねむりん「え⁉︎10人に増えてるよ⁉︎」

 

マダラ「お前の傷を治すのに俺のチャクラを使った。チャクラが増えて当然だろう。」

 

ねむりん「大事に使いますっ!」

 

マダラ「お前はあの時...雷遁の形態変化を習得した。つまり次の性質変化を覚えていい頃だ。この木に雷遁とは違うイメージを持ちながら、チャクラを流してみろ。」

 

ねむりん「うぬぬぬぬ...」ズズズ

 

木には濡れた葉と、燃えた葉があった。

 

マダラ「水遁と火遁か...」

(雷遁を含めて3つ...十分だろう。)

 

ねむりん「風遁と土遁は⁇」

 

マダラ「お前はそれらのチャクラ性質を持っていない。3つ持っているだけでも恵まれている方だ。」

 

ねむりん「そっか!よかった!」

 

マダラ「4人ずつ分けて性質変化の修行をする。残り1人の分身は本体と一緒に組手で戦わせておけ。」

 

ねむりん「わかった!」

 

マダラ「待たせたな。忍組手を始める。」

 

 

……………………………

 

 

マダラ達が修行を始めてから2時間が経った頃であった。

 

 

ファヴ「さすがマスターだpon!見事、邪魔者を排除してくれたpon!」

 

クラムベリー「中々楽しかったからよかったです。」

 

ファヴ「これでキャンディ集めに戻れるpon!」

 

クラムベリー「...」

 

ファヴ「どうしたpon?」

 

クラムベリー「かつて魔法の国で行われたという、チャクラについての研究をご存知ですか?」

 

ファヴ「それがどうしたpon?チャクラなんて魔力には敵わないpon。」

 

クラムベリー「ねむりんが雷の魔法を使っていました。魔力は多彩な力を持つチャクラをベースに強化した...。とはいえ魔法少女の能力は1人に1系統。雷を出すなんてありえない...」

 

ファヴ「ねむりんが忍術を使えるってことpon?でも、ねむりんは死んだpon。気にすることないpon♪」

 

クラムベリー「そうですね。でも、一応 忍術について書かれた古文書を見ておこうと思います。これから魔法図書館に行くので、来週私が帰るまで頼みましたよ。

ゲームの進行は、ねむりんは魔法少女の敵だった為例外とし、通常通りキャンディ集めの最下位は脱落するように伝えてください。まぁ、死亡者が出たらその週脱落者が出ないことを知ってるのは、ルーラ達とカラミティ・メアリだけですが。」

 

ファヴ「わかったpon。でも、ルーラ達にはスノウホワイトがいるから、カラミティ・メアリだけが腹をたてることになるpon。」

 

クラムベリー「それでいいんですよ...彼女は短気ですから、誰かを殺すはずです。これで自然な殺し合いが始まるんです♪」フフフ...

 

クラムベリーはマスター端末を操作し、魔法の国へと消えていった。

 

程なくして、ファヴの連絡は生存者全員の端末に送られた。

 

 

ピロピロピロリン

 

マダラ「! 中断。」

 

ルーラ「朝はチャットルームに誰もいないから、報告はメールみたいね。万が一ファヴが出てきたら困るから、2人は隠れてて。」

 

マダラとねむりんは分身達を引き連れて、別の部屋に消えた。

 

 

その頃、各地の魔法少女達は...

 

 

つばめ(トップスピード)「ん?報告か...」

 

 

華乃(リップル)「ちっ...」

 

 

真琴(マジカロイド)「先をこされたかぁ...」

 

 

メアリ「クソがッ‼︎」パリーン‼︎

 

 

亜子(アリス)「スノウホワイトはどこ...」

 

 

雫(ヴェス)「奈々、これを見てくれ。」

 

奈々「仇...うてませんでしたね。」

 

 

メールの内容は以下である。

 

 

魔法少女のみんなに報告

 

マダラとねむりんが倒されたよ!

 

おめでとう!ルーラとクラムベリーは特別枠になったよ。

 

先週同様、今週もキャンディ集めをするよ。頑張ってね。

 

 

 

真琴「ルーラと書いてるけど、ルーラ達ってことで間違いない。これからは仲間がいないとダメなのかもしれない。カラミティ・メアリの仲間になれば有利になるはず...。よし、さっそくメールしてみよう。」

 

 

マジカロイド[お話があるので、お会いしませんか?]

 

メアリ[いいよ。私は◯◯ビルの最上階にいる。会おう。]

 

 

マジカロイド44は空を飛び、カラミティ・メアリの元へと辿り着いた。

 

 

メアリ「なんだい?話って。」

 

マジカロイド「ファヴのメールのことですが、ルーラ1人でやったとは考えにくいと思いませんか?ルーラは4人の仲間を連れていますし...」

 

メアリ「何が言いたいんだ?」チャキ

 

マジカロイド「私と仲間に...などとは言いません。手下にしていただきたいと思うのですが。」

 

メアリ「へぇ、面白いねぇ。じゃあ1人殺してきたら手下にしてやるよ。ねむりんが死んだってのに今週もキャンディを集めなきゃいけないなんて怠いからねぇ。ファヴの奴、死亡者が出たらその週はキャンディを集めなくていいって言ったのに...ねむりんは例外かよ!!!」バリン!

 

カラミティ・メアリの周りには砕けたガラスが散乱している。

 

マジカロイド「わかりました。必ず殺してきます。」

 

 

マジカロイドはメアリとの約束を終え、1人ビルの上にいた。

 

マジカロイド「狙うは...お得意様のあの人でしょうか。いいものが出るといいですが...」

 

 

マジカロイド44の魔法『未来の便利な道具を毎日一つ使えるよ』

 

 

生物若返り光線銃!

 

 

マジカロイド「これは...珍しく当たりがでましたね。メールで呼び出してみましょうか。」

 

 

マジカロイド[スノウホワイトさんが見つかりました!とても傷ついていて手当を試みたものの、私のことは信用できないというので海岸まで来てください!]

 

「これでよしっと。」

 

 

シスターナナがこのメールに気づいたのは、大学の昼休みの時間だった。

 

シスターナナ[今から向かいます!この際にスノウホワイトさんがあなたと友達になれるように、取り計らいますね♪]

 

ヴェス[僕もいくよ。]

 

マジカロイド[お二人が一緒なら心強いです。]

 

 

雫「次の講義まで約1時間か...急ごう!」

 

奈々「はい!」

 

 

まだ一度も戦ったことがない2人は、疑うということを知らないのである。相手が仲の良い(と勝手に思っている)マジカロイド44なら、尚更のことであった。

 

 

……………………………

 

 

ヴェス「この辺りか...マジカロイドさんはどこにいるんだろう?」

 

シスターナナ「呼んでみましょう。マジカロイドさん!」

 

ヴェス「いたら返事してください!.....‼︎」

 

「うわぁぁぁぁぁ‼︎」バリバリバリ

 

シスターナナ「⁉︎」

 

マジカロイド「見た目的に...5歳くらいでしょうかね。」

 

幼女ヴェス「くそっ...」

 

シスターナナ「マジカロイドさん、どういうことですか⁉︎」

 

マジカロイド「あなた達を殺します♪」ビビビ!

 

幼女ヴェス「させない!」ドドド

 

シスターナナに向けてビームを放ったマジカロイド44であったが、ヴェス・ウィンタープリズンが魔法の壁を作って防いだのであった。

 

ヴェス・ウィンタープリズンの魔法『何もないところに壁を作り出せるよ』

 

 

マジカロイド「こんな壁、簡単に壊せますが。」ドカン!

 

幼女ヴェス「くっ...」ズザザザ

 

シスターナナ「どうして⁉︎」

 

マジカロイド「自分で考えてみては?」ビビビビ

 

シスターナナ「うううっ...」バリバリバリ

 

幼女ヴェス「許さない‼︎」ブン

 

パシッ

 

マジカロイド「一度にマイナス10歳までしか操作できないのが面倒ですが...十分ですネ。」ゴキ!

 

マジカロイド44はヴェス・ウィンタープリズンの手首を折ったのだった。

 

幼女ヴェス「ぐぁぁぁぁッ‼︎」

 

幼女ナナ「ヴェス!!負けないで!!」ズォォ

 

幼女ヴェス「奈々ありがとう!...お前は壁に挟まれろ!」

 

マジカロイド「強化したって無駄ですってば。」

 

 

シスターナナの魔法『好きな人の力をめいっぱい引き出せるよ』

 

 

ドゴォォン‼︎

 

シスターナナの力で強度が増された壁も、マジカロイドは簡単に壊したのであった。

 

 

幼女ヴェス「まさか...」

 

マジカロイド「その通り、足元の地面はサラサラの砂です。いくら魔法で強化されても砂では......ね。それにお気づきかとは思いますが、幼くなると魔力も筋力も低下するんですヨ♪」ビビビビ

 

幼女ヴェス「うわぁぁぁぁぁ‼︎」バリバリバリ

 

幼女ナナ「マジカロイドさん!もうやめてください‼︎」

 

赤ちゃんヴェス「...」

(歯がないから喋れないし、体を動かすこともできない...)

 

マジカロイド「やめませんよ。5ひく10でマイナス5になって死ぬと思いましたが、赤ちゃんになるんですね。

まぁ、無力化したので次はあなたです。」ビビビビ

 

幼女ナナ「...」バリバリバリ

(雫と同じ姿になれたのなら、もういいや...)

 

マジカロイド「あら、諦めちゃったんですか。あなた達を使って稼げなくなるのは残念ですがここで終わりです。」

 

 

昼過ぎの海の上には絞殺された2人の女性が浮かんでいたーー

 

 

メアリ「写真に撮ってきたんだねぇ...よくやったじゃないか。」

 

マジカロイド「これで手下にしていただけますか?」

 

メアリ「もちろんさ。でも、何故赤子なんだい?」

 

マジカロイド「この光線銃のおかげです。」

 

メアリ「へぇ...。でもあんたの能力で出した物はその日限りなんだろう?」

 

マジカロイド「ええ...そうなりますね。」

 

メアリ「なら、今日中にルーラの奴にその光線銃を使おうよ!あいつらにマダラを殺されたからイライラしててね...」

 

マジカロイド「それはいいですネ!グループのリーダーが幼くなれば、機能不全も同然ですし。」

 

メアリ「そうさ。今週はあの2人が死んだから、困り果てるあいつらを来週の犠牲者にする...楽しみだねぇ!」

 

 

 

続く

 

 

 




読んでくださり、ありがとうございます。

マダラ達ばかりに焦点が向いていましたが、これからは他の魔法少女の動きも活発にしていきたいです。
まぁ、ナナ達は死にましたが。
シスターナナもヴェスも自分たちがマジカロイドの金ヅルだということに気づけない時点で、甘いんですよね...。
マジカロイドとメアリはアニメでは共闘することも無くマジカロイドが死にましたが、この世界ではうまくいっているようです。実際、手を組んだ2人をもっと見たかったって方もいるんじゃないでしょうか。

生物若返り光線銃は結構チートです。光線の速度もかなり速い上、幼くなると魔力も筋力も弱まります。
また、生物加齢光線銃がないと治せません。
魔法少女は15歳固定ということで考えてますので、
赤ちゃんになったら15年経過しないと元に戻れません。
人間体は若返ってませんが、再び変身したら幼い魔法少女のままです。




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第17話:ルーラとカラミティ・メアリ

今回は長くなりました。
絵のことなんですが、当分できなさそうです。
スマホで絵を描くのは、予想以上に大変でした。


昼過ぎの地下空間、マダラとねむりんとルーラは3人で組手をしていた。

 

マダラ「もう昼か...休憩する。」

 

ねむりん「は〜い。」

 

ルーラ「はぁ......疲れた...」

 

3人はマダラの個室で、軽い昼食を食べることにした。

 

 

マダラ「お前は学校に行かないのか?」

 

ルーラ「ええ。私は元社会人よ。」

 

ねむりん「元?」

 

ルーラ「嫌なことがあって、辞めたのよ。」

 

マダラ「そうか。俺もそんなことがあったな...」

 

ルーラ「そうなの?忍の世界も大変なのね。」

 

マダラ「あぁ...そろそろ始めるか。」

 

ねむりん「うん。」

(結局、マダラさんの過去は聞けないか...)

 

ルーラ「ちょっと待って。このメールどうしたらいい?」

 

 

カラミティ・メアリ[今日午後9時、合って話をしないかい?仲間を連れてきてもいいよ。拒めばあんたの縄張り一帯を破壊する。]

 

 

マダラ「前にオフィス街を破壊した奴か...」

 

ルーラ「話って言ってるけど、マダラを倒した私を殺したいんでしょうね。縄張り一帯にはみんなの家族がいるから行かなきゃいけないわ。」

 

マダラ「俺が変化をして...」

 

ルーラ「いや、これは私たちの戦いよ。」

 

 

ルーラは珍しく熱くなっていた。それもそうである。新米の頃、自分の教育係だったメアリに初日からボコボコにされたのだから。

 

 

マダラ「止めても無駄だな。」

 

ルーラ「ええ。あなたには私を強くしてもらうだけで十分よ。それに、もし変化が解けたら全て破綻するわ。」

 

マダラ「敵が1人とは限らない。気をつけろ。」

 

ねむりん「気をつけてね...!」

 

ルーラ「ありがとう。修行お願いします。」

 

……………………………

 

マダラは5人の木分身にルーラを攻撃させ、自分はねむりんの性質変化の成果を見ていた。

 

分身マダラA「お前に足りないのはスピードだ‼︎」ブン

 

分身マダラB「俺達の攻撃を見切り、反撃してみろ」ドカ

 

分身マダラC「そんなものか?」バキ

 

分身マダラD「遅すぎるな。」ガッ

 

分身マダラE「これが実戦なら死んでいるぞ?」ドン

 

ルーラ「辛すぎ...ゲホゴホ」

(でも、この実力差は彼がいてくれるからこそね。)

 

 

マダラ「ねむりん...何故、火遁の上達が早い?」

 

ねむりん「わからないっ☆」

 

マダラ「まさか、お前.......」

 

ねむりん「ん?」

 

マダラ「何でもない...もう一度だ。」

 

ねむりん「火遁・豪火球の術‼︎」ブオオオォォォォ‼︎

 

マダラ「合格だな。次は水遁を見せてみろ。」

(わずか6時間で豪火球を覚えたか...。)

 

ねむりん「水遁・水鉄砲の術!」

 

マダラ「.....」

 

ねむりん「いくらやっても水が出ない!」

 

マダラ「やれやれ...。水遁・水天彷彿!」

 

ねむりん「地下水を汲み上げたの⁉︎」

 

マダラ「そうだ。まずはこの湧き上げた水でうがいをしろ。」

 

ねむりん「わ、わかった。ガラガラガラガラ...」

 

マダラ「そのまま腹の中でチャクラを練り上げろ。」

 

ほっぺ膨らみ ねむりん「んい」(はい)

 

ガラガラガラガラ....

 

マダラ「そのチャクラを使って、口の中の水を勢いよく吐き出せ。」

 

ねむりん「!!」ブバッ

 

ドッゴ-ン!!

 

ねむりんが吐いた水は、硬い地面に穴を開けていた。

 

 

マダラ「チャクラを水に変換するのはまだ出来ないが、水の破壊力を上げることはできるようだな。」

 

ねむりん「うん!」

 

マダラ「さっきのうがいはチャクラを水に変換させるイメージに近い。火遁でも雷遁でもこれからは自分の思った通りに分身に学ばせるといい。本体のお前は今からルーラと一緒に組手を行う。付いて来い。」

 

ねむりん「わかりました。」

 

 

3人が修行をして数時間が経過し、続々と魔法少女達が集まってきた。

 

スイムスイム「さっそく修行する。」

 

たま「ただいまです!」

 

ミナエル「あー...今から修行かぁ〜...」

 

ユナエル「あー!修行したかった!」

 

 

ミナエルとユナエルは双子なのに、性格の変化が表れていたのであった。

 

 

ルーラ「おかえり。まずは今日の夜のことを説明するわ。」

 

ルーラは午後9時からカラミティ・メアリに会わなきゃならないことを説明した。

 

 

スイムスイム「殺すの?」

 

ルーラ「私を見下したことを後悔させればそれで良いけど、向こうが殺す気なら...そうなるわね。」

 

ミナエル「マダラさん達が来れない以上、私たちで戦うしかないね。」

 

たま「うん...!」

 

ユナエル「私は大丈夫だけど、みんなは敵の弾丸を見切れるかな...」

 

ルーラ「弾丸を透過できる2人を最初に配置するわ。でも一応みんな少しでも、速度についてこれるように修行を受けるわよ!」

 

 

……………………………………

 

修行を終えた5人は、カラミティ・メアリとの待ち合わせ場所へと向かったのであった。

 

 

マダラ「行ったか。ユナエルがいるから大丈夫だとは思うが...」

 

ねむりん「...なんか心配だよ。」

 

 

2人の不安をよそに、ルーラ達はカラミティ・メアリと対峙していた。

 

 

メアリ「よく来たね。当たり前か...街を破壊されたら困るもんなぁ?」

 

ルーラ「話って何よ...?」

 

スイムスイム「...」

 

ミナエル「...」

 

メアリ「マダラを殺ったんだろ?噂の赤眼には特殊な力があるみたいじゃないか。それを寄越せって話だよ!」

 

メアリ「お断りよ。」

 

メアリ「交渉決裂だね!」ニヤリ

 

バン!バン!バン!

ルーラ達3人に弾丸が放たれた!

 

ルーラ(マダラの攻撃より遅いわね...!)サッ

 

スイムスイム(透過)スッ

 

ミナエル(透過)スッ

 

カラミティ・メアリ「私の弾丸が通じないか...。 ‼︎」

 

虎ユナエル「終わりだ!!」ブュン!

 

カラミティ・メアリ「いつの間に私の間合いに...!!」バッ

 

キーーーン‼︎

 

 

メアリは持っていたライフルでユナエルの爪を防いだが、勢いを殺しきれず吹き飛ばされてしまった。

それを見ていたルーラは即座に反応し、命令したのであった。

 

ルーラ「動くな!」

 

メアリ「なんでテメェがこんなに速ェんだよ‼︎」

 

ルーラ「さぁね。」

(彼の特訓は素晴らしいわね...)

 

メアリの端末ファヴ(ルーラ達は最近端末を切っていたから分からなかったけど、動きのキレが増してるpon!)

 

ユナエル「ルーラ後ろ‼︎」

 

メアリ「へへへっ!」ニヤリ

 

マジカロイド「受けてくださいまし。」ビビビビ

 

ルーラ「マジカロイド44⁉︎」サッ

(しまった...避けたから命令が解除されて...!)

 

メアリ「死ねよ!ルーラ!!」バン!バン!

 

ミナエル「させない!!」ヌメヌメ

 

ルーラ「ミナエルありがとう!みんな、マジカロイドの光線に気をつけて!!」

 

メアリ「うっとうしい液体だな!!」ゴオオオオオオ

 

カラミティ・メアリは背負っていた小型の火炎放射器を魔力で何倍もの火炎にした。

 

 

カラミティ・メアリの魔法『持ってる武器をパワーアップできるよ』

 

 

ミナエル「効かないよ。変身!水」ジュワー

 

メアリ「クソがぁぁ‼︎」

 

ミナエルの魔法の効果が及ばないのは、自分よりも硬い物質の硬さである。相手の使う物質に合わせて粘性の液体を変えていけば無敵なのである。

 

スイムスイム「あなたの相手は私。」

 

マジカロイド「空を飛べないあなたに言われても...。お気の毒ですが...」ビビ...

 

ユナエル「させるか‼︎」

 

マジカロイド「あら...飛ぶだけが取り柄の双子ちゃんですか?力の強い動物に変身しても落ちてしまいますよ?」

 

ユナエル「部分強化・腕!」グリズリー!!

 

マジカロイド「⁉︎」

(魔法の強化...⁉︎)

マジカロイドの光線は真逆の方向に飛び、光線を持った右手は切り落とされてしまった。

 

 

メアリ「!」ガシッ

 

「使えない部下だねぇ!最初からこうすれば良かったよ!!」ビュン!ビュン!ビュン!

 

カラミティ・メアリは空から落ちてきた生物若返り光線銃を強化し、光線の速度を上げ同時に3発打てるようにしたのである。

 

 

ルーラ「みんな避けて‼︎」サッ

 

スイムスイム「透過!!」

 

ユナエル「ミナエル、乗って‼︎」ビュン‼︎

 

スイムスイム「ぐっ...うううっ⁈」バリバリバリ

 

ルーラ達「⁉︎」

 

メアリ「馬鹿だねぇ!!光は透過できないだろうが!」

 

幼女スイム「...!」

(地面に隠れよう...)

 

メアリ「さらに強化したぞ‼︎オラアッ‼︎」ビュン!ビュン!ビュン!

 

ミナエル「優奈!これ追尾してくる!2つも来てるし!」

 

ユナエル「わかってる‼︎」サッ

 

このまま降下して光線を木にぶつければいい...そう思っていたユナエルの前に、突如マジカロイドが現れた。

 

 

マジカロイド「光線に当たっていただきますよ...」ガシッ

 

ユナエル「片腕のくせに...離せ!!」ブン!ブン!

 

マジカロイド「離しません」

 

ユナエル「うわぁぁぁぁ‼︎」バリバリバリ

 

ミナエル「変身・鏡!!くらえ!!」

 

マジカロイド「反射した...⁉︎」

 

「ぐっ...$k^♀円<Rャ‼︎」バリバリバリ

 

年齢という概念が存在しないマシンの体であるマジカロイド44は、バグを起こし地上へと落ちていった。

 

その頃地上では...

 

 

ルーラ「追尾してくるのか‼︎」バッ

 

落ちてた木の枝を光線に投げ当てたが、それでも光線は襲ってきた。

 

メアリ「馬鹿か!落ちてた時点でその枝は生物じゃない!生えてる木に当てなきゃな!あんな遠くにあるけどね」アハハハ!

 

ルーラ(光線を避けながら、あそこの木まで走るのは無理ね...)

 

幼女スイム「ルーラ!こっちまで走って!」ヒョコ

 

 

地面から顔を出してそう言うと、スイムスイムはまた地面に消えてしまった。

 

 

メアリ「こそこそ隠れてんじゃねぇ!!」バンバン!!

 

ルーラ(さすがスイムスイム...考えたわね!)

 

 

カラミティ・メアリが、モグラのように顔を出し入れするスイムスイムに気を取られている隙に、ルーラは彼女のすぐ後ろまで迫っていたのであった。

 

メアリ「⁉︎ 私の方まで光線を連れてきたのか‼︎」ビュン!ビュン!

 

バァン!バァン‼︎

 

2つの光線どうしは相殺された。

 

ルーラ「動くな。」

 

カラミティ・メアリ「へへっ...強くなったね。私を殺しなよ。」

 

幼女スイム「...言われなくても。」ツカツカ

 

ドゴォォォォン‼︎

 

ルーラ、スイムスイム「⁉︎」

 

 

遥か上空から、マジカロイド44が落ちてきたのである。

 

 

 

マジカロイド「F#*欛!....P◟ʃ$∽⌘瞻zд‼︎」

(受けとれ!カラミティ・メアリ!)

 

マジカロイド44は自身のランドセルをカラミティ・メアリに向かって投げつけた。

 

 

メアリ「なるほどね。伝えたいことはわかったよ。」

 

マジカロイド「▲^ィ♂Nг❆‼︎」

(こいつらまとめて自爆してやる!)

 

ルーラ「何なのよこいつ‼︎」サッ

 

幼女スイム「気持ち悪い...」ガキン!ガン!ドカン!

 

 

スイムスイムに殴られ続けても、マジカロイドは離れようとしなかった。

 

メアリ「命令が解かれた...逃げなきゃ!」

 

上空のユナエルとミナエル「2人とも!離れて!!」

 

たま「地下シェルターできてるよ‼︎早く!!」ヒョコ

 

ルーラ「スイムスイム!」

 

幼女スイム「うん!」

 

 

2人が地下に逃げた瞬間、地上からは激しい爆発音が聞こえた。

 

 

ルーラ「たま、いいタイミングよ。」

 

幼女スイム「ありがとう。」

 

たま「ううん、私は役目を果たしただけだよ!それより、スイムちゃん...その格好...!」

 

幼女スイム「...赤ちゃんに戻らなかっただけマシ。」

 

ルーラ「痛いところはない⁇」

 

幼女スイム「大丈夫。私は...この能力に過信していた。筋力と魔力が落ちたけど、能力的に筋力は不要かもしれない。」

 

ルーラ「ならよかった...!」

 

たま「2人とも!上でユナエルとミナエルが呼んでるよ!」

 

ルーラ「‼︎」

 

幼女ユナエル「マジカロイドがしつこくて...」

 

ミナエル「守れなくてごめんね!ユナエル!!」

 

幼女ユナエル「ミナエルは悪くないよ!命があるだけで十分!」

 

ルーラ「敵の1人を殺したとはいえ、2人を幼くさせてしまった。...私の責任よ。」

 

たま「私たちはずっとカラミティ・メアリを倒すのが目標だったんだし、みんなの責任だよ!」

 

幼女スイム「...今回は、私たちの力を示すことができた。」

 

ミナエル「そうだよ!それにあいつは爆発に巻き込まれて、左腕を失くしていたよ!」

 

幼女ユナエル「私たちの実力を知り左腕を失った今、街の破壊もできないと思う。それだけで大きな成果だよ!」

 

ルーラ「みんな、ありがとうね。」

 

 

5人が地下空間に帰ると、マダラとねむりんが料理を作って待っていた。

 

ねむりん「おかえり〜〜。......⁉︎ ユナちゃん、スイムちゃんどうしたの⁉︎」

 

マダラ「人数が欠けなかったのは見事だが、その姿は...」

 

ルーラ「後で詳しく説明するわ。食べていいかしら。」

 

マダラ「あぁ...みんなで食べるぞ。」

 

一同「「いただきます!」」

 

幼女ユナエル「ねむりん、これすごく美味しいよ!」

 

たま「うん!おいしいよぉ〜」ニコニコ

 

ねむりん「マダラさんに教えてもらったんだ〜」ニパッ

 

マダラ「...」モグモグ

 

ミナエル「マダラって女子力高すぎじゃね?」

 

マダラ「そんなことはない。」

 

幼女スイム「...私にも教えて。」

 

マダラ「あぁ、いいぞ。」

(小娘の中に幼女が2人...扉間なら喜んでいただろうな。)

 

ルーラ「みんなこの後家に帰るだろうから、今説明しちゃおうかしら。」

 

マダラ「頼む。」

 

 

ルーラはさっき起きた戦いのことを細かく説明した。

 

 

マダラ「なるほどな。カラミティ・メアリがマジカロイド44の能力を得たということか...」

 

ルーラ「マジカロイドの能力については以前、1日1つしか道具は出せなくて、ハズレが多いって聞いたけど、メアリの能力で強化されたら話は別よ...途端に凶悪な武器となる。」

 

マダラ「メアリは光線銃を得たと同時に、マジカロイドの腕も回収したのだろう?ならば、腕は再生している可能性があるな。」

 

ルーラ「私たち5人で明日、再び奴を討つ。」

 

マダラ「メアリは姿を隠し続けるだろう...そんな奴の潜伏先を探すのに時間をかけるのは得策では無い。今週末の結果発表では、自ずとねむりんの生存が露見されるのだ。そうなれば俺たちも外に出て奴を討つことができる。今は修行して強くなった方がいいんじゃないか?」

 

ルーラ「確かに...その通りね。明日も修行頼むわよ。

ごちそうさまでした。」

 

 

2人が話をしている時に、皆 食事を食べ終えていたようだった。

 

幼女スイム「...また明日。」

 

たま「また明日ねぇ〜」

 

ミナエル「優奈、私たちも帰ろ?」

 

幼女ユナエル「いやだよ。」

 

ミナエル「何で⁉︎しばらく家に帰ってないでしょ⁇」

 

幼女ユナエル「体術がメインの私は、幼くなって弱くなった。ここで遅くまで修行したい!」

 

ミナエル「...! わかったよ。家のことは私に任せて、修行頑張ってよね。 マダラ!ちゃんと優奈のことを強くして安心させなさいよ!!」

 

マダラ「あぁ。」

 

ルーラ「みんな、気をつけて帰りなさい!」

 

ねむりん「...あれ、ルーラさんも泊まるの?」

 

マダラ「ほう...」

 

ルーラ「そうよ!ここは()()()()()()()の拠点でしょ!」

(家に帰っても1人だから...なんてことは言えないわね。)

 

幼女ユナエル「ルーラもまだ修行したいんでしょ?」

 

ルーラ「そうよ。マダラ、よろしくお願いするわ!」

 

ねむりん「私も修行する!」

 

マダラ「いいだろう!!」

 

 

…………………………………

 

 

修行をしてから2時間が経過し、時刻は午前0時となっていた。

 

ねむりん「もう無理...10倍の疲れが......」

 

マダラ「ねむりん、部屋で眠っていいぞ。」

 

ねむりん「そうする〜〜...」ウトウト

 

マダラ「ルーラとユナエルは...まだやるのか?」

 

ルーラ「ええ!!」

 

幼女ユナエル「はい!」

 

 

そして1時間後...

 

 

ルーラ「もうそろそろ、休むことにするわ...」

 

マダラ「あぁ、よく休め。ユナエルはまだやるのか?」

 

幼女ユナエル「はい!よろしくお願いします!」

 

 

それから2時間、ユナエルとマダラは戦い続けた。

 

マダラ「まだやるか?」

 

幼女ユナエル「まだ...お願い.......します。」フラフラ

 

マダラ「無理をするな。部屋で眠れ。」

 

幼女ユナエル「zZZ」スヤスヤ

 

マダラ「しょうがない奴だな...」

 

マダラはユナエルを担ぎ、ユナエルの個室までの道を歩いていた。

眠っているユナエルを起こさないようにという配慮からか、俗に言うお姫様抱っこの形となっていた。

 

 

ねむりん(喉かわいちゃった...)テクテク

 

「うわぁ⁉︎」

 

 

マダラ「ん?」

 

ねむりん「びっくりした‼︎」

 

マダラ「そうか、すまん。」

 

幼女ユナエル「zZZ」

 

ねむりん「ユナちゃん、疲れて寝ちゃったんだね〜」

 

マダラ「あぁ。困った奴だ。」テクテク...

 

ねむりん(マダラさんにお姫様抱っこされるユナちゃん、羨ましいなぁ〜。...あれ?何だろう...この気持ち............)

 

 

 

続く

 




読んでくださった方、ありがとうございます。
扉間がロリコンなのは、ナルトスのネタからです笑

激動の1日でした。シスターナナとヴェスとマジカロイドの3人が死にました。

マジカロイドは片腕を失い、一時的なバグの影響で声も出せなくなり、地面に叩きつけられ敗北を確信し、自爆という道を選びました。

だんだんと、ねむりんの心に変化が現れはじめます。


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第18話:うちはの力と写輪眼

マダラ達が眠りについたその数時間前、とある廃ビルには片腕を失った女がいた。

 

メアリ「この腕を持ってきて正解だったね...。あいつは死んじまったけど、私がこのランドセルを持っている以上腕の変身は解かれないみたいだ。」

 

メアリが見ているのは、マジカロイド合金で出来ているとされる、マジカロイド44の腕だった。

 

メアリ「いい義手になるね...」ニヤリ

 

ファヴ「まさか持ち帰ってくるなんて、思わなかったpon。爆発が起きて腕が無くなるなんて、どうして分かったpon?」

 

メアリ「‼︎ ...たまたま入手したのが右腕だったから、逃げる時は左を庇った...それだけのことだよ!」

 

ファヴ「戦い慣れてる魔法少女は、発想が素晴らしいpon!」

 

メアリ「戦い慣れてるっていえば、あいつらも相当だったね...」

 

ファヴ「ルーラ達に復讐したいpon?やめておいた方がいいpon、ルーラ達の統率はかなりのものだpon。」

 

メアリ「くそっ...!!」

 

ファヴ「腕が完治してランドセルからチート性能の武器を選ぶことができたら、勝機はあるpon!」

 

メアリ「当分は、安静だね...」

 

ファヴ「お大事にだpon♪」

 

 

そして時は流れ、今は火曜日の早朝である。

 

マダラ「3人を起こしにいくか...。1番近い部屋はユナエルか...」

 

幼女ユナエル「おはようございます。」

 

マダラ「おはよう。ねむりんを起こしにいくぞ。」

 

幼女ユナエル「はい。」

 

マダラ「ねむりん、起きろ。」

 

幼女ユナエル「ねむりん!起きて!!」モフッ!

 

ねむりん「ううっ...わかったぁ...」ムニャムニャ

(昨晩のマダラさんとユナちゃん見たら、眠れなくなっちゃったよ...)

 

ルーラ「...おはよう。」

 

マダラ「あぁ。起こしにいく手間が省けたな。そろそろあいつらも来るだろう。

 

ルーラ「ちゃんと起きたかしら...。ふわぁー...」

 

マダラ「あくびか.....眠いのか?」

 

ルーラ「朝はみんな眠いのよ...」

 

 

ゾロゾロゾロ...

 

たま「眠いよぉ...」

 

幼女スイム「...眠たい」

 

ミナエル「眠すぎる...」

 

ねむりん「ねむい...」

 

マダラ「だらしない奴らだな...」

 

幼女ユナエル「よろしくお願いします。」

 

マダラ「お前は大した奴だ。」アタマ ポンポン

 

幼女ユナエル「恥ずかしいです...///」

 

ねむりん(マダラさんは、ユナちゃんに優しい気がするよ...。そりゃ、負い目を感じるのは分かるけどさ。)

 

マダラ「ねむりん、お前は10人の影分身に何をさせるか考えて、命令を与えておけ。」

 

ねむりん「うん!」

 

マダラ「ユナエルとスイムスイムは俺本体が、小柄な体格に合った戦術を教え込む。後の者は、俺の分身15体と忍組手だ。」

 

ねむりん(前は私とマンツーマンで教えてくれてたのに...。忙しいのは分かるけど寂しいよ......なんかマダラさんが遠くに離れていってる気がするよ......)

 

ミナエル「ねむりん、今日元気なくね?どうした?」

 

ねむりん「眠たいだけだよ!大丈夫!」ニコッ

 

たま「一緒に頑張ろうね。ねむりん!」

 

ねむりん「うん!」

(あなた達が助けてくれたのは感謝してるけど、そのせいでマダラさんは忙しくなったんだよ...)

 

 

修行が始まっても、ねむりんは集中していなかった。

組手では誰よりも攻撃を受け、水遁の練習も何も進歩しなかった。

 

マダラ「そろそろ学校の時間だな...簡単な朝食を作っておいたから食べて出発しろ。」

 

ミナエル「なんか、優奈がマダラのことを好きになった理由が分かった気がするよ。」

 

幼女ユナエル「恥ずかしいよ...!」

 

ねむりん「...」

 

たま「///」

 

幼女スイム「...ミナエルもマダラさんのこと好きになったの?」

 

ミナエル「別にそんなんじゃないし‼︎」

 

ルーラ(こういう小さな優しさの一つ一つが、嬉しいのよね。みんなが来るまで夕食を食べずに待っていたり、洞窟を掃除してくれてたり、地下水を使ったシャワールームを作ったり...みんなが心を開くのも近いかもね。)

 

ねむりん(やっぱり、ユナちゃんはマダラさんのこと好きなんだね。私も...好きだよ........)

 

ルーラ「ちゃんと夕方には帰ってきなさいよ!」

 

ミナエル達「「はーい。」」

 

 

マダラ「3人だけになったか...ルーラは俺の分身と戦っておけ。ねむりん、話がある。」

 

ねむりん「うん...」

 

 

個室にて

 

マダラ「さっきの修行...どうした?お前らしくなかったが...」

 

ねむりん「ごめんなさい。」

 

マダラ「悩みがあるなら聞くぞ。」

 

ねむりん「あのね...ルーラさん達を仲間にした必要が、無いんじゃないかなって思って...」

 

マダラ「クラムベリーは俺とお前2人だけでは倒せん。あいつらの力が必要だ。」

(ねむりんのチャクラが増幅したと思えば...突然どうした...?)

 

ねむりん「今の私なら...ね。」

 

マダラ「何が言いたい...?」

 

ねむりん「みんなの修行に力を分散させるより、私1人に修行を集中させた方がいいに決まってるよ!」

 

マダラ「仲間は多い方がいい。1人では出来ないこともある。俺とお前がキャンディを集めた時のようにな。」

 

ねむりん「その頃は私のことをよく見てくれたのにね。」

 

マダラ「今だってお前のことを考えている。この後の修行はお前との修行をメインにするつもりだ。」

 

ねむりん「でも、ユナちゃんといる方が楽しそうだよ...」

 

マダラ「そんなことはない。」

 

ねむりん「もういいよ...私は今日から1人で生きる。」

 

マダラ「そうか...............いつでも戻って来い。」

(何を言っても無駄だな。俺が里を抜けた時、柱間もこんな気持ちだったのかもな...)

 

ねむりん「...」ザッ

 

ルーラ「ねむりん待って!!どこにいくの??」

 

マダラ「無駄だ。」

 

ルーラ「どういうこと⁉︎」

 

マダラ「あいつは...」

 

 

ねむりん(どうして好きって言えなかったんだろう。それが言いたかっただけなのに...!独り占めしたいわけじゃない...一緒にいれるだけで幸せなのに。自分が変だよ...)

 

 

走り去るねむりんの眼は紅くなっていたーー

 

 

 

マダラ「...おそらく、うちは一族の身体になっている。」

 

ルーラ「⁉︎」

 

マダラ「夕方、みんなが来た時にまとめて説明する。」

 

ルーラ「わかったわ...」

 

…………………………………

 

ミナエル「ねむりんがいないよ?どういうこと?」

 

幼女ユナエル「ねむりん...」

 

ルーラ「マダラ、みんな来たわよ。説明してくれる?」

 

マダラ「あぁ。見ての通り、ねむりんがここを去った。前にねむりんが、六道仙人から力を授かったと言っていたのを覚えてるか?あれはおそらく“うちは”の力だ。今頃は写輪眼を開眼しているかもしれん。」

 

幼女スイム「マダラさんと同じ力...」

 

たま「どうして、うちはの力...?」

 

マダラ「六道仙人は少ない力でねむりんの強化を施すために、俺のチャクラを基にした。うちはのチャクラを最も効率的に活用できるのはやはり...うちはの身体でしかない。

つまり...六道仙人はねむりんの身体を変えたということだ。

しかし、うちはの力は強大だが、同時に精神を蝕んで闇の中にとらわれるようになる。その闇が深ければ深いほど強い力を得るというわけだ...。俺と最後に話したねむりんは凄く不安定だった。」

 

ルーラ「どうして止めてあげなかったのよ!」

 

マダラ「うちはの強いチャクラは脳を支配する。...何を言っても通じん。それにあいつが何を考えてるか、分からないしな。」

 

幼女ユナエル「私のせいだよ。私が幼くなったからあなたと普通に話すだけでも、甘えているように見えてしまう。ねむりんは...あなたのことが好きなんだと思う。」

 

マダラ「‼︎ なるほどな...あいつがみんなといることを拒んだのが、本心じゃないのは分かっている。だから俺はあいつが戻るのを待つことにする。反対する者はいないか?」

 

たま「反対なんてしないよ!」

 

ルーラ「ええ。」

 

幼女スイム「私も反対しない。」

 

ミナエル「私も待つ!思春期はみんな来るし!」

 

幼女ユナエル「うん、ねむりんを待つよ。」

(私のせいでもあるもん...)

 

マダラ「...ありがとう。」

 

 

 

一方、魔法の国・魔法図書館にて

 

 

クラムベリー「チャクラについて記述された本は、数千冊を超えますか...魔法の国がいかにチャクラを求めていたかが窺えますね...」

(どれもこれも五大性質変化や基礎的な忍術のことばかり...使えない先人達ですね。)

 

 

 

その頃、ねむりんは窓ガラスに映った自分の目に驚いていた。

 

ねむりん「⁉︎」

(目が赤い...この三つ巴.....マダラさんと同じだ。写輪眼って言うんだっけ。今まで見えないものが見える気がする...)

 

 

そんなことを考えながら、ねむりんは1人森の中に消えていった。

 

 

 

続く

 

 

 

 




予想していた方もいるかもしれませんが、六道仙人がねむりんに与えた力はうちはの力です。
彼は
精神が蝕まれた時は、みんなが魔力を与えてくれて助けたことを思い出せって言っていましたが、
残念ながら、ねむりんは忘れてしまっているようです。
そりゃそーです。寝たら大抵のことは忘れますよね。


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第19話:ねむりんvsハードゴア・アリス

タイトル通りです。タイトルがネタバレしてますね。


時刻は午後7時。とても深い森の中にねむりんはいた。

 

木遁・四柱家の術!

 

ねむりん(見張りもつけるか...)

 

木分身の術!

 

ねむりん「この湧き上がる力...素晴らしいな。マダラ...私がお前を屈服させてやるよ...」ツカツカ

 

 

六道仙人から授けられたうちはの体は、あまりにも強烈に体内のチャクラと結びつき、ねむりんの人格は別人のようになっていた。

 

 

ねむりん「そしてお前の全てを喰らい...我の力としよう。マダラァァ....」フルフルニィィィィ‼︎

 

 

マダラのチャクラを基にしただけあってか、ねむりんの思考回路はかつての彼と同じであった。

 

 

ねむりん(だが、奴の輪廻眼は驚異だ...。今戦ってもこちらが負けるのは必至だろう。あれを習得するしかないな。)

 

影分身の術‼︎

 

ボボボボボボボボボボ.......ン‼︎

 

 

数千人を超える影分身がそこにいた。

 

 

ねむりん「一体あたりの戦闘能力は0に近いが、これなら数十年の修行を数日に短縮できるな...」

 

 

ギュイイイイイイィィィィィン... ドカン! バキバキバキ.......

 

 

派手な忍術を好むマダラから忍術の基礎を教わったねむりんは、忍ぶということを知らないのである。

当然、森からは凄まじい音が響いていたが、クラムベリーは魔法の国にいるので気づかれずに済んだようだ。

 

 

 

その頃、廃寺地下空間ではチーム・ルーラが話をしていた。

 

ルーラ「マダラ、落ち込んでるわね。」

 

たま「うん...」

 

幼女スイム「今のうちにルーラの配下にするの?」

 

ルーラ「...しないわ。私は彼と本当の仲間になりたいと思い始めたの。私たちがこんなに結束できたのは、お互いの思いを打ち明けて対等な関係になれたからだと思うの。」

 

ミナエル「確かにルーラが変わって、私達も変わろうと思った。」

 

幼女スイム「うん。」

 

ルーラ「マダラが落ち込んでいるからこそ、支えてあげるべきだと思わないかしら。」

 

幼女ユナエル「ルーラ...‼︎」

 

ミナエル「ほんと、ルーラは変わったよ〜。私は賛成!」

 

たま「私も賛成!」

(マダラさんともっと仲良くなりたいな...。マダラさんは私のことを期待してくれてて嬉しかったもん。)

 

幼女スイム「私も賛成。」

(彼といる間は、強くなれて死ぬこともない...。)

 

ルーラ「みんな賛成してくれてよかったわ。今日は私たちが夕食をご馳走して彼を休ませましょう!」

 

一同「「うん!」」

 

 

それからルーラ達はみんなで料理を作っていた。

出来上がった頃、部屋で塞ぎ込んでいたマダラが現れた。

 

 

マダラ「何をしている...?夕食か...今から作る。」

 

ルーラ「ったく...見てわからないの?」

 

幼女ユナエル「みんなで作りました。」

 

たま「元気出してねっ」

 

ミナエル「は、早く座りなさいよ!」

 

幼女スイム「...食べて。」

 

マダラ「たくさん作ったな...。いただきます。」パクッ

 

たま「あ、それ私が作ったやつだ。おいしいですか?」ジ-

 

マダラ「あぁ。美味い。」

 

ルーラ「私が作ったのも食べなさいよ?」ジ-

 

マダラ「わかっている。」

 

幼女ユナエル「これも食べてください。」ヒョイ

 

幼女スイム「私のも。」ヒョイ

 

ミナエル「あ、それ私が作ったやつ。おいしい?」

 

マダラ「あぁ...。お前らも座ってみんなで食べないか?1人じゃ食べきれなくてな。」

(見られていると落ち着かん...)

 

ルーラ「わかったわ。.....あら、たまの作った料理、美味しいじゃない!」

 

たま「えへへ、ありがとう。」

 

ミナエル「マダラ、明日も私たちが作るからね!」

 

マダラ「気を遣わなくていい。」

 

幼女ユナエル「そんなこと言わないでください。家族なんですから。」

 

幼女スイム「...家族?」

 

マダラ「ユナエル...余計なことは言わなくていい。」

 

ルーラ「聞かせてもらえるかしら。」ニヤニヤ

 

マダラ「...好きにしろ。」

 

幼女ユナエル「マダラさんは、私とねむりんの3人でいる時、家族といるみたいだって思ってたんだよ。だから、今はみんなも家族なんだよ。」

 

ルーラ「なんか、意外ね。」ニヤリ

 

たま「私、家に帰っても居場所ないから、嬉しいよぉ...」ポロポロ

 

幼女スイム「家族...」

(これはこれでいいのかもしれない。)

 

ミナエル「お父さんと娘達って感じかな?」

 

たま「こんなかっこいい人がお父さんなら嬉しい。」

 

ルーラ「お父さんね...まぁ、確かにそんな感じするわ♪」

 

マダラ「特に役割は決めてなかったが、お前達が娘でいいならそれでいい。」

 

幼女スイム「...なら、ルーラは長女であるべき。」

 

ミナエル「確かに。」

 

幼女ユナエル「異議ないです。」

 

たま「うん!」

 

ルーラ「そんなに言うなら、長女でいいわよ。」

 

ミナエル「なら次女は誰がいいかな〜」

 

マダラ「決める必要あるのか...」

 

一同「ある!「あります!」「...ある。」」

 

マダラ「やれやれ...」

 

 

議論の末、姉妹の順は以下になった。

 

長女:ルーラ

次女:ねむりん

三女:ミナエル

四女:ユナエル

五女:スイムスイム

六女:たま

 

※姉妹に序列は無くみんな平等であること。

 

 

たまは自分よりも幼い2人の下だということに不満だったが、ルーラの「末っ子は誰よりも甘えられるわよ」という言葉を聞いて、快く受け入れたのだった。本当にたまは単純である。

 

 

ルーラ達がマダラを励ましている頃、黒い魔法少女は山の向こうから微かな音がするのを聞いて、その方向へ歩いていた。

彼女がそこに着くと、無数のねむりんがいた。

 

 

アリス「‼︎」

(彼女はねむりん...?死んだはずじゃ...)

 

分身ねむりん「誰だ?」

 

アリス「私はハードゴア・アリス。白い魔法少女を探している。...何故あなたは生きているの?」

 

分身ねむりん「それを知ってどうなる?」

 

アリス「別にいい...興味ないから。私が知りたいのは白い魔法少女のことだけ。」

 

アリスの端末ファヴ(どうしてねむりんが生きてるpon⁉︎それにこの分身は忍術だpon⁈)

 

分身ねむりん「スノウ・ホワイトのことか?」

 

アリス「そう。どこにいるのか教えてほしい。」

 

分身ねむりん「今はルーラ達に捕らえられているぞ?返してもらうのは無理だと思うがな。」

 

アリス「力づくで返してもらう。」

 

分身ねむりん「ハハハハハ...!残念ながらお前じゃ無理だ。」

 

アリス「なぜ無理なの?」

 

分身ねむりん「ルーラ達は強いからだ。」

 

アリス「ルーラ達のことを知ってるなら、弱点を教えて。」

 

分身ねむりん「面倒臭い奴だな...。私の存在もバレたし、殺した方が良さそうだな...」

 

アリス「...殺せるものなら殺してみてよ。」

 

分身ねむりん「自信があるようだな...」

(こいつに勝てないようでは、マダラにも勝てないな...)

 

ボン‼︎

 

メアリ「分身が消えた...。」

 

ねむりん「本体の私はここだ。かかって来い!」

(数千人の分身でかなりチャクラを消費したな...)

 

メアリ「...」

 

ねむりん「...もういい!私からやる!雷遁・雷皇剣!」

 

ズバッ‼︎

 

 

ねむりんの雷の剣は、ハードゴア・アリスを真っ二つにした。

 

 

ねむりん「なんだ、もう終わりか...」テクテク

 

 

だが、2つに裂かれたアリスの体はゆっくりと動き出し元の体を形成すると、ねむりんに襲いかかった!

 

 

ねむりん「⁉︎」

(ぐっ...これは木の枝か...)

 

 

ねむりんの腹は木の枝に貫かれていたが、柱間細胞が傷を修復したのだった。

 

 

アリス「...丈夫ね。」

 

ねむりん「...お前もな。もう同じ手は食らわんぞ。火遁・火龍炎弾の術!」

(全て燃やし尽くせば、死ぬだろう。)

 

ゴゴゴゴゴゴゴ....

 

ファヴ(端末が燃えてるpo...)ブツ!

 

 

戦いの行く末を見たかったファヴだが、端末ごと燃やされた為にそれは叶わなくなってしまったのだった。

そして炎が消えた時、ハードゴア・アリスの体だったであろう肉の一部は活動を再開していた。

 

 

ねむりん「恐ろしい生命力だ。」

 

火遁・炎弾の術!

 

 

肉は全て蒸発して消えていた。

 

 

ねむりん「やっと死んだか...」フラフラ

(チャクラが切れそうだ...)

 

 

しかし、蒸発した煙どうしが集まりハードゴア・アリスの体を形成し始めていた。

 

 

ねむりん「...!」

(奴の能力は不死身の能力か...。私の幻術なら魔力の乱れを生じさせることができる。乱れた魔力なら回復もできないだろう...)

 

 

ハードゴア・アリスの魔法『どんなケガをしてもすぐに治るよ』

 

 

 

アリス「あなたはもう、フラフラですね。」ズズズズ...

 

ねむりん「回復してすぐのところを悪いが...写輪眼!」ギン

 

アリス「⁉︎」

(夢...?)

 

ねむりん「夢を見ながら殺されるんだから、ありがたく思え。」ズバッ!

 

 

ねむりんの手刀は、ハードゴア・アリスの首を刎ねた。

 

 

ねむりん「...終わった。」

 

 

ねむりんがハードゴア・アリスの首を見つめている時、首が少しずつ動き始めていた。

 

 

アリスの首「」ズズズズズ...

 

 

ねむりん「なんて奴だ...もうチャクラが...」

(このままではこいつに負ける...!どうすればいい。奴の体が元に戻れば夢は覚めるだろう..........。......夢?そうか、相手が夢を見てるなら、あれをやってみる価値はありそうだ。)

 

 

ねむりんは、かつてマダラに尋ねられたことを思い出しながら、目の前の敵が見ている夢に入り込んだ。

 

 

ねむりん「...お前の夢は暗いな。お前の父親が妻を殺したことで、クラスメイトからいじめられているのか...」

 

アリス「⁉︎」

 

ねむりん「せめて、明るい夢を見せてやるよ。」ズオオオ...

 

 

ねむりんが空間に手をかざすと、クラスメイト達はスノウ・ホワイトになった。

 

アリス「‼︎ スノウ・ホワイト...なのね?私はあなたに助けてもらった。鍵を無くして困っていた私にあなたは...」

 

スノウ・ホワイト「言わなくても分かるよ。疲れたでしょう?ゆっくりお休み。」ニコッ

 

アリス「わかった........」

 

 

夢の中のアリスは静かに息を引き取った。

 

 

 

ねむりん「老衰死なんて優しすぎたか。まぁいい...現実はどうなってるんだろうか...」

 

 

ねむりんは静かに目を開けた。

 

 

ねむりん「!」

 

 

ねむりんは驚いた。

何故なら、変身を解かれた少女が笑みを浮かべながら眠っていたからである。

 

 

ねむりん「何をしても起きない植物人間ということか...。一応、念のために捕らえておくか...」

 

木遁の家に入ったねむりんは彼女を床に降ろすと、すぐに横になり目を閉じた。

 

 

(疲れたな.....だが、私の魔法がこんなにも強かったとは。予定変更だな..............)

 

 

 

続く

 

 




読んでくださりありがとうございます。

ねむりんのやっていることは、マダラの真似が多いですね。
家を作ったり、見張りをつけたり、敵を捕らえたり...

ねむりんがファヴ相手にマダラの真似をしていた伏線的なものも回収できそうです。

それにしても、ルーラは本当にいい子になりました。


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第20話:マダラの過去

マダラの過去を長々と書いてますが、ほぼNARUTOの原作通りなので速読してもらって構いません!


ねむりんが戦いをしていた頃、マダラとルーラ達は楽しく会話をしていて、気づけば数時間が経っていた。

 

 

マダラ「そろそろ帰宅する時間だな。敵に見つからずに気をつけて帰れ。」

 

一同「.........」

 

マダラ「どうした?」

 

幼女スイム「...ここに泊まる。」

(あの家族といる時はこんな感情なかった...。他人を蹴落として偉くなれって、お父さんはいつも言ってた。でも、マダラさんは違う。それにずっと欲しかった姉妹ができた。こっちの方がいい...。)

 

たま「私も泊まる!」

(家に帰っても優秀な弟と比べられて辛いもん。)

 

マダラ「そうか。」

 

ミナエル「今日は私が泊まるから、ユナエルは家のこと頼んだよ。」

 

幼女ユナエル「いやだ...。」

 

ミナエル「交代でしょ?街が破壊されて家族が怪我してもいいの?」

 

幼女ユナエル「でも...」

 

ミナエル「それなら...」ジ-

 

マダラ「...何だ?」

 

ミナエル「家の近くに分身を置いて欲しいなぁ〜?」ウワメヅカイ

 

マダラ「...しょうがない奴だな。」

 

ミナエル「やった!」

 

幼女ユナエル「ありがとうございます。」

 

マダラ「どうせ修行するなら、全員の方がいいだろう。」

 

ミナエル「」

 

幼女ユナエル「頑張ろう!お姉ちゃん!」

 

ルーラ「ほんと、相変わらずね。」フフッ

 

 

それからはみんなで修行をした。

時計が0時を過ぎて修行を終えた時、マダラは口を開いた。

 

 

マダラ「お前らに柱間細胞を埋め込む。」

 

たま「橋...ラマ?」

 

ルーラ「前から気になっていたのよね...教えてくれるかしら。ユナエルの腕にも使われているのよね。」

 

幼女ユナエル「詳しく聞きたいです。あなたの生きた時代や起きたことも全て。」

 

ミナエル「うん。忍の世界の話...聞いてみたいかも。」

 

幼女スイム「聞きたい。」

 

マダラ「そうだな...もう、お前達を信用して全て話してやろう。俺の写輪眼の中で説明する。全員、変身を解いてくれるか?」

 

幼女ユナエル「はい。」

 

ミナエル「ちょ、ユナエルは抵抗なさすぎっしょ!マダラ、なんで?私達でさえお互いの変身前を知らないのに...」

 

マダラ「とても長い話になる。それなら幻術世界で説明する方がいい。変身を解けと言ったのは、そうしないと幻術にかけることができないからだ。」

(...これでお互いの変身前を知り、結束力は増すだろう。)

 

ミナエル「で、でも...」

 

ルーラ「もう、お互いの変身前を見せてもいいんじゃないかしら。本当の仲間...家族、本当の信頼っていうのは、ここから始まると思うの。」

 

幼女スイム「...確かに。」

 

たま「うん!もう隠す必要ないよね!」

 

ミナエル「そうだね。わかったよ!」

 

マダラ「礼を言う。」

 

写輪眼‼︎ ギン!

 

早苗(ルーラ)「あれ...」クラッ

 

…………………………………

 

綾名(スイムスイム)「...頭がいたい。」

 

珠(たま)「あれ、スイムちゃんって小学生だったの?」

 

綾名「うん。」

 

早苗「たまは、あまり変わらないわね。」

 

珠「自分に似たアバターにしたよぉ」

 

美奈「ルーラは凄く頭良さそう!」

 

早苗「そうかしら?ありがとう。」

 

優奈「なんか新鮮だね。」

 

綾名「不思議な気分。」

 

マダラ「そろそろいいか?」

 

美奈「あ、ごめん!ねぇ、これってどういう原理?」

 

マダラ「幻術の中のお前達に同じ映像を見せているだけだ。あたかも隣にいるように見えるが、実体ではないから触れることはできない。」

 

美奈「たしかに...触れないわ。」スカッ

 

珠「えへへ〜面白いねぇ」スカッ

 

マダラ「ったく...始めるぞ。今見えてる少年は幼き日の俺だ。この時代の忍界は“戦国時代”と呼ばれる争いの絶えない時代だった。この時代にも国という概念はあったが、争っていたのは領土を押し拡げようとする一族どうしのものだった。俺は数ある一族の中で最強とされた二つの一族の一つ...うちは一族の長の長男として生まれた。」

 

優奈(小さい頃のマダラさん、かわいい...)

 

早苗「2つ?」

 

マダラ「そうだ...もう一つは千手一族という。今見えている少年が千手柱間。奴も千手という一族の長の長男として生まれた。」

 

美奈「千手一族はみんな木遁が使えたの?」

 

マダラ「いや、木遁を使えた忍は柱間だけだ。柱間もこの時は木遁を覚えていなかった。話を戻すか...俺と柱間はある時、河原で出会い友となった。お互い、苗字は隠していたがな。」

 

珠「そっか、一族がバレたら戦いになるのか...」

 

マダラ「そうだ。お互いに幾度と無く修行をし、争いで子供が死ぬことのない世界を作るため強くなった。そんな時だった...お互いの姓がバレてしまったのは。俺は平和の実現は不可能だと諦め、その時写輪眼を開眼した。それから俺と柱間は何年もの間、戦い続けた。」

 

そう言うと、マダラと柱間、イズナと扉間が激しい戦いを繰り広げる映像が流れ始めた。

 

 

綾名「凄い戦い...」

 

マダラ「俺が大人になる頃には千手一族が優勢であり、うちは一族の中には千手に亡命する者が現れ始めた。そしてこの映像の通り、弟イズナは柱間の弟 扉間の一撃によって深い傷を負ってしまう。その頃の俺の万華鏡写輪眼は失明寸前であり、俺は言い伝えに従って弟の眼を移植し、永遠の万華鏡写輪眼を手に入れたというわけだ。」

 

早苗「永遠の万華鏡写輪眼?失明?」

 

マダラ「うちは一族は愛の喪失感から写輪眼を開眼する。万華鏡写輪眼は写輪眼の上位種...目の前で親しい者を亡くした時に開眼すると言われている。万華鏡写輪眼は強力だが、その代償は大きい。自分以外の万華鏡写輪眼を移植しなければ失明してしまうからな...」

 

優奈「じゃあ、ねむりんも万華鏡写輪眼になったら失明するの?」

 

マダラ「いや、あいつには柱間細胞がある...失明はしない。続けるぞ。弟は俺に眼を託した後、扉間の傷が元で命を落とした。うちはの者はほとんどが千手に降ったが、俺は諦められず死んだ弟達の分まで戦った。しかし、俺は柱間との3日間の死闘の末に敗れてしまった。」

 

 

映像マダラ「今 弟を殺すか...己が自害して見せるか...それで相子だ...そうすりゃお前ら一族を信用してやる」

 

 

マダラ「柱間はうちはと和解する為に自害する道を選んだ。俺は迷いの無い柱間の行動に奴の心の奥...腑の中を見た気がして、奴と共に歩む道を選んだ。」

 

美奈「柱間さんって凄い人だね...」

 

マダラ「あぁ...。それから俺たちは木の葉隠れの里という枠組みを作り、国が里に対し依頼を与えて報酬を渡すという、忍管理システムを作った。これにより長年争っていた一族もまとまり、ようやく平和になった。

その里を木の葉隠れの里...その代表を火影とし、皆の要望に応え柱間が初代火影となった。

これらの忍里システムを高く評価した他国も次々と真似ていき、いつしか五里五大国と呼ばれる5つの国が出来ていた。」

 

早苗「まさか今度はその五大国が...」

 

マダラ「その通り。五つの大国は領土を押し拡げんと争いを始めた。そして厄介なことに、俺たちの世界には尾獣という生物が9体いた。尾獣は存在そのものが災厄であり、一体だけでも国一つを簡単に滅ぼすことが出来た。各国は尾獣の所有権も巡って、さらに争いは激化した。そんな時だったか...次の火影が扉間になるだろうと噂が広まっていたのは。扉間はうちはを危険視していた...奴が火影になれば、うちは一族が迫害されるというのは火を見るよりも明らかだった。だから俺は一族に里を抜けるようにと説得したが、誰も俺の言うことは聞かなかったな...」

 

珠「なんで言うことを聞いてくれなかったの?」

 

マダラ「里というシステムが出来て、うちは一族は生ぬるくなった。俺のことを、せっかく掴んだ平和を壊そうとしている狂人としか見れなかったのだろう。

俺は何処にも居場所が無くなり里を抜けた。全てが憎かった俺は、木の葉を潰そうとした。滑稽な話だな...自分が作った里なのに。」

 

優奈「そんなことないですよ...」ポロポロ

 

早苗「全てを失ったら、今度は何もかも壊したくなる気持ち...分かるわよ。」

 

マダラ「そうか...。そして俺は全力で柱間と戦った。だが奴の力は凄まじいものだった。圧倒的な回復力...それこそが柱間の生まれながらに持って宿した力であり、後世では柱間細胞と呼ばれ様々な医療に用いられている。」

 

綾名「なるほど、圧倒的な回復力か...」

 

珠「どうして柱間さんだけが持っていたんですか⁇」

 

マダラ「それは俺にも分からん。だが、奴の力はそれだけでは無い...あらゆる術がケタ違いだった。最後に俺は心臓を刺されて負けた。俺はとある忍術で死んだように見せかけて柱間達の目を誤魔化し、地下に籠るようになった。」

 

美奈「あれ?何か咥えてるよ...?」

 

マダラ「これは戦いの最中に食い千切った柱間の細胞だ。俺はそれを胸の傷に移植し生きながらえた。やがて寿命が訪れて死にかけた時...己の眼が輪廻眼であることに気づく。」

 

綾名「ねむりんが言ってた、2人の息子の力が合わさったってことですか...?」

 

マダラ「おそらくな。俺も詳しくは知らないが、俺と柱間は六道仙人の息子達の生まれ変わりだったのだろう...。輪廻眼を手にした俺はうちはの地下にある石碑へと侵入し、そこに書かれている内容に従って計画を立てた。その内容は、人類全てを幻術で操り平和にする...という俺が求めていた夢と同じだった。」

 

早苗「生まれてからずっと争いを見てきたなら、そう考えるようになるのもしょうがないわね...」

 

マダラ「無限月読というその幻術を発動するには、散らばった六道仙人の力が必要だった。さっき言った尾獣がそれだ。」

 

映像九尾「グオオオオ...」

 

珠「だから、こんなに強いんだ...」

 

マダラ「年老いた俺はその夢の賛同者2人に後を託して死んだ。後で俺を復活させる忍術を使うように言い聞かせてな...。その賛同者達は五大国と戦争をしてまで尾獣を集め、俺を復活させてくれた。そして俺は、9体の尾獣を得て六道仙人と同等の力を手に入れた。」

 

早苗「無限月読は発動したの?」

 

六道マダラ「あぁ。無限月読は確かに発動した。蘇ってまでも成し遂げたかった大願成就に俺は喜んだ。だが...その大願はある者を復活させる為のシナリオだったのだ。さっき、賛同者2人と言ったな...そのうちの1人黒ゼツという者が俺を裏切り、その復活者の魂の容れ物としたのだ。」

 

優奈「復活者っていうのは、誰なんですか?」

 

マダラ「六道仙人の母、大筒木カグヤだ。カグヤについては省略するが、黒ゼツはカグヤの分身であり、数千年もの時間を自らの母親を復活させる為だけに存在していた。その苦労も虚しく、カグヤは無限月読にかからなかったわずかな忍に封印されたみたいだがな。」

 

綾名「マダラさんはどうなったの?」

 

マダラ「体に居た全ての尾獣が抜けて、最期に柱間とあの世で盃を酌み交わすと約束し死んだ。」

 

早苗「なぜ柱間さんが居るのかしら。」

 

マダラ「戦争の時に、五大国側の忍が死者を復活させて尾獣を守った。柱間は復活させられた中の1人だった。」

 

美奈「あの世で柱間さんと会ってから、この世界に来たの?」

 

マダラ「いや、俺の魂はあの世に行けなかった。黒ゼツに利用されていた悔しさや、忍界のその後を見たいという思いが俺の魂を現世に留めたのだと思う。そして俺は、魂だけの状態で異世界の入り口からこの世界に来た。」

 

珠「いま、忍界は平和なんですか?」

 

マダラ「あぁ。俺たちとの戦争で尾獣を守るために五大国は結束し、和解した。」

 

早苗「なんで魂だけの状態だったのに、この世界では体を取り戻してるのかしら。」

 

マダラ「それは俺も考えていた。俺の輪廻眼の能力の“輪墓”は、見えざる世界から俺の分身を呼び出す力だが、この世界ではそれが使えない。もしかすると、その見えざる世界がこの世界であり、分身が俺の肉体となっているのだろうかと推測している。」

 

早苗「向こうの世界では、まだ他にも能力があったのね...。今でも十分強いのに.....」苦笑

 

綾名「輪墓の分身ってどんな分身なんですか?」

 

マダラ「輪墓の分身は六道の力が無い者には、目視も感知もできない...絶対的な力だった。」

 

綾名「...強すぎです。」

 

美奈「見えない敵ってチートだろ!」

 

優奈「確かに...」

 

マダラ「今は使えないから安心しろ。......以上が俺の人生だ。そろそろ戻るぞ。」

 

優奈「はい!」

 

珠「はーいっ!」

 

早苗「長い人生だったわねぇ...」

 

美奈「ほんとほんと。」

 

綾名「...眠い。」

 

マダラ「ん?どういうことだ...?」

 

早苗「どうしたの?」

 

マダラ「...幻術世界から戻れん。」

 

ねむりん「当たり前だ。この世界は私が掌握してるからな。全て聞いていたが面白い話だったぞ...!」

 

優奈「ねむりん⁉︎」

 

早苗「ねむりん...どうしてここに?」

 

マダラ「...」

 

ねむりん「よく知る魔力を持った奴らの空間があったから...そこに入り込んだだけだ。驚いたぞ...まさか、ただの人間に戻っているとは。」

 

綾名「目的は...?」

 

ねむりん「マダラを殺すためだ。」

 

美奈「ふざけんな!マダラさんはあんたの帰りを待っているんだぞ!!」ザッ

 

マダラ「やめろ...ミナエル。」スッ

 

美奈「なんで止めるの⁉︎」

 

マダラ「夢の世界でねむりんに勝てる奴はいない。」

 

ねむりん「さすがだな...よく分かってるじゃないか。さっそく殺してやるよ、うちはマダラ!」

 

マダラ「夢の世界で誰かを殺したんだな...」

 

ねむりん「あぁ...その通り。」

 

マダラ「...俺を殺していいのか?」

 

ねむりん「どういう意味だ。」

 

マダラ「さっきの俺の話を聞いていたなら分かるはずだ。柱間に俺が殺されそうになった時のことを思い出せ。」

 

ねむりん「! ...とある忍術といっていたな。それがどうした?私の夢で死んだ奴は、現実では再起不能だ。」

 

マダラ「俺の忍術はそれすら書き換える。そして、チャクラを持つお前の居場所を逆探知すれば...後は言わなくても分かるな?」

 

ねむりん「くっ...そんな忍術があるのか...」

(逆探知されて戦闘になれば、殺されてしまうな...)

 

マダラ「イザナギ...己の不利を書き換え、有利なことだけを現実の世界に書き換える禁術だ。さて、今すぐ消えなければ逆探知するぞ...」

 

ねむりん「...わかったよ。」スッ

 

 

ねむりんは消えていた。

 

 

マダラ「消えたか。」

 

珠「こわかった...。」

 

早苗「ねむりん...一体どうしたのよ...?」

 

美奈「変わりすぎでしょ!」

 

マダラ「戻ってから説明する。」

 

 

……………………………………

 

美奈達「便利だけど頭いたい...「変な感じ...」」

 

マダラ「みんな、目が覚めたようだな。」

 

早苗「...ええ。ねむりんのことを教えてもらえるかしら。」

 

マダラ「チャクラとは本来、親から子へ受け継がれるものだ。その時DNAなどの遺伝情報も同時に受け継がれているわけだから、子供は何の問題も無くチャクラを扱うことができる。しかし、母親の方はチャクラを子供に分配してしまい大きく弱体化してしまうがな。戦国時代に女が戦場にいなかった理由がそれだ。さっき言った大筒木カグヤは、子供達に分配されたチャクラを奪い返そうとした結果、封印されたというわけだ。」

 

優奈「なるほど...」

 

美奈「じゃあ、ねむりんとマダラは他人だから...」

 

マダラ「そうだ。ねむりんは俺から2度チャクラを渡されている。1度目は俺の精神世界に訪れた時、2度目は瀕死の重傷を負った時。この2回で結構なチャクラがねむりんに流れることになり、やがてうちはの体を手に入れ、強い喪失感を感じたねむりんの中のチャクラは爆発的に増加した。その結果、魔法少女のねむりんでさえも俺の精神エネルギーに飲み込まれたというわけだ。精神チャクラの受け継ぎは親子の性格が似るという原理になっているが、ねむりんの場合はそんな次元の話ではない。あれはまさしく、俺そのものだ。」

 

珠「なんか、ねむりん可哀想だよ...」

 

マダラ「そうだな...だが、俺たちに打つ手は無く、ねむりん自身がそのチャクラをコントロールできるようになるしかない。ユナエル、何か言いたそうだな。」

 

優奈「はい。えっと...昔のマダラさんの通りなら、柱間さんの力を欲したようにマダラさんの力を狙っているということですか?」

 

マダラ「あぁ、おそらくな。近日中にここに攻めてくるだろう。それにクラムベリーも俺たちを殺そうとしてくるぞ...それまでに強くなるしかないな。今日はもう遅い...柱間細胞を埋め込んだら体に馴染むよう眠れ。」

 

綾名「...ねむりんの魔法が怖い。」

 

早苗「ええ。狙いがあなただとしても、戦力を減らすために私たちを殺すかもしれないわ。」

 

美奈「さっきの幻術を使えば、マダラさんがみんなの夢に出てくるからねむりんも手出し出来ないんじゃないかな?」

 

珠「なるほど!」

 

優奈「すごくいい案だね!」

 

マダラ「...そうだな。さて、細胞を埋め込むから肩を出せ。」

 

…………………………………

 

 

 

(家族、そして娘か.......。生ぬるくなったのは俺の方かもな.......柱間よ。)

 

 

マダラは5人の少女達の寝顔を見ながら、そんなことを思っていたーー

 

 

続く

 

 




読んでくださりありがとうございます。

マダラのチャクラ+うちは病は驚異ですね。
当の本人のマダラは、2度死んでようやく丸くなりました。
ルーラ達はマダラの壮絶な過去を知ったことや、お互いの変身前を見たことによって本当の家族みたいになりました。


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第21話:アップデート

血継網羅は何遁なんでしょうかね...。

神遁?統遁?斂遁?輳遁?創遁?輪遁?


pipipipi...

 

端末の呼び出し音に、魔法図書館にいたクラムベリーは反応した。

 

クラムベリー「ファヴ...何か用ですか?」

 

フゥヴ「大変だpon!ねむりんがまだ生きていたpon!忍術を使っていて前よりもずっと強くなってるpon!そして、1番驚いたことは写輪眼になっていたpon!」

 

クラムベリー「...そうですか。ねむりんが生きているのかもしれないと思い、人を欺く忍術について記述された本を探していたのですが...悪用されることを防ぐためか全く見つかりませんでしたよ。ファヴが気づいてくれなければ、さらに騙されたままでした。写輪眼ということは、死んだマダラから奪ったということでしょうか。」

 

フゥヴ「分からないpon。とにかく...今すぐ帰るpon!」

 

クラムベリー「やることを終えたら、帰りますよ...」

(私を欺いたこと...後悔させてあげます。)

 

 

クラムベリーは妖しげな笑みを浮かべて、図書館を後にした。

水曜日の午前5時のことである。

 

その頃マダラ達は、全員が魔法を使ってもいいという条件で、2つのグループに分けて修行をしていた。

Aのグループはたまとルーラとユナエルの3人で、40人のマダラを相手に、主に身体強化を鍛えるというものだった。

 

 

ルーラ「体が軽い...!力がみなぎる...‼︎」ブン

 

分身マダラ「柱間細胞が馴染んだみたいだな!」パシッ ドカッ

 

ルーラ「ぐっ...」

(蹴られても前より痛くない...!)

 

たま「大丈夫⁉︎ルーラちゃん!」

 

分身マダラ「よそ見するな。」ブン

 

たま「負けない!」ズバッ

 

分身マダラ「遅い。」サッ

 

たま「避けられたぁ...」

 

分身マダラ「‼︎」

(これは...⁉︎)

 

分身マダラの万華鏡写輪眼は何かを捉えていた。

 

 

分身マダラ「風遁・真空刃‼︎」

 

ズガガン‼︎

 

分身の放った風遁は高速で動く何かにぶつかった。

 

 

たま「え?」キョトン

 

分身マダラ「魔法が強化されたみたいだな。もっとも...お前自身は気づいていないみたいだが。」

 

たま「⁉︎」

 

分身マダラ「だが、良くやったな。」

 

たま「ありがとうございますっ♪」

 

分身マダラとたまのやり取りを見て、2人が集まってきた。

 

ルーラ「どうしたの?」

 

幼女ユナエル「どうしたんですか?」

 

分身マダラ「たまの魔法が強化された。空間を切り裂き穴を開けて、真空の刃を飛ばす能力を得た。」

 

幼女ユナエル「たま!すごいね!!」

 

たま「偶然、空振りしただけだよぉ〜」

 

ルーラ「カマイタチってことね。」

 

分身マダラ「あぁ。しかも、本人が発動したことに気づかないほどに速い。味方に当たってしまう危険性があるから、コントロールする技術と目視できる動体視力を身につけさせる。たま、ついて来い。」

 

たま「はい!」

 

 

分身マダラ10人はたまの個人修行をするために、奥の方に移動した。

 

 

ルーラ「私だって強化してみせるわよ!」

 

分身マダラ「あぁ。その意気だ。」

 

 

一方、Bのグループのミナエルとスイムスイムは、マダラの本体による座学を受けていた。

 

 

マダラ「お前達は能力的に体術に特化していなくても問題ないだろう。だから、他の3人よりも身体能力を鍛えずとも魔法を応用してもらう。ミナエルは液体の劇薬に変身すれば攻守ともに完璧だが、遠距離における攻撃手段は皆無である。よってミナエルには魔力を変換し、体内から放出するコントロール技術を身につけてもらう。例えば、手を部分的に射出口に変化させ、魔力をミサイルに変換すれば遠く離れた敵にも攻撃できるだろう。」

 

ミナエル「なるほど!優奈がやってることの武器バージョンってことか!」

 

マダラ「あぁ、こんな風にな。修羅道!」

 

 

マダラの右手からカラクリのミサイルが生み出された。

 

 

幼女スイム「...⁉︎」

 

ミナエル「まだこんな能力があったのかよ⁉︎」

 

マダラ「お前もこんなことができるように強くなれ。次はスイムスイムだな...。」

 

幼女スイム「はい。」

 

マダラ「お前は水遁が使いたいと言っていたが、できるかもしれん。水化の術という全身を水に変える術だが、お前は魔法によって既にそれができていると言ってもいい。水化の術が出来るならば、精度の高い水分身ができるかもしれない。お前もユナエルと同じで魔力を分割するというイメージを持ちながら、修行をしろ。」

 

幼女スイム「はい。わかりました。」

 

 

…………………………………

 

それぞれの修行は熾烈を極めたが、学校の支度をする時間を告げるアラームが鳴り響いた。

 

ミナエル「いいところだったのに〜!」

 

たま「学校かぁ〜...」

 

幼女スイム「なんとかできた...」

 

水分身スイム「...」

 

ルーラ「! スイムスイム、これは...?」

 

幼女スイム「水でできた分身。チャクラじゃないから喋ることは出来ないけど、敵を錯乱できる。」

 

幼女ユナエル「スイムちゃん、すごい!」

 

 

そこにマダラが現れた。

 

 

マダラ「さすがだ...スイム。さて、みんな支度しろ。」

 

ルーラ以外「「はーい。」」

 

 

シャワーを浴びて体の汚れを落とす者、髪を結ってオシャレをする者、朝食を作るマダラの手伝いをする者...

こうした光景は父親と娘達の日常そのものだった。

 

 

珠「行ってきまーす!」

 

優奈「行ってきます!」

 

美奈「行ってくる!」

 

綾名「いってきます。」

 

ルーラ「行ってらっしゃい!」

 

マダラ「...行ってらっしゃい。」

(何とも可愛らしいものだな...柱間よ。)

 

 

その頃、山奥の小屋には魔法の国から戻ってきたクラムベリーがいた。

 

 

ファヴ「まさか、人工チャクラの実を口にするとは思わなかったpon...!多くの魔法使い達が力に耐えきれずに死んでしまって計画は凍結されたpon!どうして許可が下りたpon?」

 

クラムベリー「魔法忍者量産計画のことですか...?何故許可が下りたのかは、私の魔力の強さを見れば分かるでしょう?それに加えてマダラを倒して写輪眼を持ってくると伝えれば、魔法の国が許可しない訳が無い。ただし、万人に対して安全に使えるように、魔法少女になったマダラの写輪眼を渡せというのが条件でしたが。」

 

ファヴ「マダラが魔法少女になっても、クラムベリーの強さなら問題ないpon!たしか...人工チャクラの実は5種類あって、5大性質変化のそれぞれの力が使えるようになるpon?2つ以上食べると食べた属性どうしを簡単に合わせることができるけど、今まで2つ以上食べて生存できた魔法使いはいないpon。マスターはいくつ食べたpon?」

 

クラムベリー「火遁の果実、土遁の果実、風遁の果実の3つですよ...」

 

ファヴ「3つも食べて何ともないpon⁉︎」

 

クラムベリー「ええ...ですが、4つ目は肉体的に無理そうです。」

 

ファヴ「今の段階でも熔遁、爆遁、晶遁、灼遁が使えるから十分pon!マスターは誰にも負けないpon!」

 

クラムベリー「ええ...これも有りますし。」

 

キュイイイイイィィィィィィィィィィィィン‼︎

 

 

クラムベリーの手には白い立方体が浮かんでいた。

 

 

ファヴ「これは何pon⁉︎」

 

クラムベリー「塵遁っていうんですよ。私が意味もなく忍界の歴史について調べていたと思わないでください。かつて二代目土影・無は、血継淘汰と呼ばれる3つの性質変化を組み合わせていたことが分かったんです。」

 

ファヴ「魔法の国も知らないことだpon...!」

 

クラムベリー「果実を2つ食べて死ぬ人が続出し、凍結になった以上...3つ組み合わせるなんて発想は、無かったんでしょうね。」

 

ファヴ「塵遁っていうのは、どんな特性なんだpon?」

 

クラムベリー「一言で表すなら“分解”です。こんな風にね...」

 

 

そう言うとクラムベリーは、テーブルの上の要らない紙に塵遁の光を当てた。

 

 

ファヴ「紙が無くなったpon⁉︎」

 

クラムベリー「あらゆる物質を分子レベルまで分解するのがこの能力です。さて、次はこれからの運営について話しましょうか...」

 

………………………………

 

それから数時間が経過し、時刻は午後10時になっていた。

 

 

トップスピード「今日もたくさんキャンディ集めたよなー!」

 

リップル「ちっ...」

 

トップスピード「相変わらずツンデレだなー!」

 

ファヴ「お知らせだpon!」

 

リップル「⁉︎」

 

トップスピード「‼︎」

 

ファヴ「驚かせて申し訳ないpon!アップデートのお知らせメールを午前0時に送るから、ちゃんと見て欲しいpon!」

 

リップル「ちっ。」

 

トップスピード「わかった!わざわざサンキューな!」

 

 

一方、ここは廃寺地下牢

 

 

ファヴ「スノーホワイト!」

 

スノーホワイト「らぴゅせる〜♪」

 

ファヴ「やっぱり話が通じないpon...もういいpon。」

 

 

一方、ここは廃ビル

 

 

メアリ「お知らせだと?後2時間もあるのかよ!」パリン!

 

ファヴ「相変わらず血の気が多いpon...」

(ハードゴア・アリスの端末は壊れてて、携帯に連絡しても反応がない...やっぱりねむりんに捕まってるpon。次はルーラ達pon。)

 

 

 

pipipipipipipipipipi...

 

マダラ「ん?携帯が鳴ってるな...ルーラのか。」

 

ルーラ「ええ、見てみるわ。」ポチッ

 

 

ファヴ[マダラが生きてることは知ってるpon!だから、隠し事ももう無いpon?端末を起動して欲しいpon。]

 

 

ルーラ「これ...どうしたらいい?」

 

マダラ「今週、1週間は気づかれずに居たかったが...仕方ない。了承しろ。」

 

ルーラ「ええ、分かったわ。」カチッ

 

ファヴ「みんな、久しぶりだpon。」

 

幼女スイム「何の用?」

 

幼女ユナエル「何故マダラさんが生きていると知っていた?」

 

ファヴ「まぁまぁ落ち着くpon。それにしても面白い格好だpon...魔法幼女なんて」ケラケラ

 

幼女スイム「...」イライラ

 

マダラ「質問に答えろ。」

 

ルーラ「早くしてくれる?」

 

ファヴ「分かったpon。カラミティ・メアリからルーラ達が強くなりすぎていると聞いたことと、クラムベリーとの戦いの最中にルーラ達が乱入したことを結びつければ、マダラは生きてると断定できたpon。あれ?マダラの眼はちゃんと2つあるpon?」

 

マダラ「ねむりんは自力で写輪眼となった。」

 

ファヴ「でも、今はいないpon?マダラも狡猾な男だpon。ルーラ達をねむりんの代わりにしてるpon。」ケラケラ

 

マダラ「そんなイヤミを言いに来たわけじゃないだろう?」

 

ファヴ「そうpon。今から約2時間後の午前0時に、アップデートのお知らせをするpon!必ず見るpon」

 

ミナエル「なんでそんなに遅いの?今でいいじゃん!」

 

たま「うん!」

 

ファヴ「どうせ修行は遅くまで続くんだから、文句言うなpon。」ブツ...

 

 

ファヴは消えていた。

 

 

ルーラ「くそっ...カラミティ・メアリ...!」

 

マダラ「もう隠し事は出来ないのかもな。とりあえず、午前0時の報告を待つか...」

 

幼女ユナエル「はい!」

 

 

そして修行を終えたマダラ達は、午前0時に端末を起動させた。

 

たま「あれ?」

 

ミナエル「サーバーが混雑してますって出てる!」

 

幼女スイム「私のも。」

 

ルーラ「おかしいわね...こんなことは今まで無かった。」

 

マダラ「少し時間を置くしかないな。」

 

幼女ユナエル「はい...」

 

それから20分もの間、サーバーは混雑していた。

 

ルーラ「あ、やっと起動できたわ。どれどれ...」

 

 

★アップデートのお知らせ★

・キャンディ集めの最中に何らかの理由で脱落した者を、その日のうちにお知らせするようにしたよ。

 

・何らかの理由で魔法少女が脱落したら、その週はキャンディの数が最下位でも脱落しないよ。

 

・倒した魔法少女の能力を奪うことができるよ。

 

・身を守ることができて役立つアイテムを用意したよ。次のページで購入できるよ。

 

★お知らせ★

・ねむりんとうちはマダラが生きていたよ。だから、キャンディ集めの免除は取り消して、今後はその2人を倒しても免除はされないよ。

 

★質問コーナー★

Q.キャンディが最下位だとどうなりますか?

 

A.死んじゃうよ。

 

★最後に★

現在残っている魔法少女を記載するよ。

 

☆スノーホワイト

 

☆カラミティ・メアリ

 

☆クラムベリー

 

☆ハードゴア・アリス

 

☆トップスピード

 

☆リップル

 

☆ルーラ

 

☆スイムスイム

 

☆ミナエル

 

☆ユナエル

 

☆たま

 

☆ねむりん

 

☆うちはマダラ

 

 

もう今週は木曜日だから、キャンディ集めは来週からにするよ。それじゃ、頑張ってね。

 

アイテムを購入する方はこちら>>> 次へ

 

 

 

 

マダラ「やはり、最下位は死ぬか...。そして何故俺が魔法少女...?まぁいい、アイテムを購入する画面を開いてくれるか?」

 

ルーラ「ええ...。」

 

 

・透明外套 そーるどあうと

 

・元気が出る薬 そーるどあうと

 

・武器 そーるどあうと

 

・四次元袋 そーるどあうと

 

・兎の足 そーるどあうと

 

・ラピュセルの魔法 そーるどあうと

 

・ヴェス・ウィンタープリズンの魔法 そーるどあうと

 

・シスターナナの魔法 そーるどあうと

 

・人工チャクラの実(2種類しか購入できないよ) そーるどあうと

 

 

 

 

幼女ユナエル「...全部売り切れ。」

 

たま「そんな...」

 

マダラ「サーバーが混雑してると言って起動できなくなったのは、俺たちに武器を買わせない為か。この人工チャクラの実というのは...ねむりんが言ってた、魔法の国がチャクラについて研究した成果だろうな。」

 

ファヴ「その通りだpon。ルーラ達にはマダラという強力な武器があるから、武器を入手したら不公平だpon。」

 

マダラ「俺の名が魔法少女のリストに書いてあったのは何故だ?」

 

ファヴ「魔法少女たちのキャンディ集めの中に、部外者が介入するのは禁止だから、魔法少女達に命を狙わせて処理しようとしたけどうまくいかなかったpon。」

 

マダラ「あぁ、そうだったな。」

 

ファヴ「ファヴはマダラのその強さと、5人の魔法少女を従えるカリスマ性を高く評価して魔法少女にしてあげるpon。これならマダラは部外者じゃなくなり、マダラも堂々と他の魔法少女と接触できるpon。」

 

マダラ「よくわかっているな。俺の目的は...魔法少女の兵を率いることだ。でも、いいのか...?俺が魔法少女になれば、クラムベリーに攻撃が通るかもしれんぞ?」

(クラムベリーを倒し元の世界へ帰るのが目的なのは、隠しておいた方が良さそうだな。)

 

ファヴ「別に問題ないpon。ファヴは魔法少女が8人になればそれで満足pon。もちろん平和的にだpon。」

 

ルーラ「あんな書き方をしておいて、よくそんな嘘が言えるわね。あれは戦いを助長してる!」

 

ファヴ「ラピュセルを殺したルーラ達にそのことを語る資格は無いpon☆」

 

ルーラ「みんなの生きていたいという気持ちを利用して、あなたは殺し合いを望んでいるんでしょ?」

 

黒ファヴ「何度も言わせるな。俺は8人になればそれで十分なんだよ。お前達が殺し合いを始めたから、身を守るアイテムを与えてやっただけ...むしろ感謝して欲しいね。」

 

マダラ「!」

(凄い気迫だな...)

 

ルーラ「‼︎」ゾクッ

 

幼女スイム「...」

 

たま「」ガタガタ

 

マダラ「あぁ、感謝してるぞ。こいつは8人に減らすためなら何をしても許してくれるんだから気が楽だ。まぁ、俺たち7人が生き残るから、他の魔法少女は大変だな。」

 

ファヴ「さすがマダラだpon!端末を起動させれば、変身できるようにしたpon☆それじゃ、頑張るpon。」

 

 

ファヴは黒い笑みを浮かべて消えていった。

 

 

マダラ「馬鹿げている...。俺たちで一刻も早くクラムベリーを討たねばならんな。」

 

ミナエル「うん!」

 

ルーラ「ええ。」

 

幼女ユナエル「はい!」

 

たま「はい!」

 

幼女スイム「はい。」

 

 

 

続く




読んでくださりありがとうございます。
他の魔法少女達も大幅に強化されました。

それにしても、ファヴは憎たらしい。笑


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第22話:氷遁の脱走者

時刻は少し遡り、ここは午前0時の上空である。

 

 

トップスピード「何なんだよ...これ。死んじゃうよって何だよ‼︎ここに書かれてない魔法少女はどうなったんだよ...!」

 

リップル「おそらく...死んだ。これからは戦わないと生きていけないのかもしれない。」ピッ ピッ

 

トップスピード「なんでそんなに冷静なんだよ!アイテムなんて買うなよ!向こうの思う壺じゃないか‼︎」

 

リップル「じゃあこのまま死んでもいいのかよ‼︎」

 

トップスピード「っ...!」

 

 

普段は無口で感情を表に出さないリップルが、初めて声を張り上げて怒ったのであった。

 

 

リップル「すまん...つい感情的になった。」

 

トップスピード「いや、私が間違っていたかもな。一緒に戦ってくれるか?」

 

リップル「何を今更...コンビだろ。」

 

トップスピード「よっしゃ!アイテム買うか!えっ...なんだこの数字...」

 

ファヴ「それは消費する寿命だpon。」

 

リップル「テメェ、よく私たちの前に出てこれたな。」スチャ

 

闇のゲームの主催者であるファヴに手裏剣を構えるリップル。彼女は鋭い目つきで睨みつけているが、目の前の生物はそれを嘲笑うかのように言葉を発した。

 

 

ファヴ「こんなことをしていいpon?早くしないと他の魔法少女にとられちゃうpon☆」ケラケラ

 

リップル「ちっ...」

 

トップスピード「...わかったよ。私はこの2つを買う。」

 

 

トップスピードはシスターナナの魔法と、武器を購入した。

 

ファヴ「シスターナナの能力を選ぶとは、コンビという強みをよく理解しているpon。武器は5種類から好きなものを選んでいいpon。」

 

トップスピード「これを買う!」

 

ファヴ「効果は使ってからのお楽しみpon。」

 

リップル「私はこの2つ...」

 

ファヴ「お買い上げありがとうだpon♪」

 

 

トップスピードは武器で5年と魔法で10年の計15年を、

リップルは計13年の寿命を支払った。

 

同時刻にカラミティ・メアリもアイテムを購入したが、まだ売れ残ったアイテムがあり、ファヴは廃寺地下牢のスノーホワイトの所へ赴いたのだった。

 

 

ファヴ「スノーホワイトにアイテムをあげるpon」

(対価が大きすぎて誰も買ってくれなかったやつだから、こいつに売ってやるpon。)

 

スノーホワイト「え?」

(ラピュセルが会いにきてくれたんだね!)

 

ファヴ「やっとマトモに会話が成立したpon。」

 

スノーホワイト「そんなに遠くにいたら、話ができないよ。ラピュセル、もっとこっちに来て...!」

 

ファヴ「大丈夫pon。端末が遠くにあるから、特別にボクが買ってあげるpon。」

(やっぱり、頭のネジがいかれてるpon。)

 

スノーホワイト「プレゼントをくれるの?」

 

ファヴ「そうpon☆スノーホワイトにお似合いの力を授けるpon!」

(3つのアイテムで寿命61年をもらうpon☆その前に副作用で死ぬかもしれないpon♪)

 

ファヴ「...ん?」

(ねむりんが不正アクセスしてるpon⁉︎)

 

 

ファヴは急いでねむりんの端末へと向かった。

 

 

ファヴ「ねむりん、何してるpon⁉︎」

 

ねむりん「こっちの台詞だ。サーバーの混雑と銘打って何かを隠しているんだな?」

 

ファヴ「そんなことないpon!」

 

ねむりん「その慌てようから疑惑は確信に変わった。私の眼を甘く見るな。へぇ...強力なアイテムかぁ。」ピッピッ

 

ファヴ「勝手に見ちゃダメpon!」

(...間に合え!!)

 

ねむりん「黙れ。私の干渉力と雷遁を組み合わせれば、電子機器の不正も不可能ではない。さて...この人工チャクラの実ってのをタダで貰うか。」ポチッ

 

そーるどあうと

 

 

ねむりん「...」

 

ファヴ「無駄pon♪」

(何とか先にスノーホワイトに買わせることができたpon!)

 

ねむりん「まぁ...この兎の足ってのをタダで貰えたし、いっか。」

 

ファヴ「‼︎」

(ねむりんは厄介pon...!)

 

ねむりん「これで用済みだな。さっさと消えろ。」

 

ファヴ(やれやれ...次はマダラのところpon。)

 

 

そして時は、ルーラ達が睡眠中の午前4時へと進んでいた。

ねむりんの魔法による干渉を避けるためマダラは寝ずに幻術をかけており、そろそろ朝の修行が始まる時間だった。

 

 

マダラ(さすがに眠い...こいつらが起きたら、1時間ほど眠らせてもらおうか。)

 

 

マダラは昨日から一切眠らず、早朝から深夜まで数十人...時には百人を超える木遁の分身による修行をしていたので、さすがに体力の限界だったようだ。

不死身かつ無限のチャクラを持つ穢土転生体や、全尾獣のチャクラを吸収し六道の力を得ていたあの頃とは違うのである。

 

 

マダラ「起きろ...」ユサユサ

 

早苗「んー...」

 

優奈「はい!」

 

美奈「眠...」ムニャムニャ

 

綾名「zZZ」スヤスヤ

 

珠「zZZ」クカ–

 

 

やはりユナエルは命がけの修行をしていたせいか、他の者達とは意識が違うようだ。

 

 

マダラ「さすがユナエルだな。申し訳ないが、修行はまた後だ。俺の代わりにこいつらを...起こしてくれ...」

 

優奈「わかりました!」

 

 

マダラはユナエルとの会話を終えると、眠りについてしまったのだった。

 

 

優奈(しばらく起きそうにないね...寝かせてあげよう。)

 

「みんな、起きて。」ユサユサ

 

 

そしてみんなで朝の組手をしていた、その時だったーー

 

 

ドッゴーーーーン‼︎

 

 

一同「⁉︎」

 

ルーラ「牢屋の方ね...行ってみましょう!」

 

 

ルーラ達がそこにつくと、無数の氷塊が散らばっており、檻は破壊されていたのだった。

 

 

幼女ユナエル「‼︎ 気をつけて!見えないけどスノーホワイトが動いてる!」

 

スノーホワイト(氷遁・ラピュセルの剣...)ズバッ

 

たま「うっ...」

 

ミナエル「たま大丈夫⁉︎」

 

 

スノーホワイトの作った氷の剣はたまの腹部に、傷を与えた。

 

 

たま「大丈夫!かすり傷だよ!」

(柱間細胞のおかげで助かった!)

 

ルーラ「みんな!敵から発生しているわずかな音を聞いて!」

 

幼女スイム「...うん!」

 

たま「うん!」

 

ルーラ「ミナエル、ユナエル!お願い!みんなは耳を塞いで!」

 

幼女ユナエル「うん!部分強化!頭・鼻・口」

 

ミナエル「変身!スピーカー!!」

 

 

二人「協奏曲ジェミニ‼︎」

 

 

ブォォォォォ....ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...

 

 

ミナエルのスピーカーによって、さらに強力となった破壊音波はスノーホワイトに襲いかかった。

 

スノーホワイト「ぐっ...ァァァァァァァァァァァァ...‼︎」

(ラピュセル、このままじゃやばいね。もう何もかも凍らせちゃおうよ。

 

『それがいいさ。君が思うように解放すればいいよ。』

 

うん!わかった!)バッバッバッバッバッバッ...

 

 

スノーホワイトは自分の直感を信じて、長い印を結んでいた。

 

氷遁・絶対零度‼︎

 

ルーラ「ミナエル!ヘリウムに変身...」

 

ミナエル「わかっ......」

(間に合わない‼︎)

 

 

ヘリウムは絶対零度の状況でも圧力をかけない限り凍結しない。ルーラもミナエルもそれを理解しているのだが、スノーホワイトの魔力で強化された瞬間冷却の前では、間に合わなかったようだ。

 

 

 

「火遁・豪火滅却‼︎」

 

 

頭上から現れた黒髪の少女は迫り来る冷気に向けて火遁を放ち、何とか相殺することができた。

しかし、牢屋は急激に温められて出来た水蒸気に充満されてしまった。

 

少女マダラ「須佐能乎‼︎」

 

 

出入り口を塞いでいるマダラは、敵の攻撃から守るためにルーラ達全員を須佐能乎の骨格の中に入れて、自分は写輪眼で敵の魔力を観察していた。

 

 

少女マダラ(魔力と順応したお陰で、敵の魔力を目視できるようになったのは便利だな...。さて、後は確実に追い詰めるだけか。)

 

ルーラ(なるほど...!水蒸気のせいで相手の視界は0だけど、写輪眼を持つマダラなら一方的に攻めることができる!)

 

スノーホワイト「氷遁・大氷連山‼︎」

 

少女マダラ(これは...まずいな。)

「天井が落磐する‼︎退却するぞ!」

 

ガラガラガラガラガラ.....

 

 

広大な地下空間は、スノーホワイトの作り出した超巨大な氷山によって壊滅した。

 

 

ルーラ「マダラ...助かったわ。ありがとう。」

 

幼女スイム「ありがとう。」

 

ミナエル「助かった!」ニヤニヤ

 

幼女ユナエル「ありがとうございますっ...///」

(少女のマダラさん、可愛すぎます!!)

 

たま「ありがとうございます!」

(すごく可愛い...)

 

少女マダラ「あぁ...。まさか、あそこまで巨大な氷山を作り出すとはな...」

 

ルーラ「えぇ...」ニヤニヤ

 

少女マダラ「お前ら...何が可笑しい?」

 

ミナエル「だって、あのマダラが女の子になっちゃったら、そりゃニヤけちゃうよ!」アハハハ

 

ルーラ「ほんと、そうよね」アハハハ

 

幼女スイム「すごく可愛いです。」ニコニコ

 

幼女ユナエル「うん!」ニコッ

 

たま「少女の時は私の妹だよぉ〜」

 

少女マダラ「こんなことがあったのに、大した精神力だ...。まぁいい...次の拠点を探すぞ。案はあるか?」

 

ミナエル「もう地下生活は嫌だ!」

 

幼女スイム「外で修行がしたい。」

 

たま「森がいいなぁ〜」

 

幼女ユナエル「また屋敷に住みたいです!」

 

少女マダラ「しょうがない奴らだな...。ルーラ、クラムベリーと戦った時に、奴が消えた方向は覚えてるか?」

 

ルーラ「ええ。向こうの山に消えていったわ。」

 

少女マダラ「ならば、奴の潜伏してる山とは真逆の山に結界を仕掛け、拠点をつくる。」

 

たま「けっかい?」

 

少女マダラ「結界忍術のことだ。お前達には予め術式を仕込んでおく。この術式を持たぬ魔法少女が結界を越えると大きな音と共に火炎陣が発生し見張りをしている分身が対処する。そしてもし分身がやられた場合は俺たちが対処するという、三重トラップの役割を担っている。」

 

ルーラ「...さすがね。」

 

少女マダラ「前は山奥だからと油断し、クラムベリーに見つかったから今回は徹底的だ。あの山が良さそうだが、この人数でぞろぞろと行動するのは見つかる可能性が高い。この街に来て最初に目にした、車というのを利用するか...ミナエル。」

 

ミナエル「わかってるよ。」

 

 

……………………………………

 

ミナエルが変身した車に乗り、一行は道路を進んでいた。

 

早苗「私が運転免許持っててよかったわね。」

 

マダラ「そうだな。」

 

カーナビミナエル「耐久性は皆無なんだから、安全運転してよね!」

 

早苗「私に任せなさい♪早朝で車が少ないから爽快ね。」ブ〜ン!

 

幼女スイム「...マダラさん、どうしてスノーホワイトはアイテムを購入していたんですか?」

 

マダラ「おそらく、ファヴが勝手に購入したんだろうな...」

 

たま「早い者勝ちなのにどうして余っていたんですか?」

 

マダラ「人工チャクラの実は30年、透明外套は25年...。これだけの寿命を対価にしようとは、誰も思わなかったのだろうな。おそらく在庫処分としてスノーホワイトに売りつけたのだろう。」

 

幼女ユナエル「あれは...氷遁ですよね?人工チャクラの実のリストにはそんなのありませんでした。」

 

マダラ「水遁と風遁を組み合わせたら氷遁となる。ファヴはスノーホワイトの名前から氷遁を連想し、その二つの果実を与えたのだろう。性質変化を組み合わせるのは血継限界という、特別な技なのだが...魔法の国の技術はそれを簡単に実現させてしまったようだ。」

 

幼女ユナエル「なるほど...ありがとうございます。」

 

マダラ「見えないことや氷遁を使うのも厄介だが、奴の魔法も気をつけねばならない。離れた場所にいる俺が眠ったことに感づき、脱走を試みた。心が読めるという魔法を応用したのだろう。」

 

カーナビミナエル「面倒な奴を逃しちゃったなぁ...。でも、あいつの狙いは何なんだろう?」

 

マダラ「分からん...だが、ファヴに洗脳されているといって良いだろう。警戒した方が良さそうだな。」

 

 

そんなことを話しているうちに、目的地に到着したようだ。

 

 

早苗「みんな、着いたわよ。」

 

マダラ「ミナエル、ルーラ、ご苦労だった。後は俺の仕事だな...」

 

マダラは木遁の屋敷を作り巻物から家具を口寄せした後は、分身達に山のいたるところに結界の術式を組み込むように伝え眠ってしまったのだった。

街の方にもカラミティ・メアリを警戒して分身を配置しているので、マダラの疲労は相当なものである。

 

 

ルーラ「私たちだけで組手の続きをするわよ。でも、ただの組手じゃないわ。魔法を使わず、目隠しした状態で戦いましょう!」

 

幼女ユナエル「いいね!面白そう。」

 

ミナエル「さすがルーラ!耳を鍛えるんだね!」

 

幼女スイム「...楽しみ。」

 

たま「頑張る!」

 

 

結界があることによって誰にも邪魔されず、昇る朝日の下で思い切り動けることに、皆喜びを隠しきれないようである。

 

 

 

続く

 

 




閲覧ありがとうございます。

マダラはかなりの美少女になりました。
まぁ、うちははイケメン揃いですから、当然ですね。

風と水と氷を操る、見えない...でも代償は55年の寿命。あなたなら購入しますか?それともねむりんのように不正をしますか?笑


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第23話:“モノクロの夢”

話の続きに迷って、時間がかかります。
分岐エンドとか面白そうですね。面倒ですがw


ミナエル達は、学校が遠いと文句を言いながらも長い山道を下っていき、ルーラとマダラは端末を操作していた。

 

 

ルーラ[トップスピードとリップル、2人に話があるの。]

 

トップスピード[いいぜ!リップルは学校だから、それでも良ければだけど。

それにしても、ファヴが言ってた通りだよ。本当にマダラと仲間なんだな( ゚д゚)]

 

マダラ[あぁ。]

 

ルーラ[私たちの仲間にならないかしら?]

 

トップスピード[え⁉︎生き残れるのは8人でしょ?私たち2人が加わったら9人になるじゃん!]

 

ルーラ[殺し合わずにこの戦いを終わらせる。リップルと相談して、返事をくれるかしら。]

 

トップスピード[わかった!また夜に返信するよ!]

 

 

 

 

マダラ「今まで殺し合いをせずに、キャンディを集めていたとはな......平和な連中だ。」

 

ルーラ「あの2人、仲間になるかしらね。ラピュセルとマジカロイド44を殺めたことを、これから話すわけだけど...」

 

マダラ「俺がお前達にそうしたように、強さを示せば仲間になる可能性がある。その時は奴らと戦ってもらうぞ?」

 

ルーラ「任せて。能力を使わずに示してみせるわ。」

 

マダラ「そうか。それにしても、お前の魔法もあんなに強くなるとはな...」

 

ルーラ「全て、あなたのおかげよ。」ニコッ

 

 

 

その頃、ねむりんは相変わらず派手に修行をしていた。

 

ドガガガガガガ...‼︎バチバチバチバチ‼︎

 

 

ねむりん「ぐっ...‼︎手が焼けるようだ...」

 

 

修行を始めて2日である。高密度のチャクラによって、手の皮は剥けて炎症していた。

そんな時、誰かの足音が聞こえてきたのである。

 

 

ねむりん「⁉︎」

(クラムベリーか⁉︎運営側のあいつは来週から活動すると思ったが...)

 

スノーホワイト「こんにちは。」

 

ねむりん「こ、こんにちは...?」

(なんだ...お前か。)ホッ

 

スノーホワイト「ラピュセルに会いにきたよ〜♪」

 

ねむりん「ん...?」

 

ファヴ「ファヴが翻訳してあげるpon!スノーホワイトは、ラピュセルの魔法を探しているpon!」

 

ねむりん「私がラピュセルの魔法を持ってないのは、お前も知っているだろうが。」

 

ファヴ「自分で確かめないと気がすまないみたいだpon♪」

 

ねむりん「お前は誰が何を買ったか知ってるだろ?というより、こいつ...ずっと捕まってたやつだろ。何で脱走してるんだよ。能力もショボ...... ⁉︎」

 

 

ねむりんの話を遮ったのは、高速のツララだった。

 

ファヴ「以前は彼女とは違うpon♪」

 

 

なんとかそれを避けたねむりんだったが、今度は風の塊が飛んできたのであった。

 

 

スノーホワイト「...」バッバッバッバッ

 

ねむりん(人工チャクラの実はこいつが手に入れたんだな...)

「もう次の印を結んでるのか...。火遁・豪火球の術‼︎」ブゴォォォ

(火遁は風遁に強い!)

 

スノーホワイト「水遁・水陣壁!!」ブォォォォ

 

ジュワァァァァァァァ..........

 

ファヴ「蒸気で何も見えないpon!」

 

ねむりん「写輪眼の私にそんなの通用するかよ...!」ダッダッ

雷遁・雷龍弾の術‼︎

 

 

スノーホワイト「風遁・翠龍息吹‼︎」

(心を読めば、場所が分かる...)

 

ねむりん「‼︎ 不意打ちを狙ったんだがな...心を読む魔法を応用してきたか。」

 

 

雷の龍と翠の風の龍は激しくぶつかり合い、水蒸気は払い飛ばされていた。

 

 

ねむりん(この枝を使うか...)

「雷遁・閃光矢!」

 

 

ねむりんは落ちていた三本の木の枝に雷を纏わせ、貫通力を極限まで高めて投擲したのだった。

 

 

スノーホワイト「氷遁・氷岩堂無の術‼︎」

(曲射か...凄い投擲術だね。でも無駄だよ。)

 

ねむりん「...全方位を防ぐ氷の壁か。」

 

 

バチチチチチチチチチ.... カラン...コロン

 

 

氷の壁によって木の枝は呆気なく地面に落ちた。

 

 

スノーホワイト「残念だったね。」

 

ねむりん「...お前がな。」

 

スノーホワイト「ぐあああああっ‼︎」

 

 

スノーホワイトは、突如地面から吹き出した高圧の水流に押し流され、氷の壁に叩きつけられたのであった。

 

 

スノーホワイト「ゲホッ...地下水脈を操作していたんだね...」

 

ねむりん「あぁ、水遁の応用は私の方が上みたいだな。」

 

パキパキパキ...

 

スノーホワイト「氷遁・氷牢の術」

 

ねむりん「⁉︎」

 

 

ねむりんが後ろを振り返った時は遅かった。何故なら、そこには氷の鏡に映ったスノーホワイトが術を発動していたのだから。

 

ーー巨大な氷に飲み込まれて、ねむりんは動けなくなった。

 

 

ねむりん「...」

(ここまで強くなってるとはな...)

 

スノーホワイト「不意打ちは私の方が上みたいだね。」

 

氷遁・ラピュセルの剣

 

ねむりん(氷もろとも切断する気か...。よし、印が結べないなら、チャクラを熱に変換!)

 

ジュォォォォ...

 

(よし!手の周りの氷は溶けた!)

 

ねむりん「水遁・水断波‼︎」ビュン

 

スノーホワイト「‼︎」サッ

 

 

高圧の水の刀を避けたスノーホワイトだったが、氷の剣は切られてしまった。

 

 

ねむりん「元は水遁でも、氷になれば脆くなるみたいだな。」

 

スノーホワイト「これでも同じことが言える?氷遁・黒龍暴風雪‼︎」

(そろそろ飽きたよ...もう消えて。)

 

本当は絶対零度を使いたかった彼女だが、それは狭い範囲で使う瞬間凍結技であるため、遠くに離れ且つ高速で動くねむりんに対しては使えないのであった。

しかし、それでも目の前のねむりんを殺すには十分すぎる規模の黒龍だった。

 

 

ねむりん「...大した技だな。火遁・豪火滅却‼︎」

 

 

迫り来る黒龍に対し、ねむりんはかつての師匠の技でそれに応えるのだった。

 

 

氷の黒龍と火炎の波...2人の全力がぶつかり合い、森の破壊は甚大だった。

燃え盛る森の方にはねむりんが、凍てつく氷の方にはスノーホワイトがそれぞれ立っていた。

 

 

スノーホワイト「しぶといね...ラピュセル。」

 

ねむりん「まだ生きているとはな...」ハァ..ハァ....

 

スノーホワイト「待っててね。ラピュセルの力を取り戻してあげるからね♪」バッバッ

 

ファヴ「スノーホワイト!ねむりんの動きを見ても分からないpon?」

 

スノーホワイト「何が?」

 

ファヴ「さっき木の枝を飛ばした時のことだpon。ラピュセルの力があるなら木の枝の大きさを操作出来たはずだpon。本来の役割を忘れちゃダメpon。」

 

スノーホワイト「それもそうだね。」

 

ねむりん「2人で何をコソコソ話してるんだ?...戦いの続きだ!」

 

ファヴ「周りをよく見てみるpon☆」

 

ねむりん「!」

 

 

ねむりんの周りは、瞬時に形成された無数の氷の鏡に囲まれていた。

 

 

ファヴ「この鏡の全てにスノーホワイトの姿を映し、一斉に攻撃することもできるpon。」

 

スノーホワイト「魔鏡氷晶っていうんだよねっ、ラピュセル♪」

 

ねむりん「私の負けだ...殺せ。」

(これではマダラにも勝てん...それなら死んだ方がマシだ。)

 

ファヴ「殺してしまったら、ハードゴア・アリスの幻術が解けないpon♪それに、スノーホワイトの目的はラピュセルの魔法だけじゃなく、ルーラ達を殺すことpon。ねむりんはマダラを殺すことが目的で、ファヴの目的はハードゴア・アリスの解放...つまり3人の目的は一致してるpon♪」

 

スノーホワイト「ルーラ達を殺すにはマダラが邪魔。あなたがマダラを殺すにはルーラ達が邪魔。だからチームを組みましょう。」

 

ねむりん「わかったよ。ファヴ、ハードゴア・アリスはどうするんだ?」

 

ファヴ「ファヴは魔法少女が囚われたままの状況が嫌だpon。ちゃんと行動してくれるなら好きにしていいpon。」

(殺し合わない魔法少女なんて、見ててもつまらないpon)

 

ねむりん「ならば戦力として加える。これで文句ないだろう。スノーホワイト、お前はどうするんだ?」

 

スノーホワイト「あの家に泊めてください。」

 

ねむりん「私よりも強いんだから自分でなんとかしろ。」

 

ファヴ「何言ってるpon。修行で疲れていなければねむりんが勝っていたかもしれないpon。」

 

スノーホワイト「うん。チャクラが弱まっていたのを感知できた。」

 

ねむりん「チャクラが流れたことで、チャクラの感知が出来るようになったとはな...。さて、ハードゴア・アリスを起こしにいくか。」

 

 

…………………………………

 

 

亜子「...‼︎スノーホワイト‼︎」ガバッ

 

スノーホワイト「ラピュセル以外は抱きつかないで。」

 

亜子「! 鍵を失くした私を助けてくれたこと...覚えてる?」

 

スノーホワイト「忘れちゃったよ。」ニコッ

 

亜子「」

 

ファヴ「スノーホワイトの精神は壊れてしまったから、落ち込まなくていいpon。ファヴはハードゴア・アリスが起きたのを見届けたからもう帰るpon♪」

(あのまま ねむりんを殺しても良かったけど、かつての師弟が殺し合うのは楽しみpon♪早くマダラと戦って欲しいpon!)

 

 

ファヴは気味の悪い笑みを浮かべて消えていた。

 

 

ねむりん「...消えたか。」

 

アリス「ねむりん。私を生かして、何が目的なの?」

 

ねむりん「仲間になってもらう。スノー、アリス、私たち3人はチームだ。文句はあるか?」

 

スノーホワイト「文句ないよね。ラピュセル♪」

 

アリス「勝者には従う...文句はない。スノーホワイトと一緒なら尚更。」

 

ねむりん「感謝する。そうだな...私たちのチーム名は“モノクロの夢”とする。」

 

アリス「‼︎...凄く素敵なチーム名です...!」

(白と黒の良さを理解してくれるなんて、この人はよく分かってる人だ!)

 

ねむりん「そ、そんなに喜ぶとはな...!ハハハ...」

 

スノーホワイト「“La Pucelle”の方がいいと思うけどなぁ...まぁ、いいけどね。」

 

ねむりん「チーム名が決まったら、次は今後の目的だ。よし...ラピュセルの魔法を探すのを先にしてやるよ。マダラ達は私と同じでアイテムを買えていないだろうから、狙いは三つに絞られる。クラムベリー、トップスピード達、そしてカラミティ・メアリ......。スノーお前が決めろ。」

 

スノーホワイト「ならカラミティ・メアリにする!」

 

アリス「理由は?」

 

スノーホワイト「なんとなくだよね!ラピュセル♪」

 

ねむりん「そうか。今週はもう戦う意味がないから、日曜の午前0時過ぎに会う約束をする。私1人だけだと伝えれば、奴も食いつくだろう。さて、私はチャクラ回復のために休息をとる。お前らは好きにくつろげ。」

(私の部屋には罠が仕掛けてある...こいつらの忠誠心を試すか...)

 

 

 

それから数時間が経ち、夜の月明かりの下に合流した2人はいた。

 

トップスピード「よっ!メール見たか?」

 

リップル「ああ。」

 

トップスピード「私は仲間になってもいいと思ってる。リップルはどうよ?」

 

リップル「直接会って話して決める。何かあれば逃げ切れるしな。」

 

トップスピード「お?嬉しいなー!私の速さを認めてくれてるんだねぇ〜!」ピッピッ...

 

リップル「べ、別に。」

 

トップスピード「相変わらずのツンデレだねぇ〜。今メールを送ったよ。」

 

 

トップスピード[待たせた!直接会って話したい!△△山の頂上で会おうぜ!(`∇´)]

 

ルーラ[わかったわ^^]

 

マダラ[こちらに戦う意思はない。安心していい。]

 

ミナエル[ほんとだよ(。-∀-)ニヤリ]

 

ユナエル[嘘なんてついてないですよ(*´꒳`*)]

 

たま[信用して(*^▽^*)]

 

スイムスイム[どうすれば信用してくれる?]

 

ルーラ[たまを人質として送ればいいかしら(笑)]

 

たま[ええええぇぇぇ⁉︎]

 

トップスピード[大丈夫大丈夫!(笑) 信用する!今から向かうから待ってろ〜!]

 

 

 

トップスピード「なんかあいつら、性格変わってる気がするんだよな〜」

 

リップル「文面だとそう見えるだけだ。警戒はした方がいい。」

 

トップスピード「そうだな。...よし、行くか!」

 

リップル「あぁ...!」

 

 

夜空を魔女とくノ一は翔けるーー

 

木曜日の午後23時のことであった。

 

 

 

続く

 




スノーホワイトは精神がおかしくなり、死ぬことを恐れていません。無駄な感情が一切なくなったことで戦闘に対する集中力が格段に上昇し強くなりました。
ねむりんには写輪眼で透明外套が通じないことをファヴから聞いていたので、スノーホワイトは透明外套を着ていませんでした。


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第24話:神樹と世界樹

本編とは関係ないですが、どうぶつの森が大好きです。
村長はマダラです。ねむりんを作りたいですが、
いい髪型がなくて無理でした。゚(゚´Д`゚)゚。
ロングヘアーを追加して欲しいです。


トップスピード達が山の頂に着くと、既にマダラ達はそこにいた。

 

ルーラ「私たち2人だけだから、安心して下りてきてくれるかしら。」

 

トップスピード「わかった!」

 

少女マダラ「待っていたぞ。」ニコッ

 

 

2人を警戒させないようにと、少女の姿で歓迎するマダラであった。

 

 

トップスピード「うぃっす!初めまして。私がトップスピードだ。」

 

リップル「...リップルです。」

 

ルーラ「私のことは分かってるわよね。彼は...」

 

マダラ「うちはマダラだ。」

 

トップスピード「ほぇー...イケメンだなぁ...」

 

マダラ「2人とも端末を切ってくれるか?」

 

トップスピード「何で⁇」

 

マダラ「端末の電源がついてるとファヴに話を聞かれてしまうからな。」

 

リップルの端末ファヴ「これから戦うpon⁇隠し事なんてしないでいいp...」

 

プツ...

 

 

トップスピード「私も切ったよ。」

 

マダラ「礼を言う。」

 

ルーラ「そろそろ本題に入りたいところだけど...まず最初にこれだけ言っておくわ。私たちはラピュセルとマジカロイド44.....2人の魔法少女を殺めた。」

 

トップスピード、リップル「‼︎」

 

ルーラ「私たちはファヴから早い段階で、魔法少女の脱落を防ぐためには、誰かを殺すしかないというのを聞いていたの。先週たまが最下位だったから一位のスノーホワイトを狙った結果、ラピュセルが命を落としたわ。マジカロイドは......向こうが襲ってきたから殺したわ。」

 

トップスピード「...まぁ、仕方ないかもな。戦わないと生きていけないし...。これからは戦わなくてもいい方法があるんでしょ?聞かせて欲しいな。」

 

マダラ「クラムベリー...奴を倒せばこの戦いは終わる。」

 

リップル「...本当なのか?」

 

マダラ「ああ。この戦いの首謀者はあいつだ。しかし奴の戦闘力は脅威。おそらく人工チャクラの実を食し、さらに手がつけられなくなっているだろう...だから仲間を増やしているわけだ。」

 

ルーラ「私たちが修行して強くなっているのも、クラムベリーを倒すためよ。」

 

リップル「どうしてクラムベリーがそうだって、分かった?」

 

マダラ「俺の知り合いに、魔法の国について詳しい爺さんがいてな...。そいつにクラムベリーについて調べてもらっていたわけだ。」

 

リップル「あんたのことも謎だらけだけど、その爺さんも謎だな...」

 

ルーラ「詳しくはまた後で話すわ。今は信じられないかもしれないけど、私だけじゃなくスイムスイム達も自ら彼と行動を共にしてるのが、唯一の根拠よ。」

 

トップスピード「うーん...まぁ、信じてみるよ!どうせ戦うなら、戦いを止めるために頑張るよ。」

 

リップル「...私も信じる。2人には最初から敵意が無かった。仲間になるよ。」

 

マダラ「感謝する。」

(このくノ一...大した観察力だ。)

 

ルーラ「よろしくね♪」

(割とすんなり事が運んでよかったわ。)

 

マダラ「トップスピード...気になっていたのだが、その髪飾りは何だ?」

 

トップスピード「ん?購入したアイテムだよ。忍界の団扇っていうみたいだけど、魔法の技術って凄いよな。髪飾にして持ち運べるんだから!」

 

マダラ「ハハハハ...かつての俺の武器がこんな、使われ方をしてるとはな。」

 

トップスピード「これ、マダラの武器なの?」

 

マダラ「その武器について話すのと一緒に、俺のことについて説明する。」

 

 

マダラとルーラの2人は、マダラの過去や今までの出来事を語るのだった。

 

 

リップル「忍世界か...」

 

マダラ「リップルといったな。くノ一のアバターを作るということは、忍者が好きなのか?」

 

リップル「あぁ。...闇に忍び、人知れず仕事をするのがかっこいいから好き。明日から忍術教えてくれるんだろ?」

 

マダラ「そのつもりだ。」

 

トップスピード「あのさ、これ本当に返さなくてもいいの?」

 

マダラ「あぁ、お前が寿命を使って買ったんだ。大事にしろ。」

 

トップスピード「おう!サンキュー♪」

 

ルーラ「2人とも、もう聞きたいことは無い?」

 

トップスピード「うん、無いかな!」

 

ルーラ「気をつけて帰ってね。」

 

リップル「ああ。」

 

トップスピード「そんじゃまた明日の夜な!」

 

...ビュン‼︎

 

トップスピード達は箒に乗って、飛んでいった。

 

 

マダラ「話の通じる奴らで良かったな。」

 

ルーラ「ええ。チャットルームで話していた頃から、話しやすかったもの。それじゃ、帰りましょう?」

 

マダラ「そうだな。」

 

 

その頃、山奥の小屋ではファヴとクラムベリーが話をしていた。

 

ファヴ「ねむりんをリーダーとし、スノーホワイト、ハードゴア・アリスが手を組んだpon♪」

 

クラムベリー「そうですか。どんな様子ですか?」

 

ファヴ「ちゃんとねむりんに忠誠を誓っているみたいだpon。週が変わったら直ぐにカラミティ・メアリと戦うpon♪」

 

クラムベリー「へぇ...。このメンバーは、なんだか殺し合いを楽しんでる気がしますね。」クスクス

 

ファヴ「もう一つのお知らせも話すpon!」

 

クラムベリー「どうぞ♪」

 

ファヴ「トップスピードとリップルが、マダラとルーラの2人と会って話をしていたpon。端末の電源を切られたから、内容は分からなかったpon。」

 

クラムベリー「簡単なことです...私を殺すために団結したんですよ。おそらく、私たちがこのゲームの首謀者だってことに気づいていますよ。」フフフフ

 

ファヴ「このまま泳がせておいていいpon?」

 

クラムベリー「構いませんよ。でも、団結されると殺し合いが見られなくなりますね...」

 

ファヴ「その通りpon...マスター、どうするpon?」

 

クラムベリー「初の試みですが、()()をやりましょうか...」

 

ファヴ「...!さすがマスターだpon!」

 

クラムベリー「用意は任せましたよ。」

 

ファヴ「分かったpon♪最後に、マスターの明日の予定を教えて欲しいpon。」

 

クラムベリー「また魔法の国に行きます。」

 

ファヴ「え!何をするpon?」

 

クラムベリー「気になることを調べるんですよ...」フフッ

 

 

そして名深市は金曜日の朝を迎えた。

 

ねむりん(朝まで寝てしまったか。ん?扉が閉まったままということは、誰も開けていないということか...少しは信用できるみたいだな。)

 

ガチャ

 

 

アリス「...おはようございます。」

 

ねむりん「‼︎ 驚かせるな!」

 

 

窓から射し込む金色の朝日とはあまりにも対照的な、全身に纏う黒色に血の気のない青白い肌。

それが扉を開けてすぐに現れては、さすがのねむりんも驚いてしまったようだ。

 

 

「らぴゅせる〜♪らぴゅせる〜〜♪」

 

 

一階から聞こえる声は、幸福を呼ぶ天使のように優しい音色を奏でていた。

 

 

ねむりん「はぁ...」

(声に出すぐらいなら、許してやるか。)

 

 

そう思って階段を降りると、その声色とは真逆の光景が広がっていたーー

 

 

スノーホワイト「らぴゅせる〜♪」ガリガリ...

 

ねむりん「嘘...だろ.......」

 

 

一階の壁の大半が穴だらけで、残った壁にはラピュセルの似顔絵が彫られ、木の家具は木っ端微塵...氷で作ったラピュセルと思われる像は解けて床が水浸しという地獄絵図だった。

 

 

ねむりん「...アリス、お前も下で寝ていただろ?何故止めなかった。」

 

アリス「眠っていた私は、脳天にツララが刺さり起きました。それから、スノーホワイトを止めるために彼女と格闘しましたが、体をバラバラにされた状態で氷漬けになったため、回復できずに朝になりました。」

 

ねむりん「そ、そうか...。大変だったんだな....」

(アリスじゃなかったら死んでるな...)

 

スノーホワイト「おー!2人ともおはよう〜〜」

 

アリス「おはよう。」

 

ねむりん「おい、スノー...何で家を破壊した?」

(幼児退行ってやつか...?)

 

スノーホワイト「みんなとお泊まりできると思うと嬉しくなっちゃって☆」

 

ねむりん「見てみろ。壁に穴が空いてるとゴミが入ってくるだろう?家は大事にしろ。」

 

スノーホワイト「そうだね。気をつける!」

 

ねむりん「それで良し!」

(何で私が親みたいになってるんだよ...)

 

アリス「この後は何するの?」

 

ねむりん「私は修行をする。お前達は好きにしろ。」

 

スノーホワイト「私たちは氷遁の修行をしようか?ラピュセル♪」

 

アリス「私はどうしよう...」ショボン

 

ねむりん「しょうがない奴だな。私の分身と戦っておけ。」

 

アリス「ありがとう!」

 

 

マダラ達とねむりん達が修行をしている頃、カラミティ・メアリは相変わらず苛立っていた。

 

 

メアリ「今日もガラクタかよ‼︎」パリーン!

 

 

今日もガラスが散乱していたのであった。

 

 

ファヴ「本当にいつもガラクタばかりpon...」

 

 

魔法の国に着いたクラムベリーは、街の外れの森にある大樹を見つめていた。

 

クラムベリー(相変わらず、壮大ですね。この世界を作ったとされる三賢人に次ぐ知恵を持つ、大賢者ならあの樹のことを知っているでしょうか...)

 

 

雲を突き抜けるほどに伸びたそれは“世界樹”と呼ばれ、繁栄の象徴として魔法の国の人々から愛されていた。

 

 

クラムベリー「こんにちは。物知り賢者さん。」

 

大賢者「おお...クラムベリーか...?皆、お前が三つの果実に適合した初の魔法少女ということで注目しておるぞ。さて...何の用じゃ?」

 

クラムベリー「世界樹のことについて、教えていただきたいのですが...」

 

大賢者「急にどうしたのじゃ?」

 

クラムベリー「3種類のチャクラに適合してから、チャクラを感知する力が身につきました。あの世界樹からは僅かなチャクラを感じるのです...」

 

大賢者「そうか...」

 

クラムベリー「はい。それに10年前に忍界で起きた戦争の時の資料...この十尾という生物の成れの果ての姿に、どこか似ていませんか?」

 

大賢者「うむ...お前にならこれを話しても良いかもしれんのう...」

 

クラムベリー「もしかして、世界樹や神樹の他にも異世界には似たような樹があり、全ての発生起源は隕石の落下。」

 

大賢者「もう、そこまで気づいておったのか...その通りじゃ。伝承でしか残っておらんが、世界樹の種は隕石と共に宇宙から降り注いだと言われておる。やがて大きな木となった時、木は一つの実をつけた。その当時の統治者がそれを口にしたが...力に耐えきれずに死んでしまったと伝えられておる。その後、異世界への入り口を開くことが出来る魔法少女が様々な世界を訪れて調査をしたが、どこの世界でもその果実を食べて生きていた者はいなかった。だが、とある世界を訪れた我々は、果実を口にしチャクラを使いこなす女神がいることを知った。」

 

クラムベリー「大筒木カグヤ...」

 

大賢者「本当によく勉強しておるな...。我々は多彩な力を持つチャクラを欲した...しかしカグヤの力は絶大でそれは不可能だった。だが、カグヤから生まれた息子の1人がこの世界に足を踏み入れたのだ。名を大筒木ハゴロモという。この後の話は図書館の本に載っておるから、言わずとも分かるな?」

 

クラムベリー「確か...『大筒木ハゴロモには逃げられたが、その弟子の子孫を捕らえて研究することで、魔法の強化を施し同時にチャクラの実の作成に成功した。この人工チャクラの実を5つ食せば、世界樹の果実と同じ力を得るだろう。』......こう記されていましたが、ようやくその意味が分かりました。」

 

大賢者「残り2つを食す気か...?」

 

クラムベリー「はい、さらなる高みへと辿り着く為に。」

 

大賢者「やめておけ...命を落とすぞ。」

 

クラムベリー「...何か方法は無いのですか?」

 

大賢者「うむ...あの世界樹を全て体に取り込めば、原始のチャクラに対する拒絶反応をゼロにすることが出来ると言われておる...しかし、そんなことをしたら処刑されてしまう。世界樹は国民の希望だからのう。」

 

クラムベリー「異世界のどこかには、人々から信仰されてない樹があるはずです。その樹を吸収すればいいのでは?」

 

大賢者「無駄じゃ。宇宙から飛来した種が成長し、ここまで大きく育ったのは忍界と魔法の国だけじゃ。その証拠に、“神樹”や“世界樹”などと名付けられているのも、その2つの世界だけなんじゃ。だから、他所の世界の大樹を吸収しても無意味なんじゃよ...」

 

クラムベリー「なるほど...魔力がチャクラに似ていたおかげというわけですか。最後に、質問があるのですが、いいですか?」

 

大賢者「うむ、良いぞ。」

 

クラムベリー「これまでに魔法の国が忍界を訪れて調べることのできた面積って、どのくらいなんでしょうか。」

 

大賢者「60%ぐらいかのう...」

 

クラムベリー「千年が経つというのに少ないですね。」

 

大賢者「忍界の半分は人が住まぬ未開の地...調べる意味が無かったのと、人が居らんということで濃密な原始のチャクラが残っており危険だったのじゃ。その空間ではチャクラによる攻撃が通ってしまうからのう...」

 

クラムベリー「なら...私が調べます。そこには人知れず育った神樹があるかもしれないので...」

 

大賢者「わかった。時空間の入り口を管理する者に伝えておく。...気をつけていくのじゃぞ。」

 

 

その後は、人工チャクラの実を3つ食した英雄の出立ということで皆に見送られ、クラムベリーは忍界に向かった。

 

 

クラムベリー(...英雄ですか。そのうち“神”になってみせますよ......)

 

 

続く




読んでくださり、ありがとうございます。
私生活がやや忙しく、ねむりんの術名を考えていたら、投稿が遅れました。

神樹の話は、映画BORUTOを参考にしました。


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第25話:優しい魔法少女

今回は中々長いです。
執筆に、かなりの時間がかかりました。



ドカッ...!ドゴゴゴゴ....バキッ...ズオオオオ......

 

 

トップスピード「うわー...‼︎すげーな!」キラキラ

 

 

目を輝かせて興奮するトップスピード

 

 

リップル(分身の術...?火...?青い巨人...⁉︎これが忍者の力なのか...⁉︎)

 

 

対して、リップルは驚きのあまり白目を剥いていた。

 

 

分身マダラ「...来たか。一時中断!」

 

ルーラ「今朝話した2人よ。みんな、挨拶してね。」

 

たま「初めまして!たまです!」

 

幼女ユナエル「幼い方のユナエルだよ。よろしくね。」

 

ミナエル「で、私は姉のミナエル。よろしく〜〜♪」

 

幼女スイム「スイムスイムです。よろしく。」

 

トップスピード「おぉっ!よろしくお願いしますっ!」

 

リップル「早くみんなのように強くなりたいです。よろしくお願いします。」

 

分身マダラ「さっそくだが実力を試す。お前達2人の能力と、購入したアイテムを駆使して俺を倒してみろ。」

 

マダラ「こいつは分身だから、殺すつもりで来て構わんぞ。」

 

 

時は金曜の午後9時である。ルーラ達には見学させて、マダラは2人の相手をするのだった。

 

 

3人の戦いが白熱していた頃、ねむりんの修行は人の限界を超える領域にまで達していた。

 

分身ねむりん「うぉぉぉぉ....‼︎」

 

キュインキュインキュイン.....

 

 

スノーホワイト「すごいね〜♪ラピュセル。」

 

アリス「ねむりんのあれは...何遁なの?」

 

スノーホワイト「知らない♪」

 

分身ねむりん「‼︎」

 

ギュイーーーーーン‼︎

 

ボボボボボボボボボボボボボボボボボボ....ン‼︎

 

コントロールが難しいのか、ねむりんの両掌の中のチャクラは爆散し、それに触れた分身の大半が消えてしまっていた。

 

 

ねむりん「本体の私に巻き添えが及ぶな...。」

(修行も半分を超えたな。ここからは私1人だけで良さそうだ...)

 

スノーホワイト「それにしても派手な技なのに、何も残らないんだね〜。いいなぁ、私は氷が残っちゃうもん。」

 

アリス「うん...」

(たしかに...周りの地面が消えている...。でも、まだ時間がかかりそう。)

 

 

天才のねむりんでさえも、今回の新術は今までとはケタ違いに難しいのである。

 

 

各々が修行に励み朝を迎え、土曜日の朝9時となっていた。

ここは廃ビル。義手の女と暇な白黒生物がいた。

 

 

ファヴ「遊びに来たpon♪」

(マスターが構ってくれないから暇pon。)

 

メアリ「何しに来た?」

 

ファヴ「未来のアイテムを見に来たpon。銃口を向けないってことは機嫌がいいpon?」

 

メアリ「よく分かってるね...いいのが来たんだよ。」

 

ファヴ「おめでとうpon!これは何pon?」

 

メアリ「物質完全消去銃イレイズ君っていうみたいだよ。ほら、見てごらん。」

 

ビュン

 

 

間抜けな顔をした光線銃だったが、ビームの速度は恐ろしく早く、目の前のワイングラスが一瞬で消失した。

 

 

ファヴ「これは凄いpon。」

(マスターの塵遁は『分解』だけど、これは『消去』...。1日だけとはいえ、上位互換だpon...)

 

メアリ「戦うのは明日の晩だったけど、今夜にしてもらおうかな。」ピッピッ

 

 

カラミティ・メアリ[気が変わったよ。戦うのは今夜10時にしよう。]

 

ねむりん[良いだろう。]

 

 

メアリ「ククク...楽しみだねぇ...。」

 

 

その頃、マダラ邸では...

 

 

分身マダラ「この人数...ようやく面白くなったな。須佐能乎‼︎」

 

分身マダラ「今日からは全ての忍術を使う。」

 

分身マダラ「隙を見せたら魂を引き抜くぞ。」

 

トップスピード「ちょっと!私たちは今日で2日目なんだよ⁉︎昨日と同じで体術しか使わないと思ってたのに...!」

 

分身マダラ「短期間で強くなるには、死と隣り合わせの修行が1番だ。」

 

分身マダラ「チーム・ルーラも全力で戦え。」

 

ルーラ「分かったわ。」

 

幼女ユナエル「わかりました!」

 

幼女スイム「はい。」

 

たま「頑張るよぉ...」

 

ミナエル「分からない忍術は何でも聞いて。」

 

リップル「ありがとう。あの青い巨人は何?」

 

ミナエル「硬質化したチャクラの鎧で出来てる。並大抵の力では壊れないよ!」

 

須佐能乎マダラ「始めるぞ。」ブン

 

 

会話が終わった瞬間には、一同に青い剣が迫っていた。

 

 

リップル「...!」

 

トップスピード「リップル乗れ!」

(この団扇は、相手のチャクラや魔力を風に変換するんだっけ...。なら、自分の魔力で推進力にすれば...)

 

トップスピード「スピード・スクリュー!」

 

 

ブウウウウウウン‼︎

 

 

団扇から生み出された風は箒の速度をさらに高めた!

 

 

マダラ「やるな...昨日の修行の成果が出たな。」

 

リップル(手裏剣・巨大化...)

 

「風魔手裏剣!手裏剣影分身!」

 

須佐能乎マダラ「複数の手裏剣を巨大化か...!ラピュセルの力を使いこなすのがさらに上手くなったな!」

 

………………………………

 

 

スノーホワイト「楽しみだね、ラピュセル〜!」

 

ねむりん「何度も言うが、カラミティ・メアリがラピュセルの力を持ってるとは限らないぞ...」

 

スノーホワイト「えー、...でも4人なら楽勝だよね♪」

 

アリス「彼女が何故、今日戦いたいと言ったのか考えてみて。....油断大敵。」

 

ねむりん「その通りだ。私の新術も完成していないんだし、3人で連携して的確に撃破するぞ。」

 

スノーホワイト「4人だよ〜?ラピュセルもいるよ!」

 

ねむりん「はいはい...4人な。」

 

3人は作戦会議をし、体を休めて待ち合わせの時間を迎えた。

しかし、待ち合わせ場所はカラミティ・メアリが提案した場所であるため、あまり良い作戦は思い浮かばなかった。

 

……………………………………

 

 

メアリ「来たか...さっそく始めよう。」ニヤリ

 

ねむりん「そうだな...」

(地雷を踏んだら面倒だ。その場を動かない方がいいな)

 

バッバッバッバッバッ...

 

ねむりん「火遁・豪龍火の術‼︎」

 

 

火龍は遥か上空へと昇っていった。

 

 

メアリ「ハハハハ!どこに飛ばしてる!動き回って当てなきゃダメだろうが!」バンバンバン!

 

ねむりん「うるさい奴だな。」サッサッサッ

(あの袋から銃を取り出したのか!四次元袋...便利だな...)

 

ねむりん「水遁・爆水衝波の術!」ザァァァァァァァ

 

(水の上を歩けば、地雷を踏むこともないな...!)

 

 

メアリ「...!...土台!」

 

 

メアリはウィンタープリズンの能力を使い、自分の足場を高くして津波を防いだ。

莫大な水量によって辺りは湖のようになっている。

 

 

ねむりん「ほう...」

(ウィンタープリズンの魔法か...)

 

バッバッバッバッ...

 

ねむりん「火遁・豪火滅却‼︎」

 

メアリ(足場ごと狙ってくるか...?)

 

 

しかしカラミティ・メアリの予想は外れ、ねむりんは湖に向かって火炎の波を放出し、水蒸気を発生させたのだった。

 

 

メアリ「さっきから何やってんだよ!死ね!」バゴン!

 

ドギュゥゥゥゥン‼︎

ねむりんにミサイルが迫っていた。

 

 

ねむりん「...雷皇剣!」バッ

 

 

ねむりんが投げた雷の剣はミサイルに刺さり、空中で爆発した。

 

 

メアリ「やるね...これならどうだ!浮遊・神影石(みかげいし)!」

 

シュッ!シュッ!

 

 

カラミティ・メアリの魔法の応用力はかなりの域に達しており、ウィンタープリズンの石壁を浮遊させて飛ばすことにも成功していたのだった。

 

 

ねむりん「木遁・樹界壁の術!」バシッバシッ

 

 

超重量の石塊であったが、幾重にも連なって出来た木の壁には敵わなかった。

 

 

アリス「クソッ‼︎本当に色んな技があるね...」

(奥の手の光線銃...そろそろ使うか。)

 

ねむりん「次は氷を見せてやるよ。」

 

ポツ...ポツポツポツ.....ザーー....

 

 

その時、大粒の雨が降ってきた。

 

メアリ「なんだよ!雨じゃないか!!」アハハハ

 

スノーホワイト「氷遁・絶対零度‼︎」

 

メアリ「!」

(もう1人いるのか...?それにしても速すぎる...光線銃を使えなかった...クソッ!)

 

辺り一帯の湖も氷になっていた。

 

メアリ(地雷...壊されたな...)

 

 

豪龍火で大気を暖め、上昇気流によって作った雲から雨を降らせ、地上には水蒸気を蔓延させることにより、屋外でも瞬間凍結を実現させるというのが作戦だった。

見事作戦に(はま)ったカラミティ・メアリは、極低温によって体がズタズタになって凍っていた。

 

 

メアリ(なんとか引き金を引くことはできるね...)

 

ねむりん「後はトドメを刺すだけだ。水遁・水断波‼︎」

 

メアリ(イレイズ)

 

ビビビビビビ...

 

ねむりん「何だあの光線は...氷と水を消したのか!?」

(マジカロイドの能力で出した物か...?)

 

メアリ「食らえ!ねむりん!」バン!バン!ガゴン!ギュン!ガガガガ!ドン!ドン!ドン!ドン!ブオオオオオ...

 

 

カラミティ・メアリは自身が持つありとあらゆる武器に追尾能力を付与して、ねむりんに襲わせたのだった。

 

スノーホワイト「私も迎撃する!」

 

ねむりん「お前は奇襲係だ。術は透明にならないだろ?」

 

木分身の術!

 

分身ねむりん「火遁・豪火滅却!」

 

分身ねむりん「雷遁・雷龍弾の術!」

 

ねむりん「木遁・術界壁!」ドドド

 

ブオオオオオ.....バチバチバチバチ

 

 

メアリ「...甘いね。」

 

ねむりん「⁉︎.....うわぁぁぁぁ‼︎」

 

 

炎と雷の威力は確かなものだったが、無数の兵器はそれを物ともせずに襲ってきた。

木の壁で弾丸は防げたのは良かったのだが、無数のミサイルは防ぎきれなかったようだ。

 

 

ねむりん「どういうことだ...?」

 

メアリ「絶縁体...耐火性。私の魔法でいくらでも強化できるのさ‼︎もちろん、耐寒性もね...!」

 

ねむりん「...大した能力だ。」

 

メアリ「死ねェ‼︎」バン!ドゴゴゴ!バババババ!ドカン!ブゴゴ!ブオオオ

 

ねむりん(チャクラを大量に使うが...)

 

水遁・大瀑布の術‼︎

 

メアリ「‼︎」

 

ドガガガガガガガガガガガガガガ!!!!

 

 

自然災害と例えるのが相応しいほどの、大量の水による破壊が起こっていた。

 

ねむりん「この規模なら、奴にも効いたはずだ。」ハァ...ハァ

 

 

安心したのも束の間、舞い上がる水しぶきの中に巨大な建造物が出来ていた。

 

メアリ「...土遁・万里土流壁ってか!ネーミングセンスあるな、アタシ!」アハハハハ!

 

ねむりん「何て規模の土遁だ...」

(ヴェスの能力は土遁を基に作られたのだろう...魔力の高いこいつが、土遁を扱えるようになるのも納得だ。)

 

メアリ「まだまだ行くぞ‼︎」ババ...

 

スノーホワイト「氷遁・一角白鯨‼︎」

 

グサッ...

 

メアリ「....」

(透明...厄介だね.......)

 

メアリ「ゴホッ...」ボタボタ

 

スノーホワイト「倒したよ!」

 

ねむりん「よくやった。」

 

腹部を巨大な角で貫かれた、カラミティ・メアリ。

柱間細胞が無い彼女は、もう動けないはずであった。

 

 

ねむりん「魔力が弱まっている。直に死ぬだろう。」

(アリスを連れてきた意味が無かったな。)

 

スノーホワイト「帰ろ〜♪」

 

メアリ(自分強化...細胞活性・土。)

 

ガツ...ガツガツガツガツ‼︎

 

ムシャ...ムシャムシャ........

 

ねむりんとスノーホワイト「‼︎」

 

 

2人が振り返ると、土を食べて腹部を修復しているカラミティ・メアリが居り、既に光線銃は放たれていた。

 

メアリ「ハハハハハハ‼︎」ビビビビビビビビ

 

ねむりん「ぐっ...」

(...チャクラを使いすぎて、反応が遅れたか...!)

 

スノーホワイト「風遁・翠龍息吹!」

 

ねむりん「...余計なことするな!」

 

メアリ「ハハ!居場所が分かったよ‼︎」ガガガガガガガガガ‼︎

 

極太の光線に当たった翠の龍は消失し、同時に放たれたマシンガンに当たって透明外套は破けてしまった。

 

 

スノーホワイト「ごめん...壊れちゃった。でも、あのままだったら、やられていたよ!」

(...困っている人がいたら助けたくなるよ。)

 

ねむりん「すまん...ありがとう。」

 

スノーホワイト「うん!えっと...写輪眼で何か分かった?」

 

ねむりん「消失した術のチャクラが目視できない。おそらく触れた物を消し去る光線だろう...距離を取りつつ避けて撹乱し、隙を突く!」

 

メアリ「ハハハハハハハハハハッ‼︎消えちまえ‼︎」ビビビッ

 

ねむりん(速すぎる...)

「スノーはチャクラを温存しろ!下がれ!」サッ

 

バチチチチチ‼︎

 

後ろの地面が消失した。

 

スノーホワイト「分かった!」

 

ねむりん「いい能力だ...速度がさらに速くなっている。」

(写輪眼で躱すことだけに集中すれば、チャクラが溜まるまで時間を稼げるだろう。)

 

メアリ「そりゃどうも!」ビビビビビビ‼︎

 

ねむりん「!」サッ

 

 

それからしばらくの間、2人は戦い続け、ねむりんのチャクラは回復したが、同時にカラミティ・メアリの怒りも最大級に高まっていた。

 

 

メアリ「ちょろちょろとうぜぇ写輪眼だ...!もう逃さないよ!土遁大結界・超土牢堂無!」

 

 

ウィンタープリズンの石壁と比べることすらおこがましいほどに規格外なドームは、遠くに離れたスノーホワイトまでも収容した。

 

 

スノーホワイト「氷遁・一角白鯨‼︎」

 

 

目の前に広がる壁の前では、白鯨ですら白蟻のようであり、わずかに傷をつけてもすぐに修復されてしまうのだった。

 

 

スノーホワイト「嘘でしょ...⁉︎」

 

 

 

遠く離れた場所では、ねむりんが光線を躱し続けていた。

 

 

ねむりん「これだけ広いと躱すのも簡単だな!」サッ

 

メアリ「気づかないのかい?」ビビビビビビ

 

ねむりん「まさか...」サッ

 

メアリ「収縮してるんだよ!広くしたのは、逃げたスノーホワイトを捕らえるためさ!」

 

ねむりん「へぇ...でも、お前自身の逃げ場も少なくなるな。」

(アリスがこの中に入っていなかったのは、助かったな...)

 

メアリ「...まぁ、見てな。」ニヤリ

 

 

カラミティ・メアリはドームの頂点に穴を開けて、ランドセル型ジェット機で滞空していたのだった。

まさに高みの見物である。

 

 

メアリ「このまま押しつぶしてやるよ!」

 

 

ダッダッダッダッ‼︎

 

スノーホワイト「この壁迫ってきてるよー‼︎」

 

 

スノーホワイトがねむりんのいる中央部に走ってきたということは、ドームがかなり狭くなっていることを意味していた。

 

だが、迫り来る石壁を見ても、ねむりんは冷静だった。

 

 

ねむりん「狭くなった分、忍術が効きやすくなったな。」

 

影分身の術‼︎

 

分身ねむりん2人「ハァァァァァァ‼︎」

 

分身ねむりん2人「ハァァァ‼︎」

 

ねむりんと分身ねむりん「ハァァァァァァ...‼︎」

 

3組のペアで作り出した巨大な球状の雷。忍術に詳しい者が見れば、雷遁・大玉螺旋丸と言うだろう。

 

 

ねむりん達「雷遁・蓬雷天球(ほうらいてんきゅう)‼︎」

 

 

三つの巨大雷球は石壁の全面に広がり、石壁の収縮は止まっていた。

 

 

スノーホワイト「ホッ..助かったぁ...」

 

ねむりん「動きは止まったが、これでも壊れないとはな...」

 

メアリ「...何で動きが止まるんだよ‼︎」

 

ねむりん「簡単な話だ。土遁は雷遁に弱い。」

 

メアリ「クソが‼︎でも、まだ私には光線銃があるんだよォ!」ビビビビビ

 

ねむりん「...追尾してくるぞ!忍術をぶつけろ!」

 

スノーホワイト「うん!氷遁・ツバメ吹雪!」

 

メアリ「数が足りなかったなァ?」ビュン!ビュン...

 

 

カラミティ・メアリはさらに20個の追尾光線を放った。

 

 

スノーホワイト「数が多すぎる!」サッ

 

ねむりん「あの技を使う!」サッ

 

「アリスが引きつけてくれるのを待つぞ!」サッ

 

スノーホワイト「わかった!」サッ

 

メアリ「もっともっと増やすぞ!オラァ‼︎」ビュビュビュビュ...

 

アリス(...やっと壁を登れた。教わった投擲術...上手くできるかな。)バッ!

 

メアリ「.......何ッ‼︎」

(もう1人いたのか...⁉︎)

 

アリスが死角から放った石はメアリの後頭部にぶつかり、大きな隙が出来た。

 

 

ねむりん「よくやった‼︎雷遁...」バリバリ...

 

麒麟‼︎

 

 

メアリ「イレイズ!!...消しきれない‼︎」

 

 

ゴォォォォォォォォン‼︎バリバリバリバリ!!

 

 

麒麟ーーそれは、作り出した雲から雷を落とすというものであり、それを受けたメアリは地面に叩きつけられていた。

 

...しかし、偶然にもジェット機を搭載したランドセルが、電流を逃す役割を担ったおかげで即死は免れたのだった。

 

メアリ「ウゥ....」ヨロ..ヨロ....

 

 

だが、その背中は焼け爛れて肩甲骨が露出していた。

 

 

ねむりん「本当にしぶといな...」

 

メアリ「ハァハァ......」

 

ガツガツガツガツ!

 

 

スノーホワイト「ツバメ吹雪‼︎」

 

メアリ(御構いなしだ!)

 

ムシャムシャムシャムシャ

 

グサ..グサグサ...グサグサグサ!

 

アリス「...私も!」バッ

 

 

高い石壁から飛び降りて、脳天にかかと落としを決めたアリス。

 

だが、カラミティ・メアリの回復はそれらを上回っており、傷はふさがっていた。

 

 

スノーホワイト「嘘でしょ...」

 

アリス「即死以外では倒せない...」

 

ねむりん「みたいだな。」

(だが、完治はしていない。なんとか命を繋ぎとめているといった感じか。)

 

メアリ「ハハハハハハ‼︎」

(ありったけの魔力を込めてやる!武器強化!)

 

ねむりん「銃の見た目が変わった...⁉︎気をつけろ!」

 

アリス「うん!」

 

ビビビビビビビビ...

 

スノーホワイト「氷遁・ツバメ吹雪!!」

 

バチチチチチチチチチチチ‼︎

 

 

ねむりん「よし!これで相殺...!ん?」

(...スノーは何を使って、相殺したんだ?)

 

アリス「何を消されたの?スノーホワイト。」

 

スノーホワイト「うーん...何をして何を消されたのか、わからない。」

 

メアリ「...食らえ。」

(さらに強化ァ‼︎)

 

ビビビビビビビ!ビビビビビビ!ビビビビビビビ!

 

 

ねむりん「消されたものの記憶を奪う力なのかもしれない!気をつけろ‼︎」バッ

 

 

落ちていた石を放つねむりん。

 

 

スノーホワイト「うん!」サッ

 

アリス「うん!」サッ

 

2人はギリギリで躱して、地面に激突するのを待った。

 

メアリ「.....」ニヤリ

 

ねむりん「投げた石が消えていない...この光線、跳ね返ってくるぞ...‼︎」サッ

 

スノーホワイト「え!なんで⁉︎」サッ

 

アリス「...生き物じゃないからかも。」サッ

 

メアリ「その通りさ!ただの追尾だと関係ない物に当たるからね!生物以外のものに当たったら跳ね返る追尾光線にしたのさ!」

 

 

ねむりん「うぉぉぉぉぉぉぉぉ‼︎木遁・樹界降誕‼︎」

(木は生き物だから、光線が消える!)

 

バチチチチチチチ....

 

三つの光線に当たった木は消失していた。

 

 

メアリ「...!さすがだね。」

(ねむりんとスノーホワイトは強い...でもあいつなら隙がある!速攻型!)

 

ビュン!

 

アリス「うわぁぁぁぁぁ.....⁉︎」ドサッ

 

スノーホワイト「大丈夫⁉︎アリス!」

 

アリス「何を消されたんですか?.........え⁉︎」

 

 

胸から下を消されて、上半身だけのハードゴア・アリスがいた。

 

ねむりん「...おかしい。なぜ回復しない...⁉︎」

 

アリス「細胞が...回復するということを.......忘れたみたい。」

 

スノーホワイト「そんな...!」

 

ねむりん「スノー、アリスを連れて石壁の外に逃げろ。」

 

アリス「私は足手まとい。置いて逃げて。」

 

スノーホワイト「そんなのできないよ‼︎」

(やっぱり困っている人を放っておけないよ!)

 

アリス「‼︎」

(...スノーホワイトに、かつての優しさが戻ってきているのかな?)

 

メアリ「.....ハハハハ‼︎死ね死ね死ね死ねェ‼︎」

 

ビビビビビビビ‼︎

 

 

ねむりん「早く行け!」

 

スノーホワイト「わかった!」ガシッ

 

 

スノーホワイトとアリスは雷遁で弱くなった石壁を壊して、戦線離脱した。

 

 

ねむりん「盾になれ木分身!そして、樹縛栄葬!」

(...そのまま絞め殺してやる!)

 

メアリ「グオオオ......!」ギュウ....ギュウ

 

パキッ...!バラバラバラ........

 

メアリ(光線銃が壊れたか...‼︎なら、本当に最後の奥の手を使うか...!)

 

バキバキバキバキバキ!!

 

ねむりん「‼︎」

(壊しただと⁉︎)

 

 

ねむりんは困惑した。

樹縛栄葬は木の根で相手を絞め殺す技であり、命を繋ぎとめているだけのカラミティ・メアリに、それを壊す力など残っている筈が無いのである。

 

 

メアリ「ウオオオオォォォォォォッ‼︎」

 

ねむりん「お前...自分を武器として強化したのか?」

(なるほど。今までの回復の原理がわかったよ。)

 

メアリ「その通りさ。このままお前に殺されるぐらいなら...全てのリミッターを解除してやるよ!」

 

ブオオオオオオオ‼︎

 

白目を剥いたカラミティ・メアリの周りには、赤い蒸気が迸っていた。ちなみに この蒸気の正体は体の熱で蒸発した血液である。

 

 

ねむりん「!」

(...死門を開けたのか⁉︎マダラの精神世界で少しだけ見たが.......やばいな。)

 

 

ねむりん「火遁・豪火滅却‼︎」

 

メアリ「...効かないよ。」サッサッ

 

 

カラミティ・メアリは灼熱の火炎を手で少し払っただけで、吹き消してしまった。

 

 

ねむりん「嘘だろ...⁉︎木遁・挿し木の術」

 

メアリ「だからァ...効かねェよ‼︎」ブン!ブン

 

 

拳を振るって出来た空気の壁で、木の枝は粉々になった。

 

 

ねむりん(分身に紛れて時間切れを待つか...)

 

「多重影分身の術‼︎」

 

メアリ「‼︎」

 

分身ねむりん達「火遁・炎海熱波(えんかいねっぱ)‼︎」

 

分身ねむりん達「雷遁・揺蕩海月(ようとうくらげ)‼︎」

 

 

分身達は炎の海に雷のクラゲを載せて、回避が困難な波を展開させた。

 

 

ねむりん(視界を遮りつつ、敵を吹き飛ばせば時間を稼げるだろう...)

 

メアリ「ハハハハ...大した術だねぇ...!」

 

ジュォォォォォォ‼︎

 

 

分身達の連携によって出来た火炎はかなりの規模であり、さすがのカラミティ・メアリも飲み込まれてしまっていた。

 

 

ねむりん(どうなったんだ?これでやられたとは考えにくいが...)

 

「⁉︎」

 

 

突如火炎の波に穴が開き、凄まじい衝撃の波動が襲ってきた。

分身のねむりんは全て消え、本体も後方の壁に叩きつけられていた。

 

ねむりん「........正拳突きで、空気砲か...」ガララ.....

 

血を吐きながらも、ねむりんは印を結ぼうとした。

だが、高速でカラミティ・メアリが向かって来たのである。

 

 

メアリ「次からは、衝撃波で済むと思うなよ!」

(足に似てるから、さっきのは壱足と名づけるか...)

 

ビュンビュンビュンビュンビュンビュン...

 

ドームの中を電光石火の如く動き回るカラミティ・メアリ

 

 

ねむりん「なんだあれは...写輪眼でも見切れない...」

 

メアリ「弐足‼︎」

 

ねむりん「グハッ...」

(こいつ...空気を蹴って移動してる...⁉︎)

 

ねむりんは2発目の空気砲を右から受け、壁を削りながら吹き飛ばされた。

刹那、メアリは次の攻撃をしようと目の前にいた。

 

メアリ「参足!肆足!」ブン!ブン!

(魔法少女の体でもこんなに激痛なのか......‼︎)

 

 

参足で上空まで飛ばされて、肆足でドームの真ん中まで殴り飛ばされたねむりんは、臓器が潰されており既に満足な呼吸は出来ていなかった。

 

メアリ「これで....最後だ!伍足‼︎」ブン

 

ドゴォォォォォォォォン‼︎

 

全ての力を拳に込めて、遥か下の地面へ叩きつけた。

それは空間を捻じ曲げるほどの、凄まじいものだった。

 

 

ねむりん「...........ゲホゲホ........ケホケホ......ヒュー.....ヒュー」

 

メアリ「ゴフッ....ねむりんは死んだか...私もそろそろ限界だ...。」ボタボタボタ...

 

ねむりんは体のほとんどを失って横たわっており、それを満足気に眺めるカラミティ・メアリもまた、口から大量の血を流しながら死が訪れるのを待っていた。

誰もが、このまま戦いは終わると思っていたその時だった。

 

 

 

 

 

ーー奴が現れた。

 

 

 

 

ファヴ「ねむりんはまだ生きているpon♪最後の力を振り絞って、ちゃんと殺すpon♪」

 

メアリ「!」

 

ファヴ「このまま自分だけが死ねば犬死だpon☆」

 

メアリ「ハハハ!...そうだねェ!」ニヤリ

 

ファヴ(体が灰になって消えかけていても、相変わらずの狂いっぷりだpon♪)ケラケラ

 

 

……………………………………………

 

 

静まり返ったドームの真ん中、横たわっていたねむりんは目を覚ました。

天井の無い真ん中から見える夜空には無数の星々が瞬いていた。

 

ねむりん「天国...?」

 

 

貰い物の柱間細胞の治癒力では治せない傷を負ったのだ。ねむりんがそう思うのも無理は無かった。

 

 

ねむりん「!」

 

 

だが、すぐ近くで死んでいる2人の少女の亡骸を見て、ねむりんは己の命が尽きていないことを知った。

そして、その亡骸の状態と己の体の修復具合を見て、全ての真相を理解したのだった。

 

ねむりん「...私を生かしてくれたのか。」ポロポロ...

 

 

気づけば、涙が溢れていた。

 

 

ねむりん「うっ.....ううう...うあああ....ううっ....」ポロポロポロ

 

 

 

泣き疲れたねむりんが夜空を見上げていた時、己の意識の中に微かな声が聞こえてきたのだった。

 

 

???「...ねむりん。」

 

ねむりん「ん...」

(私を呼ぶのは誰だ?)

 

ねむりんは目を閉じた。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

メアリ「ハァハァ...今楽にしてやるよ。」

 

ねむりん「....ヒュー.......ヒュー.............」

 

スノーホワイト「やめろ!」

 

メアリ「!...逃げたんじゃなかったのか?まぁいい、2人まとめて殺してやるよ‼︎」ニヤッ

 

ファヴ「それがいいpon!」

 

スノーホワイト「ねむりん、ごめんね。命令を破っちゃった....やっぱり放っておけなかったよ。」

 

メアリ「聞いてた話より強いと評価していたのに、心は甘過ぎるな。あの世で後悔しな‼︎」ザッ!

 

スノーホワイト「負けない‼︎」ザッ

 

 

…………………………………………

 

死にかけているとは言え、八門を開けたカラミティ・メアリに勝てるはずもなく、スノーホワイトは血だらけになっていた。

 

 

メアリ「まだ足りねェ!.....ん?畜生‼︎手が消えた...!」

 

スノーホワイト「ハァ....ハァ....」ボタボタ

 

メアリ「....何故こいつを庇う!?」

 

スノーホワイト「...私は魔法少女だから。ゲホゲホ...」ボタボタ

 

ドサッ...

 

 

大量の血を流し、スノーホワイトはねむりんに覆い被さるように倒れてしまった。

 

スノーホワイト「ねむ...りん.....マダラを........倒しにいくの、やめよ..........う...........?」ゲホゲホ....

(もう声が出ない!!)

 

 

メアリ「アハハハ‼︎みんなで仲良くしようってか?お前みたいな奴は.....」

 

ファヴ「急ぐpon!腕が無いなら、蹴りで2人を殺すpon!」

 

メアリ「うるせーな‼︎わかってるって..........ん?」

 

アリス「...させない。」

 

 

上半身だけになりながらも、蹴りをさせないようにと足を掴んだアリスであった。

 

 

ファヴ「回復できない雑魚の分際で、しぶといpon!」

 

メアリ「離せよ!」ガシ!ガシッ!

 

アリス「嫌だ。」

 

 

蹴られ続けても、アリスはその手を離さなかった。

 

 

メアリ「あーあ。時間.....切れ......だ............」

 

サラサラサラ.....

 

 

ーーカラミティ・メアリは灰になって消えた。

 

 

ファヴ「いいものを見せてもらったpon!後は死に損ない3人で、仲良く死を待つpon♪」ブツ...

 

アリス「...消えた。...スノーホワイト、まだ生きてる?」

 

スノーホワイト「.....」スッ

 

 

既に喋ることが出来ずに、わずかに指を動かして応答したのだった。

 

 

メアリ「私の魔法を応用して、あなたを助ける。」

 

スノーホワイト「....」カキカキ

 

 

ねむりんどうなる

 

 

小さなツララを使って地面に書かれた文字である。

 

 

アリス「死んでしまう。あなたの方が欠損部分が少ないから、ギリギリ助けられる...」

 

 

わたしの体つかう

 

 

アリス「そんなことをしたら、あなたが死んじゃう!」

 

 

つよいもの。いきのこるべき

 

 

アリス「......わかった。魔法を使って、私とあなたの体をねむりんに移植させる。」

 

スノーホワイト「...」カキカキ

 

 

ありがとう

 

 

アリス「うん。......‼︎」

 

 

光と共に現れた霊体のラピュセルが、スノーホワイトの元へ降りていき手を差し伸べた。

 

 

スノーホワイト(ラピュセル...ちょっと待ってね。)

 

ガリガリガリガリ........

 

 

最後の力を振り絞り文字を残すと、スノーホワイトは息を引き取った。

 

その文字を見て、ラピュセルはニッコリ笑っていた。

 

スゥゥゥゥゥゥ....

 

手を握り返したスノーホワイトの魂は、ラピュセルと手を繋ぎ、2人とも微笑みながら昇天した。

 

 

アリス「スノーホワイト...あなたは本当に優しい。」

 

残されたアリスは、自分の体とスノーホワイトの体をねむりんの細胞に合うように変換してねむりんの体となった。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

映像を見る2人の魔法少女がいた。

 

 

ねむりん「これは、私の精神空間に意識を投影させたのか。」

 

アリス「そう。同じ体だから出来た。」

 

ねむりん「...助けてくれてありがとう。」

 

アリス「私はどのみち歩けなかったから大丈夫。感謝するなら、スノーホワイトにするべき...」

 

ねむりん「スノー...何で私なんかのために...!」

 

アリス「元々優しい性格だった。誰かのためなら自分を犠牲にできるほどに。」

 

ねむりん「そう言えばあいつ...誰よりもキャンディを集めていたもんな...」ポロポロ

 

アリス「うん」ポロポロ

 

 

2人は色んな感情が込み上げたのか、号泣した。

 

 

アリス「...そろそろ私は消える。」

 

ねむりん「寂しい...行かないで欲しい。」ポロポロ

 

アリス「スノーホワイトの言葉を思い出して。彼女はマダラと戦わずに、和解して欲しいと思っていた。」

 

ねむりん「もう帰れないよ...」ポロポロポロポロ

 

アリス「あなたの体に...誰かの細胞を強く感じる。マダラのでしょ...?」

 

ねむりん「うん...前に死にかけた時に助けてくれた。」ポロポロ

 

アリス「あなたのことが好きだから...そうしたんだと思う。...それじゃあね。」

 

ねむりん「寂しいよ....」ポロポロポロ

 

 

キラキラと輝く光に包まれて、アリスは消えた。

 

 

 

目を開けて周りを見ると、文字が残されていた。

 

ひょうとんをたくすね

じゅつ かんせいさせてね(´ω`*)

 

 

ねむりん「ありがとな....」ポロポロ

 

 

少し早めの雪が降る中、涙に濡れた赤眼は新たな紋様を浮かべていた。

 

 

 

続く




読んでくださりありがとうございます。

恐ろしく強いカラミティ・メアリでした。
最後の最後まで戦いに狂い、何も残さず灰になって消えるというのは、幸せだと思います。

大きな犠牲がありましたが、ねむりんは万華鏡写輪眼と氷遁を手に入れました。

アリスの魔法の応用は、自分の細胞を変換し拒絶反応無しで、相手を回復させる力です。
拒絶反応があるためスノーホワイトの体は一部しか使えず、回復しきれないため
アリスは上半身のほぼ全てを使い、回復させて死にました。

スノーホワイトはもちろん優しいですが、
彼女の意思を汲み取り、氷遁を扱えるようにしてあげたアリスの優しさにも、作者のくせに涙を流してしまいました笑



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第26話:ルール変更

忍世界を探索しているクラムベリーは、端末から送られた映像を見ていた。

 

クラムベリー「あぁ...!素晴らしい...!!」

 

ファヴ「この戦いは、今までの戦いの中でもダントツで面白いpon♪」

 

 

見ているのはつい先ほど録画した、チーム“モノクロの夢”とカラミティ・メアリの死闘であった。

 

 

クラムベリー「そうですね。私も加わりたかったです...」

 

ファヴ「マスターがいたら、ねむりんも死んでいたpon♪今は残り10人...そのうちの8人が結束しているpon。午前0時からはさっそく()()を実行して、数を減らすpon!」

 

クラムベリー「残り8人になるまでは、キャンディ集めとしてのルールで殺し合いたかったですが....しょうがないですね。私たちの企みに気づいて結束された以上、いつ攻めてくるかも分からないですし。」

 

ファヴ「マスターでも勝てないpon?」

 

クラムベリー「ルーラ達やねむりんの動きを見ればわかります。マダラの修行には一切の無駄がなく、効率的に魔法少女の戦闘力を飛躍的に高めてしまう...。神樹を吸収していない今、8人の強化魔法少女は相手にしたくないんですよ。」

 

ファヴ「マスターは強い者と一対一で戦うのが好きなのに、せこい奴らだpon。だから今度の新イベントは最良の一手だpon♪」

 

クラムベリー「敵の戦力を減らしながら、弱い者を淘汰できるなんて、夢のようですよね。日付が変わるまで1時間ほどありますが、メールを送りましょうか。」

 

 

★お知らせ★

 

魔法少女も残り10人!ここで新イベント“デスマッチ”を開催するよ。

 

★内容★

 

・みんなの腕に出現した腕輪は、魔力・チャクラを完全に吸収する力があるよ。腕を切断しても別の部位に再生するから意味がないよ。

 

・腕輪を取る方法は1つだけ!抽選で選ばれた2人には闘技場で戦ってもらうよ。闘技場内で相手をやっつけたら、腕輪が消滅するよ。

 

・制限時間の24時間を過ぎれば、魔力・チャクラが0になって2人とも死んじゃうよ。

 

・選ばれた2人以外が場内で戦闘に加わったり、他の魔法少女を殺したら失格になって死んじゃうよ。

 

・月曜から金曜の5日間連続で開催して、最終的に5人にするよ。

 

 

★理由★

 

・アイテム購入、魔法略奪システム、腕輪・闘技場作成でこの街の魔力が足りなくなったからだよ。

 

・魔法少女達が団結して、戦わなくなったからだよ。

 

 

マダラ「クラムベリーも慎重な奴だな。こうして俺たちの戦力を減らそうというわけか。」

 

ルーラ「あいつら...本当に狂ってる!」

 

幼女ユナエル「抽選が始まる...」

 

 

★抽選結果★

 

 

トップスピードvsミナエル

 

 

★今日の脱落者★

☆スノーホワイト

 

☆ハードゴア・アリス

 

☆カラミティ・メアリ

 

 

★最後に★

ねむりんは以下の魔法のどれか1つを獲得できるよ。

 

・何もないところに壁を作り出せるよ

 

・持ってる武器をパワーアップできるよ

 

 

☻それじゃあ頑張って生き残ってね☻

 

 

ミナエル「トップスピードが相手か。ねむりんのことも気になるね...」

 

マダラ「おそらくねむりんは2人の手下を連れて、カラミティ・メアリと戦ったのだろう。結果、自分だけが生き残ったのだろうな...。あいつのことは心配だが、メールをしても返事が無いから何もわからないな。」

 

ルーラ「そうね...今は明日の戦いのことを考えましょう。」

 

幼女スイム「...トップスピードとの戦い。なんとかならないんですか?」

 

マダラ「方法ならある。口寄せ輪廻眼という技は輪廻眼を持たない者に、その能力を1つだけ与えるというものだ。地獄道の能力で魂を抜き、口寄せした閻魔で蘇生すれば問題ないだろう。」

 

幼女スイム「...凄すぎる。」

 

たま「お父さんは何でもできるね!」

 

幼女ユナエル「さすがパパです。」

 

ルーラ「...倫理的に問題がある気がするけど、それで助かるならそうしましょう。」

 

ユナエル「輪廻眼を移植かぁ...怖いなぁ」

 

マダラ「医療忍術を使って痛くしないから大丈夫だ。さて、トップスピードにメールをするか。」

 

 

マダラはメールで、トップスピードに詳細を説明した。

 

 

トップスピード[申し訳ないけど無理だ。私はミナエルを倒す!]

 

 

ルーラ「え?どういうこと⁉︎」

 

マダラ「何故拒むのか理解できんが、ミナエルは予定通りに魂を抜いて蘇生させればいい。さっそく移植するぞ。」

 

ミナエル「...わかった!」

 

 

その頃、アリスとスノーの埋葬を終えたねむりんは端末を見ていた。

 

 

ねむりん「殺し合いか......ここでマダラ達と和解したら、戦うのが辛くなっちゃうよ......」ポロポロ

 

(2人ともごめんね。やっぱり私は1人で生きた方がいいんだよ...)ポロポロポロ

 

 

ねむりんは泣きながら暗い森に消えていった。

 

 

同じ頃、トップスピードこと室田つばめも泣いていた。

 

 

つばめ「すまん!マダラ...お腹の子を救うには、勝つしかないんだよ!」ポロポロ

 

 

 

その相方リップルこと細波華乃は、マンションの一室で1人苛立っていた。

 

 

華乃「ちっ...共通の敵だったクラムベリーを討てない今、マダラ達は容赦なく私たちを殺すだろう。あいつらに勝つにはどうしたらいいんだよ‼︎」

 

 

ピーピーピーyou got mail!

 

 

リップル「こんな時間に誰だ...?」

 

 

……………………………………………

 

ピロポロリンリン♪

 

つばめ(メールか.......ん?)

 

 

クラムベリー[こんばんは。今のあなたではミナエルに勝てないと思い、メールを送らせていただきました。]

 

 

つばめ「え、クラムベリー⁉︎」

(返信してみよう...)ピッピッ

 

 

トップスピード[目的は何?]

 

クラムベリー[試合を楽しむためです。あまりにも一方的だと面白くないでしょう?だから、役に立つアイテムを与えてあげようという話ですよ。]

 

トップスピード[代償は?]

 

クラムベリー[何も要りません。楽しませてくれればいいのです。既にリップルさんも受け取られましたよ?]

 

トップスピード[分かった。ミナエルに勝てるアイテムを下さい。]

 

クラムベリー[はい♪]

 

 

ファヴ「こんな雑魚2人に力を与えるなんて、マスターは優しいpon!」

 

クラムベリー「ふふ...ただの余興ですよ。」

 

ファヴ「どうして入手できたpon?」

 

クラムベリー「未開の地を探索する英雄の肩書きですよ。本当に便利なんです....忍界での実験に使うと言えば、好きなだけ与えてくれるのですから。」

 

ファヴ「魔法の国はバカばかりだpon♪」ケラケラ

 

クラムベリー「本当ですね。では、探索に戻ります。」

 

ファヴ「頑張るpon!」

 

 

クラムベリーは神樹を見つけるために歩き出した。

 

そして場面は森の中、ねむりんは万華鏡の能力を確認していた。

 

 

ねむりん「...素晴らしい力だね。右の瞳力を角杙(ツヌグイ)、左の瞳力を活杙(イクグイ)と名付けよう。よし...さっそく術の修行を再開するか。」

 

(もっと強くなって、みんなを笑顔にするからね...)

 

 

 

続く

 




活動報告にも書きましたが魔法少女の数を間違えたので、26話をこの内容に書き換えました。多分こっちの方が面白くなると思います。

前回の方はボツということで、一応載せておきます。
もしかしたらifのストーリーとして、あの続きから書くかもしれません。

今回一連の不手際は、シュタゲのように世界線が変わったということで、ご容赦ください。

ねむりんの万華鏡の能力は左右の位置を変えただけで、ほとんど変わらないですが、まぁ先に知ってても特に問題は無いはずです...楽しみは薄れると思いますが。

ボツの方ではねむりんはこの時点でマダラと和解しましたが、この世界線では先に殺し合いの発表を見たため、1人で生きることを決めました。

それにしても、殺し合いも地獄道で乗り切ろうとするマダラ...本当に便利な能力ですね。


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3週間目
第27話:ミナエルの苦悶


今は日曜日の朝4時である。昨日降った雪が積もり、豪雪地帯である名深市は全てが白に覆われていた。

 

ここはマダラの屋敷前の広場、銃弾と同じかそれ以上に速い雪玉が飛び交っていた。

 

 

少女マダラ「雪合戦など、イズナ達と遊んだ時以来だな。」ニコニコ

 

 

ババババババババババ‼︎

 

闘技場外での殺し合いが禁止になった選抜試験。

ねむりんに対して警戒する必要が無くなって熟睡したマダラは、100年以上前の記憶を思い出して上機嫌なのであった。

 

笑顔で9人の木分身達と、雪の弾丸を投げ続けていた。

 

 

ルーラ「凄く可愛い顔だけど、雪玉は凶悪ね。」サッ

 

たま「躱すのが精一杯!」サッ

 

幼女スイム「...前は躱すのも出来なかった。」サッ

 

幼女ユナエル「うんうん。」

 

輪廻眼ミナエル(今日も修行をさせるなんてマダラらしいなぁ。でも、おかげで緊張がほぐれた気がするよ。)

 

 

ちょうどその頃、森の奥では ねむりんも修行をしていた。かつては嫌がっていた早朝の修行にも慣れ、毎日の習慣となっていたのだった。

 

 

ねむりん「出来た...!」

 

ギュインギュインギュインギュイン!

 

 

ねむりんの両手の中には、光の粒子を纏った丸いチャクラが存在していた。

 

 

ねむりん(スノー、アリス。新しい性質変化、完成したよ....!)

 

新術の形態変化に万華鏡の瞳力、そして須佐能乎の修行を行うねむりんは、五影1人と同等の力を持っていると言っていいだろう。

 

 

そして時は流れ午後10時となり、夕食を終えたマダラの部屋には戸を叩く音が響いていた。

 

マダラ「開けていいぞ。」

 

輪廻眼ミナエル「うん。」

 

ガチャ...

 

輪廻眼ミナエル「...話って何?」

 

マダラ「後2時間で闘技場へと飛ばされる。作戦のおさらいをしておこうと思ってな。」

 

輪廻眼ミナエル「ちゃんと頭に入っているよ?能力を使う時は地獄道以外の能力を口に出して、本物の輪廻眼だと思わせればいいんでしょ?」

 

マダラ「その通りだ。俺は目を閉じたままだから、戦いの最中のアドバイスは出来んぞ?」

 

輪廻眼ミナエル「大丈夫だよ〜?ちゃんと戦うからね!」

 

マダラ「油断はするなよ...?」

 

輪廻眼ミナエル「わかってるって♪」

 

 

………………………………………………

 

深夜0時ちょうどに戦いを始めて10分が経過した闘技場。

 

広い観客席にはニヤニヤしているクラムベリーとファヴ、目を閉じたままのマダラと試合を見守るルーラ達、1人で下を向いて座っているリップル、クラムベリー達からそう遠くないところに座るねむりんの四方に分かれていた。

 

 

試合の展開は、猛スピードで上空を飛び回るトップスピードの晶遁により、殺すつもりで戦えないミナエルが押されていた。

 

 

トップスピード「晶遁・翠晶牢の術!」

 

 

足元から突き出す結晶の山々、触れれば一瞬で結晶に包まれるという性質を、ユナエルは投げた石ころで確認していたのだった。

 

 

輪廻眼ミナエル(どうして私の弱点を...)サッ...サッサッ

 

 

水や劇薬に変身する力は攻守共に優れているが、弱点も存在する。

それらは全て分子で構成されているので、晶遁の前ではただ避けるしかなかったのだった。

 

 

トップスピード「しぶといな...晶遁・翠晶分身の術!」

 

 

計10体のトップスピードが出現し、印を結んでいた。

それは、彼女自身が本気でミナエルを殺しにきていることを意味していた。

 

 

トップスピード達「「晶遁・破晶降龍‼︎」」

 

 

地面の土を結晶化させて作った30体の結晶の龍が、結晶の牢獄と共に襲ってきたのだった。

 

 

輪廻眼ミナエル「修羅道!ミサイル!!」

(爆発が結晶化するか確かめてみるか...)

 

 

クラムベリー「へぇ...修羅道ですか。それにしても...目を預けるなんて、マダラも面白いことを考えますよね。ミナエルが死ねば盲目になるというのに...」

 

ファヴ「トップスピードには頑張って欲しいpon♪」

 

 

パキパキ....ドゴォォォォォォン‼︎

 

 

ミサイルが結晶化するのと同時に起きた爆発で、結晶の龍10体が粉々になった。

 

 

輪廻眼ミナエル「やはり爆発や熱は現象だから、結晶にならないみたいだな。」

 

トップスピード「大した分析力だな。...行け!破晶降龍!」

 

輪廻眼ミナエル「修羅道!レーザー光線‼︎」

 

 

ビュイン!ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガ........‼︎

 

 

熱線は地面から生えた結晶と9体の分身、そして20体の結晶龍の全てを破壊したのだった。

 

 

 

トップスピード「...やっと戦う気になったみたいだな!」

 

輪廻眼ミナエル「違う!今のはお前を狙うつもりじゃ無かった!」

 

トップスピード「...うちは返し!」

 

 

持っていたうちは団扇に蓄積されたレイザービームを、風に変換してミナエルを吹き飛ばしたのであった。

 

 

輪廻眼ミナエル「ぐっ...」

 

トップスピード「晶遁・結晶五角牢の術!」

 

輪廻眼ミナエル「部分変身・背中!ジェット機!」

(敵の得意分野である空中戦は避けたかったが、しょうがないか...)

 

 

地面から出現した巨大な結晶を避けるために、上空へと飛んだミナエルであった。

 

 

トップスピード「翠晶分身‼︎晶遁・一糸光明の術!」

(シスターナナの魔法を、分身達でお互いに掛け合う!)

 

 

一糸光明の術とは自身を結晶で囲みつつ、ビームを放出するという攻守一体の技であり、30体の分身による、掛け算の容量で強化したビームの雨は圧倒的な規模を誇っていた。

 

迫り来る弾幕を前に、ミナエルは怯えるどころか怒りの感情が込み上げてきていたのであった。

 

それも仕方が無いであろう、命を救ってあげたい相手から一方的に攻撃されているのだからーー

 

 

 

輪廻眼ミナエル「...お前が私を殺したいのはよく分かった。私も本気で戦うとしよう。」

 

トップスピード「ハッタリのつもりか?」

 

輪廻眼ミナエル「修行では危なくて使えない技があってな....今見せてやるよ。魔力変換...」

 

 

<マダラサイド>

 

マダラ「やれやれ.....一緒に修行をした仲間だったから、穏便に済ませたかったんだがな。」

 

ルーラ「()()()()ミナエルを怒らせたら、大変なことになるもの。しょうがないわ...」

 

幼女ユナエル「お姉ちゃん、あれを使うのか....!」

 

たま「あわわわわ.....」

 

幼女スイム「♪」ワクワク

 

 

<クラムベリーサイド>

 

ファヴ「向こうの連中が騒ついているpon!」

 

クラムベリー「ふふふふ...何か面白いものを見せてくれるのでしょうか。」

 

 

<リップルサイド>

 

リップル「⁉︎」

(あの小さな石は何だ?)

 

 

リップルが驚いたのは、無理もなかった。

 

ミナエルが弾幕に向かって投げたのは、魔力で生成した小さな石ころ数発である。

 

 

しかし、それははただの小石ではなかった。

光線にぶつかった途端に閃光を放ち、その大きさからは想像できない規模の爆発を起こしたのである。

 

 

 

クラムベリー「原子爆弾...魔法の国も認める、人間達の発明品ですね。」

 

ファヴ「また世界大戦が起きて欲しいpon☆」ケラケラ

 

クラムベリー「全くです。次の選抜試験は国が違う魔法少女どうしを戦わせて、戦争を起こしましょうか。」

 

ファヴ「最高のアイデアだpon♪」

 

 

キノコ雲を見ながら笑う2人の巨悪であった。

 

 

 

分身トップスピード「あの石、まさか...」

 

輪廻眼ミナエル「ウランだよ。名付けて...ミニ原子爆弾。あまり規模が大きいと観客にも当たるでしょ?まぁ、これで私の力は分かったと思う。」

(地獄道以外では殺せないし、完全な個人戦じゃないからやりづらいな...)

 

分身トップスピード「この結晶にヒビが入っていない時点で、大したことないよ。もう一度だ!」バッバッバッバッ

 

輪廻眼ミナエル「どうして戦いたがるんだよ...!」

(硬さは一級品か....)

 

 

トップスピード達「晶遁・神柱光明‼︎」

 

輪廻眼ミナエル「魔力変換・ブラックホール!」

(本当は、口寄せの閻魔だけどね....!)

 

 

口寄せした閻魔に光線を食わせたのだが、閻魔を見ることが出来ない周りの者達は、ミナエルが本当にブラックホールを出して吸収したと認識したのだった。

 

 

クラムベリー「!....凄すぎます。どこまで魔法の強化を施したんでしょうか。」

 

 

 

輪廻眼ミナエル(閻魔を踏み台にッ...!)

 

「天道!万象天引!」

 

バッ

 

 

見えない壁を蹴ってジェット機で飛び去ったミナエルの動きに、クラムベリーはさらに興奮していた。

 

 

クラムベリー「引力を操作して空中移動ですか。彼女は輪廻眼を使いこなしています。」

 

ファヴ「ミナエル...中々凄いpon!」

 

クラムベリー「ああ!私も戦いたい...!」

 

 

 

トップスピード「くそっ...変則的な動きだ!」ハァ...ハァ..

(チャクラも少なくなってきたな....)

 

輪廻眼ミナエル「もう終わりにしてやるよ。魔力変換・奥義...」

 

 

ミナエルはトップスピードの軍団に向かって、ホース状に変換した腕から正体不明の液体を飛ばしたのだった。

 

 

トップスピード達「晶遁・紅の果実!」

(この結晶は無敵だ!)

 

ジュオオオオオオオオ.... ジュウウウウウウウウ......

 

 

ウワァァァァァァァ‼︎ やめてぇぇぇ! グァァァァァァァ‼︎

 

 

トップスピード「嘘だろ...?」

 

 

さっきまで隣にいた分身達は結晶を融解して浸入してきた液体に触れた途端、断末魔と共に消えてしまったのである。

 

 

輪廻眼ミナエル「壊せないなら溶かせばいい。...さすがオリジナルだと褒めたいところだけど、このままだと死ぬよ?凶悪な劇薬どうしを魔力で融合した“ミナエル酸”だもん。」

 

トップスピード「ミナエル酸だと...?」

 

輪廻眼ミナエル「フッ化水素、フルオロスルホン酸、フルオロアンチモン酸、王水、カルボラン酸、マジック酸...他にも色々混ぜて、全ての良いところを取った酸だよ。...さて、大人しく魂を抜かせてくれるかな?」

 

トップスピード「...嫌だ!」ポロポロ

 

 

 

ルーラ「勉強の成果ね。」

 

マダラ「ミナエル酸は俺の須佐能乎も簡単に溶かすからな。大した力だ。」

 

たま「ミナちゃんが味方で良かったぁ...」

 

 

 

輪廻眼ミナエル「どうしてそこまで拒むんだ?」

 

トップスピード「......」ポロポロ

(お腹の子を守る!3つ目の人工チャクラの身を食べてやる!)

 

 

自身の懐から果実を取り出すトップスピードであった。

 

 

ねむりん「‼︎」

(2つの果実でさえ経絡系がボロボロなのに、3つ目なんて無理だよ!)

 

 

 

ガツガツガツガツガツ.....

 

 

輪廻眼ミナエル「!....おい、やめろって!」

(水の果実か⁉︎)

 

トップスピード「ゲホッ...溶遁の術!」ボタボタボタ

 

輪廻眼ミナエル(私の酸が操られたッ...!)サッ

 

「....!」

 

 

ミナエルが酸の液体を躱して下を見た時、命が尽きたトップスピードが変身前の姿で落下していたのである。

 

 

 

ファヴ「マスターも意地悪pon。無理だと分かってるのに、5つの果実をあげるなんて♪」ケラケラ

 

クラムベリー「お詫びのつもりだったんですよ?隣にリップルがいる前提で、シスターナナの魔法を選んだ彼女への...」フフフフフ

 

 

輪廻眼ミナエル「‼︎」

 

 

リップル「ちっ...」

(半年間は死なないって、こういうことだったのか.....!)ポロポロ

 

 

たま「お腹が膨らんでるよ...」ポロポロ

 

ルーラ「子供がいたから、拒否したのね...」

 

マダラ「外で生きられない赤子は、地獄道でも蘇生することは出来ないからな。」

 

幼女スイム「...」

(...母親が死ねば、赤ちゃんも死んじゃうんだ。)

 

幼女ユナエル「!」

(ねむりんが泣いてる...)

 

 

 

ねむりん「うううっ...」ポロポロ

 

 

ファヴ「子供も死んじゃったpon☆」ケラケラ

 

クラムベリー「ミナエルが羨ましいです...芽吹く命を摘み取る快感。...たまらないでしょうね♪」

 

ファヴ「ザコの子はザコ。生まれる価値なんてないpon♪」ケラケラ

 

 

ねむりん(クラムベリーとファヴ.....私はお前達を許さない。)

 

 

2人の話しを聞いていたねむりんは静かに、自らの闘志を燃やすのだった。

 

 

ミナエルがつばめの遺体を空中でキャッチしたところで、気持ちを逆なでするかのような、軽快なアナウンスの音声が流れた。

 

 

ピンポンパンポーン♪

 

 

ファヴ「決着が着いたpon!勝負はミナエルの勝ち!おめでとうpon☆さっそく明日の組み合わせを抽選で決めるpon!」

 

 

巨大なスクリーンに白黒の生物が映った後は、抽選画面へと切り替わったのであった。

 

 

ねむりん「‼︎」

(嘘でしょ......)

 

 

ユナエルvsうちはマダラ

 

 

マダラ「ん...?俺と誰だ?」

 

ルーラ「ユナエルよ...」

 

ファヴ「盲目は辛いpon?はやくミナエルから、目を返してもらうpon♪それじゃあ頑張るpon☆」

 

輪廻眼ミナエル「ファヴ!勝った私に魔法を選ばせろよ!」

 

ファヴ「あー忘れてたpon☆トップスピードかシスターナナの魔法のどちらかを選んでいいpon♪」

 

輪廻眼ミナエル「...トップスピードの魔法にするよ。」

 

リップル「......」

 

ファヴ「元相方のリップルの目の前で、よく言えたpon♪」

 

マダラ「気にするなミナエル。端末のボタンを押して、みんなで帰るぞ。」

 

輪廻眼ミナエル「はーい♪」

 

幼女ユナエル「わかりました!」

 

 

ねむりん「.......」

(明日殺しあうのに、どうしてこんなに気楽なの?)

 

 

端末のボタンを押したマダラ達は、いつもの屋敷へとワープしていった。

 

 

輪廻眼ミナエル「ううう...ううう......」ポロポロポロ

 

 

闘技場では気丈に振る舞っていたが、屋敷に戻った途端に泣き出してしまったのだった。

 

 

幼女ユナエル「お姉ちゃん...」ギュ

 

たま「ミナちゃん....」ポロポロ

 

ルーラ「ミナエル、あなたは悪くないわよ...」ナデナデ

 

輪廻眼ミナエル「でも仲間の命を奪ってしまった...!私はどうすればいいの....」ポロポロ

 

幼女スイム「...2人の分まで生きるしかない。」

 

マダラ「その通り。もっと強くなって、こんな戦いが2度と起きないようにするのが....唯一の償いだろうな。」

 

輪廻眼ミナエル「うん.......分かった!私もっともっと強くなるよ!これからも修行よろしくね。」ポロポロ

 

マダラ「任せておけ。」

 

ルーラ「それじゃ、私たちは眠りましょうか。」チラ

 

幼女ユナエル「そ、そうだね。」

 

幼女スイム「ふわぁー...」

 

たま「おやすみ〜」

 

 

昨日から2人部屋で眠ることが出来るようになり、みんなはそそくさと部屋に行ってしまった。

 

 

マダラ「あいつら...そんなに眼球を見るのが怖いのか。」

 

輪廻眼ミナエル「う、うん。」

(みんな、気を遣わなくていいのに!)

 

 

ミナエルがまだ落ち込んでいると思い、今晩はマダラと2人きりにさせようというルーラ達の気遣いであった。

 

 

マダラ「終わったぞ。痛くなかっただろう?」

 

ミナエル「うん!それじゃあ、シャワー浴びてくるよ。」

 

マダラ「今日の戦いぶりは見事だった。お休み。」

 

 

ミナエルと分かれた後、個室で料理本を読むマダラ。

 

 

マダラ「キャラ弁か...。これからの弁当で試してみるか。」

 

 

コンコン!

 

 

 

扉を叩く音に応答すると、髪をバスタオルで拭きながらの美奈が入室し、マダラのベッドに腰を下ろしたのだった。

 

 

美奈「.....」

 

マダラ「どうした?明日の朝も早いぞ。」

 

美奈「えっと...」

 

マダラ「...罪の意識で眠れないのか。」

 

美奈「うん...。関係ない赤ちゃんを殺しちゃったから。」

 

マダラ「ミナエルよ。あの赤子は殺されたのではなく、死んだのだ。結末は同じだが、過程が大きく異なると思わないか?殺し合わなければ生き残れない戦いにおいて、最後までお前に殺意は無かった....凄いことじゃないか。

それに俺は2度死んだから分かるが、人は望めば何度でも生まれ変われる。きっと今頃、トップスピードとその子供は、どこかの家の双子として生を受けてるかもしれんな。」

 

美奈「ありがとう....」ポロポロポロ

 

マダラ「あぁ。....もう大丈夫か?」

 

美奈「うん」ゴソゴソ

 

マダラ「何をしている?」

 

美奈「リップルが怖くて眠れないから、一緒に寝てよ!」

 

マダラ「そうか、なら全員でだな。」

 

早苗「気配を消してたのに、何でわかるのよ⁉︎」

 

綾名「さすがお父さんです。」

 

優奈「お姉ちゃんだけなんてずるい!」

 

珠「ずるいずるい!」

 

美奈「みんな寝たんじゃ無かったの⁉︎」

 

マダラ「やれやれ...布団を用意するか。」

 

 

マダラが大広間に布団を用意している頃、ルーラを除く少女達はマダラの両隣を決めるジャンケン大会で賑わっていた。

 

 

少女マダラ「俺は端で寝るから、それじゃあな。」

 

美奈「イジワル!てか、変身するなー!」

 

綾名「...どうして変身するんですか?」

 

少女マダラ「同衾というものは、好きな人とするものだろう?自分の恋人とやってくれ。」

 

綾名「どうきんって何ですか?」

 

少女マダラ「主に男女が一緒に寝ることだ。」

 

早苗「あなたに異性への感情なんて無いでしょ?ジャンケンに勝った2人の要望を聞いてあげて?」

 

少女マダラ「あぁ。」

(ルーラは本当に気が強い奴だな...)

 

美奈「恥ずかしくなったから、やっぱり変身してて!」

 

たま「私はどっちでもいいよぉ〜♪」

 

少女マダラ「わかった。消灯するぞ。」

 

 

電気が消えた真っ暗な部屋。

照らすのは月明かり、聞こえるのは少女達の声。

 

 

美奈「あったかい...」ムギュ

 

珠「お父さ....あ、今は妹だった!」ムギュ

 

少女マダラ「...くっつきすぎだ。」

(まぁ、悪い気はしないがな。)

 

優奈「明日は私が隣だからね?」

 

綾名「...私も隣。」

 

優奈「わかってるって♪」

 

早苗「川の字で寝るのって、楽しいわね。」

 

少女マダラ「...そうだな。」

 

 

川の字で眠るマダラ達、平和な時間を噛み締めているかのように安らかな寝顔である。

 

 

 

続く

 

 




ミナエルには飛行能力がありますが、ジェット機の方が速く飛べるのでそうしました。

閻魔の中では抜いた魂と体が無いと蘇生できないということで、お腹の中の胎児までは救えないということにしました。
トップスピードは、我が子を殺してまで自分だけが助かるのは嫌だったのでしょうね。

ジャンケンをせずとも、今日だけはミナエルを隣で寝かせようということになりました。


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第28話:絶望のねむりん

私生活が忙しく、投稿が遅れました。
ニンテンドースイッチの発売が楽しみです。
ポケモンのダイヤモンドパールのリメイクが出る可能性があり、期待しています。ダイパは最高傑作でした。
町の1つ1つの配置のバランス、個性。正体の分からない洋館の恐ろしさ...あのころの楽しい思い出が蘇ります。


私の名前は三条合歓。名深市の大地主 三条家に生まれた24歳の女である。

 

恥ずかしい話だが、私はこれまで何か物事を本気で打ち込んだり、目標のために頑張ったことが無かった。

それだけじゃ無いな...私は働いたことすらない。

 

病弱な私は家族に愛されて、甘やかされて生きてきた。

 

 

ーー2週間前までは。

 

 

毎日をベッドの上で過ごす私は、とあるアプリを遊んでいた。

ネットでも有名なそのアプリは『魔法少女育成計画』と呼ばれ、プレイヤーを本物の魔法少女にするという噂を信じて遊ぶ者は、私自身を始め少なくなかった。

 

 

そのアプリを遊んで数日が経った時、私は魔法少女となった。どうして選ばれたのかは今でも分からないけどね。

 

魔法少女になれたことは本当に嬉しかったなぁ...。

他人の夢に入るのって凄く面白いんだよ?

 

そしてキャンディを集めるイベントが始まった。

私は悩める人に幸福な夢を見せて、明日からの生活を少しでも楽しく過ごしてもらうようにしたんだけど、キャンディは増えなかった。

 

外に出て活動しないとダメだったのかなって、今は思っている。

 

 

そしてイベントを放棄した私は、夢の中でマダラと出会う。

 

第一印象は...髪の長い赤鎧の男。

コスプレイヤーかな?そんな風に思っていたっけな。

 

でも、その夢は他の人の夢とは一線を画していたよ。

私のサポートが無ければ、夢が覚めるまで戦い続けていただろうなぁ...

 

後から分かったことだけど、マダラは無限月読を成就させる夢を見ていて、過去に忍世界でも発動させていたよ。

でも、敵に妨害されて仲間には裏切られて...結局死んじゃって、何故かこの世界に来た。

 

 

2度目の夢の中で、私とマダラはコンビとなった。

魔法少女じゃなくなると死ぬかもしれないって教えてくれたマダラに、私は運命を感じたんだよね。

 

 

それからルーラ達と戦って、捕らえたユナちゃんと一緒に修行をしたりで色々あったなぁ。

クラムベリーと戦った時のことは、今でもよく思い出す。

あの時の私は弱くて、庇うマダラの足手まといになってたっけ。

そして重体の私を助けてくれたマダラやルーラ達。

みんなと一緒に過ごすようになって、マダラと過ごす時間が減ったことに耐えきれず家を飛び出しちゃったけど、本当はみんなのこと大好きだよ。

 

 

でも......大好きだったみんなも変わってしまった。

 

 

昨日の戦いでユナちゃんが死んで、今戦っている2人のどちらかも死ぬしかない状況。

 

観客席のマダラは眠っており、スイムちゃんとミナちゃんは楽しくお喋りをしている。

 

 

 

「あいつら、ついに頭がおかしくなったpon♪」

 

 

「......そうですね。」

 

 

ファヴとクラムベリー、今話しているこいつらがマダラ達を変えた張本人。つまりこの戦いの主催者であり、私の憎むべき相手である。

 

今戦っているのは輪廻眼を持つルーラとたま。

多分ルーラが勝つだろう。

ルーラの魔法の正体は分からないけど、途轍もなく厄介な力を持っていることだけは分かる。

 

後は私とクラムベリーとスイムちゃんと、リップルって人だけなんだけど、おそらくクラムベリーは最後に残るだろう。万華鏡写輪眼を持つ私だから分かるけど、あのクラムベリーは結晶で出来た分身....本体がここに来たことは無い。本体が来れないような理由があって、抽選結果を操作して戦いを先延ばしにしているのだろう。

 

でも、一体どんな理由があるんだ...?

昨日からリップルがここにいないことも関係しているのか...?

 

 

 

「決着がついたみたいですね。アナウンスお願いします。」

 

 

 

たまちゃんが死んでいるのに、ルーラちゃん笑っているよ...。みんなの精神はもう完全に壊れちゃったんだね。

ファヴとクラムベリー、絶対に倒してやる!

 

 

 

「............それじゃあ、また明日だpon!」

 

 

 

モノクロの夢ねむりん

VS

森の音楽家クラムベリー

 

 

 

 

私とクラムベリーか.....!でも明日戦えるということは、もう目的は果たしたということか?

まぁいい、奴を倒せば全てが終わる。

 

 

………………………………………………

 

 

ルーラ「ねむりん、居なくなっちゃったわよ。」

 

マダラ「ねむりん....」

(お前じゃクラムベリーに勝てるわけがない...)

 

 

クラムベリーの強さを知っているからこそ、ねむりんが心配なのである。

 

 

輪廻眼ルーラ「...たまを連れて、早く帰りましょ?」

 

ミナエル「帰ろ帰ろ〜♪」

 

クラムベリー「あなた達が元気な理由が分かりましたよ。たまを蘇生させるんでしょう?」クスクス

 

ファヴ「マスターの観察力は鋭いpon!マダラ、つまらない演技はやめていいpon♪」

 

 

突如マダラ達の方へ現れたクラムベリーとファヴ。

目を開けたマダラは、万華鏡写輪眼で2人を睨みつけた。

 

 

マダラ「あぁ、その通り。だが文句は言わせんぞ?昨日蘇生させたユナエルは魔法少女に変身出来なくなった。...つまりお前達の理想通りとなったわけだからな。」

 

クラムベリー「生ぬるい戦いだったのは不満でしたが、数が減ったので文句は言いませんよ。それに、明日は本当の殺し合いですから。」

 

マダラ「...ちゃんと本体で勝負しろよ?」

 

クラムベリー「私の翠晶分身を見抜くとは、さすが写輪眼といったところでしょうか。もちろん本体の私で、圧倒的な力を見せつけてあげますよ。」

 

マダラ「分身でも分かるこのチャクラの感じ...お前まさか......」

 

クラムベリー「人工チャクラの実、5つ全て食べました♪」スッ

 

 

そう言って出した手の中には、あまりにも無機質かつ圧倒的な存在感を持った黒い球が、静かに浮かんでいた。

 

 

マダラ「血継網羅.....求道玉か.......⁉︎」

(ん?この感じは......)

 

クラムベリー「そう...神の力ですよ。かつてあなたも扱っていましたね。」

 

マダラ「全て知っているというわけか。」

 

ファヴ「手駒として使っていた奴に裏切られたのは、本当に無様だったpon!」ケラケラ

 

マダラ「もう忍界に未練は無い。俺は柱間の言葉を信じて今を生きているだけだ。」

 

ファヴ「友情話しなんて興味ないpon☆それじゃあ、明日はねむりんが虐殺されるのをゆっくりと眺めるpon♪」ケラケラ

 

クラムベリー「元コンビであり、最初の弟子ということで思い入れが強いでしょうが、彼女の写輪眼以外は残らないと思ってくださいね?」フフフフ

 

マダラ「...帰るぞ。」

 

幼女スイム「...はい。」

 

輪廻眼ルーラ「ええ...」

 

ミナエル「はーい。」

 

 

屋敷に戻ったマダラ達は留守番をしていた優奈と合流し、たまを蘇生させたのだった。

 

 

珠「やっと生き返れた〜!」

 

輪廻眼ルーラ「クラムベリーに妨害されると思って、かなり緊張したわよ。」

 

ミナエル「手を離したら魂が昇天しちゃうって怖すぎ...」

 

マダラ「眼球を元に戻した後に会議をする。ルーラだけ来い。」

 

 

 

マダラとルーラが戻ってきた時、優奈は闘技場内の様子が知りたくて、待ちくたびれた様子だった。

 

 

優奈「何が起きたのか早く教えてください...!」

 

マダラ「そうだな...まず始めに、クラムベリーは分身体であり、そいつに俺たちの作戦を気づかれたが、お前達が魔法少女じゃなくなったことに満足して容認した。そしてリップルの姿は昨日と同じく会場に無かった。最後に明日の組み合わせはねむりんとクラムベリーになった。因みにクラムベリーは出来損ないの血継網羅を習得していた。」

 

ルーラ「出来損ないってどういうことかしら。」

 

幼女スイム「...完璧に見えましたよ?」

 

優奈「色んな出来事があって頭が混乱しますね...」

 

ルーラ「まずはリップルのことについて考察しましょう。リップルもトップスピードと同じで、人工チャクラの実によって強化されていて、クラムベリーと繋がっているかもしれないというのは前に考察したわよね。クラムベリーが分身体ということは今まで本体が来れない理由があって、それにリップルも絡んでいる可能性があるわね。」

 

マダラ「大した分析力だな。俺が考えるクラムベリーの本体が来なかった理由と、血継網羅についてを纏めて話してやろう。血継網羅...それは、5つ以上の性質変化を組み合わせたものを指すが、本来は五大性質変化と陰遁と陽遁の7つを合わせたものであり、8つ目の性質変化と言われている。クラムベリーは5つの果実を食すために、体内のチャクラを繋ぐことの出来る神樹を探していたのだろう。チャクラを繋ぐ能力は便利で、俺もかつては嵐遁を使ったっけな。」

 

幼女スイム「神樹は複数あるんですか?」

 

マダラ「あぁ。忍界を彷徨った俺にしか分からないことなのに、クラムベリーがそれを知っていたのは驚いたな。でも、そうまでして手に入れた力だが...奴の血継網羅には陽遁が無い。」

 

ルーラ「どうしてクラムベリーが取り込んだ神樹には陽遁のチャクラが含まれていなかったの?」

 

マダラ「かつて俺の無限月読は、忍界の全てのチャクラを1つにした。その時に遥か彼方の大陸の神樹のチャクラすら吸収したから、残った神樹は枯れ木と同じなのだ。陽遁は生命エネルギー...後は言わなくても分かるな?」

 

珠(話についていけないよぉ...)

 

ミナエル「チャクラ接続という神樹の能力は残ったけど、枯れ木になったから命を基とした陽遁は失われたってことかな。でも何で陰遁を基とした性質変化は、クラムベリーやトップスピードが扱えたの?」

 

マダラ「六道仙人が弟子たちに与えたのは精神エネルギー...つまり陰遁であり、今では広く普及しているから研究も容易だったのだろう。一方、陽遁はもう1人の息子アシュラの血族か、一部の秘伝忍術を扱う者にしか宿らない上に、陽遁を持つ者の体の大部分を取り込むこと以外には体得する方法はない。もちろん取り込まれた本人は死ぬ...。だが、リスクがあるにしても体の一部を移植するだけで事が足りる木遁使いが1人...俺の友であり最大のライバルだった男...」

 

ルーラ「千手柱間ね?じゃあ、クラムベリーは木遁が使えないってこと?」

(柱間について語ると長いから、遮らないとダメね。)

 

マダラ「...そうだ。」

 

ミナエル「クラムベリーは気づいているの?自分に陽遁が無いってことに。」

 

マダラ「血継網羅に満足していたあの様子を見るに、気づいていないだろな。」

 

幼女スイム「今のクラムベリーに弱点はあるんですか?」

 

マダラ「体術と陽遁を使った木遁、それに仙術を用いた攻撃なら通るはずだ。仙術とは自然界に存在するエネルギーを使って、チャクラを消費しながら術の威力を上げることができる代物だ。因みに、柱間は蛞蝓(かつゆ)仙人の下で修行をした。」

 

優奈「かつゆ仙人?」

 

マダラ「巨大なナメクジの仙人だ。仙術は本来なら仙人動物の教えを必要とするが、俺が教えてやろう。その場合は動物由来の力を使うことは出来んが、蛞蝓の圧倒的な回復力は柱間細胞が補っているから気にすることはない。それと、仙術には向き不向きがあるから、習得できない奴は体術に専念すればいい。」

 

珠、優奈「「私たちもできるんですか?」」

 

マダラ「あぁ。体と自然エネルギーの相性が合えば誰でも習得できる。明日の朝から始めるぞ。」

 

ルーラ「どうしてもっと早くに教えてくれなかったの?」

 

マダラ「仙術の修行は長い時間をかけて行うものだ。それを短時間に凝縮するには柱間細胞が必要不可欠。だが柱間細胞が完全に馴染んでいないと、すぐに体が石化するから無理だったのだ。石化した体を治すのは不可能...強力な力だがリスクもあるのだ。」

 

ルーラ「なるほど。石化...怖いわね。」

 

マダラ「まぁ、修行時は石化する前に餓鬼道で助けてやるから安心しろ。さて、俺は寝るぞ。」スタスタ

 

 

1人、大広間へと向かうマダラ。柱間のことについて語る前にルーラに釘を刺され、大人しく寝ることにしたのだった。

 

 

ルーラ「...じゃんけん大会ね。」スッ

 

優奈「え⁉︎ルーラも隣がいいの?」

 

ミナエル「ヤキモチかなぁ〜?」

 

ルーラ「ええ、そうよ!この2日間みんなが楽しそうにしているのを見ていたら、私だって隣で寝たくなったわよ!」

 

 

恥ずかしさで頬を赤らめて開き直るルーラ。以前の彼女では考えられないほどの素直さである。

 

 

幼女スイム「...ルーラ可愛い。」

 

珠「ツンデレだね!」

 

ルーラ「う、うるさい...!」

 

ミナエル「今日はルーラを隣にしてあげようよ。もう片方の隣はじゃんけんで決めない?」

 

珠、優奈、スイム「賛成!」

 

………………………………………

 

じゃんけんの結果虚しく、マダラが端っこで寝ていた為に、結局ルーラ1人がマダラの隣となったのである。

 

 

少女マダラ「どういう風の吹き回しだ?」

 

早苗「今日は寒いから、体温の高いあなたの隣で寝てあげようって話よ!」

 

少女マダラ「うむ...」

 

早苗「何よ...火遁使いなんだから快諾しなさいよね?」

 

少女マダラ「いや、冷え性なんだなと思ってな。」

 

早苗「ちゃんと温めてよね...」ギュ

 

綾名「...」ジー

 

美奈、優奈「ジーーー」

 

珠「///」

 

少女マダラ「...?」

 

早苗「端っこに寝ていたマダラが悪いのよ?」

 

少女マダラ「すまんな...」

 

 

マダラ達が平和な時間を過ごす頃、ねむりんは1人 絶望を感じて震えていた。

孤独、暗闇、ユナエルとたまの死、精神が病んだ仲間達、そして明日死ぬかもしれないという恐怖...

 

 

ねむりん「私は魔法少女だから.......か。」ポロポロ

 

 

涙を流しながら思い浮かぶのはスノーホワイトの言葉。

孤独な心に勇気と自信を与える、ねむりんの大切な言葉となっているのである。

 

 

ねむりん(スノー、アリス、ユナちゃん、たまちゃん。私の初めての目標、ちゃんと空から見ててね...)

 

 

 

2週間前の無気力な黒眼は野望を抱いた赤眼にーー

 

絶望の淵に少女。その震えは戦の前に(いき)り立つ武者のように、鬼気迫るものだった。

 

 

 

続く

 

 

 

 




私生活の忙しさの他に、陽遁等の設定面を考えていたら時間がかかりました。

次回の話はねむりんとクラムベリーの戦いなので、書きやすいと思います。

それにしても、勘違いって怖いですね。
ねむりんの絶望指数がどんどん上昇していってます。


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第29話:修行の成果

今回も中々長いです。私生活がとても忙しいですが、完結目指して頑張ります。

この物語の主人公はマダラとねむりんですが、最近はねむりんがメインになってますね...


仙術の修行をするルーラ達、今は水曜の午後6時である。

 

優奈「大自然と一体に...」

 

珠「大地を駆ける犬のように...」

 

マダラ「‼︎」

 

ルーラ「凄い...!」

 

人間体2人の顔には、仙人の証である隈取りが現れていた。

 

 

珠「力がみなぎる!」バゴン

 

 

生身の状態でありながら、拳で大岩を粉砕する珠。

 

 

優奈「魔法少女の時と同じくらいに高く跳躍できる!」

 

 

木の頂上まで軽く飛び乗った優奈。

 

 

ミナエル「二人ともすげー‼︎」

 

幼女スイム「普通の人間とは思えない...」

 

マダラ「登校前と下校後の数時間で習得か.....もしかすると、魔法少女じゃない方が習得しやすいのかもな。だが、仙人モードの持続時間は約5分...あまり無茶をするなよ。」

(もう一度ねむりんに電話するか...)

 

 

プルルルルルルル.....

 

 

ねむりん「ごめんね...クラムベリーを倒すまでは話をしないって決めたんだ。...生きた者との繋がりは弱さしか生まない。この世界は悲しいことが多過ぎるもんね...」

 

ファヴ「本当にマダラからアドバイスを貰わなくていいpon?」

 

ねむりん「あぁ...」ギロリ

 

ファヴ「たしかにアドバイスなんか貰っても、結果は変わらないpon♪」ケラケラ

 

ねむりん「...勝手に言ってろ。」

 

 

そして時は過ぎて木曜の午前0時になった。

天候は視界が全く見えないほどの猛吹雪、3対6枚の黒翼を生やしたエルフ...いや、堕天使と言った方が相応しい存在は、雪上を浮遊しながら妖しい笑みを浮かべていた。

 

クラムベリー「フフフ...」

 

 

 

マダラ「求道玉を自在に展開可能な6枚の翼にしているのか...」

(陽遁と輪廻眼が欠けているから、これ以上は増やせなさそうだな。)

 

優奈「あれに当たればどうなるんですか?」

 

マダラ「消失する。柱間細胞で回復することができるが、その速度は極めて遅い。陽遁が加われば『完全無効』の性質が加わって回復すら出来なくなるから、今の状況はまだ幸運と言えるかもしれん。」

 

 

 

ねむりん「...何が可笑しい?」

(ユナちゃんとたまちゃんが生きている...?それにこの濃密なチャクラの羽は何だ...?)

 

クラムベリー「陽遁を持つあなたの写輪眼を奪えば完全体となる。そう思うと嬉しいんですよ...」

 

ねむりん(陽遁?木遁のことか...?)

 

「多重木遁分身の術‼︎」

 

 

 

マダラ「陽遁が欠けている事に気付いていたのか...。まぁ、特に問題は無い。防げないことには変わらないからな。」

 

ルーラ「でも、ねむりんは血継網羅の弱点を知らないんじゃないかしら...」

 

マダラ「やれやれ。メールで連絡したんだがな...」

 

珠(ねむりん...頑張って‼︎)

 

 

ねむりん達「火遁・豪火滅失!」

 

 

豪火滅失をマダラのように1人では出来ないねむりんだが、分身達と連携することでそれを可能としたのだった。

 

 

クラムベリー「無駄です。」バサッ

 

 

真ん中の羽の2枚を使って火炎を防いだクラムベリー。

刹那、上羽と下羽がねむりんの分身に遅いかかった!

 

 

分身ねむりん達「「ぐぁぁぁぁぁぁッ‼︎」」

 

 

分身ねむりんは羽に触れた部分だけが消えている者と、分身が維持できずに木になった者との2つに分かれていた。

 

 

分身ねむりん「火炎を受けても無傷か...」

 

分身ねむりん「あれが塵遁...?」

 

ねむりん(聞いていた塵遁の性質と違って流動性があるな...。水の性質変化を加えた塵遁なのか?まぁ、そっちが4つ組み合わせるなら、今こそ新術を見せる時だな。)

 

バッバッバッバッバッバッ...

 

 

マダラ「⁉︎」

 

 

ねむりんの結ぶ印は、マダラがこれまでに見たことの無い組み合わせだった。

 

 

クラムベリー「何を見せてくれるんですか?」

 

分身ねむりん達「煌遁・玲瓏星歌(れいろうせいか)の術‼︎」

 

クラムベリー「こう遁...?鋼ですか?」

 

 

ねむりんが放ったのは透き通った音色を奏でる青い龍炎放歌であり、熱量はオリジナルを上回っていた。

 

 

クラムベリー「鋼では無く、光だったんですね。」

 

ねむりん「煌めくという漢字だ。...食らえ!」

 

クラムベリー「⁉︎..........!」

(予想以上に速いですね。)

 

ドガガガガガガ....

 

 

高速で飛来する青い光の龍は、黒翼の間をすり抜けてクラムベリーに襲いかかったのであった。

 

 

クラムベリー「速さは素晴らしいですが、威力は大したことありませんね。」

(煌遁は速さを上げられるのか...?)

 

バサッ‼︎

 

 

ねむりん「‼︎」サッ

 

 

微かな火傷を負ったクラムベリーは、ねむりんの集団を羽ばたき1つで蹴散らしてしまったのだった。

 

ボボボボボボボボボボボボボボ...ン!!

 

 

消えゆく分身達の中、間一髪で足に青いチャクラを纏わせて回避したねむりん。

 

 

クラムベリー「その青いチャクラ...煌遁の能力ですか?」

 

ねむりん「そうだ。」

(ここはハッタリを使っておくか。)

 

クラムベリー「チャクラの性質からして、水遁と風遁と火遁と雷遁の4つの性質変化を混ぜたものですか。...何て言えばいいんでしょうね。」

 

ねむりん「血継枢要(けっけいすうよう)とでも呼んでくれ。」

 

クラムベリー「血継枢要...スノーホワイトの力を借りたとはいえ、よく頑張りましたね。ですが......攻撃面は塵遁の完全劣化版ですよ。泥遁・泥分身!晶遁・翠晶分身!土遁・岩分身!水遁・水分身!氷遁・氷分身!雷遁・影分身!爆遁・起爆分身!熔遁・護謨(ゴム)分身!」

 

ねむりん「どういうつもりだ?今更そんな忍術、使う意味が無いだろう?」

 

クラムベリー「血継網羅を用いて一瞬で勝負がつくのもつまらないでしょう?私は体術の方が好きですし、ファヴの要望を叶える方が面白いですしね♪」

 

ねむりん「要望...?」

(あの黒い翼...血継網羅って言うのか。)

 

ファヴ「生まれたことを後悔するまで痛めつける。それが今回のコンセプトだpon♪」

 

クラムベリー「行ってください、私の分身達。」

 

 

分身達に求道玉の羽は無いものの、夜空を覆い尽くすほどに出現したそれは普通の忍ならば太刀打ちできないだろう。

 

 

ねむりん「須佐能乎‼︎」ズオオオオオォォォォォォ

 

 

だが今のねむりんは五影の一角を担えるほどの実力者である。

臆することなく、真紅のチャクラを顕現させていった。

 

 

マダラ「完成体まで覚えたのか...」

(お前の闇は一体どこまで...)

 

 

完成体須佐能乎ーー

うちはの長い歴史の中でも、発動させた者は数人しかいない究極の瞳術である。

 

 

幼女スイム「...綺麗。」

 

 

夜の吹雪の黒と白に映ゆる真紅色の巨大な女神。

圧倒的な存在を前に、常人なら戦意を無くしてしまうだろうが、無数の使い魔と奥に構える1人の堕天使は歓びに満ちた表情を見せていた。

 

 

クラムベリー「素晴らしい...!」

 

分身クラムベリー「楽しくなってきましたね♪」

 

ねむりん「角杙(ツヌグイ)!」

(まともに相手をするのは骨が折れるからな...)

 

 

ねむりんの周りに出現した、直径10メートルの赤いチャクラのドーム。

 

 

分身クラムベリー達「⁉︎」

 

 

分身体が気づいた時には遅かった。

その範囲内では自分を含め、吹き付ける風や雪などのあらゆる物体の動きが遅くなっていたのである。

 

 

クラムベリー「速度の操作...さっきのも万華鏡の力だったんですね。青い龍に青いチャクラを纏わせて撹乱させたというわけですか。」

 

 

のんびりと分析するクラムベリーに対して、ねむりんは圧倒的な数の敵に奮戦していた。

 

 

ねむりん「...ウォォォォォォ‼︎」

 

 

低速で動く敵を粉砕する赤い双剣。

闘技場は破壊され、ルーラ達はマダラの青い須佐能乎に乗って観戦していた。

 

 

少女マダラ「何があっても離れるな、死ぬぞ。」

(すぐ側であいつが戦っているのに、加勢できないなんてな...)

 

ルーラ「ええ。」

 

珠「気をつけます!」

 

 

クラムベリー「求道玉...」

 

ヒュン...

 

 

少女マダラ「ねむりん、足元に気...」

 

 

発言の最中に訪れた沈黙と白黒生物。

 

 

ルーラ「どうしたの⁉︎」

 

ファヴ「喋れなくしたpon♪」

 

少女マダラ(くそっ...!)パクパク

 

ミナエル「何であんたにそんなことが出来るの⁉︎」

 

ファヴ「マダラは厄介だから、魔法少女にならせてあげた時に体の自由を奪う細工をしたpon♪助言しようとするから、こういうことになるpon!でも大丈夫、勝負が終われば元に戻すpon☆」

 

幼女スイム「...本当に卑劣な奴。」

 

ファヴ「明日リップルに殺される奴は、黙って見ていればいいpon♪」

 

 

ねむりん(求道玉は角杙でも平然と動けるのか...。なら、的がデカくなる完成体は不利だな...)ススス

 

 

小さな求道玉に完成体は相性が悪く、ねむりんは須佐能乎を肋骨形態にしたのであった。

 

 

クラムベリー「自分の大きさに合わせてドームも小さくなるんですね♪」

 

 

完成体須佐能乎では10メートルだった角杙のドームも、今は2メートルほどの範囲まで狭まっていた。

 

 

ねむりん「2メートルもあれば十分だ。」

(お前の羽だって、求道玉を使っている間は小さくなっていた...!)

 

 

ねむりんの洞察眼は追い込まれた状況でも衰えることなく発揮されていた。

 

 

分身クラムベリー「集団リンチ...」

 

分身クラムベリー「どこまで耐えられるか見ものですね♪」

 

ねむりん「残念ながら、期待に応えられそうには無い!煌遁・昏天翠剣(こんてんすいけん)!」

 

クラムベリー「予想以上にチャクラが多いですね。」

 

 

バババババ!

 

 

周囲に展開させたのは、浮遊する緑色の剣。

その剣はドームに侵入するクラムベリーを次々と切り裂いて行く。

 

その剣を一振りするだけで現れる緑のオーロラは、ねむりんを守るように周りを漂っていた。

 

 

クラムベリー「須佐能乎の骨格に角杙のドーム、さらにはオーロラの壁ですか。チャクラ残量に気をつけた方がいいのでは?」

 

 

三重の忍術で守らなければならないほどに、クラムベリーの大群による攻撃は少しの猶予も無く続いているのである。

 

 

ねむりん(術を出し惜しみして倒せる相手じゃないだろうが...!)

 

「煌遁・赫命淋漓(かくめいりんり)の術!」

 

 

赫命淋漓とは赤い光の隕石を落とす技であり、精神世界で見た六道マダラの隕石落としをイメージして作った術である。

 

 

ドカン!ドカン!ドカン!...

 

 

雨のように降り注ぐ隕石。クラムベリーの分身達は消えていたが、本体は無傷であった。

 

ねむりん「嘘だろ...」

 

 

無傷なことに驚いたのでは無い。

赤い光の塊3つを自分のもののように扱っていたことに驚いたのである。

 

 

クラムベリー「忍界で戦った忍に、螺旋丸という技を多用する人がいましたっけ。もう1人はあなた達と同じ須佐能乎を使う忍...」

 

 

少女マダラ(ナルトとサスケの2人と戦ったのか...⁉︎)

 

 

クラムベリー「名付けて...煌遁大玉螺旋丸♪」

 

ねむりん「活杙(イクグイ)!」

(この機会に有効範囲を確かめる!)

 

ダッダッダッダッダッダッ....‼︎

 

 

体に青いチャクラを纏い、猛スピードで走り去るねむりん!

 

 

 

クラムベリー「速度を上げる術...名をイクグイですか。」ヒョイ

 

核に求道玉を埋め込むことで追尾する性質を得た螺旋丸は、ねむりんのすぐ後ろまで追ってきていた。

 

 

ねむりん(追いつかれてしまったが、角杙で遅くなればまた逃げ切れるだろう。)

 

 

ガツン‼︎

 

 

ねむりん「何⁉︎」

 

 

まるで玉突き事故のような光景だった。

角杙の中の煌遁球は、外の煌遁球に押されて速度を増していたのである。

 

 

ドガァァァァァァァァン‼︎

 

 

煌遁による灼熱の高密度チャクラは激しい爆発を起こし、完膚なきまでに須佐能乎を焼き焦がした。

 

 

ねむりん「ハァ...ハァ....」

(求道玉を飛ばせる距離はおよそ90メートル...。よし、あいつに求道玉のほとんどを使わせるように仕向けるか...)

 

 

土煙の中で木分身の印を結ぶねむりん。

相手には特殊な瞳力が無いうえに猛吹雪という悪天候、且つ90メートル以上も離れているのが幸いしたのか気づかれなかったようだ。

 

 

分身ねむりん「うずまきナルトの技....大した再現力だな。」

 

クラムベリー「ありがとうございます...」

 

分身ねむりん「だが、求道玉螺旋手裏剣という技は再現出来ないみたいだな。」

 

クラムベリー「求道玉螺旋手裏剣...?」

 

分身ねむりん「マダラが言っていたぞ。ナルトの奥義だったってな。」

 

クラムベリー「そんな記述...どこにも載っていませんでしたが......」

 

分身ねむりん「当たり前だ。お前達がいない場所で起きた出来事、つまりカグヤの空間で出した技だからな。そしてお前に対して使わなかったということは、お前はカグヤ以下だったということだ!」

 

クラムベリー「ふふふ...言ってくれますね...」

 

ファヴ「生意気な奴だpon!首だけを残して、後は消し炭にするpon!」

 

分身ねむりん「ナルトの奥義を使うのなら、私も奥義で対抗するのが礼儀というものだな。」

 

ファヴ「どんな忍術も血継網羅の前では無力だpon!」

 

分身ねむりん「煌遁奥義........くそっ、チャクラが足りない!」

 

クラムベリー「...あなたには失望しました。死んで下さい。...求道玉螺旋手裏剣。」

 

 

遠くにいるねむりんに黒い羽の5枚分の攻撃を放ったところで、地面の中から別のねむりんが出現したのであった。

 

 

ねむりん「須佐能乎‼︎」

 

 

完成体須佐能乎を出して、クラムベリーと同じ目線に立ったのであった。

 

 

クラムベリー「...⁉︎」

(土遁で姿を隠していたのか。残り少ないチャクラ量で、分身に完成体を使わせることは出来ないだろう...こいつは本物ですね。)

 

ねむりん「土遁をもらっておいて良かったよ。」

 

 

ドガガガガガガガガガガガ......‼︎

 

 

その頃、90メートルほど離れた場所からは求道玉螺旋手裏剣が炸裂した轟音が鳴り響いており、首から下を消された分身のねむりんが大樹となっていたのである。

 

 

クラムベリー「ウィンタープリズンの能力ですか。それにしても、あの時の幻術といい...人を欺くのが得意なんですね。羽を1つ残しておいて正解でした♪」

 

ビュン

 

ねむりん「‼︎」

(1つだけだから速度が増しているのか...!)

 

 

須佐能乎を貫通した求道玉を正面から受けたねむりん。

死を覚悟したその時、持っていた兎の足が身代わりとなっていたのである。

 

 

ねむりん「...助かった!」

 

クラムベリー「奪ったアイテムの効果に助けられるなんて...情けないですね。」

 

ねむりん「こんな戦いを始めたお前には言われたくない。...煌遁・臨界活星(りんかいかっせい)の術‼︎」

 

ギュインギュイイイイイインギュイイ...

 

クラムベリー「...遅いですね。」

 

 

ねむりんビームと同じ薄紫色の光線を楽に躱したところで、先ほど放った求道玉が戻ってきたのだった。

 

 

ねむりん「当たれ...‼︎当たれぇぇ‼︎当たれ当たれ!!」

 

 

ギュイイイイイイインギュインギュイン...

 

 

尚も光線を放出し続けるねむりん。チャクラの残量が少ないことで、ヤケになっているのである。

正確には演技であるが、敵の心音を読むことで感情を読み取れるクラムベリーは、煌遁の騒音で何も聞こえないのである。

 

 

クラムベリー「秋の夜長を喚く虫けらさん。雪が降ったんですから、早く死んでくださいね♪」ヒュン...!

 

 

放たれた求道玉は全部で6つ。クラムベリーは勝利を確信していた。

 

 

ねむりん「ハハハ...」

 

ギュイイイイイイン‼︎ギュイイイイイ......

 

ファヴ「死を前にして、精神崩壊を起こしたpon。」

 

クラムベリー「...哀れですね。」

 

ねむりん「哀れなのはお前らの方だ。どれだけ忍術が強くても、瞳力が無いと敵の企みに気づけないからな。」

 

クラムベリー「...何を言っているんですか?」

 

 

ボン!ボン!ボン!ボン!

 

 

煙に包まれた求道玉4つはねむりんの姿になり、1つは求道玉の状態を保ちながら本物の求道玉を押さえ込んでいた。

 

 

クラムベリー「⁉︎」

(ヤケになって大きな音を出していたのは、心音で変化の術が気づかれるのを防ぐためでしたか。でも、彼女の分身が浮遊している理由と、私の求道玉を押さえ込んでいる理由、そして私の求道玉が戻って来ない理由が分かりませんね.....)

 

ねむりん達「煌遁・臨界活性の術ッ‼︎」

 

ギュインギュインギュイン‼︎

 

 

クラムベリー(求道玉1つでは防ぎきれない...。塵遁を使うしかないか。)バッバッバッ

 

「私を追い詰めた気になっているようですが、煌遁はただの光熱でしか無い。塵遁・限界剥離の術‼︎」キュイイン!

 

 

バッ‼︎ドギュイイイイイイイイイイイイイイイイイイン‼︎

 

 

紫色の臨界と白い限界がぶつかり合って出来た余波は、周りの地面を消しとばしながらも尚、収まることなく膨張を続けていた。

 

 

優奈「次元が違う...」

 

ルーラ「あの煌遁...今までのとは性質が違うみたいね。」

 

少女マダラ「...」コクリ

(結界枢要...大した力だな。)

 

 

頷くマダラが見る先には、煌遁に押されているクラムベリーがいた。

 

 

クラムベリー「どうして分解できない...⁉︎」

 

ねむりん「分子レベルに分解する塵遁は確かに強力だが、さらに細かくすることは不可能。...もう理解したか?」

 

クラムベリー「まさか、素粒子の一種である光子(こうし)で出来ているんですか...?」

 

ねむりん「さすがクラムベリー.....ご名答。そしてこの術は触れたものを『光化』する性質を持っている。」

 

クラムベリー「最後に教えてください。どうして本物の求道玉が戻って来ないのですか?」

 

ねむりん「向こうの大木を見てみろ。あの後ろでは今でも求道玉を止めるために分身達が尽力している。求道玉は角杙や須佐能乎を貫通するが、活杙で修復速度を上げた木遁を壊すのは時間がかかるということを、壊された木分身から学んでいたんだよ。ちなみに私が浮かぶことが出来たのは煌遁の能力。須佐能乎を使ってまで高所に移動したのは、浮遊能力が使えないと錯覚させるため...。終わりだよクラムベリー」

 

クラムベリー「...お見事です。」

(強いだけじゃなく、頭もキレるみたいですね。楽しい戦いでしたよ....)

 

 

そう言ったクラムベリーの体は、マスター用端末と一緒に黄色い光になって消えた。

 

 

戦いの終わりを告げるかのようにおさまった吹雪。

雲間に見える夜空には、(あまね)く星々が敷き詰められており、煌遁によって生み出された青・緑・赤・紫・黄の五色の光も相まって、桃源郷のような光景を作り出していた。

 

 

ルーラ「綺麗な星々ね。」

 

幼女スイム「うん。キラキラしてて、幻想的...」

 

ミナエル「なんか天国みたいだよ。」

 

優奈「ねむりん!みんなで一緒に帰ろう?」

 

ねむりん「う、うん...!」

(悲しいことがいっぱいあったけど、この戦いが無ければみんなと出会うこともなかったんだし、私は現実を受け入れて生きていくよ。)

 

珠「家族が揃ったね!お父さん!」

 

少女マダラ「......」パクパク

(まだ喋れないということは、奴は生きているということか⁉︎)

 

ルーラ「まだ喋れないの⁇」

 

ねむりん「⁉︎.....あれを見て。」スッ

 

 

先ほどクラムベリーが消えた方向へ、指をさすねむりん。

 

 

心臓「凄い術だったけど、ファヴのことは消せなかったみたいだpon♪」

 

 

完全に消えたと思われたクラムベリーの体だが、残っていた白と黒の心臓が声を発したのである。

 

 

ねむりん「ファヴなのか...⁉︎」

(電子空間のあいつは、マスター用の端末を壊せば死ぬと思ったのにな...)

 

心臓「そうpon♪マスター...いや、クラムベリーを操って言うことを聞かせるために、心臓に細工を施していたんだpon。」

 

幼女スイム「...逆らえばどうなるの?」

 

心臓「心臓が止まって死ぬpon♪昔は純粋で平和を愛していたクラムベリーも、死を恐れてちゃんと言うことを聞くようになったpon!戦いを好むようになってからは、2人でたくさんの魔法少女を殺して楽しかったpon♪」

 

ルーラ「それじゃあクラムベリーは洗脳されていたってこと⁉︎どこまで性根が腐っているのよ!」

 

心臓「マダラだって自分の手駒に同じようなことをしていたpon♪ルーラ達も施されているかもしれないpon!」

 

少女マダラ「...」ユサユサ

 

 

首を横に振って否定するマダラ。

 

 

心臓「あー、マダラは喋れなかったpon。」ケラケラ

 

ねむりん「クラムベリーはもう死んだ。後はお前を殺すだけだ。」

 

心臓「出来るかな...?」

 

マダラ「⁉︎」

 

ミナエル「何これ...」

 

 

ズズズズズズズ.....

 

 

心臓から木の根が伸びて行き、失われた部分が完全に再生されたのだった。

 

 

ルーラ「神樹の回復力...?どうして陽遁が無いのに回復するのよ!」

 

クラムベリー「俺の体の色を思い出してみろ。俺は陰陽遁で出来ている。魔法の国は、僅かな陽遁チャクラを武力では無く、俺たちのような魔法生物の創造に用いて生活を便利にしていった。本当に生ぬるい奴らだよ...魔法生物は二次元の世界でしか生きられないという制約までつけたんだからな。だが...クラムベリーが血継網羅の力を手に入れて端末を操作した時、奴の心臓に埋め込んだ力と同期できることを知ったのだ。いつかクラムベリーが死んだ時にこの体を支配しようと思ったが、こんなに早くそれが訪れるとは思わなかったぞ。」

 

ルーラ「目的は何...?」

 

ファヴ「輪廻眼を得ることだ。」

 

少女マダラ「......」

(神になろうというわけか。)

 

珠「マダラさんには手出しさせない!」

 

クラムベリー「ただの人間風情が...何を言っている?」

 

仙人珠「自然エネルギーを用いた仙術なら、お前にも攻撃できる。」スゥゥ...

 

仙人優奈「私の体術...舐めるなよ?」スゥゥ...

 

 

隈取りを纏う2人の眼力はかなりの気迫があった。

 

 

クラムベリー「おっと怖いな。だが、何を勘違いしている?今戦っているこいつの写輪眼を奪って、輪廻眼にすればいいだけじゃないか。俺はこいつと違ってすぐに輪廻眼にすることが出来る。どうだ?...大人しく渡す気は無いか?」

 

ねむりん「あるわけないだろ。」

(仙術か...そう言えば、ナルト達がオビトって奴と戦っている時に、そんな感じのことを言っていたっけな。)

 

クラムベリー「豚に真珠とはこのことだな。さて、続きを始めるか...外野は去れ。」

 

ミナエル「ねむりんはクラムベリーに勝ったんだぞ!日を改めて勝負しろよ!」

 

クラムベリー「ここにクラムベリーの生きた体が存在しているということは、勝敗はついていない。殺されるのが嫌なら試合を放棄するか?どのみち日付変更とともに死ぬけどな。」

 

ねむりん「...続きを始めよう。」

(ファヴ...私はお前と同じ世界で生きているというだけで虫唾が走るよ...!)

 

少女マダラ(ねむりん、チャクラ残量は大丈夫なのか⁉︎)ザッ...

 

 

再び須佐能乎にルーラ達を収容し、睨み合う2人から距離を取ったのであった。

 

 

クラムベリー「そうこなくては...」ニヤリ

 

バッバッバッバッバッ...

 

ねむりん(私にマイト・ガイのような体術は無い...逃げながら自然エネルギーを集める以外に、方法は無さそうだな。...活杙!)フワフワ....ビュン!

 

 

煌遁の浮遊能力と活杙のスピードで上空を高速で逃げるねむりん。

 

 

クラムベリー「逃げられると思うな。...口寄せ・穢土転生の術‼︎」

 

マダラ(穢土転生だと...⁉︎)

 

 

 

続く

 




読んでくださりありがとうございます。
誤字がありましたら、報告のほどよろしくお願いします。

戦闘中に話を区切ることになりましたが、長くなると思うので切りました。ご容赦くださいませ。

前から、ナルト世界に光を操る性質変化があっていいんじゃないかと思ってましたが、ねむりんビームを見た時に自分の作品の中で使えるかもしれないと思いました。
光遁でも良かったのですが、煌の方が好きなのでそっちにしました。それにしても、技名を考えるのに苦労しました。
玲瓏星歌は、自分でもお気に入りです

ねむりんがクラムベリーを倒して空を眺めている時に、いつの間にか一緒になって星を眺めていたマダラ達。
家族が誰1人欠けることなく生き延びたことで、現実に目を向けて生きていくことを決めた矢先、ファヴが現れたのでした。


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ボツ作品
もう1つの第26話


魔法少女の数を間違えて書いた、変更前のお話。



忍世界を探索しているクラムベリーは、端末から送られた映像を見ていた。

 

クラムベリー「あぁ...!素晴らしい...!!」

 

ファヴ「この戦いは、今までの戦いの中でもダントツで面白いpon♪」

 

 

見ているのはつい先ほど録画した、チーム“モノクロの夢”とカラミティ・メアリの死闘であった。

 

 

クラムベリー「そうですね。私も加わりたかったです...」

 

ファヴ「マスターがいたら、ねむりんも死んでいたpon♪今は残り9人...そのうちの7人が結束しているpon。午前0時からはさっそく()()を実行して、数を減らすpon!」

 

クラムベリー「来週からとは言いましたが、フェアじゃありません。残り8人になるまでは、これまで通りのルールにしましょう。」

 

ファヴ「マスターは真面目pon...。なら、弱っているねむりんを殺して8人にすればいいpon!そして万華鏡写輪眼を奪えば、魔法の国からの依頼は終了するpon!」

 

クラムベリー「それはいい考えですね。この世界にマーキングを施したら、直ぐに帰りますね...♪」

 

 

その頃、ねむりんは2人の亡骸を埋葬していた。

 

ねむりん「スノー、アリス。マダラにメールしてみるからね...」

 

 

自分の命を犠牲にして助けてくれた2人の願いを無視することは出来なかったのである。

 

 

ねむりん[こんばんは]

 

マダラ[こんばんは。久しぶりだな]

 

ねむりん[うん]

 

ねむりん[色々とごめんね。メールもずっと無視してたし...]

 

マダラ[気にするな。俺の方こそ すまなかったな。]

 

ねむりん[帰ってきてもいい?]

 

マダラ[勿論だ。みんなで迎えに行く。]

 

ねむりん[街はず]

 

 

ルーラ「ねむりんからメールが来たんでしょ?見せなさいよ!」

 

たま「見せて見せて‼︎」

 

幼女ユナエル「私は後で構いません。」

 

ミナエル「何言ってんの!顔に今すぐ見たいって書いてあるよ!」

 

幼女ユナエル「うっ...!」

 

幼女スイム「...見せて。」

 

マダラ「落ち着け...見たらすぐに出発するぞ。」

 

ルーラ「街はず...街はずれのことかしら?」

 

ミナエル「街はずれのどこなの⁉︎敵の襲撃だよね⁉︎」

 

マダラ「数千人規模の影分身で一斉に探す。行くぞ!」

(移動しながらあの2人にも連絡するか...)

 

 

マダラ達が捜索を始めた頃、クラムベリーはねむりんを見つけ、話しかけていたのだった。

 

 

クラムベリー「ふふふ....中々いい戦いでしたよ...?ねむりん。」

 

ねむりん「...見ていたというわけか。ファヴから居場所を聞き、弱った私を殺しに来たのだな。」

 

クラムベリー「あなたが死ねば8人になる。早くこの戦いを終わらせたいんですよ♪」

 

ねむりん「そういう嘘は意味がないって、分かっているだろう?」

 

クラムベリー「そうですね。どこで聞いていたのか分かりませんがご存知なんですよね...?私がこの戦いの首謀者だってことを.....」ニヤニヤ

 

ねむりん「あぁ。お前を倒してこの戦いを終わらせてやるよ...!」

(こいつからは逃げられない。万華鏡の能力が分からないが...やるしかない!)

 

クラムベリー「万華鏡の力、見せてくださいね♪灼遁・過蒸殺‼︎」

 

ねむりん「‼︎」

(灼遁だと...⁉︎)

 

 

灼遁・過蒸殺とは、橙色の火球を出現させて相手にぶつける技である。単純だが、当たれば身体中の水分が無くなり死ぬということをマダラから教わっていたのだった。

尚、火球は常に宙を漂い続け、術者の意思で操ることができる。

 

 

ねむりん「左眼の瞳力!」ブウウウウウン

 

クラムベリー「これは...チャクラのドームですか。」

 

 

ねむりんの周囲2メートルを、赤いチャクラのドームが覆い尽くした。

 

 

クラムベリー(...火球で様子見ですね。)バッ

 

 

火球をドームにぶつけるクラムベリー!

 

ジュオオ...オ.......オ..............オ........................

 

ねむりん「動きが遅くなった...⁉︎」

(これなら楽に躱せる!)

 

サッ

 

低速になった灼遁の火球を引き寄せると、ドームの外では速度が元に戻っていた。

 

 

クラムベリー「へぇ...ドーム内では自分以外は低速になるんですね。素晴らしい力です。」フフフフフ

 

ねむりん(おそらく右眼の瞳力は、速度を上げる力か。)

「水遁・水龍弾の術‼︎」

 

クラムベリー「中々速いですね。」

 

 

青いチャクラを纏った水龍は動きが速くなり、過蒸殺の火球ごとクラムベリーに食らいついた。

 

 

ねむりん「ハァ..ハァ.....」

(万華鏡写輪眼...チャクラの消費も激しいな。)

 

クラムベリー「フフ...もう疲れたんですか?」

 

 

そこには、結晶化し動かなくなった水龍とクラムベリーがいた。

 

 

ねむりん「晶遁か...」

(これで奴が火遁、風遁、土遁の果実を食べたということが分かったな。塵遁、爆遁、灼遁の3つは一撃必殺と言ってもいい。右眼で私の速度を上げつつ、左眼の瞳力で敵の術の速度を落とさないと殺されてしまうな....)

 

 

強敵を前にねむりんは塾考していた。

 

 

ねむりん(このチャクラ量で万華鏡+影分身は無理だ。不意打ちに賭けるしかない!)

 

クラムベリー「難しい顔をして、何かを考えているようですが...どうせ死ぬんですから諦めてください♪」

(分解してあげますよ。)

 

塵遁・原界剥離の術!

 

ねむりん「塵遁...やはり来たか...!」

(このドームが塵遁に効くか確かめる!)

 

 

ドギュイイィィィン.........

 

 

金属音が鳴り響きぶつかる赤いドームと塵遁。

瞬間、お互いの忍術は相殺されて消えた。

 

 

クラムベリー「塵遁と相殺ですか...」

 

ねむりん「塵遁は忍術を無効に出来るわけではない。」

 

クラムベリー「そうですね...血継淘汰なんてその程度です。」

(赤いドーム...攻略法が分かりましたよ。)

 

 

さすがクラムベリーである。瞬時にねむりんを倒すための算段を思いついたのであった。

 

 

クラムベリー「多重翠晶分身の術‼︎」

 

 

翠の水晶が分裂していき、およそ500体のクラムベリーが出現した。

 

 

ねむりん(精度の高さは木分身と同等だな。この数では不意打ちも無理か....)

 

クラムベリー達「灼遁・過剰禁殺!」

 

クラムベリー達「熔遁・大灼河流岩!」

 

ねむりん「‼︎」

(出ろ...須佐能乎!頼む!出てくれ!!)

 

クラムベリー「ピンポイントの攻撃は低速にされて躱されますが、大気を伝播する熱は、低速ながら確実にあなたを焼き尽くしますよ♪...まぁ、四方を灼熱の溶岩が囲んだ時点で終わりなんですけどね★」フフフフフ

 

ねむりん(須佐能乎は無理か...!)

 

「スノー、力を使うよ....!!氷遁・大氷連山‼︎」

 

クラムベリー「へぇ...氷遁を貰ったんですね。」

 

 

聳え立つ氷の山々を飛び移り、溶岩を避けて逃げ出すねむりん。

しかし、塵遁は無情にも氷の山を消し去り、足場が無くなったねむりんは空中に放り出されてしまった。

 

 

クラムベリー「うさぎごっこは終わりです。このまま下に落ちてください。」

 

ねむりん「左眼の力!」

 

赤いドームの効力を自分にも適用させて、少しでも落下の速度を下げたのだった。

 

クラムベリー「これは面白い...悪あがきですか。」

 

ファヴ「無駄な努力だpon♪」ケラケラ

 

 

灼熱の溶岩に落ちていく少女を離れたところで見上げる2人。両者ともに、人の命の散る瞬間が最高のひと時なのであり、慈悲の心など存在していないのである。

 

 

ねむりん「須佐能乎!須佐能乎!」

(もう、チャクラが足りない....)

 

ファヴ「まだ諦めて無いpon!」ケラケラ

 

クラムベリー「須佐能乎も出せないくせにマダラを倒す...?笑わせないでください。」

 

ねむりん(助けて.....マダラ....!!)

 

 

その時、突如現れた黒髪赤鎧の少女が現れて空中でねむりんを抱きしめたのだった。本当にかっこいい登場である。

 

 

ねむりん「‼︎......マダラなの?」

 

少女マダラ「あぁ。クラムベリー相手に、よくねばったものだな。」

 

ねむりん「来てくれてありがとう....」

 

少女マダラ「その前にこいつを何とかしないとな。」

 

クラムベリー「塵遁・限界剥離‼︎」

 

少女マダラ「うるさい奴だ。餓鬼道...」

 

ズズズズズズズ....

 

 

餓鬼道の力によって塵遁のチャクラを吸収し、須佐能乎を出して着地したのだった。

 

クラムベリー「餓鬼道⁉︎....まだこんな力があったとは。」

 

ファヴ「どうするpon⁉︎」

 

クラムベリー「存在している土を操れば、吸収されないはずです。」

 

土遁・山土の術‼︎

 

 

ねむりんはマダラの腕の中でチャクラを渡されており、自分と全く同じチャクラの温もりと湧き上がる力を感じていた。

 

ねむりん(マダラと私は同じチャクラで繋がっていたんだね......)ポロポロポロ

 

少女マダラ「もうどこにも行くなよ。よし...俺が戦うから、体を休めておけ。」

 

ねむりん「私も戦う!須佐能乎...教えて!」ゴシゴシ

 

 

パジャマの袖で涙を拭いたねむりんの、真っ直ぐにマダラを見つめる赤眼の奥に、マダラは可能性を感じたのだった。

 

 

少女マダラ「...いいだろう!須佐能乎はチャクラさえあれば簡単だ。自分が思う戦士をイメージすればいい。」

 

ねむりん「うん!....うぉぉぉぉぉぉぉ‼︎」

(やっぱり凄く安心するよ...)

 

 

須佐能乎の青い光が照らす夜空のキャンバスに、今度は真紅に煌めくチャクラが彩りを加えていったのだった。

 

 

少女マダラ「その調子だ。」ギュ

 

 

上空で離れないようにと、ねむりんの手を握るマダラ

 

 

ねむりん「え、えぇぇ...///」

 

 

ねむりんの感情はチャクラと共に高まっていったーー

 

 

クラムベリー「‼︎」

 

 

マダラのチャクラ供給という手助けこそあったが、真紅色の完成体須佐能乎が顕現し、その両手で迫り来る土壁を受け止めたのだった。

 

 

ねむりん「須佐能乎...!出来た‼︎」

 

 

須佐能乎の額の六角形の中で、ねむりんは喜んだ。

 

 

少女マダラ「良くやった!」ニコッ

 

ねむりん「あ、ありがとう...!」

(まだ手を繋いでくれてる...!)

 

少女マダラ「俺のチャクラでそのまま武器を作れ。」

 

ねむりん「うん!」

 

 

大剣を持った真紅の巨人に見下ろされたクラムベリーは、マジカルフォンを確認していた。

 

 

クラムベリー「素晴らしいですね...やっと本気を出せそうです。」

(...まだ使いたくなかったんですけどね。)

 

ルーラ「追い詰めたわよ。本気でかかってきなさい。」

 

ミナエル「この人数を前に勝てるかな?」

 

幼女スイム「...逃がさない。」

 

リップル「クラムベリー...お前を倒す!」

 

ファヴ「ぞろぞろと集まって来たpon。」ケラケラ

 

幼女ユナエル「ファヴ...もう笑えなくしてやるよ。」

 

ファヴ「雑魚が8人集まっても、本気を出したマスターなら楽勝pon♪」ケラケラ

 

クラムベリー「...そうですよ。しかし、こうして私たちの企みに気づいた8人が手を組んだのなら、これで()()()()()()()()()終わりにしませんか?」

 

たま「え⁉︎」

 

トップスピード「もう戦わなくていいのか?」

 

少女マダラ「こいつの言うことを信用するな....このまま倒すのが1番。本気を出したところで、この人数には勝てないだろう。」

 

クラムベリー「さすがですね、うちはマダラ。確かにこの数の魔法少女は面倒です。でも、少し遅かった.......みなさん右腕を見てください。」

 

少女マダラ「⁉︎.......これは何だ?」

 

ねむりん「...取れない!」

 

幼女ユナエル「爪でも壊れない!」

 

幼女スイム「透過させてもついてくる...」

 

たま「穴が開かないよ⁉︎」

 

 

皆の右腕に白い腕輪がついていた。

 

 

クラムベリー「これは昔、魔法の国で死刑執行に使われた道具です。まぁ...魔力だけじゃなく、チャクラの吸い取りも可能なように調整はしましたが。...仮に腕を切断したとしても、別の部分に再生するので無駄ですよ。」

 

ルーラ「どうして急に出現したのよ‼︎」

 

クラムベリー「時計を見てください。今は日曜午前0時1分...。3週間目に突入したら、任意で装着できるシステムにしたんですよ。」

 

少女マダラ「今ここでチャクラと魔力を全て吸い取り、殺すつもりか?」

 

クラムベリー「そんなつまらないことはしません。ですが、戦わない者にはそうしますけどね。」

 

少女マダラ「どういうことだ...?」

 

ファヴ「説明するから、マダラとねむりんも降りてきて欲しいpon。」

 

ねむりん「わかった。」

 

ファヴ「マダラに対して素直になれたpon?やっと、チャクラのコントロールが出来たpon!ファヴはマダラの真似事をしていたから、心配していたpon♪」ケラケラ

 

少女マダラ「一度は負の感情に飲まれたが、この短期間でコントロールできるようになったのは凄いと思うけどな。」

 

ねむりん「マダラは優しいよ...」

(スノーとアリスのおかげだよ。...ありがとうね。)

 

少女マダラ「ファヴ...人を馬鹿にしないで、さっさと説明しろ。」

 

ファヴ「はいはい。もう全てを話すpon♪

僕とマスターの2人は、魔法少女の殺し合いが大好きpon。だから、結束されるというのはつまらないから、仲間どうしで殺しあってもらうpon☆抽選で選ばれた2人は、明日から2日間...つまり水曜日の0時までに、どちらかが死ぬまで用意した闘技場で戦ってもらうpon!

あ、期限を過ぎれば自動で吸い取られるし、選ばれた2人以外の誰かが殺されれば、殺した犯人も死んでしまうから気をつけるpon♪最終的に5人になれば満足pon。」

 

ルーラ「本当に狂ってる!8人になったら終わりじゃなかったの⁉︎」

 

クラムベリー「減らすしかないんですよ。」

 

ファヴ「アイテムの追加と魔法の略奪システム、闘技場作成、そしてこの腕輪の機能拡張に、この街の魔力のほとんどを使ってしまったpon♪」ケラケラ

 

トップスピード「ふざけんな‼︎マダラ、今倒そう!」

 

少女マダラ「...無理だ。」

 

黒ファヴ「マダラは賢いな。トップスピード...これ以上騒ぐと殺すぞ?」

 

トップスピード「‼︎...わ、わかったよ。」

 

少女マダラ「気になったのだが...クラムベリーにも腕輪が付いているのは何故だ?」

 

クラムベリー「私はあくまでも公平な殺し合いを求めているんですよ....こんな8対1じゃなくね。もちろん私が負ければ、戦いは本当に終わりますよ。」

 

少女マダラ「なるほどな...」

 

ファヴ「さっそく抽選をするから、端末を見るpon。」

 

端末の音声「抽選をするよ!」

 

 

画面の中には、可愛らしい箱を持った1人の天使が出現し、その箱から2枚の紙を取り出した。

 

 

リップル「ちっ...」

 

ミナエル「殺し合いなのに、こういう可愛らしい演出がムカつくんだよなぁ...」

 

ねむりん「みんなと戦いたくないよ...」

 

少女マダラ「...」

(ここで俺とクラムベリーが当たればいいんだけどな...)

 

 

 

 

 

★抽選の結果★

 

 

リップルVSユナエル

 

明日から2日間がんばってね

 

 

クラムベリー「あら、残念♪」

 

幼女ユナエルとリップル「‼︎」

 

ルーラ「なんでこんなことになるのよ...」

 

少女マダラ「....」

 

たま「うう...」ポロポロ

 

ねむりん「こんなの絶対おかしいよ!」

 

ファヴ「団結したマダラが悪いpon♪まぁ、今日1日あるから、せいぜい修行に励むpon。あ、日をまたいでしまったけど、脱落者もお知らせするpon♪」ケラケラ

 

 

★先日の脱落者★

 

☆スノーホワイト

 

☆ハードゴア・アリス

 

☆カラミティ・メアリ

 

 

★最後に★

 

・地図に闘技場の場所を追加したよ。

 

・ねむりんは以下から魔法を1つ獲得できるよ。

 

☆持ってる武器をパワーアップできるよ

 

☆何もないところに壁を作り出せるよ

 

 

 

ねむりん「どうしてスノーとアリスの能力が無い?それにマジカロイドの能力も。」

 

ファヴ「2人は自ら死を選んだし、マジカロイド44のランドセルは壊れたpon。だからカラミティ・メアリが持っていた魔法しか与えられないpon!」

 

ねむりん「...わかったよ。ヴェスの魔法を貰う。」

(これで五大性質変化...全てを手に入れることができたな。)

 

ルーラ「こういうところはちゃんとしてるのね?」

 

ファヴ「ちゃんと決まりは守るpon☆」

 

クラムベリー「そうですよ。今回ねむりんを狙ったのは、8人になるまでキャンディ争奪戦を続けるというルールに則ったからですよ?まぁ...9人になり、1人は戦わなくてもいいようになりましたが。」

 

少女マダラ「そうか。もう用件は無いな?」

 

ファヴ「無いpon。」

 

クラムベリー「雪が積もってきたことですし...そろそろ帰りましょうか。」

 

 

豪雪地帯 名深市、日曜午前0時過ぎ。新たなデスゲームの幕が上がったのである。

 

 

 

続く

 

 

 




メアリ戦で弱った状態なのに、ねむりんはよく戦ったものです。
マダラに抱きしめられたねむりんは、幸福感を感じ、ついに負の感情を克服できました。
自分の匂いに安心する人がいるように、自分と同じチャクラも絶対的な居心地の良さ、安心感があるのでしょう。

このままクラムベリーを倒して大団円といきたいところですが...やはりまほいくの醍醐味は殺し合いですね。
書いてて悲しいです。


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