誰であろうと救いたいと思うのは間違っているのだろうか (ただのファンだよ。)
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二人の冒険者

いつかは思い出せないが今でも覚えている事がある。

夢を見た。僕がまだ幼かった頃に青い巨人が暴れる巨大な怪獣と戦っていた。

青い巨人は何度怪獣に攻撃されても立ち上がり怪獣と戦い、最後は巨人の手が出た輝きの光に包まれ怪獣は大人しくなり帰っていった。

青い巨人は帰っていく怪獣を見て満足そうに頷き空に飛んでいき見えなくなった。

 

僕は青い巨人–––”慈愛の勇者”に憧れた。

 

僕は慈愛の勇者のような誰だろうと救える優しさを持った人になりたなった。

 

そんな僕は今––––

 

「【さぁ、輝きよ闇を祓え】」

 

かつて見た夢の勇者を動きを真似て右手を突きだし掌から放たれる優しいオーロラの魔法『フルムーンレクト』で目の前の複数のモンスターを沈静させる。

 

『ギィ…。ギィギィ』

 

フルムーンレクトを受け静かになったモンスター達は()()に背を向け去っていった。

 

「……ふぅ」

「おつかれ『ムサシ』

「うん。ありがとう『ベル』」

 

––––親友と共に迷宮都市『オラリオ』の新人冒険者になっていた。

 

 

 

”冒険者"とは神の血(イコル)によって恩恵(ファルナ)を授かった神の眷属(ファミリア)の事で、冒険者はダンジョンに潜む(僅かだが例外はある)モンスターを倒しモンスターの核になっている魔石を売って、そのお金を収入源としている。

 

「…ふぅ、今日も疲れたね」

「そうだねベル」

 

僕の名前はムサシ・ハルノ。

彼は親友のベル・クラネル。

僕達は元々はこの街出身じゃないんだけどベルがオラリオで冒険者になりたいって言いだして僕についてきてほしいって頼まれて一緒にオラリオやってきた。

理由は聞いても教えてもらえなかった。何故だろう?

 

そして場所は街の外れの寂れた教会。ここが僕達の拠点、ホームだ。

そんな教会(ホーム)の扉を開けると。

 

「おっかえりぃぃいい!!」

 

僕達の主神ヘスティア様のダイビング抱擁が飛んでくるので開けた扉の片方と一緒に横に避けておけば僕の後のベルの胸にヘスティア様が収まる。

 

「うっへぇ、おかえりベルくぅん」

「か、神様!?助けてムサシ!!」

「……ハハ」

「何笑って誤魔化そうとしてるのさ!?」

 

いや、だって。ねぇ?

 

「な、何その微妙な顔?」

「……だって、役得でしょ?」

「何言ってんのさ!?」

「それじゃ僕は馬に蹴られたくないから先に休んだかね。バイバイ」

「ちょ!?ま、待ってムサシ!ムサシィィィイ!!!!」

 

 

 

 

 

 

「あ、漸くやってきた」

 

僕が身に付けていた装備を全て自分の部屋に直してきてボロボロのソファでくつろいでいるとニッコニコ笑顔のヘスティア様と苦笑いのベルが一緒にやってきた。

 

「おかえり。遅いよベル」

「……(^ω^#)」

「あ、ヘスティア様。ステイタスの更新をしてくれませんか?」

「あ、うん。わかったよ!それじゃ上着を脱いでくれムサシ君!」

「はい。んっしょっと」

 

ヘスティア様に言われて上着を脱ぐ。

すると僕の()()()()()()()()が晒される。唯、全体が青い訳でなくちゃんとした肌色の面もあるが青い面よりも面積が少なく何かの模様のようになっている。

この肌は僕が初めて恩恵を授かった時にこのように変色した。だけど僕はこの体を気に入ってる、昔見た夢の巨人と同じなんだ。

 

「相変わらずの体だね。それじゃあステイタスを更新するよ」

「はい、お願いします」

 

ベッドの上でうつ伏せになり僕の腰にヘスティア様が上乗りになり人差し指に針で突き滴る血を一滴僕の背中に落とす。すると僕の背中にいろんな光る神の文字【神聖文字(ヒエログリフ)】が浮かび上がり数字が変わり、変化が止まるとそれを紙に写す。

これでステイタスの更新は終わりだ。

 

「はいこれ」

「どうもヘスティア様」

「次はベル君だね」

「はい、神様!!」

 

僕は受け取ったステイタスを確認する。

 

––––––––––––––––––––––––––––––––––––––

『ムサシ・ハルノ』

Lv.1

力:I87→I90 耐久:H160→H186

器用:E329→E354 敏捷:I67→I77

魔力:H113→H189

 

魔法

『フルムーンレクト』

・沈静浄化魔法。

・戦意を鎮め荒ぶる者怒る者を大人しくさせあるべき姿に戻し浄化する。

詠唱文

【さあ、輝きよ闇を祓え】

 

『ムーンライトバリア』

・防御魔法。

・手から長方形の光の魔法障壁を展開する。

詠唱文

【守護の光よ、我が身を盾に月の光を】

 

スキル

月青救者(ルナ・コスモス)

・正悪問わず救いたいという”意思”の表れ。

・耐久力と持久力に長けた形態。

・”意志"の強さによって補正率上昇

・形態によって使用可能な魔法が変わる。

 

––––––––––––––––––––––––––––––––––––––

 

トータル140…か。

冒険者なりたては上がりやすいというし。

 

「…うーん。まあ、ぼちぼちかな」

「はいベル君も終わり!」

 

どうやらベルの更新も終わったようだ。

 

「見せてもらっていいベル?」

「うんいいよ。代わりにムサシのも見せてもらっていい?」

「構わないさ、どうぞ」

「ありがとう。はい」

 

ふん、どれどれ。

……あ、あはは。やっぱりベルは凄いな、トータル300超えか。

ベルは以前本来中階層にいる筈のミノタウルスに襲われたらしく、それ以来ステイタスの上昇率が凄く高くなった。

神様が言うには成長期らしい。正直怪しいけど神であるヘスティア様が言うのならそうなのだろう。

 

「羨ましいなベルは。毎回こんなにステイタスが上がって」

「僕はスキルや魔法を両方、魔法については二つも持ってるムサシの方が羨ましいよ」

「どちらも攻撃用じゃないし『フルムーンレクト』に至っては特殊だけどね」

「うん、そうだね」

 

僕達の会話にヘスティア様が入ってくる。

 

「それでねムサシ君?」

「…はい、何です?」

「今日は一体()()()()()()()()()()()()()()()?」

「…………は、ははは」

「笑って誤魔化そうとしても無駄だよ」

 

黒い笑みを浮かべながら近寄ってくるヘスティア様。

どうやろうと逃げられないことを悟った僕は観念して正直に話す事にした。

 

「……ぜ」

「ぜ?」

「ぜ、ゼロ(0)…です」

「………(^^#)」

「は、ははは」

 

黙る僕とヘスティア様、苦笑いするベル。

そして次の瞬間。

 

「ムゥゥサァァシィィくぅんん!!!!」

「す、すみませーーん!?」

 

ヘスティアの怒声が轟いた。

 

 

 

「全く君は冒険者になって()()()()()()()モンスターを倒した事がないだなんて。

「…………」

 

今ベッドに座って説教するヘスティア様と床に正座する僕の図が完成した。

 

「しかも理由が救いたいからだなんて」

「…………………………」

 

……おかしいのはわかってる。普通の人はそんな事(救いたいなんて)思わない。

それでも僕は救えるのなら救いたい。

 

「……その顔は直す気ないね」

「………すいません」

「はぁ、もういいよ」

 

本当にすみませんヘスティア様。

それでも僕はいたずらに命を手にかけたくないんです。

 

「……いいかいムサシ君。君の優しさは評価出来るものだ。だけどね」

「………」

 

僕を諭すように語るヘスティア様。

 

「世界にはその優しさが通じない相手もいる。殺す事、戦う事を愉しみ自ら望む者もいるんだ。それは人間もモンスターも変わらない。君の魔法(優しさ)はそんな奴には通じない。君はそんな奴と出会った時どうするんだい?」

「…そ、それは」

 

思わず言葉に詰まる僕。

そんな僕を見てヘスティア様は僕の頭を撫でる。

 

「今すぐにとは言わないさ。だから君は時には戦う事の大切さと必要さを知ってほしいんだ」

「……わかりました」

 

戦う事の大切さと必要さ…か。

 

「よし、それじゃあ湿っぽい話は終わりにしよう!」

「そうですね!神様!」

「…はい」

 

 

そして次の日。

僕達は今日もダンジョンに来ていた。

 

「さて今日も沢山倒して強くならなくちゃね」

「ははは、そうだね。………」

 

この時は僕は昨日のヘスティア様の言葉を思い出していた。

戦う事の……大切さ。

 

「………ねえムサシ」

「ん?なんだい?」

「昨日の事、気にしないでね?」

「…え?」

「魔石の調達は僕がするから、ムサシはムサシのしたいようにすれば良いんだよ」

「……ベル」

「ほら、早くしないと置いていくよ!」

「あ、待ってくれよベル!」

 

ああ、全くありがとう二人共。

ヘスティア様の心配もベルの気遣いも、どっちもありがとう。

ヘスティア様/ベルが神様/親友で本当に良かった。




ウチのヘスティア様はベルにLOVEでムサシにLIKEです。


あと本編にも書いてる通りムサシはルナモードにしかなれません。エクリプスは勿論、ぶっ殺ナにもなれません。






今は


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怪物祭

私は劇場版限定変身形態とか何故か嫌いです。だからフューチャーモードなど以ての外です。
ウチのオリ主はテレビ版のコスモスと同じくエクリプス止まりです。


『ギャア!ギャア!』

「––––ふっ!」

 

犬頭のモンスター『コボルト』がその手の爪で僕を引き裂こうと腕を振るう度僕は受け流す。

縦に振り下ろされたら僕に到達する前に横に振った腕をぶつける。横に振られたら手を添えて押しだして軌道をずらす。刺突も同じようにして狙いを外させる、噛み付いたきたら片手で顎を押し上げもう片方の腕を首の下から回し背負い投げのように投げる。

コボルトが疲れてきたら持ってるナイフをあえてギリギリ当たらないところを振り恐怖心を煽る。モンスターも僕達と同じ生物、恐怖心だって勿論持っている。

大概のモンスターはコレで逃げ出すが中には逃げ出さずに向かってくる奴もいる。それならまた同じようにして恐怖させるが5回繰り返しても逃げ出さない奴は『フルムーンレクト』で戦意を鎮めさて大人しくさせる。

 

『……クゥン』

「ほら、お帰り」

『クゥゥ』

 

僕に背を向けて去ってゆく。

 

「………ふう、よし」

 

モンスターが逃げ出す際に何か持ち物を落として行くことがよくある。僕はモンスターが落としたもので売れそうな物だけ拾って手持ちの袋に入れる。

 

 

 

前回の話から数日。

ヘスティア様が二、三日留守にすると言われ、この際だからとベルとは一度別れてダンジョンに行く事に決めた。

ベルのステイタスでは僕と同じ階層にいてもあまり意味がないので僕達は一時離れる事にした。僕はこの階層に残りベルはもっと下の階層へ行く。

嫉ましく無いと言えば嘘になるけど僕じゃベルの足手まといになるのはわかってるしベルのようにステイタスが上昇率が高く無い。だから僕はここで地道に積み重ねて強くなる事にした。

この事をヘスティア様に言うとなんだか悲しそうな顔をしたが心配してくれてるのだろうか?

 

––––ガラガラガラ。

 

「ん?あれ…は…なんだ?」

 

僕が見たのは車輪付きの檻に入れられて運ばれて行くモンスターの姿。

 

「……あれはなんだろう?」

 

まあ、いっか。

そんな事よりモンスターの相手をして少しでもベルに追いつくんだ。

 

 

 

「は、ははは。帰ってきたら朝になってた」

 

ダンジョンだと朝と夜の区別がつかないからつい長い間ダンジョンに居てしまった。

 

「あ、ムサシ」

「んん?あぁベルぅ」

「だ、大丈夫?」

「ハハ、大丈夫大丈夫。ちょっと疲れてるだけだから。それで?どうしたの?」

「いや、僕これからちょっと用事で怪物祭(モンスターフィリア)に行くんだけどムサシも一緒にどうかなぁって思って」

「うぅむ、そうだなぁ。…今は疲れてるから一度教会に戻って休んでから行くよ」

「そお?うんわかったよ!」

「おう、それじゃあね」

「うんまた後で!」

 

 

 

そして我が家(教会)に帰った僕は身につけてる装備を全部脱ぎ捨ててソファに横になった。

 

「ぐふぇ、おやすみ〜」

 

 

 

 

 

 

「う、うぅん」

 

それから起きたのはおよそ三時間後。

ダンジョンに行く訳じゃないので装備は身につけずに整理だけして教会をでた。

すればなんと。

 

『ゴアアアアア!!』

「うわああああ!?」「モンスターだあ!?」「モンスターがでたぁ!?」

 

どうしてこうなったのだろう?

……よし、現実を見よう。ダンジョンから帰り教会で休んで街に来たらモンスターがいて暴れてた。………うん、全くわからない。

兎に角、今はモンスターをどうにかしないと。けどどうしよう今の僕は武器も防具も何も身に付けたな。

 

「きゃああああ!?」

「ッ!!」

 

考えるのは後だ!今は一刻も早くモンスターをどうにかした街の人を助けないと!

 

「【さあ、輝きよ闇を祓え】!!」

 

 

 

 

 

 

見つけた、四匹目。

私『アイズ・ヴァレンシュタイン』は怪物祭のモンスターが脱走して街中で暴れているので倒していた。

そして今、また新たなモンスターを見つけたので。

 

「【目覚めよ(テンペスト)】」

 

(エアリアル)の魔法を纏って飛び出そうとした瞬間。

 

「ッ!!」

「ッ!?」

 

私服の少年がモンスターに向かって走り出した。

私服姿で若い為、冒険者とは思えない少年は走りながら。

 

「【さあ、輝きよ闇を祓え】!!」

 

()()()()()詠唱を唱えた。

 

「並行…魔法?」

 

魔法とは凄くデリケートなもので何かをしながら詠唱するのは危険。ましては走りながらするなど巨大な爆弾樽を片手に持って燃え盛る火の海を走るのと同等。私だって詠唱する際は一度止まってから唱える。

だけどあの少年は極く当たり前のように詠唱しその手から輝きの粉を放出した。

輝きの粉はモンスターを包み込みその体に染み込む。するとモンスターは先程とは打って変わり大人しくなった。

 

「…ッ。今なら。『リル・ラファーガ』」

 

私はロキに名付けてもらった必殺技でモンスターを倒そうと飛びだす。

 

「ッ!?」

「え?」

 

ザシュッ!!

 

「あがっ!?」

「なっ!?」

 

が、私の剣が斬り裂いたのはモンスターでなく少年だった。

 

 

 

 

『フルムーンレクト』でモンスターを沈静させ一安心した瞬間、一瞬金髪の女性が剣を持って突っ込んでくるのが見えた。彼女の視線、何より剣先が向いていたのは大人しくさせたモンスター。

 

「ッ!?」

「え?」

 

それを理解した瞬間僕の体は自然と前に飛びだした。モンスターを庇うように。

 

ザシュッ!!

 

「あがっ!?」

「なっ!?」

 

彼女の突然前に出た僕に当たらないようにと剣を動かそうとしてくれたが間に合わず僕の肩を深く斬り裂いた。

斬られた肩はパックリと開き夥しい量の血を出血する。

 

『グウウウウウ……ッ』

 

モンスターは突然現れ攻撃してきた彼女を警戒して威嚇する。

 

「う、ぐぅ」

「あ!あ、危なッ」

 

僕は肩を抑えながら立ち上がりモンスターに近づき。

 

「大丈夫。落ち着いて」

『グウウ……ガウ』

「え?」

 

僕がモンスターの頭を撫でながら諭すように落ち着かせる。

僕になすがまま大人しく撫でなれるモンスターに彼女が呆然としていた。

 

「よし、もう大丈夫……だ」

「ッ!?大丈夫!」

 

僕はとうとう出血多量で倒れてしまった。

視界が霞む、意識が薄れる。

そして僕は意識を失った。

 

 

 

次に目を覚ましたのは知らない天井の部屋だった。

 

「あ…れ…?」

「あ、目を覚ました?」

 

天井の次に僕の視界に入ったのはこちらを見下ろす褐色肌で茶色の髪のの美少女だった。

 

「………あ」

「んん?大丈夫?あたしがわかる?」

「………はい。なんとか」

 

周りを見渡すとここはどこかの部屋のようだ。

 

「あ、あのぉ?」

「…ん?どうしたの?」

「ここはどこでショッ!?」

 

僕は一先ずここの場所を聞こうとして起き上がろうとすると肩に激痛を感じおかしな声が出た。

 

「ああ!ダメだよ、怪我は塞がったけどまだ治った訳じゃないんだから」

 

彼女より言われて寝た体制に戻ると怪我を確認する。

金髪の女性に剣突を受けた肩は包帯が巻かれている。

 

「これ…は、貴女が?」

「ん?いや〜あたしではないんだ。あたしこういうのは得意じゃなくて。あたしは見てただけ」

「そうなんですか。あ、自己紹介がまだでした。僕はムサシ。ムサシ・ハルノです」

「あたしはティオナ。ティオナ・ヒリュテ!よろしくねムサシ!」




ウチのオリ主実は並行魔法が出来たんですよ。
本人は自然と出来たので別に大した事じゃない出来て当たり前と思っていますので誰にも話していませんけど。


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悪神の眷属『王女と妹と剣技の姫』

悪神(あくしん)ではなく悪神(わるがみ)です。ここ重要。


「よ、よろしくお願いします。ヒリュテさん」

 

よく見るとヒリュテさんの格好はその露出が激しい。踊り子の服と殆ど変わらない。

この格好と褐色肌から種族はアマゾネスだと思う。

 

「もう、硬いよ〜。ティオナ…でいいよ」

「え?い、いや会ってまだ間もないですし」

「ぶぅ〜」

「は、はは…は。じゃあティオナさんで」

「むぅ、まあそれでいいや」

 

どうしようこういうタイプの人は………地元に割とたくさんいた気がする。

けど地元にいた馴れ馴れしい人はおじさんとかばかりだったから女性、それも美少女となるとどうすればいいのかわからない。

 

「え、えぇと」

 

僕が会話に困っているとガチャって音がして部屋の扉が開き緑色の髪の女性が入ってきた。

 

「ティオナどうだ?彼は目覚めたか?…ん、どうやら目覚めたようだな」

「あ、ど、どうも始めまして。僕はムサシ・ハルノです」

「うむ、私はリヴェリア・リヨス・アールヴだ」

 

緑色の髪の女性、アールヴさん。

耳が長いから種族はおそらくエルフだと思う。

 

「あ、あの、アールヴさんが僕をここに連れてくれて治療を?」

「治療を施したのは私だがここに連れてきたのは私ではないな」

「え?なら誰が……?」

「私」

「え?」

 

声の方を見ると扉から顔を出している。

 

「あ、この前の」

「私はアイズ。よろしくねムサシ」

「あれ?何故僕の名前を?」

「さっき扉の前で聞いてた」

「な、なるほど」

 

続けてアールヴさんが。

 

「君をここへ連れてきたのは彼女だ」

「え?……え、えぇと」

「………?アイズでいいよ」

「え!?で、ですがその……」

「………」

「えぇと、そのぉ……………アイズさん」

「うん。何?」

「あ、ありがとうござ––––ハッ!?」

 

僕がアイズさんと話してると背中から視線を感じ振り返ると。

 

「……フッ」「ニヤニヤ」

 

我が子を見守る母のような笑みを浮かべるアールヴさんとニヤニヤと言いたげ…というより言っているティオナさんの二人が。

 

「フフ、どうか私達は気にせずに」

「続けて続けて〜」

「そんな風に見られたら無理ですよぉ!?」

「何だ?君は他人の視線を気にしてろくに礼も言えんのか?」

「それは男らしくないんじゃないかなぁ?」

「うっ、そ、それは」

 

意地悪な笑みを浮かべる二人に見守られて僕はアイズさんに向き合う。

 

「そ、その。この度は」

「………」

「誠に…ありがとう…ございました」

「ううん、気にしないで。元はと言えば私がムサシを傷付けたから」

「い、いえ。それも僕が急に前に出たからですし」

「それについてだが」

「え?」

「リヴェリア?」

 

僕達が話しているとアールヴさんが話しに入り込んできた。

 

「アイズから聞いた話だと君は()()()()()()()()()ようだな?」

「は、はい」

「それは何故だ?」

「あ、それあたしも気になってたんだ!どうしてなの?」

「え、えぇと?」

「私も気になる」

「あ、アイズさんもですか!?」

 

美少女&美女の三人に詰め寄られる。

普通なら羨ましい状況だけど、今は問い詰められてる状態。こんな状態だと美人な三人に詰め寄られるのは逆に怖い。というかそれ以前になんか–––特にアールヴさんは–––自分とは違うもっと上の場所にいるみたいな感じがする。

 

「ほら、何故」

「モンスターを庇ったのか」

「教えて」

「う、うぅん。…わかりました」

 

僕は観念して正直に話す事にした。

 

「そ、その。お、おかしいのはわかっていますけど」

「「「………」」」

「…出来るのなら」

 

 

「モンスターも救いたいんです」

 

 

「………」

「………」

「………どういう事?」

 

アイズさんの言葉はアールヴさんとティオナさんの考えている事の代弁でもあった。

 

「え、えぇと。……僕はいくらモンスターといえどイタズラに命を奪いたくないんです」

「「「…………」」」

「あ、あはは。主神様には『君は優しすぎる』とか駄目出しされましたけどね」

「「「………」」」

「はは、頭ではわかってるんです。自分の言っている事がおかしいな事だって。僕も何度か試してみたんです、けどダメでした、最後の最後でトドメはさす事はできませんでした、あはは」

 

「「「「……………」」」」

 

き、気不味い。な、何かいい話題はないか?

 

「…そういえば君、変わった刺青を全身に入れているな」

「あ、そういえばそうだ!なんか体の殆どが青かったよね」

 

な、ナイスですアールヴさん!

 

「は、はい。実はこれスキルの影響なんです」

「スキル…の?」

「はい。スキルの詳しい説明は言えませんが、僕が初めて恩恵を授かった時にスキルが発現して同時にこのような体になりまして」

「ふむ、なるほど。見た目に影響するスキルなど聞いた事がないが私が知らないだけかもしれないしな」

「それじゃあ次はあたしが質問ー!!」

 

元気よく手を挙げてぴょんぴょんと跳ねるティオナさん。

 

「はい、何ですか?」

「ムサシのレベルは何なの?3ぐらい?」

「い、いえいえ!そんな恐れ多い!自分は新人のLv.1ですよ」

「「え?」」「何?」

「え?え、え?どうかしました?」

 

僕の言葉を聞き固まるティオナさんとアイズさんと難しい顔をするアールヴさん。

あれ?僕変な事言ったかな?

 

「…それは本当か?」

「え?は、はい。まだ冒険者になって半月も経っていない新人の冒険者です」

 

すると三人はササッと部屋の隅に集まった。

何を言っているのかわからないけどなにかコソコソ話している。

 

(どう思う?)

(嘘をついているようには見えない)

(そうなんだよね)

(だがアイズは彼が並行魔法を使ったのを見たのだろう?)

(うん)

(という事はLv.1で並行魔法が出来るという事?そんな事可能なの?)

(不可能…ではないだろうがかなり難しいだろう)

 

「「「…………」」」

 

ど、どうしたんだろう?

 

(…いつまで考えても埒があかん、この際直接聞いてみよう)

(おっけい)

(わかった)

 

「なあ、ムサシ」

「はい、なんでしょう?」

「ムサシはいつ並行魔法を使えるようになったんだ?」

「へ?並行魔法って何ですか?」

「「「––––」」」

 

か、固まった!?

 

「並行魔法を知らないのか!?」

「え!?は、はい」

 

眉間を抑えだすアールヴさん。笑いだすティオナさん。興味深そうに僕を見るアイズさん。

ど、どういう状況?




今更ですが主人公の設定。
年齢は16。モンスターも殺せない優しい少年。
モンスターどころか虫も殺した事がない。教会(ホーム)で虫が出た場合、素手で捕まえて外に逃がしている。
ベルが幼い白兎ならムサシは見るからに優しそうな少年。
髪は銀髪に青がちらほら混じっている。
髪型は天パなベルと違いサラサラだな頭の真ん中に後頭部に向けて一直線にトサカのような癖っ毛がある。
普段は肩部は白の水色の上着を着ておりベルと同じく装備のプレート防具を服の上から身につけている。


裏話。
実はこの小説の前にゾフィーとゼロのソードオルトリア版の小説を書いていたがなんやかんやでコスモスになった。


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悪神の眷属『千の妖精と天界のトリックスター』

この前初めてセブンX見たけどセブンと同一人物と思えないくらい目つき悪!あとホントに鈍器スラッガーだった。
作者の好きなウルトラマンは昭和だとゾフィーとマン。
平成だとコスモス、ネクサス、ノア、ゼロ。
そもそも見た事無いのがエース、80、アニメ&海外系、平成三代、ギンガ、エックス。
あとマックスが中途半端にしか見れてないです。
嫌いなウルトラマンは最近のウルトラマン(ゼロは除く)と融合系のウルトラマンです。
サーガとか何だよアレ、キモすぎだろウルトラマン舐めて(以下略


キャラ崩壊注意です。


私の名前はレフィーヤ・ウィリディス。

ロキファミリアの冒険者でLv.4の魔導師です!

今、私は怪物祭で怪我をさせてしまった冒険者を連れてこられたアイズさんを探しています。

アイズさんはよくダンジョンに一人で出掛けるので会えない時があって寂しいのですが最近はその怪我をさせた冒険者を看る為にホームに残っています。

聞いた話によるとアイズさんが倒そうとしたモンスターを庇って怪我をしたそうじゃないですか、自業自得です。

でもそんな人でも助けるアイズさんはやっぱり素敵です!

それにその人のおかげでアイズもホームに残ってくれていますし多少は感謝して………いや、やっぱりダメです。アイズさんに看病してもらえるなんて羨ましすぎます!許しません!!

 

……確かこの角を曲がった部屋だった筈。

あ、あの部屋です。でも何故扉が開いているのでしょうか?

私は開いた扉から中の様子を伺う。

 

「アイズさーん、居ますか?––––––––」

 

私が見た光景は。

 

「ムサシ、あーん」

 

あ、アイズさんからあーん♡だとぉ!?

まさか、食べたりしねぇだろうなぁ!?

 

「じ、自分で食べれますから!?」

「でも、腕動かせないじゃ?」

 

何、アイズさんが心配してやってくれた事断ってんじゃああ□〒○%¥〆!!!!

 

「な、なんか寒気が」

「大丈夫?」

「い、いえ。大丈夫です」

 

コロスゥ、ウマレタコトヲコウカイサセテカラムザンニコロシテヤルゥゥウウ!!!!!!

 

「ひぃ!?」

「ほ、ホントに大丈夫?」

 

精々最期ノ瞬間マデアイズさんノ看病ヲ噛ミ締メルガイイサ

 

 

 

僕がアイズさん達に救われて部屋にいる事三日、偶に凄く身の危険を感じるけど怪我も順調に回復し腕も動かせるようになった。

そろそろヘスティア様やベルに会いたい、せめて手紙だけでも出したいなぁ…なんて事考えながらいると扉がコンコンと叩かれた音がする。

 

「はい、どうぞ」

 

僕が返事すると扉が開き、赤髪で糸目な女性が入ってきた。

 

「うぃーす。あんたがアイズたんが怪我させた子やな」

「あ、はい。ムサシ・ハルノです」

「おうムサシ!ウチはこのファミリアの主神、ロキって言うんや。よろしゅうな!」

「はい、よろしくお願いしま––––」

 

 

・・・・・ん?

い、いいまま、ろろろ『ロキ』って!?

え!ファミリアの主神ロキ、って事はここここココは!?

 

「ろ、ろろろろろロキ・ファミリア!?!?」

「お?なんやお前、気付いてなかったんか」

「き、聞いてませんよそんな事一言も!?」

 

まさかここがオラリオ最大のファミリアの一つだなんて。

 

「そ、そそそんな場所に三日間も……ヒョハァー!?」

 

自分で自分の顔が青くなっていくのがわかる。

ど、どうしよう!?お、お金!全財産渡せば……って僕の全財産なんて雀の涙と変わらないよぉー!?

 

「アワアワアワアワアワアワ!?」

「なんや、えらいおもろい奴やなぁwまぁ、別に礼なんか要らんし気にすんなや」

「こ、こうなったらこの首を……へ?」

「(く、首って)へ?…やあるかい。別に礼なんか要らん言うとんねん」

「は、本当ですか?」

「おう、ウチはイタズラはするけど嘘はつかんさかい」

「よ、よかったぁー」

 

本当によかったぁ。

 

「モンスターを助けたい言うたりとホントおもろいやっちゃなぁ」

「え?あ、あはは。やっぱり変ですよね」

「おう!そんな事言いだす奴は初めて見たわ」

「あはは。ですよね」

「やけど、そこが面白い」

「え?」

 

ロキ様は先程と違い薄っすらと目を開けてニヤリと笑う。

 

「やっぱり下界の子供達(人間)は面白いなぁ、天界とは大違いや。なんせ人類の絶対敵つわれてるモンスターを助けたい言う人間()が現れたんやから」

「…え、えぇと、褒められてんでしょうか?」

「おお、当たり前や!褒めるなんてもんじゃないで大褒めや!!」

「あ、ありがとうございます」

 

なんだかわからないけど神様それもあのロキファミリアの主神に褒められた。

今度ベルに自慢しよ。

………ベルで思い出した。僕がこうして怪我の治療をしてる間もベルはドンドン強くなってるんだろうな。

 

「ど、どないした?急に目が死に出してきたけど」

「い、いえ。唯こうしてる間にもあいつは強くなっててるんだろうなぁって」

「ああ、なんや同ファミリアメンバーに差を付けられへんか心配なんか。そんな事気にすんなや、確かにLv.1とかは成長すんのが早いけどそれは始まったばかりやからや。時間が経てば自然と追いつくわ」

「そうですかね?」

「そうやそうや。ウチは何人もの冒険者のステイタスを何年も見てきてるんや、間違いない」

 

…確かに。ロキ様のような神様に言われると説得力がある。

 

「そう…ですね。きっとそうです」

「そうや、それにそんなステイタスを気にすんなら先にレベルアップしたったらええねん!」

「なるほど確かに!いやぁ、毎回トータルのステイタスの上昇差に数百以上付けられてるんで気が小さくなってたのかもしれません」

「…なんやて?」

 

…あれ?ロキ様の雰囲気が変わったぞ。

 

「なあ、ムサシ。今お前『上昇差に数百以上』って言ったか?」

「は、はい」

「それはホントか?」

「はい」

「………なあ、ムサシ」

「…なんでしょう?」

「お前、どこのファミリアなんや?」

「え?えっと僕は『ヘスティア・ファミリア』です」

「なっ!?」

 

 

––––あのドチビの眷属(ファミリア)やとぉぉぉおおおおおお!!!!!

 

––––––––––––––––––––––––––––––––––––––

「ん?…またロキか」

「ははは」

「平和じゃの」

––––––––––––––––––––––––––––––––––––––

「………」

「凄いアイズ。無反応」

「ああぁ〜、団長〜♡」

「こっちもこっちで」

「………ケッ!」

––––––––––––––––––––––––––––––––––––––

 

「うっ、あ、頭がぁ」

「あ、ああ、こんな面白い奴があ、あのドチビのファミリア…やて…ッ!?」

 

う、うぅん。ドチビ?この状況からしてヘスティア様だよね?

……確かにヘスティア様は身長が低いし否定出来ないな『ムサシ君!?』…ん?今ヘスティア様の声が聞こえた気がする。

 

勿体無い!?

「え?」

「ムサシのような奴があんなドチビのファミリアなんて勿体無い!お前、ウチのファミリアに改宗(コンバート)し!!」

「え、ええぇ!?」

 

い、いきなり改宗しろって言われても。

………だけど正直ロキファミリアに入った方が色々とお得な気が。『ムサシくぅん!?!?』う、まただ。

だけど。

 

「残念ですがお断りさせていただきます」

「……それは何でや?」

「…ひとつは親友(ベル)を置いて一人で行きたくないからです。もしかしたら僕だけかもしれませんが彼とは今まで本当の兄弟のように育ってきました。一緒に遊び、一緒に畑を耕し、一緒に食事し、一緒に夢を語り合いました。そんな親友を裏切ってまで改宗したいとは思いません」

「……………」

「次にヘスティア様はこんなぽっと出で弱そうな僕達をファミリアに迎え入れてくれました。出来たばかりファミリアなのでお金が無い僕達の為に神様なのに毎日バイトに出掛けてきてくれます。僕個人の理由でモンスター1匹倒せない僕を心配してくれます、諭してくれます、笑ってくれます。僕にはヘスティア様に感謝しても仕切れない恩があります。だから僕は、僕達はヘスティア様の自慢の眷属(ファミリア)でいなきゃいけません。ロキ様の申し出は本当に嬉しかったです。こんな僕を必要としてくれて。だけど僕はこれまでもこれからも。

 

 

––––『ヘスティア・ファミリア』のムサシ・ハルノなんです。

 

 

「この度は折角誘っていただいたのに申し訳ありません」

「……………」

 

僕はロキ様に頭を下げた。罰せられてもいい、罵ってもらっても構わない。

だけどこれだけは譲れない。

 

「……………」

「………ニィ、気に入った!」

「……え?」

「ウチはあのドチビが昔から気にくわんかったけどお前は別や!今度なんかあったらウチら(ロキ・ファミリア)

所にきぃ、助けたる」

「は、はい!ありがとうございます!」

「にしし。…そんでもうすぐ帰るんやったか?」

「あ、はい。怪我もほとんど治ってますし明日にはここを出ようかと思います」

「ん…で、それやけど3、4日ぐらい伸ばせへん?」

「え?えーと、何故ですか?」

 

ロキ様はグニィーと口端を吊り上げて仰った。

 

「ムサシをウチらで鍛えたろうと思てな」

「………へ?」

 

ポカーンと情け無い顔を晒した僕を見てロキ様はイタズラが成功した子供のような笑みを浮かべた。




ヘス「オロロ〜。僕はムサシ君を信じていたよぉぉ。君は僕の自慢の眷属だぁぁ」


オリ主の地肌が青くなった設定にしたけど今思うとズボンすなわち下半身が着服状態のウルトラマン(もどき)ってダメじゃね?だけどフォルムチェンジで服も一緒に変わるというのもおかしい。
って事で皆さんいいアイデアを感想にください!

必要事項は平成ウルトラマン特有のフォルムチェンジてわ見た目が変わっても違和感の無い姿です。
これにそえば御都合主義でも構いません、だってウルトラマンだもの。


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帰宅

最近見たいと思っているのは平成ウルトラセブン。


一週間ぶりの我が家(ホーム)、皆元気にしてたかな?

ロキファミリアの皆さんに鍛えに鍛え(いじめにいじめ)られた四日間。思いだすだけで体が震え胃が痛む。

あ、ああ。正に地獄のような四日間でした。

 

––––––––––––––––––––––––––––––––––––––

『ムサシをウチら(ロキ・ファミリア)で鍛えたろうと思てな』

『………へ?』

 

 

「やからな、ムサシをフィンやアイズたん達に鍛えてもらおうと思った訳や、ウチは」

「えええぇぇえ!?そそそそそ、そんな僕なんかの為に第一級冒険者の方々に鍛えて貰うなんて恐れ多い!」

「ん?お前、ウチらがロキ・ファミリアって事知らんかったのにフィンらが第一級冒険者ってのはよく知ってんな」

「い、いえ。ギルドで聞いた事があって。『フィン・ディムナ』さん、【勇者(ブレイバー)】の二つ名を持つLv.6の冒険者でロキファミリアの団長。僕の憧れ人でもあります!」

「そうなんか?」

「はい!僕もいつかディムナさんのような強い人になりたいものです!」

「ほぉう」

 

…何か余計な事を言ってしまったのだろうか。

ロキ様のニヤニヤ顔を見ているとそう思ってしまう自分がいます。

 

「よし、ならやっぱりムサシをウチらで鍛えるで!」

「え!?で、でもそれは」

「追いつきたいんやろそいつ(ベル)に?」

「ッッ」

「追いつかせたる」

「……え?」

 

ロキ様の顔は先程のニヤけた顔とは打って変わり、とても真剣な表情にしてなられた。

 

「追いつかせたる、いや()()()()()()()。技も(ステイタス)も経験も」

「––––––」

「…ムサシ。これはウチからの施しや。お前をウチらで強くしたる。もう、差を付けられる心配をしいひんで済むようにしたる」

「…………」

「さあ、どうする?強くなりたいんやろ?心配すんなドチビの所にはウチらの方から説明しといてやるさかい」

「……………お」

「………」

「おねが…い、しま…す。お願いします!僕を鍛えてください!どうか僕をみんな(ヘスティア・ファミリア)を守れる力をください。ベルの後ではなく横に立てるようにしてください」

「謙虚やなぁ、横なんかでいいのか?」

「––––前へ!誰よりも前に立ちみんなを守れる人にしてください!!」

「よっしゃ!任せとき!!」

 

 

 

「という訳でフィン達(第一級冒険者)にはムサシを鍛えて貰うで、これは主神命令や」

 

「へぇ」

「まったく」

「ほぉ」

「やっほぉムサシ!」

「ふーん」

「…………」

 

みなさんそれぞれ別の反応をしておられます。

ディムナさんやランドロックさんは興味深そうな反応を、アールヴさんは呆れた嘆息を、ティオナさんはブンブンと手を振ってくれて、ティオナさんの姉のヒリュテさんは興味無さそうにそして、ローガさんは。

 

「冗談じゃねえ」

「んん?なんやベート。主神命令やゆうた筈やで?」

「知るかそんな事。何で俺がこんな新人冒険者(雑魚)の面倒を見なくちゃいけねえんだよ。俺はごめんだ」

「そないか。ならここから出ていき」

「……ハッ」

 

やっぱり、全員が全員認めてはくれない…ですよね。

 

「因みにベート。何処へ行く気や?」

「ああ?自分の部屋に決まってんだろ」

「……なあ、ベート。ウチは()()()()出ていきって言った筈やで?」

「あぁあ?だからこの部屋から出ようとしてるだろうが!」

「違う。ウチは()()()()()()()から出ていきって言ったんや」

『!?』

「なんだと!?」

「え!?」

「ロキ。冗談が過ぎるぞ」

 

アールヴさんはロキ様に咎めるような視線を向ける。

 

「冗談に見えるか?」

「––––ッ」

 

対してロキ様はリヴェリアさんにハッキリと目を開けておっしゃった。

 

「ろ、ロキ様」

「お前は黙っとき。……ムサシはなウチの客や、そしてウチ《神》はウチの子(眷属)にムサシを鍛えろって言った(命令した)。それに刃向かうのなら、賛成できひんのならそんな(眷属)はいらん」

「––––––」

 

その場に居た誰もが戦慄した。

地上では『神の力(アルカナム)』を封じられて普通の人間と変わらない(ロキ)

だけど今ロキ様からは誰もが神と納得できる存在感を示している。

 

「さあ」

 

–––どうする?ベート。

 

「〜〜〜クソッ!」

「よろしい」

 

ベートは悪態をつきながらこちらに戻ってきた。

 

「それじゃあ、みんなよろしく頼むで」

 

そう言ってロキ様はニコニコ微笑むが空気が気不味いしこの話の原因は自分なので罪悪感が。

僕が俯いたままでいるとトコトコと近づいてきた。

 

「…よろしく」

 

アイズさんがスッと手を出してきた。

 

「あ!よ、よろしくお願いします!」

「…………」ズーン

 

あ、あれ?

僕が頭を下げるとアイズさんの雰囲気が見てわかるように落ち込んだのがわかる。

え、え?なんで?

ふた視線を感じチラッと見るとティオナさんが手を出してもう片方の手の指をその手に向けていた。

手?アイズさんの手……きれいな手だなって違う違う。今回の場合だと。

 

「よ、よろしくお願いします」

「……!うん、よろしく」パァァ

 

恐る恐るアイズさんの手を握り握手すると途端にアイズさんの機嫌が良くなった…気がする。

アイズさんの機嫌が良くなって安心したのと同時にローガさんから感じる敵意の視線が僕を貫く。な、何故?

 

それからロキファミリアのみなさんとの特訓が始まったのだが。

 

アイズさんの場合。

 

「実戦あるのみ」

「え?ちょ、うわあああ!?」

 

「ひたすら剣で突くから魔法で耐えて」

「りょ、了解しました【守護の光よ、我が身を盾に月の光を】」

「それじゃあ行くよ」

ガガガガガガガガッ!

バキバキバキ––––バリーン!?

「え!?ヒィィ!」

 

「これ作ったから食べて」

「あ、ありがとうござ–––––コレハナンデスカ?」

「…?スープだけど」

 

アイズさんに渡されたスープ、それは千…切り(サウザンドスラッシュ)?された肉や野菜に魚介類。

半溶したバナナに赤に白いぶち模様のキノコがゴロゴロ入っており、スープの色もコンソメの黄色を超越して濃い茶色。

 

アイズ「………」ワクワクドキドキ

ムサシ「………」冷や汗ダラダラ

 

あかん逃げ道がない。

アイズさんは見た目に反して割と幼い。そんな彼女にこんなの食べれませんなんか言ったら––––罪悪感で死ねる(確信)

 

「………」ドキドキハラハラ

 

あ、僕が食べないので心配になってきてる。

ヘスティア様、ベル。僕帰れないかもしれません。

––––いざっ!

 

「ハムッ!」

「…………!」

 

「…………」

「…………」

 

「…………」

「…………?」

 

「…………」

「…ムサシ?」ツン

「」バタン

「!?」

 

「––––!?」キョロキョロ

「…………」(そういえばスープの味見をしてないのを思いだした)

 

「ハム––––!?」

アイズ白目になる、後に倒れる、口から白い靄が出る。

 

「おぉい!どうや捗っとるかぁ?––––ってえええええ!?」

 

 

その日からアイズはリヴェリアとレフィーヤに料理を習い始めた。

 

 

 

 

フィン・ディムナさんの場合。

 

「チェスをしよう」

「チェス…ですか?」

「ああ、知ってるかい?」

「知識には。やった事はありませんが」

「じゃあ、やりながら教えよう」

「はい、お願いします」

 

 

〜〜〜1時間後〜〜〜

 

「参りましたぁ」

「ふっ」

「ディムナさん強すぎですよ」

「伊達にロキファミリアの団長をしてないからね」

「もう一回お願いします!」

「わかった」

 

結局一回も勝てませんでした。

 

「次は実戦だ行くぞ!」

「は、はい!」

 

「そこは引くな踏み込め!」

「はい!」

 

「どうした!遅くなってるぞスピードを上げるんだ!」

「わ、わかりました!」

 

「よし。これまでにしよう」

「あ、あり……ありが、ありがとうございました…」

 

ああ、キツイけど特訓してる気がする。

 

「初日だからこの程度だけど明日からペースを上げて行くよ」

「………ゑ?」

 

本当の地獄はこれからだ。

 

 

リヴェリア・リヨス・アールヴさんの場合

 

ロキファミリアのホームの図書室。

そこで用意された黒板と眼鏡をかけて教鞭を持ったリヴェリアさんが居た。

 

「お前には私が冒険者として必要な知識を教えてやろう」

「お願いします」

 

「いいか魔法と言うのはだな––––」

「……」メモ中

 

「––––は背中が弱点なんだ」

「…………」メモ中

 

「ポーションには複数の種類があり普通のポーションと効力の高いハイ・ポーション、そして魔力を回復させるマジック・ポーション。そして万能薬と言われるエリクサーがある」

 

アールヴさんは資料や実物などを用意してわかりやすく教えてくれた。

おかげで僕も知らなかった事や詳しく情報がわかった。

帰ったらベルにも教えてあげよう。

 

「よしなら今度は自分の身で実験してみるか。外に行くぞ」

「え?」

「どうした?早く行くぞ。体で覚える、時には大切な事だ」

「……わかりました」

 

ボッコボコにされてポーションの飲んで、魔法連発してマジックポーションを飲む事となった。

苦かった。アールヴさんは「良薬口に苦し」って言ってた。

 

 

ティオナ・ヒリュテさんの場合

 

「いっくよぉ〜!!」

ドガーン!!

「うわああああ!!」

 

く、壊し屋大切断(クラッシャーアマゾン)

 

 

ティオネ・ヒリュテさんの場合

 

「面倒だしさっさと終わらせるわよ」

「…は、はい」

「このナイフをあの的に向かって投げなさい」

「わかりました。……とお!」

「………ん、意外と筋あるじゃない」

「は、はい!村でもよく石を的当てして遊んでましたました」

 

ベルと。

常に僕の勝ちだけどね。

 

「へぇ、でもまだまだ甘いわ次は––––」

 

〜〜〜数時間後〜〜〜

 

「とう!せいせいせいせいせいせい!!……ふぅ」

「ふっ、動き回る的の内側に25本全部当てるなんてやるじゃない。流石私が教えただけはあるわね」

「はい!ヒリュテさんのおかげです!」

「ふふふ、もっと言いなさい。じゃあ次は私のククリナイフ捌きを伝授してあげるわ」

「ありがとうございます!!」

 

 

「最初は興味無いとか言ってたのに」

「なんやかんやで教えてる」

「ふふ、きっとムサシがスポンジが水を吸うように上手くなっていくのと、その度に褒められる事が嬉しかったんだろう」

 

 

 

ガレス・ランドロックさんの場合

 

「儂とは素手喧嘩(ステゴロ)してもらうぞ」

「無理無理無理無理無理無理です!!」

「はっはっは!遠慮するでない!」

「いやぁーーーー!?」

 

 

「二人共夕食の時間やでぇ!」

 

「ぜ、ゼハァー…ゼハァー……し、死ぬかと思った」

「なんじゃもうそんな時間か。ほらいつまで延びてあるんじゃ、行くぞ」

「は、はひぃー……」

 

よろよろと立ち上がりフラフラとランドロックさんに続き食堂に行く。

 

 

 

 

からだじゅうがいたひ。

だけど料理はおいひい。

お昼はアレだったから––––––ハッ!

 

「………」(´・_・` )

 

あ、アイズさん。

 

「……すみません」

「……ムサシは悪くない」

 

空気が…気不味い……あ、このお肉美味しい。

 

「なんかあの二人の空気がお通やみたいになってるんだけど」

「…ま、まあアイズたんにも苦手な事はあるからな」

 

そして食事を終わらせ。

 

ベート・ローガさんの場合

 

「(゚Д゚ #)ゴラァ!!」

「ひぃ!?」

「(゚Д゚ #)ゴラァ!!(゚Д゚ #)ゴラァ!!(゚Д゚ #)ゴラァ!!」

「ひぇええええ!?」

 

追い掛け回されました。

 

 

 

こんな感じで日に日に厳しくなる特訓メニューをこなして四日間が過ぎた。

最後の一日は一回のメニューで十数回は死を覚悟した。

 

…………っと、今はヘスティアファミリアへ無事?帰還した事を喜ぼう。

色々と()()()も沢山もらいましたし。

ホント、ロキファミリアのみなさんにはなんと御礼したものか。もうロキファミリアの方へ足を向けて寝られません。

 

ああ、懐かしのボロ教会。

一週間もロキファミリアの豪華なホームにいると本来の僕のホームに戻ると哀しくなるのは皆には秘密だ。

 

よしいざ帰還!

 

「ヘスティア様〜、ベル〜。ただいま戻りましたぁ!」

 

………ダダダダダダダダッ!!

 

「「ムサシィィイ/ムサシくぅんん!?」」

「ぐっふぇえ!?」

 

二人のタックルを胸いっぱいに受けて

 

「ふぅッギギギギギ」

 

堪える。

 

「た、ただいま戻りました二人共」

「心配したんだよ!怪物祭から帰ったらムサシが居なくて!」

「そうだよ!何日も帰ってこなくて……どこかに行っちゃったのかと思ったんだ」

「………ふっ」

 

バカだなぁヘスティア様は。

 

「そんな訳ないじゃないですか。こんな僕を受け入れてくれたヘスティア様や親友のベルを置いて何処かに行く筈が無いじゃないですか。僕はヘスティアファミリアのムサシ・ハルノですから」

「む、ムシャシィぐぅぅんんん!!」

「ははは。一先ず中に入りましょう。ずっとそこで待っている子も居るのですから」

「「へ?/え?」」

 

僕が指した先には。

扉から頭を3/2程出した栗系の小さな少女がこちらを見ていた。

誰だろう?新しいファミリアの子かな?

 

「さ、早く教会に入りましょ!ロキファミリアのみなさんがくださった御土産も沢山ありますし!」

「え!何それ!凄く気になる!神様早く行きましょう!」

「あ、わかった!わかったからそんなに引っ張らないでくれよベル君……えへへ」

「ほら!ムサシも早く!!」

「あはは。今行くよ!」

 

 

 

「どーも始めまして。リリはリリルカ・アーデと言います」

「どうもこちらこそ。ムサシ・ハルノです。アーデさん」

 

とこのように自己紹介を済ませ説明を受けた。

どうやら新しいファミリアって訳みたいじゃなく、ベルが助けた子のようだ。それにしても。

 

「君もやるねぇ〜ベル」

「か、からかわないでよ」

「リリはベル様に救っていただいたおかげで今ここに居られます。ベル様がいなければリリはもうこの世にいなかったでしょう」

「ヒュ〜♪さっすが〜」

「ムサシー!」

「むぅ〜。ムサシ君!それで御土産ってどんなものなんだい!!」

 

僕がベルをからかって遊んでいるとヘスティア様が強引に話を切り替えてきた。

 

「え?あ、はい。んんとまずは……これだ。『私を食べ…て?ロキファミリアのアイズたん饅頭。じゃが丸くん小豆クリーム、クリームましまし味』…いつ見ても不思議だな」

「な、何ですかそれは?」

「ロキ様がこの前見つけたにお饅頭で『おまんじゅう倶楽部』ってところが作ったお饅頭らしいですよ。お饅頭の一つ一つにアイズさん様々な表情の顔が描かれているそうです。他にも『紫蘇メロンクリーム饅頭』や『カフェオレ昆布饅頭』とかがあるそうですよ」

「何だいチョイスは?」

「いや、僕に言われましても」

 

実は密かにファンがいるとかいないとか。

 

「ロキファミリアの団長、ディムナさんからは『チェスの一式』。あとでやってみるベル?」

「うん、やってみたい」

 

次は勝ちますよディムナさん!

 

「次はコレですね。第一級冒険者のアールヴさんからいただいた。『魔法石』です」

「魔法石?」

「魔法の効果を高めてくれる石らしいよ。一流の魔導師はこれを装備に付けて戦うそうです」

「へぇ」

 

「ランドロックさんからは『訓練用の大斧』。重いし鈍いし武器としては使い物にならないけど、訓練にはもってこいらしいです」

「どれどれ?…んんー!おっも!?何これ!!」

「そんなに何ですか?……ぬぐぐぐぐ。ほ、ホ…ントだ」

 

凄いベル。それを持ち上げるなんて。

 

「それおよそ70kgしますから」

「な、70……ッ」

 

それでも僕達(Lv.1)用の物だからね。

これ持ってここまでくるの辛かった。

 

「次はティオナさんから『余った超硬金属(アダマンタイト)』…です」

「………」

 

コレ、どうすればいいのでしょう。超硬金属って加工するのが大変で凄くお金のかかる金属ですよね?

………ま、まあ。きっと将来使う時くる。その時の為に大切にしまっておこう。

 

「その次がヒリュテさん。ティオナさんのお姉さんね」

 

確かこれは特別製のナイフ。

 

『コレ、あげるわ』

『え?こ、これは?』

『これはナイフブーメランって言って、名前通り投げたら戻ってくるナイフなの。確か武器の名前はぁ〜。あ、そうそう『スラッガー』ね』

『…スラッガー』

『そう。でこれがスラッガーの鞘代わりの左腕のガントレット』

『これが?』

『そうよ。手首から肘までに窪みがあるでしょ?貸してみなさい』

『はい、どうぞ』

『これをね、この窪みにこうやってハメるの』

『なるほど』

 

何気に一番嬉しい御土産だったりする。

ありがとうございますヒリュテさん!

ベルはヘスティア様に神のナイフ(ヘスティアナイフ)なんて貰ってるしね。

 

「…で、ローガさん何ですが。つま先が獣の鉤爪みたいになってるグリーヴ。ローガさんのお古のようです」

 

「………ケッ!」って言われて渡されました。

 

「最後に『アイズ』さんですが」

「!?」ガタッ!?

「へ?」

「ど、どういう事!?あ、ああああアイズさんから御土産(プレゼント)!?」

「あ"あ"あ"あ"あ"やめでぇー!揺れぇるぅぅ!?」

「どういう事なのさあ!ムサシィィイ!!!」

「う"っ、はぎそう"だ(吐きそうだ)

「ベル様!やめてください!ムサシ様がダメな顔してます!」

ちっ、またヴァレン何某か(やめるんだベル君!!)

 

お、おっぷ。

お、おe––––––––––––––––。

 

 

 

(´°ω。`)

 

「そ、そのゴメンね」

「イヤ、ベツニイイヨ」

「ダメなやつですね」「ダメなやつだね」

 

……ぼ、ぼくはつよいこ、やさしいこ。

………………グスン。

 

 

〜〜〜コスモス癒心中〜〜〜

 

 

 

『フルムーンレクト』が自分にも効いてよかった。

アールヴさんとの特訓がこんな時に役立つなんて。ありがとうございますアールヴさん。

 

「ね、ねえムサシ。何で僕は縄で手足を縛られてるの?」

「自分の心に聞いてごらん?」

「ハイ、ゴメンナサイ」

 

因みにアイズさんからの御土産はまた今度になりました。

 

「???何故だい?」

「『今度は上手くなってから手料理を食べてもらう』って言われまして」

「今度ぉ!?!?!?」

 

はいはい、沈静魔法(フルムーンレクト)沈静魔法(フルムーンレクト)

 

「ウガアアアアアア!!!」

 

沈静魔法が………効かない……!?

こんな事初めてだ。あのウィリディスさんにも効いたのに!!

 

『この腐れ外道がァァアああ!!!!」

『また来たぁぁあ!?』

『今死ね!すぐ死ね!骨まで砕けろぉ!!!【––––』

『【さあ、輝きよ闇を祓え】!!』

『––––む、ああ?』

『今だ!逃げろォォオオオ!!!』

『あ、こら!待ちなさーい!!』

 

↑こんな感じ。

 

「うおおおおお!!フン!!」ブチィ!

 

縄が切れた!?

 

「ムゥサァァシィィイ!!」

「お、オオオオオオ!!!」

 

突っ込んで来たベルの突撃をすんだで避けそのまま後頭部に蹴りを打ち込む。

 

「あぶっ!?」

 

ベルは地面に顔をぶつけ……動かなくなる。

 

「「べ、ベルくぅんんん(さまあああ)!?!?」」




ゼロがコスモスからルナナンチャラとナンチャラコロナなんていうチカラを授かったのにコスモスは何もないなんておかしいじゃないか!
ダイナ?……ああ!ダイナマンのことね!


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成長

コロナモードのネルバスター光線がフォトンストリームにしか見えないのは私だけでしょうか?

今回は短めです。


「よし、それじゃあステイタスを更新するよ」

「はい、お願いします」

 

ふふふ、どれだけ上がってるかな?

ロキファミリアの皆さんと頑張ったからな。

 

「………………な……」

「…?どうしました?」

「な、ななな……!?」

 

 

––––なんじゃあこりゃあああ!?!

 

 

え、えええええ!?

何、いったいどうなってるの!?僕の背中で何が起きてるの!?

 

その後ヘスティア様の絶叫を聞いてベルが飛び込んできたり、続いてやってきたアーデさんに青い肌を突かれたりした。(聞かれたので許可した)

 

「よぉし。終わったよムサシ君。もう僕は驚かないぞ、ベルだって凄く高かったんだ、もう慣れたさきっと!」

 

な、なんか自己暗示してるヘスティア様から僕はステイタスが写された紙を受け取る。

いざ、拝見!

 

 

––––––––––––––––––––––––––––––––––––––

『ムサシ・ハルノ』

Lv.1

力:A874 耐久:S999

器用:S999 敏捷:B796

魔力:S928

 

魔法

『フルムーンレクト』

・沈静魔法

・戦意を鎮め荒ぶる者怒る者を大人しくさせあるべき姿に戻し浄化する。

詠唱文

【さあ、輝きよ闇を祓え】

 

『ムーンライトバリア』

・防御魔法

・手から長方形の光の魔法障壁を展開する。

詠唱文

【守護の光よ、我が身を盾に月の光を】

 

『リバースパイク』

・反射魔法

防御魔法(バリア)と連動で発動。

・攻撃を受けているバリアを押し返す事で相手の攻撃を含んだバリアを放つ。

・全形態で使用可能。

詠唱文

【光の壁よ、悪意を返し清くあれ】

 

スキル

月青救者(ルナ・コスモス)

・正悪問わず救いたいという”意思”の表れ。

・耐久力と持久力に長けた形態。

・”意志"の強さによって補正率上昇

・形態によって使用可能な魔法が変わる。

––––––––––––––––––––––––––––––––––––––

 

わぁーい!

耐久と器用がカンストしてるぅ。

あと新しい魔法も発言したぞぉ。

……正直予想以上だった。

そいえばディムナさん、最後辺り「もういつでもレベルアップできるな」みたいな事言っていた気が。

 

「……僕にも見せてよムサシ」

「ん?ああ、はいこれ」

「ありがと。さて––––ブッ!?」

「ベル様!?一体どうなさ––––ブッ!?」

 

あ、お茶吹き出したみたいな顔になってる。

 

「ここ、こここここれどうしたのムサシ!?」

「ロキファミリアの皆さんとの特訓の成果さ!」

「と、特訓……ゴクリ」

 

〜ベルの理想(妄想)

「よろしくね、ベル」ニコッ

「は、はい!よろしくお願いします!」

「そんなに固くならないで。…フフ。さあ、始めましょう」

「はい!」

 

「ここはもう少し軽くこんな感じに」

「あ、アイズさん!ち、近いです」

「あ、ご、ごめんなさい……」

 

〜〜現実〜〜

 

「––––ッ!」

「あだぁ!?」

「まだまだ…ッ」

「ちょ、ま、待って!?」

「【目覚めよ(テンペスト)】」

「うわああああ!?」

 

〜〜〜〜〜〜〜

 

何気にあの人が一番手加減出来てなかった気がする。

ティオナさんもああ見えて手加減してくれていた。初日と最終日だと動きが違うもん。なにあれ?狂戦士?やめてぇ!?バーサーカー!!

あとアイズさんの料理。あれはヤバイ。

死ぬ(ストレートど真ん中)

 

ふ、ふっふっふ。

何だか気分が良い、後でダンジョンに行ってみよう!

僕は気持ち悪い笑み浮かべて妄想に浸っているベルを尻目に決心した。

 

 

 

 

そしてやって来ましたダンジョンに。

 

コボルト、ゴブリン、リザードなんかは元から追い返せたけど今じゃ目を閉じてでも出来る。

ウォーシャドウやフロッグシューター、キラーアントにパープルモス、ラビットニードルも楽勝。

唯、未だにモンスターを倒す事が出来ない。怯えて逃げる姿を見て満足してる自分がいる。

 

 

 

「そんなこんなでやって来ました10階層!」

 

凄い、未知の領域だ。

ふへへ〜。途中何度かモンパレちゃったけど僕もとうとう此処まで来れるようになったぞ!

前までは進んだとしても7階層の入り口ぐらいだったから少し緊張気味。

お、早速モンスター発見。……(オーク)だ、(オーク)がいるぞ!

 

『––––––––!!』

「え?」

 

え?結構距離あるのに見つかった?

ドシンドシン鳴らしながら向かってくるぶ––オーク”達”その数七体。

豚って言ったのが悪かったのか、全員一斉に怒りの形相でこちらに全力疾走しだした。

 

『『『『ぶおおおおお!?』』』

 

僕に近づいたオーク達は走っている途中で引き抜いた木を武器としてな振り回してくる。

 

「よっ、ほっ、っと、ほら、そおぃ」

 

僕はまず一撃目を上半身を背後に反らせで避け、そのままバク転で二撃目を避け、二回バク転し三回目で手を押し出してオークくの方向に飛び三撃目四撃目を躱し、五撃六撃目を空中で体を捻って躱し、六撃目のオークの背中を台座代わりに蹴って飛び上がり七体目のオークの頭に手を乗せ跳び箱のように飛び越える。

 

「…ほっと」

 

よしよしイケる。

僕の(実力)はここでも通用する。

よぉし!!

 

「………」

 

僕はその場でタンタンタンとリズミカルにステップ(跳ねる)し右手をオークに向けて人差し指をクイクイと曲げて挑発する。

 

『––––ッ!ぶふぉおおおおお!!!』

『『『ぶふぅぅううううう!!』』』

 

一体のオークが僕の挑発につられ、続いて他のオーク達も向かってくる。そして僕も走りだす。

 

「デヤアア!」

『ふごぉ!?』

 

僕は一体目のオークが横薙ぎに振り回す木を飛んで避け顔面の豚鼻に拳を打ち込む。

拳を打ち込まれたオークはその巨体からはあり得ない程吹っ飛び他のオークの間を通る。

 

『ほごぉ?』

 

一体目が吹っ飛ばされたオーク達は一斉にピタッと止まり目を点にして互いに顔を合わせ、そしてこちらを見て。

 

『『『ほごぉふおおおおお!?』』』

 

悲鳴を上げて一斉に逃げだした。

 

「…………あ、あはは」

 

何だろう。これでいい筈なのになんか虚しい。




おまけ
『アイズたんのお料理猛特訓』1

「という訳でお願いします」
「どういう訳だ?」

自分の料理レベルに絶望した私はロキ・ファミリアで料理が出来そうな人に料理を教えてもらおうとした。
だけど(後輩)に「私達がやりますのでアイズさんは待っていてください」って言われて拒否させれた。
だから今度はリヴェリアにお願いする事にした。

「大体の事情はわかった」
(それにしても料理……か。まさかあのアイズが料理に興味を持つなんてな。これもムサシのお陰か?)※あながち間違っていない。
「……ダメ?」
「いいだろう」
「!?リヴェリア」
「ただし教えるからには厳しくするぞ。後でやめるなど言うなよ?」
「…わかった」コク

こうしてアイズたんのお料理猛特訓が始まったのであった(cv.ロキ)



レフィ(あれ?私は?)←料理出来る。


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ムサシの知り合い

皆さん。私は声を大にして言おう。

私はウルトラ怪獣擬人化計画が大好きだあァぁアあああア!!!!



今回も短め


”あの子達”を見付けたのは本当に偶然だった。

暇を持て余していた私はナニかないものか…と外を見ていると彼等が目に入った。生きとし生ける物の魂を見る事が出来る私は思わず彼等に見惚れてしまった。

一人は無垢(透明)な、まるで透き通った泉のような何者にも染められていない()をしていた。

そしてもう一人は淡い金色(こんじき)の魂、彼の魂はすべての物を受け入れ優しく包み込んでくれる、月の『ひかり』だった。

 

私は無垢な魂が輝く所を見たくなった。

 

私だけその優しさ(『ひかり』)で包んで欲しくなった。

 

私は二人が欲しくなった。

 

だけどまだ足りない。

彼等の魂の輝き(『ひかり』)はもっと優しく(強く)なれる。

けどそんなの待てないし来ないかもしれない。

だから私が育ててあげる。強くしてあげる。与えてあげる。愛してあげる。十分に輝くその日まで。

 

だからお願い。

 

 

––––––わたしをうらぎらないでちょうだい?

 

 

 

 

 

 

オークに逃げられたから一時間。

僕はその間もダンジョンを進み11階層に到達した。

流石に長時間ダンジョンにいるし帰りの事も考えてこの階層で切り上げよう。

そう考えて歩いていると。

 

「––––ッ………来る」

 

ロキファミリアとの特訓で身に付けた、いや身に付いてしまった危険察知能力が強大な敵の気配を察知した。

その気配のする方を向く僕。

すると段々足音が聞こえ、大きくなっていき、霧で阻まれた景色の中でもわかるほどの巨大な黄土色の翼の無い首長竜が現れた。

僕はあいつを知っている。アールヴさんから貰った知識の中に存在するあいつは事実上の上層の階層主(あるじ)

レアモンスター。

 

「……『インファントドラゴン』

 

『オガアアアアアアア!!!!』

 

ほぉう。

これは腕試しに丁度いいかも知れない。

インファントドラゴン。

 

「相手にとって不足無し…かな?」

『オゴォアアアアアアア!!!!』

 

僕の戦意を察知したのかインファントドラゴンは僕を向いて咆哮をあげる。

僕も咆哮に負けずと突き進む。

 

インファントドラゴンは接近した僕を踏み潰そうと足を何度も上げて降ろす。

僕は上から降りそそぐ龍足を躱し抜け、インファントドラゴンの後左足を左腕の籠手(ガントレット)から外したスラッガーで斬りつける。

 

『ガアアアアア!?』

「まだまだッ!」

 

インファントドラゴンの足間を抜けブレーキを掛けてインファントドラゴンに向き直し飛んで尾に乗りインファントドラゴンの背を走り跳ぶ。

跳んでる途中で体を捻って背を向け左手を伸ばしインファントドラゴンの後頭部に腕を回し地面に押しつける。

 

『オゴア!?』

「デヤッデヤッデヤッ!」

 

地面に押し付けたインファントドラゴンの頭を三度右手のパンチを打ち込む。

 

『ギョォオアアア!!』

「ッ!?うわっ!」

 

インファントドラゴンが頭を上られ僕は弾かれる後に飛ぶが受け身を取って立ち上がる。

 

『グッ、ゴォォオオオ!!」

「……怒らせ…てしまったね」

 

まあ、当たり前か。

さてよし、続きと行こうか!

 

 

 

『ギョアアアアア!!』

「おっと」

 

僕は目の前に迫るインファントの尻尾を地面スレスレまで仰け反り足を折って両膝を滑らすからスライディングで躱しすぐさま立ち上がりスラッガーで斬りつける。

 

『ガ、ガァ…ガァ…』

「…………」

 

スラッガーを構えてインファントドラゴンと向き合う。

インファントドラゴンの体には既に切り傷や打撲の跡でボロボロになっていた。

………そろそろかな?もう随分弱らせたしこれ以上は可哀想かな。

自分で仕掛けておいて何言ってんだ…ってなりそうだけど。

 

「フッ!」

『!?ギョ、ゴガアアア……ッ』

 

ダメージのより始めの頃と違い覇気がないインファントドラゴン。

僕は向かって来る僕を噛み砕こうと伸ばす首をジャンプで避け、踏み付けまた跳び上がりインファントドラゴンの背後に着地して向き直す。

 

「【さあ、輝きよ闇を祓え】」

 

これで終わりだ。

僕は手から光のオーロラ(『フルムーンレクト』)を放ちインファントドラゴンを包み込む。

 

『……ギュ』

 

フルムーンレクトには僅かだけど対象の治癒効果がある。

他にも気力、精神力(マインド)、疲労の回復、肩こり腰痛頭痛酔いに眠気の緩和。ストレスや寝不足にも効く事がわかり、ロキファミリアとの魔法特訓で使いまくった。

……………主に宴会の後に。

 

『ギュアァ』

 

心が落ち着き浅い傷なんかは完全に塞がったインファントドラゴンは僕に背を向けドシンドシンと足音を鳴らしながら去って行った。

 

「……よし、帰ろう」

 

勿論モンスターの落とし物も忘れずに拾って。

 

「––––ん?」

 

……あれ?今なんか視線を感じたような?

 

「気の所為……かな?」

 

 

 

 

 

 

 

「………ビポポポ」

 

 

 

 

 

そして”とある店”でモンスターの落とし物を換金してもらってに帰ろうとしていると。

 

「お、久しぶりだね。ムサシ君」

「あ、お久しぶりです。『メル』さん」

 

赤髪で前髪の先端が黄色になっていて女性用のギルド職員の制服に身を包む女性『メル・モモチ』さん。

僕のアドバイザーでよく相談を聞いてくれる。

 

「これからダンジョンの帰りかい?」

「はい」

「くく、今日もモンスターを倒さずに帰ってきたのかい?」

「むっ」

 

あと少し意地悪だ。

 

「ふふ、そんなむくれるな。それで今日は何階層まで行ったんだい?」

「………11階層です」

「………はい?い、今なんて言ったんだい?」

「???…だから11階層ですよ」

「は、はああああ!?」

 

え!何!?

 

 

 

「いいかい?まだ冒険者になって1ヶ月と経ってない新人の君が一人(ソロ)で11階層になんて行って何かあったりしたらどうするんだ」

「す、すみません」

「それに1週間も行方不明になってたのに一言も挨拶せずに。君の友人(ベル)にも聞いたけど知らないって、どれだけ私が心配したと思ってるんだい」

「も、申し訳ありません」

 

う、うぅん。

心配してくれてたのは嬉しいし説教してくれるのもありがたい話ですけど。

 

––––クスクス。

––––へへへ。

––––羨ま––ゴホン、大変だな。

 

態々ギルドの中で正座させなくても。

周りからの視線が恥ずかしい。

 

「まぁ。11階層に行ってモンスターに会わなかったから良かったけど」

「え?いや、戦いましたけど」

「え?何と?」

「インファントドラゴン」

「……は?ワンモア」

「インファントドラゴン」

「……インフィニティドラゴン?」

「無限龍とか勝てませんし上層なんかにいないと思いますよ?」

「………………」

 

あれ?動かなくなったぞ。

 

「メルさん?おーい、大丈夫ですかぁ?」

「…………」

 

ダメだ反応が無い。

僕は正座を崩し立ち上がりメルさんに近づく目の前で手を振ったりして状態を確認するけど反応が無い。

 

「えぇと。どうすれば?」

 

僕が周りをキョロキョロしていると体全体を使ってジェスチャーをしている別の受付嬢さんが。

えぇと?………え、ホントにそれで良いんですか?え?大丈夫だ問題無い?何故かそのワード心配しかないんですけど。

まあ、それしか方法がないからやりますけど。えぇと確か。

メルさんの腰に腕を回して––––

 

「メル?今度一緒に買い物に付き合ってくれないかい?」

「ひぇ!?ひゃ、ひゃい!喜んで!!」

 

あ、本当に戻った。

 

「そ、それでいつにする?私、明後日休み取れるけど」

「え?じゃあ明後日にしましょう」

「……えへへ〜」

 

 

 

 

ダンジョンの話は有耶無耶になりデートの予約までしてしまったがまあいいや。

僕は何時もモンスターの落とし物を買ってくれる店『NISHINA』。二人の冒険者の姉妹が経営している武器や防具にアイテムのブランド品から安い物まで色々売ってるよろず屋だ。

偶に凄く珍しいアイテム、魔導具(マジックアイテム)も売っている。凄く高いけど。

 

「すみませんーん!」

「んん?おやぁ?ムサシ君じゃないか!」

「久しぶりじゃない」

 

この黒髪ロングと白髪ショートで額に特徴的なサングラスを掛けてる二人がエミリ・メフィラスさんとカレン・メフィラスさん。

二人共…その…胸元が…その、開けた服を着ている。

 

「それで今日はどうしたの?」

「いつも通りドロップアイテムを売りに来たの?」

「はい。これを」

「どれどれ……お、これはインフィニティドラゴンの鱗。それもこんなに」

「へぇ、確かまだ冒険者になって1ヶ月も経ってなかったよね?凄いね、Lv.2くらいの人とパーティでも組んだの?」

「まあ、そんな感じです」

 

一人(ソロ)でなんか言ったらさっきみたいになりかねないから嘘をつく。嘘も方便って言うからね。

 

「それじゃあはいこれ、換金しといたよ」

「ありがとうございます」

「ねぇ、やっぱりウチ(ヘルメス・ファミリア)で働かない?上級冒険者には劣るけど高い給料払うよ」

「い、いえ。自分にはヘスティアファミリアの皆がいるので」

「ぶーう」

「じゃあせめてココ(『NISHINA』)で働かない?今なら特別にイイコトしてあげるよ」

「(イイコト?)は、ははは。折角ですけどお断りします」

「そう?……残念」

 

そ、それじゃあそろそろ帰ろうかなぁ。

 

「それでは」

「あら、もう帰るの?」

「はい、皆を待たせてるので」

「そう、また来てね(それまでに何か策を考えておきましょう)」

「これからも御贔屓に(ふふ、わかったわ!)」

 

な、なんか嫌な予感がするな。

 

 

 

それからホームに帰りステイタス更新したけどトータル15しか上がらなかった。




フレイヤ様ってこんなんでよかったけ?

タグに『ウルトラ怪獣擬人化計画』を追加します。
もんハレのゼットンさんの胸をリアルで揉みしだきたい。

エクリプス「コズミューム光線!」
ゼットンさん「トリリオンメテオ」

グワァー!?

今回登場の怪獣娘

メトロン星人さん。
名前は『メル・モモチ』。ギルドの受付嬢でムサシの専属アドバイザー。ムサシが名前で呼ぶ数少ない一人。
エイナの様に大真面目に働いてはいないので気付かれないようにサボったり適当に対処する事がしばしばある。
いい人()との出会いを求めて危険なく相手を探せるようにとギルド職員になったが予想以上に忙しくて後悔していた。新人のムサシを一目見た時に気に入り狙っている。
名前の由来は小説版の『百地メル』から百地の(ひゃく)(もも)に読み方変えてモモチに。

メフィラス星人さん(+2代目)
名前は姉の『エミリ・メフィラス』と妹の『カレン・メフィラス』。双子の姉妹で姉妹ともLv.4の冒険者。二つ名は姉妹揃って【悪質商女】。二人共ムサシには名前で呼ばれてる(つうか怪獣娘枠の子は皆名前呼び)
ヘルメス・ファミリアで【神秘】の発展アビリティを持つアスフィの発明品を様々な方法で高値で売ったり、本来より安く仕入れたりしている。
実は普通の商業も行って武器や防具にアイテムなど様々な道具が手に入り、稀に質の良い物が手に入る。
ムサシがよくモンスターの落とし物や拾った鉱石を売りに来る。(その際に明らかに安く買われているのに満足そうに帰るムサシの姿を見て罪悪感が湧いた)「「だがそれがいい」」
姉妹揃って自分の物にならない物を凄く欲しがる癖がある。

その娘達(上の三人)の胸は豊満であった。


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優者との差、青き輝石

サブタイ考えるの面倒くさいこの頃
怪獣娘回を書こうとしたが途中で行き詰まったから消して原作進める。



久しぶりにゴーストリバース見たけどタロウすんごいスタイリッシュ!!そしてエースの声が未来トランクスwww


最近ベルにドヤ顔される。何故か僕にだけ理由を話してくれた。

どうやら最近早朝にアイズさんと特訓を始めたらしい。

すんごいニヤニヤしながら訓練内容を語るベル、正直気持ち悪い。

 

「………ん?」

「でへへ〜、??どうしたのムサシ?」

「いや、メニューが()()()()()()?」

「……………へ?」

 

だって組手、それも気絶したら休憩でしょ?

そんなのヌルすぎだよ、僕は魔法(エアリアル)使われたよ、鞘じゃなくて剣だったよ、こちらは素手ダッタヨ?

 

「ドウイウコトジャア〜〜!?」

「ひぃぃぃ!?!?!?」

 

〜ムサシ沈静中〜

 

「ふぅ……ふぅ……」

 

よし、だいぶ落ち着いた。

それにしても。

 

「ベルは我慢が足りないなぁ」

「む、…そういうムサシはどうなのさ?」

 

ほう、言うじゃないか。

 

「ならさ、試してみる?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてやって来ましたオラリオの外壁の上、ベルがアイズさんと行っている訓練場です!!

 

「お久しぶりですアイズさん」

「……久しぶり」

「す、すいません。いきなり」

「別に構わないよ。それじゃあ、まずはベルの特訓を先にしようか」

「は、はい!」

 

ラッキー!なんかベルのドヤ顔が腹立つけどこれで少しでも疲れてくれれば僕の番が楽になる––––

 

「グワー!?」

 

––––……かも…。

 

僕の横を猛スピードで通り過ぎるナニか。

僕がゆっくりと振り返ると(へい)に頭ぶつけて気絶するベル。

べ、ベルぅぅう!?!?早すぎるだろ、まだ三十秒も経ってないぞ!!根性ねぇな!!

 

その後めちゃくちゃフルムーンレクった。

 

 

 

 

どうやらアイズさんは僕が見てるからと張りきって力を込めすぎてしまったようだ。アイズさんはお茶目さんだね。

 

『いつも通りでいいんです』と言っておいた。これで少しは保つ筈………………と思っていた頃が僕にもありました。

 

蹴られて気絶→フルムーンレクト→蹴られて気絶→フルムーンレクト→蹴られて(ry→フルムーン(ry→蹴ら(ry→フルム(ry→蹴(ry→フ(ry→(ry→(ry(ry(ry(ry(ry(((((((((((((((((––––––––––––––––––––––––––––。

 

 

 

 

 

「バカヤロー!?」

「ぐへぇ!?」

「い、いきなりどうしたの?」

 

かえって疲れるわ!!ふざけんな!!!

何十回フルムーンレクト使わせるつもりだこの白兎がぁぁあ。

 

「引っ込んでも兎野郎!?アイズさん!次お願いします!!」

「ちょ、ちょっとムサシ……ま、まだ僕の番」

「わかった(ワクワク)

「アイズすぅぁぁぁんんんん!?!?」

 

変な声出してんじゃねぇよ!

 

「いくよ」

「……はい」

「じゃあ––––––––ッッ」

「––––ッッッ」

 

ガキン!?

 

「––––ゑ?」

 

ベルは思わず素っ頓狂な声を出した。

まばたきするよりも早い一瞬でアイズがムサシに接近しその()()()()()()を振るい、その剣をムサシはガントレットに装着された状態のスラッガーで受け止める。

続けてアイズは剣技を振るう。

 

「反応速度が上がってる」

「ステイタス…更新しましたから」

「どれくらい上がってた?」

「全科目六百近くですね」

「凄い」

 

これら全ては戦闘を続けながらの会話だ。

だがそれでもベルには対応出来ない速度の戦いだ。ベルには到底追いつかない早さだ。

 

「……ッ!」

「ほい!っと、そぉら!」

 

アイズの一振りをバク転で避け逆手持ちのスラッガーを横スイングで投擲する。

アイズは迫り来るスラッガーを剣で弾きムサシへ迫る剣を振るう。それもベルとの特訓時とは明らかに超える一閃。

 

「ムサシ!?」

 

ベルはムサシを身を案じ声を上げる。

 

「––––え?」

 

だがそれは不要な事だった。

高レベルの冒険者【剣姫】の高速の一閃をムサシは刀身に手を添え押しだし剣軌を変えて受け流し、くるりと一回転し両手を突きだす。一連の動きはとても研ぎ澄まされたもの、ロキファミリアと関係を持つ前のムサシとは何もかもが違った。

アイズはムサシの両掌を愛剣の腹で防ぐ。

するとムサシは左向きに回転する。半転を超えアイズに向き直すムサシ。その手には弾かれたスラッガーが逆手で握られていた。

 

「––––ッ!?」

「くっ、おしい」

 

「な、なんで?」

 

ベルは何故ムサシがスラッガーを握っているのか理解出来なかった。

 

「凄いね」

「……???」

「さっきソレ(スラッガー)で攻撃する為にワザと弾かれるように投げたんでしょう」

「…流石、ご名答です」

「え!?」

「他にもこんな事も出来ますっよ!?」

 

ムサシが縦に投げたスラッガーは回転する事なく進む。

今度は弾くのではなく避けるアイズ。そんなアイズを見てニヤリと笑うムサシ。この瞬間アイズはムサシの策にハマった事を理科した。

アイズが避けたスラッガーは進行方向を急変化しUターンして戻ってきた。今度の投擲も避けるアイズ。

戻ってきたスラッガーを掴みすぐさまスラッガーを再度、今度はスラッガーが回転するように投げる。

 

「……………」

 

迫り来るスラッガーを前にアイズは悩む、避けるべきか弾くべきか。

その結果()()()()()()

打ち落とされたスラッガーは地面へ落ちる。

 

ジャックポッド(大当たり)

「え」

 

地面へ落ちたスラッガーは地面をキンッと跳ね返りアイズへと向かう。アイズは上半身を後ろに反らして躱そうとする。高レベルの冒険者の反応速度のおかげですなんとか躱すが、髪がわずかに宙を舞う。

 

「今のは驚いた」

「ステイタス更新して器用がアップしたので出来るようになりました」

「なるほど」

「それじゃあ続けますよ!」

 

 

 

二人(ムサシとアイズ)の戦いを見てほけるベル。

自分(ベル)とアイズは力の差(実力差)がある事は理解していた。

だが、ムサシと自分(Lv.1同士)にこれほどの実力差があるとは思ってなかった。

ベルとムサシにステイタスの差は殆どない。寧ろ今はベルの方がムサシを上回っている…のに関わらずムサシはアイズと戦えている。無論アイズは本気ではないだろう。

だがこれはベルとしていた特訓とは違う戦闘、試合だ。

ベルは一人己の弱さを実感した。

 

 

 

 

 

 

 

「こんなところにしよっか」

「は、はい。ありがとうございます」

 

一時間程して二人は戦いを終えた。

ムサシは膝に手を当てて息を荒くしている、対するアイズはムサシのように仕草に出してないがその額に汗を二、三滴流していた。

 

「それじゃあ朝食にしよっか」

「へーへーえ?いや食べ物なんて持ってきてませんよ」

「大丈夫」

「???」

 

アイズさんは少し離れている場所に置いてあった袋の中から長方形の箱を取り出した。

 

「これ、食べて」

「!?ひやぁぁあ!?」

「……?なんですか」

「お弁当」

「」カチーン

 

ムサシの姿が一瞬だけ妙にカクカクした手抜き絵になった……気がする(by.アイズ)

 

さてどうする?

僕はとても悩んでいた。以前僕が食べた料理は……いや、よそう。思いだしたら恐ろしくなる。

 

「あの…手作り……ですか?」

「…うん」

「––––」

「………だ、め?」

「––––––––––––––––」ああああああ

「––––––––––––––––」パルパルパル

 

これは腹括るしかないね。

あれ?なんかデジャブ。

 

僕はアイズさんからお弁当を受け取り包みを解きフタを開ける。

見た目は卵焼きとかが少し形が崩れてるけどその程度。匂いは……悪くない、至って普通。

で、『味』。問題はコレだ。

ゴクリ、い、いざ!?

 

「はむぅ」

「!?……(ワクワク)」

 

…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………あれ?

………た、食べれなくはないけど味が無い味が薄いようnゴメンやっぱり味が無い

塩気が薄いならわかる、わかるけどなんで素材の味すら全く無いの?

 

「どう?」

「…………」

 

どう言おう。

ここは正直に言った方が。

 

「(キラキラワクワク)」

 

これは言えないね。

だがどうする?お世辞にも美味しいとは言えない。だって味が無いもの。

 

「す、少し味が薄いかな…なんて」

「……そう」しょんぼり

「………」

 

なんかベルから何文句言ってんだみたいな視線を感じるが無視だ。

 

「次は期待してもいいですか?」

「…!?うん、任せて!」

 

よし、なんとかなった。

 

 

 

 

 

その後ベル達とは離れた。僕も僕でダンジョンに潜らないといけないからね。

で、ダンジョンから無事帰ってきたんだけど。

 

「おかえりムサシくん。届け物があるよ」

 

なんか来てた。

 

「届け物…ですか?」

「うん。なんか凄い全身鎧の人がムサシにって言って渡して来たよ」

 

んん〜?

特に心当たりは無いけど誰だろう?まあ、まずは届け物を開けてみよう。

僕はヤケに飾られた箱を開ける。

中はピンク色のフカフカのクッションがあり真ん中に半透明な青い輝石に金色のチェーンが付いたネックレスがあった。僕はそのネックレスを手に取り輝石を掌に置く。

なんだか目が引き寄せられるっていうか、なんだろうこれを見ると妙に落ちつく。まるで昔から持ってた大切な物みたいな。

 

「なんだろこれ。魔石?」

 

隣から見ていたベルが言葉を漏らした。

 

「けどなにか文字みたいなものがありますよ」

 

リリルカさんの言う通りよく見ると石の中に金色の文字みたいなものが浮かんでいた。

 

「それは【星紋(デラシオン)】文字だね」

「デラ…シオンってなんですかヘスティア様?」

「僕もあまり詳しくは無いんだけどね。たしか星に関係する神なら誰でも知ってる【宇宙正義】って呼ばれる存在の事だよ?」

「宇宙……正義」

 

僕は何故かその言葉を聞いた時、夢の巨人が脳裏に浮かんだ。そういえばあの慈愛の勇者も胸の中心に青い結晶があったよな。

 

「って事は神様からの贈り物って事?」

「………………」

「あれ?ムサシ様、この箱、まだ何か入ってますよ。これは手紙…ですかね?」

 

リリルカさんが箱から見つけたのは金色の月のような封蝋の銀色の封筒。封を開けて中の手紙を開き読む。

どれどれ……?

 

『拝啓 ムサシ様へ

 

私からの贈り物喜んでいただけましたでしょうか?

喜んでもらえれば幸いです。

これはきっとあなた様の役にたつ筈です。どうか常身にお持ちください。

 

銀色の愛 より』

 

 

 

………だれ?

 

「『銀色の愛』……うぅん?なんか引っかかるんだよね」

「心当たりが?」

「いや、正確にはわからないよ。なんとなく覚えがあるってぐらい」

 

 

結局はわからずじまいだった。

 

 

 

 

さて、どうしたものか?

僕は行きつけの居酒屋?”豊穣の女主人”で晩御飯を食べていた。

 

「どうかなされましたか?」

「へ?」

 

お肉が突き刺さったフォークを片手に悩んでいる僕に声をかけて来たのはこの店の店員さんの一人、緑色の髪のエルフの女性『リュー』さんだった。

 

「い、いえ。少し考え事を」

「その考え事がどのようなものか存じ得ないが料理は早く食べた方がいい。冷めては美味しくなくなる」

「ははは、そうですね」

「それにあまり料理を食べずにいるとミア母さんに叱られてしまいます」

 

………チラッとカウンターを見ると女将さんがこちらを睨んで––––見ていた。

 

「い、いただきます」

 

わ、わぁー美味しいなぁ………………はぁ」

「………そんなに気にならのなら私が話し相手になりましょうか?」

「え?え、えぇ是非と……も………」

「「……………」」

「…声に出てました?」

「はい、と言うよりは溜息を吐かれました」

 

ガクッ、ムサシ大敗北の巻。

あ、料理は美味しかったです、ありがとうございました。

 

 

 

 

「それで悩みというのは?」

「はい。実は––––」

 

店を閉めた後、僕は店の裏でリューさんと話していた。

僕はさっきの謎の人物の贈り物の事を話した。

 

「銀色の愛……ですか」

「はい。誰かもわからない人からの贈り物ってなんだか少し不安で」

「心当たりは本当に無いのですか?例えば髪や服の色とか」

「……………………………………………………………………………………………………………………………………シルさんとか?」

「無いですね」

「わかってます」

 

うん、無い。決して無い。決っっっしぃぃてぇぇえ!!!無い。

 

「けど他に銀色の特徴のある人なんて知りません」

「……実はいつも密かに見ていたりとか」

「もしそうなら怖いですね」

 

ははは、それは無い……よね?

なんだかハズレてない気がするけど気の所為だ…多分………きっと………………メイビー…………………………………………………………気の所為だと信じたい。

 

「……どうやら私ではチカラにはならないようだ。相談にのると言ったのに申し訳ない」

「いえ。相談にのってくれただけで嬉しいですので」

「そう言って貰えれば幸いです」

 

あ、ああ。

よし帰って寝よう、後の事は明日考えよう。

うんそれがいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だれか今現実逃避って言った?




手紙は自分の眷属(女の子)に書かせたフレイ––––銀色の愛さん。デラシオン系はオリジナルです。今回以降も使うかは不明

ここまできて私はある問題に気が付いた。
それは
––––ムサシ君に荒ぶる鷹のポーズをさせてやれない!?

それはそれとして最近オリ主ん家に居候になってるノア様(ロリータ)の小説が書きたくなってしまった。こいつをどお思う?

原作何がいいかな?D×Dやリリなのみたいな現代ファンタジー系がいいんだよな(チラチラ)


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赤い怪物牛と最強の頂

いやっほー!
みなさん、お待たせしました。そしてお久しぶりでございます(裏声)

ベル「いや、もっとマジメに」

ブツッ!!

ムサシ「ウルサァーイ!!」((コロ)ナパンチ)
ベル「へぶっ!?」

ベル「い、痛い。コロナモードで殴られるともの凄く痛i──」
アイズ「黙ってろっていってんだろぉ……ッ!」(エアリアルパンチ)
ベル「エエェアッ!?」

これがじゃが丸くんのチカラだ!(買収とも言う)


今日も今日とでダンジョンに潜る僕。

なんやかんやであの輝石のネックレスは身に付けている。

あのネックレス、実は密かにお気に入りになってたりする。

 

「うぅん?やっぱり誰だろう?」

 

あの『銀色の愛』さんからの贈り物事件から2日。

結局詳しい事は全くわからなかった。

 

「……おっとモンスターだ」

 

顎に手を当てて考えながら歩いていたが壁からモンスターが生まれてきたので一度やめて戦闘に集中する。

 

 

 

まあ、余裕の大勝利。

ものの見事に全員追い払えた。

 

一度波にノレばさっきの事など考えずにダンジョン攻略に専念できる。

よぉし。今日は十五階層ぐらい行ってみようかな––––。

 

 

なんでココにお前がいるんだよォオ!?

 

 

気付けば既に僕は悲鳴の方向へ走っていた。

走って向かった先には大剣を握った赤いミノタウロスとミノタウロスに壁際に追い詰められた獣人の冒険者。

ミノタウロスがその手に握る大剣を持ち上げる。

 

「──ッッ!!」

 

走るだけじゃ助けられない事を悟った僕は左腕のスラッガーを投げてミノタウロスの大剣にぶつける。

 

「ひぃっ!?」

 

ミノタウロスが振り下ろした大剣は僕が投げたスラッガーがぶつかったおかげで軌道がズレ、獣人の冒険者のすぐ隣に振り下ろされる。

 

「何をしてるんですか!!早く逃げてください!?」

「ひ、ひぃー!!?!?」

 

僕の喝に腰を抜かしかけてた冒険者は我に帰り走って逃げていった。

ミノタウロスは逃げた冒険者の事など気にも留めず剣を地面から引き抜きこちらを見る。

僕は帰ってきたスラッガーを握りガントレットへ装着させる。

 

『ぶ、ブフォォォオオオオ!!!!』

 

ミノタウロスはその手の大剣を強く握り振り上げて向かってくる。

 

「––––ッ!」

 

対する僕も向かってくるミノタウロスを前に構える。

 

『ブファァア!!』

 

ミノタウロスが大剣を振るう。

Lv.1の冒険者じゃ勝てないモンスター(ミノタウロス)に力比べをするつもりはない。

僕はミノタウロスの剣打を受け流す。ミノタウロスの剣は大振り(かつ)力任せ。人間なら素人どころかアホ丸出しな攻撃。

 

『ブモォォオ!?!?』

 

確かにそのバカ(ぢから)はこの階層(上層)では脅威だ、既に何人もがボロ雑巾のように転がってるのがその証拠だ。

だけど格上相手、それも筋力を主力とする人(ガレスさん)と殴り合わされた僕に脳筋戦法は通じない。

強靭な筋力だけでなく歴戦の戦士としての経験()を持つガレスさんの拳打すら最低限なら受け流せるようになった僕に力任せに振り回すだけの攻撃はかえって。

 

「––––ジェヤァ!」

『ブホォ!?』

 

僕にその顎に昇掌を打たれる隙を作らる事になった。

 

「デェヤァ!!」

 

続けて僕はミノタウロスの頭部に右脚で蹴りを打ち込む。

 

『ぶ、ブフ』

 

蹴りを受けたミノタウロスはフラフラと数歩歩み頭を片手で抑える。

 

「……………」

 

僕は敢えてこの場で攻めに行かず構えて待つ。

 

『ぶ、ブモォ』

 

頭をブンブンと振って僕を向き直し一歩また一歩も近付いてくる。

完全に警戒されてる。

なら

 

「ッッッ!!」

『ブホォ!?』

 

一瞬疾走で近付く。

ミノタウロスからしたら僕は高速でスライドしたように見えるであろう動きで懐に潜り込まれ焦って剣を握っていない拳を打ちだす。

地面に砕き、突き刺さり、(めく)り上げる一撃を僕は身を捻って躱し、反撃にと右、左、両手と掌打を繰りだす。

繰りだすはその体を打ち破る為のものではなく体全身に打ち響かせる一撃。

ミノタウロスの皮膚は厚く硬い。いくらステイタスの上限999(カンスト)に近いといってもLv.1の攻撃なんぞミノタウロスにあまり効果はない。

ならば一撃一撃のダメージ(痛みや疲労)がその身に響き、留まるものを打ち込む。塵も積もればなんとやらってヤツだよ。

 

『ボホォ!?』

 

そしてそれを続け、膝が崩れ落ちたその時、僕はスラッガーを逆手に握りしめ振り抜く。

ザジュと肉を切り裂く音がする。僕が裂いたのはミノタウロスの右肩。ミノタウロスは痛みで大剣を離し、左手で傷口を抑える。

 

今なら!!

 

「【さあ、輝きよ闇を祓え】!」

 

両腕を広げてから片手だけ突きだし沈静のオーロラを放とうとする直前。

 

──邪魔はさせん。

 

「ッッッ!?」

 

僕は背筋を走る悪感に反射し魔法を中断して真横に跳ぶ。

すると僕のいた場所に砲弾を連想させる剛拳が着弾する。

 

「………ほお、今のを避けるか」

「何のつもりですか?」

 

今、目の前の大男さんがしたのは間違いなくモンスターを助けようとした行動だ。僕の魔法も放つまではどのようなモノ(魔法)かわからないだろう。場合によっては攻撃魔法と勘違いする事もあり得る。なのに今遮ったのはそういう事だ。

 

「そのミノタウロスは今鎮められては困る。あの方の思惑通りに行かなくなる」

「(あの方?思惑通り…)」

「安心しろ」

「………???」

 

いきなり何を?

 

「お前もあの方の寵愛を受ける身、殺すつもりはない」

「さっきのパンチ、くらってたら死んでますよ僕」

「………手加減はした」

「足りません」

「…大丈夫だろ「アウトです。当たってたらグチャ…です」…………」

「………」

 

大丈夫かこの人。

 

『ブモ"ォ"!!』

「ッ!?うわっ!!」

 

僕が大男さんと向き合っていると背後からミノタウロスに攻撃された。持ち前の反射能力のおかげで回避する事は出来た。

 

──さて、どうしよう?

赤いミノタウロスと大男さん、どちら僕より強い。特に大男さんは圧倒的な強者だ。もしかしたら──いや、もしかしなくてもロキ・ファミリアの幹部の皆さんより強い。

 

「……ふむ、相手の強さの認識は行えるようだな」

 

大男さんは背中の大剣は抜かずにこちらを見つめている。

僕も背後のミノタウロスと大男さんのどちらも警戒しながら両方相手にして良い立ち位置(ポジション)を探している。

ミノタウロスは大男に極力近づかないように様子を伺っている。……というよりは大男に怯えている?

 

『「「………』」」

 

 

───

 

──────

 

─────────

 

 

『ブフゥ……』

「!?ま、待て──ッ!?「させわせんと言った筈だが?」くっ」

 

僕と大男と怪物牛が睨み合いになって10秒、若しくはそれ以上か。

赤いミノタウロスは僕等に背を向けて歩きだした。

僕はすぐさまミノタウロスを追おうとするがいつの間にか大男さんが接近し拳を振るって遮る。

 

「なんで邪魔するんですか」

「……言っただろう。今、ヤツを”どうにかされては困る。あの方の思惑通りにいかなくなる”…と」

「──ッ!そんな訳もわからない理由で他の人を危険な目に遭われるのか!!

 

あまりにも酷い言葉に思わず口調が荒くなるが、止まらない。

 

「ミノタウロスが上層の冒険者にとってどれだけ被害を及ぼすかわかっている筈でしょう!!!!

 

 

 

──知らん。

 

 

「───」

 

絶句した。

そして憤慨した。拳を握り歯をくいしばる。

その時、ナニかが僕の中に生まれた。

強い──とても『強い』、意思のようなナニかが。

 

 

許せない……許さない…ッ!!

 

──あなたは、おまえは………ッッッ!!

 

 

命を、なんだと思ってるんだキサマはぁあああ!!!!!

 

()()()怒りのままに飛びだし目の前のクソ野郎(大男)に拳を放った。

クソ野郎(大男)それ()を片手の掌で受け止めるが。

 

雄雄(おお)オおぉぉォオオオ!!

「───!?」

 

その手ごと拳を押し通し、頬に押し込み。

 

()あアァァあああアアア!!!!

 

クソ野郎をぶっ飛ばす!!




───それは『強さ(太陽)』の目覚め。
優者の怒り(戦意)太陽の極光(プロミネンス)の如く燃え盛り敵を滅ぼす。

とゆう訳でこれが他のモードはよコメントが多かったのでコロナモードの予兆を。
※あくまで予兆です。まだコロナモードにはなってません。


今回遅れた訳ですが。ブームが過ぎたとかじゃなく自分のスマホが御昇天なされかけてきたので買い換える為にバイトをしはじめて金を貯めてたりしてたらこんな事に。


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