【実験】主人公補正を奪われた主人公はどうなるのか【観察】 (Pyromane)
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記念回
記念回 IFルート~もし○○が▽▽なら~part1


誰がどうなっているかは読んでからのお楽しみです
あ、ちなみに軽くクロスオーバーしてます・・・あれ?タグにクロスオーバーつけなきゃダメかな?番外編だけどクロスしちゃってるし
あ、ちなみに天君は出ませんし、イッセーたち変態三人組の性格とかは矯正してます。その際に言葉遣いもちょっと変わってるかもしれないけど・・・まあ、性格に比べたら誤差の範囲だよね


兵藤一誠は変態だ。どの平行線でもそれは変わらない『はずだった』。

 

 

「おはようございまーす!」

 

「おう、今日も早いな。兵藤」

 

「ええそりゃ早く来ますよ!そろそろ大会が近いんですから!」

 

 

そう、ただの熱血スポ魂野郎だった。なぜこうなったのかは・・・彼の過去を知るものならわかるだろう。・・・すべての元凶に出会わなかったのだ。代わりに出会った者がいたのだが・・・。

 

 

「あまり無茶な練習なんかはするんじゃないぞ!」

 

「体を壊して大会に出られないとか恥ずかしいやら情けないやら…というか申し訳ないですからね。軽く汗をかく程度でやめますよ」

 

「おう、それならいい。がんばれよ?空手部のエース」

 

「・・・俺なんてまだまだですよ」

 

「ん?何か言ったか?」

 

「いえ、では練習してきますね」

 

 

 

 

そうして空手部の部室で着替え、道場にて軽く精神統一をしたのち、型稽古、あとから来た部員との組手(寸止め)。それが終わり次第汗を拭いて教室に向かった。

 

 

「よっす。松田、元浜」

 

「よっすイッセー。今回はいけそうなのか?」

 

「やあ、イッセー。無茶はしてないんだろうね?」

 

「当たり前だっての。わざわざ大会前に体を壊すようなトレーニングだったり、食生活をするわけねえだろ?」

 

 

そう言いつつ一誠は少し苦笑いした。その表情にぐっと来た女子生徒たちが一斉に写メを取ったり愛を噴き出していたが・・・。そんなカオスも担任が来た時には静まっていた。

 

 

 

「よーし、全員いるな。じゃーHR始めるぞ。と言ってもすぐに全校朝礼があるんだけどな。昨日通知してた通りだ。大会に参加する部活、運動部はユニフォームや胴着、ただし水泳部は制服のままでいい。全校生による壮行会だ、運動部のやつは部活ごとに整列だ。大会がある奴はしっかり活躍できるように、参加しない奴はできるだけ応援しに行くように。以上だ」

 

「きりーつ、れーい」

 

「よし、じゃあ体育館に行け」

 

 

一誠はすっかり忘れていた。朝礼で壮行会をすることを。なので制服に着替えていたし、胴着は道場に干している。体育館と道場は少しばかり離れており、陸上部のエースが全力疾走をしても1分かかる。一誠は平均より少し早い(100mで13秒台)くらいなので全力疾走しても間に合うかギリギリなのだ。それも比較的動きにくい胴着に着替えてからだ。ほぼ間に合わないだろう。

 

 

「まあ、そんなことは関係ねえな」

 

 

そう言って一誠は窓から飛び降りた。2年生の教室は3階にあるので結構高い。7~10mくらいだ。打ち所が悪かったら死ぬし、そうじゃなくても下手を打てば骨が折れるだろう。そこはさすが武術家とでもいうべきか。衝撃を散らすように地面に接触すると同時に前転した。正直に言おう。お前は実は軍人ではなかろうな?もしくは違う世界から来たとかではなかろうな?例えば刃〇時空とか。とはいえ、ショートカットに成功した一誠はすぐさま起き上がり道場に向けて全力疾走をした。

 

 

「ショートカットがうまくいったから整列するまでに必要な時間を除いてあと5分残ってるな。これならギリギリいけるだろう」

 

 

その時の一誠のフォームやスピードは陸上部のエースをして称賛に値するほどだったという。計っていれば100mの高校生記録と同じくらいではないかと思うほどだ。陸上部からはその後1週間ほど勧誘されていたがすべて断って、陸上部が根負けして悔しそうにしたり、空手部が心底うれしそうにしていた。

 

 

「残り時間は・・・あと3分半か。大丈夫そうだな」

 

 

そういい、一誠は水道で軽く水を飲んでからまた全力疾走した。動きにくいはずの胴着を着ていると思えないほどのスピード(100m換算12秒後半くらい)で走る。さすがに(道場)行きよりは時間を使ったが、30秒ほど余裕を残して体育館に到着した。

 

 

「遅かったじゃねえか一誠!お前は前から5番目だ」

 

「はい!」

 

 

朝礼があるのを忘れて道場に胴着を置いていた一誠は反論せず素直に返事した。

そして壮行会が始まり、空手部の番になった。一誠たちは壇上に上がり、3年の主将が壮行会を開いてもらったことに対する返礼と目標の宣言をした。それ以降もつつがなく進行し、9:20ごろに壮行会や朝礼は終了した。

 

 

「頑張ってね、兵藤君」

 

「頑張りなさいよ、兵藤」

 

「頑張れよ、兵藤。お前なら個人戦優勝できるだろ!」

 

 

教室に戻る途中でそんな言葉を聞き嬉しそうな・・・楽しそうな、そんな顔をしながら返答した。

 

 

「ああ、優勝できるように頑張るさ」

 

 

その表情に一部の女子は気絶していた。気絶してない女子も、愛を噴き出していたり、顔を真っ赤にしているものが多い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

授業中も一誠は女子に注目されていたし、休み時間には男子生徒からも応援されて微妙に居心地が悪そうにしていた。

 

 

「これで今日の授業は終わりだ。部活の無いものは用事がなければ速やかに下校するように」

 

「きりーつ、れーい。ありがとうございましたー」

 

 

その言葉を合図に一誠はまた窓から飛び降りた。そして着地後に道場に向かった。道場に入って精神統一をしている間に一誠目当ての女子が道場の中に入っていたり、道場の周りにいたり、写真を撮っていたが練習が始まると皆一様に息を飲んだ。一誠の動きがそれほどまでに美しいのだ。

 

 

「兵藤・・・また腕を上げたな?」

 

「そういう主将だって去年と比べるまでもないくらい強くなってるじゃないっすか」

 

「そりゃあ、お前に勝ちたいしな。それにお前と一緒に練習してるのに去年と同じままでいい勝負ができるわけねえだろ」

 

 

 

それを聞いた一誠は満面の笑みを浮かべた。『あの道場』・・・というより武術博物館のような場所に通っている自分に追随して、追いかけて、切磋琢磨してくれる男がいることが本当にうれしかったのだ。昔とっちめたチンピラには化け物呼ばわりされ、助けたはずの女性からも恐怖を宿した目で見られた。そのような経験があったからこそ主将の言葉が心底うれしかったのだ。

 

 

「ありがとうございます、主将」

 

「あぁ?何に対する礼だよ、それは。それにまだ勝負は終わってねえぞ?」

 

「はは!そうですね。じゃあ、さらに鋭く行きますよ!」

 

「おうよ!こい!今日こそお前に勝つからな!!」

 

 




ほい、こんな感じで次は10万超えたらかな?あ、空手編は全国大会までやります。それと時々空手編を更新します。10万超えたら違うの書くつもりなので
あとの報告は10万以降は20万、30万といった刻みにするつもりです
ついでに言っておくとアンチに対するアンチに対するガス抜き(困惑)みたいな感じでもあり、変態を抜いた一誠自体は孫悟空とかルフィとかに近いものを感じて好感が持てる。というのをほかの作者さんの作品で知ってるので、自分のアンチに対する息抜き?みたいな感じです


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本編+説明
設定(スキル説明)


どのスキルがどんな能力か忘れることのないように設定として書き残しておこうという小賢しい考えです


防御不可能のスキル『たどたどしい拳(ビギナーズハードラック)

 

あらゆる偶然を取り除くスキル『愚行権(デビルスタイル)

 

無限を操るスキル『無人造(インフニティクエスト)

 

スキルを使わないスキル『実力勝負(アンスキルド)

 

スキルを使い熟すスキル『目一杯(スキルフル)

 

好きな時に、好きな場所にいられるスキル『腑罪証明(アリバイブロック)

 

パラメーター操作のスキル『自由自罪(フリークライミング)

 

他人の視界及びそこから得られる思考を一方的に共有することが出来るスキル『欲視力(パラサイトシーイング)』(思考、深層心理も共有できる可能性から、記憶も共有できるという設定)

 

事象の卵細胞化を図る(要するに因果を逆流させる)スキル『手のひら孵し(ハンドレット・ガントレッド)』(結果を原因まで戻す、もしくは矛盾させるスキル?作者のイメージ的にはメビウスの輪的なもん)

 

病気を操るスキル『五本の病爪(ファイブフォーカス)

 

不死のスキル『死延足(デッドロック)

 

霊視のスキル『幽霊視眼(ドリームゴースト)

 

すべての感覚を乱すスキル『不可思議感(センスオブワンダフル)

 

 

 

このうち改造されるものは

手のひら孵し(ハンドレット・ガントレッド)

死延足(デッドロック)

無人造(インフニティクエスト)

愚行権(デビルスタイル)

実力勝負(アンスキルド)

腑罪証明(アリバイブロック)

の6つです

 

それぞれ名称はまだ決まっておりません(オールフィクションにはならないです)が、デッドロックは任意で他人も不死にできるようになり、ハンドレット・ガントレッドはビギナーズハードラックと合わせて回避不可能なうえ因果逆転により必ず当たる攻撃を放つことが可能になります。

無人造は作品的に無限を冠する龍も操れるという風に変化します。

愚行権は今作で最も重要な主人公補正の完全な打消しのスキルになり、安心院さんから一誠がこの世界での主人公らしいということを聞いて行動を観察していたがあんなのが主人公でいいのか?と考えた結果愚行権で主人公補正をなくします。

実力勝負は漢字はそのままで読みがアンチスキルドになります。スキル名から分かる通り敵に特殊な力を使わせないスキルです。

腑罪証明は安心院さんが初めから扱いやすく改造しています。自分以外に2人まで一緒に転移できるようになっています

 

 

現在設定段階ですが攻撃力の不足は『手の(ハンドレ)ひら(ット・ガン)孵し(トレッド)

と『たどたどしい拳(ビギナーズハードラック)』にて補う方向性です

 

主人公はRPGにたまにあるラスボスを倒したと思ったらさらに後に裏ボスとかがいるみたいな感じです

主人公自身はそのことを理解せずに行動するためかわいいロリッ娘がなんかなついてきた程度にしか思ってないし曹操についてはたまに来るロリ(オーフィス)の従兄妹とか程度の理解だし一誠は変態で性犯罪者だというくらいの(一誠に対してのみ正しい)理解をしている。そのため一誠に対してはかなり当たりがきついです。そして3大勢力も嫌いな人です。理由は簡単でアリバイブロックによりいろんなところに行った際にどっかの悪神とか太陽神(日本)とか死神の長?とかとある猫又の妖怪とか出会ったり海外の教会なんかに行ったときにドリームゴーストで人造聖剣使い計画を知ってたり、冥界(堕天使陣営)に行った時に人体実験された神器所有者の霊と話してたからという設定

 

 

ご指摘のコメントがあり、完全ににわかだと露見した上、国語の能力も低いことがばれた作者からの謝罪です。誠に申し訳ございませんでした

手のひら孵しの能力を因果の逆転のようなものだと捉えておりました。ですが、ある方のコメントによると、因果の逆流は結果を原因に戻すだけ(攻撃が当たった場合攻撃をしたという状態まで戻る感じ?)で、違う結果にはならないということでした。

なので、恥と無礼を承知で追記させていただきます。

 

手の(ハンドレ)ひら(ット・ガン)孵し(トレッド)』は安心院さんが少し手を加えていて、劣化(オール)大噓(フィク)憑き(ション)に近いものになっているということになります。設定の追加、そして矛盾に気づけなかった作者をどうかお許しください




次回はプロローグです。面白くないと思った方はブラウザバックしてくれて構わないので内容をろくに読まずに低評価付けたり誹謗中傷じみたコメントをするのはやめてくださいね?


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第1話 変な夢

安心院さんはかわいい(布教
半袖ちゃんは天使(確信


「なあ、今朝方変な夢を見たんだが・・・」

 

「どんな夢だよ月海(つぐみ)

 

「いやなぁ・・・なんか知らん美少女からスキルを上げようとか言ってキスされたりその女がこの世界の主人公はあの(・・)兵藤一誠だとか言ったりする夢だったんだけどさ」

 

「月海・・・お前、そんなに欲求不満なのか?それにあの変態がこの世界の主人公?そんなことがあったらせかいのほうそくがみだれるっ!ってなるぞ?あのゲームみたいに」

 

「ハハッ、そんなわけねえだろ。それに妙にリアリティがあったんだよな。とはいえ俺の妄想であるとしてもあれが主人公なんてあるわけねえだろ?」

 

「おい馬鹿その笑い方はダメだろ。消されても知らねえぞ?」

 

 

 

相談している男の名前は月海天(つぐみそら)。妙な夢を見たと友人に相談しているのだが、冗談交じりのため事実を言っているのか嘘を言っているのか判断に困っている友人をからかっているような感じだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「やあ、月海君、僕は安心院なじみ。信頼を込めて安心院さんとでも呼んでくれたまえ」

 

「いや、知らんがな。それで安心院さんとやら?ここはどこであんたは何をするために俺のもとに来たんだ?そもそも俺は自分の部屋のベッドの上で寝ているはずなんだが?」

 

「僕は親切だから一つ一つ懇切丁寧に説明しよう。まずここがどこかという質問については君の夢の中でいいよ。なぜ君の夢の中にお邪魔させてもらったかというと理由は2つ。最大の理由は面白そうだったからだね。もう1つの理由は君に僕の持っているスキルをいくつか上げてその後の行動を見て楽しませてもらおうと思ったからだよ」

 

「ふぅん?で、肝心のスキルとやらはどうやって渡すつもりなんンゥッ!??」

 

 

 

安心院さんが天にいきなりキスして、驚いている隙に彼の口内は安心院さんの舌に蹂躙されていた。30秒くらいたったのだろうか、それとも10分?1時間かもしれない。時間間隔がおかしくなるほど蹂躙されていた。彼は安心院さんの顔が離れていくのを確認することもできないくらいやばい状態だった。むしろ全ての感覚が狂ったように感じていた。

 

 

 

「うん、これでスキルの受け渡しは終了だよ」

 

 

 

安心院さんはそんなことを言っていたが彼にはほとんど理解できていなかった。彼にとってはファーストキスだったのだが美少女に無理やり奪われるとか普通逆じゃね?などと思っていた。(小並感)

そしてそのスキルとやらの中の一つの効果なのだろう。どのスキルの効果がどのようなものなのか?とかそんな感じのことが直接、彼の頭の中に入ってきたのだ。

 

 

「『目一杯(スキルフル)』はおまけだよ。スキルを上げても使えないと意味がないからね。あ、それとこの世界がジャンプだったりマガジンだったりの少年漫画雑誌とかだったら主人公は君の同級生の兵藤一誠とかいうやつだぜ」

 

「あの性犯罪者が主人公!?・・・いや、だからか。そう考えたら納得できる部分が多いからな。わかった、あんたの話を信じよう」

 

「僕は物わかりのいい子は好きだよ?それに美少女だなんて嬉しいことを言ってくれるね?これでもビッグバンの前から世界に存在してたんだけどね」

 

「それは渾身のボケなのか?それとも本気で言ってんのか?」

 

「それは君に渡した『欲視力(パラサイトシーイング)』の試運転もかねて僕の思考を覗いてみるといいよ。僕はその程度のことは気にしないからね」

 

「いや、その返答で大体わかった。本当のことなんだな」

 

「じゃあ僕はこの辺でお暇させてもらうよ」

 

「ああ、いきなりキスされたのには驚いたが・・・これ以降は会えないのか?」

 

「馬鹿話とか聞くためにたまに会いに来るよ?僕の端末がこの世界には6億人くらいいるからね。君の知り合いにも端末()がいるかもね」

 

「じゃあまたいつか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そういって彼は夢から覚めた。だが欲視力を使えるのかのテストをしてみたところ・・・普通に発動した。とりあえず支取生徒会長の思考を覗いてみた、すると面白い情報が大量に流れ込んできた。

 

「ふぅん・・・悪魔って本当にいたんだな。てかうちの学校にまあまあいるな。有名人であるグレモリー先輩、姫島先輩、木場、搭城って全員悪魔だったのか・・・」

 

 

その他はといえば匙、真羅先輩、由良、巡、花戒、草下、仁村という、生徒会メンバーだった。現状では他にもいるのか彼にはわからないのだがわかるのはそれくらいだ。

 

 

 

「というかグレモリーで悪魔っていうとやっぱあの悪魔なのかねぇ?てか支取会長もシトリーって・・・ほぼソロモン72柱で確定だろ。」

 

 

 

 

という風に説明した。そこまでは彼の隣で歩いている山下には言わなかったが。

情報を好きに得られるのが便利だと感じていた彼は、それでいてそれなりに親しい友人である山下の思考は覗かなかった。友人が本当は自分のことをどう思っているのかを知るのが怖かったのだろう。ただし、兵藤(変態)の思考を時々覗いておこうと思っていた。そうすれば変態3人組が女子に迷惑をかけるのを止められるかもしれないのだから。

 




黒のアリスさん、誤字報告感謝いたします


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第2話 転生

私はね、悲しいです。なんで設定の時点で1とか0とか投票がいくつかあるの?何?設定時点で1とか投票した人たちは低評価つけてやった俺かっこいい!とか思ってんの?

まあそんな(どうでもいい)ことはさておき、今回は一誠の転生回です。転生はします


 授業は教師や自分より頭のいい奴の思考を覗いて考え事をしていた彼は集中していないと言いながら教師に当てられた問題を難なく答えて、教師が悔しがってるのを見て楽しんでいた。昼休みには弁当を屋上で食っていた。

 昼休みに彼は安心院さんにもらったアリバイブロックを使ってみることにした。1回も使ったことのない能力などいきなり使用して、失敗した挙句死ぬなど目も当てられないからだ。

 

 

 

「うん、うまいな」

 

 

 彼はミスをすることなく校舎裏から屋上に飛んで飯を(1人で)食っていた。

ちなみにその弁当は彼の妹が作ったものだ。野菜2割、肉や魚が4割、白米4割だった。 栄養価とか考えてくれてるらしい。調理師免許を取りたいと言ってたからそのための練習も兼ねているのだろうと考えた。自分の弁当も似たような感じになってるんだろう。

 

 

 

 

 

 

 午後の授業も特に言うことはない。彼が集中していないことを注意するように教師が彼を当てることが何度かあったが、特に問題なく答えていた。授業がすべて終わって放課後になったら各々好きなことを言いながら帰るか部活に行くかしていた。そんな中彼は

 

 

 

「ふぅん、あいつらは今日女子剣道部の着替えを覗きに行くのか」

 

 

 そう、変態トリオの行動を覗いていた。まあ変態トリオの視界(思考)を(一方的に)覗いていれば誰でも一切証拠を残さずに覗くことができるがそんなことはしない。しても意味がないからな。

 ・・・それにあんな変態どもと変わらないことをするなんて彼の(ちっぽけな)プライドが許さなかった。

 

 

 

「・・・となればさっそく行動に移るか」

 

 

 

 そう呟いて彼は剣道部の女子に変態トリオが女子剣道部の着替えを覗きに行くらしいと伝えて警戒させておいた。

 そうして伝えておいた女子たちの思考は彼も仲間なんじゃないのか?とか、今度こそ覗きなんてできなくなるように徹底的にぶちのめすとか、結構過激なのとか普通に彼に対する感謝もあった。

 

 

 

 そして彼はその中の1人の視界を借りて変態トリオが女子にボコられてる様を嬉々として見ていた。だがそろそろ帰らなければと思い、彼は人目につかなさそうな場所に移動したのち自分の家の庭で死角になりやすい所にアリバイブロックを使って飛んだ。その後は、普通に出された課題などを終わらせて飯を食って風呂に入って寝た。

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんか騒がしいな・・・適当にその辺のやつの思考を覗くか」

 

 

 

 彼はほかの生徒たちが登校中ざわついているように感じた。いつも通りでないのだけは確かだが、その理由がわからない彼は近くにいた最も騒がしい連中(変態トリオ)の思考を覗いた。

 

 

 

「俺には彼女ができたぜ!?お前らより先に童〇卒業するかもな!!HAHAHA」

 

「嘘だあああああああああ!?」

 

「お前に彼女ができるとかうそだろ!?ああ、なんかのエロゲの話か。驚かせんなよ」

 

 

 

 彼は納得した。あの変態に彼女ができたのであれば、これだけ騒がしのにも納得できる。彼だって驚いていた。だが、誰から話を聞いたでもないのに1人で驚いていたら怪しまれてしまう。なのでできる限り表情を保って歩いていた。

 

 

 

「聞いたか!?あの兵藤に彼女ができたらしいぞ!!?」

 

「妄想かなんかでしょ?取り合うだけ損よ」

 

「いや、俺も帰る直前に見たんだよ!あの変態が告白されてるところをよォッ!?」

 

 

 

 彼が教室に入ってからもその話題で持ちきりだった。そして最後の告白シーンを見たという男子がそれを伝えた時点で騒がしさが最高潮になった。

 

 

 

「俺たちが騒いでても仕方ないだろう?そんな無駄なことをするよりその告白した子があいつに無理やり嫌なことをされないようにするのが正解だろう」

 

 

 

 彼がそういうと教室内のざわめきが少しづつ静まっていき・・・むしろさっきまでよりさらに騒々しくなった。口々に「そうだな!」とか「私たちがその子を守ってあげなきゃ!」だとか言い始め収拾がつかなくなったあたりで先生が来た。彼は正直ナイスタイミングって思った。そうでなければ彼自身も巻き込まれていた可能性があったのだ。

 その後は普通にHRとか授業があったとだけ記しておく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして(変態トリオが覗きをする以外に)特に変わったこともなく時間が過ぎていき、兵藤が彼女とのデートをする日の放課後になった。兵藤一誠の浮かれっぷりと言ったらもうやばいほどだった。変態トリオの残り2人に思いっきり自慢していた。だが彼からしたら哀れだなと思うほかなかった。彼女の方の思考を覗いていたからだ。ちなみにすでに自宅にいる。

 安心院さんの言ってたことが本当なら主人公である彼が殺されても何らかの方法で生き返るらしいと思いついた。そうなったときに近くにいて面倒ごとに巻き込まれるのがいやだったからだ。

 そもそも彼からすれば視界を(一方的に)共有すれば何が起こっているのかなんてわかるからその場にいる必要がないというのもある。

 

 

 

 

「あっ、死んだ」

 

 

 

 あっけなく死んだ。彼の思考は一誠が死んだことより、比喩でなく堕天使ってカラスみたいな羽が生えてんのなというものであった。さらに神器とか危険なものを一誠が持っているとか殺した理由を教えてくれていた。

 彼は自分が神器なんて稀有なもんを持ってるとは思わないが、もし襲われたらビギナーズハードラックと手のひら孵しのコンボで必中で一撃必殺などという、キチガイ染みた攻撃ができるはずだからそれでどうにかすればいいだろうと考えた。そこに愚行権を突っ込めば『運悪く(運良く)』なんてこともなくなるから、人並外れたラッキーボーイなんかでも躱すことはできなくなるだろう。

 

 

「まあ、そんなことになったら実験台にでもなってもらおうかねぇ?」

 

 

 

そう言いながら殺された彼の視界がどんどん悪くなってき、堕天使も遠ざかって行ってるようで見ている必要がなくなったかと思い、共有中止をしようとしたのだが、直後に何か声が聞こえてきて彼は慌てて共有中止を取りやめた。

 

 

「あら?なかなか面白いことになってるわね。まだ生きたいかしら?・・・そう、なら私のために働きなさい」

 

 

 

 

 彼はそのような声が聞こえてくると同時に思った。こいつはナルシストかただの馬鹿だと。声とか容姿で大体わかったけど3年のリアス・グレモリー先輩であるというところまでわかった。2大お姉さまとか言われて調子に乗ってるだけに感じていた。彼は思考を覗いたときに、リアス・グレモリーは(悪魔とかいう種族の中では)上の方の立場で駒王の管理者名乗ってるらしいと知っていた。それでこの体たらくか・・・しかも自分の無能のせいで人が死んでもその人の家族の記憶を消してるしよ。

 さっきは兵藤が持ってるらしい神器とかいうのに惹かれて殺されるの待ってたのだろうと彼は当たりをつけた。

 どちらにせよ、敵対種族が入り込んできているのにも気づけないのによく管理者名乗れるなと呆れていた。

 

 

 

「・・・まあ、悪魔っつっても普通に生まれてから18年じゃこんなもんなのか?貴族ってことらしいし平民とか領民とかの扱いとか領地を守ることの重要性なんかは教育されてるはずなんだが・・・」

 

 

 

 

 

まあ、自分が考えていても仕方ないだろうと思い。そんなことより風呂入ってから寝るかと、行動に移した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 と思っていた時期が俺にもありましたってか?と思ったのは彼だった。

 彼は軽く風に当たろうと思い、家から出ると、幼女がいた。しかもその幼女は、彼の方見て「無限の力を感じる・・・、我と同じ?」などと呟いてる。彼は気になるが幼女の思考を覗くなどという犯罪チックなことはしたくないと思い、覗くことはしなかった。それにただの迷子かもしれないのだから、彼は家族を見つけるか警察に届ければいいだけだった。

 

 

 

「何か用かな?迷子かい?親御さんはどこにいるのかな?」

 

「親、そんなものはいない。そんなことよりグレートレッドを倒すのを手伝ってほしい」

 

 

 

 その返答で彼は、幼女の親が事故かなんかで亡くなったのかと思ったのだが、どうやら違うらしいのでおそらく早めの中二病みたいなものだろうと思った。

 

 

 

「オーフィス!いきなりいなくなるなんていったい何があったというのだ!?」

 

「いきなりいなくなっちゃうからどこで何をしてるのかと思ったら・・・この子に興味があるの?」

 

 

 

 なぜならば、幼女が来てすぐ後に1組の男女が慌ててきてその子の名前を呼んでいたのだから。

というかオーフィスっていうのかこの子。外国人かな?女の方はどう見ても外国人だけど 彼には男の方はアジア圏の人間だということはわかるが、どこの国の人間かまではわからなかった。使っている言語が日本語なので日本人の可能性が一番高いと予想できるのだが。

 

 

「すまないな、オーフィスが迷惑をかけた。俺の名は曹操だ。今後会うことはないと思うがよろしく頼む」

 

「私はジャンヌよ、オーフィスが迷惑をかけちゃってごめんなさいね?」

 

「いや、かまわない。まあ夜遅くにそんな恰好でうろうろしてたら危ないだろうからちゃんとした服を着せてちゃんと一緒にいてあげろよ?」

 

 

 

 

 そういって彼とオーフィス達3人は別れることとなった。

 だが、彼はオーフィスとの関係が、これ以降も続いてしまうとは思いもしていなかったのだった。

 そして、曹操の生まれ変わりとジャンヌダルクの生まれ変わりらしいと、曹操の思考を覗き、知ってしまった。本当ならすごいのだろう。彼は、嘘というより、勘違いやただのコスプレならばあの2人や、そのほかの仲間たちは黒歴史的な意味で恥ずかしいことこの上ないなと思った。

 




前書きの愚痴は正直すまないと思っている。
そしてコメントくれてる方々、正直すごい励みになっています
そして今日気づいたことがありました、非ログインユーザー様。本当に申し訳ございませんでした。
操作のし忘れでログインユーザーからのみコメントを受け付ける設定になっておりました。
これからはどちらからも気軽にコメントしていただけるようになっております
ですが誹謗中傷コメントは控えてくださいね?

2017/07/18 18:00 3人称視点に書き換え+多少の改変をいたしました


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第3話 休日

まあ、タイトル通りだよ
今回から設定段階で言ってたアンチ三大勢力が少しづつ進行していきます
コメントありがとうございます。皆様の(温かい)コメントが私のやる気になります


 彼はアリバイブロックも使い慣れてきた上、ちょうど休日なので京都にでも行こうと思い、多少の準備をした。親や妹は普通に仕事だったり免許取るために勉強してたりで問題なく行けるだろうと考えたためだ。

 

 

 

 

 

「というわけでやってきました。古都京都ってか?」

 

 

 

 彼は、旅行にスキルを使ったことを深く考える必要はないだろうと考え、どこでもドアみたいな便利なもの(スキル)は使わなきゃ損だろう。

 

 

「なんで囲まれてんだよ・・・。確かにいきなりここに現れたわけだけどさ」

 

「貴様・・・妖力も魔力も感じぬがいったい何者だ!?」

 

 

 

 彼は思考読めることが便利で、有利に働きやすいことを再認識した。そもそも敵じゃないんだから堂々としてればいいだけなのだが。

 とはいえ、敵じゃなくても姿を見られたから殺すなどという過激な奴らだったらビギナーズハードラックで倒すか、手のひら孵しで出会わなかった事実を作ればいいのだから慌てる必要もあまりなかったことに気づく。

 そして、考えがまとまった彼は質問に答えた。

 

 

「普通の人間だよ。ただちょっと普通じゃない力を持ってるだけだ」

 

「本当にそうなのか?敵ではないのだな?」

 

「ああ、少なくともあんたらの敵ではないさ」

 

「ならよい、すまなかったな・・・というか妾たちの姿を見て何も思わないのか?」

 

「?なんだ、悲鳴でも上げてほしかったのか?」

 

「いや、そうではないが。明らかに人間でない姿をしているというのにリアクションがないのでな」

 

「まあ、カラス天狗とか九尾の狐とかわかりやすく妖怪だよな」

 

 

 

目の前に京都妖怪のボスである八坂って九尾の女性がいる。その周りに護衛や戦闘要員としてカラス天狗や位の少し低い(らしい)鬼なんかがいる。

 

 

 

 

「まあ、いきなり斬り殺されたりしなくてよかったよ」

 

「はぁ・・・すまんかったのぅ。いきなり囲んで刃を向けたことは謝るのじゃ。・・・そうじゃのう、何かしてほしいこととかはあるかの?妾にできることなら詫びとして何でもするぞ」

 

「八坂様!?」

 

 

 

俺に対して詫びとして何でもするといった自分たちのボス(八坂)に動揺を隠せずにいる護衛たちだが八坂の目を見て少し落ち着いたようだった。まあ、八坂も俺の要求によって俺が悪人かどうかを確認しようとしているのだろう。そんなことは目を見ていれば思考を覗かないでもわかる。まあ、してほしいことといえば決まっているのだが。

 

 

「俺は能力の実験をしてるようなもんだ。それで修学旅行で来るだろうが、先に行けなさそうなところを楽しんでおこうと思ってな。要求は『京都の隠れた名所を案内してほしい』だな」

 

「・・・へ?そんなことでよいのか?こんな美女が何でもするといっておるのに?」

 

「自分のことを自分で美人って言うか?普通。まあいい、試されているのがわかっているのに性欲丸出しの要求なんてするわけないだろう?それにまだ全く知らん女にそんなことを要求するほど落ちぶれてもいないつもりだ」

 

「なるほど、わかった。その要求を叶えよう」

 

 

 

 

 

そういって八坂は俺を自分の家に連れて行ったんだが・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「母様!この人間はいったい何者なのじゃ!?」

 

 

 

 

 また幼女だった。彼は最近幼女に絡まれやすくなったようである。あれか、安心院さんと会ってからってことはあいつがなんかしてんのか?などと考えるくらいには安心院さんを疑っていた。

 

 

 

「無礼じゃぞ、九重。この男は客人じゃ。妾たちのせいで迷惑をかけたのでな、その詫びにと招待したのじゃ」

 

「そうだったのですか。無礼を働いてしまってすまんのじゃ・・・ええと」

 

「ああ、そういえば自己紹介がまだだったな。俺は月海天だ」

 

「天殿じゃな。改めて詫びよう、娘共々すまんかった」

 

「気にしていないさ、突然自分の領地に知らないやつが現れたら権力者なら警戒するのが当然だからな。それにあんたの娘に対しても怒ってなんかねえから」

 

 

 

 

 

 

 

 それから彼らは世間話を始めたのだが悪魔の話題が出てすぐに八坂たちの様子がおかしくなった。

 

 

 

「どうしたんだ?悪魔に何か恨み・・・というか嫌悪感があるようだけど」

 

「いや、お主には関係ないのじゃ。雰囲気が悪くなってすまんの」

 

例えば悪魔に(・・・・・・)仲間を無理やり(・・・・・・・)転生させられたとか(・・・・・・・・・)?」

 

「ッ!?なんじゃ、悪魔やほかの怪異などの存在もすでに知っておったのか」

 

「ああ、俺の持っている力の一つでな」

 

「そうじゃ、悪魔たちは妾たち妖怪でも強い力を持つものや開花すれば強い力を得る子供などを拉致して無理やり、もしくは殺して有無を言わせず転生させているのじゃ」

 

 

 

 

 

 妖怪のトップは八坂なのだろうが日本のトップも八坂なのか気になった彼は率直に聞いた

 

 

 

「なあ八坂、日本のトップってあんたなのか?」

 

「いや、妾は京妖怪のトップじゃ。日本の頂点は天照大御神様じゃが、それがどうかしたのか?」

 

「いや、日本のトップにも話を聞いてみたいなって思ってな。八坂がトップならその目的自体には意味がほとんどなくなったんだが。他にいるなら話は別だ、天照大御神に会うことはできるか?」

 

「今日中にはわからんの。また日を改めてになるかもしくは会えないじゃろう」

 

「まあそれでいいさ。今日は帰るからまた今度来た時にでも・・・ってそういえば妖怪も携帯とか持ってないか?」

 

「持っておるぞ?妖術などを使えぬ子らに持たせて安全を図るために大人も持っておる」

 

「ならアドレス交換をしておこう。日にちが決まるか面会ができないってことが決まったら連絡してくれ」

 

「わかった。約束するのじゃ」

 

「ああ、それと俺が悪魔に肩入れするんじゃないか?とか思ってるならそれだけはないと言っておくぞ」

 

「それはいったいどういうことじゃ?」

 

「通っている学校に悪魔が複数いるんだが自分の領地と言い張ってるにもかかわらずはぐれの討伐すら犠牲者が出るまで行わないからかなりの人数が死んでいる。先日も同じ学年の変態が殺されていたんだがその悪魔は面白いことになっているとか言って神器目当てで生き返らせてたようでな」

 

「それで悪魔への心証が最悪で肩入れどころかかかわりたくないというわけじゃな」

 

「そうだ。では今日はこの辺で帰ることにする」

 

「ではまたの」

 

「ああ、またな」

 




とりあえず九重とか八坂の口調知らないんです。そこまで読み進められてないんです。許してください何でもはしませんけど
知ってる人いたら教えてください(切実
あとなんかかなり中途半端でごめんなさい


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第4話 安心院さん再び/北欧神話の接触

割とタイトル通りです
現時点での主人公の各勢力への好感度は以下の通りです(-5~5の11段階評価)
悪魔-5
堕天使-1
天使0
妖怪3
日本神話以下神話勢力0
まあこんな感じです。基本的にまだ関わっていない勢力については±0です。これから下がる勢力と上がる勢力の2つがありますがここでは明かさないことにします(みんなある程度分かると思うし)


 彼は寝たはずだった。だというのにまた(・・)あのよくわからない教室にいる。ということは安心院さんが来るのだろうとわかった。

 

 

 

「正解だよっ!」

 

「ナチュラルに思考を読むんじゃねえよ・・・」

 

「でだ、なんで僕が君の夢にまた出てきたと思う?」

 

「何か気になる話でもあるのか?」

 

「『気になる』、ではなく『気にかけておいてほしい』事があるかな」

 

「気にかけておいてほしいこと?なんか面倒なことでも起きんのか?」

 

「君にとってはかなり面倒なことだろうね。僕にとっては気にする必要のないことでもあるけど」

 

 

 

 

彼にとって不都合(面倒)なことで安心院さんからしたらどうでもいいことというのがどのようなことなのかはわからないが、自分にとって良くないであろうことだというのは理解した。神話や伝説なんかが実際に存在している世界での面倒ごとなど得になることではないと分かったのだ。

 

 

 

 

「もしかしてあの神か?」

 

「うん、そうだね。北欧の方の主神とか言われて調子に乗ってるおバカさんとか後無限の龍神(ウロボロスドラゴン)なんてトカゲが君に興味を持ってるからね」

 

「オーディンか・・・神話について調べてたからわかるがあの神って自分の知らない(わからない)、知識のためなら何でもするような奴だろ?そんなのに興味持たれるとか・・・」

 

「まあ、僕が君に力を与えたからなんだけどねっ☆」

 

「ちょっとは悪びれろよ・・・」

 

「いや、だってね?僕が君に干渉したのは僕の暇つぶしの為なんだよ?あるスキルで現在過去未来全ての時空で起こることがわかってしまうんだよ。そのスキルを使わなくても経験にあてはめたらほぼ100%わかってしまうんだよ」

 

「だから経験したことのないことを俺にさせて笑っていようってことか?」

 

「まあそんなところだね。昔主人公を故意に発生させる実験もしてたけどうまくいかなかったしその計画を潰したその世界の主人公の内の1人である女の子も偶然を排除してあげたら幼馴染の男の子に負けるし」

 

「つまり主人公である変態をどう処理するか見て笑っています。ってことか?」

 

「その通りさ!」

 

「そいつはずいぶん悪趣味なこって」

 

 

 

 

 

 完璧な未来予知とかができるとして優越感に浸って良い気持でいられるのは10年前後と何かで見たことがある彼は聞いた。

 

 

 

 

「『つまりあんたはこれから起こりうるすべてのことがわかってつまらないから俺にあんたの持つスキルを与えたってことだな?』だろ?」

 

「なんでも御見通しってわけか」

 

「まあ、あんな話をすればそういう考えに至ることなんてそのスキルを使わなくても明らかだしね。そろそろちょうどいい時間かな。また気が向いたら来るよ?じゃあね」

 

「ああ、怪我とかすんのか知らねえし病気に掛かんのか知らねえけど気をつけてな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう言った直後彼は目が覚めた。ただし気になることがあった。デッドロックを自分に渡してしまっても安心院さんは不死のままなのだろうか?というだけの疑問なのだが。

 

 

「まあ、考えるだけ無駄だな。それに忠告通りならもしかするとこっちから行く必要もなさそうだしな」

 

「いったい何のことを言っておるのだ?」

 

「今まさに俺に話しかけているあんたのことだよっ!てかどうやって上がり込んだ!?そもそも俺の親をどうしたんだよ!そしてあんたの後ろで申し訳なさそうな顔をしてる女は誰なんだよ!?」

 

「朝っぱらから騒々しいのぅ。ひとつづつ答えてやろう。儂はオーディン、北欧神話の主神じゃ。どうやって上がり込んだといったが儂らがおるのはお主の部屋ではないぞ?わしの後ろに控えておるのはロスヴァイセというヴァルキリーじゃ。ちなみに生娘じゃ」

 

「なんでそんなことまで言うんですかオーディン様!?私だって好きで処女なんじゃないんですよ!!?」

 

「あー・・・ロスヴァイセさんだったか?すまんな。俺のせいでそこの爺があんたに迷惑かけちまって」

 

「いえ、あなたを拉致同然でこんなところにまで連れ去ってしまったうえそれを止められなかった私が悪いんですよ・・・」

 

 

 

 

 

 彼はこれ以上は謝罪合戦になってしまいそうだと感じ、少し話題を変えることにした。

 

 

 

「で?あんたはなぜ俺を拉致った?返答によっては神様だろうと容赦しねえぞ?」

 

「儂の知らぬ知識に惹かれたのでな」

 

「喰らえ!俺の男女及び種族平等キック!!」

 

「ぬうぅぅぅぅっ!!?」

 

「えっ!?な、なあああああッ!?」

 

 

 

 

 

 彼はとりあえず自身の最強のコンボである『手のひら孵し+たどたどしい拳』により、彼の全力攻撃(体重を全乗せしたトゥーキック)を奴の股間に放ち、確実に当てた。

 やはり人体の急所はどのような種族であれ共通の弱点なのだろう。全力で悶絶している。気持ちは(文字通り)痛いほどわかる。だが彼を怒らせたのが悪手だったのだと諦めるほかないだろう。先に謝罪をしていれば結果は変わったかもしれないが。

 

 

 

 

 

 

 

 

                 ~1時間後~

 

 

「本当に今の若者はすぐに手が出るのぅ・・・いや、今回の場合は足か」

 

「人を拉致した挙句怒らせるからそうなるんだ。誠心誠意謝るか俺の納得できる理由を述べられたら許してやるつもりだったんだぞ」

 

「本当にうちのトップが申し訳ありませんでした!!」

 

 

 

 彼は結構カオスだった上、日曜だったため、普通にアリバイブロックで帰ってから少し昼寝した。

 しかし昼頃に九重たちから連絡が来ていたのに気づかず後で折り返し連絡したら泣きながら怒っていた。とりあえず天照大御神も時間を作って彼に会ってくれるようだ。そちらは1か月後の予定だ。見極めるとともに敵ではないと信じてもらえるようにしないといけないと彼は決心した。

 




評価0つけてる人で原作読んでからかけって言ってきた人がいました。
確かに原作を読むなりアニメを見るというのはその原作を書いている作者さんに敬意を払うことだと思います。
しかし私は自分の書き方を曲げるつもりはありません。話の流れがおかしくなる、なんてことになってしまえば流石に読みますがそうでなければ他のssとか読んで多少の知識を持っている程度で書いていこうと思っています。そして同じく評価0をつけていた方に対して言うことがあるとすれば面白くないと思うのなら自分で作品を書いて誰かを楽しませて見せろって感じです。あとは面白いのかいてる人がいるんだからその人の作品見に行けよ。文句言う時間無駄に使うくらいなら自分に合った面白い作品探して読んだ方が有意義でしょう?評価と、0評価についているコメントは多少なりとも参考にしていますが

その他、それなりに大勢の方に投票、コメントしていただいて感謝しています
毎回中途半端なとこで終わっている気がしますがどうかご容赦ください

黒のアリスさん、誤字報告感謝いたします

2017/07/18 19:15 3人称書き換え+内容の一部変更


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第5話  聖女と出会いました

実はこの作品でのアリバイブロックは見たことがある場所、もしくは地名を知っている場所になら飛べます。なので行けない場所は神話の世界くらいです。欲視力で視界を(一方的に)共有すれば全世界どこにでも行けることになります。それだけの制約では緩すぎるので欲視力の方にも制約があります。ズバリ、『自分が直接見たことのある、もしくは欲視力で視認したことのある人間の視界に限る』というものです。直接見た方では思考まで、欲視力を通して見た方だと視界までになります


北欧の主神に拉致された日(あの事件)からおよそ1週間が経過した。

まあ、俺のやってたことは変態とかグレモリー(無能)先輩とかの思考とか行動を覗いていたくらいだが。ああ、勘違いしないでほしいのは変態と同じようなことはしていないってことだけだ。そして放課後に、時々アリバイブロックを使っていた。行動範囲を広げるためだ。

 

 

 

「さて、今日は久しぶりに普通に歩いて帰ろうと思ってたんだが・・・なんだあれ?」

 

 

視線の先には日本ではまず見ることのないであろうシスター服を着た女がいた。ヴェールを被っていて顔はほとんど見えないが、遠目で見る分には困ることはないだろう。だが、変態が近くにいる。あの子を毒牙にかけさせるわけにはいかんだろう。シスターならば暴力などは振るえないと思うし、思考を少し読んでみたが教会に行きたいだけのようだった。

 変態()からは愚行権で主人公補正とやらを剥奪しているのでおそらくあの子に気づくことはないだろう。

 

 

 

Help please and there is?(困り事がありますか?)

 

Oh and (えっと・・・)I don't(教会に行き) understand way...(たいのですが) I want to go to church(道がわからなくて).」

 

There is (教会なら) the Church(あっちですよ). Do you(連れて行き) take them(ましょうか)?」

 

Thank you(ありがとう) very much(ございます)! This is(これも) the Lord's(主の導き) guidance(なのですね)!」

 

 

 

敬虔な信徒だわ。何でもかんでも神様とかいうのに結び付けるタイプなのかもしれないわ。正直少し苦手なタイプだ・・・。こういう手合いはどこに地雷があるかわかりにくい。

 

 

 

Shall(では) we go now(行きましょうか)?」

 

Yes(はい)!」

 

 

 

 

それからは少しの間、何事もなく黙って教会に向かって歩いていた。しかしながら妙なこともあるもんだと思う。昔いたらしい神父がいなくなってから廃教会になったはずなのにあそこに赴任してくる教会の人間がいるとは。

 

 

By the way(ところで), Why(なんで) worked(この町の教会) in the town's Church(に赴任して), got(きたんだ)?」

 

 

 

俺がそう問いかけると、空気が少し重くなったように感じた。つまり地雷を踏んだということか。

 

 

You can(すまん) talk to(話しにくい) that sorry(ことなら), hard to tell if(話さなくてもいい)

 

 

 

俺がそう言ったタイミングで、近くにいた子供が転んで怪我をしたようで泣き出した。すると何を思ったのか、シスターはその子供に走って駆け寄っていった。

俺は何をするのかと内心ワクワクしながら見ていた。泣いている子供に近づいて手をかざしたと思うと、緑色の光を放ち、手を放した時には怪我が完全になくなっていたのだ。そのあとは公園で話を聞いた。

 

 

I'm sorry(すみません), just(どうしても) help his(放って) wanting to(おけなくて).」

 

I have to(気にしなくて) worry about(いい). Power(それより) of now(さっき) that(言い) faltered(よどんだのは) earlier than(今の力の) that(ことか)?」

 

Yes(はい) that's right(そうです). Is a nice power(主のくださった) given by Lord(素敵な力です).」

 

 

 

 

ふむ、おそらく回復系統の力か。便利ではあるが同時に危険なものでもある。そんな感じか?教会から追放されたのか他に何か理由があったのかは知らんが・・・。

 

 

 

Yeah(ああ), nice(素敵な) power() new(だな).」

 

 

 

 

そのあとは少しづつ事情を独白してくれた。泣いているため、傍目には俺が泣かせたようにも見えるだろう。まあ簡単にまとめると

1.10歳の時に力に目覚めた。

2.その力のせいで聖女などと崇められ友人ができなかった。

3.傷ついて気絶している男を治したらそいつが悪魔だった。

4.それをほかのやつに見られて魔女とののしられ追放された。

と。こんな感じだった。正直教会には特に思うことはなかったが正直吐き気がするな。

 

とある漫画のキャラのセリフを使うなら『吐き気をもよおす『邪悪』とはッ!なにも知らぬ無知なる者を利用する事だ・・・・・・!!自分の利益だけのために利用することだ・・・』とか、『人が人を選ぶにあたって最も大切なのは『信頼』なんだ それに比べたら頭がいいとか才能があるなんて事はこのクラッカーの歯クソほどの事もないんだ・・・』とか。つまり、教会の人間は自分の信用した人間を簡単に切るような組織だということだ。

 

 

 

It was hard then(辛かったんだな)?」

 

No...(いいえ) It is(これも) a test which(主から) was given(与えられた) from(試練) the Lord(なのです).」

So(だから) it is not(辛いことなんて) as painful(ありませんよ).」

 

 

 

話を聞いてあげたら少しすっきりしたような顔になっていた。あと、名前はアーシア・アルジェントというらしい。流石に次に会うときに名前を聞くのは失礼だと思って(悪いと思ったが)思考(名前)を覗かせてもらった。最後の方は話しながら歩いていたこともあり、17時前には教会に着いた。

 

 

 

Thank you very much(ありがとうございました).」

 

No problem(問題ないさ).A careful(これからは) from now(気を付けてな).」

 




パクリかな?ってコメント付きで投票している方がいました。同じような設定の作品が以前ありましたのでしょうか?それなら教えていただけると幸いです
あ、あとアーシアはイタリアかその辺の人間だったと思うんだけど教会なら勉強も教えているはずだと思い、英語でしゃべって(もらって)います。ちなみに天君、ほかのラノベの天才兄妹と(語学力は)同じくらい(という設定)です


黒のアリス様、折遠様、誤字報告及びルビのミスの指摘感謝いたします


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第6話  聖女を掬います

タイトルは、誤字じゃないよ?
救うのではなく掬い上げるという意味です(救いはしません)
ただしいつものごとく残念文章(薄い内容)です
あ、あと会話を全部日本語表記になっています。文字数稼ぎ感が否めなかったのと翻訳でいちいち持ってくるの面倒だったんです


 天がアーシアと出会ってから3日がたった。兵藤は彼女に出会っていないようで、松田、元浜とともにいつも通り馬鹿騒ぎを演じている。純真無垢な少女が変態の毒牙にかかってしまわないようにしなければいけないと思いながら、街を歩いていた天は声をかけられた。

 

 

「ああ!あの時の親切な方ですね!」

 

「やめてくれ、ただ言葉が通じなくて困ってる外国人を無視する気になれなかっただけだよ」

 

「それでも私は感謝いたします。あなたのおかげで目的地である協会にたどり着けました」

 

 

 

 それ以上は無駄な問答になってしまう気がした天は話題を変えることにした。

 

 

「それで、この町にも慣れたか?」

 

「はい、言葉が通じないのですがたまに親切な方が通訳をしてくださって」

 

「そうか、よかったな。ただこの辺は結構危ないから事件とかには巻き込まれないようにしろよ」

 

「いいえ、どれだけ危険だったとしても私の力で救える方がいるのならば私はその場へ行くでしょう」

 

 

 

 アーシアは偽善者というわけではないらしいが、天は無謀だと思った。正直悪質商法とかによく引っかかって涙目で保護者に相談してそうである。

 

 

「そうか、なら怪我をしないようにしろよ?シスターさんの神器ってやつで自分の怪我が治せるのかわからんのなら特にな」

 

「ええ。怪我はしないように気を付けます。それと・・・あれ?もしかして私迷子の時に自己紹介していませんか!?」

 

「ああ、自己紹介は俺もしてないな。俺から自己紹介させてもらおう。俺は月海天だ。この町の高校に通っている男子高校生だ」

 

「天さんですね!私はアーシア・アルジェントです。あの時は本当にありがとうございました!!」

 

 

 

 天然らしく、それに加えて純粋無垢で心配になる少女である。彼のクラスメイトや、他の学年の知り合いにリークして、兵藤から守らせる方法をとるかどうかで悩んでしまうほどだ。

 

 

 

「それにあなたのような親切な方が初めてのお友達だなんて素敵です!」

 

「俺が・・・友達?」

 

「ええ、あんなに親切にしてくださいましたし私の話も無視せずに聞いてくださいました。これを友人と言わずになんと言い表せばよいでしょう!」

 

「あ、ああ・・・そうだな。そうなるのか・・・?」

 

 

 

 流石に3日前のあれで友人認定されるとは思ってなかった天だったが、どうやら杞憂であったようで、少し驚いていた。今まで気軽に話せる友人―――――――というより友人と呼べる存在―――――――が0人だったから友達作りに積極的なのだろうと納得したが。

 

 

「ああ、俺たちは友達になっていたのか。正直認識していなくてすまなかったと思うが・・・」

 

「いいんです!今日こうして私たちはお友達になれたのですから!」

 

「そうだな。今日完全に友達になれたんだな。じゃあ一緒に遊びに行くか?教会の教義とかでそういうとこに言ったらだめだっていうならほかの場所を考えているんだが」

 

「そうですね・・・。教会を追放されてしまった身ではありますが、私は・・・主を信じていますので。ですが何も知らないままですべてを否定することもいけないことだと思うんです!」

 

「そ、そうか。じゃあ俺と一緒に行くってことでいいな?」

 

「はい!」

 

 

 

 それから天たちはいろんなところに行った。ゲーセンや〇▽書店、昼食で食べたことがないらしい、ジャンクフード(KF〇)で済ませた。

 ゲーセンでは、入ってすぐに聞こえてきた爆音に驚いたアーシアが目を回してしまい、目を覚ますまでは近くのベンチに座って寝顔を見て暇を潰していた。

 彼女が起きた後は、クレーンゲーム(100円で3つ)を軽く(くらい景品)荒したり(を取ったり)、それを見ていた周りの小中学生が騒ぎ立てたり、飯を食べに行った時にアーシアがちゃんと言葉が通じなくて(´・ω・`)←こんな顔になったりしていた。写メってないのが悔やまれる天であった。

 そして今、彼らは初めてちゃんと話した公園で話をしている。

 

 

 

「それで?今日は楽しかったか?」

 

「はい!知らなかったことをたくさん経験できてすごく楽しかったです!」

 

「それはよかった。今度会ったときにもまたいろんなことを教えよう」

 

「ありがとうございます」

 

 

お辞儀しながらそう言ったアーシアが顔を上げたとき少し涙目な上に少し赤かった。顔が赤いのは泣いているからなのか、夕日のせいだったのかはわからなかった。

そして少し前に聞いたことのある声が‐‐‐‐‐‐聞こえてきた。

 

「アーシア、帰ってくるのが遅いから迎えに来たわよ。あら?ゴミが近くにあるわね。掃除してあげましょうか」

 

「やめてください!なんでそんなことをする必要があるんですか!?」

 

「いやいや、待てや。俺を置いてけぼりにして話進めてんじゃねえよ。俺を掃除するってことは逆に掃除される覚悟がある烏なんだな?」

 

「ウフフ、何を言ってるのかしら?下等な人間なんかであるあなたが至高の存在になる私に勝てると思うのかしらァッ!!?」

 

「ほら、なんか言ってみろよ。下等な種族だとか馬鹿にしてた人間に殺されかけて何を思ってるのか俺に教えてみろよ」

 

「カハッ・・・」

 

 

 彼は調子に乗りまくっている堕天使(カラス)に必殺コンボを繰り出して腹をぶち抜いた。思考を覗いてその堕天使が黒だった上にアーシアを殺そうとしていることが分かったからだ。

 アーシアは彼の作り出した惨状を見て顔を青くして気絶した。新手の堕天使が来たが、金髪ツインテールの女が吐いて、青髪ロングの女はアーシアみたいに気絶して、1人だけ性別の違う奴だけは笑っていて少しイラッと来たので男女種平等キックを叩き込んでやった。泡を吹いて黙ったのでよしとした天だった。

 

 

「この惨状どうするかな・・・」

 

 

 この惨状を作り出したのは彼自身なのだが、どうするかを考えていなかったため、困り果てている。自業自得である。

 兵藤一誠の主人公補正を消しているので悪魔の乱入はないはずだが、確実とは言い切れないため、証拠隠滅を図りたいのだ。実際、腹に穴が開いている(血まみれの)女、吐いているゴスロリの女、泡を吹いて倒れている男、気絶しているスタイルのいい女という、文字にすると何が起きたのかがわからない状況である。悪魔と関わりたくないのに、この状況ではいつか関わってしまいかねない。そのようなことはごめんな彼は、手のひら孵しを使用した。

 

 

 

「カオスすぎるだろ・・・」

 

 

 彼はそう思ったが、証拠隠滅もできたので考えることをやめたのだが、よく考えたらそろそろ安心院さんが来てもおかしくない頃合いだと思った。

 彼が手のひら孵しで行ったことは、死なれたら困るため、男と、一誠の彼女のふりして殺した女を、怪我をしなかったことにして生かした。全てが終わった後で、アリバイブロックを使ってアーシアを連れて自身の部屋に飛んだ。

 




急展開の上に文章が割とめちゃくちゃで内容が薄いことについては本当にごめんなさい

ps.やうゆうさん、誤字報告感謝いたします

2017/7/19 17:59 3人称書き換え


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第7話  話をしよう☆

タイトルはエルシャダイのあれです、他意は無いし本当にお話しします。ですがO☆HA☆NA☆SIではないです
あ、あと評価でようやく0、1、8と9以外のついてちょっとうれしかったです。(2だったけど)その方に書かれていた、『スキルの設定を変更してるのが正直どうかと思う』という言葉と『クロスオーバー作品でどちらか一方に無理やりこじつけるの本当に嫌い』という言葉について思うところがありますのでここで謝罪と弁明をしたいと思います・・・がそんなことはどうでもいいと思っている方も多いと思いますので後書きに書かせていただきます

あ、あと月海天君の家は普通の2階建ての家で、2階に寝室が2つ、妹ちゃんのと天君のものです。2回にはあと1部屋あります。そこは共用で勉強用の資料とか自分が買ってきた漫画とか置いておく場所です。親の寝室は1階です。1回の残りの部屋はLDKとほかに応接間が1つあります。あまり家とか詳しくないので坪数とか書きませんし、畳数とかも書きません。ある程度自分たちの思うように想像してくださって問題ありません


 彼はアリバイブロックで自分の部屋に緊急脱出(帰還)した後、アーシアが目覚めるのを待っていたが、よく考えたら靴を履いたままこの部屋に来てしまっていることを思い出した。

 いろいろ面倒だったためそのままワープしてきたのだが、やはり玄関の前とかあたりにワープするべきだったかもしれないと思った。

 

 

「はぁ・・・まあいまさらそんなことを言っても後の祭りってやつだな」

 

 

 彼はそうぼやきながら玄関に靴を置きに行った。ちなみに現在家の中に誰もいないのはすでに欲視力にて確認済みだ。なので普通に2人分の靴を置きに行った。

 

 

 

「あとはアーシアが目覚めるのを待つだけなんだが・・・」

 

 

 

 来客があるのは玄関に見慣れない靴があるのですぐにわかると思う。だが今は、彼のベッドの上でアーシアが寝ている。この状態で見つかると下手を打てば面倒なことになる。できるなら面倒の無いように家族が帰ってくる前に起きておいてほしいところだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

               ~1時間後~

 

 

 彼が帰ってきてからそれなりに時間がたった。そろそろ彼の妹も講習を受け終えて帰ってくる頃だし、母もパートから帰ってくるだろう。父は22時を回らないと帰ってこないはずだ。

 

 

「ん・・・んぅ・・・。ここはどこですか!?」

 

「ああ、起きたか。アーシア」

 

「ヒィッ!?あ、そ、天さんですか。すいません、驚いてしまって・・・」

 

「いや、いいさ。人間である俺があんなことをしたんだ。驚いたり、ビビってしまうのは仕方ないことだと思う」

 

「あんなこと・・・あぁ!そういえばレイナーレ様はどうなったのですか!?」

 

「安心しろ、殺してはいない。まあ記憶がなくなったわけではないから、また俺を襲ってくるかもしれないし、搦め手を使ってくるかもしれない。逆に俺に尻込みしてアーシアに手を出してこないかもしれない」

 

「そうですか・・・。レイナーレ様たちは生きているのですか。よかった・・・」

 

 

 

 なんでアーシアが自分を利用しようとしただけのクズのことを気にかけているのかわからない彼はやっぱり心配の通りに騙されているとかなのだろうかと疑い、一応聞くことにした。

 

 

 

「なぁ、アーシア。質問があるんだが」

 

「何ですか?」

 

「なんでそこまで俺が戦った堕天使のことを気にかけてるんだ?」

 

「それは・・・」

 

「それは?」

 

 

 

 

 アーシアが話してくれた内容は、正直あの堕天使(レイナーレ)が実は堕天使ではなく悪魔なのではないかと彼が考えてしまうものだった。

 

 

「なぁ、アーシア。よくそれを臆面無く信じたな・・・?」

 

「で、ですが私には教会を追い出された後、お金も頼るところもなかったんです。それに堕天使になったとはいえもとは天使だった方もたくさんいます。堕天使だからと言って信用できないということにはならないと思います」

 

「俺の能力・・・いや、あの人みたいにスキルと言おうか。俺のスキルの1つに『相手の思考、視界を一方的に共有する』って力がある。それを使ってレイナーレの思考を何度か覗いて読み取っている。あいつはどう考えても黒だ」

 

「思考を覗く能力・・・」

 

 

 

 アーシアは唖然としていた。それもそうだろう。普通の人間が少し前に基礎能力で勝る堕天使を倒し、それが神器の(特殊な力)だと思っていたら、そのほかにも知らないスキルというものがあったというのだから彼に対する言葉も見つからないだろう。

 

 

 

「アーシア、そんなに驚くな。全部のスキルを教えることはできないが、俺があの堕天使たちの思考を覗いた結果を、わかりやすくまとめて教えるから」

 

「は、はい。お願いします」

 

「まずはレイナーレだ。奴はお前の中にある神器・・・聖母(トワイライト)()微笑み(ヒーリング)だったか・・・。それを抜き出して自分のものにしようとしていたようだ」

 

「そ、そんな・・・確か聞いた話ではその技術は未完成で神器を抜き出してしまうと死んでしまうと・・・!」

 

「ああ、それも関係なしに奪い取って堕天使のトップたちに愛してもらおうとしてたらしいな」

 

 

 それを伝えると彼がレイナーレの腹をぶち抜いた時より顔を青白くさせていた。

 ()に愛されるとか友達ができないまま死んでしまう可能性があったことが恐怖につながっているのだろう。

 

 

 

「他の奴の話は・・・今は聞かない方がいいな。さすがにショックだったか」

 

「は、はぃ・・・ありがとうございます。助けてくださって・・・」

 

「気にしなくていい、友人を助けただけなんだからな」

 

「そ、それで・・・私はいったいどうしたらよいでしょう?」

 

「どうしたらって・・・ああ、住むところとかか!すまんな、ここは俺の家なんだが両親に聞いてどうにか了承してもらうさ」

 

「何から何までありがとうございます!それでこの町の管理者という悪魔さんに相談したりはしないのですか?」

 

「いや、相談するの(それ)だけはない。」

 

「え?何でですか?」

 

「よく考えてみろ。敵である堕天使が何かをしていても気づいていないんだ。気づいているなら、堕天使のトップなんかに指示したかどうかを聞いて対処する、程度のことはするだろう」

 

「なるほど、つまり気づいていないのだから変わらないということですか?」

 

「まあ、それもあるんだが違う理由がある。まず気づいていないということは、俺が悪魔や天使、堕天使が実際に存在すると知っていることを知られていないわけだ。そんな状況で未知の力を持つ俺を悪魔やそのほかの勢力の人間が知ったらどうなる?」

 

「引き込みに来る・・・でしょうか」

 

「正解だ。だから奴らには頼らない。だが頼ることのできる勢力がいないわけでもない」

 

「えっ?いったいどんな勢力なんですか!?」

 

「日本神話、そして日本妖怪の勢力だ。あそこと北欧神話には面識がある。北欧神話は信用できないから日本の勢力に助力を得るつもりだ」

 

「なるほど」

 

「それにそろそろ連絡も来るはずだからな」

 

 

 

 彼がそう言い終わるのとどちらが早いかといったくらいのタイミングで八坂からの連絡が来た。

 

 

「久しぶりだな八坂。3週間くらいぶりか?」

 

「『大体それくらいじゃな。それでアマテラス様との会談の日時が決まったので連絡をな』」

 

「ありがたい。それでいつになるんだ?そしてどこに行けばいい?」

 

「『明日じゃ』」

 

「聞き間違いか?明日と聞こえた気がしたんだが」

 

「『いや、聞き間違いではないぞ。確かに明日と言った。じゃが来るのは京都(妾の家)でよい。アマテラス様がご興味を持たれたようでの。出向いてくださるようなのじゃ』」

 

「それはありがたい。それはそうと明日1人烏に殺されそうだった異国の女性もつれていくが構わないか?」

 

「『かまわん。殺されかけたということはすでに三大勢力とは縁が切れているのじゃろう?』」

 

「わかっていたか。そうだ、教会から追い出され堕天使に殺されそうだった。悪魔に関しては自分の領地と言い張っているのに異変にすら気づいていないことを教えておいた」

 

「『それならばアマテラス様にも許可を頂けるはずじゃ。会談の場に入れてもよいかは明日伝えるがよいな?』」

 

「ああ、それでいい」

 

 

 そう言って彼は八坂との通話を切った。この間アーシアは(また)少し唖然としていたがついて来ることができると聞いて安堵しているようだった。

 あと、両親と妹にかなりからかわれた。彼は、イラついたがアーシアをホームステイさせることについて承諾してくれたので、強く出ることはできなかった。




はい、前書きで言っていた謝罪と弁明です。どうでもいいと思う方はブラウザバックを推奨します。
えぇ、まずは誠に申し訳ありませんでした。私といたしましては、スキルが変わること、効果が変わることがいわゆる球磨川先輩がやった改造ってやつだと思っています。なので設定段階にある変化、は改造やスキルの効果、効果範囲が変わるということです
弁明としましては、スキル内容の変わるもの、それに伴い名前の変わるもの、変わらないもの、2つで1つになりさらに凶悪になってしまうもの。今考えているだけでもこれだけございます。『こじつけ』云々の方につきましては私の方では無人造のことについてだと思っております。違いましたらコメントをしてほしいですが強要は致しません。
そしてここでまとめておこうと思います
1.無尽蔵につきましては元のスキルの効果が『無限を操る』なので『無限』を司る龍も操る(支配できる)という解釈になっていること
2.スキルが変化することはめだかボックス原作で球磨川先輩がオールフィクションを作ったように改造しているということ

長くなりましたのでこのあたりでもう一度謝罪します。
この度の謝罪と弁明に関係のない読者様方、誠に申し訳ありませんでした

黒のアリスさん、いつも誤字報告ありがとうございます


2017/7/19 18:09 3人称書き換え


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第8話 会談当日です

嘘はついてない。ほんとだよ?
あと、ちょっと遅くなったのに内容薄いわ短くなってるわでほんとすまん


 快晴の日曜日、最高のピクニック日和だろう。現在6時前なので太陽が昇ってきたくらいで、そもそも彼は日本神話のトップと会談するからそんな予定も暇もないのだが。

 アーシアは起きていない。夜、なかなか眠れなかったのだろう。自分の運命を決めてしまうかもしれない会談なのだ。まあ、もともと約束の時間は9時だ。準備する時間も含めて8時に起きてくれば十分だろう。俺は十分寝ていたので、2度寝もできず、ネットで日本神話のおさらいをしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「天さん、起きていらっしゃいますかぁ~?」

 

「起きている。軽く準備をしていたからな。アーシアは準備できたのか?」

 

「はうっ!まだできていないんですぅ」

 

「まだ7時30分か・・・時間はあるからちゃんと準備してきな」

 

「はい!わかりました!」

 

 

 

 

 

 彼が起きてから30分くらいたったくらいに、アーシアがまた彼に扉越しに声をかけてきた。準備ができたらしい。

 

 

 

「準備ができたのか。じゃあ早速行くか?」

 

「はい。先方を待たせてしまうわけにもいきませんし」

 

「わかった」

 

 

 

 彼はそう言った後、アリバイブロックで八坂の屋敷の前に転移した。中に転移すると土足になってしまうから、考慮した結果だ。ちなみに家族が警察沙汰にしてしまうと面倒だったため、彼は夜までは確実に帰らないことを置き書きしてテーブルの上に置いた。

 

 

「ふわぁ・・・もしかして昨日もこのスキル?を使っていたんですか?」

 

「ああ、起きて・・・はなかったな。だがどうしてわかったんだ?」

 

「いえ、顔色の悪いシスターを抱えて運ぶとなると問題があるかと思ったので」

 

「なるほどな。確かに世間体とかその辺がまずいな」

 

 

 

 彼がそう言うとアーシアは苦笑した。彼は気づいてなかったことが不思議なのかと思ったが、問題視してなかったことに苦笑していたようだった。(後日談)

 

 

 

「あの・・・そろそろ良いですかな?」

 

「ん?ああ、悪かったな。あんたが今日の案内係か?」

 

「はい、わたくしはこの城で客人や重要な会談をする際に案内やその他諸々を任されております。種族は天狐、名は玉藻と言います」

 

「アマテラスさんはいつごろ到着予定なんだ?」

 

「・・・ハァ。気づいておいででしたか」

 

「そりゃな。わからねえわけねえだろ」

 

 

 

 そう、おそらく・・・いや、ほぼ確実と言っていいレベルで彼は確信していた。自分たちのトップに、彼が同伴させるとはいえ、人間性などが全く分からない者を会わせることなどできないだろう。つまりアーシアのことを調査はおそらくしているだろうが人間性は本性かどうかを自分で確認するということなのだろう。

 

 

 

「俺が同じ立場なら必ず自分でそいつの人間性なんかを確認するからな」

 

「暗殺の可能性はないにしてもよく知らない者をトップの前にそのまま立たせるわけにはいきませんので」

 

「あんたから見ても彼女アーシアが暗殺とか実力行使はできないと思うか」

 

「あれで暗殺ができるというなら天性の殺し屋か詐欺師のどちらかだと思いますよ」

 

「そりゃそうだ」

 

 

 

 そう、初対面の天狐、つまり平均以上の実力を持っているであろう妖怪、それも狐や狸は騙すことに長けた動物であり、それが妖怪となっているというのだから、さらに凶悪になっているということだと彼は推測した。

 下っ端を寄越さなかったのはそれだけアーシアを警戒しているということだろう。そもそも、アーシアが実働部隊なら自分を回復させつつ敵に特攻をかけるという凶悪なことができるであろう。それこそ、即死でなければ。

 

 

 

「そもそもアーシアの神器ってやつが自身にも有効なんなら、受けた傷やダメージを回復しつつ突貫するなんて荒業で敵部隊を1人で壊滅させることもできるだろう」

 

「そ、それは・・・考えただけでも恐ろしいですね・・・」

 

「だろう?」

 

 

 

 彼らはそんな会話をしていたが、その問答が終わったあたりで八坂たちのいる部屋についた。

 

 

「八坂様、九重様、お客人をお連れ致しました」

 

「大儀である、下がってよいぞ」

 

「ハッ」

 

「よう、久しぶりだな。八坂、九重」

 

「久しぶりなのじゃ!天殿!!」

 

「うむ、久しいのう。天殿」

 

「それで?アーシアのことを確認したくて早めの時間を俺に伝えたんだろう?今から2人きりになって尋問・・・いや、会話でもするか?」

 

「それもそうじゃのう。早めの時間に来てもらったわけじゃが、それほど時間があるというわけでもないからの。それでは早速始めさせてもらおうかの」

 

 

 

 アーシアに八坂からの質問に噓偽り無く答えることを伝えて俺は部屋を出た。

 それからアーシアと八坂の間にどのような会話があったのかは知らないが、アーシアと八坂の間に良好な関係が築かれているようだった。何か共通の話題でもあったのか・・・それともほかに理由があるのか。

 

 

 

「ふむ、この娘は信用に値するのう。これで私が欺かれているのなら大したものだと素直に褒めるものじゃ。アマテラス様に害をなしたならば三大勢力のみならず、妾たち日本勢力も敵に回るがの」

 

「まあ、圧政を敷いているとかってことじゃないのならそうなるわな」

 

「・・・そうじゃな」

 

 

 何かあったのだろうが、そんなのは本人に聞けばわかることだから問題はないだろうと考えた。

 聞くべきことも聞かれるだろうこともほぼ想定済みだ。どんな質問、揺さぶりが来ても彼は焦ることはないと思った。




会談したなんてどこにも書いてない?ハハッ、タイトルには会談当日としか書いてないんだぜ?まあ、たぶん会談は水曜、金曜で上げると思うよ

黒のアリスさん、ほんと毎回誤字報告ありがとうございます

―2017/3/25追記―
粉雪吹雪さん、誤字報告感謝いたします

2017/07/18 18:44 3人称に書き換え+ところどころ内容を変更


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第8.5話  乙女2人の会話in会談当日

はい、というわけで前話で天使と九尾が何を話してたかという話です
え?今回はアマテラスとの会談じゃないのかって?ハハッそんなわけ
そもそも吾輩は前話の後書きに水曜、金曜で上げるとしか言ってないんだぜ?つまりどのタイミングで上げるとは言ってない!(言い訳乙
まあそんなことはさておき、どんな話してたか気になるという方のために、今回は試験的に三人称視点でのお送りとなっております


八坂は天と玉藻が部屋を出て、ある程度部屋から離れたあたりでアーシアに話しかけた。

 

 

「そ、それであの・・・何をお話すればよいのでしょうか・・・?」

 

「楽にしてよい。お主に聞きたいことはいくつかあるのじゃが・・・」

 

「なんでも聞いてください。答えられることなら全て正直にお答えします」

 

「ほう、では聞かせてもらおうかの。まずお主と天殿はどこでどのように出会ったのじゃ?」

 

「ふぇ?あ、はい。天さんと初めて出会ったのは彼が住む町で言葉が通じず困っていた私に英語で話しかけてくれたことがきっかけです」

 

「ふむ、天殿に少し話は聞いておるが教会を追い出されたというのは本当かの?」

 

「はい、大怪我をして倒れていた方を神器で治して差し上げたところ、その方が悪魔だったらしく、破門され追い出されてしまいました。ですがそのことに後悔はありません。そのおかげで天さんという素敵な方に出会えたのですから」

 

 

玉藻はここまでのアーシアとの会話の中に、違和感は一切感じなかったが、天の話題に触れたときにアーシアの顔が緩んでいたり、少し強張っていたり、声色が違うことに気づいた。

 

 

「ふむ、アーシア殿は天殿のことが好きなのじゃな」

 

「そ、それは・・・あうぅ」

 

「まあそれはよいのじゃが。アーシア殿に一番聞かなくてはならないのはアマテラス様(我らの主)に害意があるかどうかじゃ。とはいえ妾だけでは100%とはいえんのでな。とある妖怪に協力を依頼しておるのだ。さとり、おるのじゃろう?入ってまいれ」

 

「やはりバレていましたか。そちらの彼女の本心を見ればいいわけですね?ああ、返事は結構です。ではもう一度改めて問いましょうか、あなたはアマテラス様に害意がありますか?」

 

 

さとりに問われたアーシアは何も答えない。答える必要がないといわれた事と本心を見る(・・・・・)という言い回しをさとり自身が使ったことでそのような力を持っているのだと考えたのだ。

 

 

「八坂さん、この子は白よ。何の問題もないわ。というか何かに対して攻撃とか絶対できないわよこの子」

 

「お主がそう言うのなら間違いないじゃろう。信頼しておるぞ?」

 

「ええ、信頼してくれて構わないわ。それで?さっきの男の子、紹介してくれるって本当なのね?」

 

「うむ、約束は必ず果たそう」

 

「ええ、信用してるわ」

 

 

 

それだけ言ってさとりはまたどこかへ行ってしまった。天のもとへ向かったのではなく、適当に時間をつぶしに行ったのだろうとアーシアは考えた。そもそもアーシアと天は日本の最高神(アマテラス)との会談が目的なのである。そのことを知っているさとりは会談が終わり、天に時間的余裕があればそのまま、ないのであればまた日を改めて八坂を通して接触を図るつもりなのであった。

 

 

 

              閑話休題(そんなことより)

 

 

アーシアに害意がないと分かったため、問いかける必要がなくなった八坂であったが、ふと、アーシアに悪戯をしようと考えた。八坂は彼女が天に恋心に近いものを抱いているのがさとりが来る前の会話で確信していた。しかし、それが恋心なのか、それとも憧れなのか、はたまた感謝から来る忠義にも似た感情なのか確認しようと思ったのだ。

 

 

「アーシア殿、不躾だとは思うのじゃが聞きたいことがあるのじゃが」

 

「なんですか?」

 

「天殿のことはどう思っておるのじゃ?」

 

「ふ」

 

「ふ?」

 

「ふえええええええええ!?」

 

「そんなに驚くことかのう?お主が天殿のことを語るときどことなくうれしそうな顔をしておったぞ?」

 

 

八坂に言われそんな顔をしていたのかと驚愕するのもつかの間、アーシアは驚愕を顔に出すことなく顔を真っ赤にしていた。むしろ体中真っ赤になっているのではないかと心配するくらいだ。

 

 

「え、えっと。わたし、そらさんのことは・・・あうぅ」

 

「とりあえず落ち着くのじゃ。ほら、深呼吸をせい」

 

「すぅ~~~はぁ~~~~」

 

 

 

アーシアは少しの間深呼吸をしていたが、呼吸が落ち着き、動揺も収まったあたりで素直に返した。

 

 

「天さんのことは好き・・・なんだと思います」

 

「なぜ疑問形なのじゃ?」

 

「私は教会を追い出されるまで普通の友達が1人もいませんでした。追い出される以前は聖女と呼ばれ、1日のほとんどをケガや病気を治してほしいという方の治療に使っていました」

 

「ふむ」

 

「聖女に友人や恋人など必要ないという教会の理念があったので、私には感謝してくださる方はいても仲がいいと言える友人はいませんでした」

 

「教会を追い出されて日本に来て、天殿と出会い優しくされて友人になってもらったというわけじゃな?」

 

「はい、ですから私にはこの天さんに向ける感情が友愛からくるものなのか、恋愛感情からくるものなのかがわからないんです」

 

「なるほどの。では想像してほしいんじゃが、もしもお主以外の女子が天殿と結婚することになって天殿と距離御置かなくてはならなくなったr「いやです!そんなの・・・そんなのは嫌です・・・!」」

 

「それが答えじゃろう。お主はそれほどまでに天殿を好いておるということじゃよ」

 

「うぅ・・・!」

 

 

嵌められたアーシアは自分の感情を自覚して赤くなりつつも嵌めた張本人である八坂を睨み付けていた。まあ、裏の世界で抗争なんかを繰り広げたこともある八坂からすればアーシアが睨み付けてくることなど気に留めるようなことではないのだが。そもそもアーシアが睨み付けてもかわいいだけである。^^;

 

 

「アーシア殿、いいことを教えておこう。妖怪の中では一夫多妻が部分的に許されておるのじゃ。妾は娘である九重を嫁にするか妾自身が嫁になることで天殿を妖怪の、ひいては日本勢力の敵にしないようにと思っておる。その場合にアマテラス様に承認されるか妖怪のトップになることで一夫多妻が認められるのじゃ」

 

「つまり天さんの隣にいたければ日本勢力に付けということですか?」

 

「そもそもの話じゃが、アーシア殿は教会から追い出されたため寝床も何もないわけじゃろう?」

 

「はい・・・」

 

「そう落ち込まずともよい。日本神話につくということはお主の信じておった聖書の神や教会を裏切ることにもなろう。じゃが何もお主が信じておったものまで否定するつもりはない。聖書の神を信じ続けるのもよし、アマテラス様を信じるのもよしじゃ」

 

 

 

その言葉を聞いたアーシアは裏切ることになっても、自分を掬ってくれた()のそばにいたいと願った。それでも信じ続けてきた主はそのまま信じたいと。だが、アーシアは自分を利用していた教会に文句はなかった。一度は殺される寸前くらいまで行った。だがそれは堕天使に殺されかけたのだ。とはいえ計画を知っただけで天が完全に妨害してくれたおかげで死ぬことはなかった。だがどこの勢力にも所属しない宙ぶらりんの状態がどれだけ危険かをすでに身を持って体験してしまっているアーシアは日本勢力につくことを固く決めたのだった。

 

 




今回登場したさとり様と東方のさとり様はほぼ無関係です
着想はぬらりひょんの孫の妖怪『覚(悟だっけ?)』から、だってあの妖怪九尾の狐(羽衣狐)の配下なわけやん?だったら同じ九尾の狐である八坂さんにも同じような部下(もしくは友人)がいてもええやろ?そしてぬら孫そのままだとあれだから容姿は東方のさとり様を黒髪ロングにしたような容姿です。あと小五ロリでもないです。身長160㎝、3サイズは・・・うわ何をするやめろ!?
すいません自重します。でもこれだけは言っておく、スレンダーです。あとさとり様の能力は全ての生物(動物?)本心を見ることができるみたいな感じですがうちのさとりは自分より圧倒的に実力が上の者の本心はわかりません。そして実力の定義は能力や神器なしでの身体能力やその他武術などの腕です

Q.いつ八坂が落ちたのか?
A.自分の知らない未知の力を使ったというのもあるが、三大勢力が嫌いだということと何も知らなかったとはいえ、敵意の全くない人間(天)に敵意を向け、武器を向けたにもかかわらず、自分を一切悩むことなく許してくれるほどの器のでかさ、そして九重が無礼なことを言っても笑って許したことが大体決め手

Q.九重は天のことをどう思っているの?
A.珍しい人間の客人

Q.アーシアはどれくらい天のことが好きなの?
A.死が二人を分かつまでの誓いができるくらいには

俺に本格的な恋愛を描くのは無理なんや、許してくだされ。原作でも割とチョロインなこともあって正直チョロインになってしまうのもあるんや
なんて言い訳をしつつ、投票者の方々、コメントをくれる方、ここまでついてきてくれてる読者の皆様、お気に入り登録してくれた方、感謝いたします

ps.黒のアリスさん、誤字報告感謝します


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第9話  会談

今回は会談に入りますよ?ちゃんと入ります。まあ、正直会談になってないと思いますけどね?
今回も試験的に三人称にします。あと、どうせなら番外編というか一誠サイドをこれとは別に出そうかなと思ってます。活動報告でアンケートを取ろうと思っています。書いた方がいいと思う方は1、書かなくてもいいという方は2という方式です。できれば理由もあると嬉しいです


天は部屋を出てから九重に捕まってしまい、どうせ暇なのだしと遊んでいたのだが、遊ぶだけではいけないと九重が勉強を見てほしいと言い出した。天は快く了承し、勉強を見ていた。まあ、天は国語などが得意なのだが、九重も日本の妖怪ということもあって読み書きそろばんは普通以上にできてしまう。なので

 

 

「九重、ここ間違ってるぞ」

 

「むぅ・・・本当かの?」

 

「ああ、ここのrightは正解とかの意味じゃなくて右だ。ほら、そのTurn right at City Hallって文、最後の2つの単語で市役所、最初の単語で曲がるって意味だ」

 

「なるほどのぅ・・・。やはり英語はむつかしいのじゃ、なんで文字が同じなのに意味がこんなに違うのじゃ」

 

「いや、日本にも同音異義語だとかいろいろ面倒な違いがあるだろう?世界で一番難しい言語は実は日本語って言われてるんだぞ?」

 

「そんな馬鹿な!?日本語は発音もしやすくわかりやすいじゃろう!?」

 

「まあ、日本人の発音とかより外国の発音の方があっちからしたら一般的だってことだろ」

 

 

 

とまあ、英語のお勉強をしていた。耳と尻尾を隠せば、普通人間の美少女にしか見えない容姿である九重は、外国の普通の観光客なんかからたまに声をかけられるらしい。人間世界に興味を持っているのはまあなんとなくわかるようで、天が同じ立場なら、確実に九重より周りに心配をかける行動をとるだろう。(生まれと育ち的な意味で)純日本妖怪の九重は英語が大の苦手なのだが、同じ世代の子供たちや、親世代なんかでも普通に英語ができないらしい。なので人間界の普通の高校に通っている普通じゃない天に英語を教えてもらっているのだ。

 

 

「道案内くらいはできた方がいいな、確かに」

 

「そうじゃろう?内緒で人間界に行っているから母上たちには教えてもらえなくての」

 

「役に立ったか?」

 

「うむ!たまに教えに来てくれると嬉しいのじゃ!」

 

「あいよー、アーシアにもたまに手伝ってもらうかな」

 

 

 

天がそう言ったタイミングでちょうど準備ができたからと玉藻が天を呼びに来た。それに従い、天は八坂の部屋に歩いていき、3度ノックしてから入った。

 

 

 

「八坂、アーシア。話は終わったんだな?」

 

「はい、楽しかったです」

 

「アーシア殿にはいろいろ聞いたがの、さすがに乙女の秘密じゃ。天殿、思考を覗くでないぞ?」

 

「わかってるさ」

 

「それとアマテラス様があと5分後にいらっしゃる。できるだけ粗相のないようにするんじゃぞ?」

 

 

 

八坂がそれだけ言うと部屋の中から会話がなくなった。主にアーシアが慌てていたが、雰囲気が悪くなったわけでもないので天も八坂も苦笑しているが何も言わない。

そして、5分が経過し、アマテラスが神々しく現れた。天は思ったことだろう、「まぶしいからわざわざ後光をさしてんじゃねえよ」と。なぜわざわざ室内だというのに神々しさを出すために後光を使ったのかは本人(神?)のみが知るところだろう。八坂は膝をついてアマテラスに歓迎の言葉を送っている。

 

 

「アマテラス様、今日はこのような場にお越しいただき誠、恐悦至極」

 

「あー、そういうのいいわよ。それで?その子達が例の?」

 

「何が『例の』かはわからんが多分そうだ。俺があんたを呼んでもらった張本人だ」

 

「なるほどね、それで?要件はできるだけ手短に頼みたいんだけど」

 

「要件は3つほどあるんだがとりあえず最優先で個のアーシアを日本勢力で保護してやってほしい」

 

「なんでかしら?日本人どころか日本育ちですらない子を保護してほしいってことがどういうことかわかってるのよね?」

 

「わかってないわけないだろう。だからこうやってトップに来てもらったんだよ。下っ端に承認されたとしても、トップのあんたが駄目だと言えば日本勢力からの保護はないものになる。それを知らずに生活してしまったら死の危険があるんだからな」

 

「なるほどねぇ。もしその子を日本勢力で保護したとして私たちにどんな利点があるのかしら?」

 

 

 

アマテラスは少しの動揺も見せない。普通なら無礼だと言って話も聞かない神の方が多いだろう。だが、日本のトップであるアマテラスは、基本的に祭りや神無月(一部地域では神有月)に日本人や自分以外の神たちとバカ騒ぎをするのが好きな方なので多少言葉使いがアレだとしてもキレたりはしない。そして冷静にアーシアを保護した時の利点を聞いてくるあたり、厄介な相手になるだろうと天は考える。

 

 

「利点は2つほど。まずは三大勢力のどの勢力にも属させないことで回復系の神器を自分の手元に置いておくことができることだ。おそらく欠損部位も直すことができる強力な神器だ。それがあのクソ悪魔どもに無理やり転生させられてみろ。下手に三大勢力が徒党を組んで来たら、三大勢力が体力とか魔力が回復したら、死なない限り何度でも前線に戻ってくるんだ」

 

「・・・確かにそれは厄介ね。それでもう1つの利点は?」

 

「もう1つの方は無理やり悪魔に転生させられたときなんかに攻め滅ぼすための理由づくりと、俺が個人的に日本勢力に協力するってくらいだな」

 

「あら、確かに攻め滅ぼすための理由になるのは魅力的ね。でもあなたが日本勢力につくことがメリットかどうかわからないわね」

 

「俺はいろいろと特殊でな。後天的にいろんな異能に目覚めたんだよ」

 

「へぇ?例えばどんな異能があるのかしら?見せてもらっても差し支えないかしら?」

 

 

アマテラスは胡乱げな表情で天を見つめた。それもそうだ、後天的に目覚めるような異能は神器か努力によって得られる仙術や魔術、魔法の類だ。それで自分たちのメリットになるわけがない。それに高位の魔法使いでも自分たちが力を使えばたとえ数100相手だろうと魔法を使われる前に対処できる。そのためアマテラスは天にほとんど期待していなかった。アーシアさえ保護すれば天の協力がどうとかはどうでもよかった(・・・・)のだ。

 

 

 

「じゃあとりあえず、アリバイブロック」

 

 

そういって天はアマテラスに触れて、富士の樹海に飛んだ。正直春先なので富士の山頂に飛ぶような自殺行為はしなかった。まあ、死んだとしても手のひら孵しの能力で生き返ることはできるのだが。

 

 

「ッ!?いったい何をしたのかしら?あなたがよくわからないことを呟きながら私に触れたと思ったら富士の樹海に転移してるなんて」

 

「まあ、そういうスキルだよ。まあ、相手に触れる必要もスキル名を言う必要もないんだけどな」

 

「便利な能力ね・・・。兆候すら読めなかったわよ」

 

「まあ、ほかにもスキルの掛け合わせで回避不能の攻撃もできるんだけどな。あとはあんたが兆候を読めなかったのはすべての感覚を乱すスキルも併用したからだな。」

 

「何それ・・・誰に使ったのよ。というかどういう能力なのよ。あと後半はぜひとも詳しく聞きたいわね」

 

「使った相手に関しては北欧神話のオーディン(クソジジイ)だ。正直拉致された上に言い訳がイラッと来たから使ってやった」

 

「なかなかやるわね・・・知識欲におぼれたとはいえ仮にもかなり信仰を集めて実力も十分なあの爺さんに攻撃するとか・・・」

 

「感覚を乱すスキルについては例えば触覚を乱して立っているのか寝転がっているのかわからなくしたり、もっと実用的な使い方なら、魔力、妖力、神力、あと天使とかが使うらしい光力だっけか?あれを操る感覚を乱して使えなくさせたり暴発させたりとかな」

 

「聞くだけで恐ろしいわね・・・。他にも能力‐‐‐‐‐スキルだっけ?‐‐‐‐‐はあるんでしょうけど聞かなくても十分ね」

 

 

こんな会話をしているがアリバイブロックを使って八坂の部屋に戻っている。そして、北欧の主神に攻撃したということもだが回避不能という時点で全員顔を引きつらせていた。なお、顔を引きつらせている理由はそれだけでなく、イラついたからという理由で主神に喧嘩を売って生きていることも要因である。

 

 

「それはつまりアーシアを保護してくれるってことでいいのか?」

 

「保護することを約束するわ」

 

「そう言ってくれてありがたい」

 

「そちらも忘れないでよ?私たちに協力するって約束を」

 

「わかってるよ。スキルのちゃんとした説明はしてほしいならまた日を改めてだが、どうする?」

 

「そうね、ほかの勢力にさとりみたいに、心が読める力を持っている者がいるかもしれないし、聞かないでおくわ」

 

 

それだけ言って会談と呼べるのかどうかわからない天とアマテラスの話し合いは幕を下ろした。

 

 

・・・余談ではあるがアーシアは聖書の神を信仰したままでいいということであった。

 




正直、九重とか日本妖怪たちは江戸のちゃんと寺子屋に通える富裕層くらいの学力だと思います。というか日本の学力ピークはゆとり前だと下手をすれば江戸くらいになるのではないかと戦々恐々としています。あの時代は勉強の本とか寺社仏閣とかに数学の問題解いては次の問題を解いた人間が描くみたいなことやってたらしいし

あ、あとアマテラスの容姿はパズドラのアマテラスオオミカミ(光究極)です。ついでに性格は大体八雲紫と博麗霊夢を足して2で割ったような感じです


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第10話  龍神、再び

月曜に書いて出そうと思ってたら月曜書くの忘れるっていう・・・
金曜には多分次上げると思います

今回は三人称視点(英雄派)です。英雄派の視点だけど個人の視点ではないのでこんな感じになりました


曹操は困っていた。自分たちの首魁であるオーフィスが、またどこかへ行ってしまったのだ。行先にはある程度見当がついている。だが、そこで何かトラブルを引き寄せている可能性が高かった。なので、ジャンヌやジークフリートについてくるように、ゲオルクには、何かあったときのサポートを命じてオーフィスがいるであろう場所に向かった。

 

 

「はぁ・・・。オーフィスには困ったものだな」

 

「そうね、オーフィスがいないと私たちのどの目的も達成できないから、どこかに行く時は最低でも1人監視をつけるか、どこに行くかを伝えてるようにっていつも言ってるのにね」

 

「まあ、今の容姿はアレだが・・・。あれでも世界最強の一角だ。奴が出張ってこない限り死ぬことはない」

 

 

 

転移できるのが人目につかない場所に限られるため、山に転移してから走っているのだが、全員が6㎞の道のりを時速30㎞程度で走っている、その中でこのように話をしているのだ。すれ違った人々は異様なものを見るような目でTwitterだったりLINEグループだったりに教えているのだが、それがどう評価されたかは完全に余談である。

 

 

 

「それで、どうしたら我を手伝ってくれる?」

 

「いやまあ、手伝えって言われてもなぁ・・・」

 

「・・・」

 

「そんな目で見られても・・・」

 

「まあ、グレートレッドさん?って方を倒してほしいってことですよね?その方はどれくらい強いのですか?」

 

「この世界で最強。我では少なくとも勝てなかった」

 

「そんな存在に普通とは言えないけど人間が勝てると思うか?いや、確かにドラゴン退治とかは古来から人間がやってたらしいが・・・」

 

「我とお前ならいける。お前から我と同じ無限の力を感じる」

 

 

 

オーフィスと話している少年と少女。少年についてはジャンヌと曹操は会話もしたことがある。裏側に通じているかはわからないが少なくとも自分たちでは彼が特殊な力を持っているなどということはわからなかった。つまり、神器を持っているわけではないのだろう。とはいえ、オーフィスが『自分と同じ力を持っている』と言っているのだ。曹操もジャンヌもその力について知りたいという欲求がある。

 

 

「その話、少し詳しく聞かせてくれないかな?」

 

「また会ったわね、日本人の少年」

 

「初めまして、僕の名はジークフリートだよ。君たちの名を教えてもらえないかい?」

 

「ああ、ジャンヌと曹操か。久しぶりだな。あとジークフリートさんだな?初めまして、名前は前回そっちの2人に会った時に伝え忘れてたからちょうどいい。俺は月海天だ、それでこっちの金髪美少女がアーシアだ」

 

「ちょっと、惚気ないでくれるかしら?」

 

「そんなつもりはないんだが・・・そもそも俺はアーシアと付き合っているわけでもないからな」

 

 

 

平然とそう言い払った天と、天の言葉の前半で顔を赤くし、後半を聞いて落ち込んだ様子のアーシアが対照的だと思いつつも、曹操はもう一度問いかけた。

 

 

「それで、今オーフィスが言っていたオーフィスと同じ力を持っているってどういうことだ?」

 

「あー・・・。とりあえず何を話せばいいんだか」

 

「話したくないことは話さなくてもいい。だが一つだけ確認させてくれないか?」

 

「何を確認したいんだ?」

 

「君は神器というものを持っているのか?」

 

「いや、あいにくそんなもんとは縁もゆかりもないね」

 

 

その答えを聞いて、曹操は英雄派に取り込むのは難しそうだと考える。そもそも天が特殊な力(スキル)を持っていると知っているのはこの場ではアーシアだけである。差別されたりいじめられたりなどという過去を持っていないため取り込むのは不可能に近い。だが、それは日本神話と繋がりがあると知らないからできる考察だ。日本神話から保護を受けているという状態で、テロ集団に加担することはないだろう。

 

 

「とりあえず悪魔だとか、堕天使だとか、神だとかが実在するってことは知っている」

 

「本当かい!?それなら話は早い!僕たちの仲間になって三大勢力の討伐を手伝ってくれないかい?!」

 

「まあ待てジーク、天君に聞かなければならないことがあるといっただろうが」

 

「俺のスキル()のことだな。オーフィスが言っている『無限』ってのは俺の持っているスキルの1つのことだな」

 

「持っているスキルの1つ・・・?」

 

 

 

スキルの1つという部分に反応したのはジャンヌだけではないが、曹操は声に出さず何かを考えている。ジークは興奮していて何も考えていない。オーフィスは興味津々といった様子で話を聞いている。天はというとさらっと入れたヒントに気づいたジャンヌと曹操は頭がいい、オーフィスは普通の子供と変わらない、ジークフリートはただの馬鹿。そう位置付けた。そう考え、天は日本神話に教えているスキルの内の一部だけを教えることにした。

 

 

 

「ああ、俺にはあといくつかスキルがある。例えば感覚を乱すスキルだったり、転移のスキルだったりな」

 

「俺からも頼む、俺たちの仲間になってもらえないだろうか?」

 

「無理だな」

 

「ッ!なぜだ?俺たちの仲間になるデメリットは特にないはずだが」

 

「メリットもねえからな。それに俺は日本神話、妖怪勢力の下に入っている。まあ、ギブアンドテイクのようなもんだけど裏切るつもりも理由もないんでな」

 

 

 

そういう天にオーフィスは不満そうな顔をしていた。そして何かを思いついたような顔に変わる。それを見た曹操は嫌な予感がするもオーフィスが何を言うかを待った。

 

 

 

「なら日本勢力を消せば天は我に協力してくれるのか?」

 

「ねえな、そんなことをしても無駄だぞ。保護が必要だったんじゃねえ。保護されてるという事実だけが必要だっただけだ。どこかの勢力に保護を求めて三大勢力に宣戦布告するための理由を作っておきたっただけだ」

 

「君は・・・なぜそんなにも三大勢力に敵意を?」

 

「敵意ってかなぁ・・・。日本神話なんかに許可を取らず領地を盗んで管理していると言ってはぐれを放置している。気づいてないのか上司なんかから依頼を出されない限り討伐もしねえ。そのせいで死んだ人は親兄弟友人全てから記憶を抹消している。そんな奴らをどうやって好きになれる?」

 

 

 

曹操は自分の思い違いを恥じた。同時に確かにそうだとも思った。駒王の管理者と名乗っていながら日本勢力に許可を取らず不法に占拠していることも調べがついている。日本勢力に保護を受けているのだから、そのくらいは教えられているのだろうという程度の考えだった。・・・日本勢力の保護下に入る前に三大勢力のことを知っていたなどと、スキルをほとんど教えてないのにわかる人間がどれほどいようか。

 

 

 

「では、三大勢力とは敵対するがそれ以外とは敵対する気はないと?」

 

「あー、どちらかというと敵対されなきゃ自発的に敵対はしないだろうな」

 

 

 

それを聞いて満足した曹操は、オーフィスを言いくるめて、ジャンヌやジークフリートとともに帰って行った。アーシアが空気になっていたが、彼女はオーフィスのことを心配していた。

 

クラスメイトに見られていたようですこしの間、天がロリコンだとか、金髪の美少女の彼女がいるとか噂されてしまうことになったのだが、完全に余談である。




思い付きで書いているため一切予約投稿せず、書き終わり次第投稿しています。
なのでときどき不定期になると思います。あと、友人に原作を借りたので一誠サイドを書く前にある程度読んでいると思います
活動報告に一誠サイドを書いてほしいか否かのアンケ出してるから参加してくれると嬉しいです。強制はしませんけどね。あと、1つ。私は原作を暗記できるほど読み込んでも中途半端な知識であると考えています。原作者の考えをすべて理解できるわけではないこと、そしてなにより自分以外の読者及びSSの作者様方の感じ方などわからないこと。なので原作を読み込んでも自分が持っているのは中途半端な知識であると言い続けます


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第11話  眷属紹介

とりあえず金曜出すって言ったのに出せなくてすまんかった。
普通(MT)の仮免がとれるの2/28からだったんだけど28と3/1には学校があって取りに行けず、3/2には普通に仮免前最後の教習があり、3/3(昨日)には仮免取りに行ったんすよ。一応一発合格でした

誤字報告がありましたのですが、そこはミスではないことを宣言しておきます。ですが、誤字報告自体には感謝いたします


 リアス・グレモリーやソーナ・シトリーたち悪魔が休日に何をしているのか気になっていた天は、とりあえず一番問題がなさそうな一誠に欲視力を使った。すると最近悪魔になった一誠に悪魔の常識や、ソーナの眷属の紹介顔合わせをしているところだった。

 

 

「こんにちは、リアス。眷属の顔合わせをするという話だったから来たのだけど」

 

「ええ、入ってきて。ソーナ」

 

 

 その会話の直後、オカ研の扉が開かれた。そこにいたのは生徒会長である支取蒼那と、去年、生徒会庶務に当選した匙元士郎がいた。それ以外の眷属は連れてきていないようだった。

 

 

「あれ?生徒会長と・・・匙だっけ?」

 

「紹介するわね、この子は兵藤一誠。最近私の眷属ポーンになった男の子よ。それでイッセー、ソーナは悪魔よ。私と同じ上級悪魔。眷属は生徒会のメンバー」

 

「こうして話をするのは初めてですね、兵藤君」

 

「あ、はっハイ!部長から紹介にあずかりました兵藤一誠っす!悪魔としては初めまして!」

 

「ええ、それで今度はこちらの紹介をします。この子は匙元士郎、ポーンの駒4つで転生しています。宿している神器はアブソーブション・ライン黒い龍脈です。」

 

 

 

 自分の主が自分の紹介をしているのに、少し不機嫌そうな匙の様子に内心ため息をつきたくなっているソーナとそんなことには一切気づいていない一誠。リアスは気づいているようだがあえて指摘をするようなことでもないだろうと放置している。

 

 

 

「匙、これから悪魔としてよろしくな!」

 

「こっちはお前と仲良くなんてしたくねえけどな」

 

「匙、本心から思っていることを率直に言うところはあなたの美点だと思っています。ですが眷属の紹介をしているときにそういうことを言うのh「会長!」」

 

「すみません。でも、どうしても言っておかなきゃいけないんです」

 

 

 

 なぜ匙が自分を毛嫌いしているのか、一切わかっていない一誠と、自分の眷属の躾もできていないのかと憤るリアス。そして何より、匙の気持ちをよくわかっていた。生徒会だからこそ知っている情報があるソーナは、匙の言葉を遮ることなく次の言葉を待った。

 

 

「なんで俺がお前のことを毛嫌いしているのかわからねえって顔をしてんな。わかんねえなら教えてやるよ、お前たち変態トリオのせいで男性不信になった女子生徒が何人いると思っている?1人や2人じゃねえんだよ!てめえらは自分の欲求を満たしていい気分だろうよ。だけどな、女子の気持ちを考えたことがあんのか!?お前らが怖くて女子高に転校した女子、父親に触られることにすら恐怖を覚えている女子がいるんだよ!!それでなんだ?お前はハーレムを作りたいだ!?ふざけてんじゃねえぞ!女子に対するセクハラ、教室内での堂々とした猥褻物陳列、この辺に対する苦情だけでも生徒会や教師がどれだけ迷惑を被ってんのかわかってねえのか?!」

 

 

 

 匙の怒りや、言い分が正当で、毛嫌いしているということを隠そうとしていない態度に納得のいった小猫と木場だったが、一誠は正論を言われたことに怒ったのか反論を始めた。

 

 

「てめえな・・・!俺の目的はハーレムを作ることだ!だから元女子高で男子の少ないここに必死に勉強して合格したんだよ!!お前にわかるか!?小学校、中学校とモテずにいた俺の気持ちがよォ!女子の着替えを覗いたり同士とお宝を見せ合ったりすることの何が悪いってんだ!」

 

 

 

 その支離滅裂なうえ、理不尽な暴論にとうとう我慢の限界が来た匙は一誠の顔面を全力で殴った。

 

 

 

「ッテエな!!何しやがんだ!」

 

「何をするだァ?決まってんだろ、てめえを殴ったんだよ。女子はてめえのおもちゃじゃねえんだよ!それをてめえは女子は自分の性欲を満たすための道具だと思ってんのかッ!大勢の女子がてめえらの覗き行為に傷ついてんだよ!」

 

 

 

 その匙の言葉を聞いて、木場と小猫は兵藤を押さえつけ、暴れられないようにし、ソーナは眷属紹介は、失敗に終わってしまったと考え、2つ目の要件を伝えることにした。

 

 

 

「リアス」

 

「なによ・・・?」

 

 

 

 匙の言葉に納得のできてない、むしろキレている一誠と同じように、不満そうな雰囲気を出しているリアスにソーナは

 

 

 

「使い魔の森の件です」

 

 

 

と、オカルト研究部の部室に訪れた2つ目の理由を切り出した。

 

 

 

「眷属の紹介は失敗・・・というか溝を深めただけになってしまいましたが、そのお詫びということで使い魔の森に先に行くのはあなたたちに譲ります。それでこの場は収めてくれますね?」

 

 

 

そう、目が笑っていない笑顔でリアスに言い放ったソーナ。その顔を見た匙は、綺麗だと感じると同時に、自分が迷惑をかけてしまったんだという自責の念に駆られた。

 

 

 

「わかったわ。それで手を打つ。一誠も宥めておくわ」

 

「ありがとうございます。では私たちはこの辺で失礼します。匙、行きますよ」

 

「わ、わかりました!」

 

 

 

 匙はこの後自分に待っているであろうお仕置きにおびえながらソーナの後についていった。

 そしてソーナたちの去ったオカ研の部室では、押さえつけられていた一誠が解放されていた。

 

 

 

「イッセー君・・・」

 

「変態先輩、あなたは本当に女性の敵ですね。何ですか?実は私をストーカーして着替えを覗いてたりするんですか?」

 

 

 

 まともな2人に嘆息され自分の行いを全否定されたうえ、後輩からは疑われてしまい、一誠は自分自身を全否定されたような錯覚に陥った。そして木場に理不尽な怒りをぶつけ始めた。

 

 

 

「モテモテなお前にはわかんねえだろうよ!ハーレムを作りたいからこの学校に来たんだよ!それでも持ててるのはお前みたいなイケメン野郎だけだよ!女子が男子の倍以上いるのにおかしいだろ!!?」

 

「そういう思考だからモテないどころか嫌われるんですよ。そもそも覗きなんてしてるのにモテるわけがないでしょう」

 

 

 

 木場は小猫に目配せしてすべて否定してもらった。木場自身が言い返していたら、おそらく一誠は殊更燃え上がっただろう。そう考えた木場は小猫に否定させることで一誠の怒りを少しでも殺そごうとした。

 効果は覿面だった。一誠の理不尽な怒りは(不満げな表情ながら)なりを潜めていた。

 

 

 

「んっ、んんっ!」

 

「あらあらうふふ」

 

 

 

 そんな状況を微笑ましいものでも見ているかのように見ている姫島朱乃、そして話が終わったのならと、リアスはソーナが詫びとして譲ってくれた使い魔の森のことを説明するために注目を集めようとした。

 

 

 

「イッセー、今から使い魔の森に行くわ」

 

「使い魔の森・・・ですか?」

 

「ええ、使い魔についてはある程度分かるわよね?」

 

「はい、自分の相棒になるモンスターとかのことですよね?」

 

「そうよ、使い魔マスターのザトゥージさんが私とソーナの眷属に新しい子が増えたら使い魔と契約するときにお世話してくれる約束なのよ。でも、さすがに2つの眷属につくことはできないから先に使い魔の森に行く方から1ヶ月後くらいになるのよ。あと、私の使い魔は見たことがあるはずよ」

 

 

 

そういってリアス眷属は次々に使い魔を呼び寄せたが

 

 

「お前のはいいや」

 

「つれないなぁ」

 

 

 と、木場の使い魔には興味を一切抱いていなかった。そして現れた使い魔たちは、リアスが蝙蝠、ただし蝙蝠の形態からヒト型になっていた。朱乃の使い魔は小鬼、小猫の使い魔は彼女のイメージに合った白い猫であった。木場は使い魔を出さなかったため一切わからなかった。

 

 

 

「ソーナの眷属の子と問題を起こしたときはどうしようかとも思ったのだけど、あちらが譲ってくれるというなら先に行くしかないわ。明日の朝に行くから心の準備だけはしておいてちょうだい」

 

「わかりました!」

 

「まあ、それはそれとして」

 

「?」

 

 

 

 いい返事をした一誠だったが、その返事の後のリアスの言葉に疑問を抱いた。だがそれはすぐに解消されることとなった。

 

 

 

「顔合わせ早々問題を起こした悪い子には罰を与えなくちゃね」

 

「そ、そんなぁッ!?」

 

 

 

 

 そういってリアスは、一誠の履いているズボンとパンツを引き下げ、尻を丸出しにした後、薄く滅びの魔力ではない、普通の魔力をまとった手で、尻たたきを100回行った。微弱とはいえ魔力をまとった張り手に一誠の尻は真っ赤になり、リアスは成し遂げたような顔をし、なぜか朱乃は恍惚とした表情になっていた。何を隠そう朱乃は自他ともに認めるドSである。一誠の悲鳴を聞いて、気持ちよくなっていた。

 

 

 

「それじゃあ、今日の部活はこれまで。一誠はちゃんとどんな使い魔にするか決めておくこと。いいわね?」

 

「・・・は、はいぃ」

 

 

そうして、リアス眷属たちは各々の家に帰って行った。

 

 

 

 それまでの光景を初めから見ていた天は、匙に一誠が殴られたところで大爆笑、言い訳なのか逆ギレなのかわからん口上で腹筋崩壊。

 さらに追い打ちで自分の仲間に冷たい目で見られた上に、学園のマスコットと評される美少女である小猫に自分も被害にあっているのでは?と本気で疑われ、小猫と一緒に軽く白い目で見ていた木場に逆ギレした後で、軽く小猫になだめすかされて、リアスにお仕置きと称してお尻ぺんぺん(超痛い)をされているところを見た時点で軽く呼吸困難に陥っていた。呼吸困難に陥りかけているところでアーシアが来て、事情を聴かずに神器で落ち着かせてくれたが、天は笑い続けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのころのソーナ眷属と言えば

 

 

「匙、よく言ったと褒めてあげたいのですが、さすがに暴力は見過ごせません」

 

「は、はい!」

 

「なのでお仕置きです。覚悟・・・できてますね?」

 

 

 

 顔面蒼白になりながらも力強く「はいッ!」と答えた匙に、ソーナは匙が一誠にしたのと同じ攻撃(右ストレート)を10回、薄く魔力をまとった拳で行った。匙の顔はかなり腫れていたが、お仕置きが終わった後でソーナがきちんと顔の腫れやその他小さな怪我を治して、生徒会の仕事を終わらせて各々家に帰った。

 




※今回の後書きは、作品自体にはそこまで関係ないので読み飛ばしていただいても構いません

評価とかコメントしてくれる方は本当にありがたい。
ただ、誤解が少しあるようなのでその誤解を解いておきたいと思います。低評価をつけている方を批判しているわけではありません。むしろちゃんとした理由があってのことなら甘んじて受け入れます。

そして自分の作品が万人に受けるようなものでないことも分かっております。原作が本当に好きで主人公のことも好きという方に受けないのはわかりきったことであります。
ですが、私が批判しているのは『設定を先に投稿した段階で』0や1をつけている方です。設定だけで何がわかるのか?1~3話目くらいの時点で投票して低評価の方については面白いと思って読んでもらえるような作品にして見返そうって感じなんですが、設定見ただけで投票した方については何を思っているのかわからないんですよ

中途半端な知識と言っていますし、それについての批判コメントについては返信しておりませんが少しづつ読んでいって、、一誠サイドを書き始める前には1巻から5巻くらいまでは読んでおくつもりです。そのあとも高校卒業して働き始めるとはいえ時間があれば少しづつ読んで行って原作の理解を深めていくつもりです。それでも、私は原作を暗記できるほど読み込んだとしても中途半端な知識という文言を外すつもりはありません。
完璧な知識なんてものはないし、原作について理解を深めても原作者様がどういう意図でどのシーンをどう描いたなんてことはわからないんです。それを読んだだけで理解できたつもりになるのは増上慢が過ぎると思います。
なので、こんな理屈っぽいのにアホで馬鹿でひねくれ者な上にどうしようもない作者ですが、これからも応援してくださる方のために精一杯書かせていただきます


最後になりましたが、こんなクソ長いうえに、特定の投票者様や、コメントをされた方に対してのみの注意のようなものを書いてしまったこと、そのコメントや投票をした方、そして何より普通に楽しんで読んでくださっている方々に、心よりお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした

次回はおそらく3/10以降となると思います

エニィ様、誤字報告感謝いたします


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第12話  使い魔の森(上)

月曜に投稿すると言っておきながらこの体たらく、本当に申し訳ない
だが恥を承知で言い訳をさせてほしい。自動車学校、それも路上教習を2時間連続はさすがにきつい。精神的にできる状態じゃなかった。(などと供述しており(ry)


使い魔の森に兵藤一誠達が行く日になった。天はそれについていこうとしたのだが、アーシアに見つかってしまい、仕方なく彼女もつれていくことにした。天は使い魔というものに興味があったのだ。〇の使い魔だとかFat〇シリーズのサーヴァント、サーヴァンフ〇の吸血鬼などのようなものがすぐに思いつくが、強力なものを使い魔にできれば悪魔に無理やり眷属にされる可能性が低くできるだろうという現金な考え方だ。

 

 

 

 

「人間の言葉を使えるような高位のやつとか魔術を使えるやつとか気になるんだがなぁ」

 

「会話ができるとそれだけでも癒されますよね」

 

「そ、そうだな」

 

「可愛らしい子だといいですよねぇ」

 

 

 

アーシアは戦闘力より容姿を優先するようだ。(護衛としての)戦闘力を優先する天とは逆の理由だった。まあ、天自身もドラゴンとかかっこいいよなぁとか思ってないわけではない。とはいえ天は最悪最低限の美醜の基準さえ満たしていればどのようなものでもいいとも思っているのだが。

 

 

 

「さっきからバブルスライムみたいなのが結構いるがあれってどういう生態を持ってるんだ?」

 

「さ、さあ?私も初めて見ますので全然わかりません」

 

 

 

天は少しの時間だけ欲視力を使い、一誠の思考と視界を覗いた。使い魔マスターとかいうやつに使い魔との契約なんかを手伝ってもらうとか言ってたはずだと思い出したからだ。運が良ければスライムの生態を聞いているのではないかと思ったのだ。・・・まさかスライムの生態が女性の服を特に好み、服を溶かして食べるなんて思っていなかっただろう。

 

 

 

「・・・スライムには極力近づかないようにしよう」

 

「えっ?どうしてですか?」

 

「あのスライム・・・服を溶かして繊維を食うらしい」

 

「えぇ!?」

 

 

 

流石に服を溶かされて食われると聞いてアーシアもスライムに不用意に近づこうとはしなくなった。どこにいるでもなく、それでいてあまり肉体的な損失はない。精神的には異性に裸を見られるということで好きかどうかは別として結構辛いものがある。それはそうとなぜアーシアは天がスライムの生態を知っているうえにらしい・・・と言っているのかを疑問に思っていないのだろうか?

 

 

 

「少しお話良いですか?」

 

 

 

アーシアは別として天も一切気づかなかった。いや、会話に夢中になっていたとかそういうわけではない。自分たちとリアス眷属+ザトゥージ以外にこの森に人?がいるとは思っていなかったのだ。だから話しかけられた瞬間に天はアリバイブロックを使い、5mほど距離を取った。

 

 

 

「もしかして私何かしてしまいましたか・・・?」

 

「ああいや、すまない。いきなり声をかけられたから気が動転してな。君はいったい?」

 

「私はアルトリア・ペンドラゴンです。妹と来たのですがはぐれてしまいましてね。あなたたちは悪魔や堕天使ではないようなので声をかけさせていただきました。それで、妹を見かけませんでしたか?私の印象を少し優しそうにしたような感じなんですが」

 

「いや、見てないな。そうだ、少し悪いと思うのだが少し俺の力で探そう」

 

「それはありがたい。だが申し訳ないとはいったい?」

 

「悪いがそこまでは言えない。ただ、俺が心の底から謝罪しているということだけは信じてほしい」

 

 

 

それだけ言うと天はアルトリアの思考記憶を覗いた。記憶を覗き、はぐれる前の妹を確認した時点で、記憶を覗くのをやめた。次に妹の方に欲視力を使った。できることは少なくなるが、誰かの思考や視界で確認した場所に移動できるし、場所の確認が欲視力でできる。そして妹の場所が分かったと伝えた瞬間にアルトリアは

 

 

 

「本当ですか!?」

 

 

 

と、妹のことをどれだけ心配していたのかわかる反応を見せた。天は感謝とかをいきなりされたせいで少し変な気分になったのだが、少し切迫した状況なようなのですぐにアリバイブロックでアルトリアの妹の近くに転移した。

 

 

 

「ルフェイ!」

 

「お、お姉さまぁあああ!!」

 

 

 

どちらもシスコン気味だった。2体の凶悪そうな魔物を切り捨ててすぐに妹に抱き着いたことに少し引いた。というか天どころかアーシアも少し引いている。笑顔ではあるが引きつっているあたり微笑ましいと思うが驚いたとかそんなところなのだろうか?そもそもどちらも再会できたことで感極まって泣いている。ルフェイとアルトリアの(シスコン)姉妹は近くに天とアーシアがいることを忘れてしまっているようだった。

 

 

 

「お姉さま、お姉さまああ・・・」

 

「よしよし、いい子ですねルフェイ。はぐれて心配していたのですが」

 

「お姉さま、そちらの方々は?」

 

「ああ、彼らはあなたを探すのに協力してくれたんですよ」

 

「そうだったんですか。ええと・・・」

 

 

 

ルフェイはアルトリアから自分を探すのを手伝ってくれたと聞いて感謝の言葉を伝えようと思ったのだが名前を知らないことに気づいた。天とアーシアは自己紹介をしていないことを思い出した。

 

 

「俺は月海天だ」

 

「私はアーシア・アルジェントです」

 

「月海さんとアルジェントさんですね。ありがとうございます」

 

「私は何もしてないですよ、天さんのスキルって言うのが凄かっただけです」

 

 

 

詳細を完全に省いているので何があったかなんてルフェイはわからないので両方に礼を言った。だが、アーシアは自分を卑下しているのか天が凄いと本気で思っているのかわからないが天のおかげだと言い、礼を軽く否定している。

 

 

 

「そうだった、天君。本当にありがとう。君のおかげで妹と無事に再会できた」

 

「気にしなくていい、気が乗ったから手伝っただけだ。報酬をもらう気はないが一つだけ、俺の力に関しては他言無用で頼む」

 

「はい、もちろんです。私たちも自分の力をわざわざ見せびらかしたりはしませんから。あなたもそのような感じなのでしょう?」

 

「まあ、そんな感じだ。俺のことを知ったやつに自分のいいように使われるなんて真っ平御免だからな」

 

 

 

天はこんなことを言っているが、日本勢力に見せた中のほんの一部だけしか見せていない。過小評価されるならそれでも良し。過大評価されていたらそれを訂正。そもそも使い魔の森こんなところにいる時点で普通の人間ではないということはバレているはずなのだ。ならばできる限り過小評価されていた方が移動手段程度にしか思われないだろう。

 

 

「それはそうですね。私も誰かに無理やり使役させられるなど御免被る」

 

「そうですね、自分の都合が悪くなったら切り捨てられますしね」

 

「アーシアさん・・・実体験ですか?」

 

 

 

天に同調していく中でアーシアが少し黒くなっていた。ルフェイはアーシアの天真爛漫というかほのぼのした雰囲気がいきなり暗くじめじめした感じの雰囲気になってしまったことに驚き、まさか実体験なのかと思い聞いたがアーシアは暗く微笑むばかりであった。その状態にアルトリアも驚いていたがすぐに気勢を取り戻して天たちに言った。

 

 

 

「天さん、アーシアさん。私たちの仲間になっていただけませんか?」

 

「結構嬉しいお誘いだな。でも残念だが・・・」

 

「ダメ・・・ですか」

 

「ああ、すでに日本勢力と協力関係にあるからな」

 

 

 

アルトリアも、天によって危機を脱したルフェイも、残念そうな顔をして、しかしすぐに晴れ晴れとしたいい笑顔で

 

 

「そうですか・・・残念ですが今回は諦めます。ですがたまにお茶か何かに付き合ってもらいますよ?」

 

 

 

と言い放ち、天はそれに

 

 

 

「・・・まあそれくらいならいいだろう」

 

 

 

と、たっぷり5秒ほどためて言い、それに満足した2人はそれではまたと言い去って行った。そうしてペンドラゴン(シスコン)姉妹との邂逅は幕を閉じた。

 

 

「そういえばあの2人に使えそうな使い魔の情報とか聞いておくべきだったかな?」

 

「まあ、いいじゃないですか。過ぎたことですし。ゆっくり探しましょう」

 

 

姉妹が去った後、天とアーシアはそんな会話をしていた。




吾輩の主義主張を誤解されてる気がする。文句言うなら書けばいい、低評価をつけるなら書けばいいって言うのは面白くないと言えるのだから自分はそれより面白い作品をかけるんだろうということ。正直に言います。読んでくれた人全員に面白いと言ってもらえるような作品を書くだけのスキルは私にはありません。そういうのはおそらくどんなに有名な作者様でも不可能に近いと思います。面白くないなら自分の感性に合った面白いと言える作品を読みに行ってくださいと言っておきます
後、作品への誹謗中傷はある程度までは許容しています。ですが作者や、ほかの読者様への誹謗中傷は運営に通報しなければいけなくなるのでおやめください


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第13話  使い魔の森(下)

待たせたな(スネーク風ボイス)
高速教習楽しかったです。3/22にあったけど正直ほぼずっとアニメとかマンガの話してました。先生もわかるネタのオンパレード。むしろ俺がなぜそれを知っている?とかそんな感じだったけどね?
後、今回もまた表現がクッソ下手です。文才がないから仕方ないってのもあるんですけどどうにも無理矢理っぽくなります。その辺は許してくれると嬉しいです


ペンドラゴン姉妹が去ってから数分、意外な使い魔(仮)に出会った。

 

 

 

「貴様らは何故ここに来た?」

 

 

 

そう言いながら現れたのは世界で最も有名な怪物。すなわちドラゴンであった。高圧的に、尊大に、それでいて妙に謙虚さを感じさせるような声音だった。容姿は白い。そうとしか言いようがない。汚れなど一切感じさせない純白。その中にインディゴの宝玉にも似た大きい塊が人間でいうところの鎖骨と肩の辺りにある。

 

 

 

「すまないな。ここはあんたの縄張り内だったか?」

 

「ああいや、そうではない。だがそちらの娘は神器を持っているとはいえ、人間には有害な気が充満している。それだけではない、ここに来るには正規のルートを通るか魔術で直接転移してくるかしかないのだ。にもかかわらず、どちらも魔術師という風体ではない。何故、どのような手段を用いてここにやってきた?」

 

「ここに来た理由は使い魔が欲しかったからだ。来た方法は今は明かせないな。アンタが仲間か、敵か、立場がわからんからな」

 

 

 

天がそう言って目的をすぐに明かし、かつ手段は教えなかったところにドラゴンは快活に笑い、言ってのけた。

 

 

「フハハハハ!なるほど、一理あるな!敵かどうかもわからんものに正体を明かせ、力を見せてみろ、そんなことを言われて力や正体を明かすバカはおらんな!!」

 

「わかってくれて何よりだ」

 

「使い魔か・・・人の身で使い魔契約をするということの危険性をわかっているのか?」

 

「危険性・・・ね。例えば自分より強い奴と契約しても逃げられる、最悪の場合殺されるって感じか?」

 

「まあ、そんなところだ。加えてあまりに強力なものと契約すると魔力を大量に必要とする。契約維持や怪我をしたときなんかに再生能力の高い奴だと再生できなくなるなんてデメリットもある。人語を話せないものは論外だ。指示を理解しない可能性が高いからな」

 

 

 

 

と、ドラゴンは理不尽な暴力の化身だとか台風、地震のような災害と同列視されることが多いはずなのだが、天とアーシアの目の前にいるドラゴンは、某赤い弓兵のようにおかん属性なのか、ただ世話好きなのかはわからないが、いろいろなことを教えてくれるらしい。扱いとしてはRPGのその町の事情に一番詳しく説明してくれる番人(モブ)みたいなものかもしれない。・・・まあ、それでもドラゴンなので威圧感とかが半端ないのだが。

 

 

 

「つまり彼我の戦力差(力の差)を教え込んで指示に逆らわないようにしなければならないってことだな?」

 

「まあ、そういうことだ。中には例外もいるのだがな」

 

「例外・・・ですか?」

 

 

 

例外という言葉を聞いてアーシアが疑問を呈した。それもそのはずだ、アーシア自身には戦闘力などないに等しい。そんな自分より戦力にならない使い魔では、天に迷惑をかける可能性がある。ただでさえ、すでに1回、天には迷惑(命を助)をかけて(けて貰って)いる。・・・というかしゃべらなさ過ぎて気づかれているのか、そもそもいるのかどうかすら微妙に怪しくはあるのだが。しかし、ドラゴンはそんな疑問に率直に答えた。

 

 

「ああ、例外だ。例えばユニコーンなんかは美しい処女に従う。そういうのは戦闘力を一切気にしていない。逆に基本的にドラゴンは力か勇気、このどちらかを示せなければ使い魔になることはまずない。これにも私のような例外がいるがな」

 

「あなたも例外に入るんですか?」

 

「ああ、基本的にドラゴンの性質は悪だ。かといって人類に味方をしないというわけでもない。人類の敵になるものもいれば味方になるものもいる。もちろん、中立の立場の者もな。二天龍は人類悪に分類されるだろうな、あいつらと来たら封印されてなお人間に迷惑をかけているのだ!まったくもって腹立たしい。・・・逆に最強である紅の龍と黒の龍は中立・・・というよりは人類、もっと言えば自分以外の存在にはほとんど興味を示さない」

 

「それはほかの生命体がどうなっても構わないと思ってるってことでいいのか?」

 

「ああ、本質は違うが大体そんな感じだ」

 

「そういえば自己紹介をしておくか?」

 

「そうだな、私のことはスターとでも呼んでくれ」

 

 

 

純白のドラゴン改めスターはそう名乗った。おそらく本当の名前ではないだろう。本当の名前のアナグラムのようなものなのか、長すぎるのか。まあ、そんなところなのだろう。

 

 

「俺は月海天だ」

 

「私はアーシア・アルジェントです」

 

「ふむ、月海とアルジェントだな。それでどうする?私が契約してやらんでもないが」

 

「一旦保留でいいか?」

 

「ほう?理由を聞こう」

 

「ドラゴンとの契約に必要な魔力を知らん、何より俺たちがどれほどの魔力を持っているのかもわからん。それが最大の理由だ」

 

「ふむ、では最大ではない理由とは何かな?」

 

「人間みたいな形になれるか?もしくは小さくなる、人形のようになる、ほかの生物に化ける。どんな形でもいいんだが」

 

 

 

そう、そこが心配だったのだ。使い魔とはいえ契約する以上は養わなければならなくなる可能性があるのだ。いや、魔力を供給するという意味ではそれだけで養っているようなものなのだが。それだけでなく、遠くにいても‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐例えば人間界にいても‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐冥界にいる使い魔との契約が切れたりしないのか。そのような心配がある。と言っても、ドラゴンと言えばRPGでは強敵である。つまり魔力供給は戦う時だけでもいいかもしれない。そのようなことを一切知らないまま契約するのはそれこそが危険だと判断したのだ。

 

 

「なるほど、使い魔にするとしても反乱を起こしたり勝手なことをしてどこかの勢力と無駄に敵対するのを控えさせるためだな?」

 

「ああ、理解が早くて助かるよ」

 

「結論から言おう、できる。と言っても半人半龍、いわゆる竜人の形態。完全に人間と同じ形態。そして今のドラゴンの状態。この3つが私の取れる形態だ」

 

「それで、スターと契約したとして魔力供給はどういう風になる?戦闘時だけでいいのか?それとも常に一定量供給しなければならないのか?俺、もしくはアーシアの魔力量で足りるのか?」

 

 

 

 

天は用意しておいた質問をした。実際問題、契約をしても供給しなければいけない魔力量がキャパオーバーしていれば契約しても寿命が縮むだけとかなりそうで恐怖しかない。

だが、そんな恐怖はスターの説明で杞憂だと分かった。

 

 

「いや、契約時に必要な魔力以外は自前でどうにでもなる。例えばその辺の魔物を食べれば魔力が増える、その魔力は体を動かした程度では一切消費されない。それにブレスなどでも・・・そうだな、比較対象としてそこのスライムを5ℓほど飲み込んだとしよう。それに対して火属性のブレスなら全力でも1分ほどは持つ。そもそも使い魔の森は魔力やそのほかの気で満たされている。ここから出ない限りは魔力が切れる心配は0だ」

 

「つまり使い魔の森にいれば俺(かアーシア)の魔力消費は0だと」

 

「そういうことだ。そしてここを出たとしても、今まで蓄えていた分で、激しい戦闘が年に10回ほどのペースで起こっても軽く10年くらいは持つだろう。」

 

 

それを聞いて天たちは絶句した。まさかそこまでの魔力をため込んでいるとは思っていなかったのだ。

 

 

 

「そして、単独行動ができる使い魔なので冥界どころか違う星にいたとしても契約はつながったままだろう。契約時に必要な魔力だが・・・月海もアルジェントも契約分なら十分すぎるほどだ。心配はいらんな」

 

 

 

それを聞いて天は本気で悩んだ。ただし、表情は一切変えていない。考え込んでいるようにも見えない。ただ少し思案しているのだろうと思う程度だ。いったん契約してしまえば何もなければ死ぬまでは確実に魔力に問題はない。かといって単独行動もできるので、下手を打つと契約を反故にして襲い掛かってくる可能性もある。

 

 

 

「先に言っておく。私は一度契約した人間を裏切ることはしない。そんなことをしてはドラゴンとしての、私のプライドを傷つけることにしかならないからな」

 

「なるほど、人類の敵ではないというだけでは最悪裏切られる可能性も考えなければならなかったんだが安心した。よし、契約は俺がする。いいな?アーシア」

 

「はい、構いませんよ。私も懐いてきた子がいましたので」

 

 

 

かくして、天とアーシアの使い魔散策in使い魔の森は終わりを告げたのだった。




契約の場面とかめんど・・・ってか呪文とか必要にならないはずだから勝手に使い魔になるんじゃないかなぁ・・・ほら、ドラクエシリーズの仲間になりたそうにこちらを見ているみたいな感じで
後、アーシアの契約した使い魔は原作と同じですが、性別は雌です


・・・天が契約したスターとか言うドラゴン、いったいスター何ドラゴンなんだ?
スターさんは裏切らないと言っていましたがええ、もちろん例外はあります。自分の意志で悪魔に転生した時、人類の敵としてふるまったとき、この2つのパターンでスターさんは裏切ります

不死蓬莱さん、誤字報告感謝いたします


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第14話  いわゆる日常回的な何か

待たせたな(スネーク並み感
正直に言うよ、新人研修辛い、10日には財布落としてたし・・・免許証だけ届いてたけど他は届いてなかったし
生きる意味ってなんだろう(哲学)、生きていることそのものが生きている意味さ(名言並み感)


いろいろなこと(使い魔決定)とかが終わった後、特にすることもなく、悪魔や堕天使たちもほとんど変な動きをしていなかった・・・のだが。

 

 

「アーシア・アルジェントです、よろしくお願いしますね」

 

「うおおおおおお!!金髪美少女だああ!!!」

 

「しかも守りたくなる系だ!!」

 

「アルジェントさん、お友達になりませんか?!」

 

 

・・・と。アーシアが学校に行きたいと申したため、外国の学校から親の転勤とかの都合で日本にやってきたという設定でまとめて転入手続きをしてもらった。

学校には一応一般的な教育機関を体験してみたいということにしておいた。

そして、転入手続きが終わっていざ転校してきた・・・ということなのだが。金髪美少女、それもかわいい系で儚く、微笑んだ顔は天使のようであった。告白が飛び交うとかないのが奇跡だと思うだろう。

 

 

「おーい、質問とかは時間を取ってやるから待っとけー?それを聞かない奴には質問権はやらんからなー」

 

 

担任がそう言うとぴたりと喧騒が嘘のように止んだ。質問はしたいのだろう。転校生の責務だと思う。美少女だったりイケメンだったらなおさらだ。まあ、天ならそんなことにはならないだろうが。

 

 

「じゃあ、周知事項だ。今日は俺の授業で少し親睦会的なことをするつもりだ。何がしたいかを軽く意見を出し合って決めておくこと。あとは変なことを転校生に吹き込まないこと。以上だ」

 

『はーい!』

 

「じゃあ、残り10分くらいは質問タイムだ。変なことを聞くんじゃねえぞ?特に男子と一部女子」

 

 

 

そう言った後、男性教諭。佐丸良治は教室から出て行った。その後の生徒たちのエキサイティングは結構なものだった。アーシアに対しての質問攻めに、天は我関せずのスタンスだった。

主な質問は、彼氏はいるのか、どんな男性が好みか、友達にならないかという3つだった。それぞれに対するアーシアの返答は、彼氏はまだ(・・)いない、好きな男性のタイプは秘密、ぜひこちらこそお願いしますだった。

 

 

 

「酷いじゃないですか、天さん!せめて助け舟くらいは出してくださいよ!」

 

「いや、わざわざ俺が手伝いに行くと面倒なことになりかねなかったしな。それに友達作りはしたかったんだろう?」

 

「・・・そうですね。ごめんなさい天さん、私のわがままを聞いてくださったのに文句なんて言ってしまって」

 

「いや、不平不満が出るのは仕方ねえだろ。まあ、悪魔連中に目をつけられたから簡単に転入手続きが済んだんだろうがな・・・」

 

 

 

そう、転入手続きが異様に簡単だったのだ。それは後ろで誰かが糸を引いているのではないかと勘繰るくらいには。そんな手を回してまでこちらに恩を売りたいと考えるのは悪魔しかいない。いくら無能とはいえ、外国から、それも天使だ教会だとかの勢力の本丸から来た、『いかにも戦うことなんてできない人畜無害な少女』が神器の気配を漂わせているのだ。支配下に置くか、最低でも監視をしたいだろう。そもそもアーシアはすでにこの町で神器を使ってしまっているのだから。

 

 

「なんであいつあんなに転校生と仲いいんだ?」

 

 

誰かが休み時間に放ったその一言が教室内に波紋を生んだ・・・というよりむしろ静寂に包んだ、といった方が正しいかもしれない。

 

 

「ね、ねえアルジェントさん。月海君とはどんな関係なの?」

 

 

そう、一人の女子がアーシアに勇気を出して聞いた。天以外の全てのクラスメイトがよくやった!という風な表情になった。ただ一人、天だけはしまったという風な顔になったがそれもご愛嬌というものだろう。

 

 

「天さんとの関係・・・ですか。一緒に住んでいるくらいの関係ですよ?」

 

『え・・・ええええええええええええええええええ!?』

 

 

 

正直に答えたアーシアに驚愕するクラスメイト一同。そして止められなかったこと、言葉が足りないことに軽く絶望した天に詰め寄る影が多数。そしてアーシアの言葉に妄想を膨らませる者が数人、絶望に打ちひしがれ、涙を流すものが数人というカオスっぷりだった。

 

 

 

「月海!お前、アルジェントさんと同棲してるってどういうことだ?!」

 

「落ち着けよてめえら。海外からきて言葉が通じてなかった上に廃教会に赴任してきたことにされてたからうちで保護しただけだよ」

 

「・・・恋人とかには?」

 

「なってねえよ」

 

 

 

その会話に落ち込むアーシアだったが、告白をしたわけでもないのだから仕方ないと心を持ち直していた。落ち込んでいる様子のアーシアを見て女子連中が天に恋をしているということを見抜いた。(たぶん誰にでもわかるだろうが)

 

 

 

「ならいいわ・・・。俺らにも一応チャンスはあるわけだ・・・!」

 

 

そういって男どもは自分の席へ帰って行った。女子はアーシアに応援を送っていた。

 

 




新人研修とかの疲れもあって書く意欲がわかなかった。反省している
通算UA50000突破+お気に入り500突破。あと投票者50人突破、ありがとうございます
今回はクッソ短く、内容も薄くて悪いと思っている。まあ、リハビリみたいなもんだと思ってください。そのうち記念回を出そうと思っています。内容に関するアンケートを活動報告で取ろうと思うのでご協力をお願いします


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第15話 エクスカリバー?ああ、アーサー王伝説に出てくる剣のことだろ?

(コメントに対して)月に1話は投稿するといったな、ありゃ嘘だ。正確には『本編』は月に1話投稿するデス。つまるところ番外編や記念回は何回でも投稿するのデス!(ペテ公感


アーシアの転入から1か月ほどが過ぎた。天もアーシアも転入直後ほど質問攻めや大人数(の男子)に囲まれることもなくなった。

だがそれは男子のアーシアへの興味がなくなったとか、ほかに魅力的な転校生が来たとかといった話ではない。単に互いに牽制しあって動くに動けないだけなのだ。女子からするなら玉砕覚悟で突撃するしかないだろうと呆れているのだが。

 

 

「ところで最近妙な噂があるの知ってるか?」

 

「え?なになに?」

 

「いやな、俺も聞いただけで本当なのかどうか知らないんだけどさ」

 

 

その女子生徒(・・・・)の話では

曰く、おもちゃのような剣を振り回している神父がいる

曰く、羽の生えた人間のようなものを見た者がいる

曰く、何もないはずなのに血の匂いがする

曰く、悪魔を呼び出した者がいる

曰く、学園の王子様の雰囲気がいつの日からか急変した

etc.etc.(などなど)気のせいだと思うようなものからUFOを見たという報告同様信用できないもの。実際に身近なこと、そして神父のコスした中二病か何かだと言いたくなるような噂だった。信用に値する情報などないに等しい。

 

 

 

「ふむ・・・あいつの噂話は悪魔とか知る前だったら絶対に信じなかっただろうな」

 

「そうですね。神父様のことについては少しだけですが聞いたことがありますけど。羽根を隠すのを忘れるほど不用心な方が悪魔様や堕天使様、天使様にいるでしょうか・・・?」

 

「さあな、大方噂を撒いて不安の種を蒔いてここら一帯を支配してる気でいる悪魔を疲弊させようとしているのか、もしくはただ戦いたいだけかのどちらかだろうな。あと、悪魔である木場の雰囲気が柔和なものから急変したってのはおそらく因縁の相手がこの町に来たんだろう」

 

 

 

天の予想は当たらずとも遠からずであった。天は木場の様子が急変した前後、特に欲視力を使っていなかった。そのため木場に何があったのかを知らない。まあ、知る必要もないから放っておいてるというのも事実ではあるのだが。

 

 

 

それはそれとして(閑話休題)

 

 

 

「まあ、俺たちにかかわるようなことはないだろう。街1つ滅ぶような戦いとかトラップとかあってもおかしくないとは思うけどな」

 

「そんなことになっては困りますね・・・」

 

「ああ、だがこの学園にいる悪魔なんかがどうにかするだろう」

 

 

 

天もアーシアもそれ以降はそこまで気にすることもなく、出会っ()たことのない者に対しては、欲視力を使えないという欠点から、思考を見ることもできないため、どうあがいても後手に回るしかないのが現状であった。そして管理者などと嘯く悪魔が命を張ってでも街の崩壊を食い止めるだろうという考えだったのだ。そのため、情報収集をほとんどしていない。どこぞの王様の様に慢心してしまっているのだ。

 

 

 

「でも、あの方たちで対処できるのでしょうか?不用心とはいえ挑発のために噂を流しているのだとしたら少なくとも戦争や戦闘が大好きな方ですよね?ということは実力はかなり高いはずです。そのような方をあの方たちは打倒できないように思います」

 

「いつになく辛口だな・・・確かにあいつら自分の領地(と言い張っている土地)に敵が入り込んでても気づかない無能の集まりだけど」

 

 

 

アーシアも天も、悪魔の気付いていないはぐれ悪魔、神父、堕天使を何度も見たのだ。悪魔になっているらしい妖怪。無理やり転生させられたらしい神器持ちの人間。無理やり配下にさせられた下級悪魔など。

いずれも主に反発、主を殺害して眷属をやめた者ばかりだったが、人間に悪意を向けない者もいた。特に元人間だったものや無理やり眷属にさせられたものなどが多かった。そういったものに話を聞いて情報をある程度集めていた。つまり、ここの支配者(仮)は無能であると。力、戦闘力や権力によって問題を解決しているのだと。

そのような奴らに命を預けることほど危険なことはないと考えている。だが、最近は平和であったため、気が抜けていたのだ。

最悪の場合は、そこそこ仲のいい友人たちが死ぬ、自分の親が死ぬ、自分も死ぬかもしれない(あのスキルのことを忘れている)。そのような状況で無能に自分の命を預けたいとは、天も思っていないだろう。

 

 

 

「そろそろスキルによる情報収集をするか・・・。わざわざ自分から危険に飛び込む必要もないだろうが、むしろ放っておいた方が危険になるなら仕方ない」

 

 

 

そういうとアーシアは(なぜか)顔を輝かせていた。その顔を見て天は苦笑いしていた。

ギャルゲーやエロゲ、ストーリーゲーなどで選択肢をミスったような顔だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして情報収集や現状の理解をするのに1週間ほどが過ぎたある日。変な格好をした女が2人、駒王に現れた。俗に言う犯罪者か痴女だろう。ローブを被っていて顔はわからないが体型までは隠せず、女性らしい曲線が見て取れた。

 

 

 

「ちょうどいい、あいつらは(おそらく)教会関係者だろう。ならば剣を振り回している神父についても何か情報を持ってるだろう。記憶を覗くか」

 

 

 

そうして覗いた記憶には有用な情報があった。今回の敵の名前や容姿。目的。そして何より痴女が何者か、どういう立場の人間なのかというのが分かった。そして布にまかれた妙にデカい物も何か分かった。布にまかれているものはエクスカリバー、その欠片を再利用したものだという。それは(・・・)おかしい(・・・・)。なぜならエクスカリバーはアーサー王が死の間際に湖の精霊に返したという逸話がある。ならば天使が持っているのはおかしいのだ。湖の精霊から奪い取ったのか、もしくはエクスカリバーを模したレプリカだろう。アヴァロンが常に所有者の魔力を消費してエクスカリバー()を修復しているとかなんかいうのをwikiとかで見たことがあるな。なら剣だけ作ったレプリカだという線が濃いか?

 

 

 

「ふむ・・・つまりあいつらは教会の人間で間違いなく、ここに根を張っている悪魔たちに邪魔をしないよう忠告しに来たのか。この街の人間が、自分の組織が原因で死ぬかどうかって時に協力を許容できないようじゃ天使とやらも格が知れるってもんだな」

 

「私・・・そんな組織にいたと思うと少し悲しいです。全員が全員責任逃れをしようとしてるなんて」

 

「まあ、幹部とは言え堕天使に厳重に保管してた聖剣を奪われたから焦ってるんだろうよ。そもそもあんなのを2人だけ送り込んでる時点で教会も天使も底なしの馬鹿か戦力差を理解してないかのどちらかだろう。最悪のケースとして天使と堕天使が手を組んで悪魔を潰しに来たってパターンだが・・・」

 

「悪魔、天使、堕天使は三すくみなのでおそらくないと思われます。それに堕天使総督はその、エッチな方ですが戦争する意思はないと聞いたことがあります」

 

「ふむ、なら最悪堕天使総督が戦争を防ぐために何かするだろう」

 




終わり方が微妙ですまない。
それはそうと、とある動画見てたらモードレット狂の転生者がアルトリアに転生してやばいくらいかわいがる作品書きたくなった(小並感

ps.
不死蓬莱さん、誤字報告感謝いたします


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第16話 残念な聖剣コンビ

はい、タイトル通りです。本編へどうぞ


教会から送られて来た使者・・・聖剣所持者とか言う2人は、自分たちより先に派遣された神父たちが惨殺されていることを不思議に思った。それもそうだろう。派遣されたものの悉くが惨殺され、裏の関係者にだけ発見できる(わかる)ように放置されているのだ。

 

 

 

「イリナ、お前はこれをどう考える?」

 

「そうだね、私たちを挑発・・・もしくは私たちの聖剣を求めているのかな?」

 

「ふむ・・・やはりそうか。おそらくは私たちの聖剣を求めている方が正解だろう。そうでないのならわざわざ教会を挑発する必要もない」

 

「エクスカリバーを集めて何をするのかな?堕天使が集めても意味がないんじゃないの?」

 

「さあな、私にはわからん」

 

 

 

聖剣コンビは街を探索してそう結論付けた。否、結論付けたというには確証も足りず、何より結論とも言えないことなのだが。結論が『わからない』では決まらないどころの話ではないだろう。

 

 

 

「・・・それはそうとイリナ」

 

「何?ゼノヴィア」

 

 

 

ゼノヴィアは気になっていたことを聞くことにした。いつの間にやらイリナの持っているものが増えていたのが気になっていたのだ。

 

 

 

「その絵は・・・いったい何なんだ」

 

「これはペトロ様を描いた物よ」

 

「イリナ、はっきり言わせてもらうがね。これがペトロ様のわけないだろう!何なんだこの落書きは!!そんなことよりいつの間にこんなものを入手した!」

 

「なっ!落書きってなによ!信仰心が足りてないからわからないのよ!これだからカトリックは!!これはさっき親切な方が格安で譲ってくれたのよ。聖なるお方が描かれている。主を信仰している貴女にこそふさわしいってね!!」

 

 

 

イリナがそう言い返してきた時点でゼノヴィアは頭を抱えてへたり込んだ。

 

 

 

「ああ、なんでこんなのが私の相棒なのだ。・・・主よ。これも試練なのですか?」

 

「ちょっと!頭を抱えてへたり込まないでよ!あなたって沈むときとことん沈むわよね。これ以上ないって程に」

 

「うるさい黙れ!これだからプロテスタントは異教なんだ!!我々カトリックとは価値観が違う!もっと聖人を敬え!主への信仰を忘れてるんじゃないのか?!」

 

「何よ!古臭いしきたりに縛られてるカトリックの方がおかしいんじゃないの!!」

 

「何だとこの異教徒め!」

 

「何よこの異教徒!!」

 

 

 

そこまで言いあった後、2人は同時に頽れた。

 

 

 

「不毛だ、怒り、猛り狂っても無駄にエネルギーを消費してしまうだけだ」

 

「そうね、でもどうする?わたしたちお金なんてもう残ってないわよ?」

 

「聖剣でも使って大道芸でもするか?全世界どこでも通用する娯楽だ」

 

「いいわね!でも私たち切れるものなんて何一つ持ってないわよ?」

 

「む?その絵を切ればいいじゃないか」

 

「だ、ダメよ!これはダメ!!」

 

 

 

そんなことを言っていては何もできないだろう!とゼノヴィアが言うと何も切る必要はないでしょ!他にできることがあるじゃない!!とイリナが言い返す。

そんなことをしているうちに人だかりができていた。時々警官が職質をしているのが実にシュールだ。

 

 

 

 

「ちょっといいか?」

 

「何よ!!」

 

「何だ!」

 

「ってイッセー君じゃない。どうしたの?」

 

 

 

 

話しかけてきたのが一誠だと分かり、少し態度が軟化し、相棒への怒りが多少軟化した。

いや、軟化したのではなく鎮火したといった方が正しいのかもしれない。

 

 

 

「腹が減ってるんならそこのファミレスで奢るぜ?」

 

「ありがとうイッセー君!やっぱり持つべきものは友ってことね!!」

 

「すまないな赤龍帝。この馬鹿のせいで。だが恩に着る」

 

「ああ、少し話したいこともあったからな」

 

 

 

 

 

 

そう言って一誠主導で近くのファミレスに入った。そこで一誠は言葉通り奢った。・・・奢ったのだ。それがまさか財布の中身の8割ほど削るとは思っていなかったが。

 

 

「それで、話があると言っていたな。何の話だ?」

 

「ああ、聖剣破壊、もしくは奪還の手伝いをしたい」

 

「イッセー君、それはさすがに認められないわ。あなたたちはあくまで私たちは教会の戦士。神の使途なの」

 

「・・・ふむ、1本くらいなら任せてもいいだろう。最悪の場合でも、破壊ができるのならね」

 

「ちょっとゼノヴィア!本気なの?!相手はドラゴンの神器を持っているとはいっても悪魔なのよ!?」

 

「私はどのような状況でも、ベストな形で動き出す。それが大きな仕事でも、小さな仕事でもね。それに最悪、私たちだけで3本の聖剣を破壊できる確率は1割未満だ。私の奥の手を使ったとしてその確率は3割にも満たないだろう」

 

「それでも高い確率だと、私たちは覚悟を決めて日本に来たはずじゃない!」

 

「私は人事を尽くすことを悪いことだとは思わないのでね。それに主に尽くすためにも今はまだ死ぬわけにはいかんだろう。生きて帰ってこそ主への信仰であり、感謝だろう」

 

「前々から思っていたけどあなたの信仰心はどこかおかしいわ!」

 

「いや、おかしくはないさ。使えるものを使う。ぜひ利用してほしいと頼み込んできているものを無碍にするのは主への裏切りにつながりかねないだろう?それに、仲間への愛を主が否定するとは思えんからな。たとえそれが悪魔や堕天使であろうとな」

 

「むぅぅ・・・!」

 

 

 

どうも聖剣奪還に協力することに、異論はないようだった。それだけはわかった一誠と小猫は歓喜した。これで木場に合法的に聖剣を壊すことができるようになったと言えると。

木場がいなくならずに済むと。

 

 




天君、まさかの(初)未登場

不死蓬莱さん、黒のアリスさん、誤字報告感謝いたします


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第17話 コカビエル墜つ(上)

かっこよさそうなサブタイにしたけど中身はあんまり期待しないで読んでくれたらいいです。
次の話を待ってくれてる人がいるから書き続ける。


決戦の夜が来た。教会組、木場がまだいないが、それ以外の戦力は全て集まっていた。

グレモリー眷属、シトリー眷属のトップが言い争っている。部下の一部は間抜けな顔を晒しているが、側近(クイーン)2人はそれを窘めていた。

 

 

「それで、あなたはお兄様・・・サーゼクス様を呼んだのですか?」

 

「お兄様の力なんて借りなくても私たちだけで十分よ!それよりそんなことを言うってことはあなたはもちろんお姉さまを呼んだのよね?」

 

「敵戦力の分析をして最善の手を打つのは基本です。お姉さまに打診して指示も頂いてます」

 

「うっ・・・」

 

「安心してくださいませ。サーゼクス様にはすでに打診しておりますわ」

 

「朱乃ッ!?」

 

「リアス、シトリー様の言うとおり私たちだけでどうにかなる問題ではないのよ。堕天使の幹部級が、エクスカリバーという最強の聖剣を持っている。それだけで魔王様が・・・そうでなくても、最上級悪魔が2人ほどは派遣されてしかるべきなのよ」

 

 

 

リアスは不機嫌な顔で朱乃を見ていたが、朱乃はそれをイイ笑顔で躱していた。

一誠はリアスの不機嫌顔を見て興奮しており、小猫はそんな一誠を見て気持ち悪がっていた。

 

 

 

「兵藤、本当にわかってんだろうな?ここで負けたら少なくともこの街が滅ぶってことがよ」

 

「わかってるっての!ぜってえに負けねえよ!!」

 

「・・・この様子だと彼我の実力差を一切理解してないな」

 

 

 

匙は、一誠に油断しないことを遠回しに、絶対に負けてはいけない戦いであることを伝えた。それでも、実力を過信し、勝利できると考えている様子だった。このままではまずいと思いつつ、それでも一応ドラゴンの神器持ちなので、水を差して戦意を殺ぐと逆に負ける確率がドンと上がってしまう。精神の持ちようで性能が変わるのだ。気分は上がってるままの方がいいに決まっているのだ。

 

 

 

「はぁ・・・まあいい。少なくとも魔王様が応援に来るまでは絶対に負けないこと。それは最低条件だ」

 

「おうよ!まかせとけ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして宣言通りにコカビエルが駒王学園に転移してきたとき。すべての準備を終えた悪魔陣営がいた。・・・悪魔陣営とはいえ、グレモリー眷属‐1とシトリー眷属(サポートのみ)だけなのだが。

 

 

 

 

「まさか・・・まさかたったこれだけの戦力とはな・・・!舐められているのか?魔王を呼ぶとまで行かなくとも最上級悪魔の1人や2人程度は派遣されていると踏んでいたのだが。当てが外れたな」

 

「こっちを見なさい!!」

 

「やれやれ、この程度で俺にダメージを与えられると思っていたのか。忌々しい紅い髪を持つ小娘よ。その髪の色を見ただけで吐き気を催しそうだ。ところで君のお兄様の魔王なんかは呼ばなかったのかね?来ないのならば君たちを犯し、殺して魔王たちの怒りを買うのも有りだがな」

 

「いいえ、そんなことはできないわ!あなたはここで私たちに負けるのだもの!!」

 

「ほう?その程度の戦力で・・・いや、そこにいるのは」

 

「何ですか?」

 

 

コカビエルに視線を向けられ、あまつさえ見たことがあるといった反応をされた朱乃は殺気を出しながら問い返した。

 

 

「バラキエルの娘だな?」

 

「その名前を私の前で語るな!!」

 

 

 

バラキエル。その名を聞いた瞬間、普段の冷静な様相をかなぐり捨てて大声で叫んだ。

その取り乱し様にリアス以外が困惑した。バラキエル、一誠だけはその名前を知らなかったが、ほかのメンバーは全員が知っていた。

 

コカビエル:グリゴリの最古参の幹部。先の大戦を生き残った戦争狂。最上級悪魔のトップレベルと同等か、ともすれば魔王級の実力の持ち主。

 

バラキエル:グリゴリの幹部。先の大戦を生き延びた猛者。人間の女との間に子を作った。

 

 

その子が朱乃なのである。朱乃がバラキエルを嫌っている理由はまた別の話なので割愛するが、バラキエルの名前や出生の話をするだけで取り乱し、キレる。

 

 

 

「朱乃!落ち着きなさい!!」

 

「あああああああああ!!!」

 

「はぁ、その程度の実力か。せめて雷光を使えばもう少しマシになるというのに」

 

「うるさい!あんな男の力に頼らなくても私はやれる!!」

 

 

 

その朱乃の言葉に失望したようにコカビエルは言った。

 

 

 

「能力の大本がやつであったとしても今は貴様の力だろう。あまり俺を怒らせるな・・・いや、舐めているのか?堕天使としての力を封じたままでも俺に勝てると?」

 

「必ず貴様を倒す!!」

 

「興ざめだな。もういい、バルパー始めろ」

 

「了解した。今から始めるならば1時間ほどで完成する」

 

「なるほど。ではその間、俺は奴らの相手をしておいてやろう」

 

 

 

そんな会話をし、会話が終了した時点から術式が展開され始めた。バルパー・ガリレイの悲願の1つである、『エクスカリバー統合』のための術式だ。

 

 

「こんなことをして・・・三大勢力での戦争を再開させる気なの?!」

 

「ああ、そうだな。俺は納得してないのだ、忌まわしき紅い髪の娘よ。堕天使が最も優れているというのに、なぜ冷戦状態にもつれ込んだ?なぜアザゼルはもう戦争はしないなどとほざいた?」

 

 

 

不平不満があったのだろう。もしかしたら部下の敵討ちというのも理由にあるのかもしれない。戦争がしたいだけなのか、敵である堕天使以外を殲滅したいのかはわからない。だが、それでも譲れない部分がある。エクスカリバーの統合を未然に防がなければマズいと、本能的にわかるほどの魔力量。それが術式から漏れ出ているだけのエネルギーなのだ。

 

 

「それは・・・エクスカリバー?!」

 

「ああそうだ、エクスカリバーだ。天使どもは私を異端として追放した。人造聖剣使い計画やエクスカリバー統合のための術式を編み出せと命じたのは奴らなのに!!作り終えたら用済みだとでも言うように私を教会から追放したのだ!!!だから奪い去ってやった。エクスカリバーを過半数、もともと見つかっていない物を除くと6本は見つかっているのだ。そのうち教会から3本強奪し、わざわざエクスカリバーを持ってきた2人のうち片方の物を奪った。これで4本だ。この街を滅ぼすのに十分なエネルギーが統合時に放出されるのだよ!」

 

「なっ・・・?!」

 

「そんなことさせてたまるかよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さすがにそれは見過ごせないなぁ」

 

 

声がした。




何度言っても天を主人公にしてる読者様方。そろそろ怒ってもいいですかね?あくまで主人公は一誠。これは(どこぞの神父のように)世界を1周させても変わらない事実であり、真実です。
天をクズだと感じた方、それについては否定はしません。性格はフリード、言峰、作者自身を足したような感じなので。

まとめると『天≠主人公』『一誠=主人公』この2点(に見せかけた1点)だけ覚えておいていただければいいのです。ちなみに一誠視点だけだとどうなってるのか一切わからないから天側から書いています。一誠視点は7月のどこかから開始するかも・・・

そしてこの微妙な引き方。すまない、文才がないせいで変な終わりになってしまってすまない

不死蓬莱さん、誤字報告感謝します


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第18話 コカビエル墜つ(中)

宣言通り!


「さすがにそれは見過ごせないなぁ」

 

 

 

声がした。それが誰なのか、どこから聞こえてくるのか、年齢、性別全てがわからないが、確かに聞こえた。

 

 

「むっ・・・何者だ?姿が見えんがそういった神器所有者か?」

 

「まあ、そういったところだよ。それにしてもこの街を消すなんてさすがに見過ごせないなぁ。それに戦争がしたいなら普通に殴り込んで反撃の理由を与えてやるのが一番確率が高いだろう?」

 

「それも確実ではない。それならば魔王の親族、それも心の底から愛情を注いでいるという妹君を殺すのが一番戦争の理由づくりとして確実であろう?」

 

「ふむ、一理ある。だがそれは暗殺であろうと悪魔領に帰った後でも問題はないだろう?それにこの町を破壊する必要もない。やったとしてもこの学園を破壊する程度で問題ないだろう。貴様ら堕天使も悪魔と同じく人を道具・・・もしくは家畜としか見ていないのか?お前たち三大勢力は全てそういう考えなのか?」

 

「ふむ・・・聞かれてみれば考えたこともなかったな。少なくともアザゼルは先の大戦が終わった後は神器の研究や実験にお熱のようだな。シェムハザはそこのバラキエルの娘に援助を出していたようだしな。俺は戦闘が・・・そして戦争ができればそれでいい。堕天使などそういうものだ」

 

「つまり自分の欲が最優先でそれ以外は関係ないと?」

 

「そうだな、そもそも堕天使は欲が原因で天使から堕ちた存在(もの)だ。なればこそ自分の欲に忠実であるものなのだ」

 

「ふむ、つまり堕天使のトップは戦争をする気はないが神器を持った人間をモルモットにしているわけか」

 

 

 

謎の声はそう評価して、コカビエルとの会話を打ち切った。その間も気配や魔力、神器の反応などを探っていたがそのいずれも感知することができなかった。「ありえないっ!!」と叫びたい気持ちもコカビエルやバルパ―には確かにあった。何か考えているように何も言わなくなった謎の声の主。

場を静寂が支配した。

しかし、その沈黙を破り、言葉を発した者がその場にいた。

 

 

「堕天使なんかと同じだと思われるなんて不快だわ!!すぐに取り消しなさいッ!!」

 

「ふむ、取り消してほしいのか。これは失礼をした。私から見たらどちらも同じようなものでね。なぜ?といいたそうな顔をしているな。悪魔も堕天使も人を食い物にするか便利な駒としか思っていないわけだ。ならばこそ『人間』から見たら同じものだと言わざるを得ないだろう?まあ、さすがに天使はまだ見たことがないからわからないんだけどね」

 

 

 

その言葉を聞き、言葉に詰まるグレモリー眷属。特に顕著だったのはハーフである姫島朱乃、元人間である兵藤一誠だ。一方は堕天使が父であったがゆえに親族に母を殺された女。もう一方は危険になるかもしれないからという理由だけで堕天使の女に殺された男。どちらも心当たりがあった。

しかし、リアス・グレモリーはそんな下僕2人の様子に気づいていない。否、気づけていない。元々、悪魔であったリアスにはわからない。気づけていたとしても変わらない。絶対的価値観に差があるのだから。だからこそ、彼女は反論するのだ。

 

 

「私たち悪魔は人を食い物になんかしてないわ!人間は大事な契約者であり、人間がいないと悪魔の生活が立ち行かないのだから!!」

 

「ほう?ではなぜそこにいる兵藤一誠を転生させる際に『面白い、どうせ死ぬなら私のものになりなさい』といった発言を残した?死にかけていたとはいえ神器の反応はしていたのだろう?そうでなければ死に方から推測して神器を持っていると判断したのかな?」

 

 

 

そこまで言われ、リアスは言葉に詰まった。下僕が自分を見る目が変わったのだ。信用していたものに裏切られたような、自分の聞き間違いではなかったんだという絶望交じりの表情をする一誠。自分も同じように思われていたのかといいたそうな顔をしている小猫と朱乃、この場にいない木場の表情は見ることができないが、聞かれていたら2人と同じような表情をしていたのかと思う。それ以上にあの場に自分と一誠以外がいたはずがないと内心全力で否定したい気持ちもある。しかし、それをすると謎の声のセリフを肯定しているようなものだ。だから何も言えない。沈黙するということも肯定しているのと同じだというのはわかっているというのに。

 

 

「おや、君なら全力で反論してくるだろうと思っていたが、比較的冷静なのか。まあ、いきなり事実を言われて混乱しているだけなのかもしれないが」

 

「・・・ッ!!」

 

「まあ、自分の領地にはぐれ悪魔がいようが堕天使が入り込んでいようが気付かないようではそんなものか」

 

「は?ちょ・・・ちょっと待ちなさい!はぐれが私たちが処理した以外にもこの街にいたって言うの?!」

 

「その様子だと一切気づいていなかったようだな。まあいい、さすがにこれ以上無駄な時間を使って町が滅ぼされても困るからな。そろそろ邪魔をさせてもらおう」

 

「あと5分で統合は完了する。いまさら何をしても手遅れだ!」

 

 

そういいつつハンドサインでフリードに警戒を促すバルパ―。なんだかんだ言っても聖剣の統合や完全所有者に執心なようで今回の作戦で成功させたいのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしそのようなことは関係ないと言いたそうな雰囲気‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐姿は全く見えないが‐‐‐‐‐‐‐₋‐で邪魔をする。そのような理不尽があってたまるかと声を大にして叫びたい。だがそのようなことをして隙を晒してしまえば自分が殺されるかもしれない。そんなことになれば術式は崩れ、自分の悲願を達成できなくなってしまう。だからこそこらえ、フリードに聖剣を死守するように指示した。フリードも、強力な武器が欲しいため、その指示に素直に従った。だが、現実は非情であった。多少自衛ができるのだから敵が自分に触れた瞬間にどうにかして捕まえてその隙にフリードに殺させようと思っていた。

 

 

 

「ふむ、やはりこれでいいのか」

 

 

 

その声とともにバルパーは自分の力を感知できなくなった。出力は一定にしているはずなのにいきなり消えたり、かと思えば全力のように感じたり、消えかけのようになったりする。これには混乱した。魔力が感じられない、というより感知する機能が破壊されたか、もしくはジャックされ書き換えられ続けているのだ。そのせいで自分がどれだけ出力しているかがわからない。そのため出すぎと感じたときに抑え、出していないと感じたときには出力を上げた・・・つもりだがどうなのかはわからない。よく考えると術式も感じられなくなっているため何がどうなっているのかがわからない。

そんなバルパ―に、フリードの声が聞こえてきた。

 

 

「バルパーのおっさん!何やってんだ?!」

 

「力が正常に感知できんのだ!!」

 

「そんなことがあり得るのかよ!?」

 

「実際になっていることを考えると神器を2つもっているか先天的にどちらかの能力を持っているかのどちらかだろう!」

 

 

 

それを聞いて笑みが深くなるコカビエル。ここに楽しみはないと思っていたが、予想外のところから楽しみが舞い込んできたのだ。大声や身振りで歓喜を表さないのが不思議なレベルである。

 

 

 

「まあ、いいだろう。元々この街を滅ぼすことなど俺1人で十分だったのだ。聖剣の統合は街を滅ぼしてからでいいだろう」

 

 

 




いやー謎の声(天の声?)さんはイッタイダレナンダロウナー(棒)

不死蓬莱さん、いつも誤字報告感謝してます

通報と、運営からの対処が来ました。正直、オリ主タグについては『二次創作作品において、作者が独自に設定した人物が主人公となる場合』という条件の解釈が間違っていなければ、私が天を主人公と設定しなければつける必要はないということだと解釈しているのですが違うのでしょうか?違う場合は説明してほしいところです(活動報告に出しておくので、これが正しい解釈だと教えてくれる人がいると嬉しいです)

クロスオーバータグをつけていないことを通報されていたので付けました。正直、オリ主問題が強すぎて、つけ忘れていることを忘れてしまっていたのでありがたかったのですが、コメントを一言いただきたかったですかね・・・。まあ、なんにせよご指摘感謝いたします


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第19話 コカビエル墜つ(下)

この出来である(自虐


 

「それじゃあ君にも退場してもらおうかな」

 

「ふん、できるものならやってみるがいい。見えないだけで勝てるなどと思わないことだな」

 

 

 

コカビエルには絶対的な自信があった。聖書に載るほどの大戦にて、敵を殺し、傷を負いながら生き残っていたのだ。殺意を向けられればその時点で敵がどこにいるかを知ることができる。その特技によって自信を暗殺しに来た敵を逆に殺したことも何度もある。また、それくらいできなければ生き残ることなどできなかった。

 

 

 

「ふーん、すごい自信だね。まぁ、君の自信がそこの子たちの自信とも傲慢とも取れないものよりは実力に基づいたものであるのはわかるけどね」

 

「それだけわかっていて俺に挑むか。愚か、とは言わん。むしろ好感が持てる。俺を楽しませてくれよ?」

 

「君を楽しませたいわけじゃないんだよね。むしろ実験の邪魔さえしないでくれるならどこで何をしててもいいくらいだ」

 

 

 

謎の声の実験という言葉に疑問を浮かべる面々であったが、そのようなことを指摘できる状況でなく、実験が何であれ、自分たちに害がないのであればそこまで興味がないという理由なのだが。

 

 

(本当に、いい加減にしてほしいところだね、僕・の実験の邪魔をするなんて。せっかく面白そうな世界で新しい実験が始められると思ったのにね)

 

 

謎の声は、別の世界から来た上で、すでに実験を行っているという。そう、安心院さんである。口調がころころ変わっているのは、自分を知っている者が1人しかいない世界で自身のことを悟らせない、そして覚えられないようにするためだ。内心ではいつも同じ口調なのだが、口に出すときには意外と気を付けている。

 

 

「来るならいつでも来い、先手は譲ってやるぞ?」

 

「殺意や敵意を感じて僕の大まかな位置を探ろうってことかな?無駄な努力だと言っておくよ」

 

「(口調が変わった?まあいい。どうでもいいことだ)」

 

 

姿が見えず、また口調が変わり、声もわからない。そのような相手が気配すら漏らしていない。敵意や殺意があればわかるとはいえ、一切の感情がないのではないのかと思うほど何も感じ取ることができない。そのような状態から本当に敵意を見せるのか?そういう疑問がコカビエルを苛んでいく。言うなれば道行く人すべてが敵に見えるようなものなのだ。殺し屋に狙われている、遠距離狙撃、近距離で気付かれずに殺す、そういうのが得意な者に狙われることもあった。それでも生き残ってきたのはふとした瞬間に見せるほんのちょっぴりの殺意に気づいたからだ。

 

 

「(どこだ・・・やつはどこから俺に攻撃してくる?)」

 

「ざんねーん、あたしの攻撃を感じ取ろうなんて不可能よ。だって、あなたたちは感じ取ることができないもの」

 

「ガッ?!ゴフッ・・・(どこだ、本当に・・・何も感じ・・・・取れ・・なかったぞ・・・・・?!)」

 

 

敵の思考を読み取ることができるものがいれば変わったのかもしれない。彼女がほとんどのものに興味を持ってなく、彼自身が興味の対象になっていないこと、そのせいで一切感情の発露を読み取ることができないこと。何より、本当に全てを平等に見ていることに気づけていただろう。まあ、気づけたからと言って何か変わるわけでもないのだが。

 

 

 

「これから始まるのはただの虐殺です。まあ、君に敬意を表して私の能力を100ほど使ってあげるさ」

 

 

 

 

それからしばらく、いっそひと思いに殺した方が楽なのではないかというほどの苛烈な攻撃を行っていた。否、行われているようだった、だ。傍目には何が行われているかもわからず、コカビエル自身も当たって自身が負った傷でどのような攻撃を食らったのかを予測する程度のことしかできなかった。むしろそのような状況ですら死なないのは、コカビエルの力が安心院さんの想定以上だったからなのか、安心院さんが手を抜いているのかわからない。

 

コカビエル自身に興味がないだけで主人公には興味があるため、イッセーに対する嫌がらせという実験をしている。天に愚行権を渡したのもそのためだ。自分が予想もできないようなことが起きればよし、予想通りだとしても過程を見て愉しむことができる。まさに一石二鳥だった。

 

 

 

「さあ、もう僕がこれ以上何もしなくても時間の問題だろう、帰らせてもらうよ。バイバーイ」

 

 

 

 

それから先、何も感じることができなかった強大な力の持ち主は本当にいなくなったようで、その場の誰もが安堵した。いや、コカビエルだけは腸が煮えくり返っていた。何も見えなかった、何も感じることができなかったというだけで、ここまで無様を晒させられた。必ず殺さなかったことを後悔させてやると誓い、意識を落とした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからはすぐに終わった。コカビエルと戦うことができると楽しみにしていた白龍皇が、神器の覚醒すらさせられてないライバルに少々の失望を示し、コカビエルと戦えなかったことで、来る必要がなかったと落胆した。だが、コカビエルについていた2人のエクソシストも捕まえなければならず、力を使いすぐに捕まえ、帰って行った。

 

 

 

「みんな、大丈夫ね?」

 

「あ、あらあらうふふ。まさかこんなことになるとは思ってなかったわ」

 

「・・・大丈夫です」

 

「俺も大丈夫っす。でも・・・」

 

 

 

 

イッセーが何を言おうとしてるかをわからないリアスではなかった。さすがにあのような話があり、それを聞いて絶望交じりの表情をしたのだ。そのことについての話だろうと思った。

 

 

 

「でも・・・俺は部長のこと信じます。死にたくないという願いもかなえてくれましたし、何よりこんな俺にも優しくしてくれますし」

 

「イッセー・・・あなたって子は、ありがとう。それとごめんなさい、あなたがそんなふうに思ってくれてるのに私はあなたが離れていくんじゃないかと不安になっていたわ」

 

「そんなことしませんよ!部長こそ俺を見捨てないでくださいね!?」

 

「わかってるわ、あなたは私の家族も同然なんだから」

 

 

 

 

眷属とリアスの絆の強さを見せつけるような一幕であったが、それでもかけたピースがあることに変わりはなかった。グレモリー眷属の騎士である木場がいなかったのだから。

 




謎の声の正体は安心院さんでした。まあ、実験に必要なことであれば何もしなかっただろうけど実験対象(主人公のイッセー)が消えてなくなりかねなければ何もしなかっただろうね。ちなみに実験内容は、『いてもいなくても物語に変化のない人物が強力な力を手に入れたらどうなるか』というものと、『主人公が補正を失ったらどうなってしまうのか』という2つです

補正を失う=愚行権の使用は、めだかちゃんだけではサンプルケースとして足りていないため、実験を行っています


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第20話 会談前

私は帰ってきた。この現世という名の地獄にだ(厨二病感
まあ、なんだ。いろいろあったよ。でも帰ってきたよ、こんな俺の作品で喜んでくれる人がいるんだもの
今回は水着回あたりの話です


(待て待て俺の息子よ。綺麗な女の子たちが水着を着ているからと言って反応してはいけない。特に小猫ちゃんに見られてしまったら蔑みに満ちた目で見られ・・・いや、それはそれでありかな?あの目で見られるとちょっと興奮しちゃう俺がいるし・・・でも新しい扉を開くにはまだ早いかな・・・?)

 

 

目の前には水着を着たオカ研の女性陣といつの間にか帰ってきていた木場裕斗がいた。

木場の目には少しの憎悪と感謝、そして悔しさが浮かんでいたが、誰もその状態を変えることはできなかった。

 

 

(やっぱり・・・憎悪の対象であるバルパ―・ガリレイを自分の手で殺すことができなかったからなのかしら?それとも聖剣を自分の手で壊すことができなかったから?どっちなのかしら?)

 

 

このような状況になったのには理由があり、それは数日前に遡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コカビエルが沈み、堕天使陣営の使いだという白龍皇の男がコカビエルを連れてグリゴリの本部に帰っていった翌日のことであった。

 

 

「ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」

 

「いいのよ、貴方が無事で帰ってきてくれただけでいいの」

 

「あらあらうふふ。反省しているというのでしたら、一つだけやらなければならないことがありますわね。リアス?」

 

「そうね・・・勝手な行動には罰を与えなければならないわね。イッセーたちにもしたことだし」

 

 

 

姫島朱乃の言葉に悪寒を感じ、ぶるりと震えたイッセーと小猫。その2人の姿を見てどのような罰かはともかくかなりきついことは察しがついた木場。それも仕方ないと受け入れる姿勢を見せ、その後のリアスの言葉に疑問を浮かべた。

 

 

 

「じゃあズボンを下ろしてお尻を突き出しなさい」

 

「へ?」

 

 

 

 

疑問を浮かべつつも素早くズボンを下ろし尻を突き出した木場。これから起こることを予想できないわけではなかったが、イッセーと小猫が受けているのに、自分だけが受けないということはできないだろうと諦めていた。

 

 

「じゃあ、お尻たたき1000回、朱乃、お願いね?」

 

「うふふ、いい声悲鳴を聞かせてくださいね?」

 

 

 

それから5分ほど悲鳴を上げ続けていた木場だったが、25分ほどになるとイッセーが読んだことのあるエロ本の快楽堕ちした女の子のような表情をして叩かれるたびに体を震わせるだけになった。そのあたりで反応に飽きたのか、朱乃はリアスに交代した。しかしこの時点で800回ほどしているので、長く持った方だと思われる。

 

 

「正直俺たちの罰よりきついよなぁ・・・」

 

「まあ、それだけ心配していたということでしょう」

 

「俺たちの場合は魔力はまとってなかったもんなぁ」

 

「先輩ならそんなことなく興奮すると思うのですが、私は副部長にあんなことされてしまったらと考えるだけで、寒気がしますけどね」

 

「流石にお仕置きとは言え800回もあんな力のビンタを食らって気持ちいいと思えるほど上級者ではないからね?」

 

 

 

そして5分後、ようやくすべてのビンタが終了した木場が解放され、開放され、介抱されていた。

 

 

「大丈夫ですか?」

 

「うん、大丈夫だよ。ありがとう小猫ちゃん」

 

「お前も災難・・・というか、無事でよかったよ」

 

 

 

 

そうして復讐を成し遂げられなかったが仲間たちに迎えられ、いつも通りの木場イケメンに戻ったと思われた。

 

 

 

「なんか最近の木場きゅん・・・かっこいいというよりかわいいと思わない?」

 

「わかるわ。前まで爽やかな笑顔が眩しかったけど、今は時々見える憂いに満ちたような顔がたまらなく素敵よね」

 

「クッソ・・・イケメンはやっぱりどんな顔しててもイケメンなのか・・・!!」

 

「まあ、これが格差という奴かしらね。あんたら変態三人組も編隊行動を控えて部活にでも打ち込んだら人気が出るんじゃない?例えば陸上部とかさ」

 

 

 

このような会話が起こってしまうほどに、木場の様子がおかしいのだ。今まではイケメンスマイル以外は、真面目な顔以外ほとんど見せなかったにもかかわらず、コカビエルの襲撃後からこのような状況が続いている。これはまずいと思いつつも、復讐を遂げられなかったせいだというのも理解できているため、リアスたちはどうすることもできないでいる。

 

 

 

「リアス、来週から水泳の授業があるのはわかっているわね?」

 

「ええ、確かにそうね。それがどうかしたの?」

 

「あなたの眷属の様子がおかしいという噂をよく耳にしますし、コカビエルと正面切って戦ってくれた礼ということで、プールを掃除することで一番最初の使用権を与えることにしようと思うのですが」

 

「正直ありがたいわね。うちのナイトの様子がおかしいというのはイッセーからも聞いてるし、学内の噂もかなり凄いことになってるし」

 

「好きな子に振られたという微妙に現実味のあるものから兵藤君に秘めた思いを伝えようとしているというものまで出回っていますからね」

 

 

 

眷属全員を労うのもいいということで1分ほどの思考の末に、承諾の意を込めて頷くのであった。

 




変な噂が立つ(一部事実が混ざっているような気がする
遅かったうえにギリギリ・・・にもかかわらず短く、内容もほぼない。本当に申し訳ないと思う
やっぱり文才がないとダメなんやなって

※2017/11/01追記
予定通りに突っ込んでいただくことができて私満足です。編隊行動に対して変態ではないかという誤字報告がいくつか寄せられましたが、誤字ではなく仕様です。バカテスの覗き回(合宿編)の「変態が編隊を~」ような意味合いです。変態行動をする時にいつも3人でいるという意味合いが込められています。
しかし、ほかのところで誤字報告を頂いたものに関しては申し訳ございませんありがとうございます今後はこのようなミスはできる限りしないようにいたしますので何卒ご容赦ください。


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