裏切りの中に (スタージャンク)
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リア充の仲間入り

夕暮れ時の空き教室、そこには俺と彼女の2人だけ。

外では、運動部が片付けをしていたようだ。異性と2人きり、しかも夕暮れ時と来たもんだ。並の男子高校生は歓喜するだろうな。だがしかし、俺は歓喜なんてしない。むしろ、罰ゲームか、嫌がらせの二択に絞るまである。

 

え?告白だと思わないのか…だって?昔は思いましたよ。えぇ思いましたとも。だけどね?全部罰ゲームだったんだよ。本当に俺の純粋な心を返して欲しいぜ。まあそのお陰で淡い期待をしなくても済むんだけど。すこし、話が脱線したな。何故俺が、女子と2人きりかというと、目の前の女子……まあ由比ヶ浜なんだが…に呼び出されたのですよ。多分雪ノ下辺りの相談だと思うが。

 

 

「ヒ、ヒッキー」

「ん?何だ由比ヶ浜。」

「えっと…あの……」

「………」

「えっと…」

「(早くしてくれませんかね。家で小町が待ってるんだよ。)」

「ふぅ…よし」

「?本当にどうした由比ヶ…」

「好きです!!あたしと付き合ってください。」

 

 

「え……何?」

「好きです」

「何?」

「好きです」

「何?」

「好き……って聞こえてるでしょ!!ヒッキー!!」

「聞こえてるが……」

「返事は?」

「……分かった」

「……」ゴクリ

 

 

「あの扉からドッキリーとか言って三浦や戸部辺りが出てくるんだろ?俺がそんな簡単な罠に引っかかるとでも?」

「ち、違うよ!!本当に……本当に好きなの!!」

「本当に?」

「本当だよ!!ていうか、ヒッキーも何となくわかってたでしょ?」

「………」

 

 

確かに何となくだが、きづいてはいた。夏祭りの帰りの時や、選挙の時…だが、俺は怖かったのだ。やっと出来た『本物』が壊れるのが、2人と1人に別れるのが、きっと雪ノ下の事だ俺達が付き合えば、気を使って奉仕部に来なくて良いと言うだろう。

だから、俺は停滞を望んだ。決して壊れない3人の関係を…だがそれは、俺が拒んだ上辺だけの関係なのだろう。しかし、上辺だけの関係だとしても心地良いのだ。もっと浸かっていたい、もっと続けていたい…俺はそう思ってしまった……これを昔の俺が見たらどう思うだろう。そんな物を続けて何になる?とでも言うのだろう。だが、それでも良かったのだこの心地良い空間が、紅茶の香る温かい空間に居れるのなら……しかし、由比ヶ浜結衣はそうは思わなかった。俺が出来ないことを難なくやれる由比ヶ浜だからこそ出来たのだ。昔由比ヶ浜は自分に良いところが無いと言った。しかし、俺からしたら由比ヶ浜そのものが眩しかった。由比ヶ浜の良いところなんて山のようにある。

もしかしたら俺は、知らず知らずの内に由比ヶ浜が好きになってしまったのかもしれない。なら…勇気を出して『本物』を求めた、由比ヶ浜に…俺は……俺は…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

答えを出すのが道理だろ



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デート日和〜前編〜

「寒いな…」

季節は冬。一応マフラーはしてあるんだが、それでも寒い。はぁ家に帰って炬燵でミカン食べたい…さて此処は何処でしょう☆何かきもいなやめよう。此処は、千葉駅。待ち合わせには丁度いい。え?俺に待ち合わせする人がいるのかって?居るよ!!バカヤロー

にしても、遅いな…

 

「あ!!ヒッキー!!」フリフリ

「おう」

 

やめて!!大きい声を出さないで!!ほら街ゆく人がこっち見てるじゃん。恥ずかしいよぉ…何かごめん

 

「ごめんね、ヒッキー…待った……よね?」

 

「ああ超まっ……てないよ」アハハ

 

あっぶねー。危うく待ったって言う所だった。

待った何て言えば小町に「これだからごみいちゃんは…」って愛想尽かされちゃう。そうなったら、生きていけないぃぃぃ

 

「そっかー良かった…でもちょっとは待ったよね…ごめんね」

 

「だから、待ってないって…」

 

「嘘がばればれだよヒッキー」

 

「うぅ…」

 

「ありがとね、気いつかってくれて。やっぱりヒッキーは優しいね」

「おう……ほら行くぞ」

 

「うん!!」 ニコ

 

「っ………」

 

ん?どうして由比ヶ浜と付き合ってるかだって?分かった説明してやろう。

それは、一昨日のことだ。

―――――――――――――――――――――――――――

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

「(無言気まずいぃぃ。)」

 

「……」チラ

 

「ヨシ……なあ由比ヶ浜」

 

「な、何ヒッキー?」ビク

 

「えっと…俺って面倒臭いよ?」

 

「そんなの知ってるし」

「それに…ほらデートだって自分から誘えないよ」

 

「うん…大丈夫デートのお誘いはこっちから行くし」

 

「っ……俺と付き合うと周りから変な目で見られるぞ」

 

「別に周り何て関係ないし、好きな人と一緒に居たいのに周りの目なんて関係ないでしょ?」

 

「……本当に、本当に俺でいいのか?」

 

「ヒッキーじゃないと嫌」

 

「裏切らないか?」

 

「大丈夫、ぜっっったい裏切らない」

 

「離さないぞ」

 

「嫌になるぐらい引っ付く」

 

「由比ヶ浜…」

 

「何?ヒッキー」

 

「分かった…こんな俺で良ければ」

 

「うん!!」ダキッ

 

こうして、俺事比企谷八幡と由比ヶ浜結衣は、晴れて恋人となった。

その後、由比ヶ浜を家に送って、俺も家に返った。

 

家に着いた後、小町から尋問…もとい聞き取り調査が行われた。

正直に話すと、「えぇー!!遂にごみいちゃんに彼女がぁぁ…今日は赤飯だよ!!」等と言われ騒がしい、金曜日だった。

 

翌日の土曜は朝から小町に連れられららぽに来た。何でも俺の服を買うらしい。別段俺が、外出するなんて殆どありえないのだが…

 

 

2時間ほど、服を物色し昼飯を食べ、家に帰った。そこで、俺はずっと疑問だった何故今日俺の服を買ったのかを聞いてたみた。そしたら、やっと理由が分かった…てか、先に聞くべきだろ…

 

小町曰く

 

「女子は彼氏とデートしたいものなのですよ。そこで!!明日結衣さんとデートに行くべし。」

 

「はぁ?俺からデートに誘えと?」

 

「これだからごみいちゃんは…結衣さんには小町の方から言ってあるよ。」

 

「お、おう」

 

「だ・け・どごみいちゃんの事だから服なんてろくなものないでしょ。だから今日小町がごみいちゃんの為にコーディネートしてあげたの。あ!!今の小町的にポイント高い。」

 

「そうですか…」

 

そんなゴタゴタがあり。疲れた俺は明日のデートで何処に行こうかと、悩んでいたらいつの間にか寝てしまった。

 

朝7時に起きて、朝ごはんを済ませ髪をセットし、服装も整えた。小町に言われた集合じかん8時30分の30分まえに来たというわけだ。

―――――――――――――――――――――――――――

 

そして、今に至る。はぁこの後大丈夫か?俺……




誤字等ありましたら、すいません。


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デート日和〜後編〜

「何処に行く?由比ヶ浜」

 

「考えて無いんだ…ヒッキーらしいね」アハハ

 

「当たり前だろ。俺が考える訳が無い。」

 

「彼女と初デートなのに?」

 

「……ららぽで良いか?」

 

「うん!!じゃあ行こ!!」グイグイ

 

「お、おい引っ張るな…」

 

―――――――――――――――――――――――――

ショッピングモール内

 

「ヒッキー服見ても良い?」

 

「良いぞ」

「じゃああそこ行こ」

 

「え………」

 

由比ヶ浜は、女性の服専門店を指していた。

おいおい…あそこに行くのか?男全然居ないじゃん…

 

 

 

「ヒッキーこれどう?」

「い、良いと思う……よ」

 

「むぅぅ…じゃあこれとこれどっちが良い?」

 

「どっちも良いと思うよ…うん」

 

「あたしは、どっちが良いか聞いてるの!」

 

「えっと…じゃあこっちで…」

 

「こっちか…(ヒッキーは大人しめの服が良いのか、覚えとかなきゃ)」

 

「ヒッキー少し待ってて」

 

「ん?どうした?」

 

「ヒッキーが選んでくれた服買ってくる」

 

「なら、俺が買ってくるよ」

 

「良いよ…選んでくれただけでも、充分だし」

 

「いやしかしな……」

 

「なら、お昼ご飯奢ってよ」

 

「分かった…」

 

「じゃあ買ってくるね」

「お、おう」

 

 

 

「ヒッキーお待たせ。お昼ご飯どこ行く?」

 

「そうだな…パスタとかどうだ?」

 

「パスタ?良いよ!」

 

「よし、行くか」

 

グイ

 

「?」

 

「ヒッキー…お昼って人混むよね」

 

「そうか?あんまり人……」

 

「混むよね」

 

「そ、そうだな(怖い、怖いよ由比ヶ浜さん)」

 

「はぐれちゃうと時間勿体ないし、手…繋いで行こ?」ウルウル

 

「っ…」

 

上目遣いは駄目だろ!!女の子に上目遣いで言われたら、断れるか?俺は、無理だ!!

 

「い、いいでしゅよ」

 

「本当!?」パァァ

 

「お、おう」

 

「やったー」ギュ

 

柔らかいぃぃぃ手汗かいてないよな…

今更ながらに緊張してきた……

 

 

 

「つ、着いたぞ///」

 

「う、うん///」

 

「由比ヶ浜は、何にする?」

 

「えっと……カルボナーラにしよっかな。ヒッキーは?」

 

「俺は…ペペロンチーノにするか」

 

「意外だね」

 

「そうか?すいませーん」

 

「はい!ご注文ですか?」

 

「カルボナーラとペペロンチーノで」

 

「えっと…カルボナーラとペペロンチーノで宜しいでしょうか」

 

「はい」

 

「メニューはお下げしますか?」

 

「お願いします」

 

「分かりました。料理がくるまでゆっくりお過ごしください。」

 

 

その後、由比ヶ浜と少し喋っていたら。料理が来た。

 

「「いただきます」」

 

「あ、美味しい」

 

「美味い」

「ね、ねえヒッキー」

 

「何だ?」

 

「その…そっちも食べたいな〜みたいな…」

 

「食べたいなら良いぞ」スッ

 

「ち、違う違うそうじゃなくて…」

 

「ん?」

 

「あ〜んして欲しい…かな」

 

「……」

 

「だ、駄目かな?」ウルウル

 

「っ………」

だから上目遣いは駄目だって……

 

「はぁ…あ、あ〜ん///」

 

「ん///」

 

「う、美味いか?///」

 

「うん///美味しい///ヒッキーも…あ〜ん///」

 

「ん///(味分からねぇぇぇ!!)」

 

「お、美味しい?ヒッキー?///」

 

「お、おいひいでしゅ///」

 

ノリでやってしまった…これじゃまるでバカップルじゃないか!!これからは、人前では辞めよう。

 

 

「「………」」

 

「ゆ、由比ヶ浜もうそろそろ行くか…」

 

「そ、そうだね」

 

 

 

 

その後足早に店を出た俺達は、次は何処に行くか悩んでいた。

 

「由比ヶ浜次はどこ行く?」

 

「えっと…小物見たいかな」

 

「そうかなら…」

ん?何処からか視線が…

「……」キョロキョロ

 

「どうしたの?ヒッキー?」

「いや何でも無い」

誰も居なかったな…俺の気のせいか

 

「大丈夫?」

 

「あぁ大丈夫だ、行くか」スタスタ

 

「あ!!待ってよ〜ヒッキー」



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やはりイケメンは優しい

その後適当に小物や、 本を見たりしていたら、時間も時間なので、解散することにした。

 

「今日は楽しかったよ…ヒッキーは?」

 

「……つまらなくはなかった」

 

「もう正直に言ってよ」

 

「………楽しかった」

 

「そっか…クスッ」

 

「何笑ってんだよ…」

 

「いやぁ〜恋人やってるな〜って」

 

「何だそれ クスッ」

 

「ヒッキーも笑ってるじゃん クスッ」

 

「お前が変なこと言うからだろ…」

 

「怒ちゃった?」

 

「怒ってはねぇよ」

 

「良かった…送ってくれてありがと」

 

「おう……じゃあな」

 

「うん…ばいばい」フリフリ

 

―――――――――――――――――――――――――

 

「た〜で〜ま〜」

 

「およ?帰ってきたんだ」

 

「何?お兄ちゃん帰ってきちゃダメなの?泣いちゃうよ?お兄ちゃん泣いちゃうからね?」

 

「あ〜はいはい…てっきり結衣さんの家に泊まってくるのかと思っただけ」

 

「バッカお前…デートって言っても初だぞ初、それじゃまるで体目当てかと思われるだろ」

 

「そうかな〜」

 

「子供にはわかりません」

 

「お兄ちゃんだって子供じゃん」

 

「何言ってんだよ、俺ほど大人みたいな男子高校生は居ないぞ」

 

「まぁ〜た始まった…早く手洗ってきて」

 

「お…おう」

 

 

その後小町の手料理を食べ、少し喋った後風呂に入って、寝た。今日の疲れか、それともいつも通りか、直ぐに夢の世界へ行ってしまった。

 

 

「お兄ちゃん起きて〜遅刻するよ〜小町先に行ってるからね〜」

 

「んんん……はぁ〜」

時計は……やべぇ遅刻ギリギリだ…

 

 

―――――――――――――――――――――――――――

はぁ〜遅刻ギリギリだったよ…

HRまで、寝ようかな。

 

「八幡?どうしたの?」

 

「ん?…戸塚!おはよう」

 

「おはよう、八幡遅刻ギリギリだったね」クスッ

 

「寝坊しちまってな…(戸塚の笑い顔めちゃくちゃ可愛えぇぇぇ)」

 

「そっか…明日からは気を付けないとダメだよ?」

 

「お…おう」

 

「じゃあHR始まるし、もう行くね」

 

「おう」

 

 

 

〜お昼〜

 

ぼーっとしていたらお昼になっていた…

気づいたらお昼って……重症だな

購買にでも行くか……

 

 

パンを食べ、マッ缶を飲む…最高だ

もうマッ缶だけでも生きていけるレベル…駄目だ、小町と戸塚は必要だ!!小町と戸塚が居なかったら生きていける自身が無い

 

「教室戻るか…」

 

 

ん?何だか教室が騒がしくないか?

 

「あっ!!八幡!!」

 

「ん?どしたの戸塚?」

 

「僕も分かんないんだけどね…何か由比ヶ浜さんが…」

 

「あっ!!テメェか!!由比ヶ浜さんを脅してるのは!!」

 

「はぁー?」

 

「しらばっくれんじゃねえよ!!俺見たんだよ!!昨日お前と由比ヶ浜さんが一緒に歩いているの!!」

 

「(まじかー見られてた…やっぱあの時の視線こいつだったのか…)」

 

「だからヒッキーは、脅してなんか……」

 

「大丈夫!由比ヶ浜さんは、何も言わなくて良いから。」

 

「最低だな!!お前!!弱みに漬け込んで、デートさせるとか!!」

 

「何言ってんだよ…別に脅してなんかいねぇよ」

 

「嘘つくなよ!!」

 

「まず、脅してる証拠…ねえだろ?」

 

「確かに無いけど…由比ヶ浜さんがお前みたいな奴と、デートする訳ねえだろ!!」

 

「何でお前が言いきれるんだよ…」

 

「う、うるせぇ!」ガシ

 

「っ……(殴られるのか…痛いのは流石に嫌だな…)」

 

「そこまでにしときなよ」

 

「葉山くん…何でこんな奴…」

 

「彼は結衣が選んだんだ、そこに僕達がとやかく言う資格なんて無いと思うよ。」

 

「チッ……覚えとけよ…」スタスタ

 

「さんきゅ…助かった」

 

「礼には及ばないよ…君には何度も助けられたからね」

 

「別に助けたわけじゃ…」

 

「ヒッキー!!大丈夫!?」

 

「落ち着け…俺は怪我なんてして無いよ」

 

「そっかぁ良かった…」

 

キーンコーンカーンコーン

 

「おい由比ヶ浜授業始まるぞ」

 

「うん…後でね、ヒッキー」

 

「おう」

しっかし、早くないか…ばれるの…

まだ、デート1回しか行ってないぞ…いや、由比ヶ浜ほど、目立つとこうなのか?さて、今後どうするか考えないとな…次の授業は数学か、寝よ




誤字指摘お願いします。


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小町は天使?

恐るべき事件から数日たったが、あれ以来あの男子は特に接触してこない…おかしい、普通なら翌日も絡むんじゃねえの?いや別に絡んで欲しくないけど。

やっぱ、何か引っかかるんだよな…今気にしてもしょうがないか………

 

「お兄ちゃん?小町の話聞かないとか小町的に、ポイントひくいよ?」

 

「あぁ〜ごめんごめん。で何だって?」

 

「はぁ…これだからごみいちゃんは…だから、コンビニでプリン買ってきて」

 

「えぇぇ…今9時だよ?」

 

「うん」

 

「いや、うんじゃなくて…」

 

「じゃあ小町に行けっていうの?こんな暗い夜道に」

 

「わかったわかった行けば良いんでしょ、いけば」

 

「さっすがお兄ちゃん!!はいお金」

 

「珍しいな小町がお金くれるなんて」

 

「だってそれお父さんのだもん」

 

「親父…強く生きろよ」

 

「何貧民街の人みたいに言ってんの?」

 

「小町分かるの?」

 

「お兄ちゃんの本棚にあったし」

 

なんだよ小町知ってるのか。あれ結構面白いよな。特に2章が、1番好きだな…うん

 

「じゃあ行ってくる」

 

「行ってらっしゃ〜い」

 

「行ってきま〜す」

 

 

 

最近小町俺の扱い酷くね?いやいつも通りか…いやいつも通りってのもどうかと思うが………

にしても寒いな。もうすぐ春なんだけどな。

 

 

 

ウィーン

 

「いらっしゃいませ〜」

 

プリンプリンっと…お、あったあった…

えーと…プレミアムプリンとデラックスプリン?どっちがいいんだ?聞いてこれば良かった。プレミアムプリンでいっか。

 

「240円になりま〜す」

 

「………」スッ

 

「300円お預かりました」

 

「60円のお釣りです」

 

「レシートは入りますか?」

 

「あ…大丈夫です」

 

「ありがとうございましたー」

 

ウィーン

 

「うぅ…寒い…早く帰ろ」ドン

 

「…………」ドン

 

「あっ…すいません」

 

「いえ…こちらもすいません…ん?」

 

「ん?お、お前…あの時の」

 

「お前は由比ヶ浜さんのストーカー」

 

おいおい何だよストーカーって、脅し野郎から、ランクアップしてんじゃん…

つーか、お前まだ認めてないのか…マジかどうすれば………

 

「ストーカーじゃないからな…」

 

「そうかよ……」

 

「お前も認めろよ…」

 

「絶対に認めねえよ」

 

「はぁ…」

 

「何時かお前が由比ヶ浜さんにした事全部暴いてやる」

 

「はいはい…んじゃ俺もう行くから」

 

 

 

 

しっかし、あいつまだ諦めてねえのか。一応由比ヶ浜に報告しとくか…ん?電話?

 

「もしもし」

 

『お兄ちゃん!!何やってるの!?もう9時30分だよ!!』

 

「うっそ!!悪い今すぐ帰る!!」

 

『早くしてよね』

 

「おう!」

 

今は家の天使をどうにかしないと…



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葉山2号!?

コンビニから帰ってくると、小町が玄関でムスッとした表情で立っていた。

 

「た、ただいま…」

 

「おかえりお兄ちゃん」ニコッ

 

あらいい笑顔〜いつもなら可愛い!とか言うけど今言ったらマジでどうなる事やら……

 

「ほ、ほれ小町、プリンだぞ」

 

「ありがと……ん?」

 

「どうした?」

 

「プレミアムプリンだぁ!!」

 

「お、おう?」

 

「これ今すっごく人気あるんだよ!?」

 

「そうなのか」

 

「このプリンに免じて許してあげます」

 

「助かった……」

 

「じゃあ小町これ食べたら寝るね」

 

「おう、お休み」

 

「お兄ちゃんも早く寝なよ」

 

「もう寝るよ」

 

「お兄ちゃんって結構健康的だよね」

 

「まあな」

 

「じゃね〜」

 

「おう」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あのコンビニ事件以来特に何も起こらず平和な日常が過ぎていった。

由比ヶ浜と付き合ったのが冬で、今は春。

小町も無事総武校に合格した。小町が入学してからも少し、ドタバタがあったがそれはまたいつか。

由比ヶ浜とはクラスが離れてしまった。由比ヶ浜はめちゃくちゃガッカリしてたな…

俺はどうせ新しいクラスでもぼっちかなと思ったが、何と戸塚が一緒だったので無事にぼっちは回避出来た。

 

「ん〜〜」

 

ガヤガヤ

 

「おはよ八幡」

 

「おう、おはよう。なんか騒がしくないか?」

 

「聞いてなかったの?八幡?転校生が来たんだよ」

 

「ふ〜ん」

 

「興味無いの?」

 

「どうせ俺みたいなやつには関わらないよ」

 

「むぅぅ〜そんなことないよ」

 

「悪い悪い。で何処に来たんだ?」

 

「由比ヶ浜さんのクラスだよ」

 

「由比ヶ浜のクラスか……そいつって男?」

 

 

「あはは八幡やっぱ気にするんじゃん」クスッ

 

「一応な…でどうなんだよ?」

 

「男の子らしいよそれもすっごいイケメンの」

 

「まじか……」

由比ヶ浜にかぎって無いよな?いやでも由比ヶ浜ほど美人だと分からないよな…やべぇ心配になってきた…

後で見に行くか…

ひとまず授業始まるまで寝る

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

起きたら放課後でした☆いや本当なんだって…

流石の俺もビックリしたわ…さっき戸塚が「八幡起きて?」って言ってもらわなかったらずっと寝てたわ…本当に戸塚天使

「ヒッキーいた!!」

 

「ん?由比ヶ浜どした」

 

「今日奉仕部ないってさ。ゆきのん何か用事があるって」

 

「あいつにしては珍しいな」

 

「何かあったのかな?」

 

「俺らが気にすることじゃ無いだろ」

 

「そうだね!!ねえねえこのあとどっか寄ってこ?」

 

「………どこ行く?」

 

「え〜っと…」

 

「あっ!!いたいた由比ヶ浜さん忘れ物」

 

「ん?本当だ〜ありがと〜」

 

「由比ヶ浜だれ?」コゴエ

 

「あっ!!ヒッキーこっちは今日転校してきた瀬戸内 優人君」

 

「で、うっちーこっちは比企谷八幡」

 

「どうも」ニコッ

 

「うす…」

すげぇリア充オーラぷんぷん出してんじゃん…

葉山にそっくりだな…

 

「それじゃあね、由比ヶ浜さん比企谷君」

 

「じゃあね〜うっちー」

 

「…………」

 

「どうしたの?ヒッキー?」

 

「何でもねぇよ」

 

「え〜?あっ!!」

 

「?」

 

「まさか嫉妬?」

 

「っ!!………」スタスタ

 

「もうヒッキー素直じゃないな…待ってよ〜」

 




前回の投稿から大部時間経っちゃいましたね…言い訳としては、モンハンにハマってしまいましたw
僕は悪くないんです!モンハンが社会が悪いんです!すいません…次回からはもう少し投稿頻度あげたいと思います。読んでいただきありがとうございます。


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勘違い

転校生が来てから数週間が、たった。転校生が来てからというもの俺のクラスでもあいつの話でもちきりだった。やれ頭がいいだの、家は大金持ちだの………とにかくあいつの話ばっかりだ。まあ俺はどうでも良いんだけど。

 

「由比ヶ浜迎えにいくか」スタスタ

 

いつもなら放課後になったら直ぐ俺の所に来るんだけど…まさか………先生に怒られてるな

 

「えーと由比ヶ浜は…いたいた」

 

なんだよ怒られてないじゃん…転校生くんと喋ってるじゃん…まさか浮気!?……んなわけないか

 

「由比ヶ浜」

 

「ん?ヒッキーじゃん!?珍しいね迎えに来るなんて」

 

「お前が来ないからだろ…で今日はどうする?」

 

「あー…ごめんね今日優美子達とカラオケ行くからさ」

 

「そっか…雪ノ下には俺が言っとくわ」

 

「ありがとじゃねヒッキー」フリフリ

 

「さようなら比企谷君」

 

「お、おう」

由比ヶ浜はともかくなんであいつが挨拶するんだよ…友達かと思っちゃうだろ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ガラガラ

 

「あら?こんにちは、比企谷君」

 

「よお」

 

「由比ヶ浜さんは?」

 

「三浦達とカラオケだってよ」

 

「そう……それはおかしいわね」

 

「はぁ?何でだ?」

 

「だって三浦さんあそこでテニスしてるもの」

 

雪ノ下が指した方を見ると確かにテニスをしている、三浦がいた。

 

「なんで三浦がテニスしてんだ?」

 

「度々戸塚君にテニスを教えてるそうよ」

 

「へえーそうなんだ…じゃあなんで由比ヶ浜は三浦となんて言ったんだ」

 

「私が知るわけないでしょ?その足りない脳みそを少しは使ったらどうなの?」

 

「はいはい…」

 

「まあ考えられるのは、比企谷君に愛想を尽かして転校生やらとのデートね」

 

「いやいや由比ヶ浜がそんな事絶対する訳ないだろ」

 

「この世には絶対なんて無いのよ?」

 

「いやでも……」

 

「はぁ冗談よ」

 

「明日聞くわ」

 

「えぇそれが1番良いわね」

 

そう言うと雪ノ下は持っていた本に視線を落とした。はいはいこれ以上喋る事はないと言う意志表示ですね。俺も大人しく本を読みますよ。

 

 

 

 

「比企谷君鍵を閉めるからはやく出て頂戴」

 

「ん…すまん」

 

「私は職員室に鍵を返しに行くから」

 

「おう、じゃあな雪ノ下」

 

「えぇさようなら」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「はぁ……」

明日本人に聞くって言ってもマジで浮気とかだったら俺のトラウマがまた作られちゃうわ…もう一生人間不信になるね。

 

「はちまーん」

ん?なんかむこうから肉団子が走ってきたぞ?え?肉団子って走るのか?いやいや動揺し過ぎて幻が見えちゃったんだな。うんそうだわ。

ということで、無視決定!!

 

「はちまん?」

 

うるさい肉団子だな。

 

「は、はちまん?」グス

 

はぁ泣き出したし声掛けてやるか。

 

「なんだよ材木座」

 

「やっと反応してくれた…」

 

「おい素に戻ってるぞ」

 

「え……ゲフンゲフン我が友八幡よ」

 

「誰がお前の友達だよ」

 

「そんな事言わずに…我とゲー…」

 

「はちまーん」フリフリ

 

「ん?おぉ戸塚!!」

 

「奇遇だね?八幡も今帰り?」

 

「そうだぞ。戸塚もか?」

 

「うん!!そうだよ」

 

「なあ戸塚良かったら今からどっか寄らないか?」

 

「良いよ!!ほら行こ?」

 

「おう。ゲーセンとサイゼどっちがいい?」

 

「う〜ん……僕あんまりゲーセンに行ったことないからゲーセンが良いな」キラキラ

 

「分かった俺オススメのゲーセンに連れてってやるよ」

 

「楽しみだね」

 

「うっし行くか」

 

「うん!材木座君ばいばい」

 

「八幡……我は?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「八幡楽しかったね」

 

「だな。俺も久しぶりにゲーセン行ったわ」

 

「八幡はよく行くの?」

 

「ん〜昔は毎日行ってたけど最近は全然だな」

 

「そーなんだ、次も一緒に行こうね?」ニコッ

 

「おう」

 

守りたいこの笑顔!!もうマジでとつかわいい

 

「じゃあ戸塚帰るか」

 

「うん!!」

 

「しっかし駅前だけあってカップル多いな」

 

「そうだね〜」

 

「もうマジでリア充爆発すれば良いのに」

 

「八幡もリア充だよ?」

 

「くっ……確かに…」

 

それにしてもカップル本当に多いんだよな…

ほらあそこにもカップルが1組…

 

「いやぁ〜うっちー歌上手だったね」

 

「由比ヶ浜さんも上手だったよ?」

 

「本当に?」

 

「本当本当」

 

 

「八幡…あれって」

 

「…………」

 

「八幡?」

 

「…………」

 

「八幡!!」ユサユサ

 

「あぁわりぃ」

 

「大丈夫?」

 

「すまん戸塚」

 

「家まで送ろっか?」

 

「いや、いい」

 

「本当に大丈夫?」

 

「大丈夫だ」

 

「それならいいけど…」

 

「じゃあな戸塚また明日」

 

「う、うんばいばい八幡」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ガチャ

 

「おかえりーおにい……なにがあったの?」

 

「……ただいま」

 

「お兄ちゃん!?」

 

「すまん小町寝るわ」

 

「え?」

 

「夜飯出来たら呼んで」

 

「う、うん分かった」

 

 

 

はぁ頭いてぇ…由比ヶ浜と転校生…由比ヶ浜は今日三浦とカラオケに行くと行っていた。しかし、三浦はテニスをしていた………もしかして本当に…浮気………いやいや落ち着け。由比ヶ浜は三浦と行くつもりだったが、三浦はテニスをするつもりだった。だから転校生と行った……うんそうだな絶対そうだ。

もう明日学校行きたくない…………少し寝よ

 




前回の投稿から大部経ってましたね…すみませんでした!!言い訳としては、受験のために取っておいたゲームやらアニメやらを消化していたら、気付くと五月に………って感じです…本当にすいません…次回からは頑張ります。
誤字がありましたら教えていただけると幸いです。


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絶望

そんなこんなで悩んでいたら、放課後になってた。いや、本当なんだって気づいたらだよ気づいたら。前にもあったしまじ病院行こっかな…

おっと変な事を考えてたら、部活に遅れちまう。部活に遅れた日なんて、雪ノ下からの夏でも凍るレベルの罵倒が飛んでくるに違いない。よし直ぐ行こう。でも走ったら駄目だそ。良いかみんな八幡先生との約束だそ☆おいそこ吐くなよ俺もちょっと傷つくだろ。

 

 

ガラガラ

「う〜っす」

 

「こんにちは」

 

「あれ?由比ヶ浜は?」

 

「聞いてないのかしら、今日もカラオケだそうよ。今日もね」

 

「なんだよそこまで強調すんなよ…」

 

「あらそんなつもりは無かったのだけれど」

 

「嘘つけ…」

 

その後は、いつも通りに本を読んでいた。

いや、いつも通りでは無いな…

 

 

不意に下校を知らせる鐘がなった。

 

「んじゃ帰るわ」

 

「さようなら比企谷君」

 

「じゃあな雪ノ下」

 

 

 

 

さて学校から出てきたものの、家に帰ってもやることがないのでどうするかな…

 

「あっ…今日ラノベの新刊でるじゃん」

 

というわけで行先は直ぐに決定したのだった。

 

 

お目当てのラノベは見つけたものの、少しばかり金には余裕があるので他にも買うことにした。

ん〜あんまりピンと来るものがないな…

「ダンジョンで飯を食うのはまちがっているのだろうか。」

「やはり私と彼の青春物語はズレている!?」

「千葉喰種」

「冴えない彼氏の育てかた」

 

ろくなもんねぇな…もうこれだけでいいや。

色々と物色したが結局はお目当てのラノベだけ買った。

よしいいぐらいに時間も潰せたし、そろそろ家に帰るか。

本屋から出た俺は前を見ると驚愕の物を見た。

「嘘だろ…」

 

俺の目の前道路を挟んで向こう側には、由比ヶ浜と転校生がいた。由比ヶ浜は、何かを大事そうに抱えながら転校生と楽しそうにお喋りをしていた。ふと由比ヶ浜と目があった…あってしまった。由比ヶ浜は驚いた表情をした。由比ヶ浜がなにかを言おうとしていたが、俺は構わずに走り去った。

 

何でだ?

 

どうして転校生といた

 

何でだ?

 

俺では駄目だったのか?

 

何でだ?

 

由比ヶ浜は裏切らないと言った

 

何でだ?何でだ?何でだ?何でだ?何でだ?何でだ?何でだ?何でだ?何でだ?何でだ?何でだ?何でだ?何でだ?何でだ?何でだ?何でだ?何でだ?何でだ?何でだ?何でだ?

 

俺の心には、怒り、悲しみ等様々な感情が入り混じった。

そして、気づいた。俺では駄目だったのだと。

痛感した、何を勘違いしていた。

俺なんかが由比ヶ浜を満足させられていると。

そして俺は______________



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