戦国乱世に舞い降りた転生者 (しがない弓兵)
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足軽じゃなさそうで足軽の転生者

小説初投稿です(*´ω`*)かなりの駄文ですが本文にどうぞ!


トントンっと一定のリズムで包丁を慣れた手つきで動かす。室内は包丁の音以外なく心地よいリズム感覚を感じる。そしてその慣れた手つきで包丁を使っている人物は以外にも男であり鼻歌をしながら黙々と調理が進んでいく。そして料理にて食欲が唆る白米に秋刀魚の塩焼き、そしてお味噌汁という至って普通の料理だ。だが男は満足そうに頷く。

 

「今日も上手くできたな。最近はどうも駆り出されて我が家で料理する時間が少ない。腕が鈍ってなくて良かった」

 

人使いが荒いんだよっとボヤいてハッと周囲を見渡す。まるでなにかに警戒しているようだったがほっと安堵をして両手を合わせる。そして食事をとる前に必ずしもいう言葉を男は口にする。

 

「いただき────」

 

「うわぁぁぁぁぁぁん……姫様に嫌われたよみよしぃぃぃ!」

 

だが男が最後までいう前に突如と男の家の扉が勢いよく開く。そしたら涙目で入ってくるポニーテールの女性が突撃するように男の胸ぐらを掴む。

 

「今度こそ姫様に嫌われたんだよ!どうしたら許してくれるのかな、やっぱり切腹しないといけないのかなぁぁぁ」

 

女性とは思えない力で男はユサユサと揺すられどんどんと顔色を青ざめていく。どんどんと男は顔が青ざめていくが精神力は強いのか力一杯に女性の頭に拳骨を繰り出す。突然のことだったため女性は避けることができず拳骨が当たれば痛かったのか頭を抑えて男を睨む。

 

「な、なにするんだよ!頭に拳骨するなんて私の頭が更に馬鹿になったらどうするんだよ!」

 

「拳骨1発で勘弁したことをむしろ光栄に思え。勝家のせいで俺はまた三途の川が見えていたわ!そこを考えると拳骨1発なんて軽いものだろうが!」

 

そう言われるとぐぅぅと押し黙る勝家。男はフンと鼻を鳴らせば立ち上がり来訪者が来るかもしれないのでご飯で握り飯を作る。勝家は拗ねているのか男をぶすぅと睨んでいると突如と天井から声が聞こえる。

 

「三好殿お邪魔するでござる」

 

「ああ。そしてナイスタイミングだ五右衛門。天井から降りてこい」

 

「承知」

 

男は第三者の居場所をわかっており降りてこいと言えばそ音もなく天井から床へと着地する。そうするとまだ幼そうな少女がいた。男は最後の仕上げで漬け物を添えて入れ物に包む。そして振り返り満足そう顔をして握り飯を渡す。

 

「五右衛門いつもすまないな。藤吉郎のオッサンに届けてもらって」

 

「拙者は当然のことをしているだけでごじゃる。それに三好殿料理はとちぇもおひいでごちゃる」

 

相変わらず30文字過ぎると噛み噛みだなと苦笑いをする。五右衛門は「うみゅ……」と恥ずかしそうに言えば三好は「気にするなと」頭を撫でる。実は男性恐怖症のため触れば失神をするが三好の時はプルプルと震えて我慢をしている様子だ。

 

「あー……すまないな。五右衛門は男性恐怖症だったよな」

 

「い、いえ大丈夫でごじゃる……」

 

三好はもう1度すまないなと謝罪をすれば五右衛門は首を横に振り音をたてずにその場から去る。つくづく忍者は凄いなと思っているとまだ朝食を食べていないことを思い出し朝食を食べ始める。三好が黙々と食べているとジィーと見られている視線が一つ。半場空気になりかけていた勝家の視線なのだが三好はそれを無視をして朝食をとる。無視をしたことに傷ついたのかウガァーっと獣のように声を出す。

 

「あたしを無視するなよおお……三好にまで嫌われたのかあたしは!」

 

「……別に嫌いではないがもしかしたら嫌いになるかもしれんな。毎度の如くご飯を食べる時に乱入するお前はなんだ?あれか勝家は狙っているのか?」

 

「そんな訳ないだろ!あたしがそんなことできるならの苦労なんかしてないよ」

 

必死に弁解している勝家の様子をジト目で睨む三好。そしたらジワッと勝家がまた涙目になってきたのではぁと三好はため息をする。何故か勝家は姫様のことと三好のことになるとすぐに涙目になる。

 

「わかったから涙目になるな。お前を泣かせたら俺が姫様になにをさせられるかわかったもんじゃない。最近は平和を噛み締めたいと思っているんだから」

 

「あたしのために姫様はなにかしてくれるのか!?……別に三好はそこそこ強いんだから戦にでててもいいんじゃないか?三好が足軽でいるなんてあたしは納得いかないぞ」

 

「……うっせえ。俺は戦とかそんなのはあんまししたくないんだよ。俺はあくまでも平和主義、もしもの時でもない限り俺は戦になんてでない」

 

相変わらずだなぁと勝家は呆れる。三好という男はどうやら戦、つまり命のやりとりをするのは好んでおらず本当にこの領地の危機と言わない時しか彼は戦場には立つことは無ければ戦うこともない。手合わせや稽古なら喜んで引き受けるという少し変わった人であり足軽でもある。

 

「前からずっと思ってたけど三好は変わってるよな。手柄を立てても名乗りあげないし他の足軽に譲るかのどちらかだしさ。それに三好は足軽だから戦には必ずしも参加しないといけないんだぞ」

 

「馬鹿な勝家でもわかるように教えてやる。手柄を立てれば身分は上がるが戦にしょっちゅう呼ばれることになる。そうすれば俺は戦に行かなければいけない。勝家も知っているとおり俺はとてつもなく運がない男。運がないから俺は戦にいけば早死する以上」

 

「運がないから早死すると言われたら何故か不思議と納得できちゃうのはなんでだろう」

 

勝家の言葉にたいして何も言うことなく三好はズズゥっと味噌汁を啜る。三好自身も運がないことを自覚しているようでそ呑気に啜った味噌汁を上手いと言っている。だが根本的なことを解決していないことに勝家は気づいていない。そもそも足軽とは雑務をすることが当たり前の身分なのだが三好はそれをしている様子は一切ない。現に三好は呑気に朝食をとっている。もっとも勝家が呑気に三好の家にいる時点で少し問題なのだが。

 

「あたしはそろそろ姫様のところにいかないと……三好は足軽でもあるんだからあたしと一緒に行くか?」

 

食事を終えて「お粗末様」っときちんと両手を合わせた三好になにか期待をしているかのように言う。三好は少し悩む素振りをみせて唸れば苦笑いを浮かべながら首を横へとふる。それで理解したのか勝家は深く残念そうに肩を落としてその場から去っていった。そうすると勝家が去るのを待っていたかのように突如と床から人が出てくる。先ほどの五右衛門のように忍者のように登場する。

 

「どうした才蔵?俺はまだなにもしてないけど」

 

三好はたいして驚いた様子も見せることなく突然と現れた才蔵とつく名前の女性に首を傾げる。先ほどの忍者である五右衛門とは違い才蔵は三好とたいして歳は変わらないようでスタイルは他の女性が羨ましいがる程を魅力的でありオマケに胸に関しては勝家に劣らないほどだ。才蔵は三好の言葉に淡々と答える。

 

「私は自己判断をして三好の前に現れただけ。それに三好は私にいつでも共にいていいと言ったのは嘘だったの?」

 

「……嘘ではないけどもう少し言い方を考えてくれ。誰かに聞かれると俺と才蔵がかなり親密な関係と勘違いされるだろう?」

 

「私と貴方は主従の関係だから別に構わない。それに私は人がいない時にしか貴方の目の前には現れないから。さきほどの忍者は私の存在を気づいていたようだけど」

 

「五右衛門は優秀だからな、俺より年下であの実力だ。将来どれほどの実力を身につけるか俺はとても楽しみだよ」

 

まるで五右衛門の兄か父親のような発言をする。三好の発言に少し納得がいかないことがあったのか才蔵が少し声のトーンを低くし三好を睨む。

 

「私の実力があの忍者より劣ると言いたいの?」

 

「まさか、才蔵の実力は俺の背中を安心して預けられるほどだよ。才蔵から助けてもらったことは何度もあった。君がいなければ俺はとっくの前に死んでたかもしれないことがいくつもあった」

 

俺は才蔵の不満を無くすために本音を言う。戦とは何が起きてもおかしくないのが当たり前想定外のことがあれば人はそれには反応ができないこともある。そのような時に才蔵は俺の身を幾度もなく守ってくれた。彼女がいなければこの命は既になく自宅で呑気にお茶など飲めないだろう。

 

「……ならいい。でも貴方の実力は手柄を立てれば織田家の家臣に目指すことができるほど。あの柴田勝家が言っていたとおりどうして三好は足軽のままでいるの?」

 

「俺は確かに足軽だ。でも足軽でも姫様、いや織田信奈に雇われたり従ってるわけでわなく幼馴染みの勝家に俺は従っている。それに足軽のままでいる理由は2つある。一つは俺より貧しい足軽の人たちは沢山いる。その人たちが少しでも裕福の幸せになるなら俺は手柄なんていくらでもほかの人に譲る。そして2つだが才蔵にも教えたが俺は────未来人であり転生者だ。だから俺が家臣を目指すのは言語道断であり卑怯としか言えない」

 

三好という男は苦笑いをしながら答える。『未来人で転生者』誰もが聞けばそれを真に受けるものなどいないだろう。だが才蔵は一度教えられているためか笑うどころか驚きもしない。だからこそ才蔵は疑問に持ち続けたことを三好にこの場で問う。

 

「そうだとしても貴方はこの乱世の世がどうなったかしている人間。貴方自身がこの乱世に終止符をうった人物の筋書き通りに生きることも出来るはず。それをしないのはなぜ?」

 

「しようと思えば出来る。ありえないほど辛い道のりだけどな。でもな俺の知っている歴史よりこの世界は少し違うんだよ。言ってしまえば織田信奈は女じゃなかった。俺の知っている織田信奈は男であり名前は織田信長。つまり俺の知っている歴史通りにいかないかもしれないんだ」

 

「もし貴方の知っている歴史通りだったら?」

 

まるで何かを試すように才蔵は三好に問う。それに感づいているのか感づいていないのか解らないが三好は間を開けることなく即答する。

 

「それでも俺は断る。天下なんてとる気もなければ目指すつもりもない。未来人の俺が人の歴史通りに動くのは卑劣だし俺が俺でない。人の歴史通りに動くことは俺、秋月三好ではなくなる。そんな人生はつまらないし俺の背負うべき運命じゃない」

 

「つまらない答えだったら貴方の首を討ち取るつもりだったけど……その未来は永遠にくることはなさそうね」

 

無表情が多い才蔵はクスリと僅かな笑顔を見せる。物騒な発言より才蔵が見せた笑顔に三好は少し見蕩れたがすぐに我に返る。三好が少しおかしな態度にどうしたのと首を傾げる。

 

「な、なんでもない。それより────」

 

「三好様、ただいま戻りました」

 

三好が何かをいう前に才蔵のように床からまた現れる。ポニーテールで三好より一つ年下の少女忍者が現れる。そして与えられた任の達成したため報告を始める。

 

「ただいま今川義元勢は未だにおかしな動きはありません。ですが今川義元と戦を回避できるのは皆無かと。小競り合いでも戦力差にて織田勢の戦力はかなり減るかと思われます」

 

「報告ありがとうくのいち。すまないなわざわざ行ってもらって」

 

「いえいえ!これは私が三好様に命じられた任務。情報収集は忍者にとっては朝飯前ですから」

 

申し訳なさそうにする三好に当たり前というくのいち。彼女も三好に従っている忍者でありその忠誠心は本物であり彼女が我が主である秋月三好を絶対に裏切ることはないだろう。

 

「俺は姫様みたいな豪華な褒美は与えきれないけど朝ごはん食べるか?」

 

「いいんですか!でしたらお言葉に甘えて朝食を頂きますね」

 

「ちょっと待っててくれ。すぐに準備するから」

 

ありがとうございます!っとくのいちは会釈をする。くのいち様子に少し苦笑いを浮かべながら三好が食べた朝食と同じものを準備を始めた。くのいちは座り才蔵へと視線を向ける。

 

「才蔵は三好様といったいなにを話してたの?」

 

「彼が人の歴史を歩むか歩まないかの話」

 

「それってどう言うこと?」

 

才蔵の明らかなる説明不足により言葉の意味が解らずくのいちは聞き返す。そしたらくのいちの朝食を持ってきた三好が簡単に説明をする。

 

「俺が未来人だから俺が歴史上の人物の生涯のように辿るかどうかを話してたんだ」

 

「三好様の話ですか。確かに三好様ならその者の生涯を変わりに生きることも可能ですね。三好様の答えはどちらなんですか?」

 

「答えは否。俺はそのような卑劣な行いはしたくはない」

 

三好様らしいです、っとくのいちは微笑めば三好の手料理である朝食を食べる。もちろん食べる前にはきちんといただきますと両手を合わせた。ちなみに余談ではあるが秋月三好の前では食べる前にはいただきます、食べ終えればごちそうさまをするのが暗黙の了解(暗黙のルール)と言うものだ。それは従っている才蔵とくのいちは暗黙の了解(暗黙のルール)を破らないと密かに心に誓っており1度たりとも破ったことはないし幼馴染みの柴田勝家も1度たりとも忘れず食べる前と食べ終わればきちんと言っている。実は言うと三好はそのような事には口煩い。しかし食事をとる態度が悪くてもそれは人それぞれと三好は言っておりマナーなどには別になにもいいはしない。彼が口煩いのは食事前に「いただきます」食事後に「ごちそうさま」これをしなければ秋月三好は無言の笑みを浮かべ暫くそのままで沈黙をする。それが恐ろしいため幼馴染と忍者2人はきちんとするのだ。何故彼が口煩いかと言うと三好にとってはいただきますとごちそうさまは食材への感謝しているとのこと。なぜそう感じているかは未来人と言うことが関係しているかもしれないが後に教えることにする。ちなみにそのことは五右衛門もわかっておりきちんと彼女もいただきますとごちそうさまをしている。

 

 

「そう言えばこれから三好様はどうする予定なのですか?」

 

もきゅもきゅとホカホカのご飯を食べながら今後の予定を聞く。三好はそうだなと顎に手を添えて少し考えれば答える。

 

「今日もいつも通り自己鍛錬でもしているよ。俺が出来るのはこれぐらいだからな」

 

この発言を勝家がもし聞いていたら間違いなく「三好は足軽なんだから姫様かあたしの言うことは聞かなきゃいけないんだぞ!」っとこんな感じに一つ、いやこれぐらいではすまないほど言われるだろう。再度言うが秋月三好という男の身分は足軽である。足軽の身分なのに尾張国の主である織田信奈に従わずそして柴田勝家に従っていると言いながらこの自由である。本来なら打ち首ものだと思うがそれは勝家のおかげと彼の実力が少なからずこの国には必要とされているなのかもしれない。

 

「だからくのいちと才蔵は自由行動。2人は俺が呼ぶまで休暇ね、反論も受け付けないしこれは命令だ」

 

「「御意」」

 

戦国乱世のこの世にて忍者に休暇を与えるのは少なくとも秋月三好しかいないだろう。だがそのような性格のため足軽の身分でありながら霧隠才蔵、くのいちというとても頼りになる忍者2人が従っているのかもしれない。そして蜂須賀五右衛門という彼とは君従関係ではないものの信頼関係も気づかれているのだろう。休暇を得た才蔵とくのいちは三好宅から姿を消す。そしてその主秋月三好は両手に木刀と腰の左右には同じ長さの愛用の刀をさす。

 

「桶狭間の戦いまではせめてゆっくりさせてくれよ。それ以降は色々と大変だからな」

 

織田信長────いや織田信奈の名が売れるようになるのはあの合戦から。避けられぬ運命で必ず起きる合戦、桶狭間の戦いを口にすれば俺はその回避できない運命に立ち向かい抗うために俺は鍛錬を開始するのであった。

 

 




かなりの駄目っぷりを見てくださりありがとうございますm(_ _)m次回の更新は未定であり思いつきで書いているものなので矛盾や原作にておかしな点があればすみません。織田信奈の野望に関しては最近読み始めた初心者のにわかなのでおかしな点はたくさんあると思います。ちなみにくのいちは戦国無双にでるキャラと同じと捉えてくれて構いません(殴)しゃ、喋り方に関しては作者の感じている風になっているのでくのいちファンの皆さんすみませんッ!

誤字や修正点などを教えてくれると嬉しいです(*´ω`*)

次回は良晴君登場!多分良晴君視点だと思います(震え声)


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自称未来から来た人間

なんとか早めに最新完了です。それでは本文にどうぞ!


「うおおおお!いったいどうなってんだッ!?」

 

今現在俺はなぜこのようなことになったのか考える暇がなかった。そしてあっちこっちからコスプレやレプリカと思いたい格好や武器を持っている者から追いかけ回されている。そっちだぎゃ!こっちだぎゃ!ええい!奴は化け物か!?っと最後の言葉にツッコミを入れたくなったが、槍や弓で仕留めようとしてくる。だが俺の異名は「球よけのよし」とドッチボールでは避けることには達人級、避けることは造作もないと鼻で笑う。しかし投げるのは全く駄目のためドッチボール部から勧誘されたことは一度もない。

 

「すばしっこいサルだぎゃ!」

 

「俺はサルじゃねえ!相良────ぬおっ!?危な!誰だよ弓で俺を射つやつは!」

 

つい条件反射でサルと否定しようとしたら背後から矢が飛んでくるがその矢ですら簡単に避ける。足軽の彼からはムキになるなったのか何がなんでもこの男、相良良晴の首をとりたいらしい。それに気がつけば織田勢、今川勢の足軽が揃いに揃って良晴を狙う。そして良晴は避けるごとにどころどころ関節が奇妙な音をたてるが聞かなかったことにしている。

 

「敵に背を向けるとは卑怯者だぎゃ!正々堂々と戦うんだぎゃ!」

 

「俺は武士ではなく一般市民!」

 

あそこにあるのは川か?あの川を渡れば戦場から離脱することができるはず!

 

うおおおぉぉぉぉぉと良晴は川の流れに逆らいジャブジャブと川を渡る。火事場の馬鹿力かそれとも背水の陣か、はてさてただの勢いと気合でなんとか川を渡る。だが足軽とてそれを呑気に見ているわけではなく弓で良晴を仕留めようとしたがなんたる幸運。タイミングよく矢が無くなっており矢があったとしても正面を歩いている良晴に命中させることすらできないへっぽこしか持ち合わせていなかった。

 

「ぜえぜえ……ようやくりだ────」

 

良晴は言葉が詰まる。川を渡れば離脱できるなどそれは相良良晴がそう考えてしまったためむしろ死地へと向かってしまう。そこには気高そうな鎧武者がわんさかいる本陣であったのだ。帳の下にて椅子に優雅に腰掛けている大将さんとバッチリと視線が合う。勿論目と目が合う瞬間好きだーとっという展開は起きるわけなく良晴は機械のようにギギぃと旗を見る。旗印は〇に二本線であり、駿河の超大大名の海道一の弓取りこと今川義元の旗印である。戦国乱世好きの良晴はそれがすぐに今川義元の旗印と気がついた。

 

「あら、何者ですのお前は?それに奇妙な鎧を着ていますわね」

 

相良良晴はしばらく惚ける。目の前には今川義元なのか疑問に思ってしまう程の美少女。俺が知る今川義元は男なんだけど?っと内心で感じるが戦国ゲームやりすぎて今川義元が姫武将になる夢を見ていると自己解決をして言葉を口にする。

 

「俺を家臣として雇ってくれっ!」

 

「いやですわ!」

 

「即答かよっ!?」

 

家臣に頼んでくれと言えば間を開けることなく、今川義元は即座に断る。良晴を何度がジロジロと見てからコホンっと咳払いをして表情をキリッと凛々しい顔になれば一言申す。

 

「嫌ですわ。お前のようなまるで小汚いサルのような貴方を由緒正しい今川家、大大大名であるこのわ・た・く・しが雇わないといけないのですか?やっておしまい!元康さん」

 

「承知いたしました〜」

 

本陣を守っていた鎧武者の1人が駆けつけて、刀を抜刀する。見た目は眼鏡っ子でどこか幸薄い武将だった。今川義元のようには凛々しくないがこちらはカワイイ系に分類に入る少女だろう。眼鏡っ子こと元康のことを知っている良晴はあれが将来徳川家康になるのかと?つい疑問に思ってしまったが狸耳があり何故が納得出来てしまう。それは徳川家康が腹黒い超超有名な武将でもあるのかそれとも大狸と呼ばれているかはさだかではない。良晴がついつい考えていたら首筋にひんやりとした感覚が一つ。

 

「義元様のご命令で、貴方様を手討ちにさせてもらいます〜」

 

「待て元康!俺は敵じゃないんだって!」

 

「私、理由あって義元様の下僕なんです〜。だから得点を稼がせてくださ〜い」

 

良晴は振り下ろされた刀を避けるため慌ててブリッジをする。本日何度目のマトリックス回避だろうかそのマトリックス回避の反動か腰が奇妙な音をたてたが良晴はまた聞かなかったことにする。

 

「あれ〜?義元さま〜、避けられました〜」

 

「あの身のこなし噂に聞く織田家に従っている腕利きの乱波(忍者)に違いありませんわ!元康さん二の太刀、三の太刀と繰り出してやってくださいな!」

 

「はい〜」

 

良晴は今川義元には家臣になることは無理だと断念する。そのため先ほどの川岸に舞い戻る。

 

「待ってください〜。私が義元様に怒られます〜」

 

日本刀をぶんぶんと回しながら追いかけてくる。手討ちでなければ良晴は喜んで立ち止まり徳川家康────松平元康のことを待つだろう。だが手討ちになるのなら話は別である。しかし意外なことに元康は意外に足が速く、川を渡った後に追いつかれそうになる。

 

「手打討ちですね〜お覚悟〜」

 

「ちくしょう、こんなバットエンドは嫌だ!なにか武器はないか、武器は……」

 

良晴はどうやら元康と戦う覚悟を決めたようだ。本人からしたら美少女と戦うことは不本意かもしれないが背に腹は変えられないということだろう。良晴は傍に倒れていた足軽の腕から槍を奪おうとした。だが、その足軽はすでにこときれていたのか槍から指が離れない。

 

「えいや〜手討ちです〜!」

 

「し、しまった!?」

 

槍が奪えなかったためその間を好機とみて元康は刀を上段から一気に振り下ろそうとする。だがそこに第3者、今川方から突如と小柄の足軽が現れる。

 

「危ないみゃあ、坊主!」

 

「へっ!?」

 

少しへっぴり腰だったが良晴を助ける足軽。元康の一撃をなんとか防ぎ男の意地と言うものか女性である元康を押し切り、良晴の体を小脇に抱えて元康から一目散に逃げていく。良晴は現状が解らないでいたがどうやら危ないところを助けられたようだ。

 

「待つです〜」

 

元康が愛らしい声を出して追ってくるが、足軽は待つことなくえっほえっほと逃げていく。やがて元康から逃げることができ良晴は今度こそ安全な林の中に運んでもらった。「うぃ〜」と叔父さんみたいに息を吐きながら、抱えていた良晴を降ろす。良晴は近くにあった大木の幹に背をつけて座り込んだ。早々と散りそうになりそうになったが足軽のおかげで助かったのでお礼を言う。

 

「あ、ありがとう。助かったけど……何で俺を助けたんだ?」

 

「わしは任を受けて今川方に忍びこんでた織田方の足軽だみゃあ。あの身のこなし、坊主は織田方の忍びだぎゃ?もしかしたらワシの知り合いの忍びと思ったみゃあ。坊主は誰に従っている忍者みゃ?」

 

「えっ?」

 

「どうしたみゃ?秋月三好の忍びじゃないのみゃあ?」

 

武将の名前で知り合いなのか秋月三好という人の名前が小柄の足軽が言う。だが戦国ゲーム好きの良晴は今までそんな武将名を聞いたことがない。目の前にいる人物も足軽のため足軽同士の仲間と判断をして話を続ける。

 

「俺はその三好っていう人の忍びじゃないし忍者でもない」

 

「そしたら坊主は誰なんじゃ?」

 

「俺は相良良晴、高校生だ」

 

「老行せえ?ワシも早く出世しておっかあに老行してえみゃあ」

 

「いやいや……えっと、俺は武士じゃないんだ」

 

「それはワシもじゃ。ワシは農民のせがれだみゃあ。今は合戦で手柄を立てれば出世できるみゃあ!わしの夢は一国一城の主になることだぎゃあ」

 

小柄の足軽の瞳は少年のようにキラキラと輝いていた。その瞳を見て良晴はこの小柄の足軽のおっさんは本気だと理解をする。

 

「一国一城の主か……」

 

「そうだみゃあ!男としてこの世に生を受け、一国一城を望まぬ生き方などワシにできないんじゃ!だってお城のお殿様なら女子にモテモテだみゃあ」

 

小柄の足軽の言葉に良晴はいつの間にか足軽の手を握り、その通りだっ!っと叫んでいた。

 

平和の日本ならいざしらず、戦国乱世である戦国時代に来てしまったら以上は国盗り!城持ち!そして城下町や家来で可愛い女の子の武将姫を集めてモテモテだっ!それこそが男の甲斐性!そして男の欲望!聞いたか!?野性と野望と本能を忘れている、現代人!

 

「おっさん、めちゃくちゃ気が合うな!」

 

「ワシもそう思うみゃあ!坊主は、ワシに匹敵するほどの女好きだみゃ!」

「リアル彼女は今のところいないが、俺の脳内はいつでもどこでもハーレムだっ!!」

 

「りあるぅ?はーれむぅ?なんだみゃあそれは?」

 

良晴の口にした現代語こと未来語にさっぱり解らないがなにかそれっぽい発音な気がする足軽。良晴は握っている手を無意識に強くして熱くなる。

 

「おっさんいいやつそうだな!よし、俺おっさんに賭けるよ!俺の夢を一緒にな!俺を織田方に連れていってくれ!」

 

「解ったみゃあ!お前は今日からわしの弟分みゃあ」

 

「なる!おっさんの弟分になるよ俺!しかしあんたが大名になれば────可愛い子2人で半分だぜ!」

 

「約束するみゃあ!」

 

互いに固い絆が生まれて互いに抱き合う良晴と足軽。今ここに足軽と相良良晴の────ハーレム計画が誕生をした!

 

小柄な足軽こと木下藤吉郎と未来人こと相良良晴のハーレム計画が作られる同時刻にある男が合戦のど真ん中にて鎧も着ずに参戦していた────

 

「なんで織田方の俺が、織田方の足軽に狙われてんだよッ!」

 

みゃあっー!っと刀で斬りかかってきた足軽を木刀にて応戦する。そもそも何故秋月三好こと彼がこの合戦に突如と来たかというと────鍛錬中に行き過ぎていつの間にか合戦にて巻き込まれたのだ。

 

「だから、俺も織田方に従っている足軽と言っているであろう!」

 

「足軽の身分で多数の織田方の足軽を失神しておいてなにを言うみゃあ!」

 

「……襲ってきたからつい反射的に反撃してしまったんだ。なんなら誰が柴田勝家に秋月三好と名乗る男がいると伝えてこい。そうすれば俺が織田方の足軽かハッキリとする」

 

三好の言葉を信じるより三好が少しへっぴり腰であった足軽を睨む。その足軽はい、行ってくるみゃあ!っと逃げるように行けば織田方の数十名の足軽は三好を警戒するようにジリジリと槍で追い込む。織田方のため三好は元から同胞の足軽をこれ以上刺激しないように木刀をぶらりと下げ、その場に座ろうとしてたら今川方がみゃああああ!と何名か攻めてくる。数では圧倒していたが織田方の足軽は不意を疲れたことに迎え撃つことを忘れる。そうしたら道着に袴姿の三好の雰囲気が突如と変わる。

 

「対応が遅れるから尾張は最弱などと不名誉なことが語られている。不意をつかれたとはいえ迎撃をし、反撃をすることなどいくらでも出来る。合戦では常に冷静でいろ、どんな時でも対応できるように落ち着き周囲を見渡せ」

 

突然と三好の話し方がガラリと変わる。先ほどの接しやすい話し方からまるで戦闘を幾度も行った歴戦の戦士のように助言をすれば、足軽の1人から槍を借り1人で足軽数名と応戦する。取り囲まれないように注意しながら熟練の槍捌きをみせる。

 

「こ、こいつ何者だみゃあ!?織田方にこんな奴がいるのかみゃあ!」

 

「俺ぐらいで驚くことはない。この乱世の世には俺より見込みのある武将はなんにもいため後に巡り会うさ」

 

三好はふっと鼻で笑え場今川方の足軽1人に槍を思いっきり投擲する。戦国乱世の槍の使い方を無視をした攻撃に対処しきれず腹部を抜く。その光景をみた今川方の足軽は互いに顔を見合わせて一目散にこんな奴に勝てるわけないみゃあ!っと叫びながら逃げていった。

 

「……す、凄いんだみゃあ」

 

「本当に何者なんだみゃあ……」

三好の戦いを見た足軽達はザワザワと騒ぐが、三好は先ほどの命を奪った足軽に近づけば顔を申し訳なさそうに歪ませてそして悔しそうに呟く。

 

「……俺を恨むなとは言わない。だが安らかに眠ってくれ」

 

三好は目を瞑り黙祷をする。三好が黙祷をしていれば空気を読んだ足軽は次々と黙祷をしていけばその場から去っていった。足軽はまだ戦の最中のためまったりとしている時間はない。黙祷を終えた三好が目を開ける。そしたら人の気配を感じて振り向けばそこには五右衛門がいた。

 

「三好殿、先ほどの戦い見事でごじゃった」

 

「俺の戦いなんて見ていてもつまらないものだろう?」

 

彼は自分自身を嘲笑して哀しそうな表情を見せる。五右衛門は数年の付き合いがあるため三好がそのような見せることは何度もあった。それは合戦の時で敵を殺める時に必ずしも見せる顔。

 

「三好殿……」

 

五右衛門は三好の表情を見れば言葉が詰まる。今にもこの世から誰にも気づかれないように消えていきそうな雰囲気で、頼りになるのにとても脆く今にも崩れそうだ。蜂須賀五右衛門がいくら腕利きの忍びでも秋月三好の心までは見れない。五右衛門が話しかけるか躊躇っていると三好が口を開く。

 

「俺は一度勝家と合流する予定だ。五右衛門はどうするんだ?」

 

先ほどの哀しそうな表情など無かったかのように今後の予定を話す。五右衛門は一旦主の藤吉郎と合流することを伝えれば風が吹くと同時に姿を消す。三好はそれを見届けた後ポツリと独り言を漏らす。

 

「……また人の命を奪ってしまった」

 

この世は戦国乱世。殺さなければこちらが殺される乱世の世ため殺してしまっても仕方ないと片付けられる世の中。だが三好は未来人であるため平和の日本だったため戦争とは無縁だったのだろう。だが秋月三好に一つの疑問が生まれてしまう。秋月三好は戦には殆ど出ていないと勝家が口にしていた。彼も鍛錬を積んでいるが実際の戦場へと立ってしまえば怖がるはず。だが秋月三好は怖がるどころかその逆であり、今川方の足軽の奇襲を冷静に対処して躊躇うことなく殺したのだ。それは戦いに慣れている人間にしかできないこと。戦にさほど出ていない三好には到底できないはずなのだ。だが、それが出来る三好はどのように身につけたのか生前にそのような出来事があったのだろうか?これに関しては本人と神のみが知ることである。

 

「……人を殺さない方法などこの世では考えるなこの乱世の世ではそれは無理の話。人の命を奪ったとしても、それを受け止めすべて背負い生きていけばいいだけだ」

 

今はあくまでも勝家と合流することを優先しろとまるでなにか言い聞かせるかなように言う。そして名もわからず殺した足軽分まで生き背負い込むことをと決めれば前線で奮闘しているだろう勝家と合流するためにこの戦へと本格的に参戦するのであった。




戦国乱世に舞い降りた転生者、第2話を無事に書き終えました!(*゚▽゚ノノ゙☆パチパチ(当たり前だわ

今回の原作と違う点は未来は秀吉こと木下藤吉郎は既に織田方の足軽のところです!秀吉さんが元は今川方の足軽だったのは覚えてましたが、いつ織田方の足軽になったかは覚えてないので今作品では潜入して情報集をしていたことにしました。そして中途半端に終わったように見えましたが個人的にはきりが良かったので。次回も最新未定ですが良晴君が織田信奈と遭遇、三好が勝家と合流する回になります。そして三好が本格的に合戦に参戦することを決意、はてさて三好の実力はどれほどなのか!?そして三好は生前にどんな人生をおくっていたのか!?ご期待ください!((次回は三好の過去には一切触れませんのでご了承くださいm(_ _)m


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