上海人形家出禄 (ルシャルシャ@黒P)
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一体目 上海の独り立ち

ワーイGWが1日増えたー!!って事で書き始めた小説。
ほぼノリとテンションで書いているのでちょっと文章がおかしいかも知れませんがご了承ください。

上海可愛い


私の名前はアリス・マーガトロイド

最近人形の完全自立に一体だけ成功した。

その人形の名前は[上海]戦闘もでき、家事も出来る優秀な人形だ。

 

だが昨日上海と喧嘩をしてしまった...

私は上海の完全自立記念にサプライズをしようと思い人形総出で準備をしていた。だが上海に手伝わせるとサプライズがバレてしまうので、手伝わなくていい、あっちに行っといてとちょっと冷たくしてしまった。

その結果上海は怒って出ていってしまった...帰ってきたら謝って楽しく祝おうと思っていたのだが一日たっても帰ってこない...何かあったのではないのか…今から探しに行くのだが...どこに行ったのか全く想像出来ない...心配だ...

 

 

 

私の名前は上海人形の上海。だいたいみんな名前が上海だからたいして変わりはないのだが、私は完全に自立した特別な上海人形なのだ。

昨日アリス様と喧嘩をしてしまった。だがあれは完全にアリス様が悪いのだ。自立したからと言ってあんなに冷たくすることないじゃないか…だから1人で生きていくことにしたのだが...生きていくためにいる物がほとんど手元にない、どうしたものか…今の格好は、アリス様お手製のランスを背負って自分で作った風呂敷を棒の先にぶら下げて肩に担いだ昔の旅人の様な格好である。ちなみに風呂敷の中身は換えの着替えと小さな研石そしてお腹が空いたら食べる小さな金平糖がある。

どう考えても準備不足だ。まず無一文、食べ物がない、住むところがない。さて...どうしたものか

 

[人里]

 

とりあえず人里に降りてきたが…完全にお使いにしか見られていないだろう。時々飴などを貰えるので人里に来たのは正解だったろう。

しばらくブラブラと歩いて?(浮いてるから)いると若い男の2人組が前からやって来た。邪魔にならないように少し横に避けるとその2人の会話が聞こえてきた。

 

「へ~そんな仕事もあるのか」「結構稼げるからな」

 

この会話が少し気になったので、気づかれないように後ろをつけて行く。

 

「羨ましいな~」「だろ~?」「今月金がないから追い出されるかもしれねぇから俺もそれやろうかな?」「良く稼げるからオススメだぜ?あ、でも時々変な依頼が来るから気をつけなよ」「変な依頼ってなんだ?」「この前は妖怪の山の警備をしている白狼天狗から外せない用事があるからってちょっと警備を頼まれた」「え?結構危なくない?絶対死んでるな」「俺は生きてるからここにいるんだよwww」「あ、そうか」「「AHAHAHAHAHAHA」」

 

なるほど片方は天然なのか。じゃなくて、会話の中の仕事と言う言葉が気になる。仕事の内容はおおよそ何でも屋みたいなものだろう。これなら私でもできそうだ。

そういえば妖怪の山の話もしていたな…そういう危険な仕事は極端に嫌がるだろう。ならそういう仕事も平気な私がやるべきだろう。

食べ物と仕事の問題は解決しそうだが後は住むところだが...

 

そうだ、住み込みの何でも屋みたいなことなら住むところも仕事も食べる物も確保出来る!!

我ながら見事な考えに賞賛の(心の)声を浴びせながらまずはどこに依頼所を作るかを考える。

 

ここから上海の冒険が始まったのであった。




読んでいただきありがとうごさいます!!
GWの間は毎日更新を予定していますので読んでいただけるとありがたいです。
パッと思いついた上海の物語はどこまで続くのか…


上海可愛いは最後に必ず付けようかな?


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二体目 上海の盗み聞き

何となく1日に2話投稿したくなったのにもう12時回ってるじゃないか!もういい!!今日は2話投稿するもん!!ぷんぷん!!「シャンハーイ...」

上海可愛い


[人里]

「シャンハーイ...」

よくよく考えてみれば喋れないから場所も確保出来ない、そしてお金がないから建物も小さな受付も作れない。

まずは言葉を喋れるようになろう。話をすれば優しい人が場所を貸してくれるかもしれないし、自ら依頼を受けに行くことも可能だ。そうと決まれば即行動!!

 

まずは言葉がよく集まるところで聞き学ぼう。人や言葉がよく集まる場所か、そういえば以前アリス様から寺子屋と言うものの話を聞いたな…確か他の上海人形から聞いたが上ナントカ沢慧音とかいう奴がいると聞いたな…確かその人は頼りになる人って言われてたっけな。とりあえずその寺子屋に移動しよう。

上海移動中……

 

[寺子屋]

ここがあの女の職場ね...

で、その上なんとか沢はどの人だろう。

ふらふらと寺子屋の周りを回っていると中から声が聞こえてきた。

 

「せんせー!!」「ん?どうした?」「プラズマの発生する条件ってこれであってる?」「ん~?ここの一部分がちょっと違うな、後字はもうちょっと綺麗に書こうな」「さすが[慧音]先生!!分かった!!」

 

あの変な格好が慧音という人か。にしてもプラズマの発生する条件って何なんだろう...

 

「さぁみんな授業だぞ~」「「はーい!!」」

 

授業が始まるのなら好都合、じっくりと口の動きと喉の動きを観察させて貰おう。

 

上海盗み聞き中……

 

まさかこんなにうまく行くとは...ほとんどの口の動きを覚えれるとは.....後は正しく発音できるかなのだが、それは他人からしか分からない。さて、どうしたものか...

その時教室から呟き声が聞こえてきた。

 

「重いな..誰かが手伝ってくれたらいいんだが....」

 

何が重いのだろうかと思い覗きみると大量の書類をもった上なんとか沢の姿が見えた。とりあえずシャンハーイとも言って手伝えば少しは信頼を得れるかもしれない。そうと決まれば即実行!!

 

「シャンハーイ!!」「ん?確か森の魔法使いの所の...」「シャンハーイ!!」「なんだ?おやつは今持ってないぞ?」

 

物分りが悪い人なのかただの天然なのか…少し強引に下から書類を持ち上げる。

 

「お?なんだ?盗むのか?」「シャンハーイ!!(首を横に振りながら)」「それじゃあ手伝ってくれるのか?」「シャンハーイ!!」「おぉ!それはありがたい!!」「それじゃあそっちを持ってくれるか?」

 

そっちでどっち?まさかあの机の上に置いてあるざっと見て参考書12冊くらいの数の書類の事か?

 

「シャンハーイ.....?」「それじゃあ頼むぞ!!」

 

逃げたよ…あの人教師なのに逃げたよ…ちょっと小走りだったよ…まさか最初から私がいることを知っていたのだろう…良いように利用された訳か…「シャンハーイ.....」これは運べそうだが絶対に足の1本くれてやる覚悟で行くしかないようだ。後できっちり報酬は貰おう。




上海が可愛すぎて写真フォルダがほとんど上海の画像で埋まっているが気にせずに更に保存し続けよう。
今日は2話投稿しようと思っていたのに間に合わなかったので2話と3話と4話は同じ日に投稿できるようにしたいな...
そして今回は上海がよく喋る回でしたね。「シャンハーイ」だけではなかなか話を進めづらいので早いうちに少しは喋れるようにしたいです。

上海可愛いは前書きの最後に付けるようにします。


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三体目 上海と慧音

今日二話目の投稿。
ほぼ1話目くらいなのだが…
後今日はもう1話投稿したいです。このGWは忙しくなりそうだ...

上海可愛い


[寺子屋]

「シャン...ハーイ...」

やっと運び終えた...今考えると分けて運んだ方が良かったと後悔する。

 

「お、運び終えたか!」

 

椅子にリラックスしながら座ってる暇があったら手伝って欲しいです...大量の書類を机の上に置きわざとらしく倒れ「シ、シャンハーイ...」と小さな声で呟く。

 

「あ、そうだ。お前の主人はどこにいるんだ?礼がしたいのだが」

 

結構そういう所は律儀で教師らしいと言えば教師らしい。だがちょっと面倒くさそうな顔をしている気がする...そんなことより私は今家出をしているから主人がいないので、それをどう伝えようか...言葉は喋れない…ふと、机の上に置いてあったペンが目に入る。字を書いて伝えるのはどうだろうか。字ならば少し汚いが書ける、そうと決まれば即実行!!

 

「シャンハーイ!!」置いてあるペンを手に取り、さっき運んできた紙の1枚を引っ張り出し、裏に字を書き始める。

「シャン!!ハーイ!!!!!」完成!!書き終わった紙を慧音の方に掲げる。

 

「ん?なになに?私は 家出を しているから 主人がいない ?」「シャンハーイ!!」「なるほど。お前は今家出の真っ最中って訳か...」「シャンハーイ」「なら、行く宛はあるのか?」「シャンハーイ...(首を横に振りながら)」「それじゃあ礼の代わりと言ってはなんだが家に泊まっていくか?」「シャ!!」

 

驚いたな、こんなにうまく泊まる所を確保できるとは...あの重労働も無駄じゃなかったようだ。

「どうする?」ありがたく泊めて貰おう「シャンハーイ!!」

上海移動中.....

 

[けーねハウス]

 

「ようこそけーねハウスへ!!」「シャンハーイ...」

 

ケーねハウスと言うセンスはどうかと思う。見た目はちょっと大きな民家だが、中身が結構散らかっている。散らかっていると言っても色々な資料が山積みになっているだけなのだが…

 

「散らかっているのは気にするな!」「シャンハーイ...」「ちょっと待ってな、すぐ食べるものを用意する」「シャンハーイ!!」「ん?手伝ってくれるのか?」「シャンハーイ!!」「客は座って待ってな、って言いたいんだが今ちょっと手が離せないからそこの資料の山を抑えといてくれ」

 

慧音の体制は恐ろしいものだった。左手で料理をしながら、右足で資料の山を抑え、右手で資料を書きながら、頭を後ろに反らして私に語りかけている。とりあえず手伝った方がいいだろう。

 

「シャンハーイ!!」急いで右足の資料を代わりに抑える。「シャン!?」なんだこの重さは!?昼間持っていた資料の半分くらいの重さだ。「重いから気をつけろよ」そういうことはもっと早くに言って欲しかった...そんなことを考えながら倒れてくる資料を必死に抑える。昼に続きまた重労働かと少し呆れながら漂ってくる美味しそうな匂いに鼻をくすぐられる。資料の山の間から少し窓が見える。今夜は月が綺麗だな...




終わり方が何となくもどかしいですが、次の投稿を早くしますので少しは勘弁です。

さぁ、次の話を作らなきゃ…


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四体目 言葉と上海

これが投稿されたのが夜中の0時を回っていたらまた1話追加で投稿します。
アイデアは尽きずに体力が尽きる。

上海可愛い


「ほい!!」目の前に美味しそうな鮭と味噌汁が出される。

手を合わせて「シャンハーイ!!」と元気よく言うと「いただきます」と慧音さんも返す。あの後(前回)料理を作り終えた慧音さんが助けてくれてなければ、私は潰れていただろう。

慧音&上海食事中.....

 

食べ終えた皿などを片付け洗い物の手伝いをしていた時、こんなことを聞いてきた。

「これからどうするつもりなんだ?」「シャンハーイ...」

まずは言葉を学ぶつもり、と紙に素早く書きそれを見せる。

そうか…、と呟くと何かを考え込み始めた。一体何を考えているのやら...

「それじゃあ何か喋ってみなよ」口の動きは覚えたがまだ喋れる段階ではないような気がするのだが…

「今日覗いてたから喋れるよな?」ガッツリバレてた...まぁ、物は試しだ。

「ワ.......タジノ...名マエは...シャンハーイ...」やべえ、何故かすっごい恥ずかしい...

「よし決めた!!今日だけで上海が喋れるようにしてやろう!!」「シャンハーイ?」「何て言ってるか分からんがもちろんだ!!」

この人は勢いだけで生きているような気がしてきた...

「よし!!早速やるぞ!!」まぁ、こう言ってくれているのだ。ここはご好意に甘えた方がいいだろう。

 

上海勉強中.....

 

「なんてこった...たったの6時間で喋れるようになるとは..さすが教師と言ったところか…」「意外に声は変わらないんだな。1回上海って言ってくれないか?」「シャンハーイ」「この時だけ棒読みになるのは直せなかったから、ほっておくか。」「え、酷い...」

 

こうして私は言葉を手に入れたのだが...

「これじゃ読者に上海って分かりにくいな…」「読者って?」「いや、上海には多分関係の無い話だから。」気になる...「いや、上海って言うところはカタカナだから大丈夫か...」「シャンハーイがどうしたって?」「いや、何でもない。うん。」どうやら私が触れてはいけない部分なのだろう。うん。

「それじゃあそろそろ寺子屋に行かなくては」「え?一睡もしていないのに?」「先生の朝は早いのだよ。」

働きすぎで倒れそうな気がしてきたよ...大丈夫かこの人...

「あ、そうそう。今日も手伝って貰うから」

満面の笑みでサラッと言われたがまたあれくらいの資料を運べと言う事だろう。逃げ出してやろうかな...ため息混じりに小さく「シャンハーイ...」と呟く。今日も上海は重労働だったとさ。

 

 

 

「上海~!!そろそろ帰ってきて~!!」ところ変わってここはアリス亭近くの森の中。「まさか...動物とかにやられてたり...いや、上海は強いからそんなことは無いはず...上海~!!」アリスは今人形総動員で、完全自立型上海を探している。「シャンハーイ?」「ホラーイ?」ここら辺の森の中は三歩歩けば必ず人形に出会うくらいの勢いで捜索が進んでいる。「上海~!!私が悪かったから出てきて~!!」昨日から寝ずに探していることから彼女の必死さが分かるだろう。だが上海はそこにはいないことをアリスは知らない。いつになったら会えるのだか.....「上海~!!」




多分投稿間に合ってるはず。
今回は上海が喋れるようにようになった記念すべき回ですね。でも普通の人と違いが分かりにくくなってしまいました…それと今回はアリス視点も少し入れてみました。アリス視点が好評だったら回数が増えるかも.....
それではまた明日...


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紅魔館編
五体目 霧の湖と可哀想な釣り人


おはようございます。今日はフルで書きまくろうと思います。死なない程度にやって行きますのでよろしくお願いします。

上海可愛い


今は夕暮れ時...けーねハウスの前に1人と1体の人形の影があった。

 

「もう行くのか?」「シャンハーイ。」「そうか...」「今までお世話になりました。」「たったの2日だがな」

上海は言葉を手に入れ、次の依頼を受けにまた旅に出るのだ。

「次はどこに行くつもりだ?」「紅魔館.....博麗神社.....香霖堂.....後色々...」「人手に困ってそうな所ばかりだな」「報酬が弾みそう...」「そうか。まぁ、困ったらいつでも戻ってきな」「ありがとう。」

別れはいつも悲しいものだと自分に言い聞かせ歩き始める。「別れは悲しいものじゃない。いつかまた会えるさ...」その言葉が心に染み渡る...だが人形なのに心があるのか?まぁ気にしないでおこう。

さぁ、歩こう...

 

上海移動中.....

 

[霧の湖周辺]

この先に紅魔館があるらしいが.....今日は霧が濃すぎて足元すら見えない。いま自分が湖の上なのか、湖の周りなのかすら分からない。

1度下に降りてみるか?何があるか分からないから降りるわけにも行かない...そんなことを考えていると’’ガン!!,,どうやら木のようなものにぶつかったようだ。

ぶつかったものを確認するためにそれに触れてみると...ヒヤリとしている...凄く…冷たいです…じゃなくて、触ったところこれは氷のようだ。何故氷がこんな所にあるのか?

 

「誰かいるのか?」

そんな声が濃い霧の中から聞こえてきた。とりあえず「シャンハーイ!!」と言ってみる。

「誰かいるんだな!前が見えねぇんだ!助けてくれて!!」

どうやら依頼人のようだ。困ってる奴は全員依頼人でいいだろう。

「シャンハーイ」声のする方に行くと少し霧が晴れてきた。周りが少し見渡せるくらいに晴れると声の主の姿が見えた。

「助けてくれ...って人形?あぁ、もうダメだ...」「助けてやらんぞ...」「シャァベッタァァァァァァァ!!!」

 

驚かたが、私は優しく懇切丁寧に助けてやることを説明した。

「そして報酬は受け取るぞ。」「助けてくれるのならありがたいが.....喋れるのか...」

喋る人形が珍しいのなら腹話術ショーでも見に行けばいいのに...きっと心臓が止まるほど驚くだろう。

「釣りに来てたら霧が出てきて、帰ろうとしたら船が動かないんだ!!改めて助けてくれて!!」

どうやら船の底が水面に凍りついているようだ。とりあえずランスで氷を砕き船を助け出す。

 

「ありがとう!!助かったよ!!」「なら、報酬を出してくれ」「飴ぐらいしかないがいいか?」「ダメだ。金になるものだ」「完全に物取りの言い方じゃないか...分かったよ...」「今何を持っているのだ?」「さっき釣った魚と...魚と...指輪と...魚と...飴ちゃん。」

と言いながら次々に魚とその他を船の上に出していく。指輪?

「指輪はお前のか?」「いや、さっき釣った魚が吐き出したんで、綺麗に洗ったら金になりそうだったんで...まさかこれが欲しいのか?」「その指輪と飴を寄越せ。今はそれだけの報酬で我慢しよう。寄越さないと船を沈める。」「オイラからまだ物を奪う気か...まぁ、命には変えられんからな...」

と言って指輪と飴を差し出してきた。

「確かに受け取った。オマケだ、あっちが人里だ。」

なんて優しいんだろう!きっと霧で方向感覚が分からなくなっているだろうから道を教えてあげるなんて!ただし、金は取る。慈悲はない。

 

依頼人は泣きながら船を漕ぎ帰っていった。きっと助かったことが泣くほどが嬉しいのだろう。

さぁ、もう少しで紅魔館だ。夜も近いし急ぐとしよう。




さぁ、今日はできる限り投稿するのでよろしくお願いします。
今回の釣り人は何か釣れただけありがたいですね。自分の友達はこの前釣りに行って何も釣れなかったらしいですからね。
さぁ、次回から紅魔館編です。お楽しみに...


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六体目 上海と面倒な門番

今日二話目の投稿。今日のお昼はラーメンと焼き鳥というちょっと豪華なお昼でした。
今回から紅魔館編です。

上海可愛い


思わぬ収入にちょっとウキウキしながら紅魔館の門の前にたどり着く。見事に赤い...いや、紅い。

[紅魔館]

こんなに大きいと掃除も大変だろう。きっと人手が足りないに違いない。よし、私が雇われて手伝ってやろう。自分の中で交渉成立!!そうと決めたら即実行!!

「えっと...ここで何をしているんですか?」さぁ、何も聞こえない聞こえない。「シャンハーイ」「ちょ!!無視しないで!!」面倒くさそうな門番が何か言ってるが気にしない。

「侵入者なら容赦しませんよ!!」面倒な門番だな...確か名前は紅美鈴...だっけか。まぁ、蹴られるのは嫌なので話は聞いてやろう。聞くだけな。

「シャンハーイ?」「やっと話を聞く気になりましたか...まずあなたの名前はと目的は?」「私の名前はシャンハーイ。ここで働かせてください!」「シャァベッタァァァァァァァ!!!」その反応はさっきも見たのだが...「って、ここで働かせてって...人手は足りてますし、人形は雇えません!!」「それじゃあ、住み込みで」「それも一緒です!!」なんて面倒な門番なのだろう...こうなったら奥の手を使うしかなさそうだな...「あなた...堂々と昼寝したくありませんか?」「え?今なんて?」「ひ・る・ねだよ。」「そんなことが出来るんですか?」「あぁ、私を雇えばね」「どうして昼寝が出来るのですか?」「私があなたの使い人形として門番をするのですよ。」「なるほど...門番も出来て昼寝もできるというわけか...」ま、そんな面倒なことする気はないけど。「それじゃあ、通してもらおうか」「くっ...どうぞ...」チョロイな...よくこれで門番が勤まってるよ...「シャンハーイ...」

[紅魔館中庭]

「シャンハーイ」うまく入れたが、次はメイド長を何とかしなくては...とある人形から聞いた話、敵と見なしたものは容赦なく串刺しにするらしい。先にこの館の主の所に行って直接交渉すれば万事解決なのだが.....そんな簡単に物事は運ばない。すっごい見られてる。明らかに怪しまれてる。正直いってめっちゃ怖い...なんかナイフ構えてるし、完全に少しでもおかしいところがあれば串刺しにするって目で言ってるもん。

「可愛い...」え?今なんて...「すっごい可愛い...誰のだろう...」周り見渡して何しようとしてるの?怖い...別の意味で怖い...「部屋のどこに飾ろう...」あ、ダメだ...

その日、小さな人形を持った咲夜さんが上機嫌で部屋に入っていって、その後の仕事を秒で全てこなしいつもより早く部屋に戻っていった姿を見たものは大勢いたという...

ある意味ホラーである。

 




今回はVS美鈴でした。結構あっさり終わりましまね。
ここの美鈴はよく昼寝をして怒られている方の美鈴を使っております。
次回は咲夜さんの部屋からの脱出がメインです。
それではまた次回...


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七体目 上海とメイド長

後これ含めて3話は行けそう...
今回は咲夜さんの部屋からの脱出メインです。
今日の晩ご飯どうしよう...

上海可愛い


こんなことになるんなら窓から入れば良かったと今更ながら思う。

私は今、あの十六夜咲夜の部屋でただの人形として扱われています。下手に動くと真っ二つになりそうなのでこの人が眠るのを待っているのだが...ずっと私に喋りかけたり、撫でたり、服を着せ替えたり、ポーズをとらせたり...喋らずにこんなことするのすっごい疲れるんだよなぁ...

「そうだ!!呼びやすいように名前をつけましょう!!」この人はとことん面倒くさそう。門番より面倒くさそう。「え~っと...セカンド咲夜ちゃん...いや、長いわね...」この調子だと結構長くかかりそう...

[30分後...]

どれだけ悩めばいいんだ?もう適当にドールちゃんでも人形その1でもいいじゃん!?30分も悩むことか!?「そうだ!!パシフィックちゃんにしましょう!!」うん。まずネーミングセンスがおかしい時点で「却下!!」って叫びたい。ていうか何でそれで納得した?「はぁ~...スッキリした~...」

<バタッ あ、寝た。.....この人は一体何がしたかったのだろう...

小さく窓を開け、ゆっくりと外に出る。結構夜は冷えていた。「へくちっ!!」寒い風が吹き込むと共に室内に咲夜さんの可愛いくしゃみが響く。やばい、起きる前にさっきの所に戻らないと...私はこれ以上ないくらいの速さでさっきの所に戻る。戻ったと同時に「ん?何か寒い...」と言う声が聞こえる。危なかった...「あれ?窓なんて開いてたかしら…」そして窓を閉めた。折角の脱出チャンスを逃してしまった...また眠るのを待つしかない...「あ、パシフィックが窓を開けたの?しょうがない子ね。」はい、そうですなんて口が裂けても言えるものか。彼女は立ち上がり部屋の電気を消した。「さぁ、パシフィックちゃん。おやすみなさい...」ここで抱きしめられながら寝られたらまず脱出不可能だろう。

こっちに手が伸びてきた。終わった...そう思ったら手は私の後ろにある枕を掴んだ。「んあ~...パシフィックちゃん~」完全に寝ぼけている...助かった...枕を抱きしめながら寝る姿は少し可愛かったが、そんなことを気にしている暇はない。窓がダメならドアから出ればいいじゃないか...

何とか咲夜さんの部屋から脱出に成功した。後は、この館の主であるレミリア・スカーレットの元に行くだけだ。まぁ、どうせ一番上だろう。姿は新聞で見たが会うのはこれが初めてだ。今のうちに雇ってもらう時の言葉(ほぼ脅しや誘惑)を考えておこう。

上海はレミリア・スカーレットの元へ歩みを進めていくのであった。




咲夜さんの寝顔。見てみたいですね...枕を抱きしめながらヨダレを垂らして寝てるなんて...どんな天使なんだろう...
まぁ、上海も十分天使何ですけどねw
それではまた次回...

次回はレミリア回です。レミリア回はさすがに2回にわけようかなぁ...


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八体目 上海と吸血鬼

明日予定ができたのでのでペース上げて書いていきます。
今回はレミリア回です。1話で収まりそう...

上海可愛い


最上階のドアを片っ端から開けていくが、全く当たらない。これがどこかで聞いた[運命を操る程度の能力]か...

どのドアもハズレならば最後に残ったドアにいるに違いない。そして最後に残った部屋はこのドアノブにドアノブカバーが付いているこの部屋だけだ。この長く苦しい戦いもこれで終わりか.....そう思いながらゆっくりとドアを開ける。その中にはレミリア・スカーレットが.......いない.....

その時廊下の奥から「咲夜~?どこにいるの~?」と言う声が聞こえてきた。その声の主はもちろん、この館の主レミリア・スカーレットであった。

「あら?」どうやらこちらに気づいたようだ。自分が動けることも隠さずに堂々と目の前で言葉を発す。「今までどこにいたんですか?」「へぇ、あなた喋れるの?今までは咲夜を探して館中を探し回っていたわ。一体どこに行ったか知らない?」あぁ、なるほどそれなら仕方ないなんて言うと思ったか…これが奴の能力か...とか言ってた自分が凄く恥ずかしい...「あの人なら疲れて自分の部屋で眠っているよ」「あら、そうなの...たまには休憩も必要だものね...」

休憩ってそんなにないのか...「そういえばあなたはどうしてここにいるの?」「ここで働くためです」店を開くための資金を集めているのだが...ここは言わないでおこう...嫌な予感がする...「なら、いいわよ。あなたを雇ってあげる」え?「え?早くない?即決?」「そうよ。さぁ、あなたは何をしてくれるの?」「何でも屋みたいなものです…」未だに同様は収まらない...「なら、今日は咲夜の代わりをやってもらおうかしら。どうせ咲夜が寝たのもあなたが原因だろうし」何故かは知らんがバレてる...「分かりました...今日は咲夜さんの代わりをしましょう。ただし!!ほうs」「報酬は弾め...でしょう?分かったわ」「契約成立ですね。」「改めて、ようこそ紅魔館へ。この館の主レミリア・スカーレットが心を込めて歓迎するわ!!」「シャンハーイです。これからよろしくお願いします」

「そういえばあなたって喋れる人形なのね」今更だなぁ...「はい」

「それじゃあまずは紅茶でも入れてもらおうかしら?分からないことがあればジュリーに聞きなさい。ジュリー!!」その声と共に銀髪のメガネをかけた賢そうな妖精メイドが入ってきた。「はい、お嬢さま」「紹介するわ、妖精メイドの中でも特に優秀なジュリーよ。」「ジュリーです。よろしくお願いします」「今日からここで働くことになったシャンハーイです。」「ジュリー、この子の仕事を手伝ってあげてね」「はい、お嬢さま。それじゃあキッチンへ行きましょう。まずは紅茶の入れ方から教えてあげるわ」




今回は一回でまとまったレミリア回でした。次回は日常紅魔館編です。お楽しみに...

今日の晩ご飯は結局寿司にしました。美味しかったです。


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⑨体目 上海と眠る紅魔館

とあるゲームの大会に友達と出て遅れました。←(投稿予約をしないバカ)
明日から頑張る...

上海可愛い


「なんて奴だ.....たったの一夜で全ての仕事を覚えるとわ.....」前もこんなこと言われたな.....「シャンハーイ...」「何か忘れている気がするけど上海!!あなたは立派になったわ...」多分、レミリア・スカーレットに出す分の紅茶を忘れているのだろう。あぁ、今はお嬢さまだったか...いちよう持っていこう...

「お嬢さま、紅茶が入りました。」って、寝てる...椅子に座りながら頬杖をつきヨダレを垂らして寝ている。叩き起こそうかと考えたが、今はお嬢さまだから乱暴なことは出来ない。そっと机の上に紅茶を置き、そっと部屋から出ようとドアに手をかけた時「あら、ご苦労さま...」どうやら起こしてしまったようだ。「申し訳ございませんお嬢さま。起こしてしまいました。」「私はずっと起きてたわよ?」紛らわしいんだよ...「上海?そろそろ咲夜を起こしてきてくれる?」絶対に串刺しにされる...だが、お嬢さまの命令は絶対だ...「分かりました」「上海。」「何でしょう?」「あなたは今日死ぬことはないわ。私には分かるもの、恐れずに行きなさい。」何か結構重要そうなこと言ってるけどあまり聞いてなかった.....ちゃんと聞いておけば良かった...

[咲夜の部屋前]

「シャンハーイ...」この部屋に入る時、私はまたパシフィックちゃんとか言うネーミングセンスの塵もない名前にならなければならない。

ガチャ。彼女はまだ寝ているか確認する。あぁ、さっきより淫らな格好で寝ているではないか...これ以上酷いとR-18が付きそうなので言わないが、結構やばい。

さぁ、とっとと叩き起こそうか。ペシペシ、ペシペシ、「んぁ?パシフィックちゃん?」「早く起きてください!それと私の名前はシャンハーイです!!」「パシフィックちゃんが喋ってる...きっとまだ夢の中か...」「シャンハーイです!!」「分かった。分かったぁ...スヤァ...」これでも起きないとなると凄く疲れてそうだ。「あ、そうだ。今日からここで働くことになりましたのでよろしくお願いします。」「分かったよ…パシフィックt.....え?」お、食いついた。「お嬢さまがあなたを呼んでましたよ?」「え?喋ってる...?その前にお嬢さま!!あ!時間!!」その瞬間私を掴んで振り回してこう問いただしてきた。「今何時!?何時なの!!」「今は朝の六時です」朝日がギリギリ上ってきている。「あ、あぁ...」起こしはした。それ以外は知らん。「それでは、失礼します。」と言いドアを開けようとする。「どこに行く気だ...」声から分かる。すっごい怒ってる...悪いことしてないよね?「あなたのせいで寝てしまったのよ?.....責任を取って.....ここで.....」何故か私のせいになっている...だから嫌だったのに...

 

「 解体されて行きなさい」

地獄の底から響くような恐ろしい声が部屋に響く。

 

次回!!上海死す!!デ〇エルスタンバイ!!

「シャンハーイ...」




ネタ考えていたら城之内ネタですよ。使い古されたボロ雑巾みたい...
頑張って今日も1話出来ました。正直ギリギリ
ゲーム大会の結果?一回戦敗退でした…
次回は、咲夜さん(ガチギレ)です。可哀想な上海...


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十体目 上海と怒れるメイド長

朝起きたら11時...午後から頑張る...
今日は2話くらいしか投稿出来なさそうです。
今回は滅多にやらないと思うバトル回です。凄く下手くそになる気がしますが、ご了承ください。

上海可愛い


「きっとあなたのせいで寝坊したんです...お詫びとして解体されてください...」なんて理不尽な...「えっと...寝坊したのは私のせいじゃないです...」「じゃあ誰のせい?」あぁ...イライラを発散させたいだけなのな...ここで押さえないと他の誰かが犠牲になる。あまり戦いは好まないのだが...「さぁ...解体ショーの始まりよ...あなたはどれ位耐えれる?」この人こんな人だったっけ?イメージだともっと冷静な気がしたのだが...まだただの上海人形だった時に戦闘訓練はしていたが...実戦はこれが初めてである。ふと前を見るといつの間にかメイド服に着替えているじゃないか...戦闘服扱いかな?「戦いたくはないのですが?」とりあえず戦いは避けたい。「それじゃあ静かに解体されてくださる?」あ、ダメだこりゃ。だが、少し様子が変だ...何故すぐに武器を取り出さない?寝起きだから忘れているのか?「シャンハーイ...」その瞬間私の顔の横スレスレを何かが横切った。「あら?外してしまいました」後ろにゆっくりと振り返る。横切った何かは、銀色に輝くナイフが壁に刺さっていた。反応すら出来ない速度で飛んできて私の顔をかっさらって行こうとしていたナイフに少し恐怖する。だがよく良く考えてみれば人形なのだからいくらでも直せるか。「次は外しませんわ!」そう彼女が言った途端ナイフがそこら中から飛んできた。背中に背負っていたランスを取り出し、ナイフを弾こうとする。が、取り出した時にはもう遅い。無数のナイフがランスに刺さり、数本後ろに飛んでゆく。運が良かったのか他のナイフは体には全て当たっていなかった。「あら?何と運がいいのでしょう!だけど安心して、次は直接切り刻んで上げますから!」と言いこっちに飛び込んできた。素早く横に飛び回避する。だが飛んだ先からナイフが飛んでくる。それをランスで弾く。「相手から目を離しちゃダメって教わらなかったのですか?」嘲笑うような声が背後から聞こえると同時に後ろから激しい衝撃が私を襲う。なるほど、直接蹴りを入れてきたか...壁に叩きつけられないように勢いを利用して横に飛ぶ。すると叩きつけられるはずだった壁に無数のナイフが刺さる。横に逸れておいて良かった...少しでも止まっているとナイフが飛んでくる。動いていればそのまま突っ飛んでくる。こっちは防ぐか避けるしかない。このままでは結局押されきって負けてしまう。「一矢報いてやりますか...」守るだけじゃ勝てない。効率よく避けながら攻撃出来ればいいのだ。突っ込んでくる時は減速はしていない、ならどこかぶつければいいのだ。丁度今後ろにベッドがある、ここにぶつければ少しは動きが止まるだろう。その隙にランスで頭を殴れば気絶くらいはするだろう。だが考えてみればそんな簡単に動いてくれるだろうか...今なら彼女は動いてくれる気がする。明らかに異常なのだ、目は充血し息も荒い。そして何より冷静じゃない。これならぶつかってくれるだろう。そうと決まれば即実行!!「シャンハーイ!!」と言い手を伸ばし挑発のジェスチャーをする。「そんなに切り刻まれたいのなら動かないで下さいよ!!!!」予想どうり挑発に乗り、突っ込んできた!ギリギリまで引きつけ、素早く横に避ける。だが、こっちを狙い振られていたナイフは軌道を変え、こちらに飛んできた。だがそのナイフは目の前でピタリと止まった。まだベッドには当たってないはず...「パシフィック...ちゃん...」優しく少し悲しみのこもった声が聞こえてきた...

[ガン!!]

鈍い音が聞こえてきた。最後のあの言葉は一体...「あ、そうだ最後に殴らなきゃ」[ゴン!!]ちょっとは手加減した方が良かったのか...「あ、起こしてこいって言われたのに...」...引きずって行こう。だが何故最初ナイフを外しまくっていたのだろう...とりあえず勝ちは勝ちなのだ。




今回は苦手なバトル回でした。一体なぜ咲夜さんは正気を失っていたのだろう…次回はナイフが外れていた理由とパチュリー登場回です!日常回は諦めようそうしよう。


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十一体目 上海とむきゅん

今日はこれでおしまいです。ちょっと疲れてしまったので今日はゆっくり休みます。
ほぼ非日常...

上海可愛い


[紅魔館地下 大図書館]

「あら、ランスならもう出来てるわよ?」「ありがとうございます」今私は紅魔館地下の大図書館にいます。目的は主に2つ。ランスの修理と、お嬢さまのお使い。

[数時間前]

お嬢さまの元へ咲夜さんを引きずって行くと。驚かれずに「大丈夫だった?」と冷静に言われた。何があったのか知っているような口ぶりだったのできっとナイフが当たらなかったのは、きっとお嬢さまが能力を使っていたからだろう。だがいちよう一連の事は話した。すると「まずはパチュリーの所へ行って、咲夜を連れて行って咲夜の状態を聞いてきて頂戴?ついでにそのランスも直して貰いなさい」ちゃんと雇っている人のことも気遣える。こんな素晴らしい人はあまりいないだろう。「では行ってまいります。」「あ、咲夜は出来れば引きずらないでもらえる?痛そうだから...」あ~聞こえない聞こえない。

[そして現在]

しばらくたったらまた来てちょうだい。と言われたので、10分ほど図書館を歩いたあと来てみれば...完璧に直ってるじゃないか...やっぱり魔法の力ってスゲー。「それで咲夜の状態だけど...」10分で終わるのか?「今は何とも言えないわね...意識がまだ戻ってないけど、多分明日には起きてるわ。あなたそんなに強く殴ったの?」あ~すっごい図星...「シャンハーイ...」「そう...あ、そうそうランスにちょっと仕掛けを付けておいたわ。手元の持つ部分のボタン、押してみなさい。」ポチッ!!っと押した途端ガシャゴン!!と言う機械らしい音をたてながらランスが少し変形した。ランスの突く部分の後ろ側、広がった部分から輪っかの様なものが飛び出した。「これはいったい...?」「それは外の世界の[じぇっと]と言うらしいわ。ちょっと改造してボタンを押したままにしていると[じぇっと]が火を吹いて、前に進むようにしておいたわ。スピードは出るようにはなっているけど途中では止まれないから気をつけてね?」なるほど、それは大層なものをつけてもらえた。「さぁ、お礼だけど何にしようかしら...」お礼はちゃんと取るようだ...「シャンハーイ...一つ依頼を無料で受けましょう...」気は進まないけど...「名案ね。なら一つ依頼をしましょう。そうね...でもあれは小悪魔でさえ出来なかったし...」何か依頼はあるようだが...「’何でも,です。何でも一つ依頼を受けましょう...」「.....なら一つ...依頼を頼みましょう...私の無くなった指輪を探して欲しいの...」指輪?「この前ふと気づいたら無くなっていたの...多分魔理沙が盗って行ったと思うんだけど...聞いても知らないと言うの...」まさかあの釣り人からふんだくっ...報酬として受け取った...「この指輪ですか?」指輪を取り出す。「え?それ!それよ!何であなたが持ってるの?」これだったのか...貰っといてよかった...「湖で見つけました。」「そう...きっと魔理沙が盗って行った本に引っかかって、湖に落ちたのね...ありがとう...この指輪はとても大切な人からもらったの...ありがとう...」と言い、指輪を見ながら涙を浮かべる。とても大事なものなのだろう。「このお礼はどうしたらいいのか.....」「これは私のランスのお礼ですから。あなたからお礼は受け取れません」キッパリと言ったが、まだお礼をしたいと言う。別の方で面倒な人だ。「えっと...じゃあ私をいつでも危ない時は助けてくれますか?」それが1番いいだろう。「分かったわ...それ以外に何か出来ることはある?」やっぱり面倒だ。「それじゃあいつでも本を貸してくれますか?」「それだけでいいの?他に何か...」「その時はその時頼みます。」「.....分かったわ.....あ、そうそう。1度レミィに咲夜の状態を伝えに行ってくれる?咲夜は大丈夫。明日には目を覚ますって。」「分かりました」切り替えが早いな...さぁ、伝えに行かなきゃ...




今回は指輪が役に立ちました。結構あの釣り人は重要な人で後々登場させる予定です。
さぁ、次回の内容は未定です。頑張ってアイデアを出さなきゃ...
意見や質問、感想などドシドシどうぞ...


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十二体目 上海と色々

遅めの朝ごはんを食べて、即作業開始です。
明日からまた、変わり映えしない日常が始まる。あ、お気に入りが20超えたらもう一週毎日投稿するぜ!
今日もいつもの

上海可愛い


[紅魔館 レミリア・スカーレットの部屋]

「そう...咲夜は大丈夫なのね...」今私はパチュリー様に頼まれお嬢さまに咲夜さんの状態の報告に来ている。「それでは失礼します。」と言って逃げようとすると「あ、そうだ」と言う。こういう時はだいたい面倒な事を言われるのだが...「美鈴の様子を見てきてくれる?いつもは咲夜がしてくれるのだけど...誰かに殴られて咲夜は気絶しているのよね...」イッタイダレノセイダロウナー、マッタクケントウガツカナイナー。「あ、そうそう。見に行くついでに買い出しもお願い。紅茶が残り少ないから、香霖堂で買ってきて頂戴。何でも外の世界の紅茶らしいから間違えないようにね?」「分かりました。」香霖堂か...昔アリス様にお使いを頼まれた以来だな...あの時はまだ普通の人形だったけど...「ついでに換えの服も仕立てて貰いなさい。」「ありがとうございます。」新しい服も作ってもらえって...やっぱりいい人だな...さぁ、目指せ香霖堂!!

[紅魔館 正門]

「シャンハーイ!!」「あ、門番代わってくれるって言ってた人!!さぁ門番よろしくお願いしまスヤァ...」とりあえず寝ているから1発殴るか...[ボゴォ!!]「何ですか!?」「誰が門番代わるって言った?」「この前言ってたじゃないですか!?」「誰が、何時、そんなことを言った?」言ったのは間違いないが、誰も今やるとは言ってないな。「酷い...こんなのあんまりです!咲夜さんに言いつけてやる!!この卑怯者!!人形!!小さくて可愛い妖精みたいな奴!!」もはや最後褒め言葉なんだがな...「あ~、まぁ頑張れ。」それしか言うようなことないや。さぁ、レッツゴー香霖堂!!「卑怯者~!!」

[人里]

久しぶりだなぁ...相変わらず飴はもらえる...香霖堂はこの人里を抜けた先の魔法の森入口付近にある。

しばらく歩いていると雑貨屋が目に入った。ちょっと見るくらい良いよねと思い、商品を見る。指輪、小さな水晶、ネックレス...目を引くものはあるが、どれもお金が足りない...すると目を引くものの中で一つだけ私でも買えるものがあった。小さなメガネだった。丁度私に合うサイズのメガネだ...何故こんな小さなメガネがあるのだろう...とりあえず店主にこれをくれとお金を差し出す。すると店主は「サービスやで」と言って小さな布を渡してきた。「これは?」と問うと「それでメガネを拭いてな、綺麗にするんや」だとさ。この世の中便利になったな...

メガネを勝手に買って私はまた歩き出した。目指すは香霖堂!!上海の旅は続くのだ...




とりあえずの1話、今回は移動中みたいな感じです。
最近上海が凶暴になってきているような...
次回は香霖堂編かな...1話くらいで終わりそう...可哀想な香林w
誤字報告やお気に入りありがとうございます!


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十三体目 上海と香霖堂

今回は香霖堂編です。とっておきのアイデアが浮かんだので、5、6話位になりそう(小並感)てことで紅魔館編は少し後です。
いつまでもどこまでも...

上海可愛い


[香霖堂]

ここは香霖堂。森近霖之助と言う男が営んでる...雑貨屋?みたいなものだ。いつも変な客が来るのだが、今日はもっと変な客が来た。人形だ。この僕、森近霖之助でもこんな客が来るとは思っていなかった。来ると知っていたら店を臨時休業にしていたのに...

[数分前]

ガチャ!! この扉無駄に重いのです...もうちょっと私の様な人形にも優しい作りにして欲しいです...「いらっしゃ....い?」「いつもの紅茶を咲夜さんの代わりに取りに来た。」「えっと...君は確か...アリス・マーガトロイドの所の人形じゃなかったか?」「家出をして今は紅魔館で住み込みで働いているのです。さぁ、無駄話をしている暇があったらさっさと紅茶を出した方がいいと思うのだけど?」「あ、あぁ、分かった...今倉庫から取ってくるよ...」

[現在]

今僕は倉庫で紅茶を探すフリをしながらどうやって帰ってもらおうか考えている。幸い今日はあの咲夜と言うメイドじゃないからありがたい。え?肝心の紅茶を出せばいいじゃないかって?昨日魔理沙に全部飲まれていたよ...彼女は魔法使いをやめて、盗人になった方がお似合いだ。きっとスグに捕まってくれるだろう。さて、紅茶のことをどう誤魔化すべきか...「遅いですね?一体倉庫のどこにしまったのですか?」いきなり後ろから声がかかる。常に浮いているから足音がなく、近づいてきた時に気づきにくいのだ...変な独り言も許されないのか...「あぁ、確かここら辺にしまったんだけど...」「私も手伝いますよ」「いや、大丈夫。すぐに見つけるから店番を頼めるかな?」「.....分かりました。」最後らへんに怪しまれたような...

「こんちゃーす!!」「シャンハーイ!!お客さんが来ましたよ~?」「今行くよ!」どうやらいつもの客が来たらしい。釣り人らしいが、いつも外の世界の釣具を買って行ってくれる。お得意さんの内の1人だ。「って、あの時の命の恩人のボッタクリ人形じゃなぇか!!!!」「あ、あの時の釣り人...」どうやら2人は知り合いらしい。だが命の恩人のボッタクリ人形って.....「あ!霖さん!!こいつを雇ってるんですか!?」「雇ってはいないが…君達は知り合いか?」「シャンハーイ。」「聞いてくれよ!!霧の湖で釣りしてたら........」

[釣り人説明中]

「って事があったんだよ!」「霖之助さん、お茶入れてきますね。」「あぁ、ありがとう。えっと...あぁそうだ。それは大変だったね」「聞いてなかったな!?」バレてたか...「それで今日は、何の用かな?」「ん?あぁ、そうだ。今日は鑑定をしてもらいに来たんだ。」「盗品なら受け付けないけど?」「そんなことしねぇよ..この前釣りをしてたらよ...湖の底からこの変な長い棒を釣り上げたんだ。」「ここはゴミ処理場じゃないんだが?」「違う違う。何となく磨いて汚れを落として物干し竿にでもしようとしたんだ...すると...」「すると?」「汚れが落ちたら...ホラ、この部分」黒い塊がちょっと落ちたところから青銅のような蒼が顔を覗かせている。「青銅?かな...」「んでもしかしてと思って後ろの汚れを全部落としたんだけど...」と言い彼は[それ]を裏返した。見事に裏面だけ汚れが落ちていた。ここまで綺麗に片面落としたら、もう片面も頑張れよって話なのだが...見た目は青銅の剣と言った所か...大きさは短刀くらいなのだが...どこかにこれは凄く価値があると思う本能的な何かがある。試しに能力を使って[それ]を見てみると...

名前:アマテラスの剣

使用用途:全てを切り裂く

アマテラス...大神のあの、犬のアマテラスか?いや、違うだろう...きっと神様の方のアマテラスだろう。あんな犬っころじゃないだろう。うん。

これは自分的に凄く気になる...釣り人には悪いがこれは貰わせてもらおう。「う~...これは...余り金銭的価値も無いし、呪われているな...」「だから最近運が悪いのか...」ごめん、適当に言った。「どうする?頼まれれば僕が呪いを祓って処分しておくけど?」「あぁ!!頼む!!これで運が良くなるなるぞ~!!」運が悪いのはきっと生まれつきだろう。「お代は要らないよ。君最近運がないみたいだから」「ありがたい!!この前釣り上げた指輪もあの人形に取られちまったし...」可哀想だな、この僕に騙されているとも知らずに...「それじゃあそういう事だ!!ありがとうな!!霖さん!!」「またいつでも来なよ」「あ、そうだ!!外ちょっと吹雪いてきそうだから気を付けなよ!!」「わざわざありがとう。」「そいじゃ!!」そう言って彼は小走りに帰っていった。「シャンハーイ!!お茶が入りました...ってあの人もう帰ったんですか?」「あぁ、帰っていったよ。お茶貰っても?」「どうぞ~」僕はお茶を1杯貰う。明らかにこの店で1番高いお茶の臭いがするのは気のせいだろうか...お茶を一口飲む。明らかに高級茶の味だ...霊夢以外にこんなことできる人がいるとは...「そう言えば霖之助さん、紅茶は?」すっかり忘れていた。「吹雪いてきたな...」適当に話を逸らしてみるが「紅茶は?」逃がしてはくれないようだ...




あれれーおかしいぞー?主人公は上海だよね?ってことは言わないでくださいお願いします何でもしますから。
で、でも偶にはこんな回でも良いよね?ね?
ちなみに、可哀想な釣り人はもうちょっと出番がありますよ。1編に1回くらい...
ちょっと長くなってしまいました。もうちょっと短くまとめれるように頑張らなきゃ...
次回は吹雪の香霖堂です。お楽しみに...(今日中に投稿できたら良いな...)


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香霖堂編
十四体目 上海と吹雪の香霖堂


は~い!!前回の続きです!!
今回は題名の如く香霖堂編の続きです!!
今日までにお気に入りが20行ったら明日からまた1ヶ月毎日投稿ってことに変更で~す!行ったら良いな...
それでは今回も...

上海可愛い


[香霖堂]

外は結構吹雪いているようだ...今は春の下旬くらいなのに...外で飛び回っている冬の妖精達が妙に元気だ。何か異変か?「春だってのに...結構吹雪いているな...」隣でメガネを割られたら死にそうな奴が何か言っている。僕のメガネがどうした?みたいな顔でこっちを見るな。

「.....」「.......そう言えば、紅茶は?」「離れに倉庫があるから行けない.....」「結局何もやることが無い.....」「そうだね...」「その剣はちょっと価値があるんじゃ無いの?」「あげないけど価値はあるよ。ちょっとした宝剣みたいなものだよ」「欲しいな...」「あげないよ?」なら教えるなよ...「これ、磨いて本当の姿を取り戻させてみる?」「.....暇だし...別にいいか...」ちょっと楽しそうだし。「じゃあやるか...」

スポンジ、研磨剤、砂ヤスリとかいう聞いたことないヤスリ、歯ブラシ.....その他色々。これらを駆使して宝剣を磨くこと約四十分.....

目の前には、美しい蒼い輝きを放つ宝剣があった。これを私たちが磨いたのか.....作業に夢中で店内が妙に寒かったり、外がもっと酷く吹雪いている事もこの2人は知らない。ただただ2人は、美しい宝剣に目を奪われるばかりだった。

ふと時計に目をやるともう四十分近く経っていた。と、同時に霖之助さんのお腹が鳴る。「そんなにお腹が減ったんですか?」とバカにしながら聞くと、「え?今の君のお腹じゃ...あ、人形だから鳴らない...」え?じゃあ誰が.....2人は一瞬目を合わせて、同時に店内を見渡す。時々皿を擦り合わせたような音が聞こえる.....カチャン...シャリ...今更2人は店内が異様に寒いことに気づく.....

「どこかで聞いた面白い話をしてやろうか?」震えながら聞いてくる。

「えぇ。もちろん聞くわ。」心なしかこっちも少し声が震えている気がする。人形だけど...

「異様に寒いところには...」店内の空気が震え出す。

「寒いところには...?...」何かが動いている。

 

「いるんだって...」何か分かっている

 

「何が?」分かっているのに聞いてしまう

 

「 幽 霊 が い る ら し い 」

その瞬間こっちに向かって何かが飛んでくる。必死に避けるとそれは壁にあたり砕け散った。どうやらお皿のようだ

 

ワレヲヨブノハダレダ?と声が聞こえてくる。

我を呼ぶのは誰だって事?「呼んでないので帰ってください…」交渉を持ちかける...

 

ワレヲヨブノハ...ウツクシキツルギ...ソノツルギヲ.....

 

ヨコセ!!!!!!!!!!暗闇にその姿が浮かび上がる。典型的な骸骨に髪の毛が生え、剣を持っている。背中には斧や桑、人の顔に付いた脊髄の剣の様なものなど...色々なものを付けている。わかりやすく言うならば.....弁慶(ヤク中)ってとこか...

 

あ~だめだ何も浮かばない...とりあえず霖之助さんを囮にするか。




香霖堂編のボス的何かは幽霊です。何かと幽霊に縁がある香霖堂。ちなみに脊髄の剣は、火星のゴキブリと戦うあれからアイデアを貰いました。ありがたやありがたや.....
誰の脊髄かは自分も知りません。
例大祭行きたかったな...


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十五体目 上海と亡霊

どもども。
今回は香霖堂編の真ん中位かな?結構短くしているのに...
展開的に考えて、次回はバトル回だなぁ...頑張らなきゃ...
これが終わったら紅魔館に戻って一話挟んで次の場所が一番いいかな。この調子だとテスト期間じゃなければ毎日投稿が普通かな...暇だし。
それではいつもの如く...

上海可愛い


「キサラマラハナニモノダ!!」骸骨の亡霊が問う。「とりあえずこれでも飲んで、落ち着いて話し合おうよ。」と言いお茶を出す香霖。「.....」この対応に驚き口が塞がらない上海。はたから見ればショーか何かに見えるが、現実である。「オォ!アリガタイ!チョウドサムカッタノダ!!」と言い普通にお茶を飲む幽霊。「とりあえず、あなたの名前は?」普通に聞く香霖。「ワタシノナマエハ.....ワスレタ...」「それじゃあ君の名前は...今日からアリざぶろうだ!!」何だ?こいつもネーミングセンスが無いのか?お前の名前は今日からアリざぶろうって言われて納得するのか?「ソノナマエイイナ!!」納得したよこの骸骨...「とりあえず君は何でここにいるんだ?ここは僕の店なんだが…」「ソノツルギニヨバレタ...ソノツルギハキョウダイナチカラヲモッテイル...ダカラワタシノヨウナ、ナキモノハヒキヨセラレルノダ...」うん。聞き取りにくい。「えっと...普通に喋ってくれないか?」おぉそうか。お前は幽霊にそれを頼むか。きっと切られるぞ。細切れにされるに違いない。「分かった。」

 

「喋れるなら最初っからその喋り方で喋れよ!!」思わず怒鳴ってしまった。まぁ、アリざぶろうで怒らないのなら大丈夫だろう。

「何だその口の聞き方は!!!!」普通にブチ切れやがった...もうやだこの人...ことごとく予想をひっくり返してくる...「あ~あ、怒らせちゃった。」このメガネ...「貴様!!今ここで!!切り刻んでやる!!!!」物騒なこと言い出した...まぁ、やるとなったらやるんだけど...「頑張れ~!!アリざぶろう~!!」テメェは後で叩き潰す。ちょっと私を応援してくれていると思わせたから潰す。そのふざけた名前も、その背中の装備も、そこで見ているメガネも...全部潰す。そして紅茶を奪い取って、紅魔館に帰る。

よし!!決めたら...即実行!!「シャンハーイ!!」「かかってこい! 相手になってやる!」カーン!!高らかにゴングが鳴る。どうやら香霖が鳴らしたらしい。このメガネこんな奴だったっけ?

こっちはランスを素早く取り出し、構える。対して相手は何も動かない。「どうした?武器を取り出せ!!」

「私の武器は...この背中の全て.....この世の中を渡り歩き...奪い取ってきた武器たち...」そう言いながら1本だけ大剣を背中から取り出す。「貴様は全力で切り刻む...この全てで切り刻む...」その瞬間、奴の肩から腕が更に生えてくる。合計で6本...いや、10本...30本...もう何本か数えられない...背中全ての武器を取り出し終える頃にはもはやそいつは千手観音と言われても納得できるくらいの数になっていた...あれ?奴の息が荒い...目のある場所も赤い...こんな事が前にもあったような...あ、でも脊髄ソードは背中には差したままなんだな...




次回はやっぱりどうしてもバトル回だなぁ...
ていうか紅魔館に帰ったらネタが無くなる...アンケートでも取りますか...
さぁさぁ、どうやら今回も様子がおかしいようで...また次回に...


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番外編 アリスと森の吹雪

今日ちょっと風邪を引いてしまい、本編が難しそうなので、急遽番外編を作りました。
明日からテスト期間なので投稿が少なくなりますが、ご了承ください。
後、今日は番外編なのでちょっと書き方を変えてみようと思います。

上海可愛い


これは上海が霖之助と剣を磨くちょっと前の話...

 

[霧の湖]

「上海.....どこにいるの?」アリスは今日も上海を探していた。

 

「シャンハーイ...」「ホラーイ.....」付いてきたA上海&蓬莱も声を出す。

 

すると、「シャンハーイ!!シャンハーイ!!」とA上海が何かを見つけたようだ。

一体何を見つけたのかと思いA上海の指の指す方に顔を向けると...

魔法の森が凄い勢いで吹雪がおきてるではないか...まるで魔法の森だけが別の場所にあるかのように、こっちには全く被害が無い。

 

異変かと思ったが、霊夢も魔理沙も動いていないところを見るとまだ気づいていないようだ。

 

「A上海、蓬莱、霊夢達に知らせに行ってくれる?」「シャンハーイ!!」「ホラーイ!!」

 

2体の人形が知らせに行ったのを見送ると、自分は魔法の森に入る準備をしていた。

何故かこの中に上海がいるような気がするのだ。

 

そっと足を踏み入れると、凍てつく氷の結晶がブーツ越しでも分かるくらいにキツくあたる。

だがそれでもアリスは進んでゆく。いくら寒かろうが、いくら痛かろうが...

途中でその足が止まる。前から誰かがやって来たのだ。

あちらもこっちに気づいたようで足を止める。

「遭難者か?」と聞いてくる

「いや、自分から入ったわ。あなたは?敵意があるならここで倒すけど」「敵意なんて無いさ。こっちは香霖堂からの帰りに吹雪かれて遭難しかけてるんだが...吹雪が起きてないのはどっちだ?教えてくれたら嬉しいんだが」

 

どうやら遭難者らしい。ここは帰り道を教えておこう。

「出口はあっちよ」と言い自分の来た道を指す。「ありがてぇ!そうだ、さっきあっちで人を見かけたんだがその人も助けてやってくんねえかな...きっと道が分からねぇと思うんだ」

こんな吹雪に人を見かける方が珍しいが今自分が見つかっているから会うときは会うのだろう。「分かったわ」軽く返事を投げると彼は小走りに去っていった。

 

 

 

少し歩いたが、全く進んだ気にならない。その人とやらも見つからないし…ついて来た残りの人形達も限界が近そうだった。

「どこか休めるところがあれば...」その時前から声が聞こえる。

 

「ゆっくり休みたいか?」「休めるところがあればね」さらっと返したが、さっきの人が言ってた人だろう。

「帰り道はあっちよ。迷わないうちにとっとと帰りなさい」と自分の来た道を指す。

「それはありがたい。帰り道が分からなくて困っていたんだ。」少し前へ進んできて姿がシルエットとなり浮かんでくる。

 

吹雪のせいで姿は見えないが、身長は結構高いようだ。

「何か礼をしなければ...そうだこの吹雪を止ませて見せよう」一瞬何言ってんだこいつと思ったが、この人がこの吹雪を起こしていたら可能な話だ。

 

「そんな事が出来るの?」「簡単さ、私が吹雪から出ていけばいい。」

そんな簡単な事で止むような吹雪があるとは思えないが...

 

「一つ質問いい?」「何だ?」「この吹雪はあなたが起こしたの?」

 

少し間を置いて答える「そうだ。私がこの吹雪を起こした。もういいだろうそろそろ帰らしてもらうぞ」

そう言い残して吹雪の中に消えていった。一体奴は何者だったのだろう...そんなことを考えていると吹雪が止んだ。

やはり奴が起こしていたようだ。

 

一体何のために...どうやって...

 

こうして上海探しと並行してその人物を探ることになったアリスであった。

 

 




書き方変えてみたんですがどうですかね?このままか、前の方が良かったかなどの意見などを貰えると嬉しいです。
今度からは風邪を引かないように頑張ります。

それではまた次回...


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十六体目 骸骨野郎と霖之助のメガネ

今日も元気に小説投稿。(風邪を引いているけど)
今回は予告どうりバトル回になりますが、風邪なので文章がいつも以上におかしいかも知れませんのでそこんとこ宜しくお願いします。

上海可愛い


上海は目の前の敵に集中する。奴の何本も持っている剣たちで切られれば一溜りもないだろう。

「いざ!」と言い奴が飛びかかってくる。ひらりと避けると奴は商品棚に突っ飛んでいった。このまま行けば前のように、上手くいくのだが…

奴は商品棚をすり抜けていった。まぁ、亡霊なら当然か。だが、商品棚をすり抜けると奴がどこに行ったか分からなくなってしまった。多分外だろうが、こっちからじゃ奴の姿は見えない。

カタカタと商品棚の一部が揺れると、そこから奴が飛び出してきた。

奴が剣を振るった瞬間、ランスでいなす。パチュリーさんに強化してもらっていて助かった。

奴の剣の軌道は変わり、置いてあった壺に当たる。壺が綺麗に真っ二つになる。相当切れ味がいいのだろう。

奴の体に突きを放つ。だが、奴の体をすり抜けて置いてあった謎の箱に当たる。後で聞いた話しだが、その箱は[ぱそこん]という名前らしい。

 

どうやら奴の体は攻撃を放つ時だけ実体化するようだ。

奴がまた店の外に出る。次はどこから来るのか、と身構えていると天井から音が聞こえてくると同時に奴が落ちてくる。

「その首貰った!!」「それはこっちのセリフだ!!」すかさずランスを上に構える、と同時に[じぇっと]を起動する。

凄まじい音を響かせながら[じぇっと]が炎を吹き出す。恐ろしい程の力で上に引っ張られる。これが[じぇっと]か...

奴の頭にランスが当た.....らずにすり抜ける。

 

「馬鹿め!!貴様がこの隙をついてくるというのは予測済みだ!!」そう言って奴は床に消えていった。

走り出した[じえっと]は止められない。天井に勢いよくぶつかる。今までならぶつかって「痛てぇ...」で住んでいたのだが、[じぇっと]の勢いで天井を突き破って天井裏にたどり着く。そこで[じぇっと]が止まる。外まで飛ばなかったのが幸運だった。

屋根裏は物置のようになっており、色々な物が転がっていた。何か使えそうな物は無いかと、探していると小さなお札を見つけた。これなら何かに使えるかも知れないと思い一様持っておく。

 

下に行くと霖之助は動かず同じところにいた。

奴はどこに行ったのかと周りを見渡すと青銅の剣だけが無くなっていた。

「あの剣はどこにやったんだ?」と聞くと「さぁ?」とだけ霖之助は答えた。

 

「あの骸骨はどこだ」と聞くと「.....さぁ?」と返してくる。どこに行ったかきっと知っているだろうが言わないだろう。明らかに霖之助の様子が違うからだ。

「霖之助さん、今日の売上は?」と試しに聞いてみる。

「君は何を言ってるのかな...そんなことよりあの骸骨は探さないでいいのかい?」と言って座っていた椅子から立ち上がった。

「そう言えばさっきあの剣はどこにやったのかって、聞いてきたよね?その答えを教えてあげるよ...」と言い机の下に手を伸ばす。

 

「あの剣は...今君を切り裂いているよ!!」と言い机の下に仕込んでいた剣を上に振るった。机を真っ二つにしながら私に迫ってくる剣をサッと横に避け、霖之助に向かっていく。

「どうせ乗っ取られたんだろ!!叩いても問題ないよな!!」と叫び脳天にランスチョップを叩き込む。可哀想なんて思わない。こっちに剣を向けた瞬間敵なのだ。

すると凄まじい叫び声と共に奴が体から飛び出した。やはり乗っ取られていたようだ。

 

抜け出した瞬間を逃さないようにすかさずお札を投げる。上手く当たり、奴は勢いよく天井に顔から突っ込んで行った。

[ガンッ]と鈍い音が響き落ちてくる。そこにランスで突っ込む。

今はお札の力で実体化している。なら打撃が聞くだろう。[じぇっと]を起動し勢いよく突っ込む。奴の骨の間に引っかかり、奴を持ち上げながら進んでいく。突っ込んだ先には.....

気絶から起き上がったばかりの霖之助が居た。

「喰らえぇぇぇぇ!!」目一杯の怒りを込め、霖之助に突っ込んでいく。

「え?ちょ、待って...」

 

当たると同時に霖之助のメガネと奴の骨が砕け散る。これで暫く起きられないだろう。(2人とも)

「ふぅ...いい仕事をしました...」額に付いた汗を拭う仕草をして、一息つく。

ふと外を見ると吹雪が止んでいる。あの骸骨が起こしていたのかは知らないが、とりあえずこれで帰れる。早く紅茶を持って帰らなければ...きっとお嬢さまが、待っている.....




いや~、結構長くなってしまいました。
香霖堂編は次回で終わりかな?
紅魔館編の後の行き先がなかなか決まらないので、[活動報告]にあるアンケート(ほぼ募集)に行ってほしい所を書き込んでいただければありがたいです。
それではまた次回...


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十七体目 上海と紅魔館

上海人形家出録のお気に入りが20人行ってました!
「シャンハーイ!!」ありがたいです!!
テスト期間で勉強に励んでましたが、土日は合計で4話くらい投稿できるように頑張ります!
今回は紅魔館編最終回.....あれ?フランは?
って事でフラン編(最終回かな?)です。
紅魔館編が終わり次第、地霊殿編に入っていきたいです。

上海可愛い


[紅魔館前]

何故か懐かしき紅魔館。今日も美鈴は寝ている。

手には紅茶が入っている袋。そして新しい服。紅茶は何故か[ぱそこん]の上に乗っていたそうだ。

服はメガネを割られたくなければ...と脅して作ってもらった。だって、乗っ取られて切りかかってきたもん。これくらいは普通だね。

 

[紅魔館・大図書館]

お嬢さまは部屋にいなかったので、ここに来てみたが...館の中に誰もいないではないか...一体みんなどこに行ったのだろうか...

大図書館の真ん中にある丸テーブルにパチュリーさんとレミリアお嬢さまが居た。何やら真剣な顔をしている。

「お嬢さま、ただいま紅茶と共に帰りました。」まるで幽霊を見たような顔でこっちを見ている。服が古いことに驚いているのか?

「上海...あなた.....どこに居たの.....?」パチュリーさん何言ってるんですか?

「あなた...みんな心配してたのよ?[3日]もどこに居たの?」3日?お嬢さまは日にちも時間も分からないのか?

「お嬢さま、私が出ていたのは1時間程度ですが?」「何言ってるの?あなたが香霖堂に行ってしばらくしてから魔法の森に謎の吹雪が発生してあなたが道の途中で遭難したんじゃないかと思って、みんな心配してあなたを探しに行ったのよ?でも結局吹雪は激しすぎて誰も入れなかったわ。だから私がパチェの魔法で強化してもらって入ろうとしていたのよ...」何を言っているかよく分からないが、きっと吹雪の中では時間がゆっくり流れていたのだろう。(原理は)よく分からないが。

「ご心配をおかけして申し訳ございません...それはそうとお嬢さま」「何?」「紅茶でございます。」「.......!」何故かすっごい怒っている。何故だろう。

「.....びよ.....」「すみませんお嬢さま。何と行ったのでしょうか?」

 

「クビよ!!!!私やみんなを心配させておいて!!!!今更紅茶なんて!!!!あなたは!!!!クビよ!!!!」「わかりました。それでは短い間でしたが、ありがとうございました。」

 

という訳で今荷物をまとめている訳だ。あの後パチュリーさんが「いつでも私を頼ってね?」と言ってくれたり、すっかり出番が無かった、帰ってきたジュリーさんがにクビになったことを伝えるとジュリーさんがショックで気絶したり...色々あったのだ。

ちょっと重くなった風呂敷を背負いながら屋敷の廊下を歩いている。ここに思い入れは.....あったっけ?

まぁ、これからの雇われ先を探すか...それはそれで長そうだが...

廊下を歩いていると前から誰かがやって来る。綺麗な羽があるので、話には聞いていたフランドール・スカーレットだろう。もう関係はないがな。

「あなただぁれ?」よりによって話しかけられた。ここはスグに通してもらうために早めに話を切り上げるとしよう。

「三日前に雇われたシャンハーイと言うものです。」「へぇ~、お人形さんでも喋るんだ。ねぇ?私と遊びましょ!」「私はさっきここをクビになりましたので、お断りさせていただきます。」「え~...お姉様は...じゃあ仕事はあるの?」「いえ、まだありませんがどこかで仕事を見つけますよ。」「じゃあ、いい仕事があるよ!!そこは人手が少なくて困っているの!!案内してあげる!!」「ありがとうございます!!」仕事から来てくれるとわ.....ありがたい。

[紅魔館前]

美鈴はまだ寝ている。「でね、そこはちょっと暗いんだけど...」話聞いてなかったな...今度からちゃんと聞こう。

「パシ.....上海!!」ん?どうやら館から走ってきたらしい。「私は言いたいことがいっぱいあるけど!!今は言わない!!お嬢さまは!!お嬢さまは!!!あなたを凄く心配していたのよ!!この館で1番あなたを心配して!!!怪我までして吹雪の中に飛び込んでいったのよ!!隠しているけどあなたが帰ってきて!!!凄く安心しているのよ!!!!」心配させて居たんだな...「あなたの事は大事に思っているの!!いや、この館のみんなを心配しているのよ!!だから!!だから!!!」

「お嬢さまを.....嫌いにならないで!!!酷い人だと!!思わないで.....優しい...人だから.....」最後は泣きながら言ってきた。それほど大事にされているのだろう。

「分かっている。あの人は、この館のみんなを大事に思っている。まるで家族のように...ここで雇ってもらった恩は忘れない!!決して忘れないと誓う!!」

「いつかまた!ここに戻ってくる!その時は!!!」

 

「お嬢さまを満足させられる美味しい紅茶の入れ方を教えてくれますか!!!!」

そう言って私は歩き出した。返事もろくに聞かずに...それでも別れには良かったのかもしれない。こうして私は紅魔館を去った。

 

[レミリアの部屋]

一部始終を部屋の窓から眺めていた。レミリアはポツリと呟いた...

 

「その紅茶...楽しみに待っているわよ...」その目には涙が浮かんでいた。これがレミリア、初めてのクビ宣言だった。




いや~、長くなってしまいました。最後らへんは少し感動できそうな要素を取り入れてみました。
さぁ、次回から地霊殿編に入ります。上手くまとめれて、1話ですんでよかったです。
アンケートはまだまだ実施中なので、気軽にどうぞ!!感想も気軽にどうぞ!!
お気に入り20人!!ありがとうございます!これからも頑張らせてもらいます!!


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地霊殿編
十八体目 上海と地底


今回から地霊殿編です。地霊殿は個人的に好きな場所なので、頑張りたいです!

上海可愛い


[地底へと続く洞窟]

フランの案内で、地底の入口へとやって来た。

「えっと...つまり、今から行くのは地底の地霊殿って所でいいのか?」「そだよ~あ、そこ段差あるから。」浮いてるから段差は関係ないんだが...

今から行くのは地底の地霊殿。そこは今、人手不足らしい。人手不足なら私でも雇ってもらえるだろう...ついでにフランドール・スカーレットは、地霊殿の主の妹と仲がいいらしい。

「ここから結構長いけど大丈夫?」「大丈夫だ問題ない」とは言ったものの...ほんとに結構深い...

[地底へと続く穴]

「そう言えばあっちに階段みたいなのがあったんだがあれは使わないのか?」「え?あ...最近人が来るようになって...降りやすいように階段がついたんだった.....」.....忘れることって結構あるよね...

[地底・旧都]

「ここは昔地獄だったんだけど、色々あって今は厄介者の妖怪達の住処になっているんだ!」「シャンハーイ。」結構歴史は深そうだ。にしても、賑わっているな...まるで祭りだ。

「賑やかだな...」「でしょ~?」「いっつもこんな感じだけどね~」ん?今知らない声が聞こえたような...

周りを見渡すと、賑わっている店や、喧嘩のような事。フラフラと歩いてる者や、帽子を被った少女.....一つ、この場所に似合わないものがあるな...

「ん?まさか...バレてる?」「...誰だ?」「へ?誰に話しかけて...あ、こいしちゃん!!全く分からなかったよ!」なるほど、この子が地霊殿の主の妹か...

「すっごーい!私を見つけるなんて驚きだよ!!」「こいしちゃんは、無意識をあやつってみんなから分からなくすることが出来るんだよ!!」なるほど...人形だから分かった訳か。

 

ここまでの経緯を簡単に説明すると「分かったわ!!つまりお姉ちゃんの所に連行すればいいのね!!」だとさ。分かっているのか分かってないのやら...

「よ~し!じゃあ早速お姉ちゃんの所にレッツゴー!!」「あ、私お姉様が心配するから帰らないと...ごめんね。」「いや、ここまで助かった。ありがとう。」「フランちゃん!!また遊びに来てね!」

って、理由でフランさんが帰っていった。ここまでの道案内すっごい助かったなぁ...吸血鬼はいい人しかいないのか?

 

「あなたって何で喋れるの?今までどこに居たの?フランちゃんとの関係は?その風呂敷何が入ってるの?誕生日はいつ?友達いるの?地霊殿に着いたら何食べたい?温泉あるけど入る?好きな食べ物は?」歩いてるだけで質問の嵐が飛んでくる。これはこれで退屈しないのだが...結構面倒だ。「努力によって喋れるようになった。今までいろんな所にいた。道案内をしてもらっただけだ。この中には生きるために必要なものが入っている。人形だから誕生日は無い。友達の定義による。温泉卵が食べたい。人形でも良ければ入らせてもらおう。好きな食べ物はあまり無い、嫌いなものもだ。」「すごーい!!あなたって本当に人形なのね!」「何故そう思う?」「普通の人ならあんな早口で大量の質問答えられないもの!!」「な...」それを見越して質問していたのなら相当頭がキレるぞ...さすが地霊殿の主の妹...恐ろしい子!!

「あ、着いたよ!!ここが地霊殿だよ!!」この巨大なお屋敷が地霊殿か...今日からここで働くのか...




さぁさぁ、今回から地霊殿編スタートです。寝起きに書いたからちょっと誤字が多いかもしれませんが、そこは静かに誤字報告お願いします。
まだアンケートは募集しているのでよろしくお願いします。
感想などお気軽にどうぞ!!


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十九体目 上海と高速地霊殿

今回は地霊殿編です。
地霊殿の仕事と言えばやっぱり温泉が定番だよなぁ...

上海可愛い


[地霊殿]

「おねぇ~ちゃん~!!ただいま~!!」元気な事はいい事だ。だが、横で突然叫ぶのはやめて欲しい。「こいし、静かにしなさい。」ほら、言われた。

「お姉ちゃん!!仕事してくれる人を連行してきたよ!!」「こいし、連行って言い方はやめなさい。でも、仕事をしてくれる人を見つけてくれたことは褒めるわ。で?その人はどこ?」

こいしさんの横でフワフワと浮いているのが見えないのかな?「この人だよ!」「シャンハーイです。よろしくお願いします。」「.......こいし、腹話術上手くなったわね...」あれ~?腹話術で済まされた...「でしょ~?」自慢げに言うな、腹話術じゃないだろ。

「えっと...雇ってください。」「良いわよ。」「お姉ちゃん!!そんな事言わず.......え?」「別に良いわよ?人手は多いに越したことないから。」「.....えっと...おめでとう...」「...え~.......これからよろしくお願いします...え?あっさりしすぎじゃないですか?」「お燐」「はい、さとり様。」「この人を部屋に連れていってあげて、今日からここで働くらしいから。」「了解しました。さとり様」何だ?ここの人は行動が早すぎないか?

 

「ここが今日からあなたの部屋だよ。あたいは火焔猫燐、気軽にお燐で良いよ。仕事は明日からだから今日はゆっくり休みなよ。部屋のものは勝手に使ってもらって構わないけど、何か気になることがあれば気軽に聞いてね。それじゃあ質問は?」ここまでを早口で言い、何故かドヤ顔で質問を待っている。聞きたいことは色々あるが、とりあえず置いておこう。「えっと...何故こんなに早く色々な物事が進んでるんですか?」「そりゃあ...こっちの経済的なアレがピンチだから...今すっごい人手がいるんだよ、だからすぐに雇った。さぁ、他に質問は?無ければ良いけど。」「他に質問はないです。」「なら、今日はゆっくり休みな。外を歩いても良いけどあまり絡まれないように!それじゃ!!」と言ってどこかに走って行ってしまった。忙しそうだな...明日から仕事って言われても...ここの作者1日が凄く長いからな...

「メタいこと考えてるでしょ?」いつの間にかこいしさんが...こいし様がベッドに座っていた。

「メタい事って何ですか?」「ま、いいや~。この後どうするの~?」「そうですね...ちょっと散歩でもしようかな...」「ならついて行ってあげる!!ついでにいろんな所案内してあげる!!」って訳で私の旧都観光が始まった。




いや~、毎回オチに困ります。
次回は旧都観光が始まります。

.....書くことが無いな...


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二十体目 上海と地底の街

改めて見ると、前回の題名が酷すぎる...もうちょいマシな題名は思い浮かばなかったのか...
さぁ、今回も地霊殿編です。地霊殿ではゆっくりさせたいですね。

上海可愛い


[旧都・呑み街]

「ここは呑み街って言って、その名の通りにお酒がいっぱいあるんだよ!」どうりで道端に倒れて寝ている人が多いわけだ。

「ぐえ!!」「あ!ごめんなさい!」どうやらこいし様が誰かを踏んでしまったようだ。寝ている方が悪いのだが...

...って、あの可哀想な釣り人じゃないか...何でこんな所まで...

「ん?あれ?お前あの時の人形じゃないか!!なんでこんな所まで!!」「それはこっちのセリフだ。こんな妖怪だらけの所に何でいるんだよ...」って、寝てやがる...

「おぉ!こんな所で寝てたのか!」「あ!勇儀さん!!」勇儀と呼ばれた人は頭に角を生やし、上は服を着ずにサラシだけで歩いてきた。

「ん?お!こいし!!元気してたか?」乱暴に頭を撫でながらいい笑顔でそう聞いている。きっと知り合いだろう。

「うん!元気だったよ!あ、勇儀さん!!こちら今日から地霊殿で働くの上海ちゃんよ!上海ちゃん!!この人は鬼の勇儀さん!!すっごく強いんだよ!」「へ~...今日からって事は初日からサボりか?」「シャ!!明日から仕事だからゆっくりしていなさいと言われましたので、散歩していました。」「へ~...そんな事よりそこで寝てるやつ持っていっても良いか?」「別にいいんじゃないですか?」

サラッと言ったが持っていったあとどうなるんだろ...「えっと...それ持って行ってどうするんですか?」「ん?あぁこいつか?ただ酒を一緒に飲むくらいだよ。なかなかこいつが酒に強いから気に入ったんだよ。3日くらいずっと飲み続けてたんだがついに倒れちまってな、これからどっかの飲み屋で休憩させるんだよ。」それってまだ飲ませる気じゃ...

「そ、そうですか...お疲れ様です...」「おう!!ちゃんと仕事しろよ!!」も言って近くの居酒屋に入っていった...可哀想な人がこっちを青白い顔で見ながら手を伸ばしていたなんて知らない。て言うか見てない。

 

[地底・喧嘩街]

まぁ、そんなこんなで呑み街を抜けるとそこは...結局人が地面に転がっているのは変わっていなかったが、そいつらが血まみれって事ぐらいしか変わっていなかった。驚かんぞ。

「ここは喧嘩街って言って、毎日喧嘩が出来る楽しいところだよ!!ちなみに喧嘩に勝ったらポイントが貰えて、そのポイントで順位が決まって、そのランキングによって豪華な商品が出るんだよ!」血の気の多い奴にはうってつけのイベントって事か...

「ちなみに今のチャンピオンは...五回連続チャンピオンのキスメだね!」そのキスメって奴は相当強いのだろう。

「フハハハハ!!!!私の名を呼ぶのは誰だ!!!!」凄くうるさい声が頭上から聞こえてきた。

「この!!チャンピオン!!!!キスメの!!!!!名を!!!!!!讃えよ!!!!!!!」絶対めんどくさい人だと確信した。どうしてこうも行く先々で面倒な人に出会うのか...

作者め...呪ってやる...




ん~...何か今回文章が所々おかしいような...
やっぱり勉強しながらは脳に負担がかかりすぎたかな...
今日はもう1本投稿したら、勉強に戻ります。学生の本分は勉強である。「シャンハーイ...(頭悪いから頑張らなきゃね...)」


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二十一体目 上海とチャンピオンキスメ

今回はチャンピオンキスメ回です。何でキスメがチャンピオンかって?なんとなくだ。理由はない。
さぁ、今回も地霊殿編です。しばらく...と言うか結構続きます。

上海可愛い


[喧嘩街]

「トウッ!!」と言う掛け声とともにどこかから桶に入り覆面を被った変人が飛び降りてきた。

「えっと...あなたがチャンピオンキスメさん?」「いぃぃぃかにも!!!!私がチャンピオォォォォン!!キスメだ!!!!」と言い両腕を天に掲げ、両腕でガッツポーズを作りドヤ顔を決めた。決めポーズにしてはダサイな。

「...じゃあ急いでるので。」と言い逃げようとすると「ちょっと待て」と言う声とともに私の小さな体を鷲掴みにしてくる。

「小さき挑戦者よ!私に挑戦しに来たのだろう?私はどんな者の挑戦も受ける!」「いや、挑戦とかしてないので」「ここに転がっている奴らの仲間になりに来たのだろう?」ここに転がっているのは、全員この変人が倒したのだろう。そう考えると強そうだ。

「いや、他にも行くところがあるので」「観光がてら挑戦していきなよ~!!小さな挑戦者~!!!!」「そうだよ(便乗)観光ついでにやって行きなよ!」こいし様...あなたはこっちの味方じゃないんですか?

「やっていきなよ~!!金は取らないから~!!」金とる気だったのか?「て言うかこいし様はどっちの味方なんですか?」「え~...こいし様って呼び方やめてくれたら味方してあげる!」「仕事をするからには雇い主の妹は様付で呼ばないと...」「え~...私達友達でしよ~?せめてちゃん付けで呼んでよ~」「くっ.....わかりました...こいし...ちゃん...」ちゃん付で呼ぶのは慣れてない...大体様か、さんだから呼びなれてないのだ。

「えっと.....私を忘れてないですか.....?」すっかり忘れていた。まぁ、別に忘れて困るものじゃないだろう。

「キィィスゥゥメェェ?仕事サボってぇぇぇ.....何しているのかなぁぁぁぁ?」地獄の底から聞こえてくるような声が響いてくる。

「え?え?どこ?ヤマメ?私はちょっと休憩に...」「休憩ぃぃぃ?休憩で4時間も仕事をすっぽかす奴がいるのかなぁぁぁぁ?」どこからともなく蜘蛛の糸が飛んでくると、桶の変人に絡みついた。

「ちょ、ちょっと待って?まだ挑戦者が...」「さっきから話を聞いてたけどそっちはやりたくなさそうだったよぉぉぉ?さぁ、キスメ。さっさと戻るよ!!!!」「嫌だぁ!!やめろぉぉ!!死にたくない!!死にたくなぁぁぁい!!!!もうお絞りを作り続ける仕事は嫌だぁぁぁぁ!!!!」そんなことを叫びながらチャンピオンキスメは、蜘蛛の糸に引っ張られていった。

あの姿はまさしくチャンピオン(笑)だな。




ヤマメですか(笑)
キスメの扱いが酷い?お絞りを作るのは大事な仕事なのだから仕方ないじゃないか。
やっぱり今回はネタを詰め込みすぎた気がします。たまにはこんな回があってもいいんじゃないかな...
それではまた次回...


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二十二体目 上海と八咫烏

明日にはいつも通りのほぼ毎日更新に戻れると思います。
次回くらいには仕事回を出したいですねぇ...

上海可愛い


[地霊殿・庭]

一周まわって地霊殿に戻ってきた。

辺りはすっかり暗くなり(地下だから暗いのは当たり前だけど)寒くなってきた。「ぶえっくしょい!!!!」こいしちゃん、もうちょっと可愛いくしゃみを心がけよう?

「寒いから先に戻っとくね」と言い、こいしさ...ちゃんは地霊殿に入っていった。

 

 

しばらく庭にある噴水に腰掛けて空を見上げていた。当然地下なのでゴツゴツした岩が見えるだけだ...とりあえず地霊殿に戻ろうと思い腰を上げると声が聞こえてきた。

「うにゅ?だれ?」振り返ると、大きな翼を背中に付けた少女がこちらを不思議そうな顔で見つめていた。

「名乗る時はまず自分から、でしょ?」「うにゅう...わたしの名前は霊烏路空。地霊殿にくらしているんだよ」「.....今日からここで働くことになったシャンハーイです。」「へぇ~」あまり興味はなさそうだった。

すると彼女は周りを見渡し雰囲気を変え、こっちを睨みつけながら周りに聞こえないように小さな声で話し始めた。

 

「お前...結構前にここに攻め込んできた魔女の持っていた人形の仲間だろ。地霊殿にいる誰かに手を出してみろ、テメェの主もテメェも灰も残さないくらいに燃やし尽くしてやる...」この言葉には確実に殺意が篭っていた。

「お空~?どこ~?」近くからお燐さんの声が聞こえてきた。

「...とにかく、お前が何か変な行動を起こしたら即蒸発させるからな。」「あ!お空~!!こんな所にいたのか~!!探したよ~」「ごめんねお燐~、このひととおしゃべりしてたんだよ!」さっきとは全く別人のようだった。

「あ、いちよう紹介しとくね。この人は霊烏路空。お空って呼んであげてね。」「あ、あぁ、分かりました。」「?どうしたの?何か様子が変だけど...まさか、何かあったの?」

 

「あの、さっき...」瞬間、動けない。全く動けなくなった。

まるで蛇に睨まれたカエルのように指1本。そして視線さえも動かせなくなった。

 

お燐さんの後ろからこっちを睨みつけているお空さんから視線が外せない。ピクリとも。

 

そしてゆっくりとお空さんの口が動く。

(言・っ・た・ら・殺・す)私にはそう動いたように見えた。

「どうしたんだい?更に顔色が悪くなっているけど?」「え?いや...」やっと動けるようになった。何か言わないと...

「えっと...さっき色々食べ過ぎてしまって...」「なぁんだ!!食べ過ぎたのか!!アッハッハッハッハッ!!」

そしてしばらくお燐さんは笑った後、お空さんを連れて地霊殿に帰っていった。

 

お燐さんとお空さんが見えなくなると一気に体の力が抜けた...人形時代にも感じたことのない恐怖だった...

「何だよ...あの化け物...」とりあえず部屋に帰ろう。部屋でゆっくり休めばきっと落ち着く...




いや~...今回はお空回でした。
え?お空がイメージ通りじゃないって?作者の中ではこっちの家族や仲間を思い、そのためならば手段を選ばないスタイルのお空なんです。こっちの方が何かいいじゃないですか。
ちなみにお空の話し方にはちょっと特徴があって、殆どの「」内の言葉が平仮名なんですよ。(誰もいないところでは普通に漢字が出てきますけど...)見分けやすいでしょ?
こんな感じでちょくちょく話し方には特徴があるキャラもいるので、探してみてください。


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番外編2 A上海と宵闇の妖怪(前)

テストが終わったのでいつも通りのほぼ毎日更新復活です。
今回は次回のネタこねに少し時間がかかりそうなので番外編です。
今回の主人公の上海人形はいつもの上海人形とは別のやつです。表記的にはA上海でまとめています。

上海可愛い


[アリス亭]

僕の名前は上海。アリス様に仕える人形部隊の一体だ。

こう見えて自立人形だ。

結構前から自分で動けるようになっていたが、言う気になれなくてな。だって何の研究も実験もしていない僕がなったんだよ?言いにくいじゃないか...

毎晩夜遅くまで人形を弄り、実験を繰り返し改良を加え...ってやってんのに、昨日まで部屋の掃除してた奴がいきなり動けるですよ?あの実験は何だったんだって話になっちゃうじゃないですか...

 

てわけで、こんな感じで静かに生きている自立人形もいるんですよ。ちなみに僕が知っているだけでも2体は自立人形がいる。

本当はもう一体いたのだが...アイツは...いい奴だったよ...この前家出した自立上海人形を探している時にアリス様が吹雪に入った後、なかなか出てこなかったので心配したアイツが飛び込んでいった。当然ながらアイツは帰ってこなかった...きっと吹雪で倒れた木に潰されたりしたんだろう。

 

そえそう。家出した自立人形と言うのはアリス様が知っている中での自立人形だ。僕達はアリス様に知らさずに過ごしているからいつ自爆特攻をするハメになるのか分からない。ま、そのスリルが有るから知らさずにやっているんだけど...

んで、話を戻して...その自立人形は家出して、僕達が毎日探しているのだ。

結構前置きが長くなってしまったが、この前霧の湖前の森を探していた時の話をしようかな.....

 

[霧の湖前の森]

捜索初めて4日目今まで家事を任されていた奴も捜索に駆り出された日。

僕は妖怪などに絡まれないように捜していた。

すると...「そーなのかー」この声は絶対あの妖怪だな、と言う声が聞こえてきた。

絡まれたくはないが様子を見るだけならと浅はかな気持ちで木の影から覗きみると...

氷の妖精と宵闇の妖怪が楽しそうに雑談していた。

「で、そのカエルを凍らしてやったのよ!」「そーなのかー」よく聞く会話だな...

「んじゃね~」「そーなのかー」どうやら氷の妖精は帰るようだ。そう言えば宵闇の妖怪ってどこへ帰るのだろうか...その好奇心が後にめんどくさいことを引き起こすとは全く考えてなかった...

 

宵闇の妖怪はフワフワと空を漂っていた。それを下から僕は追跡していた。「白か...」おっと、つい声が出てしまった。ん?そこ変われって?残念だけど僕は一人称こそ僕だが、れっきとした女だ。だって上海人形はほとんどが女だもの。ちなみに白ってのは空の雲の色だ。残念だったな!!

 

しばらくついて行くと、森の真ん中にポッカリ穴が開いた様な広場に出た。真ん中には切り株があり、そこに彼女は腰掛けた。

この広場は遮蔽物が何もないので、近づく事が出来ない...

よく良く聞いてみると何か喋っているようだ...

見つかる覚悟でそっと近づいてみると...「そーなのかーとかやってられっかよ...」聞いては行けないものを聞いてしまった気分だ。とりあえず励ました方が良いのか...

そこでオロオロしていると、どこからともなくどでかい熊がやって来た。何故やって来たかは知らないがやって来た。

低い唸り声上げ、僕を見る。でも人形という事に気づいて次の獲物、つまり宵闇の妖怪に目をつけた。

静かにそして素早く宵闇の妖怪に飛びかかる。

「今私は機嫌が悪いんだよ...」そんな決め台詞の様なことを言いながらどこからともなく木の棒を取り出した。そんな装備で大丈夫か?

その木の棒を素早く横に振る。長い。その棒は3mはあるんじゃないかと言うくらいの長さだった。

ふり抜かれた木の棒は熊の脳天を捉え、熊を吹き飛ばした。正直いってあの大きさの熊を吹き飛ばせる腕力よりも、その熊の重さを受け止めた棒の耐久性を疑う。一体何で出来ているんだか...

熊はすっかり怯え宵闇の妖怪の力を凝視する。まぁ、見た目は幼い女の子だからな...

「邪魔だ...失せな...」と言いながら棒を地面に叩きつけると、熊は走って逃げて行った。

そろそろバレる前に逃げた方が良さそうと判断した僕は気づかれないようにそろりそろりと逃げ帰る。

「おい...」あぁ、これはバレてますわぁ...

「これ落としたぞ...」と言いながら小さなリボンを渡してきた。髪を触るとさっきまで付けていたはずのリボンがなかった、どうやら途中で落としていたようだ。

「シャンハーイ!!」と言いながら頭を下げリボンを受け取る。さぁ、このまま逃げさせてもらおう。

「また明日もここに来い。私の秘密を知った罰をくれてやろう。」

これは死刑宣告と取ってもいいのですか?




二つに分けたので続きを楽しみに待っといて下さいね?


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番外編2 A上海と宵闇の妖怪(後)

A上海の物語はほとんど番外編だけなので、本編には最終回らへんに出てくるかな?

上海可愛い


[過去・森の広場]

来たくは無かったが、とりあえず来てみた。まだ、死ぬと決まったわけじゃない。

彼女は昨日と変わらず切り株に座っていた。

こちらの姿を見つけると「来たか...」と言い、こちらへ来るように手招きをした。

「お前には...本当ならば死んでもらわなくてはならない...」やっぱり殺されるのかな?とか考えながら話を聞く。

「だが、お前にも何か秘密がありそうだ...それを私が弱みとして握り、昨日見た事の他言無用を誓う...どうだ?これならお前は死なずに済むが?」秘密?まさか自立人形って事か?それならこっちはいつでもバレても問題は無い。

「その取引...乗った...」「.......喋った.....」「そりゃ自分で動けるんだから喋れるだろう?」「.....納得がいかないが...まぁ、いい...それで、お前の弱みを言え...」「僕は自立人形だ。まだ、誰も知らない。」「.....それは知られたらまずいのか...?」痛いところを突かれた...別になんとも無い秘密だが、弱みとしてはまだ不十分だ...

「なら...叶えれる範囲で願いを聞こう。叶えれる範囲なら何でもだ...」今思い返してもこれは悪い選択だった。

「そうか...なら.....仕事を毎回手伝ってもらおうか...」仕事?「どんな仕事だ?」彼女はしばらく間を置いてこう答えた。

「.....裏の異変解決...」「裏?よくわからないがそういうのは巫女や魔法使いに任せればいいんじゃないか?」「だから...裏だよ...表向きにならない異変...そういうのは直接八雲紫から頼まれるんだよ...」「何だ?...それは...例えばどんな異変があったんだ?」「紅霧異変...あの時、とある人物を殺した...色々あったんだよ...それの帰り道に巫女に絡まれた...」「とある...人物?」「ギターの様な...いや...バイオリンのような物を持った人物だった...金髪だったかな...暗くてよく見えなくてな...」「何故殺した?」「依頼だったからさ...それ以外は知らない...」「そいつは何をしたんだ?」「知らない...私はそいつを殺せ...としか言われてなかったからな...」

彼女は立ち上がり「これからはその仕事を手伝ってもらうから...依頼が来たら迎えに行く...」とだけ言い残しどこかへ帰っていった...

正直いって...裏の異変ってのがよく分からなかったが、もう彼女は見えなかった。

 

[現在・アリス亭]

って事があったんだが、あれから音沙汰なくて忘れていたんだが...どうやらお迎えが来たようだ...

裏の異変解決の初仕事だ...




今回はちょっと謎を残した感じで終わらせました。続きが気になる?そいうい時は自分で想像してもよし、最終回らへんを待つもよし、です。
まぁ、後々全てが分かるんですけど...


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二十三体目 上海と青眼の白〇

風邪がまた酷くなってきた...
ネタをこねにこねたが、結局面白くないと自分で一蹴り...そして新しい案に移る。それが自分のスタイル
今回は試しに昼ごはんに合わせて投稿します。ちゃんと投稿できててくれよ~...

上海可愛い


[地霊殿・上海の部屋]

嫌な夢を見ていた気分だ...恐ろしい...

[ドンドン]誰かが部屋をノックする。

「はい...どうぞ...」その返答を聞くと同時に扉を開けて入ってきたのは、こいしちゃんだった。

「大丈夫?さっきお燐から聞いたけど...胃薬いる?」こいしちゃんそれは胃薬じゃなくて...アロンアルファです...

「ありがとうございます。もう大丈夫です...」「そっか!なら後でお姉ちゃんの所に行ってあげてね?さっき呼んでたから」呼ばれたのなら行かなくては...「分かりました。今すぐ向かいます。」

 

[地霊殿・さとりの部屋]

「さとり様失礼します。」「どうぞ」部屋に入ると作業机に向かい、資料に何かを書き込んでいるさとり様がいた。

「何の御用でしょう」「.....とりあえずここにいなさい」「え?それだけですか?」「いいから黙ってここにいなさい」何だその頼み事...頼まれたからやるにはやるけど...

 

[30分後]

「よし、終わった...」どうやら資料を書き終えたようだ。

「さて...あなたは温泉のどこで働きたいの?」「え?一体何の話ですか?」そんな話初耳だ。

「あら?こいしから聞いてなかったの?ちゃんと伝えてって言ったんだけどな...まぁいいわ、それじゃああなたには...明日から買い出しと清掃を任せるわ。」ずいぶんあっさりしているな...「分かりました」「もう戻ってもいいわよ」「え?あ、はい...」「明日から頑張ってね」と、言いながら机から次の資料を取り出す。少しは休んだらどうなのか...

 

[地霊殿・上海の部屋]

部屋に入るとこいしちゃんが、1人で七並べをしていた。

「あ、おかえり~一緒に七並べやる~?」「シャンハーイ」頷きながら応える。

 

 

七並べを1通りやった後カードの片付けをしていると、カードの間から[青眼の〇龍]と書かれたカードが出てきた。

「こいしちゃん、このカード何か知っていますか?」「ん?あ!こんな所にあったんだ!!これはね、お姉ちゃんがくれたカードなの!!」「へ~、誕生日プレゼントですか?」「そうだよ!!あ、そうだよ(便乗)!!お姉ちゃんが外の世界から買ってきてくれたんだ!!何かの大会の優勝賞品らしいんだけど、私わかんな~い」と言いながらそのカードを胸ポケットにしまった。

[コンコン]「上海さん、夕飯の時間ですよ。」お燐さんの声だ。

「わ~い!ご飯~」と言いながらこいし様が部屋から勢いよく飛び出して行った。その後ゆっくりと出ていくと、お燐さんの姿がなかった。

「あれ?お燐さん?」「あたいはここだよ~...」開いた扉の裏から聞こえてきた。どうやらこいしちゃんが開けた扉に潰されたようだ。マンガで良くある場面だな。

「大丈夫ですか?」「あたいの事は....良い...先に行け...」「分かりました。」と言いフワフワと食堂に向かう。

「え?ちょっと?あたいを助けてよ~!!」




ネタをこねても面白くない...なら、やっぱり行き当たりばったりが似合うのかな...
次回は仕事回かな...


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二十四体目 上海と地霊殿プリン事件

朝起きてすぐに書き始める不健康者の鑑。
皆さんは朝起きたらちゃんと朝ごはんを食べましょう!

上海可愛い


[地霊殿・食堂]

やぁ!!私は古明地こいし!!突然だがこの小説は乗っ取らせてもらったよ!!

今回の小説は私の1日を書いていくよ!

「こいし、心の中で本編を乗っ取るのはやめなさい。」「え~...」「作者に返してあげなさい。」「は~い...」

__________________________

こいしちゃんとさとり様は一体何の話をしているのだろう...でも気にしちゃ負けってことかは分かる。

今私達は食堂でワイワイ食事を取っている。机の上には、オムレツやサラダなどが乗っている。これらは全てお燐さんが作った料理だ。味はプロ級で文句など出るはずもないし、それどころか褒める所しか出てこない。

「って事があったんですよさとり様!!上海さんあたいに厳しくないっすか!?」当の本人たちは食べ慣れた美味しい料理としか思ってなさそうだ。人里で料亭を出せば人が津波のように押し寄せてくるような大繁盛になるはずなのに...

お空さんは相変わらずこちらの様子を伺っている。少しでも不味そうな顔をしたら殺すと言わんばかりに見てくる。美味しいからそんな顔する訳ないけど...

 

食事を終え皆で片付けをしているといつの間にかこいしちゃんがいなくなっていた。さっきまでここにいたのに...まさか!!片付けが嫌で逃げたのでは!?まぁ、片付けをやらなかったら夕食後のプリンが貰えない仕組みになっているから、皆進んで片付けを手伝う。素晴らしいシステムだ。

 

「さとり様!!大変です!!」お燐さんが走ってくる。さっきプリンを取りに行ったはずなのだが...一体何があったのだろうか。

「夕食後のプリンがありません!!」

「「「「な、なんだってー!!??」」」」皆プリンがあるから片付けをしていたのに!!プリンがないならやった意味がないじゃないか!!

「と、と、と、と、とりあえず皆落ち着きなさい」「さとり様が1番動揺してますよ...」お燐さんの冷静なツッコミがさとり様を正気に戻す。「そ、そうね...とりあえず冷静に...勝手にプリンを食べたのは一体...」「ふふふ...何でも屋上海に任せてください!!必ず犯人を見つけ出しますよ!!」何だ...何で皆何言ってんだこいつみたいな目でこっちを見ているんだ?

「そう言えば...」「何でも屋でしたね...」「すっかり忘れていたよ...」酷すぎやしませんかね...

「とりあえず私に任せてください!!」「無理ね」「無理だね」「無理に決まっている」...ここまで言われるとは...

 

「ね~何の話をしているの~?」皆一斉に声のした方を見る。

そこにはこいしちゃんがいた...プリンを持ってな。

「そう言えば...」「すっかり存在を忘れていましたよ...」「こいし...後で私の部屋まで来なさい...」「シャンハーイ...」

「え?何?どうしたの?」

 

後でお燐さんに聞いた話、さとり様はプリンが好きらしい。後は...分かるよな?




いや~、やっぱりプリンは食べられるますよね~。かくいう私はプリンを1年ほど食べていないが...

今回は日常している日常回でしたね。ちょっと満足です。


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二十五体目 上海と地霊温泉

イヤホンがこの前壊れて新しいのを今日買いに行きました。そこで5mのイヤホンがありました。買いました。.....皆さんはお金は大事に使いましょう(泣)


上海可愛い


[地霊殿・上海の部屋]

大きすぎるベッドからむくりと起き上がったのは、前回すっかりと何でも屋ということを忘れられていた上海。

「やめたげてよぉ!!」今見えるはずのない文章と対話したのは、上海の横で眠そうな顔をしている古明地こいしである。

 

いつものようにを顔を洗い、ご飯を食べ、自分の部屋の掃除をする。あれ?何か忘れているような...

 

「あ.....上海ちゃん今日初仕事...」こいしちゃんの言葉が聞こえた...

「ほんまやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」何故か関西弁がで出しまったが気にしないでおこう。

地霊殿をマッハで飛び出しランスに付いている[じぇっと]を作動させ、音速で地底の空を飛ぶ。仕事場は昨日歩いている時にこいしちゃんに教えてもらった。

[地霊温泉]

「すいません!!寝坊しました!!」勢いよく飛び込んだはいいものの、勢いがあまり壁にぶつかってしまった。その衝撃で埃が舞う。

周りを見渡すと誰もいない...まさかと思い時計を見ると.......

朝の4時.....寝坊なんてしていなかったのだ.....

「.....よし...掃除しておこう...」無心で掃除する。無心...

ハッと我に帰ると朝の5時...1時間も掃除をしていたらしい。おかげで建てたばかりの建物の様にピカピカになった。

「にゃ?何で扉が...あれ?上海さん?って、めっちゃピカピカ!!これ上海さんがやったの!?」「あ、はい...そうです...」

お燐さんは建物内を駆け回りその綺麗さを1通り楽しんだ後、息を切らしながら戻ってきた。紅魔館で効率のいい掃除の仕方を教えてもらったおかげだ。

「あんた凄いよ!!一体何時間前にここに来たのさ!?」興奮気味に聞いてくるお燐さん「えっと...1時間程前です...」「な...1時間前?...あんた初日から昇進物だよ!!安心しな!!あたいがさとり様に相談しておくから!!」初日から昇進とは...まぁ、稼げればいいか。「ありがとうございます!」満面の笑みでそう返す。

お燐さんは「さっそくさとり様に頼んでくる!!」と言い飛び出して行った。とりあえずやる事も説明されてないので掃除をしておこう。ここは掃除をしたら昇進できるシステムなのだろう。「このまま行けば楽々出世コースまっしぐらだな」そんな事を呟きながら上海は掃除を続ける。今日という1日はまだ始まったばかりだ。

 

「そんな簡単に出世できたら苦労なんてしないよ?上海ちゃん。」その建物の屋根でアイスキャンデーを舐めながらこいしが呟く。ってそれ冷蔵庫に入れてた私のアイスキャンデー...




次回は温泉回(源)です。(源)って何だって?私に聞かれましても...
作者だろって?思いつきでやることって...あるじゃないですか...


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二十六体目 上海と昇進

(源)の意味を考えたので書いていきます。
私が書き終えるのが先か...寝落ちするのが先か...

上海可愛い


[地霊温泉]

ナンテコッタイ!!もはや掃除をする所がないではないか!!

これだけ掃除すればコーヒーを右手に持って左手で紅茶を飲んでいても出世間違いなし...

「そうね...その発想は間違ってなさそうね...」え?入口付近から声が聞こえる。

「な、さとり様!!いつの間に!?」音もなくこちらの様子を伺っていた自分の雇い主。そう、古明地さとりに驚く。

「そうだ!昇進の件は?」「.....あなた...グイグイ来るわね...欲丸出しっていうか...まぁ、いいわ。あなたの仕事具合を見て言わせてもらうわ。」

 

 

 

「昇進よ」

 

 

「.....ありがたき幸せ...」「.....まるで悪魔のような笑ね...人形でもそんな顔ができることが学べたわ...」「それでは...仕事何をすれば良いのでしょうか?」「そうね.....あなたは...源泉辺りで働いて貰うわ...」

 

[地霊殿地下(別の名を核融合炉)]

「あなたは今日からここで働いてもらうわよ...」暑い...いや、熱いと言うのが適切だろう。燃えている。焼け付く空気が喉を焼く...ま、人形だから問題ないや。

「ここで私以外の担当はいるのですか?」こんな所で働ける奴はいないと思うが...ここは幻想郷、ここじゃ常識は塵同然だ。

「いるわよ」「一体どなたですか?」「お空よ」.....今聞きたくない名前が出たような...

「えっと...どなたですか?」「お空よ。」変わらぬ答え...「お空、ちょっと来なさい。」「は~い.........なぜしゃんはいさんがここに...」「今日からここで働くことになったわ...」「え?ここ(核融合炉)で?」「そうよ...」こんなことなら出世しなければ良かった...こっちはそう思ってても相手は...あ、死んだ魚の様な目をしてやがる...

 

こうして2人の奇妙なコンビが結成されたのである。

「そう言えばさとり様」「何?...」「ここは何をする所ですか?」「ここは核融合炉...地底のエネルギーを作っていると思っておいて...エネルギーのついでに熱で地下水を熱し、温泉にしているからここは別名[源]泉地と呼ばれているわ...それじゃ、2人とも頑張ってね?」「「...はい.....」」

 

さとり様が去った後お空さんが話しかけてきた。「お前...なぜここにいる...」「さとり様に言われたからですよ...そんなことより、私は何をすればいいんですか?」「最近ここら辺で黒いおかしな影を見るようになってな...それの調査を願いた.....何をそんなに驚いている?」「いや...てっきりそこらで燃え尽きてろとか言われるかなと思っていたのですが...まぁ、その依頼受けましょう。その黒い影の正体、必ず暴いて見せましょう!」




1シリーズに1回のバトル回がそろそろ...
そう言えば書いてた時に気づいたんですがパルシィ出てない...ま、ま、ま、まぁいいか...(震え声)


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二十七体目 上海と核融合炉

朝起きて目覚まし時計を見る。6時
壁掛け時計を見る。9時
どういうことだってばよ・・・


[核融合炉]

黒い影の正体を暴くために探し続けてもう3日...手がかりすらも見つからない...

お空さんに話を聞いても「私が見たのは影だけだ、それ以外は知らない」だけしか言わない。

今持っている情報は、[黒い影]って事だけだ...これだけで見つけられたら、それこそ名探偵だ。

 

「...さて、どうしたものか...」核融合炉のパイプの上に腰掛けながら呟く。熱いのだが、もう慣れてしまった。

現在地は核融合炉の上部。まだ1人で下の方に行く事は出来ないが、お空さんと一緒なら大丈夫だ。

下からの熱気に顔を晒しながら、下の方を覗き込む。お空さん以外は巨大な太陽の様なものしか見えない。その太陽の様なものはエネルギーを生み出している、エネルギー源の様なものだ。仕組みは知らん。

 

お空さんがこちらに飛んでくる。

「何か見つかったか?」「いえ...まだ何も...」「.....何でも屋ってのも役に立たないな...」「...否定はしません...」「否定しないのか...」2人でパイプの上に座り静かに下を覗き込む。

「ん?」お空さんが声を上げる。「どうしました?」「今なにか...あ!ほらあそこ!!」お空さんが指を指すほうを見ると...確かに...何か動いた。だが、それはありえない所にいた。

[それ]は超高温のエネルギー源の中に影が見えたのだ。あんなものの中に居れば、皮膚は焼け落ち、骨が溶ける位の高温なのに...

いるはずがない[それ]を見てお空さんが「行くぞ!!奴が犯人だ!!」と言い、パイプから飛び降りる。それに続いて私も飛び降りる。

[核融合炉・最下層]

熱い...恐ろしい程に熱い...よくこんな所で平気な顔をしていられる...

「おい!!とっとと出てこい!!今なら焼死系だけで済ましてやる!!」そんな事を言いながら制御棒を[それ]に向ける。[それ]は未だエネルギー源の中を動き続けている。

「いい加減に顔でも見せたらどうですか?このままだとお空さんに焼かれますよ~?」一応呼びかけておく。

すると、[それ]はあっさりとエネルギー源から顔を出した。私は[それ]を見て驚愕した。

 

 

私と同じ人形だった。

 

「人形?お前の仲間か?」「.....いや、こんな顔をした人形は見たことありません...」本当に見覚えが無かった。だが、顔の作りがアリス様の作ったものに非常に似ていた。

「...お前は誰だ?」知らずのうちに問いかけていた。「グゴォォォォォ...」唸り声の様なものが返事なのか...

ゆっくりとエネルギー源からそいつは出てこようとしている。「動くな!!」お空さんの忠告も聞かずにゆっくりと全体像が見えてくる。

そいつは非常に大きかった。上海百人分はありそうだ。「デカイ...」これには流石のお空さんも驚いている。そいつの手には大きな鉈のようなものを握り、こちらをいつでも切れる状態だ。

「どうやら戦いは避けられないようだな...」「...負けられませんね」エネルギー源の熱がより緊張を高める。睨み合いの時間が永遠に感じられる.......「ぐぅぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」奴の雄叫びが核融合炉全体を震わせる。

「かかってこい!!」お空さんが熱玉を打ち出す。これが開戦の合図だった.....




今回文章全体が不安定になってしまいましたが、アドバイスなどを頂けるとありがたいです!
さぁ、次回はバトル回です!!頑張って書かなきゃ...

後、今回の謎の人形は良くマンガなどに出てくる巨人の様な感じでイメージして頂くとわかりやすいです。


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二十八体目 上海達と核融合炉の決戦

いや~久しぶりのバトル回です!!
やる気がみなぎってきます!!

アドバイスに貰った「セリフ」の独立を試します。白藍ハートネット様、アドバイスありがとうございます。

上海可愛い


[核融合炉最深部]

お空さんが打ち出した熱玉をひらりと避け、こちらに突進してくる。

「うぉぉらぁぁ!!!」

という掛け声とともにお空さんが更に威力の増した熱玉を打ち出す。その人形は熱玉に突っ込んで行く。

「そのまま溶けちまえ!!」

当たった...と思ったがその熱玉は鉈でいなされてしまった。そのまま突進してくる人形をお空さんが避けられず突進をモロにくらう。

 

吹き飛んだお空さんに追い打ちをかけるようにその人形はお空さんを鷲掴みにする。

「ぐっ!!離しやがれ!!」

と叫びながらその人形の顔面に、熱玉を連射する。が、その人形はビクともせず掴んだ手を離さなかった。

「離せ!!離.....どんどん温度が上がっている?」

非常にまずい予感がした。急いでお空さんの元に向かい引きずり出そうとすると

「馬鹿野郎!!とっとと離れろ!!」

と怒鳴られ、投げられる。

投げられて壁に当たったと同時に、お空さんとその人形が爆発した。何が起こったか分からなかったが、お空さんがやられたということは分かった。

爆炎の中からこちらを見ながらゆっくりと人形が出てくる。

「お空さん!!」

ボロボロになりながら落下していくお空さんを見つける。すぐに追いかけようとするがその人形が回り込んでくる。

「そこをどけぇぇぇ!!」

ランスを突き出しながら叫ぶ。が、奴はそれを鉈で防ぐ。当たると同時にランスが溶けてしまった。どうやら奴の鉈は高温を発しているようだ。

防いだ格好のまま、鉈をこちらに押し出してくる。

急いで避けたが間に合わず左腕が溶けてしまった。

「ぐぁっつ!!」

予想以上のダメージに、意識が飛びそうになる。だがお空さんを助けなくては、という思いが意識を現実に引き戻す。

 

1度落ち着き戦況を見る。こちらはお空さんがやられ、私も左腕をやられた。それに対して、奴は無傷。このままでは負けは確実だ。どうしたものか...

「おい上海!!!」

お空さんの声が下から聞こえてくる。

「時間稼ぎできるか?」

いつの間にかお空さんは立ち上がり壁に片腕を突っ込みながらこちらに声かけている。しっかりと制御棒は人形の方を向いていた。

「何分だ?」「五分...いや、三分だ!!三分時間を稼いでくれ!!」「分かった!!」

三分時間を稼げと言われても今私には武器がない。奴に捕まればそれこそおしまいだ。

考えていても仕方ない...

「かかってこい!!この薄ノロがぁ!!」

壁際まで飛ぶ。奴が壁にぶつければ多少は時間を稼げるという算段だ。だが、奴は鉈を投げてきた。

スレスレの所で避け人形に向かっていく。人形の後ろに回り込み、首筋に打撃を繰り出す。効果は薄いだろうが、ないよりマシだ。

奴は振り向きざまにこちらにパンチを放ってきたが、ひらりと避け奴からすぐに離れる。

[1分経過]

まだ1分、やっと1分!!

奴が鉈を取りに行き、壁に刺さっていた鉈を引き抜く。すると、空いた穴から空気の様なものが吹き出している。

「あれは...使える!!」

推測するにあれは可燃性のガス!!奴のGODなフィンガーもどきをあそこに当てれば爆発するだろう。それでまた時間が稼げる!!

鉈を振り回しながらこっちに飛んでくる人形を避け、爆破ポイントに向かう。

奴はこっちを向き鉈を前に構えながら突進してくる。追いかけっこ状態になるが、この方が時間がより稼げる。

 

壁際で止まり奴を見る。鉈が重いのだろうか、速度が落ちている気がする。

これを好機ととり、素早く下に下がる。すると奴は壁に鉈ごとぶつかり、高温の鉈に顔を押し付ける格好になった。が、奴の顔に支障はなくこちらを無機質な目が見つめていた。

「化け物め...!!」

[2分経過]

奴は鉈を捨て、こちらに飛んでくる。鉈を捨てた分軽くなり今までなら避けれていた膝蹴りに当たり吹き飛ぶ。

壁にぶつかる直前で奴に捕まる。

奴の手が熱せられてゆく...あぁ...このまま爆発して死ぬのか...

もう抵抗するほどの力も残っていない...腕からエネルギーが抜け出ているのだろうか...もはやそんな事どうでもいい...もうこの状況をひっくり返せるいい案は思い浮かばない...

「ダメだな...私は...」「そんな事ないと思うけどな~」

突然横から聞こえた声に驚く。そこにはフワフワと空を飛びながらアイスキャンデーを舐めているこいしちゃんがいた。

「なぜここに!?」「え?面白そうだったから!」「そうですか...とりあえず離れてください...すぐ爆発するので逃げてください...」「え~?やだ~!このアイスキャンデーあげるからいいじゃ~ん?」

と言いアイスキャンデーを人形の手に押し付ける。すると、熱せられていたためアイスキャンデーは溶けて私の体と人形の手の間に入ってきた。

アイスキャンデーは予想以上にヌルヌルしている。そうか!これを使えば抜けられる!!

私は精一杯抜けようと上昇を始める。少しづつだが、確実に抜け出せている。だが、このペースでは、爆発に間に合わない...ふと、こいしちゃんに声をかける。

「こいしちゃん!!手伝ってください!!」「おっけ~」

そう言うとこいしちゃんはその姿からは想像もできないような力で引っ張ってきた。スポんっと、いう音とともに私は中に投げ出された。

[3分経過]

「上海!!こいし様!!ちゃんと避けて下さいよ!!!!」

という声が下から聞こえてくる。

見るとお空さんの制御棒は紅く光り、お空さん自体が太陽のように輝いていた。どうやら腕を壁に突っ込んでいたのは、そこからエネルギーを吸い取っていたのだろう。

「うぉらぁぁ!!クソったれ人形!!こいつをくらえぇぇぇぇ!!!!」

お空さんの制御棒から凄まじい光が放たれる。それは一瞬で奴の体を溶かし、腹にどでかい穴を空けた。

「出力最大!!!!」

と言う声がトリガーになったかのように、その光の一線が幾つも放たれ束になり奴を包み込んでゆく...

 

 

お空さんがビームを使い切り、前に倒れる。急ぎ支えると

「.....やったな...」

と、話しかけてきた。お互いボロボロだったが、2人とも命に別状は無いようだ。

いつの間にかこいしちゃんがいなくなっている。次に会ったらお礼を言わなければ...

 

お空さんを担ぎ核融合炉を登る。音を聞きつけてやって来たお燐さんに手伝ってもらい、地霊温泉まで戻る。

お空さんは永遠亭に運ばれた。後で聞いたが、別に大したことなかったようだが、一応安静にという理由で運ばれたらしい。

私はこの一件をさとり様に報告しに行った...




いや~長くなりましたね~いつもの2話分位ですよ(笑)
あの人形の正体は後々(物語の終盤らへん)に分かりますので、お待ちください。
いや~今回の出来はどうだったかお聞かせいただくとありがたいです。今回は文章が変になっている所が多いかもしれませんが、ご了承ください。


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二十九体目 上海と温泉

バトル回後の日常回です。
そろそろストーリー的には中盤らへんかな?
ゆっくり見ていってね!


[地霊殿・さとりの部屋]

「そう...その人形が原因だったのね...」

一連のとこを説明すると、少し安心したような顔をして、さとり様がそう呟く。

「原因...とは?」「最近エネルギーの供給が時々途切れてたりしたのよ...奴がその原因なら納得ね...」

それって結構重要じゃ...

「そんなことより...あなたの左腕...どうするの?」「別に不自由は無いですけど...」「そう...あなたはクビよ...自分の状態もわからないような人は要らないわ...実際お空だって気持ちじゃまだ働けたのに、体が追いつかないことを察して永遠亭に行ったの...あなたはどう?自分の気持ちだけを重視している。だからクビよ...お疲れ様...」

言い返す暇も無くクビ...納得は行かないが確かに言っている事は正しいような気がする。凄く騙された気分だ。

 

自室で荷物を全て風呂敷に入れ、地霊殿を出る。短かったな...

「あ~あ、クビになっちゃったねぇ、上海」「あ、お燐さん」

地霊殿の門の外側にもたれる格好で、お燐さんがいた。

「次どこ行けばいいでしょうか...」「そうだね...ならまずは左腕とランスを直しに、妖怪の山の河童の所に行ったらどうだい?」「河童...ですか...」「あいつら技術力が凄すぎるからきっと直してくれるさ」「ありがとうございます!」「そうだ。温泉入っていくかい?今誰もいないからさ」「いいんですか?」「いいよいいよ!だってあたいが責任者だからな!!」

 

 

[地霊温泉]

という事があり、今私は温泉に入っている。ゆったりとしていて、非常に落ち着く。

「ふ~...これが極楽ってやつですか...」「そ~だよ~...ゆったり出来るよね~」

いつの間にかこいしちゃんも入っていたようだ。

「あれ?こいしちゃん?どうしてこんな所に...」「ゆったり温泉に入るためだよ~...」「そうですか~...」

2人とも溶けかけたような顔をしているだろう。第三者視点から見れば餅と間違われるだろう。

「やっほ~湯加減は、ってこいし様?」「ん~?あ~お燐~!」「2人とも気持ちよさそうですね~...あたいも入ろっかな...」「お燐も入りなよ~...」「そうですよ~」「そうだね、あたいも入ることにするよ。」「へ~...上海さんと..こいしと...お燐...とりあえずお燐~?」

恐ろしく低い声が聞こえてきた。

「この声は.....さとり様!?」「お燐~?あなたはクビにした奴を無償で温泉に入れる人だったの~?」

不敵な笑みを浮かべながらそんな事を言われたお燐さんは恐怖でしか無かっただろう。さて、脱出脱出!

「ちっ違うんですよ!!」「問答無用!!あなた達2人も!!って、いなくなってる...まぁ、いいわ...お燐、あなただけでも来なさい...」「そ、そんなぁー...」

お燐さんには悪いが犠牲になってもらおう。

 

[地底入口]

さてと、温泉にも入ったしお金も少し稼げた。次の目的地は妖怪の山。完璧なシナリオ...

「あ、妖怪の山の河童ってどこにいるんだ?」「え?知らなかったの?」「.....まぁいいか。とりあえずこいしちゃん、道案内お願いできる?」「紅魔館までなら良いよ~!」

河童ってどこにいるんだろう...やっぱり川かな?

 

こうして、上海は地霊殿を去ったのであった。




結局地霊殿編が終わっても、とうとうパルシィを出す機会が無かったな...どうせ番外編で出るからいいか。
さぁ、次回から妖怪の山編です。妖怪の山編が終わると次はリクエストに繋いでいきそして異変って感じですかね。その後は伸び伸びと日常回をやりたいですね~...


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番外編3 紅魔館プリン戦争

プリンは嵐を巻き起こす。私のおじいちゃんの孫の言葉ですww
さぁ、一区切り付いたので番外編です。

上海可愛い


紅魔館。悪魔の住む館として恐れられている場所。そこでは今日も愉快な悪魔達が、これまた愉快な事件を起こし暮らしています.....

[紅魔館]

「咲夜?何?今のナレーションみたなもの」「気にしちゃダメですよ」「そ、そう...そんなことより咲夜?プリンが食べたいわ。用意してちょうだい?」「突然ですね...分かりました。ファミリーサイズの六個入りプリンを買っておいたので、それをお持ちしましょう。」

[3分後]

「お嬢様!!大変です!!プリンがありません!!後私が食べる予定だった高級羊羹も!!!!」「何ですって!?プリンがない!?畜生!!さっきのナレーションは番外編だったからか!!番外編は事件が起きるから嫌なんだよ!!」「咲夜ぁぁぁぁぁ!!!!私が食べる予定だったプリンが無いよぉぉぉぉぉぉ!!!!」

フランがこの世の終わりのような顔で走ってきた。

「妹様!?あれはみんなで食べる用ですよ!?」「絶対お姉様が食べたんだぁぁぁぁぁ!!!!許さん!!表に出ろ!!」「私じゃないわよ!?私だって食べようとして無かったんだから!!」「全く...騒がしわね...一体なんの騒ぎよ...それとも何かのお祭り?」

迷惑そうな顔をしながらパチュリーが部屋に入ってきた。

仲良く姉妹喧嘩をしている2人を放って咲夜はパチュリーに尋ねる。

「六個入りプリンを知りませんか?アレを巡って戦争が起きそうなんですが...」「え?...今何て...?」「え?プリンが...まさか...」「.......小悪魔...戦争の準備をしなさい。」

どこからとも無く小悪魔が現れる。

「一体何が始まるんです?...パチュリー将軍...」「第三次大戦だ...さぁ、急ぎなさい!!侵略者共からプリンを取り返すわよ!!さぁ、戦争だ!!小悪魔参謀長官!!」

咲夜は思った(プリン買ってくれば解決じゃね?)と...そこへ美鈴がノコノコやって来た。

「咲夜さ~ん。って何で三つ巴で弾幕ごっこが始まっているんですか?」「美鈴...プリンを誰かが食べたって事で戦争になったのよ...どうにかしてちょうだい?」「プリン?バケツプリンなら持ってますけど?」「え?何でそんなものを?」「いや、偶にはお嬢さまにプレゼントでもしようかなと思って...」「でかしたわ美鈴!!お嬢さま!!バケツプリンならあります!!みんなで分けて食べましょう!!!!」

と叫び、バケツプリンを掲げる。すると戦争はピタリと止まり、何事も無かったかのように皆席に着いた。

「全く...プリンの魔力って恐ろしいわね.....でも一体誰がプリンを食べたのかしら...」

そんな事を呟きながら、咲夜はプリンを分けていく。自分のだけちゃっかり多くするのを忘れずに...




区切りの番外編でした。綺麗に纏まりましたね...
え?プリンを食べた犯人?大妖精ですよ。本編にも登場できずこれからの登場予定も無し。それに加えて、番外編でも出番は無し。って事を知ってヤケ食いしたんでしょう。


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妖怪の山編
三十体目 上海と椛


今回から妖怪の山編、スタートです!
今後の流れ的には、妖怪の山→リクエストいくつか→クライマックスの異変って感じで進んで行きます。つまり...今回から中盤らへん.....
時が経つのって早いですね。


[名も無き道]

「よし!!ここからまっすぐ行けば妖怪の山だよ~!!」「道案内ありがとうございます。」「いいってことだよ~!!紅魔館までだから大した道案内じゃないよ~」「いえ、ここまで送っていただきありがとうございます!」「分かったよ~!!それじゃあ上海ちゃん、元気でね~!!」

と言って紅魔館の方に走り去って行った。.....こいしちゃん靴履いてないじゃん.....

[妖怪の山・麓]

こいしちゃんから聞いた話だが、巡回中の白狼天狗には気づかれては行けないらしい。よそ者を嫌う習性があるとか...

「とりあえず気をつけておけばいいか」「そうですね。で、何に気を付けるんですか?」

後ろから声が聞こえ、驚いて距離をとる。その声の主はふさふさの耳としっぽが生え、剣と盾を持ちこちらの様子を伺っている。間違いない、白狼天狗だ。

「どうやら武器も持っていないし、何より左腕が無いですね...そんな状態でここに攻め込んで来る奴もいないでしょう。何か用事があって来たのでは?」「.....私を捕まえないのか?」「え?怪我しているやつを倒すなんて楽勝じゃないですか。いつでもあなたを捕まえることは出来ますよ。あ、そうそう。申し遅れました、私は[犬走椛]と言う白狼天狗です。」「.....シャンハーイだ...」「して、今日はなんの御用でここへ?」「河童に用事がある。腕の修理等だ。」「そうか、なら信用できる河童のところに案内してやろうか。」「本当か!?ありがたい!!是非頼む!!」「なら、付いてこい。私もそいつに用があってな」

と言い彼女は山道を歩き出した。流石ここで暮らしているだけあって、なんの不便さも感じさせないほど早く山道を登ってゆく。

[川沿いの道]

ここら一帯は河童の縄張りらしくて、私の様な珍しいものがあると拉致されて分解されるらしい。恐ろしや恐ろしや...

しばらく歩くと工房のようなものが見えてきた。

「あそこが目的地だ。あそこには河城にとりという河童が住んでいるんだが、変わり者でな。河童達から変わり者と言われているが、結構まともなやつだから安心して腕の修理を頼むといい」「シャンハーイ!!」

[工房にとり]

「おい!にとり!!いるか?」「その声は椛か!?助けてくれ!動けなくなった!!」「はぁ...これで今月七回目だぞ!!」「ごめんごめん!とりあえず助けて!!」

その声のする部屋に行くとそのにとりと言う河童はベッドに縛り付けられていた。

「あ~...気にするな。いつもこんな感じだ。そうだ。こいつはお前に依頼をしに来たやつだ。」「左腕の修理を頼みたいんだが...出来るか?」「いや、それより助けて?」「良かったな上海、受けてくれるとさ」「おぉ!ありがたい!!」「いや、まずこの縄ほどいて!?」

 

今日も上海の周りはハプニングで溢れていたのでした。




縛り付けられていたにとりは変態ではありません!にとりは変態ではありません!大事なことなので二回言いました。


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三十一体目 上海と河童

いや~、もう31話ですよ!1日1回投稿していたら1ヶ月ですよ!!早いですね~...
こんな短期間にたくさんの人に読んでいただいて、感謝の気持ちでいっぱいです!
これからも上海人形家出録をよろしくお願いします!!

上海可愛い


[工房にとり]

「へ~...そんな事があったんだ。」

彼女はきゅうりをかじりながらそう言う。

今私は、妖怪の山の川の側の[工房にとり]という所に左腕の修理を頼みに来た。

そこの店主は河城にとりと言う河童で、少し変わり者らしいが...自分の体をベッドに縛り付けていた様な奴なので、少し警戒している。もしかして変態なんじゃ?

「腕は持ってきたのか?」「いえ、溶けてなくなってしまいました...」「そうか...なら安くするが動かせる義手か、高くなるが本物の人形の腕か。選ばせてやろう。」

義手か...動かせるなら文句は無いが、色々装置を組み込まれそうだな...

本物の人形の腕ならば...高いが元と同じように動かせるだろう...だが、色々装置を組み込まれそうだ...

どっちにしたって改造されるじゃん...

「あ~...悩むなら少しここに泊まっていきな。少し家事を手伝ってくれるだけでいいからさ、最初あんな姿だったからな...申し訳ない...」「泊めてくれるのか!?助かる!!」「いや~、困っている時はお互い様じゃん?」

優しい!!最初の印象がアレじゃなければ、結構まともな人だったのに!!

「それでは、しばらく世話になります。シャンハーイです!!よろしくお願いします!!」「よろしくね、上海。」

「とりあえず今日は決まらなさそうなので、何をしていたらいいでしょうか?」「う~ん...そうだね...それじゃあ試作品の実験に付いてきてもらおうかな。メモとペンがそこの机にあるはずだからそれ持って付いてきて!!」

と言い、にとりさんは地下室に入っていった。

メモとペンを探していると、1枚の古い写真を見つけた。真ん中ににとりさん、右隣には知らない白狼天狗。そして左隣は古ぼけてよく見えないが、どこかで見た事のある姿の人物が写っていた。靴はブーツを履き、頭にはカチューシャの様なものを付けている。

ただ...自分の見た事のある誰かと、所々に違う点があった。時間が人を変えるとは聞いたことがあるが、そんなものとは比べ物にならないくらいに[何か]が違った...

「ごめーん!!ペンとメモ私が持ってた~!!」

と言いながら地下室から大きな銃のようなものを持ってくる。これは外の世界の本で見た、[すないぱーらいふる]と言う物だろう。遠くの物も撃ち抜ける弓矢の様な物らしい。

「さぁ、行くよ~!いざ!!実験場へ!!突撃ぃぃぃぃぃぃ!!!!」

と言い、勢いよくドアを開け放ち外ににとりさんが飛び出して行く。

私はそっと写真を机に戻して、にとりさんの後を追った。




次回はドキドキ!!にとりの実験場!!でお送りします(笑)

あの写真は後々重要になってきます。多分良く読んで、勘のいい方ならあの人物が誰か分かると思いますよ...
白狼天狗のオリキャラを出そうか悩む...ので、出していいでしょうか?感想にて待ってます!


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番外編4 上海とフレディ・クルーガー

恐竜ドラゴンさんとのコラボです!
人生初のコラボなので、色々と至らぬ点もございますがよろしくお願いします!!そして、恐竜ドラゴンさんの[東方悪夢男_フレディ・クルーガーが幻想入り]もよろしくお願いします!!

上海可愛い
フレディ恐ろしい


どうも、上海です。

朝起きたら知らない森にいました。

「.....ここどこ?」

とりあえず周りの探索をする。幻想郷って事は間違いないのだが.....何かが違う。

 

しばらく歩いているとその違和感が分かった。生き物に会わないのだ。

動物どころか、虫にすら出会わない。この調子だと、人里に行っても誰もいないだろう。

「.....異変か?」

そうだとしたら.....生き物が全て消える異変か.....私は人形だから被害を受けなかったと考えると筋が通る...

 

しばらく歩くと博麗神社が見えてきた。どうやら博麗神社の裏の森の中だったようだ。

「おーい!!誰かいないのか~!!」

博麗神社に向かって叫ぶ。

「誰もいないぜ~!!」

と、返ってくる。

「親切にどうも~!!」「いいってことよ~!!」「.......ちょっとまて...誰かいるじゃないか!」

声の聞こえた方に走る。

襖を勢いよく開け、中を確認するが...誰もいない。

確かに声は聞こえた...なら誰かいるはず...

「何か悩み事でもあるのか?俺で良かったら聞いてやるが?」「それはありがた.....」

後ろから声が聞こえる...

「侵入者は.....殺さないとなぁ?お前もそう思うだろ?」

後ろにゆっくりとふりかえる

そこには顔中火傷まみれで帽子をかぶり、シマシマのセーターを着た薄気味悪い男が立っていた...

「.....見たな?」

咄嗟に危険を感じ後ろに飛ぶと、今まで浮かんでいた場所が切り裂かれる。

なんと奴の右腕は義手で、その先にはいかにも切れ味が良さそうなナイフが付いていた。

「.......スクアーロ?」「フレディだ!!あのフレディ・クルーガーだ!!!!」「.......やっぱりスクアーロ?」「.......そうか...俺様を知らないのか.....なら教えてやる...」

と言い、フレディ・クルーガーとやらは目の前からいなくなった。

「悪夢の支配者!!このフレディ・クルーガー様の恐ろしさをな!!」

いなくなったフレディの声が上から聞こえてくる。

「お前はこの博麗神社に無断で入った上に襖までぶち壊した!それがお前の敗因だ!!」

フレディが上から降ってくる。避けようと後ろに飛ぼうとすると、足に何かが引っかる。

「んなっ!?」

足元を見るとさっきのセーターを着た腕が床から生え、上海の足をガッチリ掴んでいた。

「逃げられると思うなよ!!」

フレディがすぐ頭上まで迫っている。咄嗟にランスを上に向ける。

 

[グシャ!!]

刺さった感触がランスを伝って分かる。

「やったか!?」

ランスに刺さったフレディを確認する。

恐る恐る動かなくなったフレディを小さな指でつつく。

「.....死んでる...のか?」

一体何だったんだ...フレディ・クルーガー...どこかでまた戦うことになったら次は負けるだろうな...

「.....とりあえず他の所も探すか...」

と呟き、後ろを振り返り歩き出す。

「いつから俺が死んだと錯覚していた?」「( 'ω')ファッ!?」後ろを振り返る。が、死体はそのままだ。

「.....化けて出ないでくれよ...お化けとか苦手なのに.....」「そりゃいいことを聞いたな!!」

突然床に引きずり込まれる。必死に抵抗するが、引っ張る力は緩むどころか強くなる。

「うわぁぁぁ!!離せ!!離してくれ!!他の誰かを呪ってくれぇぇ!!」

と叫びながら、床にランスを刺しまくる。もちろん手応えは無く、完全に引きずり込まれてしまった。

 

上海が引きずり込まれた所にはポッカリと穴が空き、そこから血が勢いよく吹き出していた。上海のその後を知るものはいない.....

 

「グァァァァァァァァ!!」

汗まみれになりながら飛び起きる。

周りを見ると昨日寝たのと同じ場所だった。

「ハァ...ハァ...一体何だったんだ...そうか.....夢だったのか...人形でも夢を見るんだな...」

上海は安心し、ベットに倒れ込む。

「へっ!所詮はスクアーロの偽物って訳か!!」

「ならもう1度やってやろうか?」

どこからともなくフレディの声が聞こえる。

「申し訳ございませんでしたぁぁぁぁぁ!!」

急いで土下座する。

「.....まぁ、いいか。くれぐれもこのフレディ・クルーガー様の名前を忘れるなよ!!」

そう言うと上から血まみれのナイフが1本自分の目の前に降ってきた。

「.......もう1回寝よう...」

次に起きてた時にはフレディ・クルーガーの事などすっかりと忘れていたとさ。




...何だかフレディの特徴を活かしきれていないような気がする...
と、と、と、とりあえず人生初のコラボと言う事で目をつぶって頂ければありがたいです。
私も[東方悪夢男_フレディ・クルーガーが幻想入り]を小説を投稿する前から読んでいたので、今回のコラボを持ちかけられた時は涙が出るほど嬉しかったです。
改めまして恐竜ドラゴンさん、コラボして頂きありがとうございます!!


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三十二体目 ドキドキ!!にとりの実験場!!

最近とあるスライムが主人公の本を読んでまして...次のシリーズは転生ものにしようかなぁ...と考えております。

上海可愛い


[実験場]

今私は実験場と呼ばれるところにいる。まぁ、普通の広場みたいな所なのだが...

「.....ッし!!セット完了!!」

にとりさんが脚立の様なものの上にさっきの銃を置く。

「まずは反動の確認だね!記録よろしく!!」「え?記録ってどうやれば...」「とりあえず空中に向かって撃つから、どれだけ下がったかを記録してくれ」

と言い何かのスイッチを入れる。

「さぁ!離れろぉ!!最悪ここら一帯が消し飛ぶぞぉ!!」「えぇ!?」

笑いながら言っているが、結構やばいことを言っているじゃないか!

とりあえず全力で走る。こんな所で消し飛んでたまるか!!

[ドバァァァン!!!!]

後ろの方から銃声が聞こえてくる...どうやら消し飛んでいないので成功らしい。

早速記録を取りにさっきの所まで戻る。

だが、銃は動いていなかった。反動もクソもない。無反動砲だ。

「まさか適当に組んだら無反動砲が出来上がるとは.....」「え?適当に組んだやつだったんですか!?」「まぁね。」

なんて奴だ...変わり者なんてレベルじゃない...天才を軽く超えている...

「ちなみに弾は?」「麻酔弾だね。これ麻酔弾しか撃てないから」

こんなものに殺傷性のある弾を撃たせたら、即死は避けられないな...

「そう言えば何発入れれるんですか?」「えっとね...多分今だと80発」「え?80発!?」「うん。最低でも50発入るし、最高で120発行けるよ。」「.....実用性は?」「.....持って撃てるけど音が大きすぎて耳が潰れるかな...」

こんな化け物銃、使う時が来るのだろうか...

「何だ!!ここら辺から恐ろしい音が聞こえてきたが!...ってʬʬまたアンタか...」

白狼天狗が飛んでくる。どうやらこれが初犯じゃじゃなさそうだ。

「あぁ、ごめんね。」「全く...まぁ、上に報告はさせてもらうからな!!」

そう言い白狼天狗は飛んでいった。下手すれば騒音問題だな。

「あやややや、何やら物凄い音が聞こえましたけど...またにとりさんですか...」「やぁ文!久しぶりだな!」「昨日あったばっかでしょうが...ん?あなたは確か...アリス・マーガトロイドの所の...」「上海って言うんだ。今日から私の家で住むことになった奴さ。」「へぇ~...私は射命丸文と言います。この河童頭おかしいですけど...そんな奴の所に行くより私の家に来ませんか?歓迎しますよ?」「止めときな、取材したらポイだから。」「あや!?心外ですね、そんな酷いやつじゃないですよ!!」

2人とも楽しそうに話しているから近づかないようにしよう。

 

「それでは、私は仕事があるので。上海さん、今度は取材させてさいね」「一応考えておきますよ。」

そう言うと文さんは高速で飛んでいった。

「よし、撃ち落とすか。」

すぐさまにとりさんが銃を構え狙いを定める。

[ドバァァァン!!]

銃声が鳴り響き1羽の烏天狗が落ちてゆく。

「さぁ、帰るよ!!」

と言いながらせっせと片付けをする。

この世に不憫な天狗は沢山いるだろうが、成り行きで撃たれる天狗は少ないだろう。




不憫な天狗はいつもの事。
また明日、起きたらすぐ書こう。


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三十三体目 上海と厄神様

おはようございます。
今日は2話くらい投稿できたらいいな...


[工房にとり]

「ただいまぁ~」「ただいまです。」「これ机の上に置いといて~」

と言いメモを渡される。帰り道ににとりさんはメモに何やら数式を書いていたが...今見ても何も分からない...星とか書いてあるけど意味はあるのか?

「お~い!上海~!!」「何ですか~?」

地下室から呼びかけられる。

「裏の川に冷やしてあるきゅうりを取ってきてくれないか~?」「分かりました~!!」

多分今日の晩御飯だろう。

 

[裏の川]

裏の川を見てみるときゅうりが4本冷やしてあった。

そこはハイテクじゃないのか...と思いながらきゅうりを回収する。

すると川の上流から[どんぶらこどんぶらこ]と、人が流れてきました。

上海はそれを家に持ち帰りました。早速上海とにとりはその人を鉈で真っ二つに...

「ちょっと待って、何で割られるの前提なのよ!!」「いや...何でって...」「そりゃあ桃太郎ですし...」「私の名前は桃太郎じゃ無いわよ!!どっちかって言うと鍵山雛よ!!」

絵を描く時に面倒そうなフリフリを揺らしながら鍵山雛は怒る。だって川からどんぶらこって流れてきたら、桃太郎の流れしかないじゃないか...

「もう...せっかく久しぶりに会いに来たってのに...どうせ今日の晩ご飯もきゅうりだけなんでしょう?私が何か作ってあげるから台所貸しなさい!」「度々ごめんね」「ほら!!そこの人形さんも机の上の物片付けて!!」「え?あ、はい!!」

喋っていることには驚かないのか....

 

机の上を片付けながらにとりさんに彼女の事を聞く。

「あの人は誰ですか?」「ん、あぁ。雛の事か。彼女は鍵山雛って言って、私の友達だ。厄神様だからみんな近づいていないけど、私の発明品のおかげで厄を抑えることに成功したんだ!!」「その発明品って?」「みんな大好きにとりのシュシュ!!厄を吸い取り消滅させる優れもの!!しかもモードの切り替えで厄を集めることが出来るんです!!更に!!今にとりのシュシュを2つご購入頂くと!!更に一つオマケでお付けします!!ご家族やご友人のプレゼントなどに最適です!!さぁ!今すぐお電話を!!」

突然の商品紹介に対応出来ない上海はただ固まることしか出来なかった。

「ほら!!上海!!電話番号歌って!!」「え?あ、これか...えっと...0120~♪△〇〇△~♪□□〇△~♪えっと...お電話はこちらまで!!」「2人とも!!手が止まってるわよ!!」「「すいません!!」」

この茶番は雛さんの一声で幕を閉じた。

ちなみに出された料理は美味しかった。

「え?私の料理の感想それだけ!?」

 




今回はほのぼの日常会話でしたね。にとりのシュシュは...知っている人しかいないだろうな...
???「カラーボールバァァァァン!!!!」


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三十四体目 上海と新しい左腕

そろそろ最終回に向けて伏線張りをしましょうかね...
疲れそう(小並感)

上海可愛い


[工房にとり]

朝起きてすぐに川の水で顔を洗う。冷たい水が心地よい。

段々と自分が人形から遠ざかっているのが分かる。なるとしたら付喪神...もしくは妖怪だろう。

この工房に来て1週間...段々と自分の変化が大きくなっていたのに気づく。この1週間の間に無くなった左腕から何かが抜け出ている気がしていたのだが...その正体は人形要素と言った所か...

思い返してみれば、痛覚や嗅覚などが段々と機能するようになっている。

「上海~!!机に置いといたコップがないんだけど~!!」

工房の中からにとりさんが私を呼ぶ。

「それなら食器棚の中ですよ~!!」「え~?あ、あった!!」

ここでの生活にも慣れてしまった。あれから1週間ずっと腕の事を考えている。

 

タオルで顔を拭きながら工房に戻ると

「上海~!!ちょっとこっち来て~!!」

と地下室から呼ばれる。地下室は入っちゃダメって言われてたけど、呼ばれたなら仕方ない。

[工房にとり・地下室]

地下室に降りると部屋の真ん中に、布のかかった何かが置かれていた。その横にはドヤ顔で、にとりさんが立っていた。

「welcome to future!!.....えっと確か、ようこそ未来へって意味のはず...」「えっと...何故私は呼ばれたんですか?」「あ、そうだった。上海にプレゼントを用意したんだ!!」

と言い被っていた布を取り払った。

そこに置いてあったのは台座の上に乗った私の腕が乗っていた。

「五日前から作ってたんだけど、結構遅くなっちゃった。」「え?でも私お金払ってないし...注文もしてないし...」「良いんだよ!!友人へのプレゼントにお金は要らないだろ?試作品7000個の上に成り立った完成品だから、完成度は最高だよ!!」「な...7000.....よくそんなに作れましたね...」「当然だよ!友達のためならね!!」

最初は変態かと思ったが、根は友達思いのいい人...いや、いい河童だった。

「流石に寝たいから取り付けは昼からになるけど良い?」「はい!!ゆっくり休んでください!!」「それじゃ、おやすみ~.....( ˘ω˘ ) スヤァ…」「おやすみなさい...」

にとりさんが寝てから私は台座の上の新しい左腕を眺めた。

しばらく眺めてから朝ごはんを作りに上に戻る。どうやらいつの間にか天狗が新聞を届けに来たらしい。窓に穴が空いているからな。

新聞の中の一つの記事が目に入る。

[幻想郷中で凶暴化発生!?新しい異変か!?]

凶暴化と言うと、紅魔館のメイド長を思い出す。

記事を読み進めていくと永遠亭の兎や冥界の庭師、里の人間や命蓮寺の妖怪達。近いと妖怪の山の白狼天狗などが一時的に凶暴化したらしい。

凶暴化した奴の特徴は目は血走り息が荒くなり、冷静じゃなくなるらしい。

「.....咲夜さん元気にしているかな.....っと、思い出話に浸っている場合じゃない。朝ごはん作らないと...」

ほんの少し昔を懐かしんだ上海は朝ごはん作りと昼ごはんの仕込みを始めるのであった...異変がすぐそこまで迫っていることも知らずに...

 




さぁさぁそろそろ恒例のバトル回。異変と共にリクエストはやって来るので、ちょっと待っててくださいね。

小説!!書かずにはいられない!!
↑申し訳程度のネタ要素


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三十五体目 上海と静かなる食事

今日は時間が出来たので、ゆっくりと2話くらい投稿していきます

上海可愛い


[工房にとり]

「そろそろにとりさんが起きる時間かな...」

美味しそうな料理を机に並べながら呟く。このご飯を食べたら新しい左腕が私の元に来るのだ。

「ふぁ~...上海~?」

どうやらにとりさんが起きたようだ。

「上ですよ~。ご飯できてるので早く来てくださ~い」

「分かった~...」

にとりさんは眠そうに目を擦りながら地下室から上がってきた。

「わあ~!!凄い美味しそうな料理!!これ上海が作ったの!?」「もちろんです!!」

ドヤ顔でそう答える。するとにとりさんは置いてあったきゅうりの漬物を食べようと、手を伸ばす。

「にとりさん、つまみ食いはダメと約束したでしょう?」「.....分かったよ...」

こっちをジト目で見ながら小さく返事し、席に着く。

「それじゃ、食べましょうか。」「そうだね!!食べ終わったらすぐに接続作業に取り掛かるから覚悟しといてね!!」「分かりましたよ。それじゃ」「「いただきま~す!!」」

[チュドォォォォン!!!!]

2人が元気よく言った途端遠くの方から爆音が聞こえてくる。

2人とも箸を持ち大口を開けたまま固まっている。先に動いたのはにとりさんだった。

「え?何?今の音...」「.....山の上から聞こえてきましたけど...」「多分あの方向は天狗の基地があるはず...襲撃?」「それって結構やばいんじゃ...」

外が騒がしい。山の上に向かって走る白狼天狗の足音や、天狗の羽をばたつかせる音などが騒がしい交差する。

「.....とりあえず食べようか」「え?山の仲間達のピンチ的な何かじゃないんですか!?」「いや...腹が減っては戦はできぬって...」「いや言いますけど...まぁ、いいか...」

と言い2人で上海の作ったご飯をもりもりと食べた。外から誰かの叫び声などが聞こえても気にせず食べた。

「あ、このうどん美味しい...」「それは雛さんに教えてもらった...確かソーキそばとか言う食べ物です。」「へぇ~...後で作り方教えてよ!」「この外の騒動がおさまったら良いですよ。」「え~...」

ドアを誰かが何度も叩いているが、今は食事中だから無視が安定だ。そうでもしないとまともに食べれない程騒がしいからだ。

2人とも食べ終わりまた元気よく「「ごちそうさまでした」」と言い、片付けに入る。

外からは白狼天狗と思わし叫び声と剣で何かを切る音が聞こえる。そろそろほんとにやばいんじゃないか?

 

そして片付けも終わり、2人とも窓から外を見る。

窓は凍りつき何が起こっているか分からなくなっている。何故凍っているかは分からないが、異変に違いないだろう。

一応用心してランスを持ち、玄関のドアをそっと開ける。にとりさんはガスマスクをし、麻酔銃を構えながら待機している。

ゆっくりとドアを開ける。

「.....これが...妖怪の山.....?」

外は辺り一面火の海で、まさしく地獄絵図と言う言葉がピッタリの光景だった。少し遠くでは白狼天狗が白狼天狗に斬りかかり2人とも火に飛び込んでいったり、天狗が燃えながら新聞を抱えていたり...

「なぁ、上海...」「何でしょう...」「私は...夢を見ているのか?」「.....夢...だと良いですね...」

遠くで何かを食っていた白狼天狗がこちらに気づき走ってくる。目は血走り、息が荒い。

「あれはダメだな...」

とにとりさんが呟き、麻酔銃を容赦なく発砲した。麻酔弾はその白狼天狗の肩に命中し、その白狼天狗は倒れふした。

「一旦家に戻りますか?」「.....上海...腕と一緒に他の装備は要らないか?」「昨日貰ったランスだけで十分ですよ...」「まぁ、今なんと言われようとも上海に色々武装させるがな...この騒動を止めるぞ...」

 

 

.....え?これって異変解決パターン?と上海は思うのであった。




な...何か違和感が...文章に違和感がぁ...

さぁ、次回から妖怪の山編終盤です。
うぉぉぉぉ.....文章力がどんどん無くなっていくぅ.....

面白ければ評価や感想を付けていただければありがたいです。


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三十六体目 上海とドライバー

どうも皆さん。お久しぶりです。
約1週間休ませてもらいまして、もう元気いっぱいです!
多分活動報告をみてらっていれば分かりますが、ゆっくりと休ませてもらってました。
まぁ、今日からまたちょくちょく続きを出していきますのでよろしくお願いします!!
※前回と続けて読むと若干違和感があるかもしれませんが、そこは1週間の間が空いたからと思ってください。すいません。

上海可愛い


[工房にとり前]

「とりあえず家に戻りましょう、このままでは凶暴化した奴らに襲われてしまいます。」「...あぁ、そうだな。まずはどこかに籠るのがパニック映画の基本だからな...」「パニック映画って何ですか?」「.....知らん。」

無駄話を挟みながらとりあえず工房に戻り、扉の前に鍵をかけ机をバリケードのように置く。机を置いた意味は分からないが、きっと何か意味があるんだろう。

「さてと...まず何します?またご飯でも食べますか?出来れば腕を付けてもらうことを優先して貰いたいんですが」「ハハッ!なんだ、皮肉か?言うようになったなぁ?」

皮肉混じりに聞くと馬鹿にした笑いと共に帰ってきた。

「まぁ、最初からそのつもりだよ。大体約束したじゃないか、ご飯を食べたら腕を付けるって。さぁ地下室に行くよ。時間も無いしね。」

と言い地下室に降りていくにとりさんの後を追う。

 

[工房にとり・地下室]

「そこのパイプ椅子に座っといて、すぐ終わるからさ。」

と言い壁際のパイプ椅子を指される。

そこに座ると、にとりさんが新しい腕とドライバーを持ってきた。

「え?まさか腕に穴開けて固定するんですか!?」「ん?あぁ、このドライバー?そんな恐ろしいことに使わないよ。」「それじゃあ何で持ってるんですか!?ちょ!!近づいてこないでください!!とりあえずドライバー置いてからにしてください!!」

逃げようとパイプ椅子から降りようとすると、壁から鉄の固定器具が飛び出し私の体を固定する。

それを取り外そうと四苦八苦しているとにとりさんの声が聞こえてきた。

「まぁ、落ち着きなよ...」「落ち着いてられるか!早く外してください!」「まぁまぁ...痛いのは一瞬だけだから...」

嫌な予感が頭を過ぎると同時に頭に激痛が走る。意識が暗闇に落ちてゆく。あぁそうか...ドライバーは殴るのに使うのか...

 

 

いったいどれ位の時間が経ったのだろう...体が重い...確かにとりさんにドライバーで殴られてから.....

ゆっくりと目を開けるとベッドに寝かされていた。

「目が覚めたかい?」

にとりさんの声が横から聞こえ、思わず身構える。

「おいおい、悲しいなぁ。そう身構えるなよ」「なぜ殴った...」「.....腕を付ける時に想像を絶するほどの痛みを伴うからさ。」

左腕を見るときちんと新しい腕が付いていた。その他に変な装備を付けられてはいないようなので、本当に腕を付けただけなのだろう。それならそうと言ってくれればいいのに...

「それでだね...気絶させたお詫びにとある武器を作ったんだ...フフフ...」

と言いながら、大砲の様な物を取り出してくる。

「これはバズーカと言ってね...フフッ...とあるロボット物のアニメという物を見て作ったんだ...確かガ〇ダムってアニメの試作2〇機って奴が使っていたバズーカだから、2号バズーカって名付けたんだ...フフッ...」「えっと...その笑い方気持ち悪ですよ...」「.....酷くない?.....まぁ、良い...これは1発1発が強力な分、ポンポンと撃てない。そこに気をつければ、簡単に使いこなせるのさ!!」

と言いドヤ顔で宣言する。使いこなせるかは使用者によって変わるんだけどな...

「ただし!!これは着弾点で、結構な爆発をするからそれを分かった上で使ってね。」

最後に釘を刺される。爆発の範囲を教えてもらわないと.....

「あ、そうそう。まだ1個だけ作り終えていないのがあるからちょっと待っててね。」

と言いにとりさんは背を向け作業を始める。

「開けやがれぇ!!」「熱ぅい!!」「出て来やがれぇ!!」

上の方から扉を乱暴に叩く音と、大勢の叫び声などが聞こえてくる。

「どうやら見つかったようだね...」「この声は?」「多分燃えていないのがここだけだから、襲いに来たんだろうね。この声の多さは予想外だけど...」「...だから机をバリケードにしたんですね...ってそれ結構やばくないですか?」「あぁ...結構やばい。と言うかマジでやばい。だからこっちも急いで作ってるんだから、ちょっと待っててね。」

と言い手を動かすスピードが倍になる。

扉がバキバキと音をたてている、長くは持たないだろう。

 

「あの写真持ってきてたら良かったな...」

にとりさんが何か呟いた気がした。




久しぶりの投稿どうでしたか?この1週間色々なWeb小説などを読み少しは文章が良くなっていると良いです。

次回もよろしくお願いします!!


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三十七体目 上海とPSG装備

この前ゲーセンに行ったら例の魔理沙のフィギュアが置いてありましてね...取ろうとしたんですよ.....頑張ったんですよ.....財布に入ってた金全て溶かしました...一緒に来ていた友達は横で笑ってるんですよ...もうね...にとりのフィギュアが出るまで、魔理沙のフィギュアは良いかって思いました。みんなもお金の使い方には気をつけよう。

上海可愛い


[工房にとり・地下室]

「にとりさん!!早くできませんかね!?」「ん~...ちょっと待ってね~」「今にも玄関の扉をぶっ壊してくる勢いで叩いてますけど!?ほんとに大丈夫ですか!?」「うーん。大丈夫だよ~」

にとりさんは上の空で答える。今私は地下室でにとりさんの装備作りを見守っている。

今にも破壊されそうな玄関の扉の向こうにいる奴らに怯えながら見守っている。

玄関の扉がバキバキと嫌な音をたてている。上の様子を見に行く勇気は無いので、ここで静かに待つしかないのだ。

「んー...なぁ上海~?青か水色どっちがいい~?」「そんなのどっちでも良いですよ!!それより早くしてください!もう玄関の扉、ぶち壊されますよ!?」「え~?どっちでもって言われても~...なら赤色で良いよね~...」

と言い塗装作業に入る。そんなのいいから早く終わってくれ!!今にも津波のように奴らが押し寄せてくるぞ!?

「よ~し出来た~!!」

と言い翼のようなものを掲げる。

「出来たなら逃げますよ!!逃げ道でもあるんでしょう?」「.....えっとね~この装備はね~...PSGって言って、色々出来る便利な奴なんだよ!でも、急いで作ったから潰れやすいから気をつけて使ってね~」「分かりましたから!早く!!」「んじゃ、これ背負って。電源入れるから!」

にとりさんに促されPSGとやらを背負う。

「ちなみにそれもガ〇ダムのガ〇ダムSE〇Dって奴に出てきた装備を作ってみました~!!」「そんな説明いいから早く電源入れてください!!」「も~...説明ぐらいさせてくれても良いのに...まぁ、いいや。ポチッとな!」

にとりさんがボタンを押す。すると背中に付いている羽が火を吹き始める。

「火吹いてますけど、大丈夫ですか!?故障じゃないですよね!?」「.....うんそうだよ~.....」「何故間を開けたんですか!?露骨に目を逸らさないでください!!口笛吹かないでください!!しかも吹けてませんし!!」

そんなやり取りを繰り広げていると玄関の方から聞こえては行けない音が聞こえた。

「やっと空いたぜ!」「血だぁ...血をよこせぇ!!」「死体があればぁぁ!!記事になるぅ!!」

完全に狂ったヤツらの声が聞こえてくる。

「さぁ!!上海!!私のその完璧なPSGで奴らを一掃するのだ!!安心しろ!球は麻酔弾だ!!」「いや、これ羽しか付いてないのに戦えるんですか!?」「もちろん!!」

とにとりさんが言うと、肩から小さいガトリング砲が飛び出してきた。

「さぁ、show timeだ...」




復帰早々無理をしていくスタイル。
いや~、眠れなかったので、書きました。後悔はしていない。
PSG装備はP(パーフェクト)S(ストライク)G(ガ〇ダム)の略です。え?最近ガ〇ダムネタが多い?.....こんな時もあるさ...

まぁ、次回は明日らへんに出すのでよろしくお願いします。


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三十八体目 上海と死の覚悟

俺、このシリーズが終わったら日常シリーズ連載するんだ...(死亡フラグ)
転生?知ったこっちゃない。

上海可愛い


[工房にとり]

工房の中は静まり返っていた...もう動く物は無い。

全ての侵入者をoneshotonekillで眠らせた...しばらくは起きないだろう。

誰かが外の方から走ってくる音が聞こえる。

「......待ち伏せ...するか...」

近くの椅子を倒し、座る面を扉の方に向けその後ろに隠れる。これで気づくやつはいないだろう。

「にとり~?居る~?.....何?この臭い.....血の匂い?」

工房の周りは血の匂いがするだろうがこの中は比較的いい匂いのはずだ。

ゆっくりと椅子から顔を出す。工房の玄関口に立っていたのは、鍵山雛だった。

「なんだ...あんたか...」「その声はこの前の人形さん!?にとりは!?にとりは無事!?」

親の身を心配するかの如く聞いてくる。

「今、地下室にいるよ。」「その通~り!!そして今私は地上に上がってきたのだ!!」

と言いながらにとりさんが地下室から出てくる。それを見て雛さんは安心した様子でこう告げる。

「にとり、しっかり聞いて。山の上はもう駄目。天狗たちの本部も、守矢神社も焼き討ちにあったわ.....率直に言うと幻想郷全体が何者かに襲撃を受けていr」

 

話が途中で途切れる。何が起こったかと思い雛さんの背後を見ると、雛さんの後ろに1匹の白狼天狗が居た。

そしてその天狗は雛さんをその手に握っている小刀で背中をザックリ刺していたのだ。

赤い血を滴らせながら雛さんがこちらに倒れてくる。それをすぐさま支えると、にとりさんがその白狼天狗に飛びかかっていった。

「にとりさん!!」

呼びかけ虚しくにとりさんはその白狼天狗を押し倒し、殴り掛かる。

「お前っ!!お前ぇぇぇ!!ふざけるなぁぁぁぁ!!殺すっ!!絶対に殺す!!!!」「にとりさん!!」

にとりさんが叫ぶたびに鈍い音が鳴り響き、どんどん白狼天狗の顔が歪んでいく。

血が飛び散り、白狼天狗の意識が無くなろうとも殴り続ける。

にとりさんの拳の皮がめくれ、血が滲んでも殴り続ける。

私は止めることが出来なかった.....

 

その時掠れた声がにとりさんの耳に届く。

「.....やめ...て」「雛?」「雛さん!!」「にとり...もう、その白狼天狗のライフはゼロよ.....」「雛っ!!」

にとりさんは殴るのをやめ、雛さんを抱き寄せる。私はちょっと横にそれる。

「にとり...あなたの手は...他人を殴るための物じゃない...あなたの...手は...素晴らしい発明品を作るための物でしょう...?」「雛...血が出すぎだ...喋るのをやめてくれ...頼む...!」「あなたが...これを作ってくれた時...すっごい嬉しかった...」

と言い雛さんが手についたシュシュを掲げる。

「にとり...あなたは...こんな素晴らしい物を作れるんだもの.....きっと私がいなくても...いなくても...」

雛さんの声が段々小さくなってくる。

「.....きっと人気者になれる...だから、私の事は良いから.....他の人を救ってあげて...?」「そんな事言うなよ.....生きてくれよ.....」「にとり....あなたは...素晴らしい発明家...なの.....だか.....」「雛?雛!!起きてくれ!!雛ぁ!!」

ぐったりした雛さんの手をにとりさんが握り、雛さんの胸に顔を埋める。その顔は涙と返り血でベトベトになっていた。

「雛ぁ.....雛ぁ.....ひ.......ん?...心臓が...動いている...?」

確かめるように胸に耳をピッタリとつける。

「聞こえる...聞こえるぞ!!上海!!包帯もってこい!!あるだけだ!!」

急ぎ地下室から包帯を持ってくる。にとりさんはそれを受け取ると、、素早く雛さんの体に応急処置を施す。

「上海!!私は雛を永遠亭まで連れていく。一緒に来て欲しいが、凶暴化した奴らから隠れるためのステルススーツは私と雛で一杯一杯なんだ...だから...その...」

悪く言えば、見捨てていくという事か...ならそれっぽい理由を付けて、離脱した方がにとりさんの心に負担はかからないだろう。雛さんもこんな状態だし、無理はさせられない。

「あぁ、私なら大丈夫ですよ。この装備でまだ正気の人を華麗に救出して見せますよ!!しかもそれなら足止めも出来て、一石二鳥ですし!!」「え?...あぁ、そうか...ありがとう!!なら任せるよ!!その装備もプレゼントするよ!!」

こんな無謀な戦い、やれば死ぬのは承知の上。だがこの命、役に立つのなら使ってやるよ。

今思えば色々なことがあった人生だった。

アリス様に作られて...そして動けるようになり...家出をし...人里へ行き...言葉を覚え...紅魔館で働き...香霖堂で吹雪に見舞われ...地底へ行き...地霊殿で働いて...左腕をやられ...ここに来た。

その長いようで短いような人生ももうすぐ終わるのか...

時間稼ぎ程度に使えるのなら、友の為に喜んで死のう...

「それじゃあ私達は先に永遠亭に行くから、絶対来てね!生存者がいたら私達も治療手伝うし!!.....えっと...時間稼ぎも程々にな!!」「分かってますよ。」「それじゃあ私達は先に行くから!!絶対また会おうな!!」「約束です!!」

それを聞き終えると、にとりさんはステルススーツを身につけた。どっちかと言うとマントだが...

そして見えはしないが、足跡を見て山を降りていった事を確認するとため息をついた。

 

「.......我が人生に.....一遍の悔いなし...か.....よく言ったものだな...」

皮肉のようなものを言い、私は山を登り出す。さぁ、虐殺タイムだ...




PSG装備とランスを身につけた上海は自分の死に場所へ向かう...
戦う必要などない。が、上海の背には友人の命がある。上海は友人のため戦う。例えその身が滅びようとも.....的な?

次回!!上海死す!!

この次回予告前やった気が.......
ていうか今回長ぇ...


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三十九体目 上海と血に飢えた狼

時間が無かったので0時を過ぎてるかも知れませんが、頑張って書きます!
いつもと違うバトル回!!1日の疲れもあるので、おかしい所もあるかもしれませんがよろしくお願いします!!

上海可愛い


[妖怪の山・川沿いの小道]

上海は登る。妖怪の山を風のように素早く登ってゆく。

上海は目に入る全ての動くものを片っ端から、その肩に付いたガトリング砲で撃っていく。

上海を襲おうとした奴らはバタバタと倒れ、その威力の前に逃げ出す者は撃たれ転げ落ちる。

 

だがこれだけは分かってもらいたい。撃っているのは麻酔弾だと言うことを。

 

山頂に近づくにつれ、敵の数が多くなってゆく。それに比例して、残弾も少なくなってゆく。

 

 

残弾を撃ち尽くした時には、辺りに動く物は無かった。もちろん敵はみんな眠っている。

上海はガトリング砲を自ら引きちぎり、地面に投げ捨てた。

虚しく地面を転がっていくガトリング砲を目で追っていると、誰かの足に当たり止まる。

「お前は...あぁ。あのカッパの所に行った変な人形か!」

顔を上げ足の持ち主を見ると、にとりさんの所まで案内してくれた犬走椛さんがこちらを懐かしそうに見ていた。

「無事で良かったな、人形。」「私の名前はシャンハーイです!」「そんな事どうでも良いさ。それよりここに倒れている奴らはお前がやったのか?」「まぁ...チャチャッと」「へぇ~...」

犬走椛はつまらなさそうに、寝ている奴を蹴りながら相槌を打つ。

「まぁ、助かったよ」「何がですか?」「ん?.......今から死ぬやつには関係の無いことだ。」

その言葉がどういう意味かを考える暇を与えず、犬走椛は背負っていた剣を振りかざしてきた。

それを素早くランスで受け止めて、横に流すように弾く。

「剣を向けたって事は.....犬走椛...お前は私の敵でいいんだな?」「何を言う。元からお前の敵だよ!」

叫ぶと同時に、盾を構え突進してくる。

それを横にかわし、犬走椛盾の後ろに突きをお見舞いする。...だがランスは空を切り、上海は体制を崩す。

どうやら盾で突進したのではなく、盾を投げ飛ばしたようだ。

犬走椛は盾を投げると同時に後ろに飛んでいたようで、草むらから剣先を向けて飛び出してくる。

「貰った!!」

その剣先が向かってきている中、上海はしっかりと見ていた。奴の目が炎のように真っ赤だったことを。

 

目が赤いのなら容赦は出来ない。奴はもう手遅れだ。頭の中で声が囁かれる。

上海はどこからか2号バズーカを取り出し、犬走椛に向ける。

その鋭い剣先が当たる直前に、引き金を引く。ちょうど発射口が、犬走椛の頭に狙いを定めたところでだ。

 

引き金を引いた瞬間、凄まじい衝撃が上海を後ろに弾き飛ばす。吹き飛ばされながらも上海は犬走椛の驚いた顔と、発射されたバズーカの威力をハッキリと見た。

 

犬走椛は何かは分からないが致命傷を避けるため、顔を少しだけ横に逸らしていた。そのせいで着弾点は、犬走椛の顔ではなく後ろの木々の間に着弾した。

その瞬間。木々はメキメキとへし折れ、吹き飛んでいく。地面は徐々にめくれて行き、そこに生えている草は見るも無残に消し飛んでゆく。

その日、妖怪の山に一つのクレーターが出来た。その跡地には木も草も生えず、ただただ茶色の地面が見えるだけだった。

 

上海と犬走椛は吹き飛ばされ、上海は河に落ちた。

吹き飛ぶ原因が反動だけだったため、そこまで飛ばされず落ちたからだ。

上海は落ちた拍子に、頭を強く打ち河を流れてゆく。

 

犬走椛と上海は吹き飛ばされ、犬走椛は遠くまで飛ばされた。

爆発の衝撃で飛んでしまったため、遠くまで飛ばされた。幸い前から落ちたため、受け身を取ることが出来た。

後ろを見ると、青い爆発がドーム状に広がっていた。あれが顔に当たっていたら、死んでいただろうと身体中が恐怖する。

とりあえずは吹き飛ばされた時に刺さった木の破片などを取り除くために、手頃な洞窟などを探さなくてはならない。

犬走椛はボロボロの体を引きずって、山を降りていく。

ゆっくりとだが、確実に...必ず上海を破壊するために...




うぐぐぐぐ...もう少し表現力があれば...
明日(今日)も、投稿するのでよろしくお願いします!!


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四十体目 上海と再開

雨が多い季節になりましたね...皆さん雨に濡れて風邪を引かないように気をつけてください!
え?私ですか?早くも風邪ひきました(笑)

上海可愛い


[妖怪の山・河童の川]

上海は川に流されていた。上海に意識は無いが、どんどんと流されていく。

工房にとりの横を流され、どんどん山を下ってゆく。

流されている間にPSG装備は外れ、どんどん山を下ってゆく。

もう何日も流されたような気がする...このままどこかに流れ着くのかな...

 

 

急に体が浮く。心地よい水の感触が離れていく。何事かと思い、目を開けると懐かしい顔が見えた。

「...アリス様?」「上海...やっぱり上海なのね!!ごめんね!!あの時怒らせちゃって!!」

アリス様が涙を流しながら抱きしめてくる。まさかこんな所で会うとは...神様も残酷なこった...

「あの時冷たくしてしまったのは、あなたにサプライズパーティーをしようとしてからなの...ごめんね...」「...サプライズパーティーですか...確かにそれなら納得できますね...無事に帰れたらそのパーティーの続きしましょう...」「えぇ、もちろんよ...でも上海、この騒ぎは何なの?」「さぁ...私には分かりませんが、目が赤い奴は敵です。」「へぇ...例えばあのこっちに向かってきている白狼天狗とか?」「( 'ω')ふぇっ」

アリス様が指を指した方を見ると、さっき倒したはずの犬走椛がこっちをじっと見ていた。

「おいコラ人形ぅぅぅぅ!!!!今度こそテメェを破壊してやるよぉぉぉ!!!!」「狂ってやがるぜ.....アレ上海の知り合い?」「まぁ、こっちを狙ってきているってことは分かりますよね?つまり.....」

アリス様の手から飛び降り犬走椛と逆方向に走り出す。

「逃ぃぃぃぃげるんだよぉぉぉ!!」「え?ちょっと!!置いてかないで!!」「待でごらぁぁぁぁ!!」

皆一斉に走り出す。トップは上海。続いてアリス。そして犬走椛の順で山を降りてゆく。

しばらく走っていると、犬走椛が傷ついた足につまづき転ぶ。それに巻き込まれアリスも転がりながら落ちてゆく。最後に上海も巻き込まれ転がってゆく。

まるで[おむすびころりん]に出てくるおにぎりの如く落ちてゆく。

3人とも別々の木にぶつかり止まる。まるでギャグ漫画のワンシーンの様な格好で止まる。

最初に起き上がったのはアリスだった。

「いてててて...上海大丈夫?」「ぐぅ...アリス様にはネタ要員ですか?」「ネタ要員かは知らないけど、きっと違うはずよ。」「テメェら...無視するなよ...」

犬走椛がこちらを睨みながら呟く。その手には糸のついた針のようなものが握られていた。

「...その手に持っているものはなんだ」「ハッ!誰が教えるかよ!」「私の裁縫道具に似ているわね...」「私はこれを手に入れるためにどれだけ苦労したと思っているんだ!!これを手に入れるために汚らしいウジ虫どもの機嫌取りや、つまらない警備をどれだけ繰り返したと思っているんだ!!」「それは知らないけど、とりあえずドンマイ。」「そんな事言われてもって感じよね...」「.....お前らがいくら頑張ろうが、たどり着けないこの力...貴様らに見せてやる!!さらば今までの弱い私!!初めまして新しい強く逞しい自分!!」

と叫び、その針を自分の首元に刺す。するとその針は体の中に取り込まれ、腕や足を縫うように蠢く。

その縫われた跡は、異様に筋肉が膨れ上がり引き締まる。

「あぁ...あぁぁぁぁぁ...これが力だ!!お前らを殺す力だぁぁぁ!!」




やっぱり最後らへんになるとバトルが多くなっちゃいますね...
あと2話位で妖怪の山編終了かな?


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四十一体目 上海と人形

さぁ、次の編への繋ぎどうすっかな.....

上海可愛い


[妖怪の山]

「.....これなんて化け物っすか...」「私にもわからないけど...戦う以外道は無いわね...」

上海達の前には、怪物となった犬走椛がこちらを見下ろしていた。

体は異様に大きくなり、歯はおかしいくらいに伸びて顔は犬らしい顔つきになっていた。

もう既に正気では無いらしく、目は赤一色で息も凄く荒い。

周りは炎に囲まれており、逃げ道はない。こんなゴリゴリマッチョと真正面から戦うとなると、勝機はほぼ無いと思う。

「先手必勝!!」

と言いながらとりあえず相手の懐に飛び込み、腹部をランスで貫く。

勢いよく突いたが皮膚が無駄に硬く、深くまで刺さらなかった。

犬走椛の方は、全く気にせずに周りを見渡している。何かを探しているのか?

「アォォォォォォォン!!!!」

いきなり犬走椛が、大きな声で鳴く。

一瞬ひるんだ隙に犬走椛は器用に足でランスと私を引っこ抜き、まだ燃えてない木に投げつける。

叩きつけられた私に、犬走椛は素早く近づき3発蹴りを放つ。

そしてもう1発放とうとしたところで動きが止まる。

アリス様が人形数体に攻撃させたのだ。

「上海!!今のうちに逃げなさい!!この化け物は私がやるから!!さぁ、こっちに来なさい!!」

アリス様はそう叫びながら、更に数体に攻撃させる。だがそんな物は鬱陶しいハエ程度にしか思っていないのか、手で適当に払い叩き落としていく。

「上海達!!蓬莱達!!突撃!!目標はあの化け物の目よ!!」

どんどんと人形達が攻撃しに行き、どんどんと落とされてゆく。

ある人形は目の周りで自爆し、ある人形は何も出来ずに死んでゆく。自分もあの中にいる可能性があった事を考え、恐怖し心の中で人形達に謝罪する。

(あの中に自分がいたと思うと...助かったと思ってしまう...あんな感じで自爆していく可能性もあった...そう考えると自分の身がまだあるという事が、あの人形達から見れば.....すまない...)

「キャぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

アリス様の悲鳴が聞こえ顔を上げる。

アリス様は犬走に握られ今にも潰されそうになっていた。握る手を上海人形達が攻撃しているが、ビクともしない。

「...アが...上海.....逃げて.....」「アリス様...」

こんな状態でも私の心配をしてくれている.....

「.....逃げれるわけ...ないじゃないですか...」「何言ってるの...早く...」「自分の生みの親を捨てて生きろって言うんですか!!そんなの嫌です!!私は...私はアリス様を助けて!!それから一緒に逃げましょう!!」「上海.....」

犬走椛の首元に突進し、ランスを突き刺す。首元は結構なダメージになったらしく、アリス様をあっさり離し私を掴んでくる。

「私からのプレゼントは気に入ったか?」

言葉が理解出来ているかは分からないが、掴む腕に力が入る。

こんな感じで掴まれるのは、地霊殿以降だな.....

下を見るとアリス様が気絶している。アリス様を守るために私は自分に元から付いている自爆装置のスイッチを入れる。アリス様を守るためならばこの命なんて安いもんさ。

私と一緒にランスも爆発する仕組みなので、奴は首の後ろを爆破されることになる。爆破に成功すれば、奴は出血多量で死んでくれるだろう。

「貴様も共に死んでもらうぞ!!犬走椛ぃぃ!!!!」

体の中から暖かい衝撃が伝わってくる。

 

これが自爆か.....




次回は妖怪の山編最終回(予定)!!
自爆する上海の運命はいかに!!

ていうかタイトル.....(もうちょっとましなタイトルは)ないです


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四十二体目 上海とA上海

今回は妖怪の山編の最終回です!!早かったですね~。
次回から終盤の、リクエスト編[外の世界編]スタートです!!

しかも番外編で出てきたあいつが本編登場です!!お楽しみに!!

上海可愛い


[妖怪の山]

「貴様も共に死んでもらうぞ!!犬走椛ぃぃ!!!!」

 

その時!!空から一つ、降ってくるものがあった。

「まてやコラぁぁぁぁ!!」

「シャァベッタァァァァァァァ!!!」

それは一体の上海人形だった。上海は驚いて自爆を解いてしまった。自分以外に喋れる人形など、見た事が無かったからだ。

その上海人形は見上げていた犬走椛の脳天に直撃し、華麗に一回転して目の前に浮かぶ。

犬走椛は意外にも痛がり、上海を放し額を押さえて悶える。

その上海は普通の上海人形の服を着て、青いリボンを付けていた。

「僕の名前はA上海。君と同じ自立人形だ。上の人の命令で、君を助けに来た。」

状況が理解できない上海は、ただ目を白黒させるだけだった。

「ただ...君を捕まえろとも言われてるから、悪く思わないでね?」「え?今何て...」

そう言い終わるとA上海は素早く上海の後ろに回り、首に手刀喰らわせる。すると意識が不意に遠くなった。

「な、ぜ.....」「僕を恨まないで、上からの命令だからね。物理的にも。さぁ、わんころ。これでゆっく.......」

ここからは聞き取れなかった。上海、今日何度目かの気絶である。

 

 

 

 

どれ位眠っただろうか...ゆっくりと目を開ける。

「あれ?起きちゃった?」

A上海の声が聞こえ、逃げようとする。だが手足を縄で縛られているのか、全く身動きが取れない。

「まぁまぁ、落ち着いて。今から君をBOSSの命令で、外の世界に捨てなきゃ行けないからさ。」

(ふざけるな!!)そう叫んだつもりだが、口が動かない。周りを見渡しても暗くて何も見えない。

「ちなみに君は今、とある術で動けないから。でも、首から上だけ動かせるのは驚きだね。」

頭を触られた感触を認識する。どうやらA上海が頭を撫でたようだ。

上海は頭を激しく振り、拒絶する。

「あらら...悲しいなぁー(棒)悲しいから君を箱にしまっちゃおうねー(棒)」

体を掴まれて、箱らしきものに入れられる。もちろん顔しか動けないので、顔を激しく振り抵抗する。

だが抵抗虚しくスッポリと入れられる。

「さぁ、蓋閉めるよ~。外の暖かさをしばらく感じられなくなるよ~。まぁ、しばらくって言っても約100年くらいだけどね~。さぁ、どんどんしまっちゃおうね~♪」

(は?100年?何を言ってるんだこの人形は?つまりこいつは私を箱の中に閉じ込め、外の世界に100年閉じ込めるってことか?

狂ってやがるぜ...)

蓋が完全に閉められ、上からテープのような物を貼られる音がする。

「よっこい.....君って結構重いんだね...」

(テメェ!!それがか弱い乙女に言うことか!!)

箱ごと持ち上げられるのが分かる。

このままだとどうなるかわからないので、頭で箱を何回も叩く。

「あ~も~、暴れないでくれるかな...絶対に壊れないようになってるから、諦めて大人しくしといて!」

(それで、ハイ諦めますってなるか!!)

しばらく暴れていると、諦めたのかそのまま動き出した。

 

五分ほど持ち運ばれた頃、不意に止まる。

何事かと思い、暴れるのを止めると

「さぁ、回収地点に着いたよ。ここで君を外の世界に捨てるんだよ。」

ここがどこかも分からない...しかも逃げようが無い...どうしたものか...

「あ、そうそう。BOSSから伝言あったんだ。」

紙を広げる音が聞こえる。そしてA上海が、1度咳き込み読み始める。

「え~...これを読んでいるものは...これ違う紙だ...確か右ポケットに.....」

そして3分経った。ずっと何かを探る音が聞こえていたから、伝言の紙を探しているようだ。

「あった!!えっとね~...こんな無礼を許して欲しい。君の事はよく知っている。まるで自分のようなことに大事に思っている。これから君は外の世界に行ってもらう。だが慌てる必要は無い。2人の人間に助けてもらえ、君の力になってくれるだろう。そして私の所まで来てみろ!!私はいつでも君を待っているぞ!!あ、そうそう。君の大事なアリス・マーガトロイドは死んだよ。君が弱いから守れなかったんだ。君のせいだよ。では、外の世界の旅を楽しんでね!!だって。ていうか長いね~...読むの疲れたよ...」

(は?アリス様が...死んだ?...私のせいで?...こいつらは何をしていた?...私ではなく、アリス様を助けろよ...何でだよ...何で助けなかったんだよ!!)

「ん~...多分君いまお前らのせいでもあると、考えてるね?それは違うんじゃないかな?君が弱いから守れなかったんだ。君が弱かったから私の手刀で気絶した。君が!!弱かったからなんだよ。」

(私の.....私が弱かったから...私が.....私が.....)

「それじゃ、君の外の世界の旅を楽しんでね!!バイバイ~イ。」

落下している。箱の中からでも分かる。落ちている...

何も出来ない...何も見えない...何も喋れない...

(あぁ...アリス様...私はどうしたらいいんでしょうか.....)

 

 

そして上海は...考えるのをやめた...




長いっすね...内容てんこ盛りと考えれば.....
さぁ、明日から上海人形家出録の終盤です!!今までの内容を覚えていますか?所々の伏線は徐々に動き出す.....

次回をお楽しみに...


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秘封倶楽部編
四十三体目 秘封の2人と嘆き人形の噂


\( 'ω')/ヒィヤッハァァァァァァァア!!!我慢できねぇ!!!次話投稿だぁ!!!
今回から現代編(秘封倶楽部編)だぁ!!!
それじゃあ今回もぉ!!!

上海可愛いぃ!!!


[現代(2017年から見れば未来)]

私の名前はマエリベリー・ハーン。

誰だ今マエリベリー・アハーンって言ったやつ。表に出ろ。

私の紹介はググったらいくらでも出るから、知らない人は[秘封倶楽部]で検索してね。

私は親友である宇佐美蓮子と駅前で待ち合わせをしている。何やらオカルティックな事を見つけたとか何とか...

まぁ、そんなこんなで待ってる訳だけど...今待ち合わせの3時間後。蓮子からはちょっと遅れる、とだけ聞いてたけどここまで遅いと...ねぇ?

「メリー!!ごめーん!!遅れた~!!」

蓮子が息を切らして走ってくる。

「ごめんねメリー、ハァハァ...途中で、ハァハァ...男に、ハァハァ...絡まれ、オェッ...」「とりあえず息を整えなさい。私別に怒ってないから...」「あ、そうなの!ならこんな演技する必要ないね!」

あぁ殴りたい。その笑顔をぶち壊したい。怒ってないなんて言うんじゃなかった...

これ以上会話を続けると何かをカフェに入るとか言って、結局私の奢りになりそうなのでさっさと本題に入る。

「で、何よ。そのオカルティックな事って。」「あ、そう!!その話なの!!ねぇメリー、[嘆き人形]の話って知ってる?」「最近噂になってるあの[嘆き人形]?」

説明しよう!![嘆き人形]とは、筆者がこの小説のためだけに作った適当な都市伝説である!!

内容はどこかの神社にある箱の中には人形が入っており、そこに主を救えなかった武士の怨念が乗り移り、自分の弱さを嘆いているという都市伝説である!!

どこの神社かは分からないが、絶対にあるらしい!!ちなみにその嘆きを聞くと、耳が破裂し、脳みそがそこから出てくるらしい!!

恐ろしい都市伝説だ!!

「そう!!あの嘆き人形なんだけど実は.....私の実家の裏の山に、それっぽい神社があるの.....」「へぇ...つまり今度の休みに行こうってこと?」「ざぁ~んねぇ~ん!!半分ハズレ!!」「半分?正解を教えてもらってもいいかしら?」「正解は~.....[今から]行くんだよ!!」

 

「.......へ?」

「え?だってここ駅前だよ?今から行くなんて分かるじゃん?」

分かるわけない。と言うか分かりたくもない.....今から?山奥の蓮子の実家?美容室の予約もあるのに?今日プリンの特売日なのに?

何を言い出すんだ.....このオカルト元気っ娘.....

「という訳でレッツゴー!!」「しょうがないにゃあ・・」

と言うことで蓮子の里帰りに付き合わされる事になった。それがまさかあんな事になるとは.....




さぁ始まりました!!秘封倶楽部編!!いや~、書いてて楽しいですね!
え?上海が出てない?.......次回は蓮子の実家に帰る話です。お楽しみに!!
よければ感想や評価など、よろしくお願いします!!


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四十四体目 秘封の2人と真夏の昼の悪夢

※今回も上海出てきません!!次回には出てくるはず...
今回はあの伝説の会長が.....

上海可愛い
そして上海すまない...


[どこかの田舎の駅]

「やっと着いた~...」

蓮子が汗を拭いながら呟く。上空には暑苦しい太陽が、私達を見下ろしている。

「ねぇ蓮子...何で途中から電車が通ってないの...」

蓮子に自分の持っている疑問を投げつける。七駅ほど前からここまで電車が通っていなくて、線路の上をどこかの映画のように歩いてきたのだ。

「途中からここまで、電車が来てないからだけど?」「へぇ...いつもこんな道、通ってるの?」「そうだよ?あ、帰りもこの道通るから(ニコッ」

無理だな...もう一度なんてやってられない。何ならヘリコプターでもつかまえて帰ろう。生憎まだ、ワープ装置は出来てないのでね。

「メリー、後は3時間ほど歩いたらおばあちゃんの家が見えてくるはずだよ。」「え!?3時間!?そんなに歩くの!?」「え?そうだけど...そんな驚いてどうしたの?」

この日差しの中3時間も歩くなんて、考えただけでも熱が出る。

「さぁ!!おばあちゃんの家に向かって!!秘封倶楽部出動~!!」「.....何も言わんぞ...」

 

~秘封少女達移動中~

 

[田舎のあぜ道]

「暑い...まるで松岡〇造の横にいるみたいだ.....」「メリー、松岡〇造って誰?」「.....昔の太陽の名前よ...」「へぇ~...それって新手の妖怪?」「.....新手の妖精ね...」

くだらない会話を続けながら、コンクリートの道を歩く。

ここを鶏が歩けば、一瞬で焼き鳥になるでしょう...それくらい暑い...

 

そう言えば蓮子のおばあちゃんの説明を読者の皆さんに説明していなかったな。ならばこのマエリベリー・ハーンが直々に説明してあげよう。

とは言ったが、私も会ったことは無いのだ。

蓮子から聞いた話によると、名前は宇佐見菫子。年齢は知らないらしい。特徴としては、初代秘封倶楽部の会長だそうだ。後、存在がオカルトらしい。

 

「ねぇ蓮子...まだ着かないの?そろそろ限界なんだけど...」「もうすぐだよ!!着いたらアイスとかあるから頑張って!!」

まるで体中が火に包まれているかのようだ.....助かったのは、虫がいない事だ...きっと暑さで死んでるのだろう...

「あ、見えたよ!!あそこが私の実家だよ!!」

蓮子が元気に指をさす。

そこには立派な日本の、古民家があった。昔話に出てくるような豪邸だ。縁側もちゃんとある。

「おばあちゃ~ん!!」

そう言いながら蓮子は走っていった。私はその後をゆっくりと追う。

 

 

[蓮子の実家・蓮子side]

「おばあちゃんただいま~!!」

私は、そう言いながら扉を勢いよく開ける。

奥からおばあちゃんの慌てた声が聞こえる。

誰か来ているのだろうかと、思いながら奥に進む。

「おばあちゃん?」「あぁ、蓮子。来たのかい?来るなら先に連絡してと言ってるじゃない?」「ごめんねおばあちゃん。それより誰か居るの?」

机の上に2つ乗った、飲みかけの湯のみを見る。

「え?あ、あぁそうなのよ。さっきまで友達が来てたのよ。」「へぇ~...おばあちゃんって友達いたんだ...」「えぇ、いたのよ...」

いつもならここで「それは言わない約束でしょ」って言うはずなのに、言わない...つまり何かを隠している...その何かはわからない、後でメリーに相談してみよう.....

 

 

[蓮子の実家・メリーside]

開け放たれた玄関を通り、家の中にお邪魔する。

「おじゃましまーす...蓮子~?居る~?」

一声かけると蓮子が奥から、アイスを持って走ってくる。

「いらっしゃい!!約束のアイス!!」「ありがとう。えっと、蓮子のおばあちゃんは?」「おばあちゃんは奥にいるよ!挨拶したら早速調査に行くよ!」

当初の目的をすっかり忘れていた、嘆き人形だ。その人形がこんな疲れる事を招いた元凶だ。見つけたらとりあえず殴ろう。

まずは奥に居る、蓮子のおばあちゃんに挨拶に行く。

蓮子のおばあちゃんは、椅子に座ってアイスを舐めていた。

その格好は丸い眼鏡をかけ、この暑さの中マントを羽織っていた。

 

私は直感で察した。これは蓮子が言った意味とは違うオカルト...これは変態という名のオカルトだと...




菫子登場です!!
え?おじいちゃん?菫子の旦那や娘?.....霖之助とかじゃ無いですか?(適当)

次回こそ上海の出番を.....


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四十五体目 秘封倶楽部と✕✕神社

いつものように朝起きる。トーストを食べ、コーヒーを飲む。そして二度寝する。アレ?次起きた時は12時半。今日も私の1日はそうして始まるのであった。

上海可愛い
今回は.....


[蓮子の実家]

「よく来たねぇ...メリーちゃんで合ってる?」「ハイ...えっと...はじめまして...」

この暑い時期にマントを羽織っている人なんて初めて見た...さすがの私でも引きますよ...

「そう言えば今から蓮子と、どこかに行くんだろ?山は熊が出るから気をつけなよ。」「ご丁寧にありがとうございます...」

その時外から蓮子の声が聞こえた。

「メリー!!行くよ~!!」「いってらっしゃい、くれぐれも暗くならないうちに帰っておいでよ。」「分かりました。ありがとうございます!!」

そう言って私は蓮子の方へ走っていった。

 

[裏の山]

「メリー遅いよ~!!」「ごめんね蓮子。」

待ち合わせに3時間も遅れる人に言われたくないけど、と出かけた言葉を引っ込めた。

「ここをちょっと登った所にその神社があるから、そこまで頑張ってね!!」

と言いメリーが指さした先は、ただのゴツゴツした岩があるだけの斜面だった。

「階段とかエレベーターは無いの?ここ登るの?」「ここ以外に行くと、熊に絶対合うからここが1番安全だよ?」「つまりここも熊が出る可能性があるって事?」「だから猟銃持ってきてんじゃん。」

蓮子は背負った猟銃を、軽く叩きながら言う。

銃刀法違反.....気にしないでおこう...どうせ未来だし...

「さぁ、メリー。ここを登る時は、三点で支える事が大事だよ。」「三点って何?」「足、足、手。手、手、足。手、手、手。みたいな感じで、自分の体を支えることだよ。(うろ覚えだけど...」「へぇ~...蓮子でも、頼もしい時もあるんのね。」「え?つまりいつもは頼もしくないってこと.....?」「さぁ、行くわよ蓮子、時間が勿体ない。」

そう言って私はそそくさと山を登り始めた。

 

~秘封少女登山中~

 

[裏の山・✕✕神社]

「いや~...登ったね~...」

メリーはまだまだ行けると言わんばかりに、そこら辺を歩き回る。

ここはちょっと登ったところの神社。入口近くに神社名が書いてある立て札があったが、汚れていて肝心の名前が見えなかった。

「ねぇメリー。これってなんだろう...」

蓮子が何かを見つけたようだ。蓮子の方を見ると、薄汚れた箱のような物が置いてあった。

その箱の上側には、格子状に穴が空いていた。側面には何か書いてあるが、汚れていて読めない。

側面の汚れを少し取って、字を読む。

「何て書いてあるの?」「えっと...ほう...のう.....奉納...これは賽銭箱ね。」「賽銭箱...つまり中にはお金が!!」「だめよ。それは許せない。」

中のものを取ろうとしている蓮子を止める。

 

しばらく神社の周りを探索したが、何も無かった。

「ねぇ、蓮子。何でここに嘆き人形があると思ったの?」1つ浮かんだ疑問を投げかける。

「え?それっぽかったからだけど?」

ここまで人を殴り倒したいと思ったことは無い。そんな適当な理由で、ここまで連れてきた蓮子を恨む。

「ハァ...とりあえず帰るわよ...」「そうだね...何も見つからなかったしね...」

そんな事を話していると、不意に近くの草むらが揺れた。

ここは山なので、狸か、狐かと思った。が...ちょっと前の会話を思い出した。

(「つまりここも熊が出る可能性があるって事?」「だから猟銃持ってきてんじゃん。」)

私の予想通り、草むらから熊がゆっくりと出てきた。その片目は切られたような跡があり、潰れていた。

「メリー!!神社の中に逃げな!!」

私は神社の中に入り、中から蓮子の様子を見る。

素早く蓮子が猟銃を構える。熊がこちらを認識し、飛びかかってくる。

蓮子は素早く熊の目に照準を定め、発砲する。弾丸は熊の目に当たり、熊が怯む。

その隙に神社の中に逃げ込む。

襖みたいな扉を閉じ、静かに外の様子を伺う。

「ねぇメリー...何か聞こえない...?」

静かに耳を済ませる。

 

<ブツブツ.........

確かに奥の方から何か聞こえる...

「嘆き人形っぽくない?」「そ、そんなわけないじゃない!!」「メリー、静かに。熊の目は潰したけど。まだ鼻と耳は私達を探しているはず...」

恐怖でどうにかなりそうだった。前には敵対した熊。後ろには呪いの嘆き人形。逃げ場無しの完全包囲網。昔の言葉でいう。四面楚歌である。

「メリー...ここから無事に帰れたら...この間出来たかき氷屋に一緒に行こう...」「蓮子.....それ死亡フラグ.....」

蓮子がわかりやすい死亡フラグを建てる。大体そのかき氷屋、結構前に出来たやつ...

「メリー、いい事思いついた....耳塞いどいて...」「え?何で...」「良いから...」

真剣な物言いに押され、素直に耳を塞ぐ。

するとメリーが神社の奥の方へ歩いていく。そっちには嘆き人形が...

そこで蓮子の考えが読めた。嘆き人形の呪いで熊を殺そうと言う訳だ。だが、私達も死んでしまう。だから耳を塞がせたのだ。私だけを助けるために。

「蓮子!!そんなのだめ!!一緒に帰ろう!!他にも何かあるはずだから!!」

何か蓮子が言っているがわからない。恐怖から腕が動かないのだ。耳をピッタリと塞ぎ、離れない。

蓮子が奥の方に歩いていく。まだ行って欲しくない...まだ死んで欲しくない...大切な人を...

 

蓮子が小さな木箱を持って奥から戻ってくる。結局私は何も出来なかった。ただ涙を流しながら蓮子を見ていることしか出来ない。

蓮子は笑っていた。今までに見たことのない程の穏やかな笑顔だった。

「蓮子...まだ死なないで.....行かないで.....私を...置いてかないで.....」

蓮子が何か言おうと口を開ける。すると蓮子の持っている箱が大きく震える。

蓮子は驚き大きく目を見開いている。私ももちろん驚いている。

蓮子が箱を私の前に置く。箱の上にはお札が貼られており、そのお札と箱の間に1枚の紙が挟まっていた。

蓮子はお札を剥がし、蓋を開けようとする。すると蓋が勢いよく飛び、中から人形が飛び出してくる。

驚いた蓮子は後ろに尻餅をついていた。私は慌てて蓮子の側による。いつの間にか手は耳から離れ、足も動くようになっていた。

 

 

「ひっさしぶりのシャバの空気だぜ.....」

喋ったのはその人形だった。

 




最後に出てきた人形はナンダロウナー、全 マッタクケントウモツカナイナー。
皆さんもワカラナイダロウナー


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四十六体目 秘封少女と復活のS

今回はちゃんとした主人公が出てきます!いや~、ちゃんとした主人公ってイッタイダレダロウナー.......上海(小声)

上海可愛い

そして久しぶり!!


[✕✕神社・箱の中]

私の名前は上海、私は暗い箱の中にいます。

何故かは知りませんが、閉じ込められています。

昔むかしのそのまた昔...幻想郷という所の妖怪の山と言う山で、事件が起こりました。それに巻き込まれた私は、その騒動を潰そうと四苦八苦していました。

だけど悪い人形に捕まってしまい、ここに閉じ込められました。

長い長い時を経て、今日がやって来ました。大体外の様子が分からないので、1日が分かりませんが...

 

 

今日もいつものようにただ暗い中で、ランスを触ったり、1人で喋ったり、アリス様を助けられなかった自分の弱さを嘆いたりしていました。

その時外から発砲音が聞こえました。昔聞いたスナイパーライフルの発砲音に似ていたので、すぐに何かの銃だってことが分かりました。

この生活からも抜けられるかもしれない、と私は思いました。

そして大声を出したり、暴れてみたりしたのです。するとこちらに向かってくる足音が聞こえました。

すると外から叫び声のような物が聞こえ、動きを止めました。殺人犯か何かと思い、ランスを構えながら外の様子を伺いました。

すると外から、箱を持ち上げられました。ここから出れると思い、力を溜め、全力の一撃を蓋に放ちました。

すると箱は地面に置かれ、箱の上のテープのような何かを剥がされる音が聞こえました。

そこを見計らって、私は蓋に突撃しました。

 

辺りを見回すと、腰を抜かした少女1人とそれに駆け寄るもう1人の少女。と言うか少女よりお姉さん。

まぁ、気にせずに箱から出たら言おうと思っていた言葉を言う。

 

「ひっさしぶりのシャバの空気だぜ.....」

って言ったけど、空気は古い木の匂いと獣の臭い.....ん?獣?

 

「あばばばばばば.....」「シャァベッタァァァァァァァ!!!」

2人が声を上げる。

「やかましい!!」「「ハイ!!すいません!!」」

一声怒鳴ると、2人揃って同時に謝る。相当仲はいいようだ。

「それよりここはどこだ?」

質問しても驚きからか、答えは返ってこない。なのでさっきより語勢を強くして尋ねる。

「おい!!白っぽいの!!ここはどこだ!!」「の、呪わないでください!!」「呪わないよ!!ていうか呪えないよ!!」

これはとても会話になりそうにない。そう判断した私は、溜息をつき外に出ようとする。すると、黒っぽい方がこんなことを言ってくる。

「あ、あの!!外には熊が居るので、出ない方が...」「へぇ~、熊か...リハビリには丁度いい。」

そう言いながら扉を開ける。

すると目の前には、両目が潰れた熊が目の前に立っていた。

「離れて!!」

そう言って、黒っぽいのが猟銃を構える。さっきの銃声はこれだったようだ。

「なぁに、心配には及ばんよ。」

そう言って小さな拳を、まっすぐ後ろに引く。

熊が飛びかかってくるが、それに怯まず拳を強く突き出す。いわゆる正拳突きと言う物だ。

それが熊の頭に当たった瞬間、熊が後ろに吹き飛ぶ。

この体感年数、数百年間。何もしていなかった訳では無い。殆どの時間を筋トレ(効果あるかは不明)や、武術の修行などに費やしていた。その結果、自分でも信じられないくらい強くなっているのが分かった。熊なんかにはやられはせんよ。

「え、ばばば...」「一撃で.....夢に違いないわね...」

2人とも何か言っているが、毎日コツコツしていたらこれくらい誰でも出来る。

「グ、ガァァ.....」

熊が低い唸り声を上げる。それはどこか苦しそうな声だった。それを聞いて思い出す...あの椛とか言う白狼天狗、それも同じような声だった。

熊はさっきの一撃で頭蓋骨が砕けているはずなのに、すぐに立ち上がる。生物的に無理な話だが、別に気にする必要は無い。

「おい、黒いの。」「ひゃい!!」「最後は任せる。」「え?それって...」「その猟銃は何のためにある?」「うぅ...分かりました...」

そう言いながら彼女は猟銃を構え、トリガーを引いた。

パァァァン!!

高らかに発砲音が鳴り響く。弾丸はまっすぐと熊の脳天に吸い込まれ、熊は血しぶきをあげ倒れる。

「今日の晩飯は熊料理だな。」

熊の死体を見ながら、そう呟く。




ちなみに武術の修行は、普通の人形時代にアリス様に教えてもらったらしいです。

上海...いつの間にかたくましくなったな.....


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四十七体目 メリーと上海

最近昔のアニメを見るようになってきました。
何で再放送とかしないんだろ.....

ちなみにこの編は、メリー達が主人公ポジションです。上海はサブキャラ扱いです。すまんな上海

上海可愛い


[山からの帰り道]

熊を倒した後私達は、急いで蓮子の実家に帰ろうとする。

熊の血の臭いを嗅いで、他の動物が来るかもしれないからだ。

それで私達は今、来た道をそのまま帰っている。

暑かった道も、夕方ということもありすっかり冷えていた。

そして涼しくなった以外にも、私達に変化があった。蓮子が人形を連れてきたのだ。

私は反対したんだけど、蓮子がどうしてもって言うので連れてきた。当の本人は今蓮子の肩の上で、静かに座っていた。

私達は夕日に照らされながら、静かに歩いていた。

 

 

[蓮子の実家前]

そう言えばこの人形の説明を考えていなかったことに気づく。

蓮子を止めようかと思ったが、その時には遅かった。蓮子は美味しそうな料理の匂いに釣られて、走って行ってしまった。そりゃあんな事があればお腹も空くだろうけど...

「だだいまー...」

遠くからそんな声が聞こえる...

「さてと...言い訳を考えておくか...」

そんな事を言いながら歩き出すと、

「全くだ...少しは人の事も考えた方がいいな。あの黒っぽいのは。」

横から声が聞こえる。

驚いて横を見ると、さっきの人形が(何驚いてやがる)みたいな顔をして浮いていた。

「なべこんな所に!!」「噛んでるぞ、肩から降りただけだ。そんなに疑問か?」「すいません...」「謝ることでは無い。それより早く行ったらどうだ?」「いや...その~...」

言おうか迷っていると、人形は察したような顔をしてこう言った。

「あぁ、熊か。あれは重そうだから置いてきた。熊料理できそうだったんだけどな~...」「いや、そうじゃなくて...」「ん?私の言い訳か?それなら私は自己紹介するが?」「え~.....」

それはそれで問題があるような...

「さっさと行くぞ。腹が減って仕方ない。」「え?人形でも、お腹減るんですか?」「.........え?ここの人形ってお腹減らないの?」「え?」「え?」

沈黙が2人を包み込む。

 

沈黙を破ったのは先に走っていった蓮子だった。

「メリ~!!早く来て~!!私お腹空いた~!!」「分かった~!!.....さぁ、人形さん。どうします?」「.....とりあえずご飯食べに行こう。私も数百年ぶりのご飯なので。楽しみにしている。それと、私の名前は上海だ。覚えておいてくれ。」

「私は、マエリベリー・ハーンと言います。そして先に走っていったのは宇佐見蓮子って言います。よろしくお願いします。」「マエリベリー・ハーンと宇佐見蓮子か...よろし頼むよ。」

そう言って私達は、蓮子の実家に向かって歩き出した。

 

 




今回は道中の話でしたね。結局、熊は重くて上海では持ってこれなかったようです。細切れにすれば良かったのに.....

次回はのびのびと番外編でも出そうかな.....


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番外編5 森のくまさん その1

今回は前回の後書きの通り、番外編です!!
ク、クマー...

上海可愛い


俺の名前は[森野 熊]って言うんだ。今回の主人公だ。

まぁ、これを見てくれていると言うことは俺の話に興味があるんだろう。つまらない話だが聞いてもらえれば嬉しいな。

まずは...そうだな...俺の名前の由来から教えよう。って言っても、その名の通り俺は熊なんだ。何の変哲もない熊だ。

生まれは幻想郷だ。そう、あの幻想郷だ。お陰で小さい頃は、小さい妖怪に襲われたり、腹ペコの巫女に追われたりしたよ...懐かしいな...

まぁ、そんなこともあったりしながら俺は育った。親も友人も居ない、元からいなかった。ただ俺は1人で気ままに生きてきた。そのツケがあの時来たんだろうな.....

俺はあの時森の中で最強だった。誰も俺を襲おうとしないし、俺を見りゃ食べ物を置いていって逃げた。それに調子に乗った俺は、手を出しちゃ行けないやつに手を出した。妖怪だ。

まぁ、その時の話をしよう。ゆっくり聞いて言ってくれ。

 

[幻想郷の森の中・過去]

俺はその時自分の力が知りたくてうずうずしていた。その時は誰も戦ってくれなかった。

「誰か強いやついねぇかな...」

何て熊語で言いながら森の中を歩き回っていたな...

しばらく歩いていると森の小さな広場に出た。真ん中には切り株があり、そこに女の子が腰掛けていた。

その女の子は黒い服に身を包み、頭には赤いリボンを付けていた。

そしてそのちょっと後ろには、こちらを見て驚いている人形がいた。動く人形何てよく見るから驚かなかった。

だが興味を引く物はあった。その人形が背負っていたランスだった。

ランスを背負っている→戦える→襲えば応戦する→俺の力が分かる。と言うアホみたいな考えに陥った訳だ。

 

そういう事でその人形に襲いかかろうとしたんだが.....今までに感じたことのないほど強い殺気を感じたんだ。その殺気の発せられた所を見ると、その人形の後ろ、つまりあの小さな女の子だった。

何故あんな小さな女の子が...とか思いながら、威嚇程度に飛びかかってみると

「今は機嫌が悪いんだよ...」

そんな決め台詞のような事を言いながら、どこからともなく木の棒を取り出した。

そしてその棒を素早く横に振る。普通なら当たらない距離なのだが、その棒は違った。長かったのだ。3mはあるんじゃないかという長さだった。

ふり抜かれた木の棒を俺は避けられず、脳天に直撃し吹き飛ばされる。

驚いたのはその腕力や木の棒の耐久性では無く、その女の子の悲しそうな顔だった。まるで親でも死んだかのような顔をしていた。

俺はその顔に見入ってしまった。その隙もあって、あの棒に当たってしまったのだ。

その時俺の心臓は、ドキドキとなっていた。何かよく分からない感情が頭の中に渦巻いていた。そんな訳の分からない感情に怯えていると

「邪魔だ.....失せな.....」

と言いながらその少女が棒を地面に叩きつけた。

俺は言葉は分かるくらいの賢さだったので、すぐにその少女の見えないと場所まで走って行った。

俺は走った。全力で走った。この胸のモヤモヤを取り払うために、走り続けた。

崖から落ちようが、気の根っこにつまずいたりしても走った。

すれ違った動物達には怯えられ、道を開けられた。そりゃ森の中最強がすごい形相で迫ってきてるんだから、道を開けるしかないよな.....

ずっと走っていると急に空気が変わった。少し空気が汚れた感じがした。

周りを見ると見覚えが全く無い森の中だった。その時直感で分かったことがあった。

「ここは.....幻想郷じゃねぇ.....」

 

 

 

そうして俺は幻想郷から出ちまったんだ。まぁ、まだ話したい事はあるんだが.....まぁ、また今度な。

ありがとよ、こんな俺の長い話を聞いてもらってよ。また聞きに来てくれよ。




白藍ハートネット様から支援イラストを貰いました!!ありがとうございます!!白藍ハートネット様の[始まりのサイヤ人が幻想入り]もよろしくお願いします!!


【挿絵表示】


次回は本編ですかね...この番外編の続きはいつか気が向いたら作ります。


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四十八体目 上海と晩御飯

今回は本編です。ゆっくり見て行ってね!!

上海可愛い


[蓮子の実家・食堂~メリーside~]

私達が帰ってくると食堂から、宇佐見2人組に呼ばれる。

「メリー!!お腹空いたから早く来て~!!」「そうよ~!!私もお腹すいたわ~!!」

2人とも腹ペコのようだ。

 

食堂に近づくにつれ、美味しそう匂いが漂ってくる。肉料理...野菜サラダ.....山菜の何か...匂いだけで分かってしまう程私もお腹が空いているようだ。

食堂に着くと、美味しそうな料理が用意されていた。私達は席についた。

「みんな揃ったね?それじゃあ」

蓮子のおばあちゃんが言う。

「「「「いただきま~す!!」」」」

4人の元気な声が重なる。さぁ、楽しい食事の始まりね。

 

[蓮子の実家・食堂~蓮子side~]

走って帰ってきた私は、食堂に飛び込んだ。美味しそうな料理の匂いが鼻をくすぐる。

テーブルの上を見ると4人分の料理が乗っていた。

ん?4人分?私とメリー、おばあちゃん。あの人形さんはおばあちゃんは知らないはず.....では何故料理が4人分ある?

.......可能性としては3つある。

1つ、後ろを付けていた。もしくは見ていた。

2つ、ボケていて作ってしまった。

3つ、もう1人誰かいる。もしくは居た。

 

1つ目の説は.....おばあちゃんがあの崖を登れるとは思えない。遠くから見たとしても、木々が邪魔で見えないはずだ。

 

2つ目の説は...無いな。まだピンピンしている。

 

3つ目の説だが...これは1番有力である。

昼間のお茶の件を考えると、やはり3つ目が1番有力である。だがお茶の不自然さを勘ぐられているのに、気づかれそうな事をやるか?

.......気づかせようとしている?

うぅ...お腹が空いて頭が働かない...

「メリ~!!早く来て~!!私お腹空いた~!!」「分かった~!!」

返答を聞くからにすぐ来てくれそうだ。

 

玄関のドアを開ける音が聞こえる。

「メリー!!お腹空いたから早く来て~!!」「そうよ~!!私もお腹すいたわ~!!」

メリーを呼ぶと、おばあちゃんも便乗して呼ぶ。

2人とも食堂に来て、席につく。

おばあちゃんは人形さんに反応していない...メリーも料理が増えていることに気づいていない...

おかしい.....何かがおかしい...

まぁ、お腹が空いては戦は出来ぬと言うし...

「みんな揃ったね?それじゃあ」

おばあちゃんが言う。

4人の声が重なり、響く。

「「「「いただきま~す」」」」

さぁ、ご飯が終わったら早速考えないと...それとあの人形さんの名前も聞かないとね。




何かがでおかしい...そう思っている蓮子の勘は当たるのだろうか...


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四十九体目 秘封少女と過去の話

暑くなってきましたね...皆さん熱中症には気をつけてください。

上海可愛い


[蓮子の実家・客室~蓮子side~]

私達3人は晩御飯を食べ終わった後、風呂に入り、客室へと来た。

客室は普通の和室で、真ん中に四角いテーブルがあるだけだ。

まずはそのテーブルの両端に私とメリー。机の上に人形を座らせる。まずは人形の話を聞くことにしたからだ。

「って訳で、ここまでの経緯を話してもらおうか...」「えーと.....’’って訳で’’の部分がよく分からないんだが...」「上海さん、世の中には知らなくていいこともあるんですよ。あ、そうそう。蓮子、こちら上海さん。」「よろしくお願い致す。」「え、あ、よろしくお願いします。」

懇親の’’って訳で’’のネタをスルーされ、挙句の果て自己紹介までされる。もうちょっと触れてもいいんじゃないですかね?

「そう言えば話を聞きたいって言ってたな。えーと...あれはまだ私が普通の人形だった頃.....」

 

~人形説明中~

 

「って事で今ここにいるんだ。」「へ~...全ては上海さんの勘違いから始まったって事ですね。」「幻想郷か.....」

1通りの話を聞き、私達は口々に感想を言う。

ふと、壁に掛かっている時計に目をやると

「もう12時か...」

先に上海に言われてしまった。

「そろそろ寝ましょうか」「そうだな」

メリーが提案し、上海が肯定する。

私は2人の会話を聞きながら、布団の入っている襖を開ける。何度かここで寝ているので、布団の場所は分かっている。

布団を並べている間に思ったことがある。上海の分は居るのか?そんなことを考えながら3人分の布団を並べる。無論、机はどけてある。

 

布団を並び終え、3人で川の字で寝転ぶ。左からメリー、上海、私の順だ。メリーとイチャコラ出来ない.....

1時頃に電気を消し、3人仲良く眠る。まぁ、私は昼間と晩御飯の1人多いのが気になって眠れないがな。

 

 

ボーッと天井を見ながら考えている。もう3時間は経っただろうか...

メリーの寝息が聞こえるが、上海のは聞こえない。第一、息をするのか分からないが.....

ギシリ

廊下の方から音がする。

何事かと思い体を起こす。

誰かが廊下を歩いているようだ。壁の時計を見ると、4時...こんな時間に廊下を歩く人物がいるだろうか...

まさかと思い上海の寝ているところを見ると、静かにランスを構え廊下を睨んでいた。

静かに上海が廊下への襖に近づく。浮いているから足音はしない。

足音が部屋の前で止まり、ゆっくりと襖が開く。上海は襖の上のヘリみたいな所に身を隠している。

襖を開けたのは.....

おばあちゃんだった。




おばあちゃんは一体何のためにこんな時間に.....


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五十体目 秘封少女とSOS

今回は普通の電撃展開回です。展開が早すぎるので分からない人は後書きのまとめ的なものを見てね。

上海可愛い


[蓮子の実家・客室]

「あれ?どったんばったん大騒ぎ(意味深)してないの?」

襖の間からおばあちゃんが覗きながら呟く。

「なんだ...あんたか...」

そう言いながら上海が布団に戻ろうとする。

「ちょっと待って!!2人ともちょっと食堂まで来てくれる?メリーさんは起こさないでほしいんだけと...」

何故か条件付きで呼び出しを食らう。何故メリーを起こしてはならないのか...ていうか行かなければならないのか...

「.....私は行こう。蓮子、君はどうするんだ?」

上海さんに聞かれる。私は.....

「ちなみに蓮子は絶対ね」「え?拒否権は無いのですか?」「もちろんさ~」

 

[蓮子の実家・食堂]

って事で渋々食堂に来たわけだが.....椅子に座っているのは、私と上海。机を挟んでおばあちゃんと.....えっと...その.....生首だけの人がいる.....

なんて言ったらわからないが...帽子を被った生首が、浮いている。

「まずはこの生首だけど...」

おばあちゃんが口を開く。

「この人は...」「待って、自分で言うわ。私の名前は八雲紫。色々あって生首だけの妖怪よ。」

八雲紫とやらが名乗る。生首だけで生きれるものなのか?

「八雲紫?何故幻想郷の賢者がここに?」「それは.....」

どうやら上海は知っているらしい。

「私から説明するわ。」

と言いおばあちゃんが説明を始める。

「まずは、あなた達2人を呼んだ理由。それは部屋の前を通った時、幻想郷って言葉が聞こえたからよ。私は昔、幻想郷に自由に行けるようになってたわ。でも、ある日パッタリと行けなくなったの.....その頃にここの家に住み始めたんだけど、ある日玄関口に八雲紫が落ちてたの。」「生首だけで?」「生首だけで。それで私は、この人を保護したの。一応この人を知っていたって事もあったからね。まぁこの人は最初はうわ言のように同じ言葉を繰り返していたの。それが、幻想郷...吹雪...何故?...その言葉を何度も繰り返していたわ。私は生首を助けるなんてことはしたこと無かったから、とりあえず水に沈めたの。3日経つと目を覚ましたの。でも...その時にはこの人の記憶が無くなっていたの...」「え?さっき自己紹介していたのは?」「私が教えたの。覚えている事は何も無かったの。だから私がここで保護していたの。」「なるほど.....つまり昼のお茶や、晩御飯はこの人の分だったって事ね...」「えぇ、気づかれた時はさすがに焦ったわ。」

色々な事に筋が通り、胸のもやもやが晴れる。するとまた新たな疑問が湧いてくる。

「幻想郷に帰ることは出来ないの?」「色々試したわ...この人の能力を使おうとしたり、各地の神社を回ったり...でもダメだった...ここから推測できるのはただ一つ。既に幻想郷は滅んでいる可能性がある。って事」「幻想郷の奴らはどうなった?」

久しぶりに上海が口を開く。

「多分...みんな消滅した...」「ふ~ん.....何故私たちにこの話をした?」「え?」

おばあちゃんが聞き返す。

「私たちに話して何になる?」「それは...その...」「何か考えがあったんじゃないか?」「.....分かった...話す...あなた達には私には解けなかった、この世の不思議を解いてもらいたいの。」「それはどう言う事?」「私が探した最初で最後のオカルト...それは過去に戻る力.....」「...なるほど...つまり蓮子達にそのオカルトを見つけてもらい、幻想郷が消滅すると言う歴史を変えて欲しいって事か?」「話が早くて助かるわ。」

え~...この人達突拍子もないこと言い出した~.....

「その宛はあるのか?」「ある。あなた達が昼間言った神社...あそこが怪しいと思っているの...あそこは博麗神社って昔呼ばれていたの...」「ちょっと待て!!それって!!.....いや...何でもない...」

上海が声を荒らげるがすぐに落ち着く。

「すまない...博麗神社ってのは幻想郷にもあってな...」

「うわ~...だんだん話が面倒くさくなってきた~.....わかりやすくまとめると...とりあえず昔に戻って幻想郷を救って欲しいって事か.....上海どうする?」「んなもん...やるしかないだろ!」

こうして私達は過去に戻るため、そして幻想郷を救う事はなったのであった。




まとめ的な奴
幻想郷が消滅して八雲紫が何故か外の世界の菫子の所に。幻想郷消滅を防ぐために過去に戻り、幻想郷を救うことに...
って事です。
作者の私でもちょっとこんがらがってきました.....展開早すぎてすいません...


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五十一体目 back to the✕✕神社!!

今日は珍しく日曜日なのに昼まで寝てました。徹夜はダメだね...
寝不足には気をつけよう!!

上海可愛い


[蓮子の実家・客室~蓮子side~]

朝はいいものだ。小鳥がさえずり、暖かい日差しがポカポカと差している。

寝不足でなければ最高だ。

昨晩夜中に起こされ、難しい話をされて寝れなくなってしまった。お陰で小鳥のさえずりはうるさい騒音の如く頭に響き、暖かい日差しはぬるくなったお風呂のように感じられる。それは上海も同じだった。

「あれ?蓮子寝不足?」

私の顔を覗きながらメリーが言う。

「.....寝不足だよ...」「...そうだよ(便乗)...」「ふ~ん...2人ともちゃんと寝なよ?」「「はい...」」

 

 

 

食堂で朝ごはんを食べ、客室へ戻ってくる。

「美味しかったね~...蓮子のおばあちゃんは料理人になれるね~」

メリーが冗談交じりに言ってくる。美味しいのは否定しないが、料理人程ではないだろう。良くて一流コックくらいだ。

「蓮子、今日の予定はあるのか?」

上海が聞いてくる。

「今日の予定は無い!!」「だろうな」

上海が冷たく反応する。聞いてきた本人がその反応か...

「なら昨日の神社に行ってみない?奥の方まで行ってなかったし」

メリーが提案してくる。確かに...それなら昨晩の話の事も調べられる...

「いいね、私は賛成~!!」「私も賛成だ。私を閉じ込めていた箱を調べたい。」「なら決まったわね。行くわよ~!!」

 

[✕✕神社~上海side~]

って事で来てみたのだが.....熊の死体が無い...これにはさすがのメリーも気づいたようで

「どこ!?昨日の熊どこ行ったの!?」

と騒いでいる。

蓮子は静かに熊が死んでいた所を調べていた。

「何か見つかったか?」

蓮子に聞いてみる。

「これ...」

と言い、地面を指さす。そこを見ると小さい白い塊が落ちていた。私はそれが熊の骨ということに気づいた。

「これ...多分土になりかけてる...」「昨日死んだ熊が、もう土になっているのか...他の動物に食い荒らされた可能性は?」「それだと骨がここに残るでしょう?これだけしか骨が見つからないのなら、腐り落ちたって考えるのが普通ね。」「それを考えると...ここは時間の流れがおかしいって事か?」「まぁそんな所ね。」「.......不思議なこともあるもんだ。」

とりあえず神社の中を調べるために、騒いでいるメリーを軽く叩く。

「イテッ!!熊か!!」「シャンハーイだよ...」「ヒイイイイィィィィ!!食べないでください!!」「食べないよ!!食べれないよ!!既にお腹いっぱいだよ!!」

もう一度叩くと、メリーは落ち着く。正しくは気絶する。これで大分静かになったな。

気絶したメリーを蓮子に任せ、自分は神社に入る。

昨日と様子は変わっていなかった。

私が閉じ込められていた箱を見つけ、回収する。近くに手紙のようなものが落ちていたので、それも回収する。

「あ、上海さん。さっきはお騒がせしました...」

メリーが申し訳なさそうに謝ってくる。

「パニックになった時は、誰でもあんな感じになるさ。気にすることではない。それより箱を持ってきたのだが、この手紙何か分かるか?」

しばらく2人とも考え、何かを思い出したようだ。

「それ、箱のお札に付いてたやつ.....」「蓮子がお札を剥がした時に捨てたやつ.....」「そんな重要なそうなものを何故持ってこなかった...」

明らかに大事だろ.....と思いながらその手紙を開ける。

そこには色々書いてあった。

「何が書いてあったの?」

蓮子が聞いてくる。

「これを読んでいるものは、この人形を助けて欲しい。こいつの名前は上海。読み方は[しゃんはい]だ。この人形を助けて欲しいってのは、過去に戻して欲しいという事だ。何を言っているか分からないだろうが、そこはスルーして欲しい。

過去に戻す方法を教えよう。ここの神社は時間の流れがおかしい。夜中の0時から一時にかけて、時空の歪みが発生する。色々話がぶっ飛んでいるが、私は正常だ。至って正常だ。

その時空の歪みに衝撃を与えると、時間が巻き戻る仕組みになっている。時空の歪みの影響は、ここの周りの時間がおかしいってだけだ。ちなみに衝撃って言うのは大型トラックが全力でぶつかるくらいの衝撃だ。って事で頑張ってくれ!!.....だとさ。」「.....何言ってんだかこの手紙...」

メリーは手紙の内容を聞き、呆れていた。まぁ、当然だろう。

蓮子は何かを考えていた。

「何を考えているんだ?」

訪ねてみる。すると

「さっきの熊.....時間の流れがおかしいなら、もう腐っていてもおかしくない...それなら辻褄が合う...」

なるほど...それなら熊の事も、説明がつく。いや、時空の歪みの時点で説明が出来ないが.....気にしちゃいけないな...

 

そんなことを考えている上海を他所にメリーはそそくさと家に戻る準備を進めながら

「家に戻ったら釣りにでも行こうかしら...」

そんな事を呟いていたのであった。




いつぞやのA上海が間違えて読みかけていた手紙が.....

それではまた次回!!
よければ評価や感想お願いします!!


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五十二体目 秘封少女とほのぼの回

今日はもう1本投稿です。ゆっくり見て行ってね!!

上海可愛い


[近くの川~蓮子side~]

私達は神社での調査を終え、1度私の実家に帰り昼食をとった。

そしてメリーの提案で釣りに来た。場所は私の実家の前の森の奥の方。って言っても適当に歩いてたらたどり着ける所なのだがな。

 

メリーは近くの石に腰掛け、釣り糸を垂らしている。釣りをしている気まんまんなのだが、釣り針は岩に引っかかっている。教えないでおこう。

上海はもう既に魚を20匹程捕まえている。全て手づかみで捕まえている。反射神経や集中力が飛び抜けていいのだろう。

「良く手づかみで取れるな」「.....ここら辺の魚は動きが単純だからな...幻想郷の魚はどんな魚でも、アホみたいに動き回った。ここの魚は元気が無く、単純な動きばかり.....つまらん...」

何か難しいことを仰ってらっしゃるが理解できない。幻想郷は常識を超越しているのだろう。ますます興味が湧いてくる...

「ねぇ蓮子~何も釣れない~魚居ない~」

そりゃ、岩釣ってる奴が魚なんて釣れるわけねぇだろ。

「ツリハネバリダヨー、ガンバリナー」「棒読みの様な気がするけど...分かった!!粘るよ!!」

例え川に釣り糸を垂らしても、上海が全部取っていくから釣れないだろうな。

 

「不味いな.....」「上海、何で生で食べてるの?お腹壊すよ?」「え?魚は生で食うものでは無いのか?」「まぁ食べても良いけど、持って帰る分は残しといてね。」

このままだと全部生で食べそうだったので、釘を刺しておく。あの魚はどこに行っているのだろうか...あの小さな体の3倍くらいの量の魚を既に食べている。やっぱり幻想郷は常識が通用しないのだろう。

 

 

[蓮子の実家~メリーside~]

大きい魚を10匹程持って、蓮子の実家に戻ってくる。私は1匹も釣れていないので、ちょっと不機嫌だ。

手づかみで50匹捕まえる化け物みたいな人形が何か仕組んだのだ。そうに違いない。

釣った魚は蓮子のおばあちゃんが調理するらしい。

台所に魚を持っていき、まな板に乗せておく。そうすると調理してくれるらしい。

私達は魚を置いたあと、客室へ向かう。手伝うと言ってもおばあちゃんは

「大丈夫だから客室に居なさい」

と言うだけだ。

 

客室でしばらく喋っていると、晩御飯が出来たと呼ばれる。

食堂に行くと、料亭で出てくるような豪華な魚料理がテーブルの上に並べられていた。鯛も乗っていたが、鯛は持って帰ってきた記憶が無い。まぁ、美味しいならいいか。

 

美味しい魚料理を食べ、お風呂に入る。上海も一緒に入れ、ピカピカにする。

上海は

「こんなにも綺麗になるものなのだな」

とランスを眺めながら言っていた。自分の事は気にしないのか...

客室に戻り、また川の字に布団を敷く。今日こそイチャコラ出来るかと思ったが、既に蓮子は寝ていた。

べ、別に悔しい訳じゃないんだから!!だって明日には帰れるし、ゆっくりと家でイチャコラすればいいのだ。誰も邪魔できないだろう。

 

 

明日に備えて今日は寝よう...きっと明日には帰れるさ.....




きっと明日には帰れるさ.....
ちなみに持って帰ってきた魚の種類は
・鮭×3
・良くわからないやつ×2
・イワシ×4
・山女魚×1
これが意味するものとは.....無い!!


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五十三体目 秘封少女と帰り道

散髪の待ち時間にこれを書く.....効率的な時間の潰し方である。

上海可愛い


[蓮子の実家・玄関口~メリーside~]

「短い間でしたがお世話になりました。」

玄関口で蓮子のおばあちゃんに別れの挨拶をする。

今は朝の4時。今から帰らないと朝イチの電車に間に合わないのだ。

「また来るよ、それまで上海をよろしくね。」「分かってるよ。」

蓮子がおばあちゃんに言う。

上海はここに置いていくことにした。急に都会に連れていくと、何が起きるか分からないからだ。

寂しそうな声を上げる上海を見ながら、頭を撫でてあげる。

「来週にはまた来るよ。」「.....シャンハーイ.....」「それじゃばあちゃん、また来週に」「ちゃんとご飯は食べなよ。」

その声を背中に無人駅へと歩いていく。私は後ろ歩きで、見えなくなるまで手を振り続けた。

 

 

[どこかの田舎の駅]

相変わらず誰もいない。この駅は電車も来ないので、線路に沿って電車が来る駅まで歩かないと行けない。

お土産に貰った山菜を齧りながら線路の上を2人で歩いていく。生で山菜を食べてもいいのかは分からないが、生で齧る。無言でひたすら齧る。

途中イノシシが横の茂みから飛び出してきたが、山菜をあげたら帰っていった。こう見るとイノシシも可愛いものだ。

 

そこからは電車が通っている駅までひたすら歩いただけだった。特に何もない。

ほぼ乗客のいない電車に乗って、京都まで帰った。ただそれだけだ。

 

[京都駅前~蓮子side~]

「ん~...長かった~.....」「長かったわね...今もうお昼よ?」

長い電車の旅で、足も腰もボロボロである。

帰ってきたはいいものの、昼前なのでやる事が無い。大学?知らんな。

「今からどうする?」「そうね.....とりあえず私の家に行きましょ。ここからなら私の家の方が近いし。」「いいよ~」

承諾した時、一瞬メリーの顔がゲス顔のようになった気がしたが気のせいだろう。

途中でマクドなナルドで昼食を買い、メリーの家に向かった。

 

 

[メリーの家~蓮子side~]

相変わらずいい家だ。メリーは一人暮らしの一軒家持ちなのだ。どこからそんなお金が出てくるのかと尋ねると、いつも(ヒ・ミ・ツ♥)と言う。全くもって謎である。

両親の顔も見たことないし、家族の話もしない。聞いても答えないし、しつこいと少し怒る。謎だな~...

 

とりあえずリビングに荷物を置き、シャワーを浴びに行く。ほぼ毎日のようにここに遊びに来ているので、まるで自分の家のようにくつろげる。

 

シャワーを浴びさっぱりした私は、リビングに戻ってくる。リビングに戻ると次はメリーがシャワーを浴びに行く。

私は先に、さっき買ったポテトを食べる。サクサクとしてて非常に美味しい。少し冷えていたが、気にする程では無い。

半分くらい食べたところで、メリーがシャワーを浴びて戻ってくる。

残ったポテトを咥えながら、荷物を片付ける。と言っても、小さなカバンに入るくらいの多さだ。私は必要最小限の荷物だが、メリーはそれより少ない。泊まりに行くなんて言ってなかったもの。

 

荷物をカバンから出そうと、カバンに手を伸ばす。すると急にカバンが暴れだした。

暴れるカバンを押さえつけ、中を確認する。すると(あ、見つかった...)みたいな顔をした、上海がこちらを見ていた。

 




待っている間にこれ完成しちゃったよ.....すごい待たされますね、散髪って...


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五十四体目 秘封少女とTVショッピング

進展に関係の無い話が多いような気がする.....まぁ、ほのぼの日常?回って事で(笑)

上海可愛い


[メリーの家~蓮子side~]

「まずは何故あなたがここにいるか説明してもらえる?」「シャンハーイ.....」

床に正座し、申し訳なさそうな顔をしている。上海はおばあちゃんの所に置いてきたはずなのだが...いつの間にかカバンに入り込んでいたようだ。

「実はあの後.....菫子殿に走ったら間に合うって言われて...」「ちょっと待って、いつから菫子殿なんて言うようになったの?」「え?自然に...ってそんなことより!!」

こっちにとってはそんなことではないんだよな...自分のおばあちゃんを殿付で呼ぶ人なんて見たことないもんな...新しいオカルトかな?

「私は走った、けど間に合わなかった...2人とも電車に乗り込んで行ってしまった...」「じゃあ、いつカバンに潜り込んだの?」「電車の1番後ろに掴まって、風に煽られながら駅までずっとしがみついてたのです...そして電車から降りた時カバンに潜り込んでしまったのです...」

どうやら他の人に見られては行けないと思ったので、カバンに潜り込んだのだろう。そこは偉いとしよう。そこだけは。

「なんで付いてきたの?また来るって言ってたのに」「それは...その.....菫子殿について行ってあげなさいって.....」

大きな音をたてながら額に手を打ち付ける。そして目をつぶり(またおばあちゃんか.....)と思う。

「それに...私自身、都会というものを見たかったのです!!」「本音は~?」

メリーが横から茶々を入れてくる。どこかの漫才で聞いたことがあるな.....

「運良く自分にあった新しい兵器でも見つけられないかな~と...」「今すぐおばあちゃんの所に送り返してやる。」

そんな不純な動機でここに置いておけるか!!

「メリー!!ダンボールとガムテープ持ってきて!!上海を詰め込んで送り返すわよ!!」「え~.....」

メリーが不服そうに声を上げる。

「とりあえず、上海!!観念して捕まりなさい!!そして送り返されなさい!!」

と言い飛びかかる。

それをひょいと避けられる。突っ込んだ先は机だった。

私は勢いよく机に突っ込んだ。机の上に置いてあった、買ったばっかりのハンバーガー2個とコーラとオレンジジュース、そしてテレビのリモコンが宙を舞う。

それを上海はすかさずリモコン以外を空中でキャッチする。

リモコンが地面に落ちた拍子にボタンが押されて、テレビの電源が付く。番組はテレビショッピングだった。

[「今日紹介する商品はこちら!!家事代行ロボ!!世話ーるくんです!!」]

鬱陶しいほど胡散臭い笑を浮かべた男が自慢げに商品を紹介している。

[「このロボはですね、家事全般を代わりにやってくれるロボットなんです!!最新の技術を使い、宙に浮く!!喋る!!お世辞を言う!!そして何より着せ替えれるのです!!自分好みの世話ーるくんを作れますよ!!」]

要らない機能が多いような気がするが.....

すると上海が口を開く

「.....ゴミめ...それしきで高性能ロボだと?笑わせてくれる...」「上海もあまり変わらないけどね~」

メリーの言葉が上海に刺さる。少し悶えた上海は、ピクリとも動かなくなった。

 

これは使えるな.....そう思った私は、テレビで流れている電話番号に早速電話した。

[「○○○~△△~✕✕✕~、それではまた来週!!」]




世話ーるくんって言う名前のセンスの無さ.......パシフィックちゃんよりマシか...
メイドの人「へっくちょん!!」


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五十五体目 秘封少女と世話ーるくん(服だけ)

世話ーるくんの出番はほとんどありません。世話ーるくんに期待していた人はいないと思いますがすみません。

上海可愛い


[メリーの家~蓮子side~]

電話をして10分後、例の物が届く。さすがAmaz〇n、この時代でも早いね。

玄関口で荷物を受け取り部屋に戻る。2人とも私の持つ箱に興味津々のようだ。

「ねぇ蓮子、それなぁに?」「大したものじゃないよ、ただ...上海にとっては必要かも。」「それは興味深い...早く開けてみてくれ。」

上海に急かされ、箱を開ける。中にはさっきテレビショッピングの番組でやっていた[世話ーるくん]が入っていた。

「あ、さっきの高性能(笑)ロボット」「まさか私の代わりに.......こんなのに負けるのか.....」

落ち込む上海を他所に、強引に世話ーるくんの服を引きはがす。

「ブッ!! ちょっ!!蓮子!?人形の服を脱がしてハァハァする趣味あったの!?」

何か変な勘違いをされそうなので言っておこう。私はこの人形に全く興味は無い。興味があるのはこいつの服だ。

この服を上海に着させれば、ちょっと顔の違う世話ーるくんの出来上がりって訳。

と言うことで、剥いだ服を上海に渡す。破れないように丁寧に引き剥がしたから着れるだろう。

「え?なんだ?これを着ろって言うのか!?」「蓮子!!私があなたの人形になるから!!そんな人形に浮気しないで~!!」「それを着ればただの世話ーるくんになるから、外も普通に歩けるって事。」「なるほど.....それならば...」

と言い上海が着替えだす。途中でメリーがとんでもない変態発言をしたような気がするが...気にしないでおこう。

 

~~上海着替え中~~

 

「ど、どうだ?」

小さな執事服を着た上海が言う。メイド服Ver.もあったのだが、何故かちょっと高かったのでやめた。

「おぉ~!!結構似合ってるじゃん!!」「.........」

上海はそれを聞くと、照れくさそうに笑う。メリーはうるさいので気絶させておいた。仕方ないね。

「これで外への外出も大丈夫になったね。」「私は少し恥ずかしいのだけど.....」

とりあえず一枚写真を撮る。

それに気づいた上海は顔を赤くし、顔を手で覆う。

可愛い。執事服だけど可愛い。もうあれ、表現出来ないほど可愛い。

知らずの内ににやけていたらしく、いつの間にか起きていたメリーがこちらを蔑んだ目で見てくる。

「やっぱり蓮子は私より.....うぅ.....」

やめろ、泣く演技をするな。こっちをチラって見るな。

「わ、私のあの写真は消しておけよ!!と、とりあえずこの服を来た理由は分かった!そしてこの服も納得する!!で、でも.....」「「でも?」」「送り返すのだけはやめてくれ...」

上目遣いで頼んでくる。ちょっと涙目...顔も恥ずかしさで真っ赤.....執事服.....上目遣い.....涙目.....顔真っ赤.....執事服.....

 

興奮した私の頭の中で同じ言葉が繰り返される。あーやばい、鼻血出てきた.....しかも出てはいけない量出てる.....意識が遠のいていく.....

途切れる意識の中私は最後の力を振り絞り、一言呟いた。

 

「あぁ.....幸せだ.....」




ギリギリ毎日投稿間に合いましたね.....危なかった.....


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番外編6 お気に入り50人突破したので、小説リレー(ぼっち)

50人突破したので何かしたいですね~.....小説リレーでもしましょうかね。
一緒にやる人いないから一人でやりますか~.....

お題は.....50人突破と言うことで上海が祝福される話。で、全部で文字数は1000文字まで。
参加者は
私→自分→ルシャルシャ→黒P
この4人です!!豪華メンバーですね(白目)
それじゃあ.....スタート!!.....悲しくなってきた...

上海可愛い


[私さんの部分]

朝、眠い目擦りながら玄関に出る。

ポストを開けてみると、1通の便箋が入っていた。

家に戻り手紙を開けてみる。中には3枚の紙が入っていた。

1枚目

「紅魔館は最後が」

2枚目

「最初は博麗神社」

3枚目

「50人おめでとう!!」

その3枚だった。

最初は何を書いてあるのか分からなかったが、きっと暗号かなんかだろう。

「まぁ、ここに行けって事だろうな.....」

めんどくさいが仕方なく行く準備をする。いつもの服に着替え、ランスを背負う。飴玉を1粒口に入れ、玄関口に立つ。

ここから上海のめんどくさい1日が始まったのであった..

 

[自分さんの部分]

最初は博麗神社と書かれていたので、博麗神社に向かう。

道中で絡んできた妖怪達はみんな地面に埋めておいた。本読み妖怪もいたような気が...

[博麗神社]

「お~い!博麗の巫女は居るか~!」「叫ばなくてもいいじゃない!うるさくて昼寝も出来ないわよ...」

と文句を言いながら博麗の巫女が奥から出てくる。

「手紙で呼ぶくらいだ、何のために呼んだ?」

「今日の宴会の手伝いをしてもらいたいんだけどいいかしら?」「え~...帰りますね」「賃金は出るけど?」「是非やらせて下さい!」

大切な友人の頼みだ、聞くしかないな。うん。

 

[ルシャルシャさんの部分]

[その頃紅魔館では]

「パチェ!!爆発オチのための花火を用意して!!」「むきゅ!!むきゅむきゅ!!」「今プリンは関係ないでしょ!?」

いつもの2人が言い争っていた。

それを眺めるメイド、十六夜咲夜は思う。(爆発オチなんだ.....)と。

「そこらへんの妖精メイド!!ちゃんと天窓開けておきなさいよ!!出ないと爆発するわよ!!」「「「はい!!お嬢様!!」」」「むきゅ!!むきゅ~!!」「「「はい??パチュリー様!!」」」

十六夜咲夜は思う(同じような文章でも、結構違うんだな~)と。

「あ、爆発する前に逃げなきゃ」

 

[黒Pさんの部分]

[なんやかんあって夜]

「尺も時間がないから宴会始めるわよ~!!」

博麗の巫女の言葉に会場から歓声が湧き上がる。

「今回は上海人形家出録の、お気に入り人数50人突破と言うことで!!カンパーイ!!花火上げろ~!!」「「「「「カンパ~イ!!」」」」」

みんな自分のコップを掲げ、乾杯していく。

私は真ん中の方で、静かにm〇nsterを飲んでいる。

ここまで来れたのは皆さんのお陰だな~...なんて思いながら紅魔館の方を見る。

紅魔館は爆発し、真っ赤な炎を上げていた。

「これからもよろしくお願いします」

虚空に向かって呟く




こんなクソ小説初めて見た.....
まぁ、これで伝えたかったのは[お気に入り50人突破致しました]って事です!!本当にありがとうございます!!
そしてこれを読んでくださっている方々!!こんな深夜テンションMAXで書いた文章を読んでいただき、ありがとうございます!!
これからも上海人形家出録をよろしくお願いします!!


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五十六体目 上海達とメリー特性カレー

今回は食事中に見ると不快な思いをされる方がいるかもしれません。ご注意ください。

上海可愛い


[メリーの家~上海side~]

「暇だ.....」

蓮子が気絶している間、何もすることが無い...2時間ほどずっとメリーは暇そうにテレビを見ているし、私は机の上でただ立っている。

ついさっきまでは世話ーるくんをいじって、動けるようにしたのだが.....3歩歩いたところで首が取れて動かなくなった。

ここまでポンコツなのをよく売る気になったな、と意味のわからない感心をする。

 

きゅぅぅぅ.....

可愛らしいお腹のなる音が聞こえる。音の発生源はメリーのようだ。

「お腹空いたわね。」

恥ずかしがるわけでもなくメリーは呟く。確かに....世話ーるくんを待っている間にハンバーガーと言うのは食べてしまった。

「ねぇ上海さん。料理作るから手伝ってもらえる?」

首を後ろに向けながらそう聞いてくる。少し悩んだ後、コクリと頷く。

「んじゃ、今日の晩御飯は簡単にカレーね。」

そう言いながらメリーは台所に向かう。私はその後を追う。

 

[メリーの家・台所~上海side~]

綺麗に整った台所。レストランの厨房なんかより綺麗じゃないか?と思えるくらいだ。

メリーは鍋を出したり包丁を出したりしていた。私は食材を運んだり、まな板を出したりしていた。

食材は、玉ねぎ、人参、牛肉、カレールー、納豆、秋刀魚、チョコレート.....などなど最初は普通の材料だったが、途中からおかしくなって言った。二日前買ったものを冷蔵庫に入れていたらしいが.....腐ってないか?

「上海さん、私秋刀魚切っておくから他の材料切っといて。」「分かった。」

秋刀魚は一体どうするつもりなのだろう.....まさかカレーに...そんな事ないか...

 

私は黙々と野菜などを切っていた。途中、ブロッコリーや鷹の爪があった。新しい味付けか?と思ったが.....切ろうと思っていたものに[シュールストレミング]があった時は、「あ、これだめだ。絶対不味い物が出来上がる」そう思った。ちなみにシュールストレミングは静かに足元の棚に入れておいた。

 

.......背後からチェーンソーみたいな音が聞こえたり、明らかにおかしいくらい部屋の温度が上がったり....色々あって、カレーが完成した。

完成したと同時に蓮子が起きた。その顔は苦悶の表情だった。

そして私にはその原因が分かっていた。私も同じ顔をしていただろう。

その原因とは...もちろんメリーの作ったカレーだった。正しくはカレーのような謎の物質だ。

 

色はもちろん紫。臭いはこの世のものとは思えない程の恐ろしいもの。カレー?の中からは秋刀魚が頭を覗かせている。

メリーは平然としているが、私達2人はその臭いになんとか耐えている。これが[立っているのがやっと]って状態だろう。

「あ、おはよう蓮子。晩御飯できたから食べよ?」

すっごい可愛らしい笑顔でそう言いながら、各自の皿にカレー()を注いでいく。

全員の分を注ぎ終わると同時に、カレーを掬っていたお玉が溶けて無くなる。皿は溶けなかったが、カレーの下の白飯は蒸発した。

「さぁ、召し上がれ♥」「「い、いただきます」」

どっちも笑顔だが、私達は引きつった笑顔で言う。

スプーンで掬うってみると、秋刀魚の頭とカレーが付いてきた。蓮子の方を見ると、バナナの皮が入っていたようだ。

顔を見合わせ同時に口に入れる。

口の中で広がる甘すぎるカレー.....喉を通るのを邪魔する納豆...ただ苦いだけの秋刀魚の頭.....それが絶妙なバランスで奇跡の味を醸し出していた。

一言で言うと.....地獄だった。

どんな人間もあれ以上不味いものを食べたものはないだろうと言うくらい不味い。

 

~蓮子&上海食事(拷問)中~

 

何度も吐きかけながら完食した。

「「.....ご馳走様でした...」」「お粗末さまでした~」

胃の内容物を抑えながらメリーの皿を見ると...

「少しも.....減っていない...?」

メリーは不思議そうな顔をしながらこう言う。

「あんな不味いもの、私食べられないもの。にしても良く食べれたわね♥」

 

2人は盛大に吐きだしたとさ。




皆さんもメリーカレー作ってみてください!!きっと死にます(笑)


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五十七体目 蓮子とグダグダの朝

あれ?いつの間にか寝てた?って0時回ってるし.....
.....諦めて二話投稿するか...

上海可愛い


[メリーの家~蓮子side~]

朝、起きる。眠い目を擦りながらリビングへ行く。

昨日のカレーの臭いがまだかすかに残っていている。

まるで悪夢のような晩餐だったな...

そんなことを思いながらトーストを作る。

食料棚から食パンを三枚取り出し、トースターに入れる。

しばらく焼くと美味しそうな匂いが漂ってきた。すると匂いに釣られてメリーが起きてくる。

「美味しそうな匂いね」「あなたの作ったカレーよりは美味しいわよ?」「えぇ、そうでしょうね。あんなもの食べれる人を私は尊敬するわ」

2人とも皮肉をたっぷりと込めて言葉をぶつける。

「2人とも朝から仲が良さそうだな。」

上海が床下から顔を出す。どこで寝ていたのだか.....

「あなた床下で寝ていたの?」「私はちゃんとベッドで寝ていたぞ?」「じゃあなんでそこから出てきたんだ?」「.......何でだろ...」

何でだろって...適当過ぎる上海に少し呆れる。

そんな事を話しているとトーストができたようだ。

私はトーストを取り出し、3人それぞれの皿に乗せる。バターをたっぷりと塗り、その上から砂糖を振りかける。

これがいわゆるシュガートーストというものだ。もちろんメリーのには塩を振りかけておいた。

「「「いただきます」」」

それぞれトーストを頬張る。私と上海は顔をほころばせる。メリーは.....

「っっっ!!しょっぱ!!何これ!?しょっぱ!!まるで蓮子の(ピーーー!!)みたいにしょっぱい!!」

突然の変態発言に思わず吹き出しそうになってしまった.....

「今は食事中だぞ...少しは静かにしたらどうだ?」「いや、めっちゃしょっぱいもん!!」

静かに注意する上海にメリーが反論する。

私は黙々とトーストを食べながら2人の会話を聞いていた。

 

3人ともトーストを食べ終わり、私は出かける準備をする。今日は特に予定は無いが、町中をブラブラしよう。そう決めていた。

「ねぇ、上海。私は適当に出かけるけど一緒に来る?」「この格好は恥ずかしいが、お供させてもらおう。ついでに電気店などにも寄ってくれるとありがたい。」「荷物持ってくれたらいいわよ。」「.....昔寺子屋の教師にも似たようなことを言われたな...」

何か上海が言ったような気がしたが.....まぁ、いいだろう。

「蓮子も行く?」「え?うん。」「それじゃあ決まりね。今日は買い物に行くわよ~!!」「「お~...」」

2人ともテンションが低いが、起きてすぐだから仕方ないだろう。そう思っておこう。

 

こうして楽しい楽死い買い物が始まったのであった。




次の回はスグにでも...


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五十八体目 上海と欲しいもの

そう言えば今日アニメイトに行ったんですよ。そこで東方のポスターを買いました。中身は宮古芳香でした。
これも何かの縁と思う.....いつか本編に出してやろう...

上海可愛い


[電気屋~上海side~]

蓮子達の買い物は、はっきり言って面白くないのでバッサリカットさせてもらった!!要望があれば番外編として出します。ってメリーが言ってた。

 

電気屋に来た私は目をキラキラ光らせていたであろう。そこには見たことのないような機械が所狭しと商品棚に並べられていた。

 

最初は洗濯機コーナーに向かう。見たことの無い形の洗濯機が置いてある。だが私の欲しいものは無かった。

 

次にテレビコーナーに向かった。テレビの中のものを少しだけ味わえるというハイテク技術だった。でも私の欲しいものは無かった。

 

最後に電話コーナーに行く。ブレスレット型で、液晶は空中に浮き出るものとなっている。しかも他人からは見えないという.....なんというか...ほぼチートのような機能も付いている。それでも私の欲しいものは無かった。

 

少ししょんぼりしながら電気屋を出る。後ろに付いてきていたメリーに聞かれる。

「どうしたの?元気ないけど...」「実は...私の欲しいものが無かったんだ.....」「欲しいものって何?見つけるの手伝ってあげる!」「本当か!?ありがとうメリー!!」

そこですかさず蓮子も会話に入ってくる。

「私も手伝ってあげるわよん!!」「蓮子...ありがとう!!」「それで欲しいものって?」「あぁ!!ハイテクな最強の兵器が欲しい!!」「「.....ん?」」

2人とも頭にハテナを浮かべる。

「そう言えば...」「そんなこと言ってたような.....」「.....ダメか?」

目をうるうるさせながら聞いてみる。2人はまるで懐中電灯を顔に当てられたかのように手で顔を覆う。

「やめてくれ!!上海の涙は眩しすぎる!!」「目がぁぁぁ!!目がぁぁぁぁぁ!!」

片方は某天空の王みたいな事を言い出した。それからしばらく見つめていると

「分かった!!降参だ!!だからその目をやめてくれ!!」「教授~!!助けて~!!」

教授という聞きなれない言葉に反応して、うるうるの目をやめる。

「教授とは一体誰だ?」「教授は私達秘封倶楽部の協力者よ。」「教授は色々な研究していたからな~...多分兵器もあるだろう。前は[可能性空間移動船]とか言うの作ってたもんね~...」

話を聞くとどうやらとんでもない人物のようだ。

「そう言えば教授、教授って言ってるけど本名は?」「教授の名前は.岡崎夢美」「ただのオカルトマニアの大学教授だよ。」「今からその人に会いに行きたい!!」

 

そんなこんなで私達は岡崎夢美とやらに会いに行くことになった。




次回!!まさかの教授参戦!!(知識不足のためおかしい所も多々あり...)


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五十九体目 上海と岡崎教授

岡崎教授参戦!!
キャラがおかしくても許してください(上海が)何でもしますから。
ていうか旧作の性格って難しくないですか?

上海可愛い


[某大学~上海side~]

ここは某有名大学。大人の事情で名前は伏せさせてもらう。

私達は今、岡崎夢美とやらを訪ねてここに来た。私は初対面なので、どんな人かと言うので少しウキウキしている。

「そう言えばどこで待ち合わせしているんだ?大学のどこかだろ?会えるのか?」「ふっふっふ.....そこはご心配なく!!」「待ち合わせ場所は決まっているもの」

と言いある扉の前に立つ。その扉にはデカデカと[秘封倶楽部]の文字が書かれた貼り紙が貼ってあった。

「ようこそ神秘の研究所へ!!」「ここが待ち合わせ場所よ」

と言いながら迷いなく扉を開ける。少しは心の準備をさせてくれてもいいのに...

 

[秘封倶楽部本部~やっぱり上海side~]

部屋に入ると古本のあの匂いが漂ってきた。内装は真ん中に長机が置いてあり、椅子が二つずつ。それと部屋の奥にPCデスクと立派なリクライニングチェアがあった。

そしてそのリクライニングチェアには全身赤い服装の人が座っていた。

「教授~話してた上海連れてきたよ~」

リクライニングチェアを一回転させ、教授がこちらを向く。

その顔は綺麗に整っており、好奇心で満たされた表情をしていた。

「君が上海かな?おっとすまない!!名乗る時はまず自分からだったな。私の名前は岡崎夢美、天才科学者と思っておいてくれ。」「私の名前は上海・ザ・マキシマム・ルノール・ピカ二ティック・上海です。」「そんなに名前が長いのか!?実に面白い!!」「冗談ですよ。」

少し冗談を混ぜながら自己紹介を済ます。ていうか自分で天才科学者って言うのか.....

「さて、ここに来た要件は聞いているが...あえて聞こう、私に何の用だ?」

その質問をする時、教授の目が光る。何かこの質問に意味があるのだろう。まぁ、ここは素直に答えておくか。

「あなたの持っているハイテク兵器が欲しくて来た。」「ほう.....」

教授はそれを聞くと満足そうに声を漏らす。

「何故それを欲しがる?」「元の時代に戻ったら、こんな事になった原因をぶん殴る為だ」

それを聞いた教授は顔を伏せ、肩を震わせる。

何か気に触る事でも言ったかと思い謝罪の言葉を述べようとすると

「フハハハハハ!!!!面白い!!素晴らしいアイデアだ!!気に入ったぞ!!」「え?あ、そりゃどうも.....」

いきなり笑い出すので驚いてしまった。

教授はしばらく笑った後、とある提案をしてきた。

「君のような面白い人は久しぶりだ、この秘封倶楽部も面白いがそれと同じくらい君は面白い!!私の持っている兵器が欲しいと言ったな、好きなだけ作ってやろう!!好きなだけくれてやろう!!」「え?でも見返りとか.....」「それは今から言う。そうだな.....私と友達になってくれ!!」

一瞬言葉の意味が理解出来なかった。そこにすかさず蓮子が小声で説明してくれる。

「あのでも...言いにくいんだけど...教授友達いないんだ...」「.....あぁ、なるほど...そういう事か...(理解していない)良いですよ。友達になりましょう。」「え?良いの?Foooooooooooo!!!!」

歓喜のあまり発狂しする教授を眺めながら思う。

こんな奴が天才科学者なのか?と.....




教授はボッチだったんですね.....私はいるのかって?.....いますよ?友達くらい.....グスッ...


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番外編7 リクエストFive Nights at Freddy's

結構前に貰った案の中にFive Nights at Freddy'sのフレディとの絡みをリクエストされていましたので、今回やらせていただきます。
ゆるーく行きたいですね。

上海可愛い


[Five Nights at Freddy'sゲーム内・警備室]

「なんだ最近の若いのは...儂の走りにも反応できないとは...」「Foxy先輩が早過ぎるんですよ」

人の首を持った茶色の狐の人形と、黄色いアヒルの人形が会話をしている。

「それにしても最近Foxy先輩が1人で片付けちゃうので、僕達の出番が減ってるんですよね~...なんでそんなに張り切ってるんですか?あ、それください」「ほらよ。ん~...張り切ってるん理由か~...あいつがいなくなったからかな...」

生首を渡しながら語り出す。

「あいつは儂のいいライバルだったんだけどな...」「Golden Freddyさんの事ですか?数ヶ月前にいなくなった」「あぁ...あいつは儂でも追いつけなかった.....」「確か...どこいったんですっけ?なんか人形を探しに行くとかで...」「日本という国に行った...置き手紙だけ残してな.....勝ち逃げは...ズルイだろ...」「僕も会いたかったなー.....」

 

[日本・幻想郷in上海の家]

ここは幻想郷...忘れ去られたものがたどり着く場所...そこの一角に家を構えるもの...その名は上海...

過去に幻想郷を救った救世主なのだ...だがこれ以上はネタバレになるからやめておこう。

そんな話は置いといて...

今は全てが寝静まる丑三つ時...上海はゆっくりと自分のベッドで寝ていた。

 

 

「むにゃむにゃ...カレーパンに...秋刀魚は美味しいよ.....」

変な寝言を言っていると[カチャン...]と皿を軽くぶつけたような音が聞こえた。

その物音に気づいた上海は目を覚ました。まず周囲を見渡し、安全を確認する。

安全を確認した後、どこから音が聞こえたのかを調べるため歩き回る。

玄関を探したり、キッチンを探したり...でも何も見つからなかった。

「気のせいだったのかな...」

と言いながら上海は自分の部屋に帰ってゆく。

自分の部屋に入ってすぐ正面に窓が見える。その窓には金色の熊の顔がへばりついていた。

それは上海を見つけると嬉しそうに口を開け閉めして、窓を開けようとする。

上海は素早くカーテンを引き、自分の部屋の扉を閉める。

「.......クソ作者めでも...また番外編か...なんでいつもこんな目に.....」

とブツブツ独り言を言いながら枕元にある小型ディスプレイに手を伸ばす。

電源を入れると自分の家の各部屋の様子が映し出される。そう、この世界に相応しくない監視カメラだ。

「この前香霖堂で買っておいて正解だったな...」

そう言いながら1つ1つの部屋を見ていく。

どこも窓は開いておらず、侵入できそうな場所は一つも無かった。

最後に自分の部屋の前の廊下を映し出す。すると.....

「なんで扉の前に居るんだよ.....」

薄らと体の透けた金色の熊が 、扉の前に立っていた。

監視カメラを、ガッツリ見ながら喋り出す。その声は扉の中にも聞こえてきた。

「あの.....ここは上海という人形の家でしょうか?」

意外にも丁寧な訪ね方に少々驚く。こんな見た目なら、(コロシニキタゾ...)とか言いそうなのに....

「要件はなんだ?手短に頼む」

とりあえず聞いてみる。するとさっきより穏やかな口調で答えてくる。

「えっと...私、Five Nights at Freddy'sというゲームで適役をさせて貰っているGoldenFreddyと言うものなんですけど.....上海さんのように自我を持ち、動ける人形は少ないので.....あの...今度私達の店の後輩に、人形としての基本を教えては頂けないでしょうか?」「はぁ?えっと.....つまりは...動ける人形の先輩として基本を教えに行って欲しいと?」「はい!!お願いします!!あなたしかいないのです!!」

凄く無茶なお願いをされた気がする.....とりあえず幽霊は嫌いなので、お引き取り願いたいのだが...いい言葉が思い浮かばない。

「もちろんタダとは言いません!!こちらも滞在期間+前後の2日は、衣食住などのサポートを用意させて頂きます!!なのでどうか!!お願いします!!」

扉越しでもその必死さが分かる程感情を込めて頼んでくる。私はそれに心を動かされたのかもしれない。

「.........ハァ...分かりました...引き受けましょう...あなたの本気には負けました...」「ッ!ありがとうございます!!」

その頼みを引き受けた。

「とりあえず部屋に入ってきてくれ、細かい話がしたい。」「分かりました!!失礼します!!」

そう言いながら金色の熊が入ってくる。

その姿は薄汚れていて、The(金色の熊の)幽霊だった。

私は幽霊は嫌い...と言うか苦手なので、気絶してしまった。

 

 

目が覚めると朝だった。ちゃんと自分に布団がかかっている所を見ると、昨晩のあれは夢だったのだろう。少しホッとする。

「あ、目が覚めましたか!!もう昼ですよ、ご飯を作らせてもらったので食べてください!!」

と言いながら部屋に入ってきたのは、可愛い熊の刺繍が入ったエプロンを付けた昨晩の金色の熊だった。

私は恐怖と驚きの混じった声でこう叫んでしまった。

「ベアぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

その日、幻想郷中に上海の謎の叫び声が響き渡ったらしい...

 

結局上海はその依頼を受け、その後輩達が待っている店に向かったが、それはまた別の話.....




こういうのってオチに困りますよね(笑)夢オチは前使ったんでね...

ちなみに時間設定の方ですが、本編の後の話となっております。

そう言えばリクエストにはFreddyと書いてあったのに、Golden Freddyで良かったのだろうか.....

好評なら続きます(笑)


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六十体目 上海とあの指輪

また風邪を引いてしまいました(笑)雨の中、傘を忘れたからだろうな~.....皆さん出かける時は傘を忘れないように.....へっくしょん!!

上海可愛い


[秘封倶楽部本部~蓮子side~]

発狂する教授とその様子を引きながら見ている上海。それを見る私とメリー。カオスな状況だな。

「ねぇメリー、私達ってここに必要?」「.....お昼ご飯でも食べに行きましょうか」「賛成。」

と言うことで上海達を置いていこうと、外への扉に手をかけると

「ちょっと待ってくれ!!私を置いてかないでくれ!!」

と上海がストップをかけてくる。

「お友達の2人でゆっくりしていれば?」「今回ばかりはメリーの言う通りね。」「そ、そんなぁ...[こんなの]と一緒にいろって言うのか!?」「こんなの?.....」

[こんなの]と言う言葉に反応し、教授が動きを止める。

「こんなの.....フフ...私はこんなのか.....こんなの程度なのか.....フフ...」

涙を流しながら独り言を言い出す。

この前街で、通りすがりの子供に「妖怪赤ババアだ~!!」って言われた時は悲しみのあまり気絶していたな~...

まぁ、教授は紙メンタルって事だ。

 

「教授とりあえず私達昼ごはん買ってきますので」「それでは、また」

と言い私達は最悪の空気の部屋から逃げ出す。

上海は罪悪感で動けなかったようで、オロオロしていた。まぁ、今は2人だけにしてあげよう。

 

[秘封倶楽部本部~上海side~]

あの2人...私を置いていきやがった.....

ボロボロと涙を流している人と同じ部屋に置いていくなよぉ...正直いってここから逃げしたい...

「.......あの2人はいなくなったな?」

いきなり教授が喋り出す。さっきのような弱々しい口調ではなく、機械のように淡々とした口調だった。

「お前は幻想郷から来たのだろう?」「え?はい...そうですけど...」

つい敬語になってしまった。

「なら頼みたいことがある」「また頼み事ですか?私が得することがあるんですか?」

少し間を置いてから教授が答える。

「ある。お前が必要としているもの全てをくれてやろう」「何でもか?」「もちろんだ」

何を言ってるんだこいつ。いくら何でも出来るわけないだろう。と言うかその頼み事ってなんだ?と思い質問してみる。

「その頼み事って...」「この指輪をある人に渡してほしいのだ。」

その指輪には見覚えがあった。が...どこで見たかは忘れてしまった...

「誰に渡せばいいんだ?」「.......パチュリー・ノーレッジと言えば分かるか?」

思い出した。上海人形家出録・五体目に釣り人から奪って、パチュリー・ノーレッジに返した指輪だ。

「何故それを持っている!!」「そうカッカするな。これは私の物だ。これを君に託す。それを君は渡せばいいだけだ。質問は受け付けない。」

と言い指輪を押し付けられる。

ふざけるな!!と叫ぼうとするとちょうど蓮子達が帰ってきた。

「ただいま~、ハンバーガー買ってきたよ~...って教授立ち直ってる~」「ちょっとメリー!!持つの手伝ってよ!!」

荷物を蓮子に持たせたメリーが楽しそうに帰ってくる。そして蓮子は、荷物を持たないメリーに怒っている。

「わ~い、ハンバーガーだ~!!」

と教授が蓮子の持っている袋を漁り出す。

「ちょっ!!置いてからにしてください!!」「チ~ズバ~ガ~だ~!!」

袋の中からチ~ズバ~ガ~を取り出し、嬉しそうに食べ始める。

私は蓮子の持っている袋を受け取る。

「ありがとう上海。」「別にいいよ。困っている時はお互い様だろ?」「あぁ~...メリーもこんなに優しかったらな~...」

私は机の上に袋を置きながら、中身を確認する。

昨日に引き続き、大人気チェーン店のハンバーガーだ。

私は中からビックバックとピクルス抜きのチ~ズバ~ガ~を取り出し、チ~ズバ~ガ~を蓮子に渡す。

 

私はビックバックを頬張りながら教授について考える。

一体何者なのか...と

ビックバック美味しい。




昔の話が出てきましたね。懐かしい...
あの頃はまだ文章も無茶苦茶だったのでいつか手直ししたいですね.....


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六十一体目 上海と新たな.....

勉強を徹夜でして風邪が酷くなり、投稿が遅れました。
しかもテストも近いので、投稿頻度が少なくなります。申し訳ない.....

上海可愛い


[秘封倶楽部本部~上海side~]

「いや~美味しかったね~...」「ね~...」

私と蓮子が片付けをしている横で、幸せそうな顔をした怠け者2人組がグダグダとしている。

「メリー手伝ってよ!!教授も!!ホラっ、まだゴミはありますよ?」「あ~...ホントだ~...蓮子~そこに落ちてるよ~」

こちらに「こいつらはダメだ」と蓮子が目で訴えかけてくる。そんな目されてもなぁ...

 

 

やっと片付けが終わった頃には、夕方になっていた。途中でメリー達がポテチを食べ出すから長くなってしまった。

「さぁ、片付けも終わったし.....」「帰りましょうか~」「もう帰るの~?んじゃ私も帰る~」

どうやら帰宅ムードらしい。ここに来た目的を忘れてもらっては困るなぁ...

「はいストップ。ここに来た目的を忘れてる。」「え?目的?」「そんなのあったっけ~?」「お昼ご飯食べることじゃない?」

蓮子、メリー、教授の順で考えていく。が、誰1人分からないらしい。

「教授から新しい武器を貰うって話だよ......」「あ~...確かにそんなこと言ってた」「へぇ~...」「あぁ、そうだったな.....こんなんでいいか?」

と言いながら教授がポケットから何かを取り出す。

それは竹とんぼのようなものだった。

「分かるような気がしますが.....何ですかこれ?」「タケコプt「ストッォォォォプ!!」

全力でストップをかける。それだけはやってはいけない...

「え?何?急にどうしたの上海?」「そ、それだけはだめだ!!」「え~.....なんで?」「え?.....ほ、ほら...私って飛べるじゃん?.....要らないかな~...って...」「「「.....なるほど~」」」

どうやら全員納得してくれたようだ。もう少しで消されるところだった.....

「他のやつで頼む...なるべく安全なもので...」「安全な物.......あぁ、あれがあった。」

そう言いながらPCデスクの引き出しを探る。

そして取り出したのは赤くて丸い石。石仮面にスッポリとハマりそうだな.....

「これ何か分かる?」「それより石仮面はどこだ?それがあるって事はあるんだろう?」「石仮面はねぇ.....」

と言いながらゆっくりと歩み寄ってくる。嫌な予感がするなぁ.....

「お前だぁ!!!!」

と叫ぶと私の額に石を押し付けてきた。もちろん穴など空いてはいないが、痛い。ぐりぐりと押し付けられる度、頭の中に痛みが走る。

私は全力で抵抗するが、もちろん人形と人間。力の差は見ての通りだ。

10分ほどぐりぐりされていると、急に石の感覚がなくなった。

やっと終わったか...と思いながら教授から離れようとすると、体の感覚が変だった。

うまく自分の体を動かせないような...そんな変な感覚だ。

蓮子達の方を見ると大口を開けて驚いている。どこに驚く要素があるのだろう...

自分の足元を見てみると...でスラッとした足が私から伸びていた。

腕を見ると.....白く美しく細長い腕が見えた。

そして教授が姿見をドヤ顔で引っ張ってきて、私の目の前に置く。

私は自分の姿を見て驚いた。

 

そこには.....私に良く似た人間が...いや、[人間になった私]が映し出されていた。




頭痛が痛い.....上海...治してくれ~...(無茶ぶり)
次回は.....投稿できたら投稿します。でも1週間以内は確かです!!


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六十二体目 上海と進化

いや~.....風邪も治ってテストも終わったので、今日から投稿再開です!!

上海可愛い



[秘封倶楽部本部~蓮子side~]

あ...ありのまま今起こった事を話すぜ!

目の前で教授に石を押し付けられていた上海が突然消え、綺麗なドレスを着た人形のような人が現れた.....

な…なにを言っているのかわからねーと思うが 私も何をされたのかわからなかった…催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ.....

 

「誰だ.....こいつは.....」

 

ドレスの人が鏡で自分の姿を写しながら呟く。

すると教授が自慢げに説明しだす。

 

「ふっふっふ.....さっき君に埋め込んだ石は、私の発明品の内の一つでね.....埋め込んだものを理想の形にすることが出来るんだよ。」

 

「へぇー.....便利なもんだな...」

 

教授の説明を聞きながら、鏡の前でクルリと回るドレスの人。

さっきの教授の話を聞いてこの人が誰かわかった気がする...

 

「もしかして.....上海?」

 

「私が上海以外に有り得るか?」

 

「デスヨネー」

 

上海と言われたらそんな気もするが.....

身長は高く、私と同じくらいだろうか...肌は白く、滑らかで...顔は整っており、恐ろしい位の美人。服はいつもの上海人形の服をそのまま大きくした感じだ。

体が大きくなった分表情なども読み取りやすくなり、話しかけやすくなった印象だ。

 

「どうした?そんなに見つめられてはこちらも恥ずかしいのだが.....」

 

そう言いながら顔を赤くし、顔を手で覆い隠す。

(それはさすがに反則だろ!!)と心の中で叫びながら目を逸らす。

 

「ふむ.....可愛いというより、美しいの方が正しい表現方法だな...」

 

「そうね...モナ・リザ的なアレね.....ついつい目を逸らしてしまう的な...蓮子の反応には感心しないけどね...」

 

と、教授とメリーがコメントしている。

不意に

 

「そう言えばこの石って副作用とかあるの?」

 

と上海が尋ねる。

教授は少し考えてから喋り出す。

 

「そうだな.....この石は1日に4回まで、詳しく言うと24時間に4回までなら使ってもいい。ちなみに取り外し方はおでこに手をかざして、引っ張り出すようなジェスチャーをすれば取り外せる。逆に付け方は、石をおでこに埋め込むようにするだけ。メリットは身体能力の向上。程度の能力の永久付与、等など.....デメリットは1回装着してから1時間以上付けていると、使用者が頭から崩れ落ち爆発する。それと最初だけなんだけど、体の大きさに慣れなずに転んだりする。まぁ、それくらいかな?」

 

「長い、10文字以内で簡潔に」

 

「気をつけて使ってね?」

 

説明を聞いていたメリーが横で頷いてい.....いや、寝ている.....まぁ、私でも少々理解しにくかったからな.....

ん?確か程度の能力って言ったな.....

 

「程度の能力の永久付与ってなんだ?」

 

上海がストレートに尋ねる。

それに教授は思い出しながら言う。

 

「えっと.....確か...五つくらいあったような.....」

 

「何故そんなにあやふやなんだ?」

 

「それ貰い物だからなぁ.....説明忘れちゃったんだよな.....一つ目は確か.....手から温風が出る程度の能力だっけか?」

 

「ちょっと待て、その能力必要か?」

 

それは私も思った。そんな要らない能力つける意味あるのか?ていうか温風ってどれ位?

 

「必要だよ~.......髪を乾かす時.....とか?.....ごめんあんまり必要ないわ...」

 

遂に教授も認めた。要らない能力No.1に出てきそうだ。ちなみに私もメリーも能力を持っていて、私は[星を見ただけで今の時間が分かり、月を見ただけで今いる場所が分かる程度の能力]。メリーは[結界の境目が見える程度の能力]だ。

使えるかと言われたら.....使える方じゃないかな?

 

「もっとマシな能力はないのか?」

 

「確か二つ目は.....糸を操る程度の能力.....だったかな?」

 

「糸を操る?.......犬走.....いや、何でもない。糸を操るか...人形の私にピッタリの能力だな」

 

「ちなみに能力は石を付けてなくても発動できるよ。後、三つ目から先は覚えてないんだ...ごめんね」

 

と申し訳なさそうに教授が言う。

それよりさっき上海が呟いた[犬走]ってなんだろう?新しいお菓子メーカーかな?

 

「二つだけでも充分助かる。ありがとう教授。」

 

と言い上海は満面の笑みを浮かべる。

教授は[当然の事をしたまでだ]って顔をしている。

 

「それより今日はもう遅い、早く家に帰った方がいいだろう。」

 

そう言われ外を見ると、もう既に暗くなっていた。

 

「そうね...ほら!!メリー起きて!!」

 

メリーを叩き起し、メリーの家に向かい帰る。

ちなみに上海は既に石を取り外していた。

 

.....家に着いたらいい時間だろう。今日はもう遅いから晩ご飯は宅配の奴にしよう.......え?不健康だって?不良にそんなこと関係無いでしょ?




色々と上海が進化する回でした。

そう言えば、文章とセリフ等の間に一行挟んでみたのですが.....どうでしょうか?


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六十三体目 上海と忘れ物

皆さん好きなお寿司のネタは何ですか?私はイクラですね(笑)

上海可愛い


[メリーの家~蓮子side~]

リビングのソファの上で目を覚ます。

 

「確か昨日は.....家に帰ってすぐにピザ頼んで...それ食べながら寝たんだっけか.....」

 

机の上を見ると、ピザや飲み物の残りがそのまま置いてあった。

後でちゃんと食べようと思いながら周りを見渡す。メリーと上海が見当たらない。

メリー達はどこに行ったのかと思い、家中をくまなく探す。片付けの手伝いをしてもらわなければ...

1度リビングに戻り、家中に聞こえるようにメリーに呼びかける。

 

「メリ~?どこ~?早く出てこないとメリーのベッドの下にあったU・R写真集(R18)ってやつ捨てちゃうよ~?」

 

「ちょっと待って!?そういうのやめて!?ていうか何で隠し場所知ってんの!?」

 

と軽く叫びながら、台所の床下から這い出てきた。ていうかそんな所にスペースあったんだ。

 

「ねぇメリー、上海見なかった?」

 

「私が起きた時には既にいなかったわよ?それより隠してたやつの中身見たの?」

 

「見てないけど?それより昨日の片付け手伝ってくれる?」

 

「そっか~...見てないのか~...良かった~...って片付け?仕方ないわねぇ~」

 

「あれ?いつもなら「めんどくさいからやらな~い」とか言うのに。どうしたの?熱でもあるの?」

 

「今日は機嫌がいいのよ(U・Rが宇佐見蓮子だなんて地球が滅びても言えない.....)」

 

後でこっそり写真集の中身を確認しようと思いながら片付けを始める。

 

 

 

ピザの入っていた箱を退けると1枚の小さい紙が敷かれていた。

何か書いてあるがピザの油などでしわくちゃになり、ほぼ読めなくなっていた。

この紙はメリーが書いたのかと思い聞いてみる。

 

「ピザの下に紙が敷かれてあったんだけどこれメリーの?」

 

「知らないよ?蓮子の...じゃないよね、聞いてきてるし。」

 

となると残りは上海なのだが.....

突然居なくなった上海+何か書いてある紙=.....上海の置き手紙?

その可能性を考慮して、そこに書いてある文字を解読し始める。

 

「ねぇ蓮子~、読めた?」

 

「ちょっと待って.....えっとね、多分分かった。全部平仮名で書いてあるのが謎だけど.....ちょっと新しい体を慣らしてくる...かな?」

 

「へ~...上海も努力家だね~...でも無意味かな~?」

 

メリーが変なことを言い出す。

するとメリークルリと回ってこちらを向き、喋り出す。

 

「だってこの石忘れてるんだもん。」

 

「.......え?」

 

メリーの手には昨日の赤い石が握られていた。

 

「どこに置いてあったの?ていうか普通忘れる!?」

 

「ね~...まるで作者が学校から帰るときに色々入ってるカバンを忘れた時みたいだね~」

 

「その作者って誰か知らないけれど、その人も災難ね.......で、何の話だっけ?」

 

「蓮子も忘れっぽいね~.....」

 

 

上海は昼頃に忘れ物に気づいて戻ってきたとさ。




赤い石の呼び名、何にしよう.....


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六十四体目 3人とソーメンと緊急連絡

夜食を食べながら書いていると、集中力が途切れますね.....え?何食べてるのかって?カップラーメン(カレー味)です。
でも肌に悪いから止めないとな.....

上海可愛い


[メリーの家~上海side~]

全く...私としたことが.....あの赤い石を家に忘れるとは考えもしなかった.....

取りに戻ってきたが、もう昼過ぎになってしまった。これから戻るには遅すぎる.....

さて、どうしたものか.....とソファーに座りながら考えていると、蓮子が昼ごはんを作ってきた。

 

「上海~メリ~、ご飯できたよ~」

 

「今日のご飯は一体何で?」

 

「今日は夏らしくソーメンよ~」

 

「「わ~い♪」」

 

いつの間にかメリーが隣に座っていた。

蓮子はソーメンの入った大きなボウルを机に置き、それぞれの皿に麺つゆを注いでいく。

とりあえずご飯を食べてから考えようと思った。

私は冷蔵庫に向かい、中からワサビとカラシを取ってくる。二つともキンキンに冷えている。

メリーは.....ソーメンをつまみ食いしている。手伝ってくれると助かるんだがなぁ.....まぁいつもの事だ。

 

色々と準備が終わり、みんなが席に着く。

みんなで手を合わせて.......[とぉるるるるるる]

ちょうど電話が鳴る。鳴った電話は、リビングと玄関を繋ぐ廊下の真ん中に置いてある。

 

「ちょっと出てくる」

 

そういい蓮子が電話をとりに行く。

私はメリーがソーメンを食べようとするのを止めながら蓮子を待つ。

 

 

5分後.....

蓮子が走りながら戻ってきた。大慌てで出かける準備をしだす。この状況に置いてけぼりにされていた私は蓮子に何があったのかを聞いてみることにした。

 

「そんなに慌ててどうしたんだ?」

 

「おばあちゃんが倒れたって!!今すぐおばあちゃんの所に行かなきゃ.....」

 

涙を堪えて、準備をしながら言ってくる。

あんな元気な人が倒れるなんて.....寿命というものは恐ろしいものだ。

すると黙って話を聞いていたメリーが口を開く。

 

「私も行くわ。親友の為だもの、どこへでも行けるわ。私は役にたたないかもだけど、励ますくらいなら出来るわ」

 

「メリー.....ありがとう...」

 

「それじゃ私も行きますかね、2人には世話になったからな。後菫子殿にも世話になったしな。」

 

「上海.....うぅ.....」

 

「ほら、泣かない泣かない...絶世の美女のメリーさんが付いてるからね~」

 

と言いながらメリーが蓮子の頭を撫でている。自分の事を絶世の美女って言うのか.....

 

しばらく泣いて落ち着いたのだろう。起き上がり、突然ソーメンを食べ始める。

急にソーメンを食べ始めたので私もメリーも驚いている。

するとメリーが蓮子の横に座り、ソーメンを食べ始める。

流れに乗って、私も横に座りソーメンを食べ始める。

真ん中に蓮子、右にメリー、左に私だ。

みんな無言でソーメンを食べている。

その様子は今言うべきではないが、まるで葬式の様だった。




会長ぉぉぉぉ!!!!菫子の運命やいかに!!!!

次回!!菫子、死す!!デュ〇ルスタンバイ!!!!


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六十五体目 3人といつもの流れ

今更だけど秘封倶楽部編長いな.....まぁそろそろで最終回なんで良いかな.....あ、秘封倶楽部編がって事ですよ?

上海可愛い


[蓮子の実家までの道~蓮子side~]

私達は今おばあちゃんが倒れたと知らされて、おばあちゃんの所に向かっていた。

駅を抜けて、殺風景な道を全力で走っている。

ついさっきまで晴れていた空は、今にも崩れそうな曇りになっていた。

 

おばあちゃんの家が見えてきた。

どうか....間に合って.....

 

 

[蓮子の実家~蓮子side~]

 

「おばあちゃん!!!!」

 

と叫びながら玄関を勢いよく開ける。

 

玄関に入るとこちらにドヤ顔を向けて、腕を組んで立っている[教授]がいた。

後から入ってきたメリーと上海も教授を見て驚いていた。

すると教授はドヤ顔のまま話し出した。

 

「私が居て驚いたか?おっと、質問は後でな。さぁ、私がここにいる事を疑問に思っただろう?フッ、そんなに知りたいのなら教えてやろう!!まぁ慌てるな、菫子さんは無事だ。ハッ!!騙されたな!!」

 

.......ウザイ...ここまで人を怒らせる事が出来るのは、メリーとコイツくらいだろう。あぁ、殴りたい。凄く殴りたい。そのドヤ顔を血に染めたい。

 

「まずはそうだな.....私がここに来た理由を話そう。君たちが帰った後、その神社が気になり私はそこに向かった。着いたのは夜の.....12時くらいだったかな?神社の石段を登って神社を探した.....が、無かった。神社が無かったんだよ、あるべき場所に。そこにはただ何も無い更地が広がっていた。で、私は1度山を降りて近くの家を聞き込みをしようと思った。それでたどり着いたのがこの家、そこで話を聞いていると君たちの話が出てきてね。正直言って驚いたさ、適当に来た家が蓮子の実家ってのがね....あ〜あ、宝くじでも買ってみたら良かったな~.....」

 

「もう喋ってもいい?」

 

長い話に耐えきれず聞いてみる。大体こんな事聞く方がおかしいがな。

それを聞くと教授は、(-ε-〃)b゙ チッチッチッとウザイ反応をして話を続ける。

 

「それから私は菫子さんの家を拠点にあの神社のあった場所を調査し始めた。まぁ、その日は夜も遅かったからすぐに寝させてもらったがね。そして次の朝、私はもう1度あの場所に行ってみた。するとその場所に神社があった。何を言っているか分からないが私にも分からない。ので、君たちを呼んだ。菫子さんの了解を得てな。さて、ここまでの話で質問は?」

 

「「「とりあえず1発殴らせて貰っていいですか?」」」

 

そんなどうでもいい事の為に呼ばれたことに腹が立つ。そういうのは1人でやってくれ。

 

「ハッ!!どうして私が殴られないといけないのだ?私には理由が分からないなぁ?」

 

あまりにもウザかったため、私は玄関に立てかけてあった斧を取り構える。横を見ると上海がランスを、メリーがどこからかシュールストレミングを取り出して構えていた。

さすがの教授もこれには命の危機を覚えたようで、冷や汗を流している。

 

「ま、待て。慌てるな。その物騒なものを置いてくれないか?」

 

「蓮子、教授を取り押さえて。メリー、シュールストレミングの蓋開けといて。」

 

「「了解!!」」

 

私達は上海に言う通りに行動する。

私は教授を後ろから羽交い締めにし、メリーはシュールストレミングの缶の蓋を開ける。

そして上海はメリーからシュールストレミングを受け取り、教授の口に近ずける。

教授は口を固く閉じ、開けようとしない。

上海は容赦なく口を無理やりこじ開けてシュールストレミングを教授の口に流し込む。

 

教授の顔がみるみる青くなっていく、そろそろ胃まで行ったかと言うところで教授が気絶する。

気絶した教授を縄で縛り、玄関に吊るす。ついでにメリーが身体中に[正]の文字を書いた。

もちろん共犯であるおばあちゃんにも同じことをした。おばあちゃんだからと言って容赦はしない。

 

こうしておばあちゃんが倒れたのは嘘だと分かった。

私達は食堂に1度集まる。私とメリー、上海といつの間にか居た首だけ妖怪で座る。

 

「無駄足.....だったのかしら?」

 

「うん。結構な無駄足だろう。あ~.....この時間があればもうちょっと新しい体動かせたのにな~.....」

 

「にしても蓮子の行動力は恐ろしいわね.....決定が早いのかしら?」

 

「私も驚いたわ、いきなりあの変な赤いやつが電話で「菫子さんが倒れた」とか言い出したから.....さすがに騙される人はいないと思ったんだけど.....ねぇ?」

 

そんな会話をしていると教授が目覚めたようだ。玄関で騒いでいる。

後で棒で突っ切に行ってやろう。と思いながら窓の外を見る。

もう既に暗くなり始めている空を見ながら私はある計画を提案する。

 

「教授が言っていた話.....信じる?神社が無くなっていたって話。」

 

「私は信じないな~.....」

 

「私は見てみる価値はあると思うぞ?ついでに新しい体を動かしたいし.....」

 

「私はあなた達に任せるわ、こういうのは若い人がやる事だもの。」

 

「んじゃ、見に行くってことでいい?」

 

確認を取ると、みんな同時に頷く。

ということで私達は夜の神社に出かけるのであった。




あ、0時過ぎてる.....
最近リアルが忙しいからなぁ.....もうちょっと時間があれば.....


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六十六体目 3人と夜の神社

最近予定通りに投稿できない(´・ω・`)
1日が30時間ならなぁ.....

上海可愛い


[神社へと続く石段~上海side~]

あの神社への道はこの石段か、周りの険しい岩山を登るしかない。

私達は熊もいないので石段を登ることにした。少し前までここは熊が良くいる[でんじゃーぞーん]ってところだったらしい。

私はフワフワと宙を飛んでいるので分からないが、随分と足場が悪いらしい。

落ち葉などで次の段は埋もれ、コケなどで滑る。ついさっきもメリーが滑って落ちていった。まぁ、浮いているって言う理由で私はみんなの命綱役を買って出た。まぁ命綱って言っても全員の腰あたりにロープを付けて、そのロープを私が束ねて持つと言うだけの簡単なお仕事だ。

 

あ、そうそう。さっき全身に[正]って字を書いた変態が走ってきたのだが、生憎滑り落ちて行った。それだけならいいのだが.......メリーが追い打ちと言わんばかり泥団子を作り、下に投げていた。しかもちゃっかり手袋してやんの.....

ていうかロープを抜け出せたのは驚きだ...ていうか完全に身動きできないようにしていたのにな.....

 

 

 

[✕✕神社~蓮子side~]

まぁ、大体分かってはいたものの.....やっぱり神社はあった。少しでも期待してしまった私が馬鹿だった.....あんな教授の話を信用したからこんな無駄足になってしまったのだ.....

後で教授をネットオークションにでもかけておこう。そうだな.....300円くらいで売れるか?

 

そんなことを考えていると教授が石段を登ってきた。何故かその体は泥まみれだった。ナンデダロウナー

 

「君たち.....酷すぎないか?」

 

「何がですか?教授の嘘話を信じた私達の甘さですか?」

 

「違うよ!!私の扱いだよ!!」

 

「教授なんてそんなものですよ」

 

残る2人は強く頷く。教授が後ろで泣き崩れ落ちいているが気にしないでおこう。こういうのは気にしたら負けなのだ。

 

 

しばらく神社を探索したが前回来た時と変わらなかった。神社が消えていたりもしなかった。

教授は「アレレ~?おっかしいぞ~?」なんて言いながら神社の中をウロウロとしている。

結局私達はここに来たのは無駄だったと言う結論に至り、家に帰ることにした。

 

「撤退~.....」

 

「「アイアイサ~.....」」

 

「え?帰るの!?ちょっと待ってよ!!待ってください!!」

 

帰ろうとする3人に猛抗議する教授。教授はこちらに駆け寄り、後ろを向いて帰ろうとする私の肩を掴む。

 

「待っ____」

 

しばらく待ったが、この言葉の続きは聞こえなかった。

何故続きを言わないのかと思い、後ろを振り向く。

すると

 

 

神社が無かったのだ。神社のあった所にポッカリと小さい穴ができた感じで。

そして教授もいなくなっていた。私の肩を掴んだ右腕の肘から先を残して。




教授は.......いい奴だったよ.....


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六十七体目 3人といつぞやの手紙

前回の~あ~ら~す~じ~
教授が腕だけ残して神社と一緒に消えた。
以上!!

上海可愛い


[✕✕神社~蓮子side~]

教授の右腕は、私の肩をガッチリと掴んでいる。そしてその右腕は肘から先しか無い。

その腕は重力に従い落ちることもなく、血を吹き出すこともなく、ただ私の肩を掴んでいた。

 

私達はあまりの衝撃に声さえ出なかった。とりあえず動いてみたが、腕は私の肩を掴んだ形のまま動かなかった。

ゆっくりと触ってみる。触り心地は教授の腕そのもので、脈もちゃんと通っていた。

 

「ひとまず分かることは.....これは教授の腕で、生きているって事ね.....」

 

「すまない.....私お化けとかの類は苦手なんだ.....」

 

「能力を使っても何も見えないわね.....」

 

メリーは能力を使って、周りを見ているが何も見えないらしい。

とりあえず私も能力を使ってみるが.....

 

「.....今の時間は12時1分.....教授と神社が消えたのが大体1分前だから、12時ジャスト.....」

 

「確か教授が神社を訪れたのも12時くらいって言ってたな.....」

 

ここから考えれるに[12時に神社とその周辺ちょっとが無くなっている]って事が起こっている。毎日かどうかは分からないが、昨日教授がここに来た時は起こっていた。

この神社が消えるのにも理由があるはずだ.....考えろ.....神社に関係しているもの.........

 

「そう言えば.....」

 

メリーが口を開く。こういう時は大体関係の無いことを言うのだが.....

 

「上海がこの上海にいた時はどうだったの?」

 

予想外だった。メリーがそんなことを言うのも、上海に着目するのも。

すると上海が

 

「私は箱の中にいたからなぁ.....外の様子までは分からないし、この神社が消えた感じもしなかったしなぁ.....」

 

と申し訳なさそうに言う。これじゃ何も進まない.....教授がどうなったかも分からないし、上海を過去に戻すこともできな.....

 

「あ、思い出した.....」

 

「何を?」

 

「ここの神社の事。時間の流れがおかしいって上海を閉じ込めていた箱に付いていた手紙に書いてた.....」

 

「あぁ.....確か.....0時から1時にかけて時間の.....何かがなんかするんでしょ?」

 

「メリー、覚えていないなら無理しないでいいんだよ?」

 

とりあえず時空の歪みが何とかかんとか.....

時空の歪みってメリーの能力で見えないのかな?ってさっき見えないって言ってたな.....

あ、思い出した。時空の歪みに衝撃を与えるんだっけ?あの手紙どこやったっけな.....




いつかの手紙ですね。あの手紙どこにあるんでしょうかね?


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六十八体目 上海達と綱引き

1日サボってしまいました、楽しみにしてた方がいたらすいません。いや~...色々あるんですよ...

上海可愛い


[✕✕神社跡~上海side~]

色々と考えたが手紙の内容を思い出すことが出来ないで、しばらく経った。

私とメリーは飽きてしまい、メリーの持ってきたシュールストレミングを供え物に見立てて遊んだり...私の持っていた命綱でハンモックを作ったり...地面に落書きしたり.......とりあえず遊んでいた。

真面目に考えて上を向いている蓮子には悪いが、思い出せないのなら諦めたらいいのに.....でも秘封倶楽部のプライドもあるのかな?

な~んて考えていたら、メリーがまたカバンから紐を持ってきた。どっちかと言うとロープだ。

どうやら綱引きをやりたいようだ。こいつは子供か?

しかも神社の跡を間に挟んでやるらしい。少し本気を出してやろう。

赤い石を付け、ロープの端を握りしめる。こっちの姿の方が力は強い。

もう片方のロープの端から、メリー叫ぶ。

 

「それじゃやるよ~!!」

 

「準備オッケ~!!」

 

「「せ~の!!!!」」

 

「メリー!!上海!!1時だ!!!!」

 

蓮子がいきなり叫ぶと同時に、持っていたロープが抵抗もなくこちらに飛んでくる。

私達は抵抗が無かったため勢いよく後ろに吹き飛ぶ。

どこかで聞いた話だが、綱引きのロープを両方から全力で引っ張っている途中にロープが千切れると、行き場を失くした力が戻ってきて腕が吹き飛ぶらしい。

私達はお互い力様子見をするべく力を込めていなかったのか、腕が吹き飛ぶという残酷なことは起きなかった。

 

私はロープの抵抗が無くなったことを不思議に思い、尻餅をつきながらロープを目でたどる。

ロープの先はメリー.....ではなく、切れ味の良い刃物で切られたようなロープが落ちていた。

そしてその先には.....さっきまで無かった木の壁ががあった。それが神社の壁だということに気づくのに時間はかからなかった。まるで最初から何事も無かったかのように神社があるのだ。

 

「メリ~!!上海~!!とりあえずこっち来て~!!」

 

神社の向こうから蓮子の声が聞こえてくる。神社の上に飛んでその声の方に見ると、神社の入口あたりで蓮子が立っていた。その足元には消えたはずの教授が横たわっていた。腕もちゃんと付いていた。

 

蓮子の近くに降りてくると、メリーも石段を登ってきた。どうやらメリーは後ろに吹き飛び、石段を少し転げ落ちたようだ。

 

「蓮子、何があったんだ?」

 

「なんで私は階段から落ちなきゃいけなかったの?」

 

「何が起きたかは分からない。が、1時ちょうどにこの神社と教授が現れたのは事実。ここから推測するに、0時から1時にかけてこの神社は消える。そして1時ちょうどに戻ってくる。何故教授の腕が浮いていたり、神社と一緒に戻ってきたかは謎だ.....」

 

「ま.....待って.....」

 

倒れていた教授が声を出す。どうやら生きているようだ、しぶとい奴め.....

 

「私は.......あちらの世界を.....見た.....」

 

「あちらの世界.....?」

 

「......やめろ...来るな!!.....助けてくれ!!.....うぁぁぁぁぁぁぁ.........」

 

教授は錯乱した様子で力なく叫び気絶する。

 

「これは一筋縄じゃ解けない謎ね.....」

 

蓮子がポツリと呟く.....




わ~い!!教授が帰ってきた~!!って様子がおかしい.....あ、いつもの事か。(納得)

あ、今日中には七夕の話でも出そうかな?


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番外編8 上海と七夕

皆さんは願い事とか書きましたか?私は幻想郷に住めますようにって書きました(笑)
ていうか今どき笹とか手に入るの?
※盛大な本編のネタバレあり
※下手な文章
※原作キャラが殴られます...申し訳ない.....けどギャグでとってくれると嬉しいな...
それが許せる人は...ゆっくりしていってね!


上海可愛い


[上海ハウス~上海side~]

上海は書斎で七夕の本を読んでいた。

上海の家は大きくて、上海1人では寂しいような気がするが.....

まぁ、上海は気に入っているようなので良いだろう。

 

さて、話を戻そう。

上海は1人で本を読んでいた。七夕の話を読み、感動していた。

 

「なんて素敵な話なのだろう.....」

 

七夕の話は各自で調べてほしいが、ザックリと説明しよう。

織姫と彦星って人がいてラブラブでした。神様ががそれにブチ切れて、2人の家の間に[天の川]と言う川を作った。だけど織姫が悲しんだので1年に1度だけ会うことを許した。それが七夕である。って話だったはずだ。

 

上海はその話を読んで感動した.....と同時にその神様に怒った。

 

「ふざけやがって!!別にラブラブでもいいじゃないか!!何が神様だ!!ぶっ殺してやる!!」

 

そう叫びながら上海は家を飛び出した。神を殺すために.....

 

 

[守矢神社]

 

「あ~.....いい天気だな~.....こんな日は参拝客でも来ないかな~.....」

 

緑の髪をした巫女が、暖かい陽気に照らされながら呟く。この後起きる悲劇など知らずに.....

 

「.......ぉぉぉぉぉ.....」

 

どこかから声が聞こえる。キョロキョロと周りを見渡しても誰もいない.....

 

「ぅぉぉぉぉぉおおおおお!!!!」

 

雄叫びを上げながら神社の石段を登ってくるのを理解する。

だが、ここは幻想郷!!理解した時点で遅い!!!!

 

勢いよく石段を飛び越えてきた上海に顔を殴られる。

名も知らぬ巫女を殴り飛ばした上海はここにいる神様を探す。

上海の考えはこうだ。神様をぶちのめそう→近くの神様のいる場所→守矢神社、って訳だ!!

 

「うぉぉぉぉらぁぁぁあ!!神様野郎出てきやがれぇぇ!!!!」

 

「早苗~?参拝客だぞ~?」

 

と言いながら神社の中からカエルの帽子を被った幼女が出てきた。

 

「お前は神様か!?」

 

「ん?私?」

 

と言いながらポーズを決める幼女。

 

「いかにも!!私は洩矢諏訪子!!祟r「神様なら死ねぇぇぇぇ!!」

 

セリフの途中にも関わらず、顔面にグーパンを食らわす。よく飛ぶぜ.....

吹っ飛んでいった洩矢諏訪子に近寄り本題に移る

 

「織姫と彦星を毎日会わせてあげろ!!!!」

 

「あーうー.....私は知らないよ~.....大体私はその2人には会ったことないし.....ていうかそれおとぎb「違うなら死ねぇぇぇぇ!!!!」

 

結局殴る。次は気絶させる勢いで殴ったから.......やっぱり気絶している。

 

「ここじゃないのか.....」

 

そう呟き次の目的地に向かう。幻想郷、七夕の悲劇の始まりである。

 

 

[永遠亭]

 

「えーりーん.......」

 

「何ですか?姫様」

 

「今日って七夕じゃん?」

 

「そうですね、織姫と彦星が会えるという素晴らしい日ですね。」

 

「七夕って願い叶うじゃん?だからPS4「ダメです」

 

姫様と呼ばれる人は(´・ω・`)と言う顔になる。

 

「頼もぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

とここからは見えない、玄関の戸が破壊される音と叫び声が聞こえる。

 

「ちょ、ちょっと!!ここ病気の人もいるの「うるせぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

鈴仙が声の主を止めらる声と、その鈴仙が殴られる音が聞こえる。

 

「安心しろ!!!!殴られたとしてもここは病院だ!!!!すぐ治る!!」

 

姫様にここにいるように言って、弓を持っ急いで玄関に向かう。

 

 

そこには無残にも破壊された玄関と殴り倒されて、気絶している鈴仙が居た。

 

「ん?お前は誰だぁぁぁ!!」

 

「私は八意永琳、この永遠亭で医者をしている者よ。あなたは誰?何をしにここにきたの?返答次第では撃ち抜くわよ?」

 

と言いながら弓を引く。すると相手は残念そうな顔をしながら名乗る。

 

「なんだ医者かよ.....殴れないじゃん.....私の名前は上海、織姫と彦星を毎日合わせるために神様をぶちのめしに来た....ついでに願いを叶えてもらうために.....んだけどここにはそこに行くための方法を知ってるんじゃないかと思って来た。」

 

「.......何を言っているかよく分からないけど...多分そういう事は紅魔館に行けばいいと思うわ。前に月にも行ってたし.....あ、そう言えば。それおとぎb「そうか!!紅魔館か!!分かった!!あ、そこの兎は悪かったな.....また今度詫びに来る!!」

 

と言いながら走っていってしまった。一体何だったんだか.....っと、鈴仙の治療しなきゃ

 

 

[紅魔館]

レミリア・スカーレットは優雅に紅茶を楽しんでいた。が、

 

「お邪魔しまぁぁぁぁぁぁぁす!!!!」

 

突然窓を割って入ってきた人形にその優雅な時間は止められる。

 

「ここにロケットはあるか!?私は宇宙に行きたいのだ!!」

 

「あら?上海じゃないの、久しぶりね。」

 

「ん?あ、お嬢さま!?お久しぶりです!!ここにロケットがあると聞いたので.....」

 

「あぁ.....ロケットなら前まであったわよ?でも宇宙に行きたいのならいい所を知っているわよ?」

 

「どこですか!?私は織姫と彦星を救わなくてはならないのです!!後私の願いを全て叶えてもらうために!!」

 

「八雲紫のスキマなら月にも行けるんじゃない?私の運命がそう言っているわ。」

 

「.....なるほど!!分かりました頑張ります!!それではまた!!あ、また今度紅茶入れに来ます!!」

 

と言いながら上海は別の窓を割りながら出ていった。

ん?何故おとぎ話って教えなかったって?.....面白そうだったから(笑)

 

 

[八雲家]

静かな昼下がり.....あったかい.....庭で橙と藍が戯れている。

こんな時間が永遠に続けばいいな.....と思っていると.....

 

「久しぶりだな八雲紫ぃぃぃぃぃ!!!!」

 

突然飛び込んできた上海人形に驚く。私達は面識があるのだが.....まぁそれは[本編(未来)]の話だ。まだ誰も知らない物語だ.....

 

「どうしたの?こんなところに来るなんて.....あなたらしく無いけど.....」

 

「実はな!!織姫と彦星を毎日合わせるために神様を倒しに行くんだ!!後私に世界の半分をもらいに行く為も!!」

 

「あぁ、今日は七夕だったわね。でもその話おとぎ話よ?」

 

「.................え?」

 

「おとぎ話よ?」

 

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?」

 

「あなたそういう所変わってないわね.....ほら、上を見て」

 

言われた通りに上を見ると、星が美しく輝いている空が見えた。色んな所を駆け回っていたので気づかなかったが、随分と時間が経って夜になっていた。

 

「昔の人が美しい星を見て、そういう話を考えたのよ」

 

「へぇ.......綺麗だな.....私はこんな美しいものを壊そうとしていたのか.......」

 

「家までは送ってあげるから、今日はゆっくりと星を見ていきなさい。」

 

私は満点の星空を堪能した。それはこれまでに無いほど幸せな時間だった。

 

「上海、お茶が入ったわ。」

 

「あぁ、ありがとう」

 

お茶を受け取り2人、縁側に座る。

 

「それじゃ...」

 

「「幻想郷にカンパイ!!」」

 

そのお茶は苦くも、どこか懐かしいような味だった。




続かないよ?
皆さんは星、見えましたか?私は興味無いので見ませんでした(笑)



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六十九体目 神社(その後)

8月31日
きょうはなにもないすばらしいいちにちだった。
これをやった人は少なくは無いはず.....

上海可愛い


[蓮子の実家~上海side~]

とりあえず教授を背負って山を降り、家に戻る。

 

教授を客間の布団に寝かせ、安静にさせる。

きっと明日には良くなっているだろう。

 

教授を客間に残し、みんな食堂に集まった。

メリーには八雲紫からの要望で、目隠しをしてもらっている。何故目隠しなんて.....

1通りの出来事をおばあちゃんと八雲紫に話し、2人の様子を見る。

 

「あっちの世界.....まさかね.....」

 

「心当たりあるの?」

 

「.....いや、知らないわね」

 

どうやら八雲紫は心当たりがあるのか、目が泳いでいる。

すると蓮子が喋り出す。

 

「とりあえずあの神社は、普通じゃないって事が分かった。それと、教授の言葉で別のどこかに行くということも分かった。ので!!」

 

と言い机を勢いよく叩く。

 

「明日には上海を元の時代に返せるようにしよう!!」

 

「いきなりね...」

 

「ほら、あれよ。何事も早い方がいいでしょう?」

 

すると八雲紫が口を挟む。

 

「あなたがそういうのなら仕方ないわね.....分かったわ、私の妖力でできるだけ手伝ってあげる」

 

「なんだ?急展開過ぎないか!?」

 

「上海、それは言っちゃダメな話よ。」

 

「え~.....」

 

気にしちゃダメなら仕方ない。それより手伝うってどうゆうことだろう.....

すると八雲紫はこちらの考えを読んだかのように、胡散臭い笑顔を浮かべながら

 

「それはその時になったら分かるわ」

 

と言った。

 

「とりあえず教授が目覚めてから話の続きをしよう、今日はもう遅いし...」

 

と言うとみんな立ち上がる。すると八雲紫が私に話しかけてくる。

 

「あ、上海は私と来て。あなたに色々教えてあげる。」

 

寝ようと寝室に向かおうとした私を、八雲紫が呼び止めてくる。

色々教えるってなんだろう.....

 

「あっそう、じゃあ私達は寝るわね。ほらメリー、行くわよ~」

 

「おやすみ~」

 

蓮子は目隠しをされたメリーの手を引っ張って、寝室へと向かう。

 

「さぁ、外に出るわよ。」

 

と八雲紫に言われ、私は外に出る。

 

 

[蓮子の実家・裏庭くらい~上海side~]

外に出ると、真っ暗でほぼ何も見えない。まぁ今は真夜中だから仕方ない。

 

「それで何を教えてくれるんだ?」

 

「あなた...元は人形でしょ?なら妖術や魔法なんかも扱えるわ。それを鍛えてあげる。」

 

「.......無理無理...私に妖術や魔法なんて.......私にも扱えるの?」

 

「もちろん!!」

 

と八雲紫は胡散臭い笑顔をまた浮かべる。

その顔は闇の中でも不気味に浮かび上がっていた。




.........また話の出来が悪くなってきた.....これがスランプって奴か.....


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七十体目 魔法少女?首だけゆかりん!!

まさかシャドバをやりながら寝落ちするとは.......気をつけなければな。
あ、そうそう。そろそろ最終回(後2章程先)が近くなってきましたので、次回作をねりまわしますので、少し更新頻度が少なくなるかも知れません。ご了承ください。あ、後勉強の方も忙しいので.....すいません

上海可愛い


[裏庭~上海side~]

目の前に小さな火の玉が飛んでくる。それを避ける事が出来ずに直撃する。熱さは感じなかったが、ボールが当たったかのような痛みはある。

なんでこうなったのかな.......

薄れゆく意識の中、ついさっきの出来事を思い出す。

 

 

数分前___

 

「あなた、魔法は使えるわよね?魔法使いの人形だもの。それじゃあどこまで出来るの?」

 

と八雲紫が訪ねてくる。

当然のように言っているが、実は魔法は使えない。使えるのはせいぜい[手から温風が出る程度の能力]くらいだ。まぁ、それを魔法と言うのかは別としてだなぁ.....

 

「私魔法は使えないんですよ.....」

 

「あら。面白い冗談ね、魔法を使わないのなら使わせてあげる!!」

 

と言いながら小さな水の玉を飛ばしてくる。どこから出しているかと言うと.......口からだ。あ~...言うな。唾とか言うな。

 

その水の玉を避けて、訴えかける。

 

「ちょっ!!本当に魔法使えないんですよ!!」

 

「逃がさないわよ~」

 

「あっぶな!!」

 

炎を纏った息を吹きかけてくる。それを下に避ける。

すると避けた先で、私の体に電気が流れる。

 

「かかったなアホがぁ!!!!そこはさっきのアクアボールを飛ばした時に、エレキトラップを仕掛けておいたのさぁ!!!!」

 

「あ.....な...卑怯な.....孔明の罠か.....」

 

「さぁ!当たったら痛いぞぉ?ヒャハハハハ!!!!」

 

まるで人が変わったかのように笑い出す八雲紫を横目に、痺れる体を必死に動かす。

 

(全力でやれば動かせるな.....だがさっきのように俊敏な動きは出来ない.....気合い避けは通用しないな)

 

「ほぉら!!アクアボール!!」

 

また水の玉を飛ばしてくるが、次は複数を同時に飛ばしてくる。

必死で避けるが、右足に1発当たってしまう。痛みはボールを本気でけった時に、当たりどころが悪かった感じだ。

 

「頑張って避けたとしてもお.......次は避けられないだろぉ?」

 

と言い、さっきの炎の息を吹きかけてくる。次は右に回避する。

 

すると、私とは逆方向の避けた先に電気が走る。

どうやらまた、罠を仕掛けていたようだ。

さっきの罠が複数撃った水の玉の中に入っていたなら、まだ罠があるかもしれない.....注意しないと。

 

「喰らえい!!!![ゆかりんショックボルト]!!!!」

 

と意味の分からない発言をしながらさっきの水の玉をまた飛ばしてくる。どこがショックボルトなのだろう?と思いながら必死に避ける。

次の水の玉は少しスピードが落ちていたので避けやすかった。

が、避けた先にまたショックボルトとやらが仕掛けられていた。とは言っても私には当たらなかったので問題は無い。

 

「安心してると.....足元を救われますわよ?そう!!ここからが[ゆかりんショックボルト]の真骨頂!!」

 

と叫ぶと、さっきの外れたショックボルトが周りの空気に線を引き始める。

私の目の前にあったショックボルトは、私の上下左右の空間に連結し、そのまま全ての線が真後ろに集結する。

立体的な四角形のショックボルトに囲まれ、身動きが取れないでいると

 

「とどめだ~!!最大出力!!ファイアーボール!!」

 

と言い火の玉を放ってくる。

 

 

そして、一番はじめに戻る。




上海は魔法が使えない!!!!それを知らずにボコボコにするゆかりん.....ゆかりんショック♡


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七十一体目 上海とサタン

学ぶことが多すぎて頭が痛くなる.......でもこれが学生の運命なのね.....

上海可愛い


[???]

目が覚めると、私は暗い空間にいた。

周りを見ても闇、自分の体も闇。

.....もしや目を瞑っているのでは?と錯覚してしまいそうだ.....

にしてもこんな気持ちは久しぶりだな.....あの箱の中にいた時ぶりか?

試しに手を伸ばしてみるが、何も触れない。と言うか伸ばせているかも分からない。

...こんなことを言うのもアレだが.....こんな状況はちょっと前に本で読んだな.....どうやって抜け出ていたっけ?

 

「.....歩かないの?」

 

どこからか声が聞こえてくる。そうだったな、あの本でも歩いていたな。まぁ、どこかわからない所を馬鹿みたいに歩く訳ないがな。

 

「え?.....その反応はちょっと予想外.....」

 

どうやら相手は私の心が読めるようだ。さとり妖怪みたいだな。さとり様元気かな.....

 

「えっと.....思い出に浸る前に私とこの空間について疑問を抱いてください!!」

 

だが断る。だいたいその疑問はついさっき考えるのをやめたばかりだ。

 

「柱の男みたいなこと言わないでください....」

 

柱の男?なんだそれは?そんなことよりお前は誰だ?

 

「考えるのをやめたんじゃないんですか!?」

 

それはこの空間の話だ。ちなみに喋らなければお前を探し出してボコボコにする。

 

「ちょっ!!やめてください!!話しますから!!えっと...ここはあなたの精神世界みたいなものです。そして私は.....まぁ、秘密です。」

 

名乗らないのならお前を殺す。後ここ地味に寒いからとっととここから出してくれない?寒いのは嫌いなんでな。

 

「性格変わってません?」

 

寒いからイライラしているんだよ。それよりお前の名前をまだ聞いていないんだが?

 

「あ、忘れてた。私の.....って秘密って言ったじゃないですか!!」

 

んじゃ簡単な呼び方くらい教えてくれ。ボコす時に不便だからな。

 

「殴られるの前提ですか.....んじゃそうですねでも...ぱっと浮かんだので、[サポーター]でどうでしょうか?」

 

んじゃ縮めて.....[サタン]で決定。

 

「え!?私は悪魔かなんかですか!?」

 

んじゃ、サタン。とっととここから出せ。3秒以内にな。

 

「え!?え!?なんで!?3秒以内とか酷すぎやしませんか!?」

 

はい、3秒たった。つまり死刑確定ですよ?

 

「出口教えるから殺さないでください!!」

 

出口なんてあるのか?便利だな。んで、出口どこ?

 

「....下です。」

 

え?また落ちるのか?あの箱の時みたいに.....

 

 

 

 

 

[蓮子の実家~上海side~]

 

「んにゃ?知らない天井.....いや、ここは菫子殿の家の寝室か.....」

 

体を起こして周りを見渡すと.....誰もいない。でも外は明るい。さっきみたいな暗闇じゃなくて良かった。

 

「サタン~.......まぁ居ないか。」

 

小声で呼んでみるが、返事は無い。夢だったのかな?

 

「上海~.....おかゆが出来たよ~.....って起きてる。」

 

「んあ?蓮子じゃないか、おかゆとはありがたい。」

 

エプロンを付けた蓮子が部屋に入ってくる。ちなみにエプロンには金色の熊が描かれていた.....どこかで見たことあるな.....

 

「そう言えば今は何時だ?外は.....結構明るいけど」

 

「今は.....朝の10時くらいかな?おかゆ作ってたからそれくらいだと思うけど」

 

と言いながらおかゆをスプーンに掬い、私に食べさせてくれる。美味しい。

 

「MGMG.....なるほど...MGMG.....つまり私は...MGMG.....タイムリミットまで...MGMG.....14時間って所か...MGMG.....」

 

「とりあえず食べ終わってから喋ろうか?.....って人形なのに食べていいの?」

 

「MGMGMGMGMGMG.....ゴクンッ.....人形だったのは昔の事。今の私は1人の上海と言う生き物だ。ただし体は人形ままである。」

 

自分で言っておきながらあれだが、色々とおかしいな。

それに蓮子は興味なさそうに「ふ~ん」と言うと、続けて

 

「そう言えばあの首だけが裏の山で待ってるって言ってたよ。」

 

「よし行こう。こうなった原因はアイツにあるからやり返さなくちゃな。」

 

蓮子は空になったおかゆの皿を台所に持っていこうと立ち上がる。

私も立ち上がりながら蓮子に一つ質問する。

 

「八雲紫は山のどこら辺で待ってるの?」

 

「.......知らない。」

 

知らないなら仕方ない.......なんて考えると思ったか馬鹿め!!!!

あの首だけ野郎...って野郎では無いな。あの首だけ妖怪、詳しい場所を言わなかったのか!?馬鹿じゃないか!?

 

「はぁ.....探すしかないか...」

 

「どうせ神社じゃないの?そこくらいしか行くとこ無いでしょ?」

 

「なるほど.....行ってみよう。あ、そうそう。おかゆありがとう、美味しかったよ。」

 

「また言ったら作るわよ。」

 

そう言いながら蓮子は台所へと消えていった。

 

さてと、私も行動開始とするかな。

 




これ書き終わったらまた勉強か.....頑張りまっしょい!!!!


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七十二体目 上海と魔力の授業

三連休だ~♪4話くらい投稿できたらいいな~♪

上海可愛い


[✕✕神社~上海side~]

長い石段を超え、神社にたどり着く。夏ということもあり、セミがやかましく鳴いている。

 

神社には八雲紫が待っていた。地面に転がっているわけにも行かず、宙に浮いている。夜に見ると、幽霊と間違えそうだ。

 

八雲紫は私の姿を確認すると、頭を下げ夜中のことを謝ってきた。

 

.....がその言葉は慌てているのか何を言っているのか分からなかった。文字にすると「##@#&&_、?@#_&*@+÷‰#@。」みたいな感じだ。

 

「とりあえず言いたいことを40字以内で」

 

「あなたが本当に魔法を使えなかったことを知らなかったとはいえ、あれだけやってしまったことを許して下さい。」

 

「40字超えたけど許す。」

 

「え?.....許してくれるの?」

 

「何故許さないと思ったんだ?」

 

まぁ、あれだけボコボコにされたら許されないと思うが.....悪気はないようなので、そこで許さないのは違うと思う。後、蓮子の作ったおかゆが食べれたのもあるがな。

 

「そんなことより頭を上げてくれ、ここに呼ばれた理由も知りたいしな」

 

ゆっくりと頭を上げ、ゆっくりと語り出す。

 

「私は...あなたを気絶させてしまった後、あなたを菫子と共に寝室に運んだの。その時あなたに触れた時、あなたが魔法を使えない理由が分かったの。あなたが人形だったのが原因だったの。」

 

「はいストップ。人形ってこと知ってたんじゃなかったの?」

 

「それは.....あなたに.....いや、幻想郷の住人に会えたことが嬉しかったから忘れてたの。ごめんなさい.....」

 

「忘れてたって.....お茶目さんかよ.....それで話の続きは?」

 

と話の続きを促すと、こちらに近づきながら話の続きを始める。

 

「えっと.....あぁ、人形って事が原因だったの。人形は中身に綿くらいしか入ってないでしょう?魔力も何も無いわけ、それでも生きているあなたはおかしいのだけど.....魔力も無く、中身も空っぽ。そこで私が出した[あなたが魔法を使える]って言う結論は一つ。あなたの中に魔力を流し込んで、留めればいいのよ。」

 

「色々とツッコミどころはあるけど、まず一つ。それだとただの魔力袋にならないか?」

 

「あー...えっと...説明しにくいんだけど.....あなたには意志があるでしょう?だから魔法も使えるかな~.....って思って...」

 

「なるほど.....ここに呼ばれた理由が分かった。人目につかない。例え入れた魔力が暴走しても山だから問題ない。そしてこの神社を見に来たって所?」

 

「ちょっとハズレ。私がやるからには、魔力は暴走させないわ。上手く行けば妖力とかも入れてみましょう。あ、瓶詰めにした神力とかもあるわよ?」

 

「昔私は紅魔館にいた事もあってな.....そこの図書館でとある本を見つけたんだ。それはアリス様の家でも見た、魔法についての本だった。興味があった私は中身を見てみた。するとなんて書いてあったと思う?」

 

「.....さしずめ物に魔力を注ぐ時は設備を充分にしてから...って所ですか?」

 

「そう。ここは山の中、設備は充分か?充分じゃないよな?」

 

「私の能力を使えば、私を一級の魔女の魔法設備並の力も出せるわよ?」

 

「なんて言うか.....万能だな...その能力。」

 

私の目の前まで近づいてきた八雲紫が私に触れる。なお、首だけなので八雲紫が頬ずりをしている形だ。

すると八雲紫は不思議そうな顔をしながら不思議な事を聞いてきた。

 

「あなた...何故少しだけ魔力を持っているの?いつの間に.....しかもこの魔力使えない.....魔法使いで言う、魔法使いの生命維持装置の感じに似ているわね.....何かやった?例えば何かを身につけたとか、何かを食べたとか。」

 

何故私が魔力を少しだけ持っているかは分からないが、その原因らしきものは分かる。

 

「蓮子のおかゆか.....」

 

別に美味しいからいいけどさ!!




魔力を含んだおかゆ.....食べてみたいですね。(ジュルリ)しかも蓮子が作ったという特典付き.....売れる(確信)


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七十三体目 上海と魔力

友達と銀魂の映画を見てきました~♪
見てて思ったことは、上海とかで銀魂パロ出来るんじゃないか?ってことを考えたり.....

上海可愛い


[✕✕神社~上海side~]

八雲紫はおかゆと言う言葉に首を傾げながら

 

「どうせ使えないのなら無いのと一緒よ」

 

と、何故か納得したように私に言う。

まぁ、私はそんなことより早くやって欲しいのだがな...と、心の中で呟く。

すると、その呟きが聞こえたかのように

 

「さぁ、早く始めましょうか。腕を出して、少し痛いけど我慢してね」

 

と言われる。

私は言われるがままに腕を差し出す。

すると八雲紫は私の腕にゆっくりと噛み付いてくる。

その感触は[痛い]ではなく[変な感じにかゆい]だった。

 

 

10秒ほどされた後、八雲紫は口を離す。

体の中に何かが渦巻いているのが分かる。これが魔力か。

 

「魔力の使い方ってどうするんだ?」

 

「...えっと...こう、グワッと...」

 

「まさか、こういう説明下手?」

 

すると八雲紫は顔を赤くし、目を逸らしながら頷く。

どこかで聞いた言葉だが、「いくら強力な武器でも使い方が分からなければゴミと一緒だ」ていうのがあるんだが.....この状態にピッタリの言葉だとは思わないか?

 

[確かにそうですね、宝の持ち腐れですね]

 

「ん?何か言ったか?」

 

「私は何も言ってませんよ?」

 

声が聞こえたような気がするが、八雲紫では無いのか?私達以外には人はいないが.....

 

[私ですよ、サタンですよ。]

 

何か聞こえたが、気のせいだろう。

 

[気のせいじゃ無いですよ~...魔力が増えたので喋れるようになったんですよ~.....あなたにしか聞こえませんけど...]

 

なるほどめんどくさい。起きてすぐに返事が無かったから消滅したかと思っていたのに...

だいたい、今更出てきて何が出来るのだろうか...

 

[私に出来ることは.....魔力のコントロール。魔法の補助的な事ですね。後それと話し相手.....他にも色々できますよ]

 

それは便利だな...なんて思っていると、周りに他の人がいるのかと探していた八雲紫が、

 

「あなたには一体何が聞こえたんですか?私には何も聞こえなかったんですけど.....」

 

「こんな不気味なところだし幽霊にでも語りかけられたり?」

 

と冗談交じりに言ってみる。

すると八雲紫は「なんだ幽霊か」とでも言いたげな顔をして、

 

「私はここにしばらくいますので、あなたは家に戻って夜に備えて休んでおいてください。」

 

と言われる。

私はここにいても邪魔になりそうなので、帰ることを伝えると

 

「ゆっくりと休んでくださいね」

 

と言われた。

まぁ、休む気は無いけど。え?なんで休まないって?そりゃサタンを使って魔法を使うんだよ!!

 

[誰に話しているんですか?]

 

さぁ?一体誰に話しているんだろうか...




サタンの外見ってどんな感じだろう.....私気になります!!


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番外編⑨ 上海と最強の妖精(コラボ)

今回は蹴翠 雛兎 様とのコラボです!!
リアルが忙しくて少し遅くなってしまいましたが、完成させました!!
蹴翠 雛兎 様の[デート・ア・スペル~ジュエル・ハート~]もよろしくお願いします!!

上海可愛い


[霧の湖の近くの森~上海side~]

上海は眠っていた。アイマスクを付けて自室で寝ていた。はずだった。

 

目が覚めると森の中だった。何を言っているか分からないが、私にも分からない。寝ぼけて歩いてきたのか、はたまた攫われたか.....

 

アイマスクをポケットにしまい、寝起きの伸びをする。

辺りは夕日に照らされ、薄らと赤くなっている。

まぁ、今の私には関係ない。今私は眠いのだ、昨日は巨人が進撃するマンガを読んでいたので寝ていないのだ。

地べたに直接寝転ぶわけにもいかず、私は紅魔館を目指す。頼めば休ませてくれるだろう。

 

~~上海人形移動中~~

 

 

[霧の湖~上海side~]

 

「へっくち!!」

 

寒い....寒いからくしゃみが出てしまった.....気を抜いていた時のくしゃみほど、恥ずかしいものは無い。

幸い誰も聞いていなかったのが

 

「へっくち!!だって、フフフフ.....」

 

聞かれていたぁぁぁぁぁぁ!!!!

どこからか笑い声が聞こえてくる。無意識に顔が赤くなるのが分かる。

周りを見渡し、笑い声の主を探す。

 

「で、出てこい!!そして笑うな!!ここ凄く寒いんだから!!」

 

「フフフ.....ごめんなさい、あまりにも可愛らしいくしゃみだったから」

 

と、笑いながら女の人が出てきた。

その人は暖かそうなマフラーと帽子、そしてこれまた暖かそうな服を着た人だった。

 

「お前か!!笑ってた奴は!!名前はなんだ!!明日それでファッション誌の懸賞に応募しといてやる!!この変なオシャレやろー!!」

 

「勝手に応募されるのは困るわね.....当たった時の商品はどうするの?」

 

「えっと...それは.....そんなことより名前はなんだ!!」

 

するとその人は、その場でクルリと優雅に回り

 

「私の名前はミデン・チルド。宝石から生まれた最強の妖精よ。」

 

「ミデン・チルド?聞いたことのない名前だな...幻想郷の住人か?」

 

「私だってあなたを知らないわ、それよりあなたは名乗らないの?相手にだけ名乗らせるのは失礼じゃないの?」

 

「うぐぅ...私の名前は上海、ただ人生を楽しんでいる者だ。」

 

「へぇ、いい名前ね。それより寒いって言ってたわよね?それは多分私が原因ね」

 

「ほぅ...原因がノコノコと出てくるとは...よっぽど腕に自信があるらしいな!!」

 

「出てこいって言ったのはあなたよ?」

 

「.........」

 

返す言葉もございません。

と言うかなんだこいつは名前は謎にカッコイイし、オシャレだし、私の言った言葉を綺麗に返したり.....強者のにおいがする.....

 

「まぁくしゃみの事は黙っておいてあげるわ、それよりチルノを見なかった?追いかけている時に、先回りしたんだけど...周りの空気が寒かったからここにいたのは合っていると思っているんだけど...」

 

「知らな.......」

 

待てよ.....ここで嘘を言えば、奴は困って私の復讐になる.......でもそれを原因に私のくしゃみの話が広がって行くかもしれない.....よし、後のことより今の復讐だ。

 

「湖の中に入っていったよ?」

 

「嘘ね、それくらい私でも分かるわ。」

 

何故バレたし.....こうなったら.....

私は背を向けたミデン・チルドに飛びかかった。

 

「こうなったら頭殴って記憶を飛ばしてやる!!くしゃみのことを忘れろ~!!」

 

「襲ってくるのは想定内よ。」

 

とミデン・チルドは静かに言うと、少し横に移動しながら指をパチン!!鳴らした。

 

するとついさっきまでミデン・チルドが立っていた所に氷の玉が浮いていた。

その氷の玉は指の音に反応して爆発した。

ミデン・チルドは横に移動していたので爆発には当たらなかったが、飛びかかっていた私はその爆発に直撃した。

幸い、当たる前に回避行動をとったおかげで致命傷は避けれたようだ。だが傷は深く、これ以上戦うことは出来ないだろう。

これも全て私が招いたことだ。私が感情に流され、戦いを挑んだ結果だ。

ミデン・チルドが近寄ってくる、煮るなり焼くなり好きにするがいい.....

と思い目をつぶると、ミデン・チルドが声をかけてきた。

 

「ごめんなさいね、あなたがこんなに脆いとは思わなかったの」

 

私は声を絞り出してその言葉に返事する。

 

「なんだそれは.....新しい煽り方か?....私の体は人形だ...それゆえ脆い...」

 

「なら少しは痛みが少なくなるように、傷口を氷で塞ぎましょうか?」

 

「.....たまには敗者の気分も悪くないな...頼もうか...」

 

「まるで負けが無いみたいな言い方するわね?私への皮肉?それとも真実?」

 

と言いながらミデン・チルドは氷で私の傷口を塞いでいく。それの返事は前者なのだが...私は体力の限界が来て、意識を手放した。

冷たいけど、どこか暖かい氷が心地よい.....

 

 

[上海の家]

目が覚めると、寝室のの天井だった。

夢を見ていたのだろうか.....あの不思議な人...ミデン・チルドは、私の夢だったのだろうか.....

 

起き上がろうとすると、腕に冷たいものがあった。布団をめくって見てみると、小さくなった氷が付いていた。

どうやら夢では無かったようだ。

 

次にまた会って戦う時がくれば、勝ちたいものだ。

 




これを作るにあたってミデン・チルドを良く調べたんです、と言っても蹴翠 雛兎 様の作品しか資料がなかった訳ですが....検索してみると.ミデンと言う言葉はギリシャ語の[零]って出たんですよ、勉強になりますなぁ~。


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七十四体目 蓮子ののぞき見

夏休みの季節ですね.....私にはただ無駄に暑いだけですがね(笑)

上海可愛い


[蓮子の実家・裏庭~蓮子side~]

どうも、蓮子です。

今私は覗きをやっております。誰を覗いているかと言うと.....上海です。

帰ってきてから裏庭に直行し、ブツブツと独り言を言っているのです。

 

「んじゃあ何が使えるの?」

 

ほら、今も何か言っている.....

とりあえず私はここで盗み聞きをしておきます。

.....誰に話してんだ私は。

 

 

 

[蓮子の実家・裏庭~上海side~]

帰ってくるなり裏庭に直行し、魔法を使おうとサタンを呼び出す。

 

「サタ~ン?」

[本当の事を言うと、その呼び方嫌なんですけどね...]

「そんなことより魔法を試したいんだが?」

[え~......呼び方変えるなら良いですよ...]

「なるほど、それだけで魔法が使えると思えば安いな.....」

[でしょう~?なら呼び方を「だが断る。」

 

我ながら見事なまでの悪人っぷりだな、と自分で自分を褒める。

だが、魔法が使えないのは困る。それどころか、使えるかすらも分からない。

どうしたものか.....

 

[なんで呼び方変えてくれないんですか~!!]

「何故かって?それはその呼び方に愛着が湧いているからさ、サタン...カッコイイ名前じゃないか。」

 

と、イケボで褒めてみる。私だって本気を出したらカッコイイ声くらい.....

すると、

 

[え?か、か、カッコイイなんて...やめてくださいよ~///も~仕方ないですね~//今回だけですよ~///]

 

チョロイな。声だけでは判断出来ないが、この反応からして性別は女だろう。

そんなことより魔法を使いたい私はサタンを急かす。

 

「それで、私はどんな魔法が使えるんだ?」

[あなたの今使える魔法は.....ありませんね]

「.....は?」

[使える魔法はありませんね]

 

2回も言わないで良いんだ。魔力があるのに使えないってなんだ?素質が無いとかか?

 

[いえいえ、素質はありますよ?]

「んじゃあ何が使えるの?」

[使える魔法はありませんね]

「どういう事だよ.....」

[解説いたしますと.....あなたは覚えている魔法が無いんですよ。あなたの能力を使えば覚えれますけど.....使いますか?能力。]

「ん?能力?私の能力は...[手から温風を出す程度の能力]と、[糸を操る程度の能力]だっけ?そんなんで覚えれるの?」

[あれ?知らないんですか?]

「何を知らないって?逆にお前は何を知っているんだ?」

 

すると、サタンは一呼吸おいて話し出した。

その声はどこか業務的で冷たい声だった。

 

[あなたの他の能力ですよ]

 




次回で教授の説明不足が.....



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七十五体目 上海と残りの能力

1匹の蚊に朝から苦労する。だって蚊取り線香無いんだもの。

上海可愛い


[蓮子の実家・裏庭~上海side~]

 

「他の能力?そんなのあったっけ?」

[え?忘れたんですか?ほら、教授から言われたじゃないですか]

 

そんなの言われたかな...と思い出そうとしていると、サタンがあっさりと答えを教えてくれた。

 

[まとめると、五つあるけど二つ以外は忘れたって言ってましたよ?]

「あ〜...そんなこと言われたかな~......それじゃあ残りの三つは何なんだ?」

[あなたの能力は[手から温風を出す程度の能力]、[糸を操る程度の能力]そしてここからがあなたの知らない能力です。[想像する程度の能力][創造する程度の能力]この二つは組み合わせて初めて力を発揮します。そして残りが[生きる程度の能力]です。]

「OK分かった。細かい説明頼む。」

 

こんなの名前だけ言われて分かるわけないだろ...と心の中で毒づきながら、サタンが話し始めるのを待つ。

 

[まずは[想像する程度の能力]から。この能力は[創造する程度の能力]と組み合わせると使えます。この能力を使うと、より明確に色々と想像する事が出来ます。うどんならば味や匂い、温度や食感まで。知っている物でも知らないものでも可能です、想像するだけですし。]

 

なるほど.....思春期真っ盛りの中学生に与えると大変なことになりそうな能力だな.....

 

[そして[創造する程度の能力]ですが.....これは恐ろしい程に強力な能力です。昔々...そのまた昔.....幻想郷を作った賢者様、つまり八雲紫。八雲紫は龍神と共に幻想郷を作ったと言われていますが、それ以外にも何人か協力者がいたとか.....その中にこの能力を持った小人がいたとかいなかったとか.......でもこの能力は使う人の実力に比例して強くなります。凄く強い人だと人や、世界を作れたりするらしいですが.....あなた程度で物体を作ろうとすると.....限界出して小さな木箱くらいですかね(嘲笑)]

「人はあまり怒らせない方が身のためだよ?」

 

と怒りを込めた声で警告する。サタンは小さく「ヒッ!!」と声を漏らして黙ってしまった。

あぁ、能力についての感想は.....幻想郷作ったって言うその昔話は初耳だ...興味深いな...

 

「それで、最後の謎の能力の説明は?」

[うぅ...分かりましたよ.....[生きる程度の能力]はあなたが今生きている事の理由ですよ、後私が生きている理由でもあります。]

「何を言っているか分からないんだが?もうちょっと私にもわかりやすい説明をしてくれないか?」

[まず、あなた人形ですよね?生きているのがおかしいのです。幻想郷にいた頃はなぜ生きていたのかは知りませんが、今ここにいられるのはこの能力のおかげです。]

 

理解しようとしたが、全く分からない。

全く分からない.....を、そのまま顔にくっつけていると

 

[もう少し説明しましょうか?]

 

と言ってくれる。私の顔を見れるのか?と疑問を浮かべるが、気にしちゃダメだな。

 

「お願いします...」

[仕方ないですねぇ.....良いですよ。まず人形が生きている。自分の意思を持って動いているって事がおかしいんですよ。幻想郷でなぜ動けていたのは分かりませんが、今ここで生きているのはこの能力が発動しているからです。こっちに来て最初の方は、幻想郷での生命維持的な感じの物が安定していて動けていました。そして教授から体を貰った日。その時も安定していました。ですが数時間前、八雲紫に魔法でやられた時。その時にその生命維持的な物が壊れ、あなたは一度死にました。ですがこの能力が発動してギリギリで生き返ることが出来ました。私もその時に生まれまして...ですが本当にギリギリだったので、あなたを言葉で引き止めたのです。するとどんどんと能力が安定していき、あなたが動けるようになるまで回復しました。だから私はあなたをこっちに返したのです。ちなみに咄嗟に考え出した設定なのでサポーターとか、全くの嘘っぱちです。ですが、私はあなたの中にいる’’何か,,です。あなたの中にいる限り、あなたをずっと助けます。本当の’’サポーター,,になります。だから.....だからこれからも、よろしくお願いします!!]

「長い!!.....だけど内容は分かった。つまり私は八雲紫に1回殺されていると」

[えっと...はい...そういうことになります]

 

あの首だけB〇A...絶対許さねぇ.....

まぁ、色々と分かった。まだ気になることも残っている。だが今は分からない。

なら...今からゆっくりと知っていけばいい。幻想郷に戻ったら私をこの時代に飛ばしたあの上海人形とその上にいる奴から聞き出せばいい。幻想郷に戻ったら紅魔館に行って、図書館で調べればいい。

知るための手段などいくらでもあるのだ。

ただ、今は幻想郷に戻ることが最優先だ。

さぁ、私達の戦いはこれからだ!!

 

 

[打ち切りませんよ?このシリーズ]




[書くこともないようなので、これから後書きは私が担当しますね~]


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番外編10 幻想郷の昔話

今回は七十五体目に出てきた幻想郷の昔話を詳しく、サタンが語ってくれます。

サタンは銀髪の幼女がいいな.....(願望)


[どうも皆さん、サタンです。今回の内容は前書きどうりです。私が語ると言ってますが、あまり内容に変わりはありません。それでは.....ごゆっくり]

 

 

 

 

幻想郷を作ったのは八雲紫と龍神。これはどこの幻想郷でも同じ。だがここの幻想郷はそれにとある事が付け加えられている。

これは表の歴史から消された本当の歴史。

 

 

昔々、八雲紫は龍神と共に幻想郷を作ろうとしていました。

ですが、2人の力だけでは幻想郷を作ることは出来ませんでした。

 

八雲紫は悩みました。どうすれば幻想郷を作れるのか...と。

雨の日も、風の日も、そして暇な日も考えました。

そして一つの結論にたどり着きました。

それは簡単で誰もが思いつくような事でした。

 

誰かに手伝ってもらおう。

 

八雲紫は全国を周りました。日本だけでなく海外までも。

 

そして10人の協力者を集めることに成功しました。

 

1人

全ての死人の上に立つ亡霊。何よりも死を愛し、生を美しんだ。

その姿は見たもの全てを殺してしまうほど美しく、八雲紫以外の生きているものと会ったことは無いという。

その性格はおっとりとしており、八雲紫の頼みもあっさりと引き受けた。

その印は[美]

 

2人

全てを屈服させ従えさせる吸血鬼の神

ただ歴史に残る[ヴラド・ツェペシュ(ヴラド3世)]とは別人で、ヴラドはヴァンパイアのモデルである。

その吸血鬼は全てを破壊する程の力を持つ、がその力は八雲紫以外では自分のためにしか使わなかった。

その吸血鬼は血などは不味いので飲まないと言っていたそうな。

その印は[力]

 

3人

それは全ての魂を捌く者、初代閻魔。

全てを叩き伏せる力を持つ。吸血鬼と似ているがその力を振るうのは正義のためだけだった。

八雲紫に協力したのは、幻想郷は忘れられたもののたどり着く場所、それを初代閻魔は正義と見たのだろう。

その印は[正]

 

4人

人を殺める事を何とも思わぬ殺人鬼

殺人鬼はこの中では珍しい、歴史に残っている。

昔、霧の都と言われている街で人々を殺し続けた。

彼の呼び名は[ジャック・ザ・リッパー]意味は切り裂きジャック。

この中では唯一の人間。そして初代閻魔と仲が悪かったらしい。

その印は[血]

 

5人

全てを作り出す事が出来る小人

どこかのおとぎ話で靴屋の主人が寝ている間に、小人が靴を作ると言う話がある。その小人はこの人物だとかそうじゃないとか。

そして裁縫が得意らしい。

その印は[創]

 

6人

全てを許し全てに怒る仏

その顔はいつもニコニコと笑顔で、人々を癒していた。

だが、その力が強すぎるために幻想郷を作った後、封印された。実は裏で幻想郷を支配しようと企んでいたらしい。

封印されるその時の顔は怒りに狂っていたらしい。

封印された後に改心したらしい

その印は[悪]

 

7人

とあるおとぎ話のモデルとなった白兎

おとぎ話では体の皮を全て剥がれたと言われるが、実は違うのである。

本当は白兎が皮を剥いだらしい。

白兎は今も幻想郷に住んでいるという話がある。

その印は[白]

 

8人

それは全ての自然を作り出し、全ての獣の生みの親

親の姿は大きな鹿のような姿で、角が非常に大きいらしい。

[そこっ!!シシ〇ミ様とか言わない!!そこも、もの〇け姫とか言わない!!]

10人の協力者の中のモフモフ系癒しキャラだったらしい。

その印は[癒]

 

9人

海の神であり、人の姿にもなり海を荒し回った男。

海の神の名はポセイドン。人の姿では海賊をやり、その時の名はエドワード・ティーチもしくはエドワード・サッチ。

どちらも偽名の可能性が高いので[黒髭]と呼ばれている。

黒髭は死んでいるが、それは人間の時の体だけが死んだらしい。そのせいで幻想郷に海を作れなかったらしい。

その印は[水]

 

10人

暖かい優しさで全てを受け止め、熱き炎で心を燃やす太陽

太陽は仏を封印する時も最後まで反対していたらしい。

七福神の恵比寿のモデルと言われる程、優しげな表情である。

得意料理はおにぎり

その印は[陽]

 

 

この協力者達を八雲紫は集めた。土下座や色仕掛け、金や幻想郷の土地、あの手この手で協力してもらった。

その結果幻想郷は作られた。

 

 

幻想郷を作った後、10人は散り散りになった。あるものは死に、あるものは幻想郷に住んだ。

歴史は八雲紫が伝えたもの。他の協力者は何も言わなかった。

八雲紫と龍神だけの話は、八雲紫が伝えた偽物。この話が本当の話。

幻想郷は全てを受け入れる。それはそれは残酷な事なのです。

 

[以上があの昔話の全部です。これには色々と意味などが込められているそうですが、私には分かりません。皆さんで考えてみてくださいね♪]




[えっと.....作者からメモを預かっているので読みますね。これはこの幻想郷のみの話なので、原作や他の方の作品などに持ち込まないようにお願いします。ここに出てきた人達は出てくる予定は無いです。が!!異変が終わったら出てくるかも知れません!!楽しみにしておいてくださいね!!ですって。まぁ、次回もお楽しみに!!]


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七十六体目 決着(前)

真夏の太陽がアスファルトの地面を焼いている。が、私はクーラーでひんやりと過ごしている!!
フハハハハ!!外にいるものは大変だな!!

上海可愛い


[✕✕神社~上海side~]

あれからしばらく経った。

私(上海)、メリー、蓮子、教授、菫子、私に殴られた八雲紫等の愉快な仲間達は、夜の神社にて集まった。

八雲紫以外は神社の入口付近でポーズを決めて、横一列に立っている。

私はランスを構える格好。メリーはシュールストレミングを両手に持ってジョジョ立ち、蓮子は腕を組んで空を見上げる格好、教授はメガネクイッ!!の格好、菫子殿は荒ぶる鷹のポーズ。このポーズに意味は無いが、みんなやっているので私もやっている。

ちなみに八雲紫は近くの茂みでこちらを見ている。

 

みんなこのポーズで10分程止まっている。腕が痺れてきた。

ずっと黙っていると言う空気の中、10分ぶりに口を開いたのは蓮子だった。

 

「只今の時刻、10時59分55秒。...7秒、8秒、9秒、.....只今の時刻、11時。後1時間。」

「蓮子、今の何?」

「いや、カッコイイかなと思って...」

「ダサいからやめなよ、やるならせめて時計見てね。」

 

と、メリーの厳しいツッコミが入る。蓮子は涙目になっていた。私もダサいと思ったが言わないでおこう。

またしばらくの沈黙が始まるかと思ったが、すぐに教授が口を開いた。

 

「このポーズ誰が始めたの?」

 

私も気になってはいたが、聞けなかった疑問だ。

横を見ると、それぞれが顔を見合わせている。

 

「これ始めたのって教授でしょ?」

「メリー、冗談を言うのが上手くなったな。菫子さんだぞ?」

「えっ!?上海じゃないの!?」

「私じゃないさ、私が来た時は蓮子がやってたから私もやったんだ。」

 

そして皆で蓮子の顔を見る。すると蓮子は

 

「私はただ、星を見ていただけだけど?もしかしてそれをポーズと思ったの?」

 

と言い放った。すると次に皆は私の方を見た。なんだ、私が悪いってのか。って顔をする。

すると、この状況を作り出した本人。つまり教授が助け舟を出してくる。

 

「そんなことより、あと1時間だ。今から作戦を説明するからちゃんと聞いておいてくれ。」

「作戦って?私達何も聞いていないんだが?」

「だろうな、今初めて言うんだからな。良いか?耳かっぽじってよく聞けよ!!」

 

いきなり口調が変わった教授に若干引かながら、メリーがふざけた質問をする。

 

「教授~質問で~す。バナナはおやつに入りますか~?」

「バナナはおやつに入るわけないだろう!!持ってきていいのは.....」

 

と言いながら、教授が足元に置いてあるカバンに手を入れる。

そして秘密道具チックなSEを、口で言いながらレーダーの様なものを取り出した。明らかにカバンより大きいのは触れてはいけないのだろう。

 

「これは貴様ら人類がどれだけ研究しようとたどり着けない神の技術!!その薄汚い濁りきった目に、その姿を焼き付けろ!!これこそが私の障害2番目に素晴らしい発明品!!その名は歪み拡大増幅装置、長いから略して広げーるくんだァァァ!!!!」

「何今の!?無駄な演出があったような気がするけど!?」

[気のせいですよ]

(あるぇ!?何でこいつにも色ついてるの!?)

[最近の流行りですよ]

(とりあえず作者が調子に乗っているのは分かる。と言うか見にくい。)

 

的なメタい話を頭の中で繰り広げていると、教授がその何とかっていう装置を操作し始めた。

変形しないかな~...とか思いながら見ていると、

レーダーの先に付いてある丸い球体が巨大化し、レーダーを包み込んだ。

10秒ほど経つと、包み込んでいた物が液体になって消えた。

中から出てきたのは、全体はトランシーバー、アンテナの先っちょに丸い球体が付いていると言うマヌケっぽいものだった。

するとこちらの視線に気づいた教授が私に向かって、

 

「実は.....これにはあと2回変形を残しているのですよ。」

 

とドヤ顔で言ってきた。感想を言えば、反応に困る&ウザイだ。

 

 

いつまで経っても作戦の続きを話さない教授にうんざりした私は、私は八雲紫がいる茂みに入る。

茂みと言っても、草の壁の奥に空間があるだけだ。

そこに八雲紫はいた。私に殴られた跡は全くなかった。一度殺されたんだから、殴るのは仕方ないが罪悪感はある。

 

八雲紫は私の姿を見つけるとにこやかに笑い

 

「いらっしゃい、今日は良い夜ね。」

 

と話しかけてきた。

私は八雲紫の隣に行き、静かに空を見上げる。

雲一つない綺麗な夜空だった。

 

「良い夜ってのが私には分からないけど、星が綺麗ってのなら私にも分かる。」

「私は最初に月が目に入ったわ。やっぱりあなたは見ているものが違うのね。」

「やっぱり?やっぱりってなんだ?」

「遠い遠い昔の話よ。あなたによく似た人とこんな話をしたのよ。」

「へぇ.....私みたいに小さい人?それとも私みたいに迷惑な人?」

「残念ながら、そのどっちも当てはまるのよ」

「そいつぁあ良いや、そいつとはうまいオレンジジュースが飲めそうだ。」

「あの人もオレンジジュースが好きだったわ」

「うまく飲めそうなのはオレンジジュース、私が好きなのはイチゴオレだ。」

「へぇ、覚えておくわ」

 

その一言を言うと、八雲紫は目をつぶった。

すると私の前に、謎の空間が現れた。

 

「なんだこりゃ?」

「その中に手を入れてみて、いい物をあげるから」

 

そう言われ、私は謎の空間に手を入れる。すると、いくつかの小さい小瓶に手が当たる。

私はそれを掴み、引き抜く。

全て引き抜くと、全部で五つの小瓶を手に入れた。

 

「それは私の力を入れた物。赤いのが魔力、オレンジが神力、青いのが魔力、紫が妖力、そして黒いのが.....まぁ、どうしてもって時に開けてみて。」

 

説明を聞いた私は黒色以外の瓶の中身を、全て、1滴も残さずに飲み干した。

八雲紫はそれを見て最初は驚いていたが、飲み干した頃には穏やかな表情に戻っていた。

 

「そろそろ戻った方が良いわよ。時間で言うと今は11時45分くらいかしら。」

「んじゃ、そうするよ。ありがとな、私の話し相手になってくれて」

「私も暇だったから、いい暇つぶしになったわ、ありがとう」

 

そして私はみんなの所に戻った。

 

 

八雲紫は上海がいなくなったのを確認すると、ため息をつきながらまた空を見上げた。

その目には涙が浮かんでいた。




[後3話でこの長かった秘封倶楽部編も終了です!!!!皆さん長いことありがとうございます!!ちなみに上海人形家出録はまだ続きます!!そう言えば私の文字に色を付けてみたんですけど.....どうでしょうか?]


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七十七体目 決着(中)

すっごく怖い夢を見ました.....内容は冷蔵庫の中身が全て腐っていたというものでした.....怖い((((;゜Д゜))))

上海可愛い


[✕✕神社前~上海side~]

みんなの元に戻ると、教授は何とかっていう装置をいじっていたり、メリーはどこからか持ってきた七輪でお餅を焼いていたり、残りの2人はそのお餅を食べていたり.....

と言う自由な空間が出来上がっていた。

 

すると、教授に呼ばれる。

私は教授に呼ばれるがまま、近くに行く。

すると、

 

「ねぇ、上海。メガネ持ってない?」

 

と聞いてきた。

実はメガネは持っている。昔何となくで買ったメガネだ。あの時の定員のおっちゃんは元気だろうか.....

と思い出しながら教授に小さなメガネを渡す。ランスに収納スペースを作っておいて助かった。

 

メガネを見た教授はニヤリと笑い礼を言う。

 

「ありがとう、これで完成する.....」

「何が完成するんだ?」

「12時ちょっと前に強化したこのメガネで.......フフフフフ...」

 

どうやら聞こえていないようだ。科学者っぽい人ってこういう時あるよね。

 

 

教授から離れて神社の周りをぐるぐると歩いていると、次は蓮子に呼ばれる。

何事かと思い、蓮子の方に行くとまだ餅を食べていた。

 

「ねぇ、上海。MGMG...お餅には醤油?MGMG.....それともきな粉?MGMG.....私はMGMG.....醤油だよMGMG...」

「とりあえず食べ終わってから喋ろうか。ちなみに私は何もつけない派だ」

「へぇ~、後二つだから食べていく?」

「ありがたく頂こう」

 

残った二つの餅は、私とメリーで食べた。蓮子と菫子殿は片付けをした。

 

 

餅を食べ終わった後、またみんなで神社の前に集まった。

次はポーズなどを決めずに普通に立っている。

だが教授は手元の何とかっていう装置をいじっている。後メリーがメガネをかけている。きっと教授があのメガネを改造したのだろう(適当)

とか思っているとメリーが一言

 

「時空の歪みを観測。その規模、約1センチ」

 

その言葉を聞くと、教授はまた機械をいじり始めた。

ていうか見えるんだな、時空の歪み。メガネかけたら見えたのかな?

すると1時間前のように蓮子がカウントダウンを始めた。

 

「後5秒で12時.......3...2...1...0!!」

 

そのカウントに合わせて教授は装置のボタンを押す。アンテナの先から電撃のような物が飛び出し、神社の真上で止まる。

すると電撃が止まった場所からブラックホールのような物が生まれた。

物凄い音を立てながら紫や、緑などに変色していく。

電撃はブラックホールの様なものと、神社の真上の空間をつなぎ止めている。

電撃がブラックホールのような物を止めたことで、教授が興奮した声をあげる。

 

「やった...やったぞ!!遂にやったんだ!!アレが現実と非現実を繋ぐトンネル!!アレをくぐればどこにでも行ける!!後はアレが幻想郷に繋がるまで留めておけば完璧だ!!」

「教授!!アレをくぐれば私は幻想郷に帰れるのか!?」

「もちろんだ!!今に見てろよ学会の馬鹿どもよ!!私が正しいのだ!!私が正しかったのだ!!フハハハハ!!!!」

 

様子がおかしい.....そう思い教授の方を見ると.....

目が赤く、息が荒い。

 

あれは.....正気ではない。

幻想郷だけでは無く、ここでも見ることになるとは.....

 




[あ、あの様子は!!昔幻想郷でも見たもの!!咲夜さんや幽霊とメガネ野郎等と同じだ!!一体上海はどうするのか!?次回お楽しみに!!って今回私の出番これだけ!?]


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七十八体目 決着(後)

あと1話.....これ含めて2話.....長かったですね...

上海可愛い


[✕✕神社前~上海side~]

教授は狂ったように笑い、装置をめちゃくちゃに動かす。

その動きに合わせて時空の歪みは、広がったり縮んだりする。

 

ヒャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!これが私の科学力ゥ!!!!猿共とは訳が違うんだよォ!!!!!!」

 

教授を正気に戻そうと近寄ると、装置から電撃が飛んでくる。

間一髪でそれを避けたが、近寄るのは難しそうだ。

 

装置が動いているお陰で時空の歪みは開いているが、いつ閉じてどこに飛ばされるかも分からない。

自体は一刻を争う事となる。

すると八雲紫のいる茂みから、

 

「蓮子ォ!!メリーの目を塞げェ!!!!」

 

と声が聞こえてくる。

蓮子は言われるがままメリーの目を塞ぐ。

すると八雲紫が私の前までやって来る。

 

「いい案でも浮かんだか?」

「残念ながら。全員でハッピーエンドは無理ね。でも.....」

 

八雲紫は言葉を切り、私の方を向き、笑う。

 

 

 

 

 

「ハッピーエンドに犠牲は付き物でしょう?」

 

 

 

 

 

その一言を言い終えると、教授に向かって突進する。

いくつもの電撃が八雲紫の体を貫く。が、八雲紫は突進をやめない。

八雲紫は電撃に撃たれながら教授に頭突きを食らわす。

教授は後ろに吹き飛び気絶する。

八雲紫はその場に転げ落ちる。

装置は空中に放り投げられた。

装置が空中を舞い、地面に落ちる.....

 

その刹那、菫子殿がヘッドスライディングで装置を受け止める。

 

「取ったは良いけど、どこに行き先書いてあるの!?」

 

と、菫子殿が困惑の叫びをあげる。

すると倒れている八雲紫が起き上がり、私に呼びかけてきた。

 

「上海!!今よ!!私が能力その他を使って行き先を幻想郷に固定した!!今の内に飛び込め!!!!」

「分かった!!ありがとう!!」

 

私は時空の歪みに飛び込んだ.....が、装置の電撃が飛んでくる。

当たりはしなかったが、体制を崩してしまい他の電撃に当たりそうになる。

 

「いってこぉぉぉい!!!!」

 

と、蓮子の方から声が聞こえてくる。

蓮子の方を見ると、私に向かって飛んでくるシュールストレミングと、それを投げたメリーが見えた。

 

シュールストレミングの缶が私の体に直撃し、時空の歪みに押し込まれる。

 

私がこの思い出深き土地で最後に見た光景は、

こちらに親指を立て、笑っているメリー。

そのメリーの目を手で塞いでいる蓮子。

地面に倒れたままの教授。

装置を持ちながらこちらを心配そうに見ている菫子殿。

そして、ボロボロになりながらもこちらに笑いかけてくれている八雲紫。

 

この世界で私を助けてくれた人達が見えた。

 

 

そして時空の歪みは閉じた。

 

 

私は暗い空間を少しの時間漂うことになった。




[ついに終わるんですね.....長かったですね.....でも!!上海の冒険はまだ続きます!!]


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七十九体目 別れ

ふぅー...クーラーが無いとこの季節生きていけな.....あれ?クーラーがつかない.....
こうして私の自室のクーラーが壊れたのであった。

上海可愛い


これは上海が時空の歪みに入って行ったすぐ後の出来事。

 

 

[✕✕神社前~蓮子side~]

上海が入ると、時空の歪みはすぐに消えた。

おばあちゃんの持っている装置が止まったのだ。

昨日と同じように神社は消滅していた。みんな電撃から離れるために神社から離れていたことが幸し、誰も神社と一緒に消えることは無かった。

 

みんなの無事を確認するとおばあちゃんは、地面に落ちている八雲紫に駆け寄った。

 

「紫!!」

「菫子.....」

 

八雲紫の頭はいくつもの電撃により、無数の穴が空いていた。

おばあちゃんは八雲紫を抱き上げた。が、その穴からは血や、それ以外の何かが吹き出していた。

 

「菫子.....私、もうダメみたい.....」

「あなたのしぶとさはどこ行ったの!?いつも妖力とかで直してたじゃない!!」

「.....その力は上海にあげたわ.....今の私に治癒能力や、不思議な力は残ってないの.....時空の歪みの行き先を固定出来て良かったわ.....」

「紫.....馬鹿...何で私を置いていくのよ.....」

「菫子.....私の話.....聞いてくれる?」

 

だが、おばあちゃんは泣いてばかりで答えない。

それに答えてしまうと八雲紫が、いなくなってしまいそうだからだ。それは私にも伝わった。

だが、八雲紫は話し出した。

 

「私は幻想郷を作る時、色んな人に手伝って貰った.....幻想郷ができた時...みんな喜んでいた.....もちろん私も喜んだ.....幻想郷は私の全てなの.....そこで色んな人と出会って...別れ...そしてまた出会った.....いつまでも忘れない.....菫子、短い間.....楽しかったわ..........私は最後の最後までいい事があったわ.....みんなの役に立てたんだもの.....私の命一つで幻想郷が救われる.....そう思えれば十分よ...でも.....最後に.....」

 

そこまで言うと、八雲紫は目を閉じ穏やかな顔になり

 

「最後に...幻想郷が見たかったな.......」

 

そう言い終えると八雲紫は、ゆっくりと首の根元から塵になっていった。

そして最後には八雲紫の被っていた帽子しか残らなかった。

おばあちゃんは大粒の涙をボロボロと流しながら呟いた。

 

「私も.....あなたと一緒に見たかったわ.....」

 

おばあちゃんは八雲紫の帽子を握りしめ、胸の前まで持っていった。まるで八雲紫を抱きしめるかのように、大事に大事に抱きしめた。思い出を壊さないように優しく、八雲紫を離さないように強く.....

 

 

 

 

 

私達は山を降りた。

私は教授を背負って降りた。

黙って山を降りた。

 

 

 

 

 

次の朝、八雲紫の後を追うようにおばあちゃんが死んだ。

眠るように死んでいた。布団の中で帽子を抱きしめ死んでいた。

すぐに医者を呼んだが、手遅れだった。

医者によると、寿命だったらしい。

医者はここまで生きていたのが奇跡だと言った。

 

 

 

私は泣いた。

狂ったように泣いた。

1日中泣いた。

涙が枯れても泣いた。

 

 

 

 

メリーが後ろから抱きしめてくれる。

でも涙は止まらない。

 

 

おばあちゃんのお葬式でも泣いた。ずっと泣いていた。

おばあちゃんの知り合いも慰めてくれた。両親も慰めてくれた。

それでも涙は止まらなかった。

おばあちゃんが火葬された。

八雲紫の帽子と一緒に焼かれた。

涙は止まらなかった。

その日も涙は止まらなかった。

 

涙が止まらなく、眠れない。

目は赤く腫れ、顔はグチャグチャになっていた。

 

 

 

私は夜中、神社まで来た。

涙を流しながら。

神社は無かった。

 

空を見上げる。あと少しで1時。

 

3.....2.....1.....

 

神社が目の前に現れた。

神社には私の目を引くものがあった。

 

私が拭いた賽銭箱。その上に八雲紫の帽子が置いてあった。

あの帽子はおばあちゃんと一緒に焼かれたのに。

そう思い、帽子を手に取る。

すると、何かあったかいものを感じた。

 

私は帽子を被ってみた。

まるでおばあちゃんが頭を撫でてくれているように感じた。

さっきより涙が多く出た。

10分程泣くと、涙は止まっていた。

 

 

私は山を降りた。涙は出ていなかった。

 

私はおばあちゃんとの思い出を大事にする。

 

この帽子はおばあちゃんが残してくれた最後の思い出。

 

この帽子は大事にする。

 

山を降りきった所で、メリーが待っていた。

 

私は最高の親友(マエリベリー・ハーン)とこの人生を楽しむ。

 

いつか私は、メリーと幻想郷に行ってみたい。

 

おばあちゃんと八雲紫が見たかった幻想郷を。




[悲しい感じになってしまいましたね.....結局菫子さんは何歳だったんでしょう.....生きてるのが奇跡みたいな歳.....そこは皆様のご想像にお任せします。次回からは上海、幻想郷リターンです。お楽しみに!!]


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天界編(その他色々)
八十体目 上海、天界に行く


( ゚∀゚)ヒャッハァ! 新しい話だぁ!!
天界の展開を考える.....いや、聞かなかったことにしてください。

上海可愛い


[時空の歪みの中]

私は今も暗い空間にいた。

またか、と思うが今回は違う。

なんと言うか、横に落ちているのだ。何言ってやがんだって思うが、横に落ちている。

 

「へいサタン、私は今どういう状態だ?」

[横に落ちてますね]

「それだけ?後何分で幻想郷に着くとか無いの?」

[私にも分かりませんよ。3秒後か、はたまた何百年後か.....]

「また何百年も暇しないとダメなのか?話し相手がいるだけマシだけど」

[どうやらその必要は無くなったようですね]

「え?何言ってんだ?」

[出口ですよ]

 

どこが前かは分からないが前を向くと、眩しい光が見えた。

 

 

[謎の場所]

勢い余って顔からヘッドスライディングをかます。

少し顔で滑った所で勢いが失われ、止まる。

顔は痛いし服は泥まみれ、ついでに目の前には1本の木。もう少し勢い良く突っ込んでいたら、私の顔が悲惨な事になっていただろう。

悪運と言うべきか、幸運と言うべきか.....

 

とりあえず立ち上がり、辺りを見渡す。

どうやら土があるのはここだけで、他の所の地面は綿あめの様なもので出来ている。

恐る恐る綿あめの様なものを触ると、ふわふわとした手触りだった。

 

[これ、雲じゃないですか?]

「雲?何で雲があるんだ?」

[ここは噂に聞く、天界じゃないですか?]

「天界?やばい奴らの巣窟の?」

[何ですか、そのイメージ.....]

 

天界と言われてピンと来るはずが無い。そんな所来たことも無いもの。

だが周りを見ても雲(仮定)ばかり。

これは天界と信じるべきか.....

 

と悩んでいると、後ろから不意に声をかけられる。

 

「そこのちっちゃいの!!私の木の近くで何をしている!!」

 

突然声をかけられ驚き、後ろに振り向く。

すると偉そうに腰に片手を当ててふんぞり返りながら、もう片方の手で桃を齧っている青い変な人がいた。

白いフリフリ付いたの青いスカート、白い服が首元にある赤いリボンを目立たせている。

青く長い髪は、風も吹いていないのに後ろになびいている。

極めつけは頭に被っている帽子。齧っている桃と同じ桃を帽子に2個乗せている。何の意味があるのだろう.....

すると、ふんぞり返ったまま喋り出す。

 

「さっきから1人でブツブツと、MGMG...怪しいぞ!!!!MGMG...あれか!!お前はあれか!!MGMG...地上から天界を奪おうとやって来た奴らの仲間か!!MGMG...この比那名居天子が、MGMG...成敗してくれる!!ゴックン。」

「.....桃美味しいですか?」

「うん!!」

 

天使のような笑顔で頷く。さすが天界、略してさす天。

と言うか自分から名前を言っていくんだな。

 

「って桃の話じゃない!!何勝手に私の土地に入ってるのよ!!」

 

どうやらこの一部分だけ土のある所は、この比那名居天子とやらの土地らしい。

 

「お前の名前はなんて言うんだ!!」

「何も考えずに人に名前を教えるなって...」

「なら私の名前を教えてやる!!高貴で美しき私名前を覚えて、地獄に落ちろ!!私の名前は比那名居天子!!さぁこれで満足か!!」

 

やっぱり先に名乗ったのは自覚が無かったようだ。こいつはメリー以上の馬鹿だな。

 

[馬鹿とは失礼でしょう!!せめてアホと言うべきです!!]

 

そう言えばこいつ頭の中でも会話できるんだった。

 

「どうした?いきなり黙り出して、腹でも痛いのか!?桃の食べすぎか!?ふっふっふ...やはりここの桃の木に成っている桃を食べすぎたのだな?まぁ、食べすぎても仕方ないわね!!何たってこの私が育てた桃ですもの!!やっぱり分かるか~...なんたらかんたら.........

 

10分後(この間は全て自画自賛)

 

 

.....だから、この桃は美味しいのよ!!どう?私に感謝した!?(迫真のドヤ顔)」

「Zzz.....ハッ!寝ていた...」

 

とふざけて返してみると、急に泣きながら走り出してしまった。

 

 

「うわぁぁぁぁぁん!!!!衣玖に言いつけてやるぅぅぅ!!!!」

 

 

 

遠くの方に走り去って行った比那名居天子を見送る。

桃の木とか何とか言っていたことを思い出し、木を見上げる。そこには美味しそうな桃がいくつも実っていた。

そういうのは本でしか読んでいなかったので、細かくは言えないが、ここまで育てるのは結構大変なはず.....

 

あの子も頑張ったんだなぁ.....それを適当に返してしまったのか...

 

まぁ、話が長いかったから良いか。




[主人公はどこに行ってもトラブルに巻き込まれる。そんな才能を持っている人だけがなれる素敵な職業何ですね.....私はなりたくないですけどね。]


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八十一体目 面倒事が嫌いな衣玖さん

今日は寝て、歯医者行っての1日でした。内容が無いよう.....

上海可愛い


[天界]

風呂敷の中に、近くに落ちていたシュールストレミングを入れる。

この風呂敷は不思議なもので、いつの間にか近くに落ちているのだ。

サタンに聞いても’’知らない,,と言う。ちなみにシュールストレミングは、私と一緒に時空の歪みを通ってきたようだ。

 

「にしてもこのシュールストレミング、どうするかな.....」

[食べてみてはどうですか?]

「お前はこれを食べれるのか?」

[.......無理ですね]

「でしょ?」

 

そんな話をしていると、遠くから声が聞こえてきた。

声から考えるにさっきの桃の人と、他1名ぽっい。

木の影に隠れ、様子を見る。

遠くて良く見えないが、さっきの人ともう1人だ。

 

耳をに神経を集中させて、2人の会話を聞いてみる。

 

「だから本当何だって!!」

「総領娘様、お言葉ですが有り得ませんよ。こんな所に小人がいるわけないじゃないですか。それこそここに来れるのは、最近うるさい地上の大妖怪が攻め込んで来るくらいですよ。」

 

どうやら私の事を言っているようだ。

横にいるのはさっきの桃の天人が言っていた衣玖?だがなんとかという訳か。

 

[見つかったらヤバイですよ。面倒事には巻き込まれたくないでしょう]

(私も同感だ。見つかってないうちに逃げた方がいいな。)

「あの~...すいません」

 

急に声をかけられる。さっきの桃とは違い、穏やかに聞かれた。

振り向くと、さっきの桃の奴の隣にいた人が後ろに立っていた。

服装は.....さっきの桃の奴に似ているが、羽衣っぽいのを羽織っている。

 

「な、何でしょう...」

「ここら辺に小人が.......あなたですね、その小人って。」

「見つけたぞ!!この変な独り言野郎!!」

「総領娘様、お静かに。と言うか話と違うじゃないですか。どこに桃を食い荒らし、木を切り倒そうとして、それを止めた総領娘様を殴り飛ばして、桃の木を育てる大変さ

を語ったら無視されて蹴り飛ばしてきた極悪人面の小人。総領娘様そう言いましたよね?」

「そうよ!!そしてそこにいるじゃない!!極悪人面の小人!!」

 

そう言いながら私の事を指さす桃天人。そんなに極悪人面か?

と思っていると、羽衣の方がため息をつきながら

 

「うちの総領娘様がご迷惑をお掛けしました。」

 

と深々と頭を下げて謝ってきた。

こういう時の反応ってどうしたらいいのかな.....

 

「ちょっと!!何で謝ってんの!?ウダウダウダウダ.....」

「きっと総領娘様が突っかかって来たのを軽くあしらったんですよね、どうかここは許してもらえないでしょうか.....」

「別にいいでs「そう言わずに!!あ!ならお料理を振る舞わせてください!!それで許してもらえないでしょう!?」

「ちょっと!!今、別にいいですって言いかけてでしょ!?話をややこしくs「総領娘様!!あなたはあなたで、面倒を起こさないでくれますか!?総領娘様が面倒を起こす事に、私はそれに収拾をつけないといけないんですよ!?大体総領娘様はウンヌンカンヌン.......」

 

ここから数十分にも渡る説教が始まった。

もちろん私達は話に置いてきぼりになったので、サタンとのしりとりをしていた。

周りから見ると、1人しりとりになるがな。




[しりとり、りんご、ごりら、ラブライバー、バーテンダー、ダーマ、まるでダメな親父略してマダオ、お昼ご飯.....んが付いちゃった...]


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八十二体目 説教の後ってお腹空くよね

な~んもアイデアが思い浮かばねぇ.....
何とか次回に繋ぎたい...

上海可愛い


スヤスヤと眠っていると肩を優しく叩かれた。

眠い目を擦りながら肩を叩いた者を見る。そこには申し訳なさそうな顔をした、さっきの羽衣の人がいた。

 

「申し訳ございません...私、慌てると周りが見えなくなるんです.....」

 

どうやら説教は終わったようだ。

私は口の周りに付いた涎を拭い取り、ゆっくりと立ち上がる。

周りを見渡すと、少し薄暗くなっていた。どれだけ説教されたのか分からないが、さっきの桃天人はうつ伏せで倒れている。

 

「申し遅れました、私の名前は永江衣玖と申します。この度は総領娘様がご迷惑をお掛けしました...あ、総領娘様と言うのはそこの人、比那名居天子と言います。」

「大丈夫ですよ、こういうトラブルには慣れてますから」

「トラブルに慣れているんですか?」

「色々とありましてね.....私の名前はシャンハーイと言います。」

「上海さんですね、分かりました。」

 

前々から気になっていたのだが、シャンハーイで通じるものなんだな。

2人とも自己紹介を終えると、桃天人改め天子が上体だけを起こし、呻くように喋り出す。

 

「衣玖~.....ご飯...」

「そうですね、そろそろ帰りますか。あなたも来ます?もう暗いですし、お詫びもしたいので。」

「それじゃぁお言葉に甘えて...」

 

その言葉を聞くと、衣玖さんは天子を肩に担いで歩き出した。

私は衣玖さんの後ろに付いていく。

天子は肩に担がれながら、私を見つめている。

 

「あなたは一体誰?」

「え?」

 

突然天子が問いかけてきた。

意味不明な質問をしてきた天子に私は動揺した。ここでの正しい回答が分からない。私の名前が聞こえていなかったのか?

 

「私の名前は「違う、お前じゃない。もう1人いるだろ?」

[私の事を言っているんでしょうかね...]

「すいません、総領娘様はお腹が空くと変なことを言い出すんです。気にしないであげてください。」

 

こういう話は笑って流すのだが、そういう訳にもいかない。

今の私の頭の中は、なぜバレたと言うのでいっぱいだ。いや、待てよ。なぜバレてはいけないみたいな考えになっているのだ?

.......深く考えても分からないものは分からないか。

 

「.....衣玖~.....」

「何ですか総領娘様。」

「右斜め後ろ。」

 

言われるがまま衣玖さんは振り向いた。私も釣られて後ろを振り向いた。

そこには黒い服に黒いスカート、足元まで伸びた綺麗な金髪。背丈は衣玖さん並の長身で、その手には身長と同じ長さの太刀のような物を持っていた。

 

 

私はその姿に見覚えがあった。昔、魔法の森で見かけた妖怪に似ていた。

 




[完全なるスランプ!!圧倒的スランプ!!あれだけアイデアが出ていた頃はどこに行ったのか.....
まぁ、ゆっくりでも出していくんですけどね。って言ってました。今回私の出番少ないな.....]


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八十三体目 宵闇の襲撃者

どうもどうも、リアルが忙しかった+アイデアが思い浮かばない!と言うので投稿が全く出来てなかったです。いや~申し訳ない。これからは少しづつ投稿できたらいいな.....

上海可愛い


その妖怪は闇に溶け込むようにたたずんでいた。

 

その妖怪はゆっくりと太刀の剣先を上げ、こちらにその刃を向けた。

 

私はランスを素早く構える。刹那、その妖怪は目にも留まらぬ速さで、私のランスに飛び込んできた。

ランスと太刀の間で火花が弾け飛ぶ。どうやら相手は容赦なく殺す気らしい。殺気と太刀を押す力が半端ない。

 

その妖怪は太刀で私を押しながら、サッカーボールを蹴るように蹴りを入れてきた。

 

蹴りにより吹き飛ばされた私に妖怪は、更に追撃を入れようと私の方に飛んできて太刀を素早く持ち上げる。

斬られる寸前に衣玖さんが電撃を飛ばし、妖怪の動きを止める。

 

「上海さん!!この電撃は多くは撃てません!!後は自力で何とかしてください!!」

「えぇ!?もう撃てないの!?」

 

衣玖さんに無茶を言われる。これには私も驚きの声を上げる。

 

妖怪はまた太刀を構えた。今度は侍のような格好で私ではなく衣玖さん達の方を向いていた。どうやら狙われているのは私だけでは無いらしい。と言うか私狙われるような事したかな.....

 

妖怪はまた目にも留まらぬ速さで衣玖さん達に斬りかかった。次は横薙ぎに斬る。

それを衣玖さんは後ろに飛び、回避する。衣玖さんの羽衣の先がハラリと落ちた。

 

妖怪は次の攻撃に移る。衣玖さんに向け、縦の斬撃。

衣玖さんは電撃を腕から飛ばし攻撃を防ぐ。

 

「あばばばばばば.........」

 

その時に変な声が聞こえた、その声は衣玖さんの肩に担がれていた天子から発せられた声だった。どうやら感電しているらしい。

 

妖怪の方を見れば電撃に触れ、少し動きが鈍くなっている。

私はそこにすかさずランスを力任せに振り下ろす。

 

 

 

 

だがその一撃は妖怪が左手で受け止めていた。

私は反撃を恐れ、後ろに飛ぶ。するとさっきまで私がいた所に横薙ぎが飛んでくる。

 

 

間一髪で避けた私は空中を蹴り、妖怪に拳で突きを入れる。それをまた左手で受け止める。が、拳が左手に当たる瞬間、その妖怪の顔が苦痛に歪むのを私は見逃さなかった。

さっきのランスによる一撃で左手を痛めていたようだ。

 

私は右手で拳を受け止められたまま体を捻り、右手で裏拳を放つ。もちろん左手を狙ってだ。

妖怪の左手首に裏拳がヒットする。妖怪は私の手を離し、左手首を抑えながら痛みに悶える。その時に持っていた太刀を落とす。私はそれを拾い上げる。

 

「圧倒的に不利な状況でも、アイデア次第で状況はひっくり返るんだよ。」

 

私はキメ顔でそう言った。

 

「アイデアっぽいことやってましたっけ?」

「ただ運が良かっただけだよね」

 

衣玖さんと天子から冷たいツッコミを受ける。

そんな冷たいヤツらには寝ている時に生暖かい風を送り込んでやろう。

 

さてさて、事情やその他を聞くためにうずくまっている妖怪を風呂敷に入っていたロープ(ハンモックだったもの)で縛り上げる。

 

「え?その人をどうするつもりで?」

「持っていく。色々と聞くこともあるからね。衣玖さんこれ持てる?」

「あなたは総領娘様より自分勝手かも知れませんね.....分かりましたよ...」

 

ため息をつきながらロープでぐるぐる巻にされた妖怪を肩に担ぐ。私は長すぎる太刀を肩に担ぐ。

そして衣玖さんは歩き出した。私もその後を着いていく。

 

謎の妖怪の襲撃などもあったが私達はまた歩き始めた。目指すは美味しいご飯と安心できる寝床だ。




[久々の投稿でしたがどうでしたか?ちょっとおかしい所もあるかもしれませんが、生暖かく教えて下さると嬉しいです。って言ってました.....私の出番が少なくなっているような気がする.....]


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八十四体目 尋問のすゝめ

皆さんお元気ですか?
私は元気です。ちょくちょく投稿などと言っておりましたが.....まぁ、この結果です。諦めてゆっくり投稿していくことにしましょう。

上海可愛い


「言いたいことはありますか?」

「.......」

 

今、私達はさっきの襲撃者の尋問をしている。

場所は天子と衣玖さんの家、見た目も中身も和風の屋敷だ。

さっきの妖怪は柱に縛り付けられ、身動きができない状態になっている。

 

「では.....まずは私たちを襲った理由をお聞かせください」

「.......」

「そりゃ、私たちを殺そうとしたんでしょ?そこの小人は知らないけど.....なんで桃食べてんの?」

「無論、お腹が減っていたからだ。そういう天子もなんで寝転んでいるの?」

「無論、寝転びたい気分だからよ。」

「お二人共お静かに」

 

衣玖さんの一喝で場は静かになった。こういうのを鶴の一声って言うのかな。

 

「まあまあ衣玖さん、こういうのは何かを食べながらの方が喋るんですよ」

 

そう言いながら私はかじり掛けの桃を差し出した。

襲撃者はその桃を静かに食べ始めた。

 

「さて、名前は?」

「.......無い...」

「どこで生まれた?」

「.....分からない...」

「誰に頼まれて殺しに来た?」

「.....吸血鬼...」

「吸血鬼?」

「衣玖さん知っているのか!?」

「え、えぇ.....噂程度に聞いた話ですが、私たちなどの邪魔者を何とかするために妖怪の賢者が世界各地から協力者を集めているっていう話がありまして.....その中に吸血鬼がいたらしい.....」

 

__________________________

ちょっと補足

[どうも、お久しぶりです。本編の出番が回ってきましたサタンです。この補足は内容を理解出来ない人(作者)の為のものです。結構前に出てきた手紙に書いてあった過去に戻るということ。

例えばアリスが死んだ世界をAの幻想郷としましょう。そこから上海はAの現代から過去に飛びました。そして今、Aの過去の幻想郷にいる。つまり10人の協力者が幻想郷に集まってきている時という訳です。.....難しい.......理解が追いつかない?上海過去に来たって事が分かれば問題ないです。.....ちなみに吸血鬼の話は番外編にありますが.....興味がある人はどうぞ.....出番これだけ?]

_________________________

 

「名前がないと言っていたな、何故か聞いても?」

「私みたいな下級妖怪は名前なんてないのがほとんどだ.....」

「そうか...とりあえずこいつは命令されてやってきた訳だ」

「あの.....私も質問したいんですが.....」

「あ、どうぞどうぞ...」

 

 

 

 

残りの質問などは衣玖さんがやってくれた。

質問の答えをまとめると、森で寝てたら吸血鬼に頼まれた。金と家と名前を報酬に釣られて引き受けた。

そしたらさっきの太刀を貰った。その後は冷静さを失ってしっていた。

 

ということらしい。え?私は何してたかって?天子と一緒に昼寝してたよ。懐かしき故郷の夢だったよ。

 




季節の変わり目なので風邪などに気をつけましょう。


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番外編11 Re:最強の妖精(コラボ)

ありがたい事に蹴翠 雛兎様からまたまたコラボのお話が!!
乗るしかないこのビッグウェーブに!!

という事で早速書きました。
蹴翠 雛兎様の[デート・ア・スペル~ジュエル・ハート~]もよろしくお願いします!!

上海可愛い


上海は眠っていた。

アイマスクを付けて眠っていた。

 

 

 

 

それと同時にあることも思い出していた。

少し前の話である。

簡単に説明すると、夢の中で1人の人物と戦い、負けたのだ。

それから上海は1週間に1日ほど、対その人物を想定した戦闘訓練をしている。

 

 

そして今日。その訓練の成果が出ることを上海は知らなかった。

 

 

 

 

目が覚めた。

周りが異様に寒い。

ゆっくりとアイマスクを外すと、森の中だった。

 

とりあえずそのアイマスクを地面に叩きつける。きっとこのアイマスクが悪いのだ。前もこのアイマスクだったし...

 

とりあえずそこら辺を歩き回ってみる。

やはり前に来た所で間違いないだろう。

 

 

 

しばらく歩いていると霧の湖の近くに出た。

 

そこで私は何を思ったか、地面に小さな穴を掘り出した。

数分経つと私がすっぽり入る位の穴ができた。そこに私は体育座りで入った。

その直後、森の中から人が出てきた。その人は暖かそうなマフラーと帽子をしていた。

そう、私が前回負けた[ミデン・チルド]なる妖精だ。

 

ミデン・チルドは私の入っている穴に気付かず、その上を通り過ぎた。パンツの色は.....言わないでおこう。

さてさて、彼女は今私に背中を向けている。この世界が私と戦った前の世界かどうかは知らないけど、私の中では少なからず恨みはある。

 

私はランスを握りしめ、穴から這い出る。フワフワと彼女の後頭部まで移動する。

そして力いっぱいランスを振り上げ....

「私の仇ィィ!!!!」の掛け声と共に振り下ろす。

が、当然の如く防がれる。しかも素手で。

 

「私の仇っておもしろい言葉ね、今度私も使ってみたいわね」

「久しぶりだな、ミデン・チルド.....どれだけこの瞬間を待ち望んだことか.....」

「あら、私も結構待っていたりしたわよ?この前傷の手当をしている途中に消えたんですもの。心配で夜しか眠れなかったわ。」

「ちゃんと眠れてるじゃないか.....」

「そんなことより景品はどうなかったのかしら?」

「景品?何の事だ?」

「あら、忘れられているのね。悲しいわ」

 

そんな会話をしながら周りの空気は二つの意味で凍りついていく。ついでにランスも凍りついていく。

 

「なにやってんの?」

 

そんな空気を壊して1人、圧倒的強者がやって来た。

その人物は日傘を差し、強者のオーラを放ちながらやって来た。

 

「あぁ、幽香。このちっちゃい娘の相手してあげて。」

「面倒だから嫌.....と言いたいけど、暇だから良いわよ」

 

幽香と呼ばれたその人物。幻想郷お馴染みの最強妖怪、風見幽香である。

 

風見幽香は傘を閉じ、肩に担ぐ。そして余裕の表情をしながら私に向かって挑発ポーズをとる。

 

「あなたからどうぞ?まぁ、痛くもないだろうけど」

「幽香~、余裕だからって気を抜いちゃだめだよー」

 

などと2人は談笑している。対する私は風見幽香との戦い方を考えていた。

まともに戦っても勝てない。というかどう戦っても勝てない。

ならば私のすることはただ一つ。

 

「逃ぃぃぃぃげるんだよぉぉぉぉ!!!!」

「あ、逃げた」

「追わないの?」

「先制攻撃を譲ったから私からは行かないわよ。そんなことより里にお団子でも食べに行きましょ」

「幽香の奢りね」

「は?」

「は?」

 

 

 

 

 

私は必死に走った。後ろから追ってきている感じはしなかった。恐る恐る後ろを振り返ると誰も居なかった。

 

ゆっくりと来た道を戻ってみると、さっきまで居たところで風見幽香とミデン・チルドが弾幕勝負をしていた。

私は草むらからその様子を見ておくことにした。

 

「なんで私が奢るのよ!!」

 

地面を弾幕がえぐる。

 

「普通言い出しっぺでしょう!?」

 

レーザーが霧の湖の上を通り、紅魔館に穴を空ける。

 

「どこの常識よ!!私は奢らないわよ!!」

 

小さな弾幕が私の横にあった木を消し飛ばす。

 

「私がこの前までいた所の常識よ!!」

 

大弾が紅魔館を爆破する。

そして弾幕を避け、風見幽香が私の目の前に来る。

 

「そこの人形と一緒に沈みなさい!!」

 

ミデン・チルドが放ったレーザーがこちらに飛んでくる。

風見幽香は素早く避け、私は目の前に迫ってくるレーザーを避けることなく、その小さな体に受けた。

 

 

 

 

 

そこで目が覚めた。

 

「また夢か.....」

 

私は小さくため息をつきながら立ち上がった。

すると、床に水滴がポタリと落ちた。

恐る恐る顔を触ってみると.......そこには私の顔を覆うように氷が付いていた。

 

 

 

そして上海の戦闘訓練の日は増えたのであった。

その目標は最強の妖精と最強の妖怪だった。




ちなみにこの後の決着は皆さんの想像にお任せ致します。

楽しんでいただけたでしょうか?
よろしければ蹴翠 雛兎様の作品も見ていただけると嬉しいです!!
コラボなどの話もどんどんどうぞ!!


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八十五体目 おにぎりと名付け

そろそろ物語を大きく動かしていこうかな.....そろそろ...

上海可愛い


闇の中から聞こえるものはこの妖怪の息くらいだろう。

 

 

今私は妖怪の見張りをしている。ついさっき昼寝をしたので眠くはないが、少々物静かでつまらない。

この妖怪は喋りかけても無視してくるので、おしゃべりでの暇つぶしは出来ない。

ちなみに天子は寝室で寝ている。起こそうとしても起きないのでこの見張りは私と衣玖さんで行われる。

 

「上海さん、交代です。」

「やっとか.....」

 

正面の襖を開けて衣玖さんが部屋に入ってくる。

その手にはおにぎりが3個乗っていた。

 

「そのおにぎりは?」

「これは上海さんへの差し入れです。ツナとシャケとワサビどれが良いですか?」

「それじゃぁツナとシャケをくれ。残りは衣玖さんにあげよう。」

「冗談ですよ、ツナとシャケと塩です。」

 

と微笑しながら私の隣に座る。お米のいい匂いがふわっと広がる。

とりあえずシャケを取り、塩を妖怪の口に咥えさせる。衣玖さんはツナを食べる。

 

「.....何これしょっぱい.....」

 

私からの呼び掛けには反応しなかった妖怪がやっと口を開いた。にしても私の呼び掛けよりおにぎりの感想かぁ.....悲しいなぁ...

 

「まぁ、塩だからな。」

「何なら他の作ってきましょうか?食べたい味はありm「ツナマヨ」

「...えっとあなたは.....どう呼べばいいんだろう」

「.....私の名前はどうでもいい.....お肉.....」

 

どうでもいいと言うが呼ぶ方がどうでもよくないんだがな。

 

「あ、じゃあ名前決めよう。」

「.....私の名前?.....」

「良いですね、名前があった方が呼びやすいですしね」

「んじゃとりあえず名前の案を出してこう。」

「.....私は何でもいい.....」

「えっと.....思い浮かびませんね...」

「私に名付けを任せるのか.....それじゃぁ[ルーミア]ルーミアで。え?」

「いい名前ですね!!」

「.....いい名前.....私はそれでいい!.....」

「...それじゃぁ私は休憩に入るよ。」

「お疲れ様です。上海さん!」

「.....ありがとう!.....」

 

私はそそくさとその場を去る。

そして外に出て月を見上げ、意識を集中させてとある奴を呼び出す。

 

[何ですかぁ?]

(何故あの時口を出してきた?)

[あの人にはあなたの記憶に該当する雰囲気を感じました。]

(つまり?)

[外の世界で見たじゃないですか。未来を変えたら取り返しのつかないことになるって]

(あの青狸の映画か.....まぁ、あの妖怪は宵闇の妖怪だったって推理するという事か。)

[別人だったとしても同じ名前の人なんていくらでもいますよ]

 

私はため息を付きながら地面を眺める。土とも名称し難い何かが地面に広がっている。

忘れかけていたがここは天界。周りの風が冷たく鋭い。

 

(大体見た目が違うだろ。私が知っているのは子供の姿だ。あれはどう見ても大人だ、つまり別人だ。OK?)

[あなたはここが過去という事を分かっていますか?あなたの幻想郷から何年前か知りませんが、その数年の間に何かがあったと考えた方がいいでしょう。ここは幻想郷です。何が起きてもおかしくありません、子供になることもありますよ。]

(ああそうかい)

[え?反応それだけですか!?なるほどとか言わないんですか!?]

(花の名前を言っただけだ。そんなに喚くな。)

 

まぁ、確かに...そんな事があってもおかしくは無いな。外の世界で見た名探偵みたいな事があっても不思議ではないな。

 

そういう事で話を終わらせ、私は家の中に戻ろうと踵を返す。

いつのまにか月は雲に隠れ、辺りは真っ暗だった。

 




[やっと出番ですよ!!ちなみに本編中に名前を言ったのは、出番が欲しかったからですね。その後理由を聞かれた時は即興で言い訳を考えました。我ながら素晴らしい言い訳だったと思いますね。]


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八十六体目 縋るは神か人形か

コタツ最高~.....もう出たくない~.....

上海可愛い


「このルーミアさんですが、地上に送り届けに行きたいと思います。」

 

そんな衣玖さんの一言から始まる一日です。

 

 

 

私は白米を食べながら衣玖さんを見る。人形なので食べる必要はないのだがな。

横では天子が味噌汁を飲んでいる。

そんな天子だが目を輝かせている。地上という言葉に反応しているようだ。

 

「衣玖!!私が連れていく!!」

「ダメです。」

「なぜにッ!!」

 

即答だった。

まぁ色々と危険もあるからな。

私は空になった茶碗を机に置き、その詳細を聞くことにした。

 

「誰が連れていくんだ?」

「とりあえずルーミアさん本人と、地上と天界を行き来出来る私、ついでに上海さんも護衛として「何で私はダメなの!?」.....護衛として連れていきましょう」

 

綺麗なスルーだ。点数を付けるなら85点は妥当だろう。

すると天子が私を掴み上下に振り始めた。

 

「何で私はダメなのよ!!謎よ!!こんな小人は連れていくのに私は留守番なのよ!!」

「分かりましたから総領娘様、とりあえず上海さんを下ろしてあげてください。さっき食べた白米が出てきそうです。」

「え?あ、ごめん...」

 

私は天子の手から離れ地面を転がる。目の前の景色は水車のように回っていた。

 

 

~~人形休憩中~~

 

 

「.......ふぅ.....」

「ごめんなさい...」

 

天子が床に頭を付けて謝ってくる。

別にそこまで怒ってはないんだが...

するとそれを見ていたルーミアが口を開いた。

 

「.....それよりもどうやって地上に行くの?.....」

「飛べば何とか行けるじゃん」

「.....地上の妖怪に撃ち落とされる.....」

「.......衣玖さん何か策を...」

 

そう言いながら衣玖さんを見る。

すると衣玖さんは身につけていた羽衣を外し、私たちの前に差し出す。

私はそれを受け取る。その羽衣はずしりと重く、鋼のように硬かった。

 

「これを盾にして行けば、雑魚の攻撃など毛ほどの痛みもありません。」

「衣玖さん...これ付けて生活してて重くないの?」

「もう慣れましたよ」

「あっそうですか。」

 

私は衣玖さんに羽衣も返す。衣玖さんが触れた瞬間重さを失ったかのように軽くなった。

 

「それでは私は下に降りる準備をしてきますので、お二人共も準備をどうぞ」

「.....私は大丈夫.....」

「私も大丈夫かな」

 

すると天子が床を這いずって近づいてくる。

 

「私は.....何故行けないんだ.....」

「えっと.....そういうのは.....あれだ。強い人が家を守るべきだろ?.....そういうものだろ?」

 

苦し紛れの言い訳だった。

だがそんな話でも天子は信じてくれたようで、ゆっくりと立ち上がりシャドーボクシングを始める。

 

「そうね!!私のような強い人が家を守らなきゃ!!安心して行ってきなさい!!私の強さにかかれば侵入者なんて秒で死ぬわよ!!」

「まぁ、頑張ってくれ。」

 

という訳で天子の説得に成功した私は、ルーミアを連れて外に出す。

外では衣玖さんが地面に羽衣を敷き、その上から手を当てていた。

こちらに気づいた衣玖さんは手招きをしながら羽衣の裾を掴むように促した。

 

「上海さんこれ掴んでください。ルーミアさんは私が担ぎましょう。」

「にしてもこんなもので地上に行けるのか?」

「まぁ、見ておいてくださいよ」

 

そう言いながら衣玖さんは拳を振り上げ、電気を纏わせる。

そしてその拳を落雷のように素早く羽衣の上に落とす。

すると羽衣はドリルのような形になり、地面を貫通する。その羽衣ドリルと一緒に衣玖さんも落ちていき、羽衣ドリルを掴んでいた私も落ちた。

 

 

そして私たちは地上へと落ちていった。後に英雄の集まる日と呼ばれる日に。

 




[やっと地上に行けますね.....懐かしの...あれ?私、幻想郷の地上に行ったことあったっけ?]


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八十七体目 上海、大地に立つ

殺伐とした幻想郷に上海が!!




上海可愛い


青い空、白い雲、そして落ちる私。

 

私は上海、今地上に向かって高速で落下中なの。そんな言葉が頭の中で聞こえたような気がした。

 

 

聞こえるのは風を切る音と、私の掴んでいる羽衣がなびく音だけだ。ちなみになびく羽衣を掴んでいる私は右へ左へ振り回されている。

衣玖さんは羽衣の中心でドリルを形成しているし、ルーミアはいつにも増して無表情.....あれ?気絶してない?

 

とかそんな事考えて現実逃避している間にも地上は迫ってきている。私は思わず目をつぶる。

 

 

 

 

 

大きな衝撃が私を襲う。

地響きと鳥の羽ばたく音が聞こえる。

 

 

 

 

 

どうやら無事(?)に地上に着いたようだ。私たちが落ちたのは森の中で、木々をなぎ倒し大きなクレーターが出来ている。

 

「いてて.....みんな生きてる?」

「私は何とか...」

 

そう言いながら衣玖さんが立ち上がる。いつのまにか羽衣を装備している。

まだ衣玖さんの肩に担がれているルーミアは、腕を上げ親指をたてる。

 

「とりあえず地上には着いたようですね。さて、ルーミアさんをどうするかですね。」

「木にでも吊るして.....あれ?どうやって帰るの?」

「え?また羽衣でヒューンと...」

「またあの地獄を味わうのか.....」

 

私がそう言うと衣玖さんはちょっと困ったような顔をした。

 

「そうですねぇ...それでは帰ることが出来ませんね...」

 

そんな話をしていると近くの背の低い木からパキリと木を踏む音が聞こえました。

3人とも音の鳴った方を見ました。するとその背の低い木の奥から男が出てきました。

その男の顔色はやけに白く、その色と真反対の黒いマントを纏っていました。

その男は私たち3人の姿を見つけるとニヤリと笑い、誰に届くか分からぬような声で呟きました。

 

「お、落ちてきたのはやっぱりお前だったか」

 

その姿を見て最初に声を発したのはルーミアでした。

 

「.....お前.....あの時の.....」

「ルーミア、知り合いか?」

「上海さん....こいつただ者じゃ無いですよ...」

 

衣玖さんはその場で少し腰を落とし、臨戦態勢に入りました。するとその男はその場で腰をおり、律儀に自己紹介を始めた。

 

「私の名前はヴェルヘル・ディルヴァルム普通の吸血鬼です。そこにいるのは天人のお知り合いの.....永江衣玖さんですね。そこのちっちゃいのは.....誰だお前。」

「ひでぇ!!」

 

私の事を知らないディルヴァルムとやらに腹が立つ。だが何故衣玖さんの事は知っていたのか....

それよりもルーミアは何故そいつを知っていたのか...

 

「にしてもそこの妖怪、お前には名前も家もくれてやると言ったのに.....まったく役にたたなかったじゃないか...まぁ、いいか.....だって...」

 

そこまで言われて気づいた。こいつはルーミアに天子を襲うことを命じた吸血鬼だと。

そしてその吸血鬼は目の前から消えた。

 

 

 

そして背後から消えるような声が聞こえる。

 

 

 

 

 

 

「お前らみんなここで死ぬんだからよぉ...」




[ヴェルヘル・ディルヴァルム.....一体どれほどの強者なのか...]


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10人の英雄編
八十八体目 VSディルヴァルム 前編


まぁまぁのバトル回。バトル回って苦手だな...

上海かわいい


振り向くと同時にランスを振るう。だがそこに(吸血鬼)の姿は無かった。

 

「どこを狙っているんだ?私はそこに居ないが?」

 

どこからか声が聞こえてくる。

周りを見回しても(吸血鬼)は居ない。

 

「お前らには私を倒す事が出来ないだろう。どれだけ探してもな。」

「ぐぁッ!!」

 

突然、衣玖さんが苦しそうな声をあげる。衣玖さんのみぞおちには殴られたような跡が出来ていた。

 

「お前達は私に触れることなく」

「.....ッ!!!!」

 

突然、ルーミアが顔から地面に叩きつけられる。

 

「私を見つけることなく」

「ぐっ!!!!」

 

突然、横から蹴りつけられ、近くの木に叩きつけられる。

 

「お前達は死ぬのだ。何も出来ずにな。」

 

 

強い。圧倒的に強い。

痛みが残る体を動かそうとしながら奴を探す。

 

(透明になる能力か?)

 

そう思い私は地面から砂を取り、前に向かって投げつけた。その砂は風に流され空を舞う。

 

「ほう、砂で私の位置を探ろうとしたか.....だが無駄。」

 

頭を掴まれ持ち上げられる。

 

「私は透明になったわけではない。私はお前達の感覚から’’消えた,,だけなのだよ。」

 

見えぬ手に掴まれたまま、奴は私に喋りかけてきた。

 

「冥土の土産に教えてやろう。私はあらゆるものを’’消滅,,させる事が出来るのだよ。お前達の’’聴覚,,と’’触覚,,以外の感覚から消えたのだよ。お前達の中から私の姿と臭いが認識できなくなったのだよ。」

 

すると何も無い空間から奴の姿が浮き出るように現れた。奴の瞳は澄んだ緑色だが、生き物らしい(ぬく)もりがないような瞳だった。

 

「今、君の視覚から私の姿を消したという事実を’’消した,,。これで君は私の姿を視認する事が出来る。」

 

そう言いながら私を衣玖さんの近くに投げ捨てる。

そして奴はルーミアを蹴り、私達の近くに転がした。

 

「さて、無駄話もこれ位にしておこう。君たちには消えてもらおう、文字通りね。」

 

奴がゆっくりと近づいてくる。

その時、私の隣で倒れていた衣玖さんがゆっくりと立ち上がる。

 

「これ以上近づくな...」

 

そう言いながら衣玖さんは私達をドーム状の電気を作り出した。

奴は歩みを止めることなく、ゆっくりと近づいてくる。

この様子だと電気は効かなそうだ。だが衣玖さんは電気を張るのをやめない。私たちを守るために。

 

奴が電気のドームに足を踏み入れる。すると無言で痺れ、真後ろに吹き飛んだ。

何が起きたの分からなかった。電気を張っていた衣玖さんも、私も、奴すらも驚いていた。

 

「ぐ.....何だ...何が起きたんだ...」

 

奴は何が起きたのか分からなかったようだった。その様子を見て、私の中のとある考えは確信に変わった。

ついさっき奴の瞳を見た時、その考えが生まれた。

 

(もしかしてこいつは目が見えてないんじゃないか?)

 

そんな考えが生まれていた。だがその考えには矛盾があった。どうして私たちを攻撃できたのか、その考えがあったせいで事実が見えなかったのだ。

 

残った問題は奴がどうやって私たちを見ているかだが.....そんな事は後々考えればいいのだ。

 

「衣玖さん、ルーミア、奴は目が見えていないと思う。」

 

小声で2人に告げる。幸い奴はまだ遠くで、何が起きたのかに頭を抱えていた。

 

「じゃあどうやって私たちを攻撃出来たのですか...?」

「それは分からない...だが奴を倒す可能性が出てきた。それは確かだ。」

「.....奴を倒すためなら何でもする.....」

「それでは私も覚悟を決めましょう。」

「2人とも.....ありがとう。」

 

そう言いながら立ち上がる。衣玖さんに肩を借りながらルーミアも立ち上がる。

その動きを察知したのか、奴もこちらに顔を向ける。

私は今思いついた作戦を、2人に手短に伝える。

 

「...分かりました。それで行きましょう。」

「.....私の役目は全力で果たす.....」

 

2人は戦闘体制に入る。私も近くに落ちていたランスを拾い戦闘体制に入る。

 

こうして私達の決死の作戦は始まった。



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八十九体目 VSディルヴァルム 後編

お久しぶりです!!私は帰ってきた!!
久しぶりの執筆なんでおかしな点もあるかもしれませんがご了承を.....

いつか手直しするから許して...

上海可愛い!

なっつかしぃ...


衣玖さんが静かに電撃をチャージし始める。

ルーミアは奴の懐に飛び込み、バックステップを繰り返している。

そんな中私は.....衣玖さんの後ろでひたすらランス振りかぶっていた。

 

 

これには奴もにっこり.....な訳もなく頭の上に大量の?マークを浮かべていた。

傍から見れば変な行為。だが、私達からすれば立派な作戦なのだ。

「気でも狂ったのか?」

「なぁに...ただの戦略だよ」

奴が一歩踏み出す。それに合わせて私は号令を出す。

「第二段階!!」

ルーミアはバックステップをやめ、奴の周りを軽やかなステップで回り出す。ぐるぐるぐるぐると回り出す。

奴はピタリと動きを止め、やはり?マークを浮かべている。

「くっはははは!やはり気が狂ったか!?」

「さぁて?」「どうでしょうか?」「.....か?...」

私はランスを衣玖さんの後ろから投げる。そのランスは衣玖さんの右横を擦るように通り抜け、回るルーミアを器用に抜け、ディルヴァルムに突き刺さ.....る訳もなく。ディルヴァルムは体を少しずらし避ける。

ランスはディルヴァルムの横を通り抜け、森の奥に消えて...

「...いかないんだよね!!」

ルーミアが飛んでいくランスの柄の部分を掴む。

そして私達の方に投げ返してくる。そのランスは衣玖さんの左脇腹を通り抜け私の手元に帰ってきた。

そしてそのランスの柄の部分には糸が。その糸は私の右手から繋がっていた。

「む...?これは...糸?」

「そう!!糸!!糸だ!!この糸は特殊な素材で出来ててね...」

衣玖さんが両脇の糸を両手で掴む。私はランスから糸を外し、ルーミアも糸を木の棒で固定し離れる。

「そんな事をしてなんになる!!」

 

「.....電気...通すんですよ。」

 

衣玖さんのチャージされた電気が糸を通して流れる。その電流は衣玖さんの右脇から始まり、ディルヴァルムの後ろを通り、衣玖さんの左脇に戻ってゆく。簡易的電流デスマッチの完成だ。

そして糸と糸の間は衣玖さん一人分。電気達はその間をバチリバチリと音を立てながら埋めている。

「ぬぅ...!!なんのこれしきぃ.....!!」

「これで終わらないんだよ!!」

ランスを投げつける。そのランスは糸の間の空間を滑るように飛ぶ。そのランスは電流によりレールガンの容量で加速する。

そのランスはディルヴァルムが消えるよりも先に、ディルヴァルムの腹部に深々と突き刺さる。

 

「ぐ.......はぁぁ...」

 

ディルヴァルムは前のめりに倒れた。




後書き何書いてたっけ...?
読み直さなきゃ...


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九十体目 盲目の吸血鬼

前回のあ〜ら〜す〜じ〜
吸血鬼とバトル!!
レールガン!!
ばしゅっ☆ごぉぉ☆
大勝利!!
捕☆縛

上海可愛い


お腹に空いていた穴はすぐに塞がり、吸血鬼は直ぐに意識を取り戻した。が、身動きは取れない。口以外をロープでぐるぐる巻きにしておいたからだ。

 

「...こんなロープ程度でこの私を「衣玖さん」

 

私の合図と共に衣玖さんが電撃を放つ。

吸血鬼は電撃をまともに喰らい、口を閉ざす。

目配せをし、電撃を止める。

 

「.....痛い、やめろ。電気は嫌いだ」

「こんな事になった原因はあんたにあるんだけどなぁ?」

「そうですね...確かにそちらから襲ってきましたものね?」

「え?...背後に回っただけなのだ「衣玖さん」

 

電撃を喰らい吸血鬼が身を攀じる。

さっきより少し遅めに電撃を止める。

 

「この私に人権は無いのか!?」

「吸血鬼に人権ってあるのか?」

「.....ない...」

「えぇ...仮にも吸血鬼だぞ?この私は仮にも吸血鬼だぞ!?」

「総領娘様に刺客を向かわせたのはどこの吸血鬼でしたっけ?」

 

吸血鬼は口を閉ざす。そしてため息を一つ。

 

「分かった...何が欲しい...金か?権力か?家か?それとも世界の半分か!?」

「強いて言うなら.....金...いや、情報?」

「情報...一番高いものを要求するな?何の情報が欲しい」

「全て。」

「まずはあなたのお名前、素性等からお願いします」

 

衣玖さんがフォローを入れる。さすがに’’全て,,はアバウト過ぎたか。

吸血鬼は静かに自己紹介を始めた。

 

「この私の名前は先刻も言った通り。ヴェルヘル・ディルヴァルム。吸血鬼だ。」

 

そう言いながらディルヴァルムは閉じていた目を少し開け、頭を軽く振り金髪を軽く靡かせた。

ディルヴァルムの目は澄んだ緑色をしている。

 

「なるほど...では私達を襲った。その目的は?又は動機は?」

「妖怪の賢者に頼まれたからだ」

「もっと詳しく」

「地上にな。楽園を作るんだと。その為には天界の土地が邪魔になると。」

「そんな勝手な理由で...」

 

衣玖さんは顔を伏せ、下唇を噛む。

そんな衣玖さんを見ても悪びれもせずディルヴァルムは続ける。

 

「私は邪魔な者を片付ける役を与えられた。そんな役はこの私がやるべき事ではないと言ったのだがな...あれだけの大金と土地を与えると言われたら流石のこの私でも折れる他ない。」

「金に釣られた駄目吸血鬼...」

「そこの小人、口を慎め。この私がその気になればお前の存在を消す事もできるんだぞ?」

「事実じゃん.....衣玖さん!」

「は「やめろ!!電撃はやめろ!!」

 

突然声を張り上げたディルヴァルムに皆動きを止める。

そしてディルヴァルムは’’また,,ため息をついた。

 

「分かった...この私が悪かった.....」

「それ衣玖さんに言ったの?それともルーミアに言ったの?」

「ん?永江衣玖に言ったのだが?」

「じゃあルーミアにも謝って」

「何故だ?私が何かしたか?」

「蹴った。後私たちを襲わせた。ついでに言うなら私もやられたから謝って。」

「えぇ.....」

「.....そうです。謝ったら...永遠に従うと誓うのです...」

「むぅ.....」

「さぁ早く。私も早く帰らないと総領娘様が寂しくて死んでしまいますから。」

 

 

「断る」

 

 

ディルヴァルムはロープを’’消滅,,させ、立ち上がった。

 

「お前達に言う事などもうない。情報もたっぷり与えた。という事で失礼する。」

 

そう言いながらディルヴァルムは背中から宝石のような羽を広げ、羽ばたき飛び去った。

撃ち落とそうと攻撃するも、全て効果が見られなかった為、早々に切り上げた。

 

 

もっと頑丈なロープにすべきだったか。




こんな色...でしたよね?まずは皆さんお久しぶりです!!サタンです!!え?誰.....だって!?酷いです!!え!?私が喋れるのもあと少し!?そんなぁ...作者なんですから何とか...え?疲れた!?そんな理由で!?えーっと...皆さん!!また次回もよろしくお願いします!!後私のことも忘れ(


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九十一体目 イ キ ツ ク サ キ

前回のあらすじぃぃ!!
尋問中ぅ!!
吸血鬼逃亡ぅ!!
終わりぃ!!


上海可愛いぃ!!


私達は森の中、地面に座っていた。

作戦会議である。

 

「これからどうする?」

「.....私は未定...」

「私はルーミアさんを地上に送り届けれたので天界に帰ります。総領娘様も心配ですし...」

 

衣玖さんは申し訳なさそうな顔をする。

私は精一杯明るい声で

 

「分かった。天子によろしくね」

「はい」

 

本音を言うと帰って欲しくない。頼りになるしもっとお話もしたい。けど、だけども衣玖さんには衣玖さんの人生があるから。私が引き止める事は出来ない。私に出来るのは

 

_______________________________

 

笑顔で手を振って見送る事だ。

衣玖さんは羽衣を膨らませ、気球のように空に登って行った。

 

 

 

白だった。

_______________________________

「.....これからどうする?...」

「そうだなぁ.....あの吸血鬼追いかける?」

 

ルーミアは明らかに嫌な顔をした。

そりゃ嫌だよね。でもそれ以外にやることないんだもん。

 

「.....泊まるとこ...」

「あ...確かに...泊まれるとこ探さなきゃ」

「.....賛成...」

 

そんなふわふわとした目的を掲げ、私達は森を歩き出した。

 

 

 

〜〜人形&少女移動中〜〜

 

 

 

しばらく歩くと大きな屋敷が突如姿を表した。

外見は古い木造建築だが、蜘蛛の巣等の物は一切なく、まだ誰かが住んでいてもおかしくない雰囲気だった。

ただ一点を除いて。

 

ありとあらゆる窓、扉は木の板で塞がれていた。何者も入れぬ様に、まるで全てを拒絶するように、何かに怯えるように。

 

「まるでお化け屋敷だな...」

「.....もうすぐ夜...」

「そうだな...とりあえず正面玄関の板を外そう。」

 

そう言い、私達は作業に取り掛かった。

板はなかなかに外れなかった。二人で協力してやっと外せる程固かった。

外した板の裏を見てみると御札がびっしりと...

私達は外してはイケナイモノを外してしまったのかもしれない。

 

そして日が完全に暮れた頃。やっと人一人分が通れる隙間が出来た。

さっきからゴソゴソと後ろの草むらが揺れ、赤い目がこちらを見ている。

私達は民家に不法侵入した。

_______________________________

【???】

「中は思ったより綺麗だな...」

「.....何だか寒い...別の所探す?」

「なんだよルーミア。ビビってんのか?」

 

カタッ

 

奥の部屋で何かが倒れた音がした。

 

「.....バカバカしい...お化けなんているわけない...科学的に考えて...」

「あ、ちょっと!!」

 

ルーミアは音の正体を確かめようと奥の方へと歩いていく。

いくつもの襖や廊下をどんどんと進んでいく。何かに取り憑かれたように他の物に目もくれず。

私はと言うと、その襖や廊下に一面何重にも貼られたお札を横目にルーミアを追いかけた。

渡り廊下を渡り、角を何度も曲がり、それでもルーミアは進む。’’一度も迷うこと無く,,

_______________________________

【???の間】

ルーミアが立ち止まったのは大広間の前だった。大広間の襖にはお札は一枚しか貼っていなかった。だが、そのお札は襖の間で縦に真っ二つになっていた。

 

「ル、ルーミア?どうしたの?」

「.......」

「中に...何かあるのか?」

 

ルーミアは私の言葉に耳を傾けず、襖に手をかけ、一気に開け放った。

 

 

そこに居たのは、白い髪の毛。ふわりとした花柄の着物が印象的な少女が、御膳にのったご飯を食べていた。

 

 

御膳の上には少量の白米。焼き魚の切り身。花形のお椀に漬物と言う質素な食事がのっていた。

 

 

 

 

 

ばたり

 

 

 

 

 

突然、そんな音が聞こえてくる。

 

視界の端に金髪が見える。

 

花柄の着物を着た少女は悲しそうな顔をしている。

 

ゆっくりと横を向く。

 

ルーミアは地面に倒れ伏していた。

 

「ど...どうしたの...?」

「.......」

 

返事は無い。助け起こそうと、手に触れる。

 

 

冷たかった。

 

まるで死人のように。

 

 

ルーミアを仰向けにする。

 

ルーミアの目はしっかりと見開かれていた。

 

瞳孔は開ききっていた。

 

左胸に耳を当てる。

 

心音は聞こえない。

 

聞こえるのは、

 

 

 

 

震えた私の息遣いだけだった。




あ...あれ?ルーミア...さん?えっと.....衣玖さんはしばらく出番はありません.....それよりもルーミアさん...ど、どうするんですか?これ?


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九十二体目 死祖の亡霊

前回のあらすじ!
ルーミアが死んだ!!
\この人でなし!!/


上海可愛い


「ルーミア.....?」

 

ルーミアは死んでいた。

生暖かだった体温はどんどんと冷たくなっていく。

 

「あの.....ごめんなさい...」

 

花柄の着物の少女はポツリと呟く。

花柄の着物の少女は手で顔を覆っている。

 

「何か...したのか?」

「私は何も...私の存在のせいで.....ごめんなさい...」

 

私は花柄の着物の少女に近づく。

花柄の着物の少女は背を丸め、小さくなっている。

花柄の着物の少女の肩を掴もうと手を伸ばす。

が、その手は少女を掴むことなく、宙を掴んだ。

 

「や.....やめてください...私を.....見ないでください...」

「色々と説明してもらわなきゃダメだ。それにルーミアも生き返らせなきゃいけない」

「.......どうして...」

 

花柄の着物の少女は泣いている。小さな体を震わせている。

 

 

 

「どうして私の姿を見ても死なないんですか?」

 

 

 

「それは...どういう事だ?」

「あなたは.....亡霊ですか?」

「いや、人形です。」

「人形が喋る訳ないでしょ!!」

 

盛大に存在を否定されてしまった。傷付くなぁ...

さっきの言葉の意味。どうして死なないのか...か。

それに亡霊ですか?という質問。

つまり亡霊は存在している事を知っている。それに体をすり抜けた...

 

「あんた亡霊か?」

 

花柄の着物の少女は体をビクッと震わせ、ゆっくりとこちらに顔を向けた。

花柄の着物の少女は顔を涙と鼻水でくしゃくしゃにしながら震える声で

 

「どうして分かるんですかぁ.....」

 

と答えた。なぜ分からないと思った。

花柄の着物の少女は子犬のような目でこちらを見ている。

 

「あいにく亡霊と戦ったこともあるのでね。」

 

メガネと共に葬った懐かしい思い出だ。

 

「亡霊と.....?もしかして私も.....こ、殺さないでください...!!」

「殺さないよ!!とりあえず落ち着いてくれると助かるんだけど...」

 

そう言うと花柄の着物の少女はゆっくりと深呼吸を始めた。

 

〜〜亡霊少女深呼吸中〜〜

 

「落ち着いた?」

 

花柄の着物の少女は小さく頷く。

 

「まずは自己紹介から。私の名前はシャンハーイだ」

「わ..私は西行寺 幽理子(さいぎょうじ ゆりこ).....」

「西行寺.....?どこかで聞いたような...」

「わ、私を知っているんですか!?じ、実は...私、記憶がないんです...」

 

そう言うと幽理子はぽつりぽつりと話し始めた。




え?.....ルーミアさんそのままですか!?


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九十三体目 死の屋敷と幽理子

前回のあらすじ!
ルーミア放置プレイ!
以上!!

上海可愛い!


むかし昔.....私が初めて目を覚ました時。

燃え盛る炎に囲まれていました。私が目覚めた所は燃え盛るお屋敷の中でした。

 

私の傍には二人の人間が死んでいました。

一人は心臓を小刀で刺されて。もう一人は...何も装飾がない仮面を被っていた人でした。その仮面を恐る恐る外しました。その仮面の下には.....

 

私がいました。

 

安らかに、微笑みながら死んでいました。

私は震える足を必死に動かして、燃えるお屋敷から逃げ出そうとしました。いくつもの襖を開けて、抜けて、走って、開けて、抜けて、走って.....

 

 

 

 

何人も死んでいました。

刺されて、首を絞められて、切り伏せられて、燃やされて、撃ち殺されて.....

何人も、何人も...

 

死にかけの人もいました...

もがき苦しむ人、炎の中を転げ回る人、虫の息になりながら腹に刺さった矢を抜こうとする人、狂ったように笑う人.....

色んな人がいました.....

 

私は走って逃げました。そしてついに外に通じる襖を開けました。

外からは新鮮な空気が流れ込み、代わりにお屋敷の中からは炎がごうごうと出ていきました。

お屋敷の外は庭になっており、そこでも人が死んでいました。ですが生きている人が多く、刀を構え、私の方を驚いた顔で凝視していました。

 

 

 

次の瞬間。私の背後から白い玉の様なものが飛んでいき、そこにいた人達の体の中に入っていきました。すると、そこにいた人達はみな、死んでしまいました。まるで糸が切れるように。ぷっつりと。

 

その死んだ人達からも白い玉が出てきて、私の背後に飛んでいきました。

私はその白い玉を追って、振り返りました。そこには.....

 

何十個何百個という白い玉が飛んでいました。その白い玉には一つ一つ顔があり、どれもこのお屋敷で見た顔でした...

その中には私の隣で死んでいた彼の顔もありました。私はそれらが魂である事を理解しました。

私はその魂の数に怖くなり、また、走り出しました。街に出て、街道を走り抜けました。すれ違う人、私を見た人は全て。死んでしまいました。

そしてその体から魂がふわふわと私の後ろに.....

 

 

最終的にたどり着いたのは森の中でした。

私が踏んだ草は枯れ、触れた木は枯れ木と成り果てました。

しばらく歩くと小さな湖に出ました。そこで私は水面を覗きました...ですがそこに私の姿は無く、ただ、月明かりだけが反射していました。

_______________________________

「それが私の知る事です...」

「.....なるほど、で、いつ名前が分かるの?」

「名前は最初の部屋に手紙が落ちていまして...そこに西行寺幽理子の名前がありました...」

「自分以外の誰かの名前だと疑わなかったのか?」

「.....そう言えば、疑問に思いませんでした...」

 

幽理子はまた下を向き、静かに息を吐き出した。

だがこれで色々とわかった。ルーミアが死んだのはさっきの話に出てきた謎の突然死と同じ。つまりルーミアは幽理子の後ろに居る魂に殺された。そしてルーミアの魂は今は幽理子の後ろに居る.....

 

 

「閃いた!!」

「ッ!?なんですか!?いきなり叫ばないでください.....」

「いい事を思いついたんだ!!前に私が亡霊と戦ったって言ったよね?」

「は...はい。」

「その時にその亡霊はとある人間に憑依して攻撃してきた事があったんだ」

「えっと.....話が見えて来ないんですけど...」

 

 

 

 

「私がルーミアを作るんだよ!!!!」




なぁに頭のおかしい事言ってるんですかねぇ?


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九十四体目 上海初めての人形作り(ほぼかっと)

前回のあらすじぃ!
特になし!

上海かわいい


提案から作業までは早かった。

 

 

屋敷の中から鉄や革。木などをかき集めた。足りない物は外に行って取ってきた。途中襲ってきた狼らしき生物も軽く捻り、血や肉も集めた。

 

 

風呂敷に詰め込んだ物を幽理子の居た部屋で取り出す。幽理子に聞いたが、ここは【鳥兜の間】と言うらしい。

 

 

集めてきた材料は私の糸で繋ぎ合わせ、幽理子が形を整える。そんな作業をもくもくと続ける事一時間.....

 

 

_______________________________

 

「ついに出来た...」

 

私の目の前には五体の人形が寝かされていた。私とてアリス様の近くでいつも人形作りを見ていたから、人形程度は作れる。能力である[想像する程度の能力][創造する程度の能力]もフル活用し、全力を尽くした。普通の人との見分けがつかない程の完成度だ。

 

 

_______________________________

左から一番目。試作品一号。私を模した姿形をしている。というか私そのもの。

 

二番目。試作品二号。一号とあまり変わらず。変わった所といえば髪の毛が黒い所。

 

三番目。試作品三号。これまた一号とあまり変わらず。変わった所といえば牙が生えている程度。

 

四番目。No.1。金髪の幼女。小さくも力強さを感じる目をしている。

 

五番目。実験品一号。余った材料で作りあげた物。狐の尻尾が生えている人間。

_______________________________

 

「こ、これでどうするんですか?」

「幽理子は亡霊だよね?」

「はい...亡霊ですけど...」

 

私は満面の笑みで人形を指さしてこう言った。

 

「これに入って動かしてみて!」

「.......えぇ...」

 

幽理子は露骨に嫌な顔をした。そりゃ急にそんな事言われたら困るよね。

 

「これはゆ〜ちゃんにしか出来ない事なんだ!」

「なんですかその呼び方.....うぅ...そんな目しないでください...」

 

そう言いながらも恐る恐る幽理子改めゆ〜ちゃんは試作品二号に入っていく。右足を入れ、膝。左足。左膝。そしてゆっくりと沈んでいく。

ずぷずぷ...ずぷずぷと...

 

そしてゆ〜ちゃんが見えなくなった時。二号が目を開けた。

 

「おぉ!!さすがゆ〜ちゃん!!喋れる?立てる?」

「.......」

 

ゆ〜ちゃんはばたばたともがくだけで立ち上がらない。

やはり幽霊の身、地に足を付けて立たないので慣れないのだろう。

私は二号改めゆ〜ちゃんを支え、立ち上がらせる。

 

「喋れる?」

「む.....つか...しぃ.....」

 

やはり言葉を喋るのは難しそうだ。幽霊の時はどうやって喋っていたんだろうか..

とりあえず幽理子を人形から引っ張りだそう

 

〜〜亡霊少女離脱中〜〜

 

「ふぅ...人形の中は狭かったです...」

「ごめんね〜無茶言って。で、次の実験だけど...」

「私は実験台ですか...?」

「亡霊だから他の亡霊を触れるよね?他の亡霊を人形にねじ込むことってできる?」

「さも当然のように言ってますけど触れれるか分からないですよ.....やってみますけど...」

 

そう言いながら幽理子は自分の背後に手を伸ばし、何かを掴んだ。

そしてその手をそのまま人形の方へ持っていき、ぎゅっと実験品一号に押し付けた。

次の瞬間。実験品一号はバタバタと暴れだし、

 

「ぷはぁ!ど!こ!こ?か!」

 

と喋り出した。活きがいいな。

とりあえず縄で縛って吊るしておく。口には猿轡だ。

 

「さて、実験は成功した訳だが...」

「まだあるんですか...?」

「次で最後だ。ルーミアの魂をNo.1に入れて欲しい。」

「.....それでルーミアさんが戻ってくる...と?」

 

私は無言で頷いた。

幽理子は複雑そうな顔をして

 

「どうなっても...知りませんよ」

 

そう言った。

幽理子はまた背後に手を伸ばし、何かを掴み、それをNo.1に入れた。

 

 

 

私はNo.1の顔を無言で覗き込んだ。

 

 

No.1はゆっくりと目を開き

 

 

私の顔を認識し

 

 

声を発した

 

 

「.....ただいま...」

「おかえり」




なんか...うっすいですね...次は頑張る?ほんとですかぁ?


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九十五体目 始動

やぁどうも。私だ。生きてるよ。ちょっとモチベが上がらなくてね。書いたから許して...

前回!!
ルーミア人形となって復活!!


上海かわいい!!


暗い屋敷の中、人形二体と亡霊一人は部屋の中央に集まっていた。

 

「さて。これより第七回これから何をするかアイデア出し合い大会〜!!」

「わー...」

「わー.....これ何回かやってるんですか?」

「これが初めてだよ!!」

「あぁ...(遠い目)」

 

夜が明けたことを告げる鳥の声を遠くに聞きながら、私達はおにぎり片手に先の事を話し始めた。

ちなみにおにぎりは私が作った。すごいだろ。

 

「.....んゅ...体が思うように動かない...」

 

ルーミアはおにぎりを食べながら首や肩を回している。

 

「...じ...実は私...とある用事があるんです...」

 

幽理子がおにぎりをひとつ食べ終えたところで話し始めた。

 

「用事って?」

「えっと.....実は私とある人と会う約束がありまして...」

「へ〜...いいじゃん。いつ会うの?」

「えっと...今日の正午...」

「.....もう朝...」

「え?早くない?ていうか会って大丈夫なの!?死なないの!?」

 

幽理子は着物の下から一通の手紙を取り出した。

 

「約束は手紙でもらったので...」

「手紙以外のやり取りは?」

「ありません...」

「こっちから返事だしたの?」

「いえ...」

 

幽理子から半ば強引に手紙を貸してもらい、中身を見る。

内容は一方的な集合場所と時間が書かれていた。ご丁寧にこの屋敷から集合場所への地図付きだった。

 

「よくこれで行こうと思ったな...」

「あの...すいません...人とのやり取りが久々で...興奮してしまいまして...」

「はぁ...」

 

何なのだろう。天然なのだろうか馬鹿なのか。

幽理子は私の背中を指でちょんちょんと押してきた。私が振り向くと幽理子は涙目でこちらを見ていた。

 

「え...ど、どうしたの?」

「私.....待っていてくれた人が死んで欲しくありません...それに...一人で行くのが怖い...です...」

「え〜っと...ついてきて欲しいと?」

 

幽理子は小さく頷いた。

私はルーミアの方を見る。するとルーミアは肩を竦めた。

幽理子の方を見ると今にも泣きだしそうだった。

 

「はぁ〜...分かったよ。助けよう。私はこう見えても何でも屋的な者でね。」

 

そう言いながら幽理子の前に手を差し出した。

すると幽理子の顔はみるみる晴れていき、私の小さな手を握った。

_______________________________

 

完成した.....遂にできた.....!!

私の努力の結晶!!

そうね.....あなたに名前を与えましょう。

プロトタイプだから.....そうね。

あなたの名前は

 

 

 

【██████】




どうもどうも。サタンです。本編の出番をください(切実)さて、別に解説する事はないので終わりですかね。(やだぁ!!出番欲しいぃ!!)それではまた次回。


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九十六体目 再会?いえ、初対面です。

前回のあらすじ

怪しい手紙の主に会いに行く。
私も同行しよう。
上海院!!

上海かわいい


ずるりずるり

 

何かを引きずる音が木にこだまする。

人形が二体。一つの棺桶を引きずっていた。

 

「.......」

「.......」

 

無言。

ただただ無言だった。

引きずって

 

引きずって

 

引きずった。

 

 

〜〜人形棺桶輸送中〜〜

 

 

「.....ここどこ...」

「え〜と...森の中...」

「.........」

「そう機嫌を悪くしないでよ。ほら、待ち合わせ場所はもうすぐ...」

 

木々の間から以前どこかで見た黒いマントがちらりと見えた。

私とルーミアはピタリと動きを止めた。

それと共に棺桶も止まった。

 

「そこの」

 

突然声をかけられる。

背中に掛けてあったランスを引き抜く。

 

「こうなりゃ徹底抗戦あるのみ...!」

「.....待って...もう居ない...」

 

ルーミアの言った通りいつの間にか黒いマントは見えなくなっていた。

 

「じゃあ誰が...」

「私よ」

 

背後から声が聞こえる。ルーミアと視線を合わせ、ゆっくりと振り向く。

そこには無数の目が蠢く空間の【隙間(スキマ)】が広がっていた。

 

「私の名前は八雲 紫(やくも ゆかり)。この場所に楽園を作る妖怪です。」

 

そう言いながらその妖怪はスキマより現れた。

その姿はどこか胡散臭く、だけど美しく、そして幼ささえ感じさせた。

 

「.....こいつ、強い...」

「あぁ...知ってる...」

 

八雲 紫(やくも ゆかり)は棺桶の上に降り立つや否や私を掴み、持ち上げた。

 

「あなた...どこかであったかしら?」

「ひえ...あっえましぇん」(訳:いえ...会ってません)

「そう...」

 

八雲 紫(やくも ゆかり)は私を放し、足を組んで棺桶に座った。

 

「率直に聞きましょう。目的は何かしら?」

「人を運んで来た。その棺桶の中だ。」

「となるとあなた達は付き人?」

「.....そうなる...」

「小さいあなたも?」

「あぁ。」

 

八雲 紫(やくも ゆかり)は顎に手を当て、少し考える仕草をした。

その時、棺桶がガタガタと揺れだし八雲 紫(やくも ゆかり)は飛び退いた。

 

「何!?何が入ってるの...」

「ぷはぁ...死ぬかと思いました...あ、死んでました...」

 

棺桶の中から声が聞こえる。

 

「すみません...空気穴を塞がれると苦しくて...」

「誰か入ってるの...?」

「この中には私達が運んで来た人が詰めてある。」

「なぜ詰めてるの...?」

「.....その人を見ると死ぬから...私が一度死んでるから事実...」

「って事はあなたはもしかして...西行寺 幽理子?」

 

私は手紙を広げ八雲 紫(やくも ゆかり)に見せた。

 

「これを送ったのはあなた?」

「あ〜...なるほど。だからここに...」

 

八雲 紫(やくも ゆかり)は私とルーミアの顔を見てから、棺桶を見た。

 

「棺桶は即席の物で、畳や柱を分解して組み合わせた粗末な作りさ」

「.....作る為に一部屋犠牲になった...」

「なるほどね...今までの無礼を詫びるわ。ごめんなさいね。小人さんと.....金髪の幼怪(ようかい)さん」

「人形じゃい!」

「.....その言い方...気に食わない...」

「それと西行寺 幽理子。来てくれてありがとう。」

「いえ...」

 

すると八雲 紫(やくも ゆかり)はため息をついた。

 

「でも困ったわね...実は他にも何人か呼んだんだけど来たのはあなた達だk.....いや、直ぐにいなくなったのがいたわね...」

「あ〜...あのマントは見間違いじゃなかったのか...」

「.....見間違いの方が良かった...」

「あら、知り合いでもいたの?」

「いえ、」「.....知らない人です...」




この世界は過去なので、タイムパラドックスを起こさぬように初対面を装います。過去に飛んだ者の宿命だね。仕方ないね。


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九十七体目 亡霊と吸血鬼。それと人形。

前回のあらすじ!!

わぁ!八雲紫!!
以上!!内容薄かったね!!ごめんね!!

元号変わったね...どうでもいいね...
そしてエイプリルフール!!!!
上海人形最終回!!

.....え?エイプリルフール終わってる?ウッソだろお前!?今のなし!!今のな〜し!!



上海かわいい


〜〜数分前〜〜

「予定が狂ってしまったので、今日は解散!!」

 

八雲紫は声高々と宣言した。

幽理子を閉じ込めている棺桶を見つめ、その後八雲紫を涙目で見つめた。

 

「あ〜...その棺桶を運ぶのは苦行だと思うわ。頑張ってね。」

「.....ド畜生...」「そーだそーだ!!」

「Zzzz...」

 

棺桶の中から聞こえる寝息。それが少し心地よく、腹立たしく聞こえた。

八雲紫は静かにため息をつき、私達の足元にスキマを開いた。もちろん私達は棺桶と共に落下した。

 

〜〜そして現在〜〜

「へぶっ!?」「.......」「わっ?!」

 

三人が着地したのは畳の上だった。クッションも無く、ただただ痛かった。

八雲紫は頭上のスキマから顔だけを逆さに出した。

 

「特別よ。今日来てくれたお礼として運んであげただけだから。」

「あ〜...クッションとか用意してくれてるとありがたかったナ...」

「次に落ちてくる時の為に各自用意してね〜。それじゃ」

 

そう言い切ると八雲紫はスキマを閉じた。

とりあえず私は、幽理子を棺桶から出した。

幽理子は大きく伸びをし、

 

「おはよ〜ございます。」

 

と、間延びした声で言った。

 

「とりあえず「待っていたぞ...」

 

私の声に被せて聞こえた声。それは部屋の奥から聞こえてきた。

どこかで聞いた事のある声。脳に刻まれたその声は、部屋の闇そのものから聞こえたようだった。

 

私は声のした方を向き、ランスを構えた。ルーミアも棺桶の一部を剥がし、太刀のように構えた。

ディルヴァルムは部屋の奥で、壁にもたれ掛かるように座っていた。

 

「まぁ、そう身構えるなよ...私は争いに来た訳じゃァない。」

「何を目的に来た...ディルヴァルム...」

「...いつからこの私を名前で呼んでいいと言った?」

「知るか。なんて呼ばれたい?電気が苦手な吸血鬼か?金に釣られた誇り高き(笑い)の吸血鬼か?」

「はぁ...名前で呼ぶ事を許可しよう...」

 

ディルヴァルムはゆっくりと前髪をかきあげた。

状況も相手の素性も理解していない幽理子は、ただ、おろおろとしていた。

 

「それで...なんの目的でやってきた。」

「あぁ...そっちの金髪は野良妖怪か...随分小さくなったな...」

「.....野良妖怪じゃない...今はルーミアって名前がある...」

「そうかそうか...」

「話をすり替えるなよ...もう一度聞く。何を目的にここに来た。」

「クッククククククク...クッハハハハハハ...ハッハハハハハハハ!!!!」

 

ディルヴァルムは静かに笑いだし、やがてその笑い声はこの屋敷隅々に響き渡るほどに大きくなった。

 

「何が可笑しい!!」

「いや、実の所お前達に用はない。その棺桶に用があるのだ」

 

そう言いながらディルヴァルムは蓋の空いた棺桶を指さした。

 

「この私は見ての通りの吸血鬼だ。」

 

そう言いながらディルヴァルムは、背中に付いている宝石のような羽を軽く羽ばたかせた。

 

「そしてこの私は棺桶が無くては寝れないタチでな。ここに来るにあたり棺桶を持ってきていたんだが...途中で壊れてしまってな。その代用としてその棺桶をと言う訳だ。」

「.....意味がわからない...」

「絶対裏がある...」

「.....まず壊れたら取りに帰ればいい...」

「遠いのだよ...海を越えたそのまた向こうに、この私の館がある。」

「証拠は?」

「ない。」

 

一触即発。その言葉が相応しい空間だった。

私はランスを握り直した。ルーミアは息をゆっくりと吐き出した。ディルヴァルムはダメだったかと言わんばかりにため息をついた。

 

「あっ!!.......あの.....」

 

先に動いたのは誰でもなく、幽理子だった。

 

「要するに...寝床が欲しいんです.....よね?」

「そういう事だが...誰だ...さっきから声だけ...この私が姿を捕えられぬとは何者だ?」

「えっと...私は西行寺幽理子...亡霊です.....」

 

幽理子は弱々しい口調ながらも、途切れ途切れに言葉を投げかけた。

 

「亡霊か.....どうりで.....それでその亡霊が何用だ?」

「あの.....この屋敷は...私の物なので.....えっと...所有権もどう使うかも私に.....あの、決定権があると思うのです...」

「なるほど?それと今の話になんの関係がある?」

「寝床が欲しいんでしたら.....あの...部屋がいくつか余っているのでそれを...使ったらどうですか.....?」

 

「「「は?」」」

 

 




はろーはろー。さたたんだよ〜。作者さんと話し合った結果私は今回の見所とか補足とか〜。後は感想で来たよく分からなかった所(来るのか分からないけど)等を説明していくよ〜。よろしくね〜。


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九十八体目 夢。それとしつこい吸血鬼

前回のあらすじ!!
廃屋敷に帰ってきた!!
げっ!!吸血鬼だ!!
何!?寝床が欲しい!?
幽理子「ここでみんなで寝ましょう」
一同「は?」


上海かわいい!



暗く、底のない沼の...奥深く

何も見えず、何も聞こえず。自分の声も分からず、他人の存在も分からず。自分の存在もわからず...

 

「たすけて...」

 

そんな声が聞こえた気がした。

上に、上に、浮上していく。

 

「たすけて...」

 

声は上から聞こえてきていた。

まだ上...

もっと上に...

 

「たすけて...!!」

 

だんだんと光が見え始める。上は真っ赤だった。

上の様子がぼんやりと分かると共に私の事もぼんやりとわかり始めた。

私の体はボロボロで、腕はへし折れ、足はぐちゃぐちゃ。握っているランスは鉄くずに成り果てていた。

 

「たすけて!!」

 

それでも私は浮上をやめない。

折れてはいるがまだ繋がっている。ぐちゃぐちゃでもまだ立てる。鉄くずでもないよりはマシだ。

 

「たすけて!!」

 

私は

勢いよく水面から飛び出した。

_______________________________

「.......夢か」

 

上半身だけを起こし、周りの様子を見る。

見慣れた廃屋。敷かれた三人分の布団。それを横断するように寝ているルーミア。その上に座る私。

 

「人形でも...夢を見るんだな...」

 

そんな事を思いながらルーミアの上から下りる。

確か....

 

[幽理子さんの提案に仕方なく従い、吸血鬼除く三人で布団敷いて寝てたんですよ。なんで忘れてるんですかねぇ?]

(そっか...ってなんか久しぶりだな。)

[はろーはろー。お久しぶりでーす。あなたの脳内パートナーのサタンですよ〜]

(そう...)

[え?それだけ...?]

 

私は部屋の入口の襖を開け、廊下に出た。相変わらず御札は隙間なく貼られている。

外に通じる襖を無理矢理こじ開け、外に出る。縁側のような場所だった。

 

[外に出てどうするんですか?]

「さぁ...ただ外に出たい気分だったんだ」

 

そうサタンに答えながら私は屋根の上に登った。

屋根の上にはツタや、雑草が生い茂っており、天然のカモフラージュになっていた。

一部のツタや雑草を引きちぎり、座れる場所を作った。

 

[お月見ですか?]

「そんな洒落たもんじゃないよ...ただ色んなことがあったなぁ...って...」

 

月は大きく、私達の上で輝いていた。

天子は元気だろうか...

 

「こんな時間に一人で外にいるとは.....馬鹿なのかアホなのか...」

 

突然背後から声が聞こえた。振り向くと、そこにはまた(・・)あの吸血鬼。ヴェルヘル・ディルヴァルムが立っていた。

私はランスを構えた。するとディルヴァルムは馬鹿にしたような笑みを浮かべながら

 

「まあまあ落ち着け。お前の独り言は聞かなかった事にしてやるから。な?」

 

私はもやもやいらいらした気持ちのまま、ランスを下げた。だがしまってはいない。

するとディルヴァルムは、自分の足元のツタ等を消滅させ、そこに座った。

 

「...なんの用」

「まぁそうカリカリするなよ。そうだな...この私の昔話でもしてやるから」

「別にいらない...」

「そうか...」

 

そう言いながらディルヴァルムはしょんぼりとした顔をした。

月はまだ、輝いていた。




はろーはろー!!久しぶりの本編の出番があって嬉しいさたたんだよ〜!!えっとね。私の出番の代わりに感想が一つも来なかったよ...みんな...軽い気持ちで感想送ってくれていいのよ...?なんでもいいのよ?面白かったと言う一言でもダメだしでもいいのよ...?


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九十九体目 毒の瘴気と招待状

前回のあらすじ!!
お月見!!
以上!!


上海かわいい


朝が来た。屋根の上から見る朝日は一段と輝いて見えた。

_______________________________

鮭を食べ、味噌汁を飲む。おにぎりを頬張りながら、漬物をかじる。

私を含めて四人。時を同じ。場を同じに朝食を食べていた。

美味い。

 

「これが’’ワショク’’と言う物か...美味しいな。」

「.....黙って食え...」

「そこ。あの、喧嘩しないでください...」

 

やはりルーミアはディルヴァルムの事を敵視しているようだ。それに対してディルヴァルムはどうとも思っていないようだ。

空になったお茶碗と、箸を置き

 

「ごちそうさまでした」

 

と一言。ぽつりと呟いた。

空いた食器を洗い、残っていたお米でおにぎりを作る。

おにぎりを包み、風呂敷に入れる。この風呂敷はいつの間にか側にある。その上外から見たサイズと内容量が合わない。最初から私と一緒に居るが、違和感は覚えなかった。

 

「.....お待たせしました...」

 

そうこうしているうちに、ルーミアがやって来た。今日はルーミアとこの近くを探索する予定だった。

風呂敷が何なのか気にはなるが、今は重要じゃないだろう。

_______________________________

【魔の樹海】

幽理子の屋敷から歩いて五分。深い深い森の中。毒キノコが乱立し、毒の瘴気が舞い踊る死の樹海だった。

が、人形の私達には効果がないようだ。

 

「暗いな...」

「.....暗い...」

「燃やす?」

「.......」

 

さすがに発想が危なすぎたようで、ルーミアは黙り込んでしまった。

 

 

 

〜〜人形探索中〜〜

 

 

 

 

「なんだこれ...?」

 

森の中には大きなくぼみが出来ていた。ぽっくりと。

木も草も、キノコの欠片さえ跡形もなく。そこだけを掘り起こして持っていかれたように。

くぼみの内側を見ても何も異常は無く、くぼみの淵には少しばかり草が生えていた。どうやらかなりの時間が経っているらしい。

とりあえずくぼみの位置を自作の地図に書き込み、引き返した。

 

 

〜〜人形帰還中〜〜

 

 

幽理子の屋敷へと無事たどり着いた。

玄関に入り、いくつもの廊下を抜け、いつもの鳥兜の間まで戻ってきた。後で屋敷の壁をぶち抜いておこう。廊下が長すぎて歩くのが面倒になった。

 

「あ、上海さん。これ...」

 

部屋に入ると幽理子が一通の手紙を持って駆け寄ってきた。

その手紙の送り主は八雲紫。

その時点で嫌な予感しかしなかった。

 

「読むよ...?】単刀直入。色々とトラブルが起こった為、前回予定が狂ったのは知っているわよね?そのトラブルのうちの一つに、招集をかけた人達が集まらなかった。そしてその人達に連絡がつかなくなったと言う問題が起きたの。報酬は払うからその人達を連れて来てね♡すぐ迎えに行くから用意しておいてね。】.....と。」

「.....なぜ...」

「私達なのか...」

「それはあなた達が’’ちょうどいい’’存在だからよ。」

 

私達はスキマの中に落ちていった。




はろーはろー。さたたんだよ〜。この章は長くなるからぐだぐたしながら細かく区切っていくよ〜。次回から████編始まるよ〜。よろしくね〜。次回も?上海!上海!


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地獄・閻魔大王編
百体目 血の池ダイビング


前回のあらすじ!
上海とルーミアが誘拐された!
なんてこった!


さて、やっと100話目までやってきましたね。ここまで来るのに約一年。サボってた期間を合わせると二年ですね...いやー長いような短いような...
応援ありがとうございます。さて、そろそろ2周年なので何かやりたいですが...リアルが忙しかったりするので厳しいですかね。
とりあえずこれからもよろしくお願いします!

上海かわいい


「んで、」

 

私とルーミアはスキマの中に座り込んでいた。地面なのかは分からない。かといって空中でもない。そんな不思議な空間だった。

そして紫は私達の目の前に立っていた。

 

「ごめんなさいね。ただ今は時間が無いからちゃちゃっと説明するわね。」

「誘拐する程か...?」

「時間が無いのよ。色々と。」

「色々って?」

「それは.....色々よ」

 

そう言うと紫は手をパチンと叩いた。私達はまた、落ちた。

_______________________________

【█████】

落ちた先は空中だった。

頬を切り裂くような熱い空気。そこらかしこから聞こえてくる阿鼻叫喚。眼下に広がる真っ赤に煮え立つ池。

そこは、まるで地獄のような場所だった。

 

「わぷぁっ!」

「.....っ!...」

 

上がる水しぶき。私達はその池に落ちた。水は真っ赤でドロドロし、体にまとわりつく。

ペロリと舐めてみると、血のようだった。ていうか血だった。

 

「とりあえず岸まで泳ぐぞ!」

 

ルーミアからの返事はなく、ただ、バシャバシャと水しぶきを上げる音だけが聞こえた。

ルーミアの方を見ると、片腕以外沈んでしまったルーミアがいた。

 

「もしかして...ルーミア泳げないのか...」

 

そう呟きながら、私は血の池に潜った。

 

 

〜〜少女救命中〜〜

 

 

とりあえず岸までルーミアを運び上げる。ルーミアは飲んだ血をダラダラと吐いていた。

 

「ハァ...ハァ...まさかルーミアがカナヅチだとは...」

「.....申し訳ない...」

「ほんとねー...私も落とす所をもうちょっと考えた方が良かったかしら?」

「ハァ........紫、いつのまにか居るのはもう慣れたよ...」

「あらそう...ちょっと残念。」

 

紫はルーミアの背中を擦りながら残念そうに言った。

私は血の池に近寄り、手で池の水をすくってみる。不健康そうなドロドロとした血が手にまとわりついた。だが不思議な事に服には一滴もついていない。ルーミアも同じで、血の池に浸かったはずなのにその黒い服は健在だった。

 

「それで、ここはどこ?だいたい予想はつくけど...」

「えぇ。恐らくご名答。ここは地獄よ。」

「まるで地獄じゃなくほんとに地獄か...針山とかあるの?」

「あるわよ〜。事実あの有名な血の池はここよ。」

「.....うっぷ...もう血の池はこりごり...です...」

「それで、ここで何をすればいいんだ?私達を誘拐する程の出来事なんだろうな?」

「そうね〜。それよりもまず言っておくことがあるのよ。」

 

そう言うと紫はスキマの中に身を隠した。

 

「あなた達は今、不法侵入として狙われてるから気をつけてね♡」

「「.....は?」」

 

背後から巨大な気配を感じる。

 

「ルーミア...」

「.....うん...」

 

ゆっくりと振り返る。そこには肌が赤く。筋肉隆々。殺気増し増し。金棒担いだ二本角。

 

「悪魔やんけ......」

「鬼じゃい!!!!!!!」

 

そう叫びながら、赤鬼は金棒を私達目がけて振り下ろした。




はろはろー。さたんだよー。いやー長いね。でもお話の中盤くらいには来たかな?そしてこれまで見てくれた人達〜ありがとうね〜。これからも見てくれると嬉しいよ〜。


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百一体目 上海とルーミアの地獄旅行

前回のあらすじ!
ここは地獄!
血の池に溺れるルーミア!
鬼!


平成最後に間に合った...これで多分平成最後です。上海人形家出禄、平成の間ありがとうございました!令和からも上海人形家出禄をよろしくお願いします!

上海かわいい


「まぁ、お見事」

「お見事も何もあるか.....」

 

鬼は傷まみれで血の池に浮いていた。

鬼を激闘の末、血の池に浮かべることには成功した。鬼は強く、ルーミアと私の全力でやっと勝てたと言った具合だった。

 

「でも、悲報ね。更に鬼が来てるわよ」

「えぇ...どこに...?」

「まだ遠いけど直ぐに来るわ。」

「なぜ分かる...」

「まぁ...秘密よ。とりあえず身を隠す所を探した方がいいんじゃないかしら?」

「あんな化け物と連戦なんてごめんだ。」

「.......」

 

ルーミアは黙って、何度も頷いていた。

 

 

〜〜人形&少女移動中〜〜

 

 

移動中、岩の上にたたずむ不気味な人間を見つけた。顔はガスマスクを被っており、そこから背中のタンクへとホースが繋がっている。格好は廃材をかき集めた、ポストアポカリプスの住民のようだった。

その人間はギョロギョロと周りを警戒していた。

 

「あれはなんだ...?」

「なんだと思う?」

「.....鬼の一種...」

「まぁ...ほぼ正解ね。」

 

その人間の後方から、同じ格好の人間が複数人。針まみれのバギーのようなものに乗ってやって来た。何か短く会話を交わすと、岩の上の人間はバギーに乗り込み、その場を去って行った。

 

「あれは死人の成れの果て。軽い罪の者は記憶を消されて地獄でこき使われるの。」

「あきらかにヒャッハーしてそうな見た目なのは...?」

「さぁ...?流行ってるんじゃないの?」

 

嫌な流行りだ。それよりも

 

「それよりもそろそろ私達をここに連れて来た理由を話してくれてもいいんじゃないの?」

「あ〜.....そうだったわね。まだ言ってなかったわね。」

 

すると紫は地面に手を着き、すぐに離した。

 

「周りに誰もいないからちょうどいいタイミングね。えーっと、あなた達をここに連れて来た理由。それは簡単。とある人を連れてきて欲しいの。」

「招集をかけた人達と連絡がつかなくなった...だったな?んでここにその一人がいると。」

「話が早くて助かるわ。それで...まぁ...単刀直入に言うと。ここからしばらく東に向かうとその人がいるわ。」

 

紫は東の方角を指さす。その指をさした方向には踊り狂う灼熱と、暗雲が立ち込めていた。

私とルーミアはものすごく嫌な顔をした。

 

「言いたいことは分かるわ。でも私はまだやる事があるから迂闊には動けないの。だから自由に動けるあなた達が必要なの。今、自由に動けるのはあなた達しかいないの。」

「随分と着いてきてくれているけどそれは自由じゃないのか?」

「.....実を言うともうそろそろ時間なのよね。」

「時間...?」

「詳しくはまだ言えないんだけど...まぁとりあえず二人で頑張ってね!」

 

そう言い切ると、紫はスキマの中に消えていった。その表情には苦しさのようなものが見えた。

 

「とりあえず...行くか」

 

ルーミアはまた、静かに頷いた。

 

_______________________________

身を焦がし、喉を焼くような空気の中、私達は進んだ。時々、火の粉が飛んでくる。いつも、どこかから叫び声が聞こえる。

 

「ここが目的地か...?」

「.....恐らく...」

「でかい館だな...」

 

私達の目の前には赤黒い、巨大な館が静かにたたずんでいた。

館の入口らしき所には鬼が二匹、門番のように立っていた。

 

「どうする...?」

「.....正面突破...」

「却下。一匹でも苦戦するのに二匹は更に苦戦する。」

「.....そっか...」

 

二人でうんうんと唸っていると、バギーが一つ近づいてきた。

そのバギーは私達に気付かず通り過ぎ、鬼の前で止まった。

鬼がバギーの中を確認すると扉を開け、バギーは中に入っていった。

 

「なぁルーミア。」

「.....うん...」

「良いこと思いついた」

 

そう言うと私は、風呂敷の中から糸を取り出した。

 

 

〜〜人形罠設置中〜〜

 

 

道の真ん中に糸をピンと引いた。車が通れば糸に引っかかり、止まる仕組みだ。簡単だが丈夫な糸が求められる。

私達は糸の両端でバギーが来るのを待った。

 

すると早速来た。バギーには二人が乗っていた。

バギーはスピードを緩めること無く、罠に突っ込んだ。バギーは糸に引っかかり、後方を振り回しながら縦に回転した。

すかさず私達は乗っていた二人の様子を確認した。二人とも気絶しており、当分起きることはなさそうだった。

その二人からガスマスクと服を奪い、そそくさと着替えた。

元ガスマスク二人を縛り、道の隅に放りだす。バギーを起こし、乗り込む。

 

「ん...?」

 

バギーには大きな麻袋が括りつけられていた。中身を確認してみると裸の女性が入っていた。気絶しているようだった。

 

「どうする?」

「.....道に置いてると危ない...」

「持ってくの...?」

 

ルーミアは頷いた。仕方なく麻袋を閉じ、バギーを走らせた。

さて、これで上手く鬼をやり過ごせるのやら...




はろはろー。平成が終わるねー。みんなは何か思いでのこせたかなー?そういえば今回いつもより長めなんだけど〜...いつもの長さの方がいいかな〜?それとも今回よりちょっと長めが好みー?感想で教えてくれるとありがたいよ〜


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百二体目 メタルドールソリッド

前回のあらすじ!
地獄!
小鬼!
バギー強奪!


上海かわいい


ここは地獄の最重要施設のうちの一つ。

その門番をしている鬼が二人。そう。この俺だ。

俺の名は《佐々鬼(ささき)》。隣で一緒に門番をしているのは幼なじみの《鬼村(きむら)》。

いつも二人で門番をしている。門番と言えど一日に二、三度来る小鬼バギーを通すくらいの仕事だ。

侵入者は来ない。まず地獄に侵入できないからだ。盗人もいない。それどころか生者もいない。

 

と思っていたら。

 

 

 

「どうやら侵入者が来たようだな...」

「なんでぇこんな時に...」

「だが、どこから入ったのか...」

「ほんまやで...地上への入口も...」

 

そんな会話をしていると、バギーが一台。岩の陰からやって来た。

門の前でバギーを止めさせ、バギーの荷物を確認する。

バギーには小鬼が二人。麻袋が一つ。

 

「ん...?小鬼、なんやお前...小さくねぇか...?」

「え.....」

 

鬼村(きむら)の言った通り、小鬼はいつもよりも小さく見えた。いや、小さい。どこからどう見ても小さかった。

 

「お前...さては...」

「せやな...恐らく...」

「「新入りやな」だな」

「え...あ、はい!ソーナンデス!シンイリナンデス!」

「やはりか。にしてもこんなに小さいのに...大変だな。」

 

そう言いながら扉を開ける。

バギーをゆっくりと進める二人の小鬼。

それを鬼村(きむら)が呼び止める。

 

「あ、待ち待ち。侵入者がおるってのは小鬼でも知ってるよな?んでもこれ秘密なんやけど...そいつ殺ったらなんと賞金が出るらしいねんて!頑張りや!」

 

小鬼二人は俺達二人に手を振りながら扉をくぐって行った。

俺達二人は扉を閉め、前に向き直る。

 

「なぁ...あれって...」

「まぁな。」

 

これから忙しくなりそうだ。

_______________________________

 

「なぁルーミア...」

「.....もはや賞金首...」

 

そう言いながら私達はバギーから降りた。

バギーには決まった停車位置があるらしく、探すのに苦労した。

麻袋を下ろし、ルーミアが肩に担ぐ。停車位置を聞いた際にこれは最上階に運べと言われたので、渋々運ぶことにした。

 

駐車場の鉄の扉を開け、メインフロアらしき所に出る。フロアの中央は吹き抜けになっており、最上階である4階まで続いていた。

鬼達は忙しそうに書類を持って駆け回っていたり、耳に手を当て何かを喋っていたり、フロアの端で書類を書いていたりしていた。

 

私達は階段を見つけ、それを登った。小鬼もいるようで、私達は上手く溶け込めていた。

1階は受付のような雰囲気だったが、2階はいくつかの部屋で区切られたガラス張りの会議室のようだった。中では鬼達が何かを話し合っている。壁にはでかでかと何かの設計図が貼られている。

 

「なぁ...あれってなんだろ」

「.....拷問器具?...」

「うっへぇ...」

 

そう言いながら階段を見つけ、3階へと登った。

 

3階はこれまでとは打って変わって物静かだった。鬼もほとんど見えない。下の階からの喧騒は吹き抜けを通り聞こえてくる。吹き抜けへの落下を防ぐ手すりから下を見る。こうして見ると鬼も人間と大して代わりがない。まぁ私は人形なのだが。

 

最上階である4階。そこには大きな扉が一つ。

豪華な装飾が施され、いかにも重要な部屋である事を強調していた。

 

「ここ...?」

「.....恐らく...」

 

扉を開け、中に入る。

部屋の中は大きな机が置いてある、執務室のようだった。

その机には真っ黒い大鬼が座って、何か書類のようなものを読み漁っていた。

黒い大鬼は顔を上げ、こちらを凝視すると大声を張り上げた。

 

「何者だ!小鬼風情が!この私が《閻魔大王》と知ってのことか!?」

 

閻魔大王はこちらに近寄り、私を掴みあげた。

 

「ちょっと待ちな!」

 

部屋のどこかから、女性の声が聞こえてきた。その声に反応し、閻魔大王は動きを止める。額には脂汗が滲み出て、手汗がゆっくりと湧き出てきた。ぬるぬるして気持ち悪い。

 

(わーし)を差し置いて閻魔大王を名乗るとか。死刑モンっしょ」

「その...お声は...」

 

その声は、麻袋の中から聞こえていた。

ルーミアは麻袋を地面に置いた。すると中から全裸の女性がのっそりと出てきた。

 

(わーし)こそが正真正銘。地獄の主。閻魔大王だし!」




はろはろー。サタンだよ〜。地獄だって〜。...サタンって言う名前の私に出番はないのかな〜...そーいえば閻魔大王出てきたね〜。次回も出てくるからよろしくだよ〜


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百三体目 地獄の主。閻魔大王(仮)

やぁどうも。結構期間が空いた事。申し訳ない。色々忙しかったんですよ...まぁ必ず1ヶ月に一話は出すから許して...

前回のあらすじ!
鬼!
袋の中から全裸の女性が!
わぁ。

上海かわいい


「閻魔大王だし!」

 

黒鬼は額に大粒の汗をかいている。

 

「く...!」

 

そう言いながら黒鬼は部屋を飛び出して行った。

赤い髪の女はゆっくりとこちらを向き、私達をジロジロと物珍しそうに観察した。

 

「あんたら...地獄の者じゃないじゃん?」

「えっと...あなたは...」

(わーし)(わーし)は閻魔大王だし!」

「なんで閻魔大王が二人も...?」

 

すると赤い髪の女は先程まで黒鬼が座っていた椅子にどすんと座った。

 

「あいつは閻魔大王じゃないし。あいつは閻魔大王補佐みたいなもんだし。恐らく小鬼程度なら騙せると思ったんでしょ。ま、あんたらは小鬼でもなんでもないけどね」

 

そう言うと閻魔大王はケラケラと笑いだした。

これが地獄の主。随分とノリが軽いようにも思える。

閻魔大王は一通り笑うと、こちらを見ながら机に頬杖をついた。

 

「んで、あんたらは一体何者?」

「えーっとなんと言うか...」

「侵入者的な?」

「まぁ...」

「.....そうなる...」

「金髪の童子二人か〜...何しに来たの?もしかしてこれに関係ある?」

 

そう言いながら閻魔大王は机の中から一通の手紙を取り出した。それは幽理子に見せてもらった手紙と同じだった。

 

「あ!その手紙!」

「.....ってことは...」

「あんたらがこの無礼極まりない手紙を送ったって事ね〜...」

「送った人は別の人だけどね...」

 

閻魔大王は椅子から立ち上がり、赤い長髪を揺らしながら私達の元へと歩いてきた。閻魔大王は服を着ていないので目のやり場に困る...

 

「この手紙を送られてきた時には行ってやろうかな〜...って思ってたんだけど、地上への出口が塞がれちゃって行けなかったんだし」

「なんで塞がれてるんだ?」

「さぁ?(わーし)ら地獄側でも調べてるんだけど分かんないし。ていうか(わーし)しか名乗ってなくない?ひきょくない?」

「あぁ。それもそうだな。私の名前はシャンハーイ。こっちはルーミア」

「.....よろしく...」

 

そして軽く握手を交わした。ふにふにしていた。

 

「ていうか二人はこれからどうすんの?ありとあらゆる出口が塞がれて地上に行けない状態だけど...どうやって入ってきたの?」

「まぁそれは...」

「.....色々と...」

「ふ〜ん...まぁいいや。とりあえずゆっくりしていくといいし。どうせ出れもしないし入れもしないし。事態が動くのを待つのが一番だし!」

「誰かが動かなきゃ...」

「.....状況は変わらないんじゃ...」

 

_______________________________

 

.......

 

...........

 

あ?

 

誰だ?

 

こんな所に来る物好きは...

 

まぁゆっくりしていけ.........

 

ん?

 

ほぉ...

 

こりゃ面白いことになりそうだ

 

地獄の釜が

 

今開かれるってな。




はろはろ〜。ごめんね〜投稿遅れて〜。こういう時にTwitterとかあれば便利だよね〜。作った方がいいかな〜...?感想で意見くれたりすると嬉しいよ〜


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百三体目 不調

地獄地獄
地獄編。なんか前回あったっけ...


上海かわいい


皆さんお元気ですか。私は今、地獄で働いています。

あの後、する事がないならと地獄の鬼の手伝いをすることに。あれから一週間。とても充実した毎日を送っています。

 

「って事でいつ引っ越すかって事だけど.....上海?聞いてるし?」

「ん?あぁ。ごめん。」

 

今は地獄の移転についての話をしている。なぜ私がそんな重要な話を聞いているかと言うと...正直よくわからない。別に私がしていた事と言えば掃除洗濯etc...所詮は家事程度の事だった。

 

「上海...?やっぱ聞いてないでしょ」

「あ、ごめん...」

「まぁいいし。みんな解散したのにぼーっとしてるなんてらしくないし。いつもなら会議終わった途端に針山マッサージに行くのに...」

 

どうやらいつの間にか会議は終わっていたようだ。いつから私は会議室に居たのだろうか。それも分からない。最近記憶が飛ぶことが多い気がする。

閻魔と一緒に会議室を出る。部屋の外ではルーミアが待っていた。

 

「疲れてるっぽいから部屋に連れて行ってあげて欲しいし。」

「.....分かった...」

 

そう言うとルーミアは私を抱きかかえ、階段を登り始めた。

ここは前回の建物。その名は閻魔館。その四階の端の端。倉庫のような小さな部屋。そこの部屋を居住スペースとして借りている。

ルーミアは私の布団に寝かせる。

 

「悪い...」

「.....いい。休んでて...」

 

そう言い残すとルーミアは部屋を出ていった。

小さな部屋の中に静寂が訪れた。

 

「...寂しいな...一人って...」

「ね。寂しいわよね。」

 

急に聞こえた声に驚き、布団から飛び抜ける。するとそっと胸を抑えられ、布団へと戻される。

その手は空中から。いや、スキマから出ていた。

 

「久しぶり。待たせたわね。」

「紫.....」

 

紫はスキマから出て、私の隣に座った。私の頭をゆっくりと撫でてくる。

 

「今まで何を...?」

「まぁ、色々あるのよ。地獄から地上への道が塞がってるのは知ってるわよね?それのせいでここにスキマを作れなかったのよ。」

「ん...?どういう事?」

「私の能力でスキマを作れるのはちゃんと繋がってる所だけ。密閉されてる空間にはスキマが作れないのよ。最近は作れるように練習してるけど...」

「でも地上との道は塞がってるって...」

「どうやら一週間に一度。狭い時間だけ少し開くみたいなの。そのタイミングを図って来たわけ。ちなみにこっちに送る時に急に攫う感じになったのはそのせいよ。あの時を逃すとまた一週間待たないと行けなくなるから。」

「なるほど...だから去り際もあんな感じだったのね...」

「それにしても随分顔色が悪いわね...大丈夫?」

 

そう言われて見れば顔が暑い気がする。視界も少し霞んでいるような...

霞む視界の隅で扉が開く。そこにはルーミアが粥を抱えて立っていた。

 

「.....あれ...」

「あら。ちょうどいい所に。後はルーミアに聞くわ。あなたはゆっくり休んでてね」

 

そう言いながら紫は立ち上がり、ルーミアの方へと歩いていった。

_______________________________

あ〜あ〜聞こえますか〜〜?

ん...さたん...か?

そーですよ。可愛くて頼りになるサポートする意識上の存在であるサタンですよ〜。

どうしたんだ...ていうかここは...?何も見えないけど...

ここはあなたの意識の中。まぁつまるところ夢みたいなものですよ。

へ〜...んでなんで私はここに?

最近意識が飛ぶことが多いですよね?その時に誰が体を動かしてると思っているんですか?結構苦労するんですからね?

あぁ...悪い。ごめん...

も〜...まったく。意識が飛ぶ原因はこっちでも調べてますけど分からないんですよ。だからしばらくは意識が飛ぶ事が度々起こりますので気をつけてくださいね。

原因不明とは困ったな...

まぁ、意識が飛んだ時は私が上手くやり過ごすので。お任せ下さい!

あぁ...頼りにしてる...うぅ...眠くなってきた...

あ〜...どうやら目が覚めるようですね。じゃあいつものように。

 

私はまた。下に落ちた。

_______________________________

「ん.....」

「あら、おはよう。」

「おはよう.....」

 

目が覚めると紫とルーミアがお茶を飲みながら向かい合っていた。

紫はまた、私の隣に座った。

 

「ルーミアから聞いたわよ。ちゃんと会えたのね。良かったわ。」

「まぁ...うん。」

「後は地上に連れてきてくれればいいんだけど.....おっと...また塞ぎそうね...」

「地上へのスキマ...?」

「えぇ地獄への隙間よ。」

 

そう言いながら紫はスキマを開いた。

 

「また一週間後に来るわね。まぁそれより先に地上への出方をあなた達が見つけるかもしれないけどね」

 

そして紫はスキマを越えて行った。

ゆっくりとスキマが閉じた。

 

「.....これ...」

 

そう言いながらルーミアは冷えたお粥を差し出してきた。

私はお粥を受け取り、食べ始めた。

 

「.....冷えちゃってごめん...」

「...美味しいから。大丈夫。ありがとうね」




はろはろ〜。サタンだよ〜。久しぶりの本編登場だよ〜!やった〜!!


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百四体目 地獄の蓋。

前回のあらすじ!
まだ地獄!紫が来た!やったー!
え?もう帰るの!?えー...
そして上海は体調がよろしくないようす...どうなってしまうのか!!

上海かわいい


次の日の朝。

 

事件は起こった。

 

 

「大変だし!!起きるし!!」

 

そんな叫び声によって私達は叩き起された。

体を布団から起こしただけで、不愉快な臭いが鼻をついた。これは

 

「血の臭い.....」

「とりあえず外に出てきて!!」

 

部屋の扉を抜け、吹き抜けを飛び降りる。一階が近づくにつれ、血の臭いが強烈になっていく。

正面の扉を開け放つ。

そこには

 

 

首。

鬼、小鬼、亡者。ありとあらゆる者の首がずらりと並べられていた。苦そうな首、眠っているような首、驚いたような首。

そこには地獄で知り合った者も知り合わなかった者も関係なく、ただ、生首が並べられていた。

 

「なに.....これ.....」

「見張りが交代する数分のうちに並べられたらしいし.....」

「うぅ.....酷い臭い...犯人は...?」

「一応.....検討はついてるし...でもありえないんだし...」

 

そう閻魔が呟く。首から流れ出ている血が、足に付く。生暖かく、ぬらぬらと光っている。

 

「閻魔様。バギーの準備が出来ました。」

「ありがとう...さぁ二人も乗って。」

 

メガネをかけた鬼がバギーを目の前で停める。閻魔はバギーに乗り、私達にそう呼び掛けた。

_______________________________

むかしむかし。

地の底は無法地帯であった。ツノの生えたものが、死人の魂を嬲り、拷問し、喰っていた。

そこに一人の男がやって来た。

その男はツノの生えた者達を’’鬼,,と呼んだ。その男は死人の魂を保護した。

鬼達は死者の魂をその男が独り占めしていると思い、その男に一斉に襲いかかった。

男はても触れず、鬼達を地面に倒した。鬼達は顔もあげられず、その男に降参した。

男は鬼達を許し、死者の魂を管理する仕事を与えた。それと同時に多くの娯楽や、食を持ち込んだ。

ただ、鬼達の中にはそれをよく思わない者もいた。今までの自由が、今までの好き勝手を求めた鬼もいた。そんな鬼達は地上へと出て行った。

地上で鬼達は自由に暴れ回った。そしてそんな鬼に味方する、邪悪な人間も現れた。

そんな邪悪な人間の魂が地獄に来た時。地獄は第一の変化を果たした。

邪悪な人間の魂が他の魂達を虐げ始めたのだ。

それに対処すべく、男は空の上に楽園を作り、そこを’’天国,,と名付けた。男は自分の妻を天国を管理する者として置き、善良な魂をそこに避難させた。

男は地獄に邪悪な魂達を閉じ込め、罰を与えた。

そんなある時。地上の鬼達が地獄へとやって来た。地上の鬼達は邪悪に染まり、地獄を混乱に陥れた。

地上からやって来た鬼達を率いていた者は’’鬼神,,と名乗った。地獄の鬼と地上の鬼の実力はとんでもない差だった。悪逆と暴力を続けた地上の鬼。仕事と娯楽を続けた地獄の鬼。勝敗は目に見えていた。

男は妻との間に設けた三人の子供を天国に避難させ、地上の鬼達へと直接挑んだ。男は強く、地上の鬼達を次々となぎ倒した。

そこで鬼神は天国へと手を伸ばし、その男の三人の子供を人質に取った。

男は何も抵抗せず、ただ黙って袋叩きにされた。

鬼神は頃を見て、子供のうち一人を串刺しにした。それでも死なず、男の血液で作った池に沈めた。

もう一人を鬼神の吐いた火で焼き尽くした。それでも死なず、鬼神の凍える視線で凍らせ、粉々砕いた。

そして最後の一人に手をかけようとした時。男が命を顧みず、鬼神へと飛びかかった。鬼神は驚き、子供を放り投げた。

そして男は鬼神にしがみついたまま、地獄の鬼達にこう命令した。

「今から俺はこいつを地獄の底に落とす。お前達はそこに蓋をしろ。絶対に開けるな。」

そういい放つと、男は地面にポッカリと空いた穴へと鬼神を押し込み、自分ごと落ちて行った。

鬼達は命令に従い、その穴に蓋をした。

_______________________________

 

「...それが(わーし)のお父さんだし。」

「って事は...人質にとられてた子供って...」

(わーし)だし。」

 

バギーがガタガタと揺れる中で、閻魔からそんな話を聞かされた。

 

「んで、その話と今回の話に何か関係が?」

「...これから向かう所を見れば分かるし...」

 

バギーは洞窟の中へと入っていった。

洞窟の中には何かを外に引きずった後や、血の跡がついていた。

閻魔がバギーから降り、内側から破られた跡のある扉をくぐって行った。

 

嫌な汗が流れてくる。正確には錯覚なのだろう。汗など出ていない。人形だから。.....出ていないはず。

扉をくぐり、少し歩く。すると少し広め。ドーム状の空間が広がっていた。

 

「ここは...?」

「やっぱり破られてるし.....」

「.....下...」

 

ルーミアに言われ、足元を見る。私が足をついた1cm先。そこに地面は無く、直径3m程の穴が空いていた。穴の底は見えず、ただ、黒く、無限に続いていた。

 

「これ...もしかして...」

「そうだし。(わーし)のお父さんと鬼神の落ちた穴だし。」

「蓋は.....ないけど.....」

「天井見てみるし」

 

閻魔に促され、天井を仰ぎ見る。

そこには分厚い鉄の蓋が天井に深く、深く、突き刺さっていた。

_______________________________

あぁ...

 

懐かしいなぁ.....

 

やっぱシャバの空気は違うぜ.....

 

お前の協力のおかげだ.......

 

お前のおかげで.....

 

この地獄をまためちゃくちゃに出来る.....

 

あぁ...分かってる.....

 

全部壊した後は全部てめぇにくれてやる.....

 

そうだなぁ.....

 

まずは.....

 

殺し損ねたあのガキでも殺すかな。




やっほー、地獄編に出番があったから浮かれてるけど出番が少ない事に変わりはないけど出番があった事に変わりはなくてやっぱり嬉しいさたんだよ〜。そろそろ本格的に事態が動き出すよ〜。大変だね〜...(他人事ではない。)


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