俺の幼馴染はコミュ力お化け (有象無象)
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番外編
番外編 海に行ってみた


お久しぶりでございます。

最近スランプのようで、続きはまだかかりそうです。申し訳ございません。




夏は終わりましたが今さら海の話です。


なお、若干のメタ要素があります。


 煌めく海面。

 白く光る砂浜。

 

 海だ

 

 既に水着イベントも終わったのに海だ。

 作者も既にネロ祭の周回やってるクセに今さら海だ。

 

 というか、外が年中猛吹雪のカルデアで夏とか関係あるのか、とツッコミたいところだが。

 

 さて、とりあえず第三特異点の無人島辺りにレイシフトした俺達。人理が焼却されてる状況でこんな事やってていいんだろうか?

 

 え? ロマン? たまには遊んで心を休めろ? それよりロマンは体を休めろ。今度ダ・ヴィンチちゃん特製の睡眠薬盛るぞ?

 

 あ、女性陣? 今着替えてるよ。てかサーヴァントは一瞬で姿変われなかったか? それ以前に弓トリアは着替える意味無いよね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 やっぱ俺のサーヴァント最高だわ。

 

 着替えたサーヴァント達を見て俺はそう思った。

 

 まずはえっちゃん。

 

制服、体操服、ときた彼女。となれば水着も自ずと予想できるだろう。

 

 そう!

 彼女の水着はスクール水着である。

 

 スクール水着である!

 

 ス ク ー ル 水 着 で あ る !!

 

 色はオーソドックスな紺色、胸の白いゼッケンには体操服と同じく3-2 セイバーと書いてある。

紺色のスクール水着はロリが着てこそ至高という考えがある。

もちろんそれを否定はしない。確かに未成熟な肢体とスク水の組み合わせには犯しがたい神々しさがあるのもまた事実だからだ。

しかし、大人と子どもの中間にいるえっちゃんがこれを着ることで大人になりつつある体と子どもの象徴たるスク水の対比が完成する。このギャップは彼女のこの姿がこの一瞬のみの希少な存在であり、魅力的な存在できることをまざまざと見せつける。

 

簡単に言えば萌える。

 

 

次は、X。

彼女の体を包むのは、スポーティーな競泳水着だ。

黒と白のコントラストが美しい。えっちゃんと同じくシンプルな競泳水着は彼女の健康的な魅力を惜しみ無く引き出している。しかし、それだけではない。両脇の白いラインは水に濡れると若干透ける。

透けるのだ!

 

透 け る の だ!!

 

肌色が白い布を通すことでより艶かしくはえる。健全な露出が彼女の魅力だと以前語ったが、彼女は水着でもそれからブレる事はなかった。

 

簡単に言えば健康的なエロス。

 

次は、サンタオルタ。

 

彼女はメイドになっていた。サンタはどこ行った?なんて無粋なことを言ってはいけない。

 

黒い水着は白い彼女の体によく合った。その上で白いエプロンとスカートを身につけることで彼女がメイドであることを表している。

ともすれば、主人よりも目立ちかねないその姿は主人を立て奉仕するメイドとしてマイナスかもしれない。しかし、彼女ほどの女性を隠すなど失礼というものだ。型破りな水着メイド、だが彼女はそれをしっかりと乗りこなしていた。

 

簡単に言えば破天荒メイドオルタ。

 

 

最後に水着アルトリア

 

彼女は普段と同じ水着だ。白いシンプルなビキニ。以前彼女の背中の魅力を語ったので今回は別の部分ついて語ろう。

 

彼女のボディは美しい。

え?胸が小さい?わかっていないな。胸が小さいなど関係ない。大事なのはボディのバランスだ。確かに彼女は小さい方だ。しかし、彼女は150センチ代の身長、平均よりも少々低い、つまり全体で見れば小さめの胸も彼女の体のバランスで見れば程よい。

これによく括れたウエスト、鍛え上げられた下腹部、スラリと伸びた脚、これらが加われば自ずと美しいボディとなるのだ。

 

さて、そんな美しいボディの彼女の水着はさっきも言ったが非常にシンプルなビキニだ、せいぜいワンポイントに青いリボンがついた程度、いっそ地味と言える。ならば浜辺に行けば埋もれるか?と問えばそうではないだろう。なぜなら、彼女の体が美しいからだ。美しいボディに小細工など不要。王道を往くのが王者というものである。

 

簡単に言えばシンプル イズ ベスト。

 

 

 

 

 

海に来てよかったよ。

 

 

 

 

え?アイツ?見慣れてるから今さら特には。別に髪の色とお揃いの水着が白い肌によく映えますね。とか、おやつが増えたことで少しムッチリして気持ち良さそうとか思ってないからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─立香─

 

幼馴染ェ。相変わらずの変態ぶりだった。あとあいつのサーヴァントが嬉しそうなのもツッコむ気にもなれないよ。そんなことよりも、そんなに太ってないよ!確かに最近はおやつの回数増えたけどちゃんと運動してるし!触ってみるがいい!そして慌てて訂正するがいい!

 

あ、すみません調子に乗りました、最近体重計乗るの怖いです。はい。

 

いいもん。こうなったら遊びまくって燃焼してやる!

 

マシュ!一緒にビーチバレーしよう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─秋人─

 

地獄だ。

 

暑い太陽に熱い鉄板、休むことを許されず悲鳴をあげる腕の筋肉。

 

エミヤ。休んでも?ダメだよねーですよねー。だって消費者が満足してないもんねー。

 

どんだけ食うんだよ皆、もう食材ほとんど無いぞ!

 

 

 

 

午前中はよかったんだ。皆とビーチバレーしたり、泳いだり、ウォーターブリッツしたり。エミヤとクー・フーリンは釣りに行ったけど。「おっとすまないね、十八匹目フィィィィイッシュ!」なんて聞いてない。

 

 

昼に焼きそばなんて作るんじゃなかった!

 

 

 

 

 

あ、でもアイツに食わせてもらった魚は旨かったよ。

 

 

 

 

 

午後からは皆でダイビングをしてみた。用具はエミヤが投影で出してくれた。投影って剣以外もできるんだね。

 

 

海が透き通っていたのでとても綺麗だった。

 

グランドオーダー終わったらまた遊びに来たいものだ。

 

 

夕暮れ、いつも通りえっちゃんを膝にのせてアイスを食べつつ夕陽を見る。もうすぐ帰る時間だ。久しぶりに楽しめた気がする。腕はパンパンだけど。

 

えっちゃん?膝で寝ないで。X?メイドオルタ?肩に頭をのせないで。弓トリア?ニッコリ見てないで助けてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに、ロマンにはお礼にちゃんと薬を盛った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




お粗末様でした。


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番外編 聖夜のプレゼント

メリークルシミマス

我がカルデアには冥界の女神さまは来てくれないみたいです。


───────────────────────────────────────────

 

 

リア充爆発しろ!

むしろ、熔けろ!蒸発しろ!

 

なんて、時候の挨拶が似合う季節となったこのカルデアの一室で、一人の男が思い悩んでいた。

 

「どうすればいい?」

「どうすれば、調達できる?」

 

かなり思い悩み、眠れていないのか隈のできた男は暗いその部屋で頭を抱えてベッドに腰かけていた。

 

まるで、がっちり警備された軍の機密を盗み出せと無茶な命令を下されたスパイのようにうなだれている。

 

「やはり、あれしかないか…………」

 

十分、あるいはもっと長かったかも知れない思案の後に男は決心したように立ち上がった。

その顔には約束された死の戦場に旅立つかのようなそんな悲壮な覚悟の色が濃く浮かんでいる。

 

「……できれば、避けたかったが、やるしかないか……」

 

それでもやはり恐れがあるのかしばらく立ちすくんだ男だが、やがてそう掠れた声で呟くと部屋を出た。

 

 

暗く、静かになったその部屋に、その日男が帰ることはなかった。

 

 

────────────────────────────────────────────

 

 

 

 

 

12月22日

 

 

─立香─

 

クリスマス。イエスキリストの誕生日であり、家族や恋人、友人達と騒ぎ、語らい、祝う。そんな日である。

ちなみに私はクリスマスを友人と過ごしたことはほとんどないし、いた覚えもない恋人と過ごしたことも、もちろんなかった。

 

友人曰く、知り合いがかなり多いらしい私にもそういう誘いは多くあったのだが、クリスマスは家族とあいつ、それからあいつの家族と過ごすことが主だった。

 

さて、現在勤めているここカルデアでもとうとう明後日に迫ったクリスマスに向けて慌ただしく動いていた。主にあいつとマシュとエミヤと頼光さんが。

 

人理焼却まであとわずかだと言うのにそんな暇があるのか?とかまだ本編4章すら終わってなくね?とか、そういう些事は放っておくよーに。

 

さて、そんなこんなで、クリスマスまであと二日というところで事件は起こった。

 

あいつが消えたのだ。

 

紅秋人失踪事件となんとなく名付けたこれが発覚したのは今朝のことだ。プレゼント集めに奔走するサンタオルタがトナカイを求めてあいつの部屋に入ったところ、既にもぬけの殻だったらしい。

 

非常にアルトリアズは慌てていた。特にえっちゃんはあいつのお菓子が食べれなくなるかも、と珍しく目がマジだった。

いやいや、お前らどんだけあいつに依存してるの。あいつはドラッグなの?

え?私?私は別になんともないよ。

 

「先輩。マンガが上下逆さまです」

「っ!はわわ!」

 

さて、結末から話すと、すぐにあいつの居場所はわかった。レイシフト用のコフィンの中だった。ダヴィンチちゃん曰く、ちょっと足りない素材を調達しに行ってもらってるから、気にしないでクリスマスの準備しといて、ということらしい。クーフーリンがついていったから戦力面での問題はないらしい。

 

この話を聞いてアルトリアズは不服そうだった。なぜマスターは私を呼ばなかったのか。私はマスターの剣なのに。

 

と、ぶつくさ言いつつも用意された仕事を進めているあたり、色物でもアーサー王なんだと思った。

 

私はどうしようかな?あいつ宛に、ケーキ作ってみようかな?エミヤに聞けば教えてくれそうだし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─秋人─

 

明後日はクリスマスだ。となれば、用意すべきものがある。ケーキとプレゼントだ。

 

ケーキは問題ない。だがしかし、プレゼントの問題が立ちはだかった。

俺は毎年アイツにクリスマスプレゼントを贈っているが、それらは作ってはいない、買っているのだ。

 

そう、買っているのだ。

 

焼却された世界で物は買えない。

アマゾネスで買おうかと思ったが、外が焼却されているので届くはずもない。というか、そんな状況でえっちゃんはどこからネクロカリバーを調達しているのだろうか?

セイバーユニバースからだろうか?だが聞くわけにはいかない。なぜなら、アルトリアズにもプレゼントを用意するからだ。どうせなら、サプライズがいい。

 

買えないなら作るしかない。

 

幸いここには天才がいるので、ダヴィンチちゃんに教えてもらおう。

 

頼みに、行くぞ。覚悟はいいか?

 

 

 

 

 

 

 

 

ダヴィンチちゃん曰く、いくらか足りない素材があるから、レイシフトしてとってこいとのこと。たまたま近くにいたクーフーリンをお供にとりあえずオルレアンに飛んだ。

 

それにしても、あれだけ電力消費するレイシフトをこんなことに使っていいんだろうか?

 

いや、突っ込んじゃダメか。

 

 

さて、素材集めだな。まずは、ワイバーンオリジンを……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─立香─

 

あいつを待つ間、総出でクリスマスの準備をしていた。

 

サンタになって飾り付けて、ケーキを作った。

 

後は、あいつがくれば終わりだ。

 

12月24日、ようやくあいつが出てきた。

 

あ、アルトリアズに囲まれてる。あ、連れてかれた…………御愁傷様です。

 

 

 

 

 

 

 

 

─秋人─

 

レイシフトとプレゼントの用意が終わってダヴィンチちゃんの部屋からでたら、サンタの集団、もとい、サンタコスのアルトリアズに囲まれた。

 

 

なんだこれ素晴らしい。

 

えっちゃんはスタンダードな赤のサンタ服を身に付けている。モコモコな長袖で肩もしっかりと被われている。そこだけなら可愛らしい少女サンタだが、彼女の足はミニのスカートに黒のガーターベルトが組み合わされ、アダルティーな雰囲気を醸し出す。

図書室で出会った物静かな彼女。ふとしたきっかけで惹かれあう、そして初めてのクリスマス、家についたら普段と違う彼女が出迎え、どぎまぎする。そんな妄想が捗る姿だ。

 

 

 

 

Xのサンタ服は奇抜なものだった。サンタ服風のロングコートを羽織り、同じくサンタ服風のショートパンツを穿いている。その上で膝上まである赤のブーツを身につけたその姿はまるでライトノベルの暗殺者のようなロマンのある姿である。ただしサンタだが。

しがない高校生がある日同級生の秘密を知り、裏の世界に浸る。フリーでなおかつ束縛を嫌う彼女に振り回されつつもうまく付き合っていた。クリスマスの朝、自分が目を覚ますとサンタの彼女の姿があった。束縛を嫌う彼女がこの時だけは自分だけのサンタになってくれる。そんな妄想が捗る姿だ。

 

 

 

サンタオルタはいつものサンタ服ではあるのだが新しい魅力を見つけた。普段はクールな暴君サンタな彼女の顔が本当に心配した表情だったからだ。

普段は自分をトナカイと呼び、パシりに使う暴君生徒会長の彼女。しかし、ある日彼女の命令で大怪我を負った自分。クリスマスに病室のベッドに寂しく寝ている自分の元に彼女が見舞いにやって来た。ひどく心配し、自分の命令を悔やむ彼女は普段からはあり得ないほどのしおらしさで……。

そんな妄想が捗る姿だ。

 

 

 

弓トリアはやはりというべきか水着サンタだった。季節感を完全に無視しているものの普段のシンプルな水着とうってかわって派手なふわふわがついたゴージャスな水着だ。以前、美しいボディに小細工は不要と言ったが、彼女のそれは小細工などではない。それはプレゼントのラッピングに等しい。デザインは引き算というが、あえて足すことにより彼女の体はサンタの聖なるオーラによって神々しく輝くのだ。

見慣れた姉、いつの間にか自分の方が高くなった身長。しかし、一年に一度二人のクリスマスだけは着飾り、その小さな体の中で、魅力はよく育っているのだと義弟ながらに察してしまう。

そんな妄想が捗る姿だ。

 

さて、このままだとお説教に突入しそうなので渡してしまおう。

 

一人一人に小箱を渡す。

中身はネックレスだ。シンプルに剣をイメージしたデザインである。

 

レイシフト先から入手した素材から、ダヴィンチちゃんに教わりながら作ったネックレスにカルデアの職員に頼んでつけてもらった緊急回避と魔力放出。

しかも、着用者の任意のタイミングで緊急回避か魔力放出を発動できるらしい。俺の礼装コレクションのカレイドスコープと虚数魔術とゼルレッチ。それどころか発掘した宝石ととってきた素材のほぼ全部を使って作られている。らしい。

 

そう説明しつつ渡すとアルトリアズの動きが止まった。

そして両腕をえっちゃんズにかかえられて引きずられる。

 

え?嬉しくて心配かけたのを怒ればいいのか、喜べばいいのかわからない?だけどとりあえず今日はとことん付き合ってもらう?わかった。お詫びとして付き合います。

だからシャンパンはやめて。ちょっまアァァァァァァーーーーー!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

─立香─

 

クリスマスのパーティーも終わり、エミヤ達は片付けを、あいつはアルトリアズに連れてかれた。

私は珍しく一人で部屋にいた。清姫達はマシュが全力で押し留めてくれてる。本当にできた後輩だ。明日の朝にでもプレゼントをあげて可愛がろう。そうしよう。

 

さて、そんな決意をした私の目の前には、ひどい出来のケーキがある。私のお菓子の才能はエミヤが慰めをかけるレベルらしい。

 

渡せないか、こんなもの。

 

明日こっそり食べよう。

 

 

冷蔵庫に物体Xをしまうべく立ち上がった私の耳にノックの音が響いた。

 

マシュかな?そう思ってドアを開けると、そこにいたのはあいつだった。アルトリアズはトイレといって撒いてきたらしい。

 

どうしたのか聞こうとしたが、その前にあいつの視線が机の上に注がれているのに気づいた。

 

「す、「ケーキ?」」

 

すぐに片付ける、と言おうとした私にあいつが聞く、そう、と頷くとあいつは、プレゼント?と続ける。

お前宛のつもりだったんだよ!どうだ?笑えないできだろう?

 

と、心のなかで叫んだ時だ。あいつは微かに微笑むとテーブルに近づきケーキを持った。そしてあろうことかその物体Xを食べ始めたのだ。

 

止めるまもなく平らげるとあいつは一瞬菩薩のような顔になってごちそうさま、と呟いた。そして、私に座るよう言った。

 

「ん」

 

ベッドに座わった私の隣に座るとガムでも渡すように小箱を差し出し、開けるように促す。

 

私はそれを受け取って開ける。中にはシンプルな盾のネックレスが入っていた。どうやら無敵付与がついているらしい。が、アルトリアズとは違いがあるらしく性能はあまりよくないそうだ。

 

「俺が、作った」

 

なぜかと問うとこれはあいつすべて自分で作ったかららしい。これに思ったより時間をとられたので、アルトリアズの付与は専門家に任せたそうな。

このプレゼントに返せるものがないというとあいつはケーキをもらったと返した。

あんなので釣り合うのだろうか?

 

「あれ、暖かい味がした。来年も欲しい」

「え?」

「スー、スー」

 

ぼそりと隣のあいつが呟いたので驚いてそちらをみたがベッドに倒れこんで寝息をたてていた。

まあ、結構飲んでたししょうがないかな?

というか、ここまで酔った言葉かよ!ドキッとして損したわ!

 

まったく、人のベッドで寝るな。今日ぐらいはいいけど、風邪引くよ?

 

しょうがないなぁと嘆息して毛布をかけたところで、急に眠気が襲ってきた。私も隣に横になる、そういえば昔はよくこうやって寝たっけ。

 

「来年はもっと上手く作るから、期待しててよ。あと、プレゼントありがと」

 

あいつの寝顔を見つつ、そっと呟いて、私の意識は途絶えた。

 

 

 

 

 

 

ちなみに、翌朝二人同時に部屋を出たところを目撃され騒動になったのはまた別の話だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




更新ストップしていて申し訳ありません。できるだけ早めに更新したいと思っておりますのでもう少しお待ちください。


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番外編 バレンタインデー

えっちゃんが来ない……………。


 

バレンタインというものがある。

 

昔、ローマで婚姻を禁止された兵士のために内緒で結婚式を行っていた聖バレンタインが処刑された2月14日を祭日とする。祝日の一つだ。今日では、恋仲の男女の日である。

 

特に日本では女性が意中の男性にチョコを贈る日もしくは、義理チョコをばらまく日となる。

まあ、俺にはあまり関係ない。せいぜい、アイツからチョコをもらえるくらいだ。

 

さて、今日の日付は2月13日である。明日に向けて女性サーヴァントは厨房にてチョコを作っていた。彼女達の生きていた年代に現代のバレンタイン文化なんてなかったような…………まあ、いいか。

 

そのせいか食堂と厨房は男子立ち入り禁止である。ちなみに、なぜかエミヤは入れる。

 

 

 

ん?俺がここに来たのは2月の末だったような?そこから特異点回ったはずなんだが?バレンタインがあるなら一年たったのか?それだとおかしくね?焼却終わってね?

 

 

 

 

 

やめよう。考えてはいけない気がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「(メリ…)ハッピーバレンタイン(だ)です。マスター(トナカイ)」」」」

 

部屋に、アルトリアが声を揃えて入ってきた。

一人クリスマスがいたような?

 

どうやら、俺にチョコをくれるらしい。

 

えっちゃんは、スペースバックスというサーヴァント界の有名チェーンコーヒー店のお気に入りメニューのココア(生クリームが乗っている)を模して作った『謎のホットココア』

 

Xはドゥ・スタリオンⅡを模したチョコレート(手作り)。ちなみに、工場で生産する時の作業員は自分以外のセイバーらしい。(いやあなたアサシry)『ドゥ・スタリオンチョコ』

 

サンタオルタはクリスマスな感じのブーツいっぱいに入ったチョコだった。どうみてもチ◯ルチョコなんだが、すべて手作りらしい(バーコードまでついている)『クリスマスの思い出』

 

弓トリアは大きな容器に入ったパフェ、チョコレートの定義とは?と思わなくもないが、美味しいから大丈夫だよ、な『ブルースカイ・ヴァニラ』

 

をそれぞれ受け取った。アイツからしかチョコをもらったことのない俺としては、生まれて初めての経験であり、言葉にできないが。

 

嬉しくて仕方ないのだけは事実である。

 

「…あり、がとう」

 

口を開いて紡ぐ。が、相変わらず言葉が出てこない。とはいえ、皆が微笑んでくれているのでホッとする。

 

 

さてと、この量を一人では辛いから皆一緒に食べようか?

 

そう言うと皆、頷くが座ろうとしない。

 

どうしたのかと思っていると一旦外に出た四人がなにやら箱を3つ抱えて入ってきた。一つは縦長の箱、一つは幅も奥行きも広い薄い箱、一つは長細い箱だ。すべてかわいらしいリボンで装飾してある。

 

いやあの?チョコもうもらったんですけど?

え?違う?クリスマスの時の分?え?いいの?こんなに貰ってばかりで?

 

ともかく、箱を開ける。まずは薄い箱だ。

中には藍色の軍服と白いフード付きのマントが入っていた。

 

次に、縦長の箱。

中には、黒のブーツが入っていた。

 

着てみるとまさに、将校な感じに仕上がった。刺繍も凝っていて、かなり高級感溢れる仕様である。

 

え?これ魔術礼装なの?使えるのはガンドと強化と霊子譲渡。カルデアにあった礼装を元にダ・ヴィンチちゃん設計、サーヴァントユニバース製の特別なもの。丈夫で汚れも寄せ付けない万能軍服?

 

は?なにそのとんでも軍服?宝具かよ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フリーズもそこそこに最後の長細い箱を開けよう。

中には、ネクロカリバーが入っていた。

 

もう一度言う。ネクロカリバーが入っていた。

 

ネ ク ロ カ リ バ ー が 入 っ て い た!!!!

 

えっちゃんのお古らしいが、あ、よく見たら、これ再臨の途中で変えた奴だ。

 

宝具もらってしまった。英霊としてそれでいいのだろうか?

というか、剣使えないよ?え?全員で教える?騎士王四人による剣の指導とか、なにそれ贅沢。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この後、いつものポジションで滅茶苦茶チョコ食った。口が甘ぇ。

 

 

ちなみに、軍服とネクロカリバーは遠慮はさせてもらえなかった。あと、脱がせてもらえなかった。

 

これは、ホワイトデーに力を入れねば!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、アルトリアズからのチョコレートとプレゼントで、俺が将校になってから数時間後、夕食の後にアイツからの呼び出しで、俺は部屋に向かっていた。

 

 

 

入るぞー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─立香──

 

今日はバレンタインデーだ。

 

今年は大量にチョコを作って配ることにした。何気に初めての試みである。

 

いつも?友達とあいつ以外のは安価なのを買って配ってるよ。あいつのだけお高いチョコなのは単に幼なじみなのと、あいつの性格上ばら蒔き用の義理チョコすら貰えていないから、その分である。

 

ということで、今年もくれてやろうと思ったんだけど、ここで問題が発生してしまった。

 

外焼却されてるからチョコ買えない問題である。

 

幸い、倉庫にチョコがあったので、溶かして再構成することになった。エミヤの指導込みである。

 

とはいえ、私のお菓子作りの腕はクリスマスで露見したが、ひどいの一言に尽きる。

 

今回は普通にトリュフと型に流したチョコの製作なので、四苦八苦しつつも完成。

先にサーヴァントの皆に渡したら、大概喜んでくれた。

 

清姫?チョコを贈って。チョコを。

頼光さん?泣くほど嬉しいの?そこまで喜んでもらうと嬉しいよ。

マシュ?何で、清姫見て「その手があったか!」みたいな顔してるの?やめてよ?マシュまでそっちいかないで!

エミヤ?女性スタッフから随分チョコ貰ったんだね?別にいいけど。いつの間におとしたの?

 

ちなみに、カルデアのスタッフの皆にも配ったら喜んでくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕食後、あいつを呼び出した。無論、チョコを渡すためだ。

 

あいつ用のは残ったチョコが多かったので大きなものだ。デザインはシンプルなハートである。別に特別な意味はない。単純に丁度いい型がハートしかなかっただけだ

 

入るぞー。

 

あいつの声とともにドアが開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──秋人──

 

ドアを開けると紫の制服っぽいものを着たメガネのあいつがいた。

 

何でも、いつもの礼装が汚れたので着替えたらしい。

 

 

ふむ。

 

 

 

まずは全体を眺めよう。紫の落ち着いた制服に紫の帽子、アトラス院制服というらしいその礼装は全体的に極めて低露出でお堅い印象があるものの、極一部が開放的である。

 

極一部とは、その脚だ。タイトなミニスカートから覗く、白くみずみずしいふとももは見るものを魅力する魔力がある。しかも生足ではなくふとももから下は紫のニーソに覆われている。これがスカートとニーソの間に絶対領域を作り出すことでよりそのふとももを輝かせる。

極めつけはそのスリットだ!お堅い全体像から一変し、セクシーなそのスリットはふとももをより出すのみならず、我々のチラリズムをも刺激する。近くをさらけ出させておきながらその核心をつかせない絶妙な焦らしは、我々の初心、中学生の頃の記憶を呼び覚まさせる。中はどうなっているのだろう?見えない。わからない。ならば想像しよう。そうやってスカートの中の宇宙を妄想し、昂っていたあの頃を。

 

次にメガネに移ろう。これもまた素晴らしい。黒渕のシンプルなメガネは真面目な雰囲気を醸し出しつつも、彼女の美貌を引き立たせる。

メガネの魅力はそれだけではない!メガネを外した瞬間、我々は彼女の新しい一面を垣間見るだろう。メガネを拭くためか、湯気を避けるためか、はたまた、就寝のためか。ともかく、メガネを外すということは、覆われていた部分をさらけ出すことに他ならない。それすなわち、「普段見えないものを見る」という原始的なエロチシズムの一つの形であると、私は思う。

 

 

なるほど、アトラス院が最強を目的に作っただけのことはある。見事な計算だ。

 

 

 

 

 

 

どうした?え?チョコ?でっか!ありがとう!

え?用がすんだら出てけ?何で怒ってんの?何で顔真っ赤なの?あ、ちょ、まっ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──立香──

 

うわぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!

 

何を考えるんだあいつは!

チラリズムとか原始的なエロチシズムとか。

なんだこれ!何でこんなに恥ずかしいこと考えられるの!

 

まずい、このままだと茹で上がる。とにかく、チョコ渡して帰そう。

 

ほらさっさと出ていく!

 

無理やりあいつを追い出す。

 

ちくしょう!何であんな恥ずかしいことをつらつらと考えられるんだよ!

 

私はそのままベッドにダイブして悶え始めた。

 

滅茶苦茶恥ずかしい!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも、何でかな?嫌じゃ無かったような?

 

 

 

 




魔術礼装はアルトリア(槍)の英霊正装の男性版みたいな感じです。


続きのようなもの─────────────────────────────────────────────────────────

一時間後

「ああああああああああ!!!」
「失礼します。先ぱry。先輩!どうしたんですか!先輩!」



なんてことがあったっぽい。


──────────────────────────────────────────────────────────



おや?立香の様子が?






近いうちに最新話を、と宣言したにも関わらずこの体たらく。申し訳ありません。なぜか本編のみスランプのようでございます。

さて、今日はバレンタインデーですね。チョコは貰えましたでしょうか?


作者ですか?いっぱい貰いましたよ?








サーヴァントから。






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劇場版 俺の幼馴染はコミュ力お化け~託された運命のカード~

お久しぶりです。
メモ帳を整理していたら、エイプリルフール企画にするつもりだったのが出て来たので投稿してみました。
フィクションです。続く予定もありません。

※この番外編には、仮面ライダーネタパロ、駄文、中二病、キャラ崩壊がたぶんに含まれます。いろいろと許せる方のみご覧ください。



全てはあの日から始まった 

藤丸立香達、カルデアのマスターの戦いは熾烈を極めた 

疑惑、怒り、迷い、悲しみ、別れ、裏切り

数々の運命のカードが彼らに配られた 

幾つかの出会いがあった 

それを上回る数え切れない争いがあった 

そういった試練を全て乗り越え

しかし今、彼らは信じていた 

戦いの終わりは近い 

残る1つの特異点を修復すれば全ては終わる 

だが、彼らの知らないところで最大の試練が目覚めつつあった 

切り札はどこだ?

切り札は誰だ? 

この世界はやはり滅びに向かうのか? 

戦いは終わらない 

運命のうねりは今、クライマックスへと加速していく!

 

「え?俺のマスター適性が?」

「ああ、現時点をもって君のマスター適性が失われた。すまない、このわたしをもってしても理由がわからない」

 

突如失われたマスター適性。

 

「さよならです。マスターさん」

「いやだ!いかないでくれ!」

 

消え行くサーヴァント達、残されたのは一枚のカードだった。

 

「これはクラスカードだね。特殊な礼装を使えば英霊の力を借りられたはずだ」

 

一つだけの最後の希望。休む間もなく始まる新たな特異点─絶対魔獣戦線バビロニア─

 

「ダリナンダアンタイッタイ!」

「この特異点は我々の物だ。ひれ伏したまえカルデアのマスター諸君、そして魔術王よ」

 

介入する謎の勢力。

 

「ごめん。守れなかった」

「すみません、先輩……」

 

強力な敵を前に倒れる仲間達。

 

「駄目だ秋人君!それはまだ試作品だ!どんな副作用があるか……」

「構わない!それでアイツを、皆を守れるなら!」

夢幻召喚(インストール)!」

─インストール!セイバー‼オルタ‼─

 

決意し、強大な力を手にした少年。

 

「だが甘い。この程度、我々の敵ではないわ!」

「ならこうだ!重ねて夢幻召喚(インストール)!」

─ダブルインストール‼アヴェンジャー!─

 

限界を越えて覚醒する力。

 

「なんだ…この、力は…」

「力が、力がみなぎる」

 

快進撃の始まり。

そして明らかになる衝撃の真実。

 

 

「紅秋人ォ!

何故君が試験を受けずに、カルデアに就職出来たのか。

何故英霊の力を最大限に引き出せたのか。

何故夢幻召喚後に頭が痛むのくゎァ!

その答えはただ一つ…。ハァ…。

紅秋人ォ!

君が、人理の修復のためだけに造られたホムンクルスだからだぁ―――っははははははっ!

はぁーはははは!!」

「俺が、ホムンクルス?」

 

 

果たして、彼らは特異点を修復できるのか。それとも……

 

 

20XX年 Ω月Φ日 ロードショー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─インストール‼セイバー‼オルタ‼─

「そういえばこの音声って何の意味があるの?」

「私の趣味さ。いいだろう!」

「ベルト作る奴はこれだから!」

 

 

 

 

 

 

嘘です。




何をやってるのか。

書きませんよ。絶対書きませんよ。これは本来エイプリルフール企画ですので、プロットなんぞありません。その場の思いつきです。

本編の続きは私生活が落ち着き次第投稿いたします。今しばらくお待ちいただければ幸いです。


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番外編 マシュの確信

待たせたな(スネーク並感)

本当にお待たせして申し訳ありません。

しかもさんざん待たせて番外編です。

本編は一章分書き終えた段階で連投するつもりですのでもうしばらくお待ちいただけると幸いです。

GWには5章を終わらせ、今年中には最終回を目指したいと思っております。

なおプロトタイプについてですが、最終回後に公開したいと思います。

PS.本編中の※は三人称視点になります。



「お二人は結婚というものについて考えていますか?」

 

マシュにそう聞かれたのは、日課の訓練が終わってすぐのことだった。自動販売機の前でアイツと駄弁っていたらなにやら本を抱えたマシュにそう訊ねられたのだ。

 

「結婚かぁ。考えなくもないなぁ」

 

アイツの言葉に少し驚く。コイツもそんな事考えてるのか。

でもまあ、もうすぐ二十歳だし、三十位には、と考えなくもないか。

 

俺は、もし結婚するならどんな人がいいんだろう?

 

コミュ力高くて、適切な距離が測れる人がいい、かな?

現状その条件に一番近いのは…………

 

「「こいつ(だね)」」

 

同時に指を指した。互いに「やっぱりか」という顔だ。

納得ではある。なんだかんだ二人でいるときが一番素でいられるのは確かだからだ。

 

マシュは一瞬驚いたものの次の瞬間にはキラキラした目に変わっていた。

あ、これは何かしらの勘違いをしているな。

違うぞ。別にアイツと結婚したい訳じゃないぞ。言っておくがな、アイツに対して

 

「「違う、恋愛感情はない」」

 

続けてアイツが、あくまで結婚という共同生活が一番上手くいくのは互いのあらゆる部分を知り尽くしているからであって、それを満たしているのがお互いしかいないからだ。と説明する。

 

まったくだ。と頷くが、マシュの目はキラキラしたままだ。

 

そこから小一時間、代わる代わる、恋愛感情はなく、あくまで墓まで付き合える相棒なだけで、同じ条件を満たすならそっちに恋愛感情を抱くことを説明していく。

それが幸をそうしたのか、最終的にマシュは「解ってます。解ってます」という笑みを浮かべて納得してくれた。

 

誤解されなくてよかった。よかった。

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────────────────────────

 

※以下は、後日マシュが記したであろう手記から抜粋した

 

 

【マシュレポート】

 

─紅秋人先輩と先輩について─

 

私、マシュ・キリエライトの二人の先輩についての記録。

 

一人は、デミサーヴァントである私のマスターの藤丸立香先輩。

もう一人は先輩の幼なじみで、カルデアのマスターの一人、紅秋人先輩。

 

先輩は言わずもがな、秋人先輩もただ目付きが悪くて人見知りで、口下手なだけの優しい人で、先輩とは非常に仲が良いのですが、最近思うんです。

 

 

お二人は恋人同士ではないのですか?

 

と、

 

 

いえ、もちろん恋人同士ではないものの仲が良い男女が存在することはわかります。

 

先輩同士の関係もそうといえばそのような感じかと一瞬思えます。

 

しかし、しかしです。普段の様子をみる限り職員の方にお借りした漫画に登場する恋人のようなやり取りを見ているとどう考えても恋人同士なのです。

 

─訓練後の風景─

 

まず、この手記を記すきっかけとなった出来事です。

 

はじめに、秋人先輩は朝夕にアルトリアの皆さんに稽古をつけてもらっています。

 

調整しているとはいえ英霊による訓練です。それはもう体力を限界以上に消費するのだとか。

 

同時の秋人先輩は体力はそれなり(人間のくくりで)でしたが、夜の訓練が終わるとくたくたで、歩けるまでベンチで休んでいくのですが、先輩はそんな秋人先輩と飲み物を飲みつつ談笑するのが日課でした。

そんなある日のこと

 

 

事は夕の稽古の後に起こりました。何時もの日課中に先輩の肩に凭れて眠ってしまった秋人先輩。

 

「ん…………。寝てたのか」

「あ、おはよう」

 

目が覚めたのか先輩の肩から頭を上げる秋人先輩。

 

「悪い。汗臭かったろ」

「ううん。そうでもなかったよ」

 

立ち上がって首をコキコキ鳴らしながら軽く謝罪する秋人先輩に微笑みながら返す先輩。

 

「それに、この匂い嫌いじゃないから」

「お前……」

 

躊躇いがちに目をふせ、ややあって上目遣いでの突然の一言に秋人先輩が一瞬戸惑います。

が、すぐにジト目になると呆れたように言いました。

 

「お前、それ毎回やらないとダメか?」

「慣れちゃったか」

「一週間毎日やられればな。あんまりこういう冗談言うのやめとけよ」

 

カラカラと笑いながら「了解」と先輩。

 

「んじゃ、お先に、おやすみ」

「おやすみ」

 

先に退出しようとドアを開けつつ、「あ、そうそう」と首だけ振り返って口を開きます。

 

「今回のは冗談だけど、匂いが嫌いじゃないのは本当だよ」

「ッ!」

 

面食らって固まる秋人先輩の様子に微笑んで今度こそ先輩は部屋を後にしました。

残ったのは固まる秋人先輩となにやら口の中が甘ったるい私。

 

あ、なるほど、これがバカップルというものなのでしょう!

 

 

─結婚について─

 

その日、職員の方からお借りした恋愛小説や結婚情報誌を読んでいた私は、先輩の結婚について興味を覚え、訓練後のお二人を直撃し、インタビューを行いました。

 

お二人は結婚というものについて考えていますか?と。

 

すると二人はほとんど一瞬の思案の末同時に互いを指差して、「こいつ」と答えました。

そして、それについて互いに何でもないかのように納得したではありませんか!

やはり、お二人は!と、期待したところ、またもや息ぴったりに恋愛感情はない。と否定されてしまいました。しかし、その理由が互いに知り尽くしているからだと聞かされ、さらには互いを墓まで付き合える相棒と評していました。

 

なるほど、どうやら恋愛感情は本当に無いようですね。自分で記しておきながら訂正します。お二人は恋人同士ではないようです。

 

確信しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これはもう、恋愛感情とか恋人同士とか飛び越えた【夫婦】なのだと。

 

 

 

 

 

 

 

 




何書いてるんだろう俺は(何時もの)。

近況も報告いたします。

親の顔より見たワルキューレの宝具。

これでだいたい察していただけると思います。

オルトリンデが最推しです。

以下はオマケになります。


【オルトリンデ】

まずは全体を眺める
白く細い手足と同じく白く、バランスのとれた肉体、フードから覗くそのどこかあどけなさの残るその凄絶な美貌。艶やかな黒い髪。どこぞの姫と言っても違和感はあるまい。

だが、その服装は違う。彼女は全身を白の鎧に包み、貞淑に守られた、まさにワルキューレと呼ぶに相応しい姿をしている。しかし、そんな戦乙女の貞淑さに反する存在がある。それは、下半身。具体的には下腹部、太腿、ふくらはぎだ。全部かよ。と、思われただろう。違う。より詳細に伝えよう。黒のブーツに被われたふくらはぎの脚線美、スリットから覗く白く神々しい太腿。
それらすべてが、彼女の瑞々しくも貞淑で犯しがたい体に艶かしさを与える。
さらにフードだ。フードというのはいい。ON、OFFによって印象がガラリと変わるからだ。メガネや鎧と同じく、一粒で二度美味しい。 フードからたまに覗くその鋭利な瞳の光は浪漫であり、数千カラットのダイヤモンドにも匹敵する魔性だ。

時に、彼女の露出度は低い方である。フードも相まってさらに肌色率が低い。しかし、いや、だからこそ、その少ない露出は映える。チラリと見えるその瞳は、下腹部は、太腿は、ふくらはぎは、深く印象に残るだろう。端的にいえばエロい。絶対領域。それしか見えない。素顔すらもよく見えない。だからこそ、我々は彼女をもっと暴きたいと思う。女体に対する大いなる冒険心。知りたい。近づきたい。触れたい。そんな裸の欲望こそが、我々の原始的なエロスなのではないだろうか?

かの大神は知っていたのだ。彼女の可能性を、その瞳の破壊力を、低露出に見るロマンを。
故に、彼女らを産み出したのだろう。

私は今日ほど自分が勇士でないことを嘆いたことはない。
それほどまでにその出会いは衝撃だったのだ。




あれですね。感想がほとんどセイバーリリィと一緒ですね。

本編と合わせると自分の癖(へき)をよく理解できてしまい多少戸惑ってしまいました。

チラリズム推しだったのか俺は。



追記 小説情報を読んでいたら、この小説を捜索で紹介して頂きました。ありがとうございます。

ただ一つ、ややほのかにオリ×ぐだ子、と記されていたのです。
妙ですね。恋愛感情はないはずですが?(棒)



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プロローグ 俺の幼馴染はコミュ力お化け

うん、書いてしまった。


俺【紅秋人】の幼馴染はいわゆるコミュ力お化けだ。

コミュ力の神に愛されてるレベルでコミュ力お化けだ。

相手が気弱な少女だろうと強面のお兄さんだろうとはたまた人間じゃなかろうとコミュニケーションがとれ、しかも非常に仲良くなれる魔法みたいなコミュ力を標準装備している。

 

え?俺?

店員が天敵とだけ言っておこう。察せる奴は察するだろう。

何であいつら店に入ると話しかけてくんの?服ぐらい自分で選べるわ!どうせパーカーとジーンズしか買わねえしな。

 

さて、話を幼馴染に戻そう。あやつは何かにつけて俺に構う。小学生の頃から構われ続け、ついに高校を卒業するまで一緒だった。尤も、アドレス帳の中身は桁が違い過ぎるほど差があるが。

 

え?俺?家族と幼馴染だけだよ?言わせんなよ。泣きたくなるだろ。

 

そんな幼馴染は高校卒業とともに国外に就職するらしい。

 

これでやっとコイツともお別れか。え?俺も行くの?やだよ。え?俺の分も申込んだ?内定?は?

 

拒否権など微塵もない哀れな俺はこうしてカルデアへとやって来た。

そして、人類最後のマスターの一人として特異点を巡る旅に出ることになった。

 

 

 

これは、俺の幼馴染【藤丸立香】のサーヴァント攻略の実況とその報告である。

 

 

 

え?いつの間にマシュさんとフラグ建てたの?早いよ。まだカルデアついて1日経ってないでしょうが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私【藤丸立香】の幼馴染はコミュ障だ。

もうコミュ障の神に愛されてるレベルでコミュ障だ。

相手が気弱な少女だろうと強面のお兄さんだろうとはたまた人間じゃなかろうとコミュニケーションが取れず、しかもなんか妙な勘違いをされる魔法みたいなコミュ障レベルを標準装備している。

 

え?私?

店員さんは自分から話しかけるでしょ?

何で話かけないの?人の意見も取り入れようよ。自分の意見だけだといつか躓くよ。店員さんに聞いていろんな服にチャレンジしてみようよ。

 

さてと、話を幼馴染に戻そっか。彼には友達がいない。小学生の頃からまともに会話をするのは私だけ、ついに高校を卒業するまでそうだった。L◯NEは私と家族のしか入ってなかった。

 

え?私?とりあえず、3000人くらいいるよ?

 

そんな彼を高校卒業とともに海外に連れてきた。

 

これでやっとコイツともお別れか。なんて嘯いていたからあいつの分の内定も見せて無理やり連れてきた。いやだってこうでもしないとあんたヒッキー一直線でしょうが。

 

拒否権など微塵もくれてやらずに彼をこうしてカルデアへと連れて来た。

そして、人類最後のマスターの一人として特異点を巡る旅に出ることになった。

 

 

 

これは、私の幼馴染【紅秋人】のコミュ障克服治療(無理やり)の実況とその報告である。

 

 

 

え?違うよマシュあいつは別に怒ってないよ?ただコミュ障特有の「ぁ……」が怖い顔と低い声のせいで「あ"?」に聞こえるだけだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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俺の幼馴染はコミュ力お化け
1話 コミュ力は種族の壁をも越える


俺の幼馴染がモテすぎる件について。

 

え?なんなのアイツ?特異点の英霊と確実にフラグを建てていくんだけど、男も女も関係ないとか両刀使いなの?

幻想郷なの?

全てを受け入れるの?

 

え?俺?アイツと一人しかいない契約英霊としか話してないよ?あ、そうそう、第一特異点行く前に俺のサーヴァントを召喚しようってことで召喚したんだが、召喚されたのは、まさに文学少女な格好でスターでウォーズな剣を持った少女だった。アホ毛が飛び出てる。メガネ美少女だった。アホ毛が飛び出てる

しかし、うちの英霊美少女なのに【謎のヒロインXオルタ】とか名乗って、痛い設定羅列してるよ。14の頃を思い出すよ。くっ、我が心臓に眠りしアポカリプスドラゴンが!それ以上俺を怒らせるな!疾く立ち去れ、有象無象よ!

 

 

 

ふぅ、落ち着こう。なんつうか、あれだ。痛かわいいというジャンルを開拓できたからよしとしよう。

「六花ちゃんマジ痛かわいいわぁ。六花ちゃんかわいいよ六花ちゃん」

と言っていた某掲示板のあの人の気持ちが今なら分かる気がする。

 

戦闘後にお菓子あげたら超喜んでた。うわぁ、超貢ぎてぇ

 

あ、一応声を絞り出してちゃんと自己紹介したよ!頑張った方だと思うよ!なんかアイツは微妙な顔をしてたけども。おうなんじゃい。俺だって頑張ればこんくらいできるし!いっつもは本気出してないだけだし!

 

さて、幼馴染だが。あれだね?俺もう要らなくね?アイツ一人で交渉とか終わっちゃったしもうアイツ一人でいいんじゃないかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

私【謎のヒロインXオルタ】のマスターは寡黙です。私を召喚したときも一言「…………紅秋人だ、…………ょろしく」とだけ言っていたので冷淡な英霊を道具扱いするマスターかと思っていましたが、なかなかあれで付き合いもよく、常に私が戦い易いように気を回し、大事な局面でも冷静に対処していました。

また、戦いが終わると美味しいお菓子をくれました。サーヴァントへの慰労もできて指揮も巧い、思いの外良いマスターに出会えたかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

私の幼馴染が何気にコミュニケーションとれてる件について。

 

え?なんなのあいつ?召喚した英霊と確実に交流深めてくんだけど、コミュ障どこ行ったの?

自称コミュ障のラノベ主人公なの?

召喚したときは「…………紅秋人だ、…………ょろしく」としか言ってないのにドヤ顔してたけども。謎のヒロインXオルタさんも微妙な顔してたけど。

 

とはいえ、しっかりコミュニケーションとれるなら問題ないよね。

このまま人並みにコミュ力つけてくれればいいけど。

 

というか、指揮巧すぎない?初めてなんだよね?相手が一番来てほしくない位置に必ずいるとか軍師なの?

孔明なの?

「はわわ!敵が来ちゃいました」とか言い出すの?

 

 

 

想像してしまった。吐きたい。

 

 

 

それにしてもあれだね。私要らなくない?あいつ英霊との相性もバッチリだし、指揮も巧いし、もうあいつ一人でいいんじゃないかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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2話 増える消費者

思い付いた話を挿入します。本編はささっと進むのでむしろ閑話が本編です。


第一特異点の修復が終わり、3日の休みを得た俺たちだが、その初日、召喚の際の魔力を肩代わりしてくれるとんでもアイテム聖晶石を30個持って召喚部屋に来ていた。

ちなみに、この数だと10回は召喚できるらしい。

とはいえ、英霊に縁もゆかりもない一般人なので完全にランダムらしいが。

 

最初にアイツが召喚を開始する。

1回目 麻婆豆腐が出てきた。え?何でや!何で麻婆豆腐召喚できるんや!しかも無駄にできたてである。皆辛いと言っていたが美味しかった。

なるほどこういうことがあるわけか。

 

2回~9回までは1度を除いて特に何も(よくわからん礼装とかは出てきたが)起こらなかったが、最後の1回、アイツは奇跡を起こした。あ、フラグ建てたヤンデレは早々に出てきてたけどね。

 

「サーヴァント・アーチャー。召喚に応じ参上した」

 

色黒の男はそう言ってたたずんでいる。なんか女難の相がありそう、あとアイツと同じコミュ力お化けの名残がある。なんか生前は「俺は皆を幸せにしたいんだ!」とか言ってそう。

 

おいこら、えっちゃんを見つめるな。うちの痛かわいいバーサーカーみて「アルトリア」とかいうな。誰だよアルトリア、えっちゃんはえっちゃんだよ。

 

まあ、アイツのことは放っておこう、

どうせいつも通り上手くやるだろう。

 

待ちに待った俺の番。勇んで引く。

 

麻婆豆腐

ぬいぐるみ

船の模型

寺の写真

じじいの横顔の写真

謎の短剣

謎のペンダント

バーベキューの串みたいな剣(赤)×2

 

おいこらマジか。一人もかすらねぇ。アイツ二人召喚できてんのに俺だけゼロ?俺コミュ力だけじゃなくくじ運も終わってたの?

 

「マスターさん、あと1回残ってます。あと和菓子ください」

 

えっちゃんに饅頭与えつつ再び召喚陣を見る。

あ、線3本やったーサーヴァントだあ、どうやってコミュニケーションとろうか。

 

「コードネームはヒロインX。昨今、社会的な問題となっているセイバー増加に対応するために召喚されたサーヴァントです。よろしくお願いします」

 

謎のヒロインXだってぇー。えっちゃんと同類かよ。まあ、えっちゃんはオルタだし、普通のがいても仕方ないけども。それよか最近セイバー増えてんだね、うちにはこないけど。

 

おいこら、エミヤ、ヒロインX見て「アルトリア」とか言うな。

謎のヒロインXだと言ってるだろうが。ヒロインXも「いいえ、私は強くて可愛いアルトリアさんではありません。セイバーを殺すセイバー謎のヒロインXなのです」とか言ってるし、アルトリアって有名人なの?英霊の中にはアルトリアさんとか言うカリスマがいるの?X達は似てるの?あ、そっくりなのね。

つーか、Xはアサシンなんだけどセイバーを殺すセイバーなの?ツッコんだらセイバーです、で、押し通された。

 

まあ、良いや、英霊増えたし。自己紹介もできたし。

 

ちなみに、ヒロインXはえっちゃんの初めての友達らしい。他には?と言うと黙ってそっぽを向いていた。同類の匂いがする。あとかわいい。

 

 

 

 

 

 

 

私【謎のヒロインX】のマスターは掴み辛い。口数が少なく表情も動かない。先に召喚されていた友達曰く「良いマスター」らしいが餌付けされてる感が否めない。ちなみに食べてるお菓子は彼の手作りらしい。お菓子だけは上手く作れるそうだ。

まあ、ゆっくり見定めていきましょう。

 

 

 

ふむ、この饅頭は美味しいですね。マスターとしては認めましょう。

次はカステラです!

 

 

 

 

 

 

 

 

サーヴァントを餌付けするな!

 

あいつは何を考えてるんだ!事あるごとにえっちゃんさんやヒロインXさんにお菓子を作って、まあ、あいつのお菓子はおいしいから気持ちは分かるが。カルデアの貯蔵も無限じゃないからなんとか回数を減らして欲しいとロマンに言われるのは私なんだけど。

 

しっかり成果はあげてるのが腹立たしい。

 

まあ、今日から厨房はエミヤの預りになったからあいつが許可をとるのも一苦労だろう。

 

 

 

とりあえず私もどら焼きを要求しておいた。

 

 

 

 

 

 

 

 



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3話 体操服は至高である

感想がいつの間にか四件も。
ありがとうございます。作者のモチベの源です。
返信はゆっくりして参ります。


体操服は至高である。

 

スパッツも。

ブルマも。

ハーフパンツも。

芋ジャージも。

ユニフォームも。

 

美少女が着ることでそれらは一級の聖遺物となる。

 

校庭で。

体育館で。

放課後の教室で

家で。

街中で。

 

美少女とラフな体操服の組み合わせは映え、その魅力を惜しみ無く放出する様は神話の一説の如く。まさしくヴィーナスの顕現である。

 

 

つまり何が言いたいかと言うと、うちのサーヴァント可愛すぎる。

 

 

 

霊基再臨というものがある。

英霊をより全盛期に近しい姿にすることで実力を上げる行程である。

 

大抵のサーヴァントはより戦い易い衣装へと着替えたりするのだが。休みの2日目、サーヴァントを霊基再臨させてみたのだ。

 

二人は強烈だった。

 

えっちゃんは白い半袖体操服(胸に名札あり、3-2 セイバーと書いてある)にパーカーを羽織る、カジュアルスタイル。下半身はスパッツのみである!

 

スパッツのみである!!

 

ス パ ッ ツ の み で あ る !!!

 

素晴らしい!スパッツによって露になる曲線の美は芸術性さえ懐かせる。

 

 

ヒロインXは白い体操服(もちろん名札あり、ひらがなでえっくすと書いてある)に青ジャージを羽織った王道スタイル。下はなんと絶滅種ブルマーである!

 

ブルマーである!!

 

ブ ル マ ー で あ る!!!

 

ほぼ下着レベルの露出でありながらシンプルなニーソと合わせることではしたなさを抑え、健康的な美しさを演出している。

 

スパッツが曲線の美ならばブルマーは色彩の美である。

白く眩しい肌と藍色のコントラストは、雪中梅の如く互いを引き立て、両者の魅力を引き出している。

 

また、二人とも露出の少ない上半身との対比により実家のごとき安心感と旅先のごとき期待感を両立している。

 

よし、和菓子を食べよう。気にするな、良いものを見せてくれたお礼だ。

なに、菓子の貯蔵は十分だとも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マスターさん、あなたと言う人は、なんて素晴らしいマスターなのか。

霊基再臨を済ませた私達にマスターさんは報酬の前払いと言わんばかりに和菓子をくれました。

マスターさん、私、謎のヒロインXオルタはあなたの剣として尽くします。

とはいえ、銀河に君臨すべき王としての生を受け、誇りある騎士として育った、私が仕えるマスターにもまた一定の格式をっ!?

 

……あの、その後ろ手に隠したものは何ですか。どうぞどんな命令でも言ってください。

 

必ず答えて見せますから。マスターさん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マスター、全サーヴァント界最強最かわな私、謎のヒロインXのブルマ姿を目にして眉一つ動かさないとは、何気にイラッときますね。

ですが、有望株に先行投資とは見る目がありますね。今回はこれで水に流してあげましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あかん。私の幼馴染が変態過ぎる。

長い付き合いのせいで顔を見れば考えていることがだいたい分かるが、今のあいつはスパッツとブルマーの事しか考えていない。なまじ無表情なせいで私以外は気づいていないのが幸いかな?ばれたら村八分ならぬ、カルデア八分されかねないし、この局面で孤立しようものならあいつは首を括りかねない。

 

あ、おいこら!和菓子を配るな!それ貯蔵分だろうが!やめてよ!ロマンや職員、あとエミヤから怒られるのは私なんだよ!

 

 

 

私にもその豆大福プリーズ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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4話 コミュ障の覚醒

カレスコの反響がすごい。
確かにあれは当たったら本気で喜びますね。

持ってませんが!

持 っ て ま せ ん が !!





今回、主人公真面目要素があります。
んなもん要らねーよボケ!と言う方はそっと閉じてください


第二特異点行って来ました。

 

え?三連休の最終日どうした?細けぇことは良いんだよ!

 

和菓子作りとエミヤからの説教で終わったよ。

菓子作りすぎたかなぁ。でもあれだ。旨そうに食べるえっちゃんズがかわいいから仕方ない。そんなえっちゃんズから和菓子を奪うなどできようか?いや、できない。

ヤバい、どんどん貢ぎたくなる。

厨房の使用を禁止されたと報告したら、えっちゃんズがエミヤに特攻かまして使用権もぎ取ってきた。ありがとうえっちゃんズ。回数は減らされたがその分旨いの作るから。

 

 

 

さて、第二特異点だが、第5代皇帝ネロ・クラウディウス率いるローマ(略してネローマ)と歴代ローマによる戦争の真っ最中。

時空がネジ曲がってるよ。でも聖杯あるから仕方ないよね?

 

というわけで、カルデアはネローマに助力して歴代ローマを倒すことに。

 

そんな中で俺達がネロと共にガリア遠征軍の野営地を訪れた時だ。

 

そこで俺達は衝撃の出会いを果たした。

 

「喜ぶがいい、此処は圧政者に満ちた戦いの園だ。圧政者が集い、巨大な悪逆が迫っている。さあ、共に戦おう、圧政に抗う者よ」

 

そう言って笑うその男は筋肉(マッスル)だった。

 

「反逆の勇士よ、その名を我が前に示す時だ。共に自由の青空の下で悪逆の帝国に反旗を翻し、叫ぼう」

 

???

 

何を言ってるんだこいつは?

 

「あ、私は藤丸立香です。こっちは紅秋人。よろしくお願いします。一緒に戦いましょう」

 

え?アイツわかったの?今の言語解読できたの?

マシュさんも驚いてるじゃん!

そんな事を考えつつスパルタクスを見ると目があった。

 

「おお、その不遜なる態度。まさに圧政者!その圧政に反逆する」

 

違います。別にそんなつもりじゃないです。ただ声出せないだけです。あと、少し威圧的な外見なだけです。

 

ブーディカさん助けて。お願い。え?実力を確かめるために模擬戦?

あの、模擬戦じゃすまなそうなんですけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜になった。とてもじゃないが兵全員に完全な食事は作れないので、パンとシチューだけ作った。それでも疲れたが。

 

食後、アイツにちょっと散歩をしようと言われたので陣中をうろうろしてみた。

 

あのさぁ、何でお前はそう友達作るの早いの?

いく先々で「リツカ、リツカ」呼ばれてるんだけど。

え?さっき食事の準備中に挨拶回りを終わらせた?俺は?いやまあ行っても喋れないけど。

 

というか、一部の兵からの死線(誤字にあらず)が半端ないんだけど。サーヴァントでは飽き足らず一般兵ともフラグ建てたの?

 

別にいいけどね、別に。

 

それはそうと、気づいてないのか?さっきから清姫が物陰からじっと見つめてきてるぞ。

 

うん、まあ、とりあえず幸運を祈る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最終的に、ネローマもまたローマであると言う一人称がローマのローマとローマを舞台にローマをかけた最終決戦をしたわけだ。

 

ローマがしつけぇ。

 

 

 

そんなこんなでローマをネローマが倒しこの時代のローマは安泰となった訳だが。

 

あん畜生が現れた。

 

カルデアを破壊し所長と多くの職員を殺した張本人。

 

レフ。

 

えーとレフ、レフ、なんだったか。

 

確かなんとかノールだった気がするが。

 

あ、思い出した!

 

 

あの、レフ・エタノールが。

 

 

違ったっけ?まあ良いや

 

そのエタノールが魔神柱とやらに変身して襲いかかってきた、正直辛い戦いだった。激しすぎて指示も出せなかったし、何より手の震えがヤバかった。

 

でも、ヤバかったのはこの後だった。

 

レフが最後に召喚したアルテラが強すぎた。しかも聖杯取り込んで魔力増し増しである。

勝てる気がしねぇ。

あ、でも召喚された直後にレフ叩き斬ったのは感謝したいよくやったと、レフざまぁと。

 

 

でもさ、俺は一撃防いだのすら奇跡な奴を倒せると思えなかった。

 

 

ネロは言う。勝てると、確証はなくとも。どう変わってもローマは残るのだと。

 

それに皆が勇気付けられている。

 

だが、俺は怖い。戦うのが、死ぬのが怖い。

 

 

仮にここで俺が怖じ気づいても誰も俺を責めないだろう。

 

そう思うと、そう言ってしまいたい衝動にかられる。

 

だが、俺は不思議とそう口にしなかった。

 

そう言えば、アイツは笑って「それじゃ、行ってくるからここで待ってて」と言うだろう。

 

だが、俺はそんなのは望まない。

 

正直逃げたい。

 

震えも止まらない。

 

でも、アイツ一人を行かせる訳にはいかない。

 

腐れ縁だしな。あと、認めたくねぇけど唯一の友達だしな。

 

気づくと俺は「……俺も戦う」と口にしていた。

 

そして、俺達はこの特異点最後の戦いに赴いた。

 

 

 

結果から言えば勝ったのだが、過去一番辛い戦いだった。

一歩間違えれば死んでいただろう。そんなことが何度もあった。

 

 

特異点修復とレイシフト終えカルデアに帰還する。まだ二つ、あと五つあると思うと心が折れそうだが、とりあえず今は体を休めよう。

 

 

それにしても、いつものご褒美の時間から思ったが、えっちゃんズが近い。物理的にも心的にも。なんか目が優しい。何かしただろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回のあいつがイケメン過ぎる件。

 

誰も知らない事だがあいつはへたれのビビりだ。お化け屋敷とか絶対入らないし、この話聞くと来るよ系の怪談とか全力で対策するし、ガチのヤンキーとか避けて歩くし、マジで見かけ倒しだし。

 

今回のラスボスことアルテラは強敵だった正直戦ってる最中も震えが止まらなかったし、勝ててマジでホッとしている。

 

戦いの前、あいつはどうかな?と思って見ると明らかに怯えきっていた。いや表情死んでるから私かパス繋がってるサーヴァントしか気づかなかったけど。

 

正直私はあいつを戦力に数えなかった。もし、嫌がったならその意見を尊重するつもりだった。

 

でも、怖くて仕方ないみたいな顔してるのにあいつは「……俺も戦う」と言った。

 

目はかつてないほど獰猛に前を見据えている。

 

 

誰 だ お 前 は !!!

 

 

私の知る紅秋人じゃない!

 

私の知るあいつはもっとへたれのビビりでコミュ障などうしようもない小者だ!

 

お前のようなイケメンでは断じてない!!!

 

私じゃなかったら堕ちてるぞ。

 

見ろお前のサーヴァントを!

ちょっと顔赤いじゃないか!

 

つーかそんな状態でも上手く指示出せるとか天性の軍師か!

竹中半兵衛か!

「いぢめないで………」とか言うのか!

 

 

ヤバい想像してしまった。吐く。

 

 

こうして、第二特異点は私に嘗てない衝撃をもたらし、終了した。

 

 

 

 

これ特異点全部回る頃には一人のイケメン軍師が出来上がるんじゃなかろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




主人公とえっちゃんの普段の会話はこんな感じ。

「マスターさん、起きてますか」
「あ"……」
「おはようございます。和菓子をください」
「………あ、おはよう、冷蔵庫」
「判りました」

「……あ"、何故、膝に、座る」
「いけませんか?」
「……………」
「もぐもぐ♪」



なんだこの空間。


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5話 幼馴染は女神かよ!

今日はこれで更新終了です。


お気に入りにしてくださった方、感想・評価をくださった方、ありがとうございます。


ガチャ───それは未知の迷宮のごとく危険で魅力的な事柄である。

 

 

ある男は言った。出るまで引くのがガチャだ。と

 

ある女は言った。課金は食事と同じだ。と

 

ある英霊は言った。その先は地獄だぞ。と

 

無論、無茶だと、身を滅ぼすと言う者もいるだろう。

しかし、俺は止まれない。ここまで来たら引き返せない。

 

この日、俺はその一歩を踏み出した。

 

口は滑らかにその呪文を紡ぐ。

 

 

 

 

 体は紙幣で出来ている。

 

 血潮は樋口で 心は諭吉。

 

 幾たびの召喚を越えて不敗。

 

 ただの一度も爆死はなく、

 

 ただの一度も理解されない。

 

 彼の者は常に独り 召喚の部屋で勝利に酔う。

 

 故に、生涯に意味はなく。

 

 その体は、きっと無限の紙幣で出来ていた。

 

 

 

イメージするのは常に引き当てる自分だ!!

 

 

 

 

 

しかし………ッ!

 

 

 

 

しかし………ッ!

 

 

 

 

現実は非情…………ッ!

 

 

現実が………ッ!

 

 

運の無さと言う現実がアキトを襲う………ッ!

 

 

諭吉を触媒に手に入れた聖晶石140個

 

特異点攻略により手に入れた聖晶石30個

 

合わせて170個─56回の召喚─

 

結果

 

麻婆豆腐×11

ぬいぐるみ×9

船の模型×10

求道者×9

黒鍵×14

虚数魔術×1

投影魔術×1

恋知らぬ令嬢×1

 

なんだこれは………ッ!

 

アイツは一発で新たなサーヴァント【源頼光】を当てたと言うのに………ッ!

 

俺はサーヴァントに掠りもッ!

しないッ!

 

 

 

 

爆死したよ。

燃え尽きたぜ、真っ白にな。

 

 

 

 

俺は食堂で突っ伏す。

 

心のダメージが抜けない!

 

しかし、そんな俺に声をかけるものはいない。

 

俺からかけることもない。

 

なぜなら。

 

皆忘れてそうだが俺がコミュ障だからだ!

 

俺の口は不味いことにコミュ障が発言までの時間稼ぎに使う「ぁ」をよりにもよって「あ"?」に変換する。

 

そして、自慢じゃないが俺の顔は怖い。体もデカイ。

 

故にただの「ぁ」は対人宝具(一般人特攻)の「あ"?」として機能する。

 

これがガテン系のお兄さん方ならなんてことはないのだろうが、カルデアの職員は基本がインドア派のもやし系だ。無論魔術師も数人いるが既にサーヴァントと契約している俺の敵になりたくないのか徹底して不干渉である。

連絡はアイツかマシュさん、ダ・ヴィンチちゃんかロマンを介してなされるのだ。

 

故に、友はいない!

 

泣いても良いか?

 

 

そんな俺の隣に座る奴がいた。両隣にえっちゃんズが座っている。向かって右がオルタ、左がXだ。

 

爆死した。

 

かろうじて口に出す、指示できないと今後死ぬ、ということで最近は二人とならなんとか簡単な会話ができるようになった。

 

え?なにさ、えっちゃん?

え?私の体には飽きたのかって?やめなさい変な誤解が発生するでしょう。えっちゃんが和菓子食べるときに膝に座って体擦り付けるだけでしょ。

あ、遅かった。職員が走っていく。明日から俺はヤるだけヤって女を捨てるクズとして裏で語られそうだ。

 

え?なにさ、X。

自分達を引いておいて新しいサーヴァントを望むとか、全世界のマスターに殺される?なんでさ。

 

 

いやさ、俺だってえっちゃんズが過ぎた宝なのは知ってるよ!でもな、俺はブーディカさんが引きたいんだ。防御系のサーヴァントが欲しいいんだよ!

 

それに。

 

それにな!

 

ブーディカさんは俺の母親になってくれるかもしれない女性なんだよ!

 

 

そんな事を考えていたら対面にアイツが座った。すぐ後ろには絶対母親になるウーマン【源頼光】が控えている。この人苦手なんだよなぁ、俺の事射殺さんばかりに睨んでくるし、えっちゃんズもピリピリしだすし。なにさ、俺をアイツに付く悪い虫かなんかだと思ってんの?つーかこの人召喚されたばっかだよね?もうそんな仲良くなったん?相変わらずのコミュ力ですね。

 

え?なんだよ?爆死したのかって?そうだよ!爆死したんだよ!手元には聖晶石が2個しか残って無いんだよ。

 

え?なに、その聖晶石?え?余った?そらお前一発で引いてたしね。

 

え?くれんの?1個あげるから残ったのと合わせて引いてこい?

 

お前、女神かよ!初めてお前が可愛く見えたわ。すみませんすみません調子乗りました。有り難く頂戴します。代わりに後で柏餅?「太るぞ?」すみませんすみません口が滑りました。

 

あの、皆さん、その、女に金貢がせるクズ男を見る目をやめてもらえませんか?

 

私達はただ柏餅を聖晶石で売買しただけでして、頼光さんやめて!

柄に手をかけないで!

えっちゃんズも臨戦態勢に入らないで!

 

それじゃ、行ってきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勢いよく食堂を飛び出すあいつを見る。慌てて二人が追っていった。

 

あ?頼光さん?え?ああいう悪い男は斬るのが一番だって?大丈夫大丈夫。これでも幼馴染だからって油断してないよ。そういうのはちゃんと後で取り立てるよ。今回たまたまあいつに貸したけど私が借りることもあるし、持ちつ持たれつかな?

 

さてと、私も様子を見に行こうかな。ついてきてくれるよね?頼光さん。

 

 

 

 

 

 

 

なんだこれはどうなっているのだ!

 

 

召喚部屋に入った私は思わず叫んだ。

 

中にいたのはえっちゃんズともう一人、えっちゃんズにそっくりな、冬木で私達の前に立ち塞がった黒いアーサー王。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「メリー、煙突から失礼。召喚に応じ参上したサンタクロースのお姉さんだ。貴様が私のトナカイだな?」

 

 

それがサンタコスしてパンパンの白い袋背負って、そんな事を言いながらあいつに迫っている光景だった。

 

 

 

とりあえず一言、クリスマスはまだ先だ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ちなみにこの幼馴染ども柏餅の下り以外は目線だけで会話しています。


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6話 慌て過ぎのサンタクロース

本日から日に一度か二度の更新になります。またリアルが忙しいと更新できないこともあります。


セイバー死すべし!慈悲はない!

 

と、えっちゃんズがサンタコスの黒いアーサー王に突貫するのを令呪で止める。X?お前アサシンだよね?何で止めるのに礼呪二画もいるのさ。バーサーカーのえっちゃんはどら焼き投げたら止まるというのに。

 

うんうん、Xがセイバー殺しに命かけてるのは分かるけど落ち着こうか。とりあえずそこのアーサー王ライダーだし。

え?アルトリア顔は絶対ぶっ飛ばす?まあ落ち着けよ。カステラやるから。

それで落ち着くのかよ。令呪ェ………。

 

「……………アーサー、オルタ?」

 

さてと、あんた誰?アーサー王で良いんだよな?黒い。

え?違うの?夢を届けるサンタのお姉さん、サンタオルタさんと。そうですか。言いづらいですがクリスマスはあと7~8ヶ月後ですよ。

 

え?関係ない?私がいるところがクリスマスだと?

 

何でこう俺のところには色物とアルトリア顔ばっかり。

 

いやいや何でもないです。そうだケーキ食べましょう。クリスマスケーキ。え?ターキーがいい?わかりました。用意している間にケーキつまんでいてください。

 

おおう。立香お前いたのか。至急エミヤを借りたいんだが、カステラ一本?わかったわかった、柏餅と一緒に献上いたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

戦場だった。

 

とにかく厨房は戦場だった。原因はアルトリア顔トリオ略してアルトリオのせいだ。

 

(食事のペースが)速い!

 

(一口が)デカイ!

 

(食事の量が)多い!

 

食事を始めてからアルトリオは深夜まで食堂から動かず俺とエミヤは危うく過労死しかけた。

 

 

メレンゲを泡立てていた記憶だけが頭に残った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フム、私【サンタオルタ】のトナカイはなかなか良いトナカイの様だ。質問は短く簡潔。表情も一切変わらぬポーカーフェイス。なかなかの訓練を受けていると思われる。

しかも極上の菓子も作れるときたものだ。優良トナカイにも程がある。

もぐもぐ。

フム、ここのターキーとケーキは旨いな。

シェフ。ターキー10本追加だ。ケーキもホールでよこせ。

 

それにしても私達を見てあのシェフもとい弓兵がなんとも言えない顔をしていたがなんだったのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あいつまたやりやがった!また色物サーヴァント召喚したな!しかもまたエンゲル係数がはね上がるアルトリア顔を!

 

しかも何かまた仲良くなってるし。アルトリア顔とだけコミュニケーションとれるの?

 

こんなことじゃ、いつか食料のためにレイシフトする日が来たりして?なんてね。

 

何故だろう。あり得る気がする。

 

もう何か言っても無駄な気がするよマシュ。私の癒しはフォウ君とマシュだけだよ。

 

モフモフさせて。お願い。

 

朝は、頼光さんで窒息しかけて、夜はきよひーに食べられかけるし、幼馴染は何か幼馴染だし、心身ともに疲れたよ。

 

その後サンタオルタにえっちゃんズが合流し、しかもカルデア職員の食事まで用意したエミヤとあいつは深夜まで料理とデザートを作り続けた。

 

翌朝、力尽き食堂で泥のように眠る二人を発見した。

 

 

 

あと、疲れていると言ったのをどこからか聞いたアイツが疲れに効くハーブティーとそれに合うケーキを差し入れてくれた。

報酬の柏餅とカステラとともに。

 

 

普段はへたれコミュ障のくせに気が利く奴だ。

 

昔からこういう奴だから構っちゃうし、嫌いになれないんだよなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、そういう対象じゃないよ?

 

互いに相棒かなんかだと思ってるから恋愛感情ないからね?

 

勘違いしないよーに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




深夜食堂 カルデア


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7話 日本人の休日は休日ではない

休みだから手続きしに役所に行く。

休みだからあの仕事片付けよう。

休みだから溜まってたイベントの周回しよう。



休みなんだから休めよ日本人!







えー、確認したら日間ランキング2位になってました。変な声出しました。バスでね。




読者の皆様に圧倒的感謝を。

ありがとうございます


レイシフトとレイシフトの間には3日~5日の休日が設けられている。

前回は3日だったが今回は5日だ。

 

初日と2日目はお菓子作りとエミヤに料理習って終わった。

アルトリア顔との付き合い方をアドバイスしてくれた。何でも昔聖杯戦争で会ったことがあるらしい。だから少しは助言を、と。

エミヤさん。あんたいい人だな。

ターキーの他に家庭料理とジャンクフードまで教えてもらった。

ターキーだけでいいと伝えると遠い目をしながら、いつか必要になると言ってた。

どういうことだろうか?

 

あ、作ったターキーをサンタオルタに食べてもらったら、荒削りだがまあ合格点。と言われた。

ギリ合格なのに何で日に何度も頼むのか。エミヤならもっと繊細なターキー作れるのに。え?何か雑なのがいい?なんでさ。

 

 

 

─トナカイ。礼装を使わないのか?─

 

翌日、マイルームでえっちゃんズとサンタオルタとお菓子パーティー(ターキー付属)をしているとサンタオルタにそう言われた。

あー、あれね。何か使い道はあるの?

え?宝具の発動を補助したり、攻撃力をあげたりできるの?

マジかよ。

ちなみに、何が一番いい?と聞くと私の場合はこれだ。と、じじいの横顔の写真(カレイドスコープというらしい)を取り出した。発動すると開幕宝具も夢じゃないらしい。次点で虚数魔術だそうだ。効果は少し性能の落ちたカレスコらしい。

 

フムフム。あれ?俺の爆死の山って結構宝の山じゃね?

 

 

その翌日から最終日までは全部礼装の運用訓練兼経験値稼ぎ、レイシフトしての食料調達兼実戦訓練で終わった。

 

 

 

あれ?休日ってなんだっけ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マスター。私は感動しています。

お菓子オンリーだったマスターが気付けば家庭料理までコンプリートしていたとは。

お菓子に関しては常人が食べた瞬間に昇天して他のお菓子を「豚の餌」とか言いかねないレベルですが、家庭料理に関してはまだ粗はありますが何故か病みつきになる味付けですね。

食堂の料理といいマスターの料理といい、何故こうも懐かしく感じるのでしょうか?

 

さて、戦闘に関しては言うことがなく、サーヴァントの求めるものを用意して労うマスターは控えめに言って最高です。

 

特にそのさばの味噌煮とか。

 

この謎のヒロインX、あなたの剣として仕えましょう。

 

たとえこれからこのカルデアにどれほどセイバーが来ようと私を選びますよね?マスター。

 

 

 

 

 

 

 

 

このトナカイは考えていた以上に当たりだったようだ。

愚かではないが、かといって真面目でもないトナカイだが、サーヴァントの好みに合わせて自分を成長させようとする点はかなりいい。

ターキーはまだまだだが、助言を受け止めて生かすというのは素晴らしい。

先が気になるトナカイだ。

 

ゆっくり見定めさせてもらうぞ。トナカイ。

 

 

 

 

 

 

 

 

あいつの料理レベルが上がっていく。エミヤと合わせたのが悪かったのか、あの夜以降エミヤとあいつの仲がいい。最近は一緒に料理を作ってはアルトリア達に献上しているようだ私も食べたが美味しかった。お菓子に至っては他のお菓子が豚の餌に感じるレベルだった。というか意識が飛びかけた。

何か凄まじい敗北感を覚える。

 

あれだね、順調に主夫スキルが上がっていくね。

 

喜べねぇ。

 

何気にイケメンでなおかつ普段はへたれで可愛がられるのにいざというときは頼りになるし、主夫スキルも高い奴とか、養おうとする奇特な女性が出かねない。

というか、えっちゃんズには既にその兆候が出てる。

 

仮にXに「宇宙に付いてきてください。生活の面倒は見ますから。その代わり主夫をお願いします」とか言われてみろ。

 

そうなったらあいつは絶対断らない。何気にチョロいし、ちょっと優しくされただけでホイホイ付いていきそうだ。というか確実にえっちゃんとセットでついていく。

 

それだけは阻止せねば!

 

せめて同じ国でお願いします!

 

何でって、当たり前じゃん。

 

だって、宇宙に行かれたら。

 

あいつのお菓子がなくなる!

 

 

お 菓 子 が な く な る!!

 

 

絶対阻止しよう。そうしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




改めて考えると主人公コミュ力以外のステータスはバカ高いということがよく分かる。



ちなみに主人公は日常会話を「あ、」と単語で終わらせます。



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8話 スーパーイケメンタイム

始まりました第三特異点。今回から特異点は2話ぐらいかかります(1話にするのが辛かった)。


なお、今回キャラ崩壊が発生します。


あいつはあれか!特異点に来るとイケメンになる病気にでもかかってるのか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特異点に来てすぐ、あいつは普通だった。

来てすぐに海賊に囲まれたが、英霊7人もいたら海賊に勝ち目なんかある筈もなくあっという間に鎮圧された。

 

特にアルトリア三人衆が凄まじかった。

 

あいつがガンガンいこうぜ!と指示したのかものの数分で片付いた。

 

色物でも強力な英霊なんだなぁ。

 

でもさ、途中であいつを人質にとろうとした海賊の股間を完膚なきまでに破壊して見せしめの如く吊るしたのはやりすぎだよ!

 

他の海賊股間押さえて踞ってたからね?

 

あまりに容赦がないから私も引いたよ。エミヤが瞑目して頭を押さえていた。

 

そのあと、フランシス・ドレイクのいる島まで案内してもらって交渉。

マシュに頑張ってもらって足をゲットした。

 

あいつとエミヤはもらった食材でフルコース作ってた。在庫を気にしないで料理を作れるのは久々だと。

 

揃って勧誘されていたが断っていた。何故かホッとした。ご飯がおいしいままだからね。うん。

 

そこからは順調で、サーヴァントのエイリークを倒し(正確には逃げられたらしいが)、ドレイク船長の幸運によって出会ったエウリュアレとアステリオスが仲間になった。

セイバーはいないけど、アーチャー2にアサシン(自称セイバー)が1、ライダー1にバーサーカー3の脳筋編成だけど、最終的には白兵戦だし大丈夫だよね?後は聖杯探してっと。

 

なんて考えていた時だった

 

 

黒髭が現れた。

 

 

そやつは謎の言語、確かロジカル語法とか言う、ですぞwwwなしゃべり方で此方を批評する。ドレイク船長は開幕BBAで死んだ。

 

今まで所謂オタクをキモいとは思ったことはないが、これはキモい。鳥肌が止まらない。謎の恐怖を感じる。特にえっちゃんズの格好については長く語っていた。でしょうね、体操服にスパッツとブルマとか垂涎ものだもんね。二人とも似合ってるしね。サンタオルタにもその太ももの素晴らしさを語っていた。

 

もうやだ逃げたい。

 

そんな事を考えた瞬間だった。

 

アステリオスと共にあいつが私達と黒髭の間に立ち塞がった。

 

アステリオスほどではないが大柄なあいつとアステリオスが並び私達をそれなりに隠す。

 

それに対して、黒髭が口を開いた途端だった。

 

「黙れ」

 

とあいつが口にしていた。

 

普段とは違う非常にドスの効いた堂々とした声色で。

 

その瞬間私の恐怖は消し飛ぶ。

 

そして反射的に叫んでいた。

 

 

ま た お 前 か!!!

 

 

と。

するとあいつは私を見て。

 

「なんだ?不服か?絶対に俺の後ろから出るなよ?命令だ」

 

え?なにその俺様系イケメンボイス?

私の驚愕を無視してあいつは黒髭に向き直った。

 

「黒髭。それ以上口を開くな。消えろ、さもねぇと、殺すぞ」

 

と啖呵を切り、右手を振り下ろす。

 

同時に轟音

 

大砲という大砲が火を吹いた。

 

おいちょっと待て。

 

 

誰 だ お 前 は!!!

 

 

こうして、私の二度目の叫びと共に、第三特異点のこの地にスーパーイケメンタイムのあいつが降臨した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

酒って意外と美味しいんだね。

 

 

 

第三特異点の大海賊フランシス・ドレイクの黄金の鹿号の船室で船員に勧められた酒を煽る。

 

順調な旅なので俺は安心したのか、勧められるがままに呑んでいた。断れなかっただけだけどね。

 

初めてだったけど酒ってすごいね。一口呑んでから素面だとあんなに出てこない言葉がどんどん出てくるよ。

 

何か14歳くらいの時の口調でしゃべったらウケたので継続。

 

すると外が騒がしくなったので様子見に出てった奴が血相変えて帰ってきた。

 

え?敵襲?サーヴァント?んじゃ俺が行くわ。

 

出てみると黒髭がアルトリアズの太ももやカルデアの制服がエロいと語っていた。

 

うんまあそれは同意。でもさ、お前、誰について言ってんの?俺のサーヴァントと幼馴染だよね?

 

 

イラッとするなぁ。

 

 

そいつらを眺め回していいのは俺だけなんだよ。

 

 

俺はその心に従い近く船員に砲撃準備を頼み(何かその船員が怯えた気がしたが)、アステリオスとともに黒髭の前に立つ。

 

黒髭が文句を言おうするのを遮って黙らせる。

 

アイツが不服そうなので何事か話し、黒髭に向き直る。

 

おうこら、それ以上言うてみ?殺すよ?

 

 

そんな感じの事を言って、俺はおもむろに右手を上げて振り下ろす。

 

 

同時に轟音とともに放たれる砲弾。

 

いくらかはヒットしたがあまりダメージはないようだ。

 

ドレイク船長もその音で正気に戻ったのかすぐに次の指示を出していた。

 

撃ち合いが始まる。

 

飛び交う砲弾の内の一発が外れ近くで水柱が上がる。

 

それが俺にざばぁとかかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は何をしていたんだ?

 

何で濡れてるの?

 

何でドレイク船長は「あんたなかなかやるじゃないか」とか言ってるの?

 

何で立香は俺から顔を背けるの?

 

そんなひどい顔なの?昆布でもかかってるの?

 

えっちゃんズにサンタオルタどこ行くの?何でそんな勇んで敵に突貫してるの?

 

 

 

 

 

 

というかいつの間に開戦してたの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マスターがイケメン過ぎる件。

何ですかあの声は。

あの仕草は。

まるで全てが自分のものと言わんばかり態度は。

 

何気に外見とマッチしすぎてるんですが。

 

それにしても、誰かに庇われたのは初めてですね。

 

ちょっとドキッとしましたよ。

 

何にせよマスターが開戦を宣言したのなら戦うのみです。

 

この謎のヒロインX、マスターの剣として最大限の戦果を上げましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マスターさんが立派になりました。

 

この状態のマスターさんならご褒美がいつもの倍。

いえ、三倍は来そうです。

 

一番私を見てくれると嬉しいです。

 

マスターさん。庇われたとき何だか嬉しかったです。

 

でも、危ないのでやめてください。

 

 

マスターさんに何かがあったら私は、

 

 

私は、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和菓子が食べれなくなるじゃないですか!

 

 

行きますよマスターさん。絶対に守りますから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トナカイ。

 

サーヴァント相手にあれだけの啖呵を切れる者はそういない。

 

そして、砲弾の雨をものともしないその度胸。

 

やはり貴様は私のトナカイにふさわしいようだな。

 

ならば私は、サンタとしてサーヴァントとして貴様に力を示そう。

 

行くぞ。トナカイ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




書き上げて一言。


何 だ こ れ は !!!



あ、あと未成年の飲酒喫煙 ダメ、ゼッタイ!



そういえば必須タグ報告がついていたのですが、あれって何なんでしょうかねぇ


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9話 アン女王への復讐

ちょっと所用で遅れてしまいました。

2話ぐらいで終わると言ったな、あれは嘘だ


開戦から数十分。戦況は俺達の不利に進んでいた。

 

白兵戦ではサーヴァントの数で勝る此方が有利だったが、船に対しては黒髭側に軍配が上がっていた。

 

だめだこれ、こっちの大砲がほとんど効いてねぇ。

遠距離で効いているのはエミヤとエウリュアレの矢だけだった。

 

三人に指示をして乗り込んできたエイリークを倒す。

乗り込んできたのはこれで打ち止めのようだ。

 

アイツの方は槍の男と雑魚の相手で手一杯のようだ。頼光さんと清姫で雑魚を清掃しつつ、マシュさんで槍の男を食い止めていた。

このままじゃじり貧だ。

 

そう考えたのは俺だけではなく、ドレイク船長もであり、すぐさま撤退の準備を開始する。

 

しかし、そうはさせまいと黒髭の船─アン女王の復讐号─から放たれた弾丸が船底にヒットし、穴を開けた。

 

 

ヤバイ!沈む。

 

そう思った時、海に飛び込んだアステリオスが船を持ち上げ泳ぎだす。

 

結果、船は持ち直し速度で勝る此方が撤退に成功した。

 

 

 

 

 

 

 

ワイバーンで修復された船は黄金の鹿号と呼べるんだろうか。

 

 

時は少し戻る。

 

無事にとある島に逃げた俺達はまず船の修理をしようということになった。

その際に邪魔な魔物を倒していた時だ。

 

あの装甲に並ぶにはどうするか。

ワイバーンで修理したらよくね?

それだ!!

 

という訳で、船はサーヴァントに乱獲されたワイバーンによって急速に直っていく。

 

サーヴァントも手伝いつつ順調に進んでいくのが見える。

 

え?俺?

 

俺はエミヤとともにワイバーンの肉で食事を作っていた。

うちのアルトリアズは言わずもがな、海賊達もよく食べる。

 

乱獲されたワイバーン全てで料理を作らねば足りないのだ。

故に解体され続々と運ばれてくる肉を淡々と調理している。

 

 

なんだよえっちゃん?え?ご褒美?和菓子?このタイミングで言う?

 

X?ご褒美?カステラと料理?

 

サンタオルタ?すまない、ワイバーンしかなくてすまない。

 

 

とりあえず隠し和菓子やら既に出来上がってる料理を渡して、後はカルデアで、という事で治めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

え?誰それ?アルテミス?いつの間に、ワイバーン乱獲してたら会った?んで連れてきた?

 

よくやった。これで戦力が増えた。

 

 

 

 

 

何?ご褒美?立香、お前もか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

船の修理は終わったし、あいつの料理も食べたし、新しい戦力のアルテミスを加わったし、黒髭を倒しに行こうか。

 

 

という訳で出航。

 

それにしてもアルテミスとオリオンを見てると何か見覚えがあるような。

 

 

景気付けに目についた海賊を倒すと、案外すぐに黒髭は見つかった。

 

 

しかし、正面から戦うには心もとないから作戦を立てる。

 

内容は。

まず正面からの突撃に見せて近づき、エウリュアレに狙撃してもらう。

それによって敵が此方に釘付けになったら背後からアルテミスによって奇襲。敵が混乱したらオリオンが火薬庫で導火線に火をつけ、合図を送る。

合図がきたら船を突撃させ、爆発とほぼ同時に衝角を突き立て逃亡を防ぐ。

後はガンガンいこうぜ!

 

というものだ。

 

そして、戦いは始まり、ほぼこちらの思惑通りに進んだ。

 

見事に爆発し突撃も成功。二人組の海賊アン・ボニーとメアリー・リードはあいつがアルトリアズを指揮して撃破。

それにしても、三人で分断した後、えっちゃんズでメアリーをフルボッコはエグいと思うんだ。

 

途中、マスターを狙ったアンをサンタオルタが怒濤の攻めで射撃どころじゃなくして封殺してたし、最後はアン、涙目になってたよ。

 

此方も頼光さんと清姫が怒濤の攻めで終始押してたし、問題ないかなって時だ。

 

黒髭が船員の槍の男に刺された。

 

あまりのことに驚く。

 

そんな私達を尻目に槍の男【ヘクトール】は黒髭から聖杯をぶん取るとそのままエウリュアレを抱えて去っていく。

 

 

あっという間の出来事だった。

 

私達は黒髭を看とるとヘクトールの追跡を開始した。

 

 

この特異点はまだまだ終わらない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆さん、必須タグ報告について答えてくださり本当にありがとうございます。

とりあえず放置ということにします。


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10話第三特異点修復

なんというか特異点苦手です。速く日常回に戻りたい。ギャグやりたい。えっちゃんとイチャイチャしたい。召喚したい。霊基再臨したい。




という訳で駆け足です。

ちなみに、主人公はまだ酔いが抜けていません


エウリュアレを取り戻すべく追跡を開始した俺達の前に嵐が立ち塞がった。

 

普通なら迂回するか、過ぎるのを待つだけだがこの船にそんな常識は通用しない。

 

ワイバーンで強化した船なら嵐ぐらい問題ないよね?

 

と、言わんばかりに突っ切る。

嵐の中は風の宝庫だ船さえ持てば半端ない速度で突き進める。

 

それはもう驚きの速度で、嵐を抜ける。

すると眼前にヘクトールの船があった。流石に嵐を突っ切って来たのは予想外だったのかヘクトールも驚きの表情を隠せていない。

 

さて、第二ラウンドだ。

 

 

 

 

 

 

固い。とにかく固い。

 

 

トロイアの英雄の名は伊達ではなく此方のサーヴァントの攻撃を上手く流し防衛している。

 

強力な攻撃はエウリュアレを巻き込むので使えず、足場が悪いとはいえ、サンタオルタとえっちゃん+頼光清姫が攻めあぐねていると言えば凄まじさがわかるだろうか。

 

これはアキレウスも数年かかるわ。

 

そうこうしているうちに、新たな船が現れた。

 

そこには数人のサーヴァントの姿があった。

 

敵の増援だと面倒なことこの上ないんだが。

 

でもまあ、そろそろかな?

 

そんな思いと同時にヘクトールと敵の増援に砲撃が降り注いだ。

 

 

 

 

 

 

 

え?何が起こったのかって?

ヒロインXのスキル支援砲撃を使用したんだ。

 

まさかこんなスキルがあると思っていなかったヘクトールは砲撃をもろに食らってしまった。

 

もちろんこれでヘクトールを倒せたとは思っていない。

 

大事なのはこの砲撃の追加効果だ。

 

すぐさま体勢を立て直したヘクトールだが体の硬直により動けない。

 

同時にヒロインXがエウリュアレを奪還した。

 

本来ならヘクトールはここで仕留めるべきだが。この砲撃は敵の船のサーヴァントも止めたようだし、逃げて新しい敵に備えようか。

 

敵の顔もわかったし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私達はエウリュアレを奪還するとすぐさま撤退した。

 

エウリュアレの奪還は見事といえるほど鮮やかに終わった。あいつがヘクトールを罠にかけて止めたからだ。

おかげで此方に損害はなかった。アステリオスがいくらか傷を負ったくらいで。

 

あいつの指揮を見て思う。

今回あいつはエウリュアレを囮に使った。誰も気づいてないけど私にはわかった。昔からあいつは奇襲とか絡め手が得意だった。

普段は声も出さないくせに大事なときは近くにいて手助けするし。

突然、優しく喋るな。ビックリして心臓が跳ねるだろ!

 

まったく。

 

とにかく、なんとか撤退できた以上作戦をたてないと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

撤退した先の島で新しいサーヴァントにあった。

アタランテとダビデだ。

 

特にアタランテはあの船で召喚されたが協力を拒み、脱走したらしい。

おかげであっちの戦力がわかった。

船長、もといリーダーはイアソン。これはあまり脅威じゃないらしい。小者だとか。

次に、裏切りの魔女メディア。アタランテ曰くこいつが一番わからないらしい。まあ、確かに自分を捨てるとわかってる男の船に乗ってその上で積極的に力を貸すとか、怪しいにも程がある。

ヘクトールは言わずもがな。

最後に、ヘラクレス。ギリシャ神話最大の英雄の彼は、バーサーカーであるが決して侮れず、殺るなら総力戦だそうだ。

 

ちなみに、イアソンはヘラクレスの強さを盲信しているようなのでヘラクレスさえ倒せればどうにでもなるとのこと。

 

とはいえ、ヘラクレスとヘクトールを同時に相手をするのは無理がある。

なんとか分断できないかね?

 

もう一人のサーヴァント ダビデからはイアソンに自分の持つ契約の箱が狙われていると聞かされた。

 

え?触ったらサーヴァントでも死ぬの?何それ怖い。

 

さらにエウリュアレの報告から、ダビデの持つ契約の箱にエウリュアレを捧げるのが目的だとわかった。

 

だが、それをすればこの特異点が滅びるらしい。

 

何がしたいんだ奴は。

 

なんだよ立香?こっち見んな。

何さアルトリアズも。

え?作戦?何で俺が?

 

そう考えつつ近くの杯をとって煽る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ん?これ水じゃねぇわ。ビールだわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

杯を煽った途端にあいつの雰囲気が変わった。

 

なんというか。さっき黒髭と会った時にみた雰囲気だ。

 

「作戦が、ないこともない」

 

そう、あいつがクールな声で言う。

あ、これあれだ。スーパーイケメンタイムだ。

 

あいつの作戦は二つあった。

 

一つ目

まず、いるだけのアーチャーに船を攻撃させる。

すると、ヘラクレスを盲信しているイアソンはヘクトールとメディアに自分を守らせ、ヘラクレスを派遣するだろう。

そしたらエウリュアレを囮に契約の箱を置いた袋小路に追い込み後は後ろからサーヴァントによってヘラクレスを押し込み箱に触れさせる。

そうしてヘラクレスを殺す。

後はガンガンいこうぜ。

 

二つ目。

さっきの方法で分断したものの、逃げ切れないと判断した場合。

サーヴァントの宝具によってヘラクレスを削りきる。

要するに力業。正直被害がやばそうなのでやりたくないらしい。

 

 

エウリュアレはヘラクレスから逃げ切れるほど速くないので誰かが抱える必要があるのだが、アステリオスは速さが微妙なので却下。アーチャーズは船の相手をするので無理。他のサーヴァントは各所でヘラクレスに一当てする必要があるので無理。

 

となると私かあいつが抱える訳だが。

 

「俺がやろう」

 

とあいつは言う。

嘘だろ?何時もは自信なさげな目が今はギラリと自信に溢れている。

なんてことだ。

私の知るあいつはどこにいったのだ。

チラリとあいつを見る。

目があった。

不敵に微笑むあいつ。

卑怯だ。顔と合いすぎている。

 

不覚にも少し、カッコいいと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作戦は成功した。

ヘラクレスは思ったよりも素直に箱に触れた。

何だか少し安堵したような顔をしていたような気がする。

 

ヘラクレスを打倒した俺達はそのままの勢いでイアソンのいるアルゴノーツ号に乗り込んだ。

 

ヘラクレスを倒したと聞くとイアソンは目に見えて狼狽した。そんなリーダーではまともにやれる筈もなく、ヘクトールは本気を出した頼光さんと清姫えっちゃんズの数の暴力で倒された。

 

残るは二人。

 

しかし、メディアはイアソンを魔神柱に変えた。

 

あっという間にイアソンの姿は肉の柱に代わり、濃密な魔力を放出する。

 

メディアは、イアソンを変身させると同時にサンタオルタが仕留めるが、イアソンは完全に変じてしまった。

 

総力戦か、最後の一勝負だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エクスカリバー三連って つえーーーーー!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最後がてきとうになっちゃったので気が向いたら書き直します。


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11話 フードのチラリズム 健全な露出 クールでキュート

やったぜ。日常回だ!
筆が進む進む。

とりあえず、皆様 忘れてそうですが立香さんはコミュお化けです。いつか活躍させます。主に特異点と回想で。


気がついたら、第三特異点終わってた件。

 

なんだろう。水かぶってからしばらくはぼやっと覚えてるのに肝心の決戦を覚えてない。

 

勝てたんだよね?今カルデアにいるってことは勝ったんだよね?

 

サーヴァントへのご褒美を作りつつ考える。

 

思いだそうとしても何故か靄がかかって思い出せない。特に黒髭との開戦直前の記憶は本能が思い出すのを拒んでいる。何だか思いだしたら取り返しがつかないような。

 

でも何で皆何か見直したみたいな顔してるの?

 

頼光さん、え?見直した?

今までは俺がアイツに集ってるように見えたと。非礼を詫びて、肩を並べて戦いたい?

 

ええと、あー、ありがとうございます?いいですよ。

 

え?アイツにそういう感情?無いわぁ。そういう関係になるとか無いわぁ。

 

 

 

 

というか、何でアイツまで一緒にご褒美食べてんの?え?オリオン引き入れた?わかったよ。作るよ。だから睨まないで頼光さん。

 

 

今回は4日の休みがあるので今日中に霊基再臨と召喚を済ませることにしている。

 

んじゃ、まずは霊基再臨かね。

 

 

フードええわぁ。

 

霊基再臨したえっちゃんは何かダースでベーダーな格好に変わった。剣もさらにライトでセイバーな感じに変わっている。

人理は焼却されてる筈だがどこかから怒られないだろうか。

 

えっちゃんが深めにフードを被る。チラチラ見える美貌に絶妙な愛らしさとチラリズムのごとき妖艶さが同居する。

 

視線を下げていくと黒と赤によって包まれた身体のうち唯一露出している白く眩しい太ももに視線が吸い寄せられる。

 

白いすべすべとした太ももをガーターベルトが這い、今までのスパッツの少女的な美しさから一転し、アダルティな大人の女性の色気を醸し出す。

 

 

 

 

次は、ヒロインXだ。

 

霊基再臨したところ彼女はえっちゃんの対極にいた。

えっちゃんがアダルティの極地であるとすれば彼女はスポーティーの極地である。

 

今までのマフラーを腕に巻き、ジャージをコートのごとく羽織り、中に近未来的な衣装を着ている。

 

そして、へそだしである。

 

へそだしである!!

 

へ そ だ し で あ る!!!

 

彼女は露出度という一点においてもえっちゃんの対極にいた。

しかし、脚とへそをさらけ出しているにも関わらずそこにいやらしさはない。

体操服の少女の持つ健康的な美しさを昇華したが如く。

 

健全な露出。一見矛盾しているこの言葉を彼女は見事に体現していた。

 

 

 

最後にサンタオルタ。

 

彼女の姿はほとんど変わらない。

しかし、そのサンタ姿の素晴らしさを語っておこう。

 

普通、サンタとくれば赤と言うのが相場だ。だが、彼女は違う。

 

青い。

 

しかし、青いとはいっても黒に近い青だ。

 

そんな青いサンタ服が彼女のクールなその性格を具現化させたようにはえる。しかし全てが青いサンタ服で覆われている訳ではない。

その太ももは黒いタイツを纏いシャープな印象を持たせる。

 

黒は女性を美しく見せる。という言葉があるが、成る程 確かにその通りだ。

彼女の魅力が引き出されている。

 

ただ一点、そこに黒を入れることでクールな印象を残しつつも単調にならないのだ。

 

これが、スーツならばただのクールビューティーだ。

 

もう一度言うが、彼女が着ているのはサンタ服。これが彼女に可愛らしさというワンポイントが付加している。

 

クールでありながらキュートなお姉さん。そんな彼女の姿だった。

 

 

 

さて、長くなってしまったが、結局俺はこう言いたい。

 

 

うちのサーヴァント最高!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うん、うちの幼なじみ変態過ぎるわ。

 

目でわかるが、何だフードからのチラリズムって、健全な露出って、クールでキュートって。まるで訳がわからないよ。

 

第三特異点でカッコいいと思った気がしたけど気のせいだったね。うん。

 

てか、サーヴァント若干あいつの考え読めてるよね?何でちょっと嬉しそうなの?そこは引くところでしょうが!

 

まあ、いいか。

 

どうでもいいけど召喚しに行くよー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうですかね?私の彼女達の姿に感じたものをそのまま書いています。


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12話 アーチャー?

前回、私の説明不足で誤解を与えてしまったようなので、前話を少し修正しました。

皆様、たくさんの感想をありがとうございます。なかなか返せませんが、楽しく読ませていただいています。


今回は俺から召喚ということになった。

 

もし危険なサーヴァントだったときのためにえっちゃんズとサンタオルタにすぐそばに待機してもらっている。

 

アイツは外で霊基再臨の続き。とりあえず第一段階まではやるらしい。

 

それじゃ、十連いくぜ!

 

 

黒鍵

求道者

偽臣の書

リミテッドゼロオーバー

求道者

麻婆豆腐

求道者

偽臣の書

求道者

 

求道者来すぎワロタ。

 

あ、サーヴァントきた!

 

「お、おはようございます! アーチャー、アルトリア、召喚に従い参上しましたっ。慣れないクラスなのでお役に立てるか分かりませんが、よろしくお願いしますね!」

 

アーチャーだった。そしてまたアルトリア顔だった。その上何故か水着だった。

 

一応あれかな?やっと支援系アルトリアが来たのかな?

 

<セイバァァァァァァ‼

 

あ、ヒロインX。止まって。

セイバーちゃうアーチャーや。

え?無理?

今日のおやつ喫茶店風パンケーキにするから。………って止まるのかよ。

 

令呪より効く菓子って………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アーチャーって何だっけ?

 

 

 

とりあえずえっちゃんと軽く模擬戦をしてもらった。

 

ライトセイ、もといネクロカリバーを携えたえっちゃんに対してアーチャーアルトリアが取り出したのは水鉄砲。

 

ふざけてる訳ではない。本当だ。

 

しかも片手にはエクスカリバーを持っている。

 

その上バリバリ近接戦闘こなしていた。

 

アーチャーって何だっけ?

 

え?アーチャーって弓兵のことだよね?

 

アタランテとかアルテミスとかは弓ちゃんと使ってたよ?

弓の名残ないじゃん!普通にエクスカリバーで斬りかかってるよね?

 

アーチャーが近接戦とか。

 

いやまて、エミヤは確か近接をしていた筈だ。

 

つまり、アーチャーは近接ができて当たり前?

 

剣からビーム出る連中だしあり得るかも知れない。

 

てことは、セイバー=ビーム。アーチャー=弓使わない?

 

俺の知る限り弓を使わないアーチャーはダビデ、アルトリア、エミヤ。

逆にメインで使うのはアタランテとアルテミスだけ。

 

そういうことか!

 

ならば、弓をちゃんと使うアタランテとかが異端なのか。

 

なるほど、アーチャーとは弓をサブのみ、もしくはまったく使わずに戦う弓兵のことか!

 

 

※違います

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あいつがまた色物トリアを召喚した。

 

ああ、エミヤの心労が高まっていく。

 

あいつ分かってるのかな?アルトリアが増えるってことは仕事(料理)が増えるってことだよ?

 

 

それはそうと、私の番が来たし召喚しよっと。

 

一応もしものためにエミヤと頼光さん、清姫とマシュに護衛を頼んだ。

 

 

 

「よう! サーヴァントランサー、召喚に応じ参上した。お、あんたか。よろしく頼むぜ」

 

 

 

 

現れたのはクーフーリン。冬木で私達を助けてくれたサーヴァントだ。しかも本来のランサーで。

ということは、近接が増えたのかな。

 

あいつと合わせると近接多いなぁ。

いつかキャスターかアーチャーが来て欲しいけど。

 

でも、クーフーリンと言えば強力な槍兵だし、必中必殺のゲイ・ボルクもあるわけだし問題ないよね。

 

それはそうと、クーフーリンとエミヤは仲悪いけど接点なんてあったの?え?昔同じ聖杯戦争であったの?馬が合わない?

 

でも、今は同じ陣営だし仲良くしてね。

 

嫌なら令呪使うよ?

 

 

 

 

この後あいつにクーフーリンを紹介した。相変わらず、「あ、ええ、あ、よろしく」ってつっかえてたけど。

 

そんなあいつの肩を叩いてクーフーリンは「シャキッとしろ」なんて言ってた。

 

 

 

 

 

 

 

そのあと、あいつのサーヴァントを見てクーフーリンが絶句し、そんなクーフーリンをエミヤが懐かしい目で見ていたのは、おまけである。

 

 

 

 

 

 

 

あ!私抜きでおやつ食べたよね!?私にもパンケーキプリーズ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




立香の召喚を待ってる間


「マスターさん、今日のおやつの時間です」
「あ、はい」
「マスター。私にもください」
「あ、はい」
「トナカイ、ターキーをよこせ」
「あ、はい」
「あの、おやつとは」
「あ、ええ、あ、パンケーキ」
「パンケーキ、ですか」
「あ、どうぞ」
「いただきます」

「おいしいですね。いくらでも食べてしまいそうです。それはそうと、三人は何故マスターの隣と膝に?」
「あ、いつも」

「マスターさん、特別に一口あげます。あーんです」
「え、ええ、あ、あーん」
「!マスター私もあげましょう!あーん」
「あ、ええ、あ、あーん」
「トナカイ、サンタからの贈り物だ。口を開け」
「………あーん(諦感)」

「何故でしょう。飲み物のコーヒーが甘いのですが」






なんてことがあったかもね。


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14話 一応俺は一般人なんだよ?

イベント、やらないの?という質問がありましたが、私のデータが一度吹き飛んでいますので一月以降に行われたイベントから気が向いたら何か書きます。

いつになるかは分かりませんが。



評価、感想ありがとうございます。
誤字脱字報告もありがとうございます。

なにぶん深夜のテンションで書いてますので間違いが多いと思われます。


第四特異点は19世紀のロンドンだった。

 

そこは、視界がゼロになるほどの濃霧に覆われていた。しかもその霧は非常に人体に有害だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

という訳でダウンしています。

 

 

着いた途端に息苦しいし、どんどん体は重くなるし、膝は笑うし。

 

たまたま巡回してたモードレッドがいなかったら死んでたな。

 

そして現在俺は協力者のヘンリー・ジキルの家で横になってる訳だ。

 

アイツ?アイツはマシュさんとの契約の関係で耐毒スキル(仮)持ってるらしいから問題なかった。

 

 

それはそうと、目の前の状況なんとかならないかな?

 

 

「ち、父上が、四人?何で?何で増えてんだ、ぜ?」

 

 

等と言いつつ慌てるモードレッド。そういやモードレッドってアーサー王もといアルトリアの息子(娘?)だったっけ。

 

うん、困惑するよなぁ。分かるわ。

 

水着の父上に反転してサンタやってる父上、謎の父上に反転した謎の父上。

 

うん訳わかんねぇ。

 

あ、そんなことやってたら。

 

「さて、マスターの容態が落ち着いたところで。この不良息子!さぁ、城の壁を壊して回った事へのお仕置きです!」

 

と言ってXが連れていった。

 

そして、誰もそれを止めなかった。

だってモードレッドなんかどことなく嬉しそうだったし。

 

ドM?

 

ドMなの?

 

父上限定でドMなの?

 

 

ちなみに、モードレッドに対して弓トリアとサンタオルタは何か他人行儀だったし、えっちゃんは我関せずに和菓子頬張ってるし。

あ、頬っぺたに餡子ついてんぞ。おいこら動くな。拭くから。

 

まあ、弓トリアとサンタオルタの考えもわかるよ?王様の跡継ぎって争いの発生装置だし、不義の子ともなれば軽々しく息子呼ばわりするわけにもいかないしね。

 

その点Xは王様じゃないからそう言うの気にする必要も無いんだろうけどね。

 

でもさ、お前最強最かわなアルトリアさんじゃないんじゃ無かったっけ?

その設定どこ行ったの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あいつがダウンしているので、私達だけで特異点の調査をすることになった。

 

モードレッドが帰ってきたらすぐに調査に向かうらしい。

 

行き先は、フランケンシュタイン博士の家。何でも協力関係にあるらしい。

そして、今朝から連絡が取れないと。

 

という訳で行ってくるね。え?悪いって?良いよ、今までは頼りっぱなしだったし、レアな表情見れたし。

 

それにしても、なんというかこう、今の弱ったあいつは、何か庇護欲を掻き立てるというか。

 

なんでもないよ。あ、モードレッドが帰ってきたね、何かどことなく満ち足りた表情で。

 

それじゃ、行ってきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

信じて送り出した幼なじみが女の子連れて帰ってきた件。

 

え~と、フランケンシュタイン博士のところに行ったんだよね?それでフランケンシュタイン博士はメフィストフェレスとか言うサーヴァントに殺されてて。

工房にいた彼女、所謂フランケンシュタインの怪物を連れて帰ってきたと。

 

ちなみにメフィストはすぐさま倒したらしい。

まあ、サーヴァント一体相手にマシュ、エミヤ、源頼光、清姫、クーフーリン、モードレッドとか明らかに過剰戦力だろうし。一応頼光さんにリミテッドゼロオーバー持たせたけども。

 

それはそうと、あんたのコミュ力どうなってんの?どうやって「ゥゥ」と「アゥ」しか喋れない娘とうち解けてんの?それで話通じてるの?

 

 

まあ、あいつは報告が終わるとすぐさまソーホーエリアの調査に向かった。

 

 

えっと、フランだっけ?

 

いや、あのさぁ。俺はあいつほどコミュ力無いんだよ。だから解んないんだよ。

 

え?なにさX。話が通じてる?

嘘だろ?

 

俺「あ、」しか言ってないぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は主人公がダウンしているので探索は主に立香です次回は立香視点でいきます。


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13話 曲線に見るエロチシズム

感想にて、立香が活躍していないとの指摘がございましたので、4話 コミュ障の覚醒を大幅に加筆修正しました。今後は立香の活躍もしっかり書いていきたいと思います。

その他に、各話に話数をつけました。


 

 

俺は新しいサーヴァント、アルトリア・ペンドラゴン(アーチャー)を観察していた。

武器は水鉄砲でも戦闘力は高く、その一撃は並の人間など一瞬であの世に送ってしまうだろう。

スキル群はやや男性サポートの色が強いが、バフと自己回復・強化に富んでおり上手く噛み合っている。

 

装甲、防御は薄いが、それはアルトリアズ全員に言えることなので除外。というか皆回避主体だろう。

 

とにかく、だ。

彼女も色物アルトリアの例に漏れず強力な英霊だった。

 

そんな彼女の長所、他のアルトリアに負けないものは何だ?

 

やはり、あれだろう。

 

 

彼女の特出すべき点。

 

 

 

 

それは。

 

 

 

 

 

 

 

 

それは、背中から尻にかけてのその芸術的なラインだ。

 

たしかに他のアルトリアズも至高のボディラインをしている。

 

が、しかし、彼女のそれは他のアルトリアにはない独自性を持っているのだ。

 

彼女の背中、振り返ることでできたその影は彼女のシミ一つない白磁のような肌に陰影と立体感を作りだし、艶かしくも美しい造形へと昇華させる。

 

ふと、視線を下げれば白を基調とし、青いリボンによって可愛らしく装飾されたシンプルな水着に覆われた形の良いお尻が目に入る。

 

そんな背から尻へのラインはまるで神の作りたもうた黄金比の如く滑らかで、かつ視線を吸い寄せる色気があった。

 

そう!彼女の真価とはそれ。

 

すなわち、背中。

 

つまり彼女は背後を見返ることでその真価を発揮するのだ。

 

無論、水辺ではしゃぐ彼女はどこから見ても大変可愛らしい。

 

だが想像して欲しい。

 

いつまでも幼いと思っていた彼女。

海ではしゃぐ彼女はまだまだ少女なのだなぁと思っていた。

しかし、ふと、その背中越しに振り返った彼女をその背のラインを見る。

 

するとその瞬間にアルトリア・ペンドラゴンという少女の成長を、ゾッとするほどのエロチシズムを垣間見ることができるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何言ってんだあんた一体!

 

思わずそう叫びたくなった。新しいサーヴァントの訓練の様子を真剣に見てるなあ、珍しいなぁ。

なんて思って顔を見たらやっぱりそういうことか!

だいたい、何だその文学的な表現は!

 

カルデアに来てからというもの、知りたくもなかった幼なじみの性癖を知ってしまった私はどうすればいいのさ!

 

 

まあ、私が勝手に見たんだけども。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私【アルトリア・ペンドラゴン】のマスターは料理が非常に上手い。

 

毎日のようにアーチャーと共に食事やおやつを作っています。

 

これが非常においしいのです。

 

ブリテンでの食事を思い出して比べると何故か泣けて来るほどに美味しいのです。

 

訓練ではまだ粗がありますがそれなりの戦術眼を持っているようで近接ばかりの面々を上手く動かしています。

 

あまり喋るのが得意ではないのか単語が中心ですが、あまり問題にはなりませんし、良いマスターと言って良いレベルでしょう。

 

 

しかし、しかしです。

 

 

全員で食事をすると全てが甘くなるのはどうにかして欲しいのですが。

 

エミヤ?何ですか?いずれ慣れると?

 

そうですか。

 

あ、マスター、おかわりをお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ちなみに、主人公は特異点を乗り越える毎に少しずつコミュ力を身につけていきます。

今はとりあえず、つかえつつでも挨拶ができるレベルです


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15話 菓子と幼女と時々あいつ

お待たせしました。少々リアルがバタついていたもので遅れました。

相変わらず特異点は筆が進みません。

しかし、私は夜中に気づいてしまったのです。





原作通りに書くからつらい。

逆に考えるんだ。原作を破壊しちゃってもいいさ、と。


という訳で忠実さを捨てます!




感想、評価、誤字脱字報告ありがとうございます。

この小説の半分は夜中のテンションで出来ています。
よって間違いはかなりあると思いますので、お気づきの際はご指摘ください。




「おいしいわ!」

「うん!おかあさんも食べよ?」

 

ジキルの家で二人の幼女がケーキを食べている。

 

この二人【ナーサリーライム】と【ジャック・ザ・リッパー】はフォークにあいつお手製のシフォンケーキを刺して私に差し出す。

それを受け取りながら、

 

子供ってかわいいなぁ。

 

 

と考えていた。

 

 

 

数時間前

 

 

 

ソーホーエリアの探索に出てからというもの、なんだかモードレッドがカリカリしている。

 

どうしたんだろう。さっきまでお父さんと戯れて機嫌よかったのに。

 

違うの?ごめんね。え?怒ってない?よかった~。

 

戦うの?やっぱり怒ってるよね!

 

何故かカリカリしているモードレッドと戦う羽目になった。

 

 

 

まあでも、模擬戦だったんだけどね。

 

おかげでマシュも宝具が上手く使えるようになったみたいだし、モードレッドもわざとやったんだよね?ありがとう。

 

 

 

そう伝えたら、悪態を吐きながらちょっと赤い顔でそっぽを向いていた。

 

かわいい。

 

 

 

清姫、別に口説いてた訳じゃないから。

だから、目から光を消すのをやめて。

頼光さん、別にそういう関係になり得ないから。

だから、柄に手をかけるのをやめて。

 

クー・フーリン、エミヤ、笑ってないで助けて。

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなでオートマタやらホムンクルスやらを蹴散らしつつ着いた古書店で協力者のいい声の少年に会った。

 

魔本は隣の部屋にいる。とのことだったので戦闘を開始したものの、攻撃が通らない。

どうしたものかと考えていたらさっきの少年がやってきた。

 

 

 

 

ハンス・クリスチャン・アンデルセンと彼は名乗った。世界の三大童話作家のサーヴァントたる彼は魔本に名前を付けることで存在させ、攻撃が通るようになった。

 

彼がサーヴァントでアンデルセンだったからマシュは驚いてるけど。

 

マシュ、この状況で小説読み漁れるような人は普通の人間のはずないと思う。

 

あと、この状況でサーヴァントとイチャイチャできる奴もね。

 

 

 

でも、ナーサリーライムって幼女なんだね。イメージ的には不思議の国のアリスかな?

 

とはいえ、あれだね。大の大人や一回りは年上の集団が一人の幼女をボコるってかなり犯罪臭いよね。特にエミヤとクーフーリンとか、一緒にいるだけでおまわりさん案件だよ。

という訳で、一回語りかけて見ようよ。

 

へーい、彼女。あいつお手製のバームクーヘンでお茶しない?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

釣れてしまった。しかもそのまま仲間になってくれた。クラスはキャスターだった。念願の後衛だ!

 

しばらく、持ってるお菓子を与えていたら、霧の中から野良サーヴァントが出てきた。

やけに露出度の高い服(服?下着?)を身に纏った幼女。彼女はかの連続殺人鬼 ジャック・ザ・リッパーだそうだ。

 

彼女にもバームクーヘンを与える。

 

もっとお菓子があるけど一緒に来ない?

 

なんて交渉をしたら一緒に来てくれることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

なんだろう。何か誘拐犯になった気分だ。こういうのはあいつの仕事のはずなのに。昔から何故か幼女もといロリに好かれるんだあいつは。話せてないけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

またか!またお前は女の子を連れて帰ってきたのか!

 

ナーサリーライムとジャック・ザ・リッパーを連れて帰ってきたアイツを呆れた目で見てやった。

は?バームクーヘン使いきった?ナーサリーライムにお菓子を作って欲しい?

ふざけるな!

 

え?ちょっと待って。何でそんなうるうるした瞳で見つめるんだよ。何か悪いことしてるみたいだろ!ダメだって!材料も道具もないし!

え?ロマン?何?送る?カルデアから?でもオーブンが、ジキル?あるの?マジで?

うお!気づいたらうるうるが四つに増えてやがる!てか一人えっちゃんだ。さっきバームクーヘン食べたでしょうが!

 

うん、剣を突きつけるのやめようよ。X。てか止めようよエミヤ。

 

わかった。わかりました。作ります。

 

何がいい?シフォンケーキ?わかったよ。できたら一休みするから場所空けて。エミヤも手伝って。

 

 

 

体、まだ怠いんだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




この世界のジャックは野良サーヴァントです。異論は認めません。






立香が探索中の紅。


「マスターさん、あーん、です」
「あ、自分で」
「無理をするなトナカイ。まだ霧の影響が抜けきっていないぞ」
「あ、え、食事くらい」
「いけませんマスター。そういう油断が死を招くんです。今はお手製のお粥を食べて休みましょう」
「いや、あの、作ったの、お、俺」
「ゥゥ……アゥゥ……」
「あ、え?お、おう」




「なんだか、このお粥甘いね」
「すみません、ジキル。いつものことです。諦めてください」
「あ、はは」















そう、こんな奴は普通じゃないのだ。









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16話 ジャック襲来

今回から本格的に壊していきます。

とはいえ、特異点は相変わらず苦手なので、あまり話が進みません。




 

ジャック・ザ・ リッパーがスコットランドヤードを強襲した。

 

あいつが作ったシフォンケーキとクッキーが尽き始めた頃そんな情報が飛び込んできた。

 

え?ジャックはここにいるよね?

 

そう訊くとモードレッドが不機嫌そうに教えてくれた。

なるほど、アサシンじゃなくてバーサーカーで、なおかつ分身したり変装したりすると。会うたびに斬ってるけど何故か何事もなかったようにまた現れるっていうのはかなり気になるけど。

なんにせよ、今ロンドンにジャックは二人いるってことか、だけどあり得るの?

 

教えて!Dr ロマン。あ、なるほど、かなり確率は低いけどあり得なくはないのか。

 

とにかく、すぐに行こう。モードレッドが今にも飛び出しそうなのでなんとか宥めて準備を終える。

 

あいつに作戦を求めたら、エミヤとジャックを霧の中に配置して残りは一塊に集めてジャック(狂)と戦う。

注意が私の方に向いたらエミヤに狙撃させる。もしくは、ジャック(狂)が逃げそうだったり近くに協力者がいた場合は、同じく狙撃で阻止するか、ジャックに霧に紛れて強襲してもらう、という言葉が返ってきたのでそうする。

 

あいつの意見を伝えたとき、何故か、モードレッドが少し感心してた。

モードレッド、あいつはヘタレで軟弱だけどやる時はやるよ。

 

あ、待てよ?このままモードレッドがあいつに興味を持ったら召喚する可能性が出てくるなぁ、いけない!そうなるとカルデアがカオスになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャック・ザ・リッパー(狂)を倒しにアイツがサーヴァントを引き連れて出ていった。

 

作戦を求められたから、それっぽいこと言ったら採用された。

 

モードレッドそんなに見ないで、わかってるよ。そんなの誰でも思い付くとか思ってそうだけど、俺もそう思ってるから。

 

 

 

ドアがしまってすぐため息が出た。

 

歯痒い。

 

俺のもとには色物だけど強力なサーヴァントが四人もいる。色物だけど。

 

なのに、俺が貧弱なせいで戦いにいけない訳だ。

 

 

歯痒い。

 

 

アイツは人理をロンドンを守るために戦っている。でも俺は、戦う力があるのに戦えない。

こうしてここでぬくぬくしてるだけだ。

 

 

 

悔しい。

悲しい。

イライラする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えっちゃん?何?クッキーくれるの?

X?何で無言で手をつなぐの?

サンタオルタ?何で逆の手をつなぐの?

弓トリア?何で微笑んでるの?

 

 

 

 

なぐさめてくれてるのか。

 

ありがとう。

 

 

やれることを探してみるさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロマン?ちょっと頼みたいことが………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結果を言えばジャック(狂)討伐は上手くいった。

 

まさか、ジャックの姿で出てくるとは思わなかった。一応その姿のジャック(狂)は倒せた。それでも何度も姿を変えて立ち上がってきたのは驚いたし、最後には分身まで披露してきた。話してみると意外と理性的で会話もできた。

 

あれだね。なんとなくアサシンよりアサシンな感じがするんだけど。

うちのカルデアの自称セイバーのアサシンがおかしいだけ?

 

 

分身されたからかなり面倒だったけど頼光さんの宝具で一網打尽にして、また出てきた時は清姫に焼き付くしてもらった。

 

実はもうひとつ朗報がある。

 

なんと、敵の首魁の一角 Pことヴァン・ホーエンハイム・パラケルススも倒せた。

 

ジャック(狂)との戦闘に気をとられていた彼をエミヤが赤原猟犬で狙撃して倒したのだ。

 

その上、彼らが魔霧から出てきたサーヴァントを勧誘して仲間にしていたことも判明した。

 

今回の特異点かなり活躍している気がする。第三まではあいつに頼ってたし、たまには返さないと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

意気揚々とジキルの家に帰ったらあいつが上機嫌で食事を作っていた。

 

 

え?何があったの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




おや?主人公の様子が?




主人公 紅秋人の容姿は目付きが悪く、背が高い以外特に決めていません。好きに想像してください。



えっちゃん(マスターさんが凹んでます)
ヒロインX(マスターが凹んでいます)
サンタオルタ(トナカイが凹んでいるな)

「「「なぐさめないと(使命感)」」」

弓トリア(正義感といいますか優しいといいますか。いいマスターになれそうですね)


ちなみに、シンパシーを感じるのか主人公はロマンと仲が良いです。単語レベルの会話が出来ます。


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17話 英霊召喚って何?

すみません、イベントに夢中になってました。
金時宝具5にしたくて頑張ってますがアイテムがたまらなくて大変です。

第四特異点はあと2話ほどで終わります。

また、感想で視点がわかりづらいとのご指摘をいただいたので今回は視点を明記しています。


─秋人─

 

夜の見回りに出かけたアイツが今度は作家連れて帰ってきた件。

 

 

 

ウィリアム・シェイクスピア。

【ロミオとジュリエット】などの作品で知られる劇作家。作家としての知名度はアンデルセンにもひけをとらないだろう。

 

それにしても。

 

この人はこの人で話が通じなさそうだ。イベントの度に裏で暗躍してそう。

 

そんな印象を感じる。

 

シェイクスピアはアンデルセンとすぐに部屋に引きこもって行った。

 

 

とりあえず、朝までは休みらしいので作っていた夜食(スープ)を出して休んでもらった。

皆それぞれ、ソファかカルデアから送ってもらった寝袋に入る。サーヴァントは睡眠がいらないので座ってるか壁に寄りかかって警戒をしていた。

 

え?アイツ?頼光さんと清姫が寝袋に突貫してたよ?怖いから女部屋の扉を速攻で閉めたけど。アイツの恐怖に歪んだ捕食される寸前の小動物みたいな目が忘れられない。

 

お前は寝ないのって?寝床に決めたソファで幼女二人が寝てるから寝床がない。とりあえず俺が使う予定だった毛布をかけた。

 

どこで寝ようか。

何?えっちゃん?一緒に寝る?待って、同じ寝袋はヤバい!X?ならこっち?いや待って、違う人なら良いとかじゃないから!女の子と同じ寝袋なのがヤバいんだって!いや、男と一緒も嫌だけども。

 

 

クー・フーリン、なんか大人の階段上る弟を見る優しい目で見てないで止めて。

 

エミヤ、無表情でこっち見ないで怖いよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局、寝ずの番やってくれた弓トリア以外と同じ毛布使って寝た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寝れなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、早朝から見回りから帰ったアイツとマシュさんにモードレッド、それからバサカコンビと男性陣に食事を用意して食事しつつ、これからのことを話す。

 

うちのサーヴァントみんな食べ過ぎです。俺のせいだけど働いてない状況でモグモグするの気が引けるんだけど。

 

さて、今後だが、アンデルセンの薦めで魔術協会即ち、時計塔へと調査に出ることになった。今回はアンデルセンとシェイクスピア、それからなんとジキルもついていくらしい。

ジキル、魔霧問題ないんだな。ってことは何もできないのは俺だけか。

 

まだだ、もう少しの辛抱の筈だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─立香─

 

魔術協会を目指して出発する。今回は大人数で探索になった、私のサーヴァントがマシュと頼光さんとエミヤにきよひー、クー・フーリン。この他にモードレッドと、アンデルセンにシェイクスピアとジキル。今回は戦力が多い方がいいので、ジャックとナーサリーも一緒だ。さらにいつものようにフォウくんもついてきた。

合計12人と一匹、いつもの特異点よりも多い。あいつがいないのにいつもより多いのは不思議な感じがする。

 

 

それにしても、あいつの精神状態大丈夫かな?出てくる時滅茶苦茶悔しそうな顔してたけど。

 

後で、ゆっくり話してみようかな?

 

 

あいつはご飯作って待ってるだろうし、情報仕入れて来ますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

防衛戦なんて二度とやらない!

 

私は心に誓った。

 

 

 

魔術協会に着くと魔本が出迎えた。それらを焼き払って中に入る。その行為に作家コンビがなんか興奮していたけど、作家ってみんなそんな感じなんだろうか?

 

 

 

ようやくお目当ての部屋についたけど、資料が持ち出せないのでアンデルセンが資料を読み込むまで時間稼ぎをすることになった。地下の閉所なので破壊力の高い宝具が使えなかったので非常に辛かった。

ヘルタースケルター多すぎるよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

アパルトメントでアンデルセンから得た情報をもらう。アンデルセンは聖杯戦争と英霊召喚について調べてきたらしい。

 

英霊召喚は一つに対して7騎の英霊をぶつけるための魔術で、聖杯戦争はそれを応用して、都合よく活用したものらしい。

 

なるほど、と思いつつ、あれ?これって別に今、ヘルタースケルターの大量発生とは関係ないよね?

 

 

 

 

 

なんて考えていたらDrロマンから通信が入った、どうやらあれは、魔力で作られた機械、つまり、宝具みたいなものらしい。

 

頼光さんの宝具が四天王を模した分身を生み出すもので、こっちは戦う機械を生み出してるってことかな?

 

ということは、リモコンというか本体を倒せば止まるんだね。

 

問題はどうやって見つけるかだけど。

 

何?フラン?どうしたの?え?分かるの?ホントに?やったー!

 

ロマン?どうしたの?フランの言葉が分かるのかって?いやいや、雰囲気見ればだいたい分かるよ。ねえ?マシュ、モードレッド。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





ふと気づいたこと

寝れなかったとはいえ、何気にハーレム状態で就寝できた上に向こうから誘われる主人公絶許


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18話 ロングコートって中二心を刺激するよね

お久しぶりです。
金時の宝具レベルが5になったと思ったら、地下で冒険したり、TOKIOしてたら一ヶ月過ぎてしまってました。

お待たせした上に相変わらずの駄文でございますので、ご了承ください。


─立香─

 

バベッジはこんなことをする人ではない。

 

そう、フランは言った。

 

相対してわかった。彼はどちらかと言えばこっち側だって、でも、戦う以外にはない。

 

彼を止めるにはそれしかないから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バベッジを倒した。彼は「地下に行け」と言った。首魁の最後の一人『M』はそこにいる。

 

フランを帰したら、行こう。決着をつけないと。

 

今回はあいつの助けはない。どれだけ敵が強くても私と私のサーヴァントだけで倒さないといけない。

頼光さんもいる、エミヤもいる、クーフーリンもいる、清姫もいる、モードレットもいる、ナーサリーライムにジャックもいる、頼りになる後輩もいる。

戦力は十分だ。

 

だけど

 

初めての感覚だ。少しだけ『M』に会うのが怖い。

 

黒いアーサー王に会ったときも、ジャンヌ・オルタに会ったときも、アルテラに会ったときも、魔神柱に会ったときも怖いとは思わなかったのに、背中を守ってくれるあいつがいないだけでこんなにも怖いなんて。

 

 

でも、やってみせる。あいつはアルテラとの戦いで恐怖を殺して立って見せた。あいつにできるなら私にもできる筈だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─秋人─

 

アイツがシティの地下へと向かった。

 

そこに、最後の一人、『M』がいるらしい。

 

俺も行きたい。

 

 

まだか?まだなのか?

 

 

そんな時、ロマンから通信が入った。

 

ロマンか、できたのか?そうか、ダ・ヴィンチちゃんが作ってくれたのか、後でうまい菓子を送っておく。ありがとう。

 

届いたそれを手に、俺は自分のサーヴァントに指示を出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─立香─

 

『M』ことマキリ・ゾォルケンは魔神になった。

 

我が王、という存在がどれだけ強大なのかはわからない。

だけど、私には私達には進む以外にない。

 

いくよ。マシュ、皆。この魔神柱をへし折ろう。なんか、へし折っても問題ない気がするし。

 

 

 

 

 

 

マキリ・ゾォルケン改めて魔神バルバトスを倒して、思わずホッとする。

 

「我が悪逆、完成させるに足る──星の開拓者よ────

 

汝、狂乱の檻に囚われし者───我はその鎖を手繰る者────

 

汝三大の言霊を纏う七天、

  抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ───!」

 

 

しかし、その隙を突かれたのかマキリ・ゾォルケンがサーヴァントを召喚した。

 

彼はすぐさまモードレットに斬られたがサーヴァントは召喚されてしまった。

 

ロンドンの戦いはまだ終わらない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─秋人─

 

地下で新たに召喚されたサーヴァントが上空へ向かって進行中。

 

そんな報告を受けた俺達はロンドンの空を全力で駆けていた。

と言っても、俺は空なんか飛べないのでサンタオルタのラムレイ二号に乗っている訳だ。

 

にしても、ラムレイって馬じゃなかったっけ?

 

このソリ牽いてるのカバにしか見えないんだが。

 

あと、空を飛ぶって言うより、宝具で吹き飛ばしてるよね?

 

つっこんじゃだめ?

 

 

 

 

なんて考えていたら、前方にサーヴァントを確認した。見知らぬサーヴァントが三騎、内二騎が黒い髪の男と相対している。

たしか、戦う相手は男で、雷を使ってて、黒い髪のサーヴァントだったよね?名前は【ニコラ・テスラ】。たぶん間違いない。

 

聖杯のバックアップの影響か、かなり強力なようで残りの二騎が苦戦している。

 

ん?どうしたのサンタオルタ?指示?止まる?降りてから?

 

ハハ!何言ってんのさ!

 

 

突っ込んじゃえ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─立香─

 

外へ出ると同時にニコラ・テスラに何かが突っ込んだ。

 

轟音と衝撃が霧を吹き飛ばす。

 

突っ込んだのはソリのようだった。

赤いソリにカバ。

 

あれ?これサンタオルタのラムレイ二号じゃない?

 

あれ?でもサンタオルタに単独行動ついてないよね?

 

ってことはあいつがいるはずで、でもあいつは魔霧がダメだったはずだよね?

 

そのうち、ソリから誰かが降りてきた。

 

ソリから降り立ったのは、やはり見知ったメンツだ。

 

えっちゃん、X、サンタオルタ、弓トリア、そしてあいつ。

 

あれだけダメだったはずの魔霧の中を何事もないように歩いてくる。

 

よく見ると服装が変わっていた。白い、フードのついたコートを羽織っている。

 

「…………無事、か?……どうした?」

 

衝撃に固まる私にDr.ロマンから通信が入った。

 

え?ダヴィンチちゃん作の魔力吸収コート?魔霧の濃い魔力があいつを蝕むから、余分な魔力を取り除くと。

 

あいつが依頼を?あのコミュ障ヘタレが?何でそんな?聞いてないの?

 

でも、これで問題ない。あいつが一緒なら、絶対勝てる。

 

 

 

理由は後で問いただすからね!

 

この特異点を修復したら、覚悟しておくよーに!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




やっと、戦えるので主人公のテンションは高めです。






おまけ
二人の日常(カルデア就職前)

秋人の部屋にて

─秋人─

トイレから戻ったらアイツが俺のベッドを占領していた。タンクトップにホットパンツだからおそらくは部屋着で、自分の部屋の如くくつろいでいた。

「あ」
「ベッド借りてるよ」

無言で椅子に座りスマホをいじる。

「ねぇ、あれ」
「あ゛」
「ああ、ベッド脇ね」

「あぁ」
「お茶ありがと、そうだね。暑いね」

「ん」
「25度位で」

「ん」
「タオルケット?」
「……冷やすな」
「おかあさんか!」

暑くてもツッコミはやるのか。

「そろそろお昼だけど、どこかに食べに行く?」
「あ、俺は……注文が……」
「わかってるよ。私がするから。近くの麻婆のお店に行こ?」
「だが……」
「私?辛いのは苦手だけど大丈夫」
「…………」
「それじゃ着替えて集合ね」
「…………………………」

さっさと出ていったアイツの背を見つめて俺はため息を吐くとスマホを取り出した。

十分後

外出用の服に着替えたアイツが来た。

「それじゃ行こ……ってどこに行くの?」
「いい、から」

アイツの声を無視して先導する。確かG◯◯gleだとこの辺に。

「ここって最近できたイタリアンの」
「あぁ」

店内に入り、席に座る。
やっぱり初めてくる店はキツイ、背中をひや汗が伝っていく。

「大丈夫?すごい顔だけど?」
「俺は……大丈夫、だから、気に、するな」
「ん」

アイツは、そう言うとメニューを見る。
ほどなく決まったのか店員を呼んだ。

トマトと生ハムの冷製パスタにしよう。

「エビとアボカドの冷製パスタとトマトと生ハムの冷製パスタをください」

こうやってすぐに俺の意思を感じ取ってくれる。アイツのコミュ力の賜物なのか、俺とアイツだからできるのか。なんにせよ、立香といるのが一番心が楽な気がする。あれだな、親友ってこんな感じなのかね?

等と考えてる内に出てきたパスタを頬張る。
うまい。トマトの酸味と生ハムの塩気が絶妙にマッチしている。少量のニンニクがいいアクセントになって後を引く。

「おいしいね」
「あぁ」

アイツの頼んだパスタも旨かったらしい。

「一口ちょうだい」
「ん」

アイツにフォークに巻いたパスタも差し出すとうまそうに頬張った。
今度は俺の前にパスタが突き付けられる。

「はい、お返し」
「…あぁ」

これもうまい、アボカドとクリームでこってりかと思ったが、レモンの酸味がしっかりと引き締めている。いや、引き締めているのはレモンだけじゃない。
この香り、そうだワサビだ。
ワサビが少量入ることで刺激を与えているんだ。
パスタにワサビ、新たな感覚だ。



この後、デパートで買い物をしたり、商店街でブラブラしたり、福引きでプールのペア招待券もらったから今度行くかぁ何て話したりした。









─カルデア 秋人の部屋─





「マスターさん、マスターさん。今日の夕食は何ですか?」

膝に座っておやつの羊羹を食べていたえっちゃんの声で目を覚ます。いつの間にか寝ていたらしい。懐かしい夢を見た気がする。
夕飯。冷製パスタにするか、なんか食べたいし。

「…………ぁ、冷製、パスタ」
「わーい」




全部終わったら里帰りしてみるか。サーヴァントも連れて。








































これをこいつらは素でやっています。

もう結婚しろ。

ちなみに麻婆の店は、皆さんの想像の店とは違います。架空のお店です。






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第19話 女の子の価値は存在に付随するものです。持っていようがいまいが価値には関わりません

さんざんにお待たせした挙げ句にこの程度のクオリティで申し訳ありません。




これにて第四特異点は終わりです。次回からは日常回ですので、更新がなんぼか早くなるかと思われます。




「…………無事、か?……どうした?」

 

そう問いかけるが、アイツは固まっていた。

 

おーい、大丈夫か?

うわっ!突然目がキラッ!キラッ!し始めた!

 

え?何?何で?何でそんなに楽しそうなの?頭イっちゃったの?

 

と、とにかくニコラ・テスラを倒さないと。

 

落下地点を振り返ると既にニコラ・テスラは立ち上がってジっとこちらを見つめていた。うん、これはわかるわ。怒ってるわ。

そりゃまあ、突然ソリに激突されれば怒るよねぇ。

 

チラリとアイツを見る。アイツは元の調子に戻ったのか強い眼光を放っている。

 

これならいける。

 

戦力も十分だ。アルトリアズにアイツのサーヴァントにマシュ。それに、謎の男女。ん?待って、この二人だれ?

 

怪訝な目でアイツに確認をとるがどうやらアイツも知らないらしい。頼光さんが親しげに慈しむように男の方に声をかけた。が、しかし男はジリジリと後退し始めた。

 

「まぁ金時…… ど、どうして逃げるのです? 母はあなたに会えて嬉しいだけなのにぃ……。よよよ……。そんなに邪険にされると、泣いてしまいますぅ……」

 

そして、おしとやかに泣く仕草まで始めた。

 

なんだろうかこの何とも言えない罪悪感は。別に俺が何かしたわけじゃないんだが。男もなんだかバツが悪そうに佇んでるし。

 

それはともかく、頼光さんの知り合いっぽい金時というと、あの有名な坂田金時ってこと?なんというか、こう、根は優しいヤンキーの兄ちゃん感があるんだけど。

じゃあ、もう一人の目のやり場に困る着物を着た狐耳の女の人はだれ?着物だから日本で、著名な狐と言うと誰だろうか?

 

 

 

 

玉藻の前しか思い付かない。

 

「みこーん!ご主人様の頼れる巫女狐、キャスター玉藻の前!降臨っ!です!とまぁ、ご挨拶をさせていただきましたが、此度は観光がてら少々金時さんの召喚にただ乗り……もといご主人様との新婚旅行の予行演習に参ったしだいです」

 

あ、やっぱり玉藻の前なのか。キャラ濃いなぁ。

 

とにかく、坂田金時と玉藻の前の協力が得られたのは心強い。

 

互いの戦力を確認して再び対峙する。

先程と変わらずニコラ・テスラはそこに佇んでいる。アルトリアズに警戒頼んでたけど、どうやら俺達を待ってくれたらしい。敵なんだよね?

え?本当ならやりたくないの?でも狂化が?

よし、倒せばいいよね。

 

あのモードレッドさん?作戦求められても。俺別に軍師じゃないし、霧邪魔だし。

え?霧は剥がせる?マジで、金時さん。

となると、霧は任せるとして。高火力なら倒せるだろうけど。そうすると被害がなぁ。突き落としといてなんだけど。階段の上でやればよかった。

 

ん?待てよ?

 

 

地面にいるなら飛ばせばいいんだよ。

 

アルトリアお願いが…………

 

 

 

 

数分後、綺麗な花火が咲きました。

 

だって、あれだよ?こちとら過剰戦力どころじゃねぇぞ?霧も晴れるなら正面から叩くべきでしょ。

 

 

 

よし、これで後は聖杯を回収してとっていうかアイツちゃっかり金時さんと玉藻の前とモードレッド、さらに野良サーヴァントだった二人から触媒貰ってんだけど?今まであった二人はともかく金時さんと玉藻の前といつ仲良くなったの?まだ会って数分なんだけど?

 

となんて思ってたらまたサーヴァントが召喚された。

 

今度は馬に乗った騎士甲冑の女性だった。

 

モードレッド?

え?父上?

アルトリア?マジで?直感が告げてる?

 

嘘だろ?アルトリアの体つきじゃな……すみませんすみません。余計なことでした。だからX、サンタオルタ。ちょっと腕が痛いかな。弓トリア。背中がメリメリいってんだけど?

 

てか、聖剣抜いた時から女をやめたんじゃ?え?普段ならともかく今は騎士王じゃないから気になる?サンタと休日あとセイバー死すべき慈悲はない?落ち着け。えっちゃんを見習え、こんな時でも我関せずだぞ。

 

いえ、あのですね。別に大きい方がいいとかではなくてですね。その人にはその人にベストマッチな大きさと形がありましてですね。おっぱいに貴賤無しと言いますか。アルトリアズのおっぱいはもともと特別なオンリーワンだと思います。

つまりですね。大きくても小さくてもかわいい女の子なら誰でも好きだよ。俺は。

 

え?アルトリアズ?それはそれで複雑?さらに力を込めないで折れる折れる!

立香さん?なんで頬をつねるの?

エミヤ?なんで複雑なものを見た顔してんの?

玉藻さん?去勢する?やめてください死んでしまいます。

 

 

なんてやり取りをしている間もモードレッドと乳上はにらみ合っている。なんにせよ、倒さないと。アルトリアズ?モードレッドに加勢してくる?マジで?

 

今ならセイバーばっかり増やす神も斬れる?その駄肉を落とす?

モードレッドの意思を汲んで加勢じゃないの?思いっきり私怨なんですがそれは……。

あと、立香さん?いつまで頬をつねってんの?あの清姫さん。別にアイツとりませんから。え?わたくしには見せない表情を?これから、これから見れますから!

 

 

なんとか事態を収拾させ、今度こそ戦闘開始である。とは言っても、作戦はガンガン行こうぜで、メインアタッカーはアルトリアズとモードレッド。他のメンツは結界はったり、援護に動いたりで、別に俺いなくてもいいんだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

結果として、それはもう楽勝だった。

 

何せ、鬼のようなアルトリアズ(えっちゃん除く)とモードレッドの猛攻に加え、歴戦のサーヴァント達の援護の嵐である。

 

リンチもとい袋叩きの様相を呈しており、それはそれは非常に憐れな乳上だった。

 

もし召喚したらめっちゃ優しく接してあげよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで、聖杯の回収が完了し、さて帰るかというとき事件は起こった。突如、魔術王にして人理焼却の黒幕、ソロモンが現れたのだ。

 

ソロモンはトイレにいくぐらいの気まぐれでここにきたらしいが、ただ現れただけでこの威圧感である。俺は改めて自分たちの相手の底知れなさを飛びかけてる意識の中で感じていた。

 

一本でも強力な魔神柱を四本喚び出す。

 

ほんの一撃で強力なサーヴァント達を消し飛ばす。

 

存在の格の違いを見せつけられた気分だ。

マシュの宝具の後ろだったから良かったが、直撃していたらと思うとゾッとする。発動する直前に近くにいたジャックを盾の後ろに引っ張りこんだのだが、左腕を負傷してしまった。痛いのだが、カルデアの魔術礼装で応急手当てをしているためまだ耐えられる。

 

無茶?ごめん。思わず庇っちゃって

 

防いだだけでマシュは疲労困憊であり、アルトリアズも、あのギャグ時空の権化と言えるXすら緊張を顔に滲ませていた。それでも、皆が俺とアイツを護るように立っている。

 

緊張のにらみ合いは続く。

 

しかし、ソロモンは突然にらみ合いをやめて帰った。飽きたらしい。

安堵と緊張の疲れからアイツと二人で腰をおろす。

 

モードレッドが不機嫌そうにしつつも、役目を終えて座に帰っていった。去り際に俺を見て「絶対に呼べ」と言っていたが、アルトリア限定召喚の俺が喚べるかはわからない。

 

なんにせよ。この特異点の修復は終わった。

カルデアに帰れる。その事実が今はとても嬉しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




そういえば、うちにえっちゃんPUで鎧を纏った円卓で高レア狂サバで持ったもの全部宝具にできそうな騎士様が来ました。きっとえっちゃんですね(白目)









誰がなんと言おうとあのサーヴァントはえっちゃんです(白目)





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第20話 奮い立つシーンて書いてみるとどうしても臭くなるよね

なぜこうなってしまったのだろう。


妄想乙、くらいの気持ちでご覧下さい。


─秋人─

 

第四特異点の修復が完了した。

 

だが、俺達の空気は重かった。歴戦のサーヴァント達ですら緊張を滲ませていた。

俺やアイツに至っては不安で落ち着かない。

 

今回助かったのは完全にソロモンの気まぐれだった。一本でも強敵な魔神柱を四本同時に召喚し、終始こちらを圧倒していた。

つーか、一撃でサーヴァント数体消し飛ぶとか、こんなの絶対おかしいよ。

 

すべての特異点を攻略した時再びソロモンと対峙したら、俺は平静でいられるだろうか?

平静でいられたとして勝てるのか?

 

腕の治療を受けながら、そんな考えが常に頭の中を巡っていた。ちなみに、腕は痕は残るけどすぐに完全に治るらしい。

 

 

魔術の力って、スゲー!

 

 

 

 

 

 

 

腕も治ったので、ソロモンについて考えつつ夕食の準備をしているとえっちゃんが近付いてきた。

 

 

 

 

 

ん?何えっちゃん?ご飯は今作って……違う?指?

うわ!真っ赤になってる!

 

超痛てぇ!誰か!救急箱!

 

えっちゃん?救急箱頂戴?

何で指なめてんの?消毒?

 

甘い?「おいひいれす」じゃないよ!

やめて!なんか恍惚とした顔しないで!特別な気分になるでしょうが!

 

 

 

五分後、救急箱探してきたエミヤによって、やっと治療が完了した。

ありがとうエミヤ。まともなのは君だけだ。

 

何?上の空になってるから今日は厨房に入るな?いやいや大丈b、駄目ですか。

 

 

厨房を追い出されたのでウロウロしていると、サーヴァントのみんなが集まってきた。

俺のサーヴァント集合である。

こうしてみるとみんな同じ顔してるように見えて、意外と違うんだなぁ。

 

 

ああ、この傷?なんか考え事してたら切っちゃって。危ないし、邪魔だから出てけ。って言われちゃってさ。

 

そんな会話をしたら四人が目で会話を始めた。

 

ややあって、四人が用事を思い出したと言い始めた。手伝おうか?と言うと要らないからおやつの準備を頼まれた。後で?わかった部屋に用意しとくね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えっちゃん達とのおやつの後、部屋ですることもなく寝転んでいると部屋にアイツがやってきた。何時のも面子は?と訊くとクー・フーリンは戦闘シミュレータ、頼光さんと清姫、マシュさんは用事らしい。全サーヴァントが同時に用事とは珍しい。というか清姫に安珍以外の用事があったことが驚きだった。

 

んで?どうした?

 

「ちょっと話せない?」

 

ひどく、深刻な顔だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─立香─

 

第四特異点は私の心に恐怖を残した。ソロモンの圧倒的な強さ。それと再び対峙すると思うと震えがでる。

 

あいつもそうなんだろう。なんとなく返事も上の空だった。

 

そんな私の様子を知ってか清姫と頼光さん、それからマシュは用事があると言って立ち去って行った。一人にしてくれたのだろう。部屋に入るともうこらえられなかった。

怖い。

サーヴァントと一緒とはいえ、一人で地下に潜った時とは比べ物にならない恐怖が襲っていた。

 

ひとしきり、ベッドで震えた。

怖い、戦いたくない。そんな思いが巡っている。

 

あいつは、部屋にいるかな?

 

一人でいたら、おかしくなりそうなので、部屋から出ると隣の部屋を開ける。

 

あいつはそこにいた。ぼうっとベッドに寝転んで天井を見ていた。

 

私に気づいたのか起き上がってこっちを見る。

ケガが目に入った。厨房でケガをしたそうだ。やっぱり、あいつも考え事をしていたらしい。

 

「ちょっと話せない?」

 

そう訊くとあいつは静かに頷いた。

 

ベッドに腰かける。ちょうど隣り合う位置で、だ。

 

 

こういう時あいつはほとんど話さない。私が改まって話を始めるときは不安をぶちまけに来ている事がわかっているから、聞き役に徹してくれる。ただし、話せる相手に限るので、万人の不安を受け止める事はできない。私か、両親くらいだ。

 

たくさんの不安をあいつにぶつける。怖い。から始まり、戦いたくない、死にたくないそんなことをぶちまける。

 

私の言葉が途切れるのを待ってあいつは話し出した。

 

「俺も、死にたくない。できれば戦いたくない」

 

不安をぶちまける。やっぱり怖いんだろう。それでも肩を震わせながらあいつは続けた。

 

「でも、自分が死ぬことよりも、お前や、みんなを失う方が怖いんだ。今、話してはっきりした。ソロモンは怖いし、次に会ったとき、平静でいられるかもわからない。平静でいられたとしても勝てるかどうかもわからない。だけど、諦めたくないんだ。だから、戦う」

 

そう言った。

 

ああ、こいつは、紅秋人はヘタレじゃなかったんだ。

 

怖くても、勝てないかもしれなくても、守りたいもののために立てるやつなんだ。

 

 

 

なんだよ!無駄にカッコいいこと言いやがって、不本意だけどちょっとクラッときたでしょうが。

店員にすら怯えるクセに。私だけ意気地無しみたいじゃないか。

とはいえ、意外とうっかりなこいつのことだ。一人じゃ絶対失敗するだろうし。

 

しょうがない。

 

「散々吐き出したらスッキリしたし。気分がいいから、手伝うよ。背中は任せといて。あと、ありがとう」

 

そうと決まれば、みんなと戦闘シミュレーターだね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─弓トリア─

 

不安気なマスターを勇気づけるために第四特異点修復記念兼これからの特異点修復祈願のパーティーをしようということで急遽準備をして、なんとか完成したので呼びに来たのですが。

 

まさか、自分たちで立ち直ってしまうとは。

 

ソロモンよ、貴様が些事と断じた者達は思いの外、強敵かも知れませんよ。

 

それにしても、「自分が死ぬことよりも、お前や、みんなを失う方が怖いんだ。ソロモンは怖いし、次に会ったとき、平静でいられるかもわからない。平静でいられたとしても勝てるかどうかもわからない。だけど、諦めたくないんだ。だから、戦う」ですか。

 

ソロモンと対峙した時といい、私のマスターは強い心を持っているようですね。臆病に見えて勇敢。周りを見て受け止める。彼女達が夢中になるのもわかるというものです。

それにあの料理の腕です。

 

ですが、サーヴァントを庇おうとするのはやめてください。あなたに死なれては戦えませんし、何よりも私が悲しいです。

 

さて、パーティーの時間ですよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─秋人─

 

パーティーはささやかではあったが急遽企画されたと考えると十分すぎるほど盛り上がって終了した。

 

エミヤは片付け。アイツは何故か酔った清姫と頼光さんに連れていかれた。南無阿弥陀仏。クーフーリンは部屋でさらに飲むらしい。

俺は、一人部屋に帰るとベッドに座り考え事をしていた。

 

アイツにはかっこつけてああ言ったが、実のところ勝てるか不安で仕方なかった。ソロモンに勝てるのか、冷静に戦力を比較すれば勝率は低いと言わざるを得なかった。

 

というか、特異点の空のあれの光線一本一本がエクスカリバー並みとか頭おかしいだろ!四つの特異点全てでエクスカリバー(とかネクロカリバーとかひみつかりばーとか)の威力をまざまざと見せつけられてる俺からすれば恐怖とかのレベルじゃい。絶望ですあんなもん。

 

だけど、俺は戦うと決めたんだ。なら、勝つ方法を考えるしか無いわけだが。これが全然思い付かない。

 

古来より戦力差が大きい時は奇襲からの電撃戦で敵を撹乱しつつ速やかに大将をやるのが効果的なのだが、相手の場所もわからない以上やりようがない。

 

つまり特異点を回って情報を集めることしか今はできないというわけだ。

 

もうやだ。怖い。

 

戦っても、ソロモンに勝つことは俺には無理なんだろうか?」

 

 

「何を言ってるのです。マスター」

 

突然の声に視線を向けると、そこにいたのはアルトリアズだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

という、訳です。

 

俺の心を正直に暴露すると四人はなんとも呆れたような表情でこちらを見た。

 

えっちゃんまで呆れた目をしてやがる。

 

「マスターさん。マスターさんは勝てるか不安なんですね」

 

はい

 

そう答えると皆がさらに呆れた顔をする。

 

え?何みんな?

 

「マスターは根本的に間違っています」

 

なんでさ、弓トリア。

 

「まったくだ。私のトナカイが情けない」

 

なんでさ、サンタオルタ。

 

「ええ、マスター。勝てるかどうかじゃありません。勝つんです」

 

そりゃそうだけどね、X。でも相手はあのソロモンだよ?戯れでこっちは全滅しかけたし。

 

「マスターさん。問題ありません」

 

えっちゃん?どういう事?

 

「マスターさんは一言、勝てって命令すればいいんです」

 

そうすれば、と声をあわせてアルトリアズは続けた。

 

────私が全力でマスター(トナカイ)を勝たせますから(てみせよう)!────

 

あまりに自信満々で、まぶしい四人の言葉は何故かよく響いた。

 

そうだな。なんでだろうか。戦力差は圧倒的な筈なのに俺達ならできる気がしてくる。

 

ありがとう。大好きだ。

 

アイツ以外には初めて、満面の笑顔を出せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの、なんで四人とも顔そらすのさ?

 

と思ったら突然こっちを向いた。

 

話も済んだし、寝る?

 

おやすみ~。また明日。え?一緒に寝る?いや、男女がいっしょ寝るとか大問題でしょ!え?信頼し合うサーヴァントとマスターだから問題ない?いやいや、あるだろう!

 

この会話少し前にもした気がする。

 

あのさ、えっちゃん?なんで羽交い締めにするの?いろいろ柔らかくてドキドキするんだけど?あ、やめて!ベッドくっ付けないで!まずいって!

 

いーーーやーーーー!

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の記憶はここで途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第21話 無いからいいんだよ

どうしてこうなった。

評価・感想ありがとうございます。
再び感想返しを始めました。最近のものだけですがゆっくりと返していきたいを思っております。


翌朝、食堂にとりあえず集まった。今日は召喚の日なので、ここを待合室として使う。先にアイツからだ。

 

チラリとアイツを見ると、なぜかマシュにぴったりとくっついていた。今朝はげっそりしてたけど何かあったのだろうか?

 

断じて、朝アイツの部屋の前で中から聞こえる女性のくぐもった声とか聞いてないから!清姫と頼光さんを今日見てないなぁ、とか思ってないから!

まあ、マシュが幸せそうだから放置で。ちなみに護衛はエミヤとクーフーリンらしい。あの二人仲悪いのになぜか戦闘は息ぴったりなんだよなぁ。

 

 

 

俺?俺はいつもの通り、膝にえっちゃん、右手にX、左手にサンタオルタ、そして弓トリアがウェイターになって背後にたっていた。

左右と背後の三人は自ら俺にお菓子を食べさせてくれる。おい、いつもの食い意地どうした。

 

エミヤ、曖昧な表情でこっち見んな。

クーフーリン、ニヤニヤすんな。

マシュとアイツは百合空間作んな。食わせ合ってんじゃねぇ。コーヒー甘くなるだろうが!

 

 

 

ややあって召喚の準備ができたらしく。アイツらが出ていった。

あの、皆様、そろそろ離れて、あ、ダメですか。

 

 

 

 

 

 

 

 

─立香─

 

マシュにしっかりくっついた状態で召喚を始める。

 

え?昨日の夜?

 

ナニモナカッタヨー。

肉食獣ノ怖サヲ思い知ッテナンカナイヨー。

 

さて、召喚といこうか。

 

盾に聖晶石を三十個投げ込み呪文を唱える。

 

誰が来るかな?

モードレッドかな?

ジャックかな?

ナーサリーライムかな?

フランかな?

はたまた、その他のサーヴァントかな?

 

三本の線を描いて現れたのは戦車に乗った戦士のカード。

金のライダーカードだ。

 

 

眩い光が視界を遮り、一瞬の後に消えるとそこには一体のサーヴァントの姿があった。

 

「やっほー、マスター! 遊びに来たぜー! あ、父上には内緒な! このボード、こっそり持ってきちまったんだ!」

 

アルトリアによく似た女性。つーかモードレッドが赤いビキニを着用してたっていた。モードレッド・ビキニスタイルである。

 

 

サーファーかな?あ、だからライダーなの?とか。

そもそもあの頃のブリテンにサーフィン文化あったの?とか。

ライダーとして召喚されたから、クラレントどころか鎧や兜も持ってきてないの?とか。

 

いろいろ言いたいことがあるんだけど、これだけはまず言いたい。

 

ネタ枠はあいつの管轄でしょ!

あれか!アルトリアじゃないからか!いいじゃん別に顔似てるんだから!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─秋人─

 

アイツがモードレッド(サーファー)を召喚した。食堂に入るやいなやえっちゃん以外のアルトリアズに連れていかれた。あのモードレッドが怯えていたので、あのボード、だいぶヤバいやつパクって来たんだろう。御愁傷様である。

 

 

さて、アルトリアズによってサーファーモードレッド略してサモさんが召喚早々単身QP集めに出された後、だいぶ予定がずれたが召喚しようと思う。

 

今回のお供はXだけである。というのも他の面子もいるとそれだけでアルトリウムの触媒召喚になるかもしれないとXが提案したためである。まあ、何にせよXのことは頼りにしているので何が出ても基本大丈夫だろう。

 

三本の線を描いて現れたのは剣を持った騎士のカード。

金のセイバーカードだ。

もうこの時点でXの機嫌は急降下。今にも斬りかかりそうなので背後から抱きしめて制止する。

 

あ、俯いておとなしくなった。可愛い。

 

眩い光が視界を遮り、一瞬の後に消えるとそこには一体のサーヴァントの姿があった。

 

 

「はじめましてマスター。まだ半人前の剣士なので、セイバー・リリィとお呼びください。これから、末永くよろしくお願いしま「ウボァ」……大丈夫ですか!」

 

Xが死んだ!

 

目の前の白い鎧とバトルドレスを身に纏った少女─リリィ─が慌てて寄ってきた。

とりあえずそっとXを横たえて上着をかけておく。

そうしてから改めて彼女を見た。

 

顔とクラス。そして声と鎧から彼女は恐らくアルトリアの一種。半人前と言っていたのと若干エクスカリバーと形状の違う剣から、若き日のアルトリアだろう。

 

闇討ち上等セイバー絶対殺すウーマンの純粋かつ真っ白な年代の自分が目の前に……。

あ、これは死んでもしょうがないわ。俺も中学生の俺が出てきたら死ぬもん。

 

 

 

さて、自己紹介をしつつ本題だ。

 

純白の鎧とドレスはシンプルでありながら少女の清廉な内面と可憐な外見を引き立てつつもより美しく飾り付け、それを着こなす彼女を犯しがたい姫騎士へと変える。

そんな清廉潔白な姫騎士衣装は彼女にある種の神々しさを与える。しかし、近づき難いか?と問われればそれは違う。と即答できるだろう。その理由は服のある一点にあった。

 

それは両肩の露出である。

 

両肩の露出である!

 

それが何を意味しているか。俺にはわかる。

騎士衣装にあるまじき肩の露出。

しかし、それによって彼女の美は完成する。

彼女の鎖骨、肩、そして脇。この露出は我々にエロスを感じさせ、一気に彼女を現実の存在に引き戻し、親しみを与えるだろう。

考えて欲しい。パソコンで、くっころ画像を検索したときのことを、彼女達の多くは騎士ではなかっただろうか?鎧の一部を破損させ、素肌を晒した騎士達。高潔な存在を一気に俗世へと落とすことで、そこに危うい快感が生まれるのだ。

 

無いことで、完全では無いことで生まれるエロスと存在感。

 

そこにはミロのヴィーナスの両腕に通ずるある種の芸術的な価値があるのではないだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに、リリィと対面したえっちゃん以外のアルトリアとサモさんが死んだりしたのだがそれはまた別の話である。

 

 

 

つーかサモさん。リリィのことをエンジェルセイバーって呼ぶのやめーや。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




セイバーリリィのかわいさは異常、特に脇─byノッブ(回さない方)─




QPよこせ、30兆くらい


PS.ヒロインXは押しに弱くて、抱きしめたら乙女な反応が帰ってきそう。









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第22話 失言は取り返しがつかない。特に女の子の前では

やっと、中間テストが終わりましたのでまた更新します(なおすぐに期末がくる模様)。
相変わらず駄文でございます。

評価・感想ありがとうございます。


 

「おはようございます!マスター!今日もしっかり励みましょう!」

 

翌日、朝から俺の姿は訓練場にあった。

というのも、昨日俺が体を動かしたいと言ってしまったからだ。聞こえていたアルトリアズが明日から剣を教えると言うのでこうして早朝からここにいるのだ。そして、私も是非、というリリィは早くから元気いっぱいだった。なんだろうか。リリィからは子犬要素が強く感じられる。英国の娘なのにイメージするのは完全に柴犬なんだけど。

 

まあ、かわいいからいいか

 

ややあって、訓練場にXが入ってきた。どうやら毎日交代で教えるらしい。

 

それはいいんだが、あの、手に持ってるの完全にネクロカリバーなんですけど。絶対えっちゃんのお下がりだよね。嫌じゃないけど。むしろ嬉しいけど。

 

普通竹刀とかからじゃねぇの?え?そんなものはない?リリィ、羨ましそうに見ないで、リリィの剣カリバーンでしょうが!

 

「始めましょうマスター」

 

いやあのいい笑顔で渡さないで、真剣から始めようとしないで。ちくしょう、こうなったらとことんやってやる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まあ、ボコされるよね…………。あ、意外と才能あるっぽい。やったー……。

 

 

 

 

 

 

 

 

「お疲れ様です。マスター!毎日いっしょに頑張りましょう!はい、タオルと飲み物です。英霊はともかくマスターはしっかりと水分を採ってくださいね」

 

久しぶりの運動な上になれない動きで死にかけてる俺にリリィが甲斐甲斐しく世話をやいている。しかも腕のマッサージ付きで。ちなみにやり方は昨日ロマンとマシュに習ったそうな。

あれか、マネージャーか。しかもこんな美少女で、精一杯頑張ってて甲斐甲斐しくて気が利くとか、天使かよ」

 

「ま、マスター……。そこまで言われますと……、少し照れるといいますか。言われなれていないもので」

 

いつの間にか声が漏れていたらしい。赤くなって俯いてしまった。なんだこの娘。可愛いかよ。もっと褒めまくって反応見たいわ。

 

X?なんでちょっと不機嫌なの?あ、ニッコリ笑った。え?後半戦?今ので終わりじゃ?あれは嘘?え、ちょっと待って体ボロボロなんだけど。リリィ、助けってダメだまだもじもじしてる!あ、立香さん朝食の連絡に来てたのね。頼む助け……。え?なんで?なんでお前も不機嫌なんだよ!Xとアイコンタクトしないで。ニッコリ笑って親指立てないで!お願い止め……。

 

 

 

 

 

 

 

 

この後、回復したリリィ、アイツを探しにきたエミヤが止めに入るまで訓練は続き、俺は最終的にボロボロになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、ロマン。え?明日から第五特異点?筋肉痛大丈夫なんだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─立香─

 

朝ごはんだよ~っていいに来たがなぜかあいつがリリィを口説いてるところに遭遇した。

もう口説いてるの?まだあって1日だよ?しかもリリィに天使って言ってるし。あいつのコミュ障どこ行ったの?いつもは心のなかで考えるだけのクセに。なんかムカムカするなぁ。

 

ま、あいつが誰を口説こうと知らないけど。よりによってあいつが大好きなXの前でやっちゃったのか。

 

Xが嫉妬で不機嫌になっていく。

あ、Xに訓練の続きを強制されている。助けを求めてきているが。まあ、しょうがないよね、女の子の前で他の女の子口説いたんだし。

 

 

X~。良いよそのままやっちゃって~。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




何を書いてるんだ私は。

評価が一万を超える日が来るとは投稿した当時は思いもしませんでした。すべて読者の皆様のおかげです。ありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。

一万超え記念にかねてから友人に薦められていたプロト秋人君時空を書いてみようかと画策しておりますが、需要あるのでしょうか。

需要がありそうなら、冬木篇だけ書いてみます。


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第23話 コミュ力お化けの近況。

まだゴールデンウィークだよね。うん。


─秋人─

 

ねぇこれどういうこと?

 

 

牢屋から出されたと思ったら、先に出ていたアイツがライオンを丸め込んで仲間にしてた。

 

 

な…何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何をしたのかわからなかった…

 

頭がどうにかなりそうだった……

交渉術だとか人たらしだとかそんなチャチもんじゃあ断じてねえ、もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間前まではいつも通りだった。

いつも通りヤバイところ(戦場のど真ん中)に送られて、アイツと二人で砲弾浴びて。

俺は危うくいろいろ切断されそうになって。

「マスターを守れなかった」ってシュンとしているいじめたくなる少女騎士リリィを慰めつつ(いやでも、シュンとする顔も可愛いかったからもうちょっと眺めていたかった)、特異点修復のために、アイツが口説き落としたバーサーカー フローレンス・ナイチンゲールと共に出発しようとしたんだが。

 

カルナは、インドは反則だってそんなの。

 

見事にボコられました。いや、サーヴァントの数ではこっちが圧倒的だったし、粒も揃ってたけども、マスター、二人とも一般人なんだよねぇ。

 

そして、西側の戦力をまとめる大統王に謁見させられたんだが、聖杯でこの特異点のみを守るつもりらしくこっちとは目的が違ったため交渉は決裂。そのまま地下牢に閉じ込められた。

 

そして、十分ほど前にアイツとナイチンゲールだけがもう一度意見を聞くために連れていかれ、すれ違いでジェロニモが助けに来たタイミングで突然呼び出されたのだが。

 

 

 

 

ねぇこれどういうこと?

 

アイツら楽しそうに談笑してやがる。紅茶にクッキーまで出してティータイムだ。あ、あれ俺が作ったクッキーじゃねぇか。戻ったら食べようと思ったのにいつの間にくすねたんだよ。

いや、そんなことはどうでもいい。それよりもだ。

 

おいこら、ライオン。今までの頑なさはどうなったんだよ。流石は副大統王じゃねえよ。何新しい役職作ってんだよ。

 

カルナさんや、そんな満足気な顔で微笑まないでもらえます?俺まだ状況理解できてないんですけど?

 

エレナさんや、そんな手のかかる子供が成長した時のお母さんみたいな顔しないでくれる?

 

そして何よりもお前だよお前。何なの?またコミュ力なの?お前昔からそうだけど相手選ばないの?コミュ力お化けの片鱗を久しぶりに見せつけてくれたな。機械すら「リツカ。リツカ」言ってんだけど?生物じゃなくてもいけんの?まだ成長期なの?

 

 

 

 

 

 

さて、気を取り直して今後の話をしよう。

とりあえずアイツのおかげで、エジソンの陣営を特異点修復路線へ変えることができた。アイツ曰く、あのエジソンならもっと大きな事ができると励ましたらこうなったらしいが。

 

どうせアイツの振り切れたコミュ力がエジソンの心を動かしたんだろう。昔からそうだった。相手が不良でも優等生でもコミュ障でもすぐに心の中に入ってくる奴だ。

 

だけどさ、まさか英霊でも関係ないのか、コミュ力って実は最強のスキルじゃなかろうか。

 

とにかく、こうしてエジソン陣営を引き入れた訳だが。いくらこちらの陣営の英霊が強力とはいえ、相手はあのケルトだ。すぐさま総力戦!とはいかない。作戦を建てねば。

 

まずは戦力の確保、さしあたってケルトの他にもう一つあるらしい陣営に接触するか。幸いにもさっきやって来たジェロニモの案内もある。

次に時間、現状は大量生産で賄った兵力ともう一つの陣営によって拮抗状態、できればこれを少しでも引き伸ばして戦力確保の時間を稼ぎたい。

 

となれば、こうするか。

 

 

まず、カルデアとエジソン陣営の協力は内密にする。

 

もしも、ケルト陣営がこれを知れば即座に総力戦を仕掛けてくる可能性があるためだ。

そうなれば戦力確保の暇など無くなり、もう一つの陣営もろとも各個撃破されて終わりだろう。もちろん工作などで時間はいくらか稼げるだろうがそれでは負ける。大量生産しているとはいえ資材は有限だ。無限に近くとも無限ではない。いずれは尽きる。対してケルト陣営兵力は本当の意味で無限だ。英霊もケルトの猛者ばかり。もちろん、こっちのサーヴァントも質で負けるとは思ってない、騎士王五人等々武闘派が揃っている。とはいえ、兵力が多ければ英霊の足止めも可能だ。武闘派をそれで足止めされれば終わる。

 

となれば数で劣るこちらが勝つには総力を上げた電撃戦しかない。防戦になれば負ける。

 

具体的には、エジソン陣営とカルデアは敵対していて、ジェロニモ陣営とカルデアが協力しているとケルト陣営に思わせて現状を維持して時間稼ぎ。その間にジェロニモ陣営の戦力をまとめる。

その後、両者が合流し、総力戦を仕掛ける。

総力戦はエジソンやキャスターなどの後方支援員達と一部の武闘派に一般兵を率いてもらい大戦をおこし、その間に残りの武闘派の少数精鋭で本陣を奇襲し一気に落とす陽動作戦。もちろん、いくらか工夫は必要だが。

 

例えば、精鋭も二手に分けて前後から強襲するとか。

 

 

 

と、提案してみた。どっかで聞きかじったような在り合わせの戦略だが。

 

 

 

え?採用?マジで?よかったぁ、プレゼンとか二度とやりたくないから却下されたら泣いてたよ。

え?キャンプ回ってそれぞれの責任者に同じプレゼンしてまわる?い、いやだぁぁぁぁぁぁあ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

─立香─

 

あいつはいつ軍師になったんだろうか?

 

あれかな。猫耳フード被って毒吐いたりするのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………ちょっと、見たい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ゴールデンウィーク中に5章を終わらせると言ったな。あれは嘘だ。




いや、すみません。なかなか筆がのらずこの体たらくです。こう言うのもなんだかアレですが、5章があんまり印象に残ってないもので。
待たせた末に駄文という体たらくですが、遅れぎみですので、4、5話でサクッとケルトを滅ぼします。

いじめたくなる少女騎士──私の主観ですが。リリィは落として上げると輝きそうな娘だと思う。マスターの一言に一喜一憂するリリィを想像すると愛が溢れて止まらなくなるので、いつか現代に召喚したリリィと戦闘力人外のドSマスターが一緒に戦い抜く聖杯戦争を書きたいなと思うこの頃


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第24話 プレゼンとか処刑以外の目的が見つからない

お久しぶりです。またもお待たせして申し訳ありません。今回は繋ぎ回です。

文字数は少ないですが、ご容赦願います。


─秋人─

 

コミュ障にプレゼンさせて回るとかどんな羞恥プレイだよ。

 

「あの?マスター、そろそろ恥ずかしいと言いますか」

 

リリィ。リリィ。俺の癒し要員リリィ。あ~いい香りですわ~。アロマセラピーならぬアルトセラピーとか無いだろうか?

 

「もう、放さない」

 

あ、リリィが固まった。もっとよしよしできるね!

 

ん?どうしたの皆?そろそろやめろ?代わるから解放してやれ?何でそんな人質取った強盗に対するみたいにするの?そんなにリリィ助けたいの?

あ!やめて、X左手引っ張らないで。サンタも右手はやめて!弓トリア頭を引っ張らないで!えっちゃん?そこは私の場所ですじゃないよ!リリィと仲良く膝を分けあわないで!

 

どうしたのジェロニモ?アイツ?アイツなら大丈夫だよ。ラーマ治して、仲間増やして帰ってくるよ。

 

そうそう、言い忘れていたが、プレゼン旅の途中で匿われてたインドの大英雄ラーマを治すべく、アイツは別れてアルカトラズに向かった。

 

それにしても、ここアメリカだよね?カルナにラーマに、たぶんアルジュナもいるでしょ?なんだコイツらインドでやれよ。

 

あ、そうこうしてるうちに、アイツ帰ってきたみたいだ。

おかえり~。

あ、おい!何をする!やめろ耳を引っ張るな!

え?人が戦って帰ってきたのに女の子侍らせていいご身分だな?お前、俺も俺の戦いしてたの!エジソンに不信感持ってるメンツを説き伏せるのコミュ障には辛いの!

まあ、なんにせようまくいったんだな?

なら問題ない。こっちもなんとかなった。

え?仲間がふえた?

ネロちゃまとエリちゃん?

ジャイアンコンビじゃないですかやだ~。

 

あ、同じ顔が並ぶ。酔ってくるよそろそろ。

 

 

はいはい、じゃあ次の段階に移りますか。

 

 

 

 

 

 

 

一旦主要人物と共にエジソンの元に帰る。そこで作戦を練って行こう。

 

ラーマも復活したし、すぐさま作戦決行、といきたいところだが、多少の工夫を凝らすことにした。

 

作戦の内容は敵の本拠地を少数精鋭の部隊で電撃的に奇襲する、で間違いないが、まず確実に向こうはこれを読んでくる。となれば向こうは最大戦力、つまり武闘派のサーヴァントを投入しぶつけてくるだろう。

 

それも、アルジュナ、クー・フーリン・オルタ、ベオウルフといった神話や叙事詩に語られる歴戦のサーヴァントを、である。

とはいえ、同じくケルト神話のフィン・マックールやディルムッド、フェルグス・マック・ロイ等の勇士はつい先日に撃破済みであるため、再召喚されてこの決戦に投入されることはまずないだろう。

 

さて、話を戻す。そんな一人でももて余す英霊を三人もどうくぐり抜けるか、これが課題だ。

 

アルジュナは、カルナをぶつける。これで解決だ。お互いが望むだろうし、運命が勝手に引き寄せ会うだろう。

 

問題はクー・フーリン・オルタだ。普通なら首魁が迎撃に出るなんてことはそうないだろうが、ラーマの話によると前線にも出てくることがあるらしいので、陽動部隊か奇襲部隊のどちらかとぶつかるだろう。まあ、十中八九奇襲部隊にくる筈だ。向こうもこちらの戦力を知り得てる筈なので、カルナがいる時点でアルジュナだけでは不足だと判断するだろう。

 

ベオウルフは正直わからないが、どちらに出ても時間稼ぎなら可能だと思われる。最悪ラーマか李書文をぶつける。

 

 

なんにせよ一度に三人を同時に倒して、新しい戦力を呼ばれる前に聖杯を奪取、なんて難しい。

 

確実に取るとなると、奇襲部隊を二つに分ける必要がある。

 

幸い、戦力は十分だ。

俺とアイツの2チームに分けよう。どちらかが足止めをしている隙にどちらかが聖杯を取る。これがいい。

問題はどう振り分けるか、だな。

 

 

アイツとアイツのサーヴァントは固定、マシュにクー・フーリン、エミヤと持久戦向きのメンツが揃っている。が、頼光、クー・フーリン、モードレッドなどの武闘派もいるので攻撃も十分だ。清姫はどっちに区分するか迷うが、アイツといる限り問題なさそうだ。

 

俺の方は、騎士王五人が固定の超攻撃型パーティー。になるわけだが。

 

後は、ラーマとネロとカルナをどう振り分けるかだな。

 

アイツに全部振って、時間稼ぎを任せるか?

それともあえて俺に振って、撃破を狙うか?

はたまた、バランスよく振って、不測の事態に備えるか?

 

俺の頭では具体的な案が出てこない。誰かに相談しようか?

 

いっそ勘で?

 

いやいや、そんな賭けはできな……。

 

 

 

 

 

…………………………ん?直感?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─立香side─

 

あのやろう。女の子侍らせて待ってやがった。ムカついたので耳を引っ張ってやった。

 

え?作戦考えたの?奇襲班を二手に分けて敵のただでさえ少ないサーヴァントをさらに分散させるの?

 

で?班分けは?

 

 

 

 

 

 

 

 

うわぁ、マジかよ。

 

 

 

 

 

 

 

 




30分後に続きが出ます。


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第25話 想定外は想定できないから想定外

予約投稿1日間違えました。本当に申し訳ありません。
許してください。何でもしますから。


俺ね。もっとこう、激戦になると思ってたんだよ?

 

なんだこのさっくりな感じは。

 

経過を説明すると、まず俺のチームはカルナとアルジュナの戦いを見守っていた。ここにいる面子は皆決闘という物を良く理解し、尊重する面子だったから。

 

ちなみに、結果はカルナの勝ちだった。しかし、負けたはずのアルジュナはどことなく満ち足りた顔をしていた。そういえば、アルジュナはマハーバーラタにおいて、神々によって力を削がれたカルナと戦い勝利を授けられたわけだから、英霊の立場とはいえ、戦士として全力に近いカルナと戦えたのが、嬉しかったのかな?

なんにせよ、これでアルジュナを倒せる。というところで、カルナがクーフーリン・オルタの不意打ちによって倒された。

そして、水を差されたアルジュナはそれを不服として離脱。そのまま、クーフーリン・オルタと俺達の戦闘に突入した。

 

でもね、これ、想定内なの。

 

いや、カルナがやられたのは想定外だったし、痛かったけどさ。向こうはアルジュナ失ってるからね?

 

クーフーリン・オルタがここに現れることは想定してた。何せ俺のチームは騎士王五人とネロ帝、カルナ、ラーマの超攻撃型パーティーなのだ。誰だって俺が本命だと思う。クー・フーリン・オルタの性格上、攻撃は攻撃で叩き潰すと思っていたから、ここに来ると予想していた。

 

だから、これ幸いとネロ帝にお願いして、宝具たる黄金劇場で、俺達ごと閉じ込めてもらった。

 

クー・フーリン・オルタは俺達が攻撃の要だと思っただろうけど。本当は俺達が足止めなんだよ。いや、わかっていても戦力が集中しすぎて無視できなかったのかもしれない。ただでさえ、ロビンフッドとアパッチ族の皆様の活躍で北部人員が六割削られたんだ。雑兵を当てるのも難しかったろうし。

 

作戦の実行から数時間。なんにせよ、これで

 

アルジュナ離脱。

アイツのチームはほぼストレスフリーで本拠地に到達。

そして、クー・フーリンのオルタが罠にはまってる。

 

これほどの戦果が上がったのだ。

 

今きた北部の部隊からの連絡によると北部はベオウルフが投入されて、ほぼ均衡状態となったとはいえ、戦力に余裕はあるらしい。

 

素人考えの作戦にしては上手くいったというレベルではない。作戦がうまく行きすぎてる。と思うぐらいだ。

 

いや、ある意味当然かもしれない。

 

だって。このチーム編成、俺と歴戦の戦士たちによって練られたいくつかある作戦と、それのためのチーム編成パターンの中から騎士王達の直感で上手く行くと思ったやつを選んでもらったからね。

上手くいって貰わないと困る。

 

 

で、今。戦闘開始から早くも小一時間経っているが激しさを増していくばかりだ。いや、待ってこの人強すぎない?!

色物ばかりとはいえ、カルデアの誇る屈指の戦力である騎士王連中と、現地サーヴァントでも指折りの武闘派相手に、しかも黄金劇場で力を削がれてなお渡り合ってんだけど?!

なんならこっちがむしろ押されてんだけど?!なんなのこの人、どんどん強くなってるんだけど?!姿どんどん変わってくんだけど?!

 

護衛として側についているリリィ、がマスター、もっと下がりましょうと進言してくるのだけど、いやまって、ここ最後列なの!やめて!それ以上押し込まれたら、壁にめり込む!

 

くそ!かなり時間は稼げてるけどアイツはどうなったんだ!黄金劇場の中じゃ通信も思うように行かない!

 

「む!すまぬ!これ以上はもたん!」

 

え?ネロ帝?まさか、この状況で?黄金劇場とけるの?

 

確認する間もなく黄金劇場が消えた。ただでさえ強いクー・フーリン・オルタがより強くなって再登場だ。

嬉しくない。

しかもなんだろうこの嫌な感じがする、まるで魔神柱がいるような。

 

「この感じは、チッ!あの女逝ったか」

 

あ、通信が繋がった。え?メイヴは撃破したけどすんでのところで二十八人の怪物になぞらえて魔神柱を召喚した?しかも28本?まじかよ。

で?聖杯は?え?なかった?

 

まさか?と思ってクー・フーリン・オルタを見る。手元にいつの間にか見慣れた聖杯が抱えられていて。

 

お前がもってたのかよ!そりゃ強いわ!姿もより最適化されて変化もするわ!

 

メイヴ死んだのにまだやるの?何で殺意マックスなの?

 

え?メイヴの心意気に答えて死力を尽くす?何それカッコいい。けどやめてほしいかな?

 

ん?通信の続き?こっちに助っ人に行く?それはありがたいし嬉しいけどさ。

 

お前は北部向かって。こっちは俺がなんとかするから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─立香side─

 

お前は北部向かって。こっちは俺がなんとかするから。

 

あいつからの通信に、心底驚いた。アルテラであんなに怯えていたあいつが、そんなことをいうと思わなかったから。聖杯入りクーフーリン・オルタとか言う怪物相手に増援を断った。声震えてるけど。

 

わかったよ。そこまでいうなら。北部に向かうね。

 

最後にそう伝えて、通信を切った。

 

私が戻るまで死なないでよ!

 

 

 

 

 

 

 

─秋人side─

 

わかったよ。そこまでいうなら。北部に向かうね。

 

アイツはそう言って通信を切った。アイツは、俺を信頼してここを任せた。それに、アイツはアイツはの仕事。メイヴ暗殺をやりとげた。

 

なら俺も、俺の仕事をやり遂げよう。

 

クーフーリン・オルタは必ずここで、俺達が仕留める。

 

 

 

 

 

という訳で、作戦を思い付いたんだけど皆。

 

令呪でブーストするから。突っ込んで仕留めてくれる?

 

滅茶苦茶言ってるのはわかるけど、俺を信じて託して欲しいんだ。

 

やってくれるの?自分で言っといてなんだけど、俺ならふざけるなってぶん殴ってるよ?

 

えっちゃん?私は貴方の剣ですから、思うように振るってください?

皆も同じ気持ちなのか?そっか。ありがとう。

 

令呪をもって命ずる!一気に攻めて敵を斬れ!

 

すべての令呪を魔力リソースとして捧げ、アルトリアズをブーストする。

 

作戦開始だ。

 

作戦にしたがって突撃するアルトリアズを迎撃せんと繰り出される槍。しかし、それらを一人一撃ずつ迎撃する。

 

最後にえっちゃんがクーフーリン・オルタの眼前に迫る。防御など考えもしていないえっちゃんに、クーフーリン・オルタもまた全力をもって叩き落とそうと槍を振り上げた。しかし、その槍が振り下ろされることはなかった。

 

なぜなら、体が一瞬。前触れもなく硬直したからだ。ほんの一瞬。しかし、歴戦のヴィランたるえっちゃんには、そのほんの一瞬で十分だった。

 

クーフーリン・オルタの無防備な懐に潜り込んだえっちゃんの宝具が展開される。

 

ゼロ距離から撃ち込まれた『黒竜双剋勝利剣』は見事にクーフーリン・オルタを貫いた。

 

 

 

 

 

 

 




えっちゃんを膝に乗せてこたつでグータラしながら、和菓子シュレッダーにしたかった正月。


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第26話 そういえばヒーローがよく言う「安全な所」ってどこなんだろうね?四国?

カップリング戦争してたら時間がたってましたすみません。

今回もよろしくお願いいたします。


着ていてよかったカルデア戦闘服。

 

魔神柱さえ足止めすると噂のガンドは見事にクー・フーリン・オルタの体を硬直させた。確証はなかったし、上手くいかなけりゃ死んでたけど。なんとか上手くいった。こんな不確定な作戦立てたくなかったんだけど、ああなってしまえばしょうがない。

勝てば官軍である。

 

なんにせよ、これでクーフーリン・オルタは倒せた。さすがに、えっちゃんの宝具で貫かれて助かるとは思えな……

 

え?待って?何で立ってんの?あ、その聖杯まっ………

 

満身創痍のクー・フーリン・オルタは聖杯を掲げると魔神柱に変化した。

 

暴力的な魔力の奔流。天を突くほどの巨体と無数の目。何度も俺達を追い詰めた魔神柱がまたもや顕現した。

 

なんなの?

セプテムから思ってるんだけどさ。

何で終盤になると皆巨大化するの?

ス◯パー戦隊ものなの?日曜朝7時30分なの?ちゅーか、巨大化するならすんなりやられて?頼むから。てか何で魔神柱皆もれなく強力なんだよ。いっつも令呪でブーストしてゴリ押してたからね?俺もうゴリ押しできないの!令呪使い終わったの!令呪使い終わったら特異点の戦い終わりなの!何で理解してくれないの?アイツ見習えよ!どんなやつでも理解はしてくれるぞ?納得はしてくれないこともあるけど。

 

こっちは疲弊してて、令呪もなくて、アイツの援軍は期待できないこの状況で魔神柱の相手とか恐怖と絶望以外の何でもない。

 

だけど

 

ホントに、滅茶苦茶怖いけど、アイツには、こっちはなんとかするって言っちゃったからな。それに、絶望具合はあっちの方がよっぽどだろう。

 

約束は守らないと。アイツを一人にしない。アルテラの時にそう誓ったんだ。

 

いくぞ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

え?待ってこいつ強すぎない?

執拗に俺ばっか狙ってくるんだけど!実は中身クー・フーリン・オルタのままだったりしない?おかげで指示を出すどころじゃない。防戦一方だ。

 

アルトリア・ペンドラゴンは超攻撃型。喚んだらほぼほぼセイバークラスで来る完成されたサーヴァントだ。いやまあ、うちセイバークラス一人しかいないけども。とにかく、そんなアルトリアズでもここまで執拗に俺ばっか狙われるとつらいようだ。それにさっきの全力攻撃で魔力の残りも心許ない。

 

ラーマ達も果敢に攻撃してるけど、魔神柱の再生力に任せたノーガード戦法で俺ばっかり攻撃してくる。

 

あー、くそ!せめて防御に特化したサーヴァントが一人でもいればなぁ。

そんな時だった。アルトリアズのガードを掻い潜った一撃が眼前に迫ったのは。

 

あ、これ死んだわ

 

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫ですか!秋人先輩!」

 

走馬灯が駆け巡り出した時、目の前に割って入ったのは、大楯を構えた濃蒼の影。

 

 

桃色の髪をなびかせ振り返ったのは、我らが後輩マシュ・キリエライトだった。

 

 

 

 

 

 

─藤丸立香─

 

間に合ってよかった。

 

まず最初にそう思った。

なんだか胸騒ぎがして、マシュを先行させたのが功を奏したみたいだ。

 

まったく、形勢不利なら一回引くくらいしても良さそうなのに無茶するなんて。

普段ならやらないのに。

 

もしかして、こっちは任せろって宣言したから意地でも残ったの?もしそうなら後でお説教だね。

 

おーい無事?大丈夫?え?あっち?大丈夫だよ。頼りになる助っ人を送ったからさ。

 

それより、こっちの魔神柱を倒すよ!

 

 

 

 

─秋人─

 

アイエエエエ! マシュ!? マシュナンデ!?

 

アイツにはあっちの24本を頼んだはずだよね?なのに何でこっちにいるの?え?頼りになる助っ人を送った?え?誰よ?は?アルジュナ?敵だよ?え?問題ない?わかった。お前がいうならそうなんだろう。よし!聖杯回収しますか!今なら負ける気がしないし。

 

 

 

そこからはもう酷かった。マシュを始めとして防衛に特化したサーヴァントに守られつつ攻撃指示を出した。

聖剣のリチャージ早くね?って?残念だったなカレスコ(トリック)だよ。

 

北部も決着が着いたようだ。アルジュナの捨て身の一撃で粉砕したらしい。流石インド、イカれてるな。というかアイツはよく元敵に任せたな。

相変わらず信じることに長けた奴だ。まあ、アイツはそいつがして欲しい態度を無意識にとる奴だし、今のアルジュナにはそうすることがよかったんだろうな。

流石立香!俺できないことを平然とやってのけるッ!そこにシビれる!憧れるぅ!

 

 

こうして、魔神柱は夏のお祭り映画のラストボスのようにボロボロにされ、聖杯は無事回収された。

 

 

 

 

え?この後話がある?え?お説教?なんで?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




緊急事態宣言の今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか?私は連日平成をキメております。本来ならばその時間で皆様の時間潰しこと投稿をすべきなのでしょうが、なんかモチベが上がらずこの体たらくとなってしまいました。申し訳ありません。これからもなるべく投稿を続けられるよう努力して参りますので、どうかお待ちいただけると幸いです。

PS.つい先日、風邪で寝込んでいたところ。
『素手で触れた生物を感度3000倍にしてしまう能力のせいで孤独になった男が、能力を消すために参加した聖杯戦争でメルトリリスを召喚する』という謎の夢を見ました。『感度3000倍メルトリリス』が(感度だけは多少)普通の女の子になってました。
はいそこ!0になんぼかけても0じゃね?とか言わない。






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第27話 普段明るいヒロインが突然見せる暗い一面って良いよね

ワルキューレの中でヒルドが、実は一番闇抱えてそうなヒロイン感あるよね


四国の人気に嫉妬


第五特異点の修復から1日。俺とアイツは久しぶりにピリピリしていた。

 

召喚の日なので食堂に集まった俺達だが、いつもなら並んで座るのに、アイツとは一言も交わさず離れて座っていた。食堂全体が重苦しい。

 

あの後、言われた通りにお説教を受けた。

おっしゃる通りあそこは一度引くべきだったと思う。ただの意地で不利な中留まるべきではないからだ。だがしかし、これは譲れない意地だった。

 

アイツの背中を守りたいという意地があったから引けなかったのだ。

 

アイツは俺のただ一人の友人だ。だけど、アイツには多くの友人がいる。意地でも幼なじみとして近くにいなければ、アイツにおんぶに抱っこで頼りっぱなしの俺なんか捨ててを離れてしまうんじゃないかと、昔から恐れていたから、不利でも引けなかった。いや、引きたくなかった。

 

 

ああ、そうか。一回気づけば簡単だ。

 

 

 

 

 

 

 

一人になるのが怖い。アイツに捨てられるのが怖い。

 

 

 

 

 

 

アイツが勝手に俺の就職先を斡旋した時も、アイツが人理のために戦うと言った時も、俺は一人になりたくないから付いていったし、捨てられたくないから戦った。

 

 

 

本当に、自分でも嫌になるくらい自分勝手な臆病者のバカ野郎だ。

 

 

 

この気持ちを素直に吐露できればどれ程楽だっただろうか。

だが、「俺はお前から離れたくないです。捨てないでください!何でもしますから!」とか本人に言える訳ねぇのだ。いや、言えないわ。恥ずかしいとか超越した感情だぞこれ!

 

というか、なんでアイツ読み取らねぇんだよ。いつもなら勝手に俺の心読むくせに、なんで今日だけ都合良くピンポイントで読めねぇんだよ!

そんな訳で、

 

「引くべきだったのは分かってる。けど、引きたくなかった」

 

って答えたら、当然何でかを訊かれる訳なんだが、俺の依存症気味の気持ち悪い気持ちなんか言えるわけないので黙っていたら、アイツがカッとなって、そのまま俺もカッとなってしまったのだ。

 

そして険悪なまま今に至ると。

 

「マスターさん。どうかしたんですか?今日のご飯の味付けが薄いですよ?」

 

えっちゃんマジで?うわ薄!おかしいな味噌は入れたはずなんだけど。あ、出汁忘れてた。エミヤ?え?今日は休め?いやでも、あ、はいわかりました。

 

そんなこんなで絶不調である。Xすら今日の鍛練は休みましょうとか言ってくる始末である。

 

あー、召喚できるかな?え?そのコンディションじゃ無理?今日は急遽休みね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─藤丸立香─

 

あいつと久しぶりに喧嘩した。

 

理由はあいつの行動だ。不利なら一度引くべきだったんじゃないかと伝えたら、「引くべきだったのは分かってる。けど、引きたくなかった」と言われた。何でか聞いても答えてくれなかったので、ついカッとなってしまった。

 

でも頭を冷やしてみると、引かなかったのも理解できた。私が相手する予定だったのは24本の魔神柱だ。普通に考えて勝てる筈のない相手。でも、一つだけ手はあった。それは魔神柱になったクー・フーリン・オルタから聖杯を奪うこと。あいつは素早く聖杯を手に入れ、特異点を作り出せるほどの魔力を背景にゴリ押すつもりだったのかもしれない。

 

なんだよ。私のこと、もっと頼ってくれても良いのに。

 

私が勝利する可能性はないと勝手に判断して!そんなに私は頼りないか!ああ!もう!イラッとする!

 

いやまてまて、落ち着くんだ私。あいつがそんなこと考えるタイプか?確かに無駄に上手いこと動かすけど、だいたいテキトーにだし。いやでも、意外と考えそうではある。考えなかったとしたら何で意地なんかわざわざ張ったんだろう?

ああ!もう!いつもなら、何もなくてもあいつの心が手に取るように解るのに、何で今回ばっかり解らなくなるの!都合悪すぎるよ!

 

どうしよう、出会ってから初めてだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あいつのことが解らない……………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな、嘘だ。何で?どうして突然?今までこんなこと無かったのに。

 

どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう。

 

このままじゃ、あいつが私の前からいなくなってしまうかもしれない。

 

今まで私が前向きでいられたのは、必ずあいつが後ろにいてくれるって解っていたからなのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

ああ、そっか、私は。

 

あいつが張った意地とか、相談しなかったこととか、そんなのどうでもよかったんだ。

 

勝手にカルデアに就職させた時も、今も。

 

ただただ、あいつが居なくなるのが嫌で、怖くて、八つ当たりしてたんだ。

 

 

 




主ぐだ「「捨てられたくないよぉ……(プルプル)」」


ソーシャルディスタンスですね。(心の距離的な意味で)


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第28話 仲直りは話し出すまでが難しい

遅くなりました。前回から二年以上もお待たせして申し訳ありません。

そして、明けましておめでとうございます。


部屋で一人考える。

 

アイツとこのままは嫌だ。それだけは確かな感情だ。

 

どう話したら良いものか、「捨てないでくれ」なんてとてもではないがアイツには言えないし、かと言ってこのままでというのも、と堂々巡りを続けて行動に移せない。 

 

そんな堂々巡りの中、ベッドに倒れて天井を見上げる。

 

 

 

そもそもなんで俺はアイツに依存しているんだろうか?

 

 

 

コミュニケーションが取れるのがアイツしかいないから?

 

いや、それならアルトリアはどうなんだ?

 

紛いなりにもコミュニケーションらしきものは取れているし、自惚れでなければ良好な関係が築けている筈だ。

 

契約サーヴァントだからか?

 

いや、なら第四特異点のジャックちゃんやナーサリーちゃんはどうだろう?

 

彼女らの契約者はアイツだ。俺とは同じ拠点を利用する仲間というだけの関係だったが自惚れでなければ最後の方は良い関係を築けていたのだ。

 

他にはフランちゃんとも話したし、ロマンともそこそこ話す関係だ。

 

あれ?意外と俺はコミュニケーション能力があるのか?ならなんでカルデアに来る前はアイツとしか話していなかったのか。

 

俺のスマホにはアイツの連絡しか入っておらず、クラスのチャットグループすらないシンプルなものだった。

 

あの頃からおんぶに抱っこだったんだな。

 

 

 

そんな事を考えていると、扉が開いた。

 

誰だろう?

 

顔を上げるとそこにいたのは意外過ぎる人物だった。

 

 

「少々お時間よろしいですか?」

「あ、はい」

 

短い肯定の後に俺はそこにいた人物─清姫─を部屋に入れた。

 

唯一ある椅子を渡し、お茶を入れると彼女は礼を言って一口啜って口を開いた。

 

安珍様(ますたぁ)についてお話を…」

 

あ、死ぬんだぁ………。

 

 

 

 

 

 

 

「秋人様には早急に安珍様(ますたぁ)と仲直りしていただきたいのです」

 

清姫はバーサーカーとは思えない程理性的な口調で言った。

 

「それは、どうしたらいいのかわからないというか」

「嘘です」

「嘘?」

「秋人様は既にどうすれば良いのかお分かりですから」

「それは……」

 

そうだ。

 

実はわかっていた。

 

アイツと仲直りする唯一で最も手っ取り早い方法。

 

それは、全てを話すこと。だが、もしそれでアイツに愛想を尽かされたら。

 

 

そう言うと清姫は大丈夫だと言う。

 

確信を持てない俺に清姫は苛立ったように言った。

 

「本当は、安珍様(ますたぁ)を信じていないのですね」

違う

 

叫んでいた。自分でも驚くほどに大きな声だった。

 

そんな俺を見て、清姫は満足そうに微笑んで部屋を出ていった。

 

気づけばなんてことは無い。そもそも躊躇う理由なんて無かったんだ。

 

 

 

 

 

俺は確かな足取りで部屋を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─藤丸立香─

 

 

 

 

どうしたらいいんだろう。あいつが分からない。

 

そんなの嫌だ。

 

わからないということが怖い。

 

 

もしかしたらあいつに嫌われるかもなんて考えただけでおかしくなってしまう。

 

 

 

カルデアの皆が言う。

 

立香ちゃんは誰でも恐れず関わって、して欲しい対応をしてくれる、と。

 

 

 

実は違う。私が他人と関われるのはたとえ全てに嫌われても絶対に私を嫌わないと確信できる存在、つまりあいつがいるからなのだ。

 

本当の私はもっと臆病で、わがままで、どうしようもなく利己的な女だ。

 

 

 

きっとマシュもあいつも、私の本性を知れば離れて行く筈だ。そんなの耐えられない。

 

 

 

どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう

 

 

 

どうしたら元に戻れるだろうか?

どうしたら嫌われないで済むだろうか?

 

 

 

こんな時にも利己的な思考に走ってしまう自分がやっぱり嫌いだ。

 

自己嫌悪に溺れそうな時、扉が開いた。

 

「やぁ、立香ちゃん。ちょっといいかな?」

「……ロマン?」

 

そこには、ロマニ・アーキマンが立っていた。

 

 

 

 

 

 

「立香ちゃんはどうしたい?」

 

ロマン秘蔵のココアを飲んで、他愛ない話をして、落ち着いたところでロマニが優しい口調で言った。 

 

どうしたい──か。

そんなの決まっている。あいつと前みたいに……。そう言いかけて口籠る。

 

前、みたいに?

 

本当に、そうしたいのか?

 

本当は?

 

本当は、あいつとどうなりたいの?

 

 

「前みたい……じゃ無くて…でも、私は」

 

 

吐き出した。少しだけ。あいつとホントはどうなりたいのか。

全部を吐き出す時はまだ少し先で、その時はきっとあいつに。

 

「そっか、なら迷わず行きなさい」

 

最後まで聞いてロマンは去って行った。どこか儚げな、何時でも消えられるような、そんな笑顔だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─謎のヒロインXオルタ─

 

「何故ですか?」

「何故、とは?」

 

清姫の部屋で質問を投げかけた。

 

紅秋人(マスター)は貴女にとって邪魔者な筈では?」

 

どうして恋敵を助けるのか?その問いに彼女はクスリと微笑んで答えた。

 

「私は安珍様(ますたぁ)をお慕い申し上げております。だから、安珍様(ますたぁ)には何時も最高の笑顔でいて欲しいのです。今にも龍になってしまいそうですが、安珍様(ますたぁ)は秋人様と一緒に過ごされる時が一番ですから…」

 

清姫は一度口を結ぶと絞り出すように続けた。

 

「解りたく無くても解ってしまうのです。私は、」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私は、嘘が嫌い(・・・・・)、ですから」

 

 

彼女の言葉と共に流れた雫は狂化によるモノなのか、私にはまだ解らなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─紅秋人─

 

 

「ねえ」

「あのさ」

「先にいいよ」

 

互いの部屋から丁度中間地点。俺とアイツは出会うなり口を開いた。

アイツに促されて、一呼吸置いて、深呼吸をしてようやく覚悟が決まった。

 

先に吐き出される自分の心。

 

捨てないでくれ。

一人にしないでくれ。

 

俺がアイツならその場で決別するだろう発言をアイツはただ黙って受け止めてくれた。

 

その果てにアイツの口が開かれる。

 

体感時間が引き伸ばされる。永い永い刹那に俺の思考は回り続ける。

 

怖い。

 

アイツの答えを聴くのが怖い。

 

それでも、

 

それでも、逃げる訳にはいかない。

覚悟を決めたんだ。

清姫が狂化をお抑えつけてまでくれたチャンスなんだ。

無駄にはできない。

ある意味で魔神柱の前よりも恐怖と緊張が支配する。

 

 

 

「そっか…な〜んだ。私と、一緒、だったんだ」

 

 

 

紡がれた言葉は否定でも気休めでも無く、心から漏れ出た様な安堵だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

─藤丸立香─

 

 

「そっか…な〜んだ。私と、一緒、だったんだ」

 

心から滲み出でた言葉と共に心の中に安堵が広がる。

 

私とあいつは同じだったんだと、きっと私の言葉も受け入れてくれると……。

 

だから、

 

これからも親友でいられるかな

 

だから、

あいつの最後の言葉は、

 

 

無防備な私の心を深く突き刺した。

 

 

そっか…そうだよね。

 

あいつも一人の人間で、私のお人形じゃないから、だから考え方は違って当然で、だから食い違うのは当たり前で、全く同じ心だなんてあり得ないモノだから。

 

私がフラれる可能性なんて必ず存在していて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「嬉しいな私も同じ気持ちだよ。これからもよろしくね。秋人」

 

ようやく自覚した恋心(ホント)は口にする前に友情(ウソ)で塗り潰した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




まああと特異点2個あるからね。





生活環境がガラッと変わったり、書いたやつ消しちゃったり、色々あってかなりヘラっていたので遅れました。申し訳ありません。


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