俺のヒーローアカデミア[真オリジン] (さくそう)
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志すもの
事の始まりは、中国・軽慶市において、発光する赤児が生まれたというニュース。
普通であれば暫くの間だけお茶の間を賑わせた。しかし、異変はそれだけにとどまることは無かったのだ。
次々と、各地で『超常』が確認され、原因は判然としないまま時が流れ過ぎていく。
『超常』が『日常』に、『異変』が『普遍』に偏移していく中、取り残された人々は何を思うのだろうか。
発現した『超常』を、人は“個性”と謳った。早い話、前時代の超能力者やエスパーも、“個性”を持っている者に分類される。
そして世の中は個性の発現により治安は悪化。個性を悪に振り撒く者は『敵(ヴィラン)』と呼ばれ犯罪数は急激に増えて行った。。その一方で誰もが一度は夢をみた『ヒーロー』という職業も敵の発生と同時に現れた。〈『ヒーロー』が『敵』を捕まえる。〉今まではコミックの中だけだった物語が個性の発現で現実になった。そして人々は『ヒーロー』に憧れ目指すようになった。
しかし個性が発現し夢の中だけであったヒーローになれない者もいた。“個性”を発現しないまま育っていく前時代の者達は、“無個性”と称され、“個性”を持つ者が人口の八割を超えた現代においては、進化の過程で置いてけぼりにされた者達と罵られることも少なくない。だか個性を発現してもその個性の特性が故に人に軽蔑され避けられる者もいる。
これは個性が発現した世の中で1人の少年〈見極 真〉がヒーローを目指す物語。
キーンコーンカーンコーン
昼休みが終わり五時間目のが始まろうとし生徒たちは各々席に着き教室に先生が入ってくる。
「みんな席に着けー。今からは進路希望のプリント回収するぞー。」
高校入試まで約10ヶ月。中学3年生は進学先を決める大事な時期だ。
「やっぱりみんなヒーロー科志望か。お?八百万やっぱり雄英か。俺のクラスから雄英生が出るなんて鼻が高いな。」
「マジで⁉︎あの雄英!」
「マジかよ八百万。」
「八百万さん雄英なんてすごいね!流石だね!」
雄英高校
プロのヒーローを多数輩出している名門校で、特に2クラス設けられている「ヒーロー科」の人気は高く、入試は300倍の倍率となり偏差値は平均70を超えている程の超難関高。
「まぁ八百万の個性なら当然だよな!」
「色々なことできるし『ヒーロー向け』の個性だもんね。」
「いえ、それ程では...「お?それと飛彩も雄英志望か。」
「...え?真はも?」
「マジかよ真wお前も雄英って本気で言ってんのかよw」
「...悪いかよ。」
「いやだってよwお前の個性って地味だしヒーローできんのか?w」
「オールマイトみたいな『怪力』もエンデヴァーみたいな『炎』もないのにどうやってヒーローなるんだよw」
「お前らー、その辺にしとけ。」
「確かにどっちかと言うと敵っぽいよなw」
「そんなのは使い方と使い所だろ。それに雄英受けんのに個性は関係ねぇだろ。」
「お前の個性じゃ実技試験が無理あるだろw」
「それにあそこ倍率もやばいじゃんw」
「でも真頭はいいから筆記はいけるだろ。」
「けど真の個性なら勉強しなくても満点とれそうだよなw」
「なんだとテメェ‼︎」ガシッ!
「⁉︎ゴ、ゴメン!冗談だって!そんなんでキレんなよ!」
「真さん!」
「真離せ!モブ男もいい加減にしろ‼︎」
「...ッチ。」
「ゴホッゴホッ!ちょっと冗談言っただけじゃねぇか。何マジになってんだよ。」
「テメェ...」
「やめろモブ男!職員室に呼ばれたいか!」
「ッチ。分かりましたよ。」
モブ男と真の喧嘩によってクラスが緊張した空気になりそのまま授業は終わり放課後となった。苛立ちを隠せない様な面影で参考書を買う為本屋へと向かう。
〈確かにどっちかと言うと敵っぽいよなw〉
〈けど真の個性だと勉強しなくても満点とれそうだよなw〉
さっきのモブ男の言葉が何度も頭の中を駆け巡る。今までに何度かあの様な言葉が言われたが何度言われても慣れてはいたがやはり頭にくる。しかし1番頭にきたのは...
〈オールマイトみたいな『怪力』もエンデヴァーみたいな『炎』もないのにどうやってヒーローなるんだよw〉
(クソ。ヒーローになるのにそんなに『力』が大事かよ。)
ヒーローには様々な能力が求められる。その中でも最も求められるのが分かりやすく至極単純な『力』だ。いち早く敵を見つけても敵に勝てなきゃ市民を守れない。『力』だけが全てではないが真自身もヒーローには『力』が必要なのは分かっている。
しかし真にはオールマイトの様な〈怪力〉も無ければエンデヴァーの様な〈炎〉も出せない。エッジショットの様な〈速さ〉もない。自分にはヒーローに必要な『力』が足りないのは自分が一番わかっている。兄達や父親に技術を教わっているもののやはり人に限界がある。
さらに今世間では個性で『ヒーロー向け』『敵向け』という考えが定着している。
(...けど俺は考えを変える為にも雄英に絶対入るんだ。そして個性に関係なくヒーローになれる事を証明してやる。)
真が雄英に入る目的は二つある。
一つ目はヒーローに憧れているからだ。恐らくこれはヒーロー科を目指す物は全員が持っているであろう目的だ。
二つ目は個性によるイメージの改変。これは個性によって〈敵向け〉や〈ヒーロー向きではない〉などの個性のイメージを変える事。真は個性が敵向けとよく言われるがそれは個性の使い方によって決まる。真は個性によってヒーローを諦めている人達に希望を与えるために雄英に入りヒーローになる事で個性だけがヒーローを決める要素ではないと証明する為だ。
「けどまずは雄英に受からないとな。」
「真さん!」
「ん?八百万か。どうした?」
「い、いえ。校門を出て行く姿を見かけたのでご一緒に帰宅をと思いまして...」
「俺少し本屋寄ってくけどいいか?」
「はい。構いませんわ。」
本屋へ向かう八百万と合流。道中雑談していると話題は先程の受験の話になっていった。
「しかしモブ男さん許せませんわ。真さんの考えも知らずに進路を笑うなんて考えられません。」
「まぁ俺が雄英目指す理由は八百万ぐらいにしか言ってないからな。大体の女子は俺とそんなに話したがらないし。男子達は笑うだろうしな。」
「私が許せないのはそこですわ。真さんは達成するべき立派な目的がありますのに自身でその目的を汚す様なことする筈ありませんのに。」
「ハハッ、こうやって俺と話してくれるのは八百万ぐらいだな。確かに使い方によっては敵向けだし女子が避けるのも分からなくもないしな。」
「そんな事ありませんわ。真さんは個性をその様な低俗な使い方はしませんわ。私が保証しますの。」
「俺もヒーロー科志望としてそんな使い方はしないけど周りには使ってないなんて分からないしな。」
個性:『視覚強化』
自身の視覚を強化する事が出来る。
1.動体視力強化 文字通り動体視力が強化され物の動きはがハッキリ見える。銃弾の速さまでなら躱せる。
2.観察眼 見たものを観察し対象の癖や特徴を記憶する。
3.遠方強化 遠くのものがハッキリとみえる。範囲は2キロ程
4.熱源可視 サーモグラフィーの様に熱源が見える。
5.複眼 視野に入ったものを複数同時に見れる。
6.全方位視覚 360度視認出来て死角がない。
7.透過 壁などを透かして見ることが出来る。
またこれら7つの能力を2つまでなら重複して使用できる。
これだけを見れば真の個性は強化だかクラスメイトに避けられる原因は7つ目にある。
7つ目は小学校の頃男子が悪ふざけで真が女子の服を透かして見てる、テストをカンニングしているなどの悪ふざけが広まりこのまま残ってしまってる。そのお陰で今でもテストは一人個室で受けている。
「それに正直雄英に受かるかは際どいしな。」
「そんな事無いですわ!真さんなら絶対に「いいよ八百万。」
「...!」
「俺だって雄英のヒーロー科は受けたいしヒーロー科で学びたい。確かに筆記で受かっても実技試験が相性が悪い。八百万も今年の実技試験の内容知ってるだろ?」
「...」
「俺の個性じゃ仮想敵演習は厳しいからな。」
「し、しかし今年の実技試験が仮想敵だと決まったわけでは...」
「一昨年去年って同じ実技試験で今年も仮想敵が採用されるって噂だからな。」
「ですが...」
「けど諦めた訳じゃないよ。ただ雄英に受かる可能性が低いから雄英に受からなかった時の事を考えてるんだけどそれがなかなかね。」
「そうですか。」
「なんで八百万が不安そうな顔してるんだよ。」
「いえ、私としても真さんには雄英に受かって目的を達成してほしいですの。それに...」
「それに?」
「ご友人が同じ学校にいないのは心細いですから...」
「...。」
「な、なんですのそのお顔は!」
「アッハッハッハッハ!そうだな。八百万と俺の為にも雄英に受からなきゃな!」
「笑わないださい!」
「アッハッハゴメンなんか以外でさ...」
他愛もない話をしながら真は参考書を買って八百万別れ家へと帰った。
〜〜〜
「ただいま」
「おうおかえり。」
「才人帰ってたんだ。プロヒーローの相棒どんな感じ?」
「今日明日って休みもらったんだよ。まぁボチボチだな。そっちこそ学校はどうなんだ?そろそろ受験だろ?」
「やっぱり第1志望は雄英だよ。第2志望とかは決め兼ねてるけど。」
「万が一のために第2志望も決めとけよ。...そうかやっぱり雄英受けるんだな。」
「目的達成のためにはね。せっかく帰って来たんだからどうせなら組手やろうよ。」
「やだよ。悔しいけど組手ならもう前の方が強いだろ、力也に頼めよ。」
「え?力也も帰って来てんの?久々にみんな集まってんじゃん。」
「ついさっきな。そろそろ飯らしいからリビング行っとけ。」
〜〜〜
「おぉ力也も才人も帰って来てたのか。みんな集まるのはいつぶりだ?」
「お疲れ父さん。半年ぶり?」
「一月じゃないっけ?」
「おかえり親父。3か月ぶりだよ。それより真。やっぱりお前受験校はやっぱり雄英なのか?」
「そこは変わらないよ。」
「...今年も実技試験が仮想敵演習らしいぞ?それでも行くのか?」
「それでも俺は雄英を受けるよ。」
「そうか受けるからには頑張れよ!」
「力也は士傑、才人は士戦、そして真は雄英。息子三人が名門校なんて親としては花が高いな!」
「父さん気が早いよ。そうだ飯終わったら父さんと力也組手に付き合ってよ。ちょっと試したいことがあってさ。」
こうして試験まで刻々と時は過ぎて行く。
主人公のプロフィールや家族構成、八百万との関係などは次の話の頭で書きます。
主人公の個性ですがざっくり説明すると写輪眼と白眼に熱源探知と嘘発見器がついたようなものです。
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雄英高校入試試験
↑これは漫画でいう次のページへ的な物だと思って下さい。なにぶん文才がない無いのでこんな感じでしか話を繋げない、
保存日時:2017年07月13日(木) 12:38
主人公 見極 真 〈みきわめ まこと〉
15歳 誕生日 7/7
家族構成や友人関係などなど
・父親 飛彩(ひいろ) 修二 ・母親 飛彩 涼子・長男 飛彩力也 ・次男 飛彩才人
父親、長男はプロヒーローで次男はヒーローの相棒 母親は専業主婦
真が個性のせいで周りから避けられているのは家族は知っている。また雄英に行く目的を知っているため父親や兄達は真に格闘技術やそれに必要な知識などを教えている。その為身体能力や格闘技術は轟寄りも上。八百万とは中学1年からの中。真が腹を割って話せる数少ない友人。
真の両親は真が4歳の頃に敵によって殺されており真自身も敵に誘拐されヒーローに保護されたのは8歳になってから。その時保護したのが今の父飛彩 修二ですでに両親がいない真を引き取った。
本人は苗字で呼ばれるより名前で呼ばれる方がいいっと思っていて周りには名前で呼ばせている。理由はプロヒーローと同じ苗字で呼ばれるのは父親の名を借りて甘えてしまう様な気がしている為と自分の本当の姓「見極」を忘れてしまいそうだから。しかし「飛彩」の姓が嫌と言うわけでなく親父は一人の人間、一人のヒーローとして尊敬している。
個性 『視覚強化』
自身の視覚を強化する事が出来る。
1.動体視力強化 文字通り動体視力が強化され物の動きはがハッキリ見える。銃弾の速さまでなら見切れる。
2.遠視 遠くのものがハッキリとみえる。範囲は2キロ程
3..熱源可視 サーモグラフィーの様に熱源が見える。
4.複眼 視野に入ったものを複数同時に見れる。
5.全方位視覚 360度視認出来て死角がない。
6.透視 壁などを透かして見ることが出来る。
またこれら6つの能力を3つまでなら重複して使用できる。
長時間使用すると目が霞んでくる。1つの個性なら一時間以上は使用可能。掛け合わせると時間が減り2つだと40分、3つだと20分程。
弱点
・広範囲攻撃
普通の遠距離攻撃は個性で避けれるが身体能力はあくまで人の範疇なので避けれるのには限度がある。
例)轟、上鳴、爆豪、マシンガン、ショットガンなど
・ムキムキの筋力増強系個性
そもそも打撃が通らない。
例)オールマイト、脳無など
一応ざっくりと書いてみました。ではこれから本編開始です。
〜〜〜
「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、!」
まだ日も上がりきって居ない薄明るい空の下、真は日課であるランニングをして居た。父親に『個性も大事だか最後には自分の身体がモノを言う』と言われかれこれ4年はやっている。朝の5時に起き5キロランニングと筋トレを日替わりでやっている。初めはキツくて堪らなかったがヒーローになる為続けてきた。ランニングを終え帰宅しシャワーを浴びながら真は進路について悩んで居た。
(もし雄英に受からなかった場合の第2志望どうするか...)
目的達成の為にはヒーロー科の最高峰である雄英に受かる事に意味がある。しかし自分の個性では実技試験の合格は厳しい。だからと言って士傑や他の高校に行っても目的から逸れてしまう。士傑や士戦は決してレベルの低い高校ではないが真も目的を抜きにしても雄英には受かりたい。
「どうしたもんか...」
今日は最終の進路相談だ。本来は担任と話し合って受験校を決めるのだが真は第2志望が決まらず周りよりも2ヶ月ほど遅れて居たが流石にこれ以上は伸ばす事ができず今日で受験校を決めなければならない。
今だに悩みながらも朝食と身支度を済ませ学校へ足を進める。
〜〜〜
「真さん、おはようございます。」
「あぁ、おはよ八百万。」
「...?どうかなさいましたか真さん。深刻そうな顔をしていますけど。」
「最終志望校の面談があるんだよ。俺だけこんな遅れてるのにまだ2次が決まらなくてさ。」
「やはり二次は普通科を受けるか決めかねてるのですか?」
「そう。一次でヒーロー科落ちたら第2志望はどこを受けよ...ん?『普通科』ってどう言う事だ八百万?」
「いえ、私てっきりもし一次でヒーロー科合格できなかった場合二次はヒーロー科か普通科で悩んでいるのかと。」
「ごめん。そこで普通科が出てくるのが分からないんだけど。」
「もしかして真さん今年の雄英のパンフレットの普通科を見ていませんの?」
「ヒーロー科は見たがそれ以外は見てないな。どうしてだ?」
「雄英の普通科は今年から体育祭の結果によっては普通科からヒーロー科への編入制度が導入されましたの。真さんなら目を通しているかと。」
「.........マジ?」
「マジ?ですわ。」
〜〜〜
「よし。じゃあ飛彩の一次は雄英のヒーロー科、2次は普通科だな。」
「はい。」
「しかし本当にいいんだな。飛彩の学力なら普通科は問題なく入れるが入ったとしてもヒーロー科に編入出来るとは限らないぞ?」
「可能性が少ないですけどヒーロー科に入れる選択地が2つに増えたのは大きいです。それに体育祭で普通科がヒーロー科を差し押さえていい結果を残して上位に入るなんてカッコいいじゃないですか。それでヒーロー科に編入出来るなら一石二鳥ですよ。」
「...そうか。応援してるぞ飛彩。それと推薦の件なんだがすまん。話は通したんだがその...受かれる可能性の低い生徒には無闇に推薦は上げられないとあしらわれてしまった。本当なら飛彩も八百万と同じく推薦を貰えてもおかしく無いんだが。」
「自分が期待されてないことは知ってます。どうせ他の先生は『個性』で判断してるんでしょ。けど俺はその考えを変える為に雄英に行くんです。大丈夫ですよ先生、俺は絶対ヒーロー科に入ってを見返してやりますから。」
「その目的があれば飛彩は必ずヒーローになれる。先生は信じてるからな。試験まであと2ヶ月悔いが残らないよう頑張れよ!」
最終的な進路も決まり試験までの残り2ヶ月間は勉強に集中出来そうだ。取り敢えず家に帰り家族に今回の事を報告しなければ。
〜〜〜
「え?お前『その個性』でそんな大事な事見逃すって良個性の持ち腐れじゃん。しかもヒーロー科にしか興味がないからって他を見ないのはどうなんだよ。」
「くっ、全くその通りです...」
両親と偶々帰ってきていた才人に話すと最もな指摘を受け思わず下を向いてしまう。
「しかし随分な賭けだな。確かにヒーロー科に入れる道は増えたがやはり道のりは厳しいな。」
「けど真はそれで納得しているんでしょう?なら貴方の進みたい道を行きなさい。私達は貴方の意見に反対する気は無いわ。」
「けど俺よりも偏差値の高いとこに行かれるのは兄としては複雑だな。」
「体育祭で活躍する弟の雄姿を指くわえて見ててくれてもいいんだぞ?」
「なんだとお前⁉︎」
「ハッハッハッ!じゃあ体育祭は家族全員で見なきゃな!」
真の進路を家族は反対せずに受け入れてくれた。ただでさえ色々と不利な条件での受験を受け入れてくれたからにはどうしても受からなければならない。進路も決まり悩みの種も消えコレで試験勉強に身が入る。そして気づくとすでに時期は雄英高校受験日!
〜〜〜
「何だかんだで今日だもんな。あっという間だったな。けど推薦枠は実技試験が一般とは別なんだな。」
「今年は障害物競走みたいですわ。私の個性では少々相性が悪いですが頑張りすの!」
「障害物競走か、もし推薦貰えててもどっちにしろ俺には無理っぽいな。けど八百万の個性なら俺と違って色々出来るから行けるだろ。」
「隣の芝生は青く見えるものですわ。真さんの個性も十分素晴らしい個性ですわ。」
「まぁお互い様だな。お、雄英見えてきたぞ。」
名門雄英高校。真の目的への第一歩にして最大の難所とも言っていいだろう。それが今、目の前にある。
「...デカ」
真が抱いた第一印象だ。さすが天下の雄英高校。体育祭などで間接的には雄英を見ていたが目の前にしてみるとその大きさがよく分かる。
緊張か寒さか武者震いか。手先が少し震える。やっぱりヒーロー科受かれないかも?普通科に受かってもヒーロー科には行けないかも。そもそも雄英に受かれないかも。『かも、かも』とどうしても不安な方へと思考が言ってしまう。筆記ならイケるとは言っていたがいざ本番となるとやはり落ち着かない。
「こう目の当たりにするとやっぱり緊張するな。」
「えぇ、ですがプロヒーローになる為には避けては通れない道です。大丈夫ですわ。真さんは私には無い判断力ありますの。本来なら推薦は私よりも「隣の芝生は青いだろ?八百万。」
「八百万にも俺にも長所も短所ある。せっかく貰った推薦なんだしもっと自信持っていいぞ。」
「そうですわね。私は私の出来ること。真さんには真さんにしか出来ない事がありますものね。」
「そういう事。一般と推薦じゃ説明会場が違うみたいだし試験が終わったらまたここで会うか。」
「わかりましたわ。ご健闘を。」
もともと可能性が低かったヒーロー科。それが普通科からヒーロー科への編入制度のおかげでわずかな光が少しだが大きくなった。普通科と言う保険のおかげで少しは楽な気待ちで試験を受けれる。普通科へ入れてもヒーロー科への編入出来るか分からないがまずは雄英に受かる事を頭に置き説明会場へ向かう。
『YEAHHHHHHH‼︎』
(おぉプレゼントマイクじゃん。)
雄英はプロヒーローか講師を務める為何人かはプロヒーローに教えてもらえる為興奮しているものもいる。些かテンションの高い説明は無視をして内容自体は至極単純。A.B.C.D四種の仮装敵に1.2.3.0とポイントが割り振られていてそれを『行動不能』にする事で点数を得られる。そして仮装敵Dは倒しても0P。それでいて暴れまくるという無視をするのが正解な仮装敵がいる。そこで真はこの試験の一部が気になった。
(仮装敵を『破壊』しなくても『戦闘不能』にするだけでいいのか)
『破壊』と『戦闘不能』一見似ている表現だがその意味は全く違う。仮装敵を破壊して戦闘不能にするのとただ戦闘不能にするとでは仮装敵一体に掛ける時間が大分変わってくる。破壊による行動不能ならば真には厳しい条件だがただの行動不能なら出来ないことはない。まさかの試験当日で可能性が出てきた。説明を終え生徒全員は試験会場へと案内された。
「...デカ」(あれ?デジャブ?)
目の前には小さな町なら入ってしまいそうなほどの『市街地』が広がっている。
(けど限られた仮装敵をこの人数で早い者勝ちだとむしろ狭いのか?そう考えたら機動力がない俺は生徒がいる所よりも生徒が少ない所に行った方が『ハイスタート!』...ん?)
『どうしたぁ⁉︎実戦じゃカウントなんざねえんだよ‼︎走れ走れ‼︎』
「そういう感じかよ⁉︎」
急な開始の合図を聞いて生徒たちは一斉に市街地へと走り出す。
(このまま一緒にいても出遅れるだけだ!)
『透視』と『遠方強化』を同時使用し周囲にる仮装敵を探す。すると10時の方向に誰にも見つかっていない仮装敵Aがいた。生徒の群れから外れ真は仮装敵Aへ向かう。
『目標発見!ブッ潰ス!』
「機械の癖に物騒だな!」
仮装を見つけたがどう見ても素手で壊せるような柔な構造はしていない。
「やっぱり持ってきといてよかった。」
個人による道具の持ち出しが許可されていた為『某密林』で購入した特殊警棒(約1メートル)を背中から抜き構える。すると仮装敵の方からアームを後ろへ引きながら真へ迫ってくる。
(この速さなら個性を使わなくてもいける!)
仮装敵が振ってくるアームを躱しすれ違いざまに警棒を仮装敵に叩き込む。ガァアン‼︎仮装敵はよろけ装甲が一部破損するも行動不能までには至らない。仮装敵はそのまま真に攻撃をするがそれを躱し数回カウンターを入れるもダメージは少なくこのままでは時間だけが過ぎていく。
「やっぱり叩きつけるだけじゃダメか。」
真は『透過』を使って仮装敵の内部を見る。そして仮装敵の首に当たる部分に警棒を構え仮装敵に向かって走り出す。それを見た仮装敵はアームを振るいながら迫ってくるがそれも躱し仮装敵の喉元に警棒を〈突き刺した〉。すると先程まであんなに警棒を叩きつけたのに平気だった仮装敵かたった一撃で倒れ動かなくなった。真が仮装敵の内部を見たのは壊されたくない箇所を見つける為だった。この方法なら殆どの仮装敵は一撃か数回の攻撃で行動不能に出来る。
「よし、このままじゃんじゃん行きますか!」
〜〜〜
始めの仮装敵を倒してから6分後、先程まで順調に仮装敵を行動不能にして来たがここで大きな壁に当たる。
『ヒーローブッ飛バス!』
「こいつら硬ぇ!」
仮装敵Aが減ってきB.Cと対面する事が多くなって来たが敵Cが思ったより装甲が強固で弱い部分を狙った突きでも装甲を貫けない。その上遠くからペイント弾やミサイル(派手なだけ)で攻撃してくる為非常に鬱陶しい。まだ真は敵Aを五体、敵Bを三体、敵Cは0体。このままでは合格は危うい。
「これでやっと一体か、このペースだと間に合わないな。」
弱い部位の攻撃が効かない以上比較的攻撃が通りやすい関節部分を集中的に狙ってやっとの事で一体を行動不能にした。仮装敵Cでは時間がかかりすぎる為A.Bに狙いを絞って倒して行く。そして......
『終〜〜〜了〜〜〜‼︎』
長いようで短かった試験が終わったら。A12体、B8体、C3体
合計22ポイント。仮装敵を倒している最中横目で他の生徒を観察していつが倒した仮装敵の数は少なくはないと思う。その後生徒を集め人数確認を終えた後合格発表の結果日やその詳細などの説明を終え校門で待っていた八百万と共に今日の事を担任に報告する為一度学校へと戻る。
「八百万の方は試験どうだった?」
「やれる事はやり尽くしましたわ。手応えも悪くありませんわ。真さんはどうでしたの?」
「俺もやれる事はやったから後は結果待ちだな。手応えは何とも言えないな。けど推薦入試の実技って言ったらやっぱりすげぇ奴ばっかなんだろうな。」
「確かに皆さん凄い生徒ばかりでしたけどその中でも例年のタイムを大幅に上回る記録を更新した生徒が二人いましたの。風を使うお方氷を使う方でしたわ。恐らくあのお二人は合格すると思いますわ。」
「そう言えばこっちにも一人すごい奴が居たらしいな。何でもビル位の大きさの仮装敵をワンバンで倒した奴が居るとかで......」
学校へ行き試験の報告を終え家と帰宅する。今日は母親以外出払っており今日の事を報告して風呂に入るとドッと眠気が襲ってきた。
(あんなに個性使った1日は中々無いからな。もう寝るか。)
一次試験を終え結果結果が来るまではもしもの為の勉強以外に特にすることもなく時間は過ぎて行く。そして
「真ー!雄英から貴方宛に手紙来てるわよー。」
雄英からの合否を知らせる手紙がきた。恐らく人生で5本の指入る程緊張して居るだろう。手紙を手に取り2度深呼吸をして手紙を開け中身を見るそこに書かれて居たのは...
次もお願いします!
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雄英高校入学!
「で、あるからして君たちには最高のヒーローになってもらうためここ『雄英高校』で技術や知識を学んで将来沢山の人を救って欲しいんだ。」
目に傷の入ったネズミ姿の校長の挨拶が体育館に響き渡る。あの雄英に合格し入学できた事は嬉しいがやはり校長の話というのは長く退屈だ。
先生達の話を聞き流しつつ入学式は終わり各々の各クラスへ散ってゆく。そして真は自分のクラスである『普通科 D組』へ向かう。
時は少し戻り合格発表の日になる。
〜〜〜
「わ〜た〜し〜が〜投影された!」
雄英からの郵便が来ていたの開けるとその中には円盤状の機械が入っていた。するとその機械から映像が投影されそこにはあのNo.1ヒーロー『オールマイト』が映っていた。
「なぜ雄英高校の郵便物から私が投影されるかって?それは私が今年から雄英高校で教師を担当するからさ!...え?巻きで?ゴホン。
君は筆記ではなんと1位!なんと素晴らしい成績だ!しかし実技では22Pと合格ラインには達していない。。実は仮装敵撃破で得られるPのほかに救助Pというものがある。それは審査制で加点されていき君は14P。合わせて36Pだがこれでも41番目。惜しくも合格ラインには届いていなく失格だ。」
なんとなく予想は付いていたが改めて言われるとかなりショックだ。
ここで映像が切れると思い機械に手を伸ばすとまだ続きがあった。
「しかし君の個性柄あの試験は些か不利であった。そこを踏まえて教師達で話し合った結果。筆記試験で優秀な成績を収め不利な実技試験を受け合格ライン届かないが後1つ順位が上ならばヒーロー科へ入学できた。結果、普通科へ入学させるという案が出たんだ。幸いにも君の第二志望は普通科だったからね。本当はヒーロー科へ入れてやれたいんだがそこはどうしようもなくてね。君の希望とは少しズレてしまったが今年から雄英には体育祭の成績によってはヒーロー科への編集制度を導入した。最初からヒーロー科ではないが君の成績と個性なら必ずヒーロー科へ来れるだろう!ようこそ!飛彩少年!雄英ここが君のヒーローアカデミアだ!」
ヒーロー科には落ちたが思わぬ形で雄英高校の普通科へと入学が決まった。嬉しい様な悲しい様ななんとも言えないが一先ず雄英高校への入学は決まった事に喜び両親へと報告した。
〜〜〜
入学式後新入生はクラスへと戻り新しい担任からの挨拶や説明などが終わり自由時間が出来た。各々近くの席のクラスメイトと自己紹介などを交わしており真も近くの席と話していると他のグループの話し声が聞こえて来た。
「え?心操君の個性って『洗脳』なの?」
「洗脳かぁ〜。俺の事洗脳するよ?w」
「わかってるよ。」
「けど洗脳だと色々悪い事できそうだな。」
「....」
真はそのグループの話を聞き少し頭にくる。『個性』で敵っぽいなんて『個性』の使い方次第だ。真は今までに何度も同じ様な事を言われたので少し心操というクラスメイトへ同情してしまう。
「もしかして今も洗脳されてるとか⁉︎w」
「おいマジかよ心操〜w」
「まさか...してないよ。」
「けど洗脳なんてなんだか敵だったら怖い『個性』だな。俺は洗脳しないでくれよ?」
「...。」
「そうか?俺は良い個性だと思うけどな。敵を無力化して無傷で事件解決出来るなんてヒーロー向けの良い個性じゃんか。」
「え?なに急に?」
「それに人の個性だけで敵っぽいとか言うもんじゃなんと思うけどな。」
「な、なんだよ。ちょっと冗談言っただけじゃんか。行こうぜ。」
「あ、あぁ。」
3人の会話の間に真が入り込み心操に話かけていた2人は違う席の所へと行ってしまった。
「ごめんな急に話に入って雰囲気悪くして。」
「...なんのつもりだ?」
「いや別に。本当にヒーロー向けの良い個性だと思ってさ。あ、先生が来たみたいだ。じゃあな。」
先生からこの後の予定を教えられ教科書や体操着などをもらい昼休みに入った。真は持参弁当を持ち静かな中庭で弁当を食べていた。
(やっぱり初日じゃ中々友達は出来ないか。八百万はクラスメイトと昼食べるって言ってたしな。)
「おいお前。」
周りに人はいなく自分が呼ばれたと思い後ろを振り向くと先程『個性』の話をしていた心操がいた。
「確か心操人使君だっけ?どしたの?」
「さっきのはなんのつもりだったんだ?俺を庇ったつもりなのか?」
「さっきも言ったけど良い個性だと思ったから言っただけ「嘘だな。」
「なんでそう思うんだよ。」
「別に良い個性だって思ったぐらいでわざわざ話に割り込んで来て場の空気を乱すか?俺に同情したっていうなら余計なお世話だ。」
「...確かに同情だったよ。けど良い個性だって思ったのは本当だし仮にもヒーローを目指す雄英生に向かって敵っぽいって言うのが気に食わなかったんだよ。」
「それが余計なお世話だってんだ!お前に何が「分かるよ。」
「は?」
「俺も同じ事を言われたことは何度もある。ヒーローを目指してるのに『個性』だけで敵っぽいって言われるたびに頭に来てたしね。それに敵っぽいって言われてて心操君の顔強張ってたしね。けど気を悪くしたならごめん。似た様な境遇かなって思って話しかけようとしたんだけど余計なお世話だったか。」
「.......飛彩の個性はどんな個性なんだ?」
「え?」
「俺の方こそごめん。少し言い過ぎだ。確かにあの時は良い気はしなかっだけど飛彩の言ってくれた事は嬉しかった。飛彩の個性の事とか色々聞かせてくれよ。」
真と心操はそれからお互いの個性についてやヒーロー科へ編入する事などを話し意気投合した。
「けど7つも個性があるなんて凄いな。個性が発現した時から既に7つも個性があったのか?」
「俺8歳までの記憶が無いんだ。それに今の両親とは養子関係で関係で詳しい事は分からないんだ。けど8歳の頃にはもう個性は7つあったな。」
「...ごめん。気が利かなかった。」
「良いよ別に。喋らなきゃ分からない事だし。それにしてもまさか同じクラスに普通科からヒーロー科に編入しようなんて考えてる奴がいたなんてな。」
「まぁ少ないだろうな。個性を鍛えるヒーロー科の奴らを出し抜いて良い成績を残すなんて普通科にはかなりキツイからな。」
「俺もだけど心操の『個性』なんてモロ対人用だから俺よりも不利だもんな。けど体育祭なら競技によってはかなり有利だろ。毎年雄英体育祭は最後に個性有りのバトルトーナメント戦があるんだしそこでは初見殺しだからな。」
「けどネタが割れたら打つ手がないんだよな。」
「そこは上手く相手を誘導してキーンコーンカーンコーン。...ともう時間か。そろそろ教室に戻るか。」
「放課後一緒に帰らないか?飛彩との話は面白い。」
「悪い、帰りは約束してる奴がいるんだ。明日は平気だから明日一緒に帰ろうぜ。」
「分かった。」
「それと俺を呼ぶ時は苗字じゃなくて名前で呼んでくれ。教室での自己紹介でも言ったけど。」
「じゃあ明日一緒に帰るか真。」
「じゃそろそろ戻らないとな、間に合わないぞ。」
2人は教室に戻る間も話が尽きず入学初日から友達が出来た。午後は明日からの予定や校内散策などで終わった。各クラスホームルームが終わり教室から生徒が続々と出てきた。上履きから履き替え正門へ向かうと八百万が正門手前でクラスメイトとであろう女子達と話していてた。遠くにいた為会話は聞こえなかったが何やら少し盛り上がりその後八百万が女子達に頭を下げて八百万以外は帰って行った。
「悪い、クラスメイト達と帰ろうとしてたか?。」
「誘われてましたが真さんとの約束があったので断りましたわ。」
「ありがとな。それにしてももうクラスメイトとあんなに仲良くなったのか。」
「えぇ、それが私のクラスは入学式には出ずに『個性』を使っての身体能力テストが行われてその流れで。」
「身体能力テスト?入学式にも出ずにか?それも八百万のクラスだけか。」
「それも先生の独断ですのよ?なんでも時間を有効的に活用する為にだとかで。更には身体能力テストの成績が悪い者は除籍なんて嘘まで付いて。」
「めちゃくちゃな先生だな。」
「自由が売りの校風は教師側もまた然りだそうです。全く自由が校風だとしても限度がありますわ。」
「それで初日から除籍になった奴はいたのか?」
「危ない方は1人いましたがなんとか除籍は免れましたわ。」
『けど身体能力テストか。個性有りきのテストだったらもし俺がヒーロー科受かっててもそこで落ちたかもな。因みに八百万は何位だったんだ?」
「私は1位でしたわ!」フンス!
「おぉ!流石八百万!」
「推薦入学者として当たり前ですわ!」
「体育祭までに差が開きそうだなこれは。」
「体育祭では負けませんわ!しかし体育祭の成績によってはヒーロー科への編入がありますけどその基準はどういったものなのでしょう。」
「はっきりしてないから一先ずの目標はベスト3に入る事かな。」
「ベスト3ですか...」
「ヒーロー科で周りの奴の『個性』を見た八百万から難しいと思うか?今日の身体能力テストでクラスメイトの『個性』を見たんだろ?」
「そうですね...あまり言い過ぎるのもA組の皆様に悪いですが。詳しい事は言えないですが真さんと相性の悪い個性が3人程いますわ。」
「3人もいるのか。B組のことも考えたら5.6人位は相性の悪い奴がいるって考えた方がいいか。けど全員がトーナメントに上がってくる訳じゃないしそもそも...」ブツブツ
「ま、真さん?」
「あぁごめん。それに八百万もトーナメントまで来るかも知れないしもしかしたら戦う事になるかもな。」
「真さんが相手ですか。もし対戦したら私は真さんに勝てますでしょか...。」
「まぁお互いに『個性』を知ってるって事もあるし何とも言えないな。けど対戦したとしたら容赦しないぜ八百万?」
「あ、当たり前ですわ!手加減なんてされたら私や他の生徒達への侮辱です!それに私は手加減されるほどか弱いと思いで?」
「流石八百万、そう来なくっちゃ。これは体育祭が楽しみだ。」
「お互いに良い成績を残しましょう!...では私はここで。」
「もうここまできたのか。じゃあまた明日な八百万。」
「さようなら真さん。」
分かれ道まで来た所でお互いに分かれそれぞれの帰路を進む。
家に着いた真は今日配られた学校の資料を母に渡し明日から授業に必要なもの買い出し気づくと時刻は夜になっていた。父親や長男次男は既に自身の事務所や事務所に所属している為実家にいふ事は少なく普段は母親と2人でいる事が多い。晩ご飯の支度を手伝い母親の作った料理を食べながら今日の事を話す。
「どうだった雄英高校初日は?」
「1人気の合う奴がいてさ、そいつとは良い友達になれそうだよ。俺の『個性』の事とか目標を話たら『お前の話は面白い。色々聞かせてくれ。』って言われてさ。」
「あなたのことそこまで話したの?」
「相手も似たような境遇みたいでさ。すぐ意気投合だったよ。」
「あら、そんな子が。大事にしなさいよ?」
「当たり前だよ。そして一緒にヒーロー科へ行こうって目標までたてたよ。」
「それは良かったわね。明日からもう授業が始まるみたいだけど内容はどうなの?」
「ヒーロー座学とかの授業もあるけど流石にヒーロー科程の専門科目は無いみたい。普通科目とヒーロー科目が8:2くらいかな。これじゃ体育祭後までに結構差が開きそうだよ。」
「でもその前にヒーロー科に入らないとね。」
「まだ体育祭までに時間があるからやれる事はやるよ。じゃご馳走様。」
夕食を食べ終え部屋へと戻り明日の身支度を済ませて明日に備え早めに布団へと入る。
(明日から普通科とはいえあの雄英での生活が始まるのか。)
不安と期待を胸に眠りに着く。そして明日から新しい生活が始まる!
おまけ
「え〜、ヤオモモこれからの三年間宜しく女子会来れないの〜」
「えぇすみません。先約がいまして。」
「ならまた次回開催しまょう。その時は参加してね八百万ちゃん。」
「わかりましたわ。次回は必ず出席しますわ。あ、いらしたみたいです。では皆さん、私はこれで。」
「あれ?百ちゃんの待ってる人って男の人?」
「えぇそうですけど?」
「え⁉︎もしかして彼氏?」
「嘘?ヤオモモ彼氏いたの⁉︎」
「い、いえ!そういった関係ではないです!真さんとは中学からのご学友で...」
「『真さん』⁉︎もう名前で呼ぶ関係!」
「どんな関係か詳しく知りたいな〜ヤオモモ〜」
「で、ですからそのような関係では!」
「みんな、八百万ちゃんも違うって言ってるみたいだしそのへんにしときましょう。」
「え〜、じゃあヤオモモまた明日!詳しい話聞かせてね!」
「じゃあね八百万ちゃん。」
「サヨナラ百ちゃん!」
「えぇまた明日!」
出来れば今月にもう一話載っける予定です。
感想おなしゃす。
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体育祭に向けて!
「この式は先日教えた公式を当てはめてやればXが求めらる。ここで出たXをこっちの式に代入すれば...。」
雄英高校に入学して数日が経った。授業内容は母親に説明した通り授業の殆どは普通科目に少しのヒーロー座学。雄英といえど普通科だとあまり普通の高校と習う事は変わらず、違う所と言えば習う事のレベルが高い事位。しかし元から勉強が出来そもそも入試の筆記試験で1位をとった真からすればそれほど難しくの無い授業に少し退屈していた。
(八百万達は今頃ヒーロー科目を受けてるのか。分かってはいたけどこのままじゃ差が開く一方だな。)|
学校の授業は問題なく理解出来るので真は自学でヒーロー座学などの自身で学べる事は参考書などを買って勉強している。しかし参考書などで学べる事にも限度があり、ヒーロー科では『個性』を使った実技授業などの授業を受けている。真自身も普段から『個性』を使ったトレーニングや『個性』の活用方などを家族や本などで学んでいるがプロヒーロー兼教師の助言が無いのは大きな差になる。体育祭まではそこまで遠くは無いが確実に少しづつ差が開くのに真は少し焦っていた。体育祭までの事を考えていると気付いてた授業が終わっていた。
(焦っても何も変わらないか。一先ずやれるべき事をやるしかないか。)
「なぁ真、昼休み少し良いか?」
「ん?良いけどどうした心操?」
「いや、俺も体育祭で良い結果残したいからさ自分の『個性』の使い方とか体育祭までにどんなトレーニングすれば良いか聞きたくて。真なら色々と知ってるだろ?」
「そういう事なら全然良いよ。丁度退屈してたから。じゃ中庭で飯食いながら話すか。」
〜〜中庭へ〜〜
「心操の『個性』は一回目はほぼ確実に決まる。だけど2度目はネタが割れると洗脳するのは難しくなるから何か手を打たないとな。」
「1回目で決まれば勝つのに2回目の事を考えるのか?」
「今までの雄英体育祭は何回戦かに分けてからトーナメントになってる。場合によっては同じ相手と当たる事になるだろ?備えあれば憂いなしだよ。」
「なる程な。けど俺の『個性』は相手が俺の問いに応えなきゃいけない。けど察しの良い奴なら気付くだろうし気付いた相手をもう一度喋らすのは無理じゃないか?」
「ん〜、ん?それの条件で洗脳されるならどうして俺は洗脳されてない?」
「俺が『洗脳するぞ』って意識して問いかけなきゃ洗脳は出来ないんだ。じゃなきゃ日常会話が成り立たないからな。」
「...じゃあ対戦相手と『洗脳する』と意識せずに会話すれば良い。その間に『個性』の発動条件を匂わせる様な仕草や行動をするんだ。不自然にならない位に会話して後はタイミングをみて洗脳する。そうすれば中々洗脳の条件は特定出来ないんじゃないか?」
「....。」
「心操?」
「あ、あぁ。よくこんな短時間でそれだけの事が思いつくな。」
「俺の『個性』は自分で言うのもあれだけどかなり強い『個性』だと思うんだよ。けど遠距離の『個性』や範囲攻撃の出来る『個性』。格闘が通じない個性とかには滅法弱いんだ。それを補うには身体能力と頭でカバーするしか無い。だから俺は色んな『個性』と戦える様に色々と考えてるんだよ。」
「俺とお前じゃスタートラインが違うんだな。だからお前はそこまでの力を持ってるのか。俺だけお前から色々もらって悪いな。」
「そんなこと言うなよ。考えるのは嫌いじゃないしこうやって人と『個性』の事とかを話すのは楽しいしな。それよりもこれからが大変だぞ心操?」
「大変ってのはどう言ういみだ?」
「さっきの俺と説明だと洗脳するまでに時間がかかる。その間心操は『個性』なしで『個性』を使う奴と戦わなきゃいけない。だから体育祭までの間俺が身体の動かし方や格闘技術を教える。後相手の『個性』の対処方とか。...いけるか?」
「どうせヒーロー科でもそういうのは習うだろ?むしろ先に習えて歓迎だ。宜しく頼む。」
「任せろ!けど心操の方でも『相手を洗脳する過程』は考えておいてくれよ?こういうのはなるべく他の人意見も取り入れたいからな。」
「けど俺がお前以上の案を出せるか分からないぞ。」
「俺だけじゃ分からない事。それに心操の『個性』だから心操にしか気づけない事もあるはずだよ。」
「分かった。その格闘技術とかはいつから教えてくれるんだ?」
「善は急げって言うし明日の昼休みから早速練習開始だ。口頭だけの説明じゃなく実戦形式で教えるつもりだから多少の怪我とかは覚悟しとけよ?」
「そのくらい百も承知だ。」
「じゃあそろそろ時間だし教室に戻るか。」
2人は明日からの話を終わらせて教室へと戻る。午後からの授業が始まり数十分が経ったとき少し廊下が慌ただしくなり教室に教師が1人入ってきた。真達の担任へ耳打ちで何かを話すと担任は驚いた様な顔をしこれからの授業を自習へ変更し教室を後にした。生徒達は突然の自習に喜び周りの席と話始めるが教師達の反応が気になった真は『個性:透過』を使い教師を追って見ているとそこには教師であるプロヒーロー達が集まりどこかへ向かおうとしていた。
(なんでだだのヒーローじゃなくて
少しその理由を考えたがめぼしい答えは見つからず真は近くの生徒と喋りながらも自習をした。そして午後の授業が終わっても担任が帰って来ず別の教師が軽い連絡ごと伝えてその日の学校は終わった。心操と途中まで帰り別れた所で先程の教師の行動が気になり八百万へメッセージを送って見た。
〔午後の授業の時雄英の教師達がどこかへ向かって行ったんだけど何か知ってるか?〕
八百万へメッセージを送り夕御飯を済ました後スマホを見ると八百万からの返信があった。
〔それが雄英の敷地内にあるUSJで人面救助訓練を受けてたのですがそこに敵が侵入して来てそれの対応に駆けつけてくれました。おそらくそれだと思います。〕
「USJ?敵の襲撃⁉︎...文面のまま受け取っていいのか?」
現実味のない文面に八百万が冗談を言っているのかと思ったがそれなら雄英の教師が集まる理由になる。聞きたいことが多過ぎで真は八百万へたまらず通話をかけた。
『どうしましたの真さん?』
『どうしたも何も本当に敵が侵入して来たのか?それに雄英のUSJってのも訳がわからないぞ。』
『すみません少し説明が足りませんでしたわ。USJとは雄英の敷地内にある訓練場です。そこの名称が『ウソの災害や事故ルーム U S J』なんです。
『なんだその名前。てかそれよりも敵の侵入本当なのか⁉︎』
『本当ですわ。私達がUSJに入って数分と経たないうちに30人程の敵が急に現れましたの。さらにこちらの通信手段が封じられ孤立、私達は相手の『個性』でUSJ内の各所に飛ばされてましてバラバラになりました。』
『怪我は無かったのか?』
『えぇ、ですが飛ばされた場所に敵達が待ち構えていましたが相手はそこまで強くなく私達だけでどうにかなりまりた。その後オールマイトや先生方が助けに来て下さって全員無傷ではなかったみたいですが無事でしたわ。』
『無事なら良かった。けどなんで雄英なんかに侵入なんてしたんだ?雄英の教師は皆プロヒーローなのを知らない訳無いし。』
『なんでもオールマイトを殺す為、だとか。』
『オールマイトを?高校生1人殺せ無かった程の奴らが何人集まってもオールマイトを殺すなんて不可能だろ。』
〈オールマイト〉存在そのものが敵犯罪の抑止力とされ、"ナチュラルボーンヒーロー"、"平和の象徴"と称される生ける伝説。
『けれど何か確信が無ければわざわざ雄英高校生に侵入なんて考えてられません。』
『確信ってのは?』
『それが私も既に話した事が全てでそれ以上は。雄英高校生に敵が侵入となれば報道されるのでは?恐らくそちらの方が詳しいと思います。』
『大変だったのに色々聞いて悪かったな。八百万も疲れてるだろうしもう切るよ。』
『わかりました。お休みなさい真さん。』
『あぁおやすみ。』
八百万から話を聞き今日起こった疑問は解消できた。雄英に敵が侵入して来た話を聞いて数日前に雄英敷地内にマスコミが侵入し警報システムが鳴り響き一時パニックになった。それとの関連性を考えたが八百万との電話で思っていた時間よりも時間が経っていた為眠気も相まって思考があまり働かない。終わったことことなので深くは考えず眠りに入った。次の日の朝になると雄英から敵侵入を警戒や調査の為か臨時休校となった。外出規制も出たのでその日は大人しく家で1日を過ごした。そして次の日は放課後は直ぐに帰るように言われただけでそれ以外は変わらず学校が始まった。そして朝のホームルームで遂に雄英体育祭の話がされた。
雄英体育祭
日本最難関のヒーロー科を抱える雄英高校にて行われる、個性ありの体育祭。TVでも放送され、高視聴率をキープ中な日本のビッグイベント。スポーツの祭典と呼ばれた「かつてのオリンピック」に代わり、全国を熱狂さ体育祭会場には一般客だけでなくプロヒーローも多く来場する。その為雄英生徒は世間に自分の力をアピールする場であり体育祭後の職場体験では自分の成績によっては数多くのヒーロー事務所からの指名が来る。逆にヒーローの目に止まらなければ指名は無い。
生徒にとっては年に3回しか無い世間に自信をアピールする重要な行事になる。
開催は1週間後。敵侵入があっても開催するのかと疑問の声も上がったが逆に開催する事で雄英の危機管理体制が万全な事を知らしめるためらしい。さらに警備は例年の5倍強化し備える。体育祭への軽い説明が終わり授業が通常通り行わられた。そして放課後クラスの何人かがヒーロー科A組を見に行こうと言い始め教室を出た。真は興味なかったが心操が行くらしく真も暇だった為ついて行くとA組の前には同じ考えをした生徒達で群がっていた。教室内がよく見えなく『意味がないんじゃ無いか?』と考えた時教室から
「意味ねぇから退けモブども」
と、強気な声が聞こえた。それに応える様に心操が群れをかき分けて先頭に立った。
「ヒーロー科にいる奴はみんなこんな奴なのかい?こういうの見ちゃうとちょっと幻滅するなぁ。普通科とか他の科ってヒーロー科に落ちて入った奴が結構いるって知ってた?体育祭のリザルトじゃヒーロー科への編入も検討してくれるんだって。逆もそのまた然り...敵情視察?少なくとも
だれか分からないがヒーロー科生徒の挑発に応えた心操の宣戦布告でその場が静まり返った。その後ヒーロー科B組の生徒も来て同じく宣戦布告をしA組は他のクラスからヘイトが集まる。
「心操あんまり言うなって。俺のクラスメイトがごめんな?けど
「まぁそういう事。せいぜい恥ずかしい思いしない様にね。」
「またお前はそうやって反論して...」
「上にあがりゃ関係ねぇ。」
そう言って恐らく生徒達を『モブ』呼ばわりしたであろう生徒は群れをかき分け教室を後にした。それからA組のクラス前で群がっている。生徒達から離れて心操と帰ろうとすると別の出入り口から八百万が出てきて鉢合わせた。
「真さん?どうしてこちらに?」
「お?八百万。悪い心操昇降口で待っててくれ。クラスメイトがA組を見に行くって言うからその付き添い。そっちのクラスにはだいぶ強気な奴がいるんだな。」
「えぇ、爆豪さんは他の人たちを見下す様な事をするので度々ああいう事がありますの。」
「爆豪?...それって入試で1位の?へぇ。あいつが入試1位で通過したやつか。手強そうだ。」
「アレ?ヤオモモ友達?...ってこの前の男子!」
「あっ、本当だ!私八百万さんのクラスメイトの葉隠ね!君八百万さんとどんな関係なの?」
「どんなって言われても同じ中学の友達だよ。な?八百万?」
「わ、私と真さんは同じ中学で皆さんが前に言った様な方ではないです!」
「本当に〜?」
「けど普通のお友達の事名前で呼ぶ〜?」
「そ、それは「皆あまり八百万ちゃんを困らせたらダメよ。」
「え〜梅雨ちゃんは気にならないの?」
「気になるけど2人が違うって言うならきっとそうなのよ。私はA組の
蛙吹梅雨よ。梅雨ちゃんって呼んで。貴方のお名前は?」
「え?え〜、飛彩真D組だ。俺の事は苗字より名前で呼んでくれる方がいい。八百万が名前で呼んでるのも俺がそう言ったからだ。」
「じゃあ2人本当に友達なだけ?」
「何回もそう言ってるのに。けど気軽に話せる大事な友達だよ。」
「えー!なにその意味深な言い方ー!」
八百万のクラスメイトの意味深な質問攻めを蛙吹のおかげで交わす事が出来少し話をしているとぶどうの様な頭の男子生徒と黄色メッシュが入ったの生徒が何故か睨みつけてくる。
「えーと、よろしく?」
「「チッ」」
(えぇ〜なにこれ。)
まるで親の仇かの様な目で睨み真の隣を過ぎる時小声で「リア充消えろ。」と呟いてきた。それから八百万達と昇降口まで行き心操と合流し分かれてそれぞれ帰宅する。
「いよいよ体育祭まで1週間後だな。これから体育祭まで家で体術とかの練習するか?」
「それはありがたいけどそんな事出来るスペースあるのか?」
「そんなに大きくないけど道場みたいなのがあるから行けるよ。」
「道場があるってどんな家に住んでるだ。」
「いや父親とか兄達、それに俺も使うからさ。言ってなかったっけ?俺んちヒーロー一家なんだよ。」
「はじめて聞いたぞ。」
「てことで今日から家で特訓だな。服は俺の貸してやるからビシバシ鍛えるから覚悟しとけよ。」
「よろしく頼むよ。」
少し終わり方が変ですが文才皆無なんで許してちょ
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