劉備のお兄ちゃんです (子持ちししゃも)
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天井

どうも!子持ちししゃもと申します!
処女作の駄文、完全に趣味全開の小説です!

ではどうぞ!


 

 

 

 

 

…どういうことだ。俺は確か山で寝ていたはずだ。

なんでこんな村のような場所にいるんだろう。

寝た場所の周辺に村なんてなかったし、と言うかあの山には誰も入ってこれないはずなんだけどなぁ。

隣には女の子が寝てるし。俺の手を握りながら。

 

 

 

 

 

まあいい。こんな状況でも、いや、だからこそ言わねばならないことがある。

いざ!

 

「知らない天じょ……いや、天井が無い…」

 

 

言えなかったぜ☆

 

 

「に、兄さん⁉︎起きたの⁉︎か、母さーん‼︎兄さんが、

兄さんが起きた‼︎あ、私のこと分かる⁉︎大丈夫⁉︎」

 

あ、女の子が起き…うわすげぇ可愛い。

ピンクっぽい色の髪の毛のツインテールで、顔はおっとりしている。今は涙目で少し顔が歪んでいるが、それでも優しい顔だってことは分かる。

そして、彼女は相当な戦力を有しているようだ。結構揺れている。まあ、どことは言わないけど。

でも、こんな馬鹿なことを考える余裕は出来たらしい。

冷静は俺だ。俺は冷静だ。

撤回、全然落ち着いてなかった。

 

なんか目が覚めたら超絶可愛い女の子が涙目であわあわしてるんですが。とりあえず、ここ何処ですか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「良かったぁ〜良かったよぉ〜」

 

「何時まで泣いてんだ。たった五日間寝込んでたくらいで人間という生き物はそう簡単に死にません」

 

「だって〜本当に死んじゃうかと思ったんだよ?

ずっと何も食べないし、私が呼んでも呻き声しか出さないし…ぐすん」

 

 

あの後、さらにテンパってあわあわしか言わなくなった

ピンクの美少女の意識を手刀により一瞬で刈り取った妙齢の女性(言動からして母親だろう)が、簡潔に状況を説明してくれた。

どうやらこの身体の『俺』は死にかけていたらしい。

5日前急に倒れて、そのまま死んだように眠り続けて

今、俺が目覚めているところに至る。

 

その間に理屈は分からないが、この身体に俺の精神が入ってしまったらしい。憑依ということだろう。

だが、別に死んだ覚えもないし神様に「憑依してね☆」とも言われてない。朝の目がさめる感覚で起きたらここにいた。

せめてなんか教えてくれ。何の前触れもなく変なところにいたらびっくりするだろ。

 

つーかこの身体の持ち主誰だよ。

憑依したとしても知らない人に入っちゃったらなにもできないじゃん。

 

 

「兄さん?どうしたの?まだ何か悪いところある?」

 

「いや、大丈夫だぞ」

 

で、この首を傾げながら+上目遣い+涙目という俺の心にクリチィカルヒットしてるポーズを天然でやってのけるピンクの美少女は、どうやら妹らしい。

 

どうしよう、憑依先で上手くやれる自信がなくなってきた。主に俺の精神がもたない。

 

 

「何かあったらすぐ言ってね?私頑張るから!」

 

「結婚してください」

 

「へ?あ、あわわ、そ、それは出来ないよぅ…

わ、私たち兄妹だよ?」

 

「……すまん。混乱した」

 

 

ほら、もうやらかしちまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、でも、その、兄さんがいいなら……」

 

 

「?どうした?」

 

 

「な、何でもないよ?」

 

 

 

 

 

 

▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽

 

 

 

 

 

こっちに来て一週間。分かったことがある。

まず一つ目。

どうしよう。ここ昔の中国じゃないですか。

しかも今の年号「漢」だってさ。三国時代の手前だよ。

ふざけんな。こんな時代に吹っ飛ばすなら一回神様かなんか通せこのやろう。なんか1つくらい能力くれたっていいじゃないか。

 

 

しかし、ここが昔の中国だって言うのなら一つおかしいことがある。

 

何故、うちの妹はピンク色の髪の毛なのかってことだ。

妹だけではない。村の人々もカラフルな色の髪をしている

母親は赤色だし、かくいう俺さえも白髪なのだ。

俺はこっちに来る前、結構な量の昔の文献などを読んだ自信はある。三国時代も読んだ。

だが、そのどれにも髪の毛の色がカラフルだったものはない。全部普通に黒色だった。

 

だったらここはなんなのか。

もしかしたら普通のタイムスリップではないのかもしれない。俗に言う、平行世界(パラレルワールド)というものなのかもしれない…

 

はぁ…平和な世界でのんびり過ごしたかったなぁ…

 

 

まあ、今はそんなことは気にしないでおこう。

二つ目。

 

 

「兄さ〜ん!見て見て!どう?可愛い?」

 

「ここが楽園(エデン)か…」

 

「?えでん?」

 

「気にするな。可愛いぞ妹よ」

 

「え、えへへ…ありがとう!」

 

 

妹は天使。

さっきまで平行世界云々で悩んでたことなど、どうでもよくなってしまうほど。

 

只今俺は母さんから言いつけられた買い物に来ているのだ

が、妹が服屋にいきたいと言い出したため仕方なく(嬉々として)服屋に来たところ、水着コーナーに連れてかれて

 

「兄さんに選んでもらいたくて…ダメかな?」

 

と言われたので妹のファッションショーを眺めている。

さっきから周りからの目線が痛いし、妹を見るいやらしい視線が凄いのですぐさま潰し…ごほん、もといお話ししに行きたいし、妹のセリフが常にクリティカルだし、妹の水着が可愛すぎていろいろと大変だし、

 

 

まあ、つまり妹は可愛い=天使。

 

 

 

 

最後に三つ目。

 

この三つ目が問題だ。

 

だってただでさえ三国時代なんて平穏から程遠い時代に吹き飛ばされたのに、さらに死亡フラグ満載の世界にまっしぐらだってことを知っちゃったんだよ。

 

 

「あら〜『玄徳』ちゃん。可愛らしいわね〜」

 

「あらホント。せっかく可愛いんだからもっとおめかしすればいいのに」

 

「いえいえ、そんなぁ〜」

 

「い〜や『玄徳』ちゃん。貴女はもっと可愛くなるべきよ

と、いうわけでこの娘借りてくわね〜『玄升』くん」

 

「女神レベルで可愛くしてあげるわ!」

 

「えっ、えっ、あっ、兄さーん!た、助けてー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

この妹、劉備なんだってさ

 

俺が考えていたことはピタリと当たっていたらしい…

 

 

 

 

(ちな)みに俺は「劉臥 玄升(りゅうが げんしょう)って言うらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「宜しくお願いします‼︎」

 

「兄さん⁉︎」

 

 

存分にお姉さんたちの着せ替え人形になってこい(ゲス顔)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




中身なくてすいません…
こんな感じで進めていきますが、生暖かい眼差しで見守って下さると嬉しいです!


ふりがなってどうやったらできるのでしょうか?
取り扱い説明書をよく読んだのですが、作者の頭では分からなかった…
教えていただけると幸いです。


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真名

なかなか文字数って増やせないものですね…
そんな感じの二話目です!

どうぞ!


妹の名前が劉備だった。

それは、ここが平行世界(パラレルワールド)だってことを意味する。流石にこの時代のこの時期に同姓同名の人がいましたなんてことはないだろう。

 

 

本来なら劉備玄徳とは男性のはずだ。

 

身長は7尺5寸(約173センチ)、腕は膝に届くほどで、耳が非常に大きいため自分の耳を見ることができたとか言われている。読書を甚だしくは楽しまず、狗馬や音楽、美しい衣服を好んだ。

言葉は少なく、よく人にへりくだり、喜怒の感情を表に出さなかった。豪俠と交わることを好んだため、若者は争って彼についていった。(bywikiさん)

 

 

 

 

まあ、容姿については少し誇張も含まれていると思うが、

それでも何をどう間違えたらピンク髪のおっとりした女の子になるんだよ。いや、嬉しいけど。凄く嬉しいけど。

 

腕の長さは人並みだし、耳も小さくて可愛らしい。

確かに本を読むのは好きじゃないし、音楽とか綺麗な服はキラキラした目で見るけど、彼女の場合感情を表に出しまくる。喜んでたらキラキラするし落ち込んでたらしょぼ〜んってなる。怒ったら頬を膨らませて「むぅ〜」って唸る。

 

 

「むぅ〜……」

 

 

そう、ちょうどこんな風に。

可愛い。

 

 

「なんで見捨てたのよ〜!

おかげで私大変だったんだよ!」

 

「そうか、大変だったな。よしよし」

 

いかにも「私怒ってます!」の表情で手足をバタつかせているが、こうなった時は大抵頭を撫でてやると大人しくなる。それが犬みたいで非常に可愛らしい。

たまに耳と尻尾が俺の目に映るのだがどうなってるのだろうか。

 

 

「あっ…ん……えへへ……ってそうじゃない!」

 

 

おっと、今回はそうはいかないか。

 

それにしても、撫でた時の妹はヤバい。

 

撫でると、頬をほんのり赤らめながら小さく微笑む。

そして「あっ」やら「んっ」という声を小刻みに出してくる。

頭撫でてるだけなのになんかイケナイ気分になってしまう

のである。耳と尻尾が見えた時なんかは(どうやら他の人にも耳と尻尾は見えているらしい)()()()()プレイをしているようにしか見えない。たまにお姉さん方や店のおっさんたちにニヤニヤされてしまうのだ。

 

俺はただ頭撫でているだけだというのにメンタルも理性もボッコボコにされる。やれやれ妹は恐ろしい。

 

 

「本当に大変だったんだよ!

髪の毛すごいいじられたし無理矢理服を脱がされたし

着てみてって言われた服は全部露出度高いし、それに

お姉さん方の手が、ちょっと…アレだったし…

とっ、とにかく大変だったんだよ!」

 

 

全部見てました☆

 

いや、あのお姉さんたちは実に素晴ら…羨ま…けしからんことをしやがりましたよ。全く。

後で一言言っておかねばならないな。うん。

 

 

「いいじゃないか。本当に可愛くなってるぞ。

いや、元の()()も可愛いんだが、なんというか…色気があるな今の()()には」

 

「うぅ…で、でも私にはそんなに色気ってないから…」

 

「そうか?俺は好きだぞ」

 

「………あ、ありがとう…」

 

 

俯いて指をもじもじさせながらのありがとう。

下を向いているのに耳まで真っ赤になっていることがよくわかる

 

 

ああ、もう可愛いなこんちくしょう。

今すぐ抱き抱えてお持ち帰りしたい。俺の妹だけど。

 

 

 

 

 

さて、突然だがわかったこと四つ目。

 

この世界には真名(まな)という風習がある。

 

真名とは性、名、字とは別にある名前らしい。

例えば劉備は、性が劉、名は備、字は玄徳だが、

それとは別に桃香(とうか)という名前がある。

これが真名と呼ばれるもので、自分が相手に対して心を許した証なのだという。

この真名とは非常に厄介なもので、たとえ上司だろうと親友だろうと家族だろうと、真名を許していなければ呼んではいけないのだ。

もし勝手に真名で呼びかけてしまおうものなら、問答無用で斬られても文句は言えないらしい。

 

 

 

俺は桃香から既に真名を受け取っていたので呼んでも問題はなかったが、もし反抗期の妹で「勝手に桃香って呼ぶんじゃねえ!」とか言われてたら…

 

 

は、早めに知っておいてよかった…

 

 

 

 

 

だが、これでますますこの世界が分からなくなった。

 

 

俺が知っている範囲では“真名”なんて風習は無かった。

最初は”諱”や“号”のことかと思ったが、それらに命を賭けるほどの意味なんて無かった。

 

 

真名の存在。またこの世界に新たな謎が出来てしまった。

はたして俺の記憶にある歴史を何処まで信用できるのか

知らなければならない。

 

 

今のところ俺の知っている歴史と違うのは三つだ。

劉備の性別、髪の毛の色、そして真名。

 

性別については近々調べてみようと思っている。

劉備だけが女性になっているのか、それとも他の武将たちも女性になっているのか。

 

情報を得るための繋がりを作る必要があるな…

 

この世界について知ることも必要だが、これから世は乱れに乱れる。恐らくそれは変わってはいないだろう。

最近怠っていた修行、もう一度やり直そう。

 

 

俺は………

 

 

 

 

「兄さんどうしたの?」

 

「ん?」

 

「なんかすっごく難しい顔してるよ?」

 

 

こう、ここがむってなってるよ

と、眉間に指を当てて(桃香曰く)難しい顔を作る。

 

 

 

「……いや、なんでもないよ。

あ、そうだ。桃香、済まないが先帰っててくれないか?」

 

「え…どうしたの?買い忘れなら私も行くよ?」

 

「いや、大丈夫だ。すぐに済ませてくる」

 

「そう…気をつけてね?また倒れたりしないように」

 

「ああ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何があっても、この可愛い妹は守り抜く。

誰だろうと桃香に傷つけさせはしない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お姉さん方!桃香はどんな感じでした⁉︎

その、手触りとか匂いとか‼︎」

 

 

「玄升くん、それは流石にヤバイわよ」

 

 

 

 

 

 




シスコンのお兄ちゃんってどんな感じなんでしょうか。
妹がいないので実際どうなるのかが分からない
いたらいたでウザいとか思っちゃうのかなぁ…


この話の玄武くんはいつまでもシスコンですが。


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説明

先週色々あって土日に更新出来なかった……
ああ、夏休みが終わらなければ良かったのに……
そんな子持ちししゃもです。


今回は氣についての説明だけなので、会話も劉備もおりません。また、氣について勝手に考えた設定ばっかりです。氣なんてどうでもいいわ!って人は飛ばしてください。

ではどうぞ!


「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

 

己の身体に『氣』を生み出す。

 

『氣』とは、生物が強い意志、意欲を持つことによって生まれる、エネルギーのようなものだ。

難しければDOR○GON B○LLの気を想いで生み出せると考えてくれ。

 

 

そのエネルギーを自分の思うがままに扱えるようになれば、鋼鉄の壁を拳で突き破ったり、か○は○波や元○玉のような氣弾をぶっ放したりできるようになる。

 

俺もそれくらいなら出来るのだが、その上の段階となるとやはり難しいのだ。その上に行けたら()()にも追いつけるのだが……

そう簡単に弟子が師匠を超えられるわけもないか。

 

 

 

 

 

「ひいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ」

 

 

 

 

 

今回俺は、久々に師匠との修行をしていた頃を思い出し、初心に帰って氣の修行をやり直している。

 

 

氣を扱えるようになるための修行方法は一つ。ただひたすら氣を生み出し、それを感知した上で具現化する。

 

 

 

氣を生み出すには、先ほども言ったように強い意志、意欲を持つことが重要になる。その意志や意欲が強くなればなるほど氣は大きく、質の高いものになっていく。

 

例えば、「〜を守りたい」という意志を持ったとする。その思いが強くなれば、氣が身体に生まれる。この時点では氣は微弱にしか生まれないが、「〜を絶対に守る」と思えば、氣は強くなる。こんな感じで意志や想いによって氣は強くなるのだ。

そんな人は今まで見たこともないが、「何もかも犠牲にしてでも守る」なんて狂気的なまでの意志を持ったならば、異常なほど強い氣ができるらしい。

 

ちなみに俺は「桃香を守る」で氣を生み出している。

昔は違った想いが意志となっていたのだが、この世界に来てからは桃香がいる。お兄ちゃんは妹を守らなくてはいけないのだ(使命感)。

 

 

 

 

 

「ふぅぅううぅぅぅぅうぅうぅぅ………」

 

 

 

 

 

この氣という力は、良くも悪くもどんな意志でも強ければ目覚めてしまう。

 

 

別に「誰かを守りたい」とか「誰かの為に」とか、そんな善い思想だけで出来るようなものではない。悪意や殺意、果てに性欲まで、どんな想いでも強ければ生まれてしまう。

 

俺の師匠なんかはちっちゃくて可愛い男の子とイチャイチャしたいという想いで氣を使っていた。所謂(いわゆる)ショタコンだったんだ。俺の師匠は。

それなのに俺の3倍は氣が凄かったのだが、これはつまり俺の思想はショタコンに負ける程度だったと……

 

 

閑話休題(それは置いといて)

 

 

さっきの話の何が怖いって殺人鬼や思想犯ですら氣を生み出せるってことだ。もしそいつらが氣を上手く使い出したら、異常なほど強い氣が生まれることになるのはよくわかるだろう。殺意や思想に溢れている人はすごく危険なのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

のだが、そこまで不安になることはないと思っている。

何故なら、氣を感知することすら普通の人はできないことだからだ。

先程まで氣を生み出すのは簡単だと言っていたが、それは生み出すだけならの話であって、すぐに氣を使えるわけではない。というか大体の人間は自分で感知できないだけで、氣は持っている。

 

氣を使うには、まず自身の身体に発生した氣を感じなくてはならない。氣は主に『氣器(きき)』と呼ばれる部位に発生する。氣器の場所は人によって違うのだが、まずはその氣器の場所と自分の氣の大きさを正確に感知できないと、氣は使えないのだ。その把握するための修行でどれだけ頑張っても20年はかかるので、そう簡単に悪人が氣を使えるようにはならない筈だ。

 

何故そんなに時間がかかるのか?

 

 

氣は一応全武術の最高位に位置する技だからだ。氣を使いたけりゃまずは全武術を達人レベルで習得しなければならない。その上で10年くらい瞑想(めいそう)してようやく把握することができるようになる。具現化なんて更に倍くらい時間かけて出来るもんだ。

 

 

そう簡単に悪人どもに氣を使われてたまるかっての。まずは一般市民に気を使えるようになれ。

 

 

 

 

あれ?俺今うまいこと言ったんじゃね?いつか誰かに教えることがあったら言ってみよう。

 

 

 

 

 

 

「へええぇぇええぇええぇぇぇぇ………」

 

 

 

 

 

 

 

ここまで大丈夫か?

氣の感知までが分かったら次の段階、具現化だ。

 

氣は形を持たない。有象無象の何かを形にし、力と変えるのが具現化だ。

 

 

具現化に大切なのはイメージと感覚。ただそれだけ。他に言うことはない。

 

 

別に説明が面倒くさいとか作者が思いつかなかったとかじゃなく普通にそれだけなんだ。

 

なんかこんなふうに氣を使いたい!

⬇︎

こんなふうをイメージ

⬇︎

適当に「はああ……」とか言ってみる

⬇︎

完成!

 

こんな感じだ。

まあでも、ただイメージしたら出てくるってものじゃない。そのイメージを形にするっていう感覚が必要だ。と言ってもその感覚の部分は曖昧だ。なんていうか……その…説明の仕方がわからん。なんて言ったらいいんだろ?

 

………

 

 

………

 

 

………

うん、要するに感覚だと思ってくれればいい。

 

 

 

 

「ほぉぉぉぉぉおぉぉおおぉおぉぉぉ………」

 

 

 

さて、これで氣についての説明は終わりだ。

みんな、しっかりと氣について分かってくれたかな?みんなもこれで氣を使えるようになってくれたら嬉しいぜ。

じゃあ、また来週!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺、今日ハ行しかセリフねぇじゃねぇか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




と、いうわけでただの説明回でした。
もしここまで読んでくれたなら有難うございました!


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黄巾

まずは一言。
誠に申し訳有りません!
学校祭と合唱コンクールと他の学校のイベントと溶連菌が重なってすごく遅れました。ほんとにすみません!
かくいう今も予約投稿で部活中ですが、やっと時間が空いてできました。時間的に難産です。
中身薄いですがどうぞ!



炒飯(チャーハン)

炊き上がった米飯を様々な具材と共に油で炒めた中華料理だ。日本では中華料理屋やラーメン屋で多く見られるものだったと思う。

 

 

炒飯の起源は、米食中心の食文化となった唐、宋代の頃だと言われている。新たな食文化が生まれたと同時期に竃が発達し、鉄器技術の進歩と普及が行われていた唐、宋代。竃と鉄器が発達したため、これまでの燃料であった薪による火起こしが、石炭の強い火力を生み出す火起こしに変化した(これにより生まれたのが中華鍋だと言われている)。

この二つの変化が炒め物や揚げ物を普及させるきっかけとなり、その過程で炒飯という料理が生まれたということらしい。詳しくはあまり知らん。

 

ついでに一つ。

「焼き飯」「ピラフ」「ナシゴレン」「ビリヤーニ」「ジャンバラヤ」

これらの料理は全て炒飯が原型となっている。

 

台湾の炒飯は日本の炒飯と少し違い、「米をスープで炊いてから卵などと炒める」という作り方。

これは炒飯の原型とも言われる調理法で、これが先ずインドへと伝わり、「プラーカ」と呼ばれた。

この「プラーカ」が遣唐使(けんとうし)を通じて日本にやって来たり、絹の道(シルクロード)を通ってトルコに流れたり、さらにはアメリカにまで伝わり、その国の独自のものへと変化していったのだ。

 

日本では最初、胡麻油で炊いてだけの油飯が時が経って焼き飯に。

 

東南アジアでは東南アジアの独特の香辛料と出会い、「ナシゴレン」や「ビリヤーニ」に。

 

トルコでは「プラウ」「ピラウ」として伝わり、オスマン・トルコ帝国時代にヨーロッパへと伝え、フランスで現在の「ピラフ」に昇華し。

 

アメリカではフランス系アメリカ人によって洗練されて「ジャンバラヤ」に。

 

それぞれ変化していったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何故に俺は炒飯について歴史から語り出したのか?

 

 

なんのことはない。ただ今俺が炒飯を作っているからだ。

 

 

ジュ〜ジュ〜

 

記憶から引っ張り出した炒飯の歴史では、炒飯が開発されたのは唐、宋代と考えられていると言っていた筈なのだが、

 

(普通にあるじゃねぇか。炒飯も中華鍋も)

 

 

あった。

それどころか小籠包(しょうろんぽう)餃子(ぎょうざ)もラーメンもあった。ラーメンは中華料理ではなく、中国で一般に食べられているのは拉麺なのだが何故かラーメンもあった。

 

カンコンカラカン

 

この食文化については結構重要事項だったりする。

たかだか料理のことだと思うかもしれないが、このことで性別だけでなく他のことも改変されている可能性は圧倒的に高まったと言えるだろう。ただ、炒飯とか餃子とかの中華料理が実はこの時代からあったけどなんの痕跡も残ってないってだけの話かもしれないが、此処は平行世界(パラレルワールド)。何が変わってるのかも分からない。

こういう小さなことからゆっくりと探っていこう。

 

 

 

ジュ〜ジュ〜

 

 

「ん〜これだと少し塩分が足りませんよ〜。小指の爪くらいでいいですから足してあげてください」

 

 

 

俺が炒飯の歴史を思い返していると、隣で見た目同い年くらいの女性が中華鍋を覗き込んでアドバイスをしてくれた。

薄めのピンク色の髪の毛に優しそうな目、そして細いながらも出るところはしっかりと出ている体型。幼さを感じるのだが美しい。まるで桃香が大人の色気を身につけたら丁度こんなふうになりそうだというような女性だ。

 

 

そんな可愛い系美女に手取り足取り教えてもらうという状況に俺の心は躍り上って…………というわけでもない。

いや、全く意識してないとは言えないんだけども………意識できないのだ。どうしても。

 

 

 

「小指の爪……こんなもんかな」

 

「ん、いい感じですっ♪桃里(とうり)さんは頭がいいですね〜。いい子いい子」

 

「ちょっ、()()()⁉︎は、恥ずかしいからやめてっ!」

 

 

 

 

だって母さんだもの。

 

 

 

 

 

▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽

 

 

 

 

「塩を入れただけで何故にあそこまで褒められたのか…」

 

「ん〜、昔少しあったんですよ〜」

 

 

 

ほんわかオーラ満載の撫で撫でに少し混乱してしまったが、なんとか炒飯は無事に今も熱い鉄板の上で踊っている。危うく全てぶちまけるとこだった……

 

 

「昔?…………………あっ」

 

 

俺がこの身体に入る前か…ん?あ、やっべぇボロ出しちゃった。どれくらい昔なのかは知らないが、怪しまれたか…?

 

 

「そっか〜桃里さんはあの時気絶しましたからね〜。あの後をあまり知らないのも仕方ないです」

 

「……あぁ、あの時か」

 

 

ちょっと待て何があったんだ。

 

 

「そ、それで何があったんだ?」

 

「実はあの時に桃香ちゃんが私に料理教えて!って頼み込ん出たのです。お兄ちゃんに美味しい料理を食べさせるんだ!なんて、可愛らしいこと言ってましたね〜。私も喜んで教えてあげようって意気込んでたのですが……」

 

 

…ふむ、なんとなく分かってしまった。

 

マンガとかでみたことがないだろうか。滅茶苦茶料理が下手で暗黒物質(ダークマター)を創り出す恐怖の人を。

恐らく桃香はその人たちと同じ、「暗黒物質創造人間」。所謂ダークマティストだったのだろう。そして俺は桃香が作った料理を食べないという選択肢は無く、俺はその暗黒物質を食し、気絶。筋は通っている。

 

 

「そういえば、桃香ちゃんが私に教えてって言ってたのも炒飯でした。そういうとこ、兄妹って似るんですね〜。

それで、取り敢えず卵割ってかき混ぜるのをやらせてみたのです。そしたら……

 

卵落としたのはまだいいんです。よくあることですから。でもその後、その卵を踏んで転んで持っていた壺を放り投げて飛んで行った先の剣に直撃し、落ちてきたそれが桃里さんに直撃して気絶しました」

 

 

「………えぇ………」

 

「桃里さんが気絶している時、桃香ちゃんは転んだ先にあった薪と激突。気絶。そして激突した衝撃で倒れた薪が竃の中に入ってしまい、引火しました。さらにその火の粉が飛んで行って庭の野菜たちが全焼。大炎上。

……危うく家が燃え尽きるところでした……はぁ……」

 

 

 

うわぁい完っ全に予想外だ……料理以前の話だった…

卵割るだけでこんな大惨事にできるものなんだな…

 

しかしよくその大惨事を1人で止められたな母さんよ。庭が全焼と大量の薪の火を消すのには相当大変だっただろう。

 

 

「こんなことがあったので、桃里さんが普通に塩を入れられたというだけですごく感動しちゃうのです。

…あ、卵は今入れちゃって下さい。ご飯は後です」

 

「大変だったんだね…ん、知ってる」

 

「桃里さんはたくさん知ってますね〜。私が知ってること殆ど知ってるって言われちゃいます…」

 

「あぁ、いや、俺が書物を読みすぎただけだよ。知らないこともあるし、母さんの知識はタメになるのも多いんだよ?」

 

 

 

例えば今で言うクレーマーの流し方とか、値切りしてくる客に出す値段の絶妙なラインとか。今までの筵売りの経験を教えてくれる。

しかし、酒飲みの上司の正しい対処法とか調子乗すすってる後輩の叩き直し方とかは何処で知ったんだろうか?まるでできるサラリーマンの極意みたいだが…もしかして母さんって苦労人?

 

 

「そ、そうですか?」

 

「うん。母さんのおかげで筵がうまく売れるようになってね。最近じゃ桃香より売れるようになってきてるよ。ほら、こんな感じで凄くタメになってる」

 

「…ふふっ、桃里さんは優しいですね〜。そう言ってくれると教えた甲斐があったってもんです」

 

 

 

 

「あ、そういえばこの前、なんか大量に売れたから桃香と金出し合って黄慧のおっちゃんのところの酒を買ってき

 

 

「桃里さんっっ‼︎‼︎大好きですっ‼︎‼︎‼︎」

 

 

「うわああああい‼︎‼︎お、おっお、お母様⁉︎ちょっと待って塩が、塩が‼︎‼︎」

 

 

 

俺は、ものすごい勢いで抱きついてきた母さんに驚き、拍手に持っていた塩の壺を放り投げてしまった。後からゆっくり考えるとそう言えば塩ってこの時代高級品じゃねぇか勿体ねぇとか母さんに酒の話したらヤバイんだったとかいろいろあるのだが、そんなことを考える余裕もなく、放物線を描いて飛んでいく塩の壺を眺めることしかできなかった。

 

今はアニメのスローで動いている状況と同じようになっているため、いくらでも冷静に語ることができる。ここから先の出来事をゆっくりと語ろう。

 

まず、塩の飛んで行った先の扉が勢いよく開かれた。

 

 

「兄さーん!なんか大変なことnミャッッ‼︎‼︎」

 

 

「と、桃香ー⁉︎」

 

 

 

そして、入って来た桃香に壺が直撃、桃香は床に倒れこんで行った。

 

 

 

「ん?何かあった………キャーーーーーー⁉︎桃香ちゃん⁉︎大丈夫ですか⁉︎」

 

 

「うみゅう……………」

 

 

 

メラメラメラミメラゾーマ

 

 

 

「桃香!大丈夫…………?なんの音………ってうわあああ‼︎薪が、薪が燃えとる‼︎」

 

 

 

不審な音に何かとそちらを見てみれば、薪が燃えていた。恐らく、入って来たときに桃香が持っていた竹簡が薪に当たって倒れ、それに竃の火がついてしまったのだろう。

 

 

なんたって今はアニメ的なスローなので、状況判断も正確に出来てしまう。と、ここでスロー終了だ。

 

 

 

 

わあああああああ⁉︎大変だぁ‼︎

 

 

 

「はっ⁉︎………桃里さん、直ぐにその器一杯に水を入れてきてください。それに器の近くにある布を全て水に浸して下さい」

 

 

「え、あ、うん。行ってきます!」

 

 

 

混乱からいち早く抜け出したらしい母さんが、指示をくれた。いつものほんわかした雰囲気は消え、キリッとできる女の顔になっている。か、かっこいい!惚れてまうや……あ、やべ。取り敢えず早く水汲んでこよう。火が強くなってきてる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わ、た、し、がぁ!水を持って来……あり?」

 

 

と、まあ、水を汲んできたわけなのだが…今、俺の目には信じられない光景が映し出されている。

 

先ほどまで燃え広がり、結構デカかったはずの火が跡形もなく消えていた。

 

Why?何故?なんで?

 

 

「…え?あれ?俺水汲んできた意味あった?」

 

「あ、その水はそこらへんに撒いといてください。火は《《消えました》》けどまだあっついですし、また火がついちゃうかもしれませんから」

 

「は〜い………ってそうじゃない!なんで火消えてんの⁉︎さっきまでこう、ボウッて、ゴウッてなってたじゃない!なんで焦げた跡すら残ってないの⁉︎」

 

「…ん〜、消えちゃいました」

 

「んなわけないでしょ⁉︎消火器使っはたってこんな早く消えないよ!こんな一瞬で自然消滅には至らないよ!」

 

「消えました」

 

「いや、だからそれはありえな「消えました」……ありえます!」

 

 

 

い、今のはヤバかった。何がヤバイってつまりヤバかった(混乱中)。めっさ怖えぇ……後ろに般若(はんにゃ)が見えるどころか走馬灯(そうまとう)が見えた…何でだ…俺が何をしたっていうんだ…

 

 

「ん、んうぅ……」

 

「はっ!桃香‼︎大丈夫か⁉︎」

 

「に、兄さん?ん〜…頭が痛い?何で?」

 

「…………酒…………母さん……」

 

「あ〜……そうかぁ〜」

 

「ちょっとそれどういうことですか?」

 

「そういえばさっき桃香が気絶する前になんか言ってなかったか?なんだ?」

 

「あぁ〜そう言えば……」

 

「露骨に話変えましたね…」

 

 

 

だって後ろに般若見えそうだったんだもん。まだ死にたくないもん。もんもん。

 

 

 

 

 

…心の中だからツッコミねぇ……

 

 

 

 

「ん〜……あっ‼︎そうだ‼︎兄さん!」

 

 

「ん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「黄巾党…だっけ…?あ、そう言うような名前の集団が活動し始めたっていう新聞が出たよ!」

 

 

 

 

「なっ⁉︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時代新聞あんの⁉︎

 

 

 




あれ?題名黄巾のくせに最後しか名前出てきてない……あれあれ?…題名を考える力を俺にください!
次回は頑張るつもりです。期末が近いけど!


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銀髪・金髪 そして妹

どーもお久しぶりです!絶賛始業式の真っ最中だけど更新してやったぜ!……ま、予約投稿だけどね…
えー、誠に申し訳ありませんでした!この話に4ヶ月ほど手をつけてないことになりますかね…ほんと、すみません。なにがあったかは聞かないでください。

まあ、こんな話4ヶ月もまだ更新されないかと見てる人はいないと思いますけども……
ではどーぞ。

追伸:亀更新のタグ追加しました。



「ウチの(むしろ)は天下一品だよ‼︎さあ、買った買った‼︎」

 

「「いらっしゃいませー!」」僕と「私が」頑張って作った(むしろ)はいかがですかー!」「ですかー!」

 

「今うちの(むしろ)買ってくれたらこの天和ちゃんの秘蔵写真あげるよ…ふひひ」

 

「ホニャララ草を使った上質な手触りのこの(むしろ)がなんとお値段1,980円!1,980円です!さらに……」

 

 

「…ありゃぁ、来る所間違えたなこりゃ」

 

 

 

俺は今仕事である筵売(むしろう)りをするために村から少し離れた広めの街まで来ている。のだが、なぜか今日は筵売りが多い。しかも強敵ばっかり。

 

オカン気質でみんなから慕われている筵売り 楽天(がくてん)を筆頭とする「楽天市場(がくてんしじょう)

 

とても仲のいい兄妹がキラキラした笑顔で声を張り上げている露店「華丸お買い物」

 

アイドルのなんとかしすたぁず(うろ覚え)の写真(盗撮)や自作小説(イラスト付き・R-18)でニッチな客を釣る「ぶひひの館」

 

「中国全土を駆け回る、快適生活のお手伝い」がキャッチコピーの「漢飛脚屋 貴田(かんねっと たかた)

 

 

強敵ぞろいの中、特に最後の奴は危険だ。なんか聞いた事ある高めの声でよく通る上にセールストークがうますぎる。別に商品に興味がなくてもつい聞いてしまうような、そんな話し方で客を引きずり込む。今も人がどんどんあっちへと流れていく…

だが、こっちだって生活がかかってる。負けていられない…!

 

「らっしゃっせー‼︎‼︎筵ァいりやせんかァーー‼︎座り心地いいっすよー‼︎」

 

「うっせぇクソガキ‼︎狭ぇトコでバカでけえ声出してんじゃねえ‼︎

 

「うぇっ⁉︎…す、すいません……」

 

 

気合の入れ方を間違えたようだ。し、しかし声出すくらいしかできることってないんだけども…どうしよう

 

 

「ったく…元気がいいのはいいがうるせぇのは駄目だ。そんで、商品の良さをもっと強調しろ。大袈裟(おおげさ)に。『座り心地いい』だけじゃ客は釣られねぇぞ」

 

「……え?」

 

「商売やる上での常識だ。それくらい覚えとけ小僧」

 

 

 

な、なんやこの人、ただのクレーマーか思うてたらスゲェいい事言うてはるやん……

悪いところを厳しく指摘して、その後しっかり教えてくれる。まるでサラリーマンの理想の上司じゃないか。かっけぇ…

 

 

「大袈裟にか……らっしゃっせー!破れにくい筵は入りやせんかー?我が家の特殊な編み方によってとても長く使えるようになってまーす!」

 

 

一応嘘は言ってない。

母さんが編み出したという特殊な編み方で、ちょっとやそっとじゃ破けないようにはなっているとか。「とても」長く使えるかどうかは知らないけどね。

 

 

 

「ふっ…いいじゃねぇか。その調子で頑張れよ、小僧」

 

 

 

ゆっくりと歩き出し、片手をひらひらと振って離れていくおっさん。

くぅ…なんてカッコええおっさんなんだ…俺もいつかああいうおっさんになりてぇ…

さ〜てと、商売商売。あのおっさんのお陰でいい感じに気合入った。今日は持ってきた筵全部売り捌いてやる!黄巾賊とかなんとかやらなきゃいけないことなんざ知ったこっちゃねえ後回しだ!筵売りの王に俺はなる‼︎

 

 

 

 

 

 

 

 

「筵ー!安いけどいい素材だよー!」

 

「よう、そこの若ぇの。一つくれや」

 

「まいどありー!」

 

 

 

 

 

 

「破れにくくて長持ちするよー!」

 

「一つくれ。…む、これはなかなか面白い装飾(そうしょく)がしてあるな。これも貰おうか」

 

「まいど!」

 

 

 

 

 

「なかなかええ感じのでざいんしとるなぁ〜これ…うん、ひとつ貰えるか?」

 

「…まいどあり〜」

 

 

 

 

 

「…っ⁉︎…これは……一つ貰えますか」

 

 

「ありー!」

 

 

 

 

・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

いやー、売り切った売り切った!綺麗(きれい)さっぱり商品がなくなった!はっはー!今日は(うたげ)だー‼︎

なんて、調子のってみたけどもいつもなら売れても持ってきてる半分しか売れてないからね。今日が異常なほど売れてただけだからそんな天狗(てんぐ)になれるようなことでもないんだよね。九割あのおっさんのお陰だしね。うん。今度会ったらなんか奢ろう。

しかし、俺はめっちゃ頑張ってようやく売り切ったってのに他の人らはもうとっくに売り切って帰り支度が終わった頃です。くっ…流石(さすが)だな我がライバルたちよ(言ってるだけ)…次は負けねぇぞ!

 

 

「あ、桃里さん!今終わりましたか…って、あれ。全部売り切ったんですか⁉︎」

 

「ああ、全部売り切ったよ。なんだこの野郎、文句あんのか?」

 

「いや、ありませんけど…相変わらず僕にあたり強いですよね」

 

「うっせぇ。妹大好き変態野郎(シスコン)。死ね」

 

「いや、それあなたに言われたくないで…死ね⁉︎」

 

 

 

帰り支度を始めようとしたら来やがったシスコン。そう、さっき言ってた「華丸お買い物」の兄の方。真名は華鈴(かりん)だ。柔らかい笑みで妹を含む様々な女を(とりこ)にしてきた優男。めっちゃいいやつなんだけどなんか腹立つ。

 

「で、華奈(かな)はどこだ?野郎の面よりそっちが見たい」

 

「ひどい⁉︎や、確かに華奈の顔が見たくなるのは分かりますね…可愛いですから」

 

「うっわ変態極めたり…」

 

「妹の着替えを気持ち悪い笑みを浮かべながら眺めた上に触り心地を聞きに行ったあなたに言われたくないですね!」

 

「てめぇなんでそれ知ってやがる⁉︎」

 

「ご近所さんの情報網舐めないでください!」

 

 

 

ちっ、バラしやがったなあの人ら…まぁいい、桃香の可愛さが広まったんならむしろオーケーだ(重症)

ちなみに、もう分かってるだろうが華奈(かな)とは華鈴の可愛い可愛い妹だ。

 

 

 

「はぁ…華奈ならそろそろ来ると「お兄ちゃーん!」…ほら」

 

「お兄ちゃーん!楽天さんからお菓子(かし)もらった…あ!桃里お兄ちゃん!今から帰るの?」

 

「ああ。あぁ、そういやここら辺に…あったあった。お菓子だ。ほれ」

 

「え、いいの?」

 

「ええよええよ。たーんとお食べ」

 

「やったー!桃里お兄ちゃんありがとう!」

 

「ふっ」

 

「あれだけいい妹さんがいるのにうちの妹に手出さないでくださいよ」

 

「出してねぇよ。可愛い女の子にお菓子やって何が悪い。大体、手出すってんならてめぇだってこの前桃香をお茶に誘ってたろ!そのうさんくせぇ笑み全開でよぉ!」

 

「なっ⁉︎な、なな、何を言ってるんですか⁉︎そんなことしてませんよ‼︎」

 

「してたじゃねぇか!なぁ華奈!」

 

 

「…お兄ちゃん、そんなことしてたの?」

 

 

「ひっ‼︎…い、いや違うんだよ華奈。それは桃里さんの嘘で…」

 

「…わたしも見てたよ」

 

「え⁉︎そ、そんな、あの時華奈は(かわや)にいた(はず)じゃ!」

 

「…やっぱりしてたんだ……」

 

「っ⁉︎騙された…」

 

「お兄ちゃん、わたしじゃ駄目なんだ。わたしじゃ満足できないんだ。わたしのこと好きだって言ってくれたの嘘だったんだ。 嬉しかったのに。大好きなお兄ちゃんが好きだって言ってくれて嬉しかったのに……」

 

 

 

うわお華奈ちゃんヤンデレ〜、目が完全に逝っちゃってる〜…。あの話、華奈がいるとこで言っちゃ駄目なやつだったか。ごめん、華鈴。そして頑張れ。ヤンデレは選択肢間違えるとバッドエンドまっしぐらだ。ゲームで何回も()られたよ。

 

さて、俺は逃げ…帰りますかね〜…

 

 

…と、厄介なもん見つけちまった。

 

「なぁそこの可愛い嬢ちゃん。ちょっとオレらと遊ばねぇ?」

 

「ちょっとでいいからさ、ほら」

 

 

「は、はわっ…こ、困ります……」

 

 

「うほー、涙目可愛いー!」

 

 

玄武 は ナンパ してる DQN A B C を 発見 した

よし、ブッ飛ばそう。

DQNは死すべし慈悲(じひ)はない。

 

 

「ほらほらー金ならあるよ?」

 

「あの、本当に困ります!や、やめて…ください!」

 

「あ?んだよ、折角(せっかく)俺らが誘ってやってんのに…調子乗んなよ?」

 

「ひっ⁉︎」

 

「うほー、涙目最高!」

 

「お前さっきからそればっかだな…」

 

さて、結構至近距離まで来たんだけど全く気付かないなこいつら。大丈夫なのか?こんなんじゃもしすれ違いざまに刃物で刺されても反応できないぞ?え、そんなこと滅多に起きないって?甘いな。そんなこと日常茶飯事だ。師匠のせいで。

…嫌なこと思い出した。まあ、いい。さっさと()ろう。

 

「ちっ、面倒くせぇな…ちょいと痛めつけりゃ大人しくなんだろ!やっちまおグベッ⁉︎」

 

 

「嫌がってる少女を無理矢理とは感心しないな」

 

 

「デイちゃん⁉︎テメェなにしやがんだこのやボゲラッ⁉︎」

 

「キュウちゃん⁉︎や、ヤベェこいつ逃げビーナッヅ⁉︎」

 

「愚か者どもが…恥を知れ‼︎」

 

ん?なんか1人倒されとる。あれ、あのDQN C(勝手に命名)を蹴飛ばした人なんか見たことあるような…銀髪…あぁ、さっきの「…っ⁉︎…これは……」の人か。なんとなく分かってたけどやっぱ強かったわ。重心全くブレてなかったし。

ほうほう、さっきは服の上からで分からなかったが、よく見ると程よい筋肉が付いている。無駄なところのない、いい鍛え方をしている証拠だ。それに見たところ氣を使って戦うタイプ、しかも相当な使い手だ。蹴りのタイミングで氣を足に集中させて威力を底上げしていた。あの若さでこれか、将来が楽しみだ。

 

 

「大丈夫か?金髪の少女」

 

「はわー……って、はい⁉︎だ、だだ、大丈夫でしゅっ⁉︎」

 

「ほぉん…分かった。そこの銀髪の娘!この娘の様子見ておいてくれ!」

 

「え?あ、はい!」

 

どうやらこの娘は男性が苦手みたいだ。俺が話しかけた時の目と心の揺れが大きかった。仕方ないのでメンタルケアは銀髪ちゃんに丸投げします。大変な役目だけど頑張ってね。

しかしまあ、タダでさえ男が苦手だってのにDQN式のナンパなんてされたらそれはそれは怖かっただろう。クソ、可愛い女の子を泣かせやがって…許すまじクソDQN。もう二度とこんなことさせねぇようにしとこう。

 

 

「ほら起きろアホ共」

 

「……ってーな!んだよこ…ら……」

 

 

「やあ、おはよう。目覚めはどうだ?俺は実に!清々(すがすが)しい気分だよッ!」

 

 

歌は歌いたくならないけどね。

ちょっとふざけた。スイッチ切り替える。

 

 

「なんだ…うるさいな……ヒッ⁉︎」

「ようじょ…ロリ……んあ?なんだ夢キャッ⁉︎⁉︎」

 

 

「さて、貴様ら。人にあのようなことをしたんだ。勿論(もちろん)、自分たちがそれ相応のことを受ける覚悟くらいしているだろ?あ?してない?何それ。バカなの?死ぬの?まあいい。貴様らの覚悟など、どうせゴミ以下なのだからしていようがしていまいが関係はないな。安心しろ。そのちっぽけな魂が楽に地獄の底へ行けるように善処はしてやる。

…はぁ…これだけ話してもまだ気づかないのか?」

 

「……え?」

 

「ふん、本当に気づいてないのか。まあいい。下を見てみろ」

 

 

「……ギャッ⁉︎な、なんだこりゃ⁉︎」

 

「ウワアアア⁉︎⁉︎どうなってやがる‼︎‼︎」

 

 

「見ての通りだ…貴様らへの()()()だよ。地獄行きのな」

 

今、こいつらの目には死神が暗闇の地の底から手を伸ばしているように()()()()()。実際、死神なんてどこにもいないし、地面はいたって普通の砂だ。なんでこいつらにだけそれが見えるかっていうと答えは簡単。氣の応用だ。明確に死をイメージした氣を相手にぶつけるだけ。な、本当に簡単だろ?

しかし何もないとこでのたうちまわってんの見ると滑稽(こっけい)だな。スゲェ笑える。

 

 

 

 

「…ゃだ…いやだ……!死にたくない‼︎」

 

「頼む‼︎助けてくれ‼︎」

 

「なんでもじまずから‼︎お願いじます‼︎」

 

 

「ほう、なんでもするか…悪くない提案だな」

 

 

「「「‼︎」」」

 

 

「まぁ、もうしないと言うのなら助けてやってもいいかもしれんな…」

 

 

「本当ですか⁉︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とでも言うと思ったか?

せいぜい良い旅を(地獄に堕ちろ)クソトリオ」

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、失神した。うわ、()らしてやがる。汚ねぇ。

 

 

 

 

△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△

 

 

 

 

 

 

「そ、その…さっきは失礼な態度を取ってしまい、申し訳ありましぇんっ……は、はわわ」

 

 

あ、()んだ。可愛いな。

 

DQNトリオの粛清(しゅくせい)も終わり、銀髪娘から呼ばれたので帰ってきた。え?あいつらどうなったか?ちゃんと少女誘拐・暴行未遂ってことで目立つとこに縛り付けておいた。そろそろ警備隊にでも捕まると思う。全裸だし。

 

 

 

 

「…いや、別に構わない。こちらこそすまないな。早く助けに行けなくて」

 

「いえ、そんな!謝られることなんて…楽進さんたちが来てくれなければどうなっていたことか…」

 

「私は当然のことをしただけです。無事でよかった」

 

「はい…本当にありがとうございます」

 

 

ふう、どうやら楽進さん(銀髪娘)のメンタルケアはうまくいったようだ。雰囲気(ふんいき)も少し落ち着いている。あぁ良かった良かった。これで金髪少女になんか残ってたらマジで殺ってたかもしれん。言っとくがロリコンじゃねぇぞ?ただDQNが死ぬほど嫌いなだけだ。

 

 

 

 

 

 

………ん?あれ?ちょっと待て楽進?

 

 

 

「すまないが…楽進とは君のことか?」

 

「ええ。そうですが?」

 

「性は楽、名は進、字は文謙と申します………あの、何か私の顔に?」

 

 

 

 

え?楽進ってあの曹操のところの?この人も女になっちゃってるの?銀髪だよ?真面目そうな可愛い娘だよ?おかしくね?いや、桃香がピンク髪巨乳美少女な時点で色々とアレだけどさ。にしてもだよ。あ、首かしげてる、可愛い。

 

 

 

「はわわ、助けてもらっておいて名前も言ってませんでした」

 

 

「性は諸葛、名は亮、字は孔明でしゅっ⁉︎……はわわ」

 

 

 

ヘぇ〜この噛んでしまい涙目で顔を赤くしている非常に可愛らしい少女が諸葛孔明だと。ふむふむなるほどWhat⁉︎⁉︎

 

 

 

「What did you say ⁉︎」

 

「きゃっ⁉︎わ、わっつ?」

 

「…あ、ああすまない。もう一度言ってくれないか?」

 

 

「は、はい。えっと諸葛亮孔明です」

 

 

 

 

え、えぇ………マジで?

あ、そんなことより華鈴と華奈ってどうなったの?(現実逃避)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん」

 

「狂気を孕んだ妹に死ぬほど愛されて帰れない助けてねぇちょっと目そらさないでくそうあの人特大地雷放り投げて逃げやがった許さん」

 

 

その日、ある街のど真ん中で。

光を宿していない眼を虚空(こくう)へと彷徨(さまよ)わせながら抱き合う兄妹がいたと言う……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




キャラが一気に増えすぎて読みにくい…
すみません、なんかまとまらなかったです。

簡単なキャラ紹介

DQNトリオ
デイちゃん(A)・キュウちゃん(B)・エヌちゃん(C)

可愛いロリをナンパしたら主人公と楽進にボコボコにされた。名前は真名で、失敗したリーゼントの弟韋(デイ)、ロリコンの(キュウ)、笑い方が滅茶苦茶怖い笑怒(エヌ)。実は三人ともが異母兄弟で、父は高官。

華鈴 キャライメージ:ふんもっふ
備考:シスコン。イメージの人とは違い、主人公に振り回される。話すときに無駄に相手に近づく。林檎が好き。

華奈 キャライメージ:キョンくんでんわ〜
備考:ヤンデレ。イメージの人とヤンデレを除いてほぼ同じ。 野良猫に三味線(シャミセン)と名付けようか琵琶(ビワ)と名付けようか迷っている。

兄妹やないやんけ!とかいうツッコミはなしで
分からない人は調べてみよう


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