スレイヤーズD×D (デンドロビウム)
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里奈登場編
兵藤里奈登場!


あらすじにも書きましたがたまに更新予定です。それでもよければ読んで下さい!

チートよりも設定とかご都合主義的な部分が多いです。

魔改造・TS万歳!!みたいな展開が・・・。


 

私の名前は 兵藤里奈 花も恥じらう高校2年生。

 

で、今の状況はというと・・・。

 

「死んでくれないかしら?」

 

喧嘩売って来てるってことでいいのよね?いいのよね?

私に喧嘩売ってくるってことはどうなるか教えてあげようじゃないの。

 

「い・や・よ」

 

「なら後悔しな「火炎球(ファイアーボール)!」きゃぁぁぁぁ!」

 

ふぅ、まったく〜、めんどくさいったらないわね。

 

んで、ドライグ、今の悪魔?堕天使?

 

『・・・堕天使だな。問答無用すぎじゃないか?ある意味頼もしいが。』

 

死んでって言う奴に容赦する必要ないでしょ?悪人に人権なんて無いのよ。

 

『悪魔より悪魔っぽいな。』

 

多少の価値観の違いがあるってだけで単なる種族差じゃない?だから善と悪の差よ。私が善人だー、なんて言わないけど、人殺しよりは断然マシよ。アイツまだ生きてるし。

 

「さてー、どうして私を狙ったのか、吐いてもらおうかしら。」

 

倒れている堕天使に詰め寄る。

 

「貴女が危険な神器(セイクリッドギア)を持っているって聞いたからよ。」

 

「なんで持っているってだけで殺されなくちゃならないのよ!」

 

「そういう命令だったのよ!私だってそれだけの理由でこんなことしたくなかったわよ。」

 

「そうしないとあんたがひどいことになるから?」

 

「そうよ、殺されなくてもろくな事にはならないわ。」

 

「ふ~ん、でもこのまま帰っても同じ事よね?」

 

「・・・そうよ。」

 

「そうねぇ・・・・命令した人の名前と居場所、それとあんたの名前教えてくれたらどうにかしてあげる。」

 

「そんな事出来る訳ないでしょ!」

 

まぁ、普通そう思うわよね。

 

魔法陣を展開しある所へ連絡をいれる。

 

「お、里奈じゃないか、珍しいな。どうしたんだ?また面倒ごとか?」

 

「ア、ア、ア、アアアアアザゼルさまあああああ!!」

 

通信先の相手を見てレイナーレが驚く。当然の反応よね。

 

「実はさ~、今この子が私を殺しに来て返り討ちにしたんだけどどうすればいいのかしら?」

 

「ハァ~?そんな命令出してないぞ?」

 

「やっぱりね~、んで、どうするの?」

 

「おい、上司の名前とおまえの名前を言え。」

 

「はい!わ、私はレ、レイナーレといいます。上司はドーナシーク様です!」

 

「はぁ~、あいつか~。」

 

「知ってるの?」

 

「問題児だよ。堕天使至高主義者でな、他の種族のことなんか虫けら同然に見てやがってな、非人道的な事も平気でやる奴だよ。」

 

「そんな奴まだいるのね~。」

 

「いい加減目に余るな。処罰するっきゃね~か。」

 

アザゼルも管理大変ね。人事だけど。

 

「ああ、それなら私にやらせてくれない?落とし前はきっちりつけてやるわよ?ふふふふ。」

 

「相変わらずだな~。まぁいい、里奈に任せるわ。報酬も出すから殺すなよ?レイナーレだったか?お前も着いて行って倒したドーナシーク連れて来い。そしたら今回の件は考えてやる。」

 

「はい!わかりました!でもやられた私が言うのもなんですけどいいんですか?」

 

「ああ、大丈夫だ。里奈なら上級堕天使でも敵にならない。」

 

「え!そんなに!私よく生きてたなぁ・・・。」

 

「報酬も出る事だし、レイナーレ!行くわよ!案内しなさい。」

 

「はい!分かりました!」

 

「里奈、悪いが頼んだぜ。」

 

「まっかせなさ~い。私に喧嘩売った事後悔させてあげるわ!」

 

「程ほどにな。」

 

そして私はレイナーレの案内でドーナシークの所に向かうのだった。




一応10話位まではストックあります。フェニックス編までですかね。

書き直しとか、メインのチートの方があるんでゆるゆる更新していきます。


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哀れ!ドーナシーク

魔法書けば書くほどルビの量が・・・。


 

 

レイナーレに連れられて着いた所は丘の上の廃教会だった。

 

「ふ~ん、それっぽい場所ね。他にも何かやってそうね?心当たり無い?」

 

「え~と、詳しくは分からないんですが誰かの神器(セイクリッドギア)を奪うのに同じく神器(セイクリッドギア)を持ってる里奈さんが邪魔だからとかなんとか言ってたと思います。」

 

神器(セイクリッドギア)を奪う!?それって奪われた人は死ぬんじゃないの?」

 

『そうだな。神器(セイクリッドギア)は魂と繋がっているからな』

 

ドライグが答える。

 

アザゼルのさっきの話しも嘘じゃないみたいね。

 

「ふっふっふ~、それなら容赦する必要はないわね。」

 

「こ、殺さないで下さいよ?」

 

「大丈夫大丈夫、いっそ殺して!くらいに止めておくから。じゃぁ、行くわよ!」

 

「はい!」

 

振動弾(ダム・ブラス)!」

 

ドガシャアアン!

 

教会の扉を魔法で吹き飛ばし、中に入る。

 

「誰もいないわね。レイナーレ、隠し通路とかあるの?」

 

あ、よく見たら扉の下敷きになってピクピクしてる奴がいる。

 

「祭壇の裏に地下への階段があります。」

 

祭壇の裏の階段を下りて地下へ行く。

 

振動弾(ダム・ブラス)!」

 

ドガシャアアン!

 

またも下りた所にあった扉を魔法で吹き飛ばす。

 

『何事だ!誰だ貴様!』

 

30人位かしら?神父がいるわね。

 

魔法を唱えつつ篭手を出す。

 

『Boost!』

 

風魔咆裂弾(ボム・ディ・ウィン)!」

 

とりあえず煩いので数人吹き飛ばして黙らす。

 

「ドーナシークってはどいつかしら?」

 

「私だが、人間風情が何をしに来た?・・・あの神器(セイクリッドギア)持ちか。レイナーレ、殺せと命じたはずだが?」

 

「私が下級堕天使ごときにやられるわけないでしょう?返り討ちにして事情聞いてあんたを倒しに来たのよ。」

 

「少しはできるってことか。まぁいい、仕方ない。私が直々に殺してやろう。お前ら、あの小娘を殺せ!」

 

おまえが来るんじゃないんか!?まぁいいわ、どの道全員倒すつもりだったし。

 

火炎球(ファイアー・ボール)!」

 

ドガアアアン

 

私は向かってきた先頭の奴らを数人吹き飛ばす。地下だと派手な呪文が使えないからめんどくさいわね。

 

地精道(ベフィス・ブリング)地精道(ベフィス・ブリング)地精道(ベフィス・ブリング)!」

 

地面に穴を作って神父達を落とす。さて、後10人位かしら?

 

迫って来る敵の攻撃をかわしつつ魔法を唱える。

 

魔竜烈火咆(ガーヴ・フレア)!」

 

更に数人を倒し、残りはこいつで充分ね。

 

霊呪法(ヴ=ヴライマ)!ゴーレムよ、神父達を倒しなさい!」

 

魔法で作られた3メートル程のゴーレムが神父達を殴り飛ばしている。

 

さて、神父達はこれでいいわね。

 

翔封界(レイ・ウィング)!後はあんただけよ!ドーナシーク!」

 

私はドーナシークに向かいながら叫ぶ。

 

「くっ、これでも食らえ!」

 

ドーナシークは光の槍を投げてくるがそれをかわし奴の懐に入る。

 

霊王結魔弾(ヴィスファランク)!」

 

更にいくわよ~、ドライグ!

 

『おう!』

 

ドライグが応えると同時に溜めていた倍加を開放する。

 

『explosion!』

 

声と同時に力が倍増する。

 

「な、その篭手は!」

 

今更気付いてももう遅い!

 

「これで終わりよ!お~あちゃちゃちゃちゃちゃ!」

 

ドーナシークを殴り飛ばす。

 

「あちゃあ!」

 

ドガアアアアアン!

 

最後の一撃でぶっ飛ばし、壁にめり込んで気絶した。

 

「ふぅ。これで終わりかしら。」

 

その時魔法陣が展開し中から複数の人が現れる・・・・この人達って・・・・。

 

うわちゃ~これは面倒な事になりそうね。私はげっそりするのだった。




霊王結魔弾(ヴィスファランク)!」とか使ってますが補足を。

原作だと使ってなかった(使えなかった)魔法も使える様に修行してます。という設定になってるので前使えなかったよな!とかそういう突っ込みは聞きません。ご都合主義万歳!とかで書いてるのでこの先も魔法だけじゃなくて色々出すつもりです。

次回はリアス眷属登場です。


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出会い複数急展開!

話が一気に進みます。


 

 

ドーナシークを倒した後に魔法陣から出て来たのは私が通う高校の制服を着た人達4人だった。

 

「え~と・・・これはどういう状況なのかしら?」

 

「君は兵藤さん!どうしてこんな所に?」

 

げ!顔見知り!適当言って逃げようと思ってたのに。

 

「祐斗、彼女のこと知ってるの?」

 

「同じ学年の兵藤里奈さんです。」

 

フルネームで紹介せんでいいわ~!

 

はぁ〜、同じ学園じゃ逃げられないか〜。

 

「ええと、里奈さん、事情を説明してもらいたいんだけどいいかしら?」

 

「えと、明日説明するんで今日は帰ってもらってもいいですか?事後処理とかしないといけないんで。」

 

「そういう訳にもいかないんだけど。」

 

まぁ、そうなるわよねぇ〜。

 

「はぁ〜。こっちは力づくでもいいんですけど?どうします?」

 

言いながら少し魔力を開放する。

 

「っ!・・・仕方無いわね。こっちも争う気はないから、明日の放課後に迎えを出すから部室で話を聞かせてちょうだい。」

 

「ええ、それでいいわ。」

 

返事を返すと魔法陣を出して帰っていった。

 

ふぅ、帰ってくれてよかったわ。

 

「レイナーレ、こいつ等捕縛してアザゼルの所送るわよ。」

 

「あ、はい、手伝います。」

 

神父達とドーナシークを捕縛して魔法陣で転送する。

 

あとはアザゼルにメールして〜と。おし、任務完了!

 

レイナーレに後の事は任せて帰路につく。

 

後は明日よね〜。どう説明しようかしら?考えるだけでもめんどくさいわね。

 

 

 

翌日の放課後、祐斗が迎えに来た。周りの女子が煩い。

 

「兵藤さん、迎えに来たよ。」

 

「はいはい、じゃ、行きましょうか。案内宜しく〜。」

 

周りから嫉妬の目が。祐斗って無駄にカッコイイから人気あるのよね〜。タイプじゃないけど。でもちょっと優越感。

 

裕斗に案内されて旧校舎に入る。ここって使われてたのね、外見、札幌時○台みたいで気になってたのよね。中も雰囲気あるわね。

 

「ここが僕達の部室だよ。」

 

扉の前には『オカルト研究部』て書いてある。胡散臭い部活ね。

 

「じゃあ、行きますか。」

 

扉を開けて中に入る。うわ〜、魔法陣とか床に書いてある。落ち着かない部屋ね。

 

「兵藤さん、待っていたわよ。」

 

「里奈でいいです。かたっ苦しいの苦手なんで。」

 

「それじゃぁ、私の自己紹介するわね。私は3年のオカルト研究部部長リアス・グレモリーよ。じゃあ里奈、昨日の説明お願い出来るかしら?」

 

簡単に事情説明をする。

 

いくつか秘密にしたけど。

 

「そういう訳だったのね。えと、あなたの神器(セイクリッドギア)見せてもらってもいいかしら?」

 

「まぁ、いいですけど。ドライグ!」

 

私は左手腕に篭手を出す。

 

「貴女!それって!」

 

「赤龍帝の篭手です。」

 

「ねぇあなた、私の眷属に「無理ですよ。」え!?」

 

「先輩と私とじゃ実力差がありすぎて眷属にすることは出来ないですよ。そもそも転生する気もないですし。」

 

「そんなことやってみないと!」

 

「やるも何も転生する気無いって言いましたよね?それと相手との実力差が分からない時点で話しにもならないわね。」

 

「そんな・・・。」

 

リアス先輩は複雑な表情をしている。う~ん、ちょっと言い過ぎたかしら?

 

「それじゃぁ、私も色々忙しいんでこの辺で─」

 

私が帰ろうとした時部室に魔法陣と共に炎が上がる。

 

覇王氷河烈(ダイナスト・ブレス)!」

 

魔法を放ち炎を消し、中から出て来た男を凍らせる。火事になったらどうすんのよ!

 

「ライザー!」

 

先輩の知り合いみたいね。とりあえず呪文解除。

 

「貴様あああ!いきなり何するんだ!」

 

「炎なんか出しながら現れる方が悪いでしょうが!火事になったらどうすんのよ!」

 

「たかが人間の分際でぇぇ!」

 

ライザーが叫んだと同時にもう一つ魔法陣が現れ綺麗な銀髪の美女が現れた。なんでメイド服なんだろ?

 

「ライザー・フェニックス様、勝手にここに来られては困ります!」

 

このホストもどきフェニックス家なのね。

 

この女の人強いわね。私でも負けるかもしれない。

 

「いい加減待ってられなかったんでな。リアス、さっさと親の話に従え。」

 

「嫌よ!親の決めた婚約なんて!」

 

うわ~、修羅場ね~。・・・面白そうだからちょっと見ていこう。

 

「お嬢様もライザー様も落ち着いてください。はぁ~、こうなる事は分かっていたでしょうに・・・あの方達はまったく・・・。」

 

どうも勝手に婚約の話しを決めたっぽい。

 

「こっちは承諾したんだからさっさと進めて欲しいんだけどな?」

 

・・・なんか無駄に偉そうでムカつくわね。

 

「お嬢様、こちらの方は?」

 

メイドさんが私を見ながらリアスに聞いてくる。

 

「えと・・・。」

 

とりあえず自己紹介しておこうかな。

 

「兵藤里奈です。ここの2年生です。ちょっと事情があってこの場に居合わせただけなんで気にしないで下さい。」

 

「これは失礼しました。私はグレイフィア・ルキフグスと申します。」

 

「え!グレイフィア・ルキフグス!魔王の女王の!?」

 

「人間で知ってるとは何者ですか?あなた。」

 

しまった~、驚いて声に出しちゃった。

 

煙に巻くなんてできそうもないわね、どうしよう?

 

考える時間が欲しいので・・・次回に続く!




里奈墓穴掘る。


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ゲーム参戦!

考える時間なんかあげない。

里奈:作者めえぇぇぇ!


 

 

さて、どう説明しようかしらね。

 

「グレイフィア、昨日の事件については話したわよね?それに関わっていたのが里奈で、今事情を聞いていたのよ。」

 

リアス先輩!更に悪化するようなことを!!

 

「そうでしたか。確かに凄い魔力を感じますね。改めて聞きますが里奈様、あなた何者ですか?」

 

仕方ない、事実を少しだけ話すしかないわね。この人には何故か逆らってはいけない気がするし。決して怖いわけではない!

 

「はぁ~、最初に言っておきますが、敵対とか介入とか考えてないですから。これ覚えておいてくださいね?聞き入れてくれるなら私の正体というか立ち位置説明します。」

 

「わかりました。魔王の女王として約束しましょう。他の方々もそのようにお願いします。」

 

その場の全員が頷いたのを確認してから説明する。

 

「まず、私は堕天使の知り合いというか庇護下というかそんな立ち位置にいます。グリゴリには所属してないので一般人と同じ扱いでお願いしますね。」

 

「じゃあ、昨日のはどういうことなの?」

 

「堕天使の下っ端が私に喧嘩売ってきたんで買っただけですよ?一応グリゴリに許可もらってから成敗しましたけど。」

 

「それにしても普通の人間の保有する魔力量ではないと思うのですが?」

 

グレイフィアさんが聞いてきた。

 

「まぁ、そこは私にも事情があるので聞かないでおいてくれると助かるかな~なんて。」

 

「はぁ、とりあえず敵対の意思はないみたいですね、わかりました。」

 

良かった~、納得してくれたみたい。

 

「おいおい、堕天使の関係者放って置いていいのかよ?俺達は敵同士なんだぜ?」

 

この腐れホストもどきがあああ!

 

「今言ったはずよ!知り合いがいるだけだって。所属はしてないわよ。」

 

「はっ、そんなの分かったもんじゃないな。なんせ堕天使は欲望に駆られて堕ちた天使なんだからな!」

 

こいつはぁ~!

 

「は?しつこい男は嫌われるわよ?リアス先輩の判断は間違ってなかったみたいね。」

 

「なんだと貴様あああ!」

 

「あら~、また氷漬けにされたいのかしら?」

 

「お二人ともいい加減にしてください!私は魔王様直々に命を受けてこの場にきております。これ以上やるというなら私も手加減しません。それとライザー様、さっき私が確認した時に了承しておりましたよね?」

 

おお、凄い魔力!威圧感が半端ない!

 

「くっ、わかったよ。最強の女王に言われたんじゃ引くしかないな。」

 

さすがにフェニックスでも気おされてる。

 

「私はどっちでもいいですけどね。悪魔じゃないし。」

 

「里奈様!」

 

「あ~わかったわよ。さっきの話はこの場で留めてくれるなら何も言わないわよ。」

 

グレイフィアさん本気で殺気出さないで!

 

「それで?婚約の件はどうしたらいいんだ?」

 

「仕方ないですね。こうなるのは分かっていましたから最終手段ですが、レーティングゲームで決着というのはどうですか?」

 

「ええ、いいわよ。」

 

良くないと思う。

 

「俺もかまわないがいいのか?リアス。眷属全員揃ってないお前じゃ勝ち目ないぜ?俺はデビューもしてるし眷族も全員揃ってるしな。」

 

人数じゃなくてリアス先輩じゃライザー1人でも適わないわね。

 

「ああ、そうだ!そこの人間も入れてもいいぜ?ハンデだ。多少はマシになるかもな?」

 

うわ~、自信家ねぇ~。多分フェニックスだから不死とかなんでしょうけど、相手を見下してるせいか私の実力が分からないのね。

 

「そんな!眷属でもない人間を入れたゲームなんて、リタイアできないから危険じゃない!最悪死んでしまうわ!」

 

ほ~、流石にゲームだけあって悪魔の眷属なら死なないようになってるのね。

 

「里奈様、どうしますか?」

 

うわ~、グレイフィアさんから実力見たいから出ろ的なオーラが。

 

「グレイフィア!それは危険すぎるわ!」

 

「リアス先輩、私が負けるの前提で話すのやめてくれません?」

 

「え?」

 

「だ~か~ら~、こんな腐れホストもどきに私が負けるわけないでしょう?」

 

「人間ごときの分際で俺を愚弄するのか!」

 

「相手の実力差も分からないような馬鹿には負けないって言ってんのよ。」

 

「そこまで言うなら貴様もゲームに出るんだろうな?」

 

「ええ、いいわよ。なんならハンデで私1人でもいいわよ?」

 

私の言葉にオカルト研究部の人達が反応した。

 

「駄目よ!私の問題だもの、私も当然出るわ!」

 

「兵藤さん、僕も微力ながら力になるよ。」

 

「先輩、私も出ます。」

 

「私も当然出ますわよ。女王ですもの。」

 

あれ~?ちょっと論点が・・・まぁ、問題無いけど。

 

「は~、まぁ当然といえば当然かしら?じゃあ一つ条件出してもいいかしら?グレイフィアさん。」

 

「内容によりますが?」

 

「チーム戦になるんで連携とか考えたいので10日位時間くれませんか?」

 

「俺はかまわないぜ?ハンデだ。修行でもなんでもしたらいいんじゃないか?」

 

「わかりました。では10日後22時開始でお願いします。」

 

 

こうして、巻き込まれた感じもしないでもないけどライザーとのゲームが決まった!

 

ぎったんぎったんに伸してあげるわよ!




ライザーはいじりやすくて面白い!


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修行するわよ!

眷属の修行開始です。


 

次の日、私はリアス先輩達と登山をしていた。何やらもうちょい登った所に別荘があるみたい。

 

昨日私がみんなの強さを知りたいと言ったら修行したいから付き合ってくれということになった。

 

学校?なんか部活関連で欠席扱いにはならないみたい。ラッキー!

 

「ん~、こういうのもたまにはいいわね、空気が美味しい。」

 

「兵藤さんは余裕だね。」

 

「あ~私は普段鍛えてるもの。これくらい余裕よ。」

 

まぁ、祐斗は大きな荷物だから大変よね~。私は自分のだけだし。

 

なんて話しながらやってきました別荘に!

 

「うは~、大きいわね~さすがに貴族様は違うわね!」

 

「里奈、茶化さないでちょうだい。みんな、荷物を置いて一息入れたら着替えて修行開始よ!」

 

『はい!部長!』

 

さてさて私は最初は見学させてもらおうかしらね~。

 

 

少しして私はみんなの修行を見て分析する。

 

なるほどねぇ、才能とか筋はいいわね。でもいかんせん経験不足は否めないわね~。

 

祐斗は剣士、小猫ちゃんは格闘、リアス先輩と朱乃先輩は魔法か。

 

戦い方と魔法いくつか覚えられれば結構戦えそうね~。

 

①祐斗

 

「祐斗、ちょっといいかしら?」

 

「兵藤さんどうしたの?」

 

「ちょっといい魔法教えてあげるわ。祐斗向けのね。」

 

そう言って剣を抜き魔法を発動する。

 

魔皇霊斬(アストラル・ヴァイン)!はぁっ!」

 

魔法を剣にかけ、近くにあった岩を無造作に斬る。

 

スパン!軽い音共に岩が真っ二つになる。

 

「すごい!そんなにあっさり切れるなんて。」

 

「でしょ~、切れ味強化の魔法よ。この魔法とあとは~・・・祐斗あんたちょっと戦い方が真っ直ぐすぎるわね。こんなんじゃ実戦だと簡単に避けられるわよ?もう少し裏をかいたり意表をつく戦い覚えないとこの先きついわよ?」

 

「あはは、耳が痛いね。そうだねもうちょっと考えてみるよ。」

 

「そうね、ここにいる間は私がたまに稽古つけてあげるわ。」

 

「ああ、兵藤さんよろしく頼むよ。」

 

「あと、里奈でいいわよ。」

 

「ああ、里奈さん。」

 

 

②小猫

 

「はぁっ!この!」

 

「小猫ちゃんも攻撃が真っ直ぐね~。こんな感じに意表をつけばいいのよ。」

 

と言って顔に裏拳と見せかけて足払いをする。

 

「先輩はうまいですね。」

 

「ま~、伊達に修行したり戦ったりしてないからね。あとは決定打が欲しいわね。」

 

「決定打ですか?」

 

「あんま得意じゃないんだけど、霊王結魔弾(ヴィスファランク)!えいやっ!」

 

魔法を唱え岩場を殴る!

 

ドガアアン!

 

音共に殴った場所が砕ける。

 

「う~んアメリアはもっと凄かったんだけどなぁ~、私じゃこんなもんか。」

 

「先輩!今の是非教えて下さい!あと戦い方も。」

 

「オッケー、いいわよ。この修行で教えられるだけ教えてあげるわ。」

 

「よろしくお願いします。」

 

③リアス・朱乃先輩

 

「先輩達2人は魔法か~。」

 

「そうね。私は滅びの魔力、朱乃は雷といくつか魔法使えるわね。」

 

「朱乃先輩、怒らないで聞いてくださいね?」

 

「あら、なにかしら?」

 

「先輩には雷系の魔法といくつか魔法を教えますが・・・雷光使えるようになって下さい。」

 

「な!どうしてそれを!」

 

「リアス先輩、朱乃先輩、これは絶対秘密にしておいて欲しいので誰にも言わないでくれますか?」

 

「ええ、約束するわ。」

 

「そうですわね、雷光のことをどうして知ってるのか気になりますし。」

 

「私の堕天使の知り合いってアザゼルなんです。それで、朱乃先輩のことは軽く聞いてます。おせっかいする気はないんでこれ以上は言いません。だけどゲームに勝つにはそういうこだわりを気にしてるだけで簡単に負けます。私は実戦をかなりしてるんで奥の手あるのに使わないで後悔なんてのは絶対にしたくないんですよね。なので気持ちは分かりますが雷光使えるようになってください。それだけで勝率は格段に上がります。」

 

「まさか堕天使の知り合いがアザゼルなんてね。」

 

「・・・わかりました。指導お願いしますね。」

 

「ええ、魔力の運用と新しい魔法はまかせてくれていいわよ!」

 

朱乃先輩もこれでちょっとでも前に進んでくれればいいんだけどね。




里奈先生!って感じですね。ここで全員魔改造しますが特にリアスが・・・。

次回はキャラが増えます。書き忘れたとか言わない!


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アーシア登場と部長の想い

アーシア出ます!忘れてた訳では・・・入れるタイミングがね。


 

 

合宿開始してから3日目の朝アザゼルから連絡がきた。

 

「朝っぱらから何?」

 

「ああ、すまんな。この間お前が保護した子がお前に会いたいって言っててな。」

 

「う~ん、今合宿中なんだけど・・・。」

 

困ったわね。あの子私に懐いちゃったからな~。

 

「そっちが構わないなら魔方陣で送ってやってもいいぜ?」

 

「私の一存で決める訳にはいかないのよね~。ちょっと相談してくるからまた後で連絡するわ。」

 

「おう、わかった。それにしても懐かれてるな、お・ね・え・さ・ま。」

 

「やかましい!それじゃ~、一回切るわよ。」

 

そう言って通信を切り、相談するためにみんなの元に向かった。

 

 

 

30分後・・・。

 

「お姉さま!」

 

魔方陣から出て来たとたんこの子に抱きつかれた。

 

「アーシア~、大人しく待ってなさいって言ったじゃない。」

 

「でもでも、寂しくて~。」

 

くっ、上目遣いでうるうるした目で見られたら無碍に出来ないじゃない!

 

「たくも~、仕方ないわね。居てもいいけど修行の邪魔しちゃ駄目よ?」

 

「はい!わかりました、お姉さま!」

 

この子の名前はアーシア・アルジェント。ドーナシークに利用されそうになった神器(セイクリッドギア)を持った子で放っておくことも出来なかったので私が保護したのだけど・・・。

 

「そういえばアーシアって料理できたわよね?」

 

「え~と、簡単なものなら。」

 

「それならここに居る間みんなの食事当番してくれない?」

 

「はい!わかりました~。皆さんのお役に立てるように頑張ります!」

 

「てことなんだけど、みんなもいいかしら?」

 

「ええ、異論はないけど随分懐かれてるわね?」

 

「あはははは。」

 

保護した時に色々町案内とか遊びに付き合わせたんだけど、教会で育ったらしく見るもの全部珍しかったみたいでそれから妙に懐かれたというか尊敬の眼差しで見られるようになっちゃったのよね~。

 

多分、雛鳥が最初に見たものを親と思い込むのに似たような感じなんでしょうね。

 

 

 

それからアーシアを加えて数日後の夜、ちょっと夜風に当たりたくて外に出た。

 

ん~、星が綺麗ね~。街中に居るとこういう夜空って見られないのよねぇ。

 

ふと、テラスを見るとリアス部長が眼鏡をかけて本を読んでいた。

 

「先輩、目悪かったでしたっけ?」

 

「ああ、里奈も外に出ていたのね。これは集中したい時に着けてるだけよ。」

 

気分の問題か。分からなくもないかな。

 

「今回の事なんだけど、どうしてそんなに拒否してるの?まぁ、相手がライザーってのもあるんでしょうけど、それだけじゃないわよね?」

 

「ふふ、そうね。私は私の事をグレモリーでは無くリアスとして見てくれる人と結婚したいのよ。」

 

あ~、家柄とか大変そうだもんなぁ。私には無縁だけど。

 

「先輩も乙女ですね。まぁ、気持ちは分からなくも無いけど。」

 

「我侭なのも分かってるつもりなんだけど・・・せめて学生の間は自由に生きたいのよ。」

 

先輩は自分に正直なのね。

 

「ねぇ、里奈?私達勝てるかしら?」

 

「正直私抜きだと他の眷属には勝ててもライザーには勝てませんね。とはいえ、私も参加しますし、なによりライザーには誰に喧嘩売ったかきっちり教え込まなくちゃいけないわ!」

 

「頼りにしてるわよ!とはいえ修行したんだから私達も全力でいかせてもらうわ!」

 

「もちろんですよ。明日はみんなで勝ちましょう!」

 

先輩と拳を軽くあわせて部屋に戻った。




強引にねじ込んでしまった・・・。

一応フェニックスと会った日の後に保護ということにしてます。ちょっと無理矢理でした。

何はともあれ次回はゲーム開始です!



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ゲーム開始!

ライザー戦開始です。


 

 

10日間の修行も終わり、今はゲーム開始1時間前で部室に集まっている。

 

「作戦はどうしようかしら?」」

 

「そうねぇ、ある意味フィールド行かないと立てようもないわね。」

 

「そうなのよね、前衛に祐斗と小猫、中衛に朱乃、本陣に私位しか決められないわね。里奈はどうするの?」

 

「私は状況次第かしらね~。フィールド破壊でペナルティとかだと祐斗と小猫中心に私と朱乃がサポートってところかしら?」

 

「多分プロのゲームじゃないからそこまでは無いと思うけど。」

 

「想定はしておいて損は無いと思うわよ。」

 

「ライザーはどうやって倒すの?」

 

「そうねぇ~、大きな魔法でぶっとばす!ていうのが早いんだけどね~、攻撃範囲がでかすぎて使いにくいのよね~。まぁ、他にも手はあるからなんとかなるでしょ。リアスもアレ(・・)短時間だけど使えるようになったし、他のみんなも教えたとおりやれば問題ないでしょ。」

 

「でもアレ(・・)は時間短すぎて当てるの大変だわ。」

 

「最悪ライザー以外倒してみんなでボコる!なんてね。」

 

「それはそれで楽しそうですわ。」

 

朱乃はドSね~。

 

『ゲーム開始30分前になったのでフィールドに移動していただきます。魔方陣展開しますのでそこから転移していたたきます。開始までの残り時間で作戦会議してください。』

 

アナウンスが入り魔方陣が展開される。

 

「さあ、行くわよみんな!」

 

『はい!』

 

全員魔方陣に入り私達は転移した。・・・したんだけど

 

「部室?」

 

『今回のゲームは駒王学園をモチーフに作られたレプリカとなっております。ライザー様は新校舎生徒会室。リアス様は旧校舎オカルト研究部が本陣になっております。』

 

レプリカって・・・作りこみすぎじゃないの?

 

「なるほどね。となると体育館、森方面から攻めてくる感じかしらね?」

 

「体育館先に押さえられると面倒ね。いっそ破壊するのも手ね。」

 

「そうなると朱乃が適任かしら?」

 

「いや、そこは私がやるわ。朱乃は相手の女王の相手して。向こうは涙持ってるだろうから1個は女王が持ってると考えたほうがいいわ。そうなると体育館破壊してそれから女王を相手に2回倒さないといけなくなるから余計な魔力消費は抑えたほうがいいわ。」

 

「涙ってフェニックスの涙よね?」

 

「製造元が使ってこないわけ無いでしょ?」

 

「そうなると体育館に里奈と小猫、森に祐斗、中衛に朱乃、本陣に私でいいかしら?」

 

「それが妥当かしらね~。祐斗1人だと大変だから私がトラップ仕掛けて置くわ。」

 

「里奈さんのトラップはありがたいね。」

 

「後で仕掛けた場所と内容教えるから祐斗、引っかかるんじゃないわよ?」

 

「あははは、注意しながら戦うよ。」

 

「あとは主戦場がグラウンドになるだろうからそこからは臨機応変にいくしかないわね。」

 

『皆様、時間になりました。審判は私グレイフィア・ルキフグスが勤めさせていたただきます。それと両家のご両親に魔王サーゼクス・ルシファー様も観戦されます。では、ゲーム開始です、タイムリミットは夜明けまでとなります。』

 

魔王様も観戦してるのね~・・・・リアスの兄だったわね確か。

 

「では、作戦通りに行きましょう!」

 

リアスの掛け声で全員が動き出した。

 

 

開始から20分私は小猫と体育館に来ていた。

 

「4人いるわね。」

 

「そうですね。多分兵士3人戦車1人だと思います。」

 

こそこそするのは性に合わないわね。

 

「いるのはわかってるわよ!出てきなさい!」

 

「先輩大胆すぎです。」

 

私の声に反応したのか相手の4人が出てくる。

 

「真正面から来るなんてそんなに早くリタイヤしたいの?」

 

「あんたら程度にやられるわけないでしょうが。さっさとかかってきなさい!」

 

「先輩、戦車は私が倒します。兵士はお願いします。」

 

「おっけー、じゃあ行くわよ!」

 

炎の矢(フレア・アロー)!」

 

まずは先制で兵士と戦車を分断する。それと同時に篭手を出しチャージする。

 

『Boost!』

 

「「バラバラ!細切れにしてやる~。」」

 

ちっこいのにチェーンソーとか物騒ね。攻撃をかわしつつ呪文を唱える。

 

浄結水(アクア・クリエイト)!」

 

真水をただ出すだけの魔法なんだけど・・・チェーンソーがショートする。

 

「え!」「そんな!」

 

霊氷陣(デモナ・クリスタル)!」

 

2人を氷漬けにする。うんうん水掛けただけあって利きが良いわね。

 

「この、はぁっ!」

 

棍を持った子の攻撃をかわしつつ

 

地撃衝雷(ダグ・ハウト)!」

 

「く、この!」

 

棍を使い払ったり避けたりしながら攻撃をかわす。なかなかやるわね。

 

「今のを回避するなんてやるじゃない。」

 

「次はこちらから行きます!」

 

といい突きを繰り返し攻撃してくる。

 

「はい、ほい、ほっ。」

 

全部回避して相手に触る。

 

雷撃(モノ・ヴォルト)!」

 

「きゃぁ!」

 

雷撃で痺れて動けなくする。さて、小猫は

 

「これで終わりです!霊王結魔弾(ヴィスファランク)!えい!」

 

ドゴッ!

 

相手の戦車は小猫の攻撃を受けて壁にぶつかり倒れる。準備はオッケーね。

 

「「いえーい、勝利!」」

 

小猫とハイタッチする。

 

「体育館から1回出るわよ。」

 

「はい、わかりました。あとお願いします。」

 

小猫も体育館から出たのを確認してから呪文を唱える。

 

それと同時に篭手の力を解放する。ドライグ!

 

『応!』

 

『explosion!』

 

開放と同時に魔力が増大する。

 

さーていっちょ大技かますわよ~。

 

「全ての力の源よ 輝き燃える 赤き炎よ 盟約の言葉によりて 我が手に集いて力となれ!」

 

暴爆呪(ブラスト・ボム)!!」

 

ドガアアアアアアアアアン!!

 

「ふぅ。」

 

体育館が爆発炎上する。久々でスカッとした~。なかなか大技って使う機会無いのよね~。

 

『ライザーフェニックス様の「兵士」三名、リタイア』

 

『ライザーフェニックス様の「兵士」三名、「戦車」一名、リタイア』

 

「・・・先輩やりすぎです。」

 

「あはははは、確かにそうね。」

 

今のアナウンスだと祐斗も倒したみたいね。順調順調。




暴爆呪(ブラスト・ボム)はやりすぎたかな~。


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絶賛戦闘中

サクサク進みます。


 

 

「それじゃぁ、グラウンドに・・・そこでこそこそ不意打ち狙ってるなら無駄よ。出てきなさい!」

 

「ふふふ、よくわかりましたね?」

 

ライザーの女王ね。

 

「最初からわかってわ!こっちが終わるまで放っておいただけだし。」

 

「くっ、では、私とお手合わせお願いしましょうか。」

 

「あんたじゃ相手になんないわよ。それに貴女の相手は私じゃないわ。」

 

私の声とともに朱乃が飛んでくる。出るタイミング計ってたたわね?

 

「私が相手になりますわよ?爆弾女王(ボムクイーン)。」

 

「雷の巫女ですか。いいでしょう貴女とも戦ってみたかったですし。」

 

「朱乃、任せたわよ!」

 

「ええ、任せてください。」

 

朱乃の言葉を聞いて小猫とグラウンドに向かう。

 

後ろから爆音と雷鳴が響いてる。派手にやってるな~、いいな~。

 

「先輩もさっき派手なの撃ってたじゃないですか。」

 

「あれ?なんでわかったの?」

 

「なんとなくです。」

 

なんていう直感?まさか心を読めるとか!?

 

「そんなもの無いです。なんとなくです。」

 

そんなんで分かるかああああ!恐ろしい子!

 

 

 

しばらくしてグラウンドに着いて祐斗と合流した。

 

「おつかれ~。」

 

「里奈さんも小猫ちゃんも問題無かったみたいだね。」

 

残りは兵士が2名、僧侶が2名、騎士が2名、戦車が2名。女王とそして王のライザーか。

 

「ライザーは新校舎から動いてないわね。他は・・・『ライザー・フェニックス様の「女王」一名、リタイア』・・・朱乃がやってくれたわね。残りは全員ここに集まってるわね。」

 

「先輩、どうしますか?」

 

「どうしようかな~、とりあえず燻り出す!火炎球(ファイアー・ボール)×3!」

 

ドガガガン!

 

敵が居る辺りに魔法を放つ!

 

『きゃあああああああ!』

 

「先輩むごいです。」

 

「里奈さんさすがにそれは・・・。」

 

『ライザー・フェニックス様の「兵士」二名、「僧侶」一名、「騎士」二名、「戦車」二名リタイア』

 

「ちっ、1人残ったか!」

 

「ちょっと!いきなり攻撃なんてひどいわね!」

 

「勝てばいいのよ、勝てば!」

 

「「・・・・・・」」

 

祐斗と子猫が半目で睨んでくる・・・いや~いちいち相手するのめんどかったし。

 

「参加しないつもりでしたがお相手してもらいますわよ!」

 

「じゃ~、ちゃっちゃと終わらせますか、祐斗、小猫、行くわよ!」

 

相手に向かいながら魔法を放つ!

 

炎の矢(フレア・アロー)!」

 

「そんな攻撃ききませんわ!」

 

相手も炎を出し相殺する。結構やるわね。

 

その隙に祐斗が斬りつける。

 

「はぁっ!」

 

だが斬られた部分は炎が噴出しすぐに塞がった。え!?まさか!

 

「再生した!?」

 

「ええ、そうよ。私の名前はレイヴェル・フェニックス。ライザー・フェニックスの妹ですわ。」

 

これは想定外ね。ていうか妹まで眷属って・・・。

 

「・・・まずい!ライザーが旧校舎に向かってる!」

 

「ここで足止めさせていただきますわよ。」

 

「里奈さん!旧校舎に向かって!」

 

「そうですね、ここは私達がなんとか抑えます。」

 

「あらあら、私も参加させていただこうかしら。」

 

「朱乃!ナイスタイミング!みんな、ここは任せたわよ!翔封界(レイ・ウィング)!」

 

私は魔法を唱え旧校舎に向かう。

 

リアス、無事で居なさいよ!




レイヴェル参戦!・・・ここで終わりです。

次回はライザー戦。リアスの新技披露です。


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ライザーの最後

・・・死んで無いよ?


 

 

~ リアス side ~

 

まさかライザーが1人でこっちに向かってくるなんて思わなかったわね。

 

「消し飛びなさい!」

 

私は滅びの魔力をライザーにぶつける。

 

「はははは、無駄だよ不死であるこの俺に何度攻撃したってお前じゃ俺を倒す事はできない!」

 

攻撃が当たった所をすぐさま修復して私に言ってきた。

 

「だとしても私は諦めないわ!」

 

「リザインしろリアス!」

 

ライザーの攻撃を障壁で防ごうとしたけど防ぎきれず私は弾き飛ばされる。

 

「きゃあ!・・・くっ。」

 

やっぱり私じゃライザーには敵わない!でも、それでも!諦めるなんてできない!

 

そして私は呪文を紡ぐ・・・里奈から教えてもらったあの魔法を・・・

 

「悪夢の王より生まれし (あか)きもの

 

 黄昏よりも昏き(あか)き魔王よ

 

 破滅をもたらす(あか)き黄昏の刃よ

 

 我が力 我が身となりて 共に破滅の道を歩まん

 

 神々すらも切り裂くその力 我が手に集いて刃となれ!!」

 

呪文を唱えながらライザーに突っ込む!この一撃にかけるわ!

 

魔王剣(ルビーアイ・ブレード)!!」

 

叫びと主に(あか)い闇を纏った魔力の剣が両手に生まれる。

 

魔力がどんどん吸われていく!絶対に外さない!

 

「はああああああああ!」

 

ズバアアアア!

 

油断していたであろうライザーを左肩から袈裟懸けに切り裂く!

 

「ぐああああああああああああああ!!」

 

左肩を押さえふらつきながら後退するライザー。

 

私は一旦距離を取り、様子をみる。

 

「はぁ、はぁ、はぁ・・・。」

 

消耗が激しい。これで決まらなかったら・・・。

 

だが、斬られた所を修復しライザーが叫ぶ。

 

「やってくれたな!リアス!」

 

大分消耗させたはずだけど倒すまでには至らなかったなんて・・・魔力も今のでほとんど残ってない。

 

「こんな奥の手を残していたなんてな。少々侮っていたようだ。だが!今ので魔力もつきたようだな。今のに敬意を表して全力で止めを刺してやろう。」

 

そう言って頭上に大きな火の玉を作る。

 

「こんなところで・・・。」

 

私が諦めかけたその時力強い声が響いた。

 

「させる訳無いでしょうが!冥王降魔陣(ラグナ・ブラスト)!」

 

 

~ saide out ~

 

 

 

「させる訳無いでしょうが!冥王降魔陣(ラグナ・ブラスト)!」

 

ライザーに黒いプラズマが収束する。

 

「ぐあああああああ!」

 

リアスに止めを刺そうとしたライザーに魔法を放ちリアスの元に降り立つ。

 

「よく堪えたわね、リアス。」

 

「里奈!助かったわ。正直諦めかけたわ。」

 

魔王剣(ルビーアイ・ブレード)使って倒せないんじゃ仕方ないわよ。」

 

しっかしなんつー耐久力してるんだ。さすがフェニックスって所かしら。

 

復活(リザレクション)

 

私はリアスに回復の魔法を唱える。前の世界じゃ使えなかったのよね~、今は頑張って使えるようにしたけど。

 

「貴様!邪魔しやがってえええ!」

 

ライザーは少しふらつきながらもこちらに構えを取る。

 

「リアスはやらせないわよ。次は私が相手してあげる。リアス、下がってて。」

 

「ええ、任せるわ。」

 

リアスが見えなくなるまで確認してライザーと対峙し、篭手も出す。

 

「あら、見逃すなんていいのかしら?」

 

「ふん、そんな隙与えるつもりも無いくせに。」

 

そういいつつ小瓶を取り出し体に振り掛ける。

 

やっぱり涙持ってたか。

 

「まずは貴様を倒してから他の眷属とリアスをゆっくり嬲ってやる。」

 

「体力回復したぐらいで私に勝とうなんて考え甘いんじゃない?」

 

「下等な人間風情が!火の鳥と鳳凰! そして不死鳥フェニックスと称えられた我が一族の業火! その身で受け燃え尽きろ!」

 

ライザーが言いながら向かってくる。私は距離を取り魔法を放つ!

 

青魔烈弾波(ブラム・ブレイザー)!」

 

片腕を吹き飛ばしたけどすぐ再生される。うあああ、めんどくさい!

 

「その程度の攻撃なんて・・・ぐはっ!貴様、何をした!」

 

「肉体のダメージが効きにくいなら精神にダメージを与える攻撃のほうが有効でしょ?」

 

「だがしかし!この程度ならば問題ないわ!」

 

「そうみたいね。それじゃあ、私の本気を見せてあげる。ドライグ行くわよ!」

 

『応!久々に大暴れしてやろうじゃないか、相棒!』

 

これで一気に決めてあげる!

 

禁手(バランス・ブレイク)!」

 

『Welsh Dragon Balance Breaker!!!!』

 

声と共に服装が前世に着ていたのに似た服装に変わる。前と違うのは赤を基調とした服装で篭手と緑の宝玉が所々に付いている。

 

赤龍帝の魔法衣(ブーステッドギア・ルーンローブ)よ。」

 

禁手(バランス・ブレイク)だと!だが、そんなもので俺を倒せると思うなよ!」

 

「じゃぁ、試してあげるわ。禁手(バランス・ブレイク)が伊達ではないってことをね!」

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』

 

魔力が桁違いに上がっていく。く~、この感覚たまんないわね!それじゃぁ、いくわよ!

 

封気結界呪(ウィンディ・シールド)!」

 

ライザーの放った攻撃を魔法で防ぐ。

 

「な!簡単に防がれただと?」

 

「だから伊達じゃないって言ったじゃない。今度はこっちからいくわよ!」

 

獣王牙操弾(ゼラス・ブリット)!」

 

ライザーは回避しようと避けるけどこれは自在に操れるのよ!

 

横に回避したライザーに魔法をコントロールして追尾させる。

 

ザシュッ!

 

「ぐあああああ、避けたはずなのに!」

 

「これ追尾式なのよね~。まだまだいくわよ~。」

 

『ライザー・フェニックス様の『僧侶』一名、戦闘不能によりリタイヤ。』

 

ここでアナウンスが入る。おお、みんなやってくれたのね!

 

「なんだと!レイヴェルまでやられたのか!」

 

「みんなのことちょっと甘く見すぎじゃないの?」

 

「だが、俺がやられなければ問題ない!」

 

「ふ~ん、それじゃぁそろそろ止め刺してあげるわ。あんたが誰に喧嘩売ったか教えてあげるわ!」

 

そして魔法を打ち合う・・・う~ん、言うだけあって大きな魔法を使う隙がないわね。もうちょっと本気出さないとかしら?・・・お!この気配は・・・。

 

「雷光よ!」

 

バリバリバリバリ!

 

「があああああああ」

 

朱乃の雷光がライザーに降り注ぐ!ナイスタイミング!他のみんなもこっちにきてるわね。

 

予測通りね。

 

「相手は里奈さんだけじゃありませんよ!」

 

祐斗も小猫も・・・リアスもいつの間にか参戦していてライザーに攻撃を仕掛けている。

 

覇王雷撃陣(ダイナスト・ブラス)!」

 

「がああああああ!」

 

朱乃に教えた魔法が直撃し、ライザーは痺れて動きが鈍くなっている。

 

「里奈!いまのうちに!」

 

「みんな、助かったわ!それじゃあ、ドライグ!」

 

『ああ、共にライザーを打ち倒すぞ!』

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』

 

魔力が膨れ上がり、そして私は呪文を紡ぐ

 

「黄昏よりも 昏きもの 血の流れより 紅きもの

 

 時の流れに埋もれし 偉大な汝の名において

 

 我 ここに 闇に誓わん

 

 我等が前に立ち塞がりし すべての愚かなるものに

 

 我と汝が力もて 等しく滅びを与えんことを!」

 

両手に魔力が収束していく。そして私の魔力にライザーはあせったのか

 

「ま、待て!分かっているのか?この縁談は、悪魔の未来の為に必要で、大事な物なのだぞ!? それを潰す事がどれほど重大なことなのかわかっているのか!?」

 

「そんなこと知らないわよ!私悪魔じゃないし。それに人の想いを無視して強引に結婚させようなんて勝手過ぎるのよ!それと、私に喧嘩売ってきたことを後悔させてあげるわ!全員退避!」

 

私の声にみんなが引いていく。

 

「今までの人生きっちり反省してこい!!竜破斬(ドラグ・スレイーブ)!!」

 

ドガアアアアアアアアアアアアアアアン!!!

 

ライザーを中心にあたり一面を吹き飛ばす!

 

『ライザー・フェニックス様、戦闘不能。よってこのゲーム、リアス・グレモリー様の勝利です!!』

 

アナウンスにみんなが喜んでいるが・・・

 

あれ?やりすぎた?フィールドにヒビが入ってる。

 

「里奈、お疲れ様、そしてありがとう。」

 

リアスがやってきて私にお礼を言ってきた。

 

「気にする事ないわよ、私もみんなのおかげで助かったんだから。それにリアスだけじゃなくて私個人の戦いでもあったんだからお相子よ。」

 

「うふふ、そうですわね。でも里奈さんのおかげでここまで戦う事が出来るようになったんですもの、だからお礼は言わせてもらいますわね。」

 

「そうだね、里奈さんとの修行と指導がなかったらここまで戦う事ができなかったからね。」

 

「そうですね。私も先輩みたいにもっと強くなりたいです。」

 

みんなが次々お礼を言ってくる。・・・正直むずがゆい。

 

「あははは、なんかみんなにお礼言われるとさすがに照れるわね。」

 

「それじゃぁ、みんな!部室に帰って勝利の打ち上げでもしましょうか!」

 

リアスの声でみんなで部室に戻り打ち上げをして盛り上がった。

 

ふふ、たまにはこういうのもいいわね。




ライザー戦決着!・・・死んでるんじゃ?と思うかもしれませんが!不死鳥なんです!フェニックスなんです!だから死んでない・・・と信じたい。

魔王剣(ルビーアイ・ブレード)の詠唱なんですが正式のが無かったんでラグナブレードの詠唱ベースにしたオリジナルです。違和感ありますがこれ以上いじると収集つかなくなりそうなんでこのままでいきます。

スレイヤーズD×Dは一応この先も続けますが、一回ここでストップした作品なので段々投稿ペースが落ちていくと思います。気長によろしくお願いします。


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覚醒そして集結編
驚愕の転生者!


スレイヤーズ世界からの転生者が出ますよ。

誰かな?


 

 

フェニックスを倒した数日後アザゼルから連絡が来た。

 

「どうしたの?アザゼル。」

 

「ああ、大分前におまえさんが提案してた物の試作が出来たんでな、試験運用してみないかって思ってな。」

 

「ええ!ちょ、本当に出来たの!?あれが!」

 

「ああ、すんげー苦労したけどな。ただ実現できればこれほどの武器とか補助装置はそうそうないだろ?実用までいければ革命レベルだぜ?」

 

おお!そこまで言うとは本当みたいね。グリゴリの技術侮りがたし!

 

「やるやる!そんで時間と場所は?」

 

「時間あるならいまからでもいいぞ?場所は~・・・迎えよこすわ。」

 

「オッケー、今からでいいわよ。こっちから提案した代物だしね。喜んで行くわ。」

 

「ああ、わかった。それじゃあ屋上に迎えよこすから今から向かってくれ。」

 

そう言ってアザゼルは通信を切った。

 

ふふふふ、これが使い物になるなら新たな武器、切り札にもなりうるわね。

 

 

 

 

そして屋上に着いた私を待っていたのはレイナーレだった。

 

「里奈さん!お待ちしてました!」

 

なぜか目をキラキラさせながら私に声を掛けてきた。

 

「え~と、レイナーレだったっけ?アザゼルに使ってもらってるの?」

 

「はい!里奈さんのおかげです!おかげでアザゼル様直属の部下にしてもらう事が出来ました。」

 

「よかったわね。アザゼルも結構人情に弱いというか甘いというか・・・まぁ、なんにしても良かったじゃない。」

 

「ありがとうございます!多分これから連絡役が私になると思うのでよろしくお願いします!」

 

「ええ、これからよろしくね。それで行き先は?」

 

「ああ、そうでした。それではこれから冥界の実験場に飛びますのでこの魔方陣に入ってください。」

 

そう言って魔方陣を展開し私と一緒に転移した。

 

 

 

「おう!待ってたぜ!」

 

「直接は久しぶりね、アザゼル。」

 

「それで・・・どうして魔王とその女王がいるの?敵対者じゃないの?」

 

そうなのだ、転移した先にはアザゼルと魔王サーゼクス・ルシファーとその女王グレイフィア・ルキフグスがいたのだ。

 

「やあ、直接会うのは初めてだね、兵藤里奈さん。フェニックスとの試合興味深く拝見させてもらったよ。グレイフィアの言うとおりだったね。」

 

「でしょう?ああ、お久しぶりです、リナ・インバース(・・・・・・・・)様。」

 

「・・・・・・・・・・・へ?」

 

「ぶはははははは!いい反応だぞ!里奈。話した甲斐があったってもんだ!」

 

へ?何言ってるの?え、どういうこと?

 

「まぁ、隠してても仕方ない。グレイフィアよろしく頼むよ。」

 

「分かりましたサーゼクス様。では。」

 

ドン!

 

「え!ちょ!まさか!」

 

グレイフィアさんが言った直後に彼女の纏う雰囲気というかオーラが変わった・・・ていうかこれって!

 

「リナ~、こっちでも随分楽しそうに(・・・・・)やってるみたいね?」

 

笑顔で言っているのだが・・・その表情がさらに恐怖感を増している。

 

「ま、まさか、ね、ね、姉ちゃん!?え!嘘!なんでここに!?」

 

そう、居るはずがないのだ。転生者の人数は合計で10人だったはずだ、敵味方含めて。

 

「ああ、私も頼まれたのよ。あいつに。聞いてなかった?」

 

「そんなの聞いてないわよ!こっち来てから連絡すら来てないのよ?」

 

「あいつ、相変わらずなんだから。それともまだ気付いて(・・・・)ないのかしら?」

 

姉ちゃんと知り合いだったぽいわね。・・・って

 

「気付いてないってどういうこと!?」

 

「ああ、里奈は最初からリナだったわね。私は最初はグレイフィア・ルキフグスだったのよ。」

 

「へ?それってどういう・・・。」

 

「そうね~、記憶喪失状態だったって言えばわかるかしら?」

 

「それは途中で思い出したってこと?」

 

「そうなるのかしら?転生の影響だと思うんだけど・・・そういえば言ってたわね不具合(・・・)起きないように出来たのはリナだけとかなんとか。」

 

不具合(・・・)って・・・他のみんなにもありうるってことよね?」

 

「そうね、私と同じかそれ以外だと性別や種族が違うってパターンもありうるわね。」

 

ということは相手が気付いてないだけでもう会ってる可能性もあるのか。

 

「それで、姉ちゃんはどうやって気付いたの?」

 

「あんたがフェニックス戦で竜破斬(ドラグ・スレイブ)撃った時ね。」

 

最近すぎる!てかあのシーンで思い出すか!普通!

 

「あんたねぇ、あの魔法見て衝撃受けないほうがどうかしてるでしょ。フィールド割れそうだったんだから。」

 

そう言われればそうかもしんない。

 

「それで、姉ちゃんはこれからどうするの?」

 

「私はグレイフィア・ルキフグスとして生きていくわよ?旦那と子供もいるんだし。」

 

「旦那!子供!」

 

「そこにいるわよ。」

 

と言ってサーゼクスさんを指差す。

 

「ええええええええええええええええええ!」

 

「一応気付く前の人格がベースだからちゃんと愛しているわよ?今の話し方はリナに合わせてるだけだからね?」

 

「そ、そういうこともありうるのか・・・それにしても姉ちゃんが人妻って・・・。」

 

「何か文句あるかしら?」

 

「ありませんです!お姉さま!」

 

「よろしい。それとだけど、あんた悪魔になりなさい。」

 

「え、なんで?」

 

「この件終わるのがいつになるか分からないのに、人間の寿命でなんとかするつもりだったの?」

 

「え、いや~、なんとかなるかな~って。てへっ。」

 

「てへっ。じゃないわよ!他のメンバーが悪魔とかだったらどうするつもりだったのよ!解決できずに寿命尽きました!そんであんたは他のメンバーに丸投げするんかい!え!どうなのよ!」

 

「いや、姉ちゃんいればなんとかなるんじゃ?」

 

「私は、手伝いというか簡単なサポートくらいしかやらないわよ?そもそもあっちで死んだ直後に

 

 『ルナさん、死んで早々悪いのですが転生してくれませんか?僕も後で行くので。』

 

 って問答無用で転生させられたのよ!だから詳しい事情も聞いてないの。それから私はサーゼクスの女王だからうかつに動けないの!わかった?そういう訳で悪魔になってもらうわよ?私の眷属に!」

 

「姉ちゃんの眷属なの!?」

 

「当然でしょう?あんたの力量だと私くらいじゃないと眷属にできないのよ。その後リアスとトレードしてリアスの眷属になってもらうわ。」

 

「え~、でも実力差があると無理なんじゃ・・・。」

 

「転生は、ね。トレードなら問題ないわ。それと(・・・)あんたフェニックスとの戦い本気じゃなかったわよね?」

 

『な!』

 

私だけじゃなくてサーゼクスもアザゼルも驚いている・・・アザゼルもあの試合見たんかい。

 

「はぁ~、姉ちゃんには隠し事できないわね~。」

 

「理由は?」

 

「私1人で勝ったことになったらリアスの今後に影響でるかな~?って考えたのよ。それとリアス達にギリギリの実戦経験積んでもらおうと思ったのよ。」

 

「まったく、相変わらずお人よしなんだから。」

 

くそう、さすがに姉ちゃんの目は誤魔化せなかったか。




姉ちゃん登場!ストーリーにはあんまり関わらない方向です。チートすぎるし。

里奈:なんで転生させたの!?

面白そうだから。あと、里奈の制御役。

里奈:・・・。

里奈を悪魔にする方法がこれしかなかったんだもん。

里奈:無理矢理すぎじゃない?

転生無理ならトレードならいけるかな~?なんて。



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悪魔に転生と新しい武器

里奈の現在の実力が分かります。ちょっとやりすぎた。


 

 

「それで今の実力って前と比べてどれくらいなの?」

 

姉ちゃんが聞いてきた。

 

「え~と、魔力キャパは前より多いわね。あと、魔法も転生前に覚えてなかったのも覚えたし使える様にはしてあるわ。それに加えてドライグの倍加ってところかしら。」

 

「え、前より多いの!?もしかして増幅無しでアレ(・・)使えるの?」

 

「ん~、ギリってところかしらね~。増幅無いとそんなに発動していられない。」

 

「それにしても・・・となると・・・。」

 

姉ちゃんが何やら悩みだした。まぁ、転生理由が理由なんで以前の私よりはかなり努力したせいか以前より戦闘力や魔法の種類は多くなっている。

 

「グレイフィア、里奈さんの前の強さはどうだったんだい?」

 

「そうですね、条件によっては魔王倒せるかしら?あの世界の魔王2回も滅ぼしてますし。」

 

「でも、話し聞いた限りだと向こうの世界の魔王はこちらよりもかなり強いらしいじゃないか。」

 

「だから条件付なのよ。アレ(・・)使って偶然というか条件有りでだったのよ。じゃないとアレ(・・)使っても倒せてなかったみたいだしね。」

 

「そう考えると条件無しだと上級か最上級くらいじゃないかしら?」

 

確かに以前の私だとそれくらいだったかもしんない。

 

「それでも充分強いんじゃないか?」

 

「そうね、魔道士としてはトップクラスだったのは間違いないわね。」

 

「その上を行くグレイフィアも流石だとしかいえないよ。」

 

「強さの種類が違うもの。私は純剣士でスィーフィードの力と知識の一部を得たせいで『赤の竜神の騎士(スィーフィード・ナイト)』になってたから。魔法唱えさせる前に張り倒せば問題ないでしょ?」

 

そうなのだ、姉ちゃんに逆らえなかったのは幼少期の刷り込みも多分にあるのだが魔法を唱える前に張り倒される、どんな魔法を撃っても避けられるか弾かれるという普通ではありえない力があったからなのだ。

 

「そうなるとグレイフィアとはいえ僧侶の駒じゃ転生きついんじゃないか?」

 

「そうですね。それで悩んでいたのですが。」

 

おお、姉ちゃんでもきついならこのまま人間でいられるんじゃ?という希望は次の言葉で打ち砕かれた。

 

「それで、兵士8個使ってみようかと思います。3個は変異の駒ですので。」

 

「なるほど、それならいけるかもしれないね。リアスも兵士は使って無いはずだしな。」

 

・・・どうしても悪魔にならないといけないようである。さよなら人の生。

 

「さて、リナ?諦めて悪魔になってもらうわよ?」

 

じりじりと詰め寄ってくる。

 

「はぁ~、分かったわよ!元のままでも勝てるかどうかだったのに更に『赤の竜神の騎士(スィーフィード・ナイト)』の力まで戻ったんじゃ逃げようないじゃない。それに姉ちゃんの言葉は間違ってなかったことが多いし。」

 

「転生前みたいに完全に『赤の竜神の騎士(スィーフィード・ナイト)』の力が使えるわけじゃないわよ?」

 

いや、それにしたって充分強いでしょうに・・・さっきの赤いオーラだって尋常じゃなかったし。

 

「はい、じゃあこれ渡すから魔力流して。」

 

そう言って駒8個渡される。

 

目を閉じ魔力を駒に魔力を流す。おお!胸に勝手に吸い込まれていく。

 

「ふ~ん、力が全体的に上がるのね。」

 

「その代わり太陽の光に弱くなるから慣れるまで朝とか大変かもよ?それから光力にも弱くなるから戦闘の時に気をつけるのね。」

 

「朝に弱くなるのはつらいわ~。弱点の属性も出来るのか。」

 

「それにしても里奈、プロポーション前より大分よくなったわね。特に胸が。背は変わらないみたいだけど。」

 

『ぶっ!』

 

アザゼルとサーゼクスが吹いている。何言い出すかと思えば・・・まぁ。確かにプロポーションは良くなったし前世での最大のコンプレックスだった胸が大きくなったのだ!まぁ、リアスや朱乃には負けるけど・・・身長は残念ながら前と変わらず。

 

「はぁ~、ていうかそろそろ実験したいんだがいいか?」

 

アザゼルがちょっと疲れた感じで聞いてくる。

 

「いいけど・・・ってそういえば、ちょっとアザゼル!なんで魔王とかと一緒なのよ!敵対関係じゃないの?」

 

「そもそも俺は戦争には興味無かったんだよ。終戦の時にサーゼクスとミカエルとも裏で話して一時休戦に持っていったのは俺だからな。それとコレ(・・)作るのにアジュカとかにも強力してもらってたんだよ。」

 

「そういうことなんだよ里奈さん。まぁ、これ自体非公式に作った物だし元々情報交換とかアザゼルとはしていたんだよ。」

 

「へぇ~、そうだったんですか。それ、私は聞いてませんよ?サーゼクス。その件については後でジックリ聞かせてもらいますからね?」

 

「わ、わかったよ・・・。」

 

おお、魔王すら威圧する女王って面白いわね。

 

「まぁ、そういうことだ。ホレ、適当に魔法使って撃ってみろよ。」

 

そう言って渡されたのは弓矢状の武器。

 

ふふふ、遂に!私の欲しかった武器が!試作だけど。

 

魔力を武器に通す。すると魔力の弦のようなものが現れそれを引きながら魔法を唱える。

 

「黄昏より昏き」

 

「まてまてまて!いきなりそれ使うんじゃない!一応耐えられる設計だが、もうちょい弱いのにしてくれ!壊れたらたまらん!」

 

やりすぎたか。じゃぁ~・・・あれでいくか。

 

「全ての力の源よ 輝き燃える 赤き炎よ 盟約の言葉によりて 我が手に集いて力となれ!」

 

「里奈!それって!」

 

『?』

 

姉さんが焦り結界を張る。アザゼルとサーゼクスは疑問の顔を浮かべている。

 

暴爆呪(ブラスト・ボム)!!」

 

私の放った赤い矢が飛んで行き100メートル位先に着弾する。

 

ゴガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!

 

着弾と同時に物凄い爆音と爆風が過ぎ、着弾地点の地面は融解している・・・あ、クレーター出来てる。

 

「おまえなああああああ!無茶するなって言っただろう!!」

 

「あはははは、まさかこんなにすごひとは。」

 

「あんたねぇ、火炎系最強呪文じゃないの!加減て言葉の意味分かってる?」

 

分かんないとか言ったら殺されそうね。

 

「しかし、これはすごいな。」

 

武器の方は特にヒビが入ったりしてないとこを見ると予想以上の出来じゃないだろうか?

 

「ったく、とはいえこれは使えるな。」

 

「そうね~元の強さから比較して2~3倍くらいかしら?」

 

「ちょ、まて、元々の威力って?」

 

「ああ、ゲームで体育館吹き飛ばした魔法って言えばわかる?」

 

「え、あれって増幅してたよな?」

 

「あの時は魔力キャパだけよ?」

 

「今使ってなかったよな?」

 

「ああ、魔力あんま使いたくなかったから増幅してつかったのよ。」

 

「て言うことは威力増幅+それだと・・・」

 

「多分竜破斬(ドラグ・スレイブ)位になるんじゃないかしら?範囲だけなら。」

 

「フェニックスに使った竜破斬(ドラグ・スレイブ)は?」

 

「あれは魔法自体強化してたわよ?じゃないとフィールドにヒビなんか入らないって。範囲は調整して出来るだけ狭くしたけど。」

 

「それにしても地面が融解するほどとは。」

 

「それで?これは一応完成ってことでいいの?」

 

「そうだな~、一応注文にあった剣の型が2本出来てるんだが・・・そうだ!里奈はリアスのとこの眷属になるんだったな。あいつらと里奈に渡して使ってもらってデータ取りに協力してもらうか!弓も里奈に渡しておく。」

 

おお!それはいいわね!

 

まぁ、この種類のラインナップはこの世界にいるであろうある人の為ものである。まぁ、祐斗に1本渡して1本は私で弓はリアスか朱乃に使ってもらおうかしら?

 

「なるほど、それはいいかもしれないね。まだ試作なんだろ?それなら実戦で使ってもらってデータ取りするのはアジュカも喜ぶだろうね。」

 

「それはいいと思いますが・・・・・リナ?分かってるわよね?」

 

「はい!自重します!」

 

「よろしい。」

 

「じゃぁ、弓はリアスとか朱乃、剣は祐斗と・・・リナ、お前剣もそこそこ使えたよな?」

 

「ええ、それなりにだけど。」

 

剣は実は前よりは使えるようにはなっているのだが超一流になれる才能はなかったらしい。

 

「じゃぁ、剣はお前に預ける。弓も渡すから上手く使え。」

 

やた!ラッキー。ふふふ、これから楽しみが増えるわね~。

 

「データはちゃんと送れよ~。」

 

「わかってるわよ、それにしても全部渡して大丈夫なの?」

 

「ああ、そこら辺は問題ない。試作だからな、データもあるし実用するために色々まだ作ってるからな。今の感じだと強度と増幅をメインであげればいいな。」

 

「まだ強くするの!?」

 

「ああ、強度は竜破斬(ドラグ・スレイブ)に問題なく耐えられることと増幅率は平均5倍が安定できるくらいを目指してるからな。」

 

「強度はわかるけど本当に本物目指してるのね。」

 

「当たり前だ!まぁ、材料とか技術が特別すぎて量産は出来ないがな。だが、この技術を元にレプリカみたいの作れれば売れる!というか来る脅威に対抗できるからな。」

 

「脅威だって?アザゼル。」

 

「ああ、まだはっきりした事は言えないがな。それに里奈が転生してきた理由も多分騒動の種になるだろうからな、その時の為の備えもいるからこの武器の完成と、質は落ちてもレプリカの量産は後々必要になってくるだろうからな。だからこれは里奈の提案が面白そうだからと言うのもあったが、そういう理由でこれの開発はある意味急務なんだよ。」

 

う~ん、私の方も確かに大事になるだろうけど他にもあるなんてね。そりゃ、気合入れて作ろうなんてなるわよね。

 

「なるほどね。こちらもそれならアジュカに頼んでみるよ。」

 

「ああ、そうしてくれると助かる。技術は公平にお互い公開してるからアジュカにもよろしく伝えておいてくれ。」

 

「ああ、わかったよ。それじゃぁ、僕は戻るよ。それと里奈さん、この後グレイフィアとリアスの所に行って早速トレードしてやってくれないか?」

 

「ええ、はい分かりました。」

 

「里奈、データ頼んだぜ?残りの他の武器は後で転送しておくからよろしくな。」

 

「オッケー、きっちりデータ取りしてあげるわよ。」

 

ん?レイナーレが何か言いたそうにしてるわね?

 

「レイナーレどうしたの?」

 

「あれの後始末どうするのかな?って。」

 

『あ!』

 

全員の声が見事にハモった。




アレ(意味深①)あえて名前は出してません。魔法で剣のほうです。

アレ(意味深②)試作なので名前付けません。

今回の話とこれからの事を活動報告に書きますので読んでください。


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トレードと新武器

ストック無くなった。


 

 

翌日の放課後、部室で姉ちゃんとリアスのトレードは行われた。

 

「これってある意味裏技よね~。」

 

「確かにそうね。」

 

「逆に考えると分かりますが、『双方同意の上』という条件がありますので普通はこういうトレードは成立いたしませんよ?」

 

ああ、普通だとお互い納得なんてしないわね~。

 

「でも、里奈はいいの?」

 

「え?だいじょぶだいじょぶ。おどさ・・・納得して転生したから・・・あはははは。」

 

あぶな!脅されたとか言ったら姉ちゃんに殺される!

 

「では、私は仕事がありますので戻りますね。・・・里奈さん!これからも(・・・・・)よろしくお願いしますね。」

 

そう言って姉ちゃんは帰って行った。最後の台詞がなんとも・・・。

 

「私としては里奈が眷属になるのは大歓迎なのだけれど・・・。」

 

「ああ、大丈夫よ。さっきもいったけどちゃんと納得して悪魔になったから。」

 

「それならいいけど・・・。」

 

まぁ、いきなり悪魔になって、トレードして!って言われても納得しないわよねぇ。この間まで拒否してたし。まぁ、この辺は時間が経てばなんとかなるでしょ!

 

「ああ、そういえばリアスか朱乃、それと祐斗にお願いがあるんだったわ。」

 

「お願い?」

 

「今から渡すアイテムのモニターになってもらいたいのよ。」

 

「モニター?」

 

「そう!モニター。」

 

そう言ってそれらを取り出す。

 

「剣の柄と弓?」

 

「そうね。剣はこう使うのよ。」

 

といって剣の柄を右手で構える。

 

「光よ!」

 

ブウウゥン

 

という音をたててバスターソード並みの光の剣ができる。

 

「え!これってどういう仕組みなの!?」

 

まぁ、こういう反応になるわね。

 

「そうねぇ、簡単に言うと自分の意志力を具現化させる武器って感じかしら?意思とか魔力コントロールに左右されるから他の人が持ったら刃の部分は大きさ変わるわよ?」

 

「そんな物どこから持ってきたの?」

 

「ひ・み・つって言いたい所だけど、サーゼクスとグレイフィアに頼まれたのよ。」

 

「お兄様とグレイフィアが!?」

 

「まぁ、実際に作ったのはアジュカ・ベルゼブブみたいだけどね~。」

 

「アジュカ様が・・・。」

 

「それでこの武器を私達で使って色々試して欲しいみたいよ?まだ試作って言っていたし。」

 

みんなが興味深そうに武器を手にとって見ている。

 

「弓は朱乃のほうがいいんじゃないかしら?魔法のバリエーション多いし。」

 

「そうね~。試しに使ってみれば教えやすいんだけどね~。」

 

私の言葉にリアスはしばらく考えた後サーゼクスに場所を見つけてもらうのに通信していた。

 

「いい場所があるみたいだから早速行ってみましょうか。」

 

リアスが魔法陣を展開してみんなで移動する事になった。

 

 

 

移動した場所は・・・昨日と同じ場所だった。悪魔側の土地だったのね。

 

ああ、昨日の魔法の跡が・・・。

 

「で、なんでまたグレイフィアがいるのかしら?」

 

「やりすぎないように監視です。」

 

私の問いに姉ちゃんが答える。監視て。

 

「昨日の里奈さんの例がありますので。」

 

「どういうこと?」

 

リアスが尋ねる。

 

それに姉ちゃんがある場所を指差し

 

「あそこのクレーター作ったのが里奈さんなので。」

 

『えっ!』

 

姉ちゃんの言葉にみんなが驚く・・・わからんでもないけど。

 

「どうしたらあんな大きいクレーター出来るの?」

 

「ゲームで使った体育館吹き飛ばした魔法を弓で撃ったのよ。」

 

「アレですか。でもここまでじゃなかったと思いますけど。」

 

小猫が聞いてくる。ああ、言ってなかったわね。

 

「それ使うと攻撃が増幅されるのよ。」

 

「お試しで使う魔法じゃないわよね?」

 

リアスがジト目だ。

 

「いや~、聞いた時にテンション上がっちゃって、てへ。」

 

「てへ、じゃありません。最初は竜破斬(ドラグ・スレイブ)撃とうとしてましたからね。やり過ぎないようにサーゼクス様に監視を頼まれました。」

 

「里奈、あなたねぇ・・・。」

 

「と、とりあえず、みんなも試してみましょう!」

 

強引に方向転換する私。

 

「はぁ~、そうね。じゃあ里奈、朱乃と祐斗にレクチャーお願いできるかしら?」

 

リアスの言葉で祐斗と朱乃に使い方を教える。

 

 

覇王雷撃陣(ダイナスト・ブラス)!」

 

バリバリバリバリッ!ドガガガガガガガガガッ!!

 

弓から放たれた朱乃の魔法が数十メートル先で炸裂する。

 

「これはすごいわね。」

 

朱乃が魔法の威力に驚いている。祐斗も色々やっているけど・・・あ、そうだ。

 

「祐斗、柄の先に神器(セイクリッドギア)の剣先だけ出せない?」

 

「どうかな?多分出来ると思うけど。」

 

光を消し祐斗が構える。私の予想が正しければ・・・

 

魔剣創造(ソードバース)!」

 

声と共に柄の先から実体のある剣が出てくる。

 

「うまくいったみたいね。どう?」

 

「これは・・・能力が全体的にが強化されてるみたいだね。」

 

「あとは・・・そうだ小猫、これ使って光の剣出してくれる?」

 

私は剣を渡し小猫が発動させる。

 

「どうすればいいんですか?」

 

「ああ、そのまま動かないでね。」

 

そう言って呪文を唱える。

 

黒妖陣(ブラスト・アッシュ)!」

 

「にゃっ!」

 

バシュウ!

 

音と共に剣が魔法を吸い込み刃が黒く染まる。

 

「先輩!先に説明しておいてください!」

 

あはは、いきなりは驚くわね。にゃっ!だって、可愛い。

 

「ごめんごめん、小猫、あそこの岩に向かってその刃飛ばしてみて。念ずるだけで飛ぶから。」

 

「行け!」

 

バシュ!

 

小猫が飛ばした刃の当たった部分が塵と消える。

 

「先輩・・・。」

 

小猫がジト目で睨んでくる。

 

「ほんとごめんって!あとでパフェ奢ってあげるから。」

 

「スペシャルなら許します。」

 

「仕方ないわね。ここから戻ったら行きましょうか。」

 

「約束です。」

 

小猫がなんとか機嫌を戻してくれた。

 

「里奈さん、これって任意で弾いたり吸収したり出来るのかな?」

 

「ああ、それは私もやった事無かったわね。実験してみましょうか、いい?祐斗。」

 

「ああ、お願いするよ。」

 

祐斗が構えたのを確認してから私は呪文を唱える。

 

「空と大地を渡りしものよ 優しき流れ たゆたう水よ 我が手に集いて力となれ」

 

氷の矢(フリーズ・アロー)!」

 

十数本の氷の矢が祐斗に向かって飛んで行く。

 

「はあっ!」

 

祐斗はいくつかを弾き、いくつかを吸収している。

 

おお、任意でできるのね~。

 

「これは凄いね。」

 

「そうね。でも多分だけど違う属性だと消えるか吸収出来そうに無いわね。」

 

「反対属性だと打ち消しあいそうだね。」

 

でもオリジナル並みに使えそうね。

 

「まだまだ応用利きそうね。」

 

「でも、そろそろいい時間だし今日は戻りましょうか。」

 

リアスの言葉で今日はお開きになり部室へ戻った。

 

その後約束通りに小猫にパフェを奢ってあげたんだけど・・・体に似合わない健啖さを発揮してあっという間に食べてご機嫌で帰って行った。

 

甘い者好きだったのね。

 

そういえば部室で何か食べてる事多かったかも。




前書きでも書きましたが、ストック尽きました!細かい展開考えてないいいいい!

転生キャラは大体決まりました。が、D×Dの出てくるキャラのが多いので誰をそのままにするのかでちょっと悩んでたり。一応本編で出てきたキャラのみの予定なんで・・・あ~、でもナーガは・・・出そうかな・・・アメリアの姉ポジションで・・・でもカオスになりそうな・・・。

次の投稿までちょっと開くと思いますがよろしくお願いします!


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こなくていい、来訪者達と面倒ごと

ここから本編の3章開始です。


 

 

リアスの眷属になってから数日後、アーシアと帰っていると(アーシアも駒王学園の1年に編入した)家の近くで妙な気配を感じた。

 

「これは・・・アーシア、私から離れるんじゃないわよ。」

 

「どうかしたんですか?」

 

怪訝そうな顔でアーシアが聞いてくる。

 

「ん~大丈夫だと思うけど家のほうに良くない気配を感じるのよ。だから正体分かるまで私から離れちゃだめよ。」

 

「はい、分かりました。」

 

そうして警戒しつつ家の前まで行くと

 

「里奈ちゃん久しぶり!」

 

栗色の髪をツインテールにした女の子が私の名前を呼んだ。

 

「あら、イリナ久しぶりじゃない。」

 

警戒を解かないまま返事を返す。

 

「近くに来たから寄ったんだけど誰もいなくて、失礼かと思ったんだけど待たせてもらってたの。」

 

彼女は紫藤イリナ。大分前にイギリスに引っ越した私の幼馴染だった。

 

「父さんと母さんは相変わらず海外飛び回ってるわよ。それで、戻ってきた理由は?」

 

「ええ、教会のお仕事で久しぶりにこの町に戻ってきたから里奈ちゃんに会いたくて来たんだけど・・・。」

 

そういえばこの子両親と揃って敬虔な信徒だったわね~。

 

「里奈ちゃん、人間じゃ無くなってる?」

 

「ああ、わかるのね。っとここじゃなんだから家で話しましょ。」

 

そう言って家の鍵を空けてドアを開く。

 

「連れの方もどうぞ。」

 

「ああ、失礼するよ。」

 

2人をリビングに待たせて着替えてから飲み物を出す。

 

「それで?何かこの町で事件でも起きてるのかしら?」

 

私は単刀直入に聞いてみる。

 

「悪魔に教える必要は無い。」

 

「ちょっと、ゼノヴィア!ごめんね~里奈ちゃん。」

 

まぁ、教会関係者の悪魔に対する反応なんてこんなもんよね。

 

「別にいいわよ、聖剣持ち出すくらいの事件なんだから当然よね~、私も悪魔になっちゃったし。」

 

「あはは、里奈ちゃんには分かっちゃうか~。細かい事は明日里奈ちゃんの学園で話すから今日は勘弁してね。里奈ちゃんも悪魔だから話しは通ると思うし。」

 

わざわざ学園で事情説明って事は結構大事っぽいわね。

 

「わかったわ。それにしてもイリナって聖剣扱えるのね。」

 

「これも信仰と修行のおかげね。本当は里奈ちゃんを勧誘に来たんだけどね~、悪魔になっちゃってるからね。」

 

「前も私のこと勧誘してたけど悪魔になって無くても断ってたわよ?」

 

「そうよね~、里奈ちゃんがいれば心強いんだけどね。」

 

「イリナ、悪魔に馴れ馴れしくするな。信仰の無い奴を頼っても仕方ないだろ。」

 

「少しくらいいいじゃない、幼馴染なんだし。悪魔になっちゃったのは残念だけど。」

 

「ふん、欲を糧にするような奴と馴れ合う必要は無いだろ。」

 

こいつ・・・

 

「はぁ~、悪魔だの堕天使だのって言ったって単なる種族の差じゃない。人間にだって善悪はあるでしょうに、自分達だけが至高とか正しいとかくだらないわね。だから私って宗教とか嫌いなのよね~。教会だって違法施設とか作ってるんだからそっちだって充分信用できるかどうか分かったもんじゃないわよね~?」

 

「なんだと!」

 

「ちょっと、ゼノヴィアも里奈ちゃんもやめてよ。」

 

「ふん、まぁいい。帰るぞイリナ。」

 

そう言って帰ろうとドアに手をかけた時にゼノヴィアがアーシアを見て聞いた。

 

「ん?お前はアーシア・アルジェントか?」

 

「ええ、はい。」

 

アーシアがちょっと怯えながら答える。

 

「アーシア・アルジェントって・・・堕ちた聖女?」

 

「そうだ。悪魔をも治療できる力を持っているらしく教会から追放されたと聞いていたが悪魔の庇護下にいたとはな。」

 

ん~正確には堕天使なんだけど・・・ややこしくなりそうだから言わないけど。

 

「私は・・・教会を追放されたあと堕天使に利用されそうになった所を里奈さんに助けてもらったんです。その頃はまだ里奈さんは悪魔じゃなかったですけど。」

 

「ふん、悪魔になっても一緒に居る時点で大して変わらないよ。・・・まだ神を信仰しているのか?」

 

「え!追放されたんだから神を信仰してるなんてないんじゃない?」

 

「いや、たまにいるんだよ。そういうのに私は敏感でね、わかるのさ。」

 

「信仰は・・・捨てきれないだけです。ずっと信じてきたので・・・。」

 

「どうせ悪魔の庇護にいるんだから利用されて終わりだろう。そうなる前に私が神の元に断罪してやろうか?」

 

こいつは神の元とかいえばなんでも許されるとか思ってるのだろ~か?

 

「はぁ~、あんたさっきの話聞いてた?悪魔だろうと堕天使だろうと単なる種族の差でしかないわよ。それを見ても無いのに利用されるって?これだから敬虔な信徒って好きになれないのよね~。神の名を出せばなんでも許されると思ってるわけ?断罪なんて・・・法律で計ったら神の名の下だろうと単なる殺人よ。殺人に良いも悪いも無いわよ?」

 

私の言葉に2人は言葉に詰まる。そりゃそうよ、どんな理由つけたって殺人という行為は変わらない。正当防衛もあるけどそれでも殺しちゃったら過剰防衛甚だしい。

 

「それでもアーシアに難癖つけようってんなら私が相手になるわよ?」

 

「ふん、悪魔が聖剣を持ってる私達の相手になるだって?」

 

「ちょっと!ゼノヴィア!」

 

「ええ、聖剣があるくらいで勝てると思ってるんなら慢心にも程があるんじゃない?」

 

「いいだろう、相手になってもらおうか。悪魔相手なら殺人にはなるまい?」

 

はぁ~、ライザーもだったけどこいつも相手の実力分かんない奴か。その程度で私に勝てると思ってる時点で勝負は決まったわね。

 

「イリナはどうするの?私は2人がかりでもいいわよ?」

 

「・・・私は遠慮しとくわ。」

 

まぁ、イリナは大分前とはいえ私の事知ってるから参加しないわよね~。

 

「じゃあ、ゼノヴィアだっけ?庭で相手してあげる。」

 

そう言って私達は庭に出て対峙する。

 

「じゃあ、始めましょうか。」

 

そう言って私は呪文を唱える。

 

「では、行くぞ!」

 

ゼノヴィアが切りかかってくるがそれを避けて詠唱の終わった魔法を発動する。

 

霊王結魔弾(ヴィスファランク)!」

 

もう一度切りかかって来たゼノヴィアの剣を右手で受け止める。

 

バジィ!

 

「な!聖剣を受け止めただと!」

 

驚愕するゼノヴィアの顔の前で寸止めする。

 

「勝負ありよ。油断してたとかいう言い訳は無しよ?あなたは本気でも私には勝てない。」

 

「そんなはずは──」

 

言い終わる前に私は移動して後ろを取る。

 

「今のに反応できない時点で無理よ。」

 

ゼノヴィアは首筋に当てられた私の手を見て脱力する。

 

「ああ、どうやっても勝てないようだ。負けを認めよう。」

 

「納得してくれたようでなによりだわ。」

 

ゼノヴィアは聖剣を布に包みイリナの元へ行く。

 

「じゃあね、里奈ちゃん。明日そっちに行くからその時はよろしくね~。」

 

「ええ、細かい事情は明日聞かせてもらうわよ?」

 

そうしてイリナとゼノヴィアは帰って行った。

 

また面倒な事になりそうね。

 

 




小さい頃とはいえ里奈はリナなんで・・・イリナはそこら辺分かってます。



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やっぱり巻き込まれる

ゼノヴィアのツンツンが止まらない・・・。


 

 

翌日の放課後オカ研に行くとオカ研のメンバーと生徒会の会長、副会長、それにイリナとゼノヴィアが来ていた。

 

「全員揃ったわね。話しを聞こうかしら。」

 

リアスがイリナ達に聞く。

 

「ああ。先日教会から聖剣が3本盗まれた。」

 

いきなりすごいのが来たわね。

 

「犯人はわかっているの?」

 

「ああ、主犯は堕天使の幹部コカビエル、それと十数人のはぐれ神父だ。そのあとこの町に潜伏したらしいところまでは判明していて私達のほかにも数人神父達が捜索している。」

 

随分と大物が動いてるわね、あとでアザゼルに聞こうかしら。

 

「それで私達はどうすればいいのかしら?」

 

「何もしなくて良い。聖剣の奪還は私達だけで行う。この事件には一切干渉無しだ。」

 

うわ~、喧嘩売ってるのかしら?

 

「どういうこと?」

 

リアスも嫌悪を隠さずに聞いている。

 

「これは私達の起こした不祥事なので悪魔には関わって欲しくないという事だ。」

 

「それと悪魔は信用できない、ってところかしら?」

 

私も挑発気味に言ってやる。

 

「そういうことだ。聖剣はお前達悪魔にとっては天敵みたいな物だからな、なので渡すわけにはいかない。」

 

なるほどね。

 

「とはいえ私達の町で勝手に暴れられてもかなわないわね?リアス。」

 

「そうね、私もこの町の管理を任されているから放置なんてできないわ。」

 

「そもそもあんた達が主戦力だったらコカビエルには適わないわよ?仮に奥の手とか何かあってもコカビエルは倒せないわ。」

 

「私達も倒せるとは考えてはいない。最悪破壊出来ればそれでいい。」

 

そんな簡単にいくと思ってるのだろ~か?聖書にも記されている堕天使の一人を簡単に出し抜けるなんて甘いにも程がある。

 

「昨日の動き見た感じだとそれも無理じゃない?」

 

「里奈、ゼノヴィアと戦ったの?」

 

「ええ。実はイリナが幼馴染で家に来たんだけどちょっと言い争って流れで戦ったんだけど、あの程度じゃ出し抜く事も出来ないわね。」

 

ゼノヴィアは昨日の事を思い出してるのか悔しそうな顔をしている。

 

「それで提案なんだけど・・・・・と、その前に祐斗、この件になにか思う事でもあるの?」

 

さっきから聖剣に対して警戒?じゃないわね憎悪のようなものを向けている。

 

「あはは、里奈さんには適わないね。僕は聖剣が憎くて仕方ないんだよ。」

 

ああ~祐斗の髪の色はそういうことか。

 

「祐斗、あんた聖剣計画の生き残り?」

 

「どうしてそれを里奈さんが!?」

 

「あの施設ぶっ飛ばしたの私。その時には生きている人は居なかったけど。」

 

「そうなのか。多分里奈さんは僕が逃げ出した後に来たんだね。」

 

「他に生き残りは?」

 

「いないよ、僕達は処分されたのさ。聖剣に適応出来なかったっていう理由だけでね。僕はみんなが逃がしてくれたんだ、でも僕自身もその時にガスを吸っていてね、死ぬ寸前だった所をリアス部長に助けられたんだ。」

 

なかなか壮絶な過去をもっているわね。

 

「なんか悪い事聞いちゃったわね。」

 

「いいさ、今日の話があるまで僕自身も気にしないようにしていたからね。でも、目の前に聖剣があると思うと憎しみが止められないんだよ。」

 

となるとここは

 

「やっぱり私達も参加するしかないわね〜。」

 

「な!」

 

「だって〜、今の話でわからない?あなた達だけではどう考えても失敗する、私達が手出ししないって言ってもこの感じだと祐斗は1人でも動くでしょ?そうなったら私達だって止めるなり協力するなりしなきゃいけなくなる。それだったら最初から全員で一緒に動いても変わらないんじゃない?」

 

「だが!」

 

ゼノヴィアが食い下がってくるが

 

「あんたも面子に拘ったって解決しないのはわかるでしょ?それにあんた達だけでやって失敗されたら結局こっちにも迷惑かかるんだからね〜。だからこれはお願いじゃなくて決定事項なのよ。それでいいわよね?リアス。」

 

「勝手に話し進めて、いいわよね?って。でもそうね、里奈の話も間違ってないと思うしその方が私達も動きやすいわね。それにただ見ているなんて性に合わないわ。」

 

納得してくれた様である。

 

「とはいえ、一緒に行動ってわけにもいかないでしょうから行動は別々、ただし情報の交換はする。その上で相手を見つけたら連絡して協力して奪還又は破壊ってのが一番いいんじゃない?」

 

「僕は異論は無いよ。ただ僕の復讐にみんなを巻き込むのは「はい、ストップー。」え?」

 

「祐斗、それは違うわよ。貴方の復讐に巻き込まれたわけではなく、教会の不祥事に巻き込まれて動くのよ。その上で祐斗の復讐が絡んできたってだけよ。だから祐斗は気にしちゃ駄目よ。それから熱くなっても駄目、騎士なんだから何時でも冷静に、ね?」

 

「ふふふ、里奈さんにはかなわないね。分かったよ、僕も眷属の一人として行動するよ。」

 

暴走はなんとか止められたか。現物見たら分かんないけど取り敢えずは問題なさそうね。

 

「里奈にいい所持って行かれちゃったわね。」

 

そう言いながらもリアスは笑ってるし。

 

「あんた達もそれでいいわね?」

 

「ああ、いいだろう。なら連絡先を交換しておこう。」

 

そうして連絡先を交換してからイリナ達は帰って行った。

 

やっぱり面倒なことになったわね〜。




見直してみるとイリナの台詞が無い!


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アザゼルの説明

こっちは筆が進まないな~。


 

 

イリナ達がいなくなった後簡単にこれからの方針を決めて解散した。

 

「さてアザゼル、ちゃっちゃと事情を説明してもらいましようか?」

 

解散した後私はみんなと別れてアザゼルに事情を聞く事にした。

 

「まあ、そう怒るな。こちらの不手際だった事は認めるが、こんな早急に動くと思わなかったんだよ。」

 

「そんなのアザゼルがちゃんと管理してないから悪いんでしょうが!」

 

「分かった分かった、頼むから落ち着け。ただ今回の件に関しては俺達も驚いていてな、現状に不満を持っていたのは分かっていたんだが今回の件のような事を起こす程では無かったんだよ。」

 

「何か原因とか切っ掛けとかないの?」

 

「う〜ん、切っ掛けかどうかは分からないが以前にお前とライザーのゲームを見てから雰囲気は変わったような?」

 

あのゲームでってどういう・・・まさか!

 

私の中で最悪な想像が膨らむ。

 

「アザゼル!時間作って!直接話したいわ。」

 

「それなら一時間後でいいか?」

 

「ええ、かまわないわ。」

 

「何かわかったのか?」

 

「多分の予想でしかないけれどもしかしたら最悪の展開になるかもしれないわ。」

 

「分かった、場所はこっちで手配するからまた後で連絡する。」

 

「ええ、お願いするわ。」

 

そう言って通信を切った後私は考える。

 

ゲームを見てから雰囲気が変わったとアザゼルは言っていた。そして同じくゲームを見て記憶を刺激されて思い出した人がいる。それと同じであればコカビエルは・・・・。

 

 

 

一時間後アザゼルの用意した場所でさっきした想像を説明した。

 

「その可能性は充分考えられるか。グレイフィアという前例があるからな。」

 

「ええ、もしそうだとして誰がコカビエルの記憶に入っているかが問題だわ。行動から最低でも上級以上なのは間違いないとは思うけど・・・。」

 

「目的はなんだろうな?」

 

「私絡みだったら復讐か、嫌がらせかって所かしら?」

 

「里奈絡みねぇ。」

 

転生する時の話だとかなりやばい相手なんだけどそれだけとは限らない可能性も捨てられないのよね〜。相手によってはそっちの方が楽なんだけど。

 

「あとはどれ位の能力があるかだな。」

 

「実際コカビエルってどれ位の強さなの?」

 

「里奈が一人で本気出せば勝てる位かな。ただこの間渡した武器を使えば問題無いだろ。」

 

そうなると後は転生者の能力がどれ位上乗せされているかが問題になってくるのね〜。

 

「そっちからは戦力出せないの?」

 

「あ、ああ。俺は立場上出る訳にはいかないし幹部連中も同じだ。だが戦闘になってからだがこちらからも助っ人は出す。」

 

「強さは?」

 

「近接特化だがそれだけなら里奈より強いぜ?剣と格闘の素質にセンスはずば抜けていてな、努力もしてるから問題無い。」

 

「私は魔法メインだからそっちのほうが助かるわね。でもそれ初めて聞いたわよ?」

 

「いや〜、こっちにも事情があってな、隠さないといけなかったんだがそんな事言ってられない状況だからな、仕方無くって面もある。」

 

「まあ、アザゼルがそこまで言うなら戦力としては充分ね。あとそれから報酬はずみなさいよ?そっちの不手際なのは変わらないんだから。」

 

「分かってるよ!それからサーゼクスにも協力出来ないか頼んでおく。」

 

「オッケー、それでいいわ。戦闘始まったら早目に助っ人頼むわよ?相手が現状どれ位か分からないんだから。」

 

「ああ分かった。こっちも出来るだけサポートするからよろしく頼む。」

 

「じゃあお互い何かあったら早目の連絡でお願いするわ。」

 

「ああ、よろしく頼む。」

 

そうして私は帰ることにした。何となく嫌な予感を胸に感じながら。




チートの時もそうだったのですがエクスカリバー編を書くのは何故か上手く纏まらないんですよね~。

特にこっちはオリジナル絡めるんで進まない進まない!


里奈:行き当たりばったりでその場のノリで書いてるからでしょ?

作者:そうですがなにか?

里奈:開き直ったわね?

作者:最初にそんな感じで書いてるって書いたはず。

里奈:・・・・。



おおまかなストーリーは決まってます。すいません。


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狂った神父に大司教

フリード登場!


 

 

次の日の夜、私は祐斗と小猫ちゃんではぐれ神父の捜索をしていた。

 

今日の昼間にイリナから一緒に来ていた神父の一人が殺されたと報告を受けたからだ。

 

今頃イリナ達も捜索しているはずである。

 

「夜中に歩き回るなんてお肌に悪いわ!」

 

「先輩、私達は悪魔なんですから夜の方が調子よくなります。」

 

「なら昼間寝ればいいのね!」

 

「先輩は駄目な悪魔になりそうですね。」

 

「あはははは。」

 

祐斗が苦笑いしている。

 

どうも何も話さないでただ探すというのは性に合ってない。

 

しかも見つけるより向こうから来るのを待ってる感じなのでつまらない事この上ない。

 

「先輩、つまらないとか思ってません?」

 

「だって~、来るの待つなんて性に合わないわ!この町だって決して狭いわけじゃないし──来たわね。」

 

私の言葉に即座に2人も反応した。

 

「ひゃはははは!これはこれは悪魔さんじゃありませんか!」

 

なんかおかしい感じの神父?が話し掛けて来た。

 

「あんたがはぐれ神父かしら?」

 

「悪魔なんかに正直に答えるわけないっしょ~。」

 

という時点で言ってるのと同じね。

 

「それで?私達に何の用かしら?」

 

「決まってんじゃねぇかよ!おめぇら全員チョッパーしてやろうってなあああ!」

 

そう言って剣を抜き斬りかかって来る。

 

早い!

 

ギイイン!

 

祐斗がいち早く反応して受け止める。

 

「っ!聖剣か!」

 

一旦離れてから

 

「そうですよ!これは聖剣エクスカリバーの一つ天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)だ!今度は本気でいくぜ!」

 

そう言って再び斬りかかって来る。

 

キン!ギイイイン!

 

再び祐斗と打ち合う。私も呪文を唱え様子を見る。

 

「そんなもんですか!悪魔さんよおお!」

 

バキイン!

 

祐斗のけんが砕けるが直ぐに作り直す。

 

「魔剣の神器(セイクリットギア)ですか?」

 

「くっ!」

 

祐斗は熱くなってるわね、まったく。

 

氷の矢(フリーズ・アロー)!」

 

ドドドドドド!

 

私は魔法で牽制して2人を離す。

 

「祐斗!冷静になんなさい!そんなんじゃやられるわよ?」

 

「っ!・・・はぁ~、ごめん里奈さん。」

 

わかってくれたようである。

 

「まったく~、気持ちは分かるけど冷静になんなさいよ。復讐する前にあんたが殺されたら意味無いでしょ?あとリアスの気持ちも汲みなさい。あんたの為にみんなで動くの許可してるんだからね?」

 

「ああ、わかったよ里奈さん。協力していこう。」

 

「当然でしょ?」

 

「私も頑張ります。」

 

さてさて仕切り直しね。

 

「作戦会議は終わりましたか~?」

 

「おかげさまでね、次は私が相手してあげる。祐斗と小猫は強化魔法かけてから参戦ね。」

 

そう言って私は剣を取り出し奴に向かう。

 

「光よ!」

 

「悪魔が光の剣とかおかしいんじゃね?」

 

そう言って私と打ち合う。・・・これ位ならドライグ使わなくても問題ない。

 

魔皇霊斬(アストラル・ヴァイン)!」

 

霊王結魔弾(ヴィスファランク)!」

 

私が奴の相手をしている間に2人の魔法が完成する。

 

「次は僕達が相手をするよ。」

 

そういって私と入れ替わり祐斗と小猫が奴の相手をする。

 

ふむ。

 

「ドライグ!」

 

『応!Boost!』

 

篭手を出し倍加をする。それと同時に魔法を唱える。

 

2人なら大丈夫そうだけど小猫がやりにくそうね。

 

『Boost!』

 

烈閃咆(エルメキア・フレイム)!」

 

「なんとぉ!」

 

私の魔法を奴はなんとか剣で防ぐ。

 

『Boost!』

 

その間に私は小猫に近づき

 

『Transfer!』

 

「小猫、これなら数回剣を手で受けれるわ!」

 

「ありがとうございます。」

 

「そんなわけあるか!」

 

そういって小猫に剣を振り下ろすが

 

バジッ!

 

小猫に受け止められ

 

「えい!」

 

ドゴォ!

 

小猫のパンチをくらって吹っ飛ばされる。

 

「ぐ、がは!うそだろ!聖剣を悪魔が受け止めるとか!」

 

「拳に魔法で強化した上に私が更に強化したのよ、慢心しすぎじゃない?聖剣だって悪魔に対して万能じゃないのよ?」

 

「くそ、くそ、くそがあああ!」

 

その時、奥の路地から姿を現した人が言った。

 

「何をしている、フリード!剣に因子の力を込めてみろ!」

 

「バルパーのおっさん。おし、はあああああ。」

 

バルパーに言われた通りに剣に力を込める。

 

「おお、これは!これならいける!」

 

「祐斗、小猫、フリードをお願い。私はバルパーを相手するわ。」

 

「分かったよ里奈さん。」

 

「先輩、気をつけてください。」

 

そういって2人は再びフリードと対峙する。

 

「バルパーだっけ?私が相手してあげるわ。」

 

「ふん、小娘が。いいだろう、かかって来るがいい。」

 

『Boost!』

 

篭手の倍加を再開する。

 

青魔烈弾波(ブラム・ブレイザー)!」

 

私は用意していた魔法を解き放つ!

 

バシュ!

 

しかし私の魔法は防御魔法をあらかじめ使われていたのかあっさりはじかれる。

 

う~ん、やっぱりか。こいつ並の使い手じゃないわね。

 

「その程度なのかな?」

 

「今のは小手調べよ。バルパー?・・・あ、思い出した!あんた聖剣計画の首謀者ね?」

 

「なっ!」

 

祐斗に聞こえていたらしく驚愕している。

 

「いかにも。良く知っていたな。」

 

「あの施設吹き飛ばしたの私だからね~。軽く調べておいたのよ。」

 

「施設を破壊したのは君か。まあ、あの時点で施設は破棄していたからね、問題は無いよ。」

 

皆殺しの大司教──非道な実験を行っていた事から付いたあだ名らしい。

 

「んで?その追放された司教様がコカビエルと組んで何企んでるのかしら?」

 

「それを素直に言うとでも?それから組んでるんじゃなくてコカビエルは私の主だよ。」

 

「まぁ、どっちでもいいわ。どのみちあんたを倒して聞き出すだけだから。」

 

そう言って私は構える。時間稼ぎは充分ね。

 

『explosion!』

 

力が膨れ上がる。10回分の強化である。

 

「ほう、力が膨れ上がったな、赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)か。」

 

余裕こいてるわね~。じゃあ、こっちからいくわよ!唱えていた魔法を解き放つ。

 

獣王牙操弾(ゼラス・ブリット)!」

 

光の帯が防御魔法を貫きパルパーに向かう!並みの障壁じゃ防げないわよ?倍加で強化かけてるし。

 

「はあああああああ!」

 

バルパーが剣を抜きそれで受ける。

 

バキィン!

 

剣が折れ

 

バシュ!

 

「ぐああああああ!!」

 

そのままバルパーの右腕を切断する。

 

「聖剣を破壊するとは!少々侮っていたようだな。」

 

そう言って破片を回収する。

 

あれがコアだろーか?

 

「フリード!撤退だ!」

 

「はいな!」

 

そう言ってバルパーの横に移動し何かを地面に叩きつける!

 

カッ!

 

地面に当たったとたん激しい光で辺りを覆う。

 

閃光玉か!

 

氷の矢(フリーズ・アロー)!」

 

私は光の方向に魔法を放つが・・・手ごたえ無いわね、外したか。

 

「くそう、逃がしたか。」

 

「僕は奴を「駄目よ。」おおっ。」

 

「まったく、冷静になれって言ったじゃない。」

 

「でも!」

 

「気持ちは分かるけど一人で追いかけてどうするの?フリードはなんとか倒せるかもしれないけれどあのバルパーって奴は少なくともフリードなんかより全然強いわよ?」

 

「本当ですか?そんな感じは・・・。」

 

「最初に撃った魔法はそこそこ強い魔法よ?それを魔法障壁で簡単に防いだり、強化した魔法でやっと右腕だけ(・・・・・・・)切断できたのよ。あれは私の手持ちでもかなり強い魔法よ。それを強化してたにも拘らず腕切断したら消えたわ。そうなると奴自身もかなりの耐性か力があると思っていいわ。」

 

それに奴は逃げる時に冷静に破片を回収していった。普通ならありえないはず。

 

「とりあえず部長に連絡します。」

 

「ええ、イリナたちにも一応連絡入れておきましょう。」

 

連絡をしたあとそれぞれ解散する事にした。祐斗もなんとか抑えてくれたようで帰って行った。




フリード実は前に出てたんですが、教会の扉吹き飛ばした時に倒されてました。なので名前が出るのは今回初ですね。



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決戦!駒王学園 ①

そろそろ2章の題名に入っていきます。


 

 

その日の深夜、私は強烈なプレッシャーを感じて目を覚ました。

 

それと同時に部屋にアーシアがやってくる。

 

「アーシアもわかったのね。」

 

「はい、大きくて不吉な力です。」

 

「これはまずい事になったわね。」

 

その時私のスマホが鳴った。

 

「リアス。」

 

「ええ、里奈も感じたのね。学園の方向からね。」

 

話してる途中で家の外にも気配を感じた。あいつらか。

 

「そうね、でもこっちにもお客さんかしら?」

 

「それって!」

 

「リアスは先に学園で待ってて。他のメンバーもよ?」

 

「ええ、でも大丈夫なの?」

 

「問題ないわ。リアス、先に始めようなんて考えるんじゃないわよ?」

 

「え、ええ。ソーナ達にも協力してもらうわ。里奈も無理するんじゃないわよ?」

 

「もちろんよ。それじゃ学園の前でね。」

 

そう言って私は着替えて準備をする。

 

「アーシアはここで待ってなさい。」

 

「はい、気をつけてください。」

 

そうして私は外に出た。

 

 

 

 

「悪魔さんお待ちしてましたよ~。」

 

フリードとバルパーが待っていた。

 

っ!バルパーがボロボロになったイリナを抱えていた。

 

「もうわかってるだろうが、学園で実験をする。こいつは手土産だ。拠点まで追ってきたものでな。もう一人には逃げられたがな。」

 

そういってイリナをこっちに放る。私は慌ててイリナを抱きとめた。

 

よかった、息はあるわね。

 

「我々は先に言って準備をしてよう。ではな、学園で決戦といこう。」

 

そう言って魔法陣で転移して行った。

 

私は家に戻りアーシアにイリナの治療を頼んだ。

 

「アーシアはここで待っていて頂戴。イリナの事頼むわ。」

 

「わかりました。里奈姉様、無事に帰って来てくださいね。」

 

「もちろんよ、それじゃあ行ってくるわね。

 

アーシアの頭をひと撫でして学園に向かう。覚悟しなさいよ!コカビエル!

 

誰に喧嘩売ったか教えてあげるわ!

 

 

 

学園の前でリアス達と合流した。生徒会のメンバーも全員いるわね。

 

「アーシアは危険だから置いてきたわ。」

 

「その方がいいわね。相手が強すぎるもの。」

 

「里奈さん、私達は学園に結界を張ります。これで騒ぎは外に漏れないようにします。」

 

会長達がサポート役って訳ね。

 

「ええ、お願いするわね。」

 

「お兄様にもお願いしたけれど、来るのに40分かかるそうよ。」

 

「それまで待っちゃくれないわよね~。」

 

「そうね。」

 

こっちで何とかするしかないか。アザゼルにも来る途中で連絡入れたし、助っ人急いで送るって言ってたけど、待つのはあまり得策ではないわね。

 

え~い!やるっきゃないか。

 

「さて~、行ってちゃっちゃと終わらせましょうか!」

 

「里奈・・・そうね、みんな行くわよ!」

 

そうして私達は学園に入っていった。

 

実験とやらはグラウンドで行われていた。

 

「これは大規模な魔法陣ね。」

 

グラウンドには大きな魔法陣、その上空にはコカビエルが大きな椅子に座って待ち構えていた。

 

「良く来たな!兵藤里奈!いや、リナ・インバース!」

 

こいつ、いきなりバラすか!?

 

「開始早々バラすなんてセンス無いわね~。」

 

「今更取り繕っても仕方あるまい。俺の事も想像付いてるんじゃないのか?」

 

「さぁ?どうでしょうね。んで?何の為にこんなことするのかしら?」

 

「まあ、そう急くな。まずはオープニングといこうじゃないか!」

 

そう言って魔法陣が地面に複数現れる。そして中から頭が3つの10メートル位の犬のような獣が現れた。

 

「ケルベロス!」

 

数は5匹か。なめてるのかしら?

 

「私達相手にこれだけなの?」

 

「ふはははは!まずはオープニングと言ったろう?」

 

仕方無いか。

 

「みんな、さっきの話は後で説明するわ。今はあいつ等を倒す事に集中して頂戴!」

 

「ええ、まずはこの件を解決しましょう!」

 

リアスの言葉に全員頷き、ケルベロスへ向かう。

 

「消し飛びなさい!」

 

リアスの滅びの魔力が一体の頭を二つ吹き飛ばし

 

「雷光よ!」

 

朱乃の雷光が止めを刺す。

 

私も篭手を出し呪文を唱え放つ。

 

氷窟蔦(ヴァン・レイル)!」

 

私の魔法で足を凍らされ一体が地面に縫い付けられる。

 

霊王結魔弾(ヴィスファランク)!えいやっ!」

 

そこに小猫が拳に魔法を纏いボコボコに殴る!

 

容赦ないわね~、小猫。

 

魔皇霊斬(アストラル・ヴァイン)!はあああああ!」

 

祐斗も魔法で強化し一体を切り刻む。

 

後二体。

 

礫波動破(ヴィーガスガイア)!」

 

私の魔法で足元を崩され動けなくなった二体に

 

覇王雷撃陣(ダイナスト・ブラス)!」

 

朱乃が弓から魔法を放ち二体を黒焦げにする。

 

これで終りね。しかし油断した私達の隙を付いて小猫の後ろに魔法陣が現れケルベロスが現れる。

 

まずい!間に合わない!

 

「はあああああ!」

 

ザシュ!

 

だが現れたもう一人にケルベロスは真っ二つにされた。

 

「間に合ったようだな。」

 

「ゼノヴィア!助かったわ。」

 

「ああ、イリナはどうした?」

 

「アーシアが治療してるわ。」

 

「そうか、礼を言う。あの状況だと私一人が逃げるので精一杯だった。」

 

「勝手に行動したのはあれだけど今のでチャラにしてあげるわ。」

 

さてさてそれではメインかしら?

 

「ふははは、やるじゃないか。ここまで簡単にやられるとは思わなかったぞ?」

 

その時魔法陣が光り輝いた。

 

「──完成だ!」

 

バルパーが歓声を上げた。

 

「四本のエクスカリバーが統合された!」

 

そんなことしてたのね~。

 

「エクスカリバーが統合されたことで下の術式も完成した。あと20分でこの町は崩壊するだろう!解除したければこの俺を倒すんだな。」

 

ちょ!何考えてるのよあいつ!

 

「フリード!余興だ、統合されたエクスカリバーを使って戦え!」

 

「はいな!頂戴いたします。あははははは!この素敵でスペシャルなな剣で悪魔共をチョッパーしてやりますよ!」

 

そうしてフリードは剣を構える。

 

祐斗が前に出る。仕方無いわね~。

 

「祐斗!熱くなるのも仕方ないけど頭は冷静によ!」

 

「ありがとう、里奈さん。」

 

「私も参加させてもらう。」

 

ゼノヴィアも前に出て祐斗の隣に並ぶ。

 

「いいのかい?僕はあれを破壊したいんだよ?」

 

「ああ、かまわない。最悪コアだけでも回収できれば問題ないし、それにあれは異形の剣になってしまったからな。」

 

前に進みながら祐斗がバルパーに言う。

 

「バルパー、僕は聖剣計画であなたに殺され、悪魔に転生して生きながらえた生き残りだ!」

 

「ほう、あの計画の生き残りか。」

 

興味深そうに祐斗を見る。

 

「まあ、お前らのおかげで計画は成功したんだ、礼位は言っといてやろうか。」

 

「成功だって?僕達を全員殺したのに?」

 

「ああ、成功したからこそお前達を処分したのだよ!」

 

なんて下種な発想なのよ!

 

「聖剣を扱うには因子が必要だとわかってな、その因子さえ補えばある程度の因子を持っている者に移植すれば扱えるとわかったのだよ。そして足りない因子はどうすればいい?」

 

まさか・・・。

 

「そう!持っている奴から抜き取って集めればいいのだよ!」

 

「な!まさか聖剣の祝福を受ける時に渡される結晶は──」

 

「そうだ!そうして抜き取って作った結晶だよ!だが、教会は私の研究のみを横取りし、私を追放したんだよ。まあ、おやさしいミカエルの事だ、抜き取った人間は殺さないだろうがな!」

 

「なっ!それならばあなたも出来たんじゃないのか?殺さないで抜き取ることを!」

 

「はっ!用の無くなった者を破棄して何が悪い!実験には犠牲はつき物じゃないか。」

 

こいつ!

 

「この結晶はその時の物だ。いくつか使ったから最後の一つになったがな。欲しければくれてやる、更に研究は進み今は量産可能な段階まできているからな。」

 

そう言って結晶を祐斗に投げる。

 

祐斗はそれを拾って大事そうに手に取り抱く。

 

「みんな・・・。お前だけは赦さない!みんなの信仰と想いを持て遊ぶ貴様だけは!みんな、僕にどうか力を貸してくれ!」

 

祐斗結晶を両手で包み込む。

 

その時結晶が光り輝いた。




次回から急展開です。ご都合主義全開です。


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決戦!駒王学園 ②

超ご都合主義全開①


 

 

光り輝いた結晶からは光の粒のようなものが湧き出し、徐々に人型になる。

 

祐斗の周りに数対現れる。

 

「僕は、僕は一人だけ生き残ってていいのかと思っていた。僕より信仰深い、夢も持っていた子がいた。僕だけが生きて幸せになっていいのかと・・・。」

 

祐斗が想いを口にする。その声に返すように人型も言葉を返す。

 

「『自分たちのことはもういい、君だけでも生きてくれ』なんて・・・。」

 

「里奈、わかるの?」

 

「ええ、たぶんこの場の魔力の異常さが因子の魂を解き放ったんだと思うわ。」

 

祐斗にはわかったのか涙を流し泣いていた。

 

さらに光は語りかける。

 

『僕らは一人では駄目だった。』

 

『だけど、みんなが集まれば・・・。』

 

『聖剣を受け入れて』

 

『怖くなんて無い』

 

『たとえ神がいなくとも』

 

『僕達の心はいつだって』

 

その言葉を継ぐように祐斗が続ける

 

「ひとつだ。」

 

光の人型のうち一つが祐斗の中に入っていく

 

『相棒』

 

ええ、わかってるわ。

 

『奴は至った。だが・・・あれはなんだ?』

 

私はドライグの言葉で気付く、祐斗だけじゃなく天に飛んで行くもの、そしてなぜか

 

「え?」

 

「どうして?」

 

「これは?」

 

リアス、朱乃、小猫の中にも入っていく。

 

「みんな──そういう事だったんだね。なら僕が至って促そう──」

 

どういう・・・こと?

 

「僕は剣になる──眷属の、仲間の剣に──僕の想いに応えろ!魔剣創造(ソード・バース)!」

 

祐斗は剣を頭上に掲げる。

 

その剣には魔と聖なる力が宿っていた。

 

そして一本の剣が出来上がっていた。

 

聖のオーラと魔のオーラを併せ持つ一本の剣が。

 

禁手化(バランスブレイカー)。 双覇の聖魔剣(ソード・オブ・ビトレイヤー) 聖と魔を有する剣。そしてみんな、自分が何者だったかを思い出せ!」

 

祐斗が叫んだ瞬間剣が輝きだす。

 

同時にリアス、朱乃、小猫の体も淡く光る。

 

「そういう」

 

「こと」

 

「だったのね」

 

みんなが私に向いて言う。

 

「里奈、いえ、リナ。」

 

「私達も同じだったのね。」

 

「だからこそこうして集まった。」

 

・・・・・・どういうこと?

 

「元々リナの仲間だったっていうことよ。」

 

「元々?・・・あ!」

 

「そういうこと、私はミリーナよ。」

 

朱乃が言う。

 

「性別変わってるわね、ルークよ。」

 

リアスが言う。

 

「アメリア=ウィル=テスラ=セイルーンです。」

 

小猫が言う。

 

「そして僕がゼルガディス=グレイワーズだ。」

 

祐斗が言う。

 

話が唐突過ぎて追いつかないんだけど・・・。

 

「どういうことなんだ?」

 

「あははは、訳は後で話すよ。ゼノヴィアさん。まずはあの異形と化した聖剣を破壊しよう。」

 

「あ、ああ、わかった。」

 

そう言って祐斗とゼノヴィアはフリードに剣を向ける。

 

「なんなんですか?あんたらだけで盛り上がっちゃって!置いてけぼりにした罰を与えちゃいますよ!」

 

そう言ってフリードは2人に向かうが

 

地撃衝雷(ダグ・ハウト)!」

 

祐斗の魔法で現れた岩の槍がフリードに向かう。

 

「なんですと!」

 

岩の槍をなんとか捌く。

 

「ふふふ、私も本気を出そうか。──ペトロ、バシレイオス、ディオニュシウス、そして聖母マリアよ。我が声に耳を傾けてくれ。」

 

ゼノヴィアの言葉で空間に歪みができそこから剣の柄が出て来る。

 

「この刃に宿りしセイントの御名において、我は解放する。――デュランダル!!」

 

言葉と共に剣を引き抜く。

 

デュランダル!?

 

「ばかな!私の研究ではデュランダルを使える領域まで達していなかったはずだ!」

 

バルパーが叫ぶ。

 

「私は数少ない天然物でね。デュランダルは触れたものは何でも斬り刻む暴君でね。私の言うこともろくに聞かない。だから、異空間に閉じ込めていたのさ。」

 

なるほど~、奥の手位あると思ってたけどまさかデュランダルだったとはね~。

 

「さて、木場祐斗。共に破壊しようじゃないか。」

 

「ああ、行こうか。」

 

フリードに2人は向かう。

 

「なんなんですか!その超展開!」

 

そう言って能力を全開にして戦っているが

 

擬態はデュランダルに破られ天閃、夢幻、透明と使ってもすべて見切られ最後には祐斗の一撃で剣ごと斬り伏せられた。

 

「そんな・・・・。」

 

「みんな、見ていてくれたかい?僕達の剣は異形とはいえエクスカリバーを超えたよ。」

 

そしてバルパーに向き直った祐斗に横から光の槍が飛んでくる。

 

まずい!が、

 

封気結界呪(ウィンディ・シールド)!」

 

ゴガアアアアアアン!

 

祐斗に当たる直前に風の結界が張られ防御する。

 

「なんとか間に合いました。」

 

今のは小猫が!?

 

「ありがとう、助かったよ小猫ちゃん。」

 

今の攻撃でバルパーがコカビエルの元に下がる。

 

祐斗とゼノヴィアもこっちに戻ってきた。

 

え~と、ということはやはし・・・。

 

「ゼノヴィア以外は私の()仲間だったってことでいいの?」

 

「ええ、記憶を引き継いでいるって感じかしら?」

 

「そうですわね。」

 

「そうみたいです。」

 

「そうだね、でもこの話は後にしよう。」

 

「ええ、そうね。先にあいつらを片付けないといけないものね。」

 

そう言ってコカビエルとバルパーを睨む。

 

「ふははははは、中々やるじゃないか!アザゼルからリナの事は聞いていたがその仲間もやるなぁ。ここからは俺も参加させてもらうぜ?」

 

そういってコカビエルはオーラを開放する。

 

「っ!このオーラは!」

 

「そうみたいね。最悪の予想が当たったみたい。」

 

祐斗の言葉に私は答える。このオーラは身に覚えがある。

 

転生以前の私の記憶だけど。

 

「どういうこと?」

 

「みんなも事情はわかっているわね?あいつは以前あっちで滅んだ魔族よ。しかも最悪な部類に入る方の。」

 

「ほう、気付いたようだな。リナ・インバース。」

 

「ええ、出来れば二度と会いたくなかったんだけどね。ドラゴンズピークで冥王フィブリゾによって滅ぼされた五人の腹心の一人 ──魔竜王(カオス・ドラゴン)・ガーヴ──」

 

「本当なの?里奈。」

 

朱乃が聞いてくる。

 

「ええ、本当よ。以前の私と祐斗、小猫はガーヴが滅んだ事件の中心にいたのよ。」

 

「でも先輩、もしかして。」

 

そうなのだ

 

「力が大分落ちてるわね。一度滅んだ影響か、それとも転生の影響か。それでも私達の脅威な事には変わりないわね。」

 

「そうだね。全員なら倒せるかもしれないけど時間が無いからね。」

 

「残り15分位かしら?」

 

リアスが時計を見て言う。

 

「とはいえやらなきゃいけないのは分かってるわよね?」

 

みんな無言で頷く。

 

「祐斗、小猫、ゼノヴィアはバルパーをお願い。多分あいつも元魔族だわ。気を抜いちゃ駄目よ。」

 

「ああ、もちろんさ。」

 

「先輩達も気をつけてください。」

 

「こっちはなんとかしよう。」

 

私はリアスと朱乃に言う。

 

「前の能力と記憶はどれくらい?」

 

「魔法は記憶から引き出して使えるわ。けど以前のような接近戦は無理ね。体が付いてこないわ。」

 

リアスが答える。

 

「私も同じ感じですね。」

 

朱乃も同様か。確かに体までは引き継がれないもんね~。

 

「じゃあ、私が前線に出るしかないか。とりあえず援軍来るまで頑張ってみますか。リアス、朱乃援護頼むわよ?」

 

「ええ、ただ無理はしないでね?」

 

「私も出来るだけ援護しますわ。」

 

ドライグ、いくわよ?

 

『応!少々無茶だが仕方ないな。』

 

禁手化(バランスブレイク)!」

 

声と共に私の服装が変化する。

 

「みんな!いくわよ!」

 

みんながそれぞれの相手に向かっていく。

 

アザゼル、頼んだわよ!




ガーブじゃなくても良かったかも・・・。

次回 超ご都合主義全開② になります。


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まさかの助っ人!

前回のでバレるよな~。


 

 

~ side 祐斗 ~

 

僕達は里奈さんから離れバルパーに向かう。

 

それにしても記憶が二つあるのは不思議な感じだ。

 

里奈さん以外はおそらく人格ベースは今の方が強いみたいだけど里奈さんはそのままみたいだ。

 

転生する前に()が言った通りになったね。

 

曰く『リナさんは今のまま何とか転生出来るようにしますが他の方々は多分制限かちょっとした不具合が出るかもしれません。ただ、特典はつける事が出来るので今よりは能力高く出来ると思いますよ。』

 

特典は僕は神器(セイクリットギア)と剣の才能だろう。里奈さんは神器(セイクリットギア)に以前よりもすべての能力上昇。部長はグレモリーの能力と滅びの魔力。朱乃さんは堕天使の力に膨大な魔力。小猫ちゃんは種族特性による仙術に格闘能力あたりかな。

 

記憶が蘇ったおかげでみんなの戦闘経験値と扱える魔法の種類は増えた。これだけでも戦力の大幅なアップになると思う。

 

なんて考えてる場合じゃないね。

 

僕は呪文を唱えながらバルパーに向かう。

 

「永久と無限をたゆたいし 全ての心の源よ 盟約の言葉によりて 我に集いて力となれ!」

 

力ある言葉を解き放つ!

 

冥壊屍(ゴズ・ヴ・ロー)!」

 

バルパーに向かって影が突き進む。

 

「ふん、崩魔陣(フロウ・ブレイク)!」

 

バルパーの唱えた魔法でこっちの魔法を打ち消される。だが、

 

烈閃槍(エルメキア・ランス)!」

 

小猫ちゃんの魔法がバルパーに向かう。

 

「くっ!」

 

ギリギリでかわした所にゼノヴィアが迫る。

 

「はあっ!」

 

ズバッ!

 

「ぐああああああ!」

 

バルパーの左肩を切り裂いた。

 

そして僕も光の剣(仮)から聖魔剣の刃を出しで切りかかる。

 

それはバックステップでかわされる。

 

「いけぇ!」

 

ドシュ!

 

振り下ろした勢いで刃の部分を飛ばす。

 

「うぐああああああ!」

 

これには対応し切れなかったのかバルパーの脇腹を貫いた。

 

「くっ、これ程やるとは。仕方無い、本気で行こうか。」

 

そう言って懐から取り出した何かを飲み込む。その瞬間バルパーの体が膨れ上がり力も増大する。

 

「この姿は好みじゃないが仕方あるまい。貴様らにやられるわけにはいかんのでな。」

 

そう言ったバルパーの姿は筋肉が肥大し左肩の傷も消え大きさも3メートル位の大きさになっていた。

 

「行くよ!二人とも!」

 

そう言って3人同時に仕掛ける。

 

僕は再び刃を出しゼノヴィアと共に斬りかかる。

 

「ふん!とまってみえるわ!」

 

瞬間僕の視界から消え、咄嗟に横に逃げる。

 

その直後、今僕の居た所をバルパーの腕が通過していた。

 

早い!僕の目でもギリギリ見える程度なんて!

 

今のは前世の経験のおかげだろうか、なんとかかわせたがそうそうかわせるものではない。

 

その後もお互い決定力に欠け一進一退の攻防が続く。

 

このままじゃまずい!時間が無いっていうのに!

 

焦る僕の視界にあるものが目に入った。おそらく今の僕ならいけるはずだ!

 

僕はそれ(・・)に向かって走り出す。

 

ゼノヴィアも小猫ちゃんも僕の考えに気付いたのかバルパーにラッシュをかけてくれる。

 

そして僕はそれ(・・)を拾い上げ再びバルパーに向かう。

 

「力を貸してくれ!エクスカリバー!」

 

「なんだと!」

 

瞬間僕は加速する。天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)の欠片の力を使って。

 

「おおおおおおおおおお!」

 

ズバババババババ!

 

加速した僕を追い切れなかったのかバルパーは僕の剣に切り刻まれた。

 

「ば、ばかな。」

 

バルパーはそのまま倒れ動かなくなった。

 

みんなのくれた新しい力のおかげで勝てたよ。

 

~ side out ~

 

 

 

 

私達はガーヴと対峙していた。

 

「ガーヴ!まさか私と戦う為にここまでしたんじゃないでしょ~ね?」

 

「そうだ!と、言いたい所だがそれだけじゃなくてな。これはコカビエルとしての意思でもあるんだよ。それはな、再び戦争を起こす事だ!一度は振り上げた手を降ろしてもう戦争はしないだと!たかが神と魔王が滅びただけで戦争をする意味がない?じゃあなんで俺達は対立している!俺は気に入らないんだよ!」

 

「神も滅んでいる?」

 

あ~みんな知らないんだっけ。しまったな~。

 

「ああ、そう言えば秘匿事項だったっけか?ま、俺には関係ないからいいか。戦争を起こす為にわざわざエクスカリバー盗み出したってのに出てきたのは下っ端のエクソシストと2人の聖剣使いだ、それならと思ってこの町を破壊してさらに魔王の妹であるグレモリーとシトリーを殺せば魔王が出て来るだろうと思ってな。」

 

「そんな理由で戦争を?くっだらないわね、これならアザゼルのやってる研究の方が万倍マシよね。」

 

「ふざけるな!あんな何になるかわからん神器(セイクリットギア)の研究ばかりしやがって!あんな腑抜けは総督になる資格なんてねえよ!」

 

戦闘狂か!こいつ。転生した影響かしら?前より好戦的になってない?

 

「まあいい、さっさとはじめようぜ!リナ・インバースと赤龍帝が合わさったその力見せてもらおうじゃねぇか!」

 

「仕方無い。いくわよ、リアス、朱乃!」

 

「ええ!」

 

「はい!」

 

そうして私は光の剣(仮)で斬りかかる。

 

「ふはははは!接近戦か!面白い!」

 

ガーヴは手に光の槍を創り出し私と打ち合う。

 

「いいぜ!なかなか強いじゃないか!」

 

「あら?ガーヴは弱くなったんじゃないの?」

 

「確かにな!だが、この程度でやれるかよ!」

 

さすがにきついわね、段々押されてる。

 

「雷光よ!」

 

朱乃が弓で雷光を放つ!

 

「いい攻撃だ!だが!」

 

朱乃の雷光を翼で弾く!

 

あれを弾くんかい!

 

「これなら!」

 

今度はリアスが弓から滅びの矢を放つ!

 

「まだまだぁ!」

 

今度はさすがにやばいと思ったのかもう一方の手に槍を創り出し防ぐ。

 

塵化滅(アッシャー・ディスト)!」

 

私は魔法を剣に纏わせ斬り付ける!

 

ズバッ!

 

リアスの攻撃を弾いた方の槍を切り落としガーヴの腕に軽く傷が出来る。

 

「なかなかやるじゃねぇか!」

 

浅かったか!腕の一本でももらおうと思ったのに!

 

そこへ祐斗とゼノヴィアも参戦してくる。

 

「ちっ!バルパーの奴はやられたか。時間稼ぎにもならなかったか。」

 

そう言いつつ私達の攻撃を両手の槍と翼で捌く。

 

「ほらほらどうした!」

 

そのとき後方から呪文の詠唱が聞こえた。え!この呪文は!

 

「みんな合図で全力で離れて!」

 

「ああ、わかったよ。」

 

「了解だ!」

 

意図が通じたのか私に答えながらガーヴへの攻撃を更に激しくする。

 

3・2・1

 

「今よ!」

 

私の声に2人が反応し急いで離れる。

 

「なんだ?」

 

私達の行動にガーヴがいぶかしげにするが意図がつかめたのか目を見開いた。

 

気付いたってもう遅い!

 

2人(・・)同時に力ある言葉が放たれる。

 

崩霊裂(ラ・ティルト)!」

 

小猫と

 

竜破斬(ドラグ・スレイブ)!」

 

アーシア(・・・・)の魔法がガーヴを襲う!

 

「がああああああああああああああああああああああ!」

 

赤く染まった光の柱に包まれガーヴが絶叫を上げる。

 

今だ!

 

ドライグ!

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』

 

私は呪文を唱えながらガーヴに向かう!

 

「悪夢の王の一片よ 世界(そら)のいましめ解き放たれし 凍れる黒き虚ろの刃よ」

 

バキイイイイン!

 

ガーヴが柱を打ち砕きこちらを見る。

 

「させるかぁ!」

 

私に向かって光の槍を投げる!

 

避けられない!

 

しかし

 

バリイイイイイイイイン!

 

結界を破って乱入してきた白い鎧を着た男が槍を持っていた光の剣(・・・)で弾く!

 

「今だ!リナ!」

 

乱入者に気を取られている隙にガーヴに突っ込む。

 

「我が力 我が身となりて 共に滅びの道を歩まん 神々の魂すらも打ち砕き」

 

「やられるかよおおおおおお!」

 

ガーヴは手に槍を再び作り出し

 

神滅斬(ラグナ・ブレード)!!」

 

バジイイイイイイイイイイイイ!

 

こっちの方が少し押してるがガーヴは受け止めたまま翼で私に攻撃してくる!

 

「させるかあああああ!」

 

白い鎧の剣士がガーヴの翼を切り裂く。

 

「ぐああああああああああ!」

 

そこにもう一人ガーヴに向かってくる!

 

魔王剣(ルビーアイ・ブレード)!!」

 

ズン!

 

リアスの赤い剣がガーヴの脇腹に突き刺さる。

 

「てりゃあああああああああ!」

 

私も渾身の力で虚無の刃を振るう。

 

ザン!

 

槍を切り落としそのままガーヴの肩から袈裟懸けに切り裂く。

 

「ぐあああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・。」

 

断末魔の声を上げてガーヴはそのまま倒れた。

 

「ハァ、ハァ、ハァッ」

 

魔法陣も消えたみたいね。

 

「助かったわ・・・・え~と、白い助っ人さん。」

 

「ヴァーリだ。白龍皇のヴァーリ。」

 

へ?

 

「白龍皇!!!」

 

『久しいなアルビオン。』

 

『ああ、ドライグ。』

 

赤と白の邂逅か。そうなると・・・

 

「あんたと戦わないといけないわけ?」

 

「なんでだ?」

 

平然とヴァーリは言ってのける。

 

「なんでって・・・。」

 

「ああ、赤と白の因縁ってやつか?そんなの俺たちには関係ないだろ。それにリナには勝てる気しないって。」

 

「は?」

 

どういうこと?

 

「ああ、俺の前世はガウリイ・ガブリエフだ。」

 

「ええええええええええええええええええ!ガウリイなの!」

 

「ああ、そうだ。」

 

「あんた!記憶は!」

 

「ん?最初からあるぜ?」

 

「だったらなんで直ぐに会いにこないのよ!」

 

「いやあ、実家のこととか色々あってな、アザゼルに保護してもらってしばらくお世話になってたんだよ。リナの事も聞いてたんだがよ、赤と白の因縁があるから少し合うの待ってくれとか言っててな、やっと今日許可が下りたんだよ。」

 

マジで?アザゼルウウウウウウウウウウ!今度あったらただじゃ置かないわよ!




色々悩んだ末ガウリイはヴァーリです。

そしてアーシアは・・・わかるかな?わかるかw

次回アーシアの前世が分かります。バレバレかもしれませんが。


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衝撃の真実!

アーシアの正体が!ではないです。


 

 

ガーヴことコカビエルを倒して術でガチガチに封印してからアザゼルの所に転送し、改めて全員の確認をする事にした。

 

「え~と、リアスがルークで、朱乃がミリーナね。そんで祐斗がゼルで、小猫がアメリアと。それでヴァーリがガウリイでアーシアは?」

 

「えとえと、シルフィール=ネルス=ラーダです~。」

 

「シルフィール!・・・ああ、それで竜破斬(ドラグ・スレイブ)撃てたのね。」

 

「はい~、記憶が戻って急いで学園に来たら戦闘してて、隙を突くなら今しかないと思って~。」

 

「確かにいいタイミングだったわね。小猫も。」

 

「フィブリゾの時に崩霊裂(ラ・ティルト)重ねたら威力上がったんでそれ思い出して何とか合わせました。」

 

間違いないみたいね~。

 

「とはいえリアスと朱乃の戦闘スタイルが全然違うわね。転生の影響かしら?てかリアスは大丈夫なの?」

 

「そうねぇ、記憶はあるけど恐らくああなる(・・・・)事は無いんじゃないかしら?」

 

「わかるの?」

 

「なんとなくだけれどね。」

 

「転生する時に切り離されたのかしら?そうだと安心なんだけどね。」

 

「恐らくだけど欠片位は残ってるんじゃないかしら?じゃないと魔王剣(ルビーアイ・ブレード)は使えないんじゃないかしら?」

 

なるほどね。そうなると本体(・・)も居る可能性はやっぱ捨てきれないか~。

 

「んで?ヴァーリ・・・ガウリイは今迄何してたのよ?」

 

「俺か?気づいた時にはでかい城に住んでいてな、何か知らんが親から虐待受けてて逃げ出したんだよ。それでさまよってた所をアザゼルに拾われたんだよ。」

 

「さらっとヘビーな事を言うわね。・・・でかい城?」

 

「ああ、なんでも悪魔の世界だとすんごい家らしくてな。ルシファーとかって。」

 

「ルシファー!?あんたそれ本当なの!?」

 

「ああ、ここでの名前はヴァーリ・ルシファーだ。」

 

こいつはあああああああ!

 

「あんた!この名前ポンポンどこでも名乗ってたりしてないでしょうね?」

 

「ああ、アザゼルにも同じ事言われたから他では言ってない。」

 

アザゼルナイス!ていうか当然よね~。

 

「はぁ~、そんで?アザゼルのとこで今迄生活してたの?」

 

「ああ。ただ保護されてるのも悪くてたまに仕事の手伝いとかして生活してた。」

 

でも、ガウリイがガウリイのままで安心したわね。

 

「里奈?赤と白の対決はどうするの?」

 

リアスがもっともな事を聞いてくるが・・・

 

「白龍皇がガウリイだしね~。そもそもドライグとアルビオンの因縁の元がひどいから無視してもいいんじゃない?」

 

「そうだよな~、女のドラゴンの取り合いで宿主変わる度に殺し合いなんてありえないよな~。」

 

ガウリイが理由を言うが・・・ほんとひどいわね。

 

「里奈さん、そうなのかい?」

 

祐斗がちょっと引き気味に聞いてくる。

 

「ええ、最初はうまく誤魔化してたけど聞き出したのよ。だからそもそも対決自体最初からやる気は無かったわよ?」

 

「中身がガウリイさんじゃなくてもですか?」

 

「そうね、違っていても理由教えて、あとは相手次第かしら?普通ならこんなくだらない事で殺し合いとかゴメンよね~、ね、ドライグ?」

 

『悪かった!だからこれ以上言わないでくれ!』

 

「アルビオンもそれでいいか?」

 

『ああ。わかった・・・。』

 

よしよし、これで戦わなくて済みそうね。

 

「でも何で里奈姉様とガウリイ様だけ元のままなんでしょう?」

 

「そういえばそうね。」

 

アーシアの疑問はもっともね。

 

「僕がゼルがディスの時に聞いたのは、里奈さんだけはあの時のままの状態でなんとか転生させるっていってたね。他の人は特典は付くけど制限か不具合がでるかもとも。」

 

「私とガウリイ以外は思考とか感情のベースはこっちの方なの?」

 

私の問いにみんなが頷く。

 

「ふ~ん。じゃあ祐斗と小猫が付き合ったりとかはないのね。」

 

「里奈さん!」

 

「先輩!」

 

「冗談よ冗談。そんでガウリイはこの後どうするの?」

 

「そうだな~。アザゼルに頼んでこっちに居させてもらおうかな?」

 

「そうね。何かある度に呼び出すとかめんどいわ。ガウリイって今何歳なの?」

 

「ん?18だ。」

 

「学校は?」

 

「ん?通信で大卒までやったぞ?」

 

『ええ!勉強できるの!?』

 

全員同じ考えだったらしい。

 

「ああ、暇な時間多かったからな。暇つぶしに通信で勉強してたら大卒資格まで取ってた。体育だったら教員免許も持ってるぞ。」

 

『ええええええええええええええ!』

 

「脳みそくらげだったガウリイが!?」

 

転生の特典てまさか・・・。

 

「お前なぁ~。まあ、分からなくも無いが転生してから勉強出来るようになっててな。なんでも計ったらIQ180だったな。」

 

「あんた本当にガウリイなの!?」

 

「そうです!あの(・・)ガウリイさんがIQ180とかおかしいと思います。」

 

小猫まで言うか。ひっじょーにわかるけれども。

 

「ひどいなお前等。ほら、教員免許。」

 

おおおおおおおお!本当だ!

 

「でもなぜかしら?前とあまり変わらない気がするわね。」

 

「そうですね~。話してるとそんな感じしませんわね。」

 

そういわれればそうだな~。

 

「ああ、勉強出来ても考え方は前と変わらないからな。アザゼルにも頭いいのか悪いのかわからんとか言われたな。」

 

なるほど、頭良くてもガウリイはガウリイらしい。ちょっとほっとした。

 

「ところでガウリイ、その剣は?」

 

「ああ、アザゼルに俺専用に作ってもらったんだよ。リナの持ってる剣の進化版だな。」

 

そういうと剣を構える。

 

「はあああああああああああ。」

 

ガウリイが気合を入れると大気が震えだした。すごいオーラね。

 

斬妖剣(ブラスト・ソード)!」

 

ブウウウン、という音と共に紫色の刀身が出て来る。

 

「すごい!斬妖剣(ブラスト・ソード)まで再現出来るなんて!」

 

「はあああああ~。」

 

息を吐くと同時に刀身が消える。

 

「ものすごい力を必要とするから長時間使えないんだよ。発動まで時間かかるし。」

 

疲れた顔をして言う。

 

「切れ味は?」

 

「前と同等かな?光の剣状態だとリナとゼル・・・祐斗の持ってるのと同じだな。」

 

こういうのの開発はアザゼルはほんと天才的ね。

 

「ただ俺用にカスタマイズされてるから俺にしか使えないけどな。」

 

と、ここで祐斗が私に聞いてきた。

 

「ところで里奈さん、部長と朱乃さんの前世って?」

 

あ、説明してなかった。

 

「リアスと朱乃の前世はルークとミリーナって言ってゼルとアメリアと分かれた後に知り合って、少し同じ事件とかで戦った仲間よ。」

 

「私はちょっと複雑なんだけど・・・。」

 

「どういうことですか?」

 

「あ~、今なら良いか。ルークの中にはシャブラニグドゥが封印されていて最終的に私とガウリイで倒したのよ。」

 

「里奈さんそれはもしかして・・・。」

 

朱乃が申し訳なさそうに聞く。

 

「そうね。あの時ミリーナが死んじゃって憎悪に取り付かれて封印が解けたって感じかしら?まあ、今更だし気にしても仕方無いんじゃない?せっかく再会?出来たんだしそれでいいじゃない。」

 

「そうですわね。ありがとう里奈さん。」

 

分かってくれたようでなによりね。

 

そんな事を話していたら魔法陣が現れた。

 

「みんな、すまなかったね。」

 

出てきたのはサーゼクスだった。

 

「いいわよ、こうして無事に解決したんだし。細かい事はリアスが報告してくれるんでしょ?」

 

「ええ。私の役目だもの。」

 

「後片付けは我々でするから今日はゆっくり休んで欲しい。細かい事は後で報告してくれればいいよ。」

 

「それじゃあ、一旦解散して明日また部室で話しましょう。」

 

「ガウリイはどうするの?」

 

「ああ、一旦もどってアザゼルと相談だな。」

 

「ガウリイ、アザゼルに会ったら覚悟しておきなさいよ!って言っておいてね。」

 

「あ、ああわかった。それじゃあな。」

 

そう言って飛んでいってしまった。

 

まあ、何はともあれ疲れたわね。帰ってゆっくりしますかね。




ガウリイIQ180!が衝撃の真実です。・・・が、勉強は出来るけどベースがガウリイなので知識はあるけど生かせないというアンバランスで面白いキャラになってます。

次回なんですが・・・リアル事情で書けてません^^;

落ち着くまで暫くかかる可能性があるので次回の更新は大分先になるかもしれません。

やめるつもりはないので気長に待っていたただけると幸いです。



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新たな眷属

ガウリイじゃないよ。


 

 

翌日の放課後、各々の能力確認の為にサーゼクスとアザゼルに頼んで作ってもらった訓練用のフィールドに来ていた。

 

「レーティングゲームの技術を応用して作られた専用のフィールドになります。」

 

グレイフィアがこのフィールドについて説明する。

 

「何しても簡単には壊れないのよね?」

 

「そうですが、あまり無茶なことはしないようにお願いします。わかってるわよね?里奈。」

 

グレイフィアとしてでは無く姉ちゃんとして威圧してくる。

 

「わかってるから、オーラ出すのやめて!」

 

「ルナさんが魔王の女王とはな〜。」

 

ちなみにガウリイも来ている。

 

「夫婦で二天龍というのも凄いと思いますが。」

 

そうなのだ、シャブラニグドゥを倒した後、ゼフィーリアに帰ったら、両親と姉ちゃんにガウリイと結婚させられたのだ。まあ、後悔はしてないけど。

 

「こちらでも結婚するのよね?」

 

「そ、それは、え〜と・・・まだ学生だから。」

 

別にガウリイと結婚するのは嫌じゃないんだけどね。

 

「でも見た目は前よりグボアッ!」

 

「あんたには、デリカシーって言葉は無いんか!」

 

私にドツかれもだえながらガウリイが

 

「すまん!悪かった!だから魔力籠めて殴るのやめてくれ!」

 

分かればよろしい。そろそろ本題に入らないと。

 

「それで、今と前の違いってどれ位なの?」

 

記憶を取り戻したみんなに聞く。

 

「私と朱乃は魔法は問題無いけど剣術と体術はきついわね。思い出した分前よりはマシ位かしら。」

 

魔法は知識があれば何とかなる部分が多いが剣術と体術は修行しないと身につかないわよね〜。経験とか勘が戻ってるかもしれないけれど体力的に厳しいわね。

 

「僕は魔力が減ってるね。剣術は戻った記憶の分上がってると思う。」

 

「私も魔力が少し減ってますね。ただ攻撃手段が増えたので前より色々出来ると思います。」

 

祐斗は予想通りね。オカ研だと小猫が一番レベルアップかしら?

 

「ガウリイは?」

 

「俺か?前より全体的に強くなってるな。それにアルビオンもいるし、魔力がとんでもなくある。」

 

「魔法使えるの!?」

 

「残念ながらそっちの才能は無くてな、何とか強化系の魔法が使える程度だ。」

 

なるほど〜。魔王の血族だから魔力はあるけど才能までは引き継がれなかったか。まあ、ガウリイが魔法使う場面は想像出来ないけれども。

 

「アーシアは回復と補助系の魔法が使えるようになった感じ?」

 

「そうですね、それとお願いがあるんですが。」

 

アーシアのお願いって珍しい。

 

「なに?お願いって。」

 

「私もリアス部長の眷属にしてもらえませんか?」

 

『!?』

 

アーシアの言葉を聞いてみんなが驚く。

 

「いいの?アーシア。」

 

リアスがアーシアに確認をとる。

 

「はい。私もみなさんと同じでシルフィールさんの記憶があって、これから一緒に戦うのであればわたしも眷属になった方が良いと思いますし、私は里奈お姉様に救ってもらいました。なので同じ時間を皆さんとも過ごしていきたいと考えてます。」

 

これは何を言っても引きそうにないわね〜。シルフィールの時も結構頑固な所あったものね〜。

 

「リアス、私達の負けみたいよ?」

 

「そうみたいね。」

 

そう言って駒を取り出しアーシアに渡す。

 

「それを受け入れたらもう引き返せないわよ?」

 

リアスが最終確認する。

 

「以前から考えていた事なので大丈夫です。」

 

そう言い駒を受け入れ、胸に吸い込まれていく。

 

「駒の残りってあと、いくつ?」

 

「騎士一個と戦車一個ね。」

 

あれ?

 

「僧侶もあと一個あるんじゃないの?」

 

「僧侶は元々一人いるんだけど力が強すぎて暴走しかねないから封印されてるのよ。」

 

「もしかして部室の奥の部屋の?」

 

「そうよ。」

 

頷くリアスに納得する。あの結界強力なのよね〜。

 

「あの結界って誰が張ったの?」

 

「お兄様やグレイフィアよ。」

 

なるほど~、魔王直々の結界じゃ強力なのは当然ね。

 

「一応夜にだけ解除されて旧校舎だけなら出歩くこともできるんだけど・・・。」

 

「もしかして引きこもり?」

 

「そうなるかしら・・・。過去に色々あったものだから。」

 

なるほどね~、それにしてもリアスって過去に何かしらある子が眷属になってるわね。

 

そういう引き合わせが強いのかしら?

 

「そ~いえばガウリイ?」

 

「なんだ?」

 

「今後どうするの?」

 

「アザゼルに話したんだが、サーゼクスと相談してなんとかするとか言ってたぜ?」

 

「その件についてなんだが」

 

ガウリイと話していると、声と共に魔法陣が展開し2人の男が現れた。

 

声の主はアザゼル、もう一人はサーゼクスだった。

 

アザゼルが続けて言う。

 

「とりあえず駒王学園に入学か教師として入ってもらおうと思ってる。」

 

「アザゼルウウウウウウウ!」

 

叫びながら放った私のパンチがアザゼルの顔面にヒットする。

 

ドガシャアアアアアア!

 

「ぎゃああああああ!何しやがる!里奈!」

 

「あんたねぇ!こっちの事情教えてるのにガウリイのこと黙ってたわよね?」

 

言いながらアザゼルに詰め寄る。

 

「いやいやいや!ルシファーの件もあるし!言えなかったんだって!」

 

「ほんとかしら~?心の中でニヤニヤ楽しんでたんじゃないの?」

 

「そそそそそ、そんな事はないぞ!里奈。」

 

あ、目そらした。

 

プチッ!

 

爆煙舞(バースト・ロンド)!!」

 

チュドオオオン!

 

「ぎゃああああああ!」

 

悪は滅びたわ。

 

「んで、ガウリイ?生徒としてか教師としてかどうするの?」

 

「人を魔法でぶっ飛ばしておいてさらっと会話してんじゃねええええ!」

 

ちぃ、生きてたか。

 

「なんか文句ある?」

 

「すいません!ないです!」

 

私の再びの威圧にアザゼルは引き下がる。

 

「はははははは、アザゼルも里奈さんにかかると形無しだな。」

 

サーゼクスが笑いながら言う。

 

「煩いサーゼクス!まぁ、今回の件は俺にも非はあるからな。」

 

あ、認めた。ふふふ、今回の件使ってまたなんかアイテムせしめよう。

 

「それでヴァーリ、どうするんだ?」

 

アザゼルがガウリイに聞く。そ~いえばこっちの名前ってヴァーリだったわね。

 

「里奈はどう思う?」

 

私に聞くんかい!

 

「ガウリイはどうしたいとかないの?」

 

「俺は里奈の近くにいられればそれでいいからな~。」

 

相変わらず人が赤面するような事をさらっと言うわね、まったく!

 

「くくく、里奈、顔赤いぞ?」

 

アザゼルが茶化してくる。

 

「う、うるさいわね!」

 

くそう、ガウリイめ!

 

「そ、それで?ガウリイって18なんだっけ?」

 

「ああ、今年18になったばかりだ。」

 

さっきの言葉に対して何も思ってないのか普通に答える。天然め~!

 

私の照れを返せ!!

 

「そうなると転入とかよりも教師としてのほうが自然かしらね~。」

 

この次期に3年生で編入っていうのもね。

 

「そう言われるとそうだな。」

 

「それならば学園には体育教師として赴任、オカルト研究部の顧問とするのがいいかもしれないね。」

 

サーゼクスも同意してくる。

 

「眷属の問題は?」

 

「流石に里奈の時のような裏技は使えませんので暫くはこのままということになります。」

 

「なるほどね、オッケー。それでいいわ。」

 

こうしてガウリイは駒王学園の体育教師になることになった。

 

転生したメンバーも揃ったし、ガウリイとまた生活できるのは嬉しいわね。

 

まぁ、みんなにはそんなこと照れくさくて言えないけれど。




アーシア眷属入り・・・してなかった。

ガウリイも考えたんですが二天龍が眷属って・・・と思い保留に。

あとはゼノヴィアの扱いも考えないとですね~。

イリナは原作と同じで天使化予定です。まだ先ですが・・・。

次回から新章突入!題名は未定です!

内容は停止教室のヴァンパイアベースになります。


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番外編。
里奈ちゃん嫉妬!


里奈:ちゃんて・・・。

作者:まあまあ。いいじゃん、嫉妬する里奈は可愛いんだし。

里奈:殺す!

作者:(逃げ)

里奈:まてこら~!


 

 

私は不機嫌オーラを全開にしていた。

 

原因は・・・

 

「新しい先生カッコいいよね。」

 

「女子の授業も見てくれないかしら?」

 

・・・

 

「里奈さん、機嫌悪いみたいだけどどうしたの?」

 

「何でもないわよ!」

 

「ひっ!」

 

私に話し掛けてきた女の子は逃げるように離れていった。

 

朝、私のクラスの副担任として赴任して来たガウリイ(学園ではヴァーリ)がクラスの女子に人気が出てしまったのだ。

 

以前にも増して見た目がカッコ良くなっているというのが最大の要因なのだが、更に挨拶での気さくな感じがみんなにうけたらしく、教室での話題はもっぱらガウリイの事ばかりなのだ。

 

元妻としては面白くない。

 

とはいえ他のみんなには気取られたく無い。

 

が、このモヤモヤは抑えることも出来ず、誰かに当たることも出来無いので現状としてはこうしてるしかないのである。

 

私らしくないとは思うが、過去にガウリイと結婚してるせいかどうにも気持ちがザワついて仕方無いのである。

 

 

 

 

そんな不機嫌なままおとずれた放課後、私達は部室に集まっていた。

 

「里奈さんからドス黒いオーラが・・・。」

 

「何かあったんでしょうか?」

 

「里奈お姉様が怖いです。」

 

「過去の記憶含めてもあんなに黒い里奈を見たのは初めてね。」

 

「大きな事件でもあったんでしょうか?」

 

みんなが私から離れた所でヒソヒソ話している。

 

全部聞こえてるわよ。

 

とはいえ、このままっていうのは私らしくない!

 

「だーっ!!!」

 

ゴウッ!

 

声と共に魔力を開放して気分をリセットする。

 

ちなみに部室はちゃんと結界で覆っている。

 

「里奈!?」

 

「ああ、ごめんごめん。ちょっと鬱々としててね。」

 

「里奈が、鬱々とか似合わないわね。何があったの?」

 

「ああ〜、ちょっとね。」

 

リアスに曖昧に答える。

 

嫉妬の炎燃やしてたとか言えない。

 

「おお〜、ここが部室か〜。雰囲気あるな。」

 

そしてガウリイがやってくる。

 

む!

 

・・・我慢我慢。

 

「ガウリイ、先生やってみてどうだった?」

 

なんとか抑えてガウリイに聞く。

 

「なかなか新鮮で楽しかったぞ?ゼフィーリアで剣の先生やってたの思い出したぜ。普通の生活ってのもいいもんだな。」

 

ガウリイが楽しそうに言う。

 

人の気も知らないで〜!!

 

「ああ、でも女子に囲まれて色々聞かれたのには参ったな。彼女とか聞かれても里奈が、とか言えないしな。」

 

!?

 

「あ、あああ当たり前じゃない!」

 

「だよな〜。って里奈、顔真っ赤だけど大丈夫か?」

 

あんたのせいだ!この天然め!

 

「だ、大丈夫よ。」

 

一人で嫉妬してたのが馬鹿みたいじゃない。

 

「ああ〜、そういう事ですか。」

 

「言われてみればそうね。」

 

「うふふ、里奈も可愛い所ありますわね。」

 

みんなに感づかれた!恥ずかし過ぎる!

 

「ところで、この部活って何やるんだ?」

 

ナイスガウリイ!この話に乗って逸してしまおう!

 

「私も実際の活動ってしたことないわね。」

 

「もうちょっと見ていたかったけれど・・・。まあ、いいわ。何時もではないけれど河童とかの妖怪に話聞いたりUMAを探したりとかかしら?あとは修行したりお茶したりね。」

 

オカルト研究部だから間違ってないんだろうけど普通に聞いたら胡散臭いことこの上ないわね。

 

「中々面白そうなことしてるな。」

 

ガウリイはこういうの好きそうよね。

 

コンコン。

 

などと話しているとノックとともに数人の人が入って来た。

 

生徒会?何かしら?

 

「ソーナじゃない。どうしたの?」

 

「新しい眷属が増えたので紹介に。リアスの所も増えたのでしょう?」

 

お互いに増えたから顔合わせね。

 

「匙、挨拶しなさい。」

 

「新しくソーナ会長の眷属になった匙元士郎です。兵士です。」

 

「里奈とアーシアも挨拶して。」

 

「兵藤里奈よ。兵士やってるわ。」

 

「アーシア・アルジェントです。僧侶です。」

 

「げ!兵藤もなったのか!?」

 

匙が私を見てちょっと引いている。

 

「何か文句ある?」

 

ちょっと威圧気味に言ってみる。

 

「ないです!」

 

以前言いがかりを付けてきたので軽くお灸を据えてやったのを思い出したのだろう。ちょっと怯えている。

 

「いやいや!俺は駒4個消費だ、もう兵藤に負ける要素は無いはずだ!」

 

ほ〜、匙も複数消費なんだ。

 

「匙、あなたが駒4個消費でも里奈さんには逆立ちしても敵いませんよ?」

 

「そんなはず」

 

匙の言葉をソーナ会長が遮る。

 

「あるのですよ。まず、ライザーを転生前の人間のままで凌駕し、転生した時もグレイフィア様の兵士8個消費です。その内3個は変異の駒です。トレードで今はリアスの眷属になってますが、多分ここにいる全員で戦っても里奈さんには勝てないでしょう。ヴァーリ先生が加わったら勝てるとは思いますが。」

 

「え!?」

 

「里奈さんは高位の魔法使いでなおかつ神滅具(ロンギヌス)赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)の所持者でもあります。先のコカビエルの戦闘でも里奈さんが、中心になって倒したと聞いてます。なので私達が束になっても敵わないですよ。」

 

あんまり誉められるとむず痒いわね。事実だけど。

 

「・・・。」

 

ソーナ会長の言葉に匙は固まっている。

 

「里奈さん、アーシアさん、これからもよろしくお願いしますね。」

 

「こちらこそよろしくお願いするわ。」

 

「よろしくお願いします〜。」

 

ソーナ会長の言葉に私とアーシアも答える。

 

「それから、ヴァーリ先生もよろしくお願いしますね。」

 

「ああ、よろしくな。」

 

ガウリイ、あんた軽いわよ。

 

「ヴァーリ先生も悪魔なんすか?」

 

あ、匙が復活した。

 

「ええ、そうよ。その上今代の白龍皇でもあるわ。」

 

「な!」

 

またもフリーズする匙。

 

ある意味仕方ない気もするけど。

 

「せっかく集まったんだしこのまま親睦会でもしましょうか。」

 

「それはいいですね。他の生徒会のメンバーも呼びましょう。」

 

リアスの提案にソーナ会長も同意する。

 

「それではお茶菓子用意しますね。」

 

「先輩、私も手伝います。」

 

朱乃と小猫も同意みたいで準備を始める。

 

「みんなでパーっとやりましょうか!」

 

その後生徒会の他のメンバーも集まってみんなで楽しく過ごした。

 

 

 

 

 

私の嫉妬の話がうやむやになって良かったわ。




というわけで里奈嫉妬。

あと、匙出し忘れてた。

次も番外予定。


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和平と新たなる敵編(仮)
奴が夢に現れる


スレイヤーズ!小説新作!!

詳細はまだですが熱い!!




 

 

あ〜、これは夢?明晰夢ってやつかしら?

 

そんで?夢にまで出て来て私に用がある奴なんて誰?

 

『ふふふ、まぁ、そうツンケンしなくてもいいんじゃない?大凡は分かっているんでしょう?』

 

元凶?

 

『ちょっとひどくない?』

 

これっぽっちも〜。そもそもこの状況ってあんたのせいじゃないの?

 

『まあ、そうだけれども。』

 

そろそろ目的とか教えて欲しいんだけど?

 

『「イレギュラー」を倒して欲しいのよ。』

 

「イレギュラー」ね〜。

 

『そもそもの原因は里奈が私の力を使えるようになった事なのよね〜。そういう意味だと里奈が一番のイレギュラーなんだけど。』

 

あんた(・・・)も想定してなかったってこと?

 

『そもそも()一部(・・)を使える事自体おかしいのよ。』

 

大元の生みの親ってあんたじゃない。

 

『まあ、そうなんだけど、ある程度はコントロールしてたんだけど、全部は見れないからね〜まさか人間で私の力使えるようになるとはね。』

 

魔族と神族が使おうとか考えないんじゃない?

 

人間だからだと思うわよ?

 

『普通は人間のキャパじゃ発動しないのよ。ある意味で里奈が一番のイレギュラーかもね。』

 

なんで私があんたの力使えるか原因分かっているんでしょう?

 

『はっきり分かったのは里奈が前世で死んで魂だけになってからだけどね。』

 

んで?

 

『理由は分からないけれど里奈の魂に私の欠片が混ざってるせいね。』

 

さらっと凄い事言われた気が。

 

現状私が以前より強くなってる理由は?

 

『「イレギュラー」を倒してもらうのに私の力を乗せてるのよ。』

 

それでも奴には勝てないと思うんだけど?

 

『それは里奈が力を引き出せて無いだけ。力を使い切れればこの世界で里奈が最強になれるわね。』

 

どんだけよ!

 

『仕方無いじゃない。最悪を考えるとそれ位じゃないと勝てないのよ。あいつ(・・・)あれ(・・)を利用するとしたらそこまでするしか無かったのよ。』

 

あれ?

 

『この世界で最強の存在よ。まだどうなるか分からないからこれ以上は言わないわ。今日はここまでね。次は力の使い方教えてあげるわ。これからのヒントとしては現状の呪文じゃどうやっても無理ってことね。ああ、助っ人なんだけどパシリ神官の他にもいるから見つけてね。それじゃあね〜。』

 

 

 

 

「ふざけんな〜!!!」

 

・・・。

 

私は叫びと共に目を覚ました。

 

言うだけ言っていなくなるか?ふつ〜。

 

とはいえ幾つかの謎は解けたわね。

 

当面の方針は「イレギュラー」を倒す事。あいつの力を引き出せるようにする事。みんなのレベルアップもしないとかしらね〜。

 

あ〜、あと助っ人探しもしないといけないのか。せめて人数だけでも言っておいて欲しかったわね。というかこれ以上誰かいたかしら?

 

コンコン。

 

「起きてるわよ〜。」

 

「おはようございます、お姉様。さっき叫ばれてましたけど?」

 

「ああ、気にしないで。理不尽な夢に抗議しただけだから。」

 

「?。朝ご飯の用意が出来てるんで、支度したらリビングに来てくださいね。」

 

「分かったわ、アーシア。何時もありがとうね。」

 

「助けて頂いた上に保護して下さってるのでこれくらいは当然です。」

 

良い子ね〜、アーシア。

 

「支度したらすぐ行くわ。」

 

私は支度をしてリビングに降りた。

 

 

 

その日の放課後、部室に集まってみんなに朝の夢の話をした。

 

「話を聞く限りどう転んでもろくな話にはなりそうにないな。」

 

「そうなのよね〜。まだ話には続きがあるみたいだし、早目に戦力の強化も考えないといけないのよね〜。」

 

ガウリイの言葉に私も答える。

 

「私達だけでどうにかするというのも限界があるわね。お兄様にもこの話したほうがいいかしら?」

 

リアスが話した直後に部室に魔法陣が表れ中から数人現れる。

 

「話は聞かせてもらったよ。」

 

「サーゼクスにグレイフィア!それにアザゼル!?」

 

なんていうタイミング!

 

「常に監視してる訳じゃないでしょうね?」

 

3人にジト目で聞く。

 

「たまたまですよ。こちらに来る時は一応確認してから来る様にしてますので。」

 

しれっとグレイフィアが答える。

 

相変わらず動じないわね。

 

「それにしたってアザゼルまで来るのはおかしいんじゃないの?」

 

「まあ、そう思うのは仕方無いがこちらでもちょっとした話し合いがあってな、天使、堕天使、悪魔で同盟を結ぼうという話になって、和平会談をここでするから話をしに来たんだよ。」

 

このタイミングでそうくるのか!

 

とはいえ和平が成立したらこちらの件も頼みやすくなるわね。

 

「さっきの話を聞いていたって事はこの和平が成功したら三大勢力の力も貸してもらえるのかしら?」

 

「そうだな。かなり厄介な事になりそうだし面倒事は早期に無くしたい所でもあるな。その辺も会談で少し議題に上げるか。」

 

アザゼルが答える。

 

「ここに来た理由はそれだけ?」

 

私の言葉に反応したのはサーゼクスだった。

 

「他にもあってね、まずコカビエルの件の説明を会談でしてもらいたい。なので会談には我々の護衛兼事情説明として参加して欲しい。それから・・・これだ。」

 

サーゼクスは懐から一枚のプリントを取り出す。

 

!?

 

「ちょ!それは!」

 

リアスが狼狽しながら反応する。

 

プリントの内容は授業参観のお知らせだった。

 

「サーゼクス様はこの学園の理事をしておりますので私から報告させていただきました。」

 

「当日には私とお父様も参加させてもらうよ。リアスの成長をきちんと記録しておかないといけないからね。」

 

サーゼクスって

 

「シスコン?」

 

「部長のご家族は部長を物凄く可愛がっているからね。サーゼクス様だけじゃなくてご両親もね。」

 

私の呟きに祐斗が答える。

 

さすがグレモリー家?それだけじゃないような気もするけども。

 

「公務のついででこんな事してもいいの?」

 

「ああ、今はプライベートでもあるんだよ。」

 

それならいいのか?

 

「人間界の視察も兼ねていてね、暫くこちらに滞在する事になっている。」

 

「視察?」

 

「ああ、悪魔の世界にも人間界の施設を参考にして色々建てようと思っていてね。今迄も色々参考にさせてもらっているんだ。」

 

「人間からの転生者向けってこと?」

 

「そうなるね。それに施設だけではなく、他にも色々取り入れようと考えてもいるんだよ。」

 

民主主義でも取り入れるんだろ〜か?なんて、悪魔は貴族社会だからそれは無いか。

 

それから暫く話をして解散になった。

 

授業参観か〜・・・家の両親も知ったらノリノリで参加しそうよね〜。仕事ほっぽってでも来るわね。

 

どうしようかしら?




ちょっとしたネタバレが・・・。

仲間誰にしよう?


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両親登場!

タイトルの通りです、はい。


 

 

その日の帰り、家の鍵を開けようとして違和感を覚える。をや?

 

「鍵開いてる。」

 

ま・さ・か。

 

嫌な予感が背筋を駆け巡る。

 

「今日はどこかのホテル───」

 

バン!!

 

私が言葉と共に回れ右しようとした時勢い良く家の扉が開かれ人が二人飛び出して来た。

 

「里奈ちゃぁぁぁぁぁん!!」

 

「会いたかっよぉぉぉぉ!!」

 

二人は出てきた勢いのまま私に抱き着き捲し立てる。

 

「元気だった?」「病気とかしてない?」「寂しくなかった?」「ちゃんとした物食べてた?」「大きくなったね!」

 

・・・・・ブチッ!!

 

「うっとおしいわああああぁぁぁ!!」

 

声と共に二人を引き剥がす。

 

ハァハァ、ゼェゼェ。

 

「里奈ちゃんが冷たい!」

 

「反抗期!?」

 

「あんたらなああぁぁぁぁ!」

 

二人を睨む。

 

「はっはっは!元気だっかい?」

 

「相変わらずツンデレなんだから〜。」

 

こいつらは〜・・・。

 

「お父さんもお母さんも毎回毎回勘弁してよね〜、飽きないの?」

 

「「飽きない!」」

 

・・・。

 

「あ、あの、里奈お姉様。この方達は・・・。」

 

アーシアが聞いてきたので仕方なく答える。

 

「私の両親よ。」

 

「里奈ちゃん、この方達は?」

 

お父さんが私の後ろに居るアーシアやサーゼクス達を見て言う。

 

「え〜と・・・。この子はアーシア。前に連絡したと思うけど、私が保護した子よ。それで、こちらの二人は色々お世話になっていて今日だけ家に泊まってもらおうと思ってるんだけど──」

 

「サーゼクスにグレイフィアじゃないの!」

 

「へ?」

 

お母さんの言葉に呆然とする。

 

「え〜と・・・知り合い?」

 

「ああ、梨沙さんに誠司さん、久しぶりですね。」

 

「ご無沙汰しております。」

 

サーゼクスとグレイフィアが二人に挨拶する。

 

「どゆこと?」

 

「とりあえず中に入って落ち着いてから話そうか。」

 

お父さんが言い、みんなを家の中に招く。

 

・・・え〜と・・・どゆこと?

 

混乱したまま私も家に入った。

 

 

 

 

部屋で着替えてからリビングに全員集まった。

 

「とりあえず私から事情説明した方がいい?」

 

「そうなるかな。お父さんもお母さんも魔法使いというのは分かっていたのかい?」

 

お父さんの言葉に答える。

 

「知ってたわよ。まあ、この世界だと普通じゃないのも分かってたから聞かなかっただけ。」

 

「そうか。すまなかったな。」

 

「気にしなくていいわよ。私だって魔法使えるの言わなかったんだし、おあいこよおあいこ。それで感づいてると思うけど、ちょっと事情があって私悪魔に転生したわ。で、主がリアス・グレモリー・・・つまりサーゼクスの妹ね。」

 

「なるほど。それでサーゼクスと知り合いというか、一緒にいたのか。とはいえ悪魔に転生か、まあ里奈ちゃんが選んで選択したなら仕方無いか。」

 

ちょっと寂しそうな顔をしてお父さんが言う。

 

う、ちょっと罪悪感が。

 

「梨沙さん、誠司さん、転生を勧めたというか強制したのは私です。里奈にはどうか・・・。」

 

グレイフィアがお父さんとお母さんに頭を下げる。

 

姉ちゃんが人に頭下げてる!?

 

「グレイフィア、頭を上げて下さい。里奈ちゃんは納得して転生したと思います。でなければ強制されても転生なんてしないと思いますし。」

 

お母さんがグレイフィアを諭す。

 

「梨沙さん、ありがとうございます。」

 

「そんで?お父さん達はサーゼクスと契約でもしてたの?」

 

「それもあるんだけどね、以前ちょっとした事で力を貸してもらったことがあるんだよ。」

 

ちょっとした事ね〜。

 

「ふ〜ん。まあ納得かしら?お父さんもお母さんも魔法技能高いみたいだし。世界でも結構上位の使い手みたいだしね〜。」

 

意地悪な目線を二人に送る。

 

「「な、な、なんで!?」」

 

狼狽える二人を尻目に続ける。

 

「伊達に悪魔だけじゃなく堕天使にもコネがあるわけじゃないわよ〜。」

 

「堕天使とも繋がりがあるの!?」

 

「ああ、里奈さんはアザゼルとも知り合いだよ。」

 

サーゼクスがからかい気味に二人に言う。

 

「魔法使いとしての能力が高い事は分かっていたがそこまでとは・・・。」

 

「アザゼルと知り合ったのは偶然みたいな感じだけどね〜。ああそうそう、アーシアを保護する切っ掛けも堕天使絡みだし。事後承諾になっちゃうけどこのままアーシアをここに置いていてもいいわよね?」

 

「ああ、かまわないよ。事情は前に聞いているしアーシアちゃんも良い子みたいだしね。かわいい娘が一人増えたんだから喜ばしいね。」

 

「そうね。アーシアちゃんも私達の事本当の親だと思って接してくれたら嬉しいわね。」

 

二人はアーシアに優しい視線を送っている。

 

「あ、あ、あのあの、ありがとうございます。」

 

アーシアは嬉しかったのかちょっと泣いている。

 

「さて、後は里奈ちゃんがどうしてこうなったかなんだけど。」

 

ちょっと悩んでグレイフィアを見る。

 

「こうなった以上説明しないわけにはいかないわよ、里奈。」

 

そうなるわよね〜。

 

とりあえず二人に全部ぶっちゃける。

 

「なるほどね。親としては止めたいんだが・・・そうはいかないんだろうね。」

 

「こればっかりは何を言われても無理ね。これを解決しないと平和な生活送れそうにないもの。それに私の気が済まないわ。今度こそきっちり片を付けてやんないとね。」

 

まあ、それには私自身の力を引き出せるようになんないとなんだけど。

 

「そういえば、授業参観あるのよね?私達も見に行くからね〜。アーシアちゃんの方にも行くからよろしくね。今回はこれが目的で帰って来たようなものだし。」

 

「こういうの初めてなんであの、その、よろしくお願いします。」

 

アーシアは喜んでいるみたいでよかったわ。

 

それにしてもどこから授業参観の話聞いてきたのかしら?

 

 

 

それから暫く話をして寝ることになったんだけれど、どうしてこうなった!

 

「久しぶりね、一緒に寝るなんて。」

 

「そうね〜・・・。」

 

姉ちゃんの言葉に無表情で返事をする。

 

「そんな顔しなくてもいいじゃない。ちょっと聞きたい事があったのよ。」

 

「何?」

 

「今回の件、どうにか出来る算段あるの?」

 

「ん〜、どうかしら?相手次第かしらね〜。コカビエルの時みたいな感じだったら問題無いと思うけど、そんな事は無いでしょうね〜。」

 

「そうね。状況によっては私も協力出来ると思うけれど私はサーゼクスの女王だから恐らくそれ程手は貸せないわ。」

 

「わかってるわ。リアス達の眷属にガウリイもいるし他にもいるみたいだからこっちで何とかするわよ。」

 

「私も転生組だから参加したい所なんだけどね。」

 

姉ちゃんの言い分も分かるけれども

 

「そもそもの原因がアレ(・・)のせいで、私も関わってたんだから落とし前は私がきっちりつけるわよ。」

 

私の言葉に納得したのか

 

「サポートは出来るだけするわ。ただ、刺し違えてでもとか考えちゃ駄目よ?」

 

「私がそんな事する訳ないでしょ?今世ではみんな一緒に過ごせるかもしれないんだし。とりあえず会談成功させて情報収集きっちり出来る体制整えないとね。受け身だと後手に回る事になるし、そうなると対応遅れちゃってこっちがやられかねないもの。」

 

「敵もそうだけど、味方の転生者も見つけられるかもしれないものね。」

 

「そうなる事を祈るばかりね。」

 

それから少し話をして眠りについた。




里奈パパと里奈ママ登場です。親馬鹿です。

高位の魔法使いで世界中飛び回ってます。

ロスヴァイセの祖母と同格で知り合いです。



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プール開き!

里奈ちゃん可愛い回です。


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・

里奈:・・・・・・。

作者:はっ!

里奈:全ての力の源よ 輝き燃える 赤き炎よ 盟約の言葉によりて
   我が手に集いて力となれ

作者:ちょ!それ洒落に──

里奈:暴爆呪(ブラスト・ボム)!!!!

作者:ギャああああああああああ・・・・。

里奈:悪は滅んだわ!今年もよろしくね!


 

 

サーゼクスとグレイフィアが泊まってから数日後の日曜。

 

私とアーシアは制服を着て学園に向かっていた。

 

ちなみにサーゼクスとグレイフィアは駅近くのホテルに滞在し視察という名の観光をしている。

 

魔王って暇なのかしら?

 

まあ、人間界を参考に施設作るとか言ってたけども。

 

で、私達が日曜なのになぜ学園に向かっているかというと、プールの清掃、その後貸し切りで遊ぶ為である。

 

本来は生徒会がやるんだけどコカビエルの件の後始末を生徒会がやってくれたので変わりに終わったら貸し切りで使っていいという条件で清掃を引き受けたらしい。

 

最近何かと忙しかったし息抜きには丁度いい。

 

泳ぐの嫌いじゃないしね。

 

 

 

学園に付き体操着に着替えてプールに全員集る。

 

「一年放置してただけはあるわね〜。」

 

さすがに結構汚れている。

 

「全員でやればそんなに時間掛からないんじゃない?」

 

「そうね、ちゃっちゃと終わらせてプール堪能しましょう。」

 

 

 

そして清掃が始まったんだけど・・・。

 

「おおおおおおおおおおおおおおおおお。」

 

声をあげながらガウリイが凄い勢いでプールを綺麗にしていく。

 

「え〜と・・・。」

 

「うん・・・。」

 

私達は綺麗になっていくプールを眺めている。

 

「ガウリイ、楽しい?」

 

「おお!楽しいぞ!!」

 

物凄い良い笑顔でかえされた。

 

「綺麗好きなのかしら?」

 

「単純なだけじゃない?」

 

「私もそっちだと思います。」

 

リアス、私、小猫の順。

 

「手伝わなくてもいいのでしょうか?」

 

「本人楽しんでるからいいんじゃない?」

 

アーシアの問いに答える。

 

なんて話している内に

 

「終わった〜。」

 

物凄く満足した顔をしたガウリイがいた。

 

プールを見るとピカピカに磨かれていた。

 

まだ清掃始めてから30分なんだけど・・・。

 

「私達の出る幕なかったわね。」

 

今の会話を聞いていたのかガウリイから声が掛かる。

 

「あるぞ〜。」

 

ん?

 

「水溜めてくれ。」

 

・・・・・。

 

その後私達の魔法で水を溜め着替えにいくのだった。

 

 

 

「プール貸し切り気持ちいいわね〜。ガウリイのおかげで時間もたっぷりあるし。」

 

私は軽く泳いだ後プールサイドでリアス達と話していた。 

 

当のガウリイは物凄いスピードで泳いでいる。

 

「里奈の泳ぎ綺麗ね。」

 

「身体作りには水泳って結構いいのよ。まあ、泳ぐの好きってのもあるけど。」

 

リアスも充分上手かったと思うけど。

 

「そうだ里奈、小猫とアーシアに泳ぎ教えてあげてくれないかしら?」

 

「小猫も泳げないの?運動神経いいのに。」

 

猫だから?なんてね。

 

「泳ぎだけは苦手なんです。」

 

「いいわよ。アーシアには元々教える約束してたし、一緒に練習しましょ。」

 

「はい!お願いします。」

 

それから暫くアーシアと小猫に泳ぎを教えてあげることにした。

 

 

 

「小猫は運動神経いいだけあって、飲み込み早いわね。アーシアもこの短時間でこれだけ泳げれば充分じゃない?」

 

「里奈お姉様の教え方が分かりやすかったからです。」

 

「そうですね。あと、優しかったです。」

 

ぐ。

 

「お〜、珍しく里奈が照れてるな。」

 

「ガウリイ!いつの間に!てか、余計な事言わんでいい!」

 

いつの間にかプールサイドに上がっていたガウリイに文句を言う。くそう。

 

「照れる里奈さんレアです。」

 

「ホント可愛いです、お姉様。」

 

小猫とアーシアまで・・・。

 

「相変わらず素直じゃないな〜、里奈は。ああ、あと今更かもだけど水着似合ってるぞ。前よりも胸もおおきくなっ──」

 

「だからあんたにデリカシーってもんはないのかああああ!」

 

ドカシャアァァァァァン!!

 

私の言葉と共に放ったパンチ(魔力付き)でぶっ飛ばされるガウリイ。

 

「わかった!わかったから、魔力込めて殴るのやめてくれ!」

 

「ほんっっっとうでしょうね?」

 

無言で何回もコクコク頷くガウリイ。

 

よろしい。

 

「とはいえ、可愛くなって見違えたのは本当だぜ?」

 

ボッ!

 

顔が鏡見なくても真っ赤になるのがわかった。

 

「え、あ、え〜と・・・あ、ありがとう(ボソッ)」

 

「さすが天然凄いですね。」

 

「お姉様が乙女の顔してます〜。可愛いです!」

 

ああああ、アーシアと小猫まで〜・・・。

 

前世で結婚して早くに死に別れて再会出来るなんて思ってなかったから自覚してる以上にガウリイの言葉に反応するようになってる!

 

とはいえ素直になるとか無理よね〜。

 

となるとこれしか無い!

 

「ガウリイ、泳ぎあんな速かったっけ?」

 

秘技話題そらし!

 

「ああ、こっち来てから一時期ハマってな。最近泳げなかったから久しぶりで楽しかったぜ。里奈も泳ぎ上手くなってるじゃないか。」

 

泳ぎながらこっち見てたんかい。

 

「また照れてますね。」

 

「ガウリイさんが弱点みたいですわ。」

 

くそう!朱乃まで加わるとは。

 

「前と変わらないと思うけど。ここ迄乙女じゃなかったとは思うけど。」

 

リアスまで〜!

 

「里奈、泳ごうぜ。教えてばっかりであんまり泳いで無いだろ?」

 

そう言って私の手を引く。

 

「分かったから、そんな引っ張らないでよ。」

 

そうして暫くガウリイと泳ぐことにした。逃げた訳じゃないんだからね!

 

 

 

〜 祐斗 side 〜

 

泳いでいる二人を見て無意識に呟く。

 

「ガウリイさんには敵いそうにないね。」

 

「えっ!?」

 

僕の言葉に反応したリアス部長が目を見開いて驚く。

 

「あはは、聞こえちゃいましたか。」

 

「祐斗あなた・・・。」

 

「ゼルガディスの記憶を思い出した時点で諦めた筈なんですけどね。二人のやり取りを見てたらついね。」

 

「なんて言えばいいのかしら?」

 

「気にしないで下さい。気持ちの整理はついてますし、恋というよりも憧れに近い感情だったと思います。何があっても自分を見失わない強さに・・・。」

 

ただ、コカビエルの時にガウリイさんに再会して記憶も取り戻したときに気付いた。あの強さを支えているのが彼なんだと。

 

部長のルークとしての過去を聞いた時に僕が里奈さんの立場だったら耐えられる自信は正直無い。その時に里奈さんを支えたのが間違いなく彼でそれを聞いた時に僕は里奈さんを諦めた。

 

「ふふ、分からなくもないわね。そういえば小猫の事はどうなの?」

 

「アメリアさんの事は好きだったみたいです。ただ、今の感情としては可愛い後輩という感じですね。」

 

「私もそんな感じなんだけど・・・何で私だけ性別変わってるのかしら?」

 

「あははははは。」

 

部長は納得いかないという顔をしている。

 

「リアスは記憶に関しては大丈夫ですの?」

 

僕等の話を聞いていたらしい朱乃さんもやって来た。

 

「記憶だけ考えると辛いけれども、感情は今のままだからなんとかなるわ。そう考えると里奈とガウリイの方がきついんじゃないかしら?」

 

「だからこそあの二人の結び付きは私達よりも強いのではないでしょうか?」

 

「私もそう思います。」

 

アーシアさんと小猫ちゃんもやって来た。

 

「そうだろうね。そう考えると僕の憧れなんて霞んでしまいそうだね。前世でも里奈さんとガウリイさんには助けられてばっかりだったから、今世は僕達で二人を支えられるように頑張らないとだね。」

 

「そうね、戦いだけではなく気持ちの面でも支えられるようにならないといけないわね。」

 

部長の言葉に全員頷く。

 

その瞬間

 

風魔咆裂弾(ボム・ディ・ウィン)!」

 

ザバアアアアアン!!

 

いつの間にか上がっていた里奈さんの魔法で、その場にいた全員がプールに落とされる。

 

「な〜に辛気臭い話ししてんのよ、折角プールに来てるんだから遊ばないと損よ?過去は過去、私達はこれからを生きるんだから気にしちゃ駄目よ。」

 

驚いたみんなに向かって里奈さんは言い放つ。

 

「さっ!みんなで遊びましょ!」

 

里奈さんの言葉にみんなも頷く。

 

みんなもこの里奈さんの前向きな考えに救われてきた。

 

諦めるのもったいないかな?なんて思いながら僕も参加することにした。




里奈ちゃん照れっ照れです。

本編ではこういうのほとんど無かったので書いてて楽しい。

ただ、里奈の性格上イチャイチャはしないでしょうね~。

意地っ張りな里奈も可愛くていいですが。


作者:たまにはデレたら?

里奈:無理。


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再びの───と授業参観

伏せてますが・・・まぁ、あの方です。


 

 

あれ?

 

・・・・・・・!!

 

またか!

 

『その反応はひどいんじゃないかしら?』

 

思ったより随分再登場が早かったな〜と思って。

 

『前回言うの忘れたことがあって。てへっ。』

 

・・・・・・・・・。

 

『お願い!リアクションして!』

 

めんどくさい奴ね~。

 

『ひどい。』

 

前回も思ったんだけど、軽いわね。私の体乗っ取った時と全然違うし。

 

『ああいう時は威厳示さないとだからね〜。』

 

ということはこっちが素なのか!?

 

『そうよ〜、固っ苦しいのめんどいじゃない。』

 

こんなのが全ての母なのか。

 

『こんなの言うな!あんた達が勝手に決めたイメージじゃないの。』

 

そんで?言い忘れた事って?

 

『まずは転生について。』

 

どういう事?

 

『疑問に思わなかった?死んだ時期と転生の時期がおかしいって。』

 

思ったけど私じゃ解明出来そうにないからこんなもんかって流してたのよ。

 

『賢い判断かしら。まあ、簡単に言うと私は時間を少しだけいじれるのよ。とはいえこっちの世界に転生させるのは法則違うからどうしても誤差が出ちゃうんだけどね〜。』

 

サラッと凄い事言うわね。

 

『あっちだと誤差とか出ないからあなた達を送り出したのは大体同じ時期なんだけど、誤差のせいでこっちだと転生する時期に差が出てるっことなのよ。』

 

それにしたってチートよね~。それだけ出来るならあんたがどうにかしたらいいんじゃない?

 

『私自身はこっちの世界にもう干渉出来ないから里奈達を送り込んでるのよ。』

 

 

ん?

 

 

んん?

 

 

もう(・・)

 

『あ。』

 

ど〜ゆ〜ことかしら?

 

『ソンナコトイッタカシラ?』

 

あんたねぇ〜。

 

『まあ、冗談はおいといて、現状ではまだ言えないのよ。ん〜そうね、言えない変わりに何か一つ質問に答えてあげる。コレ以外なら。』

 

ちっ。

 

『・・・。』

 

じゃあ、今回の件が起きた大元の原因教えて。

 

『ん〜、私のせいでもあるんだけど里奈、あなたのせいでもあるのよ。』

 

私?

 

『そう。あの世界では死んだら魔族以外はあっちかこっちの世界に転生するんだけど、魔族は転生しないで消滅するのが理なのよ。』

 

ふんふん。

 

『ただ、例外がある・・・あった(・・・)、と言えばいいのかしら。』

 

げ、まさか・・・。

 

『そうよ。私の力を受けた高位の魔族がこちらの世界に転生してしまったのよ。』

 

どうしてそうなったかわかってるの?

 

『はっきりとじゃないけど、私の力の影響受けたからってのが一番ね。里奈が私の力使う時って滅びの部分が強いんだけど、強いってだけで他の力も実は作用してるのよ。』

 

他の力?

 

『そう。普通の魔法だったら力を借りる(・・・)んだけど私の場合は力=存在と一緒だから──』

 

召喚──

 

『せいか~い!そして里奈は私の力──存在を完全にコントロールできないから──』

 

創造?生存?

 

『そういうことね~、創造の力も少し混ざってる。』

 

そういう・・・ことか。

 

あ、でもなら()は来てないの?

 

『残念ながら・・・いるわ。』

 

え、なんで?()はほぼあんたが倒したわよね?

 

『そうなんだけど・・・体自体は里奈のだったから完全には制御出来てなかったのよ。』

 

それであんたと私が原因なのね。

 

『そういうことね。()がこっちに来てるのは私の責任だし、私の力を使える人間を生み出したのにも責任はあるわ。自然の摂理って凄いわね~。』

 

私はどう反応したらいいのかしら?あんたのおかげで助かった場面も多いし・・・なんか複雑。

 

『というわけでこれで・・・ああそうだった、もう一個。』

 

まだ何かあるの?

 

『気付いてると思うけど、里奈、ヴァーリ、祐斗、小猫には二つの記憶(・・・・・)があると思うんだけど?』

 

ええ、あるわね。どういうことなの?

 

『作者の都合・・・じゃなかった、残りの仲間が居るって話したと思うけどそのせいね。ifの記憶と言えばいいのかしら?』

 

よくわかんないんだけど?

 

『まあまあ細かい事は気にしなくていいわ。もう一つの記憶の方からも仲間を送ってるからよろしくね。』

 

残り何人いるわけ?

 

『全部で六人。確実なのが一人。残りは──状況によってかしら?五人。』

 

状況って・・・。

 

『三人は現状中立でしょうけど里奈寄りね。残りの内一人は・・・どっちなのかしら?あともう一人はこのままだと敵ね~。』

 

ラスト二人が気になるんだけど?

 

一人は露出狂?一人は・・・ヒントだけ、()に倒された元子分。

 

ぶっ!

 

どうやってその二人を仲間にしろと!?

 

『親分をこちら側に引き込めればいけるんじゃない?もう一人は・・・健闘を祈るわ。』

 

また投げたわね!てかなんて奴らを転生させてるのよ!

 

『え、面白そうだから?まあ、その二人は暫く会わないと思うから今の内に考えておいてね?』

 

 

 

 

 

「ふざけるなああああああああああ!!」

 

・・・・・・・・・逃げやがった!

 

とはいえ最大六人か。

 

大体分かった。

 

が、一人はいらないわね。

 

そうだ!分かったら問答無用で吹き飛ばせばいいわね!

 

・・・それでも彼女(・・)だったら死なないでしょうけど。

 

ガチャ

 

「お姉様!また叫んでましたけど大丈夫ですか?」

 

アーシアが私の叫びに気付いてやってきた。

 

でじゃびゅ。

 

「ああ、前回と一緒だから気にしなくていいわ。」

 

「ということはまた夢に・・・。」

 

「ええ、詳細は部室で話すわ。着替えたら降りるから先に行っててちょうだい。」

 

「はい。」

 

アーシアは安心したのかほっとした表情で降りて行った。

 

とはいえ放課後みんなに話す前にあいつに連絡入れておこうかしら。

 

通信用の魔法陣を開く。

 

『おお、朝っぱらからどうした?里奈。』

 

「ええ、ちょっとお願いがあってね──」

 

 

 

 

と、朝の事があっても学園は休むわけにもいかず──

 

学園に着き今は授業中なんだけど・・・。

 

「今日は授業参観です。親御さん達にいいところ見せましょう!」

 

こういう時って普段通りにとか言うんじゃないのか!?

 

そしてさっきちらっと後ろを見たがきっちりお母さんがビデオカメラを構えていた。

 

お父さんはアーシアの方に行くとか朝言ってたからそっちに行ったのだろう。

 

来てくれるのは正直嬉しい・・・・・だが!

 

二人とも容姿がすこぶる良いので毎回目立つのだ。

 

ほんとあれで──才というのだから信じられない。

 

クラスの連中もちらちら見てるし他の親達も見ている。

 

先生も羨望の眼差しで──って、授業しろ!

 

こんな感じで授業参観は過ぎていくのだった。

 

 

 

昼休み廊下に出ると祐斗に会った。

 

「これから食堂?」

 

「いや、何やら魔女っ子が撮影会してるみたいだから見に行こうと思って。」

 

魔女っ子!?なにそれ面白そう。

 

「私も行くわ。」

 

 

 

祐斗と向かう事暫く──途中リアスや他のメンバーも合流して現場に付いたんだけど──

 

本当に魔女・・・魔法少女の格好をした人を囲んで撮影会をしていた。

 

でもあれって・・・・。

 

「ねぇ、リアス?私あの人知ってるような気がするんだけど?」

 

「え、ええ。恐らく今里奈が想像してる方だと思うわ。」

 

リアスが目を逸らしながら答える。

 

やっぱりか・・・。

 

冥界大丈夫なのかしら?なんて思ってると

 

「おらおら!廊下で撮影会なんかしてるんじゃない!散れ散れ!」

 

匙がやって来てギャラリーを追い払った。

 

「誰かの親御さんですか?学園でそういう格好で来られると困るんですよ。」

 

「え~この格好が正装なのに~。」

 

正装って・・・ほんとに大丈夫か冥界!

 

なんかポーズとってるし・・・はぁ。

 

匙がリアスを見つけたらしくこっちにやって来た。

 

「リアス先輩、丁度良かった。今魔王様と先輩のお父さんをご案内していた所なんです。」

 

見ればソーナが紅髪の男性二人を先導してこちらに向かってきた。

 

「匙、何事ですか?問題は簡潔に解決しなさい──」

 

「ソーナちゃん見つけた!」

 

言葉と共に魔法少女がソーナに抱きつく。

 

「ああ、セラフォルーも来ていたんだね。」

 

サーゼクスが魔法少女──もといセラフォルーに話しかける。

 

「これが魔王の一人とか・・・。」

 

私はゲンナリしながら呟く。

 

「セラフォルー様、お久しぶりです。」

 

「リアスちゃん☆おひさ~、元気してた?」

 

「おかげさまで。今日はソーナの授業参観に?」

 

「もちろん!ソーナちゃんたらひどいのよ?今日の事黙ってたんだから!お姉ちゃん悲しくて天界に攻め込もうとしちゃったんだから!」

 

こんな理由で攻められたら天界もたまらないわね。

 

「里奈、アーシア、挨拶して。」

 

「兵藤里奈です。よろしくお願いします。」

 

「えと、えとアーシア・アルジェントです。よろしくお願いします。」

 

「初めまして☆魔王セラフォルー・レヴィアタンです☆レヴィアたんって呼んでね☆」

 

ポーズ決めてるし・・・どうしろと!

 

「サーゼクスちゃん、この子がドライグの?」

 

「ああ、彼女が今代の赤龍帝だよ。」

 

「ふ~ん。」

 

何かまじまじと見られてるんですけど・・・。

 

禁手(バランスブレイカー)の格好見たけど・・・もっと可愛い感じでもいいと思うの!」

 

え~・・・。

 

「里奈ちゃん可愛いんだからこういう格好も似合うと思うの!」

 

「ちょ、それは流石に・・・。」

 

何でこんなことで詰め寄られてるのかしら?私。

 

「セラフォルー殿、里奈さんが困ってるではないですか。」

 

「あら!グレモリーのおじ様。」

 

ってことはリアスのお父さんか。なかなかカッコいい。

 

「なんというか奇抜な格好ですな。」

 

「この国ではこれが流行りなんですよ☆」

 

いちいちポーズとらなくていいと思う。

 

「そうなのですか、これは私が無知だったようだ。」

 

「父上、信じてはなりませんぞ。」

 

こいつら・・・。

 

「軽すぎるんじゃない?魔王方。」

 

「現四大魔王様方はプライベートになると軽いのよ──酷いぐらいに。」

 

リアスも溜息をついている。

 

「ほんとに大丈夫なの?冥界。」

 

「里奈ちゃんひどい!仕事の時はきちんとしてるわよ!プンプン。」

 

自覚はあるのか!?

 

「お姉様はひどすぎです!学園でそのような格好。」

 

「ソーナちゃんひどい!知ってるでしょ?私が魔法少女に憧れてるの。煌くスティックで天使、堕天使をまとめて抹殺なんだから☆」

 

随分物騒な魔法少女である・・・頭痛くなってきた。

 

「お姉様が煌かれたら小国が数分で滅びます!」

 

「匙、コカビエルの時サーゼクス呼んだのって・・・。」

 

「ああ、ソーナ会長を溺愛してるから余計に被害が出るのを抑える為だったらしい。俺も初めてお会いしたけど・・・確かに納得だわ。」

 

匙もちょっと呆れている。

 

「もう耐えられません!」

 

ソーナが走り去る。

 

「待ってソーたあああん!お姉ちゃんを見捨てないで!」

 

「『たん』付けで呼ばないで下さい!」

 

そう言って二人は走っていった。

 

「あ~、俺会長のフォローいってくるわ。」

 

「ええ、ソーナ可哀そうだからよろしくね。」

 

そうして匙も二人を追いかけて行った。

 

「うむ、シトリー家は今日も平和だねリーアたん。」

 

「私の愛称を『たん』付けで呼ばないで下さい!」

 

はぁ~、グレモリー家も充分平和よね・・・。




残りの仲間は6人?です。配役も決まってます。出て来るのはまだ先のキャラもいます。

時間云々の設定は適当に流してください。

L様(仮)はたまに出そうと思います。


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新たな眷属

一ヶ月以上開いてしまった・・・。

しばらく亀更新になります。


 

 

「お、サーゼクスにグレイフィアそれにジオティクスじゃないか。」

 

ソーナ達と入れ替わるようにやって来たのはお父さん達だった。

 

「おお、誠司に梨沙さんじゃないか!久しぶりだね。」

 

リアスパパとも知り合いだったのね。

 

「ジオティクスも来ていたんだね。ヴェネラナさんは元気かい?」

 

「ああ。今日来れなかったのを残念がっていたよ。」

 

「LI○Eきてたわよ。どうしても外せない仕事があって行けないって悔しがってたわ。」

 

まさかの主婦ネットワーク!?てか冥界でも携帯通じるのね。

 

「ヴェネラナさんは夜は空いてるのかい?」

 

「ああ、夕方には終わってるはずだが。」

 

まさか!

 

「なら、夜ヴェネラナさんにも来てもらって家で話さないか?授業参観のビデオでも見ながら。」

 

やっぱりか!なんて子供に恥ずかしいイベントを考えるのよ!?

 

「おお!それはいいですな。久しぶりにゆっくり話もしたいですしな。」

 

ああああ、ジオティクスさんも乗り気だぁ〜。見ればリアスも顔を真っ赤にしている。とはいえ私達にはこれを止める術は持ち合わせていない。

 

「ヴェネラナさんもオッケーだって。」

 

お母さんもいつの間にか連絡取ってるし。ヴェネラナさん仕事してるんじゃないんかい!?

 

「皆さんがくるなら買い物しないといけないわね。」

 

「それなら買い物がてら移動しようか。」

 

「それなら私も荷物持ちくらいは手伝いましょうか。」

 

「リアスさんも里奈ちゃんと一緒にいらっしゃい。」

 

「あ、ありがとうございます。後程お邪魔させていただきます。」

 

リアスはお母さんに笑顔で返事してるけど・・・口元引きつっているわね。気持はわかるけども。

 

「それでは後は頼むよ、サーゼクス。」

 

「はい、父上。」

 

サーゼクスは残るのね。ああ、そういえば視察もしてるんだっけ。

 

「里奈ちゃん、リアスさんの案内頼んだわね。」

 

「オッケー、きちんと連れて行くわ。」

 

私の返事を聞いてお父さん達は帰って行った。

 

「リアスに朱乃くん、ちょっといいかな。」

 

「はい。」

 

「なんでしょうか?」

 

「すまないが里奈さん、二人を借りていくよ。」

 

「ええ、かまわないわよ。」

 

サーゼクスは二人を連れて去って行った。

 

「私達も戻りましょうか。」

 

アーシアも祐斗も私の言葉に頷いてそれぞれ教室に戻ることにした。

 

その後家に帰った私とリアス、アーシアは合流したヴェネラナさんに授業参観のビデオを見て延々娘の自慢をし合うという地獄の時間を過ごした。

 

ちなみにヴェネラナさんはリアスを亜麻髪にした感じで綺麗な人だった。見た目を若いまま維持できるなんて、悪魔って素敵!

 

 

 

次の日の放課後、私達は旧校舎一階の『開かずの教室』の前に集合していた。

 

ここ気になってたのよね〜、封印はやたら厳重だしそれに今迄謎になってた『僧侶(ビショップ)』が居るって話だし。昨日の話だとその封印が解かれるらしいんだけれど・・・。

 

「ここにもう一人の僧侶(ビショップ)』が住んで居て、真夜中には封印が解けて旧校舎の中なら自由に動けるんだけど出て来ないのよ。」

 

「引き篭もりなんかい!!」

 

リアスの話に思わず突っ込みを入れる。

 

「そ、そう言われるとそうなんですけど眷属で一番の稼ぎ頭なんですよ。」

 

反応に困るわね。

 

「パソコンを介して取引を行なっているのです。直接会いたくないという人達もいてそういう人達と特殊な取引を行なっているのです。新人悪魔でパソコンを使っての取引だと上位に入るくらいです。」

 

引き篭もりには引き篭もりで対応・・・ってことかしら?

 

「───さて、開けるわ。」

 

リアスが術を解除する。それと同時に扉が開かれた。今度どんな術式か聞いておこう。

 

「イヤアアアアアアアアアアアア!!!!」

 

扉が開かれると同時に中から絶叫が響く。

 

・・・オイ。

 

絶叫を気にすることなくリアスと朱乃は中に入っていく。

 

いつもの事なのかもしれないんだろ~けど・・・動じないとは。

 

「ごきげんよう、元気そうね。」

 

確かに・・・ある意味元気よね。

 

「な、何事ですか~!!」

 

何か酷く狼狽している様子。

 

「封印が解けたのですよ。さあ、一緒に外にでましょう?もうあなたは自由なのですよ。」

 

朱乃が優しく声を掛ける。

 

だが────

 

「いやですうううううう!外に出たくないですううううう!人に会いたくないですううううう・・・。」

 

・・・・・重症ね~。

 

とりあえず入ってみようかしら。

 

アーシアに目配せして二人で入ることにする。

 

部屋は・・・・ゴシック?に装飾されているんだけど~・・・真ん中に棺桶がある・・・。

 

更に奥に入り部屋の主を確認。

 

・・・。

 

「女の子?」

 

「違うわ。男の子ね。」

 

つぶやくアーシアに答える。

 

それにしても見た目だけは完全に女の子ね。気配とか魔力の波動とかが違ったから気付いたけれど。

 

男の娘・・・・・リアルでは初めて見たわね。

 

「女装趣味があるのですわ。」

 

朱乃がアーシアに説明する。

 

「引き篭もりで女装って・・・誰得なのかしら?」

 

「だ、だって女の子の服のほうがかわいいもん。」

 

もんて・・・。

 

「と、ところでこの方達は誰ですか?」

 

「あなたがここにいる間に増えた眷族よ。『兵士(ポーン)』の兵藤里奈、それと貴方と同じ『僧侶(ビショップ)』のアーシア・アルジェントよ。」

 

アーシアと二人で挨拶する、が。

 

「ひ、人が増えてるうううううう。」

 

「お願いだから外に出ましょう?もうあなたは封印されなくてもいいのよ?」

 

「嫌ですううううう!僕に外の世界なんて無理なんだああああ。お外怖いいいい、どうせ僕が出て行ったってみんなに迷惑かけるだけだんだああああ!!」

 

ん~埒が明かないわね~。

 

そう思い強引に連れ出そうとして腕を掴んだ時違和感が襲った。

 

「ん?」

 

みんなの動きが止まっている。

 

「なんで動けるんですかああああ。」

 

あ~。

 

「これ、あんたの能力?」

 

「そうですうううう。時間を止める神器(セイクリッドギア)ですううう。」

 

前にアザゼルにそんなのあるとか聞いたことあるわね。

 

「ふ~ん。でもそれってある程度実力に差があると効かないみたいね。」

 

なんて話しているとみんなが動き出した。

 

「あれ?里奈大丈夫だったの?」

 

「ええ、ある程度実力が離れていると効かないみたいね。もしかして封印されていた原因て・・・。」

 

「そうよ。彼は神器(セイクリッドギア)を制御出来なくて危険だから封印されていたのよ。」

 

なるほどね~。どんなきっかけで発動するかわかんない能力持ってたんじゃ封印も仕方無いか。制御も出来ないんじゃ味方まで被害が出るわね。

 

「紹介がまだだったわね。彼はギャスパー・ヴラディ。私のもう一人の『僧侶(ビショップ)』で一応駒王学園の一年生、転生前は人間と吸血鬼(ヴァンパイア)のハーフよ。」

 

なるほど~それで棺桶があるのね~。

 

これは面白いじっけ・・・後輩が出来たわね。




ギャスパー登場です。

もう少し短い間隔で更新出来たらな~と考えてます。


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教師っぽいガウリイ

ガウリイ回です。


 

 

「それにしても、暴走の危険があってリアスが制御出来ないのによく眷属に・・・って、変異の駒(ミューテーション・ピース)?」

 

「ええ。それで眷属にはしたんだけど、私の力では制御しきれなかったのよ。」

 

それでリアスに力がつくまで封印されてたのね〜。

 

「それに、彼は類稀な才能の持ち主で日々力が高まっているのよ。上の話では将来的には禁手(バランス・ブレイカー)へ至る可能性もあるという話もあるわ。」

 

時間停止の禁手(バランス・ブレイカー)って考えただけでもゾッとしないわね。

 

「そう、危うい状態なのよ。里奈を眷属にした事とライザーとコカビエルの件を解決した事で評価が上がって制御できるかもと判断されたらしいのよ。」

 

「ライザーとコカビエルの件はともかく、そこで私の名前が出るって・・・。」

 

「そこら辺はお兄様とグレイフィアじゃないかしら?」

 

姉ちゃん!!

 

「僕の話なんて、しなくていいですぅぅぅぅ。」

 

ギャスパーの声はいつの間にか置いてあったダンボールの中からした。

 

「をい。」

 

私はダンボールを蹴る。

 

「ひぃぃぃぃぃぃ。」

 

引き篭もりの究極形態なのかしら?

 

ダンボールヴァンパイア。

 

「能力的には朱乃に次ぐんじゃないかしら?ハーフとはいえ吸血鬼の名門の家柄だし、神器(セイクリッド・ギア)もある。吸血鬼の能力も高い。その上人間の使う魔法にも秀でているわ。とてもじゃないけど僧侶の駒1個では済みそうにないわね。」

 

なるほど。才能はあるけど引き篭もり・・・もったいないわね〜。

 

「え〜と、この時間に開けれるって事はデイウォーカーよね?それと血はどうしてるの?」

 

「里奈の言う通りデイウォーカーよ。血はハーフだからそれ程飢えてないのよ。10日に一度輸血用のパックでとってるわね。元々血は苦手みたいだけど。」

 

「血、嫌いですぅぅぅぅ。生臭いの苦手ですぅぅぅぅ。レバーもきらいですぅぅぅぅ。」

 

血が嫌いとかホントに吸血鬼なのかしら?

 

「へたれヴァンパイア。」

 

小猫の容赦無い一撃!

 

「小猫ちゃんがいじめるぅぅぅぅ!!」

 

「ダンボールヴァンパイア。」

 

『ぷっ』

 

私の言葉にみんなも笑っている。

 

「先輩、ナイスです。」

 

気に入ったのか小猫がサムズアップしてくる。

 

「里奈さんまでぇぇぇぇぇ!」

 

これ、面白いわね。

 

なんて小猫とギャスパーをいじって遊んでいると

 

「とりあえず、里奈、アーシア、小猫。私達が戻ってくる間だけでもいいからギャスパーの教育をお願いできるかしら?私と朱乃は三すくみのトップ会談の打ち合わせをしてくるから。それと祐斗、あなたは私達と一緒に来て頂戴。あなたの禁手(バランス・ブレイカー)についてお兄様が詳しく聞きたいそうだから。」

 

「はい、部長。」

 

裕斗が頷く。

 

確かに普通の禁手(バランス・ブレイカー)じゃないものね〜。私の亜種とも違う発現だったものね。

 

「里奈さん、ギャスパー君の事お願いするね。」

 

「オッケー。ん〜、そうねガウリイも呼んで一から鍛えなおしてあげるわ!」

 

こういうのはガウリイは割と上手いのよね〜。前世でも剣の先生していて意外と慕われていたし。

 

「ギャスパー君、そろそろお外に慣れないといけませんわよ。」

 

「朱乃お姉様までぇぇぇ!そんなこと言わないで下さいぃぃぃぃぃ!」

 

「あらあら、困りましたわね。里奈さんよろしくお願いしますね。」

 

「まかせて〜、お、ガウリイも来たわね〜。」

 

「里奈、来たぞ〜。」

 

「実はね────」

 

ガウリイに事情を説明した。

 

「なるほどな〜。気持は分かるがみんな多かれ少なかれ持ってる問題だからな〜。里奈なんか比較になんないだろ?」

 

「そうなんだけど・・・それでどうするの?」

 

と、ガウリイに話しかけたらどこかに連絡している。

 

「───ああ、そうだ。旧校舎裏でいいか?───じゃあ、よろしく。」

 

通話が終わったガウリイに聞く。

 

「誰に連絡してたの?」

 

「ん?ああ、アザゼルだ。今ここに視察に来ててな、協力してもらう事にした。て訳で旧校舎裏に行くぞ〜。」

 

ガウリイはヒョイとギャスパーをダンボールごと抱え歩き出す。

 

「な、何事ですか!え、え、出れない!助けてぇぇぇぇぇ・・・・・・・・。」

 

呆然と見送る私達。

 

「あ、え〜と、私達も行きましょうか。」

 

ていうか、ガウリイってあんなに強引だったかしら?

 

とりあえず、ガウリイを追いかけることにした。

 

 

 

〜 ガウリイ side 〜

 

「アザゼル。」

 

旧校舎裏に着いたらアザゼルが先に来ていた。

 

「わざわざすまんな。」

 

「気にするな。それに面白そうな素材じゃないか停止の邪眼(フォービトゥン・バロールビュー)なんて。」

 

アザゼルの目が爛々としている。相変わらずだな〜。

 

「それでさっきも話したが、制御出来ないらしくてな、なんか良い方法ないか?」

 

アザゼルはそうだなと言いながら辺りを見渡し、里奈の所にギャスパーの見学に来ていた匙の所で視線を止めた。

 

「ほう?おい!そこのヴリトラ使い!」

 

アザゼルは匙を呼び、匙は恐縮しながらやってくる。

 

「な、な、な、なんでしょうか?」

 

「お前の神器(セイクリッド・ギア)黒い龍脈(アブソーブション・ライン)か?」

 

「はい、そうです。」

 

「それなら、そいつのラインを邪眼使いにつけて力を吸い取ってやれば、制御しやすくなるだろうよ。あとはヴァーリでもいいな、半減。」

 

なるほど、そういう方法でいいのか。

 

「てっきり何かのアイテムでも使うのかと思ったぜ。」

 

「そういうのもあるが、さすがに今は持ってないからな、今度渡すよ。」

 

言われてみればそうだな。

 

「助かったぜ、アザゼル。」

 

「それはそうと、聖魔剣使いはいないのか?」

 

「祐斗ならリアスと一緒に打ち合わせに行ったぜ。」

 

「そっか。今度機会作ってもらって俺も見せてもらおう。」

 

なんか普通と違うみたいだからな〜、アザゼルなら興味持って当然か。

 

「それじゃあ、またな〜。」

 

「おう、助かったぜアザゼル。」

 

アザゼルは手をヒラヒラさせながら帰って行った。

 

それから暫く匙がソーナに連れて行かれるまでギャスパーの特訓を続けた。

 

 

 

「どうだ?ギャスパー。」

 

ヘロヘロになっているギャスパーに聞いてみる。

 

「やっぱり僕には無理ですぅぅ。」

 

「どうしてそう思うんだ?」

 

「何回やっても上手くいかないし、皆さんに迷惑かかるし・・・。」

 

なるほど、こいつは優しい奴なんだな。

 

「なあ、ギャスパー。迷惑だったら皆ここ迄付き合ってくれるか?リアスが眷属にするか?普通は迷惑だとか思ってたら見放すと思うぜ?義務感とかそういうのじゃ皆ここ迄気にしないと思うぜ。」

 

「でも───」

 

俺はギャスパーの言葉を遮り言う。

 

「それでも納得出来ないならもっともっと頑張って制御出来るようになってくれれば皆喜ぶと思うけどな。」

 

「・・・。」

 

「それにだ、そんな簡単に使いこなせるようにはならないだろ。俺も里奈も他の皆だってまだまだだ。」

 

「え。あれだけ使えてるのにですか?」

 

驚いた顔をして聞いてくる。

 

「基本的な部分は何回も使ってるから問題無いけどな〜、もっと効率よくとか上手く使えるようにとか色々あるからな。」

 

「そうなんですね。僕も頑張ったら制御出来るようになりますか?」

 

「当たり前だろ!さっきだって何回か成功してたんだし出来ない事はないさ。上達したかったら成功した時の感覚を覚えること、出来ると自信を持つ事。あとは恩に感じているのならリアスや皆の力になれると思えばいい。あとはこういうのは直ぐ出来るようになんて無理だからな、ちょっとずつ上達していけばいい。」

 

「わ、わかりました!ちゃんと制御出来るように頑張りますぅぅぅぅ。」

 

やる気出してくれたみたいだな。

 

「あと、挫けそうになったら皆に頼れ。その為の眷属で仲間だろ?」

 

「はい!」

 

それと──と俺は続ける

 

「里奈の魔力の状態見えるか?」

 

「えと、・・・少し乱れてます?」

 

困惑顔をするギャスパー。

 

「里奈もな、今自分の力の事で悩んでどうにかしようと努力してる。あいつは意地っ張りだから表に出すなんて事はしないだろうし、基本お人好しだから、ギャスパーの事とか色々背負っちまう。苦労してるのはギャスパーだけじゃない、皆同じ。そう考えれば出来ると思わないか?ああ、今の里奈の話は内緒な。」

 

「皆同じ・・・はい!頑張り───」

 

俺の後ろを見てギャスパーは固まる。

 

俺も振り向いて─────死を悟った。

 

「ガウリイ・・・・・・分かってるわね?」

 

「ちょ!待て!里奈!話せば分かる!」

 

「ギャスパー・・・今の話とこれから起こる事は他言無用よ?」

 

「はいぃぃぃぃぃぃぃ!!」

 

ギャスパーはすっかり怯えきっている。

 

返事を聞いた里奈が物凄い良い笑顔で俺に向く。

 

さよなら皆・・・・・・

 

火炎球(ファイヤー・ボール)✕10!!」

 

ドドドドドドドドドド!!!

 

「ぎゃああああああぁぁぁぁぁぁ!!」

 

夕日の空に俺の叫びが響くのだった。




良い教師なんだけど・・・里奈が居る限りオチ担当になりそうです。

ちなみにガウリイの台詞は考えてじゃなくて本能で感じたまま話してます。


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ミカエルと朱乃の気持ち

スレイヤーズの新作が楽しみですね。少しずつ情報出てきてますね。


 

 

あれから数日。私はとある神社に来ていた。

 

ギャスパーはあれからなんとか学園に通い出し小猫がサポートしながらなんとか生活している。

 

ちなみに制服は女子用で、男とわかっても皆は暖かく迎え入れてくれたみたい。

 

曰く男女共に意見は一致していて

 

守ってあげたい男の娘

 

らしい。ノリがいいというかなんというか。

 

おかげでギャスパーもクラスに少しづつ馴染んできているみたい。

 

さてさて私はというと───お!

 

「朱乃!」

 

「待っていましたわ、里奈さん。」

 

神社の階段の上で待っていたのは巫女服に見を包んだ朱乃だった。

 

「リアスのほうはいいの?」

 

「ええ、大体のことは終わってますし後は細かい調整だけですから。それにこちらの方が今は重要ですので。」

 

朱乃の目線の先には───

 

まさか!

 

「お待ちしていました、今代の赤龍帝兵藤里奈さん。私はミカエル、天使の長をしております。」

 

想像以上の大物が待っていた。

 

 

 

それから本殿の中に入りとある部屋に案内された。

 

「これって、聖剣よね。」

 

部屋の中央には一本の剣が浮いていた。

 

「そうです。これはゲオルギウス────(セント)ジョージといえば分かりやすいでしょうか、彼の持っていた剣。龍殺し(ドラゴン・スレイヤー)の聖剣『アスカロン』です。」

 

聖剣だと結構有名な剣ね。龍殺し(ドラゴン・スレイヤー)だけあってさっきから悪寒が止まらない。

 

「特殊儀礼の術式を施してあるので悪魔であるあなたでもドラゴンの力があれば扱えますよ。ブーステッド・ギアに同調させる感じでしょうか。」

 

なるほど。

 

「でも何で私に?」

 

「今回の会談は三大勢力が手を取り合う良い機会だと考えているのですよ。神も魔王も滅び、堕天使───アザゼルも戦争する気は無いと言っています。このままお互い争っていれば遠からず三大勢力は滅ぶ。他の神話からも攻め込んでくるかもしれません。その剣はこちらから悪魔側へのプレゼントです。堕天使側にも贈り物をしてます。我々も悪魔側から噂の聖魔剣を数本いただきました。こちら側もありがたい限りなのですよ。」

 

この辺の話しはアザゼルも言っていたわね。

 

ミカエルは続ける。

 

「それで、何故里奈さんに?と思うでしょうが、過去に一度だけ三大勢力が手を取り合った事がありました。」

 

ふ〜ん、だってさドライグ。

 

『・・・・・・。』

 

「想像の通りだと思います。まあ、願掛けみたいな感じです。あの時の様に三大勢力が再び手を取り合えるようにと。」

 

なるほどね〜。

 

「じゃあ、遠慮なく。」

 

そう言って私はアスカロンを掴み同調してみる。

 

調整してるだけあって直ぐに私の魔力と馴染んだ。

 

「これって、ガウ・・・ヴァーリでも使えるってことよね?」

 

「ええ。今代の白龍皇ですね。赤龍帝と共に居ると聞いて驚きましたが、その感じだと本当みたいですね。」

 

「今回は戦いとか起きないから大丈夫よ。」

 

私の言葉にミカエルは微笑んで

 

「では、私は時間なのでこの辺で。」

 

私はふと思いついた事がありきいてみることにした。

 

「ああ、ちょっとお願いあるんだけど。」

 

「すいません、時間が無いので会談の後でもいいですか?」

 

「ええ、急ぎじゃないからいいわよ。」

 

「それでは、失礼します。」

 

そう言って光に包まれ帰って行った。

 

 

 

「朱乃はここで剣の調整してたの?」

 

「ええ。術式変更のお手伝いをしてました。」

 

女王(クイーン)ともなると大変ね。」

 

まあ、朱乃だから頼まれた部分もあるんだろうけど。

 

「里奈さん、ちょっとお聞きしてもいいですか?」

 

「なに?改まって。」

 

「転生前と今の記憶ってどう折り合いつけてますか?」

 

いきなり凄いのがきたわね。

 

ちょっと考えて答える。

 

「折り合いって言われると・・・つけてないわね。私の場合だとリアスや朱乃みたいに時間が開いてた訳じゃないしね。そもそも私は今とこれからが大事だと思ってるからね〜。そりゃ、過去から反省したり学んだ事も多いけど過去を気にし過ぎてると前に進めなくなっちゃうじゃない?」

 

「そうですね・・・。」

 

落ち込んだ表情で返事をしてくる。

 

ふ〜ん、そういう事か。

 

「リアスやルークに負い目感じてる?」

 

「それは!───そうですね。前世でルークに、ここでもリアスに救われましたもの。」

 

「気にするなってのは難しそうね〜。まあ、リアスとしてもルークとしてもあの子は気にしてないと思うけど、そうね〜、気になるならあなたの抱えてる問題を解決してみれば?」

 

「里奈さんはご存知でしたね。」

 

「まあ、アザゼルから聞いただけだけどね。」

 

「今は理屈では理解しています。ですが・・・。」

 

感情が追いつかないと。

 

「そうね〜。リアスもリアスとしてではなく、ルークとしてならそこら辺は充分分かってると思うわよ。ただリアスとしてだとみんな幸せになって欲しいっていう想いがあるから、なんとか解決して欲しいとも思ってるでしょうね。」

 

「ルークとしてというのは?」

 

「今ならいいかしら?ルークの最期は知ってるわね?」

 

「はい。話だけは。」

 

「あの時ね、ミリーナの死がきっかけでシャブラニグドゥが目覚めたんだけど最期まで心はルークのままだったのよ。彼自身物凄く葛藤してたと思うわ。それで選んだのが私達に止めてもらう事だった。」

 

「それは・・・。」

 

「あの時ね、評議会の人やアサシンを殺してもミリーナが戻らない事は理解していた。それでも感情の暴走は止められなかった。だから感情のせいでどうしようもないっていうのは理解してると思うわよ。それでも家族同士で憎んだままっていうのは寂しいわね。なんてゴメンね偉そうな事言っちゃって。」

 

「いえ、聞いたのは私ですから。」

 

何かきっかけがあれば解決出来そうな気もするんだけどこれ以上首突っ込む訳にもいかないしね。

 

「さて、私はそろそろ帰るわね。」

 

そう言って私は部屋を出た。

 

 

 

本殿から出た私は入り口にいたリアスに声を掛ける

 

「リ〜アス。」

 

「里奈。」

 

「ごめんね〜、話しちゃった。」

 

「かまわないわ。いずれは知られたかもしれないし。」

 

そう言ったリアスの表情は───大丈夫そうね。

 

「朱乃の問題は朱乃にしか解決できないわ。だから私は見守るしか出来ないわ。里奈の話で少しでも好転してくれればいいけれど。」

 

「そうね〜。何かきっかけがあればいいんだけどね。」

 

「ふふ、相変わらず里奈はお人好しね。自分の事もあるのに。」

 

「そういうんじゃないけど・・・せっかく生まれ変わってみんな集まれたんだから楽しく幸せに生きたいじゃない?」

 

リアスは可笑しそうに笑い

 

「それをお人好しって言うんじゃないかしら?」

 

くっ、そうなのかもしれないけど。

 

「まったく〜、朱乃のフォローお願いね。」

 

「まかされたわ。まぁ朱乃なら大丈夫だと思うけど。」

 

この2人の信頼関係はちょっと羨ましいわね。

 

そうして私は神社を後にした。




さてさてこのあたりからオリジナルの展開です。

会談の内容も変わります。


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会談開始

ほぼ本編のまま・・・。


 

あれから数日後、私達は部室に集まっていた。

 

「さあ、行くわよ!」

 

リアスの言葉に全員頷く。

 

今日は三大勢力の会談の日で、学園全体と周囲には大規模な結界が張られている。

 

和平などと考えてるのは現段階ではトップ達ぐらいだろう。周囲で警戒している天使、堕天使、悪魔達はピリピリしており、一触即発と言っても過言ではない。

 

トップ陣は既に来ており新校舎の控室で待機している。

 

ガウリイは堕天使側でアザゼルの方にいる。

 

で、会談に向かうのはリアス、朱乃、祐斗、私。

 

ギャスパーと小猫とアーシアは部室で留守番。

 

「みなさん!頑張って下さい!!」

 

「大人しくしてるのよ〜。ゲームとお菓子用意しておいたから。小猫も頼むわね。」

 

「はい〜。」

 

「しっかり留守番しときます。」

 

返事をするギャスパーと小猫なんだけど・・・大丈夫かしら?ギャスパーはダンボールから上半身だけ出してるし小猫の視線はお菓子に向けられている。

 

まあ、何もなければそれでも問題無いんだけど。

 

そらそろ時間ね。さてさてどうなりますか。

 

 

 

コンコン

 

リアスが扉をノックして部屋に入る。

 

部屋には既に私達以外のメンバーが揃っていた。

 

天使側はミカエル、護衛だろうイリナとゼノヴィア。

 

堕天使側はアザゼルにガウリイとレイナーレ。

 

悪魔側はサーゼクスとグレイフィア、セラフォルーにコカビエルの事件の説明の為にソーナと椿姫、それと私達。

 

「私の妹とその眷属だ。」

 

サーゼクスが私達を紹介する。

 

「コカビエル襲撃の件で彼女達が活躍してくれた。」

 

「報告は受けてます。改めて感謝します。」

 

ミカエルが私達に礼を言ってくる。

 

「うちのコカビエルが迷惑をかけたな、すまんかったな。」

 

ゴン!

 

「いてぇ!」

 

ガウリイがアザゼルをどつく。

 

「もうちょっと申し訳なくしろ!」

 

ガウリイ、ナイス突っ込み!

 

「あ〜、も〜、わかったよ!すまなかった!俺の監督不行届だ。」

 

アザゼルが謝るがガウリイはまだ不満顔だ。

 

「とりあえずそこに座りなさい。」

 

壁側に並んだ椅子に座る様促される。

 

「全員揃ったようなので始めよう。まず、前提条件としてここにいるメンバーは最重要禁則事項である『神の不在』を認知している。」

 

イリナとソーナ達にも教えたのね。

 

「では、認知しているとして話しを進める。」

 

こうして会談が開始された。

 

 

 

・・・つまんないわね。

 

確認の意味も兼ねてだから仕方無いんでしょうけど。

 

知ってる事をめんどくさい言い方で言い会うってのはどこに行っても同じなのね〜。

 

あ、リアスが説明始めた。

 

さすが上手いわね〜。分かりやすくて要点抑えてあって・・・・・ガウリイ寝てるし。

 

頭良くなってもこういう所は変わらないのね。ちょっと安心するわね〜、こういうの。寝てるのはどうかって話しもあるけど。

 

リアスの説明が終わり

 

「リアス、ありがとう。それで今の報告受けて堕天使総督のアザゼルに話しを聞きたい。」

 

サーゼクスがアザゼルに説明を促す。

 

「先日の事件は我が堕天使中枢組織『神の子を見張る者(グリゴリ)』の幹部コカビエルが、他の幹部及び総督の俺に黙って、単独で起こしたものだ。奴の処分はここにいる・・・・・。」

 

寝ているガウリイを見てアザゼルが何も言えなくなる。

 

スタスタスタスタ

 

スパーン!

 

私はガウリイの所まで行き懐に入れていたスリッパで叩く。

 

「いてぇぇぇ!」

 

「会談中に何寝てるのよ!」

 

「あ!いや〜、会話がめんどくさい内容だったからついな・・・。」

 

「まったく!生まれ変わっても変わんないわね。寝るんじゃないわよ!わかったわね!」

 

「はい!!」

 

そう言って私は席に戻る。

 

「失礼、アザゼル続けて。」

 

何事も無かったように言ってのける。

 

「里奈、おまえなぁ・・・。ま、まぁ、この二人とリアスの眷属が処分してくれた。本来ならそのまま軍法会議で『地獄の最下層(コキュートス)』で永久冷凍だったんだが事情があってな、今はこちらで更迭してある。急遽だったんで悪いが報告書とは変わっている。」

 

アザゼルの報告に全員ザワついている。

 

「それはどういう事だい?」

 

サーゼクスがアザゼルに聞く。

 

「転生者については簡単にだが報告をしてあると思うがそっちで情報が入ってな、現状ではコカビエルを刑に処す訳にはいかなくなった。」

 

「アザゼル、ハッキリ言ってくれないか?」

 

ミカエルがアザゼルに聞くが当然だろう。天使側には転生者がいないのだから。

 

「まだ全て話せないがコカビエルが転生者でそれ関連で刑を保留している。」

 

「情報源は?」

 

「私よ。」

 

そう言って立ち上がる。

 

「里奈、いいのか?」

 

アザゼルが聞くが

 

「まあ、何も話さない訳にはいかないでしょ。ただ全部は話せないわね。」

 

そうして私は説明する。

 

私が転生者で、生前の世界から同じくこちらに来ている転生者を探していること。転生者は敵にも味方にもいること。この世界にも影響を及ぼすだろうこと。

 

「本当にそんなことが・・・。」

 

「ええ、そうね。この中にも数人います。ただそれを明かすのは少し待ってほしいわ。私の知らない転生者がここにいると面倒な事になりかねないので。」

 

私の想像通りだとすると彼女も・・・。

 

「そうですか。では後日に報告いただけますか?」

 

「ああ、後日に各勢力に報告書を出す。」

 

アザゼルがミカエルに答える。

 

「ところでアザゼル、別件なんだが君は何故神器(セイクリッド・ギア)所有者を集めているんだい?」

 

サーゼクスが話題を変える。これ以上聞かれるのを避ける為にわざと変えたのだろう。

 

「ああ、研究と保護の為だ。半分これは俺の趣味でもあるんだが神器(セイクリッド・ギア)研究と所持者の制御と育成だな。コントロール出来ない力なんて危険で仕方ないからな、ある程度出来るようになって社会復帰したい奴には幾らか援助して社会復帰させてる。なんなら研究資料の一部を送ろうか?だからといって戦争なんざしかけねぇよ。」

 

まあ、アザゼルならそう言うでしょうね。

 

「今更戦争になんか興味ないし、今の世界に満足している。部下にも人間世界の政治、宗教に介入するなと強く言ってある。悪魔の業界にも影響及ぼすつもりもねぇよ。ったく信用ねぇなぁ。」

 

「そうですね。」

 

「そうだな。」

 

「そうね☆」

 

「お前等なぁ。まあいい、めんどくせぇから和平結ぼうぜ、お前等もそのつもりで来たんだろ?」

 

!!!

 

全員が和平の言葉に反応する。

 

確かにアザゼルから一番に提案が出るとは思ってなかったのだろう。

 

「ええ、私もそのつもりでした。戦争の元である神と魔王はもういません。このままの状態を続けていれば我々は滅ぶでしょう。」

 

「ハッ!言うようになったじゃねぇか!堅物のミカエルが。それで?悪魔はどうなんだ?サーゼクス。」

 

「同意見ですよ。魔王はもういない。種の存続を考えるならば現状を打破し和平を結ぶのがいいでしょう。次に戦争すれば最悪我々は滅びるでしょう。」

 

「そうだな、戦争を起こせば俺達は滅びる。そうなれば人間界にも影響を及ぼし世界は滅びる────俺達はもう戦争は起こせない。」

 

多分アザゼルがこの中で最初に気付いたんじゃないかと何となく思った。でなければ次の言葉はでないだろう。

 

「神がいない世界は間違いか?衰退するか?残念ながらそうじゃなかった。俺達は今も元気に生きている。」

 

そこで一息つき

 

「────神はいなくても世界は回るのさ。」

 

アザゼルらしいわね。

 

その後それぞれの戦力の話しや勢力なんかの話になった。

 

 

 

「────と、こんなところだろうか。」

 

サーゼクスの言葉で全員息を吐いている。

 

終わったみたいね〜。

 

「さて、大まかな所は決まりましたし話は良い方向に進みましたから次は赤龍帝──里奈さんの話を聞きましょうか。」

 

ミカエルの言葉で全員注目する。

 

「そうねぇ、まずはアーシアの事かしら?システムの事を考えればやむ無しとは思うけどもうちょっとどうにか出来ないの?」

 

「アーシア・アルジェントには悪い事をしたと思っています。現状我々だけでは維持するので精一杯なのです。改善はしたいと思っていますがまだまだ時間がかかりそうなのが現状です。」

 

努力はしている、と。

 

「さて、あとは残りの世界に影響を及ぼしそうな奴にもどうしたいか聞いておきますか。二天龍の夫婦様にな!」

 

な!

 

「夫婦って・・・アザゼルあんたねぇ〜。」

 

「まあまあ、いいじゃねぇか。いずれはそうなるんだろうし。それで、ヴァーリはどうしたい?」

 

「俺か?」

 

今迄の話しに興味なさそうだったガウリイが答える。

 

「ん〜、そうだなぁ。平和に楽しく生活出来ればそれでいいぞ。まぁ、問題を解決してからにはなるだろうけどな。」

 

ガウリイらしい答えね〜。

 

「里奈はどうだ?」

 

「ま、折角転生出来たんだし、この世界を謳歌したいわね〜・・・と、言いたい所だけどガウリイの言う通り問題を解決しない事には、ね?」

 

「その問題とは───」

 

ミカエルが話している途中でソレ(・・)は起こった。




ガウリイ寝てるし。シリアスに耐えられない!!

次かその次からオリジナル要素が入ります。


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テロ襲撃

展開がちょこっと変わってきます。


 

 

「時間停止!?」

 

咄嗟に結界を張りなんとか部員達だけ影響が出ないようにしたけど・・・。

 

ソーナ達は覆いきれず止まってしまっている。

 

「もしかしてギャスパーが?!」

 

「仮にギャスパーだとしてもここ迄広域にはならないわ。もしかしたら・・・。」

 

リアスに答えつつ最悪の結果を推測してしまった。

 

理由としては

 

「テロか。まったく、いつの時代も変わんないな。大きな勢力が手を結ぼうとすると、どこかから邪魔が入るもんだ。」

 

アザゼルは呑気な口調で言ってるけど・・・緊張感ないわね。

 

既に結界の外から侵入した魔法使い達が攻撃してるっていうのに。

 

「んで、どうすんの?時間停止は恐らくギャスパーを利用されてるか違う類似の神器(セイクリッド・ギア)の能力を増幅か暴走させてるんでしょう?」

 

「だろうな。俺達を止めるには出力不足だったみたいだが、放置しておく訳にはいかんな。外の魔法使いもだな。」

 

アザゼルの言葉にリアスが

 

「ギャスパーの所には私が行くわ。部室には戦車(ルーク)の駒があるから。」

 

キャスリングね。

 

「しかしリアス一人だけというのも。」

 

「サーゼクス様、私が転移の魔法でキャスリングを利用してリアス様と後一人なら何とか出来ます。」

 

サーゼクスの懸念に姉ちゃんが提案する。

 

「じゃあ、私が行くわ。」

 

「里奈、お願いするわね。」

 

私とリアスの言葉を聞いて即座に魔法の構築を始める姉ちゃん。

 

「外の連中はヴァーリ、頼めるか?連中も白龍皇が出てくれば多少は動揺するだろ。」

 

「ああ、わかった。」

 

そう言ってガウリイは禁手化(バランス・ブレイク)して外に出ていった。

 

「それから里奈」

 

アザゼルが腕輪?を私に投げて寄越す。

 

「その腕輪はある程度能力を抑えられる腕輪だ。ハーフ・ヴァンパイアにつけてやれ。多少なりとも制御に役立つはずだ。」

 

「サンキュ、アザゼル。助かるわ。」

 

アザゼルに腕輪を軽く掲げて見せて礼を言う。

 

「アザゼル、あなたは神器(セイクリッド・ギア)の研究をどこまでやっているのですか?」

 

ミカエルが嘆息しながら聞くが

 

「いいじゃねぇか。もう神はいねぇんだ、誰か解明出来る奴が必要だろ?お前等だってシステムの研究してるだろ?それと同じだ。」

 

「とはいえ戦争しないと言っているあなたがなぜ神器(セイクリッド・ギア)を集めている?『神滅具(ロンギヌス)』所有者まで数人集めているとも聞いてます。」

 

サーゼクスも続けて聞く。

 

「備えていたんだよ。」

 

「備えて?」

 

「ああ。お前等の戦力に、じゃないがな。自衛の手段だよ。」

 

「何処に対してだ?」

 

サーゼクスの質問にアザゼルは真剣な顔になり

 

禍の団(カオス・ブリゲード)────」

 

その名を口にする。

 

「カオス・ブリゲード?」

 

「名前と背景について判明したのは最近でな、うちの副総督のシェムハザが不審な行為をする集団に目を付けていたのさ。三大勢力の危険分子を集め、中には禁手(バランス・ブレイク)出来たり神滅具(ロンギヌス)保持者もいるらしい。」

 

「目的は?」

 

「破壊と混乱。単純だろ?平和が気に入らないのさ。テロリストだ、しかも最大級に性質が悪い。」

 

ということは今のテロも───

 

「組織の頭は『赤い龍(ウェルシュドラゴン)』と『白い龍(バニシングドラゴン)』の他に強大で凶悪なドラゴンだよ。」

 

『────!!』

 

アザゼルの言葉に全員が反応する。まさか!

 

「そうか、彼が動いたのか───『無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)』オーフィス──神が恐れたドラゴン。・・・この世界が出来上がった時から最強の座に君臨するドラゴン。」

 

とんでも無いのが動いてるわね〜。

 

『そう!オーフィスが禍の団(カオス・ブリゲード)のトップです。』

 

聞き慣れない言葉と共に床に魔法陣が展開する。

 

っ!この魔法陣の紋様は!

 

「そうか!そう来る訳か!今回の黒幕は───」

 

サーゼクスも気付いたみたいね。

 

「グレイフィア!リアスと里奈さんを!」

 

サーゼクスの声に答えて姉ちゃんは魔法を発動する。

 

「ちょっと!グレイフィア、お兄様!」

 

まあ、出て来る奴が予想通りならこの面子で大丈夫でしょ。

 

そして魔法陣が輝き私とリアスは転送された。

 

 

 

転送された私達が最初に見たのは───

 

アーシアの張る結界に攻撃している魔法使い達だった。

 

魔法使い達は私達の登場に戸惑っている。

 

「なっ!」

 

「どうやって?!」

 

動揺してる今のうちね。

 

「リアス!」

 

「ええ!里奈。」

 

私の声に答えて攻撃をしていく。

 

氷の矢(フリーズ・アロー)!」

 

「消し飛びなさい!」

 

室内戦闘・・・丁度いいわね。

 

「アスカロン!!」

 

私は篭手をだしアスカロンを抜く。

 

「はっ!てりゃぁ!」

 

動揺していた魔法使い達は私達の攻撃に対抗出来ずに殲滅された。

 

「みんな、大丈夫?」

 

魔法使いを拘束してリアスが声をかけるとアーシアが結界を解いた。

 

「はう〜、危なかったです〜。」

 

「おつかれ、アーシア。」

 

私は頭を撫でてあげる。

 

「魔法使いが突然現れたんですがアーシアさんが結界を張って守ってくれました。」

 

小猫が説明する。

 

「ということは敵さんの方に時間停止と同じ様な能力者がいて暴走させてる感じかしら?」

 

「味方の能力者を暴走させるなんて!」

 

リアスが憤慨するが

 

「テロリストなんてそんなもんでしょ。まあ、それを肯定するつもりもさらさら無いけど。」

 

いいながら、ギャスパーにアザゼルから渡された腕輪を着ける。

 

「ギャスパー、それを着けておけばある程度は能力を制御できるわ。」

 

「はい、ありがとうございます・・・。」

 

「ギャスパー?」

 

ギャスパーは少し考えて

 

「あの、今のは僕を狙って来たんですか?」

 

「そうね。おそらくこっちがうまくいかなかったから向こうの能力者を使ったんじゃないかしら?」

 

「僕のせいで小猫ちゃんやアーシアさんに迷惑が・・・。」

 

スパーン!!

 

私はギャスパーをスリッパで叩いてから

 

「あんた、まだそんな事言ってるの?ガウリイに言われた事忘れたの?誰も迷惑なんて思ってないわ。だって仲間なんだし。それでも気になるってのならこれから守れるように強くなればいいじゃない。頑張るって言ってたわよね?」

 

ギャスパーは私の言葉に驚いたように固まっていた。

 

「ギャスパー、いっぱい迷惑かけて頂戴。全部受け止めてあげるし叱ってあげる。それでも私はあなたを放さないわ!」

 

リアスが続いてギャスパーに声をかける。

 

「私も迷惑だとは思いませんし、私も里奈お姉様にいっぱい迷惑かけてます。それでも私はみんなと一緒にいたいと思ってます。ギャスパー君はリアス部長といたくないですか?」

 

「ギャー君は友達。迷惑なんて思わない。」

 

アーシアも小猫もギャスパーに声をかける。

 

「みなさん・・・ありがとうございます。僕もみなさんと一緒にいたいです!それから僕もみんなを守れるように強くなりたいです。」

 

まったく、手間のかかる子ね。

 

さてさて、こっちはなんとかなったから次は向こうの応援行かないとね〜。

 

彼女もそろそろ動くかもしれないしね。




アーシアが部室に残っていたのはこの為です。

次回から展開が原作とは変わります。

転生者も出ますよ。


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カテレアの策謀

この章も後数話で終わりですね~。


 

 

〜 アザゼル side 〜

 

魔法陣の紋様を見た時俺は笑ってしまった。

 

「レヴィアタンの魔法陣・・・。」

 

サーゼクスが苦虫和噛み潰したような顔をして呟いた。

 

まあ、そうなるわな。レヴィアタンの魔法陣だが、セラフォルー(・・・・・・)の魔法陣ではないのだから。

 

セラフォルー自身も複雑な顔をしている。

 

そして魔法陣から現れたのは予想通りの女性悪魔だった。

 

「ごきげんよう、現魔王のサーゼクス様。」

 

嫌味ったらしいこって。

 

「先代レヴィアタンの血を引く、カテレア・レヴィアタン。これはどういう事だ?」

 

サーゼクスも分かっている筈なんだが聞かずにはいられないか。

 

なんせ奴等は魔王が滅んでも徹底抗戦しようとし、結局今の新政府の奴等に旧魔王派の連中は冥界の隅に追いやられたらしいからな。

 

「旧魔王派のほとんどが禍の団(カオス・ブリゲード)に協力することに決めました。」

 

こうなるよな〜。

 

「カテレア、それは言葉通りと取っていいんだな。」

 

「その通りです。今回の攻撃も我々が受け持っております。」

 

なる程

 

「クーデターか。」

 

「カテレアなぜだ!」

 

「今日この会談の逆の結論に至っただけです。神も魔王もいないのなら我々が世界を変革すればいいと。」

 

・・・考えが俗物だな。。

 

「オーフィスの野郎はそこ迄未来を見ているのか?そこまでは至ってないと思うんだがな。」

 

オーフィスは俗世には興味が無いと思うんだがな。

 

「彼には力の象徴としての役割を担うだけです。彼の力を借り我々が世界を滅ぼし、もう一度構築します。新世界を我々が取り仕切るのです。」

 

「くっくっくっ、は〜っはっはっはっはっ!!」

 

俺はカテレアの台詞を聞いて盛大に笑ってやった。

 

「何がおかしいのです、アザゼル!!」

 

そりゃ〜

 

「全部だよ、全部。新世界だぁ〜?笑わせる。自分達の力だけじゃ出来ないからオーフィスの力を借りるくせにその世界をお前等が取り仕切るなんてな。そんな他力本願の奴の言う事聞く奴なんていね〜よ。大方セラフォルーに魔王の座を奪われたとか言うんだろ?」

 

「ええ、そうです。私が正統なるレヴィアタンの血を受け継いでいるのです。私こそが魔王に相応しかった!」

 

駄目だこいつ

 

「くくっ、くっくっくっくっ。」

 

笑いが抑えられない。

 

「アザゼル!あなた程の力があればわかると思いますが?なぜ笑うのですか!」

 

「わかんねぇな、俺は今の世界に満足してるんでな。それに、だ、現状魔王はサーゼクス達だ。仮にお前等旧魔王派が魔王に相応しいのなら政権は変わらなかった筈だ。そんなことも分かってないから笑いが止まらないんだよ。違うか?」

 

「なっ!」

 

何も言えないよなぁ?真実なんだから。

 

「身の丈に合わない野望は身を滅ぼすぜ?サーゼクス達に協力する気が無いなら隠居してたほうがよっぽど世界の為になるぜ?」

 

「降る気はないのだな?カテレア。」

 

この状態でも説得は諦められないか。まぁ、サーゼクスらしいが。

 

「ええ、サーゼクス。あなたはいい魔王だったが最高の魔王ではなかった。だから私達は新しい魔王を目指します。」

 

「そうか、残念だ。」

 

サーゼクスも諦めたようだな。

 

俺は手を突き出し窓側の壁を吹き飛ばす。

 

ドンッ!

 

「旧魔王の末裔『終末の怪物』の一匹。カテレア・レヴィアタン。相手としては悪くない。いっちょハルマゲドンとシャレこもうじゃないか。」

 

バサッ

 

魔力を開放し羽を出す。

 

「望む所よ!堕ちた天使の総督!」

 

そして俺達は外へ飛び出した。

 

〜 アザゼル side out 〜

 

 

 

旧校舎から出た私達の目に飛び込んできたのはアザゼルが誰かと上空で戦闘し、地上ではガウリイや裕斗や朱乃達が魔法使いと戦っている場面だった。

 

「私達も加勢・・・と行きたい所だけど先に時間停止の結界と魔法使いが出てくる魔法陣を先に何とかしないと厄介ね〜。」

 

私の呟きを聞いてギャスパーが聞いてくる。

 

「里奈先輩、これって僕の能力で打ち消す事ってできますか?」

 

出来る。が、結構な力と制御が必要になるからな〜。

 

まぁ、折角やる気出してるんだし水をさすのもね。

 

おし、ギャスパーを信じましょう。

 

「ギャスパー、相当大変よ。覚悟はある?」

 

「はい!僕もいつまでも守られてばかりは嫌です!」

 

うん、いい目ね。

 

「それならギャスパー、腕輪を外して私の血を飲みなさい。」

 

そう言いアスカロンで軽く指を切る。

 

「それから私の力でギャスパーの力を増加するわ。思いっきりやりなさい。神器(セイクリッド・ギア)は想いに答えてくれるわ。貴方の想いをぶつけなさい。」

 

私の言葉に力強く頷く。

 

そうして腕輪を外して私の血を飲む。

 

血を飲んだときギャスパーの力が膨れ上がった。

 

「どう?ギャスパー。」

 

「はい、力が増してますが、何とか制御出来そうです。」

 

おし。

 

「増幅結構溜まってるから覚悟してね?まず、気持ちで負けないこと!いい!」

 

「はい!分かりました!」

 

お〜し

 

「それじゃあいくわよ!」

 

私はギャスパーの肩に手を置く。

 

ドライグ!!

 

『Transfer!』

 

ドクン!

 

ギャスパーの力が膨れ上がる。

 

「うああああああぁぁぁぁぁ!!」

 

パキィン

 

乾いた音を立てて結界が崩れ魔法使いを出していた魔法陣も消える。連動してたんだ、ラッキー!

 

力を使い倒れるギャスパーを支える。

 

「よくやったわ、ギャスパー。」

 

「お役に立てましたか?」

 

「充分よ、貴方は休んでなさい。アーシア、小猫、ギャスパーをお願い。次は私達の番よ、リアス。」

 

「ええ。後輩に活躍させて私達が何もしない訳にはいかないわね!」

 

リアスもギャスパーにあてられたかしら?

 

「行くわよ!リアス!」

 

「ええ、里奈。」

 

私とリアスはサーゼクスの所に向かった。

 

 

 

サーゼクス達の所に着いた私達は簡単に事情を聞いた。

 

「なる程ね。やっぱりカテレアだったのね〜。」

 

リアスは祐斗達と魔法使いを倒している。

 

私が残っているのはある事情のためだ。

 

それをサーゼクス達に説明する。

 

「それが本当だとしたら・・・。」

 

ミカエルが困惑している。

 

「手はあるんだけどアザゼルが戦っているからね〜。」

 

「あの戦闘に介入するのは危険すぎる。」

 

サーゼクスは言う。なのよね〜、戦闘が激し過ぎて近付くに近づけない。

 

「アザゼルには悪いけどエサになってもらうしかないかしら?」

 

「まぁ、そう簡単には死なないさ。」

 

サーゼクスって・・・。

 

「兆候見せたら私が何とかするわ。多分魔法使いが全滅したあたりね。」

 

「それからミカエル、ゴニョゴニョ・・・」

 

ミカエルに耳打ちする。

 

「えっ!」

 

「まだ確証は無いけどそうだったらちゃんと対応してあげて。」

 

「え、ええ。分かりました。」

 

戸惑いながらも返答してくれる。

 

そうこうしているうちに魔法使い達が全滅する。

 

よしよし、そろそろかしら?

 

そうして篭手を出しつつ彼女の動向に注視する。

 

動いた!

 

ギイィン!

 

アザゼルに攻撃しようとした彼女の剣を止める。

 

「な、に。」

 

「んふふふ〜させないわよ、ゼノヴィア(・・・・・)。」

 

ゼノヴィアと鍔迫り合いしながら声をかける。

 

「何故わかった!」

 

「すこ〜しだけどドラゴンの気配がしたのよね〜。」

 

「なっ!」

 

さすがに動揺してるわね〜。

 

「それに、会談中平然としすぎね。あれだけ神を信じてた貴女が知ってたとはいえ神の不在の話しをしても表情一つ動かさなかったしね。」

 

「何故今迄何もしなかった?」

 

「確証なかったから。まあ、今なら禍の団(カオス・ブリゲード)に加担した理由も分かるわよ?」

 

ゼノヴィアに明らかに動揺が走る。

 

「そうね〜、こっちに協力してくれるなら何とかできるわよ?」

 

「しかし・・・。」

 

戸惑っているゼノヴィアに声がかかる。

 

「ゼノヴィア!たかが下級悪魔にそんな事ができる訳がないでしょう!」

 

カテレアがそう言うが

 

「残念だな。俺と里奈は昔からの知り合いでな、()を更迭扱いで止めているのは里奈からの要請があったからだ。こうなるかも知れないと予想してたからだよ。」

 

「だからといって更迭は解けないでしょう?」

 

カテレアの言う事はもっともだが・・・

 

「解かれたぜ?カテレア・レヴィアタン。」

 

突如アザゼルの横に魔法陣が現れ声と共に一人の堕天使が現れる。

 

「そんなばかな!!あれだけの事をしておいて更迭を解くなんて!正気なの!アザゼル!」

 

激しく狼狽するレヴィアタン。

 

「司法取引って奴よ。開放する代わりにこちらに協力してってね。元ガーヴであるコカビエルには放っておけないわよね?可愛い部下だったヴァルガーヴ(・・・・・・)の事は。」

 

私は説明する。

 

「そこまで分かってたのか?」

 

ゼノヴィアが驚きながらも聞いてくる。

 

「ええ。誰が、というのは分からなかったけれどね。こっちにいるのは分かってたからね、対策だけはしておいたのよ。」

 

「それだけの理由で寝返ったというの?!」

 

叫ぶカテレアにコカビエルが答える。

 

「んな訳ね〜だろ。俺がガーヴとしてもっとも倒したい相手が里奈のほうに力を貸せばいずれは現れるって聞いたんでな。それにヴァルガーヴの事も気になってたのも事実だしな。」

 

割と良い奴なのかしら?

 

「なら、私達と手を組まない?こちらなら色々な組織と繋がりがあるわ!情報も入るわよ。」

 

ウンザリした顔のコカビエルが

 

「バカか?お前。そんなハグレ集団信用出来るかよ。それにそっちに()側の仲間がいたらこっちが寝首掻かれて終わるだろうが!そんな事も分かんないとはな。お前等も気を付けることだな。」

 

元ガーブだけあって裏切りとかには敏感よね〜。

 

「そんで?ゼノヴィアはどうするの?」

 

と、ゼノヴィアの方を見ると

 

「くっ、カテレアァァァ、図ったな!」

 

ゼノヴィアは黒い霧の様な物に覆われて何かに耐えている。

 

「ふふ、貴女は元々教会側の戦士だから裏切ってもいいように保険を掛けておいたのよ。感謝しなさい?パワーアップもできるわよ。ただし暴走状態で、だけどね。」

 

「う、うああああぁぁぁぁぁ!!!」

 

ゼノヴィアの背中から黒い翼が生え強大な黒いオーラが噴出する。

 

ずげげっ!あれって古代竜(エンシェント・ドラゴン)のオーラじゃないのっ!

 

「ゼノヴィアに何したのよ!」

 

私の問いにカテレアは懐から小瓶を取り出し

 

「コレを使ったのよ・・・オーフィスの蛇をね。」




次回は戦闘です。一気に色々出しましょう。


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転生者達

そろそろこの章も大詰めです。


 

 

カテレアが使ったオーフィスの蛇の影響でゼノヴィアが暴走。

 

「これは思っていた以上に潜在能力があったわね。行きなさい!こいつらを倒すのよ!」

 

ゼノヴィアに命令するカテレア

 

だが。

 

ズバッ!

 

「な・・・。」

 

切り裂かれ倒れたのはカテレアだった。

 

「アホか、古代竜(エンシェント・ドラゴン)の力を甘く見るからだ。それにドラゴン同士の力だから何が起こるかわからないぜ?まあ、知らなかったみたいだがな。」

 

コカビエルがカテレアを見下して言う。

 

「アザゼル、蛇の力って何とかできないの?」

 

アザゼルに聞くが

 

「切り離すのは研究所なら出来るはずだが・・・この状態じゃな。」

 

なるほど、なんとか倒しておとなしくしないといけないのね。

 

「里奈!」

 

ガウリイ達も駆けつけてきた。

 

「あれ、デュランダル使いの嬢ちゃんか?」

 

「ええ、カテレアに細工されて暴走してるのよ。なんとかしないといけないんだけど・・・。」

 

「あの嬢ちゃんも転生してきた一人か。あの気は・・・なんつったけ?」

 

スパーン!

 

ガウリイをスリッパで叩き

 

「ヴァルガーヴよ!ヴァルガーヴ!今の名前はゼノヴィアよ。」

 

「いってぇな~。そんな名前だったな、ははははは。」

 

こいつは~。本当に頭いいのか?

 

「ゴアアアアアアアアアアアア!!」

 

叫びと共にゼノヴィアからの重圧が増す。

 

まずいわね。

 

「里奈、このままじゃ結界がまずい!俺とコカビエルで強化するからゼノヴィアをなんとか頼む!」

 

「仕方ねぇな。里奈、あいつの事頼むぜ。」

 

そう言ってアザゼルとコカビエルが結界の強化を始める。

 

「仕方ないわね。ガウリイ、行くわよ!」

 

「おう!」

 

「「禁手化(バランスブレイク)!」」

 

『Welsh Dragon Balance Breaker!』

 

『Vanishing Dragon Balance Breaker!』

 

私と同時にガウリイも禁手化(バランスブレイク)する。

 

「おおおおおおおおおお!」

 

ガウリイがゼノヴィアに切り込むがデュランダルで受け止められる。

 

ギィン、キン!

 

それからしばらく打ち合いガウリイが離れ右手を突き出す

 

『Divide!』

 

ガウリイは半減の力を使うが

 

「くそ!効きが悪い!」

 

そうして再び打ち合う。

 

「ガウリイ!」

 

私の言葉に反応し横に避ける

 

それと同時に唱えておいた魔法を解き放つ

 

烈閃(エルメキア・フレイム)!」

 

バジッ!

 

ゼノヴィアは剣でそれを弾く。

 

「どうする、里奈?」

 

私の隣に戻ってきたガウリイが聞いてくる。

 

「半減効かないとはね~。やりにくいったら。」

 

・・・あ。

 

「ガウリイ、これ使って。龍殺し(ドラゴン・スレイヤー)・アスカロンよ。」

 

そう言って篭手からアスカロンを出し渡す。

 

「いいのか?」

 

「剣技じゃガウリイのが強いからね~。ゼノヴィアの力がドラゴンならこっちの方が有効でしょ?」

 

「なるほど~・・・良い剣だ。」

 

しげしげとアスカロンを眺めている。

 

「とりあえず今と同じ感じで、隙出来たら大きいので昏倒させるわ。」

 

「オッケー。」

 

そして再び戦闘を始めるが

 

崩霊裂(ラ・ティルト)!」

 

バギィン!

 

私の放った魔法は剣の一振りで砕かれる。

 

「これでもだめか!厄介ね聖剣!」

 

これも砕くか!

 

増幅したらガウリイも巻き込むから下手な魔法使えないし~・・・。

 

と考えていたら

 

「雷光よ!」

 

「消し飛びなさい!」

 

「はあああああああ!」

 

朱乃、リアス、祐斗も参戦してくれる。

 

とはいえ

 

「ガアアアアアアアアアア!」

 

雄たけびで朱乃とリアスの攻撃を弾き、祐斗の聖魔剣もデュランダルで砕かれる。

 

なんなのよ!あの強さ!その時

 

「みんなどいて!」

 

声に反応してみんな離れる。

 

「レーザーブレス!!」

 

ドゴオオオオオオオオン!

 

彼女の放った攻撃がゼノヴィアに当たり爆発する。

 

え!今のって!

 

声の方を見ると背中に金色の翼と尻尾を生やしたイリナがいた。

 

「イリナ!?」

 

「話は後!私も加勢するわ、里奈ちゃん。」

 

もしかしたらとは思ってたけど彼女もか。しかも・・・

 

と煙を突き抜けてゼノヴィアがこっちに迫ってきていた。

 

まずい!

 

だが

 

風魔咆裂弾(ボム・ディ・ウィン)!」

 

横から放たれた魔法でゼノヴィアは吹き飛ばされる。

 

「先輩、大丈夫ですか?」

 

「ギャスパーもなの!?」

 

「そうみたいです。結界解除の時に血を飲んだときに思い出しました。」

 

だれなんだろ?

 

「助かったわ。とりあえず話は後ね、みんな行くわよ!」

 

そうしてゼノヴィアに再び攻撃を開始する。

 

見ればアーシアと小猫も神器(セイクリッド・ギア)や補助魔法や回復魔法をつかって援護している。

 

とはいえ、蛇で強化されてるとはいえゼノヴィアの強さはシャレになんないわね。どうしようか?なんて考えていると

 

「そうか・・・。」

 

と呟いたガウリイが

 

「来い!デュランダル!!」

 

叫んだと同時にゼノヴィアからデュランダルに拒否されたように弾かれガウリイの元に飛んでくる。

 

「どういうこと!?ガウリイ!」

 

「いや、なんとなくなんだが剣で打ち合ってる時にデュランダルがゼノヴィアを助けてくれって言っている気がしてな。」

 

・・・・・さすが、本能は顕在か。

 

「間違いなかったみたいだな。止めるのに力を貸してくれるみたいだ。」

 

確かに聖なるオーラを出してはいるが私達に害は無さそうだ。

 

「それなら、私達が隙作るからガウリイ頼んだわよ。」

 

「ああ、任されたぜ。」

 

そう言って力を溜める。アスカロンとも共鳴して物凄い力が集まっている。

 

「みんな!時間を稼いで!」

 

私の声と共にみんなも攻撃を激しくさせる。

 

さて、私も行こうかしら?ドライグ!

 

『おう!』

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』

 

増幅しつつ呪文を唱える。今なら使えるはず!

 

「ゼラス・ファランクス!!」

 

私の言葉で十数発の光の玉がゼノヴィアに向かって飛んで行く。

 

そのうち1個を手で弾くが

 

「ガアアアアアアアア!」

 

弾ききれずに手にダメージが通る。

 

残りも回避しようとするがこの魔法は追尾式でゼノヴィアを追い続ける!

 

私の魔法を魔力弾で破壊して回避するが

 

「雷光よ!」

 

ガカッ!

 

朱乃の雷光を食らい私の残りの魔法も当たっていく。

 

爆発の煙から姿を現したときには体のいたるところに傷を負っているゼノヴィアだった。

 

「グルアアアアアアアアア!!」

 

咆哮を上げ魔力を高める。

 

これだけやってまだ!

 

「全員どけええええええ!」

 

その時極大の光の柱を頭上に掲げたガウリイが叫んだ。

 

ちょ!それ死ぬんじゃ?と思ったが

 

「おりゃあああああああああああああ!」

 

躊躇無くガウリイが剣を振り下ろしゼノヴィアに直撃した。

 

ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオン!

 

・・・・・生きてるかしら?なんか結界もヒビ入ってるし。なんつー威力してるんだか。

 

「ふぅ。」

 

鎧を解除して剣を下ろすガウリイ。

 

「ガウリイ!殺してないでしょうね?」

 

「ああ、コイツが力貸してくれたおかげで蛇も消えたぞ。」

 

へ?

 

見ればゼノヴィアは傷だらけではあるが生きている。それに確かに蛇の気配も消えてる。

 

「どういうこと?」

 

「ん~なんとなくデュランダルとアスカロンが出来るみたいな感じだったからな。それに主を殺す剣なんてそうそういないだろ?魔剣ならともかく。」

 

・・・・・。

 

みんなガウリイの言葉に暫く何も言えないのであった。




ガウリイ大活躍です。本能で戦ってます。

それからギャスパーとイリナも転生組みで覚醒しました。

イリナはどっちにするか迷ったんですけどね~、ゼノヴィアをヴァルガーヴにしたのでセットってことで。

ギャスパーは決まってましたよ。奴しかいないかな?と。

正体は次話で。


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新たな転生者

てことで前回の答え合わせです。


 

 

なんとかゼノヴィアの暴走を止めた私達は戦闘の事後処理と各々の説明をすることにした。ゼノヴィアは蛇は消滅したが戦闘や暴走のダメージを考慮してグリゴリに送った。コカビエルも付き添いで付いていっている。

 

「さて、誰からがいいかしら?」

 

はいは〜い、とイリナが手を上げるのでイリナから

 

「え〜と、フィリア・ウル・コプトの転生者で〜す。」

 

相変わらず軽いというかなんというか。

 

「ゼノヴィアが暴走した時に思い出したのでまだ若干混乱してるかな?」

 

「さっきドラゴンの技と羽に尻尾まで生えてたわよね?」

 

「そうね。ただ咄嗟だったから何処まで出来るかは今後検証しないと分かんないかな。ブレス一回で魔力消費凄かったし。」

 

なるほどね。

 

「そんでギャスパーってもしかして・・・ヌイグルミ?」

 

「里奈先輩ひどいです!ポセル・コルバ・タフォーラシア、ポコタです。」

 

「ギャスパー・・・ピッタリだわ。」

 

「何がですか?!」

 

いや、見た目とか印象とかキャラとか・・・。

 

「ん〜、というかほぼ全員関係者とはね〜。とりあえず大まかな所は分かったから影響とか能力は後日に検証かしら?」

 

あと残っているのは二人か〜。ああ、もう一人いるんだった・・・こいつは分からなくても問題無いわね。

 

「ミカエル!」

 

私は部下に指示を出してるミカエルに声を掛ける。

 

「なんでしょうか?」

 

「イリナの処遇ってどうなるの?」

 

「え〜と、さっきドラゴンみたいになってましたがイリナさんが問題無ければこのまま教会側でお願いしたいですね。」

 

「大丈夫なの?システムとか。」

 

ミカエルは頬をかきながら

 

「まあ、何とかします。他にも考えている事もあるので。」

 

「ああ、それならアーシアが祈り捧げても大丈夫にしてくんない?習慣なのか、たまに祈りで頭痛で困ってることがあってさ、可愛いそうだからなんとか出来ない?」

 

しばらく考えて

 

「アーシア・アルジェント。神は居ませんが祈りを捧げてくれますか?」

 

言われたアーシアは

 

「はい。なかなか信仰は捨てられませんし、許していただけるのなら今度はミカエル様に祈らせていただきます。」

 

「分かりました。祈りを捧げる悪魔が一人位いても良いでしょう。戻ったら調整させていただきますね。」

 

あとは

 

「ゼノヴィアの事はどうするの?」

 

「そうですね、彼女の意思次第でしょうか?」

 

「戻りたいって言われたら許可するの?」

 

「そうですね。暴走は彼女の意思ではないですし、今回の事は神の不在が招いた事ですからね、こちらに責任が無いわけでもないですから。」

 

なるほどね。

 

「では、私はそろそろ戻らないといけませんので。里奈さんの事情を聞きたい所ですが次回かアザゼル達からの報告で確認させていただきます。」

 

そう言ってミカエルは他の天使達と共に帰って行った。

 

入れ替わりにアザゼルとサーゼクスがやって来た。

 

「おう、おつかれ。助かったぜ。」

 

アザゼルが軽く声をかけてくる。

 

「今回はガウリイの手柄ね〜。」

 

「ええ、話は聞きました。」

 

サーゼクスが言う。

 

「あいつ面白いな。ほとんど本能で解決だもんな〜、前迄はもう少し考えて行動してたと思うんだけどな。」

 

「いやぁ、里奈がいれば俺が考える必要無いだろ?」

 

いつの間にやらガウリイが来てしれっとそんな事を言う。

 

スパーン!

 

私はスリッパでガウリイの頭を叩く。

 

「いてぇ!毎回毎回そのスリッパどこから出してんだよ!」

 

「こんな時の為に懐に忍ばせてるのよ!て言うか前も言ったけどあんたも少しは考えて行動しなさいよ!こっち来て頭良くなったんでしょ〜が!!」

 

「出来るのは勉強だけだ!考えるのは苦手なんだよ。だから前世と同じく里奈にまかす!」

 

ぷちっ

 

「黄昏よりも 昏きもの 血の流れより────」

 

「だ〜っ、やめろ里奈!その魔法は駄目だ!!」

 

アザゼルが私を止める。

 

「アザゼル邪魔しないで!今度という今度は許さないんだから─────」

 

スゥッと背筋が寒くなる。

 

「リナ〜、折角直したのにまた破壊するのかしら〜?」

 

「ヒィィィ。ね、姉ちゃん!!」

 

いつの間にか後ろに立っていた姉ちゃんが私の首筋に手を当てている。 

 

「まったく、ガウリイがこんななのは前からで仕方ないでしょうに。何回吹き飛ばしても変わらないんだから諦めなさい。」

 

そう言われるとそうなんだけど。

 

「ガウリイもそこで頷かないでください、またぶっ飛ばされたいですか?」

 

ブンブンッと首を横に振るガウリイ。

 

「え〜とそろそろいいかな?」

 

サーゼクスが控え目に聞いてくる。

 

「ええ、どうぞ。」

 

姉ちゃんは何事も無かった様に一歩下る。

 

「とりあえずカテレアはこっちで処罰する。ゼノヴィアはアザゼルとミカエルに任せる。それで里奈さん、君達と同じ仲間が増えたっていう認識でいいのかな?」

 

「そうね。ゼノヴィアはどうなるかまだわからないけどコカビエルがこっちに協力的な感じみたいなんで大丈夫だと思います。」

 

サーゼクスはちょっと考えて

 

「仲間になる予定は後何人だい?」

 

「え〜と、二人から四人ですね。」

 

「その差は?」

 

「三人は大丈夫だと思います。が、もう一人は・・・前世でも敵になったり味方になったりだったんで実際見つからなくても問題無いですね。」

 

「一応こちらでも調べてて何人か目星を付けてるんだが、夏休みに冥界に来たときに会えるように手配しておこう。」

 

おお!さすが!

 

「ありがとうございます。助かります。正直仲間が転生者だったんで見つかりやすかったとも言えるけど、ここから先は探さないと見つかりそうにないので、お願いしますね。」

 

「ああ、アポとって手配しておいてくれ。」

 

サーゼクスは姉ちゃんに頼む。

 

「分かりました、ではそろそろ私達も戻ります。」

 

「では、次は冥界で会おう。」

 

そう言ってサーゼクス達悪魔も戻って行った。

 

「さ〜て、俺等も帰るぜ〜。」

 

「ゼノヴィアの事頼んだわね。それからどうするか報告もよろしく。」

 

「ああ、まかせろ。」

 

アザゼル達も帰って行く。

 

やっと帰れ・・・ないか〜。仕方無い。

 

「リアス、解散でいいのよね?」

 

「ええ。」

 

「ちょっと行く所あるから先に帰るわね。」

 

そう言って先に学園を離れ気配のある方に行く。

 

そこは学園の森の奥だった。

 

「そろそろ出て来たら?」

 

「いや〜、リナさん・・・今は里奈さんでしたね。やっぱり気付かれましたか。」

 

こいつは・・・。ニコニコ顔で木の影から出てくる優男。

 

「隠す気も無かったくせによく言うわよ。それで?今迄どうしてたのよ?」

 

「いや〜、僕も思い出したのは里奈さんがライザーとの戦闘の映像を見たのがきっかけでして・・・。やっと現状把握出来たので挨拶に。」

 

「そんで?悪魔でアスタロトの坊っちゃんに転生したみたいだけど、人格どっちなのかしら?」

 

「前の方ですよ。元々の人格は僕からしても下種過ぎたので退場してもらいました。」

 

退場て。

 

「どういう事?」

 

「元の人格はですね、聖女と呼ばれる様な人を罠に嵌めて手籠めにするというですね、なかなか元魔族からしてもひどい方でして、このままだと僕が動けなくなりそうだったので消えてもらいました。」

 

「まさか!」

 

「ええ、そうです。アーシアさんですか?その方を罠に嵌めたのも元の人格です。私の眷属もそういう方達なので記憶操作と援助して普通の生活に戻ってもらいました。」

 

「なんか、良い人っぽくなってない?」

 

「いやいや、これからの事を考えて最良を選んだだけです。」

 

まあいいか。

 

「わざわざ出て来たってことは挨拶以外にも何かあるって事?」

 

「さすが話が早くて助かります。取り敢えずですが、数人の確認と所属が判明したのでその報告ですね。」

 

仕事が早いというか何というか・・・。

 

「そんで?詳細は?」

 

「まずは所属ですが、里奈さんなら予想してると思いますが禍の団(カオス・ブリゲード)です。それで誰か?というのですがまだ決定的な物が出てないので────」

 

人差し指を口に当てて

 

「それは秘密です。」

 

こいつは〜!

 

「まったく、相変わらずね〜。まあいいわ、こっちもちょっと込み入ってるから細かい所は後日話し合いましょう。連絡はグレイフィアに仲介してもらおうかしら?」

 

「グレイフィアさん・・・何故魔王の女王(クイーン)に?」

 

そこまでは把握してなかったのね。

 

「姉ちゃんだからよ。」

 

「・・・・・・・・・はいいいいいいいい!?ルナさんが!?」

 

おお〜、こんな焦ってるのなんて初めてみたかも。

 

「そこは把握してなかったのね〜。と、いうわけなんで後で連絡させるから・・・覚悟しておいた方がいいわよ?」

 

そう言って立ち去ろうとしたが

 

「ちょ!待ってください!」

 

「何かしら?疲れてるから帰りたいんだけど。」

 

「里奈さんなら今の僕の力分かってますよね!?殺されちゃいますよ!?」

 

「え〜、わかんな〜い。なんてね、あんたの事だから奥の手とか持ってそうだけどそれでも姉ちゃんには敵わなそうだから、手加減位はお願いしといてあげる。」

 

「それはあまり変わらないような?」

 

本気で焦ってるわね〜。

 

「さすがに殺されることは無いと思うわよ?」

 

「あ〜、も〜わかりました!ちょっと先ですが若手悪魔の会合があるのでそこで知ってる事をお教えします!なのでルナさんにはうまく言ってください。」

 

「仕方ないわね〜、今の話破ったら姉ちゃんに・・・。」

 

「分かりましたよ。では、僕もあまり離れてると怒られるんで、帰りますね。」

 

「それじゃあ頼んだわよ、ゼロス(・・・)。」

 

そう言って私達はそれぞれ帰る事にした。




やっと出てきたゼロス。

もうちょい先にしようか迷ったんですが、イリナとギャスパーの正体出したし丁度いいかな?ということで出しました。

ゼロスをディオドラにというのは前々から決まってました。なのでここからちょいちょい原作から変わってきます。

次話から番外をしようかと考えてます。


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改築の話とこれから・・・

今更ですがスレイヤーズ!新作読みました。やっぱりリナの一人称はいいですね、

ハイスクールD×Dも始まりましたが・・・強引に原作に戻すと言う力技を繰り出すとは。

作画も変わって違和感全開ですが引き続き見ていこうと思ってます。


 

 

ゼロスと話をした翌日の放課後、部室で関係者(・・・)全員にゼロスとの話をした。

 

「フフフフフフ、なるほど~奴に転生してたのね~、覚えてなさいよ~。」

 

こわ!姉ちゃんも呼んだのは失敗だったか!?

 

「ほ~、あのパシリ神官が悪魔とはな。」

 

コカビエルも不敵な笑みを浮かべている。

 

ちなみにゼノヴィアはまだ意識が戻っていないので病院、イリナは教会の方で事後処理しているので不在。

 

「そんで若手悪魔の会合って何?」

 

私の疑問に答えたのは姉ちゃん。

 

「コホン。若手悪魔の会合というのはですね、毎年行われている物でしてその年の見所のある若手悪魔を集めて魔王様達と上層部の悪魔との会合を行うというものです。今年も行われる予定でゴキブ・・・ディオドラ・アスタロトとリアス様もその中に入っております。」

 

微妙に繕えてないわね。

 

「ふ~ん。ルーキー達の集いって訳ね。」

 

「簡単に言うとそうなりますね。時期は丁度夏休みの最初の方になります。」

 

夏休みね~。

 

「夏休みってどうしてるの?」

 

「毎年眷属全員で実家に帰る事になってるわ。」

 

おお!貴族の実家ってお城が多いのよね。しかも色々な文献なんかもあるから魔導師魂が震える!

 

「よう、昨日はおつかれ。」

 

声と共に魔法陣で現れたのはアザゼルとサーゼクスだった。

 

「アザゼル!何しに来たのよ。」

 

「ん?ああ、今日から俺はここの教師になった。ついでにオカルト研究部の副顧問だ。これからはアザゼル先生と呼べ。」

 

『は?』

 

全員が間抜けな声をあげる。

 

「ここからは私が説明しよう。昨日会談も成功し、ここは色々な勢力から注目されることになった。それでここの防衛とリアスの眷属の強化を目的にアザゼルに頼む事にしたんだよ。」

 

「まあ、そういうこった。神器(セイクリッド・ギア)持ちも多いし、不本意だろうが朱乃の雷光のレクチャーも多少は出来る。それから生徒会のメンバーの世話もしなきゃいけない。ここはお前等が考えるよりも注目されてるんだよ。」

 

なるほどね、ある意味三大勢力の拠点的な意味合いにするのね。

 

「それからゼノヴィアとレイナーレをここに編入させる。レイナーレは主に俺の補佐だ。ゼノヴィアは本人の意思でな、お前等と共に生活して色々学びたいそうだ。」

 

「目、覚めたの?」

 

「ああ、さっきな。それでどうしたいかを聞いたらお前等と行動を共にして色々学びたいんだそうだ。」

 

これまた急展開ね〜。

 

「それから、予備の拠点として里奈さんの実家を改築、増築して眷属全員を住まわせることにした。すでに梨沙さんと誠司さんには許可をとってある。」

 

「はあああああ?!何それ!聞いてないわよ!そんなこと!」

 

「ちなみにヴァーリ君、レイナーレさん、ゼノヴィアさんも入居する事になる。」

 

『・・・・・・。』

 

全員何も言えず固まっている。

 

「で?改築と増築はいつからするのかしら?」

 

「明日寝てる間にする予定だよ。」

 

サーゼクスが平然と言ってくる。

 

「そんな事して大丈夫なの?魔力でバレるんじゃないの?記憶に齟齬が出そうね。」

 

「その辺は上手くやるよ。」

 

そこまでやるって事はそれなりに重要案件なのかしら?

 

「学園も里奈さんの家にもだけど三大勢力が集まるような感じになるからね、それなりの待遇をさせてもらうよ。」

 

なるほど。

 

「みんなの引っ越しは?」

 

「明後日の午後からお願いするよ。大体は魔力で転送できるけどそこそこ纏めておいてもらえると助かるね。」

 

「お兄様、今日は他に案件はありますか?」

 

リアスがサーゼクスに聞く。

 

「ああ、特にはないかな。」

 

「それならこれからと明日の放課後は引っ越しの準備にあてたいのだけど。」

 

「そうだね。急な事で申し訳ないが頼むよ。」

 

そうして今日は解散になった。

 

 

 

私は倒れていた。

 

ここは私がアザゼルに頼んで作ってもらった頑丈に作ってある特別な空間だ。

 

「だ〜、上手くいかない〜!!」

 

倒れたまま私は叫んだ。

 

私の中にある()の欠片の制御をする為にこの空間を作ってもらい、連日色々試しているのだが成功した事は無い。

 

「里奈、無茶しすぎだ。リアス達ももう気付く位魔力が乱れてるぞ?」

 

何時の間にやら来ていたアザゼルに注意される。

 

「分かってるんだけど、奴等が動き出してるとなるとこっちもゆっくりはしてられないしね〜。」

 

は〜、とため息をつきながらアザゼルが言う。

 

「お前は何でも一人で背負いすぎだ。もっと仲間を信じたらどうだ?」

 

「信じて無い訳じゃ無いんだけどね。これ(・・)は自分で制御出来るようにならないといけないのよ。」

 

「それにしたって連日ずっとじゃねぇか。たまには休んでリフレッシュしろ!このままだと有事の際に動けなくなるぞ?昨日の今日で訓練しやがって。昨日だって体調万全ならもっと上手くやれただろ?」

 

・・・・・バレてる。

 

「はぁ、仕方無い。それなら暫く休む事にするわ。アザゼル、この空間暫く閉じておいてもらえる?」

 

「珍しいな、素直に聞くなんて。」

 

こいつ分かって言ってるな?ニヤニヤしてるし。

 

「ど〜せ、ガウリイに言うとかでしょ?」

 

「わかってるじゃね〜か。というかそのヴァーリに頼まれたんだよ。ちょっと様子を見てきてくれってな。」

 

相変わらずそういう所は鋭いんだから。

 

「まったく〜、私の負けね。わかったわ!これからは無理しないって言っておいて。それから暇になった分私に付き合いなさいよって言っておいて。」

 

「素直じゃね〜な〜。デートしろって言っておくぞ。」

 

「いや、ちょ・・・あ〜も〜、それでいいわよ!」

 

「そうそう、たまには素直にならね〜とな。いくらヴァーリが良い奴でも放っておいたら愛想つかされるぜ?」

 

ぐ、間違ってないだけに反論しにくいわね。

 

「はいはい、わかったわよ。色々考え過ぎて余裕無くしちゃってたみたいね。」

 

「最近は色々あったからな、仕方無いといえば仕方無いが少しらしく(・・・)なかったんじゃないか?」

 

「そうね、感謝してあげる。」

 

「そういう感じのほうがお前らしいよ。」

 

そう言って私の頭をポンポンと叩いて出て行った。

 

まったく、堕天使の総督様はほんとお人好しよね〜。とはいえ確かにに最近らしくなかったわね。




え~と、里奈の設定がちょっぴり素直になってます。

一応ここから番外になります。ちょいちょい伏線も入る予定です。


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覚醒と修行と新たな敵編
改築とデ~ト


里奈ちゃんデレ回!

里奈:デレてもないしデ~トでもないわよ!

読者に聞いてみたら?

里奈:・・・・・黄昏より───略

ドガアアアアアアアアン!


 

 

あれから改築と増築は予定通り行われ、引っ越しも問題無く終った。

 

地上6階、地下3階、屋上にはガラス張り(外からは中は見えない)の露天風呂に小さな庭園。別にちゃんとした庭もあってガーデニングが出来るようになっている。

 

部屋割も無事済んだ・・・・・・が。

 

「誰だこの設計したのおぉぉぉぉぉぉ!!」

 

私は部屋割を聞いて叫んだ。

 

「何か問題ある?」

 

母さんが平然と答える。

 

「ガウリイと一緒にされるとは思ったけど・・・なんで二階丸々なのかしら?」

 

「不満なの?それぞれの部屋に寝室に書斎にリビング、キッチン。これだけあって不満なの?」

 

分かってて言ってるわね。

 

「何で私達だけ二世帯住宅みたいになってるのよ!」

 

「いずれはそうなるんでしょ?なら今からでも変わらないわよね?」

 

平然と答える母。

 

「もう出来てるんだから諦めるしか無いんじゃないか?里奈。」

 

ガウリイ・・・あんたって人は・・・。

 

「あ〜も〜、分かったわよ!ただし!!この件で私達を冷やかしたら家ごと吹き飛ばすからね!わかった?」

 

私の本気を感じたのか全員が頷く。

 

よしよし。

 

「さてと、そうなると色々必要よね。ガウリイ、買い物行くから荷物持ちね〜。」

 

「お〜、わかったぞ〜。」

 

そう言って私達は買い物に出掛けることにした・・・・デートじゃないんだからね。

 

 

 

〜 梨沙 side 〜

 

まったく素直じゃないわね〜。

 

「あれはデートよね。」

 

「そうだな。まあ、いいんじゃないか?最近無理してたみたいだし、色々あったし。これからもまだ色々あるんだろうからたまには息抜きしないとな。」

 

誠司さんも気付いてたのね〜。

 

「やっぱりそうですか?」

 

アーシアちゃんも心配そうに聞いてくる。

 

「そうね〜、最近気負ってたみたいだし。とはいっても昨日あたりからかしら?肩の力抜けた感じするわね。」

 

となるとやっぱり原因はガウリイさんかしら?

 

「良いコンビじゃないか。里奈も彼がいれば大丈夫じゃないのか?」

 

誠司さんも同じ事考えてたのね〜。

 

「転生前から良いお二人でしたよ。それに私が別れてから結婚されたみたいですし、今は私が知っている時よりも絆は固くなっていると思います。」

 

そういえば元夫婦だって言ってたから照れてるのかしら?素直になった方が楽しいと思うけど多分二人は前からあんな感じなんでしょうね。じゃないとガウリイさんのあの包容力は出ないわね〜。

 

「里奈ちゃんもガウリイさんと再開してから雰囲気ちょっと変わったわね。」

 

「前より柔らかく・・・いや、素直になった、かな?」

 

「誠司さん、そこは断言して欲しかったんだけど?もっと素直に甘えられればね〜。」

 

時間が解決してくれるかしら?悪魔だし時間はたっぷりあるし。

 

〜 梨沙 side out 〜

 

 

 

なんていう母さんの想いに気付かずに私とガウリイは買い物をしていた。

 

「カーテンとか変えたいわね〜。」

 

「内装は里奈の好きにしていいぞ?」

 

「相変わらずこういうのには興味無いのね。」

 

「基本的に前とあまり変わらない生活してたからな〜。討伐とかガードとか。」

 

確かにグリゴリにいたらそうなるかもしれないわね。

 

「それに俺のセンス壊滅的なの知ってるだろ?」

 

「えっ、そこも変わってないの?」

 

「ああ、前に自分で本棚買ったんだが、アザゼルに買い替えられた。」

 

本棚買い替えってどんなの買ったのかしら?

 

そういえば結婚して部屋の物買いに行ったときも選ぶの選ぶの酷かった覚えが。

 

「くくっ、くっ。」

 

「何笑ってるんだ?」

 

「前にも買い物行った時のガウリイのセンスの酷さを思い出しちゃって。」

 

「ひで〜なぁ。苦手だっていってるのに無理矢理選ばせたの里奈じゃねぇか。」

 

そ〜だった気もするけど

 

「まさかあんなに酷いとは思わなかったのよ。」

 

「だから今度は最初から里奈に任す!」

 

「胸張って言われてもね〜。」

 

そう言いながら買い物を続ける。

 

「お、里奈。これどうだ?」

 

ぶ!ペアのマグカップ・・・ガウリイにしては良いセンスしてるけど・・・よりにもよってコレかい!

 

「・・・ガウリイにしてはセンス良いんじゃない?それも買おっか。」

 

そう言ってカゴに入れる。

 

ま、たまには良いわよね、こういうのも。

 

そうして私はガウリイとの買い物を続けた。

 

 

 

「ほれ。」

 

ガウリイが投げてきた缶ジュースを受け取る。

 

「サンキュ。」

 

そしてガウリイは私の隣に座る。

 

「ん〜、たまにはこういうのもいいわね。」

 

私とガウリイは買い物した後、公園のベンチで休憩する事にした。

 

「そうだな〜、ここ最近戦闘やらなんやらで忙しかったしな。」

 

「ガウリイ、最近私って余裕無さそうだった?」

 

「そうだな、というかアザゼル言いやがったな?・・・まあ、もうちょい周りを頼っても良いんじゃないか?何でも1人で背負いすぎだ。俺も多少は背負ってやるしみんなだってそう考えてると思うぜ?」

 

アザゼルも言ってたわね~。

 

「ふふ、そうね。ちょっと焦ってたのかも。前の世界の皆にも再会できたしそれに伴って戦わなきゃいけない相手も見えてきて早く片付けてみんなで平和に暮らせるようにしたいな~なて思ってたけど、私一人の力なんて知れてるもんね。それに私が解決してやるなんてちょっと偉そうかしら?」

 

「里奈らしくていいんじゃないか?前から変わらずお人よしだしな。ただ今回は組織が相手になるだろうしそうなったら里奈だけ、俺達だけじゃ対処出来なくなるかも知れないからな。結局他に頼る事になるんだからそれならもうちょっと俺達を頼って欲しいな。俺も保護者として夫として一緒に背負ってやるよ。」

 

ちょ!

 

「夫って!・・・・・まったく〜、ていうか久しぶりに聞いたわね、私の保護者って。」

 

「これでも気になってたんだぜ?子供二人もそれなりに育ってこれからって時に病気になってお前等三人残して死んだからな。」

 

「そうね〜、ガウリイが死んだときは流石に落ち込んだけど、あの子達がいたから頑張れたしその後もそれなりに人生楽しく過ごしたわよ。孫も見れたしね。」

 

「リリもジンも結婚したのか!?」

 

「ええ。私もあの子達が結婚出来るとは思わなかったわね〜。リリは特に研究者肌だったし。」

 

あの子は基本引き篭もって魔法の研究ばっかりしてたし。

 

「ジンだって俺に似たのか剣士一筋だったじゃないか。」

 

「ふふ、あの子セイルーンの騎士になったのよ。アメリア直属親衛隊長。で、その縁でお見合い結婚したんだけどベタ惚れしてたわね。おまけに子煩悩だったし。」

 

「お前のコネか?セイルーンなんて。」

 

「違うわよ。ぜフィーリアに来たフィルさんに気に入られてね、そのまま士官したのよ。」

 

「そういう話し聞くとやっぱ残念だよな〜、仕方無いっちゃ仕方無いけどな。」

 

「大丈夫よ、これからまたやり直しましょ。なんたって悪魔の寿命は長いんだから。これからもっと楽しくなるわよ。みんなもいるんだから。」

 

「そうだな。さっさと問題片付けてみんなで楽しくってのも悪くないな。だからって気負うなよ?」

 

「わかってるわよ、これでも反省してるんだから。これからは訓練する時はガウリイも手伝ってもらうわよ?」

 

「おお、まかせろ。」

 

久しぶりにガウリイと二人ってのも良いわね。本人には絶対言わないけどね。




照れ隠しでドラスレは・・・ガクッ。

里奈:デ~トじゃないわ!


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安眠妨害と新たな力

間空いちゃったな~。


 

 

今度は何かしら?

 

「そんな面倒そうな態度とらなくてもいいんじゃない?」

 

気のせいよ。

 

「・・・ま、まあいいわ。やっとゼロスと会えたみたいだし新しく情報提供してあげる。」

 

全部纏めて教えてくれてもいいんじゃない?

 

「そんなことしたら・・・。」

 

何よ?

 

「私の出番無くなるじゃない!」

 

・・・・・こいつ本当に全ての母なのかしら?。

 

「ちょ、ひどくない?!」

 

今の台詞聞いてそう思う奴がいるのかしら?

 

「ぐ!・・・まあいいわ。この世界に来てる魔族の特性についてなんだけど。」

 

それは・・・知りたいわね。

 

「でしょう?まずは大きく違うのは精神世界(アストラル・サイド)からの攻撃は無いわ。これは魂の転生先が物理世界に縛られているからね。魔族みたいに精神世界の住人では無いからね。ただし特性は持ったままね。」

 

特性?ていうか元々精神世界(アストラル・サイド)からの攻撃なんてやったら存在消えるんじゃなかったっけ?

 

「向こうならね~。でも今は精神体じゃないから仮に出来たたとしても死なないわよ?あと、本気にならないと倒せないと認識してる相手なら消えることはないし。それから特性だけどガーヴなら魔竜、ヴァルガーヴなら古代竜とかね。」

 

ゼロスや()は?

 

「ゼロスは闇かしら?()は・・・死んだ者の魂の操作。」

 

あの町(・・・)を作ったような事が出来るの?

 

「あそこまでは出来ないでしょうけど、まあそんな感じね。」

 

死んだ奴を生き返せるとか?

 

「それに加えて色々制限つけれるわね。絶対服従とか話せる内容の制限とか。」

 

どんな種族でも生き返せるの?

 

「流石に伝説級のは無理だと思うわ。生き返せるかもしれないけど制御が難しいと思う。自分の実力以上の存在だと厳しいんじゃないかしら?」

 

とはいえ自分と同じ位の強さのは操れるのか。数揃えられたら厄介ね。

 

「それからゼロスに禍の団(カオス・ブリゲード)に潜り込んで密偵してこいって言ってあるから次に会う時に詳細は聞いて頂戴。」

 

相変わらずパシリなのね。

 

「元々こっちに飛ばしたのがあんた達の補佐と調査をさせる為だかんね〜。片付いたらゼロスだけは元の世界に戻す予定だし。」

 

そうなの!?

 

「無理矢理転生させたからね、獣王(グレーター・ビースト)が可愛そうよ。」

 

・・・あ、そうだ。

 

「なに?」

 

転生先って既に存在してる奴でも転生出来るの?ガーヴとかコカビエルだったし。

 

「そうねぇ、存在を一からやり直すって意味じゃ無いし、あり得るわよ?」

 

それ先に言ってくんない?確かに気付いたの最近だけどさぁ。残りの転生者探しがやりやすくなるか変わるんだから。

 

「私も今言われて気付いたわ。はっはっは〜。」

 

こ・い・つ・は〜!

 

「仕方無いわね〜。言うの忘れてたからサービス。欠片の力の引き出し方のヒント!」

 

おお!

 

「発動時の制御は一人じゃ無理よ。その後安定したらリナ一人でも出来るけど。」

 

は?

 

「それじゃあ、今日はここまで。じゃ〜ね〜!」

 

 

 

「待てこらあああぁぁぁぁぁ!!!・・・また逃げられたか。」

 

デジャビュ。

 

「里奈!!」

 

ガウリイが慌てて私の部屋に入ってくる。

 

「ああ、ガウリイは初めてだったわね。夢見が悪くて叫んだだけよ。」

 

「夢見が悪いって?」

 

「ああ、奴がまた夢に現れたのよ。」

 

「ああ、そういう事か。」

 

納得したようである。

 

「お姉様、もしかしてまた(・・)ですか?」

 

ガウリイの後ろから顔を出すアーシア。

 

「そうよ。」

 

三回目ともなると流石に慣れるわよね〜。

 

「また理不尽な感じだったんですか?」

 

「そうよ。重要な所話さないで消えたし。」

 

「それで?みんな集めた方がいいのか?」

 

ガウリイが聞いてくる。

 

「そうね。今回はそんな情報あるわけじゃないけど一応みんなに伝えておくわ。それからガウリイ、そのあと訓練所にちょっと付き合ってくれない?」

 

「ああ。いいぜ。」

 

「それじゃあ朝ごはんの時にでも話しましょうか。今回はそんな重たい話じゃないし。」

 

「わかりました、お姉様。みなさんに伝えておきますね。」

 

そういってアーシアは部屋から出て行った。

 

「それじゃ私達も着替えて下りましょうか。」

 

「おう。」

 

その後着替えてリビングに集まったみんなに夢の内容を伝えた。

 

 

 

「なんとか出来そうね。」

 

そう言って術を解除する。

 

「里奈、なとかってレベルじゃなかったぞ?」

 

「あはははは、確かに。」

 

そう言って周りを見渡せば訓練所のあちこちに次元の裂け目が出来ていた。

 

朝食後、早速訓練所に来た私とガウリイは新しい術の制御実験をしたのだが三回目で成功し現状こんな事になっている。

 

「笑い事じゃないレベルだったんだが・・・。」

 

今の術の事を思い出したのか冷や汗を掻いている。

 

「威力というか維持自体が尋常じゃないわね・・・まあ、引き出したのがアレ(・・)の欠片の力だし。」

 

「今のって発動しただけだよな?本気出したらどうなるんだよ?」

 

「想像だけどここの空間無くなってたわね。とはいっても魔力消費が尋常じゃないから連続使用はできて10分てところかしら?それに発動に時間かかるし私だけじゃ出来ないし。色々制限あるからそうそう使えないわ。」

 

「それにしたって発動さえ出来ればどうにでもなりそうじゃね?」

 

「まあ、そうなんだけども・・・。」

 

恐らく神だろうが魔王だろうが問答無用でぶっ飛ばせるはず。なんだけれどもコレ(・・)使って戦ったら周りの皆も被害出そうだから使いどころが難しい。

 

「もうちょっと抑える訓練しないといけないわね。とはいえこんだけ魔力消費激しいと回復考えると三日に一回が限度かしら?」

 

「そうだな。それとアザゼルに頼んでここの強度も上げてもらわないといけないな。」

 

「確かに。とはいえここって相当強固に作ってもらったからな~、サーゼクスと姉ちゃんにも相談してみるわ。」

 

「わかった。アザゼルには俺から言っておくから里奈は今日は休め。」

 

「そうするわ。姉ちゃんに連絡したら今日はゆっくりしましょう。」

 

そう言って私とガウリイは訓練所を跡にした。

 

 

 

どうも私の安眠は最近どこかへ行ってしまったらしい。

 

『そう言うな相棒。』

 

冗談よ冗談────ってドライグイメチェンでもしたの?

 

以前は真っ赤だったドライグが今はそこに金と黒の刺繍のような文様が───ってまさか!

 

『ああ。あの術の影響だな。』

 

大丈夫なの?

 

『ああ。むしろ以前より力が上がっている。相棒とは魂でつながっているからな、欠片を開放できた影響だろう。そのおかげで篭手の状態でも連続の倍加と遠距離への譲渡が出来るようになった。』

 

おお!それはいいわね!

 

禁手化(バランス・ブレイク)だと以前より纏った時の力の上昇が上がっている。ただ魔力消費は増えているからそこは注意だな。』

 

なるほどね、パワーアップしたけどリスクも増えたのね。

 

『そうだな。それからアノ(・・)力の譲渡が出来るようになった。違うな、分散と言った方が正しいかもな。』

 

分散?

 

『そうだ。アノ(・・)状態だと制御の訓練しても周囲に被害が出るのは間違いないだろう。その分を周りに分散して抑える事が出来る。譲渡された相手の能力は上がるが消費が激しくなるな。』

 

まあ、あれだけの力を使うんだから相応のリスクはある、と。

 

そうなるとガウリイと二人ではなくみんなとも訓練しないといけないわね~。

 

『そうだな。欠片の無い相手に譲渡する事になるから制御はかなり大変だと思うぞ。それからまだ発現したばかりで俺自身もまだ解明出来てない部分があるからわかったらまた教えよう。』

 

ええ、そうね。これからも頼むわよ、ドライグ!

 

『ああ。邪魔して悪かったな、ゆっくり休んでくれ。』

 

ドライグの声を聞いて私は再び眠りに落ちた。




L様(仮)登場です。伏線と新しい力の入手です。

とはいえ伏線といいつつほぼネタバレ状態ですね。

新しい力の詳細は追々出していこうと思います。

ドライグのパワーアップもしたのでこれも追々ですね。


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いざ冥界へ

夏休み編です。


 

 

あれから暫く新しい私の力の制御や譲渡・分散のこともみんなに話して協力してもらい修行に時間を費やした。

 

かといって毎日修行なんかしてたら私の魔力が尽きるので数日おきに行っている。

 

そして夏休み迄あと数日という事で私達は買い物に出掛けていた。

 

「夏休みってそこそこ予定詰まってるのよね?」

 

「そうね。ほとんど個人修行に当てられるみたいだけれど。」

 

リアスがお店の品物を選びながら答える。

 

「ならこのまま宿題終らせちゃおうかな。」

 

「このまま、ですか?」

 

アーシアが不思議そうな顔で聞いてくる。

 

「そうよ。私は宿題決まってできる物はその日の内に終わらせてるわ。」

 

聞いていたみんなが呆然と私を見ている。

 

「宿題って夏休みに終わらせるものじゃないんですか?」

 

アーシアが言ってるのが普通なんだろうけど

 

「私は毎年夏休み前には全部終わってるわよ?」

 

「さすが学年首位は違いますね。」

 

小猫が何かを期待した感じで見てくる。

 

「夜にみんなで勉強会でもする?」

 

『是非!』

 

リアスと朱乃以外の食い付きが凄い。

 

「リアスと朱乃もどう?私3年の内容もわかるわよ?」

 

「えっ!」

 

リアスが驚いている。

 

「学ぶ事は嫌いじゃないからね〜。とはいえ飛び級だとつまらないじゃない?魔法の研究もしないとだから学校の教科は真っ先に習得したのよ。」

 

「もしかして里奈さんもIQ高いんですか?」

 

「まあ、そういうのって指標でしかないから気にして無いんだけど170じゃなかったかしら?」

 

『高い!』

 

今度は全員が驚く。そういえば言った事無かったわね。

 

「とはいえガウリイみたいのもいるからね〜、あんまり当てにならないと思うわよ?」

 

「でも先輩なら納得です。昔から頭の回転早かったですし。」

 

小猫に言われるがそうなんだろうか?自覚がないからわからないわね。

 

「リアス、私達もお願いしましょうか。」

 

「そうね、全員でやって夏休みは楽しめる様に今の内にがんばりましょうか。」

 

「オッケー、みんな纏めて面倒見てあげる。」

 

とはいえ全員優秀だからそんな苦労しなさそうね。

 

 

 

なんてことがありつつ夏休み初日。私達は駅の地下(・・)に下りていた。

 

「へ〜、こんな施設があったのね〜。しかも専用列車とかさすがグレモリーよね。」

 

いいながら辺りを見渡す。さすがに駅の地下に悪魔専用の駅があるなんてしらなかったわ〜。

 

「列車は確かにグレモリー所有だけど駅や施設は複数の家の出資で運営されてるわ。」

 

リアスが言うが、そもそも専用列車があってそこの施設に出資とか次元が違う。

 

とはいえこの感じだとグレモリーの屋敷にある文献は期待大ね。

 

「みんな、そろそろ乗り込むわよ。」

 

リアスの言葉で全員移動する。

 

列車の中も外見通り豪華な作りになっていた。

 

「金持ちは違うわね〜。」

 

「何が凄いかすらわかんね〜な。」

 

ガウリイがキョロキョロしながら言っている。

 

「祐斗達は何回か乗ってるんだっけ?」

 

「そうだね。僕と小猫ちゃんは毎年長期の休みの時にはグレモリーの屋敷に行ってるからね。」

 

「はう〜、落ち着かないです。」

 

質素な暮らしをしていたアーシアにはこれは落ち着かないでしょうね。私も少し落ち着かないし。ギャスパーに至っては既にダンボールに入り

 

「ここが落ち着きます〜。」

 

とか言っている。

 

「まあ、最初は誰でも落ち着かないと思いますわ。」

 

朱乃の言葉には実感が伴っている。

 

だが一人だけ動じない奴がいた。

 

「速攻で寝れるとかやっぱ大物よね〜、アザゼルは。」

 

「えと、ガウリイさんもその・・・。」

 

へ?

 

アーシアの指す方向にはいつの間にか移動したのか椅子に座って眠っていた。

 

「ガウリイもこういうの動じないわね〜。いつでも自然体でいられるのは、こういう時は羨ましいわね。」

 

ガウリイをジト目で見る。

 

「ほっほっほっ。皆さん、列車の旅は楽しんでいられますかな?」

 

声と共に現れたのは車掌さん?とリアスだった。

 

「みんな、この列車の車掌のレイナルドよ。」

 

「姫の新しい眷属の皆さん、はじめまして車掌のレイナルドです。以後よろしくお願いします。」

 

私達に挨拶した後何かの機械を取り出した。

 

「これで皆さんがリアス姫様の眷属の確認と入国の許可の申請を行いますのでご協力をお願いします。」

 

そう言い私達一人一人にセンサーらしき物を当てていく。

 

全員を確認し終わった後

 

「皆さんの確認が終わりました。皆さん問題ありませんね、ありがとうございました。」

 

「それにしても、アザゼルとガウリイはよく寝ていられるわね。らしいと言えばらしいのかもしれないけど。」

 

リアスの呆れ声を聞いた車掌さんは

 

「堕天使の総督様と白龍皇様は平和でよろしいですな。」

 

ほっほっほ〜、なんて笑っている。

 

なかなか動じない車掌さんね。

 

それから後はリアスも合流してゲーム等をして列車の旅を楽しんだ。

 

 

 

『まもなくグレモリー領に到着します。まもなくグレモリー領に到着します。』

 

駅名に実家の名前なんてさすが出資して専用列車持ってるだけあるわね〜。

 

「窓開けてもいいわよ。」

 

次元の狭間を通り過ぎたらしくリアスがみんなに言った。

 

「ん〜、冥界の空気は久しぶりね〜。」

 

窓を開けて冥界の空気を吸い込む。

 

アーシアは紫の空に興味津々らしく楽しそうに空を眺めている。

 

「里奈さんは冥界に来たことあるんですか?」

 

朱乃が聞いてくる。

 

「ええ、あるわよ。堕天使側もあるしこっち側もアザゼルの依頼で何回かあるわ。」

 

「そうなんですね。」

 

会話をしていると列車が減速して先頭車両に行っていたリアスが戻って来て

 

「そろそろ着くわ。みんな用意して。」

 

リアスに言われ全員降りる準備をするが

 

「アザゼルとガウリイは降りないの?」

 

「ああ、アザゼルはこの先の魔王領でサーゼクス達と会議があるらしくてな、俺も一応護衛でついていく。」

 

「面倒くさいが仕方無い。お前等は先に行ってグレモリー家で挨拶してこい。夕食には合流出来るだろ。」

 

「それじゃ先に行ってるわね。」

 

そうして私達は列車を降りた。




里奈もIQ高いのです。

次回から冥界での話しになります。


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グレモリー家での夕食会

しばらく亀更新になります。


 

 

想像以上ね、これは。

 

列車を降りた私達を待っていたのは花火と音楽隊の歓待だった。

 

「おかえりなさいませ!リアスお嬢様!」

 

正面の道路?の両側には騎士と使用人やメイド達がズラリと並んでおり、正面には姉ちゃんと姉ちゃんの子供だろうか?がおり、その後ろには馬車が数台並んでいる。

 

「小猫、いつもこうな感じなの?」

 

「そうですね、部長が帰省すると毎回こんな感じですね。」

 

「疲れない?」

 

「・・・慣れました。」

 

と言っているがちょっと嫌そうな顔をしている。

 

「リアス姉様!おかえりなさい!」

 

姉ちゃんの子供?がリアスに駆け寄り抱きつく。

 

「ただいまミリキャス。大きくなったわね。」

 

ミリキャス・グレモリー。やっぱ姉ちゃんの子供か。しかし姉ちゃんに子供って昔を考えると似合わない。

 

「里奈様、なにか?」

 

ギロッ

 

「何でもないわよ。」

 

・・・相変わらず感が鋭いっ!

 

「この子はミリキャス・グレモリー。お兄様の子供よ。里奈、アーシア挨拶して。」

 

「兵藤里奈よ。リアスの兵士(ポーン)をやっているわ。よろしくね。」

 

「アーシア・アルジェントです。僧侶(ビショップ)をやっています。よろしくお願いします〜。」

 

私達は順に挨拶をする。

 

「ミリキャス・グレモリーです!え〜と、この方が叔母様になるんですか?」

 

ピピクゥッ!

 

「グレイフィア〜?」

 

私が睨むと姉ちゃんは目を逸らす。確信犯かっ!

 

「ミリキャス〜、里奈お・ね・え・さ・ん・よ。分かった?」

 

私はミリキャスに言いながら詰め寄る。

 

「分かりました!里奈お姉さん!」

 

満面の笑みで返しえくるミリキャス。

 

うんうん、素直でよろしい。

 

とはいえ、こう無邪気に返してくるとちょっと罪悪感が湧くわね。

 

「それでは皆さん、馬車にお乗りください。」

 

いつの間にか私達の荷物は積み込まれており出発の準備は整っていた。

 

「里奈とアーシアは私と同じ馬車で、朱乃達はそっちの馬車に乗って来て頂戴。」

 

リアスの言葉でそれぞれ馬車に乗り移動を始める。

 

「ふ〜ん。自然に囲まれてて良い土地ね。」

 

「ええ。この辺は特に多いかしら?そうだわ、里奈もアーシアも眷属になったからグレモリーで空いてる土地をあげるわよ?」

 

そう言って魔法の地図を出す。

 

「割と未開拓な土地が多いのね。」

 

「人口も少ないし現状資源にも困ってないから開拓されてないのよ。」

 

悪魔社会だとその辺は魔力でどうにかなっちゃうからな〜。

 

私は湖と山がある所を貰うことにした。

 

アーシアはよく分からないからと一旦保留した。

 

「リゾートでも作る気なの?」

 

私が指定した場所を見てリアスが聞いてくる。

 

「それもいいわね。ただ、暫くはコテージでも建てて別荘感覚でのんびりする場所として置いておこうかな?と思ってね。活用なんてすぐ出来そうにないし。」

 

「そうね。資金とかスポンサーとかいないと大規模な事は出来ないものね。」

 

コテージ位なら建てられるお金はあるけど流石にリゾートを作れる程は持っていない。

 

そうこうしているうちにグレモリーの城が見えてくる。

 

「おっきいです〜。」

 

アーシアが驚きながらも興味深そうに見ている。

 

たしかにデカイ。悪魔でも有数の家柄だけあるわね。

 

前世でも個人所有ではここまでの物は無かったはず。

 

「ほんと、人間界だと有り得ないわね〜。私が冥界に家建ててもここまで大きいのは勘弁だわ。」

 

私的には今の部屋の広さで充分である。

 

「個人としてなら私も同意なのだけど、(御家・・)として考えるとそうも言えないのよ。」

 

リアスの言葉を聞きながらそうなんだろうな〜、と思いつつも家に金かけるならもっと他にあるだろ!と心の中で突っ込みをいれていると馬車が止まった。

 

どうやら着いたらしい。うん、無駄に大きい。

 

「荷物はこちらで運びますので皆様は中へどうぞ。」

 

そうグレイフィアに促され城の中に入る。

 

中に入るとヴェネラナさんが待ち受けており

 

「みなさん、遠路遥々お越しくださいました。お帰りなさい、リアス。」

 

「ただいま、お母様。」

 

ヴェネラナさんとリアスが挨拶をした後、こちらに向く。

 

「里奈さんお久しぶりですね、梨沙さんと誠司さんはお元気かしら?」

 

「はい、相変わらず世界中飛び回ってますね。ああ、それからこれは両親からのお土産です。」

 

そう言って手提げから包を渡す。

 

「ありがとう。あらあら京の漬物ね、明日の朝にでも皆でいただきましょうか。」

 

中身を確認しながら感謝してくる。相変わらず悪魔のくせに一家で和食好きとは何か不思議な感じがする。

 

「移動で疲れたと思いますので、夕食までは部屋でゆっくりしてて下さい。ジオティクスも夕食には帰ってくると思いますので。」

 

ヴェネラナさんの言葉で全員部屋で休む事にした。ちなみにアーシアは「こんな広い部屋で一人は落ち着かなくて無理です〜。」と言って早々に私の部屋に移動してきた。確かに無駄に広い。質素な生活をしていたアーシアだと落ち着かないだろう。私も同意見だったりする。

 

その後、夕食迄各々自由に過ごした。私は書庫に籠もり幾つか面白そうな本を見つけたので借りる事にした。

 

 

 

全員着替えメイドさんに連れられて部屋を移動し、帰って来たジオティクスさんを交えて夕食が始まった。

 

最初の方は挨拶や改築等のお礼などを食事を進めつつ穏やかに過ぎていった。

 

食事を始めて20分位経った頃アザゼルとガウリイが会議を終えてやって来た。

 

「お初にお目にかかる堕天使総督のアザゼルだ。今回は受け入れて頂いた事感謝します。」

 

珍しく真面目にアザゼルがジオティクスさんに挨拶している。

 

「いえいえこちらこそ娘と眷属がお世話になっていますから気にしないで下さい。それに今は同盟も結びましたからな、互いに協力していく関係ですから堅苦しい挨拶や言葉ではなくて結構ですよ。」

 

ジオティクスさんはそうアザゼルに答える。

 

「そう言ってもらえると助かる。こっちも堅苦しいのは苦手でな、普通に話させてもらおう。」

 

こうしてアザゼルとガウリイも交え食事も再開したのだが・・・

 

「ガフッ、モガッ、ガブッ!」

 

みんながガウリイの食いっぷりに注目する。

 

凄い速度で食べているが昔のようではなくナイフとフォークを使いテーブルマナーもきちんとして綺麗に食べている。

 

なんて器用な奴。私もテーブルマナーをちゃんとして食べているが流石にあの速度で食べてはいない。

 

「ガウリイはどこまでいってもガウリイなのね。」

 

ちょっと安心しながら呟く。

 

「先輩、乙女の顔してます。」

 

「えっ!?ちょ、小猫!?」

 

小猫の突っ込みに慌てる。

 

「慌てる先輩レアです。」

 

くそう、相変わらず鋭い観察力ね。

 

「くあ〜、食った食った。美味かったですありがとうごさいます。」

 

「いい食べっぷりでしたよ。食事の出し甲斐がありますな。」

 

満足したのかガウリイがジオティクスさんにお礼を言い話をしている。

 

「まったく遠慮ってものを知らんのかお前は。」

 

アザゼルが呆れた顔をしてガウリイに声をかける。

 

「いや〜、美味かったもんでついな。」

 

「まあまあ、アザゼル総督。余らせても勿体無いからですね、美味しく食べていただいたのなら問題無いですよ。明日の朝食も少し多めに用意しましょう。」

 

「是非是非お願いします。里奈の飯も美味いけどここの料理も違った感じで美味しいですから。」

 

「里奈さんも料理されるのですか?」

 

ヴェネラナさんが私に聞いてくる。

 

「えっ!はい、します。」

 

まさかこっちにくるとは考えて無かったので油断してて咄嗟に言葉が出ない・・・ガウリイに褒められて照れていたとかそういうのではない。本当だってば!

 

「というか里奈さんとガウリイさんは一緒に食事されているのですね。もう結婚を?」

 

「してません!いや、まあ、一緒に食事してるのは確かですが・・・。」

 

恐らく私の顔は真っ赤になっているに違いない。

 

「里奈の飯は美味いですよ、今度お礼に里奈が料理振る舞ったらどうだ?」

 

こいつは〜、とはいえここでガウリイをぶっ飛ばす訳にはいかないし〜

 

「はぁ〜。仕方無いわね〜、なら明日の朝でもいい?和食になるけど。」

 

「それはいいですね。先程頂いたお漬物も出して頂いてもいいかしら?」

 

ヴェネラナさんが聞いてくる。

 

「いいですよ。それに合わせて作りますね。」

 

「いいの?里奈。」

 

リアスが聞いてくるが

 

「明日から予定詰まってるしね〜、後半も予定どうなるか分からないからやるなら明日の朝が丁度良いと思うわよ。」

 

「なら私も手伝うわ。人数多いし私も久しぶりに実家で料理したいし。」

 

「オッケー。そうしてくれると助かるわ。」

 

「リアスも作ってくれるのか。それは今から楽しみだな。」

 

ジオティクスさんも楽しみにしてくれるようね。

 

「じゃあ、明日の朝食頑張りましょうか、リアス。」

 

「わかったわ、里奈。」

 

その後はリアスと明日の献立話し合ったりヴェネラナさんやジオティクスさんと話をしたりして夕食は穏やかに過ぎていった。




本編よりも里奈はちょっと乙女で素直な設定にしてます。


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若手悪魔の会合

仕事が忙しくて中々進まない。


 

 

次の日約束通りリアスと朝食を作りそれを食べた後グレモリーの敷地の観光をした。

 

その後列車に乗って魔王の領土へ移動した。

 

「ふ~ん、ここが魔王領ルシファードか。」

 

列車を降り周囲を観察する。

 

なかなか近代的な作りである。流石人間界を参考にして町を作っているだけはある。

 

私としては旧魔王が住んでいた旧首都だからもっと歴史のある作りなのかと思っていた。

 

「このまま地下鉄に乗り換えるんだ。このまま表を行くと騒ぎになるからね。」

 

祐斗がそう言い移動していると

 

「キャー!リアス姫さまぁぁぁぁ!」

 

ホームにいた悪魔の人たちがリアスに向かって歓声を上げていた。

 

「流石魔王の姫様ね~。既に有名って訳ね。」

 

「特に下級、中級悪魔から憧れの的ですわ。」

 

私の言葉に朱乃が答える。

 

「いっぱいの悪魔に注目されてますぅぅぅ。」

 

引き籠りにはこれは辛いわよね。

 

「困ったわね、騒ぎになる前に急いで地下の列車に乗りましょう。専用の列車は用意してるのよね?」

 

私たちに随伴しているSPみたいな人にリアスは聞く。

 

「はい、ついてきてください。」

 

そうしてSPについて地下鉄へ移動した。

 

 

 

地下鉄で移動した後に着いたのは都市で一番大きい建物の地下のホームだった。

 

そこからエレベーターに乗りリアスが

 

「何が起こっても平常心でいること。何を言われても手を出さないこと。上にいるのは将来の私たちのライバル達よ。無様は見せられない。」

 

とみんなに気合を入れなおした。

 

アーシアの頭を撫で落ち着かせる。

 

暫くエレベーターに乗りかなり上がった所で止まり扉が開く。

 

出たところは広いホールになっており使用人らしき人が待っていて

 

「ようこそグレモリー様。こちらへどうぞ。」

 

と会釈したあとに案内される。

 

進んだ通路の一角に複数の人影がおり

 

「サイラオーグ!」

 

とリアスがその人影の一人に声をかけた。

 

向こうも確認したらしくこちらへ近づいてくる。

 

同じ位の年だろうけど・・・こいつかなり強いわね。

 

黒髪短髪で体格がいい。悪魔にしては珍しい近接タイプなのね。

 

「久しぶりだな、リアス。」

 

そう言いリアスと握手を交わす。

 

「ええ、懐かしいわ。変わりないようで何よりよ。初めての者もいるわね。私の母方の従兄弟で───」

 

「サイラオーグ・バアル。思い出したわ、大王家の次期当主で若手No.1の実力者よね?私は兵藤里奈。リアスの兵士(ポーン)をしているわ。よろしく。」

 

リアスの言葉の途中で話し出した私の言葉にサイラオーグはニヤリと笑い

 

「最近話題の赤龍帝に知られているとは光栄だな。こちらこそよろしく頼む。」

 

そういって手を出してきたので握手する。

 

「里奈~・・・まったく。それで、こんな通路で何してたの?」

 

リアスは私を軽く見た後サイラオーグに聞く。

 

「ああ、くだらんから出てきただけだ。」

 

「・・・くだらない?他のメンバーも来ているの?」

 

「アガレスもアスタロトもすでに来ている。あげく、ゼファードルだ。着いた早々ゼファードルとアガレスがやり合い始めてな。」

 

言いながらうんざりした表情を見せる。まあ、わからんでもないけど。

 

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!

 

建物が大きく揺れそれと同時に爆発音がする。

 

派手にやってるわね~。

 

「まったく、だから開始前の会合などいらんと進言したんだ。」

 

いいつつサイラオーグとリアスが同時に音のしたほうへ向かって行く。

 

二人の後を追い、着いた部屋は破壊されつくしていた。

 

辺りを見回し中央にはヤンキーみたいな格好の悪魔と魔物の集団と比較的普通の悪魔の集団が睨み合っていた。

 

あ、アスタロト陣営はちゃっかり隅に結界張って退避してる。

 

ゼロスは止める気・・・無いわよね〜。むしろ面白がっている可能性が高い。

 

向こうもこっちに気付いたようでニッコリ笑みを送ってくる。やっぱり楽しんでるな。

 

なんて見ていたら両者の戦いにサイラオーグが介入してゼファードルをぶっ飛ばしていた。噂以上かしら?若手No.1だけはある。

 

そこでゼファードルの取り巻きがサイラオーグを狙っているのを見つけ

 

烈閃槍(エルメキア・ランス)!」

 

一応唱えていた魔法を取り巻きに放つ。

 

「グハッ!」

 

警戒していなかったのか私の魔法をモロにくらいそのまま倒れる。

 

「貴様!」

 

私の攻撃に怒りを顕にこちらに向かって攻撃体制を取る取り巻き達。

 

「主を介抱しろ!まずはそれがお前達のすべき事だ!俺達に剣を向けてもお前達に得はない。───これから大事な行事が始まるんだ、まずは主を回復しろ!」

 

『──っ!!』

 

サイラオーグが叫び取り巻き達はゼファードルの元へ集まって行った。

 

「援護感謝する。兵藤里奈。」

 

サイラオーグは私の方に来てお礼を言ってくる。

 

「いえいえ〜、余計なお世話だったかと逆に気にしちゃった位だし。」

 

「ふはははは。まあ問題無かったかもしれんが助けてくれたのは確かだからな。特に戦闘だと絶対という事は無いからな。だからこその感謝だよ。」

 

「そういう事なら素直に受け取っておくわね。」

 

ふ〜ん。ただの戦闘狂ではなくて人格も出来てるわね。それに修羅場もかなり潜り抜けてるみたいね〜。若手No.1だからと慢心して無い所からも敵に回すと厄介な相手になるわね。

 

「スタッフを呼んで来い。広間が目茶苦茶すぎてこのままではリアス達と茶もできん。」

 

サイラオーグが眷属に指示する。

 

「リアス、それに里奈さん。」

 

「ソーナに匙も着いたのね。」

 

ソーナの眷属も着いたみたいだけど部屋の状態を見てみんな驚いている。

 

「兵藤、どうなってるんだ?」

 

「あ〜、部屋が直ってから話すわ。」

 

匙に返事をしてから部屋が直るまで暫く待つ事になった。

 

 

 

部屋が直りゼファードル以外のメンバーの若手の主が一つのテーブルに集まり挨拶をかわしている。

 

「グラシャラボラス家は先日御家騒動があってな、次期当主候補が不慮の事故死をとげ、ゼファードルが新たな次期当主候補となっている。」

 

あんなのが次期当主候補なんてグラシャラボラスって人材不足なのかしら?

 

「兵藤里奈。先程は助力助かった。改めて礼を言わせてもらおう。リアスは良い眷属に恵まれているな。」

 

と、サイラオーグから改めて礼を言われるが

 

「さっきも言ったけど気にしないで良いわ。そもそもこういう場でやり合い始めたゼファードルが悪いんだから。」

 

「里奈!」

 

リアスは私の言動を咎めるが

 

「いえ、挑発に乗った時点で私も同罪です。むしろ止めていただきサイラオーグと里奈さんには感謝してますわ。」

 

シーグヴァイラ・アガレスからお礼を言われるとはね。

 

「だから言ったでしょ?ゼファードルが悪いって。他は誰も悪くないわ。私が同じ立場だったらこんなんじゃすまなかったわよ。」

 

私の言葉に皆が笑う。

 

「ははは、そうだな。さっきの事はゼファードルが悪い事にして時間までゆっくり話そうか。眷属の皆も話に参加してほしい。我々だけじゃ固っ苦しい話にしかなりそうにないからな。」

 

サイラオーグが仕切り直す。

 

場の仕切りも上手いみたいね。王としての質も高いわね。

 

そらから暫く会合が始まるまで和やかに話をした。




亀更新にはなりますが出来るだけ更新出来るように頑張りますね~。


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会合と面談

遅々として進まない・・・。


 

 

あれから暫く話した後私達は別の場所に案内されて会議場らしきところへ集められていた。

 

正面上段には悪魔のお偉いさん方更にもう一段上に四人の魔王が座っている。

 

貴族社会の典型よね〜、こういうの。バカとなんとかはなんてね。

 

私達は対面にリアス達主が並んで座り眷属は後ろに立って控える形で並んでいる。因みにゼファードルも参加しているがさっきサイラオーグに殴られた頬の所が腫れたままになっている。

 

会談の開始早々にさっきの件でお偉いさんの一人が皮肉を言っていた。貴族ってこんなのばっかりだから嫌いなのよね〜。まあ、生前に知り合った博愛主義の王様みたいなのばっかりってのも勘弁死てほしいけども。

 

なんて考えていたら会談は進んでおりリアス達が将来の夢について語っていたんだけど・・・サイラオーグが魔王、リアスがレーティングゲームで各大会での優勝と。そして最後になったソーナの下級悪魔でも転生悪魔でも受け入れるレーティングゲームの学校の建設という夢に対してお偉いさん方は笑い、馬鹿にしていた。

 

「黙って聞いていればなんでそんなソーナ様の夢を馬鹿にするんですか!俺達は本気で叶えようとしてるんですよ!叶えられないなんてなんで決めつけるんスか!」

 

あ〜、こういうので熱くなったら負けなのに〜。案の定ソーナに窘められてるし。

 

とはいえこういうのは嫌いじゃないし丁度いい機会だから乗らせてもらいましょうか。

 

そう思いサーゼクスに視線を送り頷いたので実行に移すことにする。

 

まずは〜・・・魔力を全開放!

 

ドンッ!

 

部屋全体が魔力の開放で揺れる。

 

「なっ!」

 

「くっ!」

 

「ちょっと!里奈!」

 

リアスの言葉を手で制し

 

「そもそもあんたらが夢を語れって言っておいてそれを言っただけで笑ったりバカにしたりとか可笑しいんじゃない?それにあんた等だって下級悪魔使ったりしてるんでしょ?その上でバカにするんだったらその上司であるあんた等も同じよね〜。そんな考えだったらその内悪魔は滅ぶわね。」

 

「下級悪魔の小娘がっ!わかったような───」

 

私に反論しようとしたお偉いさんを籠手を出して更に魔力を上げ黙らせる。

 

「そもそもあんた等みたいな古い考えでやってきたから悪魔の数が減って滅びそうになったのよね?それでそれじゃあいけないからって転生悪魔を増やして存続しようってやってきたのにそれで今度は下級悪魔だの転生悪魔だので差別するんだったら変わらないわよ。数だけ増やしてもやってる事や考えが変わらないなら滅びるしかないわよね〜。」

 

と、ここで一旦言葉を切ったが反論や言葉を発する人がいないようなのでわざと意地悪そうな顔をして

 

「サーゼクス達魔王も大変よね〜、こんな頭の堅い連中が周りに居たんじゃ進む物も進まないわよね〜。ま、あんまり考え無しな発言してると赤龍帝としてお仕置きに行っちゃうわよ?」

 

そう言って魔力の開放と籠手を抑える。

 

「里奈さん、やりすぎですよ。とはいえ里奈さんの言うことも最もだ。聞いておいて夢を潰すような発言は控えていただきたいですね。それに誰にでも強くなる機会が与えられる学校を作るというのは悪魔の世界にとって良い事だと思います。」

 

「そうよ、そうよ!皆で寄ってたかってソーナちゃんをいじめるのなら許さないんだから!それにゲームでいい成績おさめれば文句ないでしょ!」

 

今度はサーゼクスとセラフォルーが苦言を言い、周りを黙らせる。

 

サーゼクスも静かに言っていたけど魔力を軽く開放して威圧してたし、中々どうして役者である。

 

「ちょうどいい。では若手同士でゲームをしよう。リアス、ソーナ戦ってみないか?」

 

見ればリアスもソーナもやる気みたいである。

 

「元々リアスのゲームを近日中に行う予定だった。元々アザゼルの案でレーティングゲームのファンを集めてデビュー前の若手悪魔の試合を観戦させる目的もあったものだからね。だからこそ丁度いい。リアスとソーナで1ゲーム執り行ってみようではないか。」

 

元々アザゼルの案があってのこの話なのね。ということは他の若手悪魔も試合があるってことでしょうね。この世界のゼロスの力も図れそうだし丁度いいわね。まあ、奴の事だから本当の本気は出さないでしょうけど。

 

「公式ではないとはいえ初のレーティングゲームの相手があなただなんて運命を感じてしまうわね、リアス。」

 

「競う以上は負けないわよ、ソーナ。」

 

早くも火花散らしてるわね〜、私も油断して足元すくわれないようにしないとね。

 

「リアスちゃんとソーナちゃんの試合!燃えてきたかも!」

 

セラフォルーも楽しそうね。

 

「対戦の日取りは人間界の時間で八月二十日。それまで各自自由に時間を割り振って構わない。詳細は後日連絡する。」

 

サーゼクスの言葉でゲームの日取りが決まった。

 

夏休み中にやるのね〜。修行の成果を試すにはみんなにはうってつけね〜。

 

問題は私よね。今の状態だと迂闊にドライグ使えないし禁手化(バランス・ブレイク)使ったらフィールド自体に影響出るだろうし・・・。

 

さっき位の威嚇に出す程度なら問題無いけど実戦だと制御がまだまだ甘い。なんとかゲーム迄に制御出来るようにしないといけないわね。

 

 

 

さてさて本来なら会談も終わったのでグレモリーのお城に帰るんだけど私の本番はここからである。

 

「いや〜、お久しぶりですね。里奈さん。」

 

私に声を掛けてきたのはさっき迄会談の場で若手悪魔の(キング)の席の一つに座っていたディオドラ・アスタロト・・・ゼロスである。

 

場所はサーゼクスに前もって押さえておいてもらった応接室で、今は私とゼロスだけで他のメンバーは外してもらっていた。姉ちゃんが最後までゴネていたのは内緒である。

 

「そんで?詳細聞かせてもらえるのよね?」

 

「せっかちなのは嫌われますよ?と、言いたい所ですがお互いこれから忙しい事になりそうなので現状でわかってる事と僕のこれからの予定を話しますのでそこでどうするか決めましょう。」

 

「珍しく勿体ぶらないのね。」

 

「いや〜、そうしたいのは山々なんですが現状の立場とかもありまして。」

 

確かに魔王の血族でもあるからそれなりに色々あるのだろう。

 

「という訳で時間も無いので話しを進めましょうか。」

 

「────────という感じですね、今の状況は。」

 

・・・。

 

「流石ね〜と、言いたい所だけど想像以上でこの場で決めるのは事が大きすぎて厳しいわね。」

 

「ですね〜。あの組織(・・・・)が隠れ蓑で裏にはとんでもない大物がいましたからね。流石に僕も今回は里奈さんと里奈さんの仲間やネットワークに頼らざるを得ない状況でして。」

 

「そうね〜、とりあえずみんなやアザゼルやサーゼクスと相談してみないことにはどうしようも無いわね。そういえばゼロスの事はアジュカには?」

 

「まだ言ってません。が、ただ状況的にそろそろ隠し通すというわけにはいかなくなってきましたね。なのでサーゼクス様の方から前もって話しを通しておいて欲しいのですがお願い出来ますか?」

 

「事前に話しておいた方が説明しやすいからってことかしら?」

 

「それが第一です。それとあっち(・・・)の方に怪しまれたく無いのであまり時間をかけたくないというのもありますね。」

 

なる程。

 

「そうなると、まずはこっちで話し合って方針決まったら連絡する感じでいい?」

 

「ええ、構いません。・・・出来ればルナさん・・・グレイフィアさんからの連絡はやめて欲しいんですが。」

 

言いながら顔が青ざめていく・・・これは相当絞られたわね。

 

とはいえ

 

「無理ね。」

 

キッパリ否定する。

 

「・・・。」

 

私の否定で更に顔を青くする。

 

「今の話しを私とゼロスだけでするのも嫌がってギリギリまでゴネてたし。何されたかは聞かないで置いてあげるから諦めなさい。」

 

「嫌だぁぁぁぁ!耳元に僕にだけ聞こえる魔法陣貼られて何時間も嫌味言われるなんてぇぇぇぇ!!」

 

うわ〜、姉ちゃんえげつない。

 

「ま、まあその辺は言っとくからとりあえずまた連絡するわね。」

 

そう言って私は部屋から出たのだった。

 

「嫌だぁぁぁぁぁ・・・。」

 

ゼロスの叫びは暫く続いたとかなんとか。

 

合掌。




ゼロスが素直になってます。基本は変わらないんですが・・・姉ちゃんのせいですね。


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作戦会議に新たな情報

更新遅くなってすみません。

亀更新になると思いますがよろしくお願いします。

ギャスパーの修行プログラム書き忘れてたので追加しました。


 

あれからゼロスと別れて一旦グレモリーの城(家とは認めない)に戻り自室で聞いた事を整理してからアザゼルとガウリイを呼び出した。

 

 

 

「なんで俺達だけなんだ?」

 

入ってくるなり聞いてきたのはガウリイだ。

 

「ディオドラとの話で俺達だけに相談か報告したいって事があるってことか。」

 

流石アザゼル察しがいい。

 

「そういう事ね。主にガウリイ絡みなんだけどアザゼルも事情知ってるからね。」

 

「俺達三人でって事だと・・・ルシファーか!リゼヴィムが動き出したのか?」

 

「まだ確証がある訳じゃ無いんだけどゼロス・・・ディオドラが言うにはそうみたい。しかも転生体が入ってる可能性が高いわ。」

 

「ふ〜ん。爺さんにも誰かの転生体がいたのか。全然気付かなかったな〜。知ってる奴なのか?」

 

「ふ〜んって・・・なんとも思わない訳?」

 

「無い訳じゃないが今更気にしてもな。おかげでアザゼルにも会えたし里奈達とも再会出来たと考えればむしろ結果だけ見れば良かったのかもな。」

 

そうなのかもしれないけど〜・・・なんか納得出来ないわね。

 

「ヴァーリは相変わらずだな〜。まあだからこそ見てて面白いんだが。それで里奈、その転生体はどんな奴か目星はついてるのか?」

 

アザゼルはガウリイに苦笑しながら言ったあと真剣な顔に戻り私に聞いてくる。

 

「多分想定している最悪の奴ね。隠居していたリゼヴィムが動いてるらしいと聞いて調べたみたいなんだけど偶然遠くで見かけた時に少しだけ奴の波動を感じたと言っていたわ。」

 

「具体的にどう動いてるとかはわからないのか?」

 

「流石に詳細までは無理ね。禍の団(カオス・ブリゲード)に関わってるというのは確かみたいたけれど。」

 

ゼロス自身潜入していてチラッとしか見れなかったと言っていたからどれだけ関わっているかまでは把握できてなかったし見たのも最近で情報も集め始めたばかりだから下手に動けないとも言ってたわね。

 

禍の団(カオス・ブリゲード)か。厄介な事になってきたな。」

 

「そうね〜。奴の転生先が冥界である意味最も厄介な奴でしかもテロリストと関係してるとなると一番最悪な状態だわ。」

 

「里奈が関わった事件なんていつもそうだったじゃないか。それでも解決してきたんだから何とかなるだろ。しかも今回は協力者も多いんだから。前も言ったと思うが里奈はもっと周りを頼るべきだと思うぞ?」

 

相変わらずガウリイは物事の本質を掴む力に長けているわね。おかげで何回も救われているし今回も一人で背負いすぎたかしら?

 

「わかってるわよ!と言いたい所だけどそうね、ちょっと気負い過ぎてたわね。ありがと、ガウリイ。・・・それから上手く隠してるつもりだろうけどバレてるわよ、盗聴の術式。まったく、こっち来て良いわよ、これからの事皆で考えましょ。」

 

私がそう言った数分後会話を聞いていただろうメンバーが部屋にやって来た。

 

「朱乃と小猫と協力したのにバレるとは思わなかったわ。」

 

そうリアスは言ってきたが

 

「能力もそうだけど感覚も上がってるのよね〜。仙術でちょっと細工したくらいなら分かるわよ?」

 

そう言うと小猫がちょっと悔しそうにこちらを見る。

 

最近始めた仙術の修行だけどなかなか上手くなっているようである。

 

「ま、それはそうとみんな聞いてたんでしょ?とりあえずなんか意見とかある?」

 

「聞いた感じだと放置は出来ないけれど急を要する感じではないしまず相手の動きが分からない以上動向を探りつつ様子見かしら?」

 

リアスの意見は最もね。狙いが分からない以上こちらとしては動きようが無いのも確かである。

 

「そうなると有事の際に動けるように備えておくのが一番かな。とりあえず僕達の戦力の強化と里奈さんの力の安定をした方がいいかもしれないね。」

 

「私もそう思います。転生した魔族がどの程度の力があるか分からない以上それに備えておくのがいいと思います。」

 

祐斗と小猫の意見は最もで私自身もまだまだ力を安定させないと戦闘で長い時間戦えない。

 

「そうね〜。それなら当初の予定通りこの夏休みは修行に当ててソーナ達のゲームに備えましょうか。アザゼル、そっちの方でも密偵送って調査させてるんでしょ?」

 

「ああ、数人送り込んでいるぞ。後で指示してディオドラの情報の精査と詳しいことを調べさせるつもりだ。ついでだから明日からの修行の内容も伝えておくか。」

 

そう言い部員全員にメモを渡していく。

 

「まずリアスは全ての能力が高い。なのでトレーニングはさほど特別な内容は準備していない。それにリアスはキングだからな、自分の実力もそうだが自分の眷属をいかにうまく使うかが重要になってくるから空いた時間は実際の試合のビデオと戦術の本で戦術を叩き込め。それから朱乃は雷光をもっとコントロール出来るようにしろ。気持ちはわかるがそれが出来なければこのままだと足手まといになりかねんからな。祐斗は・・・師匠に修行つけてもらえるんだったな。小猫はリアスと同じトレーニングだが最近使い始めた仙術を使いこなせるようにしろ。それからアーシアは聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)の回復を飛ばせるように訓練しろ。範囲の拡大と遠距離への回復が出来るようになればアーシアはこの眷属の要になる。それから体力が少ないからなリアスと一緒のトレーニングもやっていけ。あとギャスパーは対人恐怖症克服プログラムとアーシアと同じで体力強化だな。お前は基本スペックが高いから今の二つを改善するだけで強くなれる。」

 

「私は?」

 

「里奈は力の制御がメインになるからサーゼクスとアジュカにも頼んで強固なフィールドを作ったからそこでヴァーリとあと二人助っ人が明日くるからそいつ等と話しをしてからになるな。」

 

助っ人?

 

「誰?」

 

「新たに見つかった転生者だな。俺もさっき聞いたばかりでな、サーゼクスの所に連絡が来てグレイフィアが確認をとったらしい。で、協力してくれるという話になったので早速修行に付き合ってもらおうということになった。実力が申し分ない上に術式にも詳しいからな、まずは情報交換をしてから修行というかたちになるな。」

 

ちょ、それって・・・

 

「さらっと言うことじゃないわよね?」

 

「言い方なんてどうやったって変わらないだろ?俺だってさっき聞いたばかりだしディオドラの話もあったから先に聞いてから言うつもりだったんだよ。こんな展開になるとは思わなかったしな。」

 

「仕方ないわね~。んで?私の修行に対しては助言とかないのかしら?」

 

「制御を頑張れ!里奈なら一人でなんとかしそうだが・・・とはいえそうだな、まずは籠手を出した状態で制御出来るようにしてそれから段々解放していくのがいいんじゃないか?戦闘継続時間を延ばさないとどうにもならんからな。今なら籠手だけでも充分強いからな、そこから慣らしていくのがいいんじゃないか?」

 

なるほど。それは考えてはいたがアザゼルから見てもそうした方がいいみたいね。やっぱり何事も基本からってのが一番ね。

 

「オッケー、充分参考になったわ。それじゃあ明日に備えてそろそろ休みましょうか。」

 

私の言葉で解散になった。

 

さて~、明日から頑張りますかね!




次回は新キャラ登場します。


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修行前 転生者登場!

残り3人の内2人?出ます。


 

 

アザゼル達と話した次の日の朝、全員広間に集まっていた。

 

「全員集まったな。今日から修行を始める訳だが基本的なプランは昨日話した通りだ。なので詳細を書いた用紙を渡していく。」

 

そう言ってアザゼルは皆に用紙を渡していく。

 

「これは今お前等に足りない部分を補うと同時に現状でも強い部分も更に強化していくプランだ。なので直ぐ結果が出てくるものでもないので長期的にやらないといけない内容だ。ただ今回は夏休みなので集中的に行う事が出来るのでまずはこの期間で基盤を作るつもりでやってくれ。お前等全員才能もセンスも高い。このままいけば全員が最上級悪魔になる事も出来ると思っている。なので今回の修行はその第一段階と思って行ってくれ。」

 

「そろそろいいかな?」

 

声と共に部屋にサーゼクスが入ってきた。

 

「おお、今丁度話し終わった所だ。」

 

入ってきたサーゼクスにアザゼルが答える。

 

「そうか。私がここに来たのはまず新しい転生者を連れて来たのとそれから修行に加えて欲しい者達がいるのでその紹介だね。入ってきたまえ。」

 

サーゼクスが言い、新たに部屋に四人入ってきた。

 

「まずは知っていると思うが転生天使のイリナくんにゼノヴィアくんだ。それから残りの二人は変身魔法で姿を変えているが魔龍聖(ブレイズ・ミーティア・ドラゴン)タンニーンに天魔の業龍(カオスカルマドラゴン)ティアマットだ。」

 

「イリがナ転生天使!?」

 

「そうよ〜、あの会談の後でミカエル様か眷属にしてくれたの!」

 

「まあ、まだ人数は少ないが悪魔の駒(イービル·ピース)神器(セイクリッド·ギア)の技術を応用して作ったらしい。天界では御使い(ブレイブ·セイント)と言って主をキング、それで眷属が12人でそれぞれトランプのカードの数字を司るらしい。いずれは悪魔と天使でレーティング·ゲームの異種戦も考えているみたいだぜ?まあ早くて10年後とかにはなるだろうがな。」

 

なるほどね〜、天界も色々考えてるのね。まあ、それはそれとして

 

「異種戦は面白そうなんだけどここにイリナとゼノヴィアがいる理由は?」

 

「ああ、それは私から説明しようか。」

 

そう答えたのはサーゼクスだった。

 

「今回の君達の修行で龍王クラスが2体揃うという話を天界と堕天使側にもしたんだがその時にイリナくんとゼノヴィアくんのドラゴンの力の使い方をレクチャーしてくれと頼まれてね、こちらとあちらの世界だと勝手が違うらしく丁度良いという事で二人も参加する事になったんだよ。」

 

「なるほどね〜、それで本題なんだけど元龍王と現役龍王の正体って誰なの?」

 

「じゃあ私からいこうか。」

 

先に声をあげたのは初老の見た目に姿を変えた男性だった。

 

「まずこちらではタンニーンと呼ばれている。で、あちらの世界ではゴールド·ドラゴン長老ミルガズィアと呼ばれていた。」

 

「ああ〜、でっかいトカ「トカゲって言わないでくれるかな!」ごめんなさいごめんなさい!」

 

ガウリイ毎回やってるけどワザとなのかしら?ていうかガウリイにしては覚えてるなんて珍しい。まあ覚え方に問題があるのはこの際考慮しないことにしようかしら。

 

「じゃあ次は私ね。」

 

ということはこっちの美人な女の人が龍王ティアマットなんだろうけど・・・なんか見覚えあるのよね〜、身に着けている白い鎧とか・・・。

 

「こちらではティアマットって名前ね。あっちではメンフィス・ラインソードね。」

 

「偏食性悪女?!」

 

「里奈〜!」

 

「あはは、冗談よ冗談。メフィもこっちに来てたのね〜。ミルさんと一緒なんて相変わらずね。」

 

「ああ、久しいな。リナ・インバース、いやこちらでは兵藤里奈だったな。」

 

「ええ、あの時以来向こうでは会わなかったしね〜。それはそうとミルさんがドラゴンなのはわかるけどメフィはエルフじゃないのね。」

 

「そうなのよ!確かに龍王で以前より強くなったけど、この世界にもエルフいるのにドラゴンに転生なんてヒドイと思わない?」

 

メフィは激高しているが・・・多分キャラがいないとかオリ作るの面倒だな〜とかな気がする。

 

・・・何かしら?今の思考。まあ言わない方がメフィの為よね。

 

「ま、まあ取り敢えず今後の事なんだけど二人もこれからは協力してくれるってことでいいのよね?」

 

「ああ、そうだな。とはいえ私にも眷属や領地もあるしメフィにも他にもやる事があるので常に一緒に行動とはいかないがな。」

 

「大体の話は聞いてるしとりあえずは里奈の力を制御出来るようにしないとですわね。アノ(・・)力を制御というのも普通に考えられないけれども貴女ならなんとか出来そうな気もしますわね。」

 

「頼りにしてるわよ、二人共。よろしくお願いするわね。」

 

私の言葉に二人は頷いてくれる。

 

「話は一段落ついたみたいだからこれからは各々の修行に励め。色々話はあるだろうがそれは修行が終わってからだ。修行が終わってからのお前等の成長楽しみにしているからな。行ってこい!」

 

『はい!』

 

全員がアザゼルの言葉に返事をして各々修行場所に向かって行った。私も皆に負けないようにしなくちゃね。

 

 

 

赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)!」

 

ブワッ

 

私の声と共に左腕にベースが赤で漆黒の紋様が画かれた篭手が出現する。

 

因みに今はアザゼルとサーゼクスが作ったかなり強固に作られた部屋に移動している。

 

「なるほどな。篭手だけでこれだけの力の放出ならば禁手化(バランス・ブレイク)した時に制御出来ないのもわかるし短時間しか運用出来ないのも頷けるな。」

 

ミルさんが今の状態を見て言ってくる。

 

「現状でも魔力の強さならおじ様や私と同等かそれ以上だと思うけど魔力駄々漏れじゃ直ぐにガス欠よね〜。」

 

メフィが痛いところをついてくる。

 

「この状態だと維持だけなら1時間、全力だと15〜20分が限界ね。禁手化(バランス・ブレイク)だと5〜10分でガス欠になるわ。禁手化(バランス・ブレイク)の発動自体もガウリイの半減が無いと暴走しかねないからはっきり言って前より使い勝手悪いのよね〜。」

 

「となると最初に条件付けた詠唱(カオス·ワーズ)の問題かもしれんな。簡単に話は聞いているが力自体は通常の魔法とは違い、何かの力を外から借りるのではなく里奈の力そのものを呼び出すといった形なのだろ?」

 

「そこなのよね〜。こんな魔法の構築なんて初めてだから色々やってはいるのだけどなかなかうまく発動しないのよ。」

 

ミルさんが言った事は間違いなくて私もそう考えて変えたりしているのだが、まともに発動しているのは現状の使い勝手の悪い詠唱(カオス·ワーズ)だけなのである。

 

「とりあえずどんな詠唱(カオス·ワーズ)か教えてもらえる?私とおじ様もこっちでの力の使い方に慣れるのに色々研究したから力になれると思うわよ?」

 

なるほど。元ドラゴンとエルフの知識があれば他の解決策が出るかもしれないわね。

 

ということでミルさんとメフィに詠唱(カオス·ワーズ)を教えることにした。

 

 

 

「────っ!」

 

聞き終えたミルさんとメフィが固まっている。

 

「さすがというかなんというか、里奈じゃないとここまで出来ないでしょう。」

 

「とはいえこの詠唱(カオス·ワーズ)だと制御出来ないのも分かるが下手にいじっても発動はしないだろうな。」

 

メフィとミルさんが立ち直り分析をしてくれる。

 

最近は力の制御の魔法の研究ばっかりしているしね〜。なかなか上手くいかないけど。

 

「そうなると詠唱(カオス·ワーズ)の変更と力の制御又は抑制をする所から始めようか。そこがきちんと出来ないことにはその先に進むこともままならないからな。」

 

ミルさんの言葉にみんなが頷きその日は術式の解析と暫く力を抑制する術式の開発で終わった。




ミルさんとメフィ登場!

メフィは正直どうしようか迷った結果ティアマットにしました。

エルフは名前だけ出てるけどもキャラとして出てないので・・・。

次回から修行開始になる予定です。


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都合の良い展開と破壊の龍

3ヶ月も開いてしまった・・・。

今回はご都合主義全開でいきます。

そう、奴が何度目かの登場です。


 

 

『んっふっふ、苦労してるわね〜。』

 

出たわね?苦労してるわね〜、じゃないわよ!あんなちょっとだけのヒントであんたの力の制御なんて出来るわけないでしょ〜が!!

 

『常時発動状態なのは里奈の術式というより里奈の気持ちの問題なんだけどね。』

 

どういうこと?

 

私の欠片(・・・・)って言い方が悪かったわね。私の力だと思い込んでるから制御出来ないのよ。里奈の力(・・・・)だと思えばいいわ。確かに私が上乗せしたのは否定しないけれど上乗せした時点で私の(・・)ではなく里奈の(・・・)力なのよ。』

 

どゆこと?

 

『だから里奈自身に備わってる力なら制御出来ないなんてことはないでしょ?自分の力じゃないと思ってるから無意識にだろうけど制御出来ない力と認識してるかもしれないわね。』

 

え、まぢで?

 

『前回の私の余計な一言のせいもあるわね。最初は戸惑うと思ってガウリイに補助させて慣れたらあなだけでも出来るようになると思ってたんだけど逆に制御出来ないものって認識させちゃったみたいね。』

 

という事は通常の篭手も出せるってこと?

 

『変化したのは変わらないわ。ただ、制御出来れば以前と同じ様にできるし更に上の力を出しても耐えられるわよ?』

 

となるとあとは私次第でどうにでもなると。

 

『そういう事ね。ただ分かってると思うけど出力の上限は比にならないくらい上がってるからそこは修行しながらつかむしかないわ。』

 

珍しくサービス良いわね。

 

『この間の一言の罪滅ぼしと()が動き出してるみたいだから早く里奈に力の制御をしてもらわないと困った事になりかねないのよ。』

 

あんまりゆっくりしてられないってこと?

 

『そうね〜。聞いてると思うけどゼロスが見かけたって事はある程度準備が出来ていて表に出て来たと考えた方が無難だと思うわ。サイラーグの時もあらかた準備が終わってから出て来てたしね。』

 

確かに!

 

『そういう訳だから里奈には早いとこ今の力に慣れてもらわないといけないのよ。あとは動きがあればゼロスから連絡来ると思うから今のうちに出来る準備はしておいてね。』

 

となると私が直ぐに出来るのはまずは力の制御ね。これに目処がつかないと動きようもないしね。

 

『そういうことね。ああ、それから最後の一人なんだけど・・・近いうちに会えるかもしれないわね。』

 

え〜、いらない。

 

『そうも言ってられなくなるわよ?』

 

え、それってどういう・・・。

 

『そんじゃ、まったね〜。』

 

まてこらあぁぁぁぁ!!

 

 

 

「あんのアマァ(女?)!!」

 

もう何度目か、私は叫びながら目を覚ました。

 

ワザとよね!あいつワザとやってるわよね!

 

まあ、今回は色々教えてもらったからいいけども。

 

とりあえず

 

赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)!」

 

声と共に左腕に赤に黒の装飾が施された篭手が出現する。

 

ふむ。

 

まだ完全制御とはいかないが魔力の放出が大分収まっている。

 

なるほど〜、以前よりも馴染んだ感覚がする。意識の違いでここまで変わるのね〜。

 

『大分安定したじゃないか。』

 

()の助言のおかげよ。もしかして聞こえてた?

 

『ああ、里奈とは魂で繋がっているからな。会話には参加出来ないが聞くことは出来るからな。この感じだと禁手化(バランス・ブレイク)も問題無いだろう。魔力の放出も慣れれば無くなるだろう。だが、瞬間的な火力は以前より下がっているな。』

 

ああ〜、コツは分かったけど力が強すぎてまだ使いこなすことは出来そうにないから意識的にリミッターつけたのよ。

 

『よくもまあ、あれだけの会話でここまで制御出来るようになるとは。歴代でも里奈は最強の宿主だよ。まだまだ楽しめそうだな。』

 

まだまだよ、やることいっぱいあるんだからこれからもお願いするわ。

 

『応!』

 

ドライグとの会話が終わったのと同時に篭手も消す。少なくなったとはいえ魔力を放出し続けのるはやっぱり消耗するし、それに・・・

 

「里奈!」

 

こうなるわけである。

 

「ああ、大丈夫よ。力の制御の方法が分かったから試しただけだから。」

 

「あ〜、なるほど〜・・・・・って!制御出来るようになったのか?!」

 

「完全にじゃないからコツを掴んだ感じかしら?とりあえずお腹空いたからみんなで朝食取りながら説明するわ。着替えて食堂にいこ、ガウリイ。」

 

「おう、わかった。」

 

私の言葉に安心したのかガウリイは返事をして部屋に戻って行った。

 

さてさて私も仕度をして行きますか。

 

 

 

食堂に集まったみんなに朝食を取りながら夢での事と起きてからの話を軽くしたんだけど・・・。

 

「昨日の私達の苦労は!!」

 

話を聞き終えたメフィが叫んでいた。

 

気持ちはよ〜っく分かるが・・・慣れたくはないが慣れてきているのも事実だったりする・・悔しい。

 

「メフィ落ち着け。経緯はどうあれ制御の目処はたったのだから良しとしとこうじゃないか。とはいえリミッターを掛けているのが気になるのだが?」

 

ミルさんがメフィを落ち着け私に聞いてくる。

 

「まだ慣れてないっていうのが最大の理由なんだけど、リミッターを掛けても魔力の放出はしているのよ。それに自分の力といっても昨日まで感じていた魔力の感じだとまだまだ制御出来る自信がないのよ。」

 

「でも里奈自身の力なのよね?」

 

メフィが当然みんなも思ってるだろう事を聞いてくる。

 

「だから慣れてないって言ったじゃない。私の力なんだろうけど強すぎて持て余してる感じなのよ。後は全力出すと魔力がもたないわ。だからリミッターをかけて細かい調整できるようになってから外す感じかしらね〜。匙加減が分からないと戦闘時に魔力切れましたじゃ済まないもの。」

 

「そこまで考えているなら修行の内容は決まったな。」

 

「どうするの?」

 

ミルさんの言葉に私は聞き返す。

 

「実戦だな。里奈もそうだがガウリイ、イリナ、ゼノヴィアもドラゴンの力を宿しているからな。昔からドラゴンの修行は実戦で培うものだよ。」

 

「へ?俺もなのか?」

 

ミルさんの言葉にガウリイが聞き返す。

 

「どの道この修行に付き合う予定だったんだろ?これからの事を考えるとお前さんも強くなっておくに越したことはあるまい。イリナとゼノヴィアには戦いながらアドバイスする感じで里奈とガウリイは実戦経験を積んでもらう形にはなるな。」

 

「そうだな〜。最近本気で戦ってないし異論は無いぜ。」

 

ガウリイがそう言い他のみんなも異論は無いらしく頷いている。

 

「では食べ終わって軽く休憩したら修行開始といこう。」

 

 

 

朝食が終わり1時間後に全員この修行の為に作られた部屋に集まっていた。

 

「イリナとゼノヴィアはメフィと。里奈とガウリイは私とで分かれよう。」

 

実力を考えると丁度良いのだろうか。とはいえメフィは現役の龍王だからな〜、イリナとゼノヴィアの方が大変そうである。しかもあの(・・)メフィである・・・大丈夫よね?

 

かすかな不安を覚えつつ私達は二手に分かれて修行を開始したのだった。

 

 

 

ドドドドドドドドドドドド!!

 

辺りがドラゴンのブレスと私の魔法の応戦で爆発、振動する。

 

「おおおおおおおお!!」

 

その隙をついてガウリイがミルさんに肉迫する。

 

ガキィン!ギギン!ギィン!

 

ミルさんはガウリイの剣を爪で受けたり受け流したりして応戦する。

 

「やるな!以前よりも格段に強くなってるな!」

 

「それでも当たらないんだから全然嬉しくない!」

 

ズバッ!

 

何とかミルさんの腕に掠めたが尻尾が飛んできて後退を余儀なくされる。

 

「元龍王は伊達じゃないわね〜。」

 

戻ってきたガウリイに声をかける。

 

「流石だな。掠めただけで精一杯だぜ。まあ、あっちも凄いことになってるけどな。」

 

「・・・・・。」

 

ミルさんを警戒しつつメフィ達の方を見てコトバを失った・・・。

 

「・・・あれいいの?」

 

思わずミルさんに確認を取る。

 

「っ!・・・・・あ〜・・・。ま、まあ流石に死ぬような事はないだろう・・・多分。」

 

ミルさんも私に言われてそっち(・・・)を見ながら汗ジトながらに答えてくれる。

 

いいのかそれで。

 

このフィールドはグレモリーの領地をベースに作られていてレーティングゲームのフィールドの応用でサーゼクスとアザゼルがわざわざ強固かつ広く作られているんだけど・・・。

 

「山二つ位あったよな?」

 

「ええ、そうね。」

 

ガウリイに簡潔に答える私。

 

来たときは山と自然が広がっていたのだ・・・来たときは。

 

なぜか2時間程で月面みたいになっていて山も跡形もなくきれいさっぱりなくなっていた。

 

そして今もメフィ(・・・)の破壊活動は続行中である。

 

「確か龍王ティアマットっていったらドラゴンには珍しく多彩な魔法と繊細なコントロールで有名だったはずなんだけど・・・。」

 

「さっきから強力な範囲攻撃連発してるぞ?」

 

「「・・・・・。」」

 

ガウリイのツッコミに黙り込む私とミルさん。

 

しかもあれだけ派手な攻撃をしているにも関わらず反撃の隙が無いのかイリナもゼノヴィアも逃げているばかりである。

 

「あれじゃあ敵の攻撃から逃げる修行じゃないの。そろそろ止めないとまずいんじゃない?」

 

「そ、そうだな。」

 

ミルさんの同意も得たので一旦こっちは休戦してメフィを止めに行くことにするのだった。

 

 

 

「あはははは、ごめんね〜。これだけ派手に暴れられる機会ってなかなかなくてさ〜、途中から楽しくなって修行の事忘れてたわ〜。」

 

・・・・・。

 

「あんた、転生して性格変わったんじゃない?前も割と見境なく攻撃魔法使ったりしてたけどここまで酷くなかったわよね?」

 

「酷いって・・・やりすぎたのは認めるけれど。なんというか、元々の人格に引っ張られたというのもあるのよ。世間的には多彩で繊細なコントロール出来る魔法で有名みたいだけどそもそもドラゴンだから派手に暴れるの好きだったみたいで・・・。」

 

それでこうなったと。それにしたってねぇ。

 

「まさかミルさんも!?」

 

「無くはないが悪魔に転生してレーティング・ゲームに参加してるおかげかここ迄抑圧されているというのはないな。」

 

そういえばメフィストの女王(クイーン)で自分でもチーム持ってたわね。

 

「それにしてもやりすぎじゃないか?メフィ。」

 

「そ、そうですわね。前世よりも遥かに強くて色々試していたというのもあります。お二人にはちゃんと防御魔法かけてましたが、途中から楽しくなってやり過ぎたと反省してます。」

 

はしゃいじゃった感じだろ〜か?とはいえ規模が酷すぎる。

 

「はぁ〜、明日からはキチンとやってよ?今日はもういい時間だし戻りましょう。」

 

私の言葉に全員が頷いた。

 

戻る途中でメフィがイリナとゼノヴィアに謝っているのを見て、あの感じなら明日からは大丈夫だろうと思ったのだった。

 

まあ、それでも今日の暴れっぷりはやり過ぎである。




メフィの破壊をしたいがために敷地の山ではなくフィールドを作ってもらったという設定になってます。あとは里奈達の力を察知させない等の目的もありますが・・・。

もう少し期間を開けないで更新出来るようにしたいと思います。


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コカビエル参戦・小猫の決意

 

 

メフィが暴走大暴れした翌日からは反省したのかキチンとイリナとゼノヴィアに修行を行っていた。

 

あれから一週間。私も現状の力に慣れてきたしガウリイも強くなっている。

 

うんうん、順調にいってるわね〜。

 

そんな時アザゼルが様子を見に私達の元に訪れた。

 

コカビエルを伴って。

 

「里奈達は順調にいってるみたいだな。」

 

「ゼノヴィアの力もかなり安定してるじゃないか。」

 

アザゼルとコカビエルがそれぞれ感想を述べる。

 

「里奈もそうなんだがガウリイ、イリナ、ゼノヴィアの三人も覚えが良くてな、才能は全員かなり高いレベルで持っているから教える方としてもやり甲斐があっていいな。」

 

「そうですわね。イリナさんもゼノヴィアさんもドラゴンの力の使い方が日々うまくなってますし天使の力もデュランダルの扱いも良くなってますわ。」

 

ミルさんとメフィの話を聞いていたアザゼルが私の方を向いて

 

「里奈も魔力の放出を抑えられてるみたいだが、実際どうなんだ?」

 

「取り敢えず篭手の状態は前とほぼ同じ位扱える様になってきたからそろそろ禁手(バランス・ブレイカー)を使って実戦て感じかしら?」

 

「ガウリイも禁手(バランス・ブレイカー)使わずにやってるのか?」

 

「ああ、純粋に剣の腕を上げたいからな。とはいえ里奈も禁手化(バランス・ブレイカー)を使うとなると追い付けなくなるから俺もそろそろ使う感じかな〜。剣と能力を合わせた戦いにも慣れなきゃいかんだろうし。」

 

「なる程な。これから修行も激化していきそうだしタンニーンとティアマットの負担も増えるだろうと思っての提案なんだが、コカビエルにも加わってもらおうと思うんだがどうだ?」

 

アザゼルの突然の提案にみんなが驚く。

 

なんたかんだでアザゼルに付いてきてるあたり、前のような事は無いんだろうけど・・・。

 

などと考えてるとコカビエルが口をひらいた

 

「まあ、お前等が警戒すんのもわかるし信頼できんのも当然だな。だから殺されても文句は言えない。だが、あの野郎には殺された怨みとそれからヴァルガーヴを俺自ら鍛えたい、前は途中で俺がやられちまったからな、今回は最後まで面倒見たい。」

 

ふむ。

 

「いいわよ。」

 

「本当にいいのか?」

 

あっさり答えた私に驚きながら聞いてくるコカビエル。二度も戦ったのだから当然の反応だろう。

 

「そうね〜、全面的に信用ってのは確かに難しいけれど実際に奴とやり合うことを考えると戦力は多いに越したことはないわ。それに二度も戦った私達に頼んできたのはそれなりに覚悟があっての事でしょう?それなら私に断る理由は無いわね。」

 

「里奈がそう言うんなら俺もいいぜ。人を見る目はあるからな。」

 

ガウリイは相変わらずね〜。まあ、信用してくれてるって事だし・・・嬉しいかな。

 

「ならば私も賛同しようか。人手があるのは助かるし嘘を言ってる感じもしないしな。メフィもそれでいいな?」

 

ミルさんも賛同してくれてメフィも頷いている。

 

「そうだ、あとひとつだけいい?どれくらい力戻ってるの?学園で戦ったままじゃないわよね?」

 

「その疑問も当然だな。あの頃(・・・)とまでは流石にいかないがっ!」

 

ドンッ!!

 

言いながら力を開放するコカビエル。

 

「どうだ?これなら文句ないだろ?」

 

不敵に笑いつつこちらを見てくる。

 

なる程、言うだけあって軽く見ても魔王クラスはある。

 

「流石に元五人の腹心ね〜。これなら文句は無いわ。それならゼノヴィアはコカビエルにお願いするわ。ゼノヴィアもそれでいいわね?」

 

「ああ。ドラゴンの力にも慣れてきたしガーヴ様に修行つけてもらえるなら文句は無い。」

 

まあ、ある意味念願叶ってって所だろうし。

 

「私もゼノヴィアと一緒でいい?」

 

話を聞いていたイリナが聞いてくる。

 

「なんで?」

 

「ゼノヴィアとのコンビネーションをもっと合わせたいのと前世の感情のせいかしら?一緒に修行したいな〜と思ったのよ。」

 

ああ〜。元がフィリアだからな〜。

 

「私も異論は無いぜ。イリナとは教会の頃からパートナーだったからな。むしろそっちの方がありがたい。」

 

ゼノヴィアも無意識でかもしれないが前世の感情が影響してるかもしれないわね。

 

「そうだな。二人は俺が担当しよう。里奈とガウリイが今後禁手(バランス・ブレイカー)を使うとなればタンニーンといえども一人で相手するのはきついだろう?」

 

コカビエルも同意してくれたので二人は任せることにして・・・そういえば

 

「ミルさんとメフィって記憶とか感情って前世寄りなの?」

 

「ああ。我らはちょっと特殊でな、人格が二つあるという感じで里奈たちの前ではこっちに切り替えている。」

 

「二重人格?」

 

「似たようなものだが少し違うな。記憶と体を二つの人格というか魂で共有してるといえばいいかな。あの方(・・・)が言うには私とメフィは魂の次元が人間よりも一つ上の存在らしくてな、少し特殊な転生になっているらしい。イリナとゼノヴィアも同じはずなんだが二人は同化しているみたいだな。多分転生の影響だろう。」

 

「ということは私とドライグみたいに心の中で会話とかできるの?」

 

「里奈とドライグ程じゃないが簡単な意思の疎通はしている。」

 

なるほど〜、転生といってもそれぞれ特徴があるのね〜。

 

「ところでアザゼル、他のみんなはどうなの?」

 

「全員順調だぜ〜、と言いたい所だがギャスパーの対人恐怖症克服がなかなか上手くいかないな。まあ少しは良くなってきてはいるから長い目で見るしかないな。ああいうのは焦っても仕方ないからな。」

 

ギャスパーの場合は内容が内容だけに仕方無い。

 

「朱乃は?」

 

「あいつが一番頑張っているな。前世の記憶が戻ったせいもあるだろうが雷光の使い方を習うために俺に相談してきてな、バラキエルとちゃんと話す事を条件に連れて行った。まあ、行き違いとかすれ違いでお互い離れていたからな、話し合って大分和解出来たみたいで今は親子で修行してるよ。」

 

朱乃が自分から行動するなんてね〜。まあ、ミリーナの時の記憶も戻った影響でしょうね。あの話もしちゃったし。

 

「あとは小猫の仙術の修行が進んでないせいかちょっと焦りが見えるな。小猫の場合、師がいないから仕方無いんだがあの子もどうにかしてやりたいな。」

 

「アザゼルのつてで誰かいないの?」

 

「いるにはいるんだが、奴はおいそれと動ける立場ではないからな。そうなると適任がいないんだよな〜。」

 

言いながら困り顔のアザゼル。ほんとお人好しよね〜、本人に言うと暇なだけだって否定するでしょうけど。

 

「小猫は今どこにいるの?」

 

「ん?今日はちょっとオーバーワーク気味だったから部屋で休んでるはずだ。どうする気だ?」

 

「私も似たような感じだったから話してみようと思ってね。」

 

「里奈も俺の事言えね〜じゃないかよ。」

 

ホントね。

 

取り敢えず今後の方針も決まったので私は小猫の部屋に向かう事にした。

 

 

 

コンコン。

 

「入るわよ〜。」

 

ノックして声をかけながら小猫の部屋に入る。

 

「里奈先輩、なにかありましたか?」

 

小猫はソファーに座ってお菓子を食べていた。

 

「アザゼルに話を聞いて様子見に来たのよ。焦ってるんだって?」

 

誤魔化しても仕方ないので正直に話すことにした。

 

小猫はちょっと驚いた顔をしていたがすぐに落ち着き話しだした。

 

「焦ってる・・・そうですね、そうかもしれませんね。それと同時に姉様のことも思い出してしまうのでそのせいもあって上手く行かなくて・・・。あの、里奈先輩は私の話は聞いてますか?」

 

「簡単にだけどライザーの時にリアスから聞いたわ。で、それを聞いて思い出したんだけど私、小猫の姉さんと少し戦った事あるわ。」

 

「え!本当ですか!?」

 

「アザゼルからの依頼ではぐれ悪魔の追跡というか捕獲(・・)任務をやったんだけど今考えると相手は小猫の姉さんで正式にはサーゼクスから頼まれたものだったみたい。」

 

「それってどういう?」

 

「あの時は特に気にしなかったんだけど、リアスに話を聞いてからアザゼルに確認とったんだけど、悪魔側だと処罰せざるおえない状況で、とはいえ内容が内容だったのと小猫のこともあってサーゼクスとしてはなんとかしたかったらしいのよ。で、アザゼルと相談して堕天使側で捕獲、保護しようとしたらしいわ。」

 

「そんな事が・・・。」

 

最初からこれを聞いていればもっと他のやり方もあったのにな〜、と思うんだけど・・・まだ同盟前の話だったしサーゼクスとつながってる事も知らなかった時だったからね〜。

 

「で、まあ私が依頼受けて行ったんだけど私もそれ程仙術に知識があったわけじゃなかったからまんまと逃げられたのよね〜。」

 

「里奈先輩でも捕まえられなかったんですか?」

 

「私だって万能じゃないもの。まだ中学生だったし流石に知識がないと対処出来ないわよ。」

 

いくつか手傷負わせてそこそこ追い詰めたのだが最終的には逃げられてしまった。

 

「先輩、姉様はどんな感じでしたか?」

 

「ん〜、表向きは力に溺れて暴走して主を殺して逃走したことになってるけど戦った印象だと確かに戦闘は好きそうだったけど力に溺れたって感じでは無かったと思うわ。そもそも力に溺れた奴って大体は無差別に誰かを傷つけたり殺したりってパターンが多いけど、彼女は主とその眷属しか殺してないはずよ。小猫を守る為にってのはあながち間違った解釈ではないと私は思うわ。」

 

「私を守るため・・・。」

 

あ・・・。

 

「もしかして・・・聞いてなかった?」

 

「はい。私はリアス先輩やリアス先輩の家族だけでなく姉様にも守られていたのですね・・・。」

 

そう言って小猫は俯いてしまった。

 

やっちゃった〜。とはいえ言ってしまったものは仕方無い。

 

「小猫はこれからどうしたい?」

 

「これからですか?」

 

「そう、これから。守られたままでいるのか、それとも自分で切り開いていくのか。」

 

小猫は私の言葉を聞いて顔を上げ

 

「守られたままは嫌です!リアス先輩もそうですが姉様にもです!今度は私がみんなを助けられるようになりたいです!」

 

これだけ言えれば大丈夫ね。

 

「じゃあ、強くなるしかないわね。といっても無理はしちゃ駄目よ。私も最近まで色々一人でやっててでも結局バレてみんなに心配かけちゃったから。だから頼りなさい、みんなに。それで強くなってみんなに恩返ししたらいいわ。」

 

「そうですね。でも正直今のままだと仙術の修行はこれ以上は・・・。」

 

「ん〜、これが参考になるかわからいけれど小猫の姉さんと戦った時に私が見たのを教えてあげる。それと仙術だけが小猫の力ではないでしょ?アメリアの時の記憶や戦い方や考え方も使えば小猫は今以上に強くなれるわよ。直ぐには無理でしょうけどアザゼルも仙術に関しては誰か教えてくれるような人を探してるし、今だけじゃなくこれからを考えて使えるものは全部使って強くなればいいんじゃない?」

 

「そうですね。里奈先輩の話を聞いて姉様が暴走しただけじゃ無い可能性もあるとわかったので、次に会う事があったら力も気持ちも成長した所を見せてもう守られてるだけじゃないというのをみせつけたいと思います。」

 

うん、この調子なら大丈夫ね。

 

「元気になったみたいで安心したわ。とはいえ無理しちゃ駄目よ?」

 

「はい!里奈先輩と同じにならないように気をつけます。」

 

「言われちゃったわね〜。」

 

それから暫く小猫と話をして残りは私も休む事にした。




タイトルほどコカビエルは絡んでませんね。


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修行の成果

2ヶ月ぶりです。書く暇が・・・。


 

 

「ゼラス・ファランクス!」

 

私の放った十数発の光の玉が軌道を変えながらミルさんとメフィに向かって飛んでいく。

 

「そんなもので!!」

 

メフィが複数の魔法陣を展開し私の魔法を迎撃していく。

 

残った光の玉も

 

「かつての私の魔法を使うとはな!ゼラス・ファランクス!」

 

ミルさんも私と同じ魔法を使って迎撃する。

 

ドドドドドドドドドドドッ!!

 

私とミルさんとメフィの魔法がぶつかり合い爆炎と破壊を撒き散らす。

 

『Half Dimension!』

 

そんな中爆炎の一部を半減の能力で弱くさせてそこにガウリイが突っ込んで行く。

 

半減の能力を使っているとはいえ躊躇無く突っ込んで行くとは。煙の向う側では斬り結んでいるだろう剣戟の音が聞こえてくる。

 

暫くして煙が晴れて見えてきたのは斬り結ぶミルさんとガウリイ、それから魔法陣を数十展開しているメフィの姿だった。

 

ミルさんは幾つか斬り傷がついていてガウリイの攻撃が通っている。とはいえガウリイもさっきの爆炎に突っ込んだ影響か鎧が壊れている部分もあるし斬られた痕の様なものもある。

 

とはいえこちらとしてもメフィと対峙してる為援護している余裕はない。何せ今展開している魔法陣の一つ一つが洒落にならない位の緻密さで制御されているのだ。

 

そういう訳でこちらも対抗手段を考えているんだけど・・・ちょうどいい機会なので新呪文試してみるか!

 

ドライグ、いくわよ!

 

『まかせろ!』

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』

 

「大地の力の源よ 重さを統べる 黒き力よ 我と汝が力もて あらゆるものを捕える 楔となれ」

 

詠唱が終ると同時にメフィも魔法を解き放つ

 

「龍王フルバースト!!」

 

メフィの魔法に両手を向け私も力ある言葉を発する

 

重力塊(グラビティ・ブレッド)!!」

 

声と共に出現した魔法は伸ばした両手の先5㍍位の所にソフトボール位の大きさの真っ黒い玉。

 

出現すると同時にメフィの無数の魔法を音も無く全て吸い込み消滅する。

 

「へ?・・・何よその魔法!!」

 

一瞬呆然とするもすぐに私に抗議してくる。

 

まあ、あの数の魔法をたった一つの魔法で打ち消したのだから当然だろうけど。

 

重力塊(グラビティ・ブレッド)

 

重力(・・)と名前にはついているが実際には重力を操る魔法ではなく相手の魔法を引き寄せて相殺する魔法である。

 

本当は実際に重力を制御したくて開発している途中で偶然出来た魔法でぶっちゃけメフィの魔法の全部を相殺出来るとは思って無かったんだけど・・・効果に増幅掛けてたとはいえここまでの効果を発揮するとは思ってなかったりする。

 

「周囲の魔法を吸い込んで相殺する新魔法よ。」

 

「デタラメ過ぎでしょう!」

 

「大丈夫よ。仲間だから教えるけど制御が難しいのと魔力を結構使うから連発出来ないし効果は魔法の相殺のみだから。」

 

「それにしたって・・・。まぁいいわ、修行の締めの途中だったわね。時間も限られてる事だし今の魔法の話は終わってからにしましょう。」

 

そう言い魔力を高めるメフィ。修行の締めだしこっちも全開で残り時間やらせてもらうとしましょうか。

 

いくわよ、ドライグ!

 

『応!』

 

気合いを入れ直し私達は戦闘を再開するのだった。

 

 

 

「しんどい〜、もう動け無い!!」

 

「ああ、同感だ。」

 

私とガウリイはそう言って大の字にって地面に倒れ込む。

 

「無茶苦茶だな、お前等。」

 

私とガウリイの間にしゃがみ込み声を掛けてくるアザゼル。

 

「フィールドに幾つかヒビが入ってるわグレモリーの土地を再現した風景がほとんど更地になってるわよ〜。俺とサーゼクスでかなり苦労して作ったっていうのに。世界大戦後みたいな光景になってるじゃね〜か。」

 

「我等も本気でやらなければ危なかったからな、周りを気にしてる余裕すらなかったな。」

 

「デビュー前の悪魔の強さじゃないわね。」

 

なんて話していると私達から離れて修行していたイリナ達も戻って来た。

 

「よう、コカビエルおつかれ。」

 

「アザゼルか。俺等も大概だがこっちは更に酷いな。」

 

周りを見回しながらガーヴが言ってくる。

 

「元龍王と現役龍王に二天龍の本気の戦闘跡だからな。まあ、俺もここ迄なるとは思わなかったがな。それで?二人はどうなんだ?」

 

「ああ、ティアマットとの修行で基礎は出来てたからな、俺は応用と細かい力の使い方を教えた感じだな。まだまだこの二人は強くなるぜ?」

 

楽しそうに話すガーヴ。

 

「ここで話すのも落ち着かないしそろそろ他のメンバーも戻って来る頃だからシャワーと着替え済ませてリビングに集合して報告会するか。タンニーンとティアマットはどうする?」

 

「私は領地に戻るとしよう、留守にしすぎたからな。」

 

「私も依頼がありますのでここで戻らせてもらいますわ。」

 

ミルさんとメフィはそう言うと身なりを整えはじめる。

 

「ミルさんにメフィ、協力ありがとね。」

 

私は二人にお礼を言う。

 

「ああ、久々に暴れられてなかなか楽しい時間だったぞ。ではパーティーでまた会おう。」

 

「おじさまに同感ですわね。私はパーティーには参加しないけどまた再会する時を楽しみにしてるわ。」

 

そう言って二人は帰っていった。

 

その後私達も部屋に戻り少し休憩してからリビングに集合することにした。

 

 

 

再会したみんなは見てわかるくらい強くなっていた。纏う雰囲気が洗練されている。

 

「さて、積もる話もあるだろうが夜にはパーティーもあるからな、早速報告会を始めよう。まずはリアスからだな。」

 

アザゼルの言葉でそれぞれ修行で身につけた力と経験を報告していった。

 

 

 

みんなの報告が終わり目を閉じて聞いていたアザゼルが満足したように頷き目を開ける。

 

「まあ、里奈とヴァーリの成長速度も大概だがリアス達も予想を上回る成長速度だな。」

 

アザゼルが驚きとも呆れともとれるような顔をしながら感想をみんなに言う。

 

ぶっちゃけ私も同意見ではある。リアスは基礎トレーニングにレーティングゲームの戦術の勉強が出された課題だったはずだがそれをこなしつつ新たな技の開発に体術の会得までしていたらしい。前世の記憶と経験を活かしたかったと以前から考えていたらしく合間合間に感を取り戻すために修行したらしい。

流石に以前のようにはいかないが素の私と同じ位動けるようになったみたいね。ただ体力が追いつかないらしく基本的には今迄と変わらず後衛寄りで戦術を立てていく予定みたい。

それでもいざという時に少しでも前衛の代わりが出来るというのは戦術的にも幅が増えるので嬉しいかぎりではある。

 

朱乃はバラキエルさんと和解して雷光の強化と堕天使の血の活性化をメインに修行していた。その甲斐あってか雷光の威力アップに加えて堕天使の羽の枚数が4枚に増えて堕天使としての力も扱える様になってきたみたいだしそれと付随するように新しい技も開発できたみたい。魔法も前世で使っていたものもほぼ使えるようになったみたいなので更に頼もしい後衛になったと言える。

 

小猫も私の助言で仙術のバリエーションが増えたらしく大分使い方も分かってきたみたいで元々の体術に絡めた戦い方も出来るようになってるみたいね。

それに小猫も前世での魔法や戦い方も取り入れてるみたいで色々多彩な活躍が期待出来そう。

 

アーシアは基礎トレーニングと聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)の能力強化がメインだったんだけど回復のオーラを離れた所にも飛ばせるようになったみたいで単純にそれだけで戦術の幅が広がるわね〜。回復魔法は近づかないと使えないのでこの成果は大きいわね。

 

ギャスパーは流石にこの短期間じゃ対人恐怖症の克服は無理よね〜・・・とはいえ前世の記憶が戻った影響もあるんだろうけど予想していたよりは良くなった感じはするかな?それに魔法とヴァンパイアの力もかなり使えるようになってきたみたいだしヴァンパイアの能力を考えれば色々トリッキーな戦術も組めるようにもなるでしょうし。

 

最後は裕斗なんだけど〜・・・一番成長してるんじゃないかしら?剣技は師匠がいたらしく一から鍛え直して更に洗練されてたってアザゼルが言っていたし魔法も魔力量が少ないから効率的に使えるように修行して前世と同じ様に魔法を絡めた戦闘も出来るみたいだし。

まあそれだけなら修行して頑張った!で済むと思うんだけど、裕斗は更に上を目指したみたいで聖剣の因子を取り込んで扱えるようにしたらしく聖剣創造(ブレード・ブラックスミス)も使える様になったらしい・・・それだけでも十分凄いんだけど聖剣創造(ブレード・ブラックスミス)禁手化(バランスブレイカー)も視野にいれてるらしく修行で極限まで追い込んだ時に一時的にとはいえ至りかけたらしい。とはいえ未だにイメージが固まって無いみたいで現状は聖剣の威力強化みたいな使い方しか出来ないみたいだけど。先の事を考えれば裕斗が一番実りのある修行だったんじゃないだろ〜か?

末恐ろしくもあり心強い仲間である。

 

などとみんなの成長に驚いているとアザゼルがとある提案をしてきた。

 

内容は────

 

「前から考えてたんだが、ヴァーリをリアスの眷属に入れたいと考えてるんだがどうだ?」

 

アザゼルの言葉に驚いた。




全体的に強化されました。パーティーあたりからオリジナル要素が絡んできます。2~3話先くらいになるかと思いますが。


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いざパーティ会場へ

そろそろ色々な伏線が出てきます。


 

 

ガウリイをリアスの眷属にというアザゼルの提案を聞き全員が驚いている。

 

まあ、一緒に行動してるしこれからの事を考えると分からなくはないんだけど・・・。

 

「またサーゼクスとアジュカにでも頼んで裏技使って眷属にさせるの?」

 

アザゼルは私の言葉に少し考え

 

「そうなるな。合宿でリアスの力がかなり伸びたとはいえヴァーリをそのまま眷属に出来るかというと無理だろうからな、里奈の時と同じ手を使う事になるだろうな。」

 

アザゼルの言いたい事はわかるんだけど〜

 

「それやったらまた問題になるんじゃない?私の時も悪魔の上層部で少し問題になってサーゼクスが無理矢理説き伏せたって聞いたわよ?その上でガウリイまでリアスの眷属になったら逆に目立って動きにくくならない?」

 

「それは考えたんだが、これからの事を考えるとヴァーリはお前達と行動を共にするのにリアスの眷属になったほうが自然なんだよ。和平が出来たとはいえ堕天使側の奴が常に一緒というのも不審がられる可能性は出て来るからな。」

 

「それなら良い案がありますよ。」

 

と、言いながら部屋に入ってきたのはサーゼクスと姉ちゃん───グレイフィアだった。

 

サーゼクスが続けて言う。

 

「里奈さんに上級者悪魔になってもらってガウリイさんを里奈さんの眷属になってもらう。」

 

なる程〜。とはいえ

 

「それこそ悪魔の上層部が黙ってないと思うんだけど?まだ転生して1年もたってないしこの間の会合でやらかしてるし。」

 

「実は里奈さんが今言ったやらかしのおかげで昇格の話に持っていったんです。」

 

「どゆこと?!」

 

「簡単に言うと冷遇するより待遇良くしてうまく使おうといった感じに話を纏めたんですよ。それで順番で言うと中級から上級なんですが実力とコカビエルの件に会談の件の功績を考慮して特別に飛び級で上級悪魔に昇格させようと今話してるところなんですよ。」

 

そんなことで使われてやる気なてんさらさらないけど現状考えるとガウリイの眷属の話も解決するし今後の事考えると悪い手ではないわね。

 

「なんかタイミングがこっちに都合良すぎない?」

 

「ははは、そうですね。ですがこの件については里奈さんが悪魔に転生したときから考えていましたしアザゼルからもガウリイさんについて相談があったのでこちらとしても都合が良かったので早急に話を進めたんですよ。とはいっても今すぐ昇格は無理なので早くても夏休みが終わって少したってからになると思います。シトリーとのゲーム内容も加味される事にもなると思います。」

 

なる程ね。まあアザゼルの案でも良いとは思うけど無理なくガウリイを悪魔側に入れるならサーゼクスの案の方が反感出にくいわね。確かにサーゼクスの言っているような事も考えてなかった訳じゃないしね〜。

 

「なら変わりにゼノヴィアをそっちの眷属にどうだ?」

 

そう言いながら部屋に入ってきたのはコカビエルとゼノヴィアだった。

 

「コカビエルにゼノヴィア!?」

 

「俺とアザゼルは容易に動くことはできないし、かといってお前等としては戦力は多いにこしたことはないだろ?ゼノヴィアもお前等と同じ学園に通う事になるんだし一緒に行動するなら都合がいいんじやないか?」

 

なるほろ。コカビエルが言っていることも一理あるわね。

 

「ゼノヴィアはそれでいいの?」

 

私の問にゼノヴィアは答える。

 

「ああ、問題無い。むしろこっちとしても動きやすくなるし連携も取りやすくなるから都合がいい。」

 

「んで、リアスはそれでいいの?」

 

「そうね。デュランダル使いのゼノヴィアが仲間になったほうが周りも受け入れやすいでしょうし当然仲間になってくれるなら歓迎するわ。」

 

「じゃあ決まりだな。」

 

アザゼルが言いゼノヴィアはリアスの眷属になった。

 

儀式が終わってからガウリイが

 

「里奈が上級悪魔になって俺が眷属になるのはいいが他に眷属は入れないのか?」

 

と私に聞いてくる。確かに二人だけってのも寂しいし話が出た時に数人思い浮かんではいるけど勧誘してみないとなんともね〜。

 

「候補は何人かいるけど仲間になってくれるかしら?とはいえ私が昇格してから本格的に考えるわ。ソーナ達とのゲームもあるしね。」

 

「それもそうだな。里奈が昇格してからでいいか。」

 

ガウリイが納得してそろそろパーティーの準備をしないといけないというのもあって私達は一回解散することにした。

 

 

 

 

あれから各々の部屋に戻りパーティーに行く準備をしてロビーに集合した。

 

ちなみにガウリイはアザゼルのお供なので先に行っているらしい。

 

まあ、顔合わせという名の飲み会状態らしい。

 

「里奈似合ってるじゃない。」

 

最初に声を掛けてきたのはリアス。真紅のドレスを纏っていて様になっている、流石本物のお姫様だけあるわね。

 

「リアスも似合ってるわよ。本物のお姫様だけあるわね〜。」

 

ちなみに私も黒に赤の刺繍がされたドレスを着ている。グレモリーでオーダーメイドしただけあって生地から着心地まで最高である。

 

とはいえ私はドレスなんて着慣れてないので落ち着かない。

 

「ソーナも似合ってるわ。シックな感じで私としてはそっちのデザインの方が落ち着くかしら。」

 

ソーナもリアスと一緒にいたので褒める。ソーナはクールなイメージだからこういうドレスはホント似合ってるわ。

 

「ありがとう里奈さん。里奈さんもイメージにピッタリで似合ってるわよ。」

 

「あはは〜、豪華過ぎて正直落ち着かないってのが本音よね〜。」

 

本当にどこの貴族だってくらい豪華なのだ。普段動きやすい服装をしてるだけに服に着られているイメージが先に出てしまうのだ。

 

「お姉さま方すごく似合ってます!!」

 

「先輩素敵です。」

 

「あら、アーシアに小猫も似合ってて可愛いわよ。というかギャスパーもドレスなのね・・・似合ってるけど。」

 

リアス達と話していると皆も集まってくる。

 

「裕斗は何着ても上手く着こなすわね〜。会場に行ったらモテて大変そうね。」

 

「あはは。みんなも綺麗だから大変だと思うけどね。」

 

「うふふ、そうなったら裕斗君に助けてもらおうかしら?」

 

おお、朱乃もドレスだけどタイトな感じで普段と印象変わるけど似合うわね。

 

「朱乃はそういうのも似合うわね〜。」

 

「和服も考えたんですけどパーティーですからドレスもいいかと思いまして。褒めていただいて光栄ですわ、里奈さんも似合ってますわ。」

 

全員揃ったかしら?と思っていると

 

「おお、兵藤か?化けたな〜。見違えたぜ。」

 

驚いた表情で匙が私を見ている。

 

「あんまりこういう服装は好きじゃ無いんだけどね〜。ま、たまにはね。匙もキマってるじゃない。」

 

「あはは、褒めてもらえるのは嬉しいが俺もこういう服装は柄じゃないな。」

 

匙も私と同じみたいね。まあ、視線はソーナに固定されてるけど・・・わっかりやすいわね〜。

 

「ティアマット様とタンニーン様とその眷属の皆様が来られました。」

 

各々話をしているとグレモリー家のメイドからそんな声を掛けられる。

 

メイドに庭にいると聞いて私達は庭に向かった。

 

「どうしたのよ?」

 

私が声を掛けるとタンニーンが

 

「なに、同じパーティー会場に行くから途中迄乗せていってやろうと思ってな。」

 

それに私はジト目で

 

「全員正装してるんだけど?」

 

と言うとティアマットが

 

「分かってますわ。なので風の結界で覆って乱れないようにしますわよ。」

 

で、気づいた。タンニーンとティアマットは今はミルさんとメフィになっていると。という事は何か内密に話があるってことか・・・めんどうな。

 

「じゃあ、お言葉に甘えましょうか。」

 

私の言葉でみんな分かれて会場へ乗って行くことになった。

 

 

 

「で、何か話があるんでしょ?」

 

飛び立ってから暫くしてメフィに声を掛けた。

 

ちなみにメフィには私しか乗っていない。

 

「流石に里奈には分かりますよね。」

 

「そりゃそうでしょ、約束も無しにいきなりやって来て乗せてってやるなんて。それに口調もあったしね。そんで話ってのは?」

 

「まだはっきり言うには確証がないのだけど旧ルシファー領で赤龍帝のオーラを短時間だけど感じたのよ。」

 

「は?私そんな所行ってないわよ?!」

 

「わかってるわ。感じたのは赤龍帝だけ(・・・・・)のオーラだったのよ。」

 

・・・それはおかしい。現状私のオーラは赤龍帝のものが濃く出るが私とあいつ(・・・)のオーラも混ざっている。となると・・・。

 

「何かの動きがあると考えた方がいいわね。」

 

「おそらくね。ただオーラだけだからどんなことをやってくるか予測出来ないのよ。」

 

()が考えるんだから禄な事にはならないでしょうね。それにしても赤龍帝のオーラか〜。ドライグに子供が?とか。」

 

『そんなのはいない。仮に子供がいても全く同じという事はあるまい。似ているとしてもティアマットが間違える事はないだろう。』

 

「そうね、親族といっても似てはいても同じという事はないわ。」

 

ということはクローンとかコピーか。とはいえ同質の力があってもそれで私達に勝てる程甘くは考えてはないはず。う~ん斜め上の事態過ぎて思いつかないわね。

 

「そうなると後手に回る事になるけどいくつか想定して相手の動きを待つしか無いか~。」

 

「そうですわね。そろそろ着くわ、とりあえずおじさまとも協力してこっちでも調べるつもりだから何か分かったら連絡するわ。」

 

「ええ。こっちもアザゼルとサーゼクスには話して調べてもらう事にするわ。。」

 

「では、またあとで会いましょう。」

 

メフィはそう言って近くのスタジアムみたいな所へ降りる。みんなも合流してスタジアムからは車で向かった。




次回までは概ね本編通りかな?


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パーティー会場にて①

このあたりは原作に近いかな?


 

パーティー会場に着いて私が最初にしたのはアザゼルとサーゼクスに会う事だった。

 

だったんだけど〜・・・

 

「この飲んだくれ共がぁぁぁぁぁ!」

 

アザゼル達を見つけて開口一番私が発したのはこの言葉だった。

 

話には聞いていたが想像を超えていた。こいつら本当に悪魔と堕天使のトップなのか?始まって直ぐなのに既に出来上がっていた。

 

「お〜、里奈じゃないか。どうしたんだ?そんな怒っていると折角のドレス姿も台無したぞ〜。」

 

こいつは〜!!

 

「り、里奈待て!ここで魔法を撃つんじゃない!」

 

魔法の詠唱をガウリイが止めに入る。

 

「まさかガウリイ迄飲んでないでしょうね?」

 

「今日は護衛兼ねてるから飲んでない。」

 

ならいいか。ガウリイは飲んで酔っても分からないのよね。そのくせ飲み過ぎると記憶無くすし。パッと見判断つかないのよね〜。

 

「はぁ〜。アザゼルにサーゼクス、ちょっと話があるんだけどいいかしら?」

 

素に戻って話しかけると流石に察したらしく表情を引き締める。

 

「何かあったのか?」

 

聞いてきたアザゼルにメフィから聞いた話と私の考えも一緒に伝える。

 

「里奈とは違う赤龍帝のオーラか・・・。またやっかいな事になりそうだな。もし冥王と()の意識と知識が共有できてるのなら楽観できる話じゃないな。」

 

「奴って、リゼヴィム・リヴァン・ルシファー?」

 

「ああそうだ。奴は初代ルシファーの息子でヴァーリの祖父だ。数千年隠居してはいるが本質は世間一般の悪魔を体現したような存在で自分の快楽の為なら他はどうでもいいというやつだ。しかも超越者の1人でかなり強い。頭も切れるから共有しているのならこれ程厄介な事は無い。」

 

苦虫を噛み潰したような表情でアザゼルは言う。

 

「それを抜きにしても里奈さんとは違う赤龍帝のオーラが確認されたというのは気になるね。そちらは我々の方でも他に感知した者がいないかの確認と調査をさせよう。」

 

サーゼクスも私の話を重く受け取ったらしく深刻な顔をしつつ部下に命令している。

 

「とりあえずこの件はこっちでも調査はする。とはいえ今日はパーティーだからな、ヴァーリと少し楽しんでこい。ここなら警備も充分だからヴァーリが少しくらい離れても大丈夫だ。珍しく綺麗に着飾ってるんだ普段大変な分たまには羽目を外しても文句はあるまい。今更だがドレス似合ってるぜ。」

 

ま、確かにこれ以上考えても答えは出ないでしょうしたまには楽しむのもいいわね。そうと決まれば・・・

 

「じゃあガウリイ、行きましょうか。」

 

「おお。じゃあアザゼルちょっと行ってくるぜ。ああそれと里奈、ドレス似合ってるぜ。」

 

「っ、ありがと。ガウリイもカッコいいわよ。」

 

ガウリイの突然の褒め言葉に私はそれしか返すことが出来なかった。さらっと言うとら相変わらず天然なのか考えてなのかわかりにくい!赤くなった顔がバレないように私とガウリイは会場に移動する事にした。

 

 

 

暫くガウリイと料理を楽しみガウリイはアザゼルの所へ戻ったので私はアーシア達のいる所で少し休憩することにした。

 

「みんな楽しんでる?」

 

「料理はおいしいですが雰囲気には慣れません~。」

 

確かに最近まで教会だったしアーシアには厳しいかしら。

 

「あと色んな男の人が話しかけてくるので大変でした~。」

 

あ~アーシアもそうだけどみんな可愛かったり綺麗だもんね~。

 

「まあみんな私が追い返したがな。」

 

ゼノヴィアが追い払ったのね、納得。

 

「ゼノヴィア先輩がほぼ睨みつけるだけで逃げて行きました。数回繰り返したら知り合い以外は寄って来なくなりました。」

 

ああ~

 

「ゼノヴィア魔力少し漏れてたわよ?そのせいもあるんじゃない?」

 

「っ!そうだったのか。まだまだ修行が足りないな。」

 

「まあまあ、それで寄って来なくなったからいいじゃない。それに気にしてないと分からない位だし相手も分かってないでしょ。実力の低い奴には分からないわ。」

 

「それでも里奈には分かるんだな。」

 

「一応大丈夫だと思うけど警戒は解いてないからね~。・・・なるほど、そう来るんだ。」

 

「どうかしたんですか?お姉さま。」

 

「ちょっと小猫私に付き合ってくれる?」

 

「・・・!わかりました。」

 

小猫も気付いたわね。

 

そうして私は小猫を連れてその場を離れた。

 

 

 

「呼び出すより先に気付かれるとはおもわなかったにゃ。」

 

「黒歌姉様・・・。」

 

今私達がいるのは会場のホテルから少し離れた林のなかにいる。

 

で、今目の前にいるのは以前捕獲に失敗した小猫の姉さん・黒歌である。

 

「転移でほんの少し空間が歪んだからね~。とはいえ仙術に触れてないと気付かない程度で他の皆は気づいてないでしょうけどね。」

 

「さすが里奈にゃ~、永遠のライバルだけあるにゃ!」

 

ザワザワと背筋に嫌な感覚が走る。

 

「ちょっとまてぇぇぇぇ!!永遠のライバルって何よ!すっごい嫌な台詞なんだけど!」

 

「にゃ~っはっはっはっはっは!私の前世がそう囁くのにゃ!」

 

前世!!まさか!!

 

火炎球(ファイアー・ボール)火炎球(ファイアー・ボール)火炎球(ファイアー・ボール)火炎球(ファイアー・ボール)!!」

 

「にゃああああああ!!いきなりなにするにゃ!」

 

私の突然の魔法に驚きながらも仙術でかき消して行く。

 

「っち!殺りそこねたか!」

 

「問答無用で殺そうとするなんてひどい奴だにゃ。まあ記憶を見れば里奈の行動もわからないでもないけどにゃ〜。」

 

「先輩どういうことですか?」

 

「こいつが最後の転生者で1番会いたくなかった奴ってことよ。今の反応だと引き継いだのは記憶がメインで性格は引き継いでないみたいだけど。で?何しに来たのかしら?」

 

少し落ち着いたので黒歌に問いかける。

 

「偵察に来たら白音がいたからついでに連れ戻しに来たにゃ。」

 

「今迄会いにすら来ないで今更連れ戻すとか随分勝手な事言うじゃない。」

 

「こっちにも事情があったにゃ。それに最近は特に迂闊に勝手な行動は出来なくなったしにゃ。」

 

「なる程〜、それで組織(・・)の命令で偵察に来たら小猫がいたから連れていこうと考えたって訳ね。」

 

「そういう事にゃ。さあ大人しく白音を渡すにゃ。」

 

そう言い魔力を開放して軽く構える。

 

「言うこと聞かなかったら力づくでもってところかしら?烈閃槍(エルメキア・ランス)!」

 

言いつつ私は明後日(・・・)の方向へコッソリ唱えていた魔力を放つ。

 

バシュッ

 

という音と共に魔力が掻き消される。

 

「バレてるとはねぃ。」

 

言いながら魔法の飛んで行った方向から中華風の鎧を着た男が現れる。

 

「最初から知ってたわよ?気配を察知するのは得意なのよ。」

 

「ひゅ〜、やるねぃ。仙術使ってたのにバレてたとはねぃ。とはいえ俺っち達を同時に相手して勝てると思うのかい?」

 

「そんな訳ないじゃない。」

 

「それなら素直にそこの子を渡してもらおうかねぃ。」

 

そういう意味合いで言ったわけじゃないんだけどな〜。気付いてないのね。

 

と思ってると空から複数の魔法が飛んでくる。

 

ドドドドドドドドド!!

 

男の立っていた所に魔法が降り注ぎ辺りを土煙が覆う。

 

「危ねぇ!」

 

「よく避けましたわね、なんて避けれるように撃っだのですけど。」

 

上を見るとさっきの男とメフィが対峙していた。

 

「なっ!?ティアマットだと!龍王の一角が悪魔に助っ人とかおかしいだろ!」

 

「あら、知り合いが大変なら手を貸すのはどの種族でも変わらないですわよ?なのであなたの相手は私が・・・と言いたいところですけどおじさまに譲りますわ。」

 

言ったと同時にメフィの隣にもう一人並ぶ。

 

ミルさんである。

 

「ほう、孫悟空の子孫か。末の息子が好き勝手遊び歩いてるとは聞いていたがまさかテロ組織に加担しているとはな。」

 

「美猴だ。俺は初代と違って自由気儘に生きるんだぜぃ。元龍王が相手なら不足は無い。どんだけつええか試してやるぜ!如意棒!!」

 

美猴はミルさんに如意棒を伸ばしながら突撃していく。ミルさんも躱しながら攻撃をしている。

 

「さて、向こうも始まったしこっちもやる?黒歌。」

 

「白音が大人しくついてくるなら戦う必要は無いにゃん。」

 

「どうする?小猫。」

 

「私は・・・塔城小猫です。リアス・グレモリー様の眷属で戦車(ルーク)です。なので黒歌姉さまと一緒に行くことはできません。」

 

「よく言ったわ小猫。それじゃあ何時までも黒歌に守ってもらわないといけない弱いままじゃないって証明しないとね。だから小猫、あなたがまず戦いなさい。サポートはするし危なくなったら変わってあげるから思いっきり今の実力と気持ちを見せてあげなさい。」

 

「わかりました先輩。かなわないかもですが思いっきり力も気持ちもぶつけてきます。」

 

小猫が言い動き出そうとした時、突然辺りを強力な結界が覆いつくした。




黒歌も前世持ちです!明記してませんがあの方です。

もうちょっとそれっぽくしようとも考えて挑戦したんですがストーリーが進まなくなるわ混乱撒き散らす事になるわでやめました。

まあ所々出そうとは考えてます。

「永遠のライバル」「にゃ~っはっはっはっはっは!」の台詞が今出せる精一杯です。

笑い方が某物語に出てくる猫に似てますが気にしないっ!


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