暇つぶしに行くD×D世界で祖龍がBalance Break!! (ぬくぬく布団)
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~登場人物紹介~第1弾
主要登場人物設定(※説明必要な者達+※ネタバレ設定有り)2020/04/27更新


タイトル通りネタバレ設定が含まれております。

「駄目!」って人はブラウザバックをしましょう。

「それでも良いんだ!」という人はゆっくりと見ていってね。



紹介の始まりです~




物語の主人公

 

ミラルーツ

 

ハイスクールD✕Dの世界で白野美羅(はくのみら)として生活。駒王学園の二大美女では無く三大美女の一人として祭り上げられる。学校では猫を被りお姉さん風だが、一人だけのプライベートだと明るく楽しむタイプで、ボンッキュッボンの誰もが羨む体型だが胸は大きすぎず小さすぎずの黄金比であり白髪の輝かしい髪は目を引く程である。基本家でのんびりしておりダボTシャツを着ていたのだが、兵藤家と統合したことによりダボTシャツは着ず少し緩めの服を着るようにしている。女王様の如く黒と紅を使いっ走りにしており拒否した場合は物理で言う事を聞かせる様になった。最近ではD×D世界へと流れ込んだグランミラオス(人化状態)を抱きしめて癒やしを求めている

 

趣味:料理

 

好きなこと:和みや癒やしを求めること

 

嫌いなこと:自分の平和を崩す者 大切な者を壊そうとする者

 

 

《特殊能力一覧》

 

肉質変化:読んで字の如く。一度攻撃を受けると自身の意思で耐性を付けたりすることが出来き尚且つ耐性を無くす事も出来る。

(例)→戦闘中に斬られて斬撃耐性を付け、戦闘終了後に斬撃耐性を無くす。

 

 

 

ミラボレアス

 

ハイスクールD✕Dの世界で白野黒(はくのくろ)として生活しており、美羅とは従兄弟で紅とは双子という設定であり何気に紅とは腐れで学園の問題児――――――。変態三人組に初日から混ざり合い進化。変態四人組となった今はさらに厄介さに拍車を掛けており美羅の苛立ちが増える要因のひとつでもある。黒髪でキリッとしたした目を持っておりイケメンであるが美羅の下僕兼使いっ走り一号で一番良くサンドバッグとなっている(今の所)

 

趣味:黒歌と所かまわずイチャイチャする

 

好きなこと:黒歌と一緒に行動

 

嫌いなこと:己の行動を邪魔する輩

 

 

《特殊能力一覧》

 

肉質変化:読んで字の如く。しかし美羅よりも性能は格段に低く、主に打撃系の耐性しか付かない。

被虐体質:本人は否定しているものの、美羅のサンドバッグによって肉質変化の性能が上がって行く。

龍化:龍になります。そのまんま。

 

 

 

ミラバルカン

 

ハイスクールD✕Dの世界で白野紅(はくのこう)として生活しており美羅とは従兄弟で黒とは双子という設定であり何気に黒とは腐れ縁、学園のイケメンであるが、口数が少なく友達が殆ど居ない。美羅の下僕兼使いっ走り二号で今現在アーシアの事が気に入っており、アーシア見守り隊親衛隊隊長という謎の組織を立ち上げ長として布教中・・・・・だが会員は未だ二桁にも入っていない

 

趣味:アーシアちゃん偉大さを布教

 

好きなこと:観察(特にアーシア)←ストーカーじゃね?(作者視点)

 

嫌いなこと:他人を馬鹿にする奴

 

 

《特殊能力一覧》

 

肉質変化:読んで字の如く。しかし美羅よりも性能は格段に低く、主に打撃系の耐性しか付かない。

憤怒:怒りにより力が増大するがコントロールが難しく良く暴走する。その時は美羅が物理で沈黙させる。

龍化:龍になります。そのまんま。

 

 

 

グランミラオス

 

うざったい屑転生者から避けるため海の中を移動中に謎の虹色空間へと到着。のんびりまったりとウロウロしているとハイスクールD✕Dの世界へぽーんと出現。その後は、美羅と一緒の家に住む事になった。最早美羅専用のマスコットと癒やしを兼ね備えたハイブリットスーパーアロマ。白野(はくの)ねるという名付けられ生活し始める

 

趣味:寝る

 

好きなこと:のんびり

 

嫌いなこと:特になし

 

 

《特殊能力一覧》

 

肉質変化:柔らかく、硬くと両立した最強の組み合わせ(美羅にとっての抱き心地が基準)

龍化:龍になります。読んで字の如く

 

 

 

アルバトリオン

 

美羅を追う為、後任のミラルーツをボコり強制的にこのD×D世界へとやって来た。現在は白野雌煌(はくのしこう)と命名された。いずれは美羅を超えて至高の存在となるという目標からその部分を取って付けた名前で、男口調な為に雌という名前を入れられたのである。体格は美羅と同等かちょっと高い背丈、ほぼ黒に近い紫色のグラデーションが掛かった髪色で胸は美羅より少し大きい位 

 

趣味:戦い

 

好きなこと:戦い

 

嫌いなこと:卑怯な戦法

 

 

《特殊能力一覧》

 

肉質変化:硬くなりその逆鱗を破壊して攻撃を与えようにも無理、鱗までもこの特性を持っているので五大龍王の攻撃なんてナニソレ美味しいのレベル

属性操作:火、水、電気、氷、龍の五つの属性を扱う事が出来、それを攻撃に置き換え操作する

龍化:龍になります。読んで字の如く

 

 

 

 

兵藤一誠(ひょうどういっせい)

 

近代の赤龍帝でありあるきっかけにより赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を顕現させる。美羅には頭上がらず最近になって美羅が自分の家の隣に住んでいる事に気が付き「誰にも言うな」と物理的に脅されている。後は基本的にアニメと同じ設定

 

※追加設定

 

赤龍刀波斬(ドラグレーザー) →ドラゴンショットだが腕を振る方向によって軌道が変化する。波と刀を合わせてこんな感じに命名したろう(黒歴史ノート行きの設定だわ)Drag wavsword laser

某社長製の鋼鉄の鎧に搭載されているレーザーをイメージとしている。切れ味抜群だが魔力を持たない生物にしか効果無し(最早モンハンワールドでしか使えない技)しかし込める魔力量により威力増加ができるものの切断性も悪くなる

 

爆発の衝撃飛翔(インプロージョンフラッグ) Implosion Flag

赤龍帝の籠手(ブーステッドギア)が特異変化した形態である。普通の状態よりも厚く大きくなっており、その内部では貯蔵した魔力を爆発させ推進力を得て威力を増加させる。簡単に言えばバーニア付きの籠手である。加速力が優れている為クイックブーストみたいに使えるが慣れていないのでそれは後々に期待する事になる

 

爆発の衝撃飛翔(インプロージョンフラッグ)臨界突破(バニシングブースター) Implosion Flag Banishing Booster

 

赤龍帝の籠手(ブーステッドギア)が特異変化した形態から更に進化した状態となっており、禁手化(バランスブレイカー)をした際に背中から肩付近にあった魔力の噴射口が出現した。これにより更なる推進力を得た為直線的な加速が大幅に上昇、空を飛ぶ事も出来る為行動範囲が更に広くなった。原作の 禁手化(バランスブレイカー)赤龍帝の鎧(ブーステッドギアスケイルメイル)(※完全覚醒前)よりも防御力が無いものの速さに関しては同等より少し上で、それもこれも美羅によるワクワクサバイバル(一誠にとっては地獄)による賜物である

 

雷狼の戦鎧(ドンナーウルフ・バトルアーマー) Donner Wolf Battle Armor

上記の爆発の衝撃飛翔臨界突破から更に進化した姿。籠手は両手に装備され装甲の厚さ等は変らずだが足は膝下からずんぐりとした竜の様な足の太さになり見ただけでアンバランスな大きさ。背面は甲殻の様に膨らみを帯びる様に覆われ二本の赤毛が肩から腰の部分まで伸び、魔力を流す事で赤い雷を迸らせる。各部に爆発的に大きく変化した赤雷を供給する事で破壊力、加速力を生み出す事で重く素早くとヒットアンドアウェイの理想型である。因みに魔力を使っての強化なので赤龍帝の籠手との倍化とは違う強化扱いなのでこれに倍化を掛ける事で驚異的なステータス上昇となる

しかし倍化との併用使用後の反動はそれ相応の代物なので使い所を誤れば戦力にならなくなってしまう。これはあくまでも最終手段であって容易に使える物では無い

 

 

 

物語を作る上で鍵になる人物

 

東条転堂(とうじょうてんどう)

 

俗に言う転生者、神滅具(ロンギヌス)である第二の赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を宿す。前世でハイスクールD✕Dの世界に行くことを願い特典の一つとして赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を要求した。しかし、その世界に居る兵藤一誠にも赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)が宿っており今も尚混乱中である

 

転生特典:赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)

     成長速度アップ

     王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)

     限界突破

     武器創造

 

趣味:偽の正義面をすること(一誠が隠れていた場所を報告し、信用度を上げてからエロいことをする最低な奴である。)

 

好きなこと:エロいことをする

 

嫌いなこと:自分の思い通りにならない展開

 

 

 

神様もどき

 

色々な世界に転生者と呼ばれる者達を放出、そして自分も楽しくのんびりと異世界でスローライフ生活。今も尚ぐーたらな生活をしており、ミラルーツが自身を殺そうとしている事に気が付いていないお馬鹿で典型的なニート生活を送っている

 

趣味:ゲーム全般

 

好きなこと:ネット世界で有名になる

 

嫌いなこと:働くこと

 

 

 

 

森好輝(もりこうき)

 

美羅に加護を与えられたせいでモンスター達と意思疎通が出来るようになってしまった不幸な人。何かあったら駆り出され安全に解決出来そうならば話し合って解決、そうで無ければ討伐を行っている。モンスターハンターの世界では誰もが知るハンター、ある意味最強のハンターとしての称号『平穏を求める提唱者』という痛い看板を背負い馬車馬の如く働いている。モンスターから懐かれたりもしており最重要人物+危険人物とも位置づけされている

 




今投稿してある3話までの大きな登場人物でございます。

これからも増えていく予定ですが、その場合には「登場人物紹介2」みたいなタイトルで追加していく予定です。

物語が進むにつれて現登場人物設定に説明補足を加えていく予定です。
その際には活動報告やあらすじ等に項目を追加させて頂きます。

逃亡をせずに書き続けていきたいと思うのでよろしくお願いいたします。




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新しい転生者達の人物紹介と設定 2019/11/27更新

▽△▽△▽△▽△WARNING!▽△▽△▽△▽△



ネタバレ含んでおります。
読まれる際にはご注意下さい









転生者達の紹介

 

 

夜刀志木(やとうしき)

 

典型的な型月ファンと自称。そして、にわか知識である。最強と思い込んでいる特典を利用してD×D世界の頂点へと上り詰める野望を持っており、同じ転生者の転堂と一緒に行動する。因みに転堂はエロい事をしたいだけなので二人の衝突は無い模様

 

 転生特典:直死の魔眼

      完全記憶(情報系が対象)

      武の達人(最上級悪魔級)

      

 趣味:猫と戯れる

 

 好きなこと:異形種を斬殺する

 

 嫌いなこと:猫を大切にしない奴

 

 

 

 

矢倉蒼介(やぐらそうすけ)

 

転生前はネット小説を沢山読み、もし自分がそうなれば楽して強くなりたいと言う考えを持っておりいざ本当の事と最初は落ち込んだ。理由は死因が原因だった。テンプレ転生は車に轢かれる、神様の手違い、誰かに殺される、となるが・・・・・蒼介は馬鹿な理由だった。それは、足の小指をタンスにぶつけ屈んだ際に僅かに出ていた引き出しの角に頭をぶつけて死亡してしまったからだ。転生後は特典の恩恵により事故率が下がり自由にしている。

 

 転生特典:吸収(自分の力が及ぶ程度※強力すぎると無理)

      並列思考(加速可能)

      瞬間移動(目に見える範囲)

      遠見

 

 趣味:吸収した物を操って暇な時間を潰す

 

 好きなこと:のんびりまったりする

 

 嫌いなこと:忙しなく動く

 

 

 

 

志桐京矢(しどうきょうや)

 

剣と魔法世界に憧れを持ち続けた一人の男―――――――――寿命からの転生者で特典の数が少ないものの強力。本人は気が付いていなかったのだが他の転生者達と出会い特典の少なさに嘆くものの矢倉蒼介によるネット小説知識によりオリジナル魔法を取得。以降共に行動をしている

 

 転生特典:魔術の才能(極限)

 

 趣味:魔法作り

 

 好きなこと:強者との魔法勝負

 

 嫌いなこと:自信過剰

 

 

 

舞樹俊屋(まいきとしや)

 

泥棒によって命を奪われた姉弟の転生者で弟の方、自称神の干渉により特典はほぼ奪われてしまった悲しい一人だ。しかしながら一般生活には困らない特典だったので気にしないようにしている

 

 転生特典:黄金率B-(お金に困らない程度)

 

 趣味:家事

 

 好きなこと:買い出し

 

 嫌いなこと:自分勝手な奴ら

 

 

 

 

 

 

舞樹春(まいきはる)

 

泥棒によって命を奪われた姉弟の転生者で姉の方、自称神の干渉は無く自身が特典を選べる程の幸運の持ち主。しかし転生を完全な輪廻転生と勘違いしている。尚且つ、平和な日本だと思い込んでいた為に特典は悲しい物ばかり(本人は最高だと思っている)

 

 転生特典:体型維持(簡単に言うと太らないだけ)

      絶対防御(攻撃を完全に防げるがその分体力を持って行かれる)

 

 趣味:食べ歩き

 

 好きなこと:食べること

 

 嫌いなこと:特になし

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特級危険人物

 

リコリス

 

竜を殺したくて殺したくて堪らない狂気を孕んだ女。過去に自身の親を食い殺されたが、「弱肉強食の世界だから仕方が無いよね」と既に割り切っている。しかしながら一つだけ疑問に思うところがあったのだ。龍は人間食べるのは分かった。だけど、「人間が竜を喰うのってどうなんだろう。どんな表情するのかな?」この疑問から始まった

最初の一体目の犠牲は恐怖に満ちた目を持って逃走、これを出来ない様に足、腕、翼等の主要部分を切り裂き使えなくなった所でゆっくりゆっくりと目の前で喰らう。その竜の様子を見て嬉しさが、楽しさがこみ上げたのが最後の切っ掛けだった。後は、喰って喰って喰っての繰り返し。人間のイビルジョーとも呼ばれ、生態系を壊す一歩手前まで来た為に、複数のギルドナイト達によって殺された。余談だがこの時のギルドナイトの犠牲は二桁に上ったのだ

モンハンワールドからの転生者で、自称神(笑)曰く「見た事も無い龍が居たらどうやって倒すんだろう?面白そうだから転生させよ!」というノリだけで転生した人物。自身の邪魔をするなら、例え味方であろうとも殺すといった残虐性を持っている。転生特典は無い

 

 趣味:竜を喰らう

 

 好きなこと:竜を殺して喰らう

 

 嫌いなこと:竜を喰らう時に邪魔される事

 

 

 

 

 

 

 

 



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番外編
残りし者の宿命と後悔――


これは番外編


ミラの居なくなったモンスターハンターの世界だよ






これはミラルーツが旅立ち、モンスターハンターの世界に残った者達のちょっとしたお話である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――古塔――――――

 

「・・・なぁ」

 

「五月蠅い」

 

「何も言ってねーだろうが!」

 

古塔の一角に黒と紅の少年が話をしている。この二人は、黒龍と紅黒龍と呼ばれし古龍が人化した姿である

 

「で?一体何の用件だ。俺は休みを満喫しているんだが?」

 

ガウシカの毛皮で作った布団に籠りながら対応する少年。鋭い視線を黒髪の少年へぶつけており、ご立腹状態だった

 

「今の状態についてどう思うよ・・・」

 

「言うな・・・」

 

「俺はすっげー後悔してる」

 

「俺だって後悔してるさ」

 

何故彼らが悲壮感を漂わせているか、それは今の働きについてだ

 

「今のミラルーツさ、何かと面倒くね?」

 

「だな。『世界のバランスがー』とか『また人間達はー』って俺達をこき使うもんなぁ・・・」

 

ミラが別の世界に旅立つと同時に新しいミラルーツが世界によって形成されたのだ。しかし、今回のミラルーツは細かすぎの完璧主義者なのだ

 

「今までなら見逃しても良いような案件まで『やれ』って丸投げだぜ?自分はのんびりと周りを見てるだけなのによ」

 

「・・・文句は言えてもどうしようも出来無いさ、俺達では敵わない」

 

「・・・あいつどうしてるかなぁ」

 

「正直言うと・・・あいつと変わって欲しい」

 

今は無きミラに対して何故止めなかったと後悔ばかりしている二人だった

 

 

 

 

「「あぁ・・・のんびりしたい」」

 

 

 

 

しかし彼らの望みは叶わない

 

そしてもう一人、ミラによって大きく人生が変わった者が居る

 

 

加護を与えたハンターである

 

 

 

 

 

やぁ、俺は今修羅場に立ち会っています。え?誰か分からないって?ゴホン

 

改めまして俺の名前は森 好輝(もり こうき)転生者だ。そしてギルドから不名誉な称号もとい『平穏を求める提唱者(アドボケイター)』という痛すぎる看板を背負う羽目になった。事の発端は転生して間もない頃だ―――――――――

ある日買い物をしていると一人の少女が『一方通行』『オリ主』について聞き込みをしており、他の転生者がこの世界に居ることを把握する。そしてその少女はどれ程危険な行為をしているかが直ぐに予想出来たのだ。(あぁ、恐らくこの少女はこのまま行くと他の転生者達に殺される)そう判断した俺は少女に声を掛け自宅へと案内した。先に言っておくが俺は決してロリコンでは無い

だが、この迂闊な行動が転生後のハンターライフを楽しむ予定の運命を狂わせる事になるとは思いもしなかった。話を聞くと、少女はその転生者を殺したと言った。しかも理由は「うるさかったから」・・・とんでもない人物に声を掛け自分も殺されるのでは無いかと恐怖する中質問されたので全てを答えると怒気を発したであろう少女によって気絶してしまった・・・再び目が覚めると少女は既におらず気分が悪く体調がおかしくなっていた俺はその日寝込んだ。翌日目が覚めると体がとても軽く体調は絶好調でこれなら中級クラスのモンスターなら余裕で討伐する事が出来るとそう感じていたが狩りに出かけた俺は違和感に気付く

 

 

 

 

 

 

 

 

アプノトス達が水辺で休んでいる・・・・しかし声が聞こえるのだ。アプノトスの声が!!呆然と佇む俺に子供のアプノトスが気が付いたのか

 

『おかーさん』

 

『あらあら何かしら?』

 

『あそこに誰か居るよー』

 

『あれはハンター!?に、逃げないと殺されてしまうわ!!』

 

『え、・・・・うわー逃げろー!!』

 

一斉にアプノトス達は逃げて行くが好輝は未だに混乱中だった

 

「は?・・・え?何今の・・・・モンスターが喋った?・・・いやいやそんなはずは無い無い。取りあえず目標のリオレイアを狩ろう」

 

気持ちを切り替え奥へと進んだが、その間他のモンスター達と一切出会わず現実を否定し続けていた。それもつかの間でリオレイアが巣で自身の卵を守っており警戒をしている。精神状態が安定しない中油断していた俺は足下のモンスターの骨を踏みつけ見つかった。そしてリオレイアと目が合い咆哮するリオレイアに俺はやけくそになって叫びながら太刀で斬りかかる

 

「くっそがあああああああああ!厄日だろうがああああああああ!!」

 

『え!?』

 

驚いたのかレイアは動けず、俺は翼を切りつけた

 

『きゃああああああああ!痛いじゃない!!』

 

「 」

 

切り返しを行おうとしたがレイアの声が聞こえ俺は膝を付き倒れた。いわゆるorz状態である

 

「何で声が聞こえるんだよおおおお、嫌がらせにも程があるだろ・・・」

 

現実から目を背けたかった

 

『・・・・・貴方、ただの人間なのにどうして話せるの』

 

攻撃してこないリオレイアが俺に尋ねる

 

「ほんと知らねぇよ・・・・一体どうしたんだよ俺の耳は。腐ってんのかな?これじゃあ狩りをする事も出来ねぇじゃんか」ハハハ

 

好輝の性格は優しいのだ。情が入ってしまい喋る相手にこれ以上攻撃する事も出来無かった。そんな中リオレイアの咆哮を聞きつけたであろうリオレウスが飛んできた

 

『うおおおおおおおおおおおおおおおおお!レイア大丈夫かああああああああ!!ハンターめ、許さん!!消し炭にしてくれる!!』

 

「あぁ熱血男なレウスだなぁ」

 

と全てを諦めた様に呟くと

 

『ん?なんでハンターが我らと喋れるのだ?』

 

『さぁ?』

 

最早狩りする事が出来無い程心にダメージを受けた好輝

 

 

 

 

 

これは彼の痛い称号が付く前、モンスターとの初めての会話だった

 

 

 

 

 




あまり長くなる予定では無いのと、今後の本編に影響があるのでここで投稿します




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英雄(笑)の誕生する瞬間―――

番外編のつづきであああああああああああああある!!

途中で切ろうかなと思ったのですが、微妙な長さだったので統一、結構長くなっちゃいました(^_^;)

ではどうぞ!




俺はリオ夫婦と出会い悲壮感漂わせながらクエストを破棄する事にした。しかし、ハンターがクエスト破棄をする意味が何を指すのか理解しきれておらず、駆け出しから実力を兼ね備え周囲からの期待されていた反面、この一件のクエスト破棄で依頼が激減し

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

信用を失ったのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

稼ぎが目に見えて落ちてしまい日々の生活が苦しくなっていく中、モンスター達の声は未だに聞こえ続ける。街にいる人達は俺の認識を「期待の新人」から「クエスト破棄の臆病者」へと変えていき

 

「何で俺だけがこんな目に遭うんだよ」

 

周囲の期待が落ちていく中、新たに頭角を現し始めた新人が居る。人影に隠れながら聞き耳を立てると、転生者であることが分かった。だが、いくら情報を集めても転生者達にモンスターの声は聞こえて無さそうでこの力は何故か俺だけに宿ってしまった事になる

 

「・・・もう考えるの辞めよう」

 

こうして俺は日々の生活の為に素材ツアーに出かける事にした。そう、日々の生活が苦しので食料を求めてのクエストである・・・本来は環境調査等のクエストだが生きていく為にはこうするしか無かった。だが今回の素材ツアー先の雪山で転機が訪れることになった。それは雪山にて氷結晶やマカライト鉱石を掘り終え、薬草を採取していた時だった。採取に集中していた為周囲のガウシカ達が居なくなっており、気付くとキリンが目の前を闊歩しており呆然として見ているとキリンが視線に気が付いたのかこちらに向き目が合ってしまった

 

「くそっ!この3日間何も食べてないときにどうして出会うんだよ!!」

 

自らの不運に涙を流しながら嘆いた。俺とキリンとの距離は直ぐにでも埋まってしまう程であり、此処が自分の死に場所だと思い目を閉じた。しかし、一向に攻撃が来ないことに疑問を持った俺は目を開けると先程と同じ場所にキリンは佇んでいた。「何故?」そう疑問に思いつつキリンを体を見ていると至る所に傷を負っており恐らくハンター達と交戦、生き残ったのだろうと判断した

 

『何故攻撃してこない・・・・罠?』

 

考え込んでいると声が聞こえた。周りには誰も居ないのでキリンの声と判断した俺は声を掛けてみることにした

 

「えっと、俺の声聞こえる?そして分かる??それとついでに俺は攻撃するつもり無いから・・・」

 

『!?』

 

俺がキリンの声を聞いたことに驚いたのか取り乱していた。うん・・・すっごくほんわかする。放っておけなかったので採取した薬草を使い目の前のキリンを治療しようと考えた。討伐対象を治療すると考えるとハンターとして有り得ない行動だろう

 

 

だが後悔はしない

 

 

「はぁ・・・傷酷いだろ。治療してやるからこっち来い」

 

『・・・』

 

警戒をしながらこちらに近付き、治療が出来るぐらいの側まで来た

 

「酷い傷だから多少は痛むから我慢しろよ」

 

深い傷に回復薬を直接かけると傷は治って行く。全快したキリンは傷がしっかりと治ったかどうかを確認しているのかそこら辺を走ったり跳ねたりしていた

 

「俺ハンター辞めよう・・・こんなんじゃ無理だわ」

 

なけなしのもどり玉を使いベースキャンプに戻る。俺をじっと見つめるキリンが何か言いたげだったがこれ以上関わると碌な事にならないだろうと思ったからだ。自宅へ帰り収集したアイテムの売れる物と日常で使う者を選別し終えた後、干し肉を一枚食べ眠りについた

 

 

 

 

 

この日こそ彼の人生を大きく左右させる分岐点。理解したのは痛すぎる称号を手に入れてからの話だった

 

 

 

 

 

 

―――――――翌日―――――――

 

俺はハンターを辞めようと思い朝早くから武器を売りに出す準備をしていた

 

 

 

コンコンッ

 

 

 

「・・・俺何か悪いことしたかな?」

 

街の人達からの「クエスト破棄の臆病者」と認知された俺に用事のある人は居ないだろうと思い込んでいたおり、他のハンターの家と間違えてしまったのだろうと自己完結した

 

「はいはい、ここは『クエスト破棄の臆病者』の家ですよ~」

 

自虐の言葉を吐きつつ戸を開けると、一人の女性が立っていた

 

(外見からは17歳辺りなのに発育良すぎだろ・・・っていかんいかん。恐らくハンターだと思うが、見た事の無い装備だな・・・一体何の用件だ?)

 

「えっと、どちら様ですか?」

 

ジロジロと体のあちこちを見ていた女性はいきなり俺の腕を掴みベッドまで投げた・・・しかも片手でだ。女性はこちらへジャンプして飛びついてきた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、飛びついてきたのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の胸元に顔を押しつけてスンハスンハしており、今の状況が理解出来ず混乱していたが少しして落ち着きを取り戻す

 

「ちょ、ちょっと待て!君は一体誰だ!?俺の知り合いに女は居ないぞ!!」

 

「あ、そっかそっかこの姿じゃ分かんないよね」

 

そう言うと女の子は離れて部屋の広い場所へ立つと、光に包まれた。かなり眩しかったので目を閉じ、光が収まるのを確認してゆっくりと目を開けると目の前にキリンが居た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう一度言おう――――――――キリンが居た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は?」

 

開いた口が塞がらず呆然としており

 

『これが私、もう一回人化するから光るよー』

 

次の光は一瞬、まるで閃光玉が弾けた様に光が目に直撃する

 

「め、目が~目がぁ~」

 

某眼鏡キャラと同じ反応をしてしまったが視力は直ぐに回復、ハンターの体すげぇと改めて感じた瞬間でもあった。それから俺は人化したキリンについて色々と聞くと、キリンは助けた事で俺に惚れたそうだ・・・・・・まじかよ(゚Д゚)

そして、モンスターの中でも人化出来る者は限られているが一部例外はいるそうだ。同じ種でも力が抜きん出ている者、想像するに下位モンスターとG級モンスター的な感じだろう。古龍系は例外なく人化出来るそうで、知能とプライドはかなり高いとの事。「人間に惚れるって良いの」と聞いてみると「愛に種族の壁は無いよ!」らしい・・・それでいいのかよと思った。そして最大の疑問の『モンスターと会話出来る』事について聞くが、全く分からないそうだ。極僅かの人間は意思疎通出来るそうだが、俺のように不便無く会話出来るのは有り得ないとの事。これも惚れた理由の一部だそうだ。「迷惑過ぎる能力だなぁおい!」と突っ込むと「私迷惑な子なの?要らない子なの?」と涙目で言われてしまった。必死に説得して持ち直したが、将来結婚しようみたいな約束までしてしまった・・・やばすぎる!話を戻し『モンスターとの会話』については、古龍の上位に入る者に聞いてみないと分からないとの事だ。生前モンスターハンターは2ndGまでだったので「上位に入る古龍・・・ミラ系列だろう」と思うとため息しか出ない

兎に角モンスターの中には温厚で戦いを拒む者も居るらしいので説得すると協力はしてくれるとの事。反対に闘争を求める馬鹿も居るらしいのでそいつらは倒しても大丈夫と言われた。心優しい俺の事を知っているキリンは一緒に討伐の手伝いをしてくれると言ったが、命を絶つ事に躊躇いを覚えないように鍛えるとも言った

 

 

こうして俺の痛い称号獲得までの運命が決まったのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――二年後―――――

 

 

 

ズンッ!

 

 

 

 

ズズンッ!

 

 

 

 

雪山の頂上から激しい戦闘音が辺り一帯に響く場所には一体のモンスターと四人のハンターが戦っており、モンスターは轟竜ティガレックス、四人のハンターは大剣・双剣・狩猟笛・弓を背に持ち討伐を行っている

 

『脆弱な人間風情がああああ!!』

 

「俺も好き好んで殺している訳じゃ無い。お前は暴れすぎたんだ・・・だから死んでくれ」

 

 

ザンッ!

 

 

雪山の生態系を崩す程捕食し、暴れ回っていたティガレックスを大剣で首を切り落とす。そして俺達は狩り終えた

 

「ふぅ・・・やっぱりどんな者でも殺す事は慣れないな」

 

俺はため息を吐きながら呟いた。殺す事に躊躇いは無くなったが、俺はそれに慣れようとはしない。慣れてしまうと壊れて死んでしまうと思っているからだ。そんな事を思いつつ狩り終えたティガレックスを見つめていると

 

「さっすが私の旦那様~♪傷一つ無く狩るなんて凄~い!!」

 

後ろから抱きつく女性は人化したキリンだ

 

「リン!好輝に抱きつくんじゃ無いわよ!は~な~れ~な~さ~い!」

 

「ふふん!ナルじゃ私を引きはがすことは出来ん!!」

 

「な、なんですって!?この無駄乳女!!」

 

「貧相なお胸は好輝には似つかわしく無いよ~っだ!!」

 

キリン事リンを俺から引きはがそうとするもう一人の女性は人化したナルガクルガのナルだ。切っ掛けは樹海にて俺とリンが話している所を見て一緒に喋りたくなったそうだ・・・・・モンスター世界って結構寂しくつまらなかったそうだ。ちなみにリンを見た瞬間人化したモンスターだと気付いたらしい

俺から離れていがみ合う二人を余所に手を握ってくる少女、フルフルのシアである。キリンと同じく傷ついて死ぬ寸前だった所を助けると懐かれ、キリンが人化の要領を見せると一発で人化に成功だった。さらに人化したら少女だった事にも驚いた。名前はフルだとあまりにも安直過ぎるので生前のやっていたゲームキャラの名前を付けると大層気に入ったらしい。ちなみに俺の手を握る事が好きだと言われた

 

「討伐したからっていがみ合うなよ。クエストは帰るまで終わらないんだからな」

 

「「は~い。って!?シアが好輝の手をちゃっかりと握ってる!!」」

 

「ぶい」(・ω・)v

 

俺の腕と背中にリンとナルがくっつく

 

「だぁあああ!歩きにくいっつーの!!」

 

「「別に良いじゃん~」」

 

「まるで双子・・・」

 

クエスト終わりの何時ものやり取りをしながら後は帰るだけだった

 

 

 

 

 

だが俺達の景色は一瞬で切り替わった。吹雪から一変、周りには瓦礫が崩れた殺風景な場所が広がる

 

「なっ!?此処は一体何処だ!?」

 

「は、はぁ!?何処よここ!!」

 

「寂しい景色・・・」

 

「此処って・・・・・・まさか・・・・・・ねぇ」

 

リンだけは此処が何処なのか予想が付いていたらしい

 

「リン此処は一体・・・」 

 

「此処はk「呼び出したのは我だ」

 

全身白を基調とした格好の女性が瓦礫の上に座っていた。しかし、座っているだけでも凄まじい威圧により俺以外の三人は地面に座り込んでいた。だが俺は気をしっかりと持ち踏みとどまった

 

「・・・人間、貴様は何故膝を付いておらん?強い人間でも膝は付く筈だぞ?」

 

「「こ、好輝、何で立っていられるの?」」

 

「 」

 

リンとナルは意識はあったがシアは失神しており、辛うじて動けるのは俺だけだった。そして、何故俺が立っていられるか・・・それは以前似たような圧力を受けたからである。

そう、白い少女から溢れた怒気の圧力――――――――――しかし、あの時と比べると圧力の比が違っており、以前の方が強烈でやばかったからだ

 

「以前あんたより強い威圧を撒き散らす奴と出会ったことがあるからとしか言いようが無いんだが・・・・」

 

「ほう・・・ならば貴様は危険な存在と相対して生き残ったということか、なれば生かしてはおけんな」

 

「っ!!」

 

手に凄まじい力が込められて行くのが分かる。もう逃げる事も出来無いが、せめて三人は逃がしたいと考えていると

 

『『ちょっとまてええええええええええええええええ』』

 

待ったの声が掛けられる。驚いた俺達は声の方向を見ると呆然とした。黒龍と紅黒龍が飛来してきたからだった。このままだとぶつかると思ったが、二つの龍は空中で人化して俺達の直ぐ側で着地、そして俺に二人は詰め寄ってきたのだ。この時俺は(あ、俺の人生ここでオワタ)と心の中で呟いたが

 

「「何で!?何でミラの加護がお前に付いてるの!?どういう事だよおい!!」」

 

予想外な反応で驚いた。しかし、二人の男性は血走った目で俺を睨付けている

 

「え!?えっと・・・何ででしょう?」

 

「「この場で肉塊にしてやろうか?あぁん!!」」

 

最早白い少女そっちのけで俺に問い詰める二人。白い少女の方を見ていた俺は気が付いた・・・彼女が怒っている事に

 

「ア、アノーウシロ・・・ウシロ」

 

恐ろしくてそれ以上の言葉は出て来ず、気になった二人は「「後ろがどうしたってんだよ・・・・・」」と言いながら振り返る

 

「弁明は聞かん」

 

 

 

 

ズゴンッ!!

 

 

 

 

二人に拳骨が振り下ろされた。威力は凄まじく顔だけを残し他は地面に埋まった

 

「ふむ、『加護』か・・・・・お主我のような白い女を今までに見た事は無いか?」

 

「「「好輝に近寄る女が未だいるの?」」」ハイライトオフ

 

リンとナル、そしていつの間にか失神から目を覚ましたシアが濁った目で俺を見つめてきた

 

「!?あ、会ったことはあるけど三人よりも前だからな!!でもあの子はまだ子供だったし・・・」

 

以前出会った不思議な少女の事について語り始める好輝。一通り話し終えると

 

「「あー、それはミラだわ絶対」」

 

「ふむ。前任の者が与えた力が未だ残っているとは・・・」

 

「あ、あのー前任って一体誰?そしてミラって何者??」

 

好輝達は正体が分からず、気になった為聞いてみたのだ

 

「あいつらに説明しても良いのかこれ?」ヒソヒソ

 

「多分一人は名前だけでも知っているでしょう。キリンですからね・・・」ヒソヒソ

 

「取りあえず説明しないといけないな。あの男は加護持ってるし」ヒソヒソ

 

一通り相談が終わると好輝達に自分達が何者であるか、そして好輝がどうしてモンスターの声を聞けるか、そしてこれから先の事について説明をする

 

 

――――――説明終了―――――

 

「って事は俺が出会った少女の正体は人化したミラルーツ・・・笑えねぇだろおい!良く生きていたな俺」

 

「モンスターの声を聞けるのは『加護』の効果ということなのね」フムフム

 

「・・・・好輝は一番偉い人に会ったという事?」

 

「コレハ・・・イヤ・・・・ダイチャンスッテコトナノヨネ・・・・・」ブツブツ

 

三人はそれぞれ感慨深く感じていたが、リンだけ何やらブツブツ独り言を言っている

 

「そしてお前に加護を付けたミラは違う世界に旅だった訳」

 

「更にぶっちゃけるとお前に俺達の加護を付けておくわ」

 

「「「「「は!?」」」」」

 

好輝達四人と現在のミラルーツが素っ頓狂な声を出す中二人は直ぐさま行動、好輝の腕を掴み加護を付与した

 

「「ってことでほいっと」」

 

「あ、あ、ああああああああああああ!貴方達は何やってるんですか!!世界のパワーバランスが崩壊するじゃないですか!!」

 

ミラルーツは目の前で加護を付与した黒龍と紅黒龍に対して怒っていた。しかし二人は全く意に介しておらず反省もしていない。しかもそれはまだまだジャブにもなっていないレベルで

 

「大丈夫大丈夫、解決策はちゃんと考慮してあるからさ」

 

「ほ、本当ですか?」

 

「勿論!龍脈を操る力とか硬化能力とかも加護の力で使えるようにしているから俺達と対等に戦えるぐらい強くなったぞ!!」

 

最早人間では無くなっていく自分自身に頭が追いつかず、それは周りも同様で呆然としている

 

「まぁ俺達は後一回だけ龍脈の力を使えるから大丈夫だ問題ない!」

 

「俺達二人の力なら縁を辿って行けるだろ」

 

「ちょ、ちょっと一体何の話をしているの!?」

 

話について行けない俺達の言葉をまとめてミラルーツは問うと、二人は爆弾発言をする

 

「「そのミラルーツから仕事押しつけられすぎて嫌になったのでミラが居る世界に転移する事にした!!あぁそれと転移はもう始まっているから誰も干渉出来無いからな!!さようならブラックな世界そして行きますホワイトな世界」」

 

 

そう言い残し彼らは消えた―――――

 

 

 

 

 

「フ、フフフフフフフフ。アッハハハハハハハハ!!」

 

壊れた時計の如く笑い出す彼女を置いて俺達は撤退しようと考えるも間に合わず捕まってしまう

 

「貴方達は新しい彼らが誕生するまでの間、私の手足となって働いて貰いましょうかねぇ?」

 

三日月の様に笑みを浮かべる彼女に反抗する事は出来無い俺達は使いっ走りとなってこの世界の為に動く事になる羽目になった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある時はモンスターの討伐、ある時は国と国との仲を取り持つ、ある時は人とモンスターを共存させる説得をする。徐々に成果が実り始め、人とモンスターの共存説得が成功した頃に

 

 

―――――称号――――

 

平穏を求める提唱者(アドボケイター)

 

 

と、痛い名前で呼ばれるようになった

 

 

 

 

 

 

追加として、俺はリン、ナル、シアと結婚して日々楽しく暮らしている

 

 

 

 

 

 

――――以上、森 好輝(もり こうき)のモンスターハンター日記

 

 




如何でしたか??

黒龍と紅黒龍が転移するぞおおおお!ミラさんの平穏が徐々に崩れて行くううううう!!
ブラックな仕事が続くと嫌になるのは誰しもそうなっちゃうのです。ましてやモンスターが我慢できる筈が無い!!


感想に書かれていました「雀泣くまで」さんのモンスターから抽出して出しますよおおお!ラース、ミラオスに付いては動画と設定見て考えいます

ちなみにミラルーツの動画を見ていたらMHFの新ミラルーツ見ちゃった

感想
「えっ!?強くね?・・・・まぁミラさんはこのぐらい力あるって考えれば」(゚Д゚)



てな訳で今後もよろしくお願いしま~す。


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~番外~ クリスマス?いいえ。私からすれば悪夢です!!

うわああああああああああああああああ大人になってからはクリスマスなんて要らないんじゃあああああああああ

リア充爆ぜろ!!いちゃついてんじゃねぇ!!




そしてこの話は自分が子供の頃、絶望に打ちひしがれていた時に来たサンタの感動を元に作ってみた。





これは美羅が二年の頃のお話だ

 

 

 

 

 

 

世間はクリスマス―――――

しかし駒王学園の休みは27日と遅いのである

 

 

 

 

 

それは何故?

 

 

 

 

 

それは一人の男、理事長であるサーゼクスルシファーの企みであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その企みとは・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

教師、生徒から選ばれた5人の学生達がサンタのコスプレをして学園の全員にプレゼントを渡して行くと言った破天荒な行事であった。しかも拒否権は許されず、拒否した場合は留年という悪夢の行いで、そんな5人の中に美羅は選ばれたのだった。美羅は「何故!?一年の時は呼び出しが無かったのに!?」と叫んでいた。何故美羅は知らなかったのか?簡単な事だ。入学したばかりの一年は選択対象外だからだ!!その事実を知らなかった美羅は最早笑うしかなかった

 

 

 

 

―――――――生徒会室

 

学園の行事で大きなイベントは生徒会が受け持つので、着替えもこの生徒会室で行われていた

 

「はぁ・・・・・最低最悪。何でこんなイベントが有るの?私のクリスマスという概念が悪夢と化しているわ。」

 

呟く美羅――――――――――この生徒会室には選ばれた生徒の4人しか居ない。1人はインフルエンザで休んでいるからである

 

「しょうがないでしょ。あの発表は当日で誰も分からなかったのだから・・・・・」

 

「まぁ選ばれたのは嬉しいことですわ。学園で美女は誰か?との内容ですし」

 

「諦めて割り切りましょう。そうしなければやっていけないわ」

 

この場に居る他の3人はリアス、朱乃、蒼那である。彼女らも割り切りっているのであった。美羅も割り切ろうと思っていたのだが

 

「正直思うんだけどさ・・・・このサンタの服。スカート短いじゃない!!」

 

「・・・スパッツはOKされているからパンツは見られないわよ」

 

「・・・・・・早く家に帰りたい」

 

切実な願いであり、美羅が純粋だった頃の出来事なのだ。・・・・この件以降、美羅は一変するのであった。それは兎も角、プレゼント(お菓子)を必ず配らないといけない時間が段々と近づいてくる。4人共サンタのコスプレをし、それを見るギャラリーは未だか未だかとソワソワしている

 

 

 

 

 

 

 

 

いざ、混沌の渦へ飛び込む為扉が開かれる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギャラリーの反応は様々、「リアス先輩美しい・・・踏まれたい。」「ばっかそれは姫島先輩にだろ!」「いや、蒼那先輩も捨てがたい」「お姉様方綺麗。」「男子達気持ち悪・・・」等々、反応は様々であり特に多かったのは美羅についてだった

「やっべぇ!美羅先輩エロすぎるだろ。」「ムッチリとした太股がたまらん!!」「リアス先輩や姫島先輩に比べたら小さいけど魅了される!」「美羅先輩のすっきりとしたライン・・・ステキ。」「まさしく世の女性が求める黄金律・・・羨ましい!!」

この感想は嬉しくもあるが嫌いでもある

 

「プレゼント欲しい人は4人に並びなさーい!」

 

教師が注意喚起を促し全員従うのだが、ここで問題なのは並ぶ人の量なのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美羅 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

 

リアス 〇〇〇〇〇〇

 

朱乃 〇〇〇〇〇〇

 

蒼那 〇〇〇〇〇〇                ※〇=生徒

 

 

 

 

 

 

 

何て事でしょう!他の3人と比べ美羅に並ぶ生徒が多いのである。教師達が他の列に並ぶように言うが

 

『美羅先輩から渡されるプレゼントに価値がある!!』

 

と突っぱねられ、挙げ句には

 

『どんな人でも美しい人からプレゼントを貰う事はとても嬉しい!!先生方だって美羅先輩が美し過ぎて顔を赤くした人居るじゃないですか!』

 

そして静寂の後、教師一同から死刑宣告が告げられる――――

 

『白野さんガンバレ!!』

 

 

美羅は頑張ってプレゼントを渡していたのだが、次の人は変態三人組の一人「兵藤一誠」が目の前に並んでいたのだ。ピシッと凍り付く美羅に対し一誠はにやけていた

 

「グヘヘヘ、美羅先輩から貰うプレゼント。・・・・・・・・・・美羅先輩早くプレゼント下さいよ~」

 

「メ、メリークリスマス」

 

引きつった笑顔を見せながらプレゼントを渡し、受け取った一誠は雄叫びを上げながらガッツポーズをした。理由は、美羅が渡す分のプレゼントが無くなったからである。一誠は最後の一個に滑り込みで間に合ったからなのだ。後ろに居た他の二人は一誠に嫉妬し間に合わなかった事に涙を流す。後ろに並んでいた者達も同様で悲鳴やら悲痛な雄叫びを上げている

 

 

クリスマスなのに地獄絵図―――――

 

 

間に合わなかった者達は他の3人の列に並び直しプレゼントを受け取る際に励まされていた

 

 

イベントが終わり各自教室に戻っていく。美羅と蒼那は同じクラスだったので一緒に教室に戻ると、お通夜状態の空気に驚く

 

「ちょ、ちょっと皆!一体どうしたというの!?」

 

「あはははは・・・・・この暗い状態は何故に」

 

クラス全体が暗い状態の理由を聞こうとする蒼那と美羅―――――――――理由はとても単純。

 

『美羅(さん)(お姉様)のプレゼントが取れなかった・・・・・』

 

「「えぇ・・・・・」」

 

呆れる美羅と蒼那

 

しかし蒼那は

 

「でも私含め他の3人からプレゼントを貰っている筈ですよ?」

 

美羅はこの時思ったのだ(あぁ、また皆私から貰うことに意味があるとか言うんだろうなぁ・・・)しかし、予想は違っていた。

 

『他の3人の列に並んでもプレゼントが無かった・・・』

 

「「え?」」

 

この時やっと気が付いたのだ。一人一つのプレゼントを並び直して追加で手に入れている者がいる事に、そしてプレゼントは手に入らなかった。しかし、疑問点があり蒼那と美羅は話し合う

 

「ねぇ美羅?他のクラスや学年にプレゼントを取れなかった人居たかしら?」

 

「3クラス程聞いたけど取れなかった人は居ないって」

 

「これってもしかして嫉妬?」

 

「あー、その可能性大よねぇ・・・・。人間としての器小っさいなぁ」

 

「でも一体どうしたら・・・・・。恐らくプレゼントのお菓子は既に食べられている筈だから」

 

蒼那はどうしたら解決するのか悩んでおり、頭の中では「新しくお菓子を買いに行く」「後日にプレゼントをする」等と思っていたがどれも解決にはならない

 

新しく買いに行く:この案はまず却下である。資金が無いのと、クラス分の数を売っているお店は恐らく無いだろうと判断した。後日に渡す:これが一番理想であり、現実味を帯びて実行出来る

 

提案しようとしたが一人の声から周りに広がる

 

「このイベント待ちに待っていたのになぁ・・・」

 

「クリスマスだから意味があるのにねぇ・・・・・フフフ笑えないわぁ。」

 

「俺達不幸過ぎて笑えねぇよ」

 

蒼那の考えていた案は白紙に戻り、どうしようかと美羅に相談しようとするがこの場には居なかった

 

「え?・・・・・美羅は何処に行ったの?」

 

「職員室に行ってくるって言ってましたよ・・・」

 

「・・・そう」

 

大きすぎる難題に頭を抱える蒼那、そして無慈悲にも時間は流れる―――――――――――午前、午後の授業に美羅は帰ってこなかった

 

 

 

 

暗い空気の中、教師陣もその空気に泣きそうになりながらも授業を始め放課後を知らせるチャイムが鳴る。教師はこの空間から早く出る為最低限の挨拶でそそくさと出て行った。

教室内は殆ど静かで、時折呟く声が静かな室内に響き、「あぁもう放課後か・・・・」「部活かぁ。やる気出ないから休もう。」「今出たくねぇ・・・自慢している奴ら全員爆ぜてしまえ。」等々と危ない事も言い始める生徒達も出始めた――――――その時

 

 

 

 

 

 

ガラガラ!!

 

 

 

 

静寂を破るように教室の扉を開ける音が響き渡る。そして入って来た人物は美羅である。イベントの赤いサンタコスとは違い、雪の様に真っ白なサンタコスを身に付け大きな袋を持って入って来たのでクラス一同ビックリしていた。

美羅は一息ついた後宣言する

 

 

 

 

「メリークリスマス♪白サンタが黒い空間を塗りつぶしにやって来たぞ!プレゼントを配るから集まれー!!あ、それと騒ぎ過ぎるのは禁止でお願いね」

 

 

 

 

そして蒼那以外のクラス全員が美羅に集まり泣いた

 

クラス全員にプレゼントを渡し終えた美羅に蒼那は質問する

 

「あのお菓子どうしたのよ美羅。マカロンとクッキーが入っているけれど・・・・・どれ位したの?」

 

値段が気になる蒼那は美羅に訪ねる。しかし予想よりも斜め上を行っており

 

「あぁ、あれは全部私が作った奴だから大丈夫、料理とかそういうの慣れてるから」

 

『え!?』

 

クラス全員、美羅の手作りに驚いた後さらに涙し

 

「うぉおおおおおおおお美羅さんの手作りいいいいいいいいい!!」「これは家宝にする!!」「すっごいまるでプロの料理人みたい。」「ンビャアアアアアアアアアアアアアアアウンマアアアアアアアアアアアアアアアイ!!!」等と騒ぎになる始末。他のクラスからも人が集まり「ずるいぞー」等と言い始めたが、美羅の一言「いや、私のクラス全員プレゼントその物貰えなかったから、私がプレゼントしたんだけど?それよりも複数個取ってる人が居るから駄目なのよ」と詳細を伝えると、その日の内に犯人が突き出されたので美羅が怒り年末まで校門の魔除けオブジェとして吊されることとなった

 

 

これは美羅によって最初の折檻の内容だった

 

 

 

 

 

そして、三年になる頃には最も頼れる憧れのお姉様となった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?何故あんなに沢山のお菓子を作れたかって?それは偶に訪れる友達が沢山食べるから大量に作る事が苦にならなくなっただけ」

 

との事だ

 

 

 

 

『ヘックショオオオイ!!・・・・・・誰かが噂をしているのか?』

 

 




クリスマス・・・・・・


「あぁー白いサンタのミラ様からプレゼント貰いたいんじゃ~」

手紙『願いは神々しいサンタ姿を見たいです』


~夜~

「メリークリスマス。今日は特別だよ」⊃お菓子袋


~朝~

「いかん!!寝落ちした・・・・・こ、これは!お菓子だと!?ミラ様有り難う御座います。今年も来年も頑張ってミラ教を布教します」



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~番外~ バレンタインは蜜の味?「いいえ違います。リア充爆発しろ

ハッピーバレンタイン!なんてリア充爆発してしまえ












はい、こんにちはとお久しぶりの投稿だよ
ノリで作ってしまった感満載の番外である

バレンタインなんて要らないイベントさ・・・・・
悲しくないもんきっとミラ様から義理頂けるもん(。・ω・。)




~美羅side~

 

ハロハロ~皆見ている?遂にバレンタインというクソみたいな行事がやって来ました!リア充がキャッキャウフフする日です。私にとっては史上最悪と言って良いぐらい妬ましい日で御座います。え?学園の三大美女の一人だから貰えると本当に思っているのですか?そんな訳無い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だって

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――現実は残酷で醜くて混沌でしかないから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――遡ること2年前

 

学園三大美女と呼ばれ始め周囲の目がギラギラと痛い私が此処に居ます。この世界にやって来てから数年経ちましたが、何時にもましてため息が出てしまいます。それは何故かというと

 

「美羅お姉様は誰にチョコを渡すのですか?」ハイライトオフ

 

「お姉様からチョコを授かる男子は何処に居ますか?」ハイライトオフ

 

『お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様』ハイライトオフ

 

私の周囲の女子達が何時にもまして怖いのである。まぁ実際に渡すひとなんて居なかったから本心をつい皆の前で呟いた私

 

「えぇ・・・渡す人なんていないけど」

 

この時の私は周囲の様子なんてどうでも良かった馬鹿だったのだ。龍が人間の皮を被った状態で人の心という物を理解していない時で、過去に戻れるならあの時の自分をボッコボコにしてやりたいぐらい後悔をした瞬間である

 

事件発生はバレンタイン当日――――――――――――その原因は前日の校長からの呼び出しである

 

校長室へと呼び出されたのは三大美女のグレモリー、姫路、美羅、そして見目麗しい上級生の方々5名ずつと前例の無い事らしく上級生達はオロオロしていた。普段より重さを感じさせる扉が開かれ、校長が真剣な面持ちで入室し全員へ通達をする

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「諸君らには明日の恒例であるバレンタインでチョコを男子に配って頂く。これは理事長から直々の通達であり、拒否した場合には留年という処置が行われるので注意したまえ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『――――――――――――――――――――は?』

 

全員どうリアクションすれば良いのか分からず呆然としているが直ぐに停止していた思考を動かし始める

 

「ちょっとどういう事ですか!?去年はこの様な巫山戯た事はしていなかった筈ですよ!」

 

「拒否したら留年って流石に冗談でしょ」

 

「好きでも無い男子にチョコをあげるって・・・・・義理でも嫌だなぁ」

 

「何これ?行事?イベント?どういう事なの?」

 

お兄様は一体どう言った目的でこの様な暴挙に出たのかしら・・・・・・はぁ

 

あらあら~サーゼクス様はリアスの事となると予想外の行動にでますねぇ

 

口々に辛い苦言を漏らす上級生達、何が起こっているか理解していない美羅、そして頭を悩ませるリアスと姫路。だが、決定した事実からは誰も何も言えず唯々溜息しか出ないのである

 

「後輩達も残念だねー多分こう言った特殊なイベントは今年が初めてだからさ、これから毎年続くよきっと」

 

「うぇ!?本当ですか先輩!」

 

「だってさ~あのサンタコスのプレゼント配りって共学になった瞬間から生まれた物だし・・・ま、ガンバレ後輩!先輩達は君達を応援しているよ!!」

 

今年だけの参加である3年生方は思い切って楽しむ事にしたらしいが、1、2年生は暗い面持ちで空気が淀んでいる

 

「あぁちなみに、チョコは学校側が用意しているから安心したまえ!ラッピングも済ませてある!諸君らはそれぞれ取りに来る男子生徒達に労いの言葉を贈るのを忘れないで欲しい」

 

『 』

 

最後の校長の投下される言葉は全員に響き打ちひしがれる状態となった

 

 

 

 

 

―――――――――事件当日、バレンタイン

 

何時もより早く登校する美羅は取り敢えずやるだけやると言った感じで取り組む事を決めていたが、どうしても不安を感じてしまう事が一点だけあった

 

 

 

 

 

服装である――――――――――

 

 

 

 

 

聞く所によればハロウィンはカボチャ関連コスにクリスマス時はサンタコスとそのイベントに見合った服装を用意されていたそうだ。(※美羅はこの様なイベントに参加はしていなかったからである)ため息しか出ない美羅に声を掛ける一人の3年生の先輩

 

「白野美羅さんだっけ?こういうイベントに参加とかは初めて?」

 

「あ、はい。ハロウィンやクリスマスとかのイベントは自分と関係無かったので人が居ない場所で過ごしていたんです」

 

実際、美羅はイベントに参加が面倒く興味も無かったので生徒や教師の目に付かない空き教室でひっそりとやり過ごしていたのだ。後の相談室、美羅の着替え部屋となる教室である。美羅は先輩からのイベントでのアドバイス等を聞いておこうと思い相談をする。これを参考にひらりひらりと人を躱していく算段であったのだ。しかし現実はそう甘くはなく、寧ろ苦くUltimate Hard並だった

 

「えぇっと白野さんにアドバイスね・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――強く持つこと。心を強く持つ事が大切よ」

 

「え?一体どういう事なんですか?」

 

「じきに理解するわ・・・・・もうすぐだけれど」

 

生暖かい目と同情の視線を向けられる美羅は困惑しているが数時間後に理解をする。いや、理解したくない現実が押し寄せると言った方が良いだろう。それは未だ本人は知らずに居る

 

 

 

3年の先輩から理解出来無いアドバイスを貰い困惑しつつも用意されていた服を取り出す。その服は露出が少ない白を基調とした服で、集まった面子の中でも一番布地が多い服であった。(FGOの☆3礼装ウィッチズキッチンの服装だと思って下さい)

 

「あぁ良かった。これなら露出少なくて男子も集まらないね」

 

「美羅は運が良いわね。こっちは肩から上が出てるドレスみたいな服よ?」

 

「あらあら~こちらは肌が露出する様に改造された巫女服ですわ。まだ着慣れている分楽ですけれど、白野さんの服は暖かそうで羨ましいですわ」

 

同じ1年であるグレモリーと姫路は美羅の服を羨んでいたが、上級生達は誰一人も羨んで居らず、寧ろ先程の3年生と同様に生暖かい目を向け褒めていた

 

「白野さんにぴったりの服ね」

 

「髪が白いから全身真っ白で綺麗ね」

 

「美魔女って奴かしら」

 

美羅は内心褒められて嬉しかったのだが、それはすぐに破綻する事になる。全員が着替え終え、それぞれ名前の書かれた場所へ向かうとチョコが入っている大きな袋と寒さを少しでも和らげるヒーター、そして休憩用の椅子が設置されていた

 

「へぇ立ちっぱなしじゃなくても良いなら少しは楽出来そうで嬉しいな」

 

直ぐに椅子をヒーターの近くへ移動させて座る美羅

 

「どうせ来るのは1年の男子だけだし、グレモリーと姫路の方にも行くと考えたら少ない少ない。あ~早く終わらないかな」

 

そんな事を言っていると1年の女子生徒達が話しながら歩いており、互いが見える場所へ来るとその女子生徒達はいきなり走り出し美羅へ詰め寄ってきたのだ

 

「お姉様!これは一体どういう事ですか!?」

 

「こんな寒い日にどうしてその様な格好を!?」

 

「あぁ、お姉様の匂いhshs・・・はっ!?今の内に写真を撮らねば!」パシャパシャ

 

一人はちょっと変態だが、それは置いておき事情をかいつまんで説明する

 

「えっと、これは学園が決めたバレンタインイベントって奴でさ理事長が選んだ見目麗しい女子が男子達に労いをととの事らしくてね・・・・・急遽決められたの。拒否すると留年って言ってたし」

 

それを聞いた三人は軽く「分かりました。」と返事をし、教室へと向かっていった。イベントだから仕方が無いと思っていた私は「学校からの労いチョコだってさ」的な感じでこれから来るであろう男子達に渡す準備を始める

 

 

 

 

 

~???~

 

「こちらお姉様を崇める会の会員No0032、リーダーの会員No0001へ緊急の連絡を」

 

『・・・こちらNo0001会員No0032一体どうしたのだ?美羅様に何かあったのか?』

 

「こちら会員No0025、美羅様は学園が急遽決めたバレンタインイベントに参加される模様」

 

『して、内容はどういう物だ』

 

「会員No0122お姉様がお姉様がこの寒空の中、だ、男子学生へとチョコを渡す事態に!」

 

『――――――――――――ならばやる事は一つだ。分かっているな?』

 

「男子生徒が来ない様画策で宜しいですか?」

 

『ならば行け。こちらはリア充爆破儀式の為動けずに居る、報酬は早期発見したお前達にPremiumブロマイドを一人3枚、これから協力する会員には魍魎3ヶ月パスを進呈しよう。ブロマイドは魍魎の方には流れない一品物だから存分に励み給え。報告を期待する、そしてやり過ぎには注意をせよ。美羅様に悲痛な顔をさせては全員に報酬は無しだ』

 

「了解。これより任務(オペレーション)『教祖を守護せよ』を発注する。会員全員に秘匿緊急連絡を開始する」

 

暗躍が開始され一人、また一人と阻まれ信者は数を増やす

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『さぁ、お前も我らと共に信仰し布教しようではないか』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

人が来ない―――――――――――――

 

人が来る気配があるものの、途中で親しい者達?との合流や何やらで違う場所へと流れて行く。正直言ってこの寒空の下でボゥっとしているだけも辛い

 

「はぁ・・・・・誰も来ない。つまらない、寒い、面倒い、もう嫌だなぁ」

 

独り言でブツブツと呟き始める美羅は徐々にイライラし始める

 

そんな中、こちらに走って来る人が居るが諦めていた美羅は椅子から動かずに居たが

 

「どっせええええええい!」

 

勢い良く滑り込み止まれない一人の男子生徒はゴロゴロと転がりボロボロの状態で停止する。ピクリともしない男子生徒を心配した美羅は声を掛ける

 

「えっと・・・大丈夫?」

 

「ふぁ!?大丈夫です!心配有りません!この通りピンピンしています!!」

 

元気よく立ち上がり私に敬礼する男子生徒・・・・・うん、変態の女子生徒と同じ様に奥底に目覚めず、隠された変態な感じがする

 

「まぁ取り敢えず此処に来たという事で学校からのサプライズイベントだけど、『ハッピーバレンタイン!これからも元気良く頑張りましょう』」

 

うん。最初の印象から元気が良かった為、「元気一杯で頑張りましょう。」という事にする

 

「今日ってバレンタインか!忘れてた。取り敢えず白野さん学校から用意されたチョコとはいえあざーっす」

 

私からチョコを受け取り教室へ向かう男子生徒は最初より元気になっていた

 

「一人目か・・・時間もHRまで後15分を切ったし、そろそろかな」

 

一つだけでも渡し終えた美羅は満足していたが、HRまで残り10分を過ぎた頃流れが変わり始める

 

一人また一人と来る男子生徒なのだが、少しおかしいと感じ始めた。一人一人の特徴を見始めると、1年だけでなく2、3年も来ているのだ。途中で止める訳にもいかず、気付くと長蛇の列が作られていた

 

 

 

 

 

何故に?

 

 

 

 

原因となる切っ掛けは会員になって浅い者達が任務を装いながら一斉に並んだ事が切っ掛けである。並んだが最後美羅の見える範囲となるので排除する事が出来無いのである

 

 

 

 

唯一の盲点

 

 

 

そんな事とは知らずに時間内に終わらそうとせっせと渡していく美羅に一人の不届き者が現れた。その者は隠れイケメンの一人の生徒である。女子からの受けは影で人気があり、美羅のクラス内でも話に出る位は有名である。そんな彼が何をしたかというと

 

「こんな寒い中配るのは大変だからもう終わりにして戻ろうか」

 

3年である彼はただ単に後輩である美羅を心配してか、はたまた口説く為に言ったのか定かでは無いが途中で止めさせようとする

 

「あぁ心配しなくても後5分で終わりますから大丈夫です」

 

ここで止めても5分やっても変わらないと感じる美羅は彼を無視をするが兎に角しつこく、彼を無視しつつ並んでいる者達にチョコを渡していく美羅に我慢出来なかったのか、腕を掴み止めさせようとする

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だがそれは敵わなかった。伸ばした手は美羅とは違う女子生徒に掴まれ、何時の間にか集まった者達の視線を一斉に受けたからだ

 

「お姉様に気安く触れるなんて極刑ですね」

 

『分かります』

 

「あ、お姉様~この並んでいる男子達のチョコは要らないので大丈夫で~す」

 

「え?いや、未だ配り終えていないけど」

 

「大丈夫で~す」

 

「いやだかr」

 

「大丈夫です」ハイライトオフ

 

「あ、はい」

 

今まで感じた事の無い悪寒に美羅は勝てなかった。何故勝てなかったのか?笑っているのに目から光を失った者達が美羅の周りを囲っているからであった。俗に言うヤンデレを知らない美羅にとって知らない悪寒は恐怖でしか無い。力では勝てても何故か勝てないと感じさせる物があったのだ。本人曰く「自分より弱くてもお説教とかで恐怖を感じる場合ってあるでしょ?アレと同じ感じだと思う」だそうだ

 

「では先輩はこちらに来て頂きますね~」ハイライトオフ

 

「は、はなせ!白野さんは無茶をしているんだ」

 

「お姉様の行動を自分勝手な理由で否定するなんて駄目ですよ」ハイライトオフ

 

『分かります』ハイライトオフ

 

その生徒を囲い担ぐと並んでいた男子生徒達も囲まれ担がれる

 

「浅ましい考えはよりいけませんねぇ」ハイライトオフ

 

『分かります』ハイライトオフ

 

「ではおな~り~」ハイライトオフ

 

『ぎゃああああああ離ぁせええええええ!』

 

一斉に去って行く生徒達――――――――――

 

ぽつんと取り残された美羅は先に片付けを済ませ、気配を絶ち彼らの後について行く

 

彼らの行き先は不思議で体育館である。だが、鍵が掛けられており中の様子を見ようにも見れずに居たが、丁度入る者達がおり侵入できた。しかし、中は様々な混沌を混ぜ合わせた暗黒(ダークマター)と化しており美羅は吐き気を抑えているほどだ

 

ヤバイ・・・この中の雰囲気もの凄くヤバイ。どの位ヤバイか?表現なんて出来無いよ。暗闇に様々な人の目が光り灯っているって言ったら分かるかな?しかもハイライト?が無いんだよ・・・・・濁った目が暗闇の中光ってるっておかしいと思うの

 

美羅は中で行われる事を見ないまま直ぐに外へ出ると、これ以上の事は考えない事にした

 

(うん、私は何も見なかった。短時間で色々と見たけど私を信仰してるみたいだっただけだし別に放っておいても大丈夫・・・・・うん、キットダイジョウブ)

 

今日はバレンタインという事でチョコを貰えるか楽しみにしていた美羅だが結局貰えず、学校が終わるとそそくさと家へ帰り自分へのバレンタインという悲しい悲しい日を迎えることになった。※自分でチョココーティングしたケーキを作り、自分にプレゼントといった形でケーキを食べる悲しい行いである。そして2年のバレンタインも同じく、誰にも貰えなかった美羅はリア充爆発しろという儀式を知った。これで3年でも貰えなかったらこの儀式を行う予定である

 

 

 

 

心細くバレンタインチョコを期待する美羅はなんとも言えない雰囲気となり、近づく者は少ないのである

 

 




ノリで作ってしまった感満載の番外でした

本編はまだ完成していない。←やっべぇ(汗

ともあれ、最近気候がおかしいっす
雪は冷たい雨は凍える風は凍てつく

・・・・・自分でも何言ってるか分かんない程今の気候はおかしい

寒いの苦手な私は布団へインしますわ

ミラ様も寒さは苦手な模様





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プロローグ
始まりの前


初めまして、ぬくぬく布団と申します。

小説書くなんて初めて!しかし、妄想膨らみ書いてみようと書き始める所存でございます

色々と至らない部分があると思いますが生暖かい目で見ていってくださると嬉しいです

それでは序盤の始まり始まり~


 

 

 

 

 

 

 

 

暇だ――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

古塔に居を構えてからどれほど経っただろうか

祖の龍は長い間この場に居たせいか年月などとっくの昔に忘れてしまっていたため例えこの体が死んでしまったとしても新しい体が直ぐに形成され何も無かったかの様に復活するこれのせいで自分の死にも無頓着となりハンターと呼ばれる人間達に倒されたりもするから世界のバランス等が崩れてしまい人間を絶滅させて新たに誕生をさせたりと何回かあった―――――

 

龍は思った

 

 

『この世界には私を楽しませる物が少ない』

 

 

ごくごく希に珍妙なハンターに出会ったりするがそれでも物足りない。しかしながら、このハンターの中で興味をそそられる者が居たのだ

何でも――――

 

「俺はオリ主だ!ミラ銀行程度『一方通行』の力で瞬殺してやる!!」

と、今までのハンター達からは聞いたことの無い単語を垂れ流していたのを覚えていた。

ちなみにそのハンターはうるさかったので尻尾で撫でると力が強かったのか?死に体となってしまい「何で反射が効かねぇんだよ」とまだ訳の分からないことを言っていたのでブレスで消し飛ばした。

 

思い出すとその単語の意味を改めて考えてみるも意味が分からなかったので人化して比較的近くにある人間達の村に聞き込みをしてみたが不発に終わり、特殊なハンターだったのだろうと思い帰ろうとすると武器屋を営む竜人族の男が言うには「中央にある大きい街ならハンター達が多いし知っている人が居るんじゃ無いか?」とのことだったのでそれなりに大きい街に行き聞き込みを再開すると多くの人間が知っておりあのハンターは問題児だったそうだ

だが、誰に聞いても『一方通行』『オリ主』の単語は分からず仕舞いで帰ろうかと思い始めたときに単語の意味を知っていると言った人間に声を掛けられた

 

このハンター曰く「その言葉を無闇に言わない方が良い」とのことだ

人間達の人混みの波に乗りつつハンターについて行くと民家の中に案内され、周りに人が居ないか確認してアイルー達を何処かに下がらせ少ししてから私に聞いてきた

 

「君は何処でその言葉を知ったんだ?」

 

彼は問題児ハンターについて全く知らなかった

 

「街で問題児扱いされているハンターから聞いた言葉ですよ」

 

「そうか・・・」

 

彼は考え込み始めましたがこちらも聞きたいことがあるので

 

「何故貴方達はその言葉の意味を知っているの?」

 

「えっ!?ってそれは置いておいてk「ちゃんと答えないとあの問題児みたいに殺しちゃうよ?」・・・」

 

話を逸らすつもりだったらしく脅しの言葉に対して

 

「・・・その問題児って君がやったの?」

 

「うるさかったからね」

 

脅威にならなかったのであっけらかんと答えると彼は顔を青ざめて私の質問に答えてくれた

 

 

分かったことが幾つかある

一つ、目の前のハンター含めて彼らは【転生者】と呼ばれる者達である

二つ、転生の際に特典と呼ばれる特殊な力を神様?とやらに与えられること

三つ、この転生のことを知らない者に話すと死んでしまう

四つ、その神様?とやらは違う世界で遊んでおり、訳あってその世界から動けないらしい

この4つである。最後のこれは全ての祖なる者の私が近くに居るから適応されず逆に言えば私が離れると死んでしまうということで久々に許容しがたい行いをする神様もどき?に対し怒ってしまい目の前に人間が居るとこを忘れており彼が倒れるまで私は気付かなかったのだ・・・ちょっと反省

この場を離れてしまうとこの人間が死んでしまうので私から加護を与えて三つ目の死の制約の影響を無くし彼が目覚める前にこのこの街から去り元の居場所の古塔に帰った

 

 

『久々に暇を潰せるものが出来た』

目的として違う世界で動きの取れない神様もどきに自ら赴き跡形もなく消してやろうということでその世界に居る者達からしたらものすごく迷惑な話であるが祖の龍にとってそれは些細なことである

違う世界に渡るという行動自体は私にとっては簡単だが、別の世界に移動をしてしまうと祖の龍が死んだとこの世界が判断し新しい祖龍が形成されるので二度とこの世界には帰ってこれないということを指している

無理矢理帰って来てしまうとその世界が修復不能なくらいの被害が出てしまうのだ

自分が違う世界に行くことを知っておいた方が良いであろう2匹の龍〈黒龍〉〈紅黒龍〉に説明すると

 

「「やっと居なくなるのか、もっと早く移動してくれたら良かったのに」」

 

「・・・・酷い!!」

 

この2匹に対してはオーラを纏ったパンチをボディに入れ悶絶させてやった

 

別れの挨拶も済ませ神様もどきが居る世界に無理矢理縁を繋げて私は転移した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




初めてで試行錯誤しながらの投稿となりました。
書いてて正直な感想・・・・1万字以上書いている人達すげええええ と

そんなこんなで取りあえずプロローグは完成いたしました。

次はミラルーツが冥界へ出現

主人公登場予定はまだ先となっています。
本当にすまない・・・・




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序章 -祖龍の転移直後-
紫色の空は彼女にとって不愉快


こんにちはぬくぬく布団です。

まだまだ慣れないので2000字程での投稿となります

まだ至らない点が沢山有りますがよろしくお願いします!

~追伸~
評価の一言欄を除けていましたすいません。゚(゚´Д`゚)゚。
何か評価の感想いただけたら私は布団の中でも執筆頑張っちゃう



~ミラルーツside~

 

 

 

私はミラルーツ全ての祖なる者と呼ばれている龍です

 

モンスターハンターの世界からハイスクールD×Dという世界に転移をしている最中です

 

え?転移は一瞬じゃ無いかって?別世界に行くための転移は一瞬では出来ません!(やってしまうと世界の色々が滅茶苦茶になってしまうというか・・・)

とにかく気分一新しまして明るい性格で楽しくやっていこうとおm、ってもうそろそろで移動完了ですか目立たないようにしなければいけませんね!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やってしまいました

 

龍の姿のまま転移して人化するのを完全に忘れていましたね。まぁ10秒程で自分の姿に気付いて人化したのでそこまでは影響は無いでしょう。それよりも人間達の住まう世界だというのに何故空が紫色なんでしょうか。古龍に似た天候を操る龍でも居るのでしたら世界バランスがどうのこうのとうるさいですし・・・・・取りあえず周囲の確認と探索をすると何かこの世界についての情報が分かるかもしれません!

 

 

 

 

 

~サーゼクスside~

 

 

「何だ今のオーラは!?」

 

僅か10秒程だとはいえ圧倒的な存在、全ての生命を震え上がらせ屈服させてしまうようなその力

 

「サーゼクス今のは!?」

 

執務室の扉を勢い良く開きクイーンのグレイフィアが入ってくる

 

「わ、分からない・・・あれが何者なのかどうかさえ、彼の2天龍の存在も霞んでしまうかの力だ・・・」

 

「・・・」

 

「大至急各陣営の総督と会合をしなければいけないな。私の代わりに連絡を頼めるかい?」

 

「サーゼクスはどちらへ?」

 

「私はグレモリーが有する領地にその者が居るかどうか確認をしてくる」

 

「気を付けて」

 

「あぁ、分かってるよ」

 

強大なオーラがいきなり出現し、僅かな時間でオーラを消せるほどの者の出現に二人は自分達の何時もの夫婦でのやり取りが素に出てしまう程の焦りだった

 

 

 

 

 

~ミカエルside~

 

「な・・・・・何ですか今のは・・・・」

 

「ミカエル様!」

 

大きな音を立て大きな扉が開き四大熾天使の一人であるガブリエルが入室してきた

 

「大丈夫です・・・私に被害はありません。ですが、警戒度を最大限に引き上げてください大至急です!」

 

「か、かしこまりました!!」

 

「私も行動しなければいけませんね。直ぐに悪魔と堕天使に連絡を取らなくては」

 

天使の陣営も強大なオーラの出現により慌ただしく動き始めるのだった

 

 

 

 

 

~堕天使side~

 

「・・・」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

悪魔と天使の陣営とは真逆に沈黙の堕天使陣営である

 

「・・・正直な所勝てると思うか?」

 

「・・・無理でしょう」

 

「無理だな」

 

たまたま一緒に行動していたバラキエルと現代の白龍皇ヴァーリは同じ意見だった

 

「だよなぁ・・・こんな強大な魔力を持っている奴がなんで今まで隠居してたってんだよ。普通戦争とかに出てきても余裕で勝てるぐらいだぞ。」

 

「権力等に一切興味を持っていないとか?」

 

「あり得るな、気配を消したのも何かに巻き込まれるのが嫌だから消したって感じだな」

 

そう、いきなり現れていきなり消えたとなれば何かしらの思惑があると思うのが普通だ。しかし、自分の力の誇示をするのであれば何処か小さい場所に攻撃する等の事はするだろう。しかし、その様な気配は無く逆に不気味さを醸し出していた

 

「・・・」

 

「言っておくが戦おうとするなよ?」

 

「何故だ?」

 

「消されるぞ?」

 

『あれに挑むのは私からも反対だ』

 

いきなり言葉を発したのはヴァーリの神器に眠るアルビオンの声だった

 

「あれが何なのか分かるのか?」

 

『分からん』

 

「おいおい、お前ドラゴンだろ何かヒントとか無いのかよ?なんかこう・・・似たような龍とかに例えるとか」

 

『あれは何者にも分類されないだろうが、一応ドラゴンとだけしか分からん』

 

アザゼルは考える。「無限の龍神」オーフィスや「真なる赤龍新帝」グレートレッドの龍神系だろうと踏んでいたのだ。全ての勢力の中で一番強い力を誇るのはこの2体なのだが、アルビオンはこの2体にも分類されないと言っている。直接その姿を見ないことには分からないというのが難点だ

 

「取りあえず暴れないのを祈るしかないかぁ」

 

「ですね」

 

「一度会ってみたいものだな」

 

『私は会いたくないがな』

 

「他の陣営にこの事について話し合うか・・・」

 

シェムハザだけでなくアザゼルも胃が痛くなる案件となってしまった

 

 

 

 

 

~ミラルーツside~

 

各陣営が警戒度を引き上げ緊張の中、その本人はというと――――――――

 

「うーん、遠目から見たけど人間が居ないなぁ。背中から翼を生やしている者達ばっかり・・・転移最中に地球の知識を色々と学んだ中のコスプレ?って奴なのかな」

 

遠見で各陣営の者達の観察を行っていた

 

「それにしても変だな~。神様もどきをたどって転移したのにこんな暗い世界に来ちゃうなんて失敗だったかなぁ、まだ初日で全部を見れた訳じゃ無いけどこんな暗い所が地球って場所なら空を消し飛ばしちゃおうかな?」

 

本人からすれば明るい性格になろうと頑張っているが、他人からだと物騒極まりない発言をしている少女にしか見えない

 

「この世界に来てから妙な気配もしますね。龍種で間違いないのですが、気配が有るのにこの世界には居ないというのは何故でしょうか?結界を張っているのかどうか分かりませんが会ってみる必要がありそうですね。その龍の力を縁に変えてその場所に転移してみましょうか」

 

そう言い終わると祖龍は転移のゲートをくぐり抜けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この世界の龍と祖龍の出会いが力関係が大きく傾かせる事はまだ誰も知らない

 

 

 

 

 

 




如何でしたか?
今回はミラルーツさんが冥界の雰囲気に対してちょっぴり怒でした。


次回は龍神達との出会いです。



すまない・・・一誠、ドライグよ本当にすまない。チート主人公だから許して(。・ω・。)


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静寂は突然無くなる

こんにちはぬくぬく布団でございます

私の処女作にお気に入り登録がされている・・・だと・・
ありがたき幸せでございます。ヾ(^v^)k

励みになりより一層頑張りたいと思います!




なにこれ・・・

 

 

 

 

 

 

この場に居ない龍の縁をたどって転移するとそこは静寂であり、周りは沢山の色が変色しない程度で混ざり合い普通の人間なら気分が悪くなり発狂するであろう場所だった

 

「気持ち悪い空間――――」

 

祖龍が居た世界では太陽、雲、星、月、が有って当然のものだった。だが、この場所は転移した紫色の空があった場所よりも酷かったのである

 

「こんな場所に居る龍なんて理解出来ないわ。楽しみも何も無い場所なんて消してしまおうかな・・・」

 

「―――――少し力を持っていても不可能だぞ」

 

私の真上から声を掛けてきたのは「真なる赤龍神帝」ことグレートレッドだった

 

「デッカイだけの龍か・・・」

 

「発言には気を付けろうっかりと殺してしまうやもしれん――――」

 

(ふむふむ、私の人化状態だと力は完璧に隠せているという事かこれはとても良いね)

 

自分の人化状態の出来の良さに内心微笑み、これからのことについてどうしようか考えていると

 

「我を無視するか――――――――その愚行に後悔し羽虫の如く消え失せろ」

 

「ふーん、私のことを羽虫呼ばわりしてあまつさえ殺り合うの?後悔しても知らないからね」

 

人の姿をした祖龍と龍化の赤龍神帝の戦いがついに始まった

 

 

 

 

 

 

 

――――1時間後――――

 

 

「調子に乗って申し訳ございませんでした。これ以上はお許しください」

 

「許さないから覚悟するんだよ?」

 

白の少女に対し全裸で土下座する赤の少女がそこに居た。第3者から見るといじめっ子が同年代の強者に打ちのめされて必死に謝っている姿である。・・・・とても龍達が戦った後の光景だとは思えない光景だった

 

「まだ全力を出していないのだけれどこいつ弱すぎる・・・他の龍の強さもこのくらいなのかなぁ」

 

「私龍神って呼ばれてるのに弱いって・・・」

 

小さな声で独り言を呟きながら涙目になって悔しがる人化状態のグレートレッドは威厳等が全く見られない程で、大人が隣に居ると即刻通報される程の可愛そうだった。

罰としてどうするかはまた次回に持ち越して、今はこの世界に付いての情報を聞くことにしよう

 

「龍神辞めよう・・・うん、そうしよう。誰にも見つからないように隠れよう」

 

またしてもやり過ぎてしまったと後悔をしてしまった。グレートレッドが立ち直るまで、まだ時間が掛かりそうであった

 

 

――――15分後――――

 

ようやく立ち直ることが出来たのだろうか、この空間、紫の空、羽を生やしているコスプレ集団について聞くと

 

「始めにこの空間について説明しよう。ここは『次元の狭間』色々な世界の狭間にある『無の世界』、見ての通り何も存在せず完全なる静寂で私の生まれ故郷と言ったところだ。普通何の対策も取らずにここに入れば短時間で肉体が消滅する場所だ。そして『紫色の空、羽を生やした集団』この紫色の空というのは冥界の空で、この冥界には悪魔と堕天使という2種族の存在が暮らしており、人間界でいう『地獄』に近く日光が照らされないおかげで悪魔や吸血鬼でも過ごしやすい場所である。海が存在しないために陸地は人間界の大陸より遥かに広いのだが、悪魔と堕天使の数が激減している為か手つかずの土地が多く存在すると言われている」

 

「つまり人間は先ほどの場所には暮らしていないということで間違いない?」

 

私の質問に対して軽く縦に頷く

 

「冥界の他にも天界と呼ばれる場所がある。天使と呼ばれる種族が雲の上で暮らしており、人間でいう『天国』に近い所だ。天界についてはこれ以上詳しくは知らんが、覚えておくに超したことは無い」

 

なるほど、人間以外に『悪魔、天使、堕天使』の3つの種族がこの世界には居るということか。そして国といった概念で出来ていて戦いか災害で種族の数が減っているということか。やはりどの世界においても争いとは切っても切り離せないもので必要な事なのだろう

 

「これからどうするつもりなのだ。次元の狭間を消してしまうのか?」

 

「やっても良かったけど、貴方の生まれた場所で気に入っているのであれば消しはしないよ。・・・何も無ければだけど」

 

「最後の言葉通り何も無いことを祈りたい・・・」

 

「私はこれから人間界に行きのんびりと過ごしていこうと思う。前の世界では何もせずにずっと眺めているか寝ているかだったから」

 

そう、以前討伐されたのは寝ている間に殺されてしまったからである。死に対して無頓着で攻撃されて死んでしまってもどうでも良いと考えていた時期があったのだ。そして世界バランスが崩れたのは言うまでも無い

 

「人間達の中で生活すると新しい価値観や見方が生まれてくるかもしれないし、なにより面白そうだから」(まぁ、神様もどきの目を欺くというのも含まれてるけどね)

 

「・・・オーフィスもこの生き方を見習ってほしいものだ」

 

グレートレッドが何か言っているが気にしなくても良いだろう。もう聞きたい事はほぼ無くなったことだし早速行動に移ることにした私

 

「もう行くのか?」

 

時限の狭間に一人で居るせいか寂しいのだろうか、名残惜しい雰囲気を出しているが私の行動は誰にも止められないさ。やることが沢山できたのだから!

 

「また話し相手にはなってあげるよ。もしくはそちらから人間界に来れば良いさ。だけど、龍神の気配は消してこいよ?」

 

「龍の気配を消すだけで良いのかなれば簡単だな」

 

口約束程度だが、龍の約束は大きく意味を成すので一回目ぐらいは私から会いに行ってあげよう。転移門を作り人間界までの繋ぎを作り転移の準備を進め終わった

 

「じゃあまた今度会おう、その時までに罰の方を考えておいてあげるよ」

 

「・・・・・痛くない罰をお願いする」

 

「ん」

 

軽い返事をして龍達は分かれる。グレートレッドは横から飛び去り、私は波乱が起きる人間界へと転移門をくぐった。今回はうっかりが無いように人が居ない山の中へと場所を制限して

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~???side~

 

 

「俺は赤龍帝の籠手と成長速度アップを希望する!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――未来へ向け記す――――

 

 

歪んだ歯車は動き出し、誰も予想だにしない龍と龍の歪なる交差

悪戯に世界を乱す暗躍者は三日月の様に笑う

物語は変わり、酷く醜い世界への道を進むであろう

鍵となる―――――は何を求めるか物語は進む   

 

                                                               語り手:古<>:題,世=n"+**}?

 

 

 

 

 

 

 




今回のお話は如何でしたか?
最後の文は過去の人が未来へ向けての予言のような物です

言っちゃってもまぁいいさ皆直ぐ気付くし・・・(布団)


これからミラルーツさん人間界に登場!
日常生活からはっじまっるよ~





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狩りはまだしないよ?準備だよ!

こんにちは~ぬくぬく布団です

今回は準備ということで、文字も少なく物足りないと思いますが許してください

UAが2300越えと私からしたら驚き物です(゚Д゚)
評価とか感想いただけたら嬉しいです

今回の準備編は短いのでかなり早く投稿することが出来ました


修正
黄金比率→黄金律


~ミラルーツside~

 

とある山の中に私は転移に成功した。空はうっすらと青くもうそろそろ日の出の時間で丁度良い。人化したおかげか森の露が冷たく心地よい。人の気配を探るとそう遠くない場所に沢山あるので、恐らくそこが人間達の街または村だろう。この人間界に転移する際に必要な情報を頭の中に入れ、ごく普通の一般人になりすまし生活を送れるようにしなければいけない。手段としてギルドカードみたいな身分証を作らなければいけないのである。そして最低限のお金も必要となってくる。お金に関しては何かを売って手に入れるしか無いのだ。一応元の世界から水晶を持ってきたので売ればそこそこはいくだろう

 

「面倒いけど頑張りますか~」

 

こうしてミラルーツさんの生活が始まるのである

 

 

 

 

 

 ――――数ヶ月後――――

 

 

「白野ちゃんが荷物運び手伝ってくれて助かるわ」

 

「いえいえ力仕事はお手の物です!」

 

(ミラルーツ改め『白野 美羅(はくのみら)』と言います。この日本という国では漢字を用いた名前が一般だそうで、私も漢字の名前で戸籍を作りました。どうやって作ったか?それは秘密に決まっています!)

 

現在ミラルーツ改め美羅は戸籍を作り隣の家の兵藤さんのゴミや家具の出し入れを手伝っていた

 

「いつもありがとうね。馬鹿息子もこれぐらい手伝って性格が良くなったらモテるのにねぇ」

 

「あははは、一誠君の性格が変わったらそれこそ天変地異以上の物ですよ」

 

「手伝ってくれたお礼にこのお菓子をあげるわ」

 

「ありがとうございます!」

 

兵藤家の奥さんはいつもお礼に何かをくれたりする御陰で良いお隣関係になっている。人化しているとはいえお腹は減るのでこういった食べ物をくれたりするのは嬉しいのである

 

「平和ですね」

 

「一誠が大人しくなればもっと平和なんだけどねぇ」

 

「そういえば、駒王学園(くおうがくえん)に入学してから調子はどう?一人暮らしだと家事とか大変じゃ無いかしら?」

 

「まだ入学して2ヶ月程ですが、いじめ等に遭っているとかそういうのは全然無いので大丈夫ですよ。ただ、同性なのに私を見てお姉様とか色々と言われているのが大変というか何というか・・・」

 

「その容姿だと必然的に目立っちゃうから仕方が無い事よ」

 

美羅は同性でも目が惹かれる程のプロポーションの持ち主である。

髪は肩に掛かるぐらいの長さで色は白銀とそれだけでも目立ってしまう程なのだが、キリッとした赤色の目とすっきりとした顔の持ち主でクールビューティー系のお姉様だ。身長もそれなりに高く、スタイルは上から出る所は出て引き締まるところは引き締まっている姿は女性なら憧れる黄金律の持ち主である。入学後直ぐの健康診断では女生徒はともかく教師も顔を赤くしており、美羅の容姿は全年齢から見惚れる程であった

 

「これからずっとその視線に耐えながら学園生活をすると考えると、家に引き籠もりたくなってくるの・・・」

 

「大変だけど頑張りなさい。引き籠もると出てこれなくなるわよ~」

 

美羅はがっくりと肩を落として落ち込むが、お菓子を食べて少しするといつも通りに戻り夕飯用のご飯の素材を買いに行くのであった

 

かなり人間界での平和な日常を満喫している美羅だが、彼女はまだ知らない。この世界はハイスクールD✕Dであり、兵藤一誠を中心に回る波乱に巻き込まる事に・・・そして、本来のハイスクールD✕Dとは違う流れになることを

 

 

 




今回も如何でしたか?

美羅さんの準備が終わったことなので、次回から本編に入っていきたいと思います

一誠よ、ついに出番だよ。乳龍帝がんばるぞ~


希望があれば感想欄に書いて頂くとMH3rdまでのモンスターを介入させる事は出来ます(布団は3rdまでしかやっていないので注意!そして多いと先着順とさせて頂きます)まぁそこまでは来ないだろうなぁ(・ω・)

次回も暖かい目で見ていってね!



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第1章 -旧校舎のディアボロス-
第1話 ついに登場兵藤一誠!エロが俺の生き甲斐だ!


書けました~

ついにディアボロス編に突入!

一誠がついに始動!どうやって表現しようかな~?楽しみだ!

評価、感想よろしければお願いします



~一誠side~

 

俺の名前は兵藤一誠!駒王学園に合格した男だ。駒王学園は元女子校で可愛い女の子が沢山通うと言われる学校だが、つい最近共学化によって俺の第1志望校になった。だが、偏差値が高く中学時代の俺は無理だと思われていたけれど可愛い女の子達の居る学校となれば話は別だ!必死に勉強して滑り込みで入学することが出来たんだ。周りからは「あり得ない」「コネを使った」「脅した」等と嫉妬の言葉を言われたがこれからの学園ライフを考えると全くもって気にならない物だ!

入学式が終わり自分の教室に入りおきまりの自己紹介。数日後には体育があるがここでは未だ何も行動には移さない・・・何故なら数週間後には大規模イベントの健康診断があるからだ。これが目的の一つでもあり、1~3年に行われる健康診断で俺は自分を解放する!俺はおっぱいが大好きなのだ。小さなお胸様から大きなお胸様までありとあらゆるお胸様が大好きなのだ!!そして、イベントを成功させるために健康診断までは我慢することに成功した。後はイベントを成功させるだけだ!

 

 

――――結果――――

 

ばれてしまったのである

 

何故だ、何故ばれた!?俺達は完璧な布陣だったはずだ!!このイベントの為に最高のエロの同士を集結させた!答えは簡単だ、この学園には3大美女の中の一人、美羅先輩による監視に引っ掛かってしまったからである。くっそう美羅先輩の監視網半端じゃねぇだろ!普通は気付かれないぞ!?

 

エロの同士は二人居て松田、元浜と言う

 

松田は丸刈り頭のが特徴で身体能力が高く、爽やかなスポーツ少年と思われがちだが日常的にセクハラ発言をする奴だ。中学時代は写真部に所属していたらしくパパラッチに関してはお手の物だ。元浜はロリコンだ。眼鏡を通して女子の体型を数値化できる最強のエロメガネだ。眼鏡越しに見ることでスリーサイズが計れるという。しかし眼鏡を取ると戦闘力が激減し、運動音痴になってしまうのが難点だ。そして俺は服越しの状態からでもお胸様を盛っているか盛っていないかを一瞬で判断することが出来るのだ!

そして、3人で固まらずバラバラに点在での観察していたにも関わらず高性能レーダーの如くあっさりとばれたのだ!なお、拷問まがいの説教が行われた。これに関してはトラウマになりそうな物だった・・・だが、俺達エロの同士はこの出会いとトラウマを乗り越えて友情と結束が高まり親友となったのだ!後に変態三人組と呼ばれるようになるのである

 

 

 

 

 

―――――時は少し流れ

 

「おい松田、元浜俺にも見せろ!」

 

「もうちょっと待ってくれ一誠、このメガネスカウターでまだ完璧に計れていないんだ!」

 

「も、もう少しもう少しで全体が写るんだそれまで待て!」

 

体育の授業後、女子達の着替えを覗こうと小さな穴から必死になっている3人の変態、一誠、松田、元浜である。彼らは女子から逆襲に遭おうとも覗きを繰り返す常習犯であり、学園の問題児とされている変態三人組だ

 

「今日のこの時間は美羅先輩は居ないから絶好のチャンスなんだ!」

 

「何度も確認済みだし、この目で早退するのを見ているから大丈夫だ!」

 

「よっしゃぁ!これでオアシスを心ゆくまで覗けるぜ!」

 

このお馬鹿の三人組は今日この日のために綿密な計画を立て実行をしていた。この計画のお陰で彼らは絶景を見ることが出来ていた

 

「よし、B、H、W全ての数値を記録することが出来た。これで全学年コンプリートだ」

 

「こっちもそれぞれ需要のある部分の記録に成功した。残りはカメラの方を回収するだけだ」

 

「う、うっほー!大中小のお胸様ありがとうございます!」

 

「あ、馬鹿声が大きすぎr」

 

「この変態三人組ー!また懲りずに覗くなんてサイテーよ」

 

「捕まえて美羅様に説教させてやるんだからー!!」

 

「「そうだそうだー」」

 

一誠の欲望を抑えきれない大きな声によって女子達にばれてしまった。こうなると誰でも予想できるだろう変態三人組が取る行動とは

 

「「「に、逃げろー!!!」」」

 

そう、逃亡である

 

「「「「待てー!!!!」」」」

 

逃亡する三人組を追いかける数十名の女子達。学園の日常の風景となりつつある鬼ごっこが開始された。鬼気として男達に迫る女子達、捕まったが最後ボコボコにされた後に美羅による説教と折檻が待っているのである。未だに美羅の折檻にはトラウマが残る三人なので捕まらないように必死に走り、時には物陰に隠れたりと女子達が諦めるまで逃げるのである。逃げ切ることに成功すれば美羅による折檻は無くなるので、どちらも全力で追いかけ、逃げる

何故折檻が無くなるのか、その理由は最初の折檻の時に美羅がそう宣言したからである。美羅曰く、「過ぎた事を次の日までいちいち気にするな。」だそうだ。その実二回目に逃げた際、折檻をしなかったので両間からの暗黙のルールとなっているのである

 

「ふぅ、女子達も中々にしつこいぜ」

 

「ここからは分かれて行動しよう。捕まったら・・・ご臨終と言うことで」

 

「「了解」」

 

そう言い残すと三人は健闘を祈るように分かれた

 

 

――――数十分後――――

 

松田、元浜達は捕まり校舎前でボロボロになっていた

 

「松田、元浜お前達の意思は俺が引き継ぐ!」

 

しかし、後ろから気配を消して近づく女子に気付かず俺も呆気なく捕まった。松田、元浜達だけにしか分からないはずの場所だったのだが、女子達が言うには違うクラスの男子から言伝だったのだ。名前を聞き出そうにも口が堅く俺達は知ることが出来なかった

 

 

 

 

 

 

 

 

女子達に連れられると何故か居るはずの無い美羅先輩が俺達の前に座っていた

 

「やぁ一誠、松田君、元浜君。また懲りずに覗きを行ったそうね」

 

「「「・・・はい」」」」

 

やばい!!美羅先輩は機嫌が悪いせいか笑っているのに目は全然笑っていない!恐怖で体が震えてる・・・俺終わったな。ハハハハハ

 

一誠達は顔を青くし、冷や汗が止まらなかった

 

「いつもなら今すぐに説教と折檻なのだが、一誠に訪ねてきた人がいるから明日にしてあげよう。だが、いつもより厳しくするから覚悟はするように」

 

最後の言葉で俺達は真っ白になってしまった

 

「一誠早く準備しなさい、訪ねてきた人は違う学校の女子だぞ」

 

美羅先輩の一言で俺は再起動

 

「マジですか!行きます。何処に行けば良いんですか?」

 

「校門前に待たせている。生徒じゃ無い者を勝手に校内に入れるわけにはいけないからね」

 

それを聞き俺は全力で校門前へ走った

 

 

 

 

 

――――正直に言おう、めっちゃ美人だった!俺が校門前にたどり着くと黒髪の高校生が立っていた。俺はその女に見惚れていると、相手がこちらに気が付いたのか声を掛けてきた

 

「えっと、貴方が兵藤一誠君で間違いないですか?」

 

「えっ!?は、はい俺が兵藤一誠です!」

 

「私は天野夕麻と言います」

 

俺は緊張をしたせいか驚きつつ返事をしてしまったが相手は気にせず名前を教えてくれた。そして次の彼女の言葉で俺は今日二度目のフリーズをした

 

「えっと、その・・・私と付き合ってください!」

 

「はい?」

 

驚きのあまりそんな言葉が無意識に出てしまった。一応自分がモテると思ったことが一度も無かったので改めて相手に聞くことにした

 

「えーと、もう一回お願いします」

 

「わ、私と付き合ってください!!」

 

「こちらこそよろしくお願いします!!」

 

 

 

 

 

即答である。こうして俺は人生初の彼女ができました

 

だが、一誠は気付かなかったのだ遠くから見ている男の影を

 

 

 

 

 

 

 

~???side~

 

「やっと主人公の奴が告白されたか。・・・って事はこれから旧校舎のディアボロス編の始まりって事か。長かったぜ~俺の無双がついに始まるんだな!」

 

 

 

運命の歯車が狂い二度と修復できないほどに壊れた

ついに予言の言葉が本来の物語の上書きをし始めることとなる

美羅と一誠は運命にどう流されるのか、そしてもう一人の男の正体は!?

 

 

 

 




どうでしょう?最後の正体は分かりましたか?

どんどんと展開が加速していきます
次はどうしようか迷い中・・・うーん悩むなぁ(^^;)

取りあえず頑張ろう!これだけしか言えない(^O^)
それでは次回もお楽しみに!




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第2話 俺人外になりました!?

気が付けばUA4000突破そしてお気に入りが45を超えていました

ありがとうございます!

感想も頂きました。とても励みになる一文です!

これからも頑張っていきたいと思います

まだまだ一誠のターンは続く!




俺は今、猛烈に感動している!!今までモテなかったせいか告白されたことが夢だと思っていた。だけど、別れ際に電話番号、メールアドレス、写真を頂いていたのでそれが夢では無いと改めて感じさせてくれた。あぁ、あの黒髪美人が俺の彼女・・・松田と元浜に早速教えよう!

 

通学途中に俺は夕麻ちゃんと合流し、予定通り松田と元浜達の元に行くと

 

「松田、元浜、俺に彼女が出来たぜ」

 

「「んなっ!?」」

 

「よろしくお願いします」

 

美人である夕麻ちゃんを見たせいか二人は驚愕し、この世の絶望の様な目をして滝のような涙を流していた。夕麻ちゃんとは違う学校のため途中で分かれ俺はルンルン気分で教室に向かおうとしていた。しかし、俺は忘れていた―――――今日行われる地獄の折檻と説教があることを・・・・・それに気が付いたのは校門をくぐり抜け靴箱に到着し、肩に手が掛けられた時だった

後ろには美羅先輩が凶悪なオーラを纏い笑顔で立っていたからだ。俺がこの日地獄を見たのは言うまでも無かった。何故か分からないが美羅先輩が夕麻ちゃんについて少し聞いてきたので、俺の彼女になったと伝えると心底怪しそうな顔付きをしていた。俺って信用が全くないのね・・・別れ際に「気を付けるように」と言われたが何のことだかさっぱり分からなかった

 

 

放課後になり俺は夕麻ちゃんと待ち合わせをしていた場所に向かい一緒に下校していた

 

「ねぇ、一誠君今度の土曜日にデートしたいんだけど駄目?」

 

夕麻ちゃんから誘われるデート!返事はもちろん

 

「駄目なもんか!いくらでも良いに決まってるだろ!!」

 

「じゃあ今度の土曜日、10時に駅前に待ち合わせで」

 

「今度の土曜日の10時に駅前に集合か、了解!」

 

夕麻ちゃんと簡単な集合場所を決めて俺達は帰宅するのだった。俺の場合はデートという生まれて初めての響きにわくわくでスキップしていた

 

 

 

 

 

―――――土曜日

 

「少しだけ早く来過ぎちゃったかな」

 

俺は嬉しさのあまりかなり早く待ち合わせ場所に到着した。9時~10時の間でなおかつ土曜日、人が多かったので駅前直ぐの歩道で立って待っていると、チラシ配りの人から一枚渡されたのでポケットの中にしまい込んだ

 

「相手が女の人だからつい取っちまったけど、怪しさバリバリだな」

 

紙には『あなたの願いを叶えます』という胡散臭い文字と魔方陣みたいな模様が描かれていた紙だった

 

「もうそろそろ時間のはずだけど」

 

「一誠君お待たせー!」

 

俺に気が付いたのか手を振りながらこちらに走ってきた

 

「ごめん。待った?」

 

「いいや俺も今来たばっかだよ。」

 

くぅ~一度は言ってみたかった台詞を言えたぜ

 

ショッピングにランチと定番のカップルが行うデートに俺は鼻を伸ばしつつ、夕麻ちゃんに誘われるように公園まで一緒に歩いていた

 

(よし、勇気を出せ兵藤一誠!この後に告白するぞ!!)

 

俺は一世一代の告白。そう、結婚前提でのお付き合いという告白をしようと心に決めていた。そう心に言い聞かせていると公園の中心近くの噴水のそばまでたどり着いていた

 

「私、一誠君にお願いがあるんだけど聞いてくれるかな?」

 

「お願いって何だ?」

 

夕麻ちゃんは俺の真正面に立って告白した

 

「死んでくれないかな」

 

「えっ?」

 

俺の聞き間違いだろうか先程までの彼女とは雰囲気が少し変わっていたが聞き返す

 

「ご、ごめんもう一度言ってくんない?俺の聞き間違いだと思うんだけど」

 

俺の耳元まで顔を近づけてまた告白する

 

「死んでくれないかな」

 

彼女は言うと同時にその姿を変貌させた。服はきわどく、肌の露出が多く普通であれば目を奪われてしまうが背中にある黒い羽に釘付けでそれどころでは無かった。俺の頭の中はパニックになり何かを言うことも出来まいまま尻餅をついた

 

「あなたとの生娘のおままごとのデート少しだけ面白かったわ。それに買ってくれたプレゼントありがとう」

 

彼女の腕に付けられているリボン、それは俺がショッピングをしていた際にプレゼントした物だった。俺は立ち上がろうとするもそれが叶うことは無く

 

「じゃあ、死んでちょうだい」

 

彼女の手から作られたであろう光り輝く槍に俺は貫かれた

 

「私達の計画に邪魔になる可能性があるからあなたは殺されるの。もし、恨むならその身に宿る神器(セイクリッドギア)を与えた神様を恨みなさい」

 

段々暗くなる俺の視界から彼女は飛び去って行く間にも体が徐々に冷たくなり動かなくなっていく

 

(あぁ俺はここで死ぬのかな・・・死にたくねぇよ・・・未だおっぱいを揉めてもいないのに死ぬなんて嫌だ。もし生まれ変われるなら美少女の胸の中に埋もれて死に・・・たかっ・・・・・た・・・・・・)

 

思考出来ずに闇の中に吸い込まれていく中誰かが近づきこう言った

 

「あなたね私を呼んだのは――――――――――どうせ無くなる命私が拾ってあげる。そしてあなたの命は私のために使いなさい」

 

ここで俺は意識は完全に闇の中に吸い込まれた

 

 

 

 

 

ピピピピピ

 

『起きないと斬り殺しますよ』

 

ピピピピピ

 

『起きないと斬り刻みm』

 

闇の中から意識を取り戻し鳴り続ける時計を止めた

 

「あ”あ”ーもう、この目覚ましのお陰で最悪の夢を見ちまったじゃねぇか」

 

未だに信じられないようなリアルな夢で、寝汗が凄く一度シャワーを浴びないといけない程だった。そんなこんなでシャワーを浴び俺はいつも通り学校へ向かったが、通学途中に夕麻ちゃんが居なかった。その時は風邪か何かだろうと思いそのまま学校へ行ったが、俺は信じられない事を知ることになる

 

 

「えっ!?お前らマジで夕麻ちゃんの事覚えてないのか?」

 

「だから、夕麻ちゃんって誰だよ?」

 

「何度も聞かれるがそんな子は知らないし、そもそもお前に彼女が出来るなんて絶対にアリエナイ~」

 

「そんなはず無いって、写真にメアドだって・・・ってあれ?無い?」

 

携帯に保存していたはずの写真とアドレスが消えていた

 

「はいはい、妄想彼女乙~」

 

「こりゃ重傷だ病院へ行け」

 

何度確認しても写真にアドレスも消えており探していると、妙な視線を感じ顔を上げるとそこには紅い髪の女性が見ており俺を流し見るように階段を降りていった

 

「なぁ、あの人って」

 

「リアス・グレモリー先輩だな。駒王学園の3大美女の一人で美しすぎて近寄れねぇよ」

 

「気品がありなんとも言い難いオーラでお姉様と呼ばれているのさ。ちなみに北欧辺りの出身で、99、58、90と芸術と呼べる程の体つきで、オカルト研究部の部長様だよ」

 

「よく調べてるなぁ・・・」

 

「俺に掛かれば当然だ!」

 

松田と元浜達がリアス先輩の事を話しているが俺は何故かリアス先輩が見えなくなるまで見続けていた。昼休みに確認の為美羅先輩にも夕麻ちゃんの事について訪ねたが知らないと言われた

放課後は松田の家に集まりアニメの鑑賞――――――だが、俺の心の中は現実だったはずの夢について疑問に思うことばかりだった。途中で気分が悪いと断り帰宅する途中にあった公園、夢の中で俺が殺された公園だ。噴水前まで来て考えていると誰かがこちらを見ていた

 

「だ、誰だ!?」

 

「俺に気が付いたか、まぁあそこまで殺気をぶつけると誰でも気付くがな」

 

「しかし、数奇なものだこんな田舎町に貴様のようなはぐれがいようとは」

 

俺はあの男に体が震えて、何故か分からないが本能がやばいと告げている

 

「逃げ腰か、やはりはぐれの存在だからか」

 

「!?」

 

男に睨付けられ後ろに数メートル飛び退き俺は驚いた。自分ではほんの少しだけ後ろに下がったはずだったのだ。俺はこの現実について行けず相変わらずパニックに陥っていた

 

「はぐれでも我々の計画の邪魔になる可能性は否めん、故に貴様を殺す」

 

「わ、わっけわかんねぇよ!」

 

逃げた。俺は相手に背を向けて逃げた。人生の中で一番ともいえる程全力で走った。だが男は夕麻ちゃんと同じ黒い羽を広げ俺を追い越し目の前に降り立った

 

「手間を掛けさせるな坊主。一瞬で終わらせてやろう」

 

「くそ!夢じゃ無かったのかよ!!」

 

悪態を吐きつつも男が作り出す光の槍を避けようとするもそれは腹部に直撃した

 

「っ~~~~~~」

 

声も出ないほどの痛みだった。夕麻ちゃんに受けた槍よりも男が作り出した槍の方が何倍も痛かったのである

 

「避けなければ楽に死んでいたものを、だがこれで終わりだ」

 

男が光の槍を掲げ俺の頭を貫こうとした時、聞き慣れた声がこの場に響く

 

「そこに居るのは一誠君?」

 

そこに居たのは駒王学園3大美女の一人である美羅先輩だった

 

 

 




如何でしたか?

今回も全力全開!!早い投稿となりました。

夜遅くの投稿となってすまない。


次は美羅さんの出番だ!
少しだけ遡ってからのお話となります。

次回をお楽しみに!



P、S、オリキャラがまだ登場できねええええもっと文字を増やすか投稿速度を速めねば!


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第3話 龍の尾を踏む烏達

こんにちはぬくぬく布団です~

あれー?何故か毎日の投稿になってる。2~3日おきじゃ無くなってるよ(゚Д゚)暇なときに書いてるとちょいちょい進むものですね

しかし、これからはかなり原作ブレイクしてきそうなので遅くなるかもー?

評価・感想宜しければお願いします


~美羅side~

 

私は色々な意味で心労が続ていた。一つ目はこの駒王学園の3大美女として祭り上げられ学生達から「お姉様」等と呼ばれる事、二つ目は一誠君を含む三人組達の行いである。周囲からは変態三人組と呼ばれ大っぴらにエッチな本やDVD、猥談や覗き等の問題行動を起こし、三つ目は偶に一誠君のお母さんから相談や「息子を貰ってくれ」等の無茶苦茶な提案を受けたりしている

人間になってからこういった心労がヤバイのだ。龍の時には分からなかった疲れであり、それもまた新しい体験だった為あまり気にしない様にしていたのだが、ほぼ毎日の如く相談をされていたらウザいのなんの・・・ちょっとストレス発散として地面にパンチすると地震となりニュース速報となり焦った。ストレス発散の方向を変えて食の方で発散することにした

自分で料理し、既存のレシピにアレンジを加えたり、新しいレシピの開発した。Coo〇P〇Dに掲載すると専門の雑誌に取り上げられインタビューされる事になったり・・・(顔出しはNGでコメントのみの方向でなんとかなった)目立つのが嫌になったので新しくL〇ENのスタンプを作ると、人気爆発で収入が数百万単位になり、ある意味人間が怖いと感じた出来事の数々だった。そんな日常を送っている最中、一誠君を訪ねる女性がやってきたのだ。その翌日一誠君から「彼女が出来ました」と教えられつい

 

「昨日の女性から何か弱みでも握られて精神がおかしくなったの?」

 

と不躾な事を言い一誠君が膝を付いて落ち込んでしまった。その後フォローしたのは言うまでも無い。その数日後デートするらしく、アドバイスについて色々と聞かれた。

 

「私は今まで誰とも付き合ったこと無いから良く分からないよ」

 

一誠君は何故か「あり得ない」と口にしたので、グーで殴っておいた。相談されたので無下にも出来ず取りあえず無難であろうショッピングでプレゼントや、景色の良さそうなカフェで昼を食べる等の誰もが考えそうな事をアドバイスした後、一誠君が教室を出た少し後に一人の男子生徒が訪ねてきた

 

「白野先輩。相談したいのですが宜しいですか?」

 

まだ放課後の時間に余裕があった為その生徒の相談も受けることにした。ちなみにこう言った相談事は絶えないのである

 

男子生徒の名前は東条転堂、悩みとしてはこんな感じだった

 

「認められない存在が居る時はどうしたら良いのか」

 

とても分かりやすく誰もが考える悩みだ。正直に言ってこう言った悩みに対するアドバイスは出来なかった

 

「それは誰にでもある悩みで、どのタイミングで前に現れるかどうかだから私にはどうして良いか分からない」

 

悩む事はしなければいけない。悩みすぎるのはいけないが、悩む事をしないのはもっといけない事である。思考を停止し誰かに委ねるのは、自分の人生のレールを敷かないのと同じだからだ。自分の行動に無責任となり、周囲に撒き散らす事をしかねないからだ

 

「君の悩みはつい最近になって現れたかそんな感じに聞こえる。悩まず誰かに答えを求めるのはあまり感心しないよ」

 

「・・・分かりました」

 

相談はこれだけだたのか彼は帰って行き、この出来事は何故かこの先に対して私を不安を感じさせることになった。日も暮れ私は帰宅し、何時もの日常を送った

 

学校に登校し、一誠君からの一言で少し混乱した

 

「美羅先輩、俺の彼女について知っていますか?」

 

これである。・・・一応私は平和な日常を送る為にその事実に触れずしらを切った

 

「いや・・・知らないが。どうかしたの?」

 

「・・・いえ・・・何でも無いです」

 

一誠君が何かに関わったのか分からないが、自分から非日常に足を突っ込んでいくのは嫌だった。しかし、自分の存在は否応なくそういう道を通る事になるのを私は未だ知らない。放課後、珍しく相談事が無かったため私は少し足を運び大きなスーパーへと買い出しに向かう。その足取り一歩一歩が平和な日常の破滅のカウントダウンの始まりである。珍しい調味料と新しく出た調理器具そして食材を買い両手一杯な状態で私はスーパーを後にした

周囲の人は女性一人が沢山持っているのが珍しいのか目を合わすぐらいだったが、チャラい男達は「重そうだね~家まで運ぶのを手伝おうか!」と声を掛けてきたりとストレスが凄まじい勢いで溜まり始める。チャラい男達は突っぱねて拒否をし、食い下がる者達は蹴飛ばし黙らせた

 

家までの近道である公園を突っ切っていると

 

「避けなければ楽に死んでいたものを、だがこれで終わりだ」

 

この公園に似つかわしく無い男が、私のよく知る男の子に光る槍を突き立てていた。その状況と男を見て私は言葉を漏らす

 

「そこに居るのは一誠君?」

 

心底驚いた顔で私の顔を見つめる一誠君がそこに居のだ

 

 

 

 

~一誠side~

 

なんで!?なんでここに美羅先輩が!?俺はパニックな思考から一変しこの疑問だけに切り替わり精一杯の力で声を出した

 

「に、逃げてください美羅先輩・・・」

 

しかし帰って来た言葉は冷静な言葉だった

 

「110番でコスプレした変な男に襲われていると電話するよ。それと119番もね」

 

「」

 

絶望だった。俺はこの男が人外の類いだと理解して言ったのだがいつも冷静な美羅先輩はこの男をコスプレをしている男と判断して携帯電話を出していた。しかし、その携帯電話も男が投擲した光の槍で粉々に砕け散ったのだ

 

「面倒いのは嫌いでな、女には悪いが見たからには死んで貰うぞ」

 

男は一途な希望の電話すらもさせてくれなかった。しかし次の言葉を聞いて俺の体と男のがピクリと反応して硬直した

 

「私の携帯をよくも壊してくれたな」

 

美羅先輩からいつも説教や折檻をしている時の比じゃ無いほど怒気を放たれていた

 

 

 

 

~美羅side~

 

私は人間が行うであろう通報をしようとするも、携帯電話が破壊され怒った。最早一誠君には秘密にしなくても良いだろうと思ったからだ

 

「この力は隠してずっと平和な日常をと思っていたんだけどなぁ・・・もういいや、お前は一誠君を殺しそうだし何より私の携帯を壊したことで生かすつもりはないから」

 

「っは、人間如きが虚勢を!」

 

力の差を感じ取れないのか男は未だ吠える。私は今持ってある荷物を地面に置き相手を見据えようとした時目の前から光の槍が投擲された

 

 

 

 

~side合流~

 

美羅に槍が投擲され胸を貫かれ事を確信し堕天使は勝利を確信したのか笑みを浮かべ

 

「ただの人間が粋がるからこうなるのだ」

 

「そ、そんな・・・美羅先輩・・・美羅先輩・・・」

 

一誠は目の前の光景の現実を受け入れなようとしないせいか壊れたように繰り返しブツブツと呟く

 

「さて、次は貴様の番だぞ小僧。その女を殺した同じこの光の槍で死ね」

 

またしても、一誠に突き立てられた槍が到達する前にある言葉によって遮られる

 

「私の下僕に手を出さないでくれるかしら?」

 

そこに居たのは美羅と同じ3大美女のリアス・グレモリーだった

 

「ほぅ、その紅い髪グレモリー家の者か」

 

彼女の周りから魔方陣が現れ数人の男女が姿を現す

 

「ふっ、眷属も引き連れての登場とはこちらに分が悪いな」

 

「私の下僕がピンチだったからフルメンバーで来たの、悪いけれど今日の所は引き下がってくれるかしら?」

 

「まぁ良いだろう目撃者である人間は殺したからな」

 

堕天使はそう言い親指を美羅の方へ向けると、リアスや他の眷属達も動揺した瞬間、堕天使は翼を広げ逃げようとしたが生きているはずの無い人間の言葉を聞きその場に居る全員が驚愕を露わにする

 

「あぁ痛いなぁ、そして服も台無しになってしまったな今日は散々な日になっちゃったな。それから、もうその槍は効かないよ?」

 

美羅が言い終わる前に光の槍を投擲するも、彼女の体に傷一つ付けられず跳ね返される。その事実に堕天使は何かを言おうとするも美羅によって言葉は遮られる

 

「言ったよね?生かすつもりは無いよって」

 

そう言い終わると同時に美羅は、堕天使の首を掴み片手で持ち上げた。息をすることが出来ないのか、堕天使は美羅の手首を持ち今有る力全部を出すように言葉を投げる

 

「貴様、一体何者だ!!」

 

「私はただ平和な日常を求めていた存在だよ」

 

瞬間夜を真っ白に照らすほどの光が生まれ堕天使の体は塵も残さずに消え去っていた。

その光景を見ていたリアス含め眷属達は何が起こったのか混乱していた。美羅は一誠を治療し、何も言い残すことは無いという風に荷物を拾い直し帰宅しようとするも、我に返ったリアス達が説明を要求する

 

「ちょ、ちょっと美羅。あなた待ちなさい!」

 

「そ、そうですわ!お話を少し!」

 

三大美女のリアス・グレモリーと姫島朱乃が待ったを掛けるものの

 

「用があるなら明日にして」

 

と突っぱねられ歩き去って行く美羅。それを追うように一誠の意識も闇に落ちる

 

 

 

 




今回も如何でしたか?

堕天使の男=ドーナシークさんが名前を呼ばれることも無く退場です
あっれ~?気が付いたら忘れてたって落ちです
ドーナシークさん すいません!!。゚(゚´Д`゚)゚。

美羅はリアス達に力の一端を知られる事に
うっかり発動!


          次回

『~知られた!美羅の力の一部!そして大激怒!~』(未決タイトル)

お楽しみに~♪



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第4話 早い登場!紅い魔王様

こんにちはぬくぬく布団でございます。投稿が遅くなり申し訳ありません。家の畑仕事の手伝いで朝から夜までと中々書く時間が得られなかった為遅くなりました

今回は原作とは違いシスコン魔王の登場!だけど、職務中はやっぱり真面目なのね・・・

それではごゆっくりと暖かく見ていってね




~美羅side~

 

やってしまった――――――――平和な日常を謳歌するためには首を突っ込みすぎない方が良いと前々から思っていたのだが、買い物帰りに溜まったストレス発散を先の堕天使にやってしまった。しかも周囲に気を張っていなかったおかげでリアス・グレモリー(以下リアス)とその下僕と思われる者達に見られてしまった。明日に説明をするとは言ったのだが誤魔化そうにも無理っぽい。まぁ、一誠君が死ななくて良かったと思おう!一誠君のお母さんにはお菓子を貰ったりと色々お世話になってるから仕方が無い・・・・・とはいえ明日が憂鬱だ

 

家に帰宅した美羅は自身の血で汚れた体をシャワーで洗い流し、今日の出来事が無かったかの様に食事をしながら思い、気が付くと食べ終わっていた

 

「・・・寝よう」

 

就寝はいつもよりも少しだけ早い22時に眠ることにした

 

 

 

――――翌日――――

 

 

~一誠side~

 

目覚めた俺は自分のベッドで眠っていた。昨日の羽の生えた男に刺された場所は傷一つ無い普段通りの体だった。しかし、今の俺は何も着ていないのだ。俗に言う生まれたm・・・ゴホンゴホン

それは兎も角違和感があった。俺の隣に人一人ぐらいの大きさの別の膨らみあったのだ。恐る恐る布団を除けてみるとそこに紅い髪の女性が裸で寝ていた

 

「うおぁ!?」

 

目の前であり得ない出来事に俺は背中から落ち直ぐ俺は大事な所を手で隠した後に直ぐ女性が誰であるか把握した

 

「な、なぁ!?リアス先輩!?」

 

素っ頓狂な声をあげた自分自身こんな声が出てびっくりだ!

 

「んぅ・・・もう朝?」

 

まだ寝ていたいのか目を擦りながらゆっくりと体を起こすのだが、その一つ一つの仕草に胸が揺れており俺は顔を紅くしながら釘付けになっていた

 

「おはよう」

 

「え!?あ、そうだ。きっと夢なんだ。まだ俺は夢を見てるんだ」

 

未だにあり得ないと思う俺が出した答えは如何ともしがたいものだ。そしてリアス先輩から告げられる

 

「全て現実よ、貴方が今まで体験した全てね。そして、私はリアス・グレモリー悪魔よ」

 

俺は登校するまで朝の出来事をあまり覚えていなかった

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

私はリアスが一誠君を家まで運んで行ったのは確認済みだったのだが、まさか朝まで一緒に居るとは思わなかった。そして一緒に登校するという・・・学園生全員が驚愕物だ。これからリアスと一誠君について相談事が沢山来るとなるとため息が出そうだ。放課後私のクラスに1年の塔城小猫が訪れてきた。正直な所、「自分が呼んだんだから自分が呼びに来いよ」と心の中で愚痴を漏らしつつ一緒について行くことにした。行き先は旧校舎のオカルト研究部で、そこに全員が揃っていて一誠君も他の眷属が迎えに行っているらしい

 

「下僕ではなく眷属というのか。リアスの性格からしたら下僕だと言いそうなのだけど・・・」

 

「いえ、リアス先輩は下僕というより眷属もしくは家族として私達を見てくれています」

 

口に出てしまい、小猫が否定をする

 

「「・・・・・」」

 

沈黙が流れても歩き続けすぐに部室前に到着した。小猫がノックをして入るとそこには全ての眷属、そして一誠君が居た

 

 

 

 

~合流~

 

「私を呼び出した本人は何処に居るの?」

 

「今シャワーを浴びていますわ」

 

姫島朱乃(以降、朱乃)がそう答える

 

「昨日からシャワーを浴びてなくて、美羅が来るからとの事で浴びているのよ」

 

「私はさっさと家に帰りたいんだけどな」

 

「御免なさい待たせてしまって」

 

バスタオルで髪を拭きながら出てきたのでそれなりには急いでいたのだろうと思われる

 

「いえいえ、全然待っていません」

 

エロのおっぱい魔神こと一誠君にとってはどうでも良いことだったのだろう。本当にあの親からどうやってこのエロ助が誕生したのか過去の映像を見てみたいと思うぐらいだ

 

「さぁ、これで全員揃ったわね」

 

なるべく平和にそして何事も無いようにと思いながら話する。だが、これから私にとって不愉快な気分にさせる馬鹿が現れるまでは

 

 

 

 

――――小一時間程――――

 

「と、これが今回の出来事よ」

 

リアスから殺された理由と、悪魔、天使、堕天使の存在について分かりやすく説明を一誠君にし終えた

 

「そ、そんな・・・俺はその神器(セイクリッドギア)を宿しているからって理由で殺されたって事ですか」

 

「・・・・・」

 

酷い話だ、ただ可能性があるからという理由だけで人を殺すというのだ。一度殺された当の本人はショックが大きいだろう。堕天使は一誠君が神器(セイクリッドギア)を宿し自分達の危険性が有りそうといった理由で近づき油断した所で殺すなんて本当に反吐が出そうになる。何かしら理由があり、それが世界にとってバランスを崩す程の危険性を持ち尚且つそれが戦闘狂(バトルジャンキー)ならいざ知らず自分勝手な理由で私を介しての事となると余計に酷い。最早堕天使は生かしておく価値すら無いと私は判断し価値の無い存在になっていた

 

「そう、未だ貴方の神器(セイクリッドギア)は発現出来ていないようだから最低でも防衛手段を持っていた方が良いでしょう。早速だけれど神器(セイクリッドギア)を出してみましょうか」

 

「えっ、俺は出し方とか分からないんですけど?」

 

「左手をかざして自分が一番強いと思うものを想像しなさい」

 

「一番強いと思うものですか・・・・」

 

一誠君は目を閉じ集中しているのだろうか、それでも神器(セイクリッドギア)は発現しない

 

「無理みたいね」

 

「す、すみません・・・」

 

一誠君は謝るが気にしなくても良いだろうと私は思う。今まで平和な日常を送っていた人間がいきなり非常識な力があるので使ってみよう等、直ぐに出来る物では無い。出来る者は天才と呼ばれたりする者たちだろう

 

「仕方が無いわ、直ぐに発現出来るとは限らないわ。それと話は変わって・・・・・美羅。貴方は一体何者なの?普通の人間が堕天使を消し飛ばすなんて無理なはずよ。そもそもの問題で貴方は胸を光の槍で貫かれて死んだはずじゃないの?」

 

「なっ!?だ、大丈夫なんですか美羅先輩!?」

 

今現在生きて目の前に居るというのに、一誠君は心配してくれている。これは彼の良いところの一つでもあるのだろう。知り合いが傷つく事を許さず、自分が盾になるように庇う強さと誰にでも優しく接する心の広さがある。これでエロの方が無かったらモテているだろうに

 

「今目の前に居ることが何よりの証拠だと思うのだけどね」

 

「それに関して色々と話をしたいって、これは!?」

 

部室の室内に魔方陣が出現し、二人の男女が現た

 

「やぁ、リアス元気かい?」

 

「お、お兄様!?」

 

リアスの驚きから察するに何の相談も無くここに来たのだろう

 

「へ?この人が部長のお兄さん?ってか隣のメイドさんは・・・」

 

「私の女王、グレイフィアだよ。この男の子は新しい眷属かい?」

 

一誠君の事を言っているのだろう。リアスが眷属にする者が珍しいのかリアスのお兄さんはじろじろと見ている

 

「あ・・・えっと。じ、自分は兵藤一誠と申します」

 

「うん、元気の良い返事だ。これからリアスのことを頼むよ。そして、君は人間だけど何者なんだい?」

 

「・・・・」

 

私がもの凄く苦手とするタイプの人であり、きっと腹の中では黒い何かを考える面倒くさい部類だ

 

「ちょっと美羅、お兄様は学園の理事長なのよ挨拶ぐらいして頂戴」

 

「・・・はぁ、私は白野美羅です・・・以上」

 

「ははは、僕の何がいけなかったのかな?」

 

もの凄く冷徹な目で挨拶をすると理事長は永久凍土に凍りづけされたように動かなかったが、口だけは苦笑いで答える。その様子はとても悲壮感が漂っていた

 

そして私は話をぶった切る様にこの腹黒魔王に本音を投げかけた

 

「正直に言わせて頂きます。この駒王市の管轄をリアスに一任するのは辞めて頂けませんか?」

 

私をイライラさせる原因の一つを問い投げた

 

 

 

 

 




如何でしょうか

ストレスマッハのミラさんに今度は魔王様が逆鱗に触れてしまうのか!?それとも、平和的に解決する事が出来るのであろうか・・・

次回こそ、その答えがでます

頑張って書くよおおおお  u(゚Д゚)u<カタカタカタ←キーボードを打つ音


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第5話 悪魔もピンチ!?赤髪少女は恐怖する

こんにちはぬくぬく布団ですぅ

今回も遅くなってしまい申し訳ありませんでした!
今後に繋ぐ話を確実な物にしていく為に、読み直し+修正でこんなに時間が掛かってしまいました

今回は・・・うん、タイトル通りになります




~美羅side~

 

「正直に言わせて頂きます。この駒王市の管轄をリアスに一任するのは辞めて頂けませんか?」

 

私はこの町に住み始めて早2年半ぐらいで、リアスがこの学園にやって来た時から管理しているとなると駄目駄目だからだ。現場確認はしていないが、私の気配探知によりこの2年で数えきれない程の被害が出ているのだ。平穏に暮らすといっても、ここまでの被害が出て対策をする気配がないのだ。ホント役に立たない蝙蝠だ

 

「ちょっと!私の管理に文句があるっていうの!!」

 

「私にも何処がいけなかったのか説明して頂こうか?」

 

紅髪の兄妹が同時に聞き返す。美羅の我慢の限界がついに切れた

 

 

 

ブチッ!

 

 

 

普通は聞こえない筈の音が聞こえた。この部室に居た全員はそうだが、この音は学園全体にまで聞こえるものだった。幸いなことに一般生徒は帰宅済みだったが、学園に残り仕事をしていた生徒会のメンバーの全員に聞こえていたのだ

 

「あばばばばミラセンパイコワイミラセンパイコワイアツイマセンウツクシイデススイマセンスイマセンスイm」ガクガク

 

『!?』

 

一誠が突然奇声を叫んだ後壊れた機械のようにうわ言を並べ始め震えだし全員が驚く

 

「えっ!?ど、どうしたの一誠!?」

 

「な!?彼に一体何があったのだ!この学園を狙った新しい魔術の一種か!?」

 

「一誠君!?」

 

『  』

 

「気持ち悪いです」

 

彼の変化に声を掛ける三人、未だに驚きで声を出せない者、一人は一誠の壊れ方に素直な感想を声に出す

 

「スイマセン!スイマセン!ソレダケハカンベンシテクダサイ!ッアーー」ビクンッビクンッ

 

懺悔の言葉を言い残し気絶する一誠。そしてそれをいつも通りといった目で見る美羅が口を開く

 

「ねぇ一誠君誰が寝て良いって言ったのかな?新しい人を紹介してあげようか?」

 

「スイマセンデシタッ!もう起きました!!」

 

気絶してたであろう一誠は飛び起き土下座する。彼に何があったかは知る人は当人達のみである

 

「さて、話は戻ってリアスと理事ち・・・ここではこう言いましょうか。リアスとその兄である魔王サーゼクス」

 

「「な、何を・・・」」

 

息がぴったりの二人に対して美羅は問いを投げる

 

「グレモリー家を最後に残し冥界を焦土にしてあげましょうか?」

 

『えっ?』

 

全員言っている意味が理解できなかった。冥界について少しでも知識が有る者達ならば口を揃えてこう言うだろう『君は何を言っているんだい?』と。神龍達ならば可能であるが、今目の前に座っている彼女は人間でありそれ程の力を持っている筈がない。現にサーゼクスはこの部屋に訪れる前と後とで彼女の力を計っていたからである

 

「・・・笑えない冗談はやめたまえ。その宣戦布告を意味する発言は魔王で冥界を治める者の一人としてこの場で対処するが、今回はリアスの学友なので何もしないでおくよ」

 

魔王とは一つの領土を治める者として他者からなめられてはいけない。魔王の中ではかなり優しい部類に収まるサーゼクスでも美羅の言葉には許せないものがある。しかし、彼は知るのだ美羅の例外さと怒りっぽい事を

 

「あなたは未だにただの龍の手(トゥワイス・クリティカル)に擬態するの?役立たずの龍に成り下がるの?」

 

『・・・・・小娘よ口の利き方に気を付けろ。俺がただの龍でない事はしっているだろう?』

 

美羅はサーゼクスとは違う者に問いを投げると、一誠の左腕から低い声と同時に龍の籠手が姿を現す

 

「やっぱり赤い龍って相手を見下す感じでむかつく」ボソッ

 

「成程・・・赤龍帝という事か。もしや彼が君の戦力の一人かい?」

 

『小娘よ、担い手が手を貸しても我は手を貸さんぞ?』

 

この場にいる誰もが美羅の力に気が付かず、見下す発言も聞こえる。周囲に結界を張り、安全を確保して私は力を少し解放する。それと同時に雷が体を纏う様に帯電し始め、周りが警戒をすると同時に転移紋が出現し一人の女性が姿を現す

 

「美羅よ久しいな!」

 

「こ、この力は!?」

 

赤髪の女性・・・それは次元の狭間にいたグレートレッドだ

 

『ほう、グレートレッドがここに何用だ?』

 

「我は友である美羅に会いにやって来たのだが・・・ふむ、面倒事か何かか?」

 

『   』

 

全員が察したのだ。グレートレッドが美羅の味方ならば冥界が焦土になるのも必然で、それを避けるために魔王は態度を変えお願いをする

 

「先程までの言動について申し訳ない。美羅さん、冥界にはグレートレッドをけしかけない様譲歩して頂けないだろうか?して頂けるのであれば先の件と追加で人員の補充と各勢力との講和を持ち掛ける―――――――――どうだろうか?」

 

「それなら良いけれど・・・念書か契約書みたいなの今すぐ作ってもらえるかな?今すぐに管理から手を引いても後に継ぐ人材が居なければ駄目だからね。最大の譲歩という事でこれ以上を求めようとしたら、分かってるよね?」

 

「分かった。直ぐにでも取り掛かるよ・・・」

 

「お、お兄様?」

 

「という事なのでリアス、講和が済み次第管理を一任出来る人を送るからそれまでは頑張って管理をするんだよ」

 

「・・・はい」

 

流石のリアスでも神龍が出張ってきては諦める他無いことを知ったのか間をおいて了承した。これで何とかなると思っていたのだがそう簡単には終わらない。駄々っ子妹によってさらに混沌(カオス)になってゆく

 

「み、美羅も私達の事情について知った事だからオカルト研究部に入部しない?」

 

 

ドンッ!

 

 

美羅はリアスを壁に叩き付けて殺気を込めつつ寸止めで指を目に突き立て笑顔で告げる

 

「私を見て次に面白おかしくふざけた戯言を言い放つなら両方の目玉を抉り抜くよ?」

 

解放されてもなお、圧倒的強者に出会い硬直した体は震える事も出来ずにリアスは立ち続けていた。美羅がある程度離れたからか、力が抜け崩れ落ちる彼女を支え様と朱乃が肩を貸す。それを見向きもせず、部屋から立ち去り帰宅する美羅とグレートレッド。リアスも去ることながら部屋に居た他の者達全員が顔を青くし心に誓った

 

『彼女を怒らせるなかれ』

 

と・・・・・

 

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

「ねぇ、気が付いた?異常があることについて」

 

「あり得ない事なのだが・・・認めるしかあるまい」

 

『今代の赤龍帝は二人いる』

 

神器(セイクリッド・ギア)は複数存在する物も確認されているが、神滅具(ロンギヌス)となると一つしか存在しないだろう。今回の異常は世界のバランスが完全に崩壊しているのであった

 

「もう一人の赤龍帝が今後どのように行動するか、これによって変わってくるね」

 

「美羅はその人物を既に知っているのか。バランスを取り持つために走り回るとは・・・大変だな」

 

「平穏を求めようとしてたら向こうとやってることが変わらないってね・・・本当に大変だなぁ」

 

この町の平穏を求めようとしているが、表立って大事に出来ないせいで走り回っていた。以前の世界ではそこそこ平和な生活をしていた者達の努力は凄い事だ・・・

 

問題事が山積みされていく中、新たに出てくる問題事・・・やってもやっても終わらず無限に続くと思われる仕事に嫌気がさすものの仕方が無く解決させる美羅。

この溜まりに溜まる鬱憤は堕天使に向けられる可能性が高く、総督であるアザゼルは未だその事態に気付くことは出来ないのである

 

 

 

 




如何でしたか?

ちょっと物足りない感じがありますがそれは、これからやっていく予定です。アーシアちゃん登場させるんだ・・・きっと・・・うん。させよう

物語は進み堕天使ご臨終コースまっしぐらです





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第6話 出会いと影

こんにちは~
予告通りアーシアちゃん出しました


今回は一誠sideが殆どとなっています

ではどうぞ




~一誠side~

 

俺は何が何だか分からない状態に陥り混乱している。それは少し時間を遡る事になる―――――

 

 

 

――――数時間前――――

 

「はぁ、昨日も地道な勧誘作業で疲れたな。もっと一気に部長に認めて貰える事って出来ないかな・・・」

 

あの出来事以降リアス先輩は美羅先輩に対して恐怖を抱くようになり、少し間違えれば『死』という名の拷問をされるであろうと思っているのだ。俺が折檻されている時よりも怒気が凄まじいかったから間違いなく失敗すれば行使されるであろう。だが、俺は美羅先輩はそこまで酷い事はしないと思っている。理屈は無いのだが何故かそう感じさせてしまう程のカリスマ?があるのだ

 

「美羅先輩が言うには入学当初は近寄りがたいイメージが強かったそうだけど『小さな事をコツコツとやって行く事で今の自分がある』って言ってたから簡単には行かないか」

 

部長が俺を信頼してくれれば美羅先輩の認識を改める可能性がある。もし成功すれば美羅先輩からの好感度もグッと上がるに違いない!俺は意気込むも茶々を入れる奴がここに居る

 

『相棒、あの小娘は腹黒い性格だと思うから諦めろ』

 

そう忠告するのは、あの一件で表に出てきた籠手に封印されたドラゴンのドライグである

 

「美羅先輩は腹黒くねぇよ」

 

『いや、間違いなく腹黒いぞ。何せあのグレートレッドを側に置ける程の力量だからな。奴が人間に会いに来る事はまずあり得ないし気に入ることも無い。神龍とは誰かの側に付くことは無いし一人で有り続けるものさ』

 

俺はドライグとの会話を辞め自分がこれからどうやって力を付けるかどうか考えながら登校していると

 

「きゃあぁ!?」

 

女性の声が聞こえそちらに目を向けると、転けたシスターのスカートが捲れており白いパンツが露わになっていた

 

「うほぉ!」

 

エロの化身である一誠にとってその光景は絶景であったが相手も何時までも倒れ込んでいる訳では無いので体制を起こすと丁度目が合った。流石エロい妄想を続けて放置をする訳にはいかないので声をかける

 

「だ、大丈夫っすか?」

 

「あ、ありがとうございます」

 

手を出してシスターの立ち上がる手助けをし、相手が立ち上がったと同時に頭に掛けていた白い布が風によって流され素顔が見える

 

「あっ」

 

「」

 

その人は女性ではなくブロンド色の髪と幼さを残した顔の女の子で、とても可愛く見惚れてしまったのだ

 

「あ、あの・・・」

 

「あ、あぁ!ごめん!」

 

見惚れておりずっと手を握りっぱなしでいた為シスターの方から声を掛けられるまで気付かなかった。気まずい雰囲気が流れるが、白い布が風で飛ばされそうになったので代わりに取りに行く。切り上げるタイミングが丁度良く、相手に不自然に思われないように返すことが出来た

 

「ありがとうございます」

 

「いえいえ~」

 

鼻が伸びて気分最高の日になりそうだったのだが

 

「兵藤一誠、お前に話がある」

 

後ろから同じ学園の男子から声を掛けられ気分が少し下がってしまった

 

「お、俺は何もしてないぞ!」

 

「そんなことは知っている。今の件とは別件で話があると言っているんだが先にそっちを片付けようか」

 

男子はそう言い近付きシスターに懇切丁寧に道を教え所持していたであろう町の地図をあげてシスターと別れた。その後言われるまま付いていき裏路地にある程度まで奥に行くと話し始める

 

「さて、お前にはこの物語から退場して貰うぞ?」

 

「は?」

 

それが事の始まりだ

 

 

 

―――――――話は戻り

 

混乱していた思考をある程度復旧させ、相手の真意を確かめるべく質問した

 

「一体何を言っているんだ?物語の退場ってどういう意味だ!?それと、お前の名前を教えろよ!」

 

「・・・違う学年だから知らないのか。俺の名は東条転堂(とうじょうてんどう)だ。赤龍帝の兵藤一誠」

 

「なっ!?」

 

絶句した。普通の人間が知っているのは明らかにおかしいのだ。それに他の陣営にもバレていないはずだったのだから尚更である

 

「ど、どうやって知ったんだ!?」

 

「知る機会があったってことさ。そしてさようならだ」

 

聞いた覚えのある声が裏路地で響く

 

『Welchdragon Balance Breaker!!』

 

目の前の転堂が赤い鎧を纏い翼を広げ佇んでいた

 

『ば、馬鹿な!?あり得ない!これはどういう事だ!!』

 

相棒が叫ぶ。それはそうだ、同じ存在がもう一人居るのだから・・・

 

『もう一人の俺よ。残念だが白と戦うのは俺であり俺の宿主はその男を殺そうとしているからな。運が無かったと思い消え失せろ。同じ存在は二つも世界に留まることは出来んし文字通りの消滅さ』

 

『相棒逃げろ!俺は消えたくないしお前も死にたくは無いだろう!』

 

「あ、あぁ」

 

動かない。恐怖が体を支配して動かず、死のカウントダウンが始まる

 

――――5

 

「さようならだな主人公よ」

 

――――4

 

そう言い終わり魔力を拳に込めだした

 

――――3

 

「畜生」

 

――――2

 

「ちくしょう―――まだ死にたくねぇよ」

 

――――1

 

「誰か助けてく―――」

 

「死ね」

 

最後まで言い終わる前に宣告された確実な未来

 

――――0

 

 

 

 

宣告された死からいくつ待っても痛みは来なかった

 

 

 

 

「・・・・・貴方は一体何者なんですか?限界まで倍加させたこの力を受けきるなんてあり得ませんよ?」

 

 

 

俺はゆっくりと瞼を開けていくと、目の前に見慣れた白い髪と頼もしい背中があった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私の相談に対してこんな解決をしようとするとはね・・・・・正直あり得ないよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

聞き慣れた声

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それと、大丈夫?―――――――― 一誠君?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして心配そうに声を掛けてくれる美羅先輩。恐怖より安心感が大きくなったせいで目に涙を溜めて俺はこう言う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「みらせぇんぱぁい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

日常となった登校、挨拶、朝礼と流れの中にいきなり力の爆発がありその正体は赤龍帝の力の物だと直ぐに感じ取れた。放置しておこうと思ったのだが、一誠君の気配がすぐ隣に存在し恐怖して動けないで居る。最初は脅しのつもりだろうと思ったのだが、殺気を出し始めた事から確信した

 

 

殺す気だ―――――と

 

 

私は迷うこと無くその場に転移して現場に直行。転移直後には拳が当たる少し前だったため前に割り込み受け止めその事実があり得ないのか彼は

 

「・・・・・貴方は一体何者なんですか?限界まで倍加させたこの力を受けきるなんてあり得ませんよ?」

 

そして私はこう答える

 

「私の相談に対してこんな解決をしようとするとはね・・・・・正直あり得ないよ?」

 

「それと、大丈夫?―――――――― 一誠君?」

 

一応心配な為声を掛けると

 

「みらせぇんぱぁい」

 

と、なんとも情けない姿で私の名を呼ぶ。今代の赤龍帝、正直に言って情けなさ過ぎるよ・・・何故逃げなかった?何故付いていった?と言いたくなった

 

 

 

 

 

 




如何でしたか?

アーシアちゃんの絡みが少ない?大丈夫!協会で出しますし。

それよりも、転堂が本性出しました。しかし、美羅先輩に止められちゃったよ。
彼は逆鱗に触れるのか?はたまた尻尾を踏むだけで済むのだろうか?

転生者ってつよいんですかね?

次回をお楽しみに!


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第7話 転生者は狂い白の少女に宣誓する

ぬくぬく布団でございます

お、お気に入りが188件だと!?

う、嬉しい、嬉しいぞおおおおおお
そして期待に応えたいが為に掛かるプレッシャー・・・うん、頑張るしか無い

今回は転生者Vsミラさん+お荷物一誠君

では、どうぞ!





~合流~

 

放った拳を片手で受け止める美羅に対してすぐさま距離を取り離れる転堂に追撃等は来なかった

 

「反撃はしてこないのですか?」

 

「・・・一誠君と私とで対応の仕方が違うんだけど素はどっちなのかな?」

 

「さぁ?どちらでしょうか?」

 

転堂は油断せず来るもの全てに対応出来る程にまで集中力を高めていた。門答ははぐらかし、美羅に考えさせる時間を作り次の一手に備えていた

 

「ともかく赤龍帝の問題に関して貴方は関係ないはずです。何故邪魔をするのですか?」

 

「転堂君がどう思っているか分からないけどさ、私は一誠君が赤龍帝である事とちょっとした事情を知っているからだよ。それよりも私が聞きたいのは、一誠君に対して言った『主人公』と『物語の退場』どういう意味なの?後者の『物語の退場』=死亡を意味するのは分かるよ。だけど前者の『主人公』これはサブカルチャーの創作された物語の単語だと思うんだけれど・・・どういう意味?」

 

美羅は一誠をチラ見して疑問を投げかけるものの

 

「僕は頭によぎった言葉を発していただけですがね?」

 

転堂が嘘を言っている事は分かっていた。しかし、これ以上の門答は不要だと感じ美羅から転堂へ一言

 

「転堂君は正直にしゃべってくれると思ったんだけど私の見通しが甘かっ―――」

 

美羅が最後まで言い終える間もなく魔王クラスの魔力砲をぶつけた転堂は勝利とはいかないものの手傷を負い逃走出来る時間を稼げたと思っていた。が、予想は呆気なく覆される―――――美羅は傷一つ無くその場に立っていたからだ。一瞬攻撃が避けられたと思ったが制服がかなり焼け焦げ当たったと理解するが本題はそこでは無く、殆ど傷を負っていない事に驚いていたのだ。一誠も同じようにその事実に驚愕していた。攻撃された当の本人は静かに怒っていた。

 

「この攻撃は宣戦布告と取らせて貰うから、・・・手足二、三本は覚悟してね」

 

そう言い終わると同時に、被害が出ないよう強固な結界を張り力を少し解放する。裏路地は『薄暗い』から『明るい』場所へ変わり、美羅の体全体から稲妻が迸る。その様子を見た両方のドライグは

 

『相棒直ぐにその場から逃げろ!!』

 

全力の発言がハモった

一誠は一瞬きょとんとした様子で、転堂は即離脱の行動を起こそうとした

 

 

しかし圧倒的力の存在の前には無力だった

 

 

転堂は投げ飛ばされた先のコンクリート壁を貫通して転げ落ちた。それは壁と呼べる代物では無いほど分厚く、およそ5m程の厚さであったのだ。普通なら壁のオブジェかミンチになるのだが、鎧を纏い体が頑強なお陰で助かり体を起こし違和感に気付く

 

「あれ?・・・・・俺の右腕が無い?」

 

そして急激に襲い来る激痛に悲鳴を上げた

 

「がっ、があああああああああああああああああああああああああああああ」

 

 

なんで!?なんで!?なんで!?と、転堂の頭はパニック状態だ。そんな中近づいてくる美羅に目をやると、彼女の左手に握られた禁手(バランスブレイク)状態の自分の右腕がそこにあった

 

「か、返せえええええ。俺の腕を返せええええ!!」

 

美羅は言われた通り放り投げた。転堂は自身の右腕を落とすまいと確実に受け止めようとした瞬間

 

 

弾けた―――――

 

 

風船が突然破裂したように「パァン!」と音を立て一面を赤色に染める。ここでも何が起こったか分からなかった転堂に告げられる

 

「言ったよ?手足の二、三本は覚悟してね。ってさ」

 

「ああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

 

絶叫する転堂。そして

 

「ふざけるな!この化け物め!!一体何なんだよ!?お前みたいな奴はこの物語に居ないんだ!俺は神に力を与えられた最強の存在でオリ主なんだよ!主人公は俺だろうが!」

 

裏が完全に取れた

 

この者は転生者―――――そして神様もどきを知る唯一の手掛かりなのだ

 

「貴方には色々と聞きたい事があるし、喋って貰おうかな」

 

「・・・・・」ブツブツ

 

何か小さく呟いていたのが、情報を聞き出す事が先だと思い近づく。未だ鎧を纏ってはいるが、右腕が無く戦闘力が激減した状態なら大丈夫だと思った瞬間

 

 

 

――――――――――右腕の肘から先が切り飛ばされた

 

 

 

「え?」

 

 

美羅は驚いた。反撃する力の無い筈の相手が動く素振りすら見せずに自分の腕を切断したからだ。可能性の一つとして自分の耐性の一つ、斬撃耐性を有効にしていたか確認したが有効のままであった。思考しながら距離を取ると一本の剣が目に入ったのだ。装飾も何もされていない只の剣の筈なのに異様な力を帯びているのだ

 

「く、くかかか、くかかかかかかかかか」

 

さっきまでブツブツと呟いていた転堂が不意に笑っており、不自然に口が三日月の様にかたどっていた

 

「今回は見逃してやる。白野美羅ぁ!お前は俺が殺す!!嬲って床に這い蹲らせた後犯して殺してやるから覚悟しておけ!!」

 

言い終わると変な波の紋様が出てその中に入り姿を消した

 

 

「はぁー、次から次へと厄介だなぁ。あの剣を咄嗟に所有者登録を自分にして消えるのを防いだけど何だったんだろう。調べてみないと分かんないなぁ・・・・・腕も切られたし最悪」

 

最初から全力で攻撃してきたはずの転堂から見た事も聞いた事も無い攻撃がされ、戸惑っている間に逃げられ手掛かりをみすみす逃してしまったのだ。それに付け加え腕を切り飛ばされて朝から最悪の出来事でこれから学校の授業等があると思うと気が滅入りそうだった

 

「うわぁ!?み、美羅先輩!う、腕どうしたんですか!?」

 

「ん?あー、うん大丈夫だよ。直ぐに治るから心配しなくてもいいよ」

 

そう言いって切られた腕を拾いひっ付ける。3秒もしない内に全回復して元通りになり、確認作業で動かしていると一誠は呆然として口が開いたままになっていたが

 

『相棒、俺はこの規格外の存在に以前喧嘩言葉を売ってしまった。生きていられるだろうか・・・・・』

 

ドライグから問いを投げかけられたので即答する

 

「うん、無理」

 

『 』

 

きっと絶望しているのであろうか、返事が返ってこなかった。そんなやり取りをしていると美羅から

 

「さて、一誠君。準備は良い?」

 

「 」

 

そして一誠には美羅から3時間の説教+正座が待っていた

 

 

 

 

 

 




布団「いかがでしたか?」






転生者「俺は強いんだ!俺は強いんだぞ!!」

布団「あ、はい・・・そうですか」(どうせミラさんには勝てないさ)

転生者「俺の勝つ物語を作れ」

布団「え?」

転生者「つ・く・れ」

布団「無理だ思いつかねぇ・・・」

ミラ「想像したらお仕置きだよ?」(*^_^*)

布団、転生者「「!?」」

ミラ「両成敗って事で反省しましょう!物理でね♪」指ポキポキ

布団、転生者「「戦略的撤退!」」

ミラ「逃がさないに決まってるでしょ?後それと、次回もお楽しみに~♪」ビュンッ

布団、転生者「「ッアー!!」」





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第8話 再会、歯車は不規則な音を立てる

布団さんですよー

今回は再会!そして教会の運命の歯車が嫌な音を立てて動いています!

さて一誠sideが多いですが悪しからず




~美羅side~

 

美羅は先日の出来事から文献を漁っている。それは自分の腕を切断した剣についてだった。本来耐性を付けた体には弾かれるか良くても傷を付ける程度で、関節部分ではあるが綺麗に切断してみせた。何かしらの特殊な素材もしくは何かしらの加護が付いているはずで、有名な剣であると結論付けていたのだが文献に載っている絵から似たようなものが無かったのだ

 

「この剣って一体何なの?・・・・・オーラみたいなのは感じられるんだけど昔の武器の資料から似たような形もないし」

 

過去の武器が現在まで残っているなら欠損しており、修復して使用等の可能性もあるので似た形になる筈なのだ。しかし、この剣に似ている物が無くこれが何なのかが分からなかった

 

「まぁ、後で分かるか本人に直接聞き出すって手も有りかな」

 

結論として不明―――――取りあえず保管して後々出会うであろう転生者こと転堂に聞き出す方針を固めた

 

「そう言えば一誠君はあれから私が提示したトレーニングをやっているのかな?」

 

あの出来事の後、一誠が強くなりたいと真剣に相談してきたので無理が無い程度のメニューを作って渡したのだ。その中には精神世界でドライグと戦うという物も含めているが、強くなったと実感するまではまだまだ先のことであろう・・・

 

 

 

~一誠side~

 

あの出来事から俺は強くなりたいと本気で思った。美羅先輩が駆けつけてくれなければ死んでおり、助けられた後泣きついてしまったからだ。美羅先輩が強いのは知っていたけれど男として女性に助けられるのは情けなかった

 

「強くなってやる!強くなってリアス先輩達オカ研メンバーと美羅先輩を守れるぐらいに強くなってやる!」

 

確固たる意思を持ち美羅先輩が提示したトレーニングとドライグとの新しい何かを身につけようと努力してるのだ

 

『相棒、グレモリー率いる眷属を守るぐらいの力なら付けられるだろうが美羅を守れるぐらいとなると途方も無く遠い道のりだぞ?』

 

「んなことは分かってるよ。今は歴代最弱の赤龍帝だけど、必ず歴代最強の赤龍帝になってやるからな!」

 

『そうか。まぁ頑張ることだな―――――――――――今のままでは絶対に無理だが』

 

最後の呟きはトレーニングする一誠には聞こえなかった

 

 

―――――休日―――――

 

一誠はこの日もトレーニングを続けていた

 

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・俺ってこんなに貧弱だったんだな・・・こんなことなら筋トレだけでもしておくべきだったなぁ」

 

トレーニングを続ける日々、そして直ぐに体力が無くなりへばってしまう体。そんな自分に悔やしむ毎日である

 

「道のりは遠いな」

 

そうぼやきつつ休憩していると

 

「一誠さん?」

 

「アーシア?」

 

後ろから声を掛けられ振り返ると、修道服姿のアーシアが居て自然と彼女の名前を口にしていた

 

 

 

 

アーシアと出会い俺達は一緒に食事やゲームセンターに行って遊んだりと、有意義な時間を過ごしていた。近くの公園で休憩している時にアーシアについて色々と教えて貰った。彼女は幼い頃不思議な力に目覚め教会からの指示で訪れる信者達を癒やしたのだと。しかし、彼女の力は悪魔をも癒やす事が出来る力を持っておりその事実が知られると、魔女と言われ挙げ句には異教徒とされてしまったが、堕天使達が彼女を拾った。禄に自分の事を相談する事も出来ず彼女の願いについて教えてもらった。それは酷く単純で『友達を沢山作り一緒に遊ぶ』事だったのだ。俺はアーシアにはっきりと言い切った

 

「なら、俺がアーシアの友達になってやる。つっても俺達もう友達だろ!一緒に遊んだり喋ったりしたしさ」

 

一緒に楽しく町で遊んだ時点で友達だと思っていた俺とは違い友達の作り方も分からない彼女に分かるようにそう言うと

 

「で、でも一誠さんにご迷惑が」

 

「んなもん関係ねぇよ。悪魔だろうがシスターだろうが友達は友達だろ!」

 

俺にとって当たり前の事を言いアーシアの手を取ろうとした時

 

「それは無理」

 

後ろから声が聞こえ振り返るとよく知る人物が居た

 

「夕麻ちゃん」

 

「レイナーレ様」

 

アーシアの言葉を聞きハッキリと目の前の彼女が堕天使であると認識をした

 

「まさか、悪魔に転生するとはね・・・全く面倒だわ。そしてアーシア、逃げても無駄よ」

 

「い、嫌です。人を殺める人達の所には戻れません!」

 

アーシアは逃げていたのだ。教会のシスターなら普通は教会に居るはずだがアーシアが外に居る事を疑問に思っていなかった俺は目の前にある状況を作った自らの失敗に悔やむ。そう、リアス先輩や美羅先輩に連絡すれば良かったと思っていたのだ

 

「まぁ、なんとなく分かってはいたさ・・・アーシアが逃げてるって事にはな、神器(セイクリッドギア)!」

 

アーシアの前に立ち守るために神器(セイクリッドギア)を展開する。この神滅具(ロンギヌス)赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を注視して撤退してくれれば御の字だと思っていたのだが

 

龍の籠手(トゥワイスクリティリカル)って、ありふれた神器(セイクリッドギア)を上は危険視をしてたっていうの?馬鹿みたい」

 

そうあっけらかんと言いながら光の槍を作り出す

 

「な!?」

 

「はい、隙あり」

 

レイナーレがこの赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)龍の籠手(トゥワイスクリティリカル)と勘違いした事に驚いた俺は隙を作ってしまい、光の槍を腹部に直撃を受ける

 

「ぐっ、がはぁ!」

 

「一誠さん!?」

 

痛みに堪えながらレイナーレに目を向けると第2陣の光の槍を投擲する動作に入っており、咄嗟にアーシアだけを後ろに突き飛ばす。光の槍は地面に刺さり爆発し俺は体ごと吹き飛ばされる

 

「うわあああああああああああ」

 

地面に4,5回転びようやく止まる。既に体中傷だらけで、立つ事も出来ないほど軋みをあげていた。霞む意識の中聞こえる声

 

「どうする?貴方が付いてくるのであればあの悪魔君は見逃してあげるけど?」

 

アーシアにそう囁くレイナーレ、アーシアは俺を助ける為に教会へ戻る事を選んだのだ。俺は必死になって手を伸ばすが届かず

 

「だ、駄目だ・・・アー・・シア」

 

「さようなら一誠さん」

 

必死に声を出すも声は擦れ、涙を流しながら別れを告げるアーシアが消えるまで見ていることしか出来なかった。意識が擦れ行く中・・・足音が聞こえ目を開けるとそこにはあきれ顔の美羅先輩が居て俺は意識を手放した

 

 

 

 

~美羅side~

 

どういう事だろう・・・剣の情報が掴めずもやもやした物を払う為、別の町へ行き食べ歩きをしていると駒王町の何処からか魔力爆発が感じ取れたので人目の付かない場所へ行きその場所へ転移するとボロボロな姿をした一誠君が倒れていた。正直に言って呆れたのだ。あのKY悪魔は自分の眷属の手綱を握る事すら出来ていないのかと思った。このままでは出血多量で死んでしまうので傷を癒やすものの、今日は休日―――――オカ研の部活は休みで誰も居ないだろうし、連絡先も誰一人知らない。念話は正直繋がりを持ちたくないからしない。となると、自分の家に行って寝かせるしか無いのだ

 

「はぁ・・・私って何でこんなに厄介事が降りかかるの?ある種の呪いか何かかな・・・・」

 

ぼやきつつ肩に担ぎ自宅へ転移し、ベッドに寝かせた後包帯等で深い傷の所だけ巻き自然回復を待つ。目覚めるまでの自由な時間は料理する事にした

 

 

料理中にインターフォンが鳴り調理台近くに設置してあるモニタで来客を確認すると、KY赤髪とその眷属達が居た・・・。流石に一誠君をあのままにする事は出来ない為、嫌々ながらも家に上がらせる事にした。本当に今日は厄日だ。何かでストレスを発散しないと収まらない程だったので原因の主である一誠君のドラゴンに精神世界でぶつけようと思った。・・・・ほら、私の事小娘とか見下してたからね?教育は必要でしょ

 

この世界のドラゴン達が知ったらこう思うだろう

 

 

 

 

『ドライグよ今までの行動のツケが回ってきたな・・・そしてザマァ!!』

 

 

 

と・・・・

 

この日ドライグは寒気が止まらなかった

 

 

 




如何でした?

次回!

決着!?教会の運命やいかに!!

仮のタイトルだ。まだどうなるか・・・・頑張るぞおおお!
そしてイカレ神父さん登場!!


っあ!!一誠達と初対面じゃんw どうしよう?どうしよう?楽しみですわ



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第9話 夜に煌めきし瞬光~前哨戦~

な、なん・・・だと・・・・・・お気に入り件数が200を超えている
(o´∀`o)嬉しいぞおおお
というわけでこんにちはぬくぬく布団です

今回は前哨戦という事でよろしくお願いします


最近誤字が多い・・・夜に書いてるのが多い為か、この始末。あったら報告お願いします!




~合流~

 

 

 

パンッ!

 

 

 

部屋から聞こえる乾いた音――――それは、KY赤髪ことリアスが一誠の頬を張った音だった

 

「以前言ったわよね?堕天使と出会ったら逃げるか連絡を入れなさいって」

 

眷属の心配の為説教をするのは構わないが自分のプライベート空間である部屋でやってくれるなと呆れる美羅

 

「それと、堕天使と関わりを持つ彼女の事は忘れなさい。貴方はグレモリー家の眷属勝手は許さないわ」

 

「・・・」

 

敢えて私は何も言わず呆れた視線を向けるも気付かない

 

「なら俺を眷属から外してください。そうすれば俺一人でも」

 

「何を言ってるの!手も足も出なかった貴方が行った所で何も出来るはず無いでしょう。行くにしても準備なり敵の情報なり必要となってくるから今日は無理よ」

 

普通はそうだ。情報も無いまま敵陣の最奥まで行くのは無謀というより馬鹿のする事だ――――そう、普通であればだ

 

「それじゃあ遅いんです!儀式は今日の夜に行われてしまうんです!!」

 

「なら尚更駄目よ。あなたh「うるさいから皆静かにしなさい。言っておくけど此処は私の家なのよ?」」

 

家主の私が言うと皆押し黙る・・・人様の家で夜に騒ぐのは迷惑しかないし、私がまだ嫌悪するKY赤髪が居るから余計にイライラしてしまう

 

「説教とかそういうのは明日の部活でやるか場所を変えてしてくれる?時と場所を考えなさいよ。それと一誠君も、情報も何も無いまま敵陣に突っ込む事自体普通の人がする事じゃ無いよ。大抵やる人は馬鹿か精神イカレた戦闘狂(バトルジャンキー)だけよ」

 

「で、でもそれだとアーシアは・・・」

 

ここに居る殆どの眷属達は諦めて欲しいと思っており美羅もその一人だった。だがここで予想外な者が爆弾発言をする

 

『相棒聞こえなかったのか?普通の人はと美羅は言ったのだ。その発言した本人こそまさに例外ではないか』

 

・・・やってしまった。ドライグは私の力がどれ程あるかを僅かながら確信を得ているのであろう。言い訳をするにしても既に遅く

 

「マジかよドライグ!美羅先輩ってそんなに強いのか!?」

 

『あぁそうだ。そこのグレモリーの兄である魔王も美羅を殺すことは出来ないぐらいさ。逆に殺してしまうんじゃ無いか?ハハハ』

 

最低最悪の提案もプラスされた。赤い龍は美羅に助力を求めるように一誠に助言する。一誠は美羅の力がどれ程まで強いかハッキリしていなかったが、魔王よりも強いと分かると呆然としていた

 

『なにせみr「おい。そこの赤トカゲ」って赤トカゲ!?』

 

「これ以上私について話そう物ならお前が依り代とする神器(セイクリッドギア)を消滅させるぞ」

 

『ス、スイマセンデシタ。コレイジョウハシャベリマセン・・・ハイ』

 

殺気を込めドライグだけに感じるように睨み付ける。流石に隠し通す事は出来ないので少しばかりは話しておく

 

「まぁ、バラされちゃったからにはそれなりに言っておくけれど――――魔王程度なら勝てるよ?だけど私でも流石に相手をしたくない存在だって居るんだから。・・・・・疲れるしね」ボソ

 

未だに全員呆然としているが一誠は直ぐさま正気に戻り

 

「美羅先輩お願いします。アーシアを助ける為に力を貸してください!」

 

まだ完全に傷が塞がっておらず激痛が走るであろう体を無理して土下座をしてきた。少し考えるもデメリットが大きすぎる故

 

「私は平穏に暮らしたいから嫌よ。・・・まぁこのKY赤髪と縁が出来た時点で平穏じゃないけどね」

 

そう言ってことw「KY赤髪って私の事!?ふざけないで!私h――――」等と色々と喚いているが無視を決め込み一誠君の方をじっと見るが、その考えは彼の発した言葉で崩れ去る

 

 

 

 

 

「このままじゃ夕麻ちゃ、じゃなかった。レイナーレって堕天使に連れ去られたアーシアが!」

 

 

 

 

 

「え?一誠君を殺したっていう堕天使ってまだこの町に居るの?」

 

「は、はい。この怪我もあの堕天使にやられて」

 

殺した張本人が未だこの町に居るとは思ってもみなかった。普通なら即撤収、痕跡残さず、が当たり前だ。今の私の考えに迷いは無く後悔も無い――――

 

「ふーん、そっかそっか、なら手伝ってあげるわ。儀式が終わると逃げちゃいそうだし」

 

「え・・・て、手伝ってくれるんですか?」

 

美羅のいきなりの変わりようにびっくりしたのだろう、それは他の者達同様で『えっ?・・・』と口を開け呆然としていた

 

「手伝ってあげる。流石にタダじゃいけないよ?対価としての要求は・・・」

 

『ゴクッ』

 

美羅に何かを要求されるのだ。しかも人助けという命に関わる行動、対価はお金なら途方も無い金額を提示してくるだろうと思い全員が息をのんだ。だがそれは予想外な物であった

 

「1週間―――――――精神世界でドライグを私のサンドバックにする事。大丈夫、精神を壊すとかそういうのはしないから」

 

『ふぉ!?』

 

「「「「「あ、どうぞどうぞ」」」」」

 

全員一致のドライグに押しつけ。そして間抜けな返事が聞こえたが・・・どうでも良いだろう

 

「ささっと教会に行って終わらせましょうか。KY赤髪達も付いてきなさいよ、一誠君は眷属なんだからさ」

 

「と、当然行くに決まってるわ」

 

了承するリアスと頷く眷属

 

『ま、まて相棒!俺は商品では無い!!そ、そうだ相棒を美羅の好きにする。ならどうだ!さして変わらんだろう!!』

 

「これは貴方が私の力を喋った罰でもあるから変える気はさらさらないからね」

 

『   』 

 

死刑宣告をされたドライグは絶望。そして私達は教会へ向け家を出た

 

 

 

――――――儀式終了まで残り1時間・・・果たして間に合うか

 

 

グレモリー眷属達は自前の転移で移動するが、一誠は魔力がほぼ無に等しいので美羅の転移で一緒に移動する。

教会が目に見える程の所に転移し終え

 

「それじゃあ中と外で2班に分かれましょう。それぞれに堕天使の反応があるから・・・相手が逃げないように私は外の堕天使を対応、一誠君達は中のをお願いね」

 

私の目的はレイナーレと呼ばれる堕天使で、それ以外は有象無象と用も無い奴らばかりだ。だが、私が中に入ってしまうと外の者達を逃がしてしまう可能性が無いとは言い切れず確実な方を選ぶ

 

「待って。私と朱乃も美羅の方に付いていくわ」

 

ハッキリ言って邪魔で仕方が無い、このKY赤髪は色々と面倒すぎてストレスが凄い勢いで溜まるのだ。全力も出せないのでそこを含めると、発散先がドライグになるのでまぁ一応問題は無いだろう

 

「時間も無いしささっと行きましょうか。一誠君は突っ走りすぎないよう注意する事!良い?」

 

「うっす」

 

一誠の性格は熱血系になるので一応釘は刺しておくが無意味に終わるだろう。一同は二手に分かれ教会の外と中を探索し始める

 

 

 

~一誠side~

 

「この気配・・・堕天使とはぐれ神父がかなり居るね」

 

「相手もこちらに気が付いているはずですので正面から行きましょう」

 

「おう!」

 

イケメン王子木場祐斗と学園のマスコット塔城小猫が戦闘準備に入った。木場は剣を持っているが小猫ちゃんは何も持っていないので恐らく素手なのだろう。気配の確認も済み正面から入ると教会の中はボロボロで酷い有様だった。周りを確認していると、奥の暗闇からコツコツコツと足音が聞こえ一人の男が姿を現す

 

「おんや~?こっちに来たのは3匹の悪魔君ですか~」

 

「そういう君ははぐれエクソシストかな?」

 

「そう、俺の名前はフリード・セルゼン!悪魔共を殺すエクソシストでござんす!!地獄までの切符はお前達の命っつうことでヨロピク~♪」

 

フリードと名乗る男は銃を構え発砲してくる

 

「っ!あっぶねぇ・・・」

 

「ちっ!悪魔のくせに運がいい奴め」

 

先程避けることが出来たのは奇跡、銃が見えた時に後ろに下がったお陰でぎりぎり回避する事が出来たのだった

 

「アーシアは何処だ!」

 

「あぁ~、あの悪魔に魅入られたクソシスターは祭壇の地下にある祭儀場におりますですぅ」

 

汚い言葉を発する神父ことフリードを一誠はイカレ神父と判断した

 

「でもでもぉ~僕ちゃん強いですし~、あんたら悪魔共はこの光の剣で首ちょんぱですわ。つぅわけで、俺に狩られろやクソ悪魔共!!」

 

懐に飛び込もうと近づこうとする神父に後ろから剣を持った木場が素早く躍り出て自身の剣で受ける

 

「神父の中でも君は一番下品だね」

 

「んん~!それは俺にとっては、ほ・め・こ・と・ば!!」

 

木場は銃を持っている手で放たれる弾丸を避けるものの距離を取り、俺達を近づかせないように連射する。そんな中弾丸を無視するように突っ込んでいく小猫ちゃん

 

「チビはお呼びじゃねぇっての!!」

 

集中砲火を浴びせようと連射するが、全て弾かれ

 

「マジですか―――――――」

 

「・・・吹っ飛べ」

 

「うぼぉおおおおおおおおおおおあああああああああああ」

 

容赦の無い右ストレートが顔面に突き刺さり、きりもみしながら十メートル程吹き飛んだ

 

「・・・私はチビではありません。背が低いだけです」ポイポイ

 

「いたぁい」

 

追撃の如く教会内にある長椅子をフリードに向け放り投げてていく小猫ちゃん。途中フリードの叫びが聞こえるも直ぐに椅子を切り裂き起き上がる

 

「俺は悪魔共に殺される訳にはいかないんですわ。ではちゃらば~!!」

 

そう言い残し閃光玉を破裂させて一人逃亡した

 

「逃げ足だけは速いですね」

 

「だね。また戦うとなると面倒だな・・・」

 

フリードに対して感想はあるがそれよりもアーシアの方が心配な俺は祭壇近くに地下へと降りる階段を見つけた

 

「階段があったぞ!」

 

「うん、この先から沢山の気配を感じる」

 

「・・・急ぎましょう」

 

俺達は急ぎ階段を降りていき扉の先にある広い場所に出た

 

 

 

 

 

 

 

「あああああああああああああああああ」

 

 

 

 

 

 

甲高い声と同時だった

 

「あ、アーシア・・・?」

 

アーシアの悲鳴だった事は分かったが何が起こったのか分からなかった

 

「あ、あの光は神器(セイクリッドギア)!?・・・間に合わなかったのか!?」

 

「っ!?」

 

「お、俺。間に合わなかったのか・・・・?」

 

アーシアの神器(セイクリッドギア)を手に持ち笑みを浮かべるレイナーレ。もう既に勝者の様に笑い、俺達を見ると

 

「ざぁんねぇんでした。邪魔をされるかもしれないから早めておいて良かったわぁ。でも、あの神父本当に使い物にならないわね・・・まぁ無事に儀式も終わったことだから良いけれど。あぁもうこの子は要らないから返してあげる」

 

張り付けにされたアーシアを解き放ち俺達に向けて放り投げた。このままでは地面にぶつかるので俺は走って抱きとめた。俺は神様に祈った

 

「理不尽だろ!アーシアが何で死ななくちゃいけないんだよ!アーシアは色んな人達の為に癒やして神様に祈りも捧げていたのに何で死ななきゃいけないんだよ!!」

 

「まぁその身に宿した神器(セイクリッドギア)によって人生を狂わされたって事よ。貴方にも言ったとおりにね」

 

俺の目の前まで歩いて来たレイナーレの指にアーシアの神器(セイクリッドギア)が付けられていた

 

「返せよ・・・それはアーシアの神器(セイクリッドギア)だろ!返せよ!!」

 

「嫌よ、ただの人間に返すなんて勿体ない」

 

この世は残酷だ。―――――――神器(セイクリッドギア)によって人生の歯車を壊される人が要るなんて最低だ。そんな世界を俺は壊し付くs――――――そう思っていると轟音が響きこの空間の天井部分が白い光によって消え去りいつもの声が響く

 

「うんうん。それには同情するしこの世界は酷いと思うよ?でも壊してしまうと世界のバランスが崩れ行く末は全ての破壊に繋がるから駄目だよ――――――――それに復讐に捕われた人は抜け出せなくなるし・・・私の知り合いがそうなることは許さないよ」

 

顔を上げると美羅先輩が上から覗いていた―――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 




さぁさぁ如何でした??
木場君の魔剣ホーリーイレイザー活躍してねぇ・・・・その分小猫ちゃんがぶっ飛ばしたし大丈夫大丈夫。・・・・多分

次は美羅先輩の活躍だぁ!

ミラ「さあ準備はいいか?O☆SHI☆O☆KIの時間だよ」



堕天使昇天!?アザゼルさんストレスで胃が大変!!サーゼクスさんもストレスで胃が!?
ミカエルさんまだ詳細知らない。・・・・あぁ大変だ!!



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第10話 夜に煌めきし瞬光~終~

うわあああああああああああイベント終わんないよおおおおお
事前告知無しのピックアップガチャ辞めてくれえええええええ





ゴホンッ       こんにちはぬくぬく布団です。

遅くなりすまない。まだイベントが終わらないんだ・・・

今回の展開は勢い良く早く行きますよおお。

ミラさんキレちゃいます(゚Д゚)
※グロい表現ありますので注意してください!!!!!!!!


ではどうぞご覧あれ――――――




~美羅side~

 

一誠達と別れ、外に待機している堕天使達の場所へ歩を進める。しかし美羅の調子は最悪だった――――――何故なら

 

「堕天使は私達が相手にするから美羅は大人しくしていて頂戴」

 

プライドが高いKY赤髪ことリアスがうざったいからだ

 

「何でKY赤髪の言うこと聞かないといけないの?これは私の勝手でしょ?」

 

「今はまだ此処の管理が私だからよ!」

 

「管理って・・・穴あきお玉の如く抜け抜け状態なのに良く言えるわね」

 

「な、なんですって!?それと私はKY赤髪じゃなくリアス・グレモリーという列記とした名前があるからそっちで呼びなさいよ!」

 

「あらあら」

 

売り言葉に買い言葉でリアスと美羅は犬猿の仲状態、朱乃はただ見守るスタンスを取っているので被害は無いが内心はらはらだ。いつ何時、美羅の攻撃対象がリアスになるか分から無いからで、そうなれば悪魔は全滅のカウントダウンを開始してしまうので此処いらで止める

 

「まぁまぁ部長。美羅が堕天使を相手してくれるなら私達が楽出来るじゃありませんか」

 

「で、あってもよ!今は私が管理する町よ。悪魔として管理する土地に堕天使を野放しにする事は出来ないわ」

 

「・・・・・ずさん姫が」ボソ

 

そんなこんなと言い争っていると目の前に二人の堕天使が降りてきた

 

「悪魔さん達さぁ?うちらの領域内って知ってて呑気に話してんの?まじなめきってるっすねぇ」

 

「全くだ事、ホント悪魔達は醜い存在ね」

 

私達を見下し自分達が一番崇高なる者だと信じる鬱陶しい奴らだと美羅は思った。

しかし今はどうでも良く、美羅の目的は一つ

 

「・・・此処にレイナーレって堕天使が居るはずだけど貴方達のどちらかになるのかな?」

 

この一つだけである。そもそも此処に来た本当の目的はレイナーレを直接殺すつもりだからだ。一応本人であるか確認を取ってみるが恐らく違うのだろう

 

「うちらはレイナーレじゃないっすよ。ちなみにうちはミッテルトで、隣に居るのはカラワーナ。レイナーレ本人は儀式の真っ最中ってか悪魔でも無い人間がレイナーレに何の用っすか?」

 

ただ一言――――――――――

 

「消しに来ただけ」

 

それが当たり前、と言わんばかりの返事を相手に返した。もちろん堕天使達は美羅を人間と決めつけているので予想通りの反応で

 

「はははははははははははは」

 

「きゃはははははははははは」

 

腹を抱えて大きな声で笑う堕天使達

 

「に、人間面白すぎw」

 

「レイナーレに殺された人間も間抜けすぎて最早下等生物並だわw」

 

理不尽に殺され行く人間・・・そう言って笑い続ける堕天使に対して美羅は当然

 

 

 

 

 

 

 

キレた―――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

瞬間。周囲の自然全てがざわめき始め、自然に生きる動物達なら僅かながら気付くことが出来る程の怒気を放出しする。しかし力の差が理解出来ない堕天使達は見下した顔でこちらを見続けながら光の槍を手に持ち笑みを浮かべながら戦闘準備に入ろうとするが、

 

ズドオオオオオオオオオオオン

 

背後から強烈な攻撃を受け地面に打ち付けられ大きなクレーターが出来る。体を起こそうとするも、地面にぶつかった衝撃が強く一撃で戦闘不能状態になった。肺に空気が送り込まれず喋ることが出来ない堕天使達。

 

美羅はミッテルトの背中を足蹴にし押さえ込み、カラワーナの首を片手で掴み持ち上げる

 

「ッグ、ガァ」

 

呼吸が出来まいがお構いなしの状態で一言

 

「それじゃあ取りあえず一人目はさようなら」

 

言い終えると同時に『パンッ』と音を立てカラワーナは破裂して血だけが周囲に飛び散る。あまりにも呆気なく仲間の一人が死を迎え呆然としていたが、美羅がミッテルトの首を掴み現実に引き戻される

 

「いやああああああああああああああああ!死にたくない死にたくない!!そこの悪魔助けてよ!!」

 

体を破裂させられる様を見て恐怖したミッテルトは助けを求める、先程罵った悪魔にも助けを求める程怖い殺し方だ。一方のリアス達は魔力障壁を先に展開しており血を浴びずに済んだが、残酷かつ惨い殺し方に吐きそうになった。はぐれ悪魔等を殺したりして血を見る事には慣れてはいたのだが、今回ばかりは種類が違うのだ。夜で五感が強化され動きが見えており、色々と膨らんで破裂する様を目に焼き付けてしまったのだ。今の青くなった状態ではミッテルトの声は聞こえる筈も無い

 

「次は貴方で―――――幾つか質問。レイナーレが一誠君を殺した事に堕天使の頭は関与しているの?」

 

「う、うちらは神の子を見張る者(グリゴリ)の上層部から命令で・・・」

 

「ふーん、そうなんだありがと」

 

「た、助けてくれるんすっか?」ガクガク

 

上層部からの命令・・・最早堕天使は殲滅対象とする事にした美羅に容赦は無い。

 

「さ・よ・う・な・ら」

 

「え?」

 

『パンッ』

 

また一つ破裂し、リアス達は木の裏に行き盛大にリバースした。それを見て「汚いなぁ・・・」と理不尽に呟く美羅

 

 

そして三人は少し休み教会の中に入ると祭壇近くにある階段を見つけた。そこから漂う魔力を感じ一誠、木場、塔城達がこの先に居ると判断したリアスと朱乃、階段を降りようとするのだが美羅から途方も無い魔力を感じ取り振り向くと

 

「面倒いから開通させよう」

 

と呟くと、夜を白く染める程の閃光が走る。二人は咄嗟に目を瞑り手で遮り、光が収まると美羅の足下に大きな空洞が出来ておりそこから眷属達の声が聞こえ、美羅は二人を余所に一誠が放つ復讐心のオーラと心で思っている事を読み取り忠告する。

 

「うんうん。それには同情するしこの世界は酷いと思うよ?でも壊してしまうと世界のバランスが崩れ行く末は全ての破壊に繋がるから駄目だよ――――――――それに復讐に捕われた人は抜け出せなくなるし・・・私の知り合いがそうなることは許さないよ」

 

 

 

 

 

~合流~

 

「み、美羅先輩」

 

「貴方誰?っていうよりも人間が何の用件よ。ミッテルトとカラワーナはどうしたの?」

 

レイナーレは私がここに居る事に不思議そうだった

 

「外に居た堕天使二人なら血溜まりにしてあげたけど?」

 

『は?』

 

レイナーレ含み、周りに居る神父達が揃って疑問の声を上げる中私は飛び降り一誠君達の前に立つ

 

「此処に居る堕天使は一人だから貴方がレイナーレで間違いないよね?」

 

「はっ!それがどうしたというのよ。その女も殺しなさい!!」

 

直ぐさま命令を出し私達を殺そうと神父達に攻撃を指示するレイナーレ。私は思った。この神父達は殺っても良いのだろうかと考えていると後ろの木場君から

 

「その神父達は悪い奴らですから大丈夫です」

 

「ん。なら、サクッと殺っちゃおう」

 

腕を横に一線―――――レイナーレ以外の向かってきた神父全員が真っ二つに切断され死亡した

 

「な、一体何が!?っがは!!」

 

驚いているレイナーレの鳩尾に死なない程度の力で拳をねじ込む。お腹を押さえ倒れ込んだので逃げないように羽を引きちぎる

 

「ぎゃああああああああああああああ!私の羽があああああああああああ!!」

 

甲高い悲鳴を上げ、転移の為魔力を練り上げようとするので首を掴み上げて拘束していると何故か毟って出来た傷が治っていく様子を見て首を傾げた

 

「傷が治っていく・・・自己再生能力が高いのかな?」

 

「それはアーシアから奪った神器(セイクリッドギア)の力です・・・」

 

一誠が説明するもその声にいつもの覇気が無く、美羅は目を凝らし良く見ると一誠が一人の少女を抱いており、恐らく彼女がアーシアだろう・・・彼女は事切れていたので一誠達は間に合わなかったのだろうと考察する

 

「一誠君が抱いているのはアーシアって女の子?」

 

「はい・・・俺、間に合わなかったんです」

 

「・・・・・そっか」

 

絶望し、憎しみに捕われる一歩手前だった一誠は美羅の声を聞き踏みとどまっていた。だが、少しでも何かがあれば駄目な程一誠の心は傷ついていた

 

「それじゃあレイナーレだったかな?貴方もお仲間同様同じ様に殺ってあげる」

 

「ひっ!?」

 

「一誠達は目を瞑りなさい!」

 

「「「え?」」」

 

リアスが眷属達に告げるが、遅かった。急に告げられた命令に疑問を感じた瞬間―――――

 

 

 

 

『パンッ』

 

 

 

レイナーレは弾けた

 

「「「う゛ぇ」」」

 

「 」

 

その光景を見てしまった一誠、木場、塔城、そして三度目のリアス

 

 

 

 

 

 

 

 

全員端の方に移動後リバースした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




如何ですかぁ?

今回は、うん・・・グロい表現が諸々とありました。



すんませーん(・ω・)

イベントしながら書いていますので、まだ遅いです。
次回はアーシアちゃん復活ですわ(原作通りっす)

ではではお楽しみに~



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第11話 少しすっきり?そして歯車の変化

布団「はい!とても遅くなりました。サーセン」

一誠「全く遅えぞ!アーシア転生話なんだから早くしろよ!」

布団「いやぁ、今は提督で忙しいっす。HAHAHA!!」

一誠「あ・・・」

ミラ「やぁ。私をやっと書く気になった?」

布団「」

ミラ「これは折檻が必要だね。」ニコニコ

布団「おい!主人公助けr『生きろby一誠』・・・・」

ミラ「それじゃあ書こうか?」

布団「ハイ」

そして引きずられ書く布団はその後・・・





~一誠side~

 

一誠は体調不良で学校を休んでいた

 

それは教会での出来事から数日後だった

 

 

 

 

戦闘ではなく蹂躙の後、オカルトメンバー含む全員が合流し

 

「すいません・・・俺はアーシアを守ってやれませんでした」

 

涙を流しながら全員に謝る一誠。

美羅とオカルトメンバーは一誠からの頼みでアーシアを助け出す事に強力したが、儀式に間に合わずアーシアは神器(セイクリッドギア)を抜かれ死んでしまったのだ。

 

「いいえ、貴方は未だ悪魔としての力と経験が足りなかった。その事で誰も貴方を咎めはしないし、私達も間に合わなかった」

 

「でも・・・でも・・・俺。守ってあげるって言ったのに」

 

死者は生き返らない。それが普通なのだが

 

「前代未聞だけどやってみる価値はあるわね」

 

リアスはそう言って、懐からチェスの駒を取り出す

 

「それってチェスの駒・・・」

 

「正しくはビショップの駒ですわ」

 

「ビショップの力は悪魔の力のフォロー。そしてこのシスターの能力は回復の力。なのでこのシスターを悪魔へ転生させてみる」

 

そう、リアスは今目の前の少女を悪魔へと転生させると言ったのだ。一誠は一筋の光に見える糸を掴む彼の如くお願いをする

 

「お願いします!アーシアを生き返らせてください!!」

 

心からそう願っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「駄目よ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここで待ったの声が掛かる。声の主はいつも頼りになり一誠が憧れる美羅の声だった。

 

「ねぇ、私の目の前で転生させるって本当のつもり?死とは森羅万象、生物にとって回避する事の出来無いものであり、それをねじ曲げてでも生き返らせるの?そして先の真っ暗闇な運命の道筋を誰が導き責任持つの?」

 

美羅は目の前で転生を行う事は見過ごせないので反対する

 

「そ、それは・・・」

 

「俺がやります」

 

リアスは戸惑う中、ハッキリと一誠が返事をする

 

「俺がやります!!アーシアを守るって言いながら守れなかった責任が俺にはあります。そして、守れるぐらい強くなってアーシアを幸せに導きます!!」

 

「・・・本気?この場でこの子を消すことも出来る私が居るのにも関わらず?」

 

一誠の返事を聞いた瞬間に魔力を左腕に纏わせた美羅。その力はこの中で一番弱い一誠でも分かる程強大だった

 

『相棒やめろ!俺は未だ消えたくない!!』

 

「俺に宿った時点で一蓮托生だ。諦めろ!」

 

駄々をこねる子供のように反対するドライグだが宿主の気持ちは変わらず願いは叶わない

 

「例え美羅先輩だろうと、相手になってやる!!」

 

「「「「ちょ!?」」」」

 

道連れは御免なオカルトメンバー達は離れ直ぐにでも逃げれる様に気を張り詰める―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、その熱血心を他の方向へ向けてくれると良いんだけど」

 

『へ?』

 

急に魔力を引っ込め呆れ果てる美羅の様子に驚く一誠、オカルトメンバー達も開いた口が塞がらないでいた

 

「私は帰るから、後片付けはオカルト研究部だけに任せるのでよろしく」

 

そう言い残し美羅は転移した

 

 

 

~一誠side~

 

「それじゃあ転生の儀式を始めるから朱乃―――準備してちょうだい」

 

「良いんですか部長?」

 

美羅が帰った直ぐにアーシアを転生をさせるのは大丈夫なのかとリアスを心配する一誠

 

「美羅は言ったでしょ?『後片付けはオカルト研究部だけに任せる』と、簡単に説明すると上に報告する時『この件は私達オカルト研究部が解決した』とする事。美羅がこの件に関わっていないと報告する対価としてこの子をどうするかを私達に委ねたという事よ。理解出来た?」

 

「そうなんですか・・・・・美羅先輩は俺達悪魔との関わりを持とうとしないって事か」

 

そして何も問題なくアーシアを転生させる事が出来た。これから先の事について色々と相談し、俺の家で一緒に生活する方針に決まった。早速俺はアーシアの事を両親に説明すると父さんも母さんも快く了承してくれてびっくりした。今日の出来事は多すぎて疲れ果てた一誠はベットに倒れ込み爆睡した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、これから見る夢に俺は目を背けたかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

音の無い光景それがどういった状況なのかさっぱりだったが一つだけハッキリと分かる事があった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美羅先輩が血まみれで倒れている事だ。拷問をされたのか四肢は無く、背中に禍々しい剣を刺され死に体だ。そして見下ろす人影が幾人か―――――。その中の一人に以前出会ったもう一人の赤龍帝の転堂が歪んだ笑顔を孕みながら美羅先輩に近付き手を伸ばす。俺は身動きが出来無い中必死に叫ぶも声は出ず、転堂の手が美羅先輩に触れ――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

 

夢で必死に叫んでいた声を出し俺は夢から目が覚めた。心臓はバクバクと鳴り寝汗が冷えたのか、体はもの凄く冷たかった

 

「一誠さん大丈夫ですか!?」

 

「一誠どうした!?」

 

「一誠大丈夫!?」

 

両親とアーシアが俺の声に驚いたのか勢い良く部屋に入って来た

 

「だ、大丈夫。もの凄く嫌な夢を見て声が出ちまった。」

 

「「「ほっ・・・」」」

 

「急に大声を出してごめん」

 

ぐっすりと眠っていたであろう三人に謝罪をする

 

「嫌な夢を見ることは誰にでもありますから大丈夫ですよ。」

 

「怪我をしていなくて安心したぞ。」

 

「明日の学校は体調不良で休みを取る?無理をしないことが一番よ。」

 

「大丈夫、朝の調子で判断するよ」

 

これ以上は心配はさせないように明日返事をする事にした。皆それぞれ部屋に戻って行き一誠も寝ようとベットに横になる。しかし、夢で見た光景をハッキリと覚えており寝付けず、その日は眠れなかった

 

「俺、なんであんな夢を見たんだろう・・・」

 

これ以上深く考えることを辞め俺は初めて学校を休んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――未来へ向け記す――――

 

 

 

 

動き出す歯車――――――

 

歪に回り始め、いつしか龍は全ての出来事に巻き込まれ狂い出し全てを破壊する

 

全ての生ける者――――破壊を否定し、狂い歪んだ龍を破壊する

 

そして連なる者は怒り遂にはその世界に破滅を呼ぶ

 

 

 

狂い正すは連なる者―――――

 

 

 

生ける者よ時は近付きつつある。

時との戦いは不死との開拓後、それより先は暗黒の道である

 

 

                       語り手:古<>:題,世=n"+**}?

 

 

 




イ、イカカデシタカ。コンカイノテンカイハ (゚Д゚)ガクブル

ミラ「あれぇ?私の最強説は何処行ったのかな??」

布団「」

ミラ「よし!瞬光しちゃおう。」

布団「ニゲルンダァ!」ダッ

ミラ「に・が・さ・な・い」ダッ


布団はどうなるか。

ミラ「次回!『布団ミラから逃げれるか!?』楽しみに待ってね?あ、これは偽タイトルだから気にしないでね♪」<ギャーヤメロオオオオオ。オレハサクシャダゾオオオオ



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第12話 生徒会メンバー集結!

FGOガチャ爆死ー艦これE3海域道中大破しまくるー



・・・真っ白に燃え尽きちまったよ



そしてこっちを集中して書くことにした布団である

――――追伸――――
蒼那をソーナ
匙をサジ
と名称変更しました
しかし、一誠は名称変更しない予定です




~美羅side~

 

後日学校で教会の一件を話し合う予定だったが、中心人物の一誠君が学校を休んでおり先延ばしする事になった。何気に無遅刻無欠席だった一誠君が休んだ事にはびっくりしたが、次の日にはちゃんと登校したので何時もの様に覗きをしないかどうかが心配だったが、女子達から捕縛したとの連絡が来たので説教をしに行くことにした

 

「覗きなんてどうしてするのかなぁ・・・そんな暇があるなら誠実になって彼女を作った方が早いと思うんだけどなぁ」

 

美羅は呆れながら連絡場所へ向かうと、転生させた女の子のアーシアが必死に説得をしていた

 

「一誠さんは覗きなんてしていません。つい先程まで私に校内を案内して貰ってたんです!!」

 

「嘘よ!このエロ兵藤はいつもいつも覗きをやってるんだから」

 

「全く同居しているからって女の子に庇われるって何様よ!!」

 

「俺は今回何もしてねぇ!!」

 

これ以上の言い争いは面倒になるので割って入って行く

 

「はいはい、その辺にして貴女たちは解散しなさい」

 

「み、美羅お姉様お願いします!!このエロ兵藤にビシッと言ってやってください!!」

 

「分かったから早く散る事、そして一誠君は何も言わずに付いてきなさい」

 

指導室に連れて今回の話を聞く所によると・・・変態三人組の二人、松田と元浜が主犯だそうだ。逃げている途中覗きをしなかった一誠を見つけ犠牲にしたようだ

 

「事の顛末を聞くと確かに一誠君は悪くはないでしょう・・・けど、今までの行動を振り返るとそう思われて当然でしょう」

 

「・・・すいません」

 

一誠の返事に違和感を感じた美羅。いつもはしっかりと相手の目を見て返事をする一誠が目を合わせずに返事したからである。何か後ろめいた事、隠している事があると気が付いた美羅は

 

「何時もとは全然違う様子だけど何か悩みでもあるの?」

 

「い、いえ。何でも無いです・・・」

 

隠すのが下手な一誠にこれ以上追求しても意味は無さそうなので、周囲に結界を張りトカゲに聞くことにした

 

『赤トカゲは一誠君のこの状況について何か知ってるの?』

 

『・・・正直分からん。最近悪い夢を見ているからそれではないか?』

 

呼び方に不満を感じつつも諦めて返答するが知らないようだ

 

「まぁこれ以上は何も聞かないけど、自分の主人であるKY赤髪の前ではしっかりとしなさい。それと今回の事は周りにも説明等しておいてあげるからもう覗きなんてしないようにしなさい」

 

「・・・はい」

 

今回の発端である二人を見つけ折檻と説教、そして女子達にも事の顛末を説明し納得させた後教会の一件について話し合いをした

 

 

 

 

~一誠side~

 

俺は教会でアーシアを助けた後から悪夢を見るようになり、それは全て同じ光景。美羅先輩が倒されている場面だった。最初は声をだして目が覚めてしまったが、二回目以降となると声だけは出さないようになった。だが、絶対に慣れない場面である。毎回目覚めは最悪、寝汗が酷く寝不足気味になりそうだった。悪夢のせいで美羅先輩の顔を真っ直ぐ見ることが出来無かった。頭では夢だと理解しているのだが見たくない気持ちが強くて酷いものだ。そのせいで美羅先輩に心配を掛けることにもなってしまい余計目を見ることが出来無くなった。そして放課後アーシアと教会の一件についての話し合いをする為に部室へ行くことにした

 

 

 

 

~合流~

 

「それで、報告はどのような感じにしたの?」

 

「今回の堕天使達の行いは、完全なる独断。そして私達オカルト研究部のメンバーで事件の解決と説明をして美羅については何一つ書いていないわ」

 

「了解。・・・書類仕事が出来ることにビックリしたわ」

 

美羅はリアスの認識を「空気を読まない駄々っ子姫」「無能、うっかり、臆病」としており、少しだけ認識を変えることにした

 

「・・・・・と、とにかく堕天使達の一件は終わりよ」

 

「なら、私は帰るわ」

 

今回の一件の確認は終わり、さっさと帰ろうとする私だった

 

「先輩はもう帰ってしまうんですか?」

 

美羅が帰る事が不思議だったのだろう。恐らく彼女は美羅もオカルト研究部に所属していると勘違いしていたようだ

 

「えっと、私は堕天使の一件には関わったけどオカルト研究部には入ってないのよ?」

 

「そ、そうなんですか」

 

残念そうな顔をしていている状態に心に矢が刺さってしまたので最大限の譲歩として

 

「偶には顔を出してあげるからそれで許してね?」

 

と、提案した。現在進行形で悪魔、堕天使を嫌う美羅にとっては苦痛だが、一誠の両親と交流関係があるので二人についてはそれなりに目を光らせておく必要があるのだ

 

「ほんとうですか!?ありがとうございます!」

 

笑顔一杯のアーシアだった

 

「美羅は関係無いのだけれど、一誠あなたのチラシ配りは今日で終わり。本来は使い魔の仕事だからよ」

 

「え!俺のチラシ配りは卒業ってことっすか?」

 

「そうよ。それにはまず使い魔を手に入れる必要があるから次の休日に使い魔を探しに行くわ」

 

今日のオカルト研究部の活動は終了、チラシ配りを卒業した一誠は嬉しそうだった。

そして美羅は改めて考え始めた

 

(使い魔ね、存在その物を忘れてた・・・一誠君達の様子見を兼ねて私も一緒に探そうかな。食材とかの持ち運びに便利そうだし)

 

美羅は「使い魔=荷物運び」としか考えていなかった

 

 

 

 

―――――数日後―――――

 

「何で美羅も居るの?」

 

「にもtじゃなかった使い魔が欲しいって感じてきたからかな?」

 

「荷物持ちって言ったわよね!?使い魔の存在意義が全然違うじゃない!」

 

「ぶ、部長落ち着いてください。美羅先輩は俺達の様子見も兼ねるって言ってましたよ」

 

一誠の補足説明によりリアスは諦めたのか、肩をがっくりと落とした。そして数分も経たず部室に眷属全員+一名が集合した

 

「そういえば何処で使い魔を手に入れるのですか?」

 

どうやって使い魔を手に入れるかを疑問に思ったアーシアは訪ねる

 

「あぁそれはね、『コンコン』」

 

入り口の戸をノックする音が聞こえ、戸が開かれ入って来たのは生徒会の人達だったのだ

 

「失礼します」

 

支取 蒼那、この学園の生徒会会長を務める人物、そして悪魔だ。周囲にいる生徒会のメンバーも悪魔で――――――――――――まだ学園に入学して日が浅いアーシアには誰か分からないで居たので一誠が説明する。それを余所に美羅は蒼那達の様子を伺う

 

「お揃いでどうかしたの?」

 

ソーナは美羅の方を少し見てから

 

「そこに居る美羅は私達との関係を知っていてここに居るのですか?」

 

「大丈夫よ、彼女は全て知っているわ」

 

「なら改めまして、お互い下僕が増えたとの事でご挨拶をと」

 

美羅はソーナと眷属達の評価をする為静観する。リアスとソーナのやり取りを疑問に思っていた一誠は朱乃から彼女の素性を明かされると驚いた顔をしていた。美羅はリアスの評価を下げようとしたが、リアスと蒼那は普段は互いに不干渉との事だ。そしてお互いの新たな眷属について説明がされ一誠は嬉しそうだ

 

「へぇ~同じ学年で同じ兵士か!」

 

「はぁ~、俺としては『変態三人組』の一人であるお前と同じ兵士って事に酷くプライドが傷つくってもんなんだけどなぁ」

 

相手は嫌そうだった。匙 元士郎、生徒会の書記を務める彼は学園の問題児達『変態三人組』の一人と同じ駒である事は周りから似たような認識をされるのが嫌だったのだ

 

「しかも俺は悪魔になったばかりだが、駒を4つ消費した兵士だぜ!」

 

そして自慢げに消費した駒の数を言う。美羅は蒼那の評価を下げていく。ただしリアスに対する評価より酷いという事は無くちょっと駄目だと思うぐらいだったが

 

「サジおやめなさい。それにそこの彼は駒を8つ消費しているのよ」

 

「な!?こんな冴えない奴が駒8つも・・・」

 

「冴えないは余計だ!!」

 

匙は驚き思った事を口に出しツッコミを入れる一誠

 

「御免なさいね兵藤君、アルジェントさん、良ければ新人悪魔同士仲良くしてあげてください・・・サジ」

 

「は、はい。      よろしく」

 

蒼那に言われ渋々了承し、手を出す。直ぐに手を握り返すアーシアに態度は一変して

 

「こちらこそ大歓迎だよ~君みたいな可愛い娘とよろしくできるなんて!」

 

しかし、一誠が直ぐに自分の手に変えて握り返す。力強くだが・・・恐らくアーシアにデレデレしたのが気に入らなかったのだろう。匙も負けじと握り返す

 

「こちらこそ新人悪魔同士よろしくな!」

 

「よろしくな!つっても俺はデビューして早々使い魔を持つ事が許可されたけどな!」

 

「俺だって部長から許可を貰ったんだよ!」

 

いがみ合う二人にため息をつく主達

 

「はいはい、話はまだ終わってないから辞めなさい」

 

一誠と匙に対し笑顔で話す美羅、しかし笑顔なのに目が笑っていおらず二人は顔を青くし

 

「「すいませんでした!!」」

 

素早く綺麗な土下座をし、その最中匙は恐る恐る手を挙げる

 

「し、質問いいでしょうか。どうして美羅先輩がここに居るのでしょうか」

 

「私も使い魔が欲しいから。それだけだよ」

 

「貴方が?・・・人間が使い魔を使役するなんて出来るのかしら」

 

蒼那は疑問に思う。今まで使役した者を見た事が無いからである

 

「今日は満月の夜。彼も居るはずだから聞いてみましょう」

 

「・・・確かに、彼なら何かしっているかも」

 

「夜までもう少し時間があるので色々とお話ししましょうか」

 

 

 

使い魔捕獲まで後数時間―――――

 

 

 

 




如何でしたか?

運が無い状態で書くとモチベ上がらないですねぇ

次回、使い魔ゲットだぜ!!






「力持ちの使い魔何処かな~」

「うおおおおおおおおお!!」

「あ、居た!」

お楽しみに!



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第13話 にm、使い魔をゲットだぜ!!

さぁさぁ!!今回は早い投稿だああああああああああ

イベント終わってないけれど、ミラ教を布教するのじゃああああああ

バンザーイ!バンザーイ!\(・ω・)/ミラサマバンザーイ!


という事ではっじまっるよ~




~美羅side~

 

時間を潰す事数時間―――――夜になったので美羅達一同は使い魔を手に入れるべく冥界へ転移した。オカルトメンバーと生徒会メンバーの大集団で訪問する事になった。待ち時間に色々と聞くと使い魔を紹介する人物は月に一度しか会えず、リアスと蒼那はタイミングが重なってしまったのだ。お互い都合の良いタイミングが今日ということもあり勝負して順番を決めようとしていたが、私は全員一緒で行こうと提案する事で了承してくれたのだ。そして私達は全員無事に転移に成功、少し離れた場所に使い魔を紹介してくれる人物が居る為、徒歩で移動している最中だ

 

「なぁ兵藤ちょっといいか」

 

「ん?どうしたいきなり」

 

「美羅先輩が使い魔を手に入れるってどう思うよ?俺は正直あの人と釣り合いが取れるのが居ないと思うんだが」

 

後ろで一誠君と匙君は私について聞こえないようにヒソヒソと話している。まぁ聞こえているのだが

 

「美羅先輩何でも出来そうだからなぁ・・・」

 

周囲は私の事を過大評価している点が困るのだ。私を完璧超人のスーパー人間だと思っているなら訂正をして欲しい。平穏な日常をのんびりとしたいだけなのに・・・と思いつつ気配のある所まで歩くと

 

「ゲットだぜ!」

 

声に驚く一誠、アーシア、サジ

 

「俺は使い魔マスターのザトゥージだぜ!」

 

「「「つ、使い魔マスター?」」」

 

「そう!俺に掛かればどんな使い魔も即日ゲットだぜ!さぁどのような使い魔をご所望だ?強い?早い?頑丈?はたまた支援系かな?」

 

色々と提案する彼に一誠君は何時もの様に「可愛い女の子」と言うが、使い魔の本来の使用方法を述べられ却下されてしまう。しかしアーシアが「可愛い子」と言うと、顔をデレデレとしながら了承する。やはり男は可愛い女の子相手には弱い。

そんなやり取りの中投げられる一言

 

「私はサポートかな・・・家事関係とか。ちなみに性別は女性で」

 

美羅先輩の一言にザトゥージは呆然とする

 

「そ、そこのお嬢さん使い魔に家事をさせるって本当ですかい?」

 

「付け加えるなら戦闘能力があって、知能が高いのが良いかな」

 

さらに注文が追加をする美羅。しかしその様な使い魔は普通存在しない

 

「美羅いいかしら?人間が使い魔にそこまで求めるのは無理よ。知能が高いとなると上位種じゃないと無理があるわ」

 

「そうですぜ・・・流石の俺も思い当たる奴が殆ど居ないぜ」

 

「殆ど居ないって事は全然居ないって事じゃ無いのよね?」

 

ザトゥージの一言を聞き逃さず美羅は訪ねる。しかし彼は紹介したくないのか、言葉を濁す

 

「い、いや・・・お嬢さんなら誰かを雇うなりした方が早いんじゃと思って」

 

「使用人は要らない。私は『使い魔』が欲しいから此処に来たのよ?最低でも案内はしなさいよ・・・貴方死にたい?」

 

少しだけ威圧をする美羅。顔を青くしたザトゥージは素直に話す

 

天魔の業龍(カオス・カルマ・ドラゴン)ティアマット。強くて知能が有り人化も出来る五大龍王の一角さ。でもよ龍はプライドが高い。そして龍王のおまけ付き、使い魔なんて絶対に無理だぜ」

 

ザトゥージの説明を聞く全員なのだが・・・

 

「っておい。あのお嬢さんは何処行った?」

 

『え?』

 

美羅の姿は無く全員驚く中、一誠とサジは手を挙げて答える

 

「「すいません美羅先輩を止めれませんでした!!」」

 

「何故止めなかったんですかサジ!!」

 

「どういう事なの一誠?」

 

眷属の主である彼女達は怒っており、理由を聞くと

 

「止めようとしたら睨まれて何も言えませんでした」ガクガク

 

「スイマセンスイマセンユルシテクダサイミラセンパイ」ガクガク

 

トラウマを思い出した一誠はカタコト言葉を発しながら震えており、一同はどうしようか迷っていると、あきれ果てたドライグは全員に聞こえる様に声を発する

 

『リアス・グレモリーよ心配せずとも美羅は無傷で帰ってくる』

 

「美羅は人間なのよ!もしもの事があればどうするのですか!!」

 

ソーナは普段よりも大きい声を出す。ソーナの認識は美羅は人間でそれなりに力を持つ者程度に思っていたのだが

 

『あいtいや・・・美羅のカリスマは普通では無いぞ?(美羅からは力の事について誰にも言うなと注意されているからな)』

 

「ソーナ。赤龍帝がそう言っているのだから私達は私達で使い魔を探しましょう」

 

「・・・分かったわ」

 

ソーナは納得出来なかったが、ドライグとリアスの進言も有ったので眷属の使い魔を探す方を優先させた

 

 

 

 

~美羅side~

 

美羅はティアマットを使い魔にする為、見晴らしの良い場所まで登り縁の探知を行う。ドライグとティアマットの縁を辿る為、財宝を借りていた時に出来た縁を利用する。美羅にしか見えない光の線が現れ、その先に居るであろうティアマットの場所を把握したのだが、場所が隣の山だった

 

「えぇ・・・こんな近くに居たなら探知を行わなくても良かったなぁ。ま、取りあえず行ってみようかな」

 

その言いながら転移をした。そして目の前には眠っているティアマットが居た。しかし、いきなり現れた美羅に直ぐ気付き眠りから覚める

 

『我の眠りを妨げるな人間――――此処から直ぐに立ち去れ』

 

苛立ちながら美羅を見下し吐き捨てるが、美羅は気にせず自分の要件を言った

 

「おはようティアマット。そして私の使い魔になりなさい」

 

『―――――我に対して大きく出たな人間、その愚かしさを持って死ね』

 

この山を消し去る程の強大な魔力で作り出されたブレスは美羅に直撃、そして冥界の山一つが無くなった

 

 

 

 

 

 

 

~ティアマットside~

 

私は夢を見ていた

 

人化状態で日々をのんびりと過ごしている自分の夢だった。最初は人化してのんびりと過ごしているのに、日々満たされた顔をしている自分がいた。最初の夢はそこで途切れ、起きた時にはどのような夢を見ていたのかどうでも良かった。しかし、眠る度に同じ夢を見るようになった。夢の内容は長くなるにつれ日々の日常の様子が鮮明に映し出され、今では思い出す事が出来る程だ。夢の中では小さな女の子と一緒に戯れており、自分より年上であろう兄弟二人が喧嘩している。激しくなる喧嘩は二人の頭に拳骨が降って止まる。だが、どの夢でもこの拳骨をした者の姿は靄が掛かって見えない状態だ。男なのか女なのか分からない・・・夢から覚めるとまた夢を見たいと思い眠りに入る始末―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見たい

 

 

 

 

 

 

 

 

靄に掛かる誰かを思いながら眠りにつくと、靄が少しだけ晴れていた。口元だけで見える状態で何を言っているか聞こえはしない。だけど、一緒に居たいと感じさせるほど暖く何故か分からないが「お母さん」と呼びそうになってしまった。夢の中の私はなんと言ったのか・・・その人が振り向こうとした時夢から覚めた。目の前に一人の人間が立っていたからだ。いきなり現れたので転移を使える程力を持つ人間だとは認識したが、所詮は人間と判断、そして初めて見る光景の夢を邪魔され憤りを感じていた私は

 

『我の眠りを妨げるな人間――――此処から直ぐに立ち去れ』

 

威圧しながら言葉を投げる。しかし目の前の人間は去らず、あろう事か私を使い魔として使役すると言い出した。龍を甘く見ている人間に対して

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――不愉快

 

 

 

 

 

 

 

 

『―――――我に対して大きく出たな人間、その愚かしさを持って死ね』

 

その言葉と同時にブレスをぶつけ再び眠ろうとしたティアマット。しかし、この行為は彼女にトラウマを植え付ける原因になるのだった

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

崩れる山の土煙から姿を現す美羅。ブレスをぶつけられた体は無傷であるが服は燃え尽き全裸だった。だが、体が無傷の美羅にティアマットは驚愕した

 

『ば、馬鹿な!?力を加減したとはいえ我のブレスを直撃して無傷だと!?』

 

「最近の龍はプライドだけが高いんだね~、その程度じゃ傷なんて付かないよ。(耐性を付けてたからね)まぁ服だけはそうもいかなかったけれど」

 

『・・・何者だ貴様。本当に人間か?』

 

「まぁ今は人間だよ。それと、一発には一発だから・・・覚悟は良いかな?」

 

美羅は結界を瞬時に張り魔力を込めた右手で頭部を殴る

 

 

 

―――――拳骨である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ティアマットを地面に叩き付け一撃で戦闘不能にした美羅は自分の服をどうしようか考えていた

 

「服どうしよう。予備は今洗濯中だから・・・適当に羽織って合流しよう」

 

家にある毛布を転移で取り寄せて羽織り、ティアマットを治しながら

 

「私が勝ったから使い魔になって貰うよ。これから宜しくティアマット♪それと、私の事は美羅って呼んでね」

 

『・・・分かった』

 

「それじゃ一誠君の所へ行きましょうか」

 

ティアマットの頭に乗り一誠達の所へ飛ぶ美羅達――――――

 

 

 

 

~一誠side~

 

美羅先輩が別行動をした後俺達は使い魔を探し、ザトゥージが水辺に住むウンディーネについて紹介している中俺とサジは女の子姿を期待していた。現れたウンディーネは女性だった・・・しかし目の前に現れたのはレア種のウンディーネ、筋肉モリモリマッチョマンの女の子だった

 

「「ちっくしょおおおおおおおおおおおおおおお。筋肉モリモリマッチョマンなんて女の子の部類じゃねぇだろおおおおおお!!」」

 

俺達男の嘆きは一緒であり、、見れるなら美しい姿を見たかったからだ。意気消沈の俺達が歩いていると、蒼雷龍(スプライト・ドラゴン)と呼ばれる龍を発見した。ザトゥージ曰くとても珍しい龍との事で、使い魔にするなら今しかないと言う事で俺とサジのどちらが使い魔に出来るか言い争っていると、アーシアの肩に飛び乗っていた。蒼雷龍(スプライト・ドラゴン)はアーシアの使い魔にする事となった。そして俺は使い魔を手に入れる事が出来ずに落ち込んでいると、遠くから巨大な龍が飛んできたのだ

 

「あ、あれはティアマット!ま、まさかあのお嬢さんのせいで・・・」

 

「馬鹿野郎!美羅先輩のせいにするんじゃねぇ!!」

 

「いや、兵藤。俺達が止めれなかったせいでもあるんじゃねぇか・・・」

 

それよりも美羅の事を心配していた一誠だが、それも杞憂だった

 

「ただいま。あれから使い魔探しで成果はあった?」

 

龍から美羅先輩が降りてきたが、体に毛布を羽織っていた

 

 

 

 

~合流~

 

一誠達と合流した美羅は使い魔の成果を聞いていた

 

「・・・・・で、結局はアーシアちゃんだけしか使い魔を手に入れていないという事。もっと頑張って見つけないといけないよ。私はティアマットを使い魔に出来たから問題ないけれど」

 

『ええええええええええええええええ!?』

 

「み、美羅!?ティアマットにこの場所まで送ってもらうとかではなく、使い魔にしたの!?」

 

ソーナは有り得ないと言いたげに私に詰め寄り、肩を揺らし始める

 

「ちょ、蒼那これ以上は駄目!今私服着てないの!!」

 

「え?」

 

肩を揺らしていたソーナが手を離し急に止めてしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハラリ

 

 

 

 

 

 

 

 

ソーナの手で肩と一緒に捕まれていた毛布が落ちる最中、美羅は咄嗟にザトゥージだけには遠慮の無い殺気を飛ばし気絶させたが他の人は間に合わず・・・ザトゥージ以外全員が美羅の裸を見た

 

「うっひょおおおおおおお美羅先輩の裸ああああああああああああ!!」

 

「っ!!」

 

「うぇ!?エッロ!!        あ・・・・」

 

一誠、木場、匙。三人の男達は美羅の裸を見てしまった。しかし同時に美羅から強烈な殺気が溢れ出し、顔を青くする三人

 

「フフフ、まさか私の裸を見ての第一声がそれか~?そうなんだ~謝罪じゃないんだ~」

 

『 』ガクガク

 

「大丈夫♪一人一人にO☆SHI☆O☆KIしてあげる♪」

 

笑顔で目が笑っていない美羅は多々あるが今までの比ではない状態であった、唯一あったのは

 

「一誠、祐斗、気をしっかりと持って。貴方たちならきっと大丈夫」

 

「サジ。短い間だったけれど楽しかったわ」

 

「「「ぶ(か)、部長ー(会長ー)!!!」」」

 

使い魔探しは終わり、二人の眷属達はトラウマを植え付けられるのであった。そして既にある一誠はより一層酷いトラウマとなってしまった

 

 

 

 




O☆SHI☆O☆KIの行方は如何に!?




布団「さぁ来ました来ました。次回は不死鳥編に突入だー!!ミラ様をどうしようかなぁ」

ミラ「ここに居たのね♪」ニコニコ

布団「ナ、ナンノゴヨウデスカー」

ミラ「裸妄想したでしょ?」

     ・
     ・
     ・
     ・
     ・

布団「ど、読者は期待していたんだ!!仕方が無いんだ!!」

ミラ「調きy、じゃなく折檻の時間だね!!」

布団「え!?さっき調k「黙って付いてくれば良いのよ。」ズリズリ




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第2章 -戦闘校舎のフェニックス-
第14話 破滅一歩手前で急停止


今回は短めだけど仕方が無いよね

早く焼き鳥フルボッコしたいからね(・ω・)

さぁ~どうしてやろうかなぁwkwk




~美羅side~

 

学園では完璧超人のお姉様と持ち上げられている美羅は、だぼだぼのTシャツのみ着た状態でベッドに寝そべりスマホゲームをしつつゴロゴロしている

 

「こうやってだらだらするの久しぶりだな~」

 

久しぶりの完全オフの日を満喫しており、ニートと間違われてもおかしくない格好だ

 

「私としては主なのだからもっとしっかりとして欲しいのだけれどね、それとお菓子とジュース持ってきたわよ」

 

お盆にコップを乗せお菓子やジュースが入っている大きな袋を二つ持つ女性が入って来る。彼女はティアマット、美羅の使い魔であり雑用係でもある

 

「ありがとー、やっぱり使い魔って便利で楽だね」

 

「龍を使いっ走りするのはどうかと思うのだけれど・・・・・・まぁ諦めるわ。所で主は一体何をやっているの?」

 

私がスマホで何をやっているか気になったのかベッドに入ってくる

 

「特殊なゲームだよ。ティアもこれやってみる?デメリットはこの家の中でしか出来無いけど」

 

「・・・また何か弄った?」

 

「別世界の電波をこっちに持ってきただけだよ。この程度は問題無いから大丈夫大丈夫」

 

自分には理解出来無い事を言う美羅にティアはため息をする。ティアが美羅と生活を共にし始めてからこのような事は日常茶飯事で、もう既に考えるのを辞めていた

 

「これはね転生者が言っていたスマホゲームでFa「それ以上はいけない!!」・・・・・いきなりどうしたの?」

 

「何故か言わなければいけないと思ったのよ・・・」

 

「う、うん。まぁ簡単に言うと英雄達が出てくるゲームだね。始めた理由は二つあって遊んでて面白い事と、話が少し変わって以前二人目の赤龍帝と出会ったって言ったよね?」

 

「イレギュラーな状態で、そいつは転生者と主から聞いたが?」

 

美羅はティアに有り得ない現状――――。今代の赤龍帝は何故か二人居る事について話す。

ありふれた神器(セイクリッドギア)ならば数多くあるが、神滅具(ロンギヌス)となるとオンリーワンだからだ。そして美羅はある物を取り出す。それは以前転生者が美羅の腕を切り飛ばした剣

 

「そして私の腕を切り飛ばしたこの普通じゃない剣の由来を調べる事。色んな文献やゲームの武器を参考に見たけれど断言出来る程の物じゃ無くてね・・・唯一分かるのはドラゴンスレイヤーって事だけ」

 

「確かにこの様な剣は見た事が無いな・・・」

 

結局分からず仕舞いであった。その後夕食を作り、風呂に入り、ティアと一緒のベッドで眠りに付く。美羅の休日は終わり明日からはまた楽しく忙しい学園生活の始まりだ

 

 

 

 

―――――数日後――――

 

日々相談事を受けている私だが、最上級生になると流石に無理があると判断し週に三回の相談受けにする事にした。しかし、相談事の殆どは些細な問題であった

 

「はぁ・・・そろそろこの相談事も辞めにしようかなぁ。皆私に依存し過ぎでしょ・・・」

 

美羅自身は気が付いていないだろうがほぼ全員が美羅と近づきたいが為に来ているのだった。そんな事を愚痴にしつつ、最近オカルト研究部に顔を出していないと気付いたので顔を出す為足を運ぶ事にした。気配から新しい悪魔が来た事は分かっており、関係者として顔だけ見ておく為でもある

 

「ふむ、あの魔王はもうこの地の管理者を送ってきたのかな?それだったら少しだけ評価を上げようか」

 

いきなり管理者を決めるとなると色々と厄介な上、その後詰めも大変なのは知っているからの評価だった。しかしそれは別の問題であり、更には美羅を激怒させる事件に発展するのであった

 

 

 

 

~一誠side~

 

昨日の夜に部長がいきなり俺の部屋に突撃をした時はもの凄く混乱しちまったぜ。何せいきなり「処女を貰って」と言ってきたからな・・・まぁグレイフィアさんが直ぐにこちらに来て部長を連れて帰ったから何が何だか分からず仕舞いだったけど部長は一体どうしたんだろう?翌日の部活で何か説明があると思い途中で合流した木場と一緒に旧校舎へ移動していると、木場の雰囲気が急に変わった

 

「っ!この僕がここに来て初めて気付くなんて・・・」

 

小さく呟く木場の声は誰も聞こえず、そのまま部室の中に入っていく一誠達

 

俺達が部室に入ると部長と朱乃さんと小猫ちゃんそしてグレイフィアさんがおりちょっとだけビックリした

 

「全員揃ったわね・・」

 

「お嬢様、私からお話しましょうか?」

 

「いえ、私から話すわ・・・実はね」

 

部長が話し始めようとした瞬間、部室の床に魔方陣が出現。炎巻き起こしながら一人の男が現れる

 

「・・・フェニックス」

 

木場がその男の正体を言った

 

「ふぅ、人間界は久しぶりだな、会いに来たぜ愛しのリアス」

 

「だ、誰だこいつ?」

 

俺は思った事をそのまま口に出していた。知らない俺にグレイフィアさんが男のことについて説明をする

 

「こちらはライザー・フェニックス様。純血の上級悪魔であり、フェニックス家の後三男です。そして、グレモリー家次期当主の婿殿でもあらせられます」

 

 

 

 

ライザーと呼ばれる男はソファに座り、朱乃さんが注いだ紅茶を飲みながら部長髪を弄っている。こんな奴が部長の婚約者なんて有り得ねぇと考えていると

 

「いい加減にして頂戴、ライザー」

 

流石に鬱陶しいと感じたリアスは立ち上がる

 

「以前にも言ったはずよ。私はあなたと結婚なんてしないわ!」

 

「だがリアス。君のお家事情はそんな我儘が通用しない程切羽詰まっているじゃないか」

 

「私は!私のすk「失礼します。アーシアちゃん久しぶりに顔出しに来たよ・・・って何?この状況」

 

場の雰囲気を全てぶち壊し美羅先輩が入って来た

 

 

 

 

~合流~

 

「失礼します。アーシアちゃん久しぶりに顔出しに来たよ・・・って何?この状況」

 

何も状況を知らない美羅はグレイフィアに説明を求めた

 

「えっと・・・グレイフィアさんだっけ?今のこの状況教えてくれるかな?全然話についていけない」

 

一同呆然としていたが声を掛けられたグレイフィアは説明する

 

 

「成る程、お家事情で結婚しなさいと言われてるのね。だったら解決なんて簡単でしょ?」

 

「え?」

 

「嫌なら嫌ってきっぱり言えば良いでしょ?悪魔の寿命は長いのだから自分の好きな様に生きたら良いじゃない」

 

「それは無理だ!家が潰れる可能性が高いからな」

 

否定するライザーは真正面から美羅を睨むと、体をなめ回すように見始める

 

「ん?・・・ふむ、ふむふむふむ」

 

「・・・あの?ライザー様?」

 

何か嫌な予感がしたグレイフィアは声を掛ける

 

「よし女!貴様を俺のハーレムに加えてやろう。なぁに心配するな全てを愛してやるさ」

 

その一言に全員が反対する

 

「ちょ!?だ、駄目よライザー!」

 

「ライザー様おやめ下さい!!」

 

「「「絶対に駄目です!!」」」

 

「ふっざけんな!美羅先輩を汚そうとするんじゃねぇ!!」

 

「かなり幸運だぞ女?俺のハーレムに人間が加わるなぞ有り得ないからなぁ!!」

 

しかし一向に引かないライザーはあろう事か美羅の腕を掴んだ―――――瞬間

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美羅はキレた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこに感情は無く、ライザーを殺そうと腕に力を入れた時、グレイフィアから提案が出される

 

「最終手段としてライザー様、リアスお嬢様との『レーティングゲーム』で決めるというのは如何ですか?」

 

それと同時にグレイフィアは念話で美羅に提案を持ちかける

 

(こちらの不手際で申し訳ございません。今力を振るわれてしまうと周囲の被害が大きいのでレーティングゲームにて力を振るっては頂けませんか?)

 

(そう・・・・それならギャラリーとして両家の代表と魔王を連れてくる事と、後で貴方が私の言う事を聞いてくれるのであれば良いですよ?)

 

(・・・・それで大丈夫です、有り難うございます)

 

念話が終わると直ぐさま行動に移すグレイフィア

 

「そしてライザー様。それ以上美羅様にちょっかいを出すのであれば実力行使に出ますよ?」

 

「おおっと。最強のクイーンである貴方にそう言われると、俺も怖いですよ」

 

直ぐに手を離すライザー、美羅は捕まれた場所にアルコール消毒をしていた

 

「しかし、リアスお嬢様はゲーム初心者ですので少し期間おいての勝負で良いですか?」

 

「そうだな・・・十日、ゲーム開始まで十日の期間を与える。俺は慈悲深いからなぁ。それでは楽しみにして待っているぞ愛しのリアス、そして愛しの美羅よ」

 

そう言い残しライザーは去ったが、最大の問題が一つ此処に残っていた

 

 

 

そう、問題は美羅だ

 

 

 

顔は不気味に笑っているが、目が笑っておらずトラウマを持つ一誠と木場は気絶していた

 

 

 

レーティングゲーム開始まで残り十日

 

 

 

「私にした事全てを後悔させてあげる。そう、死ぬ方がマシだと思うぐらいに痛めつけよう。ッアハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」

 

 

美羅の笑い声はまさに破滅をもたらさんとする物だった

 

 

 




さぁミラ様を怒らせたライザー君。

命と精神の覚悟はいいか?

次回は皆で山ごもり~!!おや?居ない筈の人が出てくるぞ?

お楽しみに!!



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第15話 全員山籠り!美羅の強化合宿開始!!

FGOクリスマスイベント始まったぞい!
呼符二枚と十連ガチャでエレちゃんをお迎え出来ました。・・・・今年の運使い果たしたかな?


何は兎も角!今年もあと少し、頑張って行くぞい( ^o^)ノ


―――12/18にてタイトル誤字を修正


~一誠side~

 

おっす皆元気か?俺達はライザーの野郎とのレーティングゲームの為修行中だ!!だがここで問題が発生したんだ。それは今現在行っている鬼ごっこについてだ。

最初はオカルトメンバーだけで修行と思っていたが、美羅先輩も合宿に参加すると聞いて俺は「おっしゃあ!美羅先輩に手取り足取り教えて貰うぞ!!」と意気込んだ。まぁついでに美羅先輩のおっぱいに触れる機会があるかもと淡い希望を抱いていたわけだが・・・今はそんな事を思う暇すら無いのだ。何故かって?決まってるだろ・・・鬼ごっこを提案して来たのは美羅先輩だからだ!!しかも鬼は美羅先輩で「私一人でオカルトメンバー全員を捕まえるから必死に逃げなさい。」と死刑宣告をされた。だが俺は素晴らしい提案を持ちかける事に成功したんだ。内容は「時間内にオカルトメンバーの一人でも残っていたら俺達の勝ちとして、美羅先輩はオカルトメンバー各自のお願いを聞く。」との約束事を決めれたのだ!

 

 

 

だから俺は絶対に生き延びる!美羅先輩のおっぱいを揉むために!!

 

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

一誠君達がレーティングゲームに向けて強化合宿を行うと聞き私も付いていく事にした。悪魔と一緒にいるのは嫌だけれど監視も含めてだから我慢我慢・・・・・ちなみにKY赤髪家の持つ別荘が山奥にあるとの事。別荘に着いた後それぞれジャージに着替えどのようなトレーニングをするのか聞いていると・・・まぁ呆れてしまった。一誠君とアーシアちゃんは教わりながら鍛えるとしても残りの面子は個人個人でとの事

 

 

絶対に負ける

 

 

そう思ったので、正直な感想を述べる

 

「はぁ・・・あのさKY赤髪はこの戦いをどう思ってるの?私も参加するから手抜きをするって言うならこっちは一対一で戦う方向に持って行くからね」

 

「な!?個々の力を伸ばす事がいけないと言いたいの!!」

 

「個々の力を伸ばすのは良いと思うよ?だけど一人で特訓なんてほぼ無意味、自分達より力の強い人とやらないと駄目駄目って事」

 

「・・・・・・分かってるわよ」

 

目を逸らしながら小さく呟くリアス。まだ分からない様なので告げ口をする

 

「私がここにいるでしょ?」

 

「貴女は一人でこの人数をどの様に鍛えるつもりなのよ」

 

答えを直ぐに求める子供のようだと思いつつも、今回は時間が無いので敢えてそこには触れずオカルトメンバーに宣言する

 

「私と一日鬼ごっこ」

 

『え?』

 

「私が貴方達を狩r、捕まえるから全力で逃げていれば自然と強くなるよ」ニコニコ

 

本当の目的は私自身のストレス発散が目的である。だが、全力で逃げるなら自然と力も付くから一石二鳥である

 

「ならお願いしても良いかしら」

 

「良いよ良いよ~頑張って逃げてね?こっちは全力でやるから。あ、もう取り消しはしないから、全員強制参加決定だからね」

 

『 』

 

殆どが呆然とする中一誠君が

 

「はいはいはい!一つお願いがあります!!」

 

「えっと何かな?」

 

「それはこの鬼ごっこで『時間内にオカルトメンバーの一人でも残っていたら俺達の勝ちとして、美羅先輩はオカルトメンバー各自のお願いを聞く。』というご褒美をお願いします!!」

 

「ふむ・・・」

 

何か報酬がある方がやる気が出ると思った私はついつい了承をしてしまう

 

「まぁそれなら良いかな?やる気も出てるからね」

 

「おっしゃあああああああああああああ!!言質貰ったあああああああああ!!」

 

何を期待しているか分からない様子の美羅は次の一誠の言葉を聞いて呆れる

 

「これで美羅先輩のおっぱいを堂々と皆の前で揉めるぞおおおおお!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

空気が凍り付く―――――

 

 

 

 

 

 

 

「へ~一誠君の願いはそうなのか~。なら死んでも文句は無いよね?女の子の胸を人前で揉む様な男だからね」

 

「あ」

 

「ドライグ諸共地獄を見せてあげるから覚悟はしておいてね?開始は今から十分後でよろしく」

 

『おい相棒!?俺はそんな巫山戯た願いのせいで死ぬのは真っ平御免だぞ!!』

 

ドライグは一誠の願いを低俗な物と判断して口に出してしまう

 

「ドライグは私の胸を巫山戯た物と認識してるのね・・・了解、地獄は生ぬるいね。それ以上の攻撃をしてあげるから楽しみにしてね?」ニコニコ

 

『 』

 

「 」

 

口が滑ってしまったドライグと一誠は冷や汗を流す。そんな中一誠以外のメンバーは全員散らばるようにして山の中へ逃げていた

 

「大丈夫、一誠君は最後の獲物として狩ってあげるから・・・・・頑張ってね?」

 

その言葉を聞いて一誠は逃げた

 

 

 

そして美羅による鬼ごっこと称される蹂躙が幕を開ける

 

 

 

 

 

 

 

―――――十分後

 

「さてさて、狩りの開始だね。最初は誰にしようかな~♪小猫ちゃんから行こうかな?それとも木場君から行こうかな?」

 

最初に狩る獲物に狙いを定めようとする美羅は誰にも止められない。そして最初の獲物が決まったのか?美羅はバッと立ち上がる

 

「よし決めた!頭を狙おう。KY赤髪はどう抵抗するか・・・」

 

スタート地点から縁を辿り場所を割り出し終えた美羅は地面を強く蹴り、一直線に突き進む。そしてその早さに気が付かないリアスはあっという間に見つかり

 

「KY赤髪発見~、そして最初の犠牲者で~す」

 

「えっ!?」

 

驚き振り向くリアスが目にしたのは魔力の本流。気付いた時には既に飲み込まれ、そこで意識を失った

 

 

 

 

 

~合流~

 

 

 

―――――一時間後

 

美羅の宣言通り一誠以外の全員が背後からの魔力砲により吹き飛ばされ気絶させられた

 

「貴方達捕まるの早すぎて『弱い』としか言えないわ・・・もう少し危機察知能力を身に付けなさい」

 

『 』

 

自分達の力の無さに何も言えず黙り込む一同

 

「それじゃあ一誠君の公開処刑開始しようか」

 

縁を辿る様に跳躍――――。美羅の視線は一誠を捉えており、公開処刑のカウントダウンが開始された

 

 

―――10

 

一誠は赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を展開し、倍加を五回まで掛けていた。本来は十回まで掛けれるのだが後々を考えて止めている

 

―――9

 

「大きい音が無くなったけど何人捕まったんだ?」

 

―――8

 

一人呟く一誠は気付かない

 

―――7

 

『相棒―――そろそろもう一段階倍加を掛けるか?』

 

―――6

 

ドライグが提案をする

 

―――5

 

警戒心を高めているドライグだが、気配を消した美羅の存在を感知出来無いでいた

 

―――4

 

「そう言えば俺って最後に狙われるんだよな?」

 

『・・・最後に狙われる代わりに俺達は地獄以上の苦しみが待っているだろう』

 

―――3

 

自身の相棒、ドライグと話していると念話が飛んでくる

 

―――2

 

『御免なさい一誠!貴方以外全員捕まって美羅がそっちに向かったから今すぐ逃げなさい!!』

 

―――1

 

『相棒無茶をするぞ!』

 

「え?」

 

『Boost!Boost!Boost!』

 

現状に付いて行けない一誠と違いドライグは直ぐさま倍加を三回掛ける

 

―――0

 

「一誠君見~つけた」

 

「 」

 

美羅に見つかってしまい絶句する一誠、美羅の体から魔力が迸り周囲の地面にクレーターを作りあげ飛んでくる魔力の衝撃を一誠は飛び退いて躱す。着地して美羅が居た場所を確認する一誠――――しかし美羅はその場には居らず不意に右から殺気を感じた一誠は咄嗟に体をくの字に曲げたと同時に、美羅の魔力を纏った拳が先程まであった腹部を抉るように通り過ぎる。その威力は一誠が想像していた力より強く、左側にあった大木を消し飛ばした。咄嗟に体を曲げバランスを崩した一誠は尻餅を付き現状を改めて思い知る

 

「み、美羅先輩それって当たると死んじゃうんじゃ・・・・」ガクガク

 

冷や汗が吹き出し足が笑う中、美羅は告げる――――

 

「私の胸を揉むんでしょ?それは死ぬ覚悟を持ったと同じだよ」

 

「・・・・・その中に絶対ストレス発散も付け加えられていますよね!?」

 

「そんなの当たり前でしょ?学園の問題児さん」

 

何を言っても無駄だと確信した一誠は限界まで倍加し、全力で逃げ出した

 

「逃げても無駄よ♪追いついて骨の十本は確実に逝かしてあげる。でも安心してね?ちゃんと治療して完治させてあげるから」

 

「ひっ!?」

 

一誠の逃げた後を追った美羅、その数分後に一誠の悲鳴が森の奥から響き渡る。そして地獄の様な鬼ごっこが終わりリアス達の元に戻った一誠はボロ雑巾状態になっていた

 

 

 

 

こうして一誠にとって地獄の鬼ごっこ一日目が終了した

 

 

 




今回は一日目の特訓風景のお話です

しかし、まだ一日目は終了していません



夜に書いている為お腹が空いて力が出なくなり、思考能力低下しております



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第16話 規格外?いいえそれが普通です

遅くなってすんませーん

それもこれもFGOのガチャがいけないんだ!!(゚Д゚)

まぁそんなこんなでもうクリスマス・・・





リア充は爆発しろ


私はミラ様を崇めておくわ




~美羅side~

 

一誠君をボロ雑巾にし終えた私は今夕食を作っています。初日からハード過ぎたのか全員グッタリしているので余裕のある私が担当でカレーを作る事になりました

 

「それにしても小猫ちゃんは沢山食べますねぇ」

 

「・・・・美羅先輩のカレーが美味しいからです」

 

全員黙々と食べており、中でも塔城が沢山食べている事に美羅はびっくりしていた。美羅が作ったカレーは明日の昼食分までを想定していたのだが、予想が甘く今晩で無くなってしまいため息をついていた

 

「全員食べ過ぎじゃないかな?明日の昼食分までを想定して作ったのだけれど」

 

『美羅(先輩)の作ったカレーが美味しいのがいけない』

 

「・・・・・あぁそうですか」

 

褒められるのは嬉しいのだが、この量を毎日作るとなると食材も足りないし何より大変なのだ。この強化期間は一週間を予定しているらしく、一日三食計算で作るとなると四日で無くなってしまう計算に頭を悩ませる中、オカルトメンバーはお風呂に入っていた。誘われはしたものの断った美羅、理由は羽を伸ばして入りたいからである。人化している状態だからといっても、龍である美羅は最低限自分の翼を洗いたかったのである。これからの食料についての計算が終わり、少ししてからお風呂が空いたとの事でお風呂に入り(覗きを行おうとしていた一誠は気配がバレバレだった為夜の山へ放り込まれた。)明日をどうするか考えながら就寝した

 

 

 

~一誠side~

 

俺は美羅先輩がお風呂に入るとの事で待ち伏せの覗きをしようとカモフラージュして待機していたのだが、バレてしまい夜の山の中へ放り込まれてしまったのだ

 

「ちっくしょ~、何でカモフラージュも完璧だったのにバレたんだよぉ」

 

『諦めろ相棒。いくら頑張ったとしても無理なのさ』

 

愚痴りつつも別荘に戻る為歩を進めている一誠と呆れるドライグ

 

「ドライグはあの素晴らしいおっぱいを前に我慢出来るのかよ!!」

 

『・・・せめて相手を選べよ相棒』

 

「諦めねぇ、諦めねぇぞ俺はーーーーーー!!」

 

夜の森に木魂する一誠の雄叫びは呆れる物であった

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

 

二日目―――――

 

この日は個々の得意とする能力向上を旨としたトレーニングとなる。リアスと朱乃は魔力のコントロールと応用を、木場は剣の技術を、塔城は体術を、アーシアは自身の神器(セイクリッドギア)聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)の能力向上を、一誠に関しては神器を含めた全ての向上といった内容である。個人での修行では力の比較が分からないので魔力系と体術系の二つに分けて競い合う形としている。尚、この競い合いで負けた者はご飯抜きという秘密の罰が下されるのである。ちなみにこれは美羅が密かに計画しており、手を少しでも抜く者に対するお仕置きなのだ。私は今KY赤髪が一誠達に魔力応用を教えているので耳を傾けているのだけれど正直駄目、力が有り自分で出来る事を感覚で教えているので習得や応用が出来るまでかなりの時間が掛かるなぁと思い間に入ることにした

 

「ちょっと待ちなさいなKY赤髪。感覚で物を教えるなんてお馬鹿にも程が有るでしょ」

 

「っ!これが一番分かりやすく本人の感覚を掴みやすいのよ!!」

 

言いたい事は理解出来るが時間が無い状態で本人に自力で感覚を覚えさせるのは効率が悪く良く無いのだ。リアスと朱乃共に力が有り過ぎる分誰かに教える事は初めてなので苦手なのだろう

 

「ゲームまで時間が無いんだから一誠君とアーシアちゃんには私が教えるわ」

 

「美羅先輩って感覚派だと思ってたんだけど・・・」

 

「私の神器(セイクリッドギア)についても大丈夫なのでしょうか?」

 

神器(セイクリッドギア)を持っていない美羅がアーシアに教えるのは大丈夫なのかと不安を抱いているが

 

「大丈夫、私が教えるのは基礎中の基礎で神器(セイクリッドギア)を使わないから。でも、基礎が出来たら神器(セイクリッドギア)は使うよ?」

 

二人は力が強大である美羅が提案する基礎について不安を感じ、どの様な無理難題を突きつけて来るかと思っていたのだ。だが提案される物は意外な物で

 

「魔力を感じ取りましょう」

 

「「「「え?」」」」

 

全員口を開けポカンとしていた。魔力を感じ取る事は悪魔に転生した一誠やアーシアでも直ぐに分かり、何故今更そんな事をと疑問に思っていたのだ

 

「ちょっと美羅!魔力を感じ取るとか当たり前に出来るでしょ!!」

 

「流石に俺も魔力を感じるのは出来ますよ」

 

「私も大丈夫なんですけれど・・・」

 

「魔力を感じ取るのは誰でも出来る事なのですけれど」

 

この場に居る四人は完璧に感じ取れると断言しているが美羅からするとお粗末この上ないのである。何故これを取り上げたか、それはグレイフィアが部室に来ていた時に誰も気が付かなかったと聞いたからであった。結界が張られているとはいえ、スカスカ状態の結界から漏れる魔力を感じ取れないのは力不足と、魔力を感じ取る訓練をしていないと判断したのだ。四人が否定するのを呆れた美羅は一誠に向け人差し指を向ける。何がしたいのか分からない一同は恐らく?を浮かべているだろう。美羅は確信に至り口にする

 

「はいこれで全員死亡でさようなら~って事。魔力を感じ取れる者なら今のは余裕で避けているよ?ちなみに赤トカゲはその囮も気付いたね、赤トカゲからドライグに昇進してあげる」

 

『あの程度造作も無い。それより囮の物ですら気が付かないとはな・・・歴代最弱の名は伊達では無いという事か』

 

全員唖然としており、未だに信じられない顔をしているリアスと朱乃は言い訳をする

 

「有り得ないわ!攻撃されたなら気付いているわよ!!」

 

「リアスと同感ですわ。魔力攻撃をメインとしているので有り得ないかと」

 

「・・・あっそ」

 

呆れて反応した美羅はアーシア以外の三人の頭部に向け不可視の魔力弾を撃つと三人は5m程吹っ飛び、一誠に至っては10m程吹っ飛んだ。アーシアは何が起こったか理解出来なかったが、ピクリともしない三人を見て直ぐさま治療をした

 

数分後―――――

 

「美羅先輩めっちゃ痛いです」

 

「正直舐めてたわ」

 

「力不足と慢心を痛感致しましたわ」

 

反省する二人、オマケに攻撃した一誠は正直な感想を言う

 

「まぁこんな所だから魔力感知は大事な基礎だと分かったかな?それじゃあ説明とアドバイス、それから感覚を掴んで貰うわ。二人に関しては私がサポートするから楽に構えてて大丈夫よ」

 

四人は魔力感知がどれ程重要か改めて思い知り、美羅の説明を聞き始める。一誠とアーシアに関しては説明しながら美羅の魔力サポートで、魔力の感じ方、扱い方を感覚で掴み取る。その後はひたすらに、利き手に魔力を纏わせて霧散させを反復して体に叩き込んだ。昼食の時は両足を対象にと、影響の少ない部分の魔力強化を行い、午後の体術系の木場と塔城そして一誠とアーシアにまた美羅が監督をする木場は剣術で美羅に打ち込みをする中、他三人は美羅の動きを観察の修行だ。木場は木刀を持ち美羅の死角を付いて攻撃、偶にフェイントを入れて動揺させようとするも効果は無い。一方の美羅は手甲を装備して打ち込まれる物全てを弾き、受け流したりと相手を翻弄する。足の動きは最低限、アーシアでも目で見える程しか動いておらず、攻撃を防がれ続ける木場はムキになりつつ早さを段々と上げていくも、それは美羅の思惑通りでありフェイントに引っ掛かったフリをした美羅をチャンスだと思い強打を入れようとしたがボディに浸透勁をカウンターで食らい気絶する

 

「この様に手甲術は防御に優れて弾いたり受け流したりする事が出来るのよ。ただし、目が追いついていないと危険なので素人は真似したら駄目だよ。木場君の剣を目で追えるぐらいになってからが最低限のラインだからね。特にアーシアちゃんに関しては最終的にこれを覚えて貰うから覚悟してね?」

 

「 」

 

最終的な理想を目標とされたアーシアは呆然としていた

 

「こ、此処は・・・僕は一体何が?そ、そうだ!僕は先輩の攻撃で!!」

 

「ん、起きたね。勁をお腹に打ち込んだから今日は見学する事分かった?」

 

「分かりました。それと試合を有り難うございます」

 

自身の力不足を感じた木場は美羅の強さを目標にこれからの特訓内容を考え始めた。ちなみに塔城は木場が気絶した後、一誠と一緒に美羅との試合でボロボロにされた

 

「先輩容赦なさ過ぎです」

 

「 」

 

「小猫ちゃんは駒の特性上、体術をメインで覚えて行かないと駄目だね。攻撃も良いけれど防御も分け隔て無くが理想だよ。一誠君に至ってはまぁ・・・お察し状態だねぇ」

 

アーシアに治療をされている一誠は未だ体力が回復しておらず、倒れ伏したままであった

 

「それじゃあ今から夕食用の食糧を獲りに行こうか!」

 

聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)で傷は癒やせるが、体力は回復出来ていない状況で言い渡される前衛組一同(アーシア除く)に、追加内容として四肢にそれぞれ重りを付けるという内容を聞き絶望をしている。しかし更なる追い打ちが告げられる

 

「三人は食べ物でも肉になる物を獲る事、ゼロの人はご飯抜きだから頑張れ♪」

 

悪の権化は笑顔で告げ――――我に返った三人は各自森の奥へと消えて行く

 

だが三人は気が付いていなかった

 

現在地は別荘からかなり奥で、美羅以外は半日程掛かる距離だという事・・・そして協力を求める事を考えていなかったのだ。美羅は「三人は肉になる物を獲る事。」この意味を個人個人だけでと思い込んでいる時点で駄目なのだ。方法や手段を悪魔の身体能力で補うことが出来無い今、個人で獲る事自体無理難題であるからだ。しかし、参加しない第三者のアーシアは気が付いていた様で

 

「美羅先輩。このお題は三人でお肉になる物を獲ってくる事では無いでしょうか?」

 

「ん、アーシアちゃん正解。やっぱり第三者からだと気付くね」

 

「それともう一つなのですけれど間違っていたら御免なさい・・・・・もしかして美羅先輩に協力を求めたりも出来ますか?」

 

「ふむふむそれで?」

 

「恐らくですけれど『三人は獲る事』。これは最終過程として三人が獲ればそれでクリアという内容だと思います」

 

「良いね良いね。アーシアちゃん大正解!最初から無理難題を突きつけていた所は有ったけれど、それは最初の個人の時だけ。しかも今は体力が無く、四肢に重りを付けている状態・・・・・言うなれば体力ギリギリの傷だらけの体で三人だけで獲れる?無理でしょ。だから敢えて条件を何も言わ無かったの。レーティングゲームはチーム戦、協力し合い条件を満たす事が重要になってくるのだからそれも踏まえた上での事だったのよ」

 

忘れてはいけない。この合宿は力を付ける事を目的としているが、それはレーティングゲームで勝利するが為なのだ。敢えて美羅は無理難題を吹っ掛けてスパルタ監督という意識を刷り込ませたのだ。そして三人ボロボロ状態からの「三人は食糧を獲ってこい」と言ったのだ。余程頭の切れる者や、冷静で物事を見て考えていないと「個人で食糧を獲ってこい」と誤認してしまうのだ。そして時間は経ち、夜になる一歩手前になっても未だに帰って来ない三人を迎えに行く―――――――発見すると最悪のパターンだった

 

 

三人共、何も獲れていないのである

 

 

その現状にため息を吐きつつアーシアと一緒に三人を回収し、開けた場所で反省会をする事になった

 

「私は嘆いています。えぇ嘆いています。何で?何も獲れていないの?何で何で?」

 

「「「 」」」

 

「えっと美羅先輩、もうそろそろ夜になっちゃいます・・・」

 

「ちっ!使えない役立たず共め!!・・・おっとつい本音が」

 

「「「~~~~~~」」」

 

反抗したいが、事実を突き付けられ何も言い返せない三人。そして食糧を確保出来無い現状に美羅はアーシアに三人の側で待機を命じ一人森の中へ入っていき、少ししてからギャァギャァギャァと鳥達が飛び何事かと思った四人はその方角に目を向ける。そして数分後にズリズリズリと音がする暗闇の中から美羅が3m近くある頭の無い熊を引き摺ってきたのだ。一誠は恐る恐る尋ねる

 

「え、えっと・・・・美羅先輩。その熊はどうやって仕留めたんですか?」

 

「魔力を込めたデコピン一発。」

 

そして一誠は考えるのを辞め(美羅先輩だから仕方が無いか!!)と結論付けた。

その後は合流して美羅が熊を解体して熊肉をふんだんに入れたシチューを作り、皆残さず食べ尽くした。ご飯を食べる事が出来た一誠達三人は「良かった・・・」と口にだし呟いていた

 

 

因みに残りの肉は全部美羅が自宅の冷凍庫に保存する事にし、美羅曰く

 

「熊肉ってスーパーじゃ売ってないから取り置きしたいと思ってね」

 

との事であった

 

 

そして合宿二日目が終了―――――

 

美羅のしごきはまだ続く

 

 

 




さて次はいよいよ合宿終了回とします

え?一日一話じゃないのか?

後半は特に無いさ(シロメ

イベントもほぼ終わったから頑張るぞい(・ω・)




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第17話 合宿終了、ゲーム開始まであと僅か!!

今回は短いですがどぞ!!




二日目の特訓が終わった。そして美羅による徹底したしごきは更に二日続き、もう二日は各自の応用技術を上げる時間に費やす。こればかりは当人だけでしか上げる事が出来無いので美羅はのんびりとバカンスとしてゆっくりとしていた

 

 

そして最終日――――

 

 

 

今回の切り札的存在の一誠の成長度合いを把握する為、最終日は一対一の実践形式での戦いをする。美羅は審判約であり今回の個人の伸び代を把握しようとしていた

 

「それでは一誠君の伸び代を確認するので相手を木場君で。一誠君は赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を展開して限界まで倍加!木場君は魔剣創造(ソード・バース)を使用する事!」

 

「「はい!」」

 

さて、一誠君はどれ程伸びたかな?と少しワクワクしながら観察し始める

 

赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)!!」

 

『Boost!!』

 

倍加をして行く一誠君。二十回までの倍加が掛かり

 

『Explosion!!』

 

限界を指す言葉が流れ、自身の成長に驚いていた。そして他の面子はそれ以上に驚いていた

 

――――ふむ。と考え始める美羅。

 

一誠君の限界倍加が二十回・・・それでももう一人の赤龍帝には手も足も出ないとなると大変だなぁ

 

一方の木場は自身が作り出す剣の中で良く造る光喰剣(ホーリー・イレイザー)を展開

 

「それでは――――――――始め!!」

 

美羅の開始宣言と同時に木場は大地を蹴り一誠に斬りかかる。一誠は籠手で剣を受け止ると大きく振り剣を弾き、蹴りを繰り出すが木場はそれを足場として大きく飛び退き体勢を整える

 

「クソッ!あたらねぇ」

 

「いや、驚いたよ。初手で決めようとしてたのに防がれるなんて・・・一誠君には驚かされてばかりだよ」

 

「へへっそりゃどうも」

 

今の攻防で美羅は色々と修正点を見つけ出す

 

(木場君は大きく飛び退きすぎ。対して一誠君は・・・・・うん・・・・魔力を纏って無い足蹴りかぁ)

 

先程の攻撃で正面からでは駄目だと判断した木場は色々な方向からフェイントを織り交ぜた攻撃を仕掛ける。一誠も負けじと付いていくが、攻撃をする余裕が無く防いでばかりとなってしまっていた為これ以上長引くと一方的に不利と判断した一誠は籠手の掌に小さな魔力の塊を出し、フェイント無しの正面から突っ込んでくる木場に向け打ち込む

 

「いっけえええええええええええええええええええええええ!!」

 

「っ!?」

 

「「「「なっ!?」」」」

 

木場は危険を察知し、咄嗟の所で射線から退避するが魔力砲の衝撃で魔剣の刀身が砕け散る。魔力砲はそのまま伸びていき、山に着弾すると上半分が消し飛ばされていた

 

 

バタン

 

 

魔力砲に全魔力を使った一誠はその場に倒れ戦闘続行不能となった

 

「勝者は木場君」

 

「僕としては剣が壊されてるからあまり勝った気になれないんだけれどもね・・・・・」

 

「ぐぅ・・・魔力全部持って行かれた」

 

「後先考えず全力で攻撃するからよ・・・」

 

一誠君の魔力が回復する間にアーシアちゃんが二人の治療、そしてKY赤髪と朱乃の二人組で私に対しての魔力攻撃、結果として私は無傷で二人も魔力切れで倒れた。小猫ちゃんも私と組み手・・・・圧倒的な力の差によりぼこぼこなった小猫ちゃん。そして治療に奮闘するアーシアちゃんは全員を癒やして魔力切れで倒れる

 

「んー、合宿開始直後に比べたら全員力が付いているのだけれど正直言っちゃうと勝てるのか不安になってきた・・・・・まぁ全員が生き残っていたら可能性は大だけれどもね」

 

美羅が想像したフェニックスとオカルトメンバーの戦闘能力では不利ではあるが、戦略によっては勝てないことも無く確信には至れないのであった

 

「そ、それじゃあ合宿は終了とするわ。残りは体を休めて万全の状態に行うように」

 

『はい!』

 

リアスが合宿終了の宣言をする。残りの時間は各自休憩をして体を休める時間となったが、美羅は何もする事が無く自宅でのんびりとティアと一緒にゲームをして遊びのほほんと過ごした

 

 

 

 

~一誠side~

 

疲れた――――――

 

俺は合宿から家に帰ってから眠りについた。色々と辛い中、体を酷使して強くなった俺は夢の中でドライグと話をしていた

 

『なぁドライグ。俺って強くなったのかな・・・・』

 

『相棒は初日に比べたら強くなったさ。だが、あの転堂と言う男には手も足も出ずに殺されるぞ』

 

『・・・・・』

 

俺は思い出す―――――あの時薄暗い路地裏で何も残されずに殺されてしまうと感じてしまった事を・・・あの時は偶々美羅先輩が駆けつけてくれたから良かったが何度も同じ様には行かないだろう。それと同時に美羅先輩の圧倒的な強さを目の当たりにした俺はどれ程頑張れば憧れの美羅先輩を守れる様になるのか考える

 

『―――――――相棒、美羅の奴を守るとか思っているのならそれは辞めておけ。どれ程強くなろうと奴に追いつく事すら出来んよ』

 

『やってみなくちゃ分かんねぇだろ!!俺は絶対に諦めねぇ・・・例え守れなくても隣に並べるぐらいに強くなって皆を守るんだ!』

 

『――――――』

 

一誠の意思は硬く遙か遠くに霞む頂を目指して歩く事を辞めないだろう。ドライグはそう感じ言う事を辞め一誠は暗闇に戻り眠りに付く

 




次回、レーティングゲーム開幕!!

成長したオカルト研究部の力でライザー眷属を屠る一同
しかし、ここでやっちゃった人が

おい!それは罠だぞ!!



そして美羅が企んでいる事とは!?



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第18話 レーティングゲーム開幕!!交差する龍の出会い~前編~

な、何とか間に合ったぞ

レーティングゲームの開幕じゃああああああああ!!!

今回もちょい短めですがご容赦下さい



感想とか評価宜しければお願いしまーす




―――――レーティングゲーム当日

 

~美羅side~

 

美羅は珍しく昼に目を覚ました

 

「あれー・・・・何で起きれなかったんだろう。アレかな・・・あの屑に対しての拒否反応なのかな?」

 

美羅はライザーの様な男が気に入らず、それは転生者を彷彿とさせる性格と言動、その一つ一つどれを取っても腹立たしかった

 

「まぁいいや、メインディッシュを用意しているからどうにかなるかな」

 

ベッドの上で小さく呟く美羅の口角が三日月を模るが、日の光によって第三者からは見えずにいた

 

 

 

 

~一誠side~

 

「後一時間か・・・」

 

初めてのレーティングゲームを前にどことなく緊張をする一誠

 

『何だ、緊張でもしているのか?男ならもっとどっしりと構えていろ、そんな状態じゃ使い物にすらならんぞ』

 

緊張する一誠にあきれ果てるドライグ、一誠は転生してから日が経っておらずリアスの人生を賭けた戦いでもある為そうもはいかないのである

 

『このゲームには美羅も一緒に参加するのだ、こちらが負ける事はあり得んよ』

 

「そりゃあそうだけどさ、出来れば美羅先輩の力無しで勝ちたいからな」

 

『今の力だとフェニックス相手には禁手(バランスブレイク)状態でないと勝てんぞ?』

 

「俺はまだその禁手(バランスブレイク)ってのは出来無いぞ!?」

 

『なぁに、腕の一本を代償にすれば一時的には禁手(バランスブレイク)する事が出来るぞ。ただし、使用時間は1分が限界だな』

 

「1分か・・・・・もう一人の赤龍帝も代償を払っているのか?」

 

禁手(バランスブレイク)に至る為には代償が必要だと分かり、一誠は疑問をぶつける

 

『あれとお前を一緒にするなよ。奴なら限界まで倍加したお前を禁手(バランスブレイク)しない状態で倒せる程の力を秘めている。今のお前では力不足だから代償を払っての一時的な禁手(バランスブレイク)をするという事だ』

 

「・・・・そっか、まだ俺は力不足で出来無いって事か」

 

『まぁ悪魔の寿命は長いから頑張って強くなるんだな』

 

沈黙する一誠。静かな部屋はゲーム開始まで異様に長く感じる空間を感じさせる程だった

 

 

 

 

~合流~

 

時間は少し経ち――――――美羅は開始場所となるオカルト研究部の部室に足を運ぶ。部屋にはオカルトメンバー全員が既に待機しており美羅が最後となっていた。少し余裕を持って待機していると、蒼那達生徒会メンバーから遠回しな激励をされている。一誠君は同じ兵士(ポーン)である生徒会の匙君から激励を貰っていた

 

「兵藤!俺達は同じ兵士(ポーン)なんだ。速攻で脱落したら承知しねぇぞ!!」

 

「へっ!こっちは美羅先輩からみっちりと訓練を受けたんだ。最後まで脱落なんてしねーよ!!」

 

一方美羅は特殊で

 

「美羅お姉様気を付けて下さい」

 

「いざとなればグレモリーの変態兵士(ポーン)を肉壁に使って攻撃を防いで下さい」

 

等、生徒会メンバーから心配をされていた。当然彼らは美羅の実力については全く知らないのでこう言っているのである。大体の激励が終わった後転移陣が現れ、グレイフィアが転移してきた

 

「皆様準備は宜しいですか」

 

ゲーム開始準備の確認―――――全員の準備が出来次第、用意された転移陣によって専用のバトルフィールドに転送されてからのスタートとなるらしい。そして美羅は念話により確認を行う

 

(さて、私が以前言っていた両家の代表と魔王をギャラリーにと提案したけれどそれは大丈夫なのかな?)

 

(はい。美羅様の希望通りにギャラリーとして在席しております)

 

(後は貴方へのお願いはこの一誠君達のゲームが終わってから告げさせて貰うから楽しみにしててね)

 

(・・・・・・・・・はい)

 

グレイフィアが諦めた様な返事をし、美羅のゲーム開始前の準備が完了し、リアス達も同様ゲームの準備が完了する

 

「行きましょう」

 

リアスの号令を切りとし、転移陣の上に立つと陣は光り始めリアス達と美羅は転移する

 

 

 

 

 

~グレイフィアside~

 

「彼女が居ればゲームは勝つでしょう」

 

最早確信を持って言える事なのだが一部の不安がグレイフィアの頭の中を支配している

 

「ただ・・・・・ゲーム終了後、私達の命運は彼女次第という事になりそうですね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サーゼクス・・・・・・私達はどうなってしまうのでしょうか」

 

言い終えると同時にグレイフィアは転移した

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

「あれ?」

 

一誠君は転移した先が部室である事に不思議に思っていた

 

「何も変わっていませんね・・・」

 

「も、もしかして俺のせいで転送失敗?」

 

戸惑う一誠君とアーシアちゃんだが他の面子は気が付いている

 

「大丈夫、転移は成功しているし此処は結界の中。恐らくこの学校その物を舞台としたステージなのでしょう」

 

『皆様―――――この度、グレモリー家フェニックス家の審判役を仰せつかったグレモリー家の使用人グレイフィアで御座います。今回のバトルフィールドはリアス様とライザー様のご意見を参考とさせて頂き、リアス様の通う人間界の学び舎駒王学園のレプリカをご用意致しました』

 

私の説明を補足する形となってグレイフィアの放送が入る

 

「レプリカ?」

 

レプリカの意味自体は知っているものの、どう言った意味なのかが分からない様子の一誠君

 

「外を見てみなさい」

 

リアスに促され窓を開ける一誠君―――――外の光景は殆ど同じなのだが

 

「「空が―――――」」

 

一誠君とアーシアちゃんの二人は空が異色の色だったことに驚いていた

 

「此処は異空間だよ」

 

「そこに学校をそのまま再現したのですわ」

 

「悪魔の力ってどんなけ凄まじいんだよ・・・・・・学校を再現ってどんだけぇ」

 

呆然としている二人だが新たに放送が入る

 

『両陣営転移された場所が本陣となります。リアス様の本陣が旧校舎――――――オカルト研究部部室。ライザー様の本陣が新校舎――――――学長室。よって互いの兵士(ポーン)がプロモーション可能なのは互いの校舎に入ってからが可能です』

 

場合によっては戦局を覆す兵士(ポーン)のプロモーション可能場所が宣言される

 

「よし!新校舎に入っちまえば俺は最強の女王(クイーン)並に力を振るえるって訳か!!」

 

私は意気揚々としている一誠君に忠告を入れる

 

「何を言っているの一誠君。プロモーションは両チーム可能なのよ?ましてや相手の兵士(ポーン)はこちらよりも数が多くて全員プロモーションされてしまうと勝利は絶望的になるし、もし突破できても(キング)を倒せなければ意味が無いのよ?普通のチェスとは違って攻防どちらも大切な上、数の戦力差をどう埋めるのかが勝利を左右するから生半可な事ではいけないの」

 

「・・・・・はい」

 

このゲームがどれ程難しいのかを理解し、しょぼくれる一誠君に小猫ちゃんが魔力の玉を差し出している

 

「これは?」

 

「戦場ではこれでやり取りするのよ」

 

「通信機みたいな物か・・・」

 

私は朱乃から渡され耳に仕込む。全員が仕込み終えて少しすると

 

『それではゲームスタートとなります』

 

放送と共にゲームが開始される

 

「それじゃあ私は敵が来るまで仮眠しているから起こさないでね」

 

「え?」

 

「そう。分かったわ」

 

「あの・・・美羅先輩も作戦を聞かないとわからないんじゃ・・・」

 

リアス達は理由はおよそで分かっているが、アーシアだけは分からず不思議がっていた。美羅はアーシアを余所にソファに横になって寝始める

 

「良いのよアーシア―――――これは私達とライザー達の戦いなのよ」

 

「だね」

 

「・・・・」コクコク

 

「それに美羅先輩が最初から参加しちまうと、俺達の修行の意味が無いからな。出来るだけでもやらないと美羅先輩に怒られちまうよ」

 

「・・・・・・・そう・・・・ですよね。・・・・・・・・分かりました、私も精一杯頑張ります」

 

そして作戦会議が始まる

 

 

 

 

 

 

 

美羅の蹂躙劇が始まるまであと僅か―――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




さぁ始まりました!レーティングゲーム!!

そしていきなり眠っちゃうミラ様・・・・・・

まぁ有象無象ばかりだと仕方が無いよね(・ω・)







輝く籠手!限界を超える一誠!?次々と向かい来る敵に一誠達は奮闘する。しかし、圧倒的な物量差の前に不利となっていくオカルトメンバー!!
ミラ様起きて!!皆が大変なことに!!
そしてあの男も動き始める。あぁミラ様、奴らに鉄槌を!!


次回

(嘘)~腰を上げる不死鳥に眠る龍。そして逆鱗に触れる!!~


楽しみに待ってるんだよ?



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第19話 レーティングゲーム開幕!!交差する龍の出会い~中編~

長らくお待たせしました!!

今回は一誠の回だと言ったな?
確かにそうだけど・・・・ボッコボコですわ!!HaHaHaHa!!


原作とはかなり違うよ?ってかブレイクですし・・・・

最初だけ焼き鳥つよおおおい回なのです


1月5日21:00―――――誤字報告多数有りましたので分かる範囲で修正しますた



~一誠side~

 

美羅先輩を除いて作戦会議をし始めた俺達は戦力差を少しでも小さくする為、旧校舎周辺にトラップを仕掛ける為に朱乃さんと木場と小猫ちゃんを斥候として出した。その間の俺達はというと・・・・

 

「一誠、こっちに来て横になりなさい」

 

ソファに座る部長が手招きをし指した場所は太股であり、俺は気が付いたのだ

 

「えぇ!?そ、それってもしかしてで、伝説のひ、ひ、ひ、膝枕という・・・・」

 

「早くなさい」

 

戸惑いつつある俺を引っ張るように急かされてしまう

 

「そ、それじゃあ・・・よろしくお願いします!!」

 

そしてゆっくりと頭を部長の太股に下ろして行き、落ち着いた瞬間―――――頭の中を桃色が支配する。あぁ、何という感触――――柔らかくまったりとしていてそしてしっかりと包み込むような・・・・

 

感謝感激なのかずっとこのままでいたい程嬉しい状況に涙を流す一誠

 

「部長に膝枕して貰えるなんて感動で涙が止まりませ~ん!!」

 

「もう、大袈裟ね。ゲームが終わってからでもしてあげるわよ」

 

「むぅううううううう」

 

アーシアが嫉妬するが、今の一誠には何も感じ取れておらず未だリアスの膝枕にデレデレとしている

 

「それじゃあ一誠に施してある術を少しだけ解くわ」

 

「え?」

 

声と同時にリアスは術を解き始め、一誠は体の内側から力が湧き上がってくる感覚に戸惑いつつも体に馴染む様に静かに意識を集中させていく

 

「これで解けたわ。あの合宿で予想以上に強くなれたから全部解除したわ」

 

「はい。力が体の奥底から湧き上がってくる感じがします」

 

リアスの予想では少しだけの解除と予想していたが、美羅が監督に付いたお陰で全てを解除する事が出来たので嬉しい誤算であった

 

「そろそろ朱乃達も帰ってくる頃合いだろうから二人共zy『ドォン!!』っ!もう始まった!?」

 

リアスが二人に告げ終える瞬間大きな爆発音が響き、警戒度を上げる三人

 

『すみませんリアス、相手は私達のトラップを予想して転移早々前衛を一斉に出してきています。今は木場君達が何とか抑えてくれていますが、直ぐに瓦解する恐れがあります』

 

「っ!!分かったわ。一誠!今すぐに出て朱乃達の援護をお願い!!」

 

「了解、《赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)》!!」

 

『Boost!!』

 

奇襲によって斥候に出ていた三人を助ける為一誠を前衛に出す事にしたリアス。一誠は窓から飛び出して奇襲を受けた三人の援護に向かう。しかし、それも悪手であり気付く頃には手遅れ。急いで駆け付けようとする一誠の行く手を遮るかのように茂みから三人の少女達が現れる

 

「へぇ情報にあったグレモリーの兵士(ポーン)ね」

 

「っ!!お前達は」

 

「私はミラ、ライザー様の兵士(ポーン)よ」

 

兵士(ポーン)のイルでーす」

 

「同じく兵士(ポーン)のネルでーす」

 

「三人か、けどその程度なら!!」

 

何時でも攻撃出来るように構える一誠。しかし気配は後ろからも現れ

 

「三人だけかと思った?グレモリーの兵士(ポーン)君」

 

「いっ!?」

 

後ろの茂みから更に三人現れる

 

「私はライザー様の戦車(ルーク)雪蘭(シュエラン)よ」

 

「私は騎士(ナイト)のシーリス」

 

「私は僧侶(ビショップ)のレイヴェル・フェニックス。ライザー・フェニックスの妹ですわ」

 

「い、妹だと!?あの野郎は血の繋がった妹にまで手を出す変態だったのかよ!!」

 

自分以上の変態に悪態を付く一誠

 

「ま、まぁ私もあの兄の思考はいささか狂っているとは思いますが大丈夫です。私はお飾りの一人ですから」

 

「レイヴェル様は非戦闘員だ。実質この場で戦うとなると一対五、どうするグレモリーの兵士(ポーン)よ」

 

「俺達はまだ誰も戦闘不能になってない!だからお前達を倒して俺は皆と合流する!!」

 

部長の人生が掛かったこのゲームで負ける訳にはいかない!俺は瞬間的に多数の倍加を掛ける準備をしようとすると――――――

 

『リアス様の騎士(ナイト)一名と戦車(ルーク)一名戦闘不能』

 

グレイフィアさんの放送が流れ呆然としてしまった

 

「う、嘘だろ・・・・木場と小猫ちゃんが?いくら何でも早過ぎるだろ」

 

何が起きたのか不思議でつい口に出て

 

「あら、お兄様が二人を倒しになられたのですね」

 

『一誠!二人がライザーに倒されたから今すぐ拠点に帰ってきて!!』

 

返すように二人から告げられ、リアスから拠点に戻る様に言われる

 

『部長・・・今六人に囲まれていてるので直ぐには難しいと思います』

 

『一人で倒せるの?』

 

『伊達に美羅先輩の折檻を受けてきたわけじゃ無いですよ』

 

冗談交じりで返事を返し自分のやるべき事を見つめ直す

 

「この人数差。どうにか出来ると思っているのですか?」

 

「へっ!やってみなきゃ分かんねぇだろうが!!行くぜ、《赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)》!!」

 

『Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!』

 

十回まで掛かっていた倍加から更に一瞬で五回倍加を掛ける事によって周囲は驚愕する

 

『Explosion!!』

 

解放と同時に俺は強烈なオーラを放つ事で相手が少しだけ隙を見せる。その一瞬を見逃さず正面三人の兵士(ポーン)に向け特大の魔力砲である「ドラゴンショット」を打ち込み、三人は魔力の本流に飲まれる

 

『ライザー様の兵士(ポーン)三名戦闘不能』

 

特大のドラゴンショットを打ち込んだ一誠は隙が大きく、危険だと判断して直ぐに動いた雪蘭(シュエラン)の猛攻が一誠を襲う

 

「ゲホッ!!」

 

「よくもミラ達をやってくれたなああああああ!」

 

きれいな角度で腹部に蹴り込みが入り、体がくの字になったところを小さく鋭くの拳の連撃が繰り出され直撃する

 

「ぐああああああああああああああ!!」

 

そして大きく繰り出される回し蹴りにより大きく吹き飛ばされる一誠。その隙を逃すまいと、シーリスが追撃を掛けようと襲う。しかし一誠を切る為に振り上げた剣はシーリス毎大きな落雷の直撃を受け戦闘不能となる

 

『ライザー様の騎士(ナイト)一名戦闘不能。』

 

攻撃の主は朱乃であり、朱乃は一誠を回収して拠点まで撤退した

 

 

 

 

 

 

 

 

拠点へ戻った一誠達はアーシアの治療を受けていた。しかし、状況は最悪―――――一誠が倒したライザーの兵士(ポーン)三名以外は無傷であることと、相手兵士(ポーン)の残り全てはプロモーション済みなのだ。ライザーはどうやってリアスを屈服させようかと考えており、今は攻めないでいる状態である

 

「もう、駄目ね・・・・どうやっても私達だけでは勝てないわ」

 

「リアス・・・」

 

「そ、そんな!?まだ俺は戦えますよ部長!!」

 

「駄目なのよ!一誠の魔力砲を見られて相手は警戒して深追いはしないし、距離も適度な位置を取っている。女王(クイーン)も私達を捉え次第攻撃の準備が整っているのよ!・・・・・もうこれ以上私の眷属が無闇やたらに傷つくのを見たくないのよ」

 

大分心に来ていたリアスは愚痴を言い始め、何か一押し有れば完全に折れる程となっていた

 

「美羅先輩に手伝って貰うのは駄目なのでしょうか?」

 

「確かに美羅に手伝って貰ったら勝てるかもしれないわ」

 

「ですが、ここまで敵が残っていると何と言われるか」

 

「俺達全員何かしら要求されそうですよね・・・・」

 

一誠達がどうしようか悩んでいると、美羅が起きて来た

 

「ふゎぁぁ~。おはよう・・・あれからどうなったの?もう馬鹿男だけになった感じ?」

 

「え、えっと・・・」

 

口ごもるリアスを余所に美羅は一誠をじっと見て問う

 

「一誠君正直に答えなさい」

 

美羅の折檻によるトラウマを抱えている一誠は正直に答えるしかなく、美羅が寝てから今までの事を自分の知っている限りを全て話した

 

 

 

 

~美羅side~

 

「・・・・・はぁ、これから貴方をKY赤髪からお馬鹿の慢心赤髪と命名してあげるわ」

 

「 」

 

何も言い返せないリアスは美羅の言う事に黙って頷くだけとなっていた

 

「で、この状況から察するにほぼ私頼りになっていると判断するけれど間違いない?」

 

「部長と朱乃さんと俺は戦えますが?」

 

「魔力砲台は数として数えないから残っているのは一誠君だけってことになるのね」

 

「「  」」

 

リアス達が美羅の動きに合わせて攻撃する事は逆に邪魔になってしまうので、近接格闘が出来る一誠だけしか使い物にならないのである

 

「それじゃあ一誠君は敵の(キング)の阿呆鳥と戦う事。どれ程強くなっているかを見る為でもあるから全力で戦いなさい」

 

「り、了解!!」

 

いつもは何処か冗談を含んでいそうな言葉だが、今回だけは一切の余分を無くしている言葉を感じ取る一誠

 

「なぁドライグ・・・・俺は明日の朝日を拝めるのかなぁ?」

 

『全力を出すだけだ相棒。それでどうにかなる筈だ・・・・・恐らくだが』

 

明日が不安になる一誠と励ますドライグを見ながらライザー陣営をどう瓦解させようか楽しみにする美羅はゆっくりと敵へと歩を進める

 

「さっさと終わらせたいからもう行くよ一誠君」

 

「あ、はい」

 

美羅の後を追い付いて行く一誠、そして他三人。堂々と正面から出ると現存するライザーの眷属が全員待機していた

 

「あの馬鹿鳥は何処に居るのかな?」

 

「ライザー様は退屈されていましたので一足先に本陣に戻られたわ。それに貴方達を倒す程度私達で十分と判断されたからよ。それと貴女のような人間風情が私達の主に対し生意気な口を叩けないようにしてあげるわ!!」

 

女王(クイーン)から教えて貰った美羅は一誠の首根っこを掴むと

 

「よし、それでは一誠君!全力で自分自身の力を試してきなさい」

 

「え?」

 

一言言い終え、新校舎方面へ放り投げた

 

「うわああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」ポーン

 

一同は呆気に取られ隙が生まれ美羅が作り出した結界で旧校舎一体を囲う

 

「これは結界・・・あの兵士(ポーン)一人だけでライザー様を倒せるとでもお思いなの?」

 

「時間を稼いで討ち取るつもりなら失策だな」

 

一誠を向かわせた事を策だと思っているライザーの眷属達は好き勝手に言ってきているが、美羅の思惑は違うのだ

 

「勘違いは程々にしなさいよ。この場に居る貴方達全員は私の獲物だからこうしたまでの事よ」

 

「ぷっ!!あっはははははははははは―――――――。あ、貴女一人だけで私達をどうにか出来るとお思いなのですか?この人数差をどうやって埋めるおつもりなのか教えて欲しいものですわ!!」

 

レイヴェルは大きく笑い、その他眷属も笑い始める

 

「まぁ、あの赤龍帝の兵士(ポーン)に一途の可能性を掛けるというのもあり得ますわね」

 

「意外―――――。慢心しているあの馬鹿鳥に比べて貴女はしっかりとしているのね」

 

ライザー達は一誠の赤龍帝としての力を引き出せていない事を知っているのか、心の何処かで慢心をしているがその妹のレイヴェルだけは冷静に分析をしていた

 

「ふとした切っ掛けで力を引き出せる可能性を捨てきれないからですわ」

 

「・・・・正直貴女の様な子が王《キング》なら味方も楽でしょうに」

 

「お褒め頂き有り難う御座います。しかし、だからといって手加減はいたしませんわ!やってしまいなさい!!」

 

レイヴェルの号令と同時に眷属達が一斉に攻撃を開始する

 

それでは蹂躙しましょうか

 

小さく呟くと、左手を突き出して唱える

 

重力の牢獄(シュヴィア・プリシオン)

 

私の創り出した最初期の魔術―――――――内容を簡単に説明すると重力を変動させて動けなくするという物である。今は各自に掛かる重さを十倍にしており、全員うつ伏せで動けずにいた

 

「な、何ですのこの魔術――――――」

 

「っ!重力操作なのか!?」

 

「正解だけど、これの真骨頂はこれじゃないのよ」

 

空いている右手の人差し指が円を描き終えると、レイヴェル達の周りを取り囲む様に光り出す

 

衝撃の突風(コマヴィントシュトース)

 

全方位から強烈な打撃を思わせる風の塊が襲う。威力は発動者の力によって調整出来るので、実質的には美羅の打撃が打ち込まれるのと同じ様な代物なので、不死のレイヴェルを除いて全員が戦闘能力となった

 

「うむぅ・・・これが俗に言う中二病を拗らせた痛い人の恥ずかしさみたいなのか・・・・・今度からは無詠唱でやらないと黒歴史みたいな感じになっちゃうなこれ

 

何気に恥ずかしかったのでこれからは詠唱をせずに発動させようと誓った私であった

 

「さてと、一誠君はどうなったかな?」

 

この場に残るレイヴェルをアーシアちゃん達に任せてサンドバッグにする馬鹿鳥の元へ向かう事にした私はゆっくりと死神が近づくかの如く歩く

 

 

 

 

~一誠side~

 

「うわあああああああああああああああああああああああああ」

 

ドォーン

 

美羅先輩に投げられた俺は新校舎の屋上に顔から着地する事となった

 

「いっててててて、美羅先輩無茶苦茶だろ・・・・」

 

『慣れろ相棒――――――それしか方法は無いぞ』

 

現状を把握しようとした俺に向かって炎の塊が飛んで来たが寸での所で回避に成功した

 

「おいおい、何で雑魚い兵士(ポーン)如きが此処まで来れたんだ?」

 

「こっちは美羅先輩に投げ飛ばされて此処まで来たんだよ。それにな!俺がお前をぶっ倒すから丁度良かったんだよ!!」

 

「ふんっ!赤龍帝の力を使いこなせていない貴様が俺に敵うとでも思っているのか?」

 

俺自身ドライグの力を少しでも使いこなせていない事は承知している

 

 

 

 

 

だから!!

 

 

 

 

 

「んなことは俺自身誰よりも知ってんだよ!行くぞドライグ!!」

 

『はっ!まさか本当にするとは思っていなかったぞ』

 

「行くぜええええええええええ!オーバーブースト!!」

 

『Welshdragon Over Booster!!』

 

そして俺自身を包み込むように赤い鎧が包み込み――――――――

 

「これが赤龍帝ドライグの力、禁手(バランスブレイカー)赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)だ!!」

 

「何だと!?」

 

驚きを表すライザーは直ぐさま冷静になり、落ち着きを取り戻しつつ冷静に思考する

 

「・・・・・・禁手(バランスブレイク)。感じただけでも魔力の少なかった奴が何故出来るのだ」

 

「一気にぶっ倒してやるぜ!!」

 

背中から突起が出ている所からオーラを噴出して飛び上がり、倍加させたドラゴンショットを放つもぎりぎりで避けられるも攻撃は終わらない。避けて体勢を崩しているライザーに殴るように突進し、両腕で受け止めるよう防がれ距離を取られてしまう。そしてライザーは先の攻防で気が付く

 

「貴様―――――自身の腕をドラゴンと同化させたな!!」

 

「今の俺じゃあ力不足だからなぁ!!」

 

両拳に魔力を纏わせた状態で連打する一誠だが一発も当たらないのである

 

「くそっ!何で当たらねぇ!!」

 

『相棒最初から飛ばしすぎで動きが鈍いぞ!』

 

「いきなりの全力に体が慣れていない状態では当てる事自体無謀なのだよ!そら、これを食らってもまだ立っていられるか?」

 

俺の拳を避けると同時にライザーの手が腹部に添えられると、零距離から炎の塊を発現させられ地面に向かって吹き飛ばされてしまう。しかも特大の爆破付きでだ

 

ドガアアアアアアアアアアン!!

 

俺を中心とした辺り一帯はクレーターと化し新校舎の一部は消し炭となっていた

 

「ぐっ、がはぁ!!」

 

倒れ伏す一誠、しかしライザーはこの一瞬たりとも慢心をしておらず冷静に考えており止めの一撃を撃ち込む。そして同時に聞こえる放送――――――

 

『ライザー様の兵士(ポーン)五名僧侶(ビショップ)一名戦車(ルーク)二名騎士(ナイト)一名女王(クイーン)一名戦闘不能』

 

「な、何だと!?」

 

そして直撃した筈の一誠が障壁により守られている事に驚愕するライザー

 

意識を失っていない一誠は現状把握を行うも、先程のライザーによる一撃で満身創痍に近い状態だった

 

「た、助かったのか・・・?」

 

俺は霞む視界の中、辺りを見回しているとゆっくりと歩いてくる美羅先輩を見つめる

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

馬鹿鳥眷属の一名を除いて全員ボコった私は新校舎に向け歩き近づいていると、一誠君のオーラがいきなり強大になった事に疑問を持つ

 

(あれ?何でいきなりこんなにオーラが大きくなったの?限界まで倍加しても此処までは強くならない筈なんだけど・・・)

 

疑問とある不安を感じつつも歩く事にした。しかし、オーラが大きくなっても馬鹿鳥の力が少しも小さくなっておらず、逆に一誠君のオーラが小さくなっている事に気が付き私は何が起きたのか把握した

 

「あぁもう、慣れない力を振り回して空回り状態でボコボコにされたのね・・・・どうして禁手(バランスブレイク)をしようと思ったのか後で問いたださないといけないなぁ」

 

一誠はゲームの後、折檻される事が決まった瞬間だった

 

大きな爆発音が一つと、追撃用の攻撃を感じたので遠距離から一誠君の周囲に簡易な障壁を貼ってと、まぁぶっちゃけ遠くから強大な障壁を展開するなんて面倒いからね。そして爆発の元まで近づくと二人とも私に気が付いたのだろうか、馬鹿鳥の方は驚きと、一誠君の方は全身鎧で分からないや、と思っていると

 

「女―――――――貴様が俺の眷属達を倒したのか」

 

「まぁ、以前創った魔術の試運転に付き合って貰っただけよ」

 

「ふむ、かなり強い様だがこの不死である俺には勝てんぞ?今すぐに投降するのであれば怪我をしなくて済むぞ?」

 

「不死・・・・ねぇ」ニヤァ

 

この時私は不気味な笑顔をしていたのだろう。一誠君はビクッと体を震わせると一目散にその場から離れた。鎧を着た一誠君が必死になって走って逃げる光景はシュールで面白かったのは言うまでも無い

 

「それじゃぁ私のストレス発散用のサンドバッグにしてあげる!!」

 

「は?サンドバぁぐあああああああああああああああああああ」

 

言い終える前にホスト顔の頬に向け右ストレートをねじ込んでやると、あら不思議!コマの様にクルクル回りながら頭から地面へ激突、そのまま回転を保ちつつ数十メートル程吹っ飛んだ

 

 

 

 

そしてこれから私の日々のストレス発散が始まる――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~???~

 

「ついにだ。ついに出るぞ!この長い長い旅路から!!」

 

(どうなるのやら・・・・)

 

 

 

舞台は後半へ移りゆく

 

 

 

 




やっと中編終わった~

さあ後編はボッコボッコタイム突入ですわ!!



最後のは何だって?おいおいおい。言わなくても分かるって!アレの登場だよ!!(*^_^*)




気になる人は番外編見てね!!



あぁ~これ以上痛い名前を考えるのはきついんじゃ~
アザゼルさんと同じ黒歴史を作り出す感パネェ!


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第20話 レーティングゲーム開幕!!交差する龍の出会い~後編~

20話となりましたぞおおおお

段々ミラ様の素が出てきておりますので悪しからず




初の処女投稿からおよそ2ヶ月ちょっと

相変わらず誤字脱字も多く報告してくれる人達に感謝しながら達筆

これからも頑張って行くぞい!



早く新しくなった?ハイスクールD✕Dを見たいなぁ・・・・


そして何気にミラルーツのクロスオーバー作品少ない
もっとミラ教を布教しましょう!そうしましょう!!
俺の妄想よ!限界を超えろおおおおおおおおおお!!





~一誠side~

 

俺は壊れた校舎に隠れ、がくがく震えながら惨劇を見ている

 

 

そう―――――

 

 

美羅先輩と無残な形となった顔のライザーの光景を。あ、ありのまま話すぜ・・・俺自身何が起きたのかさっぱり分からない!(←トラウマの為見ない様に脳が映像をシャットアウト)美羅先輩が殴り、コマの様に回りながら吹き飛ぶライザーに追撃を掛けに行き気付くとボロ雑巾となっているのだ

 

 

「何が起きたんだ・・・」

 

震えながら呟く俺に一部始終を見ていたであろうドライグが口を開く

 

『・・・・相棒、無理に思い出そうとするな。あの男は美羅のストレス発散道具と化しているとだけ理解していれば良い』

 

「そ、そうか」

 

暴力の捌け口が何時自分に向くか分からない恐怖に怯えながら成り行きを見守る一誠。因みに彼の鎧はトラウマで記憶をシャットアウトしている間に解除されている

 

 

時間は少し戻り――――――――――

 

 

 

~美羅side~

 

凶器の様に鋭い笑みを浮かべながらライザーに追撃を行う美羅。それは誰にも止められない状態となり、ギャラリーも真っ青になっていた。当然ながら美羅は全く気付いていないのである!!

 

「フフフフフ。不死鳥は何て素晴らしいのでしょうか!壊れないサンドバッグは最高。えぇ!えぇ!!誰もが知っているサンドバッグでは私の攻撃に耐えられないですからこれはとても良い!!」

 

「ぐへぇっぷぎゃあらま@:。$%”=~*」

 

一向に止まることの無い美羅の攻撃は力任せの攻撃である。流石に本気の攻撃となるとライザーの不死すらも意味を成さないと考えていた美羅はそれなりの力で攻撃をしているのだが、威力は魔王と同等かそれ以上の強さである。そんな美羅達の様子を見ようとやって来たリアス、朱乃、アーシア、レイヴェルの四人は顔が引きつっている

 

「あ、あれは本当に美羅先輩なのでしょうか・・・・・あの優しい先輩が今はとても怖いです」

 

「きっと大丈夫ですわよアーシアちゃん、美羅は恐らく普段抱えているストレスをぶつけているのでしょう」

 

「・・・ねぇ朱乃、そのストレスに私って含まれているのかしら」

 

「―――――――――――――黙秘させて貰います」

 

「お、お兄様あああああああああああああああ」

 

見ていられなくなったレイヴェルは美羅の元へと向かう

 

 

一方の美羅はと言うと―――――――――――

 

「ふぅ、少しはスッキリした。後はこの身の程知らずに鉄槌を下すだけね」

 

片手でライザーの頭を鷲掴みズルズルと引きずっていた。普通は攻撃している最中で戦闘不能となり転移するのだが美羅がそれを許さず手で持つことで転移を防いでいた

 

さて次はどうしてくれようかと私が考えていると

 

「もう止めて下さい!お兄様の精神はとっくにゼロですわ!!」

 

妹さんは泣きながら私の腰に抱き付き止めててくれと懇願してきたので流石にここまで必死にお願いされると私の良心が痛むので止めることにした

 

「まぁ良いでしょう。この駄鳥(←馬鹿鳥から駄鳥に変更した美羅)についてはこれぐらいにしておきますが、貴方達フェニックス家については色々とお話させて頂きますからそのつもりで」

 

手を離しボロ雑巾状態の駄鳥は崩れ落ちるように消え

 

『・・・・・(キング)であるライザー様が戦闘不能となりましたので、このゲームはリアス様の勝利で御座います』

 

ゲームが終わり、私以外の全員が転移を終えた

 

 

 

 

 

~一誠side~

 

転移し終えた俺は周囲を見回すと美羅先輩だけが居ない事に気が付く

 

「えっ?み、美羅先輩がまだ転移していませんがどうしたんですか?」

 

「ちょっとグレイフィア!美羅が転移してこないけれどどういう事かしら」

 

これは部長も知らないのか動揺しており、グレイフィアさんから告げられる言葉で事態は一変する

 

「これからはエキシビションとなりますので・・・・・」

 

『えっ?』

 

ギャラリーとして見に来ていた者達含め全員が予想外の事態に困惑する

 

「ちょ、一体誰と誰が戦うんですか!?」

 

「もしかして美羅なの!彼女は先程戦って体力は減っているはずよ!?」

 

「このエキシビションは我々も関係あるのかな?」

 

フェニックス家の方々が疑問を投げかけ、更なる爆弾が投下されて行く

 

「えぇ・・・・・このゲームは美羅様のご希望で両家共に関係が御座います」

 

えぇ、美羅先輩は何をするんだ?と思っていると

 

「ゲームの内容は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美羅様 対 両家の当主と魔王の1対3のバトルで御座います」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一瞬時が止まった―――――――――

 

 

 

 

 

が、いち早く理解した当主達二人はというと

 

「ま、待ちたまえグレイフィアくん・・・それはいきなりすぎるのではないか?」

 

「そ、そうだな!そういう問題は先に言って貰わねば!!と言うよりもサーゼクス君も先に知らせたまえ!!」

 

「い、いえ・・・・・私もつい今し方初めて知りました。というかグレイフィア何故何も教えてくれなかったんだい?」

 

「正直に言いますと・・・・・今回の騒動でライザー様が美羅様に不快な思いをさせてしまった元凶を作った者達への八つ当たりだそうです。そして私はライザー様がその時に消される事を止める為に美羅様から命令を一つだけ聞くと言う案で落ち着き、その内容が「ゲームが開始されるまでこの事に関する全てを喋る事を禁ずる」といったものです」

 

三人は頭をフル回転させこの場を乗り切る案を考えるも

 

「この周囲一帯は美羅様の特殊な結界によって転移は疎かお三方は出れない様になっております。そして美羅様から一言伝言が御座います。『もし逃げたら領地を滅ぼす』と―――――――――どうか諦めて下さい

 

 

 

 

 

 

 

 

それでは転移させて頂きます」

 

無情な一言に三人は悲鳴を上げる

 

「ちょ!?ちょっと待ってくれ!話し合おう!!」

 

「こちらはライザーをサンドバッグにしても良い!だからだからああああああああああ!!」

 

「グレイフィア助けてくれ!リーアたんも見てないで僕を助けてくれ!!」

 

凄い悲鳴だなぁ。ってかお兄さん部長の事をリーアたんって・・・・

 

「私は現場に居てライザー様の節操の無さは男性としてどうかと思います。そして何も知らない美羅様に言い寄る行為は彼女の逆鱗に触れたと・・・・・助け船を出そうにも出せませんので仕方がありませんよね」

 

グレイフィアさんがどうにも出来無いときっぱりと言い放つ

 

「「「うわあああああああああああああああ」」」

 

転移する三人は美羅先輩の前に現れ

 

『いらっしゃい新しいサンドバッグ♪そして元凶とシスコンさん♪』

 

遠くからでも美羅先輩が何を言っているのか分かってしまった俺達は全員――――

 

 

 

 

 

合掌した

 

 

 

 

そして響く悲鳴と笑い声と時々地鳴りのような轟音に爆発音―――――あぁ地獄絵図は此処にあるんだと思ってしまった。そして三人含めこの場に居る全員は美羅を絶対に怒らせてはいけない人だと再認識した

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

元凶達の三人が転送された後、私はフェニックス家の当主にライザー以上の攻撃を用いてサンドバッグにした。グレモリーの当主には全身衝撃吸収材を巻き付け同じ様にサンドバッグにした。しかし、シスコン魔王の貴様だけは許さん!!「私の事を知りながら最悪のケースを考え付かなかったお前が悪い」と言いながら魔術攻撃をしてやった。因みにオリジナルの呪術を掛けてあげた。効果として「異性の見たら興奮し、性欲が増大してしまうが絶頂出来無い」という拷問じみた物だ!ん?よく分からない?簡単に言うと絶頂するはずなのに絶頂出来ないのだ!ずっとお預け状態になる事。しかも私が自由に効果のOn/OFF変更と許可無しでは呪いは解けないというダブルコンボ付きなの!シスコン魔王が戦いで気絶している間に両家当当主を調kじゃなかった折檻して言う事を聞くようにしておいたので一部の冥界で何が起きても大丈夫!更に行動範囲が広くなった私だった。そしてゲームが終わり各自解散となって一人になった私は帰宅するのだが、数日前から気になっていた事を確認する為人が居ない山奥の開けた場所に転移する

 

 

 

 

 

 

そう――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私がこの人間界に来た場所へと

 

 

 

 

 

 

 

 

理由として久しい力を感じたからである。この力は同じ龍でも感じ取る事は困難な程隠されているのである。何故私は分かったのかというと、この隠匿の技は私が使用している物と同じなのだ。以上から察するに以前私が居た世界の住人がこの地に流れ着くと予想する事ができる

 

 

 

面倒い―――――――

 

 

 

 

次から次へと舞い込む厄介事。挙げ句には元居た世界からの問題が此処にやってくるという面倒この上ないので当事者をボコる発想に至った訳だ。さて、そんなこんなで説明をしていると段々と力を強く感じれる様になってきたよ。拳を構えて振り抜く準備完了!後は相手を待つのみ

 

空間が揺らぎ始め力を溜め込み始める美羅だが、彼女の予想を超えた者が現れる

 

「どおおおおおおおおおお!やっと着いたぞおおおおおお!!」

 

「長い旅路だった・・・・・まぁ龍だからあまり気にはしないがな」

 

黒と紅黒の服を纏う青年二人が現れたのである

 

「え?・・・・・・・何で?」

 

二人を見て驚く美羅――――――――それもその筈、彼の二人は美羅がこの世界に来る前に元の世界で最後に会話した二人だった

 

「あっ!ミラじゃんお久~」

 

「俺達もこっちの世界に転移したぞ!」

 

私は「何故此処に来たの?」と問う。二人から返ってきた答えは

 

「「新しいミラルーツは完璧主義で全部こっちに任せてぐーたらしてたから嫌になって新天地に逃げてきた!!」」

 

「はぁ――――――――」

 

何も考えていない感じの二人にため息しか出なかった

 

「これから二人はどうするつもりでいるのよ・・・龍化の状態では何処にも隠れる場所なんて無いわよ」

 

「「それはミラと一緒に住むに決まってるだろ?」」

 

「ふっざけんなあああああああーーーーーーー!!」

 

黒に腹パン、紅黒には踵落としと、それぞれ強力な一撃をぶち込んだ。無論手加減無しの一撃だ。二人は倒れ沈黙するも数秒後に意識を取り戻す

 

「「痛ってえなおい!!」」

 

「女が住んでいる家に入り込むあんたらの無神経さにほとほと呆れるわ!!」

 

しかしこの世界について何も知らない二人を放置する事は出来無いので結局は家に住まわせる事になる

 

「ティアに色々と説明しないとなぁ・・・」

 

最近独り言が多くなってきている私――――――大丈夫なのだろうかと思いつつ二人を連れ帰宅する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ついに終わりましたフェニックス編

布団「ん?ミラ様どうされました?え・・・・もう少し書けと?ちょ無茶言わないで!」

ミラ「私のストレスが溜っていく・・・この捌け口を早く創りなさい!!」

布団「サーイエッサー」(゚Д゚)




転堂「俺の存在感薄くねぇ?書けよ!!この野郎!!」




布団「ミラ様に蹂躙される将来は約束されているのだ!安心したまえ少年」




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第20.5話 ????

今回めっちゃ短い
正直見ても
「あぁ、うんそうだよね」
みたいな感じとなっています


最後に今後の予定を―――――――――――――


1/8 18:25誤字報告から修正


転生者――――――――――――

 

 

二次創作で良く話題に取り上げられる単語だ

 

曰く―――

 

あの作品の中で俺TUEEEEEEEEEEEEやってみたい!主人公となってハーレム作りたい!登場キャラ達と関わりを持ちたい!

 

等と色々な妄想をかき立てて期待を抱く立ち位置だ

 

しかし、それは普通では有り得ない

 

何故?

 

原作介入による世界バランスが変わる事により、歪な物となって行くからだ

 

そして此処にバランスが崩れた作品に転生した一人

 

 

 

 

 

東条転堂が居る

 

 

 

場は人間界―――――――――

 

原作主人公を倒してこの世界で俺TUEEEEEEEEEEEEをしようとした結果、美羅によって片腕をもがれた男が命辛々転移によって逃げ仰せた

 

「クソッ!原作にあの女なんて存在しなかった筈――――一体どうなっているんだ!俺がオリ主じゃないのか!!しかも原作主人公の兵藤にも《神滅倶(ロンギヌス)》の《赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)》が宿っているとか有り得ねぇだろうが!!」

 

人気の無い山の廃墟後で一人悪態を吐く転堂

 

『まぁ命が助かっただけでも有り難いと思えよ相棒――――――――それにあの女は只の人間じゃない・・・・龍の力を持った人間だ』

 

「あぁ?龍を宿す《神器(セイクリッドギア)》を持っているって事か!?だとしたら白龍皇か何かか?」

 

『それは無い。あの女から奴の力は感じられなかった・・・・・・しかしあれは間違いなく龍、それも龍神クラスだ』

 

龍神―――――――――――この言葉に違和感を覚えた転堂

 

「・・・・おい、龍神って二人だけだろうな?」

 

『今の所は二人だけだ・・・それに似通った力を持った龍が現れれば増えるという事さ』

 

「・・・・・・・・・・・・・そうか。ってそれよりも相棒、俺が一瞬気絶してた間に美羅の腕を切り飛ばしたのは誰がやったんだ?」

 

『何を言っている相棒――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの剣はお前が出した物だろうに』

 

「まじか?」

 

無意識の内に使った力に驚く転堂に「こいつ何言っている?」といった感じで答えるドライグ。そして転堂は少し考えをまとめていき、ある一つの事について聞く

 

「俺の転生特典は《赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)》と《成長速度アップ》の二つの筈だ・・・・相棒は俺の転生特典に何が着いているのか見たりする事出来無いのか?」

 

『まぁ待て相棒。今から確認するさ・・・・・・・ふむ色々とあるな』

 

特典が二つ出ない事に驚いた転堂は説明を求める

 

「お、おい!それは一体なんなんだ!?」

 

『あー能力の内容は分からんがこう書かれてあるぞ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《王の財宝》

 

《限界突破》

 

《武器創造》

 

 

 

 

この三つが追加で見つかったぞ』

 

そして転堂は少し固まった後雄叫びを上げる

 

「よっしゃあああああああああああああああああああ!!これであの美羅をぶっ倒す事が出来る!!ってか際の後《武器創造》とか要らねーわ」

 

能力を後押しする《限界突破》、武器の原点を取り出す《王の財宝》、そして自分が把握する武器を創ることが出来る《武器創造》最後の一つは下位互換じゃないかと判断しつつこの特典でどの様にして美羅に勝つか算段を立てようとするが

 

『相棒――――あの女に勝つつもりなら今は無理だぞ。奴は力を抑えていた様に感じ取れたからな』

 

「はぁ!?覇龍化(ジャガーノート・ドライブ)+その特典を使ってもなのか!?」

 

『恐らく奴はグレートレッドと同じ位強いと思え』

 

「 」

 

開いた口が塞がらない転堂――――――――美羅の規格外の強さに呆然としそうになるが、勝つためには策を弄するに限ると思い至る

 

「だが所詮は人間だろ!どうにでもなるさ!!」

 

『・・・・だと良いがな』

 

こうして転堂は新たな力に気が付いたのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――未来へ向け記す――――

 

 

闇の鎖に囚われし小さな者は疑わず、異な天へ向け布告――――――

光は闇へ導かれ、狂喜の歌が木魂する。

白は黒に染まり、黒は暗黒へと姿を変える。

蝕みしその狂喜と闇はやがて廻り廻り、誰も触れる事無く底へ落つ――――――――――

滑りし闇と染まりし闇が出会い歯車は`*:~=::[}

決%)+#?$*の光よ――――――――――

アレは">+~`*#覗きし者。行く着く先は破滅である。    

 

                                                               語り手:継ぐ子の、観察者。

 

 




さて、最後のアレは何時もの如く


さてさて、次はエクスカリバー(笑)編ですね

コカビーもフルボッコ予定ですわ!

あの二人もどうしようか?ボコっちゃおうかな~?と妄想を膨らましながら・・・・




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第21話 日常と転入

すまない――――――――――

この日常編を少し書きたかったんだ・・・・すまない

つ、次こそ聖剣編に入る・・・・・・





~美羅side~

 

皆さんこんにちわ、駄鳥サンドバッグの日からつかの間の休息を取ることが出来た美羅です。しかし、学園ではいつもの変態三人組の行為が有るせいでストレスが溜まっていく始末・・・・一方、以前から言っていた様に相談事を止めた時は涙を流す下級生達が教室の前で続けて欲しいと土下座をして頼まれたが断ることに―――――――まぁ予想はしていたけれど凄かった。阿鼻叫喚で授業に影響を出してしまう程ショックだったと・・・・・

まぁ学園生活の方はさておき、プライベートの方では新しい家族が増えました。黒龍ミラボレアス、紅龍ミラバルカンの二人?です。ん?紅黒龍と表記していたじゃないかって?それは信者の一人が素で間違えたから気にしない方が良いよ。っととごめんね話が逸れちゃった、取りあえずこの二人に関しては名前が必要だと判断したので私が名付ける事にしました。最初は面倒かったのでポチとタマと提案したらすっごい怒られた・・・・・私が決めて良いって言ったのになぁ解せぬ。ゴホン!また話がずれていきそうだった。二人には悩みに悩んでこう名付けた

 

黒龍ミラボレアス→白野黒(はくのくろ)

 

紅龍ミラバルカン→白野紅(はくのこう)

 

名前なんて早々思いつかないので頭文字だけを取って付けた。しかし、何気に二人は気に入ったのかとても満足な顔をしていた。だが名字を白野と、私と同じにしたので血縁関係を姉弟(きょうだい)として登録する事にした。後は手続き―――――――――――――

無事に戸籍をゲット!!そしてシスコン魔王におd、お願いをして一つ下として二人を転入させる事にしておいた。一応義理の弟、そして双子としておいた。これで一誠君の監視を任せられると思うと少しでも気が楽になる

 

弟達二人は来週頭から初の学園生活―――――――――――――

 

まぁ、ガンバレ!!

 

 

 

と、いった感じで日は流れていき

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人の転入日が来たのでした

 

 

 

 

 

 

~一誠side~

 

ライザーが美羅先輩のサンドバッグにされてからはいつも通りの日常だ。まぁ俺は松田、元浜の二人で覗きを行っていた。だが!今回のターゲットは普通とは違う!!何を隠そうそのターゲットは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美羅先輩だ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふっ、止めてくれるな松田、元浜。俺はあの絶景を見る為なら敢えて茨の道を突き進む!!二人は涙を流しながら俺を応援してくれた

 

――――――――――――――何故か?

 

実は美羅先輩が2年の頃、盗撮をした上級生が居たそうだ。まぁ結果は分かりきっているが、直ぐに捕まったとの事だ。しかし問題はその後で、捕まった上級生は張り付けにされ三日間運動場の真ん中に放置されたのだ。その後は何処かへ転校したのでそれ以上は何も分からないと、言ったことから美羅先輩に対して盗撮や覗き等をする輩は居なくなったのだ

 

 

 

だがしかし!俺はこの油断している隙を突いて桃源郷を拝んでやる!!

 

 

 

俺は頭をフル回転させ悩んだ。―――――――――――――悩んだ!そして悩みまくって、一つ閃いた!

 

『隙が無いなら隙を作れば良い』

 

思い立ったが吉日!早速行動を起こす事にした俺は違うクラスの着替えを覗きを実行。だが、それは前段階!ワザと見つかるのだ!!そして俺は美羅先輩の説教と折檻を受けた。

だがまだ終わらない!その後直ぐに着替えの覗きを実行!これもワザと見つかり、美羅先輩の説教と折檻行きだ。そして日々ボロボロになる俺―――――――――遂には覗く事すら出来無い程体力が無くなり、教室の机に突っ伏す様になった。松田と元浜の二人は俺を心配そうにしているが敢えて此処は演技をする。

そう!ヘイトを稼いだのだ!!目に見えて疲れている美羅先輩―――――――――――くっ!流石に心に来るものがある!!だが俺は桃源郷の為ならば躊躇わない!!そして時は来た。上級生達の着替えの時間である。そして事時の為に調べておいた美羅先輩の行動!それは以前から使っていた相談部屋で一人で着替えていると言う事だ!!俺は気配を殺して段ボールを被り待機してその時を待った

 

ガラガラガラ

 

「はぁもうしんどい。連日続く一誠君の覗きの説教に相談受けを続けて欲しいと嘆願する子達・・・・・もう私を休ませろー!!」

 

うわぁ美羅先輩って一人になるとこんなキャラなのか。なんか新鮮だな!!と思いつつ覗きを続ける俺だったのだが

 

「・・・・・一誠君。素直に出て来たらお説教は許してあげるよ?」

 

美羅先輩が段ボールから除く俺に向け真っ直ぐ睨付ける

 

(うっそだろおい!何でバレたんだよ!!)

 

正直に俺は出る事にした

 

「あ、あははははははは

 

 

 

 

美羅先輩の裸が見たくて待機してました!!」

 

本音をぶちまけた。待っていた返事は予想外で

 

「はぁ、もういいからさっさと出て行く」

 

俺の背中を押しながら外へ出そうと扉の前まで来ると

 

「じゃあ頑張ってね」

 

「え?」

 

扉を開けたその先に居たのは―――――――――――――――美羅先輩を崇める学園の信者達であった

 

「一誠君は私の着替えを覗こうとしてたからそれなりに説教をしておいてね」フリフリ

 

手を振りながら信者達に言い放った瞬間俺は捕まり運動場へ張り付けにされボコボコにされ、その週は学校を休んだ

 

 

 

 

次の週―――――――――――

 

俺が回復し登校すると教室が何やら騒がしかったので松田と元浜に聞く事に

 

「おい松田、元浜。一体皆どうしたんだ?」

 

「お!一誠回復したのか」

 

「この騒ぎの原因は転入生二人についてだ」

 

この騒ぎは学年全体で、しかも男も女どちらも同じ反応だ

 

「しかもその転入生二人は男子。イケメンで尚且つ美羅先輩と一緒に登校してきたんだよ!」

 

「よし!美羅先輩に直接聞きに「騒ぐのは分かるがHRの時間だから席に着け~」

 

時間はもうHR開始時間となっており、先生が入室してきた

 

「さて、皆も知っているとおり転入生はこのクラスになったぞ。入ってこい」

 

先生は俺達を無視する様に促し、二人のイケメンが入ってくる。

 

『キャアアアアアアアアアアアアアア!!』

 

『クッソガアアアアアアアアアアアア!!イケメン爆ぜろおおおおおおおおおおおおお!!』

 

「おっす、皆初めまして。俺の名前は白野黒、よろしくな!!」

 

「俺は白野紅だ。追加で説明するが黒と俺は双子で一つ上の白野美羅は俺達の義理姉だ」

 

『何いいいいいいいいいいいいいいいいい!?』

 

紅による身内のカミングアウトでより一層驚く俺達

 

簡単な自己紹介が終わった後、恒例の質問は沢山

 

「お?美羅のプライベート姿だって?はっはっは!学園では猫被ってるに決まってるだろ~。家ではだぼだぼの服を着てゲームばっかりやってるよ。しかも俺達は使いっ走りにされちまうからな!!」

 

「まぁ確かに見苦しい時はあるが家事は完璧だぞ?何時もご飯を作ってくれるからな。・・・・・・そして黒、お前は絶対に後で地獄を見るぞ

 

この時俺は思った

 

 

 

 

 

 

美羅先輩って義理弟達にも容赦無いんだなぁ・・・・・って

 

 

 

 

 

 

 

時間は経ち休み時間に松田、元浜と一緒にエロ話をしていると黒が声を掛けてくる

 

「おう、お前らちょっと良いか?」

 

「「「イケメンは帰れ!!」」」

 

イケメンに容赦の無い三人だったのだが

 

エロの話をするなら俺も混ぜなよ同士達よ。おっと、お近づきの印に登校中に撮った上級生のパンちら写真を進呈しようじゃぁないか」ヒソヒソ

 

「「「!!」」」

 

そう、黒も変態なのである。そして四人が手を掴み合ったこの瞬間変態三人組から変態四人組へと進化したのだ。ストレスが増える原因の一つとなる事に美羅はまだ気が付かない

 

「「「「同士よ!これからもエロい話を続けようじゃぁないか!!」」」」

 

 

黒達と別れた俺は有る場所へ足を運ぶ―――――――――――――――美羅が着替える時に使う教室へと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何故かって?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

伏線による伏線―――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、俺はあそこに小型のビデオカメラを仕込んでいたのだ!!ビデオカメラは無事、素早く回収した俺は一人映像を確認しようとした時後ろから肩を掴まれた。ビクッと反応した俺は顔を青くしながら振り向く。しかし予想とは違い、美羅先輩では無く先程まで話していた黒だったのだ

 

「おいおいおい一誠よぉ。桃源郷を独り占めなんて狡いぞ~。俺にも見せてくれよ!」

 

「な!?これは美羅先輩の裸を納めたかもしれない貴重な映像なんだぞ!!ってか、黒なら見た事あるんじゃ無いのかよ!!」

 

「一誠よ・・・・・あいつの裸を見れると思うか?無理に決まってんだろ!!取りあえず美羅の私服姿の写真を後で撮ってお前にやるから見せろよ」

 

俺は黒の誘惑に負け人が少ない場所へ移動して見る事にした。誰にも気付かれない様、物陰に隠れ映像を確認する俺達――――――――――――底に映し出された映像は下着姿の美羅先輩だった

 

「うっひょー!美羅先輩の下着姿キター!!」

 

「フフフフフとうとう無防備な姿を拝めたぜ!!」

 

俺達は映像を目に焼き付ける様に見続け、美羅先輩が下着に手を掛け

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よく撮れてるね一誠君?そしてご相伴に預かっている黒。覚悟は出来ているんだよね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビデオカメラは爆発―――――――――――――――――。

 

俺と黒は滅多打ちにされ、(黒は俺以上に攻撃)仲良く屋上からつり下げられた

 

 

 

 

 

 




如何でしたか?

変態三人組から変態四人組に進化した彼らは美羅へダメージを与えて行く

そして黒は初日から暴走。だが、彼らは諦めない

桃源郷の為なら茨の道を行く




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第3章 -月光校舎のエクスカリバー-
第22話 聖剣と闇からの観察


お待たせしましたー。

やっと書けたよ・・・・展開をどうするか迷いに迷い修正―――――――

そしていきなりPC再起動(゚Д゚)!?

アプリ更新等のやつで22話の書いていたデータが無くなっちゃった為長くなってしまいました

すまないほんとすまない


追伸――――木場君は美羅様にお説教されます




~美羅side~

 

二人の馬鹿事件から幾日か経ったある日、駒王町に妙な力が入り込んだのを感じ取りその人物と接触する事にした。正直に言ってさっさと蹴散らしておこうと思ったからだ

 

「まったく、この町を中心に何かと事件起きすぎじゃないかな。黒、紅、そっちは誰か見つかった?」

 

(だ~れも居ないぞ~)

 

(こっちも誰も居ないな)

 

相手に姿を見られるのを防ぐ為、気配を絶ち捜索をしているのだ。だって見られると絶対に面倒事に発展するからね・・・

 

美羅達はしばらく監視をしていたが、それらしき人物が現れず雨も降り始めたので撤収をしようとし始めると

 

(美羅、リアスグレモリーの眷属一人が変人と接触―――――――――交戦に入ったぞ)

 

「了解、この気配は木場君だね。しかも復讐心を抱えながらの戦いかぁ・・・・・」

 

(両者の身体能力は互角だが、武器の性能差が大きい。眷属は変人に負けるな)

 

「一応死なせないようにする事と、顔や気配を気取らせない事を重点に置くように」

 

死にはしないとは思うが一応フォローをしておく。これでもし貸しを作る事が出来たなら色々と出来そうだからね

 

美羅は確認するとその場から離れた

 

 

 

~一誠side~

 

黒と共に張り付けから解放された日からいつも通りの日常を過ごしていく。今日もオカルト研究部で契約取りの仕事を終えたのだ。因みに俺は契約を取れなかった。しかし代わりとしてその人と仲良くなった!!そして報告会なのだが俺の家で行う事となり、目の前で黒歴史が開かれていた

 

「この写真は小学校時代の一誠よ~この頃から既に女の子のお尻を追っていたわ」

 

「小さい頃の一誠君可愛いですわ」

 

「はわわわわわ、小さい一誠さんとても可愛いです」

 

「これが小さい頃の一誠ね。とても可愛いわ!!」

 

「うぉおおおおおおおおおおおおおおおお恥ずかしすぎる!!」

 

小さい頃の写真を見られる恥ずかしさに耐える一誠

 

「あははは、家族皆の写真は良いものだね」

 

木場もちゃっかりと見てるんじゃねぇ!!

 

心でツッコミを入れる一誠を余所にページを進め眺める木場はある一枚の写真を見つめ

 

「ねぇ一誠君、この写真だけど・・・」

 

「ん?」

 

俺は覗き込む様に木場が見つめる写真を見ると、その写真には二人の子供が一緒にゲームをしている写真だった

 

「あぁ、その男の子は近所の子で良く一緒に遊んでたんだ。でも親の転勤で外国に行っちまったんだけど今どうしてるかなぁ?」

 

「所でこの後ろに写っている剣について何か知っている?」

 

「いや~ガキの頃だし全然分かんねぇな」

 

記憶が薄れている子供時代の頃は恐らく知っていても忘れているだろう一誠である

 

「これはね、エクスカリバー。聖剣と呼ばれる物だよ」

 

この時、木場の顔は獰猛な顔をしていた

 

 

 

 

~美羅side~

 

・・・・・一体どうしたのだろうか、何故紅は変装もせずに木場君の前に姿を現したのか。美羅は内心腹を立てつつ合流し、一方の紅は冷や汗が止まらなかった。これは美羅によるものだが、心配しているのは復讐心を孕んだ目をしている木場が居るからである

 

(や、ヤバイ。余裕が無かったからといってそのままの姿で現れてしまった)

 

「紅君。僕の復讐を邪魔するのかい?」

 

今にも襲い掛かっていそうな木場をどう宥めるか考えていると

 

「紅、貴方は後で話を聞くからそのつもりで・・・・・そして木場君は馬鹿なの?そんな復讐心に囚われている状態で誰かに勝てると思ってるの?そんなんじゃ格下相手でもやられるわよ」

 

「・・・先輩には関係ないでしょう」

 

一触即発になりかねない現状は紅の精神をがりがりと削って行く

 

(あぁ俺の仕置きは一体どうなるのかなぁ・・・・・・)

 

現実逃避をし始める一方、美羅と木場は睨み合いが続いていた

 

「僕は聖剣へ復讐する。それは誰であろうと邪魔はさせn「フンッ!」

 

ゴツンッ!!

 

「ッ!?」

 

美羅の拳骨が頭上に振り下ろされ悶絶する木場

 

「周りも見えていないお馬鹿には説教が必要だね。それに今の考えを改めさせてあげるから覚悟しなさい!」

 

何だかんだでお節介な美羅――――――――――――――だが心の底は違う

 

「眷属の暴走を止める+手綱をしっかりとさせる+お説教の三つで貸しを作れるからねぇ・・・慢心赤髪に何時か何かを要求しよう」

 

美羅はリアスに眷属暴走を止めたという貸しを作る為という福次効果を狙っていたのだ。これで「何時要求されるか分からない美羅の無茶」をリアスが知る事になるのはもう少し先である

 

「さてと、紅―――――――――――お祈りは済ませたかな?」

 

「ま、待ってくれ美羅!言い訳をさせてくれ!!とても重要なことだったんだ」

 

「余程の事が無い限りはサンドバッグだからね」

 

まぶしい笑顔で物騒な事を告げる美羅。しかし紅からもたらされた情報により表情は一変する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう一人の赤龍帝がイカレ神父の後方に居た。隠匿をしていたが他にも気配があってな・・・・・変装をしている余裕は無かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木場には聞こえない小さな声で告げる。下手に念話を使えば聞かれる恐れもあるからの口答だった

 

「成る程ねぇ・・・・・今回は仕方が無いから見逃してあげる」

 

小さくガッツポーズを取る紅は無視して木場に近づく美羅

 

「さぁ?お説教の時間だよ。お馬鹿な考えを改めようか?」

 

「―――――――――――――――――――!!」

 

 

木場の小さな悲鳴は誰にも届かない

 

 

 

 

 

 

~一誠side~

 

俺は今まさに人生勝ち組だ!!

 

一誠の両隣にはリアスとアーシアの二人が挟むように寝ていたのだ。エロの権化である一誠―――――――――ハーレムを目指す者として絶景である

 

「うへへへへへへ。部長とアーシアと一緒に添い寝・・・・・最早俺は勝利者だな。しかも部長の柔らかなお胸様とアーシアの慎ましいお胸様を押しつけられたこの状況――――――――あぁ最高だ」

 

天狗の様に鼻を伸ばす一誠だが妄想は止まることを知らない

 

(これで朱乃さんと小猫ちゃんが入れば学年最強のハーレムに・・・)

 

「あら、おはよう一誠」

 

「ふわ~。一誠さんおはよう御座います~」

 

「あ、おはよう御座います」

 

リアスとアーシアも目が覚め挨拶を済ませると、二人は朝食の準備の為1階へと着替えて降りて行く。一人になった一誠も準備を始め

 

『注意しろよ相棒、力を持つ者達がこの町に入り込んで居るぞ』

 

「ん、部長の事か?」

 

『相棒の周りに居る者達では無く、新しい奴らがこの町に入り込んだということさ』

 

「敵なのか!?」

 

部長に気が付かれずこの町に入ってくるという事はかなり強い奴なのか・・・

 

『あの娘には期待するな。結界や探知を強化しようとまだまださ』

 

「部長を悪く言うんじゃねぇよ!」

 

『仕方が無いだろう、美羅も言っているがあの娘はまだ半人前で無駄にプライドが高い。そして昨夜の出来事も気が付いていないだろうしな』

 

「昨夜だって?」

 

昨日の夜に接触があったのか!?だが、俺は誰にも会っていない筈だ・・・

 

一誠は昨日の出来事を振り返り考えているが心当たりも無く悩んでいるが

 

『美羅が既に対応した。最も俺達が行っても足手纏いになる・・・・・あの転堂とか言う男が居たからな』

 

「!!」

 

一誠は殺されかけた時の事を思い出した

 

『恐らく何かが起きる―――――――――――俺達ドラゴンは力を引き寄せると言われているからな』

 

改めて思い出す―――――――――――自分の強さと転堂の強さ。差は歴然としており、十秒も経たずに殺されてしまうだろうと自分自身で感じてしまう

 

「・・・・・なぁドライグ、俺は転堂に勝てるかな」

 

『今のままでは不可能だ―――――――――――――だが禁手(バランスブレイク)に至れば不可能では無いが、それでも勝率は一割にも満たない。まぁ美羅が特訓を付けてくれるのであれば話は変わってくるんじゃ無いか?最悪の場合特訓中で死ぬ可能性があるがな』

 

俺は考え込んだ――――――――

 

今のままでは守るどころか守られる立場にどうすれば変われるのか何が必要なのかを考えていた。時間が経つのは早く朝ご飯が出来た様なので今は考えるのを止めて朝ご飯を食べよう

 

そして急いで着替えを済ませ1階へと降りて行く一誠

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――これからの選択は彼を大きく変えて行く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

はい皆さんおはよう御座います。私は朝まで木場君の説教と折檻を行っていました!まず始めに、どうして復讐心を宿した目をしているのか。これは悪魔になる前、木場君は教会で聖剣計画というお馬鹿企画が失敗、その企画で聖剣候補の仲間達が逃がしてくれたそうだ。そして唯一の生き残りとして聖剣によって狂わされた人生と仲間達の敵討ちをする事というのだ。正直敵討ちとかは「どうぞどうぞ好きにやって良いよ」と言いたいのだけれど、せめて敵を倒して「敵は取ったよ」みたいな副次的な物にして欲しい。紅曰く――――――――――木場君の戦い方は雑になっており、死ぬ可能性100%みたいだったそうだ

 

 

駄目でしょ・・・・

 

 

と言う事で復讐心を持つのは言いけれども、「自爆特攻はするな」的な感じでお説教した。しかしまぁ、言う事を聞かないね!木場君は

 

「この復讐は僕自身と皆の敵なんだ!それを軽く扱うなんて出来るわけ無い!!」

 

と聞く耳持たずだったので

 

「死んだら意味ないでしょこのお馬鹿さん!!」

 

と言って往復びんたを叩きつけてしまった。うん・・・・・やっちゃったよ!学園のアイドルこと木場君は頬を真っ赤に腫らし、お多福状態となった

 

「美羅やり過ぎだろ・・・・」

 

「学園アイドルのお多福事件w」

 

紅は少し引いており、黒は爆笑していたのでサンドバッグとなった

 

 

まぁそんな感じで朝は色々ありまして、学園を休み、放課後の時間帯になると私は木場君と一緒に部室前に転移し昨夜の一連を話す為慢心赤髪の所へ向かい扉を開け

 

 

 

 

 

「この町で起こることに一切の不介入を約束してくれれば良い」

 

 

 

 

白いローブを纏った少女はリアスに向け言い放つのと同時であった

 

 

 




さぁ来ました来ました!!

脳筋少女と思い込み少女――――――――――

二人は果たしてどうなる!?

天界危うし?
ミカエルは影で怒りを買う!?

部下の責任は上司の責任さ!
トカゲの尻尾切りはミトメナイヨ?



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第23話 憤怒の龍

ほいほいほ~い!!おっまたせ~!新作だよー

今回は二人がやらかしちゃうぞ!

美羅のストレスがマッハで大変なことに!?





ミラ「早くサンドバッグを用意しなさい」

布団「あ、信者さんからお菓子が届いております!」

美羅「しょうが無いなぁ。これで何とかなるな・・・」

布団(あっぶねぇ、龍化しかけてる・・・・早くした方がいいっぽい)(゚Д゚)∮




~一誠side~

 

一誠は朝の出来事からずっと悩み続けており、授業中も上の空であった

 

「はぁ・・・・・どうすれば強くなれるのかなぁ」

 

皆を守りたい一心なのだが、今は一番弱い立ち位置に居る一誠の大きな悩みでもあった

 

「おいおい一誠どうしたんだよ~」

 

「そうそう、俺達に隠し事は無しだぜ!」

 

「変態三人組から変態四人組へと進化した俺達の絆は伊達じゃ無い!」

 

松田、元浜、黒の三人が元気の無い一誠を励まそうと近づく

 

「よし!一誠、今日の放課後に俺の家に来い。今回はとても素晴らしいDVDをゲットしたぞ」

 

「ふむ、一体どの様な物だね?」

 

「モザイク処理前の素晴らしいものさ!」

 

「な!?マジかよ。一体どうやって手に入れたんだお前」

 

周囲を気にせずエロの話で盛り上げ、同時に一誠を元気づけようとするも

 

「わりぃ、ちょっと今はそっちの事を考える余裕が無いんだ」

 

『!?』

 

教室の全員が驚愕した。エロの権化である一誠は毎日エロの事で何かと面倒事を起こしている為、エロを考えない一誠に天変地異の様な異変が起きたと感じ取れた。結局一日中そんな感じだったので、気味が悪いと感じる生徒が殆どであった

 

放課後になり部室に行こうとする一誠を呼び止めた黒―――――――――――――

 

「一誠ちょいこっち来い」

 

「!?お、おい!!」

 

首に腕を回し強引に屋上へ一誠を連れて行く黒

 

「さてと―――――――――――――――――――――此処なら誰も居ないから大丈夫だぜ。赤龍帝の兵藤一誠」

 

「!!美羅先輩から聞いたのか?」

 

「ハッ!そんな事しなくてもドラゴンのオーラ程度判別出来るっての」

 

黒は「当然だ」と言わんばかりの表情をしている

 

「そして問題だ。―――――――――――――――――――――俺の正体は一体何者でしょうか」

 

「は?」

 

黒は俺をジッと睨みながら笑っている。だが現状を今一理解出来ない俺は

 

「いやいや、黒は美羅先輩の従兄弟だろ?そんな言い方だと違うって言っている様な物じゃねーか!」

 

「いや、実際も何も従兄弟じゃねーし」

 

「・・・・・・・・・・・・じゃ、じゃあ黒はお、俺達の敵なのか?」

 

今思った事を素直に問いかける一誠

 

「いやいやいや!敵じゃないからな!?あぁもう!ヒントは種族って事だよ!!」

 

ますます意味が分からなくなってきた一誠は頭をひねって考え始めると

 

『おい、黒――――――――――――それは言っても良いのか?美羅から口止めはされなかったのか?』

 

「いや~、美羅と俺とは全然違うから俺の正体を知ったとしても美羅がスゲーとしか反応しないと思うぞ?」

 

『・・・・十分あり得るな』

 

「ドライグは黒の正体について何か知っているのか!?」

 

『あぁ分かるとも。―――――――――相棒、常にお前の身近に答えはあるぞ?』

 

「はぁ!?」

 

また必死に考え始める一誠をニヤニヤしながら眺める黒

 

俺はまず身近に居る人達の事を思い出していた。人間、悪魔、天使、堕天使――――――――、この内のどれかだと思い考え始めるも常時身近に居る種族に心当たりが全く無い。常に身近にある物と言えば俺自身、悪魔と思っていたけれどそれなら部長が気が付く筈・・・・・。ここで俺は気が付くも、有り得ないと思いつつ口に出す

 

「あははははま~さかドラゴンなんて事はn「正解だぞ一誠」

 

沈黙が場を支配する

 

「え?まじで!?本当にドラゴンなのか!?」

 

「正確には龍なんだがな――――――――――――そして一誠、お前は力が無い事について迷っているな?」

 

「!!」

 

ズバリ言い当てられた俺はドキリッとした

 

「ってかその辺は美羅から大体聞いたぞ~普通の人間から悪魔へ転生してからまだ数ヶ月・・・そして力が無い事に焦りを覚えている。正直言わせて貰うが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

焦りすぎだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何故そこまで焦る必要がある?そりゃあもう一人の赤龍帝がお前よりも途方も無く強いのは知っているが、美羅はこう言っていたぞ?『人情に熱い後輩が居てちょっと心配なのよ。そして周りは強い敵が沢山居るし、今時あんな子は居ないから強い人が守ってあげないとね。』ってよ。美羅が自分で『守る』なんて言葉初めて聞いたぞ」

 

「美羅先輩がそんな事を言ってたのか」

 

「あ、さっきのは俺達だけの秘密にしてくれよ!バレたらサンドバッグの刑にされちまうからな」

 

俺は想像してしまった。黒が美羅先輩にボコボコにされている姿を・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ん?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?ちょっと待ってくれよ黒。黒って龍なんだろ!?美羅先輩って黒より強いのか?」

 

「龍化してると当たらないからなぁ・・・・・まぁ例え龍化してても殴り飛ばされるだろうがな」

 

龍を素手で殴り飛ばす美羅先輩――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

簡単に想像出来てしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「美羅先輩ってとんでもなく強いんだなって今更か」

 

「家ではまさに『お嬢様』って感じだぞ?俺と紅を下僕として使いっ走りにするしよ・・・・・あ~ティアの立ち位置が羨ましいぜ。何てたって一緒に寝れるんだぞ?あの胸に顔を埋めたいわー」

 

あぁ龍だろうと黒は黒なんだなぁ・・・エロを追求する黒を見た瞬間、龍であるイメージが崩壊した

 

「んー。ってことは紅も龍だったりするのか?」

 

改めて質問する一誠に黒は周囲を改めて確認して告げる

 

「あぁそうだ、あいつも龍だよ。二人纏めて美羅にボコボコにされた時からの付き合いさ。所謂腐れ縁ってやつか?」

 

「腐れ縁・・・か・・・・・」

 

「いずれにせよ一人でどうこう悩むなって事だよ。それに外はちょっと危険ってのもあるからな・・・

 

「分かったよ、近々美羅先輩に相談しに行くよ」

 

二人の話し合いは終わり一誠は部室へと向かい、黒は美羅へ報告をしようと家へ帰宅、一誠はアーシアと共に部室へ入室すると木場を覗いて全員が集まっていた

 

「あれ?木場さんはどちらに?」

 

「木場先輩は今日お休みだそうです」

 

一誠は心辺りがあり、リアスに聞く事にした

 

「部長―――――――――この間写真を見ていた時木場が聖剣がどうのって言ってたんですけど、木場にとって聖剣は何か特別な物なんですか」

 

「そうね・・・・聖剣と祐斗の関係を説明しておこうかしら」

 

神妙な顔となったリアスは木場の過去について話を始めようとした時扉をノックする音に遮られ、扉のから入って来たのは蒼那と椿姫だった

 

「リアス、貴方にお客様が来たわ」

 

「客?今日は誰も来ないはずだけれど、もしかして事前連絡も無くここに来たというの?」

 

「ええそうよ。しかも教会からの使者で二人居るから気を付けてね」

 

「ええ有り難うソーナ」

 

生徒会長と副会長の二人と入れ替わるようにフードを深く被った二人が入り、リアスの目の前まで歩きフードを上げると女性であった。しかも一誠達と同じ位の年の少女である。背に大きな包みを背負っている少女が口を開く

 

「事前連絡も無く済まない。だが迅速に解決をしなければいけない案件なので直接来させて貰った」

 

「用件は何かしら?」

 

「それh「ああー!!もしかして一誠君!?」・・・おいイリナ静かにしろ」

 

ツインテールの少女が驚く中必死に誰か思い出そうとしている一誠

 

「もう!忘れちゃったの?子供の頃良く一緒に遊んだ紫藤イリナだよ!!」

 

その名前を聞いて俺はふとあの写真を思い出し

 

「え!?俺てっきり男だと思ってて」

 

「一誠先輩、流石にそれは・・・」

 

小猫ちゃん呆れないで!?あの時の姿を見れば誰だって男と見間違える!!

 

「まぁ仕方が無いよね。あの時はかなりやんちゃしてたし。って話がずれちゃった!今日は緊急で会談をする為に来たんだった!!」

 

部長とイリナの隣に立つ同僚?がため息を吐いている。

 

「兎に角そちらは会談を申し出たいという事なのね。普通は事前連絡が無いと却下するのだけれど今回は特別よ」

 

「感謝する」

 

二人は向かいのソファーに座り自己紹介を始める

 

「私はゼノヴィア」

 

「改めまして私は紫藤イリナよ」

 

「・・・それで神の信徒である貴女達が悪魔に対して会談してまで何の用件かしら?」

 

この時一誠達はリアスがご立腹状態であると感づいており、内心はらはらしていた

 

「元々一本を除く六本のエクスカリバーは教会の三つの派閥がそれぞれ保管していましたが、その内の三本が堕天使の手によって奪われました」

 

『!?』

 

「う、奪われた!?」

 

天界が保管していたエクスカリバーが三本も奪われた事実に驚く一同を無視して淡々と説明をする

 

「私達が持っているのは残ったエクスカリバーの内、破壊の聖剣エクスカリバー・デストラクションと」

 

「そして私の持つこの擬態の聖剣エクスカリバー・ミミックの二本だけ」

 

ゼノヴィアと名乗る少女が背に抱えていた包みを手に取り説明すると、イリナも自分の腕に巻かれている紐を指さし説明する

 

「で?私達に何を要求するのかしら?」

 

冷ややかに問うリアスに対し相手もまた冷ややかに返す

 

「今回の件は我々と堕天使の問題だ。この町にいる悪魔達に要らぬ邪魔されては面倒なのでな」

 

「随分な物言いね、私達が堕天使と組んで聖剣をどうにかするとでも?」

 

「悪魔にとって聖剣は忌むべき物、堕天使と利害が一致するじゃないか」

 

やばいやばいやばい!何とか冷静に対応していた部長が相手の上から態度に切れかかってる!!

 

魔力のオーラが漏れ出るリアスの状態に一誠達はさらに冷や汗をかく

 

「もしそうなら私達は貴方達を消滅させる―――――――――――――――それが例え魔王の妹であってもだ」

 

「そこまで私を知っているのなら言わせて貰うわ。私が堕天使と手を組む事なんて無いわ、グレモリーの名にかけて魔王の顔に泥を塗る様な真似はしない」

 

「!それが聞けて十分だ。今のは本部の意向をそのまま伝えただけでね、魔王の妹がそこまで馬鹿だとは思ってもいないさ」

 

リアスは少しずつ漏れ出ている魔力のオーラを引っ込め冷静さを保ち

 

「なら神側も私達が介入しない事を承知しているという事で間違いは無いのね?」

 

とノックも無しに扉は開き

 

「無論―――――――。この町で起こることに一切の不介入を約束してくれれば良い」

 

美羅先輩が入って来た瞬間――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

教会の二人を除き俺達は凍り付いた

 

 

 

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

 

 

 

「は?」

 

白いローブを纏った人間二人は今何と言ったのか?この町で起こることに一切の不介入?

 

未だに現状を理解出来ていない美羅でもハッキリと分かる事がある。この町に入ったであろう人物達。美羅を除いたこの面子でどうにか出来るレベルの事件では無いという事だ

 

「馬鹿馬鹿しい―――――――――貴女達程度の者がしゃしゃり出てどうにか出来るとでも?ハッキリ言って邪魔でしかないからお家に帰りなさい」

 

「貴様は悪魔では無いが、私達の邪魔をするのであれば容赦はしn「美羅ー俺達も着いて来ちゃったぜ!」

 

黒と紅そして何故かヘッドロック状態で連れられてくる木場

 

「黒さんに紅さんどうして此処に!?」

 

「いや~アーシアちゃん良い質問!美羅と一緒に色々ときな臭い事を調べててその報告に着いて来たんだよ」

 

「黒、お前はもう少し静かにしろ」

 

「紅は静か過ぎるんだよ。それだから転入してきて直ぐに友達が出来n「コロス!」

 

「二人共五月蠅いから窓際に行きなさい」

 

「「ハイ」」

 

美羅の重圧のある一言に素直に従う二人、そしてその重圧はリアス達に向けられる

 

「ねぇ慢心赤髪?このゴミ二人の提案をどうしようとしたの?」

 

「あ、あ、あ、あ・・・」

 

恐怖で青ざめるリアスは返事すらまま成らなくなってしまった

 

チッ!受けようとしてたな・・・・・これだから無駄にプライドの高い馬鹿は!!

 

美羅の声は小声で殆どの者達は聞こえていなかったが、黒と紅の二人は聞こえておりストレスの矛先が何処に向くのかが心配であった

 

「まぁ取り敢えず木場君を渡しに来たのと、貴方達は大人しくしている事というのを伝えに来ただけよ。無闇に手を出すとどうなるか分からないから」

 

苛立ちを見せる美羅は椅子を見つけ座る。黒と紅は一誠達の近くへ移動―――――美羅の八つ当たりに巻き込まれたく無いが為の防衛本能だった

 

「ふん!私達は勝手に動くし悪魔達がどうこうしようが勝手にさせて貰う!邪魔立てするならば消すだけだ」

 

ゼノヴィアだけで無くイリナも美羅の言葉に腹を立てていたが、この場で粛正してしまうと悪魔を全て敵に回してしまう恐れがあったので止めていた。二人はこれ以上話す必要が無いと思い外へ出て行こうとするが

 

「そういえば先程の男の発言で確信を得たが、まさかこんな地で魔女に出会うととはな」

 

「ッ!!」

 

アーシアにとって切り離すことの出来無い過去、今の楽しい日々を過ごす中薄れさせていた魔女と呼ばれていた光景がアーシアの中でフラッシュバックする

 

「「???」」

 

何も知らない黒と紅は首を傾げるばかりであった。イリナは知らない人に説明するかの様に魔女となった経緯を話し出す

 

「あ~貴方が魔女になったって言う元聖女さん。堕天使や悪魔を癒やす能力を持っていた為に追放されたと聞いていたんだけれどまさか悪魔になっていったなんてねぇ」

 

「わ、私は・・・」

 

「しかし聖女と呼ばれていた者が悪魔とはな・・・墜ちれば墜ちるものだな。未だ我らの神を信じているのか?」

 

「ゼノヴィア、彼女は悪魔になったのよ?」

 

「いや、背信行為する輩でも罪の意識を感じながら信仰心を忘れられない者が居る。その娘にはそういう匂いが感じられる」

 

「え~とアーシアさんは主を信じているの?悪魔の身になってまでさ」

 

「す、捨てきれないだけです。ずっと信じてきたのですから・・・」

 

アーシアは悪魔として転生してからも信仰を信じてきた。悪魔にとって祈りは毒と同じだと分かっていながらもだ。美羅はこれを知っていると同時にアーシアは凄いと感じている。そんな彼女の人生を貶している二人にイライラが積もりに積もっていく

 

「ならば今すぐ私達に斬られると良い。君が罪深くとも我らの神が救いの手を差し伸べてくれるはずだ。――――――――――せめて私の手で断罪してやろう神の名の下にな」

 

目を鋭くしたゼノヴィアは本気でアーシアを殺すだろうと感じ取れた美羅は動こうとするが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい小娘―――――――――――――――貴様アーシアに対して殺しの目を向けたな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

声の主はリアス、一誠、美羅達全員よりも先にアーシアの前に立った紅の声だ

 

「こ、紅さん」

 

「その女の付き添いで入って来た男だな。見たところ貴様は悪魔では無いが、我ら教会に刃向かうと認識しても後悔は無いのか?」

 

殺気を紅に向け放つゼノヴィアだが、紅は全く動じない。それどころかアーシアが怯えない様、壁となり殺気が届かせないという心遣いをしている。黒は後ろで「妙な所で紳士ぶりやがって」と呟き、美羅に至っては(後でネタとして弄ってやろう)と思っていた。――――――――――――――――――――――龍は気まぐれで娯楽に飢えているのだ

 

「先程の話を聞いただけだが、アーシアは癒やしただけで教会・・・いや天界は異端認定したと言っていたな?ではその力で癒やされた者達も異端という事で断罪したのだろうな・・・貴様達が信仰している神とやらは最早邪神と呼ばれる存在そのものだ」

 

「貴様!我らが神を愚弄するか!!」

 

「許せない!私達が貴方の心に住まう闇を浄化して主の元に届けてあげるわ!!」

 

紅の挑発に乗った二人は自身の聖剣を手に取り構え斬りかかろうとした時

 

「そういうのは外でやりなさい」ポイポイ

 

「な!?」ポーン

 

「えぇ!?」ポーン

 

美羅に首根っこを捕まれた二人は黒が開けた窓から外に放り出され紅はそれを追うように外へ出る。リアス達は紅が心配なのか外へ出て行く。部屋には美羅と黒だけとなり

 

「・・・・・ねぇ黒、思ったんだけどさ」

 

「まぁバレるだろうなぁ。しっかしあいつがここまで腹立てるとか初めてじゃないか?」

 

「一応殺しはしないって念話で言ってるから問題は無いかな」

 

「流石に龍化まではしないよなぁ・・・・・・・」

 

「しそうになったら物理で止める」

 

「南無――――――」

 

二人も違う心配をしながらリアス達の後を追うことに――――――――

 

 

 

 

 

 

 

後に天界へ大きな貸しを作る事に成功する事件である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――未来へ向け記す――――

 

 

龍の怒りは天地を揺るがし天災を呼ぶ―――――――――――何人も手を出す事無かれ

人は竜を殺める事は出来るも龍は出来ず怒りを呼び覚ます

人は龍の怒りを静める聖女を創る――――――

聖女は龍と自然に惹かれ合い調和を生み出す。人間は表裏一体。聖女もまた人である

聖女が絶望し黒く染まり世界は混沌と破壊を撒き散らした

人よ、龍の怒りを静めよ。人よ、聖女を磨き輝きを損なうな

 

                                                               語り手:次元の観察者

 

 




普段は冷静であまり言葉を発しない紅が暴走しちゃった!?
一誠達はみんな恐怖でガクブル状態!
美羅「それじゃあ行ってくるね」
駄目だと叫ぶリアス達―――――――――

ここに美羅の蹂躙劇が繰り広げられる



次回!

暴れる紅―――――
物理で容赦なく止める美羅!




え?ゼノヴィア達はどうなるかって?まぁ、そうなるな



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第24話 紅を沈める白

イベント終わったー

そしてPCの更新で文章打ち込みがしにくくなるという最悪なおまけ付きという・・・

やっと出来たんだよ!!生暖かい目で見てね!!


※注意:ゼノヴィアとイリナは恐怖を植え付けられました!トラウマ確定コースです!!無理な人はブラウザそっ閉じだね!
もしくは半分位まで飛ばせば大丈夫――――――――――――多分

2018 1月22日内容修正


~美羅side~

 

紅は美羅により外へ投げ出されたゼノヴィアとイリナを追い思い馳せる―――――――――――

 

(この世界も前の世界もそうだ・・・敵を癒やす者は異端として処刑されてしまう。盲信者共には何を言っても理解せず逆に悪化させてしまうか。ならやる事は一つ―――――――――――――――――――――ミラには生かすと言ったがあの様な輩は生かしていても邪魔にしかならん)

 

紅――――――――いや、怒りを体現せし龍はその牙を剥こうとしている。それは今は誰も知る由も無い。外へ出ると結界が広範囲に張られており、美羅が完全な隠匿をする為だと認識した

 

(そうか、ミラ・・・・お前もあの者達を消しても良いと思っているのだな)

 

紅は自己解釈をするが、この結界が意味するのは別の事である。生徒に気付かれない事、この町に入り込んでいる者達に力を知られない事、各陣営のトップに知られないという事であった為ここで美羅と紅の思いのすれ違いが起こってしまった。そして外へ放り出された二人と相対する紅とその後を追ってきたリアス達が追いつく

 

「さぁ始めようか小娘共」

 

「貴様は我ら教会の邪魔をした!よって貴様を含めた三人は天界の敵だ!!」

 

「そういう事なので遠慮無く主の者に連れて行ってあげる!」

 

互いに自分の聖剣であるエクスカリバー・デストラクション、エクスカリバー・ミミックを構え紅を筆頭に美羅と黒も敵と認識する

 

「ちょっと貴女達それだけで天界に敵対するなんてやり過ぎよ!」

 

リアスは美羅達の心配をして言ったのでは無く天界を心配しての事だったのだ

 

「安心しろリアス・グレモリー。お前達悪魔は対象外だ!」

 

ゼノヴィアは紅に突進しながら言い放つ―――――――実力差を理解していない二人にリアスは説得を諦め天界と戦争にならない様考えていた

 

「私の聖剣の錆としてくれる!」

 

大きく振りかぶった叩きつける一撃を紅は躱し、勢いの乗った剣は大きな破壊音と共に地面にクレーターを作りあげる

 

 

 

ドゴオオオオオオオオオオン!

 

 

 

土煙が上がり視界が少し悪くなった紅の背後からイリナが襲いかかる

 

「アーメン!」

 

こちらも大きく振りかぶった攻撃で隙が大きく余裕で避ける紅

 

「まだまだあああああああ!」

 

ゼノヴィアは真っ直ぐ正面からイリナは死角からと攻撃を繰り出すも、紅はヒラリヒラリと木の葉の如く躱し続ける。一旦攻撃を止め体力を回復させる二人に対し紅は何もしない

 

「ッ!先程から何も反撃せずヒラヒラと躱すばかりで勝てると思っているのか!!」

 

「もう!当たれば主に会えるのよ!!」

 

「あぁもういい―――――――――――――」

 

紅はちらりとリアス達に目を向け二人に向き直り

 

「貴様達を見ていると馬鹿共を思い出してしまうから―――――――――――――――――終わらせよう」

 

前の世界で嫌と言う程見た盲信者達と重なって見える紅は己の力を解放する。もう転移で使用した力も回復しているので全力解放を行う。完全な龍化までとは行かないものの、頭部には禍々しい角が突き出し背中からは翼そして腰からは尻尾が姿を見せる

 

『な――――――――――――――――――――――』

 

「あれが紅の力なのか・・・・」

 

正体を事前に知っていた一誠以外は紅の変貌に驚愕している

 

「き、貴様は一体何者だ!?」

 

「え、え、え?神器(セイクリッドギア)?」

 

「教える必要があるのか?」

 

冷ややかな視線を向け淡々と告げる紅は死の化身とも言える状態である。オカルトメンバーは状況が状況なだけに動けずにいる

 

「しかし姿が多少変わった所で我らが怖じ気づくとでも思っているのか!」

 

「人外討伐は私達にとってお手の物だよ!」

 

今度は二人同時に斬りかかる。だが紅は微動だにせず立っており、剣が切れると信じ切っていた二人は勝利を確信した顔をしていたのだがその顔は直ぐに崩れ去る

 

 

ガキンッ!

 

 

剣で切られる人の身では鳴る筈の無い音が響く。二人の剣は紅の体を切るどころか傷一つ付ける事が出来ずにいた

 

「馬鹿な!?」

 

「嘘!?」

 

目の前の出来事に頭が付いていかない二人を余所に紅は聖剣を素手で掴み

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

砕いた―――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バキンッ!

 

『        』

 

紅に握り砕かれた聖剣を見て言葉が出ない一同。だが紅はそんな事知った事かと言わんばかりに隙だらけのイリナの腕を掴みゼノヴィアに投げつける

 

「きゃああああああああ!」

 

「イリナ!?ぐふっ!」

 

腹部に直撃したゼノヴィアはイリナを抱える様にして二十メートル程吹き飛びゴロゴロと転がって止まる。ゼノヴィアは腹部に衝撃を受けただけで殆ど無傷だったが、イリナは捕まれた時に左腕の骨が砕かれて投げつけられた衝撃で肩が脱臼と戦闘不能となっていた

 

「き、貴様ああああああああああああああああああああ!!」

 

仲間が傷付き激怒したゼノヴィアは何かの詠唱をし始め魔方陣から新たな剣を出現させる

 

「この刃に宿りしセイントの御名において、我は開放する。デュランダル!!」

 

最初の剣より一際大きな大剣を異空間から取り出し、紅へ向け斬りかかる

 

「この剣は何でも切り刻む!先程の様には受けきれんぞ!!」

 

だが紅には関係は無い。所詮この世界で切り刻むだけであり、前の世界程のオーラを放つ武器は無いからだ

 

「受けはしない――――――――――――逆にコナゴナに破壊するだけだ」

 

紅は右拳に力を込め振り下ろされる刀身を躱し殴り付けバラバラに砕く

 

「うわぁ・・・・・やり過ぎだろ紅の奴」

 

歩いて到着した黒はドン引きする中紅はまだ止まらず、手刀をゼノヴィアの首に振り抜いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「美羅・・・・・何故止める?」

 

オカルトメンバー達には目で見えない程のスピードで放たれた手刀を片手で防いだ美羅。そして防がれた事を疑問に思う紅

 

「こ、紅!お前何やってんだ!?」

 

一誠が誰もが言いたい事を大声で告げると帰って来た言葉は冷たく

 

「何をだと?こいつの首を跳ね飛ばすのさ。邪魔をされたがな・・・・」

 

「いくら何でもやり過ぎだろ!」

 

紅の手刀はゼノヴィアの首の皮一枚の所で美羅に止められており、美羅が紅の状態に気が付いたから止めれたのだ。もし気付いたのが放った直後であったら今頃ゼノヴィアは頭と胴体が別れていただろう・・・それ程危険な状態であった

 

「あ、う、あ・・・・・」

 

紅の止めの殺気を向けられたゼノヴィアは恐怖のあまり失禁しており、未だ自分が死んでいない事に頭が付いていかない状態だ

 

「やり過ぎだと?こいつらはアーシアを異端者と言い斬り殺そうとしていたがそれこそやり過ぎでは無いのか?」

 

「そ、それは・・・」

 

やられたから同じ事をやり返したと当然の様に言う紅だが、一誠は理解し難い事だった

 

「それにこの様な盲信的思考の輩は幾らでもいる。なら全てを消し去る方がこの世の為にn—――――――――」

 

最後まで言おうとしている紅の左頬に美羅の拳が抉るように放たれ顔を歪に歪ませ吹き飛ぶ。黒は拳がめり込む紅の歪んだ顔を見てお腹を押さえて笑い、美羅はさも当然の様に立ちゼノヴィアに少し謝罪する

 

「あー、まぁ家の紅が御免ね・・・・・怒ると偶にこうなっちゃうからさ。だけどそれの原因を作ったのは自身達天界なのだと言う事を忘れず、事が済み次第上層部に連絡でもしておくと良いよ」

 

と、これからの事を考えていると紅が吹き飛んだ先の木々が燃え出し一番早く異常に気が付いたのはアーシアだ

 

「木々に火が!」

 

『火事!?』

 

オカルトメンバー達が驚く一方、美羅と黒はその原因を知っている。火が炎となり激しさを増しながら木々を燃やしていると

 

 

 

 

いきなり爆発―――――――

 

 

 

 

全員に熱風が襲いかかったので障壁を張り防ぐが

 

「あっちゃー・・・・」

 

「ちょっと美羅!熱気まで防げていないじゃない!!」

 

「そのぐらい自分で対処しなさいよ・・・・・」

 

この結界は美羅が張っている特殊な物なのでこの程度では壊れないのだが

 

(あー、結界を強化しておかないといけないかなぁ・・・)

 

爆発の中心から迸り始めるオーラ――――――――――――――――それに気が付いたのはほんの数人、美羅を除くと黒とドライグを宿す一誠だけである

 

『おい、リアス・グレモリー。今直ぐに黒の後ろに移動しろ』

 

「ド、ドライグ!?」

 

気が付いたら腕が赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)になり驚く一誠とオカルトメンバー一同

 

「ちょっとどういう意味!?」

 

『相棒なら分かるだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――紅が全力を出すという事の意味を』

 

意味を理解した一誠はリアスの手を引っ張り黒の後ろに連れていく

 

「すんません部長今は黙って付いてきて下さい!理由は後で分かるので!!」

 

グイグイと引っ張る一誠に連れていかれるリアス、他の者も一誠の異常を感じ黒の後ろへと移動する

 

「お、やっぱり一誠こっち来たか!美羅と紅の喧嘩を特等席で見れるからな!!」

 

これから起きる事を喧嘩と言う黒に一誠以外が『ほっ』とため息を付き、リアスは一誠に説明を求める

 

「それで一誠?美羅と紅の喧嘩の為だけに彼の後ろに来たというの?」

 

「え、えーっと・・・何て言うかそのー。黒の後ろが一番安全だからです」

 

「私はリアス・グレモリーよ!美羅が強いのは分かるけれどただの喧嘩よ!?遠くに居ただけ十分だと私は思うけれど?」

 

美羅の力が強い為今よりも遠い場所から見た方が安全だと言い張るリアスは正しいのだろう・・・・この喧嘩が

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

普通の喧嘩であれば―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そろそろかなー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ」

 

始まるのをwkwkとして待つ黒が何かに気付くと、美羅を中心に巨大な爆発が発生

 

『  』

 

威力は凄まじく全員が思考停止状態となっている。魔王レベルを超えた力の直撃だからだ

 

「んー。紅の奴俺と違って全快してるのかよ・・・・・羨ましいぞこんちくしょう!!」

 

黒が向けている視線の先は―――――――――――――炎。熱のゆらめきからぼんやりと見えてくる形は

 

「ド、ドラゴン!?一体何時この結界の中に!?」

 

動揺を隠せない一同とその反応を見てにやにやと楽しむ黒

 

「ちょっと黒!あのドラゴンが何なのか説明しなさい!!」

 

「って・・・・・・・・一誠お前まだ何も説明してなかったのか?まぁ取りあえずあの龍が紅だよ。因みに俺も龍だったりするのさ」

 

もう説明が面倒くさくなってきた黒は自身の体を紅が戦っていた時と同じ様に変化させる。そこには角と翼と尻尾が現れる

 

「っ!そ、そう。黒もドラゴンなのね・・・ってそれよりも!直撃を受けた美羅は大丈夫なの!?」

 

美羅居た場所はごうごうと燃えさかっており、生きているかどうか怪しい程の惨状であるが

 

「美羅ならこの程度火の粉程度だと思うけれどなぁ・・・・・」

 

黒が呟くとごうごうと燃えさかっていた炎が一点に収束され美羅が姿を現す。しかし服は所々焦げており、完全な無傷では無かった

 

「紅、これが終わったら貴方

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――覚悟は出来ているんだよね?」

 

手の先に収束させていた炎は一瞬で凍り付き、爆ぜた

 

「あ、やっべ・・・・・・・・・・・・紅の奴遊ばれた挙げ句、瀕死になるまでボコボコにされちまうな」

 

当の本人である紅の行動は早く、魔力で出来た巨大な玉を撃ち放つ

 

「この結界内には他の人も居るのにも関わらずこんな物を放つなんて――――――――――――――最悪」

 

魔力玉を片手で受け止めた美羅は爆発し、周囲に被害が及ばない様に自身の魔力として体内に取り込む。しかし隙は大きく取り込む間は完全な無防備な為、紅の攻撃を受けてしまう。しかも攻撃内容が酷く、人化した紅が体の急所とされる部位を的確に抉り込む形で攻撃してくるのだ。

 

「がああああああああああああああああああ!!」

 

鳩尾に回し蹴りを叩きつけた紅は取り込み終えた美羅から直ぐさま距離を置き龍の姿に戻る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目の前から美羅は消えた――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

慌てて360°全方位を見るが姿は無く、何時でも反応出来るよう臨戦態勢を維持し続ける

 

「さぁ――――――――――――今回は手加減無く全力で行くから数発で死なないでね?」

 

声と共に殺気―――――――――

 

だが何処にも姿は無い為より一層警戒を強めた直後、腹部へ強烈な攻撃を受けた紅は何も言えずその場でのたうち回る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボディーブロー一発―――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美羅の雷と紅の放出した魔力を混ぜ合わせついでと言わんばかりに気を乗せた拳は無情なる一撃を生み出した

 

「紅~まだ終わらないよ~」

 

紅の尻尾を掴み上へと放り上げた美羅はそれを追い空中で追撃を掛ける。先程の混ぜ合わせた力は霧散していたが、美羅にとってそれはお粗末な力であり自身の力をフルに活用して四肢へ送ると不気味な色によって包まれ、四肢から時折発する赤黒い稲妻は凶悪な力を持っており普通の者が触れたら最後―――――――――――知覚する間も無く消滅する。そんな代物を紅に向け振り抜く。回避――――――――――――光った時には頬を殴られ、その勢いを殺さず回転して背中に踵を振り落とす。地面にぶつかりそうになるもそれすら許さずまた上空へと打ち上げられて空中の連撃は段々と加速し、仕上げとして頭を持ち地面へ打ち付ける。頭だけでは勢いは止まらず、首の根元まで地面に埋まる形で何とか止まり美羅と紅の喧嘩が終わった。(※美羅による一方的殺戮と間違われても不思議では無い絵面)

やりきった感溢れる顔をする美羅に龍化が解けピクリともしない紅。ようやく喧嘩が終わったと理解した一誠達―――――――――――。こうして事態は美羅によって沈静化させられ、紅はアーシアによってぎりぎり動ける程度まで癒やされた

 

 

 

 

 




黒「紅よ南無阿弥陀仏」

一誠「こ、紅の奴死んじまったのか!?」

アーシア「だ、大丈夫です!まだ死んではいません」

『龍って丈夫―――――――』

美羅「冥界に居る程度の竜は最初の一発で消滅してるから無理無理―――――――――――それよりも黒、小猫ちゃんと仲良くなったの?」

黒「いや・・・尻尾が気に入った感じ?」

塔城「見た目より硬く無く暖かいです。」

一誠「黒の裏切り者がーーーーーーー!!」


黒は小猫に懐かれた模様――――――――――――――――



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第25話 逃げろアザゼル!?美羅は全てお見通し

ミラ「デルマデマワスデルマデマワスデルマデマワスデルマデマワス」ブツブツ

黒「物欲センサー乙!」

紅・ティア「「デマセイデマセイデマセイデマセイデマセイデマセイ」」

☆4礼装一枚と残り☆3鯖と礼装の4連打

ミラ「 」

黒「ひっでぇw!」

”雷神拳”

黒「ふぉお!?」⊃Д゚)<メキャァ 




(・ω・)=(・ω・)キョロキョロ

|ω・)⊃スッ











ミラ「なんて出来ると思ってたのかな?」

布団 (゚Д゚)!!

ミラ「念仏は唱えた終えたかな?」ポキポキ

布団「FGOイベントの温泉がいけないんだ!!あれがあるからいけないんだ!!」

ミラ「私はクリアしたけど?」

布団「わ、私は作者だ!遅れる事だってあるんだ!!イベントの期間を空けるぐらいしろよ!!」

ミラ「言い訳はあそこで言ってね」

拷問室暗黒の部屋》ズモモモモモ

布団(((´゚ω゚`)))ガタガタ

ミラ「じゃあ行こうか」








盲信者二人に対し激怒した紅は暴走するも美羅により鎮圧、アーシアの癒やしにより動ける程度まで回復した。そして此処からが問題で、紅との戦いにより砕かれた聖剣は復元する事が難しい程粉々なのだ。それからは大変大変、戦力が低下したから私達に協力を求めてきたのである。KY赤髪の方では無く私達の方にだ・・・もちろん却下である!

 

「何で私達が協力しないといけないのよ。突っかかってきたのはそちらで私達は相応の対応をしただけだけど?」

 

「我々の聖剣を砕いた時点でそちらのやり過ぎだろう!」

 

先程のいじめで失禁していたとは思えない強気な発言。何この子?殴りたい――――――――

 

だが、そんな本能に身を任せる事はせず自制はする

 

「なら上層部に連絡すれば良いでしょう・・・・・交戦内容は主を馬鹿にした者の返り討ちに遭い聖剣が破壊されたので増援を求むってね」

 

「人手不足のせいで増援は無い」

 

「うっわー教会ってか天界って使えねー」

 

「主を侮辱するな!」

 

ここに居る殆どの人が思っている事を黒が口に出しゼノヴィアが怒る

 

「兎に角、聖剣を砕かれたお陰で戦力が大幅に落ちてしまった。よって貴様達は私達と一緒に行動してもらおう!」

 

「黒ー頑張ってね!」

 

「嫌だ!俺は美羅の元で気ままに動くんだ!!」

 

黒が足に縋り付いてきたので顎先を蹴り気絶させる

 

(美羅って本当に何者なのかしら・・・)

 

リアスは一人疑問に思っていた。圧倒的な力とカリスマ、普通の人間では無いと思い資料を調べるも足は掴むことが出来ず詰まっていた。そして教会二人の無謀により判明した存在――――――――黒と紅である。龍の状態となった紅を簡単にズタボロにしたにも関わらず息を切らしていないのだ。物理的な力は龍を凌駕し魔力を使った特殊な身体強化等、再現不可能なレベルの物で考えれば考える程謎は深まって行く。教会の者達は怖い物知らずで美羅達に聖剣奪還に手を貸すよう命令している・・・・・目の前で行われるやり取りにヒヤヒヤしながら穏便な解決策を模索する

 

「!―――――――良いよ。その任務を手伝ってあげる」

 

『えっ!?』

 

「そうか!なら」

 

「だけど、一緒に行動はしないよ?邪魔なだけだし、もしそちらが見つけたら連絡取って呼んでね」

 

「・・・分かった」

 

聖剣を持たない二人は斥候の役目しか無いと判断する美羅に少し腹を立てるも、自身の状況を改めて考え渋々了承する事にした二人

 

「では我らはこれで失礼する」

 

ゼノヴィアと静かなイリナは退室―――――ちなみに紅との戦闘から終始口を開かないイリナは先程の件でトラウマを植え付けられていたからである

 

「ねぇ美羅、あの子達に協力する件だけど・・・何か企んでたりするのかしら?」

 

美羅はタダでは協力しないと分かりきっているのでぶっちゃけて聞いてみる事にしたリアス

 

「勿論、天界に色々と要求するつもりよ」

 

「あの子達も可哀想に・・・・・まぁ自業自得でもあるのだけれども」

 

「美羅は腹黒いからな!!」

 

つい口が滑ってしまった黒は美羅の腹パンを受け悶絶する中、目標を見定め思考する

 

(さて、今日中に終わらせるつもりでやっちゃおう。待っててね堕天使の総督さん)

 

この瞬間、美羅の標的は堕天使の総督アザゼルへと決まった。そしておおよその目星も付けている為、処刑内容を考え始めている

 

 

 

 

 

 

 

ブルルルル

 

悪寒――――――――

 

「あー部屋の中に居るっていうのに寒いなー」

 

「風邪をひいたのかアザゼル?」

 

「俺は頭は良くても風邪はひかねぇぞ。まぁなんだ、悪寒か何かさ。最近多くて困るんだ」

 

この数日間アザゼルは時々感じる悪寒に困っていた。間隔のスパンが短くなっているのもあって嫌な予感をヒシヒシと感じ始めていたのだ

 

「どうせ魔王や天使達に噂されているのだろう?」

 

『アザゼルの悪寒の正体――――――その者とはいずれ出会うだろう。ここ最近こちらもそれを感じ取っている』

 

「何故教えなかったアルビオン」

 

戦闘狂(バトルジャンキー)のヴァーリは自身の相棒に問いかけるも

 

『俺達では敵わんと感じさせる程の者と言う事だ』

 

「フッ、面白い!」

 

「ったくよぉ・・・お前さんのそれは何時治るのやら」

 

問題児に困り果てるアザゼル――――――彼の胃にじわじわと傷がついて行くが、もうじき直接殴りつけられる程のダメージを与えられる事となる

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

黒と紅を残し私はティアと一緒に夜道をゆったりと歩いている。目的は堕天使総督である為、顔を知っているティアを連れているのだ。だがティアは会いに行くのは反対しているが気にしない

 

「主よ、堕天使総督だけは止めておけ!求めている平穏を捨てに行くようなものだぞ!!」

 

「トップに会いに行くとそうなるって事ぐらいは分かってるわよ。だけど放っておくとこの町が消える恐れが有りそうだし」

 

「・・・・・本当なのか?」

 

「変な力が集中し始めてもし暴発なんてすれば木っ端みじんになるぐらい危ない力」

 

美羅はこれに疑問に思っている。聖剣の暴走により消滅するのはこの町だけだと思っていたのだが、現在進行形で不明な力の介入により規模が大きくなりつつあるのだ。今では日本の5分の1が消滅してしまう程で、感知に鋭い美羅達だと正確に把握できるが他の者達ならば町の半分が消滅する威力と間違うぐらい完璧な隠匿だった。ティアも隠匿に気が付いていない様なので敢えて威力を誤魔化して伝えるし、もし仮にその力を制御ないし消滅させる技量が無ければ誘爆という危険極まりない物だ

 

「この騒動主犯は堕天使の行いだと言ってるけれど実際は違って背後に大きな組織が確実に居るのよ。堕天使は隠れ蓑って所かな」

 

「・・・・・もしやもう一人の赤龍帝の仕業なのか?」

 

黒達が警戒中の折、転生者の転堂を見かけたのを知っているティアはそう思ったが美羅は違っていた

 

「あの転堂って子が犯人その物は違うと思うけれど、間接的に関わっていると思うんだよねぇ」

 

最後の最後で油断して気付かれてしまう残念な子と美羅は認識しているのだ。そんなこんなで二人は憶測を立てながら一つの家の前にたどり着く。

 

「で、此処がそうなのか?」

 

「そうだよ。この家で合ってる・・・・・無駄に大きい家だけど」

 

ティアはどの様に交渉を持ちかけるかの心配をしていたのだが美羅はいきなり次元の狭間への扉を開くと中へ入って行く

 

「ティアさっさと来ないと閉じちゃうよ」

 

「あ、あぁすまない」

 

ティアは考えるのを止めた。

 

(私は美羅の使い魔、主の後ろを黙って付いていくだけだ)

 

少し歩いた先で美羅がキョロキョロと左右を確認し終え、出口となる扉を開く

 

「こんばんわ――――――――堕天使の総督さん」

 

ついに美羅とアザゼルが相まみえる

 

 

 

 

 

~アザゼルside~

 

(おいおいおい!!巫山戯んな!!このお嬢さんは一体何者だ!!)

 

まず最初に俺の頭を支配した言葉はこれだ

 

 

――――時間は遡り

 

コカビエルの独断行動により天界からの戦争一歩手前を食い止めている所だ。あークソ、書類仕事が多すぎる!シェムハザの奴に押しつける事も出来やしねえ問題ばっかり起きやがる。まぁそんなこんなで机にかじりついて案件を一つ一つ処理していた

 

「コカビエルの居場所を掴んだぞアザゼル」

 

「よっしゃあ良くやったヴァーリ!これであの馬鹿を回収出来るぜ。あ、回収はお前に任せるわ」

 

「倒してしまっても良いのか?」

 

「あー・・・・・殺すのは駄目だぞ。色々とやらなきゃならねぇしな」

 

ヴァーリがコカビエルをとっ捕まえてきて各陣営に少しでも不利な交渉をさせないようにしないといけないし・・・・はぁ、何つーか俺って幸運値がもの凄く低くねぇか?

 

「コカビエルの件は了解した。だが此処は仮にもグレモリーの領地となっているから直ぐには動けんぞ」

 

「マジかよ・・・・・」

 

「マジだ。――――――――それにグレモリー眷属の中に俺の好敵手が居る。どれ程やれるか見たいというのも有るのさ」

 

「コカビエルとやってサーゼクスの妹さん達が勝てるわけねぇだろ。・・・・・なら妹さん達がピンチの時に出て回収してくれ。サーゼクスに『妹が危なかったがぎりぎりで助けた』って貸しを作れる」

 

ヴァーリは不服そうだが少しして頷いた

 

「今度好きなラーメン奢ってやるからそれで手を打ってくれ」

 

「分かった」

 

即答で返事が返ってきた。お前はラーメンの事となると態度が変わるな・・・・そして俺はこれからの方針が決まり一息入れようとした時、パキッ と何かにひびが入る音が聞こえ

 

『ヴァーリ、アザゼルそのまま動くな!』

 

アルビオンが静止の声を大きく掛ける。急に神器(セイクリッドギア)が展開した事に疑問を持つ二人

 

「どうしたアルビオン強敵がこの近くに現れ出もしたのか?」

 

『今から何があろうと敵対行為はするな!絶対だぞ!絶対だ!!』

 

「おいおい、二天龍の一角であるお前さんが何を恐れているんだ?」

 

強敵に心が躍り出すヴァーリと茶化しを入れるアザゼルだっのだが

 

『これは、この力は以前n

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんばんわ――――――――堕天使の総督さん」』

 

美羅の声によりアルビオンの声は遮られた

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

いきなり現れた私とティアに驚いた顔を向けるヒゲ親父と男の子、この瞬間誰が総督であるか理解した。男の子の方からは龍のオーラ・・・これはドライグが言っていた白龍皇だね。白いプレートが現れているし。そしてもう一方はあのシスコン赤髪と同じ位の力を持っている事で堕天使総督だと判断

 

「あー・・・嬢ちゃん達は一体何者だ?」

 

軽い口調で訪ねてくる総督、まぁ!考えている事は正体を探る事と何時でも殺せる様にシミュレートしてる。全くの無駄だけれど!!

 

「私達が何者かかぁ。んー・・・・・この町に住んでいる住人で、聖剣を盗んだ堕天使総督に責任取って貰おうかなと思って赴いた次第なの」

 

「責任は取らなきゃならないが、嬢ちゃんには取る必要は無いと思うが?」

 

美羅に対して強きな態度で告げるアザゼル。二人は沈黙を保っていたがアルビオンがティアの存在に気が付いた

 

『まさかティアマットなのか!?何故此処に居る!』

 

「アルビオンか――――――私は美羅の使い魔となり共に行動しているだけだ」

 

ティアは当たり前だと言わんばかりに淡々と告げる

 

「はぁ!?ティアマットがこの嬢ちゃんの使い魔だぁ!何の冗談だよそれは!!」

 

「ティアマットを使い魔にする程の力を持っていると言う事か。・・・面白い!」

 

二人はそれぞれ違う反応を見せている。ティアは気にせず爆弾を投下して行く

 

「アザゼルよ―――――私は美羅に圧倒的な力の差で負け、使い魔となった。これ以上は何も言わなくても理解出来るだろう。それに、私の主へ向け敵対行動を取れば貴様達堕天使は私の敵として行動するぞ」

 

「マジか・・・・・あー、マジかよ」

 

頭を抱えうなだれ始めるアザゼルはこの状況を諦めたが、問題児はそう問屋は下ろさない

 

「美羅と言ったか、俺と戦ってくれないか?」

 

好奇心有り有りのヴァーリは言葉と同時に拳を放つ――――――――――――――――――――が、片手で受け止められ直ぐに引っ込める

 

「聞いてなかったのかな?戦闘狂(バトルジャンキー)、今回は許してあげるけど・・・・・後一度でも攻撃すれば堕天使全てを滅ぼすから注意しようね?」

 

「うぉおおい!止めろヴァーリ、これ以上ややこしくするんじゃねぇ!!」

 

アザゼルは全力でヴァーリにストップを掛ける

 

『止めろヴァーリ!俺は未だ消えたくない!!これ以上は何もするんじゃ無い!!』

 

いつも以上に必死なアルビオンに若干戸惑い警戒を解く

 

「良かったね、白龍――――――――――――――――私一人だけだと絶対に消してたよ」

 

ニッコリと笑顔を向ける美羅だが、とてつもなく冷たい目を向けていた

 

『あぁ、俺は生きている。今生きているんだぁ』

 

少し壊れるアルビオンを可哀想な目で見るティアとアザゼル。その空気を変える様に パンッ と手を叩き話を始める美羅

 

「さぁ今回の件についてだけど、堕天使が聖剣を盗み、このままじゃ戦争勃発しそうって聞いたけどそこの所はどうなのかな」

 

「こっちの部下の独断だよ・・・名前はコカビエル。戦争大好きのじゃじゃ馬で、今は陣営内の混乱を抑える事と各陣営にフォローを入れてるって所だ。出来るだけ穏便に奴を回収して責任を取らせるつもりだ」

 

「成る程、尻尾切りをすると言う事」

 

「そうでもしねぇと戦争待ったなしだからな」

 

ヤレヤレといった感じでため息を吐くアザゼルは一番気になっている事を訪ねる

 

「で、嬢ちゃんはどっちだ?」

 

敵か味方か中立か―――――――――

 

「今は中立かな?」

 

「よし!敵で無いならそれでいい」

 

「・・・・何か希望なりしてくると思ったけど大丈夫?」

 

「俺は平和を望んでるんだよ。希望なんてのは敵対しない事、それは嬢ちゃんも同じだろ?」

 

ふむ、堕天使総督は結構考えているんだね。シスコン赤髪と違い良い関係を築けそうかも――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

使いっ走りとしてだけど

 

美羅はニコニコと笑いながら次元の隙間へと扉を作り出す

 

「それじゃあまた会おうね総督さん」

 

「コカビエルの小僧は主が何とかするだろう、それまでは他の仕事をするのだな」

 

それぞれ言い残しアザゼル宅から出て帰路を歩く二人

 

「これで主のストレス発散用の獲物が出来たな」

 

「どうしようかなぁ、ワクワクするなぁ~。と、それは置いといてだけど・・・・・これからは何かしらに巻き込まれていくから、常時周りに注意するように」

 

「私としては関わりたく無いがな」

 

そろそろ頃合いも良い感じになってきたから呼ぼうかな・・・

 

小さな呟きは誰にも聞こえず、懐かしむ様に遠くを見つめる美羅・・・この間にも消滅のカウントダウンは進み、闇は動き出す

 

 

 

 




ティア「さて、次回の予告は主に変わり私と紅が行おう」

紅「黒達は出てこれないからな」

ティア「次回はついに一誠とコカビエルの戦いだそうだ」

紅「因みに教会の二人は察してくれ」

ティア「強力な力を持つコカビエルに手も足も出ない一誠達をさらに追撃する者が現れる」

紅「まぁそんな感じの話になるそうだ・・・・決定では無いのだがな」




ティア「布団の豆腐メンタルがガチャの影響を受けてしまったのでな・・・・・」

紅「あれはある種のテロだったな・・・・・」

「「是非も無し」」


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第26話 カウントダウン開始

遅くなりました。すいません・・・・・ひっそりと投稿―――――――――――



















布団「現実が忙しすぎて真っ白に燃え尽きたぜ――――――」

ミラ「でも私は許さない」

布団( ゚Д゚)エッ!?

ミラ「懺悔はお済みかな?していなくても今からやるけれど♪」

布団「ヤメロォ!シニタクナイシニタク・・・・・・・・・・・ヴァアアアアアアアア!」



~一誠side~

 

美羅先輩が部室から退室した後直ぐに解散となり帰宅をする事になった。ちなみに部長は朱乃さんと共に調べる事があるという事で二人を除いて皆で旧校舎を出た

 

「そういや木場はどうして美羅先輩と一緒に居たんだ?」

 

「あ、そういえば」

 

「お泊まりですね」

 

「それはこれから話すよ。だけど最後のはお泊まりじゃなくて折檻をされていたと言えるね・・・・」

 

これは珍しい。木場が美羅先輩から折檻を受けるとは・・・・一体何をやらかしたのか想像が付かない・・・そんな事を思っていると木場の雰囲気が変わった

 

「僕は聖剣に復讐する為に眷属になったんだ」

 

「復讐って・・・」

 

木場から告げられる聖剣計画の実態、そして虐殺、唯一の生き残りで死んだ仲間の仇討ちをする為に原因となった聖剣を破壊するということであった

 

「でも大丈夫、美羅先輩からお説教を受けて現状を見つめ直してね・・・最初は命を捨てるつもりで破壊をしようとしたけれど今は違うよ。生きることを最優先として聖剣を破壊していくつもりだよ」

 

美羅の説教のすさまじさを思い出した一誠は小声で

 

なぁ木場、美羅先輩の説教と折檻どう思った?

 

正直言うともの凄く怖いよ。あれを受けて意思を貫く事が出来る一誠君は尊敬に値するよ

 

これまで美羅の説教と折檻で改心した人はかなり多く、相談しに来た者達の殆どが良い例だ

 

「ではこれから木場先輩はどうするのですか?」

 

「取り敢えず聖剣を持っているフリードを見つけようと思うんだ。運良ければ堕天使が誰なのか知る事が出来るかもしれないからね。その場合は部長と美羅先輩に報告だけど」

 

最初よりも冷静さを取り戻している木場は最善の手を考え始めている

 

「よし決めた!俺も木場と一緒にフリードを探すぜ!!仲間が困っている時に助けないなんて男じゃねぇ!!」

 

「私も行きます。敵が何人居るか分からない状況なら戦力が要るはずですから」

 

「わ、私も行きます!」

 

一誠、塔城、アーシアの三人は木場と一緒に行動する事を決めた

 

「一誠君、アーシアさん、小猫ちゃん・・・・・みんな有り難う」

 

木場はこの時改めて思う

 

(僕に新しい仲間が出来たよ皆―――――――)

 

死して尚見守って居るであろう以前の仲間達を思い、空を見上げ心の中で呟く

 

 

 

木場の過去の話から夜を待つ為町を散策する一誠達はファミレスで夕食を摂り、敵の出現場所の予測を立てている

 

「フリードの奴は何処に現れるか予測しておかないとな・・・」

 

「彼ははぐれ神父、しかも曰く付きとなれば僕たち悪魔か同じ教会の者達を狙うだろうね」

 

「教会の周辺に現れる可能性が高いという事ですか?」

 

「恐らくだけどね」

 

三人は地図を広げ怪しい場所等を模索し続ける中、塔城は黙々と注文した甘味を食している

 

「えっと・・・小猫ちゃん聞いてるのかな?」

 

「あの気持ち悪い神父を発見したら殴れば良いだけですから予測等は先輩達にお任せします」

 

返事の為に一旦止めた手は再び規則正しいリズムで往復を始める

 

「まぁまぁ、小猫ちゃんは俺達の中で一番力あるから良いじゃねえか! (小猫ちゃんの食べる姿可愛いなぁ~。癒やされるぜ!)

 

「む、一誠先輩から邪な気を感じます」

 

「よ、よく食べるなぁって思っただけだよ」

 

たまに思うが小猫ちゃんって時々鋭くて驚いてしまうぜ・・・・・気を付けないとな

 

一誠により一層警戒を高める塔城に苦笑いをする

 

「よし、今日は教会周辺を僕が一人で歩きフリードをおびき寄せよう。以前出会った時も僕が一人だったから釣りやすい筈さ」

 

「なら俺達は今の内に待ち伏せをする事だな」

 

「あの男は私がぶっ飛ばします」

 

「と、兎に角行きましょう」

 

既に戦闘準備完了の塔城は手を握ったり開いたりとコンディションチェック、以前出会った際に色々と言われた事を根に持っていると察する一誠と木場。その二人を除いた三人は迂回しながら静かに予測を立てたポイントへと移動し始めた

 

 

 

この時美羅はアザゼル宅へと赴いていた

 

 

 

周囲の音は無くそよ風に木々の葉が揺れザワザワと音を立てる中、木場は調査をする振りをしている。聖剣を集め怪しい計画を立てている彼らは不安要素を少しでも絶っておきたいが為必ず食いつくはずなのだ

 

「22時・・・・・仕掛けてくるならもうそろそろか」

 

集中――――――一早く気配を察知する為、目を瞑り必要な情報だけを感じ取る木場に一つの気配が近づいている

 

「はぁーい!クソ悪魔君はっけーんしましたー。今日この日、チミはフリード様の経験値となるのっだ!!」

 

聖剣の力と魔力の身体強化で急加速で襲撃するフリードだが、最大限に警戒をしていた木場は危なげなく回避して距離を取る

 

「チッ!クソ悪魔君はすばしっこいですなぁ!!」

 

「今までの僕と同じだと思ったら大間違いだよ。今日は確実にお前を捕りエクスカリバーを破壊する!」

 

「あぁん?つい数日前、俺様にボッコボコにされた癖に捕るとか舐めきってますわ~」

 

口では余裕ぶっているフリードは警戒をするが一歩遅く

 

「木場だけだと思うなよフリード!お前達が何企んでいるか知らないが絶対阻止してやる!!」

 

「この間の事忘れていません―――――――よって貴方のその顔が歪むまでボッコボコにします。ボッコボコにします。大事なことなので二回言いました」

 

「なぁ!?三対一とか有り得ないですわ!ってかチビはしつkってあぶねぇ!!」

 

「避けるな、逃げるな、止まれ」

 

チームワーク関係無しで突っ走る塔城は上下に散らし回避をせざる得ない状況を作り出している。大きく飛び退いた所で木場と一誠のダブルチームで攻撃、フリードに攻撃をする暇を与えない連携を作り出す

 

「っ!っく!あぶにゃい!!この状況俺が釣られたって訳ですかい!!」

 

「くそ、当たらねぇ!!」

 

一誠の拳が空を切り悪態を付く

 

「はっはぁー!未熟な赤龍帝の攻撃なんざ当たらねぇよ!!だがこの状況は俺的にかなり不味いのでバイチャ!」

 

聖剣で周囲を近づかせない様なぎ払ったフリードは袖から閃光玉を散らばらせ大きな光を生み出すと、ついでにこれでもかという程の煙玉を撒き逃亡した

 

「ゲホッゲホッゲホッ。閃光玉に煙玉ってやり過ぎだろ!」

 

「ゴホッゴホッ。だが、それだけ追い詰められていたって事さ」

 

「ケホッケホッケホッ。次は捕まえた後ボコボコにして土の中に埋めてやる」

 

小猫ちゃんが段々と物騒な事を言い始めてきた怖い・・・・・。だけど今回の釣りが失敗してしまったのは残念だ。次からはもう引っ掛からないって事だしな

 

この失敗でフリード達を捕まえる事が一層難しくなった一誠達は苦い顔をする。今回の無断行動をリアス達に報告をする為一同は部室へと歩む。フリードを逃し夜道を四人で歩く一誠達。今回の騒動の疑惑を感じた一誠は木場へ思った事を聞いてみる事にした

 

「なぁ木場、フリード達の目的ってエクスカリバーだろ?」

 

「そうだけど・・・・・何か気になる事があるのかい一誠君?」

 

「紅の奴がエクスカリバーを二本破壊したからあいつらの計画って破綻してるんじゃねぇの?」

 

『あ・・・・・・・・』

 

今まで重要な事に気が付いていなかった四人は「言われてみれば」と思い呆気にとられる

 

「少なからず妨害成功?」

 

「一応残りのエクスカリバーも破壊しないと不安は拭えないけれど・・・」

 

不安要素が無くも無い。少しでも何かしらの計画の遅れが生じるなら御の字というものだ。そして四人は敵の動向について談義しながら歩いていると

 

「止まって下さい」

 

急に塔城からの言葉に一同は止まる

 

「どうかしたのか小猫ちゃん?」

 

未だに何も現状が分からずに居る三人は頭上に「?」マークを浮かべている状態だ

 

「私達は今何者かの罠に掛かっていて同じ場所を何回も通っています」

 

『!?』

 

驚愕した三人は直ぐに周囲を警戒するも何も感じる事が出来ないで居た。塔城のカミングアウトによって理解した罠、何者かによって仕掛けられたこれは未だに解かれることは無く敵と思われる者も発見出来ず段々と焦りを感じ始めていた

 

「ひょっとしてフリード達の計画の邪魔になるから俺達を隔離したのか?」

 

感じていた事を口に出す一誠だが木場は否定する

 

「それは無い筈だよ。隔離するなら僕らが部長達と合流してからの方が相手にとっても都合が良いからね」

 

「もしくは既に隔離している?」

 

「ぶ、部長さん達ならどうにか出来るのんじゃ・・・」

 

答えが分からない現状どうこう言っても仕方が無く、隔離した術者を探す一誠達に少しずつ近づいてくる気配が一つ――――――――

 

「誰か近づいてきてる?」

 

「・・・・・人数は一人だけど」

 

「術者という線は限りなく低いかと」

 

非戦闘系のアーシアを後ろに前面に出る三人――――――そしてそこに現れた人物は黒いコートを着た男だった

 

「ほう?アザゼルに見つからないよう待機しててつまらなかったが中々どうして――――――――あの人間も粋な計らいをする。まさかリアスグレモリーの眷属達を隔離の術式内に閉じ込めているとは好都合だな」

 

「だ、誰だお前は!?」

 

とてつもないオーラを発する男に最大限注意しつつ問う

 

「俺を知らないのか?これだから下っ端の眷属共は教養が成っていない」

 

一誠達四人が戦闘態勢にも関わらずため息を吐き呆れる男に隙は無い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺はコカビエル。聖剣を盗んだ張本人、そしてこの町を消して再び戦争を始めるのさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この駒王町を消し飛ばし、再び戦争を始めると宣言するコカビエルに一誠達は驚く

 

「この町を消すだって!?」

 

「いくら堕天使の幹部だからといっても一瞬で消し去る程の力は無い筈だ!」

 

木場の言う事は正しい。いくら力があったとしても一瞬で町を消し去る―――――――――何て事は無理だ。一日あれば廃墟にする事は可能だが

 

「確かに一瞬では無理だろうさ。だが方法は色々あるだろう?聖剣の力を集め暴走させるとかすればどうなると思う?」

 

聖剣一つ一つの力は強大だ。それが合わさり暴走でもしたら確かにこの町程度ならば消えるだろうが

 

「残念だがそれは叶わないよ。派遣された教会の者達が所持していたエクスカリバー二本は砕かれたからさ!」

 

紅に破壊された二本のエクスカリバー、実は砕かれた欠片も紅によって入念に砕かれ粉になっていたからだ。木場の発言にコカビエルは「ほう?そうか。」と言いながら眉を動かすも動揺はしていない

 

「残念だったなリアスグレモリーの眷属達よ、最早その心配の憂いも無くなった。こちらの同盟者から連絡が入ってな、後数時間で爆破しかも特大のおまけ付きだと言う事だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――喜べ、この町だけで無くこの国の三分の一が消える程の威力だそうだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『は―――――――――』

 

理解が追いつかない状況を裂くかの如くコカビエルの放つ光の矢を一誠達はすんでの所で躱す

 

「っ!あっぶねぇ・・・・」

 

「はははははは!良いぞ中々の反応だ!!この場で殺すのは惜しいな」

 

笑みを浮かべるコカビエルは一誠達を睨む。彼にとって一誠達は自身の飢えを満たせるかどうかの品定めだ。品定めが終わったコカビエルの足下に魔方陣が浮かぶ

 

「おっとじゃれ合いは終わりだな。この俺を止めたければ駒王学園に来ることだな!そこが爆発の中心地だからなぁ」

 

「ま、待ちやがれ!」

 

しかし転移が始まっているコカビエルはかき消え、それと同時に学園の方から感じる特大の魔力―――――

 

「クソッ!こんな短時間であのエクスカリバーを暴走させるとかどんな手を使ったって言うんだよ!!」

 

「落ち着いて――――――――なんて言えないけれど先ずは部長達と合流しよう。僕たちだけではどうにも出来無いし事の規模が大きすぎる」

 

「で、でも早くしないと町が消えてしまいます」

 

四人はこの事態を止める為学園へと走り出す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~???~

 

町の消滅のカウントダウンが始まり一刻の猶予も無く、学園へと走る一誠達を遠くから見る人影が二つ―――――――その内の一人は転堂である

 

「よう、お前はどう思っている?この計画が成功するか否か」

 

転堂は隣に立つ一人の男に問いかける

 

「無論失敗に終わる。これは決められた定め―――――――――――この場面に兵藤一誠が居るなら尚更であり、主人公補正とやらは完全にあるだろう」

 

「チッ!あの自称神様は仕事してねぇな。俺をオリ主にすると言っていたのによ!!」

 

何処にもぶつけることが出来無い怒りを露わにする転堂

 

「落ち着け転堂、俺はこの場面ではと言ったはずだ。主人公を消し去るならば物語に載らなければ良いだけのことだ」

 

「・・・・・まるで意味が分からんぞ」

 

「アニメネタの返事をどうも有り難う・・・・・では説明だ。この世界はハイスクールD✕Dで転生者の居る世界、尚且つ原作に居ない者達が居て物語は破綻しているだろうと予測は出来る。しかしながら主人公である兵藤一誠には主人公補正とやらが掛かっている可能性が否めない為確証を得る事が出来ずに居る。ならば検証を行う他無いだろうさ」

 

「介入して物語をかき乱すってか?」

 

「・・・・・俺の説明聞いてたの?」

 

悪知恵だけが働く転堂のおつむの悪さに呆れる男

 

「ただ単に主人公補正が有るか無いかの検証、手は幾らでもあるじゃないか。兵藤一誠=エロの権化、エロの権化=女に誘われると断らない。―――――――――ほら簡単。一誠ホイホイの完成じゃないか。誘き出し戦い有無の確認、確証を得れたなら後は消すだけだ。物語の場では無く俺達転生者達の物語の場で消せば良い。転生者達の物語の場では俺達が主人公だろう?」

 

「はっ!成る程な。要するに俺達転生者の舞台に引き込んで消せば問題無いって事か」

 

「そういう事―――――――――そして検証は既に始まっているのさ。あの聖剣馬鹿に俺が作った魔力炉心を渡したから最早原作では無くなり、転生者達の舞台の上に立つ登場人物に他ならないのさ」

 

「俺より悪知恵が働いているじゃねぇか」

 

男の計画にツッコミを入れる転堂だが男は全く気にしていない

 

「ま、俺はオリ主とかそういうのに興味は無い。ただただ暴れたいそれだけだよ」

 

戦闘狂(バトルジャンキー)か・・・・・勿体ねぇな―――――――――――――――――――志桐」

 

「それは褒め言葉だよ転堂」

 

転生者が手を組み一誠を消そうと裏で画策する。しかしこれは未だ始まりに過ぎない

 

 




「ふむ、布団に潜り込む彼は彼女の制裁を受けているね!よぉしそれなら此処は僕が話をしようか。え?僕が誰かって?しょうが無いなぁ今日は特別だよ!僕は花の魔術師ことマーリン、FGOプレイヤー達が愛している一人さ。ちょっと!?碌でなしってコメントで炎上しているじゃ無いか!!酷いなぁ全く・・・僕はハッピーエンド見る為動いていたというのにね。いやぁしかし、キャンペーンの時は色々と楽しかったよ」

~回想中~
『マーリン来いやあああああ!・・・・・・・・・・・うがああああああああ礼装爆死かよおおおお!!』
『マーリン来いマーリン来いマーリン来いマーリン来いマーリン来いマーリン来い!!よし!キャスター!!よっしゃUC流sデマセイデマセイ・・・・・ニトクリスうううう!!』

~回想終了~
「いやぁ皆御免ね!僕はこうして色々なしょうsじゃなかった、世界をみているから中々そっちへと行けないんだよ。ははははは」

布団「マーリン死すべし!」∮(゚_゚;)

「ん?この魔方陣は転移?この塔に一体誰が・・・・」

ミラ「はぁい。私の所に貴方が来ないから直接来ちゃった♪」

「 」

ミラ「ふわふわな中身の貴方に刺激を与えてあげる。それとこっちを見ていたのも気付いていたからね」

「――――――――どうやら僕は此処までのようだ。何時か出る事を願って君と縁をm」

ミラ「雷神拳!」

ストレス発散用のサンドバッグを新たに見つけたミラである

布団「作者には勝てないと言う事さ・・・・・そして私も燃え尽きた・・・・」ガクッ





またピックアップ来たら嬉しいなぁ・・・・・と願いつつD✕D書きつつ裏で気分転換としてFGO小説を書きつつもある



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第27話 一誠渾身の一撃!狙いはコカビエル!!

布団「どうもおまたせしました。諸事情により遅くなってしまい申し訳ありません」

ミラ「理由を聞こうか?」

布団「・・・・・・・」

ミラ「言い訳?懺悔?何か言うことは無い?」

布団「今日ガチャ引いたら兄貴2体出たんだぜ!」

ミラ「ふ~ん。それでテンション上がってこんな時間にだしたと?」

布団「そうだ!ミラ様以外の者達の絡みは書きにくいが何とか書いたんだ!!」

ミラ「よし、ギルティ。出なかったはらいsじゃなかった。説教と折檻と調教だね」

布団「それは残像だ!毎回は捕まらん!」

ミラ×5「「「「「なら私が5人だとどうかな?」」」」」

布団(゚Д゚)

ミラ×5「「「「「雷神拳!!」」」」」ヤメロォシニタクナイシニタクニャアアアアアアアアアアアアアアア



~美羅side~

 

私とティアが烏の総督宅から次元の狭間を使い帰宅すると、学園の方から不穏な力が集中して居るではありませんか。一体何があったのだか・・・・

 

「ねぇティア――――――私の代わりに烏を退治してきてくれない?」

 

「既にアザゼルに主が退治すると宣言してしまったから難しいと思う・・・・」

 

デスヨネー。流石の私も宣言した日に行われるとは思っていなかったからだ

 

「コカビエルとアザゼルの烏達は裏で繋がっているんじゃないかって思うぐらいだなぁ」

 

あまりにもタイミングが良すぎである――――――次元の狭間で移動をすると外の情報を隔絶してしまう為、美羅の考えが裏目に出てしまっているのだ。因みにアザゼルはタイミングの悪さに胃を痛めている

 

「やっと帰って来たか―――――――――――――――さて、どうするつもりだ美羅?」

 

家で待機していた紅は何時でも出れる様子だが全快ではない

 

「黒は教会組と一緒の筈だし現状を聞いてどう行動するか決めていく感じかな・・・」

 

今回は周りに被害が及ばない様慎重に事を進める必要がある。その為には情報が欲しいので黒に念話で状況を説明して貰おうとしたのだがうんともすんとも応答が無い

 

「黒に念話が繋がらない」

 

「それはおかしいな」

 

「結界の中に入っているから繋がらないのでは?」

 

「私のは普通とは違うから有り得ない筈なんだけど・・・・」

 

そう、私の念話は普通とは違い妨害行為等の影響を受けない素晴らしい物だ。しかし万能では無く、例を挙げるなら次元の狭間である。次元の狭間の中から人間界へと念話は行えるが、ノイズが発生してまともに聞き取る事が出来ない。この様に万能では無い念話だが、今回の繋がらないは異常だが繋がらない原因となる条件が色々と見えてくる。一つ目、有り得なく無い可能性の一つとして黒の死亡。以前の世界に居た一握りの者ならば可能かも知れないが、時間の問題が出てくるので却下。二つ目、この世界または時空に隔絶される事だが無理だろう。それ程の力を持っているのは私位だからね・・・・・でも魔術で代用は出来ると思われる。特殊な空間、私が体験したことの無い魔術――――――ゲームの奴だけどさ・・・・。〇月の某ニヒル細マッチョ君(正義の味方)の固有結界?ならば可能だろう。体験した事が無いから対策しようも無いからね。まぁ魔力の雰囲気とか掴めれば何の問題も無いけれど!と、言う事で黒に関しては放置でも大丈夫であろう

 

「あんまりしたくは無いんだけどなぁ・・・・・直接現場に行きますか」

 

情報を手に入れるにはそれしか無い。使い魔?今はティアだけだから無理、無茶出来無いし

 

「あ、紅はお留守番よろしく。表面だけ治っただけの状態だとティアにも負けそうだし」

 

「  」

 

「まぁお前も留守番の寂しさを体験してみろ。私の気持ちがよく分かるぞ」

 

「                 」

 

あ、紅が真っ白に燃え尽きた感じにノックアウト状態になっちゃった。まぁいいやその内立ち直るだろう。転移で行こうと思ったが、外で感じる情報も欲しいので徒歩で行くことにした。間に合う間に合う十分だよきっと

 

美羅とティアは状況と情報を収集しながら学園へと歩く―――――――――

 

 

 

 

 

 

~一誠side~

 

ゆっくりペースな美羅と違い、現場へ急行する一誠達は校門前で待機していたリアス、朱乃、教会組二人、黒の五人と合流して事の顛末を説明、無断で勝手に行動した罰は解決してからと告げられる。げんなりする四人だが朱乃曰く罰の重さは一人一人違うと言われ一誠は安堵するが何気に一誠と木場の罰の重さが一緒という事を後で知ることになる。作戦内容を考えていると黒が

 

「あ、美羅から念話来た。えぇ・・・・・俺はサポートに回れって言われちまった。――――――――解せぬ」

 

orzのマジ凹みをしている黒、どうやら暴れられると思ってたらしくテンションが駄々下がりとなっていた。すると生徒会の会長と副会長が現れ、現状の説明をする。

 

生徒会の人達は結界を張り戦いの余波を防ぐとの事だ。って事は俺達が黒抜きで足止めをしなきゃいけないといけない大仕事だ。はぁ・・・・・これが終わったら部長のおっぱい揉みてぇ

 

「そういえばリアス。貴方この事態についてサーゼクス様達に連絡はしてあるの?」

 

「お兄様に連絡はしてあるわ。以前の私ならしていなかったけれど、美羅のお説教が来るとなると流石にね・・・」

 

おおぅ、あの部長でも美羅先輩の折檻と説教は怖いんだな・・・・・。あ、やばいトラウマを思い出しちまった

 

美羅の折檻を思い出した一誠はいつも通り縮こまって震えていた

 

「あ、生徒会長?いや、今はソーナ先輩って言おうかな?さっき美羅から結界の補助をするようにって言われたけれど・・・・・どうしたら良い?」

 

「貴方は美羅の義弟さんだったわね」

 

「黒で大丈夫ですよー」

 

「なら黒君と呼ばせて頂くわ。貴方は私の眷属の一人匙―――――同じ男子の所へお願いします。匙の所は少し心配ですから」

 

「あいー了解しました」

 

ため息を吐きながら匙の元へ向かう黒

 

「リアス、黒君って何故あそこまで落ち込んでいるの理由を知ってる?」

 

「黒は戦闘に参加出来ると思っていたらしいけれど美羅から念話でサポートに回れとの事らしいわ」

 

「彼には結界維持の為に期待してるわ。・・・・・リアス決して無茶だけはしないように」

 

「えぇ、有り難うソーナ」

 

リアスとソーナの会話は終了、それぞれが請け負った仕事をするだけとなった。一誠達は結界が展開される前に校門を潜ると同時に結界が展開された。コカビエル達が居る場所は学園の中心、運動場辺りから感じそちらへと警戒しながら進みながら作戦を話す

 

「良い?コカビエルも倒さなければいけないけれどそれは後に回しなさい。今重要なのは聖剣本体――――――黒曰く聖剣に異物が混入して時限爆弾みたいになっているそうよ」

 

黒と一緒にいたリアス、朱乃、教会組の四人は黒の感じ取っていた力について説明を受けていた

 

「え!?じゃあ聖剣を破壊したら爆発ってことに!」

 

「それは大丈夫よ一誠、聖剣を破壊すれば爆発はしないと言っていたわ。でもね・・・コカビエルからの攻撃を躱しながら聖剣を破壊という障害があることを忘れないで。それが一番大変なのだから」

 

時限爆弾を解除する者は敵の攻撃を集中して受けると言う事になる。だがここに敵の攻撃を凌げるほどの力を持った者は存在せず打つ手が無い状況だが

 

「でも安心して頂戴。既にお兄様には連絡しているから私達は時間を稼ぐだけで良いのよ。30分もしない内にこちらに来れると言っていたわ」

 

「部長のお兄さんが・・・」

 

魔王の一人であるサーゼクスが増援としてもうすぐ来る事が分かっただけで希望が大きくなった

 

「配置に関してはまた後で、未だ何が居るか分からない状態ではどうしようも無いわ」

 

「ふふふ、リアスがサーゼクス様を呼ぶなんて以前と違い大分成長しましたようですわ~」

 

「ちょっと朱乃!!」

 

場を和ませる様な雰囲気を作るも運動場が見えてきだすとそれは無くなり空気が張り詰め、戦争を止めるためリアス達は強大な敵へと挑む

 

 

 

 

 

~黒side~

 

(あ~・・・この状況どうしようかねぇ)

 

黒は結界維持の補助要員として匙と合流しようとしたのだが途中から景色が一変――――――――――辺り一面荒野の場所になっていた。この場所は何かしらの要因で異界化した空間もしくは結界であると理解することが出来たのだが、理解出来ない魔術構築をされた物でありお手上げ状態である

 

(美羅との念話・・・・・駄目か。このタイプは相手が解くか倒すかに限られてくるものだから術者を倒そう――――うんそうしよう、その方が楽だし早いわ)

 

荒野に佇む二つの影、一つは黒でもう一つは術者の物だ

 

「一応忠告するぜ、この結界解かないならお前をぶっ潰すが構わないのか?」

 

大きなコートにフードを深く被り性別は不明だが体格から男と判断した黒はどす黒い魔力を放出して術者を揺するものの全く揺れずにいる

 

(こいつ一体何だ?恐らく転生者っていう奴らだとは思うんだが・・・・・これを受けて微動だにし無いのはおかしすぎるぞ)

 

慢心はしない――――――――――――――常に周囲を警戒多対一を想定して行動を移そうとする黒に術者から声が掛けられる

 

「ふむ、警戒はしなくとも良いぞ?私の目的はあくまで足止めだけだ。お喋りぐらいするか?それとも腹が減って戦えないのならば飯を用意してやるがどうする?」

 

飄々と告げ舐めきっている術者の言動に遂に黒は我慢の限界が来る

 

「舐めるなよ人間が――――――――」

 

半龍化状態へと姿を変え獰猛な目を向け殺意を振りまく。力を完全に取り戻していない黒だがその力は絶大で、龍王を超える力だ

 

「あぁ、あぁ!素晴らしい!!素晴らしい!!流石は異世界と言うべきか!!龍が人化も出来、尚且つその様な姿にも変化することも出来るとは――――――――――――――――――――――――――その体を調べ尽くしたい」

 

 

 

 

 

 

マッドサイエンティスト

 

 

 

 

 

 

以前の世界にも居た狂気に満ちた人間の一部。明らかに危険人物である目の前の男に黒は極大の魔力玉を生成し、投げつける。滅びの力を持つ者達の比では無い魔力の前に男はそのまま受け爆発―――――――――――――――大きな爆発痕を残すクレーターを作るが男は無傷

 

「おや?その程度なのかな?龍王クラスの一撃だと思っていたのだが案外呆気ない物だな」

 

理解が追いつかない黒――――――――――――

 

(はぁ!?何で無傷なんだよ!?有り得ねぇ・・・有り得ねぇ・・・どういう手品だこれは)

 

パニック状態の頭はまともな思考を働かせない。そもそもパワーでごり押しする黒は些細な事を見逃すが故、美羅から「もっと情報収集しなさい!」と何度も言われているのだ。まぁパニック状態では思い出すことも出来無いのだが・・・・・

 

「そちらは攻撃から今度はこちらだね――――――――」

 

見た事も無い術式の魔術を大規模に展開する男は笑っていた

 

(・・・・・・・・・・・取り敢えず生き残る事と捕まらない事が最優先だな)

 

古龍ミラボレアスの黒が初めて逃げに回る状況になるのだった

 

 

 

 

 

 

~一誠side~

 

聖剣を破壊する焦りを押し隠しながらコカビエル達が居る運動場へと辿り着いた一誠達が目にしたのは光り輝く聖剣ではなく、段々とどす黒く濁り行く聖剣の姿と慌てふためく男、変貌した聖剣に興奮するフリード、笑みが止まらないコカビエルの三人が其処に居た

 

「こ、こんな。こんな醜い光を放つ剣など聖剣では無い!私が目指していたのは崇高たる光の聖剣だ!!」

 

「おいおいバイパーさん?こーんな剣が醜いだぁ?揺らめく暗黒の炎を纏い今も尚黒くなっていく剣の何処が醜いってんだぁ?」

 

「ははははははは!良いぞ、良いぞ!!此処までの変貌を遂げるとは嬉しい誤算だ。はははははははははは!!」

 

フリードが手にしている剣を初めて見る者はそれが聖剣だとは思わないだろう。むしろ魔剣に例えられるに等しい存在と化しているからだ

 

「あ、あれが奪われた聖剣だというのか!?」

 

「あっれぇ?聖剣を持っていない教会の使者が何でこんな所にいるんですかぁ?もしかして聖剣を取り返すとか~?でも残念でした~!この聖剣は最早俺様専用!!名付けてエクスカリバーナイトメアブラッド!その切れ味はてめぇらクソ悪魔と教会の使者さん達本人で味わってくれや!!」

 

剣を構えたフリードを警戒し、それぞれが己の神器(セイクリッドギア)を展開、魔力を込める

 

「ほう?グレモリー家の妹の方か・・・・・お前がこの俺に叶うとでも思っているのか?」

 

周囲に光の槍を発現させ、何時でも投擲出来るように待機させるコカビエルに対しリアスは臆すること無く前に一歩出る

 

「えぇそうよ。あと少しで魔王サーゼクスも来る・・・・・私達はその時間稼ぎよ。だれど慢心して大丈夫かしら?」

 

「ぬかせ小娘が。貴様が如何に滅びの魔力を持とうが俺に届かぬ時点で意味は無い」

 

「・・・・・そうね。確かに私の力が届かない事は理解しているわ。でも私達の狙いは貴方では無い、言ったでしょ?私達は時間稼ぎと――――――――――――――」

 

コカビエルはフリードへと目を一瞬逸らした瞬間滅びの魔力が飛んで来るが、それを片手で防ぐと同時に頭上から雷が落ちる。しかし、それももう片方の手で防ぐ

 

「この俺にお前達の攻撃が効くとでも思っていたか?それにあの雷・・・・・あれがバラキエルの娘か

 

攻撃を余裕を持って防いだコカビエルに対しリアスの表情は変わらず驚いてもいない

 

「いいえ、最初から防がれると思っていたわ」

 

「だが、俺に攻撃をしてきたのだ。サーゼクスが来る前に貴様をボロボロにしてやってきたあいつの反応を楽しむとするか」

 

最初に展開していた光の槍を一層大きくしリアスへ向け放とうとする。しかしリアスはコカビエルから目をそらす処か笑みを浮かべている。少し疑問に思ったコカビエルだが自身を傷つける事が出来る存在が居ないと思っており目の前のリアスをどの様に痛めつけるかを考えつつ光の槍を作り出すが

 

食らいやがれえええええええええええ!!ドラゴンショット!!

 

「ッ!?」

 

コカビエルの背後から一誠の必殺技が放たれるそれは上級悪魔クラスを超えており魔王にも傷を付ける事が出来るかもしれない程の威力であった。極太の強大な赤い魔力の奔流はコカビエルを飲み込む

 

よっしゃ!奇襲成功!!部長が念話で知らせてくれたタイミングで飛び出し限界まで底上げしたドラゴンショットをコカビエルの野郎に放つ。何気にうまく行ったな

 

一誠は学校に入った直ぐにリアスから指示があったのだ。それは『倍加を限界まで掛けた状態で木々を影にして遠回り、コカビエルの背後に回り込み気付かれないよう姿がぎりぎり見えるか見えないか辺りで待機して頂戴。そして私が念話で攻撃タイミングを知らせるからその場で全力で魔力砲を放ちなさい。』という事だった。しかも作戦成功、コカビエルは一誠の放った魔力の奔流に飲み込まれた。コカビエルと対峙して居たリアスと朱乃と一誠の三人はコカビエルに勝利したと確信した。そしてその頃、聖剣の破壊をする為の木場、塔城、ゼノヴィア、イリナの四人は苦戦を強いられていた

 

「オラオラオラ!!イケメン悪魔君の作り出す剣を持ったからってお前達教会の使者なんぞ俺様の敵じゃあねえよ!!」

 

「ぐっ!」

 

「きゃあ!」

 

木場が作り出した魔剣を握り戦っていたゼノヴィアとイリナは剣を破壊されフリードの槍のような蹴りを腹部に直撃し吹き飛ばされ戦闘不能状態となっていた。一方の木場と塔城はかすり傷を負いつつもまだ余力を残している。因みにバイパーは塔城のアッパーカットにより失神した

 

「はっはぁ!どうしたどうしたクソ悪魔共!!早くこのナイトメアちゃんの餌食になっちまえ!!」

 

「くっ!」

 

「っ!」

 

エクスカリバーナイトメアの色がどんどんと黒くなって行くにつれフリードの早さ、重さ、反応速度が上がって行き段々と対処仕切れなくなっていき、遂には塔城と木場互いに深手を負う。塔城は両肩の筋肉を切られ腕が上がらなくなり後退、アーシアの治療を受けている。木場は左上腕を切られ左腕が使い物にならなくなっており、片手で剣を何とか持ち耐えている状況となっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だんだんと黒くなる聖剣、そして残り時間が段々と少なくなっていく現状―――――――――――

そして暗躍する人間

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍の怒りが炸裂するまで残りあと僅か――――――――――――――――――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




黒「あれ?俺の続きは?」

布団「次回だ」

黒「あの人間誰?」

布団「何時からこの世界には転生者は一人だけだと思っていたのかな?」

黒「野郎ぶっ〇してやる!」

ミラ「うっさい!此処でそれ以上のネタバレするな!」雷神拳×2(腹パン)

布団・黒「「ぐはああああああああああ!」」



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第28話 美羅は存在自体が規格外

待たせたな!

最近リアルが忙しい・・・・・パネェ!

ようやく書き終えた前哨戦

ゆっくり見ていってね!!


2018/4/3/誤字修正


~美羅side~

 

「これで最後っと!」

 

美羅は手に持っていた機械を粉々に破壊し、手をプラプラと解していた。破壊した機械はビデオカメラで、魔力によって望遠処理を施された物だ

 

(主、反対側に備え付けられていた機械を全て破壊し終えたぞ)

 

(ん、ご苦労様ー。学園の校門前に集合しようか)

 

(分かった。一応空から再確認しながら向かおう)

 

ティアと念話をし終えた私は疑問に思っていた。それは異常なまで設置されたビデオカメラの台数、反対側を対処していたティアと数は同じだと思うのだが私の方だけで20台は破壊しているのだ。恐らく誰かが戦闘を映像で記憶、分析、対策を考えているに違いないと感じた

 

「嫌な予感がするなぁ、私の運って微妙だし、何かと厄介事に巻き込まれてるし・・・・・・・・あれ?これっていわゆるフラグって奴?」

 

盛大にフラグを立てた美羅は頭で否定しつつも、野生の勘がざわざわと何かを知らせているような感じを受けているので不安になっている

 

「まぁいいや、兎に角ティアと合流しよう」

 

足に魔力を纏わせ学園の方向へ跳躍―――――――――――ついでに見落としが無いかも確認するも全て破壊をしていた。移動は数秒、先に校門にたどり着いた私の数秒遅れでティアが到着

 

「主よ待たせて申し訳ない」

 

「大丈夫、私もついさっき来たばかりだからね」

 

美羅は気にせず中に入る前にソーナの元へ浮上、黒の事について先に尋ねることにした

 

「こんばんわ、蒼那――――――――――――黒が今何処で何をしているか知らない?」

 

「美羅!丁度良いところに来てくれたわ!!結界の維持を手伝って頂戴、黒君がいきなり消えたから結界の維持が大変なの!」

 

「黒がいきなり消えたねぇ・・・・・敵とやり合ってる可能性大という事になるわね」

 

「それは無い筈よ。この周囲一帯は私達眷属が警戒している状況だったから」

 

黒がいきなり消える直前まで警戒をしていた蒼那達はそれは無いと思っていたが例外はつきものだ

 

「まぁまぁ、私みたいな例外も居るからそういった類いの奴が居たら気が付かないものでしょ?」

 

「うっ、否定出来ないわね」

 

「まぁティアを置いていくから頑張ってね。という事で、ティアお願いね?」

 

「分かった。主は黒を見つけた後に烏をやるのか?」

 

「そのつもりだよ。だから一誠君達には頑張って貰わないと困るのよねぇ」

 

美羅は周囲数キロを範囲に大きく気配を探るもおらず、気配から縁の探知へと切り替えると校門から少し歩いた場所から線が切られていた。いや、消えていると言った方が正解だろう

 

「――――――結界とかじゃ無くて異世界に行ったのかな?いや、それにしても不自然に切れてる・・・・・・」

 

ブツブツと一人考察する美羅は解決策を見いだした

 

「よし、縁は完全に消えていないから転移して探そう!」

 

美羅だから出来るごり押し転移で問題を解決するという馬鹿げたものだった

 

「ちょ、ちょっと待て主!もしも運悪く宇宙空間とやらに出てしまったら死んでしまうぞ!?」

 

「大丈夫、私はその程度じゃ死なないから」

 

つくづく規格外の存在でチートの権化ですから仕方が無いのだ

 

「主が死ぬような事はあるのか?」

 

「私だって首切られて頭を粉々にされれば死ぬよ?でも復活するけれど」

 

ティアは生物理論の枠組みを超えた存在と割り切って考えるのを放棄、これからの事について聞く事にした

 

「取り敢えず私はどうしたら良いのだ?」

 

「ん~そうだねぇ・・・・・・ティアには悪いけど私より先に一誠君達の援護に向かって欲しいかな。ドライグ個人に用件もあるでしょ?」

 

使い魔であるティアの過去を全て見た美羅は知っているのだ・・・・・・ドライグはティアの尻に敷かれる運命であると。ティアは口角を上げ笑みを浮かべ主に感謝する

 

「流石は主だ。私がしたかったことを叶えてくれる・・・あぁとても良い気持ちだ。それでは主、私は行ってくるが獲物の烏は残しておくから早く来てくれ」

 

ティアは結界をすり抜けるように入り込み中心地へと向かう。これでドライグ・・・いや赤龍帝はティアの下僕の如き扱いを受けるのだ

 

いやぁ愉快愉快♪一誠君の強化訓練も兼ねて出来るから楽出来るね!それじゃあ私もぱぱっと終わらせちゃいますかね

 

縁をたぐり寄せ転移を起動する美羅、侵入者を迎撃する罠が発動するも意味を成さず破壊され火花が迸る。だんだんと火花が収まる頃には美羅の姿は無く黒の元へ行く

 

 

 

 

~黒side~

 

あぁ面倒い。全快してない俺は不本意ながら敵の攻撃を避け続ける作業をこなす。マッドサイエンティストの攻撃は不気味だからだ

 

「おやおや、龍である君が逃げに徹するとは・・・私の研究が捗らないではないか!!少しでも当たってくれないかなぁ?そうすればこの空間を解除するよ?ホントだよ?」

 

「煽ってくるな!うっざい科学者め!!」

 

「それは私にとって甘美な響きだ。もっともっと言ってくれたまえ!!」

 

笑みを浮かべ攻撃の手数を多くする敵は頬を染め興奮する

 

「おや?」

 

突如攻撃を止めた敵は違和感を感じた方向へ視線を向ける。その先の地面はガラスの様にヒビが入り始め砕け散る。そして同時に美羅が転移で姿を現した

 

ヤバイヤバイヤバイ!

 

黒の頭を駆け巡った言葉は「ヤバイ」の一言、恐らく自分はこの件が終わったら地獄のサンドバックコース確定だと判断したからである

 

「やっほ~黒、大丈夫だった?」

 

「えっと・・・・・・大丈夫・・・・・・・・・・・うん大丈夫」

 

予想と反した声に多少戸惑うも返事を返し終えた黒は未だ気が気でなかった

 

「さて、家の黒をこの異空間に閉じ込めた原因は貴方ね」

 

「ほぉう?言い方から察するにその龍人の主は君という事か

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 素晴らしいいいいいいいい!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まさに龍と人との間の巫女という存在!!素晴らしすぎる!!」

 

「うわぁ・・・・・・何て言うか・・・・・・うわぁ・・・・・・・・・・・・・・・」

 

流石の美羅もこのマッドサイエンティストには引き気味だ。そして内心「何か凄い変人に目を付けられたかも」と思っていた

 

「さぁ!さぁ!さぁさぁさぁさぁ!!その龍人の主よ、その強さを私に示してくれたまえ!!」

 

「正直ここまで気持ち悪いと思ったの初めてなんだけどなぁ。めんどいからさっさと終わらせようか」

 

美羅が手を相手に掲げ赤雷の魔力砲を叩き込むが、黒の時と同様マッドな男には傷一つ付いていない

 

「んん~!エックセレエエエエエエエント!!龍と人との共存で成り立っているかと思っていたが、まさかまさか君の様な女性が主人だとは思ってもみなかったよ!!」

 

「げぇ!?美羅の攻撃でも傷一つ付いてないとかあり得ねぇだろ・・・」

 

この場で絶対的な立場と認識したマッド野郎はあれやこれやと言い、黒は黒で驚愕している。しかし美羅自身は違い、冷静に分析を行うため再度攻撃を行う――――――先程よりも魔力を練り込んだ一撃を放つも傷一つ付かないマッド野郎は満面の笑みをしている

 

「無駄無駄無駄ァ!最早君の攻撃は私には通じないさ。そして大人しく私の研究対象となりたまえ!」

 

「チッ!」

 

一歩一歩ゆっくりと近づいて来る男に舌打ちをする黒

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも忘れてはいけない。生まれながらのチートの権化である美羅の力を―――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん!解析完了。もうそのお粗末なからくりは解けたよ」

 

「なに?」

 

ブツブツと呟いていた美羅は先程と同じ様に魔力砲を打ち込む体勢で待機した

 

「聞こえなかったの?もうそのお粗末なからくりは解けたから意味は無いよって言ったの」

 

「それは有り得ない。私が十年もの歳月を掛けて作り上げたこれはそう易々ととk」

 

「それ以上は言わない方が良いよ、フラグって奴だからね。回収しても良いのなら言い切れば?その時は盛大に笑ってあげるから」

 

段々と猫の皮が剥がれ地が出始めている美羅を気にせず黒はどうしても言いたい事を告げる

 

「なぁなぁ美羅、それを言ったらこっちの方もフラグなんじゃ無いのか?」

 

「黒は私があの男にやられると思う?」

 

種も仕掛けも分かったと宣言した美羅が失敗してあの男に敗れる姿を想像しようとする黒なのだが

 

「――――――――――――――――やられる姿が想像出来ないなぁ」

 

THE理不尽の塊がやられる姿が見いだせない。そもそも前の世界で、転生者の攻撃をどう対処するかと言う場面でも難なく適応し返り討ちにしてきた美羅を間近で見ていたせいでもあるからだった

 

「隔離されて外の様子が分からないからさっさと終わらせるよ」

 

美羅の手から放たれたそれは魔力の奔流では無く手のひらサイズの魔力玉であった。しかも遅い・・・・・

 

「おやおや~まさかそのちっぽけな玉がとっておきなのかい?速さも大きさも全くと言って良いほど足りないよぉ?」

 

「おい美羅、おふざけも程々にしろよ!」

 

いつもど派手な攻撃をするのに対してちっぽけな攻撃、黒にとってその光景はふざけているとしか思えなかった。

 

「百聞は一見にしかず、まぁ黙ってみてると良いよ」

 

美羅は人差し指を男に向け一言

 

 

 

 

 

 

 

 

「バンッ」

 

 

 

 

 

 

 

 

瞬間―――――――――浮遊していた玉は赤雷となり近くに立つ男へと着弾する。先程と同じ赤雷の攻撃なのだが・・・・

 

「ギャアアアアアアアアアアア」

 

男の悲鳴――――――――――美羅の攻撃はダメージを与えたと言う事だ。しかも赤雷の直撃となるので敵は消し炭になりその場には灰だけとなり、同時に術者である男が死亡したことによりこの空間も解け学園の直ぐ側へ出た

 

「   」

 

「予想していた通りのからくりだねぇ・・・私が応用で使うには便利な結界か。さようなら名も知らない転生者さん、君の結界魔術は私がこれからも使ってあげるからそれに関しては誇りに思っても良いよ」

 

こうして美羅は新たな結界魔術を取得――――――――――――――――最早天井知らずの強さである

 

「それじゃ行くよ黒」

 

「ア、ハイ」

 

マッド野郎もとい転生者を消し炭にした二人は烏の元へと向かって行く

 

 

 

 

~一誠side~

 

口の中は土の味がしてもう腕を動かすことも出来無ず、霞みがかる視界で仲間が倒されて行く姿を見ることしか出来ないでいた

 

―――――――――ほんの少し前俺は完全に油断していた。もう嘆いてもその時には戻らない・・・・・ドラゴンショットをコカビエルに叩き込んだ俺は少しだけ舞い上がっていたんだ。ライザー戦から確実に強くなっている自分自身と部長達を守れる力を持っていた・・・・・・その油断からコカビエルが大ダメージを負っていると思い込んでいたんだ

 

でも実際は違っていた

 

確かに傷を負いはしていたのだが軽傷―――――――――火傷程度の傷だった。しかもこれが相手のプライドを傷つけたのか、コカビエルは一切の油断をせず確実に倒しに来たのだ。結局俺はそれから一発も攻撃を当てる事も無くこうして戦闘不能になっちまった・・・・。本当に情けねぇ。皆を守るって言ってたのに、部長の最強の兵士(ポーン)になるって言ってたのにっ!

 

不甲斐ない自身に憤りを感じる一誠だがどうすることも出来無い。例えドライグに体を対価に動かそうにも無理で、手足を砕かれあごを打ち上げられた状態では直ぐに回復も出来ず地面が回っている状態である

 

「きゃああああ!」

 

コカビエルの魔力により吹き飛ばされるリアス。しかし彼女の眷属一同と教会の戦士二人はもうボロボロで動けない状態だ

 

「ふんっ、所詮魔王の妹であろうとこの程度か」

 

リアスを見下しながら呆れるコカビエル。そもそも力の差は歴然で油断をしていないコカビエルが相手だとまだ持った方である

 

「魔王は未だ来ないか・・・・・ならばリアス・グレモリー。貴様の眷属で遊ばせて貰おうか」

 

「・・・・・な、何ですって」

 

一誠の方へ歩を進めるコカビエルが何をするか直ぐに予想できたリアスは叫ぶ

 

「一誠をどうするつもり!?」

 

「貴様は眷属を大切にする悪魔なのだろう?ならば予想は簡単に出来る筈だが?」

 

「や、やめなさい!一誠にそれ以上何かすればただじゃおかないわ!!」

 

「はははは!その手足の動かない体でどうするつもりだ?頑張ってその手で眷属を守って見せてみろ」

 

光の槍を一つ形成、そしてもう一つ形成と近づくにつれ数を増やしていき絶望を叩きつけてるコカビエルにリアスの心はどんどんとヒビが入っていく

 

「やめて・・・・お願い・・・・・・・やめて・・・・・・」

 

涙を流し始めるリアスの顔を見た一誠―――――――――――

 

「部長―――――安心して下さい。俺は未だやれます、そして絶対に勝ってみせますからそれ以上泣かないで下さい」

 

と、声に出して叫びたいがそれすらも出来無いほどのボロボロの体の自分に悔やむ

 

「では、最初の贄は貴様だ赤龍帝よ。無能な主を恨むのだn!?」

 

いきなり飛び退いたコカビエル。そして強烈な魔力の奔流が通り校舎を消し飛ばした

 

「我としては今の赤龍帝に死なれては困るのだ。いつも逃げてばかりいる大馬鹿者の負債を取り立てねばいけないのでな」

 

「悪魔では無いな・・・・・一体何者だ?」

 

「我はティアマット、「ティアマットだと!?」五大龍王の一角ににして白野美羅の使い魔だ・・・・・・・・その脳筋な頭にしっかりと叩き込んでおけ烏よ」

 

肝心な部分を遮られちょっと不機嫌となるティアだが、気持ちを切り替え話をする

 

「しかし今の我は見学という形なのだが、目の前に居る赤龍帝は殺すなと言っているだけだ。死んでしまってまた新たに所有者を探すのは面倒くさい故な・・・・・そしてドライグよ、我が貴様に貸し与えた財宝の事を忘れているわけではなかろうな?」

 

多大な貸しを作ったまま死んだドライグは、ティアにひと睨みされただけで気後れする

 

『お、おおおお落ち着くんだティアマット!?俺も返そうと思っていたんだ!しかし、この姿ではどうすることも出来ん!』

 

「あぁ大丈夫だ、貴様の負債は赤龍帝への連帯責任という事にしてやるので生きている内に全てを返すのだな」

 

『だ、だがこの状況を解決しない限りはどうしようもないぞ!』

 

ドライグの言う通りで、この状況を切り抜けないと貸しを返すことも夢のまた夢だ

 

でも忘れてはいけない―――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この場へと向かって来る最強の龍が居ることを

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あららら。少しの間なら大丈夫だと思って任せていたけれど駄目だったかぁ・・・・・これだとトレーニング内容を一新する必要が出てくるかな?」

 

「ソウデスネ」

 

遂に美羅と黒がリアス達と合流―――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

コカビエルのフルボッコまであと少し・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 




次回はコカビーフルボッコ!

転生者も出すぞぉ!(あの屑野郎だ!)

美羅様のストレス発散要員が増えるんじゃ~(*^_^*)



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第29話 もうやめて!烏のHPはゼロよ!!

さて、投稿しようか

ん?早いって?

また数日後からは忙しくなるから頑張って書いたんだよ

長く待たせすぎると続きが気になる人も居るからね―――――――

今回はコカビー戦だよ






え?転生者はどうするか?



次回に持ち越しだよ。

登場人物(転生者の枠組みも作らないといけないからね!)




4月13日一部誤字修正完了


~美羅side~

 

ティアの登場にビックリしている者達に気付かれない様ひっそりと近付きKY赤髪の後ろへと到着した私・・・・・正直言って、気付よ!何で気付かないの!?戦闘中なんだから感知だけで無く視野での確認もしなさいよ!呆れつつ見ている私が居る事にアーシアが一番に気が付き、何度も目を擦り確認をしている。その姿は可愛くほっこりとするもので美羅が手をフリフリと返すことで美羅が本物であることに気が付いた

 

「み、美羅先輩なんですか?」

 

『えっ!?』

 

オカルトメンバー達は全員が振り返るとリアスの直ぐ後ろに美羅が居た事実に驚愕した

 

「み、美羅!?貴方何時から私の後ろに居たの!?」

 

「もしかしなくても気が付いていなかったのかリアスグレモリーよ?俺はティアマットの登場で多少驚いていたがその女が貴様の後ろへと移動していることぐらい気が付いていたぞ」

 

「もっと普通に合流は出来無かったの!?」

 

「いやぁ、KY赤髪はどのくらい無能なのかと確認を改めて―――――――――――」

 

「そんな事よりも美羅は手伝ってくれるの!?」

 

自身について色々と言われるが今は関係が無いと無視するリアス

 

「はぁ、KY赤髪を弄りたかったんだけど今の現状をどうにかしない事にはどうしようもないか。さてさて烏さん初めまして。私は白野美羅―――――――――――貴方をボッコボコにする私の名前を魂に刻み込んで生涯二度と『戦争大好き』なんて言う事の無い綺麗な者にしてあげるから覚悟は良い?」

 

「小娘が!この俺に向かって大層な事をほざきやがって・・・・・・だが知っていたのか?この町は間も無く消え去る運命なのだ」

 

少し考える美羅は周囲を確認、その原因となっている聖剣いや魔剣と呼ぼう。エクスカリバーナイトメアへと視線を向けて―――――――――――――視界の端から投擲された光の槍を悠々と回避する

脅威度の優先順位をエクスカリバーナイトメアを第一として対処法を考えて行く。その間も光の槍が沢山飛んで来てもひらひらと舞ながら避けているとその内の一つが地面に着弾、大きく爆発する事で美羅の体全てを魔力の炎が飲み込む

 

「ひらひらと回避して戦おうとする意欲すら見せぬ小娘にはこれがお似合いだ。受け取れ!!」

 

先程と同じ誘爆型の槍をいくつも形成、逃げ場が無い様に周囲を爆撃した直後真ん中へと特大級の槍を投擲し爆発、威力は小さなキノコ雲が出来る程強力な物であった。美羅以外の各々は障壁を展開する事でダメージを軽減するが、魔力の熱量により所々服が焼け焦げており一誠に関してはティアの障壁で事も無げに済んでいた

 

「ふん。所詮は小娘――――――――――闘争の何たるかを理解出来ぬ者にこの俺は倒せん」

 

もうもうと煙が立ち込む中、相手の状態も確認せず警戒を解くコカビエル。そのコカビエルを見ていたフリードもまた目の前の木場とゼノヴィアへと意識を向け

 

「―――――――――――――――良いのかなぁ確認しなくても?ま、そんな事をさせる間なんて与えないけれど」

 

美羅の声に驚いたのか、煙の中心へと目を向ける二人だが・・・・・・遅い。フリードとの距離を一瞬で零へと変えた美羅は既に攻撃動作に入っており、その繰り出されつつある右拳をエクスカリバーナイトメアの刃で受け止めようとするフリード。直後―――――――――左頬に重い一撃

 

「ナイトメアちゃんぶrっぺぶらあああああああああああああああああああああああん!!」

 

「抉り取られてしまった」そう錯覚してもおかしくない程の衝撃を受け森の方へと吹き飛ぶ。まるでゴムボールがボン、ボン、ボン、ボボンと跳ね転がる動作に加え空中側転10回転+地面に着地と同時にヘッドスピンという大道芸人も驚愕の吹っ飛び方だ

これを間近で見ていた木場とゼノヴィアはフリードに対し合掌、目の前を複雑怪奇に飛んで行く姿を見ていたリアス、姫島、塔城、アーシアは哀れみの目を向けており、コカビエルは目の前の現実に驚いていた

 

「よっと、爆発物奪取完了~。こんな禍々しい剣が聖剣なんて教会関係者達は脳みそ狂ってるんじゃないかな?」

 

手に持ちクルクルと回しながら確認をしていく美羅は心底ガッカリとしていた。何故なら元の世界に居たハンター達が使っていた武具の方がこんな不良品よりも洗練された力を内包していたからである。ぶっちゃけて言えば美羅でも怪我を負うレベルの武器が存在するからだ

 

「んー・・・・・手に持っちゃったのは良いけれどどうしようかこの剣」

 

普通に破壊すればその場でドカン!放置していてもドカン!封印してもその周辺魔力を吸収してキャパオーバーによりドカン!不純物を取り除こうとしているとその不純物がドカン!

 

 

 

 

――――――――――――――――どう対処しようにも出来無い現状だったのだ。・・・・・・まともであればの話だが

 

 

 

 

「ハハハハ!小娘は気が付いたようだな!!最早その剣は魔力を十分に吸収し終え残りは破裂を待つばかりだ。例え魔王サーゼクスがたどり着いたとして滅びの魔力を使おうともどうする事も出来ん!俺の勝ちだ!!これで戦争が始まる!!つかの間の平和なぞ滅びてしまえ!!」

 

勝利を確信し高らかに笑いを上げるコカビエルに全員が呆然とする

 

「そ、そんな・・・・・・お兄様の滅びの力でも消せない程の力を保有する剣なんて・・・・・・・」

 

「リアス!此処は放棄して冥界へ転移しましょう!!外に居るシトリー様達にも通達を!」

 

「ま、まさか・・・・そんな・・・・・僕たちは間に合わなかったと?」

 

「・・・・・・」

 

「此処まで頑張ったのにそんな事って――――――――」

 

「グ、ち、ちくしょう。――――――――――何で、何でなんだよ!何で町が消されなきゃいけないんだよ!!」

 

「「あぁ主よ―――――――――我らの不甲斐なさをお許し下さい」」

 

どうすることも出来無い事実に悔しがるリアス達――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふーん、これがねぇ・・・・・あ、ティアこれ持っておいて。こんな物持ってると烏をうっかりとぬっ殺しちゃうからね」

 

「了解したが・・・・・・何とも禍々しく反吐が出そうになる物だな」

 

現状をどうとも思っていない二名が此処には存在するのだ

 

「・・・・・・小娘聞いていなかったのか?俺を倒したところでその剣の暴発は止められないt」

 

「いやいや、元々私は貴方を倒しに来たのよ。分かる?最初に言ったよね?健忘症なの貴方?」

 

「死に急ぎたいようだな・・・・・・」

 

怒気を孕んだ目を美羅だけに向け、今までの比では無い凝縮された魔力で出来た光の矢を周囲に展開する

 

「消え失せろ小娘ぇ!!」

 

「取り敢えず反省の色が見えるまでぶっ叩くね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パァン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

乾いた音が響き渡る――――――――――

 

『え―――――――――――』

 

美羅がコカビエルの頬にビンタ一発を入れた音だった

 

「は?な?こ、小娘きs」

 

「うっさい。口答えするな」

 

 

 

 

パァン!

 

 

 

 

「ぶっふぉ!」

 

これで両頬に赤い紅葉を付けたコカビエルが誕生―――――――――――屈辱的な攻撃を二回も受け怒りに顔を赤くし、口を開こうとした瞬間

 

「口を開くなこの駄烏!」

 

 

 

 

パァン!

 

 

 

 

「ぶっ!?」

 

攻撃を受けた瞬間反撃をしようとするが

 

「誰が手を挙げても良いって?」

 

 

 

 

パパァン!

 

 

 

 

今度は連打―――――――左右同時に勘違いしてしまうかの如きビンタの前により反撃は叶わない為、光の矢にて攻撃をしようとするも

 

「今魔力を使用する必要は無いでしょ!」

 

 

 

 

パパパパパァン!

 

 

 

 

「うぼぼぼぼぼぼぉあ!」

 

溜めていた魔力は霧散―――――――攻撃する暇すら与えられず、喋る事も許されない為押し黙っていると

 

「何だんまりを決め込んでいるの!さっさと反省しなさい!!」

 

 

 

 

パパパパパァン!

 

 

 

 

「ブブブブファ!って喋れるk」

 

「口答えすんなって言ってるでしょ!」

 

 

 

 

パパパパパパパパパパパパパパパパパァン!

 

 

 

 

「アルブルルルルルルルウルルウウン!?」

 

「何言ってるか分かんないでしょ!」

 

 

 

 

メキィ!

 

 

 

 

ビンタでは無く拳が赤く腫れた頬に突き刺さる。その痛みは通常よりも比べものにならない程痛い――――――――即ち

 

「イッデブ!」

 

「あぁん?女性に対してデブですって?ふざけんな!!」

 

「いってなb」

 

 

 

 

ズガンッ!

 

 

 

 

完全に油断していたところに頭突き――――――――――――人間であろうと悪魔であろうと天使であろうと堕天使であろうと頭部は弱点である。(※頭へ頭突きは大変危険です誰も彼も真似をしないで下さい。下手をすれば陥没骨折する恐れが御座います)

視界が白く染まり、意識が遠くなって行くコカビエルに対し未だ美羅の容赦無し、無慈悲の攻撃は続く―――――――コカビエルは何故こうなってしまったのか、一体何時からこうなっているのか、何の為に戦っているのか・・・・・考えが纏まらず消えゆく意識の中、最後に見た光景は紅い瞳の女が笑っている所だった

 

 

 

 

 

~一誠side~

 

アーシアによって治療されている俺はありのままの光景を説明したいと思う・・・・・俺達が散々手こずっていたコカビエルが美羅先輩に蹂躙されている――――――――――いや違うな、美羅先輩による折檻(Mode Ragnarok ←一誠命名)って所なのかな・・・・・今までされていた折檻が赤子レベルだと断言出来る程強烈な物だ!あ、ビンタの回数がまた増えた・・・・ワースゴイナードウヤッタラアンナニビンタデキルンダロウ(シロメ あぁ今度は赤くなった頬に拳が飛んだ・・・・・ファー!やべぇ・・・・・・俺こんな折檻されたら生きて部長達に会えないだろうなー

頭突きってえぇ・・・・・・美羅先輩が更に怒った風に見えたけどコカビエルの奴が何か禁句でも言ったのか?美羅先輩に禁句かぁ、例えるならステゴロ?いや違うなそれは皆に当てはまるから・・・・・もしかして女性全体に禁句な奴なのか?って言うと体重ぐらいか・・・・・もしそうなら地雷処の騒ぎじゃ済まないだろうなぁー・・・あぁ腕がダレてる!ミラセンパイモウヤメテ!コカビエルノタイリョクハモウゼロヨ!!そしてちらりと見えるミラセンパイノエガオ。俺は出来るだけ美羅先輩を怒らせない様にしないと・・・・・

 

『ハハハ、ミラコワイ』

 

フッ、ドライグも段々と壊れてきてるぜ。俺もそうだけどな!!

 

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

完全に意識を失ったコカビエルを片手で持ちリアス達の目の前へ降り立つ私なんだけど・・・・・・皆の顔が真っ青。はて?何か怖いことでもあったのかな?

 

(主よ言われていた通りこのスマホ?とやらで先程のを撮っておいたが・・・・・何に使うつもりだ?)

 

(皆ワクワクドキドキのサプライズって所かな?)

 

ティアと念話で先程の光景を撮影させた確認を取った私は地面へコカビエルを放り落とす。だって持ち続けていると大変だもんね!

 

「忘れてはいけないこの聖剣君だけどどうしたら良いかな?」

 

『あぁ・・・・・』

 

皆して「そんなのあったなぁ」みたいな反応だ。しっかりと覚えておきなさいよ、特にKY赤髪は!

 

「で?どうするの?」

 

「正直、お手上げとしか言えないわ・・・・・」

 

あぁこの雰囲気から察するに本当にどうしようも無く打てる手が全くと言って無い感じかな。しょうが無い、私としてはもっと平穏かつのんびりと暮らしたかったけれどそろそろ裏側に突っ込んで行こう

 

「こういうのはやりたくは無いんだけど仕方が無いよね。KY赤髪、この対価は大きいから覚悟しておくように」

 

「は?え?ちょっと何をするつもり!?美羅がお兄様より強いのは知っているけれど何を!?」

 

「はいはい黙ってね~、結構面倒くさい感じになってるんだからさ」

 

手に持っているエクスカリバーナイトメアを解析し始める美羅。そうすると凄いことが沢山だった。まずこの剣だが、普通に聖剣として使える。まぁ剣ですし普通だよねぇ~、と此処までは良かったのだがこれからが酷い酷いその言葉だけだ。まず組み合わせてある他の聖剣に関して、暴走状態で一つの剣に魔力を流していて内部でパイプの役割を担っている術式にヒビが入った時点で爆発→オワタなのだ。そして二つ目、暴走状態となっているので魔力が直ぐに枯渇するのを防ぐため放出したエネルギーを再変換、吸収しているのである。例えるなら一から十のエネルギーを生み出した剣がその十の霧散したエネルギーを回収、使用できる魔力へと再変換、そして十のエネルギーが完成するのです

うわぁ・・・・・無限のエネルギーが溜まりに溜まって今の状態となっていると言うのです。そんなんだと調整が必要となってくる筈ですがそれを無視しているのがまた厄介な所。刻一刻と変化する術式と過剰分の魔力を抜かなければいけないという事・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

まぁ私からしたらあれですよ。気持ち悪い電気を外にのちょっとした応用だけ

 

 

 

 

 

と言うわけで早速スタート。術式と暴走分の魔力を私自身の魔力で覆い、残りは――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えいっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

これで完成

 

エクスカリバーナイトメアの内部で暴れていた魔力達は美羅の覆った力の前には無力――――――――――そして覆われた部分だけが消滅してゆく。理解出来無い者達は美羅がエクスカリバーナイトメアをデコピンしただけと思っていた

 

 

 

 

 

 

そして理解する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美羅(先輩)を怒らせるのは絶対に防がなければ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうしてコカビエルとの相対は終わった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その油断と足枷を待っていたぞおおおおおおお美羅アアアアアアアアアアアア!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一同が戯れるその瞬間を待っていたと言わんばかりの超速の影が美羅の顔面へと拳を伸ばし―――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愚か者と慢心男の運命が定められる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




後書き・・・・・後書き・・・・・・
特に思いつくことが無いから此処までにしよう!

かなりウトウトしながら書いたから誤字が多いかもしれない――――――――――

報告は心優しき人達に「願い!!」





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第30話 聖剣事件終結

いやったぁあああああ!遂に聖剣事件終結したぞ!!

後日談が残っているがそれはそれだ。今は触れずにソッと置いておこう


今回は一誠がフルボッコ回ですので悪しからず
(おい!転生者が好き勝手やってるじゃないか!!制裁はよ!!)はお見送りとなっているので注意してね♪

後日談を書き終えた辺りで転生者一覧作っておこう・・・・・ある意味ネタバレ含む形となるのかな?はたまた登場者だけになるか?
そこら辺りはモチベ次第!



荒ぶるキノコ臭――――――――――ついにやっちまったぜ!






~美羅side~

 

 

 

 

 

 

 

「その油断と足枷を待っていたぞおおおおおおお美羅アアアアアアアアアアアア!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一同が戯れるその瞬間を待っていたと言わんばかりの超速の影が美羅の顔面へと拳を伸ばし―――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美羅が掲げたコカビエルの障壁によって防いだ―――――――――――

 

「ぶるっフォッ!」

 

影は勢いを削がれ美羅達の後ろへと通り抜けて行く。そして美羅の攻撃によって痛々しい顔となった状態へ更に追撃をされてしまったコカビエルは「ビクンッ」と体が跳ね、それから全く動かなくなってしまった

 

「ストーカーは嫌いだけど貴方だけは違うよ」

 

超速の速さでの攻撃は粉塵を巻き上げ対象の姿を隠しているものの、次第にその影の正体がはっきりと見え始める

 

「お、お前は!?」

 

「チッ!頑丈な肉壁が合ったから防げたんじゃねぇのか?」

 

砂煙から赤い四肢が見え、全体が見える様になるとハッキリと理解した。この場に居る少数の者達はだが――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「転堂てめぇ!美羅先輩の美しい顔を狙いやがったな!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『そっち!?』と全員が一誠にツッコミを入れる

 

「仲良くコントをやってる暇があるなら、この現状をどうにかしてみろやああああ!」

 

「美羅危ない!!」

 

獣の如く姿勢を低くした転堂――――――――――――――――狙うは美羅だと全員が思っており、咄嗟に周りを囲む様に構えを取った。これは美羅が人間と思っているリアス達が完全に美羅を人間の枠組みから外していないが為のせいで、もし外していたならばこうはならなかっただろう

 

『Boost!!Boost!!Boost!!』

 

「お、同じ神器(セイクリッド・ギア)!?」

 

驚愕した一誠以外のリアスの眷属達――――――――――――

 

「貴方達邪魔だからどいて」

 

何が来るか理解した美羅だがそれ以外は何が来るか分からず

 

『ッ、相棒来るぞ!!』

 

二番目に気が付いたのは視線を浴びた一誠に宿るドライグである

 

「えっ?うわあああああああああぁぁぁぁああああぁぁぁぁ

 

転堂に襟首を掴まれ遠くへ連れ去られる一誠はあっという間にリアス達には見えなくなった

 

「い、一誠!」

 

 

飛んで行った方へ手を伸ばすリアス、同時に景色は一変――――――――――――――周囲は石造りの建物が並ぶ中世ヨーロッパの時代を漂わせる景色となった

 

「な、何?何が起きたの?」

 

「これは結界・・・・・いえ、幻術の類なのでしょうか?」

 

「ヨーロッパ系の建物が建ち並んでいますね」

 

「転移・・・・・いや、違う。もっと別の何か?」

 

「と、兎に角一誠さんを探さないと!」

 

リアス達は困惑ばかりで今の状態を把握に努めている。

 

「主よ。これは一体?」

 

「おいおいおい、どうなってんだこれ!?」

 

黒達も困惑しておりこの中で唯一冷静に考えているのは美羅只一人

 

『ガッシャガッシャ』と鳴り響く足音―――――――――――――敵は考える時間を取らせんとしているのだろう。敵意ある視線を感じ取り再び戦闘態勢を取るリアス達は現れる者達に度肝を抜かれる

 

それは統一された軍だろう・・・・・・全員が同じ鎧を装着した集団が取り囲む

 

「面妖な方法で急にこの場に現れた貴様らを拘束する!!」

 

一際頑丈に守られた鎧を着た兵士が声を荒げる。この者がこの部隊のリーダー、もしくは上部に位置する人間だと判断

 

「わ、私達は訳も分からず此処に飛ばされてきました。決して貴方達を害そうとした訳ではありませんのでどうか見逃してはもらえないでしょうか?」

 

自分達は悪くない。害は無い

 

理解して貰える様、リアスは説得を試みるもそれは悪手中の悪手である

 

「害そうとした訳では無いだと?」

 

「えぇそうです。私達には理由があr」

 

「危害を及ぼす力を持つ者がこの都の中心に姿を現し――――――――まして自分達は怪しくないので見逃せと?それは否!断じて否である!!国を守る我らは自国へと害悪を事前に摘み取る事が仕事なのだ!そもそも自らは害悪では無いと公言している時点で怪しすぎるのだ!!」

 

国を守る彼らにとって当たり前の行動、そして至極正論を突きつけられ押し黙るリアス――――――――――――平和過ぎる日本で暮らしていて感覚が麻痺しているのであろう。「自身は怪しい者では無い」と言って危害を加えられないのは・・・・・

 

「この者達を取り押さえろ!抵抗するならば殺しても構わん!!かかれぇい!!

 

「―――――――――――――ッ」

 

抵抗をすれば物量による死、何もしなければ一誠を助けに行く時間が消費されて行く

 

(どうすればいいの!どうすれば――――――――――)

 

リアスの思考は何をすれば良いのか分からない状態で一杯だ。余程の理由も無く人間を殺した場合における周囲の反応、冥界への負担、兄には迷惑をこれ以上掛けたくない―――――――――等の未来を考えていた。どれもこれもが大事へと発展する案件ばかり・・・必死に最低限度の損害で切り抜ける方法を模索していくが時間も無く地へと叩き伏せられてしまった

 

「残るは貴様ら三人だけだ!仲間の命が惜しくば今すぐ投降しろ!!」

 

美羅、黒、ティアの三人だ

 

「どうする主よ?」

 

「美羅どうしたら良いんだ?」

 

判断を仰ぐ二人はよそ見をしているが捕まらない。美羅に関しては周囲に威圧を掛けているので誰も近づいてこないのだ

 

「―――――――――――――――成る程ね、何か似てると思ったらそういう事・・・・・・なら遠慮無しでやっちゃおうかな。一応認識阻害とか隠匿系の魔術使っておこう」

 

人差し指を「ヒョイッ」と一振り。これで美羅による超高性能防壁(チート転生者でも覗けない)が展開され、真正面へと視線を向けニコニコと笑っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一回真似して言ってみたかったんだよね~♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真の英y「キノコが荒ぶる!!」は目でk「キングクリムゾン!!」―――――――――――――って黒!邪魔しないでよ!!」

 

「それは駄目だ!言ったら出なくなるぞ!!」

 

「あぁそういえば主はピックアップとやらで爆死したのだったな」

 

三人以外は何を言っているのかさっぱりと分からず首を傾げているが、その意味不明で理解出来無かった言葉の真意を知ることとなる

 

「なら分かったよ!こうすれば良いのよ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『手足は不要――――――――――――祖の龍は目で消し去る』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

閃光が走る――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

視界は白く輝き景色は元居た運動場へと変わった。其処には先程まで居た兵士達は居らず、リアス達は幻術かと思ったが自分達の節々に残る痛みは今も尚残っている

 

「・・・・・・何をしたの?」

 

「何が?」

 

「さっきの幻術みたいな物をどうやって消したの・・・・・」

 

「あ~ハイハイ、そんなのは後にしてね。私は一誠君をついでに助けに行ってくるからさ・・・・・それと!付いてこないでよ?お荷物なんだから」

 

転移によりその場から消える美羅。その場に取り残された黒達は相談する

 

「美羅と一誠が帰ってくるまでどうすっかなぁ・・・・・」

 

「なら私は先に帰らせてもらう。これから色々と大変になるのでな――――――――――」

 

自分の仕事は終わり残るはコカビエルをアザゼルに引き渡して終了なので、コカビエルの足首を持ち引きずりながらその場を離れて行く。リアス達は一誠の心配が大きく、コカビエルについては忘却の彼方へ消しさっていた

 

 

一人、アザゼル宅へと向かうティア

 

「しかし、此処まで事が大きくなってしまうとこの地は間違いなく荒れるだろうな・・・・・後で主に相談するか。――――――――――うん、そうしよう」

 

三勢力から何かと制限もしくは監視等が付いてしまうだろう・・・・・そこから巻き込まれてゆくと簡単に想像は付く。だが、決定は主にある―――――――――こののんびりとした生活を手放したくないティアは平和?への提案をする事を考え始めていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~一誠side~

 

襟首を掴まれ連れてこられた場所は異質な所だった。空は真っ赤、大地は荒野・・・それだけ―――――――――――――――周囲を見ても木や山、岩すらも無い。只一つ分かる事、それは―――――

 

 

 

逃げ場が無い

 

 

 

身を隠すことも出来ずこの場を切り抜けなければいけないのだ

 

「・・・・・ドライグ、全開の倍加を使ったらどれ位保つ?」

 

『全開の倍加ならば長くて10分だが、奴の攻撃を凌ぐ事を考慮すると保って3~4分だと思え』

 

「まじかよ・・・・」

 

戦闘において俺は素人だ。特に対人戦はコカビエル戦を合わせると5回程ともの凄く少なく、馬鹿げた力を持つ転堂と比べると天と地ぐらい差があるだろう

 

「お前は此処で殺す―――――――――――オリ主である俺の物語にお前は要らない」

 

「前から何なんだよ!オリ主とか物語とか訳分かんねぇってぇの!!」

 

『Boost!』

 

体に負担が掛かる瞬間倍加は温存、咄嗟の時に使用しなければ動けなくなる。コカビエル戦からずっと倍加を保持していたのが唯一の救いで、それなりには凌げるぐらい倍加が掛かっているはずだ

 

「教えてやっても良かったんだが――――――相方からは無駄話は止めろと言われているんでな・・・・・お前には以前美羅にやられた事をそのままお返ししてやろうと思ってな」

 

 

え―――――――――前にやられた事を俺に返されるって事か?逆恨みもいいところじゃねぇか!!って思ってる場合じゃねぇ・・・確かあの時h

 

『右へ撃て!!』

 

ドライグが発したいきなりの声が聞こえ、何も考えずに右側へドラゴンショットを放ち後ろへと飛び退く

 

「ッチ!相棒に助けられたか、直接やりたかったんだがまぁいい・・・・・これで取ったからな」

 

目前の地面が爆発――――――――、近距離からの爆発により後方へ吹き飛ばされる。音と衝撃で声は出ず、胸がズキズキと痛み何が起きたのか理解が追いつかない。土煙の先から歩いて現れる転堂は見慣れた異物を持っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

何故?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぶらんぶらんと力なく揺れるそれは―――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の右腕だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本来有るべき所に目を向けるが肩から先は無く、次第に脳が理解をする。―――――――――――腕は切られたと。そして襲い来る痛み――――――今まで体験したことの無いそれを拒絶したいが為地面に頭を打ち付けるが、余計に痛みが多くなる

 

「あ――――――――――ガアアアアアアアア!」

 

獣のように吠え、次第に言葉を取り戻して行く一誠

 

「い、いてぇ・・・・・いてぇよお・・・・・」

 

顔は涙、鼻水、唾で汚れ見るに堪えない状態となっている

 

「クッ――――――――――――クハハハハハハハハハ!アーハッハハハハハハハハ!!痛いだろ?痛いよなぁ?俺はあいつに右腕を引きちぎられたんだから切断してやった俺の温情に感謝しろよ!!ハハハハハハハ!!」

 

痛みに耐える中転堂を睨む一誠はある事に気付いたのだ

 

「な、何で・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは―――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ何でお前の腕はあるんだよ!?」

 

右腕がしっかりと存在する転堂の姿だ

 

「こいつか?こいつはな、俺の仲間が生やしてくれたんだよ。羨ましいだろ?」

 

切られた一誠の腕と転堂自身の腕を一誠へと見せ比べる

 

「さぁ、これによってお返しは終了だ」

 

転堂は一誠の腕を放り投げ右腕に宿る魔力を向けた

 

「やm」

 

制止も遅く無残にも消される右腕――――――――――――――

 

「 」

 

呆然とそれを見る一誠の顔は絶望へと切り替わった

 

「ァァァァァアアアアアア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"」

 

ニヤニヤと笑う転堂、痛みは怒りで塗りつぶし残った左腕を振るうも難なく受け止められる

 

「ッ~~~~~~~~~~~~!!」

 

「所詮お前の力はその程度と言う事だ―――――――――――その絶望を抱かせたまま嬲り殺してやるよ」

 

『Welchdragon Balance Breaker!!』

 

あの時殺されそうになった過去を思い出した一誠は思い馳せた

 

(俺はこれからあの時の続きをこれからされるのか――――――――――――――――)

 

スローモーションとなった世界で自分は動けず、相手は普通の速度で拳を繰り出し

 

頬を殴られ――――――

 

腹を殴られ――――――

 

顎を打ち抜かれ――――――

 

倒れることを許さないと言わんばりに繰り出される拳を受け続け、特大級に魔力が込められた右拳が眼前へと迫り来る。今までの人生、楽しいこと、辛い事、何気ない日々の光景が駆け巡る

 

『相棒動け!あれを貰えば何も残らず死んでしまう!!』

 

走馬燈を見る一誠にドライグの言葉は届かず、転堂の拳は―――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔力を霧散させ右頬を掠め通り過ぎて行く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一誠君諸共消えちゃいそうだったから手加減しての攻撃だと避けられちゃうか・・・まぁ仕方が無いよね」

 

いつの間にか空は黒く、大地も木々が生い茂る森へと移り変わっていた

 

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

一誠君の後を追って移動中の私ですが、此処で一つ面倒事が・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日の晩ご飯作ってなかった!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、帰ったら何も無い状態に少し気落ちしつつ探しているとヤバイヤバイ――――――――――急に一誠君が瀕死になっています。あれぇ・・・・・あのもう一人の赤龍帝は此処まで強かったっけ?以前、私の腕を切り飛ばした剣についてもおおよそながら把握してたけど・・・・・それ含めても瀕死になるの早すぎない?これはあれだね。もっとキツい訓練をしたら良いのではないかと!!!

死ぬぎりぎりの所まで追い詰めて行くサバイバルをすれば、生命力は段違いに上がると思うのさ。と、それは一旦置いておこう――――――少しすると開けた土地がある山中に異物を発見。これは黒が閉じ込められていた結界の簡易版―――――――携帯式の使い捨て術式か何かだろう・・・・・。使い捨ての術式かぁ、便利そうだね!!帰ったら色々と実験して作ってみようかな。実験台は黒と紅を生け贄にして性能評価といった感じになるかな

 

結界への入り口を早々に発見した美羅は指先から雷撃を放つ準備を始め、内部に居る転堂の頭部へと狙いを付け放つ。しかしながら直撃は叶わずすんでの所で回避されてしまった。理由は一つ―――――――――

 

「一誠君諸共消えちゃいそうだったから手加減しての攻撃だと避けられちゃうか・・・・・まぁ仕方が無いよね」

 

一誠が近くに居たからであった。何気に悪運が強い転堂・・・・・

 

そもそも美羅は運が悪い。このデメリットがこう言った場面にも影響されているのか定かではないが、完全に無いとは言い切れないのである

 

『相棒分かっているな』

 

相手方のドライグの声だ。何か転堂にアドバイスでもするのだろうかと一応油断をせず見ていると

 

「撤退かよ・・・・・全員でやれば犯れるんじゃねぇのか?」

 

『奴からの忠告は全て至極正論だ。この場は逃げる事が最善さ』

 

足下から転移の魔方陣が展開、直後に赤雷を一つ落とす美羅

 

「効かねぇよそんな攻撃。こいつが展開されたら双方の攻撃は通らねぇからよ!」

 

効かないと分かっていながらも多数の雷撃を全方位から覆い込む様攻撃をする。

―――――――――――――――――が、これも効果は無い

 

「今度は全員で攻撃してお前を犯ってやるよ!!」

 

汚物を見る目で転堂が転移し終えるまで見届け、完全に居なくなった事を確認した後一誠の元へと駆けて行く

 

「えーっと・・・・・遅くなってごめんね一誠君」

 

先程一誠が弱い云々と独り言で言っていた時と違い猫かぶりが凄まじい・・・・・

黒がこの場い居たら笑っているだろう。と言っても美羅が猫かぶりをしていること自体バレているのだが本人はバレていないと思っている。話は戻り・・・一誠は体中ボロボロ、右腕は消され意気消沈としている

 

「美羅先輩ですか・・・・・助けに来てくれて有り難う御座います――――――――――――――って言いたかったんですけど今は一人にして下さい」

 

どうしよう・・・・・一誠は両親にどう説明しようかを考えていた。リアス達には普通に説明しただけで良いだろうが、裏の世界と関係の無い一誠の両親はそうはいかない。

迷いに迷い続け答えも出ないまま時間は過ぎて行くと、美羅の念話から場所を聞いた黒がリアス達を連れやって来た

 

「一誠ッ!?――――――――――――――その腕どうしたの」

 

いち早く一誠の状態に気が付いたリアス、遅れてやって来た他の皆も一誠の現状を悲しみ涙を流した。リアス、姫島、塔城、木場、アーシアは同じ仲間として守れず己の力不足を嘆き、特にアーシアは聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)ですら治せない一誠の右腕に心を痛めた。全体が御通夜状態の中、空気を読まない黒がやっちゃった発言をしてしまう

 

「おいおい一誠お前右腕消し飛ばされちまったのかよ?もう少し力付けようぜ」

 

「黒!幾ら貴方が龍だろうと一誠を罵る事は私が許さないわよ!!」

 

複数の殺気が向けられるも特に何とも思わない黒、しかし続く言葉に状況は一変する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「治せねぇならさ、美羅が創り出せば良いんじゃねゲボアッ!?」

 

容赦の無いボディーブローに黒は悶絶、そして周りは期待の目で美羅を見つめる

 

「み、み、みみみみ美羅貴方!一誠の腕を治せるの!?元みたいに創れるの!?」

 

「お、落ち着いてリアス、一気に質問する事ではありませんわ」

 

「美羅先輩!どうか一誠君の腕を治して下さい!!」

 

「わ、私からもお願いします。一誠さんの腕を前みたいに治して下さい!」

 

「私からもお願いします、エロで駄目な先輩ですが仲間ですので」

 

「・・・・・嫌よ」

 

わらわらとお菓子に群がる子供みたいにお願いをしてくる。美羅とて一誠の現状をどうにかしてやりたいと思うのだが如何せん・・・・・持っていても無闇やたらと使えない現状である

 

「どうして!?対価が必要なら払うわ!!」

 

リアス達全員が頷き対価を払う覚悟は有り有りと分かるが、全員が冷静さを失っていると分かる

 

「神話勢力がこの力を感知したらどうなると思う?」

 

『・・・・・・・・』

 

全員が押し黙る。もしも神話勢力が美羅の力を利用しようと動き出したならば被害甚大では済まされない。もしかしたら自分達のせいで美羅が捕まってしまうかもといった考えが思い浮かぶ。美羅本人は神話勢力が敵となったとしても問題は無い―――――――――――――――――いや、問題は神話勢力全てを消し飛ばしてしまう可能性があり事後処理が身に降りかかる事間違いなく、のんびり平穏が完全に無くなってしまうのだ

ならば少しでも被害を少なくする為に行動するのが常である。何故神話勢力が敵となっても問題無いかって?運命を弄くれる存在に勝てるとお思いか?・・・・・無理だ!!ということだ

 

「美羅先輩・・・・・俺の腕は治せるけれど、周りが邪魔になるから駄目って事で間違いないですか」

 

「ん~、あながち間違いでは無いけれど・・・・・今すぐは無理というだけなのよ。ほら、一誠君のご両親にも腕を無くした経緯を話さないといけないでしょ?」

 

『え・・・・・』

 

目を点にする一同―――――――――この反応は美羅にっとって予想外だった

 

「え、何今の反応・・・・・私何か間違った事言ったかな?」

 

そして導き出される可能性が頭をよぎる

 

「一誠君の両親とは少しの間顔を合わせてないから知らないけど・・・・・裏の事を説明してないって事無いよね?」

 

冷や汗がだらだらと流れる一誠達の結果は見え透いていた

 

「さて!報告しよう!!大丈夫大丈夫私も一緒に行ってあげるから♪」

 

命運は定められた――――――――――――――この日一誠にとって最悪の出来事は両親を裏の世界へと巻き込んでしまった事だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最早誰にも止められない歯車――――――――

歪に回り出したそれは悲鳴を鳴げ回り続ける

歯車にこびり付く錆――――――――――

無理矢理に動かす心臓部――――――――――

先に壊れるは何が先となるか、それは観測者も把握出来無い

 

新たに生まれ行く可能性

そして物語の介入は混沌を成し世界を揺るがす――――――――

 

祖は動くか――――――はたまた静観するか―――――――

 

 

これから先は崩壊しゆく物語である

 

 

 

 




うーん、このやっちゃった発言・・・・・

え?祖龍は回復持ちじゃ無いでしょだって?
逆に考えるんだ、この世界へ来て何もしていなかったと何時錯覚した!!

趣味を見つけるまでの時間はそれなりに長かった・・・・・いきなり料理が得意は有り得ない。食べれるまで試行錯誤、それこそ能力応用、魔術による色々もやったのよ?幅広く便利な運用法を見つけない方が難しいってことさ

転生者よ・・・・・使い捨て術式はミラ様に目を付けられてしまった!
強者全てが力でのごり押しではないのだよ




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第31話 後日談

聖剣編の後日談ですぅ


短くなると思っていたが、気付くと6000文字越え(゚Д゚)!



イベントほっぽり出して書いた甲斐がありましたわ(シロメ


まぁゆっくりと見ていってね!


~美羅side~

 

堕天使総督に会い駄烏を倒して転生者が一誠君をボコってと今日は色々と大変な日なのだが、それを上回る程厄介かつ面倒な事があるのです・・・・・それは――――――――――

 

 

一誠君の両親に現状を包み隠さず全てゲロッちゃいなさいという事

 

 

いや、私の力で腕を治せるよ?でも絶対に違和感を持つのが目に見えてるの・・・・・治すと一定期間体調が優れなくなり良く吐いちゃうの・・・・・これだけで「何かあった?」としつこく質問されるだろう。記憶改竄?何度も重ねがけしていたら絶対に違和感を感じて全てを思い出します。その時の記憶のフィードバックは凄まじく、下手したら死んじゃう可能性が出てくるという訳。ならば今すぐ全部ゲロッて肩の荷を下ろしてしまおうと考えたのだ!

 

私って優しい♪

 

え?黒何―――――――――――――悪魔ですって?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「鉄拳制裁!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

んん"っ!

 

お馬鹿の厳しい制裁はまた後日にして今は顔を青くしている一誠君達を連行しているよ!因みに魔王も此処に居るから安心してね♪出来の悪い妹に領地を任せた魔王にも責任は確実にあるからね。しかし、一番の厄介は私だろうなぁ・・・・・ほら、腕が無くなった一誠君を治すことが出来ます!って言うとどう思う?最初は「嘘だ~」とか言われるのが当たり前でしょ?治ったら治ったで私の事を「何者?」や「化け物!」と言われてしまうだろう。はぁ、引っ越してきて最初に仲良くなったご近所さんにそう言われると思うと心が抉られるなぁ・・・・・嫌だなぁ・・・・・嫌われたくないな・・・・・・

 

今まで出会った人間は美羅の力を見ると「化け物」と言う。普通では無い異端者として狩ろうとする者が現れた事すらある。その場合は関係者全員を消し飛ばしたのだが・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――話は戻ってたどり着きました目的地、兵藤家ご自宅。夜だけどチャイムを鳴らそうか。私以外は全員後ろに下げて待機させておこう・・・・・あぁ龍なのに胃がどんどん痛くなっていく感じがする

 

 

ピンポーン

 

 

夜に鳴る呼び鈴は家に響き

 

「はい、どちら様?」

 

一誠の母の声が周囲に行き渡る

 

「隣の美羅です。夜分遅くに失礼ですが、お話大丈夫ですか?」

 

誰だこいつと内心驚いている黒にアイアンクローで締め上げる。途中「ヤメッ!いってぇ!グオオオオオオオオオオオ!」と声が大きくなる前に離した美羅、直後開かれる戸の角に頭が直撃した黒は動かなくなってしまった

 

「えっ!?だ、大丈夫!?」

 

「大丈夫ですよおばさん、家に居候する問題児なので此処に放置してても大丈夫です。体は無駄に丈夫に出来ていますから」

 

「あらそうなの?って、皆も丁度帰って来たのね。暖かい飲み物でも準備するから美羅ちゃんも上がって行って」

 

こうして家へと全員が入り終え一言注意を述べる

 

「一誠君と赤髪共は私が呼んだら入って来て、いきなりすぎるとビックリ所じゃ済まないだろうからね」

 

「僕達は一纏めで赤髪共か・・・・・でもリーアたんと同じ呼び名はとても喜ばしいよ」

 

「巫山戯る余裕が有るのなら遠慮はしなくても大丈夫と受け取るよ?」

 

「御免なさい・・・・・」

 

魔王も美羅の前では形無しだ。その後リビングでテレビを見ていたおじさんに挨拶をし終え対面に座るよう促し本題を話す事に――――――――

 

「お久しぶりです。おじさん、おばさん」

 

「いやぁ美羅ちゃんが家に上がるのが何年ぶりかな?」

 

「駒王学園に入学してからは少しお話した位だから二年と少しになるかしら」

 

「本当に年が経つのは早いな!こんなに美人にもなっているしおじさんビックリだよ!!」

 

「あはははは・・・・・」

 

とても楽しそうに話している二人に対し非常に理解しがたい現実を言い出す事に心が痛むなぁ・・・・・とはいえ早く切り出さねばいけぬ。覚悟完了、いざ逝かん――――――――――

 

「二人にとても重要なお話があります」

 

「ッ!!」

 

「えっと・・・・・美羅ちゃんよね?」

 

私の雰囲気に気付いた二人は驚いている・・・・・それはそうだろう。今まで接してきた時の体面はニコニコと笑う陽気さと時に厳しくを感じさせる雰囲気が一変、室温が下がったと思わせる冷酷な雰囲気を纏ったからだ。美羅の場合は力が強すぎるので「私は人間では無いですよー」的な心の切り替えをしただけである。もしも「私は龍ですよー」としていたら失禁は確実だろう・・・・・

 

「そうですよ・・・少しばかり気持ちの切り替えを行っただけです。此処からは早めに述べさせて頂きますので真剣に、心して聞いて下さい」

 

緊張する二人―――――――――

 

「では優先事項を一つ―――――――――――――――――――――――一誠君・・・・・いえ、兵藤一誠は不特定多数の者達から命を狙われています」

 

『それは一体どういう!?』

 

手で静止を掛け説明を続けて行く美羅

 

「今日の夜・・・・・つい先程と言いましょう。私は何者かによって瀕死に追い込まれた一誠君を助け出し、犯人の顔は分かりませんでしたが明確な殺意を持ち去り際に『次は必ず殺す』と言い残し逃げられました」

 

美羅は敢えて転生者の転堂の事を伏せて説明をした。事が警察に発展してしまうとそちらの方に被害が及ぶ可能性を考慮してだ

 

「それと警察には連絡しないで下さい。まだこれから話す事に一誠君は関わってきていますので・・・・・」

 

「まだあるのか・・・・・」と頭を抱える二人は既に一杯一杯だと目に見えて分かった。念の為これからの事については裏に精通するお話になってくるので高性能な防壁魔術を展開、あらゆる物を遮断する便利防壁は美羅にとって離せない物となっている

 

「これから一誠君達を呼びますので待ってて下さい。――――――――――――そして一誠君の言い分も聞いて上げて下さい・・・・・私からはこうとしか言えませんので」

 

玄関で待機している他の皆を呼び、二人は一誠君の現状を知るだろう。そして「我が子は私達親が守る!」とか言いそう・・・・・余計な事が言われないよう見守らないとね。はぁ大変だ・・・・・私の幸運値って低すぎない?幾らドラゴンが厄ネタ持ってくると言ってもこればっかりは多すぎるよ。前の世界でも此処まで多くは無かったよ

 

一誠達の後ろで成り行きを見守る美羅である

 

 

 

 

 

 

 

~一誠side~

 

あぁ遂にこの日がやって来てしまった。両親に俺が悪魔であるとカミングアウトすることになるなんて・・・・・これで一家全員が裏の世界に関わってしまうことになろうとは。美羅先輩に呼ばれ部長達と一緒にリビングへ入り驚かれたよ・・・俺の右腕――――――肩から先が無くなっている事に

事前に俺が命を狙われて瀕死だったと聞かされていたのである程度覚悟はしていたんだろうけれどさ、やっぱり俺の腕が無くなってしまったショックが大きかった。腕については色々聞かれ、転堂の事は伏せて起こった事全て―――――――いいや、俺が死んで悪魔になってからの全てを打ち明けた。でも俺が悪魔になっても腕が無くなっても生きている事を喜んでくれた。正直敬遠されてしまうかと思ったけれど受け入れてくれた・・・・・そして改めて部長が挨拶をして、土下座をしたのにはビックリした。自分のずさんな領地運営で被害が出てしまった事、勝手に悪魔に転生させてしまった事など色々だ。魔王様も頭を下げていたけど美羅先輩がいつの間にか用意したギザギザ板に座らせ石を乗せていた。あれって拷問のはずじゃなかったっけ・・・皆が若干が引いているなか魔王様の誠心誠意なる謝罪は終わりこれからの事へと話は進む

結果は両親共に人間として関わると言った。だが積極的にでは無く俺が深く関係する事に対してだけにだそうだ。しかし、いざ関わるとなると私生活にも問題が出てくる。他勢力から拉致、もしくは暗殺等の可能性が出て来るのだ。これは俺自身に対しての牽制――――――言うなれば「赤龍帝を動けなくする」だけの人質問題。警護を付けようにも違和感無く周囲に置く事は難しいと美羅先輩が・・・・・何でも野生本能が有る人間は直感的に「こいつ人間じゃ無い?」と疑問に感じるだそうです

 

「それだと黒や紅はどうなの?」

 

部長が最もな事を質問する。龍である二人もその対象ではないのかと―――――――――――――

 

 

 

回答はYes

 

 

 

かなり勘の鋭い人間なら気付く可能性も否めないと・・・・・だが所詮は勘、それだけで疑いを持って行動すれば普通の人も対象になるらしく、隠し事、本能を抑える、等こう言ったのも捉えてしまうと。内容まで全部分かってくる者は特異体質、例えるなら『さとり』『思考把握』を持つ者達もしくは全知全能の神ぐらいらしい。美羅先輩曰く、バレそうになったら言い訳でもして「この人不審者です」とでも言って回避しろだそうだ

話は戻り両親については美羅先輩からティアマットを側に置く事で解決出来た。この場に居ない本人が可哀想に思えるが、ご近所のお付き合いでもさせる第一歩だと・・・・・五大龍王の一角がそんな事しても問題無いのだろうかと不安だが、警護としては十分過ぎるほどの戦力なので否定意見は無い

 

そして此処で予期せぬ提案が出され了承された。それは――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美羅先輩の家と我が兵藤家の土地を一体化し、新しい一戸建てを建てることに決定したぞ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フハハハハ!俺は人生最強の勝ち組だーーーーー!!イヤッホウー!!おっとっと、ついついはしゃいでしまった。反省反省・・・・・両親も喜んでいるし良いことづくめで、特に母さんが一番嬉しそう。何でも美羅先輩は家事スキルMAXだとか・・・・・やべぇ、美羅先輩って完璧超人じゃないか!黒は美羅先輩が女王様みたいと言っていたが、折檻のあれより酷い事は無い筈だ。(※一誠は美羅の私生活をほぼ知りません)うっかり覗いちゃったの可能性だって無きにしも非ず。グヘヘヘ・・・・・美羅先輩の裸を見れるぞお。wkwk!学園の男子共!男達長年の夢は俺が一番に叶えてやるぜ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

チッあのシスコン赤髪め、先程の仕返しのつもりか「家を合体させたら護衛もやりやすくなるよ」と提案してきやがってあのシスコン赤髪は仕返しのつもりでしょうか?「家を合体させたら護衛もやりやすくなるよ」何て提案してきて―――――――おばさんがとても嬉しそうにしているから断るに断れないし・・・・・これからずっとネチネチと嫌がらせしてやろう。フフフフフ、私を怒らせたらどうなるか思い知らせてア・ゲ・ル。

誰にも気付かれ無いよう転移を発動

 

目標物把握―――――――

対象の記憶視野閲覧―――――――

転移先指定完了―――――――

 

転移完了―――――――

 

これで準備完了。魔王が帰宅した時が楽しみだね♪

 

一人でニヤニヤしているであろう魔王の軽い報復完了をした美羅は提案に対しOKを出し最後の仕事を行う為切り出す

 

「では一誠君に―――――――――腕を治すに辺っての対価を要求しましょう」

 

あの場に居た者達以外は唖然としている。まぁ、説明も何もしていないからね・・・・・

 

「―――――――――済まない。もう一度言って貰えn『一誠の腕が治る!?』

 

とても良い反応有り難う、そしてシスコン赤髪ザマァ。あぁこれが愉悦――――――――――とても愉快愉快♪ニコニコしながら切り出して行く美羅はある意味死に神の様な顔ををしている

 

「えぇ治りますよ。対価を支払えばですけれど・・・・・」

 

「な、何が必要なんだ!薬に使う材料なのか!?それともお金なのか!?」

 

「美羅ちゃんどうすれば良いの!?私達の腕とかが必要なの!?」

 

「ちょ母さん!?」

 

突拍子も無いことを言い出す母親に驚く一誠。しかし必要な対価が決定していたのだ―――――――あの提案によって

 

「大丈夫ですよ。血肉を寄越せー!とかじゃ無いですから。対価は一誠君自身」

 

「お、俺ぇ!?」

 

一体どうするつもりだろうと考える一誠だが、全く思いつかないのか考え込んでいる

 

「大丈夫ですよ。何も童貞寄越せ等の卑猥な物でも何でもありません!」

 

「グフゥア!!」

 

「「い、一誠(さん)!!」」

 

一誠の心にカイシンノイチゲキが決まった。一誠は真っ白に燃え尽きた――――――――――

 

「対価として要求するのは行動

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とても簡単、そしてシンプル。誰でも守れる事―――――――――――――家の中で私にセクシャルハラスメント行為をしなければ良いだけです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして一誠の望みは摘み取られる処かそれ以上の物の制限が対価として提示された

 

「あら、それなら大丈夫ね!」

 

「これから美羅ちゃんは家で一緒に暮らす家族だからな!問題無い無い!!」

 

真っ白に燃え尽きた一誠を余所にポンポンと話は進められ――――――――――――契約は完了した

 

「腕が治っても馴染むまでは激しい運動は厳禁、負担になる行為諸々も厳禁と言う事を念に置いて下さい―――――――――間違っても!誰かと一緒に寝て腕が千切れましたーなんて事になったら・・・・・男の象徴を抉り取るからそのつもりでね?」

 

「「「えぇ!?」」」

 

「そして追加として―――――――――――その対象は兵藤一誠とサーゼクス・ルシファーの二名を対象とさせて頂きます。異論は認めません」

 

「え?」

 

これについては予想外、無関係と思っていた自身の象徴すら贄の対象とされた契約の内容に反応が遅れる。一誠の右肩に置かれた美羅の手は暖かな魔力を纏い光を強めていく

 

「それじゃあ熱くなるけど我慢してね?」

 

「は、はい!」

 

「ちょちょちょ!?ちょっとm「お兄様黙って!」「待ちませーん」」

 

リアスの叱咤と美羅の呑気な返事にかき消される静止の声――――――――

 

「っ!アッツ!あっつい!―――――――――ア"ア"ア"ア"ア"ア"~~~~~~~~~~~~~~~ッ!!」

 

途中から熱の激痛により声を荒げる一誠。しかし、声は荒げても途中で歯を食いしばり耐える一誠は体は殆ど動かしていないので凄いの一言に尽きる・・・・・熱棒を接続されたと錯覚してしまう痛みを伴うこの治療は黒や紅でさえも自然治癒に任せる程の荒い物なのだ

 

およそ五分―――――――――美羅による荒治療は終わり解散となった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさか彼女の力は再生にまで及ぶとは・・・・・どうにかしてこちら側へ引き込めないだろうか」

 

ふぅ、と一息入れる魔王。その腹は黒く、美羅を冥界側への味方として付けようと画策するもうまくいかず悩む

 

「やはり、制約等を取り決めないといけないかな。あれだけの力は絶対に狙われてしまうからね――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それだけは阻止しないと・・・・・」

 

執務室へと扉を開き

 

「そうですか、余程これが大切なのですねサーゼクス?」

 

目の前にはグレイフィアが―――――――そして誰が見ても怒っていると分かる程魔力を拳に集中させていた

 

「えっと、グレイフィア・・・・・何故魔力を拳に集中させているんだい?僕には何が原因か分からないのだが」

 

「――――――――――そうですか。証拠が机の上にあるにも関わらずその様に仰ると」

 

机の上に目をやると隠してある筈のエロ本が存在していた

 

「待って!誤解だ!!」

 

「目が泳ぎ汗を掻いている状態で誤解とは些かおかしいですねサーゼクス」ハイライトオフ

 

「・・・・・・・・・・その前に一つ聞きたいのだけれど良いかな?」

 

「大丈夫ですよ」

 

「その魔力変換は誰に教わったんだい・・・・・僕よりも効率が良いんじゃないかな?」

 

誰かに操られているかどうか――――――――それだけが心配だったせーゼクスだが、その元凶は至極真っ当な人物だ

 

「これは美羅様に教えて頂いたのですよ。しかもつい先程」

 

「   」

 

龍の恨み―――――――美羅の恨みは根深く、質の悪い物へと変わり自分へ帰って来たのだ

 

「罠だ!これは罠だ!!あの娘が私に対して張り巡らせた罠だ!!」

 

「貴方は誰かに恨まれる事自体よくあるでしょう?国の危機に繋がる事が無い分美羅様は未だマシです。さぁ教えて頂いた折檻を貴方にしてあげましょう。何でも問題児がしっかりと言う事を聞いてくれる様になったとか」

 

「うわああああああああああああ!!」

 

引きずられて行くサーゼクス。しばらく彼はグレイフィアの言う事に逆らえなくのだった・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フフフ、これで終わりなんて思っていたら大間違いだから覚悟しておくようにね――――――――」

 

この呟きは誰にも聞こえない

 

 

 

 

 

 




次はいよいよ会談編。

そして遂にD×Dの新作始まりましたね。

毎週を楽しみに見て活力上げ上げで頑張るぞい!!


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第32話 美羅の直感発動!おっぱいの亡者恐るべし!!

今回は日常だ!

流石おっぱいドラゴンと言わざる得ない話となってしまった・・・・・







~美羅side~

 

 

 

 

 

 

 

数刻前―――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

学園を騒がせる変態四人組の覗きが切っ掛けであった

 

「まてええええぇぇぇぇ!覗き魔共ー!!」

 

「変態四人組!貴方達は絶対に許さないわよ!!―――――――――――――でも、黒様は後でデートしてくれるなら許してあげてもいいかも」

 

「「「おい!イケメン差別するんじゃねぇよ!!」」」

 

ほぼ毎日の出来事で日常の光景となっているが、それを処理、対応をする側にしては堪ったものじゃ無い。その四人組の内二人は一緒に住んでいるお馬鹿達・・・・・一誠君と黒の二人だ―――――――黒はどうしてあんな性格なのか、それとも元からなのだろうか・・・兎に角私にしわ寄せが来ている事に変わりは無い。美羅は頭を抱えている

この問題児共はどうしたら落ち着くのかと。考えに考えた挙げ句出た結論とは関わらないが一番という逃げ場の無い答えだ。覗きの被害者達→美羅に相談もしくは説教を求める→断り切れず引き受ける

悪循環―――――――最早逃げ場の無い負の渦の中心に居るのだ。どんな者であれ逃げ場の無い嫌がらせを受け続けると本当の意味でぶち切れて後悔することをしてしまうだろう・・・・・そんな中状況に変化があったのか二手に分かれて逃亡していた――――――――――片方は一誠と黒、もう片方は松田と元浜のコンビ。しかも、最悪な事に一誠と黒の二人は美羅の方へと近づいてきており、更に頭が痛くなる美羅―――――――龍を頭痛で倒すのは人間でも彼だけだだろう?無駄に考え込んでいるともう目の前に迫ってきている

 

「うお!?み、美羅先輩だと!!」

 

「止まるな一誠!止まったらその時点で俺達は死あるのみだ!!」

 

「全く―――――――――――今回からは黒と一緒の折檻にするしかないね・・・・・」

 

恐怖に染まる一誠は若干勢いが落ち二人の距離が前後する。この瞬間前に出ている黒に八卦を打ち込み体育館の方へと吹き飛ばし、残りの一誠に対しては右腕を捻り上げ地面へと押しつけ拘束―――――――――これで事件は解決した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰もがそう思ったその時―――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビリビリビリィ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学生服が破れる音――――――――――――――

 

そして自身の惨状に呆然とする美羅―――――――――――

 

「                            え?」

 

あまりにも予想外、自身が身につけていた服や下着・・・・・全ての衣服が散っていた事。それに気付くのはあまりにも遅く、場所は運動場のど真ん中。後は誰にでも予想出来るだろう?学園の三大美女の一人が取り押さえる瞬間を見る為殆どの学生が見ている中で裸体を晒してしまったのだ・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ブッフゥ!』

 

『イヤアアアアアアアアアアアアアミラオネエサマアアアアアアアアアア!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして今に至る――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男子達は鼻血、女子達は悲鳴

 

 

 

阿鼻叫喚の一コマが此処に完成したのである

 

「「「ウッヒョオオオオ!美羅先輩の裸キタァーーーーーーーーーー!」」」

 

一部の男子は違う反応だが言うまでも無いだろう。そんな中、黒は疑問に思っていたのだ・・・・・何時になっても美羅の攻撃が来ないことに――――――――――――――恐る恐る声を掛けてみる黒

 

「お、おーい美羅大丈夫か?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウフフフフ、アハハハハハハハ~ワタシノセイシュンジダイハオワッタンダ。

 

エ?ナニガアッタカッテ?

 

 

スベテニツカレハテタ

 

 

タダタダソレダケダヨ。ゲンインハガッコウデノデキゴト・・・イツモナラヨユウデタイショデキタケドワルイコトガカサナッテカサナッテヒキオコサレテシマッタアクム――――――――――――――モウダメダァオシマイダァ・・・・・モウオソトニデレナイ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「            」バタンッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

倒れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう一度言おう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美羅は倒れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

予想以上の出来事と日々の疲れに極め付けは頭痛

 

 

 

処理落ち―――――――――――――気絶してしまった

 

 

 

美羅=完璧超人と認識されていたのか、目の前の事態に全員が言葉を失う。しかし、数秒後更なる悲鳴が学園全体に響く事となり事態は悪化。更なる悲劇が産声をあげた出来事だったのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美羅が目を覚ますとそこは青空ではなく白い天井―――――――――――周りは見慣れた壁

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目覚めるとその場所は美羅自身の部屋

 

「ここは・・・・・私の部屋?」

 

外から部屋に日が差し込んでいる。恐らくは朝になったのであろう―――――――――――枕元に置いてあるスマホで時間を確認して驚愕

 

「時間が巻き戻ってる?」

 

日時は問題となった時と同じ日で、一旦冷静になり原因を幾つか予想し可能性が高いであろう事案を絞り込む

 

「いやいやいや、逆行をした時の力の減りじゃないからこれは無いとして―――――――――他者からの干渉も有り得ないし・・・・・予知夢?にしてはかなり現実味帯びていた夢だったな・・・・・ハァ」

 

とてもリアルな夢を体験した事に嫌な予感が尽きず、冷や汗により寝間着が体にべったりと張り付いており何とも言えない不快感を感じている美羅である。しかし、あれが予知夢だとするならば現実に起こりえる可能性が大なので更に頭を抱え込む事態に・・・・・・

 

「全く―――――――――――次から次へと面倒事ばっかり!事前に対策をしていれば何とかなるか・・・・・な?」

 

必要時以外は例外として普通の日常では皆勤賞の美羅――――――――――予知夢だからといって皆勤賞を逃す事はしたくないので打ち破る事にした。要は一誠と必要以上に接触しなければ良い・・・・・それを心に留め学校へ向かう

 

 

 

 

~一誠side~

 

てぇへんだ!てぇへんだ!!何故か美羅先輩に避けられてる・・・・・あれか?先日の俺のハーレム生活についてなのか!?(※家でのセクシャルハラスメント行為厳禁←ここ要注意)うぅむ・・・・・美羅先輩はハーレム否定派なのか?

 

「一体何故だ・・・・・何故俺は美羅先輩に避けられているんだあああああああああああああ!!」

 

『相棒が弱いからじゃ無いのか?』

 

「うぉおおおおおおおおん!美羅先輩より強くなるって魔王様より強くなれって事じゃねぇか!!」

 

うねる一誠―――――――――美羅を対象に入れた場合のハーレム王・・・・・道のりは険しい処では無い。もしも一誠が超凄腕天災級ハンターならば一回ぐらいは倒せるだろう「戦いに慣れるまで死ななければ」の話だが・・・・・

 

「おうおうどうした一誠?」

 

「何かエロの悩み事か~?」

 

机に突っ伏して頭を抱えていると松田と元浜が声を掛けてきた。これで元祖変態三人組の完成だな!

 

「こればっかりは相談してどうにか出来るか分かんねぇからな・・・・・」

 

「何ィ!!」

 

「狙っている女子が居るなら俺が説明してやるぞ!!」

 

「いや・・・だってなぁ・・・・・」

 

グイグイ来る二人に言っても意味は無いだろう・・・何せ学園一のお姉様として君臨している美羅先輩だからなぁ

 

「おはよう三人共、そして二人は落ち着きな。俺が思うに美羅辺りだと思うんだが――――――――どうだ?」

 

「「無理だ。諦めろ一誠」」

 

「黒か・・・おはようさん」

 

「おっす黒おはよう!」

 

「おはよう同士」

 

松田だけは何故か名前では無く「同士」と呼んでいる。理由は不明―――――――――

 

「それよりも朝の見たぞお、美羅に挨拶しようと近づく一誠が避けられている所を」

 

「「一誠に黙祷。何がどうであれ関わると会員共に何されるか分かったもんじゃ無いからな」」

 

「黒~、助けてくれよぉ」

 

「・・・・・松田ーこの写真見てくれよ。命名『牛乳が滴るメイドさん』だ」

 

黒はスルーして松田と元浜の元へ移動―――――――一誠に救いは無い。それからは何時もの日常、放課後にて女子達の着替えを覗くというものだ。後は察しの通り・・・・・見つかり逃げているのである

 

「まてええええぇぇぇぇ!覗き魔共ー!!」

 

「変態四人組!貴方達は絶対に許さないわよ!!―――――――――――――でも、黒様は後でデートしてくれるなら許してあげてもいいかも」

 

「「「おい!イケメン差別するんじゃねぇよ!!」」」

 

この世界は理不尽だ!イケメンの黒だけは捕まってもボコられないとか羨ましすぎるだろ!!・・・・・ってか黒の場合は普通に頼めば良いんじゃ無いかと思う。え?覗くという背徳感が堪らないから止められないって、よく分かっているじゃないか!!覗きは神聖なる行いだ!普段女子達が隠しているおっぱいが無防備にさらけ出されているのだ!!それを目の前にして覗かない野郎はどうかしている!!そんな感じで四人はしばらく逃げていると追っ手の数は多くなり別れて逃げる事にした

散り散りに逃げた一誠達、しかしながら松田と元浜の二人は捕まりお縄に付いた。残るは一誠と黒、追いかけ続ける女子達はどれだけの体力が秘められているのだろうか・・・・・それはさておき、一誠も遂に姿を捉えられてしまい逃げており途中で黒と合流―――――――いっしょに逃亡という形となっていたが、曲がり角を曲がった先に歩いている生徒・・・白野美羅が其処に居た

 

「うお!?み、美羅先輩だと!!」

 

「止まるな一誠!止まったらその時点で俺達は死あるのみだ!!」

 

最早絶体絶命

 

「全く―――――――――――今回からは黒と一緒の折檻にするしかないね・・・・・」

 

右手で頭を抑えている美羅にこれまでとは比較にならない視線を向けられた一誠、一瞬走馬燈の様に駆け巡る景色におっぱい達に不満は無かった。だがこの景色の中には美羅のおっぱいは含まれていないのだ

 

あぁ――――――――――美羅先輩の美しいであろうおっぱいを見たかった・・・・・

 

思い(おっぱい)に後悔をして行く中ハッキリとした思いが湧き出てくる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いやだ!いやだ!いやだ!美羅先輩のおっぱいをこの手で揉むまで俺は死ぬ訳にはいかない!!生きて――――――――生きてあの桃源郷に顔を埋めるんだ!!

 

 

 

 

熱くなる両腕―――――――――

 

 

 

 

目の前には今にも吹き飛ばされそうな黒が目に映る

 

 

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

「全く―――――――――――今回からは黒と一緒の折檻にするしかないね・・・・・」

 

黒を吹き飛ばさんと八卦を腹部へと打ち込む。そして思い出す光景・・・・・いや悪夢と言って差し支えは無いだろう。それが現実となってしまった場合の悲劇と損害は計り知れない。コマ送りの世界で美羅はねじ曲げるのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

悪夢と呼べる運命そのものを――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あんな事態を引き起こして堪るもんか!!何?何なのあの夢は!?事前にお知らせして今さっき思い出したから良かったものを!!あ、運命操作なんて力は使わないよ←ここ重要!

そもそもの問題として、身体能力だけで対処できるから問題無い問題無い。どうするかって?決まってるでしょ~。私がひん剥かれる事は断じて無いし期待するだけ無駄!!代わりに良い者を供物として捧げてあげよう――――――――――え?此処に居るでしょ!

 

吹き飛ばされる筈の黒をその場に残し一誠を殴る美羅、そして一誠の手が服に触れる間に黒を割り込ませる。後はご想像通りの展開―――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビリビリビリィ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学生服が破れる音――――――――――――――

 

対象である黒とその姿を至近距離で捉えた一誠達は

 

「「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」」

 

悲鳴をあげる。

 

『ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!』

 

『キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!』

 

『キマシタワ―!!』

 

『ウッホイイキンニク!』

 

男子は悲鳴、女子も悲鳴――――――――――いや、歓喜の声だろう。一部は目を逸らしたくなる反応があったが―――――――無視しておこう・・・・・

 

 

 

 

 

 

この日から一週間、黒は引き籠もってしまったのは言うまでも無いだろう・・・・・家では紅がスマホで映像を撮影していたのかそれがティアにも見られ良く弄られる事となった

 

 

 

 

こうしてささやかな日常を過ごす一同であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一誠のあの技は洋服崩壊(ドレス・ブレイク)と命名され対象が男女関係無く出来る様に・・・・・言うまでも無く、美羅の一誠へのガードは強力な物へと変わり一誠の夢は遠ざかる一方となる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ん?女性が対象だって?
そんな事は大丈夫大丈夫!原作破壊ですぅ!!

ミラ「ちょっと危ないなぁ?でも黒が身代わりになったから問題無いか!」

黒「俺の裸とか誰に需要があるんだよ!?」

布団「え~?腐女子とかにはいいんじゃね?」



ティア「ふむ・・・・・赤龍帝×黒か―――――――――サブカルチャーのBLとはこの事か?」

紅「ティア、それ以上足を突っ込むな・・・・・帰れなくなるぞ。その先は魔境だ・・・・・」


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第4章 -停止教室のヴァンパイア-
第33話 報酬は手足という行動の自由


取り敢えず投稿だよ・・・・・

畑、畑、畑、一体何時までやれば気が済むんだよおおおおお!!こうして布団の日常は畑仕事に奪われ追いやられる日々、迎える次のステージは


田んぼ→田植えだ


「や、やめてくれぇ。部屋に籠って色々書きたいんだぁ・・・・・」

「ならば貴様は飯抜きだ!!」

「ヤリマスノデメシヌキハカンベンシテクダサイ」













ミラ「・・・・・・・うわぁ、あれは大変だ」

黒「作者は生きているのか?」

紅「投稿したから生きているんじゃ無いのか?」

布団「俺は生きる!生きて小説を書き続ける!!」













P.S. 今回も日常パート――――――――――――短めなのであしからz



~美羅side~

 

さて、遂にやってきました!そして待ちわびた人も居るのかな?私の目の前に汚物がゆっくりと歩いて来てるよ♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ストレス発散させて貰いましょうか―――――――――――――そして未だ見ぬ自称神様、次は君の番だから楽しみに待っててね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は遡る事一週間前

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とうとう私の(オアシス)が消え去ってしまいました・・・・・まぁ消え去ったと言うより一誠君の家と合体しただけなのだ。これでは楽な格好(だらしない格好)が出来無いでは無いか!おのれシスコン赤髪め・・・・・嫌がらせの内容を濃くしてやろうかしら

 

「美羅ちゃん~。今日の晩ご飯お手伝いお願いしても良いかしら?」

 

「大丈夫ですよー」

 

家が改築した事により兵藤宅に住んでいる人達と一緒に食べる流れとなった・・・・・当然一人だと作る負担が増えてしまうのでお手伝いで一緒に作っているのだ。ティアと私のどちらかが手伝う形となっており負担は軽いものの毎晩作っているおばさんに比べると軽い軽い♪

だがしかし!KY赤髪とアーシアちゃんも手伝いなよ。え?私が作った方が美味しいから任せるって?KY赤髪め後で後悔させてやろうフフフフフ、アーシアちゃんは邪魔になりそうだからとの事だ。「世の男共は料理できる女性の方が好感度が高いというのに」と本音が漏れ、手伝いを積極的にし始める二人だった。何て現金なやつらだ・・・・・

この様に台所事情は何とかなり黒、紅、ティアの食事量についても解決した。初日はリミッターの外れた三人におじさんおばさん達が驚いていた・・・・・本当にごめんなさいとしか言い様が無かった。なので三人には説教と宣告しておいたのだ――――――――――「食料は自分で獲って来い!!」と、直で私の説教を見て顔を青くしているおじさんとニコニコと笑っているおばさん。一体どうしたのだろう・・・私何か気分を害する事でもしたのかな?気になる人も居ると思うので宣言しよう――――――――――お風呂は男女別々で入っているよ!当然だよね!!初日は黒が覗きをしようとしていたが目つぶしを、紅は興味が無いとの事でぶん殴り、一誠君は縄でみの虫状態にして気絶させておいた。約束とはいえ口約束、お仕置きを顧みず覗く可能性がある為の処置なのだ!

 

合体した二つの家の日常はこんな感じである

 

しかし最悪な事件が発生――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

数日前にシスコン赤髪がやって来た

 

 

 

 

 

 

 

 

理由はKY赤髪の授業参観+三勢力の会議だそうな・・・・・後の事については駄烏に色々聞いておこうか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブルルッ!

 

「一体どうしたアザゼル?」

 

「いや・・・・・急に悪寒がしてなぁ」

 

『美羅が噂をしたのではないか?』

 

「あの嬢ちゃんか――――――――――――良い関係が築けたら最高なんだがなぁ」

 

誰にも聞こえない独り言を漏らすアザゼル。フラグを建設、そして過去最大の問題となり彼の胃を直接攻撃するまであと少し・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本日は授業参観です

 

 

 

 

下級生の教室からざわつきが聞こえてきていますがそれは置いておきましょう。ちなみに私達の授業内容は調理実習と女子力を求められるのですが、どういう事なのか・・・・・クラス全員が私が創る工程を見ている。何でも私の創る料理は飛び抜けているらしいのだが、「創る」は拡大解釈じゃないのかなと思うよ・・・・・うん

 

実際の所美羅の作る料理(クッキー)は基本的な手順のみで、これと言った付け足しは全くしていない。だが、考えて欲しい全ての工程を最高ランクまで引き上げるその性能を・・・・・会心の出来で一般人が+4、プロの料理人が+9と仮定しよう・・・・・・だが美羅のそれは通常で+10となるのだ―――――――――――――まぁ誰も勝てる訳が無い。それどころか食べたいと思う者達で溢れかえるだろう。まぁ・・・・・今現在周囲で見ている人達はハイエナという事

 

これは酷い・・・・・最早授業ではなく、唯の戦争(甘味を求める争い)

 

故に美羅は大量に作る作る作る作るつくるつくるつくるつくるつくるつくるつk――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

『しばらくお待ち下さい』

 

 

「こうしてハイエナ達は食べ過ぎにより豚となって行くのでした。チャンチャン♪」

 

『シュッカヨー>(´・ω・`)| ̄(´・ω・`)| ̄(´・ω・`)| ̄<ブヒィブヒィブヒィ』←男子

 

『カロリー、脂肪、ダイエット・・・・・お姉様の作るお菓子から悪魔の囁きが聞こえる』←女子

 

「まぁ私は食べても太らない体質だからニヤニヤだけどね♪」

 

『・・・・・お姉様だから仕方が無いね。私達の常識通用しないもん』

 

こうして美羅はチャイム前に授業終了。ある場所へと向かうのだった―――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~一誠side~

 

今日は英語の授業参観なのだがおかしい・・・・・粘土を形作る英会話って何なんだよ!?黒や紅に至っては「「英会話にはこういった表現力が求められるのか!!」」と、真に受けてしまっている。俺がおかしいのか!?っていけねぇいけねぇ、一応は授業だからしっかりとやらないとな。とは言ったものの一体何を創れば良いんだ?

 

一誠が悩む中周りは着々と形作っており教室内は静かだった。

 

「おっしゃ!完成だ!!」

 

一番最初に完成したのは黒で、皆が出来映えを見ようと視線を向けると美羅(学生服ver.)が形作られていたのだ

 

「うぇえ!?黒!それって美羅先輩か!?」

 

「勿論だとも!一番目にしているから特徴を出来るだけ表現した。どうだ一誠、これ以上の物がお前に創れるか?」

 

くっそぉ!黒の奴何気に挑発しやがって!!俺だって創って・・・創って・・・・・駄目だ俺にはあれを越える美羅先輩を創る事が出来ない・・・・・一体どうすれば良いんだ。黒に負けじと創ろうとするが一誠には美羅を創る事が出来ない

まぁ共にいた時間が物を言うのでまず無理なのだ。考える一誠はふと思う―――――――――――そういや美羅先輩の存在が大きいけど部長も三大美女の一人だもんなぁ~。あぁ部長の柔らかな肌にマシュマロの様に指が沈み行くおっぱい・・・・・おっぱい・・・・・おっぱい・・・・・おっぱい・・・・・おっぱい・・・・・

 

煩悩満載の思考はおっぱいをメインに裸体を思い描いて行く―――――――

 

「い、一誠君君・・・それは・・・」

 

「えっ?」

 

煩悩空間に暫く居たため現状に着いていけなかったが、手元に形作られたそれに対してだと気付く

 

「ちょっと、あれってもしかしてリアスお姉様?」

 

「おいおい裸体で、しかも細部まで表現てマジかよ・・・・・負けた。これではあれに勝てぬ」

 

黒はどうやら自ら敗北を認めているってまじか!?俺はなんて物を創っちまったんだ!!

 

机の上には黒の創った美羅(学生服ver.)より精巧な出来の裸体リアス(※粘土細工)が鎮座しており、周囲はその出来映えに感嘆とし、誰が切っ掛けかは不明だが本人無視のオークション紛いな事まで開始されており一誠は逃げるに逃げれない状態となっていた

 

 

 

誰か何とかしてくれ

 

 

 

一誠の心境はこの事態をどうにかして欲しいの一言。だがいつも通りそれをどうにかする人物が登場――――――――

 

「なにこれ・・・・・」

 

学生達の支配者の美羅が教室の扉を開けての感想だ

 

 

 

 

~美羅side~

 

えー黒と紅の様子を見ようと教室へ足を運ぶと何やら怪しい競売が行われている模様で、原因を作り出した人物が一誠君だという・・・・・トラブルメーカーだね君は。授業内容は工芸?えぇ・・・・・そんな授業なんて無かったはずだけどと思いつつ周囲の出来映えを見ていると見過ごせない物を発見

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何故私を模した粘土細工があるの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気になって仕方が無い事なので一体誰がどういった目的で創ったのか紅に聞いてみることに

 

『ねぇ紅、私を模した粘土細工があるのだけれど一体誰が創ったのかな?』

 

『犯人は黒――――――――――以上』

 

『紅てめぇふざけn』

 

ガツンツ

 

拳骨を一発だけ入れおじさんとおばさんに先程作ったクッキーを渡す

 

「先程授業で作った出来たてのクッキーです」

 

「ほんと美羅ちゃんは出来た子ねぇ~良いお嫁さんに絶対なれるわ!」

 

「美羅ちゃん、どうかこの馬鹿息子と結婚してはくれないだろうか・・・・・おじさんは馬鹿息子の将来が心配で心配で堪らないんだよ」

 

「あはははは・・・・・遠慮させて頂きます」

 

そもそも私は龍で〇〇〇〇する事は出来るが子供が出来るかどうかは不明。と言うよりも出来無いのでは無いだろうか・・・・・人体構造からして全く違うからね。一誠君は――――――――クラスの皆から嫉妬の対象となりボロ雑巾状態となった

 

こうして波乱?の授業参観は終わりを告げシスコン赤髪達悪魔と一誠君達と黒と紅は自宅へと帰っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして現在私は駄烏の家に居ますよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦犯行為(部下による未遂)を防ぐ対価として命r・・・・・・コホン、快く私の言う事色々聞いてくれて嬉しいな♪

 

そう―――――――――――堕天使陣営その物が美羅によって支配されている状態となっており、総督だったアザゼルは胃に多大なダメージを与えられているのだ。まぁ支配とは言ったものの裏からの支配―――――――――影の支配者と言う事になるのだ。美羅に多大な貸しを作った堕天使の未来は最早一つだけ・・・・・・・美羅の下僕と成り果てるだけだ

 

「私に目を付けられてしまった事が運の尽きだよ」

 

「俺達堕天使はとんでもない奴に目を付けられてしまったって事かよ・・・・・チクショウ」

 

現在orzと化しているアザゼルを少し空いた扉から様子見をしているヴァーリとアルビオンそしてシェムハザは哀れみの目を向けていた

 

『アザゼルお前は運が悪かっただけだ・・・・・』

 

「日々の職務怠慢がこの様な形となって帰ってくるとは・・・・・」

 

「堕天使・・・・・下僕・・・・・仕事・・・・・ブラック・・・・・い、胃が」バタンッ

 

『し、しっかりしろシェムハザ!シェムハザーーーーー!!』

 

シェムハザはこれからもたらされるであろう命令という災害を想像し胃にダメージを受け倒れてしまった

 

「やっぱり下僕は数が多いと楽だね~。黒と紅だけだと出来無いこと多いし。あ、そうだ!二人に仕事を覚えさせて使い魔を契約させたら手が増えるじゃない!フフフフ良い発見が出来て私は今気分が良いよぉ!!」

 

 

 

 

 

 

 

「ッ!殺気!?」

 

「いやいや違う違う・・・・・多分美羅が何かしら閃いたんだろ―――――――――――俺達に悪い意味で」

 

「成る程、俺はアーシアと一誠に体術を教えるから一抜けだな」

 

「はぁ!?」

 

「話は聞かせて貰った。私は家事の手伝いをするので黒に任せた」

 

「はぁあああああ!?」

 

美羅の使い魔+下僕である三人の内二人はこれでどうにかなると思っていたが浅はかなり。帰って来た美羅から告げられた言葉

 

「黒と紅の二人だけどそれぞれ使い魔持ってね?新しい仕事を一緒に覚えさせるから。ティアは取り敢えず保留って事でよろしくー」

 

「「  」」

 

「了解した主よ」

 

 

 




この時期は何時も何時も何時も私の自由を奪う!!奪って逝くぅぅぅ!!

酷い物だ・・・・・不老不死が確立されてあるならそれが欲しいよ。ほら?食べなくても生きていけるじゃん?




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第34話 ヴァンパイアと忍び寄る気配

大変遅くなって申し訳ない
リアルが忙しくなり落ち着いたところで持病が出る。薬の変化で体がだるい、辛いの追い打ち。きびしいいいいい!!


今回は遂にあの男の娘が登場します

戦闘まで後2話程話を挟む予定なのでそれまでは他陣営が画策中

取り敢えずゆっくり見ていってね



~一誠side~

 

皆聞いてくれ俺の目の前には理想という名の絶望があるんだ・・・・・それはつい先程部長に案内された旧校舎の一室についてだった。何でも力が強すぎるため封印されたビショップで今日はその眷属の封印を解くとの事らしい。だが一つだけ言わせてくれ、KEEPOUTのテープを扉の前に貼り付けているだけっていうのは封印じゃなくて引き籠もりなんじゃないかって思うんだ。中に入ってみるとさらにそう思う程の環境――――――――パソコンにベッド、ゲーム機、小説と暇つぶし道具満載である・・・・・しかしベッドには誰も居らずもぬけの殻状態の部屋なのだが何処かに逃げたんじゃないのか?そんな事を思っていると朱乃さんが大きな箱もとい棺桶の蓋を開けるとそこには美少女が居た!!当然の如く俺は興奮したんだ。だけどさ・・・・・部長の説明を聞いてこの世は残酷だということを

 

 

 

 

そいつは女装趣味の男だったんだ

 

 

 

 

もう一度言おう―――――――――――――

 

 

 

 

女装趣味の男

 

 

 

 

これには初めて会った俺とアーシアはビックリ仰天!そして俺は絶望に打ちひしがれていたんだ。神様――――――――どうして女装趣味の男を創ったんだと。あ、神様は死んでるんだっけ・・・まぁそれは兎も角!皆も想像してくれ、銀髪美少女が目の前に現れてそれが男だと知った時の絶望を!

とまぁ今回のあらましはこんな感じで本題は此処からだ。小zyじゃなく男の娘の名前はギャスパー・ヴラディでハーフヴァンパイアだそうだ。しかも神器(セイクリッドギア)持ちで、停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)という時間を止める事が出来るチート性能だ。だが、ギャスパーは自身の神器(セイクリッドギア)の制御が未だに出来ていないとの事。暴走したらヤバくね?もしも美羅先輩がこれについて感知したら部長どうなるんだ・・・・・流石にコカビエルみたいにはされないよな?

念のため部長にさり気なくその事について質問してみると、今日帰ってから説明するとの事らしい。良かった、大事にはならないなと思っていた俺が馬鹿でした。それは部長達も同じだった様で・・・・・帰ってから美羅先輩に説明すると――――――――――うん、見事に全員説教されちゃったぜ!あばばばばばば美羅先輩めっちゃ怖い。サーゼクス様も同様正座の説教中。こうして見ると魔王様の威厳が無いな・・・・・そして良く聞いていなかった俺は折檻される羽目に。ウソダ!ウソダ!ドンドコドーンこうしてギャスパーは明日美羅先輩と会うことになる―――――――――ギャスパー頑張れ・・・・・美羅先輩が怒ったらトラウマ物だぞ

 

「っは、こ、この寒気は一体何なんですか!?」

 

一誠の発した電波をキャッチしたギャスパーだが美羅からは逃げられない。一体どうなることやら・・・それは天運に身を任せる他解決策は無い

 

 

 

 

~美羅side~

 

三大勢力の会議が後数日後に控えたと言うのにこのKY赤髪は何というかどうというか・・・厄介な代物ばかり持って私の所に持ってくる。そろそろ冥界の一部を更地にしてやろうかと思ったよ。うん、私は悪くない全てはあの赤髪共がいけないのさ

 

厄介な物それは―――――――――――――

 

「ふぇええええええ!?何で動けるんですか!?もう嫌ー!外に出たくないですぅううううう!!」

 

この女装趣味の男の娘だ。何が厄介か?時を止める神器(セイクリッドギア)の事ですよー言わなくても皆分かるでしょ・・・私や黒、紅、ティアは大丈夫だがKY赤髪達は駄目なのだ。自身の眷属ぐらいしっかりと手綱を持って制御しないと何処かの悪党共に付け狙われるよホント(フラグ)そして何気に吸血鬼って・・・どんな罠を使って眷属に引き入れたのかが疑問だよ。おっとそんな事を言っていると能力が解除されたみたい

 

「美羅先輩、こいつの名前はギャスパー。時間を止める神器(セイクリッドギア)を持ってて見ての通り引きこもりのです」

 

一誠君は何故か男の部分を強調して教えてくれるが、私は出会って直ぐ男だと気が付いたけど・・・・・もしかして一誠君は気が付か無かったのかそれを追求するのは止めておこう

 

「あーうん。一目見ただけで男だって分かったから大丈夫」

 

「ば、馬鹿な!?俺とアーシアは女の子だと勘違いしたのに!」

 

「いや・・・・・うん・・・それは良いけれど本題は何?」

 

美羅は何となくではあるが面倒くさい事を依頼されると思っており、リアスからの内容を聞くとそれは正解であった

 

「成る程ね・・・神器(セイクリッドギア)を使いこなせていない為その補助或いは特訓をしてくれと言いたいのね」

 

「・・・・・お願いできるかしら?」

 

「無理」キッパリ

 

実はここ数日間気になる事が起こっているからだが、正直な所そっちの事はそっちで対処しなさいというのが本音である。とはいえあの神器(セイクリッドギア)が暴発でもしてしまえばとても面倒な事になりそうなのでここはあの中二病を拗らせたあのオタクを寄越せば何とかなるだろう。神器(セイクリッドギア)について色々研究しているって言ってたし・・・・・まぁ成るようになるかな?

 

「取り敢えず代理を寄越すからそいつに聞いてどうにかしてね~」

 

私は帰宅しながら携帯を取り出し代理へと話を持って行く

 

 

 

プルルルルプルルルル、ガチャ

 

『あいよー、アザゼルさんですよー。急にどうしたんですかー?』

 

「実は貴方に丁度良い仕事があるの。内容は―――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

という訳でアドバイスよろしくね」ピッ

 

KY赤髪の眷属の一人が時間停止の神器(セイクリッドギア)持ちと言う事と能力の制御が全く出来ていないと言う事を伝え一方的に切る

え?返事は待たなくても良いのかって?最早私の下僕になった駄鳥陣営だから問題無い問題無い!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っておいちょっと待て・・・あぁクソッ!一方的に切りやがって!!こちとら堕天使であそこは悪魔が蔓延る土地だぞ!?・・・はぁ、あの嬢ちゃんはしっかりとしているから事前通達はしてくれてるとは思うが考えると胃が痛いぜ・・・・・」

 

これから言われるであろう手厳しい小言を言われるであろうと思うと胃が痛むアザゼルであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さぁ私が気になっている事、それは―――――――――――――

 

 

 

 

 

グレートレッドとお出かけしていた時に感じた小さな力だった。因みに場所は人間界でグレートレッドは擬人化状態の外出、所謂お忍びと言う奴ね。因みにお出かけ中に感じたと言ってもそれは最後の方、次元の狭間へと空間を繋いだ際に感じた小さな小さな力。グレートレッド曰く違う場所へと一時的に繋がった時に感じた物では無いかとの事、これは良くある事で実質無害なので気にする事は無いと・・・・・まぁあれについてはまだ良く分からないからどうでもいいけどね

 

「そう言えば名前を毎回グレートレッドって言うの面倒いから渾名か何か付けよう」

 

「美羅が付けてくれるのか?」

 

「任せなさい♪これでも居候の下僕二人と使い魔の名前は私が付けたからね」

 

「ならば任せよう。・・・・・敢えて言うが『ポチ』『タマ』と言った飼い犬に付ける様な名前だと怒るぞ?」

 

「怒ったところで私は何とも無いけど冗談でも提案はしないよ。・・・・・居候の下僕二人は別としてだけど

 

聞こえたが何も言わず唯々黙って命名を待つグレートレッド。もしも口を出してしまったなら自身の渾名が『ポチ』や『タマ』等になりかねないからである

 

「ん、決めた。今日から(せき)という渾名でいこう!」

 

「"赤龍神帝"の赤から取ってきたのか・・・・・赤龍帝と被ってしまうと思うのだが?」

 

「あれはダメダメ、似合わないし名前負けするよ。いい所で赤トカゲとしか思えない・・・・・それにこれから印象がどんどんと下がっていく予感がするから大層な名前を付けても意味が無いよ」

 

「そこまで酷いのか今の宿主は・・・・・」

 

「熱血タイプの男の子なんだけど駄目なの――――――――――――煩悩のままに生きているって感じだし」

 

学園で一誠が起こす問題行動に頭を悩ませる美羅はどうすれば真人間になるのかを以前まで考えていたのだが既に諦めていた

 

「ま、最近物騒な事ばかり起こっているから赤も気を付けてね~何も無いとは思うけど」

 

「そういう美羅の方こそ"目的遂行"まで"本気で怒る"のは止めてくれよ?」

 

「"標的"の計画次第かな~」

 

「―――――――――――"地球その物が無くなってしまう"から止めろと言っているだけだぞ」

 

「分かってるよ。程々にするから―――――――――――"程々に"・・・・・・・ね?」

 

別れる美羅と赤

 

赤は美羅の後ろ姿が見えなくなるまで見送り終わると自分の居場所へと戻っていった

 

 

 

 

~一誠side~

 

美羅先輩にギャスパーの訓練を断られてから俺達の試行錯誤から早数日、改善の余地が見えないまま平行線のままと思われる。吸血鬼に対して代表的なアイテムのニンニクを手に持ち小猫ちゃんがギャスパーを追い回しているのだ

 

「いやあああああああああ!ニンニクくーさーいー!!」

 

「ギャー君逃げちゃ駄目・・・・・特訓にならない」

 

「もうやだー!お部屋に引き籠もるー!!」

 

「一体どうすりゃ良いんだ・・・・・」

 

良い案が思いつかない一誠は考えるも一向に良い案が浮かばずにいた

 

「第三者からアイデアだけでも聞いてみるとするか」

 

第三者――――――――――――――俺達の裏事情を把握して一緒に考えてくれそうな奴と言えば

 

「と言う事で一緒に何か考えて下さい!」ドゲザァ

 

一誠が頼る相手は黒

 

「えぇ・・・・・神器(セイクリッドギア)の事については殆ど無知だぞ俺?」

 

「何かしらのアイデアが欲しいので関係無い!」

 

取り敢えず一人ゲットした俺はもう一人――――――――――紅を探している

 

「紅の奴一体何処だ?この時間だとまだ学校に居るはずだけど・・・・・」

 

「ん?紅はアーシアちゃんの特訓に付き添うって言ってたんだが知らないのか?」

 

「は!?初耳だぞそれ!!」

 

可愛いアーシアが特訓だと!?しかも付き添いって事は紅が師事するって事になるのか!?駄目駄々目だ!!アーシアに傷を付ける可能性があるじゃないか!!

 

「おい黒!アーシア達の特訓場所は何処だ!!」

 

「旧校舎裏って言ってたが・・・・・」

 

っちぃ!もしや俺と入れ違いだったって事か!?許せん許せーん!!もしアーシアが怪我をしていたら紅の奴ぶっ飛ばしてやる!!

 

『紅は龍だ。禁手化(バランスブレイカー)に至っていない今の状態だと逆に相棒がやられるぞ?』

 

・・・・・・その時は美羅先輩に告げ口をしておけば紅はどうにかなるだろ?

 

『せめて「禁手化(バランスブレイカー)してぶっ飛ばす」ぐらいは言って欲しい物だ』

 

おうドライグ俺にドラゴンスレイヤーになれと言うか?

 

『龍王を倒せるぐらいには成長して欲しいと感じてはいるさ』

 

龍王クラスってどの位の強さなんだ?比較対象が存在しないとこう・・・・・実感できねぇよ

 

『もう忘れたのか?美羅の使い魔、ティアが龍王の一角だ』

 

簡単に言うと美羅先輩に対して一撃入れる位の力量じゃないと駄目って事なのかな?

 

『・・・・・美羅に一撃入れることが出来れば魔王クラスを超えてるぞ』

 

今度美羅先輩に修行付けてもらおうかなぁ・・・・・そうすれば龍王を倒せるぐらいにはなる筈・・・・・修行に関しては心の中に仕舞い込んで、これからのギャスパーについて考え始める事にした一誠なのだが―――――――――

 

「無理!時間を止める能力の制御とか分からんぞ!」

 

期待していた黒は完全にお手上げ状態で、休憩のため合流したアーシアと紅にも説明をするが

 

「流石に時間制御のアイデアはな・・・・・」

 

「私もどうしたら良いのか分かりません・・・・・」

 

全員がどうすることも出来無い程ネタ切れだった。

 

「部長に頼まれた事なのに何も進歩しないまま終わるのか―――――――――――」

 

「そうだn―――――――――――――――――――誰だこそこそとこっちを見ているのは?」

 

「出てこないのであれば貴様の周囲を消し炭にするがそれでもいいか?」

 

全員が諦めかけていた時、黒と紅の二人が一早く反応する

 

「ちょっと待てちょっと待て!俺は白い嬢ちゃんに頼まれてやって来たんだが・・・・・お前ら何も聞いてないのか!?」

 

「白・・・白・・・白・・・もしかして美羅先輩か?」

 

「そういや、美羅が新しく出来た下僕を代わりに寄越すとか言ってたな」

 

「あぁ今日の朝そんな事言ってた様な気がする」

 

黒と紅は聞いてたらしいが俺達に対しては何も連絡無かったんだけど・・・・・

 

「ったはーマジかよ。まぁ確かに俺は不審者として攻撃されそうだが、そこのお二人さんだけに連絡していたのは様子見て分かった。取り敢えず最初に挨拶しようか――――――――――俺はアザゼル堕天使の総督、所謂トップだ。そしてこの場で三番目に強い男ってこったな・・・・・・・一体何時から俺より強い龍が二体も出現したのかねぇ、そしてその主は更に強いと来た。全く何が起こるか分からない世界だよ」

 

いきなり現れた男は何と堕天使の総督で美羅先輩が寄越した人らしい。ってか美羅先輩いつの間にパイプを作ったんですか・・・・・

 

『大方、先のコカビエルを持って帰った際に総督の居場所を逆探知して直接持って行ったんじゃないか?』

 

それが本当なら美羅先輩はかなりチートな存在と言う事か・・・パネェ・・・・・

 

「ほーん、赤龍帝の籠手(ブーステッドギア)魔剣創造(ソードバース)停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)それに・・・・・成る程ねぇ。かなりレアな神器(セイクリッドギア)持ちをグレモリーの妹さんは持っているんだな」

 

自身の神器(セイクリッドギア)を言い当てられ咄嗟に構えを取る一同

 

「一目見ただけでそこまで・・・・・」

 

「ま、これは事前に情報収集をした上でってのもあるけどな。さてさて、積もる話は色々と有るだろうが此処はスルーしてさっさと本題に移っちまおう。俺はあの嬢ちゃんの代わりとして来たんだからな」

 

警戒はしたままアザゼルの話を聞く一誠達

 

「正直、制御が出来無いって事はただただ神器(セイクリッドギア)の使い方が下手クソって事だ。使用回数を重ねて制御に慣れるか、ドラゴンの血を飲ませれば良いってこった」

 

「ドラゴン・・・・・」

 

「そゆこと―――――――――――――じゃあアドバイスもしたことだし俺は退散するぜ~じゃあな」

 

そう言い残すとアザゼルは少し歩いた所で転移魔法で転移した

 

 

 

 




さぁ次は天使がやってくるぞ!

一誠君にアスカロン装備!

しかし転生者達も着実に力と経験を積んでいく模様

頑張れ一誠!負けるな一誠!このヴァンパイア編が終わったら超強化が待っているかも?


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第35話 原作崩壊ー此処からは新たな物語

どうもーお久しぶりです。ようやくリアルの田植えの全てが終わった。(だが水の管理をしないといけない)(´・ω・`)ソンナー

取り敢えず一段落でまだまだ続く日常パート


長々と続く日常・・・・・「待って下さい!そ、それはダメですぅ!私粉微塵になっちゃいますううううう!!」

美羅「このイライラを誰にぶつけてやろうか――――――――――」



お、おう・・・・・まってくだしい







~一誠side~

 

堕天使のオッサンからのアドバイスを参考にギャスパーの訓練を再開する俺達に生徒会メンバーの匙が様子を見に来たようだ

 

「よう兵藤ー、此処で仲間の訓練をしているって聞いたぞ。んで?その噂の眷属は?」

 

「あぁギャスパーの様子を見に来たのか。今子猫ちゃんが追いかけている奴だよ」

 

一誠が指差す方向へ視線を向ける匙

 

マッテギヤークンコレモクンレンダカラニゲチャダメ、ニンニクヲタベサセルコウイハボクニトッテゴウモンデスー!

 

涙目になりながらも塔城から逃げるギャスパー、その光景は微笑ましく見る者達ほぼ全てが騙されるだろう――――――――ギャスパーが女の子ではなく男の娘だということに

 

「おぉ!金髪美少女!!」

 

「だが残念だったな。あいつは男の娘なんだよ」

 

そして思い知る。この世は何時だって残酷だという事に

 

「う、嘘だ・・・あんな金髪美少女が男だと・・・・・男の娘とかマジふざけんなよぉ」

 

「解る、解るぞ匙。お前のその気持ちは―――――――――所で何しに来たんだ?」

 

「っとそうだった。実はその眷属の特訓に力を貸そうと思ってな」

 

「どういう事だ?」

 

一誠はまだ匙の神器(セイクリッドギア)の力については知らない為、同じ兵士(ポーン)として気になったのだ

 

「よっと!これが俺の神器(セイクリッドギア)黒い龍脈(アブソーブション・ライン)、五大龍王の一角黒邪の龍(プリズン・ドラゴン)ヴリトラの一部だ――――――――――と自慢気に言ったものの知ったのはついさっきなんだけどな」

 

「すげぇな匙お前もドラゴンを宿しているのか!・・・・・でもついさっき知ったってどういう事だ?」

 

「あー・・・・・ここに来る途中堕天使の総督のアザゼルって人に教えて貰ったんだよ」

 

「あのおっさん学園を歩き回ってんのか?」

 

「それよりもだ!こいつの力は相手の力を吸収する事が出来るって事よ」

 

「成る程、ギャスパーの力を吸収して力の抑制をするって事か」

 

「兵藤お前・・・・・何気に頭が回るんだな」

 

「喧嘩売ってんのかこら!!」

 

こうして一誠達は匙の強力の元ギャスパーの訓練を開始、匙の力を使いながらのギャスパーの時間停止を何度も行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しっかしサーゼクスの妹の眷属達は色々と面白い奴らが集まっているな。しかも赤龍帝、ドラゴンは面倒事を集める―――――――――なら、レアな神器もお目にする事が出来るもしくは仲間にするか。これから行われる会談で和平を結ぶと。俺が堂々とあいつらの神器に干渉出来るって寸法になるが、さてさてあのお嬢様の判断でどうするか変わってくるとなると・・・はぁ~ヤダヤダ、コカビエルのせいで胃に穴が空きそうだぜ・・・・・」

 

一人愚痴を漏らしつつ歩くアザゼル、最早彼の逃げ場は無く美羅の行動に流されて行く他無い

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

皆こんにちわ、色々と奔走している?私こと白野美羅だよ。今回も厄介事のオンパレードでため息つきたくなる事案ばっかりです。まず一つ目は、KY赤髪眷属の引きこもり君につきまして、彼は・・・うん。神器(セイクリッドギア)目当てで狙われてしまうのでその周囲も自動的に巻き込む形となるのだ。やはり時間を停止させる能力は何処の世界に行っても引く手数多、戦力もしくは人体実験の素材となるだろう

そんな彼の能力制御を手伝って欲しいとの事だけど即刻断った私は悪くは無い!!・・・・・・悪くないよね?そして二つ目、グレートレッド改め赤と一緒にお茶をしていた時に感じた小さな力だけどそれについては追々どうにかなると確信を得たよ。でも確定的な答えは出ていないので敢えて何も言わないとしよう。そして三つ目なんだけど駄烏総督と合流してからになるんだけど

 

「はぁ、どうしてこうなったの?」

 

私が言う嫌味の先の者は―――――――――

 

「何か厄介事が起きましたか姐さん?」

 

「・・・・・厄介事と言うよりうざったい奴が目の前に居るんだけどどっか行ってくれない?」

 

「おぉっとそれは出来無いぞ!それで?俺に何をしてくれる?その全てはご褒美だ!!」

 

「貴方みたいな変態要らないよ!」

 

変態の男―――――――――それは誰もが知っている人物

 

「安心しろ姐さん!全てのストレスの捌け口はこの俺が受け持とう!いや、他意は無いぞ?だが敢えて言うならバラキエルの奴から教えて貰った―――――――――――『踏まれながら罵られる』をして貰いたいものだな」

 

ついこの間美羅によってビンタをされていたコカビエルである

 

「ねぇ駄烏の総督さん?これって何時の間に変態と化してしまったの?」

 

「いや俺にもさっぱり―――――――――――いや待てよ?嬢ちゃんにやられてから食事を持っていったバラキエルが何かをしたとしか思えねぇ」

 

「そいつボコボコにしても良い?」

 

「やめとけよ、あいつはド「バラキエルをボコボコにするだとぉ!?それは駄目だ!姐さんの捌け口は全て俺が受け持つのだ!!」・・・・・・・正直スマンとしか言えねぇ。それとコカビエル、おめぇその発言だと色んな意味として取られちまうから気を付けろよ?」

 

「ん?何処に気を付けろと言うのだ?」

 

頭が痛い――――――――問題児である一誠が可愛く見えてしまう程今のコカビエルは美羅にストレスを与えて行く

 

「まぁ兎に角コカビエル、お前さんはしばらく俺の所で待機だ」

 

「は、離せアザゼル!俺は姐さんと共に行動するのだ!!」

 

「お前さんの行動で堕天使全滅なんて笑えない冗談になるから大人しくしておけ」

 

「おのれえええええええええアザゼルぅううううううううう!!」

 

アザゼルはコカビエルの首根っこを掴み別室へと連れ去るが、去り際に「姐さん!俺は戻って来ますぞおおお!必ず姐さんの側へと戻って来ますぞおおおおおお!!」と言い残し部屋から消えた

 

「―――――――――――帰ろう。此処を拠点にしようかと考えたけど平穏と癒やしが無い」

 

結局美羅はアザゼル宅を拠点にする事が叶わず兵藤家と統合した家へと帰る事となった

 

自宅と統合した兵藤家面倒いので自宅と省こう――――――――――

 

その後はいつもの様に猫被って生活と行きたかったのだが最早必要無くなったのだ

実は一誠の母が数日した辺りで見破った。恐るべし主婦!!なので繕う事を辞めた美羅は以前の私生活と同じ様に振る舞っている

 

「ねぇ黒ー、〇〇スーパーで新発売されたフルーツタルト10個とシュークリーム20個買ってきて今すぐに」

 

「何で俺なんだよ。一誠に言えという前に俺の背骨が曲がってはいけない角度へと曲げられ折り畳まれていくぅうううう!!」

 

「行け」

 

「行く!行くから!!これ以上はダメ!ストップ!アウト!!うがあああああああああ!!」

 

断れば理不尽のシュークリームが執行されるのだ

 

『 』

 

「あらあら若いって良いわね~。今度お父さんがいけないことをすれば美羅ちゃんに頼もうかしら?」

 

家内の殆どが絶句する中一誠の母だけは変わらずその光景を見て一誠の父の罰の執行人が変更される可能性が出てきてしまった。いつも通りの誠実さで生活をしましょう一誠父よ―――――――

 

「!?何だこの悪寒は!母さんが何かをしたのか!?――――――――――――――――よし、何も感じなかった。そう言う事にしておこう・・・そうしよう」

 

危険を察知したのか、この日から一誠父はふしだらなことを一切せずに過ごすのだった

 

 

 

 

 

 

「私何かしちゃったのかな?まぁいいやそれよりもデザートデザート♪」

 

大の字で伸びている黒を尻目に買い物の資金を用意し終えた美羅は黒を一蹴り、目を覚まさせた後使いっ走りお使いをさせた

 

「ティアー黒が今デザート買いに行ってるから一緒に食べよー」

 

「・・・・・黒だけで無く偶には紅にでも行かせてはどうだ?私はある意味違う反応を見てみたいのだが」

 

「それじゃあ次回は紅にしようか!」

 

軽いやり取りで標的が切り替わる。次の獲物は紅、この世界に来てから油断しているので反応が楽しみだと心の隅でクツクツと笑みを漏らす美羅。約30分程で帰って来た黒はミスをした・・・崩れやすいフルーツタルトを持って走った。後は想像出来るだろう――――――――中身の惨状を見た美羅は黒にO☆HA☆NA☆SHI☆をする事に

 

 

 

 

因みにデザートは残さず二人で全て食べたのである。勿論その後に作られた夕食も残さず食べたのだった

 

「ねぇ美r「KY赤髪の言う事は聞きたくないので立ち去りまーす」」

 

最早聞く耳持たず。美羅の認識はリアスの質問、頼み事=面倒事と直結している状態だ。最早何も意味を成さずヒラヒラと聞き流すか中断されるであろう・・・・・

 

「あ、あのー美羅先輩、先程から気になっていたのですが・・・その・・・・・あれ程沢山食べて体型の維持はどの様にしているのですか?」

 

「あぁー私沢山食べても太らないから大丈夫大丈夫」

 

以前体重がかなり増大したことでどうにかしようと考えた挙げ句導き出した答えが――――食べた分だけ魔力を貯蓄するという馬鹿げた能力を創り出したのだった。(簡単に説明するなら体重変化の無いトリコの食没だと思って下さい)

 

「「女性全員に対して喧嘩を売る言葉(ね/ですね)」」

 

理不尽だと思った美羅なのだが実際問題これは深刻だ。考えてみよう―――――――――お菓子を沢山食べる二人の女性、一人は日に日に体重が重くなり体型が大きくなる。そしてもう一人はいくら食べても変わらない。男からモテる女性はどちらか?そんなもの後者に決まっていると言う事だ。その後、アーシアとリアスが色々と言ってくるがササット自室へ帰りベッドへ潜る美羅

 

 

そして明日は重要な三勢力会議――――――――――

 

 

着々と美羅の計画は進む

 

そして何も気付かない冥界と天界

 

堕天使は・・・・・

 

 

 

 

そして重要な日の朝を全員が迎える

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~???~

 

(此処は何処?周りは真っ暗・・・・・私何処に居るの?)

 

小さな気配は徐々に大きく存在を大きくして行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 





「どうだったかな?ふむふむ、まだまだほのぼのは続くんだね!でも龍は厄を引き寄せる者。さぁ大変だ大変だ!しっかりと見過ごさないよう僕もアヴァロンから見守って行くよ!」
布団「私も見守ります」
「君の居場所は此処じゃ無い筈だけど?」
布団「のんびりとしたいんだー!」
「所で沖田ピックアップはどうだったのかな?」
布団「驚けおののけ!沖田オルタは最後の最後のガチャで出たんだよ!」
「それは良かった。――――――――――――――でもそれは不用意な発言だと僕は思うよ?」
美羅「そう、それは良かったね?」ゴゴゴゴゴ
布団(゚Д゚)
美羅「全ての出なかったマスターの恨み晴らすべからず!」
布団(⊃ Д )゜゜<グフゥ
「あらら、アヴァロンが滅茶苦茶になっちゃったね」
美羅「喰らえ!プライミッツマーダーキャノン!(※ただキャスパリーグを投げるだけ)」
「マーリン死すべしフォーウ!」
「たわばっ!」
布団「書いたら出る教万歳・・・・」ガクッ


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第36話 会談の始まりと変態の痴態

色々とやってたらこんなに投稿期間が延びちゃったぜ!
取り敢えずスッと投稿そして

─=≡Σ卍(・ω・)卍<ニゲルンダヨー



~美羅side~

 

今日は三勢力による会議が行われる日、私はいつも通り目を覚ましていつも通り学校へ登校する準備をしていたのだが以前から感じていた力がポッといきなり大きくなり私はどうしようかと悩んでいる原因となっている。この力に気が付いたのは黒と紅の二人だけで・・・・・

 

 

 

 

 

 

「魔王とかそういった類の奴らが改めて使えないと感じたよ」

 

 

 

 

 

 

駄烏の総督アザゼルは私の下僕としてそこそこ頑張っているので名前で呼ぶとしようか―――――――――まぁそのアザゼルから教えられたのだが、勢力はまだ存在しているらしくえーっと・・・・・ちょっと多くて面倒なので色々な神話の勢力と言っておこう。そのトップ達なら感づいてるとは思うんだけど、そうで無かったならこの世界は滅んでるね。あ、因みに此処日本は日本神話らしく妖怪達の集まりとの事だ

因みにこの話を聞いた時ある事を思い実践しようとしたら周り全員から止められた―――――ティアと堕天使全員によるDO☆GE☆ZA☆何故か黒と紅もだったが何故に?・・・・とまぁ内容はサー〇ァントを呼び出しちゃおう!という内容である。だって神話だよ?呼び出してどういう絡みをするか見てみたいじゃない?だけどアザゼルとかティアが必死になって止めるのだ。面倒事処では無く世界のバランスが崩壊して厄介事が更に増える+嫌味や小言が今以上になると・・・・・嫌味ってえぇ・・・・

必死な懇願だった為見送ることにした私である。黒と紅は失敗が目に見えており、ストレス解消サンドバッグに成り果てるのが嫌だと言っていたので雷神拳をぶち込んでおいたよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ!?姐さんがサンドバッグを要求している予感がする!今行くぞ姐さああああああああああああん!!」

 

「よしヴァーリ、あの変態を止めろ。死ぬ寸前までで良いからボコしてくれ」

 

「変態への制裁か―――――――――――了解した」

 

「おのれぇえええアザゼルうううううううううううううう!!そして白龍kヴボァアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

コカビエルの暴走は密かに止められ堕天使陣営の寿命は延びたのであった

 

 

 

 

 

ブルルッ

 

「一瞬悪寒が・・・きっとあの変態が原因か―――――――――――――――もういっその事烏の陣営滅ぼしちゃおうかな」

 

コカビエルの変態行為=堕天使全滅のカウントダウンが開始される

 

 

 

 

~一誠side~

 

おはよう皆!今日は大事な大事な三勢力会議だ!悪魔、天使、堕天使のトップが集まり今後の事を話し合うと部長が教えてくれた。でも俺は思ったんだ・・・堕天使のトップがあの何処かひょうひょうとした雰囲気を纏うアザゼルさんであると言う事が信じられないのだ。そして俺は何処に向かっているかと言うと――――――――――朱乃さんと一緒にとある場所に向かっているのだ。何でも大事なお話とのことで・・・・・と説明していると目的地に到着っと

 

「えーっと朱乃さんは何処だ?」

 

一誠がキョロキョロと周りを見ていると巫女服を着用した姫路がすぅっと現れる

 

「ふふふっ、一誠君お待ちしておりましたわ」

 

「もしかして待たせちゃいましたか?」

 

「いえいえ大丈夫ですよ。私も丁度着替え終えたばかりですから―――――――――それでは一誠君付いてきて下さい」

 

姫路の後をついて行く一誠、階段を上がった先は神社で

 

「あのー朱乃さん?悪魔ってこういう場所に入ると不味いんじゃ・・・」

 

「大丈夫ですわよ。此処は特殊な施しをしておりますので悪魔が入っても大丈夫ですわ」

 

未だ信じれない様子の一誠を余所に姫路は何事も無いかの様に自然と歩を進め境界内へと入って行く。その様子を見た一誠は覚悟をして入るが何処も不調を感じない事に呆気にとられていた

 

「ほら、大丈夫でしょう?」

 

「えぇそうですね。所で俺に何の用事があって此処まで連れてきたんですか?」

 

「とあるお方を一緒にお迎えする。それだけですよ」

 

「とある方?」

 

謎が深まるばかりで困惑する一誠は考え込んでいた。大方自分が知っているであろう人物を模索している様子、しかしこの神社に響く声に驚いた

 

「貴方が赤龍帝の兵藤一誠君ですね」

 

「声!?一体何処から・・・」

 

「一誠君上ですよ」

 

姫路の顔は上へと向いており一誠もそちらへ視線を上げる。其処には神々しい光を放ちながら白い翼を持つ一人の男性がこちらを見下ろしていた

 

「私はミカエル、天界の長をやっています」

 

一誠の頭脳は余りの急展開に少し付いて行けずショートを起こす

 

え!?何?何なんですか!?朱乃さんに呼ばれて神社に来てみれば一緒に天使の長であるミカエルさんをお迎え!?そして当の本人であるミカエルさんは俺に何か用事があるのか!?俺初めてこの人と出会うんですけど!?

 

「おや、少しばかり混乱しているようですね――――――とはいえ私も余り時間が有りませんので用件を済ませましょう。今代最弱の赤龍帝である貴方にこれを授けましょう」

 

「やっぱり最弱は定着しているんですね・・・って俺に授ける?」

 

ミカエルは手をかざし力を込める。すると一誠とミカエルの間に光が輝き段々と光が強くなって行くが一誠はそれどころでは無く、自身が今感じている物に戸惑いを覚えている

 

(体が妙にぴりぴりする?気のせいじゃ無い・・・・・あの光が出てきてからだ。って事は何か攻撃してくるのか?俺の反応を見る為なのか?)

 

今思い付く可能性を視野に入れつつ何時でも動ける様に待機していると、段々と光が弱まり一つの剣が目の前に現れる

 

「これは聖剣アスカロン、ドラゴンスレイヤーです」

 

「ドラゴンスレイヤー・・・」

 

「龍を殺した逸話を持つ武具の総称がドラゴンスレイヤーですよ。そしてこれを貴方に授けます」

 

ドラゴンスレイヤー、この時点で何か嫌な予感がしてきた俺は一応の質問をする

 

「これで龍を退治しろとかって言わないですよね?」

 

「貴方が最弱の赤龍帝であるから授けるのです。創意工夫により貴方の力になると思い渡すという事ですよ」

 

何か裏が有ると気付いた俺はそれとなく聞いてみる事に

 

「もしかしてなんですけど、これって所謂好感度上げみたいなものなんですか?」

 

「そう捉えて頂いて大丈夫ですよ。これから行われる三勢力会議――――――――和平を結ぶ予定なのでその証の一つとしてです」

 

「和平・・・・・」

 

これって部長より先に知っちゃっても大丈夫なのか?俺は心の底で疑問に思いつつ話を聞いた

 

「―――――――――ではこれで私からの用件は全てです。先程言った通り時間がおしていますので相談等は会談が終わってからお聞きします」

 

ミカエルさんに質問したいと思っていたが会談後に聞いてくれるそうだ・・・・・長や上の立場になる人達はここまで勘が鋭いのか、俺は確信を得た瞬間だった

 

 

ミカエルと出会い新たな力を得た赤龍帝――――――――――――正しい歯車が動き出すと同時に新たな歯車が動きだす

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

これからは私のターン!―――――――――――――――ってまあいいや、今はそんな事よりこれからの会談について色々とO☆HA☆NA☆SHIタイムだよ。早速私は気配を絶ち悪魔、天使、堕天使の会談の様子を見る。予想はしていたんだけどこれは酷い。・・・あまりにも酷い

何処が酷いかって?同じ室内に居るというのに誰も気がつかないの―――――って一誠君達と一緒に入ってきた黒が此方を見てニヤニヤしている。よし!黒は後程折檻決定だね

 

未だにニヤニヤ状態の黒は哀れみの目を向けている紅とティアに気付いていないのか気付いているのかは本人のみぞ知る所で有る。各自それぞれの簡単な自己紹介から始まり、変態の件について追求をしていると天使の長と名乗る坊ちゃんが重要案件に触れてくる

 

「コカビエルの件に関しては監督不行きとどけとしますが、例のコカビエルを圧倒した人物について説明をして頂きたいのですが魔王達は何か知っていますか?」

 

「知っているには知っているのだが・・・・・私より妹のリーアたん達の方が良く理解しているよ」

 

シスコン赤髪はKY赤髪へと丸投げ、さてさて私についてどう説明をするつもりなのか聞かせて貰いm

 

「分かりました。彼女についての説明はそこの彼――――――――白野黒にして貰います」

 

「ちっす三勢力のトップ達、何が聞きたいかパパッとどうぞー」

 

果たして黒は私の事を誤魔化しつつ説明出来るかな?まぁ出来無かったら龍化してブレスだね!

 

「ではまず私から―――――――――――彼女は一体何者ですか?唯の人間にコカビエルを圧倒する事自体不可能ですが」

 

「あーそれね・・・・・そこの二人合わせて三体の龍を素手で圧倒できる人間?いやチートバグです。以上」

 

「ティアマットが使い魔になった顛末はお聞きしていましたが、例の彼女は他にも龍を使役しているのですか?」

 

おや?黒達について何もしらない反応・・・・・聖剣を持ってた二人組から報告が無かったのだろうか。疑問に思いつつ話を聞く事にしよう

 

「少々お待ち下さい、ここへ派遣した二人の元聖剣使いを転移させ当時の様子を聞きます」

 

スッと手をかざし転移魔方陣が描かれた場所へいつか見た可哀想な少女二人が入室、当時の話を掘り下げる事に・・・・結果から言わせると二人は帰還後上司へ事の顛末全てを報告、しかし未確認の龍が人に化けて学校生活をしている事は有り得ないと言う事で其処だけを省いての報告となっていた様だ。因みに聖剣はコカビエルに破壊された形となっている

 

「・・・・有難うございます。再確認として貴方達二人は、未確認の龍と交戦の時聖剣を破壊されてしまった。任務を破棄する訳にもいかないのでそちらのリアス・グレモリーとその眷属達と共に共闘する事にした。それで間違い御座いませんね?」

 

「「はい・・・」」

 

「おいおいミカエルよぉ、俺の事を散々に言っていたがお前の所も手綱が握れてねーじゃねーか」

 

「こちらは貴方の所より未だマシですよアザゼル」

 

「全くもって同感だ。私達も旧魔王派閥の関係は悪いが戦争を起こそうとする者は居ない」

 

「厳しいこった」

 

おい其処のシスコン赤髪お前の所は烏陣営よりよっぽど酷いだろう。と心に言い留めまだまだ静観する美羅――――――そして

 

「所でアザゼル一つ聞いても良いかな?」

 

「お?何だサーゼクス何か聞きたい事でもであるのか?」

 

「コカビエルの処置だ。君も分かるだろう?あの手の戦争狂は手に余るので即刻処罰したいのだが」

 

「こちらもそれについては同意します。唯でさえ以前の戦争の傷跡が残っているのにも関わらずあの様な行為を見逃す訳にはいきません」

 

サーゼクスとミカエルは冷ややかな視線をアザゼルへと向けるが、アザゼルはそれを全く意に介しておらず未だに飄々と答える

 

「まぁまぁそう慌てなさんな、処罰については俺も考えてはいたんだよ」

 

「ほう?ならその内容を聞かせてくれたまえ。生ぬるい物であるなら即刻取り消して処刑しよう」

 

「それは良いですね。和平を乱す不穏分子は取り除きましょう」

 

コカビエルの犯した罪は大きい。その代償の罰も勿論大きい物でこの場の殆どの者が処刑を望んでいるのは明白である

 

「だから待て待て待て!!俺が言ったのを聞いてなかったのか!?『考えていた!』もう一度言うぞ?『考えていた!』だ。この意味を今から説明するからもう少し黙って見てろ」

 

そう言いアザゼルは周囲に絶対に何もするなと念を推し隣へと転移魔術を展開。そしてそこから現れた人物は――――――――――この問題を起こした張本人

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただし、縄でぐるぐる巻きにされた状態である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おのれぇアザゼル!俺の道を阻むな!!」

 

開幕一言目が物騒な言葉。しかしそれは現状を知らない悪魔、天使の陣営だけで堕天使は違う意味で頭を悩ませている問題だ

 

『コカビエル!?』

 

現れた予想外の人物に全員驚きの言葉が重なる

 

「アザゼル!これは一体どういう事だ!?こんな危険人物を何故縄だけで固定している!!」

 

「サーゼクスの言う通りです!少しは賢いと思っていましたが改めましょう。馬鹿だという事に!」

 

「部長!俺の後ろに!!」

 

一誠は主を守るべく前へ

 

「アーシア、一応俺の側に居ろ。」

 

「は、はい!」

 

紅はアーシアだけを側へ寄s

 

「おいこら紅!アーシアに触るんじゃねぇ!!」

 

「い、一誠さん」

 

ハーレムを目指す一誠は紅の行動に腹を立てる

 

うわぁあの変態は混沌の空気を作り出す烏だぁ・・・と汚物を見る様に嫌がる美羅―――しかし変態を甘く見てはいけない

 

「っ!姐さんが近くに居る!!この紐を早く解けアザゼル!!」

 

「姐さん?」

 

一誠はつい口に出てしまったが、この場に居る全て―――――――いや、堕天使陣営以外の者はそう思っただろう

 

「おい馬鹿やめろ!お前の行動一つで俺達の明日がどうなるか分からねぇんだぞ!!黙ってそこでジッとしていろ!!」

 

「フハハハハハ!姐さんが近くに居るのならば俺は止まらんぞ!!」

 

「何も知らない奴が聞けば今の言葉だけは格好いいかもしれないがお前のそれは変態行為以外の何物でも無いんだよ!!」

 

この状況をどうにかしないといけないアザゼルだが名案は一つしか思い浮かばず・・・

 

『スマン・・・・・これ以上はどうにも出来ねぇ事態になっちまったから俺の居る場所まで転移してきてくれ』

 

アザゼルの心は泣いている。上の立場としてどうにも出来無い部下の失態と変態行動あまつさえ言う事を聞かない、正にお手上げ状態なのだ。んー前の世界の私と重ねて見えちゃうアザゼル可哀想――――――――――――まぁこの世界では仕方が無い!!

 

この世は何時だって残酷だ――――――そして美羅は気配遮断を解きコカビエルの顔面を蹴る

 

「姐さん!?有り難う御座いmぶむふぉっ!」

 

「はい、黙らしてあげたよアザゼル。でも後でO☆HA☆NA☆SHIだよ?」

 

「ダメだぁもうお仕舞いだぁ」orz

 

「諦めたらそこで終わりだおっさん!意思を強く持てば・・・・・ナントカナルヨ。タブン」

 

「黒も後でO☆HA☆NA☆SHIそして折檻だからそのつもりでね?」

 

「あ、悪魔だ・・・・・」orz

 

この流れに付いて行けないその他面々に美羅は自己紹介をする

 

「初めまして天界の長?ミカエル、そして久しぶりだねシスコン赤髪」

 

「あっ、あぁ久しぶりだね美羅ちゃ―――――――――――」

 

「シスコン赤髪よ。我が主をどの様に呼ぼうとした?返事次第ではこの場で貴様を消し去るぞ」

 

「久しぶりだね美羅さん」

 

この対応の早さ、魔王は大変だ。色んな意味で

 

「貴女が例の人ですね?そして自己紹介有難うございます。知っているでしょうが改めて―――――――――私はミカエル天界の長をやっている者です」

 

手を出し握手をしようとするミカエルだが美羅の対応はとても辛く

 

「いや今回の件を真剣に解決しようとしていなかった天界は信用出来無いから嫌」

 

「 」

 

拒絶されたミカエルは断られるとは思っていなかったのか、しばらく固まっておりその間に美羅はコカビエルを再度蹴り起こし命令する

 

「椅子になれ」

 

「姐さん!椅子になりました!!」

 

「アザゼルはコカビエルchairに座ってね」

 

「マジかよ・・・」

 

「マジです」ニコニコ

 

「おのれぇアザゼルゥ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会談に混じる美羅。そして始まるは暴君による命令、誰にも止める事は出来無い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~転堂side~

 

「そろそろ三勢力の会談か」

 

「此処で決めるのか?」

 

「あぁ今度こそ決めてやる!!そして俺が本当のオリ主になる!!」

 

「―――――――――馬鹿は死んでも直らないか・・・」

 

小さく呟く志桐の声は愚者には届かず、ため息交じりで歩き出す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~???~

 

(虹色の空間?ゴミばっかりが散乱している・・・・・何処が出口?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

襲撃まで後数分―――――――――――――

 

 

 

 

 




マーリン「おや?逃げちゃったのかい?それはダメな~、物語はまだ終わっていないんだから。さぁ僕と一緒にハッピーエンドを目指そうじゃないか!」
布団「私の所に来てくれない碌でなしの言う事なんて聞いてやるもんかー!」トウボウ
マーリン「ちょっと!?って居なくなっちゃったか・・・・・」
ミラ「やぁ」
マーリン「 」
ミラ「さぁサンドバッグの時間だよ」
マーリン「それは彼の役目じゃないのかな!?」
ミラ「変態が増えると困るから偶にはね?」
マーリン「うーん・・・・・正に理不尽の権化だね!」
ミラ「碌でなしには言われたくないなぁ」







マーリン「・・・・・・・・皆!次回の後書きでまた会おう!」








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第37話 未だ終わらない会談

美羅「こんっの穀潰しが!!どれ程の期間が空いていると思っているの!!」
布団「スイマセン・・・・」
黒「ヒャッハー贄だ贄だー!」
紅「これは我々も参加せざるを得ない状況だな」
美羅「最後に言い残す言葉はなぁに?」
布団「FGOイベント楽しかったよ!ピックアップで聖女きたんだよ!!」
美羅「よし、聖女持ってない人を代表して処するわ」
黒「え?美羅って聖女持ってねぇの?だっせぇー」
紅「さらばだ黒―――――――――――永遠にな」
美羅「鉄拳制裁!」
布団、黒「「グワー!!」」












~一誠side~

 

「ハハハ・・・・・マジかよ」

 

一誠は目の前の光景にただただ乾いた笑いを口に出すだけだった。この場には聖剣の事件に関係する者と各勢力のトップが集まり話し合う場なので出席すると思っていた美羅がポッと現れ堕天使達をこき使っている現実に付いて行けない。美羅が予想外な事を行使するのは今まで何回も見てきたがこれはとても酷い光景であった

 

「貴女が例の人ですね?そして自己紹介有難うございます。知っているでしょうが改めて―――――――――私はミカエル天界の長をやっている者です」

 

「今回の件を真剣に解決しようとしていなかった天界は信用出来無いから嫌」

 

天使の長であるミカエルさんに美羅先輩はツンドラの如き冷たい対応

 

「椅子になれ」

 

「姐さん!椅子になりました!!」

 

「アザゼルはコカビエルchairに座ってね」

 

「マジかよ・・・」

 

「マジです」ニコニコ

 

しかも堕天使トップのアザゼルさんにも命令って半端じゃねぇ

 

だがこの場に居る殆どの者は一つの事に目を背けているのだが・・・・・背けているのだが!どうしても受け止めなければいけない状況がある。それは―――――――――――――

 

「おのれぇアザゼルゥ!!俺に座るんじゃあ無い!!これは姐さん専用の椅子だ!お前ごときが座って良い者では無い!!姐さんが汚れるだろう!!いや、俺が汚れてしまう!!」

 

「おめぇさんは何処で道を間違えたんだよ・・・それより俺が座ることで汚れるってどういう事だこら」

 

「セクハラで堕天した貴様が座ることで汚れると言っているのだ!」

 

アザゼルさん、いやもうアザゼルでいいや。セクハラで堕天したってマジかよどんだけ心が汚れてんだ

 

「ははぁ?俺に対して其処まで言ったんだ、お前も覚悟しろよコカビエル」

 

「フッ何に対してだ?俺に対して脅しは効かないぞ」

 

「あぁそうかい。こいつを見てもまだ気丈な態度を取れるか?」

 

懐から取り出す一つの本。一誠は「何だそれ?」と口に出し、他の者達も同様な反応だ。だがコカビエルはそれを見た途端慌て始める

 

「あ、アザゼルが何故この俺の至宝を何故持っている!?」

 

「けっ!お前さんの隠し場所なんてたかが知れてるんだよ。とまぁそれは置いといて、実際俺は未だ中身を見てないから・・・サーゼクス!確認して暴露でもしてくれや」

 

ご丁寧に中身が見えない様、会議台の上を滑らせる様に渡す

 

「何故私にだね?」

 

「何故って見りゃ分かるだろ。コカビエルを押さえ込んでいるからだ――――――――って暴れるんじゃねぇこの野郎!!俺の過去について暴露した対価だと思え!!」

 

「や、やめろ!見るな!!見るんじゃ無い!!それは貴様らが見て良い宝では無い!!」

 

必死に止めようとするコカビエルは正に何が何でも止めんが如く暴れているもののアザゼルの力の前に押さえ込まれている

 

「ならこの場で暴露しても良さそうだね」

 

「「やめろおおおおおおおおおおおおおおおお」」

 

ん?何で黒が止めようとしてるんだ?あれはコカビエルの宝の筈・・・

 

開かれるページ

映し出される映像

それはお風呂上がりの美羅で

 

「ウッヒョオオオオオ!!これはみrズガンッ!    」

 

サーゼクスさんの前に開かれていたはずの本は無く、その場所だけがぽっかりと抉られていた。だが俺の心配する所は其処では無く、自分自身の身である。何故なら、止める為に後ろで叫んだ筈の黒が会議台の真ん中で犬神家状態のオブジェと化していたからだ。同性はともかくとして異性である男達は冷や汗をだらだら流しながら否定と言い訳そして懇願をしている

 

「そ、そう!これは堕天使による罠だ!!」

 

「だ、大丈夫です!何も見えませんでしたから!!」

 

サーゼクスさんとミカエルさんの二人は否定しているが

 

「あーっとそのーまぁ何だ・・・良い胸だったぜ!!」

 

アザゼルさんに関しては笑顔で褒めている。まぁ一方の俺は皆の予想通り

 

「スイマセンユルシテクダサイジョウケンハンシャデヨロコンデシマイマシタ」

 

そして俺的に一番気になる事、それは白龍皇のヴァーリの感想である

 

「・・・・・・・」

 

「おいおいヴァーリお前も男だろ?一瞬だがあの光景を見ちまったんだ。感想ぐらいしっかりと言わないと男が廃るってもんだぞ?」

 

「俺は異性の裸の何処が良いのか全く分からんが、敢えて上げるなら尻だな。あれなら後方での精密狙撃の射撃援護が出来るだろう」

 

『  』

 

全員が呆然としている状態が不思議なヴァーリ

 

「どうした何か問題でもあったか?」

 

「俺はお前の将来が心配になってきた」

 

心の底から心配そうにヴァーリを見つめ、この男をどうにかしなければいけないと本気で思うアザゼル

 

 

 

 

 

 

と言った所で状況は変わるまでも無く

 

 

 

 

 

「まぁ男共全員私のを見たからちょっと正座しようか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

O☆HA☆NA☆SHI☆中…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『本当に済みませんでした』

 

「俺にとっては八つ当たりだろう。あんな映像の何処が良いのか到底理解出来無い」

 

「お前は一旦黙ってろ!!」

 

解せぬ―――――――――と心で思ったヴァーリであった

 

 

 

 

ちょっとしたハプニングは一旦置いて話を戻す一同

 

「では話を戻してコカビエルの件についてですが―――――――――」

 

「姐さんの側からは絶対に離れんぞ!!」

 

「美羅さんに一任しようと思います皆さんはどうですか?」

 

「それは良い。コカビエルも美羅さんの側から離れたくないと言っているので丁度いいかと」

 

「賛成―――――――――と言いたかったがそれは駄目だ。正直な所美羅嬢ちゃんに一任する予定だったがこいつはコキュートスに放り込むつもりだよ。しかも永遠にな」

 

コカビエルの面倒事が想像以上に胃に負担を掛けており、アザゼル自身「今よりも増えてしまうと俺が死んでしまう」との事。よってコキュートスの永久冷凍にぶち込むという流れに決定したのだ

 

「フザケルナ!フザケルナ!バカヤロー!ウワアアアアアアアァァァァァァ」

 

「うっさい!」

 

「アリガトウゴザイマス!」

 

鋭い蹴りを受け気絶したコカビエルchairは崩れ果て、再び縄によるグルグル巻きのみの虫と化した

 

「ではコカビエルは後ほどコキュートスへと移送という事で決定しました。しかしコカビエルを圧倒した美羅さん、貴女は一体何処の所属ですか?」

 

「中立と言いたいのだけれど、若干堕天使(笑)寄りかな?」

 

美羅先輩その(笑)って何なんですか!俺めっちゃ気になるんですけど!?もしかして美羅先輩が堕天使の長を折檻して影の長になっちゃったとか?HA☆HA☆HA☆それは幾ら何でも有り得ないと思ったけど―――――――――――――――――あれ?美羅先輩って部長のお兄さん、サーゼクスさんよりも強いって言ってたような・・・・・

 

「ちょっと宜しいかな美羅さん?堕天使(笑)とは一体何なのか説明をして頂きたい」

 

おっ!早速サーゼクスさんが一番気になる点を質問してくれた。美羅先輩はどうやって答えるのか楽しみだなー。案外「堕天使無能多すぎだから(笑)を付けた」とか「お馬鹿な行動をしまくる陣営だから」とかだったりするのかな

 

『なぁドライグお前は美羅先輩が一体どう答えると思う?』

 

『はっ!分かりきっているだろう相棒そんなもの一つだけさ』

 

「あぁそれね」

 

「それは」『答えは』

 

「丁度良い下僕が目の前に居たからよ」『使いっ走りが目の前に居たから――――――だ』

 

少しニュアンスは違うものの意味合いは似ているのでドライグの予想は当たったと言えるだろう

 

『おうドライグすげぇな。伊達に俺と一緒に折檻を受けた仲と言う訳だな!次回から美羅先輩の行動を予想してくれよ!そうすれば美羅先輩の警戒網をかいくぐr』

 

『無理だぞ』

 

即断された俺の望み。憎らしやああああああああああ!!

 

『さっき念話で直接忠告されたのさ。無用意な助言や予想をしたらなぶり殺しにすると・・・・・精神世界で死ぬことが無いとは言え俺は殺されたくないのでな。以前なぶり殺されて以来もう逆らわないって決めたのさ

 

ドライグの最後の呟きは一誠に聞こえない程小さな呟きであった

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

変態の至宝は何かと気になって静観していた私だが、ところがどっこい一級危険物の代物だったよ。最初は唯のノートと思って解析を行わなかった過去の自分をぶん殴ってやりたいね!まぁ映像としてはタオルを巻いていた分幾分かはマシであるが、男共は極刑だよ。言い訳をする約二名の長と褒めるエロ爺、そしてトラウマの一誠君ね・・・・・紅と木場君は見なかったのでデコピン一発で許してあげよう。私ってとっても優しいね!

そして黒は会議後、一切の容赦せずぬっころす!今は会議台に頭からタッチダウンで止めておいてあげるよ。変態はサンドバッグにしたら喜びそうなので却下、どうしようか迷ってるとエロ爺提案の永久冷凍刑。まぁ簡単に説明すると一生氷付けで彫像と化すみたいだそうなのでそれで決定っと・・・・・白龍皇だったかな?あれは許さん!隠してたとはいえ無反応は男として有り得ない!!という訳なので男共と同じO☆HA☆NA☆SHI☆だよ。理不尽だって?そんなの私の知ったことじゃない

天使のいけ好かない優男が私がどの立場に居るか聞いて来たので中立だけど堕天使(笑)の陣営寄りって答えるとちょっとだけ魔力が揺らいだ。こいつ私を自陣へと引き込みたいと思う輩です決定ー、そしてシスコン赤髪貴様も同様の反応を有り難う。これで憂いも無く自由に出来るって事だね!所詮烏は烏、私の手足となってキリキリと働く運命なのさ。いやーやっぱり小さな面倒くさい件は下に丸投げが良いよね!

 

「っく、嫌な予感が」

 

「こ、紅さん大丈夫ですか?」

 

「――――――――――――大丈夫だ、問題無い」

 

紅は後ほどアーシアちゃんを交えてお話しないといけないね・・・・・しかしアーシアちゃんは凄いねぇ、龍に好かれる体質なのか運命かは分からないけど何時かドラゴンライダーに成ってそうだね。それよりも紅のあの反応を見ると皆さんお分かりであろう、完全にアーシアちゃんに魅了されちゃってるってね。改めて話を戻そう

この優男は私が堕天使(笑)を使って戦争を起こすかどうかについて証言を取りたいのだと・・・まぁ証言なんて有って無いような物だからどうでも良いんだけどね!取り敢えず今は何もしない方向で返事をしておこうかな

 

「私は戦争なんて面倒くさい事はしないけど最終的にはどうなるか分かんないよ。私の標的は唯一人、その邪魔をする奴や降りかかる火の粉は私の好きな様にするよ」

 

「ではその標的の名前をお聞きしても?」

 

「自称神様」

 

『 』

 

この会議室に居る全員が黙っちゃったけどどうしたのかな?あんぐりと口を開けているけど大丈夫?取り敢えずこの絵面色々と面白そうだから写真でも撮っておこう

 

パシャと音を立てスマホに写真を保存する美羅はごくごく自然体であるが周りの長達はそうはいかず矢継ぎ早に問いを投げる

 

「おいおい嬢ちゃん、あの自称神様をぶっ倒すってマジで言ってんのか?」

 

「アザゼルは自称神様について何か知ってる感じかな?」

 

「あ、やっべ・・・・・」

 

「強制的に記憶を覗かれるのと事細かく情報を吐き出すのとどっちか選んでね?」

 

「どっちも俺に死ねって事じゃねーか!」

 

ふむふむ成る程ねぇ前の世界でも同様転生者君に聞き出す際の時限爆弾がアザゼルにも仕掛けられてるのか・・・・・んーどうしよう、力を解放すると後々面倒いからやりたくないんだよなぁ

 

『美羅よ今良いか?』

 

いきなり美羅へ念話が飛んで来た。その相手はグレートレッド、この世界に来た美羅と初めて戦っt――――――――蹂躙された慢心龍である

 

『ちょっと今会談してるけど何?』

 

『我がそちらに行っても良いかどうかの確認だったのだが・・・・・今は忙しいのか』

 

『いやーちょっと待って、グレートレッドは自称神様について何か知ってる?』

 

『すまないがその様な輩は知らない』

 

グレートレッドは自称神様について何も知らないか、一応認知していない者達にも私とグレートレッドの関係を知らせてよう思い立ったが吉日ってねー

 

『忙しいけど人化して転移するなら大丈夫だよ。どうせ会談終わったら暇になるから一緒に何か食べない?』

 

『よし!今すぐ人化して転移する!!』

 

食べ物に釣られるグレートレッド、そして現れる次元の割れ目。皆がいきなりの出来事に驚き視線を一点に集中させると同時に現れる

 

「美羅ー会いに来たぞー!こんな物早く終わらせて食事をしよう。さぁ今すぐに!!」

 

いきなりの登場、そしてマイペース、話の中心である美羅を連れ出そうとするグレートレッド。知らない者は戸惑い、知っている者は放心する

 

「待って下さい彼女は今大事な話をしているさいt「黙れ」 っ!?」

 

ひと睨みで動かなくなるミカエルはこう感じた、全てを消し飛ばされ存在事無くなった自分を――――――――とはいえそれはあくまでも体感だ。冷や汗が大量に出て屈服しそうになる体だがグレートレッドに待ったを掛ける美羅

 

「もう少し待とうね?」

 

「ハイスミマセン」

 

笑顔だが目が笑っていない美羅の前にはグレートレッドもたじたじである

 

「ねぇグレートレッド、アザゼルに付いてる爆弾ってそっちでも無効化出来る?というよりもやりなさい」

 

「美羅の人使いが荒い・・・しかし甘味の前には些細な問題だな――――――――――むんっ!」

 

グレートレッドがアザゼルに右手を突き出しギューッと拳を握り込んだと同時に自称神様?の力は霧散し完全に無くなった

 

「嬢ちゃんが理不尽の権化ってのを改めて思い知らされたわ。グレートレッドのお陰で俺の中にあった変な異物が完全に消えてるわ」

 

「烏の坊主よもっと私を褒め称えるがよい」

 

「ハッ!?余りの急展開で呆然としていました!改めてお聞きしますが美羅さんとグレートレッドの関係は一体・・・」

 

「私が殴って勝った―――――――――――以上」

 

またしても呆然とするミカエル、サーゼクスとアザゼルに関しては「まぁ普通はこの反応だろうな」と呟きつつミカエルが帰ってくるまで待ち、今回は二度目となる呆然から復帰する時間は短く直ぐに帰って来たミカエル

 

「は、ははは美羅さんはご冗談が過ぎますよ」

 

「まぁ私と美羅は友達なのだ」

 

「食っちゃ寝ドラゴンが何か言ってる。プププ~」

 

「脳内ピンクのエロドラゴンのくせに生意気に吠えるな」

 

「んだとこら!」

 

「やる気か?メッタメタにしてやろう!」

 

「鉄拳制裁!」

 

会議の場を凶悪な魔力が埋め尽す瞬間それ以上の凶悪なる拳が元凶を吹き飛ばす。大きな音を立てた後静まる場―――――

 

はぁ何時になったら和平を結べるのやら

 

本音の呟きが漏れる・・・それはこの場を作った者達全員の思いであった

 

 

 




長々と期間が空いて申し訳御座いません
色々とイベントをやったり他の小説見たりとあっという間に時間が・・・・・
いやぁヤバイね、この暑さでやる気が削がれて進まないのです

あぁー部屋にクーラー欲しいなぁ!!




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第38話 空気を読みなさいテロリスト

おっおっ!やっと書けたぞー!早く次を書かなきゃ(・ω・)
美羅「なぁにをしてたのかな?」
紅「世辞の句を読め」
し、仕事の手伝いをシテタンダヨー
美羅「FG〇やってたのに?」
い、イベントダッタカラネ・・・・
黒「吊せ吊せ!」
美羅「結果は?」
☆4ガゼンインソロッタ、ナオ☆5ハナイヨ
美羅「よし黒と一緒に処す」
黒「 」




ウヴァアアアアアアアアアアア!




~一誠side~

 

目の前には残酷な・・・いや冷酷無比な制裁を受けた龍の二人が正座をしており、そんな中ドンドンと二人の足へ岩板を積み上げて行く美羅先輩が居る。俺がずっと視線を向けている事を不思議に思ったのか一旦こっち見た美羅先輩・・・・・やっべぇマジでやっべぇイライラが8割程溜まっている状態だってばよ。何故そんな事が分かるかだって?伊達に折檻されているわけじゃねぇ!美羅先輩がガチ切れしないようある程度の節度を保ちつつ学校のおっぱいを追い求めてると分かるようになったんだよ!!一応念話で部長に美羅先輩がイライラを溜めている事を言っておくと感謝されたので会談が終わったらおっぱいをいつも以上に揉ませて貰えるように頼み込んでみるか!!

 

一誠が邪念を膨らましている中会談がやっとの事で進行する

 

「おいサーゼクス、ミカエル、俺達は俺達でさっさと済まそうぜ。この会談自体がそれぞれの長の話し合いなんだからよ」

 

「おっとそうだった。では、アザゼルにもう一つ質問なのだが何故神器保持者を集めているのか―――――――――それについて聞かせて貰おうか」

 

「神器は一つ一つが強力な物、それを使用して戦争を起こす可能性が有るのですが危機管理は出来ているのですか?」

 

「あぁその辺は大丈夫だ。こっちは保護する形で集めている対価として神器を調べさせて貰っているからな。勿論本人の許可は取ってあるぞ」

 

サーゼクスとミカエルは最悪の事態になり得ないかを確認する為殺気を込めた視線を突きつけるもアザゼルの反応は変わらず、飄々としている。最も本人の口から目的等を説明されたが・・・・・

 

「よーし、そんじゃあとっとと和平を結ぶぞーこれ以上長引くとこれまでと同じ様になっちまいそうで怖いからな。あぁそれとついでだが、二天龍の二人に聞いておきたい――――――――――――お前達は何を望んでいる?」

 

うぉお!?いきなりこっちに話を振って来やがったぞこのおっさん!!

 

「おい今俺の事おっさんって思わなかったか?」

 

「イエ、ソンナコトオモッテナイデス」

 

「大丈夫ですよ兵藤君。長々と生きているのでおっさんで上等です」

 

「かー!一々言う事に棘を混ぜるミカエルは意地きたねぇなぁ。――――――――――で、お二人さんはどうなんだ?」

 

「俺は強者と戦う事だ」

 

いまいちハッキリとしていない質問に疑問ばかりの一誠を余所にもう片方のヴァーリは直ぐに本音を告げた。それでも尚難しく捉えているのか、頭が回らないのか云々悩んでいる一誠にアザゼルが一言

 

「赤龍帝!もし和平が成立すると今までより一層イチャイチャできるぞ?」

 

「俺和平に大賛成です!ってか和平結んで下さいお願いします!!」

 

「ちょっと一誠!?」

 

これだけ人が居る中堂々と己の主であるリアスとイチャイチャしたいと宣言する一誠の覚悟は良いのだが、ある程度の常識を有するリアスは羞恥心で顔が真っ赤っかである

 

「この赤龍帝は変態黒龍に負けず劣らずだな。しかも胸ばかりを強調するとは・・・」

 

「おっぱいは至高なんだ!」

 

グレートレッドが呆れながら引くが一誠の思いは変わらずである。その様子をニヤニヤと眺めるアザゼルは何を思っているかはそれぞれにお任せしよう

 

「よーし二天龍達の確認も取れた事だ、後は目の前紙にサインして完了だ」

 

それぞれが前に出された紙を見て内容を確認し終えると署名し終えた時、異様な力が学園全体を取り囲むように襲う

 

「これは・・・・・」

 

「時間が止まっているのでしょうか?」

 

「あー、こりゃあグレモリーの嬢ちゃんとこのハーフヴァンパイアの仕業だな。だが以前見た時は暴走する気配が無かったとなると外部の仕業だな」

 

直ぐに原因が思い当たらないサーゼクスとミカエルに反してアザゼルは直ぐにこの原因を把握していた

 

「何ですって!?」

 

「クソッ!ギャスパーを利用するなんて許さねぇ!!」

 

「ギャスパー君は大丈夫なんですか!?」

 

「俺らは兎も角だが、何でグレモリーの嬢ちゃん達が動けるんだ?」

 

「私達は暴走前のギャスパー君の力の影響も受けていたはずですが何故今は動けるのでしょうか?」

 

グレモリーの眷属や元聖剣使いの二人が戸惑っているが問題は次から次へとやってくる

 

「ッ!サーゼクス!!」

 

グレイフィアがいち早く敵の正体を察知し知らせようとするも間に合わず易々と侵入を許してしまう

 

「ごきげんよう現魔王サーゼクス・ルシファーそして天界と堕天使の長達よ」

 

「何故君が此処に居る――――――――先代レヴィアタンの血を引くカテレア・レヴィアタン!」

 

「それでは世界に破壊と混沌を」

 

直後魔力を手に持っている杖先へと急激に収束そして爆破と攻撃をしてくるのだが、忘れてはいけない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イライラが積もった理不尽の権化が居ることを

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてカテレアの言動が不愉快と感じてしまった事に・・・ガシッとカテレアの腕を掴み感情を起伏させない状態で問いを投げつける美羅

 

「此処は会談をする場、それを邪魔するって事は貴女は敵って事で良いのかな?」

 

「はっ!真っ白な薄気味悪い人間の小娘がこの私に向かって生意気を・・・立場を弁えなさい!!」

 

(あいつ消えたな)

 

(所詮悪魔だ。消えたとしても恐らく世界に影響は無いだろう)

 

念話で会話する黒と紅は心の中で合掌をした

 

ボキグチャ

 

決して人体から発してはいけない鈍い音がその場に響来渡る。理不尽の権化(美羅)愚か者(カテレア)との間に生まれた音の正体は美羅が腕を握り千切った音である。当然、いきなりの痛みで絶叫するのだがそれを許す事は無く、空いたもう片方で首を握り締めている状態だ

 

「あ"――――――――が―――――――――――かひゅ―――――――――――――――」

 

『ここ最近立て続けに何なの?世界は私を怒らせたいのかな?』カテレアへと一方的に語りかける美羅だが瞳は通常よりも黒く、淡々と何かを行使する作業機械の如き冷徹な物であった。簡単に言うなれば超ブラック企業の完全社畜マシーンで其処に余計な感情や慈悲も無い状態―――――――――――――この場に居る美羅の本性、枷が無い状態を知っている者二人は理解していたのだ。止める術は無く消え去る運命だと言う事『まぁ何でもいいや、ばいばい混ざり者の悪魔』その言葉がカテレアの脳で理解したのは其処まで。美羅を中心に凄まじい光が周囲を明るく照らし、収まった後カテレアの姿は何処にも存在していなかった。その光景を後に固まる長やそれに近しい者達は何となくではあるが美羅が行使した力を理解、それ以外は何が起きたか全く理解出来ていなかった

 

「部長、美羅先輩が掴んでいたあの人ってどうなったんですか・・・」

 

「破滅の力を使った?いえ有り得ない・・・・・あれは私達だけの力の筈」

 

「先輩はどうやって彼女を倒したんだ・・・」

 

「あれは・・・いえ・・・だとしても有り得ない」

 

朱乃さんは何か心当たりがありげな感じだ。ってことは普段使っている攻撃系・・・雷か何かか?俺が予想していると校舎が小さく揺れ始める

 

「外にいる奴ら全員魔術師か」

 

「この場に居る人は何故か動けるが外の連中の止まった状態を元に戻すには結局の所ハーフヴァンパイアの坊主をどうにかしないとな。取り敢えずヴァーリ、外にいる連中をどうにかしておいてくれ」

 

「・・・雑魚共と戦うのは引き受けたくないのだが、アザゼルからの頼みでは仕方が無い」

 

窓を開け神滅具『白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)』を展開したヴァーリは凄まじい速度で魔術師達へと突き進む

 

「これで残る問題はギャスパー君だけになったが」

 

「お兄様、私達がキャスリングを行いギャスパーの元へ向かいます!」

 

「任せて下さいサーゼクスさん部長は俺達が守ります!」

 

リアスを中心に一誠、木場、姫路、アーシア、紅、黒が集う

 

「あー・・・・・その戦力だと奴さん達に同情したくなるぜ」

 

最早過剰戦力、これに勝てるのはごくごく一部・・・・いや一名を除き他にいないだろう。ただ紅はアーシアの守護としてなのだろう・・・・・黒が何故そちらへ行くかは謎であるが敢えて誰も突っ込まない。一同が集まり光ると其処には入れ替わる様にその場に現れるルークの駒、キャスリングが無事成功した事を表していた

 

「さてこちらは何も無いとは思うが結界維持に力を注ぐとしますか」

 

「・・・・・・」

 

 

 

~美羅side~

 

無言――――――――美羅はこれ以上何もする気が無いのか、椅子に座り直し瞑想状態になっており、赤はコカビエルchairに座り女王様プレイを楽しんでいる

 

「ほぉら豚のようにブヒブヒと言いなさい!そうすればこの鞭で叩いてあげるわよ」

 

「お、俺は姐さん専用の椅子に成る筈だったのだ!何故龍神を乗せねばならんのだ」

 

「喧しい!椅子は大人しくブヒブヒと鳴くか黙っていなさい」ビシッバシッ

 

「おっふぅ!・・・・・これはこれで中々有りだな」

 

コカビエルは新たな主人を見つけ気持ちよさそうでなによりなんだけど、まさか黒と紅がKY赤髪の方へ一緒に付いて行くとはね・・・紅はアーシアちゃん守り隊だから未だ分かるが黒は許すまじ!色々と馬鹿やって私にストレスを溜めさせて行くのだ。かといってブ〇〇したら事後処理が大変だし何かと不便になってしまうので我慢我慢。しかしあれだねぇ、どの陣営も下の教育がなってない!(自分の事は棚に上げ)裏切り行為が多すぎてお話にならないよ。ん、天使はやってないって?神が死んでるのに黙秘したまま信者増やして自身に不都合だと判断すると排除しようとする奴は最低だよ。あ、白龍皇がつまらなさそうに魔術師(雑魚)を大量に屠りながらこちらに視線を向けている――――――――――――よし!放置確定ですね。そもそも好敵手を放置して強者と戦うとは減点だなぁ

 

結界の中で椅子に座り物思いにふけりながら外の様子を眺める美羅、だがその一方で少しばかり警戒だけはしているのだ。転生者達の存在が不気味さを持っているのだ。美羅は強い、だが忘れてはいけない。最初油断して(眠っており敵に気が付かなかった)自身を追い込み、討ち取った存在が居る事実を。もし同等の存在が複数人まとめて相手となるならば周囲の被害はお構いなしでの戦闘になってしまう為瞬時に転移出来る様に待機しているのだ。リアス達一同が救助しに行ってから数分後時間、吸血鬼の神器(セイクリッドギア)の効果が解かれ周囲一帯を覆う魔力が霧散、これにより結界を張らず全員が攻勢へと切り替える事が出来る

 

「おっしハーフヴァンパイアの小僧の神器(セイクリッドギア)の効果も切れたみたいだ。残るは此処に居る魔術師達を一掃すれば終わりだな」

 

アザゼルの発言後、旧校舎から救援に向かったリアス達がギャスパー、塔城の二人を足してグラウンドへ現れこの場に全員が集結した

 

「よし!愛しのリーアたんも傷ひとつ無く元気に合流してたぎって来たぞぉ!」

 

不安が解消したサーゼクスの結界は更に力を増し、この場にいる魔術師の攻撃ではびくともしない程の強固さを持ち始め敵は攻めあぐねている。ドンドンと減る魔術師達だが様子がおかしくなり、終いには全員が奇声をあげる等おかしくなった

 

「な、なんだぁ!?」

 

「いったい何が起きているというの!?」

 

「アザゼル何が起きているか解りますか?」

 

「・・・俺自身何が起きているのか解らんが、お嬢ちゃんなら何か心当たり有るんじゃねぇか?」

 

私に話を振ってくるアザゼルに笑顔でお返ししよう。知ってるんだよ?何故神器(セイクリッドギア)を研究して何に備えているのか。これからも度々振ってきそうだから忠告混ざりで厳しく言っておこう!

 

「心当たりが有る事を隠しているアザゼルは明日私のサンドバッグかなー?」

 

「オレノヨソウダト『禍の団(カオスブリゲード)』ダトオモウゾォ」

 

考える間もなく自白するアザゼル。直にサンドバッグをされている所を見ていると大体の者達は直ぐに手のひら返しをするだろう―――――――――――――ただしごく一部の変態を除いてはだが。アザゼルの発言に所々驚く者、聞いたことも無いと無反応な者、人それぞれの反応をする中でこの場で笑みを零していたヴァーリ唯一人であった

 

「・・・白龍皇何故貴方だけ嬉しそうなのですか。さもこの予想外の出来事を最初から知っているぞと疑いを掛けられても不思議ではありませんし場合によっては直接聞き出させて頂きますが?」

 

ミカエルの発言にピンッとした緊張が走り、この場に居る者達の目が警戒へと切り替わって行く。ただし、アザゼルと美羅の二人に関しては予想出来ていたと言わんばかりの落ち着き様であるが・・・

 

「ふっ、その質問に答えるとするならば『知っている』だ。俺も禍の団(カオスブリゲード)だが少しばかり予想とは違っていた点に関しては何も知らないと言わせて貰おう」

 

「さもあの魔術師達の状態が予想外と言いたげですが」

 

「ああその通りだ。俺の予想ではオーフィスの蛇による暴走と踏んでいたんだがそうでは無いらしい」

 

オーフィス、その名前が挙がるとほぼ全員が驚いているがそれ以上に警戒をしなければいけない敵が居るという事実に直面する。ふとヴァーリが何かに気付いたのか旧校舎の奧へと視線を逸らした方向へ警戒をするそれぞれの長達、そして気付く――――――――――――――惨事の元凶が其処に居る事に

 

 

 

~一誠side~

 

キャスリングで一気に旧校舎まで転移した俺達は一刻も早くギャスパーと小猫ちゃんを助けるべく移動しようとしたら背後から強襲を受けた。だけど一番後ろに待機していたのはアーシアで紅がずっと側で待機しているのだ。皆もお察しだろう、強襲してきた魔術師達は全員炭化つまり即死だ。後は暴走しているギャスパーの神器(セイクリッドギア)を抑制する為俺の血を飲ませた。指先を少し切って吸わせるのだが絵面がヤバイ・・・ギャスパーの事を知らない奴から見ると俺の指を一生懸命舐める後輩の美少女と勘違いされるからだ。現に部長とアーシアと朱乃さんの三人からはそう見えているらしく小猫ちゃんに至っては「一誠先輩に襲われるギャー君」っておい!誰が小猫ちゃんに要らん知識を与えやがって―――――――――――って黒お前か!!小猫ちゃんの後ろでボソボソと有る事無いこと吹き込み汚そうとするあいつは後でぶん殴る!危険な事もなく救出作戦は終了して俺達は運動場へ向かい他の皆と合流、そしてヴァーリからもたらされた新事実!禍の団(カオスブリゲード)のトップがオーフィスという神龍という事だ。あれ?これって美羅先輩を仲間にしておかないと俺達ゲームオーバーじゃ・・・

 

只でさえ強力な神龍に加え白龍皇のヴァーリが存在するので三勢力の長達が纏まろうと勝機が無い。冷や汗を流しつつも冷静に情報を引き出して行く話術は流石と言った所であろう。ふとヴァーリが視線を旧校舎へと向け、追うように一誠達も向け気付いた

 

 

 

何者かが其処に居る事に

 

 

 

「っこの気配―――――――――転堂の奴か!!」

 

戦闘体勢を取った瞬間爆発、旧校舎は跡形もなく消え立ち込める土埃から現れたのは転堂を先頭とした転生者達

 

「彼らがカテレアの言っていた特異者か・・・だがこれは」

 

『気付いたかヴァーリ今代の赤龍帝は何故か理解出来ぬが二人居る』

 

「二人の赤龍帝と戦っても良いのだがそれはつまらないし生憎特異者側の赤龍帝は彼を標的としている・・・ならば双方の勝利者が俺の好敵手ということだ」

 

二人の赤龍帝、担い手により戦い方が変わる為比較する楽しみを味わおうとするヴァーリだが一誠からしてみればたまったものではない。そもそも今の一誠では転堂に勝つどころかかすり傷一つでも付ける事が出来るかが怪しい力量でそれを理解しているからこそ一誠は防御の姿勢を取っている

 

「・・・てめぇの腕は俺がひき肉にしたはずだが何で元通りに再生してんだ」

 

「これh―――――――――――――ってか誰がお前に教えるかよ!」

 

「そうか、なら力尽くで聞き出してやるぜ!!」

 

一瞬で禁手化(バランスブレイカー)の鎧姿となった転堂は真正面から突っ込む

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パキンッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まるでガラスが割れた音が響き渡り一誠と転堂が居た場所の間から何かが這い出てくる

 

まぁ――――――――あれだ

 

転堂突っ込む→一誠と転堂の間から正体不明が急に出現→びっくり転堂

 

後はお分かりだろう?横っ腹に体当たりをされて吹っ飛ぶ間抜けな転堂の構図が出来上がる

 

「ぐっふぉ!?」

 

『 』

 

「アハハハハ!」

 

あまりにも酷い絵面で周囲は沈黙または呆然とする中美羅は笑っている。お間抜けにも程がある―――――――――自分を笑い殺しに来ているのかと思う位の出来事だからだ。だが黒、紅、赤の三人に関しては驚愕の表情である

 

「いやぁ笑うのは良いけどよぉ」

 

「これは笑えないぞ・・・」

 

「お、おい美羅!こ、こ、こいつはヤバくないか!?」

 

「えぇ、幼体だから別にそうでも無いでしょ」

 

ひび割れた空間から出てきた者、それはグラン・ミラオス―――――――――――だが体躯は小さい。しかし小さいとは言ってもミラボレアスより少し小さい程度の大きさなので十分大きいとも言える。まぁその巨体で横っ腹に体当たりされたらどんな者でも吹っ飛ぶであろう・・・・・

 

「これは・・・龍なのか?」

 

「美羅さんが幼体だと言っていましたが成体だとどれ程まで大きくなると・・・」

 

「・・・黒と紅の反応から察するに存在するだけでヤバイ龍って事か?いやそれは流石に無い・・・いや――――――うん無いと言って欲しいぜ」

 

アザゼルだけは流石と言うべきなのかドンマイと言うべきなのか、間違いなく胃へと直接攻撃を仕掛けてくる厄介極まりない存在だと薄々だが感じ始めている

 

 

 

~美羅side~

 

『・・・何か当たった?此処は何処?・・・・・それよりも知ってる気配が有る?』

 

辺りをキョロキョロと見回し首を傾げているがその存在が大きい為周囲の空気が緊張に張り詰めている中それを破る間抜けが此処に居る

 

「ちっくしょうがああああああ!蜥蜴の分際で俺に体当たりしやがって!ぶっ○ろしてやる」

 

醜態を晒され激怒する転堂と比べ他の転生者達はヒソヒソと相談し始めている

 

おいあれって小さいけどモンハンに出てくる奴じゃね?

グラン・ミラオスだったか?しかし体躯が小さいぞ

スモールの金冠は幼体って事か

小さい古龍だけどいけるいける

いやー、無理じゃね?天災クラスだろ?俺は勝てぬorz

お前以外は大丈夫だろ・・・超チート特典満載だし

 

冷静に敵の力量を予想している転生者達、怒りで猪となる転堂の手綱を握れていない辺り明らかに転生特典による力のピラミッド(パワーバランス)

 

『この匂いミラ?でも人間?』

 

『人化をしているだけよ・・・安全な場所に居た筈だけどどうして此処に来たの?』

 

『変な人間がいきなり攻撃してきて泳いでいたらいつの間にか景色が虹色の場所になってた』

 

『あー・・・その人間が何か言っていたか覚えてる?』

 

『・・・えっとね、銀行とか煙突とか言ってた』

 

はい転生者確定です。幼い子供の命を脅かす阿呆は許すまじ!間接的に呪いでも掛けておこう♪

 

世界を飛び越えての呪いが確定した。美羅曰く「片手間で出来るほど簡単な作業だよ」とのこと・・・前の世界で自称神様に呪い掛けた方が楽だと言いたいが、本人を直接ぶっ○す方が良いそうで・・・

 

「幼体だぁ?だったらいたぶってぶっ潰してやぶもぅ!?」メキョッ

 

「「あちゃー」」

 

頭部の装甲を粉砕、頭蓋が歪む程の一撃を入れるは美羅である。追撃を逃れんが為、王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)から最上級の武器を幾多にも展開、そして射出するものの美羅は何処からともなく取り出した剣で弾き、流し、砕く

 

「はぁ?」

 

『えっ?』

 

正にほぼ全員顔が( Д )゜゜こんな感じになっており、ヴァーリに関しては冷や汗を流しながらも歓喜の笑みを浮かべている

 

「なあ志木よぉ、戦闘凶で近接格闘に強いお前は彼女が何したか理解(わか)る?そしてお前はあれを再現出来る?」

 

「両手に武器を持ち尚且つ攻撃の時間差(タイムラグ)と攻撃箇所が分かっていたら多分と言いたいが今の段階では不可能だな」

 

「うん―――――――――彼女はかなりの特典持ちの転生者って事か」

 

勝手に美羅の事を転生者と決め対策を進めようとする彼等もまた滑稽としか言えない。一方、今度こそ無慈悲な攻撃で消し飛ばそうと悠々と歩き転堂との距離を縮める美羅を彼らは止められずただ眺めているだけしか出来無い現状なのだが

 

『ミラあそぼー』

 

横からヌッと頭を突き出し擦りつけるミラオスによって中断されてしまいこの隙を好機と判断した転生者の一人が転移魔法を行使、一瞬で消えた転堂含めた転生者達。たった少しの時間ではあるが禍の団(カオスブリゲード)に所属する転生者を見た美羅達、そして彼らは殲滅対象の項目へと追加されたのであった

 

 

 

 

 




ミラオス登場だよ?でも幼体、しかし力は強烈。まぁ古龍ですし当然だよね!!
ん?アルバトリオンはどうするのかだって?登場はするよ、本編に絡ませるかは・・・・・未定かなぁ。何処で出したら良いのか難しいや(;*^_^*)
ドンドンと加速する紅の過保護感が凄まじい・・・・アーシアちゃんドラゴンライダーにジョブチェンジしても良いぐらいになってきたかも。
黒は安定の問題児兼オチ担当として頑張って貰おうか。

フザケルナ!フザケルナ!バカヤロオオオオオーウワアアアアアアアアア 
ウッサイダマレ!
フゥオォ!?




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第39話 転生者達よ目を点にしな!!

ぢゅわっ!\(・Д・)/
      | |

ン"ン"!早い投稿だぞい・・・・なーんてうっそぴょーん!
美羅「よろしいならばクリークだ」
(゚Д゚)ンビャアアアアアアアア!
美羅「今回は早かったね?一体どうしたのかな?今までは手を抜いていたのかな?」
・・・・・
美羅「沈黙は肯定として受け取るよ?」
ヘヤァ!ワタシノアガキヲクラエィ!∮(゚Д゚)
美羅「おっと手が滑っちゃった」
⊃)゚Д゚)・:;*.’:;ゲハッ
美羅「これで悪は滅びた」










~一誠side~

 

転堂達が現れ俺は一層警戒心を高めた。だがそれは悪足掻き、ほとんどが無駄に終わる事を理解していたがやらないよりはマシだ。そこで気がついたのか、転堂が吹き飛ばした筈の俺の腕が存在している訳を聞いてきた。一瞬答えてしまいそうだったが直ぐに否定、俺から直接聞き出そうと禁手化(バランスブレイカー)の鎧を纏い突っ込んで来た。しかしいきなり横から現れた何かに吹き飛ばされたのだ。美羅先輩はこの光景に笑っていたが黒、紅、赤の三人はいきなり現れた存在――――――龍に警戒、驚き、不安といった表情をしていた

 

「あ、あれは一体何なの・・・・・」

 

「部長?」

 

部長は何かを感じ取ったのか冷や汗が吹き出し震えていたのだ。それは周りの朱乃さん、小猫ちゃん、木場、ギャスパーとほぼ全員であった。確かにあの龍は普通じゃないと直感出来るがどうしても邪悪な存在に見えなかったのだ

 

『相棒の目は節穴か!あれは危険すぎる。歩く天災と言っても過言ではない程の力を有しているのだぞ!!』

 

「いやドライグ・・・美羅先輩が大丈夫って言ってるからそこまで心配する程の事じゃ無いだろ?」

 

「だ、駄目よ一誠。あれは駄目なのよ!」

 

「なんと言いますか・・・あの龍は以前憤怒した紅さんと似た力を持っていると思うのです」

 

あ、朱乃さんまで!?

 

「あの龍は何もしていないと思っているだろうけど周囲の生き物は末恐ろしい」

 

「動物の本能たる危険信号が『この場所から逃げろ』と言えば分かりますか?」

 

・・・・・・・え~っと其処までヤバイ龍なの?

 

『分かりやすく例えるなら歩く活火山だ』

 

まてまてまて!それってこの町そのものがヤバイって事じゃねーか!!

 

『しかも幼体であれ程の力だ。成体まで成長すれば世界全ての生命体の危機だぞ!』

 

あわあわと狼狽え目の前の龍と交戦しないと言っている俺達だが先程吹っ飛ばされた転堂は正反対で交戦する気満々らしい

 

「幼体だぁ?だったらいたぶってぶっ潰してやぶもぅ!?」メキョッ

 

あ、美羅先輩のストレートが綺麗に入った

 

『あ、あれは悪魔の一撃だ・・・』

 

そういえばドライグは精神世界で美羅先輩のサンドバッグにされたんだ。まぁあれは仕方の無い犠牲というものだ――――――――ドンマイ!

 

追撃をするのか、美羅先輩は転堂の方へと歩を進めようとした瞬間黄金の波紋が四方八方に出現、そこから覗く様に現れた数多の武器に戦慄した。もしあれらが同時に放たれでもしたら美羅先輩でも只では済まないと感じ取る

 

『いかん!あれらは数多の英雄達が使用した武器と同格かそれ以上のオーラを持っているぞ!!』

 

呼び掛けも間に合わず凶悪が打ち出された。しかし流石と言うべきか当然と言うべきか・・・・美羅先輩はその全てを凌ぎきった。これに関してはサーゼクスさんを含め各陣営の長達もポカーンと呆気に取られている。美羅先輩は気にも止めず歩を進めていたが、先程いきなり現れた龍に邪魔をされてしまった。その隙を突いて転堂達特異者たちは転移魔法か何かを使用してこの場から姿を消した

 

「み、美羅先輩大丈夫ですか!?」

 

先程の龍に襲われた美羅先輩を心配してそちらを見たが取り越し苦労だった訳だ。何故かって?その龍は美羅先輩のお胸に頭を擦り付けていたからだ

 

「ウオオオオオ!うらやまけしからん!!美羅先輩の胸を独り占めするなんて許さねぇぞ!」

 

『うぉおおい相棒!?あの龍に不用意に近付くな!』

 

すまねぇドライグ・・・こればっかりは譲れないんだ―――――なんてったって俺はおっぱいが大好きなんだからな

 

近付く俺が五月蝿かったのか鬱陶しかったのか、尻尾で撫でられる様に弾かれた俺は切りもみしながらぶっ飛んだ。あぁおっぱいの神様が居たら加護か何か欲しかった

 

「・・・・・これが今第の赤龍帝か、俺の好敵手(ライバル)には成りえないな。しかしもう一人のあれ(赤龍帝)は駄目だな。あれと闘うのは俺でも拒否したい――――――だが『白野美羅さん』貴女は俺が超すべき目標だ。グレートレッドすら倒せる程の力・・・何時の日か挑戦させていただく」

 

ヴァーリは鎧を展開し、目が追い付かない程の速さで遠くへと消え沈静化した学園、各陣営話すべき事も終わりそれぞれが解散して行った。最後まで学園に残っていたのは俺達悪魔陣営で、部長がサーゼクスさんと話している中俺はドライグと念話でこれからの事を話していた

 

『相棒、本来白との闘いは回避出来ない宿命だが今回は標的にされない程弱いお陰で延命出来きたぞ。白野美羅に全てのヘイトが向かれていたたからな』

 

「なぁドライグ、このまま美羅先輩がヴァーリを倒しちまったら俺は本当の意味で歴代最弱って言われ続けるのか」

 

『歴代ではなく未来永劫その称号は定着してしまうさ』

 

「そっか・・・このままだと未来永劫最弱か、前から強くなるって言ってたのにこれじゃ最低だ」

 

『確かに今までやった特訓が無意味とは言わない。だが間違いなく近い将来あの白龍皇が白野美羅に挑むさ』

 

「それだけは絶対駄目だ」

 

『何故だ?相棒は死にたくは無いのだろう?なら白野美羅に全てを任せておけば―――――――――』

 

「俺は男だ!弱いからって理由で女性の美羅先輩に二天龍の宿命を押し付けて堪るか!」

 

『ハハハハハハッ良く言った相棒!だが今第の白は恐らく歴代白龍皇最強を名乗れる程の力を持っている。魔力、才能、どれを置いても歴代の宿主とは比べ物にならない・・・・・これを聞いてもまだやるのか?今ならまだ引き返せるぞ』

 

「男に二言はねえ!!目標は大きくグレートレッドを倒せる強い歴代最弱の赤龍帝って呼ばれる位にまで強くなってやらぁ!!」

 

会談を終え各自解散して行く中、自身の相棒たるドライグと決意と覚悟も出来た一誠はやるべき事を見据え動き出す

 

 

 

 

~美羅side~

 

目立つのは良くない・・・本当にため息が止まらなくなるよ。先ず標的とされても問題ない奴等は転生者達、あれはどうとでも対処できる。元々敵対する奴等はぶっ飛ばすつもりだったしね。でも問題は禍の団(カオスブリゲード)の存在なんだよなぁ。会談最中に現れた混ざり者をぶっ飛ばしたから何かと因縁なり何なり吹っ掛けられそう・・・最近アーシアちゃんにべったりの紅に全部丸投げでも良いかな?

 

ブルルッ!サ、サムケガスル

ダイジョウブデスカコウサン?

ダイジョウブダモンダイナイ

 

しかも白龍皇・・・・いや、もう白トカゲとしよう。面倒なことに何時か私に挑戦するとか何とかってさぁ?ふっざけんなこのやろー、のんびり暮らす日常を壊そうとするなー

 

コホン、とこの様にテロリストやらバトルマニアに目を付けられた私に平穏無気力ライフは崩れさってしまいました。唯一の癒しはティアと現在私の膝の上に丸くなっている幼体のミラオス、勿論人化しており年齢的におよそ三歳~五歳辺りだろう。精神の方はかなり落ち着いた感じがする・・・だって癇癪を起こしたり無駄に泣いたりせず手が掛からないのでとても楽で嬉しいのだ。ぷにぷにお肌にぬくぬくの体・・・・・冬だと手放せない子だ!なんて恐ろしい子なの!?

 

「みらー、ぎゅーして?」

 

頭をかしげながらお願いする幼女カワイイ」

はっ!?いつの間にか声に出てた・・・

 

「主・・・その発言は・・・・・色々と不味いぞ」

 

「衝撃の事実!学園のお姉様白野美羅はロリコンだった!?もうこれはツモッターで拡散案件w」

 

「ツモッターで拡散ねぇ・・・・・黒とゴリマッチョ達の薔薇コラ画像を拡散しようか?」

 

コラ画像を拝見すると本物と見間違えてしまう程のクオリティの高さを誇る一枚の写真が美羅の手に収められており黒がこれ以上何も言う事は無かったが、クオリティが高すぎて意識の無い時に凶悪な写真を撮られたのではないかと錯覚し始めてしまう黒――――――――――弄ったりネタにする相手はもっと選びましょう

 

「あ~癒される~」

 

一時の癒しの時間を堪能した平穏な日常だった

 

 

 

 

 

~転堂side~

 

クソックソックソッ!いきなり出てきた奴に邪魔された挙げ句、美羅の奴に殴られ散々な目にあっちまったじゃねぇか!殴られた顔は奇跡的に骨が粉々になっていなかっただけマシだがその後だ・・・全方位に展開された王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)の一斉攻撃を全て防ぎきりやがった・・・Fa○eのヘラクレスだって防ぎきれなかった攻撃だぞ!絶対に自動迎撃やら加速装置とかの転生特典を持っているとしか説明がつかねぇ!

 

「つー訳だ・・・あの白野美羅は転生者だと結論付けたが否定は無いか?」

 

自分を含め転生者達が集まった部屋にて対白野美羅会議が開かれた

 

「それは良いんだが・・・な・・・・・」

 

普段異形なる者を倒す事に熱を注ぐ志桐が言葉を濁している。普段からこのD×D世界にて頂点に立ちたいと言っている彼がこの様に士気を落とす様な返事に戸惑う転堂

 

「おいおい一体どうしたってんだ?お前がそんなに自信無さげにしているなんてよお」

 

「お前はあの龍について理解しているのか?」

 

「はあそれがどうした?あの龍ってもこの世界の五大龍王と同格かそれ以上だろ」

 

転堂はグラン・ミラオスについて何も知らないのだ。そもそもゲームのモンスターハンターをやったこと無いので無理もない。だがここに居る転堂以外の転生者達はゲームで知り得ている者、動画で知り得ている者、wikiである程度知り得ている者と各自知っているのだ

 

「グラン・ミラオスが古龍であることは皆が知っているだろう。だが人によってはどれ程危険かどうかの認識の違いがある―――――ゲームでしか理解していない奴、動画で見たことある奴は大人しく聞け」

 

志桐がそう言うと二名を除き残りは転堂側へ移動、おおよそでも理解していない者達にしっかりと知識を与える事もまた対策の一つだ

 

「俺と京矢が残ったか・・・俺達の知識を合わせて覚えている程度で要所要所の説明をする」

 

「グラン・ミラオス―――――――古龍の中でも取り分け危険なミラシリーズの一体だと言われており天災級の古龍、体躯は大きく地殻変動を起こす龍だと思っている。あくまでも拡大誇張した範囲での能力だが」

 

「これ以上と認識しても良いかも知れない・・・・ミラバルカンは隕石らしき物を降らせて攻撃してくると思えば古龍は自然現象に干渉できる力を持っておりミラ系列はトップクラスの干渉力があると想像するのが妥当だ」

 

「特徴的な行動としては噴石を落とす?なのかな・・・」

 

「煙突みたいな角から排出すると言えば良いだろう。だがそれはゲーム内での行動、今はそんな存在が現実にポンッと現れている為どんな行動をしてくるか分からん」

 

「幼体といえど古龍、あれは用心に用心を重ねて俺達全員で掛かるか逃走するかの二択だ」

 

「これは俺達の今の戦闘能力を踏まえた上での提案と言うより命令だな」

 

「今より成長しても勝てるかは不明だけどな」

 

『・・・・・・』

 

「付け加えあのグラン・ミラオスは白野美羅になついていた」

 

「この事からどちらかを倒そうとすれば片方が援軍として来るわけだ・・・・」

 

この仮定から導きだされる転生者達の結論

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『倒すとか無理じゃん!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

転生者達は超チート存在と予想する美羅に加え幼体ではあるが古龍のグラン・ミラオスと事を構える事に反対の転生者達

 

「おいお前ら、掌返しすんじゃねぇ!」

 

「いやいやいや!?天災とお前以上のチートの二人同時攻略とか無理ゲー他ならないだろ」

 

「自分の命一番だからな~」

 

「美羅の奴を倒すって言って画像見せたらお前ら○○○(ピーー)×××(ピーー)してやるって言ったよな!」

 

ぎゃいきゃいと騒いでいると懐かしいようで聞きなれ慣れない声が発せられる

 

「うんうん諦めるのは良くない良くない!君達には折角第二の生を与えたんだから戦って貰わないと困るよ。あ、ちなみにさっきの言葉は全部録音しておいたから逃げたら拡散するので頑張ってね♪」

 

皆が振り向くものの声の主は居らず、ふりふりと振る手だけが見えた程度だった。沈黙する現場、言い知れぬ不快感と不気味さがあり彼等の退路は完全に塞がれたのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さーて彼等の今後がたのしみだ!

 

 

 

 

 

 

 

でも白野美羅ちゃんだっけ?・・・んー、そんな子を転生させたかな?――――――――まいっか!そんなことより可愛い我が娘達とイチャイチャしよっと」

 

彼はまだ気づかない。自身の命を刈り取る存在がゆっくりと笑みを浮かべながらゆらゆらと近づいていることに

 

 

 




どんどんとキャラ崩壊がおきていく美羅!
しかし原因となるミラオスにとっては知ったことではないのだ
さぁどうする美羅!?どうなる美羅!

ー次回ー
日常パートは入りますか?

の一本d

ミラ「 」←無言の佇み
布団「・・・・・」ダッシュ!
ミラ「まてまてーブレスを当てるだけだから止・ま・れ!」
アーバヨオネェサアン!
ソレジャアイッパツイコウカ・・・・・バスター○ーム!
エッ!?ソレハアッカーン!  ジュッ!


ミラ「やっぱりロボットアニメって良いよねぇ・・・・・1回乗ってみたいなぁ」
黒「ミラが乗ったらフレンドリーファイアしそうだな」
バスターホー○ラン!
フォオ!?オレハタマジャnブォアアァァァ!



紅「いつもよりたかーくたかーく飛んでいるな・・・・・」


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第5章 -運命の分岐-
第40話 日常?と戦力強化?


お久しーぶりですぬくぬく布団復活?なのかな・・・
復帰が新しい年号となってから初日とかほんとやっべぇ

ミラ「やぁ」
黒「待ってたぞ」
紅「懺悔は」
ティア「済んだか?」
布団「仕方ないじゃん!体調崩してたんだよおおお!FGOもイベント?美味しいの状態だったんだぞおおおお(。・ω・。)」

ミラ「・・・・・まぁ今回は見逃そうかな」
黒「へっ軟弱者めぇ俺は★5パーティーだったぜぇ?」
ミラ・布団「「よし処するわ」」
黒「・・・手加減してね?」
布団「私は見学者ですから」
ミラ「いつも通り私の超絶嫉妬拳を喰らいな!」
フンヌゥ
ティア「あ、60連でピックアップ中の★4鯖が一体出たぞ」
グアアアアアアア
紅「あー俺はでねぇわ礼装ばっか」
デァアアア
ティア「まぁ私と紅は所詮ライトユーザーだ」
紅「まぁFGOやってる奴らはイベント頑張れよ」
紅・ティア「「それでは一発目投稿だ、内容はまぁうん・・・復帰と言う事で許してやれ」」






~アーシアside~

 

私は今まで紅さんと共に色々な特訓をしてきました。厳しく大変な物でしたが以前より日々少しずつでも強くなっているのが分かる充実した物でした。でも今回の一件、テロリスト達の襲撃で力不足を改めて認識しました。サーゼクスさん曰くギャスパー君の神器(セイクリッドギア)の力が私達に及ばなかったのは美羅さんが何かをして防いだそうなのです。これでは何の為に特訓しているのかが曖昧になって来てしまいそうです

 

この悩みはアーシアだけでなくリアス達全員感じていることなのだが、如何せん土台が出来上がっていないパーティーではどうしようもない。もし無視をしてまで突撃すると崩壊してしまう恐れがある

 

「――――――はぁ、どうして私はこんなにも弱いのでしょう」

 

「アーシアは何故強くなりたいと願う?」ヌッ

 

意気消沈している私に話しかけて来たのは紅さんでした。皆さん知ってましたか?今の紅さんは人の姿をしていますが本当の姿は龍なのです。初めて知った時は驚きましたが今現在は私の相談相手となってくれています。ちなみに同じ時期に転入で入って来た黒さんも龍で身近に沢山居る事実に私ビックリです

 

「それは―――――――」

 

 

 

私は傷を癒せる力を持ったお陰で沢山の人達から感謝されていました。しかしこの力は悪魔をも癒す事が出来その事実は瞬く間に周囲へと広がり異端の力として、私は魔女としての烙印を押され流れに身を任せるだけの人形と成っていました。ですがあの時、否定する事の出来る強い心があればと後悔ばかりでした。部長さんや一誠さんに救われてからはあまり気にしていませんでしたが、今度はこの力で皆さんを守りたいと思っていました。ですが現実は残酷で、傷を癒すだけしか取り柄が無いダメダメな自分自身を責めているのです。もっと強くなれば守りつつ癒す事の出来る人となれると思うからです

 

・・・・・いい子過ぎてホント可愛いなぁ

 

「こ、紅さん!?急に涙を流されていますが何処か痛いところでもあるのでしたら言って下さい。私が癒してあげます!」

 

(この子は守らなければいけない尊い存在だ)

 

こうして紅はアーシアちゃん御守り隊を開設した瞬間であり、アーシアがドラゴンライダーとなる切っ掛けとなるがそれはまだ先の出来事である

 

 

 

~木場side~

 

ダメだダメだダメだ!

僕は周囲に散らばる創造した魔剣を中心に座り込んでいる。コカビエルの襲撃に続き会談での戦いと、どれを上げても力になって居らずそれどころか足手纏いでしかない状態だった。こんな事では部長の兵士(ナイト)として力を振るう処の問題じゃない。下手をすれば置いていかれる事だってあり得るんだ・・・落ち着け冷静になれ木場佑都!僕には何があって何が足りないのかその情報をかき集め――――――

 

「こぅおおおらぁあああ黒ー!!私の期間限定タルト食べたな!!」

 

「んほぉー!おいちぃ!!」

 

「野郎ぶっ〇してやる!!」

 

「!?ま、まてその手に持っている者は誰だ!」

 

「白猫ロケットです」ブンッ

 

「人を弾にすんなぼぅあぁぁぁぁぁぁ!」

 

「捕まえました、これよりお菓子の恨みを晴らさせて頂きます」

 

「ダニィ!?」

 

「懺悔の時間Death」

 

「ミラパーンチ!」

 

「どるぅううううあああ”あ”あ”あ”」

 

・・・・・色々と考えていたけどあれを見ていると僕自身の考えすぎかな。先輩に合わせて動く子猫ちゃんの連携プレーも凄いの一言だけど、それ以上に強くなっているって分かるからね。やっぱりあれなのかな?余計な事を考えずただひたすらに打ち込めば良いのか・・・ウン、キットソウニチガイナイ。此処から先の記憶は全く無く気付いたときにはその手に黒を基調とした剣を握っており、其は刀身が背丈以上ーーーーーー所謂太刀の部類に入るであるそれだった

 

だが問題な点が一つ

 

 

 

 

 

 

 

 

この剣は本物で、魔剣創造(ソード・バース)で創りあげた物ではなかったからだ。一体こいつは何を言っているんだとツッコミを入れても良いぐらいだよ・・・だけど初めて手にしているのだが不思議と手に馴染んでいる。これはあれかな?剣が担い手を選んで現れたって思えば良いのかな―――――――――はははっ・・・・・・・・・・・流石に有り得ないね。そこでふと気が付いたことが一点、この太刀持ってると銃刀法違反で捕まっちゃうという事だ

あぁこの太刀が消えるか『擬態』したらいいなぁ――――――――――――――ってえ!?腕輪に変化したぁ!?な、何が起こったのか分からない。僕自身何を言っているのかどのように表現したらいいのか分からない不可思議現象に言語力が追いついていない!と、取り敢えず銃刀法違反で捕まる心配が無くなったので良しとしよう!!今度は手に太刀を持つように想像すると腕輪が一瞬で太刀に早変わり。切れ味は如何なものかと思い魔剣を一つ創造し太刀で切りつける――――――――――

 

 

わぁしゅごーいばたーのようにまけんがきれてじめんまできっちゃったぞぉ

 

 

結果として魔剣は真っ二つになりその先の地面には斬撃の跡が付きましたとさ。よしこの太刀は封印しよう!本当に駄目なとき以外はちゃんと魔剣創造(ソード・バース)を使っていこう!え、何故使わないのかだって?この太刀に振り回されて味方に怪我をさせたら危ないしね・・・・・今は技量を身につけよう!

 

こうして木場は剣を扱うに必要な技量を広げる為一つ一つの動きの中にある無駄な部分を削る訓練を追加で行うようになった

 

 

 

~塔城side~

 

こんにちわ塔城小猫です。現在私は黒先輩を懲らしめている最中なのです。限定スイーツの恨みは例え黒先輩だろうと容赦はせず、美羅先輩と共にボッコボッコにしています

 

「くっそったれがぁ今日こそ下克上だぁ!完全に力が戻った状態の黒龍でぶっ潰す!!」

 

「お黙り!」スパァン!

 

「フォオオオゥ!?」

 

その言葉と同時に黒先輩は龍化しようとしたのですが美羅先輩のビンタ一発でノックアウトです。駄目駄目でしたね黒先輩・・・・・取り敢えず今の内に海老反り固めをしておきましょう

 

「ウゴゴゴゴゴゴああああああああ!背骨が人間止めて軟体動物みたいに折りたたまれるぅ!?」

 

「この縄で固定して簀巻状態で外に吊す。午後から雨が降る予定だからてるてる坊主改めてるてる黒坊主というオブジェにしよう」

 

「待って俺はオブジェじゃないよ!?ちゃんと人権守って!?誰かヘルプミー!」

 

「龍なのに人権って・・・・・そもそも黒先輩は変態三人組改め変態四人組の一人なのですから既に無いも同然では?」

 

「誰か!後輩が俺に対してどんどんと毒舌を吐くキャラに変貌して行っている件について疑問を持とう!?」

 

黒先輩が色々と喚き散らしてご近所さんの迷惑に成りつつあるのをご存じなのでしょうか・・・多分ご存じではないのでしょうね

 

「取り敢えずこれで大丈夫だね」

 

有言実行、美羅先輩はどこからともなく用意した鉄柱に黒先輩を吊り下げ奇っ怪なオブジェへと進化させていました。正に逆らう者達には鉄槌を下す理不尽ときょうh―――――

 

「小猫ちゃ~んそれ以上はいけないなぁ―――――――もう一つオブジェを増やしてあげても良いんだけど・・・どう?いっちゃう?黒とペアルック完成だよぉ?」

 

「お願いしますそれだけは勘弁して下さい」

 

先輩は超能力者なんでしょうか思考を読むとか有り得ないです。それとも私は顔に出やすい感じなのでしょうか?

 

「おーい助けてくれ小猫ちゃん俺これ以上吊されたらどうにかなっちゃいそう!!」

 

「別に良いんじゃないでしょうか?性格の更生さえすれば下ろす様説得はしてみますが・・・説得するに辺り尻尾ハグハグしますが

 

以前美羅先輩と紅先輩が戦―――――いえあれは美羅先輩の蹂躙でしたね・・・・まぁその時にちょっと触って結構良い感じの触り心地でそれ以降触っていないので気になっているのです

 

「出来る範囲でなら大丈夫だからお願い説得して!だが更生するとは言っていない

 

「はぁ・・・確実では無いのであまり期待はしないで下さいね」

 

「美羅に真正面から説得する後輩にマジ感謝!」

 

黒先輩の言葉が後ろから聞こえますが無視しておきましょう。過度な期待はするだけ無駄という事を理解しているのでしょうかは分かりませんが・・・

 

「美羅先輩少し良いでしょうか?」

 

「ん-なぁに小猫ちゃん?」

 

「実は―――――――――」

 

 

・・・説明中・・・

 

 

「ふむふむ良いんじゃない?」

 

あっさり説得出来た事に驚きを隠せませんでした。てっきり対価を要求されると思っていたので覚悟をしていたのですが気が抜け―――――――――

 

「あ、黒の管理はこれから小猫ちゃんが受け持ってね?モ・チ・ロ・ン・監督不行届けは管理者にも及ぶからその・つ・も・り・で・ね?」

 

前言撤回です。最初の覚悟よりももっと重い物で私にとっては危機に感じる程の物です・・・・・黒先輩を解放するの諦め

 

「る事は許さない♪」

 

戻る道も説得する道も塞がり詰みの状態です・・・あぁ説得しに行く過去の自分を重傷になってでも止めたい気分です。そもそも黒先輩が馬鹿な事をする可能性0と断言出来無いので絶望しか残されていない状態です

 

「と、絶望に打ちひしがれている後輩に最善のアイテムを私から進呈してあげるけど――――――どう?いる?」

 

「必要です!下さい!連帯責任を被るのは是が非でも避けたいので!!」

 

「じゃっじゃじゃーん♪首輪セット~」

 

「唯の首輪に紐が付いているだけじゃないですか!!」

 

確かに目に入る所に居るとこが出来るので良いでしょうがルークの力でもってしても勝てる自身が1ミリたりともありません。これでどうしろというのですか美羅先輩――――――暴走犬に振り回される飼い主にでも成れというのですか・・・・・

 

「おやおやぁ?なーにを思っているか簡単に想像出来るけど私が用意したという事が信用出来無いのかな?」

 

!?そうでしたこれは美羅先輩が直接用意してくれた物・・・・・

 

「頑張ってきます!」

 

一刻も早くこれを黒先輩に装着させないと・・・自力で脱出する可能性も否めないので早急に――――――です!

 

塔城が走って黒が吊されている庭へと急ぐ光景をニヤニヤと見つめているミラ―――――――――当然の如く塔城はこの事に全く気が付いていないのであった

 

(黒×小猫のSMプレイと称して写真リークしておくかな♪)

 

最早絶対不可避の光景が迫っている事に気が付かない二人である

 

 

 

「小猫ちゃん遅いなぁ・・・ッハ!もしかして俺見捨てられた!?ヌォオオオンこうなれば自力で抜け出してみせるううう!」

 

ジタバタと足掻く黒だが現実は非情であり抜け出すことはおろかさらに縄が締め付けられる事になっていた

 

「おっふ・・・なぜこの縄は此処までの耐久力を誇っているのだ」

 

諦めてオブジェへと成り果てようと覚悟を決めかけていた黒の元へ一途の希望の光の塔城が走って現場へと到着した

 

「説得終わりました!そして美羅先輩は解放の代わりにこの首輪を装着しろと言っていました」

 

「ふっ・・・その程度なら問題無いな!」

 

「言質は取りましたので渡されたこれは私が装着させてもらいます」

 

「よっしこい!」

 

黒は気が付かない装着した者しか外せない首輪だという事を、塔城は気が付かないニヤニヤと笑みを浮かべながらカメラをシャッターを切ろうとしている美羅を―――――――――

 

「では、装着です」

 

パチン!

 

ぴったりサイズの首輪、装着と同時に黒にも見える様に現れるリードを持つ塔城――――――――最早女王様プレイを楽しんでいるとしか思えない光景である

 

「・・・なぁ小猫ちゃん一つ質問いいか?」

 

「・・・何でしょうか?」

 

「何故首輪にリード付いてんの?」

 

「黒先輩が問題を起こすと連帯責任・・・監督不行届けという事で私にも折檻が待っているからです」

 

「・・・これってもしかしなくてもミラの奴が渡してきた?」

 

「そうですがなにか?」

 

絶望する表情を覗かせる黒に対し塔城はやりきった感をニヤニヤと笑みを浮かべており黒は

 

逃げるんだぁ・・・

 

逃げようとするもしかし悲しきかな・・・逃げる事は叶わず20m程離れた瞬間即座に塔城の元まで紐が巻き戻され側に戻ってしまう現実である

 

「これはもの凄く便利ですね力が要らないという点を解決しています」

 

「・・・ならば装備者を倒せば問題は無いアッバババババ」

 

塔城に襲いかかろうとした黒は雷に撃たれたかの様に痺れ塔城の足下に倒れ伏す光景となった。ちなみにこの場面を連射でカメラに納めている美羅・・・言い訳する事も出来ず肯定しか出来無い状況となり最早誰にも止める事も出来無い・・・こうして塔城は強力な戦力を手中へと納める事に成功、これが吉と出るか凶と出るかは二人次第である

 

 

 

 

 

 

こうして部員の3人は力?を付ける事に成功した者、これからの成長が楽しみである者と生まれるのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと!部長である私が出てないじゃない!!」

 

「部長どうしたんですかそっちには誰も居ないですよ!?」

 

「リアスだけでなく私も・・・」

 

「朱乃さんも朱乃さんで暗い雰囲気になってるぅ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




えぇ・・・色んなゲームのアプデが凄まじいじゃねぇかよ
起きろ俺の妄想よ!そしてこの続きを書くんだ・・・書くんだああああ!!
イベントも進めたいなぁ(・ω・)
まぁ頑張るか・・・


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第41話 日常と?戦力強化?その2

布団「よっしゃスランプになりながらも何とか出来たぞ!」
美羅「懺悔はいいか?」
布団「待って!マジで待って!?ちゃんとイベントとかそういうのほっぽり出してやってたから許して!」
美羅「配布鯖は可愛いねぇ」
布団「CV最高ですわ~」
美羅「何でやってないって言っていたのにCVが誰か理解しているの?」
布団「」ガクガクブルブル
黒「リンチだリンチだ!」
紅「縄の準備は出来ているぞ」
ティア「支柱を立てたぞ」
美羅「さぁ頭冷やそうか?」







という夢を見ました(・ω・)






~一誠side~

 

おっす此処からは俺達3人の強化について話を進めて行こうじゃないか。っておいそこ!!前回話に上がらなかったって言うなよ部長達はもの凄く落ち込んでいたんだぞ!取り敢えず注意はこの辺りで置いておこう・・・・・早速だが話は戻って戦力アップについて美羅先輩に助力を仰ぐことにした俺達

 

「美羅先輩お願いします俺はもっと強くなりたい!前もそうだったけど今のままだと一生転堂の奴をぶっ倒す事が出来ない。だから・・・・・鍛錬内容増加じゃなく美羅先輩とのマンツーマンで対人戦闘の修行をお願いします!!」

 

「ダメよ一誠!美羅と対人戦闘なんてしたら四肢が吹き飛ぶだけじゃ済まないわ」

 

「本人の前で良い度胸じゃないKY赤髪、陥没顔になりたい立候補者として処してあg「御免なさい」・・・・・貸し一つで手を打ってあげようか?」

 

部長は悪魔だけどこの光景見てると立場が逆だな・・・・・美羅先輩って売られた喧嘩は全買いだから何時か神様と喧嘩してメッタメタにする姿が簡単に想像出来るぞぉ(白目

 

『今の相棒では時期尚早と思っていたのだがそうも言ってられんからな・・・特にあの転堂という男は異様な存在だからな。早期にも禁手へと至らなければ以前と同様手も足も出ず殺されるのが関の山――――――――ならば奴より格上の美羅と対人訓練で生き残るための道筋を見つけ出す他あるまい』

 

あの日以降ドライグと相談した結果――――――――――死ななければ何時か勝ち筋は見えるという事・・・幾ら転堂といえど人間であるならば体力は有限だ。そんな奴よりも強い美羅先輩相手に耐久が出来れば必勝ではないものの幾らかの可能性は出てくるはずという事から攻撃より防御を重点的に鍛えようという訳だ

 

「成る程・・・防御を重点とした訓練なら体力・技量・精神力が鍛えれますから長期に渡る赤龍帝の籠手(ブーステッドギア)の恩恵が大きく、特攻紛いのリスキーな戦法よりメリットが大きいですわ」

 

「レーティングゲームで戦法の幅が広がるに加えて自身の防衛も底上げ・・・・・確かに時間を稼げるなら救援にも行けるわね」

 

「それに転堂の攻撃方法は俺と同じ赤龍帝の籠手(ブーステッドギア)と武器を色々な場所に飛ばせる力だk『それは違うぞ相棒』っておいドライグ俺に間違いは無いだろ?」

 

『最初の襲撃の時に違和感があっただろはずだ。あいつは重傷を負ってから武器を飛ばす攻撃をした事を・・・あの自信過剰な性格と見下す態度の奴ならば遠距離から痛ぶる可能性が大きいと考えられる。つまる所、美羅の攻撃で意識がどうなったかは不明だがあの時に何かが起こったと見て間違いはないだろう』

 

成る程、ドライグの説明を聞いていると納得する部分がチラホラとあるな・・・・・もしもそうだとすれば転堂の奴はまだまだ何かを隠しているに違いないって事になるな

 

「ドライグの言う事を参考に仮説を前提に話を進めるなら転堂の奴は力の底を未だ俺達に見せていないって事になるから想定外を対処出来る様に勝つ為の攻めの修行より生き残る為の守りの修行という訳か」

 

「一誠もそうだけれど私達全員攻撃、防御、技量と全てにおいて彼等の足下にも及ばない可能性があるわね」

 

「彼のもう一人の赤龍帝と砕けた口調で話していた事から互いの実力が拮抗していてもおかしくありませんわ」

 

朱乃さんの事を聞くと色々とゾッとしちまうな・・・・・あの襲撃で転堂と一緒に現れた奴らが仲間だとすると俺達は完全に負けてしまう

 

『それらを考えると今行っている遊びという名の特訓は早々に切り上げ、より実践に特化した命がけの修行が一番有意義であると判断したのだ』

 

美羅先輩と修行はかなりハードな物になりそうだが全ては自分が生き残る為の事と考えるとお釣りが来てもおかしくないぐらいの筈だ

 

「・・・・・色々と聞いていると面倒くさくなっちゃったから止めても良い?」

 

なんですとおおおお!?え・・・えっ?面倒くさいから断るって事だよな・・・・・待って下さいホントに待って。俺修行しないとやられちゃう可能性極大なんですけど!?

 

「ちょっと!了承しておいていきなり断るってどういう事」

 

「話を聞いてると全員で修行みたいな流れになりそうだから」

 

「つまり一誠以外は各自で鍛えろ――――――――そう言いたいのね」

 

「そう言うこと。一誠君はあくまでも私に降りかかる火の粉を防ぐ肉壁だから死なないようにするだけだよ?」

 

俺って美羅先輩にとって肉壁なのか・・・・・直接言われると結構心に来るなぁ―――――――辛い

 

「だってさぁあの男たち気持ち悪くて一番の狙いが一誠君、その次が私っぽいからある程度私の代わりにぶっ飛ばしておいて欲しいし―――――――――――――あぁ今言っているぶっ飛ばす=消し飛ばせって意味だからそのつもりで」

 

「・・・・・あいつらを殺せって事ですか」

 

俺は悪魔に転生してから人殺しをした事が無い・・・・・正直言ってそれだけはしたくないと思っていた事だ

 

「縛って持ってきたら私が処理するからどっちでも良いのよ?」

 

「他の奴らに関してどうするか俺自身よく分からないです・・・でも転堂に関しては俺にやらせて下さい。あいつを見てると何故か腹が立つ・・・いや何ていうか同じ赤龍帝の籠手(ブーステッドギア)を付けているのだから気に入らないって感じです」

 

俺と同じ様にドライグを宿しておきながら屑みたいになっちまっているから嫌悪するんだよなぁ

 

「人情的だねって違うかこういう時は龍情的って言うのかな?まぁどっちでもいいけど」

 

「と・に・か・く!美羅は一誠に修行を付けるという事で決まりって事で良いわよね?」

 

「俺は良いんですけど部長と朱乃さんはどうするつもりなんですか?」

 

「アザゼルに教えてもらえば良いんじゃない?」

 

そういやあのおっさんって総督だったな。美羅先輩にヘコヘコと頭を下げたりご機嫌取りしたりとしているのを見てたから完全に忘れてたぜ

 

「う~ん修行かー・・・・・早速だけど今日から始めてみる?」

 

「えっ!?今日からってまじかよ。俺は良いとしても女性である美羅先輩は準備とか色々としなきゃいけないと思うんですけど」

 

女の準備には時間が掛かる。常識的な所はちゃんと把握している一誠だがこの場に居る美羅は常識が通じないので問題はないのである

 

「大丈夫大丈夫ちょっと遠くへ行くだけだから安心してね。雑貨とかもちゃんと準備してあるから」

 

なら大丈夫か善は急げって言うし戦闘では一番弱い俺は誰よりも頑張らないといけないからな!

 

「それじゃあ美羅先輩には悪いんですが今日からお願いしまっす!」

 

「良い返事だね~じゃあ死なない様気を付けていこうね?」

 

「へ?」

 

惚けた返事をしたと同時に浮遊感。足下から開いたであろう穴へと俺は―――――――――

 

「うぉおおおおおおおおおおおお!?」

 

驚愕と心配そうにしている部長と朱乃先輩の顔を見ながら落下していった

 

 

 

 

~美羅side~

 

「ちょ、ちょっと美羅!一誠が落ちたのだけれどどういう事!?」

 

「特別修行空間へと移動してもらっただけだよ。そこでサバイバルしてれば自然と強くなるよ」

 

「・・・・・本当よね?」

 

「嘘は言ってないよ」

 

そう私は嘘は言っていない、サバイバルしていれば間違いなく強くなるし課題としていた防御系を飛躍的に上昇させる事が出来るのだ。でも一点だけ注意が必要なんだよね~だって其処に行ったからには

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死ぬ可能性が無とは言ってないけどね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まぁ結構緩い場所に落としたから大丈夫大丈夫~本当に死にそうになった時だけ介入してあげるから♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ今何か聞こえなかったか?悲鳴ってか理不尽な事をされた叫びとか」

 

「いきなり何を言っているんですか黒先輩それよりも尻尾を動かさないで下さい」

 

美羅に理不尽な目に遭わされる黒は何となく一誠の声が聞こえたが後輩の塔城に否定され約束の尻尾を抱きしめられており、一方では―――――――――――――――――――――

 

「一誠に合掌」

 

「一誠さんがどうかしましたか紅さん?」

 

「いや、理不尽の権化に何かされたと思いつい・・・・・まぁ美羅が付いているから大丈夫だろう」

 

「そうですよね!一誠さんはいざとなった時に強くなる人ですから」

 

(一誠よ頑張れ俺は応援しているぞ・・・・・だがアーシアをハーレムの一員に入れる事だけは阻止する!)

 

色々と駄目な方向へと進んでいるのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~一誠side~

 

高高度からのスカイダイビングかと思ったら何故か大きな木々に囲まれた家の前に落ちちまってたぜ。ってかホントに此処何処だよ・・・・絶対に日本じゃなくね?だって目の前にそびえ立っている木とかもの凄く太いんだぞ!?樹齢何百年だよって言いたくなるぐらいの大きさだ。こんなんがあったら絶対に日本遺産とかに登録されても可笑しくないっていうのが何本もそびえ立っているからなぁ

 

「なぁドライグ此処って何処か分かるか?」

 

『空は青い事から冥界とかでは無いな。そして俺自身これ程長寿な木々を今まで見た事が無いぞ』

 

ドライグでも見た事が無いのかよ・・・・・マジで何なんだよ此処は

 

「おーおーやっぱり驚いてるね。私自身結構やっちゃった感あったからそんな反応も当然だよね~」

 

「美羅先輩この場所って何処なんですか!?」

 

正直俺焦ってるよ、今まで見た事も無い環境での修行。最早これはドラグソボールで見た様なハードな修行になるんだと何となく感じたからだ

 

「まぁまぁそれはどうでも良いとして一誠君には此処でサバイバルをしてもらいま~す。期間は無制限で自分の限界を突破しようって内容だから頑張れ!私は基本この家で生活してるから何かあれば手助けするからね?」

 

よっしゃー!美羅先輩と小さな家で共同生活だとぉ?フッ、俺は最早無敵d

 

「あぁ一誠君はサバイバルだから森の中でずっと生活だから家には入っちゃ駄目だぞ?」

 

「やっぱりかよちくしょおおおおおおおおおおおおおおお!!」orz

 

上げて落とすのはほんの少しは考えてたけどこれはあんまりだあああああああああああ!!

 

『・・・・・・・・』

 

ドライグどうしたんだよさっきからずっとだんまりで様子がおかしいぞ?

 

『正直言うぞ相棒、この修行まじでヤバイ―――――――――――――――――』

 

what?えっ?ナニソレ。そんなにやばいの?

 

『猛獣の群れの中に放り込まれた兎だと思え・・・・・無論相棒が兎だ』

 

嘘だと言ってくれよバー〇ィと突っ伏している俺の目の前にボスッと目の前に中ぐらいのポーチが置かれる

 

「それはねアイテムポーチ、ゲームとかそういうのを参考に作って収納数だけを制限とした物だよ。大きさとかは関係無く収納でき、取り出したい物を思い浮かべながら手を入れるとそれが取れるよ」

 

俺の目の前で色々と入れたり出したりと実演する美羅先輩・・・・・俺の事結構考えられてる感じ?

 

「そうだよ~しっかりと覚えて使おうね?」

 

「イ、イエッサー頑張って覚えます」

 

返事をすると目の前に置かれる数々の道具達。一般人から見てもナイフ、ロープ、釣り竿、火打ち石は分かるけどこの瓶に入ってる緑色の液体と青色の液体、多種多様の道具があるのにツルハシが無いってどういうことだってばよ・・・・・

 

「まぁ大体は見て分かる通りそれぞれ頑丈を第1に置いて作られた物だよ。後は分からないと思うこの二つだけど、緑色の液体は傷薬で青い液体の方は解毒薬で各数量10個大切に使うんだよ?」

 

やべぇ、重要どころか液体二つに至っては必須じゃねぇか

 

「そしてここからが一番重要な事だからしっかりと聞いてね?」

 

「は、はいっ!」

 

美羅先輩が強調して重要って言うって事はそれだけヤバイって事か・・・一体どんな内容が来るんだ?もしかして食料の獲物は自分で確保しろって言うならまぁ普通だよな

 

「食料は現地調達だけど必要以上に取るのは駄目だからね?まぁ襲いかかったのを返り討ちにして~だったら大丈夫だから」

 

あれ?何か意外と普通な物ばっかりで拍子抜けしたな

 

「そして最後、森の葉っぱの色が変っている区画があるけどそこに入ったら絶対に駄目だからね。最悪死ぬからそのつもりで」

 

「マジっすか・・・・」

 

どんだけ危険なんだよその区画は!?まぁ森の葉っぱが違うって事なら分かりやすいから大丈夫だろうな

 

「これからのサバイバルは防御系列を自然に伸ばす修行がついでみたいな物で一番の本命は臨機応変と冷静な対処を目的とした物だからしっかりとする事、最低条件は赤龍帝の籠手(ブーステッドギア)は常時展開、ドライグとの相談諸々もする事っていうよりしないと直ぐに駄目になるからね?最後に改めて言うけどこれは修行であると共に明確なルールが存在しないサバイバル、生き残った方が勝ちだからしっかりと頑張ってね」

 

そう言い終わると美羅先輩は家へと入って行く。俺は先程の言葉をしっかりと刻むように心で復唱、アイテムポーチを落とさない様しっかりと装着、赤龍帝の籠手(ブーステッドギア)を展開して森の奥へと踏み進める

 

「よし行くぜドライグ、色々と一緒に頑張ろうぜ」

 

『まぁ成るように成れとしか言えんがアドバイスなら任せろ。伊達に長生きしているからそれなりには助言できるだろうよ』

 

こうして俺は死地への第一歩を踏み進める。そしてこの時は今までの覚悟よりもっとヤバイ物を見るとこになるとは思っても居なかったのである

 

 

 

 

 

 

 




「おやおや作者はつり下げられちゃったみたいだね。なら此処は僕が話をしよう!主人公の一誠君はどうなるかだって?それは勿論決まっているよ極限サバイバルだからね。ん?原作は冥界でおじさん達と修行だったじゃないかと言われても転生者達が一誠君を狙っちゃってる時点でお察ししよう。原作程度の修行じゃあっという間にお亡くなりになられちゃうから行動としては間違いでは無いし、むしろ百点満点の正解だと言えるよ!美羅が言っている様に死ぬ可能性はゼロじゃない事からこれから見るのが楽しみでしょうが無いよね!」

ミラ「なら貴方も一緒に特訓してみる?」

「いやいやそれはゴメンだねぇ。あの超過酷ワールドに入るとなるとそれ相応の準備が必要になってくるからね!」

ミラ「じゃあ今回は進化した雷神拳を喰らわせてあげるよ」

「えっそれ字が違うよそれだと僕の口に直接ダイレクトアタックになっちゃうからしばらく話せなくなっちゃうよ!?」

ミラ「元よりそのつもり――――――――――――――必殺!白毛神雷拳!!」

「シスベシフォーウ!」バチバチ

「えっ!?雷纏っぶるもぎゃ!!」


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第42話 ドキッ!?美羅制作のわくわくカオス空間(安全とは言ってない)

ミラ「えっ?何これ早くない?」
黒「ば、馬鹿な・・・・・」
紅「あり得ない・・・・・」
ティア「だから雨が大量に降っているのか」
布団「酷くないですか?」
ミラ「いやーだってさ?ねぇ?」
紅「この短期間でもう一話出すなんて異常だ!」
ティア「初回並の速さの更新だったな」
布団「他のゲームをしようにもモチベーション上がらないし他の人の小説読む気力無かったから書いてたらこうなっちゃった」
ミラ「ならこれからも頻繁に更新しようね?」
布団「ヤメテ!私のHPは無限じゃ無いのよ!?」





~一誠side~

 

背丈の高い木々が茂る森の中で走る、走る、走る―――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

必死に走る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

我が身は兎、捕食者から全力で逃走中である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『もっと早く走れ相棒!相手の目が地の果てまで追いかけてきそうな感じがするぞ』

 

「んな事は背中から感じる視線で分かるわくそったれ!!」

 

現在一誠を追っている捕食者達、原始の二足歩行生物を思わせる体表と獲物を狩る為であろう巨大な爪―――――――――そんな生物が一誠の後ろから群れを成して追いかけているのである

 

「美羅先輩の修行はキツいと分かってたけどこれは予想外過ぎるだろ!?」

 

『えぇい今は走れ相棒!躓いたり速度を落としたりすればそこで終わりだぞ!!』

 

事の始まりは森に入り1時間もしない出来事であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――1時間前に遡り

 

「よっしゃあ気合い入れてサバイバルするか!兎に角水だ水!そして寝床の確保が最優先と見て動いていくぞ」

 

『・・・・・まぁ自然動物が居る事は確かだ。周囲には気を付けろよ俺自身も注意はしておくが最終的に物を言うのは相棒の体力なのだからな』

 

「なぁドライグ、自然動物ってよりどんな感じの生き物が居ると思う?」

 

『分からんがこれだけは言える。熊程度と比較するなとしか言えん』

 

あー成る程、熊より厄介な生き物の可能性大なら今から倍化しておけば何かと大丈夫だろうな。いざとなれば逃走すれば問題無いからな

 

『水も良いが食料も大切だぞ相棒、美羅が貸してくれたアイテムポーチに入れると言う事も出来るからな』

 

「そういやこのポーチってかなりチート性能なやつだったな」

 

『収納した物の時間経過がどの様になるかが不明だがそれは後でも確認出来るからな。焼いた肉を入れて幾らか経った後取り出して熱があるかどうかで判断出来るからな』

 

やっべぇ俺はそこまで考え付かなかったぞ・・・・・ま、まぁ進みながら食えそうな奴を片っ端から採取すれば良いだろ

 

周囲を確認しつつ歩いていると奥の方から水の流れる音が聞こえガバッと顔上げ視線を聞こえているであろう一点にのみ集中、そして走る

 

「おいドライグ水の流れる音だ!水源確保だぜいやっほい♪」

 

『ならば残るは寝床になるな。水が流れているなら案外魚が居るかもしれないな』

 

うっひょー最先良いこと尽くめじゃねぇかではその水源を~御開帳!

 

流れる水のせせらぎが心地よく深すぎず浅すぎずの最適の水源が一誠の眼前に映り込む。それなりに開けた場所の為釣りをして食料を調達する手も考えられるポイントだった

 

「すっげぇ・・・・・こんな場所日本には殆ど存在しないんじゃねぇかってぐらい綺麗な場所だ」

 

『ほぉうこれ程の透明度に加え冷たさと小さな生き物が生息している事から飲み水としては最高の場所だな』

 

一誠とドライグは眼前に映る川を集中して見ていたため気付くのが遅れ忍び寄る影達に気付いたのはドライグだったがそれはあまりにも遅すぎたのだ。ドライグが注意しよるよりも先にパキリと小枝を踏み折る音で一誠は気づきそちらへと顔を向けると群れを成した二足歩行生物が居たのだ

 

「なぁドライグこれってあれだよな・・・・・超絶ピンチってやつ?」

 

『今すぐ逃げるぞ相棒!     Boost!Boost!』

 

瞬間、倍化を2回掛けそれを皮切りの合図に絶体絶命の鬼ごっこが開催されたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――そして話は冒頭へ戻り

 

 

『どぉお!?今かすったぞ相棒もっと速く走れ正体不明生物に食べられた赤龍帝なんて異名俺は付けられたくないぞ!』

 

「っんな事は分かってんだよ!こちとら必死にはしって危ねぇ!?」

 

段々と距離が近づき爪や牙を突き立てんとする奴らの攻撃を皮一枚で避ける一誠だがじり貧どころか余計に体力を消耗して行き危険域に近づいているのだ

 

どどどどどうすれば良いんだよドライグ!何か妙案的なの無いのか!?

 

『・・・・・あるにはあるがおすすめはしないがそれでも聞くか?』

 

えっ?あるの?

 

『右の坂道を登った先なら追っては来れないだろう・・・・・多分』

 

「少しでも可能性あるんなら行ってやらぁ!」

 

全速力で駆け抜けろ俺の足よ!そしてこのピンチを切り抜けろおおおおお

 

今までよりも必死に足を動かし坂道を駆け上がり―――――――――――――浮遊感

 

「えっ?」

 

『これだけ高さのある崖からの飛び降りならいくら奴らでも付いては来れまい』

 

「うぉおおおおおおお落ちるうううううう!?」

 

『下に向けて撃て相棒、少しでも減速しなければ死ぬぞ』

 

決死の覚悟完了って言いたいけど怖すぎる。でも死にたくねぇ!!部長達のおっぱいを十分堪能していないのに此処で終われるか!

 

「ドラゴンショット!!」

 

ドッガアアアアアアアアン

 

反動+爆風により減速に成功した一誠は無事地面へと着地した後、直ぐに巨大な木の上へと避難し休憩をする

 

「あ"~生きた心地がしないぜ・・・・・」

 

『まぁあれだけの体験をした後だとそうなるな。しかし美羅はどうやってあの様な生き物を手に入れたのだ?それだけが疑問だ・・・・』

 

「あれじゃね?違う次元から取り寄せたとかしたんだよきっと・・・・・ってかそうしてそう」

 

『・・・・・否定出来ないな』

 

ちなみに一誠が冗談のつもりで呟いたこの一言はあながち間違いでは無く、モンスターハンターの世界を管理していた際に生態系を崩さない程度の間引きをする為この場所へと放り込んだままだったのだ。それに気が付いた美羅は趣味の一環で管理しつつバカンス用としてこの場所に家を建てており日頃のストレスを発散するにはこのような緩やかな環境(美羅にとってはバカンス)が必要なのである。

 

「腹減ったな・・・・・」

 

必死に逃げて逃げてカロリーを消費した一誠の体は食料を求めているが生憎目に見える場所にはキノコや木の実は存在していない

 

「さっき俺達を追っていた奴らって食べれるのかな?」

 

『ああいうのは旨く無さそうだがな・・・・・筋肉質で鳥に近い食感だろうな』

 

脱力している一誠には質疑応答の類はあまり機能しない程疲れ切っていたのだがどこからともなく漂ってくる匂い・・・・・

 

「肉が焼ける匂いだ!」ガバッ

 

極限状態になっていないとはいえ空腹の状態だと漂ってくる匂いには敏感だ

 

「行くぞドライグ飯が俺を待っている!!」

 

『うぉおおおい罠かもしれないのに行くつもりか相棒!?』

 

ドライグの注意は意味を成さず、漂ってくる匂いに向かって歩く歩く歩く――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして見た光景はあまりにも異常で

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん~やっぱりアプノトスのお肉が焼くと美味しいねぇ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

象と同等もしくは少し小さいであろう大きさの獲物を仕留めており、美羅の胃の中にどうやってあの質量の肉が入っているのか理解出来無い光景だった

 

 

 

 

 

「夢だ・・・・・・これは夢だ・・・・・・・・幾ら美羅先輩が規格外だからと言ってもあのサイズの全てを食べ尽くすなんてありえねぇ」

 

『・・・・・現実だぞ相棒。少なくとも今見ている光景は現実だ』

 

俺知りたくなかったよ、美羅先輩がこんな大食いなんて   知りたくなかったよ!!

 

『あ、骨もボリボリとくっ――――――――』

 

あーあーあー聞きたくなーい聞きたくなーい!俺の中の美羅先輩は理不尽な強さを持ったお姉さんなんだー

 

「理不尽ねぇ?修行中だけど1回お説教が必要かな?   かな?

 

「『ヒェッ』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~O☆HA☆NA☆SHI☆中~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――で、何とか逃げたものの食料が無く空腹だった所に私が焼いて食べていたお肉の香ばしい匂いに釣られてきたと・・・・・罠だったら死んでるよ?自覚あるの?」

 

「はいスイマセン」

 

「それじゃあ私は家に戻るからサバイバル頑張ってね~」

 

アドバイスも無く唯々O☆HA☆NA☆SHI☆されただけの一誠はかなりグロッキーな状態で対する美羅は呆れた顔をしながら見下ろしておりほぼ無防備に近い状態となっている。(雑魚からは無防備に見え、ある程度強い物だとヤバイと感じる程度)そして一匹の二足歩行生物が美羅の背後からゆっくりと足音を立てずに近付き首に噛みつこうとするがその瞬間二足歩行生物は目の前が真っ暗となる

 

 

 

 

 

 

メキャッ

 

 

 

 

 

 

 

一誠は何事!?と言わんばかりに驚き顔を上げると、つい先程まで一誠を襲っていた頭の無い二足歩行生物の姿があった

 

「えーっと美羅先輩?それって何ですか?」

 

「襲いかかってきたから殺しただけだよ」

 

「ちなみに食べれますか?」

 

「このランポスを食べたいの?・・・・・まぁ私はお腹いっぱいになったから別に食べても良いけどこれっきりだからね?」

 

「ランポスって名前があるんですね」

 

「そういえばモンスター図鑑を渡していなかったね・・・今一冊持ってるから今の内に渡しておくよ。それじゃあサバイバルの続き頑張ってね~」

 

美羅はゆっくりと歩きながら森の中へと姿を消し極希に聞こえてくる生き物の鳴き声が響き渡る

 

「今の内にこのランポスっていう奴をどうにかしないとな!ってか案外このアイテムポーチに入ったりして」

 

一誠はランポスの尻尾部分を持ちアイテムポーチに近づけるとあら不思議ランポスは吸い込まれていきました!

 

「めっちゃ便利すぎるだろこれ」

 

『兎に角寝床を確保しなければいけないぞ相棒』

 

寝床についてはつい先程思いついた物がありドライグに相談――――――――

 

『ふむ、岩を削った拠点ならば恐らく大丈夫であろう。しかしどうやって削り出すつもりだ?ツルハシ何て持っていないだろう』

 

神器(セイクリッドギア)は使用者の思いに応じて進化するんだろ?なら簡単じゃねぇか!

 

『・・・・・嫌な予感がするな』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数刻後

 

『こんな使い方されるのは初めてで悲しくなるな』

 

「なんだよ!爪の部分だけに倍加をかけて鋭さと強度を上げて疑似ツルハシにしたのがいけないってのか!!」

 

美羅先輩言ってたじゃねーか、ルールは存在しない生き残りサバイバルってよ

 

『ドラゴンは誇り高い生き物なのに』

 

そんなのどうでもいいわこちとら今生きるだけでも一杯一杯だからな!

 

愚痴を言いあったりツッコミを入れたりと気を紛らわしながら削る削る削る―――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅーやっと良い感じになったぜ」

 

空気穴を確保する為斜め上へと微力なドラゴンショットを使用し岩に穴を空け、背丈以上の高さまで削り下の地面を掘り起こしより少しでも快適な空間へと作り替える事に成功した一誠

 

『地面を掘って空間を広げるとは良い発想だな相棒。これならば食料の調理や保管も出来てポーチにも余裕を持たせる事も出来そうだ』

 

「どうよ俺だってやる時はやる男だって証明してやったぜ!」

 

地面を掘る事により並の部屋と同じ位拡張に成功した一誠は周囲に落ちていた葉っぱを寝床へとばらまいて暖かさを手に入れた

 

「と、兎に角火を付けて捌かないと・・・・腹が減りすぎて思考が変になりそうだぜ」

 

空腹に負けじと手早く火を焚きポーチからランポスを取り出し、事前に持たされたナイフで不器用ながらも大まかに部位解体をして行き内臓はポーチへ入れて食べれそうな部位を切り分けていく。串は無いので薪代わりに採取した木の枝を削って代用、見事串焼きへと変貌させたのであった

 

「うごごごご・・・・・早く焼けろ早く焼けろ俺は今猛烈に腹が減っている」

 

『そう急くな相棒余裕を保てないとこれから先が厳しくなるぞ』

 

ってそうだよな・・・このランポスっていう肉だって美羅先輩が譲ってくれた奴だし、運も此処までと思っていた方が良いだろうな。これから先は俺自身で食料を獲得しないといけないからなぁ―――――――――食えるキノコとか野草が分かれば良いんだけどな

 

『ふむ、焼けるのを待つ間に美羅に渡されたモンスター図鑑とやらを見れば何かヒントがあるのではないか?図鑑と呼んでいたんだどのモンスターが何を好んで食べるかと言うのも記載されている筈さ』

 

サンキュードライグ!確かに美羅先輩に渡された図鑑については見てなかったな・・・図鑑って言われるぐらいだからモンスターの絵も載っているはず――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「絵が分かりずらい・・・・・ってかもうこれはモンスターの特徴で判断しろっていうぐらいのレベルだな。まぁ説明欄に書かれている生態についてはマジ感謝だわー何を傾向に食べるかも詳しく載ってるから実物を一つでも見れば俺でも判断できそうだな」←言語の翻訳は美羅が既に書き変えている内の一冊

 

肉食のやつだけかと思ったら草食――――――――――食ったら旨いっていう奴も書かれてて最高だわ。このアプノトスってやつは確実に大丈夫だろうな美羅先輩食いながら美味しいって言ってたし

 

『だが問題は大きさだ。もし美羅が食べていた奴が平均的な大きさだとすると解体も時間が掛かるし面倒な事この上ないぞ』

 

うっ・・・・・そうだよなぁ、あれが平均なら手間を考えるだけでも大変だ。仕留めるにしても解体するにしても自分の状態を鑑みてじゃないと襲われちまうからな

 

『それは明日考えろ気持ちの切り替えも大事だぞ。丁度肉も焼けたみたいだ』

 

「そうだよな・・・・・気持ちを切り替えるか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 んほー!うんめー!!筋肉質でちょっとぱさついてるけど今は最高の気分だぜ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして美羅の一誠強化修行一日目は終わるのであった

 

 

 

 

 

 

 




モンスター達の蔓延る森の中一誠は生きれるのか!?
しかし、美羅により追加される新たな試練?
この過酷(美羅からはバカンス地)な環境で何を得るのか!何を目指すのか!
そして一誠は遂にあの森へと足を踏み入れてしまう!!


次回「異なる色の森は異常地帯」



頑張って達筆そしてオリジナル回だから気楽にやっていくぞぉ~!






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第43話 異なる色の森は異常地帯

布団「さぁさぁさぁ続きだ続きだー」
ミラ「明日は雨が降るね!」
黒「違う!台風が来るんだ!」
紅「それも違う!槍が降るんだ―――――――黒に向けて」
黒「ヤロウブットバシテヤルゥ!」
ミラ「お黙りっ!」パン!パン!
黒・紅「「ウップス!?」」
赤「岩盤送りにしてやろう!」キュイーン
黒・紅「「フォオオ!?」」

デデーン!

ティア「黒と紅が死んだ!?」
布団「この人でなしー!」




~一誠side~

 

みんな生きてるか!俺は生きてるZE☆ん?俺が変だって?何言ってるかさっぱり分かんねぇぞHA☆HA☆HA☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『しっかりしろ相棒どんなキノコを食べた!?・・・・・この紫っぽいキノコは囓り掛けとなると毒キノコか!吐け相棒吐くんだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドキドキノコなんて意味分からん毒キノコなぞ食べるんじゃ無いそれ以上食べるな!っておい聞いているのか!?それを捨て―――――――――――――――――――――――――――――フッ、相棒は犠牲となったか』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハッ!?俺は一体何をやっていたんだ?ってか此処何処だ?目を覚ましたらめっちゃ暗いんだけど家じゃ無いのか・・・・・?

 

『やっと意識が戻ったのか相棒!あんなヘンテコなキノコなんて食べるからそうなってしまうのさ。これからはキノコに関しては止めた方がいいかもしれんな』

 

足下に転がっている7割ほど囓ったキノコが落ちておりしばらく考えた一誠はやっと自身に起きた出来事を理解した

 

「そっか、俺はあのキノコを食べて意識を失ったんだな」

 

クソッ!食べた辺りの記憶がさっぱり分からねぇこれじゃあ――――――――――――

 

「これじゃあキノコの味がどうだったか分からねぇじゃねえかーーーーー!!」

 

『そっちかよ!?って味なんぞどうでも良いからもうキノコは食べるな!』

 

ドライグそれは出来ねぇ相談だなぁ。俺は味がどうしても気になるんだよ・・・・・こんな訳分からない場所でのサバイバルで癒やしを求めるのは食生活ぐらいしか無いんだ許してくれ

 

『毒キノコだったらどうするつもりだ!?』

 

「無論食べるに決まっている」

 

『ヤバイ・・・相棒は未だキノコの毒が抜けきっていないというのか・・・・・』

 

そんなこんなでしばらくの間門答を続けていく内に一誠の思考が普通並に戻り冷静な判断が出来る様になりキノコの危険性を再認識する事が出来るのであった

 

「助かったぜドライグ俺はあのままだと本当に毒キノコを食べていた可能性があった」

 

『まぁ気にするなそのキノコは危険だと分かっただけでも良しとしよう』

 

図鑑にはドキドキノコって書いてるけど毒テングダケじゃないのかこれ?っていうぐらいの危険なキノコだったぜ・・・キノココワイ

 

「ってそういやこのキノコ食べてからどの位経ったんだ?」

 

『およそ6時間だ。かなり長いと思っているだろうが逆だからな?6時間で済んで良かったと思えよ相棒』

 

お、おう・・・・・はぁーこれからどうしようかなぁ取り敢えずランポスの肉が未だ残ってるけど何時まで持つか分からないからな

 

『そこで非情に残念なお知らせだが聞くか相棒?』

 

「何だよ残念なお知らせって?」

 

『美羅からの伝言で「一日三食、同じ食料を使わずに生活しろ」とさ・・・』

 

ちょランポスの肉って未だ残ってるんですけどー!?ってそんな事はどうでも良い!もしかしてあれなのか次の飯ではランポスの肉を食べたら駄目ってやつなのか!?

 

『そうだな』

 

「巫山戯んなよくっそったれー!俺はどうやって生活したら良いんだよ!?」

 

『あ、今美羅から伝言入ったぞ』

 

ひょ?

 

『肉だけで無く野菜・・・キノコとか野草も食べろとのお達しで魚も釣ったりして食べろと――――――――ん?追申?・・・・・相棒、このサバイバルが終わったらO☆HA☆NA☆SHI☆で覚悟をしておくようにとの事だ。頑張れよ』

 

さっきの叫びって聞こえてたのか?そういや美羅先輩って勘が凄まじく正にエスパーって言っても過言じゃ無いぐらいだったな・・・・・もしかしなくても俺の考えっておみ

 

『お見通しだそうだ―――――これ以上何か悪い事でも考えたらもっとキツくなるだろうから止めておけ。それよりも相棒は今の現状をどうにかしないといけない筈ではなかったか?』

 

そ、そうだな兎に角食料を探しに行かねば・・・・・

 

こうして一誠は再度食べれそうな物を探しに拠点を離れ――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

葉の色が違う森が如何にして危険な場所か知ることになる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食料を探し始めて3時間後――――――――――――――

 

よし!図鑑に載ってるアオキノコらしき物とブタっぽい生き物が好んで食べる特産キノコってのを大量入手したぞ!これでどうにか食料の選択に困らなくなるな――――――キノコ系はだけどな

 

つい今し方気配を隠すことを覚えたのか、それとも常日頃の覗き行為により昇華した賜物かは不明だが一誠は敵に遭遇する事無く食べれそうなものを採取していた。勿論キノコ以外にも役立ちそうな野草や野菜も採取している

 

「ふいー、それにしても見たこの無い物ばっかりで何が危険か何が安全か確信を持てないぜ・・・・・」

 

『まぁ大丈夫と思われる食べ物はこの特産キノコ?というやつと特産タケノコこの二つ辺りだな。野草はどれが良いかなんてさっぱりだからな』

 

そうなんだよなぁ。ドライグと一緒に図鑑や記述を見ても確信には至れなくて一応採取してみるか程度の認識なんだよなぁ

 

「ここらで採取は止めるかドライグ」

 

『あぁそうだな取り尽くすと次が出来無くなってしまうからある程度は残しておかないとな』

 

サバイバルだからと言っても期間は不明、恐らく美羅先輩の事だからかなり長期の修行と割り切っていた方が後々気が楽になるからなー。さてさてお次は魚を釣るか・・・・・初日の失敗を元に高台で直ぐに逃走しやすい場所もしくは見つかりにくい場所で釣らないとな。いちいち襲いかかってくる奴らを全滅させると体力も気力も消費して察知が遅れちまうからな・・・・・美羅先輩から逃げていた時にかなり大事だって認識したからな

 

一誠が赤龍帝の籠手(ブーステッドギア)を発現させる前―――――――つまり未だ人間で居た時に折檻で追い回されたのだ。その時の内容は、当たれば超痛い!怪我をさせない意味不明のハリセンを持つ笑顔の美羅から逃げ回る事で12時間耐久の凶悪極まりないものだったのだ。ゆっくりと真正面から追い詰められては逃げ背後から声を掛けられては逃げ不意打ちを避けては逃げ――――――――――逃げて逃げて逃げて逃げて思考が鈍くなった時に頭、背中、お尻の三連打を打ち込まれてまた逃げるの繰り返しなのだ。必然的に危険察知が如何に大事か、気力、精神力、体力がどれだけ削られていくか身に染みる体験をした賜物だったのだ。

 

『その割には色々と殺され掛けたり怪我を負っていなかったか?』

 

「あの時は殆ど慢心、油断、錯乱とか全然余裕が無かったからな・・・・・逆に今は冷静になる時間があるから何とか出来ているってのが本当のところだ」

 

ああもう過去の話はもういい!それよりも食料だ食料!魚を釣って食事の幅を広げてやる!

 

そんなこんなで歩いている内に都合の良い釣り場所を発見した一誠

 

「・・・あそこが良さげだな。ポーチに釣り竿入ってたから後は餌となる虫かミミズでも――――――っと」

 

付近にある石をひっくり返しミミズを発見、直ぐに数匹確保し釣り針へ装着!そして川へポーン・・・・・ポチャッ

 

「よしよしよし!食いつけ食いつけそして俺の食料をゲットするぜ」

 

この時まで一誠は食べる魚が釣れると思っていた。しかしここは不思議空間、ましてや美羅が維持している所なので普通の奴が釣れる筈も無く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何で!なっんで血抜きした魚が破裂するんだよお!意味分かんねぇってかもう魚じゃねぇだろ!!」

 

釣れた魚をポーチに入れようとしたが、下処理と言う血抜きと内臓を取り出そうとした一誠だったのだが血抜きをし始めてすこしすると魚が破裂し跡形も無くなっていたのだ。普通魚は破裂したりはしない・・・ただ一誠が釣り上げた魚に問題があった

 

ハレツアロワナ―――――――――その名の通り魚影はアロワナに似ているが、現実世界に存在するアロワナとは全く別の生き物で絶命時に破裂するという特徴を持っている

 

「クソッ!こういう時こそ図鑑・・・・・って載ってねぇのかよこんちくしょう!」

 

『落ち着け相棒この魚が普通では無いと分かっただけでも十分だ。他にも魚はいるだろうからそっちに期待をすればいいさ』

 

あぁそうだなドライグ何時までも引きずっていると碌な事にならないもんな・・・・・よーし釣り再開だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんで!殆ど同じ魚しか釣れないんだよおおおおおおお!」

 

自然が俺を殺しに来ている!破裂する魚が殆どで二匹しか違うのが釣れてないしどんだけこの場所で繁殖してるんだよ!?残りの二匹に関しては細長い魚で背部は青色、側面部は朱色、鰭は黄色くってカラフルな魚だなおい!

 

『むぅよもやここまで同じ魚が釣れるとはな・・・残りの二匹に至っては情報が無い。さっさと血抜きと内臓処理をしておけこの魚も破裂有無の確認も必要だしな』

 

「頼むお前達だけは破裂しないでくれ!!」

 

そういいつつ血抜きを行い内臓を取り出すが破裂せず普通に処理することに成功した一誠は内心コロンビアポーズを取っていた

 

「しっかしこの二匹は破裂しないで助かったぜ。これで破裂するようなら殆どの魚は食べれないと思ったからな。しっかし一体どういう生態なんだよこいつらは血抜きして少ししたら破裂したって事は死んだ事が関係してんのか?」

 

『恐らくそうだろう―――――――――俺自身永い時を生きてきたが絶命時に破裂する魚など今まで聞いたことも見た事もないぞ』

 

長い間釣りをしていたせいかグゥ~と腹の虫が鳴り、目の前には下処理済みの魚―――――――後は予想通りで

 

「食うか」

 

『生だぞ!?寄生虫が居れば不味いぞ!』

 

日本人は刺身食うから大丈夫大丈夫、しかし寄生虫か・・・・・すまねぇドライグ空腹には勝てないぜ。しっかりと噛めばきっとダイジョウブ

そうと決まればいざ実食!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハグハグ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッ!?」

 

う、うーまーいーぞー!!

 

外に居るので叫びはしなかったが心の中では大歓喜でバクバクと一心不乱に食し気付けば二匹の魚は無なっていた

 

「うまかった、しっかりと脂がのってて口の中でブワッと広がるから下手に調理するよりも生のまま食べるのが一番だな。おっと忘れる所だった――――――――ご馳走様でした」

 

一誠が食べた魚はサシミウオとよばれており、脂がのっていて非常に美味しく、特に調理せずとも釣ったその場で生のままでも食べられており向こうの世界では何でも派閥が有るとか無いとかと言う程ポピュラーかつ一般的な魚なのだ

 

腹ごしらえも済んだ事ですし肉となる獲物を狩りに行くとしますかね

 

『やっと実戦か?昨日は逃げるだけだったが遂に覚悟を決めたか』

 

あったりまえよ兎に角実戦あるのみってな!それにこのサバイバルをしていると強くなるための修行が完全に疎かになるからな。幾ら今回のが生き残る為の修行だからといって攻撃の方が何も収穫無しじゃかっこつかねぇからな

 

『よくぞ言った相棒それでこそ龍を宿す主だ!それにもう一人の俺にやられっぱなしと言うのも正直気に食わんし逆に叩きのめしてやりたいからな。相棒もそうだろう?あの転堂という奴をぶっ飛ばしたいと思っているだろ』

 

「あぁそうだな。あいつには色々と世話になったからそのお返しの返礼をしっかりとしなきゃ気が収まらねぇ!」

 

静かに闘志を滾らせつつ目先の事に集中し歩いていると少し開けた場所があり大きな草食動物と思われる奴らが居た

 

あれって図鑑で見たアプノトスって奴だよな・・・・・しかも美羅先輩が焼いて食べていた奴で確か美味しいって言ってたし

 

『昨日見た図鑑に酷似した奴だな。美羅が食べていた所を見ていたが骨格的に見て間違いないだろう』

 

決定!あいつを倒してマンガ肉を作ってやるぜ。昨日のランポスは小さかったから言う程肉が取れなかったからならそうと決まれば気配を殺して死角へと回り込むぜ

 

見つからないように慎重に息を殺しゆっくりゆっくりと回り込み真後ろへと移動完了した一誠は一撃決殺をする為ある程度体力を残せるぐらいまで倍化を掛ける

 

『よし行くぞ相棒! Explosion!』ドゥッ!

 

急に現れた威圧感に驚き振り向くアプノトスだがもう遅い、遠く距離があった所から二呼吸程でほぼ零距離まで詰め寄り強烈な一撃を前足の少し後ろ辺りに打ち込む。

 

「よっし今だ!」

 

『Boost!』

 

追撃と言わんばかりに倍化を掛けた頑強な左手を抜き手状態に変え深く突き刺し心臓を貫きアプノトスは膝から崩れ落ちピクリとも動かなくなった

 

「いしょっしゃー!」

 

『良い二撃だったぞ相棒。必ず仕留めんとする最後に放った抜き手に硬化の為の倍化とは良いアイデアだ』

 

勝利の雄叫びを上げる一誠と宿主が成長して嬉しく思っているドライグ―――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、この場に居る環境は弱肉強食でルール無用なんでも有りの場所である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして一誠とドライグは空を飛ぶ高速の襲撃者に気が付く事も許されず獲物を横取りされた

その衝撃波は凄まじく正に突風であり後は皆さんも想像が付く様に

 

「どわあああああああああああああ!?」

 

『な、なんだー!?』

 

一誠を襲った横殴りの風はとんでもなく強く耐えることも転けることも許さず嵐の様に巻き上げながら数百メートル吹き飛ばされた。そのまま落下した体の勢いは止まらずゴロゴロと転がる事で減速しようやく止まると何があったか不明だがある程度は予想が付き――――――――――――自身が仕留めたアプノトスは掻っ攫われたと理解した

あまりにも理不尽な出来事に呆然となるが一気に怒りが沸き立った一誠

 

「ふっざけんなあああああああああああああああああ!!」

 

あらんばかりの怒りを込めた雄叫びが空へと木魂した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この叫び声は何か理不尽な目に遭ったのかな?・・・・・まぁいいや死んでないから大丈夫大丈夫」

 

存在自体が理不尽な存在はあまり気にせず呑気にご飯を食べていたのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちくしょう・・・ちくしょう・・・・・やっと見つけて狩ったのにあんまりだぁ。姿すら見えなかったとか悲しすぎるだろぉ

 

『気を弛めていたとはいえ全貌すらはっきりと見えなかったのはかなりの速度で飛んでいたという事だ。ここまで速く飛ぶ奴が居たのは驚きだ』

 

そっかぁドライグでもはっきりと見えなかったんだな

 

『唯一解ったのは色だけだ。銀色と赤色の何かが獲物をかっ拐った事ぐらいだ』

 

体色が分かっただけでも十分だ。今は敵わないが強くなった時にリベンジしてボッコボコにしてやる

しっかしさっきの場所に比べて周りの景色が変わったな・・・蒼い葉が付いている木か、さっきまで緑色の葉が生い茂っていた木だったんだがな

 

『相棒逃げるぞこの場所は危険だ!』

 

いやいや木々の葉っぱの色が変わったd

 

『美羅が注意したことを忘れたのか!?』

 

えーっと確かルールは存在しない生き残りのサバイバルじゃなかったっけ?

 

『違う最後の奴だ!!』

 

あれだろ?森の葉っぱの色が違う所に入ったら駄目って・・・・・

 

『兎に角吹き飛ばされたあの場所まで戻―――――――――ッ!?後ろに全力で跳べ!』

 

跳んだ直後、先程まで一誠が立っていた場所が爆発し焼け焦げていた

 

「さ、サンキュードライグ。後一秒でも遅れてたらあの世行きだったぜ」

 

『今はそれどころでは無いまだ来るぞ!!』

 

ボッボッと音が聞こえると同時に火球が飛来し大地を焦がしていき周囲の温度が上昇、ちりちりと肌が焼けていく感覚があるものの一誠は襲撃者から逃げ出せずに居た

 

「あっちいあっちいいいいい肌が焼けるってか燃えそうだ!つーか何なんだよこの火の玉を吐き出して攻撃してる奴わぉおあ危ねえ!?」

 

退路を断つ様に飛来する火球に翻弄されるも徐々に落ち着きを取り戻す一誠はこの場を切り抜ける為にあるイメージをする。それはドラゴンショットをただ真正面に大きく撃つのでは無く拳大に集約させた大きさを求めこの土壇場で魔力を集約させる事に成功、尚本人はその事に気付いてはいない

 

これ以上は埒があかねぇ!ドラゴンショットを当てて一気に逃げるの一択だ。すぅ・・・・・何時でも来やがれその瞬間ぶっ放してやる!

 

何時でも撃ち込める状態になって数秒後同じ場所から再度火球が飛来、それを待っていた!と言わんばかりの勢いで腕を振りかぶり目標へ向けて―――――――――

 

ドラゴンショット!

 

を撃ち込む事に成功した一誠

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが予想外の事態が起こる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

集約されたはずのドラゴンショットは目標に当たりはしたが弾かれてしまいその後方の地面に大被害が及ぼすだけで、当の本人とその相棒は呆然とし

 

「『は――――――――?』」

 

開いた口が塞がらない状態だった。火球を打ち出していた襲撃者は一誠達の方へとノッシノッシと歩みその全貌が明らかとなる―――――――――――――――――――

体躯は大きくその殆どが岩のような鎧を纏う竜だった

 

「おいおい冗談だろ・・・・・ドラゴンショットが当たっても傷一つ無いとかどんな化けもんだよ」

 

『先程の攻撃は貫通力のある一撃だったのだがそれすら弾き傷一つ無いか・・・・・』

 

「『よし!逃げるぞ』」

 

戦略的撤退を速攻で選んだ一誠達、その判断は正しく襲撃者はそれ以上追撃はしない感じで地面の中へと潜りこんでいった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全力で逃走した一誠達はアプノトスを仕留めた場所へと戻る事に成功したがその体は他人から見ても明らかで疲労困憊の後が見て取れる程だ

 

「な、なんだよあの竜はとんでもない硬さだったぞ・・・・兎に角拠点に戻って図鑑で確認するしかないな」

 

こうして拠点へと戻った一誠達の怒濤・理不尽の二日目は幕を終えた

 

 

 

 

 




分かる人には分かるモンスター・・・・・

一体何モスさん何ですかねぇ~。ん?ゲームではそんな行動はしないだって?それは勿論そうでしょう。だってほぼワンパターンな動きより違った動きがある方が楽しいでしょ!不可能を可能にするのが日々進化し続けるモンスターなんだから大丈夫大丈夫ー

アンケートは27日が締め切りなので気を付けてね♪

―追申―
気楽に投票していいのよ?

そして感想にこれを希望する!みたいな感じで書いてくれてたら取り上げるなりアンケートなりする予定です


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第43,5話 あっちは大変!動き出す逆鱗

アンケート終わった!
1位はアルバトリオン!2位はジンオウガ!
クック先生とリオレウスは良い勝負でしたね!レイアは・・・・うんドンマイ!

ミラ「えぇまーた増えるの?面倒くさ」
布団「そんな事言わないで!?読者が離れる!」
黒「メタい事いうな!」
紅「アーシアを見守りたい親衛隊隊長白野紅推参!」
ティア「紅がどんどんと駄目になっているぞ」
ミラ「アーシアちゃん大好きっ子だから放置で良いよ」
布団「さぁ今回はあっちの世界の話だぞ!」







~好輝side~

 

やぁ皆元気かい?

え?誰お前って・・・・・そうだね、僕は痛過ぎる名を付けられた虚しい転生者だよ。本編第1話と番外編2話出演したから知っていると嬉しいな。そんな僕は今多忙過ぎて死にそうだよハハハ

 

「何をしているの?次は砂漠の生態を乱す双角を狩ってきなさい」

 

「・・・・・ハイ」

 

僕に命令してるのはこのモンハン世界で最強を誇る一角のミラルーツなんだよ。お嬢様どころか超我儘で悪の女帝みたいなそんな人――――――あっ人じゃ無かった龍だった。ほとんど人化状態で過ごしているから間違っちゃうよ・・・・・

 

「好輝頑張ってね・・・・・」

 

「頑張って・・・・・」

 

「が・・・ん・・・ばって」

 

嫁三人が哀れみを込めた目で僕を見ながら手を振っている。社会人前に死んでこの世界に転生したけどブラック企業ってきっとこんな感じなんだね―――――――――――あぁ夜も夜で死にそうだ

 

好輝の嫁三人=夜のお相手となるので正直休みは無い状態で酷い時は三人同時に喰われるのだ。それはもう大変大変超大変、仕事→お相手→寝る→仕事→お相手→寝る――――――――――ずっとこれの繰り返しでそろそろ体にガタが来始めているが元々強気に出れない質なので最悪の循環となり、積みに積み重なってそろそろジェンガの様に倒壊する一歩手前である。

 

「も、もう死にそう・・・」

 

ギルドの仕事、ミラルーツから言い渡される仕事、嫁達の慈悲無き行為(意味深)で僕もう真っ白に燃え尽きちゃうよ

 

実際問題これは好輝だからこそ出来るのであって、それ以外の者では絶対無理!三龍の加護が身に宿っているからこそ此処までのルーチンワークをこなせているのだ。

 

あっ突き上げされた・・・・・まぁ何気に頑丈な体だからダイジョウブダイジョウブ

 

「ウッガーーーーーーーーーーーーやってられるか!もう家出する!!」

 

日々の鬱憤を叫びながらディアブロスの首を大剣の一撃でたたっ切る

 

「ふ、ふへっ―――――――――ふへへへへ。ぼくはじっゆうっだーとっまーらなーい」

 

やべぇ・・・・ヤベェ・・・・・・・・・遂に精神がイカれ始めた好輝はゆらゆらと歩きながら未だ見ぬ場所を求め旅に出たのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ミラルーツside~

 

おそい・・・遅い遅い遅い何やってるのよあいつは!今回の仕事もちゃんと楽な奴にしてあげたのに何処で道草を食っているのよ!!この私からの直接お願いしたっていうのにも関わらずどうなっているのよ!?←自身は命令では無くお願いという内容にすり替わっている

 

「好輝何やっているんだろ・・・・・・浮気してたらユルサナイ」

 

「浮気ユルサナイユルサナイユルサナイ―――――――――――」

 

「足切って何処にもイカセナイヨウニシヨウカナ?」

 

悪循環の張本人達は何故好輝が帰らないか理解しておらずどんどんと悪い方へと向いてしまう中黒い龍が地上に影響の無い様降り立ち人の姿になる。黒い龍の正体は新たに生まれた黒龍ミラボレアスでその様子は何処か焦りを含んでおり早足でミラルーツの所へと向かい切り出した内容は切迫したものだった

 

「おいミラルーツ至急好輝を神域へと連れて行きたいのだが奴は何処に居る」

 

「はぁ?神域ってあいつが居る所じゃない。何故好輝が必要となってくるの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「暴れることが出来無くてむしゃくしゃしている。今は未だ小さい事だが一月もしない内に暴れる可能性が出てくる為人間達の街へとこの事を知らせたので好輝の奴にどうにかしてもいたくてな・・・・・あいつ俺達見ると襲ってくるし」

 

「         」

 

「おいこっちを見ろ―――――――――――――――そちらの嫁三人、好輝は今何処で何をしている」

 

「「「ウワキシテタラアイテヲコロス」」」

 

話を完全に聞いていない為三人に拳骨を入れるミラボレアス。拳骨された嫁三人は正気に戻り好輝が戻らない現状を説明し家出以前の状態を聞いているとため息と遠い目をした

 

「好輝が何故帰らないのかその一旦が分かった・・・」

 

「「「「好輝はどうして帰ってこないの!」」」」

 

嫁三人にミラルーツが混じっているカオスな状態な中ミラボレアスは分かりやすいように四人に説明をする

 

「ミラルーツから全投げされる仕事とハンターとしての仕事もして夜はお前達三人の相手それも毎日と来た。誰でもそんな生活すると逃げたくもなるわ!」

 

「「「「何で?」」」」

 

「奴は人間だぞ・・・幾ら加護を持っていたとしても精神的疲労と休むことが出来無い日々―――――――――――ミラルーツ的に言うなれば配下のいない状態でこの世界を維持する為飛び回る事、嫁三人に関しては好輝のしている仕事を自分がしていると仮定して毎日夜の相手を一人でしていると思え」

 

「・・・・・もしかして愛想尽かされた?」

 

「「「えっ・・・私達はローテーションでやってるけど」」」

 

「お前達は休みがあるが好輝には無いだろうが!!」

 

「「「・・・・・」」」

 

そしてようやく気付いた四人、如何に好輝が精神をすり減らせながらこの悪夢の連鎖を周回していたのかを

 

「もしかしなくても私これから沢山仕事しないといけないの?」

 

「当然だろう。今回の一件は好輝の代わりにお前があいつの相手をしろよ」

 

「い、嫌に決まってるでしょ!?あいつ手加減の文字しらないんだもん!!」

 

「拒否権は無いしあいつもお前を指名しているから丁度良い。今までの償いとしてこの苦行をやってこい」

 

「嫌だーーーーーーーー!!」

 

襟首を掴まれ引きずられて行くミラルーツ・・・・・本来はあり得ない光景だがそこは仕方が無い運命でありその対象は呆然としている三人も対象で

 

「丁度良いこいつだけでは物足りないと言い出す可能性が高いのでお前達三人も参加させよう」

 

「「「な・・・なん・・・・・・だと!?」」」

 

「では逝くぞ」

 

「ま、まって!?それ字が違う!」

 

「私古龍じゃ無い!だから無効に決まっている!!」

 

「わ・・・わたしも!」

 

「なぁに4対1の戦いにしてやるから感謝しろ」

 

「「「「それ感謝できない!むしろ怖い!!」」」」

 

必死の抵抗をする四人だがそれは虚しくミラボレアスに引きずられてゆく中癒やしの旅をしている好輝はというと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひゃっはーこの木の実おいちぃーーーーー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

精神状態は未だに直っておらず療養の旅はまだまだ続く――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~???~

 

やって来ない――――――――――――――何時も何時も何時も俺のことごとくを打ち破っていた奴が来ない。俺を歯牙とも掛けず理不尽な力で打ちのめす奴が来ない。奴と再び戦うのを待っていたが一向に来ない・・・・・周期的にもうすぐ来るはずだ。まだだ未だ待とうそうして一日待っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブッツン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

待ったよな?俺は今まで以上待ったよな?後にも先にもこれ以上長い間待ったことは無い・・・・・それなのに来ない。ならばもう良いよな?こんな場所

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハカイシテモイイヨナ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

我慢した―――――――――――これ以上なく我慢した逆鱗の龍は動き出す。この疼きを納める相手を探す為に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ミラルーツside~

 

ッ!?あれ・・・・・もしかしなくても世界ヤバイっぽい?

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやだあああああああああーーーーーー私オウチカエル!」

 

「バルカンも呼ばなければこれは不味いな」

 

「呼んだか!」

 

「・・・・・早いなお前」

 

「流石にここまでヤバイオーラを滾らせてたらまぁ・・・・・ね・・・・・・」

 

「俺達死ななければ良いよな」

 

「あっ・・・・・やっべ!」

 

ミラバルカンの呆然とした叫びがしたと同時に吹っ飛ぶ姿が誰もが視認する。一応人化したとしても龍の姿と同じ強さを持っているので頑丈さも引き継いでいるのだが今回ばかりは相手が悪く、何もしていないのにヤムチャと化したミラバルカン・・・・・それを合図に5対1の史上最悪の鬱憤晴らしの戦いが始まる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ミラ死ねええええええええ!』

 

「わ、私新人!前任が放置したのがいけないの!!も、もちつkあっぶにゃい!?」

 

「くっ、この女使えねぇ!強いくせに弱腰とかあり得ないでしょ!」

 

「こんな強くて理不尽な古龍とか初めてなんですけどおおおおおお!」

 

「うぅ・・・・こわい・・・・・・・・・」

 

「この駄目弱腰ミラルーツよりもしっかりと動けるとは感動物だな」

 

足手纏い1と人化ハンター4とアルバトリオンの戦いは熾烈を極めている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~好輝side~

 

「ヘァッ!?お、俺は今まで一体何をしていたんだ・・・・・お、思い出せない。ホント何があったよ俺」

 

精神療養の旅で元の状態まで戻った好輝、その理由は5人とアルバトリオンが激突した波動により覚醒したのである

 

「ま、まぁ気にしないようにしよう!うんそうしよう!!」

 

思い出そうとしたら体が拒否反応を起こしたのでこれ以上はいけないと理解し考えないようにしたのである

 

しっかし此処って何処だ?火山地帯ってのは分かるけど今までこんな場所見た事無いぞ。クソッ未開の地って事はいつも以上にヤバイだろうな

 

周囲警戒をしつつ手持ちを武器の状態を直ぐさまチェック、何処にでも必要な道具一式と回復薬もあり武器の状態も最高に近い。この事から何か仕事を受けている状態だと理解する←全てにおいて偶然です

 

「よし!これなら慎重に慎重を重ねたら新種モンスターが出たとしても撃退出来そうだ」

 

腰を屈め物陰に隠れる様に移動して行くと不意に気になったお守り。それは嫁三人から渡されたお守りで特殊な物で各自それぞれ状態が危ないと変色する物である。これによって嫁三人の傷の状態をいち早く察する事が出来大きな怪我をさせる事無く今まで一緒に狩りをする事が出来ていたのだが、今の状態はもの凄く濁っており腐っているのではないかと疑っても不思議では無い程であった

 

「えっと・・・・・え?リン達がここまでヤバイって何を相手にしてんだ!古龍ってのは分かるけどここまで酷くなったのは初めてだぞ!?」

 

好輝は嫁三人と古龍を討伐したこともあるし格上の対象も狩った事もあるベテランだがそれでもここまで酷い色になったのは初めてでかなり焦っている。お守りを手に持ち見ていると更に変色すると殆ど同時に火山の奥地から凄まじい轟音が聞こた

 

「おいおいもしかして三人で古龍と戦っているっていうのかよ・・・」

 

お守りを懐に入れ音のした火山の奥地へと走り出す好輝。走っている最中も轟音が鳴り響き地面が揺れるがそれも気にせずただひたすらその場所へと向かう。岩の上へと登り最も開けた場所を探す様に見渡しその場所を発見、手持ちにあった双眼鏡で様子を見ればハンターと思われる人達が六人倒れ伏しておりその様を見下ろしている龍が一体――――――――――そこからは一気に飛び降り再び走る

だんだんと距離が近づくにつれその龍の異様さを実感する。鱗は逆さ―――――――逆鱗が目立つがそれ以上に今まで見た事も無いような頭部の角に目を奪われるがアルバトリオンが動き出す。バックステップで距離を置いた時点で何をするか理解した好輝、それと同時に倒れている者達が誰かハッキリと分かった。何時も自分に仕事を投げるミラルーツは兎も角、ミラボレアス、ヤムチャと化しているミラバルカン、未だ倒れ伏している嫁二人のナルとシアそして血を沢山流していようとも立ち上がろうとするリンが居た。だがそれすらもあざ笑うかのように悠々と攻撃をしようとする光景に好輝は嫁を傷つけられた事に腸が煮えくりかえり遂に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブッチン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の嫁に何してくれてんだこの龍がーーーーーーーー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

崖から飛び降りながら愛用の大剣を大きく振りかぶりアルバトリオンの角へと叩き込む――――――――――最大の力を持って

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だがそれは今まで相対した中でも異例中の異例であり、攻撃は角で受け止められていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なっ!?」

 

今まで大中小様々のモンスターの首を切り落として来たが角で受け止められた事に驚愕を覚えた好輝、そしてアルバトリオンの興味は全て好輝へと向けられる

 

『ほう・・・お前ならそこに転がる脆弱な奴らより歯ごたえがありそうだな。そしてほんの微かにだが奴の―――――――――ミラの力が感じられる。そしてそれに付随する様に黒いのと紅いのも

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハハハハハハハハ!良い良いぞこの俺をもっと楽しませろ!!

 

「このバトルジャンキー龍が!嫁を傷つけた借りを返してやるよ!!」

 

こうして好輝とアルバトリオン憂さ晴らしの戦いが幕をあげる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――数刻後

 

「ゲハッゴホゴホッ」

 

口から大量の血を吐き出し武器を支えにしながらも一度も倒れずアルバトリオンを見続ける好輝、その一方で身を少し切られ逆鱗がこぼれ落ちたアルバトリオンは未だ満足していなかった

 

『やはり所詮は人間か―――――――――この滾りを納める事が出来るのは奴らだけか』

 

「い、一体誰だよ奴らって・・・・・」

 

『敗者が勝者に問いて答えるとでも思っているのか?だが俺は人間のお前がここまでやれた事に気分が良い!よって教えてやろう。そこに転がっている白の前任者とそれに集う黒と紅の計三体だ』

 

「マジかよ・・・前任者の方は兎も角あの二人ってそんなに強かったのか―――――前任のミラルーツを追って異世界行きやがってクソが

 

好輝が発した最後の言葉をアルバトリオンは聞き逃さずしっかりと聞こえた

 

『ほぉう?奴は異世界とやらに行ったのか――――――――――おい白いのとっとと起きろ』

 

倒れ伏しているミラルーツの側まで行きゲシッっと足で踏むアルバトリオン。踏まれたときにグエッっとカエルが潰れた様な声が聞こえたが無視し一方的に言い放つ

 

『貴様なら前任の奴が何処に行ったか分かるだろう?其処に俺を飛ばせ今すぐにな――――――――――もし無理だとなんだとほざくならこの世界を破壊し回ってしまうぞ』

 

「んにゃ!?や、やるから!やるから足除けて下さい!」

 

『やれ』

 

「あ、はい・・・・・」

 

少ししてなんとも言えない色の空間がアルバトリオンの目の前に出来上がる

 

『本当に繋がったのだろうな?もし失敗などしてみろ、意地でもここに戻り貴様をなぶり殺しにしてやるぞ』

 

「つ、繋がってる!繋がってるから!!ちゃんと隠匿も掛けたから大丈夫だって!?」

 

この光景を見ている六人はヘコヘコと頭を下げているミラルーツに白い目をしている

 

「お、おねがいします。ホントに大丈夫です・・・・・だから許してぇ(泣」

 

とうとう泣いてしまったが誰も可哀想だとは思って居らずむしろザマァとしか思っていない

 

『ならばさっさと行かせてもらおう――――――――――――――そこの人間名は何という』

 

「・・・森 好輝」

 

嫁の借りを返すことが出来ず不満だったが完全に負けたため一応名を名乗る

 

『この俺を楽しませた礼だ適当に使え』

 

前足で角や逆鱗をりがりと掻いて素材を落とすその中には甲殻等もあり武器と防具を作るには十分過ぎる程だ

 

「マジかよ・・・・・」

 

『この程度すぐに直る』

 

そう言った側からみるみると掛けた部分が治っていき数分もすれば完治した

 

『ではな―――――――――――――』

 

そう言い残し穴をくぐりその姿は消え穴も閉じる

 

「とんでもない奴だったな」

 

ソッと近付き両方から抱きつくリンとナルそして後ろからヒシッっと抱きつくシア

 

「遅くなったけど好輝―――――――――――助けてくれてありがと♪」

 

「やはり私達の旦那は凄いな」

 

「好輝はとても凄い」

 

「まぁ正直俺は全員あいつに見逃されたと思うんだよな」

 

あれ程の力を持つ龍に死なないだけでも奇跡なのに見逃されるのは億が一程の確立であろう。本当に気まぐれで見逃されたのだ

 

「あれもこれも全てこのミラルーツがしっかりと仕事してくれてたら良かったのになぁ」

 

「大丈夫だ好輝、この馬鹿はしばらく俺が仕事をさせておくからお前はゆっくりと休養でもしておけ」

 

「あぁ助かるよ――――――――――――――――みんな帰ろうか」

 

「「「はーい」」」

 

こうして好輝の怒濤の日々が終わりを告げ、ミラルーツの怒濤の日々が始まるのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~アルバトリオンside~

 

クククッ

ミラよ待っていろ今度こそ貴様を倒してみせる!

 

 

 

フラグを乱立させながらミラが管理するバカンス地へと向かう。そしてそれがだれも見た事も無いミラの逆鱗に触れることは誰も知らない

 

 

 

 

 

 

 

 




アルバがミラの楽園に辿り着くまでのカウントダウン開始!

一誠、お前は強く生きろ(メンタル的な)

アルバは?まぁサンドバッグ直行だから仕方ない
ミラ様に逆らうからこうなるのさ(・ω・)


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第44話 下位を超えろ一誠!想いは救いなり(前編)

布団「ようやっと書けた・・・・・あれ?何時ものが来ないだと!?」








布団「やっと見つけたけどこれは・・・・・」
美羅「うへへへ水着メルト可愛いなぁ」
紅「まぁーたアルトリア顔増えちまったな」
黒「バニ上だぜバニ上」
ティア「バニーの格好をしている上乳」
美羅「沖田さん水着やっと実装だよ・・・長かった!!」
紅・黒・ティア「「「確かに」」」

布団「あのーお話始まっちゃうよー」
美羅「作者はガチャどうだった?」
黒「正直に話せば大丈夫だ――――――――――――キット」
紅「さぁさぁ!」
ティア「さぁさぁ!」

布団「PU2の水着全員揃ったんだぜ!」
美羅「よーし処するわ」
黒「岩盤を用意した」スチャッ
紅「某野菜人の戦闘服を用意しておいたぞ」スチャッ
ティア「ワックス持ってきたぞ」
布団「ふっこれが定めと言う事か・・・・・ならやああああってやるぜ!」
Now Loding・・・・・
布団「俺は(PU2の)水着を制覇した王子だ!貴様らの様な下級戦士と一緒にすr」
美羅「てゃあ!」
キィーーーーーーーーン            ドゴォオオオオオオ
美羅「御託はもうお仕舞いか?」
布団「クフォォォォ」
美羅「所詮雑魚は雑魚という事か」












黒「よーし撤収ー」
紅「話が始まるんだよ馬鹿たれ」
ティア「ゆっくりしていってね?」








~一誠side~

 

サバイバル三日目に突入したぜ皆。正直此処の生き物たちの生態が意味不明で理解が追いつかねぇ・・・取り敢えず不思議ワールドのせいだな

 

『ハッハッハッもう意味不明の生態ピラミッドだな』

 

「だってよぉ!拠点に帰る最中で見たあの光景・・・巨大蜂が大きいランポスを食べてるとか明らかに可笑しいだろ!」

 

拠点に帰ってる最中に近くで物音がしたから隠れて様子を見てたら上で説明した光景が広がってたっていうスプラッタなもんだったからな・・・・・

 

『さて、昨日の回想も良いが今はこれについてだな・・・・』

 

「だな・・・・」

 

昨日沢山釣れた破裂する魚だが調理することに成功しちゃったぜ――――――――ん?テンションが低いのは何故かって?それはそうだろ?死んだら破裂すると予想してた魚が生きたまま焼いたらこんがり焼けましたー何て巫山戯てるにも程があるだろ!何気に旨かったから良しとするか・・・・・

 

腹ごしらえを終えた一誠は今日を生きる為に獲物を狩る

 

 

 

探索中・・・・・・・

 

 

 

「よし!昨日と同じ獲物アプノトス発見した。これより討伐する!」

 

 

 

『一度仕留めているから呆気なかったな』

 

まぁまぁそう硬いこと言うなってドライグ!食に余裕があってこその修行、苦行の日々に微量の癒やしでも無きゃやってられないだろ。例えて言うなら家畜の餌の食事の毎日に毎日ハードな修行――――――――どうよ?ドライグはやる気出てくるか?因みに俺は絶対出ない!例え美羅先輩からの命令でもストライキ起こすわ!!

 

『う、うむ・・・』

 

おっと奥の方から草を掻き分ける音が聞こえたな・・・隠れて様子見だな

 

茂みの中へと移動し俯せて待機する一誠。すると音のした方から大きな猪がのっそのっそと歩いており、通常の猪と比べると遙かに大きく車並に大きな体をしていた

 

・・・・・猪が現れたと思ったらめっちゃ大きくてヤバイだろ!?ワゴン車並に大きいとかどうすれば良いんだよ!あれか?ドラゴンショットで倒せとかだったら無理だ!殺る前に殺られるって!!

 

早く何処か行ってくれと願う一誠を余所にドライグは『何だ殺らないのか?』と愚痴を言う始末

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしこの時程一誠は隠れていて正解だったと思ったのであった―――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凶悪な轟君が巨大猪へと降りかかったのである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

轟君の奇襲により巨大猪は一瞬で物言わぬ骸となり一誠は恐怖した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何なんだよ・・・あれ・・・・・あの巨大猪はさっきまで悠々と歩いていたのにあいつの奇襲で―――――――――一撃で死ぬなんてあり得ねぇだろ。クソックソッ!恐怖で体がピクリとも動かねぇ!頼むこのままどっかに行ってくれ!!

 

一誠の願いが通じたのかそれとも轟君の気まぐれだったのかは分からないが口に猪を咥え森の奥地へと消えて行くと同時に一誠は安堵する

 

『まさに自然界の暴君―――――――あの目は絶対捕食者のそれだ。懐かしいな俺が未だ龍の時にはそういった目は日常茶飯事だったからな』

 

あれが自然界の捕食者の目かよ・・・野生動物のライオンとかが可愛く見えちまうじゃねぇか

 

『正に恐竜、これの一言に尽きるな』

 

そうなんだよなぁ・・・・・あの牙の物々しさは怖かったぜ

 

未だに冷や汗が止まらず動きにくい体に渇を入れ一旦拠点へと帰還する事にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「体躯は黄色く四足歩行・・・・・"轟竜ティガレックス"それがあの捕食者の名前か。ホント恐竜みたいな名前だな!何だよティラノサウルスの頭二文字を取って格好いい名前を付けた感じは!?あれ格好良くないし怖いだけじゃん!しかもこれに載ってる凶暴で怒りやすい竜ってマジかよ!!」

 

『す、少し落ち着け相棒・・・』

 

あぁすまねぇドライグ・・・正直日日に日に増していく過酷さに嫌気が来ちまったんだよ―――――――――――――そう思うと初日の出来事はかなーり優しい入門編だったんだなぁって感じたんだよ。初日はランポスの群れと追いかけっこ、二日目は二日目で変なキノコ食べる、変な魚釣る、仕留めた獲物を横取りされるっていうオンパレードだぜ。そして今日の一番で命の危機を感じるとか・・・フッここの世界パネェぜ

 

三日目は轟竜との遭遇により昼から拠点に籠り一日を過ごす日に終わった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

 

 

 

 

一誠が拠点で過ごす最中美羅はというと―――――――――

 

「おや今日は引き籠もってるけどどうしたんだろ?今日は黄色のトカゲと遭遇したぐらいだからそこまで怖がらなくても良いと思うんだけどなぁ」

 

 

 

 

 

 

 

ドゴォォォォォォン!!

 

 

 

 

 

 

力強い突進をしてくる獲物を明後日の方向を見ながら片手で受け止めている。体躯は一誠が見た個体よりも大きく所々傷を持つ古参の轟竜だが美羅の前では無力――――――――――

そもそもの問題として普通であれば美羅に襲う者は少ないのだが希に力の差を理解していない馬鹿を相手にする程度だが今の美羅は力の偽装を完璧にしており普通の人間ぐらいの存在だ。だが実際には二人の間には途方も無い力の差があり轟竜は混乱しているため暴れており周りがかなりグシャグシャとなっている

 

「まぁいいや大体半年程度サバイバルしてもらう予定だし度胸もそれなりに付くから大丈夫でしょ」

 

実は言うとこの場所は現実の世界との時間経過が違うからね!疑似的な精神と〇の部屋だからね!!え?植物とか動物が存在しているのは何故かってそりゃあ私が創ったから問題無いよね!

 

等と思いつつも握る力を緩めていない為周りの地形は先程よりもグシャグシャになりつつ音もどんどんと大きくついイラッとして「五月蠅いなぁ」と呟く美羅。ちょっとだけ漏れた強大な力に一瞬動きが止まるも今度は必死に逃げようと暴れ始め握られている部分―――――――――牙の根元からポッキリと折れ自由になった体で逃げようと背を向け逃走しようとするも尻尾を掴まれ逃げることすら叶わない。やがてスタミナが無くなり殆ど動けなくなった所でズリズリと木々の奧へと引きずり込んで行く姿を一誠の目の前に現れた轟竜が森の中から見ていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恐らく自身の親だったのだろう彼は涙を流し憤怒の感情を抱くものの美羅と一瞬視線が合い思い知る。あぁこの生態の頂点はあいつだ―――――――――――――――勝てるわけが無く、闘争心を無くさせる存在だったと理解した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~一誠side~

 

拠点に引き返して籠ってたら日付変っちまったぜ!やっちゃったZE♪・・・・・ンン"ッ!あーあー、よし大丈夫ダイジョウブ

 

『現実逃避をするな』

 

うるせぇ!良いじゃねーかよ逃避ぐらいしても罰は当たらねえよ――――――――――――――まさか昨日の引き籠もりが美羅先輩にバレるとか早すぎじゃね?そしたら今日の朝一で追加指令が来たんだよ!

「健康体なのに引き籠もるとか良い度胸だね?これ以降一回でも引き籠もったら超過酷地帯へと移動させちゃうぞ♪」

ワーイオレカンシサレテーラ・・・・・まぁ美羅先輩だから分かったんだろうなー

 

『普通は疑問に思うところだぞ?』

 

そんな事はどうでもいい!

 

『どうでも良いことなのか!?』

 

今はこの先どうやって生きていくかが問題なんだよドライグ・・・・・昨日の無駄に格好いい名前のティガレックスはもの凄く強い

 

『昨日奴の目を見ただけで分かるな』

 

取り敢えずの目標はあいつを倒すって事だ!きっと美羅先輩なら惨たらしく無慈悲に倒すだろうからな・・・・・おっと話が逸れちまった。今すぐやると絶対に勝てないのは目に見えているからもっとハードルを低く設定してぎりぎりで勝てそうな奴と戦うんだ。それなら強くなるだろ!

 

『ほうそのハードルの獲物はどいつだ?』

 

早速図鑑を開き見た事のある奴を選ぶ一誠、その開けたページに載っているモンスター――――――――――それはドスファンゴという一誠の目の前で無残にも轟竜の手により殺されたモンスターの名である

 

『・・・・・もっと強い奴とやった方が相棒の為にもなるぞ?』

 

「いやいやいや!?巨大猪の時点でかなり危ねーだろ!」

 

『そうか?この先に載っていたイャンクックという新人ハンター卒業モンスター?というやつに挑めば良いと思うぞ』

 

えぇ・・・ドライグお前は俺に乙れと言っているもんだぞ

 

『こいつは竜に位置づけられているのだろう?弱くても竜は竜、歯ごたえのある相手を倒して新米ドラゴンスレイヤーにでもなればいいだろう』

 

あ、いやドラゴンスレイヤー持ってます。――――――――――武器だけど

 

『阿呆か!討伐した首でも美羅に見せればそれなりの評価を貰えるかもしれんだろ?上位の竜を討伐するようになれば何か褒美があるかもしれんぞ?』

 

・・・・・ご褒美か

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

有りだな!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

よっしゃ!ドスファンゴはやめてこのイャンクックっていうモンスターを狩って褒めて貰うぜ!

 

フッ、チョロいな

 

こうして一誠の最終討伐目標はティガレックスに決定し、前段階としてイャンクックを倒す事を目標とした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピンクの甲殻を持つ竜は小さな泉にて小休止、その竜の名はイャンクック――――――――乾いたであろう喉を潤す為水を飲んでいる最中である。しかし森の中からイャンクックより巨体な竜が現れると縄張りを主張し始めるイャンクック。だが近づく竜はそれを無視、痺れを切らせたイャンクックが襲いかかろうとする直前その竜は巨大な咆哮をあげ一瞬のやり取りだけでイャンクックは驚き逃げるように走り去り竜は逃げたイャンクックを追わずノシッノシッと歩き森の奥へと姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目標を立ててから四日目―――――――――――一誠の服は最早ボロボロで破れた服の下の肌には鋭い切り傷等があった。一誠は更に進化したと言うことだ

 

「いやぁ昨日のランポスの群れに襲われたときは死ぬかと思ったぜ」

 

『初日に比べて大分成長したじゃないか――――――――――主に精神面でな』

 

「まぁ・・・そりゃあな・・・・・」

 

いやぁ昨日のあれは酷かった!見つかったから逃げようとしたらいきなり仲間を呼び集めやがって巫山戯んなこんちくしょーって叫んじゃったんだよ。森の奥からワラワラと出てくるからドラゴンショットでそれなりには減らせたけど後ろからもワラワラと・・・・・結局限界の倍化で格闘戦をする他無かったよ。鋭い爪で所々傷付きながらも奮闘!最後の一体を倒したと思ったら大きい個体が出て来て疲れ果てちまったよ。蹴られたり噛まれたり引っ掻かれたりとかなり危なかったが何とかぶっ倒す事に成功してポーチに回収―――――――そして拠点に帰還

血が大量に無くなってフラフラだったが美羅先輩から渡されていた緑色の薬を傷口に塗ったらあっという間に塞がったんだ・・・・・アーシアと比べるとやっぱり違うんだなぁって思った。アーシアのは傷残らなーい、この薬傷残ーるって感じだから普通に凄いと思う。こんなに早く回復出来るなんてフェニックスの涙かよ!って思っちまうなぁ

 

この四日間の回想をする一誠、何気に成長がハッキリと分かる程充実した内容だった

 

『だが相棒よ目標の獲物の姿を未だ発見できないとなると新たな目標を立てねばならんぞ?』

 

「そうなんだよなぁ・・・イャンクックって奴はピンク色の竜だから直ぐに見つかるかと踏んでたけど全然だったな」

 

緑一面の森だけど崖の上から見つかるかなーって見渡してみたけど見つける事ができないとは・・・

 

『どうする相棒手当たり次第に探し出してみるか?俺としてはそちらの方が楽しみではあるがな』

 

冗談じゃねぇ・・・またあの地獄のパーティーを開催しろってのかよ?ハッキリ言って嫌だよ!ってかドライグが段々と物騒な事を言い始めてる。はやく・・・何とかしないと・・・・・

 

大自然のサバイバル、弱肉強食、生死を掛けた戦い―――――――日に日に激しくなる厄介事、これらがドライグの龍としての本能を着々と取り戻させて行く。体の所有権争い待ったなしの状況だ・・・・・今はエロ魂にて打ち勝っているものの危険な事には変わりない

崖の上からでは無く森の中へと変更する一誠は音を立てずに移動して行く、この技術もこのサバイバルで身につけた成果の一つだ。そんなこんなで数時間散策するもピンクの甲殻を持つイャンクックを見つける事が出来ず精神をゴリゴリと削られて行き休憩のため木の上に登り休憩をし始めているとドシンッドシンッと大きな生き物の足音が聞こえ始める

 

『さあどうする相棒?』

 

いやさ、取り敢えず観察するに決まってるだろ。強そうな奴だったらこのまま息を潜めているけど目的のイャンクックって可能性も有るからな

 

木の上からバレない様慎重に近づく奴を見ると全身の殆どがピンク色の甲殻で覆われたお目当てのイャンクックの登場に一誠は歓喜するも直ぐさま冷静さを取り戻し今も尚様子を見ている

 

『何時になったら仕掛けるつもりだ』

 

ばっかだなドライグ、こういうのは頭上から一気に攻め立てて混乱している内に手傷を負わせるんだよ!ってもう真下に来たか・・・・・よしっ突貫するぜ!!

 

勢い良く飛び降りる一誠だが予想外の出来事―――――――――――――イャンクックはいきなり走り出した→森多くへと消えました

 

何でだよクソォ・・・タイミングもばっちりだったし死角からの強襲だっただろ―――――――――ってうぉお!?

 

ボンッ!

 

頭上から火の玉が落ちてきたが間一髪の所で回避に成功した一誠は直ぐさま周囲を警戒、そしてその犯人を見つける。その対象はイャンクックと姿形が似ているが所々違っており何よりも体躯が大きく濃い紫色の甲殻を纏って居るのだ

両者共に警戒をし一定の距離間を保ったままにらみ合いが続くが均衡が相手によって壊される。頭を上げ何かしらの攻撃をするであろう体勢を取り一誠は直ぐに行動出来る様に待ち構えるが今回だけはそれは悪手であり、対象の最も得意とする攻撃の一つ―――――――大きな咆哮が周囲に響き渡る

 

「がああああああああ!?」

 

『うぉおおおおおおお!?』

 

あまりにも巨大な咆哮に一誠は耳を手で塞ぎ一方のドライグは驚愕していた。そんな隙を見逃すつもりも無く尻尾を鞭のように横薙ぎに振り一誠は籠手で防ぐが完全には防げず吹き飛ばされる

 

「ぐっ、ガハァッ!――――――――――――ゲホッゲホッ」

 

肺の中の空気が押し出されむせ返る一誠、そしてその隙も見逃すはずも無く相手は突進をして来た。突進は事前に倍化していたため大きく横に飛んだ為難を逃れる事が出来たが此処で新たなる問題が――――――――――――それは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっグゥ――――――――――ガハッ!」

 

口から吐血し始めたのだ

 

『どうした相棒!?あの程度の衝撃では内蔵は破裂したりしないぞ!』

 

そこでふと思い当たる先程受けた尻尾の攻撃により少なからず傷を負った事、そして掠っただけなのにジクジクと痛みが増して行くこの状況。そして事前に美羅から渡された支給品の内容について

 

『まぁ大体は見て分かる通りそれぞれ頑丈を第1に置いて作られた物だよ。後は分からないと思うこの二つだけど、

緑色の液体は傷薬で

青い液体の方は解毒薬

で各数量10個大切に使うんだよ?』

 

直ぐさま一誠はポーチから紫色の液体が入っている瓶を取り出し傷付いた場所を液体をかけ残りは全部飲んだ。これにより外と内とで大丈夫であろう・・・・・すると直ぐに効果が出て痛みが引いていったのである

 

「あぶねぇ!美羅先輩から渡されたこの解毒薬を思い出さなかったら死んでたぜ・・・」

 

『安心している場合では無いぞ相棒!突進来るぞ!!』

 

だが今回は突進では無くジャンプして距離を詰めくちばしで攻撃を仕掛けてきたのだ。これも回避することに成功、そして振り出しへと戻ったこの状況――――――――――――

これから一誠はこのサバイバル初めての大型生物との対峙が始まる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




「おや作者はデデーンしちゃったようだね。なら代わりに僕が説明をしy」
美羅「ヤァ♪内の所に来てくれなかったお返しをしようじゃないか」
「幻術発d」
「シスベシフォーウ!」
「あいた!?」
美羅「去勢拳」
「!?」

少々お待ち下さい・・・・・・

美羅「汚い映像を見せちゃったけどお前が来なかったのがいけないの♪」
「 」
美羅「ただの屍のようだ」
「フォーウ!」
美羅「よし!皆アンケート手伝ってね!!どしどしカモンだよ!」










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第45話 下位を超えろ一誠!想いは救いなり(後編)

布団「さぁはじまるざますよ」
紅「いくでがんす」
黒「ふんがー」
ミラ「まともに始めなさいよ!!」

紅「嫌でがんす嫌でがんす」
黒「フンフンフンガー!」
布団「はじまるっぴょん!」

ミラ「 」イラッ










ティア「あわわわわわわわ!?」(汗
ミラオス「ダンゴー」
赤「イチゴジャム付きか・・・」






ミラ「読者のご想像に任せるんだぞ♪」チマミレ







~一誠side~

 

幾度となく応酬される攻防にお互い傷付き傷付けられボロボロになって行く。一誠は攻撃を防いでいる籠手が所々にヒビが入っていたり砕けたりしているが未だ致命傷には至っていない。一方相手側は鱗が剥がれ落ち甲殻が凹んでいたりとダメージが有り有りと分かる程

 

「はぁはぁはぁ――――――――こいつしぶとすぎるだろ」

 

『明らかに疲労、ダメージが目に見えて分かるが気を抜くなよ?』

 

「分かってるってーの」

 

だが一誠自身も度重なる倍化の影響で限界に近づいているのでそろそろ決着を付けたいのだ。一呼吸息を吸おうとした瞬間突進してきた竜、ほんの一瞬の油断に合わせて攻撃を仕掛けられ回避が出来無い中一誠は攻撃を選択した

 

「うぉおおおおおおおおお!くらいやがれえええええ!」

 

『Boost!Boost!Boost!―――――――――――――――Explosion!』

 

一瞬の間だが三倍の倍化に全力の一撃を込めた拳は相手のくちばしへと伸びて行き直撃する。互いが力を込めた一撃の攻撃、カウンターでの相打ち・・・・・どちらも大ダメージは否めないがそれでも軍配は一誠へと上がる。そもそも竜は一定の倍化で戦っていた一誠の攻撃力はこれだと決めつけていた為多少の覚悟はあったのだろう・・・・・だが一誠は普通では無い。倍化して格上の相手とも戦える赤龍帝の籠手(ブーステッドギア)の持ち主であり戦い方が歴代の中でも異常な担い手であり、一瞬一瞬の閃きは歴代一と言っても過言では無いだろう。今までの攻撃の三倍の威力を持った一撃をカウンターでもらい大きく仰け反った竜は逆に隙を生み出されこの瞬間を待っていたかの如く一誠は畳みかける。

 

「此処だ―――――――――――――――――――アスカロン!

 

『blade!』

 

一誠の声と共にドライグの声が響くと同時に籠手から龍殺しの剣アスカロンが飛び出す

 

「おらぁ!」

 

刺突を頭へと繰り出すが仰け反った反動で鱗を切り裂くに留まった。大きくバックジャンプにて後退する竜はより一層警戒をしながら逃走を図った。これにはビックリする一誠だが追撃をする為アスカロンを消して走り出し今にも空へと飛ぼうとする竜に向け攻撃する

 

「逃がしてたまるかよ!ドラゴンショット!!」

 

これもサバイバルで身につけた一つの技術、細い線を思い描きながら攻撃を繰り出す事により威力よりも速度と切断性を持った一撃へと進化したのだ。勿論その一撃は竜の翼へと当たり飛び上がろうと少し浮いていた竜は地面へと墜落した。アスカロンを再度呼び出し今度は心臓部へと突き刺そうとする一誠だが竜もやられっぱなしでは無く片方の翼を地面へと叩きつけ反動で体勢を起こしながらタックルを繰り出した

 

「何!?ってっぶふぉあ!」

 

顔面から受ける事となった一誠だが咄嗟に籠手をかざしたことにより顔が棘の部分に刺さる事は無くなったがヒビが入り脆くなっていた部分へと棘がぶつかり腕に穴が空いた

 

「っづあ"あ"あ"ああああああ!」

 

毒を持っている棘に刺さった痛みと穴の空いた腕の痛みとで追撃を掛けれなかったが回復薬と解毒薬を傷口へとかけて残りも飲む事で傷は治り一誠へと有利となった状態となった。だが竜も馬鹿では無く片翼を切り落とされたので出血も大量、死なば諸共の如く火の玉を吐き出しながら再度突進左右だけで無く前方にも吐き出しながらなので回避するスペースも無い特攻攻撃なのだ。逃げる一誠だが竜は追走を止めない

 

「逃げても逃げても追いかけてやがる!あんなに出血しているのにまだ倒れないのかよ!!」

 

『だがあれは風前の灯火だ。命尽きるまで相棒を追い続けるぞ』

 

このまま逃げ切って死ぬまで待つ事を前提としていたが段々と冷や汗をかき始める体に違和感を持ち始めドライグの一声によりその正体が分かった

 

『おい相棒ここから先は崖だぞ!?』

 

うっそだろ?ってことはあいつは俺を追いかけながらこの場所に誘導したってのか!?くっそ神風特攻の攻撃がここまで恐怖を煽るとか体験したくも無かったぜ!どっかのテレビ番組でやられた方はたまったものじゃないって言ってた理由がよく理解できるなあ!・・・・・だったらやってやろうじゃねぇか!!

 

逃げることを止め急反転、竜へと走り出す一誠

 

『ちょ!?おい待て相棒どうするつもりだ!』

 

決まってるだろ相手が特攻してくるならこっちも特攻して相手より早くぶっ倒せば勝ちって事だ!どうせ崖から何とか生還したとしてもあいつは追ってくるはず―――――――――なら生き残る手はもう一つしかねぇ。相手をぶっ倒すしかないってなあ!

 

『どうやって倒すつもりだ!?』

 

「気合いと根性」

 

『・・・・・歴代の中でも一番のジョークセンスだな』

 

「まぁ見とけドライグ想いは力って言うだろ!」

 

目指すは一点あいつの顔!そして早く重い一撃だ!なら答えはただ一つこの拳を先に当てるだけだ!!

 

「ォォオオオオオオオオ!俺の想いに答えろおおおお!」

 

赤龍帝の籠手(ブーステッドギア)が炎のように燃え上がり手首から肘までの部分が厚く横広く進化したのだ。拡張された部分からロケットエンジンの如く魔力が吹き出し"加速"加速"加速"竜の前方に吐き出す炎よりも先に加速した一誠拳が当たり巨体を吹き飛ばしながら尚も突き進む。拳の部分の甲殻がひび割れ粉砕、一誠の拳は竜の心臓へと突き刺さり竜は小さな断末魔をあげ活動を停止した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?一誠君がイャンガルルガ倒しちゃった・・・・・」

 

イャンクックを目標としている一誠がその上位種のイャンガルルガを倒したことにビックリした美羅である

 

「まぁ解毒薬とか回復薬を結構使ってたから倒せたって所か――――――――――――一応準備してた調合書とか渡しておこう」

 

一誠に渡す為色々と準備をする美羅、バカンスを楽しんでいる割に面倒見の良いお姉さんである。だがそんな美羅だが激変する時は激変するのだ。休みを妨害された時とか・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~???side~

 

フハハハハハ!居るぞ!居るぞ!!あいつが居るぞおおおお!!待っていろミラあああああああああ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美羅のバカンスを邪魔するお馬鹿は何時だって存在するのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~一誠side~

 

うぐへぇ・・・・・疲れちまったよドライグ、俺頑張ったと思わねぇ?

 

『うむ良い成果だ竜を倒したのは勿論の事だが籠手が進化したのは何よりも得難い収穫だったな。相棒の魔力を一気に消費するがあの魔力砲程持っていきはしないからな』

 

え?ドラゴンショットよりも疲れてるんですが・・・・・

 

『馬鹿か相棒、あれは思いっきりで全てを込めた一撃だったからだろう?これからは加減をすれば様々な進化をするぞ?どうしても回避出来無い一瞬の状況にあれを使用すれば反撃に転じることも出来る。正に攻防一体の進化だ』

 

「あー成る程な。回避に使っても良いしそのまま攻撃に転じても良いって事か・・・・・そこは用練習って所だな」

 

何気に凄い進化をした俺の神器(セイクリッドギア)、想いは力なりを明確に具現した奴だな。これを見せたらきっと部長や皆、美羅先輩も驚くこと間違い無しだな!

 

『ん?美羅から伝言が来たな』

 

えっ?マジか、何か新しい試練とか言わないよね?

 

『そんな事では無い。ただ今回の戦いにおいて回復薬と解毒薬を大量に消費した点についてだそうだ』

 

「・・・・・沢山使ってスイマセンデシタ」

 

美羅が居ないのにも関わらず自然に出てくる謝罪、どれだけ美羅によって折檻されたかどうか分かる一例だ

 

『む?別に怒ってはいないそうだな。新しく支給はしないが調合をして生産をしろとさ、回復薬も解毒薬も自給自足、相棒に調合させるとは・・・・・無理じゃないか?』

 

「おい言うに事欠いて俺が出来無い前提で話を進めるなよ。まぁ実際問題作れないけど・・・」

 

だってその手の知識とか空っきしの俺にどうしろと・・・・

 

『ん?調合書があるからそれを取りに来いとの事だ。素材はこの自然の中から自生している奴で出来るらしいぞ』

 

うっそだろおい此処はやっぱりとんでもワールドかよ。ってかこのポーチに入ってないのか・・・美羅先輩だったら入れれるんじゃ無いのか?

 

『使い方説明しなきゃいけないでしょうが!との事だ』

 

・・・はい、そうでした。あーでも俺自分の拠点場所しか目印してないから最初のあそこにたどりつけ

 

『狼煙を上げるからそれを目印にしろ―――――だ。良かったなこれで迷子にならずに済むぞ?しかも二時間以内に来いという試練が追加されたぞ』

 

うぉい!それをさっさと言えよドライグ。美羅先輩時間にめっちゃ厳しいんだぞ!?ってこうしちゃいられねぇな・・・背の高い木に登って方向を確認しねぇと

 

周囲を見回すと幸運な事に目の前に高い高い木が生っていた。直ぐにその足下まで走り爪を支えとして上へと登って行くと結構離れた場所に煙の上がっている場所を発見した

 

『ふむ、走れば間に合うか?』

 

「間に合わせるって言えよ・・・・・」

 

だが一分一秒も無駄にしちゃいられねぇとなると一か八かで飛んでいくしかねぇ

 

『おい何を考えているか予想は出来たがそれはあまりにも無謀だぞ』

 

「おいおいドライグ俺は何時だって実戦で色々とやって来ただろ?なら今回もそうだろ」

 

兎に角木の頂上へと急がねぇと・・・

 

落ちないよう慎重に早く登る一誠は数分後に最上部へと到着し――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

飯を食べていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハグッ!ハグハグッ!       うんめぇ~。やっぱりこの霜降りにこんがりと焼けたアプノトスの肉は絶品だぜ!しかもネバネバした草に唐辛子に似た奴をほんの少し付けて焼いてるお陰で満遍なく辛さが染みついてるからより食欲を刺激するぜ!」

 

『・・・・・旨そうだな』

 

旨いに決まってるだろ!ドライグは俺と味覚を共有出来てないんだよな?すまんすまん食への欲求は誰であろうと逆らえないもんな~。あ、お肉食べる?って食べれないドライグに草生えるwいや~俺ばっかり良いの食べてごめんねごめんね~♪

 

『ヤロウブッコロシテヤルウ!!』

 

フハハハ悔しかろう悔しかろう!

 

食べる事の出来無いドライグを煽りながら美味しい肉を食べる一誠、イャンガルルガと戦った際に消費した体力と魔力を回復させているのだ。アプノトスのこんがり肉を食べ終わり万全の状態になるまで待機―――――――――――そして進化した赤龍帝の籠手(ブーステッドギア)状態に変化させ狼煙が上がっている方向へと構える

 

「ぶっつけ本番だが行くぜドライグ!」

 

『まぁ殆どがぶっつけ本番だからな何時でも良いぞ相棒』

 

よっしゃ覚悟完了―――――――――――――――――――――――"加速"!!

 

『Accelerate!Accelerate!Accelerate!Accelerate!Accelerate!―――――――――――――――――Explosion!』

 

5倍の加速を掛けムラが無い様に維持するため此処で爆発!籠手に集約された魔力が一気に膨れ上がり推進力を高めて噴出させる魔力量を一定にさせるイメージを強く持つ!行くぜ―――――――――――――

 

「ブーステッドギア・インプロージョンフラッグ!」

 

ドゴォォオオオオオオン!

 

凶悪な加速をする一誠、そもそもの問題で魔力が少ないのだが狼煙の場所までは十分移動範囲内だと計算していた。イャンガルルガを倒した時は3倍であの威力と推進力それが5倍ともなると脅威となる。例えばレーティングゲーム、初見でのインプロージョンフラッグを対応しようとすれば回避はほぼ不可能に近いだろう・・・0からほぼ90までノータイムの加速をする高威力の弾丸を止める事になるからだ。まぁデメリットもしっかりとあるのだが・・・・・

 

「ふぉおおおおお減速減速減速!このままじゃ通り過ぎちまう!?」

 

しっかりと倍化量を計算しておかないと遠くへ行きすぎたり行けなかったりと難題があるのである

 

『チッ!こちらである程度減速出来る様に制御はしておいたが次からはもっと慎重に飛べ!!』

 

段々と減速しながら降下して行く一誠、パラシュートを開いて地面に降りる様に腕を上にする事で重力に逆らい衝撃を和らげる。目的の場所より少々手前に着陸することが出来たが初めてのフライトと考えるならば十分過ぎる程上手くいっただろう

 

「ふぃ~なんとかなったー。サンキューなドライグお陰で通り過ぎず手前で降りれたぜ」

 

『何でもかんでもぶっつけすぎるのも控えなければ身の破滅だぞ?』

 

うっ!?た、確かにその通りだな。これで下手に怪我とかしたら皆に迷惑だから気を付けないと

 

後は歩いて移動しても間に合う位の距離なので体力に余裕を持たせて歩いてゆ――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボガァァァアアアアアアン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

超強力な衝撃波が襲い掛かり周りの木々と一緒に一誠も吹き飛ばされる

 

「な、何だぁぁぁああああああ!?」

 

『何だこれはぁぁぁああああああ!?』

 

ただただ強力な風圧に飛ばされる二人、ドライグは風圧で飛ばされる体験をした事はあるだろうがこれ程強力で暴力的なこは初めてであろう

 

何だこれ!?なんだこれ!?

 

未だに混乱する中、先程のとは言いがたいが強力な風圧が体を叩く

 

「おいおい一体何が起こっているってんだよ!?」

 

『ニ,ニゲルンダァ・・・』

 

ドライグは・・・使えねぇ!!と思っていた自分がいましたスイマセン。あの光景を先に見ちまったんだな・・・・。だってよ美羅先輩が禍々しい龍をケンカじゃなくてサンドバッグにしている光景は正に地獄以外何物でもないぜ。さてと、美羅先輩はどうして怒っているのか

 

「こんのクソ龍?泣きわめいても絶対に許してア・ゲ・ナ・イ♪」

 

メギィ、グシャ、ビチャア

 

ヒェェェェエエエエ今まで見た事無いくらい怒ってらっしゃるううううう!?

 

美羅がここまで豹変した理由はほんのチョットだけ前の出来事だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――to be continue?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい!これはゲームじゃねぇぞ作者ー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




「おや、また作者は無計画の投稿をするのかい?そういう事をするから上がったり下がったりするんだよ」
「ふぅ死ぬところだった」
「・・・あの状態でよく無事だったね」
「秘技ストーリー改竄の術でございま」
「ミラパーンチ」
「「ヴェアアアアアアアアアア!」」

キボウノハナー

「チャンチャン♪」













一誠「何なんだこの後書きは・・・・・酷すぎるだろ」







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第46話 サンドバッグ達は今日より酷い

ミラ「また無計画に投稿して・・・バッカじゃないの?」
黒「きっとまた一ヶ月位空くんだよ」
紅「約束された空白となるのか」
アルバ「はぁ!?俺の出番はどうなるんだよ!!」
ティア「諦めろ」







布団「それじゃあはーーーーー」
ミラ「ソォイ!」ブンッ
布団「アーレー!?」
ミラ「はっじまっるよー」




~美羅side~

 

一誠が無事着陸した辺りになる。その時美羅はペンションにてゆったりとした生活にて色々と癒していた最中だった。気分一新とする為外へと出た瞬間にペンションが爆発・・・いや内部から弾けるように木っ端微塵となったのだ

 

「       」

 

流石の美羅でも此れには呆然、現実逃避をしたいほどであった。その呆然と静かにしている美羅をぶったぎるかの如くある奴が姿を現し

 

『見つけたぞミラ!今日こそ貴様を倒してやごふぇええ!?』

 

取り敢えず目の前にある胸元へとマジカル八極拳、ひじ部分までめり込んだ腕を引き抜き某星白金の如く顔面へと――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!

オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァアアアアアアア!!

 

後は皆さんご想像通りの結果となり

 

『アグルペェェェエエエエ!?』

 

顔面の逆鱗が砕け剥がれ落ち無防備な顔面へと繰り出されたのであった

 

最早死体同然の龍、アルバトリオンが可愛そうだと思うが美羅はそれだけでは()りたらずに片手でその巨体を持ち上げ更に顔面へと死体打ちを行う。そしてこの光景を見ているのは一誠でありドライグが見たのはそれより前、顔面乱打の第二乱打の場面である。まぁ生身で超高速乱打を繰り出せる時点で恐怖に近く、一撃一撃に腰の入った美羅の拳となると誰もが恐怖するだろう。

一誠よ良かったな、あの光景を見たらトラウマになる可能性100%に近いからね♪

そして話は冒頭へと戻り――――――――

 

「こんのクソ龍?泣きわめいても絶対に許してア・ゲ・ナ・イ♪」

 

出ようにも出れずにいる一誠はゴクリと恐怖を飲み込み意を決して声を掛ける

 

「あ、あの~美羅先輩・・・えっと・・・・・その龍って何ですか?見るからにヤバそうって分かるんですけど」

 

「あぁこれは面倒事しか起こさない暴れん坊の雌豚よ。いっつもいっつも私に迷惑を被りやがって・・・今度突っ掛かって来たら消し炭にシテヤロウカ?」

 

ミラセンパイコワイ (;∀; )   ってえ!?こんなに禍々しいのに雌なの!?」

 

ってことはあれか!黒や紅みたいに人化したら女性になるって事か!?いやっふ~い♪俺の人生どんどんハーレムに近づいて行くううううう!!

 

「あぁこの雌豚欲しいの?あげるよ?手綱はしっかりと握っていないと駄目だけど」

 

「what?手綱をしっかりと握るってどういう事?ツンデレか何かって事なんですか!」

 

「暴れん坊って言ったでしょ?つまりは凶暴って事、強者弱者関係無く喧嘩を吹っ掛けて行くのよ」

 

「ソンナジョセイイルノカヨ・・・」

 

「人化してるだけで大本は龍よ」

 

いつもいつもこの駄龍の迷惑行為で諫めなきゃいけないしで苦労したなぁ・・・・・。これをぬっ殺すと暴走するモンスター達もいるからねぇ百害あって一利しか無いからなぁ

 

しみじみと向こうの世界で駆け回った記憶が蘇る美羅、あの時は頑張った・・・超頑張ったと思う

 

「いつまでもしみじみとしてられないね、兎に角調合書だけは無事だったからこれで試行錯誤してね」

 

「えっ・・・・・作り方を教えてくれるのは?」

 

「この駄龍が道具を木っ端微塵にしてくれちゃったからね。一応口答で教える事も出来るけど理解出来る?」

 

「無理です!!」

 

「すり鉢で素材を潰して鍋で煮込んだら簡易的な薬は出来るから今回のサバイバルはどうにかしてね」

 

「もう一回サバイバルあるんですか?」

 

「勿論!次回はKY赤髪達を含めてやらせようかなーって思ってるのよ借りを愉悦にて提供する目的だけどね

 

「はい・・・・・ワカリマシタガンバリマス」

 

よし一誠君の用事は終了、問題はこの駄龍をどうするかの問題だよね。取り敢えずこの駄龍はどうやって此処に現れたか聞き出さないと・・・もし自称神様(笑)が関わっているのなら是非も無く消し飛ばす。まぁこの可能性は限りなく低いけど可能性として極僅かでもあるなら軌道修正とかしないといけないからね!起こすか

 

死体蹴りを躊躇無く行う美羅、一発一発がそれなりの威力を持っておりメッタメタに打ちのめされた雌豚にとってはダメージが大きい。その証拠に足が当たる毎に体がビクンッビクンッと動いているのだ

 

「とっとと起きろこの雌豚駄龍」

 

『ふぉおおおおお!起きる!!起きるから俺をこれ以上蹴らないで!?イタッ!イタイイタイモウヤメテ・・・アッソレハチョ・・・・・・ッアーーーーーーーーー!』(*⌒▽⌒*)⊃※此処からは見せられないよ!

 

 

「もう堪忍してくだしあ・・・・・」

 

人化したアルバトリオンはシクシクと泣きながら懇願しているが慈悲は無く

 

「やり足りぬ!」ゲシィッ!

 

『オウッ!?』

 

後門の扉に突き刺さり海老反りのオブジェとなった

 

読者の方もうしばらくお待ち下さい・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅえらい目に遭った・・・まだ痛むが何とか立てるまで回復したぞ」

 

「もう一発逝っとく?」

 

「反省しました許して下さい!お家を壊して申し訳御座いませんでした!!」

 

綺麗な土下座によりこれ以上のッアーーーーーーーーー!を回避することが出来たアルバトリオン、今は美羅の途方も無い威を真正面から受け震えながらヘコヘコしている哀れな存在だ。体格は美羅と同等かちょっと高い背丈を持ちほぼ黒に近い紫色のグラデーションが掛かった髪色、胸は美羅より少し大きい位

 

「それじゃあ一体誰がこの場所まで貴女を橋渡ししたか教えてくれる?ヘンテコな奴とか見知らぬ奴からのとなると肉片と化すか―――――――――」

 

「後任のミラルーツです!ヒィッ!?こ、これは本当なんだぁ・・・・・」

 

カッチーン!これは頭にきました・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

直接ボコるか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すまない・・・俺はミラに逆らえなかったのだ。ホントウニスマナイ」

 

んーどうやってボコろうか・・・・・世界を渡るのはある程度時間が掛かる筈だけど―――――――――――――――――これしか無いよね♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

進化したら良いか、善は急げそしてワームホールゲート創っちゃえ!1時間も居るわけじゃないから大丈夫大丈夫、問題は全て後任に投げつければ良いしね!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

有言実行、即決行、次元の狭間へと転移をし元の龍へと姿を変える美羅

 

『あぁ~偶に龍に戻るっていうのも有りだねぇ。今度から月一で戻って黒や紅、雌豚に準備運動のオテツダイをして貰おうかな』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふぉおおお!?

 

「あああ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"

 

オロロロロロロロ・・・・・き"も"ち"わ"る"い"

 

悪寒を感じた黒と紅、あまりの恐怖にゲロるアルバ・・・・・月一サンドバッグ係になるのが決定した瞬間である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『さーて行きますか、座標はどーれーかーなーこーれーかーなー・・・・・見つけたZO!ワームホールゲート展開!!』

 

強大な魔力を使いゲートを創り出した美羅は元モンハンワールドの人化状態に戻り力をセーブさせる。ちなみに龍化した状態は外に力や気配が漏れ出さない様細心の注意を払い結界を張った為大丈夫なのだ

 

「ふぅ、それじゃあほんの少しの間だけど行ってきますこの世界、そして待っていろよ後任のワ・タ・シ」

 

躊躇無くゲートへと入る美羅、後任絶望待った無しのこの状況・・・・・何故こうなった!!

 

「私を怒らせるのがイケナインダZO!」

 

『こいつ作者の物語すら歪めてしまうのか!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世界は移り変わって美羅が転移するまでのお話に移ろう―――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おらあ!前任のアルバトリオンが居なくなって後任が誕生したからと言って手抜きなんてしているんじゃぁないぞミラルーツ!」

 

「ひんひん、私は偉いのに何でこんなことになってるのよおおおおおお!」

 

「他人の不幸でご飯がンビャアアアアアアアアアアアアアアウンマアアアアアアアアアアアイ!」

 

ばしばし扱く黒のミラボレアス、他人の不幸でご飯が進んでいる紅のミラバルカン、そして必死にモンハンワールドを駆け巡っているミラルーツである。三人とも人化状態であり酷い絵面だ

 

「何で好輝が居ないのよおおおおおおおおお!」

 

「休暇が終わりお前の仕事の手伝いをしているからだろうが!」

 

「あ、はいスイマセン」

 

「オレノターンドローニタイノリオフウフヲイケニエニササゲキドウセヨ!ワガハンシンミラバルカン!!」

 

「こいつあの戦いから心がある意味壊れてしまったからなぁ。何か取り戻す切っ掛けがあれば良いのだが・・・・・」

 

焦点の定まっていない目で奇行を行うミラバルカン、アルバトリオンとの対戦でヤムチャしてしまったが為何処か壊れてしまったのだ。仕事をしていなかった後任のミラルーツのツケである

 

「ただいま~」

 

「今日も疲れた~早くご飯にしましょう?」

 

「お腹・・・へった・・・・・」

 

「今日は滋養強壮に良い食べ物が沢山の愛妻ご飯よ――――――――――――――――好輝♡」

 

「キョウッテヤセンヲスルノカ」

 

うなだれる好輝、キラキラと輝く三人。以前と比べて丸くなっているものの夜戦の日に大量にヤラレてしまうのでそれでもしんどいのである

 

「おらぁ夜戦なんてするなよお!こっちを手伝ってよおおおおおお仕事が溜まりまくってるんだよおおおおおおお!!」

 

血涙を流しながら睨付けるミラルーツ、だがそれは特大ブーメランである。そもそもの問題としてサボっていなかったらこんな事にはなりはしない。美羅が忙しかったのは黒や紅の仕事のし無さが原因の一端でもあるからだ

 

「私だって・・・私だって!ご飯が食べたいんだもおおおおおおおおおおおん!!」

 

「古龍に食事は不要だ。嗜みや趣味で食べる奴が居るぐらいだから気にするな」

 

「「「・・・・・」」」

 

「えーっと、まぁ・・・・・自業自得としか言い様が無い」

 

「オイチィオイチィゴハンオイチィ。ママーミルクチョウダイ」

 

最後のは放っておいて悲しきかな、古龍が食事を必要としない体というのは。好輝と妻三人、そして幼児退行したミラバルカンはご飯を食べ今日の報告をしている

 

「いやぁ・・・前任?のアルバトリオンが居なくなった性かモンスターが活発になって凶暴さを増して大変だったよ。ホント抑止力って必要なんだなぁと思ったよ」

 

「イーオスの大群とかある意味気持ち悪かったわ・・・」

 

「まだそれはマシでしょ。ギザミが地中からワラワラと出続けるあの光景こそ気持ち悪かったんだけど」

 

「ウォルガノス五〇匹討伐・・・つかれた・・・・・」

 

「グラビモスのビームが全方位から撃たれるのが一番怖かったんだが・・・」

 

「「「あーあったねそんなの・・・」」」

 

一体何処からそんなに出てくるんだよ!って言う程沢山のモンスターが出て来た為疲労困憊がありありと出て来ていた

 

「しっかしギルドにいる雌豚共は好輝が活躍するとすり寄ってくるのが気に入らないわ」

 

「邪魔だから消そうとしたら止められるし・・・」

 

「食べたら証拠残らないのに・・・・・」

 

「ヤメテ!?そんな事したら俺ギルドナイトに睨まれるどころじゃなくなる!!」

 

唯でさえ最近ギルドナイトに勧誘されたりと面倒くさい事この上ないのにもっと酷くなると胃に穴が空くだろう。もっとも目を♡にさせて近づいてくる女性ギルドナイトや処女を狙う男性ギルドナイトが居たりと気が気では無い状態に陥っている。もしも捕まったら最後〇〇〇(ピー)✕✕✕(ピー)△△△(ピー)される可能性も捨てきれない・・・・・ギルドナイト怖い(゚_゚;)ガクガク

 

「アンナトコロニウズシオガ」

 

「ハイハイそうですね。ってかさこのバルカンヤバくね?日々退化し続けてるぞ!?」

 

「本当にどうしようか」ハァ

 

「より強い刺激を与えるとか?」

 

「「「「「誰が?」」」」」

 

「勿論あの戦いから進化した私よ!」

 

「「「「「あぁはいはい頑張ってね」」」」」

 

「ぶっ飛ばすわよあんたら!誰がアルバトリオンを送り飛ばして平穏にしたと思ってるのよ!!この私よ!もっと敬いなさいよ!?」

 

「ニ、ニゲルンダァ・・・」

 

「さっきから五月蠅いのよバルカン!幼児退行してるけどぶっ飛ばすわよ!!」

 

バルカンの方へと振り向くミラルーツ、だがその視線の先には地獄の化身が降り立っていた

 

「やぁ、会いたかったよ」

 

「「「好輝を狙う女か!?ブッコロシテヤルゥ!!」」」

 

「ふぉおおおおおお!?ちょ、や、止め――――――――――――――」

 

ズガンッ!ズガンッ!ズガンッ!

 

地面へと犬神家とした嫁三人

 

「よ、幼女だと!?一体何処からこの場所に入ってき――――――――――」

 

マジカル八極拳♪

 

ドガアアアアアアアアアア!

 

「 」チーン

 

「さぁ念仏は唱えたか?遺言は書けたか?神への祈りは済んだか?だが待たぬ待ちはせぬ、貴様が売ったこの戦いは一方的な暴力という名の蹂躙を持って終わらせてやろう」

 

「ち、ちょっと待ちなさいこの幼じ――――――――――――――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァアアアアアアア!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グルプェエエエエエエエエエエ!?」

 

「私を幼女と呼んだ罪、再度神罰執行開始」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「手足は不要――――――――――――祖の龍は目で消し去る」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び放たれた目からビーム、そんじょそこらのビームとは違いこれは破壊力抜群でありながらも絶対に死なないという制裁ビームなのである。だが死なないと言うだけであり、それは美羅が指定した生物はという点なので地面破壊などは当たり前の代物―――――――――――――――――しかし目にも止まらぬ速さの攻撃なので回避は不可能に近い。ましてや顔面へとオラオラされ空へと打ち上げられているこの状況、所謂無理ゲーなので

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズガアアアアアアアアアアン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

巨大な爆発と共に空高くキノコ雲が作られたその一撃、後に大災害(カタストロフ)と名付けられる光景であり史上最悪として歴史に名を残す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「 」チーン

 

「ニ、ニゲルンダァ・・・カテルワケガナイ・・・・・ミンナシンデシマウンダ」

 

ボロ屑と化したミラルーツを死体蹴りする美羅と時々ビクンッビクンッと動くミラルーツの体、赤の他人から見れば幼女に蹴られて〇〇(ピー)している痴女と映るだろう

 

「グホッガホッグブッ・・・・・」

 

口から吐血しながら復活するミラボレアスは死体蹴りを行っている美羅を注意深く警戒しながら近づき、好輝は嫁三人を地面から引きずり出し意識を取り戻させる

 

「いったたぁ、この女何て強さなのよ!」

 

「クッ、こんな幼女に――――――――――――――」

 

マジカル八極拳!

 

「ゲブゥ!?」

 

「 」ガタガアガタ

 

「クソ雌が私に対して幼女だって?今度はその間抜けな顔面へとねじ込むぞ?」

 

嫁三人は完全に黙り込・・・いや、黙らされたと言って良いだろう

 

「一体貴様は何者だ・・・」

 

「待て待て待て!俺会ったこと有るからちょっと黙ってて!」

 

ゴミ屑と化しているミラルーツをチラ見して深呼吸

 

「貴女は俺に加護を与えた・・・いやこれは分かりにくいか。前任のミラルーツって言えば良いのかな・・・・・まぁ兎も角久しぶりです」

 

「「「「「えっ!?」」」」」

 

まさかの前任が登場に好輝と気絶者以外の一同が驚愕

 

「うん、まぁ久しぶりって言えば良いのかな?別れてからリア充満喫してて驚いたわ。爆発してしまえ!」

 

「って何処でそんな言葉覚えたの!?」

 

「まぁそんな事はどうでも良いとして、このゴミ屑な後任があの雌豚を送り込んだってのは本当?」

 

「「「「「雌豚って誰?」」」」」

 

「あれよあれ・・・アルバトリオンだっけ?」

 

「「「「「そうです、そいつが送りました。間違いないです」」」」」

 

素早い切り捨て――――――――この世界では切り替えを早く行わないと()られる世界なのだ。最早味方する者は居らず、オーバーキル状態の今でも酷い絵面なのに追撃を行わんとし、持ち上げ――――――――

 

「グフッ・・・ふぁっ!?ってあんたはさっき私を殴った奴ね!さっきの報復として死ねえええええええええええ!!」

 

「ッフ、また試し撃ちが出来るとはね・・・・・生きが良いサンドバッグは気持ちいいねぇ!!」

 

好輝と出会った頃の面影は完全に亡くなっており今はただストレス発散を名目にボコる相手を見つけた子供のようにキラキラと顔を輝かせていた

 

「それじゃあ此処には邪魔する奴らは居ないから思いっきり叫べるね!言ってみたかった言葉だし」

 

瞳の色がより一層輝き手には一つの丸太が握られる

 

「丸太程度で私に攻撃が通用するとでも思ったか!この脳筋幼女!!」

 

ぶっ飛ばす――――――――――

 

「ふっ!」

 

顔面へと横薙ぎ

 

「ベプゥ!?  何で攻撃が―――――――――――」

 

「でやああああああ!」

 

顎を下から打ち抜き空中へと飛ばす

 

「ッブゥ!?」

 

グルグルと回転しながら上へと飛ぶミラルーツに対し美羅は斜め後ろへと跳躍し相手よりも高い位置へと到達すると右手で丸太を投擲する様に構え――――――――――――――この一言

 

梵天よ、我を呪え!(ブラフマーストラ・クンダーラ)

 

投擲された丸太は音速を超え摩擦熱を帯ながら真っ直ぐミラルーツの腹部へと直進し叩きつける

 

「グエッ!?」

 

カエルが潰された様な声を出し地上へと激突、再度同じ様な爆発が起こりキノコ雲がもうもうと出来上がる。巨大なクレーターの中心にヤムチャしたミラルーツと真っ黒に焦げ付きた丸太が一本地面に生えていた

 

「ふぅ、気持ちよかった!!」

 

「ちょい待てええええええ!あれは言っちゃいけない部類の物でしょうが!!タグに運命って書いてないよね!?」

 

「そうだっけ?」

 

『暴走するミラ様を止める術を持たないのが作者なのです』

 

「変な電波を発信するな!ってかメタい!!ってそんな事よりあれはゲームの技でしょ再現とか出来無いよ普通!?」

 

「私は龍!人化出来る時点で普通じゃ無いと思うけど?」

 

フハハハ!私に不可能は無いのだと言わんばかりにドヤァとする美羅

 

「あ、もうそろそろ帰らないと。という事でさようなら~♪」

 

ワームホールゲートを作り出し転移する美羅、怒濤の展開に全く付いて行けない一同、トラウマ発狂レベルまで痛めつけられたミラルーツ――――――――――――これにて美羅のモンハンワールドにて八つ当たりは終了したのであった。なんとその時間僅か10分・・・・・とんでも地形クラッシュにて壊れた場所を修復する龍を見たとか無いとか憶測が飛び交うのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さ~てお楽しみは終わった終わった!気分一新として新しいペンションでも作ろうかな~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうしてサンドバッグ達はボロボロとなったのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




「いやぁ前回もボコられちゃった愉快なお兄さんだよ!」
「作者も居るんだぞ!」
「あ、あのさぁ・・・作者が居ると大抵私は酷い目に会うから退場してもらえるかな?」
「退場か確かにそれならば攻撃されないだろう」
「そうだよそうだよ!早く別れ――――――――

「だが断る!」
「そうそう作者は目印だから仕方がないよね♪」
「き、君も攻撃されるんだぞぉ!それでも良いっていうのかい!?」
「一人は寂しいからな(読者達が)」
「そ、そんな・・・」
「では逝こうか?」ズルズルズル










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第47話 Let'sThe調合!

黒「作者死ぬ気なのか・・・?」
紅「槍じゃ無い!ブレスが降って来るぞおおおおお!!」
ティア「世界の破滅が来るのか!?」
ミラ「世界終焉の厄災として対処した方が良いのかな?」
布団「そんなに酷い事言わなくても良いじゃないか。゚(゚´Д`゚)゚。」
ミラ「いや・・・だって・・・・・ねぇ?」
黒「定期投稿じゃないからな」
紅「無計画な奴だからな」
ティア「そう認識されても不思議では無い」
アルバ「おい!俺が出れてねぇぞ!?」
ミラ「名前が正式に決まっているわけじゃ無いのに出れると思ってるの?頭冷やそうか?」
アルバ「 」










ミラオス「はじまる?よー」
















8月31日13時30分
布団「タイトル入れ忘れてた・・・・・」
一誠「吹っ飛べ!」ドゴォ
布団「アベシッ」
ミラ「作者、ねぇ?久々に逝こうか」

折檻部屋にて布団は反省中・・・











~一誠side~

 

美羅先輩がボッコボコにした女性――――――――――――いや、ドラゴンか・・・何やら美羅先輩からの追求を説明したりしていたんだ。するといきなり美羅先輩が俺をこの場所へと落とした様な渦を作り出しそっちへと消えて行っちゃったよ・・・だけど30分もし無い内に帰って来て顔は何て言うか――――――――――――何かをやりきったみたいな?達成感を表現した笑顔だった

 

『おい相棒、さっさと拠点へと帰るぞ。道中に素材となる物を手に入れる手間もあるから時間は多い方が良いんだぞ?』

 

いやいや・・・・・ランポスとか居るからそんなには無理だって

 

『ちなみにこの周囲一帯にはモンスターは何も居ないぞ。美羅やあのドラゴンが居る性か全く見当たらん』

 

へぇ・・・・・って事は魚も取れそうだな

 

『馬鹿か相棒、魚なぞ姿を現す事は無いぞ』

 

マジかよ・・・・・まぁポーチに貯め込んでいるから何とかなるか・・・・・それよりも今は回復薬や解毒薬の素材となる物を手に入れないとな!えーっと何々?回復薬には薬草とアオキノコで、解毒薬には解毒草にアオキノコ・・・・・どんだけアオキノコが必要なんだよ!アオキノコ万能説か何かかよ!?調合書に簡単な絵が描いてあるから何とか見つけれそうだな

薬草はクローバーの形の草でしかも繁殖力が強いってスゲぇな・・・もしかしなくても拠点で栽培とか出来るか?土事掬うように持って帰るか。げどく草は根っこに解毒作用があるのか・・・大根やゴボウ、ニンジンみたいな奴か?そして残るはアオキノコ・・・青いキノコしか書いてないな。まぁ取り敢えずそうだと思う奴を数多く採取すれば大丈夫だろ

 

こうして一誠は拠点へと帰る途中途中でそれらしき素材を沢山手に入れながら帰還した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さーてチキチキ調合初挑戦!」

 

『はぁ・・・』

 

どうしたんだよドライグ、テンション上げていかないと作れる物も作れないぜ?

 

『改めて見るとな・・・アオキノコの割合が多いと実感したのさ』

 

あぁ~それは言える。量が分からなかったから1:1の割合で採ったからアオキノコが机の上を占拠してるぜぇ

 

『しかしこのキノコはすり潰せるのか?』

 

・・・・・だよなぁ。あの回復薬はドロッとしていなかったから裏ごしでもしたのか?まぁ兎に角食糧はストックがあるからこの何日かで見つけるっきゃねえ!きっと美羅先輩なら此ればっかりは見逃してくれる筈・・・

 

『まぁ何も言っていないから大丈夫ではないか?まぁ何かあれば連絡がやってくるさ』

 

何だかんだで美羅先輩こっちの動き把握してるからなぁ・・・やっぱりすげぇぜ美羅先輩は

 

『とっとと始めるぞ相棒』

 

やぁあってやるぜ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数刻後

 

キノコには勝てなかったぜドライグ

 

真っ白に燃え尽きた一誠、岩で作ったすり鉢からアオキノコが生い茂るというあり得ない光景と化している

 

『うおおおお寝るな相棒!俺に生えているこのキノコを早く取り除いてくれぇえええ!?』

 

籠手からも生えているキノコ・・・何があったのかというと、それはほんの少しだけ時を巻き戻し・・・・・・刷り潰していた時の出来事だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういやふと思ったんだが倍化って体力にも出来るのか?」

 

『あの類いはドービンクと同じで寿命を削るぞ。まぁ人間基準での事になるがな』

 

悪魔の俺ならその実験が出来ると?

 

『あくまでも、かもの話だ。それを実践した者など居ないさ』

 

倍化の制御って出来るかドライグ?

 

『魔力量の調節を相棒がするのであればギリギリいけるか?という程度だ』

 

「よしやるぞ」

 

『何故即決する!?』

 

だってぇ、すり潰すの結構しんどいんだもおおん!力より持久力が物をいうんだよおおお!だからこんな無茶を言うんだ!!

 

『お、おう・・・・・何から何までぶっ飛んだ行動をする相棒だな。まぁどうするか決めるのは相棒自身であり俺はそれをどうにかするだけさ』

 

じゃあ、倍化量を1,2倍でお願いしまーす。いきなり大容量だとキツいと思うんで

 

『はぁ!?めんどくさすぎるぞ!』

 

頑張ってくれドライグ。これは何気に戦闘にも役立つからな・・・モンスターとの駆け引きに緩急を付けるのにも必要なんだ

 

『むぅ、何とかしてみよう・・・初めての試みなので失敗するかもしれんから覚悟はしておけよ?』

 

おうよドンと来い!

 

深呼吸をし――――――

 

『Boo—―――――――』

 

「ブエックシ!」

 

『――――――st!?おいいいいい!?』

 

ヤッべくしゃみしちゃったぜ!

 

すると唐突にすり鉢からキノコが異常な速度で生えて来た

 

「ふぉおおおなんじゃこりゃあああああああああ!?」

 

『倍化の対象がキノコに置き換わったか』

 

ん?キノコを対象に?クシャミ→前方へ胞子飛ぶ→倍化譲渡→キノコ超強化→生命力強化→成長力アップ?

・・・・・ヤッベエ!これ冗談じゃなくマジヤバイって!?

 

未だに沢山のキノコがにょきにょきと生える最中悲劇は更なる形へと向かう

 

『い、いやああああああああ!相棒!俺からキノコが―――――――――――――――キノコが生えて来た!!早く採ってくれぇ!?』

 

考えても見て欲しい自分の体から生える筈もないキノコが生えているのだしかも動けない中でだ・・・恐怖以外何物でもない

 

「ぎゃあああああああああ!キノコが生えてきてるううう!?しかも採っても採っても切りがねぇ!!」

 

そして一誠とキノコの闘いが始まり今に至るのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ようやく倍化の効果が切れたのか、籠手からキノコが生えることは無くなった

 

「次から何でもかんでも倍化に頼るの止める・・・」

 

『そうしてくれ・・・調合の筈がバイオテロへと進化するのは間違っている』

 

心身共に疲れ果てた二人は一から始め直したのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、改めて気合い入れて調合をやるぞー!」

 

『キノコハザード怖い・・・』

 

何時までも過去に囚われる俺じゃないぜ!次こそは成功させてみせる!!

 

「最初はアオキノコと薬草をすり潰していたけど今回は煮込んでみようと思う」

 

『に、煮込みか。なら大丈夫だな!』

 

ようやく元に戻ったかドライグは・・・んじゃあ本格的に再開だ!岩で作った鍋に水を温めて湯気が出るまでにしてっと、薬草はそのままでキノコは軸を除けて傘の部分だけを入れて煮込む―――――――――っと、もう一つの鍋にはそのまんまで煮込んでいる。これで比較出来るからどちらが効果が高いか把握できるようになるからな

 

「オレワクワクスッゾ!」

 

『ドラグソボールの真似をするな』

 

そんなこんなで煮込まれた二つの素材、色は薄い緑色で薬草から出た色素だろうと一目で分かる・・・・・尚アオキノコに至ってはただただ柔らかくなっただけで原型は留まっている

 

「ドライグ身体能力・・・・・いやいや、内臓を頑丈にする為倍化をよろしく頼むってかするぞ」

 

『まぁなんだ、倍化については任せろ――――――――――――――Boost!・・・・・さぁ覚悟を決めろ相棒グイッと逝けグイッとな』

 

字が違くねぇかドライグ?はぁ、ぐだぐだ言っても仕方がねぇ・・・覚悟完了!いざ逝かん!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴクッ!ゴクッ!ゴクッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グブフォオオオオオオ!ゲホッゲホッゲホッ!うえ"ー飲めたもんじゃねぇぞこれ・・・しかも検証の為に付ける筈だった傷を付けてなかったぜこんちくしょう!もう一回飲まなきゃいけなくなったじゃねぇか!!」

 

再度改めて・・・指に切り傷を付けて、いざ―――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴクッ!ゴクッ!ゴクッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グブッ!ウップ・・・吐きそう・・・・・」

 

『効果は・・・無いな。もう一つの方を飲め相棒』

 

くっ!俺を殺しに掛かってくる薬なんざ聞いたことねぇよ・・・少し休憩してから飲もう。今のままだと絶対吐く!約束された敗北の嘔吐とか見せられない光景にしかならねぇ

 

休憩中・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よっし飲むかぁ。傷は血が滲んでいる程度だけど効果が出たら分かるな・・・いざ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴクッ!ゴクッ!ゴクッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ブモッフ!――――――――――――さっきのより味がヤベェ!苦くて酸っぱいとか酷すぎる!!」

 

『ん?イャンガルルガなる竜と戦っていた時に飲んだ回復薬は苦くは無かったのか?』

 

「あぁ・・・少しだけ甘みが有って飲みやすかったんだよ」

 

あれ・・・今思えばどうして甘みが有ったんだ?

 

『飲みやすい様にアレンジした可能性が有ると思うが』

 

一誠が飲んだ回復薬には少しだけ甘みが有り間違ってはいない。だがそれは普通の回復薬では無く、回復薬グレートなる物であり優しい優しい美羅の施しであり在庫はたったの一個・・・とても大切に持っておかねばならない代物なのだ

 

美羅先輩から貰った回復薬って甘かったよなぁ・・・普通の回復薬と何が違うんだ?砂糖が入っているからか?・・・・・えぇい分からん、そんな時は調合書だ!これなら何かしら情報が載っている筈だ!!

 

パラパラと開き回復薬のページを開いていると少し通り過ぎてしまった。

 

「あ、通り過ぎちまった。少し戻らないと・・・・・ん?この回復薬グレートって何だ?ふむふむ、回復薬にハチミツを混ぜて調合した物がそうなのか――――――――――――――――――――ハチミツって甘いよな・・・」

 

やっと合点がいった一誠。ハチミツを混ぜ込んだ回復薬は甘いと直感、そして導き出される答えはただ一つでありもの凄くやってしまった感が襲う

 

「美羅先輩が渡してくれた回復薬って普通の奴じゃ無くてグレートの方だったのかよ!そりゃあハチミツが入ってたら甘いだろうなクソッタレえええええええええ!!どうしてもっと残しておかなかった過去の俺!?」

 

幾ら後悔しても消費した回復薬グレートは戻ってこないと分かっては居るものの叫ばずにはいられない程後悔をしている一誠

 

『ふむ、ハチミツを混ぜ込んだ回復薬だったのか・・・・・確かに昔はハチミツは希少価値の高い趣向品だったからな、ある意味納得出来る物だな』

 

ハチミツって凄いんだな・・・・・しかも今思うとこのハチミツって採取しなきゃいけないんだろ?このサバイバルで手に入れるのは困難極まりない代物だな。調合には回復薬が必須らしいから量産しなきゃ話にならないって事か・・・・・

 

サバイバルだとハチミツの希少価値が如何に高いか良く分かる。蜂が居る中採取をしなければならないのでとてもじゃないが今の段階では無理に等しい――――――――――――――禁手(バランスブレイク)の全身装甲ならば大丈夫だろう。しかし一誠は至ってはいないので無理

 

『まぁ兎に角だ。思い付く限り試してみるしかあるまい・・・生産可能になれば幅広く活動も出来るし他の調合にもそのノウハウが活かせるからな』

 

確かにドライグの言う通りだな・・・こうなったら意地でも見つけて量産してやるよ!!

 

こうして一誠は回復薬の調合の道筋を新たに探し出すことにした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一週間後―――――――――――――――

 

「つ、遂に出来たぞ回復薬・・・・・」

 

『あぁ・・・やっと完成したな。まだまだ調合書に載っている内容と比較すると残念だが効果は出ている。恐らく効果量は一緒で飲みやすさが違うんだろうな――――――――――――相棒の作った回復薬はドロドロの半液体で調合書の回復薬は載っている限りを見ると殆ど液体という点だな』

 

俺頑張ったよドライグ褒めてくれ・・・そして美羅先輩褒めて・・・・・俺頑張ったよ

 

『む?美羅から伝言が来たぞ。何々?―――――――――――――――――――――――――――聞かない方が身の為だなこれは』

 

おい教えろよ!美羅先輩が何て言ったか気になるだろうが!!

 

『分かった教えてやる・・・しかし折れるなよ相棒?』

 

どんとこい!―――――――――――――――――――いやぁ~何て言って褒めてくれるかな~♪

 

『出来たならとっとと狩りをして来いとのお達しだ』

 

やっぱりかよこんちくしょおおおおおおおおおお!

 

orzと突っ伏す一誠、美羅はもう既に回復薬グレートを生産し終え秘薬や強走薬、各種補助ドリンクを一通り作り終えたにも関わらず新しいペンションも建築済みだというのだ。生産と建築については敢えて告げなかったドライグ・・・・・恐らくそれは正しかったであろう。もしも一誠がそれを聞いていたのならば今日一日はずっといじけて何も出来なかった筈だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

いやー新しきペンションは最高だね♪前の奴は木材だけで作ってたけど今回は一味も二味も違うよ!私も学んだんだよ。竹で作られた屋根とか窓とか良いねって思い立ち読みとYou〇ubeで見て学び工夫をしたのよ!!一部屋一部屋丁寧に作った最高の空間、レンガ、石、木材、竹を使用した四種類の部屋を作りました~♪トイレに関してはあれだね・・・・・外から持ってきたよ便座カバーをね。だって暖かいんだもん!冬の寒い日に座ったらおもわず頬が綻ぶんだよ・・・科学は怖い。しかし日常生活品の発展はうれしいと感じる自分が此処に居る

だって最近は電池で動く奴もあるぐらいだよ!もう手放せない!!――――――――――――――――んんっ!話が逸れるところだったよ。台所は普通だね・・・・・鉄とかステンレスとか現代日本様式です。だがしかし!お風呂だけは違うのだよお風呂だけは!!スペースの中に削り整えた各種鉱石を敷き詰め浴槽とします。鉱石は何処から採ってきたのか?まぁ私自身創り出せますし気にしない気にしない・・・・・えーっと何処まで話したかなー。あぁ浴槽を作ったって所までだったね♪マカライト鉱石、ドラグライト鉱石、カブレライト鉱石、エルトライト鉱石、メランジェ鉱石、虹色鉱石、ユニオン鉱石、ライトクリスタル、ノヴァクリスタル・・・こんな所かな?まぁ追々増築なりすれば良いだろうし大丈夫だよね

こんなに沢山の素材をどうするかって?浴槽を作ったの―――――――――――10種類・・・ん?一つ多いだろって?あー・・・・・失敗しちゃったから是非も無いよね!全部の素材を粉にして混ぜ合わせ水で粘土のようにしたんだけど、色が最悪でやっちゃったなーっていう第一号の浴槽なのよ。そこからは考えを改め素材一つでの浴槽を作って気分で変えればいいやと思いやっちゃった♪こんな感じでペンションの内装は終わりかな。

 

何気に労力をもの凄く掛けている美羅――――――――――――――周りから言わせるとペンションじゃ無くて別荘じゃないか!と言っても過言では無い

 

「いやぁ暴れてたゴーヤの頭をシェイクして倒しちゃったから剥製作ってみたけどこれは裏庭行きだねー。邪魔としか言いようがない・・・やるんだったら電気犬でもすれば良かったと今更ながらに思っちゃった・・・・・残念!」

 

裏庭にゴーヤの剥製(別名イビルジョー)を設置した美羅は一仕事やりきった感を出しペンション・・・・・これからは別荘と変えよう。別荘へと帰宅し眠りにつく――――――――――――――その日は熟睡出来た最高の一日だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ミラ「今回はもう皆のお姉さんミラさんが後書きに参上するよ!」
布団「 」ヒェッ
ミラ「作者は馬車馬の如く働く、これ決定なのよね」
黒「白野 黒 推参!!」
紅「同じく白野 紅 推参!!」
ミラ「邪魔だどけぇえええ!」エクスカリバー!
「「ッア"ー!?」」
赤「ふむ、久々に登場なのだ。作者よ私の絡みを早よ書くのだ」
〇〇「おい!俺の名前が何で〇〇なんだよ巫山戯てんのか!?」
布団「読者の皆様のアンケートによって名前が変化していくのだから気にしない気にしない」
ミラ「名前が無い存在となるか、全部が新しい名前となるか、私に媚びを売って下僕となるか――――――――――――クククッあぁー楽しみだなぁ♪」
〇〇「おい読者共!俺の運命はお前達に掛かっているんだからちゃんとした物に―――――――――――」
黒「ミラの下僕って事は今の俺達の立ち位置、そして下の存在になるって事?」
紅「つまりは妹となると?」
〇〇「な・・・んだ・・・・・・と?」
ミラ「所詮お前自身が決めれる立場じゃないって事なのよ」
〇〇「嫌だー!嫌だああああああああ!!」
ミラ「五月蠅い俗物めが!!」ブンッ
〇〇「プモォオオ!?」ビシィッ


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第48話 一誠の出会いと姉弟

布団「オラァ!」
ミラ「ッ!定期投稿しているだと!?」
黒「何が起こったかさっぱり分からねぇ!」
紅「き、気付くともう書き終わってやがる!?」
ティア「えぇい!作者のテンションは化け物か!!」
布団「いいえケフィアです」
黒「まるで意味が分からんぞ!」
布団「全速前進DA☆」
紅「よっしゃあ!」
ティア「作者のテンションが続く可能性は僅か3%!」
ミラ「・・・・・何このカオス」
布団「俺の後に続けええええええええ!」
黒「ヒャッハー宴だ宴だああああああああ!」
紅「アーシアちゃあああああああああああああああん!」
ティア「グフッ!――――――――――――――ハッ!?わ、私は何を・・・・・」
布団「ガチャ?ガチャもう回せないの!?ガチャ?課金?―――――――――――――ゴハァッ!」
黒「作者が吐血したぞおおおお!」
紅「沖田あああああああああああああああ!」
ミラ「五月蠅い五月蠅い!黙れえええええええええええ!!」ミラビーム!
「「「ウワアアアアアアアアアアアアアアアアア!」」」












ミラオス「はじまる?・・・・・はじまるよ」















~一誠side~

 

よぉ皆元気にしてるか?俺は調合が成功したあの日からさらに進化したと断言出来るほど強くなったぞ!ただし禁手(バランスブレイク)には至っていないし、籠手の方もインプロージョンフラッグ――――――――――呼び方はこれだな爆発の衝撃飛翔(インプロージョンフラッグ)とでも命名すれば良いのかな?まぁそのまんまの意味だけど・・・

もう一ヶ月近く経ったサバイバルは慣れてきたお陰か最初の頃よりも余裕が出て来始めた。ん?あれからモンスターと戦ったのかだって?勿論戦ったさ、あの初めて倒したイャンガルルガに比べると弱かったがイャンクックを倒したんだ―――――――――――――第一目標クリアってな!イャンガルルガと比べるとかなり弱くて拍子抜けしたけど図鑑を良く見たらイャンガルルガの方が強いんだってな・・・しっかりと図鑑見ないといけないなって思ったからその日はモンスターの内容を把握するまでずっと籠っていたんだよ

そして次の討伐した竜はゲリョスっていう竜でな?戦ってる時思った感想、こいつゴム竜だわ。それからゲリョスって言わずにゴム竜とばっかりしか言わなかったよ・・・・・ぶよぶよしている体がいけないんだ!!ゲリョス戦で消費したアイテムの調合が一通りストックをそれなりに作り終わった頃だな、目が無い気色悪い竜のフルフルと戦ったんだ・・・あいつ怖い

洞窟で採取をしているとドライグから避けろって言われて横に飛び退いたら後ろからニョキッと頭が通り過ぎたんだぜ!?危うく飲み込まれる所だったと思うと冷や汗が大量に出て止まらなかった。その後は洞窟の中で戦わず爆発の衝撃飛翔(インプロージョンフラッグ)で外まで連れ出してそこで戦闘となった―――――咆哮はイャンガルルガにも勝るとも劣らない巨大な声、そして間髪無く飛んでくる電気のブレス・・・・・分裂しながら飛んでくるとかハッキリ言ってアウトだろ。接近戦で戦っていると電気を纏い一時的に左腕が動かなくなったから酷い戦いで最早長期戦の削り合い、極細のドラゴンショットで傷を付けながら隙をみて殴ったりとして出血多量だったのか分からないけど倒れた時はため息しか漏れなかったんだ

 

何気に怒濤の連続討伐を行っていた一誠、初心者ハンターでもここまで沢山の竜を狩ったりはしない。それこそベテランハンター程じゃないと無理だろうし、一誠はソロでの活動だ。やはりここが一番の違いであり負担となる・・・頼れるのは自身の左腕の赤龍帝の籠手(ブーステッドギア)とドライグのみ、回復薬は自身で作るしか補給方法は無くぶっちゃけ極限中の極限だ。まだ美羅から渡されたアイテムポーチがあるお陰でどうにか倒す事も出来ているがそれが無いと死んでいただろう

 

『相棒は順調に成長しているな。これならばいずれ白いのと戦う日も来るだろう』

 

「うげぇ、俺面倒いから相手したくねぇ・・・」

 

『諦めろ。奴らがもし美羅にちょっかいを出そうとしたら美羅がこっちに引き渡しをしてくる形になるだろう』

 

おっふ、どちらにせよ戦う運命しか無いのか

 

ドライグと話し合いをしている一誠だが今現在ランポスから襲われている・・・しかしもう慣れてしまったのかどうかは分からないが軽くあしらっており

 

「ランポスの肉よりアプノトス肉が美味しいからなぁ・・・・・正直うっとうしいし要らねぇ」

 

『順応しすぎているぞ相棒・・・この世界に染まりすぎていては元の世界に帰った時色々と面倒だぞ』

 

その時はその時で順応するさ。数日あれば大丈夫だろ―――――――――多分

 

着々と魔改造されてゆく一誠、しかし未だ禁手化(バランスブレイカー)へと進化していないので色々と楽しみな部分が多い。一時的に鎧を纏ったのは焼き鳥とのレーティングゲームの時だけで今まで影も形も無いという忘れ去られているのでは無いか?と疑いたくなるぐらいだ。話を変えよう・・・・・一誠に襲い掛かっていたランポス達が停止、そして様子を見始めた

 

「やっと馬鹿なランポス達も気が付いたのか・・・あしらわれているって事に」

 

やれやれようやく終わったか。背を向けて走り去っていったからまず間違いないだろうからな・・・・・また襲ってきたらその時はその時で狩ったらいいし

 

『では食料を取りに行くぞ相棒』

 

「おうよ!」

 

左腕をグルグルと回してアップしながら獲物を探し出す為森の奥地へと入る一誠。この先に良くも悪くもの出会いが待つ

 

 

 

~美羅side~

 

「あ"ー癒やされるぅ。お風呂は最高の文明よね~」

 

まるでおっさ「頭冷やそうか?」ヴェアアアアアアアアア!―――――――――――――――――――ふぅ、改めて言おうとても疲れた体を癒やす美羅は最高の文明であるお風呂にて日々の癒やしを満喫していた。尚アニメでもお世話になっている謎補正により隠されている所はしっかりと隠されている・・・約8割程隠されている・・・・・普通に服着てるのと変らないので作者も読者も良い思いはしないのです

 

「関係無い説明が色々と含まれていたけどまぁいいや、しっかし此処まで早く成長するとは良い傾向だねぇ。歴代最弱と言われているけれど伸び代で言ったら歴代最強を言っても良いぐらいじゃないかな?まぁ以前の担い手について何も知らないからどうとも言えないけど」

 

約一ヶ月にて討伐した竜は4体、ランポスやアプノトス等は数多く数える気にはならない程だ。ゲームでの存在なら一日で余裕だろう・・・しかし此処はリアルの竜達が闊歩する空間なので討伐するのに最短で一日は恐らく掛かるだろう。調合等のサブクエストみたいなのもこなしつつとなるのでそりゃあ評価が通常より高くなるのは当たり前だろう

 

「日々の生活にも余裕が出て来ている感じだから何か違う目標を追加で課しても良いか・・・・・何か異物が入ったか。しかも人間ねぇ、ハンターだったらヤバイだろうけれどこれは・・・・・一般人程度の生命力のオーラとなると放っておいても息絶えるか」

 

どうしようか?一般人と言っても恐らくこれは漂流したか転生者か・・・でもこの場所へといきなり現れるって事は転生者の類はかなり低い。何せ私が管理している空間でそこら辺はしっかりとしているからね・・・・・でもそれだと尚更理解出来無いんだよなぁー。あの自称神(笑)によって転生した奴らのオーラはある部分が一緒、恐らくそれが繋がりなのだろう・・・・・ん?なぜ接触した時にボコらなかったかって?いやぁ転生者達を全部ぶっ潰してから出会った方がラスボスって感じがあるからそれで絶望させてからさらに絶望させようかなーって計画を立てているのですよ

って一誠君に向かって二人が移動している!?あそこって深い森の中だから確信を持って出会うことは出来無い筈なんですけどおおおお!?

 

「あ、接触しちゃった・・・・・もういいやなるようになれ」

 

諦め、これからどうしようか計画を立て始める美羅。一誠のトラブル体質についてどうしようかについて真剣に悩み始めたのだが、どうしようにもトラブルに巻き込まれる運命にあるのでこれについても早々に諦めた

 

 

 

 

~一誠side~

 

・・・・・いやいやあり得ねぇだろうがっていう光景が目の前にあるんだよ。何で俺以外の人間が二人この不思議ワールドに居るんだよ!?えっとえっと・・・こいつらって美羅先輩の関係者か?兎に角警戒しながら二人に尋ねてみる事にしよう

 

「正直言わせてもらうけどお前ら一体何者だ・・・」

 

俺だって日々成長してるんだ!美羅先輩についての情報を渡さず二人について聞き出すつもりだ

 

「えっと・・・私は・・・・・そのー」

 

「ひょ、兵藤一誠?って事は此処は小説の中の世界なのか?

 

こ、こいつ一体どうやって俺の名前を知ったんだ!?転堂みたいに何か不思議な力で俺の事を知ったのか・・・・・って事はあいつらの仲間か?早計は駄目だな。美羅先輩だってしっかりと判断してどうするか決めていたしこいつらからは何て言うか・・・敵意みたいなのが全く感じられない。隠しているかもだけど取り敢えず情報をそれなりに引き出しておかないとな

 

「どうやって俺の名前を知ったのかは今は置いておこう。お前らは東条 転堂って名前を聞いたことがあるか?」

 

見えない様に背の後ろに隠してある赤龍帝の籠手(ブーステッドギア)に魔力を込め何時でも攻撃出来る様に待機する・・・これで先制攻撃を仕掛ける事も出来るし威嚇にも上等だ

 

モンスターとの一瞬一瞬の駆け引きを繰り返していく内に幅広い対応を出来る様になった一誠、これも成長の証であろう

 

「えっと・・・?その東条 転堂って誰?」

 

「お前はどうなんだ?」

 

「いや・・・知らねぇし聞いた事も無い」

 

って事は関係者じゃないだろうな・・・警戒を一段階下げても大丈夫だろう。だが未だだ、未だこの一点だけの疑問点が残っている―――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何故初対面の奴が俺の名前を知っているかについてだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これ以上聞くのは野暮って言いたいけどこれだけは聞いておきたい・・・初対面の奴がどうして俺の名前を知っている。俺は子供の頃に会ったことも無いぞ」

 

最後のはブラフだ。こう言っておけば何かしらのリアクションがある筈だが、何がどうなのか理解していない感じだな。ドライグちょっと良いか?この事を美羅先輩にほうこ

 

『大丈夫だ相棒、美羅はもう既に把握しているしこの内容を聞いて後ろの木の裏に待機している』

 

おっしゃこれでどうとでも成るな。あ、美羅先輩が音も気配も無く移動して真後ろに移動した

 

「ちょっと聞きたい事があるから正直に話して貰うよ?大丈夫大丈夫正直に話せば命は取らないから・・・・・まぁ嘘をついたら直ぐに分かるしその時は肉片になるだけだから」

 

こ、怖えええええええ!?折檻したりする時の様な目じゃなくあれは完全に全てを警戒している目だあああああ!

 

『お、おう・・・あの目はヤバイ。実体があったら漏らしていたかも・・・・・』

 

ドラゴンの尊厳が全て崩れ去る事言うなよ。そんな事があったらお漏らしドラゴン何て酷い二つ名を襲名するぞ

 

美羅が二人に脅迫の質問を行い二人がしっているであろう事について全て引き出していく・・・あの冷徹な目をむけられ脅迫された二人には誰もが同情するだろう

 

美羅先輩が色々と聞き出しているなぁ・・・・・えっ?あの二人は姉弟なの!?しかも泥棒に殺されて転生したってどういう事だってばよ?しかも人間のままってあり得ないだろ!不死身なの!?不死鳥の名は伊達じゃないって言いたいのか!?

 

『落ち着け相棒、有力な情報はまだまだありそうだぞ?』

 

へぇ・・・転生者ねぇ。ん?小説?登場人物?ナニソレ・・・・・えっ?俺が小説に出ていたって――――――――――やべぇ理解が追いつかねぇ

 

『正直俺も理解が追いついていない状態だ』

 

え、ちょっ美羅先輩は何でそんなに冷静なの!?俺が小説?登場人物だから興味なくなったの!?ガッデム!!

 

「ちょっと五月蠅いから一誠君は黙ってて」

 

あ、はい・・・・・

 

それからも質問が続いていき終わった頃には二人は燃え尽きたが如く真っ白になっていた

 

「美羅先輩、俺は・・・そのー・・・・・架空の人物って事なんですかね?」

 

「はぁ?傷付いたら血も出るし心臓の音もあるから生きてるに決まってるでしょ?一体何を言ってるんだか・・・」ハァ

 

呆れられた!?

 

「そんな事言ったら呆れるのも仕方が無いと思うよ」

 

「ハイ・・・・・それでこの二人は転生者って分かりましたけどこんな事って有り得るんですか?俺は人間の時に死んで悪魔へと転生したから正直言って人間から人間のままってのは不思議だと――――――――――――」

 

「輪廻転生って言うのが正しい所なんだけどこれはそれとは違うのよ」

 

えっ?それって一体どういう事・・・・・

 

「この二人は泥棒によって命を落とした・・・これで赤ん坊からの新しい命ならそう言えるのだけれどこれは異例なのよ。死んだ時の魂を保護、そして肉体の復元、ここまで言うと分かる?」

 

「誰かからの干渉があるって事ですか?最近小説とかで人気になっている異世界転生ってやつだったらそうだと思うんですけど」

 

「正解、小説で人気の異世界転生ってので合ってるのよ。情報の限りではそうとしか言い様がないから」

 

ならこの二人には何かしらの転生特典ってのがあるって事ですか!?俺Tueeeeeeeeeじゃねぇか!クソッ俺も転生した時にそんな能力欲しかった!

 

「一誠君は神滅具(ロンギヌス)を宿している時点で十分俺Tueeeeeeeee出来るでしょ」

 

俺って転堂の奴にボロクソにやられているんですけどそれについては・・・・・

 

「最初から強い奴は普通居ないから・・・もし強い奴が居たらそいつは恐らく努力なんてしない奴が殆どでしょ。それにそんな輩は腐るほど見てきたからね」

 

あ、因みにこの二人の姉弟の名前なんだが姉の方が舞樹 春(まいき はる)で弟の方が舞樹 俊屋(まいき としや)だとさ

 

姉の方は自称神(笑)は干渉無し、弟の方には干渉の痕跡有り・・・けど殆ど無いって事は何かを奪った可能性が大と

 

美羅先輩がブツブツと独り言を言ってるなぁ・・・もしかしなくてもこれってもの凄くヤバイ案件なのでは?それに首突っ込んじゃったって事か?

 

「何言ってるのよ・・・それよりも前から転生者から関係あったでしょ」

 

「も、もしかしてなんですけど・・・・・転堂達って事ですか?」

 

「小説で話題になっている俺Tueeeeeeeeeして主人公になりたいんでしょ?そして二人に聞いたところによればここは小説の世界で例えれば貴方が主人公、ならそれを蹴落とすなりなんなりしたいと思ってるんでしょうね」

 

えぇ・・・・・完全に俺はそいつらと関わらなきゃいけないんじゃないか・・・・・ヒデェ世の中だ。ん?なら俺より強い美羅先輩が何で主人公じゃ無いんだ?俺とかなり関係がある美羅先輩ならあいつらもしっている筈だけど

 

「所詮は小説の中での世界、その中に転生者って異物が入った時点で異なる世界に決まっているでしょ。新しい一人の登場人物によって全く違う世界観が作られるんだから」

 

あぁ・・・良く分かりやすい説明ありがとうございます

 

「所でこの二人どうするんですか美羅先輩?」

 

「・・・・・どうしよっかなぁ。もしあの転生者達と組むつもりなら此処で()っておいた方が後々厄介になる事も無いからね」

 

「いやいやいや!この二人青ざめながら全力で否定してますよ!?」

 

「厄介な事この上ない・・・・・」

 

うわぁ、美羅先輩が面倒いって匙投げちゃったよ・・・

 

「聞こえてるからね?―――――――――――――――って事で一誠君のサバイバルにこの二人を追加させます。拒否権なぞクソ食らえです。そして一誠君はこの二人死なせたらいけないっていう追加任務を付与しよう」

 

「「「イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!?」」」

 

こうして一誠と二人の新しい新人の超過酷サバイバルが幕を上げた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




布団「ふぅ、脳内に深刻なエラーが発生してしまった」
ミラ「某ネギのボーカルじゃあるまいし」
布団「兎に角ようやっと紹介していた奴らがだせたんだぜ!」
ミラ「絶対に存在を忘れていたでしょ」
布団「ナ、ナンノコトカナーボクワカンナイ」
黒「一人称変ってるぞ」
紅「嘘ついてるな」
某嘘見抜きガール「その人は嘘を付いています」
ミラ「ほぅ?」
布団「ヤメロ!シニタクナイ!シニタク・・・ヴァアアアアアアアアアア!」








ミラ「そろそろアンケートの締め切りだね♪〇〇の名前はどうなるか・・・フフフ」
〇〇「絶対碌な奴考えてないだろ!?」
ミラ「えー?そんな事無いと思うんだけどなー」
〇〇「いいか!絶対に言い名前を考えろよ!絶対にだ!!」








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第49話 タッタラタータター!新人教育体験

布団「さぁ投稿だ」
黒「トゥーヘァー」
ミラ「ふもっふ!」メキィ!
黒「グフッ!」
ミラオス「パーンチ」ポコッ→ミラには効かない
ミラ「・・・・・・」←どうしたら良いか咄嗟に思いつかない
紅「フッ」
ミラ「紅アウトー」デデーン
紅「ファッ!?」
ケツバットノジカンダゴラァ! フンヌゥッ! バシーン!
紅「オ、オウ!?」
ミラオス「パーンチパーンチパーンチ」ポコッポコッポコッ
ミラ「布団、黒、紅アウトー」デデーン
「「「ヒェッ!?」」」
ケツバットノジカンダゴラァ! フンヌゥッ! バシーン! バシーン! バシーン!
「アイエッ!」
「ニュアー!?」
「アッフゥッ!」











ティア「ンン"ッ!では・・・始まるぞ!」











~美羅side~

 

今現在目の前には私に土下座をしている人化した雌豚が居る。さて、何故こうなったのか・・・それは現代社会にはとても重要というか必須な物なのです――――――――戸籍を作らないと大変な事というね。私はどうしたのかって?違和感無く世界の運命操作にて最初から居たと認識させたから大丈夫なのよね♪黒と紅にティアもこの方法で戸籍を手に入れさせた(※美羅の操作にて作った)

お陰で私の下僕要員と化している黒と紅で、ティアは使い魔という形で収まっており日常生活諸々大丈夫なのである。さて此処で問題、破壊する力しか持ちあわせていないこの雌豚はどうなるのか―――――――――――――戸籍が無いとバレたら容赦なく豚箱直行。え?暴れたらどうするのか?そんな事分かりきっているでしょ、私が暴れる前にお話(物理)して大人しくさせて警察へポイッと丸投げに決まってるよ。脱走したらしたで懸賞金が掛かる可能性も有るのでそうなった場合は捕まえて懸賞金貰って―――――――――――の繰り返しになるだろうなぁ・・・・・そうなったら嬉しいな♪」

 

「ヤメテ!銀行ループになりたくない!!無闇矢鱈と暴れないからどうにかして下さい!!」

 

後半の方に欲望ダダ漏れちゃった。チッ!こいつが懸賞金掛かったら生活がもっと楽になるのに期待外れの雌豚だこと。と、まぁそろそろおふざけも程々にしてどうするか決めようか。「オフザケダッタノカ!?」「喧しい!」「フォオオオオ!?」・・・ンン"ッ!さてどうするかについてだけど正直このまま放ったらかしはまず有り得ない、新しい名前を与えたところで自活出来無い、となれば残された道はただ一つ

 

「さぁ選びなさい雌豚。このまま銀行ループとなるか、飢えてのたれ死ぬか、私に養って貰うか―――――――――――選択肢は三つ・・・今この場で選びなさい」

 

「ねぇ・・・それ選択肢一つしか無いんだけど・・・・・」

 

早く選ぼうね?

 

「ヤシナッテクダサイカミサマホトケサマミラサマ」

 

下僕が美羅の仲間になった。下僕がさらに増加した事により下僕三人衆となった

 

「取り敢えず雌豚は現代社会の知識を叩き込まないといけない・・・・・シスコン魔王にしっかりと教育するように命令するか。対価として今も尚掛けてある呪いを解くという感じで良いかな~」

 

皆さんお忘れになっているだろうから改めて説明しよう。焼き鳥サンドバッグの折にシスコン魔王は凶悪無比な呪いを美羅からプレゼントされたのである。まぁその呪いは今も尚続いている生き地獄なので全力を持って教育はするだろうと美羅は考えている

 

「えーっと、これじゃなくあれじゃなく・・・・・これこれ!これがあのメイドへと繋がるんだった。それじゃあ早速――――――――――――――――――――――――はぁいシスコン魔王のメイドさん久しぶり~。口調が変ってる?何時までもお姉様するのも飽きたからねぇ・・・・・それはどうでも良くて一つやって欲しい事があるんだよねぇ。それは、今からそっちに転移させる雌豚に現代社会の知識を植え付けて欲しいって事」

 

『先程からあまり突っ込まず聞いていましたが流石に待って下さい。我々もそこまで暇をしている訳ではありません―――――――――――――――えぇ貴女には恩も御座います。不躾な事を言いますがそれ相応の対価を要求致しますが宜しいですか?』

 

「もしかしなくても夫婦の営みが疎かになっているからちょっと不機嫌な感じかな?それが解消出来るとしたらどうする?もしここで断られたら機会はもう二度と無いと思うけどな~♪」

 

『悪魔よりも悪魔をしていますね美羅様は・・・・・』

 

「悪魔には良い思いが殆ど無いんだぞ♪」

 

少しの間長考するグレイフィア。美羅はそもそも悪魔に対しての印象は最底辺、リアスの杜撰な管理の為ストレスマッハ、シスコン魔王が美羅を利用しようと画策している為ストレスマッハ――――――――――――――――赤髪兄妹の行いが酷いのでどうしようも無い

 

『分かりました。その依頼を受けさせて頂きます―――――――――――――――改めての確認です。現代社会の知識・・・いえ、常識を教える事でその対価は呪いを解くという事で間違いはありませんね?』

 

「そゆこと。送る雌豚にも暴れない様に色々と仕込んでおくからしっかりと常識を教えておいてね?」

 

そう言い終わると念話を切断、そして後ろで土下座待機をしているアルバへと向き直り

 

「さぁ?その誰にでも吹っ掛ける癖を徹底的に矯正してア・ゲ・ル♪」

 

「ヒェッ!?」

 

美羅によるアルバの為の物理矯正が執行され、その数時間後に冥界へと送るのであった。送られる際アルバは「モ、モウユルシテェ」と目からハイライトを無くし譫言のようにブツブツと喋っている姿――――――――――――()られた後みたいに酷い有様だった

送られた方のグレイフィアも中々に大変で、サーゼクスが裏で何か吹き込む可能性が有りそうな為自らが時間を作りアルバに常識を教え込んでいた。またその間のアルバは未だにハイライトが回復しておらず、洗脳教育レベル並に知識を盛り付けられるのであった

 

「やっぱり使える者は何でも使う。これが一番早くて効率の良いやり方だよね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~一誠side~

 

美羅先輩によって追加されたミッション・・・・・この転生者二人と一緒にサバイバル、尚且つ死なせたらアウトっていうトンデモ内容が言い渡されちまったよ。二人はこの不思議ワールドについて何も知っている様子が無く、導き出される答えはただ一つ――――――――――――――――――モンスターと出会っていないって所だな。正直俺一人だけの時よりも難易度が爆上がりでヤバイんだよなぁ・・・取り敢えず拠点まで戻ってそこから話すでいいか

 

一誠は進む、進む、進む―――――――――――――――そして拠点の一歩手前という所で試練が降りかかる。それはランポス達が現れたからである

 

「ヒッ!?な、何あれ!?」

 

「ウェイ!?ナンデランポスナンデ!?」

 

「って何で見ただけでランポスって分かるんだよ!」

 

ビビって足が震えてる舞樹姉弟、今の一誠にとってこの二人の存在は大きく足枷となっている。このランポス達を追い払う事はまず出来無い―――――――――――――――最悪拠点場所に押し寄せる可能性も出てくるのでこの場で全て狩らなければいけなくなったのだ

 

「クソッタレ!おいあんた達何か特典で攻撃系の奴持ってるか!?」

 

「「特典って何さ!?」」

 

「テンプレだとステータスとか言ったら出てくるんじゃ無いのかよ!?」

 

「「え、えっと・・・ステータス!」」

 

足手纏いにならない程度で攻撃が出来れば嬉しい一誠だがそんな可能性は打ち砕かれる

 

「黄金率B-(お金に困らない程度)だけってえぇ・・・・・」

 

はい弟君は使い物になりません。姉の方はどうだ!?

 

「体型維持に絶対防御?」

 

おっしゃ!絶対防御は使えるな!!だったら俺は討伐に専念するからその間は二人はその絶対防御ってので防いでくれ

 

「む、無理無理無理!どうやって使うかすら分かんないのに!?」

 

「何じゃそりゃあああああああああああああああああああああああ!!」

 

この答えを聞いて叫んだ俺は間違っていないと思う

 

「なら合図したらその場でしゃがめ!」

 

「「わ、分かった!」」

 

ドラゴンショットでこの場を切り抜ける!イメージは某社長が着ていた鋼鉄の鎧が使用していたレーザー・・・・・線で切断に特化したあの一撃。反動は無く切り裂くイメージ―――――――――――――――

 

「今だ伏せろ!」

 

二人は直ぐ様その場に伏せる。それを好機と見えたのかランポス達が舞樹姉弟に飛び掛かるが、その瞬間一誠のイメージは完了し籠手の魔力も充填完了!

 

「ドラゴンショット――――――――――――赤龍刀波斬(ドラグレーザー)!」

 

『ネーミング格好悪!?』

 

ドライグのツッコミは置いておくとしてレーザーは一瞬で伸びそのまま二回転、すると襲うとしていたランポス達は上下に裂かれ全てが絶命した

 

「おっし終わり!さっさと拠点まで行くから走るぞ!!」

 

「お(は)、おう(はい)!」

 

こうして一誠と舞樹姉弟の三人は拠点へと帰還に成功した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Now Loading・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さーてと取り敢えず自己紹介から―――――――――お互い何も知らないとどうしようも無いからな。まぁ言い出しっぺの俺から早速・・・俺の名前は兵藤 一誠。人間から悪魔へと転生して今は命の恩人であるリアスグレモリーの兵士(ポーン)だ。今はこんな所ぐらいしか紹介できないかな・・・部長居ないし」

 

「それじゃあ次は俺が、俺の名前は舞樹 俊屋。泥棒に殺されてこの場所に転生?しました」

 

「わ、私は俊屋の姉で舞樹 春と言います。さっき俊屋が言った様に泥棒に殺されてここに転生?したのかな?」

 

あ、うん・・・・・普通転生なんて珍事があったら困惑するよな

 

「「いやいやいや!あんなモンスターが沢山出てくるこの世界の方が理解出来無いから!?」」

 

「あー、俺の名前は一誠って呼んでくれ。これからは二人の名前で呼んでもいいか?」

 

「大丈夫だ」

 

「私もそれで大丈夫です」

 

「よっしゃ!改めて宜しく頼むぜ俊屋、春!!」

 

「「宜しく一誠!」」

 

いやー良かった良かった!最初から関係が悪かったらギクシャクどころじゃ無いからな

 

「それにしても転生って言われたけどこれって輪廻転生だよね?」

 

「・・・春姉はさっき白髪の人が言っていた事何も聞いていなかったのか?死んで赤子からの転生が輪廻転生って言ってただろ」

 

あーそんな感じで言ってたなぁ美羅先輩

 

「・・・・・成る程ね」

 

「絶対理解してないだろ」

 

「べ、別に良いでしょ!?それよりも私達聞いてなかったんだけどさ・・・あの白髪の人の名前知らないのよ。一誠は知っている?」

 

「当然知ってるぜ!駒王学園三大美女の内トップの女性でありハイスペック超人、白野 美羅先輩なのだ!!」

 

美羅先輩は凄いからな!俺の知っている中で最強の人だ!(実際問題最強であり最きょ―――――――――――フォオオオ!? デデーン)

 

「んー俺が読んだ小説じゃそんな人居ないんだけどなぁ・・・」

 

「白野さんが言ってたでしょ?誰か一人が加わった時点で世界が違うって」

 

正直小説の内容が気になる・・・・・

 

『おい舞樹姉弟に美羅から伝言だ。小説の内容は誰にも一切教えるなとのお達しだ』

 

「はい・・・」

 

「私は何なのかすら知らないけど一応、了解しました」

 

クッ!俺がハーレム築けるかどうかが知りたかっただけなのに!!

 

『運命が捻れ狂い全員がその運命その物に殺される可能性があるとの―――――――――――』

 

はいもう聞きません!皆が危険な目に遭う可能性があるなら絶対にしません!!

 

「それじゃあこの世界でサバイバルだっけ・・・・・正直生きていける気がしないorz」

 

「あんな凶悪な恐竜をどうやって倒せとorz」

 

「二人は神器(セイクリッドギア)持っていないのか?」

 

『美羅が見た所持っていないと言っていたぞ。だが二人は何故かは分からないが身体能力が高くなっている筈との事だ』

 

「そういえばさっき走った時あまり疲れていなかった・・・あんな距離走ったら息切れする筈なのに」

 

「確かに生前より力が漲る感じがするかな?」

 

って事は戦力になる様に力を付ける他無いと言う事か・・・・・

 

「そういや思ったんだけどさ、一誠は何処まで強いんだ?正直全然分からないからどうもな」

 

「俺か?俺はつい最近フルフルっていう竜を倒したぞ」

 

「フルフルって何?」

 

春は知らないのか・・・ってか忘れてたけどどうして俊屋はランポスの事知ってたんだ?

 

「あれはゲームのモンスターとして出て来てたからな。まぁあれだ、狩りゲーで出て来た奴って事だ」

 

「結構熱中していたゲームだったっけ?」

 

ん?って事は俺よりかなり詳しいってなると攻撃手段とか知ってるって事か!

 

「しっかしフルフルを倒したのか。初心者殺しの竜を倒すとか一誠凄いな」

 

一誠は今まで討伐したイャンクック、イャンガルルガ、ゲリョス、フルフルを討伐した時の内容を話していると二人はどんどんと青ざめていく。一誠は何で、と疑問に思うが普通の人は青ざめるだろう・・・即死コースだけを外してのゾンビアタックをしている現状を聞くと誰だって怖いだろう。恐らく二人はこのゾンビアタックをしながら討伐する羽目になるのでは無いかと思っているのだ

 

「ゾンビアタック嫌だぁ・・・」

 

「おいこら!ゾンビアタックなんて言うな!!」

 

「傷付いたら回復してを繰り返してだとそう思われると思う。罠とか仕掛けなかったの?」

 

「・・・・・罠という発想が出てこなかったぜ」

 

ずっこけた二人、そもそもほぼ素手で倒す事自体有り得ないのだ。何かしらの武器(えもの)を持っての討伐なら分からなくも無いが流石に素手となるとハンターでもやらない

 

「じゃあ武器とか作らなかったのか?倒したんだったら素材を使って簡単な物なら作れるんじゃ無いか?もしくは白野さんにでも頼めば・・・・・」

 

「最初のは確かに思いつかなかったけど、二つ目の奴は絶対駄目な奴だ。美羅先輩おれにこう言ったんだぜ?」

 

 

 

カクカクシカジカ

 

 

 

「「ご愁傷様です」」

 

だよなぁ・・・完全サバイバルな俺だからこうなってるんだよなぁ。しっかし自分の手で武器を作るとか全然思いつかなかった―――――――――――俊屋の知識の引き出し多くて頼りになるな

 

「俺が駄目なら二人の武器とか作ってくれるんじゃねぇかな?」

 

「もし作ってくれたとしても最初から竜を狩るとかはしたくないぞ?」

 

「右に同じく」

 

分かってるよ、最初はアプノトスっていう草食動物を狩ってその次はランポス達だな。それからは少しずつ難易度を上げるって方面で行くしか無いな

 

『美羅から連絡だ。武器、防具は拠点前に置いたそうだ・・・準備が早いな』

 

ならその武具を見てみるか!

 

拠点前へと出て置かれた武具を回収する一誠。持ち帰った物はどれも新品だが見て分かる通り新人が装備するような物だ。ハンターシリーズの剣士シリーズ一式に武器は片手剣のハンターカリンガ改二つで基本的なアイテム一式(アイテムポーチ付き)だった

 

「マジもんの初心者装備・・・強くならないとより強い武具は手に入らないって事か・・・・・何処までもゲームと一緒だな!」

 

「マラソンだっけ?素材アイテムを集めるのって」

 

一体だけだと足りなさそうだな・・・最低でも二体は必要って事になるのか。これからが大変だな・・・

 

こうして一誠と舞樹姉弟の共同サバイバルが開始されるのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




布団「尻痛ぇ・・・」サスサス
「フォウフォーウ」
布団「毛玉よどうした?」
「マーリンシスベシマーリンシスベシ」
布団「これも定めと言う事かぁ」





移動中―――――――――――――――











「やぁ!みんな大好き重役出勤のお兄さんだとも!!私が出なかっただって?んー君はまだまだだ!僕を召喚したければもっと絆を上げないとそちらへは行けないんだよ」
布団「そんな皆様に朗報です、此度もまた爆発おちという事で後書きを示させて頂きます」
「フォウフォーウ。ニゲルンダフォーウ!」ピョーンピョーン!
布団「さぁ共に参ろうではないか!」
「HA☆NA☆SE☆!離すんだぁ!!」
ミラ「やぁ♪」
「 」
布団「ヒヒヒッ!貴様も墜ちるんだぁ」
「一体何を言っているんだい!?」
布団「そんな所から見ていないでこちらに来なよ」
ミラ「ではいっくよー!」
「はなせぇ!はなしてくれぇ!?は、話をしよう!そうしよう!!君の話をすればきっと皆も理解する筈だよ!?」
ミラ「梵天よ、我を呪え!(ブラフマーストラ・クンダーラ)












「布団はいつも灰となって再び布団へと返り咲アアアアアアアアアアアアアアアアア!」
「ギャアアアアアアアアアアアアア!」








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第50話 共同サバイバルDEATH、何事も経験

布団「ちょいと遅くなったが投下だー!!」ポイッ
ミラ「ぐっ・・・この定期投稿によって文句が言えない!」
黒「脳筋になってるぞー」
ミラ「死にたいようだな小僧?」
〇〇「おい俺の名前は!?」
ミラ「貴様も死にたいようだな?」
「「ウォオオオオオオオオウナレオレノコブシ!チョウケッセンリュウステゴロシンケン!キョクリュウハガンケン!!」」
ミラ「ニフラム発動!」ゴガァ!
「「  」」ヤムチャシヤガッテ













布団「始まるZE☆」











~一誠side~

 

「うぉおおおおお!?やっぱり怖い!ランポス怖い!!」

 

「やぁ!てぇい!!」

 

あれから三日か・・・草食動物達を抵抗なく狩れる様になった二人は現在ランポス達と交戦中で俊屋は未だに弱腰で春の方はしっかりと順応してきているな。姉っていう立場があるからしっかりしているんだろうなぁー

 

木の上からじっくりと二人を観察する一誠

 

「お、おおおおおおお!シールドバッシュ!!」

 

相手の攻撃に合わせ盾を叩きつる事で仰け反らせて隙をつくる俊屋だが、ランポスは集団戦を特異とするモンスターなのでその一瞬の間が隙を作る

 

「俊屋後ろ気を付けなさい!」

 

咄嗟に俊屋の背へと回り込み盾を構え攻撃を防ぐ春。女性でありながらモンスターの飛び掛かりを防いだのにも関わらず仰け反りはしていない―――――――――――――これは転生特典の一つ絶対防御のお陰なのだ。見えない障壁を展開する事で攻撃を防ぐという守り一辺倒の代物だがこの世界ではとても便利で優秀な物で、イメージは盾の表面に展開するという簡単な物なので比較的楽に展開出来るのだ。例え破られたとしても盾を構えている事で致命傷は避ける事が出来る―――――――――――RPGでいうところの盾役(タンク)である

 

「サンキュー春姉!追撃はしない方がいいなこりゃあ」

 

俊屋の奴ちょっと焦りが見えていたんだが一瞬で冷静さを取り戻したな。何気に感情制御に才能が有りそうだな

 

『見た限りではそうだがまだまだ未熟さ、相棒が見て来た竜が現れたならばそれも分かるのだがな』

 

ティガレックスとかが現れたら即試合終了で逝くだろ・・・・・そうなったら俺美羅先輩に何されるか堪ったもんじゃねぇ

 

「よっしゃ!焦れて飛び掛かって来やがった!!」

 

「ドームシールド!」

 

春は自身と弟を包み込むように絶対防御の盾を生み出し、盾によって弾かれたランポス達は隙だらけになるのでその隙を逃さず俊屋が急所の首を切断して行く見事な姉弟のコンビプレー

 

「よっし残った奴らは撤収していったな」

 

「うぇえ・・・しんどいよー歩きたくないよー」

 

春の絶対防御は体力を消費して防ぐ為防ぐ毎に体力が減って行くし、威力の大きい攻撃だとそれ相応の体力を奪われてしまう。兎に角体力を付けないと役に立たない特典なのだ

 

「お疲れさんお二人共」

 

「一誠ー私にアプノトスのこんがり肉を分け与えてくださぁい。出来る事は何でもするのでお願いしまぁす」

 

ん?今何でもって言ったよね?

 

「春姉それ駄目!一誠は煩悩まみれの変態だから何を要求されるか分かったもんじゃ無いぞ!」

 

「えっ?・・・・・だったら自分でどうにかします」

 

クソッタレええええええーーーーーーーーーーー!せっかくのチャンスを不意にしやがってマジ許さん!!

 

「白野さんにチクろうかなー?」

 

「俊屋様申し訳御座いませんでした!春様には良識の範囲内でのお願いをするのでそれだけはご勘弁を!!」

 

全力土下座をするぜ俺は!美羅先輩にチクられたらどんな折檻に遭うか・・・・

 

「何をお願いするの?」

 

「聞くところによると俊屋の趣味は家事らしいのでこれからは料理を作って貰うよう説得をお願いします」

 

「よし!俊屋ご飯作って!!」

 

「俺の拒否権は無いの!?」

 

「ダメ・・・?」

 

「・・・・・分かったよやれば良いんだろ!でも下準備諸々は手伝って貰うからそのつもりでな!!」

 

「「ハーイ♪」」

 

こうして厨房担当は俊屋に決定。これからの食卓が明るくなるのを期待しよう

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

「ではこれよりあの傍迷惑極まりない雌豚について会議を開こうと思います。名前とか決めないといけないからね」

 

今は冥界でお勉強中のアルバについての会議であり、その場には美羅の関係者である黒、紅、ミラオス、ティア、赤が一同が介している

 

「名前か・・・・・それは必要だな」

 

「煌黒龍と呼ばれているあいつだからなぁ」

 

「呼び方は(こう)しか無いのが痛手か・・・」

 

「うぅむ・・・何かと名付けとは面倒い物だな」

 

悩む五人―――――――――――しかし忘れてるなかれ、名前が無いのは此処にも一人いるのである

 

「ミラ・・・わたしの・・・・・なまえなに?」

 

「            」グサッ

 

美羅の胸へと矢が放たれた!深々と心に突き刺さる言葉により大ダメージ

 

「カ、カンガエテイルヨ?モチロンカワイイナマエヲネ・・・・・・・」

 

「「「「「           」」」」」

 

最早誰の目から見ても明らかだろう・・・・・つまりはうっかりやっちゃった状態、癒やしを優先にしていた為に名付けをそっちのけ状態だったのだ

 

「わたしのなまえないの?」グスッ

 

ミラオスは目がうるうる状態で見つめる

 

「グハッ」

 

「み、美羅が吐血したぁあああああああ!?」

 

「言葉による精神的破壊力は群を抜いているな・・・」

 

「あ、主しっかりするんだ!?」

 

「ハハハモウタチナオレナイ・・・・・・」

 

「ハッ!?今ならやれる筈!いざ――――――――――――――美羅覚悟ー!!」

 

「フンッ!」

 

「グルペェ!」

 

流れる様なコント、赤に至っては殴られてその場で空中ドリル回転!尚着地失敗によりボン、ボン、ポーンと人体では有り得ない弾みを付けながら転がり停止する。当然数分の間ピクリとも動かなくなった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ま、まさか私を殺し得る存在がこんな近くにいたとは・・・(精神的な意味で)」

 

「ミーラー!なまえつけてなまえつけて!!」

 

美羅の足に引っ付いてスカートをグイグイと引っ張り始めたミラオス

 

「ちょちょちょちょっと待って!?スカートが伸びる!伸びるから一旦離して!?」

 

「やーだー!!」

 

子供の力には敵わない・・・・・精神的な意味で――――――――――精神的な意味で!※重要なので二回言いました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フッ・・・ツヨイトイッテモコドモニハカテナカッタヨ・・・・・・」

 

「あたらしいなまえーきまったー!白野 ねる っていうのー」

 

「煉黒龍の頭の煉・・・・・()るねぇ・・・・・・」

 

「白野は漢字でねるは平仮名でか」

 

ミラオスの新たな名前、白野 ねる 此処に誕生

 

「・・・・・さーて気を取り直して雌豚の名前を付けないと」

 

「もうそれでいいんじゃね?」

 

「ばっか野郎!そんな名前にしたらどんな目を向けられると思ってるんだ!!アーシアちゃんに避けられでもしたら俺死んじゃう!

 

「後半の部分は聞こえなかった事にしよう・・・・・で、その煌黒龍か?名前は如何様にするつもりだ主よ」

 

やっぱり私が決めるのね・・・

 

「「「「それはもう当然」」」」

 

ホントどうしよう・・・痛い名前だと私達まで変な視線を向けられてしまいそうだから普通に付けないとなぁ。煌・・・煌・・・・・煌―――――――――――――――雌煌(しこう)って名前にしよう

 

「おいいいいいいい!自分で何言っちゃってんのか分かってるのおおおおお!?」

 

えーっとあの雌豚は最強の座を欲しいって思ってるんでしょ?雌煌って読んで至高と書けるし・・・ね?

 

「ヤバイ!主の頭がイカれ始めているぞ!?」

 

「ネルの口撃に心と精神の大多数にダメージを負ったからな・・・無理も無い」

 

駄目か・・・煌茶ってどうよ?

 

「自分が今飲みたい気分だからって紛らわしい名前にするなよ・・・」

 

これも駄目なのか・・・雌豚の癖に女らしい名前が付けにくいとかどんだけー。よーしもうこうなったらネルに決めてもらおう!

 

「んー?こうちゃ?しこう?・・・・・しこうがいい?」

 

はい決定もう決定。雌豚は雌煌に決定致しましたー拒否権なんてありませーん

 

「酷い当て字だな」

 

「口調は男だからな・・・女って所を強調したいんだろ・・・・・」

 

「体型は女なのにか?」

 

最初に雌豚って命名したら中々決めずらくなっちゃってね・・・どうしても印象が強すぎて駄目なのよ。ほら・・・豚って文字を入れると「あぁこいつって豚なんだ」って思っちゃうじゃん?

 

「まさに暴虐な決定だな」

 

「美羅の最初に印象付けられた宿命という訳だな」

 

雌豚は白野 雌煌(はくの しこう)と決定

 

「それより一誠の奴大丈夫なのか?」

 

「無害そうな転生者達二人を追加したんだろ?本当に生き残れるのか?」

 

これからの成長次第になるかなー?下位とはいえ轟竜討伐を目標としているらしいから限界の壁を乗り越えない限りは無理だよ・・・きっと

 

「最後の言葉が無ければ追求はしないんだが一体どうゆ事?」

 

「籠手が異様な形に変化したの」

 

恐らく亜種みたいに進化をした可能性は大きい。それを踏まえて考えると派生でどんどんと幅広く変っていく可能性が出てくるから完全に否定は出来無いし、何よりも成長の幅・・・伸びしろが普通の人よりも違いすぎる。ハンターには並ばないだろうけれど発想力に関しては同等と思って良いかもしれない

 

「・・・一誠は本当に人間なのか怪しいな」

 

「ハンターは人外を超えた人外の集まりだからな」

 

一誠のこれからについての会談は終わり外側の方へと向けられる

 

「では外の状況を聞こうかな・・・各自で見た感じ誰が一番成長している感じ?」

 

「「「アーシア一択」」」

 

えぇ・・・他の奴ら大丈夫なのそれ。もしかしたら全員一誠君より弱い可能性が出てくるかもなんですけどそれってどうなの。でも私が教えたのって手甲術を一通り口頭説明した位なんだけど・・・・・どうやって化けたのかそれが疑問なんだけど?

 

「「紅がやらかした」」

 

「仕方が無いんだ!変態やナンパ野郎を撃退するには丁度良いと思ったんだ!!」

 

変態筆頭のあんたが良くもまぁそんな事言い出せるなぁ

 

「だってさ?最終進化形態を予想すると某ステゴロ聖女にしか見えないんだもん・・・ほら、俺達遊んでるだろ?きっとそれからリスペクトしたんだよ」

 

「あんたかあああああああああああ!!」

 

紅の腹部へとまず一発、勢いで外に飛び出た後即座に下へ回り込み蹴り上げる。空中へと吹っ飛ばされた紅は痛みで何も出来ずただただ打ち上げられたのだ。そのまま美羅は左足を紅の後ろ首に引っかけ上へと逃げられないようにロック、右足の膝は顎の下へと固定、まぁ・・・分かる人は分かるだろう。そのまま空から真っ直ぐに落ちていく光景に青ざめる黒やティア達

 

「やめろおおおおおおおお!それだけは洒落にならん!!離せ!HA☆NA☆SE☆!」

 

無言の美羅、落下は止まらない

 

「あぁああああああああ!――――――――――――――――――イヤダァ!シニタクナイシニタクナァアアアアイ!」

 

両手を合わせ紅へと黙祷する一同。そして運命の時はやってくる

 

「そ、そうだ!話し合おう!!俺達主従関係じゃない―――――――――――――――」

 

しかし現実は無慈悲で、着地した美羅の右足は止まり速度を保ったままの紅がそこへ落ちて行く。衝撃音は凄まじくまず人体では鳴ってはいけない音がその音より小さく響き渡る。龍である一同は感覚器官は人間よりも良い為その音を聞き漏らすことは無い・・・従って顔は青ざめた時より酷く白に近しい程の色となった。そのままポイッと紅を放り投げる美羅、首から上が「見せられないよ!」の看板とモザイク処理状態となっている為読者の方達には配慮されているだろう・・・・・多分

 

「よ、よし次は俺からの報告だな!」

 

「そ、そ、そうだな!私も一つ気になる点があったのでその報告もしたい!!」

 

話を強制的に方向転換する黒とティア。地雷を踏まないようにしなければと心の内で思う二人―――――――――――紅は良き犠牲となったのだ

 

「小猫ちゃんのペットに成りつつある俺は一体どうすれば良いのか!それと小猫ちゃんにはヒットアンドアウェイのスタイルを教え中です!!」

 

黒へと目を向けていた美羅は次の発言者であるティアへと向ける

 

「あ、主その目は怖すぎる!――――――――――――――私の報告とは騎士(ナイト)の木場だったか?其奴が腕に真新しいリング?みたいなのを付けていた。両手なら疑問は無かったのだが片腕だけの装着だったから気になっているのだ」

 

ん?片腕だけに装着しているリング?分からん・・・正直分からん・・・・・危険性はどんな感じか分かる?

 

「禍々しさとか呪いといった類のオーラは感じなかったので大丈夫だとは思いたい」

 

なら放置しておこう。サバイバルが終わって帰還した時に観察する方向にしよう

 

こうして解散される会談。尚紅はネルに顔を木の枝でツンツンされ血が吹き出るヤバイ状態となっていた。ネルがツンツンしている最中にアーシアが偶然発見し回復させた事は言うまでもない流れ出ある。そしてアーシアをより一層ありがたさを感じた紅は軽い輩が近づかない様街の中を洗浄(物理)していき、キレイキレイな街作りの立役者となる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~転堂side~

 

「転堂、新しい転生者を連れてきたぞ」

 

「志木か・・・今回の奴は使えるのか?」

 

この世界へと転生して来た奴らを仲間にしている転堂、物量作戦により美羅と一誠を倒そうとする愚者の一人

 

「特典と言うのは知らないらしいが身体能力なら随一、恐らく俺達の中でも1、2を争える位の奴だ」

 

「で?当人は何処にいるんだ?」

 

「一人が良いらしいので一人部屋に入れておいたさ・・・問題としては目的の奴が居ない時のやる気の無さだが」

 

使えねぇ・・・・・そんな奴が何に興味を持っているんだよ

 

「お前を吹き飛ばしたあの龍だ」

 

「あー何って言ったっけあいつ?あの煙突龍」

 

「覚えていないならそれでもいいが力については覚えているだろう?」

 

今思い出しても腹立たしいあの煙突龍が!次遭うときは一人で居る時に嬲り殺してやる

 

「何を思っているかは大体予想するがそれは止めておけ」

 

「何でだよ!あいつは俺の獲物だぞ!!」

 

「その新人の狙いがそいつだけだからな。余計な邪魔が入ると分かると抜ける可能性が高いし敵対する可能性も有るからだ。今は一人でも強い奴らが欲しい現状だから我慢して本当の目的だけを狙え」

 

そう言い終えた夜刀は立ち去り転堂一人となる

 

「ちっ!気にくわねぇ・・・だが志木の言う通り兵藤一誠だけを狙えば問題無い。そうなれば俺がオリ主だ!残りの女達は俺が力尽くで屈服させてやる!!」

 

転生者達は強い新人で浮かれている。強い新人が入ったのであれば少しでも楽が出来ると思っているのだがそれは間違いだった。招き入れたその新人こそ自称神(笑)よりも狂気に染まりきった者だったのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うふ、ウフフフフフフフフフフフフ、アハハハハハハハハハハハ!アヒャハハハハハハハハハハハ!!やぁっとみつけたぁ―――――――――――――愛しの龍殺しが今あなたを喰らい尽くしますよおおおおおおおおお!キャハハハハハハハハハハハハハ♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

転生者達が撮影したミラオスの写真に狂喜な笑みをあげる女性。何故志木が転堂や他の者に対し敢えて性別を教えなかったのか・・・・・それはただ単に危険であるから――――――――――――――直死の魔眼を持ち得たからこそ殺されなかっただけでそうで無ければ無残な肉片になっていただろう。出会って直ぐに戦闘、狂喜を振りまきながら攻撃してくるその存在は変幻自在で複雑怪奇な行動ばかり行うのにも関わらず危機察知の能力がずば抜けている。志木の攻撃一つ一つに対し最上級の警戒をし均衡した所で敢えて志木が勧誘、打ち倒す敵を見せると直ぐ様了承したのだ。こうして超特大の爆弾・・・・・核弾頭と言った方が良いだろう――――――――――を抱え込んだ転生者組は攻撃の準備を着々と整える

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




布団「後書き?んーどうしよう・・・・・取り敢えず適当にすま――――――」
ミラ「スーパーイカズチキーーーーーーック!」
布団「ウ"ウ"ウ"ウ"ォオオオオオオオオオ!?グハァアアア!」










ミラ「アンケートの時間だこらぁ!」
黒「もっと読者を大切にぃ!?」


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第51話 珍味は珍味

ミラ「随分とゆったりとした時間を過ごしたものだなぁ?」
布団「冬野菜の準備だぁ」
黒「チッ」
紅「チッ」
雌煌「チッ」
布団「生産者の労力を甘く見んなやクソッタレェ!」

ティア「あれが現代の闇だ」
ミラ「農家も家庭菜園も大変だよねぇ」







ネル「はじま」
雌煌「はじまるぞ!」
ネル「取られたぁ」グズグズ
ミラ「雌豚風情が生意気な」ゴゴゴッ
雌煌「舐めるなぁ!雌煌拳」
ミラ「だが遅い遙かに遅い!雷神拳!!」
雌煌「ウ"ウ"ウ"ウ"ォォォオオオオオオオオルパァアアアアア!!」
ティア「さぁもう一度だ」
ネル「うん!  はじまるよ~」






~一誠side~

 

「あ"~うんめぇ~!俊屋が作ったご飯は最高だな!!」

 

開始早々ご飯の感想を言うのは何だと思うがそれはスルーしてくれ。では早速――――――――おっす皆元気か?俺はこの不思議ワールドに負けないよう今を生きる一誠だ!早く先に進めって・・・おいおい少しぐらい言っても罰は当たらないだ・・・・・あ、はい。美羅先輩見てたんですね切り上げます

前回から約一ヶ月が経ち春も俊屋もそれなりに成長したんだぜ!フルフルは未だだけどゴム竜ことゲリョスを倒す事に成功、成長スピード早すぎいいいい!俺悪魔なのに二人は人間・・・・・どういう事だよこりゃあ。これが噂に聞く超回復って奴なのか?

 

『悪魔でも超回復はするらしいぞ相棒』

 

美羅先輩経由の情報ですか?

 

『そうだぞ。だが増え幅は人間の方が良いらしいぞ?』

 

きっとそれだなー二人も俺同様沢山の怪我を負いながらも討伐したからな。あ、言い忘れてた。二人の武器が変ったんだよ!あ、ファンタジーみたいな進化系じゃないぞ?純粋に新しい武器になっただけです。春は片手剣と種類はそのままで討伐したイャンガルルガを素材としたツルギ【烏】という紫色をメインとした色の剣だ

しかし切れ味はとても良くスパスパと良く切れるのが特徴、毒を持っていた竜の素材なのに切った奴が毒にならないって不思議だよな。俊屋は大剣のバルバロブレイドっていうバッファローみたいな剣だ。何故バッファローかって?刀身全体を見た感じで角みたいな装飾と厳い顔みたいなのがあればそう思っても不思議じゃ無いって。あ、これってイャンクックの火を吐き出す気管と骨と鉱石で作られてるんだってさ・・・・・俺もあんなのが欲しいから何か作ってと頼んでみたが一喝されちゃった

美羅先輩曰く武器使うよりも打撃を優先してるから駄目だとよ・・・ほんと使ってないよな!しかも俺にはアスカロンあるから不要って追撃もあったからもうどうしようも無いんだぜ。それにしてもあれだな―――――――

 

「二人供成長したなぁ・・・」

 

「そんな親鳥みたいな目線で言うなよ一誠」

 

「美羅さんなら兎も角、一誠からだとまだまだって思うよ」

 

そりゃあ美羅先輩に比べたら俺なんてダメダメだろうよ!良いじゃんかそれぐらい言ったって、俺が最初の立ち回りを教えたんだからさ!!

 

「むぅ、それを言われると言い返せない」

 

「くっ!エロの化身なのに正論を言いやがって」

 

ふははは、どうだ!言い返せないだろう二人共!そして俊屋お前は後でぶん殴るぞ!?

 

「後はフルフルを倒せば一誠と同じ場所までって事になるのか」

 

「フルフル・・・一誠が倒した死体を見たけど正直キモチワルイ」

 

確かに気持ち悪い外見しているんだけど其処までボロクソに言わなくても良いじゃねぇか。フルフル可哀想って思えて来ちまうよ・・・

 

春は正直触りたくないと思っているのか引き気味で話し一誠はそんな風に罵倒、毒を吐かれているフルフルに哀れむ感情を向けている最中俊屋は何かを思い出そうとソワソワしている

 

「俊屋・・・何をそんなにソワソワしてるの?」

 

「春姉ちょっと黙ってくれ。あと少しで何か思い出せそうなんだ」

 

何か良い事でもあんのか?正直俺は心辺りが無いし予測も出来無い

 

「飯が旨くなる可能性が合ったような無いような・・・・・」

 

「「思い出せ!絶対に思い出せ!!」」

 

食べる事が生き甲斐な二名の言葉は重みを持ち普通では無い

 

「何かヒントがあったんだよなぁ・・・レシピに使える素材が・・・・・・あぁ、思い出したわ」

 

「「で?それは何?」」

 

思い出した俊屋は二人の方を向き何かを考える素振りを見せ数秒―――――――――

 

「あぁ・・・うん。取り敢えずこのレシピは今すぐどうこう出来る事じゃ無いからまた今度で」

 

「今すぐ作りなさい俊屋!私お腹空いた!新しい料理食べたい!!」

 

おぉう春が必死に説得?している・・・そんなに食べたいんかい。だが俊屋は「今は作れねぇ!」って言ってるし仕方がないだろ。案外その料理って未だに討伐した事が無いモンスターを使用してのかもしれないな

 

説得?する春に否定する俊屋を宥める為一誠は話題を切り替える

 

「よしっ!この話題はこれくらいにして次に討伐するフルフルについておさらいをしておくぞ二人共!」

 

真剣な表情に切り替わる二人だが春だけは少しふて腐れている感じがにじみ出しているが一誠は無視して自分が経験した事を改めて説明した

 

「―――――――――――――――と言う事でフルフルに関して分かっているのはこれぐらいだ。今回の戦闘は復習を兼ねて俺も混じるから宜しくっと」

 

「一誠大丈夫なの?私達は二人の方が慣れているんだけど」

 

まぁそうだけどさー、フルフルから先になると三人での連携になるし今からでも良いじゃ無いかって事だよ。因みに二人の戦闘を最初から見ていたからある程度の動き方は把握しているしそれなりに何とかなるだろ

 

「まぁ一誠の言う通りだな。フルフルの次から慣れない面子でやるより試運転しておいた方が安全っちゃ安全だし俺は賛成するぞ」

 

「そっかー・・・そうだよね。これからもっともっと強い奴らが現れる可能性大なのにそんな事言ってられないもんね」

 

「だが一番接近しないといけないのが一誠ってどうよ?俺の大剣にぶつかったりしないよな?」

 

いやだから俺はドラゴンショットとかで遠距離攻撃も出来たりするよ!?殴るだけじゃなくアスカロンでも攻撃出来るんだよ!?

 

「あーそう言えばそんな事言ってたね・・・正直最初の方しか使っていなさそうだったから忘れてた」

 

春が辛辣ぅ!

 

「そもそもの問題で折れないかどうかが心配なんだけどそれってどうなん?」

 

俊屋も辛辣ぅ!ってかホントどうなんだろ?今までもモンスターでも切れたりしているから大丈夫だとは思うけどあのエクスカリバー事件の時に話題となった砕けた聖剣って話しを聞くと正直な所心配なんだよなぁ・・・

 

「それじゃあ一誠は斬撃を使用しないで行こう。その方が何かとトラブル起きないだろ?」

 

「あぁそうだな。倍化した状態での攻撃なら怯ませる可能性もあるからその隙に春と俊屋が加勢してたたみ込むって流れで良いか?」

 

「それが一番かなぁ。鈍器系でのダメージとなると私の絶対防御しか無かったから担当してくれるとその分体力にも余裕が出てくるし、いざって時には防げるしで問題無しだね!」

 

その後も作戦会議は続き、その翌日―――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「あっけねぇ・・・・・」」」

 

成長した一誠の攻撃+成長した舞樹姉弟の攻撃は今まで以上にダメージを積み重ねる事が出来これといったピンチも無く安全にフルフルを討伐できたのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやぁ~まっさか多人数での討伐がこれ程体力に余裕を残してくれるのが想像よりも上だったぜ」

 

予想以上に体力に余裕が残った一誠に続き舞樹姉弟達も余裕が出来ていた

 

「一誠があそこまで強いとは思ってなかった・・・・・」

 

「変態機動の動きに何じゃこりゃ!って言いたいんだがそれって俺だけ?」

 

「私もあの変態機動については同じ感想」

 

変態変態って付けるなよ!?あれは俺が一人で一生懸命生き残り、モンスター達を倒してきた技術の結晶だぞ!要らん文字を付け足すなよ!!

 

「「誰がどう見たってそう言いたいぐらい変態機動なの」」

 

うわあああああああああああああ!二人が寄ってたかって俺の心に矢を飛ばしてくるよおおおおおドライグうううううううう!!

 

『気持ち悪いぞ相棒。まぁ確かにあの機動を何も知らない他人が見たらそう言いたくもなるな』

 

ドライグも酷い事ばかり言いやがってこんちくしょおおおおおおおおおおお!!

 

二人の言う通り一誠の機動は変態染みてきているのだ。真っ直ぐ攻撃かと思いきや急上昇からの急降下で殴りつけるこのモーションなのだ・・・・・初見で完全回避する事が出来るのは長年戦いに身を置いていたりしている者で無いとまず不可能だろう―――――――――――――――――あくまでこの様な機動が出来るのは悪魔の体であるが故のものである。討伐を終えた三人は拠点へと帰還しこれからの目標を探す

 

「フルフルも倒せた事だし次は何を討伐する予定なんだろう?」

 

「こんな時は図鑑を見て決めるか」

 

一誠と春は図鑑を見ながら次なる目標を決める為探している最中、俊屋はというとご飯の準備をしている。普通は手伝わせる筈の下準備等々を一切させず一人だけで行うには訳があったのだ

 

「この仕込み風景を見ると絶対食べないだろうから呼ばないけど・・・だが俺はこのモンハンワールド?な料理となればこれだけは外せない・・・・・珍味を使った料理を食べたいと!」

 

フルフルと戦い終え今日のご飯の素材を収集している最中に手に入れた小さな奴を取り出し包丁にて捌く!捌く!

 

ピギィ!

 

「俊屋何か言った?」

 

「飯の準備やってるなら言えよ?手伝うんだからよ」

 

「大丈夫大丈夫、今日は新しい奴での料理だから一人でやってみたいんだよ」

 

「美味しいの作ってよね?」

 

「はいはい、美味しかったら"残さず食べろ"よ?」

 

「美味しいに罪は無いから余裕」

 

そんなやり取りをし終え再び調理へと戻る俊屋、一誠と春は変らず次への目標を決める為の会議を続ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後――――――――――――――

 

 

 

「よっしおまちどおさま!今日は肉っ気たっぷりのスタミナ料理だ。俺達が一誠と同じ所まで到着した記念って事で何時もより豪勢にしてみたぜ!」

 

殆どがぶつ切りだが丁度良い焦げ目が付いておりモンハンで言うならば「上手に焼けましたー」の焼き加減だ。三人の「いただきます」と同時に口の中へと肉を放り込む二人

 

「あぁ~美味しぃ。最近はランポスの肉と野草ばっかりだったから久しぶりに食べられるアプノトスの肉は最っ高!」

 

「うんめぇうんめぇ!なぁ俊屋これの味付けって何なんだ?トウガラシもあるだろうけどそれだけじゃ無い筈だと思うんだが」

 

「あぁそれか・・・油分の多い植物で抽出した植物油で素材とは違うモンスターの骨をカラッと揚げて粉末状にした物を使ってるんだよ」

 

「って事はあれか?以前俺達に絞らせたあれが油だったのか!?」

 

「正解~」

 

とても手間の掛かっているこの料理をしっかりと味わうように食べ始める一誠、一方春の方は変らずでバクバクと食べており食べれれば何でも良いのかこいつみたいな感じだ。そしておかわりをさせるかの如く次なる皿を春の目の前へと置く俊屋、それを一口食べ固まる春

 

「お、おい大丈夫か春?」

 

心配する一誠だがそれは杞憂で

 

「うみゃああああああああああああああい!!」

 

雄叫びを上げ皿にある肉をどんどんと頬張る春、端からみても―――――――――文章だけでも分かる通りハムスターの春と命名しても良いぐらい頬が膨らんでいる。一誠も気になり一口

 

「うめえええええええええええええええ!!」

 

『くっ!俺も食べたいぞぉ!!』

 

バクバクと食べ進める二人に悪い笑みを浮かべながら俊屋はこう告げる

 

「二人共今食べてる奴の獲物見てみる?見つけて獲ってきたらこういうの作るけど」

 

「「教えて下さい!」」

 

言質を取りアイテムポーチから残っている其れを取り出すと二人は硬直―――――――――――――

 

「えっとーもしかしなくてもですね俊屋さん・・・・・こいつってあいつの幼体か何かですか?」

 

皆もお分かりだろう。俊屋の出した其れは――――――――――――――フルフルベビーである

 

「合ってる合ってる、あいつの幼体でフルフルベビーって言ってな珍味なんだと。美味いだろ?」

 

「まぁ美味いから問題無いか!」

 

一誠は即順応した。だがしかし忘れてはいけない・・・・・未だに何も言葉を発しない者が居る事を

 

「            」

 

「春姉どうよ?美味しいだろ?"フルフル"の幼体、"フルフルベビー"はさ」

 

「            」

 

「ちゃんと全部食べろよ?"美味しいに罪は無い"って言ってたもんな?」

 

ニヤニヤと愉悦を含めた悪い笑みを持って春を見つめる俊屋、ギギギっと錆び付いた首を動かすかのような雰囲気で俊屋を見て一言

 

「ウソダヨネ?ソレガコレッテウソダヨネ?」

 

俊屋は春の後ろへと移動し、ガシッと羽織い締めをして一誠に命令を下す

 

「よしっ捕まえた!一誠その皿に残っているフルベビを春姉に食べさせろ!」

 

「やだあ!もう食べれない!もう食べれないから許して!!」

 

ブンブンと首を振り嫌々と必死に拒否する春だが俊屋の方が力が強いので脱出することが出来ず拘束されたままである

 

すまねぇ春、食事処を任せている俊屋には刃向かうことは出来無いんだ。大人しく全部食べるんだ・・・・・言質も取られたんだしどうしようも無い――――――――――――――大丈夫、あんな見た目でも食べたら美味しいって言ってたろ?なら残さず食べるのが自然に対する礼儀ってもんだ

 

諦めろと目で語る一誠は春の目の前へとフルベビ肉を持って行く

 

「春姉、もしそのフルベビ全部食べなかったら今後は皆にご飯作らないからそのつもりで」

 

「よっし春、もう遠慮無くフルベビ食べさせるわ」

 

籠手の左手で春の口を開き強制的にフルベビ肉を口へ放り込み終えると俊屋とアイコンタクト、口と鼻を塞ぎ胃の中へと強制的に流し込むように顔を上へと向けさせる。数秒後ゴクンッと喉を通った音と共に春の力は抜け一誠と俊屋の拘束は解かれる

 

「酷いよぉ・・・あんなのあんまりだよぉ・・・・・」

 

「まぁあれは自業自得だよ春姉、生前もあんな感じで嫌なのがあったら残していたから対策されるんだよ。食べる事が好きなら好き嫌い無く全部食べられるようにしないと駄目だよ。今回は一誠が居たから食べさせる事が出来たから大助かりだよ、嫌な役を押しつけてごめんな一誠」

 

まぁ好き嫌いあっても美味しければ残さないって言質取られていたからどうすることも出来無かったから気にしねぇよ。それよか俺は女性に強引に食べさせた事に関して美羅先輩から怒られないかが心配なだけだってばよ・・・・・

 

「もしそれで何かあったらちゃんと説得するから」

 

『良かったな相棒、美羅からはナイスアシストとの事だ』

 

マジ助かったぜ・・・もしサバイバルが終わったらこのフルベビ美羅先輩に持って行こうかな

 

『フルベビは干したり漬けたりと貯蓄しているから大丈夫だそうだ』

 

そんなこんなで一誠と俊屋は美味しいフルベビ肉をゆっくり堪能し一日が終わった

 

 

 

 

 

 

 

 

 




布団「やぁやぁ此処で重要なお知らせです」
ミラ「何よ?」
布団「10月後半までに稲刈り、冬野菜の移植、秋野菜の管理等で忙しいんだぜ!」
ティア「投稿間隔が遅れると言う事か!?」
布団「ゆ、ゆるしてつかぁさい・・・・・今年は白菜とかが高騰しそうだから大変なんだぁ」
ミラ「でもちゃんと投稿するよね?一ヶ月とか空いたらどうなるか分かるよね?」
布団「ど、努力するんだぁ・・・・・」














「うーん、作者も大変そうで大変だね!」←まるで意味が分からんぞ!
黒「ヒャッハーFGOイベントもうすぐだぜ!」
「重役出勤が決定だよ僕」













ミラ「アンケートの方はどうかな~って凄い接戦だ・・・・・」
ティア「もっとだ!もっと投票して欲しい!気軽に投票して欲しいんだ!」


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第52話 強敵襲来!前者はチートを超えしチート後者はただの強者

布団「投稿だよおおおおおおおお!」
黒「あれ?以外と早い?」
紅「ふぁ~ははははははは」
ティア「主は!?・・・・・寝ている・・・だと・・・・・」
雌煌「きたきたきたあああああ!私の蹂躙だあああああああ」
ねる「しこうがうるさい」
「「「雌煌はちょっと黙れ!」」」
布団「ミラ様ミラ様、雌煌がねるちゃんに虐めをしております
雌煌「ねるの場所は私がもらい受ける!」
ねる「ふぇえ」(涙目
ティア「雌煌貴様ああああああああああ!」
雌煌「使い魔風情が!」( ^o^)⊃雌煌拳



パシッ






ミラ「ほう?ねるに暴力を振るうのはお前か雌豚」








雌煌「  」\(^o^)/オワタ
ミラ「雷神拳×100!」ホアアアアアアアタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタアタァ!











紅「さぁ開始しよう」
ねる「はっじまるよ~」










~美羅side~

 

きょ~うはたっのしい時間のまっくあっけだ~♪何気に初めてだからワクワクしてるんだよね~

 

「畜生めぇ俺はやってやるぞぉ!」

 

「ダイジョウブダモンダイナイ」

 

「あ、主よ・・・お情けを下さい。して下さいお願いします」

 

「我は次こそ美羅に勝ってみせるぞ!!」

 

次元の狭間にて遂に開始されるヒャッハーな展開。皆さんは既にお分かりだろうと思うが敢えて説明しよう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美羅による愉快な仲間達の戯れ(リンチ)を此処に開催しよう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エントリーナンバー一番、残念イケメン黒選手です!

 

「今日という今日こそは勝利してやるぞお!」

 

盛大にフラグを建てており本当に残念極まりない奴ですが勘違いしちゃいけないよ?モンハンワールドにて強者の一角に君臨していた彼は今回どの様な散り様を見せてくれるのでしょうか?楽しみですねぇ~

続きましてエントリーナンバー二番、自称アーシアちゃん親衛隊隊長の紅選手です!

 

「生き延びたらアーシアちゃんに膝枕をして貰うんだぁ」

 

えー何言ってるか理解出来無いですね。そもそもの問題でアーシアちゃんはこの場に居ませんからね

 

「作者ああああああああああああああああああ!」

 

エントリーナンバー三番、美羅様の使い魔のティアさんです!

 

「い、胃が痛い・・・」

 

苦労人ですねぇ。この中でも一番の常識人で如何にして自身の被害を小さくしようか考えていますね。では最後の一人エントリーナンバー四番、このD×D世界にて最強の存在グレートレッドの赤さんですー!

 

「我は強い!強いのだ!今日こそ美羅を倒し最強の称号を取り戻してみせる!!」

 

まぁたフラグを建てる者が一人・・・これでは皆様が見せられないよ看板のモザイク処理されちゃいますよ。では最後に〆をしましょう!美羅様のご登場です!

 

「サンドバッグは増っえる~増っえる~私の為っに増っえるのだ~」

 

指のゴキゴキと()らしながら何時でも万全のご様子です!追う捕食者が一人追われる小兎が四人、窮鼠猫を噛むと言いたい所なのですが彼等は猫ではなく兎――――――――――所詮駆逐される存在なのです

 

「逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ!」

 

「逆に考えるんだ・・・ティアは主を攻撃しちゃっても許してくれると」

 

「美羅は我が引導を渡してやろう!」

 

「アーシアああああああああああああああああ!」

 

そしてご都合主義の如く静寂となり全員が緊張――――――――――次元の狭間に流れ込んできたであろうゴミが大地へと落下、したと同時に全員がうg―――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メキャア

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

四人の中の一人、紅が姿を消したと同時に三人の後方から轟音が鳴り響く。一同が後ろへと振り向くと某野菜人の王子よりも酷い状態で岩盤送りにされた紅、顔面を掴まれてでは無く美羅の右拳を左頬へねじ込まれての岩盤なので威力は高く伝説の超野菜人よりも巨大なクレーターを作り出していた。だが三人は逃げる事を選択せず同時に美羅へと挑―――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キュイーン              ドガガガガガガガガガガガ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の犠牲者は黒、首を掴まれ地面へとダイブ―――――――――――――勢い良く投げられた為か大地を二つ貫通し三つ目の大地にて釘のように打ち付けられた状態となってしまったのだ。万全の状態なのは二人だけ・・・だが赤に関しては美羅が黒へと攻撃した瞬間に龍化をし巨体へと変化するのだがそれは最もの悪手である

 

「せ、赤今すぐ龍化を止め――――――――――」

 

ティアの警告虚しく、右頬へと美羅お得意の雷神拳(左)が直撃し大きく首が仰け反るが直ぐさま右頬へと雷神拳(右)が突き刺さる。稲妻の軌跡の如く移動し雷神拳を連打で繰り出す美羅、赤は最早グロッキー状態でトドメと言わんばかりの回し蹴りが首へ直撃した事で赤は失神した際に龍化が解け大地へと埋もれた

 

「 」

 

最早一人となったティアが取った選択は全方位へと魔力を放つ行為だった。しかしそれすらも問題無く突き進む美羅、背後へ回り込まれがっしりと両手で体を拘束された瞬間ティアは悟ったのだった「あぁ自身はどうなるのだろう」―――――――――――――と。至ってシンプルな物だった・・・縦横無尽に移動する美羅に拘束されたティアはそれを唯々その身に受けているとフッと拘束が解かれそれに気付くときには目の前に岩盤が迫り

 

「これも定めか」

 

この一言を残しティアの意識はブラックアウトした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「スッキリ♪スッキリ♪」

 

そう言いながらも黒と紅を殴り空中コンボを入れている美羅、そしてある程度コンボが決まったと感じたらしく決めのダブル筋肉バスターを行い、抵抗も無く直撃した二人はグッタリとし最早ゴミ屑同然―――――――――――――ゴミはゴミらしく放り捨て右手を突き出しビームを放出、ジュッという音を立て見事にヤムチャした二人の完成で終了となった

 

「さ~て回収して元の場所に戻しておこう♪」

 

転移門を開き其処へ四人を放り込み自身は別の転移門にてバカンス地へと帰還。その時間僅か5分、帰宅し終えた部屋のテーブルの上にカップうどんが出来上がっていたのでそれを食べのんびりと休養した美羅

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「きゃああああああああああああ!黒さん紅さんにティアさん赤さんもどうしてこんなボロボロに!?」

 

ボロ雑巾と化していた四人を発見したアーシアは直ぐさま治療し看病を行った。こうしてアーシアの魔力量は増大し聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)の扱いが向上した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~一誠side~

 

「うぉおおお何だあいつ!?」

 

現在俺達はいきなり登場した敵にビックリ仰天し反応が遅れ、巨大な体躯を使った体当たりが直撃し吹き飛ばされたのだ

 

「ゲホゲホッ――――――――――――一体何なのあいつ」

 

「二人共大丈夫なのか?」

 

「フルフル防具を付けている俺達よりも付けてない一誠が何故大丈夫なのか聞きたい所だけど今はどうでもいい。それよりもこいつと乱入っていう形で遭遇するとは運が悪すぎるだろ」

 

獣は三人の体勢が整っていない隙を待ちはせず追撃を行う。体当たりでは無く勢い良く走り突っ込んでくる――――――――突進である

 

「っとお危ねぇ・・・・・それより俊屋あいつの事知ってる素振りだったけどどうなんだ!?」

 

「あの巨大な犬みたいな獣は"ジンオウガ"、素早くトリッキーな動きで翻弄してくる竜だ――――――――――とヤバイ!電気玉が飛んでくるぞ!!」

 

「私の後ろに下がって!」

 

絶対防御を前面へと展開し攻撃に備える春とその後ろへと移動し攻撃準備を整える一誠は瞬間倍化を五回行い、俊屋はアイテムポーチから回復薬を二つ取り出し春と自分に掛けてダメージを回復する

 

「春が防いだら俺と俊屋が挟撃する!今回はサポートに回ってくれ」

 

「了解!初めて対峙するタイプだから慎重にね!!」

 

電気玉が三つ真っ直ぐ飛来しそれを危なげなく防いだ瞬間二人は飛び出し牽制を始める

 

「こいつを食らいやがれ!ドラゴンショット!!」

 

威力を抑え目眩ましを兼ねた散弾の弾幕攻撃に頭を下に向け目に直撃しない様防ぐジンオウガ、その隙に距離を詰め跳躍し側にある木を蹴りつけもう一段の跳躍を行った俊屋は勢い良く真上からバルバロブレイドを振り下ろし攻撃をして直撃。数枚の鱗が飛び散るがお構いなしにその場で横に一回転、尻尾が振り回されたそれを回避する一誠と大剣にて防ぐ俊屋のそれぞれが隙だらけになるが時間差で正面から頭へと切りつける春の攻撃をバックジャンプして悠々と回避して睨み合いに戻る

 

「クソッ!今まで戦ってきた竜と違って咄嗟に動く分厄介この上ない」

 

「あの頭への切り付けは当たると思ったんだけど全然駄目だった」

 

「翼は無く獣に近い竜だから勘がいいんだろ――――――――――ってもう一回電気玉来るぞ!?」

 

「今度は無駄無く盾で防御するよ!」

 

バク転し横へ一回転、先程と同じ動きをして電気玉を放出したジンオウガ―――――――――春は真正面から飛来する電気玉に神経を集中して直撃する瞬間に盾をはね除け電気玉は霧散した

 

「おっしゃ今度は手加減無しのドラゴンショットだ!」

 

一条の光がジンオウガへと放たれるそれを横へ飛び退く形で回避、だがその下には俊屋の大剣が打ち上げをしており無防備な顎下へ吸い込まれるように当たり後ろへと吹き飛ぶ

 

「チャンス!」

 

追撃を行おうとする一誠だが腕を前に出し制止させる俊屋、一誠と同じ様にチャンスだと思った春も合流し一言

 

「「何で止めるんだ(のよ)!」」

 

「派手に吹っ飛ばされたんだがあいつ空中でバク転してダメージを流して尻尾を使って後退しやがった!」

 

「えっなにそれ?」と言わんばかりに口を開ける二人、そしてジンオウガの様子を見る俊屋だがここで変化が起きる。つい先程まで甲殻が跳ね上がり光っていた体だったが今は閉じ光っていない状態となっている

 

「今なら電気玉を警戒しないで攻撃出来る!」

 

「一体どういう事か説明してくれ!」

 

ジンオウガへと三人同時に駆け出しながら説明を要求する一誠

 

「ジンオウガは電気を蓄積させてさっきまでの状態になるんだ。例えるならデメリットの無いドーピングだと思ってくれ!それに電気を貯める方法は静電気でそれを作り出す気管が存在するから体を見れば光っているはずだ!!」

 

今も尚攻撃の手を緩めずにいるのだがジンオウガの動きに翻弄され中々攻撃を直撃させる事が出来ずにいると、ジンオウガは後方にある崖へ溜を作り一気に飛び上がり体が徐々に光り始める

 

「あぁもう!あれってついさっき俊屋が言ってた蓄電って奴だよね!?あんな場所に移動されたら直ぐには攻撃出来ないんだけど!」

 

「俺に任せろ春!行くぜドラゴンショット!!」

 

一誠から放たれるそれは再びジンオウガへと伸びるが一足遅く、帯電状態となったジンオウガの咆哮と共に立ち上った電圧の壁により逸れたのだ

 

「んなあ!そんなの有りかよ!?」

 

有りなんです。モンハンワールドは物理法則なんて存在しないにも等しいのです――――とんでも地形クラッシャーな存在がわんさか存在しているんです

 

「クソッタレェ!またしても蓄電状態に成りやがった。早すぎんだろおい!?」

 

ゲームでのジンオウガなら時間がかなり空くのだがそんなことは無い。そんな事を思っていると崖の上から着地と今までと同じ動きにて電気玉を撃ち出す

 

「来なさい!」

 

春は崖の上から勢いよく降りながらの電気玉だったので弾く動きはせずにどっしりと構えているとゴソッと体力が奪われる。原因はジンオウガの追撃、電気玉の真後ろを走り尻尾を打ち上げる攻撃のサマーソルトを繰り出していたのだ

 

「弾かなくて良かった・・・」

 

もしも弾いていたら無防備状態を晒した所にあの一撃だとおもうとゾッとする

 

「ヤバイヤバイヤバイ!こいつ段々とねちっこく成って来やがる!?」

 

各自が苦手としている箇所を必要以上に攻撃するジンオウガ。体勢が崩れたり力を使ったりと様々、必要以上に体力を削られ始める

 

「っとお――――――――――――っ!?電気玉来るぞ!俊屋は俺と一緒に行くぞ!」

 

「畜生!あのコースだと木を電気玉でなぎ倒すじゃねえか!牽制頼むぞ一誠」

 

「あいよ!」

 

木々の隙間を通る様に撃ち出された電気玉を確認した一誠は最初の時と同じ散弾系で牽制そして春が電気玉を防ぐと同時に隣を疾走、一直線にジンオウガへと向かい大剣へ手を伸ば―――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ああああああああ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絶叫に近い春の悲鳴に二人は一瞬後ろへと振り返ると、大地へ倒れ伏した春の姿と横を流れる電気玉二つに釘付けにされた

 

「なっ!?真っ直ぐだけじゃ無かったのか!―――――――――――――――――うお!?ってヤベェ!!」

 

「機動が曲がるとか初めて見たぞ―――――――――――――って・・・・・え?」

 

驚愕の一瞬の隙を突いて二人の間を通り抜けるジンオウガ、隙だらけだった二人に対し攻撃のこの字もせず一直線に突進する。その先には春が居り今も尚動けずにいた。一早くその事に気が付いた一誠は籠手の魔力を爆発させ追いかけ、一方の俊屋はジンオウガが何をするかを理解し一瞬頭が真っ白になる。

皆もお分かりだろうが敢えて説明しよう・・・ジンオウガは自身の攻撃を幾度も防ぎ傷一つ負わない春に疑問を感じており、何故傷を負わないのかを確認の為サマーソルトを実行。盾では無くもっと硬い何かとぶつかったと理解したので正面からでは無く横から攻撃しようと思い至り隠していたカードの一つを切ったのだ。そして予想は的中で横からの攻撃に気が付かなかった春は無防備で直撃し感電し倒れそれに驚愕した一誠と俊屋、この時三人の中で一番厄介かつ主軸となっているであろう者を一早く殺す為に二人には目も暮れず一直線へと追撃を掛けまいと走っているのだ

 

「春を殺されて堪るかああああああああ!間に合え・・・いや絶対に間に合わせてみせる!!もっとだもっと早く!一秒でも早くあいつより先に辿り着けええええええええええええ!!」

 

『Implosion Flag Burnishing Booster!』

 

籠手の宝石が輝きを増し、体全体を緑の膜が覆うと胸部から背中の周りがゴツくなり肩口が一番大きく変化、以前フェニックス戦にて禁手化(バランスブレイカー)をした際に背中から肩付近にあった魔力の噴射口が出現したのだ。腕だけの推進力では加速しきったジンオウガに追いつけないと感じていた一誠は速さが足りない!と想った―――――――――神器(セイクリッドギア)とは想いに答え力を増幅させる効果があると

仲間を死なせない、助けるといった強い想いの元に引き出せた力なのだ。その結果ダイナミックお手にて潰される前に春の元へ先に辿り着いた一誠がお姫様だっこで掬い上げ逃げる事で回避出来た

 

『はっはっは!またしても進化を遂げるか!最初の進化から一ヶ月あまりでさらに進化するなぞ歴代の中でも初めてだぞ!』

 

うっせえ!そんな事よりも今は春が心配なんだよ!

 

ドライグは放置して未だにピクリとも動かない春を抱きながら攻撃してくるジンオウガを避け続ける。すると大きくジンオウガは飛び退きその場所へ大剣が振り落とされた

 

「一誠春姉に回復薬頼む!俺はこのまま追い打ちをしてヘイトを稼ぐ!」

 

言い残すとジンオウガへと向かっていった俊屋、それを確認した一誠は直ぐ様アイテムポーチから回復薬を取り出し全身にぶっ掛け、もう一個取り出し無理矢理でも口へ流し込む

 

「頼むから目を覚ましてくれ春・・・」

 

今回口の中へ流し込んだ回復薬は美羅印の回復薬グレート、自前で作っている回復薬よりも効き目が良いので今回はそれを使用したのだ。するとパッチリと目を開き起き上がろうとする春だが、痺れているのか手足がフルフルとしている

 

「一誠、私に何が起こったの?盾で防いで俊屋が後ろから飛び出して向かっているのを最後に何も覚えていないの・・・そしてその姿は一体どうしたの?」

 

「恐らくだけど電気玉に直撃して失神したんだと思う。春の悲鳴から後ろを向いたら電気玉が二つ目に入ったからな・・・因みにこの格好は赤龍帝の籠手(ブーステッドギア)がもう一段進化したんだ。俺と俊屋が目を離した一瞬で春の方へと走っていったから狙いが分かった瞬間追ったんだけど追いつかなくてな・・・仲間を――――――――春を死なせたくないからもっと早くって想ったら進化したって感じだ」

 

「・・・・・スケベ丸出しの時と違って今の答えは天然なんだね。スケベ心が無ければモテると思うんだけどなぁ

 

「何か言ったか?」

 

「何でも無いよー」

 

そんなこんなしていると俊屋が吹っ飛んで来た。その姿は痛々しく、防具が破れたりしており武器に至っては刀身の半ばから砕けていた

 

「すまねぇ・・・俺の武器は逝っちまった」

 

バルバロブレイドがご臨終、こうしてまともに動けるのはただ一人―――――――――――一誠のみとなった

 

「私も今はこんなだから使い物に成らなくてごめん・・・」

 

二人してもう助からないと思っており、後悔の念が後を絶たない。だが忘れるなかれ、一誠はどんなときも真面目なのだ、おっぱいに度々ならぬ情熱を注ぐ時も、煩悩を振りまく時も、妄想を広げる時も、戦う時も、・・・・・ほぼえっちい事ばかりだがやる事には全力全開な主人公なので諦めることは無く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なーに言ってんだよお前達は・・・そんなもう助からないみたいな空気をするかなぁ―――――――――此処に居る中で一番実戦経験のある奴は誰だと思ってるんだよ。んじゃまぁ久しぶりにソロ行ってくるかねぇっと!」

 

『久しぶりのソロ討伐だ。覚悟は出来てるか相棒?』

 

覚悟だって?ンなもんこのサバイバルが始まってから出来てるんだよ!じゃあ進化したてであれだがいっちょやってやるぞドライグ!!

 

『あぁそうだな相棒!』

 

一歩一歩踏み出し前へと出る一誠にジンオウガは警戒する

 

「お前の間違いは二つある。一つは俺が一番弱いと侮った事」

 

ジンオウガとの戦いで一誠が感じた事はただ一つ、二人と比べ攻撃が中々集中しなかった事――――――――そして最初の体当たりの時ダメージが一番少なかったのはこれの性でもある

 

「そして二つ目、それは俺が実戦でも進化し続けるって事を思っていなかった事だけだ!!」

 

今まで以上の加速で懐に飛び込んだ一誠は顔面へと拳を振りかぶり、其処から腕の加速が加わり今までに無い強力無比な一撃、ハンター達が扱うハンマーの打ち上げよりすこし強いぐらいの衝撃が襲い後方十メートル程吹き飛ばされた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁここからは1対1のガチバトルだ!龍対竜の勝負いくぜおらあああああああああああああ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




布団「(゚Д゚)アイエエエエエエエエエエ!?スンゴイケッカタゾオオオオオ」
ミラ「流石にこれは・・・」
黒「おいおいおい!どうするんだってばよ!?」
紅「ダイジョウブダキット・・・」
ティア「まさかこの様なことになるとは・・・」
布団「まさかまさかの亜種進化とは!しかし禁手化と助けて貰うがこんなに入れられていたとは・・・」
ミラ「主人公補正は?」
黒「この物語の主人公はミラだからじゃね?」
ミラ「・・・・・それもそっか!」
紅「チッ!」
布団「よおおおし目標はティガに亜種進化で討伐するに決定したぞおおおおお!」パチパチパチ








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第53話 決着!今回も主人公補正!!

布団「やっと米関係が終わったんだぞー!」
ミラ「なら投稿を増やせるね♪」
布団「だがしかしやることは沢山残っている」
黒「駄目だ!早く話しを進めろ!」
紅「全速前進DA☆」
ねる「おー」
ティア「和むな」












布団「さぁ行くぞ俺の後につ――――――――――」
ミラ「せぇい!」⊃雷神拳
布団「ブゥルルルルルアアアアアアアアアアアアアアアア!」
ミラ「さぁ私の後に続けー!」










~一誠side~

 

「オラァ!」

 

一誠の加速した拳は空を切りジンオウガはこの隙にダイナミックお手で踏みつぶさんと振り下ろす。しかし左肩のブースターにて回転、勢いを付けた左拳にて迎え撃ち直撃―――――お互い威力が互角で後ろに吹き飛ばされなかったものの拳の直撃による衝撃波は周囲に被害をもたらした。そこでいち早く回復したのはジンオウガで空いている片方の左手で頭上から叩き潰さんと振り下ろすが

 

「ッダラアアアア!」

 

咄嗟に前傾姿勢を取りブースターで加速し懐へ入り込んだ直後、一誠の背後から振り下ろされたであろう音が聞こえたのだ。一方懐へと飛び込んだ一誠は加速を維持し通り抜けるのでは無く、途中で尻尾を掴み加速した勢いと倍化した力を利用し大きく前方へとジンオウガを投げ飛ばす

 

「まだまだ終わらねぇよ!ドラゴンショット!!」

 

空中に投げ飛ばされたジンオウガに向けて放ち直撃と共に爆発、鱗や甲殻果てには欠けたであろう角が辺りに散らばる。爆発の衝撃で更に奧へと吹き飛ばされたジンオウガは体勢を低くし一誠を睨む。その目には憤怒の感情が有り、一誠はより一層警戒度を上げているとジンオウガの周りに光が集まって行く

 

『分かるか相棒?今まで以上の威圧感が奴から滲み出ているぞ』

 

言われなくても分かってるぜドライグ。今まで倒してきたモンスター達もこんな感じに威圧感が増したら新しい攻撃の行動を繰り出したりしていたからあいつもそうなんだろうな・・・唯でさえ動きが俊敏でトリッキーな動きを見せているから防御や回避を中心に立ち回る予定だぜ

 

深呼吸、何時でも動ける様に魔力をブースターに充填し爆縮待機させていると

 

「一誠!ジンオウガの奴は今までの帯電状態と違って"超"帯電状態――――――――――身体能力が数倍近く上がるから気を付けろ!!」

 

俊屋の注意と共に超帯電状態へと移行したジンオウガの咆哮が今までよりも大きく力強い。一誠が咆哮にて気構えた瞬間、遠い場所に居たジンオウガが近距離まで詰め寄りダイナミックお手を繰り出そうとしていた

 

「ッ―――――――――――速すぎんだろが!?」

 

一瞬の判断にて爆縮を行いブーストをした事によりぎりぎり回避する事が出来た一誠だが大きな隙が出来た為か、近距離からの特大電気玉を三回放ち更には上から潰さんと背中から落ちる様に攻撃してきたのだ。電気玉は前方と左右から挟撃する様に、そして上からの追撃なので後ろにしか逃げ場は無い状態だ

しかしながらこの攻撃はとても理にかなっている。何故か?一誠のブースターは基本的に前へと進むタイプの物で後ろには咄嗟に移動出来ない代物なのだ。戦闘しながらそれに気が付いたジンオウガは逃げれ無い範囲攻撃を実行したのだ

 

「グッ、だっらあああああああああああああ!ドラゴンショットおおおおおおおお!!」

 

特大のドラゴンショットの反動を使い一気に後方へと移動する一誠、無駄撃ちに終わったドラゴンショットだが怪我も無く仕切り直しに持って行けたのは大きいのだが更なるピンチが一誠に襲い掛かった

 

『Reset』

 

倍化が解けた事により体が一気に重く感じた一誠、仕草には出さないものの雰囲気で理解したのか更なる追撃をせんが為にジンオウガは突撃した

 

「アスカロン!」

 

『Blade!』

 

籠手から出現した剣に警戒したのか一瞬で飛び退くジンオウガ、これにてほんの少しだが時間を確保する事が出来た一誠は体に鞭を打ち瞬間倍化を掛ける

 

『Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!』

 

五回の倍化だが無いよりかは幾分かマシである。籠手が光り雰囲気が変った事に気が付いたジンオウガは警戒よりも猛攻へとシフト、短期決戦をする為に吶喊したのだ

 

『どうする相棒!』

 

「今はどうなったって良い!まだまだ倍化だあああああああああああ!」

 

『無茶をする相棒だがそれが気に入っているのでな!今まで以上の覚悟を決めろ!!――――――――――――Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!』

 

計25回の倍化により毛細血管が破裂、体中から血が―――――――――――目や口からも血が吹き出るが全てを無視し全てのブースターを使い加速

 

『Accelerate!Accelerate!Accelerate!Accelerate!Accelerate!――――――――Explosion!!』

 

初回と同じになるが比較すると全然違う代物だ。イャンガルルガの時のそれは目に見える程の速さであるが今回は全く違い、周囲に衝撃波を伴いながらの一瞬の加速―――――――――――今まで見た中でも類を見ない速さにジンオウガは反応が遅れた

その結果胸元を貫く様にアスカロンが生えており加速の衝撃にて心臓も破壊されたジンオウガは絶命の雄叫びを上げ横へ倒れ、その側には勝利の雄叫びを上げる一誠が居た。だが体中ボロボロとなった一誠はそのままジンオウガの体を背もたれにして倒れ、ある程度回復した舞樹姉弟が駆け寄り持ちうる全ての回復薬を飲ませ何とか回復したが数時間は動ける状態では無かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、皆さんも気になっていると思われるがKY赤髪達はと言うと――――――――――――――

 

「おいリアスに朱乃!お前らの魔力制御はまだまだ不十分だ!もう一度最初からやり直しだ!!」

 

「小猫ちゃんにリードを持たれつつも体術に指導をする俺氏・・・・・フゥハハハハハハハハ!勝ち組だあ!隙を見てペロペロ!写真を撮ってペロペロ!さいこぉおおおおおおおおお↑」

 

「今回からは一撃一撃に祈りを込めるのだアーシアちゃん。ん?祈ったら頭痛がするだと?よしミカエルって奴をボコってくるわ」

 

「貴様は自信が足りないのだ戯け!その程度の心構えで制御するなど烏滸がましいわ!!主に代わりマンツーマンにて使える様にしてやる!付いてこい!!」

 

アザゼルに注意されるKY赤髪と姫島、黒に変態行為をされつつ修行する塔城、紅が暴走しようとすると諫めるアーシア、何時まで経っても弱気なギャスパーに厳しく首根っこを掴み外へ連れ出し修行場へと連行するティア

 

「え?僕の事は」

 

木場君はソロで棒振りしていなさい

 

「酷いね作者は・・・・・」

 

一人寂しく剣を振る木場――――――――――――こうして皆それぞれが一誠よりも温い修行を行っている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

では話しは一誠sideへと戻りまして!満身創痍になりながらも討伐した三人はアイテムポーチに回収したジンオウガを美羅の元へと届ける為ペンション(別荘)へと歩いていた

 

「今回の討伐に関しては一誠が一人で倒した物だから俺達には素材が回ってこないかも・・・」

 

「私は防御して痺れて動けなかったから駄目そう・・・」

 

「だ、大丈夫だって・・・ほらあれだ!俺は武器とか持たないからきっと分けて貰えるから大丈夫だって!!」

 

だが二人はそれでも心配である。美羅の第一印象があのじんm―――――――――では無く質問した時の表情がいけなかったのだろう・・・悲しきかな。第一印象で人は決まってしまうとは正にこの事

 

「まぁ俊屋は何かしら武器は貰えるって!あの大剣壊れちまっただろ?」

 

「バルバロブレイドな・・・あれは厳く頼もしい相棒だった・・・・・」

 

「私の武器は大丈夫だから変らないんだろうなぁ・・・」

 

そんなこんなで話し合いつつも周囲を警戒しながら歩いて行くと目的地のペンションへと到着、そして一言

 

「「「なんじゃこりゃあああああああああああ!?」」」

 

一誠はサバイバル開始時に壊れる前のを見ていたのでその変り様に驚いている。一方の舞樹姉弟は大きく立派な一軒家がこんな森の中に建っているのに驚いている。ん?武器とか変ってるから一回は見に行ったことがあるんじゃないかって?あの時は美羅様が回収しに行ったのでご都合主義という事だ

それはそれで置いておくとしよう―――――――――立派なペンションに度肝を抜かされたが気持ちを切り替え玄関に備え付けられている呼び鈴を三回程鳴らして待機・・・・・だが一向に出てこない美羅を不思議に思った三人は

 

「何か用事で出かけてるのかな?」

 

「用事って・・・美羅先輩はのんびりするからこの場所に居るって言ってたぞ」

 

「食料は現地調達してるの?」

 

「そういえば美羅先輩がアプノトスを焼いて食べてたわ。って事はすれ違った?」

 

ペンションって事は裏にテーブルとか有りそうだなー・・・ちょっと行ってみよ

 

ううむ・・・美羅先輩は一体何処に行ったんだ?大体気配とかで分かる筈だから遠くに居ても問題は無さそうなんだけど―――――――――分からん!春と一緒に色々と予想をしてるけどどれもこれも合っていそうで合っていないという感じなんだよ―――――――――って!?俊屋の奴何処行った!

 

「おい春、俊屋が居ないんだが何処に居るか知ってる?」

 

「あーペンションの裏の方に行ったよ?テーブルとか有れば其処に壊れた剣の破片とか広げれそうだから」

 

そういやそうだった。ずっと大本と破片を持っているのは辛いし無くす可能性もあるから広げれる場所があった方が便利っちゃ便利だもんな

 

納得しウンウンと頭を縦に動かす一誠、春は玄関前に置いてある鉱石で作られたであろうコップを近くでじっくり見て――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うっぎゃああああああああああああああああ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ペンションもとい別荘の裏側へと行った俊屋の叫び声が大きく響き渡りそれにビックリした二人だったが、直ぐさま走って俊屋の元へといk――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぎゃああああああああああああああああ!!

 

きゃああああああああああああああああ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人も俊屋と同じ反応だった。――――――――読者の方はご存じだろう・・・この新しい別荘を建てる際に美羅が何を裏方へと置いていたのか・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴーヤ(イビルジョー)の剥製である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな三人の絶叫と言う名の悲鳴を聞きつけたのか美羅が裏口から丁度出て来た

 

「えっ何事?何かあった?」

 

腰を抜かしている三人に対してこの反応である。普通に考えてみよう・・・何も知らない人が裏庭に行きましたー影があると思って見上げた先には超大型恐竜がいましたー・・・・・だれでも悲鳴を上げたくなるわ!!

 

「あばばばばばばあばあばばば!?み、みみみみ美羅先輩・・・あれ・・・・・あの超大型恐竜って何ですか!?」

 

「も、ももおおおおお落ち着けぇ一誠!あ、あ、あれはイビルジョーだぁあああ!?」

 

「あわわわわわわナニアレ!?ナニアレ!!」

 

「それって・・・剥製だから一旦落ち着けば?」

 

「よいしょっ」と言いながら裏庭に建てられた倉庫の中からテーブルと椅子(一人分)を出し、別荘の中から紅茶を取り出してきた(もちろんこれも一人分)

 

あぁ美羅先輩はどんな時も厳しいぜ・・・俺達絶賛サバイバル中だから飲めないや・・・・・しかもその紅茶の香りが漂ってきてお腹が空いた・・・・・

 

そんなこんなを考えながらも落ち着きを取り戻すまでおよそ10分近く掛かった三人だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で?今回はどんな用事があって此処に来たの?」

 

わーい、いきなり本題を聞いてくる辺り美羅先輩は知ってるって事かーい!まぁ分かってたけどね!!驚かない驚かない。寧ろこの程度で驚いていたらこれから先で起こるであろう出来事がもっと凄い事になるだろうなぁ・・・ってか俊屋言えよ。お前の事なんだからちゃんと自分で言わないと美羅先輩怒るぞ?

 

「え、えーとデスネ・・・以前作って頂いた大剣がデスネ・・・バルバロブレイドがデスネ・・・・・・コワレチャイマシタ」

 

「ふーん、で?どうして欲しいの?」

 

「エット不躾ながらアタラシイ大剣をクダサイ・・・武器が無いとカレマセン」

 

おお!しっかりと言ったな俊屋!俺だったら美羅先輩に対して直ぐには答えられないぞ!自慢じゃ無いけどな!!

 

「で?素材は?無いなんて言ったらどうなるかワカルヨネ?」

 

素材は・・・ってどうしたんだ俊屋!?めっちゃ汗掻いてるけど何があった!!メーデーメーデー!俊屋に援護を要請する!

 

「えっと・・・其処の判断がちょっと出来無くてですね・・・はい・・・・・」

 

ちぃ仕方がねぇな俊屋は!此処は駄目元でも言ってみるのが正解なんだよ!!

 

「あ、あのー今回は三人でジンオウガっていうのを倒したんですけど・・・ア、ハイスイマセン。殆ど一誠が倒した様な物ですスミマセン」

 

春アウトー!美羅先輩のプレッシャーに負けちまったんだぜ!?こうなれば最後の砦は俺だけってこt

 

「で?それは本当なの?」

 

「ア、ハイ。ソウデス」

 

ウワアアアアアアアアアアアア!怖い!怖いよ美羅先輩!!威圧感有り有りのその視線どうにかなりませんか!?チビリそうなんですけどおおおおお!?ってえぇい・・・こうなりゃ当たって砕けろだ・・・・・

 

「あ、あのですね・・・三人で討伐したから俊屋と春の装備をジンオウガの奴に出来るかなー何て・・・・・」

 

「へーふーん」

 

イヤアアアアアアアアアアア!怖い!怖すぎるよ!?助けて下さい部長おおおおおお!!

 

「大丈夫だけど、リクエストとか有るの?」

 

バンザーイ!俺は勝ったぞドライグ!!

 

「馬鹿やってないでさっさと其処に出しなさい一誠君?」

 

エスパーな美羅先輩には全てお見通しという事ですね・・・了解しました直ぐに出します――――――指定された場所まで移動してポーチからジンオウガを取り出すと「へー」と美羅先輩が何か言っている。何だろう・・・俺何か変な事やっちゃった?

 

「いやいや違うよ?サイズの事。平均より一回り大きめの個体を良く倒せたねぇって事・・・もしかしてまた神器(セイクリッドギア)が亜種進化したの?」

 

えっ・・・うぅむ・・・・・あれは進化って言うのか?正直言って爆発の衝撃飛翔(インプロージョンフラッグ)+肩のブースターが付いた程度だから良く分かんねぇや

 

『相棒が良く分からんのならば俺から言うと、あれは間違いなく進化と言っても良いだろう。ただし新たな亜種進化を遂げたと言うわけでは無く、爆発の衝撃飛翔(インプロージョンフラッグ)からのもう一段進化と言っても良いだろう。籠手だけの筈が禁手(バランスブレイカー)時の鎧に付いていたブースターが出現したのだからな』

 

「ふーん。加速により加速をって感じに進化しちゃったって事か・・・一誠君はあれなの?速さが足りない!って言いたいの?」

 

「えっと・・・あと少しで春が殺されそうだったのであいつより早く移動して助けなきゃって思ったら進化したんです」

 

「・・・・・油断や慢心をするなって言ってた筈なんだけどなぁ」

 

ジーっと目を細くしながら俺達三人を睨む美羅先輩・・・おっふぅ・・・・・心に突き刺さるぜぇ

 

「こんな調子で轟竜と対峙して生き残れるのやら不安だなぁ・・・」

 

はぁっとため息をつく美羅先輩・・・俺達まだまだ弱いんですね・・・・・

 

「ってかこの剥製ってもしかしなくても美羅先輩が仕留めた奴ですか?」

 

「いやいや一誠良く見てみろよ。この剥製傷が殆ど付いてないだろ?きっと毒殺したとかだから人が倒すとか有り得ないって。倒したとしても傷が必ずあるから!」

 

あぁそういやこの剥製って傷が全然無いな・・・ってことは本当に毒殺?

 

「いや有り得ない有り得ない。きっと美羅先輩が仕留めた奴だって俊屋!」

 

「私も毒殺だと思うなぁ・・・切り傷や打撲跡等が見えないからどうしてもね・・・」

 

ぐっ・・・二人して毒殺を選ぶとは!いいもん俺は美羅先輩が倒したと思ってるだからよ

 

一誠が内心でそんな事を言っていると、木々を掻き分け現れた者――――――――――――ジンオウガ。それも一誠達が倒した奴よりも大きく全てを弱者として見るような目をしていた。ちなみに美羅様はオーラを隠している為相手は気が付かない模様・・・そうこの文を見た読者達なら気付くだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジンオウガはただの生け贄であると!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さあやって参りましたジンオウガ君!四人に向けてにらみつける!一誠と俊屋に春の三人はビクッとした。これにより防御力がダウン!しかし美羅様には聞いていない模様!!お次は美羅様のこうg――――――――――おぉっと?俺ルールの如く自分の攻撃を再度行おうとするジンオウガ君

だが遅い、遙かに遅い!美羅様があっという間に懐へ飛び込んだー!ガシッと両腕で頭を掴み――――――――そーこーかーらーの、シェイクだああああああああ!あぁ何たる無慈悲なる攻撃でしょう。高速でシェイクされたジンオウガ君は穴という穴から液体を出し地へと倒れ伏した!

 

速攻で終わった討伐に三人は呆然としており、美羅はジンオウガの体をじっくりと見ている。そこでいち早く我に返ったのは一誠で続く様に二人も我に返り

 

「ふぁ!?あんだけで終わったの!?美羅先輩マジで強え!」

 

「えっ・・・じょ、冗談だよね?」

 

「し、シェイクで討伐だと!?」

 

驚いている最中更なる爆弾を落とす美羅

 

「そこの剥製になっているゴーヤもこれで倒したんだよ~」

 

そして三人は何故イビルジョーが殆ど無傷だったのか理解することが出来た。それはそうだ・・・脳を潰された者は大抵死ぬだろう

 

「そっれにしてもこの個体未だ中に卵が有るね・・・取り敢えず割らないように取り出そうか。ほら其処でボーッと見てないでこっちに来て手伝いなさい!」

 

慌てる様に三人は美羅の元へ行き手伝いをする事に

 

「その内臓は一纏めにそこに置いておいて!」

 

「は、はい!」

 

「木の枝と葉っぱを沢山集めて籠を作りなさい!」

 

「「イェス、マム!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして慌ただしく動く事数十分――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい。これで完了っと・・・取り敢えずこれで孵化するまで暖めて待つぐらいかな」

 

「ほえー卵ってもっと大きい物だと思っていました」

 

「抱えれるぐらいのサイズか・・・」

 

「美羅先輩この卵から産まれる奴ってあのジンオウガですか?」

 

「当たり前でしょ!」

 

一誠の頭へ拳骨を一つ。かなり痛かったのか蹲り悶絶している

 

「しっかしどうしようかなぁ・・・面倒を見るのは良いけど厄介な奴が向こうに居るからなぁ・・・・・」

 

どうしようか本気で考えてる美羅先輩、そりゃそうだよね。黒に紅、ティア、偶に赤、龍の幼体・・・名前有るの?何て言うんですか・・・ねるっていうのか。まぁそして最後に残ったあの龍・・・あぁもう名前付けてるんですね・・・雌煌って言うのか

雌煌―――――しこう――――至高、美羅先輩にこそ相応しいと思うんだけどなぁ・・・え?本人が美羅先輩を超えたいって言ってたから付けたんですか?黒曰く雌煌(笑)・・・至高(笑)・・・うん、良いんじゃ無いですか?と言う訳で美羅先輩は忙しいと!

 

「春と俊屋の二人で育てるか?」

 

「「え"」」

 

いやぁ姉弟の二人だけだと寂しいだろ?

 

「そういう言い出しっぺの一誠が育てろよ」

 

「そーだそーだ!」

 

くそぅ!俺の味方が誰も居ねぇ!!

 

「じゃあ三人で育ててね」

 

「「「う"ぇ"!?」」」

 

「拒否した場合は地獄のとっ――――――――――」

 

「「「謹んでやらせて頂きます」」」

 

こうしてサバイバルと言う中で子育てという新たなる任務が追加されたのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




さぁ久々の登場だよ!Buster人権のお兄さんだ!え?お呼びじゃないって・・・待って待って!久しぶりの登場なんだからこのぐらい許してくれても良いじゃ無いか
布団「やぁ」
くそぅ!またやって来たな発信機め!今回こそ僕は残ってみせるぞお
布団「リバースカードオープン!」
幻術を掛ければどうという事は無いさ!
布団「白幻獣拳第一の型マーリンシスベシフォウ!」
げ、幻術がぶぁは!?
ミラ「ここかな?」
に、逃げるんだぁ
ミラ「ニガサナイ」ミラビーム
う、うわあああああああああああ!










布団「ふぅ、以前感想にあった希望を汲み取る事に成功したぞ」
ミラ「轟竜戦まであと少し・・・皆頑張ろー♪」





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第54話 産声と新たな力

布団「さぁ皆さんはどうですかなFGOイベは・・・私ゃ小説達筆に忙しくて進んでないんだぞ♪」
ミラ「ようやく落ち着いたのかな?」
布団「まだだ!まだ終わらんよ!!」
黒「FGOは楽しいぞぉ?」
紅「誘惑に負けるんだ!」
布団「貴様達にその決定権があるとでも?」
ティア「黙れ俗物共!」
黒「何も知らぬ小娘が生意気な!」
ミラ「作者が欲に負ければ小説達筆に永遠の冬が来るんだよ!」
紅「某彗星の様に名前を変えて生きるとでも言いたいのか!」
ミラ「私の出番は永遠にある!」
ティア「行け!∮ファンネル」
黒・紅「「それ違う!」」
布団「敵は空か!」
ミラ「狙い撃つ!」ミラビーム
黒「ア"ッー」ジュッ
ミラ「逝けえハイメガキャノン!」タダノミラビーム
紅「フォオオオオオオオオオ」ジュッ










布団「自身の体を赤く塗りたくり・・・界〇拳!」
ティア「それは違う!」
布団「ウアアアアアアアアアアアアアア!」デデーン
ミラ「自ら流れ星となったか」
ティア「身を滅ぼすということか」
ミラ「まぁそんな事はどうでも良いや!」
ティア「お決まりの挨拶だ!」



ねる「はっじまるっよー」






~一誠side~

 

よっす!久しぶりの挨拶となるが俺は兵藤一誠、この極限サバイバル自主志願の第一号!被害者第一号の舞樹春と第二号の舞樹俊屋の二人と一緒に絶賛問題発生中!それは何か?決まってるだろ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うおおおおおおおどうすれば良いんだこれ!?」

 

「お、おおおおお落ち着きなさい俊屋!深呼吸!深呼吸!!」

 

「ヒッヒッフーヒッヒッフー」

 

「それは違う!」

 

「割れてる割れてるううううう!?ととと取り敢えず何か拭く物取って来い!」

 

美羅先輩から託されたたま――――――――――――はい、すいません。・・・・・改めて言うと美羅先輩が倒したジンオウガの卵からパキッパキッと音が聞こえ良く見ると卵の殻が割れ始めたんだよ!預かってから未だ三日位しか経ってないんですけどおおおおお!?取り敢えずお湯が必要だろう・・・・・

 

「よっしゃ水汲んで人肌程度に温めて来るぜ!」

 

「男は雑でこういうの向いてないから私がやる!一誠か俊屋が卵を見てて!」

 

春はピューっと飛び出して行った・・・これで残るは俺ととし―――――――――――って居ねえ!あいつ何処行きやがった!?・・・・・はっ!?もしや拭く物を先に探しに行ったってのか?待て待て待てええええい俺が見なきゃいけないのかよ!

 

『そろそろ割れるぞ相棒』

 

うえ!?ちょちょちょっと待って!?まだ準備がああああああ

 

一誠の願いも虚しく卵の殻は割れ中から一匹の小さな毛が生えていない獣が顔を出す

 

「・・・・・はっ!と、取り敢えず出して拭かねば!」

 

それと同時に俊屋が拭き物を、春が水を持ち帰って来た

 

「一誠ただいま!どんな感じ!?まだ産まれてないよね!?」

 

「取り敢えず拭く物持って来たぞおおおお!あ、ついでにベッドになりそうな柔らかい草も採って来たぞ」

 

ちょ、丁度良かったのか?いいや!微妙に間に合ってねぇよ春!もう産まれちゃったよ!

 

「み、水を沸かさなきゃ!」

 

沸かす暇なんか無いだろ!?こうなれば濡らしタオルで拭うしかねえだろ!後は暖を取れる場所があれば大丈夫の筈だ!!

 

水をよく切った布で幼体の体に付着している粘膜を拭いて行く一誠、その後ろでは俊屋が暖が取る為に弱くも無く強くも無くの火を作っている。交換する様に布を交換していく一誠と春、大体の粘膜が取れたら火の近くへ行き再度布で拭く行為を繰り返していく内に粘膜は無くなり湿った体の幼体を温める作業に移行する。火と人肌で暖まる幼体は偶に鳴き声を鳴らし春の母性を刺激する――――――――――いや、春だけだけでは無く一誠も俊屋の心も刺激する

 

「やっべぇわ・・・人じゃ無くてもこれは・・・・・心が刺激される」

 

「親心って奴だよなぁ・・・野生に返さないといけなかったりするのかな?」

 

「嫌だ!育てる!私母親になる!!」

 

誕生した命の小ささに感動する三人に親心が出来たと言ったがそれだけでは無い。この場にはもう一人居るだろう?

 

『うぉおおおおおおおおおお!龍では無いが赤子とは良い物だな!こう・・・心が癒やされる感じがするぞ!!』

 

親バカなドライグが誕生したのだ。そんなこんなで三人+一人?で幼体に気を付けながら目出度い日と言う事でお祭り騒ぎをしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

いやぁまさかあれから三日で産まれるとは予想外だったね!でもちゃんと無事に誕生出来たので良しとしましょうか・・・兎に角私は私で色々としないとね♪

 

手に取っているのはジンオウガの素材、大きめの一体だが素材の数としては少ないのでどうするかを考えているのだ。武器と防具にするのは決定しているがどれを誰のにするかで迷っているのだ

 

「ん~素材が足りないなぁ・・・と言っても私が倒した奴の素材を使う訳にもいけないし・・・・・どうしよっかな~」

 

うんうんと考えているとある妙案を思いついた

 

「あ、何も全部じゃ無くても良いんだ!要所要所で使っていこう!!」

 

早速作業へと取りかかる美羅、手にするは砕けたバルバロブレイドとツルギ【烏】の盾―――――――――どうなるかは美羅だけが知っている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~一誠side~

 

卵から幼体が産まれてから二週間ほど経過し俺達は何をやっているかと言うと

 

「おっしゃー!蜂の巣ゲットだぜ!!」

 

「うぎょおおおおああああああああ!群れを成して襲って来たぞおおお!!」ニゲルンダー

 

「ドラゴンショット!」

 

散弾バージョンを撃ち群れる蜂達を追っ払い拠点へと持ち帰る二人――――――――――一誠と俊屋である。今現在舞樹姉弟は予備の駆け出し武器しか無くまともな戦闘すら出来無い状態な為荷物持ちの役割となっている。だが現在は俊屋が荷物持ち状態で春はお守りをしているのだが、ただただ幼体と戯れたいだけである

 

「ふぅ取り敢えずこれで大丈夫だな。俊屋は先に拠点へ戻ってろ俺は未だ食料となる物を捕ってくるからよ」

 

「了解、一人だから気を付けろよ一誠。何かあったらあいつが泣くぞ」

 

「あ~・・・分かってるよ」

 

俊屋が言ったあいつとはジンオウガの幼体の事である。因みに名前も有り、「イトハ」と命名されている。正直言い名前が思い付かなかったと言う事もあり――――――一誠、俊屋、春、三人の名前の最初の一文字を良い感じに並べただけである。ドライグの名前を入れようとするも名前が格好悪くなるので却下となったのだ。話しは戻り俊屋と別れた一誠は木々に隠れながら移動しある場所へと到着

 

「よっし!皆のお土産として良い物釣ってやるぜ!」

 

舞樹姉弟がサバイバルを始めてから魚類を食していないのである。ポーチにあるのでは?とお思いの方も居るだろうが生憎と一誠は色々とやってしまっているので無いのだ。ハレツアロワナはどの様にすれば食べれるか等の実験により全滅し土に還ったのである

 

「おっ今回も破裂するアロワナが釣れた・・・・・何でこんなに釣れるんだかなぁ」

 

釣ったハレツアロワナをポーチに収納し再び投げ込む

 

あぁーこうして釣りをしていると色々と思い出すなぁ。一人の寂しいサバイバルの筈が春と俊屋の二人を交えて狩りを教えて一緒に狩ってそして更に増える仲間・・・いや、子供って言ったら良いのかな。辛い事も沢山あったけどそれ以上に楽しい事や嬉しい事もあったなぁ・・・

 

物思いにふけっている一誠、そうしている間にも釣れる魚はハレツアロワナが殆どだが2~3匹に1匹はサシミウオが釣れており以前よりも好調である。引きの強さはアロワナが一番強く手応えもあるが、こうも沢山釣れると感覚が麻痺していき喜びを感じなくなってくる。言うなれば作業である・・・・・だがいきなり今までに無い引きが来た

 

「うぉおおお!?な、何だ!これは何だ!?」

 

初めての強い引きにビックリする一誠。だが一旦冷静になり糸が切られない様慎重に慎重に引っ張り獲物を引きずり上げるとマグロだった。・・・・・マグロだった

 

えぇ・・・何でこんな所にマグロが生息してるんだよ。やっぱりあれか?不思議ワールドだからかな・・・ヤバイ相当毒されてきてるな俺。ま、まぁいいや相当大きいし食用にするには一匹で十分の大きさだしな!一杯釣れた事だしそろそろ拠点に帰るか

 

一誠が釣り上げたマグロの名前は大食いマグロ―――――――――――目に映った物を次々と食べてしまう習性を持つマグロで、長い間生き残っていた為か普通の個体より大きく立派な肉質を誇る一匹である。今日はとても良い釣果で気分が良くなった一誠、しかし帰る時はしっかりと落ち着いて注意しながら帰還した

 

 

 

「ただいまー」

 

「あ、お帰り一誠。今日の成果はどうだった?」

 

「アプノトスを狩ってきたのか?それともランポスか?はたまたキノコか?」

 

イトハは一誠が帰って来た事に気付き春の腕から抜け出し一誠の足下へと駆け寄り足に抱き付いた。まだ小さく子犬並の大きさしか無いがそれでも愛くるしい子供なので腕下から抱き上げ持ち上げる

 

「ただいまイトハ、一誠が帰って来たぞー」

 

春も親バカだが一誠も段々と毒されて親バカになりつつある

 

「聞いて驚け二人共!今日は何と魚を持ち帰ったぞ!しかもマグロだ!!」

 

「えっ・・・此処大海原じゃないから間違いじゃ無いの?」

 

春は一誠の見間違いじゃ無いかと言うが俊屋は現物を見たいのかテーブルの横に移動している

 

「いーや間違いないぜ!大間のマグロとは全然違うけどそれでもでっかいぞ?」

 

ポーチをテーブルの上へ置き中からマグロを取り出すとテーブルには乗りきらず頭と尻尾がはみ出ており、その光景にビックリして口を開けている春、そして何時どの様にして用意したのか分からない包丁を持った俊屋は何処から捌こうかイメトレしており、イトハに至ってはテシテシッとマグロを手で叩いていた

 

「んじゃ捌いてチャチャっと何か作るわ」

 

「おう、任せたぜ俊屋」

 

俊屋はマグロをその場で五枚に下ろし各ブロックをポーチへ収納し骨はそのまま半分に折り調理場へと持っていった。残り二人はテーブルを綺麗に片付けた後手作りした木製の皿を並べ箸を準備、残りの時間はイトハと遊ぶ時間となっている。暫く遊んでいると俊屋からお呼びが掛かり皿を持って行き、調理されたマグロ達を盛り付けテーブルへと運び全員分の準備が完了

 

「マグロ尽くしの贅沢メニューの完成だ」

 

「「ドンドンパフパフー♪」」

 

「ウザいからヤメロ」

 

「「ハーイ」」

 

テーブルの上にはマグロマグロマグロといった感じで埋め尽くされ待ちきれないと言わんばかりに涎を垂らしている春とイトハ。取り敢えず待てをさせてから両手を合わせて感謝の一言―――――――――

 

「「「いただきます」」」

 

そして素早くマグロへと飛び掛かる様に食べ始める春、一誠と俊屋はゆっくりと食べる。イトハに関しては一誠が自分の分を食べながら一緒に食べさせているので問題は無い

 

「しっかしあれだよなぁ・・・春の食に対しての執着心がもの凄い」

 

「正直言ってイトハの教育上宜しくない姿だ・・・」

 

まぁその分俺達がしっかりとイトハの面倒を見てたら大丈夫だよなー等と言いながら自分の分を食べ進めて行き、大量にあったマグロ料理は一時間も経たず平らげられた。(半分近くが春のお腹に入っていった模様)食後のデザートとしてイトハにだけハチミツを惜しみなく食べさせた二人、春はジトーっと目を細めその光景を見るだけのお預けをさせて一日が終了した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後も一誠をメインとした軽い狩りをしつつご飯を食べ――――――――の生活を三週間、遂に春と俊屋の武器が完成した為美羅からの招集が掛かり別荘までイトハの報告も交える為一緒に連れて行く

 

「それにしても約一ヶ月休養出来たお陰も有って体調も万全に戻り良かったぜ」

 

「回復薬で傷とか治るって言っても精神的な物までは治らねぇしな・・・」

 

「イトハという癒やしがあったのはとても大きい―――――――――もう我が子って思ってるよ」

 

一誠と俊屋はイトハを甘やかしはすれどもしすぎる事は無いので問題は無かったが春は甘やかしすぎているので其れをどうしようかと思っている二人。三人はここ最近の出来事を思い返している内に目的地である別荘の近くに到着。玄関先に美羅は居なかったが立て看板が一つ設置されており、裏側へ来なさいというメッセージが書かれていたので裏側へと歩いて行く

そこには椅子に座り本を読んでいた美羅が居たのだが・・・一人だけでは無く、黒、紅、ティア、ネル(※本来は平仮名だが見やすくする為カタカナ)の四人も居たのだ。一誠は驚かないのだが春と俊屋は驚いているのだがそれに気が付いていない一誠は美羅へと挨拶する

 

「おはよう御座います美羅先輩ー!」

 

「「お、おはよう御座います白野さん!」」

 

ファーストコンタクト時のインパクトが抜けきっていないのか、それとも武器修理の為持っていった際に自分達が討伐したジンオウガよりも大きい奴を瞬殺した畏怖を感じているのかは分からないが一誠に遅れて挨拶をする二人

 

「はぁん、この二人が美羅が言ってた姉弟の転生者か。未だ未だ駄目だが外で特訓している彼奴らと比べるとマシだな」

 

「大きな才能を持っている訳でも無さそうだが・・・言うなれば姉弟のコンビプレーが良いという事か?」

 

「この三人も私達が鍛えれば良いのか主よ」

 

「「「サバイバルで精一杯です!勘弁して下さい!!」」」

 

全力拒否する三人の様子に呆れる美羅、さっさと本題に入る為机の上に物を置く。大きな物は恐らく大剣で小さな物は片手剣だろう――――――――そして家の中から布に包まれた物を持ちそれも一緒に机の上へ置かれる。まずは武器であろう大きな物と小さな物に巻かれている布を解き全容が明らかになる。大剣は王大剣フウライと言いたいが要所要所の素材が足りない為、王大剣フウライ擬きと言った感じの武器となっている。しかし刃となる部分に甲殻と蓄電殻、帯電毛を上手い具合に接続させているので電気属性の大剣となっておりただ単に刀身の長さがバルバロブレイド並だが、全身が鉱石で無く甲殻等のモンスターの素材となった為軽量化もされ頑丈さも追求された一品となっているので擬きと言っても王大剣フウライを超えた武器となっている。ナニソレチートじゃんと思う方も居るだろうが美羅様が作るの仕方が無い

話しは戻って名付けるなら王大剣バルライとでも言えば良いのか・・・まぁバルバロブレイドのバルという字を取って付けただけに過ぎないがバルバロブレイドからの特殊進化という事で許してつかぁさい。一方で片手剣の方はと言うと王剣シツライそのまんまである。え?大剣と同じ様な進化したんじゃないんかい!だって?ほらあれだよ・・・片手剣はそこまで大きな物じゃ無いからね!素材も其処まで必要じゃ無いんだよ!!ゲームとは違うのだよゲームとは!まぁそれは片手剣の武器の方だけであって盾はちょっと違う。ツルギ【烏】の盾を土台として装甲を上乗せのする様に丸みを帯びさせた作りとなっており、受け流しを中心とした作りとなっているので春の戦闘スタイルと噛み合う作りになっている。布に包まれたもう一方は防具なのだがこれもある程度の物しか作れておらず、胸部と腕と足の三つだ

そして何よりもゲームと違う所は武士の鎧の様に足なら臑、腕なら肘から手首までとなっている。但し胸部と言ってもこれに関しては俊屋の壊れた胸当てを壊れた部分をと言う事になるので胸はジンオウガ、肩はフルフルといった装備となる

 

「うーん、このなんとも言えない微妙さ・・・」

 

「まぁ狩りに格好を求める奴は阿呆のする事」

 

「ハンター達は?」

 

「・・・ごく一部を除いてだな」

 

ハンターの中でも超が付く程の猛者ならば格好を求めてと言う事もあるが、基本は一式での統一を中心としている。互いに武器が新調された二人はキラキラとしており早速手に持ち素振りを行い武器の癖を確認している中一誠はイトハについてのこれからを相談していた

 

「美羅先輩、ジンオウガの幼体の名前は俺達三人の一文字を取ってイトハって言います。それでここからが本題なんですけど・・・イトハは野生に帰す事になるんですか?」

 

「んーどうしよっかなぁ。人化出来る様になればそれに超したことは無いけど・・・取り敢えず立派な成体になるまでは面倒を見ても良いよ?但しそれからが大変なんだけどもね」

 

成体となったジンオウガはドラゴン程では無いが大きい部類に入るので外に連れ出すのは難しく、人間界となると不可能だろう。色々と考えた結果成体になるまでの間はしっかりと育てる方向に行き着き、イトハをだっこすると黒が近付き品定めをするかの様に様子を見る

 

「ほーん、そいつが美羅に突っかかって行った奴の幼体なぁ・・・しっかりと教育しとけよ?間違っても美羅に攻撃しよう物なら挽肉にされちまうからよ」

 

おぉい不吉なこと言うんじゃねぇよ!?イトハはしっかりと俺達が育てるんだからそんな事はさせねえよ!全く・・・そういう役目は黒の専売特許だろ?いっつも美羅先輩を怒らせているくせによ

 

「てめえの方こそ怒らせているくせに!」

 

「五月蠅い」

 

「「あ、はい。ごめんなさい」」

 

こうして完全復活を果たした春と俊屋、そして哀れにも説教される一誠

 

「何でだチックショオオオオオオオオオ!」

 

「お黙り!」

 

「ヘぶぅ!?」

 

 

 

 




よーし今回こそ僕の話で次回について説明をしよう!
『遂に復活した舞樹姉弟!そしてリハビリをする為モンスター討伐を決める三人。だがそれはフラグだった!忍び寄る影!そして轟く声!次回―――――忍び寄る影は暴れん坊!お見逃し無く!!』
ふぅ、こんな感じで良いかな?ハッハッハいやぁ僕もやれば出来るのさ!まぁ告知はこの瞬間だけだけどね!と言う訳で僕はこれにてさよな――――――――――
布団「エーシー!」
・・・ちょっと待って!何故作者が此処に!?っていうか流れ星になったはずじゃないか!!
ミラ「いぇーい♪〆は私が行うから貴方は邪魔なんだよ?」
えぇいこうなったら英雄作成!作者を強化してあの白き龍を足止めするんだぁ!
布団「フォオオオオオオオ! ヘンシーン!」ギュルルルルル! シュバッ!
今の内に逃げ――――――
布団「さよなライオン!――――――――――ACー」
トランスフォームした・・・だと・・・・・!?
ミラ「さよなライオン!!」ドゴォ!
布団「ヴァアアアアアアアアアアア!」
あ、倒れ――――――――――ぶぎゃああああああああ!

キーボーノハナー



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第55話 リハビリ?そんなの関係ねぇ!

布団「レイドボス・・・・・ドロップ・・・・・卵・・・・・」
黒「作者が灰になりかけているぞ!?」
紅「卵って落ちないからな」
ミラ「礼装が落ちなーい!」
ティア「爆死したか・・・・・」
布団「聖女イベントまで貯蓄するもん(。・ω・。)」
ミラ「まぁー礼装がボロボロ落ちるなんて普通有り得ないしー」
紅「まぁ俺はライトユーザーだしー」
ねる「・・・カメラ回ってるよ?」








「「「「「えっ?」」」」」







黒「ほ、ほら元気出せよ作者!俺の酒呑ちゃん見せてやるからよ!」
紅「ばっか野郎!」
布団「イベントなんて・・・イベントなんて・・・・・もっとゆっくりさせろー!」
ミラ「あーあ。遂にやけになっちゃった・・・」
ティア「作者はそういう運命にあるのさ。いつか星5鯖出ると良いな・・・・・」
ミラ「それじゃあ皆さん一緒に!」





「「「「「「はっじまっるよ~」」」」」」

















雌煌「え!?俺がいねえじゃん!おいコラ作者ぁ忘れてんじゃねぇ!!」












~一誠side~

 

ぐへぇ美羅先輩の久しぶりのお説教はきっちぃぜ。新しい武器を手に入れた春と俊屋が羨ましくて羨ましくて悲しいぜ

 

右手に持った物をぐりぐりと弄りながら歩く一誠に気が付いたのか俊屋が声を掛ける

 

「おい一誠その右手に持ってる奴は何なんだ?」

 

おいおいどうしたんだよ俺から距離を取るなんて酷くねぇか二人共?もしかして俺が何かやらかしたかと思ってる訳なのか?だとしたら違うってばよ・・・それは冤罪だ!

 

「いやぁ・・・おっぱい星人の一誠は何かとやらかしてそうでちょっとね?」

 

「白野さんの下着でも盗んだんじゃ無いかと・・・ね?」

 

おい馬鹿止めろ!俺は下着なんて盗んでねえよ!!やるなら下着を盗むのではなく神秘に包まれた生乳を拝むに決まってるだろうが!!

 

「あ、うん・・・一誠はそうだよね・・・・・」

 

「おっぱい魔神は伊達では無いと言う事か」

 

「私が水浴びしてる時に覗いたりしてないよね?」

 

「あ、それは大丈夫だから。一誠が覗かない様会話での拘束をしてるから」

 

くっ、未だに春の生乳を拝めていないのは悲しいぜ

 

「普通にそれは犯罪だからね!?」

 

現在こんな卑猥な会話をしつつも拠点に帰還最中に出会うランポスの群れを討伐している・・・・・最早三人共この環境に適応しているのが分かる

 

「そっれにしてもリハビリがてらの討伐はどうするかねぇ・・・」

 

んー丸々一ヶ月休息してたから勘を取り戻すとして・・・ゲリョスだっけ?ゴム竜のあいつを討伐で良いと思うわ

 

「ゲリョスなぁ・・・妥当って言えば妥当だよなぁ」

 

「けってーい!イトハを拠点に置いたら私達はゲリョスを狩りに行こーう」

 

リハビリがてらで討伐が決定されたゲリョス・・・・・死んだふりをするのがいけないんだよ。こうしてリハビリの為イトハを拠点にお留守番をさせた一同はゲリョスを探しに探索する。だが忘れてはいけない自然界は無慈悲だと言う事に―――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どっこだよこんこんちきしょおおおおお!」

 

「いないね・・・」

 

見つからねぇなー以前討伐した辺りに来たんだがそれらしい影が見当たらない・・・それ処か静かだな此処。何処かに引っ越しでもしたのか?

 

『・・・・・』

 

(おいドライグ黙りしているけどどうしたんだ?)

 

『相棒気が付かないのか?ならば早々に此処から離れた方が良いだろう。まぁ最も見逃すと言う事は無さそうだがな』

 

静かってのがいけないのか・・・?あれ?これって嵐の前の静けさって言えるんじゃね?・・・・・こうしちゃ居られねぇさっさと二人を連れて引き返さねぇと!

 

「おい二人共さっさと此処から離れるぞ!」

 

「どうしたの一誠?まだゲリョス見つかってないけど?」

 

「今日はリハビリに来たんだし無理はしねぇよ」

 

「これは違うんだよ!逆にしz――――――――」

 

一誠が言い切る前に前方から木々をなぎ倒す音が聞こえて来る。それはもうこちらに向かって一直線に来てるであろう―――――――全員即座に戦闘準備、何時でも武器を抜ける様待機する。そして現れたのは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゲリョス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほら見ろ一誠、ゲリョスは此処に居るじゃねえか」

 

「そうそう。それじゃあ狩っちゃいましょうか」

 

この時一誠は二人よりもゲリョスの様子が普通では無いと確信した。何故か?一瞬だけ目が見えたのだ――――――――絶対捕食者から逃げなければという恐怖に染まった目を

 

 

 

 

 

 

 

 

不味い

 

 

 

 

 

 

 

 

爆発の衝撃飛翔(インプロージョンフラッグ)臨界突破(バニシングブースター)を直ぐさま発動、倍化を五回瞬間行使し春と俊屋を抱える様にその場から待避するも強烈な音の衝撃に当たり地面へと墜落。鼓膜こそ破れなかった物の耳鳴りが止まず思考が纏まらずその場を離脱出来無いで居た。それは春と俊屋も同じだが一誠より被害は少ない

 

「ぐっぉおお!?マジかよこれ咆哮の音の衝撃で此処までダメージあるのかよ」

 

「な、なんて威力なのよ・・・フルフルの咆哮も大きかったけどこれは種類が別物でしょ!」

 

三人共地面に片膝を付き上空を見上げると大きな影が一つゲリョスに向かって一直線に向かって襲いかかる。ぶつかった衝撃は大きく砂埃が舞い散り様子が見えない物の悲鳴のような鳴き声を発するゲリョスの声と謎の生物の轟く声が響き渡りどう言った状況かはだんだん理解出来る様になった

 

『これは・・・奴か・・・・・おい二人共気合いを入れろよ?でなければ体が硬直した瞬間に殺されてしまうぞ?それから早く起きろ相棒目当ての奴だ!お前はあいつを倒すという目標を掲げていただろう!!』

 

「はっ!っつ~!?耳が痛ぇ・・・ってか有り難うなドライグお陰で目が覚めたぜ」

 

『今までで倒して来た中で一番最強・・・いや最凶と言えば良いか?リハビリという考えを思っているならそれは捨てろ、あいつは全てに対して襲いかかる程の強者だ』

 

「全力で防げ春!」

 

「うん!」

 

一誠の激と共に全力で真正面に絶対防御を展開した瞬間強烈な音が炸裂、砂埃が収まり目の前に映るは強靱な牙と捕食者の体、茶色?に近い黄色い鱗を纏った相手。それはかつて一誠の前へと姿を見せた竜――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

轟竜ティガレックス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

原始の恐竜に近い体躯の竜であり大型のモンスターにも襲いかかる凶暴な暴れん坊だ。力は強く跳躍で空に飛び上がる程の物なので想像を絶する程の物だろう。絶対防御を発動させている春、絶対防御は体力を消費するので三人の中では群を抜いているのだが如何せん相手が悪く受け流しすら許されない程の力で押し込まれておりあろう事かジンオウガの攻撃ですらビクともしなかったそれが徐々にではあるが押し返されている。よって体力もゴリゴリと削られている

 

「ぐっ!こっんのおおおおおおおお!」

 

今までに無い力に抵抗する様に足に力を入れ踏ん張るも後ろへ後ろへと押される。だがこれで何もしない二人ではなく挟撃をする形で全力の一撃を放つ。俊屋は今まで以上に飛び上がり上から叩き切ろうとし、一方の一誠は極太のドラゴンショットで攻撃。だが野生の勘が鋭い・・・いや鋭すぎるティガレックスは後方へとバックジャンプ、たった一度のジャンプはジンオウガよりも距離を取った為に追撃すら許されない

 

「うっそだろ!バックジャンプ一回であそこまで下がられたら追撃の方法が俺のドラゴンショットぐらいしか無いだろうが!」

 

「リハビリの筈がとんでもない奴との戦闘なんてやめて欲しいぜ!春姉は大丈夫か!?」

 

「う、うん何とかって感じ・・・絶対防御したのにも関わらず押し返されるのは初めてだよ」

 

「俊屋!攻撃の方法とか知ってたら教えてくれ!!」

 

「いつも通りで!と言いたいが今回は防御じゃなく回避時で聞いてくれ!!」

 

今までは攻撃している最中や春が絶対防御を発動している最中に教えていた。だが今回の敵は凄まじい力を持っており攻撃の方法や癖を見極める前に春が力尽きてしまう為却下である。バックジャンプにて距離を取ったティガレックスは間髪入れず右手を斜め後ろへと引き力を溜めている

 

「岩を飛ばしてくるぞ!砂埃も舞う筈だから厳重注意!!」

 

と同時に右手は地面へと突き出され轟音が響く―――――――――途方も無い力で突き出された腕から放たれるそれは三人の予想より数段早く飛来する。左右に分かれていた俊屋と一誠は反撃に出た為にぎりぎりの回避だが、ほぼ真正面に立っていた春は一番距離があったのだが二人よりも早く飛んで来た岩を緊急回避の様に横へ飛び退き回避する

 

「おっらあ!食らえや!!」

 

遠心力を付けハンマーの打ち上げに似た下からの切り上げを繰り出す俊屋、回避をすると思っていた俊屋だが此処でも予想外――――――――なんと向かってくる大剣に向かって豪腕の振り下ろして来たのだ。ギョッと目を見開き驚愕する俊屋だが此処でふと最悪の光景がちら付く・・・それはぶつかり合った際に大剣が粉々に砕かれてしまうかもという物だった

その為咄嗟に体を軸にして反転大剣の遠心力に任せてそのまま後方へと飛びティガレックスの腕が地面へと振り下ろされた

衝撃はやはり凄まじく直撃した地面は窪みを作りその風圧にて更に後方へと吹き飛ぶ俊屋、だがティガレックスは器用に振り下ろした腕を軸に回転して尻尾をぶつけようとした。寸での所で一誠が俊屋を抱えその場を飛び退く事で回避、ティガレックスは不完全な着地のため少しの間隙が生じその隙を逃さず体を走り抜ける様に春が懐を切り裂いて行く

しかし何だその攻撃はそんなもの効かん!と言いたげにその場で飛び上がりのしかかりを敢行、スライディングで踏みつぶされる事は無かったが横から鞭のようにぶつかった尻尾に直撃し跳ね飛ばされる春。だが咄嗟に盾で防御した為其処まで目に見えるダメージは無い

 

「春姉大丈夫か!」

 

「盾で防いだから大丈夫!絶対防御はいざって時以外は使わない様に節約するから二人もそのつもりで!」

 

「了解!行くぜ俊屋、俺が先行する!」

 

加速して一気に頭上へと飛び掛かった一誠、今まで以上の速度で接近したのでティガレックスは反応に遅れ零距離から放たれた一撃

 

「ドラゴンショット!」

 

凄まじい衝撃は巨大な鈍器で殴られたの如く大きく仰け反る様に吹き飛んだ。倒れた瞬間に体勢を起こそうとするが一誠を踏み台にして大きく飛び上がった俊屋の一撃がティガレックスの腕へと直撃、爪が砕けその痛みに悲鳴を上げ距離を取ろうとしたが直感でそれは悪手だと判断した。とっさに地面を叩きつけ土の塊を打ち出す

 

「ぐはっ!」

 

もろに直撃した一誠は吹き飛びドラゴンショットの為に溜めた魔力が霧散、春の方へと吹き飛ぶ一誠、合流する俊屋、再び仕切り直しかと思われたが直ぐに突進してきたティガレックス――――――二人を守ろうと絶対防御を展開しようとした時、ティガレックスが急停止と同時に胸が膨らみ

 

「バインドボ――――――」

 

咆哮、絶対防御を発動させていたがそれは前面、衝撃波よりも先に到達した音に耳をやられ集中力が乱れ絶対防御が消失し三人共もろに衝撃を受け数十メートル吹き飛ばされる。これを好機に前方へ飛び掛かる様にジャンプ、目前でまたもや急停止したティガレックスはそのまま回転尻尾を薙ぎ払おうとしたが咄嗟に俊屋が力の限り振り下ろした大剣と直撃、尻尾に少し切れ込みが入り振り切った後に大きく飛び退く一方で反撃に転じた俊屋は代償として二人よりも後方へと吹き飛ばされてしまった

 

「ゲホッゲホッ!回復薬・・・」

 

一誠と春は回復薬を数本飲みある程度まで回復、遅れる様に俊屋も回復薬を飲みながら合流しティガレックスを睨付けるが、此処で変化があった。腕と顔が赤く染まり先程よりもギラ付いた目をしているのだ

 

「怒ったぞ!さっきまでとは違って速さも攻撃力も段違いに跳ね上がるぞ!!」

 

回復薬で体を癒やした三人に待ち受けるは怒気のティガレックス。読者の方々もゲームでも体感済みだろう・・・通常とは段違いに早い動きに加えて暴虐なる攻撃力を―――――――それが三人がこれから体験する物だ

 

「散らばれ!一塊だと全員がなぎ倒されちまう!」

 

散会と同時に突進するティガレックス、その突進が早いだろうと確信していた俊屋だが想定が甘かった・・・拡大予想よりも倍近い速さで突進してきたからだ。その速さに驚愕し堪らず絶対防御を発動させた春、だがよく考えて欲しい。普通の状態での突進ですら後ろへと押される程の威力なのに今回のは怒った状態での突進なのだ――――――結果は言うまでも無く春は押し込まれてしまった

 

「うああああああああああああーーーーーーーー!」

 

悲鳴にもならない声―――――絶対防御のお陰で後ろへと押し込まれるだけで済んではいるがそれもたちまちに決壊、尻餅をつく形で転けてしまった。未だに春への猛攻を止めず、腕や顎を使いゴリゴリと削る様に攻撃をする光景は正にモンスターに食べられるハンターに近いだろう・・・絶対防御を発動させて耐えているがいつも以上にごっそりと削られる体力

後ろから一誠と俊屋がティガレックスに攻撃を加えるも春への攻撃は止むことは無く、必要以上に疲労する。それは何も体力だけでは無いのだ・・・今までに無い猛攻、味方の攻撃を無視してまで絶対に殺さんとする攻撃への恐怖によって精神も削られて行く

 

「っこんの!春姉の上からどけよ!!」

 

俊屋の火事場の馬鹿力なのか振り下ろされた一撃は尻尾へと放たれ運良く切れ目が入った場所へ吸い込まれ叩き切る事に成功、尻尾を切られた痛みには耐えることが出来ず飛び退いたティガレックス。しかしその目には未だに怒りの色は消えていない

 

「うっぷ・・・ありがと俊屋・・・・・」

 

春の膝は笑っており恐怖による物なのか、はたまた体力の現象によるものかは分からないが言える事は一つだけ。春は当分戦列へと参加出来ないという事になった。睨み合いを続けている内に気が付いたのか左右を確認しだしたティガレックスには何故!何処行った!?と言わんばかりの困惑の表情が見て取れる

 

「おらぁ!よそ見なんて厳禁だぜ!!」

 

一瞬逸らした視線の先には俊屋は居らず懐へと飛び込み再び打ち上げの様に大剣を振るう。だがそれに再度合わせるかの如く先程と同じ様に豪腕を振り下ろそうとしていた。しかし俊屋の顔はしてやったりといった笑みを浮かべていた。それもその筈、何せティガレックスが探していた弱者が強襲を仕掛けてきたからだ。しかも空中の――――――非常識な高さからでだ

 

「アスカロン!」

 

『Blade』

 

突き刺す様に胴体の真ん中へと襲撃してきた一誠、振り向くよりも直感で体を捻り内臓への攻撃を避けるも俊屋の一撃は避ける事が出来ず顔を切られた。その切れ後は鼻から眉間へと深く切り込みを入れるかの如く一直線な物だった

 

「よっし、何とか俺達二人にヘイトを向けれた!」

 

「春姉に行かせない様にするにはこれしか無かったけどさ・・・正直めっちゃ怖い!何あれ今までで一番怖いんですけど!?まぁそれ以上に怒っているんだがな!!」

 

顔から血がしたたり落ちても構う事無くより一層憎しみを孕んだ目を向けているからだ。ティガレックスからは弱者といっても過言では無い三人が自分に此処まで手傷を負わせても尚誰も殺せていない事に激怒しているからだ。此処までコケにされたのは初めてな為、こいつらはより一層苦しめて殺してやると決めた。だがそれは一誠と俊屋の二人も過言では無い。仲間、姉である春を中心に攻撃された為にこちらも怒っておりどっちもどっちである

 

「「いくぜこらああああああ!!」」

 

今度は二人からの攻撃から始まる。一誠は俊屋の左手を掴み加速、懐寸前で手を離し更に加速し顔面へと拳をねじ込もうとするが豪腕にて防がれもう片方の腕を叩きつけられる寸前に俊屋の大剣が胸を切り裂いた。堪らず仰け反った所に頭上から一誠の拳が頭へと振るわれ強制的に地面へと叩きつけられ―――――――――る事を避ける為、両腕を地面に叩いた勢いを利用し拳が当たる前に迎撃するも作った隙は大きく大剣の横薙ぎによって爪が砕かれた

 

「もっとだ・・・もっと、もっとお前を叩っ切る!」

 

遠心力を利用し回転、切る、回転切る回転切る回転切る回転切る回転切る回転切る回転切る回転切る回転切る回転切る回転切る回転切る回転切る回転切る回転切る回転切る回転切る回転切る回転切る回転切る――――――――

怒濤の連続切りをティガレックスは避けようとするが一誠が避ける先に回り込み回避が出来ない様攻撃している為ぎりぎりの回避を―――――――体中に無数の切り傷が出来るがワンパターン化した動きを冷静に読み取りタックルにて俊屋を吹き飛ばす。勢いを殺す為に付いた片腕を軸に上空へ飛び上がり、驚愕して動きが鈍くなった所にもう片方の豪腕で木々をなぎ倒す様に吹き飛ばす

 

「がっは!」

 

「一誠!」

 

一誠が落ちるであろう場所には回復し戦線へと復帰した春がキャッチ。少なくとも大きな衝撃のダメージは和らげる事が出来たお陰で回復薬の使用量を節約する事に成功した。だが地上へと降りたティガレックスは標的を俊屋の方へと変えて一直線に駆け出し追撃をしようとしたが

 

「ドラグレーザー!」

 

急制動を掛け後方へとバックジャンプ、先程駆け抜けようとした地面には切り傷が有り一誠の攻撃をより警戒度を高めた。前後と挟まれる形となったティガレックスが不利だと誰もが感じるだろう・・・だがこの現状を元ともしない攻撃方法はバインドボイス

一回しか使用していないし不利的状況、意識が薄れている場所へのこの攻撃は強大、土塊を飛ばそうと片腕を上げ隙を生み出し一誠と春が駆け出した音が聞こえた直後に爆音。俊屋は常にバインドボイスを警戒していた為後ろへジャンプして大剣を盾にする様に構え衝撃は大丈夫だったのだが、一誠と春はバインドボイスを二の次として警戒していた為もろに直撃―――――――――吹き飛ばされてしまう

 

「相変わらずうっるせええええええ!」

 

大剣を持ち直し二人へと向かない様攻撃、後ろへと振り向きかけたティガレックスは強制的に正面に戻され俊屋へと釘付けにされるが攻撃のタイミング等をある程度覚えた為振り下ろされた大剣の腹を叩き軌道を逸らした後回転、鞭のようにしなる尻尾で遠くへと弾き飛ばす。この回転している最中に後ろで体勢を整えようとしている様子を確認したティガレックスはそのまま俊屋へと飛び掛かり顎で食いちぎろうとするが、右頬へ加速した一誠の拳が突き刺さり大きく吹き飛ばされる。そして理解した――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この三人の中で最も強敵な奴は一誠だという事に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




「いやぁ今回作者は燃え尽きているねぇ・・・多分これから周回して最低限の素材を手に入れる予定なんだね!あぁだから人間は見ていて飽きないのさ!!絶望の中に居てもある一つの希望が闇を払拭した時のあの顔!正にハッピーエンドじゃないか!!ガチャだって沼があるけど当たりが出たら皆がハッピーエンドだよ!」
ミラ「貴様は言ってはならない事を言ってしまった」
紅「そう」
黒「出ていない」ボロボロ
ティア「マスター達の事を!」
ミラ「黒は絶対にユ・ル・サ・ナ・イ♪」
「おや?作者は良いのかい?」
ミラ「今回は最低保障が三連続だったらしいから許してあげよう」
紅「だが黒」
ティア「貴様はダメだ!」
ミラ「キングメーカーの復刻よ来年来い!」雷神拳!
「えっちょボクるもふぁ!?」


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第56話 俺の怒りはお前を超えている!

ミラ「ねえ?」
布団「はい・・・・・」
ミラ「何関係無いお話を書いているの?」
布団「息抜きと突然沸いたインスピレーションが・・・」
黒「せめてD×Dが終わってからにしろよ」
紅「全くだ!俺のアーシアちゃん布教が出来無いでは無いか!!」
ティア「どのような話しを書いているのだ?」
布団「ありふれた職業です・・・はい・・・・・」
ミラ「私は?」
布団「え?」
ミラ「私は出るの?」
布団「それだけは勘弁してくだしあ」
黒「魔物が土下座する未来が見えるw」
ミラ「私が出る奴を書きなさい!」
布団「いやだぁ!偶に違うの書いたって良いじゃ無いか!!」
紅「死んだな」
ティア「残念だな・・・」
ミラ「エエエエエエエエエエエエエエエイイイイイメエエエエエエエエエエエン!!」
布団「グボオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」

















雌煌「始まるぞ!      よし!言えたぞ」
紅「と良い気になっている貴様は見物だな」
雌煌「ダニィ!?」
ミラ「ヤァ!」
雌煌「ヘァ!?」
ミラ「ガンバンオクリダアアアアア!」
雌煌「フォオオオ!?」
キーーーーン         ドグアアアアアアアアア
ミラ「モウオシマイカ?」
雌煌「 」チーン
ミラ「ショセンメスブタハメスブタカ」










ねる「はっじまるよ~」









~美羅side~

 

やっほ~皆大好き美羅さんですよ~♪現在の状況を中継しているんだぞ!いやぁ~リハビリの為に探索していたら轟竜と出会っちゃうなんて不運だねぇ。理不尽だ!と思いながらも覚悟を決めて相対している分違うかな?しっかしあれだねぇ・・・知ってはいたけどあの絶対防御に頼りすぎている点が駄目、一誠君のサバイバルが終了したら私がやつあ―――――――じゃなくて指導してあげようか・・・・・厳しすぎるって?いやいや駄目だよ甘やかしちゃ!このままの状態だと絶対何処かでやらかして死んじゃうからね

 

遠くから様子を観察し続ける美羅、段々と不利な状況へと陥る一誠達は奇策や奇襲を持って攻め立ててはいるが決定打になる物は一つも無い状況だった

 

「あらら・・・・・とうとう相手は気付いちゃったみたいだよ一誠君?これからが本当の蹂躙に近い戦闘になっちゃうからどうするか見物だね~」

 

その場へと腰を下ろしこの戦いを観戦する

 

 

 

 

 

~一誠side~

 

ちっくしょお!何でだ!?何で急に状況が変った!さっきまではお互い均衡状態を保ったままだって言うのによ!

 

「クソッ!何でいきなり此処まで攻めにくくなったんだ!?」

 

「分かんないよ!急に攻撃の勢いが強くなったとしか言いようが無いって!」

 

俊屋も春も俺と同じ事を思っていた・・・・・さっきまであいつに攻撃を当てる事が出来ていたがいきなり当たりにくく、尚且つ攻撃が一方的な物になってきたんだ。どうしてだ?学習したとしてもこんなにいきなりって事は無い筈だろ!?

 

『まだ気が付かないのか!あいつは先の一撃で理解したんだ――――――――――相棒がこの中で一番厄介かつ強いと!』

 

ドライグの一言にはたと気付く三人。一誠が奇襲、予想外の攻撃方にて俊屋のサポート側へと回っていたから攻撃は当たっていたのだが、先程の俊屋の追撃を行おうとした際に一誠の一撃で吹き飛ばしてからこの状況へと陥ってしまったのだ。無意識だろう・・・・・三人共切り札として隠す様にサポートに使いここぞという場面でそれを切っていた為気が付かれなかった。しかし今回ばかりは相手が相手な為気付かれてしまったとという訳だ

 

「俺も攻撃してはいるけど一誠より攻撃力は低いからなっ!」

 

相手の攻撃に被せるように攻撃をしている俊屋だが避けられ距離を空けられる。着地と同時に一誠の赤龍刀波斬(ドラクレーザー)を放つものの飛び上がって悠々と回避され、上空からの滑空突撃にて体勢を崩され追撃を許してしまう。攻撃を絶対防御にて防ぎ、瓦解しない様に堪えてはいるがそれももう保たない。春が目に見えて疲弊しているのが分かっているからだ。後五回も防げるかどうか怪しいところだった

 

「じり貧どころか絶体絶命って奴だな!?」

 

「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」

 

「春が何時限界を迎えるかも分からねぇってのに・・・・・どうしたら良いんだよ」

 

突破口が見当たらず春を守る様に攻撃をしてこれ以上の追撃をされない様、攻撃の壁を作る二人。だが予想は時として裏切られる物―――――――攻撃の壁を躊躇いなく突き進み突進するティガレックス。春は咄嗟に絶対防御を発動させようとした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゲボォッ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

集中力が限界を迎えてしまい嘔吐してしまった。絶対防御は発動する事は無く三人まとめて轢かれてしまい、ゴロゴロとゴミの様に転がった。一誠は笑う足を必死に抑えながら、俊屋は大剣を支えにして立つ事が出来たが春に至っては最早限界、ピクリとも動かず死に体である

これで終わりという訳でな無く一瞬で一誠との距離を潰したティガレックスの頭突きが腹部に直撃、ゴムボールの様に森の奥へと飛んだ一誠。先程の攻撃の反応を見てこれで残るは俊屋一人と確信したティガレックスはどの様にして惨たらしく殺そうかと考えながらノッシノッシとゆっくりと俊屋へ歩を進める

 

「グゾッダレ・・・・・コノまま終われるかよ!」

 

このまま惨たらしく殺されて堪るかと大剣を構え突貫した俊屋――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

此処は何処だ?何処も彼処も真っ暗で何も見えねぇ・・・・・体も重いし足も動かねぇ。これってもしかしなくても俺って死んだのかな・・・・・きっと美羅先輩が助けてくれるんだろうなぁ・・・・・

 

寒く、より暗く、より深く落ちていく感覚の中で一誠は待つ。何時か美羅が助けてくれるかもしれないと待つがこの闇が晴れる事は無い――――――――

 

待っても待っても誰も助けに来てくれない・・・・・何時も俺が死にかけた時は美羅先輩が助けに来てくれたのに何で今回は助けに来てくれないんだ・・・・・?

 

『で?何時まで寝ているつもりだ相棒?』

 

誰だよ・・・相棒って?美羅先輩か?それとも黒?いや紅?誰だ・・・・・もう分かんねぇ。ぼんやりして誰の声かも分からねぇよ・・・・・

 

どっぷりと闇に浸かり視覚も、声も、意識も――――――――全てが霞がかり途切れ途切れになって行く

 

『そ――か、――はこ――眠―――。―も一時――――――こ―で終わ―か』

 

落ちる所まで落ちて倒れ、眠りに付こうかとした瞬間目の前が真っ白に染まり――――――――――ある光景が映る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれは部長?それに木場を除いたオカ研の皆も―――――そしてあれは春?そしてその中心にいるのは誰だ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何でだ・・・何で其処に居るんだ・・・・・何で転堂が居るんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皆が裸で転堂に集まっていく・・・・・どうして?何で俺が皆の後ろで死んでるのに誰も目も向けないんだ?

 

『それは有りえたかもしれない世界』

 

誰だ!何処にいる!?

 

『力を手に出来ず怠った末路故の世界』

 

だから!一体誰なんだよ!

 

『ありとあらゆる運命から生まれ出た可能性』

 

一誠の後ろがより一層光り輝き姿を形成する

 

『これは運命に抗わなかった先に待ち受ける物』

 

目の前に居たのは白い龍だった―――――――――幻想的な龍としか言い様が無く、白い体は全てを引きつける存在。大きな角を持つそれはとても力強い可能性を秘めた龍だと確信させるそれ

 

『貴方はどうする?運命に抗うか、潰されるか――――――――――』

 

転堂の手が皆のおっぱいに触れ――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんな運命認めて堪るかあああああああ!部長のおっぱいは・・・・・皆のおっぱいは俺の物だああああああああ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うーん・・・・・流石おっぱいドラゴン、乳龍帝―――――――おっぱいに関しては貪欲なる物だ

 

うっせえ作者は黙ってろ!!

 

(´・ω・`)ソンナー

 

「そんな運命認めねぇ!それが運命だっていうのなら――――――その巫山戯た運命をぶち壊す!!」

 

『・・・はぁ、某禁書主人公じゃあるまいしヤレヤレだねぇ』

 

白い龍は見た事がある姿に変貌するがそれは影だけしか見えず素顔は一切見えない

 

『それじゃあこんな所で燻らずにさっさと現実に戻りなさいよ。関わりある重要な人が死ぬだけで運命は固定されちゃうから頑張りなよ?』

 

って事は今で言うと俊屋と春の事だな・・・・・

 

『ではさようなら。赤いトカゲを宿した悪魔さん』

 

あっそういえば何であんたはふたりを―――――――――――――

 

言い終える前に光は消え再び真っ暗闇へと移り変わる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――おいドライグ居るだろ?

 

『ん?まだ息があったのか?次の所有者を俺は楽しみにして――――――――』

 

起きるぞ・・・・・そしてあいつをぶっ倒す

 

『はっ!口ではどうとでも言えるさ。で?どうするつもりだ?このまま突っ込んでも犬死にだぞ?』

 

神器(セイクリッドギア)は想いを力に変えるって前にも言ったよなぁ?なら俺がお守り代わりに拝借してきたあれをどうするか分かるだろ?

 

『良いのか相棒?下手をすればはぐれ悪魔みたいになってしまぞ?』

 

上等!あいつらを守ってあの運命に抗えるっていうならやってやらぁ!

 

『あの運命というのがどうと言うのは分からんが覚悟は十分と言う事か。なら俺からは何も言うまい・・・だが忘れるなよ?これを思いついたのは歴代の中でもお前だけだと言う事、俺は何一つ手を貸す事が出来ない事だ』

 

例え痛かったとしてもその位我慢してやる・・・・・

 

『ならば今一度力を貸そう!お前の道に待ち受ける運命を共に見ようではないか!!』

 

暗闇から浮上する意識、ハッと目が覚めると全身に激痛が走るも無視する。無理を通して道理を蹴っ飛ばす!それが今の一誠の原動力

 

「ゴフッ」

 

大量の血を吐き大地を赤く染めるが無視する。飛ばされたであろう方向から俊屋の絶叫が響いてきているからだ――――――余裕も無いこの状況を打破するための秘策

 

「ほんと良く思いついたよ俺・・・美羅先輩に言ってお守り代わりに作って貰ったこれを早々に失うとはついてないぜきっと怒られるだろうな・・・・・。だけどよぉ、その程度であの運命に抗えるっていうのなら躊躇しねえ!行くぞ!ジンオウガ!!」

 

ポケットから取り出したそれはジンオウガの角の一部。美羅が倒したそれでは無く、一誠達が倒したジンオウガの素材から削り取った部分である。武器を作るに際して加工した時に不要となった部分のそれだった。一誠はその角を籠手の甲に付いる宝石へとぶつけ吸収それと同時に尋常では無い痛みと怒濤なる野生の本流が押し寄せ傷だらけの体を襲う

 

「ぐ・・・があああアアアアアアアアア!」

 

目の前がチカチカと光り輝きまともに開ける事が出来ず膝を付く。未だに痛みと野生の本流は収まらず、一誠の意識を乗っ取らんと様々な映像と感情が入り乱れ自分が誰なのか、どうしてこの場所にいるのかがあやふやになり始める

 

『意識をしっかりと保て相棒!』

 

微かに聞こえるドライグの声、目の前が真っ白になり先程の光景が蘇る

 

「俺は認めねぇ・・・俺は・・・・・俺は!皆のおっぱいを守るんだああああああああああああああ!」

 

極度のサバイバル生活による禁欲、おっぱいへの欲求が天元突破――――――――――究極の果てに至ったその想いは進化する条件の全てを満たした

 

『うぉおおおおおおおお!?またしても亜種進化だとおおおお!?』

 

一誠の体は赤い魔力の奔流に覆われ進化した――――――――――――――籠手は両手に装備され装甲の厚さ等は変らずだが足は膝下からずんぐりとした竜の様な足の太さになり見ただけでアンバランスな大きさに、背はジンオウガの甲殻の様に膨らみを帯びる様に覆われ二本の赤毛が肩から腰の部分まで伸びている。しかし一誠は動きを確認する間も無くクラウチングスタートの体勢を作り魔力を全身に覆わせる

 

「・・・行くぜドライグ」

 

『お、おう・・・?』

 

明らかに変った一誠の感情に戸惑うドライグはふと思った。最初の禁手化(バランスブレイク)時の様になってしまうのではないか?―――――と

 

『と、取り敢えずだ!動作確認だけでも―――――――』

 

「大丈夫だ。どうやって動けば良いかは頭に入ってる――――――あいつが・・・ジンオウガの奴が教えてくれた」

 

そう言い終わると野生の如き怒りの目を持ち、クラウチングスタートの姿勢そのままから弾丸の如く飛び出す一誠は更に倍化と加速を掛ける

 

『Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!―――――――――Accelerate!Accelerate!Accelerate!Accelerate!Accelerate!――――――――――――Explosion!』

 

五回の加速だが今までに無い程の速さを持った速度で突進する一誠、飛ばされた場所から元の場所まで一瞬で帰り俯せの俊屋を踏みつけているティガレックスにそのまま体当たりして退かす

 

「悪ぃ・・・遅れた」

 

「遅すぎんだよ――――――――主人公」

 

春と同様に地へ倒れ伏した俊屋を一瞬確認した後、直ぐさま襲い掛かる一誠に対し体勢の整っていないティガレックスに頬、顎、胸、顎、そして腕を掴まれ地面へと叩きつける。一連の攻撃を受けたにも関わらず怯む事無く真正面から一誠を食い千切らんと噛みつくがその行為も虚しく、上下の牙を掴まれ開閉と突進を防がれたのだ。何故!?何故!?何故!?先程までに無い力を発揮している一誠に心の中で酷く動揺していると・・・

 

「何故?って言いたげな目をしてんな―――――――お前も怒っていると思うが俺も怒っている・・・だけどな?俺の怒りはお前以上の怒りって事だよ。しっかりと覚えておきやがれって言いたいがお前は此処で俺が殺す!」

 

一誠の怒気が更に増大した瞬間――――――赤い魔力が赤毛を伝うように走り深紅に輝く。そして鎧となっている部分の装甲と装甲の間から深紅の輝きが迸り、一誠の体の周りからバチチッと赤い電気が弾けた。ティガレックスの顔面のど真ん中へと繰り出された右拳は今までよりも早く、そして重く――――――その場から大きく後方へと吹飛ばしたのだ

ゆっくりと油断無く獲物を追い詰めんとする一誠に隙は無く、これでは勝てないと判断したのかティガレックスは上空へと飛び上がり―――――――叩き落とされた。全ての攻撃に警戒をしていた一誠は相手の逃亡も考えての警戒も怠っておらず、ゆっくりと近づいている間に倍化を二回掛けていたのだ

 

「舐めてんじゃねぇぞクソ恐竜!此処まで来て逃亡なんてさせるほど俺は甘くねえぞ!!」

 

ティガレックスの筋力は絶大で一瞬の溜めで上空へと飛び上がる事が出来るがそれが徒となり、カウンターに近い形で迎撃され地面へと落下したのだ。落下の衝撃も凄まじい為にダメージが有り有りと出ており、挙動の一つ一つが遅くなり迎撃が上手く出来無い状態まで追い詰められ、それを見逃す程今の一誠は甘くなく怒濤のラッシュを顔面へと叩き込んで行く

 

「オラオラオラァ!これは俺だけの分だけじゃ無い!これはお前に攻撃されまくった春の分!これは俊屋をいたぶった分!そしてこれは――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達三人の痛みの分だ!ドラゴンショットオオオオオオオオオ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後は牙を砕きながら口へとねじ込まれた右拳から放たれたドラゴンショット―――――――内部で爆発したのか、ティガレックスの内部が膨れ上がりドゥンという爆発音を立て口から煙を吐きながら大地へと完全に倒れ伏した。しかしトドメは確実にと言わんばかりに口内から脳天に向けてアスカロンを貫通させ絶命させた後一誠は鎧を解除左の籠手だけを消さないままの状態にし、倒れ伏している春と俊屋を回収して自身が使う分以外の回復薬を全て使用し回復させた。こうして一誠達三人の怒濤なる戦いが幕を終えたのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ~、またしてもっていう状況だったねぇ。まさか亜種進化を果たすなんてねぇ・・・しかも削り取った要らない部分のジンオウガの素材であんな事になるとは予想もしていなかったなぁ」

 

またしても一誠は美羅の予想を良い方向で裏切る形で進化したのだ

 

神器(セイクリッドギア)は所有者の想いに答えて進化する――――――――か。野生の本流に流されなかっただけ良しとしようかな?本来はこのサバイバル期間で禁手(バランスブレイク)に至れると思っていたんだけどそれは欲張りだったという訳でこれからに期待って所ね」

 

美羅は倒れ伏していた春と俊屋が目を覚まし一誠と喜んでいる姿を確認した後、別荘へと帰宅し二人のこれからをどうしようか考えるのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春と俊屋に回復薬を飲ませた俺はティガレックスをアイテムポーチに仕舞い込みあの状態の事を思い出す様に確認していた

 

あのジンオウガの角を籠手に取り込んだ後変化した自身の体、完全な鎧姿までとは行かないが大まかな所までの進化に内心嬉しく思っている

 

『相棒、これでこのサバイバル生活も終わりを迎えたな』

 

ん?終わりって何だ?

 

『言っていただろう?あいつが目標だと―――――――それに美羅の方も切り上げの準備に取りかかっているとのお達しが来たからな』

 

あ・・・そっか・・・・・このサバイバルの本当の内容も完全に忘れていたなぁ

 

『まぁそう言うな、生存能力を上げる意味でのこのサバイバルはとても良い経験になるだろう。今の相棒ならば機転を活かした方法で生き残れるから良いではないか』

 

まぁな・・・あんなモンスター達と野生を間近で見て、戦って何て事は絶対に出来無いだろうからな。ってか今までの事を思い出していると良く俺は死ななかったなぁと思うぜ・・・

 

実際問題一誠は何度も死にかけては―――――――――の繰り返しで生き延びているので生存能力で言うと眷属の中でダントツだろう。そうしていると春が先に目が覚め、続く様に俊屋も目が覚めた

 

「あ・・・私生きてる?」

 

「生き・・・てるなぁ・・・・・良かった俺生きてる」

 

此処までボロボロにされたのは初めての二人は生の実感を得ていた

 

「よぉ二人共回復薬を全部使い切ったけどどうだ?体動かせるか?」

 

体を心配する一誠、二人は自信の体を調べる様に動き確認する

 

「私は大丈夫。殆ど体力が持って行かれただけで最後の突進でぷっつりだからね・・・」

 

「正直俺は未だ動けそうに無い・・・ティガレックスの野郎は俺をいたぶる様に攻撃してたから体の芯に響いてるわ」

 

「そっか・・・俊屋が動ける様になるまで待機するとしますか」

 

「はぁ・・・イトハをハグハグしたいよぉ。イトハニウムが足りないよぉ・・・・・」

 

「正直言うと今日は絶対に料理できねえからな」

 

「・・・肉を焼いて終わりにしよう」

 

「私は魚ー」

 

こうして雑談をしながら体力を回復させる三人、俊屋が歩ける様になった後は寄り道もせず狩りもせず拠点へと帰還した後、沈むように眠りへと付いた三人だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




一誠「どうだ!乗りきったぞこのサバイバル!!」
黒「作者は黒焦げになっているから司会進行はこの俺達がやってやろう」
紅「まぁ下位だけど良くやったと褒めてやろう」
ティア「二回目が待っているとなると憂鬱になるだろうがな」
黒「今度は全員だから今以上に楽になるぞ・・・キット・・・・・」
一誠「くっそおおおおお匙とか参加しねえのかよ!」
ミラ「それ採用!」
紅「関係無いところで被害者が増えたか」
ティア「いっその事縛りを付けて白龍皇を巻き込めば良いのでは無いか?」
黒「戦闘狂に自然の厳しさを教えると言う事か」
雌煌「ふっか―――――」
ミラ「消えろおおおおおおお!」ミラビーム
雌煌「いやあああああああああああああ!」ジュッ
紅「・・・ま、まぁ話しは戻ってサバイバルとなれば自給自足となるからな」
ティア「丁度良いのでは無いか?一誠のライバルとして」
黒「調子に乗ってボコられる未来が見える・・・」





ねる「ティアも参加するの?」
ティア「ちょ待っ―――――――――――」
ミラ「ねるの案採用♪」
ティア「主ぃぃぃぃいいいいいいいいいいいい!?」
黒「俺達は大丈夫だな!」
紅「ティアは修行という訳だな」
ミラ「三人はサンドバッグだからね♪」
「「ヒェッ」」
雌煌「 」チーン


















布団「ふぅ何とか生き返った・・・・」
黒「よく復活出来たな・・・」
紅「サンドバッグはいやだあああああああああああ」
雌煌「 」チーン
ミラ「最近感想来ないねぇ・・・」
黒「作者のモチベが低下しているから違うのを書いているのか!?」
ミラ「感想書いて皆で私を盛り上げて!」
布団「モチベとは貰うモノなのだよ・・・・」


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第57話 愉悦を求めて手綱も握る!これで魔王も我が使いっ走りに

布団「おっしゃ!投稿じゃ!」ヤケクソ
ミラ「あ・・・」
黒「ん?」
紅「あぁ・・・」
ティア「成る程・・・」
黒「???」
紅「察してやれ」
黒「まるで意味が分からんぞ!」
布団「スペースイシュタル・・・HAHAHA!☆四礼装1枚だけのガチャなんてフザケルナ!フザケルナ!バカウンエイ!!ウワアアアアアアアアアアアア!!」
ミラ「石をどれだけ溶かしたのやら・・・」
ティア「しかも礼装が限定でも無いと・・・」
紅「作者の心のダメージが計り知れない!?」
布団「ミンナハトマルンジャネェゾ・・・」キボーオノハナー














ねる「はじまるはじまるよ?」








~美羅side~

 

ティガレックスを討伐した三人は拠点に帰還し眠りに付いている間、美羅はため息をついていた。何故か?雌煌の短期間常識詰め込み作業が終わったとのお知らせが届き不安で仕方が無く、これからどう扱おうか決めかねていた

 

「はぁ・・・どうしよう」

 

何であの雌豚を預からねばいけないのかと段々憂鬱になってくるなぁ。まぁサンドバッグとしては優秀だから問題は無いとしても、問題行為を起こしかねないという危険要素が否めないからちょっと心配・・・

 

「それにしてもティアからの連絡ではあっちはあっちで温い訓練をしているって言うのが駄目駄目なんだよねぇ・・・」

 

ティアからの情報では極限状態での特訓では無く基礎の基礎を固める為のだと言うのだ。今現在で一番の変化はアーシアとギャスパーの二人だけで、残りの三人は駄目駄目であるが、木場に関しては放置している状況なので仕方が無いの一言である。グレモリーと姫島と塔城が伸び代が全然駄目で魔力制御が出来ておらず滅びの力に頼りすぎている馬鹿と自身の力を十全に使わない馬鹿と体術のたの字も知らない馬鹿のコンビである。塔城に関しては学びつつある・・・黒の紳士(意味深)な行為によってだが・・・・・

と、こんな風に伸びた者や伸びない者との格差が激しく今では豚に真珠状態――――――下手をしなくても引き抜きか、交換が行われる可能性が特大である。応じるかどうかの可能性は考慮しないが、そうの様な案件は幾つも押し寄せてくるだろう

 

しっかしティアがアーシアちゃんの変貌が大変だって言ってたけどさぁ・・・某運命のステゴロ聖女に似るとは想像も付かなかったよ

 

手甲術を見せたり説明した第一人者は美羅様では・・・・・

 

お黙りっ!

 

フォオオオ!?

 

ゴホン・・・まぁ確かに私が教えたっちゃ教えたけど、あくまで自衛目的であって自らが率先して行く様にしたわけじゃ無いのよ!あれもこれも全て紅がいけないのよ!!きっとアーシアちゃんから強くなるにはどうすれば良いのかとか強くして下さいって頼まれてそうしたに違いない!って言うか絶対にそうだ!!

 

ブェックシッ!

 

コウサンカゼデスカ?ムリシナイデクダサイネ?

 

ダイジョウブ・・・アーシアチャンニイヤサレテイルカラモンダイナイ!

 

今も尚馬鹿やってると思うけど後で本当のステゴロっていうのを教えてあげるよ←フラグ建築

 

そして一誠達よりも早く詰め込み作業の終わったとグレイフィアからの念話が美羅に届く

 

『美羅様、ようやく雌煌様の常識の詰め込み作業が終了致しました』

 

「ご苦労様。どうだった?やっぱり疲れた?」

 

『正直に申し上げますと、とても大変でした。それこそメイドとしての仕事が出来ない程の物でした』

 

「成る程ねぇ・・・今回はアフターサービスとしてお薬を報酬としてあげるよ。分析したり悪用しなければだけどね?」

 

『では個人で使用出来る物でお願いします』

 

「りょうか~い♪それじゃあ雌煌に触れていてね?こっちに転移させるから」

 

『肩を掴んでいるので大丈夫です』

 

それを聞いた美羅は転移魔法を起動、座標の雌豚を指定して別荘前の玄関へと設定――――――起動してから物の数秒で転移が完了。グレイフィアは初めて訪れるこの地に驚きもあるが周りの自然にも見とれたのだが、一番驚いたのはペンションの存在だった

天然自然物オンリーのその佇まいは昔ながらの建築物と思わせているが思わず綺麗だと呟くほどの代物、だがこれを造った美羅本人は「どうだ!」と言わんばかりにニコニコしている

 

「さてさて中に入ろう。薬は調合して渡す形になるから付いて来てね?そして雌豚、貴様は外で正座して待ってなさい」

 

温かい目から極寒の目へと変化した美羅は恐ろしい・・・

 

「・・・ではお言葉に甘えて失礼致します」

 

別荘の中へと入る美羅に付いていく様に入るグレイフィア―――――――そして更に驚く。内部はフローリングで、見た事も無い様な木材を使っている為か新鮮さを兼ね備えており、内装はまたしても見た事の無い輝きを放つ鉱物、生き物の素材、そして武具、全てに目が奪われており一瞬立ち止まって見てしまう程の物だった

 

「・・・凄いですね。この様な見た事の無い代物があった事に驚きを隠せません」

 

それはそうだ――――――全てがモンハンワールドに存在している物なので仕方が無い。美羅は過去に制作した武具を見ながら過去を思い出していた

 

あぁ・・・懐かしいな―――――私に一人だけで勇敢に挑んできたハンターが装備していたのを人化して見よう見真似で作った奴だっけ。まぁそのハンターは老衰で死んじゃったんだけどさ・・・

 

美羅に挑み敗退してもまた挑み、幾度も挑戦してきた勇敢なるハンター。来なくなってからは人化して噂を宛に探して見つけ、話して、老化による引退と言う事だった。因みにこのハンターは人化した美羅とあった瞬間挑戦した龍だと気付いたのだった。後はどうでも良い様な世間話をそのハンターが老衰するまで色々とお喋りをしたりしていた美羅だった

※因みにこのハンターは転生者ではありません。純粋なるモンハン世界の出身者である

 

と、此処で呼び鈴が鳴った

 

「はいはーい。今開けるから待ってて」

 

「美羅様、一体誰がこの地訪れる方が居るのですか?」

 

「あぁ、此処は特殊な空間だからね。今此処には三人だけで、一人は一誠君だよ―――――修行目的でサバイバルさせていただけだけど」

 

呆然としているグレイフィアを放置して玄関を開けると三人+一匹が其処に居り、見事ティガレックスを討伐した事を報告、そして現物をポーチから出し玄関前へと出した。まぁ此処で忘れてはいけない・・・この場所にはグレイフィアが居るという事、そして一誠が出したティガレックスの姿を見て唖然としていた

 

「・・・もしかしなくてもこれは兵藤様が倒しになられたのですか?」

 

「ん?ってグレイフィアさんが何で此処に居るんですか!?」

 

「美羅様にお呼ばれしましたので」

 

「あ、成る程。納得しました」

 

流石の美羅様、大抵の事は美羅がと付ければ納得するという一誠である

 

もっと崇めても良いのよ?

 

ハハァー!

 

と作者と美羅のやり取りは放置して話しを進めよう。色々と近状報告等をぼかしながら説明中・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「と、言う訳だったんですよ!俺何回も死ぬかと思いましたよ!!」

 

「え・・・えぇ。とても頑張ったのですね・・・・・(その環境下で適応し生き残る事自体奇跡ですよ)」

 

一誠のサバイバルの内容にゾッとするグレイフィア。もしも自分が体験するとなれば生き残れる保証が厳しいだろう・・・とはいえシスコン魔王の女王でもあるので可能性としては一誠より上な筈・・・多分・・・・・

 

「それでこの二人に関しましてはどの様な措置をされるのでしょうか?」

 

「あぁ舞樹姉弟は一応私預かりになるよ――――――使いっ走りが増えるし成長するしで私の身代わり要因が増えるのは大歓迎だよ♪

 

哀れ舞樹姉弟。貴様達の運命は美羅様に握られてしまったのだ

 

バンナソカナアアアアアアア!!

 

「そっかぁ、私達は白野さんに一任されるって事か・・・・・」

 

「あっ・・・・・(察し)」

 

「おい一誠!何だその同情を含んだ生易しい視線は!?」

 

「ダイジョウブダ・・・ナニモモンダイナカッタラダケド・・・・・」

 

「ヒェッ!?」

 

大袈裟だなぁ・・・私はただ使いっ走りが欲しいだけなのになぁ。黒だと色々と駄目な部分が有るから改善しようと努力しているんだよ私は

 

以前のフルーツタルト事件を根に持っている美羅。中身がぐちゃぐちゃよりも綺麗な状態の方が美味しく感じられるのでまぁ・・・仕方が無いよね?見た目大事―――――もの凄く大事

 

「でもあれだなぁ・・・美羅先輩が調合した薬かー。物凄い効果が有るんだろうなぁ」

 

「どれ程凄いのですか?個人で使用するので色々と興味が尽きませんので」

 

「いやぁ~凄いですよ?怪我を治すのに飲んで良し掛けて良しの回復薬で、俺が自分で作ったのは効果が少し低いし味が悪いしの駄目駄目なんです。でも美羅先輩が作った物は少し甘みがあってとても飲みやすく超即効性という代物なんですよ」

 

これ以上聞くと何か不味いと感じたグレイフィアは無言を貫き、一誠に対して可哀想な視線を送る。春と俊屋も気付いたのか「「あっ・・・」」と声を洩らし、一誠はギギギッとブリキ人形の様に後ろへ振り向いた目の前にニコニコ笑顔の美羅が立っていた。笑っていても目が笑っていないという状態で誰もが察した

 

「そ、そう!これはグレイフィアさんに美羅先輩が作ったら薬が如何に凄いか力説していただけで―――」

 

「ちょっと黙ろうか?」ガシッ

 

頭を掴み力をゆっくりと、万力の様に徐々に徐々にと入れ始めて行き一誠の体ごと持ち上げる。因みに掴む力はまだまだ上昇している

 

「いぎゃああああああああ!脳が潰されるううううう!?ちょっ、あっ――――――――――ぎょああああああああああああ!」

 

ジタバタと暴れ拘束を逃れようとする一誠だが無意味、容赦無く締め上げられる力の前にガクガクと体が震えて行き最後にはビクンッと言ったら良いのだろうか・・・一瞬大きく反応しダランと力なく垂れた。そのまま背中から落ちる様に叩き付け制裁は終了した。尚この光景を見ていた三人は真っ青になっているのである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数刻後――――――――

 

「と言う訳で!私の作った薬について情報を漏らした馬鹿にはこれ以上に酷い目に遭わせるから注意してね?―――――尚、命の保証をするとは言っていないからそのつもりで宜しくね♪」

 

ブンブンブンと顔を縦に振り了承する三人、一誠は地面にてピクピクしながらも頷いている

 

「と、取り敢えず自滅した兵藤様は置いておきまして!美羅様が私に渡そうとされていた薬とは一体どの様な代物ですか?効き過ぎる等の点も考慮しないといけませんので説明も宜しくお願いします」

 

「うーん、これにしようか・・・あれにしようか・・・・・いっその事新薬にしてみるのも」とかなり危ない言葉が聞こえ「安全性が確立されている薬にして下さい!」と必死にお願いするグレイフィアに「え~。しょうが無いなぁ」等とやり取りをしている二人。舞樹姉弟は空気となり被害が及ばない様に気を付けているが

 

「そうだ・・・この新薬は一応安全だからこの姉弟に使わせよう!鬼神薬を強化した物だし両方ともWin-Winだよね~♪」

 

残酷な一言によって新薬の臨床試験が決定となった。一応この薬達は全部美羅のお手製、その殆どが実験して成功―――――安全性も確立されているものが殆ど。しかしこの様に新薬を作り出す美羅のそれは誰かが犠牲となる運命なのだ・・・その殆どは黒や紅、果てにはモンスター達に飲ませたりとぶっ飛んだ行為をしている

 

「春姉・・・俺達生きれるのかな?」

 

「私も俊屋と同じく生きれるかどうかが不安よ・・・」

 

口から魂が出かけている二人

 

「安全だって言ってるでしょ!ただ単に効果の倍増を目的として作ったんだからさ!!」

 

フラグを建築して行く美羅様流石です!

 

フラグはへし折る(物理)物だから良いのよ!

 

こんな所まで運命操作を使わないで欲しいと世界は思っているだろう・・・

 

「ん~・・・これが良いかな?―――――――活力剤だけどどう?」

 

「効果はどうなのですか?色が黄色い事からビタミン剤に近い何かと思われるのですが・・・」

 

「自然治癒能力が上がるだけだよ?それともこっちの強走薬にする?」

 

「強壮薬?」

 

「そんなちんけな物じゃ無いよ・・・これを飲んだ人には一定時間だけど無尽蔵のスタミナを得る事が出来るんだよ――――――――――――まぁ貴女なら〇〇〇(ピー)に使えば文字通り搾り取る事が出来るかもねぇ?」

 

悪魔よりも悪魔らしい誘惑の囁きをこぼす美羅。グレイフィアは美羅の手を掴み

 

「これでお願いします!」

 

即答。美羅は更なる愉悦を求める為更なる囁きをこぼす

 

「ここに栄養剤グレート(意味深)もあるけど欲しい?」

 

「下さい―――――美羅様からの呪いが解けたあの人が他の方達に手を出させない様に釘を刺しておきたいので」

 

ニヤリと笑みを浮かべる美羅はここである条件を一つ付け加える

 

〇〇〇(ピー)している場面を毎回録画して私に提供してくれれば良いよ?」

 

「・・・・・・・・・・」

 

沈黙、流石にその映像を渡すという行為は看過出来無いのだがグレイフィアの頭の中は善と悪の自分が争っており未だに答えを出す事が出来ずにいた。しかし更なる甘言が決定打となった

 

「もしも提供してくれたのなら定期的に卸すし追加サービスもしちゃうかもしれないよ~?」

 

「是非協力致しましょう」

 

自身の羞恥心など捨てて甘言に賛成したグレイフィアとどの様にして愉悦に浸ろうかと思っている美羅。こうしてシスコン赤髪は気付かない所で着々と手綱を付けられて行き、両者から逃れられない状況へと近づいて行く―――――しかしだれも同情はしないだろう・・・自陣へと美羅を取り込もうとした罰なのだから。こうして提供関係が決定したグレイフィアは薬を貰い美羅の転移門によって冥界へと帰って行った

 

「さてと、お次は―――――――」

 

「ヒィッ!?」と悲鳴を上げる三人を無視し外へと向かう美羅、皆ならばお分かりだろう。次なる標的は雌煌へと切り替わった―――――――今も尚玄関前にて正座をしている筈だろう・・・だが雌煌は一味も二味も違う

 

「チッ!ようやくあの女の気配が消えたか。いちいちネチっこい説教にどれ程我慢したか・・・もうあの場所を更地にしてやろうかと何度も思っちまったぜ!しっかしミラの奴もな~にが現代社会?の常識を勉強させろ――――だ。巫山戯んなよ!息苦しすぎて俺は暴れたいんだよ!・・・・・そうか、黒の奴と紅の奴とバトれば全部解決じゃねえか!よっしゃあやってやるぜ!!」

 

音も無く玄関の戸を開けた美羅、そして馬鹿な事を考えようとしている雌煌――――――これから先はお約束である。美羅の後ろに居た三人はこれからどうなるかを察し南無と手を合わせ合掌、物理によるお説教+ストレス発散コースが確定した瞬間である

美羅は一誠に一目やり目で命令する「肩を叩いてこちらに目を向けさせなさい」と、本能で理解した一誠は足音を立てずに雌煌の肩を叩こうとすると

 

「あ"ぁ"ん?誰だてめぇ!」

 

怒気を含んだ目を向けられチビリそうになる一誠だったが、雌煌の顔は一気に青白く真顔になる。後ろに顔を向けた先で見たのは完全に怒りモードの美羅、とっても良い笑顔をしながら一歩一歩と近づいてきているからだ

 

「ニゲルンダァ・・・」

 

龍化をするよりも先に足に力を込め逃亡を図ろうとするも全てにおいて遅く、地面を蹴って伸びた足首を掴まれそのまま地面にベタンッと落ちる

 

「ど~こに行くつもりなのかなぁ雌豚は?」

 

恐怖を煽る質問を告げる美羅――――――だが此処で雌煌は屈服せず反撃に出る

 

「クソッタレがあ!こうなったらリベンジしてやるぜ!」

 

足首を持たれた方とは反対の足で回し蹴りを美羅の頭部へと直撃させる。力は凄まじく鈍い音が響きぶつかった所からの衝撃で一誠は吹っ飛ばされたが、美羅の体は少しだけ揺れた程度だった。(因みに別荘は美羅の魔力によってバリアが張られているので問題なし)そして告げられる事実

 

「今のが攻撃の つ・も・り?」

 

「ま、まだ終わりじゃねえ! だだだだだだだだだだだだだだだだだDADADADADADA!!」

 

両手から龍気を活性化させ様々な属性を含む弾を撃ち込む

 

「あーあ・・・フラグを建てちまいやがった」

 

「ブ〇リー系のあれだよね?タコがこう言ってたね!『グミ撃ちはフラグですじゃ』―――――と!」

 

「美羅先輩はあんな筋肉お化けじゃ無いけどな」

 

着弾した弾は美羅に当たり爆発、煙がもうもうと立ち上り前が見えなくなったが煙を突き破る様に手が現れ雌煌の顔面が掴まれる

 

「これからはお約束なんだよ?」

 

「ハ、ハナセェ!」

 

「「「「岩盤とな?準備は任せろ!美羅!(主!)」」」」

 

すると何処からともなく現れた黒、紅、ティア、赤の四人が巨大な岩石を持ち登場

 

さぁ岩盤のお時間よ~♪

 

作者の言葉が終わる時には既に準備完了―――――――

 

「「「岩盤を支えたぞ!さぁ何時でも来い!!」」」

 

「主よ準備は整いました。さぁ後はご遠慮せず好きなだけ岩盤をお使い下さい」

 

Let'sチャレンジ!

 

「お前ら後で全員ぶっ飛ば――――――――――フォオアァ!?」

 

「イエイ!」キーン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴオオオオオオオオ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

巨大な岩盤へとぶつかりクレーターとなるが、美羅の力が強すぎた為に支えの三人は"後ろへと吹き飛び"岩盤を手放してしまう。だが美羅の直進は止まらず、そのまま岩盤を貫通そのまま空高く上昇、そして急降下――――――そのまま地面へと直撃し巨大な爆風と揺れが襲う。落下した場所の土煙が晴れたその先に見た光景は雌煌に筋肉バスターが完璧に決まっている物だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美羅は雌煌を足首を再度掴みそのまま引きずる形で一誠達の元へと返り其処で終了だと誰もが思っていた。黒達四人も「完璧だった」と思っていたが

 

「さて?岩盤を手放した三人にもお仕置きしないとね?」

 

「「「散!」」」

 

「「「でも逃がさない♪」」」

 

各自ばらける様に逃げたが、分身した美羅にあっという間に捕まってしまった

 

「ニャメロン!ハナセェ!!」

 

「ビャアアアアアアアマズイイイイイイイイイイ!?」

 

「アーシアチャン、オレドコマデイケタ?」

 

遺言を各自残し

 

「「「手足は不要――――――――――――祖の龍は目で消し去る」」」メカラビーム

 

「「「ッア"ー」」」ジュッ

 

美羅から放たれた三連ビームにより着弾した山は巨大なキノコ雲を作った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ワタシゼッタニハクノサンヲオコラセナイ・・・」

 

「ナニアレ・・・」

 

「   」チーン

 

「何、直ぐに慣れる」

 

爆風で飛ばされ気絶した一誠と目の前の出来事に呆然とする二人に全てを諦めきった言葉を投げるティアだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




布団「ふぁ~あハハハハ」
「ちょっと待ちたまえ!いくら何でもこの場所で壊れるのは止めてくれないかい!?」
布団「アイヤー!」
「某ハニワみたいな叫び声を上げちゃ駄目だよ!」
布団「モウナニモコワクナイ!」
「ちょっ!?本当に止めてくれないかな!変な電波が発信されていそうで怖いんだけど!」
ミラ「可哀想に・・・私が一回消し飛ばして新たなる作者を生み出さないと」
「ヴェ!?」
ミラ「ミラコーン!」カッ!
「うん・・・またしてもこの場所は消えてしm」ジュッ
布団「ヤッタ!ヒカリガー」ジュッ


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第58話 成果と報告と

布団「 」
黒「作者は何をやっているんだ・・・」
ミラ「あぁイベントだってさ」
紅「あれ?もう一週間を切ったはずじゃなかったか?」
布団「うるせええええええええ!五日で終わらせれば良いんじゃろうが!」
ミラ「五月蠅い!」
ティア「今回はミッション方式だ・・・終わると良いな」
布団「あ"あ"あ"あ"あ"あああああああ!」




ミラ「もう作者は放置しておこう」
黒「長々とさせる訳にはいかないからな!」
紅「では、始まるぞ!」
ねる「みじかいよ?」






~一誠side~

 

ようやく終了したサバイバル。目を閉じると全てが鮮明に思い出せる程の濃密なる日々、追われて吹っ飛ばされて傷付いて倒して食って――――――色んな事があったなぁ・・・

 

『良い体験だったじゃないか相棒。あの様な事は二度と無いぞ?』

 

当たり前だ!本当に死ぬかと思ったんだぞ!?でも今日で家に帰れるのか~。部長達はどうしてるんだろうなぁ?

 

「さーてと!バカンスも十分堪能したし人間界へと帰りましょうか」

 

美羅はそう言い転移門を目の前に展開し中へと入って行く。一誠達も続く様に入ると懐かしき光景、自宅の玄関前へと繋がっており―――――やっと帰って来たと言わんばかりにジーンと感動している

 

「懐かしいぜこの現代の景色!数ヶ月の間ずっと森の中だったから余計にそう感じちまうぜ!!」

 

「へぇー此処が一誠の自宅なんだ・・・もしかしなくてもお坊ちゃまだったり?」

 

「違うぜ?部長達皆と住む事になったからサーゼクス様・・・部長のお兄さんな?その人の好意で大きくして貰えたんだよ」

 

「まぁ春姉と俺にはあんまり関係無いだろ。俺達は白野さん預かりになる筈だし」

 

舞樹姉弟は確かに美羅預かりとなるので別宅だろうと思っていたが

 

「そういや説明してなかったな。美羅先輩達も一緒に暮らしてるんだよ」

 

一誠のこの一言は二人を驚愕させるには十分な物だった

 

「よく一誠はぶっ飛ばされなかったね・・・」

 

「ぶっ飛ばされる以前の問題だと俺は思うんだがなぁ」

 

「二人共酷え!」

 

「だってーおっぱい魔人なんでしょ?覗きとかやってそうでさ・・・」

 

「まぁやってたらこの世に居なさそうだけどな・・・」

 

現に一誠は美羅からセクシュアルハラスメント系は厳禁とされているし、もしも破った場合には相応のお仕置き以上の消し去る可能性は特大と言えるだろう

 

「まぁ私としても一緒に住みたいとは思わないけど・・・現状では無理だからねぇ。ちゃんとした義理もあるし」

 

「ぎ、義理!?一誠に対してそんな事があるのか!?」

 

「一誠君にじゃなく、ご両親に義理があるからって事だからね?じゃないと黒達と同じ仕置きをするに決まってるでしょ?」

 

二人は黒達が美羅にどの様なお仕置きをされたか先程の出来事から予想――――そして納得

 

「それはご尤も」

 

「でも白野さんって完璧超人って感じるから助けられるって事自体無いと思うんだけど?」

 

春の質問は至極当然であった。傍目から見ても美羅は何でも自分で出来ると感じる程の完璧だろう・・・だがこの世界に来てからの常識等が分からない所を色々と教えて貰ったりとあるのだ

 

「まぁ色々と教えて貰ったのよ」

 

二人も敢えて踏み込んでの説明は聞かなかった

 

「それじゃあ"ただいまー"」

 

「美羅ちゃんお帰りなさい~。バカンスはどう?馬鹿息子はしっかりと逞しくなった?」

 

「勿論ですよ。新しい仲間達も出来て良い感じだと言いたいのですが、まだまだ不安が残っています・・・」

 

「夢でも良いから美羅ちゃんが貰ってくれれば・・・」

 

「変態は貰いたくないので結構です」

 

「本当に何故この馬鹿息子は変態になっちゃったのかしら!」

 

一誠の母と美羅のやり取りを見る舞樹姉弟、一誠は美羅からの即答拒否に崩れ落ちOTL状態に

 

「おう馬鹿息子帰って来たか!それにそこのお二人は美羅ちゃんが言ってた新しい仲間の方かい?」

 

「あ、はい!修行の最中に一誠に助けられました!名前は舞樹俊屋です」

 

「こ、こんにちは!弟と一緒に助けられました。舞樹春と言います」

 

「あらあらご姉弟なの?しかも馬鹿息子が助けた!?何か良からぬ要求とかされてないわよね!もしされていたら言いなさい?ビシッと馬鹿息子に説教をしてあげるから!!」

 

「俺の信用どんだけ低いの!?」

 

「学校でも問題を美羅ちゃんからこれでもかと言う程聞かされているんだぞ?何か粗相をしたのでは無いかと疑うのは当然だろう馬鹿息子」

 

「美羅先輩の薄情者おおおおおお!」

 

「あ"?」

 

「スイマセン・・・」

 

ひと睨みで縮こまる一誠、我が息子ながら情けないとため息を吐く両親二人、そして苦笑いを浮かべる姉弟。美羅は気にせず中へと入る様に促し皆が家へと入って行く。こうして一誠の超過酷なサバイバル生活の第一回が終了したのであった

 

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

さてさて何処まで話したら良いのやら・・・

 

美羅は姉弟も中へ入れリビングの広間にて各自の成果の報告を聞く事に――――――

まず最初はKY赤髪ことグレモリー、全力出さない巫女さん姫島の方について・・・指導顧問のアザゼルを含めてだ

 

「それじゃあ色々と説明してくれる?私が居なかった間にどれ程成長したのかをね?」

 

「私は今まで滅びの力に頼るばかりのごり押しだったわ・・・でも今は魔力制御で力の強弱、形を自在に操れるわ!」

 

「・・・で?雷巫女の方は?」

 

「私もリアスと同じ様な訓練をしましたわ」

 

「どうなのアザゼル?」

 

「まぁ正直に言ってまだまだムラがあるがレーティングゲームをするならそれなりって所だな」

 

「まぁ要するに基礎が出来るようになったって事で良いのよね?」

 

「「き、基礎・・・」」ワナワナ

 

ボロクソに言う美羅に二人は反論出来無い。アザゼルから事前にストップを掛けられているから

 

「女装吸血鬼は?」

 

「ひぅっ!?」

 

「正直に言えば此奴に足りないのは自信だ。何があろうとも揺らがない自分の信念を見つける事が出来たのならば強くなると我は予想しているが・・・体力を大本とした護身が出来ていないのが現状だな」

 

ティアの柔らかい補足かと思いきやグサッとギャスパーの胸に矢が突き刺さりショボンとする

 

「まぁそこら辺は魔改造でどうにかなるとして」

 

((魔改造するのは確定なんだ・・・))

 

「そうだな自信なぞ追い込めばどうとでもなる物だからな」

 

「次のサバイバルで大丈夫だから放置だな」

 

「こいつら生き残れるのか?」

 

「どんな場所に放り込むつもりだよ!」と心の中でツッコミ、一誠に関しては心の中でギャスパーに合掌した

 

「木場君に関しては仕方が無いけど・・・取り敢えずその腕輪についての説明宜しく」

 

「あらかじめ言っておきますが皆驚かないでね?」

 

そう言い木場は太刀をイメージ、腕輪は消え手に太刀が収まっていた。この光景に眷属一同は驚いており、より一層驚いていたのは黒達であった。美羅は驚いていなかったが・・・

 

「す、すっげー!かっけーじゃねえか木場!」

 

「魔剣とは違うわよね?」

 

「刀・・・太刀の部類に入る代物ですね」

 

「おいおい・・・この太刀って」

 

「間違い無いが・・・どうやってこの世界に来たんだ?」

 

「と、まぁこんな感じで呼び出す事が出来るのだけどね・・・この剣の切れ味がもの凄くて使うのは止めているんだ。長い剣を創って素振りの練習とかはしているんだけど中々物に出来無いのが現状なんです」

 

「ふーん・・・成る程ね。なら仕方が無いし取り回しは紅が教えてあげてね?」

 

「嫌だあ!俺はアーシアちゃんを教えるんだあ!」

 

「あ、あのー紅さん?私は美羅さんに教えて貰うので木場さんを宜しくお願いしますね?」

 

「よっしゃあ!木場四十秒で支度しな!」

 

「えっ?ちょっと待って!?」

 

「じゃあ次は小猫ちゃんで」

 

紅に首根っこを掴まれ引きずられていく木場を見送り話しを戻す美羅

 

「大丈夫だ美羅!小猫ちゃんは健全に指導しておいたぜ!」

 

「五月蠅いです黒さん」ゲシッ

 

「ふぉお!?」

 

黒の首に装着されているリードが縮み顔面を踏みつける塔城。尚黒は興奮している模様

 

「気持ち悪いです・・・」

 

「って!余りの出来事に頭が追いついていなかったけど何で黒の首にリードが付いてんの!?そして何でそれを小猫ちゃんが握ってるの!?」

 

黒が塔城の管理下に置かれた事を知らない一誠と舞樹姉弟は愕然としている

 

「ふっ・・・羨ましかろう?男共」

 

「おれはおっぱいが好きだからそういうのはちょっと・・・」

 

「アブノーマル過ぎて気持ち悪い・・・」

 

「ば・・・かな・・・・・」

 

「後で小猫ちゃんは組み手しようか?」

 

ビクッと体を震わせ重要な所だけを聞く塔城

 

「は、白野先輩が相手なんですか・・・?」ガクガク

 

周りがシーンと沈黙し、殆どの者達が哀れみの視線を送っているが美羅はそれを否定

 

「そんな訳無いでしょ・・・小猫ちゃんが相手するのはアーシアちゃんだからね?」

 

『えっ・・・?』

 

ほぼ全員が理解出来ていなかった。アーシアは回復職の後衛であり前衛に上がる事の無い立場だからだ。しかし美羅は中間報告にて紅から聞いた物は冗談だと思っていたのだが帰って来て直ぐに違いを見抜いたのだ。肉体的な変化は殆ど無いが、魔力が全身の隅々まで行き渡った痕跡を――――――

 

「紅から中間報告を聞いて何かの冗談かな~って思ってたけど帰って来てみればそれが本当だと直ぐに分かったからね?この修行期間で一番伸びたのはアーシアちゃんじゃないかって思う位なのよ」

 

『嘘だっ!!』

 

「いやいや嘘じゃ無いよ?実際に見てみたら分かるから・・・と言う事で早速組み手をしよう。あ、実戦形式だから怪我するのは仕方が無いからね?」

 

そして一同は転移により合宿した場所へと移動、アーシアVS塔城の前代未聞の戦いが始まるのである

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ!アーシアちゃんの気配が遠のいただと!?稽古は切り上げだぁ!俺達も転移して行くぞお!」

 

「えっ!?まだ稽古を開始したばか―――――――」

 

紅と木場も遅れる様に転移し合流するのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

広場には各指導者を含め全員が集まっていた

 

「いやぁー美羅のお嬢ちゃんがアーシアの方が小猫より強いって言うのはかなり気になるなあ!」

 

「俺としては紅がこの組み手の後どうなるのか興味があるのだけどな!」

 

「魔改造しすぎだろ!って怒られながらボッコボコにされる未来が見えるw」

 

アザゼルと黒は紅の行く末がどうなるかをワクワクと見る事に決定、他の者達は半信半疑のまま心配そうに見つめており皆がアーシアを心配している

 

「やっぱり心配よ・・・あの優しいアーシアが小猫より強いなんて有り得ないわ」

 

「リアスの言う通りですわ。修行が始まる前のアーシアちゃんは体術のたの字も知らない子でしたもの」

 

「部長、朱乃さん!いざとなったら俺がアーシアを助けるので大丈夫ですよ!それに小猫ちゃんだってそれが分からないって事は無いでしょうから」

 

「そ、そうよね・・・なら大zy――――」

 

「小猫ちゃーん。手加減なんてしたら・・・分かっているよね?」

 

「ヒィッ!?・・・・・アーシア先輩すみません。私は私の為に全力で行かせて頂きます」

 

「ふぇええ」

 

最早どうしようも無い。一誠は美羅に怒られようとも突っ込んで行こうと覚悟した

 

「よっしゃあ!間に合ったぞおおおおおおお!アーシアちゃんの晴れ舞台だあああああああああああああ!」

 

鉢巻きに法被に団扇とアイドルファンに必要な最低限の装備を纏った紅とジャージ姿の木場が転移、紅の余りにも痛々しい格好に美羅は頭を痛める

 

「・・・一応聞くけどその格好はどういうつもり?」

 

「アーシアちゃんを応援すんだ!応援は最低限この装備をしなければ始まらないのだ!!」

 

しかも鉢巻きにはアーシアちゃん見守り隊と言う文字に法被の背には親衛隊隊長と書かれ、空いた場所にはアーシアの上半身の手作りワッペンという徹底した代物だった。一同は紅にドン引く中、アーシアは何の疑問も抱かず近付いて行く

 

「紅さん来ちゃったんですか!?」

 

「大丈夫、木場も連れてきた!何しろ修行を頑張ったアーシアちゃんの初めての戦いだ。例え訓練であろうと俺は全力で応援するぞ!―――――――――それと前言っていた祈りは問題無く出来る様になったぞ!ミカエルって奴にしっかりとO☆HA☆NA☆SHI☆しておいたからな!前回の贈り物も付けて祈りも含めての総仕上げだ!」

 

「わ、分かりました!私頑張ります!!」

 

アーシアは手に持っていたアタッシュケースから二つの籠手を取り出す。その色は紅々としており見るからにヤバイ雰囲気を宿している

 

「ちょーーーーーーーーーーっと待てえええええええええええええい!!」

 

「何だ黒・・・これからアーシアちゃんの大事な戦いだぞ?例え訓練といえど集中力を乱すような行為はするのは駄目だぞ」

 

「てっめえ!その籠手駄目だろ!?それ絶対お前の奴から出来てるだろ!?」

 

「当たり前だ!俺はアーシアちゃんを護るためならばどの様な事でもするぞ!!」

 

「もうだめだぁ・・・こいつは手遅れだぁ・・・・・」

 

「・・・・・取り敢えず小猫ちゃんはこの特殊金属で出来た籠手を使ってね?ただ単に頑丈なだけだから壊れる心配も無いし」

 

「・・・怪しい仕掛けとか無いですよね?」

 

美羅から渡される籠手を警戒しながら受け取る塔城。だが今回は普通の代物なので問題は何一つ無い――――――あるとすれば相手側の籠手だろう・・・。互いに籠手を装着し一定の距離を保ち集中して行く

 

「それじゃー始めるから戦う二人以外はあっち行ってね?」

 

「「あ、はい」」

 

黒と紅はギャラリーの元へと帰り戦いの様子がよく見える前列に腰を下ろす

 

「小猫ちゃん・・・油断するなよ。マジで・・・ほんとガチで・・・・・」

 

「なあ黒さん、今のアルジェントさんってそんなにヤバいのか?」

 

「ん?あぁヤバイっていうよりあの籠手がヤバイ・・・それと二人共俺の事は黒で良いぞ?砕けた口調の方が楽だからな」

 

「んーアルジェントさんってかなり体の線が細いから一撃でも貰ったら大変かも・・・」

 

春と俊屋も弱々しいアーシアを心配している

 

「ふっ・・・籠手がヤバイだと?黒、貴様の目はとうとう節穴と化したな」

 

「あぁ?そりゃあ大木を少し凹ませる力は積み重なったら危ないだろうが小猫ちゃんなら耐えれる筈だし・・・」

 

「ならば刮目すると良い。アーシアちゃんの想い(重い)の力を」

 

「えっ・・・ちょ・・・・・文字が違うような?」

 

「それじゃあバトル開始!」

 

 

 

 

 

 




ミラ「今回は後書き無し!以上!!」
黒「えっ・・・ちょ!?」
紅「ではさらばだ!」
お兄さんの出番が切り上げられた!?














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第59話 ようやく終わる報告と紹介

布団「っしゃあああああああああああ!」
ミラ「作者がいきなり元気になってる・・・」
黒「こいつ絶対何か良い事あったな!?」
布団「呼符でスカディ引けたんだ~」
ミラ「貴様は処する」ゴゴゴ
布団「だが遅い遙かに遅い!加速装置!」
ミラ「私の前には無意味!」
布団「加速装置が故障だと・・・!?」
ミラ「運命操作で故障させたんだよ?」
布団「なん・・・だと・・・!?」
紅「スカディ出た・・・」ガクブル
ティア「私もだ・・・」ガクブル
黒「因みに俺もな?」テヘペロ
ミラ「貴様ら貴様ら!バカヤロオオオオオオオオオ!ウワアアアアアアアアアアン!」
紅「ガチ泣き・・・」
ティア「済まない主・・・」
ねる「えいっ!」⊃ミラノスマホ ポチッ
「・・・・・オヤ、チイサキモノカetc―――――」
ミラ「ねるは偉大だったよ!」コロンビアポーズ










雌煌「トマルンジャネェゾ・・・・」←爆死












ねる「はっじまっるよ~」









~アーシアside~

 

いきなり美羅先輩が小猫ちゃんとの組み手を執り行う結果に――――――私は勝てる自信がありません。紅さんとの特訓で少しだけ自信が付きましたがいつも前衛で戦っている皆さんと比べれば私は弱いです

 

「それじゃあバトル開始!」

 

もう開始するんですか美羅先輩!?えぇっとええっと!?どどどどうすれば!?

 

「隙ありですアーシア先輩」

 

「ひぇう!?」

 

咄嗟にアーシアは大きく横に飛び退き先程まで立っていた場所へ塔城の拳が炸裂、地面は陥没し小さなクレーターが出来ていた

 

ふぇええええ!?小猫ちゃんが怖いです!容赦なく私を潰しに来ていましたよね!?ややや、やっぱり私には戦いなんて出来―――――――

 

「アーシアちゃん頑張れー!訓練した努力は裏切らない!もっと自分に自信を持って前を向くんだ!」

 

・・・そ、そうです!紅さんの言う通りです!!私は弱くて皆の足を引っ張るのが嫌で無理を言ってまで訓練したじゃないですか!思い出すのです私!紅さんが最初に私に教えてくれた自信の付け方を―――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『アーシアちゃんは兎に角自信を持つ事が大切だ。それ一つで人間は無限の可能性を獲得する事が出来る』

 

『・・・自信・・・ですか』

 

『其処でだ!落ち着いて集中する事、これが第一歩。何か自分が自分であるという行いは無い?』

 

『何でも良いのでしたらお祈りです・・・でも悪魔になった性でそれも出来無くなってしまって・・・・・』

 

『成る程・・・ならその問題は俺がどうにかしよう!大丈夫大丈夫!ちょっと天界のお偉い奴とO☆HA☆NA☆SHI☆してくるだけだから』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、お祈りです!先程紅さんはやっても大丈夫だと言ってくれました!

 

アーシアは体勢を整え追撃が来ないこの時に祈る

 

大丈夫・・・大丈夫。私は紅さんと必死に訓練したでしょう?なら落ち着いて、冷静に、真っ直ぐに目を小猫ちゃんに合わせます!

 

塔城はアーシアが祈りをした姿を見て好機と判断し突っ込む。繰り出すは先程の大きな一撃では無く小さな連続攻撃、心の内で謝罪しながら懐へと飛び込み目を開いたアーシアと視線が重なる

 

「これで終わりですアーシア先輩」

 

ギャラリーは悲鳴を上げ、一誠は飛び出そうとした瞬間に紅に捕まり何も出来ず、黒は「勝った!」とはしゃぎ、紅は真っ直ぐにアーシアを見つめ、美羅は少しだけ笑みを浮かべている

 

「いいえ終わらせません小猫ちゃん。私はもう逃げない!現実に向き合って皆の足を引っ張らないと決めたんです!」

 

繰り出される塔城の拳を寸での所で回避、もう一度繰り出されようとする拳よりも先にアーシアは塔城の前顔へ猫だまし。パンッ!と大きく鳴り響く音に一瞬ビクリッと硬直した隙を見逃さず飛ぶ様に後退、そして再び祈る

 

「白き祖よしばし目をお瞑り下さい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『もしもお祈りが出来る様になったらやっぱり神様を祈る?』

 

『主が死んだ事で誰を祈れば良いのか分からないんです・・・居ない方を祈ってもそれは意味がありませんので』

 

『ん~・・・そう言えばミラの奴異次元でモンハン世界が誕生の頃には居たって言ってたから神みたいなもんじゃね?しかもまだ此処で生きてるし神様に近いんじゃ・・・よしこれで行こう!

 

『何か思いつきましたか?』

 

『丁度ぴったりの奴を思い出した!かつて惑星が誕生する前から生きてた白き祖って奴がいてね?神様よりも前に生きてたんだよ。まだ死んだって聞いた事無いし殆ど誰も知らないからピッタリじゃない?』

 

『どうして紅さんは知っているんですか?』

 

『ほら、俺と黒は龍じゃん?基本龍には寿命関係無いし。それにそんなに昔に生きている奴なら神様にも等しい存在じゃん?』

 

『・・・そう・・・ですね。――――――――紅さんがお勧めするのであれば私はその白き祖にお祈りをします!』

 

『きっと見守ってくれているから良い事あるさ!』

 

『はい!』

 

『あ、それとね?ヤコブとモーセって知ってる?とある噂なんだけど、自分の手足だけで天使を打ち倒したっていうのよ?体術教えるつもりだったからその二人にお祈りすれば良いと思うよ?その力が手に入ったりして――――――ってそれは流石に有り得ないだろうけど

 

『体術ですか・・・ならそのお二人にも私はお祈りをします!』

 

『それじゃあ今は祈れないけど心の中でも信仰出来るからそれで行ってみようか』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヤコブ様、モーセ様、お許しください・・・。このアーシア、拳を解禁します」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

「白き祖よしばし目をお瞑り下さい」

 

ほぇっ!?ちょちょちょ、何でアーシアがそんな言葉知ってるの!?え・・・どういう事・・・・・?

 

美羅は内心もの凄くテンパっており――――――某運命のソ〇ャゲーでは主・・・神の事を指している筈が、それでは無く自身に置き換わっている。確かにモンハン世界では美羅は神様的存在、世界を律する為には滅ぼしたりするし知恵を与えたりもする。だが此処はD×D世界、それを知っているのは絶対に有り得ない。しかし少し冷静になり考え様子を見る美羅は一つの答えに辿り付く

 

紅の奴サンドバッグ決定――――――まぁそれは後回しにして今はアーシアちゃんだよねぇ。正直言ってヤバイ程強くなってない?籠手もあれだけどそれを踏まえても・・・その・・・・・ね?

 

美羅の言う通りアーシアが装備している籠手は紅の素材をふんだんに使った一品で常人が身に付ければ発狂する程の代物、だがアーシアはそれを諸共していない。何故か?全身が異常なまでの力を帯びているのだ・・・しかも属性で言うなれば聖属性。悪魔にとって劇毒とされるそれを身に宿しているからだ

 

「ふぉおおおお!?ちょ―――――それあかん奴!小猫ちゃん絶対避けてえええええ!?」

 

黒も気付いたのね・・・アーシアちゃんが知らずの内に聖属性をその身に宿している事を。そして小猫ちゃんは黒の異常な変り様に驚きつつも最大限に警戒したから、まぁ消滅何て事にはならない・・・・・よね?

 

「小猫ちゃん・・・行きます!」

 

塔城は一歩踏み出しただけで己の懐まで辿り付いたアーシアに驚愕、振り下ろされる拳を両手で防ごうと構え

 

「防御駄目!絶対!!」

 

中断――――横っ飛びで仕切り直そうと距離を開けて仕切り直そうとするもアーシアはそれを逃がさんと追撃、紅と訓練した成果は実を結んでいる。小さく、鋭く、激しくの三つを活かした拳の攻撃で攻め立て時折混ぜてくる蹴りで行く手を削られていき大木を背に預けてしまったのだ

正に絶体絶命の窮地に立たされた塔城にギャラリーの殆どは呆然、紅はハイテンションでアーシアを応援、黒は回避の指示ばかり、美羅は楽しそうに戦いを見ている

 

「アーシア先輩強くなりすぎです。正直私が勝つイメージが全然想像出来ません・・・」

 

「小猫ちゃん・・・」

 

「降参です。引き際を誤るのはいけないと教えられましたので・・・」

 

「それじゃあ勝負あり~。アーシアちゃんの勝利だよ?――――――そして紅はちょ~っと私とO☆HA☆NA☆SHI☆しようね?」ニギッ

 

「ハナセェ!」バタバタ

 

「当て身!」ゴスッ

 

「グヘェ!?」

 

鳩尾に容赦なく突き刺さる肘打ちの一撃で崩れ落ちる紅、これから美羅によるサンドバッグが始まる

 

「だ・れ・が!ここまで魔改造しろって言ったのよ!!  そんな馬鹿は修正してやる!」

 

「な、何故だ!何故体が動かん!?」

 

「それはプレッシャーだ」ガッシ

 

紅の足首を両手でしっかりと持つ黒、紅は逃げられない、動けない、張り付け状態だ!

 

「お前が反省するまで殴るのを止めないっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ

 

またしても某星白金の如く繰り出される拳―――――――それを顔面に受け続ける紅。周りの皆は顔面蒼白、この死刑を止める術は美羅の一存である。そしてトドメのアッパーにて黒は手を離し紅は空高ーく上り、美羅は掌に作り出した赤い稲妻が迸る光の弾を紅へと放り投げ直撃――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デデーン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

血だらけになって落下し犬神家状態と化した

 

 

 

 

 

「アーシアちゃん、あれは反省をさせる為にやった事だから癒やすのは禁止だよ?それにアーシアちゃんについて色々と調べなきゃいけなくなったからこっちに来てね~」

 

一段と広い場所へと連れられるアーシアに紅以外の皆が付いて行き、丁度良い具合の場所で美羅が巨大な岩を設置する

 

「KY赤髪、この岩に向けて全力で攻撃してみなさい」

 

「岩が消し飛ぶけれど良いのかしら?」

 

「あ、それは無い無い」

 

ヒクヒクと頬がつり上がる。しかしこの岩を破壊して実力がどれだけ上がったのか見せ付けようと練り上げ、凝縮、自身が出来うる限りの凝縮をさせ破壊力だけに特化したそれを撃ち岩に直撃。轟音が周囲に響くが表面が少し欠けたかな?程度のものだった

 

「はぁ!?リアスの滅びの魔力を凝縮させ破壊だけに特化した攻撃だぞ!普通の岩なら欠片も残らない筈だ!どうなってやがる!?」

 

本人以上に驚いているアザゼルは岩に近づき手で岩を触ると普通の岩では無い事に気付く

 

「それは岩が変質した奴よ。通常よりも密度が高くて変質している為か魔力を持ったそれは硬化を常に発動している代物よ」

 

そんな代物何処で手に入れたと突っ込もうにも突っ込めない雰囲気の中で美羅はアーシアに告げる

 

「じゃあアーシアちゃんはこの岩を殴って?勿論あの組み手の様に集中した状態でね」

 

「は、はい!」

 

「ちょっと白野さん!?アルジェントさんが籠手を付けているとはいえこんな岩を全力で殴れば拳が砕けるよ!?」

 

「大丈夫大丈夫、私の予想だと拳は砕けないよ」

 

流石に岩を殴る事に抵抗があるアーシア。それもそうだろう―――――もしも手加減をすれば怒られるし、本気でやれば自分の拳が砕けるかもという気持ちがあるのでどうしても迷いが見えている。美羅はそんなアーシアの両肩に手を置きアドバイスを入れる

 

「まずは祈ろう?一旦落ち着いてから集中して強くイメージするのよ―――――この岩を砕く自分の姿を」

 

そう言い終え離れる美羅、アーシアは落ち着き祈る

 

「白き祖よしばし目をお瞑り下さい。ヤコブ様、モーセ様、お許しください・・・。このアーシア、拳を解禁します」

 

覚悟を決めたアーシアの瞳は真っ直ぐに前顔の岩を見つめ拳を打ち込む

 

「ハレルヤッ!」

 

ドゴォンッ!という重く響いた音、そして岩へと拳を叩き付けて止まっているアーシア

 

「大丈夫かアーシア!?」

 

「アーシア貴方無茶しすぎよ!」

 

「拳は砕けていませんか?」

 

「アーシアさん、幾ら何でも拳は無茶苦茶だよ!」

 

「アーシア先輩無茶は駄目ですよ」

 

「あうぅ・・・だ、大丈夫ですか?」

 

皆が心配しアーシアに声を掛けるが当の本人の耳には入っていない

 

「いやはや・・・此処まで成長するとは凄いね。やっぱり祈りはあの二人?」

 

「・・・あっ!す、すみません!ちょっとボーッとしてました。えぇっと祈りを捧げているのは白き祖とヤコブ様とモーセ様です!」

 

「ヤコブの手足か・・・まさか実在するとは驚きかな」

 

美羅の言葉にアザゼルは驚愕する。かつて拳にて天使を倒したとされるそれが存在するとは思ってもいないからだ

 

「えっと・・・美羅のお嬢ちゃん。それマジか?」

 

「いやぁ、アーシアちゃんの背中に見守る二つの魂があったから多分そうかな~って思っただけ。現に岩は砕けたからねぇ」

 

『えっ』

 

呆気にとられた言葉と同時にアーシアの拳を中心に亀裂が入りバラバラと砕け散ったのだ

 

『・・・・・』

 

殆どが内心で思った事『アーシアを怒らせたらあの拳が飛んでくる』と悟った皆であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ!?何かを見逃した!―――――ってアーシアちゃんは?皆も何処行った!?・・・あっちか!アーシアちゃんの新たなる偉業をこの目に焼き付けなくては!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~一誠side~

 

てぇへんだてぇへんだ!紅によるアーシアの魔改造レベルが異常をきたしているぞ!!クソッ紅の奴アーシアに何をさせやがったんだ・・・

 

『おい相棒、確かに俺達は強くなった。だがあの拳だけは確実にヤバイ・・・悪魔にとって劇物とされる聖なる力が宿っているというのもそうだがそれを抜きにしても破壊力が凄まじい』

 

見りゃ分かるよ!アーシアは優しいから殴るなんて事しないだろうけどさ、もしもあれが飛んでくるかもと思うとゾッとするぜ

 

『ならばもうハラスメント行為は止める事だな』

 

それは絶対に有り得ない!おっぱいは神秘なんだ!人それぞれ形も大きさも違うし柔らかさだって違うんだ!それに俺はおっぱいを前に尻込みするなんて出来ねえよドライグ

 

『どうして今代の宿主は煩悩まみれなのか文句を言いたくなるな』

 

アーシアの変貌具合に未だに驚いている一誠とドライグ、まぁ周囲の者達の殆どそうなのだが・・・そして残るは一誠の成果の発表で

 

「それじゃあ話しは一気に戻って一誠君の成長の発表だけど、私説明が面倒くなってきたから一誠君自身で宜しく」

 

「ちょ!?美羅先輩が報告するんじゃないんですか!?」

 

「私はバカンスしてたの!そして一誠君はサバイバルやってたからその内容を話せば良いの!」

 

「あ、はい・・・」

 

一誠は話す。あの超過酷サバイバルの内容を――――――――――初日から始まった生存競争、体験する不思議な出来事、戦い、生活、仲間。事細かく鮮明に思い出せる日々を全て言葉にして行く

まさか初日からヤバすぎる生存競争の世界へ単身放り込まれて送る日々の内容に周囲はドン引き、アザゼルもそうなのだが、好奇心の方が大きい為か子供の様に根掘り葉掘りと質問の嵐を巻き起こしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――――と、俺超頑張ったんです!何度も何度も死ぬかと思ったけどそれでも頑張って目標を達成出来たんです!」

 

「えっと・・・その・・・よく頑張ったわね一誠。今日は一緒に寝ましょう」

 

「そうですね・・・私も一緒に寝て差し上げましょう」

 

「駄目です駄目です!一誠さんは私と一緒に寝るのです!!」

 

「とんでもない日々を送っていたんだね一誠君は」

 

「一誠先輩って本当に元人間なんですか?普通の悪魔でもそんな場所に行けば数日も持ちませんよ?」

 

「リアル狩猟ですね!凄いです一誠先輩!!」

 

皆の優しさに俺は天国に昇りそうだぜ。部長や朱乃さんにアーシアが添い寝か~ぐへへへ、三人のおっぱいをとことん堪能するぜ

 

「それじゃあ一誠君の進化した神器(セイクリッドギア)を皆に見せよっか」

 

美羅先輩からのオーダーが来ちまったぜ・・・そんじゃ行くぜ

 

赤龍帝の籠手(ブーステッドギア)爆発の衝撃飛翔(インプロージョンフラッグ)!」

 

『Implosion Flag Banishing Booster!』

 

展開されたそれに驚く一同、アザゼルはとても興味津々でじっくりと観察していた

 

「おう兵藤一誠、もしかしてこれは速さを追及した姿か?籠手や肩口に排気口みたいなのが見えてるからそう結論付けたんだが・・・どうだ?」

 

「えっと・・・そうです。ってか何でそれだけのヒントで分かったんですか?」

 

「ばっかだなお前さんは、俺は総督だぞ?観察眼が無けりゃあ勤まらねぇよ。まぁ俺の趣味があれなのもあるがな」

 

そういやこのおっさんは神器(セイクリッドギア)オタクだったな・・・ふっ、だが俺はもう一段階の進化を残しているのだ!その顔を歪ませてやるぜ!

 

「ほらさっさとしなさい」

 

「あ、はい。今すぐやります」

 

「性能を見せてくれるのか?」

 

「見てれば分かるよ」

 

よっし!あの戦い以来拠点で二~三回程確認もやったし行くぜ!

 

「行くぜドライグ!雷狼の戦鎧(ドンナーウルフバトルアーマー)!!」

 

『Donner Wolf Battle Armor!』

 

爆発の衝撃飛翔(インプロージョンフラッグ)臨界突破(バニシングブースター)から更に複雑に、異様に進化するそれをただただ呆然と見る一同

 

「はっ!?おいちょっと待て何だそりゃあ!亜種進化しただけでも驚いたが更に進化するだと!?神器(セイクリッドギア)が本人の想いに答えて進化するとはいえ普通は一段階までだぞ!」

 

「一誠貴方・・・其処まで強くなったのね。とても誇らしく思うわ!」

 

「一段と逞しくなった一誠君・・・ふふふ、これは一段と優しくしてあげますわ」

 

「一誠さんとても凄いです!」

 

「一誠君がこんなに変るなんて・・・サバイバルはそれ程まで厳しかったと容易に想像出来るね」

 

「煩悩まみれの一誠先輩にこんな力が!?」

 

「段々と進化する防具、段々と熟練者となる一誠先輩。やっぱりただ者では無いですね!」

 

いやぁ~皆凄い凄い褒めてくれてめっちゃ嬉しいぜ!

 

天狗の様に鼻が伸びている一誠だが喜んでばかりはいられない・・・未だ完全に自分の物に出来ていないので要練習、要把握しなければ集団戦のレーティングゲームでは厳しい

 

「お披露目も終わった事だし一誠君はあの子を紹介しないとね?」

 

「そうだった!美羅先輩、イトハは今どうしているんですか?」

 

『イトハ?』

 

サバイバルの報告でイトハについて報告を忘れていた一誠だった

 

「え~っとイトハは美羅先輩に返り討ちに遭ったモンスターの子供なんです。でも安心して下さい!まだ産まれていない卵の状態だったので俺達が面倒も見て一から育てた幼体です!」

 

「雌豚についても紹介しないといけないから一緒に此処に連れて来るわ」

 

そう言って美羅は転移門を開き中へと入って行く―――――そして直ぐに一同が初めて見る新人を左手でアイアンクローし、もう片方の右手でイトハを抱きかかえて出て来た。一誠は美羅からイトハを受け取り皆の前へと持って行く

 

「皆こいつがイトハです!俺と俊屋と春の名前の頭一文字を取って名付けたんです。かわいいでしょ!」

 

初めて見る景色と人々に若干戸惑いを見せているイトハだが暴れはせずキョロキョロと周囲を観察している

 

「一誠はこの子を使い魔にするつもりなのかしら?」

 

「ちょっと!イトハは私達の子供なんですよ!間違っても使い魔なんて言わないで下さいグレモリーさん!!」

 

「あ・・・はい。ごめんなさい」

 

春の言い知れぬ威圧に負け謝罪するリアス―――――――――子煩悩の春はイトハに関すると暴走するのである

 

「可愛いですね~ラッセー君とは違う可愛さがあります♪」

 

笑顔を浮かべてイトハの手を握るアーシアに釣られる様に周りも撫でたり触ったりとする

 

「んー?こいつって狼みたいな体格だな」

 

「イトハは雷狼竜って言って翼は無い立派な竜種だぞ」

 

『はっ!?』

 

竜は通常翼があると思っているので驚く皆

 

「その子については後で三人に追々聞いてね?そしてこの雌豚なんだけど」

 

「俺を離せクソが!ってメシメシと頭蓋が歪むって美羅止めろおおおおおおおおお止めて下さい美羅様あごごごごごごごご!?」

 

『・・・』

 

「あー・・・まぁ何だ。自己紹介お願いするわ」

 

一体何があったと心の中で思いつつアザゼルは紹介を本人に求め、美羅は手を離し地面へと落とす

 

「ぷはっあ!マジで砕けると思ったぜ・・・俺じゃ無きゃ死んでたぞ!・・・・・アッハイゴメンナサイチャントショウカイシマス。――――――――俺の名前は雌煌って言うぜ。間違っても雌豚なんて言うなよ?言ったら殺すからな?エッアットミラサマニカンシテハレイガイデスユルシテクダサイ。と、取り敢えずもう一つ言う事は俺は龍って事だからそこんとこ宜しくだ!」

 

「おい美羅の嬢ちゃん!この龍大丈夫だよな!?大丈夫って言ってくれ!」

 

「喧嘩っ早いのが雌豚の悪い所だけどそこら辺は調教しておくから大丈夫だと思うよ?まぁ明確な悪意があって襲って来た場合はどうなっても知らないけどね」

 

取り敢えずは何とかなるかと思いホッとするアザゼルだが・・・

 

「ホッとしてんじゃねえよアザゼル!こいつめっちゃヤバイ奴だからな!?」

 

「アーシアニウムが無ければ負けてしまうからな」

 

「俺と紅の二人掛かりで押さえ込めるって位だからな」

 

「問題起こすなよ絶対!フリじゃ無いからな!?暴れたら絶対周囲に被害出るだろ!」

 

こうして報告と紹介が終了、アザゼルは問題が起きない様祈る。だが胃への攻撃は凄まじく胃薬を常備するまで後少し

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ミラ「アンケートだああああああ!!」
ティア「次の犠牲者は誰になるか・・・」
布団「きg—――――――」
ミラ「作者は邪魔!」ミラビーム
布団「エッチョ―――」ジュッ
ミラ「お気軽に投票してね?予定としては次回のサバイバルにてだからね!」
ティア「サバイバル参加者には合掌だな」




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第6章 -神を手中に-
第60話 駄目だよ調子に乗ったら?


布団「おらぁ!シナリオブレイク!!」
ミラ「私の邪魔をするな!」
黒「神とは一体・・・」
紅「気にするな」
ティア「主怖い」
雌煌「うまうま」







ねる「お留守番つまんない・・・」











追伸、
布団「セクハラ爺=ゼウスと勘違いしてました。本当にすいませーん!」





~美羅side~

 

のびのびとしたバカンスも終わりもうすぐ夏休み。KY赤髪達は帰省するって言ってるしストレスが一気に減るんだよ♪いや~良いね!のんびりと家でぐうたら出来るのはとても嬉し―――――――――

 

「美羅ぁ!今日という今日こそお前に勝利してみせる!」

 

「無駄無駄無駄ぁ!この私が操るス〇ークには勝てないのだよ!」ソコダ!

 

「うわああああああああ俺のリ〇クがあああああ!」

 

某乱闘ゲームにて初心者の雌煌にことごとくメテオ攻撃にて叩き落とす美羅。例えどんな勝負であろうと慈悲は無いのである

 

「クソがぁっ!きたねえ攻撃ばっかりしやがって!真正面から堂々と戦いやがれ!」

 

「戦ってるでしょ?飛び道具使わない縛り付けてるのに勝てないとか下手くそ過ぎる雌豚がいけないのよ」

 

「野郎ぶっ飛ばしてやる!」

 

「美羅遊びに来たぞぶるえええええええええええ!」

 

丁度転移にて遊びに来た赤の頬に雌煌の放った拳が直撃しコマの如くクルクルと回転しながら吹っ飛んで行った

 

「ちっ!肉壁が邪魔をし―――――――」

 

「ふっ汚れ仕事か・・・せぇい!」ブスッ

 

「ッアーーーーーーーーーー!」

 

何処から取り出したのか分からない蓋の開いた元気ドリンコ(中身入り)を後ろの門へとずっぽりと根元まで埋め込み倒れ伏す雌煌、絵面はヤバく健全な男子高校生なら必然的に前屈みになる程の光景だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~雌煌side~

 

美羅の理不尽な攻撃から回復した雌煌は散歩(本当の理由は美羅から離れる為)をしていた

 

「いっつつつ。ったく美羅の奴は手加減のての字も知らねぇ・・・あークソッやってらんねーぜ。暴れる事も禁止されてるし喧嘩を売るのも禁止だし拘束の幅がでかいってーの―――――――――んで?さーっきからこっちを見ている奴出てこいよ。そのままでいるんなら嬲り殺しにしてやるぞ?」

 

「はっ!下等な人間風情が上級悪魔たる私に生意気な口を吐き捨てるとはな。全く教育がなっていないが、上級悪魔たるこの私は許してやらん事も無いぞ?私の眷属になるのならな!」

 

物陰から出て来た人・・・いや悪魔は雌煌に向けて眷属になれ発言。まぁそんな事言っちゃったらどうなるかは皆さんも容易に想像が付くでしょう

 

「上級悪魔だか何だか知らねえけど、これ以上俺にちょっかい掛けるなら殺すぞ」

 

内心「よっしゃ来い!俺正当防衛で暴れれる!悪魔最高ー♪」等とウキウキしていた

 

「あくまで抵抗すると言う事か。女だから傷物にしたくは無かったが仕方があるまい・・・行けお前達その女の四肢が無くても構わん。逃げれない様にして私の前へ連れて来い」

 

『了解しました』

 

周囲から十数人の眷属と思われる悪魔達が襲い掛かり、自身の元へと連れて来られるであろう雌煌の絶望の顔を思い描いていたがそんな事は有り得ない。一人が腕を掴み魔力を纏った腕で手刀、常人ならそれで切断されるであろうが龍である雌煌には全く効かない

 

「あぁん?何だその不抜けた攻撃はよぉ。ったくこれじゃあリミッターを少し外す何て事もせずに終わるじゃねえか」

 

腕が切断出来無かった現実に驚愕する眷属悪魔、その顔を掴みブンッと振り投げ首と胴体が離ればなれとなり即死した。一瞬固まったが最後、今度は両手で首を掴み握りつぶし、踵落としで肉片に、咆哮と同時に放たれた属性弾で炭化、凍り付け、抉り取られと蹂躙されて行く眷属悪魔達

 

「ヒィッ!?何なんだよあれぶぎゅ!?」

 

「ば、化け物!?こっちに来ぬるげぇ!?」

 

上級悪魔の近くに居た眷属悪魔も潰され、三日月の笑みを浮かべながらゆっくりと近づく雌煌。上級悪魔の彼は生まれたての子ヤギの様に足をガクガクと震わせながら尻餅をついた

 

「馬鹿な・・・有り得ぬ・・・・・一体何なんだ貴様は!」

 

「はあ?俺が何者だって?そんなん決まってんだろが。俺は――――――――お前を玩具にする者だよ」

 

今度は雌煌の手刀により四肢を切断された上級悪魔、だが手刀は熱エネルギーを加えた代物で肉が焼けて閉じるので失血死する事は無い

 

「ぎゃあああああああああああ!私の手足がああああ!?―――――――そ、そうだお金をやる!お金をくれてやるから命だけは助けろ!」

 

痛みに泣き叫び生を懇願するもその手は止まらない。腹部へと入刀され内臓一つ一つが潰されて行き汚物を撒き散らせながらゆっくりと嬲りやがて興味を失った雌煌は実験へと移行

 

「そういやこの人間体でやってみたい事が出来たんだったな。こいつで実験するのも有りだな・・・んじゃお前は的な!俺はバッターとして吹っ飛ばしてやるからよ!」

 

ポイッと空高ーく放り上げ右手を指先にそれぞれの属性を圧縮した球体を作り出し掌に集める。すると暴れ狂う属性達、それを整形し一つの球体へと合体させ右手に纏わせ落ちてくるそれを殴りつける。カッと雷の様な閃光が迸り放物線を描きながら飛んで行く。その合間に他属性の爆発をしながら最後の爆発でサラサラと砂になりながら消滅した

 

「ほーん。成る程成る程、こいつ良いな!これなら美羅の奴に一泡吹かせれれるぜ!しかし残念な事に、まだまだ試してみたい奴があったのにあれが保たなかったのが遺憾でならんぞ!」

 

あれを直撃して死なない奴は殆ど居ないだろう・・・もしも人間でその攻撃に耐えたのならばそれは人外、所謂ハンターと読んでも良いだろう。まぁごく一部のハンターだけだが・・・

 

「んじゃ帰るか。それにこの報告はしねえ・・・だって玩具が俺の元へとやって来るなんてチャンスみすみす逃すわけ無いじゃん♪」

 

その後、帰宅した雌煌に待っていたのは美羅。曰く「散歩に行ったのなら土産くらい買って来い!」と言った超理不尽な八つ当たりのパイルドライバーを食らい地面にこんにちわと挨拶をするのであった

 

 

 

 

 

 

 

「馬鹿な奴め。美羅が理不尽の権化なのは分かっていただろうに・・・如何にそれを回避するの事がキモだというのに学習しない奴め」

 

「アーシアが関係した物で暴走するお前には言われたく無いと思うぞ?」

 

「外出=主へのお土産は基本だからな。私を除いてだが」

 

「「くっそ羨ましい!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

雌煌をボコって少ししたらアザゼルから念話が来て何か面倒事なんだろうなぁと思いつつ話しを聞いていると、本当に面倒くさい代物であった

 

『と言う訳だ美羅の嬢ちゃん――――――ほんのちょっとでも良いからこっちに来てくれねぇか?あ、因みに自称神様は居ねーからそこんとこは大丈夫だ』

 

「えー、ヤダ!」

 

『まじ頼むって!北欧神話の奴らに告知しておけばそいつらからはちょっかい出されねえから!』

 

「どの組織も一枚岩じゃないし絶対にそっちに調印反対派が来るの確定じゃん」

 

『あー、まぁそうだけどよ・・・そんときゃ消しても許されるかもしれねえじゃん?』

 

「それに北欧神話って言ったらオーディンでしょ?噂によればエロいお爺ちゃんで、私にその矛先向いたらどうするの?その時は北欧勢力全部消すけど?」

 

『一応こっちで爺さんと話して対処させておくからさ?来てくれよ~。悪魔達も何だかんだ気になっているみたいだからな・・・サーゼクスやミカエル、そして俺から手を出すな告知で不思議がってるんだよ』

 

「あーそう言う事、挨拶するだけなら良いけどさ」

 

『おっしゃ!そんじゃあ宜しく頼むわ!サーゼクスに言っておくわ。恐らくあいつの女王(クイーン)が行く筈だからよ』

 

「面倒いから私が行くよ。因みに黒達も連れて行くからそこんとこ宜しく」

 

『威圧とかしないよな?』

 

「そればっかりは譲れない」

 

『程々にしてくれよ・・・俺の胃が保たん』

 

「仕事をサボったツケが今来ていると思えば良いのよ。それじゃあ早速移動するから」

 

『了解。待ってるわ』

 

アザゼルとの念話を終え黒達を招集、今から冥界へと行く事を説明して全員参加と言う事になった。勿論遊びに来ている赤も一緒でね?皆揃ってアザゼル達が居る座標へ転移門を発動しくぐって行くと訝しげに私達を見ている者がチラホラと・・・殺っちゃって良いかなあいつら?

 

「ちょ!?待て待て待てーーーーーい!其処の若手悪魔共!そいつに喧嘩売るな!冥界滅びちゃうぞマジで!!」

 

アザゼルのツッコミにより命を救われた若手さん達だが、お馬鹿はいつの世も何処の世も存在するのである

 

「は?この女に対して手を出すなって魔王様は言ってるのか?理解出来ねえぜ」

 

「こいつと同意見ってのは腹立たしいけど魔王様はどうしてそう言ってるのかしらね」

 

OTLとがっくしとし「もうだめだぁ・・・おしまいだぁ・・・・・」と呟くアザゼル、その側で控えていた爺事北欧神オーディンは「ほほ~綺麗な嬢ちゃんじゃのう。声掛けてみるかのう」等と命知らずな事を言っている

 

「あぁん?死ぬの?今死ぬの?おいシスコン赤髪こいつら殺して良い?」

 

「おうシスコン赤髪、美羅の言う通り冥界焦土にしておk?」

 

「待てぇい!アーシアちゃん以外は攻撃するなぁ!」

 

そして対立する両者に待ったを掛けるが如くティアが前へと立ち

 

「我は五大龍王の一角、天魔の業龍(カオス・カルマ・ドラゴン)のティアマットである。我が主を侮辱は我と敵対すると思え」

 

此処でティアマットの名が出て来る事でざわめく会場、未だに信じられずに居る若手悪魔達。そして上級悪魔の何人かが声を上げる

 

「おい其処の女!白い髪の方じゃ無く紫髪の女の方だ!貴様だろうプルソン家の当主を殺したのは!!」

 

会場が更にざわつき悪魔方は敵意を孕むその目で睨み付ける

 

「おいおいおいそこのお前らよぉ。幾ら魔王様から手を出すなって言われてもプルソン家の当主を殺して無事に帰れると思うなよ?」

 

「本当に愚かしい。この場で殺しても文句は言われないわよ?」

 

若手悪魔達も殺意を込めた睨みにも動じない面々に苛立ちを覚える

 

「ねぇ雌煌?私そんな報告受けてないんだけどどうしてかな?かな?」

 

「ひぃっ!?勝手にやって来て強制的に眷属にしてやるって言って攻撃してきたから玩具みたいに俺のストレス発散道具にしたんだぁ・・・俺は悪くないんだぁ」

 

「そりゃあ勝手に手を出してきたそっちが悪いな。うん・・・やられても仕方が無い」

 

「明確な殺意を持って攻撃をしてきた場合、俺達と相対するなら生か死のどちらかだ」

 

「あ、そう。あっちから手を出してきたなら問題無いね―――――――チッ、問題有りなら有無を言わさずに消す事が出来たのに残念だなー

 

雌煌の対応は間違っていないとうんうんと納得する一同、下級種族と思い込んでいる悪魔達はプライドを傷つけられたのか更に敵対の姿勢を取っている。そしてシスコン赤髪ことサーゼクスが口を開き仲裁する

 

「その辺りにしたまえ―――――――あ、白野さんについては殺気を抑えて下さい。本当にお願いします、そして我が陣営の悪魔達が色々と睨付けてすいません・・・いえ、ごめんなさい」

 

「喧嘩だ喧嘩!とことんやるぞ!」

 

「私止めたよね!?何故に争い賛成なの!?もう駄目だぁお仕舞いだぁ・・・」

 

殺気のある喧嘩は全部買ってやろうとする雌煌にどんどん胃が痛くなって行くサーゼクス。すると何も無い空間から魔方陣が浮き出て空気読めない者が現れる

 

「我が名は北欧神ロキ我が主神に異議申し立てがありこの場所へ馳せ参じた」

 

「ふむ、やはり来たか」

 

「主神オーディンよ他神話勢力との接触をするのは耐え難い苦痛であり、あまつさえこの様な悪魔達との同盟を調印しようと言うのは看過出来ぬ」

 

「ロキよ今すぐヴァルハラへと戻るのであれば許してやらん事も無いが?」

 

「・・・粋がるなよ老いぼれ」

 

睨み合う二人―――――これ以上居ればややこしい事になると判断した美羅達は帰ろうと転移門を展開しようとしたが、ロキの視線が美羅達の方へ向けられ

 

「たかが人間とドラゴン風情が。誰を前にしているか知っているのか?神であるぞ!平伏し感謝をしながら私に殺されるがいい!」

 

なんちゅー事言い出すんだあの神様は!とツッコミを入れたかったアザゼル。ロキの周囲から魔方陣が浮かび三体の犬っぽい何かが出現し美羅達を睨付ける

 

「あれはフェンリル!?」

 

「・・・ロキよこの場でそれを呼び出して如何するつもりじゃ?」

 

「なぁに!其処に居る人間を我が子の餌にしようと思ったまでよ。神の子の贄となれるのは光栄な事だぞ?」

 

そして三匹のフェンリルが黒、紅、雌煌の三人へと飛び掛かる

 

「犬っころ風情が――――――誰を喰らうと?逆に喰われると思わなかったのか?」

 

「わんちゃんがじゃれついてきたか」

 

「子犬か・・・親が駄目だったと思え。この俺が直々に躾けてアーシアちゃんのペットとしてやろう」

 

黒は向かってくる子フェンリルの牙を受け止め地面へと物理で埋め込みなでなで、紅へと向かった子フェンリルは下顎を蹴り上げられ怯んだ隙にリード付きの首輪を巻かれ拳骨にてお座り、雌煌へと向かったフェンリルは無残にも龍化した雌煌に喰われ即死した

いとも容易く無力化されたフェンリル達。苦虫を潰した顔をしながらロキ自らが攻撃――――――雷のそれは棒立ちしていた美羅に直撃し、もうもうと煙を上げた

 

「ふ、ふははははは!我が子達を無力化した貴様らは褒めてやろう。しかし残念だったな!貴様達の主らしき人間は私の攻撃に直撃したのだ。塵一つ残ってはいないぞ!」

 

高笑いをするロキ。オーディンやロスヴァイセの北欧神話勢力の面々は怒ろうとしていたがアザゼルからストップが掛かり最重要項目について問われる

 

「なぁ爺さんよ。一方的に攻撃を仕掛けてきたんだ・・・これで北欧神話は被疑者となっちまった。んでな?其処で提案なんだが、ロキの奴は今から北欧神話勢力から除外――――――以降どうなっても責任は取りませんし"ご自由にどうぞ"ってしねぇか?トカゲの尻尾切りって所・・・そして此処からが重要だ。今すぐ宣言しろ!じゃないと北欧神話が滅びるぞ!冗談じゃ無いからな!あの龍がヤバイって分かるだろ!絶対に美羅の嬢ちゃんはけしかけて攻撃させるぞ!?」

 

オーディンは雌煌を視線を合わせた

 

「あっ――――――――これはいかんやつじゃ。他神話勢力達が束になっても勝てん」

 

「えっ?」

 

オーディンが滝の様に汗を流しながらぶっちゃけるこの一言に最も近くに居たロスヴァイセだけが聞き取れていた

 

「北欧神話の主神オーディンの名の下に宣言する!今この場を持ってロキは我らから追放し一切の干渉を禁止とする!そしてロキの行動はそれ単体の責任とする!!」

 

「ハッ!例え私を追放した所で何かが変る訳でも無い。むしろスッキリとした!これで晴れて貴様を殺す事が出来るぞ老いぼれ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふーん。追放したからと言っても私に攻撃した時はまだ勢力内――――――――そして私は被害者。後でそれ相応の対価を求めるからね?北欧神話のお爺ちゃん達♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

煙が晴れた場所には何一つ傷が付いていない美羅が立っていた。その事実に驚愕を隠せないでいるロキ

 

「どういう事だ・・・確かに私の攻撃は直撃した筈だ!何故下等生物が立っていられる!?」

 

この場に居る全てが何故生きているのか、何故無傷なのか理解出来ずに居た

 

「私に対して雷を使って攻撃とか馬鹿じゃないの?しかも威力ひっくいし・・・あっそれはそうだ。殆どの奴は私について殆ど知らない様な物だもんね!」

 

実際問題美羅は身内以外の者に見せた攻撃は物理か目からビーム程度(※ビームは誰から見ても異常です)。誰もが美羅の得意とする攻撃を知っていない・・・いや、知っている者でも理解出来ていない代物だ

 

「それじゃあ見せしめとして久しぶりの解禁と行こうかな?影が残れば御の字って所だからね?」

 

掌からバチバチッと赤黒い雷が迸る。自然を理解している者、もしくは雷を主力として使っている者達からは異常さが理解出来ていた

普通雷とは青白い光、黄色い光といった単色の色合いの認識だ。どういった原理で赤黒くなっているのかは疑問が尽きず、どの様に工夫を凝らしたとしてもその様に変色する事態は起きない

 

「な、何だ・・・その色は!?魔力反応も無く何故その様な物を!?何故行使出来る!!」

 

「今から消える奴に言ってもしょうが無いし、第一として誰にも教える訳無いでしょ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

じゃあね♪悪神ロキ坊や

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天井から降り注いだ赤黒い雷はロキを飲み込み、柱の様になっていた。遠くからでも分かる程に天高く上ったそれを見た悪魔達はこう思った。赤黒い雷が血の様な色、そして天高くそびえ立った柱を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裁定の血柱

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

赤黒い雷の柱が消え、その場に出来ていたのは天井から地面に穴がぽっかりと開いていたのだ

 

「あっ、影すら残らなかった。てへっ♪」

 

強力な一撃を放っても尚汗一つ掻かず疲れた様子も見せていない美羅に身内以外がドン引きしており、美羅達を馬鹿にしていた悪魔達はジャンピング土下座をした。必死に、そして見事なまでの綺麗なそれに笑みを浮かべながらゆっくりと歩いて近づいて行き

 

「ねぇ今どんな気持ち?どんな気持ち?――――――――私を馬鹿にしていた若い衆はどんな気持ち?下等生物とか言っておきながら私に土下座するってどんな気持ち?」

 

土下座をしながらもガクガクと震える悪魔達に追撃の言葉を放つ美羅―――――――数十分にも及ぶそれを受けている悪魔達を哀れに感じたティアが止めに入る

 

「もう十分だろう主?悪魔達よりも先に北欧神話について話しをしなければならないだろう?」

 

「それもそうだよね~。私としてはもっと罵詈雑言吐きたかったけど北欧神話に対しての対価のO☆HA☆NA☆SHI☆もしないといけないよね?―――――――――お爺ちゃん?」

 

「ワシ何を要求されるんじゃろ・・・」

 

「大丈夫大丈夫!欲しいのはミョルニルっていう大槌だからね♪北欧が滅ぶよりマシでしょ?」

 

無言の圧をオーディンに放つ美羅、黒は「他人の不幸でンビャアアアアアア飯がうんまい!」紅はどうでも良いのか子フェンリルを持ちアーシアの元へと移動し躾けを行い、雌煌は未だに龍化状態でフェンリルの肉を食べている

 

「えっ・・・ちょ・・・・・流石に直ぐには決めれんぞ。トールにも話さないといけんしのう・・・」

 

「じゃあ・・・一週間以内でね?」

 

「む、む――――――――」

 

「や・り・な・さ・い・?」

 

「ヤンデレ少女より怖い・・・」ガクブル

 

それと同時にリアス、一誠、塔城の三人が会場へと帰還。そしてこの何とも言えない空気の中これまでの経緯をアザゼルから聞き一言

 

「「「美羅(先輩)怖い・・・」」」

 

こうして顔出し(脅迫)は終了、会談終了の三日後に美羅の元へとミョルニルが渡り嬉しそうにブンブンと振りお約束通り、黒と紅に雌煌の三人が巻き込まれたのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~???side~

 

グレートレッド居ない?でも行くと居る・・・何故?・・・・・何故?

白い人間と話してる――――――――それにドライグの気配もする

我も会ってみる?

 

 

 

 

 




ねる「つまんない・・・ミラ忙しい。遊べない・・・」












出会う龍!そして絆され友情が生まれる!!
次回、幼龍と龍の出会い!    嘘予告かも知れないから気を付けるんだぞ!!


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第61話 幼龍の魅力には勝てなかったよ

布団「投稿じゃー!」
黒「早いじゃんかよぉ?」
紅「珍しいな」
ミラ「でも私はユルサナイ♪」
ティア「あれ程専念する様に言っておいた筈だぞ?」
雌煌「俺が活躍する所を増やせ!」
ミラ「新しい小説投稿したんだって?」
布団「・・・仕方が無い!妄想が!インスピレーションが降って沸いたんだ!FGOイベも無いから良いじゃないか!」
黒「こいつ開き直りやがった!?」
ミラ「久しぶりに調――――――じゃなかった。折檻しようね?」


折檻室 コイヨサクシャ!


布団「俺は諦めない!読者が・・・皆が待っているんだああああああ!」ズルズル
ミラ「はいはいそうですね~」ズリズリ






黒「では!」
紅「俺達が!」
赤「開始の音頭を上げるのじゃ!」








「「「はじまりはじまり~」」」











~一誠side~

 

おう・・・皆知っての通りだが敢えて言おう。美羅先輩なにやっちゃってんの!?え?・・・神様の一人ロキって人を一瞬で消し飛ばしたってマジですか?「神様殺して大丈夫なのか?」と思っていたが顔に出ていたらしくアザゼル先生から「問題無いさ。後は爺さんの対応次第って所だな」との事で。しかも追放宣言が出ていない時に美羅先輩に攻撃しちゃったらしく、完全無関係とは言えないと・・・う~んこればっかりは仕方が無いよなぁって思うぜ

そしてサクサクと進んでいくぜ!実は言うとな?紅がアーシアにフェンリルの子供をプレゼントしたそうなんだが、あれは失敗に終わったらしい。何でも絆を上げようと二人にした所ヴァーリチームの黒歌と美猴の二人が掻っ攫っていったとの事で泣きながら紅に謝るアーシア、そしてタイミングが悪かった・・・アーシアが紅に泣きながら謝る→美羅先輩が発見。そしてこの場に居る誰もが紅に黙祷、オラオラオラ!と言う叫びと共に滅多打ちにされて行く。吹き飛ばした後、少しして爆発・・・「汚い花火ね」と決まり文句を言いヤ〇チャ状態となった――――――――まぁ後でアーシアに回復させて貰っていたがな!その後紅は顔面を掴まれ美羅先輩に連行される様に転移門をくぐり帰って行ったのだ

そして俺達はと言うとこの調印式兼パーティーが終了した後、部長の実家へと戻り座学を学びながら修行する事となった。だがよ!敢えて言おう!何で俺だけ何時も何時もソロでなんだよ!!アザゼル先生に呼び出され外へ出ると巨大なドラゴン、名はタンニーンと言うらしい。五大龍王の元一角のマンツーマンでの特訓・・・むさ苦しすぎるわ!俺も部長や朱乃さんアーシアに小猫ちゃん達と一緒に特訓してえよぉ。それもしくは美女がコーチとかさ?んで連れて行かれるんだよ・・・引っ掛ける様にして持ち運ばれてんだよぉ。部長からは「一誠ならやりきると信じているわ!だから気張りなさい!」との激励を貰った―――――――――――よっし覚悟完了!このタンニーンのおっさんに一泡どころかもっと吹かせてやるよ!

 

『このタンニーンとの修行で禁手化(バランスブレイカー)に至れたら良いな』

 

・・・そういやそうだったな。俺って未だに至っていないもんなぁ

 

「ほう?その小僧は未だに禁手化(バランスブレイカー)に至れていないのか。なら修行はもっと過酷な物にするか」

 

何だってー!?おいヤメロおっさん!俺はまだ部長達のおっぱいを揉んだことしか無いんだ!アザゼル先生が言っていた突っつくをしていないんだ!俺帰る!帰って部長のおっぱいを突っつくんだーーーー!!

 

「その煩悩が浮かぶ余裕が無い程の過酷な修行としてやろう」

 

ぎゃーーーー!

 

奧へ奧へと、木々が生い茂る場所へと連れられて行く一誠、そしてそれを気付かれない様に追う人影。こうして修行兼第二回のサバイバルが幕を上げたのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ねるside~

 

「ねむい・・・」

 

「あらネルちゃんおはよう♪」

 

「ん、ミキおはよう」

 

ねるが起きてくる時間は少し遅く、昼になる少し手前で起きてくるのだ

 

「ミラいない?クロもコウもティアもいない・・・」

 

「美羅ちゃんはね?とっても大事な用事が有るって言ってたから今日の夜辺りに帰ってくると思うわよ」

 

キョロキョロと周りの気配を探すも居らず一誠の母:『兵藤三希』から情報を知ったネルはプクーっと頬を膨らませ拗ねていた

 

「わたしそとにでかける」

 

「あらそうなの?それじゃあこれを首に掛けて出るのよ?紅君曰くこれを身に付けていれば安全って言ってたわ」

 

お守りの様な其れには真ん中に『白野紅推参!』という文字が縫い付けられており明らかに自作だと手に取る様に分かる代物だった

 

「じゃあいってくる」

 

「それよりも―――――はい、おにぎりよ♪お昼が近いけど朝に何も食べないのはいけないから歩きながら食べれるわ。それにその様子だと午後も外に出掛けていると思うからこの袋の中に保冷剤とサンドイッチを入れておいたからお昼辺りに食べてね?」

 

「わかった。あらためていってくる」

 

「はい。行ってらっしゃい」

 

ネルは兵藤宅を後にし外の旅へ出発、散歩をするのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぽかぽか・・・」

 

ネルは現在公園のベンチに座り日向ぼっこしている

 

「ねむい(o_ _)」

 

うっつらうっつらして眠ろうとした時

 

「あぁん何だこのガキ?」

 

「幼女幼女!」

 

「ヒャッハー!こりゃあ旨そうだあ」

 

ねるの目の前にはぐれ悪魔が三体目の前に居り危険な事を口走っている

 

「あぁ腹減ったから丁度良いな」

 

「ペロペロ!」

 

「その柔らかな肉を食べたいなぁ」

 

ねるは自分に害が無いと判断して再び眠りに付く。それを見て笑いながら体を引き裂こうとした三体は後ろからの強烈な攻撃によって一瞬で塵となった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「我気になる。この龍、見てるだけで胸の奧がポカポカする?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はぐれを消し飛ばしたのは禍の団(カオス・ブリゲード)の頭目、オーフィスだった。ネルが丸まって寝ているベンチの側に行き隣に座り・・・頭をなでなでし一瞬固まった

 

「・・・・・我一体何をしていた?」

 

ネルの頭に置かれた自身の手をもう一度なでなで

 

「・・・・・我一体何をしていた?」

 

繰り返される行為と自身の問いに言い知れぬ感情が生まれ始めた瞬間だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お昼の時間になるとパチッと目を覚ますネル、そしてオーフィスの目と目が合った

 

「おねえちゃんだれ?」

 

コテンと顔を傾げて尋ねるネル

 

「我オーフィス、未だ見たこと無い龍と対面」

 

「オーフィス・・・・・ならオーフィスおねえちゃん?わたしネルっていうの」

 

「お姉ちゃん?我が姉?・・・分からない。胸の内のポカポカが大きくなる。・・・抱いて良い?」

 

「ぎゅー?」

 

「そう」

 

「やってー」

 

オーフィスはネルを膝の上に乗せてぎゅっと抱きしめる

 

「・・・ポカポカする」

 

「おねえちゃんもポカポカー。いっしょにごはんたべる?」

 

「ごはん?」

 

「さんどいっち」

 

手提げ袋から取り出されたサンドイッチ、丁寧にラップで包まれたそれを渡され疑問に思っているオーフィス。そもそも食べる事を知らないのでこれがどういった物かも分からず、ネルの様子をじっと見て観察――――――周りラップを剥がして中身を食べているのを真似して自身も食べる

 

「・・・美味しい」

 

「おいしいおいしい♪」

 

二人で消化されていくサンドイッチは無くなるのも早かった

 

「・・・無くなった」

 

「なくなっちゃったー」

 

「眠る」

 

「ねるー」

 

オーフィスはネルを抱きしめたまま眠り、ネルはオーフィスを背もたれにして眠りに付いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方―――――――――――夕暮れになる前に三人の人影が公園へと入り二人の側まで近づく

 

「おんや~?オーフィスの奴子供を抱いて寝てやがる」

 

「殆ど無感情なオーフィスに抱きつかれる何てよっぽどの事だにゃん♪」

 

「子供か・・・取り敢えず起きるまで待っておくか。何も知らない者を巻き込むのは不本意だからな」

 

美猴と黒歌とヴァーリの三人で禍の団(カオス・ブリゲード)に所属している者達だ

 

「・・・何か用?」

 

「まーまーまーそう殺気立つなよ。俺達はお迎えに来ただけだって」

 

「殺気立つ?」

 

「怒っているってことにゃん」

 

「我怒ってない・・・」

 

「まさか無自覚とは・・・」

 

呆れ果てる三人は引っ剥がして帰ろうとするも、オーフィスはぎゅっとして離さない

 

「オーフィス離すんだ」

 

「離さない。このまま連れて行く」

 

「あぁ・・・まぁ大丈夫だろ。行方不明者として処理されるだろうがな」

 

「何かあっても大丈夫、オーフィスに勝てる者なんてグレートレッド位だにゃん」

 

『まてまてまて!連れて行こうとするな馬鹿共!』

 

このままネルを連れて行こうとする一同に待ったを掛けるアルビオン

 

「アルビオンどうしてだ?オーフィスが気に入ったのだから仕方が無いだろう」

 

「そうだぜい。俺達がどう言おうとしても聞かねえぜ」

 

「諦めるにゃん」

 

諦めて連れて行こうとする三人の内知っている一人に暴露する

 

『それは子供でも人間では無い!龍だ!しかもあの白野美羅に懐いていた龍だぞ!?もしもバレたら・・・バレたら確実に消されてしまうんだぁ・・・』

 

「・・・そんなにヤバイ奴にゃの?」

 

「確かにそうだな・・・俺が覇龍化した所で叩きのめされてしまうのが目に見える」

 

「嘘だろおい」

 

どうしようかと迷っている間にも時間は過ぎて行き、良き時間となった

 

「ん~。たくさんねた。わたしかえる」

 

「・・・・・」

 

「オーフィスおねえちゃん、はなして?」

 

「我も付いて行く」

 

「「「ちょーっと待て(待つにゃん)!」」」

 

「オーフィスねえちゃんのおにいちゃんとおねえちゃん?」

 

「「「おぉう・・・これは破壊力がヤバイ」」」

 

ネルの可愛さに心に矢がグサリと突き刺さる三人

 

「オーフィスおねえちゃんもいえにくる?」

 

「行く」

 

即答するオーフィス。そして三人は現状が如何に危険かをオーフィスに教えるのだ――――――諦めて離すか家まで送り届けるかしないと禍の団(カオス・ブリゲード)に居る連中が後々このネルを襲う可能性が有ると

 

「なら禍の団(カオス・ブリゲード)壊滅させる」

 

「「「もうだめだ、おしまいだぁ・・・」」」

 

結局の所答えは一つだけ、オーフィスは処刑される可能性大だと

 

『もう諦めて家まで送り届けたら良いだろう。後は運命に身を任せろ』

 

 

 

 

 

 

 

諦めて送り届ける為ネルに案内されながら付いて行き、兵藤家の自宅前へと到着

 

 

 

 

 

 

「遂に来てしまったな・・・」

 

「兎に角悪魔連中が帰ってきていない事を祈るばかりだよい・・・」

 

「白音に出会ったら気まずすぎるにゃ・・・」

 

「みき、ただいまー!ともだちたくさんついてきた!」

 

ふぁっ!?と驚いて逃げようとした時にはもう遅く

 

「あらネルちゃんお帰りなさい。そちらの方々はお友達なのね♪ネルちゃんを家まで送り届けてくれたお礼に家に上がって下さい。お茶をお出しするからちょっと待っててね?」

 

オーフィスに連れられる様に家の中へと招き入れられた四人、ネルとオーフィスはくっついている。そして幸いな事に家には一誠や美羅達が帰って来ていなかったのだ

 

「「「ふぅ・・・」」」

 

『ほっ・・・』

 

取り敢えず一安心。お茶の一杯を貰って帰ろうかと思っていると―――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やぁ?いらっしゃい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後ろから爽やかな声が聞こえそちらへと振り向くとニコニコと笑っている美羅が立っていた

 

(((あっ・・・死んだ・・・・・・)))

 

『さらばだヴァーリ、そしてドライグ、俺消えちゃうかも』

 

全員が死を悟った。しかし

 

「お?白龍煌のヴァーリじゃん。それにそこの着物を着た女性からは似た匂いが」クンカクンカ

 

「孫悟空の末裔、確か一誠が美猴とか言っていたな・・・アーシアちゃんに渡したペットを返せ!」

 

「お?こいつ龍を宿してるのか?美味しいのか?」ジュルリ

 

黒や紅はまだ良いだろう・・・問題は雌煌で、ヴァーリにロックオンしてしまった事だ

 

『く、喰うだと!?や、止めてくれ!俺は美味しくないぞお!?』

 

「待てアルビオン!それだと俺は食べられても良いと言う事になるぞ!?」

 

『済まないなヴァーリ、歴代最強の宿主だがこればかりは譲れないさ』

 

「アルビオオオオオオオオン!」

 

「うっさい!」ガシッ パァンッ!

 

「ちょやべふぅっ!?」

 

「うごぉあ!?」

 

『いだぁ!?・・・どうして俺にまで攻撃が通るのだ』

 

雌煌にはアイアンクロー、ヴァーリにはハリセンという心優しさが目に見えて分かる気遣いだ。しかし美羅の力での一撃なのでとても痛くアルビオンはついでにと言う形で攻撃されたのであった

 

「あら?美羅ちゃんも帰ってきてたのね。皆の分のお茶も煎れるから少しだけ待ってて?」

 

「あ、それ位は自分でやるのでおばさんは座ってて大丈夫です」

 

「本当に出来た娘!馬鹿息子もしっかりとして欲しいわ・・・」シクシク

 

「そうなる運命だったとしか言えません」

 

台所へと向かい少しして人数分のお茶とポットを持ちテーブルへと座らせる美羅。二人と一匹は顔を青ざめさせていた

 

(聞いてない・・・幾ら何でもあの女強すぎるにゃん。オーラがヤバイ!巧妙に隠されているけどその手に精通していない者じゃにゃい限り絶対分から無いいにゃ!)

 

(やべーい・・・黒歌も思っていそうだがオーラがやべーい!もしかしなくても禍の団(カオス・ブリゲード)ってとんでもない連中に喧嘩売っちゃった?もしそうだったら命乞いしよう・・・)

 

(ふっ流石は白野美羅さんだ。俺の勘が言っている!彼女は強くても更に成長していると!!)

 

『ヴァーリ止めてくれえ!俺は消えたくない!魂すら消し飛ばせそうな奴と戦いたくないぞおおおおお!』

 

「あら?もしかしてこんな広い家に入った事が無くて緊張しているのかしら?そうだとしたら悪い事をしちゃったわね?」

 

実は美羅が怖いと言う事で顔を青ざめている事実に一誠の母、三希は気付いていない

 

「まぁ、ネルを家まで送り届けてくれたから物理では何もしないよ?」

 

一同はホッとするがそれはそれでフラグであった

 

「さぁあて話しを聞こうか禍の団(カオス・ブリゲード)。派閥が色々と存在しているのは知っているから洗いざらい吐いてね?」

 

(おっふぅ・・・吐かないと絶対に見逃してくれないんだろうなぁ・・・)

 

(転移をさせれば何とか逃げk―――――――)

 

「――――――逃げきれないからね?」

 

(だれか助けてにゃん)シクシク

 

「悪いが―――――――断る!」

 

『やめてくれえええええええ!』

 

もう正直に全部ゲロっちゃおうかなと考え始めていた二人だがそれより先に拒否するヴァーリ

 

「今ならワクワクサバイバル体験出来るけど―――――どうする?今よりも確実に強くなれるよ?」

 

「よし受けよう!」

 

「条件は禍の団(カオス・ブリゲード)を抜けたらだけどね?」

 

「ならば抜ける!」

 

「ヴァーリが抜けるなら俺っちも抜けるわ」

 

「にゃにゃ!?」

 

あっさりと即決した二人に驚く黒歌

 

「悪いな黒歌、俺は強い奴と戦いたいんだ。だから仕方が無いと思ってくれ・・・それに今のままだと確実に伸びないと感じていたからな」

 

「ヴァーリと同じくだぜい!・・・ま、それだけじゃないんだけどねぇ」

 

「うにゃぁ・・・・・」

 

ショボンとする黒歌に悪魔の囁きを掛ける

 

「このまま行くと小猫ちゃんに嫌われるよ?真実を暴露しないとね?」

 

「でも絶対皆信じないにゃ・・・」

 

「悪魔は一枚岩じゃないって事位知ってるから問題無し。寧ろやっちゃえ!私が背中を押してあげるからね?シスコン赤髪の毛根をハゲさせてみたいし♪」

 

(あ・・・これはマジで言っている人の目にゃ・・・・・)

 

「うぅ・・・分かったにゃ。一回だけ信じてみるにゃ・・・でも保険として失敗したらちゃんと逃がしてくれるのかにゃ?」

 

「その程度余裕よ」

 

二人は握手して約束

こうしてヴァーリチームの三人とこの場に居ない二人、アーサー・ペンドラゴンとルフェイ・ペンドラゴンに事の詳細を告げたのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ヴァーリside~

 

俺はヴァーリ、今代の白龍皇だ。各勢力会議にてアザゼルから離反したのだが訳合って白野美羅さん達と行動を共にしている。しかし今は模擬戦を行っている・・・誰とだって?紫髪の女性と戦っているのだが―――――強すぎる!はははっ!正に井の中の蛙と言う事だ!・・・世界は広いと実感した瞬間だ

 

「そらそらそらこの程度か!白龍皇の力とは!これではあの男よりも弱い!弱すぎるぞ!!」

 

「グフッ!」

 

がら空きの腹部にぶち込まれる雌煌の攻撃、因みにもの凄く手加減しての攻撃なので死にはしない

 

「クソッこれならば!」

 

『Half Dimension!』

 

周囲を半分にする力を持って攻撃するも

 

「効かぬぅ!その程度の攻撃なぞあちらでは日常茶飯事だ!」

 

両手から放たれる各種の属性弾の大きさが半分にされるものの威力は弱まらず、唯々小さな弾丸の如く襲い掛かり装甲を細かく砕いて行く

 

「ぐあっ!?」

 

『いかん!あの様な弾を半減させてしまえば小さくなり余計に厄介な代物となるぞ!』

 

「フッ、半減の力は物理攻撃を使用した際に使えと言う事か・・・全て躱されるが、やってやろうじゃないか!」

 

オーラを高め限界領域での戦闘に移行、それを直感で悟った雌煌もまた笑みを浮かべながらオーラの波動を強めて相対。ヴァーリの渾身の攻撃達は掠る事も許されず雌煌の攻撃を受け続ける物となって行き、遂には力尽きて倒れた

 

「もう終わりか・・・もうちょっと楽しめるかと思っていたが期待外れだったな。だがとんでもない原石だな!磨けば磨く程強くなるとは俺も嬉しい限りだ!ハッハッハッハハハハハ!」

 

「グゥ・・・まさか掠ることさえ許されないとは・・・・・」

 

『まさか白野美羅と拮抗出来そうな力を持つ者が居るとはな』

 

「おいおい勘違いしちゃあいないか?」

 

「・・・確か白野黒と言ったか?」

 

「黒で良いぞ。確かに雌煌の奴は強いさ・・・お前達が強いと言っているグレートレッドよりもな。だが美羅には勝てないんだよ――――――あいつと死合するとなれば確実に殺されるからな」

 

『・・・要するにこの世界で最強なのは白野美羅と言う事か』

 

雌煌の気晴らしも兼ねての試合はヴァーリの完敗。そして余裕で勝利した雌煌ですら勝つ事が出来無い存在の美羅に納得する

 

「唯一倒せるとしたらネルだけだな・・・」

 

「「「『何ぃ!?』」」」

 

あの様な子供に美羅が負けるのか!?と驚愕する一同

 

「よっしゃ!俺がネルに勝てたら最強って事だな!ぶっ飛ば―――――――――」

 

「誰が?誰を?ぶっ飛ばすって?」

 

「「『ヒェッ』」」

 

「ち、違うんだぁ・・・・・と見せかけて食らえやおらぁ!」

 

弱腰と見せかけて不意打ちの上級悪魔を粉にした属性パンチを放ち美羅の腹部へ直撃――――――だが両手でがっしりと頭を掴んでか~ら~の~シェイク攻撃

 

「うごごおごごご!?ぐぺぇ!」

 

倒れたと同時に穴という穴から"見せられないよ!"のモザイクが入る。これで読者も安心だろう

 

「汚い雌豚だこと」

 

倒れているにも関わらず死体蹴りを行う容赦の無さは教育に悪いだろう

 

「さてと・・・掃除はちゃんとして帰ってね?」

 

そしてパッと帰る美羅の後ろ姿を見ながら一同は「理不尽だぁ」と心の内で嘆いた

そうこうしている内に愉快な一日が終わり、明日にはいよいよ一誠達とご対面する

 

 

 

 

 

 




布団「ま、負けぬぅ。布団はこの程度では負けぬのだぁ」ボロボロ
ミラ「まだ言うか!」
布団「諦めん!諦めんぞおおおおお!例え俺が倒れても第二第三と後の道が続いて行く!」
ミラ「・・・なら全部を破壊してあげる!」

ミラビーム!

布団「止まるんじゃねぇぞ・・・」




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第62話 黒歌の過去と絶望へのカウントダウン

布団「フィーッシュ!」シロメ
「「「「・・・」」」」
布団「キタゾキタゾデッカイノガキタゾ!フィーッシュ!」
ミラ「作者の精神状態がヤバイ」
黒「一体何があった!」
紅「釣りか」
布団「ウワアアアアアアアアアアア!」
ティア「悪夢を見続けているのか」
黒「作者はもう無視で進めるか」
紅「これ以上作者の悲鳴は地獄だぞ」
ティア「そして始まる原作なんて知らない子」
ミラ「どうなるのか!そして何が始まるのか!」
ティア「チャンネルはそのままで!」
黒「それ違う!」








ねる「はっじまりはっじまりー」












~一誠side~

 

タンニーンのおっさんとの修行は終わりようやく自宅へと帰った俺達だったんだが、ここで一つ問題が起きた

 

「ちょっと美羅!テロリストである禍の団(カオス・ブリゲード)達を家の中へ上げるなんてどう言うつもりよ!」

 

「何故って?お客として対応しているだけだけど何か文句有る?」

 

「普通じゃ有り得ないって事よ!」

 

「こちらに有利になる事だから別に何も問題は無いでしょ?」

 

「此処は私達の家よ!」

 

「まーまーまー落ち着けリアス。感情むき出しのそれだといざって時に冷静な判断も出来無くなるからな」

 

部長がアザゼル先生をキッと睨み引き下がった・・・でも不思議で仕方が無いんだよなぁ。美羅先輩だとこういう面倒事は無視する筈なんだけど何か特別な理由があったのか?

 

「まぁ、今回の事についてはどうする事も出来無いから仕方が無いのよ」

 

「どうして何ですか?」

 

「・・・見れば分かるとしか言い様が無いのよ」

 

チラッとある一室を見た美羅に全員が視線を動かしその部屋の中の様子を見てみる

 

「おねえちゃんおねえちゃん♪はいあーん!」

 

「あーん」

 

ネルと一緒にご飯を食べているゴスロリ少女に全員が「誰だ?」となっている中、アザゼルだけは違う反応だった

 

「なぁ美羅の嬢ちゃん・・・俺が見たあの光景は嘘だよな?・・・・・嘘だと言ってくれよ!?」

 

「残念だけど事実なのよ!ネルが取られたのよ!あんな無感情龍にね!!」

 

「うはぁー・・・面倒事が一つじゃなく三つ四つと下手したらもっと増えるがどうするつもりなんだ?」

 

「離そうとするとネルが私を拒絶する・・・」

 

『あっ・・・それは・・・・・ごめんなさい』

 

この家に居る皆がネルを可愛がっているのでもしも真っ正面から拒絶の言葉を突きつけられたら心が折れるだろう。美羅が今現在その状況なのだ

 

「ハハハ・・・笑いなさいよ―――――――――笑えるものならね!!」

 

因みに美羅はネルを甘やかしている。まぁ親バカを拗らせていると思ってくれれば一番理解出来るだろう

 

「ネルちゃんから拒絶・・・もしもされたら私立ち直れません」

 

「其処は心を鬼にしてでも離しなさいよ・・・」

 

「リアス、もしもネルちゃんに拒絶されたらの想像をしてみて下さい。私も立ち直れませんわ」

 

「・・・・・良いわ。やってやろうじゃない!」

 

室内へとズンズン入って行くリアス。そしてネルを納得させようとオブラートに離そうとするが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リアスおねえちゃんきらい!あっちいって!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐっふっ!」トケツ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あーあー言わんこっちゃねぇな」といいつつアザゼルがリアスを回収、そして二人と話そうと提案するも

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おじちゃんくさいからあっちいって!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゲハァッ!」トケツ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もの凄く心に来る一撃を叩き込まれ崩れ落ちるのであった。因みに回収は黒が行ったのである

誰も話す気も無さそうなネルに皆どうしようか悩む

 

「どうするよ?ネルからあそこまで強烈に否定なり罵倒なりされたら立ち直れねえぞ・・・」

 

「次は誰が行く?因みに俺は無理だ・・・」

 

『俺(僕)(私)も無理・・・否定されたらと思うと・・・・・』

 

殆ど全員の心がへし折れている中

 

「ネルちゃん。この人はだーれ?おねえちゃんに教えてー♪」

 

春が突撃していた。皆が次の犠牲は春だと思っていたが

 

「オーフィスおねえちゃん!」

 

「オーフィスって言うんだ!宜しく。私は舞樹春!春って呼んで良いよ」

 

「春・・・我オーフィス。ネルと一緒に遊ぶ」

 

そのまま混じる様に遊ぶ三人に誰しも「うっそだろ・・・」と驚愕、そして少し間を置き回復したリアスが気付く

 

「・・・ちょっと待って?今オーフィスって言わなかった?言ったわよね?言ったわよね!」

 

「リアスおねえちゃんうるさい!あっちいけ!」

 

「 」チーン

 

容赦ない口撃にノックダウンするリアス。そして現状を理解した全員

 

「オーフィスって確か禍の団(カオス・ブリゲード)の頭目って言ってたよな?」

 

「・・・あぁそうなんだが、どうして此処に居るのかが分からん」

 

「あいつはネルと離れたくないって言うし・・・ネルもあいつと離れたくないと・・・・・どうしようも無いじゃない!」

 

最早どうする事も出来無いので静観する他無い

 

「ま、まぁ良いでしょう・・・しかし其処に居る黒歌ははぐれ悪魔で主殺しをした危険極まりない存在よ!冥界に帰省した時にも接触し、あまつさえ連れ去ろうとしていたのよ!」

 

この場に居る悪魔達は黒歌が犯した罪は周知の事実で塔城と接触させまいと立ちはだかる様にして守っている。そして其れを快く思っていない黒歌も睨付けている

 

「主を殺したと言うのは事実、だけど本当にそうなの?理由も無く殺すと思う?」

 

「仙術の暴走で殺害したとされているわ。事実、その手に詳しい者からも確実だと言われているわ?これでも未だ納得がいかないかしら」

 

「密室、黒猫とその主しか居ない部屋で何があったのか―――――知りたくなぁい?」

 

周囲が凍り付く様な程冷たい瞳を黒歌へと向けて右手を頭へと乗せる美羅、そして美羅の肩に手を乗せる黒や紅、その二人の肩にヴァーリ達も手を置いて行く。その様子で理解したのはアザゼルと俊屋

 

「おら、お前らも手を乗っけろ。恐らく美羅の嬢ちゃんは黒歌の過去を覗き見るつもりだ」

 

「恐らく俺達の頭の中に直接映像が流れ込んでくる形だと思う・・・それに、どうしてテロリストに入ったのか正確な情報を知りたいからな」

 

俊屋は原作知識から黒歌が何故主を殺したのかは理解出来ていたが現場を見た事も無いのでどうとも言えないのだ

一誠達は真実がどうなのかを確かめる為に手を置き備える

 

「じゃあ飛ぶから手を離さないでね?そうじゃないと記憶を体験出来ないしね?」

 

「えっ、美羅先輩ちょっと!?体験っt――――――」

 

「レッツだゴー♪」

 

途端に変る景色に戸惑う一同だが目の前で起きている光景の様子を見つめる。それは塔城と仲睦まじく一緒に過ごしていた光景―――――――そして流れゆく記憶の本流は今まで黒歌が体験した出来事その物を映している。妹を育てる為に眷属悪魔となり命令を、仕事を淡々とこなす日々の中には暴力を一方的に振るう虐待もあった

しかし変化は直ぐに訪れた・・・主へと縋り付き必死に何かを懇願している様子だったが振り払われて拒絶されて主は去り際に笑いながら何かを告げた後、隙だらけの背後から黒歌の仙術を用いた攻撃により吹き飛ばされ壁際へと叩きつけられていた。何かを必死に言っているが黒歌の攻撃は止まらず、動かなくなったそれを更に念入りに攻撃し確実に殺していたのだ

 

「美羅先輩・・・あの悪魔の人は何て言っていたんですか?」

 

「聞きたい?」

 

「過去に小猫ちゃんとあんなに仲が良かった妹思いの姉がどうしてあそこまで豹変したのかが気になって仕方がありません・・・」

 

「聞いてどうするの?」

 

「一誠先輩・・・」

 

「まぁ良いけど・・・それじゃああの部分だけ音声付けての再生をするね」

 

巻き戻って行く映像は黒歌が主へと呼ばれた場面まで戻った

 

『呼ばれて来ましたが何か不手際が御座いましたか?』

 

今とは想像も付かない程丁寧な言葉で話す黒歌

 

『あぁそうだとも。貴様の仙術は実に有能だ。誇って良いぞ?』

 

『・・・有り難う御座います』

 

『さて本題だが・・・貴様の妹を連れて来い』

 

『私の妹に何を・・・するつもりですか・・・・・』

 

『光栄に思え?悪魔に転生させ我が力を増大させる為だ!』

 

『ッ!?だ、駄目です!転生する際に契約として妹を転生悪魔にする事は無いと約束してくれたではありませんか!?』

 

『あぁこの契約書か』

 

手に持っていた契約時の約束の書類を魔力で消し飛ばし新たな書類を見せ付けていたのだ

 

『いやはや手が滑ってしまった・・・だが安心するが良い。ちゃんと複写のこれは無事だからな?』

 

黒歌は目の前へと落とされたそれを拾い上げその内容を読み愕然とし講義をする

 

『全然同じでは無いじゃないですか!白音を眷属悪魔にしないと最初の契約書には書いていたのに、これには私が仕事を順調にこなせる様になったら白音を転生させると書かれているではないですか!』

 

『何を言っている?私は複写と言った筈だぞ?眷属如きが主に逆らうな!』

 

『駄目です!こんなの間違っています!私はどうなっても良いです!ですから白音は、白音だけには手を出さないで!』

 

悲痛を叫びながら縋り付くが振り払われ尻餅を付いた黒歌を背に理性を壊すには十分の言葉を投げつけた

 

『なぁに心配するな。転生させた祝いとして可愛がってやろうではないか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私に奉仕(意味深)という形でな?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を見開き呆然とする黒歌は心が闇に覆われた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後は映像だけの物と同じ様に主を吹き飛ばし、助けてくれと懇願するそれを無視して蹂躙するだけ

 

『・・・・・』

 

「二回目だけど不愉快だな!悪魔とは腐りきっている・・・いっその事腐りきった上層部は消し飛ばした方が良いんじゃないか?」

 

「人間も醜いが悪魔はもっと醜いな・・・契約を本人の前で破り捨てるとは」

 

黒と紅は冥界の悪魔滅べ!と思うぐらい嫌悪し始めた

 

「・・・お兄様に報告するわ。子猫、恐らくこれは本当の出来事よ。だからゆっくりと話し合いなさい」

 

その場を後にするリアス、周りは暗い雰囲気が漂わせていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~黒歌side~

 

事実を知った塔城は恐る恐る姉の黒歌へと声を掛けた

 

「・・・黒歌姉様。私を守る為に主を殺したのは本当なんですか?」

 

サーゼクスが助けるまで自身を放置した姉、本当の理由は理解出来たが完全に受け入れる程心が追い付かないで居ると

 

「やっぱり似た匂いだな!流石姉妹!ペロペロさせて貰おうか!!」

 

「にゃにゃ!?ちよっと何するにゃ!そこ引っ張られたら服が脱げちゃうにゃ!?」

 

「一度はやってみたかったのだよ・・・よいではないか~よいではないか~。とな!」

 

黒歌を塔城と同じ様に眺め、クンカクンカ、果てにはペロペロしだそうとしていたのだ

 

「人の姉に対して何をしているんですか黒先輩」

 

「フォウッ!?そ、それは・・・つい欲望が溢れ出ちゃったのさ!」テヘペロ

 

「アーシア先輩、この変態龍に正拳をお願いします。大丈夫ですよ、無駄に頑丈ですから」

 

「く、黒さん!メッです!」

 

「クンカクンカ、やはり子猫ちゃんと似た甘い匂いがする!」

 

「ハレルヤ!」

 

「グボオァ!」

 

忠告されたのにも関わらず黒歌の首筋をクンカクンカした黒の横っ面をアーシアの正拳が突き刺さり床でのたうち回る

 

「黒歌姉様、このリード持ってみませんか?」

 

「え、えっと・・・持てば良いのかにゃん?」

 

妹から渡される其に疑う事無く握ると

 

『登録者変更確認したよ♪今日から貴女がこいつの主人(マスター)だよ!』

 

「「え?」」

 

「それでは黒歌姉様、この変態の主として頑張って下さい」

 

塔城はこのリードの隠された能力(※一回限り)を使い譲渡、黒の主は黒歌へと変ったのだった。因みに黒はリードの電撃に少しずつ耐性を持ち始めていたという理由からだった

 

「はっ!?と言う事は小猫ちゃんから――――――妹からの許可が下りたと言う事か!ならお持ち帰りするしかないな!」

 

「巫山戯ないで欲しいにゃ!私は強い者にしか興味が無いにゃん!」

 

『えっ?黒は強いぞ?龍だし』

 

「・・・絶対に嘘にゃ!?白音にペット扱いされてた男が実は龍で、強いなんて有り得ないにゃん!!」

 

『自らがペットに成り果てた感じじゃなかったか?』

 

「龍は誇り高い生き物にゃん!」

 

「小猫ちゃんの可愛さについ暴走しちゃったんだ!」

 

「もういいにゃ。諦めるにゃ・・・」

 

がっくりと肩を落としため息を吐く黒歌はこれからどうするかを迷っていたのだ

 

(取り敢えず白音との和解が出来たのは嬉しかったにゃん。でも私ははぐれ悪魔・・・此処に居る皆には迷惑を掛けられないにゃん)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はぐれ悪魔として危険な位置付けには変らない自身は狙われ、周囲にも危害が及ぶ事を快く思っていない為この場から離れようと気配を消して移動しようと

 

「で、黒はどうするつもりだ?あの黒歌とやらを保護でもするのか?」

 

自分の名前が出てビクッと一旦止まり、影から覗く様に見ると黒と紅にティアが話し合っていた

 

「んー、まぁそうなるよな。俺自身、小猫ちゃんが自分の姉がした事実を完全に受け止めきれなくて何処かに吐き出そうにも出来無かった。それをどうにかしようとしてあんな風に持って行ったからなー・・・よく言うだろ?兄弟姉妹仲良くが一番ってこった」

 

「まぁ今回のあれは何処かわざとらしかったから何か有るとは思っていたさ」

 

「何時もの変態行為を本能のままに行っていたと私は思っていたのだが・・・」

 

「ほら、美羅の奴が何もしなかっただろ?あれが良い証拠さ」

 

「・・・確かにそうだな。普通ならあの場で沈黙(物理)させられていた筈」

 

お馬鹿な事をすれば即物理処理をされる黒、だが今回は全くされずに様子を見ていた事から察するティア

 

「黒歌を見た時にビビッと来たんだよ」

 

「変態センサーか?」

 

「変態紳士の本能か?」

 

「ちげーよ!俺を何だと思っていやがる!」

 

「「只の変態龍、もしくは煩悩まみれの龍」」

 

普段の行いの性で二人の認識はこうなってしまったのだ。実際問題煩悩溢れる変態である事には変わりない。だが黒が塔城にロックオンしてその様な行いをしていたのは理由が有る・・・迫り来る事件達に伸び悩み、力という強迫観念に囚われた状態を見ていられなかった為にその捌け口を出させるのがもう一つの目的でもあった

 

「何でお前はこういう事には気が付くのに、美羅の琴線に触れるばかりの行いをするのか・・・」

 

「美羅がどう思っているかを考えろだと?嫌だ!めっちゃ面倒くさい事になるばかりじゃん!!それに今は雌煌の方にヘイトが行っているから多分大丈夫なんだぁ・・・」

 

黒より雌煌のやらかし具合が半端では無く、美羅のヘイトはそちらを中心に向けられている為に多少の事は見逃されるこの平穏を保ちたいと言うのが本音である

 

「まぁ、本能ってあれだよ・・・可愛いから側に置いておきたいってやつだよ」

 

「惚れたのか?」

 

「龍が猫に一目惚れ・・・まぁ応援はしてやろう。だが妹の方はどうするのだ?好きだと言っていた筈だが」

 

「大丈夫、小猫ちゃんはlikeで黒歌はloveだから。俺って一途なんだよ?」

 

「「そんな事はどうでも良い」」

 

「(´・ω・`)ソンナー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黒の本音を暴露した会話を聞いてしまった黒歌は音を立てずに家から逃亡、美羅がコソッと渡していた転移アイテムを使い外へと出たのだ

 

にゃにゃにゃにゃ!?黒は龍って言ってたのは理解出来たにゃ・・・でも好き?白音はlikeで私はlove?あ、あ、有り得ないにゃ!きっと私の聞き間違いにゃ!きっとそう・・・きっとそうに違いないにゃ!

 

ああも包み隠さず好きだと言ってくれる存在は今まで出会ったことが無い。言ったとしてもそれは体目当ての奴ばかり・・・黒も体型が好ましいとは思っているが、黒歌の在り方――――――家族を守ると言うそれに惚れたと言う事だ

 

でも・・・でもでもでも!私は危険視されているはぐれ悪魔だにゃ・・・きっとあの白髪の女性、白野美羅が反対すると思うにゃん。悪魔からちょっかいを掛けられて迷惑する筈だしにゃん(←シスコン赤髪から少しずつちょっかいがあったので脅しを含めての弱みを握り、調印式での脅しを含めて悪魔の誰もが手を出す事はしなくなった事を知らない)

 

ションボリとしながら郊外の森の中へ入り木に上り心を落ち着かせようとしたが―――――――

 

「よう黒歌。悩み事なら俺が聞いてやるぜ?」

 

黒歌が最も聞きたくない転堂の声がその場に響き舌打ちをした

 

「何の用だにゃん?」

 

「悩みを聞くだけだしそんなに警戒すんなよ」

 

ヤレヤレと転堂が呆れているが黒歌は転堂をリーダーとした者達が何をしているかを把握している。勿論それを知っているのはヴァーリチームの皆もだ。転堂を初めとした者達が行っている事、悪魔や天使等の異種族を狩っているのは良いだろう・・・だがそれからが一番の問題だった。自身らが噂を流して助けて、その中で見目麗しい女性がいたら有無を言わさず〇〇〇(ピー)したり等のマッチポンプ行為を行っているのだ。勿論それを知っているのは極僅か・・・

そんな者達が自身に向けるそれは気持ち悪い物ばかり。舐め回すように各部をじっとりと見るから・・・妄想の中で犯っているのであろうと容易に想像が付く

そして今のこの状況はとても不味い。転堂一人だけしか姿を見せていないが、気配から察するに囲まれている状況だった

 

「この状況で警戒しない奴の方が可笑しいにゃん。それで?もう一度聞くけど何の用だにゃん」

 

「単刀直入に言うぜ。俺らの仲間になれ」

 

「はっ―――――――――御免被るにゃ!」

 

否定と同時に転堂へと攻撃、範囲攻撃によって立てられた土煙は周囲から身を隠すには絶好。この土煙に紛れて転移魔法で逃走を図ったのだが、自身の周囲全体を覆うように黄金の波紋が出現し鎖によって縛り付けられてしまった

 

「おいおいそんな程度で俺から逃げれるとでも思っていたのか?」

 

「何で転移魔法が発動しないにゃ!?」

 

「その鎖はグレイプニル。分かるだろう?フェンリルを拘束していた鎖その物だ」

 

「有り得ない・・・魔法での劣化再現なら兎も角、神々が持っている筈の其れを人間が本物を持っているなんて有り得ないにゃ!!」

 

「こいつは"王の財宝"俺の力の一旦でありとあらゆる原点が納められているんだよ。過去の英雄達が使っていた武器等も入っているんだよ!!」

 

「そんな神滅具(ロンギヌス)クラスの代物が存在するなんて聞いたことが無いにゃ!」

 

今も尚必死にもがき逃げようとするも鎖から脱出する事も叶わず・・・其れ処か徐々に締め付けられており、痛みによって顔が少しずつ歪む

 

「おい転堂、とっとと連れて帰ろうぜ?」

 

「リアル獣っ子と戯れるチャンスなんだからよ!」

 

隠れていた転生者(モブ)達が木々の影から現れた。約十人近く居るそれぞれが全員が黒歌にいやらしい視線を向けているのだ

 

「最初は俺のもんだぞ?」

 

「けっ!チート特典め!!」

 

黒歌は彼等が何を言っているのか理解出来無いが、これから起きるであろう事は直ぐに理解し絶望しかけていた

 

嫌だにゃ!嫌だにゃ!こんな奴らに良い様にされる位なら死んだ方がマシだにゃ!

 

自害をしようとする前に猿轡を噛まされ、不思議な腕輪を付けられて違和感に直ぐさま気が付いた

 

ッ――――仙術が行使出来にゃい!其れ処か魔力すら操れにゃい!?

 

驚愕している黒歌に答えを教えて、更なる絶望を与える様にと汚らしい笑みを浮かべながら答えた

 

「その腕輪を付けられて気が付いただろう?自分が使っている術が使えない事に。それは異能殺しの腕輪、術を発動しようとすればその力は直ぐに霧散する便利な代物なんだよ!」

 

黒歌は打つ手無しと分かり涙が零れる。不幸、理不尽、様々な物が自身を襲い心を殺して行くこの世界が憎い・・・だがどうする事も出来無いこの現状。全てがどうでも良くなってしまった―――――もう理不尽なこの流れに飲まれる他無いと

 

「おい転堂ここでやるのかよ?」

 

「外と言うのも悪くないだろ?ってかお前らもやるか?この結界は京矢の奴が作った超便利な奴で外に漏れない外から入れないと言う便利な代物だからよ」

 

「マジか!?あの魔術キチがこれを!?」

 

「まぁこれを手に入れるのに要求されたのは一切の不干渉っていう馬鹿げた物だけどな!」

 

因みにこの京矢と言う人物は以前コカビエルとの戦闘後、一誠達と切り離した際に使用した幻影異空間魔法を行使した人物である。そして京矢は転堂の事が嫌いなのに一緒に行動している理由は多方面からの魔術を見れるからとの事・・・一番気になっているのは美羅が使っている物だけ。もう既に何時抜けようかと迷っている最中なのである

 

「まぁ今はあいつの話しはどうでも良いとして・・・・・とっとと犯るか!」

 

黒歌の衣服は破かれ転堂の手が触れようとした瞬間

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいゴミ共。覚悟は出来ているんだろうな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁん?」

 

「誰だお前?」

 

声がした方へと顔を向ける転生者達、そして釣られる様に黒歌もそちらへと向けると拳をバキボキと鳴らしながら歩いて近づいてくる二つの影。一つは黒く、もう一つは白の二人――――――これだけで読者達も分かるだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

憤怒する黒とニコニコとしながら目が笑っていない美羅の二人

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

転生者達よ!絶望しな!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ミラ「痛んだ心には憂さ晴らしが必要だよね?」
黒「そうだな!」
ティア「作者は未だに引きずっている模様なので」
雌煌「俺達が進めるんだぜ!」
紅「それにしてもあれだな・・・雌煌、お前の会話が少ないと感じるのは気のせいか?」
ミラ「それは正解、でも加入がとても遅かったし仕方が無いよね?」
雌煌「フザケルナフザケルナバカヤロオオオオオオオ!ウワアアアアアアアアアアアア!」
ティア「大丈夫だ。サンドバッグなら幾らでも出番はある」
ミラ「五月蠅い雌豚!鉄血レンチホームラン!」
雌煌「当たると思っていたのか?」
黒・紅「「ダニィ!?フォオオオオオオ!?」」デデーン
雌煌「俺は進化するのさ!」
ミラ「でも当たるのよ?」
鉄血メイス「ヨゴレシゴトカ」ブンブンブンブーメラン♪
グサァッ
雌煌「ッアアアアアアアアアアアーーーーーー!」


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第63話 エンダアアアアアアアアア!

布団「うぉおおおおおおおおおお。唸れ俺の指!シャイニングフィンガー!」
ミラ「執筆するだけなのに・・・」
黒「僅か二日で書き上げるとは!」
紅「どうなる!この先!?」
ティア「それよりも設定が更新されているぞ!」
「「ナニィ!?」」
布団「ホァアアアアア打打打打打打!」
ミラ「そんなに早く入力すると誤字が増えるって言うのに・・・」
布団「見直しは5回した!何も問題は・・・無いと思いたい」








雌煌「またしても俺の出番無いのかよ!?」







ねる「はっじ」
オーフィス「まるよ」










~美羅side~

 

いや~危ない危ない。もう少しであの汚ならしい手が触れる所だったよ。私ナイス!助けるタイミングもパーフェクトで、これはあれだね・・・運が私に味方していると!←フラグ

そっれに~、家の問題児が落ち着くと分かったら即実行案件間違い無し!彼女一人出来るだけで大人しくなるならそりゃあ応援でもするよ?

 

「ゴミ屑はゴミ屑らしく塵になって消えるか、燃え尽きるかを選びな。お望みの方法で殺ってやるからよ」

 

殺気が駄々漏れている黒、モブ転生者達は「ヒィッ!」と軽い悲鳴を上げこの窮地をどうやって脱するかを模索する。そして一番やってはいけない愚かなる選択をしたのだった

モブ転生者の一人が何も無いところからライフルを顕現させ黒歌の頭部へと突き付け脅す

 

「そ、それ以上近付くんじゃねえ!お前らが少しでもその場から動いたらこいつの頭を撃ち抜くぞ!」

 

美羅はヤレヤレと呆れ果てる

 

「それは、三下のやる事だよ?分かっているとは思うけど貴方は死を早めたのよ」

 

 

 

 

 

 

 

グチャァ

 

 

 

 

 

 

 

生々しく鈍い音が響き、モブ転生者達はキョロキョロと周りを見ると、黒がライフルを持った転生者の前に居た。その手は転生者の頭部に位置していたが、その手は血まみれだった。黒は一瞬で目の前へと移動し頭部を破砕したのだ。頭部を失った事で溢れ出る血は噴水の様に高く舞い散り美羅以外の者達を濡らしていった

周りもやっと理解出来たのか、殆どの者達が逃亡をする。勿論転堂もその内の一人で、黒歌も引き連れて転移しようとする。が、グレイプニルにて捕縛していた黒歌は居らず、鎖が千切られており驚愕する

 

「な、何でグレイプニルが切れてるんだよ!?動物系において無類の拘束力を持つ鎖だぞ!」

 

グレイプニルとは、数多の動物の頂点であるフェンリルを縛り上げた鎖である。しかし千切ったのは黒歌では無く黒、並のドラゴンより強いフェンリルだが、ドラゴン―――――龍の準最上位種に位置づけされている黒にとっては、ちょっと頑丈なだけの鎖なのだ

 

「はっ!惚れた女を縛る鎖なんざ吐き気がする!」

 

引き千切った鎖を投げ捨てて、転堂へと突っ込んで行く黒。転堂の背には黄金の波紋から頭を出した武器が黒へと標準を向け射出された。真っ直ぐに避けようともしない事に転堂は笑みを浮かべるが、そのことごとくを裏切られ、急所に当たった武器は甲高い音を立てて弾かれたのだ

 

「な!?上級の武器が何故!?」

 

「おらぁ!食らえやゴミが!」

 

自動防御を展開、重なり合った盾で防ぐ事で完全に防いだと思た転堂だが、それを砕きながら迫り来る拳に直撃。咄嗟に首を回すことで、ある程度の威力は軽減させる事に成功したが、衝撃までは防げず風圧で遠くへと吹き飛ばされて、その姿は見えなくなった

 

「さぁて、残るはお前らだ」

 

散り散りになって逃げ様とした転生者達は、行く手を見えない壁に遮られて抜け出せず、壁伝いに移動すると美羅の元へと誘導されていたのだ。モブ転生者達は最近加入したばかりの新人だけなので、美羅の事は言伝にしか理解しておらず、「見ているだけの女なら勝てる」と安易で一番愚かな行動に出たのだった

結果は言うまでも無く全滅。ただし、全滅と言っても死者は無く、全員が美羅の雷撃で行動不能の麻痺状態となっていた。どうする事も出来ずチート特典満載の転堂に縋るものの、黒の一撃を持って吹き飛ばされ見え無くなり絶望した

 

「ねぇ今どんな気持ち?さっきと真逆の状況だけど、どんな気持ち?」

 

「た、助けてくれえ!」

 

「嫌だ死にたくない!」

 

「今知り得ている情報を全部言うから見逃してくれ!」

 

これ程醜い掌返しは滑稽でドン引きするわ・・・誰でもそう思うよね?さ~て、黒の奴は何やっているのかって・・・黒猫を抱きしめているねぇ。そして一旦距離を開けてからの~ど直球の告白に了承するっと・・・晴れて二人は恋人になりましたとさ!あぁ因みにこの壁って中からは外の状況が見えず防音仕様となっているのでこのモブ?転生者達には見えても無いし聞こえても無いよ♪

 

(ねぇ黒?一体何時までにゃんにゃんしているつもり?)

 

(フォォオ!?い、いきなり念話で話しかけるなよ!ビックリするじゃねえか!)

 

(この転生者達消すんでしょ?さっさと来なさいよ)

 

(よっしゃ、今すぐ行――――――)

 

黒との念話で明後日の方向に向いていた美羅に一人の転生者が光剣を持ち突貫

 

「死んで堪るかあああああああ」

 

真っ直ぐに構えて突っ込み、胸部へと光剣が差し込まれ笑みを浮かべる転生者と、それを見ている者達も笑みを浮かべる。しかし絶望は終わっていない

 

「で?この程度のおもちゃで私を殺せると思って?」

 

「はぁ?」

 

理解出来ず呆気に取られた声が漏れた転生者、美羅に首を掴まれそのまま上へ持ち上げられるその力は凄まじく、暴れても拘束から逃げれずジタバタとするだけ。そして首に限界が来たのか、ゴキッと音が鳴り動かなくなったのだ。倒れ伏している転生者達は顔が青を通り越して白くなった

 

「美羅待たせたって・・・一人やっちゃってどうするんだよ。俺の獲物なのに」

 

「いやぁ、私に突っ込んで来ちゃったのよ。首を掴んで持ち上げていたら勝手に暴れて死んじゃったのよ」

 

「あ、それなら仕方が無いな」

 

人を殺したのに対して何も思う所が無く、淡々としている二人の精神が異常だと転生者達の顔に出ている

 

「あ、私達がそんなにおかしい?何処の世も弱肉強食で、これは自然の摂理だと思うんだけどな~。それよりもパパッと殺っちゃいなさいよ。もうすぐ晩ご飯の支度の手伝いをしなきゃいけないんだから」

 

「おっとそうだったな。黒歌にも俺の強さの一端をしっかりと見せつけてやらなきゃ安心出来そうにないからな」

 

美羅は黒の隣に居た黒歌を引き寄せから、黒に合図を送る。それを了承した黒は、完全な龍化を使い、元のミラボレアス――――黒龍の姿へと変貌。その姿を知っている者が殆どで、皆が恐怖により声が出ない

 

『そんじゃあ灰も残らず燃え尽きな!』

 

モブ転生者達が最後に見た光景は、大きな火球が目の前を埋め尽くした物だった

着弾して、巨大な爆発をした後に残っていたのは黒く焦げた大地、所々がガラスの様に変化しているのは言うまでも無いだろう。龍化を解いて人の姿へと戻った黒は黒歌の元へ行き

 

「これが俺の力だ。例え悪魔達が向かってきても俺が守ってやるから安心して側に居ろ――――――いや、居て下さい。惚れたので離れないで下さい」

 

「こ、これから宜しくお願いします・・・にゃん!」

 

これで黒歌は黒の側から離れないだろう。禍の団(カオス・ブリゲード)の中よりも安全で大切な妹も近くに居る。今まで叶わなかった理想の夢にやっと辿り付いたのだ・・・これからは今までの不運を帳消しにする勢いで生きていこうと誓った瞬間だった

 

「はいはいはい。幸せ掴みたい思いにふけるのは良いけど、まずは帰ってご飯の準備からよ。そして皆にも報告しないとね?」

 

「おっとそうだったな!いや~美羅達の中で一番早くに将来が確定した生活を送れるとは最高だな!人生・・・龍生勝ち組だな!!」

 

「私を絶対に幸せにしてにゃん!」

 

「例え神が立ちはだかろうと、俺がぶち壊して幸せにしてやるよ!」

 

二人はゆっくりとした足取りで家へと帰って行く。そんな中美羅は、不意に空を見上げ笑みを浮かべ一言

 

「自称神様(笑)?何でもかんでも自分の物に出来ると思ったら大間違いよ。徹底的に嫌がらせして、相対した時に絶望を与えてあげるから覚悟しなさい。そして新たに見ている狂っている転生者も同じよ。手を上げるならば細胞一つ残らず・・・いや、魂を消し飛ばしてあげるからそのつもりでね」

 

告げる事は全て告げた後、興味を無くしたかの様に黒達の後を辿り家へと帰っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~???side~

 

「いやぁ、危なかったね!もしも吹き飛ばされた後に僕が回収しなかったら、あの爆発に巻き込まれて死んでる所だったよ?」

 

「じっぐじょう!聞いてないぞ、美羅だけが強いんじゃ無かったのか!?」

 

「え~?僕は何も言ってないし、想像も容易に付くものじゃないか。あ、そういえば君のオツムは駄目駄目だったね!それじゃあ仕方が無いか!」

 

転堂は生きていた。黒に殴り飛ばされた後、自称神様の手によって安全な場所まで避難されて治療されたいるのだ。八つ当たりをしようにも、自身を転生させた相手を殺すと何かがあると感じているのでそれだけはしない

 

「あハ!キヒィッ!見つけた!見つけたよ!とうとう見つけた!災悪の黒龍を見つけたよ!クヒッ!アハハハハハハハハハハ!!良い!イイネイイネ!もうさいっこーよ!あの龍を食べたらどうなるんだろう!強くなるのかな?おかしくなるのかな?痛いのかな?イヒヒヒヒヒヒ、楽しみだなぁああああ!」

 

「うん!彼女を転生させたのは間違い無いね!さっすが僕、天才!」

 

自称神様(笑)と転生者の彼女は遠見の水晶で出来事を確認をしていた。所々ノイズが走ったり、見えなくなったりとあったが、「あれ?不良品かな?」と思う程度だった。全知全能なる力を手に入れて何でもかんでも、自分の望む展開になっているがこの場の転堂の失敗は計算外だったのだ

この美羅達を含めた四人の行動には全てが計算外、新しい玩具が手に入ったと内心大喜びであった彼だが、不意に空を見上げた美羅の目と合った

 

『自称神様(笑)?何でもかんでも自分の物に出来ると思ったら大間違いよ。徹底的に嫌がらせして、相対した時に絶望を与えてあげるから覚悟しなさい。そして新たに見ている狂っている転生者も同じよ。手を上げるならば細胞一つ残らず・・・いや、魂を消し飛ばしてあげるからそのつもりでね』

 

呟かれたそれは高性能水晶によりばっちりと聞こえる物だった

 

「ん~?僕に逆らうなんて生意気な転生者だな・・・まぁいいや!逆らったりすればこの転生者特攻の万能スイッチで、目の前で"爆散"させちゃえば何も問題無いし!」

 

自称神(笑)が手に持っているそれは、任意の転生者達を爆発させるスイッチなのだ。美羅達の事を転生者だと思い込んでいる自称神(笑)はもうすぐ触れてはいけないパンドラをこじ開ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~一誠side~

 

美羅先輩と黒が帰って来ると、小猫ちゃんの姉の黒歌さんも付いていたが・・・様子がおかしい。何があった!ソワソワして――――――ハッ!?まさか何処か人気の無い場所で黒にペロペロされたのか!だとしたら俺の左手が真っ赤に燃えてぶちかましてやるぜ!!

と、思い込んでいた俺は馬鹿だったよ。何故かって?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この度、小猫ちゃんの姉の黒歌と結婚前提のお付き合いをする事になりました~。って事で祝え!超祝え!!あ、俺って龍だからもう結婚しても問題無いな!後で黒歌の指輪作るわ!」

 

「白音!私は黒と結婚するにゃ!」

 

「  」シロメ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小猫ちゃんは驚愕の余り白目になってやがる・・・今日だけで和解、そして黒との結婚発表。もしも俺が小猫ちゃんの立場となったとしたら・・・発狂するな。だってよ・・・だってよ!黒歌さんは!小猫ちゃんから、黒の主として預けられたのに!少しの間、見なくなって帰って来たら夫婦って有り得ねえよクソッタレええええええええ!

 

「一誠君五月蠅い」

 

「す、すいません」

 

ハッ!?今なら美羅先輩に告白すれば付き合って貰える可能性有るんじゃないか?

 

「美羅先輩好きです!付き合って下さい!」

 

「えっ、嫌だけど?」

 

グッハあああああああああああ!素で拒否されるとは。これは心に来るぜ・・・

 

「じゃ、じゃあ美羅は付き合うとしたら誰が良いのかしら?」

 

「え~・・・この中限定だと・・・・・悩む・・・誰も、どうでもいいやって思っている私が居るからなぁ。・・・まぁ無難だとすれば俊屋君辺りかなぁ?でも正直生きていくのに、男は必要無いって思っているからどうでもいいや」

 

少し上げて、めっちゃ落とすって・・・ほら、俊屋の奴OTLと化してるじゃねえか。美羅先輩それは流石にやり過ぎですよ

 

「み、美羅先輩は容赦が無いです」

 

「俊屋君・・・その・・・・・元気出しなよ」

 

「だが誇れ、二天龍の俺達ですら対象にされなかった分だけお前は凄いぞ」

 

「男を磨いていきゃあいずれ振り向いてくれるって・・・多分」

 

皆が俊屋を励ますも大した効果は無く、しょげていた

 

「さて、重大報告を執り行おうか」

 

美羅先輩のその一言に皆が緊張、静かになる

 

「さっきまで黒猫もとい黒歌が居なかったのは理由があるのよ。外に出た経緯は分からないけど、この場に滞在するにあたって何かしら思う事があったと思うの・・・だけどそれはどうでも良いわ。問題はこの後、転堂達含む屑な転生者達が黒歌を捕まえていたの、理由は唯々自分の物にしたいだけ」

 

「ちっ!あいつら腐ってやがるぜ。今度は黒歌に狙いを定めていやがったのか!今度出会ったら唯じゃおかねいぜぇい!」

 

「しかし、今知れて良かった。丁度あの二人にも連絡を入れてこちらに来てもらう様に頼んだからな」

 

「アーサーとルフェイの二人か。確かにあいつらはルフェイを舐める様に見ていたからな」

 

「アーサーが付いているから問題は無いと思いたいが念には念を入れてあちらと合流するぞ美猴」

 

「了解だぜヴァーリ」

 

美猴とヴァーリの二人は直ぐに転移魔法を使い転移していった

 

「そういやアーサーとルフェイって誰だ?」

 

一誠の疑問は誰もが思っていた。美羅達は話しだけで理解していた

 

「アーサーとルフェイは私達と一緒に行動していた兄妹で、アーサーは男だけどルフェイは女の子にゃん。あの転生者?達に狙われる可能性が少なからずあるという事だにゃん。アーサーは武者修行、ルフェイは兄を追っての加入だから問題行動を起こす可能性は低いにゃん」

 

「サバイバルに人員追加っと・・・いやぁ楽しみだなぁ♪今度は全員参加の特別仕様だからね!」

 

『えっ!?』

 

美羅の宣言に皆が驚愕、アザゼルの方も驚愕している。もしかしたら自分が考えている特訓メニューが不必要になるかもしれないからだ

 

「今度レーティングゲームが行われるんだって?それに勝つ事が出来れば考えない事もないけど?」

 

「やるわよ皆!次のゲーム、必ず勝ちに行くわよ!!」

 

「フフフ、頑張りますわ」

 

「僕は・・・サバイバルをしてみたいんだけど。部長の命令じゃ仕方が無いよね」

 

「さ、サバイバル。・・・美羅先輩の言い様だと間違い無く地獄・・・どんな手を使っても勝ちに行きます!」

 

「私は、紅さんと一緒に頑張って手に入れたこの力で部長さんの力になります!」

 

皆が皆やる気十分の覚悟を持ってレーティングゲームの試合を待つのである

 

「元テロリスト達も参加するけど、そっちはそれなりの技量を持っている・・・だとしたら何かしらの制限入れたら上等よね♪」

 

迫り来る地獄のサバイバルの入り口。逃げ様ともがくリアス達、そして自ら入りに行こうとする戦闘狂(バトルジャンキー)達、各思いが渦巻く。そしてリアスの元へと届けられた報せ、次のレーティングゲームの相手は顔見知り・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グレモリーVsシトリーの対決だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「顔見知り同士の戦い。どっちが強いのか楽しみだなぁ!もしもKY赤髪が負けたらメニューの目標を高く設定しよっと♪」

 

知らぬ所で更なるペナルティーが追加されたのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




布団「気合いを入れてさぁ行くぞ!レーティングゲーム!」
ミラ「書けるの?」
布団「大まかな流れを知らないです・・・」
黒「だが既に原作は崩壊している!」
紅「思うままに書けば許してくれる!」
ティア「大丈夫な筈だ」
黒「それよりも皆!俺を祝え!祝うんだ!!」
紅「この変態に彼女か・・・」
ティア「問題行動が減れば良いのだが」
黒「雌煌が問題行動ばかりやっているから自重+止める為だ!」
布団「もう少し早ければ良かったのに・・・」
紅「ミラのメッキが剥がれ落ちたのもこの辺りだからな」
ティア「主の分も私がしっかり補佐しなければ・・・」


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第64話 あっという間のゲーム

布団「き、きつい・・・仕事によって押し潰されるぅ」
ミラ「生きる為には必要な事だよ?」
布団「月月火水木金土土・・・」
黒「社畜になるか?」
布団「一定期間の間だけだ・・・耐えてみせる・・・・・多分」
紅「逃亡するなよ?」
布団「精神がゴリゴリと削られるぅううううう!誤字とか有るかもだけど・・・勘弁してくだぁさい」



ミラ「とっとと開始して次の話を書かせよう!」
紅「鬼畜の所行だな」
ティア「頑張れとしか言えないな」
雌煌「それ位気合いで乗り切れよ!」
ミラ「少しお話ししようか?」
雌煌「ヒェッ」









ネル「はじまりはじまり~」








―追伸―
ルビ入力面倒くなっちゃいました(翻訳の方)
よくよく考えるとD×Dってこういうの多いよね・・・
神器(セイクリッドギア)→神器に 良く使用する類のルビを振らないことにしましたのでご了承下さい


~美羅side~

 

顔見知り同士の戦い。それぞれが負けられないという思いを持っているけど、個人的には蒼那が勝って欲しいな~。何故って?KY赤髪達のサバイバルが過酷になるからよ!フフフ、どんな愉悦をもたらしてくれるか楽しみだな~♪

でもね・・・一つ問題があるのよ。「これでストレスの一つが無くなって楽だわ~」と!思っていた時期もありました!!こんのイチャイチャ共おおおおおおお!

 

「黒、あーんにゃ♪」

 

「違うだろ黒歌?俺とお前であーんだよ」

 

「黒と食べさせ"愛"は、心が温まるにゃん♪」

 

所構わずイチャイチャして、ラブラブオーラを放つ二人。見ている者全ての口の中をジャリジャリにする程甘いのだ・・・・・甘ったるいのだ!

 

「部長・・・お茶が甘いです」

 

「私の紅茶も、もの凄く甘いわ」

 

「甘々ですわね・・・」

 

「あははは・・・口の中に砂糖を入れられた感じです」

 

「   」シロメ

 

「小猫ちゃんは、もう・・・あれだな・・・・・」

 

「姉のイチャラブっぷりを目の前で見せられるのは堪えるのだろう・・・」

 

「家の中でもイチャイチャするなぁあああ!私の安らぎの空間を破壊してるんじゃないわよ!」

 

見事にフラグを回収している美羅である。当初の計算であれば―――――黒と黒歌がくっついて、黒の問題行動が無くなると予想していた。そして予想通り無くなった。そこまでは良かった・・・予想外だったのは、二人の愛の深さだったのだ

うん・・・皆まで言わずとも相思相愛である。しかも互いが独占欲が大きく、もの凄く相性が良いのだ――――因みに夜の方でもだ。結界を張ってあるので音は聞こえないが、翌日に見る黒歌のツヤツヤ具合でどれ程の行為がされているかが分かるのだ。周囲も察して深くは聞かずだが、一誠の母―――三希は興味津々で、黒歌にどんな内容だったかを聞いたりしている

 

「・・・流石にさ、ここまでのイチャイチャ甘々空間を作るとは思っていなかったの」

 

「くろかー、ぎゅっして?」

 

「よし黒歌、ネルと一緒に日向ぼっこでもするぞ!」

 

「それは名案にゃ!」

 

「ネルが行くなら我も行く」

 

「んじゃあ四人で行くぞ!」

 

「「「はーい(ん)(にゃ)」」」

 

そして外へと出て行く黒達。そして甘々の空間が消え去った事で、ドッと疲れ果てた一同。リアス達は数日後に控えたレーティングゲームは大丈夫なのだろうか

 

「・・・美羅に相談があるのだけれど、良いかしら?」

 

「サバイバル参加について何か聞きたいの?」

 

「違うわよ!って、ゲームに勝てばサバイバルは無しよ!無し!!――――――――実はね?レーティングゲームの観客としてお兄様が貴女を招待したと言っているのよ」

 

「まぁ過程と結果を見たいから行くけれど・・・そろそろ納品もしないといけないからねぇ・・・そして増えるジョーカー。誰かに共有して愉悦を求めたいからね~

 

以前、グレイフィアとのお薬の定期納品の交換条件として出されたあれを回収するのに、もってこいのタイミングなのだ

 

「なら良かったわ。一応、他の悪魔達がちょっかいを出さない様に命令を出しているらしいから安心して。もしも手を出してきたら消しても良いらしいわ」

 

「あら、珍しい。やっぱり同族でも、頭が悪いのは不必要って事ね」

 

「なー美羅。俺も行って良いよな?」

 

「ハウス。待機していなさい」

 

「いやだいやだいやだ!俺も行きたい!行きたい!いーきーたーい!」

 

「五月蠅い!」

 

美羅は駄々をこねる雌煌に雷神拳を打ち込み強制的に沈黙させた

 

「話しは戻って、私は観客としてKY赤髪がレーティングゲームに負ける姿を見ればいいのね」

 

「勝つって言っているでしょ!絶対にソーナには負けないわ!!」

 

「はぁ、まぁいいけれど」

 

息巻いているKY赤髪は空回りしそうね。私個人としては、KY赤髪よりも蒼那を買っているつもり・・・さてはてどうなることやら

 

皆が気合いを入れるグレモリー眷属。美羅はそれを傍目に見つつ、レーティングゲームの内容次第で、次なる魔改造候補者を探すつもりである

相談されたりとして行く内に日は流れ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~一誠side~

 

おっす皆、いよいよ明日がレーティングゲームだ!因みに冥界に来ているぞ!

あのサバイバルから生き延び、強くなった俺を皆に見てもらえる絶好の機会だ!部長の評価も上がるから、そりゃあもうやる気バリバリだぜ!

 

「一誠、今日はもう寝なさい。明日に備えてしっかりと英気を養うわよ」

 

「はい!」

 

あぁ、最高だ。部長に朱乃さんにアーシアのおっぱいに包まれる様に眠る・・・癒やされるぜ

 

全員が寝静まり遂に始まるレーティングゲーム。各自、胸に秘めた思いを叶えんが為に奮起する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

レーティングゲーム開催日

美羅は駄々をこねる雌煌にリードを装着させて、各要人達が座る観覧席へ行く。黒を除く四人で、VIP席へと向かう。その途中で要人――――――各神話の主神達がこぞって美羅達を見つめる

 

「何故見られるのかな?」

 

「それは主が北欧のロキを殺したからだろう」

 

「それだけで?」

 

殆どの神達が美羅を見ているのは確かだろう・・・だが見ている部分は手、何故リードを持っているのかという点だ

 

「雌煌が喧嘩を売らず!買わず!だと良いのだけれど、絶対って訳じゃ無いからどうしてもね」

 

「おらぁ!見てんじゃねえ!ぶっkぶぇえええ!?」

 

「ほら、少しでも目を離すとこれだよ・・・」

 

リードをたぐり寄せて物理で黙らせる――――これが一番手っ取り早いからである

 

「さてと、行きますか」

 

雌煌を引きずって、VIP席へと歩いて行く美羅。それを見つめる神々――――――オーディンはその力の一端を見た為に、絶対敵対してはならないと説明している。だが、それを快く思わない神は存在する・・・原初の神や冥府の神々達がそれなのだ。無論、自称神もそれに含まれている

因みに、美羅が雌煌を差し向ければその神々は絶滅する可能性が高いのは言うまでも無い

 

神ねぇ・・・何処の世も神様神様―――――神に頼らず、自分達の力で未来を勝ち取る者達が、私は好きなんだけどなぁ

 

美羅はあの世界―――――モンハンワールドの人間達が好きだった。自然と共に生き、時には抗い、時には受け入れる。そして、新たに街を作り出す彼等は輝かしかった。時偶不純物が混じったりもしたのだが、彼等に染まり、輝く姿は良かった。一方は自然に喰われ、粛正され――――と哀れな末路ばかりだ

 

転生者の殆どは神からしたら玩具同然だろうね。でも、彼等に染まった転生者達の殆どが輝いていたよ――――――神の思惑を否定するようにね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~一誠side~

 

「良い皆。遂にレーティングゲームが始まるわ。ライザーの時と同じ様に数ではこちらが不利、でも個人の能力ではこちらが上だと思うわ。ソーナの眷属達は、アザゼルから人工神器を与えられているから深追いせず、じっくりと、確実に倒していくわよ!」

 

『了解!』

 

気合い十分!パワーアップした俺の力で道を切り開いてやるぜ!←フラグ

 

(この力は使いたくは無いですが・・・リアスの為です)

 

(僕は殆ど自己研磨しか出来無かったけど、部長の恥とならない様に動くだけだ)

 

(ヤコブ様、モーセ様。そして白き祖様、私―――――アーシア・アルジェントは頑張ります!見守って下さい)

 

(黒歌姉様と和解も出来ました。仙術は駄目ですが、黒先輩に教えて頂いた体裁きで粘るしか無さそうですね)

 

(逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ―――――――逃げたいよおおおおお!)

 

 

 

 

 

 

 

《ではこれより、グレモリー眷属とシトリー眷属とのレーティングゲームを開催致します。各陣ゲートをおくぐり下さい》

 

 

 

 

 

開始のアナウンスと同時にゲートを潜ると、広大な遊園地の中であった

 

「ゆ、遊園地!?」

 

「成る程・・・隠れるにしても見つけるにしても、もってこいの状況ね」

 

「上からだと木々や遊具で見つけにくいけど、下に居たら見える――――――っと」

 

「突破力がものを言うわね」

 

姫島と木場と塔城とギャスパーの四人で前方の索敵に行かせて、残りの三人で作戦を立てる

 

「恐らくソーナは包囲殲滅を企てている筈・・・だとすればそろそろ三人と接触する筈―――――」

 

だがその思いも姫島の念話により砕かれる

 

『リアス!そちらに向けて王以外の全ての戦力が向かっていますわ!』

 

「はぁ!?」

 

あまりにも予想外の戦略、短期決戦の正面突破だと理解して三人を呼び戻す事にした

 

「朱乃、祐斗、小猫は今すぐ戻ってきて!こうなってしまえば総力戦よ!ギャスパーはそのまま隠れて周囲を索敵しつつ逐一状況の報告をお願い!」

 

『『『『分かりました』』』』

 

リアスは早すぎる展開に焦り、冷静な考えが出来無くなった。全てが後手後手のこの状況に舌打ちしつつも落ち着きを取り戻す為に深呼吸

 

「ふぅ――――――――。一誠は前線に出て頂戴!」

 

「了解しました!」

 

「アーシアは最後の切り札よ!私と一緒に、前線とある程度の距離を維持しつつ共に行動。接近戦の対処が苦手と思われている筈だから、その時は宜しく頼むわ」

 

「頑張ります!」

 

共に前線へと上がり視界が開けた場所へ陣取るリアス。そしてそこから先を守る様に一誠と木場と塔城の三人が、上空は姫島の配置となり準備をす―――――――

 

『ぶ、部長さん!て、敵が途中で分散しました!』

 

「ちょっと嘘でしょ!?」

 

『一人はそのまま真っ直ぐで、残りは左右に別れ―――――あぁ!?一人一人がアトラクションの建物の中へ入っちゃいました!』

 

「テイクが出来る人員が限られてる・・・ギャスパー!蝙蝠を中に――――」

 

『駄目です。外からの監視以外は全部倒されちゃいました』

 

「不味い・・・不味すぎるわ」

 

どんどんと不利に追い込まれて行く現状に焦りを覚え始める。だが、賭けに出ているのは相手も同じなのだ。下手をすれば自身へと攻撃が迫りそこで詰みだからだ。すこししてからリアスはこれに気が付いた

 

「・・・ギャスパー、正面から来ているのは誰か分かる?」

 

『えっと・・・分かりません。でも、腕に何か黒い?のが付いています』

 

「匙か!」

 

「一誠、貴方は私達が耐えている間に相手の兵士を打ち倒し、そのまま王を倒しなさい!時間勝負よ!」

 

「了解です部長!インプロージョンフラッグ!」

 

『Implosion Flag Banishing Booster!』

 

「よっしゃ行くぜ!」

 

勢い良く飛び出す一誠。周囲の眷属達が邪魔をするかと思いきや、それは無く、あっという間に相対した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よぉ久しぶりだな匙」

 

「兵藤か!?めっちゃ変ってるな・・・」

 

「まぁな。美羅先輩の地獄のサバイバルで獲得した新しいちからだけどな。悪いが通させてもらうぜ」

 

「通すと思ってんのか?」

 

「こっちは急いでんだ。一気に行くぜ!」

 

「来い兵藤!」

 

一誠と匙の戦いが幕を開ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~匙side~

 

みんな初めましてだな。匙元士郎、学園生徒会書記と会長の兵士を務めているぜ

遂に始まったレーティングゲーム。この大事な一戦はとても大切な戦いだ・・・会長の夢の第一歩を実現させる為に必要だからな!いざ始まれば遊園地とかビックリだった・・・だけど開始早々の会長の第一声が真っ直ぐ突っ込めって事だ。あの冷静な会長がこんな作戦に出るとは想像が付かない。だけど俺達は、会長の言葉を信じて走って行くと、上空には姫島さんが居るじゃねえか!

雷撃が来ると想像していたが、直ぐさま反転し帰って行った。罠か?と一瞬思ったんだけど

 

『リアスにこの突撃を正面衝突の短期決戦と一瞬でも良いから思わせる事よ。相手の女王が見えなくなったら各自はアトラクションの建物に入りなさい。一人一つよ。テイクには膨大な魔力が必要、そしてそれが出来るのは相手の女王位、となれば数を増やして撃たせない思考へと誘導するのよ。相手僧侶の蝙蝠には気を付けて。建物に入って来ようとする蝙蝠を倒すだけで十分です』

 

会長の言う通り俺達は散会して行こうとしたが俺だけに念話が届く

 

『匙、ここから私達は大きな賭に出ます。貴方はそのまま敵の方へ突っ込んで下さい』

 

一瞬「うぇ!?」って驚きそうになったが、我慢して飲み込んだ俺偉い!

 

『リアスはきっと・・・いえ、必ず兵藤君をこちらに差し向けてきます。もしかしたら貴方を無視してでも私を倒せと言うかもしれません。匙!兵藤君を足止めして私達に勝利をもたらしなさい!』

 

「了解しました会長。俺は、兵藤を此処で何としてでも食い止めます!」

 

『貴方にだけこれ程の重荷を背負わせてしまって御免なさい・・・』

 

「気にしないで下さいよ会長」

 

『ありがとう。匙――――――頑張って』

 

命令は兵藤を食い止める事・・・

 

「やってやるさ・・・会長に託されたんだ。俺に全てが掛かっている。俺が皆を勝利へと導く!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~一誠side~

 

「おらぁ!」

 

「ぐあっ!」

 

二人の戦いが始まったが、それは一方的な展開だった。過酷なサバイバルを生き抜いた一誠と、普通の特訓をしていた匙との力の差は絶大。会場に居る殆どの者が一誠の勝利を疑わない

攻撃は激しさを増し、唯の弱い者虐めに見える様になるが、一誠は油断せず強烈な一撃で匙に攻撃。それは腹部へと直撃し、悶絶する程の力だった

だが匙は倒れる事無く一誠の腕をがっしりと掴み、黒い龍脈(アブソーブション・ライン)を繋げたのだった

 

「ッ!?こいつは確か!」

 

ギャスパーの訓練にて説明された事を思い出した一誠は、匙を振り払いラインを切断しようとしたが、匙のタックルにて中断されてしまう

 

「クソッ!こうなったら本丸を直接狙うしかねぇ!」

 

肩の排気口から魔力を回し、匙を連れたまま王を狙おうとする一誠

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(畜生ッ!何で兵藤がこんなに強くなってるんだよ!このままじゃ会長を狙われちまうじゃねえか!)

 

匙は自身の無力さに悪態を吐くが、この状況を打破するにはどうすれば良いのかを必死に模索していた

 

(ラインで踏ん張ろうにも、この見るからにヤバイ排気口はロケットみたいな奴だろ!絶対に引きずられちまう!)

 

どうしようも無いと諦めるのが楽ではあるが、匙はそれよ是とはしない

 

(俺は、俺は会長に約束したんだ!ここで兵藤を食い止めてみせるって!!――――――――だから・・・だから俺に力を貸せよ!兵藤を足止めするだけでも良い力を貸してくれ!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クソッ、匙の奴が倒れねえ!こいつは俺と同じ・・・もしくは、それ以上の覚悟でこの試合に臨んでいるって事か。匙が倒れないのは俺の攻撃よりも硬い信念によって守られているから。だったら、それ以上の力を持って引きはがすなり何なりやってやる!

 

今正に匙を連れて加速しようとした一誠。だがここで匙の神器がいきなり輝き始めたのだ

 

この光は・・・俺がインプロージョンフラッグを発現した時と同じ光!?

 

「へへっ、兵藤・・・お前をここから先へは絶対に行かせねえぞ」

 

光が収まり、匙の黒い龍脈は進化していた。外見の変化は無いものの、一番目立つのはラインの数だった。一本から十本に増大したそれは半分が一誠の腕に、残りの半分は地面へと接着していたのだ。匙が望んでいた「一誠をこの場から逃がさない」に特化した進化だった

 

「クッ!ドラゴンショ―――――――」

 

「甘えぞ兵藤!俺はお前を倒してみせる!」

 

匙が吸収したのは一誠の血液、一本からの吸収であれば耐えれていただろう。だが今現在、一誠の腕に付いているラインは五本。急激に抜かれた血液に倒れる一誠だが

 

「このまま終われるかよ!ドラグレーザー!」

 

匙を無視して横へ薙ぎ払った腕はアトラクションの建物達に直撃。驚愕した匙の頬に向けて、体の負担を無視した瞬間倍化を五回掛けた右拳をぶつけた後に倒れ伏した

 

すいません部長・・・

 

そう言い残し退去する一誠。殆どの者達の確信を裏切る大逆転劇に会場は大いに沸いた。そして一誠が倒された事実に驚愕するグレモリー陣営、どちらが優勢なのかは誰の目から見ても明らかだった

後はシトリー側の女王を中心とした面々で各個撃破、こうしてあっさりと勝敗は決したのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

「呆気なさすぎて言葉も出ないわ・・・」

 

「相手の女王と兵士の二人を倒した!流石アーシアちゃん!今回のMVPはアーシアちゃんで決定だ!!」

 

「これは酷すぎるな・・・」

 

木場、塔城の二人はシトリーの女王――――椿姫の神器、追憶の鏡(ミラー・アリス)のカウンター攻撃にて敗北。姫島は多人数からの攻撃を回避している内に、匙によって繋がれたラインで魔力を吸収され行動不能となった。リアスとギャスパーは・・・遠くからの全方位攻撃にて呆気なく終わった。そして肝心のアーシアはと言うと、祈りの正拳にて椿姫と匙を撃破に成功。何故カウンターが通用しなかったのかというと―――――祈りの正拳はアーシア自身に聖なるオーラが宿り、攻撃一つ一つが悪魔にとって猛毒その物。そして何よりも厄介なのは、オーラその物が天然の鎧となっているからだった。衝撃となって跳ね返った攻撃は鎧によって半減し、懐に潜り込まれて腹パン。それだけで椿姫はリタイアとなり、匙はアーシアの体にラインを繋げた事による自爆

アーシアの体には聖なるオーラが宿っているので、吸収するタイプの神器を持つ匙の天敵と化しているのだ。体内に猛毒が流れ込み、地面にのたうち回り戦闘不能となったのだ

 

「アーシアちゃんが対悪魔に特化している件について・・・」

 

「聖なるオーラを宿しているのに何故平気なのかと叫びたい・・・」

 

「原因は祈る時にアーシアちゃんの側に居る魂だと思う。・・・どうしてこうなった!」

 

「アーシアちゃんの祈りは世界一いいいいいいいいいいい!!」

 

間違い無く、全ての元凶は紅。そして、アーシアの側に居る魂とはヤコブとモーセの二人の物だろう。何かしらの行為を持って無害にしているというのは言うまでも無い

 

「結局、私の予想通りね。KY赤髪の敗北は揺るぎなかったと・・・。これにて一誠君達のサバイバルが決定しました~♪」ドンドンパフパフ~

 

敗北により全員強制参加のサバイバル。負けるな皆!生き残れば何も問題は無い!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




布団「寒い・・・忙しい・・・眠い・・・FGOやりたい・・・」
ミラ「イベント放って小説書いちゃいなよ♪」
黒「三ターン周回きっちぃ!」
紅「何事も余裕を持て・・・」
ティア「いつか報われる」
雌煌「俺の出番増やせ!」
布団「もう急展開で終わらせたい・・・」
「「「「「それは駄目だ!」」」」」
布団「皆が殺しに来てるよおおおおおお!」



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第65話 また来るよ!地獄のサバイバル!

布団「難産だった・・・」
ミラ「オッパイタイツ師匠出なかったああああああ!」
黒「楊貴妃きゃわわ!」
紅「おい、それはフラグだぞ!」
黒「ひょ?」
ミラ「超絶嫉妬パーンチ!」
黒「ヴェアアアアアアアアアアアアア!」
布団「師匠に嫌われてる( ^o^)/\(^o^ )ナカーマ」
ミラ「師匠ー早く来て下さーい!」








ティア「始まるぞ!」
ねる「はじまり・・・はじまり」









~一誠side~

 

過去に行きたいぜ・・・俺達は美羅先輩の熱ーいお説教をされているんだ。内容はどれもが酷評、正論過ぎて言い返せず、心にグサグサ突き刺さるぜ。唯一活躍したアーシアは褒められていた。うん・・・例え自爆だろうと匙を倒したからなー。そして全員参加が確定したサバイバル・・・俺はあの地獄に舞い戻るのか。しかも、サバイバルは修学旅行前に行うとの事だ。「辛い後にはご褒美が必要です!」って言ったら「修学旅行がご褒美でしょ?」と返され有無を言わさずに納得させられてしまった。あぁ、部長達の反応は決まってるぜ

 

「いやよ・・・嫌よおおお!サバイバルなんてやりたくないわ!」

 

「リアス、覚悟を決めましょう。私達に選択権は無いに等しいのですよ・・・」

 

「きっと大丈夫です。皆で力を合わせて乗り越えましょう!」

 

「サバイバル・・・少しでも良いから力を付けないと!」

 

「ぼ、僕もサバイバルするんですか?」

 

「勿論さぁ♪」

 

「ネット!ゲーム!外に出たくありませーん!」

 

「甘ったれるな!」ゴッツン

 

「いたぁい!?」

 

絶望する者。頑張ろうと意気込む者。各自が決意を込めており、それを端から見ているアザゼルは心穏やかでは無かった

 

(美羅の嬢ちゃんが言っていたサバイバルか。・・・気になるが、あいつらは生き残れんのか?リアスと朱乃とギャスパーの三人は初日からやられそうだぞ・・・)

 

「大丈夫大丈夫。保護監督としてアザゼルも"連れて行くから"心配要らないでしょ」

 

「ひょ?」

 

アザゼルの背後から声が聞こえ、振り向くと美羅が居た。そしてあの一言――――――"連れて行くから"

これで分かるだろう。サバイバルはアザゼルも加わるという事だ

 

「ちょっと待って!ちょい待て!!監督として俺が行くのは間違ってねぇか!?監督なら嬢ちゃんがやれば良いじゃねえか!」

 

地獄のサバイバルに参加したくないという思いで一杯なアザゼルだが、この場所に逃げ場は無い。寧ろ道連れにされる

 

「アザゼル先生も参加するわよね?するわよね!?」

 

「年長者が監督しないといけませんものねぇ?」

 

「一緒に頑張りましょう!」

 

「その・・・ご愁傷様です」

 

「道連れですよおおお!」

 

「クソッタレエエエエエエエエエエエエエ!!」

 

おぉう、アザゼル先生もサバイバルに強制参加かよ。正直有り難いぜ~。何故かって?人手が増えたらその分楽になるだろ?そういう事だよ

 

「あ、そういや小猫ちゃんは何処行ったんですか?」

 

「姉に仙術を教わりに行ってるわ」

 

「小猫ちゃんも特訓してるのか。・・・俺も負けていられねぇ!雷狼の戦鎧を制御しなきゃ、この先部長達を守れねえ!行ってきます!!」

 

一誠は地下にある訓練場へと駆け足で降りて行き、リアス達はそれを見つめているだけ。――――――美羅は呆然と見つめている彼等に渇を入れて訓練を行わせる

こうして夏休みは終わり秋へと突入。そして動き出す美羅と転生者達――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

さてさて、遂に夏休みも終わり秋に突入したよ。あれからの出来事が書かれていないって?仕方が無いよ。・・・だって普通に学業してのんびりの生活だったんだもん!書かなくても大丈夫大丈夫

そして待ちに待ったサバイバルにKY赤髪が絶望している模様。はははっ!愉悦愉悦~♪さぁ、今回はどれ位楽しませてくれるか楽しみね。あ、今回は白トカゲチーム?の一同も合同のサバイバルなの!フフフ、そのまま行けると思ったら大間違いだよ?

 

「さて!皆、一塊になったかな?」

 

「大丈夫よ美羅ちゃん♪」

 

「いやぁ~、大自然の旅行って言うからつい有給取っちゃったよ」

 

「いえいえ、バカンスとして最適ですよ?前回ペンションを改装して大きくなりましたから」

 

「楽しみだわ~」

 

「食料は現地調達ですが、黒達が取ってくるのでゆったりとして頂いて大丈夫です」

 

リアス達はホッと安堵するが

 

「は?貴方達は強くなりたいからって言うからサバイバルなのよ?分かる?つ・ま・り、お外で、の・じ・ゅ・く。全ては一からって事よ」

 

「ぐっ・・・で、でも――――――」

 

「でももへったくれも無いのよ。言い訳は聞かないし、これは強制だから。では転移しまーす。足下から落ちるからビックリしないでね?」

 

『へっ?』

 

同時に浮遊感、真下に展開された転移門に落ちる様に消える一同。そして兵藤宅は留守となった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

移動中・・・・・<パープー♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現場に到着!

 

「あ、此処って・・・」

 

「一誠知ってる―――――――――」

 

美羅が転移した場所は、一誠が修行した場所と同じ。だが、場所が悪かったのだ・・・裏庭に出てしまったという事が

 

『ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!』

 

『キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!』

 

自分達の後ろに大きな影が有り、後ろに振り向くとゴーヤが"こんにちわ"をしている状態だ。誰だって驚くだろう・・・巨大な恐竜が後ろに居れば

 

「み、みみみみみ美羅!あいつやっつけなさいよ!というよりやっつけて!!」

 

「あらあらあらあらー」シロメ

 

「りりりり、リアル恐竜!?」

 

皆の反応はとても面白い。だが、敢えて言おう。猛者は居るのだと

 

「この恐竜さんは美羅ちゃんのペットか何かかしら~?」

 

「ちょ!?母さん危ないぞ!」

 

おばさんの精神強いわ~。もしかしなくても図太くなった?

 

実際問題、美羅の私生活と規格外さの本質を見抜いているので大丈夫だと感じていたのが理由だ。もしも何か有っても美羅が何とかするだろうと理解もしているからである

 

「大丈夫ですよ~。唯の剥製だから動きませんよ」

 

『剥製・・・?この大きい恐竜が?』

 

しばし沈黙する一同の背後から空の王者(笑)リオレウス←"美羅から見れば"が上を飛び去った。巨大な竜の登場に更に呆然とした後、有る事実に気が付いたリアス

 

「・・・ちょっと待って。一誠。貴方、以前サバイバルしたと言ったわよね?もしかしなくても、こんな場所でしたんじゃないでしょうね?」

 

「えっと・・・俺のサバイバルは此処でしました。・・・・・はい」

 

先程近くを飛んで遠くに行ったリオレウスは、もう一頭のリオレウスと空中で喧嘩をしており咆哮を上げて火球を吐いたりしていた。そして皆が呟く事はただ一つ―――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ありえない』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この一言に尽きた

 

「皆ヒデェよ!俺は以前、頑張ったって言いましたよね!?嘘だと思ってたの!?」

 

『それは勿論』

 

「イトハが証拠じゃないか!」

 

『美羅(先輩)(の嬢ちゃん)からの贈り物だと思ってた』

 

「ちくしょう・・・ちくしょう・・・・・」

 

哀れ一誠。だがしかし、この場所では皆の先輩なので気合いを取り戻せ!

 

「さーて説明入れるよ~♪一回しか言わないから気を付けてね?」

 

ザッと美羅の前に整列する様に立つ一同

 

「一誠君のおじさん達はバカンスだからこっちですよ?」

 

「頑張れ馬鹿息子よ。そして皆。俺は見守る事しか出来無い」

 

「美羅ちゃんの事だから安全面はしっかりとしてくれている筈よ。頑張りなさいよ~♪」

 

OTLとなる一誠を放置。美羅はサバイバルに参加するオカルトメンバーとアザゼルに簡易調合セットと図鑑が追加されたアイテムポーチを渡して、以前一誠にした説明をする

 

「美羅の嬢ちゃん。このアイテムポーチ調べても良いか?」

 

「知的好奇心の強いアザゼルは没収にするわ」

 

「うぇっ!?冗談、冗談に決まってんだろ!?」

 

しかし、ポーチは返却されずに無手でサバイバルへと放り込まれる事となったアザゼルであった。このアイテムポーチを貰えるかどうかを聞こうとしていたリアスは、アザゼルという尊い犠牲により没収はされずに済む事となった

これから地獄のサバイバルが始まる為、チーム一丸となって頑張ろうと気合いを入れようとしたが

 

「それでは、一誠君以外はこの腕輪を付けなさい」

 

美羅から渡される変哲も無い腕輪。装飾の一つも無い無骨なそれを言われるがままに身に付ける一同に、三日月の様な笑顔をした美羅が爆弾を投下する

 

「付け終わったね。それは本人の魔力を霧散させて使えない様にする代物だから注意してね♪もし今怒ったり腕輪を壊したら・・・極限の環境下に放り込むからね?」

 

怒ろうとした一同は冷や汗を流す。魔力が使えない状況は死んで下さいと同義だからだ。しかも、何が出てくるかも分からない環境下でこの仕打ち

 

「反論したいの?それは受け付けないわよ。そもそもの問題として、皆体力が無さ過ぎるのよ。レーティングゲームを見てたけど、ナァニコレ?状態だったのよ。状況判断+体力+"生存本能"を底上げする為の物なのよ!」

 

「今"生存本能"って言った!?そう言ったわよね!?」

 

「うっさいKY赤髪。あんただけ一誠君と同じ場所へ放り込んであげようか?」

 

「え"っ?」

 

予想外だった矛先に一誠は驚く

 

「えっ?待って下さいよ美羅先輩!俺は部長達と一緒じゃないんですか!?」

 

「そっちは春ちゃんに任せるつもりよ。あくまで保護観察者としてね?後はアドバイス」

 

「と、俊屋は!?あいつはどうなんですか!?」

 

「一誠君と同じパーティーよ?しかも今回は三人追加予定よ!」

 

「ん?三人?」

 

すると、美羅達が居る場所の隣に魔方陣が浮き上がり転移してくる者達

 

「我が来たのだ美羅!」

 

赤が連れてきた面子――――――舞樹姉妹とヴァーリ達である。その中に二人だけ見た事の無い男性と女性が居た

 

「ふーん。その二人が言っていた人ね・・・兄妹?」

 

「お初にお目に掛かります。私はアーサー・ペンドラゴン。アーサー王のまつえ――――――――」

 

「名前だけで良いから次」

 

「えっ」

 

「・・・初めまして。ルフェイ・ペンドラゴンです」

 

「兄よりもしっかりした妹だねぇ~。あ、ルフェイちゃんはバカンス組だから安心して良いよ?後で女子だけでお風呂に入った時に色々とお話を聞きたいな~♪」

 

「は、はい。宜しくお願いします」

 

それ以上の情報なんぞ要らぬ!と言わんばかりに美羅に話しを切り上げられたアーサー

 

「あ、そこの三人この腕輪付けて」

 

「これを付ければ良いのか?」

 

「何か有りそうだけど、まぁどんと来るんだよい!」

 

「見た目は普通の腕輪ですね」

 

三人は躊躇いなく腕輪を装着。そして告げられる爆弾

 

「付けたね?その腕輪はKY赤髪達のそれよりも特別製で、魔力とかそういった力は殆ど使えないからそのつもりでね?」

 

「「「何ッ!?」」」

 

「白トカゲは禁手化だけ出来る様にしておいたから」

 

「フッ、枷という事か。面白い!」

 

「久々に燃えてきたぜい!」

 

「聖剣は使っても良いですか?」

 

「・・・使っても良いよ?まぁ、頑張れとしか言い様が無いけど」

 

「?」

 

「俊屋君の剣を見たら分かるよ」

 

「この男の剣?――――――ッ!?何ですかこの剣は!魔剣帝グラムよりも強いオーラを纏っているなんて!?」

 

こちらへと転移する際には持っていなかった大剣。ジンオウガの素材で作られたそれは、竜の意思が宿っていると言っても過言では無い。こちらの空間に来てから美羅が俊屋へと手渡す仕様となっている

 

「何処で手に入れたんですか!教えて下さい!――――それよりも貴方を倒して奪った方が良さそうですね!」

 

「美羅パーンチ♪」

 

メキョッ

 

「グルブファアアアアアアアア!」

 

「こういう時はこう言うのだったな。―――――南無」

 

「ちがうぜいヴァーリ。こういう時はm9(*^▽^*)だぜい!」

 

哀れアーサー。しかし、誰も助けには来ない。これも約束された勝利の拳(エクスカリバー)だからだ。アーサーが再起動するまでは待たずに説明をして行く

 

「えーっと。これから白龍皇(笑)とお猿さんとアーサー擬きは一誠君と俊屋君のパーティーに入ってサバイバルをして貰います。何故か?一誠君と俊屋君はこのサバイバルを経験済みなので、初心者の三人とは良い具合になると思ったのよ。win―winが一番でしょ?」

 

「俺は赤龍帝(笑)よりも強いぞ!」

 

「こらぁ!(笑)って付けるなよ!」

 

「一誠君は歴代最弱の赤龍帝(笑)でしょ?」

 

「グフッ!」トケツ

 

「まぁ、これには訳があるのよ。弱い一誠君を強くするが為に強い者と組ませてレベルアップを図るのよ」

 

皆が美羅の言いたい事は理解出来た。そして渋々ながら了承したのである

 

「大丈夫大丈夫♪今の三人は一誠君並に弱体化しているから何も問題は無いよ。寧ろ"気を付けて"ね?回復薬を使ったり調合を小まめにしないと床ペロしちゃうぞ♪」

 

「よし全員集まれ!マジで!!美羅先輩があんな事を言うって事はヤバイ!」

 

「一誠と同じ意見だ!これ前回以上にヤバイ!白野さんの目がキラッキラしてる!?」

 

「・・・仕方が無い。今回は共闘と行こう」

 

「俺っちはこの三人でも大丈夫だと思うんだがねい?」

 

「とんでもない一撃だった。骨折しない程度に手加減された一撃だったが、重く、身体中に響く拳だった」

 

「大丈夫だって。これは倒したモンスターから作って貰った武器だ。倒したら作って貰えるんじゃ無いか?」

 

「それは本当ですか!?腕が鳴りますね!」

 

ワクワクとしているヴァーリ達三人と、不安に思う一誠と俊屋。今回、この五人に言い渡される場所―――――それは

 

「それじゃあ、五人はあの木の葉っぱが青っぽい所でのサバイバルだからね?間違っても緑の所にモンスタートレインしてきちゃ駄目よ?そんな事したら―――――――――――五人全員で本気の雌豚をけしかけるから」

 

「緑の場所へ行かせるな!何があってもだ!」

 

「「「当たり前だ!!」」」

 

「ん?雌豚?けしかける?どういう事ですか?」

 

「俺が子供に思える程強い奴だ。しかも手加減されている状態だからな・・・」

 

ヴァーリは以前、雌煌と戦い惨敗。戦っている最中に雌煌が美羅にやられた事をヴァーリに体験させてしまったのが今回の必死さの原因だ。アルビオン曰く

 

『俺が龍の時に出会っていなくて本当に良かった。・・・あれはドライグが言う通り悪魔の一撃だ。いや、悪魔の攻撃と言った方が正しいな』

 

と、言わしめる程の攻撃だった

 

「生活に関しては以前と同様よ。きっちりと三食の健康的な生活を送るように――――――出来無かったら、"私との鬼ごっこ"になるからね?」

 

「ヒィッ!?」

 

ズザザザッと後退する一誠に戸惑う。理由はこの中で唯一体験しているから――――――――当たれば超痛いハリセンを持って蹂躙されてしまうからだ。24時間の地獄の仕置きは精神をゴリゴリと減らす代物だから

 

「だ、大丈夫だ一誠!飯は俺に任せろ!」

 

「俊屋が逞しすぎる!」

 

「鬼ごっこ程度で何をそんなに怯えている」

 

「赤龍帝(笑)は伊達じゃないぜい!」

 

「全くお話にならない程臆病ですね」

 

「お前らは美羅先輩の仕置き内容をよく知りもしていないからそう言えるんだよ!」

 

「大丈夫、今回のハリセンは――――」

 

「ハリセンで叩かれる程度か」

 

「余裕だぜい」

 

「逆に聖剣で切るだけさ」

 

「当たったら"ミンチになる程痛いだけ"よ♪」

 

美羅が手に取るハリセンは虹色に輝いており、それを地面に叩きつけると巨大なクレーターを生成した。余裕発言していた三人は顔を青ざめている

 

「そして24時間じゃなくて、48時間の鬼ごっこだからね?」

 

「よし!俊屋、飯は任せた!」

 

「俺らは焼く位しか出来無いぜい!」

 

「俊屋、君だけが頼りだ!あれは冗談抜きで当たったら駄目な代物だ!!」

 

この四人は料理が殆ど出来無いのだ。美羅は気にせずアイテムポーチを渡して送り出す

 

「それじゃあ頑張ってね~」

 

諦めつつも、困難な状況を楽しむ様に森の奥へと入って行く五人を見送り終え、リアス達の方へと切り替える

 

「次はKY赤髪達だけど、経験者の春ちゃんを側に付けるから安心してね?」

 

「一緒に戦ってくれるのよね・・・?」

 

「甘えんな。春ちゃんはあくまでも付き人で監視役よ。助言はするけど、戦いに参加する事は殆ど無いからね?命が本当に危ない時だけしか助けないから」

 

「やっぱりなの!?何処まで鬼畜仕様にするつもりよ!!」

 

「そっちは人数が多いし、難易度低いから大丈夫よ。これで死ぬようじゃ、このお手製筋力増強剤を使ってモリモリマッチョマンにするしか方法が無いけどどうする?」

 

「やってやろうじゃない!絶対に美羅をギャフンと言わせてあげるわ!行くわよ皆!!」

 

森へと入って行くリアス達。そして別荘へと入って行く美羅の背からはリアス達の悲鳴と一誠達の絶叫が聞こえるのであった

 

 

 

 

 

 

 

 




布団「さぁ、始まりました地獄のサバイバル第二段!」
ミラ「今回は白トカゲチームも入るよ♪」
黒「俺は黒歌といちゃいちゃするぜ!」
紅「アーシアちゃんが心配だ!俺は見守るぞ!」シュバッ
布団「まぁそんな事よりも早く続きを書かなきゃ・・・」
ミラ「早く書きなさい!」
布団「(´・ω・`)ソンナー」
ミラ「気付いているからね?もう一つの方に力を入れているって?」
布団「(゚Д゚)!?」
ミラ「おら、作者。とっとと続きを書きなさい!」


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第66話 やっちまったな俊屋・・・byサバイバル四人組

布団「トゥーヘァー!トウコウスルンダ!」
ミラ「おっそい!」
黒「早く書きやがれ!」
紅「アーシアちゃんは出ているか?」
雌煌「俺の出番増やせ!」
布団「んん~!聖徳太子ではないですぞ?でもミラ様の言葉は聞こえている。・・・すまない」
ミラ「ヤロウオブクラッシャー!」
布団「イヤアアアアアアアアアアア!」











ねる「はじまるよ~」
オーフィス「はじまる」










~一誠side~

 

「赤龍帝!お前はこのサバイバルを本当に生き延びたのかよい!?」

 

「ちがうっつーの!俺が生き残ったのは――――あぶにゃあい!?って、俺がサバイバルしていた場所は葉っぱが緑色の所なんだよ!」

 

「この葉っぱの色は危険地帯の色なんだ!」

 

「冗談はやめてくれないですか俊屋!?コールブランドで傷付く程度はおかしいですよ!」

 

「くっ!雌煌の攻撃の方がキツいが、魔力が殆ど使えないだけで此処まで酷くなるとは!」

 

『相棒、ブレスが来るぞ!』

 

『ヴァーリ逃げろ!く、喰われる!?竜に喰われる!』

 

現在一誠達が相手にしているのは雌火竜リオレイア。下位では無く、上位クラスだ。何故か?運が悪かったとしか言い様が無いのだ。偶々出た先が巣の近くだったからだ

 

「くっそ!ドラゴンショット!」

 

散弾状に飛ばすそれは地面に直撃、リオレイアを中心に土煙が舞い上がり視界を奪う事に成功した一同。取るべき行動は一つ

 

「このまま逃げるぞ!」

 

「こっちだ!」

 

「悔しいが、体制を立て直さなければいけないからな」

 

「流石にこれ以上の被害はごめん被るぜい」

 

「戦略的撤退ですね」

 

一誠達は撤退する事に成功し、ヴァーリ達三人が洞窟へと潜り込もうとするが二人が止める

 

「洞窟は駄目だ!真っ暗闇でも的確に襲ってくるモンスターが居る可能性が有る!」

 

「音も無く近づいてパックリ行かれるぞ!」

 

洞窟に入ろうとした三人の足はピタッと止まり二人の側まで引き返してくる。道中に現れる小型モンスターのランポス達も強く、全員の力を合わせて追い払う事に成功。そして五人は大きな崖下へと到着し一息付く

 

「はぁ・・・はぁ・・・ランポスが強くなり過ぎてるだろ」

 

「た、確かに。前まではこの大剣で一撃だったのに対して今回は二~三撃は必要になってる」

 

「いきなりハード過ぎるサバイバルだな」

 

「あ・・・あの群れは相手にしたくないよい」

 

「コールブランドがナマクラに感じてしまう・・・」

 

前回よりもキツ過ぎる現状に頭を悩ます二人と、命が有って良かったと思う三人。前者は兎も角、後者に関しては大自然の洗礼による命の大切さを学ぶ事が出来たのだった

 

「は~あ。・・・よしっ!掘るぞ!」

 

「じゃあ俺はカモフラージュ用の木々を近場から集める」

 

「「「えっ?」」」

 

三人の反応を余所に俊屋は近くに自生している木や枝、葉っぱを集めていく。一誠は理解していない三人を見てため息を吐く

 

「ちゃんとした拠点が無いと心安まらねぇだろ。それに、野晒し生活だと確実に美羅先輩のお仕置きが待ってる・・・」

 

「だ、だが。どうやって掘るつもりだ!」

 

「・・・渡されたポーチの中身にはツルハシとか入って無ぜい」

 

「大丈夫だ問題無い。ツルハシ代わりは此処に二人居るからな」

 

『ちょ!?おい待て相棒!まさか、また俺で掘るつもりか!?』

 

『待て・・・待つんだ。これはあれなのか?俺達の爪でチマチマと削っていくというやつなのか?』

 

『・・・諦めろ白いの。これも喰われない為の犠牲なのだ』

 

「それじゃあやるぞ」

 

一誠はヴァーリの肩に手を乗せて倍化を譲渡。当人までとはいかないが、人員は多ければ多い程良い

 

「・・・本気の雌煌相手にして死ぬよりも遙かにマシだな」

 

『ヴァーリ待て!待つんだ!俺はツルハシでは無い!!あ、あ、あ・・・ッアーーーーーーー!』

 

悲しきかな。アルビオンの声は宿主には響かないのだ。あきらめの極地に至っているドライグは沈黙を保っている。まぁ・・・あれだ。人で言うならハイライトを無くした状態で、されるがままの人形みたいな感じだ

二人になった事で作業のスピードは段違で、あっという間に掘り進めて広間と寝台の場所を確保し終えた。俊屋は残り二人を交えてカモフラージュ用の素材を回収しながら、台所となる部分のデザインを二人に注文。そして再び素材回収へと戻り、数時間が経過した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ~。ようやく出来たぜ」

 

「まさかツルハシ代わりに爪を使う事になろうとは・・・」

 

「ヴァーリも大変だったろうけど、こっちもこっちで初めての事ばかりだから大変だったよい」

 

「流石に疲れましたよ。あ、紅茶は有りますか?」

 

「「「無いに決まってるだろ(んだよい)!」」」

 

「鬱だ・・・」OTL

 

サバイバルの過酷さをより一層と身に染みる一同に続く様に俊屋が焼いただけの肉を持って来た

 

「アーサーがガックリと膝付いて絶望しているけど・・・何があったんだ?」

 

「紅茶は無いと言ったらな?」

 

「絶望したんだよい」

 

「サバイバルで紅茶が飲めると思っていた馬鹿の光景だ」

 

「あぁ・・・あそこら辺りの出身か。まぁアーサーは放置して、一旦腹ごしらえするか。・・・ただただ焼いただけの肉だが」

 

「「「「いただきます」」」」

 

 

 

 

 

 

一同食事中・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食べ終えた皿の上には綺麗になった骨が置かれていた。腹ごしらえも済んだ為、これからの方針をどうするか提案する五人

 

「何をするかを決めないと話にならないな」

 

「先ずは、ヴァーリ達に手渡されたポーチの中に緑色の液体って入っているか?」

 

「入っているぞ」

 

ヴァーリ達三人は、ポーチから緑色の液体が入った容器・・・回復薬を取り出す。合計で三十個――――――そして青色の解毒薬も合計で三十個。俊屋は一つの回復薬の蓋を開けて一舐め。ほんのりと甘みのあるそれは、回復薬グレートであると判断した

 

「回復薬グレート十個と解毒薬十個。心優しさを感じられつつも、この環境下では心許ない数だな」

 

「やっぱり調合が必須になるのかよ・・・」

 

『あのパンデミックはもう経験したくないぞ』

 

「あれっきりだっただろ!」

 

『赤いの。パンデミックとは何があった』

 

『あれは相棒が一人でサバイバルしていた時だった――――――etc』

 

語られる出来事に顔を青くする一同は、何が起きたのかは容易に想像出来たのだった。全員がドライグに同情を、一誠には「やるなよ?絶対にやるなよ?」と念を込めた視線を向けていた

 

「一誠のデタラメさは置いておいて、ヴァーリ達三人には調合を学ばなければいけない。そこで、今日は食材調達と調合素材の回収にしたいんだが―――――これでどうだ?」

 

「「「赤龍帝よりもしっかりとしている俊屋の言う事に異論は無い」」」

 

「おい!それだと俺が馬鹿って言っている様なものじゃねーか!」

 

「パンデミックを起こした話しを聞いた時に赤龍帝は馬鹿のレッテルが貼られたのさ」

 

「それよりも、さっさと行動に移るぞ。この不思議ワールドは常に晴れて明るいから、隠れる事も至難になっている」

 

「・・・葉っぱ等を纏わせた外装を製作する余裕も無いですね」

 

「図鑑は持ったな?極力戦闘は避けて行動するぞ」

 

「今回は俺と俊屋、ヴァーリ達三人のチームに別れるか」

 

「知識を持った赤龍帝と俊屋が別れれば良いのでは?」

 

一誠の提案に否定的な三人だが、これには訳が有る

 

「正直言うと、連携が取れないって事だ」

 

「「「成る程。・・・確かにそうだな」」」

 

至って正論な提案に賛成する三人。これで今回の方針は固まった。経験者二人チームとヴァーリチームの二手に別れて行動する事になった。今回は東と西の様子を見つつ採取と索敵に決まり、次の日は北と南の予定となった

危険が迫った際には互いに連絡を取るという物だ。因みにこの連絡機能は美羅がヴァーリ達に渡した腕輪に付属している機能で、赤龍帝のドライグと交信出来ると言う超便利な代物だ。連絡をどうしようか悩んでいる五人にドライグから知らされた時にヴァーリ達は

 

「「「一体何時からこうなると想定していたんだ・・・」」」

 

まぁ、何時もの反応である。二人に至っては「美羅先輩だからな」「白野さんならこの程度事は想定内なんだろうなぁ」と判断していた

だが、一誠達の居る場所でのサバイバルは一味も二味も違うのは想定していたが―――――――――まさか・・・心をポッキリと折る光景を見るのは直ぐである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ヴァーリside~

 

やぁ、久しぶりだな読者の皆。このサバイバルが始まってから経験する事全てが初めてでとてもワクワクしている気持ちと、命ってもの凄く大切でちっぽけな物なんだなと思い知らされた俺達だ

 

「お、この色のキノコは――――――っと、アオキノコ。調合には欠かせない重要素材発見だよい!」

 

「こちらは薬草を見つけました。図鑑と説明文が有るので助かりますね」

 

「こちらはトウガラシを発見した」

 

見た事の無い植物があちこちに自生しているこの世界は一体。・・・もしや別世界の神に近しい存在だからか?いや、それは有り得ない。もしもそうなら神話勢力が放置している点もおかしい

 

「どうしたアルビオン」

 

「分かったよい!ここらに生えている植物が見た事無い物ばかりで驚いているんだな!」

 

「永い時を生きたドラゴンでも知らない物が有るのですね」

 

『あ、あぁっ!そ、そうだな。知らない物ばかりで放心していた』

 

当たり障り無く返答し、改めて周囲を観察するアルビオンは美羅がどの様な存在であるか想像していた。因みに、ドライグも想像したのだが美羅だから仕方が無いと結論を出して余計な事を考え無い事にしているのだ

 

「おっ!これは特産キノコと言うキノコかよい」

 

「ッ!美猴、アーサー、隠れろ!」

 

どんどんとキノコ類を見つけて行く美猴。最中、微かに茂みを掻き分ける音を察知したヴァーリは二人だけに聞こえる大きさで警告して木の上へと移動。続く様に二人も移動して気配を抑える

そして現れた生き物は―――――――大きい猪、ドスファンゴだった

 

(あ、あそこまで大きい猪が居るのかよい!?)

 

(毛並みがゴツそうですね。正直言ってコールブランドで薄傷が付けば御の字位です)

 

(アルビオン。今の状態で半減は出来るか?)

 

『出来るには出来るが、キャパシティオーバーで処理しきれず動けなくなる』

 

(却下だな)

 

(っておい!そのキノコの自生地は俺が見つけたんだよい!?食べるな!全部食べるなぁああああああああ!!)

 

美猴の叫びは当然聞こえない。ドスファンゴは、美猴が見つけた特産キノコが生えていた場所を食い荒らして去って行く。勿論その場にキノコは残っていない。周りに何も居なくなった事を確認し終え地面へ降りると、美猴は膝から崩れ落ちた

 

「これが!・・・・これが人間のやる事かよおおおおおおお!」

 

「美猴、あいつは猪だ。人間では無く獣だ。仕方が無かったと割り切れ」

 

「まぁ、今回はドンマイとしか言い様がありませんね」

 

悲しみに打ちひしがれる美猴を慰めて、三人は散策していくと蜂の巣を発見した。皆様はこれから三人がどうするかは分かるだろう

 

「蜂の巣・・・ハチミツ!」

 

「回復薬グレートには必須素材!何よりも甘味が無い此処では唯一の物!」

 

「俊屋の料理の幅も広がる筈だよい!」

 

「では、ヴァーリ。頼みましたよ!」

 

「何?」

 

「俺達、生身。ヴァーリ全身装甲。一番安全は?」

 

「ヴァーリですよね?」

 

「巣を丸々ではいけないのか?」

 

二人は呆れる。もしも巣を持って帰ったとしてもどうなるか――――――俊屋が三人に怒る未来しかないだろう

 

「蜂を全て追い出して持って帰るのが一番かもしれません。その方が一番量が採れますし」

 

「・・・では行ってくる」

 

全身装甲となり、蜂の巣に近づくと大量の蜂がヴァーリに襲うがビクともしない。巣を持ち上げて揺らす。中に入っている蜂も外に出て行く。おおよそ全ての蜂が出たと判断し終え、ポーチの中に巣を収納して二人の元へと帰る。その頃には蜂はヴァーリから離れていた

 

「取ってきたぞ」

 

「これからは俊屋に任せるしかありませんのでポーチの中に入れておいて下さい」

 

「ハチミツゲットだぜい!」

 

思わぬ収穫にとても浮かれる三人は散策を止めて、拠点へと歩を進める。一方一誠の方はというと――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~一誠side~

 

「おっしゃー蜂の巣ゲットだぜ!」

 

「煙を焚いて正解だったな!」

 

ヴァーリ達と同様、蜂の巣をゲットした二人。他にも回復薬や解毒薬に必要な素材に加えて、初めて見る木の実――――怪力の種と忍耐の種を手に入れていた。散策中に発見したケルビとアプノトスに、サシミウオやハリマグロ等を収穫したのだ

 

「いやぁ~、今回は大量だな!」

 

「そうだな。特にケルビは最高だ!調合書にも書いてある通り、いにしえの秘薬に欠かせない角があるからな!」

 

「そういや秘薬ってどれ位の効果があるんだ?」

 

「重傷でも直るって言えば良いか?」

 

「マジ?・・・ってか、俊屋は何で効能について知ってるんだ?見た事無いだろ?」

 

(やっべぇ・・・普通にゲームのノリで答えちまった。こうなったら白野さんに教えて貰ったって言えば何も問題は無いな)

 

「・・・白野さんに教えて貰ったんだよ」

 

「成る程、美羅先輩から教えて貰ったのか」

 

咄嗟に美羅の名前を出した事で難を逃れた俊屋だった。しかし、絶望は襲い掛かるものだ

 

(ふぅ・・・何とか切り抜け―――――――)

 

(俊屋君は後で私と一日限りのマンツーマン修行だから覚悟してね?)

 

(ひょ?)

 

いきなり頭に響く形で聞こえる声は美羅のもの。思考が追いついていない俊屋に追撃が掛かる

 

(拠点に戻ったらそっちに行って捕まえるからそのつもりでね?)

 

「いやだぁ!死にたくない!死にたくなあああああああい!」

 

「!?だ、大丈夫か俊屋!何があった!」

 

『相棒、俊屋は拠点に戻ったら美羅とのマンツーマン修行だ。一日限りだが・・・察してやれ』

 

「・・・俊屋」

 

「一誠。助けてくれ・・・」

 

「諦めろ」

 

「拠点に帰りたくない!帰りたくなあああああああい!」

 

駄々をこね始める俊屋は巨木にしがみついて離れない

 

「えぇい!連れて帰らなきゃ俺が怒られるだろうが!」

 

「こうなったら一誠も道連れだぁ!」

 

「巫山戯んな!」

 

グイグイと引っ張るも、離れない俊屋に対して腹が立つ一誠。一旦力を抜いて一気に引っ張ろうと顔を上げた一誠の視線の先には、足音を立てずにゆっくりと笑顔で近づく美羅だった

 

「俊屋。もう諦めるんだ!」

 

「嫌だ!例え一日限りだとしても、白野さんとマンツーマン修行したら俺が死んでしまう!」

 

「大丈夫大丈夫、ちゃんと死なない様に気を付けてあげるから♪」

 

「・・・・・一誠」

 

「おう」

 

「・・・嘘だよな?嘘だと言ってくれよ」

 

「残念だが、これは現実なんだ。美羅先輩の前では全員が無力なんだ」

 

「死にたくにゃああああああああい!!」

 

木から離れて脱兎の如く逃げようとする俊屋だが、瞬時に首根っこを掴まれて首に手刀を落とされて気絶した。余りにも滑らかな動きを見た一誠は思わず合掌した

 

「それじゃあ拠点まで行こうか。言伝だと本当かどうか疑われるからね?」

 

「あ、はい。お願いします。俊屋は俺が背負うので」

 

「ん~。それじゃあ宜しく」

 

一誠は、気絶した俊屋を背負い美羅と一緒に拠点へと戻る。その際モンスターと遭遇はしなかったのはお約束である。拠点に戻るとヴァーリ達が居た。殆ど同時に帰って来たのだろうと把握した一誠だが、ヴァーリ達三人は何故此処に美羅が居るのかが分からなかったのか首を傾げていた

 

「では、重要なお知らせです。これから俊屋君は、私との一日限りのマンツーマン修行をします♪」

 

「「「「良い奴を亡くした」」」」

 

「私から出したルールはしっかりと守りなさいよ?分かってる?」

 

「うっ!・・・・・俊屋が居なくても食事を頑張ります」

 

「宜しい。では行ってくるから、その間は調合なりを頑張ってね~♪」

 

俊屋の首根っこを掴み、転移門の中へと消えて行く美羅の背中を見送る四人。転移門が消えた―――――一誠は次の行動へと移す

 

「そんじゃあお互いの回収物を報告して、腹ごしらえをした後に調合するか」

 

ヴァーリ達三人も一誠の提案に賛成して拠点の中へ入る。これから待ち受けるは、おおざっぱな三人の調合の試練である。食事はサシミウオの刺身という事だけ報告しておこう

 

 

 

 

 

 

 




布団「ふぅ、痛かった~」
ミラ「ここらで引導を渡してあげる!」
布団「ダニィ!?」
ミラ「この瞬間を待っていたのよ!」
布団「ヴェアアアアアアアアアアアアア!」
黒「おっと、黒歌とイチャイチャタイムだ!では、さらば!」
紅「アーシアちゃんの様子を見なければ!」
ティア「俊屋は大丈夫なのだろうか・・・」
雌煌「無理だ!奴は死ぬ!!」
布団「 」チーン
ミラ「次は俊屋君の出番よ!」
俊屋「 」チーン


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第66.5話 遂に正体判明!?それを知るは一人だけ

ミラ「何か言う事は?」
布団「ナニモナイヨ?」
黒「作者あ!黒歌とのイチャイチャ回じゃ無いのか!?」
紅「アーシアちゃああああああああん!!」
ティア「今回はサブストーリーなのか?」
布団「一応こんな感じ~。的な話しです」
ミラ「へ~」
ねる「ミラ乱暴」
ミラ「グフッ!」
雌煌「俺の出番は!?」
布団「もう少し後でね?」
雌煌「有るんだな?有るんだよな!?」
布団「始まります」
雌煌「無視すんなああああああああ!」







~俊屋side~

 

ファ!?此処は一体何処だ!・・・最後に見た光景は白野さんから逃げようと・・・・・これ以上思い出せない。と、言うよりもこの寂れた場所って一体何?どゆこと?

 

俊屋が居る場所は寂れた広場であった。周囲を見渡しても隅っこに石柱が立っている位――――――――と思っていると、その上には美羅が座ってニコニコとしていた

 

「やっと起きた?」

 

「此処何処なんですか?」

 

「う~ん。こう言えば分かるかな?"シュレイド城跡地を再現"ってね?」

 

「ふぁ!?」

 

ど、どどどどう言う事だ!?シュレイド城再現って事はモンハン世界じゃねぇか!あ、この不思議ワールドその物がモンハン世界だった。・・・ってそんな事よりも!

 

「シュレイドってモンハン世界の用語じゃないですか!白野さんってモンハン世界の転生者でこっちのD×D世界に来たって事!?」

 

「半分正解で半分外れ」

 

半分正解で半分外れ?・・・・・あれれ~おかしいぞ~?白野さんが転生者と仮定したら、こっちのD×D世界に来れた事自体があり得ないし

 

ニコニコと笑いつつ俊屋の様子を見ている美羅は、いつも以上に目を光らせている

 

白野さんが転生者じゃなくて、D×D世界に来たって事か?モンハン世界の住人・・・・・空間跳躍出来る?――――――待って待って待って!?え、じゃあもしかしなくてもあの龍なんですか!?でも、アルバトリオンの雌煌さんをも叩きのめすのは無理な筈・・・だって、"神をも恐れさせる最強の古龍"ってwikiに書いてあったし

ってか白野さんが赤い目をこっちに向けているだけでも怖いっていうか・・・・・そういやミラルーツも赤い目だっ――――――――んんっ!?白い髪に赤い目で名前が白野美羅・・・・・ハクノミラ・・・シロノミラ・・・白のミラ?えっ、偶然じゃないっぽい?もしかして本物?

 

「嘘だー」と思いつつも見上げると、より一層ニコニコとしている美羅

 

「じゃあ、答え合わせと行こうか?」

 

「ひょ?」

 

人差し指を天に掲げると同時に赤い雷が降り周囲を照らす。腕で前眼を遮る事で防いだが、光が晴れるとその場に美羅は居ない。何処行ったのかと疑問に思い周りを見渡そうとした瞬間、襲い来る重圧に膝を付いてしまう

 

「この重圧は一体何なんだ・・・?」

 

空を見上げると白を基調とした龍が降り立った。一目で何なのか分かったが、自身が知っている姿形とは違っている。角は尖っており、真っ直ぐで青く輝いているのだ。そして何よりも目立つのは、額の中心から長い角がそり立つように生えているのだ

 

「ミラルーツ?・・・新種のミラシリーズか?」

 

敵対しようものなら羽虫の如くプチッと潰されてしまう位の力の差を理解した俊屋は沈黙するが、龍の言葉にて沈黙は破られる

 

『さぁ、マンツーマンの修行の開始だよ?死なない様に気を付けるけど、例え死んだとしても復活させるから頑張れ頑張れ♪』

 

「白野さんが龍って・・・嘘ですよね?復活させるというのも嘘ですよね?」

 

『嘘じゃないよ。ホントだよ?』

 

「・・・一つだけ質問です」

 

『何かな?』

 

「白野さんはミラルーツで合ってますか?」

 

『合ってるよ』

 

「自分が知っている姿と違うのですが・・・」

 

『この姿になれるのは私だけだよ?あ、逃げ場所は完全に潰したからね?隠れる場所も無いよ♪』

 

「う、うおおおおおおお!やってやr―――――――」ジュッ

 

俊屋は全てを悟り、我武者羅に大剣を持って飛び掛かろうとした瞬間に口から放出された極大なビームに焦がされて一乙した。そして美羅は俊屋を回復させる。黒焦げから元通りになり、目を覚ましてペタペタと身体中を触り確かめて一言

 

「飛び掛かって目の前が真っ白になって・・・・・うっ頭が!」

 

『次からは物理で行くから安心してね?』

 

「はっ!ヤベェ!にg―――――――」

 

ドッゴオオオオオン!

 

美羅の踏みつけで、周囲に赤雷が迸り黒焦げに・・・・・再び俊屋を回復させて目が覚めるまで待つ

 

「はっ!?赤が押し寄せる・・・・・うっ頭が!」

 

『パーンチ』

 

ドガァアアアアアア!

 

赤雷を纏った拳に直撃して黒焦げに・・・・・回復させて待つ

 

「はっ!?あ、赤が押し寄せて・・・・・うっ頭が!」

 

『・・・えいっ!』

 

尻尾で撫でる様に当てると、大型トラックに追突された様に錐揉み回転しながら空を舞う俊屋・・・・・ベチャッという音を立てて墜落し、ピクリとも動かない。・・・・・回復させて待つ

 

「はっ!?白が押し寄せて――――――etc」

 

赤雷を纏わせない攻撃に当たり、乙って、回復され、目覚め、当たり、乙って、回復され、目覚め―――――「永遠に続くのか!?」という位繰り返された

 

『シュート!』

 

グシャアアアアアアアアア!

 

『突進!』

 

ドガララララララアアアア!

 

『ダイナミックお手!』

 

ズッドンッ!

 

『突き上げ!』

 

ズグラララララアアアアア!

 

―――――――etc

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「止まるんじゃねぇぞ・・・」

 

某団長の如く希望の花を咲かせる俊屋の姿がそこにあった。美羅は呆れながら怪我をさせない様にツンツンと身体を指す

 

『起きろー』

 

「ヘァッ!?」

 

怪我をさせない様にとはいえ、鋭い爪を持つ美羅のツンツンは痛い。突き刺さっていないが、もの凄く痛くて起き上がる俊屋

 

「あ、ああああああああああああ!白が!赤が!押し寄せて来るうううううう!?俺は不死身の団長じゃ無いんだああああああ!止めてくれえええええええ!!」

 

『 』イラッ

 

美羅は、人間の姿に戻ってハリセンを顕現させて腹部へ一閃

 

ッパーン!

 

乾いた良い音が響き渡り、俊屋は痛みに悶絶してゴロゴロと地面にのたうち回る。そして追撃でもう一発

 

ッパーン!

 

顎に掠める一撃を入れて脳震盪状態にさせ強制的に沈黙させる。しばらくすると、痛みが引いた俊屋は這いつくばった状態で見上げる形で美羅に視線を向ける

 

「駄目じゃないちゃんと攻撃を避けなきゃ!修行の意味が無いでしょ!」

 

「THE 理不尽!」この一言に尽きる。俊屋は「理不尽だ!」と言い返そうとしたが、何かされるかもしれないと言う悪寒を感じて言葉を飲み込む

 

「理不尽だ!何て言おうとしたらロケット龍の足に紐を括り付けて飛ばすからね?」

 

ロケット龍が何なのか分からないが、間違い無くヤバイと理解した。そして言わなくて良かった!と内心歓喜していた。だが、地獄のマンツーマン修行は未だ終わっていない

 

「今回は人化状態で"殴る"から頑張ってね?」

 

「えっ・・・今殴―――――」

 

「せぇいっ!」

 

メキョッ!

 

「グブレラアアアアアアアアアアア!」

 

美羅自身からすればゆっくりの一撃だが、周りに人が居ればこう言うだろう・・・・・「腕がブレた?」と。弧を描く様に吹き飛ばされて墜落。脳に重く響くその攻撃は、俊屋の意識を一撃で奪うには十分な威力だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はっ!?目は覚めたけど大地が揺れている・・・・・立つ事も出来ねぇ。左頬に感じる熱い物・・・俺は殴られたんだな。正直拳すら見えなかったんですけど、どうやって避けろと?無理じゃありませんかねぇ?ってか腰に何かが巻き付いてるな。紐?どういう事だ・・・・・

 

俊屋は自分の腰に付いた紐の先を辿ると、生肉が括り付けられていた。

もう一度言おう

 

 

 

 

 

 

"生肉"が括り付けられていた

 

 

 

 

 

 

 

 

生肉?紐?俺に繋がってる?・・・・・んんっ!?ちょっと待って!マジで待って!

 

だが待たない。自然は無慈悲である

 

ズンッ!

 

後ろに振り向くと、美羅がティガレックスをその空間に放り込んだ音だった。俊屋は考える間も無く武器が落ちている場所まで走る

 

ティガレックスはお腹を空かせている!

 

逃げる生肉!

 

生肉食べたいティガレックス

 

前回はズタボロにされながら三人で討伐したティガレックスだが、今回は一人だけという超スパルタ修行。俊屋は涙を流しながら大剣を手に取りティガレックスと相対する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何で俺がこんな目に遭わなきゃいけないんだあああああああ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

吹っ飛ばさ~れて 墜~落して~ 諦めない心で 挑み~続ける~♪

 

そろそろ終わりにしたいよ~ でも 止まない 猛攻の 前~には 無意味に~終わる~♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「意味分かんねぇよ!」

 

「休みたい?でも駄目。私の歌に文句を言ったから!」

 

「理不尽だ!!      ッあーーーーーーー!」

 

頭で打ち上げられて再び吹き飛ばされた俊屋。何度も吹き飛ばされたせいで、括り付けていたロープの方が先に千切れて明後日の方向に飛んだ生肉。ティガレックスはそれを追ってこの場から消え、ヤムチャしやがった俊屋だけが美羅の目の前に映っていた

少し待ってもピクリともしない俊屋だったので、近づいて液体状態の秘薬を口の中へと流し込んで少し待つと目を覚ました

 

「ぶっはあっ!死ぬかと思った!今は亡き爺ちゃんが川の向こうで追い返さなきゃ危なかった!」

 

「じゃあ張り切って次行くよ?残り数時間は・・・よし決めた!やっぱりロケット龍に括り付けてジェットコースター体験にしよ♪」

 

美羅は雲に向けて手を振ると、一条の赤い軌跡がこちらにどんどんと近づき、減速して大地へ降り立った。

 

天彗龍バルファルク―――――――

 

その名の通り彗星のような赤い軌跡を描く龍なのだ。ん?何故美羅の言う事を聞くのかだって?やんちゃしていた親を美羅が一方的に制裁した後、この不思議ワールドの空間へと一緒に放り込まれたからだ。子供は純粋―――――一瞬で打ちのめされた親の様にはなりたくないと決意しているからである。まぁ、殆ど美羅に呼ばれた事が無いので自由気ままに空を駆けているのだ

 

「白野さん・・・この龍って何?」

 

「あれ?ロケット龍知らないの?バルファルクよ?」

 

因みに俊屋は作者と同じ様にモンハン3rdまでの知識しかありません。ん?作者は何故バルファルクやミラコーンを知っているかって?――――――動画を見て「おっ、格好いい。登場させよ」といった馬鹿なのです

 

「自身に宿っている魔力や気って把握している?」

 

「・・・知らないです」

 

「成る程。オーラ的な物は感じられる?」

 

美羅は右手に魔力、左手に気を纏わせる

 

「えーっと・・・左手に蠢いている?包まれている?・・・・何かがある事は理解出来ました」

 

「よろしい。それが解っただけでも収穫ね――――――じゃあ音速を出さない程度でいってらっしゃい♪」

 

「え?いまんどぅわああああああああああああああ

 

俊屋の返事を待たずにバルファルクは飛び去った。その足には美羅お手製のロープが、俊屋の腰に装着されていたのだ。何時装着したのか?俊屋が左手を注視した隙に右手だけで装着したのである

バルファルクの軌跡を眺めつつ美羅の計画は密かに進んでいる

 

「さぁーて、俊屋君を魔改造しなきゃね♪―――――誰だったかな~?あのモンスター三人を嫁にしていたリア充の名前・・・森好輝だったかな?あの子並に強くしなきゃね♪後は、小猫ちゃんの魔改造もどうしようかなぁ~。小さな切っ掛けが有れば覚醒するんだけど・・・このサバイバルで開花したら万々歳ね」

 

赤い軌跡から目を離して、緑色の葉が生い茂る森の場所を見る。ギャアギャアと小さな鳴き声が聞こえ、小さな悲鳴が幾つか聞こえる。石の柱の上に座りクツクツと愉悦を含んだ笑みを浮かべていた

 

「フフフッ、私にギャフンと言わせるって宣言してたけど駄目駄目ねぇ~♪他人の不幸でジュースが美味しい♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~塔城side~

 

ハッ!?先程感じた視線はまさか・・・美羅先輩?でも、何処にも見えないです―――――――ッ!?

咄嗟に後ろに飛び退くと、私がつい先程まで居た場所に大きな猪が走り去っていきました。・・・危なかったです。早く倒したい所なんですが、一体一体がもの凄くタフです。一誠先輩はどうやってこの環境下で生き抜いたのかが不思議です

 

「やあっ!」

 

突進してきた猪の頭を打ち上げる様にカウンターでアッパーカットを繰り出した塔城。今までは体に攻撃していたが、攻め方を変えてみたのだ。少しだけ打ち上げられた猪は地面へと倒れ伏し、動く事は無かった

 

ふぅ。大変でした・・・魔力が使えないので駒の特性を活かした攻撃しか出来無いとは・・・。早く部長さん達の援護に向かわないといけないです

 

リアス達の悲鳴が聞こえる方へ走ると、猪に追い回されている部長と姫島とギャスパーとアザゼルが居た。木場は、ポーチの中に入っていたナイフを装備してチクチクと攻撃、アーシアに関しては言うまでも無い

 

「ハレルヤ!」

 

殴られた相手は放物線を描きながら吹き飛ばされて、瀕死もしくは息絶えるのが殆どだ

 

アーシア先輩は何故ここまで変貌してしまったのでしょうか・・・。紅先輩の所行とはいえ・・・これはやり過ぎだと思うのは間違っていませんよね?あ、一回り大きい猪がアーシア先輩に突撃し――――

 

ハ・レ・ル・ヤ・ッ・!

 

アーシアはドスファンゴの突き上げられる牙をダッキングで回避して、スタンスを大きく取りながら祈りの左拳を顎へ振り抜き巨体をほんの少しだけ浮かせた。その隙を逃さずに追撃――――――肘打ち、裏拳、正拳と繋いで跳び上がる様にアッパーをを繰り出した後、空中で一回転した勢いを保ちながら踵落としを頭頂部へ決めた

 

「うぉおおおおおおお、アーシアちゃんの連続攻撃がドスファンゴに決まったー!この映像は保存確定だ!!」

 

紅先輩・・・学園では影ながら人気の有るイケメンさんなのですが、この姿を知ってしまえば皆さんドン引きですね。ボスっぽい猪を倒したと同時に小型の猪達は散る様に森へと消えていきました。もう、アーシア先輩を主軸とした陣形で良いのでは?

 

「はぁ、はぁ、はぁ・・・た、助かったの?」

 

「げほっ、ごほごほっ・・・アーシアさんが決めましたの?」

 

「   」チーン

 

「ここまで激しい運動は久しぶり過ぎてヤベェ・・・死にそうになった!」

 

こうして私達の激動の初日が終わりました。食事はどうしたのかですか?ドスファンゴとか言う巨大な猪を捌いて焼いて食べました―――――現実?いえ、人間界の猪よりも美味しかったです

私達は拠点・・・春さん達が前回のサバイバルで使っていた場所を使って生活しています。元々三人での生活空間というのもあったので、とても窮屈です。春さんに相談した私達に返ってきた言葉は、予想通り厳しい物でした

 

「狭いのが嫌なら自分達で一から掘れば?」

 

正にド正論です。私達は今使わせて貰っている立場ですので強く言えません。まぁ、部長は言いましたが・・・その言葉に反応する様に、春先輩が身に着けている装飾品から美羅先輩の声が聞こえたのです

 

『春ちゃんは監視役なので、一人部屋で生活して私に報告してね。そして、おいこらKY赤髪。これ以上駄々こねるなら、外で一人寂しく野宿しなさい。それでも狭くて嫌なら自分の力で拡張しなさい。今回は特別にピッケル入れてるんだから』

 

「えっ、ピッケル常備してるの!?良いなぁ~、私達の時は無かったのに」

 

春さん達はどれだけの苦労をしたのか想像出来ませんね。恐らく石で拡張したのでしょう・・・もの凄く時間掛かるのでは?

まぁ、美羅先輩の忠告と提案を元に、私達は自分のスペース分を確保する為にチマチマと掘り進めています。私が一番早く掘り進める事が出来たので、火を付ける燃料たる木材を収集しましょう。手伝いはどうするのかですか?これはサバイバルです。チームワークもそうですが、これは一人一人を成長させる物―――――ならば、手伝いは野暮なのです。一応春さん越しに美羅先輩に確認を仰ぎましたよ?結果は、自分のスペースは自分で作れです

 

塔城は駒の特性の力押しで一番早くに確保した後、木材調達の為に外へ出た。二番手は木場、三番手はアーシア・・・大分遅れて、姫島、リアス、ギャスパーと確保し終えた。アザゼルは、ポーチを没収されているので石で一人寂しく掘り進めているが、時間が掛かり過ぎていると言う事もあり、元一誠の部屋を使用させる事となった。何故か?おじさん臭いので押し込めたからである。理由を聞いたアザゼルがもの凄く凹んでいたのは言うまでも無い

こうして、リアス達の一日は終了したのであった

 

 

 

 

 

 

 

 




布団「俊屋君はミラ様の正体を知りました」
ミラ「使いっ走りが増えたよ♪」
紅「アーシアちゃんのお手々が猪を粉砕!」
黒「俺の代わりが俊屋となったか」
ミラ「はぁ?黒は黒でしょ。問答無用で使いっ走りさせるに決まってるでしょ」
黒「あんまりだああああああああ!」





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第67話 タイトルは無しです

布団「|ω・)チラッ       |・ω・)つ ソッ」
ミラ「出来ると思っているのかしら?」
布団「(゚Д゚)<アイエエエエエエエエエ!?」
ミラ「懺悔は聞かぬ。遺言も書かせない」
布団「ス、スイマセンデシターーーーー!」
ミラ「でも、ユルサナイ♪」
黒「作者がやっと来たか・・・」
紅「アーシアちゃんを書け!書くんだ!!」
ティア「儚い犠牲だった」
ミラ「ちょっとO☆HA☆NA☆SHI☆しようか?」

折檻部屋<オッ、ヒサビサニデバンカ?

布団「ニゲルンダァ・・・」
ミラ「にがさぬぅ!」
布団「フォオオオ!?」









こうして作者は、ドナドナされていったのである















ねる「はっじまるよ」













~一誠side~

 

俊屋が美羅先輩に連れられてから俺達は、サバイバルに必要な調合をしている。俊屋みたいに説明上手じゃないからドライグを介して解りやすく説明させている。実践して観察とかもさせたぞ?しっかし、ヴァーリの奴は駄目だな!半減能力を使って量を調節しようとすれば、効力まで半分とか意味ねえよ。因みに、バイオテロを起こした一誠よりかはマシだと俊屋が後に語る

 

「おい俺のライバル(笑)、回復薬が出来たぞ」

 

「俺っちは解毒薬?が出来たぜい!」

 

「私の方も回復薬が出来ました」

 

「これで一応は大丈夫だな・・・」

 

目先の不安の一つは、解消出来たんだけど・・・正直これからの方針についてが厄介なんだよなぁ。俺達が居るこの青色の森は、緑色の森と比べると、モンスターが頑丈でずる賢いって分かったからな。俊屋が復帰してからが本番って事で進めて行くか

 

一誠は俊屋が帰って来るまでは調合の素早さと正確さを上げる様にヴァーリ達に告げ、素材を仕分けて行った。集中して行っていると、小さな揺れを感じた

 

「ん?地震か?」

 

『それはあり得ない無いぞ。この世界は結界みたいな物だから地震等は起きない』

 

「いや・・・それだと、この揺れが説明出来ねえだろ」

 

一誠は考えるが分からない。ヴァーリ達もこの揺れが気になったのか、一誠にどうだったのかを質問していると、ドライグとアルビオンにお知らせが届いた

 

『・・・原因が分かったぞ相棒』

 

「まじか!美羅先輩がこの揺れについて何か知ってるって事か!」

 

『う、うむ。・・・・・そうなのだがな』

 

「歯切れが悪いぞアルビオン。早く教えろ」

 

『白いのは慣れていないから戸惑っているのだ。俺から説明しよう。この揺れは―――――――美羅が起こしたのだ』

 

「「「「ん?今何て言った?」」」」

 

『俊屋を攻撃した時に起きた余波がこちらまで響いたのさ。・・・・・別の結界内に居るのだがな・・・・・』

 

「成る程、美羅先輩の攻撃は結界を飛び越えるのか」

 

『この場所と同じ位の強力な結界越しで響いているんだぞ相棒?そんな攻撃の余波を受けた俊屋がどうなるかは・・・言うまでも無く分かるだろう』

 

「・・・俊屋の奴死ぬんじゃねぇの?」

 

『・・・いや・・・実際に死んでいる。・・・・・死んで、生き返らせて、死んでの繰り返しだそうだ・・・』

 

『そういう事だ。俺達には直接的な被害は無いからよしとしよう。俊屋はトラウマを植え付けられているがな・・・』

 

「あぁ・・・俊屋は良い奴だった」

 

俺達は合掌して、俊屋の健闘を祈った。それからは、時折揺れる振動を感じながら気にせずに調合を進めて行き―――――――一日が経過。食事も簡易的な物だったが、まぁそれは仕方が無い

ドライグ達から美羅先輩が俊屋を連れて帰るとのお知らせを受けて、拠点の入り口に待機していると――――――上から俊屋の首根っこを掴んだ美羅先輩が降りてきた。美羅先輩のパンツを見た美猴は良い奴だったよ。・・・アイアンクローで宙ぶらりん状態で頭がミシミシ聞こえてるぜ。少しばかりもがいていたが、直ぐにグッタリと動かなくなったのは言うまでもねえぜ!

しかし、俊屋の目にハイライトが無いのはヤバイと思います。・・・美羅先輩の攻撃を食らい続けた結果がこれなのか

 

『何も知らない相棒は気楽だな・・・』

 

『赤いのも見たのか?』

 

『敢えて言おう。見えてしまったと・・・』

 

『俺達が龍の時に美羅が居たらと思うと・・・』

 

『黒達の立ち位置が俺達となっていただろうな・・・』

 

「ん?どうしたドライグ?」

 

「ドライグと何を話しているアルビオン」

 

『あぁ、俊屋は"頑張った"な、と話していたのだ』

 

『廃人になっても可笑しくないにも関わらず、正気を保っているからな』

 

「「「あぁ・・・俊屋はスゲェよ・・・・・」」」

 

美羅はパンッと手を叩いて、目標の目処が立っていない五人に課題を告げる

 

「第一条件は、一誠君が禁手化する事。第二条件は、この森の端っこに存在する砂浜に滞在しているゴッツい竜を討伐する事。この二つだけよ!頑張ってクリアしてね?」

 

指針を決められた五人に拒否権は無い。一誠は嫌な予感をヒシヒシと感じつつも、禁手化する為の過程をヴァーリに聞く事にした。俊屋はブツブツと「アレニクラベレバ・・・アレニクラベレバ・・・」と呟いている。ヴァーリ達三人は未だ見ぬ敵に興奮しつつも、冷静に状況整理をして行く

 

「それじゃあ私は帰ってやる事やっちゃうから頑張ってね~♪」

 

ヒラヒラと手を振りながら別荘に向けて歩いて帰って行く美羅の背を見送り、一つづつ過程を取り組む事にした五人

 

「先ずは、俊屋と美猴とアーサーの武器を手に入れる事からだ。俊屋に関しては二の次で大丈夫かもしれないが、無手に近い美猴とアーサーは早急に仕上げないとな」

 

「俺の大剣なんだけど・・・白野さんの攻撃を受け続けて・・・・・逝かれる寸前なんだ」

 

「・・・なら三人の武器を早急にしないとな」

 

『ん?待て・・・ヴァーリの武器はどうなる?』

 

『俺達は論外さ。能力を上手く使いながら素手で倒さなければいけない・・・。ハハッ、今回も大丈夫かなぁ・・・・・』

 

一度、死に瀕した一誠を振り返りながら呟くドライグ。そもそもの問題として、無手でモンスター達に挑む時点で愚かしい――――――だが、それを敢えて行う事で大きく成長するのである

 

「後は立ち回りをしっかりとしないとな。誰が何を出来るか理解していないと全滅の可能性がある」

 

「そうだな・・・白野さんよりマシ!とはいっても、学習能力が高い奴等だからな」

 

「それ程までか!あぁ、早く闘いたい!」

 

「久々に燃えてきたんだよい!」

 

「素材が欲しい!あぁ、早く自分専用の剣が欲しい!」

 

ヴァーリ達の意気込みは十分だ。一誠と俊屋は不安に思いつつ目先の獲物を何にするかを考えることにした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

さてと、俊屋君のお仕置きも済んだ事だし・・・外で騒いでいる自惚れ君達を殴らないとね♪黒と紅に此処の管理を任せておいて、ティアと雌豚を連れてやっちゃいますか

 

美羅は転移門を開いて兵藤宅へと舞い戻り、ネットサーフィンという現代科学に溺れた雌煌の頭に一撃を入れて部屋から引きずり出す。ヤレヤレとため息を吐きつつ、その様子を見ているティア。これで準備は整った

 

「いってーな美羅!俺が何したって言うんだよクソッタ――――――――はい・・・スイマセン。俺が悪かったのでアイアンクローをしないでくだざいでででででで!?にゃ、ニャメロン!脳汁プシャーするぅうう!?ステイステイステイ!」

 

「主よ。今回はサバイバルの様子を見なくても良かったのか?」

 

「まぁね~。それよりも、ちょいちょい覗き見て来る"自称"共に雌豚をぶつけるだけよ」

 

「転生者なる屑共じゃないのか?」

 

「だって、こうしてティアと一緒に出歩いていたら向こうからやってくるのよ?――――――"人外は殺すべし"ってね」

 

美羅のターゲットは決定している。禍の団の英雄派なる者達・・・実力をしっかりと理解していない輩は何時だって向こうからやって来るのだ。美羅は雌煌を英雄派メンバーに突っ込ませて潰す気満々なのだった

 

「雌煌を使うのか。確かに、暴れたい雰囲気を出しているから問題は無いな」

 

市街から外れて山を昇り、山と山の間まで到着。美羅達の周りを煙が徐々に覆われ、人間達が美羅の目の前に現れた

 

「やぁ、人外なる者を連れし者。俺は曹操。禍の団の英雄派の代表だ」

 

「で?散々覗き見てどういうつもり?女性を覗き見るとかTPOを弁えなさいよ。ストーカー行為に他ならないでしょ。そこの所貴女はどう思う?」

 

曹操の隣に立っている一人の女の子に向けて問いかける。無論、男が女を覗き見る事についてだ

 

「人外を従えるなら監視されてもしかたがないでしょ?」

 

「私は、"知らない男が自分を覗き見ている"とどう思うかを尋ねてるの。自分がそうされたらどう思うかって聞いてるの」

 

「・・・ま、まぁ。変態だと思うわ」

 

「つまり!貴方は変態なのよ!」

 

「自らを英雄と名乗る男が変態だとは・・・世も末だな」

 

「断じて違う!俺は変態ではない!!」

 

「おい曹操。そんな事はどうでも良いからさっさと済ませちまおうぜ」

 

身長二メートルを超える大男がズイッと前に出てティアを睨付けた。だが、ティアはどうでも良いと言わんばかりに無視を決め込んでいる

 

「ドラゴン。この龍殺しの剣を持つ俺を前にしても無視する事が出来るかな?」

 

「はっ!私はあくまでも、主の使い魔として着いて来ているだけだ」

 

「ひー、ふー、みー、よーetc―――――――。結構居る感じね。でもさぁ?子供まで連れて来るってどうなの?見た所、自分の神器を完全に制御できてるとは思えないんだけど」

 

「レオナルドはお前が思っているほどヤワではない。ちゃんと自分が出来る事を理解しているさ」

 

「八人ねぇ・・・一人は参加不能だとして、たった七人で相手に出来るって言われたら・・・無理ね」

 

美羅の素直な言葉に、額に青筋を立たせる一同。「舐めるなよ」と言葉を発する前に、全員に軽い殺気を放つと一歩後退る英雄派のメンバー。曹操はヤバイと判断して転移系神器を持っている一人の男―――――ゲオルクにアイコンタクトを送ろうとしたが、目に入った光景に驚く。先程まで目の前に居た美羅が、ゲオルクにラリアットする形で、何時の間にかそびえ立っていた岩盤に叩きつけている光景だっ――――ドグォオオオオオオン!

 

「もう、お仕舞いかしら?」メッシメッシ

 

執拗に顔を岩盤に押し付けて気絶させた。咄嗟に動けない一同だが、美羅の一言で我に返った

 

「雌豚は、残りの七人と戦いなさい。それと、子供は戦意喪失させる位に留めておきなさいよ?」

 

「マジで!?良いの!?俺暴れても良いの!?」

 

「やっちゃえ♪」

 

「ヒャッハー!俺のストレス発散のサンドバッグは貴様らだぁあ!直ぐにブッ潰れるなよ?あの白いトカゲはあっという間に倒れちまったからな!」

 

「白いトカゲ・・・だと?――――――まさか!」

 

「完全な龍化はしねぇ!龍人状態でお試しだぁあ!」

 

雌煌の背中からは大きな翼、額には刺々しい角、腰からは尻尾が生えたのだ。いきなりの変貌に再び驚愕するが、多対一の戦いで圧倒的有利はこちらと判断した英雄派メンバー

 

「おっしゃあ!先ずは俺が突撃するぜ!」

 

神器、巨人の悪戯(バリアント・デトネイション)を持つヘラクレスが雌煌に向かって突撃をする。雌煌よりも圧倒的に背が高いヘラクレスの一撃が放たれ、雌煌がそのまま何もせずに顔面で受け止めて爆発。大きな煙が立ちこめ、ニヤリと笑う一同だったが

 

「いやぁ~温すぎる。もう少し火力出して攻撃できねぇ?俺が燃えないんだが・・・これだと蟻を摘まむ様に手加減しないと駄目じゃね?」

 

傷一つ無く、効いた様子もない雌煌の姿だった

 

「こっのっ!上等だあ!連続でやってやらぁ!」

 

両拳で雌煌の顔面だけで無く、腹等も攻撃するも効いた様子が全く無い

 

「ヘラクレス下がれ!俺の剣で斬る!」

 

龍殺しの剣――――魔帝剣グラムを振るい攻撃。だが、逆立った鱗―――――逆鱗の前には無力だった。剣よりも圧倒的に硬い鱗を削る事も出来ずに、弾かれてしまう

 

「なっ!?龍殺しの剣だぞ!何故龍であるお前に効かない!?」

 

「はあ?その剣が龍殺しって・・・・・あり得ねぇって」

 

驚愕して隙だらけなジークフリートの腹に一撃。たった一撃――――――されど一撃・・・雌煌の腹パンは背中を突き抜ける様な威力で、悶絶させるには十分過ぎる程だった。蹲っているジークフリートを無視して、手放されたグラムに向けてブレスを一発

 

ドッゴオオオオオオオオオオオオン!

 

何て事でしょう!かの黄金龍君―――――ファーブニルを倒した剣は無くなってしまいました。代わりにあるのは、地面が抉れ―――――ガラス状になった大地だけです

 

「はっ、脆すぎんだろ・・・。一割も満たないブレスだったんだがなぁ・・・・・。赤トカゲ(※リオレウス)のブレスも防げないだろ」

 

目に見えて落ち込む雌煌。だが、獲物は未だ何人も居る――――――ハンター達だって一人一人が油断ならない相手だ。慢心すればつけ込まれてしまう。・・・ワクワクを残しながら油断無く品定めして行く

 

「よっしゃ!次はお前ら三人だ!」

 

ジャンヌと呼ばれる女の子とコンラとマルシリオの三人が標的となった。「ヒィッ!」とジャンヌの小さな悲鳴を無視して、目に見えない速度で飛び掛かって攻撃

 

「あっヤッベ――――――」

 

後ろ二人の男達の顔に直撃した拳は、頭部を粉砕してしまったのだ。美羅との約束を破っちゃったのである。破砕された事で、バラバラとなった液体がジャンヌに降り注ぎ顔を真っ青にさせた

 

「てっめえ!よくもコンラとマルシリオをっ!」

 

「ッ!止めろヘラクレス!」

 

今までで一番の破壊力を誇る一撃を雌煌の胸にぶつけるが、無意味だった。どっしりとした巨大な何かを殴りつけている様な感じだった

 

「へぇ――――――――今までで一番腰の入った攻撃じゃないか。まぁ、楽しかったぜ」

 

死神の拳が前眼に迫り、ヘラクレスに走馬燈が過ぎった。だが、拳は当たらない――――――何故?眼を開けると、魔獣達が雌煌に噛みついたりして邪魔をしていたから

 

「レオナルドッ!?」

 

「ヘラクレス下がれ!」

 

「ッ――――――悪ぃ・・・」

 

「正直最悪だ。コンラとマルシリオの二人が一瞬で殺られて、ゲオルクとジークフリートの二人は文字通り戦闘不能だ。ジャンヌは戦意喪失に近い」

 

「残されたのは正直俺とお前とレオナルドの三人だけって事か・・・」

 

絶体絶命――――――手を出したのが間違いだったのだ。レオナルドの魔獣を苦も無く粉砕してゆっくりと近づく雌煌の瞳は、真っ直ぐに・・・魔獣を創り出した者へと向けられている

 

「あ~、本当に邪魔だなそいつ。攻撃を中断されたせいでイライラが溜まっちまったよ・・・だからさぁ、死―――――」

 

「雷・神・拳・!」

 

メギョアッ!

 

美羅の命令を無視して、レオナルドを殺そうとした雌煌だった。しかし、美羅の拳にて防がれる―――――――顔面を強打、殴り飛ばすでは無く、いつの間にか設置された岩盤へ突撃

 

ドグォオオオオオオン!メキャメキャメキャーーーーー!

 

岩盤の耐久力を超えた為、貫通して木々をなぎ倒して地面に埋め込まれたのだ

 

「いい加減にしなさいよ?」

 

「くふぉおお」

 

頭蓋を歪ませる様な攻撃は雌煌の意識を完全に途切れさせた。美羅はゆっくりと生き残った五人の元へ近づいて行く。自分達の攻撃が効かない相手を一撃で沈めた美羅に、曹操達は恐怖により唯々震える事しか出来無かった。改めて思い知らされた――――――自分達は手を出してはならない存在に手を出した愚か者だったと

曹操は転生者チームの噂を聞いて、「何とも情けない」「人外を殺すのは自分達の様な英雄だけ」等と信じて疑わなかった。だが、蓋を開けてみればその考えは粉々に打ち砕かれた

 

「何故・・・何故だ!俺達は英雄だ!英雄は数多の人外を屠る事が出来る人間なんだ!それが、何故!こうも遊ばれる!」

 

「貴方達は英雄じゃ無いでしょ。唯のテロリスト。自分の為だけに動く畜生と変らない」

 

「俺達が畜生だと!?巫山戯るな!!虐げられた者達を拾い、虐げられない様に力を鼓舞する事が英雄たりえる行為だろう!!」

 

「英雄は自ら宣言する事は無いわ。私が知っている英雄とは、弱者を救い、強者を挫く者よ」

 

「俺達の行動と何ら変わりはないだろう!」

 

「貴方達の言う弱者とは虐げられた者だけでしょう?救ってきた人数は何人?数える程度でしょう?彼等は大多数の人を護り、見返りを殆ど求めていなかったわ。そんな彼等が何故英雄と呼ばれたのか――――――周囲がその在り方に惹かれたからよ。何も知らない者達が見ても、彼等は凄いと口を揃えるわ。それに対して貴方達がやってきた行為は何?何も知らない者達から見て尊敬される行為をしてきた?無関係な人達を巻き込んだりしなかったと断言出来る?そして、目標に掲げているせk―――――グレートレッドを倒す行為は世界の崩壊と同義よ。貴方達は大量殺人者と何ら変らないわ」

 

「貴様は自分が英雄だと言いたいのかっ!」

 

「はぁ?私が英雄って・・・有り得ないでしょ。私は私のしたい事をするだけよ」

 

恨めしそうに私を見ているけど何なのよ・・・。彼等は英雄って呼ばれたいだけの子供ね

 

「・・・だったら・・・だったらどうやって人外達に復讐したらいいのよ!!」

 

「いや・・・英雄じゃなくて、復讐者として行動すればいいじゃない。まぁ、無関係な者達まで手に掛けるならそいつは獣と何ら変わりないけど」

 

「ふ、復讐者・・・?」

 

「・・・そう言えば貴女の名前――――――ジャンヌって言ったっけ?」

 

「そ、そうよ・・・」

 

ヤバイ・・・めっちゃ魔改造したい!どうやって魔改造するかって?ふふふ、此処にキノコ印のアプリゲームがあるじゃない♪紅の馬鹿がアーシアちゃんを改造したんだから、私が改造しても何も問題無い!!

 

美羅の脳内では魔改造確定である。もしも、美羅の思考を読める者が此処に居たならば「ジャンヌ逃げて!超逃げて!!」と声を大にして言うだろう。最も、言う前に物理で口封じされるのは容易に想像出来る

 

「一人で復讐すれば問題無いよね?」

 

「私一人じゃ出来無いに決まってるじゃない!!」

 

「もしも、一人で復讐出来るだけの力が手に入るとしたら?」

 

「え?」

 

ジャンヌは呆気にとられる。それはそうだろう。一人では人外共の力の前では無力で、嬲り殺されるか家畜として飼われるかだ。だが、美羅の提案したそれは普通では無い。力が無いから組織に入っているが、力が有れば別だ――――――そして、目の前に居る人物は化け物みたいに強い雌煌をワンパンで叩きのめした。そんな人物からの誘惑は甘美で現実的

 

「騙されるなジャンヌ!人外を一撃で倒す人外だぞ!?そいつの言葉に惑わされるな!!」

 

「どうする~?もしこのまま悪魔に襲撃をした所で、返り討ちに遭うのが目に見えるけどな~?」チラッチラッ

 

「俺達は悪魔が相手だろうと勝てる!」

 

「確証の無いお馬鹿には聞いてないから」

 

曹操はジャンヌが心変わりしない様に呼びかけるが、美羅からの誘惑はそれ以上の力がある

 

「・・・貴女に付いて行けば私は・・・私を手に入れようとした人外共を殺せる?」

 

「殺せるかどうかは分からないわ」

 

「ジャンヌ!惑わされるな!!俺達だけでも遅れはとらない!」

 

「力は己で勝ち取る物―――――修行はさせるわよ?」

 

ジャンヌの足は、未だに力が入らず立つ事も出来無い

 

「それに、気付いているでしょう?もう一つの派閥の男共の視線を」

 

腕は動く――――――地面を這いながら美羅の足を掴んだ

 

「私は・・・貴女に付いて行く。・・・だから、復讐するだけの力を!」

 

「交渉成立ね♪ジャンヌちゃんゲットだぜ!!」

 

ジャンヌは力を求めた!

美羅は、ジャンヌを手に入れた!

 

「あ、その子もお持ち帰りだから♪」

 

レオナルドは逃げる!

だが、振り向いた先には美羅が居た

レオナルドは逃げられない!

 

「は、離してぇー!」

 

「レオナルド!?」

 

「それでは、まったね~♪今度手を出してきたら――――――――殺すから」

 

最後の言葉は、生き残った者達だけを射貫く様に突き刺さった。たった一言だけなのに動けなくなる体。こうして美羅は、ジャンヌとレオナルドの二人の戦利品を持って転移門で帰宅した。雌煌はちゃんとティアが回収しました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ミラ「二人ゲットだぜ!」
ティア「どうするつもりか聞いても?」
ミラ「魔改造!」
ティア「子供は・・・?」
ミラ「ネルのお友達にする!」
ティア「歳が離れているが・・・」
ミラ「ほら、子供同士どうにでもなる!」
ティア「後で一緒に遊ぶか・・・」







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第68話 魔改造完了!ジャンヌちゃん可愛い♪

ミラ「遅い!遅すぎる!!」
布団「バレンタインイベントがいけなかったんや」
黒「で?」
紅「それだけか?」
ティア「正直に話せ」
布団「修理していたPCが帰って来たから設置に時間を費やしちゃったの!許して!!」
ミラ「だったら、これからはもう少し早く投稿できるよね?」
布団「(・ω・)ムリデスワ」
ミラ「雷・神・拳・!」
布団「⊃)゚Д゚)グハァ」ピュー
雌煌「ふぅ、ただいまだぜ」ガチャ
布団→雌煌
黒「あっ」
雌煌「なん―――――ブルゥァアアアアアアア!?」










ねる「はじまりはじまり」











~美羅side~

 

二人をお持ち帰りして、早くも一週間が経過。子供のレオナルド君は、目をキラッキラさせて私と一緒に散歩をしている。・・・黒、何か言った?・・・そう。何も言ってないのね

 

「ぶひゃははははは!これぞ正しくショタコン疑惑w!ん?美羅がお姉さんみたい?ばっか!あいつより年上は―――――」

 

「雌豚風情が調子に乗っているのね。雌豚よろしく調教してあげるわ」

 

「にゃ、にゃめろん!離せぇ!」

 

「スローイング!」ブンッ

 

「ふぉおおおおお!?」

 

「かーらーの、かめ〇め波!←(※唯のミラビーム)」

 

「ッアーーーーーーーーーーー!」ジュッ

 

極光の彼方に消えた雌煌。そして、何事も無かったかの様に散歩を続ける美羅である。そして、始まるジャンヌ魔改造

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美羅は、別荘にレオナルドを置いてジャンヌと二人きりで行動中・・・・二人は、薄暗い洞窟の中へと入って行きしばらく進んだ先の光景は灼熱地獄だった

 

「あっつい!」

 

肌を刺す痛みが全身を襲い産毛が焼け縮れ、汗が一気に噴き出して目眩を起こす

 

「この場所が如何に極限か理解出来たわね。じゃあこの薬を飲んで?熱さを和らげるから」

 

美羅が手渡した白く、サラリとした飲み物。通称"クーラードリンク"

ハンター達が愛用する必需品のアイテムで、この様な普通では耐えれない様な熱さを和らげる不思議ドリンクなのだ

ジャンヌは手渡されたそれを疑い半分で飲み干すと、吹き出ていた汗が少しずつ引いて行った事に驚愕していた

 

「何なのこの飲み物・・・まるでス〇ドリみたいな色合いなんだけど」

 

「そうよね~。まるで〇ポドリよね~。何処かでは『"体"を冷やせ! クーラードリンクで暑い夏を乗り切ろう!』何て謳い文句をしていた位だから」

 

本来は体では無くハンターなのだが、一応隠す事にした。所詮隠さなくても大丈夫だとは思いたいのだが、何が起きるかが分からないので警戒するに超したことは無いのである

 

「さて、ここから先が修行場よ。気合いを入れないと"死ぬ"わよ?」

 

「・・・やってやろうじゃない。あいつらに復讐できるなら何だってやってやるわよ」

 

更に先へと歩みを進める二人。灼熱の環境下でありながら自生する植物を掻き分けて進んで行く。まるで扉の様だ

ガサガサと音を立てて進んだ先に広がった光景は先程より余りにも異質だった。目の前に映るそれは―――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

崩落した町並みが火の海と化し、亡者が闊歩している光景だから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は?」

 

余りにも急展開。自然の光景から一気に近代の町並みの光景が目の前に映ればそういう反応も当たり前だ

 

「ここは煉獄、現世と地獄との境目と認識すれば良いわ。この場所は未だ温い方だから頑張りなさいよ?一応遠くから見てあげるから、頑張って此処を支配してみなさい」

 

「は?」

 

「闊歩する亡者は生者に群がるから注意ね?私の場合は寄りつかれないから例外―――――私がここを離れてからがスタートだから頑張ってね~♪」

 

少しだけ膝を曲げただけで、高く、遠くに跳躍して行った美羅。この場に残されたのはジャンヌだけ。後はお分かりだろう。・・・今まで見向きもしなかった亡者達がジャンヌに向かって歩み出した

 

「はっ!上等よ!やってやろうじゃない!!」

 

神器で聖剣を創り出して一番近場の亡者の首を跳ね飛ばす。グラリと傾いて地面へ倒れ伏した。だが、倒された筈の亡者は這って飛ばされた頭の元に辿り付き―――――接合面を合わせる。すると、あら不思議。頭はくっついて元通りになってしまいました

 

「・・・ゾンビよりも質が悪いじゃない!?」

 

聖剣で斬っても復活する亡者とか聞いた事が無い。ジャンヌを囲む様に近づく亡者。ジャンヌは、一点突破で突き進む為に禁手の断罪の聖龍(ステイク・ビクティム・ドラグーン)を発動して突破して逃げおおせた

 

「ふむ、あれがあの子の禁手ねぇ・・・歪な形。所謂亜種の禁手と言ったところね。さてはて、彼女は"彼女"に見初められるか楽しみね♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ジャンヌside~

 

無理無理無理!何なのよここは!?

 

必死に走る。走って隠れて走って隠れて――――――を繰り返した

 

「ゼェー!ゼェー!ゼェー! ゴホゴホッ!」

 

大きく息を吸ってむせる。そして近づいてくるうめき声

 

「■■■■ーーーーー!」

 

「もう!本当にもうっ!強くなりたいって言ったけど、こんな地獄に連れてこられるなんて思わないじゃない!」

 

「■■■■■■■■-------!」

 

再び走る。息が整わずに走るが、その力は弱く、最初よりも失速している。しかし、運良く撒く事に成功したのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャンヌが美羅によってこの場所に連れて来られてから約二日――――――既に限界だった。水も食料も無く、肌を焦がす熱にやられて喉がカラカラ。もう倒れ伏してしまいたいと思い詰める程だった

 

「熱い・・・お腹空いた・・・水が欲しい・・・どうして?・・・私は何をしたかったの?」

 

ふらつく足取りで必死に亡者達から逃げるジャンヌ。だが、遂に終わりの時が来た。引きずる様に動かしていた足と足がぶつかり合い転ぶ

起き上がろうとするも、力が入らない。亡者達の手がどんどんと近づく。そして、ジャンヌの四肢が掴まれた

ワラワラと覆いかぶさる様に近づく亡者達に一矢報いる一撃を放ち、吹き飛ばす。だが、それは空しい抵抗だ。切り刻まれた亡者達は、引っ付いて元通りとなって再びジャンヌの四肢を掴み埋め尽くす

 

(あぁ・・・これで終わるのね・・・・・)

 

もう抵抗する力も残っていない

 

(どうしてこんな事になったんだろう・・・)

 

亡者達が視界が一杯となり、顔へ手が伸ばされる

 

(したい事があったっけ・・・)

 

手が更に近くなる

 

(生きたいなぁ・・・)

 

視界が手だけを映す

 

(生きて・・・生きて?・・・何をしたかったの?)

 

顔を掴まれる

 

(そうだ。復讐だ。私は、村を追い出された原因となった奴等に復讐がしたいんだ)

 

服は引きちぎられて素肌がさらけ出される

 

(そうだ!復讐だ!死ねない!こんな事で死んでたまるか!!)

 

四肢を四方に引っ張られ始める

 

「終われない!こんなところで終わって堪るもんか!私は・・・私は、復讐するんだ!!あの悪魔や天使達をこの手で殺すまで死ねるか!!」

 

その言葉と同時に、ジャンヌの頭に走馬灯の様な光景が走り映った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

竜を従え、ニヒルの笑みを浮かべて焼き付くす女性。憎悪の対象となる男達を、苦しみをこれでもかと刻み付ける様にジワジワと焼き殺していた。そんな彼女は、こちらに振り向き呆れた表情をしていた

 

『はっ!その程度の憎悪で復讐をするなんて生温いわね。もっと、もっと!胸の内に秘めた憎悪をさらけ出しなさい!あんたには復讐するだけの理由があるのでしょう?』

 

「えぇ、そうよ!あの屑で人間を家畜の様に捉えているあの人外達を殺したい!」

 

『だったら、煉獄程度で留まってんじゃないわよ』

 

彼女はそう言って背を向けて、男達を見据えて言葉を言い放つ

 

『我が憎悪を見よ』

 

一人が黒炎の炎に包まれて、あっという間にボロ屑となった

 

『これは憎悪によって磨かれた我が魂の咆哮『吼え立てよ、我が憤怒(ラ・グロンドメント・デュ・ヘイン)!』』

 

沢山の槍が地面から生えて男達を串刺しにし、業火に焼かれて消し炭となった

 

『喝采を!我らの憎悪に喝采を!』

 

「そう・・・そうね。喝采を!我らの憎悪に喝采を!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

走馬灯の様な光景は消え失せており、目を覚ませばジャンヌに群がっていた亡者達は消し炭となっていた

 

「あれは夢?・・・いいえ違うわ!あの憎悪は本物だった!そして、私の憎悪も本物よ!そうよ・・・これが復讐の炎よ!!」

 

目先に居る亡者達を見定めて

 

「ブッ飛べ!」

 

腕を一振り

亡者達に黒火が襲い掛かり、瞬く間に燃やし尽くした。目に映る亡者達を全て焼き付くして一息ついた所で、美羅が上空から降り立った

 

「やぁ、ジャンヌちゃん成果は出たね?それじゃあ次のステップに移るわよ」

 

「え"っ!?」

 

余りにも唐突な不意打ち。首根っこを掴まれて空高くジャンプして連れ去られたのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒュルルルルルル――――――――ズッドンッ!

 

降り立った場所は雲海の上。周りには殆ど何も無いが、地面が所々砕けたりガラス状になったりしている。そう、此処は古塔の頂上である

 

「到~着!お空の旅はどうだった?スッキリするでしょ?」

 

「巫山戯んな!スッキリどころか吐きそうよ!!っていうかここは何処よ!?」

 

「この場所はかつて私が住んでいた場所を模倣した所よ」

 

「はい?・・・こんな何も自生していない殺風景が?」

 

「まぁまぁ、そんな事はどうでもいいから放っておいて!ここに集められるもの()をはっ倒すだけよ。とても簡単でしょ?その力をしっかりと使いこなす為だけに集めたのだから♪」

 

「やってやろうじゃない!もう、ドンときなさいよ!!」

 

言い終わると同時に大きな咆哮が轟き、ジャンヌはビクッと体を震わせた。そして空から巨大な影が降り立った

赤い鱗と甲殻を纏い、力強く大地に立つ竜

 

 

 

 

 

 

 

 

リオレウス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギョロッとジャンヌを見据えて、大きく息を吸い込んで再度咆哮を上げる

 

 

「ドラゴン・・・?」

 

「通称"空の王者リオレウス"。まぁ、私からしたら空飛ぶトカゲ程度――――――だから、ジャンヌちゃんも頑張って倒しなさい。あの竜はプライドだけは無駄に高いから、へし折っただけで大丈夫よ」

 

スタスタとジャンヌの側を離れる美羅。ジャンヌは「えっ」と一言だけ漏らして、目の前に立つリオレウスに再び見据えた。美羅が離れた事がスタートと言わんばかりに、首を大きく振り上げて口元から火の粉がこぼれ落ちる。本能からヤバイと感付いて、咄嗟に横に離れ跳ぶと同時に火球が先程まで居た場所を通り過ぎる。過ぎ去った火球は巨大な岩に直撃して爆発―――――――轟音を立てて粉々に砕け散った岩の破片が降り注ぎ、ジャンヌの体に当たる

 

「ふ、ふふふふ・・・・・アハハハハハハ!     死ぬわ!あんなのに当たったら普通に死ぬわ!!」

 

攻撃は止まらない。ブレスで当たらなかったと判断したリオレウスは、一直線にジャンヌに向かって突進する

 

「に、逃げ―――――――」

 

間に合わない―――――――と判断するよりも逃げようとした自分に腹が立った。『逃げてどうする?あの時と同じ様に無様に逃げてどうする』と、この言葉が頭を埋め尽くす。逃げようとした足を止めて反転―――――端から見れば無謀にも等しい行為だが、リオレウスの頭が直撃する直前でスライディングで体下に逃れる。更に、直感に従って左右に聖剣を盾にする様に展開して爪の直撃を防ぐ事に成功した

 

「ハァ、ハァ、ハァ・・・逃げるもんか。逃げたらまた奪われる。私の居場所を奪われる。・・・それだけはさせない!この復讐を果たすまでこの炎を奪わせはしない!!」

 

リオレウスに対して憎悪を大きくする

 

「舐めんなっ!」

 

ゴウッとジャンヌから放たれる黒炎が、振り返ったリオレウスの頭に直撃して鱗を焦がした。リオレウスは武器も持っていない人間が炎を生み出した事にも驚愕だが、より一層驚いたのは自身の鱗を焦がした事実だ。目の前の人間を餌では無く、一人の強敵と見定めて相対する事にした

だが、それはもう遅い。膨れ上がるジャンヌの憎悪と憤怒が、彼女の周囲を包み込んで炎柱を生み出した。そこから姿を現すジャンヌの姿は、某型月の竜の魔女と呼ばれた姿とそっくりな物となっていた。違う点は衣服のみ。布地のそれでは無く、黒炎の炎がヴェールの代わりとなって彼女を包み込んでいるのだ

 

「我が憎悪は何人をも焼き尽くす。消えず、燃え移り、最後の最後まで貴様を焼き尽くす!喰らえ!我が憎悪の化身よ!バランスブレイク!」

 

周囲に顕現した聖剣達がジャンヌを埋め尽くし、剣と剣の隙間から黒い炎が溢れて剣群が溶けて混じり合う。黒々としたドロッとした液体となり、ジャンヌの体に貼り付いて数秒後―――――パァンッと破裂して姿を現す

姿形に変化は全く無い。だが、プレッシャーは先程までとは大違い。見えない触手が体を拘束していると錯覚させる。リオレウスは咄嗟に飛び去ろうとしたが、体が全く言う事を聞かなかった。追いつかない思考が答えを導き出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれには絶対に勝てない。挑めば死ぬ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あっという間の決着だった。コツコツコツと足音を鳴らしながら近づいていくジャンヌに対してリオレウスは、頭を垂れて目を閉じている。完全に屈服した証拠である

 

「貴方はこれから私の僕、何時如何なる時も私と共にある。良いですね?」

 

凡そ人間の言葉を理解出来無いが、本能で彼女が何を言っているか理解していた。小さく喉を鳴らして返事をしたのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

良いねぇ!流石は私!ジャンヌちゃんは邪ンヌちゃんへと変貌しました!魔改造完了よ♪

しかも、あの禁手化は素晴らしいの一言!見た目は変っていないけど、聖剣その物に自身の黒炎を付与出来るのね。そしてあのドロッとした液体その物が聖剣・・・それを身に纏っているという事は、見えない鎧と武器を装備しているという事に変らないわ。液体が固体に変化して武器として機能ね♪

 

美羅の表情はニヤニヤとしており、魔改造計画が成功した事に喜びを感じていた。まぁ、それだけでは無いのだが

 

しかも!しかもしかもしかも!!リオレウスをテイムするという珍事も起きたから最高!うふふふ、フヘヘヘヘ!正しく竜の魔女ね!!爆死ばかりした私の触媒として完璧ね!今度のPUで仕事をして貰うわよ!!

 

↑については何も言うまい。だが、美羅の言う通りジャンヌがリオレウスを従える事が出来たのは珍事である

ジャンヌはリオレウスと共に美羅に近づいて成果を取り敢えずながら報告する

 

「見ていたから分かると思うけど・・・この竜を従えたわ。この子を私の物として良いのよね?」

 

「良いよ~。折角だから名前でも付けてあげれば?」

 

「そう・・・ね。これから一緒に行動するなら名前が必要よね」

 

「後で専用の鞍を作ってあげるわ。格好良い奴?可愛い奴?それとも・・・ど派手な奴?」

 

「赤黒い鞍が良いわ。私の炎とこの子の色を合わせた良い奴をお願い」

 

「おっけー。いやぁ~楽しみね。ドラゴンライダー此処に見参!って感じね」

 

「なっ!?私はドラゴンライダーじゃないわよ!」

 

「まぁまぁ、良いじゃない。で?"彼等"の名前は?鞍に名を刻むんだからさっさと決めなさい」

 

「そうね・・・ん?ちょっと待って!彼等って!?この子だけじゃないの!?」

 

「えっ?雄だから番の雌が居るのは当然でしょ?」

 

「えぇー」

 

「因みに、直ぐそこに居るわよ」

 

美羅が戦闘場所からは見えない場所を指さすと、そこには緑色の鱗と甲殻を纏った竜"リオレイア"が居た。だが、ジャンヌに敵意を持っておらず、リオレウスと同様の目をしていた

 

「分かったわよ!名前を付ければ良いんでしょ!」

 

ジャンヌはその場で悩みブツブツと独り言を言いながら考えているのだろう。一人と二頭はそんな様子を見ながら待つ

 

「決めたわ。リオレウスは"レウ"でリオレイアは"レア"よ」

 

「・・・安直過ぎてガッカリしたわ」

 

「うっさいわね!分かりにくい名前よりも分かりやすい名前の方が良いでしょ!!」

 

「はいはい。それじゃあ拠点に帰るわよ」

 

「聞きなさいよ!?」

 

さっさと帰ろうとする美羅にキレるジャンヌ

 

「しょうがないな~邪ンヌちゃんは~♪なでなでしてあげるわ♪」ナデナデ

 

「撫でるな!そして呼び方!!」

 

「なら止めるわ」パッ

 

あっ」ショボン

 

美羅が頭を撫でるのを止めると、少しだけションボリとするジャンヌ。本人は表情に出さない様に気を付けているがバレバレである

 

(ヤバイ。可愛い♪妹が出来たお姉ちゃんみたいな気持ちが味わえるわ)

 

こうして弟候補と妹候補ができた美羅であった。とても嬉しそうにしていたし、それをからかおうとした雌煌が岩盤送りされたのは言うまでもない

 

 

 

 

 

 

 

 




布団「ふぅ!遂にやっちゃったか」
ミラ「いいじゃん!」
黒「おいおい・・・人の事言えねぇだろ」
紅「アーシアちゃんの方が強い!」
ミラ「はぁ!?ジャンヌちゃんの方が強いから!」
ティア「どちらも強くなったでいいだろう」
「「この際、ハッキリしたい!!」」
布団「そんな事して嫌われたら・・・」
「「グッハァッ」」
黒「俺は黒歌とイチャついてくるわ」


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第69話 殴り込みするんだぞ♪

ミラ「・・・投稿速度」
黒「遅い」
紅「早く」
ティオ「書け」
布団「・・・スイマセン」











ねる「はじまる」














~一誠side~

 

「くっ!硬い上に素早い!」

 

「あの巨体であの動き・・・想定していた以上だよい!」

 

「あぁ・・・剣が砕かれてしまった・・・・・」OTL

 

「だったらサポートにまわれ!」

 

「来るぞ!」

 

ズッドオオオオオオオオオオオオン!

 

砂地から突き上がる衝撃。砂柱が舞い散って視界を遮り、身構えた五人の一人。ヴァーリに向かって敵が突進、ギリギリで回避したのだが、鎧の一部が甲殻に引っ掛かって突き上げが直撃となった

 

「グッハアアアアアアアア!」

 

「「ヴァーリ!」」

 

『ぐぅっ!強い!一撃がとてつもなく重い!』

 

空に突き上げられたヴァーリを追撃せんと、頭を大きく下げて大ぶりの突き上げをしようとしていた

 

「させっかよおおお!」

 

大剣を重りとして、空中で数回転。勢いをつけて振り下ろした大剣と敵の巨大な角が激突して、お互いが仰け反った。がら空きとなっている腹部に向けて一誠の魔力砲――――ドラゴンショットが放たれるが、敵は器用に両足で地面を踏みしめて跳躍して回避。再び仕切り直しとなった

 

「グフッ!ゴホッゴホッ!強烈な一撃だ・・・枷が無い状態で直撃しても被害は甚大だな。全身装甲では何かと危険だ」

 

ヴァーリは回復薬を飲み、一誠と同じ様に一部分だけを展開する事にした

 

「気をつけろよ!怒ったら全てのスピードが倍になると想定するんだ!」

 

「倍ってマジかよ!?」

 

「今でも十分早いぞ・・・」

 

彼らが相対する敵の名前は"ディアブロス"

怒ってからが超危険のモンスターの代表格である

 

「無駄話もそこまでだよい」

 

「クソッ!剣はもう使い物にならないし、僕自身も戦力にならない。フォローに回らせてもらう!」

 

「四人か・・・」

 

「とにかくやるぞ!」

 

一誠達の戦いは続く・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~塔城side~

 

場面を切り替えて、リアス達の面々はどうなっているかというと―――――――――かつてないピンチだった

 

「くっ!あの青い竜・・・ゲリョスだけなら良かったのに」

 

「・・・不気味ですわ」

 

「うっ・・・あの竜無理・・・きもちわるい」

 

「ブヨブヨとトゲトゲ」

 

「ひぃー!もう嫌ですー!」

 

「音も無く忍び寄って超うるさい声とか勘弁してくれ。どちらも厄介だぞ!」

 

「これは・・・流石に見ているだけじゃ駄目ね」

 

最初はゲリョスと戦っていたリアス達。だが、予想外な事にフルフルとイャンガルルガが乱入してきたのだ。春を含めて八対三の戦いが始まった

 

「今回は私もやるわ!私と姫島さんとアザゼルのおじさんの三人で一番厄介なイャンガルルガを対処するから他は任せたわよ!」

 

「子猫と裕斗は青い竜を迅速に倒して!私とアーシアとギャスパーは・・・きもちわるいあれの相手をするわ!」

 

「「了解!」」

 

「念の為に保険を掛けておくわ」

 

春は、美羅から事前に渡された発煙筒を焚いて保険を用意する事に。保険とは、黒か紅のどちらかが来て危険と判断した時に手を貸すという超便利アイテムである

 

「保険を何故最初から使わなかったの!?」

 

「いや・・・白野さんから前もって『状況が悪い時だけ使いなさい』って言われてたのよ」

 

「・・・そう」

 

何かを察したリアスは、それ以上の追及をせずに目先の敵へと集中して戦いが始まった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やぁっ!」

 

ズッドン!

 

塔城のパンチが、ゲリョスの腹部に直撃。だが、ゴムの様な皮をしているので、どうしても決定打にはならない。追撃で木場の攻撃が加えられるが、大きく暴れる事で皮に薄傷が付く程度・・・

 

「倒れる様子がないね」

 

「・・・ゴムみたいな皮が厄介です」

 

ですが、最初の戦闘で発光器官を潰しておいただけマシですね。最初の被害者は姫島先輩でした。・・・あれは酷かったです。だって、毒の液体を頭からぶっかけられたのです。回復薬と解毒薬を使って回復した姫島先輩が額に青筋を立ててドッカンドッカンと雷を浴びせても・・・はい。・・・ほとんど効果はありませんでした

 

「子猫ちゃん!」

 

「ッ!」

 

ゲリョスの尻尾が塔城を襲い、大きく吹き飛ばした

 

ゴム板で叩かれた様な痛さですね・・・打撃が禄に通じない。なら関節部を狙―――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

は?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブッチッン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

へぇ~、援護に来たのは黒先輩ですか~。傍にいるのは黒歌姉さまですよね?どうして居るんですか?私を心配して見に来たと思いますが、どうして黒先輩と必要以上にくっついて桃色な空気を作っているんですか?

 

ゲリョスの後方に目に入った二人の人影は、黒と黒歌の二人だった。だが、タイミングがいけなかった・・・いや・・・何も言うまい

塔城が吹き飛ばされた事に不安そうにする黒歌の手を、黒が両手で握り返して励ましている光景だったのだ。誰がどう見ても、戦場でイチャついているリア充である

 

「ふっ、ふはっ・・・ハハハハハハハハハハ!    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふざけるなああああああああ!

 

途端に塔城のオーラが爆発的に膨れ上がり、周囲に居た全ての生物の眼が向けられた

 

「イチャイチャイチャイチャと所かまわず桃色空間を作って!私は・・・私は!完全に怒りました!!」

 

オーラが更に輝いて金色へと変化し、髪が逆立ち金色へと染まった。・・・見た目が伝説の某野菜人そのまんまである。―――――――ドラグソボール?そんな子は知りません

 

「こ、子猫!?」

 

「い、一体何が・・・」

 

「子猫ちゃん・・・君は一体・・・」

 

「聖なるオーラ・・・ではないですけど、熱い激流の様な感じがします」

 

「うぇっ!?金色の戦士!?」

 

「おいおいおい!?どうなってやがんだこれは!」

 

うわぁ~、まるで伝説の超サ〇ヤ人みたい。・・・怒りから覚醒とかまんまそれじゃない

 

ズンッ、ズンッ、ゲリョスに向かって一歩一歩近づく"超"塔城。ゲリョスは今までとは違う相手の様子に警戒をしたが、今までの攻撃はほとんど効かなかった事から迎え撃つ選択をしてしまった。塔城に向かってとっし――――――

 

ズッドンッ!

 

目の前にいた筈の敵は何時の間にか胸元に立っていた。だが、敵の右腕は自分の胸部に深々と突き刺さっている。胸元から抜かれた腕を認識した瞬間に襲い掛かった激痛に、ゲリョスはのたうち回った

 

「うっとうしい」

 

塔城はゲリョスの顎をかち上げ、再び胸部へと無慈悲な追撃を加えて尻尾を掴んでジャイアントスイングか~ら~の、地面に叩きつけで終了。最早オーバーキルのその攻撃は、他のモンスター達の戦意を根こそぎへし折るには十分すぎる光景だった。フルフルとイャンガルルガは空へ羽ばたいてその場から離脱し、残ったのは唖然としている者達だけ

塔城は、倒したゲリョスを放置して、怒りの矛先をイチャイチャ二人組に向けた

 

「「ヒィッ!?」」

 

拳をポキポキと鳴らしながら歩いて近づく塔城に、小さな悲鳴を漏らしたイチャイチャ二人組

 

「修行の邪魔です。リア充はとっとと愛の巣へ戻ってください」

 

「「はい」」

 

「ですが、ただでは帰しません。二人には一発だけぶち込みます」

 

メキメキメキィと音を立てて拳を握り込み、準備万端のご様子。黒歌は顔を青ざめてガクガクと体を震わせる

 

「・・・よし、子猫ちゃん。俺が黒歌の分も引き受ける。二発来い!」

 

手を後ろで組んで黒歌の壁となる様に立った

 

「・・・そうですか。では、黒先輩ですので全力でぶち込みますが、覚悟は良いですか?」

 

「お腹だけは勘弁な?」

 

「大丈夫です。顔面にぶち込みますので」

 

「ふぅ・・・・・よっしゃあ来い!耐えてみせよう!!」

 

「野郎オブクラッシャー!」グォッ

 

ドッゴーーーーーーーーーンッ!

 

「バンナソカナァァァァァァ!」

 

左頬にすさまじい衝撃を受けた黒は、錐もみ回転しながら空を舞い上がった。塔城は、黒が吹き飛んでいる間に態勢を整える。足を大きく開いて上体を屈ませて、右拳に気を爆発的に集約する

 

「最初は、グー。・・・・・じゃんけん―――――――グー!」

 

自由落下で落ちてくる黒が、地面に激突する寸前で上体を起こして右拳を振り上げて振り抜いた。顔面の・・・真正面から受けた黒は、体を回転させて木々をなぎ倒しながら吹っ飛んだ。巨木すらもなぎ倒し、車線上に居たランポスの群れの殆どが轢かれて肉片となり、塔城の覚醒に逃走し、地面に降り立っていたイャンガルルガに直撃。砲弾よりもすさまじい衝撃を受けて、内臓の殆どが破裂して絶命。黒はイャンガルルガがクッションとなって、ようやく止まったのだった

 

「く、黒は大丈夫なのかにゃ!?」

 

「大丈夫ですよ黒歌姉さま。黒先輩はゴキブリ以上の生命力で、白野先輩の攻撃を受けても数日で回復しますから」

 

イッテェエエエエエエエエエ!

 

遠くから黒の正直な叫びが響き渡った事で、黒歌はホッと胸を撫で下ろした

リアス達は塔城の覚醒によって危機を脱した事で被害は最小限に留まった。自業自得な者も居たが、それはそれだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

私は今何をしているかって?ふっふ~ん♪なんだと思う?あ、分かんないよね。サクッと正解を発表しましょう!

 

「邪ンヌちゃんの体をキレイキレイしましょうね~♪」

 

「一人でも洗えるわよ!?」

 

「何事も効率効率♪特に背中は一人だと奇麗に洗えないでしょ?」

 

「ぬぐぐぐぐぐ!」

 

「レオもいっしょにはいる」

 

「うぇえええええ!?」

 

現在この浴場には、美羅とネルとジャンヌとレオナルドの四人が入っている。ん?レオナルドは男だからアウト?子供だから細かい事は気にするな!(※作者はレオナルドの年齢を6~7歳として設定しています)

 

「それにしても・・・青に緑に紫にピンク・・・いろんな色の浴槽があるわね。しかも浴場が広い」

 

「源泉を引っ張ってきたかいがあったというものよ!」

 

「・・・ほんっとうに何でもありなのね」

 

ネルに連れられてお風呂へと強制連行されるレオナルド。ジャンヌは土汚れが酷く、頭から洗い流す。シャンプーやリンスを使い奇麗にして、スポンジの様なふわふわした物で体全体の汚れを落としていく

 

「このスポンジって凄く柔らかいわね。一体何処で買ったの?」

 

「買ってないわよ。拝借しただけよ」

 

「拝借って・・・盗んだの?」

 

浴槽からジーっとジャンヌの持つスポンジ?を見つめるネルは一つだけ心当たりがあった

 

「あれおいしくない」

 

「は?」

 

「あれを食べたの?」

 

「まわりのふわふわがおいしそうだったから」

 

「えっと・・・ネルちゃんが食べたのはモンスター?」

 

「ネルはロアルドロスを食べたのね」

 

「ちょっと待ちなさいよ!これって生き物の一部なの!?」

 

あまりにもビックリしたのか、戸惑っているジャンヌ。美羅は「まぁまぁ」と落ち着かせて体を洗い流して、浴槽へと誘導する。ジャンヌは、これ以上追及しても答えないだろうと諦めておとなしく湯船に浸かり体を温める

 

「はぁ~・・・生き返るわ~。今までの疲れが吹っ飛ぶ様だわ」

 

「あ"あ"あ"あああああ~。五臓六腑に染み渡るわ」

 

「おっさんの様な叫びね。まぁ・・・この湯に浸かればそんな声を上げたくもなるわよね」

 

「こちとら雌豚のストレスが激しいのよ。しかも、他からもちょっかいが掛かってるのよ。誰だったかな~・・・?あっ、思い出した。ハゲーズとタルタルソースとエレボスとソックスの四人ね」

 

冥府の神ハーデスとギリシャの原初の神、タルタロス、エレボス、ニュクスが最近美羅を覗いているのだが、そのことごとくを邪魔して見れない様にしているのは美羅ならではだ。自称神(笑)はどうして覗けたのかというと、美羅が直接ボコるからせいぜい恐怖して待つがいいと宣戦布告を兼ねているのだ。一方で、自称神(笑)は美羅が転生者だと思い込んでいるのでボタンでどうにでも出来ると慢心しまくっている

話は戻って、美羅の予想だともうそろそろ直接干渉して来る可能性があるとの事。もしもそうなれば、ボコって調教し終えた後で馬車馬の如くパシリにする予定である。懸念としては、雌煌が真っ先に飛び出して殺さないかどうかの心配だけである

 

「そっちも大変なのね。まぁ、私は復讐の対象である悪魔と天使を殺すだけよ」

 

「関係者はリストアップ済みよ」

 

「仕事早いわね・・・」

 

「ささっと復讐を済ませて、青春を再び謳歌したいでしょ?」

 

「そうね・・・よくよく考えれば、テロ行為ばかりしていたわ。秘境でのんびり過ごすのも悪くないかもしれないわ」

 

ジャンヌの行動をリストアップして、一緒に楽しく過ごそうと計画を立てる美羅

 

「それじゃあ、お風呂を出たら行く?まずは天使の方を消し飛ばすのはどう?」

 

「行動早いわね。でも、嫌いじゃないわ!とっとと復讐してのんびりと過ごすわ!」

 

だが、今はゆっくりと体の底から癒すのが先決だ

体全体が温まった美羅達は湯船から上がり、タオルで体を拭いてバスローブを着て出る。そして、風呂上がりの水分補給として"ボコボコーラ"を右手に持って、左手は腰に当ててゴックゴックと飲む。シュワっと口の中で炭酸が弾け、スーッと鼻を通る独特な匂いと風味

 

「ぷはぁ~。お風呂上がりにはやっぱりこれが良いわね」

 

「お風呂上りのコーラって美味しいわね」

 

お風呂上がりのドリンクも飲み終え、衣服と鎧も身に着けたジャンヌは、気持ちを切り替えて心の底から湧き上がる憎悪を押さえつける。美羅の方は、冥界と天界のトップ達に一方的に要求を言い放っている模様。何やら反対の声が上がったりするが、『全て消すよ?』の一言で何も言わなくなったので通信を切った

 

「怒涛の勢いだけどとっとと終わらせるわよ。先ずは天界から!畜生は消毒に限るよね♪」

 

「天界・・・あのクソッたれな自己中心達には情け容赦無く燃やし尽くしてあげるわ!」

 

「ん~。色々と面倒になる前に直通で行っちゃおうか」

 

美羅は少し考えて、リストアップ達の場所へ直接転移する事に決めた。ジャンヌの片手を掴んで、天界へと転移して行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ジャンヌside~

 

あいつ・・・美羅に連れられる様に転移した私。目の前には煌びやかな光景、・・・教会とかそういった綺麗なやつよ。いきなり現れた私達を見て呆然としているけれど、その集団の中に見た事のある天使が数人居たわ。そう、あいつらが私を・・・村の皆を洗脳して私を捕まえようとした奴等だ

 

ジャンヌは、少しだけ俯いて胸の内に復讐の炎を滾らせる

天使達は、いきなり現れた美羅達に驚いたものの直ぐに落ち着きを取り戻す。そして、悪魔や天使や堕天使の様なオーラが感じられない事から、人間と判断して見る目を変える。その眼は、まるで道具の様な・・・使い勝手の良い駒としか考えていないものだった

美羅は、そんな事知らんぷりで手に持っている資料を見て数を数えている

 

「え~っと・・・あれと、あれと、あれと・・・それね。合計四人―――――今からジャンヌちゃんにぬっ殺される鳥です。私が指差した者は分かるよね?人を、人間を使い勝手の良い道具として手に入れようと画策した愚か者」

 

冷めた目で彼等を見る美羅。しかし、天使達は自分たちが偉く、人間が手を出す事はありえないと思い込んでいる様子だった

 

「人間が何故この天界に居るのかは分かりませんが、不敬ですよ。この場所は神聖な場所―――――資格すら持たない貴女達は禁を犯しているにも等しいのです」

 

「天界の裁きにてそれ相応の対応を取らせて頂きますよ?」

 

「ふむ、一人は聖剣の担い手になれそうですね。どうですか?もう一人の人間の罪を無くす代わりに、貴女が戦士となるならば神は不敬を許される事でしょう」

 

酷い言葉ばかりである。特に最後、聖書の神は居ない事を知っているのにそれを言い出すのはおかしすぎる。その言葉に美羅はつい本音が漏れる

 

「いやいや、聖書の神って死んでるのに不敬を許されるとか―――――ブフッ!」

 

神を笑う―――――不敬を通り越して許される事では無い。天使達は殺気立たせて美羅を睨み付けるが、本人は飄々としている。何故なら、これから始めるのは蹂躙だから。俯いていたジャンヌは途方もない殺意を周囲にまき散らせて天使達を睨み付ける

 

「私が天界の戦士?ハッ、笑わせんじゃないわよ!お前達が私に・・・私の村の人達を洗脳した事は決して赦さない!聖剣を創る神器を持っているから保護が必要?ふざけるな!人間を道具としか思っていないお前達がそんな気遣い等出来得る筈が無い!優しかった村の皆が一夜もせずに私を憎んだ!何よりも、そこで薄ら笑いをするお前達が村の皆の頭に手を置いて豹変させた現場を私は見た!赦さない。赦さない赦さない赦さない赦さない赦さない赦さない赦さない赦さない赦さない赦さない赦さない赦さない赦さない赦さない赦さない!お前達は殺す!今ここで!!バランスブレイクッ!!」

 

漆黒の鎧と黒炎のバトルドレスを纏い、一振りの簡素な剣を持って相対する。天使達から見れば醜い物だが、美羅はパシャッパシャッとス〇ホのカメラでその雄姿を撮影している。・・・ハッキリ言って美羅の行動が全てを台無しにしているが、ジャンヌの視線の方向は唯一つだ

 

「醜いですね。やはり、人間とは愚かしい」

 

「全くもってその通りですね」

 

「姿形が変わったとはいえ人間。人間では天使に太刀打ちは出来ませんよ」

 

目の前に居る天使達は口々に、"人間は~"等と言う。ジャンヌは無視して、対象の天使を一人に手を向けて憎悪を向ける

 

「我が憎悪は消えず、全てを焼き尽くす。    消えろッ!」

 

開いていた手を握り込むと、向けられた先に居た天使に大きな黒炎が飲み込んだ。声を発する間も無く炭となった天使。同胞が消え失せた事に呆気にとられた一同に向けて、ジャンヌは手を上げる

 

「黒炎よ、槍の処刑台となり降り注げ。     貫けッ!」

 

もう一人の天使の頭上に黒炎の槍が数本顕現、ジャンヌの手を振り下ろしを合図に一斉に降りそそぎもう一人を貫いて燃やし尽くす。ようやく己達の状況を理解した天使達はジャンヌを危険視して空に飛び立ち、光の槍を投擲して攻撃する。しかし、憎悪の炎で包まれたバトルドレスと聖剣で創られた鎧を纏っているジャンヌの前では無力だった。触れた瞬間、光の槍は弾かれて黒炎が燃やし尽くしたからだ

ジャンヌは標的を指差して、対象外の天使達に警告の言葉を発する

 

「私の標的はあれと、それの二つよ。これ以上邪魔をしなければ殺す事はしないわ。だけど、これから一度でも攻撃してきたのであれば――――殺すわ」

 

途端、バトルドレスの炎が激しさを増して周囲を威圧する。黒く、熱く――――燃え散る火の粉ですら危機感を感じた天使達。関係ない者達は、無意識に標的となっている天使達から離れた。当人は、ジャンヌの眼光に貫かれて動けずに震えている

 

「そう、ならば見ているがいい。この炎は狼煙だ!村の皆を洗脳した罪をその身で贖え!――――憤怒の柱(ジ・ザイル・ディスカルズ)!!」

 

ジャンヌの号令と共に、地面から天に昇る黒炎の柱が噴き上がって対象の天使を飲み込んだ。この炎柱こそ、復讐の狼煙の合図だ。天界で唐突に発生した炎柱を見た天使達は、その場へと集う。本当は対象だけを殺して大事にはしない目的だったのだが、ぶっちゃけて言うならば一ヵ所に集めて当人を処刑する方が断然早い。美羅はジャンヌを見ているだけで、何も言わないし行動にも移さない。いや・・・行動はしているのだが・・・・・写真の次は動画を撮っている

沢山の天使達が空を飛んで二人を包囲。それと・・・騎士だろうか?整った装備を身に着けた者達は地上を包囲している。すると、奥から一人のお偉い天使――――ミカエルがやって来た。だが、空を飛んでのご登場・・・

 

「さて、白野さん。事前に連絡を入れられたとはいえ、これはいささかやり過ぎでは無いでしょうか?それに、そちらの女性は・・・」

 

「空から見下ろしながらの対応ねぇ・・・。どうしよっかな~、ジャンヌちゃんがピックアップ対象者を燃やしたら"ここ(天界)"を消そうかな~?」

 

片手に小さな赤雷を発しながらミカエルの方を見ると、冷や汗を垂れ流しているご様子。美羅に睨まれた事で、一旦地面へと降り立ったミカエル。しかし、美羅達の態度に納得していない騎士達がちゃちゃを入れる

 

「おい貴様!ミカエル様が地面へと降り立たれたのだ。地に膝を付いて頭を垂れろ!」

 

「あ、こいつあの天使達と一緒に従事していた奴」

 

「燃やしちゃえ♪」

 

美羅の返事を待たずに即座に実行するジャンヌ。騎士?の悲鳴を上げる間も無く燃え尽きた光景を見て、怒り心頭な者達が殆どだった

 

「白野さん。貴女達は何をしたのかご理解していますか?」

 

「理解してるけど、何か問題でもあった?」

 

「殺された者達は天界所属の者達―――――つまりは、宣戦布告という事です。三勢力全てを敵に回す事と同義ですよ?」

 

だがここで、ジャンヌが声を張り上げて異を唱える

 

「だったら、お前達は人間全てを敵に回しているも同じじゃない!」

 

天使に運命を弄られ、悪魔に蹂躙された者の叫びだ。だが、この場に居る者の殆どが神様至上主義

 

「不敬な!貴方達人間は、神に奉仕する事が使命なのだ!」

 

「神に選ばれなかった者達が悪いのだ!」

 

騎士?となった人間達が神様神様と吠える。しかし、美羅は気になる点が一つだけありつい口漏らす

 

「えっ?神様って誰の事?」

 

『聖書の神様だ』

 

「痛い、こいつら痛すぎる!死んでいる存在をずっと信仰しているなんて・・・」

 

『主が死んだと?冗談でも不敬であるぞ!』

 

「いや、烏の総督とシスコン赤髪の魔王達が口を揃えて死んでいるって言ってたわよ。しかも、神話勢のトップ達も聖書の神死んだーって言ってたし・・・何?もしかして、真実教えずに運営しているの?うわぁ~、天界って鬼畜集団なのね。詐欺に人権侵害なんて堪ったものじゃないわ」

 

「私は"元"禍の団の構成員だから、聖書の神が死んでいる事はいろんな奴から聞かされているわよ」

 

騎士達は驚愕の表情をしながらミカエルを見る。彼等は直接答えを聞きたいのだろう。ミカエルは普段通りの表情で、真実を告げた

 

「白野さん達の言う通り聖書の神は死にました」

 

ミカエルの言葉を聞いて、騎士達は絶望して地に膝を付いて「嘘だ・・・嘘だ・・・」「主が死んでいる?そんな・・・」等と絶望をしている。だが、ミカエルは新たに告げる

 

「しかし、その身をシステムとして捧げられ天界が存続出来ているのはその為です」

 

騎士達はハッと顔を一斉に上げてミカエルを見つめる

 

「主は貴方達の心に居るのです。信仰は裏切る事はありません―――――神は何時までも貴方達を見守っています」

 

要は、自分の信仰心が重要だとミカエルは宣言した。騎士達は「そうだ・・・この信仰は偽りでは無い」「主を信じる心こそ大切なのだ」と言い出す始末。美羅は溜息を吐き、ジャンヌは標的の天使と騎士を見つける

騎士達も回復したところでミカエルは美羅の方に振り返ると、ジャンヌに邪な目を向けている美羅の姿を無視して最重要――――何故殺したのかを再度問いただす

 

「さて・・・宣戦布告等と言いましたが、これだけは素直に答えて下さい。何故、天使と騎士を殺したのかを」

 

「私のジャンヌちゃんは、天使達に運命を狂わされて悪魔に蹂躙された村の生き残り。要件とはお礼参りって事よ。まさか、大多数の村の人間を洗脳した事を問題視しない様なら―――――そのお顔を凹ませちゃうぞ♪」

 

「・・・証拠はありますか?」

 

「あるよ~♪あ、証拠を見せても良いけど殺しを撤回するつもりは無いから。どうせ、天界の法をもって罰するとかだと死なないじゃん?大多数の人を死の運命へと誘ったんだから」

 

美羅は、ジャンヌの頭に手を置いて記憶映像を頭上に映す。周りの騎士や天使達もその映像を見ると、ジャンヌが見てきた物が全て流れる。無論、音声もばっちりで、当事者達は顔を青ざめさせているが否定の声を上げる

 

「ミカエル様、あの映像は偽装されています!我々はこの様な下劣な行為など断じてしておりません!」

 

「騎士である我らもあの様な行為は絶対に致しません!」

 

ミカエルとしても、他人の記憶から映像化等という行為など見た事も無いので直ぐに判断出来ない。もう少し情報を精査して結論を出そうと決めるが、美羅がもう一手切り出す

 

「早くしてくれない?前例が無いって言うなら、シスコン赤髪にでも連絡を取れば・・・いや、それじゃあ遅い。その間に逃げる可能性もあるし、追いかけるのもめんどくさい。だがしかし!こういう時に役立つのがアザゼル印の魔力遠隔通信機~♪便利そうだったから貰っちゃったの(貰う=奪った)。しかも、相手先はよく連絡を取る赤髪のメイド!てなわけで、プルプルプル~っと連絡」

 

会話を全員に聞こえる様にスピーカーモードにする美羅。連絡から数秒してグレイフィアが出た

 

『あの・・・白野様、念話でもよろしいのではないでしょうか?今現在、黒歌様の一件について事後処理で忙しいのですが』

 

すると、グレイフィアの声に被る様にサーゼクスの忙しそうな声が響いていた

 

『グレイフィア・・・彼女と仲が良いのは良い事なのだが、こちらを手伝ってくれないかい?ホント・・・手伝ってくれ。リーアたんから報告された過去の記憶を追体験、映像化する事のとんでもなさも説明するのが難しいんだ。・・・助けて』

 

この様子から、叩けば叩く程悪事が出てきているのだろう。そして、美羅の規格外っぷりを説明する事が難しいとの事だ。だが、スピーカーモードだった為ミカエルにその声が聞こえている。ミカエルはこちらからの声が聞こえるのかを美羅に尋ねると

 

「あ、そっちもスピーカーモードにして。シスコン赤髪と話したい奴が居るのよ」

 

『この側面にあるスイッチでしょうか?』

 

「そそ」

 

カチッと音が響いた事でスピーカーモードとなったのだろう。これで当事者達の逃げ場は完全に消え失せた事に他ならない。処刑までもう少し・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




布団「スランプが襲い来る。ある程度の展開は考えたけど、そこに行くまでの道のりが真っ暗闇です・・・。きちゅい・・・ゴールしたいよぉ」※マジでこう思っています







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第70話 目標を討伐完了!

布団「やっと書けた」
ミラ「まってたよ?」
折檻部屋<オッス
布団「慈悲は?」
ミラ「無いよ?」
布団「やってやるよおおおおおお!」

こうして布団は折檻部屋へと連行されました













~美羅side~

 

さてさて、シスコン赤髪と詐欺天使のお話も終わったから良いよね?・・・あ、当事者が逃げようと忍び足で移動してる。指を向けてからの、ビリビリッ!

 

サーゼクスとミカエルの情報共有の最中に、忍び足で逃げようとした奴等に人差し指を向けて電撃を放って動けなくする。人が多い中でいきなり倒れ落ちる者達。何事!?と周囲の者達が崩れ落ちた者を一目見て、スッと一歩離れる。周囲の巻き添えは御免だと言わんばかりの意思表示に、手を伸ばして助けを乞おうとする。しかし、手を伸ばされれば、その分だけ離れられる

ミカエルもその様子に気付いており、どうするかを決めあぐねている。だが、サーゼクスから助言が告げられる

 

『諦めも肝心だよミカエル。美羅さんを敵に回す行為は避けるべきだし、今回の出来事は美羅さんの傍に居る彼女が被害者だ。あ、因みにこちらに知らせて頂いた悪魔達は一ヵ所に集めているから大丈夫だよ。彼等は裏で色々と犯罪行為に手を染めていたからこちらとしても都合が良かったよ』

 

「白野さんの力は正しいという事で間違いないのですね?」

 

『ミカエル、何度も言っているだろう?美羅さんは理不尽な存在だが、無意味な行動をする人じゃないさ。本音を言ってしまうと・・・他の悪魔達の記憶を覗いて欲しいけど、彼女は絶対に首を縦には振ってくれないのは理解しているよ。それどころか、とんでもない何かを要求される事は確実だろうからね。それから、これは忠告だ。彼女が自身の手で処刑をすると言っているのであれば、素直に引き渡した方が身のためだよ。これは本来オフレコにしなければいけない程だが、敢えて言わせてもらおう。アザゼルがオーディンから聞いた話では、"神話勢力が束になっても勝てない"と言ったそうだよ』

 

サーゼクスの言葉に、その場に居た全員が美羅に視線を向ける。美羅は、痺れさせた者達の片足を持って一ヵ所に引きずり込んでいる

 

「分かりました。色々と助言を有難う御座いますサーゼクス」

 

『気にしないでくれ。僕は思った事を素直に言っただけさ』

 

サーゼクスとのやり取りが終わり、ミカエルは当事者達に一瞬だけ視線をやって美羅に戻す

 

「サーゼクスからの証言は恐らく正しいでしょう。よって、この者達は天界より追放致します」

 

前例の無い追放宣言に周囲の天使や騎士達はザワついた。一方で、同時者達は驚愕を露にしている

 

「ミカエル様!私達は、その様な事は一切致しておりません!!」

 

「あそこに居る人間が悪魔を諭したに違いありません!どうか御一考を!!」

 

往生際が悪いのなんの。だが、ミカエルの追放宣言が出た事で動く二人。当事者達を横一列に並べて、全ての者達に見える様に組み敷く。これから始まるのは処刑だ。彼等が何を犯したのかを知らしめ、忠告の意味を込めてのものだ。ジャンヌは天使や騎士達に向けて声を大にして叫ぶ

 

「これはお前達の罪過の一つ。知らなかったから、知らされていなかったから――――――そんな事は関係無い!これはお前達の罪だ!聖剣計画・・・人を贄としたその果てにあったのは大量殺戮だ!狂った者達の叫び声を聞いた事がお前達にあるか?助けを求める声を聞いても助けたか?――――否!断じて否だ!!助けようと思った事があったのなら、手を差し伸べた筈だ。だが、その声は何一つ無い!これは見せしめの一つだ!お前達の心に杭を打ち込み、一生忘れさせないものだ!聞くがいい!己達の罪過の声を、叫びを!これは人々の復讐の炎だ!!」

 

ジャンヌは剣を天に掲げて、黒炎を蛇の様にうねらせる。黒炎の蛇は、ゆっくりと当事者の一人に近づき、口を大きく開けて足から飲み込む。ジュっと肉の焦げる音と同時に絶叫が天界に木霊する

 

「ぐ、ギ!?ギアアアアアアアアアアアア!アヅイ!アヅイアヅイアヅイ!」

 

徐々に足から体を焦がす黒炎。火刑の様に見えるだろうが、実際はもっと酷い。煙で呼吸が難しくなる事は無く、只々熱に焼かれる痛みと、足から感覚が無くなっていくだけだ。気を失わせる事はしないゆっくりとした処刑は、恐怖を大きくさせていく

 

「こ、殺して!もう殺してくれえええ!!」

 

永遠と感じる様な痛みに耐えれずに一気に殺してくれと懇願するが、ジャンヌはそれを一蹴する

 

「私は、お前が何をしたのか知っているわ。私の・・・私を渡す事を拒否していた両親を這い蹲らせ、ゆっくりと洗脳した事を!神器が発現していなかった私は無力で何も出来なかった。物陰に隠れて両親の狂う姿を見ていた。父さんの変貌を見た母さんの表情は今でも鮮明に思い出せる!母さんは泣いて・・・泣きながら止めてと懇願しても、お前は主の為と言って無感情でゆっくりと変えていった!これは復讐だ!徐々に消える様を感じながら死ぬがいい!!」

 

ジワジワと焼き尽くす蛇・・・太腿まで焼いた次は、左腕―――右腕と順に焼いて行く。ジャンヌは、ダルマとなった当事者を仰向けにして蛇を腹部に向かわせてねじ込んだ。熱い何かが体内に侵入する恐怖と熱の痛さに発狂して完全に壊れた所で一気に燃やし尽くす。灰も残らず燃え尽き次の標的へと視線を向けると、当事者達は「助けてくれ」「赦してくれ」と懇願している

 

「大丈夫、お前達は手早く済ませるわ。但し、一人ひとりだけれど」

 

ゴミを見る目で見下ろして一人の首の上に黒炎の刃を作り出す

 

「我が憎悪の叫びと共に運命を狂わされた者達の一撃―――――黒き咆哮の狂乱(スラッズ・ブレン・ラズィル)!」

 

断頭の刃が落とされ、一人の首が焼き切れ落ちる。続く様にもう一人、もう一人と続き、最後の輩は泣き叫びながら切り落とされた。最後は、脳裏に焼き付いたあの光景を再び―――――

 

「これは憎悪によって磨かれた我が魂の咆哮――――吼え立てよ、我が憤怒(ラ・グロンドメント・デュ・ヘイン)!」

 

首無し死体と頭は、黒炎の槍に突き刺さって天高く掲げられ、業炎によって焼き尽くされた

誰もが恐怖した。人間を道具として――――"運命を狂わせた者にはこれが待っているぞ"と錯覚させるメッセージ。天界での一仕事を終えた美羅とジャンヌは、周囲に何を言う事も無く冥界へと転移して行った

悪魔達はどの様に殺されたのかって?四肢を燃やして逃げられなくして、コウモリの羽を引きちぎってデュ・ヘインで同じ末路を辿ったのである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~一誠side~

 

「ぐべらぁっ!?」

 

「ぶへぇっ!?」

 

ディアブロスと戦闘中の五人。一誠と美猴が、尻尾のハンマーに直撃して弾き飛ばされる。一誠は籠手、美猴は如意棒で防いだが、両方共に亀裂が入る

 

「おいおいおい、如意棒にヒビ入れるとかどんだけの力だよ!」

 

「ふぅ~、俺生きてる~」

 

美猴の武器は修復不可能だが、一誠の籠手は別だ。直ぐにヒビは直り、元の状態へと戻る

 

「どっりゃあああああ!」

 

後方を見ているディアブロスの横っ面に向けて、俊屋が大剣の打ち上げを振りぬいた。甲殻と刃の当たった鈍い音が響き渡り、少しだけディアブロスの顔が跳ね上がった

 

「おお!俊屋の一撃が効いています!」

 

「この木の実を食べると力が湧く・・・行くぞ!」

 

怪力の種を食べ、強化したヴァーリが突貫する。跳ね上がったディアブロスの顔面を殴り、条件を満たした

 

『Divide!』

 

「!?」

 

ディアブロスは、いきなり自分の体力が半減した事に驚愕して膝が落ちる

 

「今だ!畳み掛けろ!!」

 

ヴァーリは飛び退き、一誠と俊屋と美猴の三人が懐に飛び込んで合わせて攻撃する。三人同時の攻撃の威力は凄まじく、大きく後方へと弾き飛ばす事に成功した

 

「どうだ、見たか!」

 

「やっと大きな傷を付けれたな」

 

「ナイスアシストだったぜいヴァーリ!」

 

「俺自身も攻めたかったが、これは協力戦だ。ある程度は我慢するさ」

 

「ですが、未だ仕留め切れていませんので注意は必要です」

 

臨戦態勢は解かずにディアブロスの様子を見ていると、ゆっくりと体を起こしており、明らかに弱っていると判断したヴァーリと美猴が襲い掛かる。しかし、ディアブロスの様子が先程までとは違って口から黒い煙を吐き出していた

 

「っ!?ヤバイ!二人共逃げろ!!」

 

俊屋の声を聞こえたのは良かったのだが、二人は反応が遅れて轢かれた

 

「何ッ!?グハァッ!」

 

「ちょっ!?ゲハァッ!」

 

ディアブロスの突進は止まらず、そのまま一誠達に直進していた

 

「嘘ですよね!?」

 

「一誠任せた!」

 

「おう!」

 

一誠は、俊屋の声に応じて雷狼の戦鎧を即座に纏って、アーサーの首根っこを掴んで素早く移動。俊屋も、緊急回避みたく横へ飛び込みながら避ける。通り過ぎたディアブロスが突進の減速で両足で踏ん張るが、勢いは強く、スケートの様に地を滑る

 

「あっぶねぇ!ドンナーウルフを習得していなかったら二人の様に轢かれていたぜ・・・」

 

「た、助かりましたよ赤龍帝。あのままだと、真正面から激突する羽目になりました」

 

「大丈夫か二人共!?」

 

俊屋が二人に状況を聞くと、片膝立ちでダメージが酷い事が見て取れた。二人は調合した回復薬を飲んで立ち上がるが、轢かれた衝撃で足元がフラフラしている

 

「ゴホッゴフッ!・・・・油断していた。まさかあれ程まで早くなるとはな・・・」

 

「俊屋の言った通りだが、体感だと三倍ぐらい早いぜ」

 

「とにかく、直撃だけは駄目ですね」

 

ヴァーリ達の体勢が整うまで、一誠と俊屋がヒットアンドアウェイの攻撃をする事で時間を稼ぐ

 

「俊屋と赤龍帝の連携は流石だな。俺達よりも動きに無駄がない」

 

「歴代最弱だった筈なんだが・・・」

 

「成長速度と伸びしろがあるという事ですね。見て下さい、あの四肢のゴツい鎧を。この環境下で適応する為に進化したと直ぐに分かります」

 

戦鎧を装着した一誠の動きは素早く、野生の獣に近い動きだ。しかも、倍化によりステータスの上昇と技能の補助で一時的とはいえ、ディアブロスの突進を真正面から受け止める事も出来る。だが、怒り状態の突進は無理である

 

「よし、回復薬の治癒も終わった。美猴、俺達も戦線に戻るぞ!」

 

「了解だぜ!アーサーは引き続きサポート頼むぜい」

 

「分かっていますよ。今度は俊屋達の方に行きます」

 

ヴァーリ達も戦線に復帰すると同時に、ディアブロスのスタミナも落ちて動きが遅くなる。一誠と俊屋は、アーサーからの支援で回復と武器の補強で再び戦線へと復帰してちまちまと攻撃して確実にダメージを与える。すると、目に見えて変化が現れた。ディアブロスの怒り状態の頻度が増したのだ

 

「クソッ!また怒りやがった。皆注意しろよ!」

 

「赤龍帝に言われなくとも分かっている」

 

「とにかく回避だぜ」

 

全員が回避一択だが、俊屋は冷静に状況判断をして否定した

 

「いや、チャンスだ。ディアブロスの怒りの頻度が増したという事は、それだけ敵を早く倒したいからだ」

 

「ん?って事はあいつはもうすぐ死ぬのか!」

 

「なんだと!?・・・確かにこれ以上の長引きは集中力を欠かせる可能性もあるな」

 

「んじゃあ、いっちょ行きますか!」

 

ディアブロスの猛攻を避けながら、攻撃する事を決断した

 

「俺が限界の倍化で真正面から抑える。皆はその隙に攻撃してくれ!」

 

「一誠頼むぞ!」

 

「赤龍帝(笑)が赤龍帝となる日か」

 

「覚悟完了・・・んじゃあ任せるぜ」

 

俊屋は巨大な岩を登り、ヴァーリと美猴は一誠から離れた。一誠は、自身が耐えうる限界の倍化を行使。真正面に佇むディアブロスを挑発する様に、両拳を叩いて叫ぶ

 

「来い!!」

 

前傾姿勢で足に力を入れて相対する。ディアブロスは一誠に向かい突進、一誠も倍化の加速を用いて突撃。本来ならディアブロスに負ける一誠だが、今は手負いで死に体にも等しい。戦い始めよりも明らかに弱っている事を見抜いていた一誠は、突き出される角を両手で掴み押し返す。ディアブロスと一誠の押し合いは拮抗しているが、徐々に一誠が押され始める。しかし、これは協力戦だ

 

「だりゃっしゃあああああああああああ!」

 

俊屋の叩き切りとヴァーリと美猴の攻撃が両角の根元に直撃。ディアブロスの角は砕け、ヴァーリと美猴のかち上げの衝撃で大きく仰け反った。懐ががら空きになった所を、加速した一誠が飛び込んで拳をぶつけ―――――

 

「アスカロン!」

 

胸部に突き立てた拳から剣が伸びて、心臓部を串刺しにした。だが、ディアブロスが最後の足掻きで暴れて一誠達を吹き飛ばした。その衝撃は凄まじく、アスカロンは根元から砕けてしまった

翼爪に一誠が、頭の振り上げで俊屋が、尻尾にヴァーリが、足に美猴が直撃。全員武器や鎧で防いだものの、砕け散ってしまった。だが、心臓を潰されたディアブロスの足掻きも終わり、大地に崩れ落ちて動かなくなった

 

「痛ってぇ・・・この鎧が砕けるなんてどんだけの力だよ」

 

「いっつつつ・・・って、ううぇえええええ!?大剣が半ばからへし折られたあああああ!」

 

「ぐっ、回復薬を・・・」

 

「如意棒もへし折られたってばよぉ・・・」

 

「皆さん、回復薬です!ダメージを負ってなくても飲んで下さい」

 

アーサーから渡された回復薬を飲んで、一誠がアイテムポーチをディアブロスに近づけると、その巨体を呑み込んだ

 

「アイテムポーチに入ったって事は、完全に死んだか」

 

「ぶはぁあああああ~。白野さんがスパルタなのは分かっていたが、ディアブロスはキツイ。だが、今回のサバイバルの目標を討伐出来たのは嬉しいな!」

 

「あぁ、そういえばこいつが目標だったな。ふっ、強かった。ここまで生き生きした戦いは久しぶりだった」

 

「疲れる事はあっても、立てなくなる程疲れるのはなかったぜい」

 

「私は今回お荷物でしたね」

 

「武器が折れていたからしょうがないさ」

 

『むぅ・・・相棒が未だに禁手に至らないとは・・・・・理由は何だ?』

 

『この戦いならば至れる筈なのだが・・・原因は分からんな』

 

そう、一誠は禁手に至っていないのだ。美羅の予想では、禁手に至っても良い位の強さだと踏んでいたのだ。しかし、現実は違っていたのだ

 

「んあ~!部長のおっぱいを突きたい!!」

 

「一誠・・・お前なぁ・・・・・」

 

『良くも悪くも相棒だな。正直、その煩悩が無ければ良いのだが・・・』

 

「おっぱいは至高なんだ!」キリッ

 

「はぁ~、赤龍帝のその欲望を満たしたら禁手に至るかもしれないな。まぁ、冗談だがな」

 

ヴァーリの冗談交じりで呟いた。だが、この物語を知っている俊屋からすればさっさと実行に移せと言いたい。だが、美羅からの忠告から物語の内容に付いては言わない様にしている

 

「しかし、赤龍帝の成長速度は異常だな。このまま行くと(笑)は付けれないな」

 

「あ~、一誠の成長速度と幅って凄いもんな~。本当に数ヵ月前まで一般人だったのか?って言いたいわ」

 

「このままの勢いで成長すれば、歴代最速(成長)の赤龍帝って呼ばれるかもな」

 

「嫌だぁ!そんな二つ名かっこ悪すぎる!」

 

一誠について冗談交じりで笑いながら弄る四人。すると、ドライグへと美羅の伝言が届いた

 

『お喋りもそこまでだ。ついさっき美羅からの伝言が届いたぞ。武器を造って欲しいなら、とっとと持って来いとのお達しだ』

 

『ディアブロスだったか・・・あれ程の硬い甲殻で造られる武器となれば、壊れる可能性は低いだろう』

 

「俺の大剣も半ばから折られたからなぁ」

 

「俺っちの如意棒もへし折られちまったしなぁ~」

 

「個人的には剣が良いのですが・・・あのゴツイ物が剣になるのでしょうか?」

 

「ばっかだなぁ~。一旦美羅先輩の所に戻って、仮の武器を持って素材を手に入れるしかないだろ」

 

「だな。流石に武器が壊れた状態での素材ツアーをやりたくねぇ」

 

「素材ツアー・・・確かに言い得て妙だな」

 

「素材があれば俺っちの如意棒も直るのか?」

 

『出来るそうだが、一旦戻って来いとの事だ。―――――ふむ、良かったな相棒。今回のサバイバルの目標を達成したからのんびりとサバイバルをしても良いとの事だ。だが、体が鈍らない様に中型~大型のモンスターを狩れとの事だ。モンスターは指定すると言っているぞ』

 

「あぁ、うん。知ってた」

 

「当たり前の判断だな」

 

「新しい武器か~、ちょっとワクワクしてきたぜ」

 

「私もですよ。あのディアブロスでしたか?コールブランドが折れる程の硬い甲殻を贅沢に使用した一品・・・心が躍ります!」

 

「俺っちの如意棒はごつくなるんかねぇ~?」

 

「俺には無いのか?」

 

「鎧があるだろ?」

 

「ふっ、解せぬ」

 

こうして、ディアブロスを討伐した一誠達は、美羅が居る別荘へと帰還する事となった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ジャンヌside~

 

ふぅ~、綺麗サッパリしたわ。心の内で燃え盛るどす黒い炎は未だに消えないけど、それでもやりきったわ。でも、なんだろう・・・この虚無感は・・・・・。村の皆の仇だったあいつらを殺したのに心に満たない何とも言えないこの感覚は・・・

 

自分の両手を見ながら、どこか虚しそうにしているジャンヌ。天使と悪魔を処刑して、別荘前に帰還した瞬間に体感する何か―――――全く分からない。例えるなら、広大な広場にたった一人だけ真ん中に立ち尽くす感じだ

 

「なんで・・・どうしてこんなに虚しいの?」

 

「ん~、復讐したところで帰ってくる人は居ないって事だからかな?」

 

「・・・何時後ろに居たのよ」

 

「ジャンヌちゃんが両手を見ていた時から」

 

「それってほとんど最初からじゃない!」

 

「それで、どうだった?」

 

「・・・分からないわよ。ただ虚しいだけよ」

 

復讐をした。だが、終わってしまえばなんて事も無い。禍の団に居た時は、人外共を根絶やしにしたい位憎かった。だが、復讐対象だけに絞って殺した後に残ったのは虚無感と無関心。復讐対象以外の天使や悪魔等は、本当にどうでもよかったのだ

 

「復讐は何も生まないっていうのは良い得て妙なのよね~。でもね?一族や種族を滅ぼしたら滅ぼしたで、危険対象という事でずっと狙われるわ。そういうのは嫌でしょ?」

 

「・・・そう・・・ね。今はどうでもいいと感じているけど、冷静に考えればそうなのね」

 

「滅ぼしたら復讐対象者と同じ畜生に身を堕とすのと同じなのよ」

 

「畜生・・・ね」

 

「後は獣かな?本能の赴くままに破壊で快楽を得る輩は世界の害にしかならないの」

 

「獣にまで堕ちる事なんて無いわよ」

 

ジャンヌは空を見上げて、畜生や獣に堕ちた自分を想像して吐き気がした

 

「あぁそれと、ジャンヌちゃんの近くに畜生や獣は居たのよ?」

 

「はぁっ!?えっ・・・誰よそれ?」

 

「ほら・・・もう一人の赤龍帝のチームの輩達よ」

 

「いや・・・確かに私に欲情の眼を向けていたのは分かっていたわ。でも、獣にまで堕ちている奴なんて居るの?魔術に特化したゲオルグ・・・・・貴女が最初にぶっ飛ばしたメガネの男ね。あいつ以上に魔術キチの男も居たけど、そこまで堕ちてはいなかった筈だけど」

 

「あれ、そうなの?まぁその男以外の奴等は本当に畜生や獣なのよ?マッチポンプって分かるわよね?」

 

「その位分かるわよ。・・・ん?もしかしてそういう事やってたの?」

 

「気付かれない様に集落の近くに害悪を振りまいて、その害意を自分達で取り除く。その後は、肉欲とか殺人とかをやっているのよ」

 

「いやいやいや、悪魔や天使がやっているよりも質が悪くて酷くない!?」

 

美羅からもたらされる情報に頬を引き攣らせながらドン引きするジャンヌ。ありえないかもしれないが、自分が獲物になった可能性を考えるとゾッとする

 

あいつらって何なの!?いや、本当に何なの!?私を肉欲目的で狙っていたのは分かったけど、美羅が言っていた事が本当だったらヤバイでしょ!畜生以下の人外達もあれだけど、あいつらの方を駆逐した方が世界の為と言った方が良いわね。・・・・・まぁ、今はほとんど関係ないだろうけれど

 

ジャンヌは、最初は色々と焦りはしたが今はもう関係ないと割り切る。すると、美羅が何かに気付いた様に葉っぱの色が違う木々の方へと視線を向けた

 

「どうしたのよ」

 

「帰って来たのよ」

 

「誰が?」

 

「ん~?おっぱい星人と戦闘狂と剣マニアと常識人?」

 

「何その濃い面子」

 

うげぇっと顔をしかめるジャンヌ。すると、茂みが揺れて、五人の男達が現れる

 

「美羅先輩~、俺達やりました!」

 

「あれがおっぱい星人だから気を付けてね?」

 

「良かったな一誠。これで初対面の女性からドン引きされるぞ」

 

「あぁ、露骨に視線が胸に向いてる奴ね」

 

「酷い!?」

 

漫才をしつつ美羅の元へ近づいていると、見た事のある三人に呆然とする

 

「は?あいつらって禍の団じゃない!どうしてここに居るのよ!?」

 

「ん?・・・あぁ、曹操の所に居た女か」

 

「おいっす~、お前も禍の団を抜けたんかよ?」

 

「女やお前って・・・彼女の名前はジャンヌですよ」

 

「あの美人さんはジャンヌって言うのか。俺の名前は兵藤一誠、赤龍帝です!よろしくお願いしまっす!!」

 

「一誠・・・お前勇者だな。あっ、俺の名前は舞樹俊屋って言います。ファーストネームが俊屋で、ラストネームが舞樹です。よろしくお願いします」

 

「常識人が俊屋ね。よろしくね」

 

一誠を無視して俊屋の前に立って手を出し、俊屋も自然に手を出して握手をする

 

「おっま!?おい俊屋!美人さんと握手とかズルいぞ!!」

 

「ただの握手だぞ?美人とかそういうのは関係ないだろ。ってか、そういう事を言うのは最低だぞ」

 

「美羅が言わなくても常識人って分かるわね」

 

「俊屋君はしっかり者だからね~。時々抜けてる時があるけど、人間だから当たり前よ」

 

ジャンヌとの握手も終わった俊屋は、一誠にお説教をしている

 

「俊屋だって美人さんと握手したら嬉しいだろ!」

 

「そりゃあ嬉しいって感情が無いとは言えない」

 

「だろぉ!」

 

「ただ、常識が9で内心嬉しいが1程度だろ。聖人君子じゃないからそんなもんだって」

 

「お前はあのおっぱいを触りたいとは思わないのか!」

 

「えぇ・・・恋人で深い関係ならそう思うけど、普通はそんな事思わないだろ。・・・・・ん?一誠お前、春姉のも触りたいと思ったのか?」

 

「おっぱいが目の前にあるなら触りたいだろ?」

 

「テメェは俺を怒らせた!ヤロウ、ブットバシテヤルゥウウウウウウウ!」

 

「うぇ、ちょっ!?も、もちつギャアアアアアアアアアアア!」

 

一誠を殴り飛ばして追撃する俊屋。その様子を見てジャンヌが思った事は一つ

 

「俊屋って姉が居るのね。・・・シスコン?」

 

「春ちゃんから聞いた話だけど、小さい時に父親が亡くなった事が大きいと思うわ」

 

「姉弟の関係は仲が良好は必然ね」

 

「それに、俊屋君は料理が趣味で春ちゃんは食べる事大好きなの」

 

「姉は弟によって餌付けされたのね」

 

終わらない俊屋の追撃を必死に逃げる一誠。美羅はほのぼのしながらこの光景を見続ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




「おっと、久々の出番にお兄さんのテンション上がっちゃうぞ~♪」
ミラ「待機しているよ?」
「さて、この物語はいつ終わるのか僕でも予想が付かないよ。作者君は頑張りたまえ!」
「フォウ、フォフォフォ~ウ!(お前もいつも通りの出番を頑張れよ!)」
「それにしても、魔改造された彼女の行く末はどうなるのだろうね?主人公君の好感度は最低値だけど、常識人君の好感度はそれなりといった所だね。他人の恋路を邪魔するのは無粋だが、見守る事は何ら問題ないよね♪」
「フォ~ウ・・・(こいつは最低だ・・・)」
布団「さぁ、一緒に星になろうか。後書きのお兄さんや」
「ちょっと待ってくれたまえ。いつの間に出たんだい!?」
布団「布団に潜ったまま出てきたのさぁ」
ミラ「今日の気分は最高にハイってやつだよ~♪」バキッボキッペキッ
布団「これは罰という名の道連れだ」
「う、動け僕の体!何故動かない!?」
ミラ「ら・い・じ・ん・け・ん・☆」
「「ッアーーーーーーーーー!」」

キラリン☆彡

ミラ「さて、作者は回収して続きを書かせなきゃ!」






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第71話 アウト?セーフ?どちらもギルティ

ミラ「ねぇ、これは一体どういう事?」
布団「言い逃れはしねぇ!」
黒「もう一つの作品に浮気しやがって!」
紅「作者の血の色は何色だ!」
ティア「前回の更新は何時だったと思っている?」
布団「分かんない(;^ω^)」
ミラ「五月二十四日よ!約四ヵ月待ったのよ!?どうしてくれるのよ!私の存在忘れされているかもしれないでしょ!」
布団「仰る通りで御座います」
ミラ「ちょっと、O☆HA☆NA☆SHI☆しよっか?」













ねる「はじま―――」
雌煌「始まるぞ!」
ねる「シコウがネルのでばんをとった~!」(ガン泣き
ミラ「雌豚ァ!」
雌煌「ッアーーーーーーーーーー!」

















~美羅side~

 

さてさて~、私はまか――――ゴホン、仕事をしますか~。先ずは俊屋君の大剣から・・・うるっさい!アーサーでも偽物アーサーは黙ってなさい!ん、偽物ってどういう事かって?私の想像するアーサーってのはちょっと抜けてても相手を想う心を持ち、芯が強い男って感じなのよ。実際に見た事無いわよ。想像上の人物―――――所謂二次元ね。自分は?って言いたげそうにしているけど、私から見れば剣マニアの乱暴者としか見えないわよ。俊屋君の大剣を奪い取ろうとした第一印象は払拭出来そうにないから仕方がないよね♪

OTLと化しているアーサー(笑)は放置しておいて、どんな大剣にしようかな~。やっぱり頑丈が一番だよね。ジンオウガ印の大剣は半ばから折れちゃった事を考えると、俊屋君はガードを頻繁にするという事ね。私とのマンツーマン訓練が意味を成していないじゃない!←※避けれない攻撃ばっかりで訓練とは言えない

どうしよっかな~、甲殻を中心に作るのもいいけど鉱石でコーティングも良いよね~。まぁこの空間だと・・・鉱石なんてかなり遠方にしかないから取りに行かせるのは無理ね。浴槽を作る際に余った奴を使えばいい感じに仕上がるかな?お猿さんの如意棒も鉱石を使用するから無駄遣いにはならないしね。鉱石100%の剣を作るかって?作れるけど絶対にやらないに決まってるでしょ。素材が足りないから駄目よ♪

 

美羅の現実味を帯びている言葉に膝を付いて絶望しているアーサーを放置して、一誠達が仕留めたディアブロスを手早く解体して行く。そこに、戦闘狂のヴァーリから一つだけ提案が出された

 

「俺は素手でも良いのだが、アルビオンの力を借りずに武器を持って倒す事は出来ないのか?」

 

「はぁ!?俺だって武器を持って攻撃したいのにお前だけズリィぞ!!」

 

「俺は弱体化しているからその程度は良いだろう?赤龍帝は素の力が低すぎるのが駄目なのさ!」

 

「ちぃ、それだったら俺だってアスカロンが折れたから修復して欲しい!」

 

「武器使うなら神器は駄目」

 

「ふっ、面白い!俺だけの力でどこまで通用するのか楽しみだ!」

 

「どんなのが良いの?」

 

「打撃系でお願いする。俺に剣を扱う事は出来ないからな」

 

「じゃあハンマーでいいや」

 

『ハンマーか。もしや、あの大きな尻尾を使うのか?』

 

「モチのロン」

 

『そ、そうか。あれで殴られれば相当な物だろう』

 

「では、俺は美猴達にその事を伝えるので離れよう」

 

「あ、美羅先輩。俺のアスカロンは?」

 

「自分でどうにかしなさい」

 

「辛辣ゥッ!!」

 

「まぁ嘘だけど」

 

「あ、嘘なんですか」

 

「"打ち直し"したらいいだけなら大丈夫よ」

 

各自の武器の修復と制作する事になった美羅。少しだけめんどくさ気だが、魔改造出来る事にワクワクしているのである

 

「あっと、言い忘れてた。ジャンヌちゃんにもモンスターの間引きをお願いするからそのつもりでね?」

 

「はいはい。レウとレアとの連携も取りたいから、程々でよろしく頼むわよ」

 

「今は駄目よ。KY赤髪がサバイバルを終えるまでは、一誠君達と一緒に間引きしてね?」

 

「・・・あの変態と?」

 

「イエス」

 

「・・・強いの?」

 

「下から二番目かな?」

 

「・・・・・分かったわよ!やればいいんでしょ!やれば!」

 

ジャンヌは嫌そうに、もの凄く嫌そうな表情で渋々了承した

 

「じゃあこの腕輪付けてね?」

 

ジャンヌは、美羅から手渡される腕輪を見て頬を引き攣らせる

 

「絶対に何か仕込んでいるでしょ」

 

「魔力が霧散するだけだから大丈夫」

 

「魔力が霧散したら神器が使えないでしょ!?」

 

「大丈夫、神器は使えるし、微々たる魔力は使えるよ!」

 

「ハードモードじゃなくてウルトラハードといった所ね」

 

「KY赤髪達の方が良い?あっちは魔力も神器も使えないけど」

 

「こっちの方が良いわ!」

 

多少モンスターが強かろうと、神器を展開出来るだけでも違うので即答だった

 

「あぁそれと、ジャンヌちゃんはペンションで生活してね?」

 

「美羅先輩!どうしてジャンヌさんだけサバイバルじゃないんですか!?」

 

「私の気分よ!それと、むさっ苦しい男まみれの場所に行かせないわ」

 

「あ、はい。俺達全員男でしたね・・・。でも、おっぱいを眺めたかった!!」

 

「とてつもない煩悩の塊の変態ですね。半径十メートル以内に近づかないでもらえます?」

 

「という訳で、一誠を回収しまーす。こいつが変態ですいません」

 

「おい俊屋離せ!?俺はおっぱいを!おっぱいを眺めるだけでも良いんだ!手を離せえええぇぇぇぇぇ」

 

俊屋にドナドナされて行った一誠。美羅とジャンヌは溜息を吐き、武器の制作と、その様子を観察するのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~俊屋side~

 

カポーン

 

現在、一誠達男連中はお風呂に入っている

 

「なぁ一誠・・・お前はもう少しまともになれよ。そうじゃなきゃモテないぞ?」

 

「おっぱいがあれば揉みたいと思うだろ!」

 

「・・・思っても態度に表すなって事だよ。下手すれば部員の皆にソッポ向かれるんじゃないか?」

 

「なん・・・だと・・・!?」

 

俊屋の真面目な一言に愕然とする一誠

 

「今は良くても、節操無しと思われて距離を置かれるかもな。懐が深く、それも良しだという人以外は大抵そうなるんじゃないか?」

 

「ぶ、部長や朱乃さんやアーシアは許してくれる!きっと大丈夫!・・・だいじょうぶ・・・ダイジョウブ・・・」

 

段々と自信を無くしている一誠を見て、「こいつ駄目だな」と口に出した俊屋は、更なる追撃の言葉を放った

 

「案外、自分だけをしっかりと見てくれる人が現れてかっ攫われるかもな~」

 

「ぐはぁっ!!」トケツ

 

「吐血する程のショックかよ!?」

 

「す、すまねぇ・・・想像して絶望しちまったぜ。なぁ俊屋、俺はどうやればハーレム男になれる?」

 

「知らねぇ、みんな平等に愛してあげたら良いんじゃね?」

 

俊屋は、どうでもよさげに答えを返して久しぶりの温泉で体を温める

 

「広い湯舟から小さい湯舟に入ったけど、何故か眠たくなって・・・き・・・た・・・・・Zzz」

 

上を見上げて、縁に頭を乗せたままで眠りに就いた。しかし、この後起こるハプニングが俊屋の運命を劇的に変える

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Zzz・・・っは!?俺寝てたのか・・・うあ"~、長湯し過ぎて喉が渇いたぜ。ウォーターサーバーが置いているから補給して、ちょいちょいしてから出るか

 

湯煙が視界を覆う。しかし、ウォーターサーバーの影がうっすらと見え、通り道には手すりが付いているので安心である。俊屋は、手すりに軽く手を置いてウォーターサーバーの場所まで行くと―――――

 

「水、水ぅ。・・・・・あっ」

 

「喉が渇いた――――ん?・・・・・あっ」

 

いつの間にか温泉に入っていたジャンヌとバッタリと出会う。しかも、タオルを一切着けていない無防備状態でだ。無論、俊屋も着けておらず、裸である

 

「んぎゃあああああああああああ!」

 

「ごめんなさい!」

 

ジャンヌが悲鳴を上げ、俊屋は謝罪の土下座をする

 

「ジャンヌちゃんの悲鳴が聞こえて私がやって来た!」

 

土下座している俊屋と腕で秘部を隠しているジャンヌ。どちらが有罪かは一目瞭然

 

「俊屋君アウトー。さぁ、遺言を聞こうか?」

 

「待って!本当に待って!?意地汚くてもいいから言い訳させて下さい!」

 

「死刑よ!こんっの変態!!」

 

「私の弟が変態になったのね・・・ごめんね、お姉ちゃんは弁護する事も出来ないよ」

 

「春姉も待って!?故意じゃないの!好き好んで覗きなんてしていないの!」

 

俊屋は、女性陣に気圧されながら必死になってありのままの事を話す。個人浴槽に入って寝落ちしてしまい、起きた時には誰も居なかった。取り敢えず、脱水症を防ぐ為にウォーターサーバーの所に行ったらジャンヌと遭遇。そして、今に至る―――――俊屋の言が本当なら少しだけ罪が軽くなるだろう

 

「むぅ・・・そうだとしたらジャンヌちゃんの注意不足になるね」

 

「でも、ジャンヌさんの裸を見た事は事実だよ?」

 

「罪が少しだけ軽くなる程度だから」

 

「どうかしらね、あの変態と一緒に行動しているぐらいだからマトモじゃなくなっている可能性もあるわ!」

 

「一誠みたいな変態は真っ平ごめんだ!」

 

「俊屋・・・その言い方だと自分も変態だって言っている様なものだよ?」

 

「なん・・・だと・・・!?」

 

「ほらみなさい!変態じゃない!!」

 

「ってか、風呂に入るなら服入れに俺のが入ってるだろ!?確認もせずに入ったのかよ!」

 

美羅と春は少しだけ考えた後に、手をポンっと叩いた

 

「「・・・・・あぁ、そういえばそうだった」」

 

「えっ?ちょっと待って、その掌返しはどういう事!?」

 

見事なまでの掌ク~ルクルクル

 

「春ちゃん、確認レッツゴー!」

 

「モチ!」

 

春は風呂場から出て脱衣所を確認すると、ジャンヌの服入れの籠の横に俊屋の服があった

 

「ジャンヌさんも有罪!ジャンヌさんの服入れの隣に俊屋の服が入ってるよ!」

 

「はぁっ!?」

 

「ジャンヌちゃん・・・うっかりとはいえ、こればかりはいけないでしょ」

 

「ちょっとぉおおお!?」

 

「勝訴した。これでほんの少しだけ罪が軽くなった」

 

「でも、不可抗力とはいえジャンヌちゃんの裸を見たんだから有罪だよ?」

 

「こればかりは仕方がない。女の人の裸を見たんだ・・・覚悟は出来ている」

 

ある意味男らしいっちゃあ男らしい。これがもしも一誠なら、被害を少なくする為に多くの言い訳を並べるだろう。結果――――風呂から上がった俊屋とジャンヌは、服を着て美羅にドナドナされて軽くお説教されたのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

美羅のお説教も終わり、俊屋とジャンヌはお互い様という形で終わった。一誠は、俊屋がジャンヌの裸を見た事を聞いてとても羨ましがっていたのだが、美羅の鉄拳制裁で凹まされていた

 

ふぉひふゃ(俊屋)ふらひゃまひい(うらやましい)おひぇものひょひはった(俺も覗きたかった)

 

「全然嬉しくねぇよ!初めては初恋の人が良かったよ!!」

 

『俊屋はヘタレだな』

 

『うむ、間違いなくヘタレだ』

 

「魂だけのドラゴンさんよぉ?ヘタレヘタレってうっせえぞ!っていうか、俺はヘタレじゃねぇ!!」

 

俊屋はヘタレじゃないと声高く叫ぶが、誰がどう見てもヘタレである

 

うっわぁ~・・・俊屋君ヘタレだわ」

 

美羅の口からつい本音が漏れてしまった。俊屋の心に砲弾が着弾!―――――四つん這いになった

 

「グフッ!・・・へ、ヘタレじゃない。ヘタレであるものかぁ」

 

自身の認めたくない葛藤が俊屋を襲う

 

「え~、男なら告白して突撃でしょ」

 

「玉砕確定じゃん!」

 

「べた褒めして落としちゃいなよ」

 

美羅が俊屋を煽る。振られる事を前提とした愉悦を求めて行動しているのだ。因みに、この場には春とジャンヌを除いた六人と二匹だけなので、遠慮はないのだ

 

「ほらほらほら~、ぶっちゃけちゃいなよ」

 

「言うだけならタダだぜ!」

 

『諦めも肝心だぞ』

 

「さぁ、どうなんだ?」

 

『美羅に標的にされた時点で諦めるんだな』

 

「億が一でも成功する可能性もあるぜ?」

 

「本人が居ない今なら大丈夫ですよ」

 

俊屋に逃げ場は無い。抵抗すれば最後、美羅にある事ない事伝えられてしまうだろう。それだけは避けなければいけないと判断した俊屋は、諦めて自分が思った事を言葉にする

 

「そ、そりゃあ・・・綺麗だなぁって思ったよ」

 

「ありきたりすぎてつまらないわね」

 

「えぇ・・・」

 

「もっとこう・・・無いのか?好きな場所とか。俺はおっ『ドゴォッ』ブアッ!?」

 

一誠は美羅に殴られて顔面が凹まされてしまった。不用意な発言は避けましょう

 

「続きは?」

 

「え、えっと~、笑った後のところかな?」

 

「ん?あの女が笑った所を見た?そんな場面あったか?」

 

「無いぜ~」

 

「笑顔の方じゃないって。・・・ニヒルな笑みって言ったら良いのかな?その後、少しして顔を真っ赤にしてたんだ。うん・・・可愛かった」

 

あぁ、なるほどね。やってみたけど似合わなかったって事ね。うん?あぁ、面白くなるわ♪

 

美羅が感じ取った瞬間、扉がバガンッと大きな音を立てて吹き飛び、噂された当人が俊屋へと襲い掛かった

 

「今直ぐその記憶を消してやるわ!」

 

「ふぉおお!?」

 

「はいはい、正座しましょうね?」

 

「グエッ!?」

 

黒炎を宿した拳を俊屋の顔面に当てようとしたジャンヌだが、美羅に首根っこを掴まれ強制的に正座をさせられた

 

「ちょっと!私は今直ぐこの変態の記憶を消さなきゃいけないのよ!離しなさいよ!!」

 

「少し、黙ろうか?」

 

「ヒェッ!?」

 

美羅の威圧でジャンヌを強制的におとなしくさせ、美羅は愉悦を求めて行動する

 

「さぁ、扉をぶち壊したジャンヌちゃん?覚悟は出来てるぅ?私は出来てるよぉ?」

 

「な・・・何をする気よ」

 

「ティア~、"あれ"持ってきて」

 

「ん?"あれ"とは、以前作った罰ゲーム用の奴の事か?」

 

「そそ」

 

美羅はティアを呼んで"ある物"を取りに行かせた。少しして、"ある物"を手に持ったティアが帰って来た。その手に持っていたのは

 

『ペンダント?』

 

「そう、これが『本音出ちゃ~う』!ツンデレ少女の内の心を知りたい時に使える便利アイテムよ!」

 

派手な装飾は無く、シンプル・イズ・ザ・ベストの簡素なアイテムだ。しかし、これはティアが言った通り罰ゲーム用のアイテム―――『本音出ちゃ~う』だ。ツンデレな少女にはうってつけの最高のアイテムだ!普段は素直になれなくても、このアイテムがあればあら不思議♪本当の想いが口に出ちゃうのだ

 

「はぁっ!?ちょっと待ちなさいよ!そんなの着けないわよ!」

 

「ジャンヌちゃん、これは罰ゲームなんだよ?おとなしく諦めちゃいなよ」

 

「やめっ!押さえつけないでよ!?」

 

「我は主の使い魔。故に決定には逆らえん」

 

「うっ、やめっ!ぎにゃあああああああああああ!!」

 

成すすべも無く本音出ちゃ~うを装着されたジャンヌは、手で口を塞いごうとするが美羅の力には逆らえなかった

 

「くっ、殺せ!」

 

「女騎士ではないけど、いい声頂きました~♪――――さて、試しに言ってみよう!一誠君の事どう思う?」

 

「近づかないでもらえます?そのおっぱい星人を半径十メートル以内に入れないで。舐め回す様な視線が気持ち悪いのよ」

 

「グゲッハァ!」

 

一誠の心に深いダメージを与えた

 

「ん~?だったら俊屋君は?」

 

「私の裸を見たのは赦せないわ!でも、まぁ仕方が無いと割り切っているわよ」

 

「好きか嫌いか――――どっち?」

 

「ヤメテ!」

 

俊屋は、「聞きたくない聞きたくない」と手で耳を塞いで部屋の隅っこに移動した

 

「お友達としてなら好きよ?」

 

「おっもしろくな~い」

 

「どう答えろっていうのよ!」

 

「そこはほら・・・恥ずかしながら俊屋君を好きって言うのを期待していたの」

 

「いや・・・初対面で一日程度の相手を好きになるなんてありえなくない?」

 

ジャンヌの言う通りである。一目惚れはあるだろうが、それはごく一部の人だけである。ジャンヌが一目ぼれする確率は億が一程度の確率だろう。そして、ジャンヌに友達としてなら好きな部類という中途半端な宣告を告げられた俊屋は耳を塞いでいたのでダメージは少ない。要するに、"お友達ならオッケーだけど、恋人としては遠慮したい"と言われている様なものだ。並の男ならヤムチャになる事間違いなし

 

「そういう訳だからこれ以上の追及は無しで良いでしょ?」

 

「さっきの言葉を俊屋君に聞かせたかったな~」

 

「悪魔以上の悪魔ね」

 

「ほら、私って化物級だし」

 

サラッと自分の事をばらしても、美羅の事を本当の意味で理解している者以外は、化け物級の強さと捉えるので大丈夫だ―――多分

 

「それにしても・・・人が増えたね~。最初は一誠君だけのサバイバルだったのに、そこから春ちゃんと俊屋君が追加―――そして、今は元禍の団の戦闘狂達とジャンヌちゃんと可愛いルフェイちゃんの計五人が追加。あっ、レオナルド君も入れるから六人ね」

 

「現実世界で一ヵ月でこれ程まで集まったのか・・・流石は主だな。強者のカリスマと悪い意味での運が働いたのだな」

 

「悪い意味って言うなー!」

 

ティアの軽いからかいがチョークスリーパーとなって返って来た。とはいえ、美羅の方も面白半分の冗談交じりであるから力は入っていない。この場に居る者達殆どが苦笑いしている中、一誠はある事に気付いてしまった

 

「ん?って事は、美羅先輩って運が悪いって事なんですか?」

 

一誠の悪気無い一言を聞いた俊屋達は、一誠に黙祷した

 

(((((あっ、言っちゃいけない事を・・・)))))

 

そして、案の定美羅の額に青筋が浮き出た事で、一誠は顔を青褪めた

 

「へ~?私の事をハードラックて言ったの?覚悟は出来ているのよね?」

 

「ひぃっ!?」

 

ゴキッ!メキッ!と右拳を鳴らしながら一誠の肩に手を置いた。笑顔でも目が笑っていないタイプのヤベー怒り方だった

 

「こ、これは罠だ!ティアさんが張り巡らせた罠なんだ!」

 

「 」ベキッ!パキッ!

 

「冗談交じりに言って発言を誘導させたんだ!「念仏は終わりよ」俺は悪く『オラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオオオオルゥア!オラオラオラオラオラオラ!』ネルブギェエエエエエ!?」

 

美羅の制裁パンチが一誠の頬を的確に捉え、空中コンボを量産する

 

「ティア」

 

「了解した」

 

美羅の声に反応したティアが裏庭へと続く窓を開けたと同時に、美羅のハイキックが一誠を外へと吹き飛ばした。錐もみ回転か~ら~の、頭から着地して地面を削りながら進み、剥製のゴーヤに直撃して止まった

裏庭の森から黒、紅、黒歌の三人が帰還して、一誠の様子を見て「一体何を言ったのやら・・・」と呆れていた

 

「キボウノハナー」

 

「ヤムチャしやがって」

 

「ダメ男の末路だにゃん」

 

「止まるんじゃねぇぞ――――ってぇ何を言わせるんだ!」

 

「しぶとい野郎だな」

 

「しかも辛辣ぅ!」

 

三人は一誠を無視して空いている窓から靴を脱いで別荘内へと入る。これでリアス達の様子を見ていた四人が集まった

 

「それで、KY赤髪の方はどんな感じ?」

 

先ずは一番長く見ていた春の報告から

 

「正直言っちゃうと、アーシアちゃんが強くなっているよ。それと、乱入で子猫ちゃんが覚醒?した感じ」

 

「白音が不良になったにゃ・・・」

 

「あの状態の子猫ちゃんは強いぞ?戦闘力が五倍近く跳ね上がった!」

 

「あの攻撃の直撃で黒が無事で良かったにゃ」

 

「俺は龍だからな。あの程度破壊力は美羅のパンチに比べれば蚊が刺した様なものだ」

 

「それでも、何事も無くて良かったにゃ」

 

「心配させてごめんな?」

 

甘ーい空気を作る二人。美羅がティアにアイコンタクトを送り、ハリセンの突っ込みを入れさせる

 

パシンパシン

 

「甘い空気を作るな。今は春ちゃんの報告なんだから静かにしていなさい」

 

「「ごめんなさい」」

 

二人を静かにさせて、報告の続きを聞く

 

「そして、このサバイバルに徐々ながら適応しているのが木場君かな?残り三人は・・・逃走力を上げているよ」

 

「解体ナイフ持たせてるんだけど・・・木製武器作っていないの?」

 

「その発想がない感じかな?木場君は解体ナイフで戦っているし」

 

「自分達で武器を調達するという発想に行き着いてない感じね。アザゼルのアドバイスはどう?」

 

「戦闘時のアドバイスはあったけど・・・生活面については一切無かったよ」

 

「気付かせようとしているのか、はたまた気付いていないのかが分からないわね。一応研究者気質あるから、開発はしていそうね」

 

「一人だけ石器時代からの開始だから追い付かないんじゃないかな?」

 

「そっちかぁ~」

 

春の予想通り、アザゼルは余裕がないのだ。アイテムポーチに目が眩んだ事で美羅から没収されたからで、美羅の落ち度ではない。文明の利器は素晴らしく、その生活に慣れてしまったアザゼルにとってゼロスタートは地獄以外に他ならなかった

 

「ん~、今更ナイフを渡すのもあれだからこのまま継続で行っちゃおうかな?」

 

「了解、このままで頑張れって伝えるよ。俊屋、イトハと遊んであげてね?」

 

「分かってるって。サバイバルで一緒に居られなかった分を帳消しに出来る位遊び倒すよ」

 

春はイトハの面倒を見たかったが、サバイバル真っ只中では無理がある。生後一ヵ月も経ってないので仕方が無いっちゃ仕方が無い。春は、お目付け役の仕事に行く前にイトハをギュ~っと抱き締める事でイトハニウムを補充して仕事に戻った

 

「春姉も大変だな」

 

「クゥン・・・」

 

「よっし、俊屋、イトハ、一緒に遊ぶぞ!」

 

一誠は俊屋とイトハを連れて裏庭へと出て行った

 

「あぁ~、平和は良いなぁ~。と言いたかったけれど、そろそろ神話勢力が動きそうね」

 

「ホントかにゃ?」

 

「どこら辺の奴等が動くんだ?」

 

「ん~、色々!レーティングゲームの観戦に行った時覚えてる?私達を鬱陶しく見ていた奴等」

 

「そういや居たなぁ」

 

「このサバイバルが終わったら厄介事を持って来る可能性は大きいわ。その時は――――メッタメタノギッタンギッタンにしてもOKよ」

 

美羅からの、「攻撃してきたら叩きのめしてオッケー」の合図がとうとう出てしまった。転生者と英雄派の連中には絶望を与えた。そして、お次は神様達にも―――という美羅の心優しい気遣いである

こうして、「触れるな危険」状態となった神様達は、美羅にどういう形で接触するかは不明である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




布団「待たせてすまぬぅ。でも、難産どころじゃねぇぞ。急展開に持って行きたいという欲求があるが―――」
ミラ「駄目だぞ♪」
布団「と、いう訳で出来ないのである。ごめんっちゃい」


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第72話 美羅の計算外

布団「おらぁ!ようやく出来たぞおおお!」
ミラ「;Д`)Zzz」
黒「寝てやがる」
紅「メッキがボロボロだな」
ティア「そう言ってやるな。作者が遅すぎるのがいけないのだ」
雌煌「おっ、そうだな」
ネル「はじまるよ」







~美羅side~

 

美羅は、別荘から少し離れた場所に建つ作業場にてディアブロスの素材に手を加えている。俊屋の大剣を甲殻と角をふんだんに使った頑丈をテーマとした一品だ

 

う~ん・・・名前どうしよっかな~。双角大剣ディアブロスは安直かなぁ?まぁ、ワンオフ武器だから別に良いや。文句言ってきたらブッ飛ばす方向で

 

美猴の如意棒は折れてしまった為、伸び縮みしない棒として改修する事にした。翼部分の鱗や甲殻を用いて、出来るだけ丸み帯びた棒へと進化した。先端部分には翼爪をあしらえて完成。突いて良し、叩いて良し、の一品となった

 

双角棒・・・何て付けよう・・・・・。よし、適当にしちゃえ!双角棒セントウに決定!

 

お次はアーサーのコールブランドだが、これに関しては一から打ち直しであった。砕けた刀身を一度溶かし、双角剣ディアブロスを作る際に削った角を粉にして一緒に混ぜ込む事で強度アップを試みた。しかも、見事成功を収めた。西洋剣の特徴である両刃の直剣にするが、そのままのでは必ずポッキリ折れてしまうのは目に見えているので刀身の腹部分を覆う様に重ね合わせた鱗で補強。後は装飾を全て外して唾を甲殻にする事で完成した

 

コールブランド・・・双角直剣コルブロスで!

 

最後はヴァーリの大槌。これは素材を最大限に活かした尻尾を丸々一つ使った武器である。手を加えたのは持ち手だ。肉を削ぎ、鱗と甲殻で頑丈な骨を覆っただけだ。しかし、骨は折れる事無く持ち手と機能した

 

ディアブロハンマーね

 

因みに、一誠のアスカロンはアーサーのコールブランドと同じ様に打ち直しの際に角の粉を混ぜ込んである。だが、装飾の類は一切無い。もし、剣に自意識があったなら憤慨すること間違いないだろう

 

「これで全員分の武器が完成したわ~」

 

美羅はグゥーっと背伸びしながら別荘へと帰宅した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

武器制作を終えた美羅は、巨木の頂上に登って不備がないかのチェックをしている

 

「特に変化はない―――ね」

 

今の所、不思議ワールドにこれといった変化はない。とても順調である。しかし、油断は出来ない。美羅の能力がチート級だろうと、何かがあってからでは遅すぎる。慢心はいけない―――何処ぞの英雄王も見習ってほしいが、それはそれである

 

「繁殖期は・・・ジャンヌちゃんのリオ夫婦がもう少しかな?」

 

新たな命が産まれる事に染々と感じながら、これからの行動計画を見直す

 

禍の団の二つの派閥を破壊、残りは転生者チームが中心とした奴等だけね。でも、ロキ坊やを消した事から神話勢力から目を付けられたのが痛いわ・・・。恐らく快く思っていない神から要らぬ茶々が入る事は確実、その時は白トカゲ達をぶつけたらいい感じになりそうね

 

来る神との戦いに着々と仕込みを行い、下僕にする気満々である。尚、自称神様と本当の意味で殺しに来る神は例外なく殺すのは決定である

 

それにしても・・・う~ん、どうして一誠君は禁手化に至らないのかが分からない。生存本能は十分過ぎる程刺激したし・・・何が原因なのか分からないわ

 

美羅の唯一の誤算は、一誠の禁手化についてだ。本来ならば至っていてもおかしくはないのだが、方向性の違う亜種進化という変化だけだ。雷狼の戦鎧はフルプレートではないし、赤龍帝本来の能力が活かされる姿でもない

 

もう一度命の危機に陥れば禁手出来る?・・・・・う~ん、無理かなぁ。勘が囁いてるのよね・・・亜種進化しちゃうってさ

 

美羅のリアルラックは悪いが、直感は確実に当たるので良い事悪い事のフィフティーフィフティーである

観察も終わり、美羅は作った武器を持って別荘へと帰還すると、裏庭で戦闘音が鳴り響いていた

 

「ほらほらほら!あんた達の力はその程度なのかしら?甘い、甘すぎるわよ!」

 

「うぉおおおお!?炎の火力がヤバイ!燃えたら骨すら残らないだろ!?」

 

「これ程までに強くなっているとはなっ!面白い!!」

 

「アチャアチャアチャッ!?髪が焦げちまったぞ!」

 

「世の女性とはこれ程まで強いのですか!?」

 

「ドワッチィイイイイイイイイイ!何で俺に炎が集中してるんだよ!?」

 

「卑猥な目で私を見ているからに決まってるでしょ!」

 

五対一の模擬戦か、進化した邪ンヌちゃんは強いよ。黒炎って良いよね~、「クッ、静まれ俺の右手!」な~んていう中二病ごっこも出来るしね。かつて陥った者だけ対象の精神攻撃は正に愉悦!あっ、一誠君のお尻燃やされたわ

 

ジャンヌの黒炎が遂に一誠を捉え、尻の部分を燃やすというギャグマンガの光景を見る事が出来た。しかし、この世界はギャグ時空ではなく、鎮火した後は尻を丸出しにしている一誠となる。あまりにもみっともなく、美羅は酷い絵面にはお仕置きが必要であると判断した

 

「お尻を丸出しにしたら駄目でしょ!」

 

ッパーン!

 

「あいっぎっ!?いっでええええええええ!」

 

罰ゲーム用に開発された虹色ハリセンが一誠のお尻に直撃。良い音を鳴らしているので、「痛そうだなぁ~」と呟く者が大半だろう。しかし、これは第二回サバイバル初日にヴァーリ達に見せたあのハリセンなのだ。超痛いではなく、割れると錯覚させる程の痛さを与える代物だ

 

「一誠の尻が死んだ!?」

 

「この人でなし-!」

 

ゴロゴロと地面を転がる一誠を見て、誰もが自業自得だと判断した。一誠が戦闘不能?となったので、残りは四人―――いや、隙だらけのアーサーに腹パンを入れてノックアウトさせたので三人となった

 

「グホッ、腹パンは危険・・・です・・・」

 

アーサーの悶絶っぷりを見た三人は、予想以上に威力がある事を確信した

 

「筋肉が見えないのにあの威力・・・詐欺だな」

 

「ボディだけは勘弁だぜ」

 

「最悪の場合だと、黒炎を纏った四肢での攻撃だな。掠れば燃え、直撃すればと思うと・・・想像したくないな」

 

俊屋の言葉が聞こえていたのか、ジャンヌはニヒルな笑みを浮かべながらその予想を肯定した

 

「あら、戦闘狂二人とは違って覗き魔はよく観察出来てるじゃない」

 

「あれはワザとじゃないって!引き摺るなっては言わないけど、そっちも悪いって事だっただろ!」

 

俊屋のド正論を受けたジャンヌは、一瞬だけ固まり空気を震わせながら一言

 

「・・・殺す」

 

俊屋はジャンヌに殺害宣告を受けてしまった。これで楽には殺られる事がない事が決定してしまった

 

「俊屋逃げろ。奴は確実に殺すつもりだ!」

 

「ヴァーリと同意見だぜい。この殺気はヤッベェ・・・前回会った時ってこんなに強いオーラ纏っていなかったのにどうなってやがんだ」

 

「た、助か―――メキャァッ」

 

俊屋が背を向けて逃げようとしたと同時に、鈍い音が響き渡る。嫌な予感がしつつも、恐る恐る後ろを振り返ると大地に犬神家した二人とあくどい笑みを浮かべているジャンヌの姿があった

 

「ジャンヌちゃん、殺しは駄目だからね?」

 

「チッ!・・・まぁいいわ、その能天気な顔をボッコボコにしてやるわ」ゴキッペキッ

 

拳を鳴らしながら俊屋(獲物)を見据えるジャンヌは、足に力を溜めている様子が見て取れる。俊屋は全力で逃走するが、それは無意味だと感じつつ心の中で南無を唱える。地面が陥没する音と同時にジャンヌが俊屋へと襲い掛かる

 

「へ?きゃあ!」

 

「え?何が――――ドブェアアアアアアアアア!?」

 

なんと、何もない地面でジャンヌがスッテンコロリンと転げたのだ。美羅はただ茫然としており、どうしてあの場所で転げたのか理解出来なかった

 

「えぇ・・・」

 

取り敢えずジャンヌが転げた辺りの場所へ行くと、地面が少しだけ湿りを帯びておりその中心には何かが潰された痕跡があった。それを触って確かめようとした時、とても可愛い悲鳴が上がった

 

「ひゃん!?」

 

「俊屋君、アウト―。と言いたいけど、これはジャンヌちゃんの不注意という事で見逃しで」

 

「ン"-!ン"ン"-ーーー!!」

 

ジャンヌの転んだ勢いをそのままに巻き込まれた俊屋はというと、どこぞのト〇ブル主人公の様にジャンヌの下敷きとなってラッキースケベを発動していた。これが一誠だったら間違いなく美羅からの制裁が待っているが、俊屋だからこそ見逃されたようなものである。そして現在、俊屋はジャンヌに乗られて息が出来ず、太腿をタップして早くどいてくれと必死にアピールしている

 

「こっ!?///」

 

ようやくジャンヌのショートしていた脳が冷静さを取り戻し、素早く上から退いて俊屋の顎に向けてアッパーで打ち上げようとする。その姿を見た美羅は、止めようと声を掛ける

 

「あっ、動いたらまた滑―――」

 

ツルンッ♪

 

ジャンヌは、何かを踏み潰した足に力を入れていた為再び転んでしまった。しかも、今度はお尻からではなく前に転げる。つまり―――ジャンヌは俊屋に覆い被さるという事だ。俊屋も俊屋で、ジャンヌが退いた事でようやく酸素を肺に遅れる様になった為大きく息を吸う。・・・そのタイミングで胸から転げるのだ

 

ムチュッ!

 

「ひ、ひゃあああああああああああ!/////////」

 

「ング~~~~~!?」

 

俊屋のラッキースケベっぷりを見た美羅の感想はただ一言

 

「ナァニコレ」

 

頭が痛くなる光景だったが、スルーして先程の痕跡を調べる。湿っている土に指でなぞると、独特の滑りとキノコの残骸

 

何故ヌメリンギがこんな場所に生えてるの?しかも、一番滑りがある小さなやつぅ。あれかな?俊屋君はラッキースケベの星の元に生まれた感じ?いや、ジャンヌちゃんが来る前まではそんな事何一つ無かった。・・・もしかしてジャンヌちゃんだけを対象としたラッキースケベなの?う~ん・・・分からん!とにかくこの件は保留にしておこう。こればかりはどうしようも出来ないわ

 

美羅がジャンヌの方へ向き直ると、羞恥で耳まで真っ赤に染めたジャンヌが剣を取り出そうとしていた。流石に目に余る行為だったので、虹色ハリセンでお尻を叩く

 

ッパーン!

 

「い"っ!?いだいいいいいいいいいいいいい!!」

 

威力が予想以上だったのか、ジャンヌは悶絶してプルプルと震える。俊屋の方は気を失っていた。恐らく窒息で意識が飛んだという事は把握出来た。そして、この場で最も場違いな考えを持っている一誠は俊屋の事を血涙を流す勢いで羨んでいた

 

「俊屋アアアアアアア!俺は・・・俺は!お前が羨ましいいいいい!どうして俊屋はおっぱいを吸えるんだよ!おかしいだろ!?俺の方が頑張っているのに・・・頑張っているのにっ!どうしてなんだよおおおおお!チックショオオオオオオオオオオオオ!」

 

「喧しい!」

 

「おっぱいっ!?」

 

美羅は、拳骨で一誠を物理的に黙らせた後、涙目で落ち込んでいるジャンヌの傍まで近づいて率直な感想を告げる

 

「ねぇ、油断しすぎじゃない?」

 

「うぐぅっ!?」

 

「最初の転倒はまだしも、二回目については自分で注意する事も出来たよね?これで俊屋君を攻撃したら―――めっちゃ暴虐な女って思われるかもね~?男友達も出来ないかもよ~?」

 

「わ―――」

 

「わ?」

 

「私だってワザとじゃないもん!何よ何よ何よ!あそこで踏んづけてもヌルって滑るとは思わないでしょ!?ヌルヌルがブーツに付いているなんて思いもしないじゃない!理不尽なのはこの世界よ!!」

 

「それは―――私が理不尽な存在って言ってるという事で間違いないよね?」

 

「 」

 

ジャンヌは美羅に理不尽な存在であると言った事にようやく気付き、呆然とした表情から頬が引き攣らせた

実際問題美羅が理不尽な存在である事に違いはないが、それを真正面から口に出して言っているのは黒と雌煌の二人位である。そんな彼等がどうなっているかは目の前で蹂躙されたりしているのを見ている為、ジャンヌはこの後自分が何をされるのかを想像しているのだろう

 

「大丈夫大丈夫、肉体言語じゃないから安心して良いよ?」

 

「そ、そう―――」

 

「でも、ちょっかいを掛けないとは言っていない」

 

「いっ、いやああああああああああああああ!」

 

一瞬で距離を詰められて抱き締められたジャンヌに待っていたのは―――頭を撫でる行為だった

 

「よ~しよしよしよしよし。邪ンヌちゃんは甘えん坊だね~♪も~っとお姉ちゃんに甘えても良いのよ?」

 

ナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデ

 

ジャンヌは、誰かに頭を撫でられる行為は両親以来だ。少しばかりの間過去の事を思い出しながら堪能していると、此方をジッと見ている者達が居た事に改めて気付き顔を真っ赤に染める。羞恥で燃やそうとするが、その悉くを美羅に邪魔される事で叶う事はなかった

 

「シネ、シネシネシネシネ死んでしまえ!」

 

美羅から解放されたジャンヌが第一に行動したのは、傍観者の先程の記憶を消す為に刃を潰した聖剣で追いかけているのだ。最初の犠牲者は誰もが分かる通り、赤龍帝(笑)の一誠である。第一声が、「美羅先輩のおっぱいはどんな感じだったんですか!」と近づいて聞いて来たので左頬に刀身の腹をぶち当てて吹き飛ばした。ヴァーリは腹パンと見せかけて金的を蹴り上げて戦闘不能。美猴はジャンヌを笑っていたが、ヴァーリが金的された事で冷や汗を流しながら逃走。しかし、黒炎で全方位を包まれてなす術も無く金的をされて戦闘不能となった。アーサーも美猴同様に金的をされてしまった。今生き残っているのは俊屋だけだが、目を閉じて見なかった事と美羅の助言で命拾いした

戦闘不能となった四人に死体蹴りをしていたジャンヌは、スコップを片手に大きな穴を掘って首だけ出る様に四人を埋めた。そして、嬉々とした表情で四人の頭の上に生肉を乗せた

 

「あんた達は見てはいけないものを見ました。よって、罰を与えます」

 

「理不尽だろ!」

 

「赤龍帝には当然の処置だが、俺達もというのは納得がいかないぞ」

 

「笑っただけだろ!?」

 

「私は笑っていません!」

 

「だったら、俊屋みたいに見ない様に目を閉じていましたか?―――見ていたでしょ!私からばっちり見えていたのよ!まぁ、私は鬼ではありませんのでこれで赦してあげます」

 

ジャンヌが空に黒炎を飛ばして小さな爆発を起こす。少しして遠くから二頭の竜が滑空して傍へ着陸した。その一頭についてはよく知る姿―――森に入って直ぐに出会ったリオレイアだった。だが、個体は違っているので何も問題はないし、「二頭についてはジャンヌの支配下に入っている」と美羅が告げたので四人は少しだけホッとした。だが、ジャンヌが二頭に命令した言葉はとてもあくどい物だった

 

「レウ、レア。あそこの土に埋まっている馬鹿達の頭上にある生肉を食べていいわよ。あ、馬鹿達には怪我をさせちゃいけないけど、舐めたりするのは大丈夫だから―――遠慮なくやっちゃいなさい!」

 

「「「「待てええええ!」」」」

 

四人の叫びは空しく、二頭は四人の傍まで近づいて舐め取る様に生肉を食す。唾液まみれになった四人の姿は正に滑稽である。だが、生肉は一つだけではない。ジャンヌは、お代わり分の生肉を四人の頭の上に乗せる

 

「さぁ、お代わりよ」

 

四人が叫ぼうとするが、それよりも早く二頭が舐め取って生肉を頬張る事で何も叫ぶ事が出来なかった。すると、俊屋がジャンヌに近づいた事で四人は希望の光が見えたと思ったが、俊屋が告げた言葉は残酷だった

 

「えっと、ジャンヌさん。俺も生肉あげていい?それと二頭に触りたいんだけど~・・・大丈夫かな?」

 

天は四人を見放し、どん底へと落とす

 

「良いわよ。レウとレアのお代わりはまだまだあるので大丈夫です。それと、変な触り方をしない限りはかまいません」

 

「そこら辺はイトハで分かってるから大丈夫だ」

 

「イトハ?」

 

俊屋はふと思い出す。イトハの存在を知っているのはオカルト研究部を除けば、兵藤家の夫婦と美羅達だけだった

 

「イトハは・・・前回のサバイバルで討伐したジンオウガっていう狼竜の子供なんだ。その~、白野さんに突っ込んだ奴がお腹に宿していた卵から孵ったんだよ」

 

「成程、レウとレアも繁殖期に入ると言ってましたから卵を産んだのかもしれませんね。―――そこの所どう?」

 

ジャンヌがレアに尋ねると、レウの方を一瞬見て小さく唸った

 

「なるほど、レウは奥手でヘタレなのですね」

 

『!?』

 

ジャンヌに伝わったレウの甲斐性―――とてもヘタレらしい事を暴露されてしまい、口をあんぐりと開けて意気消沈していた。俊屋はしょんぼりとしているレウを慰めようとしたが、横槍が突き刺さる

 

『俊屋もヘタレだから似た者同士だな』

 

「!?」

 

土の中に埋められている四人の言葉が突き刺さり、否定しようしたが

 

「あら、俊屋とレウは似た者同士という事なのね」

 

ジャンヌにヘタレ認定されてしまい、四つん這いで落ち込んだ。同士の傷の舐め合いをする俊屋とレウは、この触れ合いで一気に仲良くなった事は言うまでもない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サバイバル開始から一ヵ月、リアス一向については生存本能が刺激された事で各自のスタミナが大幅に改善。リアスと朱乃は、空を飛ばずとも走りながら魔力を使えるかもしれない程成長したとの事。ギャスパーに関しては、ゲームの知識を生かして皆の装備・・・武器を手作りする事でサポート中心で貢献

一番の変化は残りの三人で、木場はあの不明の太刀を使う事で技術の上昇、塔城は仙術と黄金の戦士を掛け合わせた遠近両用の戦士となり、アーシアに至っては聖なる気を物質化して武器や防具に変化させるだけに止まらず戦い方がガラリと変わったとの事だった

 

前者四名については予想通りで、子猫ちゃんに至っては壁を越えた。それは良かったんだけど、アーシアちゃんはどこまで進化するの?聖なる気を物質化するのはまぁ良いとして、問題は戦い方が変わったという事ね。一回遠目で見たけどさぁ?素手の時は今まで通りでも、武器を使った時の動きが・・・あの人外達の動きにそっくりなのよね~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうしてこうなった!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美羅の予想以上に化けたアーシア。素手の場合は今まで通りの御祈りからの鉄拳という点は変わらない。だが、聖なる気の物質化だけでも問題なのに、それを扱う動きがヤバイの一言だった。美羅達が良く言う人外―――モンハン世界で言うところのハンター達の動きなのだ。しかも、美羅と死闘を繰り広げたハンターの動きにそっくりなのだった。美羅はアーシアの背中を見て、「あれ?もしかしてあの人間?・・・いやいやいやそんな訳ないと思いたかったけど、後ろに見える魂の輪郭がそっくりさんだよ」と呟きつつ、この問題を考える

 

あの人はハンターの中で一番強かったのは覚えてるよ。命の大切さも知っていたし、モンスター達の生態系を護っていた一人だったから・・・

私と初めて会った時はやんちゃな時だったな。「俺は強い!」「モンスターには敗けない!」って言える位強かったけど、私と出会ってそのプライドをへし折っちゃった時からのお付き合いよね~。「次は敗けねぇ!」「クソッタレ!まだ敗けてねぇぞ!」って言ってたのに、そこそこの時が経つとお話しする為だけに会いに来たりと変な奴だと感じたんだよね。まぁ、話は面白かったし、食事もしたし、飲み会もしたし、一番楽しかった時代だった。彼が死んだ後は何ともつまらない日々だったけどね

そんな事を思ってたらさ・・・フラグだったよね。だって、見えるんだもん。あのハンターがアーシアちゃんの後ろで笑顔のサムズアップしているとか不意打ちにもほどがあるでしょ!笑わなかった私偉い!・・・・・ゴホンッ!しかしまぁ・・・何て言うの?あのハンターの魂がアーシアちゃんに憑いた原因って・・・この世界が原因?いやいやいやありえないって!ありえないって!?

 

美羅は現実逃避を始めた。さて、アーシアの背に憑いているハンターなのだが、これは美羅の予想通り彼のハンターの魂で間違いない。原因もこの不思議ワールドのせいである事に間違いない。なら、何故ハンターの魂が居るのかというと、美羅がモンスター達をこの世界に放り込んでいる時に入ったという事だ

彼のハンターは寿命で死んだ。しかし、再び目を開けると眼下に自分の身体が!?どうしようかと考えていると、「あっ、これだったら旅が出来るじゃん!」という考えで旅行した。そんな中、増えすぎてどうにかしなければならないモンスターを、美羅が消しているではないか!しかも、攻撃による消去ではなく何処かへ放り入れる様な動作―――好奇心強いハンターは美羅の作る空間に興味を抱き、ノリだけでモンスターと一緒に入ったのだ。幾年も経ち、「さぁて、出るか!」と意気込んだはいいが、モンスターが出現する地点がバラバラ。しかも、一方通行の世界だった事から、ハンターは絶望した。それからは、景色の良い場所でぼんやりと寝ながら眺めるだけ

どれだけ経ったか分からない程ぐーたらしていると、モンスターとは違う不純物がこの世界に入れられた事に直ぐ気づき、笑い半分で眺めていた。人数も三人に増え、轟竜を倒してこの世界から出ようとするではないか!一緒に憑いて行けば~と試すも、全然出来ない。またしても寂しい時が訪れ、次は何時になるのやらと待っていると大人数で来た。目新しい情報と、ベテラン視点からの初心者に伝える事が出来ないもどかしさにウンウン悩んでいると、金髪の少女―――アーシアの背に二つの魂が憑いている事に気付いた。「おっしゃあ!この子ならきっと行ける!」と魂を震わせながら憑くと、成功した。しかも、アーシアが寝ている時だけ限定だが話す事も出来る。はしゃぎ、「美羅達との関係者であるから秘密にしてね?」という形で一緒に行動する事に成功。サバイバル後半に突入してからは、訓練所の教官より優しく動きについて助言したり、武器とか作ってみようと言って現役時に使っていた近接武器の全てを教えた。アーシアは教えをよく聞き、スポンジの如く吸収して、実行出来るまでの実力となったのだ。因みに、アーシアが話す白き祖様という言葉を聞く度に、思い出し笑いの様に微笑んだりする

 

さ~てと、全員の基礎能力の向上は済んだのは良いんだけど・・・一誠君どうしよ。禁手化出来ないのは困りものだよね~。こればかりは私がどうこう出来る問題じゃないからね。よっし、今回のサバイバルは後少しで終了にしますか!一誠君達は危な気なく討伐しているし、次回は黒達をけしかけよっかな

 

サバイバル内容がガラリと変わる事が決定した一誠達。本気ではないとはいえ、そんじょそこらのモンスターよりも桁違いに強い黒が相手となるのだ。これからの戦いを見据えての内容。そして、美羅達を気に入らない者として見る神々の目。美羅は温厚であるが、限度はある。いつまでも不愉快な視線に晒されるのは大っ嫌い

塵も積もれば山となる。神々が祖龍の尾に足を乗せるまであと少し

 

 

 

 

 




「今回は物凄く平和だね。よ~し、無関係なお兄さんがおしゃべりしちゃうぞ~!・・・いや、話そうとしたんだけど話題がないね♪まぁ、今回の話は強化された結果が中心?だね」
布団「ヤレヤレだぜ」
「・・・やだなぁ~」
布団「今回はジャンヌちゃん限定特攻の俊屋くんの力のアピールなのさ。分かる人にはわかって頂きたい。それと、物語はそろそろ終盤に入るぞ!」
「え?中盤辺りじゃないのかい?」
布団「確かに今は中盤辺りだ。だが、これ以上エタるのは大変だと感じたので超展開にするつもりだ」
「・・・それでいいのかな~?」
布団「正直言おう―――アーシアちゃん強化は布石なのだよ。DDで好きなキャラの内の一人だからね!今まで以上に頑張って書くぞぉ~」



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第73話 ヤベー奴にロックオンされる者達

ミラ「うぎゃあああああ爆死したぁあああ!」
黒「へっへっへ・・・何故だぁアアアア!」
紅「くっ、聖女が引けなかった。・・・アーシアちゃんに見本として見せたかった」
ティア「ふぉおお!?き、来てしまっただと?あ、主・・・その眼で睨まないでくれ」
雌煌「なんじゃこりゃああああああ!麻婆ばっかりじゃねぇかよ!!」




布団「あのー・・・始まってますよ?」
「「「「「!?」」」」」
ねる「はじまりはじまり~」












~一誠side~

 

皆聞いてくれ。遂に今回のサバイバルが終了したぞ!!俺は全開で慣れたから大丈夫だったんだが、部長と朱乃さんとギャスパーの三人が精神を相当すり減らしていたぜ。木場と子猫ちゃんはなんだかんだで順応したって言ってたんだが、アーシア・・・一体どうしちまったんだよ

 

一誠は、サバイバルで仲間たちが手に入れた力が嬉しかった。しかし、アーシアだけは、「何故一緒に居なかった!」と後悔する位の変貌を遂げていた

 

「一誠さん見て下さい!私こんな事が出来る様になりました!」

 

聖なる気を変化させて、モンスター達を真っ向から防ぎ、攻撃して、命を頂く感謝の祈りを行っている。逞しくなり過ぎているアーシアを見た一誠は、頬を引き攣らせながらその光景を見ていた

 

(なぁ、ドライグ)

 

(何だ?)

 

(アーシアってこんなに強かったっけ?)

 

(・・・超越者という言葉は知っているか?)

 

(超越者?)

 

(その者本来の力の枠組みを超えた奴らの事だ)

 

(んじゃあ、アーシアは超越者になったって事か?)

 

(あぁ。だが、アーシアだけではない。塔城もアーシア同様に超越者となっている)

 

(うそん・・・)

 

(正直言わせてもらうが、あの二人は相棒よりも強いぞ。やはり禁手化に至らない限りは、成長の幅が段違いという事か)

 

ドライグの言う通り、グレモリー眷属の中で力が抜きん出ているのはアーシアと塔城の二人である。そして次に一誠と木場、最後にリアス、姫島、ギャスパーの三人。特に最後の三人に関しては、一芸に秀でているが体力が無い為に長期戦は無理という前提が付く

サバイバルをやり遂げたリアスと姫島とギャスパーはズタボロ状態で、三人の姿を見て笑いが止められない美羅がこれからの予定を話す

 

「さて、プフッ、KY赤髪達のサバイバルはこれで切り上げるわ。それに一誠君達の修学旅行近いでしょ?」

 

「そっか~、俺達には修学旅行があったな・・・。バカンスとして楽しむか」

 

「旅行が楽しみです!」

 

「アーシアちゃんは俺が守るぅ!」

 

「黒歌と離れる?・・・ウソダウソダドンドコド「私も行くにゃ。黒の自由時間の時に一緒に―――」よっしゃあああ!」

 

修学旅行ねぇ~、学校を休んでのんびりとしようかな?敵意を持った輩は色々と居るけど、仕掛けて来る様子はないから丁度良いわ。雌煌は白トカゲ達にけしかけて対処、舞樹姉弟はネルと一緒に外出させてガス抜きさせよう

フッ、これで私を邪魔する者は居ないパーフェクトな計画!食べ歩きは出来ないから、今の内に買い溜めしなきゃいけないわね!

 

サバイバルも終わり、学業を開始した一誠達は修学旅行に行った。美羅はティアと舞樹姉弟を連れて街中へと補給に、黒歌は雌煌を護衛に付けて一誠達の旅行先へと発った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

一誠達が修学旅行先へと行き、美羅達は駒王の中心街へお買い物に来ていた

 

「さぁ、甘味を補給するわ!三人は荷物持ち頑張ってね♪」

 

「甘味を食べれるのならば大量に持てる」

 

「荷物持ちでお菓子を食べれるの!?やる!沢山持っちゃう!!」

 

「あれ?白野さんって手作りの方が美味しいんじゃ?」

 

「見た事もない甘味を作らないわ」

 

「俊屋は分かっていない!お菓子は食べてこそ分かる物があるのよ!妥協したら低クオリティどころじゃないのよ!!」

 

「あぁ・・・春姉が俺に菓子を食べさせてた理由が分かった。そういう事だったのか・・・」

 

この世界に来る前の俊屋は、春に何度も甘味を食べさせられて作らされていたのだ。貧乏だからこそ、一度食べて味を覚え、再現をする―――これの繰り返しである。そして、俊屋が作る甘味はかなりクオリティが高いのは春だけしか知らないし、美羅の作る甘味の再現度はティアしか知らないという事だ

 

「あっ、この季節限定ケーキ美味しそう。購入決定~♪」

 

「ねぇねぇ白野さん!あそこのショコラロールって個数限定だよ!」

 

「なにぃ?即買い決定よ!―――む、北海道限定の海鮮丼も美味しそうね。買っちゃおう!」

 

美羅と春が美味しそうな食べ物を大量購入する姿を見る俊屋は、一つだけ心配事があった

 

「なぁ、ティアさん。あんなに買ってるけど・・・お金ってあるの?」

 

「資金はある。主が投稿しているMetubeの料理動画の収入がとんでもないからな・・・。コメント欄にはプロの料理人から会いたいとのコンタクトもある位だ。海外で有名な三星のシェフが見ているのだ。そういえば、海外メディアもコンタクトを取ろうとしていたな・・・」

 

「ヤバくないですか?俺と白野さんじゃあ比べ物にならないレベルの差があるんじゃん」

 

「見方を変えろ。有名シェフからオファーがある主から教われると言う事だ」

 

「動画に出たら俺、バッシングの嵐じゃね!?」

 

美羅が登校している動画は、手元しか映らない様にしている。しかし、音声は有るので、声ソムリエの変態紳士が美人であると宣言している。尚、視聴者の殆どが冗談で流している

美羅と春の二人は、やり切ったといった様子でホクホクな笑顔で両手に紙袋を沢山持っていた

 

「俊屋ー、荷物持って―!」

 

「ティアも来なさい。私達の戦いはまだ始まったばかりよ!帰りにデパートで材料を買うわよ!」

 

「白野さんの作ったデザート食べてみたい!」

 

「ふふふ、私の甘味の虜にしてやろう!」

 

「くっ、私は敗けないんだから!」

 

漫才みたいなやりとりをしている美羅と春に、俊屋は溜息を吐きつつ甘味ではなく弁当を籠に入れる。せっかくの期間限定販売なので、普段食べれない物を食べてそのお弁当のコンセプトを感じたいという事だった

 

「ほう、俊屋も肉か」

 

「そうですね。お肉のブランドよりも、ソースの味付けを覚えてアレンジしたいな~って思って」

 

「なるほど、覚えた暁には我らに食べさせてくれるのだな?」

 

「いやいやいや!?白野さんの料理に比べたら俺は駄目だよ!?絶対に不味いって言われちゃう!」

 

「何事も試しだ。なぁに、余程酷くなければ辛辣な言葉は吐かれないさ」

 

ティアは俊屋の肩に手を乗せて期待とプレッシャーを乗せ、俊屋はガックリと項垂れる

買い物は終わり、大量の荷物を持つ俊屋。少し位ぶつけても大丈夫な物を持たせ、注意が必要な物をティアと春に持たせて美羅は精算口へ向かう

 

「お、お代金は三十五万三千五百円になります。・・・あの~、本当にお金大丈夫ですか?」

 

「大丈夫、現ナマ一括だから」

 

美羅は今日の買い物の為に引き落とした百万円が入っている茶封筒から三十六万円分取り出してトレーの上にドンッと置く。この程度はした金だと言わんばかりの使い方にレジ員も周囲の客も呆然としており、一早く現実に戻ったレジ員が手で数えてお札投入口に数回分けて万札を入れていた

 

「こ、こちらがおつりになります・・・」

 

「はいは~い。それじゃあ、また期間限定のイベントがあれば来るわ」

 

美羅は三人を引き連れてデパートを後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~俊屋side~

 

大量の荷物を持ち家へ帰る四人。その中で一番多く持っているのは、唯一の男性である俊屋だった

 

あぁ・・・分かっていたけど、荷物が重い。不満はあるけど、白野さんの家に住まわせてもらっているからそこは我慢だ。だって、無一文の春姉と俺に仕事をくれるし(不思議ワールドでの環境変化レポート)、給金もあるし、美味しい物も食べれるし・・・・・あれ?これってヒモに近い生活じゃね?まぁ、ニートみたいに何もせずって訳じゃないからないから、まだマシっていう部類だよな

 

「あ~、デザート楽しみ~♪」

 

春姉は本当に食べ物ばっかりだな。趣味は食べる事、好きな事は食べる事―――食べても食べても太らないその体質が更に拍車をかけているのが難点だよなぁ

 

今を楽しむ春に俊屋はヤレヤレと気疲れするが、春独特の元気さがそれすらも吹き飛ばす。人に好かれやすい性格と言った方が良いだろう

 

「・・・主」

 

「まぁ、一人だけだから罠かもしれないわね」

 

「えっと・・・一人?どういう事?」

 

美羅とティアが後ろに振り返り、電柱の傍をジッと見つめている様子に俊屋が遅れながらも違和感に気が付いた

 

「春姉こっちに戻れ!周囲に人が居ない!「え?」―――これ、結界・・・なのか?」

 

人混みの多い街中にも関わず、周囲に人影が無くなっていたのだ。違和感を覚えさせない程溶け込ませる魔法となると、担い手は限られる。人外か、転生者達か、神か―――この三択位だ

 

「一人で現れるとはいい度胸だな。主が手を下すまでもなく、我の手で消滅させてやろうか?」

 

春は急ぎ美羅達の傍に戻ると、電柱の影からヌッと人影が現れた

 

「デュッフフウウウウ~!拙者、元禍の団に所属していた志桐京矢(しどうきょうや)と申します。あ、因みに転生者ですぞ?今日は、白髪の貴女に御用があり参上したんでふ」

 

少しだけぽっちゃりな体系で、何とも独特な口調で話す男だった

 

「ひぃっ!?わ、私あの喋り方駄目!気持ち悪いっ!!」

 

「う、うむ・・・我も長き時を生きているのだが、この様な者は初めてだ。いきなり肌寒くなったぞ」

 

「酷いでござるぅ!拙者は自己紹介しただけなのに辛辣な言葉で否定されるのは理不尽ですぞ!?」

 

取り敢えず、京矢と名乗る男性の視線から二人を護る様に俊屋が前に立つ事で少しだけ和らげる

 

「それで?私に用って何なの?」

 

美羅の様子は変わらずだが、何時でも排除出来る様に力を一点に溜め込んでいる

 

「それは―――」

 

「それは?」

 

ふぅ、と一息入れた京矢は本題を切り出した

 

「拙者に貴女様の魔法を教えて欲しいのでござる!何卒、何卒お願いなのですぞ!」

 

美羅以外が、予想していた言葉との違いにずっこけた

 

「おまっ!お前は禍の団に居る転生者って言ったよな!?転生者派閥はどうしたってんだよ!」

 

「はっ!あんな糞にも劣る畜生共と一緒にしないでほしいですぞ!マッチポンプで手当たり次第に犯すのは当たり前、女性には紳士な対応をしないし、YESロリータNOタッチの基本すらなっていない下劣な奴等とは居たくなかっただけでござる!」

 

ティアと春と俊屋は、一番そういうのを率先してやりそうな奴だと偏見していたのだが、事実無根である。目の前の男は、本当に、それはもう本当に大量の苦虫を噛み潰したかの様な怒りの顔をしていた

 

「拙者が求めていたのは魔法の研究!切磋琢磨して技量を上げる事こそ、真の魔法道!それをあの糞共は、拙者を便利道具扱いばっかりですぞ!もう既に離脱して一人で寂しく研究するだけの日々・・・。しかし!貴女がロキとと言うクソ神を殺した一撃を見た時、ビビッとセンサーに反応したのでござる!この人の下でなら、本当の魔法道を極められると!!」

 

「・・・あ、あ~・・・魔法は何に使うつもり?」

 

「魔法は生活を豊かにする。基本中の基本ですぞ!」

 

「は?お前は俺tueeeeしないの?」

 

「それこそ、は?としか返せないでござる。tueeeeして良い事なんて何一つ無いですぞ。待っているのは・・・搾取やしがらみがテンプレ!因みに、身を護る為の魔法はありますぞ?この結界もその応用でござる」

 

すると、美羅はある事を思い出した

 

「もしかして、聖剣(笑)の時に結界を張っていたのって」

 

「拙者ですぞ!元々は、魔法の試し撃ちで作っただけの物でござる!リアル再現が一番苦労したのですが、貴女様の目からビームの前では一撃死ですぞ!」

 

そんな事もあったなぁ~、と美羅は感慨深くウンウンと頷いて当時の事を思い出し、目からビームという謎のワードに春は「?」を大量生産し、俊屋は「えっ、マジで!?」と驚愕している

 

「それがs「そろそろ普通に話さないとぶっつb」真面目に話します」

 

「普通の言葉遣いが出来るなら、最初からそうしろ!」

 

「え~っと、つまりですね・・・転生者派閥もそうだけど、どこの派閥も僕を道具扱いするのが嫌になりました。一人だと大変危険―――でも、魔法の研究をしたい。なら、強くて安全な貴女様の下でならと思いまして」

 

「却下」

 

「酷いでござるぅううううううう!「うるさいっ!」・・・すみません」

 

京矢は真面目な言葉使いで本音をぶちまけるが、美羅にとっては厄介事が舞い込むだけの存在なので突き放す

 

「あっ、僕はデジタル系に強いですよ?MeTubeに料理動画をアップしていますよね?もっと明るく楽しい演出編集出来ます。裏方仕事は大体大丈夫です」

 

何故美羅が動画をアップしている事に気が付いたのかというと、声ソムリエの第一人者であると言う事で、紹介される料理は簡単なのに美味しく、京矢も試しで実践して虜になったとの事だ

 

「え~っと・・・お前は白野さんの料理に虜になってるし、その強さにも虜になっていると?」

 

「もの凄くぶっちゃけるとそうです!」

 

「・・・それはもう信者ではないのか?」

 

「崇めろと言うならば、あらゆる手を使って宣伝します!」

 

「やるなっ!」

 

美羅からすればそんな生活は嫌なのだ。もしも正体がバレた時は、多くの信者が押し寄せる事間違いないだろう

 

「まぁ、既に信者になっている者達はいるのですが」

 

「え?」

 

「料理動画でコメントが寄せられていますが・・・見ていないのですか?」

 

「勧誘やら何やらが多かったから見ない事にしてるけど」

 

「料理で人間関係が良くなった者達から感謝と布教のコメントが沢山あるのです」

 

「  」

 

美羅が投稿している動画を参考にしながら料理を作った者達は、恋愛、夫婦愛、仕事、等々多くの関係を良くしているのだ。自分で食べても美味しいし、他人に食べさせても美味しいとなればもっと多くの人に知ってもらおうと動く者や、これからも動画を投稿して欲しいと願う者達から食の神として崇められたりしている

 

「・・・どうしてこうなった。私はお金欲しさに投稿しただけだというのに・・・」

 

「主、食は心を豊かにする。なるべくしてなったと諦めるしかない」

 

「ほえ~、白野さんってそんなに有名なんだ。後で動画見よ~っと」

 

「動画を投稿するだけでその効果・・・すげえな」

 

美羅は落ち込み、ティアは慰め、春は動画に興味を持ち、俊屋は万人でも成功する料理という事に興味が惹かれた。しばらくして気を持ち直した美羅は、話を本題へと戻す

 

「君は禍の団を抜けても魔法の研究をしたいから私の所に来たいという事ね」

 

「是非とも置かせて下さい。下働きもしますので是非御一考を!」

 

「う~ん・・・まぁ、良いか・・・なぁ?」

 

悩みに悩みぬいた結果、京矢は美羅の下僕になった

これは読者の皆に言うが、美羅の下僕は何気に多いのだ。黒、紅、雌煌は勿論の事で、ティア、舞樹姉弟、ヴァーリチーム男連中達もである。尚、ジャンヌとレオナルドとルフェイの三人は下僕ではない。ジャンヌはリオ夫婦のドラゴンライダー?竜の魔女?まぁそういう事だ。レオナルドはねるのお友達で、ルフェイは美羅の癒しとなっている

 

「やったでござるぅうううう!拙者破滅のレールから外れたぁあああああ!」

 

京矢は、コロンビアポーズで喜びを露にする

 

「さて、早速だけど脳にある爆弾を取り除くから」

 

『え?』

 

周囲が「えっ?爆弾!?」と思っている中、人差し指を突き出して雷撃を放出

 

「そいやっ!」

 

「あっばばばばばばばばっ!?」

 

「「!?」」

 

特に舞樹姉弟が驚いており、春が「死んだ!?」と感じた事をありのまま言うと、俊屋が「この人でなしー!」と定番のツッコミを入れたりする。さて、美羅の雷撃が直撃した京矢はプスプスという効果音を立てながらも、ギャグマンガの様に黒煤まみれの体を起こした

 

「殺す気でござるか!?」

 

「死ななかったでしょ?」

 

「確かに死ななかったけど!痛かったのでござるよ!?」

 

京矢は納得いかない模様だが、俊屋が肩に手を置いて一言告げる

 

「それ以上は止めとけ。俺は消し炭にされたし、踏み潰されたし、ビーム直撃したしで色んな目に遭った。痛い程度の雷撃なら我慢すれば良いだけだ」

 

「それはそれで怖すぎるでござるぅ!」

 

「誰が怖いって?」

 

「「申し訳御座いませんでした!」」

 

美羅の僅かな威圧を察知した二人は、素直な謝罪と土下座で赦しを請うた

 

「・・・今回だけは特別だからね?―――さ~てと、自称神の転生者暴走措置用の爆弾を破壊したしあっちの世界の観察を頼もうかな~」

 

「あっ」

 

「ひょ?」

 

俊屋は京矢に何をさせるのかを理解し、複雑な表情をしながら同情の眼差しを送る

 

「一先ずはこの結界を解かないとね?」

 

「徐々に結界を弱めています。徐々に人が増えた方が違和感ありませんので」

 

「・・・KY赤髪より優秀な人材ゲットだぜ?」

 

美羅からすれば、幼少の頃から魔について学んでいる彼女等よりも、京矢の方が優秀過ぎて本当に呆れている。ちゃんと周囲を見ているし、自分の力の影響を考えているとも理解出来る。その点、三勢力の連中は、"結果良ければ全てよし"に似た感覚で力を行使しているので評価は下の方である

美羅自身はどうかという事についてだが、人間界限定では力の制御も行っているし、後の問題も踏まえて行動している。だが、人外達の領域なら別だ。元から守っていない者達に対して遠慮はしないというだけだ。唯一だが、それなりに評価しているのは魔王の妹の一人、シトリー一行だけだ。まだまだ甘い部分があるが、それでも陰で努力しているし、周囲の評価を特に気にしているという点が良い所だ

 

「蒼那達も頑張っているものの、成果に繋がっていないのが残念ね」

 

「悪魔社会は貴族主義ですから」

 

「そんなもん潰れちゃえばいいのに」

 

「主、潰すか?」

 

「ヤダヤダ~、何かしらの処理をしないといけなくなるから放置で」

 

「ヒーローみたいな人材が現れたら変わるかもしれないでござる」

 

「ヒーロー・・・ね。今のご時世でそんな人が現れたら、真っ先に潰されそうよね」

 

美羅は、貴族主義の人外達の間ではヒーローという存在は邪魔に思われるだろうと予測する。貴族と言うのは何処の世界だろうとプライドやしきたり等のしがらみも多い反面、自分より目立ち、影響力を及ぼす者を好ましく思わない者達が殆どだ

 

「湿っぽい話も止めて、さっさと転移しようか」

 

「今更ですが、僕は貴女様の事をどの様に呼べばいいのでしょうか・・・」

 

「好きにすれば?」

 

「それでは美羅様とお呼びします!」

 

「・・・もうそれでいいよ」

 

美羅は京矢に対し、それは駄目と言ってしまえばより歪に呼ばれる可能性を危惧して折れた。敢えてこれ以上の事についてはスルーしていつも通り転移の空間をこじ開ける

 

「凄いでござるぅ!無詠唱で別空間へ繋げるなんて初めて見るのですぞ!」

 

「お前・・・口調が素に戻ってるぞ」

 

「舞樹殿にはこの凄さが分からんのでござるか!?」

 

「白野さんが凄いのは理解しているから驚かない。ってか、もう何でも出来ると思うし。それと、舞樹だと春姉とどっちを読んでいるか分からないから俊屋でいいぞ」

 

「無駄話は後にしてさっさと行くわよ」

 

美羅に続く様に皆も転移先へと歩を進め、全員が入ったと同時に空間は元に戻った。そして、京矢の目の前に広がる広大な自然の姿は心を震わせた

 

「凄い!凄い!!ただ凄いとしか言えない!!」

 

京矢は、まるで子供の様に広大な自然と遠目で空を飛んでいる竜達を見て喜んでいる。ひとしきり喜んだ後、冷静さを取り戻した京矢は、つい先程までの己の行動に固まった

 

「童心に帰ってはしゃいでしまったのですぞ。大自然のロマンが詰まったこれを見てしまい・・・つい」

 

「そりゃあ仕方がない。あんなモンスター達を見せられたらそう思うのも当たり前だな」

 

「という事は、魔法によるモンスター達の監視をという事ですかな?」

 

「監視というよりも、環境の変化の報告だ。野生の直感と言うべきか・・・モンスター達を魔法で監視するのは止めた方が良い」

 

「魔法は此処で生活する為に使っても良いのでござるか?」

 

「この自然に過度な干渉しなければいいだけよ」

 

「食料はどの様に?」

 

「弱肉強食」

 

「拙者、ここでサバイバルしなければいけないでござるか?」

 

「魔法開発したいのでしょ?食料程度自分でどうにかしようね?」

 

「魔法を使ってモンスターを倒「それはご法度よ」・・・拙者だけでは生きていけないでござる」

 

「甘えんな!」

 

甘い環境で自堕落に魔法を開発するなんて事はさせないし、何より京矢の体形が駄目だった。筋肉ならよかったが、脂肪がたくさんつき過ぎているので適度に絞るという計画でもあった

 

「諦めろ、ハンターとして一緒に頑張ろうな。なぁに、此処には沢山の仲間が居る」

 

「本当でござるか!」

 

「おっ、噂をすれば丁度いいな」

 

俊屋が振り向いた先には、新調した武器を肩に担いで狩から帰って来たヴァーリ達だった。俊屋は手を振って合図すると、向こうも気付いた様に手を振った。合流し、経過観察もとい間引いたモンスターの報告を行う

 

「と言う訳で、ランポスが増えすぎていたからボスを含めてある程度は間引きした。後は、水辺の魚が少なくなっていたのだが・・・恐らくランポスの弊害だろう」

 

「ここだと大型モンスターも居るけど、生態系で考えるなら少ないからランポス系が増えやすいね」

 

「鳥竜種だったっけ?」

 

「変態猿の癖に勉強はしたのね」

 

「あれは空から降りてきたそっちが悪いんだぶるぉおおおお!?」

 

美猴は美羅が空から降りてきた事自体が駄目だと指摘するが、無言の腹パンを食らい悶絶する。誰も美猴に対して庇う事はしない。白野美羅とは理不尽だから諦めろ。そして、最悪を想定して動けと認識しているのだ

 

「美猴がいけないのですよ?事故とはいえ女性の下着を見たのであれば、素直に謝罪するしかありません」

 

「そもそも見ても見なくても何もないだろう」

 

「ヴァーリ、アーサー!おめえらぁっ!!」

 

そんな無様な美猴に、ジャンヌが思った事を一言

 

「ふんっ!欲情するお猿さんにはお似合いの名前ね!」

 

「ブットバス!」

 

「やってみなさいよ!」

 

美猴とジャンヌの戦いが始まったが、あっという間にジャンヌの黒炎に逃げ場を失い金的で沈められた。その光景を見た男達は、内股になって小さな悲鳴を漏らして美猴に黙祷する。すると、京矢の存在に気付いたジャンヌは、鋭い眼光で睨み付ける

 

「ちょっと!どうして禍の団のメンバーが居るのよ!!そいつは、あのクソ派閥のメンバーの一人なのよ!!マッチポンプで性犯罪集団の内の一人よ!」

 

ジャンヌの言葉で、ヴァーリ達が京矢を睨み武器を掲げて威圧する

 

「そうか・・・あれの仲間か」

 

「アソコ潰すか?」

 

「駄目です。女性陣の事を考えるなら、棒を捥ぎ取りましょう」

 

京矢の股間をロックオンして武器を何時でも振り下ろせる態勢で止まる

 

「それは違う!拙者は変態だけど、紳士でござるううう!糞下劣なあれらと一緒にしないで欲しいですぞ!!」

 

「変態っていうのは認めるんだな」

 

「YESロリータNOタッチ、幼女は愛でる者。女性に対しては常に優しく―――が拙者の変態道、あんな紳士の言葉が一つもない奴等と一緒にしないで欲しいですぞ!!」

 

京矢は、ヴァーリ達に睨まれても自分の変態道を力強く語り睨み返す。男の中の男の意志を感じた三人は、武器を取り下げて溜息を吐く

 

「これはまた・・・濃い奴だな」

 

「へっ、あいつらの派閥に入っていたから糞な野郎だと思っていたが、その熱意は本物かよい」

 

「紳士の使い方が違いますが・・・まぁ、良いでしょう」

 

だが、女性のジャンヌだけは反応が違うのは当たり前で

 

「ちょっと待ちなさいよ!こいつ変態なのよ!?幼女を観察してきっとグヘヘなんて言うのよ!?汚物は消毒する方が良いでしょ!」

 

「蝋燭プレイでござるか?拙者はMではないので御免被りたいでござる」

 

「こ、こいつっ!」

 

ジャンヌの手から黒炎がチラチラと燃え、我慢の限界だという事は誰の目から見ても分かる。京矢は、ジャンヌの黒炎を見て頬を引き攣らせつつ冷や汗を流す

 

「これは興味本位なのでござるが、あの派閥を「転生者については説明済みよ」・・・転生者派閥を潰すのは誰がやるのでござるか?」

 

話が物凄く変わったのだが、これはとても重要な事だ。正直、転生者派閥の者達は色んな所から恨みを買っているし、実態に気付いた者達からも憎悪の対象となっている。しかし、力を持っている彼等にはどうする事も出来ず泣き寝入りする事も出来ない。誰か潰して欲しいとすら思われている奴等なのだ

 

「ん~、そろそろ本格的に動こうかな~?でも、めんどくさい」

 

「美羅様的にはどうでもいい奴等と?」

 

「弱肉強食は世の常だから何とも言えないな~。まぁ、身内に手を出したら消すよ?」

 

しかし、美羅はこれから運命が大きく動く事を感じていた。もしかしたら誰かが死ぬかもしれないし、死なないかもしれない。それは、神が介入してくる可能性が特大なので未来がはっきりとは見えないのだ。人間とは違う存在なので、力も、理不尽も持ち合わせているから

 

「転生者派閥で思い出したのでござるが、新しく入った女の子が極めつけにヤバイですぞ」

 

「あれは仕方がない」

 

『なにそれ?』

 

京矢は魔法だけを研究する為に引き籠っている最中、食料を手に入れる際に遠目に見たのだ。見ただけで心臓を掴まれたと錯覚させる危険な存在―――。それが京矢を離脱する切っ掛けのトドメだったのだ

 

「その女の子はリコリスと呼ばれていましたぞ。生憎ですが、拙者が知りうる情報はこれでけでござる」

 

「どんな奴なのよ?変態のあんたがヤバイっていう位だから、極めつけなんでしょう?」

 

「俺達は見た事ないな」

 

「女の子って事は、未だ十代辺りか?」

 

「貴方が女の子相手にヤバイと言いますか・・・」

 

ティアも俊屋も春も興味本位で聞いているが、美羅の一言で空気にヒビが入る

 

「ドラゴンマニアなの。収集癖じゃなくて、食べる方よ?ドラゴン見たら生きたまま食べる事に全力を注ぐキチ外よ」

 

それを聞いたティアは、悪寒で体を震わせつつ尋ねる

 

「我は対象ではないよな?」

 

だが、現実は非情である

 

「対象になってるからね?」

 

「絶対に殺す、絶対に殺す、絶対に殺す―――etc」

 

「肉を切らせて命断つみたいにやってくる筈よ」

 

「既に冥界にいるドラゴンを食べているのでござる」

 

「そんな話は聞きたくないっ!!」

 

全員がティアに可哀想な眼差しを向けるが、美羅がもう一つ爆弾を落とす

 

「白トカゲも注意だよ?」

 

「何?」

 

『まて、まてまてまてまてっ!?』

 

「ドラゴン食べる=宿主も対象だからね?因みに、今のままだと・・・食べられちゃうだろうなぁ~」

 

ヴァーリまでロックオンされてしまった事に皆が哀れみの眼差しを送る。当人は自分よりも強い相手と戦う事が出来る事に歓喜している。だが、アルビオンに関しては魂レベルで震えていたりする

 

『俺は美味しくないぞっ!?ダメだ!ヴァーリ、絶対にその女を殺せ!勝てないと感じたら逃げるんだ!!人間に食われるなんて歴代の中でも最悪な死に方だぞ!』

 

「強者と戦えるんだ。弱肉強食―――弱ければ食われるだけだ。なら、もっと強くなれば良いだけだ」

 

『嫌だ!食われるのは嫌だああああああ!!』

 

アルビオンの魂の叫びは無視されてしまった。ドラゴンイーターの牙に噛まれない未来を手に入れる為、これから奮闘をするヴァーリと、食べられて死にたくない為に魂だけでも努力をする事になったアルビオン。白龍皇に強化フラグが立った瞬間であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




布団「さて、話の流れが一気に乗りました。終盤戦に突入準備に入ったぞおおお!」
ミラ「神なんてぶっ飛ばす。―――以上です」
布団「まぁまぁ、もう少しだけ待ってくだせぇ」
ミラ「今年中に終われるかなぁ?」
布団「(;^ω^)ムリジャネ?」
ミラ「浮気してんじゃねーよクラッシャー!」
布団「ヴェアアアアアアア!?」
ミラ「頑張って書かせるんだぞ☆」


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第74話 転生者激減!

布団「気合入れていきます!」
ミラ「ふぁっ!?」
黒「フラグ回収か?」
紅「次回がもっと遅くなるのか?」
ティア「それよりも、ゲームは大丈夫か?」
布団「大丈夫だ、問題ない」
ミラ「それは大丈夫じゃない人が言うやつぅ!」








ねる「はっじまりぃ~」









~美羅side~

 

魔術オタクの京矢を下僕にした美羅は、遂に行動に移す事にした。その切っ掛けとなったのは、修学旅行中の一誠達を転生者組が襲撃を仕掛けてきたという知らせを受けたからだ

 

「それで?黒はどんな感じなの?」

 

『黒歌に手を出そうとしたゴミ屑を排除している最中だ』

 

「紅は?」

 

『あいつは『アーシアちゃんを犯すだとぉお?野郎ブッコロシテヤアアアアアアアアアアル!』・・・まぁ、アーシアに変なゴミが付かない様に暴れている』

 

美羅は黒から伝えられる情報を聞くと、アーシアを狙う転生者達に紅が突撃をかまして千切っては投げを繰り返しているらしい。しかも、アーシア達とは別行動をしているので心配をしているとの事だ

 

アーシアちゃんが転生者達に組み伏せられると思う?殆どが鉄拳制裁か、聖気の殴打武器で吹き飛ばされるのが目に見えてるわ。それに、子猫ちゃんも一緒に居るから大丈夫でしょ

 

どうにでもなると思っていた美羅は、デパートで買ったお弁当をのんびり食べている。すると、アザゼルから美羅へ緊急連絡が入った

 

ジリリリリリ!ジリリリリリ!ジリリ――ガチャ

 

「何?今お弁当を食べてるから簡潔に」

 

『転生者、ヤバイ、助けて』

 

「もう切るよ~」

 

美羅がアザゼル印の電話の受話器を下ろそうとしたら、アザゼルは必死に呼び止めようと大きな声を出す

 

『ヤバイんだよ!転堂だったか?あいつがポンポンとヤバイ武器を射出しているんだよ!っとぉおあぶねぇ!?あいつの連れか分からねぇが、赤龍帝のビームをナイフ一本でかき消した奴もヤバイ!なんなんだよあれは!』

 

「えぇ・・・皆弱すぎじゃない?」

 

『いいや、そうじゃねえ。確かに今言った二人もヤバイがいきなり乱入した女がヤバすぎる!いや、これは増援って言った方が良いな。とんでもない動きをして赤龍帝の肉を噛み千切りやがった!悪食にも程があるぞ!人喰いを嬉々とした表情でやるあれは人間じゃねえぞ!ってぎゃあああああ!俺の抜けた羽一枚を食べやがった!おい、ロアルドロスって何だ!カスカスって何だよ!!』

 

最後についてはどうでもいい情報だが、事態は急を要しているのだろう。転堂ともう一人の男―――夜刀志木(やとうしき)の二人を主軸とした転生者達が一誠達に襲い掛かったとの事だ。地獄のサバイバルで拮抗状態だったのだが、リコリスが参戦した事で甚大なる被害が出ているらしい

 

「主、私達が行かなくてもいいのか?」

 

「私はこのお弁当とデザートが食べ終わってから覗くわ。だから、行ってらっしゃい下僕達!」

 

美羅が指差した先には、ティアと舞樹姉弟とヴァーリ達三人の六人だ。ジャンヌは、美羅と一緒に後程お邪魔する形である

 

「・・・待て、待ってくれ。主は冗談が過ぎるぞ?」

 

「本気だよ?」

 

ティアは頬を引き攣らせ、逃走しようとするが五人に取り押さえられる

 

「は、離せぇええええ!」

 

「龍が敵前逃亡するな!」

 

「五代龍王の一角が逃げの選択を取るな!」

 

しかし、ティアの力は強く、五人がかりでも徐々に引きずる程の力で逃げようとしていた

 

「主が言っていただろ!龍を生きたまま食べる狂人だと!我は食べられたくない!!」

 

「先程話を聞いていたが、赤龍帝は味見された様だ。仲間が増えるだけだ」

 

「全て諦めちゃいな!」

 

「嫌だ!!」

 

ティアが必死に拒絶している中、美羅は六人を包む様に魔力を流した。それと同時に、足元に浮かび上がる魔法陣を見て、ティアが絶望の表情をし、舞樹姉弟は覚悟を決めて、ヴァーリと美猴は転生者達にお礼参りを、魔術オタクの京矢は魔法陣に興味津々

 

「いってらっしゃ~い」

 

「ある―――」

 

ティアが言い終える前に一誠達の元に飛ばし、再びお弁当をゆっくりと食べ始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~黒side~

 

「ドラァッ!アーシアちゃんを汚そうとするゴミにも劣る汚物は焼却処分だ!!」

 

紅が口からブレスを吐き、転生者達を燃やしている光景をのんびりと見ている黒と黒歌。生八つ橋を食べつつ、その行く末を見守っている

 

「黒・・・紅の口から炎の弾が出たのだけど・・・本物?」

 

「紅も俺と同じ龍だからな。全力全開で暴れはしないが、有事の際には結界を全力で張る予定だ」

 

「広範囲攻撃が出来るのかにゃ?」

 

「いんや、俺達が力を開放したら自然と周囲の環境を変えちまうんだよ。あいつの場合は、隕石が落ちる」

 

「・・・危険すぎるにゃ」

 

「ハド〇ーケン!」

 

紅の手から放出された炎弾が、一人の転生者を消し炭にした

 

本当に弱いな・・・って事は、一誠達に戦力を集中させているのか?だが、人数が多いから違うと思うんだが?

 

黒があれこれ考えていると、アザゼル印の携帯電話から着信音が響く。殆どかけて来る事がないアザゼルからの電話なので、少しだけ急いで出る

 

「何だ?」

 

『美羅の嬢ちゃんにスルーされたからこっちに救援に来てくれ!こっちは少数精鋭なんだが、意味不明な攻撃ばかりでガタガタになってる!』

 

「美羅がスルーしたなら大丈夫じゃね?」

 

紅の方も終わったのか、周囲一帯が炎に包まれて黒の方に合流して電話の内容を聞いている

 

『大丈夫じゃねえよ!アーシアと塔城が居るから何とか拮抗状態になっているんだ!しかも、転堂の奴がヤバイ!アーシアや塔城に対して有効な武器をポンポン放って、弱った所を連れて行くつもりだ!』

 

「「「あぁん?」」」」

 

黒と紅と黒歌の怒りゲージを突き抜けた。愛する人の妹、大切にしている者を拉致―――その後は、屑転生者のやる事は決まっている

 

「黒・・・私が言いたい事分かるかにゃん」

 

「当たり前だ」

 

「じゃあ、あいつらぶっ殺してにゃん♪」

 

「おう!」

 

黒と黒歌に関しては塔城が大事な妹なので、当たり前の反応だ。そして、紅の反応は案の定

 

「屑野郎ォオオオオオオオオオ!細胞一つ残さず消し炭にしてやる!!」

 

アーシア限定の過保護な紅は、黒と黒歌を置いてアーシアの元へ疾走した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~一誠side~

 

転堂を含む転生者三人の猛攻に、徐々に押され始める一誠達。特に、一番酷い傷を負っているのは一誠なのだ

 

グゥッ、・・・クソッタレ!女の子はバッチ来いだが、あれだけは絶対に嫌だ!

 

『ふぉぉおおおお!喰われた!?相棒、俺はあんな狂気女に喰われたくないぞ!』

 

「俺だって喰われたくねえよ!」

 

現在、リコリスの標的となっているのは一誠一人だけだ。一誠を護ろうとするアーシアと塔城は、リコリスの独特な動きに翻弄されて吹き飛ばされ、転堂の王の財宝から射出される特攻武器を避けながら鎖に絡めとられない様に動いている

残りのグレモリー、姫島、木場、ギャスパー、アザゼルに関しては、もう一人の転生者の夜刀志木(やとうしき)に足止めされていた。魔力攻撃をすれば、志木の転生特典の一つ"直死の魔眼"によって殺され、近接攻撃を行う木場にはもう一つの武の達人で鍛えた動きで難無く対処される。しかも、木場が生み出す聖魔剣やアザゼル特製の人工神器も直死の魔眼の前に成すすべもなく殺される

 

「ヒヒッ、キヒヒヒヒィイイイイ♪龍を宿した人間ってこんな味なんだぁ~。もっとそのお肉頂戴♪」

 

「ふっざけんな!もう仕方がねぇが、女の子だからって容赦しねえぞ!」

 

「良いよ良いよ良いよ~♪抵抗すればする程、お肉は美味しく歯応えが違ってくる!次はどんなお味かなぁ~?」

 

リコリスは、転堂から分捕った双剣を弄びながら一誠の変化を待つ

 

「仕込みはやってんだよ!行くぜっ!―――――洋服崩壊(ドレス・ブレイク)!」

 

一誠が指パッチンした瞬間、リコリスが身に着けていた鎧が弾け飛び真っ裸になった。一誠は、これで両手が塞がると思っていたが、予想とは違った

 

「抵抗は?」

 

「何で隠さねえんだよ!?」

 

自身の胸も秘部も隠さず堂々としているリコリスに、一誠はついツッコミを入れる

 

「まぁいいや。ジュル―――ヒハハハハ♪」

 

リコリスは舌なめずりしながら体勢を低くして、一誠へと飛び掛かった。だが、一誠も何時までも驚いているわけじゃない

 

「うぉおおおおおお!行くぞジンオウガ!」

 

『Donner Wolf Battle Armor!』

 

迫り来る武器に両腕をクロスして防ぐ体制をし、直撃の瞬間に鎧を纏った。力と耐久力に特化した鎧の前には、転堂から分捕った武器も弾かれる

 

「くらえええええええ!」

 

一誠は躊躇わず、リコリスの腹部に向けて全力でぶん殴った。空中で隙だらけになったリコリスの体は、くの字に折れて建築物を破壊しながら吹き飛んだ。リコリスが吹き飛んだ事に驚いた転堂と志木は、一旦距離を取った

 

「志木、どういう事だ!あの女吹き飛ばされてんじゃねえか!」

 

「それだけ主人公が成長したという事だ。俺達もそうだが、それ以外のイレギュラーが絡んだ要因がここに反映されているだけだ」

 

「ちっ!本当は傷つけたくはなかったが、仕方がねぇな。こっからは最上級の武器でダルマにして持ち帰りだ!」

 

今までの武器よりも更に上の物が飛んで来るという事に皆が驚愕する中、一つの武器が今まで以上の速さで放たれた

 

「きゃあっ!?―――いっ!?」

 

アーシアの目にも見えない速さのそれは、聖なる気で纏った鎧を抉った。防御力にも秀でた鎧なので軌道を逸らす事が出来たので腕が吹き飛ばされる事はなかった。しかし、武器の刃が腕を掠めただけで半分程まで切れてしまった。自身の神器で傷を癒したのは良かったが、次に放たれれば避ける自信が全くない

 

「うっぜぇ―――な!」

 

今度は、アーシアの四肢全てを同時に射貫く為に武器が射出された。直撃した武器が炸裂して、周囲に土煙がもうもうと覆う。徐々に土煙が晴れると、アーシアの前に一人の男―――紅が立ち塞がっていた

 

「おうおうおう!アーシアちゃんを傷物にしようとした屑野郎!制裁の時間だぁ」

 

転堂が再び武器を待機させると、一誠が吹き飛ばしたリコリスが恍惚とした表情で合流した

 

「あはぁ~♪お腹が疼いちゃうよぉ~♪熱い―――熱い熱い熱い熱い。疼きを止めるには早く龍を食べなきゃ♪」

 

痛みを欲求に変換するリコリスを見て、紅を除いた一誠達全員がドン引きする。リコリスが戻り、一誠達に増援の紅が来た事で劣勢になったと判断した転堂は、手を軽く上げる合図をしたと同時に魔法陣が出現。そして、数多くの転生者達が再び姿を現した

 

「これで、形勢逆転だな」

 

ただでさえ面倒な転生者が何十人も姿を現した事に、一誠達は苦虫を噛み潰した様な表情になる。すると、紅に遅れる様に黒と黒歌が合流。そして、一誠の隣にも魔法陣が浮かび上がった

 

「敵襲か!?」

 

しかし、現れた人物は少数。ティア、舞樹姉弟、ヴァーリチーム、京矢の七人が姿を現した

 

「・・・やるしかないのか」

 

「まぁまぁ、ティアさん。きっと後で良い事があるって」

 

「帰ったらデザート食べよう?」

 

「援軍登場だ」

 

「よう赤龍帝。・・・いや、二人いるから一誠って呼ぶぜい。大丈夫か~?」

 

「早く終わらせて紅茶が飲みたいです」

 

転堂達は、ヴァーリ達が一誠達の援軍に来た事に驚愕。しかし、もっと驚いたのは一緒に行動していた筈の京矢がそこに居たからだ

 

「おい!何でお前がそこに居るんだよ!テメェも転生者だろ!!」

 

一誠達は京矢が転生者という事に驚き戦闘態勢を取ろうとしたが

 

「紳士のしの字も知らない糞にも劣る者達と一緒に行動するのは嫌でござる!YesロリータNoタッチ!女性に触れるのは相手の了承があり、優雅に女性を尊重させる事が真の変態道ですぞ!」

 

「魔術キチは黙ってアイテムを作ってりゃあいいんだよ!」

 

「嫌でござるぅ。拙者はもう雇い主の下で一生懸命働く所存―――滅びのレールの上を進むなんて死んでも御免ですぞ。しかも、以前まで無料でアイテムを差し出していた拙者って優しくないでござるか?」

 

京矢が無料でアイテムをプレゼントしていたのは、生活保障という点だけだった。しかし、道具の様に馬車馬に働かせられる環境に嫌気がさすのも無理はないだろう

 

えぇ・・・こいつって転生者なのに転堂達と仲が悪いのか。しかし、真の変態道か。―――仲間が増えたな

 

一誠自身も変態である事に反論はしない。だが、両者の変態道に関してはベクトルが違う。生おっぱいを見て触りたい一誠と、相手に危害が無い様に眺めるだけの京矢。紳士的で言うなら京矢だろう

 

「クソッ!だったら、テメェもぶっ殺すだけだ!」

 

「させないでござる。結界起動ですぞ!」

 

この場に居る全ての者を、京矢特製の結界へとご案内。そこは自然が全くなく、だだっ広い荒野のフィールドだった

 

「この結界は頑丈に作りましたぞ!ちょっとやそっとじゃ壊れないだけですが、存分お力を開放しても大丈夫ですぞ!まぁ、あの方だとぶち壊れるのですが・・・」

 

最後の言葉はともかく、この自信満々の京矢の言葉に黒と紅が反応した

 

「へぇ~、使えるなこいつ」

 

「本気でブチコロス!」

 

黒は黒歌が襲われて以来、紅はエクソシストの馬鹿やらかし以来の解放だ。転堂は黒が龍という事を転生者達全員に説明をしていた。しかし、二人の真の姿知り、それを見た転生者達は己の間違いを理解した

 

『おらぁ!俺の黒歌と義妹に危害を加える汚物は消毒じゃーーーー!!』

 

『アーシアニウム補充完了!メテオ落とすぞ!』

 

そこからは阿鼻叫喚。黒の広範囲ブレスで転生者達の身体を炎で包み、慌てて炎を消そうとしている転生者達の頭上に、紅が隕石を降らせる。クレーターを大量生産しながら、あっという間に転生者達が数を減らす

 

「志木、早くしろ!」

 

「くそっ!結界を殺したいが、線が見えない!」

 

「拙者が何も対策していないとでも?浅はかですなぁ~。糞にも劣る者達と一緒に居た理由は、一人一人の情報を得る為でござるよ。最高級の素材を使えば、このような事も出来るのですぞ」

 

京矢がこの結界を作れたのは、美羅に頼み込んで血をほんの少しだけ分けてもらったから。存在自体がチート過ぎる美羅の血という最上級の素材は、神様でも殺せなーい存在である。いや・・・表現的には殺せはするだろう。だが、直ぐに復活するというチート具合だ。残基無限かつ、本当の意味で死なない者と相対して殺せるとでも?

 

「ギャアアアアア!」

 

「許して!許しぎゅっ!?」

 

「勝てるわけないぎゅっ!?」

 

「ただの龍じゃねえだろわばっ!?」

 

「ミラシリーズの二頭とかふざっ―――」

 

ミンチになる転生者達。残りは転堂と志木とリコリスだけとなった。前者二人は冷や汗を流しているが、後者の一人は体を震わせて歓喜していた

 

「古龍!こりゅうぅうううううううう!いただきまぁああああああす!!」

 

リコリスは、黒達の血だけでも頂くと突貫した。しかし、尻尾の薙ぎ払いで武器を砕かれ、突き上げで天高く吹き飛ばされた。ゴミの様にドチャリと地面に墜落し、瀕死の状態だ。しかし、それでも地面を這って黒達に近づく

 

『うわぁ~、こいつ気持ちわりぃ』

 

『アーシアちゃんの方が万倍・・・いや、億倍も可愛い』

 

やはり、黒達ですらリコリスは気持ち悪いと感じた。そして、転堂達に追い打ちをかける様に黒達の横に現れた魔法陣から美羅とジャンヌが現れた。尚、家でお留守番の役をしているのは小さい子供のお目付け役としてルフェイとオーフィスと赤の三人が居るのでとても安全で安心である

 

「やっほ~、終わった?」

 

過剰戦力とも言ってもいい美羅本人がこの結界内に現れた。外からも中からも出入りが困難な場所に難無く入れる美羅に、京矢は、「拙者は美羅様に着いて行くのでござる!」と思った事を言葉にする。ジャンヌはと言うと、転堂を見て、嫌悪感ありありの表情で中指を上に立てた。一方、原作を知っている二人はヴァーリチームもそうだがジャンヌまでもがこの場に当然の如く居る事に驚愕していた

 

「おいこら!ジャンヌが何で居るんだよ!!」

 

転堂の最もな疑問をぶちまけ、ジャンヌはうざそうにありのままを告げる

 

「はぁ?私は復讐者として行動しているだけよ」

 

「ふ、復讐者?」

 

「英雄派はどうなっているんだ!?」

 

「美羅に喧嘩を売って七割潰されたわ。当時の私・・・よく生きていたと思うわ」

 

「キノコ印のゲームキャラに進化させたかったからね♪」

 

美羅の最後の言葉を聞いた志木は、前世で何度もプレイしていたアプリゲームの事を言っている事に気付いた。何故なら、ジャンヌが身に着けているドレスアーマーがそっくりなのだ。装甲は黒く、金髪だった髪は白みがかっているからだ

 

「くそっ!お前も転生者だったのか!」

 

「あのゲーム面白いよね~♪」

 

「私のこれはゲームキャラだったの!?」

 

「今のジャンヌちゃんにぴったり嵌っているから、コスプレなんてちゃちな物じゃないよ!」

 

「嬉しくないわよ・・・」

 

ふざけあう二人を襲う様に、転堂の武器が射出される。しかし、二人共はそれが見えており、各自で対処する。美羅は手で掴んで武器を拾い、ジャンヌは黒炎を纏った聖剣で融解させる。難なく防がれた事に、転堂は驚愕する。黒や紅も美羅の様に出来はするのだが、時々失敗する早さなので硬化で弾いているのだ

ジャンヌとの戯れを邪魔された美羅は、少しだけイラついて殺気を漏らしてしまった。その場に居た者だけしか感じる事が出来ない程微々たるものだったのでよかったのだが、それ以外は別だ

 

『うわ~、美羅の殺気がちょびっと漏れた。誰か漏らしていないよな?』

 

「黒・・・少しだけ漏れちゃったにゃ///」

 

『大丈夫だ!むしろその反応は当然だ!』

 

『アーシアちゃああああん!大丈夫か!?おう、一誠。どさくさに手を握ろうとしているんじゃねぇよ。ぶっ飛ばすぞ?』

 

「こ、紅さん。メッです!」

 

『調子に乗ってごめんなさい』

 

「あっ、私の方こそごめんなさい」

 

『アーシアちゃん良い子やぁ~』

 

美羅の殺気で顔を青くした者達が殆どで、超越者に至っていない女性陣は少しだけ漏らした

 

「白野先輩の殺気はこれ程までなのか・・・」

 

「ヤバイ・・・美羅の嬢ちゃんの殺気ヤバイ・・・」

 

「アバババババ!?美羅先輩ごめんなさぁアアアアイイ!」

 

木場とアザゼルの二人は殺気の濃度に後退り、一誠はトラウマスイッチが入っている。ギャスパーに関しては、白目を剥いて気絶している

 

「取り敢えず、あんたは死ね」

 

「なっ!?―――ふうぉおおおおおおお!?」

 

冷徹な目で志木を射貫き、体が硬直した瞬間にラリアットで岩盤に叩き付ける

 

ドガァアアアアアアア!

 

志木の視界が霞む中、唯一映った真紅の瞳と真っ白な髪に一つだけ思い出した

 

「ミラ――」

 

「手足は不要――――――――――――祖の龍は目で消し去る」

 

美羅の目からビームが放たれ、志木を飲み込んで蒸発させた。細胞どころか、影一つ残さずに消滅させた。今回のビームは非殺傷ではないので、ビームが通り過ぎた跡地が徐々に膨らみ―――爆発。巨大なキノコ雲を作り、稲妻が迸る程の火力だった。いきなりの目からビームの爆発で、京矢が張っていた結界が崩壊。それと同時に、転堂とリコリスの二人の足元に魔法陣が現れて何処かへと転移した

 

「いや~、すっきりした~♪」

 

皆があの光景を見ており、一国どころか、複数の国を巻き込んで更地にしかねない程の爆発を前に本音が漏れる

 

『絶対に敵にならない様にしよう』

 

あの目からビームを至近距離で浴びた志木に関しては、ご愁傷様としか言えない。京矢は、「今までの天罰でござる」と言って自分に矛先が向かなかった事に感謝と、自信をもって張った結界が再び目からビームによって破壊された事に気落ちしている

 

「・・・また目からビームで拙者の結界が破壊されたでござる」

 

「どんまい」

 

しょぼくれている京矢に黒と紅がフォローを入れる

 

「逆に考えるんだ。俺と紅の二人の攻撃でも結界が破壊されなかった事が凄いと」

 

「あれは物理法則とか概念を捻じ曲げるではなく、へし折るから仕方がない」

 

「紅のメテオにも耐えてただろ?美羅が無慈悲な存在なんだよ」

 

「あれでアーシアみたいに優しさが少しでもあれば印象も変わるのに・・・残念だ」

 

今までは雌煌の馬鹿でヘイトが向いていなかった事で油断した黒と紅は、美羅の事を馬鹿にしてしまった

 

「へぇ~、無慈悲で優しさがないねぇ?ちょっとO☆HA☆NA☆SHI☆しようか♪」

 

脱兎のごとく逃走しようとした二人だが、あっという間に首根っこを掴まれてしまった

 

「離せぇえ!」

 

「事実だろうが!」

 

美羅は、ニコニコと笑いつつ冷めた目で二人を睨む。黒は少しでも被害が出ない様に下手に出るが、紅はつい本音が漏れている

 

「私は優しいんだけどな~?」

 

「ハッ!アーシアちゃんみたいに癒しを得てから物申せ!」

 

美羅は黒の首根っこを離し開放すると、黒は素早く黒歌の元に行って慰められている。残ったのは紅だけで、美羅は手を離したと同時に紅の腹部にマジカル八極拳☆!美羅の拳が紅の腹部にめり込んで崩れ落ちる所に、背側蹴りを顎をかち上げる様に叩き込む。再び紅が宙に浮くが、素早くもう片方の足で踵落とし―――ピンボールの様に地面を跳ね、再び踵落とし。本来ならそこで終わりでも十分なのだが、美羅は鬼畜コンボを続ける

 

「波〇拳!波〇拳!波〇拳!竜巻〇風脚ッ!」

 

直撃したら停滞するエネルギー弾を三発放ち、固まっている所を竜巻で巻き込む

 

「昇〇拳!昇〇拳!しょぉーーー〇拳!」

 

アッパー二連打と、天高く突き上げるアッパーで体ごと高く飛ぶ。先に地面に降りた美羅が、紅の墜落地点にスッと忍び寄ったと同時に体がブレ――

 

「これが瞬殺極よ」

 

打撃音が後から聞こえる超速連打が、紅に叩き込まれてヤムチャした

 

「設定も何もかも無視してやがるっ!?」

 

「拙者知ってるですぞ!あれはフィニッシュモーションでござろう?」

 

「紅の奴生きてるかねぇ?」

 

アーシアが紅を治療しようとするが、美羅が自然治癒させるという方針に逆らえず無体のまま連れて帰る事となった。一誠達のハチャメチャな修学旅行の一幕は過ぎ、転生者達が激減した事に美羅はルンルンとしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆イベント進んでいるかい?作者は全く進めていない様だよ。必死になってリンゴを齧りつつ追い込む様だ
布団「新規鯖だけでもてにいれるぅ!」
・・・さて、この辺りで終わろう。それじゃあまたね!
布団「落ちるんだよ」






ミラ「ちっ!居ないなぁ。イベント進めよ」








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第75話 超展開!?やっちゃったZE!油断と慢心!

布団「え~、ここで読者にお伝えします。色々と考えた結果、一誠sideを物凄く減らして強引に後半へと移行します。かなり長々とやるのもあれだし・・・エタる可能性が高いのです。この話だけでも六回の書き直しの末に執筆しました」
ミラ「で?」
布団「許してつかぁさい。取り敢えず、ミラ様達は神と戦います!(※自称はメインディッシュ)」
ミラ「なら、さっさと書けるよね?」
布団「頑張って超展開?になる様に頑張る。実は、修学旅行に入る前位から原作を知らないのでね・・・。オリジナル展開とやっちゃいまーす。目下の問題は筆の乗りが重いという事です(;^ω^)」



~美羅side~

 

美羅達が転生者達を殲滅し終えて数ヵ月―――。周囲は何も起こらず、美羅は家で食っちゃ寝の自堕落な生活を送っている。卒業まであと少しで、それまでに自称神をヌッ殺す事にした

 

「と言う訳で、卒業するまでに自称神をヌッ殺すわ。卒業後はのんべんだらりなアウトドア生活!」

 

「・・・それはもう引き籠り生活ではないか?」

 

「自給自足だから引き籠りじゃないわ!」

 

「そ、・・・そうか」

 

美羅の圧にティアはタジタジになって追及を諦め、自分ものんべんだらりなアウトドア生活を送るのだろうと察した

 

「主の将来設計は理解したのだが・・・それ以外の者はどうするつもりだ?舞樹姉弟に関しては書類偽造などしていないぞ?」

 

「ここの管理をさせる」

 

「なるほど・・・強く生きる事だな」

 

美羅が計画している事―――この不思議ワールドを観察する仕事を転生者である春、俊屋、京矢の三人を中心に任せるのだ。そして、バトルジャンキーなヴァーリ、美猴、アーサーも監視要員である

 

「ジャンヌちゃんはリオ夫婦のお世話で手一杯、ルフェイちゃんはネルとレオナルドくんの保護者。これで完璧ね♪」

 

「見事に全員を巻き込んでいるな」

 

「えぇ~、外で碌な事を仕出かさない様にするだけよ?アザゼルからは、「ヴァーリの闘争本能は戦いで抑制される」や、「ラーメン巡りや製作も力を入れている」って言ってたのよ?」

 

「前者は分かる。しかし、後者は無理だろう?」

 

ティアはこの不思議ワールドを一通り見たが、ラーメン巡りなんて出来ないし、製作も出来ないと決めつけていた

 

「ちっちっち、ティアは甘いよ。巡りや製作と言ったでしょ。今まで見た事もない素材を使ってラーメンを作る事の厳しさ・・・生半可じゃないわよ」

 

麺もそうだが、出汁、具材、薬味等と数多の可能性を模索して完成させなければいけない事を考えると、途方もない険しい道のりだ。ラーメン巡りに関しては美羅に頼めば外の世界に行けるので、周期を決めれば良いだけだ。そして今現在、ヴァーリはラーメン作りに必要な素材を収集していたりする。美猴はヴァーリの付き添いで、アーサーもヴァーリ同様新しい紅茶の茶葉を作る為に素材を収集している

 

「皆が他人に迷惑を掛けず思い思いに行動する―――良い事じゃない?」

 

「・・・確かに、迷惑が掛からないのは良い事か」

 

「人が本当に輝く時は、誰もが凄いと思った時よ。傍迷惑だから神器に封じた・・・神器が暴走するかもしれないから管理する。私は、上から目線の自分勝手で可能性の芽を摘む行為が総じて嫌いなだけよ。あそこでもここでも変わらない。弱者を食い物にし、己が欲望の為だけに消費する―――悪意の負の連鎖は何処でも一緒ね」

 

「主、自由気ままな龍と人は違うのは仕方がない。価値観が全く違うのだからな」

 

「でも、人間社会で過ごす事も悪くはないと思っているでしょ?」

 

「・・・そうだな」

 

美羅は、種族は違えど人という種は嫌いではない。だが、この世界は歪な所が嫌いである。神器という物のせいで人生が滅茶苦茶になり、人外達に狙われ、挙句には討伐対象にされる。生きる希望が湧かずに自殺する者も沢山居るだろう。生き足掻く事もしない絶望があるのは世の常だが、これはそうではない。たった一人の神が考えなしに神器を生み出した事が全ての始まりである

 

「神器って消えちゃえば良いのにね。そうすれば、もっと輝くかもしれない人が増えるかもしれないし、少なくなるかもしれない」

 

「神器が消えたら・・・確実に人間を眷属にするという輩は少なくなるだろうな」

 

「0にはならないけどね。行き過ぎた宗教と言う名の洗脳教育も醜いけどね」

 

ジャンヌの故郷で起きた事件。村人を洗脳し、虐殺し、心から追い込む。少しでも間違えば、異教だの魔女だのと決めつけられて処刑される。負の連鎖は何処にでも存在する

 

「でも、全てには始まりがあり―――終わりがある。それをするのは、何時だって理不尽な存在・・・・・まぁ、そういう事よ」

 

「・・・・・自称神と言うやつの事か」

 

「最初はまともだったのかもしれない。だけど、何処かで歯車が狂った、間が差したかもしれない、狂気を見た、大罪に感化された。様々だけど、地球の始まりともいえる神が退屈を埋める為に手を出しても許されるレベルを超えた。人だった頃には自制心もあったのだろうけど、急に何でも出来る力を得た事による傲慢ね」

 

「それほどまで最初に居た神なのか?」

 

美羅の言う自称神とは、人が生まれた時に生誕した神だ。それよりも前に居た神は存在して居たのだろうが、今は居らず、異質な力を持つ自称神に美羅はある予想をしていた

 

自称神は他世界にまでも手を出す力を持っている。だけど、私がこの世界に来た事を察知出来なかった事から、その力は後付けされた物の可能性が大。自称神から感じる他の神気―――その力は自称神よりも小さいとはいえ、何も見えない所から感じられる。血を浴びた事による力の取得しか考えられないわ

 

神とは何か?と問われても、殆どの人はあまり理解出来ないだろう。人の形をしている?神々しい形をしている?そんな物はただの器に過ぎない。神を神たる存在にしているのは、魂と血である。情報量の多いその二つなら、神としての力を持つだろう

 

人の魂に上書きされた神を超える力に、神の血を浴びた―――亜神の出来上がりってね?己よりも前に生きている神は居ないから、創生神は俺だと大きく出れる。一度オーディンや他の神々を見たけど、皆が記憶を弄られてるわ。これは色々と想定して動かなければいけないかな~?

 

一方、一誠達の方では激動の日々を送っていた。修学旅行では転生者達の襲撃を受け、旧魔王派がテロを起こして巻き込まれ、アーシアを手に入れようとした悪魔は鉄拳制裁で吹っ飛ばされ、もの凄くしょうもない事で禁手化に至り、冥界で変態な歌が流行らせ、日本を旅行していたオーディンの付き人のヴァルキリーの一人を眷属にしたり、レーティングゲームで更なる進化をしたとの事だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうしてこうなった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本当に意味が分からず、美羅は頭を抱えたくなった。襲撃やテロに巻き込まれるのは理解出来るし、あの手この手で眷属を増やしてレーティングゲームをするのも分かる。だが、しょうもない事で禁手化するのは予想外だ

 

KY赤髪の胸を突っついて禁手化なんて普通する?こう・・・生存本能が働いて至るんじゃないの?

 

美羅の言いたい事は物凄く分かる。この報告を聞いた当時の黒達は、目を点にして「うっそだろ?」と思った事をそのまま呟き、D×Dの小説を読んでいた俊屋は「・・・やっぱりか」と何処か諦めて顔を手で覆っていた。特にジャンヌは、「キモッ」と素直な感想を吐いた

ここまでなら我慢すれば良いのだが、ルフェイが何処からか仕入れた特撮番組「乳龍帝おっぱいドラゴン」を気に入っていたのだ。「何だこれは!?」と流石にヤバイと感じた美羅とジャンヌはあの手この手で取り上げる。だが、それがいけなかった。美羅とジャンヌはネルの口撃、「ルフェイお姉ちゃん虐める二人共大っ嫌い!!」という言葉に撃沈した。結局没収した物は返品して、なるようになれと放り投げる事にした

 

「・・・ネルの口撃って効くわね」

 

「・・・そうね。純粋だから染まらない事を祈るわ」

 

「・・・そこにオーフィスも加わって一緒に歌っていたわよ」

 

胃が痛いとはこの事だ。「平穏な日々?なにそれ美味しいの」と言わんばかりに、美羅は一誠が悪影響を与えている事に憂鬱になる

 

「・・・何処かに消しても良い奴現れないかな~。無性に腹が立つんだけど」

 

「・・・奇遇ね。私もよ」

 

美羅とジャンヌが気分転換にショッピングを楽しんでいると、携帯電話が鳴る。連絡相手は紅で、「珍しいわね」と呟き、ため息を吐きながら通話ボタンを押す

 

「今ジャンヌちゃんとショッピングしてるんだけど?」

 

『     』

 

しかし、何も返答が来ない。間違って電話をしてきたのかと思い切ろうとした

 

『やー!オーフィスお姉ちゃん虐めちゃやー!』

 

小さいけれどネルの泣き声が聞こえた。一緒に居たジャンヌも内容を聞こうとスピーカーに耳を当てていたので聞こえた。これは異常事態だと分かり物陰に隠れて兵藤家へ転移すると、家が崩壊していた

 

「襲撃・・・よね」

 

「やられた・・・雌煌が居るから襲う事はないだろうという決めつけが裏目に出たわ」

 

「強敵が居る事は間違いないわね」

 

「向こうに行くわよ」

 

ジャンヌは美羅の肩に手を置いて不思議ワールドへと転移。最初に眼に入った光景は、崩壊した別荘と体の至る所に傷を負い大地を赤く濡らす二体の竜―――リオレウスとリオレイアの二体だった

 

「レウ!?レア!?」

 

ジャンヌは二体の元に急いで駆けて近づく。二頭の傷は深く、ジャンヌと出会って安心した様に瞼を落とした。出会ってから一年も経っていないが、家族同然の竜が殺された。一度でなく二度も大切な家族が殺された事に、ジャンヌの身体から黒炎が揺らめく

 

「・・・・・何でよ。どうして・・・私は・・・」

 

ジャンヌは死んだリオレウスとリオレイアの前で泣き、美羅は遠くから聞こえる声を聞いて即座に移動する。空を跳んで移動していると、まるで八つ当たりの様に殺されたモンスター達の死体が転がっていた。戦闘音もそうだが、遠くから聞こえる声―――悲鳴と笑い声が聞こえる。美羅は流星の様な軌跡を描いて、目的地へと急降下。着地の衝撃で地面が抉れ、大地が揺れる

土煙が舞う中でも分かる気配。以前見逃した英雄派と呼ばれる四人と、ちぐはぐな力を纏う何かと、神気が四つ。そして、弱体化した馴染の気配が三つ・・・黒と紅とオーフィスの三人だ

 

「随分とまぁ好き勝手やってくれたわね」

 

『ほう、ようやくお出ましか』

 

『ねぇ~、早く終わらせたいんだけど~?』

 

『これが我らが動く程の猛者だと?ハーデス、何かの間違いではないか?』

 

『無手と侮るな。これは人間の枠組みを外れた化物の存在だ』

 

おうおうおう、私を人間の化物扱いか。私は龍なんだけど?・・・まぁ、勘違いしてくれているならそれでいいわ。説明めんどいし・・・

 

美羅は神気を発する四人の方を見て、ため息を吐きながらどうやって消そうかと思考する

 

「えっと~・・・ハゲーズとタルタルソースとエレボスとソックスの四神ね。これは私に対しての宣戦布告と捉えても良いわよね?」

 

『ハーデスだ!』『タルタロスだ!』『私はニュクスよ!誰がソックスよ!』

 

「もっと覚えやすい名前にしなさいよ・・・。渾名でいいじゃない。まぁ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここで殺すけどね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大胆不敵な発言に、四神の眉がピクリと動いた。相当お冠のご様子だ

 

『あ~あ、そんな事言っちゃう娘にはお姉さんが殺しちゃうんだぞ♪』

 

「お嬢ちゃんに倒される程弱くないわよ」

 

『おじょっ!?』

 

神様をお嬢ちゃん扱いする美羅に、この場に居るほぼ全ての者が「何てこと言いやがる!?」と心の中でツッコミを入れる

 

『ふんっ、可愛げのない娘ね!あっ、今の内に良い事を教えてあげるわ~。ドレスチェンジ♪』

 

ニュクスの言葉と同時に、身に着けていた服が変わった

 

『これぞ処女を殺す服よ♪処女の攻撃は通じないし、触れるだけで即死するのよ♪』

 

「・・・はぁ?」

 

美羅からすれば、「えっ?それだけ?」と呆れ果てたリアクションなのだが、相手は美羅が手を出せない現状に驚いていると勘違いする

 

「ん~・・・まぁ、四神についてはどうでもいいや。それよりも、それ何?キメラ?」

 

美羅が指差したのは、上半身が堕天使で下半身が東洋の龍の複合体だ

 

『あぁ、こいつは龍喰者(ドラゴン・イーター)―――名はサマエルだ。貴様の下僕の二体とオーフィスの力を削ぐ為に利用しただけだ』

 

これがドラゴン・イーター?権能か何かで力を奪う感じではなさそうね

 

美羅がサマエルをジッと見ていると、龍化している黒と紅の影からすすり泣く声が聞こえる。後ろを振り返ると、リアス達と兵藤夫婦が泣いていたのだ。美羅はこの時点で、「あぁ・・・一誠君の身体がおじゃんになっちゃったのね」と判断した

 

『サマエルに挑んだ人間の名前って何だったか・・・。確か赤龍帝と呼ばれていたな』

 

『あぁ~、あの童貞の男の子ね。サマエルの血を浴びただけで溶けちゃったのよね』

 

『やはり人間は脆弱だな』

 

言いたい放題である。だが、それは強者故の慢心でもある。美羅だって、こんな事態にはならないだろうと慢心していたので、「慢心乙w」なんて言えなかった

話は戻り、美羅は縁探知で一誠を探ると生きていた。但し、魂だけの存在となっており、グレートレッドの赤の傍に居る事が判明した

 

「な~んだ、一誠君生きてるじゃない。体は粉々になっても魂までは~って奴ね」

 

『え?』

 

泣いていた者達は美羅の言葉に呆然とし、一誠を殺したと思い込んでいた四神は驚愕していた

 

『馬鹿な!?魂が冥府へと落ちたのは確認したのだぞ!』

 

『落ち着けハーデス。我らの油断を誘う罠かもしれんぞ』

 

『・・・そうだな。我が間違う事はありえん』

 

落ち着きを取り戻したハーデスは、サマエルに攻撃命令を下す

 

『サマエルよ、あの女を殺せ!』

 

『■■■■ーーーーー!!』

 

まるで何も考えずに突っ込んでくるサマエルを見て美羅は再び考察を再開する。繰り出される攻撃をひらりひらりと躱し、触らない様に徹底する

 

これは・・・かなりの劇毒ね。神龍であれどその身を汚染される程と来たか・・・。しょうがないなぁ~

 

サマエルの攻撃を大きく避けた美羅は、赤雷でサマエルを押し出して距離を取る

 

「えっと、雌煌は・・・古塔の頂上で寝てるのね」

 

美羅は、指パッチンで雌煌を傍へ強制転移させ―――

 

「起きろっ!」

 

雷・神・拳

 

ズッゴンッ!

 

超強力な拳骨が炸裂し、クレーターが出来上がった

 

「いっでぇえええええ!?俺を殴ったのは誰だクソッタ・・・レ・・・・・」

 

美羅の顔を見た雌煌は、自分がやらかした事にようやく気付いたらしく頬を引き攣らせた

 

「わ、罠だ!これは罠だ!!あそこで高みの見物を決め込んでいる奴等のせいだ!!」

 

「もう一発いっとく?」

 

「ごめんなさい」

 

雌煌は、奇麗な土下座をした。最初から逆らうなと言いたいが、基本馬鹿なので反省はしない。すると、土下座をしていた雌煌はようやく気付いたのか、黒と紅の力が削がれている事に気付いた

 

「おいおい、黒に紅。お前等弱体化してね?」

 

『黒歌達を護る為にちょっとしくじってな』

 

『アーシアちゃんを護る為ならば仕方がない犠牲だ』

 

「この程度の呪いで弱体化するとか雑魚いぞ。なぁなぁ、俺も殺っていいだろ?参加させろよ~」

 

まるで駄々っ子の様にバッタバッタする雌煌の顔を、美羅は踏みつけて命令する

 

「離れて御守りしなさい」

 

「あっ、はい。すみません」

 

掌くるっくる~した雌煌は、おとなしく皆を避難させる。怪我をしてボロボロな皆を見送り、軽くストレッチしてコンディションを整える

 

「さ~てと、殺りますか。ソックスは最後で、その服をひん剥いて四つん這いにしてあげるわ」

 

『調子に乗り過ぎじゃないかな~?』

 

美羅と四神はやる気満々で、開戦の火ぶたが何時開いてもおかしくない状況の中、曹操が待ったをかける

 

「待て、貴様の相手は俺達だ」

 

「めんどいからパス―――と言うよりも、相手は元お仲間のジャンヌちゃんだけどね?」

 

「何?」

 

直後、空から赤い軌跡が美羅と曹操の間に着陸。その正体は、ロケット龍ことバルファルク。そして、その背に乗っていたジャンヌが地面に降り立ち、バルファルクは再び空へと飛んで行った

 

「ジャンヌ・・・か?」

 

「やけに黒々していやがるな」

 

英雄派の面々が久しぶりに見たジャンヌの姿を見て、最後に見た姿と変わり過ぎている事に多少驚いている

 

「・・・竜を殺したのはお前達か」

 

四神達は、「人間にやられたトカゲか」と呆れ、曹操達は最初に立ち塞がった大型の竜を思い出した

 

「ん?あぁ、赤い竜と緑の竜か」

 

「ちょいと頑丈だったが倒したぜ」

 

「竜殺しは僕の専売特許ですからね」

 

「見た事もない竜だったから鱗を少々頂いたな」

 

自分の力を誇示し、未知なる物を手に入れるのは当然だと宣言する彼等はジャンヌの逆鱗を踏んでしまった

 

――ろす

 

「何?」

 

「殺す殺す殺す殺す!お前達皆殺してやる!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ジャンヌside~

 

ジャンヌはどす黒い黒炎を迸らせ、創った聖剣を射出―――転堂が使用する特典の王の財宝と似た攻撃を行う

 

ドドドドドドドドッ!

 

幾多もの聖剣が飛来、自称英雄達は武器で弾き、魔力で撃ち落とし、避けたりと致命傷を負わない事にジャンヌはイラつく

 

「死ね!死んでしまえ!家族を奪ったお前達なんて死んでしまえ!!」

 

黒炎を彼等の足元に生み出すが、ギリギリで避けられる。一分一秒でも早くこの世から消したい奴等が足掻く事に、ジャンヌのイライラは更に大きくなる

 

「ジャンヌ、君がそこまで人外に絆されるとは思っていなかった。今から君は死すべき人間だ!」

 

「あんた等なんかに殺される程柔くないのよ!」

 

「曹操ばかりに気を取られてんじゃねぇぞ!」

 

死角からヘラクレスの拳が迫るが、ジャンヌは片手で捕まえ爆発。ヘラクレスの神器の爆発は大地を大きく抉る程の威力を持っている。しかし、この不思議ワールドではその程度の攻撃は日常茶飯事だ。つまり―――

 

「これで一人」

 

「うそだr―――」

 

ジャンヌの頭上を起点に、いつの間にか空に停滞していた太陽の如き巨大な黒炎の塊が落ちた。大地は焼け、凄まじい熱量がヘラクレスを消し飛ばす

 

「ヘラクレス!」

 

「あの炎は一体何なんだ!?分からない・・・何なんだあれは!?」

 

「ヘラクレスがああも簡単にやられるなんて・・・」

 

ジャンヌは、次の獲物を剣マニアのジークフリートに定めた

 

「獄門よ、行く手を閉ざせ―――憤怒の柱(ジ・ザイル・ディスカルズ)!」

 

黒炎の柱をジークフリートの周囲にそびえたたせた後、幾多もの巨大な断頭の刃を頭上展開する

 

「罪過をその身に受けろ、黒き咆哮の狂乱(スラッズ・ブレン・ラズィル)!!」

 

ジークフリートの首を狩る様に追尾するが、曹操の神滅具によって柱と刃も打ち消される。だが、それは想定内。ジャンヌは両手に黒炎を収束し、標的をジークフリートと曹操に絞って放つ

 

「六つ首の黒竜よ世界を喰らい尽くせ、焼却天理・鏖殺竜(フェルカーモルト・フォイアドラッヘ)!!」

 

左右の手から計六つの竜をを模した黒炎が放たれ、二人に向かう。黒竜の火力は凄まじく、曹操とジークフリートは放たれたと同時に禁手で相殺しようとする。曹操は禁手で得た力の一つであろうボウリング大の玉を操って威力を削った後槍で潰す。ジークフリートの方にも玉で援護したのだが、ジャンヌ自身が凄まじい速さで接近して聖剣と魔剣の鍔迫り合いとなる

 

「潰れろっ!!」

 

「ぐっ!?」

 

ジャンヌの押さえつける力が凄まじく、ジークフリートの足元が陥没する。鍔迫り合いしている魔剣は砕けはしないものの、何時砕けてもおかしくないと錯覚させる程ミシミシと鈍い音が鳴る。すると、二人を包む様にゲオルグの霧が漂っている事に気付いたジャンヌは飛び退いて距離を取る

 

「ちっ、あのまま気付いてなければ良かったものを」

 

「ちぃっ!」

 

ジャンヌがゲオルグに向かって駆けだそうとした瞬間、曹操の操る玉が複数襲い掛かる。燃やそうとすると黒炎の火力が弱まるので、聖剣で一つ一つを弾く。だが、ある一つの玉に聖剣をぶつけた瞬間、聖剣が砕け散った

 

「なっ!?」

 

咄嗟に新たな聖剣を生み出して壁にしようとしたが、聖剣は生まれず玉はジャンヌの腹部に直撃する。しかし、咄嗟の判断で後ろに飛んだので威力は三割減と言った所だ

 

「こっんの!」

 

黒炎を放とうとするも、不発―――。ジャンヌは、自分の力が封じ込められている事にようやく気付いた

 

「何で?・・・ッ!?その玉か!」

 

「ご明察だ。そんなジャンヌに良い事を教えよう。この二つの玉の特徴は異能殺しと武器破壊だ。その不可思議な炎を殺し、聖剣を悉く破壊しよう」

 

「俺の扱う霧で力を削ごうか」

 

「人外へ寝返った裏切者には丁度良い末路ですね」

 

黒炎を封じられ、聖剣は破壊されるこの状況にジャンヌは絶体絶命に陥る。しかし、だからと言って諦める事はしない。自分が死のうとも、曹操達だけは己の手で殺すと誓ったのだ

 

「力を封じた―――だから何?私はお前達を絶対に殺す!」

 

黒炎を封じられたからと言っても、心の奥底で滾る復讐の炎は消える事はない。相手を必ず殺すまで消える事はありえない。ジャンヌは聖剣を再び握り、周囲に展開する。武器破壊の玉が一個ならば数を用意すれば問題はないのだ

 

「考えたな。だけど、俺は言った筈だ。特徴は武器破壊―――玉が当たれば必ず破壊されるとでも思っていたのなら、過小評価されたものだな」

 

光っていない玉が輝くと同時に、全ての聖剣が砕け散る

 

「そ、そんなっ!?」

 

「よそ見をする暇があるのか?」

 

「くっ!」

 

曹操が槍を横に突き立てると同時に、ジャンヌは背後から嫌な予感がしたので横っ飛びで回避する。先程までたっていた場所には曹操が持った槍が生えていたのだ

 

「転移系の玉か!」

 

「観察眼は鍛えられているか。・・・ゲオルグ、ジークフリート、面倒になる前に殺るぞ」

 

「ああ、丁度俺の霧がジャンヌを捉えた」

 

「こっんのぉおおおおお!」

 

手足に枷をされたジャンヌは、いきなり体が重くなる。いや、身体能力が低下したと言った方が合っているだろう。油断はしていなかったが、相手の掌で踊らされた事に苛立ち、ジークフリートの魔剣が迫り来る

バックステップは間に合わない。横にズレる事も出来ない。ならば、残された手は前進を躊躇なく選択して、直撃する寸前に前に出てジークフリートの手を握って二刀の斬撃のみ回避。だが、残りの二刀は腹に突き立てられる

 

「ぐっ、がああああああああ!こんちくしょう!!」

 

ガツンッ!

 

激痛がジャンヌを襲うが、頭突きでジークフリートを突き放す。予想していなかったジークフリートは、まともに直撃してジャンヌの腹に刺していた二刀を手放してしまった。ジャンヌはそのままヤクザキックでジークフリートを蹴り飛ばして地に膝を付く

 

このまま剣を抜けば失血死は確実ね。炎も聖剣も封じられ、身体能力のデバフ・・・正直人一人道連れにする事も厳しいわね。―――だけど・・・だけどっ!あいつらは刺し違えても殺す!

 

心の奥底で炎が煮え滾り、憤怒と憎悪を孕んだ眼で曹操達を威圧する

 

「瀕死にも拘らずこの殺意・・・窮鼠猫を嚙む―――か」

 

「刺し違える可能性もありそうですね」

 

「だが、身体機能も低下しているんだぞ?そう簡単には解けない」

 

互いが牽制していると、ジャンヌの頭に二つの紅い玉が直撃した

 

「あいたぁっ!?」

 

これは曹操達も驚き頭上を見上げると、ジャンヌをこの場所に届けた龍が頭上を旋回して飛び去って行った

 

「あんのロケット龍は後でぶん殴ってやると思ったけど、これを見せられれば撤回してあげるわよ」

 

ジャンヌが手に持つ紅い玉は二つで、そのどちらにも言い知れぬ存在感と圧があった

 

「あんた達には分かんないわよね。力を誇示する為だけに敵を倒す。・・・それは、相手が襲ってきのなら誇っても良い事でしょうね。でも、あんた達は襲撃者で自然の破壊者。誉る事は何も無い。分かる?これは、この紅玉はあの二頭の竜の物よ。私に破壊者を殺せと熱量を持って訴えかけている!」

 

「人ではなく竜だが、死人に口なしという言葉は知っているか?死ねばそれで終わりだ」

 

「自分達の事は棚に上げてそれを言うのね。・・・・・だから、私はあんた達を殺す為に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人間を辞める!!

 

ジャンヌは、自分の腹を貫いている二本の魔剣を引き抜いた。ドロドロと血が零れるが、歯を食いしばって意識を保つ。そして、誰も試していない・・・いや、一人だけ居た。極限まで追い詰められ、仲間の為にそれを受け入れた男―――兵藤一誠だ

ジャンヌは一誠がそれをした何て聞いてはいなかったが、美羅からこんなことした馬鹿が居たよ~程度で聞いた事を思い出したのだ。しかし、今回は規模が違う。一誠はあくまでもジンオウガの角の素材を籠手に吸収させたが、ジャンヌが行うのは生身で紅玉を受け入れる事だった

 

「復讐は我が心に!無念はこの玉に!全てを此処に捧げる!」

 

ジャンヌは躊躇う事無く貫かれて穴の開いた腹部と心臓に紅玉を叩き入れた

 

「ぐっ!我・・・が炎・・・消・・・え・・・る事・・・なかれ!!」

 

今までの黒炎とは桁違いな熱量の炎がジャンヌを包んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

熱い、熱い、熱い、熱い、熱い―――でも、心地良い。私の身を炎が包んでいるのにも関わらずこんな事を思うのはもう死んだからなの?

 

炎に包まれているのに息苦しくもなく、体が焼ける事もない。このままずっと包まれて居たいと感じる程優しい炎だった

 

このまま居たい。だけど、私は成すべき事がある

 

そっと腹部を指で撫でると魔剣で貫かれた筈の腹部の穴は塞がっていた。そのまま何も考えず、無意識に指を胸元までなぞる。すると、心臓の鼓動に合わせて炎が揺らめく

 

そうだ・・・私はレウとレアの紅玉を取り込んだ。これは夫婦の消えぬ炎の意思―――死んだけど、護るという意志だけは残って私に託したという事なのね。全く、子供が居るんだから死んじゃあ駄目じゃない。でも、今度は私が護る。託されたこの力で仇を取り、護り抜く!だから、付いて来なさいよ!!

 

ジャンヌの意識が完全に覚醒すると同時に、身を包んでいた炎が散る。その場に佇むジャンヌの姿は、赤から緑のグラデーションに染まったスカートと、黒色の胸当と、左右に緑と赤の籠手を身に着けていた

 

「あぁ、そうだ。私は生きて役目を引き継ぐ。そして、それを邪魔する奴等は殺す。ただそれだけよ!」

 

その言葉と同時に、炎が巻き上がり赤のティアラと緑の耳飾りが顕現する。本当の意味で人間とモンスターが手を取り合ったイレギュラー中のイレギュラーがこのD×D世界に初誕生した

 

「覚悟は良い?今の私は手加減なんて知らないし、そんな事をしないわ。泣いて喚こうが止まらないんだから!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ジャンヌちゃんが遂にD×D世界初の新人類になりました。・・・新人類だよね?
え?亜人?・・・細かい事は無し無し
並みの禁手化よりも凄まじい力を手に入れたとだけ伝えておきましょう。曹操達はどうなるのかって?次回をお楽しみにね!


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第76話 神は言っている・・・もうやめてくれと

布団「イベント始まった!ギリギリセーフでの投稿じゃ!」
ミラ「ちぃっ!折檻する暇が無い!!」
黒「うわぁああああ!爆死したぁあああん( ノД`)シクシク…」
紅「配布はゲットしなければいけないな!」
ティア「一日に少しずつ進めたら問題ない筈だ。リンゴの節約をしなければ」





ねる「はじまるよ」










~ジャンヌside~

 

「覚悟は良い?今の私は手加減なんて知らないし、そんな事をしないわ。泣いて喚こうが止まらないんだから!」

 

ジャンヌが吠えたと同時に、大気が震える。曹操達にビリビリと当たった瞬間、全身に鳥肌が立った

 

「ぶっ飛べ!!」

 

四肢から赤い炎を迸らせて加速―――ジャンヌが立っていた場所は爆発して土煙を上げる。曹操の懐に飛び込んだジャンヌは拳を振り抜く。曹操も咄嗟に武器破壊の玉を自身とジャンヌの拳の間に挟む事で防ごうとする。だが、籠手に直撃した玉は砕け散った

 

「なにっ!?グボッ!」

 

爆発した様な鈍い音を立て、曹操は吹き飛んだ。木々をなぎ倒す事で減速し、巨大な岩にぶつかる事で止まった。ジャンヌの攻撃はそのままジークフリートへ移行、手から膨大な熱量の炎が伸びて巨大な大剣が握られた。その大剣の名は"炎剣リオレウス"。しかし、この大剣は通常の炎剣リオレウスとは違ってリオレイアの素材も混じっている

ジャンヌはジークフリートを袈裟斬りする様に大剣を振り下ろす。ジークフリートは、ジャンヌが引き抜いた魔剣を回収して全魔剣で受け止める。だが、馬力が違った。受け止めて魔剣が砕ける事はなかったが、そのまま押し切られて肩を少しだけ斬られる

 

「ぐっ!」

 

「あんたも邪魔!!」

 

ジャンヌはそのまま飛び退いてゲオルグへ疾走。大剣が再び炎に包まれ、晴れるとランスを握っていた。"プロミネンスピラー"を地面に突き刺し、空に飛び上がって一回転して叩き付ける。ゲオルグは防御魔法を展開するが、魔法陣とプロミネンスピラーが接触した瞬間、炎が魔法陣を溶かす。咄嗟にゲオルグは神器で転移するが、ジャンヌは野生の直感で槍を投擲。その先にはゲオルグの転移先だった。音速を超えた投擲は凄まじく、目視で回避する事は不可能。そして何より、プロミネンスピラーの炎はゲオルグの魔法陣を溶かす

 

「ふざけっ―――」

 

避ける事も出来ず、幾多にも張った防御魔法陣も突き破ってゲオルグの上半身を消し飛ばした

 

「一人!」

 

「ゲオルグッ!」

 

ジャンヌに吹き飛ばされた曹操は戻っておらず、ジークフリートただ一人で迎撃するしかない。だが、どうなるかは分かり切っている

 

「二人っ!」

 

プロミネンスピラーが炎に包まれ、新たに現れた武器は大太刀―――飛竜刀【楓】の紅・・・いや、飛竜刀【葵】の緑も合わさっているのでオンリーワンの無名の太刀だ。名付けるなら―――

 

「【楓葵(ふうき)】!」

 

楓と葵を繋げただけの安直な名前だが、ジャンヌ的には十分な名前だ

 

「紅蓮に滾れ、身体に印しを残せ、此れは何者も防げぬ一刀」

 

ジャンヌがジークフリートに近づきながら詠唱・・・いや、イメージを強固にしている。ジークフリートでなくとも、ただの袈裟斬りならば悠々と避ける事が出来る。しかし、ジークフリートは見てしまった。普通の人間の眼―――縦長の瞳孔・・・竜を模した眼と直に合わせ、ジャンヌの殺意と竜の消えぬ意思のそれに体が金縛りにあったかの様に硬直する

 

(何故だ!何故動かない!?)

 

腕だけ何とか動かせたジークフリートは、五本の魔剣を盾にする。そんな事は知った事では止まらないジャンヌはジークフリートの前に踏み込んで袈裟斬りを繰り出す

 

「飛竜―――――大紅蓮ッ!!」

 

振るう刀身は炎に包まれ、盾の魔剣諸共ジークフリートの身体を断った。その一撃は正に魂諸共燃やし斬る攻撃だ

 

「グッ、ジークフリートまでもか!」

 

吹き飛ばされた曹操が戻り、ゲオルグとジークフリートの死体を見て苦虫を嚙み潰した様な顔をしている。ジャンヌは飛竜刀を大剣に戻して曹操の声の方に振り返る

 

「最後はあんたよ。死にさらせ!!」

 

「俺は英雄だ!そう簡単に死ねるか!!」

 

「英雄だろうが何だろうが、無差別な虐殺をするあんたはテロリストなのよ!英雄なんて言葉を発するな!」

 

ジャンヌに襲い来る玉は、炎剣で叩き切る。その中には武器を破壊する玉も含まれており、曹操はそれを破壊された事に驚愕する

 

「なっ!?」

 

「これは二頭の意思!まだ死んでない、あんたをぶっ殺すまで死なないのよ!」

 

そして、ここでジャンヌの手から黒い炎がユラリと出現した。いきなり黒炎が出た事にジャンヌが驚くが、それは些末事なので使える程度で過信せずに戦う。曹操の様子を見れば、光っていた玉の輝きが弱くなっており、突いたり消えたりしていた

 

「そういう事ね。時間制限ならこっちも遠慮なく使わせてもらうわ!」

 

「させるわけがないだろう!」

 

曹操が急接近して神器で攻撃して来る。並の武器なら当たった時点で終了、並の防具なら貫通と酷い結果になるだろう。だが、リオ夫婦の意思が宿る武器と防具は上位神滅具と遜色ない性能なので破壊される事はない。炎剣で一度防ぐが、相手の武器がランスで手数が多い。一撃一撃が重い炎剣とは相性が悪いと感じたジャンヌは、飛竜刀に切り替えて逸らして攻撃する手段にした

 

「鋭いだけの攻撃なんて逸らして下さいって言っている様なもんでしょ!」

 

「チッ!」

 

攻撃し、逸らし、攻撃し、逸らしと何回も攻撃を交えるにつれてジャンヌの太刀の鋭さが増し、曹操に傷付け始める。これは流石にマズいと感じたのか曹操が後退したのだ。しかし、それは叶わない

 

「逃がすかっての!!」

 

ジャンヌが腕を一振りしただけで、二人を中心に炎の槍が地面から斜めに伸びて円錐状になった。これで空に逃げる事は出来ない。抜け出す事が出来るのはジャンヌを倒す事だけだ

 

「これではっ!」

 

「そう、あんたは私を倒さない限り出る事は出来ないわ。そして何より、周囲は炎―――酸素が無くなっては生きれないでしょう?タイムリミットはおよそ五分。全てに決着を付けるわ」

 

ジャンヌは、残り五分で曹操を倒すと宣言した。曹操は、「大きく出たな」と口漏らしたが途中で口を閉じた。何故なら、ジャンヌから迸る熱量が急激に増加したからだ。まるでマグマの火口に居るかの様な熱気に景色が歪む

 

「我は復讐者(アヴェンジャー)―――未練と後悔と復讐は黒炎、その身を食い千切り彼の者を煉獄へと誘おう。永久に続く黒炎の火竜心(アヴェンズ・ブラスト・ドラゴンハート)

 

ジャンヌの背に竜翼が生え、爪や歯が竜の様な鋭い物に変わった。人と竜が交わり、限界を超えた姿―――半人半竜だ

 

「本当に人間を辞めたか・・・化け物め人間の本当の強さを見せてやろう!」

 

「あっそ。じゃあ―――死ね」

 

その言葉と同時に、ジャンヌの竜翼から黒い炎が溢れて姿がブレた。曹操は咄嗟に両腕をクロスしてガードするが、左腕に掛かる圧力によって骨が粉砕された。いや、ジャンヌが曹操の左腕を掴んで握り潰したのだ。ジャンヌは、そのまま全力で腕一振りして曹操を吹き飛ばす

 

「ぐ、がぁああああああああ!?」

 

ジャンヌに掴まれていた曹操の腕は千切れていた。これは爪が竜の様に反り伸びた状態で握られていた事で、肉が避けていた事も相まって千切られたのだ。曹操が襲い来る痛みに耐えつつ顔を上げると、ジャンヌは両手に赤と黒の炎を融合させていた

 

「させるか!」

 

ジャンヌ目掛けて槍を投擲して融合された炎を消そうとするが、不自然な動きで槍が逸れたのだ。何が起こったのか直ぐに理解出来なかったが、直ぐに原因が分かった。離れているのにも関わらず、顔の表面をチリチリと焦がす様な熱量、ジャンヌが融合した炎の温度は凄まく、それだけで攻撃を捻じ曲げる程の熱量が暴れているという事だ

 

「これで終わりよ―――――双竜が咆えし逆襲の黒龍(ツインアーム・カオス・グロンドメント)!」

 

かめ〇め波の様に両腕を突き出した瞬間、赤黒い東洋龍が曹操へと突撃する

 

(何故だ、何故―――)

 

曹操が何処で間違えたのか、英雄はこの程度では死なないと思考がせめぎ合いながら龍の口に飲み込まれ、竜は地面をガラスに変えながら天へと昇る

 

ドォオオオオオオオオン!

 

竜は昇り、黒炎の槍と衝突して大きく爆発した。煙からは何も落ちず、晴れた先も何も残らない。ジャンヌは曹操を肉片一つ残らず消し去った

 

「ぐっ、ゴボッ」

 

一方、ジャンヌの方も技の反動か、血反吐を吐きながら倒れ伏す

 

「ジャンヌ!」

 

俊屋が雌煌の後ろから飛び出してジャンヌに駆け寄ると、小さいが胸部に小さな穴が開いていた。この穴を見て、曹操が決死の一撃を最後に放ったと理解した。槍を大型ではなく、限界まで圧縮して一点を指す事に尖らせた攻撃が炎の龍の中を突き進んだのだろう

俊屋がジャンヌを仰向けにして様子を見ても酷いの一言。心臓部に穴が開いており、そこから大量の血が溢れ出ているのだ。回復薬グレートを傷にかけても直る様子もなく、八方塞がりに近い。手持ちの素材はありふれた物ばかりで、「このまま死を眺めるしかないのか」と諦めかけた時、最後の手を思い付いた。何時か挑戦してみようと用意していた素材―――マンドラゴラと栄養剤グレートと増強剤。モンハン知識があったからというのもあるし、美羅から渡された調合の為の道具。しかも、頑丈と時短を兼ね備えた逸品。初めて作る+調合成功率が低いのも合わさり、限りなく0に等しい可能性だが試す価値はある

 

「俊屋!」

 

春も合流してジャンヌの手当てを開始する。回復はしないが、延命措置の為に残しておいた回復薬グレートを途切れない様に張るがジャンヌにかけ、俊屋は急いで調合を開始する。材料はやり直しの利かない一度きり分の量しかない。栄養剤グレートとマンドラゴラを調合・・・成功、秘薬の完成。これだけでも成功率は限りなく低いが当たりを引けた。次は増強剤とマンドラゴラの調合・・・成功、活力剤の完成。立て続けに成功した事に安堵しつつ、春に回復薬グレートに秘薬を混ぜてかけるようにと指示を出して最難関の調合を開始する。一方、秘薬を混ぜた回復薬グレートで治療するも、傷が治る事はなかった。残された可能性はいにしえの秘薬ただ一つ。以前一誠と狩ったケルビの角と活力剤の調合

 

(クソッ!震えるなよ俺の腕!手の空いてる中で一番調合成功率が高いのは俺しか居ねえんだ!失敗は出来ないんだ!!)

 

震える手に喝を入れて調合を開始―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれ?私はどうして此処に居るの?

 

ジャンヌの目の前に広がる光景は、以前見た煉獄だった。いきなりの事に戸惑いつつ、一本道の様に開いた場所を進む。時々足が重たくなるが、前に進む。すると、ゴウッと境界線の様な炎がジャンヌの行く手を阻む様に立ち塞がる。しかし、この程度の炎はジャンヌにとっては生温い。炎を超えた先に居たのは、以前見た女性―――黒のドレス甲冑に黒い旗を黒い剣と携え、ニヒルな笑みを浮かべている

 

『あら、もういいのかしら?復讐は済んだ?』

 

復讐は・・・一通り終わったわ

 

『そう。だったら、"それ"は要らないわね』

 

目の前の女性がジャンヌの後ろに指して釣られる様に振り向くと、二頭の竜―――レウ?とレア?が居た。だが、何処かおかしい。その身体は傷だらけで、ジャンヌに何かを訴えるかの様子だが、何も聞こえない。女性は、ジャンヌと同じく黒炎を操って燃やそうとする

 

待って!

 

『死した者に縋るつもり?』

 

死んでない!二頭は未だ生きている!!

 

『はぁ・・・あんたは未だ分かっていない様ね。二頭は死人、死体、何時までも引っ付けんじゃないわよ。それに、そいつ等は違うわよ』

 

ジャンヌは嫌だ嫌だと叫び、二頭の元へ近づく。女性が止めようとするが、無視して近づく。そして、安堵する手前で気付いた違和感。何処か違う、知らない、おかしい―――ジャンヌが一歩後退ろうとしたが、遅かった。二頭の体から生えた触手の様な何かに引き摺られる

 

なっ!?何よコレ!

 

四肢をがっしりと拘束され、徐々に引き寄せられる

 

『ジャンヌを名乗るとは・・・この匹婦めがァァァ!!』

 

『頑張りなさいよ?それは物凄くしつこいわ。まるでストーカーね』

 

『ン"ン"ンンンン!ジャンヌに罵られるとは・・・良いものですねぇ』

 

『私の前から消えろ』

 

『ええ、消えますとも。ですが、この匹婦めを処罰するのが先で御座います』

 

竜だと思ったそれが崩れ、ヒトデの様な何かに変わった。正直、グロく、R-18案件に直行しそうな姿形である

 

クソッ!放せ!放せえええええええ!!

 

ギリギリと締められ、徐々に意識が朦朧する。もう駄目だと思った時、煉獄に光が射してジャンヌを包んでヒトデ擬きを溶かし、光の先から二つの影が舞い降りる。ズンと音を立てて足を着いたのはリオレウスとリオレイア―――本当のレウとレアの二頭だ。二頭の連続火球が青髭を襲い、ヒトデ諸共爆砕する

 

『この竜風情があああああああ!』

 

最後に恨み声を上げながら燃やされてあっという間にケリがついた。二頭はそのまま女性の方を睨むが、殺気も殺意も・・・悪の感情が何も無かったので無視する。そして、レウが伏せをしてジャンヌを背中へ登るように誘導する

 

そっか、迎えに来てくれたのね。ありがとう!

 

レウの背に乗ったジャンヌは、女性を見つつ光の先へと飛び去って行った

 

『行ったわね。もう此処には来ないから黒炎は返してもらうわ。後は自分ともう一人で頑張んなさいよ』

 

女性はそのまま煉獄の中でのびのびとしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

眩しい・・・それに騒がしい・・・

 

「・・・うっさ「よかった!」―――うぇ?」

 

ジャンヌが目を覚まして上体を起こそうとした瞬間、抱き締められた。いきなりの出来事に雌煌が追い付かず、?が頭を埋め尽くして冷静になる時間が掛かる

 

「よかった!ジャンヌが生きてる!」

 

取り敢えず、抱き締めているのは俊屋だと分かった瞬間、ぶん殴ろうとした。だが、横からの衝撃で中断される

 

「ジャンヌちゃんが目を覚ました!俊屋よくやったわ!」

 

舞樹姉弟にぎゅうぎゅうと押されている事にイライラしていると、ふと思い出した。龍を放った後、胸を貫通する何かを貰って血反吐を吐いた事。体が徐々に冷える感覚

 

「あぁそっか、私死にかけたのね」

 

ようやく何があったのか追い付いたジャンヌは、二人を見て、「心配し過ぎでしょ」とつい口漏らす

 

「心配するに決まってるだろ!―――「そうよそうよ!ジャンヌは私と友達なん」好きなんだよ!「・・・・・えっ?俊屋マジ?」・・・・・」

 

「は、はぁ!?あんたと知り合ってから数ヵ月よ!?す、す、好きになるなんてありえないでしょ!!」

 

俊屋のいきなりの告白に、春は真顔になり、ジャンヌは顔を真っ赤にしながらツッコミを入れる

 

「・・・あれ?どうしてジャンヌの顔が赤いんだ?」

 

俊屋の方は、自分が言った事を覚えていないのかキョトンとした顔でジャンヌの顔を覗いている。真っ直ぐに、下心なく心配する俊屋に、ジャンヌは顔を逸らす

 

「お、おい・・・何処か痛かったりするのか?」

 

「・・・うっさい」

 

取り敢えず、俊屋のあの告白は無かった事にしようとジャンヌは黙る。だが、その空気をぶち壊すのが姉である

 

「ちょっとちょっと!俊屋の告白の返事は!?」

 

「は?」

 

「掘り返すな!」

 

俊屋がジャンヌの反応を見て固まった。自分で気付いていない本音の暴露に加え、姉による追及に頭を抱える

 

「さぁ、さあ!返事は?私の事を義姉ちゃんって呼んで!」

 

「呼ぶかあああああ!!」

 

ジャンヌのグーパンチが春の顔に直撃

 

「ぶぁあああああああああああああ!?」

 

「春ねぇええええええ!?」

 

綺麗な錐揉み回転で空を飛び、ロケット龍のバルファルクに掴まれて流星となった

 

「いい?忘れなさい!さっきあった事全部忘れなさい!」

 

「あ、はい」

 

これ以上は突っ込んだらいけないと本能で理解した俊屋は、素直に従う。まるで妻の尻に敷かれた夫の様だ

 

「忘れていたけど、美羅の方はどうなったのよ?」

 

「そういえばそうだった!?」

 

皆がジャンヌの方に釘付けになっており、慌てて美羅の方を見ると――――

 

「おらあ!四つん這いになって豚の様に泣き叫びながら後悔しなさいよ!」

 

パンッ!パンッ!ビシッ!パンッ!バチィッ!

 

「あひぃ!?神様に対して無礼よ!」

 

「口答えする暇があるなら懺悔しなさい!」

 

パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!

 

「おひぃいいいい!お尻割けちゃう!?」

 

「露出多い服を着ている痴女にはボールも追加してあげるわよ!」

 

「ンフォオオオオオオ!?」

 

地面に伏したニュクスのお尻を鞭で叩き、R-18でよく見るボールを嚙ませている光景だった。正直言って何がどうなってそうなったとしか言えない光景だ

 

「さぁ~て、私の初めてを奪うとか言ってたわよね?逆に奪われる可能性を想定していなかったのかしらぁ?」

 

「ン゛ン゛~~!?」

 

「これより、痴女のお尻にホットドリンクを突っ込みま~す!」

 

「あ、これは死んだな」

 

以前、尻に元気ドリンコをぶち込まれた雌煌がニュクスを見て南無南無と両手を合わせている。さて、このホットドリンクの原料を知らない人に説明しよう!トウガラシとにが虫で調合されるドリンク―――後は分かるだろう

 

「せぇいっ!」

 

ズムッ!

 

「~〇♯♪$&%▽!?」

 

尻からホットドリンクを投入される事自体歴史上初めてだろう。飲んだら、極寒地域でも体が温まるバランスブレイカーアイテム・・・どうなるかは目に見えており、ニュクスはのたうち回る

 

「いやぁ~、一仕事した!」

 

これぞ鬼畜の所業。そして、ぶちのめされたのはニュクスだけでなく、ハーデス、タルタロス、エレボスの三神に標的が変わる

 

「男のあれは見たくないけど、面白おかしくしてからぶっ殺すのは確定しているからやっちゃうよ~?」

 

美羅が取り出したのは赤いキノコと魚。その名をニトロダケ―――取り扱いを間違えると爆発する超危険なキノコと、カクサンデメキン―――死んだ瞬間に爆発する魚と危険一色だ

 

「カクサンデメキン以外を粉末にして~、ハバネロ、ブートジョロキア、キャロナイラリーパーを混ぜ合わせたデス粉末の完成~♪」

 

赤、赤、赤、赤―――この最悪のドロッとした調味料を、三神の口に投入する前に忠告する

 

「噛んだら爆発、「爆発オチなんてサイテー☆」って言ってあげるわ♪」

 

四肢を砕かれ、どうする事も出来ない状態の三神の口の中にデス粉末をべっとりと塗りたくったカクサンデメキンをシュートッ!とてつもない痛みが口内を暴れまわり、案の定力強く噛んだ。その瞬間、カクサンデメキンが死亡して破裂―――

 

ドガァアアアアアアアアアアアン!!

 

ニトロダケの粉末に反応して爆発した

 

「爆発オチなんてサイテー☆」

 

オオタル爆弾G並みの爆発が口内を襲った=神は死ぬ。頭部が無くなり南無阿弥陀仏!

あっという間の殺戮クッキングに皆の頬が引き攣る一方で、雌煌も美羅と同じく腹を抱えて笑っていた

 

「ブギャハハハハwあいつらの顔見たか?辛さのあまり自決を選びやがったぜ!美羅に喧嘩を売るからだ!ざまぁねえぜ!!」

 

「さて、残りはそこでお尻を押さえて悶絶している痴女だけね」

 

美羅はニュクスの手足を縛り、装着していたボールを外す

 

「ねぇ痒いの!熱いの!痒いの!手の拘束だけでいいから外して!!」

 

「捕虜に人権なんて無いわよ♪」

 

「鬼ィ!悪魔ァ!鬼畜ゥ!ドS!」

 

「しょうがないなぁ、冷ましてあげるわ」

 

美羅は呆れた表情をしつつ、アイテムポーチから白い液体の入った瓶を取り出す。皆は、「治すのね」と思っているが、美羅の事をよく知っている黒と紅と雌煌は全て察した。人間見下す神を美羅が早々に助けるとでもお思いだろうか?答えは決まっている

 

「クーラードリンク、レッツゴー♪」

 

ズムッ!

 

「んほぉおおおお!?」

 

ニュクスのお尻を再び開通させる。流れ込む液体はとても冷たい

さて、ここで話を変えよう。激辛を食べている最中に冷たい水を飲むとどうなるか読者の皆は知っているだろうか?答えは―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いぎぃいいいいいいいい!?おちりいっだぁあああああい!?冷たい!痛い!何こりぇええええええええ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皆が美羅の顔を見ると、とてもいい笑顔でのたうち回るニュクスを見ていたのだ。これでようやく理解した。確かに間違った事は言っていないが、それに伴う痛みは無いとは言っていない

 

「ねぇどんな気持ち?見下していた奴に見下されてどんな気持ち?虐められてどんな気持ち?」

 

「リアクション芸神だぜ! m9(^Д^)プギャー」

 

「これで十字架に磔ちゃおっと♪」

 

神であるニュクスを磔にする事は罰当たりな行為だろう。だが、どんな世界であろうと、弱者は強者に虐げらる

 

「出来た!あんまり暴れるから、つい当身で黙らしちゃった♪」

 

「この三つの死体はどうすんだ?」

 

「この痴女と一緒に北欧に送り届けるわ。だって、その方が面白そうだから♪という訳で、ティア行くわよ~」

 

「い、今からか!?」

 

「善は急げ!ってね」

 

『あきらメロン。美羅の理不尽な強さを知ろうともしなかった神の末路を語る程度でいい』

 

ティアは美羅に腕を掴まれ、北欧へと転移した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

北欧のオーディンの住む城―――オーディンが若い女の子と楽しくウフフな事をではなく、仕事をしているとても珍しい事だった。そこにはオーディンだけでなく、オーディンの息子のヴィーザルとロスヴァイセの祖母にあたるゲンドゥル、ブリュンヒルデやヴァルキリーのメンバー等、重要人物達が集まって会議をしていた

 

「うぅむ・・・。これどうしようかの?」

 

「白野美羅はもちろんの事、その眷属?であろう龍達はバランスを崩壊させている。・・・しかし、それを我らが相手をするとなると勝目はありません」

 

オーディン達が会議している内容とは、自称神からの戦闘命令が下ったから。自称神は最古の神の一柱であり、その命令となると無視するわけにはいかない。ぶっちゃけた話、パワハラを受けているという事だ

 

「ロキを消す程の雷を見ましたが、魔術の痕跡すら見つけられませんでした」

 

「魔術に長けたゲンドゥルでも分らんかったか・・・この命令撤廃してくれんかのう」

 

皆が頭を悩ませていると、オーディン達が会議をしている部屋にいきなり重圧が圧し掛かる。以前にも体験した重圧―――美羅のものであると理解したオーディンは、冷や汗を大量に流した

 

(この会話を聞いておったのか!?や、ヤバイ・・・どうしようもなくヤバイのぅ!北欧消されちゃうぅううう!)

 

皆が圧の中心地である部屋の中央を見ながら臨戦態勢に入る。だが、力の差が歴然としているのか、武器を持つ手が少し震えている

 

「いやっほ~♪宅配便で~す!」

 

「主よ、敵陣のど真ん中だぞ・・・」

 

「べっつにいいじゃんか~。要件を直ぐに伝えれるし、ちゃんと理解も出来る!一石二鳥なの!!」

 

棺が三つある時点で、オーディンは綺麗な土下座で命乞いをする

 

「すまんかった!上の命令とはいえ敵対する事を相談しておった!!」

 

美羅がオーディンの声に気付き、―――一言

 

「どういうことだってばよ?」

 

「この謝罪はどういう意味だ?」

 

『え?』

 

美羅としては攻めてきたクソ野郎達の見せしめで、ティアはその報告で、オーディン達は美羅と敵対する会議についてと考えが食い違っていた。そこでこの場にいる全員で何が起こったのか、何をしていたのかをすべてぶっちゃける事にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほっほ~ん。なるほどなるほど、パワハラって酷いよね~」

 

「正直死ぬかと思ったぞ?」

 

「余程の事がない限りは敵対しないわよ」

 

「心が広いのぉ。そして、お嬢さんに喧嘩を売った馬鹿な主神の末路がこれか・・・ワシ等は本当に運が良かった」

 

ブリュンヒルデやヴァルキリーの面々も首を縦に振る。それは、美羅による処刑方法が"女の尊厳ぶち破る!"という例が目の前にあるからだ。アヘ顔+汗と涙と涎+お漏らしというトリプルコンボなのだ。これを見たら、ほとんどの男性はドン引きだろう

 

「それじゃあ、全勢力に注意喚起しておいてね♪そ・れ・と・!上司の神だっけ?あれは私の獲物だからね?」

 

「・・・ホント?」

 

「マジもマジ。私の所に色々と送り込んだお礼参りするのよ」

 

「神話勢力全体に喧嘩を売るようなもんじゃぞ?」

 

「ふ~ん、惑星が生まれた直ぐに居なかった神達がどうこう言っても何も感じないわ。それに、今の私は枷を付けているのよ?地球で戦ったら・・・・・更地になっちゃうかもね♪」

 

美羅が笑いながら、人間の眼から龍特有の物に変えてオーディンを一睨みする。その瞬間、オーディン達は心臓を鷲掴みされたと錯覚した

 

「本当に人間か?」

 

「私が何時人間と言った?」

 

オーディンはこの時アザゼルから聞いた情報と、外見だけで完全に騙されていた。アザゼルから聞いた嬢ちゃん呼び+外見が人間そのものである事から勝手に決めつけていたのだ

 

「本当の姿って何じゃ?」

 

「ひ・み・つ・♪」

 

美羅は、クスクスと笑いながらティアを連れて転移した。その瞬間、部屋を支配していた圧から解放された者達は椅子に深く座った

 

「近々とんでもない戦争が起きそうじゃのう」

 

「私はあれと敵対するなら、敵前逃亡する」

 

「そう・・・ですね・・・。私達程度は羽虫位の脅威と捉えているでしょう」

 

「各神話勢力に注意喚起してくる」

 

オーディンは深い深い溜息を吐きながら、三つの棺と磔にされたニュクスを連れて上司以外の神話勢力へ注意喚起を行ったのだった

 

 

 

 

 

 




フフフ、いやぁ~爆死する姿を見ていると楽しいね。それにしても、こちらの聖女はどんどん強くなっている。最上位神滅具を持った彼を倒すとは・・・
もうそろそろ最後が見えてきた事だし、僕のお役目はあと少しだろうね。それでは、僕はここら辺でお暇をするよ!




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第77話 美羅監修、地獄のデスマーチ!

布団「ようやくだ・・・ようやく書けたぁああああ!」
ミラ「イベントをやってたのかな?」
布団「大丈夫だ何もやっていない。ストーリーも進めていない(´-ω-`)」
黒「俺活躍する?」
紅「良い所見せられるか?」
布団「勿論でございます。難産だったけど、ちゃんと書けたさ!」
雌煌「ほう、面白い。この俺が出来を見てやろう!」
布団「始まるんだぞ~♪(活躍はするよ?ある意味でね!)」










~美羅side~

 

四神の襲撃から半月、オーディンから各神話勢力への忠告も無事成功。美羅達はいよいよ自称神へのお仕置き作戦を決行しようとしていた

 

「これから自称神へのお仕置きの作戦内容を決めます。さぁ、過程の案があれば言ってね?」

 

黒、紅、雌煌の三人が手を挙げる

 

「黒歌とイチャイチャしたいから特急コースでぶっ殺す」

 

「アーシアちゃんを傷付けようとする元凶は即殺一択だ」

 

「黒と紅は分かってねぇな~。四肢をぶっちぎって全属性ブレスで粉微塵にするんだよ!」

 

「ジャンヌちゃん達はどうする?」

 

三人は殺す一択で、この場にいるジャンヌと春と俊屋と京矢の四人にもどうしたいかを尋ねる

 

「私はどっちでも良いわよ。この子達の世話もしないといけないから無視でいいんじゃない?」

 

「私達もイトハの成長を見なきゃいけないし」

 

「育成に集中したいな」

 

「拙者は魔法の研究をしたいですしおすし。しかし、このまま無視を決めこんでしまえば・・・先日と同様、襲撃される可能性もあるので攻め込むのが良いと思いますぞ!それに・・・貧乏くじを引いている転生者にも声をかけたいですぞ。戦力増強もありますが、この不思議ワールドの監視員を増やしたいのが本音です!」

 

この不思議ワールドは広く、監視員の人数が圧倒的に足りないのだ。狭いと思うだろうが侮るなかれ―――この不思議ワールドは惑星一つ分の広大さがあるのだ。やんちゃをしていたモンスターを美羅が物理で鎮めて放り込んだ事で、野生の本能で逆らったらいけない=やんちゃせずにのびのびと過ごすという生活スタイルとなっている。とはいえ、他のモンスターと縄張り争いもする為、周囲に広く迷惑がかかる場合のみ美羅の雷が落ちるというシステムとなっている

 

「オタクは何人説得するの?」

 

「一人ですぞ!」

 

「春ちゃん達も戦わないといけないわよ?」

 

「そ、それって・・・人を殺すという事ですよね?」

 

春は表情を歪め、嫌悪感を露にする。モンスターを倒す事はそれなりに慣れはしたが、自分と同じ人間を殺すのとでは全然違う

 

「ん~、殺さなきゃ殺されちゃうよ?もし、誰も助けてくれない環境になったらどうするの?先日の襲撃も護るばかりで攻撃はしていなかったでしょ?」

 

「・・・はい」

 

分かってはいるものの、実行する事は出来ない。この中で一番ふらついているのは自分であることもちゃんと理解している。美羅は、少し間を置いてある人間の話をする

 

「春ちゃんは覚悟がないだけ。・・・だから、とある一人の話をしてあげる」

 

「私と同じ人?」

 

「当らずといえでも遠からずってね。とある一人の人間は期待の新人ハンターをしていました。今日もモンスターを狩って生活しようと狩場へ行くと、あら不思議―――そのハンターは、唐突にモンスターの声が聞こえました。いきなりの事なので頭は追い付けず、その日はそのまま狩りを止めて家に帰りました。そう、これはこの日だけ、調子が悪かった、明日は大丈夫と楽観視していました」

 

これはモンハン世界で付けられたくもない称号を付けられた一人のハンター、美羅の被害者さんである。とはいえ、美羅も放置はせずに覗き見程度で様子を見ていたのである

 

「しかし、その楽観は地獄へと変わりました。次の日も、その次の日も、その次の次の日もずっとモンスターの声が聞こえる。日が経つにつれてモンスターの感情や弱肉強食による悲鳴も浴び、ハンターとして狩りの仕事すら出来なくなりました。出来るのは採取だけ―――多くの人は変わり果てた彼の事を臆病者と呼びました。彼は、何故、どうして自分だけとその運命に拒絶しながら生活は厳しくなり、数日何も食べない事はよくありました。環境調査等でモンスターと戦わないように立ち回る事でどうにかこうにか生活出来ていたけど、ついに限界が訪れハンターを辞める事を決めました。とはいえ、ハンターを辞めてから次の働き先を決めるまでにはお金が必要なので最後の調査に行きました」

 

春はハンターの彼は自分よりも辛い経験をしていると分かった。モンスターの感情や声も聞こえ、人間からの信頼を失う・・・これ程までの地獄はそうそう見ない。鬼畜で、気に入らない奴は殺す等の狂気に溢れる人間なら別だが、まともでしっかりとしているからこその地獄だ

 

「だけど、最後の調査を行った時に彼はとあるモンスターと出会いました。そこが彼のターニングポイント。キリンと出会ったのです」

 

「ふぁっ!?キリン!?そのハンター死んだ!?」

 

「俊屋君は鈍いなぁ~、死んでたら意味ないでしょ。生きているからのお話なのよ」

 

「ほんっと、あんたって馬鹿ね」

 

ジャンヌの辛辣な言葉が突き刺さり、俊屋は少しだけ落ち込んだ。好きだと告白してから返事はなく、忘れているのかはたまた放置しているのか分からないが、好きな女性からの言葉と思うと悲しくなる

 

「さて、古龍のキリンと出会った彼が行った事とは―――――怪我をしていたキリンをなけなしの回復薬で治療したのでした」

 

「それって、ハンターとしてどうなんですか?」

 

「バレたらハンターの資格剥奪」

 

「辞めるからあと腐れなくという事だったんだ」

 

違う、そうじゃない。春に突っ込みを入れたかったが、美羅は気にせずに進める

 

「キリンを治療した彼は、そのままクエスト破棄をして村に帰りました。そして、いつも通りの罵声を浴びて家で眠りました。しかし、次の日の早朝家の扉をノックする音が聞こえたので扉を開けると、そこには美女が立っていました」

 

「あ、その女性ってキリンなのk―――ブルゥエアアアアアアアアア!?」

 

俊屋が先に答えを言ったので、美羅のラリアットの突っ込みが炸裂した。クルクルと宙を回転してグシャリと顔面から地面に落ちた。ただの屍のようだ

 

「空気読めない俊屋君が答えを言っちゃいましたので、必要なお仕置きです。とまぁ、鶴の恩返しならぬキリンの恩返しとなりました。その後、彼はキリンの協力もあってハンターのお仕事を続けられる様に精神を癒し、決意を確固たるものにしましたとさ―――お終い」

 

美羅が良い所で切り上げようとした時、そこで突っ込みを入れるのは黒と紅と雌煌だった

 

「いやいや、そこで終わるのか?もっとあるだろ?俺達の出会いとかさ」

 

「二つ名を広めるのも良いと思わないか?俺って優しいだろう?」

 

「俺との戦いも言っていいだろ?それなりには出来る奴だったからな」

 

黒と紅から伝えられる情報は、好輝は他のモンスターも擬人化してパーティーを組んでいる事と、平穏を求める提唱者(アドボケイター)という中二病全開の称号を手に入れたという事だ。雌煌から語られるのは、久しぶりとも言える挑戦者だったという事だ。そんじょそこらのハンターは只のゴミや雑魚という認識だが、挑戦者と言える程の力量を持っていたのだ。比較するなら、美羅>雌煌>黒=紅>ティア=好輝>ジャンヌ>ヴァーリと言った順番だ

 

「痛い中二称号はともかく、そのハンターは凄いんだな。・・・モンスターの言葉も感情も分かっているのに討伐も出来るなんて」

 

「・・・そうだよね」

 

「あ、因みにそのハンターは日本人の転生者だからね」

 

「「ふぁ!?」」

 

美羅はハンターと言っていたが、転生者とは言っていなかったので舞樹姉弟は驚愕した。同じ日本人で、自分達よりもハードな人生を歩んでいるのだ

 

「今じゃあギルド全体が彼を必要としている位の力の持ち主よ。現代で言う所の英雄に等しいわ」

 

「ど、どうして白野さんはそんな事を知っているんですか?」

 

「向こうの世界を観察する程度どうって事ないわ。暇潰しみたいなものよ」

 

美羅なら後任のミラルーツに気付かれる事なくモンハン世界の情勢を見る程度余裕なのだ

 

「ま、だからと言って彼みたいに全部を割り切れなんては言わないわ。だけど、覚悟は決めなさい。相手はテロリストなんてちゃちな奴等じゃない。この世界を崩壊に導く害悪な存在よ」

 

「なぁ、白野さん。世界が崩壊ってどういう事なんだ?」

 

俊屋が疑問に思った事―――世界の崩壊とはどういう事かを尋ねる。これには他の皆も疑問に思っていた。世界に何かしらの軋みがあった訳ではないからだ

 

「生物が死ぬと天国と地獄のどちらかに行き、いずれ輪廻転生するわ。でも、皆も知っているでしょう?禍の団に居る転生者派閥で構成された人数を。あの多さは異常で、輪廻転生の魂の器を溢れさせているの。数や質が決められた箱に面白半分で玩具を入れてガタが来始めているの。もう少しのんびりしてから自称神をぶっ殺そうと思っていたけど、後先考えずに転生者を増やした問題が出始めたわ」

 

「ほーん、この世界は後何日だ?」

 

「半年以内に壊れるわ」

 

「「「「は、半年!?」」」」

 

これにはジャンヌ、春、俊屋、京矢の四人が驚く。予想では一年辺りだと思っていたが、その半分の半年―――ゆっくりなんてしていられないのだ

 

「恐らく、あれから転生者達が多く来ているわ。だから、もっと短いかもしれない。猶予は残り三ヶ月と考えて行動よ。まぁ、これは襲撃してきた神を殺したという理由もあるけどね♪」

 

原因が美羅にもあるが、それは相手が悪いという事でスルーする。襲撃してきたなら、問答無用で殺すのは当たり前だ。さて、残り三ヵ月の猶予をどうするかというと―――美羅は特に訓練や自己強化はしない。むしろ、舞樹姉弟の強化を優先するつもりだ

 

「これから春ちゃんと俊屋君にはデスマーチをしてもらいます」

 

「で、デスマーチ?」

 

「嫌だぁああああ!もう体験したくなぁあああああああい!!」

 

俊屋のトラウマが掘り起こされ、拒絶反応で逃走するが黒と紅に捕獲された

 

「ニャメロン!離すぇえええええ!!」

 

「お前は弱いんだから強制参加だってーの!」

 

「いざという時のアーシアちゃんの肉壁となれ!」

 

黒はまともな言葉だが、紅に関してはアーシアちゃんの過保護さが加速している。とはいえ、それだけ強くならなければ転生者達との戦いで死ぬ可能性があるという事だ

 

「ち~な~み~に、黒と紅も私か雌煌と戦うわよ?呪いで弱体化なんて気が緩みすぎよ」

 

「「よし逃げよう!」」

 

美羅と戦う=デスマーチ、雌煌と戦う=手加減抜きのガチバトルとなればどちらも御免だと言わんばかりに二人は俊屋の拘束を解いて逃亡する

 

「おらあっ!逃げてんじゃねぇぞ!!」

 

「げふっ!?」

 

「ごふっ!?」

 

雌煌のラリアットが直撃し、美羅は地面に叩きつけられた二人に首輪を着けて逃げられない様にする。美羅お手製の逃げても引き戻される手綱ver.2だ。黒や紅は勿論、雌煌ですら引き千切る事が出来ない頑丈さを兼ね備えた物だ

 

「訓練に手加減はするけど、死なない様に頑張ろうね?」

 

「あ、悪魔だ・・・」

 

美羅に連れられ、黒達は、以前俊屋がお仕置きされた古塔の頂上へと連行される。俊屋は必死で、「嫌だ!嫌だぁあああ!」と叫んでいたのだが、ジャンヌの「弱い男」という言葉を浴びて覚悟を決めたのか黙って連行された。未だに美羅のデスマーチがいまいち理解していない春は、「今回もサバイバルかぁ~」と何とも気の抜けた反応だった

古塔の頂上へと転移した一行は手綱から解放され、春はここがデスマーチの場所であると理解し警戒する。俊屋は膝を付いて、「もう駄目だぁ・・・おしまいだぁ・・・」と呟き、黒と紅の二人は腹を括ってどうやって攻撃を入れてやろうかと相談していた

 

「デスマーチの始まり始まり~♪春ちゃんは初めてだから注意事項がありま~す」

 

「強いモンスターが居るんですか?」

 

「気合い入れないと――――――廃人になっちゃうよ?」

 

「え"っ!?」

 

「はい、スタート!」

 

そして美羅の開始の合図と同時に黒と紅の二人が龍に戻って周囲の被害を無視した最大火力のブレスを放った

 

『やられる前に殺る!黒歌に良い所を見せたいんじゃああああ!』

 

『アーシアちゃん俺に力を分けてくれぇええええ!』

 

美羅を中心に爆発し、キノコ雲が生まれて煙がもうもうと立ち昇る。春達は吹き飛ばされるが、雌煌が全員の首根っこを掴む事で大事には至らなかった。もし居なかったら古塔から落下していただろう

 

「や、殺った?間違いなく殺ったよね!?白野さん大丈夫なの!?」

 

「美羅があんな蚊みたいな攻撃で傷付く訳ないだろ。基本慢心しないから傷付く時は慢心している時だけだ」

 

黒達は未だに戦闘態勢を解いておらず、むしろ追撃をする為のブレスの力を溜めている。しかし、この場にとてつもない威圧感が全員に襲う。雌煌は平然としているが、春達は膝が折れ、黒と紅は体をガクガクと震わせる

土煙が晴れると、厳つい角が生えた真っ白な龍が佇んでいた。ただ立っているだけでも感じる龍の神々しさと同時に、言葉に言い表せない恐怖が押し寄せる

 

『クソッ!傷一つ無いとかチートだろ!』

 

「いや・・・あんなブレス撃つ黒達も十分チートだろ?」

 

「そんな事はどうでもいいよ!あの龍何!?白野さんは高みの見物してるの!?」

 

春の突っ込みも最もだろう、目先の龍が美羅だと知っているのは極僅かだ

 

『あぁ~、そう言えば春ちゃんとジャンヌちゃんと黒歌ちゃんオタクの四人は知らなかったわね』

 

よく聞いた事のある声が白い龍から発せられた事実に気付いた四人は、「え、うそ・・・でしょ?」と同じ言葉を漏らす。白い龍は徐々に小さくなり、人型へと戻る。しかし、角や翼等と言った龍特有の物が出ている

 

「やっほ~♪皆の頼れるお姉さんだよ~♪」

 

どこぞの歌姫の様にキラッと星を出している美羅だった

 

『うっわ、ないわー』

 

『アーシアちゃん並みの可愛さでない美羅がやると痛いな』

 

「BBAが何か言ってるぞw」

 

突っ込みを入れる事は絶対にしてはいけないと思っていた春達の代弁者の如く、黒と紅と雌煌が本音を漏らした。後はお分かりだろう

 

「雷神拳!雷神拳!雷神拳!」

 

予備動作無し+高速を超えた拳―――回避する事は絶対に不可能なそれが黒達の顔面に雷神拳が炸裂する。黒達は空高く打ち上げられ、分身した美羅達によって全方位から連打が直撃した

 

『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオォォォオオオラァ!!』

 

「「「グルペェエエエエ!?」」」

 

連打の中に時々混ざる雷球が黒達に直撃して爆発しながら、トドメの大振りが地面へと打ち下ろされて黒達は撃墜した。あっという間の出来事、撃墜の衝撃でクレーターを作った黒達は犬神家と化していた頭から胴体の半分まで埋まるその光景はとても美しく、点数を付けるなら10点満点だ

 

「さて、次の獲物は~お前達だ!」

 

美羅の次なる獲物は舞樹姉弟だ。二人は美羅に指さされて膝を震わせるが、俊屋は喝を入れて武器を構える

 

「春姉構えろ!死ぬぞ!!」

 

「ま、まっさか~?白野さんはそこまで理不尽じゃないよ~。・・・・・じゃないよね?」

 

春は、ブリキ人形の様にゆっくりと美羅の方を見て尋ねる

 

「デッドオアアライブ♪」

 

「いやあああああああああああ!おうちかえるぅうううううううううう!!」

 

敵前逃亡したい。しかし、出口は無いので幼児退行の如く抵抗するがそれを、「はいそうですか」と見逃す事は絶対にしないのが美羅である

 

「春姉立て!死ぬぞ!!」

 

「一名様地獄へご案内~♪」

 

「ピィッ!?」

 

美羅が指を天高く伸ばすと、晴れた天候がいきなり雷鳴轟く雲へ変わる。雷が指に降り注ぎ収束―――某黒鉄の巨人のグレートさんみたいな演出と言えば分かりやすいだろう。そして、収束した雷が白の光から赤黒い光へと変色し放たれた

 

「あっ――――」

 

赤黒い雷のビームが春を飲み込み、晴れた先には何も残っていなかった。・・・その光景を見た俊屋は、トラウマがフラッシュバックして滝の様な汗を流す。だが、トラウマからの経験から、何もしない事はせずに攻撃に転じる

 

「し、死んでたまるかぁあああああああ!」

 

跳んで叩き切る攻撃をするが、悪手中の悪手は隙が大きい。よって俊屋も春と同じ運命を辿る

 

「ビームは薙ぎ払うのが基本よね♪」

 

「ふぉおおおおお!?」

 

ビームが途切れず、そのまま俊屋に直撃する様に振るわれて飲み込まれた。あっという間に二名が脱落したが、美羅がちょいちょいっと二人を蘇生させる

 

「う・・・あ・・・いき・・・てる?」

 

「な、薙ぎ払いゲロビはチートだろ」

 

舞樹姉弟が復活し、地面へと埋められた黒達も復活。改めて思うこの理不尽極まりない存在に舌打ちをしつつどう攻略しようかと画策する。そこで、美羅はある提案をした

 

「もうね、ティアも黒歌ちゃんもジャンヌちゃんも魔法オタクも戦闘狂三人組も参加すればいいと思うの。ほら、全員今より強くなるメリットがあるもんね♪私も本気の一端を解放しちゃうよ!さんど・・・・・ボコる相手が少ないからね!」

 

「どっちも酷すぎるわよ!」

 

ジャンヌの突っ込みに一同頷く。見学に来たのに飛び火して戦わなければいけなくなった事に舌打ちをする。戦闘狂三人組は、圧倒的強者と戦える事にワクワクしているが・・・それはある意味悲しい結末となるのはお約束である

 

「ヒャッハー!全員まとめて私の獲物よ♪」

 

そして始まる美羅の蹂躙と、被害者達の雀の涙程の抵抗がこれだ――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"黒"

 

「ちくしょうっ!ふざけんなよこの理不尽の権化!」

 

「ズーム〇ンチ!か~ら~の、オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!」

 

伸びるパンチが腹に直撃し、流れる様に首を掴まれてブンブンとシェイクされて一丁あがり!

 

 

"紅"

 

「アーシアちゃん!俺に元気をくれぇえええ!」

 

「チャージなんてさせないよ♪ハレルヤ!!」

 

元〇玉の様にブレスの玉を作ろうとしたが、美羅のグーパンで玉が破壊され、そのまま上から急降下打ち下ろしでピンボールの様に地面へと叩きのめされる

 

 

"雌煌"

 

「だだだだだだだだだだだだだ!」

 

「グミ撃ちはフラグの回収よ~♪」

 

雌煌の属性弾の全てを真正面から受け止めても傷を負わず、そのまま突進してデンプシ〇ロールで滅多打ち。なお、雌煌は飛び抜けた耐久力を持っているので追撃は必須。更なる追撃として横ロールから縦ロールのアッパーで空に飛ばす瞬間に足首を持って地面へ何度も叩き付ける

 

 

"ティア"

 

「龍王のちか―――」

 

「雌煌バットは至高の逸品だよ~」

 

そのまま雌煌を地面に叩き付けながらティアへと肉薄してホームラン。打ち上げられたティアに雷球を一つだけプレゼントして大爆発―――粉砕・玉砕・大喝采!

 

 

"黒歌&京矢"

 

「黒歌殿、空間を歪めて認識をずらすのですぞ!」

 

「黒以外の男の言う事を聞きたくないけど、こればかりは仕方がないにゃん!」

 

「だが甘い!遥かに甘い!超巨大チョコパフェ並みの抵抗は無駄無駄無駄ァ!!」

 

黒歌の空間魔法と京矢の結界魔法の活躍もむなしく、空から降り落ちた雷球の雨+赤雷の柱に飲み込まれて悲鳴を上げる前にリタイア

 

 

"俊屋&春&ジャンヌ"

 

「いつかお家に帰れるといいね?」

 

「ぎゃああああ!前のお仕置きよりヤバイって!?大災害じゃん!!」

 

「赤・・・うっ、頭が―――」

 

「にゃああああ!?春が死んだ!?」

 

極大な赤雷の玉が一ミリ程までに圧縮されて放たれ防御壁に当たり大爆発。春の完全防御を貫通してエネルギーが飲み込み、俊屋とジャンヌだけは全力疾走からの飛び込み回避でどうにか生還する

 

 

"ヴァーリ&美猴&アーサー"

 

「やってや―――」

 

「ウワァアアアアアア!?」

 

「いえいっ♪」

 

「美猴、アーサー!?」

 

『にゃめろん!死にたくなーい!・・・あっ、神器だから死ねない』

 

「これならどうだ!」

 

「何なんだぁ、今のは?」

 

美猴とアーサーはラリアットからの岩盤で仲良く愉快なオブジェとなり、ヴァーリの渾身の一撃は美羅の体を動かす事すら叶わない

 

「触ったぞ!」

 

「あっ、それは止めておいた方が」

 

美羅の無尽蔵なエネルギーを半減・・・とはいえ、∞にも等しいそれを半減しても変わらない。それどころか桁違いな力を吸収したヴァーリが無事な筈がない

 

「グバアッ!?」

 

「だから言ったのに・・・」

 

エネルギーに身体が耐えられず、血まみれになって倒れ伏した。何とも不完全燃焼での終わりだ。とはいえ、獲物は二人だけ残っているので、食後のデザートと言ったところだ

 

「生き残りは私と俊屋だけね」

 

「えぇ、倒れただけの奴等にも死体蹴りする位徹底した倒し方は理にかなっているわ。敵に回すと本当に危険ね」

 

「いやぁ~、それほどでも」

 

「「褒めてない!」」

 

さて、美羅にとってデザートコースとなった二人は舌打ちしつつ警戒をする。本来なら美羅があっという間に近づいて即終了となるが、先ほども言った通りデザートコースなのでじっくりと堪能するのである。何ともいやらしい・・・

ジャンヌは、永久に続く黒炎の火竜心(アヴェンズ・ブラスト・ドラゴンハート)を全開で維持する事で咄嗟の反応を高め、俊屋はポーチから煙玉を取り出して美羅に投げる。美羅が手で払い除けると同時に白い煙が立ち上り姿が隠れる。本来の使い方は相手の視界を隠して回復等の時間とするが、これは美羅が動かない様にした一手である。素早く移動すれば煙が動き、相手に居場所を悟らせるという事だ

 

「これでどうだぁああああああああ!」

 

俊屋はポーチから巨大なオオタルを取り出して放り投げる。未だに立ち込める白い煙の中に投擲されたそれが地面に落下して割れると、大量の赤い粉が舞い上がった。俊屋は更に追加で二つのオオタルを放り投げて赤と焦げ茶色が混じり合う

 

「臭っさ!?こやし玉投げたわね!!俊屋君は地獄を見せ―――」

 

「ジャンヌ!」

 

俊屋はジャンヌをお姫様抱っこして逃走。抱っこする前にアイコンタクトを送り、ジャンヌもそれに気付いて紅蓮の炎を放つ。煙に炎が着弾する前に黒達が墜落した時に出来た穴に入ると同時に

 

 

 

 

 

 

 

ドッガァァアアアアアアアン!!

 

 

 

 

 

 

 

大爆発!

実は、俊屋が投げたオオタルの中に入っていたのは粉末状のニトロダケとこやしだったのだ。ただでさえ取扱注意のニトロダケを粉末状にするという前代未聞のやり方に加え、粉塵爆発+こやしのガス爆発のダブルコンボである

この爆発はとても凄まじく、黒と紅が放ったブレスよりも強力だった。長い縦穴に入った筈の俊屋達の少し上位まで地面を削るクレーターを作った。二人は穴から顔を出し一言

 

「「爆発強くね(ない)?」」

 

想定以上の大爆発に呆然となる。特に、製作者である俊屋は猶更だ

 

「・・・やったか?」

 

「・・・流石にやったわよね?」

 

俊屋とジャンヌがフラグを建てた。そして、土煙が徐々に晴れると真っ白なドレスを身に着けた美羅が立っていた。普通ならドレスに煤が付いていたりどこかしら破れたりしているのだろうが、全くの無傷だった

 

「良い威力―――評価としては90点と言ったところね。これなら転生者達程度ならアボンコース間違いないわ」

 

「「うそ・・・だろ(でしょ)?」」

 

美羅は、龍人状態から普通の人間の状態に戻っている。しかし、無傷!

 

「普通の服や防具なら蒸発していたかもだけど、このドレスは別物よ。私だけ―――オンリーワンの服で、防具と比較するなんて烏滸がましい性能の逸品よ。とはいえ、このドレスを身に着けさせる威力の爆弾を開発した点は褒めてあげるわよ♪」

 

二人は、美羅の本気の一端を垣間見たというだけでも大健闘しただろう。よって、美羅からのご褒美?が贈られる事になった

 

「二人にはご褒美として、ハンター専用の攻撃をしてあげるわ」

 

これを聞いた二人は、一気に近づき近接戦闘で攻撃の阻止を図った。だが、美羅の両手から溢れる雷の光が視界を潰さんばかりに広がった瞬間、二人の姿は無くなっていた。雷の核爆発とでも言えばいいのか、はたまたビックバンと言えばいいのか定かではないが、確実に言える事はただ一つ。二人は痛みもなく美羅に倒されたという事実だけだ

その後、美羅が全員復活させて反省会。そして、直ぐにデスマーチのサイクルが出来上がった。悲鳴を上げ、トラウマを量産し、発狂したけど元の状態に戻されたりと永遠と錯覚する程の訓練は皆の力の底上げにも繋がるだろう。地獄の一週間のデスマーチが繰り広げられたのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ミラ「やっぱり皆柔らかいよねぇ~」
布団「ん"ん"!ミラ様が強すぎるだけですじゃ」
ミラ「後どの位で終わるの?」
布団「未定ですじゃ」
ミラ「今年中」
布団「え?」
ミラ「こ・と・し・じ・ゅ・う」
布団「スーッ、・・・頑張ります」


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第7章 -星の望み-
第78話 準備期間


布団「もうすぐだ。もうすぐこのお話は終わるよ!」
美羅「自称神、お前は私の手で消す」
黒・紅「「転生者ぶっころ!」」
雌煌「俺も暴れられるぜ!」
ティア「・・・もはや地獄しか見えん」
布団「今は準備期間だよ!」







ネル「はじまるよ」












~美羅side~

 

デスマーチ訓練も終わり、美羅は休息と各方面―――悪魔、天使、堕天使、まともな神話勢力にこの世界の寿命をぶっちゃけた。そして、それは自称神による転生者の大量投入と異世界への干渉が原因だと。当然反発はあった。なにせ自称神とは、ほぼ始まりの神として認知されていたからだ

 

「というわけで、私は自称神をぶっ殺しまーす。邪魔するなら―――尊厳奪った後に魂もろとも消すわよ」

 

『えっと・・・もの凄く急展開な話に理解が追い付かねぇぞ』

 

『創造神様が偽物?それはあまりにも信じられません』

 

『それより、何故美羅ちゃんはそれが分かったんじゃ?儂はそこが不思議でたまらんぞ』

 

オーディンの一言はそれぞれの代表者達の最もな疑問点だった。そもそも、美羅は人間じゃないのか?――――と

だが、この中で美羅が人間じゃないと知っている代表者はオーディン以外は居ないので当然の疑問点だ。とはいえ、人間ではない人外だとしても自称神の存在を知っているのはおかしい

 

「まぁ、所詮私は異世界に住んでいたからね」

 

美羅のこの言葉に代表者達は全ての辻褄があったかの様に納得した。上手に隠していても、いずれはバレる力がいきなり現れたのだ。イレギュラー的な存在である事は当然だが、生まれる過程が分からないし、その様なシステムも無い

 

『嬢ちゃんが異世界に住んでいたのは分かった。だが、どうやってこっちの世界に来たんだ?次元の狭間でも世界間の移動は不可能の筈だ』

 

「は~い、アザゼルちゃん大正解~♪通常の理論では出来ないけど、私は時空を歪めれるし、運命も操れるし、出来ない事は殆ど無いわ。まぁ、一つの星が生んだ管理者よ」

 

『アザゼルちゃんって・・・いや、星が生んだって言うなら長生きしているんだろうけど・・・』

 

未だによく理解していない三陣営はともかく、神話勢の長達は美羅がどれ程の力を有しているのかをおおよそで理解した

星が生んだ管理者―――外敵から星を護る力を持つ=星の強さによって力の強弱がはっきりとする。以前見た雷の柱は、自然現象そのものという事から天災を引き起こす事が出来るという事。神々とてその程度余裕だが、威力が桁違いだった。雷の権能を持つ神でも恐れる威力に、美羅の言う殆ど出来るがそのレベルだと思うとゾッとする事間違いない

 

『星の管理者ときたか・・・・・長生きしてみるもんじゃのう』

 

『手を出さなきゃ滅ぼす事はしないんだよな?』

 

「まぁね~、敵が増えるのもめんどいけど、わざと生かすなんて面倒くさい事したくないし」

 

『んじゃあ、創造神をぶっ殺した奴以外の神話勢力達に絶対に介入するなって伝えておくぜ』

 

各神話トップ達との通信は切れ、三勢力のトップだけとなる。彼等は未だ美羅がどれだけの力を有しているかを理解していないが、"絶対に介入するな"という言葉だけでも神を殺す事が出来るとだけは分かった

 

「私から話す事も無くなったし、通信終わり~。身の振り方はしっかりとしなさいよ♪」

 

沈黙する三勢力のトップ達の通信を切り、美羅はコップに入ったジュースを飲みながら根回しを進める

 

「ぐへへへ、これが成功すればあいつは絶望するでしょうね~♪私に手を出した事を後悔すればいいわ!」

 

美羅の手には質素な剣が一つ。これは決戦に向けての一誠へのプレゼント兼ご褒美でもある。美羅は、男の子なら喜ぶ事間違いなしだと思っていたりするのだ

 

「美羅先輩~、部長達も集まりましたよ~」

 

美羅を呼んだ一誠―――死んだんじゃなかったのかって?一誠はグレートレッドに運よく助けられ、肉体を生み出されて復活したのだ。しかも、素体が人間ではなくなり、グレートレッドの一部・・・神龍体となりスペックがもの凄く向上している

 

「それじゃあ、ちゃちゃっと何があったのか、何が起きるのかを説明しますか」

 

兵頭邸でなく、皆を不思議ワールドに連れて行き美羅が知りえている大まかな事態をざっぱに説明すると阿鼻叫喚。顔を青褪めさせている者が殆どだ

 

「という事は、このままいけば死ぬって事よね!?め、冥界に帰れば・・・」

 

「冥界が地球とは繋がっていないから滅びないなんて楽観は無意味よ。これは地球と一度でも繋がった全てだから全対象よ」

 

とはいえ、美羅はこの情報を後から知り得たので危機感を持っている。地球と一度でも繋がった=モンハン世界も対象なのだ

 

「あっ、そう言えば美羅先輩って結局何なんですか?神様ですらそんな状況知らなかったんでしょ?」

 

「美羅よぉ、もうバラしちまえよ」

 

「ソーダー、ソーダー!」

 

「主、黒や紅の言う通りバラしても問題ないのではないか?」

 

「あの~、我の存在薄くない?そこの赤龍帝蘇生させたんだぞ?」

 

「はぁ~ん?赤龍神帝とか呼ばれてるくせに雑魚いお前なんてそれで十分だぁ!」

 

「ヤロウブッコロシテヤルゥウウウウウウウウ!」

 

「ムダムダムダァアアアアアアア!」

 

「石〇天驚拳♪」

 

雌煌と赤が喧嘩するが、美羅のエネルギー弾が二人を押し上げて爆発。これで横やりを入れてくる邪魔者が居なくなったので、自身が龍である事以外を話す事にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~一誠side~

 

みんな久しぶりだな!一度消えちまった体が復活するという体験したくない事をやっちまったぜ!

それよりもてぇへんだ!てぇへんだ!!美羅先輩が異世界の住人だと!?黒や紅も雌煌も異世界人って事か!あ、それなら俊屋や春も転生者で異世界人だった。・・・あんまり変わらねぇな

だ・け・ど・!最初に言われたこの世界が崩壊するってヤバイだろ!?俺達死んじゃう!?しかも崩壊の原因が転生者達が多いってふざけんなよ!!あ、俊屋達には言ってないからな?テロリストの転生者がいけないって事だよ。後、そいつらを大量生産している神!美羅先輩曰く創造神様をぶっ殺してなり替わったゲス野郎ってな!分かっている情報の一つに、ハーレムでイチャイチャしているってふざけんなよ!!神様なら何でもしてもいいってのか!そんな神様なんてこっちから願い下げだよ!!

 

「自称神がハーレムイチャイチャしている事に血涙流さんばかりに悔しがっている一誠君は放置しておき、この戦いは色々と大変だから戦力として一誠君を駆り出します。これは強制よ」

 

「私の一誠を駆り出すのは―――」

 

「KY赤髪はお留守番でもしてなさい。狙われたら即終わりの戦力なんて不必要よ」

 

「黒歌、この戦いは厳しくなるから妹の子猫ちゃんと一緒にお留守番しててくれ」

 

「絶対に帰ってきてね?」

 

「おうよ!」

 

リアスよりも強い黒歌ですらお留守番なのだ。一誠達にこれをどうこう言う度胸はない

 

「ってぇえええ!?俺強制参加なんですか!?」

 

「強制参加は当然だろぉ?屑の方の赤龍帝をぶっ飛ばさないと駄目だろ」

 

「赤龍帝のイメージダウンを望んでいるのか?・・・いや、冥界では乳龍帝だった」

 

『うぉぉぉぉん、俺は赤龍帝だ!乳龍帝なんかじゃないもん!!』

 

「あ~あ、ドライグに精神ダメージ入ってるか。まぁ、その名が定着した方が面白い」

 

紅のやっている事をしっかりと理解している面々からすれば、「お前にだけは言われたくねぇ!」と叫びたいだろう

 

「話を戻して、転生者が多いので黒達を投入して殲滅。これには春ちゃんやジャンヌちゃんも含まれています。外道の赤龍帝だけを転移させて一誠君との一対一でぶち殺してもらいます。雌煌は転生者の中で危険なリコリスと言っても分からないか」

 

「誰だそれ?」

 

「龍を食べたいウーマン」

 

「あぁ~、あのキチガイか。一回ぶっ飛ばしたが生きてたのか」

 

どうやら雌煌はリコリスとモンハン世界で一度だけ戦った事があるようだ。雌煌から聞く所によると、力の差は歴然としており、突き上げからの尻尾で弾いて吹き飛ばしたらしい。並みのハンターなら初撃で死んでいるが、二撃目も耐えれた事は奇跡だろう。とはいえ、それだけの耐久力があるという事を前提になる

 

「これで班別けは決まったわ。殴り込みは一週間後よ!」

 

『はやっ!?』

 

「あ、一誠君は力の底上げをするので私とマンツーマンの修行するわよ」

 

「美羅先輩!ご褒美を要求します!!」

 

「KY赤髪の胸でも突いていなさい」

 

「美羅先輩の綺麗なおっぱいを突きたいです!」

 

「いい加減にしないと、本気でトラウマを植え付けるわよ?」

 

「・・・ごめんなさい」

 

一誠としてはお説教のトラウマもあるのだが、それ以上のとなると諦める選択肢しかなかった

 

(ふっ、相棒。俺達はこれからトラウマを植え付けられるのは決定事項なのさ。白いのは思い出そうとすると魂が震えて何も思い出せないと言っていたな。・・・嫌だなぁ)

 

既にドライグは諦めており、これから行われるであろうマンツーマン修行をする事に溜息を吐いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は再び古塔の頂上、ロケット龍ことバルファルクに括り付けられて空の旅をした一誠は既にボロボロだ。だが、今は時間が足りないので休む暇を与えない

 

「し、死ぬかと思った。縄は駄目だろ・・・」

 

「では、デスマーチ訓練を始めるよ♪」

 

「きゅ、休憩は・・・」

 

「無いに決まってるでしょ。ほら、さっさと禁手化してやるわよ」

 

「なら、一撃でも入れれたらおっぱいを触らせてください!」

 

叶わない願いだが、美羅はある事を思い出した。馬は目の前にニンジンをぶら下げられたら食べようと走ると

一誠はおっぱいが大好きなので、叶わぬ願いをぶら下げる事もありだと思った。そして、ちょっとだけ本気を出しても問題が無い

 

「ふ~ん、はぁ・・・その位だったらいいかな?」

 

よっしゃああああああああああ!言質取りましたよ!美羅先輩のおっぱいを触る為に絶対に一撃入れちゃいます!」

 

目の前に最高級ニンジンをぶら下げられた一誠は物凄くテンションアゲアゲで禁手化の状態のまま雷狼の戦鎧の特性を引き出す。初めて見るし、今まで出来なかった力だろう。美羅は、ただの叶わぬ願いの為にこんな進化をする一誠に頭が痛くなる思いだが、力は力だから敢えて何も言わない。仲間の為に強くなる者(※リア充含む)が数多く居るのだから溜息を吐く程度でとどまっている

 

『相棒・・・本気か?本気で一撃を入れるつもりなのか?』

 

「ドライグ、美羅先輩のおっぱいは誰も触った事がない神秘なんだ。あの黄金比を触りたいと思うのは男として当然だし、何より!俺はあのおっぱいに顔を埋めたい!!」

 

『一応言っておくが―――』

 

「美羅先輩は物凄く強く、俺が思っているよりも遥か高みに居るって言いたいんだろ?苦難上等!おっぱいの為に俺は強くなる!」

 

素晴らしき本能。人間でここまで欲望に忠実なのは滅多に居ないだろう。だからこそ、美羅は一誠に絶望を突き付ける

 

「意気込むのは良いけど、私もちょっとだけ本気を出して攻撃するから注意してね?死んでも生き返らせてあげるから何も問題ないよね?」

 

「え?」

 

美羅がニッコリと笑った瞬間、一誠の眼前に拳が映った。一誠は、咄嗟に避けて難を逃れた

 

『相棒、止まるな!』

 

「正中線五段突き!」

 

美羅は隙だらけな一誠に連撃を打ち込み吹き飛ばす

 

「ぐっはあああああ!?」

 

美羅の拳一発で鎧を軽々と粉砕し、体の内部に衝撃を浸透させるというオマケ付きの攻撃は一誠にこれまで体験した戦いの中で初めての破壊力だった。サイラオーグとの戦いでも拳の一つ一つが重かった。だが、そんな攻撃は遊戯であると錯覚させる程の破壊力だ。今の一誠の身体は神龍ボディなのにも関わらずである

 

「あらら?もう少し根性を見せてくれるかと思ったんだけど駄目だったかな?」

 

「 」チーン

 

最後の一撃で打ち飛ばされて墜落した一誠は、犬神家状態でぐったりとして動く様子もなかった。取り敢えず待つ事にした美羅は、近場にあった岩の上に座り小説を読み始めようとした時、別の場所の空間が歪んだ事を確認したが放置。転移して来る者達は、黒達であり、恐らくリアス達も含まれているであろうと予想出来ていた。案の定予想していた通りで、古塔の頂上に初めて来たリアス達は驚きつつ一誠が犬神家している事に焦った

 

「手出しはすんなよ~。一応は手加減されているみたいだから骨は折れてない」

 

黒の言葉にリアス達は一安心してホッとしていた。すると、意識を取り戻したのか一誠はジタバタして地面から出た

 

「美羅先輩・・・ちょっと本気過ぎませんかねぇ?俺死ぬかと思いましたよ」

 

「あら、敵に殺されない為の訓練よ?この程度でご褒美を諦めるの?」

 

「うぉおおおおお!やってやる!俺はやってやるぞぉぉぉおおおおお!!」

 

一誠は再び鎧を纏い美羅に一撃を入れる為に突撃する。その様子を見ている黒達は、残念な子を見るような目で真っ直ぐ突撃する一誠を見る

 

「ま~た馬鹿正直に突進ねぇ。もう少し頭を使って攻撃をしないと当たるものも当たらないわよ」

 

美羅は、敢えて一誠の拳を両手で受け止め回転させる。腕が回ってその動きにつられる様に一誠の身体が傾く。隙だらけの一誠に、美羅は絶妙な力で放たれた回し蹴りが男の象徴へクリーンヒットした。これを見た男達は内股になって一誠に黙祷する

 

「はい、この様に男には効果絶大な攻撃があるという事を覚えておきなさい。男同士の戦いだから攻撃しないなんて慢心しているお馬鹿だけよ。相手の急所を攻撃する事は当然なのよ」

 

「うごごごごご・・・・・これはあんまりだぁ」

 

「アーシアちゃん、一誠の回復お願いね」

 

「はっ、はい!」

 

アーシアは遠距離から一誠を癒す。今までのアーシアだと近づかなければ駄目だったが、どこかの過保護馬鹿がアドバイスもとい魔改造をしたからである。とはいえ、これはとても重宝される技術だ

 

「さて、一誠君の治癒も終わった事だし続きをやるわよ」

 

「ふっ、美羅先輩、俺は成長するんですよ。いくぜ!パイリンガル!!」

 

これは俺の新しい必殺技だ!おっぱいの神様から加護を得た俺にだけしか使えない先読みの力だ!だが、これはそれだけじゃねぇ。おっぱいの情報全てを読み取る最強の技!俺にうってつけだぜ!!

 

一誠は美羅の胸をガン見して膝から崩れ落ちた

 

ば、バカな・・・。俺のパイリンガルでも読み取れない情報だと!?くぅっ!美羅先輩のおっぱいは至宝を通り越した神秘―――いや、おっぱいの神様でも勝てないおっぱいなのか!!

 

美羅は、戦闘中にも関わらず崩れ落ちている一誠を見て盛大な溜息を吐き、一誠の頭上に巨大な雷球を落とす

 

『いつまでぼさっとしているつもりだ相棒!上から来てるぞ!!』

 

「はっ!?ってなんじゃありゃあああああああああああ!?」

 

一誠が上を見上げると、迫る雷球にドン引きしつつインプロ―ジョンフラッグの翼Ver.で攻撃範囲から離脱。しかし、離脱だけを考えていた一誠に次を考える余裕はなかった

 

「先ずは一回目の血祭りだ♪」

 

「『ふぉぉおっ!?』」

 

美羅のラリアットを理解した二人の声が重なった。そのまま突き進み、巨大な岩盤へ叩き付けられた一誠は巨大なクレータを作りながら押し込まれる。リアス達は悲鳴を、黒達は憐れみを、雌煌は爆笑したりと反応は様々だ

 

「・・・なぁ、アルビオン」

 

『・・・どうした?』

 

「俺にもあれをやられるのだろうか・・・」

 

『もちろんさぁ!・・・うっ、俺は今何を言った』

 

何処からか毒電波を受信したアルビオンはおいておき、この岩盤送りは通例の儀式になりつつある。黒達は体が丈夫だから、一誠は神龍ボディだから耐久力を上げる為という目的がある。・・・傍目から見れば一方的な暴力にも見えるが致し方のない事だ

 

「ほらほらほらぁ!何もしないつもり?」

 

「当らねぇ!?」

 

美羅は一誠を空に放り上げ、空中で追撃する。一誠も負けじと攻撃を繰り出すのだが、紙一重で避けられたり受け流されたりと有効打が全く入らない。一誠はガードして時折混ざっている強打を防いで機会を伺う

 

「ドラゴンショット!」

 

一誠は美羅の跳躍の勢いがなくなって落下し始めた瞬間を狙って散弾のドラゴンショットを放つ。効かなくても視界を埋める事が出来るし、次弾のドラゴンショットの溜を作れる

 

「ドラゴンショ―――」

 

「甘い甘い甘い!この程度は駆け引きでも何でもないわよ」

 

次弾のドラゴンショットを放とうとしたが、散弾は美羅に全て弾かれて左手から放たれた細い雷が体に当たり感電。体の電気信号を一時遮断する攻撃によって溜を作っていた魔力は霧散して追撃が出来なかった。その間に美羅は地面に着地して、どこから取り出したのか分からない程長い大剣(※刃は潰している)を一誠に振り下ろす

 

「ぎゃびっ!?」

 

「振り下ろし―――か~ら~の~、ホームラン!」

 

「うわあああああああぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~!?」

 

振り下ろした勢いのまま、再び上空へと打ち上げられた一誠。古塔のフィールドから飛び出す寸前で、大剣を投擲して一誠を打ち落としもう一回遊べるドン!

 

「手足は不要――――――――――――祖の龍は目で消し去る」

 

今まではそれなりに手加減された目からビームだが、今回のは規模が段違いである。ビームが通った周辺は融解しているのだ。一誠がどうなったのかは分かるだろう・・・焦げた音を残して体が消滅した。魂は美羅の運命操作で死なず、その場に留まる事象に書き換えているので大丈夫だ。その後、美羅は一誠を生き返らせて魂を入れて再起動させる

 

「・・・光が広がって」

 

『大きな光がついたり消えたりしているぞぉ~、彗星かな?いや、彗星はもっとバァーッと光るからなぁ』

 

二人にトラウマ+人格崩壊並みの恐怖を与えた美羅は、当たれば超痛い虹色ハリセンで一誠の尻を叩いた

 

「いっでぇええええ!?」

 

『ふぁっ!?お、俺は一体何を・・・』

 

現実に戻ってきた二人を見下ろしながら地獄の入り口である言葉を継げる

 

「一生で二度の死を迎えた一誠君に言うよ―――――次は死なないと何時から錯覚していたのかな?」

 

「『ひ、ひぃぃぃぃぃぃっ!?』」

 

それからは地獄の一言に尽きる

目からビームは勿論の事、雷の柱、武器でぶった切られ、叩き潰されと様々だ。以前、俊屋がお仕置きされた内容よりも鬼畜で、何度も何度も生き返らせて、何度も何度も死ぬのは当たり前となった。だが、一誠は諦めず美羅のおっぱいを揉む為に進化して突き進むが、そのこと如くを潰されて訓練は終了した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

ふぅ~、ストレス発散っていいよね!諦めない心で突撃して来る一誠君を的にする。後ろめたさ?人の胸を触ろうとする変態にはお似合いの対処だよ

 

自称神を倒す為の手札の準備を終え、三日の休養をゆっくりと過ごしている。とはいえ何もしないという事もなく、情報だけは収集する。転生者は増え、より世界を崩壊する日時が加速している

 

「美羅~、もう突撃してもいいんじゃねぇ?星が悲鳴上げてるぞ?」

 

「知ってるわよ。自称神は気付かないでしょうが、他の神話勢の長は事の重大さをようやく理解出来たと言う所ね。でも、星に干渉する力もないからどうする事も出来ない八方塞がりでしょうね」

 

日に日に増す星の叫び―――どうにかするのが美羅の仕事だが、今はまだ早い。確実に、失敗しない事が重要なのだ。念には念を入れてチェックする事を忘れない。一度モンハン世界でうっかりをやらかした時は酷いの一言だったのだ。転生者うぜぇ!と積もりに積もった鬱憤が爆発して古塔の殆どを消し飛ばしたのは良い思い出なのだ

 

「そっちはぶっ飛ばして終わりだけど、私は調整やら諸々が沢山あるのよ?十年以上は表に出れず、暗い暗ーい場所で無休憩の回復作業・・・交代してくれるの?」

 

「すんません」

 

自称神が様々の世界に転生者をぶち込んだ事による修正作業は、神様でも不可能に近い。いや、これは星の管理者の権能を持っている美羅だからこそ出来るのだ。最初はモンハン世界の管理だけで、異世界に来た事でやらなくてもいい筈のお鉢が回ってきている。・・・とても運が無い

 

「は~、やだやだ!抑止力も異世界に近い地球だから介入できないってふざけるなよ!!自称神をぶっ殺したら権能を使って奴隷にしてやる!!」

 

並行世界の抑止力は泣いていいだろう。手が出せないからという正当な理由を述べたが、美羅からすれば、「時間の概念をぶち破れるのにどうして仕事しない!」という事で、その対価として修正作業の奴隷とする気満々である。これには抑止力も従うしかない。基本的に殺すだけの修正をする抑止と、その世界に染まっていない破壊するだけの異常者を殺す美羅となれば後者が一番クリーンなイメージがある

 

「一誠君を魔王よりも強くしたし、ジャンヌちゃんは一誠君より強いし、舞樹姉弟も二人程じゃないけど強くなってる。抜かりはないわ」

 

「おーおー、相手が可愛そうになってきたなぁ~。まぁ、お前に目を付けられた時点でそいつはお陀仏ってな」

 

美羅の沸点は低いが、それはお遊びに関してだ。仕事に関しては大目に見る事が大半だが、逸脱したのなら相手の手を全てを潰し、絶望させて地獄へ叩き落す。何度も美羅の事を見ている雌煌だからこそ知っているし、相手取った事もあるからこそだ

自称神は龍の尾を踏んだだけには留まらず、逆鱗に触れ、禁忌を犯した。本当の蹂躙はもうすぐだ

 

 

 

 




布団「次話、殴り込み!単純だが、これ以外のタイトルは思いつかねぇ!」







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第79話 突撃ィイイイイイイイイイイイ!

布団「そぉおおおい!気合い入れて書いた!」
ミラ「短いわね」
黒「6000ちょっとか」
紅「弱い戦闘力だな」
雌煌「今回は俺の出番あるんだろうな?」
布団「勿論でございます」
ミラ「それじゃあ、突撃ィーーーーーーー!」












~美羅side~

 

不思議ワールドの一角―――武器と防具を着けて広場に立っているのは黒と紅を筆頭に舞樹姉弟やジャンヌと言った突入組が広場で待機する。特に、転生者の人と人の殺し合いに慣れていない三人は覚悟を決めた表情をし、ジャンヌは彼等を見てニヒルな笑みを浮かべる

 

「はいはい、注目。これから星の粛清を開始しま~す。という訳で、星を守ると言う大義名分がある私達は、自称神以外の神話勢力からのちょっかいは入らないわ」

 

美羅の各神話勢力への根回しは完了しており、後は突入して殺すだけとなっている

 

「再度確認するわよ。私と雌煌と一誠君以外は凡骨転生者を、雌煌は龍を食べたいウーマンで」

 

「俺は転堂ですよね」

 

「そう。だから、一誠君には私からの特別なプレゼントよ」

 

美羅から手渡されたのは、大きな刀―――一振りの太刀だった。俊屋の様なゴツイ大剣じゃないが、一誠からすれば初めて握る武器もあってか使用するには苦労するだろう

 

「あの・・・俺、武器を握るのアスカロン位しかないんですけど」

 

「籠手に吸収させたら問題ないでしょ」

 

「あっ、はい」

 

一誠はおとなしく籠手に太刀を吸収させる

 

「それを使うのは基本的には無いと思うけど、本当にヤバイと思った時だけ使いなさい。その太刀の真価はその時に理解するわ」

 

一誠はこれを聞いて、「えっ、そんなにヤバイ武器なの?俺大丈夫?」と内心で思う。だが、体に変化が無い為大丈夫だろうと割り切った

 

「雌煌は・・・まぁ大丈夫ね。慢心しなかったら勝てるし」

 

「はぁ?あんなキチガイに負けるわけねえだろ。そもそも、今回みたく星の救援があったら細胞の一つも残さずに消すに決まってんだよ」

 

雌煌とて禁忌の一頭である。美羅みたいに仕事熱心という訳ではないが、本当の危機であればちゃんと動くという点ではマシだろう

話は戻り、全員の戦闘準備が完了した。それぞれの班分けをした美羅達は、遂に突撃の狼煙を上げた。合計四つの転移門を作り、全員が潜る。これは相手側の足元にも出現する仕様となっており、咄嗟に避ける事すら不可能の速度で転移させるという鬼畜性能である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美羅が転移した先は、何もないまっさらな大地と青い空。逃げる事も出来ないこの空間は自称神が逃げれない様に、結界の層を何重にも重ねている。星の後押しがあるからこそ出来る力技だ

 

「ん~、さっきまでゲームしてたんだけどなぁ~?しかも、僕だけしか居ないってどういう事?君の仕業でしょ?さっさと戻さないと頭吹き飛ばしちゃうよ?」

 

「自称創造神と名乗ってふんぞり返っている坊や程度に殺せるとでも思っているの?」

 

「へぇ~、ところで僕が今持っているスイッチは転生者を殺す道具なんだ。これを見てもまだそんな事言えるのかな?」

 

「何でもかんでも自分の思った通りに世界が回ってるとでも思ったのかしら?」

 

「それじゃあ死んでね!」

 

自称神はボタンを押した。しかし、何も起こらなかった!

 

「オラァッ!」

 

「ナブェッ!?」

 

自称神の、「何故死なない!?」とでも言いたげな無防備な顔に美羅のパンチが炸裂。一応神と言う事もあってか、一発で頭部が消し飛ぶ事にはならなかった。しかし、大型トレーラーが追突したんじゃないか?と錯覚する程錐揉み回転で吹き飛ぶ。一転、二転、三転と転がり、状態を立て直した

 

「何故死なない!?」

 

ボタンを何度も押しているが、死なない美羅に驚愕している。恐らく、転生者を沢山生み出したから顔も覚えていないのだろう

 

「転生者を殺すボタンねぇ。移動者にはな~んにも効果のない只のボタンなのに、必死に押しちゃって笑えるわ」

 

「移動者・・・異世界からの渡航者か!ちぃっ、めんどくさいなぁ!」

 

恐らくこれまでに何度か戦った事があるであろう口振りで、倒したのであろう。だが、自称神が今から戦う存在は、星が生み出した管理者だ。そして何よりも、神が居ない世界で生まれた最初の生物―――神が管理する世界よりも厳しい星なのだ。神であろうとその地に降り立った瞬間、生き残りを賭けた戦いに身を投じるという事だ

神性だから攻撃が通用しない―――なんて甘っちょろい事は通じない。神々の権能の力は、この世界の自然災害と同等レベルな為、戦闘能力が低い敵になら通じる程度

 

「ほ~らほら、無駄に長生きするだけの害悪な存在は消えるのが通りよ。己が何をしているのかも全く理解していない神なんて、神の名を語るだけのゴミ屑なの」

 

「僕にそんな大口を叩いたんだ。生き地獄を味わってもらうよ!」

 

「生き地獄を味わうのはお前だよガキンチョっ!」

 

美羅と自称神の戦い?が始まった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ジャンヌside~

 

美羅の転移門を潜った先は、火山地帯だった。肌を刺す熱気に、俊屋達はクーラードリンクを飲む事で解決する。一方、転生者達は何の準備もない状態での転移だったので熱に苦しんでいた

 

「蒼介殿を確保ぉおおおお!」

 

京矢の魔法で連れ込む転生者の一人を確保し終えた

 

「京矢殿、これ何事!?」

 

「死にたくなければこっちの味方になるでござる!」

 

「あいあいさー!」

 

このやり取りだけで、黒達は蒼介と呼ばれた転生者は京矢と同類だと理解した。だが、これの反応から転生者の中でも最古参組であると分かった

 

「おい、あれってジャンヌ・ダルクじゃね?」

 

「ここはD×D世界だぞ?」

 

「あいつも転生者か?」

 

あっちもいきなりの事で混乱しているのだろうが、ジャンヌの姿を見て興奮している模様だ

 

きっも、あいつら気持ち悪いわ。変態赤龍帝と同じ位きもいわ

 

ジャンヌは、さり気なく一誠の事も含めて転生者達を変態認定する。まるで自分の事を知っているかの様に話す様子は見るに堪えない

 

ジャンヌが顔をしかめていると、俊屋が前に立って武器を構えた。それを合図に、転生者達も武器を取り出したり、魔法陣を展開したりと様々だ

 

「おう俊屋、愛しのジャンヌちゃんに色目向けられた事に怒るのはいいが、もうちょい落ち着けよ」

 

「はぁ?そういう黒こそ黒歌に色目向けられたらどうするよ?」

 

「消し炭だろぉおおおん?」

 

それにしても・・・転生者って男ばかりね。春みたいに女が居ないのって自称神が何かしらしたからよね?屑だわ。どうしようもない屑だわ。美羅が言うには春と俊屋が転生というよりも転移したのは因果が捻じ曲げられたって言ってたわね。転生者が俊屋みたいに真っ直ぐな精神の持ち主だったら良かったのでしょうね

 

自分の感情に自覚ないジャンヌだがそれは置いておこう

 

「それじゃあ、開幕の狼煙を上げるわ!―――死ねっ!!」

 

「ぎゃああああああ!」

 

転生者の一人がジャンヌの炎に焼かれて消し炭になった。転生者達は驚愕して隙だらけなので、黒と紅のパンチを顔面に直撃する事で二人が脱落する。俊屋も黒達程の速さではないが、大剣ホームランで転生者達をぶった切る

 

「人を殺すって気分悪ぃな、クソッタレ!」

 

「殺らなきゃ殺られる―――それだけよ!」

 

「ジャンヌちゃんの心強すぎぃ!」

 

春も嫌々ながらも転生者達を短剣で倒す。本来はモンスターを狩る為だけに使う武器を、人殺しに使うのは避けたい。それでも転生者達を殺さなければ沢山の世界が消滅するとなれば割り切って倒す

 

「オラオラオラァァア!黒歌に嫌らしい事を考えているお前等はぶっ殺す!」

 

「アーシアニウムを充電した俺に敗北の文字は無い!」

 

転生者を殺す戦力で飛び抜けた力をふるっているのは黒と紅だ。やはり古龍は強し

 

「私も二人に負けるわけには行けないわね。最近になって黒炎は出せなくなったけど、この炎は今までの比じゃないわよ。蒼紅蓮竜姫の戦闘装束(ブルーブレスプリンスアーマー)!」

 

今までのバトルドレスとは違い、ダンスパーティーで着る様な動きを阻害しそうな蒼炎のドレスだ。鎧の類は一切無く、本来なら布地のドレスにごうごうと蒼炎が揺らめていている。ジャンヌには炎による火傷等は負わないが、敵が触れば一瞬で燃え尽きる程の高火力なのだ。火山地帯よりも高熱を発するジャンヌが傍に居るだけで集中力を削がれ、気を逸らしたら殺されるという二段構えだ

 

「来なさい、楓葵!」

 

「おっと、ジャンヌの邪魔はさせねぇよ―――っと!」

 

「・・・お礼は言わないわよ」

 

ジャンヌを攻撃しようとした転生者は俊屋にぶっ潰された。変身シーンに攻撃をして良い者は理不尽の権化である美羅以外は殆どご法度である

 

「う~ん、転生者達に囲まれっちまったな」

 

「はっ!群れる事でしか強がれない奴等が束になったって私達は倒せないわよ」

 

「そんじゃあ背中よろしくお願い」

 

「そっちこそ足引っ張るんじゃないわよ」

 

ジャンヌと俊屋の即席タッグが組まれ、転生者達に突撃する

 

「温い!生温い!!白野さんの攻撃はもっと鬼畜で理不尽だったぞ!」

 

「美羅と比較したら駄目よ。こんな奴等の攻撃なんて蚊の攻撃みたいなものよ!」

 

攻撃をかいくぐり突撃する姿は、敵側からすれば特攻の様に見えるだろう。だが、モンスター達と戦った俊屋からすればこの程度の攻撃は普通で、美羅の攻撃は全方位からと錯覚する程の速さで蹂躙されるというのもあって余裕なのだ。ジャンヌは、今まで戦った数が俊屋よりも多いので当然だ。まるで無双ゲーの如く敵を吹き飛ばす二人だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~雌煌side~

 

「キヒィッ!龍、龍、龍!龍ゥウウウウウ!タベル!タベルッ!!」

 

おうおうおう、こいつは以前会った時よりも狂ってやがるな。しかも、何処から手に入れたのか知らねぇが、黒達の匂いまでしやがる。って事は、あの襲撃の際に負った傷から出た血が何かしらで採取されたって事か

 

雌煌が相手にする転生者はリコリスなのだが、以前とは姿形が違い、体から禍々しい尻尾や鱗、角等の龍の一部が生えていた。これを見た雌煌は、自称神が何かしら弄った可能性があると判断。そして、黒や紅の血の匂いもそうだが、この世界の龍達の血の匂いもした。特に鼻に突く匂いは、呪詛にまみれた血―――サマエルの血だ

 

「ギギギャギャギャギャギャギャ!血肉ヲヨコセエエエエエエエエエエエエ!」

 

「はぁ~、いっちょやるか」

 

リコリスは常人では視認出来ないスピードで四方八方を移動して、死角から手刀を滑り込ませる。しかし、雌煌の拳の前では玩具の様に破壊され、肘から先が消し飛ぶ。本来なら重症なのだが、少し時間を置くと肘から肉が膨らんで元通りとなる

 

只の再生じゃねぇな。超回復ってとこか?サ〇ヤ人みたいに重傷からの回復で戦闘能力増加も感じ取れたな。それに、唯一の疑問点だった黒と紅の血については全くの別物だったな。ありゃああっち側に干渉して偶々入手した血を与えたってところだな

 

「クウクウクウクウゥウウウウウ!」

 

「もうこれは龍を食べる本能だけしか残っていねぇな」

 

今度はハイキックでリコリスを頭を蹴り飛ばし骨を折るが、それでも直ぐに元通りに回復する。次は即死させる為頭を引き千切ると、胴体は塵になって頭から下が腕が治ったみたいに元通りに回復した。物理的に不可能に近いと感じた雌煌は、ブレスでリコリスを木っ端微塵にした。だが、それでも塵から元通りになった。正に化け物である

 

「あぁん?木っ端微塵にしても復活・・・細胞単位で再生してんのか?」

 

そして、雌煌がリコリスの身体を破壊するにつれ、リコリスの身体が禍々しい龍に近付いている。このまま超エネルギーで細胞一つ残さず消し飛ばそうとした雌煌だが、リコリスの身体が突如変化する

 

「■■■■■■■ーーーーーーーーー!!」

 

体の内側から金属プレートがせり出て、鎧の様に覆われた。二天龍の鎧とは違った機械的なそれを見た雌煌は、額に青筋を浮かばせた

 

「あいつ等・・・禁忌に触れやがったな、クソッタレッ!ここまで俺を怒らせた胸糞わりぃのは過去に一回だけだ!」

 

モンハン世界は長い歴史がある。その中で古代文明と呼ばれる時代、人類が倫理を無視した命の冒涜行為―――イコール・ドラゴン・ウェポン(竜機兵)と呼ばれる生体兵器を作り出した時まで遡る

機械と大量の竜の命を必要とするそれを大量に作る人類に、龍達がブチギレて龍大戦と言う名の戦争があった。その戦争を経験した事のある美羅達のアンタッチャブルだ。この話を出そうものなら、物理的に口を封じる事さえする程だ

 

「■■■■ッーーーーーー!!」

 

リコリスだった者・・・敢えて言うなら龍人騎兵と名付けよう。それが雄叫びを上げると、鎧から蒸気が噴き出てモーターが高回転するかの様な甲高い音が鳴る。それと同時に大地が陥没して、雌煌の眼前に拳が迫る

 

「うおっ!?」

 

雌煌は、咄嗟に首をひねって避けた事で直撃を避ける事は出来たが、龍人騎兵の尻尾が足に巻き付いてぶん投げられる。地面との激突の衝撃を最小限に留めた雌煌に待っていた次の攻撃は、大きく口を開く事で覘く四角いノズルから放たれた赤黒い光だった

 

「嘘だろっ!?」

 

咄嗟に腕に鱗と甲殻を浮かばせて防ぐ。レーザービームの様な光線は雌煌の腕を焼き、周囲の地面を融解させる

ビームが止むと、所々焦げた雌煌が憤怒の表情で龍人騎兵を睨む

 

あんの野郎、龍属性のビームを撃ちやがった。って事は、古龍の血が馴染んでいるって事か。油断してたってわけじゃねぇが、今まででダントツに厄介だな。まぁ、美羅の理不尽に比べりゃあ屁でもねぇがな!

 

「ふんっ!」

 

雌煌は体内の龍脈エネルギーを活性化させて傷を治す。翼を出し、甲殻の籠手を装着して臨戦態勢に移る

 

「てめぇはぶっ殺す!細胞一つ残さずに消し飛ばしてやらあああああああ!」

 

「■■■■■■■■ッーーーーーーーー!!」

 

雌煌が取った選択は、龍人騎兵を真正面から叩き潰すというシンプルな作戦だ。小細工はしない、ただひたすらに殴り、相手の長所の一つ一つを砕く

二人の拳がぶつかっただけで、衝撃波が広がる。雌煌が居るのは何もないフィールドだからこそ目立った被害は無い。しかし、これが建築物や人が居たりすれば、衝撃波に巻き込まれて吹き飛ぶかバラバラになるかの二択だ

 

「ドラァアアアアアアアアアア!」

 

「■■ッ!?■■■■■■ッーーーーーーーー!!」

 

龍人騎兵も自分の攻撃が真正面から叩き潰され、引くに引けない状況となった攻撃の嵐には手を止めずに打ち合う選択肢しかない。そして、遂に攻撃すら許されなくなると、雌煌は龍人騎兵の尻尾を掴み棍棒の様に地面に叩きつけて暴れる。時々レーザービームが雌煌の顔面向けて発射されるが、ド根性で耐える。正に脳筋―――

雌煌は、そのままジャイアントスイングの様に空に投げ飛ばして翼を広げ追撃をする。龍人騎兵も翼を広げて迎え撃とうとするが、人間だった時の感覚の方が大半を占めており、直ぐに適用出来ず雌煌の音速を超えた攻撃に直撃する。四方八方からの攻撃に、体がブレて平衡感覚が掴めずに雌煌の蹴り上げで吹き飛ばされた。そして、体に走る衝撃―――地面へと叩き下ろされたという事だ

 

「全属性エネルギー収束―――圧縮―――全力解放!!」

 

雌煌の片手に集約されたエネルギーの塊が、龍人騎兵を押し潰す。相手も負けじと、エネルギーの塊を両手で支えて防ごうとするが

 

「その程度の足掻きぃいいい!この俺の前では無意味だぁああああああああ!」

 

雌煌は支えられたエネルギーの塊を、上から連打でどんどんと押し込んでいく

 

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!」

 

龍人騎兵の足が折れて膝立ちとなり、腕の骨も折れて体で受け止めて踏ん張る

 

「ぶっ潰れろっ!WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!」

 

「■■■■ッ――――!?」

 

龍人騎兵の抵抗も空しく巨大なエネルギーの塊に押しつぶされ、雌煌のトドメの一撃がスイッチとなって大爆発した。核爆発とは比べ物にならない程の熱量と破壊力―――遠く離れた地面は抉れ、爆発の中心地にはひび割れがない巨大なクレーターとなっていた

 

「汚ぇ花火だぜ」

 

雌煌は敵が完全に消し飛んだ事を確認した後、黒達が居る場所へと転移した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




残るは一誠とミラ様の戦いです。次回、赤龍帝の覚醒!


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第80話 赤龍帝の覚醒!

布団「最終話までカウントダウンに入りました~」
ミラ「長かったわね」
黒「そうだな~」
紅「アーシアちゃん成分がたりぬぅ!」
雌煌「へっへっへ、今回も俺が登場するぜ!」
黒・紅「「なにぃ!?」」





ねる「はじまるはじまる」










~一誠side~

 

美羅先輩に飛ばされた先は、身を隠す様な障害物の無い平地だった。そして、俺の目先に居るのはもう一人の赤龍帝―――東条転堂。最後に会った後、あいつは色んな所を襲って女の子をレイプするクソッタレだ!断じて許しちおけねぇよ!

 

転堂も一誠に気付いたのか、溜息を吐きながらあくどい笑みを浮かべた。対する一誠は、今までとは違う雰囲気を漂わせながら転堂を見据える

 

「おうおう、へんてこな場所に連れて来られたと思ったらお前もかよ。何?一対一で戦うつもりか?」

 

「あぁ、転堂。てめぇは俺がぶちのめすっ!」

 

「はぁ~、イキがんなよ。乳龍帝風情が真の赤龍帝に勝てるとでも思ってんのか?」

 

転堂は、王の財宝から龍殺しの武器をいつでも射出出来る様に構える

 

「こいつは龍殺しの武器だ!これに当たればあっという間におじゃんだぜ!」

 

「はっ!そうかよ!!バランスブレイクッ!」

 

一誠は鎧を纏い、翼を広げる。翼は今までの物とは違い、所々隙間が開いている。一誠が魔力を注ぐと、その隙間から赤雷の魔力が溢れ出る

 

「は?何だそ―――ぶがぁっ!?」

 

転堂の目で追えない速さで突っ込んで顔に一撃をお見舞いする。転堂は、鎧も展開していない状態での攻撃によろめきながら一誠に憤怒の感情を露にする

 

「よくもやってくれやがったな!主人公の俺様を傷付けた事を後悔しやがれ!」

 

王の財宝から放たれる武器を避けたり、掴んで迎撃したりとかすり傷を負う事なく対処する。これも全て美羅の地獄の特訓の賜物である。死に勝る経験は無いとはこの事だ

 

『そちらの俺よ、優劣をつけるこの戦いで力を発揮しないつもりか?』

 

『あまり舐めるなよ、この宿主は最高の潜在能力を覚醒させている。歴代最弱と名高いそちらと比べるまでもない』

 

「行くぞドライグ、バランスブレイク!」

 

転堂の方も禁手化して鎧を纏う。それは、スマートで無駄がない流線形の鎧だ。どこぞの鋼鉄の男を彷彿とさせるデザインだが、転堂のゲスな所を知っている一誠からすれば似合ってないの一言である

 

「・・・うわぁ、かっこわりぃ」

 

「実用性だ。無駄にゴツゴツしているお前よりもイカしてるだろ?」

 

「お前の性格で、そのセンスはだせぇよ」

 

『ブフッ、相棒そう言ってやるな。あいつ等はあの姿が強いと自負しているんだ。なら、俺達のやる事は一つだろう?』

 

「ドライグの言う通りだな。真正面からぶっ潰してやるよ!」

 

「ほざけぇっ!」

 

転堂は未だ懲りず武器を射出して一誠を近づけない様に徹底している。だが、一誠の動く軌跡が武器と武器の隙間を縫う様に動く事で対処する

 

「死ねぇええ!」

 

「危なっ!」

 

転堂はいきなり一誠の方に掌を向け、そこから赤いレーザーを放つ。しかし、一誠は少しだけ大きくのけ反ってその攻撃を回避する。これも美羅の地獄の特訓の賜物である。隙を見せた瞬間飛んで来る即死攻撃が飛んできたり、回避に手一杯な所にイレギュラーな即死攻撃を混ぜたり、ありとあらゆる可能性の攻撃に対処出来る様にと叩き込まれているのだ

 

「クソッ!」

 

「てめぇの攻撃なんて美羅先輩に比べたら薄っぺらなんだよ!」

 

転堂の次の攻撃は鎖による捕縛だ。黒ずんだ鎖が一誠を縛ろうと飛んで来るが、それを回避すると同時に全方位から感じる殺意に反応した

 

「急く落ちろ!」

 

「ドラゴンショット・スプレッド―――――いっけええええええええ!」

 

一誠がその場で回転して小さな魔力を全方位に展開して発射、武器が現れたと同時に放たれた小さな散弾は全ての武器を弾き飛ばした。極小の魔力で切り抜ける技の一つだ。美羅の数多の雷球を避ける為には、少しだけの時間稼ぎもしくは直撃コースからずらしたりとの工夫が必要だった。そこで運良く手に入れた経験―――発生直後なら微量の魔力を配置する事で防ぐ事も出来るとなら、話は簡単だ

1.武器の先端を出さなければいけない

2.射出までのわずかなラグがある

例えるなら、カタパルトに乗せられた武器が射撃される間の準備時間に邪魔をすればいいだけなのだ。ただでさえ不安定とも言える場所から武器を射出するのだ。小さな力で照準をずらすだけでも人と言う小さな的には当たりにくくなる

 

「何故だ・・・何故俺の攻撃が・・・いや、これが弱いというだけだ。俺が弱いわけじゃない!」

 

「はいはいっと、言い訳乙」

 

「その頭蓋叩き割ってやる!」

 

一誠の頭上に山程の大きさの剣が振り下ろされる。あまりの脳筋戦法に頭を痛くなるが、大量の武器が降る。だが、それは一誠に直撃させるものではなく退路を塞ぐ為の壁だった。一誠は、これらの武器を破壊して避けようとも考えたが却下する。無茶な突破は相手の思うつぼであり、取れる選択肢が限られる

 

「行くぜドライグ!」

 

『おう!』

 

サイラオーグ戦での悪魔の駒の特徴を継承する進化ではなく、美羅との特訓で編み出した防御寄りの重装甲型の鎧・・・いや、正確に言うなら前者と後者を融合した姿で、上半身の筋肉が異常に発達したかの様な分厚い鎧となる。この鎧の最大の特徴は、美羅の一割の力ならば五発は耐えられるという破格な性能だ。だが、その反面移動速度が遅くなるという弊害を抱える事になる。だが、今の状況なら移動よりも迎撃や防御だけとなるのでぴったりと嵌るのだ

 

龍獣鎧の戦車(ルーク・ザ・ビースト)!」

 

巨大な剣が一誠に直撃する寸前で切り替え、両腕をクロスして防ぐ。鎧に罅は入らなかったが、物凄い重さで地面が陥没する。だが、美羅の攻撃に比べれば軽い。一誠は、両腕に魔力を込めて巨大な剣を吹き飛ばして転堂を見据える

 

「馬鹿な、イガリマを直撃して無傷だと!?どんなチート使いやがった!」

 

一誠は最初の鎧姿に戻して、籠手からアスカロンを出現させる

 

「ちっ!アスカロンかよ。だが、所詮は人が作った武器だ。全ての原点を内包する俺の前に見せたのは間違いだったな!」

 

転堂が片手を黄金の波紋に突っ込む。だが、直ぐに驚愕の表情を浮かべて手を戻した

 

「てめぇ!元の武器からかけ放てるな?明らかにオーラが違うのはありえないんだよ!」

 

「そんな事知らねぇよ。ただ、美羅先輩は必要だから俺にこれを再修復してくれたんだ」

 

「あのクソ女の仕業か!」

 

「てめぇの相手は俺だって事を忘れんじゃねえ!」

 

一誠のドラゴンショットが転堂に放たれる。しかし、それは浮遊する盾に防がれてしまったが、本命はアスカロンの斬撃である。それは盾を切断して転堂へと振るわれたが、バックステップで避けられ武器を大量に射出されて一誠は後退する

 

『おい、もうそろそろ本気で戦ってやっても良いんじゃないか?』

 

「こんな雑魚に本気を出すなんてありえねぇよ」

 

『始まってからダメージが入っていないだろう?奴等はそれ程成長してこの戦いに挑んでいると捉えてもいいだろう』

 

「へーへー、やりゃあ良いんだろ?これ使うとつまんねぇんだよ」

 

一誠は警戒して一歩を踏み出せずにいた。自身が優勢なのは理解していたのだが、相手の様子に違和感を覚えて止まったのだ。転堂は、黄金の波紋から小瓶を取り出して中身を飲んだ。だが、一誠が感じる雰囲気は飲む前と何ら変わらなかった

 

「貴重な秘薬を使わせたんだ。直ぐに駄目になるなよ。―――――ついてこれるか?」

 

「ぐはっ!?」

 

転堂がにやりと笑みを浮かべたと同時に、一誠の頬に衝撃が走る。装甲が砕け、素顔が晒された時に見えた拳―――転堂に殴られた事をようやく理解した。そこからボディ、顎、リバー、テンプルと急所を確実に抉る攻撃一つ一つも強く、体の芯に残る重さの攻撃だ

何故?どうして?手加減をしていたのか?と様々な疑問が頭を過る中、一誠は途中で意識を飛ばす。そこから滅多打ちされ途中で意識を覚醒させる

 

「ぶっ潰れろやぁああああ!」

 

「っ!!」

 

一誠がスウェーで転堂の拳を避け、膝に力が入らず地面に倒れた所に再び拳が降ってくる。それは翼に魔力を回して距離を取る。かなり離れる事が出来た一誠は、膝を付いて流れる血を拭う

 

「いっづ~、いきなり力が跳ね上がるとかドーピングじゃねぇか」

 

『能力向上の秘薬なのだろう。恐らくだが、効力は数日に及ぶ可能性が高い。奴自身が貴重な秘薬と言った事から、出し惜しみなしと捉えていいだろう。ノーリスクで覇龍になれる事も考慮しろよ?』

 

「ったく、予想よりヤバイってのだけは分かったぜ」

 

想定が甘かった―――俺は俺で転堂の限界がここだって決めつけていたぜ。そのせいで要らないダメージを負ったが、完全に手も足も出ないなんて事にはならねぇ!

 

一誠は、気折れしない。特に、目の前に居る転堂相手には絶対に引きはしない

 

「ドライグ、飛ばして行くぜ!」

 

『おう!』

 

「『Full power fusion(全力全開の融合)!』」

 

一誠の纏う鎧が変化する。全ての駒の特性と、ジンオウガの力―――その全てを融合させた禁手の限界突破。後にも先にも一誠だけが成しうる極地の一つだ

 

「何だそれは!」

 

『ありえん。・・・他の生物との融合だと!?』

 

転堂達は驚愕する。己の知らない進化をしている一誠を見て、明らかに別側面の力を手に入れている事に舌打ちをする。だが、秘薬を使っているこちらが有利な事には変わりないと判断して、一誠をぶん殴る。だが、一誠に攻撃が直撃しても返しのボディーブローに身体が苦の字に折れる

 

「がはあっ!」

 

転堂は膝を付きながら一誠に向けて龍殺しの剣を射出。一誠は、それらを獣の様な野生の動きで全てを回避して一度距離を取る

 

「どうした、お前はこの程度の力かよ!」

 

一誠は、返答代わりの武器を拳で粉砕する。本来なら突き刺さるのだろうが、一誠の拳は剣よりも頑強となっているのでそれを易々と砕く。明らかに転堂よりも破壊力のある拳、それがもろに腹部にぶち込まれた転堂は中々立ち上がる事は出来ないだろう

 

「くそがっ!てめぇはこいつでぶっ殺す!

我、目覚めるは

覇の理を神より奪いし二天龍なり

無限を嗤い、夢幻を憂う

我、赤き龍の覇王と成りて

汝を紅蓮の煉獄に沈めよう」

 

転堂が歌を歌い終わると同時に、その体が光に包まれ巨大な龍と化した

 

「でっけぇな。これが覇龍ってやつか」

 

『ああ、俺達も出来るが―――』

 

「やるだけ無駄ってやつだ。力が増すのは当然としても、的が大きくなった事は色々と良い事ずくめだぜ!」

 

一誠は美羅達のやり取りを見ていたからこそ理解していた。覇龍になる事で力が増大するのは分かっていた事だが、その分攻撃速度が遅くなって耐久力が上昇する程度だ。それに対処する方法は、一撃に力を集約させると効果的だ

美羅とのデスマーチで覇龍になった事がある一誠は、あっという間にズタボロにされた事もあり覇龍はデメリットが大きいと判断したのだ。一誠は、腕と背にブースターを増設して右拳を大きく変化させる。転堂の大振りの攻撃を丁寧に避けながら、走って少しずつ近づき―――ブースターを噴かす

 

「くぅぉおおおおおおおおおおおおおお!」

 

左足を回転の軸として回転しながら接近、転堂が一誠を吹き飛ばそうとした右手に拳をぶつけた。本来なら対格差から吹き飛ぶのは一誠の方だ。しかし、推進力と遠心力を得た破壊力重視の拳は相手の拳を吹き飛ばす程の破壊力を有していた。転堂は、巨体を浮かして吹き飛んだ

 

「何故だ!人間の身体でどうしてこんな力がある!?」

 

『落ち着け、恐らくあの形状・・・ブースターによる威力増加な筈だ。インパクトの瞬間に倍化をすればこの疑問も解ける』

 

恐らくどころか、転堂は一誠が以前と変わっていないと思っている。だが、今の一誠の身体は神龍ボディとなっている為、瞬間倍化はお手の物である。それこそ、魔王と同等近くまで成長していると言っても過言ではない

 

「『Niflum Smasher(光雷の極光)!』」

 

雷の本流が転堂に放たれ、それに対抗して胸部から極太のビームが放たれる。威力は拮抗しているかと思いきや、それは最初の一撃だけだった。一誠のビームが転堂の放つビームを押し込み勝った

ビームの光が晴れると、覇龍が解けた転堂が血まみれで立っていた。そして、この現状についてようやく理解する事が出来たらしく憤怒している

 

「クソッ!クソッ!クソッ!クソォオオオオオオオオオ!てめぇ、神龍の身体を手に入れやがったな!じゃなきゃこの魔力量に頑丈さが成り立たねぇ!」

 

「だったらどうしたってんだよ」

 

転堂は、自身のすぐ傍に黄金の波紋を出して手を突っ込み黄金の鍵を取り出した。そして、突っ込んだ方の手には黄金の手甲が装着されていた。一誠は警戒し一挙一動を見逃さずいつでも襲撃出来る体勢を取っていると、転堂が手に持った鍵を捻る。すると、鍵先から幾重にも分かれた赤い線が浮かび上がり―――収束。黄金の鍵は無くなり、代わりに武器とも呼べない様な円柱状の剣が握られていた。一誠はその剣みたいな物を見た瞬間、全身に鳥肌が立った

 

「っ!?ドラゴンショットォオオオオ!」

 

あれはもの凄く危険な代物だと感じた一誠は、すぐさまドラゴンショットを放つ。そのまま直ぐに突進しようとしたが、ドラゴンショットの魔力が易々と割かれて赤い暴風が一誠を吹き飛ばす。大地を転がり体勢を整え終えた一誠が最初に目にしたのは、三つの円柱が回転して赤い暴風を吹き荒らしていたのだ。その赤い一筋が地面を撫でると、地面が抉られていた

 

天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)!」

 

赤い暴風が一誠に襲い掛かった。一誠は腕を盾にして攻撃を少しでも防ごうとしたが、強化された筈の一誠の鎧をいとも簡単に引き裂いて吹き飛ばした

 

「ぐあああああああああああああああっ!」

 

美羅の雷神拳以外では破壊されない自信があった鎧が引き裂かれ、全身血だらけになった一誠は地面に倒れ伏す。しかし、絶対に敗けられない戦いなので気合いと根性だけで立ち上がる。だが、そんな単純な物だけで切り抜ける事は出来ないのが常である。再度、赤い暴風が準備されており、先程の一撃よりも強風が吹き荒れていた。もし、あの暴風をもう一度受ければ確実に死ぬだろう

 

「ハハハハハハハ!このエアに勝る武器は存在しないんだよ!」

 

転堂は勝利を確信して笑みを零している。それすなわち、慢心しているという事だ。しかし、一誠が新たに作った必殺技があれに通用するかと言われれば、それは全てNoだ

 

「これで終わりだ!天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)!!」

 

一誠の全てが通用しない大ピンチ。だが、それを見越しているのは美羅の想定内だ。一誠は、この戦いの直前に美羅に手渡された太刀の存在を思い出し、本当にヤバイ時は今だと判断して籠手から刀身を出して全力で振るった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その一刀―――暴風が真っ二つに切り裂く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

転堂が放ったエヌマ・エリシュの暴風は切り裂かれ、一誠が振るった刀身は折れた。だが、このチャンスを逃す一誠ではなく、翼のブースターを噴かして転堂に突撃した

 

「転堂ぉおおおおおおおおおおおお!」

 

転堂が咄嗟に射出した武器に足や肩を貫かれるが、急所は防いで全力でぶん殴った

 

「ぐぶあっ!?」

 

転堂は吹き飛び、手に持っていた剣を取りこぼした。一誠はその剣を持って転堂が再び手にする事を防ぐ。とはいえ、一誠の拳は転堂の胸部に放たれており、胸部の骨を砕いたのだ。まず間違いなく即死だが、無駄に頑丈になった転堂は生き延びていた

 

「ごふっ、お、俺はオリ主だ。俺が最強なんだ。俺が主人公なんだ。全部俺の物なんだっ!」

 

一誠はトドメを刺さなければいけない事は分かっているのだが、体が言う事を聞かない。無茶をし過ぎたガタが一気に噴き出しの反動だ。転堂は動けない一誠を憤怒の籠った眼で睨みながら、黄金の波紋を出そうと片手を上げた。流石の一誠も舌打ちして、動こうとしたが地面に倒れる。だが、転堂が手を上げても黄金の波紋が現れる事はなかった

 

「な、何でだ!何で出ない!?」

 

転堂の方も出ない事に驚いているのか、何度も何度も手を上げ下げしている

 

『出ないだと?我の物を自分の物であると申すか、盗人』

 

一誠は誰も居ないこの場所に、初めて聞こえる声に戸惑いを感じている。新しい敵かと思い、上体だけは起こして砕けそうな痛みに耐えながら攻撃出来る様に構える。だが、そんな事よりも転堂の表情が青褪めている事に気付いた

 

「我の財を我が物顔で使い、世界の運命を乱し、星をも壊そうとする盗人よ。貴様は我の敷いた法に何度も破った。貴様だけはこの俺手ずから殺す」

 

一誠は隣から声が聞こえ、視線を向けると、眩しい黄金の鎧を身に着けた金髪赤眼の男が居た。圧倒される程の威圧感と同時に感じる王のカリスマに言葉が出ない

 

「我の武器を略奪し、あまつさえ敗北するだけに留まらず至宝のエアすらも触れたのだ。本来なら汚物として早々と処分するが、盗人よ、貴様は楽に殺さん」

 

黄金の王が黄金の波紋から薬と思われる液体を取り出して転堂の口にその中身を落とす。すると、転堂の傷がじわじわと癒えるそれは、数十秒すれば全回復するだろう

 

「あ、あの!この剣は王様の物なんですか?」

 

「雑種、その穢れた手で我の至宝を持つとは死にたいか?」

 

「す、すいません!」

 

「・・・だが、あの盗人に使わせんとする為に守護するその心意気、そして純粋なる思いは罰を軽くする事で赦してやろう。雑種、貴様には後程幾つか聞く事がある。これを飲んでおけ」

 

「あ、ありがとうございます?」

 

一誠は黄金の王にエアと呼ばれた剣を返却して、結末がどうなるかを見届ける事にした。自分が倒すと言っていたが、王様の武器を勝手に使っている事を初めて知ったので全てを任せる事こそ最適だと判断した。そして、黄金の王から手渡された液体を飲むと、全ての傷が癒えた

 

「さて盗人、回復したな?我が先程飲ませたのは欠損であろうと徐々に癒す希少な霊薬だ。これより貴様の処罰を開始する」

 

黄金の波紋から一つの武器が目にも止まらない速さで射出されて、転堂の片腕を切り飛ばした

 

「ギャアアアアアアアアア!」

 

「喚くな」

 

次々と武器が射出されて、転堂を殺さない範囲内で傷を負わせる。そして、転堂が回復するまで待ち再び攻撃を幾たびも繰り返す。一誠はただ黙って転堂がしてきた事を思うと自業自得だと思う

 

「さて、これより次の裁定を開始する」

 

黄金の波紋から新たな武器を取り出し、転堂の指を切断する。だが、その指が治癒する事はなかった。次は霊薬と同じ容器に入った薬品だ。それを無理やり飲ませ、ナイフで腕を突き刺す

 

「ヒギャアアアアアアアアア!?イダイイダイイダイイダイイダイ!?」

 

「不死殺しの武器による治癒阻害、痛覚倍増の薬、常時高温のナイフだ。地獄の痛みだろう?」

 

一誠は、この黄金の王様と敵対した場合は手も足も出せずに殺されるだろうと確信した。底が知れない感覚は、美羅と雌煌に似た物だ。そして、ようやく最後の処罰が下される

 

「最後の裁定だ。これで俺の裁決は終わる。早々にこの世から消えて無くなれ」

 

「イヤダ、シニタクナイ!シニタク―――」

 

転堂の周囲に不死殺しの武器が埋め尽くされ、一斉に射出され大爆発を起こし、転堂は肉片一つ残さずに殺された

 

「雑種、次は貴様の裁定を行う」

 

一誠はビクッと震え、冷や汗を流す。自分も転堂と同じ様に殺されるかもしれないと

 

「ふっ、そう身構えるな。先ずは先程言っていた事についてだ。我の目から見ても貴様はエアの二撃目を防ぐ事は出来ない筈だ。どうやって防いだ」

 

「えっと・・・信じてもらえるか分からないんですけど・・・この太刀を思いっきり振るったら暴風を斬る事が出来ました」

 

「これは籠手と一体化しているのか?」

 

「なぁドライグ、これって一体化しているのか?」

 

『いや、装備品としている。太刀を取り出す事は出来るぞ』

 

「だ、そうです」

 

黄金の王は顎に手を当てて少し考えた後、裁定を下す

 

「その太刀を我に献上せよ。そうすれば今までの不敬を赦してやろう」

 

「なっ!?」

 

自分の命を救ってくれた武器を献上する。それに、美羅から手渡された大事な物だ。そう簡単に首を縦に振る事は出来なかった

 

「・・・」

 

「どうした、早く献上せよ。それとも、貴様を殺してやろうか?」

 

「でき・・・ませんっ!」

 

「ほう?」

 

一誠は体を震わせながら黄金の王の言葉を拒否する。それと同時に武器が射出されて頬を掠める。威嚇の一発だろう。だが、一誠は黄金の王の目を真っ直ぐに見続ける

 

「次は当てるぞ?」

 

今度は確実に当てるつもりだ。それでも一誠は引かずにいると

 

「おう、一誠そっちは終わったか~?」

 

「え、雌煌?」

 

敵を倒し終えた雌煌が一誠の場所へとやって来たのだ。黄金の王は雌煌を見て舌打ちをする

 

「チッ、何の用だ破壊の龍」

 

「お~ん?いや、何やってるのかってな?お前とは初対面だが・・・成程、抑止が重い腰を上げたのか?」

 

「たわけ!俺手ずから繋げたにすぎん!」

 

「あ~あ、抑止は馬鹿だなぁ~。美羅の奴隷行き確定じゃねぇか」

 

「そちらの星の管理者である祖の龍はしっかりと仕事をしている様だな。こちらよりも上手く世界が周っている」

 

「いやいや、大戦が起きちまったからそうでもねぇよ。ま、あれが起きたからしっかりと仕事をしているって事だな。んで?一誠に武器向けてるが、敵か?」

 

「戯け、俺の至宝に触れた雑種に武器を献上しろと言ったまでだ」

 

「あぁ~、そりゃあ仕方がねぇな。ほれ、渡しておけ」

 

「で、でも・・・美羅先輩に怒られるんじゃ」

 

一誠が心配しているのは、美羅が激怒しないかどうかだ。どっちの選択肢を取っても死ぬのならば、男として立派な方を選んだだけだ

 

「・・・しかも、刀身折れてるから」

 

「その程度気にしねぇだろ。な?」

 

「我の至宝の全力までとはいかんが、攻撃を斬り裂いたのだ。普通であればどのような攻撃だろうと歯牙にかけぬのだぞ?ならばこそ、刀身が折れようとも、その武器にはそれだけの価値がある。それに、その太刀は人が作った物ではないのだ」

 

「え?ちょっと待って下さい!美羅先輩は人間ですよ!?」

 

「阿呆。奴は星の管理者であり、祖の龍。人間ではない」

 

「   」

 

「あ、一誠がキャパオーバーしてやがる」

 

よくよく考えれば人間ではありえない事を平然とやっており、黒達も龍―――同じ世界でとなると美羅も龍の可能性があるという事にようやく気付いた

 

「マジか・・・マジかよ・・・」

 

「さて、奴の素性を教えたのだ。おとなしくそれを渡せ」

 

「あ・・・はい」

 

一誠は名残惜しそうに黄金の王に太刀を渡す為に籠手から取り出すと、折れたはずの刀身は元通りに修復されていた。頭の中で?が飛び交い、何が起きたのかさっぱり理解出来なかった

 

「フハハハハ!これはいい!自動修復機能が備わっているな。ニホントウだったか?洗練されたデザインで単調な形だが、それがまたいい味を出している」

 

どうやら黄金の王のお眼鏡に叶った様だ。上機嫌に黄金の波紋の中に太刀を収め、ふと気づいた事を尋ねてきた

 

「そういえば、あの太刀の名前は何だ?」

 

一誠は、ただ単に渡されただけで名前を知らない

 

「天上天下無双刀だ。後にも先にもそれ一本だけだから大事に使えよ?」

 

「フハハハハ!天上天下無双刀とは良いネーミングセンス、英雄王の我にピッタリではないか!」

 

「え、英雄王って事は、ギルガッメシュ王!?」

 

「ん?雑種、我が誰なのか気付かなかったのか?」

 

「色んな不敬を働いて申し訳ございませんでしたああああああ!」

 

俊屋から色んな事を聞いていた時に、熱を入れて語っていたのはギルガメッシュの事についてだった。やれ何処が凄いのか、カリスマが溢れている等沢山覚える事があり、ようやく思い出したという事だ

 

「まぁいいだろう、今の我は気分が良い。その不敬を赦そう」

 

「それよりも早く帰らなくてもいいのか?」

 

「ふむ、座に居る友にもこの太刀を早く見せたいから我は帰る。祖の龍に言っておけ、抑止はこちらで言う事を聞く様に脅しておくとな」

 

ギルガメッシュは金の粒子となって帰って行った。一誠は呆然としており、尻もちをついて苦笑する

 

「英雄王にも驚いたけど、美羅先輩が龍だって事に驚いたなぁ・・・」

 

「まぁ、美羅の心配は要らねぇよ。あいつを本気で怒らせて生き残れた奴は誰一人いないし、外敵も消し炭にしたりとしていたからな。例えるなら俺等の世界のクトゥルフ系の神とか」

 

「ふぁ!?」

 

「あいつ等気持ち悪かったし、強かったしで楽しかったんだがなぁ~。如何せん美羅が本気でブチギレてあいつ等は概念もろとも消されたのさ」

 

これは知って良かったのか悪かったのか分からない知識だ。だが、確実に美羅が負けないという事が分かり、一誠は自称神に黙祷した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回、「自称神様、覚悟は良いか?」
最後の雌煌の暴露はヤバイの一言!ハイスクールD×D世界や型月世界のクトゥルフ系ではなく、モンハン世界のクトゥルフ系=SAN値がお亡くなりになる程です。尚、もんの凄く強く、龍大戦が始まる前に戦っていたのである
仕方がないよね。やばい相手と戦っている最中に人間達の様子なんて見れないって!その結果が龍大戦なのさ!起こるべくして起こったんだよ!!


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第81話 決着とエピローグ

布団「どっりゃあああああああああ!」
ミラ「はやっ!?」
黒「何だと!?」
紅「病気か!?」
雌煌「明日は槍が降るのか!?」
布団「そりゃあ・・・タイトルから察してくださいよ」
ミラ「・・・宣言通りという事ね」
黒「年内に終わらせやがったぞ・・・こいつ!」
ティア「今までが駄目だっただけだろうに」
布団「いいもん!自称神なんて所詮引き立て役なんだもん!」











ねる「さいご・・・はじまる・・・・・」



















~美羅side~

 

「連続普通のパンチ」

 

「プロテクション!」

 

美羅と自称神の戦いは単純明快、攻撃して防ぎの一辺倒だ。純粋な力のぶつかり合いをしている

 

「出会い頭の一発は痛かった。痛かったぞぉおおおおおおおお!」

 

「神様なんでしょ?あれぐらい防ぐ事が出来なきゃ駄目じゃない」

 

「キェエエエエエエエエッ!」

 

自称神の手からエネルギー弾が発射され、美羅は避けるがホーミング機能があるのかどこまでも追いかけてくる。それこそ、当たるまで永遠にだろう

 

「まだだああああああ!」

 

今あるエネルギー弾を更に追加して美羅を追い詰めようとするが、その全てを素手で殴って消滅させた。だが、自称神とて一応は神様なのだ。自身の権能―――異世界への干渉及びコピー。簡単に説明すると、異世界にある物質や生物をコピーして召喚出来るという物だ

手から魔法陣を浮かべ、美羅を殺せそうな物を召喚する。その一つが核のミサイルポッドで、一斉射された。下手に攻撃すれば大爆発は免れない。ツァーリ・ボンバ級のロケットミサイルが迫るも、美羅は赤雷を放ち消し炭にした

 

「何故爆発しない!?」

 

「はぁ~?原子消滅する攻撃を放っただけよ。核爆発は原子分裂での爆発―――それを引き起こす本体を消滅させれば何も問題はないでしょ?」

 

モンハン世界では原子爆弾の威力、理論諸々分からなかったが、地球にはネットという大量の情報が広がっている。仕組みが分かれば簡単に消滅させる攻撃を新しく作ればいいだけの話だ。破壊力も理解力も、美羅の右に出る者は居ないので何一つ問題はない

 

「ならば、これでどうだ!」

 

自称神は、龍を召喚した。その龍の腐敗臭は凄く、人間が吸えばドロドロに溶け、神でも意識が朦朧とする毒性だ。自称神は特殊なフィールドの上に立っており、その瘴気を弾いていた

 

「くっさ!環境破壊兵器のシュールストレミング並みの臭さじゃん!」

 

この瘴気の方がもっと臭いのだが、今の美羅は慢心する事のない完全無欠のスーパーボディーなのでその程度で済んでいるという事だ。だが、美羅でもそこまで匂うという事は尋常ではないレベルの毒であると捉える事が出来る

 

「汚物は消毒!」

 

美羅は自身の身体から光を迸らせ、爆発―――。瘴気は全て消し飛び、原因の龍も塵一つ残さず消え尽くした

 

「渡航者の分際で僕に逆らうなっ!」

 

次は懐中時計を手に持って、蓋を開く。すると、周囲の時間は静止した

 

「ザ・ワールド。僕に出来ない事は何もないんだぁ!先ずは指を一本ずつ切り取ってホルマリン漬けにしてあげるよ」

 

自称神は動いていない美羅の傍まで近づき、金色のハサミを手に持って美羅の指を切ろうとした。だが―――

 

「ドラァッ!」

 

目にも留まらない速さで放たれた美羅の拳が黄金のハサミを砕いた

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァアア!」

 

「ブルゲェッ!?」

 

美羅の乱打は全て顔面に叩き込まれ、自称神は鼻血を噴き出しながら吹き飛ぶ。美羅の拳は黄金のハサミで少しだけ切れており、血が滲んでいた。だが、そんな事は気にせずに自称神に追い打ちをかける

 

「肘打ち、裏拳、正拳――――どりゃああああああああ!」

 

「こ、この僕が手も足も出ないだと!?ふざけるなァアアアアアア!!」

 

次は体全体に満遍なくダメージを蓄積させて地に落ちる事が出来ないように、とにかく連打する。自称神はこの攻撃を脱出しようと神気を放出して美羅を弾き飛ばそうとした。だが、美羅は全く体勢を崩す事はなかった

 

「この程度のそよ風で攻撃をためらうとでも思った?残念でぇしたああああああ!ずっと私のターン!!」

 

「来い、忠実なる僕よ!この僕に歯向かう愚か者を殺せ!」

 

新たに出現したのは、筋骨隆々の男だ。咆哮を上げて美羅に石斧を叩き込むが、硬い何かに弾かれて止める事が出来なかった。ならば、掴んで攻撃を止める。少しだけ攻撃の間隔が鈍くなった隙に自称神は距離を取る。だが、筋骨隆々の男は美羅の雷神拳一発で上半身をごっそりと抉られ絶命した

 

「ヒャッハー!首置いてけ!!」

 

「奴を足止めしろヘラクレス!僕が攻撃する時間を稼ぐんだ!!」

 

筋骨隆々の男の正体はヘラクレス。D×D世界のヘラクレスではなく、一誠の前に現れたギルガメッシュと同じ時空に生きたヘラクレスである。美羅はもう一発雷神拳を放つが、ヘラクレスは押し込まれながらも両腕でがっちりと掴んで防いだ

 

「理性+力ってとこね。雷神拳の耐性が出来たとはいえ、完全に防ぐ事は出来ないから吸収して防ぐ。いい判断じゃない。流石は大英雄ってところかな?」

 

「■■■■ッーーーー!!」

 

「いや、理性はあっても人語を喋れないというのが正しいのね。ふんっ!」

 

美羅は、拳に力を入れて魔力を放出。雷の魔力がヘラクレスの身体を飲み込み上半身を消し飛ばし、美羅の背中に剣が直撃する。浅い切り傷を負うが、自然回復力が高いのであっという間に回復する

 

「この程度?よわっちい攻撃ね」

 

「神殺しの剣が直撃したのに!?」

 

ほーん、神殺しねぇ。・・・この世界の神は薄っぺらな強さなのね。これじゃあ注意しなければいけないのはヘラクレス位かな?

 

美羅は自称神の方に振り返らず、自身に敵意を向けているヘラクレスだけを見る。二度の殺しに警戒しているのか射程圏内に近付かない

 

「動かないねぇ~。だったら、動かすか」

 

「なに―――ぎゃああああああああああああ!?」

 

美羅は手を上げて雷を蓄える。体から赤雷が迸り、風船が破裂する様な音が鳴ると自称神に赤雷が直撃した。だが、直撃はしていないので炭化していない

自称神は痺れる身体でヘラクレスに手を伸ばし権能を発動。すると、ヘラクレスの目の前に一振りの大剣が出現。ヘラクレスはその大剣を手に取り美羅へと突撃した。美羅が迎撃で赤雷を落とし残機を減らすが、完全に無くなる前に美羅の懐に飛び込み一閃

 

「さっすが大英雄~♪」

 

ヘラクレスの袈裟斬りは、美羅の肩から斜めに沿って傷を負わせた。かすり傷ではなく、人間でいう所の重症レベルだ。だが、美羅はそんな攻撃に当たってもニヤニヤと笑みを浮かべていた

 

「その武器が何処まで持つか分からないけど、私に深い傷を負わせた褒美として本当の戦いを魅せてあげるわ」

 

美羅の体が光に包まれて晴れると、真っ白なドレスを見に纏っていた

 

「はっ!戦いで動きにくいドレスを着るとか馬鹿じゃないか!ヘラクレス、残機は常に回復させるから倒してこい!」

 

「■■■■ッーーーーー!!」

 

「来なさい、大英雄。命令に背くのではなく、私にただ単純に命のやり取りの素晴らしさだけを感じさせなさい!」

 

久々に感じる―――、幾千幾万幾億の時を生きた私に人間の限界を魅せる強者。武器は一流でも担い手が駄目なら興味もない。だけど、目の前に居るのは不撓不屈の男。時空や世界が違えど偉業を成したその肉体、その精神、どれもあの男に通ずる物がある

 

「さぁ始めましょう、管理の力に挑む人よ。汝、我が力を見よ」

 

美羅は手足に嵌めていた拘束具を全て外した。頭部には龍の角が生え、爪は鋭くなり、尻尾が生える

 

「龍だと!?だったら、龍殺しの概念武器を存分に食らえ!」

 

自称神が龍殺しの逸話を持つ武器を沢山生成して美羅に飛ばす。だが、その全てが服に傷を付ける事も出来ず弾かれる

 

「―――外野は静かにしろ」

 

「っ!?」

 

美羅の威圧を当てられた自称神は、動きを止めた。神に準ずる圧―――、己よりも強者なそれは初めての感覚なのだろう。顔を青褪めヘラクレスに支援の武具を装着させていた。そのどれもが最上級の代物

 

「良い、実に良い!星の管理者として赴いた先の楽しみがこんなに踊れる場所だなんて最っ高!!」

 

バレエの様に舞いながら、ヘラクレスに一発一発重い攻撃を加える。美羅の放つ攻撃は、ヘラクレスであろうと全て即死の攻撃だ。腕は吹き飛ばされ、頭を砕かれ、胴体に風穴を開けられと命のストックがギリギリ無くならない程度だ。回復と破壊が追い付いているからこそ死なないだけで、一瞬でもそのどちらかが上回れば戦闘継続時間が一気に傾く

 

「ほらほらほら!もっとだ!もっと私に消えない記憶を刻み、武を、技術を、底力を示せ!」

 

「■■■■ッーーーーー!」

 

美羅の攻撃が更に激しさを増し、ヘラクレスも呼応する様に手数を増やし、防御し、受け流しと己の技術を全て絞り出す

ここで話を変えるが、何故美羅が完全な龍になっていないかという点だ。黒達ですら、枷を外したなら龍になると思い込んでいる。だが、美羅は過去でハンターと戦い学んだ。龍では図体が大きく小回りが利かず、攻撃を与える隙になると。それからは人化で戦闘出来る様に鍛えるだけだった。だが、美羅と激闘したハンターは人間―――人化状態で戦う事は一度も無く、ただただ暇を持て余すだけ

そんな中、神の試練を乗り越えた人間が相手となるのだ。そりゃあ、テンション爆上げの全力で相手にするという事が必然だ。攻撃一つ一つが即死の威力で、「もっと試したい」「すぐに死なないで」等の願いもある

 

「もっともっと激しく、苛烈に、激流の様にギアを上げるぞ!」

 

均衡していた戦いが徐々に傾く。美羅の攻撃がより一層激しくなり、受け流しても腕が痺れて動けない状態となって命を散らす。美羅の得意とする雷を織り交ぜ始めたのだ。残機はどんどんと減り、自称神が魔力を注いで回復させるが、その魔力は無限ではない。既に七割の魔力を消費している自称神は、ヘラクレスに一縷の望みをかけるしか残されていなかった

 

「どうしてだ・・・どうして僕の邪魔をするんだ!」

 

「そんなもの―――星がお前を殺してくれってお願いしているからよ。はい、閉廷~。これ以上の言い訳は聞きませーん」

 

美羅は自称神の言い訳をこれ以上聞く事はない。星を殺す元凶を生かして何の得がある?何もない―――そういう事だ

 

「さて、続きを殺ろう。貴方は何も気にせず我に挑み、我は貴方に記憶を刻み、刻ませる。その記憶は本流へと流れ込む―――良い事尽くめだろう?」

 

「・・・・・」

 

ヘラクレスは叫ぶのを止め、防具を全て脱いで武器を構えた。特攻かと思えるが、美羅との戦いで感じた防具の意味の無さ+逆に身に着けている事で筋肉の動きを阻害されて迎撃が遅くなる欠点を防ぐ為だ。一秒でも長く耐えて攻撃しないと美羅を倒せないと悟ったのだろう

 

「一つ言っておくが、今までの攻撃は全て前座―――所謂ウォーミングアップだ。そして、今から一撃で全損する力を解放し、防ぐ事を考えず――――ただただ我を殺す事だけに全力を注げ」

 

「ッ!?」

 

美羅の体に赤雷が迸った瞬間、姿が消えた。ヘラクレスは、己が感じる直感と野生による体捌きで美羅のアッパーを回避。スウェーではなく、コマの様に回転して流れる様に武器で攻撃。美羅は、片腕でガードして致命傷だけは避けるが、それでもヘラクレスの繰り出す斬撃に腕の表面が切られて血が流れ落ちる

 

「赤雷よ―――大地を蹂躙せよ!」

 

美羅が震脚したと同時に、蜘蛛の巣状に広がった赤雷がヘラクレスの足を襲う。ヘラクレスは、咄嗟に後退した事で致命傷となる攻撃を回避出来たものの、足は炭化して力強く大地を踏めば崩れる程のダメージだった

 

「響け、轟け―――天空に振動させよ!」

 

「■■■■■■■■ッーーーーーーーーーーー!!」

 

数多の雷柱が天から降り注ぐ。一つ落ちただけでも大地が揺れ、空気が振動して三半規管を揺らす。ヘラクレスは、最初の雷柱の落下の振動が直撃して動きが鈍くなった。だが、二つ目は特大の咆哮を上げて振動を少しだけ和らげた

 

「赤雷の本流よ、収束せよ」

 

美羅がヘラクレスへと突き出した手には、赤雷が集約して赤黒い光の玉が形成されていた

 

「幕引きだ。この本流に呑まれて消え去れ、大英雄」

 

赤黒い光の玉は弾け、雷柱よりも太いレーザーとなってヘラクレスを吞み込んだ。美羅はこれで終わったと確信したが、レーザーがいきなり弾けた

 

「なっ!?」

 

「■■■■■■■■ッーーーーーーーーーーー!」

 

身体は焼け焦げ、両足と片腕も無い状態なのにも関わらず美羅の眼前に躍り出たヘラクレスは、全力の一振りで美羅の突き出していた腕を切断。続いて切り返しで美羅の首を狙ったが、それは美羅の空いた手で武器を握り砕かれた。しかし、それは計算内。ヘラクレスは武器を手放し、最後の力で美羅の首を掴んだ

 

「・・・見事。大英雄と呼ぶに相応しい戦いだったぞ」

 

ヘラクレスの行動は何一つ間違いはなかった。だが、相手が悪かった。美羅は己の身体に力を入れ、発光

光はヘラクレスを呑み込んで全てを消し去った

 

「流石は大英雄と言ったところか。我にこれ程までに傷を負わせた人間はお前を含め二人目だ。―――さて、後は貴様だけだ。星の破壊者」

 

「ひぃっ!?」

 

美羅から見て、自称神の残り魔力量は一割程。だが、油断はしない

 

「貴様は輪廻を破壊し、数多の星の運命を殺そうとした。己の世界だけでなく、並行世界、異世界を巻き込んだその罪過―――たとえ貴様が神であろうと赦す事は出来ぬ。そして、星の管理者である我が貴様の概念全てを消す」

 

「が・・・概念全て!?」

 

「貴様が並行世界の元人間なのは知っている。だが、己の欲を満たすその行為―――看過する事は出来ぬ。その生命を軽んじる精神性諸共この世に、この世界に残さん」

 

大地は割れ、舞台は宇宙へと移り変わった。三百六十度逃げ放題、自称神は交戦よりも逃走を選んだ。だが、忘れてはいけない。この舞台、空間を作ったのは美羅だ。その気になれば無限に等しい空間を作れるが、逃走をさせない様に球状の結界が張られている。ビッグバンを起こしても砕けない超高性能なそれは、自称神を逃がさないだけに作られたかの様な檻だ

 

惑星(ホシ)は誕生し、巡る厄災より終焉へ―――――

創世と破壊、森羅万象何事も不可能の回避―――――

永劫の狭間に堕ちる事もなく、時を遡ることもなく、ただ崩壊する―――――』

 

美羅が何時もとは違う口調で告げる

自称神を殺す為の感情は入らない。自称神も輪廻転生で生まれ変わった元人間だとしても、それを滅する事にはただ当たり前の定義した。美羅は、人化を解いて龍の姿に戻り体を赤黒く染めていた

 

『赤雷よ、爆ぜろ。創世破壊の絶理をただ此処に―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

始光終雷の因果滅亡(ニフラム)!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先程の戦い同様、美羅の体から光が大きくなって宇宙を徐々に明るくする。自称神が通り過ぎた後を光速で追いついた光が届いた

 

「嫌だ!いやだいやだいやだ!!いやだああああああああああああああああああーーーーーーーーーーー!」

 

自称神は必死に逃げるが、とうとう美羅が設定した壁に衝突して必死に殴って壊そうとする。しかし、壁は壊れず、自称神が後ろに振り返った瞬間光が全てを吞み込んだ

存在する事すら許されない光は、自称神の身体を蒸発させ、遺伝子を、魂も―――この空間にある全ての物を消し尽くした。だが、第二波、第三波と光が空間全てを覆い尽くすという徹底した攻撃に、わずかに残った魂の輪廻転生の道を消し飛ばし、遂には概念諸共消し飛ばしたのだった

 

『・・・・・消えたか』

 

龍に戻っていた美羅は、人化して省エネモードに切り替えて転移した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~一誠side~

 

美羅が不思議ワールドに帰ると、そこには一誠や黒達も帰ってきており全てが終わった事を理解する事が出来た。そして、美羅が発した第一声は

 

「疲れた~!疲れた~!!もうこんな仕事したくないー!」

 

完全に駄々っ子の状態だ。あまりのギャップに一誠達は呆然とする中、黒達は、「今回は色々とめんどかったな~」と口漏らす位だった

 

「はい、報告ー。黒達はどうだったの?」

 

「俺達か?全員滅殺したぜ。途中で雌煌が合流したから手柄が取られたけどな」

 

「けっ!あんな雑魚を相手に遊んでるから駄目なんだよ」

 

「そういう雌煌はどうだったのだ?」

 

黒と雌煌の間に、珍しくまともな紅が口を挟む。雌煌が相手にしたリコリスは、以前出会った時は尻尾と突き上げで重症との事だった。紅にしてみれば、今回は美羅から油断はするなと言われていたのでそこまで苦戦するとは思っていなかったのだ。それこそ、秒で始末して合流すると思っていたぐらいだ

 

「あ、それなー。最初は余裕でぶっ飛ばしたんだが、細胞一つでも残ってたら再生する奴になっててな」

 

「えっ、何それ。本当に人間?」

 

俊屋は、頬を引き攣らせながら突っ込みを入れる。もしも、雌煌と俊屋達の立ち位置が逆だったらと思うと禄でもない目に遭っていただろう

 

「そして、ここからが重要だ。あいつを一度木っ端微塵にした後復活したんだが、そこで変化が起きた。俺達の世界の禁忌―――イコール・ドラゴン・ウェポンになりやがった」

 

「おい・・・それマジか?」

 

「美羅、これはやばいんじゃないか?」

 

「そこら辺はだいじょーぶ。自称神の概念を消したから情報が漏れ出る事は無いよ。概念を消す=その者は居ない=もたらした情報も全て消えるってね」

 

「ちゃっかり最強攻撃使ってんなぁ~。サン値削り外敵との戦いで使った時以来じゃね?」

 

「まぁねぇ~、だからしんどいの~」

 

美羅は、テーブルに顔を乗せ餅の様に溶けきっている事からとても大変だったのだろうと把握する事が出来た

 

「・・・・・んで?やっぱりしばらくは無理そうか?」

 

「だねぇ~、最短で百年~五百年ってところかな?」

 

美羅の事を知っている黒達は、「まぁ、仕方がないわな」と口漏らすが、一誠達は何が何だか理解していない様子だったので、雌煌がその理由を説明する

 

「めっちゃ簡単に説明すると、次に美羅と会う事が出来るのは最短で百年~五百年って事だ」

 

『えっ!?』

 

「というわけで、黒達はここをしっかりと維持よろしく~。はぁ~、仕事したくないなぁ・・・」

 

「ちょ、ちょっと待ってください!美羅先輩と会えるのはこれでこれで最後って事なんですか!?」

 

「あ~、長引いたらそうなるね~。まぁ、星の回復なんて百年で出来たらもんの凄く幸運よ。五百年でも厳しいし・・・千年あれば大丈夫かな~」

 

美羅はもの凄く呑気な事を言っているが、常人からすれば―――いや、悪魔やそれ以外の種から見ても異常とも言える精神性に驚愕している

 

「まぁ、龍だからこそ出来る管理よね~。一誠君もえーゆー王に私の正体についてネタバラしされちゃったんでしょ?残念ね~、私は龍でした~!結婚も出来ないし子も産めないよ。だからハーレムに入らないし、胸も触らせないし見せないからね」

 

「チックショーーーーーーーーーー!」

 

一誠の夢、ここで砕け散る。ドラゴンでも問題ねぇ!と言うだろうが、何せ美羅はこれから星の修復作業なり何なりの仕事が入っている。それはもう早急にというレベルなので、これから荷物も纏めずに出るというのだ

 

「それじゃあ、湿っぽい言葉もなしで!仕事という名の地獄へいってっきま~す」

 

「美羅先輩、俺強くなります!美羅先輩より強くなったらおっぱい触らせてください!」

 

「一誠・・・お前・・・そりゃ無理ってもんだ。叶わない夢は追いかけるな」

 

雌煌にまでも止められる始末―――哀れ一誠

そして、美羅は転移した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

・・・百年後

 

「うわぁ~、終わんないよぉ~。もう無理ぃ~、何か面白い事ないかなぁ~」

 

ひたすら星を治し並行世界の亀裂の修復を行う美羅の後姿は、ブラック残業中のOLの姿の様だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・五百年後

 

「修正修正~、って外敵が現れたぁっ!?抑止力の出番よ!私ばっかり働くのは駄目だよね!」

 

時には自分が働き、奴隷にした抑止力を使ったり、黒達が自然と介入したりと事件は解決する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・千年後

 

「やっと終わった~。皆は何してるかな~?ちょいと覗いてみようかな」

 

ようやく星の修復作業も終わり、さてどうしようかなと思い不思議ワールドの現状を覗く。そこでは、家庭を持った黒達の幸せな暮らしや、何故か未だに生きている舞樹姉弟やジャンヌ達が警備したりしていた

 

「あれぇ~?春ちゃんや俊屋君もだけど、ジャンヌちゃんも人間辞めちゃってるっぽい?」

 

悪魔の駒を基盤として新しく作られた龍の駒という代物によって長命を得ているのだ。無論、その子供達にも長命になっていたりする。実は、この駒を作ったのは紅なのだ。美羅が修復へと旅立った際、その場に居たのは突入組だけだった。美羅が帰ってくるだろうと思っていた者達は、理由を聞いて暗い気持ちになりながらも気丈にふるまった

だが、ここで心優しいアーシアが紅に、「・・・白野先輩は帰ってきますよね?また皆で一緒に写真も撮れますよね?」とウルウルした瞳で訴えかけた事によって、紅の感情が天元突破。悪魔の駒を一気に研究し、デメリットを排除して龍の駒を作ったのだ。龍の駒の特性は、不思議ワールドと現世の自由転移+寿命の延長+老化防止が主となっている。こうして出来上がった駒を美羅サイドの人間達に使用する事で、誰一つ欠ける事なく今まで変わらず生きていたのだ

 

「・・・戻ったらきっと、「おばさんだぁれ?」って言われそう。ま、その時は黒達をどつくけどね!」

 

美羅は、ひと段落した修復作業を終えて不思議ワールドへと戻ってきた。勿論皆が驚いたのは言うまでもなく、黒達の子が美羅を不審者扱いしようとしたら、親に止められ止められたりしていた。そして、なんと黒だけが結婚ではなかった事が驚いたのだ

これは皆も予想通り、俊屋とジャンヌが結婚。これについては美羅は、「なるほどなるほど、子供も居て孫も居ると!」とからかった。だが、一番驚いたのはそこではない

 

 

紅と春が結婚していたのだ!

 

 

美羅の第一声は、「紅はアーシアちゃんとくっつくと思ってた」という当時の紅を知っているからこその言葉だった。勿論子供もいるし孫も居る。そのアーシアはというと、一誠と結婚して子供もいるそうだ

そんな中、雌煌だけは結婚にも興味なしといった感じだ。雌煌の事を子供たちに聞くと、「引きこもりなのに意味不明に強い」「のんべんだらりなくせに戦闘狂」「美羅お姉ちゃんの事をBBA?って呼べって言ってた」等と色んな意味で変わらずという感じだ。最後の言葉を聞いた美羅が雌煌を岩盤送りにしたことは言うまでもなく、子供達も怒らせてはいけないのは美羅だと理解した

 

「さて、アーシアちゃんの希望通り皆で写真でも撮って記念を残しましょうか」

 

その後、一誠達にも連絡が行き家族全員が揃い、一誠が美羅の胸をせがむがメッタメタに叩きのめされズタボロにした。まぁ、一誠はいつも通り平常運航しているという事が分かった。そして、何気に一誠を慕う者が増えている事もあったりした。そんな話は置いておき、アーシアが泣きながら抱き着いたのは言うまでもない。そして、白の祖というのが美羅だという事もバレたり色々と楽しいお話を聞いたりして写真を撮った

 

「さて、楽しい再開も終わった事だし私は修復作業に戻ろうかな」

 

「・・・まだ終わってないんですか?」

 

「ガラスの罅が入った様なものだからねぇ~。窓ガラスなら交換すれば大丈夫だけど、これは星という名の器のガラスと例えた方が良いわね」

 

「永遠に終わらねぇな」

 

「今は消費して六割方力が落ちているけど、全快時ならこのヒビも修復出来るし・・・そのうち何とかなるわよ。気長にやるだけよ」

 

皆は、「え?今で四割!?」と普通じゃねえ!と言いたげな表情をしていた。美羅は転移しようとした時、『千年の時が経っているなら現代って色々と知らないわよね。・・・なら違う世界でバカンスしよ』と内心で思いながら並行世界の転移門を展開して移動する

 

「おらぁ!俺も連れてけよ!!」

 

「はぁっ!?」

 

後ろから雌煌が飛び掛かり、美羅が予定していた型月世界への旅行座標が狂ったのは言うまでもない。そして、二人は転移門に吸い込まれ別の世界へと飛び立った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美羅の異世界旅行はまだまだ続く―――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




布団「かなりぶっ飛ばして書いたけど、いいんじゃね?とりあえず終わったから・・・」
ミラ「まぁ、処女作と言いながら並列して他も執筆しているからねぇ~。まぁ、こっちが先に終わったから折檻はしないよ」
布団「寛大なお心に感謝いたします!」
ミラ「さぁ~て、のんびり旅行するぞ~」


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