ハリーの兄貴で魔力がない (厄丸)
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プロローグ 生き残った『2人の』子供
ある人はいう
『子供たちが生き残った』
ある人はいう
【闇の帝王から生き延びた】
ある人はいう
『子供達をホグワーツへ』と
ここはある家の一角、階段の下に敷き詰められてモゾモゾと動いている物体、外の気温は暖かいがここの場所の気温は寒い、温度としては20度はきっているだろう
「おいハリー!ダドリー!起きろ!朝だぞ!」
家の一部から大きな声が聞こえる、その声は少し高い声だが鬱陶しくは感じない声質でむしろ心地いい
「ふぁ・・・うるさいよ『ストリット兄さん』・・・」
『いいから起きるんだ!飯が冷めるぞ!今日の朝飯はダドリー達がベーコンハムエッグとフレンチトーストだ!』
『フレンチトースト?!今いくよ『ストリット』!!!』
朝から騒音が響き渡る、階段をドタドタを降りる音だが著しくうるさい、早く降りればいいものをわざわざジャンプしながら一段ずつ降りているようだ
「ハリー起きろ!朝ごはんだぞ!!!」
『うーん・・・今起きるよ・・・』
ハリーと呼ばれる男の子がキッチン兼リビングへと行く、そこには大柄に太ったおじさんとまるで皮だけのようなガリガリのおばさんがいた
「ハリー遅いぞ!冷めたらどうするッ!!!」
「ごめんなさい、バーノンおじさん」
「まぁまぁ落ち着いてくださいよバーノンおじさん、これでも飲んで落ち着いてください」
ストリットと呼ばれた男の子が大柄に太ったおじさん、バーノンおじさんに暖かいホットココアを渡す
「おぉ、気がきくなストリット、『弟の』ハリーとは大違いだ!」
「それ以上俺の弟を悪くいうのをやめてもらえませんかね?俺の大切なたった1人の兄弟なんです」
「まぁ、それは悪かったわねストリット、ごめんなさいねハリー」
「うん、大丈夫だよペチュニアおばさん・・・」
朝ごはんを食べ終えハリーはそそくさと階段の裏へ、ストリットはみんなの食べたものを洗い、拭いて片付けている、ダドリーはクリスマスプレゼントが去年より1つ少ないと文句を言って駄々をこねている
「さてさて、昼は何にしようかな・・・」
「ねぇ、兄さん」
「んー?どうしたハリー、なんか悩みか?」
ハリーが自分の兄、ストリットに怖い視線を向けている、その視線はまるで蛇のようで今にも嚙み殺しそうだ
「なんで兄さんはあいつらが憎く無いの・・・?僕には理解出来ないよ・・・ッ!」
声を1つ1つ苦しそうにあげてストリットに問いただす、それに対してストリットは首をかしげるしか無い
「んー・・・そんなこと言われてもなぁ・・・慣れた?」笑
「ふざけないでよッ!僕は兄さんが夜にあいつらにされてること知ってるんだyーーー」
ハリーがここまで口を開こうとしたところで今度はストリットが怖い視線をハリーに向ける、睨まれたハリーは口を閉じるしか無い
「ハリー、俺はいいんだ、俺はお前が幸せになりさえすればな、それが俺の幸せだ、それに俺は鍛えているしな!そんじょそこらの虐待なんかじゃ俺の体は壊せないぞ!ハッハッハッハー!」
「兄さん・・・」
ハリーが言っていることは正しい、ストリットは夜にバーノンとペチュニアに虐待されている、体をムチで叩かれ、顔面を殴られたりしている、それはハリーに見せるようなことではなくあまりにも酷い、顔がアザだらけになり体はムチの跡だらけになる程酷い
「さて、俺は鍛えに行くかな、ハリー、いい子にしてろよ?」
「・・・うん」
ハリーは渋々頷くしか無い、自分には兄を助ける勇気も力もないのだから
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ホグワーツの番人
前回のあらすじ
物語の始まり
↓
キャラの導入
↓
ハリー泣く
↓
おやすみ
今は真夜中の深夜の時間、ダーズリー家の周りの家は静かになり寝静まる、しかしダーズリー家は違った
「この悪魔め・・・この・・・このッ!」
「ングッ・・・ガ・・・アウッ・・・」
大柄のおじさん、バーノンがストリットの体をムチで叩く、バチンバチンと鳴らされるムチの音は相当な力がこもって叩かれている
「ハァ・・・ハァ・・・今日はこれぐらいにしておいてやる・・・さっさと寝ろッ!」
「はい・・・おやすみなさい・・・バーノンおじさん・・・」
ガチャリと音を立ててバーノンが部屋から出て行く、ストリットの体に残されたのはムチで出来た無数の傷、これではベッドに寝転がることも苦痛だろう
「仕方ない、今日も椅子で座って寝るか・・・」
なぜストリットだけがこの仕打ちを受けているか、全てはハリーのためである、自分がこれを受ければハリーは不自由せずに済む、それだけでストリットを動かすには十分だった
「・・・兄さん」
階段の下でハリーが呟く、ハリーは知っている、兄がどんな仕打ちを受けているのかを、しかし兄は絶対に体を自分に見せてくれない、いろんな理由をつけて見せてくれないのだ
「ごめん・・・ごめんなさい・・・兄さん・・・ッ!」
今日はハリーは涙を流しながら眠りにつく、しかし次の日、ポッター兄弟の人生が変わり始める為のカウントダウンが遂に終わりを告げる
「ハリー!ダドリー!起きろ!あ、ハリー!来るついでに手紙を持ってきてくれ!」
「分かったよ兄さん」
ハリーがドアのポストに手をかける、そこには見慣れないマークで豪華な封筒に入っている手紙があった、そこにはハリーポッター様と書いてある
「僕宛に・・・手紙?」
「おーいハリー!飯が冷めるぞー!」
ストリットがハリーを呼ぶ、ハリーはこっそり手紙を階段裏、自分の寝床に隠して朝ごはんを食べに行った
「さて、俺は食器を洗って片付けてから鍛えに行くな、帰りはいつも通りだからいい子で待っててくれな」
「うん、怪我しないようにね、兄さん」
そう言ってストリットは玄関を出る、ハリーは自分の部屋に隠した手紙を開けることにした、手紙にはこう書いてある
親愛なるポッター殿
このたびホグワーツ魔法学校に入学を許可されたこと、心よりお喜び申し上げます。
教科書並びに必要な教材リストを同封いたします。
新学期は9月1日に始まります。
7月31日必着でふくろう便にてのお返事を
お待ちしております。
敬具
副校長ミネルバ・マクゴナガル
「ホグワーツ?魔法?何を書いてあるんだろう・・・きっとイタズラだな、でも・・・この話が本当なら・・・嬉しいなぁ・・・」
ハリーはほろりと言葉を漏らす、今の日にち7月30日、明日になれば分かるだろうとハリーは思い部屋を後にした、バーノンやペチュニアにいびられている最中であることに気づいてしまう
(あれ・・・あの手紙には僕だけ・・・兄さんは・・・?)
しかしこの思いはすぐに忘れてしまう、いびりが酷すぎて部屋に篭ってしまった、それについてバーノンとペチュニアが『情けない』と言うが関係ない
そして夕方、ストリットが帰ってきて夕飯の準備を始める、もしかしたらこれが最後になるかもしれないと思い自分も手伝いを始める、夕飯は何故か味が感じず、まるでガムを噛んでいるような食感だった
「そろそろ31日か・・・」
時刻は23時59分、後1分であの手紙が嘘かどうかが分かる、しかし残り50秒というところでドンドンとドアが叩かれる音がする
『ハリー!俺だ!ストリットだ!』
「兄さん?なんでこんなに慌ててーーー」
開けた瞬間、目の前には爆音の元となるクラッカーがあった
「ほら、もうすぐでハリーの誕生日だろ?俺はお前の兄さんだからな、弟の誕生日を祝わない兄は兄弟じゃねぇよな!」
「兄さんッ・・・!」
自分の目元に暖かい涙が溜まるのが分かる、残り5秒、カウントダウンは終わりを告げた
「happy birthdayハリー!11歳の誕生日おめでとう!」
パンッ!と音がしてクラッカーが弾ける音がする、それと同時に今度は玄関のドアがドンドンと音がなる
「え・・・?」
「・・・ハリー、ここにいるんだ、いいね?」
そういってストリットは弾かれるように階段裏のドアから出る、出たと同時に大きな玄関がギィ・・・っと音を立てて前に倒れる光景が目に入る
「ふぅ、ここまで遠いわい、おい小僧、ハリー・ポッターはどこにいる?」
怪しい大男が自分の弟を探している、それだけで撃退対象には十分だった
「あいにくだが強盗のような奴にうちの弟の場所を教えるわけにはいかない」
「何ッ?!ハリーが弟じゃと?!ということはお前さんは・・・!」
大男が言い終わる前にストリットは足を踏み込む、体格で考えても腕では不利、脚を使う武術、『カポエラ』と呼ばれる脚の武術を使う
「さっさと帰りやがれ!強盗が!」
「ちょ、待て!わしは強盗じゃない!」
大男はそう言うが関係ない、持っている傘を蹴り落とし、その勢いで顔面を蹴ろうとした時、声が後ろから聞こえる
「待って兄さん!その人は敵じゃない!」
その声で脚をピタッと止める、しかしストリットには弟がこんな大男とどこで知り合ったのか、それを知る必要があった
「ハリー、何故こいつが敵じゃないと言える?どう見ても怪しいだろうが」
「えーっと・・・なんとなく?」
「はぁ?」
ここまでの流れで5分も経ってない、だが大きな音を立てるには十分な時間だ、案の定階段の上からドタドタと3つの音が聞こえる
「な、なんだお前は!!!」
バーノンがペチュニアとダドリーの代わりに言う、そこで大男が始めて名を名乗る
「俺の名はルビウス・ハグリット、『ホグワーツ魔法学校』の鍵と領地を守る番人だ」
「ホグワーツ・・・だって?!」
そこでハリーが反応をする、しかし兄であるストリットには何のことだかわからない
「ホグワーツ魔法学校?なんだそれ、そんな学校聞いたこともないぞ」
「当然だ、ホグワーツは普通の学校ではないな、校長、アルバス・ダンブルドアを含めたいろんな先生達が来る生徒を決める、ハリー、ストリット、お前さんらは有名人だぞ?」
ハグリットのその発言は2人に衝撃を与えるには十分な言葉だった
「え、は?俺とハリーが有名人?おいおいおっさ・・・ハグリットさん、そんなこといきなり言われても信じられると思うか?そもそも俺にはその手紙はきていない、ハリーにだけ渡す辺りおかしいよな?」
「おい!今の話は本当か!」
ストリットには手紙が来ていない、その発言を聞いてハグリットは大激怒する、何故激怒するかはストリットとハリーはよく分かっていない、しかしバーノンには心当たりがあるような顔をしていた
「て、手紙が来ないようにしていたのはわしだ!前に魔術屋にいって怪しいものを貰ったんでな!それをムチに塗って遮断していたのだ!まさか本当に聞いているとは思っていなかったがなぁ!!!」
「おいダーズリー、今なんといった?ムチと言ったか?!」
ハグリットがさらに大激怒する、ハグリットはストリットの方を見ると心底悲しそうな顔をして言った
「なぁストリット、お前さん服をめぐってはくれんか?」
「・・・」
「頼む、めくってくれんかな?」
ハグリットと視線と姿勢に負けてストリットは服をめくる、そこには痛々しくムチで叩かれた後、治療もしないで放っておいたので治ったところから跡になっている程傷が残っていた
「兄さん・・・やっぱりッ!!!」
「これは見せたくなかったなぁ・・・ごめんなハリー、かっこ悪い兄さんでな・・・」
「そんなことはないぞストリット!弟を守るためにこんなに体に傷を作りよって!お前さんはかっこ悪くなんかない!立派な兄ちゃんだ!悪いのはーーー」
ハグリットはダーズリー家の方を向き殺意を剥き出しにする、このままでは本当に殺しそうだ
「お前さんらは父親と母親について聞いたか?」
「いや、僕達はおじさん達に親は事故で死んだとしか聞かされてません」
ストリット達の話を聞くごとにハグリットはひたいのこめかみに血管が浮き出て今にも破裂しそうだ
「ふん、姉は家族でも優秀だったわ、でもね、わたしには『化け物』としか思えなかったのよ!消えてもらってせいせいしたわ!」
ペチュニアから出た言葉には呆れしか思えない、もう話を聞く必要がないと思ったのかハグリットはストリットとハリーを連れて家を出て行った、残されたダーズリー家はポカンと口を開けて壊れた玄関を見るしかなかった
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ダイアゴン横丁
ムチでパチンパチン
↓
ハリーガチ泣き
↓
ハグリット襲来&大激怒
↓
ダーズリー家口開けポカン
ハグリットに連れられてこられた場所、ここはダイアゴン横丁という名前らしい、ストリットやハリーは聞いたこともない不思議な場所だ
「さぁ!ここでホグワーツに向けての準備をするぞ!」
「いやちょっと待ってくれハグリットさん、ハリーはいいが俺には手紙が届いていない、なのにホグワーツに入学なんか出来ないんじゃないか?」
「い、嫌だ!兄さんがもうあんな目にあうのは嫌だ!お願いだよハグリット!兄さんと一緒にホグワーツに行きたいよ!!!」
その発言でハグリットはしまったという表情をする、たしかにハリーには手紙が来ているがストリットには手紙が来ていない、それについてどうしたものか、それを考えていなかったのだ
「あー・・・どうしたものかな・・・」
「ほっほっほ、困っているようじゃな、ハグリットよ」
「うお?!いつの間に!爺さんあんた何者だ?!」
ストリット達が声のした方向くと長い髭が特徴なほとんど白い服で立っているお爺さんがいた
「こ、これはダンブルドア先生!何故このような場所に?!」
「えぇ?!この人がダンブルドアなの?!」
「気配に気づけなかった・・・この人強いな・・・ッ!」
ストリットが人間を辞めている気がするが気にしない、ハリーを守るために、自分自身が死なないように、いろんな格闘技を調べて手探りで死に物狂いで習得したのだ、今ストリットが格闘技の大会に出ればいい線まで行く程の実力がある
「わしが用があるのがそこの方、ストリット・ポッターに用があるのじゃよ」
「俺に?」
「あぁそうじゃよ、手紙が送れていないのは完璧なこっちのミスじゃ、ハリー・ポッターと同じ学年として特別に入学を許可しよう」
ダンブルドアのその発言はハリーとストリットは安堵の表情となる、ハグリットの表情は穏やかになりどことなく安心した表情となった
「ダンブルドア先生、1つ相談が」
「ん?なんじゃ?」
「ストリットのことなんですが・・・身体中にあまりにも酷い傷が多いのです、このままでは生活にも支障が出ると思うんですが・・・」
その話をされてストリットが顔をしかめる、正直話して欲しくはなかったのだ、ムチで打たれ続けた12年間、その痛々しさがストリットの体には残っていた
「ハグリットさん大丈夫だから、もう痛みも慣れたよ、さすがに痛くてベッドには横になれませんがね」
「何が大丈夫なんだよ兄さん!そうやって無理して!だから心配なんじゃないか!」
「ふむ・・・たしかにそれは心配じゃのう、どれ、ちょいと見せて見なさい」
ダンブルドアがストリットの服をめくる、昨日よりは収まっているが所詮『昨日よりは』だ、痛々しさは変わらない
「これは酷い・・・それに『断魔の力』が蠢いているではないか」
「『断魔の力』?」
「そうじゃ、じゃが断魔にしては効き目が薄い、それに蠢いているなら歩くこともままならないはずじゃが・・・」
ダンブルドアがウンウン唸って考えているが取り敢えずそれは後回しになった、今やらねばならないことは沢山ある、それを1つづつ消化していかなくてはならない
「よし!今は杖を選びに行こう!杖なら【オリバンダーの店】が一番いい!」
「「【オリバンダーの店】?」」
ハグリットが口から出した【オリバンダーの店】、簡単に説明をするなら『自分の杖を選べる場所』という説明になる、その事を聞くとハリーは嬉しそうに、ストリットは少し不満げだ
「おや?ハリーは嬉しそうだがストリットは少し不満そうじゃの、どうしたんじゃ?」
「・・・いや、何でもないです、さ、早く行きましょう」
そう言ってハグリットについて行く、5分ぐらい歩いた頃だろうか、見えてきた看板にはオリバンダーと書かれており、見るからに古そうな老舗のような雰囲気を醸し出していた
「さぁ、ここからはハリーとストリットだけで行くんだ、わしは他のものを買ってくるんでな」
「杖に対してはわしも一緒に行こう、『生き残った子供達』がどのような杖を選ぶのか気になるわい」
ガチャリと音を立てて中に入る、時間が少し経ったぐらいで奥から少し古ぼけた爆発白毛のおじいさんが来た、こちらをみて首を傾げたと思うとすぐに顔を明るくしてこちらに向かってくる
「これはこれは、ダンブルドア先生、お久しぶりですね」
「久しいのうオリバンダー、来て早々悪いが少々時間がなくての、早急にこの子達の杖を選んで欲しいのじゃ」
オリバンダーは「かしこまりました」と言って奥に行く、だがすぐに戻って来て一本の杖をハリーに差し出す、どうやら1人ずつ選んで行くようだ
「さぁポッターさん、この杖を振ってみてください」
ハリーは杖を軽く振る、しかし放たれた力は操れている様子はなく、ただ暴れ狂うだけでそれをダンブルドアが制した
「ふむ、これではなかったか・・・少々お待ちを」
そう言ってさらに奥へと向かい、いくつか杖を選んだのちにハリーの杖は決まった
「この杖の材料はヒイラギと不死鳥の尾羽根となっております、性質は良質でしなやか、ポッターさんにはピッタリだと思いますよ」
「これが・・・僕の杖・・・!」
「さて、それではそちらのポッターさんですね、しかし・・・ストリットさん、あなたからはいい杖が見つからない・・・これは困った・・・」
「見つからない?あのオリバンダーが杖を見つけることが出来んとは、ストリット、やはりお主面白いのう♪」
「は、はぁ・・・」
オリバンダーが杖を見つけられない、彼を知っている魔法使いなら前代未聞のことだ、しかし何かに気づいたのかオリバンダーは奥からあるものを持ってくる
「これは・・・コテと仕込み靴?」
「はい、これには『魔法を弾く金属』が使われております、金属の名は『アルマ・クリコン』と言います」
『アルマ・クリコン』、伝説の金属とされているが詳細は不明、その金属がどこで取れたか、どこで生まれたかすら分かっていない伝説兼幻の金属
「見たところストリットさん、あなた格闘術をやっておりますね?よければこの装備をもらっていただけないでしょうか」
「魔法を弾く金属のう・・・どれストリット、少し試してみようではないか、わしが魔法が込められている石を投げる、それをそのコテと仕込み靴で弾いてはくれんか?」
ダンブルドアに言われて少し困るストリット、見たところコテは腕に手袋のようにはめるガントレットタイプ、仕込み靴は靴下のように足にはめてその上から靴を履くタイプのようだ、確かに自分なら使えるだろうが本当にこんな金属で大丈夫なのだろうかと思うのがストリットの本音だ
「安心せい、せいぜい当たっても後ろに吹っ飛ぶぐらいじゃ、外でやろうかの、じゃなければここが危ない」
「頑張ってね兄さん!僕応援してるよ!」
ハリーに応援されればやるしかない、外に出ればすでに野次馬が大勢いる、この中でやるのはなかなかのプレッシャーだろう
「それ行くぞい!ほいっと!」
「これぐらいの速度なら楽勝!」
ダンブルドアから投げられた石をコテで弾く、上から下に向けて弾いたため石は簡単に砕ける
「なかなかやるのう!ならこれならどうじゃ!」
「今度は足だ!フンッ!」
投げられた石を足で受け流して上に蹴り上げる、上に蹴り上げられた石は重力に従い下に落ちてくるが、ストリットはそれをサッカーボールのように蹴り塔の上にあった鐘を鳴らす
『『『オー!!!』』』
パチパチと周りから拍手がなる、特に意図してないがコインが投げ込まれる
「ふむ、これぐらいなら大丈夫そうじゃの、しかしストリット、お主には酷なことを言わねばならん」
その発言でストリットは困惑してしまう、これで本当に魔法学校に行けるのか、本当に学校で友達が出来るのかと・・・
「ストリット、
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ドラコ・マルフォイ
ダンブルドア襲来
↓
伝説の金属『アルマ・クリコン』
↓
お前魔力ないよ
「俺には魔力が・・・ない・・・?!」
ストリットにとっては衝撃の事実だった、やっと悪夢の様な生活から抜け出せると思った、やっと幸せになれると思った、それを全て裏切られた様な感覚だろう、
「へぇ・・・面白えじゃねぇか・・・ッ!」
「ほう、面白いとは・・・どんな意味じゃ?この老いぼれにもわかるように説明してもらえると助かるのじゃが?」
「魔法の世界で魔力無し?つまり俺は普通の人間だ・・・面白い、本当に面白い!!!なら俺は魔力がない魔法使いとして卒業してやろうじゃねぇか!」
ストリットの決意は固い、しかし同時に考える、それならば杖が見つからない、ダンブルドアの言っていた【断魔の力】、それが自分に蠢いているのに普通に生活出来ている事の
「その心意気確かに聞いたぞ?じゃがお主は本当に面白い!」
「魔法の世界で魔力無しって・・・兄さんらしいというかなんというか・・・」
ダンブルドアは子供のように無邪気な顔をして、ハリーは困惑しているような、しかしどことなく嬉しそうな表情をしていた
『いいぞ坊主ゥ!』
『その心意気漢らしいぜッ!』
『応援してるぞコンチキショーッ!!!』
その場にいた野次馬からも声が飛んでくる、これによってストリットの決意は更に固まることとなる
「しかしそれならば準備を急がねば、じゃろ?」
「そうだ!兄さん早くしよう!」
ダンブルドアとハリーに急かされ次の店に行く、次は制服のたけなどを見てもらうそうだ
「ここは【マダムマルキンの洋裁店】じゃ、ここで2人とも制服を3着購入するのじゃぞ、わしはハグリットを読んでくるでの」
そう言ってダンブルドアはゆっくり歩いていく、お金の心配はない、洋裁店に来る前に銀行により親が残してくれた財産を少し貰ってきたからだ
「さて、入ろうかハリー、今思えば兄弟2人で買い物なんて初めてだな!」
「そうだね!僕楽しみだよ!」
ストリットとハリーはウキウキしながら中へと入る、中には既に何人かおり、金髪のオールバックの少年と店の店長のような人が揉めているのが目に入ってきた
「僕はあのマルフォイだぞ!もっと丁重に扱え!」
「いいえ、失礼なお客に丁重に扱う必要はないわ」
「なんだと!このババアめ!」
「おっと、レディを殴るのは感心しないな」
金髪オールバックの少年、マルフォイと呼ばれた少年はマダムに殴りかかろうとする、それをストリットがギリギリで止めた
「な、なんだお前は!」
「俺か?俺の名はストリット、ストリット・ポッターだ、よろしくなマルフォイ君」
「兄さんいきなり走り出さないでよ、危ないなぁ・・・あ、君!大丈夫?!」
「えーっと・・・この場合はありがとうでいいのかしらね?」
マルフォイは苦虫を潰したような顔に、マダムは困惑しておりハリーは呆れている、唯一分かっていないのはストリットだけだ
「僕を離せ!それにストリットだって?はん!僕はお父様に聞いたぞ!魔力がないそうだな!僕に触るな!
「ほう、これが魔法使い専用のイビリってやつか」
普通なら怒るところだがストリットは違う、逆に面白いと思った、自分はもうダーズリー家に縛られていない、なら言い返すことも簡単だとも思った
「してマルフォイ君、穢れた血について話してくれないかな?」
「そんなことも知らないなんてな!マグルから生まれた魔法使いのことを言うんだよ!」
マグルとは魔法使いではないもの、平たく言えば普通の人間のことである
「なら魔力がある者同士から生まれたのも穢れた血に含まれるのかい?」
「当然だ!魔力無しも穢れた血だ!」
「へぇ、そんな取ってつけたみたいな言い方だと信じてもらえないぞ?」笑
ストリットに言い返されて一気に不機嫌となるマルフォイ、しかしそれによって周りからは失笑が生まれていた
「んぐっ・・・うるさい!黙れ!!!」
「おいおいまだ魔法使いにもなってない奴に魔法使い様がキレるのか?随分と心が狭い先輩だなぁ、後輩に憧れて欲しいならもっと頭と口を使わないとなぁ?そんなに子供の時から頭に血管を浮かべてるとハゲるぞ?」
ハゲる、この一言でマルフォイは激怒した、正直自分でも父親譲りのこのデコの広さは気にしていたところなのにこの男は爆弾発言をしてしまった、失笑していたハリーやマダム、他にいる客まで凍りついたようになってしまい空気は冷たかった
「は、ハゲる・・・僕に向かってハゲるだって?!」
「全く、ここは店だぜ?その口ぶりだとマルフォイ君は純血らしいね、高貴で華麗なる純血の魔法使い様が魔力無しのマグルに激怒していてよろしいのかな?それにここでマダムにやったように殴りかかると店にも迷惑がかかる、君は自分の父親の顔に泥を塗るつもりかい?」
父親の顔に泥を塗る、これを聞いただけでマルフォイは顔が青くなるしかなかった、自分にとって父親は恐ろしく、怒らせるのは自分の中で禁忌となるほど強く恐ろしい
「ふ、ふん!今回はこれぐらいにしておいてやる!じゃあな!ストリット・ポッター!」
「おう!ホグワーツで仲良くやろうな!」
聞く人が聞けば煽りにしか聞こえない、そんなことを微塵も思っていないストリットはマルフォイの背中を見ていた
「さて!制服のサイズを測ってもらおうじゃないの!」
「え、兄さんこの状況で?この状況で普通に続けるの?」
「だってダンブルドア先生が言ってただろ?時間がないみたいだからな」
ストリットの会話が終わると周りからザワザワと声が聞こえてくる、ストリットとマルフォイが原因だろう
「皆さんすいませんでした!俺には気にせずしっかりと服を選んでください!」
「いえいえ、こちらこそ助けていただきありがとうございました」
マダムと思わしき人物が感謝と頭を下げてくる、ストリットとしては別に気にしてはいないがハリーは少し照れ臭そうにしていた
「それでは遅くなりましたが制服のサイズなどを見させていただきます」
「「お願いします」」
ちょうど測り終わったところでダンブルドアとハグリットが来た、ハグリットは多くの荷物を、ダンブルドアは何やら箱の様なものを持っている
「おっと、測り終わった様だな、こっちも買い物は残りひとつってところだ」
「そうじゃな、あとは学校に連れて行くペットじゃ、じゃがストリット、お主にはこの子を育ててもらう」
「これは・・・卵?」
箱の中に入っていたのは大きな卵、あまりにも大きくストリットの顔の二、三倍はあるだろう
「これはある鳥の卵じゃ」
「ある鳥?」
「あぁそうじゃ、じゃがどんな鳥かは教えることはできんのぉ」
勿体つけるようにダンブルドアは笑みを浮かべる、その笑みには悪戯心が入っているのだろうがストリットは気にしない
その日の買い物は終わったのだがダーズリーの家に帰るとまたストリットが鞭打ちにされるなどの虐待が待っているのでダイアゴン横丁で泊まることにした
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宿でのバトル
魔力がない?上等だこら
↓
マルフォイのハーゲハーゲ
↓
え、何この卵
チュンチュンと鳥の鳴き声が辺りに響く、朝の日差しは1日のエネルギーとばかりに体を上に伸ばす、伸ばしている本人は早着替えとばかりの速度で着替える
「よしよし、準備はオッケー!ほら、起きろハリー、朝だぞ〜」
「んっん〜・・・にい・・・さん・・・?」
目を覚ますのはメガネを外したハリー、机の上に置いてあったメガネを目をこすりながらかける
「ほれほれ、取り敢えずそのヨダレが垂れている顔を洗ってきな」
「え?!うそ?!」
洗面台の鏡で確認をすると髪はぐしゃぐしゃ、顔はヨダレが乾いて白く乾燥している
「準備自体は昨日終わらせて宿に預けているからゆっくりな、今はダーズリーが居ないんだから」
「あ、そっか・・・」
ダーズリー家がいない、これだけで2人の兄弟、いや、1人の弟が落ち着くには十分な事実だ
「さて、俺は布団でもたたもーっと」
顔を洗い髪を整えたハリー、布団をたたみ終えたストリットは朝の朝食を取るべく下へと降りる、荷物を預けたといったがストリットはアルマ・クリコン製の防具は服の下に隠して腕と足につけている
「おはようございます女将さん、いい寝心地でした」
「いいんだよ寝心地なんて、あんたらは今日出発だろ?朝ご飯を食べて駅に向かいな、じゃないと遅れちまうよ?」ニヤッ
ニヤニヤしながら優しそうにストリット達を見るのは泊まった宿の女将だ、人柄がよくいい性格をしているのがこの宿の人気の一つだろう
「そうさせてもらいますよ、ハリー行くぞー、美味しい美味しい朝ご飯が俺たちを待ってるからなー」
「あ、待ってよにいさーん!!!」
少し早足で食堂へと向かう、ついたその場所は人で賑わっており席が少しばかり残っていた
「そうだなぁ、俺が朝食を持ってくるからハリーは席で待っててくれないかな?」
「いや、ここは僕が持ってくるよ、兄さんは席で座ってて」
「そう?んじゃ頼むわ」
ハリーが朝食を取りに行きストリットが席に座ろうとする、しかし座った瞬間横から衝撃がきて倒れ込んでしまう
「いって・・・」
「おいおい何座ってんのきみぃ?ここは俺達が先に目をつけてた場所だよぉ?」
ストリットが顔を上げるとそこには嫌らしい目をしている男が3人、明らかに喧嘩を売っている顔だ
「・・・喧嘩なら買うぜ?」
「はぁ?喧嘩だぁ?坊主テメェ調子乗っちゃってんの〜???」
後ろにいた男がさらに煽ってくる
「ふーん、周りにもそうやって当たり屋みたいなことすりゃいいのに俺たちにしてくる辺り嫌がらせだよな?いやすまないな、お前達が『弱い』からこうやって俺が座っていた場所を狙ったんだろ?」
ストリットは弱いを強調して言い放つ、それを聞いた3人は顔を真っ赤にするが周りからは爆笑が生まれる
『ガーッハッハッハッハーッ!!!いいぞ坊主ゥ!もっと言ってやれぇ!』
『お前達もみみっちいやつだなぁ!そんな子供相手にムキになってやんの!大人として恥ずかしくねぇのかぁー!www』
「て、てんめぇッ!!!」
「言ったろ?喧嘩は買うって、御託はいいからかかってきな、『心が狭い人生の先輩さん』よぉ!」
この一言で堪忍袋の尾が切れたのか後ろの2人が同時にこっちへと突進してくる、それをストリットは笑いながらいなす、いなされた2人はストリットの後ろによろめきながら倒れる
「おいおいこんな中坊にパンチ一発当てられねぇの?心だけじゃなくて視界も頭も狭いのか?」
『ハァー!!!こりゃ傑作だぜ!大の大人が子供に舐められてやんの!!!』
『いいぞガキィ!もっとやれやれー!!!』
周りからの声援で更に男達の顔は赤くなる、座っていた男が立ち上がりこちらへと大振りのパンチを放ってくる
「甘い甘い、そんな大振りじゃかわしてくださいって言ってるようなもんだぜ?」
「クソがァッ!!!ガキが大人を舐めるなぁ!!!」
椅子に座っていた男が懐から杖を取りだす、周りもまさか杖を取りだすとは思わなかったのか焦り出す
「インセンディオ!!!」
「兄さん危ないッ!!!」
杖から出たのは初めて見る魔法弾、効果は当たった相手が燃える呪文だ、《当たればの話だが》
「ハリー忘れたか?俺にはこれがあるんだッよッ!!!」
放たれた魔法はストリットの拳により弾かれてしまう、まさか弾かれるとは思っていなかったのか男は自分の放った魔法を避けられずに自分の顔に当たって燃えてしまう
「ン“ン“ン”ン“ン”ン“ア“ヅイ”ィイイイイイイイ!!!!!??!!」
「弾くとこうなるのか、お前らツレの男が燃えてるんだぞ?助けなくていいのか?」
ストリットに言われて男2人は顔に水をかける、そしてまるでザコのような捨てゼリフを吐いてどこかへ行ってしまう
「お、覚えていやがれガキ!」
「あっれぇ?あんた達誰?俺頭悪いから誰か分かんないなぁ???www」
最後までストリットにしてやられてしまい音を立てながら宿を出てしまう
「ふぅ、やっと終わった、ハリーこっちだぞー」
「う、うん・・・」
あたりには沈黙と冷たい空気が流れる、しかし数秒たった辺りからいきなりプッと音がしてドット笑いが辺りを包む
『アーッハッハッハッハッ!!!』
『よくやったぞ坊主ゥ!』
『こりゃ夜はいい酒が飲めそうだ!サンキューな坊主!!!』
笑いに包まれた食堂を見ながらストリットは朝食を食べ続ける、今日は待ちに待ったホグワーツの登校日、ホグワーツには何がまた受けるのか、鬼が出るか蛇が出るか、それを知るすべは全てホグワーツに・・・
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ホグワーツ・エクスプレス内部
宿に泊まりました
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何すんだテメェ当たり屋か?
↓
顔面燃えてんぞ
シュゴーシュゴーと列車の音がする、いろんな列車の音が重なり合い大きな音を生み出すここはキングズ・クロス駅と呼ばれるロンドンの代表的な駅の1つだ
「よーし着いたな、たしかここの・・・あれ、なんだっけ、3分の4の8番線だっけ」
「違うよ兄さん、9と4分の3番線だよ」
「それだ」
早速中に入ってホームを探すが見つからない、正確には9番線は見つかった、しかし見つからないため駅員にも聞いたがバカを見るような目で見られてしまった
「んー、見つかんねぇなぁ」
「そうだね・・・ん?兄さん、あそこの人たちが持ってる荷物って僕たちが持ってる荷物に似てない?」
「どれどれ・・・」
目を細めてハリーが指した場所を見る、そこには確かにストリット達と同じように荷物をカートに乗せて楽しげに話している赤毛の家族がいた
「さぁロン、貴方も今日からホグワーツに行くのよ」
「うん・・・」
「おいおいどうしたロン」
「もしかしてこの壁に走んのが怖いのか?www」
「「ん?
ハリーとストリットが疑問を浮かべているとロンと呼ばれた男の子を馬鹿にしていた双子、2人が壁に向かって走り出すではないか
「は?ちょ!ぶつかるぞあんたらッ!!!」
ストリットは双子に注意をするがその声は届いてはいないだろう、何故ならその双子は
「え・・・あぁ、そういうことか、どうりで見つかんない訳だぜ」
「え?どういうことなの兄さん?」
「9と4分の3番線はホグワーツ、つまり魔法学校に行くために使う列車だろ?それをマグル、つまり普通の人間に見られるわけにはいかないからああやって魔法を使ってカモフラージュしてんのさ」
ストリットの説明にハリーは納得する、行き方が分かればあとはそこに向かうだけだ、取り敢えずまだ信じられないということでまずはストリットが壁に向かって走っていった
「んッ・・・ん?へぇ!これがホグワーツに向かう列車か!」
壁をすり抜けたその先には沢山いる人、全員が子供のところを見ればこの全てが生徒だと分かるだろう
「あ〜・・・ちょっと気持ち悪い・・・」
「ハリー大丈夫か?酔い止め用の飴持ってるから取り敢えず舐めときな」
「おーいお前さんらー!!!どうやら無事に着いたようだなー!!!」
列車の先っぽからハグリットが顔を出してこっちに叫んでくる、しかし時間を見ればもう出発する時間なので軽く挨拶をして列車の中に乗った
「おぉ、こりゃいい内装してるな・・・おっと、見惚れてる暇はねぇ、さっさと座れる場所を探さねぇとな」
「こっちにいい席あったよ兄さん」
ハリーはもう見つけていたらしく素早くそこに座ることができた、ある程度時間が経ったあたりからコンコンッと廊下のドアを叩く音がする、そちらを方を見れば先ほど見た赤毛のロンと呼ばれていた少年が少し焦ったような顔をしていた
「ねぇ君達ゴメン、ここ座らせてもらってもいいかな?他がもうどこも空いてなくて・・・」
「ああいいぜ、君はさっき駅で双子のやつと話していた子だね」
「君よく見てたね・・・!凄いよ!」
3人で軽く自己紹介をして席に座る、ロンは何かに気がついたのかわなわなと震えて、しかし期待を込めたような眼差しでハリーとストリットを見ている
「も、もしかして・・・は、ハリー・・・ポッター??!!!」
「え・・・そ、そうだけど・・・」
「凄い!凄いよ!も、もしよければ・・・ひたいの傷を見せてもらっても・・・いいかな・・・?」
オドオドしながらロンはハリーに言う、見せるだけならタダなのでハリーはひたいの傷を見せることにした
「うん、ほら」
「わぁ・・・すっげぇ・・・!」
ロンは感動してるがストリットは1つ思うところがあるようだ
(この子さっきからすげぇしか言ってねぇな・・・)
しばらく話しているとロンの懐からチュウチュウと鳴き声が聞こえる、懐から飛び出た動物は少し大きめのネズミだった
「あ、こらスキャバーズ!」
「へぇ、君が持ってるのはネズミか・・・ん?」
「可愛いんだね、名前はスキャバーズっていうの?」
ハリーはスキャバーズと呼ばれたネズミを可愛がるがストリットは少し顔をしかめる、見た目は普通のネズミなのに何が違うのだ、例えていうなら、
(・・・まぁ、気のせいか)
「兄さんどうしたの?」
「いんや、何でもないよ」
「そうだ!僕フレッドから魔法を教えてもらったんだ!見たい?」
(え、別に見なくてもいいんだけど)
「見たい!!!」
ストリットは乗り気ではなかったがハリーは興味津々に見ている、ハリーの反応に気を良くしたのかロンは早速杖を出して魔法をスキャバーズにかけようとする
「ちょちょちょ待て待て、まさか魔法ってのはそのペットにかけるつもりか?」
「え?そうだけど・・・だって教えてもらったのは色を黄色に変える魔法だし・・・」
(えぇ・・・ペットに魔法って平気なのか・・・?)
ストリットは少し呆れているがハリーは早く見たいようだ、早速かけようとするといきなりドアが開かれて女の子が顔を出してくる
「ねぇ、ヒキガエル見なかった?ネビルのが逃げたの」
「いや、こっちにはきてないぜ」
「あら?魔法をかけるの?やってみせて」
(うん、この子は話を聞かないタイプの人間だな)
いきなり出てきた女の子のマシンガントークでロンとハリーはタジタジである、ロンは取り敢えず魔法をかけようと呪文の名前を唱える、しかしロンはその後にムッとしたのか魔力を強めに込めてしまう
「お日様ひなぎくとろけたバター!このドブネズミを黄色に変えよッ!!!」
杖から出たのはバレーボール並みの大きな火球、突然出た火球にハリーとロンと女の子は驚いたがストリットはなんとその火球をキャッチした
「おいおい危ねえな、列車が燃えたら大変だろ」
「え?な、なんで?なんで魔法を触れてるの?!」
「あ、そっか、俺の事情を知らないのか、てか自己紹介しようぜ」
火球をお手玉のようにクルクル回しながらストリットは話を続ける、ハリーはもう見慣れたがロンと女の子は口をあんぐり開けたままだ
「僕はハリー、ハリー・ポッターだよ」
「僕はロン、ロン・ウィーズリー」
「私はハーマイオニー、ハーマイオニー・グレンジャーよ」
「俺はストリット、ストリット・ポッターだ」
ストリットは最後に名前を名乗る、最後のポッターに驚いたのかロンとハーマイオニーはストリットの方を見る
「え?!ポッター?!」
「え、そうだけど、俺はハリーと血の繋がった兄弟だぜ、俺は兄の方だ」
「え?!あなた歳上だったの??!!!」
「そうだよ、君たちの一個上だぜ、あぁ、今年入学するのは少し事情があってな、そこは察してくれ」
お手玉の速度を上げながらストリットカラカラと笑いながら話す、ハリーは笑っているがロンとハーマイオニーは少し疲れたような顔をしている、そこでまたドアが開く音がした
「おやぁ?マルフォイ君じゃないか!!!」
「んげッ・・・」
「え?ストリットは知ってるの?」
「あぁ知ってる、俺のことをマグル扱いした知ったか野郎だね、後から聞いたら俺はスクイブらしい、いやぁ恥ずかしいなぁマルフォイ君?」
出会い頭からいきなり馬鹿にされたマルフォイはついに杖を取り出した
「貴様!今度は店じゃないから魔法でこらしめてやる!!!」
「させねぇよ」
お手玉にしていた火球を少し千切って杖に向けて殴り飛ばす、まさか火球を飛ばすとは思っていなかったのかマルフォイは杖を落としてしまう
「んな?!」
「まったくよぉ、列車で暴れんな、君のお父様はよほど教育が下手くそらしいな、さっさとどっかいけよ、火球はまだ余ってるぜ?」
「ふん!言われなくてももう行くさ!行くぞお前ら!! !」
マルフォイに付いていた腰巾着のような2人は顔を困らせながら去っていった、そこでアナウンスのような声が聞こえる、声の主はハグリットだろう
『そろそろホグワーツに着く頃だ、お前さんらローブを着ておくんだぞ!』
「おっと、そろそろ着くみたいだな」
火球をいきなり上に弾く、弾かれた火球はゆっくりと重力に従いながら落ちてくる、それをストリットは手と手を合わせて合掌するようにパチンッ!と火球をもみ消した
「よっしゃ、準備しようぜ」
「え?この空気で?ストリットこの空気でなの?」
「す、凄い先輩ね・・・」
「ハハハ・・・なんか2人ともゴメンね・・・?」
ストリットは平常運転だがロンとハーマイオニーは呆れつつも凄い先輩だと尊敬の念を抱いていた
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魔法学校ホグワーツ
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いやあったわ、てかすげぇなこの中
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自己紹介すっか
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マルフォイ襲来したけど燃えろ
「お前さんらー!走るなよー!転んだら痛いからなぁ!!!」
ハグリットの大きな声が終点でこだまする、走っている者はなんと9割を超えておりその中で転ぶものも度々いた
「ハリー走るなよ、あの転び方は痛いやつだ」
「うわぁ・・・体の前の部分ビターンだって・・・」
ハリーとロンが顔をしかめながら道を歩いていく、その際にマルフォイが転ぶ姿をたまたまストリットが見ていて吹き出したのは言うまでもない
「さぁ生徒の皆さん、綺麗に並んでくださいね」
年老いた女性の先生が誘導している、ハリーやロン、ハーマイオニーには何も感じていないがストリットにはあの先生がとても強く見えた
(あれ?なんか見える・・・もしかしてこれが魔力ってやつか?てかあの先生の量おかしくね?)
ストリットの目にはみんなの体からキラキラと溢れ出ているオーラのようなものが見えていた、どうやら意識すると見えるようで集中をといたら見えなくなった
「ん〜・・・まぁ、いいか」
「ストリットどうしたの?なんか疲れているようだけれど・・・」
「大丈夫だよハーマイオニー、マルフォイが転んだのを見て笑いすぎただけだ」
そんなことを話しながら歩いていると食堂のようなところについた、そこには先生が集合しておりあの時の先生、ダンブルドアもそこにいた
『ここではみなさんに寮の組み分けをしてもらいます!組み分けにはこの帽子をかぶってもらいますので呼んだら1人ずつ来てください!』
年老いた女性の先生、マクゴナガルが大きな声で呼びかける、知り合いの中でまず呼ばれたのがマルフォイ、マルフォイはかぶる前にスリザリンと言われていた
「うわ、やっぱりマルフォイはスリザリンだ、スリザリンに入ったやつはみんな悪の魔法使いになっているって噂だよ・・・!」
「いやあれって抜け毛が自分につくのが嫌だっただけじゃね?」
その発言でロンは吹き出しそうになる、しかしここで笑えば格好の的なのでグッとこらえた
「お?次はハーマイオニーみたいだな」
『グリフィンドールッ!!!』
組み分け帽子はグリフィンドールと叫ぶ、ハーマイオニーはさも当然かのように階段を優雅に降りてきた
「ほら、次はロンの番だよ」
「僕緊張するなぁ・・・」
ハリーの後押しでロンは組み分け帽子へと歩いていく、かぶった瞬間ゴニョゴニョと何か聞こえるが気のせいだろう
「次はハリーの番だな」
「うん、行ってくるよ兄さん」
ハリーも階段を登り組み分け帽子をかぶる、ハリーの時も何か言っていたようだがグリフィンドールに決まったようだ
「さて、次は俺だな」
ストリットが階段を上がる組み分け帽子をかぶせられるがストリットにも組み分け帽子は語りかけてきた
《難しい、お主もなかなか難しいのう》
「難しいって何がだ?」
ハリーやロンのように小言ではなく普通に帽子に語りかけるストリット、今年入った生徒達は驚いていたがすでに入学している生徒はこの子もか、と思いながらその内容を聞いている
《勇気もある、頭もいい、じゃがそれに負けない強い遊び心も持っておる・・・はて、どこがいいのか・・・》
「ならグリフィンドールにしてくれよ、勇気もあるってことはグリフィンドールに入る資格はあるんだろう?」
《ふむ、なかなか頭の切れる子供じゃな、それなら・・・グリフィンドールッ!!!》
ストリットもグリフィンドールに入った、それを知ったハリーとロン、ハーマイオニーは歓喜の声を上げていた
しばらくすると組み分けは全員終わったようだ、グリフィンドールの生徒達はロンの兄、監督生のパーシー・ウィーズリーに付いて行き自分たちが過ごす寮の前へと来た
「カプート・ドラコニス!さぁ、ここが君たちの寮だよ」
「サンキューパーシー、さすが監督生は違うな」
ストリットが適当に褒めてパーシーはルンルン気分で自分の寮へと帰っていく
「ここが俺たちが住む寮かぁ・・・うん、寝よ」
「待って待って?!兄さん探検とかしないの
?!」
「そうだよストリット!せっかくなんだから探検しようよ!」
「どうせ嫌でも探検することになるよ、1年間はずっとここにいるんだからな」
そんなことを話しながら俺たちは部屋を出る、来ていきなり授業かと思いきやダンブルドアの話だった、ハリーやロン、ハーマイオニーはしっかりと聞いていたがストリットは爆睡していた
「んがぁ・・・グゴォ・・・」
「ちょ、兄さん!起きてよ!」ボソボソ
「おやぁ?どうやらわしが話しているのに寝ておるねぼすけさんがいるようじゃのう、どれ、わしが起こしてやるか」
ダンブルドアが魔法を軽く放つ、しかしストリットはとても寝相が悪い、アルマ・クリコン製のガントレットでなんと魔法を弾いてしまった
「んなッ?!ダンブルドア校長の魔法を弾くだと?!!」
「んぁ・・・ん?あれ?もう終わった?」
他の人のざわつきによりストリットは目を覚ます、そこにはストリットを中心に視線が注がれていたがストリットは気にせずまた寝てしまう、他の人もダンブルドアの一声によりストリットを放っておいた、ダンブルドアの話が終わるとそそくさとみんなは帰っていきハリーも呆れ果てて兄をおいて部屋へと戻ってしまった
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箒の授業
組みを決めます
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グリフィンドールッ!!!×4
↓
探検しないの?!→しないわ
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うるせぇ寝みぃんだ寝かせろ
「それでは始めてくださいッ!」
マグゴナガルの声が辺りに響く、今こなしている授業は変身術、Aの物体をBの物体に変えるという授業だ
「Mr.ポッターはこちらへ、兄の方です」
「分かりましたマグゴナガル先生」
ストリットには魔力がないためマグゴナガルや他の教師の手伝いをしてもらっている
「先生できました!」
「よろしい、それではMr.ポッター、確認して差し上げてください」
ストリットがハーマイオニーの近くによる、今の時間の手伝いは出来た物の品質確認である
「針の材質よし、穴の大きさよし、硬さも問題はなしと、完璧ですマグゴナガル先生」
「よく出来ましたMs.グレンジャー、それではMr.グレンジャーの様な素晴らしい物を期待していますよ!出来た者から私やMR.ポッターに見せてください!」
ガヤガヤと声が上がりながらもグリフィンドールの生徒はこなしていく、その中でハリーやロンも危なげだったが無事に授業は終わった
「これで授業は終わりです!みなさん次の授業もサボらない様にしてください!それとMr.ポッター、この後私のところに来て下さい、兄の方です」
ストリットだけがマグゴナガルに呼び出される、どうやら次の授業で必要なことらしく先に行っててとストリットはハリー達に伝える
「マグゴナガル先生はストリットに何の用があるのかしら?」
「さぁ?でもストリットの事だから大丈夫だよ」
少しだったがストリットは戻ってこなかった、どうやら保健室にいたらしくマグゴナガルとの会話が終わった後に派手に転んだようだ、見れば体がボロボロになっておりまさに『満身創痍』の言葉が合うだろう
「今日は俺保健室で安静にしてないといけないらしいから先生達に伝えておいてくれないか?」
「分かった、兄さんも体を動かさないようにね」
そう言って保健室から3人は出る、しかしハリーには腑に落ちない箇所があった
(なんで兄さん転んだんだろう、いつもならそんなことないのに・・・)
ハリーの中では兄は様々な武術をやっておりその中には柔道も入っていたはずと考えていた、転ぶだけならただ受け身を取ればいいだけなのに何故あんなにもボロボロなのだろうか
(......いや、きっと兄さんは運が悪かっただけなんだ・・・うん)
そう思いながら今日の授業を全てこなす、授業ではストリットが先生の手伝いを務めていたため先生達が目に見えてガッカリしているのがはっきり見て取れた
「そうか、兄のポッターがか・・・」
なんとあのスネイプでさえガッカリする程だ、よほど先生達からの信頼が厚いのであろう、しかし1番落ち込んでいたのは意外な人だった
「ストリットがか?!それは大変だ!わしも見舞いに行ってやらねば・・・!」
そう言ったのはなんとフィルチだった、フィルチの猫もどことなく悲しんでおりハリー達3人は困惑するしかなかった
ー数日後ー
「それではみなさん始めてくださいッ!」
『上がれ!』「上がれ!」『上がれ!』
今やっているのは箒の授業、やはり魔法使いは箒とイメージが強いのかみんなワクワクしながら『上がれ』と言っている
「先生、俺も数日前からマグゴナガル先生にこのことについての対処してもらったんですが・・・いいですか?」
「えぇ良いわよ 、ただし気をつけること」
ストリットが先生から許可をもらうとどこからか悲鳴が聞こえる、悲鳴の方を見ればネビルが箒にまたがり空を飛んでいる姿だった
「ロングボトム!まだ飛んでいいと許可は出してない!」
先生の声が聞こえたと思えばネビルは箒からバランスを崩してしまい、手首の骨を折ってしまった
「早く見せなさい!あーあー全く、生徒達は飛ばないように!飛んだら自分のいる寮にマイナスが付きますからね!」
先生がネビルを保健室へと連れて行く、その後ろ姿をグリフィンドール生とスリザリン生は見ていたが先生の姿が見えなくなるといきなりスリザリン生が笑い出した
『ハーッハッハッハッハー!!!』
「お前ら何がおかしいんだ?ちょっと話してみろよ」
ストリットがキレ気味で問いかける、そこでスリザリンの代表としてマルフォイが言い返してくる
「これが笑わずにいられるか!ほら見ろよ!ロングボトムのバカ玉だ!」
ネビルの忘れ玉をわざわざバカにしながらグリフィンドール生に見せてくる、そこでストリットが掴もうとするがマルフォイは箒にまたがり上に飛び去ってしまう
「ふん!下等なスクイブが魔法の直系である僕にかなうものか!」
カシャッ
『『『え・・・?』』』
いきなりカシャっと音が聴こえる、音のなった方を見るとストリットがカメラを構えてマルフォイを取っていた
「いやぁちょうはつに乗ってくれてよかった、君本当に煽り耐性ないよね〜!!!」www
「は、え、いや、え?!」
突然のことでマルフォイは困惑する、しかし頭を冷やすとキレ出して箒でさらに上へと飛んでいく
「あちゃー、そこまで飛ばれると流石に厳しいなぁ」
「マルフォイ!早くその忘れ玉を返すんだ!」
ストリットが悩んでいるとハリーがマルフォイに向けて言い放つ、それをみたマルフォイはまるで罠にかかったな!とでも言いたそうな顔をして更に言い返す
「なら僕から奪ってみろよ!それとも高いところが苦手かポッター!!!」
(あの、俺もポッターなんだけど)
ストリットが心で思うがそこはぐっとこらえる、ハリーにやらせてみようと思ったのだろう
「やめなよハリー!飛んだらマイナスになっちゃうのよ?!」
「大丈夫だハーマイオニー、ハリーならいける、それにその時は俺が先生に言われるから大丈夫だ」
その言葉を聞いて安心したハリーはすぐさま箒にまたがりマルフォイを追いかける
「おー、あんな感じで飛ぶのか、
「え?違うやり方ってことはストリットも飛べるのかい?」
「おう、ちょいとばかしマグゴナガル先生に頼んでな、そしたら飛べるような細工をしてくれたんだよ、その飛ぶためのアクセサリーがこのブレスレットさ」
そんなことを話しながらストリットはチラッと見る、なんとそこはまっすぐ行けばマグルで言うところの職員室ではないか
「不味いッよっと!!!」
ストリットがしているブレスレットが光だし大きな円型の魔法陣となって浮き始めた
「丁度いい!これが俺の飛び方だぜ!!!」
まるで西遊記に出てくる悟空のような飛び方でまっすぐ飛んでいく、スピードはハリー達より少し早くすぐに追いついた
「ほら!取れるもんなら取ってみろよ!」
マルフォイが忘れ玉を投げる、それをハリーはキャッチしたが箒がいきなり暴れて落ちそうになる
「うわ!ちょ!なんで?!うわぁああああ!!!」
ハリーは必死に箒にしがみつくが振り落とされてしまう、しかしストリットが下にいたため円盤の上に落ちて致命傷は避けることが出来た
「ふぅ、あぶねぇなまったく」
「ごめんね兄さん、ありがとう」
2人は会話をしていたがその会話を見ている人物がいた
「あれは・・・!」
その人物はなんと、ストリットやハリー達のグリフィンドールの先生、マクゴナガルであった
ストリットの使った魔法陣ですが・・・あの飛び方かっこ良くないですか?それだけです
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