蒼の帝国、朱の帝国 (薬罐。)
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氷の学校

どうも、多分初めまして、薬罐。(やかん)です。何で文才もないのに書こうとしたか、中二病の頃考えていた魔法をこれなら使えるのではないか、というものです。
できる限り頑張りますので、出来たら読んで行って下さい。


 

 

 

 

 

───生まれてしまった。この戦乱に決して存在してはいけない忌み子が。味方も、親もいなかった。誰にも祝われず、誰にも愛されず───

『こんな子どもがどうなるか知っているか?』

『え?どうなるの?』

『皆から捨てられ、誰も見向きもしてくれなくなるんだ。』

『か、かわいそうだよ!』

『そうかもしれないね。ヒョウガならその子をどうする?』

『ぜったいたすける!おれはそんなおとなといっしょじゃない!』

『偉いね、ヒョウガは。』

『もう1ついいことを教えてあげるよ。』

『うん、教えて!』

『その「忌み子」は・・・』

 

 

『お前だ、ヒョウガ』

『お前さえいなければ炎帝様と氷帝様から逃げずにすんだ。お前さえいなければ朱の帝国の娘と平和に過ごせた。それなのに、それなのに・・・』

 

 

 

 

 

俺は目が覚めた。幼少期のトラウマは今になっても怖い。睡眠時間は移動時間のみで事足りるため、このバスが俺にとってのベッドのようなものだ。

「今は・・・」

『11:24、朱の刻』

─この世界には朱の帝国と蒼の帝国がある。朱の帝国は全てが炎に包まれ、炎の加護を受けた炎帝が国を守っていた。対する蒼の帝国は全てが氷に包まれ、氷の加護を受けた氷帝が国を守っていた。それぞれの国民は炎、もしくは氷の魔道術を()()()()使えた。それに対して、俺、すなわちヒョウガは両方使()()()()()()

また、その2つの国の標準時差は12時間。だから『朱の刻』『蒼の刻』というような呼び方をされる。─

炎の灯りがだんだん弱くなってきている。そろそろ目的地なのだろうか。それから俺は寝てしまった。

 

「ねえ、ヒョウガ起きてよ!」

「ちょっと待って、あと5分」

「5分寝たらバス発車して連れていかれるよ」

「あ、俺それ賛成」

「ふざけないでよね!『蒼氷の加護!、蒼き氷槍(ブリザード・ランス)』炎を穿て!」

「ちょ、ちょっとタンマ!降りるから!」

「早くそうして欲しかったな~」

このご立腹なお嬢様は「レイナ・シュワッツルゲン・ハイドどうちゃらこうちゃら・・・」といっためっちゃ長い名前なのである。多分覚えているのは彼女の血族のみだろう。しかし、彼女は蒼の帝国有数の名家で、レイナは「氷上のトリックスター」とも称されるほど魔道、そして武道に長けていた。更に俺調べによると、レイナより可愛い子は見たことないくらいだ。しかしそのせいか、とても体が動きやすそうだ。もっと直接的に言うと・・・

 

 

胸がない。もっと単純に言うと貧乳。

「ちょっと、今なに考えてた?」

「い、いや今日の時間割」

「私の胸を見ながら?」

「調理実習は思い出せたよ。」

地雷を踏んだ。いや、地雷にグレネードを投げ、更にありったけの弾薬を持っている感じだ。

「へぇ、私の胸が()()()だから」

一瞬、レイナの胸ならリアルにまな板として使えると思った。むしろ使ってみたい。

「昼休み空いてる?スケートリンク借りて遊びましょう。スケートリンクで待ってるね。」

さすがレイナ様。怖すぎる。因みに今のは決闘の申し込みだ。どうしよう。そう思っていたらレイナはいつのまにか消えていた。

仕方なく一人で学校に入る。俺はレイナ以外の友達は少ない。ま、この学校で唯一、名字がない、出生地不明というダブルパンチを食らっている。そしてレイナからも昼休みに食らうだろう。

今日から新学期だ。クラス替えだ。可愛い女の子と隣になれますように、と願いながら指定された席を見た。そして、願いは叶った、いや、叶ってしまった、の方が正しいかもしれない。

隣に、絶世の美少女、レイナ様がいらっしゃった。

 

「はい、席につけ~、これからこのクラスを担当するエドワードだ。術式は錬金術。あ、でも鋼は無理だぞ」

鋼でなくてもアウトな気がするが・・・と思っていると、

「あの先生まさか」

「そうよ絶対間違いない」

「あのド三流が?」

クラス中が騒がしくなった。またアウト発言が入ってた気がするが

「でも、錬金術師(アルケミスト)のオーラのレベルが異常に高いから・・・やはり、エドワード・シュワッツルゲン・ジキル・マークトゥルス・サル、別名『魔神使い』そして、私の叔父さん。」

「ご名答です。レイナさん。私は元帝国大佐です。ここはエリートのクラスですから、教師もエリートなのです。」

一同が騒いだ。

だがこのあとは普通にことが進んだ。

 

こんなこともありながら、ついに昼休みになった。俺は迷いもなくスケートリンクへ行く。そこには

「待ってたわよ、ヒョウガ。何がしたいか、貴方ならわかるよね?」

「あぁ、朝は悪かった。」

「あ、謝ったからって勝負は取り消さないよ!さぁ、まな板の屈辱、味わってもらうよ!」

スケートリンクなのに、そこは戦場と化していた。

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?楽しんでくれたなら幸いです。
もし、ご意見などがありましたら、お願いいたします。


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砕けた心と学校生活

お待たせしました、(待っててくれてたら嬉しい)薬罐です。最近、寒くなってきましたね。(書いた当時は今シーズン初の積雪)でも、今回の話はその寒さが暖かいと感じれるようなレベルの冷気に溢れています。

では、お楽しみください。


 

 

 

「じゃあ、行くよ!蒼氷の加護!ヨトゥン!」

するとレイナの全身が氷に覆われ初めた。やがて1つの氷塊となると、ヒビが入り、そこには氷のドレスを纏ったレイナがいた。先程とは美しさが違う。美しい蝶とでも形容すべきだろうか。

 

「本気出すから、殺しちゃったら、ごめんね」

 

この言葉を最後に、彼女の心は氷となった。

蒼氷の槍(ブリザードランス)!」

そういうとレイナは槍で氷を一突き、するとそこから放射状に氷の波が広がる。朝起こすときに持っていたそれとは次元が違う。研ぎ澄まされた刃、巻き起こる吹雪、そして凍てつくような視線。実際に足は凍りかけていた。そう思っているうちに氷の波は足元まで来ている。反撃にでないと。

「蒼氷の加護!ヨトゥン!」

俺の周りに吹雪が吹く。そして何も見えなくなる。俗に言う「ホワイトアウト」という現象らしいが、蒼の帝国の男性魔術師はこの吹雪の中、氷の鎧を纏うらしい

 

が、俺は違う。

 

「!?あれは・・・何?」

レイナが驚くのも仕方ない。誰も見たことのない橙色の氷を纏っているのだから。

 

『異端児』とは俺のことだ。

 

「まあいいわ。どうせ結果は変わらない。貫け!氷柱よ!」

レイナの叫び声と共に俺の頭上に大きな氷柱が表れた。普通は『つらら』と読むのが普通だが、これは『ひょうちゅう』と読んだ方がいいかもしれない。特にレイナのは。

俺だって魔術師だ。この程度の単純な攻撃くらい避けることが可能だ。しかし、

「貫け、貫け、貫けぇぇぇェェェェ!」

何本も襲って来れば話は変わる。しかもその氷柱に乗りながら的確に魔弾を放ってくる。この正確さと氷柱の乗り換えの華麗さから「氷上のトリックスター」と言われている。

「レイナ、謝るから、二度とこんなことでからかわない。だから、もう無駄な争いはやめてくれないか?」

「恋人面するなよ?私はお前に復讐するだけだ!貫け!氷柱よ!」

襲いかかる氷柱が動くジャングルジムを造り、レイナの周りに絶対的な要塞を築いている。しかし、俺にとってこの程度の氷、簡単に溶けてしまう。現に俺の周りにある橙色の氷と氷柱がぶつかった瞬間、氷柱が溶けるということが起こっていた。流石にレイナも戸惑っている。

「嘘・・・何で、一瞬にして、氷柱、が・・」

「レイナ!目を覚ませ!もうやめろ!お前が強いのはわかったから!」

こんな言葉は通じなかった。まるで、心が凍てついているかのように。

「なら、これで、どう?絶対世界〈蒼〉(アイス・エイジ)!」

突如、レイナの呪文と共に、レイナから結界が広がって行った。

──絶対零度。この言葉でしか表せないような冷気が結界と共に広がる。そして俺を今まで守っていた普通の魔術師では絶対に作れない氷の火炎瓶も飲み込む。

もう手加減なんてしていられない。でもレイナは傷つけたくない。そう思い、

「〈グレイト・グレーシャー〉!」

俺は叫んだ。すると目の前に透明の氷の壁ができた。これでレイナの絶対世界〈蒼〉(アイス・エイジ)は防げはしないだろう。せいぜい持って4秒。だが俺には4秒あれば十分だった。

結界のおかげで猛吹雪になっている中、俺は走った。レイナに向かって。

 

──そして約束の時間は来た。

 

 

「よし!ヒョウガを()れた!」

レイナは喜ぶ。目の前にはヒョウガはいない。あの壁もない。全て凍らせ、全て消し去る。それが私の唯一無二の奥義、「絶対世界〈蒼〉(アイス・エイジ)」誰にも打ち破れない。誰にも壊されない。誰にも──

「レイナ」

「!?」

え、何?暖かい。

私の結界は無敵なのに・・・何で?

「もう、怒らせない。君は無理をしているはずだ。そんなのしないでほしい。」

手が私を包んでいる。私の全てを。

──凍っている心も。

暖かい。これが人の暖かさ?

私、何してたんだろう?

「レイナ、俺、お前のことが──」

熱い。何か目の近くが熱い。あと本当に頭から湯気が出そうだ。

「──好きだ」

崩れた。今まで氷だった心が目から水となって落ちる。止まらない。その雫は乙女の悲しみの結晶、そして二人の絆の証であった。

心にも春が訪れた。絶対世界が終わった。暖かい春の訪れだ。

 

 

 

「ねぇ、ヒョウガ」

「何?レイナ」

「今まで、殺そうとしてごめんね」

「そんなの、いいよ」

「ヒョウガ──」

「レイナ──」

こんな時間が続けば、と思う二人であった。

しかし、世界は残酷である。

「いたぞ!やつが炎の魔術師だ!スパイだ!殺せ!」

蒼の帝国自警団だ。奴らは徹底的に炎魔術師を殲滅すると聞いている。これだけ暴れまわったからばれても仕方ないだろう。

「自警団さんがヒョウガを追っているということは──」

 

「炎も使()()()()()()()?」

「まあな。この事は後から話そう。それよりレイナ、悪いけど俺、一旦逃げるわ。」

「え、うん。絶対に帰ってきてね」

「ああ、勿論だ!」

「絶対、だよ?」

 

レイナの悲鳴、怒号をあげ追いかけてくる自警団、その中駆け抜ける俺。もう滅茶苦茶だ。俺だって逃げたくない。だけど、それより更に捕まりたくない。

 

──レイナ、待っててくれ。

   また、会えたときは──

 

そう思い、国境に向かって走った。

自警団の追手はもう来ない。逃げ切れたみたいだ。しかし、我慢の限界だ。ついに倒れてしまった。

 

「ゴウ、この子誰だと思う?」

「知らねーよ、まぁ倒れちまってるから持って帰るか」

「ゴウなら言うと思った。賛成。」

 

逃げた方向の反対側、つまり朱の帝国の者に捕まった。

 

 

 




いかがでしたか?恋愛シーンはもう滅茶苦茶になっていますが、私の限界です。諦めてください。あと、ネタをいれ忘れた気がします。多分次には入っていると思います。

亀更新となりますが、また次の話で(もしかするとよいお年を)


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動き出す。

明けましておめでとうございます。薬鑵です。
ソシャゲのイベント、怠惰、お正月、怠惰、お年玉で買ったライトノベルの読書、怠惰、中間テスト、怠惰、怠惰、怠惰、怠惰、怠惰、怠惰等の理由でここまで空いてしまいました。お詫び申し上げます。




 

 

 

「──ん?ここは?」

目が覚めると四畳半くらいの部屋にいた。俺の中にある記憶をたどると、朱の帝国だ、多分。だって暑いもん。と、レイナの真似になってない真似をしてみた。

「やっと起きたか。オレ、お前が死んだかと思ってびっくりしたぞ」

「というか、貴方は何者?」

そして、今話しかけてくれているのは、朱の帝国の人だ、多分。一人は学校だったら体育委員長とか生徒会に立候補しそうな感じの男子に、無口で学校だったらクラスの推薦で、生徒会をしそうな女子だった。こちらの方はどこかで見たことのあるような気もしないがその誰かとは雰囲気と胸元が正反対だったので気にしないことにした。

「俺はヒョウガだ。」

「おう!オレはゴウだ!でこっちはコロナ。無口だが怒らすと怖いから気をつけた方がいいぞ」

「ゴウ、何か言った?」

ゴウは地雷を盛大に踏んだ。

「それより、ヒョウガって言った?」

そういいながらゴウを一瞬で再起不能にさせる。恐るべき戦闘能力である。

「あ、ああ、そうだ」

「蒼の帝国出身?」

「ま、一応。朱の帝国の住民票も持ってるが」

「変わった人。身長は?」

「174cmだ。」

「良かった。私は161cm。キスは身長差10~15cmが最適と言われている。血液型は?」

「A型だ。」

「ふむふむ、好きな食べ物」

「ハンバーグだ。」

「和風?デミグラス?」

「デミグラスだ。」

「肉の種類の比率は?」

「うーん、牛肉多めの牛豚粗挽きかな」

「レア?ミディアム?ウェルダン?」

「ミディアムレア・・・だと思う。」

「チーズは?」

「いらない。てか、何の質問だ?」

「説明しよう!コロナは普段無口だが興味のある人にたいしては─グフッ!」

再起不能になったゴウにコロナのパンチ!HPゲージが止まらない!ゴウの吐血も止まらない!圧倒的オーバーキル!もうやめて!ゴウのライフはとっくにゼロよ!

「気にしないで」

ここでゴウの相手をしたら殺されかねないと思いコロナの方を見る。

「まあいい。あとは()()の部屋で聞きましょう。安心して。ベッドはダブルサイズ」

「おいゴウに何する気だ!?」

コロナはゴウに向かって歩みを進めた。殺戮兵器の凱旋だ。俺でも止まらない。これ以上はR-18指定に入る可能性があるというメタ過ぎる脅し文句も通用しない。俺はこれ以降出来るだけ生々しい表現をせずにラップを考えることにした。(この考えは彼の黒歴史のノートを後に増やした。)

 

急なENCOUNTER!

できないCOUNTER!

コロナの一撃

ゴウ息絶えTER!?

まだまだ続く

コロナのATTACK!

そろそろ限界

ゴウはFUCK!

訪れてきた

ゴウにLUCK!

扉を叩く

神のKNOCK!

気づいたコロナは

まずはBACK!

そしてすぐさま

鍵をLOCK!

またまた始まる

ゴウにKICK!

その様を見て

俺はSHOCK!

時間流れる

TICK! TACK!

そろそろ俺はラップに飽きTER!もうやめTER!

 

「そう言えば、ヒョウガはこのあとどうする?」

唐突な問いかけに驚くも、そんな状況になれてしまったのか

「約束があるから蒼の帝国に帰るかな」

冷静に返答できた。

「じゃあ私が送っていく」

「いや大丈夫だって」

「ここどこかわかるの?」

あ、と思ったヒョウガだった。

 

結局ゴウも復活し、3人で国境まで行くことになった。

 

 

 

〈蒼の帝国〉

「ヒョウガ、大丈夫かな?」

「大丈夫だよ、お姉ちゃん。だってお姉ちゃんと同じくらい強いんでしょ?」

結局あの騒動のあと、学校は校舎修理の為にしばらく休校となった。エドワード先生からお礼がきた。あの先生大丈夫かな、と思ったけどそれどころじゃない。ヒョウガだ。彼は騒動のあと逃げた。未だ行方不明だ。大丈夫かな、ヒョウガ。でもヒョウガは強いんだ。強くやっていってるんだ。単純な戦闘能力だけじゃなくて、心も。

「お、お姉ちゃん?」

「え、どうしたの?レイジ?」

「いや、お姉ちゃん・・すごい怖い顔してた」

この子はレイジ、私の弟。よく覚えていないんだけど私の親は私が幼い頃に消えた。そして、しばらく孤児院にいた。そのときあったのがこの子。だから私にとって家族のようなものだった。

「違うよ、レイジ。ヒョウガは強い。私よりずっと強いよ。私なんて誰かがいなかったら何も出来ない弱虫だもん。」

「そんなわけないよ。だってお姉ちゃんはいつも僕を・・」

「だから違うって!そうやって言ってるけど全部レイジやヒョウガから何かしてたじゃん!私なんか、わたし─なんか──」

「こんなお姉ちゃん知らない!勝手にそう思っててよ!僕は、絶対にヒョウガお兄ちゃんを迎えに行く!どんなに難しくて、どんなに辛くてもだよ!じゃあね、お姉ちゃん()()()()

「待って!レイジ──」

そう思った時には既にレイジの姿はいない。私だけが取り残された。

「・・・ヒョウガ」

そう呟き、レイナは部屋に籠ってしまった。

 

 

 

 

 

 

〈旧孤児院 地下〉

 

report 1

 

この1つの国にはある特殊な事が起こる。詳しくは私にも分からないが、この地域では「炎」を司る魔神「氷」を司る魔神がいた。その魔神はいない、ただの伝説だとこの地方では否定されていた。しかし、その常識が覆されるかもしれない、とのことだ。

つまり、「魔神」を召喚できるかも知れないのだ。

_________________________________________________

 

 

男は探す。生け贄達を。

男は笑う。終末を望み。

男は笑う。そのときが来るまで──

 

 

 

 




(因みに中間テストはこの小説と同じくらいの酷さの結果でした。今後が心配です・・・)


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