ナースなのはさん+α (全開)
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本編1
全力全開の看病〈1〉〜看病、始めます〜




※キャラ崩壊酷いです。

※フェイトが別人です。
フェイトが別人過ぎるのは嫌だという方は、戻って下さいねm(__)m

※百合展開ありと書いてますが、ユーなの要素が多いので、百合好きの方のご期待には答えられないかもしれません。



↑を読んでも平気ですという方、

では、どうぞ(ペコリ




 

 

 −−−季節は冬−−−

 

 

「ゲホッ…ゲホッ」

 

 緑色の瞳をし、金髪の長い髪を緑のリボンで纏め、ベッドに横たわっている青年が咳き込む。

 彼はユーノ・スクライア(15)。

 

「風邪…ひいたかなぁ……」

 

 頬は少し赤く染まり、寝返りをしながら時計を見る。

 

「10時かぁ…寒いし、今日は休暇だし、明日は仕事だし、しっかり寝て風邪を治さないとな………体温計何処だっけ…ま、いいや…寝よう……」

 

 ユーノがゆっくりと瞼を閉じた時、

 

 

 ピンポーン♪

 

 

 チャイムが鳴った。

 

 

「こんな時に誰が……うぅ…体に力がはいらな…」

 

 ユーノはゆっくりと起き上がり、ふらつきながらも玄関へ向かう。

 鍵を開け、ドアを開いた。

 

 すると

 

 

「こんにちは、ユーノくん」

 

「こんにちは、ユーノ」

 

 亜麻色の髪を一つに纏めた少女と、金髪の長い髪を黒のリボンで纏めた少女が立っていた。

 

「あれ…なの………えっ」

 

 少し視界がぼやけるが、なのはを見て目を見開く。

 なのははピンク色のナース服を着ていた。

 フェイトは普段着だ。

 

「なんだ、幻覚と幻聴か……」

 

 ユーノは取り合えずそう呟き、何も見なかった事にしようとドアを閉めた。

 

 

「ちょっ! ちょっとユーノくんっ!何で閉めるのーっ!?」

 

 ドアをドンドンと叩いて叫ぶなのは。

 

「よし、なのは帰ろう」

 

 フェイトは真顔でなのはに言う。

 

「えっ!? いやいや、ちょっとフェイトちゃんっ、今日はユーノくんの看病に来たのにそれはっ」

 

 

〈マスター、こうなればこの邪魔なドアを破るしかないです〉

 

 なのはの胸元でチカチカと光る赤い球がなのはに言う。

 ペンダントにしてあるこの赤い球はなのはのインテリジェントテバイス、レイジングハート。

 

「そうだね…やるしか…ないか…」

 

 なのははため息を吐きながらレイジングハートをバスターモードにすると、構える。

 

「ヒューヒューなのはさんかっこいーっ!(棒)」

 

 全く感情がこもっていない台詞を言うフェイト。

 なのはは気づかなかったが、この時、フェイトはニヤリとにやついていた。

 

 

「ディバイーーンッ!!」

 

 

「ちょっと待ったぁあーっ!!!! 人の部屋に向かって砲撃を撃つなんて何考えてるんだよなのはっ!!」

 

 顔を青くし、慌ててドアを開けて叫ぶユーノ。

 

「あっ、ユーノくんっ」

 

 

〈やりましたよマスター〉

 

 

「うん、協力してくれてありがとう、レイジングハート」

 

 レイジングハートをスタンバイモードに戻し、にっこりと笑むなのは。

 

「やだなぁ、ユーノくんの部屋に向かって撃つわけないじゃない、冗談だよ? こうでもすればユーノくんがドアを開けてくれるかなって♪」

 

 にゃははと少し頬を染めて笑むなのは。

そして、ユーノには何処かから小さく舌打ちが聞こえたが取り合えず気にしない。

 

「冗談って…… まったく…なのはは前からおも……って…」

 

 ユーノは体の力が抜け、ユラリと倒れかける。

 

 が

 

「ユーノくんっ!」

 

 なのはがユーノを抱き止めた。

 

「んっ…」

(柔らかい……)

 

 ユーノの顔は柔らかい物がクッションとなり、なのはの顔とユーノの顔がぶつかる事はなかった。

 

「セーフ… ユーノくん大丈夫?じゃないか……取り合えず寝ないとだね」

 

「あはは…ごめん、ちょっと熱があって……」

 

 ユーノはなのはから離れようとするが、掌になにか柔らかい物があたり、それを見て顔を真っ赤にする。

 

「わ、わぁっ!? ご、ごごっ、ごめんなのはっ!! 触るつもりはなかったんだっ!!」

 

 慌ててユーノはなのはから離れ、熱があるため上手く頭が回転しないが必死に謝る。

 

「いいよ別に、熱があるからふらついちゃっただけだし……私の胸がクッションがわりになったなら良かったよ」

 

 にっこりと笑みながら言うなのははまさに天使、いや女神。

 

 なんならもう一度ふらついてその胸でまた受け止めてもらいたいという思いがユーノのなかで沸き上がるが、いかんいかんとユーノは首を振り、なのはに向かって笑む。

 

「あ、ありがとう、なのは… 取り合えず上がってよ、寒いし」

 

「うん、フェイトちゃんもこっちにき」

 

 

 ドドドッ!!!!!

 

 

 壁を殴る音を聞いてなのはの顔とユーノの顔は凍りつく。

 

「フェイト…ちゃ…?」

 

「あっ、ごめんなのは。 ちょっと…虫がいたから。」

 

 フェイトは苦笑しながら言う。

 

 フェイトが殴ってヒビをいれたであろう壁には本当に虫がおり、跡形もなくなっていた。

 

「私もお邪魔するね、ユーノ」

 

 ユーノににっこりと笑みながら手を払うフェイト。

 

「う、うん……どうぞ…」

 

 ユーノはひきつった表情をしながらなのはとフェイトを部屋へ上げる。

 

 

 

−−−−−−−−−−−−

 

 

「はい、フェイトちゃんはお茶と、ユーノくんはお水と薬ね」

 

 フェイトにはお茶を注いだ湯飲みを、ユーノには水が入ったコップと錠剤を渡す。

 

「僕の部屋なのにごめん、こんなことしてもらって…」

 

「いいよいいよ、ユーノくんの部屋には何度も来たことあるし、ユーノくんは熱があるんだから寝ないとダメだしね」

 

「あはは、ありがとう」

 

 ユーノは少し照れながら言うと、薬を飲む。

 

「それにしても…何で僕が風邪ひいてるってわかったの?」

 

 ユーノは薬を飲むとコップをなのはに渡す。

 

「昨日通信したじゃない? その時にユーノくんちょっと声が変だったし、咳してたし、もしかしたら明日あたり熱出すんじゃ…と思って、様子を見に&看病をしに来たんだよ」

 

「私も…ユーノが心配だったから来たんだよ、ユーノ?」

 

 にっこりと笑みながらユーノを見るフェイト。

 ずっとにっこりとしている。 ユーノはフェイトを見て身震いをした。

 

「あはは…フェイトもありがとう……」

 

「今日は夜まで私とフェイトちゃんが看病しちゃうから、安心してね♪」

「安心、してね、ユーノ」

 

 まだにっこりと笑んだままのフェイト。

言い方に少しトゲを感じるのは気のせいか。

 

「う、うん…ありがとう……なのは、フェイト…」

 

「うーん、やっぱりフェイトちゃんもナース服着れば良かったのに」

 

「えっ、嫌だよ、なのはの為ならまだしもいん…………い、嫌だよ、だって恥ずかしいし……」

 

 一瞬真顔で言い始めたフェイトだが、ハッとした表情をし、慌てて言い直す。

 

(今いんって聞こえたんだけど気のせいだよね……淫獣って言いたかったのかな…)

 

「フェイトちゃんナース服絶対似合うよ〜?」

 

「そうかな?なのはに言われると…嬉しいな」

 

 頬を染めて照れるフェイト。

 

 

「というか……何でなのははナース服なの?」

 

「えっ? んー…ほら、なんか…一度着てみたかったんだよ、こういうコスプレ服」

 

 なのははユーノの前でクルリと一回転し、にっこりと笑む。

 

「なのはに良く似合ってるよ、後で写真撮らせて?」

(私は止めたんだ…っ…止めたのに着るって言うから……なのはにナース服で看病されるなんて羨ましい…

ユーノの部屋に1日いれば移るかな…)

 

 フェイトは内心嫉妬心を燃やしていたが、笑みながらスマホを片手に言う。

 

「うん、いいよー」

 

 えへへと照れわらいするなのは。

 

 

(なんというか…スカートが短すぎなような……ナース服に白のニーハイソックス………スカートが短すぎて見え……

 ダメだダメだっ、スカートが短すぎてなのはのが見えそうだとかそんな事考えたらダメだぞ僕っ!

 ああ、でも見えたら見えたで……ナース服のなのはとかレア過ぎて…

 落ち着け、落ち着いて、ナース…ナースなのは……)

 

 ユーノはなのはのスカート部分を見つめて顔を赤くすると考えすぎて爆破し、ベッドに座っていたユーノだがベッドに倒れた。

 

 

「ユーノくんっ!?」

 

「あ、ユーノ」

 

 フェイトはお茶を啜りながらユーノを見て言う。

 明らかに心配していない。←

 

 

 一方、なのはは慌ててユーノのもとへ寄り、ユーノの額に触れる。

 

「わっ、熱いよっ! 体温計ないのかな…ユーノくんしっかりしてっ、体温計はあるっ?」

 

 なのははユーノに話かけるが、ユーノは答えずにグルグルと目を回転させる。

 

 

 

「と、取り合えず濡らしたタオルをおでこにーっ!」

 

 なのはは洗面器を片手に慌てて洗面所へ向かった。

 

 

「そうだ…もうすぐお昼……お昼はお粥にしよう、熱々の出来立てをなのはと作ってあげるからね、ユーノ」

 

 ニヤリと一瞬笑って言うと、お茶を啜るフェイト。

 

 

 

 これから数時間、二人の看病に振り回される事になるユーノ。

 

 ナースなのはさんの看病はまだ続きます。

 

 

 






まずは、読んでいただきありがとうございました。


結構好き嫌いが別れる話だろうなと思いながら書いてみました。(汗)

不定期に続きは投稿していくつもりです。


何でナースなのはさんなのか?

それは私がナース服なのはさんが好きだからです(゜-゜)←


本当はね、はやても入れたかったんですけどね……この3人の方が書きやすいなと思いまして…f(^^;


ということで、えー…完璧に終わらせれるかはわかりません…

が、頑張ってみたいと思います。


どうぞ、よろしくお願いします。



個人的にぶっ飛んだレイハさんが好きです←


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全力全開の看病〈2〉〜フェイトちゃんとの撮影会、始まります〜



注意書き一応します(ペコリ


※キャラ崩壊酷いです

※ユーなの要素多めです。


※フェイトが変態です。
こんなフェイトは嫌だーっ!!(ノд<)

という方は避けてくださいm(__)m


では、なのはさんの全力全開の看病をご覧ください…




−−−−−−−−−−−

 

 

「んっ…」

 

なのはは水で濡らし、しぼったタオルをユーノの額に乗せる。

 

「ごめん…なのは……」

 

ユーノは熱のせいなのか、なのはに見とれているせいなのか頬が赤い。

 

「顔赤いね……体温計何処に行ったかわからないんだよね?

しまったなぁ…私の持ってくれば良かったね」

 

「あはは、別に体温計くらいいいよ。 さっき薬飲んだし、暫くすれば熱も下がるだろうし」

 

「下がったらいいんだけどねぇ……」

 

なのははうーん…と考え込む。

 

 

「ユーノ、取り合えず寝たら?」

(なのはと二人きりであんなことやこんなことをする撮影をしたいから早く寝てくれないかな…)

 

フェイトは頭のなかでなのはにあんなことやこんなことをさせてスマホを片手に撮影する自分を妄想していた。

 

ユーノにはまるで、邪魔だから早く寝ろと言っているかのようだ。

 

「う、うん…寝るよ……」

(フェイトの視線が突き刺さるなぁ…)

 

 

フェイト(が一方的にだが)とユーノが視線でバチバチと火花を散らしていると

 

 

「あっ! 熱測る方法あったっ! 小さい頃はよくお母さんやお父さんにしてもらってたなぁ…」

 

フフッ、と笑いながらなのははギシリと音が鳴るベッドに乗り、ユーノに覆い被さるような体勢になる。

 

 

「えっ」

 

フェイトは目を見開き、硬直する。

 

「わっ! ちょっ!なのはっ!?」

 

ユーノは赤い顔を更に赤くし、いきなりベッドに乗り覆い被さってきたなのはに驚く。

 

「タオルちょっと退かすね」

 

なのははタオルを取り合えず洗面器に入れると、

 

 

ユーノの額に自分の額をあてる。

 

 

「な、なのはっ!?」

 

「結構熱いね…38度は超えるかなぁ…」

 

 

お互いの額をあて、唇が重なるまで後数センチもない。

 

なのはの白く、柔らかい肌と可愛らしい瞳、柔らかそうで思わず奪いたくなる唇が至近距離にある。

ユーノの心拍は上昇し、顔を真っ赤にする。

 

「あ、あの……な、なのは…近い…っ…」

 

「あ…ごめんね、もうすぐで離れるからもう少しまっ」

 

「つ必要はないよ、もう離れて、なのは」

 

フェイトが真顔でなのはを抱え、ユーノを嫉妬心が更に燃えた瞳で見つめる。

 

「ちょっ、ちょっとフェイトちゃっ、そんな抱え方したらスカートが上がっちゃうっ! 下ろしてっ、今ユーノくんの熱測ってたのにっ」

 

なのはは頬を染めながらフェイトに抱えられて上がるスカートを必死に引っ張る。

 

「なのは、私達ももう子供じゃないんだよ? わかってる?」

(恥ずかしがるなのは可愛い……もっと雑に抱えれば見えたかな…)

 

フェイトは脳内で恥ずかしがるなのはをリピート再生しながら、表情は真顔で言う。

 

「わかってるよ? ん?私達はもう子供ではないのかな? そうなのかな? まあいいや、わかってるけどそれがどうしたの?」

 

なのはは?を浮かべ、首を傾げる。

 

「はぁ……なのははなのはだね…授業で習ったのに忘れたの?

男は狼、いつ変貌して私達女をおそ」

 

「ゲホッ、ゲホッ!」

 

フェイトに言わせまいとばかりにユーノが咳き込んだ。

 

「ユーノくんっ!」

 

なのはは慌ててタオルをしぼり、ユーノの額に乗せる。

 

「あはは…ごめんなのは、大丈夫だから…」

 

「全然大丈夫じゃないよっ、お昼はお粥作ってあげるからねっ」

 

なのはは不安げな表情をしながらユーノの手を握る。

 

「あ、ありがとう…なのは…」

(手…握ってくれてる………幸せだなぁ…)

 

 

「私も、一緒に作るからね、ユーノ」

 

にっこりと笑みながら言うフェイトからは、早く手を離せと言われているように感じたユーノはフェイトに向かって苦笑した。

 

「ユーノくん、何かしてほしい事とかあったら遠慮なく言ってね」

 

「うん、ありがとう、なのは」

(じゃあ、取り合えずずっと手を握ってて……なんて言えない…)

 

「ユーノ、私にもしてほしい事とかあったら…遠慮なく、言ってね?」

(いつまで手繋いでるの、ユーノはなのはにしてほしい事なんて絶対あんなことやこんなことをさせる事しか想像してない…

させるかっ!!! これ以上ユーなの要素を増やすわけにはいかない、なのフェイルートを完成させる為にっ!!!!

その為に私はなのはに着いてきたんだっ!!)

 

フェイトは内心で高笑いしていた。

ユーノの事などまったく心配していない。

 

 

「う、うん…ありがとう、フェイト……」

(絶対なにか企んでるなこれ…)

 

 

「ユーノくん、取り合えず、お昼まで寝てていいからね」

 

「うん、それじゃあ…暫く寝るね」

 

「うん、おやすみ、ユーノくん」

 

ユーノはなのはに手を握ってもらったまま、瞼を閉じ、数秒もせずに眠りについた。

 

 

「熱が下がりますように…」

 

ユーノを見つめながら言うなのは。

 

を見て、なのはの後ろに座っているフェイトがキラリーンと赤い瞳を輝かせ、ニヤリと笑う。

 

 

(ユーノは眠った、ユーノは眠りさえすれば空気、空気だと思えばいい。

今起きているのは私となのはだけ、空気は寝てる。

つまり今は私となのは二人きり……フフフッ、アハハハハッ!!)

 

 

「ねえフェイトちゃん、ユーノくんに作ってあげるお粥普通のお粥がいいかなぁ? 卵が入ってる方がいいかな?」

 

 

(そんなのどうでもいい)

 

 

「普通のお粥でいいんじゃないかな?」

(何で私がユーノの為に考えないといけないの)

 

「そうだね」

 

「うん、じゃあなのは、ユーノ寝てるし、今は特にすることないだろうから写真いいかな?」

 

「え、今? うん、わかった、いいよ」

 

「うん、じゃあそこのソファーに寝てくれないかな?」

 

フェイトはスマホを片手にソファーを指さす。

 

「え、寝るの?」

 

「うん、お願い」

 

「わかった」

 

なのははソファーに乗り、横たわる。

 

「じゃあなのは、左手を胸元に、右手をお腹辺りに置いてこっち向いて」

 

「う、うん…こう…?」

 

なのはは少し頬を染めながらフェイトの指示に従う。

 

 

「うん」

(あぁあああああ…可愛い…可愛いよなのは……あ、鼻血が出そ……

なのはの前で鼻血なんて出したら変態だと思われちゃう…

ソファーに寝てるナースが頬を赤くしてこっち見てるなんてなんか…

取り合えず連写連写。)

 

フェイトは連写をし、段々と息を荒くする。

 

「それじゃあ、なのは、次はこの体温計をこう持って、見せつける感じで、足を少し上げて…こっち向いて」

 

フェイトはなのはに体温計を持たせると指示を出す。

 

「えっ、フェイトちゃん体温計持ってたのっ!?」

 

「あ、うん」

 

「ならさっき貸してくれたら良かったのにっ」

 

「あ、ごめん、持ってきてたの今気づいたの」

(ユーノに私の体温計を貸すのは嫌だ、なのはにならいいけど。 それにこれは撮影用だし)

 

「後で貸してくれないかな? また熱測らないといけないから」

 

「えっ………………う、うん……ワ、ワカッタ…」

(ここで嫌だって言ったらなのはに嫌われるかもしれない、ユーなのルートになるかもしれないからここは頷くしかっ…)

 

フェイトはなのはに向かってぎこちなく頷く。

 

 

「うん、ありがとう、フェイトちゃん」

 

「それじゃあなのは、写真撮るからこっち向いて」

 

「うん…」

 

「あ」

 

フェイトはスマホをポケットに入れると、なのはのナース服、胸元のボタンを3つの内2つを外す。

 

「ちょっ、ちょっとフェイトちゃんっ!?」

 

突然ボタンを外され、顔を真っ赤にするなのは。

 

「こうした方が可愛いかなって」

(可愛い…顔が真っ赤ななのは可愛い……)

 

「えぇっ!?」

 

「ほら、いいからこっち向いて」

 

フェイトはなのはから離れるとスマホを手に取り、再び連写。

 

 

(体温計持って、顔を赤くしてこっち見てるなんて……なんかエ…

じゃない、あれは体温計、妊娠検査薬じゃない。

君の赤ちゃん妊娠しちゃった…とか顔を赤くして言うなのはとか……最高だよっ!!

じゃないっ! 妊娠とかしたら大問題だよっ、あぁあああ、ボタン外してそんな風にこっち見てるとそう見えても仕方な…)

 

フェイトは荒い息を吐きながら連写を続ける。

 

が、床にポタリと赤い液が落ちる。

 

「ふぇ、フェイトちゃん血がっ!」

 

「え? あ……ち、ちちち、違うのなのはっ、これは別にっ、さ、最近よく鼻血が出るのっ!

別になにかに興奮して出したわけじゃっ…」

 

「はい、フェイトちゃんティッシュ」

 

なのははポケットからポケットティッシュを取り出し、ティッシュをニ枚渡す。

 

「あ、ありがとう……」

 

フェイトはなのはの天使、いや女神のような対応に感動しながらもティッシュをなのはからもらう。

 

(ああ……幸せ…)

 

フェイトはティッシュを手に持ったまま更に鼻血をダラダラと流す。

 

「ちょっ! フェイトちゃん鼻血っ、早くティッシュをっ!!」

 

「あ、うん、えへへ…」

 

フェイトはにやけながらティッシュを鼻に詰めた。

 

 

(何で笑ってるんだろう……)

 

なのははティッシュを詰めてにやけるフェイトを見て表情がひきつる。

 

「よし、なのは、まだ写真撮るから次はっ」

 

「えぇ!? ま、まだ撮るの!?」

 

「うん、次はこうして、こうねっ」

 

「ちょっ、ちょっと待ってよフェイトちゃーんっ!」

 

なのはは涙目になり、フェイトにされるがままになっていた。

 

 

 

 

フェイトとなのはの撮影会、まだもう少し続きます。

 






ちょっとアレな撮影会、まだ続きます。
少々お付きあい下さい(汗)



では、良ければ次回もご覧くださいm(__)m



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全力全開の看病〈3〉〜撮影会強制終了なの〜

注意書きは…一応書きます


※キャラ崩壊が酷いです。

※フェイトが変態です。

※なのフェイ養分よりユーなの養分が多いです。



まだまだ未熟者の為、ん?と思うところがあると思いますが軽い気持ちで読んで下さい…

ではm(__)mペコリ


――――――――――――――

 

 

 

「あの〜…フェイひょちゃ……なんひぇたいふんひぇいくひぁえなきゃいひぇにゃいの?」

 

※【あの〜…フェイトちゃ……なんで体温計くわえなきゃいけないの?】

 

 

 

なのはは苦笑し、体温計を口に少しくわえながら言う。

 

 

「なんでって、可愛いからだよ」

(エロいからに決まってるじゃない、なのは)

 

スマホを片手に真顔で言うフェイト。

 

鼻に詰めているティッシュで真顔が台無しである。

 

 

「はい、もう口離していいよ」

 

「うん…」

 

なのはは体温計を口から離し、苦笑する。

 

「あの、フェイトちゃん、もういいかな?流石にもう…」

 

なのはは起き上がり、立ち上がるとユーノのもとへ向かう。

 

「えっ、ちょっ、なのはっ」

 

「タオルをそろそろかえないと…」

 

なのはがユーノの額に置いているタオルを取ろうとする

 

 

「なのはっ」

 

フェイトは素早くなのはの背後に回り、背後からなのはの口を手で塞ぐとこの際とばかりになのはの胸を触っている。

 

 

「んぐっ!! んっ、んんーっ!」

 

なのはは抵抗しようとするが、フェイトにズルズルと引きずられると床に押し倒された。

 

「まだ写真撮りたいんだけど…いい?」

 

フェイトはなのはに覆い被さり、しれっとなのはの腿を右手で撫でている。

 

「あ、あのっ、フェイトちゃん手がっ、擽ったっ…」

 

「ああ…ごめんね、触っちゃって。 写真、もう少しだけ撮らせて?」

(フフフッ……これからが本番だよ、なのは…)

 

「もう変な格好は嫌だよフェ」

 

「スカートもう少し上げようか、ボタンも全部外して」

 

フェイトはなのはのナース服のボタン、最後の一つを外し、スカートの中に手を入れる。

 

「ちょっ、ちょっとフェイトちゃんっ!? な、なにしてっ、やめてっ、やぁっ!」

 

なのはは顔を赤くしてスカートの中に手を入れて触れてくるフェイトに抵抗しようとする

 

が、手首にバインドをかけられ、腕を動かせない。

 

「スカートを上げて……」

 

フェイトがなのはのスカートを上げると、なのはのピンク色のショーツが見える。

 

「やっ、やだっ、フェイトちゃんやめてっ、やめてよぉ!」

 

なのはは恥ずかしさに思わず涙目になっていた。

 

「写真撮るだけだから大丈夫、それに、大きい声出すとユーノが起きちゃうよ?」

(あぁあああっ…可愛い、可愛いよなのは……涙目のなのは可愛いぃ…)

 

クスリと笑いながら言うフェイト。

 

 

空気となっているユーノはなのはがフェイトに襲われかけていると知らず、起きない。

 

 

 

 

「な、なんでこんなことするの…っ? 写真撮ってなにするのっ?」

 

「別に何もしないよ、ただなのはの可愛い姿を撮りたいだけなの。 ねえなのは、ちょっとこのナース服サイズが小さいんじゃない? 胸元が苦しそうだよ?」

 

フェイトは真顔でそう言うと、なのはの胸を揉み始めた。

 

「きゃっ! やっ、な、なにするのフェイトちゃっ! フェイトちゃんやめてぇっ! んっ、ひぁんっ!」

 

(なのはが可愛い声上げてる……このまま揉み続けて、なのはが快楽に堕ちたらなのはのあんな場所をこんなにしてああして……なのはを可愛がるんだ……フフフッ♪)

 

フニフニとなのはの胸を揉みながら、舌舐めずりをするフェイト。

 

「やっ、揉まないでっ、やめててばっ、フェイトちゃんっ!」

 

「体が火照ってきてる……もしかしてなのは…私に触られてかん」

 

「違うっ! 違うよっ、お願いだからやめてっ、やめてよぉ!」

 

なのははイヤイヤと首を振り、涙をポロポロと流す。

 

(妄想した通りの反応…♪ 後は、なのはのそこを……)

 

フェイトは舌舐めずりをしながら、またなのはのスカートの中に手を入れようとした。

通報レベルの光景である。

 

 

が、その時

 

 

 

フェイトに目掛けて濡れたタオルが飛んできた。

 

「あぶなっ!」

 

フェイトは間一髪でタオルを避ける。

 

 

「あのさ、人の部屋で何してるの…? 僕風邪ひいてるんだけど……というか…フェイト、なのはを泣かせるのはどうかと思う。」

 

いつの間にか起き上がり、ひきつった表情をしながら言うユーノ。

 

 

「ゆ、ユーノ……」

 

「ユーノくっ…グスッ……フェイトちゃんが私の写真撮るって言ってっ…それでっ……」

 

なのはは涙をポロポロと流してユーノを見る。

 

 

「なのはっ、大丈夫!?」

 

ユーノは慌ててベッドから降りるとなのはのもとへ駆け寄る。

 

「ユーノくっ……ユーノくん…っ…」

 

「ご、ごめん…なのは……」

(と、取り合えず謝って計画は中止に…っ… )

 

フェイトはバインドを解くと、なのはを起こそうとする。

 

 

 

「フェイトちゃんのバカぁ!! やめてって言ったのにっ! フェイトちゃんなんかもう知らないっ!!」

 

なのはは顔を赤くし、泣きながらスカートを引っ張り、見えていたショーツを隠す。

 

「ガーンッ!!」

 

フェイトはなのはの発言にショックを受けると、涙を流しながら放心状態になる。

 

 

「いや、ガーンッ!じゃないよ……どう考えてもこうなるに決まってるじゃないか…」

 

ユーノはひきつった表情をしながら言うとなのはの背中を摩る。

 

「なのは、大丈夫…?」

 

「うん……ごめんね、騒がしくて起こしちゃったね…グスッ……」

 

なのはは手で涙を拭いながら言う。

 

「いや、気にしなくていいよ、熱も今は下がってるみたいだし、平気」

 

「熱が下がったなら…良かったけど……」

 

「えーっと……フェイト…?」

 

ユーノは守るようになのはを抱き寄せ、苦笑しながらフェイトに話しかける。

 

 

「ほぇぇ〜………………」

 

フェイトは口から魂を飛ばし、放心状態。

 

 

「ダメだ、放心状態…」

(どうしよう……なのははフェイトに色々と触られて傷ついてるはず…

だけど二人がこれで不仲になるのは………いちかバチか…っ…)

 

 

「なのは、えーっと……フェイトは遊び心でやったんだと思う…よ…」

 

(あれ……これ遊び心でやったって言って許される事なのかな………

フェイトがなのはと同性だからまだ良かったとして…いや、良くないか…)

 

 

「遊び…心……? フェイトちゃんが遊び心で…?」

 

「う、うん……」

 

「………フェイトちゃん……」

 

なのはは少し小さい声でフェイトの名を呼ぶ。

 

 

「……ハッ! い、今なのはに呼ばれたような…」

 

「あの……フェイトちゃん…遊び心で私に……こんな事したの…?」

 

 

「えっ?」

 

フェイトは嘘だろという表情をしながらなのはを見る。

 

 

「もし……遊び心でしたなら別に…今回だけは許してあげる…」

 

「えっ? ちょっとなのは、それどうい」

 

 

《フェイト、一応今回は本当に謝った方がいいよ。フェイト自身の為にもね…》

 

ユーノは念話でフェイトに伝える。

 

 

 

「………ご、ごめん……なのは………その…あ、遊び心でしました……」

(遊び心じゃないのに…違うのに……ただなのはが好きだから…なのはが好きだからぁ……)

 

フェイトは涙を流しながら苦笑して頭を下げる。

 

「あ……えっと…遊び心でならいいの………ごめんね、フェイトちゃんなんか知らないなんて言っちゃって…

フェイトちゃん、もうこんな事しないって……約束出来る…?」

 

 

 

「する、約束するよ…あはっ…あはははは…」

(えっ、こんな事? それは……触れるなということ? もう私の体に触らないでってこと? というかなにちゃっかりなのはを抱き寄せてるの淫獣…っ…)

 

フェイトは表情が固まり、ただ涙を流してあははははと壊れたように言う。

 

 

「あ、あの、フェイトちゃん……その…傷つけちゃったね…私はフェイトちゃんが大好きだからっ、だから、嫌いになったりなんてしないよ」

 

なのはは不安げな表情をするも、優しく笑み、ユーノから離れるとフェイトの手を握る。

 

「な…なのは……なのはぁっ…う…っ……グスッ…なのはっ……私もなのはが好きだよっ、大好きなのぉっ!」

 

フェイトは涙をポロポロと流しながらなのはに抱き着き、うわーんと泣く。

 

 

 

(こういう流れで言っていいのかわからないけどなのはの『好き』とフェイトの『好き』は違うんだよなぁ………まあ……フェイトの気持ちはわからなくもないんだけど……難しいな…恋愛って……)

 

ユーノはなのはとフェイトを苦笑しながら見ていた。

 

 

「フェイトちゃん、鼻水が… はい、ティッシュ」

 

「ありがとぉ……グスッ…なのはぁ…っ…」

 

「泣きすぎだよ?フェイトちゃん」

 

なのははクスリと笑いながらフェイトの頭を撫でる。

 

「でも良かったぁ、私、フェイトちゃんは百合なのかなと思って本当にどうしようかと思ったよ〜

私はフェイトちゃんを友達として見てるから………実際にフェイトちゃんが百合だったら…友達以上としては見れないし、どう対応したらいいのかわからなくなりそうだよ〜」

 

あはは、と苦笑するなのは。

 

「えっ」

(あ…………告白する前に否定された……体に触れるな的な事を言われたあげくお前を友達以上には見れないって言われた………)

 

フェイトは静かに涙を大量に流し、なのはから離れる。

 

 

「フェイトちゃん?」

 

「ごめ…っ…ちょっと…外の空気吸ってくるね…っ」

 

フェイトはフラりと立ち上がり、玄関に向かうと靴を履き、走ってユーノの部屋を出た。

 

 

「うぁあああああああっ!!!!!!」

(おかぁぁさぁああああんっ!!!!!!!)

 

フェイトは号泣し、内心でも叫びながら走り、何処かへ行ってしまった。

 

ドアがバタリと閉まり、部屋にはなのはとユーノ二人きり。

 

 

「フェイトちゃん何処に行ったんだろ…」

 

「すぐ戻ってくると思うよ…多分…」

 

なのはとユーノは苦笑しながらドアを見て言う。

 

「あっ、そうそう、フェイトちゃんが体温計持ってたの、これで熱測って?」

 

なのはは体温計をユーノに渡す。

 

「あ、うん、わかった」

 

ユーノは体温計を受け取り、スイッチを入れると脇に挟む。

 

 

「もう12時過ぎてるね、ユーノくんが熱下がってる間にお粥作るから食べてね」

 

なのははそう言うと立ち上がる。

 

「うん、ありがとう、なのは。 あっ……あのさ、なのは……その…ボタン……留めた方がいいんじゃ…」

 

ユーノはなのはを見てふと気づき、頬を染め、人指し指で頬を掻きながら言う。

 

「あ…っ! ご、ごめんっ、ありがとうユーノくんっ!」

 

なのははボタンを留める事を忘れていたのを思いだし、慌てて留めると頬を染めたままキッチンへ向かった。

 

 

 

「なのはのお粥か……楽しみだな」

 

嬉しそうに笑みながらユーノが呟くと、フェイトのスマホにメールが来たのか待ち受けが表示される。

 

「あ、フェイトスマホ忘れて……………わっ!」

 

 

スマホに触れはしなかったが、待ち受けを見て顔を真っ赤にするユーノ。

 

フェイトはいつの間にかスマホの待ち受けを先ほど撮った、ソファーに寝、頬を染め、体温計を持ってカメラ目線のナースなのはの写真にしていた。

 

 

「こ、ここ、これって…っ…」

(さっき写真を撮るとかなんとかって言ってたけどこんな事をなのはにさせてたのかフェイトはっ!!

な、なんというかエ……じゃないっ!

取り合えず、この写真を待ち受けにしてるなんてなのはにバレたら確実にフェイトが困るだろうからっ…)

 

ユーノはフェイトのスマホにそっと触れ、電源を切った。

 

恥ずかしい写真を親友に待ち受けにされている本人はキッチンで調理している為気づいていない。

 

 

 

(今の写真はちょっと………ああ…欲しいとか思ってしまう自分がいる………

僕も欲し……じゃない…あんな写真持ってなのはにバレたらそれこそ終わりだっ…)

 

ユーノはグルグルとそんな事を頭で考えながら、体温計がとっくに熱を測り終え、ピピピッと音が鳴っていた事に暫く気づかなかった。

 

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

なのはさんの看病、まだもう少し…続きます。

 







読んでいただきありがとうございましたm(__)m





18禁にするべきか悩みましたが一応セーフかなと思い、タグに18禁はつけませんでした(汗)

セーフですよね? セーフじゃないかな……(汗)


と、まあ取り合えず…良ければ次回も読んでいただけたら嬉しいです(ペコリ



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全力全開の看病〈4〉〜フェイトちゃんとオジサン〜

一応注意書き。

※キャラ崩壊が非常に酷いです。

※フェイトが口調悪くなってます。

※この4話ではなのはさんそんなに看病してないです。←

※レイハさんの出番がありません。←




まだまだ未熟者の為、ん?と思うところがあると思いますが軽い気持ちで読んで下さい…

ではm(__)mペコリ



――――――――――――――

 

 

「フェイトちゃんまだ帰って来ないのかな……あ、もうすぐでお粥出来るかも…火止めよっ…」

 

「大丈夫だよ、まだ15分くらいしか たってないし、何処かで何か買ってたりするんじゃないかな?」

 

「でも…泣いてたし……私がフェイトちゃんを傷つけちゃったから…」

 

「いやいや、大丈夫だよ、フェイト泣きながらなのはに大好きだって言ってたじゃないか」

 

苦笑しながら言うユーノ。

 

 

「そうだけど……いきなり出ていっちゃったらやっぱり不安になるっていうか…フェイトちゃんだいじょ」

 

 

となのはが話していたところでガチャリとドアが開く。

 

入ってきたのは

 

フェイトだった。

 

 

「あっ、フェイトちゃ…っ…?」

 

「フェっ……イ…ト…?」

 

ドアを閉め、玄関に立っているフェイトを見てなのはとユーノは表情が凍りつく。

 

 

 

「……………」バリッ バリッ

 

無言でフランスパンをバリッバリッと音を鳴らしながら食べ、泣きすぎたのか赤い目を隠す為なのかサングラスをかけたフェイトがそこにいた。

 

なんというか、食べ方が

 

オッサンだ。

 

 

「あ、あの……フェイトちゃん…どうしたの…?」

 

 

「オジサン…」バリッ バリッ

 

 

「フェイト…?」

 

 

「変なおじさんに買わされたの………リアル逃○中みたいだったよっ!! 怖かったよなのはぁあああっ!!!」

 

フェイトは袋に入った数本のフランスパンを投げ捨て、靴を脱ぐと食べかけのフランスパンを片手に泣きながらなのはに抱きつく。

 

「逃○中って… なんか懐かしいね……一体何があったのフェイトちゃん…」

 

なのはは苦笑しながらフェイトの頭を撫でる。

 

「うっ、グスッ……んぐ…」バリッ バリッ

 

泣きながらもフランスパンを食べるフェイト。

 

「取り合えずフェイトちゃん、フランスパン食べるの止めよう」

 

フェイトの肩をガシリと掴んで言うなのは。

 

 

「んぐ…っ………ごめっ……さっきね…っ」

 

フェイトはフランスパンを飲み込むと話し始める。

 

 

 

――――遡る事15分前――――

 

 

「おかぁぁさぁああああんっ!!!!」

 

ダバダバと涙を流しながらただ走っていたフェイト。

泣きすぎて目が赤くなっている。

 

「百合のなにが悪いんだよぉおっ!!! グスッ…百合で悪いかこの野郎ぉおっ!!!!」

 

フェイトは足を止め、コンクリートの壁を涙をダバダバと流しながら殴っていた。

 

「うわぁああーんっ!!」

 

次第に殴るスピードを速めるフェイト。

 

「バルディッシュのバカぁああっ!!!!」

 

 

バルディッシュ、とばっちりである。

 

 

フェイトが殴る度にコンクリートにヒビが入っていく

 

すると、肩をポンポンと背後から叩かれた。

 

 

「誰だよっ、私に今かかわるなぁっ!」

 

フェイトは大量に涙を流しながらキレ気味に後ろへ振り返る。

 

 

「ナクナヨオジョウサン、ナイタラカワイイカオガダイナシダヨ」

 

フェイトの後ろにはサングラスをかけ、上半身は裸で、半ズボンとリュックを着用し、ボロボロのサンダル履いている、頭の真ん中が禿げた片言で喋るオッサンが立っていた。

 

「わぁっ!?」

 

フェイトは明らかにヤバイ雰囲気を持ったオッサンに表情をひきつらせ、思わず一方下がる。

 

「シツレンデモシタノカイ?」

 

いい男オーラを放つオッサンにこれはヤバイ、ヤバイぞこれ。

と感じたフェイトは逃げ去る体勢をとる。

 

 

 

「カナシンデイルキミニチョウドイイモノガアルヨ」

 

オッサンはリュックを下ろし、リュックの中からフランスパンを取り出す。

 

「キミニコノセカイイチカタイフランスパンヲウッテアゲヨウ」

 

「いや、別にいらないです」

 

フェイトは真顔でそう答えると猛ダッシュで走り出した。

 

 

(ヤバイよヤバイよあのオジサンっ!! かかわっちゃダメだっ、早くユーノの部屋にもどろう!!)

 

ダダダダダダッ!!!!!!と猛ダッシュで走るフェイトは顔を真っ青にしていた。

 

 

(足の速さなら少し自信があるっ!! オジサンなんだから追い付けるわけないし追いかけてこな)

 

 

ダダダダダダッ!!!!!!

 

フェイトの真横でそんな音がした。

 

フェイトはギギギギッ…と首を動かし、冷や汗を出しながら横を見る。

 

 

 

「フランスパン、オイシイヨッ」

 

例のオッサンがリュックを背負い、フランスパンを片手にフェイトをガン見して真横で走っていた。

 

 

「うわぁああああっ!?!!」

 

フェイトは更に走るスピードを速めようとする

 

 

 

 

最悪のタイミングで躓き、グルグルと瞬時に二回転をするとズシァアアッ!!と音を鳴らして地面に着地。

 

 

「いたたた…っ……」

 

フェイトはふらつきながらなんとか立ち上がる。

 

 

 

 

 

「フランスパン、オススメダヨ」

 

猛ダッシュで走ってきたにもかかわらず、息を乱さずにフランスパンをフェイトに差し出してくるオッサン。

 

「だからっ、いらないっていったじゃないですかっ!! 何で追いかけて来るんですかっ!!」

 

「フランスパンカッテホシクテ……コレ、イチオウカタイカラヤクニタツヨ?

 

ヨクシツレンシタテデカナシンデイルヒトヤイラダッテルヒトガヒトヲナグルノニツカウラシイ」

 

「物騒だなおい」

 

真顔でツッコむフェイト。

 

「というか、フランスパン買ったら追いかけて来ませんか?

犯罪ですからね、まわりからしたら。

上半身裸のオジサンが女の子を泣かせて追いかけ回してるのっ」

 

「ゴメン、ニホンゴワカラナイ」

 

「さっきまで片言だったけど日本語喋ってたじゃないですかっ!!!なめんなよコラァッ!!」

 

フェイトは怒りを露にして叫ぶ。

言葉が荒いのは気のせいなのだろうか。

 

 

 

「いや〜さ、ほら、僕、借金抱えたまま妻に捨てられちゃってさ〜

金もない家もない、妻もいないっ☆

だから、フランスパンを買って僕にお金を恵んでく〜ださいっ♪」

 

体をクネクネとくねらせ、頬を染めてフェイトに頭を下げるオッサン。

おかげで禿げているのがよく見える。

 

 

「気持ち悪いんだよオッサンっ!!! お金がないとかしらねぇよっ! というか片言どころか日本語ペラペラじゃねぇかぁあああっ!!!!!!」

 

フェイトは怒りを思いきり足にこめ、オッサンを蹴り飛ばした。

 

「グヘバッ!!!」

 

コンクリートの壁に蹴飛ばされたオッサンは地面にパタリと倒れる。

 

 

 

「ふざけやがって……このハゲッ!!!」

 

 

「は、ハゲだなんて……グエッ…どっか痛めたなこりゃ……」

 

オッサンは体をプルプルと震わせながらなんとか立ち上がる。

 

「ハゲだなんて失礼だなお嬢さん……これでもハゲ始めたのは最近で…っ…」

 

「ハゲ始めた時期とかしらねぇよっ!! 人がどれだけ怖い思いしたかわかってるんですかっ!!!」

 

 

「ご、ごめんごめん、どうしても買って欲しくてさ……金無くて服もまともに買えなくて…」

 

「お金ないのに何でフランスパンなんか持って……」

 

「……………じ、自分で作った」

 

「嘘つけっ!!」

 

「とにかく買って下さいお願いします」

 

オッサンはフェイトに土下座をする。

 

 

(やっかいなのに絡まれたな………何でこうなるんだろう……買ったら帰ってくれるかな…一刻も早くこのオジサンから離れたいっ!!)

 

 

 

「わかりました、買います、買いますからさっさと私の前から消えてくださいよっ?」

 

フェイトはひきつった表情をしながらそう言うと、ポケットから財布を取り出す。

 

 

「あ、ありがとうっ、ありがとうお嬢さんっ!!」

 

オッサンは涙を流しながらリュックからフランスパンを取り出す。

 

「で、いくら?」

 

「3つで5000円」

 

「高っ!! いやいや、人に買ってって土下座しといてそれはないでしょ」

 

「ほら、質がいいからっ、材料にこだわってるからっ!」

 

何故か真顔で言い切るオッサン。

 

「仮にそうだとしても3つもいらないんですけど……1つでいいです」

 

「1つだと5000円ですっ♪」

 

「ふざけてんのか」

 

フェイトはゲシゲシとオッサンを踏む。

 

 

「イダダダダっ!!! ごめんなさごめんなさっ!!」

 

 

「はぁ……じゃあもう3つ下さい」

(もういいや、早くこのオジサンから離れられるならさっさと買お…)

 

フェイトはため息を吐くとお金をオッサンに渡す。

 

 

「おぉおっ!! ありがとうっ、ありがとうお嬢さんっ!!!」

 

オッサンは大量に涙を流しながらフランスパンを袋に入れる。

 

「いえいえ…それじゃあさようなら」

 

フェイトはオッサンからフランスパンが入った袋を受け取ろうとする

 

 

 

 

オッサンは袋を離さない。

 

 

「ちょっ、あの…離してくださいよ」

 

「おまけにこのサングラスもあげるよ、僕さ、妻の金勝手に使って離婚迫られて…仕事するの嫌いだから就職も出来なくてさ……金がないから借りまくって借金背負って……」

 

何故か勝手に自分の人生を話し始めたオッサン。

 

 

「いや、あの、別にオジサンのサングラスいらないんですけど… というか話聞くつもりもな」

 

「本当にありがとうお嬢さんっ! これで1日また生き延びれるよっ!!」

 

オッサンは嬉しそうに笑みながらフェイトに袋とサングラスを渡す。

 

「いや、押し売りされただけなんですけどね………というかサングラス…」

 

「お嬢さん泣いてたけど大丈夫っ、きっと君にはこれから良いことがあるよっ!」

 

 

(オジサンに言われてもなぁ……)

 

 

 

「あ、あの…オジサン、これだけは言いますけど、ああいう売り方はしない方がいいと思います。いつか捕まりますよ、絶対。

それじゃあ、さようなら」

 

フェイトはジト目でオッサンを見ながら言うと、歩いて行く。

 

 

 

「今日はなんか変わった子だったなぁ…」

 

オッサンはリュックを背負い、やりきったぞという表情をし、歩き出そうとすると

 

 

「見つけたぞっ!」

 

「ストーカー行為、万引き容疑で逮捕するっ!!」

 

オッサンは男性数人に取り押さえられる。

 

 

「えっ…えぇぇ〜…っ……」

 

オッサンは弱々しい声でそう言うと、男性達に連れていかれた。

 

 

 

 

「何でこんな目にあわなきゃいけないの……早くユーノの部屋に帰ってなのはに慰めてもらおう……あっ!!今なのはとユーノ二人きりっ!!

しまったっ…というか……絶対目腫れてるよね…」

 

フェイトは片手に持っているサングラスを見る。

 

「………一応かけるか…」

 

 

フェイトはサングラスをかけるとフランスパンを袋から取り出し、食べる。

 

「………………」バリッ バリッ

 

 

 

「案外……美味しいかも…」バリッ バリッ

 

 

「それに…そんなに固くないし……」バリッ バリッ

 

 

フェイトはオッサンのようにフランスパンを食べながら、なんだかんだユーノの部屋へと向かっていった。

 

 

―――――――――――――――――

 

 

 

 

「ということで……歩いてたらいきなり変なオジサンに話しかけられて、逃げたら追いかけられて…フランスパンを押し売りされて……怖かったよなのはぁ〜っ」

 

フェイトは泣きながらなのはの胸に顔を埋める。

 

※一部自分にいいように内容を変えてフェイトはなのはとユーノに伝えてます。

 

 

「そ、それは怖かったねフェイトちゃん…よしよし…」

 

なのははフェイトの頭を撫でる。

 

(なのはの胸っ、なのはに撫でられてるっ、見るがいい、見るがいいぞユーノっ!フハハハッ!!)

 

フェイトは内心で高笑いしながらなのはの胸にフニフニと顔を暫く埋めていた。

 

「にしても3つで5000円って特なのか損なのか…素材がいいからって…」

 

フェイトの心配よりそこなのかユーノ。

 

 

 

「あっ、お粥っ! ユーノくんのお粥っ!温め直さなきゃっ!」

 

なのははハッとユーノにお粥を作っていた事を思いだし、慌ててフェイトから離れるとキッチンへ向かった。

 

 

「あっ、なのはぁ…っ……チッ…」

 

なのはが自分から離れ、俯くと小さく舌打ちをするフェイト。

 

 

「ねえユーノ、フランスパンいる?」

 

玄関に投げ捨てたフランスパンを指さしながら言うフェイト。

 

「いや、流石に投げ捨てられたフランスパンはちょっと……」

 

「そっか…いらないからユーノに押し付けようと思ったのに……チッ…」

 

フェイトは小さな声でボソッと呟くと小さくまた舌打ちをする。

 

「フェイト、心の声漏れてる」

 

 

「ん?あっ、そうだった、お粥で思い出したっ!」

(そうっ! ユーノに…フフフッ……私も看病してあげるって言ってたんだった…♪)

 

フェイトはニヤリとにやついた。

 

 

 

「ねえ…フェイト、いまさらなんだけどさ、サングラス…外さないの?」

 

 

「あ」

 

フェイトはサングラスを外すと

 

 

 

投げ捨てた。

 

 

「ちょっ! ここ僕の部屋なんだけどっ!?」

 

「サングラスあげるよ」バリッ バリッ

 

フェイトは座るとフランスパンを再び食べ始めた。

 

「いやっ、今投げたから完全に壊れてるよねっ!?というかいらないよっ!!」

 

「じゃあ捨てておいて?」バリッ バリッ

 

「自分で捨ててくれよっ!! フランスパンもサングラスも投げ捨ててさっ!!」

 

「あんまり叫ぶとなのはが心配するし、熱が出るよ〜」バリッ バリッ

 

フェイトは真顔でそう言いながらフランスパンを食べ続ける。

 

「誰のせいでっ…」

 

ユーノが段々とイライラとしはじめていると

 

 

「お待たせ〜、お粥温まったよ〜って、どうしたの?」

 

「別に何でもないよ、なのは。 お粥美味しそうだね〜、今度私が風邪引いたら作ってくれない?」

 

「あはは、いいよ♪ でも風邪ひくのはいいことじゃないからね?

ユーノくん、お粥出来たから食べて?」

 

 

「あ、うん、ありがとう、なのは。」

 

お椀にお粥を注ぐなのは。

そんななのはを目を光らせて見るフェイト。

 

そして、そんな二人に振り回されるユーノ。

 

 

なのはさんの看病、まだ後もう少し続きます。

 






はい、えー……フェイトをはっちゃけさせ過ぎましたゴメンナサイm(__)m


もはや別人ですね、すみません(汗)



あ、フェイトがハゲッって言ったのを書いて後々思ったんですけど、別に例の豊○議員を意識したわけではありません(汗)


では、良ければ次回も読んでいただけたら…嬉しいです(ペコリ



不定期で投稿するつもりでしたがこのままいけばなんとか完結させれそうな予感…



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全力全開の看病〈5〉〜間接キスなの〜



【一応注意書きです】


※今回、フェイトの妄想がちょっと過激とまではいきませんがちょっとアレです。
いや、そこまで言うほどではないかもしれませんが一応…(汗)


※ユーなの要素多めです。

※ご指摘により、全話少し編集しました!m(__)mありがとうございます




もはや看病よりフェイトがメインになっ……


あ、更新遅れましたすみません…(汗)

昨日続きを書いてたのですが保存し忘れてしまい…


そうでした! まさかのUA2000突破ですっ!!

好き嫌いが激しく別れそうな話だと思うので本当にびっくりしました(汗)
ありがとうございます!!



では、どうぞご覧下さいm(__)m




――――――――――――――

 

 

「ふぅ…ふぅ……はい、ユーノくんあーん」

 

なのははスプーンでお粥を掬い、息を優しく吹き掛けるとユーノの口へ運ぶ。

 

「えぇっ!? い、いいよ別にっ、自分で食べるからっ」

 

ユーノは顔を赤くしながら言う。

 

「ユーノくんは風邪ひいてるんだから、こういう時ぐらい甘えてもいいんだよ?

はい、あーん」

 

「えぇぇ…っ……うぅっ…あ、あーん……」

 

「どう? 味は丁度いいかな?」

 

「う、うん……丁度いいよ…」

 

 

甘い空気をフワフワと作るなのはとユーノ。

 

そんな二人を、フェイトはキラリと目を光らせて見ていた。

 

 

「なのは、ユーノにお粥食べさせるのは私がするよ」

 

「えっ? いや、いいよ、私がするから」

 

「私もユーノの看病したいの、だからお願いっ!」

 

「う、うーん…… まあ、フェイトちゃんが言うなら……はい、ユーノくんに食べさせてあげてね」

 

「えっ、ちょっ、なのっ」

 

ユーノは先ほどまで赤かった顔を戻し、なのはを止めようとする

 

 

「いっ!!」

 

フェイトになのはから見えないよう脚をつねられた。

 

「うん、任せて、なのは」

 

フェイトはにっこりとなのはに向かって笑むと、ユーノに向かっても笑んだ。

 

なのははお椀とスプーンをフェイトに渡すと立ち上がり、洗面器を片付けたり、投げ捨てられたサングラスとフランスパンを片付けたりとし始めた。

 

 

 

※これより、二人は暫くなのはに聞こえないよう念話でほとんど会話します。(念話の場合は「」が《》になります)

 

 

《フェイト…っ…》

 

《甘いよユーノ……なのはにあーんなんてさせてたまるかっ!

いつどんな時でもなのはにあんあん言わせていいのは私なんだよっ!》

 

《それ違う意味のだろっ!! あんあんなんて僕はなのはに言わせてないよっ!》

 

《私がいない間なにしてたの? もしなのはにあんなことやこんな事をしてなのはにハメてたりしたら…っ……なのはをベッドの上であんあんなんて言わせたりしたらっ……この熱々のお粥をかけるからね》

 

フェイトはスプーンでお粥が入った鍋を指しながら念話で言う。

 

《そんなことしないよっ!!》

 

ユーノはフェイトの発言に、ふとベッドの上で乱れるなのはを想像してしまい、顔を真っ赤にする。

 

《あっ! 真っ赤になった! 顔を真っ赤にして何考えたのこの淫獣っ!!》

 

《ち、違うっ! そのっ、僕だって年頃なんだしそういう事を考えちゃうことだってあ》

 

《じゃあ、今想像したんでしょっ、このエロ淫獣っ!!》

 

《なっ! ふぇ、フェイトだってどうせそんな事ばかり考えてるんだろっ!?

僕はフェイトより全然マシだよっ!》

 

《考えるに決まってるよっ! せめて想像しないと生きていけないし、せめて妄想の中でくらいなのはを抱きたいよっ!!》

 

※未成年の会話です←

 

 

《今日だってっ、今日だって妄想通りなのはを快楽に堕ちさせるつもりだったのにユーノが邪魔するからっ!!》

 

《邪魔って! 阻止するに決まってるだろっ!》

 

《本当はっ、本当は今ごろこうなってっ…》

 

フェイトは静かに涙を流しながら妄想する。

 

 

 

 

――――フェイトの妄想にお付き合いください――――

 

 

『あっ、やぁっ、フェイトちゃっ、そこはぁっ、そこは舐めないでっ、あぁんっ』

 

『本当は舐めてほしいんでしょ? なのは凄い濡れてるね、そんなに大きい声出したらユーノが起きちゃうよ?』

 

『ごめっ、ごめんなさっ、声ちっちゃくするからぁっ、だからもっとして…っ…もっと私のここ舐めてぇ…っ…お願い…フェイトちゃん…っ』

 

 

――――――――――――――

 

※ユーノへはフェイトが一人二役をして伝えました。←

 

 

《ふぇ、フェイトっ!!》

 

ユーノはフェイトの妄想の話に顔を更に真っ赤にする。

 

《フフフッ…♪ あ、鼻血がまた出そう》

 

フェイトは慌てて鼻を押さえた。

 

 

《君はいつもこんな妄想を?》

 

ひきつった表情をしてフェイトを見るユーノ。

 

《当たり前でしょ? さ、じゃあ取り合えずお粥食べようかユーノ》

 

《いや、自分で食べるよ…》

 

ユーノはフェイトからスプーンを取ろうとする。

 

 

《真面目そうな顔して夜はなのはの事ばっかり…ううん、24時間ずっとなのはにHなことばっかりする妄想してるんでしょっ!!》

 

《それフェイトの事だよねっ!?》

 

《つべこべ言うんじゃないよユーノっ! 取り合えず熱いお粥をくらえぇっ!!!!》

 

フェイトはお椀に注いだお粥ではなく、熱々の鍋からスプーンでお粥を掬うとニヤリと笑う。

 

「ちょっ! フェイトまっ」

 

フェイトはユーノが口を開いたのを一瞬を狙い、スプーンを入れ込んだ。

 

 

「あっっっつっ!!!!!!!!」

 

ユーノは噎せながらなのはが先ほど水を注いで置いてくれたコップに手を伸ばすが、コップがない。

 

 

すると

 

 

「ぷはっ」

 

フェイトは満面の笑みでそのコップの水を飲み干していた。

 

(やられたっ!!!)

 

ユーノは慌ててなにか冷たいものがないか探すと、丁度テーブルにペットボトルのお茶があった為、それに手を伸ばした。

 

 

「あっ、それっ!!」

 

フェイトが顔色を変えて叫ぶと

 

その時にはユーノはキャップを開け、お茶をグビグビと飲んでいた。

 

 

「はっ、助かったっ………〜っ……!!

フェイトっ!!火傷したじゃないかっ!」

 

ユーノはペットボトル握ったままキレ気味に言う。

 

「ゆ、ユーノ…それ…っ……」

 

フェイトはプルプルと体を震わせ、顔を俯ける。

 

「なに? というかこのお茶…いつ買ったやつかな……昨日買ったっけ…?」

 

ユーノはフェイトの様子を見て首を傾げ、ふとこのお茶を買ったのか考え始めるが、どうも記憶にない。

 

 

「ユーノくーん、このタオルなんだけどつかっ………なにしてるの…?ユーノくん……」

 

「あ、なのは…別になにもしてないよ?」

「それ……」

 

なのははユーノが握っているペットボトルのキャップが開いている事に気づき、頬を染める。

 

 

「なのは?」

 

「それ…飲んだの…?」

 

「うん」

 

 

「………私の…お茶なんだけど…」

 

「………………はい?」

 

幻聴か、そうかそうか。

取り合えずもう一度聞こう、ユーノはとんでもない言葉がなのはの口から聞こえてきた為、聞き直す。

 

「だ、だから、それっ、私のお茶っ…」

 

なのはは恥ずかしそうにもう一度言う。

 

「えっ………えぇえええええっ!?!!!!」

 

ユーノは一瞬で顔を真っ赤にして叫ぶと、ペットボトルをテーブルに勢いよく置いた。

 

「あはは……」

 

なのはは頬を染めたまま恥ずかしそうに苦笑すると、手に握っていたタオルで口元を隠す。

 

 

「………グスッ………」

 

フェイトは体を震わせながら無言で泣いてい

 

(なのはと間接キス……なのはと間接…なのはと……なのはとぉ…っ………あの淫獣…っ…)

 

フェイトは大量に涙流してユーノを睨む。

 

 

「ご、ごご、ごめんなのはっ!! なのはのだったなんて知らなかったからっ!!!」

 

ユーノは顔を真っ赤にしたまま頭を抱える。

 

 

「あ、その……別に気にしないから大丈夫…だよっ………あはは…間接キスだね……って、私なに言ってるんだろっ! はは…っ…」

 

なのはは顔を赤くして苦笑する。

 

(そんなこと言われたら余計に意識するじゃないかなのはぁっ!!!)

 

顔を真っ赤にして内心で叫ぶユーノ。

 

 

 

「なのはっ、間接キスぐらい気にしちゃダメだよっ! 私達だってしたことあるし、ねっ?」

 

フェイトは顔を赤くしているなのはに向かって言う。

 

「えっ、あ、う、うん? そ、そうだね…?」

(あれ?女の子同士でもカウントされるんだ?)

 

なのはは不思議に思いながらも苦笑し、頷いた。

 

 

(ユーなのフラグが立つなら私がへし折るだけっ……このままじゃまたフラグが立つかもしれない…それだけは阻止っ!!)

 

フェイトはなにか策はないかと考える。

 

 

(あ……体温計……………)

 

フェイトは暫く体温計を見つめ、ニヤリとにやついた。

 

 

そんなフェイトには気づかないなのはとユーノ。

 

「えと、ユーノくん、食欲はどう? あんまり食べてないみたいだから…」

 

なのははフェイトの隣に座ると、コップに水を注ぎ、ユーノの前に置く。

 

「あ、いや、食欲はあるよ。 えっと…熱いからなかなか食べれなくて…」

 

なんとなく誤魔化すユーノ。

取り合えずフェイトに熱いお粥を無理矢理口に入れられた事は黙っておく。

 

「ごめんね、温め過ぎたみたいだね……って、フェイトちゃんユーノくんに食べさせてあげるんじゃなかったの?」

 

 

 

「……………………」

 

フェイトは無言でなのはに背を向け、なにかをしている。

 

「フェイトちゃん?」

 

「ごめんなのは、ユーノに食べさせてあげて」

 

「え?」

 

「ちょっと…今出来なくて」

 

「あ、わ、わかった」

 

なのはは何してるんだろう?と気になったが何も聞かず、お碗とスプーンを手に取るとお粥を掬う。

 

 

「ふぅ…ふぅ……はい、ユーノくん、あーん」

 

「あ、あーん……」

 

「どう? 熱いかな?」

 

「ううん、丁度いいよ、ありがとう、なのは」

 

ユーノは頬を染めながらなのはに向かって微笑んだ。

 

「じゃあもっと食べよう?」

 

「うん」

 

「はい、あーん」

 

「あーん……」

 

なのはとユーノが甘々な空気を作っていると

 

 

ヤツが動き出した。←

 

 

 

 

「ゲホッ、ゲホ…ッ!」

 

何処からか咳き込む声がした。

この部屋にはなのは、フェイト、ユーノの3人しかいない。

 

ユーノはお粥を食べており、なのはは咳などしていない。

 

だとすれば

 

 

「フェイトちゃん大丈夫?」

 

なのははお碗とスプーンをテーブルに置き、フェイトのもとへ向かうと背中を摩る。

 

「えっ」

 

ユーノは顔をひきつらせてフェイトを見る。

 

 

 

 

「なのは………なんかちょっと頭がボーッとするから熱測ろうとしたんだけど…体温計、壊れてるみたい……ケホッ…」

 

フェイトは体温計をなのはに渡す。

 

「フェイトちゃんも風邪引いちゃったかなぁ…体温計さっきまで大丈夫だったのに……あ、本当だ、つかない」

 

なのはは体温計のスイッチを入れようとするが、つかない。

 

「熱があるかなと思って測ろうとしたけど…これじゃ測れないよ……あ、そうだ…なのは、さっきユーノにしてたみたいにおでこで測ってくれない…?」

 

「あ、そうだね、じゃあフェイトちゃん、ちょっとこっち向いて?」

 

「うん」

 

フェイトは頬を染めながら顔を上げると、なのはを見つめる。

 

 

 

 

 

 

「ちょっ、ちょっと待ってよっ! フェイトさっきまで元気だったのにいきなりっ…」

(明らかにおかしい…っ…さっきなにかしてたみたいだしっ……あんなに元気だったのにいきなり弱るなんておかしいよっ!)

 

 

「ケホッ、ケホッ…本当は朝からちょっと喉が痛くて…っ…ユーノの看病をしに来たのにごめんね…ユーノ……」

 

フェイトは風邪アピールをし、ユーノに謝る

 

 

が、ユーノは見た。

 

一瞬ユーノへ向かってフェイトがにやついたのを。

 

 

 

「風邪気味だったんなら言ってくれたら良かったのに……寒いし悪化しちゃうよ…ほら、フェイトちゃんこっち向いて」

 

「うん」

 

なのはは額をフェイトの額にあてる。

 

 

「んー……熱はなさそうだけど…」

 

(なのはの顔が目の前に…なのはの可愛い唇が目の前にぃぃ…っ……可愛いっ、ダメっ、鼻血出したらアウト…っ! あぁあああ…っ…その可愛い唇を奪ってあげたい……押し倒したいっ……)

 

フェイトは段々と顔を赤くし、心拍が上昇する。

 

フェイトがまたまた脳内でなのはにあんなことやこんなことをする妄想をしている事を知らないなのは。

 

「あれ、フェイトちゃん顔が赤く……熱があるのかな…体も熱いね」

 

なのははフェイトの首に触れながら言う。

 

「そうだね…あるかも……」

(なのはが私の首を触って…っ……なのはになら服を脱がされても……触れられたら体が火照ってきた…)

 

脳内でムフフと笑いながら妄想するフェイト。

なのはに触れられ、興奮したのか体が火照り顔が更に染まる。

 

 

「わっ、フェイトちゃん体が凄い熱いよっ! た、大変っ、どうしよう…っ…フェイトちゃん、取り合えずソファーに横になろう?」

 

「…うん…」

 

フェイトはなのはに支えられながら立ち上がり、ソファーへ向かう。

 

 

 

「えっ、ちょっ! なのはっ!」

 

「ごめんね、ユーノくん、お粥…食べててくれないかな?

フェイトちゃんも熱出しちゃったみたいで……」

 

なのははソファーにフェイトを寝せると苦笑し、水に浸したタオルをしぼるとフェイトの額に乗せる。

 

 

 

「わ、わかった……けど…その……なのはもあまり無理しないでね、僕は今のところ熱下がってるし」

(熱が下がってる間は起きておこう…フェイトがなのはになにするかわからないし)

 

ユーノはお碗とスプーンを手に取り、なのはとフェイトを見ながらお粥を食べ始める。

 

 

「うん、ありがとう、ユーノくん。 私は平気だから安心して? あ、毛布借りるね」

 

なのははユーノが使っていない畳まれた毛布を抱えると広げ、フェイトにかける。

 

 

(ユーノの毛布っ!? ちょっとまっ、私はなのはの体で温めてもらおうとっ!

というかユーノは早くお粥食べて寝ろよっ!!!)

 

フェイトはユーノの毛布をかけられ、ひきつった表情をする。

 

「フェイトちゃん、寒かったら言ってね? 掛け布団も借りるから…」

 

なのはは心配そうにフェイトを見ると、フェイトの手を握る。

 

「う、うん…ありがとう、なのは……」

(あぁあああっ……可愛いっ、なのはが可愛すぎて辛いっ、何でこんなに可愛いのっ…大丈夫だよなのは、今はなのはのお陰で体が火照ってるから熱いくらいだよ)

 

「でも困ったなぁ……フェイトちゃんがこの調子じゃ帰れないよね…

一応泊まる準備はしてきたんだけど…」

 

 

なのはの発言にお粥を吹き出すユーノと

 

思わず呼吸が止まるフェイト。

 

 

「えっ、ちょっ、ユーノくん大丈夫っ!?」

 

 

「だ、だだ、大丈夫っ、平気平気っ」

 

苦笑しながら言うユーノの手はカタカタと震えていた。

 

(なのはが泊まる…なのはが泊まるっ!?)

 

ボンッと音が鳴るのではないかと思うほど真っ赤になるユーノ。

 

 

 

一方…

 

 

「な、ななな、なのっ、なっ、なのはっ!」

 

なのはの名前がなかなか言えず、やっとの思いで名を呼ぶフェイト。

動揺し過ぎである。

 

「なに? どうしたのフェイトちゃん」

 

 

「泊まるのっ!? ユーノの部屋に泊まるのっ!?」

 

「えと……出来れば泊まりたいなって…ユーノくん無茶しそうだし…

取り合えず、フェイトちゃんは後でアルフさんに迎え」

 

「大丈夫っ!!! なのはが泊まるなら私も泊まるっ!!」

(ユーノと一夜を過ごさせるわけにはいかないっ……ユーノだって男っ、夜変貌してなのはをバインドで縛ってなのはにあんなことやこんなことをするかもしれないっ!! ユーノに犯されながら泣くなのは…っ……あ、鼻血出そう)

 

フェイトは自然と妄想モードに入り、慌てて現実に戻ると鼻を押さえる。

 

 

「えっ、フェイトちゃんも?」

 

「うん、なのはに看病してもらいたいし……なのはとユーノが二人きりなのは心配だし…」

 

「あはは、やだなぁフェイトちゃん、ユーノくんと二人きりになるからって風邪移るとは限らないよ?」

 

苦笑しながら言うなのは。

フェイトの言葉の意味を全くわかっていない。

 

 

「そ、そうだけどね……あはは…」

(意味が違うっ、意味が違うんだよなのはっ…)

 

フェイトは内心でシクシクと泣いていると

 

 

「じゃあ、ユーノくん、今日は泊まらせてもらうね」

 

もはやユーノの許可を貰う気無し。

 

 

「あの…僕男なんだけど…」

 

「そんなの前から知ってるよ? なにいってるのユーノくん」

 

「あー……うん…ごめん……」

(わかっていない、意味をわかっていないよなのは………まあ、そんなことしないけどね)

 

笑みながら言うなのはに苦笑するユーノ。

 

 

 

「よし、じゃあ夜ご飯はどうしようかなぁ………ユーノくん家の冷蔵庫飲み物ぐらいしか入ってなかったから後で買い物に行かないと」

 

 

「なのは、私お粥がいい。 あ、卵入りで」

 

「あ、うん、わかった」

 

 

「僕もお粥でいいよ、風邪引いてるから丁度いいし」

 

「ユーノくんもお粥ね、わかった」

 

なのははメモ用紙に材料を書くとポケットに入れる。

 

 

「もうすぐ1時かぁ…3時頃に買い物に行こうかな」

 

 

 

(3時頃……なのはは買い物に…ユーノと二人きり………なのはが帰ってこないとかそんなオチないよねっ!?)

 

フェイトはユーノと二人きり、を考えて顔をしかめる。

 

 

(なのはが買い物に行ってる間、フェイトと二人きりか………はぁ…)

 

ユーノもフェイトと二人きり、を考えてため息を内心で吐く。

 

 

 

「よし、じゃあ今日は泊まり込みでユーノくんの看病と、フェイトちゃんの看病をするからねっ」

 

 

「うん、お願い……ケホッ…」

 

フェイトはわざとらしい咳をしながら言う。

 

 

「お粥ごちそうさまでした。 あはは、明日には治るよう頑張るよ」

(夜が不安で仕方ない……)

 

苦笑しながら言うユーノ。

 

 

 

まだまだフェイトの暴走となのはの行動にユーノは振り回されるようだ。

 

 

 

―――――――――――――

 

 

なのはさんの全力全開の看病、もう少し続きます。

 






5話をご覧頂きありがとうございますm(__)m


まさかの5話まで続きました(汗)

最初は3話か4話で終わらせるつもりだったのですがまだもう少し続きそうですm(__)m



ユーノ→なのは←フェイトが好きで何となく書いてみたのですが…
上手く出来てるかはわかりませんがもう少し頑張って続きを書いていきます!


良ければ次話も見ていただけたら嬉しいです…(ペコリ



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全力全開の看病〈6〉〜泊まり掛けの看病なの〜



【一応注意書きです】


※キャラ崩壊が非常に酷いです、特にフェイト。

別にフェイトが嫌いなわけじゃないですからね?(汗)

フェイトもなのはもユーノもレイハさんも好きですから。

※フェイトの口調が所々かわります。


あれ、フェイトの注意書きしか書いてない…(汗)



ということで、やっと更新出来ました!6話ですよ…
書くたびにヒィヒィ言ってます←

そして前回UA2000突破したばかりなのにもう2600っ、本当にありがとうございます!m(__)m

皆さんナース服のなのはさんが好きなんですね、なるほど……(冗談)



あ、では、ご覧下さい…(ペコリ


―――――――――――――――

 

 

 

「フェイトちゃん、体調はどう?」

 

「うん、大丈夫…さっきよりは楽だよ」

 

 

あれから1時間、時刻は約2時。

 

 

 

 

「良かった、じゃあちょっとユーノくんのところに行ってくるね」

 

なのははフェイトの頭を優しく撫でるとソファーから離れ、ユーノが寝ているベッドへ向かう。

 

「あっ、なのは…っ……」

(ユーノまだ寝てないのっ!? 風邪ひいてるのに何で寝ないのっ!?)

 

フェイトはなのはに手を伸ばすが、なのははユーノのもとへ行ってしまった。

 

 

 

「ユーノくん、体調はどう?」

 

なのはは洗面器の水に浸したタオルをしぼり、ユーノの額に乗せる。

 

「うん、大丈夫だよ」

 

「なら良いんだけど……ユーノくん、汗かいてない?体とか拭かなくて大丈夫?」

 

「えぇっ!? だ、大丈夫だよっ、平気だからっ!」

 

なのはの発言に顔を赤くするユーノ。

 

「そう? わかった」

 

なのははそう言うと座り、ユーノを見つめる。

 

「なんか改めて考えるとこうして3人で過ごすのって久しぶりじゃない?

特にユーノくんは無限書庫が忙しいから…」

 

「あはは、そうだね……本当に…なのはと一緒にこうやって過ごすのは久しぶりだね、最近は通信でたまに話するくらいだし」

 

頬を染めてなのはを見つめるユーノ。

なのはもまた、優しげな瞳でユーノを見つめている。

 

 

 

 

 

《私がいるの忘れてる? おーい、フェイトがいるの忘れてませんかー? いつまでなのはと話してるの、私はもうとっくに体の熱が冷めてるんだけどなー、なのはに温めてもらわないと寒いんだけどなー》

 

 

なのはと話をしていると念話でフェイトが話しかけてくる。

 

 

 

(うるさい……取り合えず無視しよう。 少しくらいなのはと話したいし)

 

ユーノは表情をひきつらせるとフェイトの声を完全に無視する。

 

 

《無視っ!? 無視する気なのっ!? ユーノっ! 人の話聞いてるっ!? 淫獣っ! 眼鏡ーっ!!》

 

ひたすら念話で叫ぶフェイト。

 

 

 

(眼鏡って……あ、無視無視…なのはに集中集中……)

 

 

「コホンッ」

 

ユーノは咳払いをする。

 

「ユーノくん大丈夫?」

 

「あ、平気だよ」

 

「咳止めの薬あるけど飲む?」

 

「ああ、大丈夫だよ、咳はそんなに出ないから」

 

「ユーノくんがそう言うなら…別にいいけど……咳が酷くなったら飲んでね?」

 

「うん。 ねえなのは、眠れないから少し話相手になってくれない?」

 

「いいけど、寝ないとダメだよ?」

 

「わかってるよ、少しだけだから」

 

「うん、じゃあ少しだけ」

 

「じゃあ………えっと…」

 

なのはと話をしたい、そう思っていたのだがなにを話そうかと悩むユーノ。

5年も思いを寄せている思い人が自分を見つめている、ユーノは気恥ずかしさから視線をそらした。

 

 

「ユーノくん?」

 

「あ……ごめん…えっと…」

 

なにを話そうか、なにを話せばいいのか、思いつかない、どうしようかとユーノが思っていると

 

 

「あっ、そうそう! この前ね、アリサちゃんとすずかちゃん、私とフェイトちゃんで動物園に行ったんだけど、その動物園にフェレットがいたのっ!」

 

嬉しそうにスマホをユーノに見せるなのは。

 

スマホにはなのはが撮影した可愛らしいフェレットが写っている。

 

 

「フェレット? 可愛いね」

 

「ユーノくんにそっくりでしょ? なんかフェレットモードの頃のユーノくん思い出しちゃって楽しかったよ」

 

「あはは、フェレットモードか…懐かしいね」

 

「そうだね〜……ユーノくん、今度久しぶりにフェレットモードになってみてよ、久しぶりに見たいな〜フェレットユーノくん」

 

嬉しそうに笑みながら言うなのは。

 

「えぇっ!? いや、変身魔法最近使わないから上手く出来るかわからないし…」

(フェレットモードになったらなのはに揉みくちゃにされそうだし……まあ…悪くはないけど……ってなにいってるんだ僕は…)

 

なのはの発言と自分に苦笑するユーノ。

 

 

「えー? ユーノくんなら余裕で出来るよ〜」

 

「あはは…まあ、いつかするって事で…」

 

苦笑しながら誤魔化すようにユーノが言っていると

 

 

 

「ゲホッ、ゴホッ!」

 

咳き込む声が聞こえた。

 

 

「あっ、フェイトちゃん!」

 

なのはは慌ててフェイトのもとへ駆け寄る。

 

「な、なのは……ごめん、ユーノと話てたのに…」

 

「気にしないで、咳止めの薬あげるから飲んで?」

 

なのははフェイトに咳止めの錠剤を渡す。

 

 

「あ、ありがとう……」

(風邪ひいてないのに咳止めか………演技の咳し過ぎて喉が痛い…)

 

フェイトは起き上がると錠剤を見る。

 

「はい、お水」

 

なのははコップに水を注ぎ、フェイトに渡す。

 

「うん…ありがとう、なのは」

 

「これで咳が止まると良いんだけど…」

 

「そ、そうだね…」

 

 

 

 

《フェイト、風邪引いてないんだろう? 薬飲んで大丈夫なの?》

 

ユーノが念話でフェイトに話かける。

 

《薬くらい大丈夫だよ、それよりも……ユーノ…もしフェレットモードになってなのはの服の中に入り込んだりし》

 

《しないしないっ! そんなことしないからねっ!?》

 

《もししたらっ》

 

《だからしないってばっ!!》

 

ユーノが若干キレ気味で叫ぶと

 

 

「2時30分過ぎたかぁ……そろそろお買い物に行こうかな」

 

なのはが時計を見て言うと

 

 

「え、もう行くの…?」

 

ユーノがベッドから起き上がり、言う。

 

「うん、早めに行って帰って来ようと思って、ってユーノくんちゃんと寝てないとダメだよ」

 

「そっか…あ、大丈夫だよ、寝るから。 で、なのは」

 

「なに?」

 

「あのさ…その格好で行くの?」

 

ユーノは頬を少し染め、苦笑しながら言う。

 

「あっ、そうだね、流石にこの格好じゃ行けないや」

 

なのははバッグから服を取り出す。

 

「えっと、脱衣所で着替えるといいよ」

 

ユーノは顔を赤くしながら脱衣所を指さす。

 

「うん、ありがとうユーノくん」

 

なのはは服を持って脱衣所へ向かった。

 

 

 

(何も考えるなっ……なのはが着替えてるからってこんなに緊張する必要はないだろ僕…っ!)

 

ユーノは着替え中のなのはを想像し、顔を真っ赤にするとベッドに再び寝る。

 

 

一方

 

(なのはが着替えてる……なのはがナース服脱いで下着姿になって…なのはの可愛いブラとショーツが今そこに…っ……

あ、ヤバッ…鼻血出てきたっ…)

 

フェイトは慌てて鼻を押さえ、なのはがまだ脱衣所から出てこないのを確認すると起き上がり、ティッシュを取る。

 

 

「フェっ……フェイトなにして…」

 

ユーノはひきつった表情をしてフェイトを見る。

 

「育ち盛りの子はたまらん…」

 

ウヘヘとにやけながらティッシュを鼻につめるフェイト。

 

「なに言って……」

 

ユーノは更に表情をひきつらせ、フェイトを見る。

 

 

すると

 

 

 

「よし、着替え終わった〜」

 

なのはが脱衣所のドアを開け出てきた。

 

 

「っ!?」

 

フェイトはなのはの声がする方を振り返る。

まだ自分に気づいていない、ならば今のうちにソファーへ

と思い、フェイトは慌てて立ち上がり、ソファーへ向かう

 

 

 

 

「へぶっ!!!!」

 

フェイトはカーペットに足を躓かせ、勢いよくその場に転んだ。

 

「フェイトっ!?」

 

「フェイトちゃんっ!?」

 

なのはは慌ててフェイトに駆け寄る。

 

「ぐっ……こ、これは…別の意味で鼻血が…っ…」

 

フェイトはプルプルと体を震わせながら起き上がり、ティッシュをつめていない方から鼻血がポタリと床に落ちる。

 

「ふぇ、フェイトちゃん大丈夫っ!? 鼻血出てるよっ!! た、大変っ、取り合えずティッシュをっ」

 

なのはは慌ててフェイトにティッシュを渡す。

 

「あ、ありがとうなのは」

 

フェイトはついに両鼻にティッシュをつめた。

女子としてこれはどうなのだろうか。

 

 

「だ、大丈夫かい…? フェイト…」

(なんというか……フェイト容姿は完璧なのに…流石に年頃の女の子がそれは……)

 

ユーノは苦笑しながら言う。

 

「大丈夫、これくらい平気だよ。」

 

フェイトは立ち上がり、振り返って言うが、ティッシュをつめているせいで鼻声になっているのを聞き、なのはとユーノは苦笑する。

 

 

「フェイトちゃんおでこ赤くなってる…痛い…?」

 

「痛くないよ、大丈夫。 なのは、そのワンピース可愛いね」

 

フフフと笑みながらなのはの手をちゃっかり握るフェイト。

 

「あ、ありがとう……フェイトちゃん体調は大丈夫なの…? ちゃんと寝てないとまた熱出ちゃうよ?」

 

なのはは苦笑しながらフェイトの手を握りしめ返す。

 

 

「あっ」

 

フェイトは表情をひきつらせる。

 

 

(あはは……絶対忘れてたね、風邪ひいてる演技してたの)

 

ユーノは呆れた表情をしながらフェイトを見る。

 

 

「ゲホッ、ゴホッ、だ、大丈夫だよなのは…今は熱ないから平気、気を付けて行ってきてね、なのは…ゲホッ」

 

フェイトはわざとらしい咳をしながらふらふらとソファーへ向かい、横たわった。

 

 

「えっと……じゃあ…フェイトちゃん、ユーノくん、私はお買い物に行ってくるからちゃんと寝ててね?

なにかあったらすぐ通信か電話してよ?」

 

 

「うん」

(フェイトと二人きりか…凄く不安だ……)

 

 

「う、うん、気を付けてね、なのは…」

(鼻で息が出来ないってこんなに苦しいんだ…っ…)

 

フェイトは苦笑しながらなのはに手を振る。

 

「それじゃあ、行ってきます」

 

なのはは玄関で靴を履くとドアを開け、部屋を出た。

ドアはガチャリと音を鳴らして閉まる

 

 

のを確認すると

 

 

 

フェイトはにやついた。

 

 

「二人きりに…なったね、ユーノ……」

 

「そうだね…それじゃあおやすみ、フェイト」

 

ユーノは取り合えず眠ることにした。

瞼を閉じ、眠ろうと。

 

 

「寝させてたまるかぁああっ!!!!」

 

フェイトはガバッ!と起き上がり、目をキラーンと光らせてユーノのもとへ来ると、ユーノの掛け布団を剥ぎ取る。

 

「うわぁっ!?! ちょっ、フェイトっ!?」

 

「ユーノ……なのはをかけて真剣勝負だよっ!!」

 

フェイトはポケットからトランプを取り出し、ユーノに見せる。

 

が、全て鼻のティッシュと鼻声で台無しだ。

 

 

「いや…あのさ、僕風邪ひいてるんだけど……」

 

 

 

「大丈夫、今は熱ないでしょ? というか寧ろ私に風邪を移してくれてもいいんだよ?」

 

「いやいや、今は薬飲んだから熱がないだけで……というかなんでフェイトが大丈夫なのかを決めるんだよ…」

 

ユーノは苦笑しながら言う。

 

 

「水風呂にでも入れば風邪ひくかな……私も本当に風邪ひいてなのはに看病してもらいたい…」

 

フェイトがトランプを片手にブツブツと呟く。

 

(取り合えず寝よう、眠りさえすれば…)

 

ユーノはフェイトを見て、掛け布団を整えると瞼を閉じ、再び眠ろうとする。

 

 

「寝るなって言ってんだろうがぁああっ!!!!!!」

 

フェイトは再びユーノの掛け布団を剥ぎ取る。

 

「わぁあああっ!?! ちょっ! フェイトいい加減にっ!!」

 

「勝負はババ抜き、勝った方は…今晩なのはを独占できる券をもらえるっ!」

 

「なんだそれ……独占って…なのはは看病しに来てくれてるんだし、物じゃな」

 

「ユーノ……ユーノは男なんだよ、なのはと一晩過ごすんだよ…あんなに可愛いなのはを前にしてなにもしないなんて無理でしょ? どうせ私が寝たの確認したらなのはを襲うんでしょ!?」

 

「前から思ってたけどフェイトには僕がそんなやつに見えるのっ!?」

 

「え、だって男だし……男だし…」

 

「それだけが理由っ!?」

 

「とにかくっ!! 一戦だけ勝負っ! 負けても文句無しだからねっ!」

 

「一戦だけしたら終わりだよね? フェイトはともかく僕は風邪ひいてるし…」

 

「当たり前だよ、一戦だけの真剣勝負っ! さ、テーブルの前に座ってっ」

 

フェイトは座り、トランプをシャッフルする。

 

「フェイト、じゃあ僕からも…僕が勝ったら、なのはにはなにもしない事、襲ったり変に触ったりしない事、いい?

というか、勝った条件にしなくてもやめてほしいんだけど…」

 

ユーノはそう言いながらベッドから降り、フェイトの前に座る。

 

「いいよ、私が勝つから! というか…あんなのスキンシップだよ」

 

トランプを配りながら平然と真顔で言うフェイト。

 

「どこが!?」

 

そんなフェイトにツッコむユーノ。

 

「女子同士なんだし、スキンシップだよ」

 

「どう見てもあれはセクハラだよっ!! なのは若干嫌がってるじゃないか!」

 

「はぁ……わかってないねユーノ…嫌がってるように見せかけて内心では喜んでるんだよ、なのはは。 私の妄想ではそうだよ」

 

「それ妄想の中でだよねっ!?」

 

「風邪ひいてるとは思えないくらいのツッコみだねユーノ。 ほら、トランプ配ったよ」

 

「誰のせいでツッコんでると思ってるんだよ………まったく…」

 

ユーノはため息をつきながらトランプを見る。

 

(あ、ジョーカーいない……という事は…フェイトが持ってるのか)

 

 

(何でジョーカーが私のところにぃいいっ!?! 運がなっ……いや、表情さえ……表情さえ変えなければ大丈夫、どこにジョーカーがあるかなんてわからないはず。 一戦だけの真剣勝負…っ…)

 

 

 

(なのはの為にも…)

 

 

(なのはと私の百合ルートの為にも…)

 

 

((この勝負、負けられないっ!!!))

 

バチバチとトランプを手に見つめあって火花を散らすフェイトとユーノ。

一方的にフェイトが、だが。

 

 

 

 

 

その頃のなのはさん

 

 

「あ、野菜安いな〜…って、違う違う、自分の買い物じゃないんだし…必要な物だけ買って帰らないと」

 

ついつい野菜を手に取ろうとしたなのはは、イヤイヤと首を振り、歩き出す。

 

「卵はどこかな〜…」

 

 

「奥様聞いた〜? この近所で中年の男性が捕まったんですって。」

 

「あら、本当?」

 

「なんでも、その男性女の子や女性を見かけてはストーカーしてたんですって〜」

 

「やだぁ〜、怖いわね〜」

 

「それに、あちこちのスーパーでフランスパンを万引きしてたらしいわよ」

 

「あらぁ〜…やだわぁ、なんでフランスパンなのかしら?」

 

「怖いわよね〜、ストーカーだなんて。 フランスパンだなんて謎よね〜」

 

「本当ね〜」

 

 

 

 

(フランスパン? あれ、フランスパンって………フェイトちゃんが言ってたオジサンの事? 捕まったんだっ、良かったぁ…)

 

おば様達の話を聞いてホッとするなのは。

 

 

「って…あったあった、卵見つけた〜、えっと…次は……」

 

フェイトとユーノが寝ずに自分をかけて勝負(トランプ)をしていると知らずに買い物をしているなのは。

 

 

 

 

なのはさんの看病、

 

 

とフェイトとユーノのトランプ対決は

 

 

まだもう少し続きます。

 






6話を読んで頂き、ありがとうございました!m(__)m



書くたびに段々と迷走してきているような気も……(汗)

そして益々フェイトが変態になっていく…



変態なフェイトが好きな私は変わっているんだと思います。

では、良ければ次話も読んで頂けたら…うれしいです(ペコリ



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全力全開の看病〈7〉〜ユーノくんとフェイトちゃんのトランプ対決とお婆さんとなのはなの〜



【一応注意書です】


※キャラ崩壊酷いです

※フェイトが別人です、変態キャラです。

※ユーなの要素多目です。

※レイハさんがぶっ飛んでます。


※この話ではなのはは看病してません、ナース服着てません。



やっと更新です…

では、どうぞ…ご覧下さい…(ペコリ


―――――――――――――――

 

 

あれから15分後

 

 

 

フェイト→残り2枚

 

ユーノ→残り1枚

 

 

 

(なにこれっ!? 負けるフラグ凄い立ってるじゃんっ!! 何でユーノは1回もジョーカー引かないのっ!?)

 

フェイトはガタガタと手を震わせ、涙目になりながらユーノを睨む。

 

 

「残り1枚………フェイト、僕の勝ちだよ」

 

ユーノはそう言うと、フェイトのカードを引こうとする。

 

(右か左か……よし、右のにしよう)

 

ユーノは右のカードを掴み、引こうとする

 

 

 

 

 

「……ちょっ……ちょっとフェイト? カード、そんなに力入れてたら引けないんだけど」

(やっぱり左がジョーカーだったか!!)

 

苦笑しながらなんとかしてカードを引こうとするユーノ。

 

 

「ユーノ………それ、ジョーカーだから引かない方がいいよ」

 

ユーノから視線をそらして言うフェイト。

 

「明らかに嘘だよね、それ。 前から思ってたけどフェイト嘘つくの下手だよ」

 

真顔で言うユーノに対してガタガタと震えるフェイト。

明らかに動揺している。

 

 

「う、嘘じゃないっ! フェレットに誓えるよっ! このカードはジョーカーだよっ!!」

 

「いや、フェレットに誓ってどうするのさっ!! たとえジョーカーでもいいから引かせっ…」

 

「これはジョーカーだからぁあ…っ!!」

 

頑としてカードを引かせないフェイト。

 

 

 

「フェイトっ、いい加減に…っ!」

 

「…〜っ………だぁああああっ!!!!!」

 

フェイトは握っていたトランプを投げた。

 

「フェイトっ!?」

 

 

「まだ……まだ…っ……後一戦やるよユーノっ!!」

 

「………はい?」

 

フェイトの発言に真顔になるユーノ。

 

「ごめんごめん、私としたことが二戦するつもりが一戦だけだなんて言ってたね」

 

投げたトランプを拾い、ユーノのトランプを奪うと纏め、シャッフルをし始めるフェイト。

 

 

「いやいや、ないわ、それはないよフェイト」

 

「言い間違えただけなんだよユーノ、そんなに言わなくてよくない?」

 

冷や汗を出し、苦笑するフェイト。

 

 

「あれは言い間違いじゃないよ、どう聞いても。」

 

ジト目でフェイトを見るユーノ。

 

「うっ………じゃ、じゃあ…その……なのはの写真送ってあげるからそれで許して」

 

「何の写真?」

 

「なのはが妊娠け………じゃなかったっ、なのはが体温計持ってる…これだよ」

 

フェイトはスマホに映ったなのはの例の写真をユーノに見せる。

 

「こ、これっ…!」

(あの時見たフェイトが待ち受けにしてた写真っ!?)

 

ユーノは写真を見て顔を一気に赤くする。

 

 

「後でメールで送るっていうのでどう? 写真送ってあげるから後一戦、お願いっ!」

 

「い、いやいやっ、その…っ…」

(落ち着け、冷静に、冷静に考えろ僕っ……あ、あ、あんな写真…欲しくないって言ったら完全な嘘になるけど…っ…

あんな写真僕が持ってるの見つかったら……なのはに殺されるっ!!)

 

 

――― ユーノの想像 ――――――――

 

 

〈マスター、あの変態(ユーノ)をお仕置きしましょう。〉

 

チカチカと光る赤い球、レイジングハートがどこか嬉しそうに言う。

 

『そうだね、レイジングハート……』

 

『ちょっ、ちょっと待ってよなのはっ!! 確かに写真を持ってた僕が悪かったけどこれはっ』

 

『ユーノくんにはガッカリなのっ! 変態さんにはお仕置きなのーっ!

ディバイーンッ!!』

 

なのははレイジングハートをバスターモードにし、魔法陣を展開すると構える。

 

『ま、待ってよっ!! 本当の変態はそこにいっ』

 

ユーノはグヘヘとにやついて笑うフェイトを指さすが

 

『バスターッ!!!!!』

 

『うわぁああぁあっ!?!!!』

 

桃色の魔力光に飲み込まれた。

 

 

―――――――――――――――――

 

 

(見える…見えるよ……僕がバスターに飲み込まれたのを見てガッツポーズをとるフェイトが…っ…)

 

たとえ想像の中だとしてもガッツポーズをとるフェイトにイラッとしたユーノ。

赤かった顔がいつの間にか青くなっている。

 

 

「フェイト、写真は断るよ、僕の為にも。 仕方ない、後一戦だけならいいよ、しよう。

だけど…次で終わりだからね、いい?」

 

「OKだよユーノ、私には勝利の女神、なのはがいるからね」

 

フッと笑いながらカードを配るフェイト。

 

「今なのははいないけどね」

 

真顔でツッコむユーノ。どこか疲れているようだ。

 

「いや、私の心にいるんだよ」

 

「そうだったね、ごめん」

 

まったく感情がこもっていない返事をするユーノ。

フェイトはカードを配り終え、腕をグルグルと回して気合いをいれる。

 

「よし、なのは、私に力を貸してねっ」

 

フェイトは自分のカードを手に取り、見る。

 

 

「ファッ!?」

 

フェイトは目を見開くと顔を青くした。

 

 

(なんで……なんでお前がいるんだよぉおおっ!!!!)

 

フェイトは内心で一枚のカードを見て叫んだ。

 

 

そう、フェイトの手持ちのカードにはやつがいた

 

ジョーカーだ。

 

 

(のんきにジャグリングしやがって…っ! なにがジョーカーだよっ!! その赤い鼻とってやろうかっ!!!!)

 

内心で血涙を流すフェイト。

 

勝利の女神ことなのはは変態に力を貸さなかった。

まあ、当たり前だろう。

 

 

(フェイト、またジョーカー持ってるな……まあ、引いたとしてもまた引かせればいいんだから大丈夫か……)

 

プルプルと体を震わせ、カードを見て涙を流すフェイト。

そんなフェイトを見てユーノは苦笑した。

 

 

「よし、とにかく始めよう、ユーノっ!」

 

「うん、始めようか」

 

バチバチと火花をちらす二人。

 

 

なのはをかけたトランプ対決、第二戦が今始まる。

 

 

「あ、ちょっと待って」

 

「えっ?」

 

「は…っ……ふんっ!!」

 

フェイトは鼻に力を入れ、鼻に入れ込んでいたティッシュを飛ばした。

 

「……………………」

 

ユーノは表情が凍りつき、目が点になる。

 

「よし、じゃあ始めようかユーノ。 って…あれ、どうしたの?」

 

目を点にして硬直しているユーノに首を傾げるフェイト。

 

「あ……あはは…いや、なんでもないよ……」

 

表情を凍らせたまま言うユーノ。

 

「変なの」

 

(フェイトいつの間にそんな子になったんだ………あれは…ないわ……)

 

顔を青くしてフェイトを見るユーノ。

 

気を取り直して、なのはをかけたトランプ対決第二戦、始まります。

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

その頃のなのはさん

 

 

 

 

〈大丈夫ですかマスター〉

 

「あはは…大丈夫だよ、レイジングハート。 ちょっと痛いけど…」

 

苦笑しながら首もとを触るなのは。

首もとはうっすらと赤くなっている。

 

「でも危うく死んじゃうところだったよ……あはは…」

 

 

 

遡る事数分前

 

 

――――――――――――――――――

 

 

買い物を終えたなのははユーノの部屋へと帰っていた。

 

 

 

『どういけばえぇのかわからんわぁ〜…』

 

お婆さんが小さな地図を片手にうろうろとしていた。

 

『お婆さん、どうしたんですか?』

 

なのははお婆さんを見て駆け寄り、話しかける。

 

『あっ、お嬢さんや、助けてくれ……この公園に行きたいんだけど道がわからなくてねぇ…』

 

お婆さんはなのはに地図を渡す。

 

『ああ、この公園ならすぐ近くで………良ければ公園まで一緒に行きますよ』

 

『いいのかい? ありがとうねぇ…優しいお嬢さんだ』

 

お婆さんは嬉しそうに笑む。

 

『あ、良かったら背負いますよ、乗ってください』

 

なのはは優しく笑むと、屈む。

 

『いやいや、お嬢さんにそこまでしてもらうわけにはいかんよぉ』

 

『いえいえ、乗ってください、大丈夫ですから』

 

『……いいのかい? ごめんねぇ、ありがとう』

 

お婆さんはなのはの上に乗り、なのははお婆さんを背負うと歩き出す。

 

『重くないかい?』

 

『全然軽いですよ〜』

 

『本当にありがとうねぇ』

 

お婆さんはそう言うと、なのはの首もとに腕を回し、落ちないようにと腕に力を入れる。

 

 

『ぐっ、うぅっ、お、おはあさっ、締まってるっ締まってるっ!!!』

 

なのはは顔を青くし、苦しさに叫ぶ。

 

『なんか苦しそうだね、どうしたんだい?』

 

『腕っ、首締めてますっ、うでぇ…っ!!』

 

なんとお婆さんの腕がなのはの首を締めていた。

 

『腕? あっ、あぁあっ! ご、ごめんよお嬢さんっ! 大丈夫かい…?』

 

お婆さんはパッとなのはの首もとから腕を離す。

 

『ゲホッ、ゲホ…ッ! はっ…はぁ…っ…だ、大丈夫です……あはは…腕は肩に置いといて下さい…』

 

なのはは苦笑しながら言う。

お婆さんはなのはに言われた通り肩に腕を置く。

 

(死ぬかと思った……あはは…)

 

 

 

なのはが顔を青くしたまま歩き続けて数分後

 

 

 

『おお、ありがとうねお嬢さん、公園に着いたわ』

 

『はい、それじゃあ私はこれで』

 

なのははお婆さんをおろした後、礼をすると歩き出す。

 

『本当にありがとうねぇ〜っ!』

 

お婆さんはなのはに向かって手を振っていた。

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

「まあ、無事にお婆さんを送れて良かったよ」

 

〈そうですね〉

 

「さ、早く帰ろっ、ユーノくん達が待ってるから。

ちゃんと寝てるかな〜?」

 

〈マスター、走って帰りませんか?〉

 

「えっ、は、走るの?」

 

〈たまには走りたいです〉

 

「いや、走るのは私なんだけど……」

 

〈さぁ、行きましょうマスターっ! 風を体に感じるのですっ! 走れマスターっ!〉

 

「えっ、いや、あの…」

 

〈ゴーゴーマスターっ、走れマスターっ!!〉

 

なかなか走らないなのはに若干キレ気味に言うレイジングハート。

 

「な、なんでキレ気味なのっ? わ、わかったからっ、走るからっ、だからそんな大声で言わないでっ」

 

なのはは表情をひきつらせ、嫌々走り出す。

 

〈マスターっ、風がっ、風が気持ちいいですよっ! ヒューッ♪〉

 

「言っとくけどっ、レイジングハートは走ってないんだからね!?」

 

なのははレイジングハートに向かって叫ぶと、走ってユーノの部屋へと向かった。

 

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

 

「後残り一枚、今度も僕の勝ちだよフェイト」

 

「ぐ…っ……」

 

 

またまた

 

フェイト→残り二枚

 

ユーノ→残り一枚。

 

 

「じゃあ、引かせてもらうよ、フェイト」

 

ユーノはフェイトのカードに手を伸ばす。

 

「待ってっ!!」

 

「えっ」

 

「シャッフルを……」

 

フェイトは険しい表情をしながら二枚のカードをシャッフルする。

 

「さっ、引くがいいよユーノっ!!」

(右引け右引け右引け右引け右引け右引け右引け)

 

フェイトは内心で右引けと呪文のように言う。

 

「じゃあ…左引くね」

 

ユーノは左のカードを引こうとする。

 

「………待って」

 

フェイトが顔を俯け、言う。

 

「えっ?」

 

「シャッフルうまくできてなかったみたい、もう一回シャッフルするね」

 

フェイトは表情をひきつらせ、カードをシャッフルしようとする。

 

「ちょっ、フェイトっ! いい加減に…っ!」

 

「なのはとの一夜がかかってるんだよっ!!」

 

フェイトはそう言うとトランプを胸元に入れ込んだ。

 

「なっ!?」

 

フェイトの行動に表情をひきつらせるユーノ。

 

「あって良かった胸っ! ジョーカーは今私の胸元にあるよ、チェリーなユーノにはとれないでしょ?

さぁ、負けを認めてよユーノっ!」

 

ドヤ顔で言うフェイト。

 

「もはやトランプした意味ないじゃないかっ!!」

 

「ほら、負けを認めっ」

 

「ないよっ!!」

 

ユーノはそう言うと立ち上がり、フェイトのもとへ向かう。

 

「なっ、触るつもりかこの淫獣っ!!」

 

フェイトは殴りかかる体勢をとる。

 

「触るわけないだろっ!? 違うよ、僕はフェイトの横にある僕のスマホを取ろうとっ」

 

「ユーノのスマホっ!?」

 

フェイトは目をキラーンと光らせ、ユーノのスマホを取ろうとする。

 

「ちょっ、フェイトっ!?」

 

「ユーノのスマホぉおぉっ!!!!!」

 

フェイトはユーノのスマホを取り、ガッツポーズをする。

 

「か、返してよフェイトっ!!」

 

ユーノはフェイトが握っている自分のスマホを奪い返そうとした

 

その時、ユーノはバランスを崩してしまった。

 

やってしまいましたユーノ、

 

なんとフェイトを押し倒したような体勢になってしまった。

 

 

そしてそこへナイスタイミング?

 

 

「ただいま……はぁっ、はぁ…っ」

 

疲れたような声でドアを開け、荷物を抱えて入ってきた。

 

 

「えっ」

 

「えっ」

 

フェイトとユーノは玄関から聞こえた声に目を点にする。

 

 

「……………すみません、部屋…間違えマシタ…」

 

なのはは玄関で目の前の光景を見て表情を凍らせ、取り合えず部屋を出る。

 

「ちょっ、なのはっ!?」

 

ユーノは慌ててフェイトから離れ、玄関へ向かう。

 

「違うのなのはっ、私は別にユーノのスマホのなのはの写真を見ようとしてたわけじゃっ!!」

 

フェイトは涙目になりながら立ち上がり、玄関へ向かう。

やっぱりフェイトはなのはしか頭にない。

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

なのはさんの看病、まだもう少し続きます…

 






皆様メリークリスマスです。




この後の展開が泥沼にならないか?

安心してください、100%ないですっ!!


7話もヒィヒィ言いながら書いてました。


あ、やっとレイハさん再登場出来ましたっ!

最早別…人…?
ですが許して下さいm(__)m


そして執筆中の間にUA3000突破です!!(汗)

本当にありがとうございます!!


何でなのはナース服着てないんだよと言う方、安心してください、次話には着ます。

安心してくださいって書くと、なんかとにかく明るい○○さんみたいですね…

あ、古いか(汗)



では、良ければ次話も読んで頂けたら…嬉しいです…(ペコリ


7話を読んで頂き、ありがとうございました。


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番外編〈〜お正月〜〉
着物なのはさんの初詣〈1〉〜新年も振り回されますなの〜



皆様、明けましておめでとうございます!

※本日は1月18日。


明けましておめでとうございますとか挨拶する日じゃありませんね…(汗)

お正月はもう過ぎましたが1月ということで初詣編を書いてみました!
何で番外編か…ですか…

本編の展開に悩みに悩みまくってちょっと気晴らしに書いてみただけです(汗)

タイトルにどうしても「なの」をつけてしまう自分がいます。
タイトルに「なの」があってない(汗)



【ここで注意です!】


※この番外編では、ナースなのはさんシリーズから5〜6年後、という設定です。

※もはやナースじゃありません。

※フェイトの妄想が相変わらず変態です。

※ヴィヴィオが出ますよ〜(イェーイ

※ユーなの要素しかありません。

※キャラ崩壊が非常に酷いので苦手な方はバックしてください。

※作者はまだまだ不馴れなので下手です(すみません…)

※レイハさんの出番がありません。

※初詣編1話ではフェイトは少し大人しい?です。

※原作の世界観がまったくありません。



それでもよければ…番外編、出来悪いですが軽い気持ちで読んで頂けたら…


そしていつのまにかUA4千突破!?(汗)

ありがとうございます!!





―――――――――――――――――

 

 

あれから数年、

 

なのはとフェイトは立派な女性になっていた。

 

 

この日は新年を迎えたばかりの…

 

1月1日。

 

 

そう、この物語は恋する女性達の恋愛物語…

 

 

 

であり…そうではないかもしれません。

 

 

1月1日、この日…新年早々変態な事しか考えていない変態の中の変態、

その名もフェイト・T・ハラオウンが、この日も暴走します。

 

 

―――――――――――――――――

 

【とある神社前】

 

 

 

「「明けまして、おめでとうございます」」

 

着物を着用した女性と少女が一人の女性に向かって一礼する。

 

「うん、明けましておめでとう、なのは、ヴィヴィオ」

 

着物を着用した女性、フェイト・T・ハラオウンはそう言うと屈み、少女の頭を撫でる。

 

「エヘヘ、おめでとう、フェイトママ♪」

 

にこにこと笑みながら言う少女は高町ヴィヴィオ、高町なのはの娘である。

 

 

「はい、ヴィヴィオ、お年玉だよ」

(あぁ……いいよヴィヴィオ…もっとママって呼んでっ!

大丈夫だよ、絶対に今年こそはなのはの夫…いや、妻…、ん…? ま、まあ、ヴィヴィオの本当の親になるから。

取り合えず今年こそは、なのはと結ばれてユーなのルートをbadendにさせて私となのはははhappyendを迎えるっ! それが私の今年の目標!!)

 

※去年も同じ目標でした。

 

 

「あはは、わざわざありがとう、フェイトちゃん。 ほらヴィヴィオ、フェイトママにお礼は?」

 

ヴィヴィオと同様、にこにこと笑みながら言う女性は高町なのは。

これまでフェイトに数々のセクハラをされてきた被害者である。

 

 

「フェイトママ、ありがとう♪」

 

笑みながら言うと一礼するヴィヴィオ。

 

「いえいえ♪」

 

 

「それじゃあ、揃ったし、御詣りに行こうか」

 

ヴィヴィオの手を握り、なのはが言う。

 

「そうだね」

 

「うんっ♪ …本当は…ユーノパパもいたのになぁ……」

 

なのは達と歩きながらボソリと爆弾発言を言うヴィヴィオ。

 

そんな爆弾発言に目を点にする女性二人。

 

一人は顔を赤面に、もう一人は表情を凍らせて硬直。

 

 

(い、いいい、いいっ、いま世界が終わるような言葉が聞こえた気がするけどきっと気のせいなはず…っ…

新年早々耳がおかしいのかな? ははっ、まだ若いのに…よし、今度病院に行こう!)

 

ギギギッ…と恐る恐る首を動かし、ヴィヴィオを見るフェイト。

額には汗が浮かんでいる。

 

 

「ちょっ! ちょっとヴィヴィオっ! ぱ、ぱぱぱっ、ユーノくんをパパだなんて…っ!」

 

顔を真っ赤にして恋する乙女状態のなのは。 そんななのはを見てフェイトの瞳は死んだ。

 

「だってママ、ユーノさんが好きなんでしょ? ならユーノさんは私にとってパパだよっ」

 

エヘヘ、と頬を染めて言うヴィヴィオ。

そんなヴィヴィオの発言にフェイトの心はSLBで撃ち抜かれた。

 

 

(待って…っ…お願いだから待ってぇ…っ……爆弾投下され過ぎてわけがわからなっ………ユーノがなに? フェレットは可愛いねって? 何でなのはの顔があんなに赤いの?何でいきなり恋する乙女になってるの?

だれ…っ…誰がパパだってぇえぇっ!?!)

 

フェイトは心の中で叫び、頭に浮かぶユーノを脳内で再起不能になるまで殴っていた。

 

 

「な、なに言ってるのヴィヴィオっ、これは私の片想いなだけでっ……ユーノくんと一緒になれるかはわからないし…っ…それに私の片想いだけでユーノくんはパパになりません!」

 

「えー…?」

 

ムスッと剥れるヴィヴィオ。

 

「もう、ユーノくんの前でパパだなんて呼ばないでよ?

呼んだらどうなるか……わかるよね? 高町ヴィヴィオちゃん?」

 

ニッコリと笑みながら言うなのは。

 

「ひっ! は、はいっ! 高町ヴィヴィオっ、約束守りますっ!!」

 

なのはの笑みに顔を青くし、ガタガタと震えながら敬礼するヴィヴィオ。

 

「うん、わかったならいいよ、ヴィヴィオ」

 

「は、はは…っ…」

 

ヴィヴィオは額に汗を浮かべて苦笑する。

 

そんな二人の横で、

 

 

(パパ…っ……パパっ…いつから…いつから二人はそんな関係に…っ…

なのははいつからフェレットを好きに!? 二人はもう体を重ねた関係に!?

何でもない素振りをしてなのはにあんなことやこんなことをしたのかあの淫獣はぁあっ!!!!)

 

フェイトは唇を噛み締め、叫ぶのを堪えていた。

なのはの話など耳に入っていない。

 

 

「よし、じゃあ御詣り、行こうか、フェイトちゃ」

 

屈んだまま固まっているフェイトを見て言うなのは

 

をフェイトは立ち上がり、ガシリとなのはの肩を掴んだ。

 

 

「フェイトちゃんっ!?」

 

「フェイトママ?」

 

 

「どうして……どうして言ってくれなかったの…っ……

ユーノといつからそんな関係に!? どこまでいったの!?

まさか妊娠なんてしてないよね!?」

 

涙目になりながら叫ぶように言うフェイト。 なのはは顔を青くして回りをキョロキョロと見る。

 

 

「にんしん?」

 

ヴィヴィオは目を点にしてなのはを見る。

 

「ち、ちがっ、違うのヴィヴィオっ、落ち着いてよフェイトちゃんっ!お願いだから叫ばないでっ、ね?」

 

なのははフェイトを落ち着かせようとするが、落ち着くわけがなく。

 

 

「なんだなんだ?」

 

「なにかしら?」

 

「揉め事か?」

 

フェイトの叫び声を聞いた人々が回りに集まってきた。

 

 

「私はっ…私はずっとっ、ずっとなのはのこと…っ……私はなのはのことがっ」

 

涙で瞳を潤ませながら告白しようとするフェイトだが、上手くいくわけがない。

 

 

 

「あ、なのはっ!」

 

少し離れた場所から男性がなのはの名を呼んで走ってくる。

 

 

 

「ユーノくんっ!」

 

なのはは男性の、ユーノの声を聞くと振り向いた。

 

 

「……っ…! あのねっ、なのは、私っ」

 

ユーノの声を聞いて一瞬顔をしかめるも、勢いにのせて告げようとするフェイト。

 

「あっ、ユーノさんだっ! ユーノさーんっ!」

 

ヴィヴィオは走ってくるユーノを見て嬉しそうに笑むとユーノに向かって手をふる。

 

 

そう、なのはの名を呼んで走って来たのはフェイトの恋のライバル&なのはが想いを寄せている、というより本人達は気づいていないが両想い中のユーノ・スクライア。

 

決してフェイトの邪魔をする為に来たわけではない。

毎度毎度彼のタイミングが良いだけだ。

 

 

 

「は…ははっ……久しぶりだね…ユーノ…っ…」

(わかってた、上手くいかないことくらいわかってた。 わかってたんだ…っ…)

 

フェイトは涙をポロポロと流しながらユーノを見る。

 

 

「はっ、はぁっ…はぁ…っ……えっと…何でフェイトは泣いてるの?」

 

走って乱れた息を調えながらユーノはフェイトを見て苦笑する。

 

「別に泣いてないよ…目にゴミが入って痛いだけだよ…っ…」

 

「そうなんだ…」

(絶対嘘だな…)

 

「ね、ねえ、ユーノくん…お仕事だったんじゃなかったの…?」

 

なのはが頬を染めながら言う。

 

「あはは…ちょっと司書の皆に気使われちゃってさ。

一時間休憩貰ったから急いで来たんだよ、まあ…後40分ぐらいしかないけど…ごめん。」

 

ユーノは腕時計を見て苦笑する。

 

「ううん……休憩の間に来てくれただけでも凄く嬉しいから…ありがとう、ユーノくん。

御詣りまだしてないから一緒にしよう?」

 

「うん」

 

お互い照れながら言う二人からは甘々な雰囲気が溢れ…

 

 

フェイトはそんな二人を涙で潤んだ瞳で見つめていた。

 

「フェイトママ大丈夫?」

 

「うん、大丈夫だよ、ヴィヴィオ…っ…」

 

フェイトは優しく笑むヴィヴィオに思わず抱き締めた。

 

「えっと…よしよし♪」

 

ヴィヴィオはフェイトの頭を撫でる。

 

(ヴィヴィオがなんだか子供の頃のなのはに見える……)

 

 

 

―――――――――――――――――

 

【フェイトの妄想】

 

 

『フェイトちゃん、大好きだよ…』

 

 

『フェイトちゃーん♪』

 

 

『フェイトちゃん、一緒に…お風呂入ろ…?』

 

 

『キスしようよ〜』

 

 

『ひゃっ! もう、そんなところ触られたらっ、もっと触ってほしくなっちゃうよ…』

 

 

―――――――――――――――――

 

 

 

「…まっ…! ……ママっ…! フェイトママっ!! 鼻血っ、鼻血が出てるよっ!」

 

顔をひきつらせて言うヴィヴィオ。

 

 

「なのひゃあ〜…」

 

フェイトは完全に妄想の世界に行っている。

 

「わわっ、フェイトちゃん鼻血がっ! しっかりしてフェイトちゃん! 鼻血が着物についちゃうよっ」

 

なのははティッシュをフェイトの鼻にあてる。

 

「………ハッ! あれ、なのは? どうしたの?」

 

なのはの声を聞き、妄想の世界からフェイト・T・ハラオウン、帰還。

 

「どうしたのじゃないよっ、フェイトちゃん鼻血がっ」

 

「え、鼻血? あ、ほんとだ。」

 

「もう…まだ御詣りしてないんだから着物汚しちゃダメだよ」

 

苦笑しながら言うなのは。

 

「エヘヘ…ごめんね」

(あぁ……今までのは全部夢だったんだ。 今日は私となのはとヴィヴィオの3人で初詣に来たんだ。

そう、『3人』で…ユーノは仕事、いるはずがないんだから。)

 

ユーノはいない、そう思い込み、目の前のなのはを見て笑むフェイト。 なんとも幸せそうな表情だ。

 

 

 

「あ、3人共着物だったんだ」

 

フェイトから居ない者扱いされているユーノがフェイトの着物を見て気付き、ヴィヴィオ、なのはの順で見て言う。

 

 

(夢じゃなかった…っ…)

 

ユーノの声が聞こえ、フェイトは一瞬で真顔になった。

 

 

「もー、今気づいたんですか? それで、うちのママの着物姿っ、どうですか?」

 

なのはの後ろに立ち、なのはを立たせてクルリと一周回らせると、笑みながら言うヴィヴィオ。

 

「ちょっとヴィヴィオっ…」

 

顔を赤らめてヴィヴィオを見るなのは。

 

「なに恥ずかしがってるのママっ、折角着物着たんだし、ユーノさんにじっくり見てもらわないとっ」

 

「じっくりって…っ…」

 

なのはは顔を赤くしたままチラッとユーノを見る。

 

「えっと……うん…綺麗だよ、なのは。 似合ってる。 後で写真撮ってもいいかな…?」

 

頬をほんのりと赤く染めながら言うユーノ。

 

「あ、ありがとうっ…うん…いいよ」

 

先程よりも顔を真っ赤にし、恥ずかしさに顔を俯ける。

 

(ママが照れてるっ…)

 

ヴィヴィオはそんななのはを見てプククと口を手でおさえて笑うのを堪えていた。

モジモジと恋する乙女状態のなのはを見て不思議に思うユーノ。

そんな3人に空気扱いされているフェイトは立ち上がり、ガシリとユーノの肩を掴む。

 

「4人揃ったし御詣り、行こうか」

 

ニッコリと笑みながら言うフェイト。

声が少し震えているように聞こえるのは気のせいだろうか。

 

「あ、あの…フェイト…?」

 

ただ肩を掴んでいるように見えるがフェイトの手には力が入っており、ユーノは痛みに表情をひきつらせる。

 

「休憩の間にわざわざなのは達に会いに来てくれてありがとう、ユーノ」

 

刺があるような言い方でニッコリと笑みながら言うフェイト。

 

「えっ……あの…えっと…っ…フェイト、僕なにかし」

 

「よし、じゃあ行こう、なのは、ヴィヴィオ」

 

フェイトはヴィヴィオの手を引いて境内へ入る。

 

 

《なにかしたかって? 笑わせないでよユーノ……新年早々なのはに告白しようとしてた私の邪魔をしたのはどこの誰かな?

なんでユーノはいつも空気が読めないの!?》

 

なのは達の前では話せないため、念話でフェイトはユーノに話しかける。

 

《新年早々告白!? いや、というか別に意識してそのタイミングで来たわけじゃないしっ、空気読めないのはどっちかと言うとフェイトの方がっ》

 

《意識して来たわけじゃないとなると余計に腹立つんだけどな…っ…》

(なのはという私の女神の心を奪っておきながらっ……ユーノ…私は諦めないからね、なのはへの愛なら負けないし。

フッ、私とヴィヴィオとなのはは3人で楽しむからユーノは後ろから1人でついて来るといいよ)

 

フェイトはふと隣にいるなのはを見る

 

 

 

 

「……あ…れ…? ヴィ、ヴィヴィオ、なのはは?」

 

隣にいるはずのなのはがいなかった。

フェイトはキョロキョロと回りを見渡すが、人混みでなのはが見当たらない。

 

「ママなら多分、後ろの方にいるんじゃないかな? ユーノさんと二人きりになりたいみたいだ」

 

「なのは達のところに戻ろう、ヴィヴィオ」

 

ヴィヴィオが言いかけている途中で言うと、フェイトは真顔になった。

 

「え? フェイトママ?」

 

(着物姿のなのはを見て興奮したユーノがなのはを襲ってるかもしれないっ…

二人きりになったのを良いことに隠れてあんなことやこんなことをしてるかもっ…)

 

 

―――――――――――――――

 

【再びフェイトの妄想】

 

 

『だ、だめだよユーノくん…っ…人に見られちゃうよっ…』

 

『大丈夫だよ、ここからは見えないだろうし。 なのはの胸…柔らかいね』

 

『やっ、揉まないでっ、ひゃあんっ…!』

 

『凄い硬くなってるよ、これ』

 

『擦らないでっ、あぁんっ! はぅ…っ、それだめっ……やぁ…っ』

 

 

――――――――――――――――

 

 

 

(ユーノに着物をはだけさせられて…胸揉まれながら乳頭を指で擦られて喘ぐなのは……たまらんっ…)

 

フェイトは妄想の中のユーノに体を愛撫され、喘ぐなのはを妄想し、恒例のアレがポタリと着物に落ちる。

 

 

「フェイトママ鼻血っ! また鼻血が出てるよっ!」

 

ヴィヴィオは慌ててハンカチをフェイトに渡す。

 

「え? あっ、ほんとだっ」

 

フェイトはヴィヴィオのハンカチを鼻にあてる。

 

「フェイトママ…着物に血ついちゃってるよ……まあ、黒地だったから良かったけど…」

 

「ごめんね、ヴィヴィオ。 ハンカチは今度洗って返すね」

(たまらんって言ってる場合じゃないっ…実際になのはとユーノが体重ねてたら新年早々大問題だよ。

なのは待ってて、今助けにっ…変態淫獣から助けるからっ!!!!)

 

「別にいいよ、洗ってもらわなく」

 

「行くよヴィヴィオっ!」

 

フェイトはヴィヴィオが言いかけている途中なのを気にせずに手を引き、ヴィヴィオを引きずるように無理矢理引っ張ってなのは達のもとへ向かった。

 

「ちょっ! わっ、フェイトママっ、待ってっ、イダダッ、痛いっ、痛いよっ! フェイトママってばーっ!!!!」

 

目をグルグルと回し、尻を地面にぶつけ、痛みに涙を目に浮かべて叫ぶヴィヴィオの声はフェイトに届かなかった。

 

 

 

【その頃のなのは&ユーノ】

 

 

「フェイト達先に行っちゃったね」

 

苦笑しながらユーノはフェイト達が行った方を見て言う。

 

「そうだね…」

(フェイトちゃん……私の為にユーノくんと二人きりにしてくれたのかな…

フェイトちゃんも応援してくれてる、はやてちゃんに言われたように、恥ずかしがってばかりじゃ伝わらないもんねっ…)

 

なのはは頬をほんのりと赤く染め、深呼吸をする。

 

「じゃあ僕達も行こうか、多分フェイト達あっちで待ってるだろうし。

人多いからはぐれないようにしないと」

 

ユーノはなのはに手を差しのべる。

 

「え…?」

 

「ほら、人多いからさ、はぐれないように…手…繋いだ方が良いかなって……」

(別に意識するようなことじゃないのになんか恥ずかしくなってきた……)

 

段々と頬を赤く染めるユーノ。

思わずなのはから視線をそらした。

 

「あ…えっと……そうだね…あ、ありがとう、ユーノくん…」

 

なのはは真っ赤になった顔を見られないように顔を俯け、ユーノの手に自分の手を重ねた。

 

「うん…じゃあ行こう」

(なのはの手…あたたかいし綺麗だな…)

 

ユーノはなのはの手を握り締め、二人は境内へ入る。

 

「フェイトちゃんとヴィヴィオ、もう参拝しちゃったかな?」

 

「待ってると思うけど…どこにいるのかな…」

 

キョロキョロと回りを見渡しながらフェイトとヴィヴィオを探すユーノ。

 

(ユーノくんと二人きり……フェイトちゃんとヴィヴィオが作ってくれた時間…

ユーノくんは休憩時間を使ってわざわざ来てくれた………

…ユーノくんへの気持ちに気づいたのは数ヵ月前……でも…なんだろう、ユーノくんの事はつい最近じゃなくて…数年前から好きだったんじゃないかな……)

 

なのはは自然と優しくユーノの手を握り返し、歩みを止めた。

 

「なのは…?」

 

ユーノも歩みを止め、小さくクスッと笑むなのはを見てきょとんとする。

 

「ユーノくん……あのね…私…っ…」

(恥ずがってばかりでなかなか伝えられなかったけど……フェイトちゃんとヴィヴィオが応援してくれてる…

伝えた後がこわいけど…でも…伝えないままでいるのは嫌だから…)

 

なのはの心拍は上昇し、頬が赤く染まる。

恥ずかしさに視線をそらしたくなるが堪え、ジッとユーノを見つめる。

 

「なのは…?」

 

「わ、私ね…っ…ユーノくんのことっ……す」

 

 

 

「なのはぁっ!!!!」

 

なのはの名を呼ぶ声と共になのははガシリと誰かに肩を掴まれた。

 

 

「へ…?」

 

なのはは目を点にする。

 

 

「やっと見つけたよなのはぁっ! 良かった、何もされてないねっ、本当に良かったっ…」

 

フェイトはなのはの着物が乱れていないか確認するとにこにこと微笑む。

 

そんなフェイトとは裏腹に、なのはの頬に滴が伝う。

 

 

高町なのは、人生初の告白、親友に阻止され失敗。

 

 

 

「え…? ちょっ…ちょっとなのは…? 何で泣いてるの…?」

 

フェイトは放心状態のなのはを見て顔を青くする。

 

「な、なのは何で泣いて!?」

 

ユーノも同じくなのはを見て顔を青くした。 自分が何かしたのではないかと勘違いして。

 

 

「ち、違うのっ…ちょっと目にゴミが入っただけで…っ…別に泣いてるわけじゃないのっ…」

 

なのはは涙を拭いながら笑むが、涙が止まらない。

 

そんななのはを見て二人は更に顔を青くする。

「ゆ、ユーノっ、なのはに一体なにしたの!?」

 

原因が自分だと知らないフェイトはユーノを責める。

 

「ぼ、僕はなにもしてないよっ!! あっ…手繋いだのが嫌だったのかな!?」

 

「手?」

 

フェイトはユーノの手を見た。

おうおう、手を握り締めあっているではないか。

フェイトは真顔で二人の手を引き離した。

 

「な、なのはっ、今ユーノの手をなのはから離したからねっ! だから泣かないで、ね?」

 

フェイトはなのはの頭を撫でながらユーノをジト目で見る。

 

「ち、違うのっ…ユーノくんは悪くないの…っ…」

 

 

《ごめんね…っ…フェイトちゃんっ…折角私とユーノくんを二人きりにしてくれたのにっ…

私…なかなか勇気が出せなくて…っ…もっと早く勇気出して告白すれば良かったっ……》

 

涙を拭いながら念話でそうフェイトに言うなのは。

フェイトの心は再びSLBで撃ち抜かれた。

 

 

(え…? 告白…?誰に? あ、私に? ははは、私に告白するなら別に泣かなくても……私が時間を作った?

何の話? なのはとユーノを二人きり? 私が好んで二人きりにさせるわけがないよ。 ユーノに告白…告白するつもりだったの?新年早々!?)

 

フェイトは目を点にして必死に混乱する頭を動かしていた。

 

 

「……ハッ! あれ…って、イタタッ…お尻が痛い〜っ…もうっ、フェイトママっ!

……え…っ…………何でママ泣いてるの!?」

 

空気扱いを暫くされ、グルグルと目を回していたヴィヴィオは目を覚まし、お尻を擦りながら立ち上がると涙目のなのはを見て驚く。

 

「あはは、ちょっと目にゴミが入っちゃってね…って! ヴィヴィオ着物が汚れてるじゃないっ!」

 

そう言うとなのはは砂で汚れたヴィヴィオの着物を叩く。

 

「えっ、あ…あはは…ごめんなさい…」

 

ヴィヴィオはフェイトに引きずられ、汚れた着物を見て苦笑する。

 

「なのは、その…僕のせいでならごめん…」

 

「だから、ユーノくんはなにも悪くないよ。 気にしないで、ね?」

 

笑みながらそう言うなのは。

 

「ママ、何かあったの?」

 

「何でもないよ、気にしないで」

 

 

 

「あはは……いきなり泣いてたからビックリした…ね、フェイト」

 

苦笑しながらフェイトに言うユーノ。

 

「……そうだね」

(何で気づいてないのユーノ……なのははユーノに告白しようとして上手く告白出来なかったから泣いてたのにっ…

というか笑いながら言わないでよっ…こんなに可愛いなのはが想ってるのに気づかないのが腹がたつからっ…

あ、でも気づかれたらヤバイよっ! そうだよっ、ユーノがなのはの想いに気づいたらなのフェイルートが完全に消える!

それだけはダメっ…でもなのはがあんな風に泣くのはなんだか少し辛い…うぅっ…)

 

適当に返事をしながらそんな事を頭でグルグルと考えるフェイト。

 

 

「というか…お詣り、さっきから行こうって行ってまだ行ってないよ、ママ。

お賽銭早く投げたいよ〜っ」

 

「あっ! そうだよお詣りっ! おみくじも引かなきゃいけないし、ユーノくんの時間もあるし早く行かないとっ!」

 

「そうだね、それじゃあ行こう」

 

「フェイトちゃん、行こう?」

 

ボーッとしているフェイトに言うなのは。

 

「あっ……うん、そうだね」

 

「お賽銭投げて、お願いして、おみくじ引いた後は屋台に寄りたいな♪」

 

「おみくじかぁ…取り合えず健康でいられるかが気になるかな」

 

苦笑しながら言うユーノ。

日々書庫に隠っているため体が心配らしい。

 

「おみくじ…恋みくじ、引いてみようかな…」

 

ボソッと小さい声で呟くなのは。

 

(恋みくじ…うん、私も引いてみよう。)

 

ニヤリとにやけるフェイト。

なんだかんだで今から参拝をする4人。

 

 

 

フェイトの暴走はまだもう少し続く。

 

 

―――――――――――――――――

 






読んで頂き、ありがとうございました!



はい、本当は…本当は別作品として投稿しようかと思ったんですけど…
番外編にしちゃいました…

それにしてもなのはよりフェイトが目立ってフェイトが主人公みたいになってますね…(反省反省…


ということで、番外編、まだ後1話か2話ありますので読んで頂けたら嬉しいです。


この作品はR-18にするべきか未だに悩んでます(汗)


ではでは、次回と本編もよろしくお願いします。<(_ _*)>

更新は不定期です。


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着物なのはさんの初詣〈2〉〜今年も皆元気です、特にフェイトママは…なのっ〜


※本日1月29日。



確か私はお正月の話を書いていたはず(ガタガタ

というかナースなのはさんを書いていたはず…

まあ、そこは置いといて←


更新遅れました!1月終わりますよ!!(泣)
あけましておめでとうなんて書いてますけどもうすぐで2月…

まだ後1話分は…というか1話分でおさめないと…(汗)


今回少しゴチャゴチャしてます_(^^;)ゞ


【ここで注意です!】


※この番外編では、ナースなのはさんシリーズから5〜6年後、という設定です。

※もはやナースじゃありません。

※フェイトの妄想が今回は落ち着いてます。←

※ヴィヴィオが出ますよ〜(イェーイ

※ユーなの要素しかありません。

※キャラ崩壊が非常に酷いので苦手な方はバックしてください。

※作者はまだまだ不馴れなので下手です(すみません…)

※レイハさんの出番がありません。

※原作の世界観がまったくありません。



それでもよければ…番外編、出来悪いですが軽い気持ちで読んで頂けたら…なんて…(ガタガタ


ではでは…どうぞ<(_ _*)>




―――――――――――――――――

 

 

「フェイトちゃん、フェイトちゃんってばっ、朝だよー」

 

エプロンを着用したなのはが窓のカーテンを開けながら言う。

 

「んー……」

 

フェイトはベッドの中でモゾモゾと寝返りをし、窓から射す日差しを浴びないよう毛布を被って顔を隠す。

 

「もう…折角朝ごはん作ったのに…起きないならおはようのキスしてあげないよ〜?」

 

毛布越しにフェイトの顔を指で軽くつつきながら言うなのは。

 

「起きますっ!!」

 

フェイトは勢いよく起き上がり、目を覚ます為に頬をペチペチと叩く。

 

「おはよう、フェイトちゃん」

 

「うん、おはよう、なのは」

 

なのはとフェイトは見つめあい、朝の挨拶をするとフェイトはなのはの腕を引き、抱き寄せる。

 

「なのは、おはようのキスして?」

 

「うん」

 

なのははフェイトの頬に触れると顔を近づけ、唇を重ねた。

数秒後、二人は唇を離し、再び見つめあうとフェイトはなのはを押し倒す。

 

「ちょっ、フェイトちゃん…?」

 

「キスだけじゃなくて…もっとなのはに触れたいんだけど…ダメ?」

 

フェイトはなのはに覆い被さり、なのはの髪を撫る。

 

「朝からなに言ってるのフェイトちゃん…ヴィヴィオが待ってるから早く行かないと、ね?」

 

一瞬目を点にするとクスリと笑い、フェイトの頭を撫でるなのは。

しれっとフェイトに胸を揉まれているが気にしない。

 

「えー…? まあ、仕方ないか…」

 

フェイトはそう言いながら渋々なのはから離れる。

 

「夜はたくさん触れていいからね…フェイトちゃん」

 

膨れっ面をしているフェイトを見てなのはは笑むと、フェイトの耳元でそう囁く。

 

「いいの…?」

 

「うん、でもヴィヴィオが寝たあとでね?」

 

「なのは……うんっ!」

 

目を輝かせて頷くフェイト。

 

 

――――――――――――――――――

 

 

「…ウヘヘッ…」

(そんなフェイトを見てなのはは微笑み、二人は再び唇を重ねた…。

見えるっ、なのフェイルートのhappyendが見えるよっ!!)

 

妄想に鼻血を出しそうになりながら脳内でガッツポーズをとるフェイト。

 

 

※フェイトの妄想劇場でした。

 

 

 

「ヴィヴィオ、お金持った? あそこのお賽銭箱に入れないとダメだからね?」

 

「うんっ」

 

「賽銭箱にちゃんといれないとな…」

 

なのは、ヴィヴィオ、ユーノは賽銭を賽銭箱へ投げる用意をしていた。

 

 

(参拝………願うのはただ一つ! 今年こそはなのはと結ばれること!!

奮発して500円っ…どうかお願いします…)

 

そんな3人を500円玉を片手に、にやけて見るフェイト。

 

 

「よし、それじゃあ投げようかっ」

 

「うんっ!」

 

「そうだね」

 

「うん」

(いざっ! なのフェイhappyendを祈ってっ!)

 

 

「えいっ」

(今年中に…ユーノくんに告白が出来ますように……そして、今年も大切な人達と平和に、健康に暮らせますように…)

 

「ほっ」

(ママとユーノさんが結ばれますように……そして、フェイトママの鼻血がよく出るのを治してあげてください…)

 

なのは、ヴィヴィオの順でお賽銭を投げて祈ると、最後はユーノとフェイトのみ。

 

 

「よっ」

(今年は少しでもなのはに想いを伝えられますように…

なのはとヴィヴィオの笑顔がたくさん見れますように……)

 

「ていっ!」

 

ユーノが投げた後、フェイトは勢いよくお賽銭を投げた。

勢いよく500円玉は飛び、お賽銭箱へ入る

 

かと思われたが

 

 

カンッ!※効果音

 

 

まさかの柱にあたり、勢いよく跳ね返ると

 

 

「グファッ!?! 目がぁあぁああっ!!!!!」

 

フェイトの隣に立っていたお爺さんの右目にヒット。

 

「じぃちゃぁああーんっ!?!!!」

 

お爺さんと共に来ていた孫らしき少年が顔を青くして倒れかけるお爺さんを支える。

 

 

 

「……〜っ…!!!」

 

フェイトは隣にいたお爺さんが倒れたのを見ると顔を青くしてガタガタと震え、すぐに誰も見ていないか確認する

が、一人がフェイトを表情をひきつらせて見ていた。

 

 

※これより少しの間小声での会話になります。

 

 

「ふぇ、フェイト…っ…」

 

見ていたのはユーノだった。

ユーノもフェイト同様顔を青くし、震えていた。

 

「ち、違うのユーノっ…あ、あれは事故で…っ…」

 

声を震わせながらユーノの腕を掴むフェイト。

 

「じ、事故もなにも…っ…は、早く謝らないと大騒ぎにっ…」

 

ユーノは腕を離せと自分の腕をブンブンと動かすがフェイトは離さない。

 

「わ、わかってるよっ、謝るよっ」

 

フェイトは額に汗をダラダラと浮かべながらお爺さんを見る。

 

 

 

「た、泰蔵……わしゃもう無理じゃ…っ…」

 

プルプルと体を震わせながら泰蔵(孫)の頬に触れるお爺さん。

人々はお爺さんと孫を囲み、大騒ぎとなっている。

 

「爺ちゃんの眼球に500円玉投げつけたの誰なんだよぉおぉっ!!!

なんの恨みがあって投げたんだよぉおぉっ!!!!

爺ちゃん頼むよっ、目を開けてくれ…っ!!」

 

泣きながら言う少年。

 

「いや、開けるもなにも右目が500円玉で塞がれて見えないんじゃが…」

 

「あ、そっか」

 

少年はお爺さんの右目にある500円玉を取り、しれっとポケットに入れる。

 

 

 

「誰がこんなことを…」

 

「新年早々嫌ねぇ…お爺さん大丈夫かしら…」

 

参拝に並んでいた人々がざわざわと話始めた。

 

 

 

《ユーノ……大騒ぎになってるよ…っ…謝って済むのかなコレ!?!》

 

ガタガタと震え、ユーノに念話で話しかけながらヘルプと表情で訴えるフェイト。

 

《と、取り合えず謝った方がいいんじゃ…》

 

 

「なんの騒ぎ?」

 

「あっ、お爺さんが倒れてるよっ」

 

参拝を終えたなのはとヴィヴィオが騒ぎに気づき、お爺さん達を見る。

「な、ななな、なのは…っ…」

 

フェイトはお爺さんと少年がなのはとヴィヴィオに見えないよう慌ててなのはの前に立つ。

 

「フェイトちゃん、凄い震えてるけど大丈夫…?」

 

「フェイトママ、寒いの…?」

 

「あ、あはは……ちょっ、ちょっとね…っ…」

(なのは達に知られたくないっ……)

 

 

「ゆ、ユーノっ、なのは達を連れて先に行っててっ?

私はちょっと用があるからっ!」

(本当は頼みたくないけどユーノに頼むしかっ…)

 

「え!? あ、う、うんっ…」

 

フェイトを察し、苦笑しながらユーノは頷いた。

 

「えー? 一緒に行こうよフェイトママ〜」

 

「そうだよフェイトちゃん、用が終わるまで待っとこうか?

それに…お爺さんがたお」

 

「いやいやいやっ! お願いだから先に行ってて!?」

 

《ユーノっ、早くなのは達を連れてって!》

 

《わ、わかったっ!》

 

「なのは、ヴィヴィオ、フェイトが嗚呼言ってるし、先に行って待ってようよ、ね?」

 

「えっ、でもお爺さんがきにな」

 

なのはが倒れているお爺さんを見ようとするのを阻止するように、ユーノはなのはの手を掴むと歩き始めた。

 

「ちょっ、ちょっとユーノくん!?」

 

ユーノに突然手を掴まれ、頬をほんのりと染めて驚くなのは。

 

「な、なのははお守りとか買わないの?」

(取り合えず少し離れた場所に移動しようっ…)

 

「お守り?」

(お守りかぁ……恋愛……うん、良いかも…)

 

「……じゃあ…私、お守り買いたいから行こうか」

 

「ママ、手繋いでいい?」

 

「いいよ」

 

「ありがとう♪」

 

ヴィヴィオは嬉しそうに笑むとなのはと手を繋いだ。

 

「それじゃあ行こう」

(騒ぎが無事におさまると良いけど……)

 

なのはとヴィヴィオ、ユーノはお守りを買いに向う。

そんな3人を涙目でフェイトは見ていた。

 

(うぐぐっ……3人共幸せそう…っ…ユーノめ…ちゃっかりなのはの手握ってるっ…)

 

メラメラと嫉妬心を燃やすフェイトだが、今はそれどころではない。

 

 

「グェッ……」

 

「爺ちゃんしっかりっ!! 大丈夫だからっ、俺が必ず犯人を見つけてみせるからっ!!」

 

少年はお爺さんを抱き締めながら言う。

 

(は、ははは、犯人…っ……こ、ここは早めに謝って…)

 

フェイトは財布を片手にガタガタと震えながらお爺さん達のもとへ行く。

 

 

 

「ん? あれ……ねえ、キャロ、あの人フェイトさんじゃないかな?」

 

「え? あ、本当だっ、フェイトさんだ」

 

エリオ・モンディアルとキャロ・ル・ルシエのカップルが偶然にもフェイト達が来ていた神社に来ていた。

 

「エリオくん、まだ新年の挨拶フェイトさんにしてないから挨拶しに行こうか」

 

「そうだね」

 

キャロとエリオは恋人繋ぎをし、フェイトらしき人物のもとへ行く。

 

 

 

「あ、あの……」

 

冷や汗を額に浮かべ、顔を青くしたフェイトが少年に声をかける。

フェイトに声をかけられ、少年が振り向こうとすると

 

 

「…す……すいませんでしたぁあああっ!!!!!!」

 

フェイトは着物が汚れるのを気にせずに土下座した。

額を地面につけて。

 

 

「・・・・・・・」

 

「・・・・・・・」

 

叫びながら土下座するフェイトらしき人物を見てキャロとエリオは歩みを止め、表情を固まらせる。

 

 

 

「え……」

 

突然のフェイトの土下座に驚く少年。

 

「いやっ、あのっ…お爺さんに向かって投げた訳じゃないんです!!

お賽銭箱に向かって投げたんですけど偶々柱にあたっちゃってっ!

私っ、私まだやりたいことがあるんです! まだなのはに告白もなのはと〔ピー〕も出来てないしっ、お爺さんに死なれたら困るんですよぉっ!!!

それに職業上ヤバイですしっ……どうか生きてお爺さんっ!死ぬなぁあああっ!!!!」

 

フェイトは半泣きになり、人前で下ネタを吐くとお爺さんの肩を掴み、ブンブンと揺らす。

※〔ピー〕はご想像にお任せします。

 

「・・・・・・」

 

少年はフェイトの下ネタに顔を真っ赤にして硬直する。

 

「ウグェェッ…!」

 

お爺さんは白目になりかけながらもフェイトの肩をガシリと掴み返した。

 

「ちょっ! お爺さんなにすっ」

 

「お…お腹すいた…っ…」

 

ブンブンとフェイトに揺さぶられながら小さな声で呟くお爺さん。

 

「……はい?」

 

フェイトは揺さぶるのを止め、お爺さんに聞き直す。

 

「お腹すいたんじゃよ……お腹すいて体に力が入らん…」

 

グルグルと目を回しながら言うお爺さんにフェイトはポカーンとした表情をする。

 

「お、お腹すいてるんですか…?」

 

「うむ。 ホホッ、お嬢さんは大袈裟じゃなぁ…500円玉が目にあたったくらいで死ぬわけないだろう。

今日は孫と初詣に来たんだが孫に渡していたわしの財布を孫が無くしての〜…

屋台をはりきってたものじゃから昨日の夜から何も食べておらんのじゃ…」

 

笑いながら説明するお爺さん。

お爺さんのお腹がグーグーと鳴いている。

 

「いや、張りきりすぎだろ。 って、なんだ…目が痛くて死にそうになってたわけじゃ無かったのか…良かった…」

 

真顔でお爺さんにツッコむフェイト。

 

「俺なんて昨日の昼からなにも食べずに寝てたよ!」

 

ハイッと手を上げ、自慢気に言う少年。

 

「なに自慢気に言ってんだよ、おい」

 

フェイトは少年にイラッとし、少年の頬をつねる。

 

「イタタタタタッ!!!! お姉さん痛いっ!!」

 

「財布無くすとかバカなのか君は? 屋台にはりきって昨日から食べてないとかアホなのかあなた達はぁっ!!」

 

「バカじゃないよっ! 財布無くすなんて誰でもあるでしょっ!

それに俺には500円がある!!」

 

ポケットから500円玉を出して言う少年。

 

「いや、それ私のじゃ…? そういえば私の500円玉は?」

 

「し、知らない…っ」

 

明らかに動揺して答える少年。

そんな少年を見てフェイトは溜め息をつく。

 

「ま、500円くらいならいいや。 あげるよ。で…お金がないとなると…お爺さんと君は暫く何も食べれない生活が続くのか…」

 

「お姉さん、これも何かの縁だよっ。 ということで俺と爺ちゃんを助けて下さいっ!」

 

「お腹すいたぁ…」

 

目を輝かせて言う少年と目をグルグルと回して小さい声で呟くお爺さん。

 

「うぅっ……どんな縁だよってツッコみたいけど…君はともかくお爺さんは限界みたいだし…お爺さんには申し訳ないことしちゃったからなぁ…

仕方ない、昼ごはん、おごってあげます。」

 

苦笑しながら言うフェイト。

 

「マジで!? やったっ!!」

 

「そうとなれば行くぞ、お嬢さん、泰蔵(少年)っ」

 

先程まで立つ力も入らずにいたお爺さんはフェイトの『おごってあげます』という言葉が聞こえると目を見開き、起き上がるとピシャリと立つ。

 

「体に力が入らなかったんじゃなかったのかよっ!!」

 

「そんなことより早く行こうよお姉さんっ! 俺お腹すいた!」

 

「そうじゃぞお嬢さんっ、屋台へレッツゴーじゃ!」

 

少年とお爺さんはガシリとフェイトの腕を掴むと

 

走り出した。

 

 

「ちょっ! は、走るなぁああっ!!」

(お爺さん脚早っ!!! というか何かこの状況っ…似たようなことが前にもあったような…)

 

少年はともかくお爺さんの脚の早さに驚くフェイト。

数年前の出来事を思い出そうとするもぼんやりとしか思い出せない。

そしてフェイトは…待っているなのは達のことも忘れていた。

 

【※数年前の出来事→4話参照。】

 

 

 

「あっ、キャロ、フェイトさん行っちゃうよ」

 

お爺さんと少年に腕を引っ張られて走るフェイトを見て追いかけようとするエリオ。

 

そんなエリオの腕を顔を俯けて掴むキャロ。

 

「キャロ?」

 

「エ、エリオくん、フェイトさんに挨拶するのはまた今度にしよっかっ♪

フェイトさんもう行っちゃったし、ねっ?」

 

真っ赤な顔を上げ、苦笑しながら言うキャロ。

 

「え? あ、うん。キャロがそうしたいなら別にいいよ。

というか顔真っ赤だけど大丈夫…?」

 

「あはは…大丈夫だよっ…お詣り終わったし帰ろっか」

(まさかフェイトさんがあんな人前でし、しもっ…しししも…っ……あ、あんなこと言うなんてっ…

それに…フェイトさんがソッチだったなんて知らなかった…っ!!)

 

「そうだね」

 

衝撃の事実を知って頭がパニック中のキャロとは違い、平然としているエリオ。

何故平然としているのか、それは数ヵ月前、酒に酔い潰れたフェイトと遭遇したエリオはフェイトの部屋に連れ込まれ、

フェイトは部屋で泣きながら酒を飲み、ユーノに対しての嫉妬、愚痴、下ネタをエリオに向かって言うのだ。

 

最初はかなり驚き、フェイトに対してどう接すればいいのか悩んだエリオだが、

それからたまにフェイトに捕まり、強制的に話を聞かされながらエリオが思ったのは…

 

(ユーノさん…可哀想だな…)

 

だった。

 

フェイトはユーノを『フェレットの癖に…っ』、『エロ眼鏡淫獣っ!』、『女なのか男なのかわかんねぇよっ!!』、『ヴィヴィオと何で声が似てるんだよっ!!』

とビールを片手にテーブルをバンバンと叩きながら叫ぶ。

挙げ句、一旦落ち着くと一人二役でなのはとフェイトの劇を始めるのだ。

 

エリオは思った、フェイトはこんな人だっただろうか?

一人になるといつもこうなのだろうか? いつも…一人で夜中に劇をやってにやけているのだろうかと。

自然とエリオの頬には涙が伝い、笑みながらフェイトの一人劇を見る。

 

 

それからエリオは

 

自然と親の目でフェイトを見ていた。

 

 

 

「それじゃあキャロ、行こう」

 

「うん」

 

エリオはキャロと再び手を恋人繋ぎし、仲良く…

キャロは頭がパニック状態のまま、エリオは何故か笑みながら歩いている。

 

(今年は…少しでも多くフェイトさんの笑顔が見れたらいいなぁ……

最近は泣いてるか鼻血出してる顔しか見てないし…)

 

エリオは青空を見ながら内心でそう思った。

 

 

 

【その頃のなのはさん達】

 

 

「フェイトママ遅いですね〜」

 

スマホで時間を見て言うヴィヴィオ。

 

「あはは…もうすぐ来るんじゃないかな?」

(あれから数分か…ここにいられる時間も30分きった…早いなぁ……

って、そうじゃないっ! フェイト大丈夫かなぁ…)

 

ユーノとヴィヴィオは手を繋ぎ、なのはがお守りを買い終わるのを待っていた。

 

「……あのー…ユーノさん」

 

「なにかな?」

 

「私…」

 

「あっ!! 忘れてたっ!ちょっと待ってねヴィヴィオっ」

 

額に冷や汗を浮かべながら慌ててポケットから何かを取り出すユーノ。

 

「え? あ、あのっ」

 

話を途中で切られ、苦笑するヴィヴィオ。

 

「はい、ごめんね、遅れたけどお年玉。それから…まだ言ってなかったよね、あけましておめでとう。 今年もよろしくね、ヴィヴィオ。」

 

優しく笑みながら言うユーノ。

 

「あ……えっと…あ、ありがとうございますっ。 まさかユーノさんからも貰えるなんて…すみません…」

 

ヴィヴィオは受け取ると、苦笑しながら礼をする。

 

「あはは、ヴィヴィオは小学生だし、幼馴染みの子供だからね」

 

苦笑しながら礼をするヴィヴィオを見てユーノはクスリと笑う。

 

「本当にありがとうございます。 でも……新年の挨拶、一番に挨拶するのは私じゃなくてママにして欲しかったです」

 

ヴィヴィオは苦笑しながらお守りを買うのに悩んでいるなのはを見て言う。

 

「え?」

 

「ユーノさん、あの、前から思ってたんですけど…

ユーノさん、うちのママの事…好きですよね?」

 

ニッコリとユーノに向かって笑みながら言うヴィヴィオ。

そんなヴィヴィオの発言にユーノの表情はひきつる。

 

「え…?」

 

 

 

 

恋する乙女なのはさんとフェレッ…フェイトに阻止され続けて長年告白出来ていないユーノ、

そんな二人を応援する恋のキューピッド?ヴィヴィオ。

影ながら応援していたヴィヴィオだが、少し動くことを決めた。

 

 

そして、新年早々…というより年中無休で騒がしいフェイトの暴走はまだもう少し(後1話?)続く……かな?

 





読んで頂きありがとうございました<(_ _*)>


高町家のアイドル、ヴィヴィオが恋のキューピッドになりますよ!(ウヘヘ

まあ、読んで頂いている方はなんとなくわかるんじゃないですかね…
なのはとユーノが進展するかどうか…


そして今回はなんとなくエリオとキャロを登場させてみました〜


書いていて思ったんですが番外編のフェイトは少し大人しくなった…
ですよね? 違う? 違いますかね?

やっぱりほら、フェイトももう大人ですからね、少しは心も大人に……

ね…(ガタガタ


あ、番外編ということでタイトル遊んでみました。
1話はなのはが、2話はヴィヴィオが言ってます。
3話は…ね………


はい、では、次話も読んで頂けたら嬉しいなと……

あはは…次話は来月になります…(汗)



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着物なのはさんの初詣〈3〉〜エロ眼鏡淫獣って…エロって言うか妄想ばかりしてるフェイトに言われたくな…なのっ…〜

あれ、おかしいな…どうしちゃったのかな…2月に更新するって言ったのにもう3月だよ?

お正月という季節はもうとっくに終わってるよ?
もう春だよ!?(汗)


失礼しました!皆様ご無沙汰です!
やっとの思いでの更新ですよ〜(汗)
次話で番外編はラストになります! いやぁ、長かった…←

今回フェイトをあまり出せず申し訳ないです…
お爺さん達とはどうなってなのは達のもとへ戻ってきたのかは次話…

タイトルは見ての通りbyユーノです←


【ではでは注意です!】


※この番外編では、ナースなのはさんシリーズから5〜6年後、という設定です。

※もはやナースじゃありません。

※フェイトの出番が最後らへんしか…←

※ヴィヴィオが出ますよ〜(イェーイ

※ユーなの要素しかありません。

※キャラ崩壊が非常に酷いので苦手な方はバックしてください。

※作者はまだまだ不馴れなので下手です(すみません…)

※原作の世界観がまったくありません。


番外編を書き終えた後は気分転換に書きます、『ナースフェイトさん』(微エロ)です。←
安心して下さい! 一話完結の番外編なので!書いたら本編始めますから!

あれ、もはやなのはさん関係ないな…主人公…

あ、桃色の光が見えてきたのでそれではっ! あ、バインドが!?(汗)


誤字あったら教えっ

ぎゃーっ!?!(汗)


―――――――――――――――――

 

 

 

「えっと……ヴィ、ヴィヴィオ…? ママって…もしかしてフェイトの事…?」

 

思わず苦笑するユーノ。

何故自分の気持ちをヴィヴィオが知っているのか、ユーノの頭はパニック状態に。

 

「違います!! 誤魔化さないで下さいよ、私わかってますから!

大丈夫です、ユーノさんなら安心してママを任せられます!」

 

エヘヘ、と笑みながら嬉しそうに言うヴィヴィオ。

 

 

「えっ、ちょっ! ちょっと待ってっ! い、いいい、いつから知ってっ!?」

 

「いつからって……というか、寧ろ気づかないのがありえないというか…なんというか……正直こっちが困ってるし…」

 

苦笑しながら言うヴィヴィオ、 最後はつい口が滑ってしまった。

 

「え?」

 

 

「あっ、い、いやっ、あはは…その…ユーノさんわかりやすいですからっ」

(ユーノさんもママも何でお互い気づかないのかな…本当に不思議で仕方ないよ!

見てるこっちがむず痒いというかっ…

ユーノさんはママに魔法の力をくれた人、私もたくさんお世話になったし、ユーノさんは優しいし、ママを本当に愛してくれてる。 何でこんなに進展しないのかなぁ…)

 

 

「わ、わかりやすいのか……クロノとはやてにもそれ言われたよ…」

 

苦笑するユーノ。

そんなユーノを見てヴィヴィオは溜め息を吐いた。

 

「ユーノさんのお友達さんも、ママのお友達さんも大変だなぁ…これは…」

 

「ヴィヴィオ?」

 

「ママは『そういうこと』には凄く乙女で可愛らしいんです。 ユーノさんのお陰で最近のママ…凄く可愛いんですよっ」

(うっすらと伝えてみたけどどうだろう…なんとなくわかってくれるかな?

最近ママ凄く乙女だし、ユーノさんの前でだけママの様子が変なのはユーノさんも少しは気づいてると思う…っ)

 

「……えっと、まあ、それは良かった…かな?」

 

あははと苦笑しながら?を浮かべるユーノ。

 

「……………」

(そうだよね…伝わらないよね…っ……もっと具体的に言うべきなんだろうけど…

出来ればお互い自然に気付く感じがいいと思うし………うーん……)

 

ユーノに向かって苦笑しながら、脳内でどうにかならないかと考えるヴィヴィオ。

 

 

 

「ヴィヴィオ、ユーノくん、ごめんね〜遅くなっちゃった」

 

お守りを買い終えたなのはが苦笑しながらやって来た。

 

「あ、ママ」

 

「お帰り、なのは」

 

「うん、あれ…フェイトちゃんまだ来てないの?」

 

あれから数分経つが戻って来ていないフェイト。

なのははまわりを見渡した。

 

「あはは…もうそろそろ戻って来ると思うよ」

 

「ねぇ、ママ、ちょっと」

 

ヴィヴィオは手を動かし、なのはに屈むように伝える。

 

「なぁに?」

 

なのははヴィヴィオの指示に従い、屈むとヴィヴィオはニッコリと笑み、なのはの耳元で小さく囁いた。

 

「縁結びのお守り買ってきたの?」

 

「え…?」

 

ヴィヴィオの発言になのはは一瞬目を点にすると、段々と頬を染め、ヴィヴィオの口を手で塞いだ。

 

「むぐっ…!」

 

「ヴィ、ヴィヴィオっ、な、なな、何でわかっ…」

 

顔を真っ赤にしてかなり動揺するなのは。

 

 

 

「何してるの?」

 

なのはの背後からユーノが声をかけてきた。

 

「ひゃあっ!?」

 

ビクンッ!と体を跳ねさせてなのはは驚くと、勢いよくユーノとヴィヴィオから距離をとる。

 

「えっ……なのは…?」

 

声をかけただけで離れ、何故か自分から視線をそらすなのはにユーノはキョトンとする。

 

「ち、ちがっ…違うのユーノくんっ! あ、あれっ、あれだよっ!

その…っ…フェ、フェレットさん飼いたいねってヴィヴィオと話してただけなの!」

(今ユーノくんの顔が近かったっ…ユーノくんとの距離が…っ!)

 

真っ赤な顔で言うなのは。

そんななのはを見てヴィヴィオはクスリと笑った。

 

「フェレットを…?」

(何故フェレット…)

 

「そうなんです、今ママと話してて。

フェレットさんを家族に迎えたいな〜って♪ それじゃあママも戻ってきたので、私もお守り買ってきますねっ」

 

ニッコリと笑んでヴィヴィオは言うと、なのはの手を引き、ユーノの隣に移動させる。

 

「それじゃあ行ってきます!」

 

ヴィヴィオはなのはとユーノに手をふり、走ってお守りを買いに行ってしまった。

 

 

「ヴィ、ヴィヴィオっ!!」

(な、なな、何でユーノくんと二人きりにするの〜!!!)

 

ヴィヴィオに手を伸ばそうとしたなのはだが、ヴィヴィオはもう行ってしまった。

 

「ヴィヴィオもお守りかぁ…流石に恋愛…はないよね」

 

あははと苦笑しながら言うユーノ、の隣でなのはは硬直している。

 

(あれ、なのはどうしたんだろう…)

 

固まっているなのはを見てユーノはなのはの肩をポンポンと軽く叩いた。

 

「ひゃっ! ゆ、ユーノくんっ…」

 

「ぼーっとしてたけど…どうしたの? 大丈夫?」

 

「だ、大丈夫っ! 元気だよっ?」

 

にゃははと苦笑しながら言うなのは。

 

「そう? なら良いんだけど………は…くしゅっ!」

 

ユーノは身震いをすると、突然くしゃみをした。

 

 

「ユーノくん!? だ、大丈夫?寒いっ?」

 

「まぁ、寒いのは寒いけど大丈夫だよ。 ほら、最近凄く寒かっただろう? だから少し風邪気味というか…」

 

苦笑しながらそう言うユーノ。

 

「風邪気味って…大丈夫じゃないよっ! 悪化して熱出たら大変だし、ユーノくんが寝込んだら心配しちゃうしっ」

 

「あはは、ごめんごめん、でも元気だから。」

 

ユーノは自分をジト目で見て言うなのはに苦笑しながらも笑む。

 

「せめてマフラーがあったら…本当に大丈夫? 首もと寒くない?」

 

「大丈夫だよ、心配してくれてありがとう、なのは」

 

ほんのりと頬を染め、笑むユーノ。

なのはの気持ちが嬉しくてにやけてしまいそうになるが、必死に耐える。

 

 

「心配するのは当たり前だよ……そうだ、ユーノくん手貸して?」

 

「手を? わかった」

 

なのははユーノの手を右手で握ると、左手でユーノの手を摩り始めた。

「なのは…?」

 

「ユーノくん手冷たくなってるよ? さっきは温かかったのに。

せめて手だけでも温かくしないとっ」

 

にっこりと笑みながら言うなのはを見て、ユーノは嬉しさと恥ずかしさのあまり顔を真っ赤に染めた。

 

 

「ユーノくん顔真っ赤だよ!? だ、大丈夫っ!?」

 

「だ、大丈夫だから気にしないで!? 平気だからっ」

 

ユーノはそう言うと真っ赤な顔を隠すように俯けた。

 

 

「そ、そうなの? あっ、あのね、ユーノくんっ」

 

「な、なに…?」

 

「私ね、ユーノくんにその…健康祈願のお守り買ってきたのっ!

だからっ、う、受け取って貰えたら…嬉しいんだけど…」

 

ユーノの手を握ったままバレンタインチョコを渡すかのような言い方をするなのは。

 

 

「僕に…?」

 

「うん…ユーノくん…ほら、いつも徹夜がほとんどでしょ?

だから…体調崩さないようにって……今はユーノくんの手温めてるから、渡すのは後ででもいいかな…?」

 

「…っ……うん、ありがとう…なのは…」

 

ユーノは自然となのはの手を握り返していた。

自分の手を摩っていたなのはの左手に手を重ねて。

驚いたなのはは頬を染めてユーノを見つめ、ユーノも頬を染めてなのはを見つめる。

 

 

 

「あれ……ほほう…?」

(いつのまにかなんかいい雰囲気になってる?)

 

いつの間にかお守りを買い終えたヴィヴィオが少し離れた場所から二人を見てにやついていた。

 

(ユーノさんの分の縁結びのお守り買ってきたんだけど…

必要なかったかな? も、もしかしたらこのまま告白の展開に…とか!?)

 

ヴィヴィオは嬉しさに涙を浮かべ、離れてはいるがなのはに向かってジェスチャーで『ファイトっ』と伝えた。

 

 

 

「え、えっと…っ……あ、あの…ユーノくん…?」

 

娘からの応援に気づいていないなのはは、心臓と頭が爆発するのではというくらいに緊張していた。

ジーっとユーノに見つめられ、なのはの顔は恥ずかしさで真っ赤に。

 

「あ、あの…さ、なのは…」

 

ユーノも何処か緊張気味になのはを見つめながら口を開いた。

 

「な、なに…?」

 

「僕…っ……なのはの事っ…ずっと言いた」

 

 

 

ユーノがこの際とばかりに『告白』をしようとしていると

 

 

 

ピコンッ!!

 

 

ユーノの頭が何かで叩かれ、謎の音とともに、見えたのは風で靡く長い金色の髪と黒の着物。

 

 

「えっ…」

 

ユーノは金髪の髪が見えた方を見ると、そこにはにっこりと笑っているが確実に不機嫌なフェイトが立っていた。

 

 

「ふぇ、フェイト…?」

 

「やっと見つけたよ、なのは、ユーノ、ヴィヴィオ。

取り合えずユーノ……」

 

にっこりと笑んでいたかと思えばフェイトは真顔に戻り…

 

 

《さっさとなのはから手を離しやがれこのエロ眼鏡淫獣》

 

 

念話でユーノにそう言った。

流石空気が読めない変態フェイトさん、期待を裏切らない。

 

《ちょっ、誰がエロ眼鏡淫獣だよっ!!》

 

 

「フェイトちゃんやっと戻ってきたんだね! もう、何処に行ってたの?ピコピコハンマーなんか持って」

 

なのははフェイトが片手に持っている赤と黄色のピコピコハンマーに指をさして言う。

 

「ちょっとねっ…まあ気にしないで? 戻ってきたし、恋みくじ引きにいこうよなのはっ♪」

 

握りあっているなのはとユーノの手をパッと離し、なのはの手を握りしめて満面の笑みで言うフェイト。

 

「あ、そうだったねっ、恋みくじ引かなきゃっ!」

 

「じゃあ行こうなのはっ!」

(必ず大吉を引いてみせる! そしてなのはに今年は告白してなのはと一つになってそのままゴールイン!!)

 

ふんすっと荒い鼻息をすると、フェイトはなのはの手を引き、ユーノとヴィヴィオを置いて走っていく。

 

「えっ!? ちょっ、ちょっと待ってフェイトちゃん!! フェイトちゃんてばぁあっ!!」

 

なのははユーノの方へ振り向く暇もなくフェイトに連れ去られて行った。

 

 

「フェイト!? 早く追いかけないとっ、ヴィヴィオ、なのは達のとこにいっ……ヴィ…ヴィオ…?」

 

フェイトを追いかける為、ヴィヴィオを連れていこうとヴィヴィオの方へ振り向いたユーノ。

だが、ヴィヴィオは目を点にして固まっていた。

 

 

「ヴィヴィオ…? どうしたの…?」

 

「……あ、いえ…あはは、何でもないです…ただ…『空気を読む』って大切だなぁ…って……

フェイトママは悪気はなかったんだろうけど………あの、ユーノさんこれを」

 

ユーノの声を聞くと目をぱちくりとさせ、苦笑しながら言うヴィヴィオ。

片手に持っていた緑色のお守りをユーノに渡した。

 

 

「お守り…?」

 

「はい、ママと一緒になれますようにっと思って…緑色があったので緑色にしてみました♪」

 

「あ、ありがとう…ヴィヴィオ…」

(縁結びって書いてある…)

 

「私、応援してますから! 私に出来ることがあったら言ってくださいねっ、全力で協力します!」

 

「えっと…ありがとう、でも気持ちだけ貰っておくね。

流石に好きな人の子供にそこまでしてもらうのは…」

(というか好きな相手の子供に縁結びのお守り貰った時点でなんというか…自分が情けないというか……)

 

お守りを片手に苦笑しながら言うユーノ。

 

「遠慮なんてしないで下さい! さぁ、ママ達を追いかけましょうっ!」

 

ヴィヴィオはユーノの手を握ると歩き始めた。

 

「わっ、待ってヴィヴィオっ」

 

「早くしないとママ達とはぐれちゃいますから!」

 

 

 

 

なのはさん達の騒がしい?お正月、後少し続くようです。

(次話ラスト)

 




読んで頂きありがとうございました<(_ _*)>


今月中に番外編終わらせれるだろうか…(汗)

今回はユーなの要素多めなのでタイトルをフェイトにするつもりだったんですがユーノに変えました(汗)


あっ、そうだった! 3月15日はなのはの誕生日でしたね〜!(イラスト描いてちゃんと祝いました)

変態なフェイトさんは誕生日だからとなのはにお酒をたっぷり飲ませて酔わせると、ベッドに押し倒してなにやら始めそうですね…←

ま、そこで誕生日会に参加しているユーノが止め、二人はなのはをかけてどちらが酒を飲み続けて酔いつぶれないでいられるか勝負するんですね←
実況は酔ったはやてで。←


あれ、なんだかんだ二人は仲良く見えるぞ?(作者重症)



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着物なのはさんの初詣〈4〉〜今日のなのはの下着はピンク…なの…あ、鼻血がっ…〜

ついにっ、やっと番外編完結!!

やっと、やっとこれで本編…に……(本編まだちゃんと書けてない)

今回にまとめて書いたので話長くなりましたが許して下さい…(汗)


取り合えず次回はナースフェイトさん+αか(´`)


あ、タイトルはby全力変態フェイトさんです←


今回はフェイトの妄想がちょっとアレですね
微エロって言うほどでもないですがそういう場面が苦手な方はバックしてください(^^)



【では注意を】

※この番外編では、ナースなのはさんシリーズから5〜6年後、という設定です。

※もはやナースじゃありません。

※フェイトの妄想が変態←

※ヴィヴィオが出ますよ〜(イェーイ

※ユーなの要素しかありません。

※キャラ崩壊が非常に酷いので苦手な方はバックしてください。

※作者はまだまだ不馴れなので下手です(すみません…)

※原作の世界観がまったくありません。

※もはや主人公なのはさん空気←



あ、ユーノがこちらに走って来てますね〜


「なのはの下着っ……ハァッ…ハァ…ッ」


なんか金髪の女性が鼻血出しながら誰かの下着の臭い嗅いでるんですけど(棒)

あっ、ユーノが女性をバインドで縛ったっ!女性から下着奪い取って顔を真っ赤にっ!

手に取った下着…迷った挙げ句下着投げたーっ!(゜ロ゜)


流石チェリー…(´`)フッ



あ、ではどうぞ<(_ _*)>


――――――――――――――――

 

 

 

「や、やった! 大吉だぁ〜」

 

涙ぐみながら喜びの声を上げるなのは。

 

 

(きょ、凶…だと!?)

 

喜ぶなのはの隣で、フェイトは石像化していた。

 

※普通は凶は入っていないようですが小説内だけの設定ということで…

 

 

二人はユーノとヴィヴィオが来る前に、恋みくじを引いた。

そして結果、

 

なのは →大吉

 

フェイト→凶

 

だった。

 

 

「フェイトちゃん、フェイトちゃんはくじ引いた?」

 

なのはがフェイトの方へ向こうとすると、フェイトは慌ててくじを片手でクシャリ握り潰し、隠した。

 

 

「あ、あはは…今から引くところだよなのはっ」

 

額にだらだらと汗を浮かべ、おみくじを勢いよく混ぜてフェイトは再び引いた。

 

(なにがこの恋は諦めなさいだよ!! 諦められるわけないじゃないっ!!

私の全てはなのはなんだよぉおぉっ!!!)

 

フェイトは内心で泣き叫びながら恐る恐る引いたおみくじを見る。

 

 

〔末吉〕

 

この恋は諦めた方が良いでしょう。

 

 

 

(ふざけんなぁあぁっ!!!!!)

 

フェイトは涙を大量に流しながらおみくじを地面に投げつけた。

 

「フェイトちゃんっ!?」

 

「なのはぁっ…!」

 

フェイトはショックで泣きながらなのはに抱きついた。

 

「ど、どうしたのフェイトちゃんっ、おみくじ…そんなに結果が…?」

 

なのはは泣くフェイトの頭を撫でる。

フェイトはしれっとなのはの胸に顔を押し付け、泣いていた。

 

(諦めた方が良いでしょうってさっきと変わんねぇよっ!!

凶より末吉の方がまだ良いけど変わってないじゃんっ!!! さっきまでの私を返してよっ! あ、なのはの胸やわらかっ……鼻血出そう)

 

フェイトはなのはの胸に顔をパフパフと押し付け、もはや泣いているのかにやついているのかわからない。

 

 

「フェイト、おみくじ投げ捨てちゃダメだよ…」

(末吉だったのか…)

 

フェイトが投げ捨てたおみくじを拾い、苦笑しながら言うユーノ。

 

「あ、ユーノくん」

 

「げ、ユーノ…」

 

ユーノを見てフェイトはチッと小さく舌打ちをした。

 

 

《舌打ち聞こえてるよフェイト…》

 

《スミマセンデシタ〜(棒)》

 

ユーノは苦笑を、フェイトはユーノを虫けらを見るような目で見つめ、二人の間にはギスギスとした空気が溢れる。

 

 

が、そんな空気には気づかないなのはとヴィヴィオは

 

「ママ、おみくじどうだった?」

 

ユーノの隣からトコトコとなのはの元へ行き、ニコニコと笑みながら言うヴィヴィオ。

 

「えっと…大吉だったよ」

 

少し恥ずかしそうにしながら小声でなのはは答えた。

 

「わっ、やったねママっ♪」

 

「うんっ」

 

ヴィヴィオとなのははハイタッチをした。

 

そんな二人を後ろにフェイトとユーノは…

 

 

《へいよー、エロ眼鏡淫獣ユーノさんよぉ、私がいない間なのはとなにしてたんだあぁっ!?》

 

キレ気味にユーノへ念話で言うフェイト。

おみくじの結果よりも今フェイトの頭にあるのはなのはがユーノに何かされていないか、だった。

 

《どうしたのその口調!? というか別になにもしてないしエロ眼鏡淫獣言うなっ!!》

 

《ふっ…笑わせてくれるねユーノ…私にはわかるんだよっ!!

寒いからってっ…寒いからってなのはに温めてもらってたんでしょっ!!

なのはの体で温めてもらってたんでしょ!?》

 

《誤解をうむような事言わないで!? いや、確かに『手』を温めてもらったけどね!》

 

《お互い手を握りしめあって見つめあいやがって!!

なのはに下心あるのはわかってるんだよっ!!》

 

ピコピコハンマーでビシッとユーノを指すフェイトの瞳は涙で潤んでいた。

 

《下心あるのはフェイトだろっ!? 本当になにもしてないよ!》

 

《なのはの体でっ…なのはの体でこうやって温めてもらったんでしょっ…》

 

グスッ…と突然泣きながら言うフェイト。

モワモワとフェイトの頭に雲のような物が浮かんだ。

 

《えっ、もしかして妄想劇場見るパターン!?》

 

ユーノ正解。

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

『な、なのはっ、こんなところでっ…』

 

『だって…ユーノくん寒いんでしょ…? だから私の肌で……体で温めてあげるの…』

 

なのはは頬を赤らめながら帯に手をかける。

 

『さ、寒いってそこまででもないから大丈夫だよっ』

 

顔を真っ赤にし、なのはから視線をそらすユーノ。

 

『嘘…だってユーノくん…こんなになってるもん……私…ユーノくんならいいから…だから…温め合おう…?』

 

『なのは……』

 

ユーノは暫くなのはを見つめると、なのはの唇を奪った。

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

《そして二人は物陰に隠れてパンパンパンパンッ…!

なのはは…っ、なのははユーノのでイ》

 

《やめてぇえぇっ!!! 僕となのはをなんだと思ってるんだよフェイトはぁあぁっ!!》

 

真っ赤な顔をしてフェイトの肩を掴み、揺さぶりながら言うユーノ。

 

《何が物陰でパンパンパンパンッだよっ!! ふざけるなこのエロ眼鏡淫獣っ!!》

 

ユーノに揺さぶられながら脳内でアレな声をあげるなのはを妄想し、フェイトは恒例のアレをポタリと落とす。

 

《勝手に自分で妄想しといて何で僕のせいっ!? というか鼻血出してるフェイトにエロ眼鏡淫獣って言われたくないよっ!!!》

 

《あ、やば、鼻血がっ》

 

フェイトはハンカチを取り出すと鼻にあてる。

 

 

《というかフェイト、フェイトの変態な妄想に冷静にツッコむのはおかしいかもしれないけど、なのははそんな積極的なタイプじゃないと思う。》

 

《あ、私、なのはならSでもMでもイけるから。 なのはの命令ならメスぶ》

 

《わかったっ!! わかったからなにも言わなくていいよフェイトっ!!!》

 

ユーノはフェイトが言おうとした言葉をなんとか阻止した。

 

(今さらだけどほんと…フェイトって筋金入りの変態だな…っ)

きっとフェイトが言おうとした言葉はメス豚。 ユーノはひきつった表情でフェイトを見る。

 

 

《ねぇユーノ、今思ったんだけど…なのはがSだったら私は常にピーをピーに入れていつでも出来るようにスタンバってた方がいいかな?》

 

真顔で言うフェイト。

 

《取り合えずフェイト、エロい事しか頭にないみたいだから取り合えず黙ろう。》

 

ユーノも真顔で冷静に答えた。

 

 

「あ……そ、そうだ、フェイト、あの後お爺さん達とはどうだったの?」

 

取り合えず話を変えよう、ユーノはそう思い、先程のお爺さんの話をフェイトにふった。

 

「あぁ……まあ、許してもらえたよ。 お詫びに屋台をおごってあげたんだけど…自分の財布を痛めないからって大量に買わせてきてっ…」

 

 

―――――――――――――――

 

遡ること数分前…

 

 

 

『お姉さんお姉さんっ! 俺、たこ焼きとからあげと焼き鳥とりんご飴と綿あめとフライドポテトねっ!!』

 

『それ殆ど全部じゃない…』

 

張り切る少年にフェイトは苦笑しながらツッコんだ。

 

『わしはあれじゃ、あのー…あの……いかの焼き!』

 

『イカ焼きですね、いかの焼きって…』

 

お爺さんにも苦笑しながらフェイトはツッコんだ。

 

 

 

 

『取り合えず…食べたいって言った物は買ったけど…食べれるの?』

 

『んぐっ…大丈夫っ、お腹空いてるから余裕で食えるっ!』

 

フェイトが屋台で買った物が、少年が座る椅子の横に積み上げられている。

フェイトはそれを見て表情がひきつった。

 

少年はズルズルと焼きそばを食べ、数秒後にはたこ焼きを、いか焼きを、とうもろこしをと凄まじい勢いで食べていく。

 

(この光景、某大食い番組でありそうだな)

 

フェイトは少年を見ながらそう思った。

 

 

そして、そんな少年の隣に座るお爺さんは

 

 

『んぐーっ! はっ、歯が…入れ歯じゃとやっぱりいかは食べにくいのぉ……』

 

いか焼きに苦戦していた。

 

(いかってそんなに固かったっけ…)

 

少年と同様、フェイトはひきつった表情で今度はお爺さんを見る。

 

『爺ちゃん、いかいらないなら俺が食べようか?』

 

『いいんか?』

 

『うん、はい、じゃあ食べかけだけどからあげあげる』

 

少年は食べかけの、たった1つの残ったからあげを爪楊枝にさし、お爺さんに渡す。

 

(からあげ1つだと!? いやいやっ、その積み上げられた食べてないやつをお爺さんにあげろよっ!!)

 

フェイトはスパンッと少年の頭を軽く叩き、積み上げられた物から焼きそばを取るとお爺さんに渡した。

 

『あっ、それ俺のーっ!!』

 

『少しはお爺さんに気を使えよ!! お爺さん、いか食べにくいなら焼きそばは?』

 

『じゃがこれは泰蔵の…』

 

『泰蔵くんはもう十分過ぎるくらい食べてるからっ! お爺さんお腹空いてるんだし食べてください、ねっ?』

 

フェイトから焼きそばを受け取ったお爺さんは暫く考え込むと頷き、微笑んだ。

 

『ありがとう、お嬢さん。 ありがたく頂くわい』

 

お爺さんは嬉しそうにズルズルと焼きそばを食べ始め、フェイトはお爺さんを見てホッっとする。

 

(まぁ…取り合えずこれで償えたよね、喜んでもらえたし…)

 

『そうだっ、爺ちゃんの食べてる写真婆ちゃんに送ろっ』

 

少年はポケットからスマホを取り出した。

そしてお爺さんの写真を撮り始めたが、少年はスマホを取り出したと共にポケットから何かを落とした。

 

『あれ、なんか落としたよ』

 

フェイトは少年のポケットから落ちた巾着らしき物を取る。

 

と、チャリッ…と音がした。

 

『ん?』

(今の……お金…の…)

 

巾着を開き、フェイトは中身を確認する。

すると、中に入っていたのは硬貨と札だった。

 

 

『あ、お姉さん拾ってくれてありがと』

 

少年はフェイトに手を伸ばすが、フェイトは巾着を見て震えていた。

 

『おい……お金無くしたんじゃなかったの? お爺さんの財布無くしたんじゃ…』

 

『うん、無くしたよ?』

 

『じゃあこのお金は…?』

 

フェイトは巾着を少年の顔の前で揺らし、ニッコリと笑む。

 

『へ? お金?』

 

『巾着の中に硬貨と札が入ってるけど? これ君のじゃないよね、金額的に』

 

『え………あ…あぁあぁぁーっ!?!! そ、そういえばっ! 爺ちゃんから財布預かった時爺ちゃんの財布破けてお金落ちてきてたから、巾着にお金移したんだった!!』

 

少年は次第にだらだらと額に汗を浮かべる。

 

『何で今さら思い出すのかな?財布、無くしたんだよね?』

 

『ちゃ、ちゃんと探して、無かったから無くしたと思ってっ』

 

『この巾着は君のポケットから落ちたんだけど!? ポケット調べたんならわかるよね!?』

 

『ひっ!? し、調べたよっ! でも巾着の中まで見なかったし、巾着にお金入れてたの忘れてたしっ』

 

『普通触ったらわかるだろっ!! 取り合えずお爺さんに謝りなさいっ!

お腹空きすぎて倒れたんだからっ!』

 

フェイトはビシッっとお爺さんを指差す。

お爺さんは目を点にしてフェイトと少年を見ていた。

 

 

『あ、謝ります謝りますっ! だから怒らないでっ! 爺ちゃんごめんっ!! 俺のせいでっ』

 

少年は頭を下げてお爺さんに謝る。

 

『………良いんじゃよ、お金が見つかって良かったわい。 これでお嬢さんに奢ってもらった分を払えるからのぉ』

 

『爺ちゃん…っ』

 

少年はお爺さんの優しい言葉に涙を浮かべた。

 

『えーっと…ごめんなさい、払えるって私に奢ってもらった分を払うつもりですか? 払ってもらわなくて良いです、だってこれ、お爺さんへのお詫びですから。』

 

真顔で答えるフェイト。

 

『じゃ、じゃが…たくさん買って貰ったのに悪いわい』

 

『良いです、お爺さんよりこの子がメインになっちゃってますけど…お爺さんに悪いことしたのは本当ですし。

ぶつけた件はこれでチャラでお願いします』

 

『ヒューッ! お姉さんカッケーッ!』

 

『お前は調子に乗るなっ!』

 

フェイトは少年に凸ピンをした。

 

『あだっ! 痛いよお姉さんっ!』

 

『少しは反省しろっ!』

 

グニッと少年の頬をつねると、フェイトは苦笑する。

 

『まったく…困ったお孫さんですね』

 

『可愛い孫じゃよ』

 

『ウヘヘ…』

 

少年は照れ笑いをしながらりんご飴を食べ始めた。

 

『そうじゃ、泰蔵、なのよ婆さんになにか買って帰ろうかのぅ』

 

『そうだね!』

 

 

『…………ん?なのよ?』

(なのよ…なのよ……なの…よ…なの………な…なのはぁああぁーっ!!!!!)

 

フェイトは『なのよ』からの愛しの『なのは』を思いだし、顔を青くした。

 

『お嬢さん? どうかしたのかい?』

 

『お姉さん?』

 

 

『なのはがっ……なのはが…っ…しまったっ!! 今あのエロ眼鏡淫獣になのはを任せてるんだった!!

お爺さんっ、私はこれでっ!!』

 

何故忘れていたのだろうか、フェイトは慌ててなのはのもとへ向かおうとする。

 

『待ってお姉さん! これ、お姉さんの500円玉でくじ引いて当たったピコピコハンマーっ!

いらないから持ってって!』

 

少年は行こうとするフェイトへ向けてピコピコハンマーを投げた。

 

『そこはせめて記念に持って帰れよっ!! ま、ありがとっ、それじゃあ!』

 

フェイトはピコピコハンマーを受け取ると猛ダッシュで走って行った。

 

 

(聞こえるっ、なのはがユーノとシてるのがぁあぁぁっ!!!)

 

 

『ユーノくっ、あぁんっ! 出してぇっ!私の中にっ、いっぱいぃ…っ!』

 

『なのはっ、なのはっ!』

 

 

(させてたまるかぁあぁあーっ!!!!!)

 

メラメラと瞳に炎を灯し、フェイトはピコピコハンマーを片手に妄想しながら走り続けた。

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

「という事があったの」

 

「途中までいい話っぽかったのに最後で台無しだよ」

 

真顔でツッコむユーノ。

やはりフェイトはフェイト、どんなときでも全力変態。

 

「とにかく、なのはを妊娠させていいのはわたっ」

 

「言わせないっ!!」

 

「もがっ!」

 

人が多いこの場所で言わせてはいけないと咄嗟に判断したユーノはフェイトの口を手で塞いだ。

 

「取り合えずなのは達と一緒に屋台でもみっ……………あれ……なのはとヴィヴィオは…?」

 

取り合えずフェイトを落ち着かせる為、なのは達と共に屋台を見ようと考えたユーノだったが、近くにいたはずのなのはとヴィヴィオがいない。

 

「ぷはっ! 嘘っ! なのはとヴィヴィオがいなくなった!?

そんなっ…なのはもヴィヴィオも可愛いから変態に襲われるかも…っ…早く見つけないと変態にっ!」

 

顔を青くしながら言うフェイト、変態はお前だ。

 

「取り合えず手分けして探そう!」

 

「うんっ! ふぅ……なのはぁあぁあぁーっ!!!!!!」

 

フェイトは深呼吸すると、突然大声でなのはの名を叫んだ。

 

ユーノと周囲の人々は耳を塞いだ。

 

「これで多分なのはがっ…!」

 

フェイトはキョロキョロとまわりを見渡す。

すると、何処からか声が聞こえた。

 

 

「フェイトちゃーんっ!」

 

「フェイトママーっ!」

 

少し離れた場所から聞こえる声。

 

 

「フェイト、今の声って!」

 

「なのはとヴィヴィオだっ! 屋台の方から聞こえた!」

 

ユーノとフェイトは二人の声が聞こえた方へ走る。

 

 

「「なのはっ、ヴィヴィオっ!」」

 

「あ、フェイトちゃん、ユーノくんっ!」

 

「フェイトママっ、ユーノさんっ」

 

「なのは何処に行ってだのぉおぉーっ!!」

 

フェイトは泣きながらなのはに抱きついた。

 

「わわっ! ご、ごめんねフェイトちゃんっ、ヴィヴィオがわた飴食べたいって言うから買いに行ってたの。

フェイトちゃん鼻水…っ…」

 

苦笑しながらなのははフェイトにティッシュを差し出す。

 

 

「心配したよ、ヴィヴィオ」

 

「ごめんなさい…このわた飴限定20個で売りきれそうだったので…虹色のわた飴なんですよっ!」

 

ヴィヴィオは苦笑してユーノに謝ると、買った虹色のわた飴を見せる。

 

「へぇ、虹色って凄いね」

 

「一口食べます?」

 

「え、いやいや、ヴィヴィオのだし…」

 

「遠慮しないでどぞっ♪」

 

わた飴をユーノの顔に近づけ、ヴィヴィオは微笑む。

 

「えーっと……じゃあ一口だけ…」

 

ユーノはヴィヴィオの可愛い笑みに負け、一口だけわた飴を食べた。

 

「うん、美味しいね」

 

「ママと間接キス〜♪」

 

小声でボソッとにやけながら言うヴィヴィオ。

 

「ブッ!!!」

 

ユーノは思わず吹き出した。

 

 

「ちょっ、コラヴィヴィオっ!!」

 

顔を真っ赤にして怒るユーノ。

 

「あははっ、ごめんなさい嘘ですっ」

(嘘じゃないけど)

 

そんなユーノに対し、笑いながらヴィヴィオは謝った。

 

「嘘!?」

 

 

「どうしたの?二人共」

 

なにやら騒がしいヴィヴィオとユーノに、なのははキョトンとした表情で話しかける。

 

「べ、べべ別にっ…」

 

動揺しながら答えるユーノ。

 

「ユーノくんどうしたの?」

 

「別にどうもしてないよっ!?」

 

真っ赤な顔で、なのはから視線をそらしながら言うユーノになのはは頭に?を浮かべる。

 

 

「ふぅ〜…スッキリした…」

 

なのはから貰ったティッシュで鼻をかみおえたフェイトがなのはの背後からユーノ達を見る。

 

「どうしたの?」

 

「さぁ…なんかユーノくんが変で…」

 

「やだなぁ、なのは、ユーノが変なのはもとか」

 

「まだもう少し時間あるから早く屋台を見ようかっ!! ねぇ、なのはっ!」

 

フェイトが話している途中でユーノは少し大きめの声でそう言った。

 

「あ、うんっ、ユーノくん時間そんなにないもんねっ」

 

「よーしっ、じゃあ皆で金魚掬いしたいっ!」

 

兎のように跳ねながらヴィヴィオが言う。

 

「金魚掬い……フッ…ユーノっ、勝負だよっ!」

 

《どっちがなのはにたこ焼きをあーんするかっ!》

決め顔で言うフェイト。

 

《えぇっ!?》

 

 

「フェイトちゃんとユーノくん勝負するの? なら私も二人には負けないよー?」

 

「なのはまでっ!?」

 

「なのはも勝負となったらレッツ金魚掬いっ☆」

 

フェイトはなのはとユーノの腕を引いて走り始めた。

 

 

「ちょっ、ちょっと待ってフェイトちゃんっ!」

 

「走らないでフェイトっ!」

 

「ま、待ってよフェイトママっ、ママにユーノさーんっ!」

 

フェイトに連れられて走るなのはとユーノの後ろから追いかけるヴィヴィオ。

 

 

《ウヘヘ…勝ったらなのはにあーんっして…私がなのはにあーんっしてもらうんだっ♪》

 

にやけながら走る変態フェイトさん。

 

変態フェイトさんと着物なのはさん、そしてエロめが…ユーノとヴィヴィオのお正月はこの後もう少し続いたようです。

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

 

〔おまけ〕

 

 

「それじゃあなのは、今日は本当に楽しかったよ。」

 

「あ……ま、待ってユーノくんっ! 今日は…その……お仕事だったのに来てくれてありがとうっ…凄く嬉しかったよ!

来年…も…また一緒に…初詣行きたいな…」

 

顔を赤らめながら言うなのは。

二人の片手には袋に入った金魚が。

 

「……っ! うんっ、来年は…もっとゆっくり…なのはと一緒にいられるようにするから……あはは、喜んで貰えたなら良かったっ…」

 

ユーノも顔を赤らめながら言う。

 

 

(いい雰囲気っ、もうそろそろゴールは近いかなっ♪)

 

離れた場所から二人を見るヴィヴィオ。

空気を読めないフェイトは自分の後ろにいる、そう思って安心していた。

 

 

「うんっ、そうだね、私も来年はなのはと二人きりでゆっくり過ごせるようにするからねっ!」

(ホテルで)

 

いつの間にか二人の間に現れたフェイト。

しれっとなのはの手を握っている。

 

 

「…………………」

 

「…………………」

 

いい雰囲気を壊された二人は目を点に。

 

 

そして

 

(しまったぁあぁーっ!!!)

 

ヴィヴィオも目を点にして固まった。

 

 

 

お正月編、これにて

 

 

終わり

 




番外編、お付き合い頂きありがとうございました〜(^^)


本当は

「いか焼きでも食ってろっ!!」

ってフェイトに言わせてユーノの口にいか焼きを入れ込む流れをやりたかったんですけどしませんでした。

お正月の次はバレンタイン…なんか色々想像つきますね…

全力変態フェイトさんの事ですから媚薬入りチョコなのはに食べさせそうです(危ない危ない)


書きませんけどね(´`)フッ


ということで、前書きにも書きましたが次回はナースフェイトさん+αです。
タイトル通り、ナースフェイトさんとその他の話です(^^)

【最近の悩み】

主人公がフェイトに変わりつつある事。(タイトルなのはさんなのに)


ではでは〜<(_ _*)>


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番外編〈〜+α〜〉
〜なのはさんと変態フェイトのエイプリルフール〜


書いていたら日付が変わってました。


あれ、ナースフェイトさんは?
と、思った方、すみません、エイプリルフールということで思い付いたのでつい書いちゃいました。

あれ、ナース関係なくね?
と、思った方、番外編なので許して下さい。

あれ、本編は?
と、思った方、すみません、まだ待って下さい(土下座)


そうでした!なんとUAがいつの間にか7000突破していてびっくりしました!
お気に入りも30以上もあって、こんなにキャラ崩壊しているのに見てくださる方がいらっしゃって本当に嬉しいです(泣)

完結にむけてこれからも頑張りますのでよろしくお願いします!


【注意】

※今回のエイプリルフール話ではなのは、フェイト、リンディさんしか登場しません。

※もはやエイプリルフール関係ない

※なのは、フェイトは15歳。

※フェイトが変態。

※エイプリルフールよりバレンタイン感強い。

※ナース関係ない。←



それでも良ければどうぞご覧下さい…<(_ _*)>



 

 

 

 

「あ、フェイトちゃんからメールだ」

 

本日、4月1日正午。

高町なのは(15)は自分の部屋のベッドに横たわっていた。

 

「なになに? 『大事な話があるの……今すぐ来てくれないかな…』大事な話?

行かなきゃっ…メール返信して、えぇっと…何も持っていかないわけには…あっ、翠屋のケーキを持っていこう! おかーさーんっ!」

 

なのは慌ててフェイトにメールを返信すると、靴下を履きながら部屋を飛び出ていった。

 

 

【そのころのフェイトさん】

 

「フフッ、上手く作れたわね」

 

「うん、母さんが手伝ってくれたおかげだよ」

 

二つの皿に作ったチョコレートを並べながら笑む女性二人。

 

「いいえ、フェイトが心をこめて作ったからよ」

 

ウィンクしながら言う女性、彼女はリンディ・ハラオウン。

『フェイト』の母である。

 

「えへへ…なのは喜んでくれるかなぁ」

 

チョコレートを見つめ、頬を染めながら言う女性はフェイト・T・ハラオウン(15)。

数年後に全力変態フェイトさんと呼ばれるあのフェイト。

 

会話を聞いていると今日はバレンタインだったかと思ってしまうが今は春、四月。

 

「アルフも食べたいって言いそうだから少し残しておきましょ」

 

「うん。 あ…でも母さんが作ったのはお酒入りで、私が作ったのは…」

 

「そうねぇ…それじゃあ私のとフェイトのを…」

 

「ダ、ダメっ!!」

 

「……フェイト…?」

 

突然大きな声を出して言うフェイトにリンディは驚いた。

 

「こ、これは…その…なのはのだからっ……アルフにはまた今度作ってあげればいいよ」

 

苦笑しながら言うフェイト。

アルフに食べさせるわけにはいかない、というか食べさせてはいけない。

 

何故なら

 

 

(媚薬入りのチョコレートなんだからアルフに食べさせられないよ)

 

エイプリルフールを利用し、フェイトはなのはを家に呼び寄せた。

そして変態な妄想をしながら作った媚薬入りチョコレートをなのはに食べさせるのがフェイトの狙い。

 

リンディは作ったチョコレートをクロノへ渡しに行く為、家に残るのはフェイトだけ。

 

(アルフはザフィーラとデート中でいないし…こんなにいいチャンス滅多にない。

エイプリルフールというこのイベント、最高だよねっ!

毎年私が嘘をついた後怒るなのはは最高に可愛い…もう食べたい、ベッドの上で喘がせてやろうか!)

 

キッチンで立ったままグヘヘとにやけているフェイトに気づかないリンディ。

 

「フェイト、右のお皿のチョコレートが私ので、フェイトのは左のお皿だから」

 

「うん」

 

二人が作ったのは見た目そっくりなチョコレート。

ましてやお皿までも一緒。

右のか左のか覚えなければ間違えてしまう。

 

「それじゃあフェイト、私は着替えて来るわね」

 

「うん」

 

リンディはエプロンを脱ぐと自分の部屋に行き、リンディの部屋の扉が閉まったのをフェイトは確認すると、スマホを慌てて取り出し、メールを確認した。

 

「『今すぐ来るからっ』か……なのは…今年は怒るなのはをベッドの上で喘がせてあげるから…気持ちいいこといっぱいしてあげるから……」

 

鼻血をポタポタとたらしながら言うフェイト。

 

すると

 

 

ピンポーン♪

 

 

チャイムが鳴った。

フェイトは走って玄関に向かい、ドアを開けた。

 

 

「フェイトちゃん大事な話ってなに!? なにがあったの!? って、わぁっ!!」

 

ドアを開けたフェイトに向かって早口で問い詰めるなのはだが、フェイトを見て表情をひきつらせた。

 

「なのはぁ…♪」

 

フェイトは鼻血を出したままにっこりと笑む。

なのはは慌ててバッグからポケットティッシュを取り出し、フェイトに差し出した。

 

「ティッシュありがとう、取り合えず中に入って」

 

フェイトはティッシュを鼻につめながらなのはを家に上げた。

 

「お、お邪魔します…」

 

 

 

 

「なのはさんいらっしゃい」

 

着替えたリンディが部屋から出てきた。

 

「あ、リンディさんお邪魔してます。 これ、うちのケーキです。」

 

「あらあら、わざわざありがとう♪ゆっくりしていってね」

 

「何処かにお出掛けですか?」

 

「えぇ、クロノにチョコレートを渡しにね♪」

 

「チョコレートを…ですか?」

 

「か、母さんっ、取り合えず私となのはは部屋に行くから! 行ってらっしゃい、母さん」

 

フェイトは慌ててチョコレートを並べた皿を取り、なのはの手を引いて自分の部屋へ向かう。

 

「フェイトちゃん!?」

 

「え、えぇ…行ってくるわね、フェイト……」

 

リンディがそう言った時にはフェイトの部屋のドアはバタンと閉まった。

 

「あ、まだチョコレートのラッピングをしてなかったわ。

どの袋に入れようかしら♪」

 

ルンルン♪と鼻歌を歌うリンディ。

リンディがまだいることに気づいていないフェイトは

 

 

 

「なのは、あのね…大事な話…なんだけど……」

 

「うん、大事な話ってなんなのフェイトちゃんっ」

 

「なのは、今日は何月何日?」

 

「え? えぇっと…四月一日だよ?」

 

「うん、そう。 四月一日。」

 

「それがどうしたの?フェイトちゃん。」

 

「なのは、私は大事な話なんてないよ。」

 

「へ?」

 

フェイトの発言になのはは目を点にした。

 

「今日は四月一日。 今日はエイプリルフールだよ? なのは忘れてたの?」

 

クスクスと笑うフェイト。

そんなフェイトに対しなのははプルプルと震え、頬を膨らませてそっぽ向いた。

 

「心配したんだよっ! 本当に心配したんだから!! いつも顔文字あるのに今日のメールにはなかったし!

エイプリルフールだからってついていい嘘とついちゃいけない嘘があるよ!」

 

瞳を涙で潤ませながら言うなのは。

普通なら少し心が痛むのだが、フェイトは違う。

 

(怒るなのは可愛いぃ…)

 

ウヘヘとにやけながらなのはを見ていた。

 

 

「ちょっとフェイトちゃん聞いてるの!? 私は怒ってっ、きゃっ!?」

ベッドに座っていたなのはを我慢出来なくなったフェイトがなのはを押し倒した。

 

「聞いてるよ、ごめんね、心配させちゃったよね……でも凄く嬉しい…なのはがそれだけ私を思ってくれてるんだもん…」

 

フェイトはなのはに抱きつき、指をなのはの髪に絡める。

 

「当たり前だよ…」

 

「うん……ねぇなのは、さっき母さんとチョコレート作ったの。

良かったら食べてくれないかな?」

 

フェイトはなのはから離れ、机に置いていた皿を取る。

 

「あ、そのチョコレート?」

 

「うん、私が作ったの」

 

「美味しそうだね、それじゃあ遠慮なく♪」

 

なのははチョコレートを一粒手に取り、食べた。

 

(あぁ……今媚薬チョコがなのはの体に…いっぱい気持ちよくしてあげるからね、なのは♪)

 

チョコレートを食べるなのはを見てフェイトはにやけが止まらなかった。

 

 

「わぁ、凄く美味しいよこのチョコレート♪」

 

またもう一粒手に取り、なのはは食べた。

そしてフェイトは荒い息を吐きながら準備は万端。

いつでも襲う準備OK。

 

「もっと食べていいよ、なのは♪」

 

「うん♪」

 

 

それからもう一粒、またもう一粒となのはは食べ…

 

ギシリとベッドが鳴る。

顔を赤くしたなのはがベッドに倒れ、だるそうにしていた。

 

「なのは、大丈夫?」

 

フェイトはしれっとなのはに覆い被さり、なのはの頬に触れる。

 

「フェイト…ちゃ…なんか……体が熱いの…っ…」

 

「どうしたの? 熱があるのかな……顔赤いし…取り合えず服を脱ごうか…♪」

 

にっこりと笑い、フェイトはなのはの服に手をかけた。

 

すると

 

 

「何で服脱がないといけないのかな? フェイトちゃんのえっち♪」

 

なのははフェイトの腕を片手でガシリと掴み、フェイトの頬を思いきりビンタした。

 

「へぶっ!!!」

 

真っ赤になった頬を震えながらフェイトは手でおさえた。

 

「な、なのは……?」

 

「フェイト…ちゃ……Zzz…」

 

フェイトをぶったと思えばなのはは数秒で眠りについた。

 

「え? ちょっ、なのは…?」

(何で寝てるの? 体が火照って即エッチしたくなるって書いてあったのに…え、何で?)

 

「Zzz……」

 

「ま、まぁ、寝てるなら寝てるでまた別のシかたがあるから良いけど…♪」

 

気を取り直してフェイトはまたなのはに覆い被さった。

 

「まずは胸から…♪」

 

フェイトはなのはの胸を服越しに揉もうとする。

 

すると

 

今度はなのはの脚で腹を蹴られた。

 

「グフォッ!?」

 

フェイトはベッドの上を腹をおさえて涙を流しながらゴロゴロと寝返りを繰り返す。

 

(あしぃぃっ!!!! どんなタイミングで脚きてんの!? というかなのは爆睡してるのに何で!?)

 

「Zzz……」

 

爆睡中のなのはを見て震えながらフェイトは起き上がった。

 

「寝てるのに何でっ……というか媚薬聴いてないだろこれ…っ!

しかもさっきからなんか酒臭い!!」

 

フェイトは苛立ちを先程から漂う酒の臭いにぶつけた。

 

「大体何で酒の臭いなんか!! ……ハッ!?」

 

 

「酒………母さんが作ったのはお酒入りの…ま、まさかっ!そんなことっ……私はちゃんと左の………いや、右のを取ったような…っ……あかんっ! そうなると媚薬チョコがクロノのもとに!?

大変や!! って、なんかはやての口調になってしもうた!!!」

 

フェイトは必死に記憶をあさり、動揺のあまり親友の八神はやて(15)の口調になる。

 

「だからなのはは寝てるの!? いや、というか母さんそんなにお酒入れてないのに酔うとかお酒に弱すぎでしょなのはっ!!

って、そんなこと言ってる場合じゃない!!」

 

フェイトは慌ててリンディへ通信を繋げた。

 

 

 

『え、チョコレートを?』

 

「そう! 母さんが持っていったチョコレートは私が作ったので、私がなのはに食べさせたチョコレートは母さんが作ったチョコレートだったの!!」

 

『あら、なのはさんは大丈夫なの?』

 

「なのはは酔って今寝てる! それよりもチョコレートは!? まだクロノに渡してないよね!?」

 

『あ……ご、ごめんなさいフェイト…もうクロノに渡しちゃって……さっきメールでエイミィさんと一緒に美味しく頂きましたって来たの…』

 

(別の意味で頂きましたってか!!!)

 

フェイトは顔を青くして硬直した。

 

『フェイト…? 大丈夫?』

 

「あはは……食べちゃったんなら仕方ないよね…それじゃあ母さん、また」

 

『えぇ…』

 

フェイトは通信を切った。

 

 

「計画…台無し……」

 

フェイトは涙を流しながら気持ち良さそうに眠るなのはを見る。

 

「もうこうなったら意地でもなのはとエッチしてやる!!!

なのはぁあぁあぁっ!!」

 

フェイトは思いきりなのはに抱きついた。

 

すると

 

なのはの肘がフェイトの顔を殴った。

 

フェイトは顔を手でおさえ、涙を流しながら再びなのはに抱きついた。

 

だが、またナイスタイミングでなのはの膝がフェイトの腹を蹴り、フェイトはまたベッドの上で腹をおさえて寝返りを繰り返す。

 

 

こんな事が15分程続き…

 

 

 

「あれ、私……」

 

なのはは起き上がり、目を擦る。

 

「よく眠れた…?」

 

あちこちボロボロなフェイトがなのはの隣に横たわっていた。

 

「ど、どうしたのフェイトちゃん…っ!!」

 

「私は諦めな……い…」

 

フェイトは瞼を閉じ、眠りについた。

 

「ちょっ、えっ、フェイトちゃん!? フェイトちゃんってばーっ!!」

 

なのははフェイトを揺さぶるが、フェイトは暫く目を覚まさなかった。

 

 

終わり

 




読んで頂きありがとうございました!


媚薬チョコですか?

そういえば前 後書きに書きましたね〜(´`)ワスレテター


あ、やっぱりエイプリルフール関係なかったですよね?(笑)

自分でも書いていてあれ、これ関係ないような…と思いました(汗)


そういえば自分で書いといて忘れたのですがしれっと10話突破してましたf(^^;)(笑)

ではでは、次話こそ本当に番外編ナースフェイトさんとなります。
良ければ見てください(´`)


誤字あったら教えて下さると助かります!


フェイトが絡むと変態にしかならない…R18にはならないようにしないと(汗)



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〜ナースフェイトさん〜

先月中に更新するつもりが…(汗)


お待たせしました!
番外編、ナースフェイトさんです!

いやー、やっぱりツッコミがいないとフェイトの妄想がエロエロに…

あ、今回の話には少し…というかそこまででもないですがそういう場面がありますのでやだな〜という方はバックしてください<(_ _*)>

本当はナースフェイトさん+αとする筈だったんですけど…
「フェイト、エロゲーをプレイする」がまだかけてなくて…(汗)


オカシイナ、シュジンコウガフェイトニナリカケテイルゾ?←


とまあ、話はこれくらいにして、

【注意です】

※少し百合です。

※もはやフェイトが主人公。←

※なのは、フェイトは15歳。

※フェイトが変態。

※ツッコミ不在←


それでも良ければどうぞご覧下さい…<(_ _*)>



気分転換番外編

【ナースフェイトさん】

 

 

 

 私はフェイト・テスタロッサ・ハラオウン。

 高町なのは専用のナースです。

 今日はなのはが熱を出した為、泊まりがけの看病をすることになりました。

 

 

『あのね…体が熱くて……キツいの…頭もボーってするし、風邪じゃないかなって……』

 

『うん、おでこ熱いね…それじゃあまず汗たくさんかいてるから、着替えよっか』

 

『えっ…? あ…えっと…じゃあ自分で着替えるね…』

 

『ダメだよなのは、私が着替えさせてあげるから大丈夫っ。

下着もぜーんぶ…脱がしてあげるから…♪』

 

『や、やだよっ…そんな…恥ずかしい…っ』

 

『女の子同士なんだから恥ずかしくないよ。 さ、脱ごうね…なのは…』

 

 私はなのはのパジャマを脱がし、あることに気づきました。

 

 

『あれ…ホッカイロが4つもパジャマの中に……』

 

『そ、それはっ…』

 

『イケない子だね、なのはは…』

 

『だ、だってっ…フェイトちゃんに会いたかったんだもん…っ』

 

『そんな子にはえっちなお仕置きっ♪』

 

『ひゃんっ!』

 

 私はなのはのブラをずらし、なのはの胸を揉みながら耳元で囁いた。

 

 

『なのは、今の私はナースだからなのはがしてほしい事、何でもしてあげるよ?』

 

 そう囁いてあげると、なのははブルッと小さく震えて蕩けた瞳で私を見てきた。

 やっぱりなのはは可愛すぎる。

 

 

『あっ…あぁん…っ…な、ん…でも…?』

 

『うん、なんでもしてあげるよ』

 

『えっと…ね……あの…二人きり、だからっ…フェイトちゃんがしたいようにしてくれたら…嬉しいな……』

 

 ぎゅっとなのはの手が私の手を握った。

 

『そっか…なら遠慮なく…♪』

 

 私はなのはの右耳を甘噛みしてた。すると、可愛いなのはが小さく声を上げる。

 

『ひゃっ…! み、耳はダメっていつも言って…っ』

 

『好きでしょ? 耳に触れられるのも、キスされるのも』

 

『それは…好きだけど……』

 

 恥ずかしいのかなのはの顔が赤い、本当に可愛い。

 

 

『でもなのはがもっと好きなのは…ここ、だもんね…♪』

 

 私はなのはのソコに下着越しに触れ、優しく指でソコを撫でる。

 

『ふっ……あぁ…っ…フェイトちゃっ…』

 

『フフッ、それじゃあ下着脱ごうか…邪魔でしょ?』

 

 私はなのはの下着に指をかけ、ゆっくりと下ろしていく。

 

『フェイトちゃん…大好きだよ…』

 

 なのはがゆっくりと私に顔を近づけてくる。

 

『うん、私もなのはが大好きだよ…』

 

 脱がし終えたなのはの下着を片手に、私はなのはに唇を重ねた。

 

 なのはがもっとと私の背に腕を絡めて求めてくる。

 なのはの思いにこたえるため、私は……

 

 

 

「なのひゃ〜〜…♪ Zzz…」

 

 フェイトの部屋に窓から光が射す。

 ベッドの上で寝返りをし、気持ち良さそうに眠るフェイト。

 

 するとノック音が聞こえた。

 

「フェイト〜、朝よ〜、そしてなのはさんが来てるわよ〜」

 

 ドアの向こうから聞こえる声は母のリンディ。

 

 

「ファッ!? な、なのは!?」

 

 気持ち良さそうに眠っていたフェイトはガバッと起き上がる。

 

「か、母さん! なのはが来てるの!?」

 

「えぇ、後はやてさんも来てるわよ、私はリビングにいるから」

 

 リンディはそういうと行ってしまった。

 

「なのはとはやてが!? って…今のは夢!? 私となのはの百合セッ(※ピー)は夢だったの!?」

 

 そう、先程のアレはフェイトさんのエッチな夢でした。

 

「ゆ、夢……夢にしてはなんかリアルだったな…って…!

 枕が鼻血で染まってる!? 大変だっ、シーツにまで! というか早く着替えなきゃ!」

 

 フェイトは慌ててベッドから降り、クローゼットから服を引っ張り出す。

 

「そういえば今日は、なのはとはやてと出掛けるんだった!

 なのフェイ思い出ビデオなんて見てたから起きれなく…っ…」

 

 フェイトは着替えながら夜中観たなのフェイDVDを思い出す。

 

「なのはの着替え中…出会った頃とはだいぶスタイルが変わって……あの胸に顔を埋めたい…夢が現実にならないかな〜」

 

 そう言いながら着替え終わると、フェイトはリビングへ向かい

 

 

「なのは! はやて!」

 

「「フェイトちゃん!」」

 

 親友二人に思いきり抱きついた。

 

「おはよう、フェイトちゃん♪」

 

「あはは、元気やなぁ、フェイトちゃんは」

 

 なのはとはやては笑みながらフェイトを抱き締める。

 

(あぁ…幸せ……)

 

 フェイトは嬉しそうににやけながら二人を抱き締めた。

 

 この日、フェイトはなのはとアイスで間接キスをしたらしく一日中ご機嫌だった。

 

 

〔終わり〕

 

 

 





読んでいただきありがとうございました!

前書きにも書いた通り、次回はフェイト、エロゲーをプレイするです<(_ _*)>

もはやナース関係ないな…←


あっ、今月はリリパありますね〜
行く方は楽しんで来てください!(^^)

ではでは、また次回〜

誤字脱字がありましたら教えて下さい(^^)
評価感想はご自由にどうぞ!



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〜フェイト、エロゲーをプレイする+おまけ〜

長らくお待たせしました…やっと更新です!!(汗)

本当は上旬に更新するつもりだったのですが遅れてしまいました←


タイトルちょっとアレですみません(遠い目)

そしていつの間にかUA9000もあって本当にビックリしました!(汗)
皆さんありがとうございます<(_ _*)>


今回は遅れたお詫びにおまけで予告をしてもらいました。

※おまけですがカオスになっております(汗)



【ではではここで注意です。】


※この話ではなのは、フェイトは19歳になります。

※フェイトが別人でなのはLOVE、な変態になっています。

※作者はアダルトゲームしたことないので展開は適当です←
(ヒロインの名前が変えられる設定は勝手につけました(汗))

※そういう場面がありますので苦手な方はバックしてください。

※↑にも書きましたがおまけがカオスです←

※おまけには、はやてとクロノが少し出ます。



ではでは、どうぞ<(_ _*)>




 

 

 

 買ってしまった。

 

 ゲームなんて普段あまりしないのについ買ってしまった。

 

 何故なら

 

 

 このエロゲーのヒロインが

 

 なのはに似ているからだ。

 

 

「今日は休みだし、DVD借りて見ようと思って行ったのになぁ……このなのはにそっくりな子が見えたからつい…

学園物か……取り合えずプレイしてみよう」

 

 ゲームのパッケージを見ながらフェイト(18)はゲーム機をセットしていく。

 

 

 

「なになに? 主人公はごくごく平凡な男子高校生…幼馴染みのヒロインとラブラブな日常を楽しもう…?」

 

 フェイトはパッケージの裏に書いてある説明を読む。

 

「ありふれた設定だなぁ…ま、取り合えずプレイしてみるか♪ なのは待っててね〜」

 

 鼻息を荒くしながらフェイトはゲーム機を起動させ、プレイし始めた。

 

 

 

『主人公の名前を設定してね☆』

 

 

「名前か…そんなの決まってる! 名前はフェイト(男)だよ!」

 

 テレビ画面に向けて叫びながら名前を入力していく。

 

「説明見る限りもう幼馴染みとは恋人なのか…告白されるところ見たかったな…」

 

 

『フェイト(男)くんだね♪ じゃあ次はヒロインの名前を決めてね♪』

 

 突然ゲーム画面に謎の女性が現れた。

 

 

「えっ、誰!? ヒロインじゃなくないっ!?」

 

「というか…ちょっとやそっと動いたくらいでそんなに胸揺れないし。」

 

 女性が少し動く度に胸が不自然に揺れる。

 フェイトはジト目で女性の胸を見て鼻で笑った。

 

 

「って、ヒロインの名前も変えれるんだ! ? 名前?そんなの決まってるっ、高町なのはだよ♪」

 

 上機嫌でヒロインの名前を入力していくフェイト。

 先程からにやけが止まらない。

 

 

『やっほーっ♪ 名前入力してくれてありがとう、フェイト(男)くん♪』

 

 名前を入力し終えると、なのはにそっくりな少女が画面に現れた。

 

 

「な、なのはぁああ!!!」

 

 フェイトは目を見開いて驚くと同時になのはの名を叫んだ。

 

「な、なのはが制服着てるっ、しかも黒のセーラー!? 可愛すぎかぁぁっ!!!」

 

 慌てて隣にあるティッシュを数枚取り、鼻血が出ている右の穴にティッシュを詰めた。

 

 

『あらなのは、もう来たの?』

 

『お母さん、ここからは私がフェイト(男)くんに説明するからお母さんはお家に帰ってて?』

 

『そうね、お邪魔しちゃ悪いものね♪ それじゃあフェイト(男)くん、なのはをお願いね♪』

 

 ヒロイン(なのは)に向けて笑みながら言うと、ヒロインのお母さんはフェイト(男)に向けて手を振りながら画面から消えた。

 

 

「ヒロインのお母さんだったの!? 桃子さんには似てなかったな…っ…まあ、ゲームだから仕方ないけど…」

 

『フェイト(男)くん、そろそろストーリー始めようと思うんだけど、準備はいい?』

 

「オーケーですっ!!!」

(かわいぃ…っ…)

 

 自分に向けてにっこりと笑むなのは(ヒロイン)が可愛くてフェイトの表情は蕩ける。

 

『それじゃあ、ゲームスタートだよっ♪』

 

 クルリと一回転し、サイドテールの髪を揺らしながら言うなのは(ヒロイン)。

 

 画面は変わり、主人公の部屋の背景が映し出された。

 

 

「よし、始まった始まった♪ 待っててねなのはっ、今すぐ飛び起きてなのはの家に迎えにいくからね!!」

 

 多分ゲーム内の時間は朝で主人公は寝ているパターン、そう考えたフェイトはボタンをポチボチと押してストーリーを進めていく。

 

 すると

 

 

『ふふっ…気持ち良さそうに寝てるね、フェイト(男)くん…♪』

 

 画面は寝ている主人公に覆い被さるヒロインが映し出され、フェイトは目を見開いた。

 

「いつの間にそこに!? というかはじめから何この嬉しい展開!!」

 

 ふんすっと鼻息を荒くしながらフェイトは画面を見る。

 ヒロインは主人公を見て妖艶に笑んでいた。

 

 

『もう…学校だって言うのに起きないなんて…6時だよ?フェイト(男)くんが起きないなら私が起こしてあげるね…♪』

 

 そう言うとヒロインは寝ている主人公に唇を重ね、暫くして気付いた主人公は飛び起きた。

 

『な、なにするんだよなのはっ! 朝だぞ!? というか何で俺の家にいるんだよ!』

 

『だって合鍵持ってるし♪ ほらほら、なのはさんが目覚めのキスしてあげますよ〜♪』

 

 顔を赤くして言う主人公にクスリと笑うと、ヒロインは強制的に再び主人公の唇を奪った。

 

 

「おぉっ……朝から大胆ですななのはさん…」

 

 興奮し過ぎてもはや口調が変わるフェイト。

 テレビ画面には朝からベッドの上で熱いキスを交わす二人が映し出され、どうも体が火照って仕方ないフェイトは冷凍庫からアイスを取り出し、食べながらゲームを続ける。

 

 

『んぅっ、お、おい、いい加減にキスはやめろっ』

 

『えー? むぅ…キスくらいいいじゃない』

『駄目だ、さ、俺の上から降りて部屋を出てくれ。 着替えるから』

 

『フェイト(男)くんの着替え見ちゃダメ…?』

 

『駄目だ』

 

『むぅ…っ…フェイト(男)くんのケチ〜』

 

 

「ちょっ、何で追い出すの!? なのはに裸見てもらえよ!!」

 

 食べ終えたアイスの棒をくわえながら画面に向けて言うフェイト。

 

 なのはにそっくりなヒロインを見る為にプレイしているというのに暫く主人公の語りが続き、フェイトは段々やる気が無くなってきた。

 

 

「何で私こんなゲームやってるんだろ…今さらだけどね……まあ、時々パンチラとかあったけどさ…本当にこれエロゲーなの? 何処が18禁だよっ!!」

 

 くわえていたアイスの棒をパキッと折りながら言うフェイト、そう言いつつボタンを押す手は止めない。

 

「まだ16時か…大丈夫だね」

 

 この部屋で一緒に暮らしているなのはが帰って来るまで、まだ数時間あることを確認するとフェイトは黙々とゲームを進めていく。

 

 

 そして暫くすると、その時は来た。

 

 

『公園に来てなにするの?』

 

 既にゲーム内では2週間が経ち、主人公とヒロインは夜の公園に来ていた。

『なにって…好きだろ? なのはは外でするのが』

 

『きゃっ!?』

 

 

「来たぁああぁっ!!! ついに来たっ、ついに来たよこの時が!!」

 

 茂みに隠れてヒロインを押し倒した主人公に、これまで以上に興奮したフェイトは思わず正座をしてゲームを進める。

 

 

『だめっ、ひゃ…っ! こん、なところでなんてっ、んんっ!』

 

『なのは好きだろ? 野外プレイ』

 

『そんなことっ! あっ、やっ、入って…っ…あぁっ!!』

 

 

 ついに「よいこの皆は見ちゃ駄目だよ」、な絵が画面に映し出された。

 

「おぅふ……」

 

 まだティッシュを詰めていないもう片方の穴から鼻血が流れ、フェイトはテレビ画面をじーっと見ながら、鼻にテッシュを詰める。

 

「野外…プレイか…」

 

 

 

−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 

 

『ふぇ、いと…ちゃ…っ! だ、めっ…こんなところ、でっ、掻き回さないでぇ…っ』

 

『お外でシてるんだから声抑えないと、人に聞こえちゃうよ?』

 

 なのはのソコを指で掻き回しながら笑むフェイト。

 

『いやぁっ…あっ、あぁ…っ!』

 

 涙を流し、震えながら声を上げるなのはにフェイトは唇を重ねる。

 

『んんぅっ!』

 

『んっ…ちゅ…っ…』

 

 ピクッとなのはが体を反らせるが気にせずにフェイトは更になのはを責め続け、あっという間になのはを…

 

 

 

−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 

 

 

「ウヘヘ…っ…た、堪らんっ…」

 

 フェイト、エロえろ妄想から只今帰還。

 

 

「んっ…ちょっと流石に息が苦しいけど仕方ないか。 おぉっ、凄いっ、いいぞもっとやれ私っ!!」

 

 鼻に詰めたティッシュに息苦しさを感じながら、ゲーム上の自分、主人公にガッツポーズをして言うフェイト。

 時折蕩けた表情を浮かべるヒロインの絵がアップで映る度にフェイトが床をバンバンと叩く。

 

「最高過ぎるっ…私も実際になのはを抱きたいっ! 野外ぷれぇぇ…っ…」

 

 先程のように、妄想の中では何度もなのはを抱いたが実際はまだ抱けていない為、フェイトは涙を流しながらテレビ画面を見る。

 

「私だってっ、私だってなのはを抱きたいよぉぉ…っ! あんあん言わせたいよっ! でもっ、でもそんなに簡単にいかないんだよぉ…っ」

 

 鼻にテッシュを詰め、泣きながら、叫びながらエロゲーをするフェイト。

 なにかと忙しい。

 

 

『あっ、ああぁっ! も、無理ぃっ、わたし…っ、あっ、あっ』

 

『なのはっ!』

 

 

「はっ!? これはっ…! これはもうすぐなのはがイク!? そんなに口開いて喘いじゃって…あぁ…幸せ…」

 

 画面に映るヒロインの絵にうっとりとして見るフェイト。

 

 もうすぐでヒロインが…

 

 

 というところで、

 

 

 

 ガチャッ

 

 玄関のドアが開く音がすると

 

 

「ただいま〜♪」

 

 本物のなのはさん、ご帰宅。

 

 

 

「…っ!?」

 

 なのはの声が聞こえ、一瞬硬直するとフェイトは慌ててテレビの電源を切り、セーブもせずにゲーム機の電源も切った。

 

(テレビとゲーム機の電源切ったっ!よしっ!!)

 

 

「ただいま〜、フェイトちゃん」

 

 仕事帰りに買い物をしてきたのだろうか、なのはの片手には買い物袋があった。

 

「お、おお、お帰りなのは〜」

 

 額にだらだらと汗を浮かべ、ぎこちなく言うフェイト。

 

「か、帰って来るの早かったねっ」

(全部証拠隠滅したよね!? 何もないよね!?)

 

「うん、ヴィータちゃんに気使われちゃってね。 今日はフェイトちゃん休暇で家にいるからお言葉に甘えて帰って来ちゃった♪」

 

「そ、そっかっ」

 

「ゲームしてたの?」

 

 チラッとフェイトの近くにあるゲーム機を見てなのはは言う。

 

「えっ!? あ、うんっ…」

 

「そっか♪ 今日の晩御飯はハンバーグなんだ………ん?」

 

 袋から材料を取り出し、フェイトに見せようとしたなのはだがある物に気づき、屈むとソレを手に取った。

 

 

「エロ…エ…ロ……ハッピー…ライ…フ…っ」

 

 目を点にしてソレに書かれたカラフルな字を読み上げるなのは。

 

 そう、なのはが手に取ったのはフェイトが先程までプレイしていたゲームのケースだった。

 

 

(あぁああぁあぁーっ!!!!!)

 

 フェイトは顔を一瞬で青くし、硬直した。

 

「…………」

 

 ケースのパッケージの絵は普通な為、なのはは裏を見ようとする。

 そして見たのは…

 

 

 裸で交わる女の子と男の子の絵だった。

 

 

「……………」

 

 耐えられなくなったフェイトはケースをなのはから取り上げ、投げ捨てる。

 

「…〜っ…!!」

 

 あまりの衝撃に硬直しているなのはは顔を真っ赤に染め、スササッとフェイトから少し離れた。

 

 

「ち、違うのなのはっ!! 誤解なんだよ!!!」

 

 近づかないで、と言っているような目で見てくるなのはにフェイトは涙を浮かべながら言う。

 

「な、なな、何でフェイトちゃんそんなゲームっ…」

 

「ち、違うのっ!! これは…っ、これは私のじゃないんだよ! これはクロノのなのっ!!」

 

 どうにか誤魔化そうと考えたフェイトの口から出た犠牲者の名前は、兄のクロノ・ハラオウン。

 

 クロノは今頃涙目だろう。

 

 

「えっ!! そ、それクロノくんのなの!?」

 

「い、イエスっ!!」

(ごめんクロノ…っ…)

 

「エイミィさんに見つかるのが嫌だからって言うから一時的に預かってたの!

や、やだなぁっ、私がこんなゲームするわけないよ♪」

 

 苦しい言い訳で笑みながら逃れようとするフェイト。

 

「そう…なんだ……びっくりしたぁ…」

 

「あはははは、隠してたのにこんなところに落ちてるなんてー、もうやだなぁー」

 

 棒読みでそう言いながらフェイトは投げ捨てたケースを棚の奥にしまった。

 

 

「ちなみになのはっ! 私はね、さっきまでマ○オやってたの!! マ○オだよっ!」

 

「あ、そ、そうなの?」

 

「うん!! 普通のゲームしてましたっ!」

 

 

「そ、そっか…♪ ところでフェイトちゃん、また鼻血出たの?大丈夫? 今度本当に耳鼻科行こうか?」

 

 フェイトの鼻に詰められている2つのティッシュを見て言うなのは。

 

「こ、これはねっ、マ○オプレイしてたら興奮し過ぎて鼻血が出ただけで!!

 別にあのゲームやってて鼻血が出たわけじゃっ」

 

「そんなにマ○オ面白いの? じゃあ、ご飯食べた後私も一緒にゲームしていい?」

 

「え…っ…あ、う、うん! やろうやろう!」

(良かったっ、怪しまれてはないみたいっ…)

 

「それじゃあご飯作ってくるね、今日はハンバーグだよ〜」

 

 立ち上がるとエプロンを着用し、笑みながら言うなのは。

 

「わーいっ、なのはのハンバーグ嬉しいな〜っ!」

(さて、どうしたものか…っ…なんかあのゲームやりづらくなってきた…

 買ったばっかりだけど売ろうかな…でもなぁ……もういっそ…誰かに預かってもらうか…!)

 

 誰に預けようかと考えるフェイトの頭に浮かんだのは、はやて、クロノ、ユーノだった。

 

 

(はやてはまず無しだね、次はクロノだけど…エイミィさんがいるしなぁ……クロノには悪い事したし…仕方ない、ここはユーノにするか)

 

「フェイトちゃーん、食器出すの手伝ってー」

 

「はーい」

 

 なのはに呼ばれ、キッチンへ向かうフェイトは口角を上げてニヤリと笑っていた。

 

 

 

 〔後日〕

 

 

「ということで暫く預かって? というか貰ってくれると助かるんだけど」

 

 休憩時間を利用して無限書庫に訪れたフェイトはゲームソフトをユーノに渡そうとしていた。

 

「いや、何がということでなの? いきなりアダルトゲーム貰ってって言われても貰うわけないじゃないか!

というかせめてパッケージの絵見えないように隠してよ!」

 

 書庫で仕事中にフェイトに呼ばれ、何かと思えばソフトを貰ってと言われたユーノ。

 

「あー、ごめん、そこまで気まわらなかったわ。 ほら、このゲームなのはにそっくりな子出てるから。パンチラとアレとかあるから。」

 

 真顔でフェイトはソフトをユーノに押し付ける。

 

「いや、だからいらないって! 自分で処理してよ!」

 

「売るも捨てるも出来ないんだよ! なのはにそっくりな子が出てるのにそんなこと出来るわけないじゃない!」

 

「なら買うなよっ!」

 

 ユーノ、正論である。

 

 ゼェハァゼェハァと言いながら言い合いをする二人。

 

 そんな二人のもとへ

 

 

「司書長ー、すみませ………っ!?」

 

 ユーノに話があったのか、女性司書がユーノのもとへやって来た。

 

 が、アレを見て表情をひきつらせた。

 

「どうしました?」

 

 自分を見て硬直している司書を見てユーノは声をかけるが、女性は目を泳がせて苦笑した。

 

「な、なんでもないですっ…失礼しました……」

 

 司書は慌てて戻っていき、ユーノは首を傾げる。

 

「どうしたんだろう」

 

「ねえユーノ、これだけは教えておくね、裏の絵見えちゃってるから隠した方がいいよ」

 

「え?」

 

 フェイトに言われ、ユーノはケースの裏の絵を見た。

 

 すると見えたのはなのはにそっくりな女の子が男の子と裸で交わっている絵。

 

 顔を真っ赤にしたユーノはフェイトを見るが既にフェイトは逃げていて。

 

 

「ふぇ…っ……フェイト戻ってこーーいっ!!!!!!」

 

 思わず叫ぶユーノだが書庫に響き、フェイトには届かず司書達が驚くだけ。

 

 その頃のフェイトさんは呑気にスキップしながらなのはのもとへ向かっていた。

 

 

「なのはとお昼っ、なのはとお昼〜♪」

 

 

 

 

 今回の出来事で犠牲となったのはクロノとユーノ。

 

 クロノはなのはに誤解され、ユーノは一人の女性司書に誤解され……

 

 

 毎日のように自分のまわりの男性を振り回すフェイトさんは今日も

 

 

 元気です。

 

 

 

〔終わり〕

 

 

 

――――――――――――――――――

 

〔おまけ〕

 

 

「ついに来たで…私の出番が!!」

 

「よっ、はやてちゃん!」

 

「待ってましたはやて!」

 

 えっへん、とするはやてにパチパチと拍手するなのはとフェイト。

 

「い〜やぁ〜、長かったわ〜…リリカルなのはの三人娘の一人、八神はやての出番が15話目にしてあるなんてっ…」

 

 シクシクと泣くはやて。

 

 

「はやての出番…? ちょっ、ちょっと待ってよ、次回からは本編に戻るんじゃないの?」

 

 何処から来たのか突然ユーノが現れた。

 

「あ、ユーノくん。 実はね、次回は『ナースなのはさん』15話記念にまた番外編なんだよ♪」

 

 ユーノに説明するなのはに背後ではやてとフェイトは頷く。

 

「えっ…いやいや、流石に番外編書きすぎじゃ…」

 

「本編私出ないやないかっ! 番外編くらいっ…番外編くらい出させてよユーノくん!!」

 

「そうだよユーノっ!! 自分はよく出番があるからって酷いよユーノ!」

 

 ビシッとユーノを指差して言うはやてとフェイト。

 はやては涙を流していて。

 

「出番って、フェイトほど僕出てないよ!?」

 

「そうだよ…フェイトちゃん出番多いいもん……私なんか主人公なのに脇役みたいで…っ…」

 

 屈み込み、ため息を吐きながら言うなのははいつの間にかネガティブモードに。

 

 

「そ、そんなことないよなのは! なのはが主人公じゃなきゃ私出てないから!!」

 

「フェイトちゃん…っ…」

 

「僕だってなのはが看病に来てくれなかったら出てないし、そもそもこの話始まってないよっ!」

 

「ユーノくん…」

 

 

「よし、こうなったらユーノっ! もう一回風邪引いてっ…いや、私が風邪引けば良いんだ!!

 待っててなのはっ、今すぐ風邪引いてくるからっ! 風邪引いてなのはに看病してもらうから!!」

 

「フェイトちゃん…うん!」

 

 何処かへ走って行こうとするフェイトになのはは涙ぐみながら頷いた。

 

「うん!じゃないよなのは! フェイトに風邪引かせてどうするのさっ!」

「だってこうでもしなきゃ私主人公じゃなくなるもん!」

 

 

「それじゃあなのはっ、行ってくる!!」

 

「うん!」

 

 

「うぉおおぉーっ!!!!」

 

 フェイトは叫びながら走って何処かへ向かっていった。

 

「ちょっ、フェイトーっ!?」

 

 ユーノが叫んだ時には遅く、フェイトは黄色い光りを放ちながら遠くへ行った。

 

 

「『ナースなのはさん』、『ナースフェイトさん』と来たら次は『ナースはやて』さんやなっ!」

 

 目をキラキラと輝かせて言うはやて。

 

「いやいや、まだ本編終わってないからね!? 一応まだ僕、本編じゃ風邪引いてるから!」

 

「もういっそ本編に乗り込んで私が皆の看病したるで!」

 

「それだとタイトル変わるから!!」

 

 

「そうなったらまた私の出番が…っ…」

 

 なのは、再びネガティブモード。

 

「あーっ!! もうっ! ツッコミが回らない!!」

 

 ゼェハァゼェハァと息を吐くユーノはツッコミで疲れる。

 

「ということで次回はナースはやてさんやで〜♪」

 

「違うからね!?」

 

「また私の出番が…っ…」

 

 

 ワーワーと騒ぐ3人をよそに

 

 

 

「騒がしいな…あ、クロノ・ハラオウンです。  なのは達の代わりに僕が。

次回は『王様ゲームなのっ』になります。」

 

 何処から現れたのかクロノが現れ、次回の予告をしていくクロノ。

 

「次回も妹の応援をよろしくお願いします」

(フェイト…僕はなのフェイを応援しているぞ…!)

 

 

 

〔終わり〕

 

 

 




読んで頂きありがとうございました!<(_ _*)>


おまけ、カオスでしたよね?(汗)

え、まともなキャラはいないのか?(´`)

まとも………今までで出たキャラの中ではユーノとエリオ…くらいですかね…(おい女性キャラは)



次回はなのは、フェイト、はやて、クロノ、ユーノで王様ゲームをする回になります。(普通この5人が集まることってそうそうないと思いますが、どうしてもこの5人で書きたかったので無理やり…←)

変態フェイトさんはいつも通りの暴走、ちょっとしたはやての暴走と、クロノがやらかしたり、ユーなのがイチャイチャしたりと騒がしい話になると思いますが、

読んで頂けたら嬉しいです<(_ _*)>

本編は次の話を書いた後に更新します。←




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〜5人で王様ゲームなのっ〜

今月中に更新出来た〜!(汗)

はい、王様ゲーム回です。


今回は、なのは、フェイト、はやて、ユーノ、クロノの5人での王様ゲームになります!

はっきり言ってなのはが振り回されるだけの話です←


フェイトは通常営業ですが

クロノがまさかのアレだったり…

やっぱり兄妹はに…っと、ネタバレをするところでした←



とにかく5人が騒いでいる話です。


【ではここで注意】

※なのは(15)歳設定になります。

※フェイト、クロノは性格改変が酷いため、嫌な方はバックして下さい。

※ラストは少しおまけがあります。



それでも構わないと言う方はどうぞご覧ください<(_ _*)>

誤字脱字がありましたらすみません(汗)


 

 

 

〔ハラオウン家 リビングにて〕

 

 

 

 

「ん〜、折角5人揃ったんやし…なんかしたいなぁ」

 

 ポテトチップスを食べながら呟くのは八神はやて(15)。

 

 

「なにかしたいって、さっきから皆お菓子食べてるよ?」

 

 はやての向かい側に座っている高町なのは(15)がチョコレートを口に入れて言う。

 

「あはは、それにしてもよく集まったよね、このメンバー」

 

 はやての隣で苦笑しながら言うのはユーノ・スクライア。

 

 ここはハラオウン家のリビング、テーブルにたくさんのお菓子とジュースを並べ、休暇を合わせたはやて、フェイト、なのは、クロノ、ユーノは話したりトランプで遊んだりしていた。

 

 

 

「本当だね〜、あ、クロノくんジュースお代わりいる?」

 

 クロノのグラスに飲み物が入っていないのを確認すると、笑みながらなのはは言う。

 

「あぁ、すまない、ありがとうなのは」

 

 クロノのグラスにジュースを注ぐなのは、の無防備なその背中にフェイトが抱きついた。

 

「きゃっ! ちょっ、ちょっとフェイトちゃん!?」

 

 頬を染めて驚くなのは。

 そんななのはを見てフェイトはにやついた。

 

「だってなのはの背中が近くにあったから〜」

 

 スリスリとなのはの背中に頬を擦り付けながら言うフェイト。

 

「い、今クロノくんにジュース注いでるから危ないよフェイトちゃんっ」

 

 苦笑しながらなのはが言うが、フェイトは離れず。

 

 

 

「フェイト、なのはが困ってるから止めてあげなよ」

 

 困っているなのはを放っておけず、ユーノがフェイトに言うが、フェイトはジロリとユーノを睨んだ。

 

《プクク、淫獣さん嫉妬ですか〜? なのはに抱きついてる私に嫉妬ですか〜?》

 

 なのはの背中にスリスリとしながらニヤニヤとユーノに向けて笑うフェイト。

 

※《》は念話です。

 

 

《嫉妬じゃないです、なのはが困ってるから言っただけです》

 

 呆れた表情をしてユーノは言う。

 

《そうだよね、羨ましいよね〜♪ ユーノは男子だからなのはに抱きついたり出来ないもんね〜》

 

 片手で口を押さえてプククと笑うフェイトにユーノは少し苛つくも、深呼吸をして落ち着こうとする。

 

《だから、別に羨ましくなん》

 

 

 

「出来たーっ!」

 

「「「っ!?」」」

 

 突然はやてが万歳をして叫び、なのは、フェイト、ユーノはビクッと体を跳ねさせて驚いた。

 

「な、なにが出来たの? はやてちゃん」

 

「ふっふっふっ…じゃーん! 折角このメンバー集まったんやから、王様ゲームしよか♪」

 

 いつの間に準備したのだろうか、はやては5本の棒が入った箱を手に持っていた。

 

 

「「王様ゲーム?」」

 

 クロノとユーノははやてを見て首を傾げる。

 

「王様ゲームは、この箱に入った棒に番号と『王様』って書かれた棒が入っててな、皆でこの棒を一斉に引くんよ。

 そして、引いたら皆で『王様だ〜れだ』って言って王様引いた人は名乗り出て、○番は○○をする〜とか、○番は○番と○○する〜とか命令して、皆でワイワイ盛り上がるゲームやで♪」

 

 

「へぇ…」

(命令……なんか嫌な予感がするんだけどな…)

 

 はやての説明を聞いた後、ユーノはフェイトをチラっと見た。

 

 フェイトはなのはに抱きついたままにやついて瞳を輝かせていた。

 

 

(王様ゲームっ…命令によってはなのはとあんなことやこんなことが出来る!!)

 

 ふんすっと鼻息を荒くするフェイト。

 

※そんなこと出来ません

 

 

 

「なるほど…楽しそうなゲームだな」

(これはフェイトとなのはの距離を縮めるチャンス…!

 お兄ちゃんに任せろフェイト!)

 

 心の中でガッツポーズをとるクロノ。

 まともな性格に見えるクロノだが、実は百合な妹を全力で応援する、百合好きなフェイトのお兄ちゃんである。

 

 まぁ、クロノが百合にハマったのはフェイトが原因なのだが。

 

 ちなみに恋人のエイミィに見つからないよう、百合の薄い本を自分の部屋に数冊隠している。

 

 

 

「王様ゲームかぁ…変な命令しないでよ? はやてちゃん」

 

 苦笑しながら言うなのは。

 

「なのはちゃん、変な命令をするから楽しいんやで、王様ゲームは♪

じゃあ始めるから、フェイトちゃん座ってな〜」

 

「は〜い♪」

(ウヘヘ……なのはと…なのはと…っ)

 

 先程までなのはに抱きついていたフェイトだがなのはから離れ、にやつきながら座った。

 

「なんかドキドキするね」

 

 正座をして言うなのは。

 なのはの頬は少し染まっていて。

 

 

 

「じゃあ始めようか♪」

 

 テーブルに並べられたお菓子を少し退かし、箱を真ん中に置くとはやては笑んだ。

 

 テーブルを囲んで座る5人。

 

【※時計回りに、はやて、ユーノ、なのは、フェイト、クロノで座っています。】

 

 

 そして5人は箱に手を伸ばし、ドキドキの王様ゲームは始まった。

 

 

 

「せーのっ」

 

「「「「「王様だ〜れだ」」」」」

 

 くじを引き終わり、はやての合図と共に同時に言うなのは達。

 

 さてさて、最初の王様は?

 

 

「私やね♪」

 

 棒を片手にニッコリと笑むはやて。

 『王様』の棒を引いたのははやてだった。

 

「じゃあ…2番が1番の耳を甘噛みせよ」

 

 何故か王様口調で命令するはやて。

 はやての命令に二名の体がピクリと跳ねた。

 

 

「えっと…っ」

 

 2番と書かれた棒を片手に苦笑するなのは。

 

「え、なのは2番なの!?」

 

「フェイトちゃんもしかして1番?」

 

「いや、私は4番…っ…」

(なのはがユーノかクロノの耳を甘噛み!? なにそれっ、凄い羨ましいんだけど!!)

 

 4番と書かれた棒を強く握り締めながらフェイトはクロノとユーノを睨む。

 

 すると、クロノは自分は違うと首を左右に動かしてフェイトに訴えた。

 

 だとすれば、残るのは一人だけ。

 

 

「あの…」

 

 頬を染めてなのはをチラっと見るユーノ。

 ユーノの手には1番と書かれた棒が握られている。

 

 

「は、はいはーいっ!! 引き直しを希望します!!」

(なのはに耳を甘噛みなんてさせるかぁあぁっ!!!!)

 

 額に汗を浮かべ、はやてに必死に訴えるフェイト。

 なのはがユーノに顔を近づけて耳を甘噛みするなんて、想像するだけで鼻血が出そうになる。

 

「引き直しなんてルール違反やでフェイトちゃん。

 様子からしてなのはちゃんとユーノくんやね、さ、二人共、王様の命令は『絶対』やで♪」

 

 早くしろとばかりに満面に笑むはやて。

 

 ユーノは染まった顔を俯け、なのははモジモジとしながら瞳を揺らす。

 

 

「な、なな、なのはっ、なのは嫌だよね!? ユーノの耳を甘噛みするなんて!!」

 

 はやてを説得するのは無理だと判断したフェイトは、なのはに話しかける。

 すると、頬を染めたなのははフェイトの方へ振り向き、口を開いた。

 

「だ、大丈夫だよ、フェイトちゃんっ…その…ゲームだし! 平気平気っ!」

 

 あははと誤魔化すように笑いながらなのはは立ち上がり、ユーノのもとへ行くと隣に座った。

 

 

「あ、あ、あああっ、あのなのはっ! そのっ、えっと…っ」

 

 突然隣に座り、自分を見つめるなのはにユーノは顔を真っ赤にして頭は混乱していた。

 

「し、失礼しますっ!!」

 

 恥ずかしいのだろう、顔を真っ赤にしたなのはは勢いに任せてユーノに顔を近づけると、右耳を甘噛みした。

 

「あ…っ…」

 

 ピクンッと体を跳ねさせてユーノが思わず小さな声を上げた、と同時に

 

 

(あの淫獣やろぉおぉぉっ!!!!!!)

 

 フェイトが歯を噛み締めてユーノを涙目で睨み、いつの間にか片手に握っていたう○い棒を握り潰した。

 

(このまま二人の距離が縮んでくれたらええんやけどなぁ…)

 

 なのはとユーノを微笑んで見つめるはやて。

 

「んっ……ご、ごご、ごめんねユーノくんっ!! い、痛くなかった!?」

 

 数秒すると慌ててユーノの耳から口を離し、少しユーノから離れてて言うなのは。

 

「だ、だ、大丈夫だよなのは! そのっ、ありがとうっ! じゃなくてっ!! えっと…っ!」

(あぁああぁ…っ!! 僕は何を言ってるんだっ! 神様ありがとうございます! もう死んでもいいです!!)

 

 プシューと効果音が鳴るのではないかと思うほど顔を真っ赤に染めるユーノは、耳まで赤くなり、頭の中はごちゃごちゃに。

 最早どっちがヒロインなのかわからない。

 

「おうおう、いいよいいよ〜、もっとイチャついてや〜」

 

 からかうように笑いながら言うはやてに、なのはとユーノは同時に口を開く。

 

「「イチャついてないよっ!!」」

 

 

「あははっ」

(どう見てもイチャついてるようにしか見えへんけど…)

 

「もう…はやてちゃんったらっ…」

 

 頬を染めたままなのはは立ち上がり、フェイトのもとへ戻ると座った。

 

 すると

 

「なのはぁあぁっ!!!」

 

 ガバッとフェイトが勢いよくなのはに抱きついた。

 

「フェイトちゃん!?」

 

「うぅっ…イチャイチャしちゃやだよなのはぁ…っ!」

(おのれエロ眼鏡淫獣っ…!!! なのはの可愛い唇を奪ったこと許さないからなぁっ!!!)

 

 嫉妬心に燃えたフェイトは泣きながらなのはの胸に顔を埋め、クロノに念話で話しかける。

 

《クロノ…協力、してくれるよね?》

 

《あぁ、わかってるさ》

 

《クロノが王様になったら、私がなのはの番号を教えるから私となのはに命令を出す、OK!?》

 

《あぁ、僕はいつでも準備OKだぞ!》

 

 この兄妹、ズルする気満々である。

 

 

「フェイトちゃん泣かないで? 何で泣いてるのかわからないけど…べ、別にユーノくんとイチャイチャなんてしてないよ?

 取り合えず、私のハンカチで涙拭いて?」

 

 苦笑しつつ、天使のような微笑みを浮かべてフェイトにハンカチを渡すなのは。

 

(Oh…こんなところに可愛い天使が…もう…食べちゃいたい)

 

 うっとりとした表情を浮かべてフェイトはなのはからハンカチを受け取り、涙を拭く。

 

 

「よし、ええもの見せてもらったし、そろそろ次にいこか♪」

 

 全員の棒を回収し、BOXに入れて言うはやて。

 

「そ、そうだねっ」

 

「うん!」

(次こそは私となのはがあんなことやこんなことを!!)

 

「そうだな」

(百合、百合こそ癒し!)

 

「う、うん…」

(次なのはにあんなことされたら…死ぬかもしれない…っ)

 

 

 そして5人は再びくじを引いた。

 

「「「「「王様だ〜れだ」」」」」

 

 

 さてさて、次の王様は?

 

 

「僕だな」

(百合きたぁああぁっ!!!!)

 

 王様と書かれた棒を皆に見せながらクロノは心の中で再びガッツポーズをとった。

 

「く、クロノが王様なんだっ」

(なのフェイきたぁああぁっ!!!!!!)

 

 そしてフェイトも同じく心の中でガッツポーズをとった。

 

《クロノ、なのはの番号は2番で、私は1番だよ!》

 

《わかった》

 

 

「それじゃあ…1番は2番にキスをしてくれ」

 

「1番は私だよっ!」

 

 嬉しそうにフェイトは笑みながら隣のなのはを見た。

 

 すると

 

「え……に、2番なの…? 2番がフェイトにキスされるの!?」

 

 明らかに先程とは顔色が違うユーノが叫んだ。

 

「「え…」」

 

 クロノとフェイトは思わず同時に声を出した。

 

「もしかして、ユーノくんが2番?」

 

 不思議に思ったなのはがユーノに聞くと、暗い顔をしてユーノが頷いた。

 

 

「え…ちょっ、えぇえぇぇっ!?!! な、何でユーノが2番なの!? なのはが2番じゃないの!?」

 

 思わぬ事実にフェイトは叫んで言う。

 

「私は3番だよ? ほら」

 

 苦笑しながらなのははフェイトに棒を見せた。

 

「いやいやっ!! これどう見ても2番だよ!!」

 

「あー、ごめんなぁ…実は3番の数字書くときちょっとミスっちゃったから、2番に見えるかもしれへん」

 あははと苦笑しながら言うはやて。

「ユーノくんの棒が2番やで」

 

「うそっ!!」

(いーやぁあぁぁっ!!!! 字くらいちゃんと書いてよはやてぇえぇっ!!)

 

 フェイトは心の中で泣いた。

 

 泣いたのはユーノも同じで。

 

(何でよりによってフェイトなんだぁあぁぁっ!!!! さっきので喜んでたのが悪いなら神様ごめんなさい!!)

 

 なのはを巡って日々バチバチとしている二人がまさかのキスを。

 

 そんなこと、出来るわけがない。

 

 

「なのはちゃん、ユーノくんとフェイトちゃんがキスなんやて」

 

「そうだね…人前でするなんて恥ずかしいよね…っ」

 

 顔を青くして硬直しているユーノとフェイトを見てソワソワとするなのは。

 

「なんかこう、モヤモヤしたりしない? ユーノくんがフェイトちゃんとキスするんよ?」

 

「モヤモヤ…? 別に…しないけどどうして? 私元気だよ?」

 

 はやての言っている意味がわからないなのはは首を傾げる。

 

(あかん、まだアプローチが全然足りてないでユーノくん…)

 

 

《ほんと無理だから、私はなのは以外とキスしないって決めてるからっ!!》

 

《それは僕だって同じだよ!!》

 

 

 なのはとはやてをよそに、二人は念話で言い合いをしていた。

 

《何で2番ユーノなのっ!! 本当ならなのはとキスしてたのに!!》

 

《そんなこと言われてもくじで引いたんだから仕方ないじゃないか!》

 

 言い合いばかりして行動しようとしない二人を、クロノは興味なさそうに、なのははソワソワとしながら、はやてはため息を吐いて見ていた。

 

 

「ちょいちょい、お二人さんはいつになったらキスするつもりなん?」

 

「「したくないよっ!!」」

 

 はやてに向けて二人は口を揃えてそう叫んだ。

 

(流石に二人が可哀想だな…仕方ない、ここは妹とユーノの為にも僕が……一肌脱ぐか)

 

「なのは」

 

「なあに? クロノくん」

 

「今の僕はまだ王様だ、ということで命令を変更する。

 3番のなのはは1番と2番にキスをしてくれ」

(フェイト、一肌脱いでやったぞ)

 

 全然一肌脱いでいないクロノ。

 犠牲になったのはなのはだけである。 

 

「えぇっ!? わ、私が!? ま、待ってよクロノくん! 何で私を巻き込むの!」

 

 突然のことに顔を一瞬で染めるなのは。

 

「なるほど、その方がええなぁ。 うん、それでいこうかなのはちゃん」

(フェイトちゃんはともかく、ユーノくんは喜ぶやろうし)

 

「何がええなぁなの!? 完全に私巻き込まれただけだよね!?」

 

 思わずはやてにツッコむなのは。

 

 

「私…私なのはになら……キスされてもいいよ…」

(ナイスクロノっ!! 今度18禁百合本たくさんプレゼントしてあげるよ!!)

 

「ぼ、僕もなのはになら…いいよ…」

(神様本当にありがとうございます!!!!)

 

 頬を染め、モジモジとしながら言うフェイトとユーノ。

 

「何でいいの!? 嫌がってよ!!」

 

「まあまあ、なのは。 二人がこう言ってるんだ、この際何処でもいいからキスしてやってくれ。 あ、別にフェイトは唇でもいいんだぞ、同性だしな、コホンッ」

 

 途中まで真顔で言うクロノだが、最後辺りは頬を染めて言った。

 

「同性だからって流石に唇にはしないよっ!!」

 

 

「「なのは…」」

 

 キラキラと瞳を輝かせてなのはを見るフェイトと、恥ずかしそうにしながらもなのはを見るユーノ。

 

 二人の視線がなのはに突き刺さって。

 

 

「なのはちゃん、二人が待っとるよ」

 

 なのはの肩をぽんっと軽く叩いて言うはやて。

 

「そんなぁ〜…っ」

 

 涙で瞳を潤ませて言うと、なのははため息を吐いた。

 

 そして、決意するとフェイトの方へ振り向いた。

 

 

「フェイトちゃん…」

 

「なの」

 

チュッ…

 

 フェイトがなのはの名を呼ぶ前に、頬を染めたなのははフェイトの頬にキスをした。

 

「ふぇ…っ…」

 

 フェイトはボンッ!と効果音を鳴らして顔を真っ赤した。

 

(な、な、なのはの唇がっ…唇が私の頬にぃいぃぃ…っ!!!!)

 

 キスされた頬を手で押さえ、フェイトは脳内でキスシーンをリピート再生する。

 

 

 そしてその頃

 

「な、なのは…っ」

 

 なのははユーノの隣へ再び座り、顔を近づけていた。

 

「ユーノくん…」

 

チュッ…

 

「あぅ…っ」

 

 ユーノもフェイトと同じくボンッ!と顔を真っ赤にし、バタリと倒れた。

 

「ゆ、ユーノくん!?」

 

 倒れたユーノになのはは驚く。

 

(幸せ過ぎて今にも死にそうです…)

 

 

 

「あはは、幸せそうやなぁ」

(ユーノくんはともかく、何でフェイトちゃんはあんなに嬉しそうなんやろ…)

 

 ユーノを見てはやては微笑みつつ、フェイトを見て首を傾げた。

 

(ごちそうさまでした)

 

 なのフェイを見て何処か上機嫌なクロノ。

 クロノもまた、なのはがフェイトの頬にキスするシーンを脳内でリピート再生していた。

 

 

「あはは、幸せそうなお二人さんには悪いけど3回目、始めようか」

 

 棒を回収しながら言うはやて。

 ユーノとフェイトは火照った顔を冷ますためにうちわで扇いでいた。

 

 

そして始まった王様ゲーム3回目、

 

「「「「「王様だ〜れだ」」」」」

 

次の王様は…

 

 

「私だ」

 

 なのはだった。

 

「なのはが王様か〜、なのはにならどんな命令されても私は平気だよっ」

 

 嬉しそうに笑みながら言うフェイトになのはは苦笑する。

 

「えっと、じゃあ…3番の人は4番の人をハグして下さい」

 

「お、3番は私やね」

 

「4番は僕だ」

 

 3番ははやて、4番はクロノということで

 

「じゃあ、はやてさんがハグしてあげますよ〜♪」

 

 はやては優しげに笑みながらクロノを抱き締めた。

 というよりクロノの顔を胸に埋めさせた。

 

「わぷっ!」

 顔に当たる柔らかい感触に顔を真っ赤にするクロノは、慌ててはやての手を振りほどき、離れた。

 

「な、何するんだはやて!」

 

「なにって、ハグやけど?」

 

 

「はやてちゃんったら大胆っ…」

 

 キャッと一人で盛り上がるなのは。

 隣にいるフェイトは完全に別の世界へ行っていて。

 

「まったくっ…はやては…っ」

(柔らかかった…じゃない!! 僕にはエイミィがいるだろう! 落ち着け僕っ)

 

 火照った顔を慌てて冷まそうとジュースを一気飲みするクロノ。

 

 

「よし、じゃあ4回目行くよ〜」

 

 回収した棒を箱に入れ、言うはやて。

 

 

4回目の王様ゲーム、

 

 

「「「「「王様だ〜れだ」」」」」

 

次の王様は…

 

 

「私だ」

 

 ふにゃけた笑顔を浮かべてフェイトが言う。

 

「じゃあ、4番と2番ポッキーゲーム」

 

 こういう時こそなのはの棒を覗き込んで命令すれば良かったものを、先程のキスのせいで頭がお花畑なフェイトは思い付きもしなかった。

 

 

「に…」

 

 2番と書かれた棒を片手にクロノが呟いた。

 

「え、クロノが…2番…?」

 

 先程の熱は何処に行ったのか、再び青い顔をしたユーノが言う。

 

「ま、まさかユーノが4番か…?」

 

 クロノとユーノは表情がひきつり、ユーノは自然と視線をそらした。

 

 

 

「ぷっ…あはははっ!! クロノくんとユーノくんが、ポッキーゲームっ!」

 

 お腹を押さえて爆笑するはやて。

 

「わ、笑っちゃダメだよはやてちゃんっ……えっと、こっちは気にしないで…キスしていいよっ、二人がキスするところ見ないからっ!」

 

 何故か顔を真っ赤にし、手で顔を覆って言うなのは。

 クロノとユーノはツッコんだ、

 

((なのは…指の隙間凄く開けてガン見してるじゃないか…))

 

 

「もう、次にいけないから早くしてよ二人共。

 クロノ、ユーノ女顔だし、女子だと思えば出きるって、キスの一つや二つ」

 

 他人事なので無表情で言うフェイト。

 ポッキーを手に取ると、無理矢理クロノにくわえさせた。

 

「いや、あの」

 

「つべこべ言わずさっさとする! ユーノは女子だよ女子! ユーノちゃんだよ!」

 

「女子……」

 

 クロノはユーノをジっと見た。

 女子だと言われればユーノはそう見える。

 

「そう思えばなんとかいけそうだ」

 

「なんでだよっ!!」

 

 真顔で言うクロノにユーノがツッコんだ。

 

 

「よし、じゃあするぞ、ユーノ」

 

「え、ちょっ、まっ!」

 

 ユーノに顔を近づけると、クロノはユーノの口にポッキーを入れ込んだ。

 

 

その頃の三人娘は

 

 

「あはははっ!!!」

 

 クロノはともかく明らかに嫌そうな顔をしているユーノを見て、はやては目に涙を浮かべて笑う。

 

「く、クロノくんとユーノくんが…っ」

 

 はやての隣でクロノ達を見てなのはは頬を染めつつガン見し、フェイトは…

 

「早くしてよ〜」

 

 お菓子をムシャムシャと食べながら興味なさそうに見ていた。

 

 

「はやては笑わないでよ! なのははこっち見過ぎ!! そこ(フェイト)少しは興味持って!? というかクロノ顔近い!!」

 

 ポッキーを通して徐々に迫るクロノの顔にユーノは顔を真っ青にする。

 

「仕方ないだろう、ポッキーゲームなんだから、んっ」

 

「きゃっ」

 

 クロノがユーノともうすぐ、というところでポッキーを折り、何故かなのはが声を上げた。

 

 

「なんや〜、キスしないんか〜」

 

 何処か残念そうに言うはやて。

 完全に面白がっている。

 

「酷いよ三人共!! 他人事だからってはやては笑うし、なのはは凄く見てくるし!! フェイトに至っては興味無し!」

 

 目に涙を浮かべながら言うユーノ。

 

 

 そんなユーノに三人娘は顔を合わせると口を開き、

 

 

「「だってユーノくん無駄に可愛いから」」

 

「だって本当に興味ないんだもん」

 

 同時に言った。

 

「無駄に!?」

 

 満面の笑みで言うはやてとなのはにユーノは複雑な気持ちになり、苦笑してツッコむ。

 

 

「ねえ、もういい? そろそろ次したいんだけど」

 

 ムスッと頬を膨らませて言うフェイト。

 

「はいはい♪ じゃあ5回目行くよ〜」

 

 皆の棒を回収し箱に入れ、笑みながらはやてが言うと、5人は再びくじを引いた。

 

 

 

「「「「「王様だ〜れだ」」」」」

 

 次の王様は…

 

 

「僕だっ」

 

 ユーノだった。

 

「ユーノくんが王様か〜」

 

「ユーノくんは面白い命令してくれなさそうやね」

 

「面白い命令か…」

(面白い命令って……言われてもなぁ…そんな直ぐには思いつかないよ)

 

 王様と書かれた棒を片手に考え込むユーノ。

 

「あ、じゃあ…2番は3番の頭を撫でて下さい。 ちなみに…そうだな…3番は犬になりきって」

 

 考えに考え、なんとなく思いついたユーノの命令を聞いて、フェイトが目を光らせた。

 

「はいっ!! 2番私です! 3番はだれ!?」

 

 だれと言いつつなのはを見つめるフェイト。

 なのはは手に握っている棒の数字を見て苦笑すると、口を開いた。

 

「3番は私だよ」

 

 

「な、なのはが3番っ…」

(き、きたっ…なのフェイまたきたぁああぁっ!!! しかもユーノの命令で!?

 フハハハッ、悔しいでしょユーノ!

 自分の命令でなのはと私がイチャつくところ見るなんて!!)

 

 キラーン☆と目を光らせ、ユーノを見るとにやつくフェイト。

 ユーノは眉をピクッと動かし、ジト目でフェイトを見る。

 

「ぐっ…!」

(しまったっ…よりによってフェイトが喜ぶ命令を出しちゃった…っ)

 

 自分の出した命令に後悔するユーノ。

 

「犬……ペットか…」

(なのはがフェイトのペット、つまり犬なわけだ。

 フェイトの頬を舐めたり…ベッドで一緒に寝たりするのか…)

 

 クロノは瞼を閉じ、その光景を想像する。

すると

 

「ゴフッ!!」

 

 何を想像したのだろうか、顔を赤くして吹き出した。

 

 

「ど、どうしたんやクロノくん」

「だ、大丈夫!? クロノくん!」

 

「どうしたのクロノ…」

 

 はやて、なのは、ユーノの順で突然吹き出したクロノに声をかけるが、クロノは片手で顔を覆い、無言で何度か頷いた。

 

(ぼ、僕としたことが変な想像をしてしまったっ…いくらペットとはいえそんなところを舐め)

 

※クロノのエロエロ妄想タイムに入りそうな為強制終了。

 

 

 

「なーのーはっ♪」

 

 我慢できない、とばかりにフェイトが腰を振ってなのはに抱きついた。

 

「ひゃあっ!?」

 

 突然抱きつかれ、頬を染めて驚くなのは。

 そんななのはの項を、フェイトは指でそっと撫でた。

 

「はぅ…っ…」

 

 擽ったさにピクッと体を跳ねさせるなのはを見たフェイトは妖しく笑む。

 

「なのははね、今から少しだけ私のワンちゃんになるの。 王様の命令は『絶対』だから、出来るよね?」

 

 なのはの耳元でフェイトはそう囁くとなのはから離れた。

 すると、なのはは小さく頷き、上目遣いでフェイトを見つめる。

 

「可愛いよ、なのは」

(か、可愛すぎるっ…そんな上目遣いで見られたら…っ…今すぐ押し倒したいっ! 別の意味で可愛がりたい!!)

 

 ふにゃけた顔をして、震えながらなのはの頭を撫でるフェイト。

 

(なんかこれ…恥ずかしい…)

 

 フェイトに撫でられながらなのはは顔を真っ赤にして顔を俯けた。

 

 

 

 そんな百合モード全開の二人をユーノは頭を抱えて、はやてはきょとんとして見ていた。

 

(フェイトが暴走したら止めなきゃっ…というかなのは可愛い…っ…じゃなくて!! 僕までそんなこと言ってどうするんだっ!)

 

(なんやろ……二人は付き合っとるんかっていう雰囲気やな…)

 

 なのはとフェイトを見つつ、隣で頭を抱えては首を振るユーノ見て、はやてはお菓子を食べながらユーノの肩をポンッと叩いた。

 

《ファイトやで、ユーノくん…》

 

《はやて…》

 

 

 

 一方、ユーノとはやてをよそにイチャつくなのはとフェイトは…

 

 

「あ、あの…フェイトちゃん、撫でるのもうやめない…? 髪が乱れるんだけど…」

 

 フェイトに撫でられながら苦笑するなのは。

 

「髪が乱れてもなのはは可愛いよ」

 

「え? えっと…あ、ありがとう…」

(い、いつまで撫で続けるつもりなんだろう…)

 

「ねぇ、なのは、『わんっ』って言って?」

 

 うっとりとした表情でなのはを見つめながら言うフェイト。

 命令に関係無いことまでなのはにさせようとしている。

 

「え? そ、そんな命令なかっ」

 

「お願い…ダメ?」

 

「うっ…」

 

 瞳を潤ませて言うフェイトになのはは苦笑すると、ため息を吐いた。

 

「はぁ…仕方ないなぁ……わん…っ…」

 

 モジモジとしながら小さな声で言うなのは。

 

「もういただきますっ!!!!」

(もう我慢できないぃいぃっ…!!)

 

 フェイトは鼻血を出しながら再びなのはに抱きついた。

 

「きゃあぁっ!?! ふぇ、フェイトちゃん鼻血出てるよーっ!!」

 

 

「わっ、フェイトなのはから離れて!」

 

 慌ててユーノはなのはのもとへ駆け寄ると、フェイトを引き剥がした。

 

「フェイトちゃんティッシュ鼻に詰めて、そして落ち着くんや」

 

 フェイトにティッシュを渡しながら言うはやて。

 

 

「なのひゃ〜…っ」

 

 目をハートにし、ティッシュを鼻に詰めながらフェイトはなのはの名を呟く。

 

「あかん、完全に夢の世界や…」

 

 

「な、なのは大丈夫!?」

 

「あ、ありがとうユーノくんっ、助かったよ」

 

 心配そうに見るユーノに、苦笑しながら言うなのは。

 

「困ったなぁ〜、この様子やとフェイトちゃんは少し休憩やね。 王様ゲームは4人でしようか」

 

「え、まだ王様ゲームするつもりなの? はやてちゃん」

 

「じゃあ次ラストにしようか?」

 

「そうだね、フェイトも休んでるし…クロノも流石に……あ…れ…?」

 

 苦笑しながら言うユーノは、隣にいる筈のクロノを見た、がクロノはいなかった。

 

 そして下を見ると

 

 

 真っ赤な顔をしたクロノが倒れていた。

 

 

「ク、クロノーっ!?」

 

 ユーノは慌ててクロノを揺するが、真っ赤な顔をしたクロノは何故か少しにやけていて。

 先程のなのフェイを見て完全に妄想の世界へ旅だってしまったようだ。

 

 

「ダメだ…完全に夢の世界に行ってる…」

(何でにやけてるんだろう…)

 

 揺すっても起きないクロノを見つめながらユーノは表情をひきつらせる。

 

「クロノくん大丈夫かなぁ…」

 

 不安げにクロノを見るなのは。

 

「多分疲れて寝てるだけだと思う…」

(にやけて寝るほど疲れてるんだな…クロノは…)

 

「フェイトちゃんもクロノくんも夢の世界に行ってるみたいやし…

 ここは3人で王様ゲームしよか♪」

 

 箱を持って笑みながら言うはやて。

 

「えぇっ!? 3人でなんて少なすぎるよ! それに1人が王様引いたら誰が命令受けるのか分かっちゃうよはやてちゃん!」

 

「そうだよはやて!」

 

「えー? 次でラストでええからしようよ〜」

 

 な?な?と笑みながら言うはやてに、二人はお互い顔を合わせて見ると、ため息を吐いて口を開いた。

 

 

「仕方ないな…」

 

「次で終わりだからね、はやてちゃん」

 

「やった♪ ありがとうな、ユーノくん、なのはちゃん♪

 じゃあ、6回目ラスト、行くよ〜」

 

 

 

 そして3人は6回目のくじを引いた。

 

 

「「「王様だ〜れだ」」」

 

 

 ラストの王様は…

 

 

「私やね」

 

 はやてだった。

 

「あはは、最初に戻ったね」

 

 軽く笑いながら言うなのは。

 はやて→クロノ→フェイト→なのは→ユーノと来てラストは最初の王様になったはやて。

 

「ラストの王様は私か〜…最後やからなぁ……最後くらい…思いっきり楽しんでもええ?」

 

 満面の笑みで何故かなのはを見つめるはやて。

 

「な、なんか嫌な予感…っ」

 

 はやてに見つめられ、なのははブルリと震えた。

 

「なのはちゃん何番?」

 

「いやいや、それ聞いたらダメでしょはやて」

 

「そうだよはやてちゃん」

 

「女子にしか命令できないんよ…だから…ね?」

 

 手を合わせてお願い、というはやてになのはは苦笑しつつ口を開く。

 

「一体どんな命令するつもりなのはやてちゃん……えっと…1番だよ…」

 

 渋々答えたなのはに、はやてはパァアッと表情を明るくさせ、微笑んだ。

 

 

「じゃあ、1番は王様に胸を揉ませよ♪」

 

 にっこりと笑みながらしれっととんでもないことを言うはやて。

 なのははピシリと硬直し、手に持っていた棒を床に落とした。

 

「ゴフッッ!!!! は、ははは、はやてっ!?」

 

 まさかの命令にユーノは顔を真っ赤にして吹き出す。

 

 

 

「あ、あの…今変な命令が聞こえた気がするんだけど……私の聞き間違え…だよね?」

 

 真っ青な顔を俯け、なのはは言う。

 

「聞き間違えやないで、なのはちゃん……ちょっと…大きくなった?」

 

 いつの間になのはの背後に移動したのだろうか、はやては満面の笑みでそう言いながらなのはの胸を揉んでいた。

 

「きゃあぁああぁっ!?!!」

 

 顔を真っ赤にしてなのはが叫んだときには遅く、もみもみとはやてはなのはの胸を揉む。

 

 

(こ、ここ、これはっ…刺激がつよ…っ…)

 

 ユーノには刺激が強すぎたのだろう、顔を真っ赤にしたままバタリとユーノは倒れ、夢の世界へと旅立ってしまった。

 

 

「いやぁ、スッキリした♪」

 

 満足気に笑みながら、はやてはなのはの胸から手を離す。

 はやてに胸を揉まれたなのははプルプルと震えていて。

 

「これでなのはちゃんの胸もフェイトちゃんみた」

 

 次の瞬間、話している途中のはやての顔になのはの肘が飛び、ヒットした。

 

 

「はやてちゃんっ……少し頭冷やしてね…っ…」

 

 なのはの攻撃を受けてバタリと倒れたはやてを、涙で潤んだ瞳で見つめながらなのはは呟いた。

 

 はやても夢の世界へと旅立ってしまった。

 

 

「もう…お嫁にいけない…っ」

 

 顔を両手で覆い、声を震わせて言うなのは。

 

 なのはの回りには夢の世界へ旅立ったフェイト、クロノ、ユーノ、はやてが居て。

 

「ん……あ、あれ…? 何でユーノくん…まで寝てるの…? は、はやてちゃんはともかくっ、何でユーノくんまで寝てるの!?」

 

 自分の後ろで寝て…気を失っているはやてを揺すりながらユーノを見て、なのはは言うがはやては目を覚まさない。

 

「皆寝ちゃったの!? お、起きてよっ、折角集まったのに皆寝ないでよー!」

 

 はやて、フェイト、ユーノ、クロノと順番に揺するが誰も起きなくて。

 

 

「嘘でしょ…起きてってばー!」

 

 もうすぐで時刻は15時。

 広いリビングで1人叫ぶなのは。

 

 他の4人は…

 

 寝ている者も入ればにやけている者もいて、はやては気を失っているだけだが。

 

 

 1人残されたなのははこの後、テーブルの物を片付けると、いつの間にかはやての隣で眠りについた。

 

 

 

〔数時間後〕

 

 

「ただいま〜」

 

「フェイトただいま〜」

 

 一緒に出掛けていたのだろうか、クロノとフェイトの母であるリンディ・ハラオウンと、フェイトの使い魔であるアルフが帰ってきた。

 

 

「ありゃ、皆寝ちゃってるよ」

 

「あらあら…♪」

 

 二人はリビングを見るとお互い顔を合わせてクスリと笑った。

 

「余程遊んだのね、まだもう少し寝させておきましょうか♪」

 

「うん! 皆仲良さそうに寝てて微笑ましいね」

 

「そうね」

 

 なのは達を見てにっこりと微笑むリンディとアルフ。

 

 すやすやと眠るなのは達は、時折微笑んで寝ていたらしい。(はやては除く)

 

 

 

 

  終わり

 

 

 

 

〔おまけ〕

 

 

 

「いやいや!! 私だけ気失ってるっておかしいやろ!」

 

「は、はやてちゃんがいけないんだからねっ、い、いきなり揉んできたりするから!」

 

「揉んだ!? 何を揉んだの!? なのはの何を揉んだのはやて!!」

 

 はやての肩をガシリと掴み、鼻息を荒くして言うフェイト。

 

 

「あはは…っ」

(刺激が強すぎたなあれはっ…)

 

 あの光景を思い出し、顔を真っ赤にして苦笑するユーノ。

 

「ユーノ、なのはは犬と猫、どっちがいいと思う? 兎というのもありだな…」

 

 ユーノの隣で真剣な表情をして言うクロノ。

 

「いや、1人だけ何の話ししてるの。 というか言ってる意味がわからないよクロノ」

 

 突然意味がわからないことを言うクロノに、ユーノは真顔でツッコんだ。

 

 

「何を揉んだのはやてぇええぇっ!!!」

 

 はやてを激しく揺すりながら言うフェイト。

 激しく揺すられ、答えるにも答えられないはやては目に涙を浮かべている。

 

 

一方男子は

 

 

「じゃあ…ハムスターとかか?」

 

「だから何の話し!?」

 

 真剣な表情で意味のわからない話しをするクロノに、ユーノが必死にツッコんでいた。

 

 

「何か私だけ空気……じ、次回からは多分本編だから出番が増えるといいなっ」

 

 1人だけ相手にされないなのはは苦笑しながら呟く。

 

 背後から鼻血を垂らしたフェイトが迫ってきている事を知らずに。

 

 

「きゃあぁああぁっ!?!!」

 

「なのはぁーっ♪」

 

 

 自分もなのはの胸を揉もうとしたのだろう、フェイトの手はなのはの胸に伸びたが、触れる前になのはの肘が飛んだ。

 

 

 バタリと倒れるフェイトを、ユーノは真顔で、クロノは完全に妄想の世界に、はやては苦笑しながら見ていた。

 

「て、照れるなのはもかわ…い…っ…」

 

 フェイト、気絶。

 

 

「ということで、次回もリリカルマジカル頑張ります☆」

 

「何がということでなの!?」

 

 何事もなかったかのように笑むなのはに、ユーノが背後からツッコんだ。

 

 

 

 変態フェイトさんとなのは達の騒がしい日常は、まだまだこれから。

 

 ユーノ曰く、ツッコみが毎日追い付かないらしい。

 

 

  終わり

 




読んで頂きありがとうございました!<(_ _*)>


はやての関西弁、違和感あると思います、すみません(汗)


これではやてとクロノの出番は…

何故なら多分次回からは本編だからです。


本編書こうとしている間に番外編思い付いちゃうんですよね〜(汗)
ですが次回こそは本編を!

長らくなのはさんナース服着てないですからね!


ではでは、次回も良ければよろしくお願いします。
番外編書いたらすみません(汗)←





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本編2
全力全開の看病〈8〉〜ラッキースケベなユーノくん、なの〜




来ました!
本編更新!!(泣)

去年のクリスマスぶりです(汗)


今回はというか毎回ですが安定の騒がしさですf(^^;

あ、なのはさんやっとまたナース服着ますよ(汗)

では、

【一応注意書です】


※キャラ崩壊が非常に酷いです。

※フェイトが別人です、変態キャラです。

※ユーなの要素しかありません。




やっと更新です…

では、どうぞ…ご覧下さい…(ペコリ


誤字脱字あったらごめんなさい!f(^^;
評価、感想ご自由にどうぞ!



 

 

 

「何でテーブルにトランプが散らばってるのかな? 何でユーノくんはフェイトちゃんを押し倒してたのかな?

 私……寝ててって、言った筈だよね…?」

 

 にっこりと笑みながら言うなのは。

 

 

「ご、ごめんなさい……」

 

「ごめん…なのは……」

 

ユーノ、フェイトの順で二人は頭を下げてなのはに謝る。

 

ユーノとフェイトは

 

 

正座させられていた。

 

 

 

「私はね、二人の体を心配して言ってるんだよ?

 特にユーノくんは薬飲んで熱が下がってるだけだし、一応明日は仕事なんだから今日で治さないとダメでしょ?

 それに、毎日の仕事の疲れがたまってるだろうし……

 まあ、久しぶりに3人揃ったし、遊びたいって思うのもわからなくはないんだけど……」

 

「ごめん……」

 

 

「そしてフェイトちゃん、フェイトちゃんもさっき熱があったし寝てなきゃダメだよ」

 

「うん…ごめんね、なのは……」

 

 

「うん、まあ…反省してくれたならいいよ。

 それと……その…ユーノくんは……フェイトちゃんが好きなの…?」

 

 なのはは顔を俯け、頬を少し染めて言う。

 

 

「はい?」

 

 なのはの思わぬ発言に、ユーノは表情を凍らせた。

 

「ちょっとなのは、やめてよそういうの。  私はユーノなんて眼中にないから、私が好きなのは白い悪魔ことなの」

 

「フェイトっ!!」

 

 言わせまいと慌ててフェイトの名を叫ぶユーノ。

 

「わっ!」

 

 いきなりユーノが叫んだ為、なのははビクンッと体を跳ねさせて驚く。

 

「ちょっとユーノ、今いいところだったんだけ」

 

 フェイトはそう言いながらユーノの方へ向く。

 

 すると、ユーノが視線で何か訴えてくる。

 下を見ろ、そう言っているようだ。

 

 それにしてもなぜかユーノの頬が赤い。

フェイトは不思議に思いながらも下を、ユーノの手元を見た。

 

 

「……〜っ!?」

 

 フェイトは顔を青くした。

 ユーノの手にあったのはフェイトのスマホであり、なのはに見られてはいけない、いや、見られたら殺られるレベルの写真が表示されていた。

 

 

「白い…悪魔? なんだかよくわからないけど、取り合えず今は寝ておかないと熱出ちゃうよ、フェイトちゃん」

 

 なのははフェイトの手を引き、ソファーのもとへ行く。

 

「ちょっ、ちょっと待ってなのはっ、私っ」

(私のスマホぉおぉっ!!! いつのまに手にとったの淫獣っ…! ダメ…あの写真だけは…っ!!)

 

 フェイトは顔を青くしたままユーノを睨むが、なのはにソファーへ連れていかれる。

 

 フェイトのスマホに表示されている写真、それは

 

 数ヵ月前、ベッドで昼寝していたなのはのベッドに乗り、背後から抱き締めてなのはの服の隙間から手を入れ、胸を揉んでにやけているフェイトが写った写真だった。

 

 

 

(これは完璧な犯罪だよフェイト…っ…)

 

 ユーノは体をプルプルと震わせながら顔を俯け、フェイトのスマホの電源を切るとベッドに置く。

 

 

「よし、じゃあ寝ててね、フェイトちゃん。 今のところは熱ないみたいだから…キツくなったら言ってね?」

 

フェイトをソファーに寝せると毛布をかけ、笑みながら言うなのは。

 

「あ、ありがとうなのは……あの…」

(どうしよう…っ…なのはにスマホがないって言って持ってきてもらおうかと思ったけど……

 ユーノが電源切ってくれてなかったら…写真見られたら……なのフェイルートがbadendを迎えてしまう…っ…それだけは絶対嫌だっ!!)

 

 だらだらと冷や汗を流し、ユーノからスマホを取り返す策を考えるフェイト。

 

 

 すると

 

 

「なのはー」

 

 ユーノがなのはを呼んだ。

 

「はーいっ」

 

 なのはは慌ててユーノのもとへ向かう。

 

 

(ヤバいっ! 淫獣っ…なのはに写真を見せるつもり!?)

 

 フェイトは慌てて起き上がり、ユーノとなのはを見る。

 

 

「どうしたの? キツい?大丈夫?」

 

 なのはは心配そうな表情をしながら言う。

 

「あ、僕は大丈夫だよ。 なのは、これ、フェイトにスマホ渡してくれないかな」

 

「あれ? フェイトちゃんのスマホを何でユーノくんが?」

 

「フェイトのスマホが僕の足元にあったんだよ。

 手元にないと困るだろうから渡しておいて」

 

 ユーノはそう言うとベッドに乗った。

 

「そうなんだ、わかった」

 

 なのははスマホを片手にフェイトのもとへ向かう。

 

 

 

(あ…れ…? 電源…切ってある……見せるんじゃなかったの?)

 

 フェイトはきょとんとしながらユーノを見る。

 

「あっ、フェイトちゃん寝てないとダメだよ。

 はい、これフェイトちゃんのスマホでしょ?」

 

「あ……うん、ありがとう、なのは」

 フェイトはなのはからスマホを受け取る。

 すると、なのははフェイトの額に掌をあてた。

 

「ぼーっとしてるね、熱は……ないみたいだけど…」

 

「あ、うん、熱はないよ。 そ、 それじゃあ、私は寝るねっ」

 

フェイトはソファーに横たわると毛布を頭までかぶり、うつ伏せになる。

 

「おやすみ、フェイトちゃん」

 

 フェイトに向けて柔らかな笑みを浮かべて言うと、なのははとある物を抱えて脱衣所へ向かった。

 

 

 

《フェイト、なのはをかけたトランプ対決だけど……反則をしたフェイトは負け、いいね?

 ということで、約束した通りなのはにはなにもしない事、襲ったり変に触ったりしない事、いい?》

 

 念話でフェイトに話しかけるユーノ。

 

《反則というかなんというか…っ……その条件は厳し》

 

《いい加減にしないと、ね?

 フェイト、君がその条件を飲んだんだよ?  忘れたなんて言・わ・な・い・よ・ね?》

 

 威圧を込めながら言うユーノ。

 聞かなくてもわかる、これは…もう疲れたからこれ以上面倒を起こすな、ということ。

 

《わ、わかるわかる…ごめん……約束守ります…》

(普段ニコニコしてる人程怒ると恐いんだよね……)

 

※[怒ると恐い人]例、Nさん(15歳)。

 

 

《うん、じゃあそういうことで》

 

《うん……》

(『今日1日』だけなんだし大丈夫、1日ぐらい耐えれる…今日1日耐えれば良いんだから…っ…)

 

 

 『今日1日』だけ、と自分に良いように変換しているフェイト。

 

 

(フフフッ……耐えればいい、ただそれだけ。

 ユーノは忘れてるね…自分のスマホが私の手にあることをっ!)

 

 フェイトはポケットからユーノのスマホを取り出し、写真を見始める。

 

(やっぱり…なのはの写真しかない…っ……あぁあぁ…可愛すぎるっ…まさに天使っ、いや女神っ!)

 

 次々とユーノのスマホの写真を勝手に見ていくフェイト。

 

 居眠り中のなのは、なのはと出かけた時の写真と思われるもの、なのはとユーノのツーショット等々。

 フェイト同様なのはばかり。

 

(取り合えず…時間が有る限りこの写真を私のスマホに……)

 

 グヘヘとにやけながら毛布に隠れてユーノのスマホを勝手に操作し、LI○Eを使って画像を送る。

 

 

 なのはの写真を勝手にフェイトのスマホへ送られているとは知らないユーノはベッドに横たわり、天井を見つめていた。

 

(ふぅ……フェイトは寝たみたいだね…

 ん? フェイトが…寝た?寝たって事は…今なのはと二人きり状態…?)

 

 そう考えるとユーノはかぁっと頬を染め、ゴロンと寝返りをうった。

 

 

 すると

 

「ねぇ、ユーノくん、本当にキツくない? 顔赤いけど…」

 

 いつの間に来たのだろうか、ナース服に身を包んだなのはがベッドの前に座り、ユーノを見つめていた。

 

「わっ!?」

 

 サササッと素早く起き上がり、思わずなのはから距離をとるユーノ。

 顔は見事に真っ赤に染まっていた。

 

「ユーノくん…? ど、どうしたの?」

 

 きょとんとしてユーノを見るなのは。

 好きな女の子がミニスカートのナース服を着ていれば世の男子はこんな反応をするだろう。

 

「い、いつの間にナース服に着替えたの!?」

 

「えっと、フェイトちゃんが寝た後だよ? 本当にどうしたの? 私の顔に何かついてる?」

 

 両手でぺたぺたと自分の頬を触りながらなのはは言う。

 

「な、なにもついてないけどっ…わざわざナース服に着替えなくても…っ」

 

 なのはから必死に視線を反らして言うユーノだが、やはり立派な男子、視線がついなのはのスカート部分にチラッと行ってしまう。

 

 

「なに言ってるのユーノくん、私はユーノくんの看病をしに来たんだよ?

 えっと…今日は1日、ユーノくんとフェイトちゃんの専属ナースだよ♪

 だから、具合がまた悪くなったり、困った事があったら遠慮なく言ってね?」

 

 可愛らしい笑みを浮かべて言うなのは。

 今のなのはは白い悪魔というより天使そのものだ。

 

 

「う、うん…」

(誰かこの煩い心臓をどうにかしてください…)

 

「まだ夜ご飯まで時間あるし…ユーノくんも少し寝る? 寝た方が早く治るよ」

 

「そ、そうだね…」

 

 火照った顔を冷ますため、落ち着く為にユーノは瞼を閉じた。

 

「おやすみなさい、ユーノくん」

 

「うん…」

 

 

 

 それから数分後、ユーノとフェイトは寝ている為、なのははナース服を着用したまま静かに読書をしていた。

 親友のすずかに勧められた小説を時には涙ぐみ、時には笑みながら。

 

 

 そう、それは二人が寝ていると思っていたからだ。

 

 

(眠れない…)

 

 モゾモゾと動き、必死に眠ろうとするユーノ。

 

 なのはと改めて二人きり状態だと思うとどうしても意識してしまって眠れないのだ。

 

(なのはは…本を読んでるのか……いいなぁ…僕も風邪引いてなかったら…)

 

 うっすらと瞼を開け、ユーノはなのはを見る。

 

 

 

 眠れないユーノに対し、勝手に人のスマホを弄っていたフェイトは…

 

 

 ユーノのスマホと自分のスマホを手に涎を垂らしてまさかの爆睡していた。

 

 

(寝なきゃ…寝よう、無になるんだ…)

 

 それから暫くユーノの戦いは続いた。

 いくら寝ようと思っても訪れない睡魔。

 

 

そして数十分後、

 

 

 

「風邪引いてるのに本読みたいだなんて…」

 

「お願いだよなのは、熱ないし、ベッドの上で読むから…ね? それに眠れないんだよ…」

 

 寝るのは無理だと判断したユーノは、なのはに声をかけ、本を読ませてくれと頼んでいた。

 

「でもなぁ……ん?眠れないってことは今まで寝てたフリしてたの?」

 

「う、うん…」

 

「そっか…じゃあ、15分だけ読むっていうのは?

 長時間読むのはダメだから、どう?」

 

「短いなぁ……うぅ、わかったよ…どの本読もうかな…」

 

 ベッドから起き上がり、本棚のもとへ行く為に降りようとするユーノ。

 そんなユーノを見てなのはは目を見開き、立ち上がった。

 

 

「ユーノくん降りなくていいから寝てて、私が本取るよ」

 

「え、でも…」

 

「大丈夫、どの本読むの?」

 

 なのはは少し大きな本棚の前に立ち、ユーノの方へ振り向いて言う。

 

「じゃあ…5段目の…緑の本取ってもらえないかな」

 

「わかった」

 

 自分の身長より高い本棚。

 5段目の本となると背伸びをしないと届かないかもしれない。

 なのはは背伸びをし、その本へと手を伸ばす。

 

 

 

「んっ……あ、あれ…届かな…っ」

 

 背伸びをして一生懸命手を伸ばすが、あと少しの距離で本に届かない。

 

「あ…やっぱり僕がと」

 

「大丈夫だからっ、ユーノ…くんは寝てて…っ」

 

 プルプルと震えながら脚に力を入れ、なのはは本に手を伸ばす。

 

「届かないなら別の本でも大丈夫だからっ」

 

「はっ…いや…っ、ユーノくんがっ、読みたいのこの本でしょ? あと少しだから…っ、んんっ」

 

 更になのはが脚に力を入れて背伸びをしたその時、

 

 ユーノは一瞬で赤面になり、なのはから視線を反らした。

 

 

(み、みみみ、見えてるっ!! なのはの下着が見えてるよっ!!!)

 

 ミニスカートが背伸びをする度に引っ張られ、なのはの下着がチラッと姿を現せた。

 

 まぁ、そんなことに気付いていないなのはは必死に背伸びを続けるのだが。

 

「な、なのはっ! 本当にいいから!もう別の本で大丈夫だからもうっ!」

(これ以上見えるのは困るよ!!)

 

 思わず両手で顔を隠して言うユーノ。

 

 ユーノがなのはの姿に戸惑っていると、

 

 やつが目を覚ました。

 

 

 

「ん……?」

(あ…れ……なのはとラブホに居た筈なのに…なんか暗い…)

 

 一体どんな夢を見てたんだ、フェイトはモゾモゾと動き、被っていた毛布を退かした。

 

(ん? あ、そっか、ここユーノの部屋で私なのはの写真を…)

 

 両手に握っているスマホをぼんやりとする意識の中ジッと見つめ、フェイトはふにゃっと笑んだ。

 

 だが、次の瞬間、フェイトは凍りつく事になる。

 

 

 

「ダメっ……もう少し、なの…っ…もう少しで届くからっ…あ、ん…っ…はぁっ…」

 

 凍りつくフェイトの耳に聞こえたのはなのはの吐息混じりの声。

 

「あっ、届いたっ、あ、れ…? 抜けない…っ…かたいよぉっ…んん…っ」

 

 なんとか本に手が届いたものの、びっしりと詰められた本棚からなかなか本が抜けない。

 ただそれだけの事なのだが、変態フェイトさんには別のものにしか聞こえず。

 

 

(な、ななななな、何してるのなのはぁあぁああっ!!!!!)

 

 今すぐにでも起き上がりたいが、体がショックで凍りついてなのはを見ることすら出来ないフェイト。

 

 

「も、もう止めようよなのは! こ、これ以上はっ」

(もう完全に見えちゃってるから本当にやめてっ!!)

 

 半分は完全に見えているなのはの下着。

 爆発しそうな頭をユーノは抱えていた。

 

(これ以上は!? あの淫獣野郎人が寝てる間になのはに入れやが)

 

 

「やぁっ、止めないっ、ユーノ、くんのっ…もう…少しだから…っ」

 

「な、なのはっ…」

 

 殆ど掴んだ本をなのはは力を込めて引っ張った。

 

 すると

 

「あっ、とれ…っ……へ…?」

 

 本が取れた、のは良いが数冊の本が同時に取れ、一冊しか手に取っていなかった為その本はなのはに目掛けて落ち…

 

 

るところでなのはは腕を引かれ、ドサドサと落ちる本を前に、床ではなく少し柔らかい何かの上へ倒れるように座り込んだ。

 

「いった…っ」

 

 なのはの後ろから聞こえる声は

 

「ゆ、ユーノくんっ!?」

 

 ユーノの声だった。

 

 なのはが座っているのはユーノの脚の上であり、尻餅をついたユーノは痛みに顔をしかめていた。

 

 

「あ、あはは…良かった…怪我ないみたいで…」

 

「だ、大丈夫っ!? ユーノくんこそ怪我は!?」

 

 ユーノの脚の上に座ったまま後ろを向き、涙ぐみながら言うなのは。

 

「大丈夫だよ、ちょっと尻餅ついたくら」

 

 

「ななななっ、な、なな…っ!! なのはぁあぁあああっ!?!!」

 

 取り合えずなのははユーノの上から降りた方がいいが、いまはそれどころではない。

 プルプルと震えながら二人を指さし、涙を流して叫ぶフェイト。

 

 やっとの思いで立ち上がったフェイトにとってその光景は…地獄で。

 

 ミニスカートのなのはがユーノの脚の上に座って先程の甘ったらしい声を上げていたと勘違いしているフェイトは、唇を噛み締めてユーノのベッドの前へ移動し、

 

 

「私のっ…私のなのはになにしてんだぁあぁああああっ!!!!!」

 

 涙を大量に流しながら破る勢いでユーノの枕を握り、思いきり投げつけ、

 

その枕は見事にユーノの後頭部へ直撃し、パタリとユーノは倒れた。

 

「ゆ……ユーノくぅううんっ!!!!」

 

 倒れたユーノを見てなのはは目を点にし、ユーノの名を叫んだがユーノは返事をしなかった。

 

 

 

    続く

 







読んで下さりありがとうございました!

次話で最終回の可能性があります。

たった1日の話を8話まで引っ張った私って…←


ではでは、次話にまた…

更新遅いです、ごめんなさい<(_ _*)>(汗)


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