pso2 (仮) (rego)
しおりを挟む

外伝的なサムシング
オリ主xオーバーな道


ふと思ってネタとして書いた。確実に続かない。


pso2 オーバーな道

 

 

 

「ーーくそっ、コレもダメか」

 

 

 

 

そう言い目の前のコンソールに表示される自分の地点から半径数万キロのデータを見る。

 

 

「…シエラ?聞こえるか?シエラ?…おい、デュケット⁈」

 

 

そう言い耳元に付いているインカムに声を掛けるがーー反応無し。

 

 

「…通信不可、機体のデータは……くそっ、一回だけか。ジャンプが出来るのは」

 

 

計器に表示される機体の今のコンデション。

 

外部からのデータリンク途絶、マップデータは広域フォトンレーダーによる自己収集モードで作ったものを暫定的に使用中、P.フォトンジャンパーの再充電……0.00%

 

可及的速やかにオラクル船団と交信せよ。

 

 

と書かれている。

 

 

「宇宙で漂流とかシャレになんねぇぞ…食料ーーはナノトランサーに常時しこたま入れてたから問題は無い…無いが…」

 

 

そう言いどうにか動きは取れるレベルのコックピットを見回す。

 

 

一度ナノトランサーと機体のリンクを解除。ヘルメットを取り出し外に出る。

 

 

 

「…初の宇宙遊泳が漂流とはな…」

 

 

そう言い何処を見ても真っ黒な空間を見る。

 

 

マトイは大丈夫だろうか。デュケットとーーいや、今はシエラか。二人で大丈夫だろうか。

 

 

いや、マトイはクラリス姉妹ーーサラとクラリーーじゃなくてイリスか。この二人が居るから何とかなる、筈。

 

 

「問題は俺を見つけてくれるか、だ…」

 

 

一応救難信号を出しておくか、幸いなことにオメガに行った時も数時間で見つけてくれた。オラクルの技術を信じよう。

 

 

そう思いコックピットに戻りヘルメットを取り計器を見る。

 

 

「レーダーにコンタクトーーは…いや、何だこの反応は」

 

 

そう言い計器の端の方に出たデータを見る。

 

 

「……これ、は…地球⁈」

 

 

そう言い計器に表示されたモノはーー雲で覆われた星が合った。

 

生体スキャンによると人らしき生き物もいるらしい。

 

 

「……ここにジャンプすればーー」

 

もしコレが地球ならば帰還できるかも知れない。

 

 

そこまで思いふと思う。同じ宙域に居るのに何故交信出来ないのか、と。

 

 

「…取り敢えず行ってみよう」

 

 

そう言いナノトランサーを機体とリンクさせて機体慣性システムを起動させて、推力を上げて生命体の居る星(仮)に向かった。

 

 

 

「…コレが…本当に生命体が居るのか?」

 

 

そう言い俺の目の前に移ったのはーー灰色の雲に覆われた惑星である。

 

 

こんなんじゃ太陽らしき光も届かないし、草も生えないし…本当にいるのか?

 

 

機体の主翼を機体内に畳み大気圏に突入準備を始める。

 

 

 

「速度合わせ…プラス54.6、43.2…」

 

 

『コースに右0.35、下0.54。保持範囲外です』

 

 

「分かっている!右0.35、下0.54ーーインコース!」

 

 

そう言い計器に表示されるコース内に入る。

 

 

「インコース、航路に入っーーた、燃料ーーは、そもそも問題なし」

 

 

『メインクアッドリアクター、出力安定。サブリアクター共に問題無し』

 

 

そう言い少しづつ減速し、大気圏に突入。機首を上げ機体全体でブレーキをかける。

 

 

「…コックピットの温度上昇、コレは冷却、と」

 

 

計器に表示されるデータを適当に搭載A.Iが許可していき、冷却だけは少し多めに下げていく。

 

 

『機体温度上昇。安全温度まで後6500』

 

 

「…念の為冷却、頼む」

 

 

『了解しました』

 

 

 

「ーー抜けたーーなんだ、此処は…」

 

 

冷却し、アーマーに覆われた装甲からカメラを通して見える熱に内心大丈夫だろうか、と思いながらも大気圏を突破。主翼を展開してコックピットに映される映像を見る。映像越しに映った大地はーー灰色の雲、色のおかしい雨ーーそして極め付けはーー。

 

 

 

『警告、周辺大気の汚染度大、繰り返す。周辺大気汚染度大』

 

 

そう言い騒ぎ始めるA.I。コックピット内に表示されるデータを見るとーー何だかよく分からないが凄くヤバそうなのは分かる。

 

 

「…すまんが、何がやばいのか分からない。簡単に説明してくれ」

 

 

『分かりました。一言で言いますと外に出ると五分を待たずに死ぬ可能性が高いです』

 

 

「有毒って事か。こんなん、酸素を主体としていたら生きれないだろう…?」

 

 

明らかに突出しているのグラフデータ。いや、そもそも酸素を主体とせずに、俺たちからしたら有毒なガスが酸素なのかもしれない。エルジマントのように。

 

 

『警告、外部に出る場合はアンティを一定距離毎に使う事を推奨』

 

 

『警告、機体周囲の汚染度大、外部装置を用いてアンティを使用』

 

 

「使用許可、着陸次第使ってくれ」

 

 

『了解しました』

 

 

そう言い少しづつ高度を落として行く。

 

 

『レーダーコンタクト、観測用電磁波らしき物を感知』

 

 

「パッシブとアクティブどっちも使え。まだバレてはマズイ」

 

 

『了解しました』

 

 

「それと地上に降りたら光学迷彩を使用してくれ。俺が良いと思えば解除、又は雰囲気読んで解除頼む」

 

 

『了解しました。もし敵性生物と接敵した場合は?』

 

 

「武装は実弾は有限だ、俺の指示を読んで待て」

 

 

『了解しました。無事の帰還を』

 

そう言い機体が地面と接触すると計器にA.G.L.0 A.L.T.0と出た。

 

着陸したのと同時に機体の一部がスライドして白い光が周囲に展開、数秒してすぐに消える。

 

 

『汚染度低下、外部活動可能なレベルになりました』

 

 

「了解、コックピット解放」

 

 

『了解しました』

 

 

 

 

 

 

(今日も疲れたな……)

 

 

そう言いガスマスク越しの空を見る男性。外見はまるで生物災害などが起こった際に使用する防菌スーツを着た男性らしき人が佇んでいる。

 

 

(毎日毎日同じ様に仕事を繰り返し、体を蝕まれるばかり。かと言って止めることは不可能)

 

 

 

(小卒を雇う所なんてそうそう無いがね)

 

 

彼の事を援護すれば間違っても小卒の12前後、と言うわけではない。歳を見れば22歳と充分な大人である。

 

 

 

(それに最近ベースに攻撃してくる人多いしなぁ…噂じゃ早くもサービス終了、とまで言われてるしなぁ…)

 

(いくらギルメンが強いって言っても…時間もあるし…)

 

(…あのゲームがーーユグドラシルが無くなったら俺……どうなるんだろう)

 

 

そう言い顔を一度下げ、もう一度上げる男。

 

 

 

(ダメだダメだ!そんな事でしょげてはダメだ!母さんや父さんに顔を向けれないだろう!鈴木悟!)

 

 

 

そう言いこの男性ーー鈴木悟はスーツ越しに顔を叩く。

 

 

 

「…はぁ、とは言ったものの…一ヶ月ぶりの連休、何に使えって言うんだよ…」

 

 

何故鈴木悟がこんな場所にいるのか。答えは簡単である。

 

 

数ヶ月ぶりのーー本人は気付いていないが、役6ヶ月振りの連休である。

 

本人としては別に仕事をしていても良いとのことなのだが、上が煩く、強制的に5日の休みを貰えた。

 

だがしかし、本人としては初めての連休。ポンと貰っても何も出来ないし、やる事もないのである。

 

 

なので生前生きていた父と母と共に来たことのある場所に来てみたは良いものの……。

 

 

 

(汚染が広がっているなぁ…ま、一般人の俺には関係のない事だけど)

 

 

そう言い帰ろうかとレンタカーに戻ろうとした時。変な音が聞こえた。

 

 

 

「…何だ?この音?」

 

 

そう言い空をーー灰色の空を見上げるとーー空から飛行機が降ってきた。

 

 

(飛行機⁈こんなご時世に⁈)

 

 

このご時世に航空機で空を飛ぶなんて…エンジンが壊れちまうに決まってんだよ⁈

 

 

そう心の中で叫んだ悟だが、何かがおかしいと気付く。

 

 

 

(…待てよ?そもそも航空機を作っている会社なんてあるのか?)

 

 

この大汚染時代、一応企業の奴らも減らそうと言う表向きの努力はしている。空気を汚す火力発電、ジェットで汚す航空機は真っ先に消えた筈である。

 

 

 

(…よく見るとあの飛行機ーーエンジン前の空気を吸うところが無い…?)

 

 

そんな事を思いながらも少しづつ地表に接近、着陸した航空機。

 

 

悟は好奇心からか少しづつ、バレない様に近づく。

 

 

 

(なんだいありゃ…見れば見るほど企業が開発したとは思えない。……それにアレ)

 

 

 

そう言い悟の視線の先にはーー主翼、胴体に増設してある装甲、そして。

 

 

(…ミサイルって奴だよな。ユグドラシルで種族のホムンクルスで見た記憶が…)

 

 

(だけど見た感じすごく小さいぞ。俺の手ぐらいしか無い)

 

 

 

そんな事を思っていると航空機が割れてーーコックピットが開いた。

 

 

 

(…良く良く考えたらコレ企業の新型だったらマズイな。下手したら死ぬかもな)

 

 

などとある意味楽観的になりながらも建物の壁から顔を出して事の終わりを待つ悟。

 

 

少し待つとコックピットから人が出てきたーー。

 

 

 

(…アレは…何だあの髪の毛の色?ゲームでしか見た事ないぞ⁈ーーんっ?待て…あのミミは…それに…尻尾⁈)

 

 

そう言い出て来た謎の人。

 

 

(いや!そもそも!あの人スーツ着てない⁈死ぬ気なのか⁈そもそもあれば人なのか⁈)

 

 

そう言い航空機から降りた人ーーしかも少女⁈更に驚く事に少女が降りると後ろに合った航空機が次の瞬間には消えていた。

 

 

(はぁ⁈ど、どぉなってんだ⁈人類が透明な航空機作ったなんて話し聞いてないぞ⁈)

 

 

(それにあの人!ミミと尻尾!それによく見たら耳も尖ってるし!どぉなってんの⁈ーーあっ⁈)

 

 

余りの事に動転して間違えて足元にある石を蹴ってしまった悟。しかもそれが運が悪い事に更にドラム缶等に連鎖していく。

 

 

[…おい!誰か居るのか?]

 

 

音に気づき声を上げる少女、なのだが。

 

 

 

(ウゾだろ⁈翻訳機が翻訳しない⁈それじゃぁアレは…)

 

 

悟の中で出てくる答え、それはーー。

 

 

 

「宇宙人、なのか…?」

 

 

[…声の方位…多分あっちか]

 

 

そう言い全身を黒い全身スーツとその上に装甲のような服を羽織っている。脚には黒いパーツでを覆った靴と一体化したものを着ている宇宙人が向かってきた。

 

 

(…宇宙人って案外人に近い形をしているんだな)

 

そう思いながら宇宙人がスルーするのを紙に願っていたが、残念な事に俺の目の前で止まった。

 

 

[…人?]

 

 

「…胸でか…」

 

 

悟は残念な事にこれまでに愛を誓う様な女性にあっていない。そもそも女性が少ない。そんな彼の前に現れた巨乳のミミと耳が尖って尻尾の生えている脚に届きそうな長さの髪の毛を持った少女。まるでゲームから出てきな様な生き物。

 

 

その生き物が青と赤い目で俺を見ている。

 

 

一瞬とは言え悟の頭をショートさせるのには充分だった。

 

 

そのまま後ろに倒れる悟。

 

 

[⁈おい!大丈夫か⁈しっかりしろ!おい!]

 

 

 

そう言い頭を宇宙人の膝に乗せてくる宇宙人。残念な事に顔は見えない。なぜかって?デカい胸のお陰で見えないんだよ。

 

 

そう最後に思い悟は意識を手放した。

 




そもそも初の外伝がこれってどうよ…?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

オリ主xオーバーな道 2

おかしいなぁ、マナレヴリー背中、腕、足に付けたのに打射法が足40、腕が50前後下がってるぞ(白目)

多分後で弄る


「……は⁈」

 

 

倒れたのを自覚して、目を開けるとーー大きなおっぱいがあった。文字通り目の前に。

 

 

 

[…ん?起きたか?]

 

 

 

おっぱいの上から何かを言われたが、何を言っているのか分からない。そもそも小卒の悟には日本語以外の言葉など分かるはずがなかった。

 

 

それ以前にそもそも他の言語なんぞ勝手に翻訳機が翻訳してくれる。そういう意味でも習う意味は薄かった。

 

 

「あ、ありがとうございます。わざわざ助けていただいて…」

 

道に人が倒れていたら放置するこのご時世。こうやって助けてくれるだけでもありがたかった。

 

[…あぁ…何を言っているのか全然わからん。翻訳機ーーも仕事しないなこれ]

 

 

そう言い頭を上げて違和感を感じる。あれ?なんで地肌にこの人ーーなのかどうか分からない生き物の呼吸を感じれるのだ、と。

 

 

手を動かし顔を触るとーー直に触れてしまった。

 

 

「ーーまずい、まずい!」

 

 

[翻訳が出来なきゃ言葉も分からないからなぁ…多分、日本語だと…ん?どうしたんだ?]

 

 

 

やばい、急いでメットを被らないと肺が死ぬ。急いで周りを探してーーすぐ隣にあったのを確認した。

 

 

 

それを手に取り被ろうとしてと思う。腕につけているデバイスの警告音が鳴ってない、と。

 

 

視線をデバイスに伏せるとーー今まで見る事のなかった、そして企業の連中以外見る事が一生無いであろう緑色の線が出ている。悟はこの意味を思い出す。確か緑色の線は周囲の空気の汚染度が規定以下のライン、即ち呼吸可能な濃度を保っている。つまりーー。

 

 

「空気が…呼吸、出来る…?」

 

 

そもそも倒れた後目の前の宇宙人がメットを外した時点で俺は死んでいる筈。

 

 

つまり…。

 

 

「あ、貴女は…な、何者なんですか…?」

 

 

 

世界中が重度の大気汚染により復興可能なラインをとっくの昔に突破して、極少数の企業を除き大気汚染から目をそらし、殆どの人が清浄化は不可能、とまで言われた大気汚染。

 

 

この…獣人、なのだろうか?はそれをしてしまった。

 

 

[…何言っているか分からない…予備の翻訳機無かったけ?]

 

 

そんなことを考えていると座っていた獣人が立ち上がり乗っていた宇宙船に戻って行った。

 

 

 

[せめてこんにちはくらい言わないとなぁ…]

 

 

コックピットらしき部分に入りごちゃごちゃと音を立てながら何かを探している。

 

 

俺はその場で座りながらぼーっとその様子を見ていた。

 

 

 

 

数分だろうか。ヘッドセットの様なものを耳にーーって耳も尖っているのか。エルフで獣人って…ギルメンの人が喜びそうな種族だなぁ…。ーーじゃなくて、そのヘッドセットを耳に付けて何か弄っている。

 

 

「…あぁ…テス、テスト…聞こえる?」

 

 

「お、あ…う、うん。聞こえます」

 

 

どう言う原理か知らないが急に何を言っているのか分かるようになった。普通に考えてあのヘッドセットのようなものだろうか?

 

いや、そもそもヘッドセットなのに言った言葉を翻訳するとは…しかもよく聞くとズレなしに言葉がわかる。

 

 

 

「…良し。君はこの星の原生ーーいや、ヒト、ですよね?」

 

 

「え、はい。そうです。貴女は…?」

 

 

「お…私はオラクル船団アークス所属の守護輝士(ガーディアン)のユウナって言います。ーーくっそ恥ずかしいぃぃぃ!」

 

 

そう言い顔を後ろに向けて尻尾をバタバタ振る少女ーーユウナさん、だったか。が言う。

 

 

「マトイめぇ…人にこんな恥ずかしい事を言わせるては…」

 

 

「その、なんてお呼びすれば…?」

 

 

「普通にユウナ、と呼んでください」

 

 

そう言い手を大きな胸の下にやり軽く頭を下げるユウナさん。

 

「あ、こちらこそどうも」

 

 

そう言い癖で頭を下げる悟。

 

 

 

「…その、所で…少しお願いがあるのですが…」

 

 

 

「は、はぁ…」

 

 

そう言い言い辛そうに言葉を言うユウナさん。

 

 

「今…機体の修復に時間がかかりそうでして…会って数十分の方に言うのもなんですが…少し、家に置いて来れませんでしょうか?」

 

 

「はぁ…はぁ⁈」

 

 

 

悟も男である。こんな少女に止めて欲しいと言われたら困るのは当然である。

 

 

「も、もちろん出来うる限りはします。ーーだめ、でしょうか?」

 

 

 

「で、出来うる限り、とは…?」

 

 

 

「例えば…料理、とか?」

 

 

 

「…ユウナさんには悪いのですが、この惑星は環境汚染が酷く自然食品が育たない所でして…」

 

 

 

「…あ、食べ物はこちらの物を使うので」

 

 

このように、と言い手にーー今では悟の様な一般市民では見ることの出来ない果物ーーリンゴが現れた。

 

 

「…えっと…これは?」

 

 

 

「え?リンゴですけど…こう言う果物ありませんか?」

 

 

「い、いえ、あるにはあるのですが…データ以外で実物を始めてみました…」

 

 

「さ、触っても?」

 

 

「いえ、上げますよ。おーー私はそう見えて不測の事態に備えて食料は出来うる限りナノトランサーに積んでますから」

 

 

そう言う少女の手からリンゴを恐る恐る手に取る悟。

 

 

「…あ、皮切ります?」

 

 

「お願いします!」

 

 

 

足の服から小さなナイフを取り出してナイフを切っていく少女。

 

 

「…っし、ほらーーじゃなくて、どうぞ」

 

 

所々から香る言葉を強引に変えている感じに変な気がしつつも出されたリンゴを一口齧る。

 

 

 

「……あ、甘い…これが本物の…」

 

 

そう言い目から涙が出てくる。

 

 

「あぁ⁈もしかして不味かった⁈変な毒とかあった⁈」

 

 

「いえ…その、余りにも甘くて、みずみずしくて…」

 

 

 

そう言い無言で食べ続ける悟をユウナは静かに見つつ座る。

 

 

「……ぁ……ご馳走…さまでした」

 

 

一心不乱にリンゴを食べた悟だが、物あるものは最後は無くなる。

 

 

「…その、まだ色々とありますけど?」

 

 

 

「ぇ⁈本当ですか⁈」

 

 

「えぇ。だけどこれ以上はさっき言った通りに」

 

 

 

「…俺の家、調理器具無いですよ?」

 

 

「大丈夫、俺ーー私に考えがあるから」

 

 

そう言うユウナと食べ物に押されて一時的に住むことになった。

 

 

 

「…あ、そうだ。一応自己紹介を。俺、じゃなくて…」

 

 

「えっと、すのままでもよろしいかと」

 

 

「…俺の名前はユウナ。オラクル船団のアークスだ。種族はニューマンビースト。ま、機体が治るまでよろしくな」

 

 

「はい。こちらこそ。俺の名前は鈴木 悟。しがないサラリーマンです。ーーサラリーマンって分かります?」

 

 

「会社員だろ。いいことじゃ無いか」

 

 

そう言いながら一度離れて不時着した機体の近くに行く。

 

 

興味があり俺ユウナの近くに近づく。

 

 

「……損傷がひでぇな。ーーん?悟さん、興味があるのか?」

 

 

「…いえ…なんか、すごい飛行機だな、と」

 

 

 

「飛行機、かぁ…まぁ、空と宇宙の違いだから変わらないか」

 

 

そう言いユウナさんはゲームの様なウィンドウをその場で出した。

 

 

「ぉお…」

 

 

「取り敢えず…圧縮、かなぁ…」

 

 

そう言うと目の前の機体が赤い菱形の物になる。

 

 

「…ま、一週間、一ヶ月…まぁ、時間かければいい治るだろ」

 

 

そう言い俺の方に振り返り言う。

 

 

「取り敢えず悟さんの家に案内してくれ。大丈夫だ、居候の身さ。何も言わないよ」

 

 

 

 

「…ここが悟さんの家かぁ…まって、アンティ撒くわ」

 

 

何処からともなく出した武器を振ると赤いラインを突破していたデバイスが緑色に低下する。

 

 

今の時間は夜だから誰にも見られていない、はず。

 

 

 

鍵を開けていつもの家にはいる。

 

 

「…お邪魔しまぁぁす…」

 

 

いつもと違う点は…人では無い人が居候になった点、かな。

 

 

「…まぁ…ごゆっくり、って言うのもアレだけど」

 

 

そう言い部屋に入ってテーブルの上を簡単に片付ける。

 

 

 

「ふぅ…⁈ゆ、ユウナさん⁈何を⁈」

 

 

テーブルの上のゴミを捨てて戻るとーーユウナさんが下着姿になっていた。

 

 

「あぁ。これ?今着替えている最中だから…これでいっか」

 

 

ウィンドウを弄っているとさっきまで下着姿だったのが今見ると普通に服を着ていた。

 

 

「…⁈…⁈」

 

 

「まぁ、着替える以上下着になるのは仕方ないからね」

 

 

「…ぺろろんちーのさんが見たらすごいことになりそうだなぁ…」

 

 

「ペペロンチーノ?塩だけパスタか?不格好だが多分作れなくは無いぞ」

 

 

と言う目の前の少女ーーユウナさんの下着姿を思い返す。身長の割に胸がでかくってお尻もでかい、なんと言うのだろうか、彼に言わせればムチムチ、と言うのだろうか?

 

 

と手を当てながら考える悟。

 

 

「…ん?どうした?」

 

 

 

「いや、なんでも無いさ」

 

 

そう言いいつもの流れで冷蔵庫にある液体栄養剤を手に取り、飲もうとした所をユウナさんに止められる。

 

 

「…ん?なんだそれ?」

 

 

 

「…あぁ、これは液体栄養剤って言う……食べ物です」

 

 

「…飲み物じゃなくて?」

 

 

「…えぇ」

 

 

「こっちのメイト系の物か…少し見して」

 

 

そう言い栄養剤をユウナさんに渡す。

 

 

「…読めないな。仕方ない。少し皿に出しても?」

 

 

「コップならありますよ」

 

 

ありがとうと言い、コップを探してテーブルの上に置く。

 

 

ぷしゅ、と言う音ともになんとも言い難い色の液体が注がれた。

 

 

ユウナさんはまだウィンドウを弄りーー変な丸い機械が現れた。

 

 

「うわ⁈なんですそれ⁈」

 

 

「これ?マグって言う…まぁ、なんか凄い機械。ーー機械じゃ無いな」

 

 

そう言いながらマグが栄養剤の入ったコップをスキャン、なのだろうか。し始めた。

 

 

 

「……うーん、この世界の栄養剤の平均が分からないが…低く無い?生きていけるのこれ?」

 

 

そう言うユウナのウィンドウを見たが、俺には分からなかった。なんだこの変な文字は。

 

 

「……取り敢えず、消化に良いもの、だな」

 

 

そう言い立つと一言言う。

 

 

「悟さん、コンロか電気コンローーまぁ、なんだ、熱せられる機械はあるか?」

 

 

「…れ、レンジしか…」

 

 

 

「しかたない、悟さん、コンロを置くけど良いか?」

 

 

 

「良いけど…何処に?」

 

 

「部屋のスキャンは終わってるから…まぁ、ココかな」

 

 

そう言い視線をユウナの先に合わせるとーーさっきまでなかった家具が出てきた。

 

 

「⁈え⁈なんでぇ⁈」

 

 

「…フォトン濃度が薄いけど充分に使える濃度は最低限あるな。悟さん、鍋、もその様子だと無いな?」

 

 

 

「え、うん」

 

 

 

「…はぁ、どんだけ企業に汚染されてんだよ…」

 

 

そうため息をつきながら鍋を出して変な粒々を鍋に入れるユウナ。

 

 

「塩ーーは薄めにして、卵も入れるか。ーーいや

、柔らかくならないとなぁ」

 

 

「…ユウナさん?何を?」

 

 

「何って…おかゆだよ。食べ易いし俺も食べたいしね」

 

 

そう言いニッと笑うユウナ。その笑みから犬の歯が見える。

 

 




新たなクラス、エトワール!ーーあれ射撃兵装は?どうなってんだYSOKァ⁈

正直最初クラスの名前書いてカイジが乗りそうな船の名前してんな、と思いました()

前回書いた通り本編には絶対入らない。何故なら本編を知らないからだ!時間軸?41人+αが揃っている時期じゃ無い()

オーバーな道を続けて欲しくばこの先の展開をコメントで書いて…知らないからこれ以上無理なの…。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

オリ主xオーバーな道 3

進みそうで進まなかったからこっちが進んだ(忘れ去られる旅館編)


 

 

「…さて。まぁ食べながら聞いてください。ーーぁ、飲み物飲みます?」

 

 

そう言い小さな部屋にあるテーブルを挟んで向かい側から話を振ってくる少女ーーユウナと名乗ったーーはその人には無いミミと尻尾をパタパタと動かしながら俺に話を掛けてくる。

 

 

 

「あぁ…いや…も、貰えるのなら」

 

 

 

「ぁ、じゃぁ何を飲みます?」と聞いてきた。大気汚染に地質汚染などで壊れに壊れている世界でそんな飲み物を飲むなんて…そもそも俺は水ーーそれも最低品質の物しか飲んだ事がないぞ?

 

 

「…それじゃ飲み易いもので…」

 

 

「分かった。ーー牛乳って入っていたっけなぁ…」

 

 

そう言いながら俺のやっているゲームの様にウィンドウをスクロールしたりするユウナさん。目線を落とすと小さなーーあまり使ったことの無いテーブルには2つのお椀が。

 

 

その中には俺に馴染みのないーー半固形だが食べ物が入っていた。

 

 

 

「あの…これ、食べても…?」

 

 

 

「ぁ、どうぞ?それと飲み物は…牛乳、行ける?」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

はぁ、会社勤めも洒落にならない、そう内心思いながら過密状態の電車からどうにか降りる。

 

 

いや、そもそも少卒の俺を雇ってくれている事には感謝はしている。それこそこのご時世じゃぁ産まれて直ぐ廃棄処分、なんて話もさも普遍的に聞く。

 

 

そう思いながら帰路に着いているとデバイスからフィルターの交換の合図が防護服内に鳴り響く。

 

 

片方だけを外し背中にある防酸バックに手を伸ばしーー予備のフィルターが無いことに今更気付く。

 

 

…だが幸いな事に家までは比較的近い。もう片方のフィルターだけでも十分に着くはずだ。

 

 

そう思い込み俺ーー悟は前に進んだ。

 

 

 

いつもの様に家の前に着き防護服を脱いで自宅の前に向かう。

 

 

働きたくない、だが働かないと生きて行けない。そう思いながら玄関を開けるとーー。

 

 

「お帰りなさい、サトルさん」

 

 

 

ーーそう言ってくる人が居るのを思い出す。

 

 

 

そうだ、俺は今ーー。

 

 

 

ーー異星人と同居しているんだった。

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

シャコシャコと皿を洗う音が聞こえる。音の方を見るとーー俺の切る様な服ではなく俗に言う上級国民等と言われる人達の着るような服を着て更にその上から…ギルドのメンバーから教えてもらった過去にあったとされるエプロンと言うもの付けていた。

 

 

 

コト、と冷たく飲んでいて安心安全とユウナちゃんの謳う水を飲み干し3日ぶりにパソコンを付ける。

 

 

するとメールを凄い数を受診して本来ならVRゴーグルを介し聴く音量だった為に最大音量で何度も音が鳴り引きーーユウナちゃんのミミと尻尾がピーン、となったのを見て咄嗟に謝ってしまった。

 

 

 

「良いんですよ、サトルさん。寧ろおーー私が居候させて貰っている立場なんですから」

 

 

 

そう言い豊満な胸を張ってくるユウナちゃん。ーー一応ユウナちゃん曰く20は超している、とは言うが…その外見が幼いのでとてもじゃないが…うん。

 

 

そのままユウナちゃんは彼女の出したキッチンに向かいーーこの3日間で当たり前になった温かいお茶をパソコンの横に置いていった。

 

 

ありがとうね、と言い、いえいえ、と帰ってくると彼女はゲームと同じ様にウィンドウを表示、何かの3Dデータを弄っている。

 

 

 

まだ完全栄養食から慣れてないからなのか少しお腹に違和感を感じるが、今回は先程送られてきたメールを流し読みする。もしかしたら緊急、とまでは行かないが何かしら案件が来た可能性もあるからな。

 

 

そう言いズラーッと流し読みをした結果ーー。

 

 

 

その殆どがギルドメンバーからの生存確認だった。

 

 

たかが3日くらいで、と思いつつもベッドに腰掛ける彼女ーー本人曰くビーストと言う種族らしいーーが来ただけで始めてから1日もログインしなかった事がなかった俺が3日もやってないなんて、と何処か他人の話の様な気がしてきた。

 

 

そうだな…ログインするか、とゴーグルを手にとりーーユウナちゃんに一言。

 

 

 

「少しゲームしてくるから好きに過ごしていて良いよ」

 

 

と俺はそう告げた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

「……アレがVRゴーグルか…典型的な形だな」

 

 

そう呟き俺は手元のウィンドウをパラメーターを見ながら呟く。

 

 

この惑星に墜落して3日目。何とか現地人と交渉して雨風防げる部屋に居候させて貰っているが…機体の方のエネルギー量が余りにも心ともない。戦闘機動は出来なくはないものの…ジャンプする為の量がない。

 

 

「…多く見積もって半年…あの人…サトルさんだったか。半年も居候をさせて貰えるだろうか」

 

 

視線はウィンドウからベッドに移りーーVRゴーグルと思われる機械をかぶって横になっている20代の男性を見る。

 

 

背丈は多分170未満、162の俺よりでかいからまぁ、平均的だろうか?但し身体は細い。まぁ、あんな物を食べていればそうなるかも知れんが…。

 

 

そう思いながらナノトランサーからモノメイトを取り出し、ストローを差し込み口で吸う。

 

 

「……完全栄養食って意味じゃコレと変わらんなぁ…」

 

 

 

手元を動かし何度もオラクル船団と通信を試みるが…音信不通、繋がらない。

 

 

幸いな事にこの星のポスに近いシステムの解析は終わっている。確実に足は付かない方法で接続することは出来た。

 

 

 

と言ったところで見る価値があるか、と言えば…。

 

 

 

(無いな)

 

 

 

そう言い切り新たにウィンドウを作り掲示板らしき場所にアクセス、そこには現社会の上に対するーー上流階級に対する余りにも言えないような言葉が書かれている。

 

 

 

「…ぷはぁ……ある意味ディストピアって奴か?……シャオ(全知全能のコピー)が統括しているこっちもこっちか」

 

 

 

手の前にキーボードを表示、動画サイトなどに向かって見るが…殆どが企業の動画しかない。商品紹介、保険に会社紹介とかとか…。

 

 

しかも救いの無いのがほぼ全てが会社内部に闇があるって言う。

 

 

「…そういや此処風呂あったな…」

 

 

玄関入ってすぐに風呂があったのを思い出しすぐさま前で寝ている、と言うかゲームをしているサトルさんのゲームを解析させてメール機能があるのを確認する。

 

 

メールに風呂入っても良いですか?と書き込んで送信。

 

 

 

しばらくするとメールが来てーーモモンガと言う名前でメールが来た。

 

 

なんだのそモモンガって名前は?そう思いながら中身を読むとーーメールをどうやって送ったのか等を書いてあったが、最後の方に余り良いものじゃ無いですよ?と意味深な言葉が。

 

 

 

どう言う事です?と送り返すと直ぐに返答が。

 

 

『私達一般人の生活環境は余りにも悪くーー水だってマトモに飲めません。そんな我々が風呂に入るには?答えは簡単です。飲めない汚水を使うんです』

 

 

 

その内容を聞いて俺はうわぁ、と言う顔をした。

 

 

『じゃぁ、サトルさん。水と炎さえ用意できればなんとかなるんですね?』

 

 

『えぇ、そうですけど…もしかして?』

 

 

 

『えぇ、ちょっと…オラクル式をね?』

 

 

そう言いメールを閉じてーー浴槽に向かう。サ・パータを使い浴槽に氷を何個も落とす。

 

 

その後ラ・フォイエを使い浴槽にある氷を溶かす。

 

更にラ・フォイエをぶっ放せばーー。

 

 

 

「…ふぅ…水質も問題なし…アカシックレコードに介入出来てるって事だな」

 

 

 

そう呟き今来ている服長いスカートに長袖の上着を脱いで素っ裸になった。

 

ーーーーーーーーー




実はと言うと他のギルメンも出そうか考えたけどそもそもオーバーロード自体見たことがないって言う。だから現実世界の方のモモンガさんと同居(仮)させます。

本編はもう少し待ってくれ(いつもの)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

pso2 旅館編(仮)

アニメ化記念()


「…まずった…」

 

 

そうーー独りでに本格的な浴衣を売っている店を見ながら小声で呟く。

 

 

ここはビーストの多いシップの旅館近くの通り。左右に居る着物を着た二人ーーマトイとデュケットが俺に服を、特に着物を着せようと腕を引っ張る。

 

 

いや、そもそも男版の浴衣なら良い。それにそもそも俺は男である。堂々と男用の服を着れば良いのではないか。

 

 

最初はそう思っていた。だがな。俺の為ーー本心かどうかは知らないがーーに俺に合うような浴衣を探す二人を見ると言い出せなくなるし、そもそも無理をして男用の浴衣を着てもーー視線を下に移し胸を触る。

 

 

ーーこの巨乳じゃ着れないかぁ、と思う。

 

 

両手で胸の下に手を滑らせて胸を強調させる。

 

 

「はぁ…」

 

 

「?どうなされましたか?」

 

 

 

「いや。デカけりゃいいってモノじゃないな、と」

 

 

 

「…はぁ…」

 

 

そう言う店員がマトイとデュケットに呼ばれて奥に消える。

 

 

室内にある椅子に座りーー最初の頃ーー女の体になってしまった時を思い出す。

 

 

ーー最初のうちはおっぱいでっけぇ、やわらけぇ!うわっ、尻尾だ、ケモミミだぁ!?と鏡を見て揉んだり触ったりしていた。その時は数日もすれば元の世界ーー今居る世界より科学技術はおくれているがーーに戻るだろう。そう思っていた。

 

 

それから1ヶ月も経てば嫌でも分かる。俺はこのーーミミに尻尾に耳がとんがっている女の子の身体で生きるのだろう、と。

 

男版の服を着ようにもデカイ胸が邪魔できれない、と言うのが多発。

 

 

嫌に強調され、且つ露出の多い戦闘服で任務中にマトイを拾い、デュケットが来て。しばらく経ったある日。

 

 

二人が旅館に行きたいと言い放つ。ーーいや、つい数時間前の筈だが…言い出したのは俺だっけか?

 

 

兎も角。その時はよっしゃ行くか、と思っていた。いざ着いて部屋に案内されて一息つくと人間、外にーー遊びに出かけたくなるもの。

 

外に広がる景色が尚更良ければ。

 

 

そこからは早く、ナノトランサーに入れたものを取り出して部屋にーーベットがある部屋に置いておき、外に行こうと言うマトイ。

 

 

同じくベッドの上に置くものの、その後押し入れの中に服を入れる用意を始めるデュケット。

 

 

俺?俺はそのままベッドの上に荷物置いて壁際にある椅子に座ったよ。

 

 

そこで呟いた言葉がある意味地雷だったわけだが。

 

 

「あれは…浴衣、か?」

 

 

と。

 

 

 

そこからの二人は早かった。デュケットは「折角の旅館なんですから楽しみましょう」と言い、マトイは「私もアレーーユカタ?着たい!」と腕を持つ。

 

 

やってきた旅館の人に夕食は19:00からと言われ、部屋で食べるか食堂で食べるか、と言われたが今回は食堂で。と言い俺は無理やり部屋から出された。

 

 

外に出ると目の前には温泉街が広がっておりーーオフシーズンと書かれていたが、普通に人いるじゃねぇか。ーーと内心思いながらも二人に手を取られて歩かさられる。

 

 

そこから更に進みーー冒頭の言葉に繋がる。

 

 

「ほらっ!ユウナちゃんも!早く!」

 

 

「…私ユカタって高いって聞いていたんですが…案外やすいんですね」

 

 

「えぇ。当店はお客様にお安く、扱い易いユカタを提供してまして。こちらならなんと」

 

 

「…5万メセタ…確かに安いわね」

 

 

「大丈夫ですよ、お客様。そこら辺にあるやっすっくて脆いユカタと違いーーほら。お客様もやってみてください」

 

 

「ーーうそっ。破けないの?」

 

 

「はいっ!私達の先代があるお方ーーアークスに戦闘服をお売りしている方とお知り合いでして。ナノテクノロジーを応用させて貰ったユカタなのです」

 

 

「…ユウナさん?」

 

 

「ユウナちゃん!」

 

 

 

「「買お?」」

 

 

「……はぁ…分かった。2着だな?」

 

 

「…え?ユウナちゃんは?」

 

 

「俺?俺は別に…」

 

 

「ーーおや?お客様はアークスの方でしたか」

 

「ん?なんで分かったんだ?」

 

「仕事柄、そうのに詳しく無いとやっていけないので。それに匂いで分かりました」

 

 

「匂い?」

 

 

「えぇ。ほら。ご覧の通りーー」

 

 

そう言い帽子を取って見せた。

 

 

「私もビーストなので」

 

 

「そう言うことか。…すまないが2人に浴衣を頼む。俺は外で待ってるから」

 

 

そう言い外に出ようと椅子を回して入り口の方に体を向けたらしたら店員に肩をつかまされた。

 

 

「ーーお客様のような可愛いビーストがユカタを着ないなんてジョーダンじゃありません。是非ともこちらへ」

 

 

「ぇ!ーーうわぁ⁈」

 

 

そう言い座っていたイスから手を取られ立たされて着替えする所ーー試着室に入れられる。

 

 

「…すいませんが、まだ買うとはーー」

 

 

『いえいえ!試着してくれるだけでもよろしいので!』

 

 

『店員さん!コレとかどうですか?』

 

 

『マトイちゃん?黒と水色は合わないわよ…素直に薄水色とかは?』

 

 

『良いですねっ!是非とも着てもらいましょう!ーーぁ。その前に』

 

 

『『その前に?』』

 

 

『彼女の寸法を測りましょう。何せ彼女のーー特に一部は中々見ないサイズですからね』

 

 

『すいませんが服を脱いで待機して貰ってもよろしいでしょうか?中に小型エアコンの端末があるので寒ければ温度をお上げください』

 

 

そう言うと声の主と二人の声が遠ざかっていく。

 

 

え?服を脱いで?

 

 

この身体になってに結構経つがーーまぁ案外慣れてしまうもの。

 

 

そもそもこのーー今来ている服を脱ぐだけならコンソールウィンドウを起動して下着姿になるようにすれば良いだけだからな。

 

 

と思っていたがーーウィンドウが反応しない。その上に追加で表示されたウィンドウにはーーアークスに認可された戦闘服ではない為、自動で脱ぐ事はできません。

 

 

と書かれている。

 

 

仕方ない。自分で脱ぐか。

 

 

そう思い出したウィンドウを消して上着をーー腕の7割位の長さの上着を脱いで次に下着の上に着ている服を脱ぐ。

 

 

水色のシマシマのスポーツブラジャー姿になる。

 

 

ーー鏡に見事なお椀型の胸を支えるシマシマのスポーツブラ。と言うかアークスはーーいや、オラクル船団は胸がデカイ人が多いのかブラジャー1つとっても凄い。なんせ重さを感じないんだからなコレ。

 

 

そう試着室に備え付けられている全身を写す鏡で自分の胸の谷間に手を入れながら、こんなにデカくて隣り合うのに全然蒸れてねぇ、すげぇなこれ、と思いながら触る。

 

目線を前にやると自分の胸に手を入れている上半身下着姿の少女ーーと言うか自分が写り、こんなことをしている場合じゃねぇ、と少し暑くなりながらも、次は下ーーズボンを脱ぐ。

 

 

コイツ自体は前の世界と同じ何の変哲のないズボンだ。それを脱ぎ始めた時、外に何か居るような気配を感じる。ーー試着室のドアが開く。

 

 

 

「…えっと…ユウナちゃんの胸のサイズを測るって言うから借りて来たよ。ーーあれ?何でミミそんなに立ってるの?」

 

 

「…あぁ、いや。まぁ…」

 

 

「?…兎に角。今から身長測るから少し待ってね?」

 

 

そう言いマトイが俺の頭の上に何かを乗せた。

 

 

「…身長が…うん、店員さんに転送して。胸は…」

 

 

そう言い前に来てマトイが止まった。

 

 

「どうした?」

 

 

「ゆ、ユウナちゃん…」

 

 

「ん?」

 

そう言い俺のブラの前に来て言葉を続ける。

 

 

「どうしよ?胸ってどうやって測るの?」

 

 

「え?……」

 

いや、俺に言われても分からないし…そう言いマトイが俺の周りをくるくる回りえっと、あの、これ?と言いながら胸ではなく腹を測ってくる。

 

 

「…そこは腹だよ」

 

 

「うぅん…やっぱおかしいよね?普通の女の子なら分かるはずなのに…」

 

 

えぇ…ここで変な暗いスイッチ入るの…?

 

 

「ーーいや、俺も分からないから大丈夫だぞ」

 

 

「ほんと?」

 

 

「あぁ。…こんなサイズだがな、実際は俺もサイズ分からない」

 

 

「それじゃぁこれ、どうやって買ったの?」

 

 

「えっと…あぁ…これは確か…アフィンと一緒に買った記憶があるぞ」

 

 

「…そうなんだ。アフィンさんと。ーーぁ」

 

 

「ん?」

 

 

「ーーなら今のブラジャーにサイズ表示されてるんじゃ?」

 

 

「…あぁ。確かに。と言うかなんで気付かなかったんだ俺」

 

 

「少し後ろ失礼するね」

 

 

「いや。俺が後ろ向くよ」

 

 

そう言い鏡を前にしてマトイにブラのサイズを見てもらう。

 

「…うーん。見えないなぁ…ユウナちゃん。腕上げて?」

 

そう言いーー肩に掛かっている部分を手に取り上に上げるマトイ。

 

 

「…んっ、ん⁈ちょまっ?マトイ⁈あぁ⁈」

 

 

「あぁ、そんなに動いたらとれないよ…んしょーーよし。どうしたの?」

 

するりとスポーツブラのーー補強する為のフックを外しブラを外し、ブラジャーを外す。

 

 

外したブラを手に取りサイズを見つける為にくるくると動かす。

 

 

一方俺は上半身裸になった為、露出する胸を隠す為に手で隠し、開いた手をマトイに伸ばす。

 

 

「な、なんで⁈サイズ見るだけなのに取る必要が⁈」

 

 

「だって取らないと見れないだもん。ーーぁ、合った」

 

 

「そうだけど!少し手ぇ入れて見るって方法がーー」

 

 

「うん、そうだね。それでね?サイズは、えっとね…」

 

 

「早く返してくれぇ⁈」

 

 

 

 

「ーーもうやだ。俺お嫁に行けない。ーーいや、やっぱ関係ねぇわ」

 

そもそも嫁に行く気もないが。と顔を手で多いながら思う。ーー自分でお嫁に行けない、と言ったものの、その言葉自体に変な感じがしたので考えるのは止めることにしよう。

 

 

「ほら。ユウナさん。前見て歩かないと。それに女の子同士ならノーカウントですよ」

 

 

「ごめんねユウナちゃん。デュケットさんが色々と服を選ぶから急がないとって思って…」

 

 

顔を覆う手を離し二人ーー浴衣姿のマトイとデュケットを見る。

 

 

「にしてもデュケットさん。ハオリ?を着せるなんて凄いね。私普通にユカタを渡していたよ」

 

 

「ユウナさんは戦闘服も出来る限り露出が無いものを選んでいたんで。それならキモノの上にハオリって言うのもありかな、と」

 

 

「そのお陰で胸が…」

 

 

「マトイさん。言わないでください。まさか私もここまでユウナさんのが大きいなんて…」

 

 

おっきいの羨ましいなぁ、と呟くデュケット。

 

 

「デュケットさん。聞こえてるんだよ。ったく…」

 

 

デカイのは良い事、なんてそれは実生活に関わらなければそう言える。こんなの…ブラジャーをしている時以外は重くてシャレにならん。

 

 

…風呂に入る以外無くない?

 

 

「取り敢えずエコーさんとゼノさん。メル姉妹にゲッテムハルトさん、それと管制官仲間のラミア、ビター、マリーネにもお土産を買ってかないと」

 

 

「デュケットは買うもの多そうだなぁ…」

 

 

「ユウナさんが渡すはずの人達の物も買うんですよ。それにーー」

 

 

「ん?」

 

 

「…ほら。これ」

 

そう言い店入っていくデュケット。俺とマトイが後をついて行くとーー余分に何かを探していた。

 

 

「……まさか?」

 

 

「そうですよ、アフィン君に て わ た し で渡す為のお土産ですよ」

 

 

 

「ジョーダンだろ?」

 

 

「なんだかんだでいつもパーティ組んでいる人を無下に扱うのはちょっと私も思うので。ーーマトイさん?まだ買わないよ?」

 

 

「えぇ⁈」

 

その言葉に反応してマトイを見るとーーカゴに複数のお菓子を入れていた。

 

 

「こう言うお土産は最終日に買うものなの」

 

 

「…そうかなぁ…」

 

 

そうデュケットに言われ渋々お菓子を元の場所に戻していくマトイ。

 

 

「…て、手渡しか…」

 

 

そう言い頭によぎるは金髪耳長ニューマンのアフィン。そこまでくるとどうしてもあのーー告白事件を思い出してしまう。

 

 

「なぁに?ユウナちゃん。もしかして、緊張してるの?」

 

 

「…んなバカな。…手渡し、かぁ…」

 

残念ながら俺は男なんだ、男の相手はまだごめんだ。そう思いながら店内を見渡す。アフィンの家族用にお菓子類を買って…後は…。

 

 

「…なら4人で一緒のモノ買うか」

 

「そうきましたか。良いですね。ちなみに何を?」

 

 

「…無難にキーホルダーとか?」

 

 

「そこは記念品をーー」

 

 

「ユウナちぁぁん!デュケットさぁぁん!こっちにスゴイのがいるぅ!」

 

 

「…あれ?マトイさん?」

 

 

「…声の方角からして向こうだ。なんですぐに…」

 

 

「まぁ良いじゃないですか。記憶が無い今からしたら初めての外のシップなんですし」

 

 

その理論で言えば俺も初のシップになるんだが。

 

 

そんな言葉を飲み込んでマトイの向かった方にーーその前に手に取っていたお土産を置いて、慣れない服装でデュケットと共にマトイの方に向かった。

 

 

 

 

「楽しそうですね、マトイさん」

 

 

マトイが叫ぶ方向に走るとーーそこには大型の生き物がいた。

 

その横ですごーい。おっきいー!とはしゃぐマトイ。

 

それを見て少し笑いながら言うデュケット。

 

 

「なんだありゃ?」

 

その言葉を聞き流しながらマトイが触るーーでかい生き物を指差す。

 

「カウノトスですよ。ほら。あれ一匹で乳製品も200人が飲める量を出すし、肉だって300人くらいだったかな?が食べれる量を得られるんですよ?」

 

 

船団内に出回っている肉や乳製品はカウノトスが作っているんですよ?と言う。

 

 

「…牛って事か」

 

 

「牛は…ほら、効率が結構悪いから…」

 

 

「まぁ、あのでかさを見るとなぁ…」

 

マトイより少しデカイ程度のサイズーーそんな生き物が街の中をゆっくりと歩きながらどこかに向かっている。

 

 

「それにほら。見ての通り超温厚なので上に乗ろうが頭を撫でようが滅多に怒りません」

 

 

「よく知ってんなぁ…」

 

 

「まぁ、私の通った学校、アークスになる為の専門学校でしたし?見事フォトン適正で落ちましたけど」

 

 

「そう言うのって受かる前にやるんじゃ…」

 

 

「手違いでその武器がヤバイ奴らーー今で言うバベルズですね、そいつらに渡って反乱でも起こったらどうしようもないですからね」

 

 

「…確かにそうかもしれないけど…」

 

 

「…それにしてもマトイさん、楽しそうですね」

 

どっかにゆっくりと歩いているカウノトスの皮膚をペチペチと触っているマトイ。

 

 

「デュケットもマトイと混ざるか?」

 

 

「そうですねぇ…ユウナさんもどうです?」

 

 

「俺?俺は良いよ。ここで2人を見てるさ」

 

 

「ふふっ。まるでマトイの親みたいですね」

 

 

「こんなのが親だって?止してくれ」

 

 

そんなことを話していると一通り触り終わったのけマトイが帰ってきた。

 

 

「…ねぇユウナちゃん」

 

 

「ん?どうした?」

 

 

「何か…みんなから視線を感じるの」

 

 

そんな言葉にそりゃあんなに触っていれば視線を感じるだろうと思ったがどうやらそう言う意味では無いらしい。

 

 

「…俺がビーストだからだろ」

 

 

「…それもそうですけど」

 

 

「デュケット。他にあるのか?」

 

 

「…マトイさんとユウナさんの髪の毛の色はその…特徴的ですし…なんなら私もお二人が初めてですよ。地毛が完全な白系の髪の毛は。ーーそもそもここはビースト多いんですから正直最初のは関係無いような気が」

 

 

「…ぁぁ…まぁ、確かに色んな髪の毛の色はーーオラクルに来て見たが、確かに銀髪は余り見た事ないな。ダーカー依頼をくれるラヴェールさん位か?」

 

 

「まぁみんな髪の毛の色濃いですからね。ーーラヴェールさんは…その過去に色々とありまして」

 

 

「色々?ーーいや、よそう。そう言うのは要らない」

 

 

「ですよね。せっかくの温泉街ですし、そう言う嫌な事はパァっと忘れてーー」

 

 

「ユウナちゃん?」

 

 

「…ん、どうした?」

 

 

「そろそろ旅館に戻らないと」

 

 

そう言うマトイに反応しデュケットが時間を見る。

 

 

「夜の7時前ですね。夜が出るらしいですし戻りましょうか」

 

 

「分かった。戻ろう」

 

 

「うん」

 

 

そう言いすっと慣れた様子で手を繋いでくるマトイ。

 

 

…本当にこの子は外見相当の年齢なのだろうか?と思いながらもデュケットの後をついていった。

 

 




旅館編(旅館で遊ぶとは言っていない)

カウノトスの元ネタはモンスターをハントする方のアレ


え?エロの方…?…うーん


例に習って後で書き足す


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

各種 てきとう 設定 仮置き
各種 設定 仮


やっと設定を前に持ってこれた…

設定はえっちいのが入っているかもしれない。


ーーー世代とはーーー

 

現在主力は第7世代及び第4世代。

クラスチェンジが並行的なクラスーー所謂ハンターからファイター、レンジャーからガンナー等と同系列のクラスにしか出来ない。

 

第四世代がHuからFiへと同クラスなら変更が可能に。

メインクラスオンリー。

 

第五世代がメインのクラスの他にサブクラスを選択可能に。

 

第六世代がメインとサブがバラバラでも(フォトン効率が落ちるとは言え)選択可能に。

 

第七世代がFoの複合テクニックを使用可能かどうか(第六とそれ以外は変わりなし)

 

第八世代が全てのクラスとサブクラスをデメリット無しで運用可能に(数は少ない)

第八世代より前は軍学校を出てからではないとアークスにはなれなかった。

 

 

ーーーサポートパートナーーーー

 

アークス試験をパスしたもの平均よりフォトン量が少ない人たちがこちらに入る(セミキャスト化すると言う手もあるがそれらは本人の意思による)

船団内であればフォトンの残量を気にせず戦える。

何かしら惑星に降りる時はアークスと共に降下する。

 

主な任務は船団警備と新人アークスの支援とオペレーター。俗に言うアークス二軍。

 

本家だと小さな人造人間(デザイナーベイビー?)

 

 

 

 

ーーー各種族についてーーー

 

ーーヒューマンーー

 

一般的種族。オラクル船団で一番多く、様々な仕事に付いている。寿命は平均60から90前後で妊娠率は高い。(但しアークスに所属している場合半分以下の寿命になる)

 

オラクル船団の半分ーー文字通り5割を占める種族だ。

 

…余りにも平均的過ぎて何も書くことがない。俗に言う、特徴が無いのが特徴、と言ったところだろうか。

 

フォトンはバランス的で攻撃にも防御にも扱える。

 

射撃職や近接、テクニック系列までなんでも可能。

 

強いて言うならその人の特性が子供に遺伝し難い、と言う所だろうか。

 

ーーニューマンーー

 

耳が尖っていて寿命が長い種族。

お陰でニューマンは外見に騙されるな、といわれる程。

フォトンを扱う力がヒューマンより高い。(後に出るデューマンより低いもののその分防御にフォトンを回せる)

 

生まれはダーカー戦術が確立されていない光歴以前の時期、その頃はフォトン許容率が多いほど多くダーカーを倒せると思われており、ヒューマンをベースに当時のフォトナーによって造られた。

 

寿命が長い理由も現役期間が長ければ、それだけ多くのダーカーを倒せるようにする為。

 

最も今となってはフォトン許容率も関係ない(あった方が良いことはいいが)

妊娠率はとても低く100年生きて一人から二人産まれれば良い方である。

 

(その訳は余りにも長い寿命の為、遺伝子を残す理由が余りなく、そもそもの男性が少ない為である)

 

そのお陰で重要ポストには大体二人から四人は居る。

 

更にニューマンの男性は少なく、ニューマンの精子はとても貴重で船団に寄付義務が有る。(但し報酬としてメセタは発生する。)

ニューマン♂とニューマン♀の妊娠率は低いもののニューマン♂と他種族の♀ならば更に倍率は低い(出来るか出来ないかの二択で有れば50/50だが)

 

女性ニューマンの場合、世間一般的に言われる処女膜が役1日ほどで確実に再生すると言う資料がある。(また世間一般の言う処女膜も完全に塞がっている傾向がある)ーーそれと同時にーーこれは完全に私情が入っているが、ーーエラー_ーーがヒューマンに並べとてもキツイらしく、どんな男性でも出てーー。

 

ーーーシステムエラー_ーーー

 

ーーー接続切断ーーー

 

ーーー再接続.情報線確立中...

 

ーーー再接続.完了ーーー

 

ーーお陰で娼婦などに只でさえ少ないニューマンを取られてしまう。此方はダーカー殲滅と言う大義名分があると言うのに…。

 

曰く『長年生きているとーーエラー_ーー以外詰まらなくて殆どのニューマンが娼婦になる』との事らしい。

 

 

ーーキャストーー

 

フォトンを扱う力があるもののオーパーツ地味たフォトンを扱うのに体が耐えれない為、身体の一部を機械化し、耐久度を文字通り得た種族。一部のみのセミキャストから全身機械化したフルキャストまである。

 

フルキャストの方は数は少ない。

 

オペレーターは何らかの事故により腕を失った元アークスが殆どで腕のみを改造したセミキャストが多い。

 

過去にフルキャストの人工生命体を造る、と言うデータがあるものの、あるパーツーー所謂魂、と呼べるものの作成に失敗し、頓挫したらしい。

 

コレが出来ればアークスの戦力不足を破れたかもしれないというのに。

 

フルキャストの男性や女性はオラクル船団から卵子と精子の提出が強制され、それらが冷凍保存(テクニックと科学を用いた複合装置)に保存されている。

 

 

ーーデューマンーー

 

ヒューマンをベースにダーガー因子を加えた(ダーカーを滅ぼす目的のアークスからしたら)諸刃の種族。

 

お陰でヒューマン、ニューマンより腕っ節が強くヒューマンよりフォトンを上手く扱える。

 

妊娠率はニューマン以上ヒューマン以下という感じだ。

 

フォトンを攻撃に特化させすぎた為かニューマン以上にフォトンを身体に纏わせられない為、被弾に脆い上に耐性も低い。

 

外見的特徴は、頭部に有るツノである。男性は一本、女性は二本という感じで出ている。

 

尚一説によると過去にあった事件のエネミーの遺伝子らしき物がデューマンの遺伝子にあるらしいが、真実は如何に。

 

武器にフォトンを纏わせるのを得意とするが反面、体に纏わせるのは苦手の傾向が大いにある。

 

ーーまた、一部であるがその傾向が攻撃寄りな為か短気な者が多い。

 

 

ーービーストーー

 

一言で言うなら獣人。キャスト以外の3種族が原生生物に孕まされ産まれた種族。

 

獣耳と尻尾が付いていたり居なかったり。

 

処女膜も他の種族同様持っているものの、ニューマンと同じく処女膜が完全に塞がっている。

 

ニューマンと同じく子宮内の子宮壁が破れ落ちた際、そのまま子宮内で溶かされ吸収される、と言われる。

 

妊娠率はバラバラでヒューマンベースなら比較的妊娠するものの、ニューマンベースだと全く妊娠しないとも言われている。

 

尚妊娠するとヒューマンビーストでは少し遅めに出産するといわれるが、ニューマンビーストの場合は生まれるまでに2から5年掛かると言われている。(その理由は不明だが雑多な動物と性交する為に中にいる子を確実に産まれさせるためにこんなにも長期に居させる、とも言われている)

 

又、人の場合は妊娠しても産まれて来る可能性は低く、母子共々死んでしまう可能性が高い。その為詳細なデータが中々取れない。

 

妊娠後受精し、着床すれば、成長、無事に産まれるが、ニューマンビーストの場合、一般のニューマン以下の受精率に加え、妊娠時も一度10ヶ月程で成長が止まり、それから2年から5年程、母胎の中で過ごすと言われている。

因みに妊娠中の性行為はヒューマン、ニューマン、デューマン、セミフルキャストは安定期に入った場合のみであるが、ビーストの場合、妊娠したその日から性行為が可能である。

 

である、と断定していないのはニューマンビーストが少ない為である。

 

ヒューマンビーストは元のヒューマンが多くアークスに所属し、それなりにいるものの、元のニューマンの数が少なく、更に前線に出るようなニューマンはほぼいないからである。

 

 

また、一説によると子宮壁が受精した卵子を覆い、ある程度の大きさになるまで受精した所が膨らむとのデータ有り。

 

 

各動物と同じ様に発情期と俗に言われる期間があり、その期間に入ると男性なら見境なく襲う、と言われる。

 

襲われた殆どの男性が脱水症状手前であり、それが治ったとしても、頑なに襲った人物の事を言わないのである。

 

最も、二度目、三度目と同じ人を襲うと半ば合意の上で、という事になるのだが。

 

治安の観点から見てもどうにかすべきかと思われる。

 

 

また、特徴で一部ーー犬系統のビーストのミミはある種のレーダーの様な存在であり、我々には察知出来ない敵からの殺気を明確に捉えられる、とのこと。

 

また、未確認情報もあるため注意を。

 

 

ピッと言う音と共にホログラムが消える。

 

今まで暗かった部屋が少しづつ明るくなる。

 

「成る程…理解はしたが…何故こうも…」

 

目の前にいる学者が何か言いたそうに口を開けた。

 

「…?あぁ、何故ビーストの項目だけ長いかだって?」

 

「それは私的ですが、ビースト、いえ、あのモフモフが好きで。また私が反ビースト組織の認識をーー」

 

 

ーーーシステムエラー…ーーー

 

ーーー管理局のサーバーに異常発生…ーーー

 

ーーー再起動……エラー_ーーー

 

「ーーーそもそも私達オラクル船団ーー目ーー種の保存ーー」

 

ーーーサブシステム起動……エラー_ーーー

 

ーーー異常事態発生.管理者による強制シャットダウン開始...ーーー

 

ーーーーーー閲覧中止、異常個所の訂正を開始ーーーーーーー

 




結構設定は変わる(本家踏襲)


正直設定を考えるの楽しい。

R18のラインがよく分からない。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

pso2 (仮) 武器関連

全く話しが進まないので


ーーーR.C.S.o.P,Arms製 武器ーーー

 

強いて言うならライフルのランク4のビーム系ライフル。

 

ビームと名を打っておきながら実際はただの実弾ライフル。ただしA.C.ins.製のプルパッフ型とは違い全長は短く、全高が高くサイトを覗き辛い(ビーム系にサイトが無いとか言わない)

 

基本的にはその武器を扱うクラスの代表と面識があったりなかったり。

 

 

ーー惑星間超光速空間湾曲航法母機 キャンプシップーー

 

全長150メートル、幅90メートルの中間大型空母…空母?

 

…ぶっちゃけ戦闘艦。

 

惑星の宇宙空間に居る。

 

これを各惑星に置いて拠点にしたら良いんじゃ無いんですかね?(新大陸感)

 

ーージャバスプ JFVa/Sp-68 ジェット及びフォトン複合垂直離着陸/短距離離陸電子防護機ーー

 

本編のジェットオスプレイ、キャンプシップにXP−85の如く格納される。

 

フォトン複合ジェットエンジンにて駆動。宇宙及び地表、水中などをフォトンエンジンにて、万が一の場合の低出力(オラクル感覚)ジェット(ロケット)エンジンがある。

 

何故にダーカー相手に電子戦機かって?ほら、ダーカーってJam見たくコピーして電子戦仕掛けてくるかもしれないから…。

 

 

ーーーサーレクスmk6 惑星緊急多目的支援航空機ーーー

 

10発の大型可変フォトンロケット複合サイクルエンジンを積んだ救出機。未開拓惑星でもまずはこれの基地を作る為に一部を伐採するほど重要。

其処を中心に惑星を開拓して行きキャンプシップの中継基地や各種施設などを建設して行く。

 

運用としては常時高高度を飛行し交戦中のアークスに何か不具合があり且つ撤退、又は任務終了時に回収する。

自衛用火器としてチャフ・フレア及びノッカー。

 

ノッカーとは対誘導(ミサイル)兵器迎撃装置のことで超短射程のミサイルを放ち接近するミサイルを叩き落とす装置。

 

これより大きい大型機を開発中し、それをキャンプシップと統一したい模様。

 

ーーーメインシップ オラクル船団 オラクル級超々々オ級大型船 一番艦 旗艦 オラクル ーーー

 

全長5000km(京都からシンガポール迄)、全高1000km(地上から宇宙までの10倍)を越す超々々オ級大型船。

アークス関係者、アークスの家族、非戦闘要員、民間人を収容する超々大型船。

これが24隻程あり約3年期間で旗艦が変わる為、オラクル船団員からすれば船の名前などどうでも良いのであろう。

 

 

 

人口は約1隻に10億ほど住んでいて24×10億で2.4e10(240億)ほど住んでいる。その内の10%前後がアークスの戦力として所属している。(果たして24億程度で全宇宙を守れるのだろうか…?)

 

各食料プラント船にも一隻につき大体5万人前後住んでいる。

 

大まかに居住、アークスゲートエリア、アークス居住区、ゲートエリア下部の各種航空機格納庫及び大型整備施設、海洋地区、森林地区、民間人用の民間用キャンプシップ宇宙港になっている。

 

構成は

マザーシップ×1

 

オラクル級大型船×24(うちアークスが駐屯するのは10機)

 

アークス級戦闘艦×200

 

食料プラント船×180

 

これでオラクル船団。

 

 

 

ーーリリーパ 人型兵器 複眼アイーー

 

惑星リリーパの遺跡群の奥、格納庫に眠っていた機体。

コックピットは頭部を上げて入るタイプでありメインモニターとサブモニターが左右上部分にある。他はほら、フロム脳で。

 

モデルはアリーヤっぽいアレ。

 

コックピット内装は鉄騎みたく。まぁ、直ぐにインターフェースがSFに変わるが。デカくてゴツい宇宙服みたいなパイロットスーツを着て搭乗。理想はゼルシウスをゴツくた奴。

 

 

改装後の操作法は……マクロスのEXギアみたいにゴツいスーツで神経察知?

 

と言うか深遠なる闇戦で宇宙に何も付けずに入れてる時点で何も言えない。強いて言うならフォトンで酸素もつくれている?又は酸素を必要としない?

 

初搭乗時は武装は実体ガトリングガン(強制冷却ファンをバレルに装備。回して冷却するのにファンが必要なのか…)と実体アサルトライフル2丁。

 

後に左右両腕部下部にブレードユニットが有るのが判明。片方1個の2個装備。10秒位ならブレード刃を形成可能。

 

腕部下部に掃除したまま振るも良し、マニュピレーターに保持させて振るも良し。

 

多分新たにA.I.S用の武器を転用するかも。

 

A.I.Sには設定上だと中距離支援機とか遠距離支援機がいるのだから…ねぇ?左手フリーなんだからテクニックの零式ナ・バータを大型化してビームシールドもどきでもすれば良いのに。

 

 

なんでそんな精密機械が砂漠の砂荒れる基地の奥で数百年放置されても動くのか。(エルジマント驚異の科学力)

 

ほら、V系ACも元は発掘兵器だったし、イケルイケル。

 

 

主機は…謎の粒子(すっとぼけ)か重金属水素?

 

A.I.Sは…小型フォトニックリアクター?

 

 

 

ーーーA.I.Sーーー

 

Arks.intercept.hIgh.maneuverability.Silhouette

 

惑星リリーパにてあるアークスが鹵獲した人型兵器をオラクル船団の技術部がリバースエンジニアリングしてノウハウや各種データを取得。

 

取得したデータを元にアレンジ、再構成して量産したモデル。

 

主機には小型フォトンリアクターを採用。これにより一般兵器より長くD因子に耐えることが可能。

 

搭乗方は背後及び頭部ユニットから。

 

背部下部にフォトンリアクター直結スラスターを2基搭載。脚部に小型スラスターを2基合わせ4基搭載。

 

宙間戦闘時には推力不足が現時点で指摘されているため追加ユニット案を提案中。

 

但し1G環境下では充分な推力があるため、現段階では然程問題視されていない。

 

武装はS.マシンガン、P.セイバー、S.Mのグリップ部に外付けのP.ブラスターを装備可能。

 

またそれらの武装は肩部にラッチ可能。

 

またS.Mのバレル下部には三連装のP.ミサイルを装備。爆薬タイプはH.E.A.D.F。左腕部にあるP.チャージャーからエネルギーを供給する。

 

 

また現段階では先程説明した宙環戦闘用の追加ユニットを装備する案や、中、遠距離用のより装甲を施し、更に無人機ユニットを付けた重装甲型などのプランが上がっている。

 

 

 

 

 

ーーーヤスミノコフ造兵廠ーーー

 

 

ヤスミノコフやH系武器を作る。

 

 

ーーー弾の種類ーーー

 

小口径

 

5.56x45 OR.W.C.A(Oracle wartime common ammunition)

 

7.62x51 OR.W.C.A(Oracle wartime common ammunition)

 

 

A.P.弾

 

Armor,Piercing,ammunition

 

D.A.P.弾

 

Dark,falz,Armor,Piercing,ammunition

 

D.H.E.弾

 

Dark,falz, High,Explosion,ammunition

 

アークスでは20ミリまで小口径だから()

 

H.E.A.D.F

 

High-Explosive Anti-Dark.falz

 

 

 

 

 

ーーーアークス 戦闘服ーーー

 

背中にナノトランサーと呼ばれる四次元収納庫が付いていてその殆どが手元のデバイスでナノトランサーに出し入れできる。

 

男性は筋力を、女性はフォトンを扱えるようにするため、男性はゴツく重装甲な戦闘服、女性は肌を露出させフォトンを扱いやすくするため薄着になって居る。

一部逆の戦闘服がある。

 

フォトンである程度のダメージを吸収し、限界を超えた場合は逐一放出する。

 

破れた場合でもフォトン複合科学アトテクノロジーで完全修復は可能。

 

フォトンアトテクノロジーの使用は戦闘服又は軍用品に限られている。

 

フォトンにより敵性生物(及び物)からの攻撃を打撃、射撃、砲撃に瞬時に解析し、防御する。

 

またパワードアシスト機能もある。

 

 

 

ーーーR.C.S.o.P,Arms製 武器ーーー

 

強いて言うならライフルのランク4のビーム系ライフル。

 

ビームと名を打っておきながら実際はただの実弾ライフル。ただしA.C.ins.製のプルパッフ型とは違い全長は短く、全高が高くサイトを覗き辛い(ビーム系にサイトが無いとか言わない)

 

基本的にはその武器を扱うクラスの代表と面識があったりなかったり。

 

 

 

ーーーA.C.ins.製ーーー

 

全てのアークスに支給される基本武器、基本的に扱い易い武器となって居ることが多いが、扱いやすさとコストを重視した為、ダーカーを相手するには少し物足りない。(そもそも人以上のサイズの敵を倒すのに小口径で倒せるーー倒せたわ。でも強いて言うなら7.62x51以上が欲しい)

 

低ランクコモンライフル系。

 

ーーーA.C.A.R–mk5 アークス用戦闘用アサルトライフルーーー

ダーガーが確認された年から配備されたアサルトライフルの五代目。

 

最初のライフルは大口径のボルトライフルだったが時代が進む毎にダーガー自体も少しは解析され小口径弾でもダーガーのコアを壊せればそれで飛散するという事で、ここに来て3台目あたりから小口径化した。

ストック、下部レシーバー、上部レシーバー、バレル周りの大まかに4つに分かれており各レシーバーの交換でスナイパーからマシンガンまで対応可能。

 

流石にショットガンまでは対応していない。

 

尚、貫通力に関しては100メートルにて、当たれば20㎜程あり初代と殆ど変わらなくなった。

スナイパーモデルに関しては1000メートルにて8ミリの貫徹を有する。

理論上はスナイパーモデルの機関パーツをアサルトライフルに組み替える事で連射で使えなくは無いものの反動は大きい。

 

スナイパーモデル、アサルトモデル、マシンガンモデルなどがある。

 

それぞれ有効距離は1500、800、800となっている。

 

 

ーーーA.C.H.S–1 mk3 アークス用戦闘用重ソードーーー

 

アークスがダーガーとの格闘戦時に使う大型ソード。

 

刃は鉄ではなく、ソードの両脇をダーガーが苦手とするフォトンを覆わせた刃を形成する事により叩き斬るだけでダーガーを倒す事ができる。大型種及び中型種に対しては特効武器となる。

 

但し重い。ーーHr?知らん

 

ーーーA.C.H.S−2 mk1 Gigash アークス用戦闘用重ソードーーー

 

重かった前ソードを軽量化したモデル。フォトン出力が小さく扱いやすかった前モデルから出力を少し向上、対ダーカー戦では前モデルより活躍が期待できる。

 

全モデルはフォトンが全体に

(仮)

 

 

 

ーーーテクニック とはーーー

 

 

炎、氷、風、雷、闇、光

 

闇ってなに?

 

光ってなに?

 

 

フォースやテクター、バウンサーやヒーロー、ファントムなどが使うテクニックについて。

 

そもそもテクニックはオラクル船団が過去に存在したとされるフォトナーの使っていたマジックを科学的に再構成したものである。

 

しかし再現度は不十分で再現度が高まる毎にそのテクニックのレベルが上がるようになる。

 

フォイエなどのその場に無いものを目の前に持ってくるにはフォトンを使いアカシックレコードにアクセスしてフォトンがアカシックレコードから`それ`を目の前に持ってくる。

 

なお、Fo、Teなどのミラージュエスケープは短期間だけ体を周囲のフォトンと同化させ(所謂別の次元に体を隠し)ダーカーからの攻撃を回避することが可能(但しそれすなわちフォトンと融合してしまう可能性有り)

 

よってアークス及びオラクル船団では過度のフォトン次元(軸)への長時間の干渉(できうる限り)禁止としている。

 

 

 

 

 




設定はてきとーです。このゲーム設定ガバガバ過ぎてなぉ…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Ep1
1話目


クドイようですが投稿者は初投稿です。そこの所はよろしくお願いします。


「えっ?俺のミミを触りたい、だって?」

任務はサクッと終わるだろうと高を括り、シップ内の飲料販売機で買ったオレンジ(らしき)ジュースを飲みながら相棒、頼むよ相棒と揺らされる

5日前の最初のアークス適応任務を先輩の救援で九死に一生を得て、その適応任務で成り行きで一緒のコンビを組んだニューマンーー所謂ファンタジーのエルフみたいな耳の長い人種ーーのアフィンに言われた。

落ち着けと、手を離してもらい訳を聞く。

「何で、俺の、ミミに、触りたいんだ?」

「何でって…モフモフしてそうだからに決まっているだろう」

「はぁ?モフモフ?」

「なぁ?頼むよ、相棒の仲じゃないか」

「頼む、と言われてもだな…アフィン、分かっているのか?俺、なんて自分で言ってるが、俺は女だぞ?」

何故自分が俺と呼んでいるか、それは6日前に遡る。

 

その日はいつもの様にゲームをしていた。ほぼ毎日の様に。

無論二十歳だが、此方には働けない訳があった。

叔母の介護である。その時叔母は90を越しており片目は完全に見えず、辛うじてもう片方の目で身の回りをどうにかしていたのである。

そこに俺が入り叔母の介護をしていた、のだが…残念な事に叔母は遠い所に行ってしまった…本人も時折自分の歳を忘れていたが、確か93歳で上った。

 

その時は泣いた、泣きまくってしまった。ただでさえ涙腺が弱いのだ。

 

火葬場を出て喪服のまま、空を眺めていると変な音が聞こえたのだ。

声で表すのなら…ドワチッ!、と言う感じだろうか。

 

不審に思い、涙を拭き音の方角へ向かおうとした。

 

その時に'見つけた'と言われた。

 

 

そして気がつくとアークスシップの中に居て手にはライフルが握られて居た。

 

そこからは流れでさっき言った適応任務をアフィンと即席でクリアして晴れてアークスになった訳だが…

 

「それでも!頼むよーー相棒だろ?」

「そんなにガン見されてもなぁ…てかアフィン、胸を見るなよ」

「あ、あぁ、ごめん、そのーー」

「あぁ、もう良いーーそれより今回の任務は?」

「ええっと…『惑星ナベリウス森林地域分類番号4ノ5番地にて原生生物にダーガーの反応有り、至急確認に迎え』ーーだって」

「アフィン、そっちのライフルの残弾数は?」

「対D因子弾五個と対装甲貫通弾五個、それぞれ50連だったかな?シップに連絡すれば追加弾くれるかもしれないけど…どうする?」

「今は良いや。取り敢えず即応弾としてD弾を入れといてくれ。俺は貫通弾入れとく」

「……なぁ、やっぱしーー」

「駄目だ、アフィン?良いか?そうやすやすと女性に触らせてくれと言ってはいけない。それともなんだ?今ここで俺に撃たれるか?」

そう言い脚にあるポーチからハンドガンを指差す

 

俺とアフィンはレンジャー、ーーー所謂近距離から遠距離にかけて活動するクラスである。他にも前線を張るソードや槍を使うハンターやナックルや長めのダガーを使うファイター、サブマシンガンを取り回しに特化させ二丁目持ったガンナー。

 

近中遠距離から前線を援護する俺たちライフルを持ったレンジャー、テクニックで傷を一時的に治すテクターや、同じくテクニックを使うフォースなどがいる。

 

無論、各クラスにも色々あって、例えばアフィンは近距離から前線を援護する突撃型ライフルを持っているし、

一方俺は中距離から遠距離にかけてダーガーの弱点を狙う準狙撃型ライフルを持っている。

 

もっともこれらも全てレンジャーと言う括りの中なので自由に交換できる訳だが。

 

「ごめん、分かったよ…」

 

そう言い俺から離れていくアフィン

 

「そうだ、アフィン、待て」

「なんだい?」

「ヘッドセットのバッテリー、入れたか?」

ヘッドセット部分を指で叩く

「相棒に言われなくてもとっくにーーあれ?可笑しいな、オフになってる」

「はぁ…アフィン、いや、何でもない」

「え…とーー良し」

『あーあー…此方アフィン、聞こえるか?相棒』

「おーけーだ、此方…はぁ、はぁーー」

『んっ?どうしーー「はぁっくしょん!」ーーくしゃみか…まぁ、聴こえているから良いか』

「アフィン、ティッシュ有るか?鼻水が出てきてしまったよ」

『分かった、今行くからーー』

「ほらよ、ティッシュ」

「ありがと、アフィン」

「そんな鼻水だらけの顔で言われてもなぁ…」

ふー、ふー、と鼻水を出し切りこの先の調査に向かう

「アフィン、先にーーいや、今回も2人で行くぞ」

「それじゃあヘッドセットの意味が無いんじゃ」

「保険はかけておくものだ。初弾薬室内に入れたか?」

「入れた。安全装置も掛けてある」

「良し、周囲に展開している他のアークスはいるか?」

「待ってくれ、今管制に問いかけるから…此方アフィン、任務番号ーーなぁ、任務番号って何だっけ?」

「えっと………あった、これだ」

立体映像に今回の任務と任務番号が書かれている。それをアフィンのいる所に投げる

「えー、D146596です。任務地域は森林地域4ノ5です。

……はい、分かりました。周辺にアークスは居ないって」

「良し、んじゃ試し撃ちするか」

チャージングハンドルを引いて薬室内に何も無いのをちゃんと目で見て確認する。

その後貫通弾が20発入った弾倉を準狙撃型ライフルにセットする。

ボルトリリースレバーを押して初弾を薬室内に入れる。

 

ガシャン!と金属音が鳴りチャージングハンドルが所定の位置に戻る。

 

未だ忙しくない為念には念を押し、チャージングハンドルを少しだけ引いて薬室内に入っているかを確認ーー

良し、入っている。

 

ゆっくり確認していると隣でパパパバッ、とアフィンが撃ち始めた。

「……おい!そうだ!アフィン!今弾何入れた!」

試し撃ちしているアフィンの耳元で大声で話す。此方に気付いたのか試し撃ちを辞めて答えた

「そりゃ、貫通弾だよ。最初の一発はD弾だけど」

「そうか、それなら、良いや」

そう言いアフィンはまた胸を見始める

「なぁ、相棒、思ったんだが…胸、狙撃する時邪魔じゃ無いか?」

「はぁ…邪魔も何も、この身体なんだ、どうにかできるわけでもあるまい」

「そうか…」

そう言いアフィンは今度は照準器の設定を始めた。

 

 

俺もいい加減始めないと

 

下部レールに付けられたフォアグリップを握り安全装置を外す。

 

モードはシングル、単発で試し撃ちをする。

 

パスッ、パスッ、パスッーー

 

若干可変光学照準器がずれているな…待てよ?

 

念の為安全装置にモードを合わせ、口に人差し指を入れてヨダレを付ける。

 

「…相棒、何をやってんだ?」

人差し指を口から出し体の前に立てる

「何って、風の有無の確認だよ……無風?良し、やっぱり今だな」

もう一度安全装置を解除、さっきの通り照準器を弄る。

 

「えっと、上にー試しに3回、右に4回…良し」

 

3度、撃つ

 

「えー、下1、右2…良し、完璧だ」

「アフィン!終わったか?」

「とっくに終わってるぞ。どうだ?いけるか?」

「いけるいける。サッサとメセタ貰って帰ろうぜ」

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

2話目

久しぶりにハーメルン除いたらお気に入りが3人ほどあったので駄文ですが投稿します。


「おかしい…原生生物ーーウーダンとかガルフの鳴き声がしない…」

「寝ているんじゃ無いか?ここ暗いし」

「そうは言ってもだなーーそう言う生き物って夜行性じゃないのか?」

「…俺そう言う考えるの苦手だから、相棒!そういう推測するのは頼んだ!」

「……俺も苦手なんだが…まぁ良い、奥に進むぞ。モードは単発にしておけ」

「相棒、頼むからシングルって言ってくれ。第一単発って…何語だよ」

「あぁ〜、そうだな、あぁ…まぁ、気にするな」

そういやアークスって英語基準なんだっけ。おいおい直していくかなぁ…

「そこまで伸ばして気にするなって…相棒言い回し独特だから俺以外が隊員としてつかないんだよ…」

「なに、多分、すぐ分かることさ」

「直ぐってーー「待て」ーーどうした!ダーガーでもでたか!」

「アフィン…何かーー嫌な予感がする。周辺の生体反応、調査頼む」

「相棒ーー」

そう言いアフィンは俺の目を見る。

 

「…はぁ、分かった。生体反応調査するよ、少し待ってくれ」

 

アフィンは手元のデバイスを操作し、無人機をナノトライサーから取り出す。

 

「ドローン組み立てるからその間援護ーーまぁ、なにもないと思うけど、頼むわ」

「分かったから、早く頼むぜ。範囲は…俺達から離れない様にして1キロ前後スキャン可能な高度をとって維持するように頼む」

「えっとーー生体走査装置とと心音とーーいや、これだけで良いか。出来た、今から飛ばす」

 

カシュ、と手の平サイズのドローンが50メートル位の高さでホバリングする

「えっと…生体反応はーーーえっ?嘘だろ?600先、心音低、やばいぞ、相棒!」

「だから言ったろ!行くぞっ!」

 

 

「居た!アフィン!管制官に連絡!至急救出機を飛ばしてくれ!」

「分かった、誰を呼べば良い!」

「そんなの、ヒルダでもブリギッタでも誰でも良い!ーーいや、待て!メリッタは駄目だぞ!」

「分かった、此方アフィン、任務番号D146596を遂行中緊急事態発生、ナベリウス森林地域分類番号4ノ5にて救助者を発見、至急救助機を送られたし!」

『こちらヒルダ、了解した。ナベリウス森林地域分類番号4ノ5に救助機を至急送る。新人達、位置の知らせ方は分かるな?』

「えっとーー「アフィンのランチャーにフレア弾を込めて空に撃つ、ですよね?」ーーですか?」

『そうだ、新人達。慣れろよ、これが現場の空気だ、何があるかわからん。注意しろ』

「お、おい相棒!その女性ーーアークス、なのか?息しているか?」

俺と同じ赤い目をした白髪の少女の手を取り脈を確認する

「してない!取り敢えず人工呼吸をーー」

そう言いアフィンを見る俺

「あ、相棒!女の子なんだから相棒がやってくれよっ!」

「…くそっ!ーーはぁ…すぅーー」

白い髪の長い少女の口に俺の口を当てて酸素を吐き出す

「ま、まだっぽい!」

「分かってる!少しは周りに気を配ってくれ!何が起こるか分からんからなーー」

心臓があると思われる部分に手をーー

「くそっ!服が邪魔だ!アフィン!後ろ向いてろ!」

「えっ?うそぉ!」

少女には悪いが服を破き心臓がある部分に両手を重ね10回ほど押す。

押した後に心音が無い場合はーー息を口に入れるしか無い

「来い、戻って来い…頼むぜぇ!」

キーン、と甲高い音が聞こえた。来た、救助機が来た!

 

「アフィン!いまだ!撃てっ!」

「あいよっ!」

 

ポンッ、とランチャーからフレアが放たれ空に輝く。

すぐに救助機ーー今思い出したが確かサーレクスみたいな名前だった気がする。

 

大型可変フォトン及びロケット複合サイクルエンジンを10発装備した大型機が空中でギアを出して着陸すべくホバリングする。

 

「おい相棒…スゲーな、サーレクスmk6だ。新型機だよ…生で見るのは初めてだ…」

 

『此方サーレクスmk6パイロット、ロメヲだ、救助者はどこだ?』

 

「こっちの白髪の女性だ!救助頼む!」

 

『任されて!その為の俺達だ!野郎ども!降車、降車、降車!アークスを死なすな!』

サーレクス後ろのハッチが開き六人くらいの人達が出てくる。

「なぁ、アフィン、カッコイイが…いかんせん暑苦しいな」

「でもあいつらのお陰で俺達は何度でも出撃できるんだぜ?戦場の女神だよ」

「出来れば可愛い女神が良いなぁ…」

「そ、そうか…」

『救助者の格納確認!コレよりアークスシップに帰還する!』

10発あるエンジンの内2発も水平になりコックピット上部が光り丸い円ができる。

残り8発のエンジンが火を噴きその円の中を潜る。

 

「ワープ…したのか…外から始めてみたが…成る程、ああなって居たのか」

「そう言えばさっき救出した少女、何処と無く相棒に似ていた気がするが…姉妹か?」

「いや、俺には居ない…筈だ。多分」

「そうだな。さて、相棒、どうする?任務を切り上げ帰るか?」

「ふむ…さて、どうするか…」

サッサと帰ってメセタ貰って甘いものでも食べようかと考え始めた時、不意に通信が入った

『…ど…だ、マ…イ、こ……さな…』

聞いたことのあるーーいや、現在聞こえているような声をヘッドセットが拾った

「アフィン、今何か言ったか?」

「いや、俺は何も…どうした?何か聞こえたのか?」

「もっとヤバめな気がする…アフィン、念の為お前はキャンプシップに撤退しろ」

「おいおい、どうしたんだよ…」

「念の為だ、頼むぜアフィン」

「……その代わり絶対戻って来いよ、相棒ーーいや、ユウ」

「はっ、任されて」

そう言いアフィンはキャンプシップーーTSAEC-23mk4ーーに向かうためテレポーターを使用、その中に消えた。

キャンプシップとは俺達アークスが惑星間を移動する際のテレポーター兼前線基地みたいなものだ。レンジャーのポインターで目標を指示して攻撃してもらったりもする。

 

さて、アフィンは撤退した。俺の今の身体の声と同じ声がヘッドセットが拾った。

「……これは何かあるか?」

そう言いゆっくり進む。アフィンが居ない今、完全に意味の無い勘が頼り……これしか頼れないが…

「周囲に生体反応ーー無し、やっぱりおかしい…」

俺とアフィンは元々ダーカー退治に来たのに来てみれば何も無しーー少女は拾ったがーーおかしい、おかしすぎる。仮に他に何人かアークスが居てその人達が狩って行ったのなら報告して終了なのだが…

『何処…だ、マト……そう…いき……アレを壊さ…けれ』

途切れ途切れだが少しづつ回線が安定して来た。多分、近い。

ライフルの安全装置を単発から連射、フルオートに切り替える。念の為チャージングハンドルを少し引き初弾が入っているかどうかを見る……良し、大事だ。

 

ゆっくりハンドルを元に戻し可変サイトを4倍から等倍、1倍にする

 

『マトイを殺さなきゃ…世界が、ヤツに壊される。せめて創世器だけでーー』

近い、そう思った瞬間少し先にで爆発が起こった

周囲に生体反応はなーー3つ⁈1つなら分かるがあと2つはーーアークス反応⁈ゲッテムハルトと、メルランディア?

付近にアークスは居ないんじゃなかったのかよぉ!

 




感想その他諸々はお受けしております。尚着地地点は見えません。
何処で終わりにするか……


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

3話目

何と無く3話目投稿。此処からどんどんおかしくなります。


「そらっ!」

低い声が木霊する

「まだだ、終われない」

「おいディア!此奴はナニモンだぁ!」

「お待ち下さいゲッテムハルト様ーー生体反応、指紋、血液…分かりました。少し前にアークスになられたーーえっ?」

地中から湧いてくるダーガーを倒しつつ声のした方に走り、やっと付いたらゴツい男性ーーゲッテムハルトと名前と表示されているーーと少女ーーメルランディアーーが一人とーーアレは何だ?女性…なのか?

 

ナックルで女性のーーソードなのか?ソードらしきものを防いでいる。

男性が右ストレートを女性に放ち、女性はソードの表部分でもう一度ガードする。

それと同時に男性の腹を片脚で蹴る。

 

「へっ!そんなの効くかよ!」

「そうか、ならこれはどうだ?」

 

一度女性が距離を取り男性から離れる

「ふんっ!ハンターが距離をとってどうする!」

「誰がいつハンターだといった?」

空いた左手で腰にマウントしてあるSMGを取り出し男性に掃射する

「おいおい!そんなのアリかよッ!」

男性は木の裏に隠れてリロードのタイミングを計る

いや、アレは…フォトン弾を撃っている?

 

それならリロードは多分無い、ならば!

片膝立ちの状態でライフルを持つ。モードは単発、

狙うはSMG、当たらなくても良い。隙を作れれば…

光学照準器を覗きSMGに照準を合わせる。いや、初弾をーー時間がない、今回は無視しよう。

ーーーここだ!

トリガーを引き弾丸が長いバレルを通り女性のSMGに向かう

「⁈」

「!今!」

こっちを見た女性に男性が肉薄、左ストレートを放つ

「ッ!」

「……今いらっしゃったユウナさんと各種情報ーーダークファルス反応が有る、という事以外一致しています」

ナックルで女性の腹を思いっきり殴り吹っ飛ばした。

「…はっ!差し詰め同姓同名の空似ってか?」

吹っ飛ばされた少女はソードを地面に差しそのまま体勢を立て直すと同時に左手からーーアレは何だ!

変な球ーーオレンジ色の…何だ、アレは

「うォ!何だありゃ!オイオイッ、ディア!援護頼む!」

「お待ちをゲッテムハルト様」

そう言い少女ーー曰くディアの持つロッドから眩しい光がレーザーとなって女性に向かう

「くっ…やっぱり、強いなーー」

『ゲッテムは』

女性がそう言うとタリスに持ち帰って何処かに行ってしまった

「はぁ…久しく食べ甲斐のある野郎かと思ったが…逃げられちまったら仕方ねぇな…所で、だ」

そう言いゴツい男性、ゲッテムハルトが此方を見た

「お前…さっきの野郎、知ってるか?」

「ゲッテムハルト様、野郎ではなく彼女って言ってください。シーナ姉さんに言いますよ?」

「っち、ディア、今はそんな事はいいんだ。もう一度聞くぞ?さっきの野…彼女を知っているか?」

厳つい男がオレを見て言い放つ。

「いや、知らない。そもそも俺レンジャーであんなソードとか待てないしあんな変な弾撃てない」

「それ位は見れば分かる、ディア、さっきの奴アークスか?アークスじゃないか?」

「ダークファルス反応が少しながら有ったのでアークスの可能性は低いかと」

「はぁ…無能な上に上げなくちゃならねェじゃネェか…裏切り者がいるってな。ディア、報告書頼む。

所でお前、中々強くなりそうじゃねぇか。将来を期待してるぜ」

そう言いゲッテムハルトはスタスタと俺が走って来た方に歩いていく

「…ゲッテムハルト様が他人を褒めるなんて中々ありませんよ?頑張ってくださいね?」

「ディア!帰るぞ!シーナの見舞いにも行かなくちゃならん!」

「分かりました!ゲッテムハルト様!」

そう言いディアと呼ばれた少女も後に続く

「…何だったんだ、今のは。それにあの女性…」

さっき会ったディアはスペックは俺の身体と同じと言っていた。たが…

「ダークファルス反応…なんでこんな所に…」

そもそもダークファルスとは、無機物有機物問わず汚染するダーガーの最上位機種……機種?の人?物?である。現在確認されているのは確か巨躯[エルダー]と若人(アプレンティス)と深遠なる闇の3人のみーー果たして単位が一人二人なのかは兎も角ーーである。

だが女性のダークファルスなぞさっき言った若人しか知らない。いや、アークスの歴史上にはもしかしたら他にもいるのかもしれないが……

それにその若人も髪の毛ピンク?だった気がする。さっきの女性は灰色だったーーんっ?

そう思いふと自分の髪を見る。同じく灰色で腰まで届く同じ長さ。

それに一緒にいたディアと言う少女と会話した時のあのサイズ…さっきの女性とほぼ同じ目線だった。

「まさか。正しく他人の空似だろ。そうだ、そうに違いない」

そんな事を自問自答していると遠くから一足先に帰らせた、相棒相棒うるさい声が聞こえて来た。

「おーーーい、相棒ーーー!何処だーーー!」

…あいつ何でヘッドセットで探さないんだ?

「おい、アフィン、なんでヘッドセットで探さないんだ?」

『……あぁ!そうだ。これが有るんじゃん!』

「お前…アホかよ…とりあえず任務は終わった。さっさと帰るぞ。救出した少女の容態も聞きたいしな」

『了解、それじゃーー』

そう言い林の間からアフィンが出てきた

「さっきの少女を回収した所に行こうぜ。キャンプシップが待ってるから」

「おうよ」

 

 

「任務お疲れ様でした。報告書とマグを一時的にお預かりします」

「お願いします。ほら、アフィンも」

「お、お願いします!」

「お疲れ様でした。これにて今回の任務は終了です。ユウナさんには後でメディカルルームに来て欲しいとの連絡がありました」

「メディカルルーム?」

「はい。このロビーに並列してありますので横のドアから行けますよ」

「…って言う事でアフィン、銃の整備一人で頑張れよ」

「えぇっ!相棒居ないとパーツ分からなくなるのに…」

「頑張れ、それじゃ、此処からは別行動だ。んじゃ」

「おう、じゃあな」

そう言いアフィンはエレベーターに消えた。

一方俺はそのままメディカルルームと言われる治療室に向かう。場所はこのロビーに帰って来て向かって右側、アルファベットを少し崩したアークス言語でメディカルルームと書かれている。

立体案内板には今日の医者や流行っている病気その他豆知識が書いてある。

その案内板を少し見てメディカルルームに入る。

 

「いらっしゃい。今回はどの様なご用件で?診察でしょうか?」

「いえ、今回救出した少女の様子を見ようかと」

「と言うことはアークスですね?失礼ですがアークスカードを見せてもらってもよろしいですか?」

「はい……これですか?」

「いえ、そちらの蒼いカードですよ?」

「あっ、此方ですか…どうぞ」

「はい。少しの間お借りします……はい。認証が終わりました。ナベリウスにて保護された少女の事でですね?」

「はいーーその少女は今どちらに…?」

「はい、フィリアが少女の生体反応を見ています。病室の番号教えますか?」

「おねがいします」

 

 

「ルーム番号12…12、此処か」

部屋番号が12と書かれた病室に辿り着く。横を見れば何十個も病室が並んでいた。

何故こんなに必要なのかとふと思ったが、直ぐにあぁ、そうか。と多分答えがわかった。

 

ダークファルスが侵攻してきた時に此処が前線病院になるのだろう。

確か深刻なダメージの人と軽傷な人を色か何かで判別して軽症な人がここで治療を受けるのだろうーー多分。

しかし……

一振りでアークスをバタバタ薙ぎ倒し一人で惑星をも砕く。

何という基地外スペックだろうか。ダークファルス達は。

 

「…何であんな所にダークファルスが…いや、今はよそう」

そう言い病室をノックする

[どうぞ、空いて居ますよ]

「失礼します」

ドアノブを回し病室に入る。

 

病室に入ると中にはベッドと小さなテレビ、それと冷蔵庫のみだった。

ベッドの上の少女は俯いている

 

「貴女がこの少女を見つけたアークスね?」

「はい、ユウナと言います」

「ゆう…な…?」

俯いて居た少女が顔を上げて俺を見る

「えっと…彼女は?」

「えっと私が少しお話ししたのだけど…心を開いてくれなくて…」

「そうですか…」

「ですが、お名前だけは聞けました。マトイさんと言うらしいです」

「マトイ、ちゃんね…?」

「一応シップの登録者をマトイで調べたのだけど…ヒットは無かったわ」

「そうですか…」

マトイーー白髪紅い目の少女ーー最も俺も少女みたいなもんだがーーが俺をずっと見ている

「ユウナちゃん?」

「んっ?どうした?」

「私…ユウナちゃんに会ったことがあるような…無いような…」

「えっ?俺に?」

不味いな、最初の任務以前の記憶は無いからな…言われても分からない。

「ユウナさん。会ったこと記憶にありますか?」

「いえ、少し分からないです」

「そうですが…彼女、どうしましょう?登録者にない以上、家も無いですし…」

確かにそうだが…あの2LDK片方使ってないし…一人じゃ寂しいしーー

「それならば俺のーー自分の部屋は如何でしょう?」

「あぁ、確かにアークスのお部屋ならば大丈夫かも知れませんね?マトイさんは如何でしょう?」

「はい、此方こそよろしくお願いします」

「えっと、此方こそ」

「それでは私は退院の準備をして来ますね」

そう言い看護師フェリアは病室から出ていった。

「えっと…ユウナちゃんで良いんだよね?」

「えぇ、マトイさんでーー「マトイで良いよ?」ーーマトイで良いんだよね?」

「うん!」

「マトイさーーマトイは倒れた前の記憶分からない?」

「うん、なんか、靄がかかったような感じで…ゴメンね?」

「何、ゆっくり思い出せば良いさ。時間はある」

「本当にゴメンね?迷惑でしょ?」

「いやいや、一人じゃ少し寂しいからね?正直嬉しいよ」

「ふふっ、ありがとう」

そう言いマトイは微笑む

「あぁーーー何か思い出せそうな事はある?」

「何か…ううん、全然分からない」

「まぁ、無理なら寝れば少しは思い出すでだろう。フィリアさんが来たらさっと家に帰ろう」

「うん!」

 

 




誰か俺に文力下さい。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

4話目

なんでこんなにもミスをするのだろうか…後今回少しエッチいかも知れない(自分的に)


4話目

その後フィリアさんが来て早急に退院する事となった。

取り敢えずシップ登録者にマトイの名前を追加しといて貰い、取り敢えず今回は俺の部屋に住んで貰うことになった。

「俺の部屋…その、汚いが、まぁ、なんだ。好きに使ってもらって良いよ。使ってない部屋が反対側にあるし」

「ありがとうユウナちゃん。ただで済ませてもらうのもアレだし、掃除とか…」

「ありがと、取り敢えず今回は休もう。なっ?」

「うん」

マトイは頷きずっと俺の顔を見ている。可笑しいのか?

「あぁ…如何したんだ?俺の顔をずっと見て」

「あっ、いや、違うの、そのぉ…」

そう言い目線は顔の上ーーミミに向かって居た

「あぁ、これか。まぁ、細かい音を聞くのに便利だよ」

「その…アークスにはこう言うの沢山いるの?」

「……いや、そんなに居ない…筈だ…」

最初の任務終了後、ある先輩ーーゼノさんから聞いたのだがーー

 

俺みたく獣耳や尻尾を持って産まれる人達ーー影でビーストなどと呼ばれているがーーは大体は母親の特徴、例えば俺なら人の耳が少しだけ尖っているから母はニューマンなのだろう、みたく少しは推測出来る。

それでビーストが産まれる訳だが……大抵のビーストの母はアークス経験者で何かしらが原因で辞めた人が多く、何かがあって救助隊が着いた時にはお腹が膨らんで居て検査をしたら出来ていて中絶出来ずに…って言う事がほとんどらしい。中には出産して耐え切れずにそのまま母子共に死んでしまう場合もあるとか。

 

要するに原生生物に拉致られ何かされて居た所を救出されたって事だ。

 

染色体が違うとかそういうと言ったんだが…なんでもフォトンが強い傾向の人だとそういうのを無視して出来てしまうらしい。

 

内心エグイなぁと思ったわ。

 

こう、暗い所しか言って居ないが明るい話もある。

 

ビーストは元の種族より身体が頑丈ーー詰まり多少の無茶が効くらしい。

 

ヒューマンベースのビーストでクラスがハンターなら寄りタフに、フォトンも沢山扱える。

 

因みに俺はニューマンベースなので気持ちヒューマンよりフォトンの扱いが上、ニューマンよりタフ程度らしい。

 

それでも俺は銃が好きだからライフルを使うけど。

 

動くの苦手ーーいや、嫌いだし

 

「その…触って良い?」

「あぁーー家についてからでも良いか?色々と今触られるのは少し不味い」

「う、うん、分かった」

「所でマトイは何か買う物ある?任務が終わって少しメセタに余裕があるし」

「そうだなぁ…無いかなぁ…」

「そうかぁ…あれ?そういや今何時だ?」

そう言いマグを操作し時間を確認しようとする。

「あれ?マグどこ行った?」

「えっと…フェリアさんから聞いたのだけど確かアークスって任務終わったらマグを一時的に預けるんだよね?」

「あ"やべ、忘れてた。マトイ、ゲートルームに行こう。回収しなくちゃ」

「う、うん。でもどっちに行けば良いか分からないよ?」

そういや左右を見てもずっと病室があるばっかり…しょうがない。アフィンに連絡するか。

「なに、その為のこれさ」

そう言いヘッドセットを叩く。チャンネルは1、アフィンだ。

頼むぜ。でてくれよ。

体感時間5分くらい経ってようやく声が聞こえた。

『んっ?如何した相棒。メディカルセンターに行ったんじゃ無いのか?』

「いや、済まんがメディカルセンターから出る方法を教えてくれ。可及的速やかに、だ」

『メディカルセンターって…今どこらへんにいるんだ?』

「病室ーー0049前にいるわ」

『だったら49の前の48を探してそっちに向かえば良いんじゃ無いか?』

「…あっ」

『まさか解んなかったの⁈惑星じゃあんなに指示出せるのに‼︎』

「ありがとうアフィン。助かったわ。あとで覚えてろ?」

『おい!相棒!一体ーー』

ブチっとアフィンとの通信を切る

「えっと今の人は…?」

「あぁ、アフィンって奴だ。ある種腐れ縁ってやつよ」

「腐れ縁…?腐れ縁って何?」

「確か…縁を切っても何かしらで会う事ーーーだったかな?」

「へぇ、そうなんだ。ユウナちゃんとアフィンさんは仲が良いんだね」

「どうだか…俺の指示に従えるような奴がアフィンしかいなかったって言えば良いのかなぁ…」

そう言いマトイを連れて入り口に向かう

「…ユウナちゃんはそのアフィンさんの事好きなの?」

「んんっ?あぁ、俺こう見えて少し男性恐怖症の様な気がしてだな、アフィンは気の合う友って感じだな」

「へぇ、それじゃあユウナちゃんの好きな人は?」

「…マトイ、幾ら何でも今日会った初めてのーー」

人に好きな人を言えるか、と言おうとマトイを見るとその紅い目がじっと俺を見ていた。

「はぁ…マトイ?良いか?俺とマトイは今日初めてーーいや、俺はマトイが気絶している時に会ってはいるが、取り敢えず二人して会話するのは初めてなんだ?良いか?」

「でも、私貴女に、なんて言うんだろ。懐かしい感じがするの」

「ふむぅ…やっぱ、家に直行するか」

「うん」

 

メディカルセンターを無事脱出してゲートエリアを横切っている最中、マトイがふと気になっていたらしいことを言った。

「ねぇ?ユウナちゃん?すれ違う人皆ユウナちゃんの事見てるのだけど…」

「んっ?あぁ、俺ニューマンの女だけどらどうやらニューマン自体少なくて、そのほとんどが事務とかアイドルやってるぽい。多分アークスやってるニューマンってそんなにいないんじゃ無いかな?しかも俺ビーストだし」

「そうなんだ…じゃあユウナちゃんは貴重な存在なんだね?」

「貴重な存在って…俺はものじゃ無いんだがなぁ…」

しかし…と考える。

 

アークス、と言うかこの身体になって6日目だけど未だにこの身体ーーニューマン、女+耳が尖っている+獣耳+尻尾には慣れない。

 

先ずはトイレ。まぁ此れは極端な話ーーいや汚い話だが、全部大だと思えばまだどうにかなる。我慢が出来なくなるのは本当だったのは少し驚いたが。

 

2つ目は、2つ目だけに2つの耳、尖った耳と獣耳だ。

この2つは洒落にならないくらいに高性能すぎる。

音で何が何処にいるかとか大体分かるくらいに高性能だ。集中すればもっと詳しく分かるが…知らない事すら聞けちゃうからなぁ…デメリットも中々でかい。

 

3つ目は尻尾。これに関しちゃ初日はダメダメだった。最初はどうにか立って銃持ってダーガーと交戦したが、いざキャンプシップに戻ると途端に立っていられなくなりアフィンに担いで貰って部屋に連れてって貰った。

その時は疲れで、と誤魔化したがふと思えば尻尾で重心のバランスを取っていたのかもしれない。今となっちゃモフモフのあったかい防寒具だが。

 

最後に……無いものにとっちゃ酷だが…胸がデカすぎ。

確かにね?オレも男だった時なら胸はでかい方がいいに決まってるって思ってたよ?思ってたけどさぁ……。

この巨乳…(あんましないけど)匍匐とか匍匐で二脚ーーバイポット立てて援護する時邪魔で仕方ないんだよねぇ…軍隊で良く[やっぱ巨乳だと匍匐も難しいかなぁ⁈]って煽ってニュースになってるのを見たが…笑えないなぁ…

 

などと思っているとエレベーターに着いた。

ふと何か忘れているような気がする。

「なぁマトイ…なんか、俺、忘れてね?」

「ユウナちゃん…マグは?」

「あぁ、そうだ。マグだマグ。カウンター行って回収してくるから待っていてくれ」

「わかった」

そう言いエレベーター前にマトイを残しカウンターに向かう。

 

「任務お疲れ様でした。マグを返却しますね」

そうオペレーターが言いマグがふわふわしながら俺の方に向かってくる。

「任務の内容についてですが…質問よろしいでしょうか?」

多分交戦したD.ヒューナルの事についてだろう。

「はい。分かる事ーーと言っても先に交戦していたお二人の方がもっと情報が分かると思いますが…」

「いえ、ゲッテムハルトさんとメルランディアさんは姉のお見舞いって事で先に帰られたので…お二人には後日お話を聞こうと思ってます」

「そうですが…それでお話というのは?」

「マグのカメラによりますと彼女…まぁ、現在は取り敢えず仮面を付けていたので仮面(ペルソナ)、と名付けましょう。仮面は確認された限りだとアークスが使うソード。今一部で試験運用中のガンナーが使うショートマシンガン。それとテクターやフォースが使うタリスを使っていたと思われますが…これに間違いは?」

「無いです。ソードとsmgを同時に使っていました」

「接近兵装と近距離兵装を同時に…中々手強そうですね」

「タリスも何かしら能力があると見て良いかと。警戒する事に越したことは有りませんし」

「確かにそうですね。この事は上層部に上げておきます。ゆっくり休んでください」

「分かりました。それでは」

オペレーターと少し話ーー謎のダークファルス、仮面についてを話し合った。全く、ライフルさえ変えれば全ての距離に対応出来るが…惑星上じゃ無理だからなぁ…

そんなこと思いながらエレベーター前に着くとマトイが男性アークスに絡まれていた。

うぁ…マジかよ、近寄りたく無いなぁ…オレンジジュースみたいな奴買ってアークスが逃げるのを待とうかなぁ…などと陰から見ていたらマトイと目が合ってしまい。

 

「ユウナちゃん、遅かったね?何か有ったの?」

「いや、新手の敵と有ったからその情報を話していたのさ」

「そうなんだ。アークスも大変なんだねぇ…」

そんなことを言っているとマトイに群がっていた数人の人達が小声で何かを話している。

 

「おい、見ろよ。ビーストだぜ?」

「ったく、いくらアークスが人手不足だからってあんな獣の手まで借りなくちゃならん事にイラつくぜ…」

「どうする?ヤる?」

「よせ、アークスシップ内じゃ武器が使えない。ヤるとしたら一人の時をーー」

「ほォーー誰をやるだってェ?」

不穏な事を言っていたら男達の背後から厳つい男ーーゲッテムが現れた

「げっ!ゲッテムハルト⁈」

「おォう、そうだ。でェ?誰をヤるだってェ?もう一度言ってみろよォ…?」

「お、おい、逃げるぞ。ゲッテムハルトは強いからな」

「おう」

そう言い男二人はテレポーターに消えた。

「ったく、俺の喧嘩相手をヤるだってェーーふざけやがって」

「全くよね。私がフォトンを使えれば殴ってやったのに」

「シーナ姉さん、ここアークスシップですから使えませんよ?」

「だって、ビーストって可愛く無い?特にあの耳と尻尾!」

「おい、ディア、お前の姉を今すぐ止めろ。うるせェ」

なんか嫌な予感がする…迂回しよう

「なぁ、マトイ、ちょっと周りーー「いたいた!ビーストよっ!」ーーえっ?」

まさかもうバレたか?と思い声のした方を向くとーーーー

 

 

全速力で走ってくる緑色の髪の女性が両手を広げ体当たりしてきた

 

「うぉぉぉ!」

 

 




pso2でガトリングを撃ちたい…武器迷彩じゃなくてちゃんとしたガトリングを…
各人物の詳細は…いらないか。
後戦闘描写については…善処したいですが無理だと悟ったら戦闘描写切ります。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

5話目

さぁ書きダメが残り1話となった!此処からどう行くか!


「すいません。私の姉が…シーナ姉さん、可愛いものに目が無くて…」

「さいですか…」

自分の妹にそんな事を言われても止めないメル・ランディアの姉のメル・フォンシーナ。今はこの厳ついファイター、ゲッテムハルトと共に暮らしているようだ。

「そうよぉ〜、可愛いは正義なのよぉ〜。あぁ〜モフモフで癒されるわぁ〜早く退院してゲッテムハルトと暮らしたいわぁ…」

現在、ショップエリアから更に下に降りた居住区の中にあるカフェ、ラフリという所でお茶をしている。

アークスシップにもお茶があるのに驚いたが…。

撫でまくっているメルフォンシーナの隣の席にマトイは座っている。

相変わらず俺と以外は全くと言って良いほど喋らない。

 

そこでふと思い出したのだが、そういやこの二人と初遭遇した時、見舞いが何とかかんとか言っていたが…病気か何か持ってるのか?

「えっと……メルフォンシーナさんはーー「シーナで良いわよ」ーーシーナさんは何か病気か何かを持っているのですか?」

「病気だァ?こいつがァ?この絶対に死なないシーナが?ガハハハッ!シーナ?聞いたか?」

「聞いたけどゲッテムの私の評価にうんざりね。フンッ」

「ごふぁ」

シーナさんの無慈悲な右ストレートがゲッテムのみぞおちに入る。

「えっ‼︎ちょ、ちょっと!大丈夫なんですか⁉︎アレ!」

「大丈夫ですよ。あのお二人にはいつもの事ですから。それよりシーナ姉さんの病気ーーいえ、入院している理由ですが…」そう言い牛乳に口付けるメルランディアーー長いからディアで良いか。

「理由は…」

飲んだ牛乳をテーブルに置き口を開ける。

「10年ちょっと前にダークファルスの大規模侵攻がありまして…その時に結構重めな怪我をしてしまいましてね、シーナ姉さんは。その時私はまだ小さかったのですが、恐怖を覚えましたよ。家族が死んじゃうって」

「まぁ、どうにか一命は取り留めたのですが、その代わりにフォトンを扱う力をダークファルスに取られて、ほぼなくなってしまいまして…今はそれのリハビリをする為に病院に入院しているのです」

「お陰でどうにかガンスラ位は使えるようになったけど…やっぱりツインダガーが良いなぁ…」

「ゲッテムハルト様とあの時はお揃いのファイターでしたからねぇ…」

そう言いシーナは撫でるのをやめてディアの隣に着く。

「…ユウナちゃん?そんなにシーナさんのナデナデ気持ちよかったの?」

今まで口を開かなかったマトイが口を開く

「えっ?何でだ?」

「だって…尻尾の勢いがなくなってるよ?」

「えっ!うそっ!くそっ!これだからこの尻尾は!」

そう言い尻尾の根元を強く握る

「ひゃん!」

「どうしたの?ユウナちゃん?」

「な、なんでもない…」

「ユウナちゃん…もしかして性感帯さわっーー「シーナ姉さん、それ以上はダメ。ここは外ですから」ーーはいはい、分かったわよ」

「いてて…おいシーナ、本気で殴っただろォ。痛かったぞ」

やっと再起動したゲッテムがシーナの隣に座る。

「よいしょっと…今日は俺の奢りだ。好きなモンを頼め」

「ほんと?それじゃあ私このアンリミテッドウルトラゴージャスパーフェクトパフェを2つ頼むね!」

「おい待てディア!お前まだ病み上がりだろ?そんなのはーー「奢りって言ったよね?」ーー……男に二言はねぇ…だがーーディアからも頼む」

「そうですよシーナ姉さん、此処は5つにしておきましょう。ユウナさん達はどうします?」

「俺は…ダブルミルクバニラアイスを…マトイは?」

「えっと…いちごクレープを2つお願いします」

「俺は…パンケーキで良いかァなぁ…二人で5つも馬鹿デケェパフェ食べれるのかぁ?」

「何言ってんの、ゲッテムハルトも食べるのよ」

「あのなぁ…ユウナとマトイに関しては確かに奢らせてもらうと言ったが…お前らァ、限度って奴、分かってないだろぉ?」

「もしかして…2つも頼んじゃダメだった?」

「良いのよマトイちゃん。こう見えてゲッテムハルトは鬼の様にメセタを稼いでいるからーーもし死んでも私達が生きれる様に…」後半がとても小さな…獣耳じゃなきゃ聴き取れない音量で言った。

まぁ、アークスって未開拓惑星に一番乗りしてそこの安全を確かめる組織だからなぁ…他にダークファルス以下略を絶対に殺す組織でも有るが。

「はっ、メセタは有ればあるほど良いーー10年前の借りは未だ返せそうにねェからな」

こっちもこっちで何かある模様。面倒だなぁ…何だかんだ三人で幸せに暮らせよもう…。

「あぁ…とにかく!シーナ姉さんもゲッテムハルト様も食べましょう!溶けちゃいます!」

気がつくとテーブルにデザートが置いてあった。よく見るとテレパイプらしき物がテーブルに備え付けられていた。

やはり技術は雇用を無くすのだろうか…

 

 

「すいません、ゲッテムハルトさん、今回はご馳走になってしまって…」

このゲッテムハルト…凄く厳ついが内心はとても優しいのでは?などと思う

「いィや、お前ーー「ユウナちゃん?だよね?ゲッテムハルト?」ーーアンタえのーー「ユウナちゃん?」ーーゆ、ユウ…取り敢えず!投資だ!将来出来るアリーナで戦えるのを待ってるからなァ!」

そう言い会計を払い走って行くゲッテムハルト。

「全く…素直じゃないんだから…ゲッテムハルトは」

「何だかんだ言ってゲッテムハルトは初心者に投資という名の施し?賽銭?」

「ディア、それを言うならお小遣いって言って?」

「お小遣いって言うのも違うと思うな…」

厳つい顔してメッチャ良い人じゃないか!

 

「それじゃあ私達はこれで。病院を無断で出てるからサッサと戻らないと」

「最早病院の人達も半ば許してる気がしますけどね…」

「はい。それではまた」

「ゲッテムハルトをこれからも宜しくね?」

そう言いメルラン姉妹は店を出て行く

ふとマトイを見ると既にクレープを2つ食べ終えて俺の方を見ていた。

「あぁ、なんだ。片方溶けてるが…食べるか?」

「良いの?」

「最早溶けてるし…何より食べたそうだしな」

「ありがとう!」

アイスを食べているマトイを見ながら此れからを考える。

取り敢えず最初はアークス任務をこなしメセタを貯めないと…アークスは万年人手不足だ。メセタの支払いは大盤振る舞いだ。

現状見つかった新たな惑星はナベリウスのみ。そこを重点的に捜査することになるだろう。

 

マトイがアイスを食べ終わり店を出て家(と言ってもマンション)に戻る。

「へぇ…此処がユウナちゃんの家かぁ…」

「まぁ、何もないけど…ゆっくりしてくれ」

そう言いマトイはリビングにある二人用のソファに座る

「あっ、お帰りなさい。そちらの方は?」

そう言い白髪の小さな人が迎えて来る。

この子供みたいな人はサポートパートナー、ダーガー以外ーー原生生物やその他の所謂ダーカーに汚染されていない生物やシップ内の警備などに使われるーー人だ。

 

「えっと、買ってきた奴とかどこにある?」

「はい、作業台の上にライフル共々置いてあります」

「弾丸は?マガジン数は?値段は?」

「D弾200発、1発140メセタトータル28000メセタ、通常弾300発、1発40メセタトータル12000メセタ。マガジン20個一個300メセタ6000メセタ。トータルは4万6000メセタです」

「ったく、何でこんなにレンジャーは金が掛かるんだ…」

「金が何だかは存じ上げませんが、弾と言う物を乱射する以上、メセタは掛かるものかと」

「って言ってもだな…強いて言うならドラムマガジンが欲しい」

そう言いサポートパートナーがその小さな身体でノートパソコンを座っているソファの前に置く

「ドラムマガジンとはーーユウナさんが使っているA.C.A.R–mk5.mod.SmのこのA.C.A.R–3mod.Mmと言う奴ですね?」

因みにこのA.C.A.RとはーArks.Combat.Asart.Riflの略で、

意味はアークス用戦闘用アサルトライフル。

原生生物から大型ダーガーまで使えるレンジャーのメインウェポンだ。7.62mm×51mmを使う。

 

 

…正直最初の任務で撃った時、初めて銃を撃った感激と共にトリガーを引けば命を取るってことにとても震えた。

 

 

そして反動が肩にめり込んで痛かった…。

 

「ですがユウナさんのスナイパーモデルだとフルオートで撃つ機会なんてないと思いますが?」

そんな事を思い出しているとサポートパートナーのポイントが聞いて来た。

「ん……ぁ?あぁ、念の為だ。無いと思うが撃ちまくれるように、な。何があるかわかったもんじゃ無い」

「マガジンを5個返品し、acar3Mmを一個購入して来ますか?」

「うぅん…どうしたものか…」

「えっと…ユウナちゃんは何をしているの?」

買うかどうかを考えている途中、マトイが話をかけて来た。

「俺が使う武器の改造。何を使うか考えてんだ」

「うぅん…私はこれとか良さそうだな。カッコイイし」

そう言いノートパソコンの画面を指差す。

「うぅん……ロケットランチャーねぇ…重くてなぁ、とてもじゃないが使えないなぁ」

そう言い画面にはロケットランチャー、A.R.L.S.M–mk3が写される。

ARRSSR正式名称はArks.Rocket.Launcher.Surface.to.Mulch.launcher–mk3

アークス用地対両々ロケットランチャーの略で使用弾頭は…Dランチャーのみか。

「重量がなぁ…30キロじゃ…動けないよ」

「そっか…」

そんな事を言っていると部屋のインターフォンが鳴った。

「んっ?誰だ?ポイント、わかるか?」

「はい…ゼノさんとエコーさんです」

「よりによってあの先輩お二人か…中に入れてくれ」

「わかりました」

「ユウナちゃん?その、ゼノさんとエコーさんと言うのは?」

「あぁ、最初の任務での試験官だったんだが…少しなぁ。特にエコーさんがーー「おぉぉ!そっちが救出した人か!」ーーはぁ」

こう言っちゃ何だが…この二人はとてもうるさい。一人だとうるさく無いんだが、二人となると…二人とも好きらしいんだがまだ言えてないみたいだし…。

「ちょっとゼノ!ゴメンね?ゼノったら煩くて」

「おいおい!エコー!うるさいとは何だ、うるさいとは」

「だってうるさいじゃ無い。此処はユウナちゃんの部屋よ?ユウナちゃんもなんか言ってやって!」

お二人ともうるさいんだよなぁ…頼むから少し静かにしてくれ…

そう思っているとゼノさんが作業台の上に置いてあるライフルと弾を見つける

「おっ、やっぱりレンジャーになったか!いい事だ」

「まぁ、ユウナちゃん達は私達第6世代と違って最新の第8世代だからいつでもクラス変更できるじゃ無い。良いなぁ…」

「やっぱりゼノさんもライフルに未だ未練が?」

「ゼノで良いって。未練ってほどじゃ無いがな。10年ちょっと前の侵攻作戦時に…俺がもう少し早くゲッテムの援護に付けて少し早く援護を開始出来てれば…」

「でも、シーナちゃんを救えたんだから良いんじゃ無い。ゼノが遅れていたら死んでいたかもよ。あの戦いじゃ沢山死んでいるから…」

「まぁ、そうだが…だから今こうしてハンターを鍛えてんだ。いざとなればライフルを捨てて前線(まえ)を支えるように、な」

十年前の戦いってそんなに酷い侵攻作戦だったのか…

「……って!違う!ゼノ!あれ持って来た⁈」

「アレーーあぁ!そっちの方の退院祝いの品だ!貰っとけ」

「あぁ、マトイって言うんだ。ほら」

そう言いマトイに自己紹介を促す

「マトイ…です。よろしくお願いします」

「此方こそね!マトイちゃん!」

「おう!よろしくな!取り敢えず俺たちはこれを置きに来ただけだからそれじゃっ!」

「任務頑張ってねぇ!」

そう言い二人とも部屋を出て行く。

何ともうるさいーー良い意味で、だが。ーー人達だ

「うるさかったなぁ…マトイ」

「でも良い人のような気がするよ?」

そうかなぁ…っと思っているとマグが喋った。

[現在時刻は12:00時です。食事を摂りましょう]

そう言えばだが、アークスシップ内の1日の時間は24時間、食事回数は3回となっている。前と同じ感覚だが…さて、何を作るか。

 




次回からルーサーの時止め並みに遅くなります。
その他設定はほぼでっち上げです。Ep0は知りません。なので10年前のベルカ戦ーー防衛戦も何となくで書いています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

6話目 誰に?

6話目突貫で終わらせました。アーマー◯コアの新作下さい。


現在時刻12:06分…昼の時間だ。

マトイもいる事だし三人前…何を作るか…

「あぁ…ポイント、スパゲティ、あるか?冷蔵庫を見てくれ」

科学力が地球の3、4倍くらい有っても大体は同じだ。違うのは軍に関するものくらいか。

「はい、スパゲティならば少し前に買い置きしてあります」

「よし、煮るぞ。ソースは…トマトとケチャップを出してくれ、あと肉も頼む。マトイ!食べられないものとかある⁈」

「えっとね…特に…無いかな」

「良し、それじゃーー「ユウナさん、あの…」ーーあぁ、玉ねぎか。分かってる」

ポイントが出した肉を鍋に入れて少し油を入れる。

少し炒めて赤い部分が少なくなって来たら缶詰めのトマトを入れ水分を飛ばす。

隣のコンロの上に水の入った鍋を置いて火にかける。

スパゲティの入った袋を破り大体取り出す。

取り出したらペーパーの上に置いておく。

水分が飛びそこに少しの塩胡椒を入れ、ケチャップを大量に入れる。

「よし…ソースは出来た…次は…」

手を洗いshpi45産の野菜を水でサッと洗い皿に盛り付けーー皿を出さなと。

「あぁ、ポイント、皿をーー「これで宜しいですか?」ーーとって…オーケー。ありがとう」

水を切り皿に盛る。よし出来た。

「ポイント、向こうへ頼む」

「はい、わかりました」

そろそろ鍋の水が沸騰して来たのでアルミ製のザルを鍋に入れる。

良し、サイズはピッタリーーいや、少し大きいか?まぁいい。

そこにスパゲティを入れて少し混ぜる。

20秒ほど混ぜたら蓋をして弱火にして五分ほど茹でる。

「マトイ!もう少しでできるぞ!」

「はぁーい!」

「マトイさん、そちらの物には触らない方がよろしいかと…ユウナさんが少し泣きます」

「泣くのっ!」

一体何の話をしているのやら…そう言いマグに五分たったら鳴るように設定してマトイの方を見る。

マトイが制作途中のアークス規製特殊大型戦術多目的戦闘機のプラモデルーArks.Special.Tactics.Multipurpose.Fighter-4。AStMf-4、通称モルガンと言われている。何でも設計者がアークス時に救援に来た友人の名前を借りたとかなんとかーーを触ろうとしていた。

「待て待て待て!マトイ!触っちゃダメ!まだ仮組み状態なんだから!」

と言ったって組んだところはまだ機首に入るTPS、戦術フォトンレーザーシステムを組んだだけだが。

「ご、ごめんね?」

「い、いや。その、でかい声出して悪かった。そうだ。マトイの部屋になる所を見るか?」

「うぅん…ご飯食べてからじゃダメ?」

「……後ーー20秒?んじゃ食べよっか」

ふと見るとポイントは既にテーブルに座り此方を見ている。早いな、おい。

というかサポートパートナー何だから手伝ってくれても…

『こんにちは。ニュースオラクルのお時間がやって来ました。本日のニュースは私、フラビンと、フマルがお伝えいたします。』

12:00のニュースをーーあれ?今12:11分くらいじゃないか?

ふと時計を見ると11分ーー今12分になった。もしかしてコイツ…遅れてる…?

『お昼のニュース、最初のニュースは…此方。shpi45、ナーミスにて大規模な野菜高騰、ですね』

『はい。ナーミスはシップ全てを使った野菜製造船と言っても過言ではないですね。それで高騰した理由なのですがーー』

取り敢えず時計は置いといて、スパゲティを3つのお皿に盛りミートソースをかける。

「えぇ…あぁ…マトイ、すまないがこれを其方に持って言ってくれないか?」

「うん。分かった」

左手に野菜の皿を持ってポイとマトイの座るテーブルに置いていく。

次に俺のを持って行き座る。

 

何でマトイの皿があるかだって?

多分本来の持ち主がそう言う食器の趣味でもあったんでしょう。多分。

このサラダの皿だってオラクル船じゃ比較的珍しい木のお皿だし……これくらいしか判定出来ないけど。

『次のニュースです。オラクルのアイドル、クーナさんの来日ライブが組み立てられました。各シップのーー』

クーナ…ねぇ?

「クーナさんのライブだって…所で、ユウナちゃん?」

「んぁ?何?」

「ライブって…何?」

「ライブとは…か……何だろうな?歌って踊るんだろう。多分」

「行きたいなぁ…」

「って言ったって…絶対高いだろう。幾らすんだよ、このチケット」

「ユウナさん、今調べましたが、アークスであればタダで参加出来ますよ?」

「……マトイはどうする気だ?」

「少し待ってください。……そうですね、一枚のチケットにつき五人招待できる様です」

「五人…まぁ、居ないし…ポイント、行くか?」

「その日は丁度サポート会議があるので失礼します」

「……俺より交友関係良いよなぁ…」

「もしもの為です。友はいた方がいいですよ?」

「俺に合う友が出来ればだがな」

「現状、同じ第八世代ではアフィンさんを除いて一人も出来ていませんからね」

「俺の指示に応えられるのがアフィンくらいなんだよなぁ…現状はツーマンセルかなぁ…」

「二人一組でしたか?いいじゃないですか。同じニューマン同士でお似合いですよ?」

「止してくれ、唯でさえこんなに胸がデカいんだ。そう言う目線はもう飽きた。それにーー」

「ビーストはーー要らないだろ」

「………そうでしょうか?」

「……すまん、食事の時に変な話をーー「ユウナちゃん?」ーーどうした?」

「おかわり」

「……この短期間ーー「30秒です」ーー30秒で?」

「だって、美味しかったんだもん!」

「そりゃ、嬉しいが…濃くなかったか?」

「ううん、全然!出来るなら後五杯くらい食べたい」

「……まるで空母だな」

「ユウナさん、軍事を齧った人にしかわからない事で例えないでください。空母の方が燃費悪いと思いますが?」

「?」

「わかった。量は…多めでいいか?」

「うん、お願い。ソースも多めでね?」

そう言いテーブルから離れもう一度キッチンに向かう。

スパゲティはまだ温かいし、ソースも同じ。大事だろう。

「ソース…大量に作ってあるからいいが…まぁ、こんなもんだろう」

皿にスパゲティを盛りーーもう少しか。持った後にミートソースを多めにかける。

「…っし、これでどうだ?」

そう言いマトイの前に大盛りミートソースパスタを置く。

「うん!美味しい!」

「そりゃ良かった」

現在時刻は12:15分…だから10分引いて12:05分か。

俺は食べ終わったし…どうするか…。

ふと、マトイは自分の部屋の家具やその他諸々は要らない的な事を言っていた気がするが…でもなぁ…

マグに手のひらに乗ってもらいホログラフィックーー今の使っているクラスや、現在時刻、所持メセタなどが浮かぶ。

 

「…15万メセタ…二人で暮らすには十分だが…しかし…」

マトイを見る。スパゲティを頬張って食べている。

「居住代は向こう(アークス)持ち、電気2万、水5000メセタ、食費ーー」

今は適当に俺が作るから5万くらいで済むが…二倍…四倍くらいか…?

などと思っているとマトイが食べ終わったらしい。

「ご馳走様!ユウナちゃん!」

そういや前回マトイを救出したんだっけ…いくら振り込まれた…?

マグを操作し、メセタの残高を確認する。

「5000ちょっと…まぁ、こんなもんか」

使っていない家具をマトイに使って貰うとして…さて、どうするか。時間はあるし。

「マトイはどっか行きたいところあるか?」

「無い。だって私此処のこと知らないし…」

「そっか…んじゃちょっと出かけてくるわ。なに、すぐ帰ってくる。変な人来ても開けるなよ?」

「う、うん」

「ポイント、頼んだ」

「分かりました。またプラモですね?」

「……アイデアと呼べーーんじゃ行ってくる」

「うん、行ってらっしゃい」

そう言い玄関から出て行く。

 

取り敢えずいつもの様にゲートエリアからテレポーターに何個か乗ってショップエリアに来た。

ショップエリアはゲートにて任務を受注したままアイテムとかの補充にこれる所だ。本来なら一度任務を破棄しなければならない所此処でのみ受注したまま歩き回れる。

中央には噴水的なモニュメントがありそこから水が噴き出ている。

噴水の目の前に黒髪長髪の眼鏡をかけたーー科学者?らしき人が佇んでいた。

「私は……謝罪する」

「…誰に?」

 

 




誤字感想待ってます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

7話目

小説の)残弾無し。パージします。


「待っていた……君を」

「あぁ…すいません、何方かと間違っていませんか?」

「否、この表現は認識の相違がある。待たせてしまった、だろうか」

「ーー私の名はシオン」

そう言う科学者らしき服装した女性ーーシオンと言ったか。

「あぁーーシオン、さん?すみませんが、私の記憶にはシオンと言う名前は…無いと思いますが…人違いでは?」

「私の言葉が貴女の信用を得る為に幾許かの時間を要することは理解している」

 

何かオレに理解できないことを話し始めたぞ…科学者は好きだがもっとフレンドリーに来なくちゃなぁて思う。

 

「それでもどうか…聞き届けて欲しい。無限にも等しい思考の末、私が見出した事象を…」

「私は観測するだけの存在。貴女には干渉が行わない、否、行えない」

 

黙って聞いている…なんか此方から話を切り出せそうに無いし。てか何を話して居るのかが分からん。

 

「だが、動かなければーー道は、途絶える」

「故に私は示す。あらゆる偶像を演算し、計算しーー此処に表す」

「偶時を拾い集め、必然と為す。その物をーーマターボードと言う」

 

そう言いシオンと言う女性の右手が光り、マグがダウンした。

 

「お、おい、何をした!」

「私は観測するだけの存在。貴女を導く役割を持たない…たが、マターボードが貴女を導くだろう」

 

此方の話を無視し自分の話しを続ける。

 

「……私の後悔が示した道が指針無き時の、標になる事を願う」

「未だ信用も信頼も得られずと推測する。貴女のその思考はまさしく正常である。私もそれを、妥当と判断する」

「しかし、私はそれでも貴女を信じている」

「私は貴女の空虚なる友。何処にでも居るし、何処にも居ない。質問はいつでも受け入れよう」

「まるでシュレディンガーのネーー消えた?」

 

猫、と言おうとしたら消えた…一体どうなってやがる。

 

「くそっ…一体全体どうなってやがる…ワープでもしたのかっ?」

「おーい、相棒!どうした!そんな所で悪態ついて!」

そんな事を思って居ると相棒ーーアフィンが走ってきた。

「あぁ、アフィンか…確認したいんだが、シップ内でのフォトン関連は緊急時以外使用禁止だよな?」

「そうだけど…どうした?」

「いや…此処にいた科学者がなんか訳のわからん事をしていてーー「此処には誰も居なかったぞ?」ーーはぁ?」

「嘘はいかんよ、アフィン君。だって此処に居たじゃ無いか。証拠にマグにーーくそっ、変な項目が追加されてやがる」

「どれどれ……マター、ボード?マターボード?なんだそりゃ?」

「知るか。さっき言った科学者に渡されたんだよ。なんだよコレ…」

「見ろよ、相棒。此処に何か書いてあるぞ。何だ?アークス語じゃ無いな…」

そう言いこの言語ーー日本語を指す

「おいおい…日本語じゃないか…どうなってやがる…」

「読めるのか?なんて書いてある」

「……ショップエリア二階に向かえーーだと」

「二階…行ってみようぜ?暇だろ?」

「暇だが…まぁ、買う物も無いし…行くか…」

「そうだ、相棒。アイス食うか?」

「バニラなら食おう」

 

 

途中でアイス屋によりアフィンはトリプルアークスアイスを。オレはバニラカップを(奢りで)買ってもらい二階に向かう。

 

「二階…あぁ…つかれだぁ…もう無理…」

「相棒…アークスの癖して体力無いよなぁ…よくそれでアークスになれたな」

「動かないスナイパーだからな。まぁ、その気になればアサルトもマシンガンも出来るが」

「でも動かない中距離スナイパーなんだろ?」

「まぁな」

そんな事を話して居ると前から緑色の服を着てメガネーーアークスって関係者のメガネ率高い気が…気のせいか?

「すいません!アークスの方、ですか?もしかして依頼を受けてくれる、とか…?」

「依頼…?どうする?相棒」

「うむ…済まないがお名前は?」

「ロジオ、と言います。アークスで地理学者をやっている者です」

「うぅむ…なんも無いし…受けるか?」

「で、でも、相棒!やばい奴だったらーー」

「あ、ありがとうございます!いや!本当に助かります!」

「依頼の内容は、惑星ナベリウスの調査をお願いしたいのです。何故かナベリウスだけ情報が少ないので…」

「アークスが最初に向かう訓練惑星みたいなものなのでもっと情報があっても良いと思ったのですが…不思議ですよねぇ…」

「あっ、すいません、興奮してしまって…」

そう言いこの男性ーーロジオは眼鏡をクイっと上げた。

「依頼内容はナベリウスの地質調査。それだけです」

「ナベリウス…だって調査は終わったんじゃ無いのか?」

「いや、それよりもーーアークスってこういうクライアントと直接契約していいの?」

「うーん…どうなんだ?」

そう言いロジオさんを見る

「えぇ、大丈夫かと。何ならお二人に任務としてクエストカウンターに出しておきます」

「なら頼むわ」

「所で、何でロジオさんは、ナベリウスの地質調査を?」

「いえ…少し成り立ちが気になるというか…正直、カンの様なものなのですが…どうしても調べて見たくて……」

「あぁ…何で俺たちなんだ?オレら駆け出しの初心者だそ?」

「他のアークスさんに頼もうとカウンターに出したのですが、既に調べ尽くされた惑星という事で余り良い返事を貰えませんでした…最も、出した時期も少し不味かった気もしないですが…」

「そこに来ていただいたのが…えっとーー」

「アフィンです。此方の銀髪がユウナです」

「アフィンさんと、ユウナさんです!」

「時間のある時で構いませんので!お願いします!」

そう言い頭を下げるロジオ、周りからはギョッとした目で見られる

「お、おい!良いよそんな頭を下げなくても!」

「分かった!分かったから!アフィン!2日後行くぞ。コレで良いか?」

「ありがとうございます!」

 

「んじゃ、オレ帰るわ。気を付けろよ」

「お前もな。んじゃ」

「おう、じゃあな」

そう言いゲートエリアでアフィンと別れる。

とりあえずマグのカレンダーに、

2日後、アフィンとナベリウスに地質調査、依頼主ロジオ。

と書き込む。

「しかし…あの科学者、シオン、か。何だったんだ…」

 

訳のわからない事を言うわ、此方の話を聞かんわ、かと思えば渡されたーーいや、マグに割り込まれたマターボードとやらには明らかにアークス語じゃ無い言語ーー日本語だわ…絶対オレの正体知ってるだろ。

正直関わりたく無い…だが、何故オレがこの身体になったのかも聞きたい…どうすっか…

「前途多難だせ、トホホ…ってか」

取り敢えず今日は帰りーーまて、確かプラモと銃器を見に来たんだっけか…でもなぁ…

現在時刻13:14分ーー何だかんだ結構話して居んだな。

マトイにすぐ帰ると言った手前、帰らなくてはならんな。

 

 




感想その他諸々待っています。

次回から爆遅になります。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

8話目

ハングボードが落ちないのが悪い


場所は変わり何時ものーーと言ったってここに来てからまだ一週間も立って居ないがーーマイルームに来る。

現在時刻は13:43分……長居しすぎたか。

「マトイ?居るか?」

そう言い俺は玄関のドアを開ける。

本来は自動ドアなのだが設定で手動にできる。その設定も中々めんどくさかったのだが…。

部屋に入り見るとマトイはソファに座ったまま寝て居た。隣を見るとポイントも寝ている。

「…寝たか…んじゃーーあれ、食器類も洗い終わっている」

食器類を洗おうとーー言っても食器洗い機にそのまま入れて終わりだがーーしたがどうやらポイントがやって居たらしく、既に片付いて居た。

「……ライフルに弾を込めるか」

リビング窓際の天井付き作業台に座りそこに放置してあったライフルを弄る。

この際、作っている途中のプラモは一度箱に戻し中断する。

ポイントが買ってきたマガジン20個とD弾200発、通常弾300発。それと全く使わないグレネードランチャーとその弾3発。

通常弾が100発余るから温度と湿度の低いところーー日陰に置いといて、マガジンを其々10個づつ作る。

本当は1発づつ交互にーーD弾.通常弾.D弾.通常弾、と作ろうとも思って居たが…それだと対ダーガー戦時に無駄な通常弾を使うし、対原生生物時には高いD弾を使うのもなぁ…と言う感じでやめました。

通常弾1発40メセタに対して、D弾140メセタだぜ?高すぎる。

そんな事を思いながらカシュ、カシュっとマガジンに弾を込めておく。

えっ?何で弾を込めっぱなしにしないのかって?

 

マガジン内のスプリングがーーまぁ、とても長い時間じゃ無ければ問題ないがーーヘタって薬室内に弾が送れなくなってしまうのよ。それが怖くてな。

 

などと思っているとマグに反応が。

「…メール?アフィン、か?」

〔おいおい!相棒!知ってるか!遂にA.C.A.R以外のライフルが出るってよ!しかもレーザーだぜ!買うしかないでしょ!〕

 

…との事だった。

「レーザーライフル?んなアホな…幾らアークスの技術が地球以上でもそんな…」

取り敢えずマトイ達の寝ているソファの前にあるノートパソコンを持ってきて調べる。

色々なサイトが出てきたが…これか?

「…R.C.S.o.P製の新型レーザーライフル…R.S.Rーーレーザースナイパーライフルって捻りも何もないな…射程3キロオーバー、専用バッテリーで200発撃てる…うーん…とてもじゃないが…本当に狙撃専用って奴だな」

オレがサイトを見た感想がそれだった。

確かにレーザーライフルはカッコいい。特にーーまぁ、アークスに殆ど、いや、ビースト以上は居るが、キャストが持っているのも良い。

特にヒューマンベースの利き腕だけを機械にしたハーフキャストや、全身機械にしたフルキャスト…中々イイ。

と言うか体に似合わず大型兵器を持っているのを見ると心が躍る。

 

まぁ、ある種それがロケットランチャーなんだけど。

 

取り敢えずノートのサイトを消し、マトイ達の前のテーブルに戻し、もう一度弾込め作業を再開する。

 

そこから十分と少し。どうにか通常弾のマガジンは入れ終わり、次はD弾って時に、又マグにメールが来た。

「なんだよ…D弾終わるまで待てって…」

内容は…なになに…ナベリウス寒冷地帯の服装?

「んなの…あったかい格好して行けって話だろ…てか考えてくれ」

あんな内股の開いた服を着ているアフィンって寒く無いのだろうか?いや、絶対寒い。

今度聞いてみるか、などと思いながらもう一度マガジンに弾込め作業を再開する。

 

更に十数分後、通常マガジン10個とD弾マガジン10個が完成し、今度はライフル本体のバレルの掃除を始める。

 

いつもの様に安全装置が付いていて且つ、絶対にトリガーが引けないかどうかを確認する。

チャージングハンドルを少し引き中に弾が無いかを確認、その後に誰もいない方向ーー出来れば水の中に銃口を向けてトリガーを引く。

 

全く引けずに安全装置が掛かっているのを確認したら、作業台に戻りバレルの先端部分ーーハイダーって名前だったか?まずガンオイルと呼ばれる専用のオイルを適当に流し込み、布を巻いた棒を入れて奥からくるくる回しながら手前に引く動作を5回ほどやる。

ライフリングにガンオイルが塗られて、多分、きっと良いんでしょう。

本来だったらここから更に完全分解するのだがいかせんオレはそれだけはできない。いや、やれないことはないのだが…多分、きっと元に戻せない。

 

拭き終わったら布を水につけておき、これにてライフルの超簡易クリーニングは完了。

 

多分エアガンより簡単かも知れない。

 

そう思いながらマガジンを並べて銃も近くに置いて立体鍵を掛ける。

これは空間そのものを箱にしてロッカー見たくするものだ。解除するのも本人が必要だし、信頼性は高い。

 

それからマトイ達の寝るソファの隣に座りもう一度テレビーー極小音且つ字幕ーー無論アークス言語だがーーを付ける。

 

番組は…アニメに各種惑星の状況、各シップの事件、事故その他諸々、後武器のニュース…とか?

 

しかし…何度見てもそうだが…このガンスラッシュって言うなのガンソード…御し難いなぁ…

「普通に銃とソード持った方が強度高いし融通効くだろう…」

そんな事をして初めてのマトイとの夜は更けていった。

 

 




誤字報告待ってます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

9話目 朝飯

今思えばEp4から始めれば良かった…


「ユウナちゃーん?おきてー!」

「んぁ…あぁ、マトイかぁ…すまん、後一時間くらい頼む…」

マトイに大声と手で揺さぶられ仕方なく起きようとするも、いやいや、この布団のお陰で中々出れずに二度寝しようとする。

「早く朝ご飯つくろー?私お腹空いちゃった…」

「んぁ…てか昨日俺らソファでそのまま落ちた気が…あぁ…そうだ、起きたんだ…」

昨日そのままソファ落ちて、二、三時間して俺が前に倒れて起きて、マトイとポイントをベットに置いたんだった…そうだ、忘れてた。

「あぁ、待ってくれ、今起きっからーーあぁ、少し出てくれないか?」

「えっ?何で?」

「いや、その…ねぇ?」

「ユウナちゃんが下着姿で寝てるから?」

「ちょ、おまっ、なんで!はぁ?!」

「あれ?さっき起こす時に触ったよね?その時になんか服を着ていないなぁーって思って」

「マトイ!絶対に!絶対!誰にも言うなよっ!良いね!」

「?何で?別に隠すものじゃなくない?」

「俺が嫌なの!ったく、誰がこんな巨乳ケモミミに生まれたかったかってぇの!」

見る分には良いんだがなぁ…等と思っているといきなりマトイの目から…えっ!涙?!

「ご、ごめんね?そうとも知らずにこんな事を…ゴメンね、ゴメンね」

「お、落ち着けマトイ。た、確かに俺も悪かった。悪かったら…ねっ?だから泣くのやめよ?」

そう言いベットから出る。

「う、うん、こっちこそごめ……」

マトイが此方を凝視してーー特に胸を見て止まった

「どうした?何かある?何か欲しいのあるの?」

「…ユウナちゃんって…大きいんだね?」

「だから出たくないんだよ…もう良いや」

そんな事を朝から言いながらリビングに向かう。

そこには既に服を着たポイントが朝食の準備ーーと言ったってテーブルを拭き、各種皿を置いていくだけだが。

「おはようございます。ユウナさん…その様子だとマトイさんに見られたのですね?」

「あぁ、もう嫌だ…こんなの…」

「私は幸運だと思いますよ。それとマトイさんもここに住むので就寝時は服を着た方が…」

「なんかそれだと寝れない」

「そ、そうなんだ…因みにユウナちゃん?今日の朝ごはんは?」

「取り敢えず…スクランブルエッグといつものシップ45産のモーニクスレタスとトマトーーはいらないか。マトイはトマト居る?」

そう言いコンロ横の大型冷蔵庫からレタスを2つと新鮮な玉ねぎとトマト、いや、ミニトマトか。それが入った箱を取り出す。

「うぅん…欲しいかなぁ」

「ポイントは?」

「3個ほどお願いします」

玉ねぎを薄くスライサーで2つほど切って、そこに手でレタスを千切ってドレッシングをかける。

かけた後に、あ、これ向こうでかけるか、かけないか聞けば良かったな、と思ったがもう遅い。

そこからさらに手で揉み、お皿に盛る。

「後は…ウィンナーと卵やるか」

鍋に水を入れて火にかけ沸騰するまで待つ。その間にフライパンに油を入れて同じくあったまるのを待つ。

米は…くそっ、炊くのを忘れていたか!

仕方なくオーブントースターを使い薄い食パンを8枚中に入れ十分ほど表面がきつね色になるまで焼く。

 

なに?今更だが玉ねぎは毒じゃないかって?

大事だろ。多分。いざとなればメディカルセンターに行けば良い。

 

そうこうして居る間にフライパンがあったまってきたので、卵を5個ほど割り掻き混ぜて、少しだけ牛乳を入れる。

「…よし、そろそろかの?」

掻き混ぜた箸についた卵を少しだけフライパンに垂らしすぐに焼けたらそこに全て放つ。

ジュワァァァっとフライパンと卵が叫びひたすら卵をかき混ぜる。

此処で完全に固まったら負けだ。

今度はお湯が沸騰したので空いて居る左手でウィンナーを15本放り込み、蓋をする。

「ポイント?今から五分!」

「分かりました。五分ですね?」

そしてスクランブルエッグの完成。3つの皿に適当に盛ってトマトをサラダの横に乗せる。

「ふぁ…後はウィンナーだけか」

いや、待て…パンがまだじゃないか。

そう思いトースターの方を見ると…良い感じにきつね色になってきた。

冷蔵庫にあるマーガリンを取り出しテーブルに持っていく。

「ユウナちゃん?これ何?」

「マーガリン。持ってくるパンに適当に塗ってくれ」

もう一度キッチンに向かいパンの状態チェック…良し。良いぞ。

横に長いお皿にパン8枚を乗せてテーブルへ

「マトイとポイント、パンにマーガリン塗っといて」

「分かりました」

「うん。分かった」

もう一度キッチンへトンボ帰り。後はウィンナーのみ。

蓋お開けて見ると…なんだ、もう浮いて居るじゃないか。

そんな事を思うとポイントに呼ばれた。

「ユウナさん、五分経ちました」

「良し、もう少しだから待ってくれ…」

3つの皿に5本づつ乗せてテーブルへ持っていく。

ポイントとマトイのを先に待って行き自分のは最後に持っていく。

その前に今まで使った鍋とフライパンを水を溜めたオケの中に入れて急速に冷やす。

「よし…出来た。さぁ、食ってくれ。」

「う、うん」

そう言いマトイがフォークを握った瞬間、俺とポイントが手を合わせている。

「頂きます」

「頂きます、ユウナさん」

「…えっと…ユウナちゃんは何をしたの?」

「んっ?あぁ、ご飯を食べる時のーーなんて言うんだ?儀式?」

「私もやった方が良いのかな?」

「…良いんじゃね?」

「うん。それじゃあ、頂きます」

「頂きます」

 




尚ハングボードは落ちない模様


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

10話目

この小説のオリジナル設定とか別個で必要なのだろうか…?


食事を食べ終えマトイを残してロジオからの依頼を受けるためアフィンに招集をかける。

「ぁあ…」

マグを通じてアフィンに招集をかける…がさて、なんて書こうか…ここは…そうだな。

[任務開始する。大至急クエストカウンターに来られたし]

「…こんな感じで良いだろ」

ライフルをカバンに入れてクエストカウンターのあるゲートエリアに向かう。

このアークスが最初に住むこの居住区からクエストカウンターまではそれ程遠くなく、頑張れば1人でもいける。

通路は広めに取っており車が横に3台ほど通れるくらいに広い。此れならば緊急時でも全力でカウンターに向かえるであろう。

そんな事を思っているとマグに反応が。

なになに…まぁ、アフィンからだよな。内容は…

「なになに…歳の離れた妹が泣きだして今日は行けそうにない…アイツ妹居んのかよ…」

ツーマンセルの予定がソロになった…さて…

「…即席で誰か探すか…」

レンジャー、特にオレのような中距離にソロはキツイ…。

 

 

「すいません、ユウナさん。今回せる方は居なくて…」

「そうですか…分かりました。ロジオさんの依頼を1人でやろうと思います」

「……分かりました。ロジオさんにも連絡を入れておきますね」

「すいません、よろしくお願いします。えぇ…あぁ…」

「あっ、申し訳ありません。セラフィと申します」

「あぁ、此方こそ。ユウナと言います」

「それでは任務のご成功を期待して居ますね」

そう言いピンクの髪をした女性ーー管制官、セラフィと別れた。

カウンター直ぐ左の搭乗用通路をまっすぐ進み任務番号ーー45を探す。

「45…45…42、43からの44…これか」

よく見るとアークス言語でオフラインと書かれている。

惑星間超光速空間湾曲航法機、キャンプシップが止まっている。大きさは100メートル無いが、中に生命装置やオラクル船団と繋がっているオンラインショップ、オレ達アークス達が見ている戦場をこれまたキャンプシップを通じてオラクル船団に送る機能。

これも所謂フォトン複合エンジンなんだろうなぁ…などと思っているとオフラインという文字が消えてオンラインとなった。

本当だったらゼノさんを呼ぼうとしたのだが…マグで聞いたら今エコーと共に長期任務に出て居て手伝えないとの事。うーん…ゲッテムハルトは…少し無理かな…。

などと思っているとオレの後ろに大型のフルキャストが並んだ。

確かオレ以外に乗らないはずだが…

「済まないが君はユウナ、という名か?」

「そ、そうですが…貴方は?」

「私か…そうだな、ビィシズと言う。ロジオと呼ばれる方から貴女の援護を要請されましてな」

「そ、そうですが…今回はよろしくお願いします」

「こりゃ礼儀のなってる嬢ちゃんだ事。此方こそ宜しく」

そう言いフルキャストーービィシズさんは言った。長いからシズで良いだろうか?

「構わんよ、中々言いにくい名だろうからな」

しまった、声が出て居たか。

「あぁ、すいません。えっと…シズさん?」

「何だろうか?」

「その…クラスは一体ーー」

何ですか?と聞こうとしたらオンラインからオープンに変わり通路が開いた。

「それはキャンプシップに行ってから話そう」

 

キャンプシップのパイロットーーリスキーなんて名前の人らしい。

どうやらこのシズさんと旧友の中らしい。何でもリスキーさんはアークスに成れず、それでも友と仕事がしたくてアークスのキャンプシップパイロットになったとか。

「それでな?今ではコイツもこんなになったが、昔は凄かったんだぜ?」

「止してくれ、あれはもう昔の事だ」

「いやな?誰だってあんな登場の仕方されたら惚れるわ!俺は漢だが」

「えっと…どんな状況だったんです?」

「ユウナさんまでーー「良いじゃ無いか!あの時の状況はなーー」

そう言いリスキーさんは嬉しそうに話す。どうやらリスキーさんはシズさんに命を救われたらしい。

「10年前の若人襲撃時に俺はコイツじゃ無い機体に乗ってたんだがな?AAC型ダーガーに落とされてなぁ…ベイルアウトしたんだが其処がもう最前線でもうね」

「あん時の闘いは本当にキツかった…何度死ぬかと思ったか…」

「んで、司令部からの通達で前線を押し上げてダーガーを撤退させろって来たわけだ。当然俺も参戦したんだが…フォトンが無くてなぁ…足止めしかできなかったよ」

「其処に私が来たわけだ」

「いやぁ…あん時程持つべきは友って思った事はないね。断言出来る」

「その友に幾らかしてるんだ?」

「……そ、それは良いじゃないか。後で返すから…」

「……」

そう言いリスキーさんはシズさんに目を合わせなくなった。

どんなに借りているんだよ…

「まぁ、こんな奴だが根は多分良い奴だ」

「多分って…」

「リスキー、凍土地帯には後何分で着く?」

「待ってくれ…此方シェルダー12、管制官、ワープ航法の使用許可を求む」

『此方管制官、ワープ航法使用を許可します」

「了解、管制官。ワープ航法開始……良し。後はオートで着く」

「いつも思うんだが…管制官との通信って居るのか?」

「まぁ、一応報告は上げるべきだし?通信も向こうも見てくれるでしょう?」

「それはそうだが…」

「因みにだが到着時刻は今から十分後だな」

「案外ナベリウスって近いんですね?」

「いやいや、キャンプシップがワープしてるからであって実際に通常光速で行ったらそれこそ数年かかるよ」

「そうなんですねぇ…ワープって便利ですねぇ…」

光の速さって音速の何倍なんだろ…

 




そう言えば気付いたらお気に入り20入って居たんですね。こんな駄文をありがとうございます。
いつものようにある程度時間が経つか(?)感想及び誤字報告をお待ちしております。

後運営…俺が求めて居るのはカラーGじゃ無いんだよ…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

11話目

なんか減ってたけど気にせず投稿。あぁ、あと色々おかしいです。


「コンタクト、シズさん、11時方向30メートルにガルフ4、サウーザン3、ウーダン2、やり過ごしーー「突撃あるのみ!」ーーえぇ…」

ライフルの安全装置を外し、初弾を薬室内に入れて凍土を少し進んだ所で原生生物の群れと接敵。やり過ごそうとしたら、原生生物の群れに1人で突撃して行った。

幾ら近接職の戦闘服にはオートメイトって言う特殊機能が付いて居るからって…そんな突撃しなくても…。

シズさんは左手にナックル、右手にダガーを片方づつ装備して居る。左ナックルで倒れたガルフにトドメを刺そうとして居るシズさんにウーダンがシズさんに追撃をかけようとした所を空いている右手のダガーで頭からサクッと……

「エグすぎない…?と言うかこの原生生物からD因子を確認出来ないんだけど…」

マグを見るとスキャナーには緑ーーD因子反応無しと出ている。

『念の為に殺そう。これで退路を断たれたら溜まったもんじゃない』

そんな事を口走って居ると少し離れた所で交戦して居るシズさんから通信が入った。

「まぁ、それはそうですけど…と言うかシズさん、話しながら戦えるんですね」

『まぁ、喋ってないからな。喋る口も無いし』

「えっ……ぁ、キャストだからか」

『頭で考えた事をそのまま伝えられる。結構便利だぞ?』

スコープを通してシズさんの動きが見えるーー確かに頭部に口らしきパーツは無い。

「…キャストって便利ですねぇ…」

『いや、そうかと思えばそうでも無いぞ?』

「えっ?どう言う事です?」

『それはこの群れを倒してからにしよう』

「援護は必要ですか?」

『腕を疑うわけでは無いが…今回は良い』

「分かりました。頃合いを見てそちらに向かいます」

『了解』

そう言いシズさんは通信を切った。狙撃は必要ない、か…

「そんなに信用ならんか…?」

『まだルーキーに背後を助けてもらうわけにはならんって事さ』

「…聞いてましたか…?」

『言ったろ、フルキャストは並みの聴力では無いと』

初めて聞いたんだよなぁ…と言う言葉を飲み込み、シズさんが原生生物を倒し終わるまで待つ。

 

5分くらいして斬撃音や打撃音が聞こえなくなった。

 

『終わったぞ』

「分かりました。そちらに向かいます」

ライフルのフォアグリップから出ていた二脚を畳み、スコープ横の倍率弄る丸いボタンを回し等倍にする。

念の為、射撃モードをフルオートー ーー使うことはないと思うがーーに切り替えておく。

 

「流石に少し遠い、かな?」

「いや、大丈夫だろう…ここいらで地質調査でも開始しようーーロジオさん、聞こえるか?」

『はい、感度良好。問題なしです』

「えっと…それで何をすれば…」

『取り敢えず簡易採掘機を転送します。それで2メートルから3メートルほどの土を持ち帰ってきてください』

「分かりました。では、シズさん。始めましょう」

「分かった」

 

転送された採掘機を組み立てるのは案外簡単だった。と言うか半ば組み上がっていてそれらをくっ付けるだけだった。

「良し…こんなもので良いか。そっちはどうだ?」

「これで…くそっ!サッサと閉まれ!」

ガンッ!と足で蹴って、痛さでその場で座り込む

「いってぇ…んだよ、この硬さ!」

「ぁあ…大丈夫か?」

「あぁ、大丈夫…の筈」

シーンとなり会話が無くなる。

「ぁあ、さっきと話の続きだがーー」

「えっと…フルキャストの利点と欠点でしたか」

「そうだ。利点は言ったように並み以上の聴力と腕の精度ーー特に狙撃なんかで役に立つな」

頭で考えた事がそのまま腕に行くし、考えた言葉も通信機を通していえるしな、と付け加えた。

「では、逆に欠点とは?人の身体を失う事ですか?」

「まぁ、それもあるが…強いて言うなら子供を作れないって事だな。一番の欠点だな。他はどうにかなる」

「他っていうーーあっ、土取れた」

シズさんと会話していると採掘機が上がってきてそれがキャンプシップを通して、シップに転送される。

「そうだ。念の為俺も持っておこう」

「それで、続きだがーー待て…ダーカー反応…?凍土エリアはもう駆逐された筈だが…」

「えっ…本当だ。どうします?」

「確認しに行こう。念の為」

「でもこの数…異常ですよ?」

「ふむ…一度キャンプシップに戻り救援を要請しよう。何、十分と少しで戻ってくる」

そう言いシズさんはキャンプシップに戻った。

 

 

…………ーーーー

 

 

本来ならソロは自分で禁止してるが…行ってみるか。その内ソロでも出来るようにしないと…

 

ライフルのストックを腕と体の間ーー所謂腰だめーーにしていつでも撃てるようにトリガーに指を掛けておく。

ふとトリガーに指を掛けた時、そう言や撃つ用意したの最初の任務以降かなぁ、などと思ったが接近されたら死ぬのは確定に近いのでゆっくり、かつ確実に向かう。

 

ーーーー

「ダーカーは……方位はどっちだ…マグ、方位を」

[視認している方位は89度、東です]

マグに確認してもらいゆっくりと進む。

「どうなってる…ダーカーが集まる反応と言や…ダークファルス…?」

そしたら俺1人じゃますます無理、撤退を考えたその頃、何処かで聞いた声が聞こえた。

『こ…に、創……ク…ーー』

「くそっ、ECMでも食らってんのか⁈俺に似てるアイツに聞かなきゃならん事があるのに!マグ!逆探!」

[分析、分析ーーここらか3キロ先に反応あり]

「2.7キロ⁈遠っ。俺はガリガリの室内系なのに…行くしかない、か」

 

ーーーー

マグが示した地点に近付くにつれ割り込み通信もハッキリとする。

『クラリッサを、創世…を壊さ…いと。』

「なんだ?創世ーーー器?創世器って確か…俺らの武器のプロトタイプ?」

いや、プロトタイプはスペックが低かった筈。こういうのは確か実験機って言うんだったか。確か。

『んっ?今の声は…貴様か!』

「やべっ!バレた!」

てかダークファルスもこっちの通信拾えてんじゃねぇか!通信網ズタボロじゃないか!

『此処で貴様を殺せば奴は!闇は生まれない!」

「闇ってなんだよ!くそっ!」

そのまま前に走った所、上からソードが飛んで来た。

少し前までいた所に深く刺さる。

「おい!俺は聞きたい事があんだ!少し話せるか?いや、話せ!」

「断る!貴様とマトイを殺し、世界を、救う!」

「殺すだぁ!俺はまだ何もヤってねぇよ!」

そう言い彼女はソードを突き立て俺に向かってくる。

ライフルを肩に背負い、足に付いている緊急用の低威力ーーと言うか超小口径のハンドガンを全弾、彼女に向かって撃ち放つ。

彼女は足を止めてソードで撃った弾をガードする。

「おいおい、こっちは中距離職なんだ、そこんトコロ、考慮してもらっちゃダメですかねぇ?」

「……くそっ、彼女に貰ったソードが…まぁ、どうせ直るが…」

「こっちの話は無視かよ」

左脚にある小さなナイフを握り、スライドストップしたハンドガンを右足に入れる。

後ろからライフルを手に取り、ナイフを持った手で保持、彼女に狙いを定める。

「おい!そろそろ答えてくれてもいいんじゃないですかね?俺はこっちに来て不思議てしゃあないんだ」

そんなことを言っていたら彼女に動きがあった。トリガーに掛けている指に力が入る。

右手に持っていたソードを左手に移し、彼女も右手にサブマシンガンを持ち出した。

「おいおい…それはキツイんじゃないの…?」

『おい!ユウナ!何処にいる!返事をしろ!』

通信が聞こえるがもう何を言ってるのか分かんない。

「くそっ!やるしかないか!」

アークスの任務って楽な任務じゃないのかよっ!と、内心悪態をつけながらーーいや、帰ったら盛大に付いてやる!

「はぁ、はぁぁ…」

大きく深呼吸して、息を整える。手が震えるが…やってやるさ。

「get.ready?」

「ふっ…アークス言語じゃなく、英語かよ。あぁーー」

「you.ready!殺してやるさ!」

「you.ready!絶対吐いてもらうぜ!」

 

 

 




着陸地点どこ…ここ?

本当に着陸地点、と言うかEp1どうやって終わらそう…絶望的に着陸地点が見えない。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

12話目

好きなように書き好きなように投稿する。それが俺達のやり方だったな…


後ろに去りながらライフルをフルオートにして敵目掛けひたすら撃つ。

毎秒10発の小口径弾が敵を襲う。だが此方は本来狙撃モデル。マガジン内には20発しか入ってなく、それをも2秒ほどで撃ち尽くす。

敵はダークファルス。効くかどうかは分からないが、此処で温存していたD弾を銃に込める。

20発を撃ち終えライフルをマガジンキャッチを押しながら右にスイングしてマガジンを飛ばす。

マガジンなんて拾っている場合じゃない。下手すりゃ死ぬ。

飛ばした後、そこにD弾が入っているマガジンをセット。ボルトキャッチを押してリリース。

チャージングハンドルが前に動き、それと同時に薬室に初弾が入る。

光学照準器を除き、ダークファルスに合わせてトリガーを引く。

「ッチ、痛いじゃないか!楽にヤろうと思ったんだがな」

「痛いなら俺が聞きたいことを言え!いや、聞け!なんでお前は英語をーー」

そう言うと敵は右手のソードをシールド代わりにして左手のsmgで俺に攻撃を仕掛けて来る。

「ふっざけんな!俺は逃げながら撃てねぇんだよ!」

「ならさっさと死ね!」

「死ねしか言えねぇのかよ!お前が死ねや!」

「んだとっ!」

逃げながら岩を飛び越え、後ろに隠れて、ライフルのみを岩から飛び出させて撃つ。当たらなくても良い。

「ほぉ…チキン戦法しか取れないのか?」

「中距離職にしか威張れないのか?」

そう言い4個目のマガジンをセットする。

今度は二脚を立てて確実に狙う。

そう思った時。敵が何かを言っていた。

「来いよユウーー、怖いのか?」

「あぁ、そうだ、怖いんだよ!だからーー」

敵はソードを下ろした。行けるか?

「頼むから!引いてくれ!」

「だろうと思ったよ!」

そう言い敵は左に走り弾丸を回避する。

フォアグリップを持ち腰に抱えて弾幕を張る。

弾が切れたらマガジンキャッチを押しマガジンを落とし、挿入し、ボルトキャッチを押して弾幕再開。

これを後何回やれば終わるーー?

 

 

お互い肩で息を吸いながら相手を見る。

あれだけあったライフルの弾は尽きた。ハンドガンはスライドストップしたまま手に握ってあるだけだ。

弾も元々少なかったが…。

多分相手もそうだろう…そうであれ。

相手はソードを両手で持ち此方をみたままだ。

今手元にあるのは小型の軍用ナイフのみ。とてもじゃないが…戦えない。これ以上の交戦は不可能だ。

多分…俺は此処で死ぬだろう。女になって少しは楽しかったが…まぁ、良い。多分死んだ身だ。

 

ハンドガンを捨ててナイフを右手に構え直す。一刺し出来ればこちらの勝ち。出来なければソードに貫かれて俺の死亡。

 

「…………」

「…………」

 

脚に力を入れていざ特攻、と思ったその時。

 

「おーーい!相棒ーー!」

「おーい!ユウナちゃーん!ドコーー?」

「ユウナーー!聞こえたら返事をしろー!」

 

何処かで聞いたことのある声が聞こえた。

「ッチ!増援か!此処までのようだな」

そう言い目の前の敵は逃げようとする。

「待て!お前はーー!お前は、何者なんだ!」

「……ダークファルス、仮面[ペルソナ]。私は名前はユウナーーお前と同じだよ」

一瞬ノイズが走りペルソナの仮面が取れた顔が見えた。

「俺、と同じ?」

「いや、別次元のお前だな、それでは」

そう言い敵ーーペルソナは赤い闇に包まれ何処かにワープした。

「ペルソナが…俺?俺は……」

近くの岩に体を任せ座り、上を見上げ空を見る。

 

 

それから暫くしてシズさんが呼びに言っていた救援ーーゼノさん、エコーさん、そしてアフィンが救援としてやってきた。

そしてあって早々ゼノさんに怒られた。

なんでも俺の通信のみノイズがかかり、管制官ですら大まかの位置しか割り出せなかったらしい。

その後にエコーさんに抱きしめられた。

曰く初心者アークスの殆どが開始一年以内に命を落とす。その理由は大体が実力に伴わない任務を選びそのままM.I.Aーー戦闘中行方位不明になるらしい。

 

あとエコーの胸結構大きかったです。

 

その後にシズさんに何と交戦していたか聞かれた。

鬼の様に破かれた戦闘服を見ればさすがに分かるか。

 

取り敢えず新手のダークファルスと一人で交戦した、とだけ言っておいた。

 

アフィンは兎も角、他三人がギョッとして今すぐ帰還しようと言ってきた。

訳を聞いたら、とてもじゃないが今の戦力じゃヒューナル体ですら交戦厳禁との事。だかペルソナが話していた創世器……もしかしたらこの辺りにあるのでは?

アレを奪取出来ればアドバンテージを得れる。

 

三人をどうにかして説得して先に進むことにする。

 

「あっ、そうだ。ユウナちゃん、今武器ないよね?」

「あっ…はい、弾も全部撃ち切りましたし…」

「ユウナが撃ち切るって…いや、ダークファルスなら仕方ないな」

「ゼノ?ユウナちゃんにガンスラ貸してあげたら?」

「アレを?別に構わないが…」

そう言いゼノは手元のデバイスを弄り後ろについているナノトランサーからガンスラーーガンスラッシュを出す。

「性能は低いが…無いよりはマシだろ」

「ありがとうございます」

取っ手部分を握る…悪くない。

「あぁ、そうだ。それ、弾は入ってないから本当にソードモードしか使えないぞ?」

そう言い誰もいないところで振り回す。

右に、左に、上から下に、下から上に…。

「大丈夫です。なんとかなりそうです」

「ところで相棒、その創世器ってどの辺にあるんだ?」

「ダークファルスが向かおうとした先にあるでしょ…多分」

「よっしゃ!んじゃ進みましょう。シズ、援護頼むぜ!」

「言われんでもするわ!」

「あれ?シズさんとゼノさんって知り合いなんですか?」

「あぁ、ゲッテムと喧嘩して帰りに寄るバーによく居るんだよ」

「私は元から知ってるがな、こいつとゲッテムは何処であっても喧嘩する」

「そうなんですねぇ…」

内心、キャストってどうやって酒を飲むんだろう。いや、まず飲む酒は酒なのか?と思ったのは俺だけでいい。

「ちょっと!あれだけお酒はダメって!」

「ハイハイ、エコーは少し黙れって。これは所謂飲みニュケーションって奴だよ」

違うと思うんだがなぁ…

 

アフィンに担がれながら進む事二、三分、それらしきものが見えた。

「お、おい相棒…あれーー」

「あぁ、多分、これが奴の言っていた創世器…の筈」

ロッド型の先端が雪に半ば埋もれ先端部分が光っている。

「だがどうする。創世器は私達は持てないぞ?」

「だよなぁ…回収しようにもなぁ…」

「アフィン、俺をアレに近づけてくれ」

「おい、行けるのか?」

「やるしかなかろう。頼む。近づけなきゃ、担いでた時俺の胸をガン見していたのを許さん」

「……分かった。あと、見ていたのは仕方ないだろ…そんな巨ーー「良いから近づけろ」ーーはいはい」

そう言いロッドらしき武器に近づき手に取るーーってあれ?

「おい、アフィン…こりゃ、先端しか無いぞ?握る部分が無い」

「…本当だ」

「回収出来たか?出来たなら帰還しよう」

「早く帰りましょう?何処からダークファルスが来るか…」

「大丈夫だって。怯え過ぎなんだよ、エコーは」

ゼノさんがテレポーターを出しキャンプシップへの道を作った。

「良かった…これで帰れる…」

「あぁ、なんだ、ユウナ?」

「あぁ?」

「おつかれ様」

「おう、疲れたからなんか奢れや」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

13話目

誤字修正ありがとうございます!…所で書くところって此処であってます?


「こりゃ…クラリッサ。創世器、白錫クラリッサじゃ…しかしなぜ貴様の様なアークスが…?」

至急アークスシップに帰還し、メディカルチェックを抜け出し、辿々しい足取りで、アフィンと一緒にショップエリアにある武器修理施設ペアーリの長、ジグさんに会いに来た。

「相棒ーーいや、ユウナちゃんがナベリウス凍土地域にて発見したので、創世器の開発者であるジグさんに渡そうかと思いまして」

アフィンがスラスラと喋る。ふと見るととても手が震えて居た。そんなにジグさんが怖いのか。

握ってやろうかと考えたが辞めた。握ったら倒れる。

 

「しかし…何故この様なーー先端部分しか無いのだ?そもそも白錫クラリッサは数十年前の戦いで無くなったはず…」

「あぁ、そうなんですか…取り敢えず此れは渡しときますよ?」

デバイスを操作し、真正面にホログラムを展開、クラリッサを探し、ナノトランサーから出そうとする。

「待て!クラリッサは君が持って居てくれ。なに、先端部分しか無いからフォトンは吸われん。大丈夫だ。問題ない」

そう言いジグさんはクラリッサの先端の受け取りを拒否した。

「しかし…無くなった創世器を回収して来てくれた事に感謝するのも事実。そこで、だ」

そう言いジグの赤い瞳が光る。

「何か礼をさせて欲しい。出来うる事なら何でも良いぞ?」

「それは…武器でも、ですか?」

「そうじゃ。なにが欲しいんじゃ?」

「……射撃武器で格闘戦から狙撃まで出来る完璧な武器を、出来れば下さい。無理なら良いです」

「格闘戦から狙撃までーーふむ、所で完璧などと言う武器は存在しないのを知っているか?」

「それでもーーやらねばならんのです。彼女を倒し、訳を聞くには」

「……ふむ。のう、お主ーー」

そう言いジグさんがこちらを見る。アフィンを見ると俺とジグさんを交互に何度も見ている。

何秒か考えジグが音を発した。

 

 

「ガンスラッシュじゃ、ダメかの?」

「ダメです」

そう言いジグは武器ケースからガンスラッシュを取り出し俺に渡す

「何故じゃ?ガンスラッシュこそお主のーー格闘戦から狙撃もできる武器じゃないか?」

シップ内なので勿論フォトン刃は形成されないし弾も入っていない。

ガンスラッシュを一度握り、すぐに離してジグに返した。

「格闘戦と狙撃が出来てもばら撒きーーハンターやファイターの撤退時の援護が出来ません」

「ふむ…困ったの…」

「あぁ…ジャバスプに付いているガトリングーーアレを小さくして持てないか?」

「…お主は自分がニューマンって事を分かった上で言っとるのか?今は無理じゃよ」

儂みたいなフルキャストなら使えたかもしれないがな、と付け加えた。

「うーん…それじゃ、今回の話は保留で。また何かあったら来ますわ」

「まぁ、ガトリングの小型化は考えておく」

「アフィン、すまんがメディカルセンターに戻るぞ。怒られたらたまらん」

「だったらチェック終わった後に来れば良いのに…」

「はいはい、終わったら俺の胸を見てた事忘れっからーーー多分な」

「おまっ、今多分って!」

「はいはい、さっさと行くぞ」

 

 

儂の第一印象はーーそうじゃな、中々良いアークスを見つけたなって所じゃな。

あの年で後方職とはいえライフルをまともに扱えて、ダーガーとも一人で交戦可能ーー中々、良い人材を見つけたものじゃの。

ここ最近のアークスと言えばたかがダーガー1匹に対し4人以上で袋叩きーー儂が戦えた時代から去っていようとも、じゃ。

そう思い儂は一人でウンウンと頷く。

 

まぁ、それは兎も角。

 

「なんで今頃クラリッサが出てきたのかのぉ…」

 

儂はつい修理の手を止め考えてしまう。

そもそもだ。あれは10年以上前のーー。

「ジグサーーーン!頼んどいたソード直りました?」

「おう、今待っとれ!」

取り敢えず、仕事を片付けなければな。

 

 

「んだよあれ、何で脱がなあかんの?」

「えっ?相棒脱いだのかよ!」

メディカルセンターでチェックも終わり、いつぞやのカフェ、ラフリにて休息を取っていた。

「おい馬鹿!声がデカイ!」

そう言い脚を思いっきり蹴る。

「っー!相棒もデカイから…ッ、イッテェ…」

そう言いアフィンはテーブルにひれ伏す。

「…まぁ、なんだ、その、すまんな。今回は助かった。ありがと」

そう言い頭を下げる俺。実際問題、彼処で救援が来なかったら死んでいたかもしれない。本当に援護来て良かった。

「あ、あぁ、いや、知らないフルキャストから緊急メッセージじゃなかったら行けなかったよ。妹にも聞いてもらえたし」

「あぁ、そうだ。妹だ。妹って何歳なんだ?」

「俺の妹は俺に不釣り合いなほど可愛くってな?もうほんっとヤバイんだよ!」

「お、お前いきなり、てか歳ーー」

「聞いてくれよ?この前もな?お兄ちゃん大好きってな?もうほんっと、もう何が言いたいかって言うと妹ヤバイ」

「お前、シスコンかよ?」

「いや、妹だけじゃない!俺にも姉が居てーー」

居な、まで言ってアフィンが首を横に振った。

「おいどうしーーた?」

急にアフィンが下を向きボソッと言った。

「俺の姉は…元気、だろうか…」

とても、小さな声で、ボソッと。

席を立ちアフィンに近づく。

「おいアフィン」

「…ぁあ、相棒、すまーー⁉︎ちょ、何を!」

アフィンに抱きつき耳元で言う。

「何が合ったのかは知らん。だから何も言えない。だが、お前が相棒って言うように俺もお前の相棒だ。何かあったら言え」

「ちょ、ユウ、相、む、胸、がぁ!」

「おぉ、すまんすまん。わざとだ」

「お、おま…」

「まぁ、なんだ、何時ものアフィンに戻れよ。あんなしみじみとしたお前なんぞ見たくもない」

「あ、あぁ…その、ありがとな」

「礼を言うのはこっちだ。彼処で援護に来なかったら死んでたからな」

「…その…突然話は変わるが…」

そう言いアフィンが目を逸らす。此処で感想を言う気か?

「何となく読めるが…なんだ?」

「凄く、柔らかかったです」

「そうか…なら今日は奢りだな」

「…ある意味役得なのかもしれないな。別に良いぞ?」

「んじゃ最後にアイス頼むわ。お前は?」

「あぁ…俺もそうするかな」

…アフィンは気づいて居ないかもしれないが……

抱きついた手前、周りがなんか、こう…フワフワした雰囲気になったような気がする。

 

 

 




尚、主人公はホモではありません。ホモではありません。大事なことなのでなど書きました。

と言うかこのくらいならBLタグ入れなくて大丈夫だよね?

誤字修正及び感想持ってます。

と思ったら妹の下りおかしいじゃないか!ちと修正


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

14話目 アフィンから見る相棒

今回はアフィン視点です。決して次が思い浮かばなかったとかでは無いです。多分。


「んだよあれ、なんで脱がなあかんの?」

そう言い隣の相棒ーーユウナは嘆く。

あぁ、そうだ。俺の名はアフィン。訳あってアークスやってる。

「えっ?相棒脱いだのかよ!」

相棒のそのーー色々とヤバイ体型でか⁈

ーーダメだ、落ち着け俺。確かに相棒はダーガーが居なければアイドルーークーナさんみたいな風にはなれたかもしれない。

ふと、巨乳の人は着痩せする、と言うのをフォトンワークで調べた気がする。

まさかと思うが…相棒、着痩せしてないよな?

同じレンジャーとして気になるレベルの巨乳を一瞬見る。

「おい馬鹿!声がデカイ!」

相棒がさらにデカイ声で言い、相棒の脚で思いっきり蹴られた。

「っー!相棒もデカイから…ッ、イッテェ…」

相棒の着てる戦闘服でーーと言うか女性陣の戦闘服は基本的に足首鋭いんだから…マジでーーイッテェ…

テーブルに突っ伏す。痛みを堪えていると相棒が小さな声で言い始めた。

「…まぁ、なんだ、その、すまんな。今回は助かった。ありがと」

顔を上げて相棒の方を見ると目線を下にしながらーー少し頬を赤く染め、相棒が礼を言った。

相棒の特徴の耳と尻尾がーーいや、此処からじゃ尻尾は見えないなーータレている。

普段は頭の上のミミを真っ直ぐに伸ばし、どんなに俺が小さな声で言っても声を拾って何かしら言うミミが、垂れていた。

初めて見たなぁ、などと思うのと同時に、可愛いなぁ、と思う。こう見えてユウーー相棒は結構人気である。

同時に反ビースト派からは敵にされているが…果たして本人は知ってーーいる、のか?

「あ、あぁ、いや、知らないフルキャストから緊急メッセージじゃなかったら行けなかったよ。妹にも聞いてもらえたし」

取り敢えず、緊急で来たメッセージを見て驚いたのを覚えている。

本音を言うと気が気じゃなかったが。

あの時は遊んでいた妹を急いで母に預け法定速度ガン無視で飛んだ気がする。

今思い返せば警備員に捕まんなくって良かったな。

そう思っていると相棒が口を開いた。

「あぁ、そうだ。妹だ。妹って何歳なんだ?」

「俺の妹は俺に不釣り合いなほど可愛くってな?もうほんっとヤバイんだよ!」

「お、お前いきなり、てか歳ーー」

「聞いてくれよ?この前もな?お兄ちゃん大好きってな?もうほんっと、もう何が言いたいかって言うと妹ヤバイ」

「お前、シスコンかよ?」

「いや、妹だけじゃない!俺にも姉が居てーー」

そう言い頭の中でーー本当に小さな頃に死んだって聞かされた姉の姿ーーと言ったって今の自分より遥かに小さい姿だったがーーを浮かべた。

「俺の姉は…元気、だろうか…」

そもそも本当に生きているのだろうか?俺の感は、自分で言うのもなんだが鬼と様に当たる。

だが…今回だけは自信が無い。

居なくなってから早10年以上。少し、涙が出てくる。

俺は兄として妹に接して来た。だが…そのお陰か甘えるっという事が出来なかった。死んだ姉を思ったらとてもじゃないが両親に甘えられないって。

「おいアフィン」

そんなことを考えて居いると相棒が俺の名を呼んだ。

「…ぁあ、相棒、すまーー⁉︎ちょ、何を!」

いつのまにか下を向いて居たので顔を上げ、呼ばれた方向を見ると、急に目の前が真っ暗になった。

「何が合ったのかは知らん。だから何も言えない。だが、お前が相棒って言うように俺もお前の相棒だ。何かあったら言え」

感触的に俺がちょくちょく見て居た相棒の巨乳、という事が分かったーーじゃねえ!

確かに考え込んで居たのも悪かったかもしれない。だけどね?だからって抱きつくのはどうかって話ですよ⁉︎

凄く良い匂いだけど!ずっと嗅いで居たいけど!それじゃ俺が犬だよ!

「ちょ、ユウ、相、む、胸、がぁ!」

両手を使い倒さない様にゆっくり押す。正直、今夜はイロイロと捗りそうだ。

「おぉ、すまんすまん。わざとだ」

そう言い後ろの尻尾をブンブン振りながらこっちを見て安堵する相棒。そのわざとで下半身が少しやばい。

「お、おま…」

「まぁ、なんだ、何時ものアフィンに戻れよ。あんなしみじみとしたお前なんぞ見たくもない」

「あ、あぁ…その、ありがとな」

正直色々と元気を貰えた。このありがとうは本心で言っている。

「礼を言うのはこっちだ。彼処で援護に来なかったら死んでたからな」

そう言い相棒はもう一度席に着きメニューを取る。

さっきの手前、何も話せる事が無い。何か、何か話さなければ…

「…その…突然話は変わるが…」

そこまで言ってはっ、思い直す。これ言ったら俺蹴られね?っと。

「何となく読めるが…なんだ?」

一方の相棒はメニューの肉類の所で指を指しながら何を選ぶか迷っている。

「凄く、柔らかかったです」

「そうか…なら今日は奢りだな」

パタンッ、と閉じてメニューを俺に渡す。奢りか…色々今日は合ったし、別に良いかな?

「…ある意味役得なのかもしれないな。別に良いぞ?」

「んじゃ最後にアイス頼むわ。お前は?」

「あぁ…俺もそうするかな」

メニューをサラッと見て取り敢えずステーキを食べようかと考える。時刻は午前11強、早めの昼食だろう。

サイドメニューにパンと野菜を頼もうか。

「アフィン?良いか?」

「良いぞ?相棒は何食うんだ?」

「えっと…ハンバーグアンドステーキでしょ?ライスでしょ?」

「相棒、ライス食べれるんだな。てか程々に頼むよ?」

「大事だろ?それとーー野菜はアフィンのを一口貰えば良いや。後最後にミルクアイス!これは譲れん!」

「誰も譲れとは言ってないよ。それじゃ呼ぶぞ?」

そう言い辺りを見渡し店員を探す。

「アフィン、俺から見て10時、店員居るぞ?」

相棒から見て10時ーー右後ろか。

「すいませーん!」

「はーい、少々お待ちを〜!」

そう言いこちらに来る店員。

「ご注文はお決まりですか?」

 




なんか食ってばっかりな気がする。所でゲッテムの扱いどうするか…フォトン吸われてそのまま退場、がベストか?

てか全然ストーリー進んでねぇ…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

15話目 アイス

必殺!会話の繰り返し! 所で本気モードの仮面と一対一だと負けそうな気がする。さっさとヒーローになってもらうか。


「うぅんまぁい、この手に限る」

ナイフでステーキを厚めに切り肉を口に入れる。

ジュワーっと肉の旨味がもう…

もぎゅもぎゅと噛んで飲み込み次はハンバーグ、とナイフで切ろうとしたらアフィンがガン見して居ることに気が付いた。

「おい?アフィン?どうした?」

「あぁ…いや、可愛いなぁーーっあ、いや!違うからな?」

そう言いアフィンは手を前に出し左右に振った。

違うって意味か?

「おいおい、俺は同性愛者じゃないんだ。ちゃんと、女に告る事だな」

全く、アフィンは何を言ってるんだか。まぁ、ぶっちゃけアフィン、残念な所が有るがな。

そう言いハンバーグを切り口に運ぼうとした時、俺が忘れて居たことを言う。

「いや…俺も同性愛者じゃないし、それ以前に相棒…女の子じゃん」

「…ふぇ?」

口にハンバーグを入れ噛もうとした時にアフィンに言われた。

もぐもぐとハンバーグを飲み込み、もう一度アフィンに聞く。

「んっ…はぁ、で、誰が?」

「相棒が」

「俺が?」

「女の子」

「……あ、あぁぁ…そうだった、忘れてたぁ…」

そう言い俺は目を手で隠した。そうだ、そうだった。忘れていたわ。

「思うんだけどさ、相棒って、戦闘以外は基本からっきし?全然だよな」

「よせ、それ以上はイカン」

「最初の頃なんか俺が任務の確認に行くと大体裸だからなぁ…」

「よせ、外で言うな!痴女扱いになるだろ!てか部屋ぐらいそれで良いだろっ!誰もーーポイントが見てたわ」

「……まさかと思うが、今は部屋着、着てるよな?」

そう言い俺のことを見るアフィン。

マトイが一緒に住むとは言え、正直裸で寝たい、と言う気持ちはある。

「あ、あぁ…着てる。着てるさ」

「…寝る時だけ脱ぐってオチも無しだぞ?」

「ッ…!」

「はぁ…相棒、頼むから警戒心を持ってくれ。幾らこの船団がそう言うのが中々ないと言ったって、警戒する事に悪いことは無いんだから」

「あ、あぁ…」

「だからミルクアイスは無し」

「はぁ⁉︎」

 

「うぅまぁい、この手に限る」

そう言い相棒は大きく肉を切って口に運ぶ。でかく切りすぎて口に入りきらないのか口から肉が飛び出している。

皿の上に三つほどあるパンを一つ取り中心をナイフで切り、その中に野菜と細く切った肉を入れて口に運ぶ。

その間にも相棒はもきゅもきゅ言いながら肉を口の中に運んでいる。

気がつくとミミはピンっと立ち、尻尾も中々揺れて居た。

実家でやると母親に怒られるが、腕の皿をテーブルに着き、もう片方の手でパンを食べつつ相棒を見る。

そこで視線が合い相棒が口を開いた。

「おい?アフィン?どうした?」

喋ると犬歯が見えた。やっぱりビーストなんだなぁ…頭撫でたらーー殺されそう。

「あぁ…いや、可愛いなぁーーっあ、いや!違うからな!」

慌てて手を前に出し防戦体制をとる。相棒の事だ。ぶっちゃけ痛くは無いが、グーが飛んでくるぞ!

などと思い待っているとグーは飛んで来なかった。

「おいおい、俺は同性愛者じゃないんだ。ちゃんと、女の子に告る事だな」

そう言い相棒はもう一度ナイフを持ち、今度はハンバーグにナイフを入れた。

また大きくハンバーグを切り口に運ぶ。

「いや…俺も同性愛者じゃないし、それ以前に相棒…女の子じゃん」

相棒…何を言ってるか自分でわかってるのか?相棒の尻尾はピーン、と真っ直ぐに立ち、相棒の目は俺を見ている。

「…ふぇ?」

そう言い、手に刺さったハンバーグを口に入れもぐもぐと食べた後口を開く。

「んっ…はぁ、で、誰が?」

「相棒が」

「俺が?」

「女の子」

「……あ、あぁぁ…そうだった、忘れてたぁ…」

そう言い本当に忘れて居たと如く目を手で隠した。

「思うんだけどさ、相棒って、戦闘以外は基本からっきし?全然だよな」

「よせ、それ以上はイカン」

そう言えば時折入る相棒のこの、変な語尾なんだろう。イカン?ダメってことか?

「最初の頃なんか俺が任務の確認に行くと大体裸だからなぁ…」

正直下半身がもう、もう…ねっ?凄かった。帰りは前屈みで途中でトイレに寄ったわ。

「よせ、外で言うな!痴女扱いになるだろ!てか部屋ぐらいそれで良いだろっ!誰もーーポイントが見てたわ」

自分で大声で言うのか…意味が分からん。

「……まさかと思うが、今は部屋着、着てるよな?」

「あ、あぁ…着てる。着てるさ」

そう言い相棒は俺を見るーーが俺が見るべき場所はそこじゃない。頭の上を見るとさっきまでピーンと立っていたミミが寝込んでいるし、尻尾を見ると全然元気がないーーさては脱いで寝てるな?

「…寝る時だけ脱ぐってオチも無しだぞ?」

「ッ…!」

そう言うとミミと尻尾が同時にピーンと立つ。

「はぁ…相棒、頼むから警戒心を持ってくれ。幾らこの船団がそう言うのが中々ないと言ったって、警戒する事に悪いことは無いんだから」

光も大きいが小さくても何処かに闇がある。頼むから本当に警戒してくれ。

「あ、あぁ…」

「だからミルクアイスは無し」

そう言い相棒が好んで食べるアイスの注文を取り上げる。

「はぁ⁉︎」

 

「へいへいへい!それは無いんじゃないか⁈」

ダメだ、ミルクアイスだけは…甘い物だけは、無いと、ダメだ。

「お、おいーーあぁ、分かった、ラクトアイスで勘弁ーー」

「それもダメっ!ラクトはなんか、こうーーなんか違和感があんだよ!濃厚じゃないって言うか!」

なんというか…牛乳感が無い?そういう事を力説してもなかなか分かってくれないアフィン。

「はぁ…わかった。分かったから。ミルクアイス頼んでいいよ」

「イェヤァ!」

「その代わり、付き合ってくれ」

「アイス、アイーーはっ?」

アフィン、お前は何を言ってるんだ?




所で私の所にスプニはいつ落ちるんですか?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

16話目

誤字報告感謝します。オマケとしてfunあげます。> fun 10


「んだよ、付き合えって買い物ーー妹のかよ」

「そうだよ。男の俺より相棒の方が良いだろ?」

「ったってなぁ…俺はこんなヒラヒラした服とか髪飾りって言うんだっけ?そんなのを買う気にはなぁ…」

棚にある服の値段を見てびっくり。んだよこれ、装備一式更新できる値段じゃないか。

「俺とてそんな高いのは買わないよ。買えて髪飾りだな」

「中々妹思いな事で」

「相棒はどうだ?妹とか居るのか?」

「………どうだかな」

「どうだかって…居るだろう。親ぐらい」

「アフィン、君が聞くか?それじゃ聞くが、ビーストは何故生まれる?」

「そりゃ、原生ーーあっ」

「そういうこった。親は産んで死んだ」

小声で多分な、と付け加えてな。正直言って親関連はすっかり忘れていた。後で調べて見るか。

「その、すまん」

「良いさ、さっさと買って帰るぞ。これなんか良いんじゃないか?俺は帰って寝たいんだ」

「んな相棒、そんな簡単にーー」

「寝る予定はキャンセルよ。ユウナさん」

「えっ?」

「んっ?ーーあぁ、そういやメディカルセンター抜け出したんだな。相棒は」

「そういう事。という事でユウナさんはメディカルセンターに戻りますよ」

そう言い戦闘用ナース服を着た女性、フェリアさんが俺の手を繋ぎ戻そうとした。

「大丈夫、やる事はお話と交戦したダークファルスの事とマトイさんのことを聞いて終わりだから」

「ちょっ、まっ!アフィン!助けてぇ!」

「あぁ、とりあえず、これを買うことにするわ。ありがとなぁ」

そう言いアフィンは俺が適当に選んだ髪飾りを持ってレジに向かった。んな殺生な…!てか殺生の使い方あってるのか?

「はいはい、ユウナさんはあるーーけますか?」

「歩けはしますが走るのはちょっと」

「とりあえずメディカルセンターに行きましょう。車も有りますし」

 

「ーーそれで交戦した、と」

メディカルセンターにフェリアさんの運転で到着し、相談室的な所で交戦した敵に対して話す。

フェリアさんの手元には音声レコーダーが。変な所で古風だな。よく見りゃ足元にアタッシュケースらしきものあるし。

「はい。ダークファルスーーそういやペルソナって名前でしたね。ペルソナを見て最初は撤退しようと考えたのですが…回り込まれまして」

「そのペルソナは、私達アークスが使う武器に似た物を使っていたのね?」

前の報告に書いてあるけど…、フェリアさんは手元のパソコンを弄り報告書を書く。

「はい。ハンターのソード、テクターとフォース共用のタリス。そしてsmgです」

「ソードにタリス、ショートマシンガン、ね?にしても良くこれほどの武器を使えるわね。アークスなら一つの武器にフォトンを覆うだけでも精一杯なのに」

「は、はぁ」

パソコンをタップする音が聞こえる。速度的に結構早いーーてか、えっ?対ダーガー武器ってフォトン覆うだけなの?んじゃ通常弾にフォトン覆えばーー

「そう言えばライフル弾は中にフォトン充填しないとダメなの忘れてたわ」

ーーダメか。

「良いわ。取り敢えずマグは既にカウンターに提出済みで、こっちに預かってあるわ。データも取ってあるし。けど…」

「けど、どうしました?」

「ペルソナとの交戦中のデータが壊れているのよね…音声は無事でも途切れ途切れだし」

足元のアタッシュケースをテーブルの上に置き開ける。

中からは俺のマグが。

「一応マグの検査はーー簡易的だけどしてあるし、それに各種データもノーマル、つまり異常なし」

「……」

「まぁ、ペルソナの話は置いといてーーいやね?アークスとしちゃ、置いといちゃ行けないけど…マトイさんは元気にしてる?」

「マトイーーあっ、一回も会ってね」

やべっ、マトイの奴大事か?これ今すぐ帰った方がいいか?

「まぁ、その様子だと大事そうだし、マトイさんのために今日はこの位にしときますね」

「恩にきります。フェリアさん」

マグを追従モード、マグの標準モードにする。

「良いってことよ。早く帰ってマトイさんに会ってやりなさい」

「っしゃ!んじゃ!また!」

そう言い家目指しメディカルセンターを走って抜ける

背後から走っちゃダメよぉ〜!っと言われたが走らなければーーいや、怪我してっから走っちゃダメじゃん。

勢いを付けたもののそのまま減速し、歩いて帰ることにする。

クエストカウンター通ってサッサと帰っか。

 

 

カウンター隣のテレポーターを使い住んでいる家に向かう。

少し前ならポイントしか居なかったが…今はマトイが居るし、なんだがなぁ…。

「と言うか…マトイに連絡一回もしてなくね?」

思えば任務受注時すらしてない。

なんか言われそうだなぁ、等思いつつ自室前につく。

インターホンを自分の家で有りながら押して中を確認する。

『…はーい。今出ます!』

そう言いインターホンからマトイの声が。良かった。特に何も変わりは無いか。

扉が開かれ1日振りの再会となる。

「あぁ…久し振り、マトイ」

「……良かった…お帰りなさい」

そう言い抱き着いてくる。マトイも胸大きいなぁ…。

そのまま中に入り現状の確認をする。

最初マトイも女の子だから家の中片付いて居るでしょ、などと思っていたが…

 

「まさか…これ程とは…」

 

リビングはチリ一つ(多少は有る)無く、マトイの部屋となる所も一通り掃除が済み後は家具を置くだけ。

俺の部屋も服が散らかっていた所が全て畳まれタンスの中にしまわれて居る。

「ユウナちゃん帰ってくるの遅かったから…心配したんだよ?」

ふと見ると今のマトイの服は救出時来ていた服では無い。

「そういやマトイ、その服どうした?」

「パソコンで調べて買ったの。似合う?」

マトイはパソコンを指を指す。

「パソコンで…?ノートの方はネット繋げていたっけ?」

「ねっと?それってP.O.Sじゃ無いの?私調べたよよ?」

「あぁ、P.O.Sか、そうだ、そうだ。ーー似合ってるし可愛いよ?」

そう言うとマトイは笑顔で笑う。あぁ、可愛いなぁ…。

「にしても今回の任務遅かったよね?何かあったの?」

「いやぁ…少し面倒な敵に襲われてねぇ…本当ダークファルスってクソだわ」

「ーーダークファルス?」

「どうした?何か知ってるーーあっ」

最初にペルソナと会った時に聞こえた無線が頭を過る。

『マトイを殺さなきゃ…世界が、ヤツに壊される。』

マトイを殺す?世界がヤツに壊される?

あの時はヒャッハーしてたから考えられなかったが…そもそも何故ペルソナはマトイを殺そうとーーそうか、ヤツが、ヤツに世界が壊されるから?ではヤツって何だ?

「……そもそも何故ダークファルスであるペルソナが世界を壊すのを防ごうとする…?」

アゴに手を乗せ考えてしまう。

「そもそもダークファルスとは子分のダーガーを使いD因子で有機無機汚染するヤツ。汚染されたらフォトン以外じゃ現状は戻らない」

「ダーカーの上位がダークファルス…壊そうとするヤツが、何故世界を守る?」

「ユウナちゃん?大丈夫?」

「……あぁ、クソッ!頭痛くなって来た。てか色々と痛い」

「全然大丈夫じゃない!ど、どうしよ⁉︎」

「大丈夫だ。服を全部脱いで寝ればこんなの治る。ビースト舐めんな」

「それ以上にユウナちゃんは羞恥心をしってぇ⁉︎」

戦闘服を脱ぎリビングのソファを占拠する。

「済まんがマトイ、何か適当に作ってくれないか?腹が減った」

「分かったよ。でもユウナちゃんみたく作れないよ?」

「何でも良い」

「う、うん。それじゃあやってみるね?」

 




所でep1ーーと言うかvsハドレット戦までに何話消費する気なんですかなぁ…?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

17話目 お粥

忘れられた頃に最新。と言うか戦闘シーンも作りたいけど文才がない為作れない…。


「えっとーー和風ダシに塩と…あとお米?」

ソファに横になりながらマトイーーありゃエプロンか?このご時世に?ーーがお粥的なのを作るのを見て、目線をテレビに向け、何かやっていないかを確認する。

『ヴァイパー製レーザーライフルーー』

そういやレーザーライフルなら弾代とかも要らないのだろうか…でも確か大気で威力がウンタラカンタラ…後で見に行くか。次。

『明日の規定天気は朝6:00から9:00まで晴天、9:00から11:30迄曇り、11:30から16:00までまた晴天、16:00から24:00まで曇りでしょう』

そういや船団だと細かに天気が変わるんだよなぁ…唐突な雨に注意しなくても良いっていうのも良い。

『ーーはい、緊急速報です。アークス惑星調査隊のD.ヴァリアント船が新惑星、マキナにて消息を絶ったとの事です』

『元々アークスはこういうこともありますからねぇ。無事だと良いのですが…フマルさんはどう考えます?』

『そうですねぇ…まず消息を絶ったとの事ですが、アークスが普及的に使うーー便宜上、シップと呼びますが、コレが壊れた等破損するのは珍しいです。それこそ新惑星から攻撃をーー』

なんだか知らないが新惑星が発見されるのと同時にそこに行った調査隊が消息を絶ったらしい。

『ーー何でも私のつて曰く「惑星マキナではフォトン係数が現状確認されない。もしかしたらダーガーなどのD因子を持つ物体が居ない可能性がある」と言っていましたし…』

『もしや惑星マキナにはフォトンを検知して攻撃をする.何か.がある可能性が?』

『その確率はあると思いますよ、フラビンさん。最も私達は専門家では無いので何も言えた義理では無いですが…』

『D.ヴァリアント船の船員が無事である事を祈るばかりですね。それでは次のニュースです』

惑星マキナーー行きたくねぇなぁ、そんな所。

『ーーそれでレギアスさんのアークスでの役職とは一体何なのでしょうか?』

『私の役目はアークスと、船団が生きていける事、それがーー』

「ユウナちゃん!何かそれっぽいの出来たよぉ!」

ニュースに質問番組、果は武器紹介などのテレビ内容を見ているとマトイがお玉を持ちながら言ってきた。

「取り敢えず何か分からないからマグで調べて入れてみたの」

お椀に入っているお粥ーー丁寧にも梅干しらしき物が鎮座している。

「あぁ、すまん。よいっしょっ」

「あぁ、手を貸すよ!」

「すまんなマトイ」

ソファに寝た状態からマトイの手を借りつつ座り、スプーンをーー

「…なぁ、マトイ?こりゃなんだ?」

お椀の手前にはスプーンでは無く箸が置いてある。どう食べろと?

「何って…はし、だよ?」

キョトンと首を傾げつつ口に人差し指を当てる。まさか現実でこんな物を観れるとは…可愛い。

「…すまんがスプーンを持って来てくれないか?箸じゃ無理だ」

「……あっ!ゴメンね?今持ってくるから」

そう言いマトイはキッチンに撤退する。何だあれは…アレが天然物の天然なのか?

「にしても…」

マトイも料理は出来るんだな。てっきり記憶喪失だから何かヘマをやらかすかと思っていたが…。

「ヘマをやらかしたのは俺だったがね」

「ゴメンね!スプーンと…後オレンジジュース!そして私の分!」

マトイも反対の席に着き遅めの晩御飯を食べることにするーー待て。

「そういやマトイ?ポイントは?」

「ポイントさんなら警備員に仕事しに行ってるよ?」

「…いつから?」

「ユウナちゃんが出発してすぐに」

「あぁ…なら大丈夫かな?」

「それより早く食べようよ!」

「そ、そうだね。それじゃ、頂きます」

「頂きます」

 

「頂きます」

「そう言えばいつも気になっているんだけどポイントちゃんのそのイタダキマスって何?」

「あぁ、癖で出てしまいましたか。サポートしているユウナさんのご飯を食べる時のーーおまじない?ですよ」

「おまじないねぇ…」

「そうです。おまじないですよ」

 

マトイが作ったお粥を口に運ぶ。

どろりとしたお米と少し塩気のある味がする。

「…ハフ、ッグッ、はぁ…暑くて美味しいよ」

「ユウナちゃんにそう言われて嬉しいよ」

マトイもお粥を口に入れハフハフしている。

スプーンを置きテレビのリモコンを取り又他の番組を探す。

『ーー新発売のフォトン粒子を使用した新しい防具ーー』

『ーーではマキナ船が消息を絶ったーー』

『ーー本部に連絡を!ヤツは、ダークファルスは、未だ生きてーー』

防具にさっきも出てきたマキナ船の消息事件、そしてアークスとダークファルスが戦うアニメ。見たいものは何もやってないな。

テレビを消してリモコンをテーブルに置く。

スプーンをまた持ち、お粥を口に入れる。

「うん美味しい」

 

「ー♩ーー♩♩」

自分の料理が上手いと言われご機嫌なマトイが台所に立ち食器を洗っている。

一方俺は対ペルソナ戦時に壊されたライフルに代わる武器を探すためにノートパソコンとは別の、ディスクトップの電源に手を付けた。

「ヤツは全距離戦えるはず…」

近接ソード、近から中距離SMG、遠距離タリスの3つ。

「……対抗しようにもソードだけじゃSMGで負ける。SMGじゃソードで詰められる。タリスは…何か別の能力ーー」

そう言えば初戦時、ペルソナが撤退する時タリスでワープみたいなのしていたな。

何故武器を使ってワープを…?

「ペルソナと同じスタイルで行くか…?」

右手ソード、左手SMG…はダーカー戦を兼ねる為に威力ーー貫通力の点でダメだ。

「使っていたライフル、あれをショートバレルに出来ないか?」

A.C.A.R–mk5 ショートバレルと打ち込む。

ーー検索結果無し。

おかしい…何故だ?

ーー!あぁ、アークス言語にすんの忘れてた。

もう一度、今度はアークス言語でショートバレルと打ち込む。

検索結果…よしビンゴ。

「……ってひたすらロングバレルにする事しか書かれてないじゃん…」

確かに今まで出てきたダークファルスは基本大型ーー中にはヒューナル体と呼ばれる人間大の大きさになった奴もとても少ないが確認されているが…。

「……バレルぶった切っちゃダメ…だろうなぁ…」

してどうするか…取り敢えずもう一度同じライフルを頼もう。マガジンとその他パーツも有るし。

 




尚作者はnovaやってないしvita持ってすらないです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

18話目

今見返したらマトイの呼び方貴女じゃね?


「はぁ…やめだやめ、やってられっか」

パソコンの電源を切る。第一、ライフル持ちが近接に喧嘩売る事自体おかしいんだよなぁ…。

「と言ったって向こうから来るし…一層の事ペルソナーーダークファルスと同じ戦い方するか?」

だがなぁ…1つの武器にフォトンを纏わせる以上、2つの武器は持てない。

「…俺の筋力で持てるかなぁ…ソード」

ソードじゃなくても…ナイフよりデカくてソードより小さい近接武器。

「日本刀ーーあれば斬撃に難有りだしなぁ…」

「ユウナちゃん、食器洗い終わったよ?」

「ん…ありがと。うーん、どうするか…」

食器洗いが終わりエプロンを取ったマトイが近づいてきた。横になっていた体を座らせ、俺の隣のソファに座らせた。

「どうしたの?そんなに悩んで?」

「あぁ…もしさ」

「んっ?」

「もしマトイが俺と一緒にアークスやれてそん時ーーいや違うな、もし遠距離から敵を倒している時近付かれたらどうする?」

「うーん…近づかれない様に敵を倒す、とか?」

「……じゃあ一人でヒューナル体のダークファルスを倒す時は?」

「うーん…持てる全ての力を使って倒す…とか?」

「もし接近されたら?」

「どうしよっか。一層の事殴る?」

「ダークファルスを殴るとか…俺の筋力じゃ 1ダメすら出ないよ」

「それじゃあ…えっと、うーん…」

「難しかったか?」

マトイが何か案を考えている。テレビを付け何かやっていないか探す。

『ーーそれでですね、今回見つかった惑星マキナとそれに続いて発見された惑星、名称はリリーパ、でしたか?』

『はい、この惑星リリーパはその殆どが砂漠で覆われている惑星で生物にとってはまさしく地獄でしょう』

『砂漠は昼と夜で温度差がとても有りますからね…しかし何故惑星リリーパ、なのでしょうか?』

『未だ情報は有りませんが何でもこの惑星には会話可能な生物がいるとの報告があるそうで…』

『しかし私の方には何も情報は来ていませんよ?』

『えぇ、最初に乗り込んだアークスからの情報でして…未だ不確定要素なので回ってきていないのでしょう』

『成る程…我々オラクル船団にいい恩恵が来ればいいのですが…』

惑星リリーパ…砂漠の惑星。暑いだろうなぁ。

「リリーパだって。きっととても暑いんだろうなぁ…」

「絶対暑いだろうなぁ…行きたくないなぁ…」

などと思っているとブザーが鳴った。時計を見ると20:01分…こんな時間に誰だ?

「すまんマトイ、出れるか?」

「うん、待っていて?」

そう言いマトイが玄関に向かう。ソファに横になりながらテレビの続きを見る。

「はーい、開けます。…えっとゼノさんとエコーさん、でしたか?」

「おう!ユウナはいるか?」

「ユウナちゃんにまたお見舞いの品持ってきたの。本当は帰ったらすぐに渡そうとしたのだけどゲッテムハルトさんがね…」

「はい、ユウナちゃんなら中でーーあっ、少し待って下さい?」

…もしかしてゼノさんとエコーさん中に入るつもりか?

今の俺、戦闘服のインナーしか着てないぞ?

「ユウナちゃん?ゼノさん達中に入るらしいけど…?」

「よく来た。手伝ってくれ、さっき脱いだ戦闘服を着なくちゃならん」

聞こえていたのか玄関の方からゼノさんの声がする。

「ゆっくりで良いぞ!何ならインナー姿でもーー」

「ちょっとゼノ。声が大きい」「イッテ!…っぁ、ごめん」

多分だがゼノさんがエコーさんに怒られている。

「…ゆっくりで良いらしいし…上着、着ようか?」

「…うん」

 

「毎回思うんだけどさ、ユウナちゃん何かしら怪我するよねぇ」

「でも必ずーー今回はちと危なかったが、帰ってくる。良いことじゃないか」

「うんうん。帰ろう。帰ればまた戦えるから、って本当誰が言ったのか知らないけどそのとうりなんだよねぇ」

俺とマトイを挟んでゼノさんとエコーさんがソファな座り俺の事を喋っている。

「…えっと、遅れてしまいましたがあの時は援護に来てくれて本当にありがとうございました」

「良いのよ。ほら?アークスってわりかし仕事内容自由じゃん?援護が欲しければいつでも言ってね?」

エコーさんが笑顔で言う。待てよ?確かゼノさんに援護頼んだ時、長期任務って言ってた気が…?

「ゼノさん…援護頼んだ時確か長期任務って…?」

「えっ?と言うか俺に援護寄越した?…待ってくれ、今確認をーーあっ、本当だ」

「ちょっとゼノ!長期任務ってどう言うこと?特に任務も無かったじゃない!」

「…もしかして早朝だったから寝ぼけて返事したーーとか?」

そうマトイがゼノさんに向かって言う。まさか?朝はとっくに迎えていたぞ?

「ゼノ…あんた、もしかして」

エコーさんがプルプル手を震わせながら言う。

「…二度寝…してたかも知れない」

「こぉんのぉ、バカやろぉぉ!」

エコーさんの右ストレートは、美しかった。

「ユウナちゃん?ソファ、倒れちゃったよ?」

 

「ほんっとうに御免なさい!ゼノがあの時救援を受けてたら、こんな事にはならなかったのに!」

エコーさんが俺に頭を下げて手を合わせている。

「良いんですよ?もう過ぎた事ですし」

「ほら!ゼノも!」

「いやぁ、本当ごめんな?もし何かあったら任務放棄してでも向かうわ」

「いや流石にそれは…」

「本当に御免なさいね?謝って治るもんじゃないけど…」

「軽症ですから大事ですよ?問題は他にありますし」

「問題?」

「えっと…敵と交戦時に、ライフルを壊られまして…」

「ライフル…ゼノ、確か持ってなかった?」

「確かユウナが使っていたのって…A.C.A.R–mk5 mod SRだったか?」

「えぇ、そうです。もしかして?」

「同じタイプだがなぁ…mod ARだぞ?それでも良いなら俺は使わないし渡せるが…」

「それじゃあ下さい」

「良し、んじゃ明日持ってくるわ。照準器とか投擲装置とかも付けとくよ」

「本当ですか!ありがとうございます!」

「何、今回は俺が悪かったんだ。これぐらいさせてくれ」

「解決したみたいね?あっ、そうそう、テーブルの上にあるフルーツはゲッテムとメル姉妹と私達からのお見舞い品よ?後で食べてね?」

そう言いエコーさんとゼノさんは腰を上げ玄関に向かう。

見送りに出ようとすると、「良いって怪我してるんだ、やすんどけ」と言われ座らされた。

「マトイ、見送り頼めるか?」

「うん、わかった」

ゼノさんとエコーさんをマトイが玄関まで向かわせて何か話している。

ミミを使えば聞こえるが…今回は良いや。

テーブルの上のフルーツバスケットから小さな赤い果実ーーイチゴみたいなものを口に持っていく。

「…甘いなぁ」

時計は20:56分をさしている。

そろそろ寝ようかな。

 

「おやすみマトイ」

「おやすみぃ」

マトイは自室のドアを閉めた。…ちょっと強く閉め過ぎじゃね?

リビング挟んで反対にある自室に行く。

自室にはベッドにテーブルとイス、それとプラモデル位しかない。と言っても買ってあった物を組み立てただけで…元の身体の人は元々好きだったんだろうか?

「はぁ…疲れた…もうヤツとは戦いたくなぁい…」

そもそもソード持ちにライフルでどう戦えと?ストックで殴れってか?

「……もうやめ、寝る」

考えれば考えるほど頭が余計に痛くなる。こう言う時はさっさと寝るに限る。

「…ゼノさんが持ってくるライフルーー俺が使っていたヤツとマガジン互換性あれば良いけど…」

唯一の心配はそこだった。




前職80きつい


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

19話目

何故EP1-3消した?


「暑い…んだよぉ…アフィン…水、くれ」

辺り一面砂だらけの所に、少しだけ生えていた木の影に入りアフィンに水を催促する。

「ダメだよ、まだ奥の遺跡群の調査終わってないし」

アフィンも影に入ってきた。

「んな殺生な…」

暑い…今何度だ?

 

自分の右上を浮遊しているマグを手の上に乗せ周囲の状況を確認する。

「現在温度ーー42度⁈」

「暑いって言うのが分かっている惑星のデータだからなぁ」

「にしたって…暑すぎだよぉ…これなら薄い戦闘服着てくれば良かった…」

「薄いって…」目に毒なだけなんだよなぁ…と俺の優秀なミミが拾った。

「聞こえているぞ。そんなに見たいか?」

そう言いアフィンが座っている方を向く。

「見たい…けど…」

そう言いアフィンの顔がみるみる赤くなってきた。

「やっぱやーめた。アフィン、耳まで赤いぞ?」

「…ッ!あ、相棒!そう言えばゼノさんから貰ったライフル、どうだ?」

話題を変えて行くアフィン。そんなに嫌だったか?

「…俺が前に使っていた狙撃ーースナイパーライフルよりは接近時は使いやすいなぁ」

地面に置かれたアサルトライフルを見る。少々汚いが、部分部分はある程度綺麗に掃除されており、ゼノさんから貰った時、急いで簡易分解をしたがそこまで酷くはなかった。

「まぁ、アサルトライフルだからなぁ。少しは酷く扱っても大事なんだろう」

そう言えばこのゼノさんから貰ったライフル、若干バレルがネットーーPOSで見たヤツとと比べ短い気がする。

朝に貰った時聞けば良かったなぁ…。

「うーん、戻ったら聞こーーアフィン」

聞こう、とまで言おうとした時、ミミが機械の動く音を捉えた。

「うん?どうした?」

4、7体、多い。やり過ごすべきか?

「……駆動音…7体、アフィン、此処の機械群って熱センサー持ってたか?」

「分かんない。とりあえず高いところに行こう。そこなら見渡せる」

「あぁ、今回は後ろからチクチク刺せないからなぁ」

アフィンが近くの壁の下に行き俺を上に上げようとする。

「よっ、と。上がれたか?」

「あぁ、おっけーだ。アフィン、掴まれ」

壁の上から右手を垂らしアフィンの手を握る。

「ふんっんん!っとぉ!」

「相棒、声が少しデカイ。そういや距離は?」

周りの音に集中する。

「まて…1キロから1.3キロくらい。こっちに来てる。方位2ー3ー4、7体ーーいや、別れた。4体向かってくる」

「234、234ーーこの辺りか。別れた奴らは?」

「そこまで俺のミミは万能じゃない。レーダーじゃ無いんだぞ?」

と言うかそこまで気になるんだったらドローン出して見てみろよ。と言おうとしたがそれだと敵機械群に発見されそうだからやめた。

「最初のマガジンは如何する?通常マガジン?」

「いや…通常マガジンだと3発に1発入るD弾が勿体ない。A.Pオンリーのマガジンあるか?」

「APオンリー?APってなんだ?」

「徹甲弾だ。ほら、俺らが通うライフル専門店に一番安い弾あったろ?あれだ」

「あのとんがった奴か?」

「とんがったって…俺らが使うライフル弾は大体とんがってるって。んで、A.Pって言うか徹甲弾って言うのが物を貫通させるだけの弾、であってるかな?それなら敵機械群にも致命傷与えられそうだし」

「と言うか良く相棒はそんなのを持って来れるよなぁ…俺なんかD弾と通常マガジンの二種類だけだぜ?」

「その代わりマガジンの選択間違えるけどねぇ…」

「ダメじゃん」

「…ほら、APオンリーマガジン2つ。アフィン、弾が少ないからシングルでゆっくり撃てよ?」

「分かってる。何時も突撃ばっかしてるとでも思ってーー「思ってるに決まってんだろ?」ーーはい…」

2人揃って高台の上に寝転がり伏せ撃ちの体勢になる。

俺は前から使っていたグリップの根元を押すと二脚になるボタンを押し地面に付ける。

「うぉ…良いなそれ、後で買っとこう」

「アフィン…妹の為にメセタを使うのは良いが、使う武器にも少しはメセタ掛けろよ?武器が泣くぞ?」

「…俺だってしたいけど…それじゃあ今度一緒に何時もの武器屋行かね?」

「…はぁ…」

「何か一個なら買ってやるからサ」

「ーー言ったな?」

「えっ?」

「今一個なら何でも買うと言ったな?」

「待て待て待て!何でもとは言ってないぞ!」

「分かってる…そうだな、んじゃレーザーサイトでも買ってもらうか」

「レーザーサイトって…まぁ、良いけど」

「…あっ、多分マトイも来るかも」

「マトイ?あぁ、あのナベリウスで救出した女の子か。別に良いが…その子暇じゃないの?」

「暇って?」

「いや、だってさ、15.6くらいの女の子が銃とか、弾丸見て楽しいと思う?」

「俺は楽しい」

「そうですか…」

「まぁ、何だったら最後にマトイと俺らで何処かーーアフィン、来る」

アフィンの肩を叩き、会話を中止し接近中の敵が来る方向へ向く。

 

ギュイーン、ギュイーンと四脚の脚を動かしながらバラバラになりつつ敵四脚兵器が此方に向かって来た。

 

『ユウナさん、聞こえますか?』

「ポイントか?如何した?」

『アークス本部からの任務です。敵機械群の鹵獲、又は良好状態での撃破だそうです』

「はぁ?攻撃方も不明な上にそれらを鹵獲⁈アフィン、如何する?」

右を向くとアフィンは俺のポイントに質問をしていた。

「一体だけでも良いのか?」

『はい、一体だけでも鹵獲出来たら追加報酬ーーまぁ、メセタですね』

「相棒、三体だけやって一体の脚を壊そう」

「うーん…ならもっと弾必要だろう」

腰からAPマガジンを更に3つ取り出してアフィンに渡す。

 

「5×30の150発あれば足りるだろ?」

「あぁ、ありがと」

俺もいつもやる様にコッキングレバーを少し引きチェンバー内に弾が入ってるのを確認ーーした。

「狙うは敵四脚兵器。明らかに弱点で有ろう天辺の青い部分を撃つぞ?良いな?」

「了解」

「5秒後に射撃開始ーー5.4.3.2.…てぇ!」

 

乾いた音が何発が鳴り響く。

俺とアフィンの銃の銃身(バレル)から出た弾丸が容赦無く敵四脚兵器を貫く。

アフィンの弾丸は天辺を周辺に着弾したものの、俺の短い銃身から出た弾丸は脚や胴体との接続部、砲塔などに当たり跳弾する。

「これだからショートバレルは!」

「次来るぞ!」

敵(俺達)の位置を確認した三体は頭の砲塔を動かし高台を撃ちまくる。

「後ろに下がれぇ!下に行くぞ!」

「分かった!おい!先に行くなよ!」

俺らは一足先に一段階下に降りて様子を見る。

 

「どうだ…来るか?」

「分かんない…俺の予想じゃ、多分、来る」

マガジン内の弾を撃ち切ったので空のマガジンを外し背中のナノトランサーに近づける。

ナノトランサーに近づけるとそれはふっ、と消えて左手首につけられたデバイスのアイテムの所に格納される。

腰からAPマガジンを取り出し銃本体にセット、リリースボタンを押してボルトを前進させ空の薬莢の排除とマガジン内の1発目をチェンバーに入れる。

 

アフィンを見ると右手で親指を立てて来た。

 

「終わったか?」

「あぁ、終わった。いつでもどうぞ?」

射撃モードをセミオートからフルオートに変更。反動が痛いが…敵の攻撃を食らうよりマシだ。

顔を少しだけ出してさっき自分たちがいた所を見る。

 

三体の四脚兵器が砲塔をゆっくり回しながら辺りを警戒している様に見えた。

 

「アフィン、5秒カウント後、攻撃を仕掛けるぞ?」

「いつでもどうぞ」

「5.4.3…レディ…go!」

物陰から2人同時に出て敵四脚兵器を撃つ。

この至近距離だ。外れにくいだろう。

 

ダダダダダッ!と3秒ほどでマガジン内の弾を撃ち切る。

30発も当てられた四脚兵器は動かなくなった。

「次ィッ!」

空のマガジンの付いた銃を左手の方に振り、空のマガジンを飛ばす。

飛ばすのと同時にマガジンを左手で取り出し銃にセット、リリースする。

「次ラスト!脚と砲塔を狙えっ!」

「アフィン!セミだ!セミオートにしろ!」

2人で大声で指示しつつ、一体になった四脚兵器を撃つ。

最初に脚を二本壊し動かなくして、次に砲塔はーー。

「アフィン!抑えてろ!」

「えっ?あ、うん」

アフィンに砲塔を抑えてもらい胴体と砲塔をつなぐ部分にバレルを押し当てて撃つ。

 

ギュ、ギュゥゥ…ン、と砲塔が動かなくなり、鹵獲成功となった。

「ポイント、聞こえるか?敵四脚兵器を鹵獲、至急回収頼む」

『此方でも確認しました。回収班を向かわせます。ユウナさん達は任務の続行を』

「了解、んじゃアフィン、先に進もうぜ?」

「もう正直疲れたぜ」

「全くだ」

目的地である遺跡群はあと2キロちょっと。さっさと帰り寝たい。

 




誤字感想お待ちしています。

後この世界にLvの概念は(多分)ないです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

20話目

何でこうなった?と言うかそもそも後半居るか?

胸と言う単語が出てきます。注意です。


「これ…何言語だ?」

 

「さぁ…よく分からない言語って言うのは分かった」

 

 

四脚兵器群と交戦、勝利しさらに先に進み今回の任務目標の遺跡群に到着した。

壁には地球言語でも、アークス言語でも無い別の言語が書かれている。

 

「一応マグで写真と動画を撮っておくか」

 

マグに写真を撮るよう指示する。

 

「文字と言うか…絵と言うか…何だこれ?」

 

「分からん…どう言う意味が…まぁ、そこは他の科学者が調べるだろ」

 

「それもそうか」

 

 

すると一頻り撮り終えたのかマグが此方に来る。

 

「えっと…良し、撮り終わったな」

 

帰ろうかなと考えた時、奥の方を調べていたアフィンから通信が入った。

 

 

『相棒…こっちにも何かあるぞ…来てくれないか?』

 

 

「了解、今向かう。遺跡群の奥か?」

 

 

『奥だ。奥の方に大きなーー扉がある。そこの中だ』

 

 

「了解、んじゃ今から向かうわ」

 

アフィンとの通信を切りマグを所定の位置ーー右後ろーーに戻す。

 

俺のミミには駆動音とかは反応ない。この様子だとライフルも使わないだろう。

ライフルの射撃モードを安全ーーセーフティーに動かし、念の為誰もいない所に向けてトリガーを引く。

 

トリガーは動かず、弾は出なかった。コッキングレバーを少し引き初弾が入っているのを確認して、マガジンを30発入っている奴に交換する。

こうする事でマガジン内30発+チェンバー内の1発で1発だけ多く撃てる。

 

 

「ここか…まるで格納庫…か?」

 

人型兵器でも出て来そうな気がするぜ。

隣の扉を開けてさらに奥に進む。

 

 

「暗いな…マグ、ライトを頼む」

 

マグが眩しく光り辺りを照らす。

 

周りには大きなパイプや太いコードと言った如何にもS.Fチックな物が散乱していた。

 

「アフィン、アフィン、聞こえるか?こっちは中に入ったぞ?」

 

『…聞こえている。にしても暗いな此処は。マグのライトがなければ転んでいるぜ』

 

 

「全くだ。どのくらい先にいる?」

 

 

『俺の足音で分からないか?俺も分からない』

 

 

「まて……1キロ以上先だな。待ってろ?今から向かう」

 

 

『頼むぜ。1人だと怖いわ』

 

 

「んじゃ何で一人で行ったんだよ」

 

 

『…いや、探し物の気配がしてね…』

 

 

「探し物の気配…?」

 

 

『何、こっちの話だ気にするな。此処で待ってるわ。出来うる限り来てくれよ?俺か

らもう少ししたら多分行き止まりだ』

 

「りょーかい。…探し物って…」

 

 

アフィンの探し物と言った時の口調が少しおかしな気がしたが…気のせいだろう。多分。

 

にしても今居るところから1キロ以上先…走っても10分以上は掛かるぞ?

 

「…はぁ、取り敢えず進むしかないか」

 

 

数百メートル位は進んだであろうと思った時、急にアフィンから通信が入った。

 

 

「んだよアフィン、俺まだ着いてーー」

 

 

『緊急事態だ!くそッ!敵機械群が攻めて来た!援護頼む!ーーうわぁ⁈』

 

 

切れるのと同時に断続した発砲音。

 

歩いてなんていられない。走らなければ。

 

ライフルの射撃モードをフルオートにして発砲音がして居る方に走る。

 

走って

 

走って

 

走って

 

走って

 

走って!!

 

 

「アフィン!大事か!」

 

『今はまだ大丈夫ーー』

 

カキィーン、と跳弾する音が通信越しに聞こえた。

 

『ーーじゃないっぽいな』

 

 

パパパパパンっと断続した発砲音。壁に何かがーー弾か何かが当たる音も。

 

 

「持ちこたえろ!今向かっている!」

 

 

『多分だが此処にあるのが、奴らを呼び寄せているんだ。多分ーーガキンッーーくそっ!』

 

 

後ろでガチャガチャ音がしている。

 

 

 

「おい!まさか…」

 

『あぁ…ジャムった…最悪だくそっ…』

 

「おい、他に武器は!」

 

『弾数少ないハンドンガンが一丁とマガジン三個…ぁあ…くそっ』

 

「くそぉぉぉ!待ってろ!」

 

 

全速力で走る。ビーストの全力なら、1キロくらい…!

 

 

『はぁ…はぁ…すぅ…はぁ…すぅーーい"ッ!』

 

「おい!アフィン!どうした!」

 

先に光がーーアフィンのマグが出している光が見えた。

 

「もう少しだ!アフィン!死ぬな!」

 

光が迫ってくる。

 

 

「おぉぉらぁぉぁ!」

 

 

大きな広間に到着、同時に大量の機械兵器群を確認。それも数えるのが笑えるくら

い。

 

奥の方を見るとアフィンが片手でハンドガンを撃っているのが見えた。左肩から血が出ている。

 

「アフィィィン!」

 

片手を真っ直ぐに伸ばしショートバレルのアサルトライフルを出来うる限り当たらないように機械群に向かって撃ちながらアフィンに近づく。

 

 

「アフィン!聞こえるか!返事をしろ!」

 

 

弾が切れてスライドストップしたハンドガンをアフィンの脚のホルスターに入れる。

 

 

「あ、ぁあ、相、棒…か?すま、ない。やらかし、ちまった、ぜぇ…」

 

 

周りを見ながら他に移動できるところをないか探す。

 

 

「喋るな!右腕で何でもいいから止血しろ!」

 

「無理だよ…この数…俺達…此処で、終わり、かなぁ…」

 

 

合った。あそこだけ変なコンテナが積まれている。あそこを盾にすれば…。

 

 

「おい!しっかりしろ!気を保て!」

 

 

アフィンを抱えながらコンテナで囲まれた所を目指す。その間にも敵機械兵器群はバンバン弾を撃ってくる。

 

空いた右手でライフルを乱射しつつコンテナまで前進。

 

 

「相棒、もう無理だよ…楽にーー「アホ言うな!」ーーッ」

 

「お前には探しもんがあんだろうが!それを見つけられずに死ぬだ⁈いい加減にしろ!」

 

 

その間にも敵は真正面からひたすらやってくる。

 

 

撃っても、撃っても、撃っても!敵は屍を乗り越え俺達を殺すべく向かってくる。

 

 

「アフィン!的当てだ!撃って撃って撃ちまくれ!」

 

 

「……くそっ、やるしか、ない、のか…」

 

 

一応俺たちの着ている戦闘服には申し訳ない程度に止血留めの効果はある。

 

それが効き始めたのかアフィンの肩からは血は流れてはいなかった。

 

 

「アフィン!コッキングレバーをマガジンを取って思いっきり何度も引け!」

 

 

「ッ……クッソォ…」

 

「良いぞぉ!その調子だ!」

 

その間も休む事なくライフルを乱射する。

 

ガチャン!とコッキングレバーが手前で止まった。マガジン内の弾が切れたらしい。

「通常弾ナシ…後は通常マガジンか…」

 

頭の中で一瞬メセタのことが思い浮かんだが…生き残らなければ意味がない。

 

生きる為のメセタだ。逆の為ではない。

 

「ッ……ーーガシャンーー!良しっ!治った!行けるぞ!」

 

 

アフィンのライフルがさっきまでのジャムは何だったのかと言うくらいに軽快に動き始めた。

 

「流石に減ってきたか⁈」

 

「寧ろそうじゃないと辛いんだけどなぁ!」

 

「全くだ!ーー弾ナシ!リロード!」

 

「了解!カバー!」

 

片方がリロードーーマガジンチェンジに入るともう片方が敵がいる方に弾を乱射する。

 

乱射して牽制している間にマガジンをチェンジーーリロードして、また片方がーーを何回か繰り返す。

 

 

何分たっだろうか。はたまた何十分だろうか。

 

 

 

どうにか敵機械兵器群を撃退した俺達は背中を寄せ合って座っていた。

 

本来ならさっさと帰るべきだがその体力も、もはや無い。

 

「はぁ…全く、アフィン、お前が先に行くから…こんな事に」

 

「悪かったって。生きて此処を出れたら本当に何でもするよ」

 

「ほんと、生きて出れればだけどなぁ」

 

あの機械兵器群の数…明らかに多過ぎた。今考えられるのが此処はあの兵器群の生産

 

工場。敵の生産工場ど真ん中に来たって事だ。

 

「帰ったら絶対にミルクアイス食べてやる。吐くほど」

 

 

「ーーなぁ、そういや相棒、このコンテナカタチおかしくね?」

 

「たしかに…よく見りゃ脚っぽくね…待て!敵⁈」

 

「ならとっくに動いている筈。マグ、上にーーくそっダメか」

 

「なら俺らで登るしか無いな…ハシゴは何処だ?…アフィン?立てるか?」

 

 

右手を伸ばし捕まるよう促す。

 

「あ、ぁあ、大丈夫だ、一人でーーうわっ!」

 

アフィンはそのまま立てると言い案の定ーー倒れた。

 

 

俺に向かって。

 

 

「イッテェ…相棒、大丈夫ーー柔らかい…⁈」

 

見事に右手は俺の胸に添えて、俺の上に倒れた。

 

右手をモミモミ動かしながら戦闘中と生活中に、肩にスリップダメージを入れてくる胸を揉んだ。

 

 

「ちょっ!アフィン!よ、よせっ!やめろっ!」

 

 

揉まれた瞬間、ミミと尻尾と足と腕にーーと言うか全身に力が入らなくなった。

 

 

「わ、悪りぃ…」

 

横にアフィンがくるりと周り立つ。さっき転んだ奴とは思えんな。

 

「さて…アフィンくん?」

 

「は、はぃぃぃ!」

 

さてと…どう言うか…。

 

「俺の胸はどうだった?」

 

「とっても、すごく柔らかかったです!」

 

ライフルのストックで殴ろうとしたのは誰にも止められなくても良いと思う。

 

最もこの身体で何だかんだ過ごしたんだ。多少は愛着湧くさ?だからかな?

 

「アフィン…恥ずかしいから人前で言うなよ?」

 

「はい!」

 

「言ったら…上に言うからな?」

 

「は、はいぃぃ!」

 

「よし…なら行くぞ。…女の胸を揉んだんだ。絶対に生きて帰るぞ」

 

「……あぁ。絶対、な」

 

 

 

 

 

 




何で攻略するんですかねぇ…?攻略する所は別なんだよなぁ…。

誤字報告感謝感激何たらかんたら!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

21話目 脱出準備

リリーパは機械の敵が居るから此奴が居ても不思議じゃない。


 

「此処だ、此処からなら上がれそうだ…先に上がれるか?」

 

コンテナーー脚らしきものの周りにもコンテナが散乱しておりそれらを足場として登って行くことにした。

 

「俺からか。…ふんっ!ーーダメだ、片手じゃ…」

 

「俺が下から上げる。足場にしろ」

 

アフィンを退かし登るコンテナの手前に立つ。

 

「さぁ、来い!」

 

「来いって…どう登れと?」

 

「こう…俺が両手で足場を作ってそれを乗り越えて上に向かうーーみたいな?」

 

「…俺の体重支えられるか?」

 

「…何キロだ?」

 

 

「64キロくらいだった筈」

 

「……無理やん」

 

「…そうだ。蹲れるか?」

 

「蹲れ…?体を丸めろってか?」

 

「四角にして足場になるんだ。これなら多分いける」

 

「…やるか」

 

コンテナ手前で体を丸める。

 

「こうか?」

 

「あぁ、これなら…」

 

そう言いアフィンが背中に足をつける。

 

 

「少し痛いと思うが我慢してくれ…」

 

「…ッ!……まだか⁈」

 

「もうーー少しぃーー」

 

ゆっくりとアフィンはコンテナに登る。

 

足が離れたら立ちアフィンを下から持ち上げる。

 

 

「ふぅーー良しっ!行けたか⁈」

 

「オーケーだ。コッチにはーーうぉ!」

 

「どうした!敵か!」

 

足元に置いてあったライフルをコンテナの上に投げる為に手に掴む。

 

「見ろよ相棒!ロボットだ!」

 

「ーーロボット?」

 

急いでコンテナを登りアフィンがロボット、と言うものを探す。

 

「こいつは…本当にロボットじゃないか…」

 

そこに鎮座するは本当にロボットーー手持ち兵装を持ちその場で埃を被りながら立っていた。

 

「しかもちゃんとした二足歩行…このサイズーー乗れるんじゃないか?」

 

「これに乗って此処から脱出ってか?そんな映画みたいな…」

 

だがこれしかないのも事実。マグを見れば周辺情報はECMと書かれて砂嵐になっている。

 

徒歩で戻ろうにもアフィンがーー今はどうにか歩けるがーー被弾しているし、さっきの戦闘で出口付近にも四脚兵器群の足音が少しーーギリギリ聞き取れるくらいにはいる。

 

「コックピットはーーアニメとかでは大体胸だよな?」

 

アフィンは胸と言い一瞬此方の胸を見てきた。

 

「胸は胸でもその胸ではない」

 

「…ぱっと見、無いよなぁ…」

 

「んじゃ頭はどうだ?あの複眼ーー彼処は?」

 

人型兵器は良く胸がコックピットになっているが、もし本当に搭乗型人型兵器が出るなら頭の下か安定する股間部だろう。

 

股間部はまぐれ当たりが怖いが。

 

破損したコンテナを伝い頭に向かう。

 

「あった…頭だ」

 

「良くある二つ目二つ目(ツインアイ)じゃ無いんだな」

 

単眼目単眼目(モノアイ)でも無いがな。

 

しかしどうやって上げるものやら…この辺りを探ってみる、と言う手もあるが中々動けない以上、適当に弄るしか無いし。と言うかこれそもそも乗れるんだよな?

 

そんな事を思っていると急に頭部が前に上がった。

 

「うぉ!う、動いたぞ!」

 

「……入れってか?」

 

「アニメでもダンデムの奴なんてあったか⁈」

 

「外にいるよりはマシだ。行くぞ」

 

コックピットと思われる中に入る。

 

「ぁあ!生き残る為には仕方ねぇ!」

 

 

「おぉ…完全なコックピットだ…」

 

周りには色んなスイッチ類が沢山あり、真正面には大きなモニターが何枚もある。一枚も割れていない。

 

「おいアフィンーー俺達本物の人型搭乗ロボットに乗ってるぜ…」

 

「あぁ…さっきは此処までと思ったけど…これは、何かクルものがあるなぁ」

一度二人でコックピットから外に出る。

 

「にしても狭いな…二人は無理だな…」

 

「まぁ、想像はついたけど…」

 

サイズは一人はいるのが限界の大きさだった。

 

「うーむ…仕方ないアフィン、先に入って座れ」

 

とった策は一つ。これしか無い。多分。

 

「えっ?あぁ…よいしょっとーーおぉ…すげぇよこれ。ヤバイよ」

 

アフィン君はもう言葉に出来ないレベルで感激しているご様子。

 

「よし、座ったな?」

 

俺もコックピットに入りコックピットシーツに座ったアフィンの上に座る。

 

「お、相棒!何やってんだよ!」

 

「アフィンと俺が座るにはこれしか無い。我慢しろ」

 

「いや!俺は別に良いけど…」

 

「そうか。なら色々スイッチを弄るぞ?」

 

周りにある色々なトグルスイッチを入れる。

カチリ、カチリ、カチリ…無反応。

 

「おかしいな…何故動かん?」

 

「もしかして、メインエンジンが壊れているとか?」

 

「エンジンが…?待て、考えろ。車に例えるんだ。エンジンをかける時、何時もーー」

 

何時もやっている事、と言おうとしたらアフィンが答えた。

 

「ーードア?」

 

「ドア?ーーコックピットハッチか!」

 

上を向き上がっている頭部パーツを見る。

 

「これ手動か?自動か?」

 

「さぁ、取り敢えずこっちから引き込めるか?」

 

「試すわーーよいしょ」

 

立ち上がり頭部パーツを閉める。

 

完全に閉まるとプシュ、と音がして目の前が真っ暗になる。

 

「閉まったな…」

 

「あぁ…」

 

少しすると目の前のモニターが明るくなり謎の言語をカーソルが映し出した。

 

「なんだ…これ?さっきの遺跡群と同じ言葉か?」

 

「左右のスティックで動かせるか?」

 

見ると右のスティックにアナログスティックが付いているのがモニターの光で分かっ

 

た。

 

「ーーあぁ、動かせる。下に動かして見るわ」

 

案の定アナログスティックで謎言語のカーソルを下に動かす。

 

何個か動かすとまた見覚えのある方言語が。

 

「ーーRe'Boot…再起動?」

 

「どうした相棒、読めるのか?」

 

「……少しだが…多分、これか?」

 

再起動にカーソルを合わせる。

 

ーー反応なし。決定キーみたいなのが必要なのか?

 

「…トリガー?」

 

親指でアナログスティックを操作し、人差し指でトリガーを引く。

 

キュィィィン、と言う音が後ろから聞こえ、コックピット内のボタン類とその下のーー今まで謎言語だった文字が英語に変換された。

 

「お、相棒!何をしたんだ⁈」

 

「…再起動…FCSに各アクチュエータロック、解除?メイン…エンジン、回転数、アップ?」

 

モニターに色々な情報が上がって行く。

 

下のコンソールを見ると何個かボタンが光っていた。

 

そのボタンの下にはFCSやActuator、M.engine等色々書かれていた。

 

「…光っている順に、押すのか?」

 

何個かおしているとモニターに光が通る。右、左、最後に正面のモニターが光が灯る。

 

「うぉ、まぶしっ」

 

両手で目の前に影を作る。

 

目が慣れるとモニターに映し出されたのはーー今乗っている機体を背後から見た映像だった。

 

機体を覆うように丸い縁が描かれており右側には0435、左側にはNoneと書かれている。

 

「起動…成功か…?」

 

「…すげぇよ相棒…こんなモンをいきなり動かせるなんて…」

 

「まだ動かしてないよ。どれがアクセルだ?」

 

足元のペダルをゆっくり踏む。

すると機体の足が動き、一歩前に進む。

 

「動いたよ!動いた!」

 

「落ち着けアフィン。俺も内心テンパってんだ」

 

左スティックを動かすと左右に動いた。右スティックを上に動かすとカメラとーー右腕に持っている銃器が一緒に上を向いた。モニターの中の照準器を動かすようだ。

 

「よーし…何となく分かったぞ…アフィン、これは生きて出れるぞ…」

 

「本当か!」

 

「あぉ…今からこいつを使って此処を強行突破する。出来れば敵と交戦したくないが…」

 

ゆっくりペダルを踏み左スティックで入り口に機体の進行方向を合わせる。

目指すは地上、最初の遺跡群だ。




此れが後にA.I.Sの元に…的な?唐突にAISが出て来たんだ、コレぐらいはね?
主人公はアフィンを唯の男友達と思っています。それ以上でもありません。(アフィン本人は除く)

適当に作ったデータとか必要だろうか…?



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

22話目

所で本来ならリリーパでゼノとエコーと会うはずなんですが…この小説だと脱出時になりそう。


「良し…此処から出るぞ」

足元のペダルを踏み一度前進、その後右スティックを左に向け此処に来た道を戻る。

「レーダー…みたいな物は積んでないのか?相棒?」

「見た所結構古めだし、壊れているんじゃないか?……まぁ確かにレーダーがあればなぁ…流石に自慢のミミもコックピットからじゃ分からないしなぁ…」

右スティックを動かし左右を見る…コレよく見たら左手も連動しているな。武器を持っていないだけで。

「なぁ相棒、このボタンは何の意味があるんだ?」

アフィンがコンソール下部にあるSUBと書かれたボタンを指差した。

アフィンが指をさしたボタンを少し置いてからみる。

「SUB…スブ…ス…サ?ブ?サブか?」

「サブって…良く相棒が言うこのハンドンガンの事か?」

「サブって言うのは副ーー俺らの主兵装のライフルの補助武器って事だな。試しに押せってか?」

「いや、何か有ったらたまったモンじゃない。やめておこう」

それから少し進みーーアフィンと少し話し合った頃ーー少し経った頃。コックピット内に甲高い音が響く。

「なんだ⁈」

ペダルを離しその場に止まる。

腕を動かし周囲を見回す。

「何だ?敵か?」

「いや、俺らの敵が此奴の敵だとは限らない。此奴にとっちゃ多分だが、あの四脚兵器は味方だぞ」

「逆に味方の場所とか分からないのかよ」

「それで敵の位置を探るって?流石にそこまでーー」

機体の上半身を左右に振っているとモニターにFriendlyと表示された。

「ーー本当に居たよ…」

「これズームとか出来ないのか?」

「やってみる…どれだ?…これか?」

そこら辺に合ったボタンを一つ押す。

すると機体が映っていたモニターが今度はコックピットから見たカメラに切り替わった。

「…これ…あっ、下にズームとアウト合ったわ」

照準器をFriendlyに合わせズームボタンを押す。

「…真っ暗で見えないな」

「熱センサとかー ーー熱を捉えるほど発してるか?」

「暗視補正とかは?」

「…ダメだ。分からない。攻撃して来ないと祈って進もう」

「…相棒が言うならまぁ…」

ペダルを踏み真っ直ぐ進む。

3秒ほど歩くと一個しか無かったFriendlyのマークがいきなり何個ーー数十個か?モニターがFのマークで埋められた。

ペダルを離し一度アフィンと話をする。

「…なぉアフィン…別の道探さないか?」

「あぁ…それがいいだろ。流石にこれは…」

「…此奴の装甲ーー大体厚いか薄いかの二択なんだがーーが機能するかも怪しいしな。さっきの部屋まで戻ろう」

右スティックを右に倒し機体を180度回り、此奴の格納庫に戻る。

 

「……」

「…今言うのも何だが…アフィン、謝る事、あるか?」

「えっ?何をいきなりーーいや、そうだな、ごめん、先行して」

「まぁ、それもそうだな。アフィンが突らなければこんな事にはならなかった訳だし…いや、なっていたか?」

喋りながらも両スティックを動かす。

「ーー本当にごめん…帰ったら何かおごるよ」

「…マトイもな?」

「…はぁ、オーケー」

「交渉成立!」

「俺一応怪我人だぜ?頼むよ?」

「そんな事を言ったって…いや、一応見ておくか」

そう言いペダルから足を離し後ろーーアフィンの顔が見えるように反対に座る。

「お、おい⁈」

「左肩ーー少し触るぞ?」

「聞けってーーイッタ!」

「まだ痛むか…」

これ下手したら銃弾ーー果たして四脚群が放ったのが実体弾だったらの話だがーー残ってるかもしれないなぁ…。

「アフィン、肩の裏はーー良かった。貫通してる」

「貫通している事に良いも悪いもあるか!第1めちゃくちゃーー」

「ーー貫通してなかったら弾丸取るために摘出手術だぞ?」

「ーーそれでも痛いもんは痛いんだよッ!」

アフィンに力説された。

 

「良し…此処から出るぞ」

相棒が発進する為の準備をする中、俺は何故こうなったのか思い出す。

 

俺は相棒より先に先行し、大きな遺跡の中に入り、さらに奥へ奥へと進むうちに敵四脚兵器群に撃たれてしまい、あわやと言うところでこの俺の膝に座っている銀髪だか灰色だか分からない長髪の相棒ーーいや、少女、ユウナに助けられた。

まただ…思えば最初の適合試験時もその場のノリでなった相棒に助けられたなぁ…。

 

そんな事を思い出し始めていると、ふと、この兵器の事が気になり視線を前に戻す。

相棒が動かそうとしているこの大型機械兵器ーーいや、人型兵器を動かそうとーーいや、動かし始めた。

目の前には大きなモニターがあり、沢山のスイッチやスティックが何本か合った。

それらには俺達アークスが一般的に使うアークス言語では無く別の言語を大量ーーいや、全てにおいて使っていた。

相棒はゆっくりと足下ーーペダルが多分3、4個程あり、相棒はその内の一個をゆっくり踏んだ。

踏むと同時にこの大型機械が動き出し、モニターが向いている方に歩き出した。

此処でふと良くアニメなのであるレーダー的な何かを積んでいないのか気になり、相棒に言ってみた。

「レーダー…みたいな物は積んでいないのか?」

「見た所結構古めだし、壊れているんじゃないかなぁ?……まぁ確かにレーダーがあればなぁ…流石に自慢のミミもコックピットからじゃわからないしなぁ…」

そう言い相棒は左スティックを動かしモニターが見ているところを動かした。

相棒の後ろばっかり見ていると色々辛いーー特に股間部がーーのでその下のコンソール部分を見る事にした。

「なぁ相棒、このボタンは何の意味があるんだ?」

パッとみ目に付いたのがこのボタンだったので相棒に聞いてみる。

「SUB…ズブゥ…ス…サァ…ブ?サブか?」

サブサブサブ…何処かで相棒から聞いた事が…あっ?

そうだ、ハンドンガンの事か?良くサブアームは持ったかって割りかし時折多めに言うしーー割りかし時折多め?

「サブって…良く相棒が言うこのハンドンガンの事か?」

「サブって言うのは副ーー俺らの主兵装のライフルの補助武器って事だな。試しに押せってか?」

そう言い右スティックを離しそのサブボタンを押そうとする。

「いや、何か有ったらたまったモンじゃない。やめておこう」

「ーーだろうな」

離した右手を右スティックに戻し、モニターに注目する。

「そういやアフィン…銃の分解ーーちゃんとしてるよな?」

少し、プチんと来た。俺だってそこまでやって貰おうとはーーできればやって欲しいけど…。

「な、流石に俺だってしてるよ!ーーposで見ながら…」

最後の方だけ小さくなったのは仕方ない。今思ったがもしかしてジャムったの自業自得…?

そして聞こえないと思っていたが、それはヒューマンの話。相棒ーー事、俺と同じニューマンでビーストな相棒にははっきり聞こえていたらしい。

「ポスーーネットでか⁈だからかよぉ……それ本当に見た通りに戻したのか?」

相棒がいきなり振り向き俺の顔を見た。あっ、犬歯見えた。

「あぁ、見た通り戻したーー多分」

「…っ…」

ミミをぺったんこにしながら前を向き直す。

「アフィン…」

「……もしかしてやっちゃった?」

「もう既にやっちゃってるよぉ…」

此れだから分解は怖くてできないんだよ!

「そもそも銃って掃除しなくても使えるのが銃じゃないのかよ!」

「ーーッ!アフィン、耳元でーー」

「だから俺はレンジャーになったのに!」

「ーーッ!だから!耳元で!叫ぶな!」

「あっ…ごめん」

すぐ怒られました。

 




本家は主人公(+アフィン)は第三世代ですがこの小説だと第七及び第八世代と倍以上になっております。
何故かって?
200年以上ダーカーと交戦して世代分けが三世代っておかしくね?
因みに第三、第四世代が本家の第一世代。第五、第六が二世代目となっております(絡むことは多分ないと思うけど)
第一第二?フォトナーじゃね?(


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

23話目

実はと言うと行き当たりバッタリな小説なんです。なお今回少しエッチな言葉が出てきます。注意を。


「ーー塞がれているな」

「あぁ、見事なまでに塞がれているな」

周りでカサカサと四脚群が動き回るのを見つつ、間違って潰してIFFを解除されないようにゆっくり進み出口まで六割、と言う所で上から瓦礫が落ちていて先に進めずにいた。

「どうする相棒?」

両スティックとペダルから手と足を離しその場で止まった。

「…吹っ飛ばすか、他の道を探すか…」

前者はそもそも持っている武器が爆発する兵装かすら不明なのでNG。弾数的にも爆発系武器とは考えられにくい。よって必然的に後者になるわけだが…。

「戻るにしたって…なぁ…」

この地味にこの人型兵器には狭い通路を下にウジャウジャ居る四脚群を潰さずに時間をかけて来たんだ。これから戻れって言うのもなぁ…。

「一度戻ってみようぜ?これに乗っていれば原則四脚群は攻撃してこないんだろう?」

「お前…動かすのは俺なんだぞ。そんな簡単に言うがーー」

機体を180度転進。来た道をもう一度戻る。

 

「良し…到着した」

3分ほどして此奴の格納庫に戻ってきた。

「…何もないなぁ。一層の事そこら辺の壁に武器ぶっ放すか?」

「…生き埋めになりたければな。最も此奴の頑丈さが分かればーーいや、ダメだな」

万が一壊して抜け出せたとしても、四脚群が来た場合どっちにしろ交戦しなくちゃならんからーー詰んでね?

「サブモニターみたいなの無いのか…?」

モニターから目を離した下のコンソールを見る。

「ウォッシャー、ちゃ…チャフ、マガジンリロードーーこれリロードする意味あるのか?」

リロードの左にはレフトメイン、ライトメイン、サブと一つの輪になって武器チェンジと書かれていた。

「これレフト押せば武器チェンジ出来るのか…?」

押すとギュイーン、と言う音と同時にモニター内の円に600と追加されてた。

「600発ーー左600、右435発…無いよりマシから十分手前になったな」

「試しに左武器撃ってみようぜ?」

「…アフィン…まだ敵地だぞ?」

「もしかしたら隠し扉みたいなのがーー」

ある、と続けると思った時、モニターに明かりが映ったのが見えた。

「ーーなんだ?アレ…」

「扉か?近づいてみよう」

「…あぁ」

機体を動かし明かりに近づく。するとモニターにdoorーードアと表示されてPush.S.U.Bと下に表示された。

「相棒、なんて書かれてんだ?」

「えぇーードア、サブを押せ?」

「押してみよう」

言う通りにサブを押す。すると右手の武器が消えて五本の指が現れた。

「はぁ、やっぱり人型兵器は五本指なんだなぁ…」

「この機体絶対高性能機だよ。アニメなら」

「全くだな」

機体をそのまま前に動かし明かりーーボタンを押す。

プシュゥーーと音がして辺り一面壁だらけだった格納庫らしき所の一部が割れ、この機体が歩ける程の道ができた。

「道…出来たな」

「これで進めるな」

サイドサブボタンを押し右手に武器を待たせて、ペダルを押し機体を前に動かす。

ふとサブのボタンの隣にサブモニターと書かれた枠を見つけた。

「モニター…あるじゃないか!」

すぐさまそのモニターボタンを押す。するとモニターの右上に小さなモニターが出て来て何かを表示した。

「どうした?何をーーモニターのボタン、だったか?」

「押したはいいが…これか?」

モニターと囲われているボタンをモニターーーメインモニターの明かりで押しまくる。

「これーー来た!レーダーだ。動くか?」

サブモニターにSystem S.up《システム起動》と表示され、棒線が少しづつ伸びていく。

「これで周囲のデータが見れればーーあわよくば出口が見つかれば…」

「そうすりゃ出れる。アフィン、忘れてないよな?」

「えっ?…あ、あぁ、分かってる。アイスだろ?」

「覚えてんじゃないか。取り敢えず、此奴の起動が終わるまでは待機だな」

サブモニターを指差しスティックとペダルから足を離す。

「あとさ。凄く言いにくい事言っていい?」

「な、何だ?」

「アフィンってさ?こんなーーこの至近距離で女の子と話した事ある?」

「えっ?そ、そりゃ…ねぇ?」

「アフィンの股間。当たってるよ」

「ーーし、仕方ないじゃないか!こんなかわーー女の子を膝に抱えて結構経ってるんだぞ!」

「まぁ、確かにな?それは経験ーーする前になったから無いけど俺も今アフィンと同じ状態になったらそうなるしなぁ…」

「経験?なった?ーーまさか!」

「んぁ?」

「相棒ーーいや、ユウナちゃん!」

いきなり両肩を掴み前後に動かす。お前肩はどうした?

「ユウナちゃんって!処女膜あるの⁈」

「そうに決まってんだろアホエルフ」

後ろを向けないから左関節を思いっきりアホエルフに叩き込んでやった。

 

「ごめんって…本当に御免なさい!」

「…」

一悶着あった後、無事にレーダーが起動し、周囲の情報が3DCGで映るようになった。

止まっていた機体を前進させ出口と思われる所に今は向かっている。

「今度銃買ってあげるからさ!ね?」

「…」

俺は子供か?…いや、今の外見だと子供なのか?

そんな事を考えていると急に甲高い音が聞こえた。

「な、なんだ⁈」

左サブモニターにEnemy radar Detection《敵レーダー波探知》と表示され、右サブモニターに敵のレーダー波を逆探知して、敵の位置が表示された。

レーダーにはFriendlyの文字は無く、Enemyの文字しか写ってない。

「ねぇ⁈相棒⁈ヤバイんじゃないの⁈」

「…大事だ、さっきの処女云々の話よりはマシだ」

敵のいる位置に壁越しに照準を合わせる。スティックにロックのボタンが有るが…これ押すと敵にもレーダー波が飛んで探知ーーと思ったが既にロックされている以上、関係ないか。

「交戦するぞ、舌噛むなよ!」

「お、おう!」

ペダルを思いっきり踏み、大きな通路に出る。

出たと同時に敵にロックオン。敵の方にモニターを固定させる。ズドンッ!と大きな音がして機体が揺さぶられる。

「うわぁぁぁ!」

「ッ!しっかりしろ!次!来るぞ!」

ダメージを気にせず大きな通路を進む。

有る程度近づくと此方の射程圏内に入ったのか左右の武器の残弾の所にロックと表示された。

「よしきた!」

左右のスティックのトリガーを引き弾をばら撒く。

3秒ほど撃って中々大破しない、と思い急遽ロックを外し敵の持っている大口径砲を撃つ。砲身でも壊れれば突破出来ると考えていたが適当に撃った何発かが見事に弾薬に当たり爆破、余波で敵兵器も誘爆した。

「…っはぁ…死ぬかと思った…」

「なぁ、相棒、俺生きてる?」

「…多分な」

「…相棒の尻尾のモフモフを感じるから生きてるなこれ」

「あぁ、そうかい。んじゃ進むぞ」

モニターには大きな通路を4キロほど直進した後左に3キロで出口と書かれていた。崩れてなければいいが…。




所でこれルビ振れているのだろうか?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

24話目

忘れ去られたと思われる頃に投下。


「此処をーーって扉、無いじゃないか」

機体を動かし約2分。モニターに表示された通りに向かうとやはりと言うべきか、壁しかなかった。

モニターに連動するスティックを動かし周りを見るもそれらしきものは無し。

「アレだろ?どうせどっかにサブアームで押せって言うんだろ?」

「……コンソールは……それらしきものはないな」

もう一度、スティックを振り頭部を動かし、見落としがないか探す。が、コンソールらしき表示は出てこなかった。

「アレか?撃つのか?」

「それは最終手段だ。…まぁ、簡単に使うんだけど」

扉と表示されて居る所からブレーキペダルを踏み込む。機体は後ろに歩き出し始めた。

少し離れた後、スティックを動かしドアらしきものに手動で武器を向ける。

「お、おい相棒、撃つのは最終手段じゃーー」

「アフィン、取れる選択肢が無ければ最終手段が最初の手段になる」

照準を扉ーーいや、今は壁か。壁に合わせトリガーを引く。

「それ最終手段って言わないって!」

壁に向けて両手から放たれた弾丸が襲う。

ほぼ水平に撃ったのにもかかわらず何故か壁が壊れない。

と言うか煙で見えない。

「おかしい…少し下がるぞ!」

機体を後ろに下げ煙が晴れるのを待つ。

「おい相棒…壊れてないぞ…?」

「おかしい…何ミリの銃弾かは分からんが…無傷、なのか?」

大体こう言うのって徹甲弾がメインの弾丸ーー砲弾?の筈なんだが…。仕方ない。

「……モニターで他の場所ーーエグジット、だったか?」

「えぐじっお?なんだそれ?」

「…出口ーー確かそんな意味だったはず」

正直俺も英語はそこまで詳しくない。意味もあっていたかも最早分からない。

モニターを色々触りexitと選択する。何箇所か点が表示された其処にW.Pと書かれている。……これで出口に向かえれば良いが…。

「ーー待て。モニターの倍率を上げれば此処の全体図見れるか…?」

だがそんなボタン何処に…モニターの周りに合ったりしないか?

モニターを手で触りそれらしきボタンが無いから探すーー無い。カーナビとは違うようだ。

「此処からさらに先ーー4キロか…」

「4キロ…そういやコイツの燃料って何だ?フォトンジェネレーターか?」

「なんでこんな惑星にそんなフォトンジェネレーターを使った人型兵器があるんだよ。多分化石燃料…だろう。多分」

「化石燃料?なんだそりゃ?」

「あぁ…色んな生物の死体?化石?からこう…なんかそれっぽい燃料が出来るんだよ」

「フォトンジェネレーターと違うのか?」

「フォトンジェネレーターは確か…何も出さないクリーンなエンジンーーエンジン?だろ?此奴みたいなエンジンは空気を汚すんだよ」

「その化石燃料って目に見えるの?」

「そりゃ水みたく見える物質だからな…」

「じゃあそれって有限じゃない?」

「……そうだな」

「それって後どのくらい残ってんの?」

「それを見るには燃料計をーー燃料計何処だ?オイル、オイル…」

オイル、オイルと言いながら各種装置を見ていく。

「オイル、オイル、オイーー」

「相棒、アレじゃないか?」

一箇所を指差すアフィン。其処にはFuel gaugeと書かれていた。

「フュール?フュールか…」

針は八割を示している。充分だ。

「燃料は大丈夫…取り敢えず表示されているように、最初の…W.P1?に向かおう。ーー道順モニターにオーバーレイ出来ないのか…?」

「おう、分かった」

壁からモニターを話し来た道を道順通りに進む。

 

「…おかしい…四脚群を見ないぞ…?」

機体を動かしW.P1に向かう途中、1機も見かけなかった。見かけなければ踏み潰す心配は無いとはいえ…。

「確かに…あそこだけでもあんだけ居たんだ。それこそダーカーみたいに…」

モニターにもFriendryと言う表示もされない。もしかしたら変なボタン押して表示されないようにしたかもしれなくも無いが。

「ふむ…」

「…」

話す事が無い。

そもそも何故こんな辺鄙な惑星にこんな浪漫溢れる人型兵器があるのか。

アレか?この惑星の原住民ーー今はこの機体の放置具合から言って居なさそうだがーーは戦争大好きで仕方ない原住民だったのかな?

そう思うとあの四脚群も無人機っという事で大量量産して敵地に航空機か何かでばら撒けば撹乱できるし…。

「…案外シャレにならない所に来たのかもしれんなぁ…」

「?どういう事だ?相棒」

「いやな?なんでこんな惑星にこんな浪漫機体があるのかなぁって」

「……確かに……なんでだろう」

「…まぁ、戦争用だと思うがな」

「…戦争って……戦争ってなんだよ?」

「えっ?」

戦争、というの言葉に反応するアフィン。待て待て、なんだ?このーーいや、オラクル船団には戦争って言う概念が無いのか?

「あぁ…そうだな…うぅむ…」

「…そんな説明しにくいのか?」

「……うぅむ…そうだな、俺達がやっているダーカー殲滅戦。これもある意味戦争…戦争か?」

局地戦な気がするが…相手は幾らでも湧いて来るし。

「あぁ?だってそれは、ダーカーは俺達が3種族が生き残る為だろ?戦争って生き残る事なのか?」

「…うーん?生き残る事は大事だが…なんて言うんだ?自分と合わない人を攻撃するって言うのがすごく簡単な戦争…戦争?」

戦争とは何だ?

「うぅむ…すまん、相棒。俺には分かんないや」

「それで良いさ。そんな事を考えるより先に脱出しないと」

甲高い音が鳴り機体がW.P1に到着した事を告げた。

「W.Pは何個だ…3個ーー3個目が出口だから後2個か…」

「もう少しか?」

「あぁ、もう少しでーー」

甲高い長めの音が一回、短めが5回、急になり始めた。

モニターにLookの文字。ロックの文字の周りの円の一部が赤くなる。

「何だよこれ!」

「くそっ!ロックされた!動くぞ!」

ペダルを思いっきり踏み敵がいる方向を向く。

「なんだいありゃ!四脚群がーー」

一体だけ、と言おうとしたら後ろに大量の敵マークが。

「くそっ!出口は向こうなのに!攻撃するぞ!」

「りょ、了解!」

左右のトリガーを押し銃器から弾丸が発射される。

キンキンキンキンと甲高い音が断続的に発射される。

弾丸が敵に当たるたびに爆発、木っ端微塵にしていく。

「コレは、榴弾か⁈APじゃ無いのかよ!」

「榴弾⁈榴弾ってなんだよ!」

「当たった瞬間爆発する弾だ!アフィン!習わなかったか⁈」

ロックオンせずスティックを動かしながら敵のいる所に弾をばら撒く。

モニターの照準器の左右の残弾数がみるみる減っていく。

「残弾数がもう無いな…良し、アフィン!突破するぞ!」

「突破⁉︎まだ敵はーー」

「律儀に相手してたら弾が無くなる!行くぞ!」

ペダルを思いっきり踏み込み進む。思いっきり踏み込むとモニターにBoostと表示され走るより早く動けた。

ブーストモードで敵を吹っ飛ばしながら俺とアフィンはW.P2を目指す。

 

 

 




正直これリリーパでエコーとゼノ達と合わせるためだけにリリーパに来たんだぜ…いつ会えんだ?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

25話目

ルーサーF記念(昨日)


「よぉし、W.P2に到着…アフィン、生きてるか?」

顔を後ろに向けアフィンを見る。

「…ぁあ、死んでるよぉ…」

「無駄口叩けるんなら大事だ。残るW.Pは後一個。それで脱出出来るーー筈」

「本当に脱出出来るのかなぁ…」

「ーーす、スター、てぃ、ティング、カタパルト、発進口?的な事を書かれているからまぁ、多分その筈」

サブモニターにはStarting catapultと書かれておりW.P3の場所がそこになっている。

「また敵と会ったらどうすんだ?」

「…残弾的には…キツイな」

モニターの残弾計には左358、右23…右の銃は弾なしと扱っても良いだろう。

「左358発、右23発…右はもう無いな」

「左見たくチェンジボタン押せば何かあるんじゃ無いか?」

「…押すか」

その場で機体を止めて、右チェンジボタンを押し武器いや、持ち替える。

残弾計が数秒0になりーー左もゼロになった。

「どういう事だ?」

「多分、両手で保持する武器だと…思う。いや、武器であってくれよ」

そしてモニターに現れたのは多数のバレルのある銃器ーーガトリングだった。

更に数秒後、右側の残弾計が9999発になり、その数字の横に小さくx5と表示されいる。

「ーーガトリングガン…動くのか?」

「待ってろ、今引く」

トリガーに指を少しかける。

するとガトリングのバレルが回転し始めた。

「お、あ、相棒、大丈夫なのかこれ?爆発しない⁈」

「多分。いける…試射するぞ…」

更にトリガーを引き弾を発射する。

ギュイィィィーーとガトリングにしては少し遅めの発射レートーー多分、さっきまで持っていたライフルらしき物の方が発射レートはある気がする。

「撃てた…撃てたぞアフィン!」

「やった!残弾数は⁈」

「9980と9999×4だからーー49976発…か?」

「十分じゃないか!」

「あぁ、敵地で弾なしってのは回避できたーー最も、もうすぐ脱出出来るが」

モニター上、サブモニターを指差す。サブモニターにはW.P2ーW.P3 15 ETA Error と写っている。

「いや…相棒、俺この言語読めないし」

「あぁ、すまん。えっとだな、W.P2からW.P3ーー出口だなーーまで15ーーキロだよな?多分。到着時刻…エラー…?」

「なんでエラーなんだ?」

さっきまで伸びていたアフィンが口を出す。

「……多分アレじゃないか?俺達今止まってんじゃん?」

「あぁ」

「止まってるから目的地に絶対着かない。イコール到着時刻が算出出せない、て事じゃ?」

「あぁ…成る程。んじゃ動けば良いわけか」

ペダルを踏み機体を少し動かす。

「…うぅむ…まだエラーだ」

「とりあえず、そのまま地図道理に真っ直ぐーー」

突然鳴り響く警告音。この音はーーさっき大量に敵と交戦した時の警告音!

「相棒!この音!」

「そうだ!またくるぞぉ!」

モニター左右が赤くなる。どっちだ?いや、こういうので良くあるのはーー。

「ケツかぁ!」

モニターと連動したスティックを右に振り、モニターが今まで向いていた後ろ側を見えるように振る。

するとモニターには多数のEnemyの文字。隣にはSpar'GやSpar'Aと書かれている。

「アフィン!迎え撃つぞ!」

「俺に言ったって何も出来ねぇよ!」

ロックせずに敵が来るであろう場所にガトリングをばらまく。

数十発が敵四脚群に当たり爆発を連続で起こす。

その都度モニターにDestroyと表示される。

「ーーー見ろ!相棒!あの四脚!」

「あぁ!どの四脚だよ!」

俺の後ろから指を指すアフィン。

「あのーーほら!アレ!」

「あれぇ⁈あのGって書いてあるやつか⁈」

「わかんねぇけど、多分!それの頭に主砲ついてる!気をつけろ!」

「マジかよ!奴を優先的にやらなーーきゃ!」

「うぉ!」

コックピット内を甲高いーーそれでいて機体の合成音ではない音ーーが響く。

するとモニター左上ーー左上モニターに被らない程度ーーにこの機体の機体図面が出てきて一部の色が変わった。

「くそっ!何処だ⁈どっから撃たれた!」

「分からないよ!機体は大丈夫か⁈」

「まってーーいや、大丈夫だ!弾いた!」

多分赤じゃないから大丈夫の筈…。

図面から目を離し再び敵を倒すためにトリガーを引き続ける。

 

 

ズドンッ、と音がなり最期の四脚兵器が大破、爆発した。

「勝った…勝った、のか?」

「勝ったんだよ、多分増援は無いーーいやむしろ来るな」

サイドスティック兼トリガーから手を離す。

サイドスティックが手汗でベトベトだ。

「良し相棒。今の内に出口に向かおう。もうこんな空間いやだ」

「そうだな…いや、このままバックで行こう」

「ーー何で?前向いて走った方が速度出ないか?」

「それもそうだが…もし前向いてる時に敵が攻撃してきたら?」

「う、あぁ、そうか」

「そういう事。こういう奴って大体背面装甲無いから、背後からやられたらもう、ね…?」

別のペダルを踏み敵が出てきた所をモニターで警戒しつつゆっくり下がる。

「ーーあっ、相棒、あそこの文字が変わったぞ!」

「ーーあっ、本当だ。ETA30…30分って所か?」

「30分も⁈」

「まぁ遅いバックだからな…そりゃ遅くなる」

「あと30分もこんな狭い空間で…もう」

「何だ?そんなに俺が嫌か?」

「い、いや、違うんだ…その」

「…トイレか?」

「いや、トイレじゃなくてーー」

「ーーあぁ、アフィンの股間の事は気にするな。よくある事だ」

「ーーあぁ、そうなのーーっなわけあるか!」

すると突然アフィンが耳元で大声を出した。

「…ッ…おいアフィン!俺のミミは敏感なんだ!そんな大声で怒鳴るな!」

「あ、あぁ、ごめんーーじゃなくて!」

「なんだよもう…」

「股間の事は気にするなって、どういう事⁈」

「あぁ…うぅ…アフィン、忘れて?」

「忘れられっかぁ!第1、今だから言うけど相棒ーーユウナは警戒心が無さすぎる!皆無だっ!」

「はぁ?俺の何処が⁈寧ろ警戒心ピンピンだろっ!」

「相棒の警戒度は尻尾とミミ見れば分かんの!第一普通考えない⁈こんな狭い所で男女二人っきりって!」

「でもアフィンは手ださないでしょ?」

「うん、まぁ…出したいけど」

「うぅむ…そんなに可愛いか?俺」

「俺的にはもう…」

「アレってか?なんだかなぁ…」

「……軽蔑しないのか?」

「いや…軽蔑も何も俺もしていたし」

「そうか……んっ?していた?」

「今はもう無いがな」

「…相棒、していたってどう言うーー」

アフィンと夜のお話をしていた所、モニターにCautionの文字が。

その下にはEnemy Approachingーー敵接近、と書かれている。

「敵接近⁈またかよ!どんだけ来るんだ!」

「ーー意味、ってまた敵!」

「敵の名前はーータランマイザー(Transmizer)?」

「マズイぞ!まだーー多分距離が有るぞ!」

「…仕方ない。一度出口まで全速力で逃げるぞ」

機体を出口に向けてペダルを踏み込む。

モニターにBoostと表示されすごい速さで出口に向かう。

「これで振り切れれば…!」

「頼む…生きて帰らせてくれ」

サブモニターのETA表示が30分から20分、10分に少なくなり最期には1分未満になった。

「おい!見ろアフィン!明かりだ!明かりが見えるぞ!」

「来たっ!」

「行くぞっ!」

出口を通った瞬間、光に飲まれた。

 

 

 

 

 




あっ、今回も少しエロを想像する箇所があるので注意です(遅)



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

26話目

誰か私に文才ください。


「くそ…脱出できたか…?」

モニターには辺り一面茶色ーー砂漠が広がっていた。

先程までの真っ暗な格納庫的な所とは違う。

モニターのお陰で明るくなった為、コンソールをじっくり見ることが出来た。

一番右側にHatchと書かれたボタンがある。これでハッチに関するものは一つしかない。

念の為モニターやサブモニターを使い周囲に敵の反応がないか確認する。追って来ていた敵も居ないみたいだ。

ハッチボタンを押しーー予想通りコックピットハッチが開いた。

真っ暗に慣れた目に鬼の様な輝きを放つ太陽らしき星。

「生きて、出られた、か…」

格納庫から出たお陰がマグがオンラインになりこの辺りのデータを受信する。

「…帰艦だ。帰艦しよう」

マグを操作し、至急救援をキャンプシップに要請する。

『こちらラミア、アークスシップ管制員です』

「あぁ…任務番号452の任務を遂行して居た…あぁ…ユウナだ。デカイ土産が出来た。あぁ…」

さて…この兵器をなんて言って持ち替えるか…そのまま言えばいいか。

「敵の大型兵器を鹵獲ーーいや、奪取?した。目測で10メートルちょっとある。このデカブツと俺たちの回収を頼む」

『ーー452、遺跡群の調査、ですね?了解しました。至急サーレクス隊とを通信座標に向かわせます』

「分かった。」

本部がサーレクス隊ーー何時ぞやの大型機を回すとの事。

コックピットから抜け出しコアパーツの上に立つ。

辺り一面茶色ーー砂漠だ。だが俺たちが先程まで居た真っ黒な格納庫とは確実に違う。

眩しい太陽らしき惑星が俺の真っ白の肌を照らす。

「…なんで俺はこんな身体になっちまったのかなぁ…」

何故こんな事を今思ったか。

ここ最近は色々とおかしな事があり過ぎた。

女の子になり、この身体とそっくりな敵に命を狙われーーてるのはもう一人の方か。

訳わかんない変な黒い生き物と戦わなくちゃいけないし、俺が居た地球より遥かに技術レベルの高い宇宙船団の一員になってたりーー。

色々とありすぎる。それにーー。

「この身体なぁ…」

ムニムニと自分の胸を触る。

この小さい手に伝わる重さ。

「…経験せずに死んだからなぁ…」

胸から手を離しコアに座る。

砂まみれの風が俺の灰色の髪を駆け抜ける。

「…これコックピットにいた方が良い…かな?」

そんな事を考えていると下から声が聞こえた。

「…んぁ…ここは…あれ?脱出ーーうぉ眩しっ」

コックピットを開けて太陽らしき星の光でアフィンが起きた。

「おうアフィン、脱出出来たぞ」

コックピットの縁に手を置き頭だけコックピットを覗く。

「ーーって言うことは生きて帰れるのか!妹に会えるのか⁈」

そう言いコックピットから這い上がってくるアフィン。

「その前に」

指を鳴らしアフィンを見る。

「奢りね?」

「……っぁ…」

「…おい?どうした?返事は?」

「…ぃゃ…」

可愛くて、と言う超小さな声でアフィンから言われた。

「ほぉう、そうかそうか可愛いか…中々照れるものだな。言われると」

「聞こえてんのかよぉ!」

「当たり前!俺の種族をなんだと思ってる!」

胸を突き出し右手でミミを、左手で尻尾を指す。

「……テンション高いなぁ…」

「可愛いって言っといてそれかよ」

「……なぁ相棒ーーいや、ユウナちゃん」

「全くこれだらーーん?なんだ?」

「俺と付き合ーー」

「ーーまだ、だな」

「ーーってーーってまだ言い切れてないって!」

「あのなぁ…まだ早いってぇの。アフィン、何歳だ?」

「16だけど…」

「そうだな…20まで待ちたまえ」

「20って…もう同期で子供作ってる友達もいるんだせ⁈」

「それはそれ、これはこれ、だから」

16で子供って…アークスには18以下は云々カンヌン無いのか…?

いや、そもそもアークスにそう言う法律的なのはあるのか?考えれば考える程沼にハマりそうな気がする…生きて帰れたら調べっか。

「付き合う以前にまず友達からーーってこれはもうなってるか。いや、友達って言うか相棒か」

「ーーはぁ、まぁ、相棒の事だからこんな事だろうと思ったよ。正直嫌われるまで想像してたし」

「まぁ、普通の女の子なら嫌うだろうなぁ」

「…自分が普通じゃないって自覚あるんだ…」

「当たり前、第一どんな考えを持っていたらあんな痴女みたいな戦闘服を着るんだか…」

「…そう言や相棒の戦闘服って露出無いよな。なんで?」

「何でって…そりゃお前嫌じゃん」

「いやって何が?」

「肌見られるの」

「オレ達男は堂々と見れて良いと思うけどなぁ」

「あのなぁ…はぁ…いや、良いや。言っても分かるまい」

「あぁ……だって露出高いとフォトン係数上がってダーカーを倒しやすくなるよ?」

「その理論で言ったら女は全裸でダーカー殴れってか?シュール通り越してホラーだそれは」

「あぁ…まぁ、そうなる、かなぁ?」

「……言っとくが今来ている戦闘服ーーこれだって結構我慢して来てんだぜ?」

「…何処が?」

「…このスカート!短すぎんだよ!スースーしてしょうがねぇ…今は落ち着いたがな」

「…んじゃ逆に相棒はどんな服が良いんだよ?」

「ハンター戦闘服ってあったじゃん?あれ」

「ガッチガチのやつ来たなぁ…あれの女の子版なんてあるのか?」

「無い」

「だよなぁ…彼処の会社、社長が女関連で酷い目に遭ったらしくて作らなくなっちゃったらしいし」

「ほんくそ。誰だよその社長に関連した女。さっさと逮捕してくれよ」

「うぅん…無理かなぁ」

「……ところでさ、さっきサーレクス隊が救援に来るって要請送ったんだけど…来なくね?」

「要請送ったのか!良かった。これで本当にーー」

『此方サーレクス隊!敵大型可変機械と接敵!追跡されている!救援は困難!』

突如聞こえる無線。主は俺たちを拾う予定のサーレクス隊からの物だった。

「サーレクス隊、聞こえるか!」

『救援予定のアークスか!現在敵大型可変機械と接敵ーーミサイルッ!チャフフレア及びノッカー放て!』

通信の裏からは同じく帰還中と思われるアークスの悲鳴が。

「サーレクス隊!此方の位置が掴めるか!」

『通信座標は確認済みだ!だが後ろの敵機がーー』

「此方で引き受ける。こっちに来い!」

「おい!相棒!」

『助かる!左旋回!行くぞ!』

そう残し通信終了。

「おい相棒!行けんのかよ!」

「やるしかあるまい。出来なきゃ死ぬだけだ」

言ったものの右手が震えるのが分かった。

「アフィン、コックピットへ、お前がいなくちゃしっくり来ない」

「あぁ…なぁ?さっきの言葉告っーー」

「告ってなんか無いからな?」

「ーーはい」

コックピットにアフィンが最初に座りその次に俺が座る。

「よぉし…ハッチ閉鎖」

プシュ、と音がしモニターにもう一度光が灯る。

「システムチェックーーっん?」

システムチェック時に一瞬Weaponの所が赤くなったがすぐにNormalになった。

何だったんだ?今のは。

「相棒…今一瞬赤くならなかったか?」

「アフィンも気づいてたか…だがガトリング…考えても仕方ない。相手はサーレクスを追い回るくらいだ。高速戦になるかもしれない。アフィン、目を回すなよ?」

「相棒こそ。相棒が目を回したら俺も死ぬからな」

「任しとけーーサーレクス隊、聞こえるか?」

『此方サーレクス隊、どうした?』

「此方は奪取した大型兵器を使いそちらの大型可変機械の迎撃を試みる。相手はどのくらいの速度か?」

『此方は現在12…67㎞で飛行中、相手は少し離れてついて来る』

「1267キロ…マッハ1か…ガトリングで弾幕張るしか無いか?」

『此方はミサイルみたいなこと高出力兵器を喰らえば持たないが40ミリ迄なら耐えられる。そちらの武装はどうか?』

「40ミリ耐えるのか…すげぇな、ガチガチじゃ無いか」

「全くだ。40ミリを耐えるなんてどんな装甲だよ…此方の武装は40ミリ以下の可能性大、弾幕を張る為注意されたし」

『了解した。頼むぜ可愛い声のアークス。後ろにも何名かアークスが乗ってるんだ。俺含め死なせないでくれよ!アウト』

そう言いプツリと通信が切れる。何でこうプレッシャーを上げて来るかな?

「だと…重くなるねぇ本当」

「でも、彼処から脱出出来たんだ。オレ達ならやれる。だろ?相棒」

「勿論だ」

「ところで相棒、後で写真ダメ?」

「使用用途によるな」

 

 

 




あっ、BL.GL付いているけど念の為なんで悪しからず。

あとこのトランマイザー(ネタバレ)は飛びます。

因みにノッカーって言うのはSマインみたいなミサイルを叩き落とすマイクロミサイルみたいなものです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

27話目

なんでこうなったかって?俺も分からん…


「なぁ相棒、友軍機は何処から来るんだ?」

コックピットにまずアフィンが座りその上に俺が座っている。

「何処からって…聞いてなかったな。…この機体の中からでも行けるか?」

マグを手元に呼び通信履歴を探る。

サーレクスの履歴ーー一番最初にあった。

「アフィン、俺は操作に集中する。通信はアフィンがしてくれ」

サーレクスへの通信を一度アフィンのマグに譲渡する。

「俺が⁈…あぁ、あぁあ!ーー」

「ミミ元で大声出すなって…」

「此方アフィン、聞こえるか?相棒ーーユウナから通信を変わった」

『あの可愛いアークスにも彼氏がいたか!まぁ、それもそうか。用件はなんだ?』

「侵入経路はーー侵入方角は分かりますか?」

『方位2ー4ー5より其方の通信座標に向かう。速度は落とした方が良いか?』

「…だって?どうする?」

速度を落とす…?落としたら攻撃モロ受けしないか?

逆に落とすメリットは…背後の敵機も速度を落とし俺が狙う時間を稼ぐって事か?いや、だが…。

機体を動かしモニターの方位とサーレクス隊が侵入して来る方位を合わせる。

「落とすって、機体は耐えられるのか?」

『大丈夫だ。幸いな事に奴のミサイルは遅い。その代わり炸薬はタップリな気がするがな。機銃弾も今の所エンジン部を狙ってない。だが奴の気が変わる前に落として欲しい』

「分かった。速度は落とさずそのままーーいや、やっぱり落としてくれ。ただし敵との距離は離してくれよ」

『了解、頼むぜ。此方は後5分くらいで着く。準備を頼むぜ。ターゲットがそっちに向かったら此方も援護を開始する』

通信終了、とマグから表示されるホログラフィックに表示される。アークス言語だが。

「だって、相棒」

「アフィンお前…通信中は名前で言えとあれーーいや、言ってなかったな」

「ごめんごめん、つい癖で…」

「初対面の人に相棒呼びはちょっとな。それにーー」

「相棒、レーダー、だったか?それに反応があるぞ?」

「ーーんっ?」

アフィンが言った通りに右上のサブモニターに二つの点がある。

一つ目の点がUnknownーー多分サーレクスだろう。二つ目の点がーーTransmizer。

「タランマイザー⁈さっき追ってきてた敵機じゃないか!あいつ飛べるのかよ⁈」

「タランマイザーだって⁈脱出する時には背後から追ってきた奴か⁈」

「多分そうだと思う。見ないとわからないが…にしてもまさか飛べるとは…この惑星に、一体何が…」

「さぁ、それはおいおい分かるだろ?それよりも、今は目の前の敵を倒そうぜ?」

「……そう、だな。原生生物倒すよりは楽だ」

「…急にどうした?」

「…いや…なんかな…」

「そうか…相棒、そろそろーー」

「あぁ、分かってる」

モニター奥に二つのボックスが映った。手前がUnknown、奥がTransmizer。

奥のタランマイザーの進路上に照準を置き弾幕を張る準備をする。

「来るぞ…行けるか?」

「行くんだよ。やるしかない。帰れなくなるからな」

照準器をサーレクスが飛び越えた。

「相棒!」

「分かってる!」

トリガーを引くのと同時に照準をタランマイザーの進行方向に動かす。

ガトリングガンの曳光弾が線を空に描き、何発かが敵に当たる。

『うぉ!アークスさんよ!エンジン部には当てないでくれ!ーーうぉっ!火を吹いたぞ!落ちたか⁈』

通信が入ってきた。弾幕を張ったお陰でタランマイザーが落ちたらしい。

『アークスさんよ、聞こえるか!今から着陸するからその機体を後ろにどうにか積んでくれ!』

通り過ぎたサーレクスが旋回して戻って来て機体の前に貨物室を開けた。

「相棒、入れるか?」

「やってみるーーやべっ、ぶつけた」

『その程度は問題ない。早く入って上に来てくれ』

貨物室の空いている所に機体を動かし其処に止める。

「えっと…逆手順、か?」

ハッチを解放、各種スイッチの停止、で良いのか?

「アフィン、先に出ろ。後に続くから」

「分かった。相棒も早く来いよ?」

アフィンを先に出しその他スイッチを弄る。高さはまだ余裕有るし、いざ動かなくなってもそのまま運び出せば良い。

スティック類とペダルが動かなくなったら機体から出る。

機体から出ると、下の方で他のアークスがアフィンの手当てをしていた。

肩から腕、腕から脚に飛んでおっかなびっくり降りる。

「はいはーい、貴女がこのデッカいのを動かしていたの!」

どうにか降りれた所に女性の声を掛けられた。

「あぁ、そうだが…君は?」

「君とは失礼な!私は全てのアークーー」

「はいはい、馬鹿姉は退いてもらってーー」

目の前の少女が自己紹介をしようとした時、背後から来ていたもう1人の少女に遮られた。

「私はティア、この隣の馬鹿はパティって言うの。宜しくね?」

「俺はーーユウナって言う。宜しく頼む」

汚れている手を服で吹き、手を差し出す。

「ねぇティア!これ凄いよ!カッコいいよ!」

見ると先程まで後ろにいた少女ーーパティがいつのまにか俺の背後に回り機体を見て騒いでいた。

「…良いのか?」

「馬鹿姉はほっといて。私達、実は情報屋をやってるの」

「情報屋?あのーー……すまん、情報屋って具体的には?」

「そうね、具体的にはアークスに関する事、かな?」

「アークスに関する事?」

「例えば私達が普段使っている武器、此れの新型のテストとかアークスが提示する高額任務とか」

「怪しい謳い文句にしか聞こえんなぁ」

俺とティアが話している最中も後ろの方で曰く馬鹿姉がうぉー、とか、うほぉー、とか叫んでいる。…あれで良いのか?

「まぁ、とりあえず詳しい話は上に行かない?」

「頼む、正直サーレクスに乗るのは初めてなんだ」

「ひひっ、っていう事はサーレクス処女だね⁉︎」

「うぉ」

なんて事を話していたら後ろにいたパティが前に回り込んで来てこう言い放った。

「こぉの馬鹿姉ッ!良い加減にしろッ!」

「ほぉばぁぁ!」

ティアにグーで頭を殴られて絶句しているパティ。パティってティアが馬鹿姉って言ってたから姉なんだよな?

「仲良いな」

「馬鹿姉が馬鹿なだけなんです!本当なんでアークスになれたんだから…」

「それはこのパティちゃんが戦闘に強いからですよっ!」

パティが胸を強調し俺に言ってくる。……ぶっちゃけ俺の方がデカイ。

俺とパティの一部を交互に見るティア。残念だが…。

「……一応私とパティでパティエンティアって言う情報屋をやってるの。アークスの仕事の傍らね?」

「今回もアークスの仕事ついでに民間のーー」

「こら馬鹿姉!クライアントの話はしないんでしょ!」

…こんなんでも仕事が来るとか余程アークスは民間との繋がりが無いか、この2人が優秀かのどちらがなんだろうなぁ…。

「そうだった。ごめんごめん。えっと…」

「ユウナだ。宜しく」

「パティです!よろしくねっ!」

そう言い両手を挙げてタッチを要求して来た。

それに答え両手を挙げてタッチする。

「いぇぇい!貴女中々ノリいいわね!」

「そりゃどうも。それより座る所ないか?」

「それなら上にあるわよ。一緒に行かない?」

「頼むわ」

そう言い2人は俺の前に出て座れる所に案内してくれる。

 

 

 




本来ならトランマイザーと交戦、倒し切れずトランマイザーから撤退、サーレクス後部からガトリングで弾幕貼って脱出だったけどそこまで絞れないので強引に落としました。

パティエンティア登場、尚なんでこうなったかは不明な模様。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

28話目

これから書く予定の戦闘シーン全て飛ばすか…?


ティアの案内で機体上部にある休憩スペースに備え付けられた椅子の所まで案内された。

座ってさっきの話の続きを始める。

「それでーー情報屋って何だ?」

この問いにティアが答える。

「さっきも言った通り、情報屋って言うのはアークスに関する情報を扱って居るの」

「そうそう!例えば……何だっけ?」

「…アホな姉は放って置いてーーアークスが高価買取する素材、モンスター情報を拾って来たりーー」

「噂なんかもあるよぉー!」

「…噂って…どんな噂だ?」

「うーんとねー…この砂漠の惑星リリーパ!」

「急に説明口調になったわね…」

ティアが自分の姉をジト目で見る。この様子だとどっちが姉だか…。

「この砂と機械兵器群しか居ない惑星に謎の生物が!」

「生物…?そんなの居るのか?」

俺達結構深い所まで行ったと思ったが…機械しかいなかったぞ?

「詳しくはまだ調査中だけど、私達より小さくてーー膝くらい、かな?」

「でもでも!近づこうとするとサッサと逃げたり、気がついたら居なかったりで見れないんだよねぇー!」

「そうか、居るのか、生物」

そう思うと砂しかない惑星でも少しーーなんかいいなって思う。此方に友好前提だが。

「うん!なんでも機械群に襲われて居るところを助けた、とか色々話が上がってるよ!」

そうかそうか…機械群に襲われているのを助けーー助ける?

「……待てよ?その生物って今の所、この惑星の生物、なんだよな?」

「今の所はね?」

「なら何故襲われる?」

「…貴女もやっぱりそう思った?」

そうティアが言った。一方隣でパティはその生物はどんな形でこんなのが良いなぁ、と一人で喋っている。

「そりゃそうだろう。この惑星の生物ーーめんどくさいな、原住民、で良いか。んでこの原住民がこの惑星の各種機械を作ったなら…何故味方の機械群に襲われる?」

「最初は暴走して居る機械に襲われていたって線を考えたのだけど…大体聞こえる情報が襲われて居る所を助けた、なの」

「暴走説は無し、か…」

「あれれ?私置いてけぼり食らった?」

「パティちゃんは黙ってジュース飲んでて」

そう言いティアは飲みかけのジュースをパティに渡した。

「となると…あの機械群を作ったのは別の惑星から来た生物、か?」

「…私は今の原住民は後から生まれた、って考えたわ」

「…成る程、今いる原住民の前の原住民がこの惑星の各種機械を作って、それからどっかに消えてその後生まれた原住民が今確認されている奴、か。案外当たってるかもな」

「でしょ?貴女のーーユウナちゃんの考えは?」

「俺のか?そうだな…まぁ、無いと思うが今の原住民の元がペットみたいな奴で飼い主がーー此処はティアと一緒だな。消えた後、野生化して今に至る…どうだ?」

「うーんどっちもありそうねぇ…」

「あぁ…攻撃してこないだけマシ、かな」

今までティアの隣でジュースを飲んでいたパティが俺の顔を見るなり騒ぎ始めた。

「ーー!ティアちゃん!この人ビーストだよっ!」

考え耽っているとパティが俺の頭を指差して言った。あれ?今頃?

「こらッ!指差すんじゃない!ーーすいません、本当に…」

ティアのグーがパティの頭を殴り、ティアが殴った手を摩る。痛かったのか。痛くなる程の力で殴ったのか。

「いや、慣れているから良いさ。それより大丈夫か?」

「ごめんなさい!ーーフォトン纏わせるべきかしらーー気を悪くしたらーー」

フォトン纏わせたらそれ死なない?ダーカー特攻だけだったっけ?

「ねぇティア!撫でて良い⁈」

「パティ!」

「良いさ」

「やったー!」

そう言い席を立ち俺の後ろに来るなりミミの間を撫でるパティ。中々気持ち良いかも知れん。

「うはー!えっ⁈ニューマン⁈ニュースビースト⁈」

「んぁ?何だ?珍しいのか?」

「珍しいも何も、アークス内にビースト自体そんなに多いもんじゃないから…ニューマンの方が多いけど」

「ヒューマンビーストは割りかし居るって聞くなぁ…ビースト自体この距離で見たのは初めてだけど」

「…そんなにビーストって居ないのか?」

「だって産まれが…」

「…そうだったな」

「その…失礼だけどお母さんは…」

「……察してくれ」

そういやアフィンにこの前言われて全然調べてなかった。もはや調べる気すら起きないけど。

「……ごめん」

「良いさ。慣れているーーそうだ。パートナーカード、あるか?」

「そう言えばそうね。交換しないと」

マグを呼びフレンドリストにティアを登録する。

途中で撫でるのを止めさせパティもカードを交換する。

止めて交換しよう、と言ったとき少しパティがゴネたのは内緒だ。ーーー果たしてどっちが姉なんだか。

マグを弄ってカードが追加されたのかを確認していると履歴に反応が。宛先はーーアフィンからか?

どうやらオラクルに戻って検査が必要らしく多分戻れない。とりあえず今回は助かった。ありがとう。

と、書かれて居た。お礼ぐらいあって言えよーーそうか今会えないのか。

「ユウナちゃん…レンジャーなんだね。意外だわ」

「元々接近戦苦手だから…」

「ねぇねぇティア!パティエンティアにユウナちゃん入れば近、中、遠揃って最高じゃない!」

「パティちゃん…はぁ…」

「察するよ」

「ねぇねぇどうかな⁈ユウナちゃんもどう思う⁈」

「もう少し経験積んだら考えるさ」

「……そうだ。ユウナちゃんお腹減ってない?」

そう俺に言ってくるティア。露骨にパティの話を逸らしたな?

「減ってるけど…何で?」

「サーレクスには簡易的な食事も取れるのよ?」

「すごいな…何処で取れるんだ?」

「今回はちょっと迷惑も掛けたしパティちゃんの奢りで」

「えっ⁈…まぁ使う事ないし良いけどね」

「ほら、本人も良いって言ってるし」

「そうか…なら甘えさせて貰うわ」

言っちゃ悪いがこう言うのって腹が膨れればオッケー的な要素あるからな…正直あんまり期待しないでおこう。

 




何でこの二人がこんなのになったかって?ーーさぁ、知らんよ。

サーレクスがどんどんモンスターマシンになっていく…その内バンシーやアイガイオン見たくなりーー半ばなってるか。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

29話目

R18版のプロト書いたけど文才なさ過ぎてベイルアウトしたわ。

尚アフィン君は簡易病室で寝かされて居ます。


3人は休憩室を去り、休憩室奥にある階段に向かった。

「…ローテクだな」

「まぁ、腐っても一応サーレクスは軍用機だし?安全面は確実ーーと迄は行かなくとも確保しないとね?」

「…まぁ、それに関してはパティちゃんの言う通り。ーー最もそれじゃあこんな大型機は要らないって話にもなっちゃうけど」

ユウナの呟きに二人は答えた。

「…そう思うと俺達が乗っていたキャンプシップってどんだけデカイんだ…?」

「…まぁ……どの位だっけ?」

「パティ…先輩面したいのは分かるけど…えっとね?確かーー」

ティアはマグを呼びコンソールを出現させユウナの疑問であったサーレクスの母艦、キャンプシップのサイズを見せてもらう。

「……デカイな」

「えぇ、とっても」

「大きいねぇ」

答えは三者三様。

「にしてもサーレクスの他に電子戦機も載ってたとは…ダーカー相手に使うのか?」

「電子戦機?なにそれ」

「…なぁティアーーさん、少し言いづらいんだが…本当にパティさんはアークスなのか?」

「私にさん付けは要らないし、パティちゃんにも要らないわよ。……そうね。残念だけど…事実なのよ」

「えっ?もしかして私…蚊帳の外ッ!」

そう言い階段に倒れ込むパティ、本当に倒れた訳ではなく、ちゃんと最小限のダメージになる様にはしている。

「あぁ…そうだな、電子戦機って言うのは…こう、マグの周辺地図や管制官とサポートパートナーとの通信を妨害ーーって何に妨害させるんだ?先輩?」

ユウナがパティに電子戦機の説明をしていた所、説明していた本人も分からなくなりもう一人の先輩アークス、ティアに聞く。

「先輩ッ⁈…ッオホンッ…妨害って言うよりは周辺地図の3D化と高精度化、位かな?それと新種のダーカーの監視」

ユウナに先輩と言われワザワザ咳をして口を整えつつ答えたティア。

「ずるーい!ねぇユウナちゃん!私にもッ!私にも言ってッ!」

「いや、ちょっと、待っーー」

「そうだッ!コレはせんぱい命令であーるッ!さぁ!」

両手を体の前に出し来い、と言う意思を表示するパティ。

「…ユウナちゃん、無理して言わなくて良いよ?」

「…パティ先輩?」

瞬間、パティとティアに衝撃が走るッ!

考えて見てほしい。長髪の巨乳ケモミミの付いた少女が上目づかいで先輩、と言う絵面を。

パティはユウナに上目づかいされた直後にすぐに身を引き体制を整えーーた状態で固まり、ティアはその様子を横から見て固まった。

数秒たち、二人が目を合わせる。

「……パティちゃん」

「…そうね、ティア。コレはダメ、ね」

「…えっコレ?どう言うこと?」

「ユウナちゃん、これから私達がいいって時以外先輩はダメね?」

「うん、それが良い。そうしよう。って事でオッケー?」

「…まぁ、先輩ーーじゃなくってお二人がそう言うのなら…」

「よーしそう言うことでッ!さっさと食べに行こーッ!」

「もう少しだから…頑張ってね?」

「あぁ、ありがと」

階段を登り切り前にはーー。

 

「おぉ…すげぇなオイ」

階段を上がり扉を開けるとそこにはーー超綺麗なーーなんだ?このさっき居た休憩室と代わり映えしない景色はーーその代わりに俺ら以外のアークスが居るが。

「休憩室二階、だよ!」

パティが俺の後ろから出てきて心の声に応える。

「ーーんっ?俺口に出してたか?」

「いーや?何となくそう思ってるかなぁって」

「…エスパーーーいや、そもそもこの安直な名前は…休憩室二階って」

「此処はさっき私達が居た休憩室の上部分。本来ならエレベーターで直通の筈なんだけどこのサーレクス、初期型みたいだからエレベーター無いみたい」

「此奴にもロットが有るのか…」

そう言い窓からリリーパを見る。

ふと此奴はそのまんま船団に帰らないのかと思ったが、他のアークスがいたのを見る限り、惑星に居るアークスを回収して回って居るのだろうか?

「はいはーい!ユウナちゃん!ここッ!早くっ!」

又してもパティが席を取って座る様急かす。

「…まぁ、あんな感じですけど、周りには気を使ってますから…多分」

「…聞こえてるよ。さて、それじゃ甘えて」

パティが先に座りその間にティアが入る。その二人の前に俺が座りーーYの字の様に座った。

「ふっふふんふっふふん!さぁて!何食べよっかなぁ!」

俺達が座るとテーブルの色が変わりテーブルにメニューが表示された。

「おぉう…成る程…」

すげぇと騒がなかった自分を褒めたいーーマトイに言えば褒めてくれるだろうか?

「それじゃあクリームパスタとオムライス!ティアとユウナちゃんは?」

「そんなに食うのか…?ミートソーススパゲティと…おっ、有るじゃん。ミルクアイスを頼むわ」

「それじゃあ私はーー」

「あぁ"ぁぁ!デザート忘れてた!…このウルトラメガパフェで良いや!」

「ーー牛乳とサラダ、パンケーキで頼むわね?」

パティが頼んだ長いパフェは何だろうか?メニューのカテゴリーのデザートを触り長いパフェを探す。

「うぉ、えっ?これ食べれるの?」

メニュー表には全長60センチのアホみたいなパフェが載っていた。お値段8.000メセターー8.000⁈

「大丈夫大丈夫!なんだかんだ言って私メセタ使わないから!今日も定期捜査で10万メセタ稼いだし」

「10万もっ⁈」

「あぁ、これが情報ってヤツ?」

「パティちゃん、違うから。でも私達が出す情報ってまぁこんな感じ。高額任務を紹介したりね?」

「…いや、でも、凄く危ない任務なんでしょ?」

「全然!すこぉし奥地まで行って帰ってくるーーってイッタァァ!」

「嘘は言わないの。そうね。少し…新人のユウナちゃんには少し難しい任務になってるわね。今の所」

「今の所?」

「これね?7日おきに変わるのよ」

「へぇ」

7日おきに変わる特殊任務…ウィークミッションって事か?

「簡単なものは安いーー普通の任務よりは高いけど、それらから受けて見るのはどうかな?」

「…はっ!もしかして契約金とかーー」

「ないない。私達もある種の善意だし」

「…ビーストが珍しいから人体実験にーー」

「そんな風に見えます?」

「…全然」

「…善意って言うのは私達アークスが末永くダーカーと戦って生き残る為の情報を皆んなに渡す為。その為にやって居るの」

「情報は何よりも大切ダァ!味方が死んでも持って帰れッ!って何かで聞いたし!」

「流石に味方を見殺しはマズイよ。…だから安心して?その点は絶対だから」

「まぁ…そこまで言うのなら…」

すると隣に完全なロボットが現れた。脚はくっついて居てローラー?か何かで稼働して居るのだろうか?

『お待たせしました。各種料理です』

そう言いロボットが後ろを向きーー後ろはバックパックみたいなのを背負って居てその中に料理が入っていた。

「きたきたきた!」

「落ち着いてパティちゃん。料理は逃げないから」

「えっと…クリームとオムライスがパティちゃんで、サラダとパンケーキ、牛乳…牛乳?」

「…あぁそれは…ねぇ?」

「ねぇねぇティアちゃん、牛乳飲んでもおっぱいは大きくならないよ?」

「…ッ、分かってる。分かってるけど飲むの!」

「あぁ、そう言う…」

自分のミートソースを前に置き食べようとした時。

『すいません、其方のアークス様、デザートのアイスは食後でしょうか?』

頭だけ後ろに回し俺の方を見るロボット。最初からその方向で来れば良いものを…。

「うぅん、そうだな。食後で」

『分かりました』

ロボットがカウンターに向かった所でパティが声を上げた。

「さて!食べよう食べよう!」

「そうしよう」

さて俺も食べるとするか。

 




何?オラクル船団の食生活が地球の俺達と変わらないって?違うんだ。俺達の祖先がオラクル船団なんだ(

ぶっちゃけるとその辺り考えるの面倒だから。そう言えば地球が云々カンヌンってファンタシースターの1から4の内どれかに地球の話が出て居た気がする。

ミートソースは俺が今食べたかったからです。次回は尺稼ぎの食事シーンです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

30話目 ミートソース

何でか知らんがサブタイに料理名ばっかつけてる気がする。

後今回ちょっとエロいーーかも知れない。


「うまぁい!この手に限るねぇ!」

そう言い左手にフォークを使いクリームパスタを、右手にスプーンを持ちオムライスをとても器用にーーいや、服にクリームやケチャップーーあの赤いのケチャップだよな?ーーを飛ばしまくってた。

「パティちゃん…もっとゆっくり食べなよ。逃げないんだしーーってさっきも言ったか」

その妹のティアは熱々のパンケーキの中心に切れ込みを入れ、そこに蜂蜜を掛け更に上に同じ皿の少し離れた所にあるアイスを置き溶かしていた。

「あっ、蜂蜜とアイス間違えた…」

順序を間違えたらしい。

「すごい食うなパティさーーちゃんは」

両手に持ったフォーク&スプーンに皿からとったパスタとオムライスを口に入れた所で俺がパティに声をかけた。

「!ーーんぐっ!でっしょー!ティアちゃんも、このぐらい食べないとおっぱい大きくならないぞぉぉ!」

両手に持ったフォーク&スプーンを持ちながらパティはティアをスプーンを持った手で指す。

「良いのよ私はこのぐらいで。パティちゃん並みに食べると豚になっちゃうから」

そう言いながらティアはモシャモシャとサラダーーレタスやトマト、きゅうりなどが入った皿を持って食べている。ソースはかけない派なのだろうか?

「ちょっと!酷くない!ねぇ?ユウナちゃんはどう思う?」

「ここで俺に振るのか?……ティア、その凄く言いづらいんだが…」

「?」

「胸は無い方が動き易いぞ?」

「ユウナちゃん…ユウナちゃんは持っているから分からないんですよ…」

「分かるさ…こうなる前は無かったしな」

胸自体がな。と言うかミミと尻尾もだが。

「…こうなる前…それはどう言う…?」

「…昔の話さ。いや、未来かもしれない」

「未来?過去?どう言うーー」

『お待たせいたしました。ウルトラメガパフェでございます』

少し勘違いしているかもしれないティアを横目にパティの超デカイパフェがやってきた。

「なんだこいつは…」

座っている俺が上を見上げるレベルの大きさ。

「パティ?これ本当に食えるのか?と言うかもう食ったのか⁈」

「あったりまえ!これを食わずとして何が情報屋かぁ!」

「……ぁ、パティちゃんそれ意味違うよ」

俺の言葉を余程深く考えていたのかパティのネタに直ぐ突っ込めなかったティア。かと言って此処で勘違いを脱ごうにも良い言葉が見つからない。

取り敢えず此処はスルーでいいっか。

話に付きっきりだった俺もやっとスパゲティに手を付ける。

肉とトマト、そして玉ねぎのみじん切りのトマトソースがパスタ一杯に掛かっている。

付いていたフォークを使い混ぜないでクルクル回し一口、中に入れる。

ミートソースの肉の旨味と玉ねぎの食感、トマトの少し酸っぱい味と匂い。最後にトマトの甘みと塩っぱさが口を抜けて行く。

ゆっくり噛み砕いて喉と食道の奥、胃袋に落とす。

ごくっと喉が小さく膨らみ、それも胃袋に近づくごとに小さくなって行く。

「…ぅまい」

右前ではパティが超巨大パフェと依然交戦中であり、顔色を見る限り多分劣勢である。それもそうであろう。

一人で2人前を食べたのだから。内片方は胃に残るお米のオムライスだし。

ティアはサラダを半分くらい食べ終わりパンケーキをオシャレにカットしながらこれ又少しづつ食べて行く。姉の方とは真逆の様だ。

向こうも俺が見ているのを気が付いたのか此方を見てきた。

「もぐもぐ…ごくっ。その、ユウナちゃん?尻尾が…」

口の中の物をちゃんと呑み込んでから話すティア。やはりティアの方が姉なのでは?

「尻尾?尻尾がどうしーーんっ、なんだ、いつもの事だ。ビーストの日常だ。気にするな」

ティアに言われ手を後ろに動かし尻尾に触ると…尻尾がバッサバッサと左右に振れていた。

因みにだが尻尾とかミミを触るときはゆっくり優しく触る事にしている。

何故なら…その…色々とヤバイからである。

この身体になった当初、尻尾の根元を触りつつ色々とベッドの上で初心者なりにやったものだ。それはもう次の日最悪だったが。

話を戻してバッサバッサと左右に揺れる我が尻尾。正直結構音鳴っていたのに気付かなかったのだろうか?

「…その五月蝿いか?」

ティアはパンケーキを食べる手を止めて俺の事をジッと見てくる。

一度視線を姉の方のパティに合わせる。パティは超巨大パフェと交戦中。どうにか一手は取れたものの依然厳しいっぽい。本当に食べれるのだろうか?などと思っていると、此処でパティとも目が合う。さて、何と言われることか。

「ユウナちゃん助けて!これ無理っぽい」

「助けてって…ティアちゃんにきいたらどうだ?」

そう言い視線をティアに戻す。

「ふぁ…可愛い…」

ピクリ、と俺のミミと耳が動いた。はっ?

「…えっ?今なんて?」

とても小さな声で言われた。常人なら見逃す程の小声。だが残念な事にーーこれはアフィンにも言っている事だが、俺はニューマンビーストで耳とミミ合わせ四つあるんだ。単純計算人の二倍は聞こえるーー聞こえるのか?である。

「…っぁ、いや、何でもないよ?」

そう言い顏の前で手を振るティア。

「ティアちゃん…聞こえてたよ」

「えっ⁈」

ボンっと言う音が聞こえそうな典型的に顏を少し紅くするティア。姉の方はまだ気付いていない。

「えっとぉ⁈は、早く食べちゃいましょ⁈冷めないうちに⁈」

急にテンションと言動が可笑しくなるティア。パンケーキは冷めていると言う突っ込みはやぶ蛇だろうか?

「ティア!パンケーキ冷めてるよ!てかどうしたの急に⁈」

姉が突っ込んだ。ボケが突っ込むって相当緊急時じゃね?

「う、煩い!パティちゃんには関係ないのっ!」

そう言いサラダを食べるのを再開したティア。

「えぇ…どう言う事なの?」

そう言いながらも渋々自分の注文した超巨大パフェを又食べ始めるパティ。

俺もさっさと食べ終わらせないと。

そう思いフォークにミートソースを絡めたパスタを取り口に運んだ。

 




1キャラ目ALL80行きました(滑り込み)

所でビーストの実装はまだですかそうですか…えっ?DB?ルーサー楽しぃぃ!

アフィン君の夢オチR18書き始めたけど…なぁにこれ?(もろDTって事)ばれちゃう。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

31話目

アークスって職業何なんでしょうね?軍人なのだろうか?

今回凄く無理矢理です(


アレ(俺とアフィンのピックアップ)からサーレクスは他のアークスを何名か拾い、一度惑星リリーパのサーレクス活動拠点に向かうとアナウンスが入った。

 

「なぁパティーーいや、ティアちゃん?何でキャンプシップに向かわないんだ?」

「アレっ?おねぇさんに聞く所じゃない?」

「そう?ならパティちゃんが答えてくれるって」

 

質問を投げかけた所、最初パティちゃんに聞こうとしたが、今まで、まぁ会ってまだ一、二時間しか経ってないが、余りにも失敗した所しか見てないので慌ててティアちゃんに変えた。

…変えた所で本人に突っ込まれたが。

 

「えぇえ!……確か…アレよね?……燃料制限ーー」

「ーーはフォトンロケット複合エンジンだから関係ないよね?」

「ーーじゃなくて…えっと…整備!」

最初の答えを見透かされてしまい投げやりにティアに答える。

「…うーん…正解に近い、かな?」

「えっ⁈マジでッ⁈私適当に言っただけだよ⁈」

「その適当は適切な方が数撃ちゃ当たる方かーーまぁいいわ。ユウナちゃん?」

「んっ?」

「さっきの問いだけど、大気のある惑星から真空に行くのに結構機体にダメージが掛かるじゃん?」

「…何で?熱とかか?」

「…少し違うけど念の為の機体チェックよ。異常がなければそのままキャンプシップとドッキングするし」

「…異常なんてなくないか?」

「本来はね?でもーー」

 

ティアは人差し指を俺の口の前にだし、飼い主が犬にやる静かに、と言うのと同じポーズをする。

 

「ユウナちゃんとその相方さんが交戦している時に救援要請出したじゃん?その時にね?」

「ーータランマイザーか…」

「そっ。一応機体にはそんなダメージ無いと思うけど念の為、ね?」

「と言うと、あれか、足止めか…」

「あれ?ユウナちゃん、任務終わったら何か用事あったの?」

「…いや、少し部屋の様子が気になってな…」

「いや、それ関係ある?」

「すまんな、ティアちゃん。気になったらとことん気になるタイプなんだ」

 

何故か知らないがマトイの事は話せなかった。特に言っても問題は無いはずなのだが…。多分虫の知らせって奴なんだろ。そうに違いない。…違うか…。

 

「うーん…そうだ!なら、サポートパートナーにメールを入れれば?」

「メール?そうか、マグはもう使えるのか。ならーー」

 

さっきまでなんだかよく分からない電波妨害がずっとかかりっぱなしの所に居たから忘れていたよ。

マグを手元に呼びマグのメールを選択、宛先ポイント、題名、マトイはどうか?

送信。…これで何とかなると思う。…短すぎたか?

 

「メールを送ったのね?大丈夫かな?これで」

「多分大丈夫だとーー返信?早いな」

 

送ったそばからすぐに返信が…内容はーー

 

やけに通信が遅いと思いましたが何か有ったのでしょうか?マトイさんの方は部屋のレイアウトに頭を悩ませています。

 

ーーとの事だった。

「ふむ…問題は無い、な」

「よぉーし!これで問題ないね!ねっ?施設内回ろうよ!」

「パティちゃん…降りても施設の手伝いをさせられるだけかもよ?」

「うぐっ…でも、天井のない空だし…」

 

そう言いパティが窓を見る。そんなに空が好きなのか?…いや、あれか、船団の空は偽物だから、こう言う…本物が良いのか?

と言うか宇宙船に窓なんぞ付けても大丈夫なのだろうか?強度とか。

 

「まぁ、凄く喉は乾くけどな。内心水切れたらどうしようかと思ってたし。」

「…まぁ、確かに天井の無い空は良いけど…ねっ?この砂漠の惑星はちょっと…」

 

…待てよ?何でわざわざこんな機械と砂しかない星にこの二人は来たんだ?てかナベリウスは?…普通に考えれば任務か。

 

「…なぁ?思ったんだがナベリウスの空はどうなんだ?」

「私はナベリウスに行きたいのだけど…ティアちゃんの方が少しアレルギーと言うか何と言うか…」

「私だってナベリウス行ってこんな鼻水出なきゃナベリウスに行きたいわよっ!」

 

鼻水…そういや船団員ってアークスでも無い限り他の惑星に降りないよな。…降りなきゃそう言う花粉に抵抗ーー対抗は付かないし。いや、まさかな。こんな超技術の塊内で花粉症の一つや二つ無いとかまさか?第一、この二人は俺らより長くアークスをーー長くってどの位だ?と言うか情報屋って何時からやっていたんだ?

 

「なぁティアちゃん、ティアちゃん達って何時からアークスやってたの?」

「そうね…私達は士官学校出てだから…2年くらい?」

「へぇ、士官学校をーー士官学校⁈バリバリの軍人じゃないか⁈」

「いやいや、言っても簡単に入れる所よ?だって、ねぇ?」

 

そう言いティアはパティの方を見る。パティは窓に近づき外を見ていた。まるで始めて旅客機に乗った子供だった。

 

「まぁ、確かにそうかもしれないが…なぁティア、パティはサーレクスに乗ると何時もああなのか?」

「うぅん、今日に限って、かな?何時もはあんなんじゃなくてハイテンションだし」

「うーん…分からん」

「分からないと言えば私のナベリウスに行くと流れる鼻水はなんなんだろう…変な病気だったらどうしよ?他の船員にもうつるかもしれないし…」

「鼻水って…てかそれアレルギーか何かじゃ?」

 

というかだったら尚更メディカルセンター行けよと思う。

 

「あれるぎー?何それ?」

 

外を見ていたパティが久し振りに反応した。そこかよ…。

 

「あぁ…まぁ、身体が過剰反応するあれだよ」

「ティア、アレルギー、過剰反応…閃ーー」

「ーーパティちゃんは置いておくとして、ティアちゃん、メディカルルーム行った?ナベリウスから帰った後に」

「いえ、その時は特に異常なかったし…」

「今度精密検査?受けてみると良いよ」

「うーん…そうね。ユウナちゃんの通りに受けてみるわね」

「ティアちゃん、これで治ったらピクニック出来るねっ!」

「えぇ、そうね。あの綺麗な空の下で食べれたら…」

「その時はユウナちゃんも呼ぼうよ!」

「えぇ?俺?俺は良いよ。姉妹で行ってきなーーってかナベリウスに用件ピクニックで降りれるのか?」

「あぁぁ…確かに…無理そう?」

「いや、任務帰りの時に此処と同じく活動拠点有るだろ?多分。そこから少し出たところで食べれば良いんじゃないか?」

「うーん…そこはおいおい考えるとして!そろそろ活動拠点に着くってさ!降りる準備しないと!」

 

そう言い先に進むパティ。相方がいなくなったことでティアに一つ聞いて見ることにした。

 

「なぁティアちゃん。ティアちゃんとパティちゃんって何歳なんだ?」

「…うぅんとねぇ…何歳に見える?」

 

そう来たか…俺より少し下の身長、体も細い…。

 

「そうだな…14から16くらい?」

「…んっ?ユウナちゃん、ニューマンってどの位生きると思う?」

「えっ?そこ?……まさか……⁈」

そこでふと耳の長い種族、所謂エルフって言うのは寿命が長いのを思い出す。

「そう言う事ーーかも知れない」

 

そう言いティアは姉の後に続いて先に消えた。

機内アナウンスによると10分程度でメンテナンスは終了するとの事。

周囲を見渡し誰もいないのを確認して一言発する。

 

「……ご、合法、少女…?んなバカな…」

 

久し振りに人を前に手が震えた。怖いとかそう言う次元じゃなくて。

額に震える手をやると汗が出て、その手でミミを触ると髪に突っ伏していた。




ニューマンってエルフみたく寿命長いのだろうか?(異世界並感)でもそしたらゼノとエコーの二人がちょっとアレなアレに…。
と言うかヒューマンとニューマンで種族は残せるのだろうか?残せるとしたら'どっちが'出て来るのだろうか?

正直花粉のくだりはいらなかったと思う。多分この姉妹が次辺りに出てきたら治ってるかも(私の花粉も治して)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

32話目

85記念(フライング)


ティアとパティと別れて俺はアフィンの所に向かうことにした。

 

機内の案内板を見てアフィンが居そうなーー治療室みたいな所を探す。

 

案内板には格納庫の近くらしい。

二階から一階に降りて…取り敢えず格納庫を目指そう。

階段を降りて一階部分に向かう。

休憩室一階部分に着くと、二階とは違い何名かのアークスが寛いでいたりPosで繋がれたテレビを見ていたりした。

 

因みにPosとはPhotonic work system

フォトニックワークシステム

読んで字の如くインターネットだ。

 

窓を見るといつのまにか機体が着陸して整備を受けているっぽい。そういや着陸するからシートベルトしろ、みたいな警告すらなかったぞ…重力制御でもしてんのか…?

 

休憩室の何故かど真ん中に置いてある自販機に向かい何か飲み物を選ぶ。

基本アークスはメセターー所謂お金ーーを持つ、と言う概念はほぼ無く、何時ものマグや、アークスカード自体がカード見たいな扱いになっている。前の癖かは知らないが俺は少量メセタは常時持っている。

 

正直これ(メセタ)…地球の紙幣とあんま変わらないんだよなぁ…資源の限られた船団で紙はーーと思ったけど食料船いっぱい居るからそう言うのも大事…なのか?

 

いつも持っている財布の中を覗きながら思う。

 

因みにだがアークスカード、又はーーまぁ、ほぼ無いらしいがマグを無くすーー無くすでは無いな。壊れた場合、申請すれば新型のマグと交換してくれるらしい。アークスカードも同じく。まるで携帯の様だ。

 

…メール出来たりお金ーーメセタを払えらる時点で遠からずとも言えない。

 

マグに自販機と接続させ飲み物を選ぶ。いつもの様にオレンジらしき飲み物で良いか。

地球にある自販機の如くボタンを押し飲み物を落とす。落とすで良いのか?

 

ガシャンと言う音と共に飲み物が落ちくるーーと思ったが音がせず。

 

「んっ?何だ?故障か?」

 

座り込み出口を見るーーなんだ、あるじゃないか。

見ると上から落ちるのでは無く、一度横に向けられーーそうだな、UFOキャッチャー見たくおちるらしい。丁寧にゆっくりと。

 

これ又見慣れた缶を手に取りイスに座りテレビを見る。

内容は船団に関する事ばっかりだった。

なんでも俺の住むオラクルの食料自給率が400%を超したとかーー400⁈

 

「ヒュー…1人につき四倍…俺の祖国も見習って欲しいねぇ…」

 

野菜、肉、小麦的なものまで全て引っ括めて一番低いのでも150%。因みにそれがお米的な作物だったりする。

テレビではこのオーバーな作物をどう処理するかで議論している様だ。

 

『ーーえぇ、確かにその案は良いかもしれませんが、しかし、私は万一を考え貯蔵する方がいいと思うのですよ』

『貯蔵には十分なレベルだし、確か8番艦が自給率が落ちているらしいじゃないか。其方に渡すと言うのはーー』

 

「8番艦はなぁ…」

「あぁ、彼処は色々となぁ…」

「そんなんだったら貯蔵した方がいい気がするなぁ」

 

テレビを見ていた3人の男性が話している。8番艦でそんなにやな事が有ったのだろうか?

 

足を組みながらテレビを見続ける。

 

「親ダーガー派の多い艦だからな。殆どの市民が他の艦に逃げているらしい」

「ダーガー滅ぼす組織内に裏切りでるとかもうなぁ…」

「だがオラクル船は惑星に降りないと作れないし…」

「…そういやデサイズはどうなった?」

「デサイズ…?あぁ、あのナベリウスと同じ惑星か…彼処なら確かに作れそうだな」

「もしかしてもう作って有ったりして」

「まさか⁈此奴を作るのに数十年掛かるって話なのに?」

 

デサイズ…?なんだ新しい惑星か?

マグをPosに繋ぎデサイズと入力ーー出た。

ナベリウスと同じような惑星で気温も比較的落ち着いていて今は宿泊施設と観光施設を建設中…?計画発表年、新光歴214年、計画着手218年。

 

「今がーー今何年だ?」

 

マグの身体状況の上の方に日付が乗っている。新光歴238年、

 

「…やけに遅いな」

 

遅すぎる。彼此20年、環境を壊さない程度に小さな町を作れば良いものをこんなに時間が掛かるものなのだろうか?環境壊さない様にやってるのならまぁという感じだが…。

いや、こんな超科学の船団だ。そんな環境を壊さず作る事ぐらい朝飯ーーいや、起きる以上にカンタンな筈。何故…?

 

「まさかその土地じゃ建物を作れなかった、てオチじゃないだろう」

 

そんなヘマこの船団がする筈ない。ないに決まってる。

 

缶ジュースを全て飲み、自販機の隣にあるゴミ箱に捨てて、格納庫に向かう。

 

もう一度階段を降りて、地下一階ーー航空機に地下、と言う表現は如何なものかと思ったが、さっきジュースを飲んでいた休憩室が一階表記なので仕方ない。

格納庫に有る鹵獲、で良いのだろうか?鹵獲した人型兵器を明るい格納庫で見上げる。

 

一般的に頭部と言われるパーツはよく居る単眼やツインアイ、バイザータイプでは無く珍しい複眼タイプ。

良くあるツノが無いから多分一般隊員用の機体なのだろう。…ツノが有ったら三倍の速度且つ三倍の速さで燃料消費しそうだな。

 

腕にはデカイガトリングガンが。ガトリングガンからチェーンで背後のマガジンパックにつながって居るのを見ると結構な…ん?操縦している時マガジン数×3って出ていたよな?その3は何だ?

右手でガトリングガンのトリガーを持ちつつ左手でサイドグリップを握っている。やはりガトリングは良い…見ていてココロがオドル。

 

コアは先端が何故かとんがっている。何であんなにとんがっているんだ?整備する時大変だろうーーいや、整備するのが人じゃなければ怪我はしないか。……んじゃ何で人が乗れるスペースがあんだ?

緊急時のーーいや、だったらそんな複雑な操縦系統は要らない。何故…?

肩左側には軽機関銃の様なベルト給弾式の銃がラックに保持されている。右側にはアサルトライフルが同じく保持。良く見るとラッチが回る様なパーツ構成をしている。あれを回しているのか?

 

また沼にハマりそうなのでコアに関する外見判断は中止。今度は脚に移る。

 

脚は全体的にゴツく、そして太く、とても歩ける様には見えなかった。

脚に近づきもしや、ローラーでも、と思ったがそれらしき物は無し。本当に歩いていたのか?まさかブーストと言う字の如く本当にホバーしていたとでも?

 

「ローターダッシュとも違うし…本当にホバー?」

 

しかしローラーの様なものも無し…あとは何だ?高速での移動法。

 

「後は……ん?俺何しに降りたんだ?」

 

此処で本来のやる事を思い出す。そうだ、アフィンが居る治療室?みたいな所に行こうとしたんだ。

 

「そうだ、そうだ…忘れてた…って言うと何処だ?」

 

格納庫近くらしいし…さっき降りて来た階段の隣の通路を行けばいいのか?

 

来た道を戻り階段手前まで行く。

階段の隣には広めな通路が。

 

「デカイねぇ…まぁ、この先か?」

 

 

 

 

 

 




Q 所でいつになったらクーナと出会ってハドレットと交戦すんの?

A私にも判らん。

所で女主人公が着れる露出度の無い(重要)戦闘服はまだですか?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

33話目

そもそもキャンプシップよりサーレクスの方がでかい件について。


 

大きめな通路を進み治療室らしき所に向かう。

少し進むと案内板みたいなものが設置されいて、格納庫のあるエリアの情報が少し分かった。

この通路を真っ直ぐ進み、右側に治療室があり、治療室に入り怪我人に会いたければ更に治療室の奥に進み病室的な所がありそこに迎え、って事か。

 

「…何でこんなぐるぐる回る様な構造なんだ?嫌がらせか?」

そもそもそんな意味の分からない構造なら直通にすれば良いのに。

 

そう思うユウナであったが、此処でパティエンティアに先程言われた言葉を思い出す。

 

「……そういやパティが此奴は初期型だって言ってたか…パティ……肉ーーいや、パン、か…」

そういや何でパティの親は自分の娘にパティなんて名前を付けたのだろうか…確か、パティってハンバーガーのパンだか肉だかのどっちかだった気がする。

 

顎に手を当て案内板を見ながら考えるユウナ。しかしそれもすぐに辞め、治療室に向かう為案内板の前を後にした。

 

「ーーしかし解せぬ…タランマイザーへの攻撃、当たってたか?」

 

治療室に向かいながらも今回のーーこの足止めの原因となったタランマイザー戦の事を振り返る。

 

「パイロットは40ミリまでなら耐えられるって言ってたし…少なからず俺のせいでは無いーー筈だ」

となると俺たちの所に来るまでの間、ケツを取られていた時に攻撃を受けたのか?

…だが待て。あの機体の格納庫らしき所から脱出した時、モニターにもタランマイザーのーーあれ?もしかしてアレタランじゃ無くてトラン…?タランマイザー……トランマイザー……トラン、マイザー…。

「…これタランじゃなくてトランマイザー、か?」

いや、今はそれじゃ無い。

「トランマイザーは、2機…?」

そもそも此処の敵は機械ーーD因子に侵されていないとはいえ此方(アークス)には敵対的。

「…量産機か?」

マジかよ…生身でアレと戦えってか?

「ロケットランチャー持ってこないと無理やろ…あのロボ使わない限り」

そもそも此方の武器(ライフル)は貫通するのか?と言うか貫通させるだけじゃ内部ダメージ無いも同然じゃ?

「…本格的にロケットランチャーを買わないとダメか…はぁ…メセタめ…」

只でさえ今のメインウェポンは先輩のお古だと言うのに…正直使いやすいが。

「…ショートバレルは正義だなぁ…リコイルと精度を無くすけど」

ロングバレルのセミスナイパーみたいなアサルトライフルを使っていた俺がおかしいのか?…それはないか。

立ち止まって考えていたのを辞めて前に進む。目指すは治療室だ。

 

「ようやくか…」

そう独り言を言い上を見上げるとアークス言語で治療室と書かれたーー看板、と言うかなんというか…こう…何と表現したら良いのだろうか?

 

自動ドアが開き治療室に入る。入った目の前にはカウンターがありナース服をーーアークス流にアレンジされたものだがーー来た女性が3人ほどいた。

 

「本日はどんなご用件でしょうか?」

「あぁ…さっき此処にニューマンの男ーーいや、男性か?運ばれなかったか?」

「ニューマンの男性ですと…1人運ばれてますね」

「そいつに会うのってーー」

可能かどうか聞こうとした時、久し振りに聞く声が聞こえた。

 

「おーい!あいぼぉぉう!」

「アフィンさん、治療室ではお静かに」

「ーーかの……会って大丈夫?」

「少々お待ちを…念の為にアークスカード、宜しいですか?」

「あぁ、…どうぞ」

そう言い手首のデバイスを弄りナノトランサーからアークスカードを出す。…これマグじゃダメなのか?

 

「はい…アフィンさんとバディを組んでいる方ですね?どうぞ」

「はいよ」

アークスカードを返され、やっと通されたのでアフィンの元に向かう。

 

「よぉアフィン、その様子だと大事にはならなかったな」

「曰く綺麗に貫通していただと。それも超奇跡的に骨にダメージもなし」

「って事は治療終了?」

「って事だな」

 

そう言うとぐぅぅ…と言う腹の音が。少なからず俺ではない。さっき食ったし。となると…。

 

「…なんか食ったか?」

「いや?点滴だけだ」

「そうか…幸いサーレクスは着陸しているし休憩室行くか?」

「…確か此処に来る途中の自販機にレーション売ってなかったか?」

「レーションが?自販機に?いやいや、無いだろそれは」

「いや、担がれている時に俺は見たんだ。間違いない」

「……治療より食べることかよ。分からんでもないが」

 

そう言い上の休憩室を再度目指す。

広い通路を歩き、ふと、アフィンが口を開いた。

 

「おかしいな…ここら辺に有ったはずなんだが…」

 

周りを見ると広い通路以外何もない。

 

「アフィン…お前、とうとう幻覚をーー」

「いやっ!断じて幻覚では無いッ!………」

「……本当に?」

「……た、多分…」

「…」

 

アフィンの言葉にため息をつく俺。第一、食い物なら上ーー二回か、二階で取れるだろうに、何故わざわざレーションを?

 

「なぁアフィン。此処の二階に食うところが有るんだよ。知ってるか?」

「えっ?なにそれ知らない。行く?行っちゃう?」

「あぁ、俺はもう食って有るから。まぁ、同席位はさせてもらうがね」

「よっしゃぁ!んじゃさっさと行こう!」

 

そう言い俺より先に前に行くアフィン。怪我はーーあの様子だともう大事なのだろう。

 

「おい!場所分かんのかよ!」

 

俺も慌てて追従して行く。

 

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…おまっ、あふぃ、アフィン…は、はえぇよ…」

 

全力でアフィンの後を追った物の底はやはり女の身体のせいかは分からないが、アフィンに追いつけなかった。

後胸が上下にーーいや、上に揺れて千切れるかと思った。何だこの脂肪の塊ッ!

 

「だって、…相棒少し遅くて…」

「仕方ねぇだろ…こっちは食った後だぞ…」

 

流石に男に胸が千切れるくらいに痛かったから本気で走れなかったなどとは言えまい……本気で走ったんだがなぁ…。

 

そう言い先程パティとティアと食事をした場所に戻ってきた。

 

「うぉぉ!何でも有るな!さて、何を食べるか…」

「俺は…ミルクアイスとオレンジで良いか」

 

メニューを見ると値段も書かれており、ミルクアイスが450メセタ、オレンジジュースが600ml200メセタ、4Lが800メセタと書かれていた。

 

「アフィンは何飲む?オレンジなら4L頼んじゃうけど」

「うん、俺もオレンジで良いや。ハンバーグにパンと…相棒、ビザ食べるか?」

「うぅん…まぁ、一切れくらいなら、な」

「よし、ハンバーグにパンをセットとビザを2人前、ミルクアイスと4Lオレンジだな?」

「おっけい!」

 

そう言うとアフィンはメニュー表に頼む奴をタップし、注文という所に入れる。

1秒未満で注文完了と表示され到着まであと3分と出ていた。

 

周りを見ると俺とアフィン以外に数名しか居らず、その人達も食べ物自体は既に運ばれているようだった。

 

「よぉぉし…やっとマトモな食べ物が食える」

「…そうは言っだが…メセタは大丈夫なのか?」

「大丈夫大丈夫!治療室の人達が言ってたけど俺達が乗って来たロボット、アレの報酬ですごいメセタが出るらしいぜ!」

「らしい、って…出てから言えよ」

 

メニュー表を操作しアフィンが頼んだハンバーグセットの値段を見る。ーー1050メセタ。まぁ、そんなもんだろう。ピザはどうだ?ーー850メセタ、全て合わせて…俺のが800と450で1250メセタ。アフィンが1050と850で1900メセタ。合わせて3150メセターーアレ?若干高くね?

 

マグを呼び俺の持っているメセタを確認する。

 

………35万メセタ…まぁ、十分、とは言えないが大事か。

そもそもアークスは一応基本メセタは決まっているので何とかなる、のか?

 

電気に水、これだけで月5万は飛んで、次に住居費で10万、後武器類に月5万から10万……弾代が痛い。俺は傭兵じゃ無いんだよなぁ…。

 

そんなこんなで残るお金ーーじゃ無くてメセタは10万メセ…。

 

「あれ?案外何とかなる?」

「どうした相棒?」

「いや、少し考え事をね」

「…そうか」

「…っあ!そういやアフィン。俺に何でも買うって言ってたよな?」

 

ふとロボットの足元での防衛戦時に言っていたことを思い出す。

 

「…覚えていたか」

「たりめぇよ!そうだな…戦闘服、買ってもらうか?」

「戦闘服?相棒今のじゃダメなのか?」

「ダメというか…カッコ可愛く無いからな」

「…まぁ、別に良いが…」

「言ったな?門限は取ったぞ?」

「門限って何だよ?……まぁ、迷惑かけたからな、御礼だよ」

「……ほんとだよ。彼処で死なれたら困るのはお前だけじゃ無いからな…姉、探すんだろ?」

「あぁ」

「あんなアホらしい所で死ぬなって生きてたら言うかもよ?」

「ハハッ。言うかもなぁ」

「…なんだ、気が向いたら、協力してやっても良い気分でも無いぞ?」

「………いや、それ結局どっちだよ?」

 

そう言いアフィンは笑う。それに吊られて俺も笑う。

そうだ。これで良い。

 

「はぁ…そろそろか?」

「時間的にはそうだね」

 

するとロボットが近くに来て注文の品を置いて来た。

 

「さて、食べますか」

「そうだな」

 

そう言いアフィンはフォークとナイフを持ちハンバーグを切り始めようとした時、俺を見て慌ててそれらを置いて手を合わせた。

 

「頂きます」

「いただきます、っと」

 

 

 

 

 

 




あぁ〜フリーの幻想森でボート系が出ないんじゃ〜。

なんで落ちないんですかねぇ?14は一個しか落ちてないし、と言うかあんなばら撒いたら14の価値がーー待てよ?本部は15の実装を…?
それより防具の強化値35までにするのはまだですか?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

34話目

ちょっと今回もエッチいかも知れない。


目の前に置かれた大きめの深いお皿には白いアイスが3個、周りに果物がセットされた物が置かれる。

 

「そうそう。コレだよコレ」

 

小さなスプーンを持ちミルクアイスを掬い口の中に入れる。

はむっ、と中に冷たく、そして甘い味が広がる。

 

「かぁぁ!いいねぇ、こう言うのを待ってたんだよ!」

 

甘いといっても明らかな甘さでは無く、優しい甘さーー此れがミルクアイスとラクトアイスの違い

 

「さてと、もう一口…んっっ〜〜!」

 

頬っぺたを手で触り冷たさを感じる。舌の上でゆっくりと溶けてくミルクアイス。

 

するとアフィンが俺にこんな事を言ってきた。

 

「相棒って、時折女の子みたいな事をするよな」

「〜〜はぁ。女ってなぁ?俺はーーって、女だったわ」

 

何時ものように胸を見るーー何時もの、コッチに来てから見慣れた巨乳だ。

 

「ハハッ!いっつも相棒は俺が女って言うと訂正してくるよなぁ…そこが可愛いけど」

「聴こえてるぞぉ、アフィン。何度俺のミミの精度は凄いと言えばーー」

「相棒」

 

いつもーーってそんなに言ってないか。その事を言おうとした時、アフィンが急にニアニアしながら相棒、と呼んだ。

 

「ーーどんな、あぁ?何だ?」

「尻尾、めっちゃ揺れてる」

 

そう言われて後ろを見ると…バッサバッサ尻尾が揺れていた。

 

「そんなに嬉しかったか?」

「ま、嫌な気持ちでは無いな。……そうだな」

 

少しアフィンの手の上で踊らされているような気がするなぁ…そうだ。パティ姉妹にやった事の更に上のことをやって見るか。ミミは犬系で尻尾もあるし…。

 

ふとコレをやると男としてダメな気がするが、まぁ、今の俺は女だし?ノーカンかな?と判断した。すげぇ恥ずかしいけど。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

「そうそう。コレだよコレ!」

 

そう言い目の前に座る相棒がスプーンを持ちながら言う。

頭の上のミミは立ったままだった。いや、立ちっぱなしだな。

 

犬歯が綺麗に見える小さな口を開けて相棒の頼んだアイスを掬い、口に運ぶ。

 

「かぁぁ! いいねぇ、こう言うのを待ってたんだよ!」

 

俺は頼んだハンバーグをナイフで切って口に運ぶ。

成る程、確かに美味い。

 

オレンジをコップに移し一口飲む。コレもなかなかの甘さだな。

 

「さてと、もう一口…んっっ〜〜!」

 

相棒を見ると手を頬に当てながら俺にーー俺に言ってるんだろう、多分ーー言う。

 

確かに今まで砂漠に居たから冷たいものをっていうのは分かるが…。にしてもだ。

 

「相棒って、時折女の子みたいな事をするよな」

 

こくっ、と言う音が聞こえ相棒が口を開く。

 

「〜〜はぁ。女ってなぁ?俺はーーって、女だったわ」

 

途中まで怒ったかのような強さだったが、いつもの様自分の女の象徴を見て冷静になる。と言うか今回は冷静になるの早いな。

 

「ハハッ!いっつも相棒は俺が女って言うと訂正してくるよなぁ…そこが可愛いけど」

 

本当可愛いよなぁ…なんだかんだで俺が今バディ組んでいるけど…正直余り他の人と任務に行って欲しく無いなぁ…そこの所、ユルそうだし。

 

「聴こえてるぞぉ、アフィン。何度俺のミミの精度は凄いと言えばーー」

 

その事は何回も聞いて十分分かってるし。まぁ、分かっていても癖で小声で呟いてしまうのだが。

何時もの私のケモミミ凄い自慢が始まる前に一事言っておくか。

 

「相棒」

「ーーどんな、あぁ?何だ?」

 

本当、この男みたいな言葉がなければなぁ…それもそれで良い所だけど。めっちゃくちゃ可愛い子がラフに話しかけてくるのって萌えないか?

 

「尻尾、めっちゃ揺れてる」

 

俺に言われ即座に自分の尻尾を確認する相棒。

なんだか自宅で飼っている動物を思い出すなぁ…。会おうとすれば会いに行けるから寂しいって気はしないが。

 

「そんなに嬉しかったか?」

「ま、嫌な気持ちでは無いな。………」

 

そう言うと相棒が下を向いて何かを言った。俺も一応ニューマンだがビーストほど耳は良くない。と言うかビーストは耳とミミで四つあるし。

 

頭を上に上げてを自分の前に出す相棒。なんだ?何をやるんだ?

 

「…わ」

「わ?」

「わん…わん?」

「…えっ?」

 

何をするかと思えば、犬の鳴き真似だった。可愛い。

それと同時に股間がヤバイ。コレに乗るまで危機的状況だったのかその……戻るまで持つだろうか…?ネタが取れただけ良しとしたい。ーーマグに録画しとけばーー提出した時に何か言われそうだからダメか…。

 

「………」

 

相棒を見ると頬をめっちゃ赤くしながら俯いていた。まぁそりゃそうだよなぁ。相棒あんな事絶対しないタイプだし。ーー録画しとけばよかったわ本当に。

 

「あ、相棒…」

「ん、んだよアフィン……」

「ど、いや、その…めっちゃ可愛かった」

「う、うっせぇ!さっさとハンバーグ食いやがれ!」

 

そう言い相棒は溶けかけていたアイスの塊を口に入れ、頭に冷たさが来たのか、頭をさすっている。

言われたとうりにハンバーグとパンを食べてしまう事に。

 

くそ…何度も思うが録画しとけば夜のーーいや、やめておこう。心の動画にはとってあるから。

 

 

尚、奇跡的にマグがアフィンの心境を察したのか録画をしており、後日そのファイルを見つけアフィンは踊ったそうである。

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

「わん…わん?」

「…えっ?」

 

……はぁぁずぅぅかぁぁしぃぃぃぃい!

 

何だこの恥ずかしさ!想定以上のダメージだぞ!AP90%減少したわ!もう10%しか無いわ!

 

シャレにならない恥ずかしさに俯いてしまう。俯いた先には自分の胸が。そう言えばこの胸には何時も色々と邪魔されるなぁ…と思い返した。恥ずかしさから逃げるな?俺はにげるぞぉ!

 

風呂ーーアークスの風呂は日本的な奴ではなく浴槽の前にシャワーとシャワーを掛けるところがついたアメリカドラマみたいな感じな奴で、最初風呂にどうやって入ろうかと悩んでシャワー突っ込んで待ってたらポイントに『何やってるんですか?』と言われたのは今でも覚えているーーから出た時の着替え。

 

それこそ最初期はうほぉぉぉ!などと思ってーーいや、今は辞めておこう。

 

もう一つが寝る時。日本ーーいや、ある種前世か。前世の時はうつ伏せで寝る事が多かったのだがこの身体じゃ物理的にーーは可能かも知れないが、些かきつい。

 

そんな事を考えているとアフィンが相棒、呼んだ気がしたので顔を上げる。

 

「ん、んだよ…アフィン」

「ど、いや、その…めっちゃ可愛いかった」

 

アフィンも動揺してんのか言い出すのに二、三回噛んでいた。

 

「う、うっせぇ!さっさとハンバーグ食いやがれ!」

 

やはり可愛いと言われるのは慣れるものじゃ無い…嬉しいが。

 

……こう思うと身体に精神が引っ張られてるのか?…やめてくれ、せめて精神は男のままで、お思っているのだ。それまで崩しに来るのは本当にやめてほしい。

 

 

 

 

 

 




そう言えばゼノとエコー結婚しますねぇ…はっ!もしやストーリーから二人を退場させる為に…?

そういやイオが意味深な事を言っていたが…すまねぇ、(主のキャラは)ニューマン♀なんだ。……公式百合という事で宜しいか?(と言うかそもそもデューマンとニューマン、ヒューマンで子供は産まれるんですかね?デューマンって造龍のDNA的なのが入ったーー龍人?
まぁ正直女同士で子供出来そうな技術力はあるか多分)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

35話目

R18の方が先に上がってしまった事に後悔している。


 

 

その後サーレクスが治りリリーパ軌道上にいるキャンプシップとドッキング、俺達アークス達とあの複眼機をキャンプシップに載せ替えた。

 

俺達を移し替えたサーレクスは活動拠点に戻った模様。

キャンプシップはオラクル船団の居る宙域にワープーー毎回思うのだがワープってどうやっているんだ?光の速度以上で飛んで居るのだろうかーーし、数十秒後にはオラクル船団周辺宙域に入った。

 

因みにワープ中は席に座りシートベルトをしながら終わるまで待機ーーこの辺は航空機と一緒だな。

 

周辺宙域に入ると速度を落とし管制塔に着陸指示を貰い、俺達が住んでいるオラクル船団のメインシップーー名前はなんて言うんだっけ…まぁ、いいか。それに着陸ーーいや、着艦か?する。

 

「やっと着いたな…」

 

そう隣に居るアフィンに言う。その間にシートベルトを外し他のアークスと同じようにキャンプシップから外に出る。

 

「あぁ、こんなに長い任務になるとは思わなかったよ…」

 

任務受注場ーークエストカウンターが有るゲートエリアまで戻ってきた。落ち着いたBGM、と言うのだろうか?それが流れている。

 

「全くだ。…まぁ、あの格納庫に突っ込んだ俺達が悪いんだがな」

 

アフィンと俺はそのままカウンターに向かう。

「そこは反省してるから言うな…」

「さっさとカウンターに行ってマグを預けるぞ」

「はぁい」

 

そう言いクエストカウンターの列に並ぶ。

おかしい、何か今日あったっけ?

 

「アフィン?今日何かあったっけ?」

「いや…何も無い、筈」

「だよなぁ…って言うと、只の任務待ち?」

「それじゃないか?俺達、アークスに入って数える程しか任務受けてないし」

「まぁ、そうだがーー」

「次の方ぁ!どうぞ!」

 

そう言いクエストカウンターの人が言う。今日は誰だ?

 

「ほぉら、来た。さっさとマグを渡して買い物行くぞ!」

「はぁ、はいはい。俺の財布に余りダメージを与えないでくれよ?」

「はい!それでは任務番号と内容を教えて下さい」

「えっと、番号1657ですね、惑星リリーパの遺跡調査、だったかな?」

「番号1657…」

 

そう言いオペレータがとてつもない速さで指をーーって指が分裂している…⁈と言うと彼女もキャストなのか?

そんな事を思っているとオペレーターの方から声を掛けられた。

 

「ふふっ、凄いでしょ?ちょっと諸事情で腕の関節から先が無くなってね、それで交換してもらったんです」

「は、はぁ…」

 

さらっと爆弾投下するのやめて下さい。何でそんなさらっと腕が無くなったって言えるんだよ⁈

 

「と、言うと貴女も元アークスですか?」

「えぇ、元ハンターよ?こう見えて10年前の戦いで活躍したのだから」

 

こんなに技術が発展してんなら残った皮膚とかから培養出来たりしないのだろうか?

 

「ーーさて、任務番号1657、合ったわよ。やけに長かったわね」

「えぇ、少し此方で事情が…」

「えっと、報酬はーー敵勢四脚兵器一機の鹵獲で8000メセターーえぇ"!二足歩行兵器の奪取で、一、十、百、千、万、十万、百万、450万がお二人に支払われますぅ"⁈」

「えっ…?」

「…今何と?」

「と、トータル4.510.000メセタですっ!これが、お二人に支払われます!」

「お、おぉぅ…」

 

450万、そんなにか…。全く想像できん…。

隣を見るとアフィンが固まっている。まだそりゃ15.6が450万も貰ったらねぇ…?

 

「お、おい、アフィン、生きてるか?」

「……あぁ、生きてる…4、450万って…」

「アークスカードをお出し下さい。其方に全額支給しますので」

 

「…さて、帰って来て、懐も厚くなった事だし、アフィン君?」

 

俺達はマグを返してもらい、ショップエリアの休憩室に座りこの後どうするかを考えていた。

 

「わ、分かってる…戦闘服だろ?」

「そうそう、後武器な?」

「ぶ、武器もか?ま、まぁ、値段による、としか…」

「まぁ、良い。あぁ、そうだ。今回はマトイは連れて来ないからな?」

 

そうだ、マトイに連絡しとかないと…メールは適当に元気にしてるか?今日は食べに行こう。…これでよし。さっさと家のPCに送信ーー終了。これで憂は少し無くなった。

 

「…まぁ、うん。それは良かった」

「次回に持ち越しだ。無事に戻ってこれた記念に、な?」

「って言ったって何処に行く気だ?」

「其処はアフィン、お前の手の見せ所だ。なぁに、女の子が二人いるんだ。両手に武器ーーじゃなくて、花じゃないか」

「ま、まぁなぁ…二人とも可愛いしーーいてっ」

「お前はいい加減学べって…何度言えば分かるんだ?嬉しいが…すまんが、そう言うのはいい心の中で言ってくれ」

 

全く…俺は今となっちゃケモミミエルフ女の子だが、心は男ーーだよな?そうだ、そうに違いない。

そう自分に言い聞かる。

 

「取り敢えず、戦闘服は何処に買いに行く?」

「そうだな…取り敢えず、居住区に降りよう」

 

あとそうそう、やはり尻尾は素直に喜んで左右に揺れていたよ…ポーカーも何も無いな。

 

 

「此処か」

「そうらしいぜ?何でもアークスの戦闘服は4割此処の人が設計してるらしいし」

 

大きな通りにある少し小さなビル。場所が限られた船団ではデカイビルを建てられないのだろうか?

 

「普通こういうのってどぉぉん!って構えるもんじゃ無いのか?」

 

「いいや!そうとも限らないぜ!」

 

アフィンの声でも無い男性の声が聞こえる。

その声の主は目の前の小さなビルから出てきた。

 

「はじめまして、だな。俺はこのB&Sの…まぁ、なんだ、マークスだ。宜しく」

 

そう言い手を差し出してきた。

 

「こ、此方こそ宜しくお願いします」

「ほほぉう、ビーストーーしかもニューマンか…」

 

そう言い手を顎に乗せ考える。

 

「しかも…フォトンが多い、ある種完璧じゃ無いか…」

「お、おいアフィン、本当に大丈夫なのか?」

「あ、あぁ、多分」

「…彼女なら…良し!君達!ちょっと来なさい!二人に良いものをお見せーーいや!譲渡しよう!」

 

マークスは両手を左右に広げ上にあげたポーズをし、俺達を中に案内した。この人彼女ならって言ったよね?ナニかヤバいことされない?大丈夫?

 

不安しかないがついて行くしかない。正直、今着ている戦闘服ーー名前は忘れたが、確かゲッテムさんが着ていたやつと同じ筈ーーもそろそろ飽きたしな。

 

 

 




今思ったけどアークス船団って何億いるんだろうか?この小説だと、オラクル船団の一隻に5億x24隻で120億って事になってるけど…エルダーとかルーサーきて一隻に沈んだら大規模だな。

自分(のその他諸々)中で各種設定とかを作っているけどそう言うのも纏めて出した方が良いのですかね?(反応待ち)


あと、遅れて申し訳ない。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

36話目

ストーリーのVS厨二ユク姉戦カッコ良かったです(KONAMI


 

「こ、これは…?」

「私が今作っている新型の戦闘服ーー騎士をモデルにした…そうね、ドラグニアフラール。どうだ?」

 

マークスについて行くと店の奥に展示してある戦闘服ーードラグニアフラール、だったか?それを見せられた。

 

「なかなか、どうして。カッコいいじゃないか…!」

「確かに。相棒に合いそうだな」

「分かるか二人よ!物は試しだ!着てーー」

「だが肩のマスクって言うのか?とスカートの短さ。アレは頂けない」

 

そう、マークスが見せたこの戦闘服ーードラグニアフラールはスカートが短かった。と言うか無いに等しかった。それに肩のマスク…なんなのだ、これは。

 

「しかしだね?フォトンを効率良く使うには肌を露出させなきゃーー」

「その理論で言ったら男はパンツに女性は下着姿か?」

「ーーぅ…だ、だかね…」

「後肩パーツは要らない。アレ重いだろ?マスクだったら被らせろや」

「あ、相棒…?」

「そう思わないか?」

「えっと…まぁ、うん…」

「ほらっ!アフィンもこう言っているし」

「因みに男版のコレーードラグニアカクロスはこんな感じだぞ?」

 

そう言いマークスはモデル図を見せて来た。

目の前にあるフラールに比べると重武装でそれはそれはーー。

 

「なんだコレ!めっちゃくちゃカッケェじゃん!コレを俺に着させろぉぉ!」

「落ち着け相棒、その、相棒が着たら…」

「尻尾用の穴を開けなくちゃならんぞ?それならスカート状の方が尻尾も隠せないか?」

「で、ですが…こんなカッコいいのを見せられて引き返せるわけがーー」

「それじゃあこの服要らない?」

「要ります本当に申し訳ありませんでした」

「ふむ、分かれば宜しい。ーーさて」

「此処で一つ、コレ。着てみない?」

 

 

「しかし貴方も大変だな。あんな子とバディを組むなんて」

「いえいえ、アレでも見ていて可愛いですよ?」

 

相棒が着替えている最中、外で待っていると先ほどの男性ーーマークスさんが出てきた。なんでかは知らないが嫌な予感がする。それに相棒をあんな子呼ばわりされたのに少し頭に来た。

 

「ーーその様子だと何かあったのですか?」

「ーー俺は余りビーストは好きになれない」

「ーーは?い、いえ、どうしてですか?」

 

はっ?と言ってしまったのは仕方ない。あんなに可愛い子が?嫌いだって?

 

「それはだな…私の娘がーー」

「もしかして、ビーストを?」

 

頼むから間違っていて欲しいと思い先に言った言葉。しかし最悪な事にそれは当たってしまう。

 

「あぁ、そのお陰で娘は死んで娘の腹から出て来たのは、中に居るビースト見たいなのじゃなくて本当のケモノ。即射殺されたよ」

「そんな…」

「ーー最もお陰でアークスをそう言う脅威から守りたいが為にこの会社ーーB&Sで戦闘服を作ってる、とも言えるしな。なんともめんどくさい事だよ」

「…産まれて来るビーストに何も罪はーー」

 

無い、と言おうとしたところでマークスに遮られた。

 

「分かっている。分かっていても消せない想いは消せないんだよ。俺はそんな簡単に出来て無いからな」

「だから、アークス達を強化する為に、利用はさせて貰う」

 

そう言いマークスは中に戻って言った。外に残されたのは俺一人。

 

「……そうやって突き放したら解決出来る物も出来なくなるんだよ…ッ」

 

そんな事を本人に言ってやりたいが俺達は戦闘服を作って貰う立場。そんな事を言えた義理では無い。

 

「……こんな時、姉さんならなんて言うんだ…?」

 

映された空は、まだ蒼かった。

 

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ。ほ、本当にコレを着るのか?」

「そうよ?ほら?只でさえその胸は牛のデカイのだから強化ブラジャーを着けないとね?」

「だからって何だこの水色のシマシマは!パンツもじゃねぇか!」

「はぁいはい、女の子がそんな事を言わないの」

「俺は女だが女じゃねぇ!」

 

外で一頻り悩んだ後、試着室に向かうと中から聞きなれた声が普通に聞こえた。

 

「…水色のシマシマ…?」

 

相棒が?そんな少女ーーいや、今時そんなの小学生でも着ないようなものを?

そんな事を考えていたらちょっとトイレに行きたくなってきた。コレは只の生理現象だ。何のこともない。

 

店員に聞いてトイレに向かうアフィン。その表情は少し、暗かった。

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…んだよこれ、結構良いじゃないか…」

「お似合いですよ。出来れば女言葉で話して欲しいくらいに」

「あぁ、そうかい。ありがとう」

 

スッキリしてトイレから出て来ると色々付けた相棒が見えた。手は良く洗ったし大事な筈だ。

 

「よぉ、相棒。可愛くなったじゃないか」

「おう、そりゃーーんっ?」

 

相棒のミミと尻尾が上に立っている。何だ?警戒してるのか?というか、頭のミミの隣に何か付いてる。シールドみたいだが…確かヘッドアクセサリー、だっけか。

 

「ーーいや、外に出て言うわ。にしてもこれ凄いぞ。動きやすい」

「だろう?やっぱり女の子は可愛いーー」

「カッコ可愛い、だろ?」

「ーーじゃなくちゃダメだからな」

「ふむ、やはり俺の目には狂いは無かったな。どうだ?具合は?」

「あぁ、さっきの服より動きやす言っちゃ動きやすいが…もう少しスカート長く出来ないか?」

 

動きを確認するようにその場でジャンプする相棒。その、ジャンプする度に胸が…。

 

「あぁ、その事なんだが、戦闘服ってある程度露出無いと駄目なのは分かるな?」

「それだ。それどうにか出来ないのか?」

「ダーカーを滅ぼすのにはフォトンが必要不可欠だ。それが原生生物とかの討伐ならまだしも、な」

「…それで?」

「スカートの長さはこれが限界。長くするなら他を削らない。あっ、パンツの上に黒いスパッツだったか?アレは履くなよ?フォトン効率が落ちる」

「……分かった。これで行こう。会計はーー」

「会計は良い。そいつは俺が趣味で作った次世代戦闘服の実験服だ。有効に使ってくれ」

 

実験服をタダでか?おかしい、何かあるのか?もしやあの服に爆弾とか…?そもそも、ビーストを嫌っているのに何故タダで渡す?

 

「だとよアフィン。此処は甘えて帰るか?」

 

そんな事を考えていたお陰で相棒の声に気がつくのが遅れてしまった。

 

「…あ?あぁ、帰るか」

 

 

願わくば心配のし過ぎだと良いのだが…。

 

 

「かぁぁ!まさか戦闘服をタダで貰えるとは!しかもカッコ可愛いッ!」

「まぁ、落ち着け相棒。……相棒、マークスについてなんか思ったことあるか?」

 

戦闘服の買い物が終わり、さてこの後何するか、と考えていた所、アフィンが聞いてきた。

一度止まりアフィンの方に向く。

 

「……少し、嫌な奴、か?」

「…俺、相棒が着替えている時にマークスと少し話したんだが…彼、ビーストの事嫌いらしいぞ?」

「……なんか、嫌だなぁ…」

 

急に真面目モードに入り何かと思えばそんな事か。

……正直ビックリした。めっちゃ良い人だと思ったのに。

 

「もしかしたらその服に何か施しているかもしれない」

「…いやいや、まっさか?第一、何を」

「……聞いて引かないか?」

「…その様子だと、エロか」

「……しょ、触手服…」

「……」

 

それを聞いて俺達はまた歩き出す。それに続きアフィンも歩き出す。

 

「な、なぁ…」

「アフィン…」

 

正直アフィン君の頭の中がこれ程までに汚染されているとは知らなかった。

 

「な、なんだ…?」

「俺以外の女の前で、そんな言葉吐くなよ?」

「…ユウナの前だから吐いたんだがな…」

「…なんでアフィンの好感度カンストしてんすかねぇ…?」

 

と言うかお前はマジでそろそろ俺の前で言うことやめろって…俺はホモじゃーーんぁ?だが身体は女だぞ⁈

 

「だって、ねぇ?格納庫であんな状況で言われたら好きになるわ」

「普通は逆ポジなんだよなぁ…」

 

頼むから他の人を好きになってください。割と切実に。

 

 

 




と言うかまだクーナにすら会ってないんだよなぁ…これ終わるの何時になるの?

と言うかお気に入りいつのまにか50突破していたんですね。驚きました(こなみ)こんな小説(?)に50件も…有難いですっ!



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

37話目

何でこの小説のアフィンはこんなんなの?


 

それから少し二人とも黙り居住区の大通りにでた。道路を見ると曲線で描かれた如何にも跳弾しそうな形をした車が走っている。

そのまま歩きショップエリアに近づいた頃、見慣れた場所を発見した。

 

「そもそもな?考えてみろ?さっきアフィンは格納庫で俺に救われたから好きーーいや、恩を感じた、って事だよな?」

「あぁ、まぁ、思い自体はアークス試験の時から合ったけど」

 

場所は居住区にある喫茶店ラフリ、何回か来た事のある喫茶店だ。最も喫茶店自体をこのーーいや、まだそんなに出歩いていないから分からないがーー船団には少ないと思ってる。

入って直ぐにテーブルに着き会話を再開する。アフィンには少し痛いだろうが。

 

「合った時からって…一目惚れかよ。尚更何故良いとこ見せないーーちょっと待て、格納庫に突っ込んだのって…?」

 

見せた所でなる気は無いがな。確かに前世ではこう言う女体化?TSって言うのか?ーーいや、獣耳付いて居るからTSFか?願望って言うのはあるには合ったが…精神同性愛者になりたいわけでは無い。

 

「…良いところを見せたかった」

「…それで見せて惚れさせるつもりが逆にもっと惚れたと…はぁ…」

「いらっしゃいませ。お決まりになりましたら呼んでください」

 

ウェイターが来てメニューを置いて行った。

 

「なぁ、アフィン…店の中に入らないか?」

「…うん」

 

メニューと氷の入ったコップを持ち店の中に入る。

中には少数のテーブルとカウンター席が合った。

アフィンにテーブルとカウンター席、どっちが良いかを念のため聞き、テーブルの方に座る。

 

「さて、さっきの続きだが…アフィン、思わないか?」

「何を?」

「考えてみろ。俺がそんな事で惚れるとーー」

 

そう思い一度シミュレーションして見る。

自分は敵の弾を食らって痛くて動けず目の前には敵の大群。自分一人では不可能な量。そこにアフィンが現れて俺を引きながら物陰に隠れて敵を撃つーー。

 

「ーー確かにこれ惚れるわ」

「だろ?」

「いやいや待て待て。これで惚れたらチョロすぎだろ。ダメだ」

「…分かった」

 

そう言いアフィンは周囲を見渡し何かを確認する。俺もつられて周りを見るが俺たち以外誰もーーウェイターと店主が居たわ。

 

「…ユウナ、お前が好きだ」

「……は?」

 

コップに手を付け口に運びのもうとした瞬間、アフィンの口から爆弾が落とされた。

 

「…えっ?何?スキ?焼き?」

 

余りの超展開に分かりたくなかった。正直アフィンの事は分かってはいたが…いや、ダメだろ色々と。これが男の娘ならまだーー待て、そっちに行くのはマズイ。

 

「違う、好きだ。ユウナの事が好きなんだ!」

 

バンッ!とアニメさながらテーブルに両手を着き立ち上がるアフィン。そんな事をしたら塞いだ穴が…。

 

「ーーっイッテ…」

 

音に驚いたのかウェイターと店主が此方をガン見して居る。そりゃそうか。男が女に告ったもんな。…外野なら良かったがな!

 

「アフィン落ち着け。塞いだ穴がまた広くなる」

「……相棒、いや、ユウナ。返事を聞かせてほしい」

「……えっ?マジで?待って今考える」

 

待ってくれ、いつからこんな学園アニメみたいな展開になった。いつだ、どこでだ⁈

そもそも俺は精神男でアフィンも男だ。この時点で恋人も何も…んっ?精神が男?では身体は?

 

顔を下に向ける。其処にはとても膨よかな胸が自己主張してました。ここでわかる事が胸がある事。

 

次に利き手の右手を使い股間部を確認する。そこには男に在るべきものが無く、ツルツルだった。

 

さらに分かった事が胸があり男に在るべきものがない事ーー女の子やんけ。

 

「…ユウナ、答えは…?」

 

震える声でアフィンは言う。そりゃ好きな子に告って返事待ちだからな。俺にはそんな経験無いけれども。

 

「…アフィン」

「は、はい!」

 

返事、か。

 

「友からな」

「やったぁぁぁーーってそれ今と変わらないじゃねぇか!」

 

一度立ち上がり歓喜した後、冷静に考え俺に指を指した。

 

「アフィン、親から指を指してはいけないと言われなかったか?」

「いや、だから答えは⁈」

「すいませーん、オレンジジュース一つ。アフィン、お前は?」

 

ウェイターを呼び注文を取る。取り敢えずオレンジでいいか。

 

「えっとじゃあフライドポテトと…オススメって何ですーーって待て!俺の話を無視するんじゃ無い!」

 

アフィンも流れに乗り注文を言うが、途中で我に返り続きを言って来た。

 

「オススメはパンケーキとアイスのセットよ?お二人さん、どうする?」

「アフィン食わなきゃ俺食うし二つでお願いします」

「…はぁ、もう良いや」

 

俺とウェイターのコンビニよりアフィンは折れた。多分折れたのは心だろう。別の部位では無い。

 

「アフィン」

「何だよぉ…」

 

テーブルに屈し不貞腐れるアフィン。

 

「俺以外にももっと可愛いーーかはどうかは知らんがいい人が居るはずだろう。それにアフィンはニューマンだ。ほしい人はたくさん居るはず」

「それでも、俺はユウナが良いぃ…」

「はいはい、何もビーストとくっ付かなくても良いんだよ。ビーストを見る目はまだ甘く無いんだから…」

「分かってない。分かってないんだ…」

 

そう小声でアフィンは呟く。やべぇ、これ下手したらアフィンとの交友関係壊したか?

 

アフィンが元に戻るのに3分ほどかかったそうな。

 

「はぁ…甘かったわぁパンケーキとアイス」

 

パンケーキとアイスを食べ終わりオレンジジュースを飲みながら、この後何をするかと考える。そこにトイレから戻ってきたアフィンがまだ爆弾を落とす。

 

「なぁ相棒…思ったんだがこれデートじゃね?」

「…確かに。…って言う事はデートの費用は男性が持つって何かに書いてあった気がする」

「ごめん多分デートで欲しいって言う俺の願望だわ」

「…なぁアフィン。何でそこまでして俺にこだわる?」

「そ、それは…」

「いや、嫌なら別に良いんだが…思えばずっとバディ組んでくれたし」

「だって…ビースト可愛いじゃん」

「んっ?うん」

「めっちゃ良い匂いーー家の犬と遊んでいる時みたいな匂いがして安心する」

「うんうんーーうん?お前それーー」

「尻尾とかケモミミモフモフしたい」

「……」

 

第六感が嫌な予感を警告したので、すっ、と静かに席を立ちアフィンの隣に立つ。

 

「ユウナのお腹に赤ちゃんを作りーーうぼぁぉ!」

 

右ストレートを見舞いした。おかしい、アフィンと始めてバディを組んだ時から此奴はこんな奴だったのか?

 

「…変態」

 

「あ、相、棒、ストレートはマジで、痛い」

 

おうもう二度と言うなや。

 

倒れたアフィンが目覚めるまでアフィンの金で食うか、それともマトイを呼んで思いっきり食べさせるか、等考えながら待つ事にしよう。どうせこいつの事だ。すぐに起きる。

 

 

 

 

 

 




こんなんだから向こう(R18)にも準主役として出てるんだよなぁ…。

さて、次あたりからはリリーパで女キャストとゲッテムさんを出さないと…。

R18のラインが分からない。何処かに書かれていたらしないものか…お陰で各種データ(特に種族)が置けない。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

38話目

ストーリー見返したら回収したクラリッサのパーツの箇所が全然違う件とナノトランサーが公式じゃなかった件について。


 

 

アフィンの告白兼自爆を見守った後、このアホが起きるまでここで待つ事にする。幸い周りには誰もいない。

 

オレンジジュースと氷の入ったコップを手に取りストローを口に持っていく。酸っぱくて目が醒める。

アフィンが頼んだフライドポテトに手を付け三本ほど口に運ぶ。

 

思えば脱出してからここに来るまで飲んで食っての繰り返しだなぁ…。

 

周りを見渡すと角の方にテレビを発見。上に引っ掛けているのか?

 

店主に一応確認し、許可をもらう。

 

「良いぞ…しかし、振るとはな」

「ぇ?…あぁ、振ったわけじゃないですよ。友からです。いきなりは…ちょっと…」

 

第一死ぬまでこの身体なのかすら分からない現状、無闇にするのは戻った時に色々ある気がする。

 

「あのニューマンーーまぁ、最後のぶっちゃけが無ければそれなりだな」

「……」

 

そこについては何も言えないーーカバー出来ない。

 

「まぁ、告られちまったのが運の尽きさ。アンタ、ビーストだろ?」

「あ、え、えぇ」

「ビーストに好意を抱いている人は全体で見たら少ない。そのビースト自体も240万分の1だ」

「……」

「240万の1がアンタの価値だ」

 

そう言い店主は奥に消えていった。

 

240万分の1……何のことだ?ビーストの何が250万分の1何だ?全く分からーーあぁ、人数を全種族で割った数か?

 

テレビのリモコンの電源ボタンを押し電源をつける。

 

『ーーなんと!今ならこのセットでーー』

『ーーいけぇぇぇ!ロケットーー』

『へぇ、そうなんですか?』

『えぇ、他にはーー』

『アイドルのクーナさんが近々この1番艦に戻って来るそうです』

『えぇ、全24隻、240箇所のトータルライブ。最後はここに決めたそうですね』

『えぇ、クーナさんの初めてのライブもこの1番艦てすしーー』

 

リモコンでテレビの局を回し続けるとニュースにてクーナと言うアイドル?歌手?がなんかライブをするらしい。

 

 

「クーナだって⁈」

 

テレビの声に急に起き出すアフィン。

 

「起きたか。さっさと帰るぞ」

「聞いてなかったのか⁈クーナだぞ⁈あのクーナ!」

「クーナ⁈知らんよ興味の無い」

「⁈貴様ッ!全船3億のクーナファンを侮辱したな⁉︎」

 

全船60億って…えっと全船で120億だからーー40人に1人はファンなのか…。

 

「と言うか興味の無いだけで侮辱とかちょっと何言ってるのか分からない」

「まぁな。その中にはヤバい奴も居るから気をつけろって事だ」

 

そう言いアフィンはとっくの昔に来ていたパンケーキをナイフで切らずにかぶりついた。

パンケーキの上に乗っていたアイスはもう溶けいる。

 

「うぅむ…やっぱり甘いな…相棒、食うか?」

 

二枚あるパンケーキの内一枚だけ食べて甘くて無理と俺に渡すアフィン。

 

「そうか。それならーー」

 

手を伸ばし皿を貰おうとした時、ふと先程の会話を思い出す。

 

「ーーアフィン、このパンケーキ、手を付けてないよな?」

「んっ?あぁ、食った方しか手を付けてないよ」

 

…もしやアフィンって普通モードとネタモードがあるのか?

そんな二重人格みたいな事があり得るか…?無いだろう。

 

パンケーキを貰い口に運ぶ。

前から甘い物はわりかし好きだったが…女になってからもっと好きになった気がする。

溶けたアイスクリームをパンケーキの上に乗せ口に運ぶ。少し大きかったのかアイスが口元から垂れた。

 

「……うん?どうした?」

 

そこをじっとポテトを手に持ったまま見ているアフィン。

 

「いや…ちょっとね?」

 

そう言い目をそらす。

 

「口元か?」

「あぁ、アイスがね…」

「……この溶けたアイスって白い液体だよな?」

「もう言うな…みなまで言わなくてもわかる」

「分かりたく無いのは俺なんだよ」

 

さっさと口の中に残ったパンケーキを入れ席を立つ。

 

「ま、待って!まだポテトがーー」

「そんなのさっさと口に入れろッ!帰るぞ」

「無理だって!」

「…すいません、コレ入れられるものあります?」

 

アフィンが全部は口に入らないと言いしょうがなくウェイターを呼びポテトをいれてもらう。

小さな良くバーガーチェーン店で見る袋だ。

 

「よし、アフィン会計は任せた」

「おぉい!ここは割り勘だろっ⁈」

「ッち、しょうがねぇな」

 

ここでアフィンに出させようとしたが割り勘と提案して来た。たまには乗るか。割り勘だけど。

 

「お二人でパンケーキセット二つ850メセタ、フライドポテト600メセタ、オレンジジュース160メセタで合計2.480メセタになります」

 

2480円割る2だから…1240か。

足首に付けているポーチから財布を出す。

財布の蓋を開け中身を確認する。

 

「…やべ、細かいのが…」

「…相棒…いい加減カードで払おうよ…今時メセタを携帯するなんて殆ど居ないよ?」

「うるせぇ、万が一があるだろ?」

「その万が一もカードでどうにかなるんだよなぁ…」

 

そう言うので仕方なくアフィンの言う通りアークスカードを取り出し渡す。

 

「……はい、お二人様から1240メセタキッカリ頂きました。ありがとうございました。また来て下さいね?」

「はぁい、また来るよ」

 

そう言い喫茶店から出る。

 

居住区からショップエリアに向かう。そう言いやモノメイトとか残っていたっけ?

 

アフィンについて行きながらマグを呼びコンソールを呼び出す。

 

ナノトランサーに保管されているアイテム一覧からメイト系を探す。

 

合った。モノメイト。

 

「…そういやモノメイトって飲んだ事なかったなぁ…」

「…ん?飲んだ事ないのか?」

「あぁ、元々俺はダメージを食らいにくい中遠距離のレンジャーだったし…」

 

まぁ、そのライフルもイかれてショートバレルのお下がりだけどな。

 

「…なぁアフィン。このモノメイトって美味いのか?」

「…あぁ、まぁ、なんだ」

「…不味いのか?」

「…飲んで見ればわかる。強いて言うならーー」

 

そう言い前を歩いていたアフィンが俺の方に振り返った。

 

「俺は好きじゃない」

 

不味いのか…。

 

「飲んだ事ないなら飲んで見れば?百間は云々カンヌン、だ」

 

そこまで言われると飲んでみたくなるじゃないか。

 

アイテムのモノメイトをタッチ、出現させる、を選ぶ。

ナノトランサーに手を入れソコにあるはずのモノメイトを掴む。

そのまま手を外に出し出てきた物を見る。

 

ラベルにはアークス言語でモノメイト、と書かれている。

チューブに口を付け吸う。

 

 

「まっっずぅっっ!んだコレッッ!」

 

吸った瞬間、口の中の物を近くに有るゴミ箱に吐き出した。

 

「まぁ、そうなるわな。美味かったら暇な時でも飲んじまうからだろう」

 

そうだが…ッ!そうだけど…ッ!

 

「だからって…コレは…うッェ」

「その代わり戦闘服のフォトン係数がダーカーにやられて落ちた時に元に戻るから飲む事になる」

「…はぁ、はぁ、はぁ、じょ、冗談じゃねぇ…ぜってぇダメージなんか食らうものか」

「因みに相棒が落として地面に中身をぶち撒けているモノメイト…それ1個で10回使えるぞ」

「……モノメイト買いに行くぞ。買いーー」

「ーーそれじゃ俺は帰るわ」

 

買い物に付き合え、と言おうとしたら先に帰ると言われた。

 

「付き…そうか、なら仕方ない」

「…まぁ、なんだ。ありがとう。今回は助かった」

 

そう言い面と向かってアフィンが頭を下げてきた。

 

「アフィン、もう良いって。何回か謝っているだろ?」

「それでも、だ。だからーー」

 

「コレからも俺の友達で居てくれるか?」

 

そう言いアフィンは頭を上げて右手をーー俺から見て右手を差し出してきた。

 

「勿論、と言いたいが…」

「なんだ?ダメなのか?」

「なんか死亡フラグっぽいからダメだ。因みに俺の答えは勿論、だな」

「なら良かった。任務がある時はまた誘ってくれ。相棒と居ると死にそうで死なないスリリングな任務になるからな」

「頼むからもっと気楽にやれる任務にしとくよ」

 

そう言いアフィンは先にテレポーターに乗り帰った、のか?

 

「…さて、モノメイト買いに行くか」

 

 

ショップエリアに到着し、さてモノメイトを買わねば、と思って居るとモニュメントである中央噴水の前に少し前に見た格好の女性が佇んで居た。

 

「新たなマターボードが産まれた…。此れは、貴女の行為が意味を成し事象の好転を示す」

 

そう女性が言った瞬間、周りにいるアークス関係者が急に止まった。

 

「マターボード…?それに周りの人が止まった…それに貴女は…?」

 

 

そう言い目の前の女性ーーシオンが俺の方に振り返った。

 

「私と、私達から、千感謝を」

「易き道程ではない事を、私達は知り、それでも私は貴女を頼った」

「応えたのは貴女だ。貴女の意思が応えた。故に私は感謝する」

「答えたって…一体何にです?」

「貴女の認識において、優位事象の取得がおこなわれている。得た物は貴女以外に得られぬ物となる」

 

ダメだ、話が全く解けない。

 

「貴女が手にしたかの武器について、私は知らない。知り得ない」

「武器…あのぶっ壊れた創世機の事、ですか?

 

ナベリウスの凍土地域にて俺そっくりのダークファルス、仮面[ペルソナ]と交戦した後に拾った謎の武器のパーツ。アレのことか?

 

「ただ、貴女にとって、いずれ分かる事象で有ると私は知っている」

「これ以上語るべき言葉を私は持たない……許して欲しい」

「そして、幾度と無く貴女を頼らねばならない私をどうか…許して欲しい」

 

そう言うと急に目の前のーーそうだ。シオンだ。シオンが消え、周りのアークス達もまた動き出した。

 

「…一体全体どうなってんだコレ…」

 

とりあえず、モノメイトを購入しないと。

シオンと会話ーー会話か?した場所から直ぐに右に向くと回復アイテムを売っているお店がある。

 

「……あっ、旅立つ前の準備を忘れずに!此処では回復アイテムを売ってますよ!」

「それならモノメイトを1つ頼むわ」

「ありがとうございます」

 

そう言い店員の黒髪の人がモノメイトを渡してきた。

 

「えっと…メイト、ディ、トリ、全部あるな」

 

他に買うものは無いのを確認し店から離れる。

 

「気を付けて行ってらっしゃいませ」

 

任務から帰って来たところだけどな。

 

 

 

 

 

 




ナノトランサーって四次元ポケットって言うけど位置(背中)的にめっちゃくちゃ取り出しにくそうな場所にあるな。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

39話目

あぁ~EP1-3で火山行ってるのとマター前後したんじゃ~。


すいません(某惑星ボイス)遅れました。詰めようとすればするほど破城しそう。ただでさえ破城気味なのに…


 

 

ショップエリアにて買い物ーーモノメイト1個だがーーを終えて自分の家に戻る。

 

「そう言や久し振りの気がするなぁ…」

 

そう言いふと日付を確認する。あれ?2日しか経っていない…?

 

「オラクル標準時間で…」

 

あぁ、やっぱり2日だ。…という事は2日で450万も稼いだのか…。

それにしてもあの機体、何であんな所に…明らかに人じゃ無いものと戦う感じだったけど…。まぁそもそも人型兵器って対人じゃないし。

 

「まぁ、アレに乗れて俺はラッキーだったな」

 

死にそうな思いしたけど。

 

 

「よし…ただいま…あれ?」

 

自分の部屋の扉を開けてみると中から返事が聞こえなかった。疑問に思い奥に向かうと…あぁ。

 

「二人揃って寝ていたのか…」

 

寄り添うようにポイントとマトイが寝ている。

念の為、二人の手首に手を当てちゃんと呼吸をしているかを確認ーーしている。次に額に手を当てるーー熱なし。

この船団は、ほぼ全てのことをフォトンで賄っている。前世の電気やガスとかと一緒だ。

だが俺は近いうちに電気は兎も角ガスにはしたいと思っている。少なからずのメーカーがあるし。

この閉所空間でガス?と思うが、曰く爆発しそうになったらフォトンがガスを吸い込む?何というか止めてくれるらしい。

最早魔法だな。

…兎も角、フォトン代や、水は全て俺の所から勝手に引かれているはずだから其処らへんは抜かりない。

 

冷蔵庫に向かい何か食べるものは無いか探す。

中にはーーほぼ何もなかった。

 

「うっそだろ…まさか…⁈」

 

真っ暗だったキッチンの電源を入れて明かりをつける。

 

「やっぱりか…」

 

シンクの中には全く洗われて居ない食器類が。自分でもミミと尻尾が垂れているのが自分の事のようにーーってこれは自分の事か。

 

「はぁ…」

 

この残城を見て俺は先ずそれらを洗うことにした。そうでは無いと予備の皿すらない。

 

キッチンに備え付けのポンプにスポンジを近づけて洗剤を付ける。

つけた後に少し水を掛け良く泡立たせる。泡だてた後は、只管食器を洗い、水で濯ぎ、乾かす。この3工程だ。

 

 

「んっ…んんぅ?」

 

食器を洗う音で起きたのかマトイが声を上げた。

 

「…マトイか?今日の飯どうする?」

 

食器をスポンジで洗いながらマトイに聞く。マトイの方はまだ起きてないのか紅い目で俺の方をジィィっと見つめている。

 

「…ユウナちゃん?」

「…?あぁ、そうーーおい待て!今洗ってる最中だならっ!」

 

そうだと返事をするとマトイが急にドタバタと俺の方に走って来て後ろから抱き締められた。

 

「ユウナちゃん…帰ってきてくれたんだ…無事で良かった」

「…マトイ、胸が当たってる」

「…?女の子同士だから大事だよ?」

 

俺は元男なんだがなぁ…男の時にこんなシチュに会いーー会ったらフリーズするわ。

 

「そう言えばやけに長かったけど何処に行っていたの?」

「あぁ、それはーーすまんが、洗い終わってからでーー」

そこで何で食器がこんなに溢れているのか聞いてみることに。確かに任務に出る時全部洗った筈。

 

「ーーなぁマトイ、話は変わるが何で食器がこんな事にーー洗われてないんだ?」

 

その問いに対してマトイは。

 

「あはは…その、ごめんなさい」

「何があった?」

「ユウナちゃんが居ない間、何かを作ろうと思って居たのだけど…洗うの忘れてて…」

「料理に失敗したとかじゃないんだな?」

「う、うん。ちゃんとできーー」

 

マトイの会話を遮るように誰かのお腹が鳴いた。

 

「ーー食ってないな?」

「…うん…」

「…幸いもう夜手前だ。何か頼むか?」

「良いの⁈それじゃあね…えっと、肉!」

「に、肉⁈まぁ、良いけど…」

 

マトイの余りの食い気味に少し驚いた。と言うか肉のデリバリーってあるのか?

 

テーブルに置いてあるノートに向かい肉、デリバリーと調べてみる。

 

「…案外あるな…ステーキすらデリバリーか。何でもありだな」

 

大体こういうのは実物と違う可能性があるが…無いものには仕方がない。値段もセットで2000メセタいかないレベルだし。

 

「ポイント…は寝てるのか…同じセットで良いか。マトイはどうする?」

 

ポイントのと自分のを決めてノートをマトイに見せる。

 

「うーんと…ユウナちゃんと一緒ので良いや」

「ご飯とパンならどうする?」

「…ご飯?」

「…多めにしておくわ」

 

それから暫くしてマトイが今回行った惑星ーーリリーパか、それの話を聞きたいと言ってきた。

 

「任務で言った惑星の話を聞きたい、ねぇ…」

「ダメかな?何かキッカケで思い出すかも」

「思い出す…?あぁ、そういやそうか」

 

マトイが言ったキッカケーーそういや記憶喪失なんだっけ。忘れてたわ。

 

「って行ったって…リリーパなんてあんまいい惑星では無いぞ?」

「行った惑星はリリーパって言うんだ。……それって今ニュースでやっていた新しい惑星だよね?」

「そう、多分それ。暑いわ砂しかないわ暑いわでロクなことがない」

 

それに死にかけたし。

 

「砂だらけの惑星なんだ。確か砂漠って言うんだっけ?」

「そうそう。砂漠で合ってる」

「新しい惑星だしまだ何か隠れてるかもしれないかもね。ゲッテムさんやゼノさんも行ってるのかな?」

 

…その隠れたものの一部を見つけて回収した、って言ったらなんて言うだろうか?

 

「そう言う隠された物を探すのって楽しそう。うん、何だか宝探しみたい」

「うぅん…なんか思い出せるような事はーー無いか」

「……ありがとう、ユウナ。特に思い出すような事は無かったけど話聞けて楽しかった」

「そうか。また何かあれば…うぅん…明日辺り外に出かけるか」

「明日?別に良いけど…どうして?」

「…マトイの服とか家具とか色々見つけないと。一応記憶戻るまで此処にーー居るか?」

「うん、居るから。大丈夫」

「よし。ならさっさとーーまだご飯がまだだったな」

「そうだね。早く来ないかなぁ…」

 

マトイと明日出かける約束をして会話を終わらす。と言うかどの位掛かるのだろうか?

ノートを開き注文履歴を見る。数分で来るようだ。速いな。

 

「ほら、ポイント。起きろ」

 

マトイが動いたお陰でソファに倒れて寝ているサポートパートナーを起こす。

 

「…ふぁ、ユウナさん、おはようございます」

「まだ日は開けてないぞ。何も無かったから肉で良いな?」

「…ヤケに羽振りが良いですね?」

「…少し当ててしまってな…」

 

あんな大物どんな確率で当てられるんだか…。

 

「…っあ、食材も買わないと…まぁ、明日考えれば良いか」

 

それから4分くらいマトイとポイント達と惑星出会った事ーーロボの事ははぐらかして喋った。自分でも何ではぐらかしたのかは分からない。

 

 




これEP1終わらすの)無理ゲーじゃね?テンポ下さい。と言うかサポパの扱いどうしよう…?本家は人造人間?アンドロイドだけどここはそういうのをなしにするとアークス予備隊なのか?…そういうのにしよう。尚名前。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

40話目

所で何でアークスの女性陣の戦闘服ってあんな露出度が高いの?何?フォトンを感じやすく?おまそれ男女共に裸で(ry

男性ハンターの戦闘服ください。


 

 

それから数分してインターホンが鳴り、備え付けのモニターを見る。どうやら来たらしい。

玄関に向かいお金ーーメセタを払う。

デリバリーされたステーキセットを二人の前に置き先に食べさせる。

それから店員から店のパンフレットを貰った。

奥の方でいただきます、と言う声が聞こえた。

 

「うぅん、柔なくないなぁ」

「うん、なんか固いというか何というか…」

 

まだデリバリーして来た店の人が居るというのにリビングからそんな声が聞こえた。

 

「ぁははは…その、すいません」

「いえ、大丈夫ですよ。少し焼き過ぎたのかもしれませんし。少し安くしときますね」

 

2500x3で7500の筈が500メセタ引かれ7000メセタになった。

 

「また何も無かった時に頼むよ」

「はい、ありがとうございました」

 

そう言い店の人は帰っていった。

ドアを閉めマトイとポイントの居るリビングに戻る。

二人は先程の声の通り既に食べ始めていた。

 

「うぅん、ソースをデミグラスにするべきだったかなぁ?」

「オニオンも中々美味しいですよ?」

 

そう言いながらステーキを口にどんどん運んでいく。と言うか奮発して600gを頼んだんだが…。

一度皿の方を見ると3分の1近くが無くなっていた。

…よく見ると二人とも口元にソースをつけている。

 

「?どうしたの?早く食べようよ?」

 

マトイとポイントの口元を見ていたら二人に言われた。

 

「あ、あぁ、分かった」

 

既にテーブルに置いてあるステーキの前に座り、いただきます、と言ってからナイフとフォークを使いステーキを切る。

 

少し間の空いたお陰で少し硬くなって居る。

 

ナイフでステーキを切るとーーよし、ちゃんと中まで火が通っているな?

大きめに切ったステーキを口に入れる。

 

「んんっ…確かに…硬いな…」

「でしょ?まぁ食べれなくもないけど…」

「えぇ、ユウナさんが居ない時に作った料理はそれはーー」

「ポイントさん、その事は言わないで…」

「…まぁ、何があったかまでは聞かないが…」

 

まぁ、後で料理本片手に教えるか…そうしよう。元男の俺が何処まで通用するかは分からんが。

 

心の中で思いつつ、ステーキにーーもうナイフで切るのを面倒だな。ナイフで切らずそのまま行くか。

 

未だ塊と言えるサイズのステーキをそのまま口に運ぶ。

 

「…ですが、マトイさんも将来ーーと言ったって三、四年後には結婚出来る年なんですから料理のひとつくらいは…」

「だって、料理本見たって分からないよ!小匙ってどの位なの?大匙って?塩と砂糖のぱっと見の違いは⁈」

 

最後のは私情だろうに。と言うかぱっと見で分からないのであれば舐めれば良いのでは?

 

そう言いながらも俺は自分の前にあるステーキを食べ進める。

噛みちぎりよく噛んで飲み込む。

 

「ほら二人とも、さっさと食って早く寝るの。明日買い物に行くんだよ?」

「はぁい」

 

そう言いながらもポイントと話を続ける。

その様子はまるで遠足前の子供ーー子供?

そういや良くあるSF物ではこう言う…作られた子供?人造人間?いや、それは人のパーツを使ったフランケンシュタインみたいな奴だ。

マトイを見るーーツギハギだらけ、と言うわけではない。

となるとーー。

 

「デザイナーベイビー、か?」

「ベイビー?赤ちゃんがどうしたの?」

「んっ?いや、なんでないよ」

 

デザイナーベイビー、読んで字の如く設計されたーーいや、再設計した赤ちゃん、か。

 

「…やっぱ科学者って発展するとくそだわ」

 

そう肉に被りつきながらも小さく呟いた。

 

その後マトイとポイントにーーマトイには同じ事を言うことになるがーー今回の任務の事を話し明日に備え就寝した。

 

余談だが夜間トイレに行こうとベッドから起きたらマトイが隣に居たのは最早何も言うまい…。

 

 

翌朝、前日の約束通りに外に出かけることにした。

 

「あぁ…今回買うものは…」

 

適当に野菜、肉、米ーーあと…なんだ?

 

「…そういやマトイ。家具って買ったか?」

「うん?ユウナの使っていない家具を適当に置いといて見たよ?」

「…何か欲しい家具ってあるか?」

「……今はないかなぁ…」

「そうか…」

 

ないのなら仕方ない。そう思いながらクローゼットの扉を開ける。

中にはーー今着ているドラグニアフローラル、だったか、それを着る前に着ていた服ーーヘレティッククイーンって名前か、それの替えが3枚ほど合った。

ーーそれ以外には何も無い。

 

「……」

 

ガチャリとクローゼットの扉を一度締め一言いう。

 

「何か普段着買うか…」

 

今回はこのドラグニアフローラル着たまま行くか。アークスだし…まぁ、何か言われたらアークスなんでって言っとけばいいだろう。

 

「うっし…マトイ?終わったか?」

「うん!今向かうね!」

 

そう言うとりびんぐを挟んだ反対側から出てきたマトイ。…うん?

 

「なぁマトイ…その服でーー救出した時の服で本気で出るのか?と言うか足元寒く無いのか?」

 

今マトイが着ている服ーーそれは余りにも服と言うには露出がーーってアークスの女性戦闘服全般に言えるか。

 

足元は若干生脚晒しているし胸の下辺り出てるし。

 

「?ダメかな?」

「…周りを見れば変わらんが…強いて言うなら俺がダメ」

 

今は女でも精神までは男で居たい。居なければならない。

 

「うぅん…ならどうしよっかなぁ…他に服はパジャマしか無いし…」

「…あれ?少し前に服買わなかったか?」

「あはは……少し興奮しちゃって運動したら引っかかって破れちゃって…」

「…破れた?」

「うん、あそこーーってそこからじゃ見えないか。こっちに来て!」

リビングから自室を指すものの角度的に見えない。マトイは俺の手を引っ張りマトイの部屋に連れて行った。

 

「ほぉ…中々可愛いじゃ無いか」

 

マトイの部屋に初めて入った感想は、可愛いだった。

戸棚にネコやイヌみたいなデフォルメされたぬいぐるみが3個ほど乗ってーーんっ?

 

「マトイ、なんだ?あの黄色い…鳥?」

「あっ、アレね?ラッピーって言うんだよ?なんか可愛くて買っちゃった!」

 

ラッピーやらを手に取り持ってくるマトイ。

 

「ラッピー、ねぇ…」

 

美味しいのだろうか。

 

「…はっ、ユウナ、今変なこと考えなかった?」

「んっ、いや、特に何もーーユウナ?」

「っあ、もしかしてダメ?」

「いや、別にいいよ。好きなように呼んでくれて」

「本当⁈それじゃぁ……わんこ!」

「…それは痛い記憶を蘇らせるからやめてくれ…」

 

自分でも尻尾とミミがへこたれるのを感じた。

 

取り合えず何も着せるものがなかったので俺のお古のヘレティッククイーンを着せる事にした。

 




遅かったな…言葉は不要か…

取り合え次あたりでショップエリア三階にいる女性キャストに会いに行かなければ…。

大統領が出た。実質ACっぽいのも出た。では本家はどうなる…?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

41話目

介護辛い…辛くない?


 

 

ショップエリアから下に向かってマトイと俺の服を買うことに。

 

「さて…マトイ、どこに行こうか」

「うぅんとね…まずは買い物かな?」

「…だよな、食べ物買わないと…」

「…ねぇユウナ?ここら辺にーーそう言う何か買う所ってあるのかな?」

「俺だって調べて来たんだぜ?」

 

そう言いマトイにマグが見えるところまでくっ付く。

 

「現在位置がここーーショップエリアを降りた目の前のエリア。目的地はーーこの…ニァールカト?で良いのか?」

「…マグの地図を見る限り合ってるね?

「…言いにくいな、ルカトで良いや。まずはここに行こう」

 

表示された地図に赤い丸が移る。

 

「まず食べ物とーー食べ物と何買うの?」

「取り合えず食べ物。後はそれから。…ニァールカトって外国語っぽいな」

「がいこくご?何それ?」

「あぁ…違う種族が喋る言語かな?」

「ニューマンもセミフルキャストもヒューマンもビーストと皆んな同じ事を喋ってるよ?」

「いや、まぁ、そうだが」

 

統一言語、それがアークス言語か?

そう言う意味では外国語って概念は無いのか。

 

「…取り合えずバスで行こう。マトイ、良いか?」

「う、うん…」

「…何かあるのか?」

「その…少し怖くて」

「怖い?何が?」

「他の人の目線が…ほら、私って白銀だから…」

「いや、その理論で言ったら俺やゼノさんやエコーさん、あとアフィンーーは金髪だから関係ないな。ゲッテムハルトさんにメル姉妹なんか緑だぞ?」

「…えっと、ユウナは銀…と言うか灰色ーーでも黒に近い?のかな?にゼノ、さんは赤髪、の人だっけ?」

「そうそう、もう一人いた女の人がーー」

「ーーエコーさん、だよね?」

「そうだ。ゲッテムハルトは…ありゃ薄青か?」

「そうだねぇ。メルフォンシーナさんと、メルランディアさんが…緑髪、だよね?」

「合ってる合ってる。ほら?周りもおかしい髪色ばかりだろ?」

 

そういや染めてんのかな?オラクル船団の人たちは。

 

「…染めてんだろうなぁ…」

「?何のこと?」

「何でもないさ。それでマトイ。バス、乗れるか?」

「…ユウナと一緒なら…」

「…今思ったが呼び捨てになったな」

「あれ?もしかさてちゃんづけの方が良かった?」

「いや、良いさ。マトイもバスに乗れるって言ったしさっさと言ってさっさと帰ろう」

「…私はもう少し歩きたいなぁ…」

「…帰りどっかに降りるか」

「うん!」

 

なんか子供が出来たみたいだ。身長的にはどっこいどっこいだけど。

 

「所でユウナ?あんなに沢山買ったけど大事なの?保管できる?」

「あぁ、あの量なら問題ないーー筈。冷蔵庫にナノトランサーの機能ーー四次元ポケットか。それが付いている」

「…ならあんなに大きいの要らなくない?」

「……マトイ、小さければ良いと言うものではない」

 

第1小さ過ぎると物が入らないからな。

ふと見るとマトイが俺の胸と自分の胸を見比べている。

すまんがぶっちゃけクッソ重いからマトイの小振りーー。

 

「…言う程小振りか?」

「えっ?」

「…いや、何でもないさ」

「…ユウナに比べれば小振りだよ?」

「比べる相手を間違えてるんだよなぁ…」

 

そもそも本人ーーこの場合はこの体の人か。その人にーー。

 

「…んっ?そもそも戻った時本来の持ち主はレンジャーでやって行けるのか…?」

「えっ?ユウナちゃん忘れ物?」

「いや、あぁ。確かに忘れ物だわ。回収出来ないけど」

「えっ?大丈夫なの?」

「問題ない筈。多分」

 

まぁ、その時になったらなったであとはその本人の自由にすれば良いや。

 

「…食料類は買ってもうウチの冷蔵庫に入っている筈だし…どうしよっか?」

「うぅんとね…ユウナちゃんが使ってる武器を見たい!」

「ライフルを?なんでいきなりーーいや、確かにどうしよっかって聞いたけど」

「ダメかな?」

「…まぁ、武器屋ならアークス所属なら大体入れるらしいし…行く?」

「行く!」

「…俺が言うのもなんだがマトイは武器見てて楽しい?」

「楽しいって言うか…なんか、こう…引っかかるって言うの?」

「…まぁ、武器見て触って思い出すかもしれないし、言ってみるのもアリか」

「うん!」

「…マトイは何を持てそう?」

 

武器屋に舵を切りショップエリアを目指し進む。

ショップエリアには武器屋(6階建)がありそこの1階で比較的使いやすい武器の販売をしている。

そこで売っている武器は名前に必ずA.CーーArks.combatの略ーーが付く。多分ゼノさんから貰ったこのライフルも元を辿ればA.C系列の筈。

 

「えっとねぇ…ソードは重そうだし、パルチも重そうだしーー」

「と言うかハンター系列の武器って全て重そうだよな」

「うん、ファイターのダガーは自分の事切りそうだし、ダブルセイバーもソードと同じかな?」

「ナックルって柄じゃないもんな。マトイは」

「となるとユウナちゃんと同じレンジャーなんだけど…」

「しっくりこない、と」

「…うん、となると…」

「フォースとテクター、か」

「…そこって武器を使う事って出来るの?」

「えっと、確か、鬼の様にリミッターかけられた状態で使えるらしいよ?」

 

と言うかそもそもオラクル船団の中じゃ緊急時以外は使用原則禁止だし。

…ここでいきなり炎どかーんとか来たら死ぬぞ?

 

「どの位リミッター?掛かってるの?」

「確かーーライフルに限るが意図的に射程落ちてたな」

 

まぁ、レンジ自体が射程に対して短いって言うのもあるのだろうが。

 

「俺も短いライフル欲しいしなぁ…探すか?」

「うぅん…でも私マグ持ってないし…」

「あぁ…そうか、連絡付きにくいのか…」

 

かと言って今すぐアークスになれって言うのもなぁ…まずフォトン適性有るのかすら不明だし。

 

「まぁ、ゆっくり行こうや。時間はーー」

 

『ただ今午前11:00になりました。現在の天気は晴れ、気温は24度、湿度はーー』

 

ビルに付いている大きなテレビが時刻を告げた。

 

「お昼にすらなっていない。たっぷり有るさ」

「そうだね。まだまだ有るね。……所でユウナちゃん?」

「なんだ?」

 

歩くのをやめマトイの方を見るために振り返ろうとした。

すると腕にマトイが抱きつきマトイの勢いで自分も歩き出す。

 

「お、おいマトイ?」

「今日のお昼は何にしようか?」

「……何が良い?」

「お肉!」

「昨日食ったよな?」

 

買い物はまだ始まったばっかりだ。

 

 

「…あっ、俺ら服買ってなくね?」

「…あぁ、忘れてたよ」

 

こりゃ武器屋を見終わったら服を買いに行かなくちゃな。

 

 




遅くなって申し訳ない。多分もっと遅くなる可能性が月が壊れるレベルで存在するかも知れない。

あと二、三回したら着替え回かも知れない。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

42話目

待ってたかどうか分からないけど)待たせたな!


 

 

「お客様に大変お似合いですよっ!」

「そうかぁ?…マトイはーー」

「お連れの方でしたら別のお部屋で試着しておられーーすいません」

 

話を遮り耳元のインカムに手を当て始める店員。

 

「ーーはい、はい。分かりました、お客様にお伝えしますーーお客様、お連れの方が服を買うとのことですが」

「いったいどんな服だ?」

「此方にお客様のお連れの方が購入する服を着た場合のデータがあります」

 

そう言いながらホログラフィックを俺に見せる。

 

「…いいじゃないか。値段は?」

「はい、此方8.000メセタとなっております」

 

成る程、8000か…今は財布は厚いし買うか。

 

「うむ、買おうか」

「お買い上げありがとうございますーー所でお客様」

「なんだ?」

「お客様は何か買われないのでしょうか?」

「…そうだな、露出が無い服、あるか?」

「…完全に、と言う事でしょうか?」

「そうーーいや、出来うる限りでいい。あるか?」

「とは言いますものの…」

 

そう言い店にある商品リストをスクロールする店員。

 

「…そうなるとスーツーーこのディレクトスカートの様な物しか…」

「…スカートか…長さは?」

「足の関節までです」

「色は?」

「スーツらしく黒、でも白や赤、緑だってありますよ?」

「…まぁ、黒でいいかーーそうだ、これ、戦闘に耐えられそうか?」

「戦闘に…?失礼ですがお客様は…?」

「あぁ、一応アークスだ、ルーキーだが」

「アークスの方でしたか。そうですか…そうですねぇ、戦闘に関しては…うむ…」

「…あぁ、取り敢えずコレは買っておくよ。何も戦闘服にするつもりはないからな」

「…うむ…そうですか、分かりました。住所はどちらに?」

「アークス居住区のーーいや、こっちで書く」

「分かりました。ではタブレットをどうぞ」

 

そう言い渡される紙ーーではなくタブレット。其処には自分の名前を打ち込むだけで住所を特定出来る、とそんな風に書かれていた。

 

「…ねぇ?これ大丈夫?」

 

そう言いタブレットを店員に見せる。自分の情報をこんなスラスラ書き出していいものか?

 

「大丈夫ですよ。オラクル船団のマーケットやショップは必ずと言っていいほど導入されている信頼性の高い会社の物ですから」

「そう、なのか?」

 

自信満々に言う店員に少したじろぐ。だがーーいや、かといって紙で住所を書こうにもなぁ…この船団に紙自体あるかどうか…。

 

周りを見渡せば殆どが機械類。ノートみたいな物ーーと言うか紙自体がないのかもしれない。

いや、まて。本が有るからそれは無いな。価値もそんなに無いし。

 

「となると…書くという発想が無い…?」

 

いやいやいや、待て待て待て。こんなに科学力が発展してんだぞ?そんな事はないはずだ。

 

「はい?どうしましたか?」

「いや、何でもないです。此処に入力すれば良いんですね?」

「はい。お願いします」

 

タブレットを操作し自分の住所を書き込む。

 

「あぁ…電話番号は良いのか?」

「電話番号、ですか?失礼ですが電話番号とは…?」

 

そう言い聞き返して来る店員。しまった。こっちには電話と言う概念が無いのか。

 

「あぁ…そうだな、いや、やはり忘れてくれ」

 

電話とは何かを説明しようかと考えたがそれ通信で良くねって事を思い出し辞めた。

 

「そうですか、分かりました。住所は此方で間違い無いですね?」

「あぁ、合っている、筈だ」

「分かりました。それでは同じ物を住所のナノタンスに置いときます」

「いや、玄関に頼む」

「いえ、お客様、ナノタンスならばどの家庭にもあります。其方の方が安全ですよ?」

「…そうか、それならば頼む」

「分かりました。所で…」

 

そう言い店員は俺の事をジッと見る。

 

「お客様のお連れの方は服を後数着買うとのことですがーー」

「マトイめ…あんまりはしゃぐなよ?」

「ーーすいません、6着ご購入するとの事ですが?」

「値段は?」

「六万メセタです」

「…まぁ、良いだろう。購入しよう」

「ご購入ありがとうございまーす」

 

なんだか載せられている気がしてならない。

 

 

服をある程度買ってショップエリアにある武器修理施設、ペアーリーーの隣にあるアークス製武器販売店に来た。

中は人が沢山いてマトイがキョロキョロ周りを見渡しまくっていた。ヘッドセットでミミを上手い具合に隠しているとは言え中々視線が刺さる。

列に並び彼此5分後、俺らの番になりアークスカードを見せる。

 

「…はい、認証取れました。アークスのユウナ、さんですね?今回のご用件は?」

「俺の連れに武器の練習をさせて欲しい」

「失礼ですがアークスに所属している方ですか?それとも一般の方ですか?」

「いや…唯の一般人さ。出来るか?」

「一応フォトン濃度の検出をします。此方に手をかざしてください」

 

そう言い手を置く何かそれっぽい物を出した店員。

 

「えっと、ユウナ?これに手を置けば良いの?」

「あぁ、そうだ。大丈夫だ、何も起きないから」

 

そう諭しながらマトイの手を借りそれっぽい何かに乗せる。

 

「……はい、測定でました。フォースとテクターに向いているようですね。この二つを練習しますか?」

「…どうする?いっそ全部やって見るか?」

「うーん、ハンターとファイターは良いかなぁ…」

「まぁ、インファイターって感じは無いもんな…」

「…すいません、ソレですと貸し出す武器にも限りがあるため五つ以内にしてもらえませんか?」

「…ソレならウォンドとロッド、タリスと…ライフル!」

「なんで法撃職からいきなりライフル…?」

「ユウナが使ってるし、使いやすそうかなぁって」

「いや、まぁ、別に良いけど…後一つはどうする?」

「うーん…ユウナは使いたいものある?この際だから使ってみようよ!」

 

そう言いテンションを上げるマトイ。

 

「なら、ロケランで良いですか?」

「ロケラン?」

「っあ、ランチャーです、ランチャー」

「あぁ、レンジャーのランチャーですか。分かりました。至急手配しますね」

 

そう言い目の前に鍵とカードを2組ずつ渡して来た。

 

「このカードと鍵がキーになっています。お部屋は145号室となりますので、彼方のエレベーターから四階に上がってください」

 

言われるがままにエレベーターを目指す。隣にはアークス言語でEXITと多分書かれていた。

 

番号通りの145号室に入ると右側にはラックが置いてありライフルのマガジンとランチャーが各二種類づつ立て掛けてある。反対の左側にはロッド、ウォンド、タリスが同じく2組立て掛けてある。

 

「さてマトイ…何から始める?」

「うーん、無難にライフルからかなぁ…」

 

人差し指を口に当てながら考えているマトイ。現実でーー此れが現実かどうかは二の次としてーー初めて見たわ。

 

ライフルを取りマガジンが入ってないのを確認してコッキングレバーを引く。

エジェクションポートがパカっと開き薬室内に何も入っていないのが分かる。

安全装置の位置を確認してマトイに渡す。

 

「此れがライルフかぁ…重いねぇ」

「それにマガジンーーって思ったけどナノトランサーから作った数だけ出せるわ」

「重いねぇ…ねぇ?撃ってみてもいい?」

 

そう言いマトイがトリガー手を掛けた。

 

「マトイ、ストップ」

「えっ?」

「…まずはトリガー…その右手人差し指を離そう」

「う、うん」

 

そう言いトリガーから指を離すマトイ。

 

「よし、それで良い。良いか?マトイ。銃って言うのは相手に向けてさっきかけたトリガーを引くだけで人を殺せるんだ。本当に撃つ以外かけちゃダメだよ?」

 

まぁ、俺も正直撃ちたくないけどね。見てるだけで本当は十分だったんだけどなぁ…。

 

「ご、ごめんね?こうであってる?」

「大丈夫。マガジンは抜いてあるしトリガーを引いても安全装置がかかってるから大丈夫だよ」

 

もっともそれでも向けられたら怖いが。

 

「持ったら向こうにあるーーありゃなんだ?カカシか?」

 

ライルフを持たせ、撃つ方に向くと何だかよく分からないカカシみたいな物があった。

 

「唯のカカシーーいや、よく見るとあれ、金属の板か」

 

茶色に塗られたそれはよく見ると金属で出来たターゲットだった。

 

「未来から送られてーーいや、俺は送られたのか」

「何言ってるの?ユウナ」

「いや、こっちの話だ。ホラ。マガジンだ。空いているところに差し込め」

 

手渡しでマガジンを渡す。

 

「空いているところ…?此処?」

 

マトイが刺したのはストック部分。

 

「マトイ、ブルパップでも無いしそもそも刺す穴がない」

「それじゃ…ここ?」

 

そう言い本来の所にマガジンを指したマトイ。

 

「…マトイ、わかってたろ?」

「ふふっ、何のことでしょ?」

「まぁ、いいや、コッキングレバーーーは引いてあるから、マガジンはーー入ってるからチャージングボタンを押して見てくれ。…そう其処だ、其処のボタン」

 

高い金属音がして薬室内に初弾が入る。

 

「これで射撃準備がーー安全装置忘れてた。シングルに変えてっと…良し、整ったな?マトイ、トリガーに指を掛けて撃ってみな?」

「うん!」

 

 




Ep1終了が遠い…遠すぎる


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

43話目

マトイ「今のはイル・フォイエではない。只のフォイエだ」
ユウナ「ひぃぃぃ」


 

 

マトイは射撃場に置いてある椅子に座り台に銃を押し付けて反動を少なくしようとしている。

俺とマトイは耳にヘッドホンをして耳をヤられない様にする。無論もう片方のミミも専用の奴が有り、それも用意されていた。

 

俺がテーブル上にあるこの船団の科学力からしたら余程骨董品じみたボタンを押す。

 

すると射撃場にターゲットーーダーカーを模した的が出てきた。確かあのダーガーはダガン、だったか。俺らの腰辺りまであるからめっちゃ怖いんだよなぁ…戦いたく無いわ。

 

…俗に言う大型犬が突っ込んで来るのか…前の世界風に言うと。

 

そんな事を思って居ると、タン、タン、タン、と連続して甲高い発砲音か鳴り響く。

その後も発砲音が17回ほど鳴り響いた。

 

「…ぁあぁ…ヒット、ヒット……外れ」

 

マトイと俺が居るテーブルの上にダーカーの横と前、上から見た3DCGのホログラフィックが映し出されマトイが当てた場所、致命的になった場所等を写す。

 

「ちぇ、やっぱりライフルって難しいね?」

「まぁ、誰にもある程度扱えるって言うのがライフルだしな?俺だってまだまだだし」

 

マトイは手に持っていたライフルを台に置き、次の武器を探すため席を離れた。

 

ホログラフィックを見ると撃った20発の内、半分以上は当たっていた。そのうち数発はコアーー俗に言う弱点に当たって居る。

 

 

「と言うかマトイ。初めて触ったのに良く当てられたな」

「うん?当たれって思えば当たるよ?」

「…さいですか」

 

思って当たったら世界のスナイパーは発狂もんだな。

 

マトイが置いたライフルを手に持ち安全装置をセーフティーに合わせーーの前にマガジンキャッチを押しマガジンを出した後、チャージングハンドルを引いてチャンバー内から最後の1発を弾き出す。

 

チャージングハンドルを引ききって1番後ろで固定されたのを確認したら元にあった場所に戻す。

 

「ねぇねぇ!ユウナ!これなんてどう?!」

 

マトイに呼ばれそちらに向くとロッドを片手に持って向ける方ではない所を地面に押し付けていた。

 

「これ!かっこよくない?」

 

そう言いロッドを振り回すマトイ。

 

「マトイ…それはパルチザンじゃないぞ?」

「パルチザン?何それ?」

「…薙刀、かな?」

 

天井に向けられた尖った部分。其処がアニメの如く光った…様な気がした。

 

「ねぇユウナ。パルチザンってどう使うの?」

「いやぁ…俺レンジャーだし、ライフルしか使った事しか無いし…」

「そっかぁ…」

 

そう言いぐるぐる回していたパルチザンを元に戻す。

俺も隣に向かいロケットランチャーを両手で持つ。

 

ライフル以上にズシンとくる重さ。何キロあるんだこれ?

 

「ユウナちゃん?そんな重いの持てるの?」

「…無理…かなぁ…」

 

持って撃つだけならなんとかなるかもしれないが走って撃ってまた走ってを繰り返すのは…キツイなぁ…。

 

ランチャーを持ったまま歩き射撃場に立つ。

 

「安全装置は…グリップセーフティ?ガトリングみたいな奴か?」

 

良く見ると右手で握る部分と左手で保持する部分に二つ安全装置が組み込んである。

 

「弾種は…APとHE、徹甲弾と榴弾のみ?」

 

いや、違うな。良く見ると前にPと付いていた。

P…P弾…Practice bullets、練習弾…?まさか?それは無いだろ…多分。と言うと他にあるのは我らがアークスが使うフォトン…そう言や此れも頭文字Pだったな。

と言うことはPhotonic. Armor.Piercing、フォトン徹甲弾って事か。それじゃあ榴弾は爆薬の代わりにフォトン撒き散らすのか?

と言うかフォトンコーティングしただけでダーカー貫通するなんてなぁ…。

 

「まるでウラン弾みたいだなぁ…」

 

記憶が朧げながら確か劣化ウラン弾を撃つと放射線がこう、ばぁぁって広がった様なならなかった様な…そんなだったはず。それとトレードオフの代わりに鬼の様な貫通力…だったっけ?

 

「えっ?うらん?なにそれ?」

「…そういや此処にもウランは有るのか?…なんでも無いさ。独り言だ」

 

こんな閉所空間で原子力…事故ったら終わりだな。

 

マトイになんでも無いさ、と言い手元に集中する。そう?と言いマトイは武器物色に戻った。

左手でランチャー本体から伸びて居るグリップを握り1つ目のグリップセーフティを押す。そのまま右手でグリップを持ち此方のセーフティも解除。解除と共に左手のグリップにあるレーザーサイトから赤いレーザーが照射される。

 

「これを使って合わせろってか?」

 

取り敢えずトリガーを引く。

ズドンッ、とランチャーの砲身ーーバレルか?から発射された弾は真っ直ぐターゲットに向かい着弾ーーそのまま貫通した。

 

「あれ?爆発しないってことはAPか…と言うかこれ貫通して良くターゲットは無事だな」

 

ホログラフィックを方に顔を上げるとkillーー撃破と表示されていた。

 

「それじゃあ次榴弾。どんだけ山なりになるんだかな」

 

少し上目に構えズドンッと撃つ。

弾はダガンを目指ーーさず大きく奥の方に着弾した。

 

「…やっぱ榴弾ってゴミだわ。150ミリクラスじゃ無いとダメだな」

「ユウナ?何の話をして居るの?」

「ん?何でも無いよ。次、次行こう」

 

やはり俺にはライフルが1番だな。

 

ランチャー後方のリボルバーじみたシリンダーから弾を抜き出す。と言うかライフルみたいなボックスマガジンって言うのか?ーーいや、それ軽機関銃のマガジンか…まぁ、それ見たいな奴かと思ったが…シリンダーだとは…。

 

「これアイツに持たせて乗りたいな…」

 

思い出すは砂漠で奪取した人型兵器。これをそのままーー材質とか見直して拡大するだけで持てそうだな。

 

ドカンッ!

 

そんな事を思って居ると後ろから大きな炸裂音が聞こえた。

 

耳を塞ぎその場に伏せてーーようとしてそのまま前にコケた。

 

「いっっ…な、なんだ⁈ダーガーの進撃か⁈」

 

周りを見渡すもそれらしきものはない。有るのは壊された射撃場とマトイーーマトイ⁈

 

「おい!マトイ大丈夫か⁈」

「う、うん」

「な、何があったか分かるか⁈」

「えっとね…」

 

マトイが目線を外そうとして来る。何があった?

 

「フォイエ撃ったらこんなになっちゃった」

 

そう言い手に持ったウォンドで壊滅した射撃場を指すマトイ。

 

「ふぉ、フォイエ、で…?」

 

生憎俺はアフィンとしか組んだ事ないが、明らかにこれがフォイエの威力ではない事を何となく分かった。

 

その後ここの店員数名が駆け付け状況を説明。店員も驚いていた。

曰く

 

『此処はテクニック系は制限が掛かっていてイル・フォイエーーマトイさんが出したフォイエの上級テクニックでも中位に落ちる…筈なんですけどね…』

 

それを聞くとんじゃマトイがイル・フォイエ撃ったらどうなるの?って言う疑問が思い浮かんだ。多分だがマトイを中心に半径25メートルの敵がフォイエで焼かれるに違いない。ーーと言うか気化爆弾かこれ?

 

隣でオロオロするマトイのスペックに若干怖がりながらもマトイの記憶を思い出させることに失敗したなぁと思った。

 

 

…てかマトイこんなスペックなら元アークスの可能性が…ある…?

 

 

 

 

 




遠いなぁ…と言うかハンターフォースの二人にすら会ってない現状。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

44話目

やっと完成


 

 

マトイが壊滅させた射撃場を後にしてこの後は武器屋に寄ることに。えっ?射撃場の修理費?あれアークス管轄だから壊れる前提らしくて射撃場ーーもとい、射撃個室場をユニット交換できるようになって居るらしい。そのまま壊滅した所を重機引っこ抜いて入れてはい、お終い。だそうだ。マトイにアークスに入らないか?と聞こうとしたがこんな戦闘職、割りに合わんな。

 

そんなこんなでショップエリアにあるベンチに二人して座る。

 

「ふぅ…今日は楽しかったよ。ありがとう」

「なに、良いってことよ。まさか射撃場が壊滅するとは思わなかったけど…」

「だって…少しーー本当に少しだけ力込めたらあんな事になるなんて…アークスって凄いんだねっ!」

「いや、それはマトイがーー」

 

マトイのスペックがおかしいだけ、と言おうとしたが足を振りながら此方を向きニコニコしている顔を見ると言えなくなる。

 

「ーーまぁ、そんな事もあるさ…無いだろうがなぁ…」

「んっ?何が無いの?」

「こっちの話ーーってこれ何回使ってるんだか」

 

そんな事を思っているとマグがメニュー画面を投影し、メールの欄を開いた。多分何が来たのか?

 

メールをチェックするとーー。

 

「アークス統合技術開発部本部?なんだそりゃ?」

「んっ?どうだの?」

「アークスーー長いな、開発部からメールが来た…特に何も無いはずだけど…」

 

メールを開き中の内容を見る。

 

『此方の方が先日惑星リリーパにて人型兵器を奪取された方でしょうか?それならば至急出頭を願います。

簡単に言えばもう一度人型兵器を起動してもらいたいのです』

 

との事だった。

 

「なんて書いてあったの?」

「…」

 

はて…話して良いものか…一応奪取した兵器だし…。

 

「?どうしたの?」

「…まぁ、なんだ。任務で回収した兵器に不具合が有ったから来て見てくれ、だってさ」

「…ユウナが作ったわけでも無いのに?」

「えっ」

「ねぇ?ユウナ。それってどこ製?」

「えっ、さぁ?」

「おかしいね?ユウナなら自分の使ってるライフルとかどこ製でどんなパーツを使うとかすぐ分かるのに」

「……」

 

此処は話すべきか?あの機体の事を。

 

「…」

 

少しーー本当に少しだがーー考えた結果。

 

「…いや、任務で人型兵器回収してな?少しヤバイ状況だったからそれ使って逃げたんだよ」

「えっ⁈身体は大丈夫なの?家帰ったら身体見せてね?」

「えっ…まぁ…んで、曰く『起動しないから来て起動してくれ』だってさ」

「人型兵器?なにそれ?」

「いや…読んで字の如く人の形をした兵器だよ。ロボットだな」

「フルキャストを大きくした感じ?」

「キャスーーまぁ、そうたな。それで合ってる」

 

キャストと来たか…確かにロボットだけどなぁ…。

アフィンが人型兵器みてロボットだって言っていたぐらいだからそう言うアニメはある…よな?後で調べるか。

 

「それで!そのアークス総技課に行くんだよね?今から」

「総技課って…まぁ、そうなるわな」

「ねぇ?私も一緒に良い?」

「…まぁ、だいじょうぶでしょ?多分」

「やったー!」

 

そう言い抱き着いてくるマトイ。男の時ならとても嬉しいーー白髪赤目の少女が抱き着いて来たら警察案件だがーーけど残念ながら今は女だ…女の子、なんだ。

 

そう思いながら総技課って場所何処だ、と思うのと、今俺マトイと胸合わせしてね?等と邪な考えが浮かんだ。

 

 

マグで何時もの様に場所を調べ通路を表示ーーその通りに向かうことに。

 

「所でユウナちゃんはどんな人型兵器を拾ったの?」

「拾ったって…まぁ、そうだけど…」

「総技課に着けば見れるけどまだ遠いんでしょ?」

「…まぁ、な」

 

マグの写したホログラムをマトイと一緒に覗き込む。距離はまだまだある。

 

すると急にヘッドセットが鳴り出した。電話主はーーアフィン?

 

「ごめんマトイ。アフィンから電話だ」

「アフィンってあの金髪ニューマン?」

「あぁそうだ。……もしもし?」

『もしもしって…何時もそうだな電話に出る時』

「仕方ないだろ。コレは癖だ」

『その癖は一体何処からーーって今はそんな事を言っている場合じゃないか。相棒、メールは見たか?』

「アークス統合技術開発部本部、だったか?」

『そうだ。脱出に使った兵器を動かせ、だと。泣けるぜ。まだ怪我は完治した訳では無いのに』

「サーレクスから降りた時には半ば完治してた癖に何を言うか」

『保険が入ればその分家族に回せるからな』

「…よぉし、ちょっと管制官にアフィンの事チクってくる」

『お、おい!よせやめろ!』

「…ジョークに決まってんだろ?俺が言うと思ってんのか?唯一の相棒に」

『……少しだけ』

「ほぉぉん、そうかそうか、分かった分かった。マトイ。少しゲートに行こうぜ」

『マトイ?マトイさんも居るのか?』

「は、はい…」

『調子はどうだ?記憶は戻りそうか?』

「えっと、その…」

「落ち着けアフィン。マトイが怖がってる」

『そ、そうか…』

「えっと…アフィン、さんなら大丈夫、の筈」

「…だとよ。良かったな」

 

そう聞きながらマトイを見る。俺相手だと普通に立ち回るのに、何故他人になるとこうもヘマするのか…分からん。ワンチャン男性恐怖症…?いやでも、本人が大丈夫って言ってるし…ふむ…。

 

「うぅむ…分からん…」

『相棒?おーい、相棒、聴こえるか?』

「っぁ、すまん、んで何だっけ?」

『俺が今から車で迎えに行くから場所を教えろって』

「車…?お前免許持ってんのかよ⁈」

『めんきょ?んなの無いぞ。こんなの簡単に動かせるしな』

「いや、無免許運転はちょっと…」

『とりあえず場所教えろ!今から向かうから!』

 

そう言うので今居る場所を伝え、側にあるベンチに座る。

 

「無免許、かぁ…」

 

警察ーーに準ずる組織が有るのかは置いといて乗りたくないなぁ…。

 

「ユウナちゃん、無免許って何?」

「無免許って言うのはね……なんて言えば良いんだろうねぇ…」

 

マトイに聞かれたもののあまり良い例えが思い浮かばない。

 

「さぁ、なんて言えば良いんだろうねぇ…」

 

ベンチに腰掛けながら造られた空を見上げる。今の時間は午後1時前、とアナウンスが入った。

知らず知らずの内に尻尾が左右にゆっくりと動く。無意識に。そして何故だか分からないがマトイの手が俺の頭に乗せられ、ゆっくりと撫でられた。

 

お陰でぼーっとなりアフィンが近くに来ても気付かないくらいにぼーっとしていた。

 

アフィンが俺とマトイのツーショットを近くで写真を撮っていたのを少し後に知った。しかも結構な枚数を撮っていたらしい。

 




オラクル船団にもロボットアニメやロボゲーは有るのだろうか?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

45話目

そういやハンターのあの人とかフォースのあの人とかレンジャーのあのキャストとかにまだ会ってない事実。


 

 

「ここに居たか⁈ーーって寝てるし…」

 

ベンチに座る二人を発見。なんだよ、結構中心部にいたじゃないか。俺の汗はどこに…。

 

事の発端はこうだ。

 

アークス統合技術開発部本部からメールが来て内容を見ればあの機体を動かすから起動させてほしい、という内容だった。

 

アレ、起動できたの俺じゃなくて相棒ーーユウナなんだが…。

 

怪我も治らぬーーいや、ほぼ完治してるけど。

 

車を飛ばしユウナに電話を掛ける。

 

『もしもし?』

「もしもしって…何時もそうだな電話に出る時」

『仕方ないだろ。コレは癖だ』

「その癖は一体何処からーーって今はそんな事を言っている場合じゃないか。相棒、メールは見たか?」

『アークス統合技術開発部本部、だったか?』

「そうだ。脱出に使った兵器を動かせ、だと。泣けるぜ。まだ怪我は完治した訳ではないのに』

『サーレクスから降りた時には半ば完治してた癖に何を言うか』

「保険が入ればその分家族に回せるからな」

『…よぉし、ちょっと管制官にアフィンの事チクってくる』

「お、おい!よせやめろ!」

『…ジョークに決まってんだろ?俺が言うと思ってんのか?唯一の相棒に』

「……少しだけ」

『ほぉぉん、そうかそうか、分かった分かった。マトイ。少しゲートに行こうぜ』

「マトイ?マトイさんも居るのか?」

 

そう言うのとマグの立体映像にマトイさんが映し出される。因みにだが相棒の所はSound Only…何故か出ない。相棒の方で切っているのだろうか?

 

『は、はい…』

「調子はどうだ?記憶は戻りそうか?」

『えっと、その…』

『落ち着けアフィン。マトイが怖がってる』

「そ、そうか…」

『えっと…アフィン、さんなら大丈夫、の筈』

『…だとよ。良かったな』

『……』

『うぅむ…分からん…』

「相棒?おーい、相棒、聴こえるか?」

『っぁ、すまん、んで何だっけ?』

「俺が今から車で迎えに行くから場所を教えろって」

『車…?お前免許持ってんのかよ⁈』

「めんきょ?んなの無いぞ。こんなの簡単に動かせるしな」

『いや、無免許運転はちょっと…』

「とりあえず場所教えろ!今から向かうから!」

『ショップエリアのーーまぁ、ショップエリアにいるわ』

「わかった。動くなよ?すぐ行くから!」

 

そう言い通信を切る。相棒の事だ。絶対に動くに違いない。

 

アークス研修服男性用をハンガーから取り出し急いで着る。

相棒の事だ。多分何時もの戦闘服で出掛けているに違いない。…まぁ、アークスとしては合ってはいるが。

 

寮を仕切っている管理者に事情を説明、ユウナの部屋を開けてもらいアークス研修服女性用を二着取る。

 

本来なら女性の部屋に入るのは気が滅入るがーー仕方ない。緊急事態ーー言うほど緊急事態か?

 

二着手に取り全てセットなのを確認したらそれを車の中に放り投げ、管理者に礼を言いショップエリアに向かう。

 

管理者に俺が入ったって言わないで欲しいって言いそびれたわ…。

 

ショップエリアの入り口に車を止めてショップエリアに上がる。

30分ほど探し回りベンチに二人で座り寝ているのを見つけた。

 

マグで撮影しとこ。

 

マグに目の前の二人を撮る様に指示し何枚か撮影する。無論本人達の了承は要らない。

 

「…よし、こんなもんでいいだろう」

 

数枚ほど撮影後2人に声をかける。

 

「おい、相棒。迎えに来たぞ?起きろって」

「んぁ…アフィンかぁ…?」

「そうだーーマトイさんも行くのか?」

「…ふっ…っあ…あぁ、見たいって言うんでな。まぁ

大事だろう」

「…まぁ、そんな機密でもないし…行けるか。取り敢えず相棒とマトイさん。これを来てくれ」

 

そう言い2人にアークス研修服を渡す。

 

「…おいおい、これって俺の部屋にあった奴じゃないか。…ちょっと待て、お前まさか…」

「良いから。さっさと着ろ。俺も着たんだからな」

 

そう言うと相棒が目を細め俺の体を眺めた。……頼むから股間は見るなよ…。

 

「確かに何時もの戦闘服じゃないな…だがどこで?着替える場所なんか無いぞ?」

「其れこそマグを使えよ。ほら、マグのファッションって所に服の奴が有るだろ?それでアークス研修服を着てくれ」

「どれどれ…おっ、あったあった」

 

マグを使いさくっと服を着替えた相棒。

ここでふとマトイさんが着替えてないことに気付く。

 

「あれ?マトイさん。着替えないのですか?」

「…なぁ、マグって俺以外の人の服も着せられるか?」

「まぁ、本人がいいって言えば…なんでだ?」

「マトイってまだ正式な船員になってないーーと思うんだ。それでまだマグが支給されてないんだよ」

「あぁ…それじゃあ…相棒、マトイさんに着せてやってくれ」

「俺が⁈い、良いのか?マトイ」

「う、うん。ユウナなら…裸を見られーー」

「⁈」

「⁈ま、マトイ。何を言ってる⁈」

「いや、だってユウナが任務に行っている時ぱそこん?弄ってたらそんな風な事を書かれた所があったから…」

「おぃぃぃい⁉︎相棒なに見せてんの⁈」

「ちげぇぇよ!任務中に見たって言ってんだろ⁈俺関係ないし⁈」

「えっと、あのーー」

「大体、此処に来るのも大変だったんだぞ⁈途中で渋滞にハマるわ、ショップエリアで爆発とも言ってたわで心配したんだぞ⁈」

「あっ、その爆発事故原因俺らだわ」

「お前らかよ⁈」

 

等2人で言い争っているとマトイが相棒の手を握り。

 

「ごめんね…2人とも」

 

目元に少し涙を浮かべながら謝った。

 

「…」

「……相棒」

「あぁ、分かった」

 

そう言い俺がマトイの着替える所を探そうとした時、相棒が言う。

 

「なぁ、アフィンの車の中で着替えれば良いんじゃね?」

 

「いや、無理だから。小さ過ぎで」

 

取り敢えずマグを一時的に貸して服を着替えました。

 

 

 

「にしてもアフィンが運転できるとはな」

 

全員研修服に着替えアークス統合技術開発部本部を目指す。

 

「そりゃ、簡単に取れるからな。正直いざとなればオートクルーズあるし」

「オートクルーズ…?あぁ、自動運転か。なるほどね」

 

相棒の隣でマトイさんがじっとしている。相棒の手を握りつつ。

 

「なぁ、アークス総合ーー総技課って何処にあるんだ?」

「この船ーーフェオの中心部から外れた所にあるぞ。大体二、三時間程度かな?」

「…なぁアフィン。遠くね?」

「まぁ、その性質上、周りになにも無い方が色々と良いんだろ?新型兵器とかの実験とかもするからな」

「まぁ、確かにそうか…」

 

ミラーを見るとマトイさんは相棒に寄っ掛かりながら寝ていた。

 

「さて、マトイさんも寝た所だし…相棒も寝たらどうだ?さっきまで寝てたんだろ?」

「…ん?お前寝てた時に来てたのか?」

「あぁ、そりゃ寝顔も2人揃って可愛いーー待て、相棒。ライフルは船団内じゃーー運転が⁈」

「っち、今回は許そう…だが後で念の為見せろ」

「検閲かよ」

 

当たり前だろ?とーさつだぞとーさつ。と言いながらも車は前に進む。目指すはアークスーー総技課だ。

 

 




非常に申し訳ないのでソロ花行ってきます。

と言うかこの話でダーカーと戦うのっていつ…?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

46話目

若干リサさんへのアンチが入っているかも知らない。


 

 

「貴方達があの人型兵器を奪取された方ですね。こちらへ。射撃実験場にてリフトアップ済みです」

 

アークス総合技術開発部ーー略して総技部に着いてそれなりに大きい入り口に入る。

中には受付する人ーーいや、人じゃないな。

 

手首を見ると肌の色が黒や黄色、白色ではなく白いパーツの様な色になっていた。タイプする指が更に割れて片手で10本以上ある気がする。

 

受付する人ーー手はキャストだが多分本体は人の筈ーーは少し高めの声で冒頭に書いた言葉を言った。

 

「俺たちの事はもう言ってるのか」

「はい。此方に入る第1ゲートにカメラが付いており、そこから車両のナンバー、所持者、同乗者を把握できる様になっております」

「…」

 

何かを察したのかマトイが俺とアフィンの背後にスッ…と隠れる。

それを横目で見るとアフィンに声を掛けられた。

 

「んっ?どうした相棒?」

「いや、なんでも無いさ。それで?俺たちはどちらに向かえば?」

「はい。射撃場の案内は此方のアンドロイドに着いて行って下さい」

 

受け付けがそう言うと傍から人型のーー俺らより少し大きいアンドロイドーーロボットが出てきた。

 

『此方ヘ。射撃場マデゴ案内シマス』

 

メカニカルな音声で言うとアンドロイドは射撃場に向かって歩き出した。

 

「おぉ…此れが噂に聞くアンドロイドかぁ…」

「知ってんのか?」

「あぁ、何でもこのアンドロイドを使ってサポートパートナーの仕事を最も簡単にする為に作られたらしいぜ?」

「簡単って…サポパの仕事って何かあったか?」

「まずアークス船団内の警備と各惑星での拠点警備。それと俺たちが貰って来たクライアントオーダーの代わりだな」

「…クライアントオーダー?何だそれ?」

「えっ?知らなかったのか?…そうだな…俺達はレンジャーだろ?ゲートエリアに女フルキャストのリサって言うーー少し危ない人が居るんだ。その人に話し掛けるとオーダーを貰えるんだよ」

「…危ないって…」

「いやな?テンションが高いとか堂々と人を撃ちたいとか…こう、なんかヤバイんだよ」

「…オーダー内容は?」

「比較的簡単。例えば1人でダーガー三体倒して来いとかそんなもん」

「…帰ったら受けるか」

「気を付けろ?アレは危ないから…」

 

俺が男だからって事もあるかも知れんが、と最後に添えて言う。

 

にしても危ないキャストーーんっ?

 

「フルキャスト?」

「リサさんの事か?そうだよ。フルキャストだ」

「フルキャストーー全身機械か…アホみたいな狙撃して来そうだな…」

「…いやな?ココだけの話な?」

 

周りには目の前のアンドロイドしか居ないのにアフィンは周りを見て俺の耳に小声で言う。

 

「リサさんーー射撃の腕はすげぇんだよ。1キロ離れようが3キロ離れようがーーココが1番大事なんだが、アサルトライフルで狙撃して来るんだよ」

「は?専用の狙撃用にカスタムされたアサルトライフルじゃなく?」

 

それはそれで凄いが。

 

「あぁ、店売りのアークス製のライフルで狙撃して来るんだよ」

「人間F.C.Sかよーーって人じゃなかったな」

「本人の前でそう言うのは言うなよ。何が起こるか分からないからな」

「…まぁ、人格的には兎も角、その技量はすげぇな」

「あぁ…キャストって言うことを除いても凄い。そして笑えるのがーー」

「なんだ?まだあるのか?」

「んっん…『リサはですねぇ…的が人ならもっと、もぉぉっと遠くでも狙えますよぉぉ』…だってさ」

「リサってキャスト仕事間違えてるだろ?と言うかアークスはそんなに人手不足かよ」

「そりゃ十年ちょっと前の戦いでアークス壊滅ーーこの場合は全アークスの割合な?ーーが4割から5割戦死したからな」

「…なぁ、アークスって防衛ガバガバじゃね?」

「仕方ないだろ。相手はワープしてこっちの本拠地に直接ダーカー送り込めるんだぜ?」

「…そう聞くとダーガーとダークファルスの殲滅とか無理ゲーじゃね?」

 

こんなの糞ゲーやんけ。返却聞くか?

 

「…ほら、そのかわり物資は豊富だから…」

 

そう言い明らかに目線を前のアンドロイドに向けるアフィン。

 

「その補給線が断たれたらどうすんすかね」

「…偉い人に聞いてくれ」

「ツテ無いです」

「…」

 

すると今まで黙っていたマトイが口を開く。

 

「ねぇユウナ?思ったんだけどさ」

「んっ?」

「今のダーカーの殲滅が無理なら過去で何か変えればいいんじゃ無いのかな?」

「過去に?どうやって過去に行くんだい?」

「えっと…分かんない」

「俺は過去に行けるのならクジの番号覚えるわ」

「そういやってメセタを掻っ攫うのはNG。俺とマトイさんにも渡せ」

「マトイには渡すが…アフィンには考えとくわ」

「この野郎…そう言う子にはなーーこうだ!」

 

そう言いアフィンは尻尾の根元を思いっきり掴む。

 

「ひっ!」

 

身体中がぞわぞわっとなりミミが真っ直ぐ立つ。

 

「ーーあれ?」

「アフィンさん、不味いよ!ビ、ビーストは其処はーー」

「…あっ」

 

ペタリとその場で女の子座りする俺。何故だか知らないが足と腕に力が入らない。

 

「…あ、相棒ーーいや、ユウナさん?大丈夫ーーですか?」

 

明らかにアフィンの声が可笑しい。変な所でイントネーションが上がってる。

 

「ユウナちゃん?大丈夫?」

 

それに反してマトイは肩に手を当てて立てる様に補助する。

 

「ありがとう、マトイ。アフィン、すまんが肩を貸してくれ。立てない」

「あ、あぁ…」

 

そう言い近づき肩に手を当てる。

 

「そのユウナ…ごめん」

「俺じゃなかったらセクハラ物だぞこれ…」

「本当だよアフィン。ユウナちゃんだから良かったものの…」

「ごめんよ2人ともーーあれ?マトイさん、俺の名前ーー」

「あっ、まださん付の方が良かったかな?」

「いや、呼び捨てでいいよ」

「うん。分かったアフィン」

 

よいしょ、と言う2人の声に合わせて俺も入らない足に力を入れどうにか立つ。

 

2人が呼び捨てで呼び合える中になって良かった良かった…いや、早すぎだろ。

 

『ドウカナサレマシタカ?』

 

これまたメカニカルな音声で聞いてくるアンドロイド。

 

「いや、なんでもない」

『ソウデシタカ。射撃場ハモウ少シデス』

 

そう言うアンドロイドの後を俺は2人に補助されながら付いて行った。

 




ワールドやって思ったのがあのスリンガー…タリスで同じ動き出来るだろうなぁ、Heの挙動見ていると。その気になれば空中で止まれるし、(短いながらも)ワープも出来るし…あれ?これダーク(ryt


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

47話目

今回も少しエッチいかも知れない。


 

 

「……アフィン」

「なんだ?」

「射撃場ーー遠くね?」

 

アフィンが俺の尻尾ーーイヤラシイ書き方だが敏感な所を思いっきり握ったお陰で2人に補助してもらって入るが…あまりの長さに問いかけてしまった。

 

『ハイ。先程ノ用に歩イテイレバ2分17秒後ニハ付イテイマシタ。シカシ先程中央ノビーストノ女性二何カトラブルガ有ッタ為役1分程遅レテオリマス』

 

俺の問い掛けに律儀に答えるアンドロイド。射撃場まで後1分ちょいか。この通路窓が無くて感覚なんか狂うわ。

 

「…今思ったのだけど…私達、受付の人以外に誰にも会ってないよね?」

『ハイ。当施設ニ入ル職員ハ全テ射撃場ノ方ニオリマス』

「まさか動くのを見るために?」

『ハイ。私サイズノ人型兵器ハマダ動力的ニモドウニデモナリマスガ、10メートル前後ニナリマスト人ノ三割カラ五割程強度ヲ上ゲナクテハナリマセン。ナノデ動ク、ト言ウダケデモ貴重ナノデス』

「そうは言っても…動かす本人がこれじゃぁ…」

 

そう言いアフィンが俺を見る。

 

「うるせぇ、こうした犯人が」

「まぁ、それはごめん」

「…ねぇユウナ?こう言うのを傷モノにされたって言うとかな?」

 

まさかの発言に俺とアフィンはマトイの方を見る。予想した反応と違うのかマトイがオロオロし始めた。

 

「え!えっと!ほら⁈POSで調べてたらそんな事がーー」

「マトイ?」

「ひゃ、ひゃい⁈」

「インターじゃねぇ、ポス、2日禁止な?」

「えぇ⁈…そんなぁ…」

「マトイはどんなサイトを見てたんだよ…」

「ほら?私って記憶ないからまず自分の種族から探そうって思って」

「種族も何もーーヒューマンじゃ無いのか?」

「ううん、私も最初そう思って、そのサイトのヒューマンを調べたのだけど…フォトンを扱う能力が平均的って書いてあって違うなぁ、って思ったの。今日の爆発事故で」

 

その話を聞いて俺にとって訳を聞いてくる。

 

「相棒、そんなにマトイの奴すごかったのか?」

「あぁ、テクニックの炎系のフォイエ、あったろ?」

「あぁ、アレか」

「マトイが使うとーー俺は本物見たこの無いが、イル・フォイエになる」

「……やべぇ、すげぇ」

「お前…語学力が…まぁ、仕方ねぇな。アレが俗に言う、今のはイル・フォイエでは無い、只のフォイエだ、って奴か」

「なんかゲームでそんなセリフ聞いたような気が…」

「ーーつまりマトイはゲームの強キャラ⁈」

「絶対強い奴じゃねぇか⁈」

「ーーう、うん。それでね?ニューマンの事も調べたんだ」

 

俺とアフィンのネタ話をも華麗にスルーし、自分の話を続けるマトイ。

 

「へぇ、なんて書いてあった?そのサイト」

「確か…妊娠?率がとても低いのと年齢は10で割れって書いてあった。後ニューマン男性の…何だっけ?まぁ、なんとかって言う液体の濃度がーー」

 

そこまで言うとアフィンが大声でマトイストォォォップ!と叫びマトイの口を塞いだ。

 

「マトイ、それ以上はいけない。今この場ではダメだ」

「えっ?でもーー」

「マトイ?今はーーまぁ、アフィンに従っておこ?なぁ?」

「…まぁ、そう言うなら…所で、ビーストの事も調べたのだけど……聞く?」

「…まぁ、ニューマンの件で余り信用出来ない、って言うのが分かったから、まぁ、聞いておこう」

 

信用出来ない、と言う所でアフィンの目がソッポ向いた。特に意味は無い。無いはずだ…頼むぞバディ。

 

「ビーストは妊娠期間?が長くて二、三年程掛かるって書いてあったよ?」

「げぇ、そんなに⁈」

 

二、三年も⁈いや、作る予定ーーそもそも男とやる予定すら無いが、ビーストってそんなに掛かるのか。

 

「相棒、自分の事だぞ?習わなかったのか?」

「…ぁぁ…その時間は貴重な睡眠時間で寝てたんだよチクショー…」

 

そもそも俺にそんな記憶は無いわ。

 

「赤ちゃんは普通に育って10ヶ月前後の成長で二、三年お腹の中でゆっくり育つって書いてあった筈だよ?それと」

「まだ有るのか」

「ビーストには発情期?があるみたい」

「はっ⁈」

 

ピーン、と明らかにミミと尻尾が立ったのが手に取るようにわかった。発情期だって⁈

 

「ねぇ、ユウナ?発情期って何?」

 

俺に動物みたいな発情期があるって事に驚いて入るのにそこにその質問ぶっ込んでキラーパスしてくるのかマトイィィ⁈

 

「うぅん…簡単に言えば男を好きになっちゃう事かな?」

「おま、お前、真面目に回答すんなぁ!」

「んっ?と言うことは発情期に相棒の所に行けばーー」

「もうやだコイツ…」

 

お前まだ精神男ーーだよな?ーーだから良いものを、これ、女から見たらヤベェぞ。色々。

 

「…まぁ、マトイ、そのサイトは役に立たない。良いね?」

「う、うん。分かった」

『皆様、オ話シ中失礼シマスガ、射撃場ニ到達シマシマ』

 

見るとアンドロイドが目の前の3メートルほどの扉を向かって左手で示しながら言う。

 

『ドウヤラ殆ドノ職員ハ奪取シタ人型兵器ノ整備に手間取ッテ居ルヨウデス』

「…そうするとそんなに急ぐ必要無かったパターン?」

 

アフィンの問い掛けにアンドロイドが答える。

 

『イエ、技術者達モ奪取シタ人型兵器ガ此方ニ来タ時カラ掛リ切リデ修復ヲシテイマス。他ノ職員モ動ク所ヲ見タイノデショウ』

「まぁ、行こうや」

 

『ソレデハドウゾ』

 

アンドロイドが扉を片手で開け外に出る。人工太陽の光が眩しいが、それに慣れるとーー。

 

「コイツの3Dスキャン!まだか⁉︎」

「コックピットまで届くリフト!それだ!持ってこい!」

「イエッサー!」

「んっ?あの肩を見ろーーありゃ弾痕か?」

「このサイズであのレベルの軽傷…装甲はなんだ?均質圧延装甲じゃ無いのか?」

「いや、曲がりなりにもこんな機体を作った惑星だ。

そんな物で済ませるとは思えん…もしかしたら本当に只の金属ーーでは無い、な」

「かと言って現状この貴重な一機を防弾テストに使うなんて以ての外だ」

「…大型スキャナーが到着するのを待つしか無いな」

「見えるパーツだけでも良い!リバースエンジニアリングしろ!」

「見えるだけじゃ分からんだろ⁈ハンドスキャナー持ってこい!」

「見ろ、劣化が酷い…数年ってレベルじゃないな」

「詳しくは装甲剥ぎ取って分析掛けなきゃ分からんが…多分100年以上は放置された物だな」

「100年…」

「コイツを見ると頭部、胴体、腕部、脚部に簡単に分けられるみたいですね。何と戦う目的で…」

「指は基本的な我々ヒューマンと同じ五本指。携帯火器もレンジャーが持つランチャーに非常に酷似」

「しかしパイロット曰くレンジャーのアサルトライフルの他に高連射力の火器もーーもしや背後のアレか?」

「ニ班に頼んで弾丸を1発拝借して来たが…ランチャーの比では無いな」

「あぁ、長さが明らかに違うな。貫通力重視か」

「まぁ、此方のランチャーはどちらかと言えば榴弾に近いですからね」

「…なぁ、コレまさか中央の奴外れるんじゃね?」

「まさか?欠陥品ですか?」

「これどちらかと言えばフルキャストに似てません?」

「フルキャストをそのまま大きくした奴か」

 

片膝立ちをした複眼機の周りを数百人が囲いワイワイガヤガヤ色々やっていた。

 

「ねぇ、ユウナ?アレがユウナの乗ったーー」

「そう、名前は分かんないけど」

「良く良く思えばあの状況で俺達良く帰れたよなぁ」

 

うんうんと頷く。周りは四脚群だらけ、アフィンは被弾、アホのように売ってくる弾丸を遮蔽物で凌ぎ、弾をばら撒いて、どうにか倒して、その遮蔽物を見たらコイツだったって言うーーあれ?

 

「これ…映画行けね?」

「多分相棒は男になるな」

「…それはそれで熱いな」

「あれ、動くの?」

「まぁ、アレに乗って脱出したからなぁ…マグには乗ってないけど」

 

マグにはアークスが何を倒したとかどう行動したとかを記憶するのだが…毎回重要な時に限って動かない。少しポンコツ過ぎません…?

 

「あっ⁉︎貴方達がコレのパイロットですね⁈」

 

技術者のうちの1人が此方に気付き、他の職員もわらわらやって来る。

 

「早速ですまないが至急アレに搭乗してもらいたい。せめて腕だけでも動かしてほしい」

「…分かりました。取り敢えず頭部まで案内して下さい」

 

あの時はアレコレ適当に動かしてたけど…今動かせるか?

 

「分かりました。おいお前ら!リフトの用意はまだか⁈」

「は、はい!テメェら!主任のお言葉だ!手ェ空いてるやつはリフトを探せぇ!」

「サー、イエッサー!」

 

周りに居た数十人の技術者が2人の言葉で散る。

 

散るのを確認すると副班長らしき人が走って機体の元に向かった。

 

「ったく…済まないな、三人がた、リフトが来るまでーー」

 

そこまで言うと先程機体に向かった副班長みたいな人が走って此方にやって来て班長の耳元で呟く

 

「班長、どうやら射撃兵装の準備に手間が掛かるようです」

「射撃兵装の担当は?」

「確か…ニ班だったかと」

「……ニ班に伝えろ、今回は客人が居るから不問にしてやる、ってな」

「了解しました」

そう言うと副班長は走って何処かに向かった。

「あぁ、待った」

「はい?どうしました?」

「客人に椅子か何か持って来てくれ。この熱い中じゃ大変だろう」

 

ビシッと短く敬礼すると走って何処かに向かった。

 

「済まないね、どうやら少し時間が掛かるかもしれない。椅子か何か用意しよう」

 

そう言い目の前の人が言った。

 

班長さん、すいません…先程の言葉全て聞こえてます。

 

 

こえぇ…。なんか壊したら怒られそうな気がしてならないわ。

 

「なぁ、相棒。取り敢えず近くに行こうぜ」

「うん、そうしようよユウナ」

「そうですな。まずは近づきましょう」

 

アフィンとマトイは…この人のなんかオーラって言うのか?それが分からんのか⁈

 

遠くで見て居たかったユウナだが、アフィンとマトイに補助されて居る以上、2人に逆らえるはずはなく、渋々班長と一緒に機体の近くに向かった。

 

 




後半のアレは(似てないかも知れないが)某特車二課を参考にしたかった。今見ても面白いからパトレOバー、見よう!

そう言えば空のACの発売が来年1月に決まりましたね…陸のACの再起動はまだですか?某W.Gの如く再起動してどうぞ。


そうそう、多分この技術者達二、三話でお役御免になるかも知れない。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

48話目

そういやACに両手武器って無かったな…なんで無かったんだろ。


 

 

「…所で話は変わりますけど、アレの名前とかなんかその他諸々って分かりましたか?」

 

アレから数十秒後、他の人が早急に俺達三人が座れる長椅子と班長らしき人物が座るイス、それと影を作るためのパラソルを持って来てそれらを近くに刺した。

 

「いや…現状分かってるのは武器の口径ーー背部のアレがさしずめ大体30ミリ、左手に持ってるのが50ミリくらいのアサルトライフルだな。他は一切不明」

「はい、それとアサルトライフルの方は一般的な銃弾をそれサイズにアップグレードしたものですが…背部のあの武器のだけは違いました」

 

此方を、と言い俺達に背部のガトリング砲の弾を俺に渡す。

 

渡されたそれはよく見る銃弾ーーと言うよりはダーツの中央が何かで覆われた銃弾だった。

 

…戦車砲のAP……何たらDSって奴か?いやでもコレ…。

 

「はい、ダーツの矢に似た弾を装填していたのです」

「相棒、少し貸してくれーーなんか軽くね?」

「はい、レンジャーの50ミリランチャーより遥かに軽いです」

「アフィン?私にも見せて?」

 

はい、とアフィンはマトイにソレを渡しマジマジと見始める。

 

「取り敢えず分かってるのはコレだけだ。すまないがリフトが来次第アレに乗ってーー」

「ーー班長、リフトが到着したようです」

 

そう副班長が示す先にはーー消防車みたいなアームが付いている車両が機体に向かって走って行った。

 

「さて、我々も向かいましょう。おい!行くぞ」

「はっ!」

 

班長の一声で副班長が周りに手で指示を送る。

 

「…それじゃ、行こう」

「…相棒、立てるか?」

「少し休んだ、行ける」

「大丈夫?おんぶする?」

「…いや、歩けるから。大丈夫だから。なっ?」

 

そう言い俺達は機体に向かう。

 

 

「おいお前らっ!パイロットと到着だ!道を開けろ!」

 

班長がそう言うと道がザッと左右に分かれる。神様かな?

 

「さぁどうぞ。乗る前に機体でも念のため見てください」

 

そう言い機体の目の前に立つ。

 

すると目の前の機体の複眼アイに火が灯り、右手がゆっくり動き、何も持っていない握り拳の右手がゆっくりと平手になり俺の目の前で止まった。

 

「おぉ、これは…」

 

周りを見ると周囲の人ーーアフィン、マトイ含め全員が俺より10歩ほど下がった位置に退避していた。

 

その平手に登るとゆっくりと水平を崩さないように首元まで手を上げた。

 

首元に立つとプシュ…と頭部が持ち上がり前見た時と同じ様にコックピットが露見した。

 

「あいぼーーぅ!」

 

アフィンの叫ぶ声が聞こえ其方に振り向くとーー。

 

「いたっ」

 

がちゃ、と何かが頭に当たり、その何かが下に落ちた。これは…。

 

「ヘッドセット…?」

 

戦闘中いつも俺がしているヘッドセットが落ちていた。

それを拾い上げふぅ、と息を吹きかけ手で埃を払う。

多分壊れてないが…大事か?

 

ヘッドセットを耳にかけシステムをオンにする。

 

『よし、聞こえてるな?』

「…だからって投げる必要はないだろう」

 

そう言いコックピットに入る。

 

入ったのを確認するとオートで頭部が元の場所に戻る。

 

『コッチからはそのヘッドセットから送られてくる信号で分かるが…まぁ、前回と同じように起動させてくれ、だと』

「了解、少し離れてくれ」

『あぁ、それと。動作する時は声で言ってくれ』

「?まぁ、分かったわ」

 

そう言い前回と同じ様にボタンを押して行く。

 

「えっと…ハッチ閉鎖、点火スイッチオンーー聞こえるか?」

 

ハッチを閉鎖すると、頭の位置を固定する変な拘束具?が出て来た。あれ?前回はこんなの無かったぞ?

 

『あぁ、バッチリ聞こえてる。良好だ』

 

イグニッションスイッチを押すとメインモニターが光り、まるでパソコンで出る様な感じで英文が長々と続く。

最後に、この機体のOSが起動した。

画面中央に出るVariable Operating Systemの文字。

 

「…ヴァリアブルOSーー可変OSって何だ?」

 

画面下にVer 0.01 block 0 mod 1 と書かれていた。

 

それも消えるとその他のモニターも光り、機体の状況等を表示する。

 

「…全パーツのロック、解除」

 

腕部、脚部、頭部のロックを解除して、機体を立ち上げる。

 

プシュ、と音がして機体が立ち上がる。

 

コックピット内からでも分かるほどの歓声が聞こえる。

 

「ーーメインシステム、戦闘モード起動」

 

メインモニターに映るMain system Engage mode Activationと言う英文。

各種サブモニターに持っている射撃兵装の位置、残弾、機体の損傷率が表示される。

他には向こうでよく見たI.N.S/G.P.SやF.C.S、A.B

のセットアップが完了したーーと言うかOS立ち上げ時に此奴らもひっそり立ち上がってたんだな。

 

I.N.SとG.P.Sは…確か慣性装置だったか?複合慣性装置か?

F.C.Sは射撃制御装置だな。コレはわかる。

最後のA.B…アフターバーナーなわけ無いし。ブースターはあるがな。そういやアフターバーナーってオーグメンターとかリヒートとか色々言い方あったっけ。

 

 

『あぁ……よし、起動したな。しかしやっぱり人型兵器は良いなぁ』

 

関係のないことを考えているとアフィンから通信が入る。

 

「その点は同意だが…起動したら何をすれば良いんだ?」

『……えっ?ここで?……ここの班長からだ、銃をぶっ放せ、だって』

「…何処に向かって?」

『…今から的を出すからそれを狙えだってさ』

 

そう言うと画面奥の方に的がパッと立った。

 

「よぉし…狙うぞ…」

 

そう言うとモニター端にWarning F.C Of Line と表示される。

 

その警告を無視して射撃を開始する。

 

発砲と同時に左右コントロールスティックに変な黒いグローブみたいなものが出て来た。

 

発砲音で気付かず、再度トリガー引く。

 

ドンッ、と言う音と共に的の遥か手前に弾着、砂煙を舞い上げた。

 

「……」

『……あぁ、2発ともミス』

「言わんで良いわ。次ーーんっ?なんだ?」

『どうした?相棒』

「…気が付いたらなんかグローブみたいなのが有る。しかも両セット。なんだこりゃ?」

『…それをヘッドセット前に映せないか?』

 

右手側に嵌めるグローブを手に持ちヘッドセット前に持つ。

 

「これで良いか?」

『あぁ、大丈夫ーーはい?モーショントレーサー?何ですか?それ?』

『その名の通り動きをトレース、真似するんだよ。もしかしたらそれを嵌めたら撃ちやすくなるんじゃないか?』

『…でも危なくないですか?』

『正直モーショントレーサーがここまで小さくなってるとは思わなかったな』

『はぁ…』

『コレだけでも十分なデータだ。船外活動や、下手したら此奴のーーソックリとは行かないが量産出来るかもしれんぞ?』

『まさか?幾ら総技部でもそれは…』

『俺らを舐めてもらっちゃ困る。ーーユウナ、と言ったか。そのトレーサーを嵌めてもう一度撃ってみろ』

「は、はい。やってみます」

 

トレーサーを両手に嵌める。モニターにWarningの文字の文字。さらにその下に長々しい英文。

 

Please unlock the parts of the fuselage and use it freely.

 

「ぷ、プリーズ、アンロックザパーツオフザ…読めねぇ…」

 

コレが本物にパイロット好きなら英語出来る、と言うある友の事を思い出しながら操作を続ける。

 

グローブを付けて数秒後、モニターにUnlockと表示された。

 

ゆっくりとグローブがキツくなり手に吸い付く。

 

完璧に吸い付くとモニターに映る手の動きが右手と一致した。

 

「おぉ…すげぇ…」

 

思わず呟く。

 

腕を自分の頭の前に持ってくると機体の手もそれに合わせて東部の目の前で同じ動作をする。

 

「コレならば!」

 

左手に持っているライフルを右手に持ち替え両手で保持して狙う。

 

そこには無いものの何というか、ライフルを持っていると言う感触は有る。

 

『しかし…いかんせんインターフェースがごちゃごちゃだな』

『確かに。困難だと操作ミスりそうですよね』

『上に話しつける時こっちで弄くれる様頼むか』

『お願いしますね。アークスとしちゃこんなのに乗れるとしたらワクワクが止まらん』

『…コレで映画とかも良いかもなぁ…』

『良いですねぇ!対大型ダーカーとか対DFとか!』

『おいおい、対ダーカー戦とかDF戦に出したいのは分かるが…侵食されたら意味ないだろ?』

『…ぅ…そこは総技部の総力でーー』

『それが出来たらとっくに導入してるわ』

『ですよね…』

 

2人の会話を聞きつつトリガーを引く。

 

人差し指を引くとそれに応じ機体の右手人差し指も引き50ミリ前後の弾が放たれる。

 

パァン!と甲高い音と共に弾が飛翔。そのまま的に当たる。

 

「いぇぇやぁ!当ててやったぜ!」

 

癖で右手を直角で曲げガッツポーズ。それに応じて機体もガッツポーズした。

 

『決めポーズか…分かってるな』

『ふふっ、ユウナ、楽しんでるね。私も嬉しくなるよ』

『…あの50ミリも中々の速度だな…おい!測ってたか⁈』

『…ッ!役……40メートル…で…』

『1540メートル…ザッと音速より早めか。的の様子は』

『こちら観測班、とても細いーー丸で点ですーー待ってください!後ろの防御壁にも被弾してーーいえ!貫通しています!』

『貫通だと?ウチでもトップの物理防御力を持っていたはずだが…』

『いえ、貫通した穴はとても小さいーーいや、当たった所が溶けています!なんて言う…』

『分かった。観測班は退避しろ。今から背部武器のテストも行うーーユウナさん。宜しいですか?』

 

「はい、観測班は退避しましたか?」

 

『あぉ…まだですな』

 

「まぁ、数秒で退避できるわけ無いですからね…此方も準備しますね」

 

そう言い武器チェンジする為にコレから言う事を口に出す。録音しているからね。少し面倒だけど…まぁ、テストだし。

 

「今から武器チェンジをーーおっ?」

 

すると機体の左肩のラックが動き武器を保持する体制になった。

 

「おっ?もしかして音声アシストあり?」

 

右手のライフルを左手に持ち替え、其れを肩に近づける。

 

ラックの位置をモニターで見ながら少しづつ合わせーー。

 

「ってこれ頭部の映像…俺が見たい所に勝手に向いてくれるのか?」

 

ラックに武器を収めて、勝手に動くかどうかを調べる。

 

取り敢えずは…左!

 

心の中で思うとモニターが左に向く。

 

『おぉ!相棒!頭部が!頭部が動いた!複眼も左を見てる!いいぞぉ!』

 

ウチ1人が発狂手前になってる。

 

『やはり人型兵器は良い!実に良い!ロマンが足りてる!』

 

全く、アフィンは…そう思うとモニターが更に左を向きアフィンにモニターの中心を合わせる。

 

『うひょょぉ!たまんねぇぜ!生きてて良かったぁ!』

『落ち着け小僧』

『いてっ』

 

余りの嬉しさに踊り出しそうなアフィンを班長が軽くチョップする。バッチリモニターに映ってる。

 

『ユウナァァ!大丈夫ぅぅ⁈』

 

「あぁ、大丈夫だ、問題は……」

 

モニターの警告を見るが…F.Cの警告消えたな。

 

「問題ないな」

 

『はぁぁい!頑張ってね!』

 

マトイにモニターを合わせると両手を上でブンブン振っている。

 

『…さて、ユウナさん。退避が完了したようです』

 

「分かりました。それでは持ち替えますね」

 

また武器変え、と思うと機体が答え右背後に有る武器ーーガトリングガンがにゅっ、と出てくる。

 

モニターに残弾が表示された前回の装填数ーー何発だったっけ?ーーから減って…いや、多分数発減ってるわ。

 

右手でまずグリップを保持して、サイドグリップを左手で持つ。

 

機体のデータの横にガトリングガンのデータが表示される。

 

「G.A.U-9+/Mk_6−mod6_30mm gatling.cannon…名前は無いのか」

 

と言うか名前的に某制空権前提攻撃機の主砲の後継か?

仕様変更6回、改良も同じ6回…どんだけ改造されてるんだか。

 

『ガトリングキャノン…?それのテストを頼む』

 

「了解、これから開始します」

 

思ったけどコイツに乗った時、戦闘機で見られるセーフティピンみたいなの無かったな。戦闘態勢に入っていたのかな?お陰ですぐ撃てたけど、

 

機体を動かし的を見る。コイツが空気を読み的をT.G.Tと表示。四角いボックスが出て隣にLockの文字が。

 

「これから撃ちます。気を付けてれ」

 

そう言いトリガーを引く。

 

 

 

 

 

 

 

 




えっ?総火力の低下?そんな事よりビジュアルだ!素敵性能だ!

最初始めた時A.I.Sカスタム出来ると思いました。

所であと二つでall(heは除く)85なんだけど…fiとsuってどうレベリングすりゃ良いねん…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

49話目

今気づいた。pso2のマップ解禁ってナベ森林、砂漠、龍族火山、凍土の筈だよな?


 

 

 

撃つ、と言う意思を確認したのか如何かは知らないが、バレルが高速で回り始めた。

 

数回だけ持ったことのあるランチャーの様に見よう見まねで持つ。

 

そこで人差し指に力を込め撃つ。

 

「うぉぉぉ⁈」

 

ガトリングの反動が強く、機体の上半身が後ろに倒れる。

 

後で言われた事だがこのガトリングレート制御ーー連射力制御が出来るらしくそれで下げれば普通に歩行しながらでも撃てるそうだ。

 

「まだまだぁぁ!」

 

機体を少し後ろに下げバランスを取る。それと同時に背部ブースターを一瞬点火、反動で戻そうと考えた。

 

モニター端にA.B Onと表示され上半身が上がった。

 

撃つとほぼ同時に的に着弾、それから発砲音がした。

 

トリガーから指を外し的を見る。

 

モニターのT.G.Tと言う表記の横にx6と表示されている。ボタンを押しズームする。

 

煙が晴れると、先ほどまで有った的はほぼ木っ端微塵に成っていた。無事な所は左右の的を支える柱くらいである。

 

『ユウナ、聞こえるか?武器のデータは十分取れた。機体を戻してほしい。メインの建物の隣の第1研究室にそれを寝かせてくれ』

 

「分かりました。向かいます」

 

そう言い手に嵌めたグローブを脱いだ。手が手汗でびっしょりである。

 

「…はぁ…疲れたぁ…もう帰って寝たい」

『任務はまだ終わって無いぞ』

「…んだよ聞いてたのかよ」

『そりゃ、居たからな』

 

機体を第1研究室に向けて歩かせる。

 

最初の時に乗った時はペダルを使っていたが、今は念じればどっかの人造兵器や、緑色の粒子を使う兵器の如く使える。後者の様な起動は無理だが。

 

歩く横をアフィンとマトイが追従する。

 

「アフィン。危ないから少し離れてくれ。操縦ミスって倒れたらやばいからな」

『そうか。分かった。マトイ!少し離れよう』

『うん、ユウナも頑張ってね?』

 

そう言い2人は走って他の職員の後に続き第1研究室に向かった。

 

「…さて、俺も行くか」

 

ふと、研究室に向かってその後どうするのだろうか、と言う疑問が思い浮かぶ。

1番思うのはコイツの保管方法だ。良くあるのはデッキに寝かせるのと、そのまま立ったままゲージに保管、もう一つは寝かせるタイプ、か。最初と最後の奴を複合の奴もあるな。保管、と言ったがもっと適切な言葉があるはずなんだがなぁ…思い出せん。

 

考え事をしながら前に進む。少しして第1研究室に到着した。

 

すると研究室の扉が開きーー丁度コイツが入るくらいーー目測14〜5メートル位の扉が開く。

 

下で作業している職員を踏まない様にゆっくり歩いて進むーー此処でブーストを低速で使うか、とも考えたが熱が下に噴き出るし、地面が耐えれるかも分からないから辞めた。

 

中央に立つタイプのゲージがありそれに背中を合わせるーーこいつに合う奴よく有ったな。これが俺の意見だった。

 

機体の各種電源を切り最後にハッチを開く。パシュ、と如何にも機械が外れる音がしてコックピットの背もたれ部分を足場に外に出る。

胴体部分に手を掴み背もたれの1番高いところに足を掛ける。

 

ふんっ、と力を入れて上がろうとするもーー中々上がれず。

 

さてどうするかと考えているとコックピットのハッチ部分に手が差し出された。

 

「ほら相棒。掴まれ」

「アフィンかーーほれ、重いぞ?」

「女に重いって言うほど落ちぶれてないわ」

 

ヒョイ、とそのまま持ち上げ胴体部分に立つ。

 

「うぉ、まぶーーしくないわ」

 

ケージ横に人が通れる様な道がニョーンと伸び出ている。

 

アフィンに続きマトイも小走りでこちらに向かってくる。その後ろには班長と副班長が歩いて来ている。

 

「ユウナァ!大丈夫⁈ケガはない⁈」

「ないない、合ったら今頃立ててないわ」

「そっか、それなら大事だね」

 

そんな事を聞いていると後ろの方で班長に他の職員が何かを話している。

 

「ーー何?機関からオーダーだと?」

「はい、なんでもあるモノが逃げた為協力して欲しいと」

「そのモノって何だよ」

「…禁止事項の為話せない、と…」

「……んで?何を作って欲しいんだ?」

「対龍用の捕獲兵装を作って欲しいとの事です」

「サイズは?」

「それらを言う為にニューマンの男性を送るとの事です」

「時間は?」

「数十分後との事です」

「……俺はマトモにコイツの調査ができんのが…頼めるか?」

「分かりました、班長!やってみせます!」

「済まないな、お前ばっかにこんな事を付き合わせて」

「…それでも自分は班長の事を尊敬してますから」

 

そう言い2人の会話は終わった。機関?マシンかな?

 

「それで⁉︎どうだった⁉︎射撃訓練!」

「あぁ?あぁ、そうだな…結構楽しかったよ」

「ねぇユウナ?私もこの中に入って良い?」

 

電源切ったし動かないだろうし…大事か?

 

「入ってみるか?」

「良いの⁈ありがとぁ⁉︎」

 

そう言いコックピットに入るマトイ。これ俺のじゃ無いんだがなぁ…起動できないのを見ると専用機らしいけど…その内OSのプロトコル的な物も破られるでしょうに。

 

「うわぁ、凄い凄い!」

 

コックピットを除くと座っただけで凄いを連発して言うマトイ。いやまぁ、確かに凄いけどさぁ…。

 

「なぁアフィン。身もふたもないこと言って良い?」

「何だ?良いぞ?」

「人型兵器をさ、二つのコントロールスティックと数個のペダル、数十個のボタンで動かすのは無理ゲーだよな」

「……まぁ、無理ゲーだな。動かせたけど」

「なんか今回乗った時、コックピットの背もたれ部分に変な固定する、なんて言うか変なのが出てきたんだよね。その状態で念じると動いたと言うか」

「…ニューマンだからか?」

「ニューマンって新人類なのか?」

「…さぁ?」

 

取り敢えずさっきの事を班長にそっくりそのまま話すか。

 

 

その後、笑顔でコックピットに座るマトイを2人で上にあげて、先ほどの話をやっと来た班長に話す。

 

その時の班長の顔は新しいおもちゃを見つけた子供のようだ、と副班長は語った。……技術者的にはこれ自体玩具だと思うんだがなぁ…。

 

その後、今回の依頼の報酬を貰い、そのまま出口へ。途中、メガネをかけた変な髪型のニューマンとすれ違った。何だあの髪型は?

 

すれ違ったニューマンの髪型を後ろを向きながらガン見しているとマトイにダメだよ?って言われた。

 

「人には人それぞれの髪型があるんだからね?」

「いやでもアレは…」

「相棒、スルーだ。スルースキルだ」

「…はい…」

 

俺達三人は研修服のままアフィンの車に乗り込み、街の中心部に向かう。

 

「…って言うかまさか報酬三人前くれるとはな…」

「あぁ、てっきり相棒一人分かと思ったが…」

「私ロボット見に来ただけでメセタ貰えるなんて…もらって良いのかな?」

「…まぁ、貰えるもんは貰っとこうぜ」

 

窓を開けて外を見る。

森林ばっかりだった背景ももう少し街に近づけばジャングルビルになる。

 

「あっ、そうだ。相棒、マトイ。腹減ってない?」

 

そう言われてマグを出し時間を見るとーーもう6時を回っていた。

 

「そうだな、どっかに食べに行くか?」

「そうだねぇ…ユウナはどこに行きたい?」

「俺か?俺はどこでも良いさ。アフィンは?」

「俺?俺も何処でも良いんだがなぁ…マトイは?」

「私はほら…まだ覚えてないから…」

 

そう言われて俺は把握した。これ決まらないやつじゃ無いか、と。

 

その後仕方なく何時ものカフェ、ラフリで晩御飯を取ることに。最初カフェで腹一杯ーー俺とマトイは兎も角アフィンーーなるのかとマグで調べていたものの、何とあのカフェ、夜は夜で量が凄いらしい。

 

一時間ほどしてラフリに到着、お店横の駐車場にアフィンの車を停め中に入った。

 

 

 

 




もし違うと火山にてアキとライトに会ってないタイムパラドックスがーーシオンに頼むか。

と言うかそろそろストーリー進めないとやばい。砂漠でキャストと一緒にリリーパ族をモフモフしてすすめないとやばい。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

50話目

急遽無かった火山洞窟ぶっ込み。


 

 

 

「くそぉ…クソアフィンの奴ぅ…」

 

何故こんな所でこんな事を愚痴っているのか。

今現在いる惑星ーーアムドゥスキア、火山洞窟にいるからだ。

 

「あのリリーパから此処かよ…第一1人でデカイ龍を倒して来いだぁ?」

「それに!俺はまだ休み足らねぇのに!上から俺指名⁈糞食らえチクショが!」

 

暑さで余計にキレつつも今回のクエスト内容を見る。

 

オーダーは、火山洞窟奥にD因子に侵された大型龍種が居る。周りの龍族に被害が及ぶ前に至急討伐を頼む、との内容だった。

 

クソクソ言っていてしも仕方ない、さっさと行くか。ーー行きたくないけど。

腰についているゼノさんのお古を手に持ちクッソ熱い溶岩が其処彼処から溢れ出る洞窟を1人進む。

 

少し歩くと目の前の土が凹み溶岩溜まりになる。

 

「なんだこーー」

 

次の瞬間、溶岩溜まりが急に吹き出し周りにマグマが飛散した。

 

「うぉぉぉぉ⁈」

 

急いで脇を通り抜けマグマが当たらないように必死に走る。

 

数十メートルほど走り、ようやく安全になったか?程度の所まで来た。

 

「…もうやだ此処。帰りたい」

 

そう言っても帰れないのがクエストでして。暑い暑い言いながら進む。

 

ギャォォス!

 

そこから更に歩くと急に鳴き声が響いた。

 

「⁈誰だ?」

 

更に進むと杖らしき物を持った龍族と剣と盾ーーありゃ一体化しているのか?が2人ほど話している。

 

手前にある大きめの石に隠れる。隠れた石から少しだけ頭を出し相手の様子を調べる。

奇跡的にも龍族は俺に背後を向けて話していた。

 

『また 暴れている』

『キ・カイ様 またなのか?』

 

龍族の言葉はほぼ翻訳が効く。ミミーー所謂獣耳ーーから聞こえる言語は何を言っているか不明だが、耳ーー俗に言うエルフ耳、俺のは格段に小さいがーーからの声は小型のヘッドセットを付けているので何を言っているかは何となくわかる。

 

「キカイ?機械か?」

 

2人は1、2分話して別れるーーかと思ったが。

 

『またーー⁈誰だ!』

 

まるで頭の上に!マークでも付いたかのように話す龍族。バレたか⁈

頭の中に浮かぶはALERTと言う文字。これで全身ぴっちりスーツならーーそれとバンダナも欲しいな。

 

なんて事を考えている場合じゃない!どうする⁈

 

『まて アークス 派遣された 奴かもしれん』

『だが アークス あの様な 種族 居たか?』

『第一 このような所 来る アークス位 だろう』

『それもそうか おい!出て来い!』

 

良かった、アークスに良好な龍族で。クエストカウンターで龍族は過去の話で仲が悪い、って言われてたからなぁ。

 

アサルトライフルを腰に付けてーー因みにこれ、万能物質(?)なフォトンでくっ付くらしい。

 

「出てきましたよ」

 

『これは 何という』

『分からん アークス か?』

 

「そうだ、アークスだ。クエストで暴走する龍族の排除に来た」

 

『やはりか こっちだ 来てくれ』

 

杖を持つ龍族に言われその後をついて行く。

 

 

「そうだ。済まないが今回の討伐する奴の外見を教えてくれないか?」

 

『そうだな そちらの言う キャタドランと言う 同胞の 討伐を頼む』

『キ・カイ様は 比較的 照れやすい 龍族であったのだ』

『しかし 急に暴れ出し 今に至る』

『キ・カイ様の様な龍は照れ屋 多い』

 

「キャタドラン…成る程、長いな」

 

マグに映るは長い四つ足の変な生き物。

 

『左様 しかもキ・カイ様 潜ります故 気を付けてくれ』

「えぇ⁈潜るの⁈」

 

照れやすいってそう言う意味⁈意味違くねぇ⁈

 

『ーー此処で我々が思っている事 聞いてもよろしいか?』

 

剣を持っている龍族が顔を向け改まって聞いて来た。

 

「なんだ?良いぞ別に」

 

『それではーーアークスよ 何という種族なのか?』

「種族?」

『そう 我々の内では 其方のニューマン ヒューマン セミキャスト と言われる種族を見た事が有る』

『しかし アークスは 先程の種族には無い 背後から尻尾とミミと思われる部分がある』

『ーーもしや 同族では?』

「一応ビーストって呼ばれてるぜ?俺の種族」

『ビースト なんとも』

「…なぁ、この話は話すと長い。すまんが後でーー」

 

「あぁぁぁ⁈ユウナちゃぁぁんはっけぇぇん!」

 

良いか?と言おうとしたら聞き覚えのある声が洞窟内に響く。

 

「はぁぁい!ユウナ!」

 

走って来たのはパティ、情報屋のパティエンティアのでかい方だった。

遅れてティアも走って来た。隣に来ると、はぁはぁと息を吸って整えている。

 

「困った時の情報屋さんだよ!新鮮でピチピチな情報はどうだい⁈」

 

「いや、ピチピチってどう言うこっちゃ?」

 

「む、寧ろ…パティちゃんの…扱いに…はぁ…困っている感じがするわ」

 

会話をしつつも肩で息を吸うティア。

 

「お、おい、大丈夫か?」

「ありがと…これでも一応鍛えてるから、大丈夫よ」

 

ティアの隣に行き肩を貸そうとするも手であしらわれた。

 

「ふーんだ!私を消す方法なんてドキュメントは存在しないからね⁈」

「ドキュメント…?」

「そんな事より!今回の情報は話題の此処!ーーえっと、なんだっけ?アム、アムムム…?」

「アムドゥスキア、でしょ?パティちゃん」

「そうそれ!アムドゥスキア!デッカい隕石が衝突してとんでもない形になったった惑星!」

 

「良く滅ばなかったな、龍族」

「隕石の威力は凄まじいからねぇ…船団防衛隊には頭が上がらないよ」

 

そう言うティア。船団防衛隊?聞いてーーいや、こんなクソ暑い所で聞いてられるか。戻ったらポスで調べりゃ良いか。

 

「そんな過酷なトコなだけ合って住んでいる住人達も屈強なのよ!なんだって龍よ龍!」

『ビーストよ 煩くないか?』

「ビーストなんだが、俺にはユウナって言う名前がだな…」

 

小声で俺の耳元でその屈強な住人が囁く

 

「しっ!」

 

奥でティアが手を鼻の前で人差し指を立てて静かに、と言うジェスチャーをする。

 

『静かにしとこうか』

『そうだな あの雌に従おう』

 

「アムドゥスキア原生の龍族は知能も高く、オラクル船団との交流も少なからず行われているの」

「でも最近は、D因子に侵された龍族も増えてきてアークスを見かけると、外敵として襲いかかって来るーー」

 

「降りかかる火の粉は払うのみ!えやーっ!」

 

そう言うとパティはダブルセイバーを出し、それを手に握り適当に降る。

 

『うぉ⁈』

『⁈』

「うぉ、下がれ、危ねぇ⁈」

 

2人の龍族を手で背後に下げながらパティから少し離れる。

 

「ってね!ーーあれ?」

 

「あっ?終わった?」

「うん。もう近づいても大事かな?」

「だとさ」

 

後ろで見ていたティアがパティの行為を細目で見ながら俺たちに言う。

聞いた三人はパティに近づく。

 

「…まぁ、良いや。因みにコレ、マジな話だよ?殺らなきゃ殺られるって場合には殺らないとダメだからね?」

 

そう言いパティは後ろを向き誰に言うのか知らない言葉を言う。

 

「なんだ?心配してんのか?」

 

「だ、だってほら!貴女が居ないとアタシの話、誰も聞いてくれないし!うんうん!そうだ!そーだもん!」

 

「…えっ?パティエンティアってそんなに信頼度ないの?」

 

「要するに危険が一杯だから注意した方が良いよ、って言いたいみたい」

「まぁ、馬鹿姉のお節介かも知れないけど…気を付けてね?後信頼度についてはーーほら?私達ってニューマンだから年齢幼めで見られるのよーー貴女とあった時と同じくね?」

 

「あぁ、分かったわ。ーー所で、ティア達はなぜ此処に?」

 

「私達もクエストよ?多分同じ様な任務だと思うけど」

 

それを聞き、そっちもそっちでD因子に侵された龍族の討伐か、と想像できた。

 

「それじゃ!私達はクエストがあるから!」

 

そう言い片手を振りながらも元来た道を戻る2人。わざわざ道を外してまで俺に会いたかったのか…?

 

『アークス と言うのも 大変 だな』

「そこはお疲れって言ってくれ」

 

杖を持っている龍族が持っていない手で俺の肩を軽く触りそう言った。

 

『さぁ、先に進もう。キ・カイ様もそう長くは持たん』

 

剣を持った龍族が言い俺たち三人はキカイ、と呼ばれるキャタドランの元に向かう。

 

 

 

 




作中じゃ鬼の様に仲悪いけど此処じゃ現場レベルは会話できる程度に仲良いです。途中までヴァルドラゴンのつもりで書いていたけどこれじゃアキとのアレが無くなるって訳でキャタドランに変更ーーっていうかこれ50話目やんけ⁈


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

51話目

何ですかエルジマントとかダーカニクスとか超古代人とかって(esネタバレ)


 

 

 

「ーーっで?そのキ・カイ、だっけ?そいつは何処に?」

『今 ある所に 仲間に 閉じ込めてもらっている』

『今は 術式を組み 扉を 閉鎖させてもらっている』

 

術式…俺らのテクニックみたいなものだろうか?それにしても閉鎖か…いや、キャタドランって確かーー。

 

「さっきキャタドランって潜るって言ってたけど、その扉大事か?」

 

『その点に関しては 抜かりはない』

 

そう言う剣を持った龍族が先導しながらこちらを見る。

 

『そもそも 我らが キ・カイ様を 封じ込めている 場所は 牢 その為 飛行や潜ってでの 脱出は困難』

 

『万が一 脱出に成功しても 監視員が居る 彼等から報告が 入る手はずになって居る』

 

その後ろを歩く杖を持った龍族が話を続けた。

 

「そうかい…そういや龍族からの支援は期待できるか?」

 

『我等は アークスの言う フォトンを使えず』

『アークスの言う ダーガーとやらの 撃退は不可能なのだ』

 

「支援は無理、って事ね…」

 

でっかい龍族相手にライフル一丁か…。

 

「と言うかキカイって龍族も同じ龍族だろ?同族殺しじゃ無いのか?」

 

『我々龍族は アークスとは価値観が違う』

 

『我々龍族は 倒された時 身体は消える物の 魂だけは 別の場所で 生まれ変わる』

 

『よって 我々は不滅』

 

『それに 倒れれば 流石に D因子とやらも 浄化されるで あろう』

 

「…そうか」

 

それから暫くして大きな扉が見えてきた。

 

手前には複数の龍族となんかツノが生えた四つ脚の龍族も居る。

 

『来たか』

 

四つ脚の龍族が此方を向き、周囲の龍族も此方ーーいや、杖を持って居る龍族だけは扉に集中して居る。

 

『来たか アークス 早速だが 中の キ・カイ様を 倒してほしい』

 

『小賢しい 我等の手で 倒した方が 早い』

『我等だけでは 倒れる筈が ない』

『どんな物でも殴れば倒れる』

『アークスの言う フォトンの話を聞いたことが無いのか⁈』

『アークスに頼るなど笑止 此処は我らの星だ 別の種族にくれてやる場所では無い』

 

なんか四つ脚の内の2人が言い争って居るのだが…大事だろうか?

 

「あぁ…大事か?」

 

『あぁ 済まない 我々も出来うる限り 支援はしよう しかし 我等 フォトンの無い身 余り当てにはしないで欲しい』

 

「分かった。それじゃ、入っていいか?」

 

『待て、我等も配置に着かせる 全員聞けッ!今回の 任務は このアークスの支援! キ・カイ様が倒れる迄 支援を忘れるな!』

 

すると周りに居る龍族と扉の手前に有る二つの通路から続々と龍族がやって来て雄叫びをあげて居る。

 

『良しっ!では皆の衆! 戦闘配置を取れ!』

 

雄叫びと共に奥に行く龍族。

 

全員が去った後、此処には先程の四つ脚の龍族2人と俺だけになった。

 

『それではアークスよ よろしく頼む』

『ふっ お手並み拝見と行こう』

 

そう言い四つ脚の2人も左右に分かれて消えた。

 

2人が消えると目の前の扉の中心に灯りがともりーー扉が消えた。

 

「何だこれ…オラクルにすら無いぞ」

 

そう呟くとーー開いた扉の奥に細長いーー俺の嫌いなエビフライに頭と足を付けたような龍が居た。

 

『彼がキ・カイ様だ。倒してくれ』

 

腰にあるライフルを手に握り、安全装置の位置をセーフからフルオートの位置に変える。

ゼノさんのお古ライフルを斜めに持ち、コッキングレバーを少し引いて薬室内に弾が入って居るかを確認ーー入ってるな。

 

排莢口から目をそらし少し遠くーー50メートルほど先のキャタドランを見る。

 

見ると頭部付近に変な出来物が出来ている。

 

あれは確か…侵食核、だったか?

侵食核を攻撃すれば脳までダメージが入って倒せるとか何とか感とか。

 

にしても軽いなコレ…こんな短いバレルで当てられるのかよ。

 

ライフルを両手で持ちキャタドランを見る。

 

向こうも此方が確認出来たのか、大声で叫ぶ。

 

頭目掛けトリガー引く。

 

肩に来る反動を左手で抑えつつも相手に近づく。

 

するとキャタドランが地面に潜った。

 

「潜った…⁈何処から……?」

 

歩きながらマガジンキャッチボタンを押し、空になったマガジンをナノトランサーに近づけて中に入れる。

 

幾らメセタを持ったからと言ってこう言うところで捨てるような真似は出来ない。

 

腰についているベルトから弾の入っている予備マガジンを抜き出し、ライフル本体に挿入する。

 

挿入後、ボルトリリースレバーを押し、初弾を薬室内に入れる。

 

聞いているようには見えなかったな…困難ならグレネードランチャー持ってくれば…!

 

因みにだが今回の弾にD.APは入れて居ない。いや、正直入れようかと迷ったのだけど疲れからか入れるのを忘れた。

 

「…って言うか、レンジャー1人にやらせる仕事ーー⁈」

 

独り言を呟いていると自分の居る地面が揺れ始めた。

 

「⁈やっべ!」

 

嫌な予感がしてそこから離れるーー離れた直後に地面からキャタドランが、その顔について居るツノで刺そうと地面から勢い良く出て来た。

 

『出て来たぞ!全員!掛かれ!』

 

すると壁の上から杖を持った龍族が氷らしきーーテクニックって言うのか?それを使って攻撃を始めた。

 

キャタドランの脚や、色々なところに当たって居る。

 

『アークスよ! 彼の頭を狙え!』

 

怯んで居る好きに近くに向かい頭に馬乗りしーー侵食核にバレルを突っ込んだ。

 

「おらぁ!」

 

バレルを突っ込み、そこでトリガーを引きっ放しにして、マガジン内の弾を撃ち切った。

撃ち切るとマガジンをポイ捨て次を入れる。流石に敵の上でそんな悠長な事をしてられなかった。

マガジンを合計3個程ポイ捨てすると頭をまっすぐに伸ばし、地面に倒れた。

 

「う、うぉぉぉ⁈」

 

倒れた衝撃で自分も吹っ飛び、体から地面に擦り付けた。

 

『だ、大丈夫か⁈ アークス殿⁈』

 

「イッテェ…んだよコレ、全然痛いじゃ無いか」

 

フォトンで覆う癖して全然痛いじゃ無いか⁈このドラグニアフラール!

 

頭に手を当てて首を左右に振る。凄く痛いが大丈夫か?

次に耳とミミの確認ーーこれも付いて居る、問題ない。

 

後ろを見るとーーどうやらキャタドランは沈黙して居るようだ。

 

頭に思いっきり銃本体が曲がったのが付いて居る。恐らく地面に頭を付いた衝撃で折れたのだろう。

 

「……勝った、か?」

 

『勝ちました!コレでキ・カイ様も浄化されるでしょう』

 

そう四つ脚が言うとキャタドランの遺体が溶けたーー溶けた⁈

 

「うぉ⁈と、溶けた⁈速っ⁈」

 

『我々龍族は倒されると魂が抜けます 抜けた後、すぐに身体は溶けるなり割れるなりして消えるのです 前の身体は 入りませんから』

 

『アークスよ有難う あなたのお陰で助かった この件で上の 連中も アークス派に 傾けば 良いのだが』

 

「…龍族も大変ですね」

 

『言うな 下っ端は 皆同じ事を 言うさ』

 

「…さて、クエストは終わったし、俺は帰るわ」

 

マグを呼びアイテム欄のテレポーターを選ぶ。行き先は…キャンプシップで良いか?サーレクスでも良いかと思ったが、そう言やまだ前線基地出来てなかったなここ、と思い出しキャンプシップを選択。

 

『アークスよ 助かった 龍族の心より 感謝する』

 

「感謝するのはお互い様だろ?」

 

右手で手を振りながらテレポーターに入る。

 

 

 

テレポーターに入るとそこはいつか見たサーレクスの休憩室より更に豪華だった。

 

フォトンテレビのある場所に座りモノメイトを飲もう、とした時、違和感があった。ふと下を見るとドラグニアフラールがボロボロになって居たのだ。

 

「おいおい、嘘だろ…?タダとは言え…」

 

ついこの間貰ったばっかしだぞ?よく見りゃ足元とかその他諸々汗が凄い。

 

「…確かコイツにシャワールーム会ったよな?」

 

フォトンテレビの前から立ち去り、近くの3D案内板を見る。

 

それによると案外近い所にあるじゃないか。

 

「…フロ、かぁ…」

 

余り慣れて居ない此の身体。正直見るのもーー第三者として見るのは良いがーー余り好ましくない。それでも慣れなくてはいけないが。

 

少し重い足取りを風呂に進めた。

 

 

 

 

 

 




お前そんなどっかのB社見たく崩壊しそうな後付けはよせって!一年戦争に入れ過ぎなんだよ!5年ぐらい猶予持たせろや!

……はい、という事でリリーパに合ったあの人型兵器はエルジマントがD.Fに対抗する為に作った兵器という事で。多分あれでしょ?戦闘態勢に入った状態でパイロットが戦死なされたのでしょう。えっ?D因子は何でも侵食するバイド⁈何で人型兵器が侵食されなかったんだって?…ほら、それは…ねぇ?フロム脳がこう…。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

52話目

正直前半の所は何処まで書いて良いか分からなかった。まぁ、こんな描写?意味はないですけどねぇ⁈


あっ、例に習ってエッチいかも知れない。



 

 

 

 

案内板の通りに進み英語を崩した様な言語ーーアークス言語で女と男と描かれた扉の前に着く。

 

さて、ここで迷うべき事は男風呂に入る事なのだが、生憎俺の身体は女である。誰も先客居ないよな?と内心祈りつつも女の方のドアをくぐる。

 

ドアは自動ドアになって居て近づけば勝手に開く。

 

中はよく見る完全な個室になっており、服を脱ぐスペース兼確かお化粧直し、だったか?をするスペースと扉を隔てて風呂があるーーと言っても風呂は無い。その代わりのシャワーは完備されて居る。

 

「と言うか水と温める熱源はーーあぁ、フォトンか」

 

何でもありだな、と言い個室に入る。フォトンで出来るなら確かにタダだからな。

 

個室に入り鍵を内側から閉める。閉めた後に掛かっているかを確認ーー締まったな。

 

その後、このボロボロのドラグニアフラールを脱ぎ、幸いダメージの少ないスカートを脱ぎ、下着を脱ぐ。下着までは流石に汚れてーー無いな?

 

後ろに手を回し、このアホみたいに大きい胸を保持するブラのホッグ、だったか?を取る。

 

プチっ、と音がしてブラが地面にーー落ちない。

 

今度は肩の方のホックを同じく取り、ブラをぽいっとそこら辺に置く。

 

ブラジャーから解放されて一気に重さが俺に伝わる。

凄いのが下に垂れずに真っ直ぐなんだよなぁ…二次元じゃ…無いよなぁ…。

 

下の下着を脱ぎ完全な身一つになった状態でそのままシャワーに向かった。内心、コレを第三者で見たかったなぁ、と目を瞑りながら。無論同意の上で。シャワールームに入りそこで目を開ける。ご丁寧にシャワーが掛けてある隣には全身が映る綺麗な鏡が。

 

「…ッ!」

 

未だに慣れない。この体になってからどうにか風呂には入っているものの、鏡を見る度に顔が赤くなる。

 

掛けてあるシャワーの蛇口を捻り40度前後のお湯を出す。

 

ざぁぁぁ、と言う温水と共に腰より下に到達する長い髪の毛に水分が付いて重くなる。

 

最近思うのが胸も異常だが、この超ロングヘアーも異常だと思う今この頃。

 

出しっ放しで、手にボディシャンプーを大量に出し身体に塗る。

 

最初の頃ーーこの身体になって初めての時か。このシャンプーと多分同じような奴を擦ったらえらいことになってしまってなぁ…アレは大変だった。

 

身体の主要部分は洗い最後のーー下と胸を洗う。

 

巨乳は敏感じゃ無い、と良く聞いていたが、そんな事はなかった。手で痛くならないように、絶対気持ち良くならないようーー特に先端をゆっくり洗う。

 

その後ボディシャワーで洗い流しーー下はその…ねぇ?

 

髪の毛を温水でさっ、と3回ほど軽く洗い、これまた3回ほどシャンプーで皮膚を傷付けないように、シャンプーを髪の毛に揉み込む。

 

これで面倒なのがさっき言った髪の毛の長さ。

 

だってこれ腰より下まで有るんだぜ?

 

それじゃぁどうやって髪の毛を洗っているかって?

 

面倒いから、マトイとポイントを先に入れて2人が寝静まった頃にお風呂にシャンプーを投入、そのまま髪の毛を風呂の中で洗うと言う超豪快な技だ。

最初の頃はこう言う風にやれば楽に終わる、と考えたがどうしても2人が先に入る、と言う状況上、汚くないか、とも思ったがなんとこのお風呂、水が循環していて常時綺麗で洗う手間ナシ、と説明書に書かれていた。

 

 

……それに気付くまで洗っていたのは内緒。

 

それでそのお風呂に入り髪の毛をお風呂に付けながら入っていた。

流石に暇な時はちゃんと洗うが。

 

さて、戻して此処ではいつもの様に洗うしかない。

 

髪の毛を左右に分け前に持ってくる。それをシャンプーで揉み込み終わり。それを3回やる。

 

「こんなんじゃシャンプー代が洒落にならんな…」

 

泡をシャワーで洗いとり、そのまま外へ。

 

この船団にもタオルはあるが、大体風呂場のすぐ外にーー。

 

ぎゅぃぃぃ、と言う音ともに温風が上から流れる。タオルではなくこの温風で乾かす。俺はタオルの方が良いがなぁ…。

 

乾いた後に先ほどまで来ていた下着をもう一度身につけて…。

 

「…っぁ…服…」

 

底にあるのはダメージの大きいドラグニアフラールが。とてもじゃ無いが着るのはダメだな…。と言うか貰い物とは言えこれ実戦仕様でしょ⁈一回戦っただけでこのダメージなんですけど⁈これちゃんとフォトン纏わせれてなくねぇ⁈

 

此処でズレるがアークスが使う戦闘服についてだ。

基本は男性は重装甲、女性はーー理由はあるが肌を露出させる服、これ以外に行くつかの除外があるが大体はこれ。

男性の重装甲は、まぁ、単に男性の筋力に物を言わせたって事だろう。万一フォトンが無くなっても多少は長生き出来るように。

女性は……肌を露出させた方がフォトンとの適合?相性?が何とか。と言うかそれで言ったら女性はランボープレイが最強ってことになるが良いのだろうか?

 

んで、殆どの戦闘服はフォトンを纏う事で衝撃吸収率?とかD因子に汚染されないとか色々メリットがあるのだが…。

もう一度ダメージのあるドラグニアフラールを見る。

 

……だからって言っても脆いよなぁ…。

いやな?もしかしたらダメージを受ける事に敗れることによって着ている人にダメージを通りにくするーーってそれどんな罰ゲームだよ⁈

 

そんなどうでも良いことを考えて居たら、ぶるっと震えてしまった。いかん、着れる服を探さないと。

 

急いでマグを呼び寄せ今着られるような服がナノトランサーにあるかどうかを調べる。

 

「あぁ…いつぞやの研修服しかねぇ…」

 

仕方ない。これを着るか。

 

ファッションを選択して服の欄をアークス研修服にする。

 

すると下着のみだった俺の体が一瞬のうちに研修服に早着替えした。

 

「これもこれで超技術だなぁ…」

 

破れたドラグニアフラールをナノトランサーに収納しシャワールームから出ることにする。

 

先ほど降り立ったフォトンテレビのある休憩所に着くと、案内板にそろそろオラクル船団宙域にワープするとのとアナウンスが入った。

 

取り敢えずテレビでも見て暇をつぶすか。

 

 

「お疲れ様でした。此方が報酬になります」

 

アレから無事にオラクル船団に到着して、今はクエストカウンターにてさっきのキャタドラン討伐の報酬をもらいに来た。

 

報酬額は12万メセターー少し前ならガッツポーズものだが、今は余裕あるからなぁ。

 

「マグを一度お預かりしますね」

「はい、お願いします」

 

そう言うとマグがカウンターに向かい奥に消える。

 

「ーーはい、終わりました。またのご利用をお待ちしていますね」

「此方こそ」

 

そう言いマトイとポイントが居る自室に向かって寝ようかと考え始めたその時。

 

『あらあらあら⁈見慣れない人が居ますねぇ⁈』

 

フルキャスト特有のメカニカルな音声が聞こえたと思うと肩を掴まれた。

 

『あぁ⁈しかもしかも!私と同じレンジャーじゃないでかぁぁ⁉︎』

 

嫌な予感が…そう思い掴んできた人を確認するために後ろを向くとーー。

 

女のフルキャストが此方をガン見してきた。

 

丁寧に目に値する部分をジジッ、とズームしながら。

 

「ひっ⁈」

 

『貴女ーーアレ?レンジャーは例外的にシップ内での武器携行を許可されて居るはずですが…』

 

「えっと…武器を壊してしまいーー」

『壊してしまった⁈』

「ッ!」

 

急に大声をミ耳元で出すもんだからビックリしたわ。只でさえ色々とアレーー敏感だからやめて欲しい。まぁ、無理だろうけどなぁ…。

 

『それでは!急いで買いに行きませんと⁉︎ホラ⁉︎行きましょおぉ⁉︎』

 

そう言い俺の手を掴みまたまたショップエリアに向かう。そして地味に掴む力が強い。

 

「ちょ、ちょっと待って⁈貴女の名前は⁈」

 

『私ですかぁ⁈リサ、って言いますよぉ。こう見えてレンジャーの方に向けてクライアントオーダーを出していますよぉ』

 

そう言われて確信した。この人がアフィンの言っていたヤバイ人だ。

 

『あれ?いまいま、私に対して変な事思いませんでしたかぁ?』

 

「ーーいえいえ、そんな初対面の人に、何でそんなことを思うんです?」

 

『そぉですかぁ?私の感は当たるのですけどねぇ』

 

そう言い連れていかれたのはいつぞやのペアーリ、武器修理屋だった。

 

『どうしーーおぉ、リサではないか』

 

『ジグさん!彼女に武器を作ってくれませんかぁ⁈』

『はっはっはっ、お主はいつも急じゃのぉ…それでーーってお主はあの時のアークスではないか』

 

「あ、え、えぇ」

 

『どうした?作って欲しい武器が決まったのか?』

「いえ、ちょっと敵ーーエネミーと交戦中にライフルを折ってしまいまして…」

 

『ふむ…そうじゃの。2人とも中に入りなさい。今は人が居ないからな』

 

『ではではぁ、お邪魔しまぁぁす』

 

「お、お邪魔しまーす…」

 




リサさんの話し方よく)わからーーん!
大文字にしないのは敢えて、です。

と言うかpso自体設定が(知らないだけかも知れないが)アヤフヤな気がする。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

53話目

書いといてなんだけどこんなんで良いのだろうか?


 

 

ジグさんに言われペアーリの中に入る。壁にはいくつもの武器が置いてありその殆どが修理済み、と紙で書かれていた。

 

『おぉ?お主、今何で紙で、なんて思ったな?』

 

「あぁ、いえ。単に珍しくて…」

 

そもそもここに来てから紙媒体を余り見ていない。殆どが3dcgかマグのホログラムで映し出されるからだ。

 

『儂も老体での…記憶装置にチト限界が来ておるみたいでの。覚えるのがキツくなって来たわい。それで、な』

 

最も、武器に関しては残っておるがの、と笑いながら。

 

『あらあら⁈ジグもそんな歳ですかぁ⁈私も用心しませんとねぇ⁈』

 

『リサ殿もーーおっと、それはダメ、でしたな』

 

そう言い自分の頭の前に人差し指を立てるジグ。

 

『はいはぁい⁉︎それでそれでぇ!このレンジャーに武器を作って欲しいだげど…出来ますかぁ?』

 

『はっはっはっ、儂とリサ殿との仲じゃろ?それに元々作る気ではあったがのぉ…最近チト、やる気が起きなくてのぉ…』

 

そもそも、ガトリングをお主みたいな女子が持つのがちとキツいぞ、と付け加えて。

 

『そうですかぁ⁈それでは無理強いはしませんよぉ!リサはいい子、ですから⁉︎』

 

『すまんのぉ、リサ殿にユウナ殿』

 

そう言われて俺とリサさんはペアーリから出て行った。後ろから後で記憶装置をチェックするかの、なんて言葉多分聞こえていない。

 

 

『それにしても困りましたねぇ。レンジャーにとってライフルは彼氏。それを壊すなんて…』

 

そう言いながら顎に手を当て考えているリサさん。

いやぁ、幾ら銃が好きって言っても彼氏とは思えないです。と言うか現状男の彼氏を作るなんて無理。

 

『…あっ、そうだ。貴女ーー』

 

「ユウナです」

 

『ユウナ、リサと一緒に武器屋に行きませんか?』

 

さっきみたいな語尾が上がるような話し方では無く真面目な話し方に少し驚く。

 

「は、はい。ですがーー」

 

『それなら行きましょう。貴女ーーユウナは光る』

 

ビシッとトンガっている指を俺に差しながら言う。

若干怖かったのは内緒。

 

「光る?頭…?」

 

怖がりながらも自分の頭を触りーーまだ髪の毛がある事を確認する。

 

『キャストになればその怖さともおさらばできますよ。その代わりデータを無くしますが』

 

そう言うリサさんの目は何処か遠い所を見ていたような気がする。

 

 

又もや、リサさんの肩に担がれ、足を改造したセミキャスト及びフルキャスト特有のホバー移動に少し心が踊りながらもアークス製武器では無い第三者製の武器を扱う店に来た。

 

『ここはここは!R.C.S.o.P製の小火器を扱ってますよぉ⁈』

 

「R.C.S.o.P製…?それはどんなーー」

 

武器なのか、と聞こうとしたら体を掴まれ米俵を持つかの如く俺を背負い店の中に入った。

 

 

「…いらっしゃいーーあぁ、リサさんですか。あれ?リサさんが同業者を連れてくるなんて珍しい」

 

『どもどもぉ。そうなんですよねぇ。この子に一丁、ライフルを見繕って頂戴。私が払うーー』

 

「いえいえ!それならばリサさんには新型のライフルの試射をお願いしたいのですが…」

 

『…そのライフルは何処に?』

 

「此方にありますよ。試射して行ってください」

 

『分かりました。ユウナさんは適当に欲しいものを見つけてくださいね?』

 

そう言うとリサさんは奥に消えて行く。続いて店員が店をクローズにしてリサさんの後について行く。

 

「そうだ。お好きなライフルを持って此方にくれば試射出来ますので。お好きにどうぞ」

 

そう言い店の中にポツンと一人になった俺。周りには数多の銃器が置いてある。

 

手に取れるもんはーーいや、両手で取れる物は全て取り奥の射撃場に向かう。

その中になんか凄いーーブルパップのライフルが合った。

 

何だこいつは。ライフルーーにしてはなんか色々形が可笑しいぞ。ゲテモノ枠か?

 

そのライフルも持ち奥に向かう。

 

 

『あらあら?それはそれは!R.C.S.o.P製のビームライフルではありませんか』

 

「えっ?ビーム?マガジン付いているのに?」

 

そう聞くとリサさんは待ってましたと言わんばかりに俺に目のフォーカスを合わせて話す。

 

『そのライフルはですね?Beam drivEn tactics Advanced bullpapped rifle Model 1 typeの略でしてねーー』

 

そう店員が言うと何処からともなくマグがやってきてホログラムを空中に映し出す。

 

「リサさんの説明は長いのよ。それは新世代のライフルね。今までのライフルはトリガーを引くとハンマーが落ちてファイアリングピンーー撃針って言うパーツを押すの。そうすると弾丸の後ろの火薬のエネルギーでバレルの中を飛んでいくのーーここまで分かる?」

 

えっと、トリガーを引くとハンマーが外れてファイアリングピンが押されて弾丸が発射されるーーよし、何となくわかった気がする。

 

「……えぇ、何となくは」

 

「このビームライフルはね?トリガーを引くとハンマーじゃなくてビームで火薬のエネルギーの代わりを得るのよ」

 

「…えっ?」

 

「お陰で銃特有のうるさい音も無いわ」

 

『私としては銃の五月蝿さも銃の特徴だと思うのだけどね』

 

そう言いながらもリサしんは射撃体勢を崩さず只管銃のテストをしている。

 

『取り敢えず撃ってみたらどう?撃ってみないとわからない事もあるから』

 

言われる通りにリサさんの隣に陣取る。

 

「……マグは此処で…セーフティーは…どこ?」

 

マガジンはまだ刺さない。この銃のことを知らなさすぎるからな。

 

そう言い銃を見ていると店員が言う。

 

「セーフティーはトリガー前に有りますよ?」

 

そう言う店員ーートリガー前?

 

よく見ると良くエアーソフトガンであるようなポッチ、と言うのだろうか?それが有った。

 

「強度的にどうなのよこれ」

 

「強度的にはスナイパーライフルでそこを横から撃たれても壊れない程度には」

 

「そのスナイパー凄いな。一体誰なんだ?」

 

『えへへへ…そんなに褒めても何も出ませんよ?』

 

「隣のリサさんです」

 

「……」

 

口では嬉しがりながらも顔は全く笑っていない。超怖い。

 

『何もそれ程までに怖がらなくても。取って食うつもりは……』

 

今まで前を見ていたリサさんが此方を見て止まる。

 

「…食うつもりは…?」

 

『今は無い、ですかねぇ?』

 

そう言い前に視線を戻すリサさん。

 

い、今は、ねぇ…こぇえ!怖いよ!この人!

 

「リサさん、弄るのはその辺にして…どうですか?そのレーザーライフルは」

 

そう言う間にセーフティーを外し奥の方にある的ーーダーカーのホログラムを撃ってみる。

 

カチリ、とトリガーを1度引くとビュン、と言う音と共にダーカーに当たるーー何というか…バッテリー駆動のエアガンを撃っているような感覚だな。

今度はトリガーを引きっぱなしにする。

ビュンビュンビュンビュン、と連続した音と共にダーカーに当たる。

 

「なんか…違うな」

 

確かに反動が無いのはいい。だがビジュアルがこれでは無いなぁ…。

 

ビームをテーブルに置きマガジンを外し、セーフティーを掛ける。

 

『射撃精度は良好、弾速もレーザーの特有の速さーーですがこの長さは少し失点ですね?私みたいな狙撃突撃継続射撃その他諸々出来る人なら兎も角、一点集中のスナイパーとしては中々、ですね』

 

「有難うございます。彼も喜ぶでしょう」

 

撃ち終わり射撃場の椅子に座りリサさんが終わるのを待つ。

 

『これなら売れるでしょう。弾丸は?』

 

「今の性能で行けば新型フォトン弾を使おうかと」

 

『新型フォトン弾、ね…それは全アークスのフォトンで扱えるように出来るかしら?』

 

「……中々無理を仰る。まぁ、やってみましょう」

 

そう言うとリサさんの持つライフルはーー照準器が銃本体に格納された。

 

なにあれかっけぇ!

ライフルには意味無いけど超かっけぇ!

 

その視線を感じたのかリサさんは此方に言う。

 

『撃ってみますか?良いですよね?』

 

「えぇ!どうぞ」

 

リサさんからライフルーーレーザーライフルを渡されてトリガーを引いてみる。カチリ、と引くとーー。

 

「んっ?」

 

『あら?』

 

「…?」

 

バレルから弾が出ることは無い。

 

「あれ?可笑しいですね?」

 

『…やはりそちらの言う新型フォトン弾が合わないのでは?』

 

「それも有り得ますね…少し持ち帰って調べてみます」

 

『これを機に実体弾の物も作ってくださいね!』

 

そう言うと上ーー二階に上がっていく店員。

 

『さて…別のお店に向かいましょうか』

 

そう言うから試射したライフルを片付けようとするとリサさんからそのままでいい、と止められる。なんでもさっきの店員、試射した奴含め整備したり調整したりするのが好きだとかなんとか。

 

『私が言うのもなんですが、変わった人ですよ』

 

私ほどでは無いですがね、と言いこの店から出て行く。

 

『ほら、ユウナも行きますよ!次は定番のーーユウナの使っているライフルとマガジンの互換のあるアークス製の武器屋に行きますよ!』

 

そしてまた担がれて次の店に向かうことになった。

 




リサの口調の安定性の無さ。と言うか早くしないと今年中にEp1終わらせたいーーー無理かな…。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

54話目

書いているとどんどん言動がおかしくなるリサさん。


 

 

『さてさて!お次に来たのが此処!A.C.insを多く扱うお店!その名もーー』

 

またリサさんに抱えられ連れてこられたのは此処ーー。

 

「ーーペアーリじゃん」

 

『まぁ、そう言わずに。ああ見えてジグはアークス製、その他製の武器を直せてしまうとても凄いキャストなんですよ?』

 

「…なんでここに?ジグさんがアークス製重火器を作っているとは思えーーなくは無いな」

 

と言うか思ったけど最初に来た時に紹介すれば良かったんじゃ…?

 

『はい、大体のアークス製、その他製の武器はジグに性能とスケッチを依頼してプロトタイプを完成させてもらうのです。そこから削ったり付けたりしたりして我々アークスの手に渡る、って訳です』

 

「それじゃ最初にここに来た時と変わらないじゃん…」

 

と言うことはアークス製小火器ーーソードナックルその他諸々含めてジグさんが作って、いらないもの削って量産するのか。

 

「ん?そういやジグさん作る気力がないって」

 

『そうなんです。そこで!少し違う貴女ーーユウナに何か意欲になるものを言って欲しいんです!』

 

少し違う…そりゃビーストだからな。風呂場とかで頭洗う時クッソ怠いんだよなぁ…入ったら振っただけじゃ水落ちないしーーはっ!まてよ!コレを防ぐ奴を提案すればメセタがーー。

 

『ビーストはニューマン以上に居ないんですから提案しても赤字ですよ?それにミミの形状も違うわけですし』

 

「ちょ、リサさん、思考まで読まないで!」

 

『フルキャストになれば此の位お手の物ですよ?』

 

取り敢えず、はいりましょー!と言いまだ店の中に。

 

ーーーーー

 

『おぉ、またあったな』

 

『はいはーい、なんとなんと!ユウナがジグさんに新しい武器の想像を言ってくれるそうですよ!』

 

「は⁈」

 

『なんと!それは本当か!』

 

店の外で言われた事を本当に言いやがった。よぉし、考えろ、この船団のライフルで地球にあってこっちには無いライフルをーー。

 

そこで考えてハッと思う。地球で考えられて世に出なかったライフル。あるじゃないか。

 

「じ、ジグさんーー複合ライフル、なんてどうでしょうか?」

 

複合ライフル、お米の国やお隣、果ては寒い国までが開発に精を出しーーそして、開発費に見合わないとパージしたロマン銃。

 

『複合ライフル、じゃと?』

 

「えぇ、例えば私達レンジャーの主兵装のライフルのアサルトモデルにグレネードランチャーを付けたりしますがーー弾が一定の放射線に飛ぶため、障害物の後ろにいる敵を倒せない時があるのです」

 

『ふむん、それで?』

 

「ライフルに簡単な火器管制装置を組み込み障害物の上でグレネードを炸裂させたり、サイト内に覗けば敵の距離、風速等で計算されどの距離まで貫通するとかを表示するような機能を付けたり…どうですか?」

 

『うーん、リサ的には要らないですかね?全部出来ますし』

 

流石にレンジャー先生は格が違った。

 

『おいおい、リサ。アークスの、特にレンジャーをリサと同等にしてはいかんよ。只でさえレンジャーを志す者はリサを見てクラスを変える者が多いのだからな。しかし火器管制装置、か…』

 

「どうですか?」

 

『…少しやってみるか?』

 

「お願いします!」

 

『良かったですねぇ!ーー所でユウナ?貴女の武器は如何する?』

 

「…ジグさん、何かありませんか?」

 

『そう言えばお主、レンジャーだよな?』

 

「えぇ、そうです」

 

『なら…』

 

そう言い席を外し奥に行くジグさん。数分すると肩にデカイランチャーを背負ってやって来た。

 

『これなんてどうだ?ワシが始めて作ったランチャーじゃ。口径は40ミリDHETE−MPをマガジン内に9発ーー弾の重さは2キロじゃな』

 

「ほ、本体は…?」

 

『簡単に使えるように、重さはこう見えて10キロもないぞ?ほれ、持ってみろ』

 

言われるがまま持ってみるーー以上に軽い。5キロあるかどうか、かな?

 

『それにマガジンを刺してーーあぁ、大丈夫じゃ、ダミーカート、訓練弾じゃよ』

 

向かって右側に刺してーーあぁ、確かに見た目より遥かに軽いわ。

 

『どうじゃ?使うならそれの弾とマガジンを急いで作るが?』

 

「えっ?新規で作るんですか⁈それなら要らないですよ⁈」

 

『なぁに、タダじゃよ。倉庫で埃をかぶってたんじゃ、誰かに使ってもらわないと』

 

そこでふと思った。このグレネードを複合ライフルに入れれば完璧じゃね?と。

 

「ジグさん、ならこのグレネードを複合ライフルに付けてください。この弾種なら真っ直ぐ飛びますし」

 

『それは良いの!よし!今すぐ取り掛かるから2日3日待ってくれ!お主の使ってる弾のサイズは⁈』

 

「確か…7.62ミリだったかとーーだったらジグさん、機関部をユニット化してどっちにも対応すれば行けるのでは?」

 

『良いぞ!冴えてきた!最高じゃ!』

 

そう言うとジグは世話無しなく動き出た。

 

『ジグがここまでなるのは何十年振りでしょうねぇ…こうなっては何も効きませんね。帰りましょうか?』

 

ちょっと待って。リサさんって何歳なんだ?

 

あの後またまたーーとなる訳ではなく、普通にリサさんとアークスカードを交換して別れる。

 

その後何時ものマトイとポイントの待つ部屋ーールームに向かいドアを開けた。

 

 

「あっ!ーーふふっ、お帰りなさい!」

 

「あぁ、ただいま帰ったーーこの匂い…?」

 

1日ぶりに部屋に帰るとなんとマトイがエプロンをしてキッチンに立っていた。

 

「うん、そろそろ帰ってくるってフェリアさんから連絡が来たから料理を作ろうって」

 

フェリア…あぁ、マトイがお世話になったメディカルセンターの人か!

 

「そうかそうか、マトイも料理ーーんっ?」

 

なんでメディカルセンターの人が俺のクエストの内容知ってんだ?

 

「なんでユウナちゃんの内容がフェリアさんに分かるかって?」

 

「お、おう…なんで分かった?」

 

「ユウナちゃん、ミミと尻尾で丸分かり!だよ!」

 

いやいや、分かっても内容まではわからないと思うんだがなぁ…。

 

「えっと、それでね?フェリアさんてああ見えてメディカルセンターの偉い人らしいんだって。それで色々とコネ?って言うのが合ってそれで教えてくれたの!」

 

そう言やメディカルセンターってアークスが一番近い病院だからなぁ…仲良くしないとアレなのか。

 

「そうか…」

 

「うん!ーーよし!出来たよ!ユウナも座って!」

 

「う、うん」

 

言われるがままテーブルに座る。よく見るとポイントもエプロンをしている。

 

「よし!これで完成、だね!」

 

テーブルには唐揚げ、ポテトサラダ、ポテトがある。勿論白米にお味噌汁(っぽい)ものだ。

 

「それじゃ、手を合わせて」

 

「頂きます」

 

「頂きます。所でユウナちゃん?着ていた戦闘服は?」

 

「アレか?溶けたんだか破けたんだから分からないからナノトランサーに入ってるーーはむっ」

 

言いながらマトイ作の唐揚げを口に入れる。

 

 

美味しい。サクサクして、なんか中身がやわらかい。

 

「良かった良かった。美味しい?」

 

「すごく美味しい」

 

隣を見るとポイントも唐揚げを食べている。

 

「…ねぇ?ユウナ?」

 

「んぁ?」

 

「クエストに向かったら…必ず、必ず帰ってきてね?」

 

「無理だったらテレポーター使って帰るわ」

 

「うん、お願いね?」

 

そんなことを言っているマトイをポイントが小声で、これはプロポーズでは?と言っている。

 

女の子同士は結婚出来ないから問題ーーえっ?出来るの⁈




複合銃ーーそれは全てを巻き込むロマン。

因みに想像図はヴィタライフルですーーなんでバレルが二本あるんですかなぁアレ。マガジンは一個のくせして。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

55話目

APDS→徹甲弾の外側を撃った後に外せるようにした物

apfsds→ダーツ、上のやつを細くした


でok?


 

 

 

その後は特に何もなくそのまま寝ることに。

 

因みに寝る時、俺のベッドにマトイが紛れ込んできてた事が翌日の朝に分かった。

 

 

翌日、マトイの抱きしめで目が覚めて、ふと昨日風呂に入ってなかったな、と思い出すーーキャンプシップで入っただろうだって?風呂に入ってないからノーカンだノーカウント。

 

研修服を脱ぎ捨て下着姿になり風呂を目指す。

 

 

どうにかして髪の毛を洗い終わり風呂に入って彼此一時間弱。そろそろ出るかと思い立ち上がるーー今更だが胸の間にお湯が溜まったぞ…一体どうなってんだコレ。

 

そのまま外に出て上から流れる温風で髪の毛を乾かし、服を…服を……。

 

「……」

 

外に出かけられるような服がナノトランサーには無かった。

 

裸のまま自室ーーマトイが寝ているところに行きタンスを開ける。

 

「服ーーソレっぽいのはアレしか無いな…」

 

そこに掛かっているのはかつて着ていたヘレティックロードと呼ばれている'男性用'の戦闘服が掛かっている。

 

「……キツくてな…」

 

POS(ネット)で戦闘服ーー当初はアークスから支給されたサウザンドリムと言われる戦闘服を着ていたが…余りにも露出が多く、正面から股間部の足、胸の内側、そして肩と脇が見えると言うアークスの戦闘服は痴女専用、と言う考えが分かった戦闘服である。

 

更に驚いたのがその防御性能で、戦闘服を着る人にも寄るらしいが、10ミリから20ミリ前後の貫通力のある弾を(反動含め)完全無効化、斬撃もほぼほぼ無効化。外見合わずキチスペックである。

 

それでもフォトンが纏わせられなければ、殆どの女子用の戦闘服は只の痴女服なんですがね。おかしいと思わなかった…?

 

反対に男性用の戦闘服はその逆で少ないフォトンで急所を守り、他を通常のーーフォトンを使わない技術で守っている。

 

その為、戦闘服は露出を無くし防御性能高めてーー高めているのか?コレも少し疑問が残る。

 

まぁその、露出が無いのはいい事なのでPOSで購入して来てみたけど…胸がやはり酷かった。

 

仕方なく上は1番大きいのを買い、下は160台で着れる奴ーー予備も合わせて4着買った。

 

男性用とは言え、そこは戦闘服。高かったのは今にも思い出す。

 

そう思いながらもその服に手をかけてその戦闘服に着替える。

 

「……やっぱり露出に慣れるもんじゃないな」

 

胸の所が相変わらずキツイものの他は問題ない。

 

 

 

マトイに少し出かける、と言いゲートエリアに向かう。

 

 

ゲートエリアで何も考えず椅子に座っていると1人の管制官が近づいて来た。

 

「こんにちは。貴女がユウナさん、ですね?」

 

久し振りに知らない人から声をかけられ少し声が詰まる。

 

「えぇ…えっと、どちら様で?」

 

「申し遅れました。私、アークス管制官のマリーネと申します。以後お見知りおきを」

 

そう言いお辞儀をする管制官ーーマリーネと言った女性。

 

「は、はぁ…それで何かご用ですか?」

 

「えぇ、少し暇そうに見えたので…依頼を受けてみませんか?」

 

人を目の前にして暇とは…実際そうだけど。

 

「…依頼?」

 

「はい。依頼主は脚部を破損して修理に出しているセミキャスト。この依頼を受けるのならば本人にも言っておきますが…」

 

お手伝いか…なんかだるそうだしなぁ…どうすっかなぁ…。いや、お金ーーメセタは出るのか?

 

「報酬は…?」

 

「それは本人に聞いてくださいね?依頼主はショップエリアの噴水前に居る様に伝えておきますから」

 

そう言うと踵を返しカウンターに戻るマリーネさん。まだ聞きたい事がーー。

 

「ちょ、まぁ、まだ受けるとはーー」

 

「それでは」

 

そう片手を上げてカウンターに向かって歩いていくマリーネさん。別にいつでも聞けるから別に良いか。

 

「いっちったよ…怠いけど…」

 

会いに行くだけ行くか?

 

 

場所は変わりショップエリア。あの管制官が言った通りに噴水前で待機する。

 

「あ……あのっ!貴女…アークス、ですよね?」

 

すると何処からともなく車椅子に乗った俺と同じくらいの少女ーーいや、腕を見るにセミキャストか。しかも両腕。

 

「はい。一応アークスですよ?」

 

初めての人に対してもちゃんと挨拶できているだろうか?アフィンやマトイ、パティ姉妹はその場のノリで流された感じだったけど…。

 

「もしかしなくても、依頼を受けてくれたユウナさん?あ、ありがとうございます!」

 

そう言うと俺の名前を言うセミキャスト。いつ俺の名前を⁈

 

「い、いつおーー私の名前を?」

 

「はい!管制官が教えてくれました!」

 

「そうか…」

 

そう言やアークスって実名登録だからその時にバレるのか。

 

「それで、依頼の話をする前に、ちょっと良いですか?」

 

「んっ?良いぞ?」

 

そう言うと、それでは立ち話もなんですし、と言い近くのベンチに腰をかける。

 

「惑星リリーパで小さな影を見かけた事、ありませんか?影が何処にいる、とか知りませんか?」

 

「いや…お、私が行ったのは地下だったからなぁ…多分無いね」

 

「ーーあぁ、すみません。見た事無い、ですよね…」

 

「…すまないね」

 

「いえーー変な質問でした。発見報告はあっても、何処に居るかはまだ誰も分からない事なのに…」

 

黙々と話を続けるセミキャスト。

 

「…あ、申し遅れました。私、フーリエといいます。コレでも一応…アークスなんです」

 

ここに来てやっと隣に座るこのセミキャストがフーリエ、と言う名前であることが分かる。

 

「取り敢えず、何処かに座りましょう。立っての話ーー俺だけか。それもなんですし」

 

「そうですね」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

噴水近くにあるベンチに座り話を続ける。フーリエさんはその隣に車椅子を止める。

 

「それで、リリーパに居る小さな影の話って聞いた事、ありませんか?時々噂になっているんです」

 

「あぁ…すまん、無いわ。その影に何かされたのか?」

 

「いえ、そうでは無くて。その小さな影に私、この前命を救われたんです!ーーと言って、信じてくれますか?」

 

「と言うことは知的生物か…?」

 

そう言やこんな話どこかで…。

 

「砂漠で探索している最中に建築物が倒れて来て、下敷きになってしまって、あぁ、もうダメだって思って…意識が朦朧とする中、その影が助けてくれて…」

 

その影が直接救ってくれた、ってわけでは無いのね。

 

「その後、いつのまにか救難信号が出ていて、サーレクスに救ってもらって、戻ってこれたのですが…恩人にお礼も言えなかったので」

 

 

「だからーだからっ!私からの依頼は!たったひとつ!です!」

 

そう言いブンブン手を振るフーリエさん。キャストの腕でそれをやられると空気を切る音が結構聞こえる。

 

 

「私の代わりに、あの小さな影を探して貰えないでしょうか!」

 

…黒い影…影…影…そうだ!確かアレは機体を奪取した時にサーレクス内でパティエンティアにそんな話を聞かされた様な気が…。

 

「本当は自分で行きたいのですが…ご覧の通り、脚部の修理で行けないものでして…」

 

そこで視点をフーリエに合わすと、フーリエは視線を足に移すーー何かジョイントがある。

 

「私の話を信じる、信じないはどちらでも良いです!報酬も用意します!」

 

 

「アレが夢だったのか、真実なのか。それだけでもハッキリさせたくて…」

 

「直ぐに!って訳ではありません。お暇な時で良いので…よろしくお願いします!」

 

「まぁ、暇な時やってみましょう」

 

「本当ですか!有難うございます!その時に脚部が直っていれば連絡を下さい!」

 

コレをどうぞ、とフーリエさんがアークスカードを渡してくる。コレでゲートエリアかショップエリアに入れば直ぐにこれるはずだ。

 

「因みに私のクラスはレンジャーですが…ユウナさんは?」

 

「俺?俺も同じくレンジャーーー最も、今はその武器が無くて作ってもらっている最中だけど」

 

「そうなんですか!良かった…コレでハンターとかファイターだったら、誤射してしまう可能性があったので…」

 

「ご、誤射?」

 

「えぇ、私の武器はランチャーなので爆発範囲が…」

 

「あぁ…殆ど榴弾、だっけ?」

 

「榴弾と一応DAPDSのカートリッジを何個か」

 

「…まぁ、ダークファルスとは遭遇しないでしょ」

 

「えぇ!遭遇したら私みたいなアークスは死んでしまいますからね!」

 

…そのダークファルスらしき奴と二回も戦闘したとか言えないわ…正直あの時も死ぬかと思ったわ。

 

「…まぁ、俺もライフル調達し終わったら連絡するわ。マグに直接で良い?」

 

「はい!いつでもどうぞ!」

 

それでは、と言いフーリエさんは車椅子を動かしベンチから離れていく。

 

さて、ジグさんの所に行って武器の状況でも見に行こうかな?

 

 

「あっ、コレ以外の戦闘服も見つけないと」

 

あれ?もしかして買う物結構ある?

 

 

 

 

 




コレでもまだEp1ー4か5と言う真実。うせやろ…?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

56話目

今回はなんちゃって回です。あとオートスピードローラーとか言う物は無いです。現実にも無いです。


 

 

 

それから2日ほどするとジグさんから宅配便が届いた。宛先は勿論俺。

 

その宅配便のラベルには[銃器、取扱い注意]の文字が。

 

此処(オラクル船団)では銃器すら宅配なのか…。

 

厳重に梱包してある外の段ボールを外すと、中にはガンケースが。

 

ガンケースを取り出し入ってすぐのリビングの作業台にガンケースを置く。

 

「よっ…」

 

手前にある鍵を外しガンケースを開けるとーー。

 

「ーーぶ、ブルパップ⁈バレルが二本?なんだこれ?」

 

なんだかよく分からないライフルが出て来た。

 

ライフルを手に取り構えるーーフムン、中々、か?

 

マガジンはどうやら最初に使っていたーーと言うか先輩のライフルもそうだがーーマガジンが使えるな。地味にありがたい。

 

中に何も入っていない事を確認したマガジンを手に取りブルパップライフルに入れる。

 

思うがブルパップってマガジン入れるの少し面倒だな、と思った。

 

俗に言う一般的なライフルーー米製のアーマライトのARー15とかColtのM4とかグリップより前にマガジンがあるタイプーーだとマガジンを交換する時マグキャッチ押して、落としてマガジンを入れる、で終わるけど、ブルパップだと落とす、マガジンがちゃんと入るかどうか銃本体を動かして入れる、だから敵に銃身を向け続けられないんだ。

 

一度エアーソフトガンで見ずに交換出来るかをやってみたけど…関係ない所にガンガン当たってマガジンにキズが付いて終わった…。でもIwIのブルパップなんだかんだ言って使いやすかった。

 

ライフルを持ってマガジンを入れて構えるーーこれ結構しっくりこないな。

 

元々が普通のライフルだったから慣れるのは時間が掛かるけど…。

 

念の為コッキングレバーを操作して薬室内に弾が無いからダストカバーがーーコッキングレバー……レバー…。

 

「レバーねぇじゃん!」

 

薬室内に弾が残っていればそれを使って再装填できるけど…。

 

「取説、取説…」

 

ガンケースの端に置いてあった取扱い説明書ーーと言うよりジグさんの殴り書きを読む。

 

「マガジンに装填された弾は上の方から出る、と。ランチャーはマガジン式、40ミリD.HEを3発、下のバレルはーーアークス総合技術研究所、そこの開発部から新型弾頭のデータが来たからそれを使えるようにーー」

 

そう言いガンケースの二段目を見るとーー。

 

「ーーこれ戦車に使われるダーツやん!」

 

バレルを見ると一つだけのシリンダーになっていてそれにこの弾ーーAPFSDSを入れられるようになっている。

 

「ジグさんはなんてものをーーんっ?」

 

説明書には続きがあり、コレで装甲厚の硬い新種のダーカーが来ても撃ち抜けるはず、との事。但しまだ量産体制に入ってないから高い、と。

お試し用として30発ほど入れて置いた。コレで実戦運用を頼む。との事だった。

因みにマガジンを指すと自動で薬室内に入れるらしい。

 

「ーー只今戻りーーあれ?どうしましたか?」

 

ガチャ、と自動ドアではない音が鳴りヒューマンの(一応)俺のサポートパートナー、ポイントが出てきた。

 

「ポイントか。いきなりで悪いが、予備で40ミリのランチャー用の弾、持ってなかったか?」

 

「私はライフル使いですよ?ユウナさんと同じ」

 

「…だよな…」

 

「そもそも私のライフルにはランチャー付いてませんし」

 

仕方なく何時ものPOSにて頼む事に。到着は2日後との事。

 

作業台脇にある金庫から弾とマガジンを取り出す。いつだか忘れたか久し振りの弾込めである。

 

リリーパは機甲種ーーあの四脚群ーーが多い。

前回と同じようにAPーー徹甲弾主体のマガジンにするかーーいや、初めての銃だし、3発に1発曳光徹甲弾を入れておくか。

 

ダブルカラムのマガジンに1発づつ入れていく。

 

 

「ユウナさん。メセタも余裕のある事ですし、オートスピードローラーを購入してみては?」

 

「…そうだな、幾らくらいだ?」

 

「えっとお待ちを」

 

オートスピードローラー、確かそれは、空のマガジンを下の下に置いておけば機械が勝手に弾を込めてくれる奴だったか?

普通のレンジャーだと殆どがマガジンを戦闘中域にポイ捨てしているため戦闘毎に購入するレンジャーも多い。

 

「えっと…12万メセタ、ですね…」

 

「……まぁ、ちと高いな」

 

「で、でもこれ静音製が高いらしいですよ?」

 

「…サイズは?」

 

「ーーざっと部屋縦横3マス位ですね」

 

そう言いポイントが作業台の隣に来る。マグを使いサイズを測り、置けると言うことが分かった。

 

「まぁ、買うか?それなりに有るし」

 

「分かりました。購入ですね?」

 

「俺のところから落とすようにしてくれよ?ーーあぁ、それと40ミリランチャーの弾をーー」

 

「分かりましたーーはい。購入完了です」

 

明日には着くようですよ、と言いソファに座りテレビを見始める。

 

「…遅かったか」

 

「いえ、40ミリのD.HE弾ですね?それも注文済みーー24発で良いですか?」

 

「まぁ、それだけあれば足りるだろう」

 

そう言い弾込めに戻る。

 

それから数時間後。ポイントが突然立ち上がる。

 

「あぁ⁈寝てしまいました!ユウナさん!今何時ですか⁈」

 

どうやら寝ていたらしい。部屋に掛けてある時計にはーー。

 

「んぁ?えぇ…3ーーいや、2時か、14:21分だ」

 

そう言うと自室に向かい着替え始めた。

 

「やばい!オペレーターの仕事に遅れる!」

 

「弁当はキッチンにあるぞ」

 

そう言いキッチンの方を指で指す。

 

「有難うございます!行ってきます!」

 

「おういってら」

 

そう言いアークス管制官の制服を着て仕事に向かうポイント。

 

フーリエに2日後あたりにリリーパに出掛けようとメールを送る。

 

直ぐに返信が来て、『わかりました!此方も脚部の修理が終わったので出れます!』との事だ。

 

よろしく頼む、と送って終わり。

 

銃本体の照準器を弄ってちゃんとピントが合うようにする。

本来ならば照準と弾の着弾点が同じになるゼロインをやりたいが…外に出る気力が無いためスルーで。

 

銃本体に油を塗ったりしているとふと思った。

 

「…俺よりポイントの方が有能じゃね?」

 

否定する者は居ない。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

それから暫くしてマトイが帰ってきた。何をしていたのかを聞いたら、フィリアさんにどうしたらアークスになれるかを聞いていたらしい。

 

「そしたらね?アークスになるには時間がかかるし記憶も取り戻さないとって言って相手にしてくれなかったの」

 

「…まぁ、実際記憶を取り戻さなきゃ何とも言えんからなぁ…」

 

プンプン怒るマトイを宥める為に仕方なくスナック菓子を作ることに。

 

「…マトイ、フライドポテト、食べるか?」

 

「うん。ユウナの作るものなら何でも食べるよ?」

 

よーしそれじゃぁ、と言う時にまたしてもインターホンが鳴る。

 

「はーい。どちら様ですか?」

 

マトイが小走りで玄関に向かう。俺はキッチンに向かい冷蔵庫から冷凍フライドポテトを取り出すーーそうだな、300g位やればーー。

 

そう思った時にあの声が響く。

 

「おう!元気か!」

 

「ごめんなさい、ユウナちゃん?」

 

「ユウナちゃん!ゼノさんとエコーさんが来たよ!」

 

そう言いリビングに現れたのは赤髪のゼノさんと薄い金髪?のエコーさんだった。

 

「あっ、そうだ。はいコレ」

 

そう言うとエコーさんがマトイに袋を渡す。

 

「エコーさん?コレは?」

 

「お土産。ほら。女の子は甘い物が好きでしょ?」

 

…あれ?甘いものって有ったっけ?

 

そう言い冷蔵庫を探すも特にそれらしいものはない。

 

「おっ?この匂いーーポテトかな?」

 

「ゼノさん達も食べていきますか?」

 

「おう!」

 

200gじゃ足りないな。600gも有れば足りるかな?

 

数分して出来上がりリビングに持っていく。

 

ゼノさんとは今の現状を少し話した。ゼノさんからはゲッテムさんとの現状を聞いた。

 

「こうしてゲッテムの野郎と笑いながらも戦えるのはある意味あの時、メルフォンシーナさんを助けてくれた師匠のお陰、何だよなぁ」

 

そうゼノさんが言うと隣に座るエコーさんがまたか、と言う顔をした。

 

「えっと、その師匠さん?って言うのは?」

 

疑問に思った事をマトイが先に聞いてくれた。

 

「まぁ、俺が勝手に言ってるだけなんだけどな。師匠は凄かったぞ。今試験運用中のブレイバーが使うカタナって言う短いソードとアサルトライフル、タリスを使ってメルフォンシーナさんを守ってくれたんだ!」

 

「でも肝心な名前を聞き忘れてるんだよね?」

 

「し、仕方ないだろ…それに、あんな昔から三つもフォトンを纏わせて戦っていたんだ。相当なクエストもこなしている筈。1アークスーーいや、あの当時は士官か。名前を教えてくれる訳ないさ」

 

まぁ、一時期は師匠に憧れてソードとアサルトライフルの二つ持ちをやってみたけどダメだったわ!はっひっは!

 

と笑いながらゼノさんは言う。

 

それから三時間ほどしてゼノさん達は帰った。

 

「さて。2日後の準備をするか」

 

「ユウナちゃんまた出撃?」

 

「あぁ。直ぐ帰れると思うよ」

 

「まぁ、無事に帰ってきてね?」

 

「おうーーんっ?これフラグ?」

 

「ふらぐ?」

 

「まぁ、死なないし大事だろ」

 

今日の夜はナポリタンにしようか、とマトイに言い、一緒に料理を手伝って貰った。

 

夜は更けていく。




思うにヴィダブラスターの真ん中にあるバレルは何なんだろうか?あからさまな付箋は正直回収出来るまで続くか不明。思うにHeはソードじゃなくでカタナでいいと思うんだ(粉見感)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

57話目

多分ここ最近で1番短い。


 

 

 

あれから家にオートスピードローラーーー確か名称はオートリロードシステム、自動装填装置らしい。戦車の装置に同名の物があったような…?

 

地味に優秀なのが拳銃弾からランチャー用の弾まで幅広く対応している事だった。

 

装填されているマガジンをナノトランサーとバックパックに入れる。

 

ついでに最近発売された、グラビティグレネードとフラッシュバンーー此処ではスタングレネードを腰に付ける。

 

フラッシュバンは強烈な光と音で視力を一時的に落とすとかなんとか…。まぁ機甲種には効かないかな?

 

グラビティグレネードは投げた場所半径2メートルの敵を吸い込む'だけ'の兵器である。名前的に重力で潰すのかと思った。

 

ちなみにこれらは量産体制に入っているのでとっくに数百から数千メセタで買える。

 

新品の上下2連のダブルバレルのーー確かジグさん曰くヴィダブラスターだっけか?を腰に付ける。

 

あぁ、そうだ。グレネードを買うついでにこの背中に付いているバックパックーー確かサバイバーバックパックと言う名前らしいが、何でもこれ、ナノトランサーが3個入っているんだ。そのお陰でーー。

 

 

いや、まずはナノトランサーの事を簡単に言わなければいけないな。

 

まずナノトランサーは、何でも圧縮して収納出来る装置なんだ。なのだけど入れられる物には限りがある。

 

例えば俺が飲んで不味いと言った何時ぞやのモノメイト。戦闘服に付いているナノトランサーには1リットル10個、このバックパックには30個まで入るが、それ以上になると入れられない。

 

他にもナノトランサーにはマガジンが10個入る。バックパックには50個ーー正直持久戦になれば1.500発でも心ともない気がしなくも無い。

 

救いはマガジンは20連、30連とか100連など装弾数が違うと別扱いになることか。

 

テープでマガジン二つに巻き付けたら別扱いになるのだろうか?

 

因みにナノトランサーの外ーーつまりバックパック内に出しておかない限り重量が存在しないから、恐ろしく軽いぞ、このバックパック。

 

バックパックを戦闘服のナノトランサーに連結させてーー良し。

 

念の為ベルトも通してーー。

 

これで外れることはないだろう。

 

腕のデバイスにちゃんとバックパックがリンクされていることを確認してーーよし。

 

「よしーーフーリエさん?聞こえますか?」

 

耳に付いているヘッドセットを触りフーリエさんを呼ぶ。

 

『ーーーはい!ゲートエリアにて待機しています!』

 

元気のある声が聞こえてくる。

 

「今から向かうから、リリーパ砂漠の探索任務、行こう」

 

『はい!』

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

リリーパの砂漠に降り立った俺とフーリエ。熱い風が俺とフーリエさんを出迎える。

 

「さて、それでフーリエさんはどこか心当たりとかありますか?」

 

「いいえ、全然無いです。一応私が倒れた所は覚えてますが…」

 

「取り敢えずそこに行ってみましょう。何もしないで観光するよりはマシでしょうし」

 

「そうですね」

 

そう言い俺は腰からライフルを、フーリエさんは手元のデバイスを弄ってランチャーを空間に出現させる。

 

「へぇ…これがランチャーか…」

 

「えぇ!フォトンを使って軽量した新モデルです!ーーそう言えばユウナさんのライフルも中々見ない形ですね?カスタムメイドですか?」

 

「まぁ、そんな感じですかね?」

 

「少し触ってみても?」

 

「えぇ、どうぞ」

 

ライフルをフーリエさんに平行に手渡す。

 

「バレルが2本になっていてマガジンは1つ、下部のランチャーもマガジン式になってるんですかーーあっ!下のバレルの所にシリンダーがありますね!それにランチャーから照準器にコードが伸びていてーーこれもしかして、敵の真上で爆発とか…?」

 

「多分できると思いますよ?そこら辺はジグさんに聞かないと分かりませんけど…」

 

ジグ、と言う名前を聞いて目を見開くフーリエさん。

 

「じ、ジグさんてあの、創世器を作った、あの⁈」

 

「え、えぇ、そのジグさんで合ってるはず」

 

「と言うことは!コレが近々各メーカーから発売される⁈ーーあっ、これありがとうございます」

 

そこまでテンション上げて急に下がるのはちょっと驚いた。そんなにすごい人だったのかあのフルキャスト。

 

「ふ、フーリエさん?先に行きましょう?影の正体を少しでも掴まないと、ね?」

 

「はい!」

 

それからリリーパの機甲種達と何回か交戦ーー何体か新型の機甲種も居たがー!した後。遂にソレは訪れた。

 

戦闘が終わり残骸をマグで撮影していると、りー!と言う声が小さく聴こえた。フーリエさんには聴こえなかったらしい。撮影を切り上げフーリエさんを呼び銃を構えつつもその声の元に向かう。

 

すると崖の間をその声の正体ーー辺な毛むくじゃらの小さな獣が二足歩行で歩くのが見て取れた。マグにも撮ってある。

 

「あっ!ユウナさん!あそこ、あれ!見てください!」

 

「あ、あぁ、見た、けどあれは…」

 

「見ました?見えました⁈今の!今度こそ、間違い無いんですよね⁈」

 

そう言うのも、ここに来る間の戦闘時にフーリエさんが何か見えた!とか聞こえた!とかで戦闘を突然中止して

、何度機甲種からの攻撃を受けていたことやら…その都度「クラスター弾使います!」と言って殲滅していたっけ…近接だったら何度死んでいることやら…。

 

「私の幻覚とか、痛覚の間違いじゃない!間違いなく、そこにいたんですよね⁈」

 

「居たな…マグにも撮ってある。後で上に上げよう」

 

「良かった…ユウナさんも見たのなら、間違いないです!」

 

少し涙を浮かべるフーリエさん。

 

「ちっちゃな影さんーーううん、小さな人、というのが正しい見た目でしたね」

 

「人ーー人?」

 

俺の疑問にフーリエさんはスルーを決め込む。

 

「お話ししたり、お礼を言ったりは出来なかったけど…良いんです、じっくりやっていきますから」

 

「今は取り敢えず、居るって事が分かっただけで十分です!」

 

「もしかしてあの…あぁ…そうだな、へんなのと接触する気か?」

 

「もちろん!此処からは根気とヤル気の勝負です!大丈夫!私、その2つだけは自信がありますから!」

 

いやそれ以前に俺たちが触って大丈夫だとか、辺な病気とか病原菌持ってないとか色々有るだろうに…。

 

「本当に色々とありがとうございました!ユウナさん!」

 

「…まぁ、こちらこそありがとう。色々とタメになった」

 

特にランチャー持ちとパーティ組む時は近接はダメって事がね!そもそも今のこの狼っ娘の俺にソードとか持てんのか?帰ったら試すか。

 

そう言い帰路につく為、キャンプシップにワープする扉を探しているとフーリエさんが言う。

 

「所でユウナさん。あの影の正体はやっぱり小さな人では?」

 

その問いに俺は

「人…人、かなぁ?」

 

疑問は尽きない。そもそもあれは言語を喋れる知的生命体なのだろうか?文化はあるのだろうか?

 

まぁ、そこら辺は全部上が考えるでしょう。丸投げしよう。

 

そう思い込むことにする。丁度テレポーターも設置出来たのでこれにて撤退。オラクル船団に帰ってアークスに報告して、終わり!

 

 

 

 




戦闘シーン挟もうかと思ったけど私の技量じゃ書けないわ。ブレイバーにクラス変えてこないと。

ヴィダブラスターの下のバレルの意味は何なんですかね…?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

58話目

祝Ep5完結記念(遅刻)いやぁ、Vs花村戦は熱かったですね(すっとぼけ)


 

 

 

惑星リリーパから帰還後、いつもの様に自室に帰りマトイとポイントとお話をしてその日は終える。

 

 

問題はその次の日だった。

 

 

「んっ……ぁ…朝か」

 

窓から朝日が入ってくる。

 

布団を蹴り起きようとするとーー。

 

「ーーぇ?」

 

丁度寝ていた所ーー股間部に血のシミが出来ていた。

 

「………コレが俗に言う生理って奴か…」

 

と小声で言う。朝から気が重くなった。

 

そもそも生理とは。

 

後々Posで調べてみると、要約すると子供が産める身体になったらしい、との事。

排卵された卵子が子宮内?に到着して、妊娠しなかった場合子宮の壁と共に外に出る、との事だった。多分。

 

「う…うぅん?」

 

成る程分からん状態だった。先程書いた物も合っているかどうかすら不明である。

 

取り敢えずこの血に濡れたベッドーー因みに寝る時は下着はつけない派だーーを見る。隣で寝ているポイントにはバレないように静かに処理しなければ。

 

血が付いたものは落ちない、って言うのはよく聞くし…。

 

取り敢えず洗濯機にぶち込むか。オラクル船団の技術力を見せてもらおうか。

 

そう思いながらシーツを丸めて脇に抱え、リビングに続くドアを開けると、ほぼ同じタイミングで反対側のドアーーマトイの部屋のドアも開いた。

 

「ーーぇ?」

 

「おっ?」

 

そしてマトイも同じく脇にシーツを丸めて抱えている。つまりーー。

 

「……そう言うことか。マトイのも洗おうか」

 

「…うん」

 

そう言い二人で洗濯機の所に向かったーー同じ部屋内だけど。

 

「……言うのもなんですが、二人しておねしょはちょっと…」

 

遅れて起きてきたポイントがパジャマ姿で起きてきた。

 

おねしょでは無いんだよなぁ…。

 

……マトイのシーツを見たら本当におねしょだったけど。

 

洗濯機に2つのシーツ、適当に洗剤と柔軟剤を放り込みボタンを押す。

 

ピッ、と言う音と共に洗濯機に水が入る。

 

機械音と共に中で水が渦を巻く。

 

「さて、どうする?」

 

「え?うぅん…どうしやっか?」

 

さて、何をして1日を潰そうかと考えていた時、ポイントから提案が。

 

「それならユウナさん、戦闘服を買いに行っては?」

 

「戦闘服ーーあぁ、そういやあの服(ドラグニアフラール)は破れたんだっけか」

 

「えぇ、任務から帰って来たのですからお二人で散歩ついでに戦闘服を買って来ては?」

 

「…そうだな、そうするよ」

 

「それじゃ服を変えてくるね」

 

そうマトイは自室に戻り服を着替え始めた。

 

「…ユウナさんは?」

 

「俺?…何時もの戦闘服で行くさ」

 

「…序でにユウナさんが着る服もお願いしますね」

 

「…気がむけば、な」

 

最も、確かに戦闘服以外にも服が無いとな…。

 

取り敢えず適当に散策するか。

 

「ーーそうだ、ポイント、洗濯物、頼めるか?」

 

「オペレーターの任務が飛び入らなくて時間が有ればやっと来ますよ」

 

「ありがとう」

 

…あれ?これポイントにバレたり…いや、女同士だしバレても関係ないだろう。

 

 

 

「んっーーー!やっぱり外は気持ち良いね」

 

「そうだな」

 

そう言いポッケに手を入れてマトイと二人で歩道を歩く。因みにマトイは私服である。いつの間に購入したんだ…?

 

「もぉ、そうやって休みの日は室内に居ようとするのは悪い事だよ?」

 

そう言いニッコリと笑いながら俺の前に行く。

 

「そうだな、気が向けば外に行こうとするよ」

 

そう言うと前で笑っていたマトイが傍に来てポッケに突っ込んだ手に抱き着く。マトイのーー俺ほどでは無いが大きい胸が腕に当たる。と言うか俺の胸がデカすぎるだけだが。

 

「あぁ…マトイ、そうやって旨を押し付けるのはどうかな、と」

 

少し顔を赤くしながら少しづつ小さく言う。俺はまだ女性経験が無いんだよぉ!

 

「えっ?でもユウナちゃんも女の子でしょ?」

 

そう言いながら純粋無垢な瞳をーー紅い瞳を俺に向ける。赤目って居たんだなぁ、二次元だけじゃなかったんだ。

 

「まぁ、あぁ、うん、そうだな」

 

それに押されて頷く俺。

 

上を見上げると天井に映し出される人口の空と人口太陽がある。人口的なーー作り出された物の筈なのに暑く感じた。

 

取り敢えず服だ、戦闘服もそうだが私服も買わなくては…俺にはセンスが無いが。

 

この際は仕方ない、マトイにーー記憶が無くても1、2ヶ月しか女の身体に付き合っていない俺よりマトイのは方がセンスがある筈…あるに違いない。

 

「…あぁ、マトイ、俺に服をーー普通に着る服を探して来てくれないか?」

 

「服?なんで私に?」

 

「いやほら…俺センスないから…なっ?」

 

「うん、分かった。それじゃぁ服屋に行こう!」

 

「うぉ⁈」

 

そう言い手に抱きついていた手をそのまま握り俺を引っ張って行くマトイ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「コレとかどうかな?似合うかな?」

 

そう言い俺にあれよこれよと服を渡してくるマトイ。全てサイズが適切なのが恐ろしい、のか?

 

場所は外から変わり服屋ーーブティック、って言うのか?なんかそう言うマトイみたいな如何にもって言う女の子が服を買うような所にいるーーあっ、俺も外見は女だったわ。

 

「いや、これは…ほぼ胸の先端しか隠れてねぇじ「ないか、却下だこんなブラジャー」

 

第1強度的に収まらない。もっと強度があって全体を支えられるブラを持って来い。多分そんなブラは無いーー。

 

「あったよ!ブラジャー!」

 

そう言い試着室のカーテンを全開に開けブラジャーを渡してくる私服姿のマトイ。無論店の中には他の曲も居てその付き添いなのか居心地の悪そうな男性も二、三人ほどいる。

 

何故かは知らんが顔が真っ赤になって恥ずかしくなった。そりゃそうだ、上半身だけ裸だもん。

 

「ちょ、マトイ!閉めて!見え、見えてる!もろバレしてるから!」

 

「えっ?あぁ⁈ごめんね!」

 

マトイの手からブラジャーとセット品のパンツを受け取り着替えるーー尻尾が真っ直ぐ立ってるのが感覚でわかるぜ…。

 

手にある水色のブラジャーとパンーーツなのかティなのか分からんがそれを着るーー待て?

 

そう言や今朝…俗に言う生理だったか?が来てたよな?と言うことはこれ着たらマズくないか…?

 

…今回はブラジャーを試し着だけするか。帰りに戦闘服とパンティの間に挟むあの…アレだ、アレ…えっと、ナプキンだ!それを購入しなければ…。

 

溜息をつき思う。

 

女になって楽しいけど、生理と言うボスが来るのか…軽めだと良いなぁ…。

 

そう思いながらフックを全て外し大きな胸が露わになる。

 

試着室には全身を写す鏡が三箇所にありそのボリュームのある胸が三箇所に写る。

 

持ってきたブラジャーを胸に付けてさっきまで来ていたブラジャーと同じくフックを止める。

 

「ぉおぉ!止まった…止まったぞ。行けるか?」

 

取り敢えずその場でジャンプと屈伸、軽めの体操を行うーー壊れる気配無し。

 

「マトイ?いるか?」

 

「なぁに?」

 

「これ、買おう」

 

「他にもピンク、黒、白とか有るけど、どうする?」

 

「全て2セットづつだ。水色は三セット頼む」

 

「はいはーい!」

 

今まではアークス支給品の黒いアーマーみたいなブラジャーだったが…これで少しは女の子らしくなれたか?

 

中身は野郎だが。

 

因みにトータル下着とブラジャーのセットを15着買ったが…お値段が三万超えして驚いた。メセタは沢山有るから良いものを…女の買い物って高いなぁ…この後戦闘服を買わなくちゃいけないと言うのに。

 

 

 




ぶっちゃけ運営が強めにしてあると言ってガッツドリンク飲んでタリスの空中戦法してたら終わった感しかない。いやぁ、Heって最高。

でもね、ストーリーが進む毎に終わりが見えなくなるんだよね(白目

あとハーメルンのR18のボーダーラインって何処までなのだろうか?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

59話目

多分12月のレイド戦のボスにオメガボーカルつくゾ


 

 

「さてユウナちゃん、下着も買ったことだし…他のも買お?」

 

そう言いマトイが持ってきた服ーー後になってメトリィ・アシンの鋼、黒色ーーを持ってきた。

 

それを着るために今着ている戦闘服を脱ぎ、この黒い服をーー。

 

「ーーっ…うわぁ…上キツイな…下も…」

 

鏡に映るのはお尻にある尻尾のお陰でお尻の方だけ丸見えのパンツ。

因みに下着には尻尾用の穴を開けてもらった。

あぁ、もう一つ、パンツの間に応急処置としてティシュをぶち込んである。これで万が一にもまだ血が出てきた場合安心…か?と言うか今思ったがアレは本当に生理だったのだろうか…?

 

コレにも開けてもらえるだろうか…?

 

「ッチ…足元すーすーすんな…これだからスカートーー」

 

「ユウナちゃん?着替え終わった?」

 

スカートは嫌だ、そう独り言を小声で言おうとしたら、マトイの声共に試着室のカーテンが開く。あれ?これさっきもやらなかったか?

 

「ちょ⁈マトイ⁈」

 

「うん!大丈夫そうだね!少し雑かもしれないけど…はい。靴」

 

足元に置かれたヒールでは無い面積がぺったんこの靴。俺としちゃこっちの方が良い。

 

「ありがと…変なところはないか?」

 

「うん!パンツが丸見えなのを除けば大事だね!」

 

大きめの声で店内に暴露するマトイ。さっきまでいた人含め男が二人増えてるぞ⁈

 

「マトイ⁈ほら、男の人も居るから…ね?」

 

「あぁ⁈ごめん」

 

そう言いながらカーテンを閉めて顔だけを出す。

 

「分かればいいよ…見えてないでしょ?」

 

「う、うーん?どうだろ…」

 

その後はまたまたマトイが持って来た服を何着も着て着せ替え人形状態でした。後スカートはヤダ。

 

 

 

「お、おい、マトイ?本当におかしくないか?変じゃないか?」

 

「大丈夫だって。店員さんも言っていたじゃない」

 

「だがな…こう、足元がーー」

 

服を買い服屋を出るーーのだがいかんせんこの服装なので周りからの目が怖い。もっと言えばこの服装は合っているのかどうか、とか…。

 

「ほら!戦闘服を買いに行くんでしょ!早く行こっ!」

 

俺の手を取り走り出すマトイ。今の服装は最初に買ったメトリィアシンにミミの間に帽子を着ている。おかしなところないよな?と言うか20を超えてこんな服装をするとは…前の母親が見たらどう言うことだか。

 

性別が変わった事に最初に言うか。

 

 

それから市街地をマトイと二人でぶらぶら散歩した。本当ならば戦闘服を買わなければならないのだが…それはもう目星が付いている。

 

男性用のラークバルバトスーー男性用の奴をゲートエリアで見た時ーー体に電気が走った。決してテクニックのゾンデ系を食らったわけでは無い。

 

後にアフィンに聞いてその戦闘服の名がラークバルバトスと聞き急いでPosで調べてーー上着部分だけは購入できた。インナーはどうやら女性のフォトンと合わないらしく…。

 

だがそうなるとアウターの下、インナー部分に何を着るか、になる。

 

今の戦闘服のヘレティックロードの女性版ーーヘレティッククイーンを合わせようかと考えたが…こう言う一体型の服はそれ自体が効率良くフォトンを纏えるようになってるから、他のを合わせると防御の面でおかしくなるらしい。

 

「しかし…かと言って何があるかなぁ…」

 

「うん?どうしたの?」

 

「新しい戦闘服のコーデ。ほら?前に見せーーてないな。まぁ、新しい戦闘服に合わせるインナーをどうしようかってな」

 

「それなら私に任せて!」

 

そう言い胸に手を当て任せろと言わんばかりにドヤ顔をするマトイ。そんな顔も出来たんだ…。

 

「うーん、それじゃ任そうかな?ちなみに着る予定の服はこれ」

 

そう言いマグでバルバトスを検索してマトイに見せる。

 

「……?」

 

マグで見せるとマトイが止まる…どうしたんだ?

 

「どうした?」

 

「うーん…これは中々難しいよ?」

 

「そうなのか?」

 

「うん、レンジェルヴェントの同じ黒なら合う、かもだけど…」

 

「まぁ、取り敢えず言ってみよう。考えるのは付いてからでいいや。な?」

 

因みに案の定マトイに乗せられ自分の戦闘服どころか自分が着たいと言う理由で色んな戦闘服も買わされました。

 

まぁ、予備が増えたと思えば……でも全部露出とかスカートとかなんだよなぁ…。と言うかアークスの女性陣の戦闘服の物理防御力ってなんか低そう。ビジュアル的に。なんで可愛いものに限って超露出が高いんだろう。

 

ネイバークォーツとか最早下着レベルだろ、アレ。

 

 

そう思いながらマトイと人口太陽の照らす市街地を歩いた。

 

 

ーーーユウナとポイント(マトイ)のマイルームーーー

 

買い物から帰り、ポイントに今回の成果を見せる。

 

「それで買ってきた戦闘服って言うのがその…」

 

「あぁ、ぜルシウスって言うらしい。何でもある場所の特殊装備の簡易量産化モデルだとか」

 

そう言い届いたラークバルバトスとマトイと一緒に買ってきたぜルシウスを着込むーーぜルシウスは兎も角、ラークバルバトスは良い…特にこのサイドアーマー。ここに何か仕込めないだろうか?

 

そう一人でに考えているとマトイがポイントに近付き、何があってどうなったのかを言う。

 

「いやねポイントちゃん、本当はレンジェルヴェントを買わせようとしたのだけど…フォトン防御係数が予定より低くなっちゃって…そこは防具を付けて補強しようって言ったのだけど…」

 

「だっとらこれを着て防具をつけたほうがいいってな!いやぁ、最初見た時は変態用かよって思ったけど、いざ着てみると、結構しっくり来るんだわ」

 

「店員さん曰く戦闘服の下にこれを着込む女性アークスも少なからず居るらしいので…あとこのぜルシウスって殆どの戦闘服に合うように調整されているらしいですよ」

 

「良いことを聞いたな、他の戦闘服ーーってセット品しかないや」

 

ヘレティックに敗れたドラグニアフラール、そして最初のうちに着ていたサウザンドリムが掛けてある。

 

正直ヘレティック以外はあまり着たくない。サウザンドリムは時折着るが。何気にマガジンをスカート部分に入れられたりと結構便利だったりする。さすが女性用レンジャー推奨戦闘服。

 

「…ラークバルバトス、でしたっけ?それを羽織っている時は兎も角、ぜルシウス単体で歩き回らないでくださいね?」

 

ポイントの視線がある所に向かい目を背ける。まぁ、分からんでもない。

 

「わかってるよ。流石にそこまで痴女じゃない」

 

「まぁ、確かにユウナちゃんの胸のサイズだと、ぜルシウスの色ーー黒色も相まって黒インナーだよね」

 

「しかも厚いから胸の先っぽも見えない厚さ!しかも蒸れない!そして!」

 

そう言い俺はゼルシウスの足元を指す。

 

「この重量感!下半身ヘビーのぜルシウスに上半身ヘビーのラークバルバトスを合わせることによりーー」

 

「最高の戦闘服が出来上がるのだぁぁ!」

 

今の俺ならダークファルスも倒せーーいや無理だな。

 

「うん、ユウナちゃん興奮するのはわかるけどそんなに尻尾振ったら危ないよ?」

 

「すまんなマトイ。こればっかりは自分でも抑えられん」

 

まぁ、取り敢えずマイファッションにこのコンビを登録していつでも装備できるようにナノトランサーに入れておこう。

 

 

そう言いながら部屋着ーーコレも買ってきた奴ーーアークス長ジャージの黒を着る。

 

「ーーよし、やはり部屋着はジャージに限るな」

 

「マトイさん、ユウナさんって服に関しては女子力無いですよね」

 

「あははは…あまりそれは言えないかなぁ…」

 

 

 

 

 




さて、私のgtx1070 は何処まで持つやら…。

あっそうだ(唐突)今年中にEp1終わらすって思ってたけど…これまだEp1ー4から5なんだよな…(遠い目)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

60話目

さてpso2やるか→NP00〜で弾かれる→しゃーない、War ThunderでJS−6買うか→そう言やハーメルンで新しいTS物ランキング入りしてないかなぁ→俺入っとるやんけぇワレェ!


 

 

「すいません!今回もよろしくお願いしますね!」

 

そう言うセミキャストのフーリエと前回と同じこの惑星ーーリリーパの砂漠エリアに来た。

 

「あぁ、大丈夫。それで今回は?どうするの?」

 

「はい、今回はリリーパを調査している人達に聞き回って謎の黒い影さんが居るであろう場所を特定してきました!」

 

そう言い脚と腕を機械に置き換えたセミキャストだからできるであろう片手でランチャーを持ち上げ俺に敬礼する。

 

「おう、頼むぜ。こちとら砂漠の日差しはキツイんだ。後敬礼は無しで。楽に行きましょうや」

 

「そうですね。それなら日傘でもしますか?」

 

「それでどうやって機甲種が出てきた時に戦うんだ?」

 

「片手で撃てば良いんですよ?」

 

「俺はキャストじゃないから片手撃ちは無理かな…」

 

ロマンはあるが。

 

そもそも今持っているこのブルパップライフルーーヴィダブラスターが両手運用前提の重さである。

なんと重さは6キロオーバーである。

 

かの英国L85以上の重さである。それの分隊支援火器verのL86が6.6キロなのを考えるといやはや、重い。

 

m249やm60達の様な軽機関銃クラスの10.0キロオーバーよりは軽いものの、それでも重い。

 

最もそれ相応に3連シリンダー式のグレネードランチャー。

距離、風向き、湿度、重力などを勝手に考慮して等倍から4倍まで対応した可変サイト。スポッターは要らないな。

 

それらを動かす為に邪魔にならない所に付けられたフォトン吸収機ーーこれ自体はとても短いのだがそれらを各ランチャー、サイトに伝達するコード。

 

サイドにはレーザー、フラッシュライト、さっき書いた風速を得る為の短な感知器。

 

そしてバレルは長く、俺が最初に使っていたA.C.A.R–mk5 S.R.modより短いくらいだ。

 

そして凄いのがなんと中間あたりから折れて上方向のレシーバー下部に格納できるのだーーエアソフトガンかな?

 

バレルの強度は大丈夫なのだろうか…?フォトンがなんかこう、色々してるのだろうか?

 

ジグさん曰くオミットしたものを各ライフル会社ーー確かR.C.S.o.P.ArmsとA.C.ins.他数十社に試作銃ーーこれと同じ物とオミットした奴を送ったとか。

 

そう言やポスで見たヤスミノコフって言う何か日本人みたいなメーカーの銃…アレはなんかS.F.してなかったな。時間が有れば見に言ってみるか。

 

「ーーユーーさーーユーナーんーーユウナさん⁈」

 

そんな事を銃を見つめながら考えていたらフーリエさんから大声で呼ばれた。いかんいかん、自分の世界に入ってしまった。

 

「あぁ、ごめん。でなんだっけ?」

 

「はい。今回はこのーーマップ上のこのエリアを捜索してみたいと思ってます」

 

そう言いフーリエさんのマグに捜索範囲を中心とした円が出る。

 

因みにコレらの情報はジャバスプと呼ばれる電子戦機ーー確か正式名称はジャバスプ JFVa/Sp-68 ジェット及びフォトン複合垂直離着陸/短距離離陸電子防護機って言う超長い名称ーーがサーレクスから離機、周囲を定期的に捜索している。

 

コレは調査の終わった惑星も探索がーー調査中の惑星よりは頻度が落ちるがーー続けられる。

 

と言うか最初見たときコレのことを米国のオズプレイーーいや、オスプレイだったか。それに見えてしょうがない。

 

と言うか長期間の探索と飛行ならターボプロップエンジン見たいな機体にしてプロペラ付けてーーいやこれオスプレイじゃないか。

 

…まぁ、それらが定期的に中高度から探索を続けてくれている。

 

「どうしますか?ツーマンセルで行きますか?それとも別行動で?」

 

「あぁ…どうーーいや、別行動で行こう。一応此処は新しい惑星だから何があるかわからないからいつでも通信に答えられれようにしとこう」

 

「そうですね!それでは行きましょうか!」

 

フーリエがマグにマップを格納させその円の中の捜索に向かった。

 

「…あぁ、その前に終わった後の合流地点はどうする?」

 

「うぅん、そうですね…この円の中心部なら丁度探索も探し終わって良い頃合いだと思いますよ」

 

そう言いフーリエは円の中心を指すーー確かにそうだな。

 

「そうしようか。それじゃぁ、また後で」

 

「はい!」

 

 

 

 

「居ない、か」

 

フーリエと分かれて早数十分。一人で周辺を銃を構えていつでも撃てるポジションにして探索している。

 

「そもそも黒い影って…いやまぁ見たけどさ…」

 

そもそもなんだあのモコモコ。一応上には上げてあるし、敵対しない限り交戦不許可もあるけど…。

 

正直あまり可愛いとは思わなかった。と言うか今も。

 

時折散発的に出て来るリリーパ機甲種ーー確かスパルダンAやスパルガンが二機1組で現れたりする。

 

そう言う場合は頭頂部の水色のカメラ的な部分を撃てば各部位にダメージが蓄積されて爆発すると言う何とも杜撰な設計である。

 

スパルガンの方は頭頂部の左右に銃器が付いていて真正面か真後ろしか狙えない。

 

まぁそう言う場合は向こうが気付いてなければグレネード撃って爆発させるか、後ろか前を向くのを待って頭頂部のコアにひたすらA.P.弾を撃ち込むかのどっちかだが。

 

まぁ、今まであった奴ばっかで対処自体は正直しやすい。

 

さて、そろそろフーリエと合流でもーー。

 

そこに通信が入る。多分フーリエからか?向こうも終わったのだろうか?

 

「はぁい。こちらユウナ。終わりーー」

 

『大変です!こ、この先であの子達がダ、ダーカーに襲われてます!』

 

「え」

 

『何体かは引き離したのですが、数が多くて!』

 

「分かった!今から向かう!」

 

通信の後ろでランチャーの爆発音が連鎖している。

 

『はい!交流は後回しです!ダーカーを倒してあの子達の安全の確保を!』

 

そう言いフーリエとの通信が切れる。

 

ラッキーな事にフーリエとの合流地点の直ぐ近くに居た。

 

まぁ、正直二回連続でそうそう合わんだろうとゆっくり動いていたのが吉と出た。場所はそう遠くない。

 

ライフルを腰に付けて走り出した。

 

 

「ユウナさん!来ましたか!」

 

「あぁ!ーーいやぁ、多いな、何だこのダーカーは⁈」

 

「はい!名称はクラーダ!小さくて数も多いです!注意を!」

 

フーリエがランチャーで地面ごとクラーダを耕す。

 

なんかこのクラーダ、バッタっぽいな。

 

「前腕の攻撃は鋭いです!戦闘服を着ているとは言え注意!」

 

「了解!」

 

マガジンをA.P.弾からD.A.P.弾に変更。ダーカーに有効なフォトンを詰めた徹甲弾ーー徹甲榴弾なのか?ある意味これは?

 

それを只管クラーダに向けて撃ちまくる。

 

ギュイ!

 

ギュガァ!

 

等鳴き声を鳴きながら倒れて消えていく。

 

エジェクションポートが開きマガジン内と薬室内に弾が無い事が音で分かった。

 

リリースボタンを押しながらマガジンを抜き取り、新しいマガジンを手に取るため後ろに手を回した。

 

「ユウナさん!後ろ!」

 

フーリエの声に振り返るとクラーダが上に飛んで鋭い前腕を左右に広げて上から切り裂こうと飛んで来た。

 

「うぉぉぉ⁈」

 

その時周囲がゆっくりになり、フーリエ、クラーダがゆっくりと動いているのが分かる。

 

ヴィダブラスターのリロードは間に合わない。ヴィダブラスターはストック部分が短いから殴れない。ならば!

 

脚を高く上げてカカト落としを決める。

 

「おらぁぁ‼︎」

 

クラーダの頭にカカト落としが決まりぐちゃりと潰れる。

 

「しゃぁ!」

 

そのまま腰からマガジンを取り出しライフルに入れる。

 

ボルトをリリース。薬室に初弾装填。

 

「おらぁぁ!しねぇぇ!」

 

「私も行きますよ!」

 

後ろでフーリエのランチャーが火を吹きクラーダを粉砕する。

 

「よっしやぁぁ!来いよクラーダ!」

 

3連シリンダー式のグレネードに手を掛けクラーダの固まっている所に3発を打ち切った。

 

 

 

「ーーよし!殺しきれたか!」

 

「はい!倒し切れました!奥に進みましょう!」

 

周囲のクラーダを全滅させ奥にいるとされるリリーパのモコモコが居るエリアに向かう。

 

 

 

「あっ、ユウナさんッ!伏せて!」

 

走っていったフーリエの後を追うと伏せながら奥を見ている。

 

フーリエの言う通りにその場に伏せてフーリエの近くに行く。

 

「どうした?」

 

「ユウナさん、今は大きな音を立てないでくれますか?」

 

「ほら、あそこを見てください」

 

そう言い右手である場所を指差すーーあれは…。

 

「アレが、例のモコモコ、か?」

 

「はい。あんなに寛いでいる姿は珍しいんですよ?何時も周囲を警戒してばっかりですから…」

 

「ん、アレは…機甲種?」

 

「んっ?不味いんじゃないか?」

 

そう言いライフルに手を合わせサイトを覗く。いつでも撃てるようにセーフティは解除してある。

 

「いえ、あの子達はここの原生種だから、機甲種が襲う理由はない筈、ですが……なんだか、様子が…?」

 

そう言うと機甲種ーー多分スパルダンAが原生種に向かい脚を上げた。

 

「危ない!にげてぇ!」

 

フーリエが立ち上がり大声で叫ぶ。

 

スパルダンをサイトに捉えてトリガーを引く。

 

ダダダンッ!と5発ほど撃ちスパルダンは地に伏せた。

 

機甲種に驚いたのか俺の射撃音に驚いたのか分からないが原生種がどっかに逃げ出したーーんっ?最後の一体…俺達を見なかったか?

 

「すいません、驚いて逃げてしまいましたね」

 

「いや、仕方ないさ。それより追わなくて良いのか?」

 

「はい!今回はここまでで良いんです。ゆっくりと、確実に!です!」

 

「まぁ、フーリエが良いのなら良いが…」

 

「ユウナさん!今回も有難うございました!帰りましょう!」

 

そう言いフーリエがテレポーターを設置してくれた。

 

「…そうだな。帰ろうか」

 

「はい!次回もまたよろしくお願いしますね!れ

 

「任されて」

 

そう言いながら二人でテレポーター内に入った。

 




お陰で急いで書き上げました。後祝60話目。まだEp1ー4…。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

61話目

次弾、装填完了!


 

 

 

「えっ?アークスの探索任務?」

 

マイルームでゴロゴロしつつこの世界にもあったディスクトップ型のパソコンで何時もの調べ物をしている時、ポイントがオペレーターの仕事から帰ってきて、マイルームの自動ドアが開く。入って来て俺に依頼を渡してーー渡して?ーー来た。

 

「はい、何でもリリーパの砂漠エリアにて消息を絶っているアークスがちらほら居るので、それの捜索依頼をと」

 

何でそんな依頼がルーキーの俺に…そもそも俺はレンジャーだぞ?後方ーー今のライフルじゃ近中行けなくもないが、それでも後ろから撃つのが仕事だぞ?

 

そもそも捜索依頼って…死んでたらどうすんだよ。

 

「って言ったって…通信が途絶えた場所は分かるのか?それが無いとあの砂漠エリアを全部探さなきゃならんぞ」

 

「それについては入手済みです。後はオーダーを受けてくれるかどうかのみです」

 

あぁ…これもう受けるしかないのか…?嫌だな…またあの暑くて日差しが強くて、暑い惑星に行かなきゃならんのか…。

 

「…特に何も無いんだな?」

 

「えぇ、今の所は」

 

何その今の所はって。怖いんだけど。

 

「…分かった。出発するからクエストカウンターにオーダーを出しといてくれ」

 

「もう出しておりますし、ユウナさん指名にしてありますよ」

 

もう既に俺が受ける前提の話でやっていたのか…はぁ、嫌だなぁ…。

 

「…ok、それじゃあ行ってくる。すぐに帰ってくるからな」

 

「フラグではない事を祈りますね」

 

「おいよせ」

 

「あぁ、それと」

 

「んぁ?」

 

「これ。ジグさんと総合技術開発本部から荷物が届いてますよ」

 

「なんでも直ぐに使ってほしいもの、だそうです」

 

「…あれ?なんでポイントが持ってるんだ?」

 

「いえ、どうやら宛先が私宛で中身を確認したらユウナさん宛だったので」

 

「あぁ…成る程ーーそれで?確認したのなら中身はなんだった?」

 

「えぇ、確かフォースとテクターの使うタリス(導具)でした。なんでも支援特化にしたとの事が中のデータにありました」

 

「支援特化って…そもそも俺のクラスレンジャーだぞ?テクニックなんか使えないぞ多分」

 

「それも兼ねてのテスト、だそうです。取り敢えず開けてみてください」

 

言われるがままダンボールーーこっちじゃダン・ボールだったかーーを開けて中身を確認する。

 

「なんだこれ」

 

「タリスですよ。攻撃系テクニックが使えない様にロックが掛かっているようです」

 

「支援用だな。で、これをどこにつけるんだ?両手を塞がれたらライフル持てないぞ」

 

「えっと……利き腕じゃない方にシールド見たく着けるようです。射出口を手の甲ーーそうです。手の先にリンクする様にーー」

 

中に入っていたデータをポイントのマグが読み込み俺とポイントに見せる。

 

「こうか?」

 

バックラーって言うんだっけか?それみたいだな。防御は絶望的だが。

 

「それで、カードを中に装填してーーはい、出来ました。どうですか?」

 

「……軽くね?」

 

何もつけてない様な感覚である。それでも腕についているし触れる。

 

「ーーえっとセットされているテクニックがシフタ、デバンド、レスタとアンティがセットされていますね」

 

「…え、テクニックってカードだったの?」

 

「いえ、これ用に調整された物らしくて。本来なら思えば使えますよ」

 

「あとテクニックが使えないクラスでも使えるようにした方が良いので、との事です」

 

「ふーん」

 

そう言い左手に付けられたタリス。よく見ると名前と型版が付けられている。

 

R.C.S.o.P製R.C.X.Y.Thalys mod1 Vitadi Phase…ヴィタディフェーズ、か?

 

素直に英語っぽい言語をスラスラ読めるようになるのは良いのか悪いのか…。

 

「…確かに受け取ったわ。それで、何をテストすれば?」

 

「さぁ、私に聞かれても分かりませんし。このデータにも特に何も無いですし…取り敢えず実戦テストをすれば宜しいのでは?」

 

「そうだな、そうさせて貰うよ」

 

 

「にしてもユウナさん、嬉しそうに出て行きましたね。尻尾が左右に揺れてましたし…さて」

 

私の方は、そろそろマトイさんを起こしましょうか。

 

 

ーーー惑星リリーパ 砂漠エリアーーー

 

はぁ、また来てしまったよ。このクッソ暑い砂漠に。

 

ライフルを手に取り初弾をチェンバー(薬室)に送る。

 

そう言やこの銃コッキングレバーが無いんだよな。チャージングハンドルも無いし。

 

ジャムったらどうすんだろ。これもシグさんに言っておかないとな。

 

中央のバレルのシリンダーを取り出して中にapfsdsを入れるーーこれって軽いとあんまり貫通しないような気が…いやでもコイツが1番貫通ーー溶ける速度が1.500こら1.700くらいだっけか。

 

今思ったんだがこれを撃った時の反動と言うか衝撃と言うか…どんなもんなのだろうか。

 

そう思いながら通信が途絶したとかなんとかと言うエリアに向かうことにした。

 

 

エリアに近づくにつれダガンやクラーダなどがスパルガン、スパルダンAと交戦している場面を何度も見た。

 

幸いな事に気付いてないためそれらをスルーしつつエリアに近づいた。

 

なんかやってる事が潜入任務じみているような気がしなくも無い。

 

「……ん、これは…」

 

エリアに近づくにつれスパルダン達の数は減り、逆にダガンなどが多く徘徊するようになっている。

 

そしてそのまま進むと地面にハンター用の重兵装のソードがぶっ刺さっていた。

 

「…登録してあるな。だがなんで…」

 

武器だけがこんな所に、と言おうとしたらミミがクラーダのカサカサ言う音を捉えた。

 

「…奥に進むか」

 

そして奥に見えるのは暗い洞窟。なんでこんな所に…もしや俺とアフィンが二足歩行兵器を見つけた時みたく何かしら緊急事態に陥っている?

 

オペレーターに今の場所を伝え一応援軍を要請しておいた。先ほどの武器の所有者のデータはこの洞窟の奥にいるらしい。

 

グレネードランチャーとapfsdsのセーフティを外し構える。

 

ここでふとコレがゲームならセーブポイント有りそうだな、と他人事のように思いながら。

 

 

 

洞窟内は暗くレーザーサイトとフラッシュライトのコンボでどうにか視界を確保している状態である。

 

「くそっ…洞窟内は寒いな…」

 

息を吐くとそれが白い蒸気として舞う。

 

今の周囲の温度は3度。外とはえらい違いだ。

 

足元と周囲を警戒しつつ奥に向かうとしようーーいや、そう言えば。

 

そう言えばこのタリスのテストして無いな。えっと、シフタが火属性のテクニックだから…もしかしたら今掛けたらあったかくなるか?

 

(えっと…シフタ!来い!)

 

そう思うとタリスが光り俺の周囲になんか赤い稲妻っぽい模様が出て消えた。

 

「…なんだコレ?あったかくならんぞ?」

 

そう思いながら次にデバンドを掛けてみるも稲妻が舞うだけで特に変化は無し。

 

失敗作か?

 

まぁ、動作に支障は無いし奥に進むとしよう。幸い登録者はもうそろそろで見える筈ーー。

 

そう思っていると奥の方に光が見えた。出口、なのか?

 

慌てずにゆっくりと進む。

 

ここでふと思ったのだがこの洞窟に入ってからダーカーと一度も交戦していない。いやまぁ交戦しないのは良い事だけど…。

 

外であんなにドンパチしていたのに中では何も無いって…なんかおかしくね?

 

そう疑問に思いながらもその光の方に向かうとーー。

 

「うぉ、眩しッ…!ーーッ、なんだ、ここ…」

 

ドーム状に広がった不自然な場所。奥の方にも道が有るが、そこにはなんかダーカーの変な器官って言うのか?管みたいなのが複数壁や土から出てきて奥に続いている。

 

そこで悟った。これゲームのボス部屋じゃ、と。

 

悟のと同時にミミと耳が揺れと音を聞き取る。これは…地下、からか⁈

 

その場から急いで走り出す。

 

直後、その場にはでっかいハサミを持ったーー黒いでっかい虫がハサミを鳴らしながら、土から出てきた。

 

走って回避したからなのか腰を地面につけながらそのでっかいハサミを見て思う。

 

やっぱりボス部屋だったか、と。

 

急いで立ち上がりライフルを構え応戦状態に入る。

 

第一撃が外れたからなのか俺の方を見ながら鳴く敵。それと同時に敵の周囲に変な…ありゃ触手じゃないか!それを地面から出現させーーいや、触手がある地面がなんか赤い。もしかしてどっかからかワープでもしてんのか?

 

そう推理しつつも、あぁ、やっぱりフラグは立てるだけ立てておいた方が良かったな、と思う。

 

ハサミを鳴らしながらこちらに突っ込んでくる敵。さて、自分の家には可愛いマトイが居るんだ。意地でも終わらせて帰らせてもらうぜーーあっ、中の人は野郎なので男はお断りです。

 

 




いやぁ、新たらしいクラスは亡霊ですか。なんか義手の人が砂漠で葉巻でも吸ってそうな名前してますねこれは。

所でPさん、エーテルとアストラが付いた5スロだか6スロだかの防具は初心者でも1日で作れるってマ?それが本当なら私は地雷伍長以下なのか(白目


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

62話目

本編の方も)投稿していくぅ。

あっ、今回もエッチい(?)シーンあるので注意です


 

 

デカバサミが咆哮を上げると地中ーーいや、多分向こうも同じワープでもしているのだろうーーから太い先っぽが三叉の触手が出てきた。

 

本体であろうデカバサミに開幕のグレネードを3発放つ。

 

1発目が頭、2発目がハサミ、3発目がはずれ。

 

火薬で殴られ起こっているのかハサミをシャキンシャキン鳴らしながら突っ込んできた。

 

おいくそっ、マジかよ!

 

左右に良ければ良いものをそのまま後ろに走り追いつかれて吹っ飛ばされてしまう。

 

「んぎゃ⁈」

 

頭から地面に付いたものも戦闘服の防御機構的な物が働いたのかそれ程痛くは無い。

 

「ーーくっそぉぉ…あ」

 

そう言やテクニックには傷を治すとかなんかそう言う技無かったか?

 

シフタとデバンドは試したからーー確かアンティとレスタ、か?

 

するとアンティが掛かりその次にレスタが掛かった。

 

これ強く思わなくても掛かるのか!

 

体制を立て直しランチャーの3連シリンダーに弾を込める。

 

そうこうしているとデカバサミが咆哮を上げ、地面に潜ったーー。

 

「……」

 

なんかこういうのって動いちゃだめな気がする。

 

銃を構えながらその場に数十秒。

 

突如地面が柔らかくなり、その中央にさっきのデカバサミがハサミを鳴らしながら待っていたーー。

 

「くそがっ!アリジゴク⁈」

 

沈む足を動かしながらデカバサミに向かって撃つ。

 

必死に逃れようとしてもどんどん沈み終いには足元全てが埋まってしまった。

 

「死ねるか!こんな所で死ねるかよぉ…!」

 

そう言いながらも腰まで沈み動くのは腕と首だけになってしまった。

 

「このクソ野郎ぉおがぁぁぁ!!」

 

ガキンッ!とエジェクションポートが開き弾が完全に無くなったが音でわかった。

 

トリガーを引いても弾は出ない。

 

「…終わり、か…」

 

弾は無し、グレネードもこの距離じゃ信管が動かない。

 

詰み。

 

終わり。

 

死。

 

死。

 

…死。

 

……死、だって…?

 

「…そんなの、糞食らえ、だ!」

 

そう言い無駄ながらもタリスを上に構えなんかこの状況を打破出来る何か出ろっ!と念じた。

 

するとタリスから何か光った何かが射出されて空中に浮遊した。

 

「ーーもしかして!彼処に!」

 

そう思うとリールで巻かれるが如くその浮遊した地点まで一瞬で飛んだ。

 

「うひやぁぁ⁈」

 

空中に浮かぶ浮遊感と足元がフリーになった感覚。

 

 

それとお股が濡れた感覚があった。

 

俺が飛んだーーいや、ワープ、とでも行った方が良いのだろうか?

 

予想出来なかった行動にデカバサミがハサミを鳴らすのを止めた。

 

「よっしゃぁぁ!直上!死ねこのFu○kinヤローが!」

 

フリーになった事と距離が離れた事でグレネードを放つ事が出来た。それと同時にリロードを行う。

 

「ぎゃぁるがぁぁ‼︎」

 

まだだ、まだ足りんぞ!

 

「まだまだっ!」

 

二つある内の片方セーフティー_ーーコレがAPFSDSのセーフティーの筈ーーを外し照準を合わせる。

 

「死ね!このFu○kinハサミ野郎!」

 

撃つと数秒後に発射音が聞こえた。

 

弾はそのままデカバサミの頭部分を貫通。そのまま動かなくなった。

 

「…死んだ…?いや、死体撃ちだ。安全を確保しないと」

 

グレネードを再装填、デカバサミに向けて放つ。

 

それでも動かないのでタリスを使いデカバサミの少し上にワープする。

 

貫通した所を見ると周囲が溶けていた。熱か何かで溶解したのか?

 

取り敢えずマグで写真を撮ってそのまま奥に向かうことにした。

 

まさかと思うがもう何度も出まい…出るなよ。

 

フラッシュライトを付けながら赤黒い管の方に向かうとーーそこには。

 

「くそ…やっぱりこういう事かよ…ッ」

 

赤い卵みたいなものがありそこら彼処に戦闘服の残骸やソード、パルチザン、ワイヤー、ランチャーなどが壊れながら放置されていた。

 

更に奥に進むとーー。

 

「うっ…おぇぇ」

 

死体があった。首の無い死体、腕や足が無い死体。それらが全て、まるで食った後のような…。

 

ここまで来て、吐きながらも少し寒くなってきた気がする。

 

今まで見ていた死体ーーコレ明らかに数名って感じでは無い。それに女性用の戦闘服が見当たらない。

 

嫌な予感しかしない。

 

はやる鼓動を抑えつつ更に奥に向かった。

 

 

管の中に時折赤い卵らしき物が奥に入っているのが見えた。

 

「頼む、頼むから外れてくれぇ…」

 

目から涙を流しつつも奥に向かう。

 

奥から女性の声が聞こえてきた。良かった。無事ーー。

 

「…いや、この声ーーくそっ!」

 

ライフルを担いで更に奥に向かった。

 

 

「いやぁぁぉ!だしてぇぇぇ!」

 

「産みたくない、うみたくないよぉぉぉ!」

 

「……ッ……」

 

急いで奥に向かうとそこには赤い大きな卵みたいな中に女性が囚われていたーーしかも全裸で。股に管みたいなものを付けながら。

 

「くそやろうがぁぁぁ!」

 

卵に弾を撃つもビクともしない。

 

他に何かないかと周囲を探すとアークス用のソードが地面に刺さっていた。

 

レンジャーと言う全く違うクラスだが今回だけは使わせてもらうぜ。頼むからうまく纏えてくれよ!

 

ライフルを腰につけソードを両手で持つーー軽い!行けるぞ!

 

ソードを持ちながら卵に近づきーー。

 

「ーーちぇぇぇえすとおぉぉぉ!」

 

思いっきり叩き込んだ。

 

ぶしゃぁぁ、と中の液体と女性が出て来て地面に横たわる。

 

急いで股の管を引き抜く。

 

「ひぎぃぃぃぃ‼︎いだい!いだいよぉぉ」

 

歪んだ顔から目を背き只管抜く事を考えた。

 

ぶちっ!と管が抜け、それをソードで叩き斬る。

 

「おい!大事か!しっかりしろ!」

 

痙攣しながらも脈を図るとちゃんと生きている。

 

足の上に頭を乗せバックパックからモノメイトを取り出す。

 

「おい!コレを飲めるか⁈いや飲め!」

 

口元に強引にモノメイトを突っ込む。

 

「ーーげほっ、おえっ!」

 

ゲロを吐いてしまうが、どうせこんなもの、あとで洗えば良い。

 

「しっかりしろ!こっちがわかるか!」

 

震えながらも俺の事を見る。

 

「これは!何か分かるか⁈」

 

目の前で二本指を立てる。

 

「に、二本…」

 

「良し!分かるな!あと3人ほど救うから!待ってろ!」

 

そう言いその場にモノメイトを残し残りのアークスの救出に出た。

 

 

 

不幸なのかどうか分からんがーー彼女達には言い方が悪いが、苗床になっていたお陰か体調的にはギリギリのラインだった。コレがもう少し遅れていたら精神も壊れていただろうに…。

 

俺より年上の少女達が俺に抱きつき泣いていた。

 

少女達の体を確認して胎内にダーカーの卵が無いかどうかを確認ーーは四人でやって貰おう。

 

 

後ろから喘ぎ声が聞こえるが気にしてはいけない。何せ彼女達は今までいつ死ぬか分からない状況だったのだから。

 

 

ーー少しくらい見ても構わない、かな?いややめておこう。

 

 

それから数十分して排出が終わり、俺が全て銃とソードで潰しておいた。

 

右手でソード、左手でライフルを持ちつつ入り口まで四人の少女の護衛をしなくてはならない。

 

さっきとデカバサミは死んだから大事だと思うが…。

 

 

やはりというか死体と言えど少女達を苗床にした本人らしくーー見えた瞬間足を震わせその場に縮こまってしまった。

 

大事だから!俺が殺したからと只管言いその場を後にする。

 

入り口まで到着してサーレクスの要請と任務完了の旨を伝えた。

 

「生存者は4名、中の状況から見てもっと居たかと…」

 

『はい、お疲れ様でした。こちらで追加のアークスを要請しておきます。今回は彼女達と帰還してください。胎内のD因子の濃度も調べなければいけないので』

 

「了解した。サーレクスの到着時間は?」

 

『はい、ETAプラス8分程です』

 

「了解、通信終わり」

 

そう言い通信を切った。

 

取り敢えず裸なので……裸……あ!

 

「やべっ!サーレクス!聞こえるか!」

 

『こちらサーレクス、感度良好。どうした』

 

「現在、裸のアークスを保護中!繰り返す!は・だ・か!の少女のアークスを四人保護中!ーー俺たち以外に誰かいるか?」

 

『裸⁈待ってろ!一度キャンプシップにお客さんを置いてくる!しばし待ってろ!通信終わり!』

 

そう言いサーレクスのパイロットは通信を切った。、

 

時間がかかるっぽいので取り敢えず洞窟内に避難することにした。

 

直射日光は肌に悪いからね。

 

 

サーレクスが来る20分くらい尻尾にずっと四人が抱きついていた。

 

そんなにビーストって珍しいのかーー?

 

「あっ!待て!そこダメっ!そこぉぉぉ!」

 

尻尾とミミ裏はダメェェェェ⁈

 

 

 

 




R15とR18の線引きとは一体なんなのだろうか。

って言うかこんな事をやってるから進まねぇんだよねなぁ。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

63話目 カレーライス

エルゼリオンを倒しまくってロッドと刀を14にしてたら遅れに遅れました。


 

 

「あぁぁぁぁ、づがれだぁぁぁ…」

 

そう言い自分のマイルームに帰ってきた俺。

 

惑星リリーパにて新種のダーカー_ーーグワナーダと名付けられたーーを倒し囚われていた女性アークスの4名の救出に成功。

 

そのまま迎えのサーレクスに乗り込みキャンプシップ経由でオラクル船団に帰艦した。

 

帰ってきた4名はそのままメディカルセンター…ルームだっけか?そこに直行した。

 

俺はゲートのオペレーターに今回交戦したグワナーダの戦闘データーー戦闘時のマグが撮影した映像データの提供をして終わり。

 

ーーあぁ、メセタももちろん貰ってな。

 

1日以上掛かると思っていたがそれほど掛からず直ぐに帰艦出来たのは良い事だ。

 

ーー決してサーレクスが迎えに来る間、尻尾の敏感な部分やミミを触られたり胸を触られたり吸い付かれたりなんてしてないされてない。

 

 

ーー幼児退行してないよな…?アイツら?

 

そんな事を思いつつベットに横になり、ファッションから今着ている戦闘服を外し下着姿になる。

 

あぁぁぁ、この開放感。たまらんぜ。

 

「ユウナちゃん、大丈夫?」

 

ベッドの上でゴロゴロしているとマトイが入ってきた。

 

「もぅ、またユウナちゃん下着姿になって…」

 

「だって楽だよ?なる?」

 

「誰か来たらどうするの?」

 

「…あぁ…ほら、ファッションの登録してある奴からーー」

 

そう言いファッション一覧を見てーーダメだ、戦闘服とメトリィ・アシンしか設定してなかった。ナノトランサーに他の戦闘服も入れてないし。

 

「…もう」

 

そう言いながら俺の部屋にある小さな二人用のソファに座るマトイ。

 

「ーーあっ、マトイ。ジグさんに連絡をしておいてくれないか?内容はこの銃コッキングレバーとか100発位入るマガジンないかって」

 

「こっきんぐればー?」

 

「そうーーほら、銃の横に棒みたいなのが付いている奴有るだろ?それだ」

 

「うぅ?うん。分かった?ジグさんに連絡しておくね」

 

この顔、分かってないな。まぁ俺もソードのパーツとか言われても分からないけど。

 

その時、時計が午後の四時を知らせた。

 

もう四時か。さて、今日は何を作ろうか。

 

カレンダーを見るとアークス言語でFridayーー金曜日と書かれていた。

 

金曜日ーーカレー、かな。

 

「あぁ、そうだ」

 

「うん?」

 

ソファから立ち上がり、俺が寝ているベッドに腰掛けたマトイ。

 

「今日の夜ご飯、カレーにしよう」

 

 

カレールーは多分ある筈、人参や玉ねぎとジャガイモ、豚と牛はあるし…後はチーズか?

 

コーヒー、粉のやつはあったっけ?俺飲まないから無い気が…。

 

キッチンに向かいある物を探す。

 

人参ーーある。玉ねぎーーある、ジャガイモーーある。牛と豚ーーある。コーヒーの粉ーー無い、か。仕方ない、板チョコは有ったはずだ。それを最後に入れよう。

 

ーーあれ?確か板チョコだったよな?入れられたよね?少し心配だから調べるか。

 

「マトイーー⁈ピーマン食べれるーー?」

 

ピーラーで人参の皮とジャガイモの皮を剥ぐ。

 

「うん!食べれるよ!」

 

テレビの前で座って居るマトイーー音からして音楽番組か?

 

まな板に剥いたジャガイモ、人参を置き、人参は半分に切った後気持ち薄めに切っていく。ジャガイモは一口大に切るーーなんか足らない気がするな。念の為にジャガイモもう二、三個擦れるようにしておくか。

 

玉ねぎも4個ーーうち一個はみじん切りにしておくか。

 

ジャガイモの芽を取り皮を剥き、2個ほど用意する。

 

ピーマンは半分に切って、中のタネをスプーンで掬って捨てる。その後食べやすいサイズに何となくで切っておく。

 

鍋に少しの油を入れ熱する。

 

数分たち、肉の脂身を少し取り鍋の中に入れて音がしたら、さっき切ったみじん切りの玉ねぎを放り込みアメ色になるまで炒める。

 

炒め終わったらそのまま肉を投入、これも色が変わり赤い所がなくなって来たのを確認したら残った玉ねぎ、人参、ピーマン、ジャガイモを入れ炒める。

 

少し炒めたら水を入れてカレールー_ーーここにもカレールーがある事に驚いたがーーを入れる準備をする。

 

蓋を閉めて弱火で少しづつ煮るーーいや、中火でも良いかな?

 

「ユウナちゃん?何か手伝う事あるかな?」

 

マトイから声を掛けられ隣を向くーー気が付かないうちにマトイがキッチンに来ていた。

 

「んん…ぁぁ…ないーースプーンを持っていてってくれ」

 

「うん。分かった」

 

そう言いキッチンからスプーンを3本持っていくマトイ。

 

『ーー番組の途中ですが、内容を少し変更してお送りします』

 

『惑星デサイズにてCulto.i.n.s,が運営中の会社が何者かに強襲されました』

 

『これを受けアークスの第7世代以前の戦闘員とオペレーターを1小隊ーーえぇ…30名から60名ほどを警備に向かわせる、との事です』

 

『これを受けアークス上層部は「非常にーー』

 

キッチンでカレーを作っていると何やらテレビから不穏な番組が流れ始めた。

 

Cultoーーく、ろ、と?クロト?どっかで見たような気が……気のせいか?

 

『ーーである」との事でした。現在現場が混乱しており情報が入ってきていない状態です。現地にいる方は冷静に、アークスの指示に従ってください』

 

そう言い番組は元の音楽番組に戻った。

 

「ねぇユウナちゃん?なにさっきの?」

 

火を弱火にしてカレールーをくっ付かないように散乱させて入れる。

 

蓋を閉めて中火寄りの弱火にしてあとは煮込むだけ。本来なら

 

「さぁ?ペイデイでもしてんのかな?」

 

そう言い前世の銀行強盗ゲームを思い出す。プランBなんて無かった。今は極力プランBーーステルスだけど。

 

思い出しながらテレビの前のソファに座りノートパソコンを起動する。

 

マグだけでも調べられるのだが、なんか、ノートも使わないともったいない気がして…。

 

「そっか…」

 

そう言い隣に座るマトイ。さて、チョコはどうかを調べないとな。

 

検索欄にチョコ、カレーと打ち込み1番上の検索結果を見る。

 

遅かったか。どうやらチョコはルーと一緒のタイミングらしい。最後に入れるのは粉コーヒー_ーーインスタントコーヒーだったか。

 

買いだめしてあるオレンジジュースをテーブルに置きコップも用意する。

 

「マトイ、カレー見てきてくれ。後味見」

 

「うん!」

 

勢いよく立ちキッチンに向かいカレーを小皿に掬い人差し指で舐めるマトイ。

 

「ーー少し…水っぽい?」

 

「そうか、ならそこにあるジャガイモを擦って入れてくれ。怪我するなよ?」

 

摩り下ろし機を出してカレーに擦ったジャガイモを入れる。

 

これでとろみが出る、筈だ。母親からそう教わった。

 

 

そう言や母親は元気だろうか?父親も。

 

「ユウナちゃん⁉︎どう⁈キッチンに行こっ!」

 

少し感傷に浸っているとマトイがカレーのとろみが付いたかどうかを聞くために俺の手を握ってキッチンに連れて行った。

 

この手の暖かさは本物、か。

 

そう言いながらもカレーを味見するために小皿に装り舐めた。

 

今思ったのだが一応俺のこのミミと尻尾は狼っぽい。

 

なぜ分かるか?ネットやっていた時にミスって海外のそう言う趣味のエッチなイラストサイトに飛んでしまってだな…いや、まぁ、そんなことは置いておいて、玉ねぎダメなんじゃ…?

 

 

いや、七割くらいは人間なんだ、玉ねぎだって行ける筈ーー耳はとんがっているから人間ーーヒューマンよりはニューマン、エルフなのだろうが。

 

そう言い舐めてーーうん、美味い。

 

「マトイ、皿を取ってくれ。ご飯をよそってくれ」

 

「はぁい!ユウナちゃんはどの位?」

 

「まぁ、適当で」

 

そう言いながらカレーを混ぜる。すると玄関が開いてもう一人が帰ってきた音がする。

 

「はぁ、疲れましたわーーあれ?この匂いは?」

 

「はい!ポイントさん!カレー、だそうですよ!」

 

「カレー、カレーですか!良いですねぇ」

 

そう言い管制官の服を着たまま帰ってきた彼女ーーポイントが席に着く。

 

「ポイント?服着替えておけ。カレーだから飛ぶぞこれ」

 

「はいはーい。少し着替えてくるのでお待ちを」

 

そう言い俺の隣の部屋に入り着替えをする。

 

「こんな感じでいいかな?」

 

そう言いカレーの入った鍋の隣に置かれた皿にはーー並々とご飯がよそっており中央のやつは1番高くよそってあった。

 

「ーーま、とい?あの、この一番でかいのは…?」

 

「私のだよ。これがポイントさん、これがユウナちゃん」

 

あの…俺が男の時でも食える量ではないのですがこれ…。

 

多くない?と言おうとしたらマトイが鼻歌を歌いつつテーブルの方に向かって行ってしまった。

 

取り敢えず俺のとポイントは半分に減らしておくか。多分これなら行ける筈。

 

ルーをよそいポイントとマトイのを持っていく。スプーンはマトイが配っておいてくれた様だ。

 

その後戻り自分のもよそい席に着く。

 

「それじゃ、いただきます」

 

「頂きます!」

 

二人の声が少し遅れながらも食べ始めた。

 

 

 




ライフルはスプニで良いやろ()と言うかやりたかったW.W.3が終戦しちまった…あの武器カスタマイズは戦場ゲーにも入れるべきだった。

R18も気が向けば書いてますよ…(小声)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

64話目

これでやっと1ー4という事実。


 

 

「ーーんで、まだ砂漠か?」

 

「はい!今回も色々な方に聞いて回ったので!前回よりは小さい範囲ですよ!」

 

絞れてきましたっ!と言い両手を上げるフーリエ。

 

何もこんな朝っぱらから行かなくてもなぁ…。

 

「……んで、今回はどうするんだ?」

 

「先ほども言った通りに範囲は絞れたので今回は二人で行動しましょうーーあれ?そう言えばユウナさん、その背中に背負っているそれは…?」

 

そう言い俺の背中に付いている武器ーー確か武器名はギガッシュだったかーーを指す。

 

「これか。少し前に砂漠を一人で行ったらね、いやぉ、未確認大型ダーカーと会っちゃってね?そん時にソードを拾ったのだけど、使えちゃったから買ってみた」

 

ほんとあの時は死ぬかと思ったわ。何人も死体はあるわ、女性アークスが…な、苗ーーいや、よそう。気持ち悪くなって来る。

 

「買ってみましたって…ユウナさんはレンジャーでは…?それにフォトンアーツは使えます?」

 

フォトンアーツ…?フォトンアーツ?……ライフルにフォトンアーツってあるのか?フルオート、セミオート、グレネードと俺のヴィダブラスタだけAPFSDSだっけか?それが撃てるけど。

 

今思ったが只の鉄の槍がダーカーに当たってダメージ出るならフォトン要らなくね…?

 

いや、もしかしたらフォトンを再結晶させ、それをAPFSDSにしている可能性が…?いやでもフォトンって無味無臭じゃ…?

 

「……ぁあ⁉︎あのスバーってやったりクルクル回ったりするやつ?多分できる」

 

「…まぁ、同じレンジャーですし、いざとなったら二人でライフルとランチャーで戦いましょう!」

 

バックパックにギガッシュを。腰にヴィダブラスタをセットしてクエストカウンターからフーリエと二人で砂漠行きのキャンプシップを頼んだ。

 

ぁ、左腕には勿論タリスをバックラーの如く装備しっぱなしである。なんでもジグさんがまだまだデータが足りん、との事。

 

ーーー惑星 リリーパ 砂漠エリアーーー

 

 

「あぢぃぃぃ……フーリエ、さっさといごぉう。ここにいちゃ死んでまうぅぅ…」

 

一応戦闘服には体温調整機能とかあるのだが、頭に熱が来てもう…。

 

「はい!今回目撃情報があったエリアはここから直ぐそこです!張り切っていきましょう!」

 

「おぉ…」

 

なんでこんなにフーリエはハイテンションなんだ…こんなにも暑いのに。それにこちとら精神年齢20やぞ…きつーーいってほどではなくは無いわ。

 

腰にあるライフルに手を伸ばして、手に取りフーリエの隣に行く。

 

「今回目撃情報があった場所はここから直ぐ近くーーマップ上だとこの辺り、ですかね?」

 

フーリエのマグが映すマップに丸い円が出る。その円には未確認生物情報アリ、とアークス言語で書かれている。

 

「半径はーー言うほど無いな」

 

「はい。有ってもこのエリアには機甲種の反応が見られますし…どうします?接敵次第撃破しますか?」

 

「いや…わざわざそんな道渡らなくていいでしょ。出来る限りスルーで。他のアークスがやってくれるに違いない」

 

フーリエと話つつライフルのチェックに入る。マガジンを入れれば勝手に薬室内に初弾を届けてくれるーーコレは出来れば手動でやりたいからジグさんにーー言ってくれたーーじゃない、連絡してくれたかな?マトイ。

 

中央のバレルのシリンダーにバックパックからAPFSDSを装填、シリンダーの位置を元に戻しロックをかける。

 

グレネードランチャーのシリンダーも同じく弾を3発シリンダーに込めて戻す。

 

徹甲弾とD.A.P弾の混ざったマガジンが撃てるように小口径の方だけセーフティーを解除。但し指はトリガーに掛けずにその後ろ部分ーーグリップ部分を握る。

 

APFSDSの方は今はセーフティを掛ける。コイツは対大型用だから小さいのに使ってられない。

 

後弾も高い。早く量産して安くなって欲しいわ。

 

可変照準器に電気を入れ1.2倍辺りに調整する。

 

左手のタリスにはレフタ、アンティ、シフタ、デバンドのカードをセット、使用可能状態に。

 

本来のクラスーーテクターやフォースなら考えたりロッドやウォンドをくるくる回したりしてテクニックを放てるけど…俺はほら、レンジャーでライフルマンーーマン?だから。

 

「ーーよし、準備完了。フーリエさん、そっちは?」

 

左手をグーパーグーパーして動きに問題はないことを確認、ライフル部のグレネードランチャー部分を握りフーリエに言う。

 

「はい!こちらも準備万端です!いきましょう!」

 

今回は特に何も無いといいなぁ…。

 

 

進む事数分、何人かアークスと現地で会い影に付いての場所が少しづつ絞り込まれる。

 

「あぁ、そうだ。今このエリアに面倒なアークスが居るから気を付けろ」

 

そう言いパルチザンを持った男が言う。隣にはソードを背負った男性が。二人ともハンター、か?

 

「面倒なアークス、ですか?」

 

フーリエが少し疑い深そうに言う。

 

「あぁ、ゲッテムハルトって言うんだが、アイツスペックは高い癖してプライドも高いからな。最近は柔らかくなったらしいが…」

 

そう言い頭を書くパルチハンター。

 

「そういや機甲種に八つ当たりしていたな。危ないから見に行くなよ?先輩としての注意、だな」

 

そう言いった後俺たちが来た方向に去っていくハンター二人組。

 

ゲッテムハルトってそんなにアレだったか?

 

「…ユウナさん、お二人が言っていた人が居るところはーーこの辺りらしいですね。…なんか変な予感がします。行きませんか?」

 

そう言い背中のランチャーを持ち出し戦闘態勢に入るフーリエ。

 

「…まぁ、フーリエさんがそう言うなら…」

 

俺もライフルを構えゲッテムハルトさんが居るエリアに二人で向かうーー。

 

「ーーあぁ⁈そう言えば私、任務記録取るの忘れてましたぁ⁈」

 

ーーとした所、急にフーリエが止まり任務記録をつけ始めた。

 

「わわっ、あわわっ!えっと、えぇっとーーこれ書いて、アレ書いてーー」

 

フーリエがマグを呼び寄せ任務記録を書くーーそれってマグが録画するやつじゃダメなのか?

 

「あぁ、時間も書かないと⁈ユウナさん!今って何時ですか?」

 

そう言い俺の方を見るフーリエ。確か今は…。

 

マグを呼び時刻を見るーー朝の8:30を回ったところだな。

 

「今ーー8:34分ジャスト」

 

「そうですか!…まぁ、8:30でいいかなっとーーよし!データ入力完了っと」

 

「…少し早過ぎましたかね?今8:00って…」

 

「発見されてまだ1ヶ月も立ってないのに人はあまり居ませんし…こう言う早い時間からの任務って言うのもなんだか良いですね」

 

「にしても早い気がするんだがなぁ…」

 

そう言いながらも二人で奥に向かう。

 

 

「…っぁ!ユウナさん、彼処、彼処を見てください」

 

そう言いフーリエが前にある残骸に近づく。

 

俺はライフル脇に入れてトリガーから指を離し周囲を見渡しながらその残骸に近づく。

 

「これは…戦闘の残骸、ですよね?機甲種の残骸がこんな感じにボロボロに…」

 

そう言いフーリエはランチャーを背後に戻し何かで殴られた様に凹んだ機甲種を指差す。

 

「こんな闘い方をする人がアークスにいるのかと思うと…なんだか、少し怖い…ですね」

 

周囲に散らばる機甲種の残骸を手に取り俺に渡してくる。

 

「…いや、俺的には敵が減るんだから良いんじゃないか?それに流石にフーリエさんの言う'あの子'達には手を出さないだろ」

 

殴られた装甲を見て、これを殴って凹ませるって何という腕力なのだろうか…いや、フォトンでなんかこう、やってるんだろ。多分。

 

「…どうでしょうか?リリーパって機甲種とダーカー以外、今の所は居ないじゃないですか」

 

装甲板を地面に起く。

 

「だから…もしこれをやった人があの子達を知らずに機甲種を作った本人だと考えて攻撃したら…私達オラクル船団が敵になってしまうかもしれないし…」

 

「そしたら逃げられちまうな」

 

そうは言いつつも周囲を見渡すのは辞めない。

 

「…っとぉ!ごめんなさいね、変に考えている場合じゃないですね」

 

「私達は敵じゃないんだよってあの子達に教えてあげないと。交流も何も出来ませんからね」

 

「折角出逢えたのに、仲良く出来ないなんて悲し過ぎますもんね…」

 

更に奥に向かう事にしよう。

 




本当はゲッテムとお話しして終了にしたかったけどpso2のイベントシーンが勝手に進むタイプだったから断念。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

65話目

やっと終わった…これでやっとE.p1ー4完


 

 

「ふふーん、ふーんーー後はこれでーー良しっと」

 

場所は変わりユウナのマイルーム。

 

マイルームではマトイがお風呂掃除をしている。

 

このお風呂は循環型でフィルターを定期的に交換しないといけないらしい。

 

「さて、フィルターはこれで終わったし…そろそろポイントさんが帰って来る頃かな?」

 

あれ?そう言えばユウナちゃんは名前だけどポイントさんは名前なのかな?後で聞いてみようかな?

 

そう思いながらキッチンに向かう。今日は何を作ろうかなぁ。

 

 

ーーー惑星 リリーパ 砂漠エリアーーー

 

そのまま奥に進むと何かを殴る打撃音が。最初はまさか機甲種を殴ってる奴なんているのか、それこそ無いだろう、と思いつつ先に進む。

 

「ーーっ?…ユウナさんストップーー……何でしょう?この音は…?」

 

聞き間違えだろ、と最初は思っていたものの奥に進む毎に大きくなる音ーーさっきのダブルハンターが言っていた危ない人ーーゲッテムハルトが居るという方向から聞こえてくる。

 

「…聞こえちまったか。…多分ゲッテムハルトさん、かも知らない」

 

「……この音は……ファイターのナックルの駆動音?ーーって言うことは戦闘中?」

 

?ちょっと待って、フーリエってキャストーー機械になってるのって腕と足だけだよな?耳まで機械化してないよな⁈

 

フーリエの耳を見ようとしたら走り出したので俺も追従する。

 

「ーーぁあ⁈ちょ、待って!」

 

 

結構な距離を走るとーーって言うか途中からフーリエホバーしてたし…ズルくね?

 

それでーーフーリエ曰くナックルの駆動音が明確に聞こえる位置に来るとーー底にはゲッテムハルトとメルランディアが居た。

 

すぐ近くの草叢ではーー確かフーリエの言う影の子が隠れている。と言うか震えている。

 

 

「ーーおらーうしーァ!機械の身体はもっと頑丈なハズだろォ⁈つまんねぇぞォ!もっと気張れよォ!」

 

大破したーーアレは新型か?二脚の機甲種にゲッテムハルトが、ひたすらナックルで殴っている。

 

その隣でメルランディアが頭を抱えつつ周囲を警戒しているーーぁ、気付いた。

 

此方に気付きメルランディアが頭を下げる。

 

「あぁ、これはどうも」

 

そう言い俺も頭を下げる。

 

「ーーひどい」

 

頭を下げたら隣で酷いって言われた。多分俺のことでは無いハズ。

 

俺たちに気付いたのかゲッテムハルトが俺たちの方を向く。

 

手に嵌めていたナックルを腰に戻す。

 

「なんだぁ?お前達は。悪ィが、此処は俺のストレス発散場だ。譲ってやる気はねェぞ?ーーんん?」

 

「ちょっと待て…?セミキャストの女の方は分からんが、オマエは何処かで…?」

 

「ユウナさんですよ、ゲッテムハルト様、ほら、カフェでしたっけ?彼処でシーナ姉さんとお茶を飲んだ時にーーほら、ゲッテムハルトさんがシーナ姉さんに鳩尾をーー」

 

「あぁ⁈あの時の!いけねェいけねェ、将来有望な人材の名前くらい覚えておかないとな」

 

「それで、オマエーー「ユウナさん、です」ーーアンターー「ユ、ウ、ナ!さん!」ーーっ!メルランディア!少し喋るな!」

 

手でディアさんを指で刺し怒る。

 

「そうですか、分かりました。シーナ姉さんに言っときますね」

 

「っくそぉぉ!」

 

そう言われるとナックルを装備して地面や岩を殴ったり、大破した機甲種に八つ当たりするゲッテムハルト。

 

「…えっと…あの…」

 

これにはフーリエさんもびっくり。手を出そうとするものの途中で引っ込みる。

 

「ァあァ⁉︎それで!貴女がァ!来たってことはァ!あの仮面野郎も来るのか?それともーー」

 

「ーー俺と楽しませて「せいっ!」ーーうばぁ⁈」

 

ゲッテムハルトが何か言おうとしたら隣に居たメルランディアがいつのまにか距離を取りテクニックを放ったーーと言うか始めてテクニックを見た気がする。

 

「ぁあ⁈」

 

吹っ飛んだゲッテムハルトを見てフーリエが叫ぶ。

まぁ、あんな漫画みたいな吹っ飛び方したら叫ぶわな。

 

「その言い方だと誤解を生む可能性があります!シーナ姉さんに言っときますね」

 

そう言いウォンドをクルクル回しながら背中に仕舞うメルランディア。やっぱり女は怒らせちゃ行けないって…分かったな。俺も今は女だが。

 

「えっと…大丈夫、ですか?」

 

吹っ飛んだゲッテムハルトに近づき身体を触るフーリエ。

 

「…ァあァ…くっそ、イッテェなァ…少しは手加減してくれよ…」

 

そう言いゆっくりとフーリエの手を借りつつ立ち上がるゲッテムハルト。何故か知らんが微笑まし…い?

 

「えっと…この付近で大暴れしているアークスは貴方……ですよ、ね?」

 

そう言い確認するようにゲッテムハルトに言う。

 

「大暴れ…?あァ、ストレス発散してる事か?いや、それ以前に大暴れついでにやっている事。これがアークスとしての本文だろ」

 

「…ディア、なんでストレス発散してんだ?ストレスと無縁の体型してんのに」

 

「…まぁ、それがですね…私の姉に結構こき使われていて…まぁ、多分結婚するとは思うんですけど。それを円滑にするためにわざわざこう言う所に朝早く来て発散しているんです」

 

あぁ、成る程…んっ?と言うことはメルフォンシーナにもバレている…?

 

「いえ、このとこに関しては私は何も言ってませんよ」

 

「ーーっているのはそう言うことだそ?」

 

ディアと話していると向こうでも話が進んでいる。

 

「それも有りますが!私達アークスは原生の住民との交流も含めたーー」

 

「だァァかァァらァァよォ!それが!詭弁だッつってんだよォ!」

 

「…ねぇディアさん、詭弁って?」

 

「えっとですね…意味は道理に合わない、言いくるめの議論。誤魔化しの議論…らしいです」

 

「要するにアークスの任務と意味が違うって事?」

 

「そう言う意味ですかね?」

 

「ーーの影響を受けているかもしれねぇ奴らと交流なんて出来ると思ってんのか?」

 

「なぁ!ユウナァ!オマエもそう思うだろ!」

 

「ぁ、初めて名前で呼んだ」

 

「そうですね。これくらい素直だと良いのですけど」

 

「おい!そこ!茶化すな!」

 

「…まぁ、まぁね?確かにゲッテムハルトさんの言う事にも一理はある」

 

「そうだろう、そうだろう!なんてったって、オマエは俺と同じ匂いがプンプンするからな」

 

えっ?男と同じ匂いがするって?そう思い無駄に長い髪の毛を鼻の前に持ってきて匂いをかぐ。

 

ダメだ、自分の鼻じゃ分からない。

 

「……ディアさん、ゲッテムハルトさんと同じ匂いしますか?」

 

「失礼しますーーいえ、特には。甘い香りーー柑橘系ですか?しかも結構自然的な」

 

「ちがう!そっちの意味じゃ無い!」

 

「ユウナさんはそんな人じゃ有りません!貴方とは違う、他人の痛みが分かる人です!」

 

そう言う話を聞き流しつつディアさんが後ろに回り髪の毛に頭を突っ込んできた。

 

「……んっ?」

 

奥を見るとフーリエの方に草叢から出てきた影の子が近づいて来た。

 

「フンッ!ーーあァ?なんだこのちっちぇのは。じっと見てきやがって。寸胴でなんか気味悪ィな」

 

そう言いフーリエの脚をペタペタ触り始める。感染症とか無いの?大丈夫?

 

「まァ良いや、どうせダーカーに影響されて俺たちを狙ってるんだろ?」

 

「ならココで始末しておいてやらないと後から来るアークスにも迷惑がかかっちまうなァ!」

 

そう言い腰に付けていたナックルを嵌めて殴ろうとフォームを取る。

 

「おらぁ!」

 

「ーーだめっ!」

 

影の子を殴ろうと振りかぶったゲッテムハルトにフーリエが影の子の前に立ちふさがる。

 

かごんっ!と言う音がして俺は目を瞑ってしまった。もしかしてフーリエさんもゲッテムハルトみたく吹っ飛んだりーーあれ?何も聞こえないぞ?

 

「ッッッてェェ!」

 

「あ、あれ?痛く、無い…?ぁっ!さぁ、早く今の内に!逃げて!」

 

そこには殴った手をもう片方の手で宥めるゲッテムハルトの姿が。

 

フーリエの方は後ろに居た影の子を逃している。

 

「ふぅ、やっぱりゲッテムハルトさんのナックルにアークスを殴れないように設定を変更しておいてよかった…」

 

「ッーーおい!お前!さっきのがダーカーに影響を受けていたらどうすんだ!馬鹿を通り越して言葉もねェぞ⁈」

 

「言葉出してますけどね」

 

ディアの突っ込みに少し笑いそうになっーーらない。

 

「今の子達は敵じゃありません!私を助けてくれた命の恩人なんです!」

 

「恩人…?影の子は人…?」

 

「貴女ーーお前もそっち側ーー⁈おい!メルランディアァ⁈なんでそっちに居るんだァ⁈」

 

「いえ、こっちの方が面白くなるかな、と思いまして」

 

「くそっ!分かっちゃいねぇ!メルランディアァ!こっちだよォ!」

 

そう言われて渋々ゲッテムハルトの隣に行くディア。

 

「良いか?セミキャストの嬢ちゃん。そんな奴でもな、いずれはダーカーに侵食され狂う。だからな?そうなる前に殺してやるのが生殺与奪を振る側の優しさってモンだろうが?」

 

「あっ、因みにせいさつよだつの意味は生かすのも殺すも自分次第って意味ですよ」

 

「へぇ、ありがとディアさん」

 

「いえ、こちらこそ」

 

「……なんか冷めちまった。帰ろうディア。シーナの見舞いにも行かねェとな」

 

「はい!サボテンなんてどうですか?」

 

「どうやって持って帰るんだよォ!それに変なウイルスとか居たら危ねぇだろ!」

 

そう言い更に奥に向かうゲッテムハルト。

 

「ふふっ、それではユウナさん、フーリエさん、失礼します」

 

そう言い頭を下げてゲッテムハルトの後を追う。

 

「…ユウナさん、今のは一体何だったのでしょうか…?」

 

「それより、大丈夫か?ゲガは?」

 

「いえ、大丈夫です。頑丈なのが取り柄ですから」

 

「…フーリエさん、気を悪くしないでくれ。一応彼の言っている事もーー」

 

「ーーはい、分かってます。あの人の言う事も一理あるんです。ダーカーの影響を受けて狂ってしまう。狂ってしまったら倒すしかないーーそれは本当のことですから」

 

「私のやっている事は恩返しの名前を借りた偽善ーー問題の先送りに過ぎません」

 

「それでも…それでも、私は信じたいんです」

 

ゲッテムハルトが居なくなるのを見計らって草叢からわらわらと影の子が数体出て来てフーリエと俺を囲う。

 

「ありがとう…心配してくれるの?うん、大丈夫、大丈夫だから。殴って吹っ飛んだのはあの人だし」

 

りー、りー!と言いつつフーリエの周りをぐるぐる回る影の子。

 

俺も影の子の手を握ってーーいや、サッと交わされた。もしかしたら同じようなミミが有るし仲間かもって誤認されるーーって思ったがそれは無かった。

 

 

そんな事をしているとまた草叢から数体の影の子がこっちに来いと下に群がる数体に手招きをしている。

 

「ぁはは…まだ怖いみたいですね。でも大丈夫。きっと大丈夫です」

 

「そうか?」

 

「はい。時間はかかりそうですけど…私は諦めませんから。それがキャストって言うんです」

 

「フーリエさん、キャストの意味間違えてない?」

 

因みに帰った後速攻二人でメディカルルームに向かいバイタルとか色々チェックした。

 




さぁ、次からE.p1ー5だ…これ12月の仮面戦までに終わるかな?(白目)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

66話目

こんな終わり方ですがA.Cもどきは(次の話では)出ません。


 

 

 

「……っ?メールか?……今度は総合技術開発本部から来てくれ…何しに?」

 

リリーパでの事件というか珍事と言うか…それから一週間ほどはマイルームと言うか自室というか…マイルームでパソコンでゲームをして過ごしていると俺のマグにメールが届く。

 

内容は機体の改修が終わったから見にててくれ、との事だった。

 

改修と聞き、ふと機体の形が変わっていたりしないだろうか、と考えてしまう。

 

あの機体ーー特にカメラアイの形が好きなんだよなぁ…あの複眼。整備性死んでそうだけど。

 

まぁ、鹵獲機だからどう改修するのも総合技術開発本部の自由なんだけど。

 

何時もの作業台の上にライフルとタリスを置きーーもちろん弾は全部抜き、少し前に買ったオートローダーに入れてあるーーギガッシュをその作業台の横に固定して戦闘服を着て玄関から通路に向かう。

 

実際はナノトランサーに入れられたり、手のひらサイズの正八面体ーー俗に言う菱形に圧縮変換出来たりするのだが、なんか信用出来ないので現物サイズで置いてある。やはり現物に限る。

 

今はマトイとポイントは二人で買い物に行っている。鍵も持っている筈だし大丈夫だろう。

 

戦闘服ーーバルバロスを着込み下にぴっちりスーツのぜルシウスを着る。体のラインが完璧に出るからあまり着たくないけど…これ以外にズボン的な服が無かった。

 

頭にミミを保護するヘッドアクセサリーを付ける。バックパックは今回は任務に行かないし、特に良いかな、と。

 

クエストカウンターを経由してショップエリアに着く。

 

さて。

 

「アークス総合技術開発本部ってどう行くべきか…」

 

前回行った時はアフィンの運転だったし、あの周辺に列車とかモノレールとかの路線とかなさそうだし…後個人的に列車に乗れるかどうか怪しい。

 

「しゃーない、アフィンでも呼ぶーー」

 

か、とマグを操作しアフィンにコールでも送ろうとした時。後ろから一週間ぶりの声が聞こえた。

 

「ーーユウナさん?ユウナさんですか?」

 

「えっと…その声は…フーリエ、さんですかね?」

 

後ろを向くと久し振りの黄色い装甲の腕と脚のセミキャストーー_フーリエが立っていた。

 

「お久しぶりです。一週間くらいですかね?」

 

「えぇ、お久しぶりです」

 

そう言い会釈した。

 

「どうしたんです?今誰かに連絡を取ろうとしたのでは?」

 

「あぁ…そのですね、フーリエさん、アークス総合技術開発本部って場所分かりますか?」

 

「えぇ、勿論分かりますよ?どうしてです?」

 

「いえ、そこに少し用事があって…」

 

「そうですか!ーー」

 

そう言いフーリエさんが俺の頭のてっぺんと後ろを見て頷く。

 

「ーーわかりました!そこまで行く手段が無いんですね!一緒に行きましょう!」

 

そう言い手を握ってくる。機械過ぎで痛いーーあっ、この形結構武器を握るのにフィットしそう。痛いけど。

 

「本当ですか⁈ありがとうーーじゃなくて、どうして、その事を?」

 

「いえ!用事があると言うのとさっき誰かに連絡しようとしたので、もしかしたら、と思いまして!」

 

そ、そうか。良かった。ミミと尻尾でバレたりなんかしないよな。そうだよなうん。

 

「そうですか!良かった…別にバレていた訳じゃ無いんですね…」

 

そう言いホッとする俺。

 

「……そうですか?取り敢えずいつまでに付けば?」

 

「えっと…そうですね……時間指定は特に無いようなのでいつでもーー」

 

「それなら今からいきましょう!そうしましょう!」

 

「ーー良いぃ⁈フーリエさん⁈」

 

そう言い俺の手を掴みショップエリアにある大型粒子駐車場に向かう。

 

「フーリエさん?何に乗るんです?車?」

 

「いえ!車じゃありませんよ!コレです!」

 

そう言い粒子駐車場から現れたのはーー大型バイクだった。

 

「え、ば、バイ、ク?」

 

「はい!中々のスペックで扱いが難しいですけど、中々楽しいですよ!」

 

さぁ、乗りましょうと言われフーリエの腰に抱きつくーー決してやましい思いは無い。それを言うなら俺の胸もフリーズさんの背中に押し付けているーー胸ってこんなになるのか…。

 

「そうですね…ここから総技課まで…まぁ、飛ばせば行けるでしょう!行きますよっ!」

 

そう言いヘルメットを俺に渡すーーコレビースト用のミミ…いや、どうしろと?入らんぞ。

 

そう思いながらフーリエさんを見るとヘルメットを被りーーと言うかヘルメットと言うよりは顔全体を覆うヘッドギアみたいな物を付けている。

 

ミミを前に倒しーー少し痛いけどーーヘルメットを付けた。

 

「付けましたね!行きますよぉ!」

 

「ーーえっ?うわぁぁ⁈」

 

そう言うと若干前輪が浮いた状態でーーウィリー状態でアクセルを握るフーリエ。

 

フーリエってこんな車泥棒ゲーム的な運転すんのかよ⁈

 

リアタイヤが煙を上げ粒子駐車場の目の前の道路をハイスピードーー抱きつきながらメーターを見るとーー今80を突破⁈

 

「ふ、フーリエさん⁈速い、速いよ!」

 

「まだまだです!まだまだ行きますよっ!」

 

バイクのRPMーーエンジンの回転数を示すメーターが7000、8000、9000、10000を突破、レッドゾーンに突入してエンジンが唸り上がる。

 

ビュンビュン車を追い越し少しでも身体を出したら2度目の死まで頭を過る早さに。

 

もう粒子駐車場が遙か彼方にある気がする。

 

メーターをもう一度見るとーー180⁈

 

「フーリエさん!まずいって!警察とか来たらーー」

 

「大丈夫です!今の私なら振り切れます!」

 

更にアクセルを回し加速する。

 

「ぎゃぁぁぁあ!こぇぇぇぇ⁈」

 

涙目になりながら必死にフーリエの腰に捕まった。捕まらないと多分ーーいや、死ぬ。

 

ーーーアークス総合技術開発本部ーーー

 

車だと結構な時間が掛かった道もフーリエの基地外加速によって数分で着いた。

 

「おぇぇーー」

 

「あちゃ…またやってしまいましたか…」

 

現在絶賛受付横のトイレにてゲロっている。

 

「おぇ……はぁ、はぁ、はぁ…ふー、りえ、さん、今度は、安全運転でお願いしますーーぅっーー」

 

「ごめんなさい、ユウナさん…帰るときに何か奢りますから…」

 

フーリエ…多分、食うのは無理…。

 

いつかの班長と副班長が受付前で待っていてくれた。

 

 

「えぇ、そうです、武器と弾薬のリバースエンジニアリングと機体構造の把握、それとコックピットのインターフェースの変更です」

 

トイレから出て班長と副班長の二人に俺とフーリエさんが付いていく。

 

「あんなにレバーやペダルで動かすのはーー浪漫はあるがーーこう、速効性って言うのかな?それが足りない」

 

そう副班長が班長の言葉に追加で入れていく。

 

「そもそもアレは人の形をしているんだ、同じ動きが出来ないわけがないーーそうは思わないか?嬢ちゃん」

 

そう言いサングラスを掛けた班長が俺を見る。

 

「それを行う為に内装を出来うる限り此方の汎用性のあるパーツと交換、それと人の動きとリンクさせるシステムの構成、誤差の修正とかも行いました。いやぁ、久し振りに弄り外のある機械でしたね」

 

「最も、その身体の動きをの読ませるにはあるスーツーーと言うか今君が着ているぜルシウスを改造した奴を着てもらうのだが…大丈夫か?」

 

そう言う副班長をスルーして班長が着替えてくれないかと言ってきた。

 

「分かりました、着替えます」

 

「えっと…ユウナさん?ユウナさんは何故ここに…?」

 

「少し前に鹵獲した人型搭乗兵器のテストなってるの。成り行きでね」

 

「人型搭乗兵器⁈あ、あの!俗に言うロボットですか!」

 

そう言い急に人が変わったようーーいや、変わってないわ。

 

「た、多分それだと思う」

 

「ぁ…あぁ⁈生きてるうちに本物の人型兵器に見えるなんて!しかも搭乗型!」

 

「お、落ち着いてーー」

 

「落ち着いてなんていられませんよ!さぁ、早く行きましょう!」

 

そう言い俺を担ぎブースターを起動、奥のテスト施設ーーまぁ、前回と同じところーーの扉に向かって行った。

 

 

 




ファントムによってスプニ)生き返れ生き返れ…。と言うかファントムのライフル通常って何だろう?セミ?フル?バーストはRaだし…。


あともう一つ。コレ今年中に終わらないな(確信


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

67話目

絶対終わらない(確信


 

 

あの後フーリエのクレイジーバイクに乗って帰りショップエリアにて別れた。

 

もう乗りたくないです。

 

トイレに駆け込み下呂を吐いてスッキリ。また外に出るーー?なんだ?なんか騒ぎ声が…?

 

声のする方向に向かっていくと結構な人だかりが。

 

更に行くとーー中央に見知った顔がーーあれは、ゼノさんとゲッテムハルトさん?二人が喧嘩ーーなのか?をしている。

 

「どぉらぁ!」

 

「ふっ、甘い!」

 

「どぉわぁ⁈」

 

若干ゼノさんが負けている。

 

「ぜのぉぉ!がんばってぇぇぇ!」

 

「良いわよ!ゲッテム!そのままやっちゃいなさい!」

 

「……何やってんだアイツら」

 

周りの声もやっちまえ!とかゼノ勝てよ!とか掛けメセタどうだ!等凄く盛り上がっている。

 

賭け事してんのかよ…。

 

「アレはエコーさんとシーナ姉さんがゼノさんの後輩が持って来た人数制限ありーー三人までのデザート食べ放題を、どっちが食べるに相応しいかで喧嘩ーーいえ、勝負しているんです」

 

俺の問いにふっ、と現れたメルフォンシーナの妹ーーメルランディアが俺の隣に現れる。

 

「デザート食べ放題権?」

 

「はい、とても有名で凄く自然な甘さなんですよ、ソコは」

 

そう言い余り表情の読めないメルランディアがうっとりとした表情をしたーー気がする。

 

「あぁ…俺は良いや、いざとなれば一人でーー」

 

「ゼノ!いくぞぉ!」

 

「おうっ!」

 

二人の大声が聞こえそちらを見るーーすると二人とも身を引きすごい速さでストレートパンチを放ちーー同時に顔に当たり、同時に地面に落ちた。

 

「ディアさん?二人ともーーあれ?いねぇ」

 

どこに行ったのか周りを見ると倒れた二人のところに行き。

 

「わん!つー!すりー!ふぉー!」

 

さっきまで俺の隣にいたディアさんがカウントを取る為に二人の脇にいた。いやアンタレフリーかい。

 

「おいおい!」「ゼノ!立て!立つんだ!」「ゲッテム!お前はそんな所で終わる玉かぁ⁈」「負けるなゲッテム!俺の掛け金がぁぁぁ!」

 

周りの野次馬もいろんな事を言っている。

 

「……帰るか」

 

「ーーねぇ、エコーちゃん、私とディアの二人でいかない?」

 

「良いわね!」

 

ミ耳がエコーさんとシーナさんのヒソヒソ声を聞き取ったーーあぁ、ゼノさん、ゲッテムハルトさん。たった今貴方達の喧嘩は意味が無くなりましたよ…。

 

でかい胸の前で手を合わせ南無、と思いながらその場を去った。

 

 

ゲッテムとゼノの無駄の喧嘩が終わったのを確認して、周りにいた野次馬達がショップエリアに散っていく。

 

一方俺はショップエリアをぶらぶら歩き、そこら辺で買ったアイスを手にベンチに座り、そのアイスを食べていた時だった。勿論ミルクアイスである。なめらかだ。

 

「ーーぁ、どうしーー!あぁぁ!どうしようぅーー!」

 

男なのにポニーテールって言うのか?メガネをかけた男の人が、どうしようどうしようと言いながら向かってきてーー俺の事を見た。

 

「あっ!そこの貴女!ーーそう!今周りを見渡した貴方です!」

 

咄嗟に周りを見たが俺の様だ。むしろ俺だという事を決定させてしまった。

 

「その服装!アークスですよね?きっと僕の依頼を受けてくれたアークスですよね⁈」

 

「依頼?」

 

そもそも依頼なんて受けてないんだが。俺はフーリエのクレイジーバイクで疲れているんだ。そっとして置いてくれ。

 

「申し遅れました。僕はライト、アキ博士の助手をやっています」

 

「アキ博士?ーー助手ってそのアキ博士のアシストなんじゃ…その博士は?何処に?」

 

「…そう、それなんですよ!それ!」

 

そう言いグイッと俺の肩を掴んでくる。

 

「ぁ、アイス…」

 

ボトッと落ちたアイスに目をくれず只管自分の事を話し始めた。

 

「うちの先生、最近アムドゥスキアの龍族にご熱心出して…」

 

「アークスの士官学校を出ているからって事で一人で行かれてしまったみたいなんですよ」

 

「あぁ、心配だなぁ…万が一って事かあるしなぁ…」

 

「そこで依頼の話に戻ります。先生ーーアキ博士を探して来てもらえないでしょうか?」

 

「も、もちろん報酬は用意してあります!ーー先生の研究費から」

 

「研究費からって…乱用じゃ無いのか?捕まらない?と言うか俺のアイス…」

 

「ーーいえ!そこは、ほら、アレですーーそうだ!アキ博士の護衛役って事でどうにか出します!後アイスくらい僕が奢りますから!」

 

「そうか。ならまぁ…」

 

「もちろん!おヒマな時で構いませんから!ーー成る可く急いで欲しいですけど…」

 

「そこまで言われたらねぇ…んじゃぁ行ってくるよ」

 

「本当ですか!ありがとうございます!」

 

 

ーーー惑星アムドゥスキア 火山洞窟ーーー

 

「くそぉぉ、あんな簡単に安請け合いしなければ良かった…」

 

そう言いまたまたくっそ熱い火山洞窟にやって来た。

 

確かあのライトって人曰くこの辺りで調査しているとかなんとか…。

 

そう思いながらライフルを構えてーー初弾装填済み、セレクターもフルに位置を弄ってある。

 

レーザーサイトをつけながら辺りを歩きながら調査する。

 

因みに今回はギガッシュは無しだ。

 

 

「無し。ここにもいないか。本当に居るのか?そのアキ博士って人は…」

 

そう言い次のエリアに向かって移動しようとした時だ。

後ろから女の人が声をかけて来た。急に。

 

 

「なんだい君は。会いもしない人に向かって悪口を言うなんて」

 

 

「うわぁ⁈ーーだ、れですか?」

 

そう言いタリスを前に射出、前の地面に打ち込み、打ち込んだ所に高速で飛ぶ。飛んで距離を稼ぎ、声のした方にライフルを向けーーあれ?女の人?

 

「おぉ⁈新型兵装⁈ーーいや、まずは名乗らなければ。私はキミの言うアキだぞ。さぁ、キミは?」

 

そう言いメガネをかけた女性ーーその服装なんかアレじゃない?大丈夫?アークスの…なんか、そう言うの。

 

「やっと見つけた……貴方の助手を名乗るライトって人に連れて帰る様に依頼を受けたアークスのユウナって言います」

 

そう言いライフルを下ろしながらこの女性ーー探していたアキ博士に近づく。

 

「ーー全く、君も大変だな、どうせ彼の事だ。戻ってこない、心配だな、とか言っていた所を捕まったんだろう?私が万が一などはあり得ないと言うのに」

 

そうブツブツ言いながら彼女も歩きながら近く。

 

「まぁ、仕方がない、こうして声を掛けてわざわざ捕まってしまったんだ。今回は素直に私が折れるとしよう」

 

「ーーあぁ、すまない、良ければアークスカードを交換しないか?」

 

「ぇ、えぇ、どうぞ」

 

そう言いアキさんとマグに俺のアークスカードをスキャンさせる。

 

「ーー成る程、キミは龍族より遥かに興味深い存在かもしれないねーービーストなんて中々お目にかかれないし」

 

「えっ」

 

「いや、独り言だ忘れて構わない」

 

いやちょっと今怪しい言葉が聞き取れたんですが…。

 

「ユウナくん、キミのことは覚えておくよ。それじゃぁ、彼の所に帰るとしようか。そう安安と研究費を使われてしまったら困るからね」

 

そう言い俺が来た道を手招きしながら戻った。

 




旧)Ep1ー5にイクゾォォ!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

68話目

ギガッシュくんの出番は)ないです


 

 

 

「やぁ、ユウナ君。先日は迷惑をかけたね」

 

あの後アキ博士を連れ帰りそのまま依頼終了。その日はそれで終わり。ライトさんが結構な額のメセタをくれたから…去り際に「また何かあったら連絡します」と言って。

 

更に後日ーー3日後位かな?またまたショップエリアを散策しているとアキ博士と助手のライトさんに捕まった。

 

もしやまた火山に、と思ったが、話の内容は前回の謝礼?だった。謝礼で合ってる?

 

いつものカフェーーラフリーーにて話を聞いている

 

「全くですよ博士。お願いですから一人での無茶は避けて下さい!と言うか護衛をつけてください!」

 

アキ博士の隣にライトさんが。前には俺が座る。

 

「はいはい、分かってるよ、いちいち五月蝿いねぇキミはーーすまないキミ。コーヒーを頼むよ」

 

店員が近くに来るとアキ博士が呼び止めた。注文するようだ。

 

「僕はカフェオレをーーユウナさんは?」

 

「じゃぁ、オレンジジュースを…」

 

そう言い店員は店の中に戻っていく。

 

「ーーさて、話を戻して…ご覧の通りに助手が五月蝿いもので、実地での調査は'少し'控えめにしようかと思っている」

 

…少し、なんだ。依頼すれば良いものをーーいや、まさかこの流れば…いや、あるまい。

 

「そこで、代わりに現地の情報収集をしてくれる人材を探しているのだがーー」

 

先程頭を過ぎった内容がもう一度浮かぶ。おいおい、嘘だろ?と思いライトさんの方を見とーー。

 

「……はい、つまりそういう事です」

 

無慈悲にもコクリと頷きそう呟いた。

 

「ぁあぁ…私、がですか」

 

溜息をつき上を見る。

 

「ーーそう、察しが良いね。そう、キミだ。依頼は単純明快。私の代わりに龍族の調査を願いたいーーあぁ、すまない。ありがとう」

 

依頼を受けていると、丁度アキ博士のコーヒー、ライトさんのカフェオレ、俺のオレンジジュースが届いた。

 

「調査と言っても難しいものじゃない。龍族の生態を見てきてーーマグで撮ってきて欲しいだけだ」

 

「幸いな事に、中から上ーー一部の種族はアークスとどっちつかずな態度を取っているけど、現場レベルの末端ならばある程度は大人しい。そこを取ってきてくれーー」

 

確かにキャタドランと交戦した時、龍族と共闘したけどさぁ…もうあんなのと戦うとか嫌だわーーいや、戦うって決まったわけではないし…うーん。

 

ライトさんは頭に手を当てて首を振っているーーいや、メガネを取って目に手を当てて、か。

 

「ーーそうだな、出来るならダーカーと交戦中ーー特に中型種以上の映像とか合ったら助かるな」

 

そう言いコーヒーにシュガーとミルクを入れーーずにブラックのまま飲んだ。俺はとてもじゃないが飲めんぞ、あんな物。

 

「ふむ、ここのコーヒーは苦味が強いなーーそれに香りも強いーー酸味も中々、かな?眠気覚ましには良いコーヒーじゃないか。そう思わないか?ライトくん」

 

「博士…僕はコーヒーは甘くしないと飲めないんですよ?」

 

「そうだったなーーさて、それじゃ、ライト君。後の事は頼んだよ。私は研究室に戻るからーーあぁ、大丈夫だ。会計は私が払っておくよ。後は好きに頼みたまえ」

 

そう言いコーヒーを飲み終えると会計の方に向かっていった。

 

「はい!博士!ーーと言う事らしいです。すみません、よろしくお願いします。報酬はキチンと用意しますので」

 

そう言いアキ博士が見えなくなるのを確認すると、改めてライトさんは依頼内容を言ってきた。

 

「本当に迷惑をかけてすいません。本来ならばちゃんとした依頼をクエストカウンターに出すのですが…まだ研究費の予算を組み直している最中でして…」

 

「まぁ、なんだ。貰えれば良いよ」

 

そう言いオレンジジュースを一口。

 

「それに博士ーーん"ん"……『彼女はビーストだろう。それにあの耳ーーニューマンビーストに違いない。数少ないニューマンのビーストだ。研究の意味でも戦闘データは必要だろう?』って言っていたので…ユウナさん以外は考えられないと」

 

「でも受注者オーダー出来なかったっけ?」

 

「…まぁ、これは僕の推測なんですけど…珍しいニューマンビーストを見る、と言う名の観察したかったんじゃ無かったんですかね?」

 

「そうか。余りに良い気分じゃないがなぁ…まぁ…戦闘はしなくて良いんだよね?」

 

「はい、龍族とダーカー種の戦闘を撮ってください。博士は中型以上って言ってましたけれど、取り敢えず何でも良いです、火山洞窟は熱さで好んで行くアークスが少なくて情報もあまり無いので…」

 

「分かった。取り敢えず行ってくるよ」

 

「お願いします」

 

そう言い席を立ちショップエリアを経由してクエストカウンターを目指す。

 

「あ、すいません、今回のレシート、領収書を貰えますか?」

 

…ライトさんも頑張ってるんだなぁ…。

 

ーーー惑星アムディスキア 火山洞窟ーーー

 

今回はライフルに弾を装填しつつ腰にセットしてある。メインはライフルではない。

 

「さて…俺にこれを使う技量はあるものか…」

 

そう言いバックパックに備え付けてあるソードーーギガッシュを両手に取る。

 

型式名称A.C.H.S−2 mk1 Gigash だった筈。

 

中型重量のA.C.H.S−1 ソードと重型重力のA.C.H.S−3 ブレイカー、軽型重量のA.C.H.S−2 ギガッシュの三種類が駆け出しの新人ハンターに支給される。

 

この内1番軽くて使い易いのがギガッシュ、との事だった。

 

確かに握ってみればライフルよりは重い物の両手必須って程、極端に重いってわけではない。

 

ギガッシュを片手で振る。まぁ悪くない。刀を両刀にして少し太くしたみたいだ。

 

と言うか片手剣にしちゃデカイが、ソードとして使うには軽い。

 

「まぁ、こう言う層もいるんだろう。今の俺みたく」

 

ソードをもう一度背中に戻し、奥に向かう。

 

 

 

「ありゃ…この音は接敵ーーいや、交戦しているな」

 

奥の方に龍族とダーカーが戦闘している音が聞こえる。

 

急いで奥に向かい戦闘しているところを撮らなければ。

 

 

「よぉし…マグの設定を…録画開始、目標は前方の龍族及びダーカー」

 

壁に隠れて、手にマグを乗せて、正面を向けて録画を開始する。

 

本来なら左手のモニターで確認できるのだが、タリスーー正式にもらったーーが邪魔で見れない。

 

ちょくちょく顔を出し、戦闘がどっち有利かを見るーーこの様子だと龍族の圧勝か?

 

『おい そこの お前 何 している』

 

録画していると後ろから声が。そちらを見るとーー四足歩行の首あたりに一本のツノを持った龍族がいた。

 

「いえ、ただ録画ーー龍族とダーカーが戦うのを記憶しているだけです」

 

『そうか 余り 余計な事は するなよ』

 

「…貴方は前のダーカーと戦わなくて良いんですか?」

 

『だーかー? あの黒い物か あれは私達 上のものが戦うものではない 下の奴らから優先的に 戦うのだ』

 

「…そうですか」

 

要するにそれ捨て駒?こりゃ減ってくわ。

 

『無論無理強いはせん しかし下に行けば行くほど攻撃的な奴が多くてな 我々も 手を焼いている』

 

訂正、そうでもなかった。

 

『そうだ アークス 先程 我らと 黒い奴の 戦いを記憶する と言ったな?』

 

「えぇ、言いましたよ?何かまずい事が?」

 

「いや そうではない。アークスに 力は不要と言う証拠を見せてやろうと 思ってな 付いて来い アークスよ』

 

そう言い戦闘中の横を通るツノ付き。それについていく。

 

 

 

「アレは…デカイ…」

 

『どうだ 我ら の 種族は アークスの言う だーかーとらやらも 手を出せないだろう』

 

そう言い連れてこられたのはある高台ーーそこから下を見るとデカイ龍族が複数のダーカーを相手取り火球を吐いたり、尻尾で叩き潰したりと暴れまわっていた。

 

手を地面に下ろし、上に上げるとーーダーカーがいた地点から炎が出てきた。俺らのテクニック的な事をやれるのか?

 

「取り敢えず記憶はーー撮ってあるな?大丈夫だな?」

 

『ーー終わったようだ さて アークスよ そろそろ 帰ったら どうだ』

 

デカイ龍族がダーカーを全滅させると頭を動かし、いない事を確認するとーー地面に潜った。

 

「えっ⁈飛ばないのかよっ!」

 

『一応 飛べなくはないが あの方は結構な ご老体故 余り飛ぶ事を しない』

 

「そ、そうなのか。まぁ、ありがとう。結構データは揃ったはずだーーあぁ、どこに手を出せば良い?」

 

『頭を撫でてくれ』

 

「こうか?」

 

『そうだ。こちらも話せて楽しかった』

 

「うん、それではまた。ダーカーに侵食されてなければ」

 

『それでは』

 

そう言い龍族と別れ、キャンプシップに戻った。

 

戻った後、すぐさまライトさんに録画データをコピー、渡しておいた。

 

 

 




介護の仕事なんて)やめてやらぁぁ!

という事で介護の仕事を退職してきました。とてもじゃないけどあの速さはワシには無理じゃ…。

さっさとこのEp1ー5も終わらせないと。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

69話目

重要な所は端折って行くスタイル


 

 

 

あの後ライトさんに録画データを送り、残った本家の方の録画データを、部屋にあるパソコンに入れーー正確にはマグを経由してーーモニターで戦闘シーンを見る。

 

あの大型種ーー黒くてデカイドラゴンの戦闘シーンをマウスを使い2、3度程繰り返して見直す。

 

見直し結果、分かったと言うか見れたと言うか…攻撃パターンは火球、咆哮、尻尾打撃、炎系テクニックのようなーーマグマか何かを呼び出す攻撃の4種だった。

 

火球や尻尾打撃は即座に当たらない中、遠距離からーーあれ?これ近距離挑んじゃダメな奴じゃね?

 

よく見直すと小さな手を地面に付けている?テクニックらしき物を使う時。手を振りかぶったら逃げれば良いか?流石に追尾とかしないだろ…よな?いや、まてよ?

 

パソコンの前に胡座をかきーーポイントやマトイにパンツ見えるから止めなよ、と言われるけど男の時の癖で、中々止められ無い。

 

左手を胸に。右手を顎に当て考える。

 

「と言うことは手を使う攻撃もできなくはない可能性が…?」

 

あの巨体で?あんなショートレンジの腕で?

 

まぁ、食らうのは俺だし注意だけしておこう。痛いのは嫌だからな。

 

「ーーはぁ、買い物は疲れーーあ、ユウナちゃん、お帰り」

 

「ーーあぁ、ユウナさん。お帰りなさい」

 

「あぁ、ただいま」

 

などと考えているとドアから両手に色々買い物袋を持って来たマトイとポイントが帰ってきた。買い物に行っていたのか。

 

モニターに移した動画をパソコン側にも保存して電源を落とすーー無論シャットダウンだ。電源ユニットの方では無い。

 

「じゃ、ご飯にしよっか。マトイ、面倒だけど後は俺がーー」

 

やる、と言おうとしたらマトイが一言。

 

「大丈夫だから。今日は私にやらせて?」

 

「……大丈夫か?」

 

「私だってPosで調べたんだから!」

 

そう言いキッチンに向かうマトイ。成る程、だから買い物を…。

 

「ユウナさん、マトイさんは出来る方です。安心しまーー」

 

会話を遮る様にキッチンから、がしゃぁぁん!と何か物をーーこの音は鍋か?ーー落とす音が聞こえる。

 

「あぁ⁈鍋が⁈」

 

「ーーせんね、少し手伝いに行きます」

 

「頼むわ。マトイだけなら兎も角、ポイントさんが居れば安心だな」

 

「…えぇ、頼まれて」

 

そう言いすっ、と立ち上がりキッチンに向かった。

 

さて、俺は前に言ったジグさんへの改修依頼、送っておこうかな。

 

作業台に座り武器ケースを出す。それにライフルをーー安全装置をS、セーフティの位置に。

 

薬室内、3連グレネードシリンダー、APFSDSを打ち出すシリンダーを見て、中に弾が入ってないことを確認。

 

照準器の電源を切り、フォトン吸収器を格納する。

 

全て確認し終わったら武器ケースの中に入れて、ダンボールに入れてジグさん宛に送る。

 

改修するところを添えてーー一応メールも打っておくか。

 

改修箇所を書いて、終わり次第取りに行くってことで。

 

パソコンを開き業者に改修依頼を頼む。指定の時間になると車が前に止まり中に入れると勝手に配達先まで送ってくれる様だ。

 

背伸びをして周りを見る。キッチンからは鼻歌が聞こえ、隣ではポイントの指示する声が聞こえる。

 

まぁ、こんな生活ーーこんな美少女(巨乳)と一緒の生活ーーも悪く無いかな、と思いつつ、これで生理とか軽いか来なければなぁ、とも。

 

まぁ、前回の生理で比較的軽いって事は分かったから…まぁ、この船団を探せば生理を軽くする薬とかあるでしょ、多分。

 

 

もっと欲を言えばダーカーなんて居ないーー前の世界でこんな美少女と暮らしたかったーーあれ?今の俺は少女だから、前の世界に戻ったら…どうなるんだ?死んだままなのか?

 

 

そう考えると体が震えてきた。死んだ体に戻ったらどうなるんだ?痛覚は?聴覚は?ーーむろん、全て死んでいるのだろう。

 

もしも今日寝て起きたら死んで、2度と目覚めなかったら?

 

体と手が震え始める。幸い今は重いものを持っていない。ゆっくりだ、ゆっくり座れば震えぐらい…。

 

こんな怖い事考えてられっかーー止めだ止め。

 

そう考えて違うことを考えようとするも、震えは止まらずーー今日寝れっかなぁ…。

 

パソコンを見ると数十分後に配達が来るそうなので用意ーーは終わってるから、後はマトイのご飯を食べるだけか。何を作っているのだろうか?マトイの作ったご飯を食べれば忘れるでしょ…忘れてくれ…。

 

その後案の定、夜になって怖くなり、どうしようかと悩んでいるとマトイが一緒に寝ようと提案。

 

それに乗じてポイントも寝ることに。流石にベット一つじゃ三人は無理なのでリビングに布団を四枚引いてそこに寝ることに。

 

中央に寝たけど二人の匂いが凄かった。やっぱり女の子はいい匂いなんやなって。今の俺なら死んでもそのまま逝けそう。

 

 

「……よかった、覚めれた、か…」

 

あの後安らかに眠り、もう2度と目覚めないかも、と思ったが…そんな事はなく普通に起きれた。これから怖い時はそうしようかなぁ…大の大人(精神年齢)が言うのもなんだけど。

 

怖いものは怖い。人間とはそう言うものだーー俺はミ耳と尻尾の生えた人ーー人なのか?

 

「…人やろ」

 

そう言い一人起きてーーいつもの様にマグとパソコンのチェックに入る。

 

マグとパソコンは同じIDを使っていて何処からでもメールや動画、果てには暗号化された文章まで送れる。

 

パジャマのままパソコン前に座り電源ボタンを押す。

 

一瞬でOSが立ち上がりーー本当の意味での一瞬だ。1秒とかそんな感じのーー依頼が来ていないかを確認する。

 

確認自体マグの方が簡単ーー依頼主との直接会話が可能とか、内容が変更されたりとかその他諸々ーーなのだが、地球にいた時からパソコンは触っていたからーーこう、こちらの方が何となくやり易い感じがする。

 

 

ネットサー_ーーポスサーフィンをしながら内容を確認ーーえっ、またアキ博士から?連続3日目だぞ?

 

内容はーーやっぱり直で見たいから援護頼むって…いや、まぁ……ライトさんは何も言わなかったんですかねぇ…?

 

昨日のうちにライフルはジグさんに送り返しちまったし…武装がギガッシュだけ、かぁ…。

 

「ハンターにでも変えっかなぁ」

 

そう呟きつつ依頼を受託、ショップエリアで落ち合いましょうと送り、ギガッシュを背中に背負って合流地点に向かう事に。

 

G.グレネードとS.グレネードは何個か掃除しておかないと。初めてのソードだし、何が起きるか分からないからな。

 




さぁ次はヴァルドラゴン戦。初めて戦った時、なんか空中に飛んでなんぞアレ、と思ってたら大技食らって床を舐めたことがあります(二、三年くらい前?)


えっ?少ない?許してクレメンス、花村のシャドー倒すのに必死なんや…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

70話目

これ今年中に終わらすの)無理ゾ


 

 

 

「よっ、と……まぁ、こんなものか?」

 

そう言いギガッシュを背中に背負ってーー3Dホログラムで作られたダーカーの残骸を見る。

 

今いるところは、アークス訓練場ーー少し前にマトイが爆発テロ紛いで吹っ飛ばしたアークス製武器販売店、だったか?それとは違う。

 

クエストカウンターにて武器の試し振りーーまぁ練習がしたいと言えば場所を貸してくれる。

 

そこで自由に振るもよし、敵ーー3Dホログラムだがーーと戦うもよしと本当の意味で練習場である。

 

「まぁ、このサイズだし適当に振ってれば倒せるでしょう」

 

そう言いギガッシュを菱形の圧縮状態に戻し、後ろのバックパックに入れた。

 

「レンジだけ見れば槍ーーパルチザンの方があるんだがなぁ…」

 

そう言い備え付きの大型のデバイスを操作して、下からある物ーー武器ラックが開く。

 

そこから練習用のーーフォトンをコーティングされていないーーパルチザンを取りだす。

 

「そういやフォトンって無味無臭で実体が無いとかなんとか…いや、フォトンクリスタル的なのあったりしてーーいや、それはゲーム、か」

 

そんなこんなで素振りをしているとマグにメールが。

 

内容はライフルの小改修が完了した件と俺が凍土で見つけたクラリッサについてだった。

 

「えっとーー持つ部分と下の部分があるから出来れば見つけて来てくれ、だって?」

 

他にも完成形は覚えているから、作り直しは出来なくもないがーーあの後ジグさんの店に持って行くと何故かいきなり輝き出したーーソレをジグさんはフォトンの輝きと言いーーそれを、その輝きを出来うる限り残したまま元の状態に戻したい、との事。

 

内心、えぇ…と思ったけど、武器を作る際、好きなように作る、と文元とデータは撮ったので…まぁ、良しとしよう。

 

 

そうかぁ、前回は考え纏まらずに帰ったからなぁ…何を作ってもらおうかなぁ…。某地球を防衛する軍に合ったアサルトライフル型のミニガンとかないーーよなぁ…。

 

等考えていると更にメールが。

 

ライフル取りに来い、だそうだ。

 

「…んじゃ…」

 

そう言い出した練習用のパルチザンを元の場所に戻す。

 

勝手にラックが下がりつなぎ目が見えなくなる。

 

デバイスを操作、終了の欄を選び、クエストカウンターに帰ることに。

 

すぐ横に扉が出てそこに入るーー。

 

ーーーオラクル船団 ゲート及び

クエストカウンターエリアーーー

 

 

ゲートエリアに着いたので早速ショップエリアのジグ工房へ向かう。

 

大型エレベーターを下りショップエリアで止まる。

 

ショップエリアを前進しーーペアーリへと歩く。

 

殆どのアークスが任務に行っているのか、店の中には数人しかいなかった。

 

カウンターの方にジグさんが。見ると店の中に数カ所設置してあるテレビを見ているようだった。

 

「おう、きたの」

 

俺に気付き、テレビを見るのをやめた。

 

「はい。ジグさん、ライフルーーヴィダブラスターでしたっけ?それの小改修が終わったとか」

 

そう言うと奥に行き大きなケースを持ってきた。

 

「ほれ、これでどうだ?」

 

そう言い渡されたのがーー小口径用の排莢口にコッキングレバーが付いている。

 

「あとこれ。一応バレルの限界が600発だから、それ以上撃ちまくりたいのなら氷系テクニックーーお主ビーストである前にニューマンでも有るであろう?それでバレルを冷やすんじゃ」

 

そう言い渡されたマガジンはーー普通のマガジンと変わらないサイズーー寧ろ一般的な少し屈折したマガジンでは無くストレートタイプ、ベトナム戦争で見かけるM16の様なマガジンだった。

 

「……いや、ジグさん、これ…明らかに30ーー20も入らない様なサイズなんですけど…」

 

「それもそうじゃ。お主達レンジャーの使う火薬で爆発させ弾丸を飛ばすタイプなら入らんよ」

 

「…えっ、どう言うことです?」

 

説明の意味が分からん。弾の種類が違うのか?

 

「少し前にライフルの撃針をレーザー式にしたと言ったじゃろ?その時にな?弾のーーいや、薬莢内の火薬の量を減らして小さくすればもっと装弾数あげれるんじゃないかと思っての?」

 

実行してみたんじゃよ、と言いった。

 

「…それだと初速が得られないのでは?爆発力がないとバレル内で飛ぶ力も…」

 

「その点は大丈夫じゃ、レーザー型撃針を補助するために薬室内少し後ろに炎系テクニックの術式を埋め込んどいた。万が一レーザー型撃針がおかしくなってもこれでいけるはずじゃ」

 

と言うかそれが有るならレーザー要らなくない?と言う言葉を飲み込み、取り敢えず頷く。

 

「…まぁ、そうなら…」

 

と言うかこれ既存の弾薬使えんの?

 

「そして聞いて驚け?このマガジン。こう見えて90発入るんじゃぞ!」

 

「…うーん、すごい様な微妙な様な…」

 

実際撃ってみないと分からない。本当に90発も入っているかさえ。

 

「まぁ待て。お主はアレじゃろ?トリガーハッピーというやつじゃろ?分かっている。もっと撃てるようにどうにか考えておくから待っておれ」

 

その間これで我慢してくれ、と言い更に装填されたマガジンを5個くれた。

 

「…でもこれで450発と考えれば…うーん」

 

「はっはっは!まぁ、そう悩むな!さて、儂はそろそろ戻ってコレの件を書いて各会社に送らねばならん。済まないが失礼するよ」

 

そう言い店の奥に行くジグさん。

 

「…うーん、今思ったけど、このオラクル船団だっけか?フォトンが無くなったらどうすんだろ?」

 

一応調べた結果が無くなることはない、との事だった。

 

フォトンとは真空、空気ーーと言うかそこら辺にでもある'物'なのか'無'なのこ分からない何からしい。但し、使用は出来るからあるとか無いとか…うーん、分からん。

 

まぁあれか、超絶弱い電気的なもので見えないのか?

 

そう言いながらも返してもらったライフルを腰に付けてショップエリアを抜けてクエストカウンターに向かう。

 

クエストカウンターにある休憩所でアキ博士とその助手のライトさんが俺の事を待っていた。

 

「来たね。それでは火山洞窟に向かおうか」

 

「ユウナさん、アキ博士を宜しくーー」

 

「何を言っているんだいライト君。君も行くんだよ」

 

「ええぇ⁈本気ですか⁈ぼ、僕もですか⁈」

 

そう言いオーバー気味に驚くライトさん。俺も驚いた。

 

「…ライトさんは…そのアークスなんですか?」

 

「そうだよ、一応ライト君もアークスに所属しているーー取った時は後ろからーーいや、最下位だったね」

 

「そうですよ…あの時僕の前にいた人が不正をやらなければ…」

 

そう言いながらも俺から視線を外し、メガネの位置を確認する。あれ?さっきまで普通に目を合わせながら会話していたのに…なんで急に?

 

「所で何をやったんですか?私、最近発見された第8世代らしくて訓練らしい訓練を受けていないんですよ」

 

と言うか訓練なしの第8世代と軍同然だったそれ以前の世代だと、やっぱり色々と違う。特に筋力とかこう、複数で戦闘する時とか明らかに。

 

「……えっ、と…まぁ、色々ですよ、色々…」

 

「あとユウナくん。そう言う畏まった話し方じゃなくて良いよ。君のレポート動画で普段の話し方は分かっているから」

 

「…ぁ、そうですか…わかりました。多分そうします」

 

「素直でよろしい。して、ユウナくん。ライト君。火山洞窟に実地調査に向かうとしよう。目標は龍族だ」

 

「おぉぉ!」

 

「お、おぉ…」

 

内心こんなので大丈夫かなぁ、と思いつつクエストカウンターから火山洞窟に跳んだ。

 




いや、超絶駆け足で突破すれば…いや、無理だこれ


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

71話目

誕生日に間に合った。


 

 

ーーー惑星 アムディスキア 火山洞窟ーーー

 

「アキ博士ぇぇ、もう帰りましょうよぉ…」

 

そう言い不安げな声を出すニューマンーーライトがアキ博士に言う。

 

「何を言うんだいライト君。まだ一人とも会ってないーーユウナ君、横、失礼するよ」

 

ただ今絶賛多数のダーカーと交戦中。

 

ひたすらヴィダブラスタを撃ってはいるものの、中々弱点である中央の赤い部分に当たらない。

 

お前脚ごと貫通しろや!ダーカーの脚の装甲は何か?空間装甲ーーって尚更運動エネルギーで貫通するやん。フォトォォォンッ!カモォオォン!

 

と言うか明らかにマガジン式だった奴より弾速が遅い気がする。

 

これ規定の初速と貫通力得て無いだろ⁈

 

かと言ってポイ捨ても出来ない。まぁ確かに90発も撃てるから弾幕張って動かなくさせることは出来るのだけど…。

 

「うわぁぁぁ⁈」

 

ライトさんの声に驚き、前に弾を貼りながら後ろを見るーー……うわぁ…アキさんの後ろでうずくまってるよ…。

 

 

「ライト君……それにしてもダーカーがやけに多いね」

 

 

「ーーはい、ここに来たのはーーまだ2、3回ですけど…こんなに居るとは…」

 

背中に居るライト君の前に二人で立ち、向かってくるダーカーを只管倒す。

 

「ーーグレネードシェルを使う。再装填する時援護頼むよ」

 

そう言いアキ博士が片膝立ちーーいや、しゃがみ撃ち、だっけか?もっと別の名前があったと思うがーーし、グレネードを撃つ。

 

緩いへの字を描いてダーカーの上で炸裂、数十グラムの炸薬が爆発した。

 

その間も右に左にと弾をばら撒く。

 

数分もすれば居なくなり、アキ博士が俺に聴く。

 

「ーー周囲に敵はいるかい?」

 

「ーーいえ、今の所は居ないですね。全滅、しましたか?」

 

カサカサ動くGの様な音も聞こえない。今の所は。

 

「ーーふぅ、何度やってもダーカー戦は嫌だね。かと言って実地調査を行いたいのも事実だ」

 

「……?お、終わりました、か?」

 

そう言いアキ博士の背後からライトさんが出てくる。

 

「…ライトさん…」

 

後ろでうずくまっていたライトさんがアキ博士の背後から出てきた。

 

と言うかライトさんも背後からその杖で援護してくれたら良いのに…と言うかちゃんとしたテクニックを見たい。

 

「…またか。いい加減戦えるようにしておかないと、色々と危ないぞ」

 

そう言い武器を下ろしライトさんに言う。

 

「は、はいぃ…分かってます、アキ博士…ーー所で…その…ユウナさんは怖く無いんですか?」

 

 

「んっ?アークス?超絶怖いよ?すぐ辞めたいぐらい」

 

そりゃそうだろ、何でこんなGみたいな奴と戦わなけりゃなはんのだ。そんなのは火星だけで十分である。ーー火星ってディソーダーとか居そう。

 

「なら何でアークスをやっているんです?」

 

「……まぁ、他に何が出来るかって考えたらねぇ…特になかったわけよ」

 

ポスで調べてみると結構酷いこと書かれている。少し書けないけど。

 

「……」

 

そう言いライトさんがミミと尻尾を見る。

 

「まぁ、見た目がアレだからな」

 

「だったらウチの研究所に来るかい?」

 

隣で周囲を見渡しているアキ博士が放った。

 

「…それは人として、じゃない?」

 

「ははっ、まぁ人道的には、ね?」

 

「にしても、ダーカーを倒していたら…結構いい時間になってしまったね」

 

モニターを空に出して今の時間を見るーー12時、か。

 

「…まぁ、昼過ぎてますからね」

 

「道理でお腹が空くわけだ。ーーまぁ、それとして、私とキミーーあぁ、勿論、ライト君の奮闘もあったけど…良く凌げたねぇ、今思い返すと。…特にキミ。大したもんだよ」

 

「ーーアキ博士!お昼!食べ物食べましょう!博士が作ったお弁当も!」

 

そう言いナノトランサーから各種お弁当を出す。ーーえっ?誰が…?

 

「これ!なんとアキ博士の手作りなんですよっ!博士って料理は科学と一緒って言ってーーもうすごいんですよ!」

 

「よしてくれライト君。ほら、取り敢えず塩分補給だ、いくら戦闘服が熱さを無効化に近い事をしてくれるとは言え、取っておく事が無意味になることはないーー」

 

そう言いお弁当を手に取り一口ーー確かに美味しい。

 

「ーーそうだね、昼食がてら、龍族の話でもするかい?」

 

「…そうですね、お願いします」

 

「昨今敵愾心がーーまぁ、一部例外もいるがーー強い彼らだが、昔はそうでも無かったらしい」

 

「まぁ、今も現場レベルでは有効だが…いつまで持つかもわからないと言うのも現状だ」

 

「アキ博士はどの位…上の、その…」

 

言葉が出ない為、言い淀んでいるとライトさんが隣から助け舟を出す。

 

「ーーアークス排除論、ですね?」

 

「ーー…えぇ、その排除論。それがーーその思考が末端に来ると思いますか?」

 

「龍族は、元はとても好戦的な種族だ。それがアークスと遭遇し、ある程度の文化、と呼べるものを持ってから、まぁその好戦的な部分を抑えられない龍族が多かったら案外すぐかも知れない。ーーまぁ」

 

「それを調べたり、龍族の造りを調べたりしたいから来たのだがね。ーーさて、話を戻すよ」

 

「ーーさっきの話の通りオラクル船団と龍族はかねてより交流を持っていたのだよ」

 

「言語の解析も完璧とは言えないか終わっているし、話の通じる者だって結構いる筈なんだがねーーおや?」

 

そんな事をお弁当を食べながら話しているとーー何かが歩く音が聞こえる。

 

「…ほぉ、ビーストと言うのは音を得る時そうやって聞き取るのが。本当に……」

 

「待ってください?と言うことは…」

 

そう言いサンドイッチを口に頬張りながらライトさんが言う。

 

「多分龍族かも知れないーーユウナくん。食事は中止だ。どこらへんか案内してくれないか?」

 

「大まかですけど」

 

「頼む」

 

それから音の発信源に向かいーーいた。本当に龍族が。

 

「ーー御誂え向きに龍族じゃないか」

 

「どうします?接敵しますか?」

 

そう言いギガッシュの位置を確認、ライフルのセーフティを解除する。

 

「いや、キミの様な実力者が接触すると襲ってくるかもしれない。…なぁに、大丈夫だ、私に任せてくれたまえ」

 

そう言いライフルをライトくんに預け、龍族に向かって近づくアキ博士。無論両手を上げて。

 

「なぁライト君…俺の見方が変じゃなければ…あの頭のってーー」

 

「えぇ、多分、侵食されてますねーーあぁ⁈胸にもコアが⁈ほらっ、あそこ!」

 

「何で博士はそんな奴に」

 

「多分、龍族に会えるから思考のどっかに吹っ飛んでるんですよッ」

 

そんな俺たち二人の言葉を空に放り投げ、ゆっくりと近づく。

 

「やぁやぁそこの龍族さん、少しお話でもーー」

 

『ヴヴァァゥゥ…』

 

そう畝るとーーなんか頭に直接声がーー声なのか?これ。

 

「うん?なんだ、この頭に直接聞こえてくる様な…もしやコレが、龍族の…?」

 

龍族は右手のシールドを構えた。

 

「は、博士!どう考えても友好的ではありません!」

 

「分かってるよっ!五月蝿いね!」

 

そう言いアキ博士がライトさんの方を見る。視線を変えたのを好機と見たか、龍族が飛んでーージャンプ斬りをしてくる。

 

「お、おい!向かってーー飛んでくるぞっ⁈ーー」

 

そう言いアキ博士が後ろに走る。

 

「ーー博士っ!下がって!」

 

アキ博士の方に走り、ライフルを構える。

 

ブレる照準器を覗きーー取り敢えず頭だ、人型に対しては頭が有効のはずだ。

 

トリガーを引き弾を撃つ。しかしシールドに阻まれて貫通せず。

 

そのまま突っ込んで俺に剣を振りかざした。とっさに銃でガードしてーー超手が痛ぇ!

 

両手で銃を持ち、それごと切ろうと力を掛ける龍族に対し、脚で押し一回転。

 

 

そのまま銃を左手に、右手を腰にあるギガッシュに伸ばし、遠心力でそのまま龍族の盾ごと横から吹っ飛ばし、空を飛ぶ。

 

「おりゃぁ!」

 

『グッ…オォォォ…』

 

そのまま地面に落ちてーー死んだ、のか?

 

「流石だねキミは。私とライト君だったら死んでいたかもしれんな」

 

「ホントですよ!無茶はやめてください!」

 

「はぁ、はぁ…死んだ、か…?」

 

初めて人ーーに似た生物を倒した。手が震えている。

 

「大丈夫かい?」

 

「は、はい…大丈夫、です」

 

「取り敢えずあのおかしくなった龍族の調査と行こう。ライトくん、きたまえ」

 

そう言うと龍族の死体に近づきーー何処からともなく、ってナノトランサーからか。そこから色々な器具を出した。

 

「……うーむ、ユウナくんに救って貰ってなんだが…原型を余り留めてないな」

 

そう言い手袋をはめて龍族の死体を解剖って言うのか?していく。

 

「き、気持ち悪いぃぃ……は、博士、良くそれを触れーーうっ、おぇぇっ…」

 

そこまで言うと、後ろを向きーー吐いた。

 

「ライトくん、助手を名乗るなら分かりたまえ。私は生きる者の研究をするのが好きなのだ」

 

「終わった物には興味が無い。これはただの物だ。触れない訳がない」

 

その話を顔を合わせず淡々と話す。

 

「よし、内臓は…」

 

「うわっ、うわわっ……うわぁぁ…」

 

「ライトくん、五月蝿いよ。興味があるのか無いのか、スタンスをはっきりさせたまえ」

 

 

 

「……やはり、予想通り、か」

 

しばらくして解剖が終わるとアキ博士が考え始めた。

 

「あの組織の細胞の変異…あのサイズだとそれ程立っていない…しかし……だが…あれと…これで……。ーーっと、すまないねユウナくん。一人で納得していた」

 

「簡易的にだが内部組織を調べた。間違いなくダーカーの侵食がある。アレは恐らくーーいや、確実に体内に蓄積したものだ」

 

「フォトンでは無い力で強引に倒しても残りカスがーーいや、この話はしたことがあるか?」

 

「…いえ、多分無いかと」

 

「ーーまぁいいか。簡単に言えば塵も積もれば山となるって事だよ。詳しくはポスとかで調べてくれ」

 

「まぁ、幸か不幸か、組織片は回収出来た。これで研究が進む」

 

「だが…根本的な所は龍族ーー上位種と話が出来なければ…解決はしないだろうな…」

 

「さて。奥に進むとしよう。もっとーー出来れば大きな竜族の組織片が欲しい」

 

「分かりました。行きましょう。ーーまだサンドイッチあります?」

 

「…ライトくん、まだサンドイッチはあるかい」

 

「そ、そこの中にぃぃ…おぇぇぇ…」

 

「…アキさん、辞めておきます」

 

「そうか。それじゃ、ライトくんが終わってから出発しようか」

 

因みにライトくんの吐き気が止まったのは五分後である。ライトさん、博士助手って合ってなくない?

 




さぁ次は手に汗握るヴォルドラゴン戦。手に汗握れるーーのか?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

72話目

これ砂漠でステルススーツ着た人とハドレットに会ってないやん…。

と言うか年内に終わんねぇ…


 

ーーー惑星アムディスキア 火山洞窟ーーー

 

周辺を警戒しつつもさらに奥へ。

 

「…そうだ、ユウナくん。これを渡そう」

 

そう言いアキ博士が渡してきたのはーーモノメイトと同じ容器だ。

 

「何ですこれ」

 

「確かディメイトだったかな?トリメイトだったかな?まぁ、モノメイトの改良型だよ」

 

そう言い渡された容器を見るーーそこにはディメイト、消費期限 新光歴239年4月と書かれている。

 

と言うかオラクル船団の年号、しんこうれき、で読み方あってるのか?初めて知ったぜ。

 

「……んっ?」

 

歩きつつディメイトーーモノメイトの味の改良型を飲む。

 

「それはモノメイトより細胞の再生速度がーーいや、単に受けたダメージが治るっていう事かな。モノメイトより速く」

 

「…それって大丈夫なんですか?」

 

「ヒューマン、ニューマンは何も異変はなかった」

 

「はぇ…ニューマン、ヒューマンは大丈夫ーーあれ、ビーストは?」

 

「ほら、今やってるだろ?」

 

「人体実験じゃないですか!」

 

「科学というのは人体実験でーー」

 

等話しながら火山洞窟の奥に向かう。

 

奥に進むと会話のできる龍族の村らしき所を発見した。

 

「見たまえライトくん。こんなに龍族がいるぞっ」

 

「は、博士ぇぇ、見てくださいよぉ、明らかに歓迎されてませんよぉ…」

 

「ユウナくん。まだ武器に手をかけてはダメだ。我々アークスは無害ということをーー」

 

『なんだ また アークス か』

 

『あの 黒い者 の 排除 に 来ている らしい』

 

『そう言えば あの アークス 何処かで』

 

等周りで言われながら奥に向かう。

 

すると四角の石らしきものが積まれた扉の様なもの前に四人ほどの龍族がいる。

 

どうやら警備しているらしい。

 

『そこの アークス ここから先 は 今 は 通行 出来ない 引き返せ』

 

そう言うと引き返せと言われた扉らしき物の奥の方から龍族の唸り声が聞こえる。

 

「どうしたんだい、奥の方で唸り声が聞こえるのだが」

 

『今 ロガ様 は 心の居所 が 悪い アークス を 見たら 闘い を 挑んで 来るかもしれない』

 

「もしかして龍族どうして喧嘩でも……?」

 

アキ博士の後ろで小声で言う。龍族でも喧嘩するのか…。

 

などと思っていると扉が開いたーー中からは複数の負傷した龍族が出てきた。

 

『どうだった ロガ様 の 様子 は』

 

『ダメだ こちらの話 を 全く 聞きはしない』

 

『くそっ 幾ら 我々 龍族 の 上の連中 が 強いからって あの 黒い者 に勝てる筈が 無い』

 

『あぁ、ロガ様 がおかしくなったのも あの黒い者と闘い 始めてから だったな』

 

「……待ってくれ、君達の言うロガ様、だったか?彼はもしかしたらーー」

 

「…はい、博士。D因子に侵食されている可能性がありますね」

 

「…そこの龍族。少しロガ様を見ることはできないか?なに、遠くからでも構わない」

 

『どうしますか アヤル』

 

『どうしたものか アークスよ 確か貴殿達は 黒い物ーー其方のダーカーと呼ぶ物 を 倒せる の でしたか?』

 

「えぇ、倒せますよ」

 

『では 一応 見てもらおう アサキ 案内 を 頼む』

 

『はっ では こちらへ』

 

そう言い目の前の龍族についていく。

 

高台に登り問題の龍族を見る。

 

 

『あちら に 居る 方 が ロガ様 です』

 

そう言い奥で複数の小型龍族が囲っている大型種ーーヴォルドラゴンをみる。

 

『ロガ様ッ! 静まりくださいっ! 何故 暴れ 何故我々を攻撃するのですっ! お答えください! ロガ様っ!』

 

「ぐぉぉぉぉっ! 」

 

そう言うとロガ様と言う大型龍族ーーヴォルドラゴンだったか。それが吠えて火球ーーいや、アレは火炎放射か?それが周りに居る龍族に当たる。

 

「ぐっぉぉぉ」

 

「グァァ⁈」

 

『ぐっーーロ、ロガ様……な、何故なのです……!』

 

ヴォルドラゴン前方で展開していたシールドと剣を持った龍族が倒れていく。

 

「は、博士っ!龍族同士の喧嘩ですよっ!マズイですよっ!離れましょうよっ!」

 

「その筋も否定はしない、が声を聞く限り、そうではなさそうだよーーさて」

 

そう言いアキ博士がホログラムを操作してーー拡声器みたいなものを取り出した。

 

高台から一歩出て拡声器を口に近づける。

 

「ーーえ、ちょ、博士っ!もしかして首を突っ込む気ですか⁈」

 

ライトさんが手を出そうとするもそれをスルーする。

 

「……ん、ねぇ、ライトさん。あの頭のアレって…」

 

そう言いライトくんの肩を叩き、ヴォルドラゴンの頭を指差す。

 

「…えっと、少し待ってください。なにぶんメガネをつけているので…少しピントが…」

 

そう言いメガネを斜めにしてみる。

 

「ライトくん。それピント合ってないでしょ」

 

「あれ、分かります?」

 

「そうやってレンズの厚さを傾斜させて見るとはっきりするやつ。俺も多用したなぁ…昔は」

 

「昔って…ユウナさんは何歳ーーあっ」

 

「…まぁ、聞かなかったことにしとくよ」

 

話しているとアキ博士の話が続く。

 

「説得は無駄だ!龍族のキミ!ダーカーの侵食を受けて、正気でいられる筈が無い!」

 

『……アークスか 今 貴様達 に 構っている 暇はない 去れ!』

 

「ーーぁ、ほらほらっ!仰る通り帰りましょうって!危ないですよっ!ほらっ!」

 

龍族の言う言葉に乗じてライト君が立ち上がりアキ博士の体を掴み後ろに引き込もうとする。

 

「五月蝿いね!ライト君!もう君は黙っていてくれたまえっ!」

 

それを振り切りさらに言う。

 

「ーーさて、龍族のキミ!そうは言うが、目の前の彼をどうするつもりだい」

 

『ヒ族 の ロガ様 は 我等が標 だが 同族 を 侵す 著しい 掟の侵犯』

 

『掟を破りし者 悉く カッシーナ の 元 へ』

 

「カッシーナーー龍族に伝わる神話の、地獄龍だね。成る程成る程。殺すって事か」

 

へぇ、龍族にも宗教があるんすねぇ…。響き的にインド的な?

 

『賢しいアークス 何を考えている』

 

「任せろ、と言おうと思ってね。生きている者を見捨てるなんて勿体無い事、私に出来るものか」

 

そう言い拡声器から口を話し、俺の方を向く。

 

「いいかい、ユウナくん、あの龍族なら、フォトンで浄化ーーいや、攻撃すれば間に合うかもしれない。救えるかもしれないーー」

 

 

「ーー確証ではない、実験になるーーが、やってみるだけの価値はある」

 

「まじか……やるっきゃないのか」

 

「大丈夫だ。その分報酬はあげるから。そうだね……この位とか」

 

そう言い報酬金額を見せるアキ博士。

 

「えぇ⁈いや、確かに命張ってますけど、流石にこんなに…」

 

「これで龍族と関係の回復や龍族の今のデータ、更にダーカーに侵食された者を回復させる事が出来るかもしれないんだ。下手すればダーカーの脅威から守る事が出来るかもしれない」

 

「…あぁ、もうっ!分かりましたっ、やりますよっ!」

 

「わかった。ありがとうーーほらっ、ライトくん。君も逃げようとしない」

 

「えぇ⁈だ、だって!あんなに大きな者と戦うんですよっ!ダーカーでもあんなに大きいの居ませんって!」

 

「つべこべ言わず!ほらっ」

 

そう言い二人揃って下に行く。

 

「えっ、ちょっと⁈」

 

ライフルを握りコッキングレバーを引く。

 

初弾がチェンバーに装填され、セーフティをシングルに。

 

左手に持ち替えて、右手にギガッシュを握る。

 

「…っし、行くかっ!」

 

そのまま先に向かった二人の後を追う。

 

 




戦闘描写が幼稚すぎてヴォルドラゴンとの戦闘シーン)飛ばしたい…飛ばしたくない?

と言うかEp1だけでこんなに書いてんの私だけかもしれない。えっ?纏めれば少ない?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

クリスマス番外編

本当はエッチいのになる筈だった。


 

 

 

マイルームのコタツに入り、ふとカレンダーを見る。

 

今年も後10日も無い。

 

『ーーはい。こちら現場のーーーーです!今年のクリスマスも沢山の人がーー』

 

テレビではいつもの様にーーまぁクーナやマトイに気絶させられていたお陰でまだ2回目ぐらいだと思っていたけどーークリスマスだと騒いでいる。と言うかオラクル船団にもクリスマスってあるんだな。

 

「なぁアフィン」

 

コタツから上半身を出してコタツのテーブルの上に乗っているーー地球直産のミカンを食べる。

 

「なんだ?」

 

「…何でいるの?」

 

そう言いながらアフィンもミカンに手を伸ばす。

 

「いや…予定無いし…」

 

そう言いながらミカンを口に運ぶ。

 

「…いやだからって俺の家に来る?腐っても女だぞ?」

 

「……え」

 

「は?ーーそもそもアフィンは家族居るんでしょ?ユクリータさんと家族で家で過ごせばいいじゃん」

 

「いや、ちょっとな」

 

そう言いテレビに向き直る。

 

「ーーなぁ相棒。何でわざわざ地球の番組を見ているんだ?」

 

「いや…あのゴタゴタの時にな?テレビを見ていた時に少し興味が、な」

 

そう言い口からみかんの皮を出してテッシュに包み捨てる。

 

「…なぁ相棒。ミカンって確か皮ごとーー」

 

「まぁなんだ。俺の食べたいように、な」

 

そう言い食べ終わった後コタツに入り寝そべる。

 

「……ぁ、そうだ相棒、メル姉妹やクーナさん、ゼノさんエコーさんがフランスカフェでアークスクリスマスパーティーしようだって」

 

横になり今日何すっかなぁ…と考えているとアフィンからパーティのお知らせが。なんだそのやけに長いパーティは。

 

「……何時から?」

 

「えぇ…確か午後4時かららしいけど…相棒、今何時だ?」

 

今は午後の三時半だ ← Yes /No

 

今は午後の五時だ

 

 

「……今は三時半、だな」

 

「どうする?行くか?」

 

「どうするか…。ーーぁ、マトイからメールだ」

 

そこには一緒にパーティに行こうとの内容が。

 

「……どうやらマトイも任務から帰ってくるらしい。先に行くなら今の内だぞ、アフィン」

 

「…そうすっか。一度ウチに帰って服を着替えてくるわ。あぁ、間違っても戦闘服のまま来るなよ?」

 

「えぇ…別に良いじゃん。尻尾の穴あけ面倒なんだよ」

 

「分かったから。マトイちゃんと来るようにな」

 

「…はぁ、お前もユクリータさんを連れてこいよ」

 

「…どうにか、な」

 

そう言うとアフィンはコタツから出てそのまま玄関に向かった。

 

「はぁ……面倒だなぁ…」

 

そもそも俺は人前が好きじゃない。今でこそ一人で深淵なる闇を倒したとか、神様に喧嘩売って勝ったとか色々と言われてるけど…。

 

「…そもそもなんで俺がこんなに面倒な奴と戦わなけりゃいかんのか」

 

そもそも普通にアークスやって適当にメセタ稼いで暮らしたかったーーいや、シオンに見つけられた時点でアウトか。

 

「…俺が着れる服あったっけかなぁ…」

 

そう言いノートパソコンをコタツの上に持って来てタンスの中身を調べる。

 

「こいつは…」

 

目に止まったのはホーリーキャロルドレスとフェリシテノーチェだった。

 

これは少し前にマトイと二人で買い物に行った時に買ったのを思ーーいだした。

 

「……冬だしこれで良いか?」

 

それを身に付けるーーふむん、以外に悪く、ない?

 

奇跡的にも尻尾がスカートの下に来るようになっているから…驚かない限り、見えないか?。

 

そんな事を思っていると玄関が開いた。

 

「おまたせ!ユウナちゃん!パーティに行こっ!」

 

玄関から入ってくるなり、早く行こうと言い立てる。

 

「だったらマトイも着替えないとーーってはやっ!」

 

そう言うとすぐさま着替えてーーあれ?

 

「マトイ、それは俺しか買ってないような…?」

 

「えへへぇ…あの時にもう一着買っておいたの。こんなに早く着ることになるなんてねぇ」

 

そう言いマトイはどちらも薄いピンクの入った服を見せる。

 

「…よし、そこまで言われちゃ行くしかないな」

 

「やったぁ!」

 

「その前に電気を消していかないと…」

 

 

ショップエリアに付属するようについているのがココ、フランスカフェ。元はラフリのオーナーの娘さんが自分の店を持ちたいとの事でコレを経営。フランスカフェとは付いているものの事実上の二号店である。

 

中に入るとーーそこには雪景色が広がっていた。

 

 

「ひゅ…あれ、口笛出来なかった」

 

「へぇ、ココがフランスカフェの冬バージョンかぁ…色々寒そうだねぇ」

 

続々とカフェにアークスに所属している人が入って来ている。

 

 

「さぁマトイ。俺たちもいかないとな」

 

「そうだね」

 

「あ!おーい!ガーディアンの二人が来たぞォォ!」

 

「来たか!アークス最高戦力!」

 

などと言われーー顔を下に下げたくなる。

 

「おうルーキー。そんなんで最高戦力が務まるの思ってんのかぁ?ちゃんと上向いて歩け!」

 

「あ、ゲッテムハルトだ!!」

 

「ダークファルスから戻って来た漢…」

 

「ゲッテムハルトさん、身体は大事なんですか?」

 

「あぁ、少し力が出ねぇが問題ねぇ。まぉ問題があるとすれば…」

 

そう言い奥の方を見ろと首を指す。そこにはーー。

 

「ディア!ケーキを持ってきてくれる?」

 

「シーナ姉さん…もう4ホール食べてますよ…」

 

そう言いディアさんの周りにはケーキの空き皿が3枚ある。

 

「大丈夫よ!ほら、私達ってニューマンだから!太りにくいから!」

 

「ゲッテムさんが『最近太ったような気が…』って言うのを聞きましたが?」

 

「げっ!き、気のせいよ気のせい…」

 

とかディアさんも言っているが…二人揃って結構食べてない?

 

「すまんがあの二人を止められるか?」

 

「無理です」

 

「ご、ごめんなさい…」

 

「だよなぁ…」

 

「おーい!ゲッテムハルトぉぉ!」

 

「すまん、読んでいるみたいだ。まぁ、このパーティを愉しめよ」

 

そう言いゲッテムハルトは俺たちから離れていった。

 

 

「なぁマトイ」

 

「なに?」

 

「ゲッテムハルトさんって…私服持っていたんだなぁ」

 

「そりゃ、人だからねぇ…」

 

そのまま受付の方に向かっていると次に会ったのは。

 

 

「げっ、ルーサー…」

 

「おや、人を何かと言えば。敗者呼ばわりとは。あんな出来損ないとは一緒にして欲しくないものだがね?

 

そう言いいつもの白いスーツみたいな戦闘服のまま現れた2代目ルーサー。

 

「でもユウナちゃん?この人はルーサーであって敗者びゃないよ?」

 

「いや、まぁそうだが…」

 

「なに。私とて愉しみたい時もあるのさ。それに今はそれ程全知に興味は無いしね」

 

「……」

 

「おやおや、そんなに見つめられたら困るじゃ無いか。まぁ、敗者が君達の中のルーサー像を固めたのは困ったものだが、それでも私はルーサーなのでね。ーーまぁ、もしかしたら過去の僕が僕である内に作ったって事だと同じ意味になるが」

 

「……ルーサーさん…」

 

「まぁ、君達も式を愉しみなよ。僕もそろそろーー」

 

「ーールーサー兄様!早くたべましょう!」

 

「……すまない。私の妹が読んでいるみたいなのでね。それではまた」

 

そう言い奥に消えていくルーサー。

 

「変わったな。ルーサーも」

 

「うん。全部ユウナちゃんが変えたんだよ」

 

ふと周りを見渡す。

 

見知っている顔だとサラとクラリスーールーサー曰くイリスだったかーークライスがどう言う食べ方で食べるかで言い合っている。

 

「…マトイも行ってくるか?」

 

「…でも」

 

「俺は一人でも大丈夫だ、問題ない」

 

そう言うとマトイはクラリスとサラの元に向かう。

 

他にはウルクとテオドールがウルクの無茶に付き合い、ロジオとアキ博士とライトさんとその他数名の科学者がテーブルを囲い色々とツマミつつ何か難しい話をしている。

 

ゼノさんの周りにはエコーさんとレギアス、マリア、カスラさんの六芒のメンツが集う。

 

いつもの様にオレンジジュースを貰い一人外に向かう。

 

殆どーーいや、全てと言って言い人が中ではしゃいでいるため外には誰もいない。

 

「ふぅ……」

 

そのまま空を見上げる。何も遮るものがないのかすごく綺麗に星が映る。

 

「……居ない、か…」

 

少し前に露わになった惑星地球。そこで色々ありそのまま技術交流することになった。幻想種も出てくる事だし。

 

もしかしなくても俺が生まれた星ーーと思ったが……シエラにハックしてもらいデータを抜き取って貰った。

 

……確かに親は居た。じいさんやばぁさんも居た。

ーー但しそこに俺のデータは無かった。居なかった。

 

あの星では…俺は生まれてすら無かった。

 

「……悲しいなぁ……」

 

ぐすんと頬を伝わる涙。

 

「どこまで言っても……結局は1人、か」

 

「いや。君は1人じゃない」

 

そう言い目の前に現れたのはーー。

 

「シャオ、か」

 

「そうだね。久し振り」

 

「あぁ、久し振り、だな」

 

「…隣座っても?」

 

「あぁ」

 

ぽすっと座るシャオ。

 

「……なぁシャオーーいや、何でもないわ」

 

生きるとは何かを全知全能の弟分に聞きそうになった。

 

「どうしたんだい?泣いていたようだが」

 

「……俺の事…シオンから聞いていたか?」

 

「…ごめん、聞いてない」

 

「そっか……」

 

そう言い黙るシャオ。

 

「その、僕が言うのも何だけど…何か相談が有れば行って欲しい。シオン程じゃ無いが僕だってアカシックレコードへの鍵ーーまぁ制限はあるけど、持っているんだ」

 

「それにほら、周りには君の助けになる人が沢山いる。その人たちにも助けを求めたらいいんじゃ無いかな?」

 

「そうは行ってもなぁ…」

 

「それにーーあっ、次のお客さんのようだね。それじゃ僕は失礼するよ。サラの事をからかってくる」

 

ふっ、と消えるシャオ。それと同時に雪を踏む音が背後から聞こえる。

 

「ここに居ましたか」

 

「……クーナ、か」

 

「はい、会場内に居ないので探しに来ました」

 

「そうか」

 

「……隣、良いですか?」

 

「あぁ」

 

クーナもシャオと同様に隣に座る。

 

「そのテンションだと…アサシンの方か」

 

「いえ、これが私の素なんです。アイドル時の方が偶像なんですよ」

 

「アイドルだけにか?」

 

「…そうですね」

 

そう言い2人で空を見る。

 

「ねぇユウナさん」

 

「なんだ?」

 

「ハドレットと戦った時……あの時は本当にありがとうございました」

 

「…まぁ死にそうになったな。あれは」

 

蘇るは虚空機関が造った造龍のハドレット討伐。アレは本当死ぬかと思った。

 

「こう見えて私はあなたに凄く感謝しているんですよ?」

 

「そうか」

 

「……ユウナさん、どうしたんです?」

 

「いや……なに、関係ない話さ」

 

「そうですか…なら、良いのですが…」

 

そう言い俺の膝の上に頭を乗せるクーナ。

 

「ユウナさん。私はーーそうですね、アークス全員が敵になろうともあなたの味方ですよ」

 

「いつ俺はヤンデレに感謝されるような事をしたんだ?」

 

「ふふっ、ですが何かあったら私達に言ってください。力になりますからーーあと」

 

「なんだ?」

 

「どうしたらおっぱい大きくなります?」

 

「サンタにでも頼め」

 

「…まぁ、そうなりますよねっと。皆さん待ってますから」

 

そう言い顔を上げて会場に戻っていくクーナ。

 

「…味方、ねぇ…」

 

味方と聞くとある言葉を思い出す。俺たちには味方なんていない。そう、誰にも。

 

まぁその後に続く言葉がアレだが。

 

からん、と入れてもらったオレンジジュースの中の氷が音を立てる。

 

まだまだクリスマスは始まったばかりだ。

 

「…美少女に囲まれているだけマシか。俺も女だが」

 

そう言いグラスを持って宙に上げる。

 

「…乾杯、そしてありがとうーー」

 

 

 

「ーーシオンさん」

 

 




正直こんな駄文を120名余りの方がお気に入りに入れている事にお腹が痛くなるこの頃。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

73話目 Vsヴォル・ドラゴン

過去最低。やっぱり戦闘描写がアレ。次回から飛ばしたい…飛ばしたくない?


 

 

 

ーーー惑星 アムディスキア 火山洞窟ーーー

 

2人の後を追い、先程まで龍族の闘っていた闘技場の様な大広間に入る。

 

 

『此方も ランチャー の 扱い が 上手い 龍族 が 援護 に 入る 注意 されたし』

 

『お二人は 先 に 入って おります ご武運 を』

 

『各 ランチャー 持ち は 崖上 から アークス の 援護 盾 と 剣 持ち は アークス と 共闘 し ロガ様 の 鎮圧 に 当たれ』

 

2人の後を追い大広間に入ると、左右の崖から複数のーー翻訳ではランチャーと言っていたが、ありゃテクニックだな。多分。氷系かな?

 

「さぁユウナくん。あのドラゴンを倒そうじゃないか」

 

そう言い石の扉の前で俺に言う。

 

「は、博士ぇ!今からでも遅くありません!援軍を呼ぶべきでは⁈」

 

「ライトくん、コレは龍族からしたらーーそうだね、私達アークスが本当にダーカーに対し効力を発揮するのかを見極める戦いであると私は思っているよ」

 

「ダーカーなんてアークスに掛かれば簡単に滅っせるじゃないですか⁈なんで今更⁈」

 

「ほら、さっき私はカッシーナがどうたらこうたら言っていただろ?」

 

「…死んだらカッシーナの元に行く、でしたっけ?」

 

「そうだ、ユウナくん。龍族はーー別に身体は無くなっても困らないんだ。また生まれ治せるから」

 

「だからだろう。龍族の上層部は死ねば戻るーーデスルーラが効くって思うのは無理が無い」

 

「…博士?デスルーラって言うのは?」

 

「…確かゲームでクリアした後わざわざ戻るより死んで入り口とか街に戻る事でしたっけ?ーーと言うかライトさん…ゲームやらないんですか?」

 

と言うかこっちにもルーラみたいな魔法ーーいや、テクニックか?それを使うゲームがあるのか?

 

「えぇ、一応アキ博士の助手なので。研究一筋なんです」

 

でもアークスの資格持ったんじゃ…と言おうとしたがやめておこう。アキ博士がこちらを見ている。

 

「……つづきをしても?」

 

「えぇ、お願いします」

 

「まぁ、つまり死ねばダーカーに侵された身体は元に戻るって思っているんだろ。ーー実際は魂をも侵食するんだがね」

 

「…本当にダーカーは怖ーー」

 

そう言うと目の前の四角の石の扉が消える。

 

『さぁ アークス よ 後は頼む ダーカー と やら に 侵された ロガ様 を 倒し 救って見せてくれ』

 

奥に進むとヴォルドラゴンがその場で留まっている。

 

此方を見つけると一声鳴きゆっくりと近付いてきた。

 

「さぁ、やるぞ。ライトくんは後ろでーーバーダ系のテクニックを。ユウナくんは…ソードとライフルで臨機応変に」

 

「要するに適当にやらって事ですか」

 

「その方が楽だろ?」

 

「はぁ…頼みますから援護して下さいよ」

 

 

挨拶代わりに左手でライフルを撃ちながらドラゴンに近づく。

 

ヴォルドラゴンは前かがみの姿勢になりーー火炎放射をしてきた。

 

そのままライフルで撃ちつつ左側に回る。

 

「ーー左に回るか。なら右から回るよ」

 

そう言いアキ博士は距離を離し、右側に回り貫通弾やーー追尾する確かP.Aを放つ。

 

「えっと…あぁ⁈シフタとデバンド忘れてましたぁ⁈」

 

そういながらバーダ系のテクニックを闇雲に放つ。

 

ライトさんの声に俺も思い出し、左手に付けているタリスのカードーーシフタとデバンドのテクニックを使う。

 

効果は攻撃力と防御力のアップーー後者は戦闘服にフォトンを纏わせるで分かるが…攻撃力アップとは…?ライフルの弾に装填されているフォトンが活性化するのか?

 

左回りに行くとーー明らかに怪獣を狩るゲームなら壊せそうな翼に目がいく。

 

ライフルのレーザーサイトを翼に合わせ、左手のソードを背中に戻して狙う。

 

タ、タ、タ、タ、と射撃音がして数十発が命中する。

 

アキ博士の方を見るとリロードしているようだ。

 

ドラゴンは博士の方に目をくれず、そのままこちらに向かってきた。

 

リロードしようと思っていたけどまだ弾は入っているはず。そのまま腰に置いてソードを構える。

 

そのまま突っ込んできたからーー

 

 

そのまま身体に飛び乗れた。

 

「えっ⁈ユウナくん⁈」

 

「えぇ⁈」

 

ソードをドラゴンの背中に刺して、横に広げる。

 

「クスリはぁ⁉︎飲むより撃つに限るってぇ⁉︎」

 

空いた傷にライフルのバレルを差し込んで残りの弾を全部撃つ。

 

『ぐぉ…ぐっ……』

 

頭に刺さっていた変なのーー侵食核が飛散して何も無かったかのようになる。

 

ソードを抜き取りーーありゃ、フォトンで覆う部分が壊れてる…。

 

抜き取ったソードを背中に背負って、ライフルも抜き出す。

 

広げた傷はみるみる治りーー、

 

『……ぐっ…こ、れは……』

 

倒したヴォルドラゴンが喋った。致命傷じゃ無かったのか。

 

『ロガ様! 正気 に 戻られ ましたか!』

 

遠くで見ていた杖を持っていた龍族もびっくり。俺もびっくり。

 

「……賭けでは有ったが、上手くいったな。龍族の肉体が強固な事を誇りたまえ。対処が早かったのも良かったと見る」

 

「と言うか結構な致命傷を入れられたんですがねぇ…」

 

背中に穴空いて、しかもそこに銃弾をしこたま食らうって言う…。

 

『賢い アークス 何 を した』

 

「簡単な話だよ、龍族。内部にいたダーカーの組織をフォトンで滅したのさ。もっともーー」

 

「ーー大半は私では無くユウナくんのお陰だけどね」

 

俺じゃなくて銃弾です。1発…いくらだったっけ?

 

「怪我は何ともし難いが、それはまぁ…龍族は自己治療も速い。時間が解決してくれるだろう」

 

龍族の自己治療凄すぎて…もうねぇ…モノメイト飲んでる暇ねぇわ。

 

『ーー アークス の 力 か』

 

「おっと、龍族のキミ。安心するのは速い。コレは只の始まりだぞ?」

 

「これからも同じようになるーーダーカーに侵される龍族はまだまだ増えるだろう」

 

『…… 我等 に 何 を 求める』

 

「話をさせてほしい。龍族の上層部と、アークスに必要なのは、対話だ」

 

現場レベルだと普通にーーさっき見たく共闘するんだけどねぇ…やっぱ末端は辛いよ。、

 

『……』

 

一度ヴォルドラゴンを見る龍族。ヴォルドラゴンの方がうなづいたように見えた。

 

『我が名 は ヒノエン 名を聞こう アークス』

 

「私の名はアキ。助手のライトにーー」

 

「ユウナ、だ」

 

『ユウナ 無礼 を 詫びる そして 感謝 を』

 

『ロガ様 を 救いし 力 その恩 を 忘れはしない』

 

ここから龍族とのーー特に上層部のでっかいのと交流が進み戦わなくて済むようになると良いなぁ…あんなのと戦うとか命何個あっても足りねぇ。

 

 

 




どうにかEp1ー5終わりーーじ「なぁい!クーナとハドレットと会ってないから後日砂漠に行きます。

あと龍族との会話適当に作っていた時。これ異種(ry)なんでもないです、ハイ。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

74話目

強引に上げていく。


 

 

 

 

ーーー惑星 リリーパ 砂漠ーーー

 

 

「龍族との会話が始まって休めると思ったらこれかよ、くそがっ!」

 

龍族との和解に成功?し、やっと休めると思ったら新たな任務が。

 

内容が惑星リリーパにて正体不明の龍族の確認情報がアリ。至急確認しに行ってくれとのことだった。

 

因みに今回は複数のアークスとの共同任務らしい。なんだろ、某ゲーム的に騙して悪いがとか来ないよね?来るなよ?

 

「ソードは壊れちまったしなぁ…次の武器どうすっかなぁ…」

 

前回のヴォルドラゴン戦時に、ソードを刺して、そこから更に横に広げた際にソードのーーギガッシュのフォント発生装置にダメージが入り…お釈迦になった。

 

ジグさんに見せたら『新調した方が速いし安いぞ』とまで言われ、テンションが少し下がった。一層の事パルチザンーー槍でも持つか?

 

なので今回の武装はライフルのみ。

 

そのライフルもなんだか調子がーー初速が無い。まぁダーカーや機構種なら何とかなると思いたいが。

 

「それにしても龍ねぇ…」

 

戦いたく無いなぁ…只でさえ今回は1人なのに。他のアークスと合流できれば良いが。

 

視線を下に落とし、ライフルの安全装置の位置をフルに。コッキングレバーを引き初弾を薬室に入れる。

 

まぁいざとなったら見つけた報告して帰るって手もあるし…いいか。

 

そういやリリーパにサーレクスの前線基地が作り終わったんだだけか。

 

定期的にそこからジャバスプとか言う、武装したA.E.Wだっけか?が飛行しているらしい。と言うかジャバスプとか言いにくい。もっと言いやすい名前考えてくれ。

 

そう愚痴りながらも前に進む。

 

時折機構種と遭遇するがいつものように頭にある弱点狙いで行く。

 

何であんなーー見え見えな所に弱点を置いたんですかね…?いや、楽だけど。

 

なかなか合わないので先に進む。まぁそんなに直ぐに会ったら怖いが。

 

 

「…なんか…うぅん…」

 

周囲には人は居ないはず。なのに何故が人の気配を感じる。なんか女になってから視線を強く感じる。特に胸辺りにーーアフィン!テメェの事だよ!

 

いやこんなにでっかい胸を見たら流石にガン見ーーいや、アウトだろ。

 

いや、それは置いておいて。

 

定期的にライフルを腰に構えつつ周囲を警戒するが…特に何もない。

 

「まさか…幽霊…?」

 

こんな超技術の船団に幽霊なんて信じる奴なんておるの?なんて思ったが…アークスは未開拓惑星に乗り込む人たち。無論戦死者も居るはずだ。

 

「…じょーだんじゃねぇ、さっさと終わらせて帰るーー」

 

と言っていると後ろからーーさっきまで周りに誰も居ないはずなのに足音が聞こえた。この音はーー機構種やダーカーじゃ無い!

 

「くそっ、本物の幽霊かよっ!」

 

そのまま前に走り、地面に手を付けそのままUターン。それと同時に勢いをつけてライフルを構える。

 

 

「……あの……」

 

「…あんたは…だれ、だ?」

 

そこにはーーぴっちりスーツーーまぁ、俺も似たようなものを着てはいるが、もっと分厚いーーを着た、へんな突起物を持った女のーーここに居るってことは、アークス、だよな?

 

「ぁ、一応アークスです。はい」

 

そう言い蒼い髪の毛の女性が言う。良かった。アークスか。友軍だ、よかった…。

 

「なんだ…アークスか…どうやって付いてきたのかは知らないけど、後ろついてくるのやめてくれ。心臓に悪い。」

 

そう言うとはっ、としつつ急に睨んできた。

 

「……分かっていたのですね?」

 

「おいおい…どうしたんだよ、急に?同じアークスだろ?」

 

「…今は良いです。所で貴女。ここら辺でデカくて黒いーーいえ、灰色に近い黒色の龍を見ませんでしたか?」

 

「龍?…もしかして、あんたーーいや、貴女も探しているのですか?」

 

「…まぁそんな所です」

 

「そうか。いや、俺もまだだ。見つけ次第アークス管制官に連絡を取ろうとーー」

 

「ーー待ってください!見つけたら私に連絡をくれませんか?」

 

「えぇ⁈いやでもーー」

 

そもそもコレはアークスからの任務であってーー。

 

「分かりました。それでは依頼でーー私から

 

「お願いしますね?」

 

「はぁ…分かりました」

 

その後はそのアークスと少し話しをして別れた。

 

 

因みに謎の龍とは会っていない。良かった。合わなくて。

 

 

その後旗艦して任務の報告とマグをカウンターに貸すーー因みに見返したらあのアークスと喋っていた時間が無かった。俺の位置情報もその場で止まっていたらしい。

 

…なんで?もしかしてヤバイ人だった…?

 

思えばあの睨み…いや、本当に?

 

そう何度も自問しつつ何時ものマイルームに。

 

いつもの様にお帰りとマトイが言う。

 

「お帰りなさい、ユウナちゃん」

 

「あぁ、ただいま」

 

最近髪の毛の色が薄くなってきたような…マトイみたくあんなに白銀まではならなくて良いかなぁ…。

 




間に合ったか⁈


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

75話目

アルミュールヘアーが当たったので。


 

 

 

「ねぇユウナちゃん。そろそろ髪の毛縛ったらどうかな?」

 

訳の分からないアークスに依頼ーー謎の龍を見つけたら連絡を、と言う依頼を受けて帰還後、マイルームテレビを見ていたらでマトイに言われる。

 

「縛るって…いや、後ろ見えないし」

 

「鏡を使おうよ。それに…地面に着きそうなくらいに伸ばしているとねぇ…何かあった時、自分の髪の毛踏んで転んじゃうよ?」

 

そう言いテレビの目の前にあるテーブルに鏡を置く。

 

「…ほら、俺って不器用だから」

 

「不器用な人がいきなり正体不明の敵を倒せる?」

 

いや、そりゃ謎の敵を倒さなきゃいけないんだからね?ゲームとかゲームとかで弱点になりそうな所を覚えて、ひたすら撃つしかない。

 

「…ほら、アークスに撤退の文字はーー」

 

「…そんな事どこにも書かれてないよ?」

 

「…え、うそ?」

 

「本当。ほら」

 

そう言いマトイが出したホログラムを、隣に座り見るーー本当だ、無い。そんな事どこにも書かれてない。と言うか危なくなったら撤退しろとまで書かれている。どっかの防衛軍とは違った。

 

「はぇ…本当だ」

 

と言うか本当に危ない状況だと逃げ切れないと思うんだけど。

 

「…兎も角、私が髪の毛縛るから。ほら、後ろ向いて?」

 

「あぁ」

 

 

ーーー アークス船団 ショップ エリアーーー

 

 

マトイに長かった髪の毛を結ばれてーー今はショップエリアにいる。

 

何でも買ってきてほしいものがあるからとか。

 

だったらマトイも来ればいいものを…。

 

などと思いながら一人ショップエリアをぶらつく。

 

買ってくるものである食材ーー何でもマトイが料理をもっとしたいと何とか…それで色々試したいから買ってきてくれ、だった。それなら尚更一緒に来ればよかったのに…。

 

買い物を済ませてーー勿論荷物はルームの管理者の方に行くようになっているーーショップエリアの中央、噴水がある場所に行く。

 

噴水に近づくとーー急に周りにいる人が止まった。

 

あれ?コレ前も…と思っていたらいつかの人に声をかけられた。当然後ろの噴水も止まっている。

 

「新たなマターボードが発生している。どちらにも揺らぐ天秤の様であり、揺るがぬ標の様でもある」

 

「…この声、シオンさん、だっ、でしたか」

 

そう言い噴水の前に現れた女性ーー眼鏡をかけた黒い髪の毛ーーが言う。

 

「得る者がいれば、得られぬ者も居る。それは摂理である。当然である」

 

毎回ーーといったって数える程しか会ってないが、中々、話しが聞きづらいな。

 

「しかし、ここにおいてそれは許されない。必然で無ければ成らぬ事象もある」

 

「私と私達は求めている。貴女が探し、貴女が得る事を」

 

「私と私達は信じている。貴女がそれを成す事を」

 

「すまない。申し訳ない。貴女に十分な情報が行き渡らぬ事を。私と私達は謝罪する」

 

「私は…貴女が望む形への変化を望んでいる」

 

「此れは…私達とは異なる。私の願いであり、望みだ。故に、今暫くの時間を求める」

 

一通り会話が終わるとーー前の女性ーーシオンさんが消えた。跡形もなく。

 

 

後ろの噴水が動き出し、周りにいるアークス達もソレを合図にして動き出す。

 

「…何時も訳わからない話ししてるなぁ…」

 

と頭を掻いて独り言を言い、マイルームに帰ることに。買う物は買ったし…後はマトイに任せるか。

 

ーーー ユウナ の マイルームーーー

 

ルームの管理者に買ってきて送られたものをカートに入れてルームの前まで運ぶ。

 

「マトイぃぃ?戻ったよ?」

 

「お帰りなさい!買ってきた?」

 

「あぁ、コレとーーまぁ、中身を見ておいてくれ、カートを返しておくから」

 

カートを返却後、ダンボールに入れられた食材をマトイと確認しながら冷蔵庫に入れて行く。

 

『ーー次のニュースです。惑星リリーパの奥地にてーー謎の地下坑道が発見されました。近くアークスはここの調査に入る予定です。アークス各員は準備をしておいてほしい、との事です。次のニュースです。惑星ナベリウスにてーー』

 

「…ユウナちゃん?今テレビで…」

 

「あぁ、地下坑道、か…」

 

「大丈夫?怖く無い?」

 

「だ、大丈夫だろ…いざとなったら逃げてくるから…」

 

地下坑道か…地上にいた機構種みたいなのがうじゃうじゃいそう。徹甲弾多目にマガジンに入れておくか。

 

「さて、マトイ?今日の晩ご飯はーーごめん、メールだ」

 

何作ろうか、と言おうとしたらマグにメールが。

 

ホログラムを起動して正面に立体化。メールの内容を見る。

 

「……すぐに来たか」

 

「…と言うと地下坑道探索任務?」

 

「…あぁ。それとダーカー反応もあるから注意、だってさ」

 

「本当に大丈夫?なんならお弁当作る?」

 

「いやぁ…流石に戦場でお弁当は…まぁ、軽い物を頼むわ」

 

 

ーーー惑星 リリーパ 地下坑道ーーー

 

 

一人でライフルを構えながら地下坑道を探索中にーーニューマンのアークスに出会った。

 

そのニューマンの男は…ボーッとしながら俺の方に歩いてきた。

 

「…………」

 

「お、おい?大丈夫か?」

 

返事が無い。もしや奥で何かあったのか?

 

「あ、す、すいません!少しボーッとしてました…」

 

「大丈夫か?見た所怪我とかは無いように見えるが…」

 

「いえ、怪我とかでは無いです…ちょっと考え事をしていただけで…」

 

「知り合いにアークスの仕事をサボっていたり手を抜いているのがバレてしまいまして…」

 

「怒られるかなぁって思ったんですよ。でも彼女はなんだが妙に優しくて…無理しないでって」

 

「あぁ、許してくれた、と思ったけど…なんか、こう…その言葉が凄く…グサリと来て、ですね…」

 

「彼女はーーあぁ、彼女って言うのはウルクさんの事なんですが…アークスに成りたくても慣れなくて…だから僕が代わりに頑張らなくちゃいけないのに……」

 

「なんだが、悔しいですね。僕の怠情を、彼女が彼女のせいだと感じているのがとても歯痒い」

 

「そんな事、無いのに…悪いのは僕、なのに…」

 

「…まぁ、なんだ。元気出せ?おにぎり、食うか?」

 

ナノトランサーからマトイが握ったおにぎりを出す。

 

「そう言う時は何かしら食べれば…こう、なんか、思いつくから。食べろ。俺も食うから」

 

「…はい」

 

二人でーー通路においてあるコンテナに座り食べ始める。

 

「…」

 

「…なぁ、名前はなんて言うんだ?」

 

「僕ですか?テオドールと言います」

 

「テオドールか。いい名前じゃ無いか」

 

「…いえ、僕には勿体無いですよ。そんな言葉」

 

「いや、人の名前には何かしら意味があるはずだ。自分の名前を誇れ」

 

そう横にいるニューマンーーテオドールに言って気づく。前の人生の名前ーー特に下の名前呼びが嫌だった。

 

とてもじゃないがこんな事人に言えないわな、と思う。

 

「…それで。なんだっけか?」

 

「はい。自分の事なのに彼女が、彼女の、自分のせいだって考えている事です」

 

「ふむ…テオドール…さんはどうしたいんだ?」

 

「呼び捨てで構いません。そうですね…取り敢えず自分を責めないでって思いますねぇ…」

 

「なんだ、わかってんなら素直に言えばいいじゃん」

 

「そうは言ってもですよ?彼女、僕の好きな物にすら言ってくるんですよ⁈」

 

いきなり俺の方を見て語尾を強く話す。

 

「ぉお⁈」

 

「例えば僕が好きな豆腐ハンバーグを…彼女は、ウルクは……ッ!」

 

「う、ウルクさんが…?」

 

「もっと肉入れないと力出ないって言って豆腐九割の奴に肉を八割入れたんですよ⁈もうこれ只のハンバーグですよ⁈」

 

「ぉお⁈」

 

最早驚く事しかできない。と言うかこの話からして…もしかしてウルクって人…テオドールの事、好きなのか?

 

「他にはですね⁈ーー」

 

それから約40分ほど経ってテオドールによるウルクの凄さ自慢が終わった。

 

 

「すいません、ユウナさん。今日はありがとうございました。お陰で少し晴れました」

 

「いや、まぁ、うん。良かったな。ウルクさんにもよろしく頼むわ」

 

そう言うテレポーターを使いキャンプシップに跳ぶテオドール。

 

いなくなったのを確認したのち呟く。

 

「…テオドールもウルクさんの事好きだろアレ」

 

適当に散策した後、任務を切り上げ帰還した。

 

それにしてもあの自爆して来るやつ…前世的に嫌な予感しかないぜ。

 




実はと言うと前回の下り、明らかにフライングしている間が否めない。

後もう一つ聞きたいのが今見たく所々日常的な話を挟むか、一気にEp1突っ切るか。どっちが良いのだろうか?


あと明けましておめでとう御座います。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

76話目

会話文を入れるとどうしても変になってしまう罠。口調が分からないんじゃー。


 

 

「…あっ、ユウナさん!こんにちは!」

 

デイリーで地下坑道の探索任務が出され、多くのアークスが地下坑道に出払っている。

 

無論俺もその一人である。

 

一人で坑道を調査ーー出て来る機構種の種類、弱点等をメモっていく。

 

それにしても分離してくる奴、アレはビビった。徹甲弾撃ちまくっても腕や脚が壊れるだけで這いずり回って追ってくる。

 

しかも壊したら壊したでコア部分が修理すると来た。

 

所で壊れたパーツが一瞬で直してるけどどっから来たんですかねぇ?ナノマシンか何かか?

 

2度ほどソレをやられて、その修理している所をーーコアを撃ったら両方ーー脚部と腕部とコアが爆散した。

 

他にも弱点部分に爆発物を乗せて、此方を見つけると突っ込んでくる野郎が居たりとか、さっき言った分離する奴の亜種みたいなーー黄色いヤツがいたり。コイツは修理するから真っ先に倒さないとまずいな。

 

他には…五機一組で行動する頭サイズの機構種とか。

 

後まだ会ってないが俺より少し大きいサイズの人型の奴も居るとか。しかも両腕部にブレードを装備していると来た。近接特化は引き撃ちしましょうねぇ。

 

まぁ、持久力ないから無理だけど。

 

ソードか何か近接武器持ってこないと危ない気がする。

 

そんなこんなでライフルを腰に抱えて歩いているとT字路にてフーリエと合った。

 

フーリエさんも調査任務を受けていたのだろうか?

 

「あぁ、フーリエさん。こんにちわ。そっちはどうだ?」

 

「こっちの進捗は…まだまだって感じです。ほら、あそこ」

 

そう言いフーリエさんが指を指す。

 

「んっ?」

 

指をさした先にはーー何時ものもふもふの生物がフーリエの事をずっと見ている。

 

「顔を出してくれるようにはなりましたけど……この距離以上は…まだ近づけませんね」

 

「いや…俺が言っていたのはソレじゃないんだがなぁ…」

 

まさか未だにあの生き物の事を考えていたとは…予想外だな。これは。

 

「そうでしたか?」

 

「えぇ、この地下坑道の調査、どのくらい進んだかって言うのを聞いたんですけどねぇ…。まぁ、そっちはその黒いーーいや、灰色?の生き物を調査、頑張ってくださいね?」

 

「えぇ!纏めて上に報告しますよ!」

 

自信満々に胸を叩くフーリエ。あっ、揺れた。

 

「所で触れるようにはなったか?」

 

そう言い視線をフーリエからあの生き物に戻す。

 

「いえ、それが全然…私も触りたくて近づきたいですが…逃げられそうで…」

 

「かと言って無理に近付いて怖がらせてしまうのも…嫌ですし…」

 

そう言うと視線でどうしましょうと投げかけてくる。

 

いや、知らんよと。俺もそこまで知らないし。

 

「…まぁ、なんだ。ゆっくり行けばいいさ。その内触れるようになるさ。きっと」

「あははは……そうだと良いですね……はぁ、なんか、面目無いです。これ以上は私から動けないんですよね…嫌われるのが、怖くて…」

 

そこまで考えていたのか。あぁ、嫌われちった。くらいの事かと考えてたわ。

 

だか、なぁ…。

 

そう言いフーリエの言う生き物を見る。

 

視線を外さず此方をずっと見ている。

 

頭からは俺と同じくミミが飛び出ていて、尻尾は…分からないが、その生き物が此方をずっと見ている。

 

と言うか…なんか、うさぎに似てね?

 

いや、二足歩行してある時点でウサギよりは頭は良いけど…うぅん…。よし、悩んでいても仕方ない。近づくか。

 

多分前回からして多分戦う事は嫌いのはずーー大丈夫のはずだ。

 

「…しかし…ふむ…なぁ、フーリエさん。俺ってミミ付いてるし尻尾もあるし…ワンチャン行けるかもしれない」

 

そう言い遠くで見ていた生き物に近づく。

 

ライフルを腰にーーいや、危機感を持たせるのはマズイな。ナノトランサーに入れちゃおう。

 

ライフルを菱形に圧縮して腰にあるバックパックに入れる。

 

「あ、あの⁈ユウナさん⁈」

 

「逃げられたらそれまでだって!ーーほら…怖くないからな?武器はない、ぞ…」

 

そう言いゆっくりと近づいてーー。

 

「そんな近付いたら⁈に、逃げーーあれ?」

 

前まで来たら生き物がーー手を差し伸べてきた。

 

「お、ありがと」

 

出された手を握りーーフーリエの方を向く。

 

「に、逃げ…ないの?」

 

そのまま生き物を抱っこしてーー獣臭いなーーもしや俺もこんな臭いが?

 

と思いながらも近づくフーリエ。

 

「ほら、逃げないぞ?こっち来いよ、フーリエさん」

 

ゆっくりとーー何時ものブースターを使わずゆっくりと足音を立てずに近づいてくる。そっちの方が怖いわ。

 

「えっと、あ、頭を撫でても…?」

 

『りっ!』

 

「りっ?」

 

『りりっ!』

 

「…まぁ、良いんじゃね?」

 

俺から言われ恐る恐る手を伸ばし頭を撫でるフーリエ。

 

『りっりっ!』

 

と目を細くしながら嬉しそうに鳴く。

 

「わぁ!凄いです!ユウナさん!何を言っているか分かるんですね!」

 

「いや、全然分からん」

 

「…えぇ…ほら、ビーストさんだからこう…」

 

「……」

 

「すいません嘘ですから!そんなに落ち込まなくても…」

 

『りぃ…?』

 

「ほ、ほら!腕を伸ばして頭を撫でようとしてますよ!ほらっ!」

 

生き物が手を伸ばして頭の撫でようと必死に伸ばしていた。

 

「そうか、ありがとな…名も知れぬ生き物よ…」

 

『り!り!』

 

その間もずっと頭を撫でているフーリエ。

 

「…あっ!今思い付きました!この生き物の名前、リリーパにしましょう!リリーパ族!」

 

そうは言うものの撫でる手は止めない。止まらない。

 

「なんでまた急に」

 

「ほら!りって鳴きますし、それにここ、惑星リリーパですし!」

 

「まぁ名無しっていうのもアレだし…んじゃ、リリーパで」

 

上が正式に決めることだから俺たちはフーリエさんと会った時だけ使うとしよう。

 

話している最中もずっと頭を撫でているフーリエ。

 

「はぁ……それにしても、怖がっていたのはこの子達じゃなくて……私だったんですね…」

 

「……私、やっと気付けました」

 

「んっ?何にだ?」

 

「……ユウナさん。ありがとうございます」

 

「いや、礼を言われることはやってないよ」

 

実際何故礼を言われるのか分からない。

 

「いえ、リリーパ族と触れ合えるようになったはユウナさんのお陰です」

 

『りっ!りっ!』

 

腕の中で抱っこされていたリリーパが手を使い地面を指す。

 

「降りたいのでしょうか?」

 

「かもな。よいしょっと」

 

片膝をついて安全に降ろす。

 

『りっ!りっ!』

 

手を振りながら何処かに消えていくリリーパ族。

 

「行っちゃいましたね…」

 

「あぁ…」

 

「…」

 

「なぁ、フーリエさん」

 

「なんでしょう?」

 

「…変な細菌とかウィルスとか大丈夫かな?」

 

「…一応帰ったらメディカル行きましょうか?」

 

「そうだな」

 

因みに帰ってメディカルチェックを受けたら何も異常無し、との事だった。

 

後、アレーー俺とフーリエさんがリリーパ族って言っていた生き物の名前が正式にリリーパ族に決まった。

 

早くない?と言うかそんな安価な名前で良いのだろうか?

 

因みにその後メールでフーリエさんから私が出した名前で決まりましたっ!

 

と喜びあふれるメールと通信をもらいました。

 

片方だけで良かったんじゃないの?

 




またマターボードをもらいに行きますよ。

これストーリーからオムニバスにしちゃダメ…?ダメェ…?

と言うかこれ女の子の意味ねぇなこれ。何かしら入れるべきか?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

77話目

どんどんリサへの属性が)追加されて行くぅ!


77話目

 

 

リリーパでの調査任務後、無事に帰艦してマイルームにていつもの様にヴィダブラスタを弄っているとジグさんからメールが。

 

内容はヤスミノコフ造兵廠から新型のライフルが出て入手したから見にこないか、だそうだ。

 

「はぇ…ジグさん以外に武器の設計出来る人居るんだねぇ…」

 

と思っていると追加でメールが。

 

内容は……オラクル船団内でワシの次に武器設計(銃器限定)を仕事としているヤスミノコフ氏の弟子が作ったライフルの事らしい。何でもジグさんも設計に関わったらしく5挺ほど譲り受けた。1挺貰わないか?

 

との事。

 

ヤスミノコフ…なんか日本人みたいな名前だな。と言うかなんで俺に?

 

そんな疑問が頭を過るが、それはすぐに消える。壁に掛かっている時計を確認してーー。

 

「…マトイ、はどうすっか…」

 

ーーいまの時間は…遅いな、20:00を回っている。

 

椅子から離れてマトイの部屋に。ポイントはもう寝ている。何でも管制官の朝は早いからだと。まぁ、俺も寝たほうが良いのは良いんだが……。

 

ドアをノックしてマトイに一言かける。

 

「マトイ?居るか?」

 

……反応無し。ドアノブを少し回しゆっくりと開けると……。

 

「……っはぁ……何でオラクル船団の人って肌を露出させたがるんだ…マトイも」

 

布団を被りーーだが片足がベットから落ちそうになっているマトイを見ながら言う。

 

まぁご覧の通りに寝てるんだ、しょうがない。夜は…まぁ、遅いが何も起きんだろう。一人で行くか。

 

と思いドアを閉めると奥から何かが落ちる音が!

 

「……マトイめ…落ちたか?…マトイ?大丈夫かーー⁈」

 

もう一度閉めたドアノブを回して中に入るとーー。

 

 

そこにはーーネイキッドな姿のマトイが地面に転がっていた。

 

「⁈は、はだ⁈何で⁈」

 

と言うかベットから落っこちたのか⁈なぜ置きない⁈

 

そんな疑問を抱きつつそのまま放置も可哀想なので、マトイをお姫様抱っこーーは握力的にキツイので、上半身をベットに載せてる。

 

「ぁ、いい匂い」

 

いやまぁ同じシャンプーなんですけどね?

 

そのまま下半身もベットに乗せる。

 

「はぁ、はぁ…」

 

女の体じゃ重いのもキツイなぁ……。

 

マトイに布団を被せて部屋を出る。

 

下の方は……うん。ほら、ね?

 

 

 

「…ふぁ…ねみぃ…」

 

目を擦りながらルームの鍵を閉めてジグさんの店であるペアーリに向かう。

 

暗い廊下を一人でコツコツと歩いていく。

 

端にあるテレポーター、と言う名のエレベーターに乗りショップエリアに。

 

そのまま目的地であるペアーリに到着。

 

『ジグさぁん?居ますかぁ?』

 

「おぉう!主か!待っておったぞ!さぁ、こっちだ」

 

奥からジグさんと数人の声が聞こえる。

 

俺以外にも貰う人いるのかな?と思いながらもそのまま上がる。

 

『あらあらあら?ジグさん?もう一人って彼女の事だったんですかぁ?』

 

『そうじゃよ。レンジャー二人にこの武器のテストをしてもらいたくてな』

 

そう言い渡されたのはーーいたって普通なライフルーー違う点を言うならば持って左側のサイドレールにグレネードランチャーが付いておりーーもう一度言う、サイドレールにグレネードランチャーが、である。

 

右側にはその他光学機器が付いている。

 

マガジンはドラムマガジン。これまた弾込めが面倒な…。

 

よく見ると上部レシーバーのレールと左右下部レールの長さが俺が今まで見てきた奴とーー20ミリレールと違う気がする。なんか長い、のか?

 

「こいつはウェポンシリーズと言ってな?アークス製のライフルに比べてパーツ数、剛性、あと量産し易さに力を入れたんだ。他にカルシ、ベリル、ステブの3種類がある」

 

ジグさんとリサさんの後ろから誰かが出てきたーーあれは…男の人、か?

 

 

『おぉう。どうだい?二人は』

 

そう言うと奥から出てきた男は俺とリサさんを見比べる。そして胸も。

 

「リサ先生は兎も角…そっちのビーストは大丈夫なんだろうな?俺は人とキャストに使って欲しいんだが」

 

ギロッと睨み俺に近付いてくる。ヤバイ、何かがヤバイ。何かは分からないけど、ヤバイ。逃げないと。

 

でも…ジグさんやリサさんが居るし…。

 

「ひっ⁈」

 

「それに…こんな奴が俺の武器を使うだって?冗談はよして下さいよジグさん。今からでも遅くありません、替えのーー」

 

そこまで言い俺の首を掴む。

 

『お、おい⁈』

 

ジグさんが慌てて手を出してこいつを止めようとする。

 

息が吸えない めをつぶる こわい いたい

 

「ーー人を、そうですね。コイツは…ヴォイドにでも売りましょうか?そうですよ、人じゃ無いんですしーー」

 

た す け

 

『あらぁ?ごめんなさぁい?指が誤作動を起こしてしまいましたぁ』

 

めをぎゅっとつぶりーー。

 

乾いた音が聞こえるとーーいつの前にか地面に倒れていた。

 

「うぁっ⁈」

 

俺の首を掴んだ奴を見るとーー撃たれた反動でそのまま壁にもたれ掛かる。

 

「ーーッ」

 

『あれれ?おかしいですねぇ?定期検査には以上が無いはずなんですがねぇ?』

 

「げほっ、っごほっ」

 

『大丈夫か?』

 

倒れた俺の元に近づいて体を抱え上げる。

 

後で聞いた、ジグさんに聞いた話によると、リサさんが貰ったライフルを片手で構えてーー俺の首を持つ手をーー撃ち抜いたらしい。

 

「くそっ!どうしてです⁈そんな生き物!いりませんよね⁈」

 

撃たれた手を庇いつつリサさんに言う。

 

「そんな獣みたいなモノを生やしやがって!消えろ!」

 

何処からかガンスラッシュを取り出し俺に向けて来る。

 

「…っぁ…ごほっ、げほっ」

 

アーマーにの裏に隠してある予備のハンドガンーー過去に使って以降整備の文字を忘れていた物を手に握る。

 

酸素が足りずに手が震える。

 

『ユウナちゃんは少し黙ってて』

 

リサさんが敵を見つつーー口を動かさずにミミに聞こえる声で言う。

 

『ねぇ?そこの人。彼女、私の弟子なんですけどぉ?どぉしてくれるのかしらぉ?』

 

「…⁈な、何でビーストなんてモノを弟子に⁈リサさん、そんなモノの前に立たないで下さい!」

 

そう言うとガンスラッシュを構えた男の間にリサさんが割って入る。

 

《リサ、これはアークス全体に蔓延るの。まさか彼奴の弟子が…》

 

《えぇそうですよ、ジグさん。これを正さない限り。多分アークスどころかオラクル船団が滅ぶわ》

 

『それはですねぇ?彼女の腕がーー私に及ばずとも近いからですよぉ?そんな彼女を殺そうなんてーー」

 

ライフルを置き腰のパーツが外れてーーハンドガンを飛び出す。

 

『ーーおいたが過ぎ過ぎてますよねぇ?』

 

頭にハンドガンを突き付けるリサさん。

 

「くそがっ!」

 

形勢が悪いと見るや即座に立ち上がり逃げようと走り出す。

 

『…ダメな大人はーーいえ、それよりも』

 

外に走って行く男を尻目に同じパーツから筒ーーサプレッサーを取り出してハンドガンに付ける。

 

外に歩き出しーーもう遠くにいる男に向けてハンドガンを握っている手を伸ばしてーー。

 

ーー乾いた音が1発、響く。

 

『私の弟子を侮辱した事……死んで後悔しないといけませんねぇ?』

 

 

リサさんこわい おとこのひとこわい

 

もうだれともあいたくない

 

めをあわせるのがこわい

 

たすけて

 

だれかーー。

 

 

『ほら、落ち着きなさい」

 

「…っ⁈」

 

びくんと震え逃げようとするユウナ。しかし足がもつれて倒れてしまう

 

『ほら、大丈夫だから…ジグさん」

 

『ほぉ、久し振りにリサの地声を聞くのぉ』

 

『そんなことは良いから。ユウナちゃん。渡して」

 

『ほれ』

 

『よぉしよぉし、大丈夫だからねぇ?怖い人は私が追い払ったからねぇ」

 

『…そうじゃ、リサ。歌でも歌ったらどうじゃ?』

 

『そうね。それじゃ……」

 

そういうとリサさんがうたをうたいはじめた。きいていると…なにかあんしんするこえだ。

 

このうたをきいているとねむくなる…めが……。

 

 

こくん、こくん、とユウナの首が揺れてーー次第には寝てしまった。

 

『…寝たよくじゃな』

 

『ーーえぇ、それにしてもですねぇ』

 

『あぁ、ヤスミノコフ氏の弟子があんなのとはのぉ…一部始終を氏には送っておくか』

 

『えぇ、お願いします』

 

『…なぁ、リサ』

 

『なんです、ジグさん』

 

『儂はの、もう性欲とか枯れ果ててるのだがの…』

 

『この子の胸…デカ過ぎないか?』

 

『…ジグさぁん?女の子にそんな事言ってはいけませんよぉ?』

 

『はっはっはっ!それもそうじゃの』

 

『では、私は彼女のルームに向かうので。先に帰りますねぇ?』

 

『…そうじゃ、リサは兎も角…ユウナの、このステブウェポンはどうする?』

 

『取り敢えず置いておいてください。これを見たことによってフラッシュバックするかもしれないので』

 

『分かった。置いておく』

 

『よいしょっと。それじゃあねぇ?』

 

『おう。またの』

 

そう言いユウナをおんぶするとそのままブースターを作動ーーせずに歩行して店から出て行った。

 

 

 

『…にしても彼奴…あんなキャラだったかのぉ…?』

 

そう言いながらもジグさんは六芒に連絡を取りーー今回の事件の内容と射殺したリサへの対応無し等色々と根回しを始めた。

 

『……案外、ビーストと我等の認識の差はダーカーより深いのかもしれないのぉ…』

 

 

 

 

 

『…と言うか私ユウナちゃんの事を弟子にしたけど…まぁ良いかな』

 

そう1人言いながらもリサは思う。

 

 

ジグさんの言っていた通り胸でかい上にもちもちじゃね?触った限り凄くすべすべなんですけどぉ。あれかなぁ?これが若さって事なのかなぁ?

 

考えているとちょうど肩に顔を載せているユウナちゃんの口が開く。

 

「ありが……り……さぁ……」

 

『……はぁ』

 

「此方こそ、ですよ」

 

発した声はーーやけに澄んで聞こえた。




そして圧倒的に読みづらい。

あれ?今Ep1のどこ……ここ?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

78話目

未だに14と15が仮面戦で落ちない事に)頭に来ますよ。後間隔空いてしまい許してください。


78話目

 

 

「………んぁ?」

 

目を開けるとーー自室の布団の上にいた。はて、ジグさんの所に向かった筈だったが…。

 

「……マトイかポイントか?」

 

もしや遅いと思い2人が迎えに来たと考えたが…そもそもあの2人は寝てたし、ポイントに至っては次の日管制の仕事があるからほぼほぼ起きないし……ではーー。

 

「だれが?」

 

いや、待て。そもそも昨日は何をしに行った?

 

ーー確かジグさんの所で…新型ライフルをどうたらこうたら、だったか?

 

「…そのライフル……いや」

 

それでライフルを見せてもらってーーいや、確かリサさんが居たはずだ。それとジグさんも。

 

んでそれで……それで……。

 

だめだ、それ以降が全然記憶にない。

 

部屋を見渡すと何時ものヴィダブラスタを置いてある所に見慣れぬライフルが置いてある。マガジンを抜き、ポートを解放して置いてある。

 

「……いや、まさか」

 

ありえない、とは思いたいが…もしや、酒を飲んでえっちい事をしてしまった可能性が…?

 

いや、酒は飲めないーーいや、それは元男の時の世界の話だ。コッチでは違う可能性もーー。

 

いや!あり得ない、とは言い切れないし…どうしたものか…。

 

調べる術は……なんかあったっけ?

 

元男とは言えソコは気になる。と言うか正直この身体がしょーー未使用かも分からん。

 

……と言うかこんな事を言うのもなんだが、未使用って……物みたいでヤダな。

 

うーんうーんと悩んでホログラムを弄っているとマイデータ、と言う項目を見つけた。と言うかあった。

 

それに触り見てみるとーーそこには、アークスの各々の今の状況とかどのくらい強いとかを見れるように数値化した物が書いてある。ーー書いてある、のだろうか?表示の方が正しいか?

 

と言うかこの欄初めてさわるな。生まれてこの方ゲームと言ったらロボゲーと戦闘機ゲーしかやって来なかった

から何かこう…RPGってこう言う表示してそうだな。

 

決して携帯型対戦車擲弾(てきだん)発射機では無い。

 

そう言えば擲弾で思い出したが、この世界で擲弾、破片で敵を倒す手榴弾とか意味あるのだろうか?熱で穴開けて更にその穴に熱をぶち込むH.E.A.Tみたいな熱兵器なら…貫通、するのかなぁ…。

 

現状手元にあるのはスタンとグラビィティの二つしか無い、と言うか知らないし…いや、あるのかも知れないけど。

 

最も現状貫通しなかった奴ってあの砂漠の奴ーーグワナーダ、だったか。それ以外は合ってないし…何とも言えない。

 

最も自分の中にある弾の大体のデータがゲームって事もあるし…やっぱり実際に撃たないと分からないこともあるし…。

 

そんな事を考え始めてしまい、今からやろうとしていたことが止まる。

 

…いや、そう言や俺何をしようとしたんだっけか。

 

一度考えるのをやめて、その場ーーマイルームの椅子に背中を預け更に考える。

 

「……そうだ!処ーー」

 

女かどうかを調べようとしたんだ!と声を続けそうになり、急いで口を閉じる。

 

「ーーっ……」

 

椅子から立ち上がり隣に続く扉を少し開けてーー良かった。2人は居ない。

 

ほっと溜息をつきーー自分のステータスを見る。

 

上からダーカー汚染をどのくらい耐えれるか、とか打撃や法撃、射撃にどれ位のフォトンを込められるかとか。

 

……込めるってどうやって?纏わせるのか?

 

他にも打撃、射撃、法撃を纏ったダーカーの攻撃を防御できるか、とか。

 

その次のページに俺の見たかったデータがある。

 

他人には見せられない様な物が数値化されている。

 

まるでーーいや、辞そう。

 

それをスクロールしていきーー良かった、何もなかった。

 

その欄には処女の文字がある。

 

今の状態すら見えるのかぁ…。

 

「えっちぃなぁ……」

 

しばらくそれをスクロールしながら見る。なんかこう、ねぇ?

 

「良かった、他に異常はない。んじゃ昨日は何が……」

 

…いや、そもそもこんな事を調べずとも良かった様な…?

 

いや、そもそも手っ取り早くリサさんに聞けば良いのか。

 

「…ぁ」

 

そうだよ、最初からリサさんかジグさんに聞けばいいんだよ!

 

そうと決まればゲートエリアにいる筈、そこに行こう。

 

 

 

 

ーーーオラクル船団 ゲート エリアーーー

 

左右の大型テレポーターからゲートエリアに向かい、そこに付属している休憩室にリサさんはいる。

 

と言うかこのテレポーターだかトラスンポーターだか知らないが……これ空間を直接繋げてね?

 

「えっと…すいません、今大丈夫ですか?」

 

休憩室でホログラムを弄っていた所に呼びかけてしまった。

 

『やっときましたねぇ。そろそろだと思いましたよぉ?」

 

と何時もーーまぁ、数回も会ってないがーーの語尾が上がる独特の話を聞く。

 

「は、はぁ」

 

それにしても待っていたとは?俺リサさんにメール送ったけ?カードは交換したはずだけど…。

 

『それでですねぇ?聞きたい事、あるんじゃないですかぁ?』

 

まるで何かしら聞きたい事を受けるために待っていたような話。もしや相当昨日やばい事を?

 

「も、もしかして、昨日失礼な事を⁈」

 

『いえいえ。特にそういうものは無かったですねぇ?……そうですね、マイルームにあるステブウェポン。アレはそのまま使用して良いとの事ですので』

 

「…あれ、は…まぁ、はい。所でおーー私のヴィダライフルは…?」

 

『ジグが何処の機関部のパーツが汚れやすいかとかを見たいからと言って回収していましたよぉ?多分アレは帰ってきませんねぇ』

 

あぁ見えて武器に関しては何かしら信条を持っているみたいですし、と言う。

 

「そうですか。分かりました。聞きたかったことは…まぁ、昨日何があったかなのですが…?」

 

その事を聴くとリサさんが一度長めに瞳を閉じてーー。

 

『……ユウナちゃん。貴女は、昨日の事、どこまで覚えてる?』

 

語尾の上がらない、普通の喋り方になった。

 

「えっと、リサさんとジグさんに会った所で…」

 

『と言うと後半丸々記憶に無し、かぁ…』

 

「…その…もしかして、ヤスミノコフさんの方に何かマズイ事を?」

 

『いえ、その逆。されたーーされそうになったのよ。貴女が』

 

「へ?」

 

俺が?なんで?

 

『考えてもみなさい。ある程度とは言え、まだこの船団にはビーストを敵としている人もいるのよーー逆にビースト至上主義なんてそれはそれでーー少し面倒な人達もいるけど』

 

「は、はぁ…」

 

『それに。貴女は周囲に目を光らせなさすぎ。そんな巨乳で、髪の毛は伸ばして寝癖も適当で…。そんなんじゃいつか股から液体流しながら売られる事になるーー』

 

「……股から……?ひっ⁈」

 

『かも知れないわよ?幸運な事に貴女の周囲には相棒って言って親しんでいる人も居るみたいだし…まぁ、気をつけることね』

 

「は、はいっ」

 

怖っ!オラクル船団怖い!ヤダもう家に帰ーーれないんだった。

 

『…まぁ、簡単に言うとヤスミノコフから来た人がそのビースト軽蔑者の人で。ユウナちゃんが怯えちゃってね?私がマイルームまで送って行ったのよ』

 

「あ、ありがとうございます?」

 

でも最後の最後に小さく、アレでも軽い方、って言葉を聞き、記憶に無いがヤバい人達と認識しておこう。

 

『まぁ、この事をヤスミノコフ氏に直接言ったら謝られたけど…まぁ、本人にって事で言っておいたわ』

 

「…そ、あ、その、俺を軽蔑した人は?」

 

『…ユウナちゃん。あまり気にしてはダメよ?知らない方が良いこともあるわ』

 

「は、はぁ…」

 

『さて。話は終わりかしら?それならいつもの調子に戻らせてもらうわね』

 

「は、はい。ありがとうございました」

 

そう言うともう一度目を閉じてーー。

 

『はいはぁい!それではさようならぁ!』

 

そう良い手を振るリサさん。いつも様子に戻った。アレがガチトーンなのだろうか?

 

 

ーーーオラクル船団 ショップ エリアーーー

 

それからショップエリアに向かいミルクアイスクリームチョコとイチゴ和えを購入してベンチで1人噴水を見ながら食べている。

 

噴水の目の前にある大きなテレビにはオラクル船団の進行方向、気温、任務の注意事項等々が流れている。

 

 

一人で黙々と食べているとーーショップエリアとゲートエリアを繋ぐエレベーターから見知った顔が出て来た。

 

あれはーー。

 

「ゼノさん?」

 

「よう、ユウナちゃん、元気ーーそうだな」

 

エレベーターから左頬を撫でながらゼノさんが来た。

 

「そう言うゼノさんは無さそうで。……所でエコーさんはどうしたんです?」

 

「いやぁ…それが…まぁ、ちょっと喧嘩しちまってな」

 

「あぁ……お話聞きますか?」

 

「…そうか。それなら少し聞いてくれーー」

 

「ーーまぁ、内容は何時も通りの、どうでも良い理由だよ。昔の事を何度も聞いてくるから、こう、カッとなって、怒鳴っちまった。そしてビンタされた」

 

よく見ると摩っている所に薄く赤い色が。

 

「どぉしてアイツは、終わった事を引っ張って来るのかねぇ…」

 

「さぁ、どうでしょうね?案外顔に出てるんじゃないですか?」

 

「そうかなぁ…エコーに考えている事見透かされたりするし。いや、でもなぁ…」

 

「大丈夫ですよ、ゼノさん。俺も顔に出やすいって言われるんで」

 

「お前の場合はミミと尻尾で分かるんだよーーほら、今もぴーんって立ってる」

 

「じょ、冗談じゃ……」

 

そう言いさっとミミと尻尾を触る。

 

ふと横を見ると少し顔が笑っているように見えるーーいや、今笑った。

 

「はぁ…俺が未だに引きずってるように見えるのかぁ?過去の事をーー10近く前の事を。どう思う?」

 

「…いや…過去の事は知らないんで…」

 

「…だよなぁ」

 

そう言い上を見上げるゼノさん。それにつられて俺も上を見る。

 

人工の空が広がる。

 

「…あの時ーー師匠が旅立って時にどぉして無理言ってでも付いて行かなかったのか…」

 

「10年前のあの時、どうして中距離の所に布陣していたのか」

 

「その他諸々盛りだくさん。思い出したら止まらない。アレもコレもって思い浮かんできやがる」

 

「あぁぁ…こりゃ俺が悪いな、俺のせいだ」

 

「『今を見てない』って…確かに、その通り、だな」

 

「話すだけ話してすまん、俺はちょっとアイツに謝って来るわ」

 

「そうですね。謝りましょう。ほら、後悔は後に立たないって言うし。人生なんて後悔だらけですよ」

 

「そうだな。謝ってくるわ。じゃぁな、ユウナちゃん」

 

「えぇ、それでは」

 

そう言い来た道を戻っていくゼノさん。

 

何と無くだが…肩が上がっているような気がした。

 




と言うか誤字を改修してくれる方は有難いですねぇ。P.h来るまでにEp1を終わらせたい(残り一ヶ月を切る)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

79話目

これファントム実装までに終わる?


 

 

 

ーーー惑星 リリーパ 地下坑道ーーー

 

現在暇なアークスはリリーパの探索任務を渡される。

 

探索任務といってもやる事は適当に歩いて構造をマグに記憶するだけ。後は管制官がやってくれる。

 

「あ、あぁ…こちら……んっ、ユウナ。開始地点に到達した」

 

『ユウナさんでしたか。こちらデュケット、了解しました』

 

う?この声…なんかポイントに似てる気が。そういや今までポイントと管制官として会話した事ないな。

 

「…まさか…ポイント?」

 

「えぇ、ユウナさんと一緒に暮らしているポイントーーもといデュケットですよ?」

 

「でゅ、デュケット⁈なんで⁈なんで、ポイントなんて⁈」

 

『いえ…アークス名を登録した時間違えて登録されてしまいまして…今はデュケットという名前で管制官とアークスの方に登録してありますよ?』

 

「…間違えて登録って?」

 

『…いえ、おかしな話なんですけどね?登録するためのコンソールが一人でに動いてポイントと入力してしまったんですよ。その後機械をメンテしても異常無し』

 

「はぇ…こわっ。一人で居るんだから辞めてくれよ、そんな話」

 

『しかもね?そのコンソール、タッチパネルなんだけど…私そのパネルに触ってないのよ。これはカメラにも取られてるわ』

 

「……ねぇ、デュケット」

 

『なんですか?』

 

「…かえっていい?」

 

『ダメです』

 

「そんな話をしたのが悪い、帰りたい」

 

『ダメ』

 

 

その後もデュケットさんと会話しながら通路を進んでいく。

 

途中、機構種とダーカーが戦闘している所を発見、デュケットさんに報告した所、マグでその様子を撮ってくれとも事だった。

 

念の為、銃を肩に当て左側にあるコッキングレバーを引いて初弾を装填、その後プレスチェックーー薬室内に弾が入っているかのチェックをする。

 

確認後左側レールにあるグレネードランチャーに弾を込める。

 

幸運な事にこのライフルーーヤスミノコフ造兵廠が作っている新たなパーツで上面、左右レール、下部レールに色々とパーツを付けられるそうだ。

 

それなんてピカティニー?

 

ゆくゆくは大口径サイトを発売するとの事。立体ホログラムサイトみたいな遮る物のないサイトってない?

 

それから数分程ダーカーと機構種の戦闘を録画した。

 

勝った方がこちらに走ってきたのでそのまま射撃開始、近づかれる前に倒す事に。

 

セーフティをシングルに。

 

トリガーに指をかけ、引く。

 

タン、タン、タンと空薬莢がエジェクションポートから3発の薬莢が転がる。

 

「ありゃ、全部はずれてぇら」

 

フルオートにモードを変更、15発程度撃つ。

 

肩にストックを当てて下部レシーバーを持つ。

 

上面のフロントとリアサイトに敵を定めてーー。

 

タタタタン!タタタタン!

 

ギィ…ギィ…。

 

絶命するとそのまま溶けて消えていく。

 

周囲を見渡し、敵が居ないのを確認する。

 

マガジンを抜き取り弾薬確認穴を見る。60の穴に弾丸が見えるから今60発か。

 

マガジンを挿入する。コッキングレバーを少し引き弾が薬室に入っているのを確認。

 

両手で保持して周りを見渡す。

 

「……ダーカーって、なんだ」

 

『何なんでしょうね。有機物無機物を侵食し、人すら侵食するーーまぁ、確率は低いらしいですけど』

 

「……なんかそんな敵STGに居たような…」

 

『STG?なんですそれ?』

 

「いや、何でもないさ。奥に進むわ」

 

『ねぇねぇ、ユウナちゃん』

 

「なんです?」

 

『今日の晩ご飯、カレーがいいな』

 

「…これ録音されてるんじゃないの?」

 

と言うか管制官がこんな風に喋っていいのだろうか?

 

『ほら、なんだかんだ言って管制官の数はアークス以上に多いからね?大丈夫でしょ?』

 

「え、マジで?」

 

『そもそも管制官ってオラクル船団の警察でもあるのよ?そもそも管制官ってアークスになれるけどフォトンを扱う力?っていうの?が規定値に立ってしてない人を雇ってるし』

 

「…なら船団は大丈夫か」

 

『私だってライフルを持って戦う位は出来るよ?』

 

「そりゃ頼もしい。その調子でウチの料理も頼むわ」

 

『流石にそれは…ねぇ?』

 

「なにがねぇ?だ」

 

銃のレール部分の凹凸が地味に痛いなと思いつつも奥に進む。

 

壁に書かれている謎の言語を録画しつつ奥に進む。

 

「ーーあっ!ユウナさん!こんにちは!今日は探索の途中ですか?」

 

それから更に進むとまたまたフーリエさんと会う。

 

「そうだよ、こっちはもう少しって所か。そっちはどうだ?」

 

フーリエさんの前には、少し前に名前が決まったリリーパ族がいる。

 

「私はーーまぁ、こうして近寄ったり触れ合ったりは出来るぐらいにはなったのですが…」

 

「りっ?りっ?」

 

「うん、そう。この人と私は仲間だよ?」

 

「りりっ?」

 

「うーん、分かってくれてるのかなぁ」

 

「これは分かってないな、間違いないーー俺、仲間」

 

「わかる?な・か・ま。と・も・だ・ち」

 

「りりりりぃ?」

 

と首を傾げて此方を見続けるリリーパ族。

 

「……とまぁ、肝心の言葉はこの通り。私の理解が追い付いてない感じですね」

 

「まぁ、翻訳もまだ無理っぽそうだしな」

 

「えぇ、何せこの子達同士は声で交流してる、と思うのですけど…私達と意思疎通が出来るかまでは…今は少し、分からないですし」

 

「りりりりぃ?」

 

俺とフーリエの会話に興味を示したのか足元から上をーー俺たちの顔を見る。

 

「ん?私とこの人?そう。友達」

 

「ーーってあれ?語数が同じ?…もしかして……でも…いえ、発声器官が違う…?」

 

「んっ?どうしたフーリエさん」

 

「りりっ!」

 

一言声を発すると俺とフーリエさんの足元を通り抜け奥に走っていくリリーパ族。

 

「あぁ⁈ちょっとまってぇ⁈」

 

「あぁ⁈」

 

「すみません!私、あの子を追いかけますので!」

 

「ちょっと……まっ…てなかったか」

 

『リリーパ族…成る程、私も初めて見ましたけど、あんな感じなんですね』

 

「そうなのか?デュケットさん」

 

『今まで呼び捨てだったんですからデュケットで良いですよ?』

 

「…まぁ、じゃぁ…」

 

『それにしても…うーん、リリーパ族が地下坑道みたいな物を作れるのか、ですかねぇ…』

 

「んっ?なんでそこからそこに⁈」

 

『いえ、だって最初はあのリリーパ族がこのリリーパにある建築物を作った者だと思われていたのですよ?それが開けてみたら言語と呼べるか不明の物。そう思う方が自然じゃありません?』

 

「ん?んん?」

 

『…まぁ、取り敢えずですね、もう少し進んだら終わりにしましょう』

 

「…分かった。適当に戦ったらまた録画頼むわ」

 

『はいはい、分かりましたよ』

 

と言っても中距離から狙ってトリガーを引くだけだけどね。

 

 

「ねぇ、ポイントもといデュエットさん、だっけ?」

 

『デュケットです』

 

「…アレ、見えてる?」

 

坂を登り、高台から周りを見渡すと、降りたところに新型の機構種ーー砲台らしき物が付いた機体が4機いる。

 

『…見えてます。照合開始ーー特定、敵機構種のデータはスパルガンです。上部の二連装砲に気を付けてください』

 

「情報それだけ?」

 

『えっと…他には撃たれたら吹っ飛んでめっちゃクラクラした、とかも有りますね』

 

「…交戦した方がいい?俺としちゃ任務内容は構造把握的な奴だから逃げたいんだけど」

 

『えっと…あ、報酬ありますねぇ!8000メセタ程ですね!』

 

「1機?」

 

『4機から8機ですね』

 

「…グレネード撃ち込めば爆散するかな?」

 

『情報によれば脚はそれなりに堅いものの弱点部分のヘッド部分はハンドガンやガンスラッシュ1発で大破するようです』

 

「……やるか」

 

『あともう一つ。敵スパルガンはゾンデ系に弱いようです。まぁ、機械ですからね』

 

「ゾンデ?」

 

『えぇ、ライフルの弾にゾンデを組み込んでみては?』

 

「は?ど、どうやって?」

 

『確かアークス製のオプションパーツがあるはずですよ?後でリサさんに聞いてみては?』

 

「あぁ…まぁ、うん。聞いてみるわ」

 

『それじゃ、お願いしますね?夕飯はカレーですよ?』

 

「……はーー」

 

『ーーレトルトはダメだからね!』

 

「…はぁ…」

 

なんかウチのポイントもといデュケットさん、公私混同だっけ?してない?オペレーターってそんなに自分と暮らしてる人のアレやこれ言っちゃって良いの?

 

そんな事を思いつつ通信を終えて敵を見る。

 

敵はスパルガン4機。内2機は後ろを向き弱点が見える。

 

この距離は分からないが…行けるか?

 

どうせなら双眼鏡にどの位離れてるとか書かれている奴を買えば良かった。今はそう思う。

 

「…頼むぜ、当たれよ…」

 

 

そう思いながら、高台に伏せてバンマガジンを地面に当てる。

 

丸っこいから中々定まらないがーー。

 

パン!パン!パン!と連続して発砲音が響く。

 

耳の横でエジェクションポートが下がり薬莢を排出する。

 

薬莢が地面に落ちる音がまた響く。

 

 

ギュイーン!

 

という音を出しながら残り3機のスパルガンが此方に向かってきた。

 

「やっぱダメか!」

 

モードをフルオートにしてトリガーを引きっぱなしにする。

 

タタタタタタッ!と音が響く。

 

スパルガンの脚や砲台に当たる。

 

流石に近づかれたら痛い。ナノトランサーからディフェーズシェルと書かれた弾をランチャーに入れる。

 

ぐわっ!と脚部を振り上げ俺に攻撃して来ようとするスパルガンにディフェンダーシェルを撃ち込む。

 

ランチャーから発射されるフォトンで覆われた榴散弾が放たれる。

 

複数の球がばらけてスパルガンに穴を開ける。

 

「よしっ、次!」

 

そのまま突っ込んでくるもう一体のスパルガンをフルオートで弱点部分と脚を撃つ。

 

モーター音を鳴らしながらもバランスを崩し弱点が露わに。

 

そのまま頭部分を狙い、機能停止、爆発した。

 

不利と見るや最後の一体は撤退を開始。

 

此方の武器は射撃兵装なので逃げるスパルガンに向かって残りの40発を撃ち切る。

 

バレルから白い煙が出る頃にはスパルガンも居なくなっている。

 

マガジンキャッチを押して空になったバンマガジンを手に取りナノトランサーに入れる。

 

残りは何時もの30連のマガジンのみ。

 

「後でバンマガジン買うか」

 

『それなら注文しておきます?』

 

「このディフェンダーシェルとかも頼むわ」

 

『りょーかい。私の分も頼んでおくわねーー後そうそう、目標達成しました、帰還してください。カレー、マトイさんと一緒に楽しみにしてますね?』

 

「……」

 

はぁ、出来れば作っておいてほしいなぁ…。

 

と思いながら転送されたテレポーターを潜る。

 

ググった先はーー。

 

「またオレンジジュース買うか」

 

サーレクスの機内だった。

 

『当機は間もなく、キャンプシップと合体します。少しの間揺れますがーー』

 

さて、その前に座るとするかな。疲れたし、揺れるらしいし。

 




Ep6はどうなるんでしょうねぇ…そろそろアクセ枠増やしても良いんじゃない?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

80話目

訂正 P.h来るまで終わるかな?→pso2終わるまでに終わるかな?

後この小説だとストーリーは最短距離の過去に戻るのは最低限にします。俺の技量じゃそんなの無理や…


 

 

 

 

ーーユウナ と デュケット(マトイ) のマイルームーー

 

「ねぇ?ユウナちゃん?デュケットさんもお休み貰ったらしいから明日三人で何処かに行こうよ」

 

「んぁ?」

 

リリーパの探索任務から帰還して、ルームでソファに腰掛けてゆっくりとテレビでニュースを見ていたらコレである。

 

『ーーですからてん…えっ?はい、はい。ここで臨時ニュースです。オラクル船団正面に複数のーー』

 

「だからね?遊びに行こう!」

 

どうやらテレビでは船団進路上に複数の大型ダーカーが居るらしく、それを排除するらしい。

 

『ーーこれを受けオラクル船団及びアークス本部は防衛隊に出撃命令をーー』

 

「…遊びって…どこに」

 

マトイに聞き返しつつニュースの続きを聞く。そういや最初の時は焦ったな、このニュースを聞いて。

 

幸い、調べたら結構な頻度でくるし、万が一突破されても百隻ちょっとの戦闘艦が攻撃を仕掛けるから船団に来ることは‘まず無い’らしい。

 

『ーーヒュプノス第1飛行大隊、パーン第4飛行大隊、ペルセポネー第8飛行大隊の144機がーー』

 

正直フラグにならない事を祈る事だが。

 

「うーん、カーティス自然公園って言うのがあるらしいの!そこに行こうよ!」

 

「し、然公園?なんでそんな…?」

 

「ほら、外を見ると建物しかなくて…私、森を見てみたいの。ダメかな?」

 

「まぁ、俺は別に良いが…ポイーーじゃなくて、デュケットさんがどう思うかどうか…」

 

「やった!私デュケットさんにも相談してくるね!」

 

「あぁ⁈まだ帰ってきてないぞ!」

 

カウンターに向かおうとするマトイを止める。

 

『ーーYAStMf-4 モルガンの先行量産型を用いて迎撃戦を行うとのことです。フマルさん、どう思いますか?』

 

『そうですね、フラビンさん。私が思うにーー』

 

リモコンの電源を押してテレビを消してカウンターにマトイを追いかける。

 

ーーーショップ エリアーーー

 

「あははは…ごめんね、ユウナちゃん」

 

あの後マトイを追い掛けてカウンター直前のテレポーター通過後に捕まえられた。

 

カウンターには任務を受け付けるする人しか居ないから言っても意味ないと言い、そのままショップエリアに向かう。

 

「頼むから最後まで聞いてくれよ…」

 

「ごめんって」

 

「はぁ……」

 

ショップエリアのベンチに座り噴水を見る。

 

「……ねぇ、ユウナちゃん」

 

「ぁあ?」

 

「ありがとうね」

 

「何を急に」

 

「ほら。私を…拾ってくれたから?そのお礼」

 

「…まぁ、あの流れじゃ、登録されてないしねぇ…」

 

この船団に居る人は、どんな境遇であれマグとマグに付加された認識コード的な物を持っている。

 

アークスだとそれに加えて現在位置、カメラによる録画。倒した数の方向等色々とある。

 

…認識コード的なのを知らないのは内緒。

 

市民も確実どんな場合でも携帯させろと言われていて、さっき言った認識コード他、ダーカーが市街地に現れて交戦状態になった場合、少なからずマグにもフォトンを纏わせた攻撃が可能な為、それで所有者が逃げる為の殿となる。

 

ーーまぁ、大破した場合は指紋等生体データで特定出来るからまた貰うことも可能らしいが。

 

「……いや、まて。マグがフォトンで攻撃できるのは…?」

 

「ん?どうしたの?」

 

確か…ダーカーに攻撃ーーいや、ダメージを与えられるのはフォトンのみ。それでフォトンを扱える人が攻撃すればダメージは入るーーライフルはちと違うが。

 

「…もしかして…」

 

死んだアークスの脳を…?

 

「ユウナちゃん⁈」

 

「ひっ⁈…ど、どうした?マトイ?」

 

マトイの耳元での声により驚く。

 

「もう、何度読んでも答えないんだから!ミミを食べる所だったよ!」

 

「…ミミを…?」

 

食べーー食べる?

 

「うん、フェリアさんが『ビーストはミミや尻尾が弱点だから、そこを触れば気付くよ』って言ってたの」

 

「…いや、それ動物やん…」

 

待ってくれよ…いくら外見が…これは…犬系?なのか?だからって…それはないよ…。

 

『ーーれでですね、今飛行大隊パイロットに召集がくだって任務の説明を受けているようです。今回もーー』

 

「…?そうなの?動物って言うと…あれ?」

 

マトイが指を指す先にはーー複数のペットを散歩させている男の人を視界に入る。

 

「そうだな。ああいう四足歩行の生き物とか、鳥、狐…狐?それにドラゴンに……は?」

 

狐…は兎も角、ドラゴン?いや、小さなワイバーンか?何でそんなものが…いや、そもそもアレってデカくならないのか?

 

飛んできて戦うことになるとかやめてくれよ?

 

「へぇ!ああいうのがペットって言うんだ!私も欲しい!」

 

それを見て欲しいと言うマトイ。

 

「…いや、お決まりだけどさ、ちゃんと買える?第一、俺たちのマイルームってペット禁止ーーぁ、噛まれてら」

 

だが…そうだな。金魚的な小さな魚なら…行けるか?

 

「……痛そう」

 

マトイの視線の先に居るペットの飼い主は…犬に噛まれ、狐に尻尾でペチペチされーーあれはじゃれているだけか?ーー鳥に顔を突かれ、ドラゴンに至っちゃ…なんか口から変な球を飛ばしてるし。

 

「…あれでも欲しい?」

 

「…痛そうだからやめて置くわ」

 

「…そうか」

 

『ーーた、アークス総合技術開発本部が人型兵器のコピーに成功、近々ーー』

 

「マトイ」

 

「んっ?なぁに?」

 

「そろそろ帰ろっか」

 

「…うん」

 

「…そうだ。今日は三人で食べに行こうか」

 

「…良いの?」

 

「まぁ、そうだな…デュケットさんの名前が分かったから、それの祝いって事で」

 

「…ユウナちゃん。今まで聞かなかったの?」

 

「…いや…あの部屋割与えられた時に初めて顔を合わせたけど…そん時にポイントって言ってたし…」

 

「…でも名前はデュケットさんなんでしょ?」

 

「あぁ…まぁ、手違いがーーってコレ言ったーー」

 

「あぁああ!ユウナちゃん⁈どうしよ⁈私達のパンツ、服に挟んで無い!」

 

「ーーか?…ぇ?」

 

「だから!マイルームで干してる服類の間に入れるはずだったパンツ!カゴに入れっぱなしかも⁈あれ?どっちだっけ?」

 

「…まぁ、帰ろう。取り敢えずそれからだから」

 

「う、うん」

 

そう言い俺とマトイは手を繋いで帰った。

 

 

因みにだが帰った後、デュケットさんも帰ってきて夜は外食って言ったら思いっきり嫌な顔をしやがった。こっちだってレシピ見ながら格闘してんだよ!時には休ませてくれ。

 

 

 

 




今回猛烈に少ないです。仕方ないんや…仮面が石を落とさないのが悪いんーーあれ?落ちない…そもそも15はオフスだけ?な、なんとぉぉぉ⁈ラストエリクサーかよぉ⁈

後アクセサリー枠後4枠くれよ!後獣耳もっと増やして

と言うかこの駄文的な何か読んでる方居ます…?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

81話目

せんせぇー!シオンレッグが落ちません!


 

 

 

ーーー惑星 リリーパ 地下坑道ーーー

 

「…よし、任務開始」

 

キャンプシップのテレプールから飛び降り地下坑道入り口に到着する。

 

付近には他のアークスの簡易休憩所的なテントが複数貼ってある。

 

『はい、分かりました。コレより任務を開始。ユウナさん、無事の帰還を。ーーあと』

 

その奥には大型のリフトが置いてあり、そのリフトに乗って坑道に向かう。

 

「ん?」

 

『肉じゃが。食べたいです。マトイさんも言ってました』

 

「マトイは知らないだけだろ…どうせポーーデュケットさんが吹き込んだんでしょ?」

 

『バレました?』

 

そうデュケットさんの話を聞きながら地下坑道に繋がるリフトのボタンを押して、下に向かう。

 

「……人参、じゃがいも、豚肉と白滝、グリーンピースを用意しておいてくれ。後はレシピ見ながら作る」

 

にしても…このリフトやけにデカイよな…あの人型兵器を載せていたりしたのだろうか。

 

『さっすが!早く帰ってきてよね!』

 

「…自分で作るって事は考えないのか…」

 

今回も同じく地下坑道の探索である。前回とは変わり少し深いところにいる。

 

他のアークスから来たデータによると。

 

「…地面から針が出てくるのが…そんなリョナみたいなのは…」

 

どうやら通路に所々針が出る場所があるらしい。最もアークスの戦闘服ならフォトンによって貫通しない、との事だが……うーん…。

 

「…注意して進むしかないか…」

 

コッキングレバーを引き初弾装填、プレスチェックを行いちゃんと薬室内に入っているかを確認。

 

サイドレールのランチャーにディフェンダーシェルと名付けられた口径の大きい弾薬を入れる。

 

リアサイトの横についている調整器を回して、ほお付けした時に見やすい位置に回す。

 

ストックの長さは最短。照準器があるなら兎も角、唯のアイアンサイトなので見やすさ重点で。

 

モードをセーフティからフルオートに。

 

「どうせならサイトのところに残弾数とか書かれないかなぁ…」

 

S.Fに良くある武器の如く、残弾カウンターがあればなぁ…と愚痴る。

 

愚痴ったところで変わらないが。

 

因みにこのディフェンダーシェル。ヤスミノコフ造兵廠が作った物をくれた。1ダースを20個程。合計240発。

 

俺としちゃグレーネードシェルの方が良いんだがなぁ…。

 

因みにヴィダブラスタ時代に使っていたグレーネードシェルはサイズが合わず使えませんでした。

 

お陰で全部デュケットさんに放り投げだよ。

 

…こっちの方がサイズでかいんだなぁ。

 

銃口を片手で上にあげて進んでいく。

 

…と言うか此処って地下坑道って名前つけられたけど…坑道って山の中を切り開いた道の事じゃ…?

 

今回はリフトからだったけど…色んな所に入り口あるらしいからなぁ…まだアークスも把握しきれてない。だから俺らが任務に行っているわけだが。

 

 

 

「あ!ユウナさん、こんにちは」

 

それから何回か機構種と戦闘を行い、探索を進めていくとーー何時もの様にフーリエさんと出会った。横にはリリーパ族もいる。

 

と言うか最近探索に出るとフーリエさんにしか会ってない気が…。

 

「こんにちは。そっちはどうだい。リリーパ族とのーー」

 

「りぃ!」

 

「ーーおぉ?会話に入り込んでくるとは…」

 

周囲を見渡し敵が居ないのを確認すると安全装置をかけて腰にセットする。

 

「ふふっ、きっとこの子も挨拶してるんですよ」

 

「そうか。……ああ…なんだ、フーリエさん、触っていいか?」

 

片膝をついて目線を合わせる。

 

「…りりぃ?」

 

「なんだって言ってんだ?フーリエさん」

 

「…うーん、女の子なのかって聞いてますね、コレは」

 

「……」

 

…此処でその質問をしてくるか。…確かに身体は女の子だ。確認した。胸もでかいし、ケツも…うん。だが中身は男である。最近慣れてきたけど。

 

と言うかどうやってリリーパ族はーーいや、なんでそんな疑問が思いが浮かんだんだ?

 

「…?ユウナさん?」

 

また考え始めるとフーリエさんが此方を覗き込んできた。

 

「あっ、いや、なんでもない。ーーんで、まぁ、話は変わるが、そっちの進展はあったか?」

 

「えぇ!あの後もこの子達と色々話していて、私、気付いたんです」

 

「完全に理解するんじゃなくて、感覚で分かれば良いって」

 

「感覚、で?」

 

「えぇ!感覚ーーもっと言うとなんとなく、で分かれば良いんです」

 

「そもそも発声器官も違いますしーーいや、まぁ…少し考えれば分かるのですが、完全理解は無理な話で……いやはや、付き合わせてしまって申し訳ないです」

 

「いや、良いってことよ。メセタは貰って……んっ?」

 

そう言いや俺、フーリエさんにリリーパ族を探して欲しいって言われて、報酬も出すって言っていて……あれ?俺報酬貰ったっけ?

 

「りりぃ!」

 

「うん、そうだねぇ、大丈夫だからねぇ。気持ちでなんとなくわかり会えば大丈夫だから…」

 

地面に座りながら話を続けるフーリエを見ると、今更聞くのもなんか…ねぇ?

 

「ふふ、なんだかこんな事を言うのも…少しおかしな感じですね」

 

「り、りりぃ!!」

 

「分かった、分かりましたって!」

 

「…あぁ…なんて言ってんだ?」

 

「それはですねーー」

 

「りりっ!りぃり!」

 

「…言わないでほしいとの事です」

 

「…言わないでって…」

 

「りりっ!」

 

「あぁ⁈ちょっと、どこに行くのぉ⁈すいません、ユウナさん!それじゃあ、また今度ぉ⁈」

 

「りっ!」

 

そう言い先に走っていくリリーパ族の後をついて行くフーリエさん。

 

「…何を言っていたんだ、アレ…」

 

一人残された俺はそのまま奥に進む事に。なにせノルマは行ってないからな。

 

と言うか強引に話を切り上げられたな。

 

 

 

フーリエと一方的に別れた後、歩ける所を確認しながら奥に進む。

 

そろそろ疲れたのでナノトランサーに入っている飲み物を飲もうかと考えつつ、なんか敵と会わないなと始めた矢先、視界に背を壁に預けた人影が見えた。

 

「……ぉあ⁈おい!大丈夫か⁈」

 

「その声は…ユウナさんですか?」

 

「な、なにが…⁈て、手当を!」

 

ナノトランサーからトリメイトを取り出しディアさんの口に突っ込む。

 

「げほっ、げほっ」

 

「つ、突っ込むのは不味かったか⁈渡すからゆっくり飲んで、そう。ゆっくり」

 

確かトリメイトはフォトン含有が一番多かったはず。多少はコレで……。

 

「あ…きちんと挨拶出来ず…申し訳、ありません」

 

「そんな事はどうだって良い!何があった⁈」

 

「少し、怪我をしただけです。そうです。ゲガです」

 

「怪我って…おま、それ…」

 

ディナの状況を見るとーー切り傷多数、よく見りゃ目に血が入ってる。

 

「取り敢えず撤退だ。連れて行くーー」

 

「待ってください。ゲッテムハルトさんを、待たないと」

 

「そんな状況じゃねぇ!?トリメイト飲んだとはいえ死ぬかもしないんだぞ⁈第一!ゲッテムハルトさんは!」

 

「私は…ゲッテムハルさんと確実に帰るって…シーナ姉さんと約束したんですーーぐっ…」

 

「ほら見ろ!そんな状況じゃねぇぞ!それにゲッテムハルトさんがいねぇじゃないか!」

 

「ゲッテムハルトさんは…此処で待ってろって…」

 

「…移動させるのはダメか…」

 

背中の壁に預けているディアの隣に座り、膝の上にディアの頭を乗せる。

 

「…あと、ユウナ、さん」

 

「なんだ、痛いところがあるのか⁈」

 

「い、え、そうでは…なくて……甘いものと、飲み物は、有りますか?」

 

……ぇ、飲み物?

 

「…の、みもの?」

 

「はい…流石にここまで…血が流れると…水分が…」

 

「分かった、分かった。10リットルくらいオレンジジュースがある。それで良いか?」

 

「ありがとう…ございーーげふっ!」

 

「なぁ、やっぱり帰ーー」

 

「よォ!ディナ!終わったぜ!さっさと帰ってメディカルルームにーーおォ?お前はーー」

 

嫌がるディアさんを無理やり背負って撤退しようかを考えていた矢先、心配していたゲッテムハルトさんが帰ってきた。

 

「えっと、こんにちは」

 

ナノトランサーから使い捨ての紙コップにジュースを入れてディアさんに渡す。

 

「…飲みます?」

 

「おぉう、俺は要らないから。ーーその様子だとディアをどうすっか迷っていた見てェだな」

 

びくっとミミと尻尾が立ったのが分かった。と言うかゲッテムハルトさんこえぇ!デカイし!

 

「…そ、そうですよ。ゲッテムハルトさん。ゲガ人をこんな所に放置だなんてーー」

 

恐る恐る言ってみる。いつ敵が出てくるからわからない状況で一人は少しーーいや、凄くマズイと思うのだけど。

 

「あァ?それに関しては大丈夫だ。ここいら一体動いている奴ら片っ端から壊しまくったからな。それにーー」

 

「おーーい!ディアちゃゃん!」

 

「ゲッテムハルトォォ!何があったぁぁ!」

 

俺が来た道から男の声と女の声が。この声は…。

 

「ほらっ、甘々の甘ちゃん(友)がきたぜ」

 

「…この声は…エコーさんと…ゼノさん、か?」

 

「あァ。流石に俺でもディアをおぶって帰るのはーー出来なくはないが、流石に、な?」

 

そう言い手に付けたナックルを外すゲッテムハルトさん。

 

俺の膝枕の上に横になっているディアさんを抱え上げーーえぇ⁈お姫様抱っこ⁈確かに小さいけど⁈

 

「おう!ゲッテムハルト!応援って何をーーうぉ⁈」

 

「ちょっとちょっと!ディアちゃん怪我してるじゃない!」

 

「そうだ。エコー、ゼノ。四人で入り口まで帰るぞ」

 

「ちょっと!ゼノ⁈ゲッテムハルト⁈人付き合い悪すぎない⁈」

 

エコーさん、それ人使いじゃないの?

 

「なんて言ってるぜェ?ゼノよォ?」

 

それを聞いたゲッテムハルトさんがゼノさんの方を向いてフッと笑い言う。

 

「……はぁ…エコー、お前、もう忘れたのか?」

 

「…ぁ」

 

数秒ほど間が空いてエコーさんが小さく呟いた。

 

「そういう事だ。コレでおあいこって事だ。さぁ、帰るぞ。ところでユウナちゃんは?」

 

「あぁ…まだ任務が終わってないので」

 

「そうか。分かった。気を付けろよ」

 

「えぇ、先輩達も。幸運を。無事に帰還してくださいね」

 

「おう!頑張れよ!」

 

「それじゃあね、ユウナちゃん」

 

「じゃぁな。また今度な」

 

「…ユウナさん、ありがとうございました」

 

そう言い四人は俺が来た道を戻っていった。

 

「……次からアフィンでも呼ぶか?」

 

と言うかマトイがアークスならなぁ…訓練場で見せてくれたテクニックーーアレが有ればすげぇ楽になるの思うんだけどなぁ…。

 

そんなこんなを思いながら先に進む。多分もうそろそろで終わるでしょ。

 

 

 

「……確か…この辺に…何処だっけ…」

 

 

なんて事を思ってたら見つけてしまったよ…いつかの仮面。

 

仮面はソードを持ちながら日たら周囲を見ながら首を傾げている。

 

「…あれ、確かこの辺だった…よな?記憶違いか?」

 

そう言いながら仮面を外しーー。

 

「…やっぱり、あの顔と…ミミと尻尾は…」

 

マグではなく古いカメラを使い仮面をズーム、シャッターを押す。

 

「取れたか」

 

カメラをナノトランサーに入れてもう一度仮面に視線を合わせる。

 

「……帰るか」

 

そう仮面は言うとタリスを上に投げてーー紫黒い色に包まれ消えた。

 

 

「…………」

 

アイツはーー仮面は何かを探している?だが…何を?ここいらにいると言えば機構種だが…ダーカーに機構種を混ぜる?

 

『……ユ……デュ……おう……』

 

ダーカーの弱点であるコア部分を機構種みたいな重金属で覆われたら確かにきついが…だが、いや、だったらダーカー全軍でここを抑えればいい。そのあと施設を使って作ればいい。なのになんでしないんだ?

 

 

『……ユウ……さ……ユウナ…ん!』

 

「んぁ?デュケットさんか?」

 

耳に入ったデュケットさんの声により立っていた俺の体が動き始める。

 

 

『よかっ…なんで…通…悪い…です…が、任務は完了しましーーあれ?感度が良くなっている…?』

 

 

「……まぁ、それは後で話すわ。帰還する」

 

『はい。テレパイプ出しますねーーお帰りなさい、ユウナさん』

 

「まだ帰ってないけどな」

 

まぁ、帰ったら帰ったで今度は料理ーー肉じゃがらしいがな!




最近思う事。ゲッテムとその姉妹を改変しちまったお陰で最後どうするか迷う。

感想待ってます(誤字脱字は許して)


一並び替えとかはパソコンに限るわ。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

82話目

リアフレに15落ちた


 

 

 

ーーーマイルームーーー

 

「あぁぁ……疲れたぁぁ…」

 

殆どのアークスが自分のマイルームに帰り休んでいるかテレビを見ている頃。

 

やっと自分の仕事ーー晩御飯とその後片付けーーが終わりやっとゆっくり出来る。風呂でも入ろうか、と考え始めた時、史実の部屋の扉がノックされた。

 

 

「はぁい。どっちだ?」

 

「私です」

 

「いや、どっちだよ」

 

「マトイです。ユウナちゃんも一緒に観見よ?」

 

「見よって…何を」

 

ベッドから降りて適当に買ったズボンと長袖を着る。

 

「うん。コメディ…かな?デュケットさんが凄く笑ってるからーーぁ」

 

「ぎゃはははっ!」

 

そう言いマトイがテレビのある方を向くと、凄い、なんか…マンガみたいな笑い声が聞こえる。

 

「……まぁ、行くわ」

 

「…うん」

 

そう言い扉を閉めてふと思う。

 

デュケットさんてあんな笑い方だったか?と。

 

 

 

ーーーオラクル船団 ゲートエリアーーー

 

翌日。

 

ゲートエリアの休憩室で座って待っていると久し振りのニューマン姉妹のパティとティアから連絡が来た。

 

マグに映像を出すように指示を出し、空中に投影される。

 

 

『ーーあっ!こんにちわ!みんなのアイドル、パティちゃんだよぉ!』

 

『ちょっと!パティちゃん!何そのアイドルって⁈ーーこほん、ユウナさん、こんにちわ。妹の方のティアです。お久しぶりですね』

 

「えぇ、お久しぶりです。どうしたんです?急に?」

 

『えぇ、私達がやっている情報屋の方であるオーダーが出ましてね。それの討伐依頼がーーあっ、ちょっと!パティーー』

 

『ーーそう!その名は!ロックベア!私たち三種族を遥かに越す身長!それによって生み出されるパワー!さらにさらにーーぁ!ちょっとティアーー』

 

『ーーもう!パティちゃんは少し黙ってて!…えっとね?惑星ナベリウスにて多数のロックベアが出現、D因子の濃度も高いらしくて…空の討伐依頼が出てるの』

 

「……何体倒すんだ?」

 

『出来るう限り、だって。でも報酬自体一体倒せば貰えるから』

 

「…よし、やってみるか。人数制限とかある?」

 

『全くないよ。強いて言うなら死なない事かな。只でさえアークスは万年人手不足だし』

 

死人も多いからねぇ、と横でパティさんが言う。

 

『まぁ、任務ーークライアントオーダーって言うんだけど。それ。ユウナちゃんに送っておくから』

 

「…それって複数人で組んだらちゃんと他の人も貰えます?」

 

『うん。貰えるよ。管制官にマグを渡したら勝手に照合されるし』

 

「そうか。分かりました、友達呼んで行ってきますよ」

 

『うん。お願いね。私達も何%か貰えるから』

 

そう言い投影された通信を着る。成る程、オーダーってそういものだったのか。

 

「…アフィンを呼ぶか」

 

デバイスに投影させてーーマグからでも出来るが、専用のモノを用意するか各マイルームに設置してある充電器的なモノに置かないとエネルギーが回復しないらしい。

 

戻ったら常時そこに置いているけどーーフレンドの項目をタッチしてアフィンを呼び出す。

 

ホログラムメニューの上に更に投影されてーーアークス言語、と言うか半ば英語で

 

Now Link

ーー ーー

Connecting

 

と表示される。

 

右上にはOffLineとまで出てるし。

 

 

15秒程掛けたが…出ない。

 

何か用事でもあったのだろう?

 

「…はぁ、しゃぁない」

 

通信を切り空中に投影されたホログラムを閉じる。

 

と言うかコレ、ホログラムで合っているのだろう?

 

マガジン取って背中に付けている白いステブウェポンがちゃんとあるのを手で確認してカウンターに向かう。

 

「結構いるな」

 

10個ほどある任務を受注するカウンターには複数のアークスがごった返している。

 

「…少し待つか」

 

まだまだ日は早い。数分すれば開くだろう、と思いながら左右にあるATMの様な機械ーー決してAnti.Tank.Missileでは無いーーの前に行く。

 

 

が其処も人だかりが。

 

仕方ないマグで自分の倉庫に接続して整理でもしようかと考えた時、声をかけられた。

 

「おう!そこのビーストちゃん!」

 

「は?」

 

投影された自分の倉庫を見ずに言われた方向を探すーー後ろ?

 

振り向くと其処には金髪グラサン黒人という余りにもーーそう、映画なら最初に死ぬか最後まで生き残るか的な人が立っていた。

 

…と言うか戦闘服かっけぇな。

 

念の為周囲を見渡しーービーストは俺以外居ない。

 

「…え、俺?」

 

「そうだよ、そう!その様子だとアレだな?情報屋からオーダー受けたみたいだな?」

 

「何でそれを?」

 

いきなり話しかけられて、しかも受けたオーダーすら分かってたら少し警戒する。

 

「何でってそりゃ…オレも受けたからだよ。だがなぁ…ロックベアだっけ?ちっと怖ーーいや、上手い人のログを調べてたら偉い上手いビーストが居てだな?それがおたくだったわけよ」

 

と言うかよくよく考えたら普通に会話してたらか聞こえてたかも知れんな。

 

って言うかそんなに俺って強いの?ひたすら戦闘避けてるだけなんだけど。

 

「…いや、え?」

 

と考えていたらなんか凄いことを言い始めた。ぇ?俺の戦闘ログを?こう言うのって誰でも見れるの?

 

「混乱してる様だが続きいいか?」

 

「え?うん」

 

「それでな?誰しも初めて戦う敵は怖いじゃん?それで手本となる物が欲しいんだよ」

 

「う、ん?」

 

確かに怖い。と言うか戦いたく無いです。

 

「それでおたくに頼むわけだ」

 

「…うん?」

 

「まぁ、要するに。オレがおたくにオーダーを出すから戦い方を見せてくれって話だ。俺は手本を見れるし、おたくはメセタを貰える。win−winの関係だと思うぜ?」

 

確かにメセタを貰えるけど…うーん、まぁ、ただ戦闘シーン取るだけだし…良いかなぁ?

 

「…うーん…まぁ、討伐行くし…受けるよ」

 

「そうこなくっちゃな!ーーそうだ。オレの名はハンス。覚えてーーんっ?」

 

そう名乗った黒人ことハンスさん。なんか本当にすぐ死にそうな気がしてきた。黒人って事が余計に。

 

「どうしました?」

 

「…いや、どっかで見た気がしてな?」

 

「…ぇ?」

 

辞めてくれよ、こう見えて視線がーー色んな視線が痛いんだから。まぁ、今更一人増えたって変わらないのか?

 

「…うーん…まぁ良いか!取り敢えずパートナーカード。交換しようぜ!」

 

「う、うん」

 

そうハンスさんは言うとホログラムを投影してこっちに投げてくる。

 

「…ん?クラスが無い…?」

 

ハンスとだけ書かれたカード。本来クラスが入っている所は空白だった。

 

「あぁ、それか。いやな?どのクラスにするか迷っていてなぁ?」

 

「あぁ、それで」

 

それならば納得。まぁ、第8世代って書かれているからどれでもできるだろうし、別に良いか。

 

「そう言うおたくはレンジャーか。良いねぇ」

 

「どうも。まぁ、近付かれたらおしまいですけどね」

 

「なぁに、近付かれなければ良い事よ!ーーよし。交換完了!それじゃ頼むぜ!クライアントオーダーって所にあるはずだからよ!確認してみな!」

 

「お、うん」

 

クライアントオーダーと言う項目をタッチ、数個ほど受けている依頼が表示される。

 

「ハンスさん、ハンスさん、ハンスさん…あぁ、ありますね」

 

そこには森林地帯に潜む罠と言う題名でロックベアの撃破と言う内容の依頼がある。

 

「…結構ネーミングセンス良いっすね」

 

「だろ?それが出ているって事はちゃんと受け取ったみたいだな。終わったらこっちに来てくれよ。報酬を渡すからさ」

 

「分かりました。ーーそれではまた」

 

チラッとカウンターを見ると空いてきた様だ。話を切り上げ向かう。

 

「おう!またな!」

 

手を振りながら言うハンスさん。

 

なんか凄く、ハイテンションな黒人さんだなぁって思うわ。凄く話し掛けやすい。

 

「アフィンと違った話しやすさかな」

 

と言いながらカウンターに向かった。

 

 

ーーー惑星 ナベリウス 森林ーーー

 

 

依頼を受けてナベリウスに舞い降りる。

 

ステブウェポンを手に取りコッキングレバーを引く。

 

当然マガジンが刺さってないので、コッキングレバーが最大まで引かれた状態で固定される。

 

開いたエジェクションポートから1発弾を飛び出して横から入れる。

 

何でもこのライフル、と言うかアークスが使うライフル、大体がエアガンの如くパーツ交換でアサルトライフルにも、バトルライフルにも、スナイパーや軽機関銃にもなる様に設計されている、システムウェポンって言うのか?それらしい。

 

なんか米国とかでXMなんとかとかストーナー的なアレかな?

 

まぁ、前回まで使っていたヴィダブラスタはブルパップライフルだったが…今回のはよく見るトリガーの前にマガジンが有るタイプだ。

 

 

こう言うのってなんて言うんだろ?

 

 

それは兎も角。後退したエジェクションポートの中にある空いた薬室内に、マガジンから抜き取った弾を1発入れてみる。

 

「…ダメか」

 

入らなかった。行けると踏んだんだがな。

 

仕方なく弾をマガジンに入れて挿入する。

 

リリースボタンを押してボルトをリリース。

 

プレスチェックを行い入っているのを確認。

 

モードをフルに切り替える。

 

さて、準備も終わった事だし…進むか。

 

 

何でも少し歩けば結構な数の目標に当たるらしい。

 

さっさと倒して帰ろう。

 

 

ーーーオラクル船団 パティ&ティアのマイルームーーー

 

「ねぇ、パティちゃん。ユウナちゃん、ちゃんと他の人を誘って行ったかな?」

 

「流石に誘うっしょ!中型クラスとは言え'基本'は一人で戦わないし!」

 

「だよね。一人で中型から大型とタメ張れるのは六芒均衡くらいだもんね」

 

「そうだよ!私の妹は心配性だね!」

 

「…でも。もしも…一人で行ったらどうしよう」

 

「…はっはっは!流石に無いでしょ!」

 

「パティちゃん。ユウナちゃんがビーストって覚えてる?」

 

「…ぁ」

 

「今から連絡すべきかなぁ…私達の初めての情報を買ってくれた人だし」

 

「うーん…一応、カウンター行こうか?」

 

「…うん。そうしよう」

 

 

ーーー惑星 ナベリウスーーー

 

 

いつもの様に向かってくる敵だけを倒しながら奥地に向かう。

 

それにしても…中々出てこないなぁ…。

 

ライフルを片手で持ちながら、左手に付いているタリスを見る。

 

そう言やコレ、フォースとテクターに正式に使える様になるらしいなぁ…後ニューマンだっけ?系列が。

 

一応俺もニューマンらしいから使えるらしいけど。

 

 

そういやアークスからジグさんに情報が行ったのか、あの仮面が行ったタリスらしきもので空を飛んだりしたら奴、オラクル側の技術で再現してみた、って言ってたな。

 

タリスに装填されているタリスって言うかカードを空中に撃ち出して好きな所に止める事が出来るらしい。

 

パシュ、とタリスを真上に撃ち出す。オレンジ色に光っている。

 

んで更にタリスが止まった所に行こうとすればーー。

 

 

「ーーぉ」

 

ーーご覧の通りタリスを固定した所に、別次元を通して跳べる、らしい。

 

高度約5メートル程。

 

「…ぁ」

 

因みにだがフォトンによってどんな高度からでも落ちてもあまり痛く無いらしい。

 

 

ーー少し高さに驚いておしっこ漏れたけど。

 

 

技術の限界か仮面はD.Fの能力を併合して使い何処にでもワープ出来るのに対して、こちらのタリスは50メートルほどが限界(更に使える距離は20メートル前後)らしい。

 

ストンとゆっくり降りてーー周りに敵が居ないのを確認して、戦闘服を一時的に脱いで用を足す。

 

「…あぁぁ……」

 

尿が出る音が鳥の鳴き声に紛れ鳴る。

 

用を足し終わりナノトランサーから入れっぱなしよ完全自然分解のか柔らかい紙を出す。

 

「……」

 

それを優しいタッチで吹いて地面にポイする。

 

それが5秒後にはスッと溶けて土と帰る。

 

「…慣れないなぁ…色々」

 

女の子になって良かったと思う反面、色々とアレである。

 

マトイやデュケットさんは兎も角、他のアークス女性戦闘員の目がね…こう、怖い。ビーストだからって言うのもあるかもしれないけど。

 

 

今は何も無いが…何処か相談できる人、居ないかなぁ……ぁ。

 

「…リサさん?」

 

くらいかなぁ…のってくれるかなぁ…。

 

 

そんな事を思いながら戦闘服を着なおしてもう一度探しに向かう。

 




俺にシオンレッグよこせオラっ!



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

83話目

さっさとEp1の6を終わらせよう


 

 

 

ーーー惑星 リリーパ 地下坑道ーーー

 

 

「はぁ…捜し物ーーあのパーツを探せって…」

 

今回はいつもの任務ーーそれに足してある事をジグさんから言われた。

 

創世器、クラリッサの足りないパーツの捜索及び回収。

 

コレを依頼された。何もこんなだだっ広い坑道をプランもなく来たわけではない。

 

前回遭遇した仮面。アイツも何かを捜していたような気がする。

 

そしてそれが合っていた場合、捜していたのはクラリッサのパーツの可能性が高い。

 

何せナベリウスの凍土でも交戦したからな。もう二度と戦いたくない。

 

いや、数的有利なら…。

 

などと思いながらいつものチェック開始、初弾装填、安全装置解除からのモードをフルに。

 

 

「よっと…そうは言ってもよ。ココにあるって確信なんてあるのか?」

 

 

遅れて降りてきたのはーー相棒ことアフィン。

 

一人じゃ絶対無理なので呼んできた。

 

レンジャー二人って不利じゃね?近接が居ない。

 

「少し前に来た時に仮面がココで捜し物をしてたっぽいんだよ。それに賭けるしかない」

 

「俺は賭けることは嫌なんだがな。そんなん考えずに体を動かせば見つかるだろ」

 

「…俺は動くのが嫌なんだよ。それに俺だって訳わかんない所で掛けたくないさ。だが賭けるとこがココしかないんでね」

 

いやだな、と言いつつアフィンもチェックを開始。

 

「まぁ、適当にやって終わらそう。こっちは一個持ってるんだ、流石にオラクル船団に奇襲をかけてまでは来ないだろ」

 

「そうだな。さっさと終わらすか」

 

そう言い通路になっている道を進む。

 

改めて見るとこの通路の下ーー水で一杯なんだな、貯水ーーにしては何かが違う。機構種を造るのに使っているのだろうか?

 

「なぁ、アフィン。この下の水って何に使ってるんだろ」

 

「大方機構種を造る機械の冷却とか?ーーいや、もしかしたら水に見えるだけで他の液体の可能性が…?」

 

「情報は?上がってきてないのか?」

 

「今調べるーー」

 

そう言いアフィンは立ち止まりモニターを投影して検索し始めた。

 

「横失礼するよ」

 

投影されたモニターには惑星リリーパで確認されている機構種のデータ一覧と惑星の気候が載っている。

 

「ーーあぁ。……無いな。報告に上がってない」

 

今の段階ではそれらしきものはなかった。

 

「…アレか?誰しもが誰か上に上げるだろうって思って上げてないパターン?」

 

「…まぁ、俺が上げておくよ」

 

「おう頼む」

 

そう言いながら道を進み、十字路になったり行き止まりになったり…色々あった。

 

更に少し経つと上に向かう坂を見つける。

 

「ーーと言うと…これ、ベルトコンベアーか何かあるか?」

 

「多分な。それに高台だ。周りを見渡すのも良いだろうし」

 

「ちゃんと周りが見えれば、だがな。ーーそうだ、軽食、食うか?」

 

「軽食?レーションか?」

 

「アホ、んな訳あるか。お握りだよ。ライスボール。分かるか?」

 

「いや、流石の俺でもその位分かるから。っていうかハンバーグ頼んだ時食べてたじゃん」

 

「……ぁあ。それもそうか」

 

「…相棒。忘れてたな?」

 

「はいはーい。そんなこと言う子には上げませんよ」

 

そう言うとアフィンは俺の前で頭を下げて手を合わせてきた。

 

「ごめんって!ね?ほらっ⁈」

 

「えぇ…どんだけお前必死なんだよ」

 

「そりゃ好きな子から手作り食えって言われたらねぇ?」

 

「…確かに。そりゃそうだな。……って言うかまだ諦めてないのか」

 

「当たり前だろ。所でランクは?」

 

「まだ友です」

 

「やっぱりかあぁ…何が足りないんだ…一体…」

 

「…好感度?」

 

「ゲームかよっ!」

 

「よっしゃ、チート使って好感度爆上げしてやる」

 

「まともに上げてくれ。ーー因みに俺が相棒の好感度を上げるには?」

 

「……そうだな、全宇宙からダーカーを消滅?」

 

「お前それ無理ゲーじゃねぇか!」

 

「貴方なら出来るわ」

 

「何が出来るわだよっ!おだてて出来たらアークス居ないわっ!……」

 

「………ぷっ」

 

「あはははっ!」

 

「あっはっはっ!ほんとっ!何が出来るわだよっ!は、腹が!」

 

「おまっ、今のどこに、そんなにわ、笑う場面が、くっ、ふふっ、ふふっ!」

 

「あはははっ……あぁあ。本当、相棒と話してると、なんか楽しいや」

 

「おまっ、急に笑うのやめっ、ごほっ、げほっ」

 

「おぉ、大丈夫か?相棒」

 

「げほっ、ごめん、助かったわ……」

 

「ほら、さっさと行こう。相棒のオニギリ食べたいしね」

 

 

そう言い俺とアフィンは高台めざし、階段の無いバリアフリーな坂道を登る。

 

 

「ほれ」

 

「おうーーこれ中身なんだ?」

 

「シャケだ、しょっぱいだろ」

 

ナノトランサーからおにぎりを取り出しアフィンに渡す。

 

「……んっ、美味いな。久し振りに食ったな」

 

そう言い二口、三口と口にお握りを入れていくアフィン。

 

「握っただけのおにぎりが美味いか。世も末だな。ほらっ、もう一個。ーーお前の母親は?」

 

ナノトランサーから更にもう一個取り出しアフィンに渡す。

 

「…基本材料入れてボタン押せば料理は出てくるからなぁ…」

 

「……S.FだーーS.Fだったな、これ」

 

そうだった。俺本当にSFの世界にいるんだったな。そりゃ当然か。

 

「S.F?なんだそりゃ」

 

「まさしく今の俺たちの事さ」

 

寧ろアフィンの言う事はもっと軽い事なのだろうか?前にやっていたゲームだと食べる物が全て合成食品で、生物を口に入れるのに抵抗があるって話だった筈。それをAIに食わないと死ぬぞって言われてイヤイヤ食うのも思い出す。

 

「今の俺たち…?まぁ、いいや。んでそれでーーなんだっけ?」

 

「アレだ。料理についてだろ?」

 

「あぁ、そうだった。んで各家にーーマイルームにもある筈だが、そこにある機械に材料入れてくれれば、後は勝手に機械がやってくれる」

 

「…んじゃ、手料理は?」

 

「他は知らないが、俺は誕生日だけって感じだな。小学校も中学校の時に聞いたが…他は…ねぇ?」

 

「ねぇってどう言う事だよ」

 

「作ってもらった事ないってさ。味は…ほら、機械だから完璧だけど…親が作った料理の方が美味かったな。味は少し変だったが」

 

「へぇ…つう事は俺が親以外での初めてって事か」

 

「あぁ、初めてだな」

 

「……」

 

そう言いながら俺もお握りを口に入れる。

 

…んっ?初めて?俺が、アフィンの?

 

「……なんだ?どうした?顔を赤く…そめ、て……」

 

待て待て待て!なんで直ぐにそっちに行く⁈第1!俺は男だぞ⁈アフィンは男でーーだが今の体は女の子だ。

 

あれ?正常?

 

「……」

 

「その様子…何か俺恥ずかしい事言ったっけ?…恥ずかしい事……うーん……初めてって言葉か?初めて…初めてねぇ…はじーーぁ」

 

そこまで言うとアフィンは小声でいう。

 

「……」

 

「…先に進もっか」

 

「…うん」

 

「…なんか…ごめん」

 

 

 

「ーーおい。見ろよこれ」

 

あの後少しアレな空気になりつつもお握りを渡したら解決した。

 

そんなに人が作るものは美味いか。

 

 

……ラフリで食ったやつも既製品なのか?

 

「これは……確か…アレか?」

 

俺が示した壁には懐かしいーー死にそうな状況になりながらも脱出した砂漠での脱出劇ーーの前に写真を撮った遺跡にも会った文字だった。

 

「……そのアレがアレかは分からんが…ほら、ロボットに乗った時に見つけた言語。アレに似てね?」

 

「確かに。だが流石に俺は言語学者じゃないぞ。居るか?周りに」

 

「……あの人ーーいや、違うな、居ない」

 

脳裏に浮かぶはアキ博士とその助手、そしてロジオさんだった。

 

後者は地質学者。前者は多分生態系の学者。どちらとも違う。

 

取り敢えず写真に撮ってこの先どうやって探すかを考えていた時。

 

横から声が聞こえた。

 

「ーーあれ?そこに居るのはユウナさん?それにアフィンさんも?」

 

「ん、その声は」

 

「えっと、フーリエさんかな?」

 

「えぇ、そうですよ。奇遇ですね、こんな所ーーってユウナさんとは結構合ってますね」

 

そう言いながら通路奥から現れたフーリエさん。後ろにはリリーパ族が二匹いる。

 

「そっちはーーって後ろに連れているな。成功したか?」

 

「えぇーーあれ?その後ろの文字…この子達の描く絵に似てますね」

 

「りっ!」

 

それを見たフーリエさんとリリーパ族が声を上げる。特にリリーパ族が。

 

「…ぇ⁈もしかして、読めるの⁈」

 

「りりっ!りっ!」

 

手を使いどうにかして伝えようとするも…全くわからん。

 

「こっちだ、って言ってますね。何かあるのでしょうかね?」

 

「すげぇな。毎回思うが分かるもんなのか」

 

そう言うとリリーパ族はーー小さな穴しかない壁と言うか物の残骸と言うか…それを通り抜けて反対側に向かった。

 

「ぁあ⁈まって!まって!私も行きますからぁ⁈」

 

そう言いフーリエさんと後を追う。

 

「あぁ…行っちまった…振り回されてるなぁあの人」

 

「いや、振り回されてるだろアレ」

 

「しかしどぉするよ相棒。あの狭い所には流石に相棒のおっーー」

 

ずどんっ!と言う大きな音がして取り上げず床に伏せる。むにゅっと胸が地面に着く。

 

「きゃぅ⁈な、なんだ⁈」

 

「お、あい、後ろ!ーーって相棒すっげぇ!」

 

アフィンが言いたいであろう事をスルーして後ろを見る。

 

「え…う、ぉ…」

 

後ろを振り返るとーーそこにあったはずの残骸と言うか…まぁ、道を塞いでいた物が無くなっていた。

 

どんだけ炸薬使ったんだ?火器だけじゃ無くならないだろうに…。高性能爆薬でも持ってんのか?フーリエさんさ…?

 

「…あぁ…フーリエさん?何やってんだよ!おい!」

 

「発破です!」

 

そう言い俺たちの方向を向き親指を立てるフーリエさん。

 

「そーじゃねぇよ!んなの見りゃ分かるっての!」

 

「あれ爆破じゃないの?」

 

「いえいえ!ユウナさん!あんな適当に爆発させるのとーー」

 

「俺の話を聞けよ!なんでんな事してんだって聞いてんだよっ!」

 

「だってこうしないと通れないじゃないですか。ほら。綺麗になったから通れますよーーぁ」

 

そこまで言うとフーリエさんは話を中断させて奥へ。

 

「居ました!まって!待ってよぉ!」

 

「……なんて言うか…活動的だな、ありゃ…どうする?付いて行ってみるか?俺は疲れたよ…判断は任せる…」

 

フーリエさんとリリーパ族の案内で更に奥に進み結構広いところに着いた。

 

「りりっ!りー!」

 

「りっ!りーりぃ!」

 

「うん、うんうん。分かった。ユウナさん、このまま真っ直ぐでいいそうですよ」

 

二匹なのか二人なのか未だに少し悩むリリーパ族を言葉をフーリエさん経由で聞く。

 

「今ので…本当に話出来てるのか…?俺には全く分かんねぇけど…」

 

それを不思議思ったアフィンがフーリエさんに聞く。

 

「大丈夫だ、おれもわからん」

 

「あははは…勿論、私も全部分かっている訳では無いですよ?」

 

「えっ?」

 

「ただ、言いたいって言うことが分かるようになった。それだけです」

 

「あっちかこっちか。今はそれが分かれば十分ですしね」

 

「さっ、行きましょ。あの子達、気まぐれですから。飽きないうちに目的地まで付かないと」

 

「あっ、そうだ。フーリエさんもお握り食べます?」

 

「本当ですか?それでは…」

 

「りっ!りりっ!」

 

「りぃ?」

 

フーリエさんにお握りを渡すとリリーパ族も首を傾げながら、本人達からしたら謎の白いナニカを見つめる。

 

「フーリエ。リリーパ族にも渡すか?」

 

まぁこの様子だとあげてくださいって言うのかなと思っていたら真反対のことを言われた。

 

「いえ。もしかしたら食べれない可能性もありますし、もしこれを持ち帰って何かあったら大変ですから。渡すのはやめましょう」

 

案外まともな返答だった。

 




そう言やクロノスとアンフィトリエ一個ずつあるけどラストエリクサーに掛かって交換出来ない。

あとEp6のDの人はまともでいてくれよ…(ラストリゾート的な意味で)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

84話目

やっと終わった…


 

 

 

ーーー惑星リリーパ 地下坑道ーーー

 

 

「りりっ!りー!」

 

「りぃ?りりっ!りー!」

 

ある程度リリーパ達について行くと大きな広間に出た。

 

そこの奥にはーー色々なハンガーが有り壊れた人型兵器の残骸で埋まっている。

 

周りに銃座など固定火器も置いてあり、何に対して備えてるのだろうか?此処まで侵入される前提なのだろうか、と考えながら周りを見渡す。

 

「あはは…嬉しそう。アレなら見て分かりますよね?この先に見せたい物があるようです。近付いてーー」

 

そう言いフーリエさんがリリーパ達に近付こうとするとーー。

 

「……なんだ、この音…」

 

ミミを立てて聴くーータイヤと地面が擦れている音…?

 

「んっ?どうした?相棒」

 

「静かに……」

 

「……この音は…タイヤと金属が擦れている音、ですかね?」

 

「そんな音聴こえるのか?一体どこから…?」

 

「……ユウナさん、分かりますか?」

 

「……ぇっと……後ろ、上⁈」

 

風を切る音と共に俺たちの後ろにーー今まで見たことも無いサイズの大型機構種が現れた。

 

ギィィィ!

 

逆関節だか鳥足だかの装備したーーあれ?コイツ⁈

 

「ぅお⁈なななっ、なんだ⁈」

 

「下がれ!下がれ!アフィン!あの時追ってきたやつだ!デカイぞ!」

 

両腕部を合わせ挨拶の様に火花を散らす。

 

「マジかよっ!」

 

俺とアフィンの二人がライフルに手を伸ばしトリガーを引こうとする。

 

「待ってください!」

 

フーリエの左腕部がアフィンの前に出る。

 

「まだ攻撃してくる可能性は低いです!せめてこの子達を!」

 

「りー!」

 

「りりっ!りー!」

 

リリーパ達が俺たちの目の前に立つ機構種を指差しながらフーリエさんに近づく。

 

「奥?守る?機械?ーー成る程、あの機構種は差し詰めガードマンって事ですか」

 

「どうすんだよフーリエさん!」

 

「ーーたしかに撃っては来ていません、しかし…あの子達の言っていた捜し物が彼処にーー」

 

すると鳥足についているであろうタイヤを走行装置を動かし俺たちの周りをゆっくり回りながら残骸の目の前に向かい、止まる。此方向いてを静止して

 

「……奥に行かなければ襲ってこないかも知れないですけど…そうもいきませんよね?」

 

「ユウナさんにはお世話になりましたし、微力ながら私もお手伝いしますよっ!」

 

背後に背負っていたランチャーを握りマガジンを装填する。

 

「ーー危ないからちょっと隠れててね?いいって言うまで出てきちゃダメだよ?」

 

「りぃり!」

 

そう言うとリリーパ達は入ってきた入り口まで戻りーー座った。

 

「りりっ!りー!」

 

「りりぃ?りー!」

 

「ふふっ、応援してくれるようですよ?」

 

「……あの機体が有れば倒せるんだがな」

 

脳裏に浮かぶは乗った機体。フーリエさんとか居るから無理だが…いずれアレも量産されるだろう。リバースエンジニアリング出来たってテレビで言ってたし。

 

「やるしかないでしょ?」

 

「そうは言ってもだな…こんな小口径弾ーー俺らからしたらデカイが、アイツからしたらエアガンだぞ?装甲どのくらいあることやら」

 

「…いえ、多分あの様子だと20センチはないかと。脚部に腕部ーーあんなに脆い所はありますし、胴体も下半身上半身で分かれてます。何とかなりますよ」

 

そう言いフーリエさんが後ろに下がる。

 

「ランチャーはそんなに動けません、お二人が前に出て戦ってください」

 

「さぁ、やろうぜ!相棒!」

 

そう言いフーリエのクラスター弾を合図に左右に分かれる。

 

敵機構種ーー後でトランマイザーと名付けられるのだがーーの頭上で1発の弾が割れて中から小爆弾が降り注ぐ。

 

「撃て!アフィン!撃て!」

 

「分かってるよ!」

 

左右に分かれると取り敢えず撃てそうなところに撃つ。

 

アフィンはグレネードを撃ち脚を狙う。

 

ステブウェポンの上部レールに付いているリアサイトおフロントサイトの中心にヤツーー後に分かったがトランマイザーと言う名前らしい。ずっとタランマイザーって思ってたぜーーを入れてトリガーを引く。

 

雷管が銃弾のケツを叩きやっきょうの中にある火薬に引火、薬莢と弾頭が分かれ、弾頭だけがバレルを通りトランマイザー に向かう。

 

エジェクションポートが開き、引っ掻きが空薬莢を外に飛ばす。

 

この流れを俺がトリガーを引くのをやめるまで続く。

 

機械の駆動音がして腕部ーー棘の様なものの付いた奴がスライドして地面を殴りながら向かってきた。

 

「やべっ!」

 

「相棒!逃げろ!」

 

「援護!早く!」

 

そのままライフル片手に後ろに逃げる。

 

ずどんっ!ずどんっ!と音を立てながら迫ってくるトランマイザー 。

 

「ユウナさん!炸薬の入った榴弾を撃ちます!5カウントで飛んで!ーー5!」

 

「相棒!フーリエさんの所に!」

 

そう言いアフィンはフーリエの方に向かいーー此方を撃ってくる。

 

「ばっ、バカ!俺に当たる!ーーうお⁈」

 

ラチが明かないと奴は思ったのか地面をパンチしながらーー背後から変な箱がーー。

 

「あれランチャーかよ!」

 

蓋が外れ超低速のーーそれでも人が走るよりは早いがーーが俺を狙ってきた。

 

「死ぬって!アフィン!撃って!」

 

「言われなくても!」

 

そう言うとタン、タンという音と共にミサイルが減っていく。

 

「4!」

 

流石に全ては当たらず何発かが近くに当たる。

 

「ひっ!」

 

「3!」

 

あとツーカウントと思った瞬間、体が前に吹っ飛んだ。

 

「相棒ーー!」

 

吹っ飛んだ時、一瞬見えたのがーートランマイザー の奴、ケツにある所から何かを出してブーストしたな。

 

そしてスパイクのついた腕の他に鋭い物がついた腕をーー俺に突き刺そうとしてきている。

 

「きゃふぅ⁈」

 

そのまま吹っ飛ばされて、あぁ、早くも死ぬのかなぁ、と思いながら目を瞑った。

 

「あぁ⁈フーリエ!早く!」

 

「分かってますよ!」

 

ぽこんっ、と言う音が聞こえーーそれを合図に気を失った。

 

 

ーーー見たとき、最初は心が凍った。そして見ているものがすっごくゆっくりに見えた。

 

ユウナが機構種に吹っ飛ばされて宙を飛んでいる時、それはそれは…ゆっくりだった。

 

好きな人が吹っ飛ばされてフーリエさんに怒鳴ってしまった。

 

「あぁ⁈フーリエ!早く!」

 

「分かってますよ!」

 

隣に居るセミキャストのフーリエさんにランチャーを撃って貰い、気を引いてもらう。

 

「本当はこの技使いたくないんですけどね!」

 

そう言うとフーリエさんは脚部のフォトンブースターを起動、ブースト移動をしながらランチャーを腰だめで放つ。

 

「これ!やったらオーバーホール必須なんですよ!早く!アフィンさんはユウナさんの所へ!安全な所へ!早く!」

 

「ごめん!フーリエさん!」

 

そう言い俺は相棒ーーユウナの所に走る。

 

「ユウナ⁈大丈夫か⁈しっかりしろ!」

 

ぺちぺち頬っぺたを叩くが、柔らかくてモチモチしてるって事以外変化は無い。

 

「しっかりしろ!死んでないだろう⁈ーーくそっ、胸に触るが許せよ!」

 

全く起きないユウナを背負いーー背中にやばいサイズのモノが当たっているが、今はそんな時ではない。

 

ユウナを残骸の近くに持って行きそこに立て掛ける。

 

「オイ!起きてくれ!早く起きないとーーえっと、であぁ…ほら!胸揉むぞ!」

 

結構言うのは恥ずかしいが仕方ない。と言うか身体のラインがはっきり見える戦闘服を着るのが悪い。

 

ぴっちり戦闘服なんか着やがって…スカートよりよっぽどえっちいわ!

 

などと思っていると後ろから悲鳴が。

 

「きゃぁぁぁ!」

 

振り向いた瞬間、フーリエさんがユウナの隣に吹っ飛ばされてきた。

 

「はぁ、はぁ、アフィンさん、逃げて…アレば…強い」

 

「そんな、無理だって!女の子を置いてくなんて!」

 

「逃げてアイツの情報を持ち帰って。ーー私、左腕部をやられちゃった…」

 

そう言い見せてきたところはーー火花が散っている。

 

「くそっ!どうにかできないのかよっ!相棒!起きてくれ!死にたくないだろ!」

 

「アフィンさん!もういいです!逃げて!」

 

「だったら!俺が!ここで!ユウナに!キスをーー」

 

「んっ……あれ、生きてる?」

 

「!起きたか⁈ユウナ!」

 

「あれ?死んだんじゃ…」

 

「そんな事はどうだっていい!相棒!奴を倒すぞ!」

 

まだ相棒が生きている、それだけで今は良いや。

 

 

 

ーー目を開けたら、何も変わっていなかった。と言うか状況悪化している。

 

くそっ、何か近接武器ないのかーーそう思いナノトランサーを弄るとーーあった!ソードだ!

 

ナノトランサーが背中にソードを出してーー握る。

 

振り方は分からない、やってみるしかない。フォントで重量が無いように感じる。

 

「ユウナ!それ!」

 

「あぁ!やるぞ!」

 

昔やっていた狩りゲームの様に身体の前にソードを両手で握る。

 

そのままソードを右後ろに移動させーーそのままトランマイザー に走る。

 

「うぉぉぉお!」

 

駆動音と共に右腕が俺に向かって切られるーー。

 

 

すると以上に動きがゆっくりなりーーそれを交わす様に動くとーーちゃんと交わせた。

 

そのまま横に避けて腕を力一杯叩き斬る。

 

金属が擦れる音と共に腕が落ちた。

 

「行けるぞ!ユウナ!」

 

「アフィンは裏に!ケツを撃て!」

 

アフィンに指示を出しケツを撃たせる。

 

その間も腕に付いた剣で切ってくるしパンチしてくるし。

 

「アフィン!関節!脆いところ!」

 

パンチをソードで耐えている時にアフィンに指示を出す。

 

「わかってるよ!」

 

ぽんっと弾が放たれもう片方の剣が付いた腕にあたりーー地面に落ちる。

 

「ユウナさん!今です!ソードにフォトンを載せて!刃を!フォトンで延長させるんです!」

 

後ろからフーリエさんの声が聞こえる。

 

「よっしゃぁぁ!いっけぇぇえぇ!」

 

一度後ろに離れソードを片手で持つ。トランマイザー に合わせてソードにフォトンを纏わせ胴体にぶっさして上に切り上げる。

 

頭部をぶち抜いた後ーー火花が散り、地面に突っ走った。

 

 

同時にソードも割れた。

 

「……勝った?」

 

「…その様、ですね…」

 

 

「ははっ、勝った、勝ったのか……おしっこ漏らしちまってるよ…俺…」

 

「ユウナさん…男性がいる前で…まぁ、良いです」

 

「やっと…勝てたのか…」

 

そのまんま俺とアフィンは地面にへたり込んだ。

 

 

数分後、なんとか立てるくらいには回復して辺りを見渡す。

 

「はぁ…なんとか倒せましたね。ーーあれ?あの子達は?」

 

「アレは…瓦礫の中を…指差しているっで良いんだよな?つっても…隙間すらないな…」

 

「……さて、私の出番ですね、離れてくださいよ?」

 

片腕しかないフーリエさんが残骸に近づく。

 

投影されたディスプレイを弄りーー爆発物を出す。

 

「いや何も言ってねぇって!ーー待て!何でもう爆破の準備終わってるんだよ!」

 

「アフィンは元気だなぁ…俺は疲れたよ…」

 

「私、さっきの戦闘では足手まといだったんです。でも今自分しか出来なさそうなので!恩を返したいんです!」

 

「恩を返すのはいいけど!間違ってーー」

 

「ーー爆破っ!」

 

ずどんっ!

 

アフィンが言い切る前に起爆、残骸は粉々に吹っ飛んでいった。

 

「べっ!べっ!うぁ…砂が…口に…」

 

「ーーうん。所定の位置に爆風は逃せたし、位置も範囲内。大丈夫かな。さて、何があるでしょうか」

 

吹っ飛んだ瓦礫の中から出てきたのはクラリッサのパーツが出てきた。しかも持つ部分が。

 

「これが相棒の言っていた…奴だよな?にしては掴む部分しか…」

 

それに近づき手に取る。

 

「綺麗…コレが私たちーーうぅん、ユウナさんが見せたかった物なの?」

 

ナノトランサーに保管する。

 

「しっかし、何でリリーパ族がこれのありかを知ってたんだ?」

 

「えぇっと……大事な…品?物?…を…預ける?…うぅん?すいません、詳細まではちょっと…」

 

「まっ、そうだよなぁ…寧ろ此処まで案内してくれて充分過ぎるって感じだな」

 

「まぁ、何はともあれ見つかった事だし。終わりって事で良いか?」

 

テレポーターを出して地下坑道入り口まで戻る事に。

 

 

 

 

ーーー オラクル船団 ショップ エリア ペアーリーーー

 

それから帰還して、ジグさんに物を渡しに行く。

 

「ジグさぁん、いますか?」

 

『おう!居るぞーーその様子だと見つかった様じゃな』

 

「えっ⁈」

 

『ははっ、尻尾を見ればわかるぞ』

 

後ろを見るとーーモフモフの尻尾がわっさわっさ

嬉しそうに揺れていた。

 

「…これがクラリッサのパーツで良いんですよね?」

 

ナノトランサーから持つ部分を取り出してジグさんに渡す。

 

これだけ見ると定期的に光るただの白い棒だ。

 

『おぉ…正しく。コレはクラリッサの一部に違いない』

 

ジグさんはそれを受け取るとまたテンションを上げる。

 

『こうしてはおれん!早速修復に入らなければーー後一つも頼むぞ!ーーそうだ、ヤスミノコフ造兵廠が後でお主に武器をまた渡すそうじゃ、送っといてやるよ』

 

「?え、えぇ、お願いします」

 

『おう!それではの!』

 

そう言いジグさんは奥に消えていった。

 

「……帰ろ」

 

帰ればデュケットさんやマトイが癒してくれる。女の子同士だから問題ない。

 

 

 

 




最後さっさと仕上げる為に適当になったのは(明らかだけど)内緒。


そろそろえっちいの上げたい(


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

85話目

遅れてしまい申し訳無い


 

 

 

ーーーユウナとデュケット&マトイのマイルームーーー

 

「はぁ…」

 

そう呟きーーアフィンに買ってもらった服を鏡で見る。

 

「…これ…素直に貰って良かったものか?ーーいや、ダメだった、か?」

 

何故こうなったのか。

 

トランマイザー戦後、急いでテレポーターを出してフーリエさんとアフィンを連れて帰還して、メディカルセンターにフーリエさんを置いて来て…その後ジグさんに渡した後。

 

アフィンに今お前の格好すごいことになってるぞと言われ、視点を下ろすとーー所々破れていた。

 

アフィンにやべっ!どうすんのこれ⁈と聞くと戦闘服はフォトン何とかで放置していれば勝手に修復されるはず、との事。

 

そこでアフィンは少し考えて、ちょっとこの場で待ってろと言われ、自販機で飲み物を買い、ショップエリアの噴水の見えるベンチで上を見ている事数分。

 

これを着ろと袋を差し出されーー中身を見るとーー懐かしのメトリィ・アシンが入っていた。

 

アフィンにこれ持ってるぞと言うと、えぇ、と言いながら少し青ざめていたが…。

 

その時はまぁ、なんだ、俺が持ってるのは黒だ、着てやる。

 

と言いスカート部分が蒼いメトリィを着たのだが…その時のアフィンの目線が…もろに、ねぇ?

 

「あぁ…スカート超すーすーすんだけど…」

 

「ユウナちゃん…幾ら女の子しか居ないって言っても…スカート捲り上げたらまる見えだよ?水色の」

 

「マトイさん…ユウナさんに言うのは…もう遅いですよ」

 

「そうは言っても…デュケットさんも言いましょうよ?」

 

「最初の内は言ってましたよ。でもね…」

 

そう言いデュケットさんは俺を見た後マトイの方を見て首を振った。

 

「…男性を誘うような行動はやめてって言っても…『もう癖だからやめられない』って言って辞めないんですよ…」

 

「もう最初聞いた時コレがアレな人なのかと思って…本当はダメですけど権限使ってデータ見て処女で安心しましたよ…」

 

「デュケットさん⁈それダメなんじゃないの?」

 

「マトイさん、バレなければ問題は無いんです。報告書も書かなくて良いですしね」

 

そうデュケットさんの話を聞き流しつつ鏡の前でスカートの長さを図るーーもっと長いのないのか?

 

「と言うかーーいえ、話は変わりますけどー!なんなんですかその胸は!私の何倍あるとーー」

 

スカートが長いのか、又はスボンが欲しいなぁと思っているとデュケットさんがいきなり俺の胸を見始めて怒り出した。

 

と言うかそもそもデュケットさんやマトイも俺に隠れているが結構ある。十分山はできているし。

 

 

「いや、デュケットさんも十分ありまーー」

 

「ユウナさんに比べたら全然ですよ!何なんですか!この胸のサイズは!」

 

そう言いデュケットさんが鏡の前でアフィンが買ったメトリィを脱ごうとしている所に後ろから来てーー胸を揉む。

 

「ひゃっ⁈ちょ⁈」

 

「ーーこのサイズーーF、い、以上?」

 

「F…?」

 

その言葉ーーと言うか頭文字を聞くと戦闘機しか思い付かない。と言うかバストのサイズがよく分からない。Fってどの位だ?ーー俺の胸か。

 

「そ、んな…」

 

「ちょ、やめて!上着脱げないじゃない!」

 

そう言いデュケットさんの手を振り解き、蒼い色をした上着を脱ぐ。

 

「…大き、過ぎる」

 

すっと俺の後ろから離れソファに座るデュケットさん。

 

「ねぇ、本当にそうだよねぇ、デュケットさん」

 

胸全体を覆う水色のブラジャー。このサイズだと全体を覆う奴じゃないとねぇ?スポーツブラって言うんだろうか?

 

ぴったりくっついてーーそれでいて厚いくせに通気性は最高。

 

ほんと最高だよこいつ。

 

「F以上、ある…なんて、なんて事だ…」

 

「まぁ、私は直に見た事ないから言えないけど…ユウナちゃんサイズだと肩懲りそうだよねぇ…後お風呂に浮きそう」

 

「そうだぞ、デュケットさん。胸が大きくて良いことなんて無い。4害合って1理無し、だぞ。ーーそれに浮くぞ」

 

それにビックリなのがこの胸、下に垂れない。なんかすげぇとしか言いようがない。まぁ、突き出るような形じゃなくて丸いからなぁ…。

 

因みに4害あって1理の内訳は 1.重い2.肩がこる3.視線が直で刺さる4.やっぱり重いーーまぁ、1と2と4は万能質量のフォトンで何とかなるが…3だけは無理だ。

 

1と4同じとは言わせん。

 

「そうは言っても…夢なんです…」

 

そう言い一度経った後、上の言葉を口にしてもう一度ソファに座るデュケットさん。

 

立ったり座ったり忙しいな。

 

「うーん…デュケットさんはそんなに大きな胸が欲しいの?」

 

「えぇ!大きければ良いのよ!」

 

「ならユウナちゃんの胸を揉めば自分の胸も大きくなるかもよ?」

 

「ぇ?」

 

「は?」

 

…ぇ?何言ってんのこの銀髪赤目の子は…。

 

まさか本当にもう一度触りに来ないよな?と思いデュケットさんの方を見るとーー丁度目が合った。あの様子だと同じ事を考えたのだろうか?

 

「えぇと…マトイさん?流石にそこまでは無いわよ?」

 

流石にデュケットさんもそんなことはやれない。

 

「…マトイ…流石にそれは…ねぇ?」

 

「えっ?でも…」

 

「…どうしたの?」

 

デュケットさんが優しく聞く。

 

「うん。フィリアさんがーー」

 

「あの人か…」

 

「?何かあったんですか?ユウナさん」

 

「いや、何でもない。何も無いさ。続けてくれ。マトイ」

 

「ーーうん、フィリアさんが『おっぱいを大きくするには胸を揉んでもらう?揉む?が一番』って言ってたから…」

 

「……あの医者は…」

 

「…揉んで大きくなるなら大きくなってますよ…とっくに…」

 

二人ではぁ、とため息を吐きながらーー俺は鏡の前で衣装をチェンジ、メトリィの黒色を着直し、そのまま作業台に向かう。

 

「あっ、ユウナさん、そう言えば私ライフルからランチャーに変えました!触ってみます?アークス製ですけど」

 

「おぉ!まじで!見してくれ!」

 

はい、どーぞ、と言いーー見た目に反して軽量化とフォトンで軽くしているらしいーーランチャーが出てきた。

 

 

と言うかいきなり出し、ランチャーの名前がランチャーって…。

 

「ほぉ…確かに軽いな…これ軽機関銃より無いな、重さ」

 

「えぇ。それは初心者用のランチャーですからね。その代わりH.E.A.D.Fしか無いですけどね」

 

ランチャーを作業台に乗せて下部にあるーー。

 

「あぁ、安全装置は?」

 

「付いてますよ。ほら、トリガーとグリップに付いているスイッチ」

 

 

ーー確かに付いているな。

 

本体下部にあるマガジンを取って、隣に置く。

 

「これ…何ミリだ?」

 

「確か75ミリだったかと。それ以上も有りますけど、弾代が一番安いらしいので」

 

あとそうそう、ランチャーの弾はフォトンを込めるだけだから弾代は実質かからないよ、と言う言葉を聞き作業台のイスに座っていたところを勢いよく立つ。

 

「弾代タダなの⁈」

 

「えぇ、ライフルよりよっぽどコストパフォーマンスかからないって言う事で結構な数のレンジャーが鞍替えしているそうよ?」

 

「……でも取り回しがな…」

 

「ダーカーに取り回しなんて言ってられないわよ」

 

「それもそうか」

 

そう言いこのランチャーを見る。

 

ぱっと見ソレっぽいって言うのがバレる下部の出っ張り。これ撃った弾のブラストを逃す奴だったりして。これだけは……そうかなぁ?

 

「……よし、ありがと。楽しめたわ」

 

「えぇ⁈楽しめたって数分も見てないですよ⁈」

 

「俺は触るだけで満足するタイプなの」

 

ほらっ、とランチャーをデュケットさんに渡しーー気がつくとソファで寝ているマトイに俺の部屋から持ってきた薄手の毛布を掛ける。

 

「……それにしても…マトイさん…何者なんでしょうか?」

 

「俺に聞くな。俺も分からん」

 

「アークスには登録されてない、それどころかオラクル船団にも……もしかして、ですけど……」

 

「…ダーカー、なんじゃ…」

 

「…いや、それは無い。マトイもフォトンを使えている。過剰気味に」

 

「…それなら尚更アークスに所属していないって事は…」

 

「分からん。取り敢えず記憶が戻るのを待つしか無い。それしか出来ないからな……」

 

「…所でユウナさん、話が変わりますけど…今日の晩御飯、角煮が食べたいです」

 

そうデュケットに言われ咄嗟に時計を見るーーまだ昼前だぞ⁈

 

「……俺は煮物苦手なんだよ、失敗しても行けるか?」

 

「はい!食べてみせますよ!」

 

それより前に昼飯作らないとな、と言い簡単にーー流石に適当なもので済ませた。レーションを簡単に炒めて調理した物を。

 

 

因みにその日の夜の角煮はーーフラグ回収ならず普通に成功した。二人ともホロホロで厚くて熱くて量も合って美味しぃ〜、と漏らしていた。

 

二人ともこんな大食いだっけと思いつつも自分も小さな口に角煮を入れるーー母親の味には遠いな、と思いながらも箸を進めた。

 




今回(クソ下手)イラスト描こうと思ったけど手が震えたので辞めました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

86話目

ファントムどこ…ここ?


86話目

 

 

「うーん、どうすっかなぁ…」

 

「そこは頼みますよぉ!何でもしまーー痛っ!」

 

「パティちゃん!そんな事は言っちゃダメって言ってるでしょ!」

 

「うぅ…でも、おかしいと思わないの⁈人が消えたんだよ!戦闘員じゃなく学者が!」

 

 

角煮を作った翌日、ショップエリアに弾の購入と各種回復薬を買いに寄った時、ミミが久し振りに聞いたような声を捉えた。

 

聞こえた方向は…階段か?

 

声のする方に向かうとーー三人のニューマンが話し合っている。うち二人はーーパティさんとティアさんだった。

 

その二人がニューマンの男の人に話を聞いている、のか?

 

「ーーもね?パティちゃん。惑星で人が居なくなるなんてよくある事だよ?」

 

「そ、そうっすよ。何でも何かの調査をしているなぁって時に消えたんですから。まぁ、やられてしまーーでも、一瞬レーダーに味方の反応が」

 

「でも一瞬だけなんでしょ?案外壊れた、とか?」

 

「でもでも!私の勘が!この件は重要って言ってるのよ!それにマグが壊れーー」

 

「おーい。何を話してんだ?」

 

何を話しているのか知らないが…まぁ、久し振りに会ったんだ、挨拶くらいはしようか、と考えて声を掛ける。

 

「おっ!ユウナちゃんじゃん!久し振りー!」

 

「はい、ユウナさん。お久しぶりです」

 

「……ぁ!お前!あの時の!」

 

パティとティアが挨拶を仕返した時、奥にいる紫色のリーゼントを決めた男の人がーー階段に座っていたのに、俺の事視認するや否や立ち上がり指を指差した。

 

「ぇ?おれ?」

 

「そうだよ!アークス試験の時!あの時は助かった!黒人のヒューマンと組んでいたんだが…お前の援護がなきゃ、ダメージ食らってたわ。ありがとな!」

 

「……こちらこそ」

 

こうは言ったものの全く記憶に無い。と言うかアークス試験の時は把握してなかったからな…最初の方はサバゲーか何かだと思ったぜ。

 

すぐに違うって言うのは分かったが。

 

第一視点を下に下げたら…ねぇ?

 

「ところで!ユウナちゃんもどう思う⁈消えた学者!」

 

「いや、それだけじゃ何も…」

 

まぁ、ミミが良いから何となくは分かるが…誰か消えたんだっけ?

 

「うん。パティちゃん曰く、その人は何かヤバイ情報を握ってしまったとかで消されたんじゃ…って言ってるけど…ありえないでしょ?第1、その人地質学者でしょ?」

 

「ん?地質学者?」

 

地質学者と言う言葉に違和感が。まさかロジオさんが?

 

いやでも俺が知っているのがロジオさんってだけで他にも居るだろう。

 

「おっ!食いついたね!そうよ!おかしいと思わない⁈そのーーロッジ?さんって人」

 

「ロジオさん、でしょ?」

 

「えぇ⁈ロジオさんが⁈」

 

えぇ⁈うそだろ⁈なんで⁈ただの学者じゃん⁈あの人!

 

「うわっ⁈ど、どうしたの⁈」

 

「…その様子だと何かあるのね?」

 

「…いや、分からないけど…その、ロジオさんが死んだ、のか?」

 

「…いや、死んだって訳じゃ無い。ただ地下坑道でシグナルが途絶えただけで…」

 

「…ごめん、名前は?俺はーー」

 

そう言い目の前のリーゼント男に名前を聞く。正直少し怖い。

 

「いや!良い!聞いてるからな。ユウナちゃん。俺の名前はレダ。ハンターをやっている。ーーそれで?」

 

そう言いレダさんが胸を叩きながら言う。

 

「あぁ。その話、本当なのか?」

 

「…あぁ、本当だ。俺が広域マップで消えたのを見たからな…」

 

そう言いながらレダさんはもう一度階段に座る。座った後にこの目で、と付け加えて。

 

「ユウナさん。守秘義務に反しなければだけど、ロジオさんから受けていたオーダーって?」

 

ティアさんが俺にオーダーの内容を教えてくれないかと言ってきた。

 

「惑星ナベリウスの地質調査。森林地帯と凍土の違いを調べるために土を取ってきてくれって」

 

「……うーん、何で土弄りの学者が殺されるような事に…?」

 

「土弄りって…因みに何で殺されたって事に?」

 

「おう、一瞬だけだけど、ロジオさんのシグナルにーー本当に一瞬だけ味方のシグナルが出て、それから何方とも消えたんだ」

 

「…ティアさんとパティさん。アークスの中で殺しって違法、ですよね?」

 

「えぇ、勿論違法よ」

 

ティアさんが頷く。それにしても一瞬だけ写った、か。

 

誰かに襲われた?でもなんで?うぅん…分からん。

 

…今日やる事ないし、地下坑道にメセタ稼ぎにでも行くか?

 

「……俺ちょっと地下坑道に行って来ます。ーーそうですね、死んだらマイルームに居る女の子、ティアさんとパティさん、頼みます」

 

「えぇ⁈ちょっと⁈」

 

「いけぇ!いってこぉぉい!」

 

煽るな馬鹿姉!とティアさんの声とレダさんの驚く声が後ろから聞こえるがスルーしてゲートエリアに向かう。

 

本当になんでロジオさんが?

 

『ーーさて、私も彼に会いに行きますか。あの子達にも会いに行かないと、ね』

 

 

「えぇ⁈探索不可⁈なんでぇ⁈」

 

「すいません、ユウナさん。現在地下坑道は集められたデータ再編集の為出撃が不可能になっています」

 

意気揚々と出たは良いもののカウンターで足止めを食らった。何故に探索不可?

 

「…えぇ…」

 

「その代わり新たな任務地ーー浮遊大陸にーーえっ?」

 

どうしようかと考えようとした時、管制官が耳下にあるヘッドセットーー骨伝導マイク的な奴かと思ったけど違った。其処だけは小型化しないのか?いや、一目見てあのヘッドセットをつけている人が管制官って分かるように目印的な奴か?ーーに手を当てて誰かと会話し始めた。

 

それと同時にモニターとキーボードが投影され次々とオラクル言語だかアークス言語だかどちらか分からない言語がタイピングされていく。

 

「はい。はい。分かりました。ーーユウナさん、貴女宛にオーダーです。浮遊大陸に向かってください。そこで現地にて合流予定のアークスと共に龍族とあってほしいとのオーダーが入りました」

 

「えぇ…わ、分かりました…」

 

話を聞きながら帰ろうかなと思っていたら俺指定である。

 

しょーがない、管制官から任務を受けて、一度各種メイトの残量を確認しーーそうだ、ソードも持っていくか。

 

ナノトランサーを見ると各種メイトが減っていた。

 

ショップエリアにある各々の倉庫に繋がっている端末に触り、モノメイトを直接ナノトランサーに補充する。

 

「……あぁ、あとソードーーはいっか?…いやでも…」

 

立体投影された倉庫内にある武器一覧ーーと言っても入っているのは使わない弾薬や互換性のないグレネード用の弾薬だがーーを見ては触り、触ったらナノトランサーに入れずに戻すを繰り返す。

 

 

「……うん」

 

やっぱり持っていくか。嵩張らないし。

 

そう思うとすぐさまナノトランサーに転送する。

 

一度圧縮された菱形に戻しても良いんだがーーまぁ、邪魔だし。

 

向こうに着いたら背中に装備しておかないとなぁ……そう言やこのーーステブウェポンのマガジンも丸い奴じゃない奴ないなかぁ…欲を言えばボックス型の奴。

 

丸いと銃を地面につけて撃ちにくくてなぁ…。底平らじゃないし。

 

アイテム系を全てナノトランサーに入れて、もう一度確認ーーよし、忘れ物無いな。

 

そのままキャンプシップの発着場ーーと言うか空港?に向かう。

 

いつもの様に行く惑星ごとに別れている通路をーー自分が向かう惑星ーー惑星アムディスキア行きのキャンプシップを探す。

 

「……No.0245…これか?」

 

NとOが崩れたような文字で245と書かれている。

 

「あんたかい?今回乗せていくアークスは」

 

中からはーー黒人のニューマンが出てきた。

 

「えぇ、ユウナです。よろしく」

 

そう言い手を差し出し握手をしようとすると。

 

「いや、良い。俺は女性と手を握らない主義なんでね」

 

「そ、そうですか…」

 

差し出した手を引っ込める。

 

「俺が受けているのは君を浮遊大陸のあるポイントに降ろす。これだけ。ok?」

 

「おっけい!」

 

「おっ、良いねぇ。女にしちゃノリって奴を分かってる」

 

さぁ行くぞ、と言い黒人ヒューマンがキャンプシップのコックピットに向かう。

 

俺も慌ててその後をついていく。

 

 

「へぇ…コックピットってこうなってるんすねぇ…」

 

黒人の後をついて行くとコックピットの中に入れた。

 

コックピット装甲で覆われて計器類は完全タッチパネルになっている。

 

パイロットが座ると周りに色々な計器類が立体投影されている。

 

「おいおいおい!此処は関係者以外立ち入り禁止だぜ!さぁ、テレプールのある区画に行った行った!」

 

そう言い手でしっしっとされた。

 

 

仕方なくテレプールーー地上に降りるためのワープ装置がある区画と言うかエリアと言うか…そこに向かう。

 

此処から直接クエストカウンターから任務を受けれる端末、メディカルセンターから出されているドリンク(まだ飲んだことはない)を飲める端末等他にも端末が何個か置いてある。

 

「そう言や現地で合流するアークスって…誰だろう」

 

因みにだが外を見るとーー全然機体が動いていない。多分管制塔と交信しているのだろう。

 

大体飛んでいる時間より所定の距離を取ってから作るワープゲートに入る方より離陸許可が下りるのを待つ方が時間が掛かる。

 

やる事が無いのでメディカル端末に触れて食べ物を買う。

 

こう言うジャンクフード的な物もーー栄養価を考えられてーー売っているのも凄い。

 

そしてさり気なくーー。

 

「はむっ…」

 

デカイ。コレは十中八九俺の口が小さくなったからだろう。

 

一口食べて一言。

 

「…これホットドッグの方がよかったか?」

 

ワンコインで買ってしまったものは仕方ない。食べさせてもらおう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




実はと言うと今どこらへんか見失っている真実。浮遊大陸で二人と会う任務ってEpいつだっけ?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

87話目

まさかのEp1から3アニメ化。こりゃこの小説終わったな(


 

 

 

「お客さん、合流地点にーー浮遊大陸に着いたよ。テレプールの座標を……よし、設定出来た」

 

フォトンチェアと言うどこでもイスに座り心を落ち着かせようとした時、パイロットから声を掛けられたーー既にアムディスキア上空らしい。

 

「浮遊大陸のーー指示された座標を打ち込み済みだ。後は降りるだけだ」

 

そう言いテレプールへのゲートが開く。

 

「これで俺は任務完了。帰りは別の奴が来るらしい。ま、任務頑張れよ」

 

「はい。ありがとうございました」

 

と言いソードを背中に、ライフルを腰に。タリスを左腕に装着してーー完全装備でテレプールに落ちた。

 

 

ーーー惑星 アムディスキア 浮遊大陸ーーー

 

 

「おおっ、とぉ⁈」

 

空間を割って作られたテレプールから地上ーー浮遊大陸に降り立つ。

 

「ここが……へぇ…」

 

周りを見渡すとーー立っている大地に端がある事に気づく。

 

端の方に歩いて行くとーー。

 

「…うぉ⁈う、浮いてる⁈じめ、んが⁈」

 

下が見えるくらいになるとーー足が震えてきた。おかしいな、高所恐怖症じゃ無いはず。

 

「こ、こぇ……んだよ、ここ…帰りたい…」

 

四つん這いになりながら下を一通り見てーー下はマグマなのか。火山洞窟の上だったりするのだろうか。

 

と言うか見てるだけでクラクラするからさっさと後ろに下がろう。

 

と言うかこれ落ちないよな?

 

後ろに下がりーーまずはタリスーー導具だったか?にカードを入れる。

 

カードにはテクニックがーーインストールなのか、記載なのか分からないがーーセットされていて一定の距離に留まって、そこからテクニックを放てる。

 

テクニックを放ったカードはナノトランサーと同じく4次元に入り元に戻って来るらしいーー正直21世紀の頭では理解出来ないーー。

 

ーーまぁ俺は全部手元で起動できるレスタやシフタ、デバンド、アンティしか装備してないが。

 

実は6枚ほどスロットがあるから6個くらい装備はできるのだがなぁ…まだ本格量産されてないんだよなぁ、これ。タリスのカードを流用出来ないのだろうか?

 

そう思いながら左腕を体の前に突き出しーー撃てと念じる。

 

するとーー俺もよく分からないが、確かポスで調べた限りだと装着者又は装備者のフォトンを認識してそれがトリガーになるとかなんとかーータリスからカードが射出され数メートル程進むーー。いや、ありゃ10メートル前後か?それを機に消えた。

 

 

腕を見るとーー既に戻っている。

 

「…よし、次」

 

ライフルを腰から取り出しーーこれもフォトンで装着している。最早何でもフォトン頼りだなーーマガジンをセット、コッキングレバーを引く。

 

「あれ?引けない。何で?」

 

ガチャガチャガチャ弄ってーーマガジンを抜いて差し込んだ後に更にマガジンを下から叩いたり、コッキングレバーを強く引いてみたり。

 

んで答えは簡単。

 

「はぁ…」

 

セーフティを外していなかったから。答えを分かれば呆気ない。

 

と言うか分からなかった自分が恥ずかしい。

 

プレスチェックを行い薬室内に弾が入っているのを確認。これが大事。

 

ライフルを腰にーー念の為セーフティを掛けて戻す。

 

次はソード。

 

今は握ってないから本体部分しか無いがーーこれを握ると。

 

ぶぉん、と言う音ともに青い刀身部分が形成される。

 

まるでビームサーベルだ。

 

因みにこの青い部分は高濃度のフォトンらしい。フォトンって無味無臭じゃ無いのか?

 

「よし、全武器チェック完了、合流地点に向かうか」

 

 

ーーーオラクル船団 市街地ーーー

 

 

「はぁぁぁ……最近相棒から連絡が来ない…」

 

「何を言っているんですか、アフィンさんーーあ、これとこれ、お願いします」

 

所代わりアムディスキアからオラクル船団へ。

 

此処ではーー私とアフィンがファミレスで食事をしている。ーーいや、食事をしているのは私だけだ。

 

「いや、だってさ?あの時ーー地下坑道以降呼ばれてないんだよ…もしかして嫌われた?」

 

「それを判断するのは早いんじゃないかな。ーーわぁ、きたきた」

 

『お待たせしました、クァッドパフェとタビムアイスです。それではごゆっくり』

 

「…フーリエさん?いくら俺が持つから相談乗ってくれって言ってもさ…値段、高く無い?」

 

「相談料ですよ!相談料!」

 

「その相談は答えになってないんだよ…」

 

うーん、と頭を抱え込むアフィンさん。そこまで悪い方に考えなくてもいいと思いますよ?

 

最も、ユウナさんの感情は愛しているより好きって言う感じでしょうが。同性の好きって意味でしょうかね?

 

まぁ、そんな事は言わずにアフィンさんのメセタで食べてもらいますか!何気にキャストって機械部分の修理費とか予備パーツ費とかで結構メセタ掛かるんですよねぇ…変えるたびにエステに行かないと行けないし。

 

「…うん、一通り見たけどあそこの方が良いな」

 

メニューを見ていたアフィンさんが呟きメニュー表を置いた。

 

「あそこ?あそこって何処です?」

 

「あぁ、俺と相棒が知っているカフェなんだが、そこの方が安くてな。地味に美味かったし。ーーん?そう言や相棒が作ったって言ってたおにぎりに…」

 

へぇぇ、そんなカフェがあるんですか。ーー良し。

 

「アフィンさん!そこの場所!教えて下さい!」

 

「えぇ⁈別に良いけど」

 

そう言いアフィンさんが教えてくれた場所を確認する。

 

良し!今度行ってみよう!

 

「……あそこ、手作りなのか…?」

 

 

 

ーーー惑星 アムディスキア 浮遊大陸ーーー

 

「ふぅ、ユウナちゃんも大丈夫か?」

 

「へ、平気、です」

 

「ちょっと?ゼノ。飛ばしすぎじゃない?」

 

あの後直ぐに他のアークスーーゼノさんとエコーさんだったーーと合流して、現地で合流予定の龍族とのランデブーポイントに向かっている。

 

「ほら!頑張れ!」

 

「ゼノ……そんな適当に…」

 

「えぇ、大丈夫ですから…」

 

「うーん、やっぱり彼女を連れて来るのは早かったんじゃない?」

 

「いや!ユウナちゃんなら大丈夫だ!なんせビーストだからな!」

 

「いや、そう言う事じゃないないのよ」

 

「ははっ……はぁ…」

 

合流からーーこの浮遊大陸はいろんな所が離れている。

 

因みに此処、アークスが支援するまでは住む奴は居なかったらしい。

 

アークス(と言うよりオラクル船団が)カタパルトを開発してそこら中に設置したお陰で住む龍族も増えたとか。

 

「…それよりエコーさん、今まであった龍族って…」

 

「…えぇ、火山より敵対的ね。私たちの目的は現地にいる龍族とコンタクトを取る事なのに…」

 

「なぁに、どうにかなるって。それに、攻撃して来た龍族の中には侵食核が付いている奴もいたからな」

 

「侵食核、か…」

 

侵食核ーーダーカー系との戦闘でダメージをくらい且つそれを放っておくと誰これ構わず視界に入ったやつを攻撃すると言うある種のゾンビ的な核、らしい。これもポスで少し前に調べた。

 

ただしその核時点も弱点の為、そこをライフルで二、三発撃つと倒れる。因みに全テクニックが弱点らしい。

 

ゾンビと違って噛まれたりダメージを食らってもフォトンを纏っている限りダメージはないって言うのが良いな。

 

 

「でもアレは種子型。アレならまだ助かるわ」

 

そう言うエコーさん。侵食核にも段階とか種類があるらしい。

 

「まっ、弱点には違いない。サッサと合流地点に向かって龍族と話すぞ」

 

「うん。その方が良いね」

 

「えぇ、お願いしますーー所でゼノ?さっきからユウナちゃんのーー胸ばっか見てない?」

 

侵食核の話が終わり、さぁ行こうって時にエコーさんが突っ込んできた。

 

「は、はぁ⁈見てねぇし!」

 

「嘘おっしゃい!ーー良い?ユウナちゃん。ゼノが胸を凝視してきたら股間を重いっきし蹴ってやりなさい」

 

そう言うとエコーさんが俺前に来て人差し指を立てながら話す。

 

「え、えぇ⁈」

 

「おい!エコー!なんてこと言ってやがる!」

 

「だってそうじゃない?まぁ、ゼノが男なのは分かるわよ?でもね?」

 

「カタパルトでユウナちゃんより先に行って安全確認だとか言いながら空中で揺れるおっぱい見たり着地の衝撃で揺れるおっぱいを見るのはねぇ…」

 

「ち、ちげぇし!ーーユウナさん⁈なんでエコーの裏に⁈」

 

そこまで来るとゼノさんが怖くなりエコーさんの後ろに隠れる。

 

「先輩の事尊敬していたのに…」

 

「そうよユウナちゃん、言ってやりなさい」

 

「大丈夫!大丈夫だから!お兄さんは怖くないよぉ?」

 

「そんなこと言ったって離れた年は7、8歳でしょ?」

 

「俺は今24歳だ、ユウナちゃんは?」

 

えぇと…確か相棒相棒言うアフィンが16だから…多分俺も16か?

 

「…あぁ…1、6です」

 

「そっか、16か。ーーエコーは?」

 

「私?23よ」

 

まぁ、ニューマンだからね?と言う声が小さく聴こえたが気にしない。

 

「この際だ。自己紹介ーーは前にやったからーーやったよな?ユウナちゃんの自己紹介してくれるか?」

 

「そうね!お願いできる?」

 

「え、えぇ…ユウナです。一応アークスやっています。それと…び、ビーストです」

 

「だよなぁ!ビースト!いやぁ、頭撫でたくなるぜ!」

 

適当な自己紹介が終わるとゼノかを頭をわしゃわしゃ撫でてきた。

 

「…んっ?そう言えばビーストってヒューマンかニューマンかの二択だったわよね?ユウナちゃんは?」

 

「えっと、ニューマンらしいです。ほら」

 

そう言いヘッドセットを外す。

 

「…へぇ、ニューマンビーストかぁ…俺は初めて見たなぁ…」

 

「私達ニューマンより耳が短いわね…ヒューマンの耳よりとんがっている位かな?」

 

エコーさんはしきりに耳を。ゼノさんはしきりに頭を撫でてくる。

 

「いやぁ…そうかそうか。ビーストなのは知っていたが…ニューマンベースだったとはなぁ…」

 

「うん、ゼノと同じく私も初めて見た」

 

先ほどと同じくエコーさんがニューマンの卵子じゃ兆に一受精しても着床する確率はそれ以上の天文学的な筈、と小声で言うがーーゼノさんには聴こえたない。

 

これが難聴系主人公か。

 

「…よし!簡易的な自己紹介も済んだし!合流地点に急ごう!」

 

ゼノさんが腰を伸ばして少し前に進み合流地点を目指そうと言う。

 

その間もエコーさんはブツブツーーミミで聴こえてしまうがーーと独り言を言う。

 

「は、はい!」

 

「…でも、そもそも…うぅん…」

 

「ほら!エコー!置いていくぞ!早く来い!」

 

「えぇ⁈ま、まってゼノォぉ⁈」

 

そう言いゼノは走り俺とエコーさんはその後をついていく。




所で少し前にA.I.Sの左手に零式ナバータ内蔵してビームシールド的な事を書いてましたが…まさかジハとの艦隊戦のA.I.Sにてそれっぽいのが来ましたねぇ…Ep6から巻き返せーーるかなぁ…。取り敢えず仮面の紛い物はレッグ落として?



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

88話目

レッグ落ちたぞ! イクス ライフル、イクス カタナも作ったぞ!

さぁ!(Ph)来い!

あっ、そうだ。遅れて申し訳ないです。


 

 

 

「あぁ…確か情報だとこの辺りに…」

 

先導するゼノさんの後を俺とエコーさんが付いていく。

 

それにしてもこのカタパルト…乗ると規定のラインを沿って着陸点に向かうのだが…これが怖い。

 

ジェットコースターでさえ乗れないのに更に速く、しかも足も浮いていると来た。

 

着陸後、ゼノさんがこの辺りだとマップを立体投影させて俺とエコーさんに見せる。

 

「確か情報だと有効な龍族がユウナちゃんを名指しで指定してきたのよね?」

 

「エコー、名指しと指名は一緒だと思うぞ?ーーまぁ、兎も角、その龍族、名前は確かーー」

 

「ーーヒノエンさん」

 

ゼノさんが言う前に呟いてしまった。思い出すはあの大型龍族ーーヴォル・ドラゴン。いやぁ、もう二度と戦いたく無いっす。

 

そういや防具あれから変えてないな…後でショップエリア見てくるか。

 

などと話しから脱線しそうになる。その時、ゼノさんの方から疑問の声が聞こえた。

 

「……ん?」

 

歩いていた足を止めて首をかしげるゼノさん。

 

「…あれ?違いましたか?」

 

「…俺が効いたのはヒエンって聞いたぞ?」

 

それに更に言葉を掛けるエコーさん。

 

「え?ゼ、ゼノ?ヒ・エンじゃ無いの?」

 

「…待てエコー。そう言えばこの間のちっこい丸。なんて言うんだ?」

 

「知らないわよ。自分で調べなさいな」

 

「…はぁ、調べるか。ーー」

 

何やら気になり調べ始めたご様子。確かに俺も・の意味が気になる。いや、名前を区切る以外に意味はないのかもしれないが。

 

エコーさんと俺がゼノさんの後ろからその検索結果を見ようと覗き込むとーー。

 

「…この・が捉えられずに意味の意味が表示されたんだけど」

 

俺とエコーさん、ゼノさん含めて三人でガッカリしたのは言うまでもない。

 

「…まぁ、アクセントの問題だな」

 

それからしばらくして三人とも再起動して前に歩く。

 

「…まぁ、ヒノエンさんで」

 

俺がそう言うとゼノさんがそれに続く。その時だ。

 

「あぁ。んで、そのヒノエンさんがーーそう。ちょうどこの辺りにーー」

 

「ーーゼノさん…何か…聞こえません?」

 

「えっ?いや、何も…エコーは?」

 

「ごめん、私にもちょっと」

 

その間も声がーー少し聞こえる。この声は…確か…。

 

「ヒノエンさん、か?」

 

「ユウナちゃん、場所分かるの?」

 

「…えっと、声が小さくて…でも、多分、あっちです」

 

小さいながらも聞こえる声の方を指す。

 

「あっちか。とりあえず行ってみよう。接触しなくちゃ始まらないからな」

 

「そうね。さぁ、ユウナちゃん。聞こえる方に案内をーー」

 

「はい」

 

「ーーあと、ゼノ?ユウナちゃんの後ろは私が歩くからね?」

 

「あぁ、うん」

 

その時の顔はーー少し怖かった。

 

 

それから少し歩くとーー浮遊する大陸に大陸と一体化したような住処のようなものが見えてきた。

 

その住処らしき物にカタパルトを使いつつ接近するとそこからアリ見たく数体のーー龍族が出てくる。

 

『ここ は 我ら 龍族 の 住処 それ を 知って 入るか』

 

ツノが二本生えている四足歩行の竜族が一歩前に出てきた。

 

「待て待て待て!俺たちに戦う意思はない!ここを通してくれないだろうか!」

 

「…ここの龍族は青いのか…」

 

ゼノさんが龍族とお話ししている最中、ふと喋った言葉にエコーさんが続く。

 

「龍族って言っても火山に居る龍族、浮遊大陸に居る龍族。ーーあと森林地帯にも居るそうよ?森林地帯の龍族は友好的らしいし」

 

「へぇ…」

 

と言うことはある程度周囲に溶け込めるように体の色が変化するのか…カメレオンやタコか?

 

『それ でも 掟 は』

 

視線をエコーさんからゼノさんと交渉している龍族に戻すと、そのタイミングで後ろから火山でも見た杖を持った龍族が接近する。

 

『ミ ニカ さん ヒ エン さん から 伝言 です 彼ら を通せ と』

 

『ふぅむ … 仕方ない 通れ! アークス ただし 監視 は 付けるぞ』

 

「感謝します!ーーさぁ、行こう」

 

Uターンし、付いてくるように頭を動かす龍族。それに続いてゼノさん、エコーさん、俺が続き、さらにその周囲を龍族が警戒しているのか距離を少し取りつつ囲む。

 

「…警戒されてるな、これ…」

 

「仕方ねぇさ。ユウナちゃんがヴォルドラゴンを救って以降火山の龍族は態度が軟化しているがこっちはまだだ。仕方ねぇさ」

 

「うーん、そうは言ってもねぇ…この様子だとこっちもアレでしょ?ダーカー倒せるからアークス要らないぅて思っているわけでしょ?」

 

「多分な。倒しているだけでD因子は飛び散っているだけなんだよなぁ…」

 

「…最終的にはフォトンがないとって事か…」

 

「そうだ、ユウナ。まぁ、それが分かっていればこうなってないがね」

 

 

 

 

『 来たか、アークス』

 

「…久しぶりですね、ヒノエンさん」

 

向こうから来たのはヴォルドラゴン戦を観戦していた杖を持った龍族ーーヒノエンさんが前から歩いてきた。

 

周囲に複数の護衛を引き連れて。

 

『違うぞ、アークス。ヒエン、私の名はヒエンだ。ーーそれとこれは?』

 

護衛を散らして周囲の警戒に入らせて話を続ける。

 

ヒノエン改めヒエンさんの前に出て手を差し出す。

 

「これ?握手だ。ーーそっちには無いのか?」

 

『…いや、すまないな』

 

そう言い杖をもう片方の手に移して俺の手を握る。ゴツゴツしている。

 

『久しぶり、だな』

 

「えぇ、こちらも、ね」

 

「ほらっ!私のアレ合ってたじゃない!」

 

「エコー、今は重要な時だからな?少しね?ね?」

 

『…後ろのアークスは置いておいて。前回のーーヒロガ様の救命。ありがとうございます』

 

握手した方に杖を一度握り。そこから更に地面に置いて片膝立ちにして頭を下げるヒエンさん。

 

「よ、よしてくれ、アレは任務だったから!ほら、報酬が絡んでたから!それにほら!握手した仲だろ⁈」

 

『それでも救ってくれた事に変わりはない』

 

「ヒエンさん。今回呼んだのはこんなことではないだろう?ユウナも落ち着け。エコーはもっと周りを見ろ」

 

「えぇ⁈」

 

尻尾をバサバサ降ってどうしようかと目線を合わせたりしていた所を後ろで周囲をみわたしているゼノさんに注意される。

 

『そうだ、赤毛のアークス。ここらが更に西にあるお方が待っている。今回はその方とーー』

 

 

『戦って貰いたい』

 

 

「……は?」

 

「ぇ?」

 

「……えっと、そのお方、ダーカーに侵食されたりとかはーー」

 

『ない』

 

「…ダーカーに攻撃を受けたとかはーー」

 

『ない』

 

「……なんでたたかうの?」

 

『…私はあれ以降、様々な場所に向かいダーカーとはアークスと協力して叩くべきと唱えて来ていてな、この浮遊大陸を支配するお方達にも話が伝わってな』

 

「うん」

 

『そこで出た案が新しく生まれたコ・レラと模擬戦を行い勝ったらアークスと協力しようとどうにか話を付けてな。それで』

 

「勝ってほしい、と」

 

なに?龍族上層部は戦いで確認するタイプ?滅ぼされないそれ?

 

『その通りだ。幸い向こうは数は言ってない。それにいくらあのお方達と言えど生まれたばかりらしい。彼等には悪いが倒して欲しい』

 

そんな事を部下から言われてるが別の意味で大丈夫なのだろうか?

 

「…まぁ、確かに上の考えが変われば下も楽になるからな」

 

「えぇ、戦うのは下の兵士だもの。やろうよ、ね?」

 

『と言うと受けてくれるか?アークスから見てもデメリットは無いように思えるが』

 

「…まぁ、やりましょう」

 

と言うか拒否権なく無い?

 

『あぁ、それと。私に近いーーと言ってもアークスと会う前の私ですがーー考えを持った龍族がいるので。うまくすれば彼も使えるかもしれません。もし会ったら存分に使ってやってください』

 

それでは、と言いここの責任者らしき龍族と二、三言葉話し、周りの護衛を連れて端っこに去っていくヒエンさんとその取り巻き。

 

するとーーなんか空飛ぶ恐竜みたいなのが飛んできてーーそれにみんな乗って行った。

 

「……なんだいありゃ」

 

「…飛んでいったな」

 

「…まぁ、私達もフォトナーの遺産を解析出来ればできなくは無いらしいけど」

 

「えっ⁈なにそれ!」

 

「知らないの?私達が使っているP.Aはフォトナーのマジックを再構築した物なのよ?飛ぶマジックがあってもおかしくないわ」

 

「そうか…飛べるのか…」

 

そう言い俺は空を見上げる。

 

「…あれ?そもそも俺フォースとテクター出来るのか?」

 

「出来るでしょ?第八世代なんだし」

 

「さて。話はそこまで。エコー、ユウナ。さっさと模擬戦してさっさと帰ろう」

 

ゼノさんがそう言うと周囲の龍族も動き始めた。

 

『アークスよ 彼 の 言っていた 方角は 向こうだ この テリトリー の 外れまでは 案内しよう』

 

「感謝します」

 

ヒエンさんに言われた通り西に俺たちは向かうことにする。

 

 

正直ヴォルドラゴンとは二度と戦いたくないな…。




伸ばした出来がこれである。これもうダメみたいですね…所でR18の方ネタが無いんですが…R18の方もう上げなくて良い?

そう言えばesの方のジェネのコスプレイヤーが会場に来るらしいっすね(行かない)えっ⁈コスプレイヤーのアレIカップ⁈うっそだろお前⁈(自キャラ兼小説のモデルのキャラがバストカーソル全マックスとか言えない)一体何カップになるんですかね…?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

89話目

やっと防具が二キャラ分揃った…。


 

 

 

「西って言ってましたけど…具体的にどの辺り?」

 

ヒエンから分かれて、言われた通りに龍族の村的なところを突っ切って歩いている。

 

そもそもこの浮遊大陸は目星がない。ーーいや、有るには有るが…。

 

そう思いエコーさんが歩いている方向を確認しつつ左上を見上げる。

 

そこにはまるで巨大な木ーーまるで空に飛んでいきそうな木が浮いている。

 

まぁ、浮いているから飛んでいくって言うのはあながち間違いではない。

 

「この方角であってる筈…だよな?エコー?」

 

「多分、うん。その筈」

 

その声を聞き視線を前に戻す。それから数歩歩いて二人が止まりこの周辺の地図を見ている。

 

「今俺たちが居るのがこのXのD53c74Ac56の…」

 

「YのG45n84jO92かな?それで向かう場所が…右にーー違う。上にズラせる?」

 

「こうか?」

 

「そうそう。ーーあぁ…ノーデータ…」

 

俺も二人が見ている横に入り地図を見るとーー確かにノーデータと出ている。

 

「こう言うのって船団の航空機が走査してるんじゃ?」

 

そう言い脳内に浮かぶのは小型のレドームっぽい物を付けた機体。アレ確かキャンプシップに複数搭載していたんじゃ?

 

「此処の龍族も一筋縄じゃないって事だろう」

 

「ほんと、協力してくれればいいのにね…」

 

そう言い胸の下で手を組んで口に人差し指を持っていくエコーさん。

 

「それを確かめる為に行くんですよね?」

 

「そうだ。それにまっすぐ言ってデータがないのは多分此処に違いない」

 

「さっきのーーヒエンに言われた事が?」

 

「えぇ。向こうが用意した龍族も戦って欲しい、でしたっけ?」

 

「そうだ。なに、ダーカーじゃないならやれるやれる。それに色んな人の依頼を受けて解決してる新人も居るしな!」

 

はっはっはっ!と言い背中を軽く叩くゼノさん。

 

「…ゼノ…ユウナちゃん、悪気は無いのよ。ゼノ?こうやってアークスやってくれる人は大事なんなからね?」

 

「分かってるよエコー。只でさえ少ない第8。それに女の子だもんな。頑張れよ」

 

「…え?なにコレ?どう反応すれば?」

 

「良いねぇ、可愛いねぇ。まっ、なるようになるさ!さっさと行こう。向こうを待たせるのもアレだからな」

 

そう言い地図を消して俺たち三人は更に西に向かう。

 

 

 

道中エコーさんが耳元で

 

「あんな風に先輩ヅラしてるけど、臆病なのよ?ゼノ」

 

「先輩が?お、あっいえ、私にはそう見えないんですが…」

 

「やっぱりね?ゼノの言う師匠に会ってからかな。変わったの」

 

「その、師匠っていうのは?」

 

そう聞くとエコーさんは手を挙げ分からない、と言う。

 

「さぁ、分からない。何せ私も会ったことないからねぇ。曰く会うときは何時も一人の時だったって言ってるし。それにその時のデータを見たけれどそんな人なんか居ないし。…でも」

 

「でも?」

 

「ユウナちゃんに似てる。ーーと言うか最初に会った時師匠かと思ったって言ってたっけ」

 

「俺が?師匠に?無いですよそれは」

 

「まっ、私も知らないけどさ。あぁ見えて心配してるのよ。たまには私達も頼りなさい?ビーストだから色々と面倒でしょうけど。その時は呼びなさいね?」

 

ポンと肩を叩かれて前に行くエコーさん。

 

「エコー。そんな事を言うなって…」

 

「いいじゃない。減るもんじゃないし」

 

「俺の威厳が減るんだよ!」

 

「大丈夫、大丈夫!威厳なんて私といれば無くなって行くから」

 

「師匠、ねぇ…」

 

そもそも俺は師匠なんて事は一切合切し無いし、そもそもそこまで生きてるかどうかも知らない。

 

今となっちゃ平然を装って居るが今からでも帰って良いなら帰りたい。

 

 

そもそも何でライフルとソードとタリス装備してこんな戦いなんて行かなきゃならんのだ。

 

早くマイルームに帰って寝たい。横になりながらポテチとかゲームしたい。欲を言えばロボゲーがしたい。

 

そういやリリーパで拾った機体どうなったんだっけ。リバースエンジニアリングーーコピーに成功したとかどうだか聞いた気が…。

 

 

「おまっ、おい!エコー!待てっ!」

 

そこまで考えていると後ろから肩を掴まれた。前を見るとゼノさんが走ってきている。

 

「おまっ!ずりぃぞ!ユウナちゃんの後ろに隠れるなんて!」

 

「へっへっ!ほらぁ〜来なさいよゼォノォ?来れるもんならねぇ?」

 

そう言いゼノさんが回り込もうとすると俺を一緒に回して妨害している。

 

「ユウナ!良いか!絶対動くなよ!動いたらーー」

 

「動いたらぁ?」

 

ニュッと俺の後ろから顔を出す。

 

「エコー!」

 

「きゃぁあ。わるーいゼノ先輩にナニかされちゃーう。逃げろー」

 

そう言い俺を抱きかかえながらーーエコーさんが走る。

 

「ちょ。えこ、まって…おい…」

 

数分以上エコーさんとゼノさんを抱えながら走り回ったーーと言っても、ちゃんと交戦地帯と言うか決闘地点と言うか…そこに向かって行くあたり流石なのかどうなのか…。

 

「ふふっー。ゼノも体力落ちたんじゃない?」

 

「お前…テクニック使ってたろ…ず、ずりぃよ…」

 

よいしょと言い俺を降ろすエコーさん。びっくりなのはあの速さで息切れしてないのが凄い。

 

などと思っていたらさっき言ったゼノさんの答えである。

 

 

と言うかテクニックで身体強化も出来るのか。

 

 

「まぁ、少しは疲れたけれどね?ーーさて。そろそろ見えてくるはずなんだけど…」

 

そう言うとエコーさんが進行方向に向いて辺りを見渡す。

 

「なぁエコー。アレじゃないか?俺から見て大体…うぅん、11時の方向。ほら、あのーー」

 

俺も言われた通りにその方向を見る。

 

 

 

そこには盾を装備して剣を地面に突き刺して柄頭に両手を乗せて仁王立ちしている。

 

『来たか アークス 特に中央 の 前に会った時とは 少し髪型が 違うな』

 

…ぁ?そもそも俺ここに来るの初めてな気が…?いった記憶…ない、よな?

 

「ぇーーいえ、そんな事はないはずですが」

 

「貴方がヒエンの言っていた?」

 

『そうだ この先 に 会って欲しい 龍族 が 居る』

 

「合ってほしい…?」

 

『どうした アークス 不満か』

 

「いえ、何もないですよ」

 

「…話を折るようでごめんなさい、お名前は?」

 

『そこの 輩 二人 は 初めてか コ・リウ だ 好きなように呼べ』

 

『全く かの龍達 にも 困ったものだ 幾ら ダーカーが危険といっても 全てを見せる訳には 並んだろうに』

 

「は、はぁ…」

 

『そもそもだ 貴様達 アークス の やりたい事は分かる だが 説明不足ではなかろうーー』

 

 

その時。後ろから違和感がした。なんの気もなく後ろを見るとーー。

 

コートを着て武器を持った人が俺に飛びかかってきていた。

 

「ひっ⁈」

 

咄嗟にタリスのカードを使いーー俺の目の前が半透明なシールドが現れる。

 

「くっーーユウナぁ!」

 

金属が擦れる音がして後ろにーー飛びかかってきた人が吹っ飛ぶ。ーーが綺麗に着地。

 

「なんだ⁈ーーおまっ、同士討ちは始末書ものだぞ!?」

 

「ゼノさん!奴です!凍土のアイツです!」

 

「えっ⁈と言うと彼女が」

 

「そうだ、少数だが目撃されているD.F、仮面だ」

 

『おいおい…3対1は卑怯だよ?プライドってもんが無いのかねぇ?』

 

「プライドなんて犬にでも食わせてろ!」

 

「エコー、臨戦態勢。奴はD.Fだ。気を引き閉めろよ。下手したら死ぬ」

 

「分かってるって!10年前の時と一緒よ!」

 

そう言い先輩二人が各々ソードとロッドを取り出して応戦しようとした時。

 

(ここは)(私が貰おう)

 

二人が武器を手にした時、コリウが俺達の前に立つ。

 

「!コリュウさん!待って!そいつはマズイ!」

 

(舐めるなよ)(アークス)(同族同士で磨いた)(力を見せてやる)(お前達は後ろのテレポーターを使え)

 

「でも!ーーあぁ、いや、頼むぞ!俺は嫌だからな!」

 

「ほらっ!エコーも!さっさと行くぞ!」

 

「う、うん!幸運を!」

 

そう言い俺達はテレポーターを使い仮面とコリウとの戦いから離れた。

 

 

 

それから直ぐにコリウがテレポーターを剣で壊す。

 

(これで迎えまい)

 

『ふん、たかが龍族がそんな事を』

 

(貴様のような無法者を歓迎する程)(今のテリオトーは安定していない)(出ていかないのであればーー)

 

『んぁ?』

 

(ーー此方にも用意がある)

 

そう言うとずらっとコ・リウと同じ龍族が至る所から出て来る。剣やウォンドに酷似した武器、他には四足歩行の龍族もちらほら見られる。

 

『どれ、楽しませてもらおうじゃ無いか』

 

それに答えるように仮面もソードを背中から取り出す。

 

(さぁ、来い!)

 

 

 




これファントム来るまでに終わらないな(確信)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

90話目

デューマン以外でオッドアイにする方法とは。


 

コノリウに後を任せそのままカタパルトに乗り、合流地点に跳ぶ。

 

 

(此奴の事は任せろ)(カタパルト通りに進めば合流地点に着く)(後は任せたぞ、アークス)

 

「コリウか⁈そっちはどうだ⁈」

 

(数で押そうとしたが)(此奴中々)(50居た同族が、今や私含め数人よ)

 

「ボロ負けじゃねぇか!コリウ!逃げろ!奴はダークファルスだ!侵食されるぞ!」

 

カタパルトで空を翔びながらコリウに聞こえているかどうかも分からない声を上げるゼノ。

 

(分かっている)(仲間には攻撃を食らったら散開して逃げるように指示を出してある)(元は時間稼ぎ)(アークスが合流地点に到着すればこちらの勝ちよ)

 

「そうか…なら良いんだ」

 

それに小声で聞こえていたのか、と呟いたのを俺は見逃さない。正直俺も思ったが。

 

「やっぱしあそこに残っていた方が良かったんじゃ…」

 

「いや、合流地点で何が起こるか分からないーーまぁ十中八苦戦闘だろうが、戦力を分散させるのは愚の骨頂。当たるなら持ちうる限りの火力で、だ」

 

「…それもそうか。さっきのコリウは逃げ切れたかしら…」

 

(それよりアレがダークファルスか)(私達が戦っていたのは…ただの雑魚だったか)(雑魚如きで戦死者すら出していたのに)(更に上には上が、か)(アークスよ、今回の任務)(絶対に成功させろよ)(我々の命がかかっている)

 

そう言いコリウからの念話は途切れる。

 

「この様子だと逃げ切れましたね、エコーさん」

 

「えぇ、良かったわ。味方は多い方が良いしね」

 

「まっ、今回は戦闘には協力しないけどな」

 

そう言や雑魚って言っていたが…確かこの辺りに出るダーカー種はダーカーやダガン、それにデータ上では見たミクダやダーガッシュ、ガウォンダと戦っていたのか。

 

ミクダが背中に弱点のコア、ダーガッシュがチョウチンアンコウで口の中がコア、ガウォンダが…シールド持ち、だったか。シールドはダーカー因子で保護されてこっちのフォトンが効きにくいんだっけ?まぁ、素直にケツを狙うさ。

 

幸いなことにダーカーは遠距離攻撃して来るやつは少ない。

 

お陰で脳筋主義が多くてアークスも困ってるとかなんとか。

 

 

「ーーそろそろ合流地点だ、エコー、ユウナ。武器のチェック、頼むぜ」

 

そんな思考に耽っているとゼノさんが大声を出し警告を出す。

 

「ユウナちゃん、絶対に成功させるわよ。これがある意味、シーナちゃんへの手向けの一歩になるかも知れないんだから」

 

「は、はい!」

 

 

「あれ…?誰かが待っているって話だけど…誰も居ない…?」

 

ロッドを構えながら明らかに決闘する場所らしき広場を警戒しながら進む俺たち。だが、ある程度進んでも敵は出てこない。

 

それに疑問に思ったエコーが言う。何処だ、と。

 

 

(アークスの子)(ユウナにゼノ、エコーよ)(よく来てくれた)

 

その声に反するように頭に響く声ーー。

 

「頭に直接…?と言う事は龍族か」

 

(私はロノカミツ)(故あって、姿を見せられず、声での対応、無礼を詫びる)

 

辺りを見渡しながらライフルのセーフティを解除、フルオートに固定、グレネードも装填して背中に。

 

「ロのカミツ…?彼女を呼んだのも…あなた?」

 

二人が偉い人と会話しているのを尻目に、今度は左腕に付いているタリスのチェック。

 

零式ナ・バータと言う名のシールド、武器のフォトンを強化するシフタ。

 

戦闘服のフォトンを強化するデバンド。

 

身体のフォトンを活性化させ傷を癒すレスタ。

 

同じく身体中のフォトンを活性化させ毒物を'消す'アンティ。

 

これらの動作を確認ーーした。

 

 

(まさしく)

 

(旧態依然としていた我ら龍族に…一つの楔が打ち込まれた)

 

(そのキッカケは、間違い無く貴方の内にある。ーー感謝する。ユウナよ)

 

次はソード、と思った時に名指しで言われて顔を上げる。そう言や俺を名指しだったな。

 

「楔、ねぇ…まぁ、龍族の雰囲気が変わったって言うのは分からなくない、が…」

 

ゼノさんも左手でアクションを取りつつソードの柄に右手手を掛けたまま、そちらの手は動かさない。

 

「とは言え、ただ感謝を述べる為だけに此処に呼んだってわけでは無いんでしょう?ロのカミツさんよ」

 

(無論それだけでは無い)(ユウナよ、貴女に渡したい物がある。ーーだがその前に)

 

(確かめさせて欲しい)

 

(貴女がそれに足る力を持つのかを)

 

そう言うとーー。キィィィンと言う音が遠くから聞こえてくる。

 

「この音…戦闘機…?」

 

「ユウナ?何を言っている?何が聞こえるのか?」

 

「ジェットエンジンの音が…」

 

「ジェット?フォトンエンジンじゃないのか?」

 

「いえ、この甲高い音はーー」

 

「ゼノ!ユウナちゃん!アレ!」

 

そこまで言うとエコーさんが空を指す。

 

そこには翼からまるでアフターバーナーやオグメンタやリヒートの様に淡い熱を出しながらゆっくりと旋回している。翼からは戦闘機の如く空気中の水分が凍りヴェイパーを出して空を裂く。

 

そしてそのままループし高度を上げてスプリットSを行う中盤辺りでまたリヒート。そのままこっちにつっこんできた。

 

ゼノさんと俺はソードを地面に刺して吹っ飛ばされない様にして、エコーさんが俺たちの前に零式ナ・バータを薄く囲う様に展開する。

 

突っ込んだ衝撃で辺りの土が舞い上がる。

 

「げほっ!げほっ!んだよこれ!」

 

「ふぅ、咄嗟にツッ刺して良かったぜ。エコー、大丈夫か?」

 

「えぇ、なんとか。ユウナちゃんは?」

 

「くそがっ!ーーぁ、えぁ、だ、大丈夫、です」

 

「……」

 

「はっはっ!エコー。新人はこんくらいがちょうど良いんだよ!こう言うのが生き残るんだ」

 

「…う、うん。ーーそれより」

 

そう言いエコーは俺から視線を外し頭だけ突っ込んだーー龍族をみる。

 

「りゅ、龍族、よね?しかも大きい…」

 

「はっ、力試しってか。んじゃ、それに見合う報酬を用意してくれているんだよなぁ⁈」

 

地面からソードを抜いて構えるゼノ。それを見たエコーもロッドを構える。

 

 

(ーー無礼者!)(カミツ様の声を賜る)(それこそ誉!)

 

(良い、コノレラ)(此にと叫びしその忠義、この決闘を持って示して見せよう)

 

(御意!)

 

「来るぞ!ユウナ!エコー!」

 

 

 

そう言うとゼノはそのまま敵龍族ーー後にクォーツドラゴンと命名されるがーーに向かって走る。

 

狙うは頭。頭目掛けてゼノはソードを振る。

 

「ーーッ!かてぇな!」

 

(そんなもので)(コ・レラの鎧に)(傷なんて付かない!)

 

形成を振りと見るやコレラの頭目掛けて足の関節を上げて蹴り上げる。

 

それに応ずる様にエコーが光系や炎、氷系のテクニックを連発。

 

爆発したり、翼が凍ったりするも効果は無い。

 

離れた俺もソードをーーアルバソードを持ってクォーツに迫る。

 

「ユウナ!腕をやれ!」

 

ゼノさんの方を見ると腕で潰そうとしている。

 

そこに走って駆け寄りジャンプしてーーツイスターフォールを使い腕を切る。

 

「うぇ⁈」

 

「良いぞ!ユウナ!」

 

だが着陸と同時に尻尾が俺の横を思いっきり叩き飛ばす。

 

「いっ⁈」

 

一方のゼノはそのままソード全体を使ってガードした。

 

「ユウナちゃん⁈大丈夫⁈」

 

吹っ飛ばされた俺にエコーさんが駆け寄りレスタをかけてくれる。傷は無くなるが痛いものは痛い。

 

これでも軽減されているのだから、ねぇ。

 

「ユウナ!ライフルのエンドラクトを使え!」

 

「え、エンドラクト⁈」

 

「貫通弾よ!チャージ式の!」

 

「こいつの動きは速い!確実に当ててくれ!」

 

そう言われるがまま片膝立ちになり一番脆そうな部分ーージェットエンジン兼翼を狙う。

 

「ーー当たれっ!」

 

3秒ほどフォトンを込めると只の小口径弾が凄い光を浴びながらクォーツに向かっていく。

 

きーん!と言う音ともに右翼が壊れた。

 

(成る程、力はある様ですね。他のアークスのアシストがあるとは言え)

 

(カミツ様!)(私はまだ)(まだ戦えます!)

 

(もう良いぞコリウ。其方の忠義は見せてもらった。戦いは終了だ)

 

そう言いいきなり力が抜けたのかスッとクォーツが下がると、今まで力んでいたゼノが、そのまま前のめりに倒れる。

 

 

「あぁ⁈ぜ、ゼノ⁈」

 

急いで側に駆け寄るエコー。

 

(…さて、我々龍族はアークス要望通り我々の領域の侵入を許可しよう。それと。これが報酬だ)

 

そう言いどこからともなく現れたソレはーー丸っこい何かだった。

 

「あの…これは?」

 

(あるものから言われてな。ユウナ、と言う人物が来たら渡してほしい、とな。さて。礼は果たしたぞ。これで大っぴらにアークスの番組が観れる)

 

(カミツ様!)(何観ます⁈)

 

(そうだな、取り敢えず料理番具をーーん?どうした?アークスよ)

 

「い、いや、凄く庶民的だな、と」

 

(そりゃそうだろ。多くの龍族の前では長であるために高圧的でなければならず、こうやって楽に話せるのは一部の龍族のみ。次第にこう言うの物に興味を持つのは必然であろう?)

 

「…そうなの?えこーさん」

 

「…ゴメン、分からないや」

 

「大丈夫だエコー。俺も分からん」

 

(取り敢えず物は返したぞ。さぁ帰るぞコリウ。楽しみに待っているものは沢山居るからな)

 

(はーい!カミツ様!)

 

そう言うとクォーツが律儀に礼をしてそれなりの速さで上昇、どこかに飛んで行った。

 

「…ねぇゼノ。なんか今回…閉まらなかったね」

 

「…まぁ、誰も死なずに済んだってことで」

 

そういながらエコーさんはアンティとレスタを撒く。

 

「まぁ、これで終わりってことで。ゼノ?キャンプシップに通信をーーってどうしたの?」

 

「いや、なんか…繋がらないんだ。おかしいな、端末の調子もおかしい」

 

そう言われて俺も管制官に繋ごうとするーーがノイズばかりで何も聞こえない。

 

「…ねぇゼノさん、俺嫌な気がするんだけど…」

 

「奇遇だなユウナ。俺もだ」

 

「えっ、ちょっと!どう言うことよ⁈」

 

「多分この感じだとーー」

 

『見つけたぞ。ユウナぁぁ⁈』

 

先ほどまでクォーツがいた所にーー仮面が立っていた。

 

『ユウナ。それを寄越せ。寄越したら楽に殺す」

 

「そう言われて渡すアホがいるかよ」

 

そう言いアルバソードを取り出して構える。

 

『やる気か?』

 

「当たり前だよな?そろそろ教えてくれても良いんじゃない?」

 

「ユウナ!援護するーー」

 

『黙れ。足踏みしていた雑魚は引っ込んでろ』

 

「…ッ!」

 

「おいおい、先輩になんて事言ってんだよ。ゼノさん!一緒にーー」

 

視線を一瞬外してゼノさんを見るとーー二人とも倒れていた。

 

「ーーッ!おまっ!何をした!」

 

『少し眠ってもらっただけさ』

 

「結局コレかよ!」

 

『そうだ、ヤるかヤられるかの二択さ!』

 

そう言いソードを持って突っ込んでくる仮面。

 

俺もソード片手に突っ込む。

 

二つのーー水色のフォトンを護ったソードと紫色のD因子を纏ったソードがぶつかり合う。

 

「なぜ俺を狙う!」

 

『答えは簡単!お前が死ねば宇宙は救われるんだよ!』

 

「何のことを!」

 

ソードを切り上げ、仮面目かげて突く。

 

『甘い!』

 

そのまま後ろに下がり、ツインマシンガンで引き撃ちを始める。

 

左腕に付いているタリスの零式を使い全ての弾が体に当たる前に浄化され消える。

 

『ナバータか』

 

「そうだよ!TMGなんか捨ててかかって来い!」

 

『そうだな!』

 

腰にTMGをセットして再びソードで殴り合う俺と仮面。

 

ノヴァストライクで打ち上げてもそのままソードで突き殺そうとしてくるし、ソードとソードで膠着に入るしーー。

 

ソードを払いのけ距離を取る。

 

仮面はまだやる気らしい。

 

「…俺は死にたく無い、まだ死にたく無いんでぇ!」

 

ギルティブレイクを使い仮面に接近して頭の仮面を破る。

 

「っ!まずったか!」

 

「かったぞぉ!」

 

そのまま仮面にソードを突きさしーーペルソナの仮面に当たる。

 

「ふっ。だからあまいんだよ、お前は」

 

だか。

 

だか、その後に来るものはーー

 

ーー激痛。ただ、それだけだった。

 

 




こんな終わり方してますがまだプロトタイプ。気が向いたら追加する。と言うかこの後仮面とマトイについて殴り合うまで戦闘シーンあったっけ?

と言うかデューマン以外でもオッドアイ欲しい…欲しくない?
後アクセ枠6個から8個欲しい。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

91話目

ファントムが実装されたので(フライング)

所でpso2本編の方でオオカミミミと尻尾の実装はまだですか?(大声)


 

 

 

「私の勝ちだ、ユウナ」

 

「こっちもだよっ!」

 

ソードとソードがお互いの顔に当たりーー距離を取る。

 

戦闘服を着ていると顔含め全体を守ろうとするのだろうが、流石にソードは無理みたいだった。

 

左目の視界が無い。

 

だが痛みが無い。服のーー確か前にアフィンから聞いた何かが働いているのだろう。

 

「ーーだぁ⁈」

 

更に痛みが強くなり声を上げる。

 

「…くっ!」

 

立つのがやったの俺とーー生きている右目で見ると顔を抑えて居る仮面。

 

どうやらヤツも無事ではないらしい。

 

二人とも更に離れ距離を取る。

 

「はぁ、はぁ…仮面ヨォ、なんで、なんで俺を殺そうとする!」

 

「お前を、殺せばなぁ、マトイが。死ぬからだよ!」

 

「マトイが?」

 

ソードを地面に突き刺し左手で左目を抑える。さっきより更に痛みが増す。超痛い。

 

「そうだ!貴様も思わなかったのか?なんであんなフォトンを扱える少女がアークスにーーひいてはオラクル船団にデータがないのかと!」

 

「しる、かよ!」

 

「答えはなぁ、彼女が、ダーーー」

 

ソードを俺に向けて言おうとした時。後ろから呻き声が聞こえる。

 

「んっ…あれ?なんで私…」

 

「ーーDarm'it!潮時か!」

 

「おい!待て!まだーー」

 

左手を伸ばし何かを問おうと叫ぶ。

 

「流石次元の私だ。ここまでダメージを食らうんだからね…」

 

そう言い仮面は紫色の中にーー俺が当てた傷を手で多いながら撤退した。

 

 

「いっ、たい、どう言うーー」

 

そこまで言いその場に倒れる。

 

あぁ、最初は服が何とかしてくれているかもって思ったけどーー。

 

 

スッゲェ痛いや。死にそうなくらい。

 

 

しかも良く良く倒れた地面見たら超血溜まってんじゃん。

 

そう言い俺はーー前の人生含めーー始めて気を失った、と思う。

 

何せ何も動かない、暗かったのだから。

 

と言うかこれ、死んだなぁ…。

「うぅ…えぇ⁈ユウナちゃん⁈しっかり!ゼノっ!ユウナちゃんが⁈」

 

うっすらと見えるーーこの声はエコーさんか?

 

「んぁ…?なんだ?ーーエコー、俺はディメイトをぶっかける。エコーはレスタを。早く!」

 

ゼノさんか何かを俺にかけている…でも…なんか…。

 

「う、うん!」

 

「おい!ユウナ⁈寝るな!起きてろ!管制塔!緊急事態だ!コードE.R!なに⁈緊急救助だよ!」

 

「ユウナちゃん…お願い、生きて…っ!まだお姉さんユウナちゃんの尻尾とミミと頭ナデナデ出来てないんだからっ!」

 

エコー、さん…今の内に、して…くれ…。

 

 

 

 

 

 

 

「ーーッ⁈」

 

 

それからフッと目が開くようになり、体を起こすとーー体全体を覆う服を着ていた。

 

左右の手でジャンケンをしてーーどちらも動くことを確認すると、この一体化した服を見る。

 

なんか胸がチクチクする。

 

「…下着ないのか…」

 

服の間に手を入れて確認したらーーブラジャーをしてなかった。だが下着は着ている。だったら下着もくれよ…。

 

 

ピッと言う起動音と共に何かが浮遊ーーマグだ、マグが音も無く浮遊して定置ーー左後ろに付く。

 

左側を見ようとしたら何か違和感が。

 

なんだこの違和感は、と考えること数秒。

 

あぁ、そうだ。仮面とやりあって左目に怪我…したんだっけか。

 

今の状態を知る為に顔に触る。

 

左目に何か付いている。これはーー。

 

「…眼帯ーー違和感はコレか…」

 

良く生きてたな、と呟き眼帯を触っていた手を片手を腰に。もう片手を頭にやる。

 

尻尾とミミはある。耳の方も確認した。

 

目以外は無事か。

 

尻尾を確認していた腕を頭に戻し、もう一度横になる。

 

ここはどこだ?メディカルルームか?いや何時ぞや見た時より部屋が広い。マトイを呼びに言った時の部屋はもっと小さかったはず。

 

そもそもあの後どうなった?先輩2人は起きたのだろうか?

 

そんなことを考え始めたら扉が開く音がした。

 

入ってきた人はーーこれは医者か?側に看護婦も居る。

 

「やっと起きましたか。ユウナさん」

 

「…ここは?」

 

「ここはフェオ首都にあるアークス直下の病院です。ここに運ばれた理由は分かりますか?」

 

「ぁあ…確かダー…敵と戦闘して相打ち?になったから?」

 

「そうです。ユウナさんからの体内から大量のD因子が見つかり高濃度フォトンカプセルにて治療を続けてました。何か違和感とかは?」

 

「いえ、今のところは。ーーいえ、左目が少し」

 

「左目は今は治療中ですので、眼帯は外さないように。もう二、三日安静にしておきましょう。マイルームにいる方に連絡を」

 

「はいーーメールは送っておきました。ドクター」

 

「よし。それではユウナさん、お大事に」

 

そう言い医者と看護師は出て行く。

 

 

…ダークファルスの事は言った方が良かったのだろうか?

 

いやだが…うーん。

 

取り敢えず、お腹すいた。

 

それから数時間ほどマグのポスを起動してテレビを見る。

 

そう言えばこっちに来てゲームって無かったな、と思いだす。何せ惑星に行って調査調査の連続+仮面野郎と戦ったりしたからな(2回目)。

 

そんなやってる暇ーーはあるけどなぁ…。

 

内心思いながらposで調べる。テレビを投影しているホログラムとは別のホログラムを作りロボゲーを検索ーー結果は。

 

数十件ヒット。

 

一番上のサイトに飛びーーあれ?これって。

 

「リリーパで鹵獲した奴?ーーこれのゲーム出るの⁈」

 

そう独り言を言い、そのサイトに入ろうてした時。

 

「ユウナちゃゃぁぁん!」

 

勢い良くドアが開きマトイが出て来た。その後にデュケットとアフィンも居る。

 

あれ?そのドア自動じゃ…?

 

デュケットとアフィンが開いたドアを見てどうしようかと言っているのが聞こえる。

 

「ユウナちゃゃぁぁん!大丈夫⁈変なところとか無い⁈」

 

一応病人なんですけど俺。と思いながら俺にダイブして来たマトイを撫でる。

 

「大丈夫、大丈夫だから」

 

「まぁ、その様子だと大丈夫みたいですね」

 

「良かった…相棒に何かあったと聞いて急いで飛んで来たぜ」

 

「…そうだ。デュケット。俺と同行していた二人は?どうなった?」

 

「お二人ーーゼノさんとエコーさんに担がれて帰って来たんですよ?外見上の怪我は…まぁ酷くなかったと聞いたのですが…D因子が…」

 

「そうか…龍族の方は?」

 

「今現在はアークスと協力方針を採っているようです。お陰でD因子に侵食された龍族の討伐依頼がひっきりなしで…」

 

「そうか。一応、成功したんだな」

 

「えぇ。所でユウナさん。もしかしてですけどーー」

 

「ーーまたD.Fと会いましたか?」

 

「…あぁ、アイツ殺す気できてた」

 

「ダークファルスって…⁈あの凍土の⁈」

 

「あぁ、名指しで次は殺す、だと。ロボアニメなら生存フラグなんだがな」

 

「ロボ…?それにしても…やはりユウナさんを狙っている?ーーあぁとそれと。ユウナさんが回収したパーツ。ーー確かくらりっさ?でしたっけ?それはジグさんに輸送してあります」

 

「そうか…俺はちと疲れたし、腹も減った。ドクターにはナイショで何か買って来てくれ」

 

そう言いメセタを出そうてするとアフィンが止める。

 

「良いって!何か買ってくるものあるか?」

 

「肉。肉が食いたい」

 

「…一応ドクターに聞いてみましょうか。とりあえず買いに行きますか。アフィンさん、マトイさんも」

 

医者に言ったらダメですって言われるから内緒って言ったのに。

 

えぇ、と言いもう少し居ると駄々をこねるマトイをデュケットさんが引っ張って行き、それに追従してアフィンも部屋を出てーー静かになった。

 

ベットから降りて窓を開ける。

 

窓の外には複数の飛行…艇なのか?それと高速道路に屋根をつけたような道路が町の間を縫っている。

 

それをみてもう一度俺は理解する。

 

 

あぁ、本当にS.Fなんだ、と。

 

 

 

 

 

「失礼ですが同室の方ですか?」

 

デュケット達三人が部屋から出ると医者から呼び止められる。

 

「はい。そうですが…?」

 

「立ち話もアレですのでこちらへ。少しお話があります」

 

それから2.30秒ほど歩き誰も使っていない部屋に私達は入った。

 

「因みにそこのニューマンの方はどう言う関係で?」

 

「えっと、ユウナとバディーー二人組を組んで任務に当たっています」

 

「成る程…一つだけお話があります」

 

「なんでしょうか?」

 

「ユウナさんの左目ですが…今のままですと治らない可能性が高いです」

 

「は⁈おま、それどう言う⁈」

 

「落ち着いて!アフィンさん。ドクター…それはどう言う?」

 

「ダーカーと交戦した時にダメージを食らったのでしょう。D因子が左目に入ってしまいフォトンを受け付けないのです」

 

「うそ…」

 

そう言いマトイは手を胸の前で握る。

 

「私達もどうにかしたいのですが…D因子に侵食された細胞をフォトンで滅して新たに細胞を入れるらと言うことも考えたのですが…彼女はビースト。一人一人違う遺伝子色素を持つとも言われている種族に同じ細胞は…」

 

「も、もう片方から取ってみては?」

 

「それも考えたのですが…左目の侵食が右にも映る可能性があると考えると…」

 

「…そんな…」

 

「一応ですが血液チェック出来ますか?それとDNAの採取を。時間は取らせません。機械に入れれば5秒ほどで結果が出ますから」

 

「…はい、各種採取ありがとうございます。すぐに結果がーー」

 

ピーと言う機械音。検索結果だろうか。それを覗き込む医者。

 

 

「…なんと⁈このデータは…マトイ、さん?」

 

「はい?」

 

「マトイさん!貴女ならユウナさんを救えるかもしれません!」

 

「えっと…どう言うこと?」

 

「貴女の生体データがユウナさんとーー姉妹レベルで一致しました!凄くないですか⁈方やビースト。方やヒューマンですよ⁈シャレにならない天文学的確率ですよっ!」

 

 

そう言い興奮気味に話すドクター。

 

「どうしますか?マトイさんの生体データが有れば直せる可能性が上がりますが…」

 

「えっと…一体何を…?」

 

「えぇ、まずはマトイさんの女性器内にある卵巣から卵子を一個取り出し、そこから細胞を培養。それらをフォトンカプセル内にフォトンと培養したものを満たしてその中にユウナさんと入れます。そうすれば治る筈、です」

 

「ーーじょ、女性⁈」

 

「えっと…それをやればユウナちゃんを救えるんだよね?」

 

「えぇ。それどころかマトイさんご自身に何かあった場合でもこれが有ればなんとかなります」

 

「…やります!」

 

「えっ、本当にい⁈」

 

「うんアフィン。私に出来ることは…こんな事ぐらいだから」

 

「いいの?いっちゃ悪いけどーー。ぁ、アフィンさんは一度外に行ってくれる?」

 

「あぁあ!勿論!」

 

そう言い部屋から出て行くアフィン。

 

「…良い?マトイさん。私達が作れる卵子の数には限りがあるのよ?…ニューマンやユウナちゃんみたいなニュースベースのビーストは違うらしいけど…」

 

「うん。何でか知らないけど…ユウナちゃんのマイルームにおいて貰っている以上、このくらいは、ね?それにーー」

 

「それに?」

 

「ーー何でか知らないけど…私、ユウナちゃんに凄く大きな恩がある気がするの。この位じゃ返せないくらいの恩が」

 

「そっか。マトイさんがそうなら私は何も言わないわ。ーーそうね」

 

「ユウナちゃんを元気にしてまた三人で暮らしましょ?」

 

「うん!」

 

 

 

病院特有の10点満点中5点(量には目を瞑る)くらいの料理を食べてさてどうしようかと悩んでいた時。

 

マグに反応がらある。

 

マグを呼び寄せチェックーーマトイから?

 

…私が救うから。って?

 

何を?俺を?

 

などと考えながら返信。

 

ありがとう。一言だけ送る。

 

そういえばふと思い出したことがある。

 

俺たちアークスはマグがデバイス代わりだけど…一般の船員は違うらしくて、なんでもフォトンバッテリーを使った画面形成型端末があるらしい。

 

それを後で買いに行こうか、と頭の中でメモする。

 

それにしても病院は本当に何もすることがない。

 

さっさと寝るべきか?

 

…そもそも一人の今考えてみるとこの身体になって一人で慰めたことないな。

 

でもそこは病院だし…監視カメラの一つくらいは設置してあるだろうしなぁ…。

 

「…トイレ、行くか」

 

 

まだ片目の慣れていない視点に戸惑いつつ付属のトイレに入る。

 

この身体になって分かったことがある。それはトイレに行く時は早めに行く事、だ。

 

実はこの世界にーーと言うかこの身体になってから何回も漏らした事がある。

 

理由は簡単。野郎にあった延長ケーブルが無いから持たないのである。

 

トイレに座りちょろろろ、と言うお尻の方におしっこが垂れる感触になれーーる訳ないーーながら用を足す。

 

ペーパーを取って優しく拭いてトイレにポイ。これで終わり。

 

しゃぁぁ、と少ない水で流れていくものを確認してまたベッドに戻る。

 

ベッドに戻りマグを確認するとーー今の時刻は午後7:25分ーー寝るにはだいぶ早い。

 

テレビを付けて色々なチャンネルに変えていく。

 

『ーーつまり、こう言うことか?お前はーー』

 

 

『ーーで、あるからして反ビースト組織であるーー』

 

 

『ーーはい、今入った情報によりますとビーストであるノルバーさんが反ビースト組織でーー』

 

そこに映し出されたのはーー頭やミミ、尻尾などおおよ人が持っていない部分を切断された映像だった。

 

お腹に大きな穴が開き内臓が露出している。

 

尻尾が立ったのが嫌でもわかった。

 

 

『ーーの所属している彼らは頑なにビーストを種族と認めず、またそれがオラクル船団に根強くーー』

 

 

『ーーである我々の要求は一つ。ビーストからの人権削除。それと同時に家畜化である。ビーストの栄養価は我々の船団が作っている食物より遥かに高く、それ一つで百人以上のニューマン、ヒューマン、キャストが10日生きれる栄養価がーー』

 

 

どこもかしこもニュースだらけだ。しかも最後の俺たちが食えるって?ジョークだろ?

 

『ーーはい、このところかの組織との緊張度も高くアークスを投下すべき、との噂もポスで上がっています』

 

 

『ですがアークスにもビーストはいるでしょうに。いたずらに刺激ーー』

 

 

この船団も闇抱えてるなぁ、怖いなぁ、と思いながら目を閉じる。

 

 

…まさか起きたら…いや、やめよう。

 

 

 

 

やっぱ怖いからアフィンでも呼んだおこう。そうしよう。

 

 




前話が完成していない罠。所でファントム来るけど…終わりそう?(自問)終わらない(自答)


所でR18の方何か書こうと思って(誰得&3番目が特殊な)アンケ貼りました(但し完成は未定)ある程度集まったら題材書きます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

92話目

まだだ!まだエタらんよ!


 

 

 

 

あの後寝てしまい気が付いたら左目の眼帯が取れていた。

 

 

それで上半身だけ起こすとベッドに倒れるように寝ているマトイ、椅子で簡単なベッドを作り手を下に垂れながら寝ているアフィンが居た。

 

 

「…ふみゅ…うにゅ?ーーユウナちゃん⁈起きた⁈大丈夫⁈」

 

 

その声に驚いたのか椅子のベッドで寝ていたアフィンががしゃん!と言う音と共に地面に落ちる。

 

「あぁ、大丈夫、の筈ーーそういや眼帯取れたな」

 

目を辺りをもう一度触りーー眼帯が無いことを確認。と言うか左右どっちも見えるから取れた、と言うことなんだろう。

 

「目痛く無い?変な感じとかしない?」

 

「いや、今のところは…うん、無い」

 

目を上下左右に動かして痛みがないのを確認。その後マトイを見る。

 

 

「良かった……本当に、良かった…」

 

 

そう言い目元に涙を溜めながらーー溜まったソレを手で拭いてニコッと笑うマトイ。

 

 

「……そうだな。良かったよーー」

 

 

「相棒⁈起きたのか⁈大丈夫か⁈目の痛みとかは⁈」

 

 

 

「いや。特に無いが…どうしてそんなにーー目が気になるんだ?」

 

 

「それはーー」

 

 

「アフィンさん!ーーあはは…何にも無いよ?」

 

 

「…どう言うことだ?そんなあからさまに…」

 

 

「マトイ、言ったほうがいいんじゃ?」

 

 

「でも…」

 

 

「大丈夫、相棒ならそんな事で軽蔑しないって。ーー多分」

 

 

「…そっか。あのね?実はーー」

 

そう言いマトイは椅子に座りなおして喋り出す。

 

 

 

 

「……D因子で左目が失明する可能性大、それで奇跡的に適合したマトイの……アレだ、細胞を使って治した、と」

 

 

「うん…」

 

そう言い顔を下に向けながら指を動かす。

 

「…マトイ?少し来てくれ」

 

「?うん…」

 

そう言い椅子をズラしてこっちに来るマトイ。頭を差し出しながら項垂れるマトイにーー。

 

 

ぎゅっと抱きしめた。

 

「えぇ⁈ユウナ、ちゃん?」

 

 

「ありがとうな、マトイ。お陰で助かったよ」

 

「…そう…良かった…本当に、良かった…」

 

そう言いマトイも抱きしめて来る。

 

「…あっ、そうだ。ーー」

 

「ん?」

 

 

 

 

「ーーユウナちゃん。お帰り」

 

 

「はぁ、卑怯だな、マトイは。ただいま。マトイ」

 

 

側から見ているアフィンが鼻を伸ばしつつ目に涙を溜めて居たのを俺は見逃さない。

 

 

 

そこからマトイがもう少しこのままで居たいと言ったが流石にこの体勢はキツイ、と言い後で膝枕するからと言いその場はそれで終わりにする。

 

 

 

「…因みにどうやって?しゅぢゅつしたのか?」

 

 

「…あぁ、俺は突っ込まないが…そんな程度は酷いがそこまでーー手術するほどでは無い、との事だった」

 

 

「んん?それじゃあアフィン、どうやって治療したんだ?これ?」

 

 

「あぁ…まぁ、気にしない方がーー」

 

 

そう言いアフィンが視線を外す。

 

 

「えっとね?変なカプセルに入れられて、そこに私の細胞から培養された細胞とフォトン液でユウナちゃんを浸した?って言うのかな?」

 

 

「…えぇ…」

 

マトイの何だかよく分からない説明を元にすると…カプセルに入れられて治療液とマトイの…アレに浸された、と。

 

「あぁ、あの時は内心これで本当に治るのかとドキドキしてたぜ」

 

 

「…ん?待て…マトイ、その時の服装って…?」

 

 

「もちろん裸だよ?」

 

「そのカプセルって…見えてる?」

 

「うん。見えないと中がどうなってるか分からないからねぇ…」

 

 

そこまで来てアフィンがさっき視線を外した理由が何となく分かった。

 

 

「……マトイ、アフィンは…見たのか?」

 

 

「うん!なんかアフィン曰く、好きな人の裸を見るのは普通、ってーーユウナちゃん⁈何を⁈」

 

 

手元にある未開封のモノメイト(オレンジ味)をアフィンに投げるべく手を動かす。

 

 

「なにって!ヤロウ人の裸見やがって!ーーあほぉ!」

 

細い女の腕から投げ出されたモノメイトはーー見事にターゲットに命中せず空を舞う。

 

「ユウナちゃん!それモノメイト!投げたら危ないよ!」

 

因みにアークスやーーと言うかオラクル船団てを使われているこのメイト系の飲み物ーーまぁ、塗り薬タイプとかもあるのだがーー超頑丈で踏まれても壊れない所か、原生生物に噛まれても破れない程度の強靭さを誇る。

 

 

あっ、これ当たったら痛くね?

 

 

「ごめんって!だって本当に心配しててーー」

 

そう言い止まったアフィンに向けて今度はディメイトを投げる。ーー優しく、投げる。

 

 

「だったら外で祈ってろ!」

 

ポイッと言う効果音がしそうな遅さのディメイトがゆっくりとアフィンの顔、というより髪の毛に当たる。

 

 

「あぁ⁈ディメイトがアフィンの顔に⁈」

 

 

 

その後看護婦がやって来て三人揃って怒られました。

 

 

人の裸を見た此奴が悪い。

 

 

その後は管制官の仕事終わりにデュケットや何時ものゼノとエコー_ーーここ2人は偉い怒ってた。奴と戦う時は俺たちも起こせって。いや、寝てたじゃないですか。

 

 

そんなことを言っているとーー久しぶりに見た顔にタトゥーの入った厳ついでかい人ーーゲッテムハルトと後ろにメルフォンシーナとメルランディアを連れてやってきた。

 

なんでも最近やっと入院じゃなくて通院にシフトしたらしく、しかもその通院しているのがこの…なんて名前だっけか?まぁ、この病院に通院しているらしい。

 

先輩方5人が揃い何時ものゼノとゲッテムハルトの口喧嘩からの喧嘩コースかと思ったらそこは大人。病院だからって事で収まった。

 

 

俺を除く女性陣がコレが外でも出来ればねぇ、と言っていたのは多分本人には聞こえていないはず。

 

そんなこんなでまた看護師が来て、俺たちも邪魔になりそうだから帰る、とゼノゲッテムが言い看護師と入れ違いで帰った。

 

 

その看護師によると明日、明後日頃にはこの様子だと退院できるらしい。

 

 

やったぜ、と思うと同時にマイルームに各種ご飯の材料あるだろうか?と考えてしまう辺りもう女の子なんぁと思う。ーーいやコレは前の時から何作ろうかと考えるの楽しいだけだし!ちげぇし!

 

 

看護師に量多く出来ないって聞いたら、ここアークス直轄だから…まぁ、無理かなぁ。って言われました。

 

 

 

翌日になり又看護師とデュケットが来て明日退院と言うことになったらしい。

 

 

デュケットに、「本当に大丈夫みたいですね…いやぁ、良かった良かった」と言われた時は…まぁ、俺も良かったよ、と言い返した。

 

 

「…あ、そうだ。イチゴ食べます?ship69産の甘いイチゴですよ?」

 

 

「そうか。食べる」

 

「はい。洗って来ますね」

 

 

そう言いバックを持って部屋から出て行くデュケット。

 

 

ベッドに横になりふと考える。

 

 

仮面が言っていた俺を殺す訳。確か俺が死ねばマトイが死ぬと。

 

あの言い分だと最終目的は多分マトイの……撃破。だけどそれが出来ないから俺を狙う。んで俺を狙えば…何でマトイが死ぬんだ?訳がわからん。そんな依存してる訳……訳、無い、よな?

 

それゼノとエコーが起きる前に言っていた言葉、彼女がダー、で終わった言葉。

 

 

そして仮面の仮面を外した時の姿が俺の今の身体と瓜二つ、そして最初に会った時にメルランディアが言っていた俺のデータと一緒。

 

 

コレはつまり双子の可能性が…?そして今回の件のマトイと俺の種族は違えどDNAその他の一致。

 

 

…まさか、ダーク、ファルス…?

 

 

そういう流れになると俺も、となる。

 

 

「辞めてくれよ、人と違うのはミミと尻尾だけで良いんだよ…」

 

そんな事を頭を片手で抱えながら無い知識で必死に考えているとデュケットがバーン!と扉を破って入ってきた。

 

 

それに驚きミミと尻尾がびーん!と立つ。

 

「でゅ、デュケット、さん?」

 

 

バックを持ちながらつかつかと歩いてきてーー昨日俺がマトイにやったように俺に抱きついてきた。

 

 

「ユウナさんはユウナさんです。ビーストがなんだっていうんですか。誰もそんな事を思って無いですよ」

 

 

多分勘違いしていると思うが…なんだか心地が良い。

 

 

俺も抱きしめ返す。

 

 

「…ありがと。デュケット」

 

 

「えぇ。こちらこそ。それにーー」

 

 

「ユウナさんのおっぱい、想像以上に大きくて感触が気持ちいいです」

 

 

あぁ…君、そんなに無いからねぇ…アークスで見たらあるけど周囲にいるのが俺とマトイだからなぁ…。

 

敢えて口には出さずぎゅっと抱きしめ返す。そう言えば女の子に抱きしめられたり、したりするのはマトイに次いで2回目だな、と思いながら。

 

 

その後イチゴを食べ終わり、帰り際にデュケットが。

 

 

「マトイさんと2人で待ってますからね。絶対に帰ってきてね」

 

 

と言い帰って行った。俺そこまで重症じゃ無いんだが。

 

 

退院するのは明日かぁ、と考えていると又々扉が開く。

 

やけに今日はお客が多いなぁ、と思っているとそこにはーー。

 

 

「……えっと、どちら様ですか?」

 

「酷くない?私だよ!ほら!」

 

えっ?マジで知らないんだけど⁈これナースコール押した方がいいのか?

 

 

と考えていると笑いながら椅子に座る。

 

 

「ごめんごめん。テオドールが言っていたビーストかぁ。ーーあぁ、私の名前はね?」

 

 

「ウルクって言うんだ。宜しくね!」

 

 

あぁ、リリーパの地下坑道で出会ったニューマンの彼女仮か。成る程、超絶活発的だな。

 

 

「あぁ、テオドールさんの言っていたのは…」

 

 

「何⁈テオドールまた私の事言ってたの⁈」

 

 

そこでふと思う。ここでテオドールが君のこと好きっぽいと言う事を言うのは如何なのだろうか?と。

 

 

「…いやぁ、まぁ、凄かったよ。ウルクさんの話に1時間弱付き合わされてねぇ」

 

 

「ウルクで良いわよ。それにしても私の話で、ねぇ…申し訳ない程度でいいから教えてくれない?」

 

 

「えぇ、まずはですね、テオドールさんの好物である豆腐ハンバーグの具の量がーー」

 

 

あの時話していた内容を簡単に掻い摘んで話す。終いには彼女ーーウルクも話に乗ってしまい、逆にテオドールのココがダメだけどそれが良い自慢が始まる。

 

あれ?これ前にもーー。

 

 

「ーーそれでね⁈テオドール、あぁ見えてイヤイヤ物事に取り掛かるんだけどーー」

 

 

「…あのぉ…所で…どうしてここに?」

 

 

「あぁ、そうだ。いけないいけない。テオドールの件に関してお礼が言いたくってさ。あの後少しづつだけどお話できるようになって。話を聞いたら任務中に会ったビーストの女の人に話を聞いてもらって、それで少し自信が付いてって事で。んでユウナさんって名前のビーストを探していたら金髪のニューマンの男の人に相棒ならフェオの直轄病院に入院しているよ、って言われてお礼きたのよ」

 

あのアホアフィン!なんて事しやがる!一応他人だぞ⁈その日に入院している病院と番号まで教えるか⁈

 

 

「そ、そうか…」

 

 

「…それにね?ああやってテオドールがちゃんと任務に集中することによって…やっと私も前を向けるんだ」

 

 

「ん?どう言う事だ?ウルク」

 

 

「…私少し前にね。アークスに応募して落ちちゃったのよ。それで二軍の管制官にも落ちて…それでどうしよっかって時にニューマンの水色の髪の毛をした人に会ってね?事の話を言ったらね?なんと!入れてくれたのよ!管制官に!」

 

 

「うわ、すげっ!超運あるじゃん!」

 

 

「うん!その事をこの後テオドールにも言うつもり。だからね」

 

 

「私達2人の間を紡いでくれた事に感謝するよ。本当にありがとう」

 

「…まっ、なんだ。2人揃って頑張れよ!俺は応援しかできないがね」

 

 

「うん!ユウナも怪我治して任務受けてよね!」

 

「高額依頼くれたらな!」

 

「それじゃね!」

 

「おう!テオドールさんに宜しく頼んどけよ!」

 

 

そう言いニューマンの女の子のウルクは病室を出て行く。

 

 

取り敢えずだ。

 

 

「アフィンは後ろから1、2メートル横に弾撃ってやる」

 

 

ーーーアフィン の ホームーーー

 

 

「はっくしゅ!」

 

「うわっ!汚いよ!お兄ちゃん!」

 

「ごめんごめん!誰かが噂してたみたい」

 

ーーー オラクル船団 フェオ直轄 病院ーーー

 

 

「…これでくしゃみしたに違いない。後で人の裸を見た言い訳を書いてやろう、してやろう」

 

 

そう言い俺はもう一度横になる。時間的にそろそろ昼飯かな?




所で確か75話辺りにテオドールが出ていたはずだけど…ウルクは出てないよな?確か。

と言うかストーリーでウルクが偉い人に偶然会って特別に受かったって言ってたけど後のことを考えたらこれ絶対ルーサーだろ。

と言うかこれまだEp.1.6の中盤なんですよねぇ…これいつ終わるんですかねぇ…?

R18はまだまってください。まだ2000もいってないんで…。

Ph難しい…難しくない?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

93話目

まだだ!まだ終わらんよ!


EP1.7

 

 

 

ーーーオラクル船団 フェオ首都ーーー

 

あの後医者に適応しているが念の為通院を勧められそのまま退院。

 

 

迎えに来ていたデュケットとマトイ。それとアフィンの乗る車に乗りそのままマイルームに帰宅。

 

 

俺が居ない間、もしかしたらキッチンがひでぇ事になってるかもと思っていたが…そうでもなかった。

 

何でもマトイが料理と掃除をし始めたらしい。

 

 

……これもしかして女の子が作った料理を食べられるチャンス?

 

かと思ったが俺の料理が食べたいらしい。俺ポスで料理調べて作るだけだから誰でも作れるーーっと思ったが…そうか。

 

自動調理器があるから少しでも味の違いがあるとアレなのか。新鮮で美味しいからか?ーーそもそもマトイが来てから食べてる料理…全部俺の手料理じゃないか!

 

そんな事を考えていると俺のマイルームに着く。

 

アフィンがお邪魔します、と言う中。俺はそのままキッチンに向かい、ナノトランサーの技術を応用して作ったとされる冷蔵庫の中身を見る。

 

 

一瞬、前見たく出前を頼もうかと思ったが…マトイとデュケットのなんか凄い視線を感じてやめた。そこで冷蔵庫を閉じて。ーー所でアフィン。何でいる?

 

「いやぁ…色々手伝ったし…ねぇ?」

 

「ねぇ?で女しかいない空間に居れるのかアフィンは」

 

「…ま、まぁユウナちゃん。アフィンも心配していたわけだし…ねっ?」

 

「何がねぇ?なんですかね?マトイさん…」

 

そう言いながらもテーブル拭いたりコップを準備したりするデュケット。

 

 

うーん、と腕を組んで悩む俺。何を作ろうか。ーーうどん?

 

サンドイッチ?ーー俺の腹が膨れないからなぁ……。

 

 

そんなこんなで冷蔵庫の中身を見ながら何を作るべきか考える。

 

 

 

 

ーーーオラクル船団 居住区ーーー

 

 

 

相棒が退院すると聞き、相棒のパートナーと合流する為に車を出す。

 

 

「あっ!兄ちゃんどこ行くの⁈」

 

「んっ?病院だよ?」

 

行く為に駐車場に車を出(出現)そうとしていると家から弟が出てきた。

 

車が出てくるから下がってって言い下がらせる。

 

「びょういん⁈なんで?兄ちゃんどっか悪いの?」

 

「うぅん、違うよ。相棒を迎えに行くんだ」

 

「あっ!兄ちゃんの好きな人⁈」

 

そう言う弟ーーまて、どこでそれを⁈

 

「ちょ⁈ち、ちげぇし!何言ってんだよ!」

 

「すきなひと迎えに行くんだ!」

 

手をバタつかせながら家に戻っていく弟。

 

それと入れ替わりに母が出てくる。

 

「アフィンちゃん…まだあの娘と付き合ってるの?」

 

「母さん…ちがうよ、付き合うって訳じゃ」

 

「アフィンちゃんはニューマンなんだから、引く手は一杯あるでしょ?何でビーストの娘と…」

 

と言いこれだからアークスには出したく無かった、と言い放つ母さん。

 

 

「…はぁ…まぁ、ちょっと出掛けてくるよ」

 

「任務ならその都度連絡してね?」

 

「ん、うん。分かった」

 

そう言い車に乗りーーフォトン駆動複合エンジンに火を入れる。ーーいや、この場合は雷か。

 

 

エンジンの回転数が上がりーー500くらいまで下がったらパーキングを解除、サイドブレーキを話してニュートラルから1速目に入れようてしてーー。

 

 

「…いや、今回はオートマで行こう」

 

モードをマニュアルからオートマに変えてアクセルを踏む。

 

最初はユウナのマイルームに行かないと。

 

 

車を止めてユウナのマイルームに向かう。毎回思うのだが、何でマイルーム行くのにゲートエリア経由しなくちゃいけないんだろうか?

 

普通にショップエリアとか居住区に直通のテレポーター作れば良いものを。

 

 

そんなことを思いながらもインターホンを押して中に居る二人を呼ぶ。

 

 

「マトイ?デュケットさん?居るか?」

 

 

中からはぁい。今から行くから待ってぇ。と声が聞こえる。

 

 

取り敢えず外で用意が終わるのを待つか。

 

 

 

数分してヒューマンのマトイと同じくヒューマンのデュケットが出てきた。

 

 

「ごめんなさい、アフィンさん。待ちました?」

 

そう言い何時もの管制官用の服装ではない姿で出て来たデュケットさん。マトイもその後ろに居る。

 

「いえ、そんなには。車は出てすぐ近くに止めてあります」

 

迎えに行きましょう、と言い二人を車に乗せアクセルを踏み込む。

 

 

 

病院に到着して受付に相棒の名前をデュケットさんが伝えている。

 

 

「…なぁ、マトイ。そう言えば何だが…」

 

 

「うん?何?」

 

 

「相棒ーーユウナちゃんに恩があるって言ってたけど…何か、機構に残ってるような…こう、分かるか?」

 

 

「うん。記憶を取り戻すための何か無いかなって事だよね?ーーそれならノー、かなぁ…」

 

 

「そうか」

 

 

「うん。なんか、こう…死ぬ覚悟でてくにっく?を使った時に助けられた様な気がしてね。確証は…ない、かなぁ…」

 

 

「死ぬ覚悟のテクニック、ねぇ…」

 

 

一応俺も使えなくは無い。クラス的に使えないだけであって。

 

そう言や相棒が前に、マトイにテクニック使わせたらヤベェ事になったって言っていた気がする。

 

もしかしてマトイって…テクニック系なのだろうか?フォースやテクターとか。

 

「他にはーー何かないか?」

 

そこまで思い、何か他にないかと聞く。

 

「ううん、何にも」

 

何も無い、だけど相棒ーーユウナの事は信頼している、と。

 

 

「そうか」

 

 

そこまで聞いて受付に行っていたデュケットさんが帰ってきた。

 

看護師が案内してくれるらしい。

 

 

 

 

相棒の荷物を持って車に入れて相棒のマイルームに向かう。

 

面と向かってありがと、と言われた時は少し嬉しかった。

 

 

数分走り、ショップエリア経由でマイルームに着く。

 

そのまま流れでユウナのマイルームに入ったが…案外普通だった。ーーいや、リビングの影になるところに作業台と変な機械が置いてある。

 

「あいぼー?何これ?」

 

「それか?見ての通り作業台と武器のオートローダーだよ。ーーデュケット。皿を」

 

「はい、どうぞーーあちっ⁈」

 

「あぁ⁈デュケットさん⁈水を⁈」

 

キッチンの方にチラッと目線をやるとーー相棒がフライパンだったか?それを使って料理しているのは分かる。相棒がフライパンの中身をデュケットさんが持っているお皿に移そうとした時ーー多分ありゃフライパンに触ったのか?マトイが水を……デュケットさんの腕全体に欠けている。

 

何作ってるんだろうか?と思いながらも作業台を見る。

 

 

上にはプラモデルの作り掛けが置いてあったり、無造作に空のマガジンが置いてあったりーー下の収納スペースには各種武器のマニュアルが丁寧に仕舞ってある。

 

作業台の隣を見るとーーウェポンラックが置いてある。でも其処には何も置いてなかった。

 

「次は何を作るの?」

 

 

「肉が食いたいから…豚肉と玉ねぎと生姜を焼いて醤油で炒めたものどうよ?」

 

 

「うわぁ…すっごくいけそう」

 

 

「でしょ?ご飯はーーこれ何合?」

 

 

「えっと…900gくらい?」

 

「えっと…150だから…6合くらいか?まぁ、1.8キロも有ればアフィンが居るとはいえ、足りるだろ」

 

 

 

そう言い肉と玉ねぎを炒めている匂いがしてきた。

 

今回ここに来て正解だったかもしれない。俺の母親もあれから自動調理器を使わずに作る様にはなったが…あまり美味しいとはいえない。弟は美味いと行っているが…。あれか。俺は自動調理器の完璧過ぎる味に慣れてしまったのか。

 

 

 

…なんかアフィンがずっとこっちを見ている気がするが…そんなに食いたいのか。

 

 

そんな視線を他所に作った豚肉と玉ねぎの適当炒めを皿に乗せるーーこれ昼の食事では無いな。

 

 

「デュケット。アフィンのも。マトイはーーコッブは行ってるか?」

 

 

「向こうに?あるよ」

 

 

「よし、炊飯器を持って行くからーーさっさと食べよ?」

 

 

病院食で量が足りなかったんだ、食べさせてもらうぜ。

 

 

 

 

「ーーぁ、そうだ。アフィン、買い物に付き合え」

 

 

「また?今度は何をーーマトイ、もうちょっとこのナスの…ポン酢和え?こっちにーーそう。で何を?」

 

 

ナスのポン酢炒めを自分の方に少しだけ寄せて白米の上に乗せて元の位置に戻してーーアフィンが聞き返す。

 

 

「買い物だよ、ソードが壊れた。軽い武器が欲しいから観に行こうぜって」

 

 

「まぁ、良いが…どこのを買う気だ?」

 

 

「まぁ、取り敢えずエーシーインスの所を見に行こうかと」

 

 

「A.C.ins?まぁ、扱いやすさでいったらねぇ…」

 

 

「アフィンとユウナちゃんどこか行くの?」

 

 

「あぁ、アフィンが無理って言えば1人で行くが」

 

 

「うーん、行きたいのは山々なんだが…こっちにも予定があってな」

 

 

「そっか…」

 

 

「なら私が行く?またロッドで撃ちたいし」

 

 

そう言うマトイ。頭によぎるは演習場的な場所の爆発事件。

 

 

「ま、まぁ…うん。任務が終わったら行こうか」

 

 

「うん!」

 

 

「ユウナさん、その豚肉と玉ねぎ炒めこっちにーー」

 

 

「あぁ、はいはい」

 

 

黙々と食べていたデュケットがここに来て初めて口を開くーー開いた言葉は肉炒め来れ、だが。

 

 

 

 

ーーー惑星アムディスキア 浮遊大陸ーーー

 

 

日付は変わり今は浮遊大陸の調査に来ている。

 

 

 

「あぁ…涼しいなぁ…」

 

 

ナノトランサーから買い置きしてある賞味期限が5年先のオレンジジュースを飲む。謳い文句はフォトンとナノマシンで完全密閉、爽やかフルーティ、だそうだ。

 

セールで安かったから買ってみたが…まぁ、さほど美味しく無い。

 

その代わりカロリーが少し高く、本当の意味で非常用の飲み物みたいだ。

 

 

余計喉が乾く気がするが気にしてはならない。

 

 

行き掛けにミートレーションがショップに売っていたので、それを5個購入して今食べようとしている。

 

 

地面に座り膝の上にミートレーションーートマトソースとハンバーグ、パンが圧縮された物を見る。

 

 

過去に軍に入った友からレーションを何回も分けてもらったことが有るが…アレは袋の中にハンバーグとトマトソース、米とスプーン、それを入れる受け皿が有ったなぁ。

 

 

そんな事を思い出しながらパン、固形のトマトソースとハンバーグ、パンの詰まったレーションに付属のスプーンを指して口に入れてーー。

 

 

「…やっぱりしょっぱいよなぁ…」

 

 

確かにハンバーグの厚さは良い。味の濃さはまぁ、何とかなる。でもな。

 

 

この濃さだと米が欲しいなぁ…。

 

 

そう思ってしまうのは前の前世が前世だったからだろうか。多分そうだ。

 

 

ミートレーションを食べ終えて、そのまま浮遊大陸の奥に進む。

 

 

 

とちゅうクルクル回って突っ込んでくるデカイ亀、シールドを持ってフォトンを担う攻撃を全て無効化する巨人が何も無い空間から現れーーこれはオラクル船団のテレポーターみたいなもので、直接この場所に現れてたりするのだろうか、と思いながら、分かり易すぎる赤いコア部分を撃って倒しながら奥に進む。

 

 

にしてもあのシールド…。

 

 

「アレは使い道十分ありそうだな」

 

 

そう呟きながらステブウェポンのコッキングレバーを引いてーー途中で固まった。

 

 

「ん?あれ?……っ!」

 

 

引けないのを確認して咄嗟に強く引くがーー薬室内の弾は出てこない。

 

 

おっかしいな…そんなに精度悪い弾を使ってるわけじゃ無いし…。

 

マガジンキャッチを押してマガジンを外す。マガジンの挿入口から指を突っ込んで取れたりしないかやるが、長さが足りない。

 

 

 

「……あれ?貴女は…地下坑道であったユウナさん、でしたか?」

 

 

「んぁ?」

 

 

それから数分ほどコッキングレバーを引こうとして、ストックを地面に埋めて足で押し込んだり、氷系テクニックを何となく使い、棒を作って押し込んだりしてみてダメで…。

 

 

どうしよっかと悩んでいたら後ろから声をかけられた。

 

長い帽子と左肩を出し、ロングドレスの様な男性用戦闘服を着た男性。

 

 

「…テオドール、さんでしたか?」

 

つい癖で呼び捨てしようとしたところをどうにか次の言葉を出してさん付けする。

 

 

「テオドールで良いですよ。ーー所で、その、…一体何を?」

 

 

そう言いテオドールがストックが埋もれた銃の隣に氷系テクニックの氷柱的なものが置いてあるところを指差す。

 

 

「いやはや…ちょっとジャムりまして。ーーまぁ、銃が壊れた、と言うか…」

 

ジャムと言い、ふとそれがレンジャーじゃ無いクラスの人に分かるのかと思い、壊れた、と言うことにしておく。

 

にしてもこれアレか?撃った薬莢を外に出す…確かリム?だかなんだかが悪さしているのか?これでもバレルとか機関部は結構な頻度で分解して綺麗にしているんだがなぁ…。

 

 

「あぁ…そうですか。…そうだ。どうです?帰るまでパーティを組むって言うのは」

 

僕1人じゃ心弱いんで、と言う。ふとウルクと言う彼女(仮)が居るのに俺みたいな女の子とパーティ組んで良いのかと思ったが…それは後で良いか。

 

「あぁ…良いね。そうしよう。ーー所で」

 

良いと肯定してそのあと言うのは一つ。

 

 

「何です?」

 

 

「武器って有ります?」

 

メインウェポンが壊れた現状、テオドールに武器を借りるしか無い。後ろに装備しているロッドから見て多分テクターかフォースなのだろう。予備のガンスラッシュもあるに決まっている。

 

正直地球の科学で止まっているため、この船団の科学力で作った、地球の比では無いガンスラッシュを見ても、先入観と言うか何というか。とても常時使いたいとは思えない。

 

それと同時に、帰ったら予備の武器を購入しようと決心した時である。

 

 

そもそもメイン、サブ、サブ2号機位は購入しておくべきか。

 

 

 

 

 




Phでマウス17:30でSクリ出来たので。

あと惑星にI.J.N実装確定なので。この調子でオイ車も来い。こちとら日本ルート終わったんだよ!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

94話目

キャラの口調が行方不明。


 

 

 

「えっと、ユウナさん…テクニックの使い方、分かる?」

 

 

そう言いテオドールがロッドとウォンドを渡してくる。

 

そうだな。

 

「こうーーいけぇっ!ってやればーー」

 

 

テオドールから手渡されたロッドをクルクル回しながら前に突き出し、上の言葉を言うとロッドの先端から光の渦が散らばり、空中に飛散する。

 

 

「………」

 

 

「………」

 

唖然とするテオドールと撃ったロッドを両手で持って、それとテオドールを交互に見る俺。

 

 

「…ユウナさんって…僕と同じ第八世代だよね?なんでクラスチェンジしなくてもこんな十分な威力を…?」

 

そもそもユウナさんってレンジャーだよね?っと付け加えて。

 

 

「…ま、まぁ、そう言うこともあるよ。それにーー」

 

ほら、と言いミミと耳、尻尾を指差して言う。

 

「ビーストだけど一応ニューマンベースだからじゃない?多分、だけどね」

 

「そっか。ビーストは前見た時分かったけど…その、すごく長い髪の毛でわからなかったよ」

 

「分からないのは当然だよ。ーーさて、武器は入手、と言うか借りれたし…」

 

 

それで思ったが、テオドール曰くテクニックが強い訳。ニューマンベースって言うのもあるかもしれないが、もしかしたらマトイから受けた目の細胞が起因している、のかも知れない。

 

 

 

ーーそもそも目からどうしてそんなテクニックが強くなるって事になるのかは分からないが。

 

「パーティ組むのは良いてして。どっちが前衛付きます?」

 

「僕は元からフォースなのでちょっと…」

 

「ロッドって敵を殴れるよね?なら俺が前に行くわ」

 

「お願いしますね。女性の方を前にするのはアレですけど」

 

 

「その言葉はウルクにかけてやってくれ」

 

「そうですね。戻ったらそうしますね」

 

取り敢えず俺が前ってことになったので。ロッドを振り回して空気を切る音を聞く。

 

両手で持って思いっきり殴った方が良いかな?

 

 

「多分雑に扱っても壊れないとは思うので。存分に殴ってくださいね」

 

 

「おう。借りといてなんだが、ありがとね」

 

左腕のタリスにレスタ、シフタ、デバンドが装備されているのを確認。

 

 

「奥の方に行きますか?」

 

 

「そうしましょ、それで任務を終わらせないとね」

 

 

「そうですね。僕もウルクに会いに行かないと」

 

 

そう言いながら内心、ホントウルクのこと好きだな、と思いながら気になっていたことを聞く。

 

 

「ーーそうだ、アレからウルクとはどうだ?」

 

 

「えぇ。ーー実はと言うと、僕、アークスに入ってからドジばっかりで。それで知り合いーーウルクに怒られてばっかだったんです」

 

「おう、いきなりかーーそれで?」

 

右手でロッドを持ちながらもテオドールの話を聞くために横に並び歩く。

 

正直ここって俺らを敵としているのはダーカーとそれらに侵食された龍族だけだから、基本的には戦闘は発生しない。基本的には。

 

 

「僕は怒られながらウルクの話を聞いていてーーウルクに答えられない自分が申し訳なくって、答えを出せない自分の能力が嫌で…」

 

 

そんなことを思いながらもテオドールの言葉は続く。

 

 

「そんな僕を見てか、ウルクも笑わなかったんですけど…最近笑うようになりまして」

 

 

その話を聞き、多分アークスに受かったからだろうなぁ、と思う。と言うかウルクも運良いよな。お願いしていたら偶然偉い人の目に止まって受かるなんて。

 

 

 

「随分遠回りしたけどやっと追いつけた、部署は違うけどね、とウルクが言っていました。今思い返すと色々からかわれたりしましたし」

 

 

「その時のウルクの顔を見て…ちょっと、ホッとした、というか…小っちゃい頃の感じがしましてね。ウルクも僕の為にあんなに苦しんでいたのに…」

 

 

「そうか?案外、ウルクもアークスになったらちゃんとやって欲しいな、程度かもしれんぞ?そもそもウルクって苦しんでいたか?案外、そう言うことを思う時って自分の方が無理している可能性があるぞ?」

 

 

「……そうかも知れませんね。アークスになれないウルクの為に、僕が頑張らないと、って気を張ってたのかも知れませんね」

 

 

「気を張ることは良いが、張りまくっていると緊張しすぎて動けなくなるぞ?その場に合わせて適当に行こうや?」

 

 

「そうですね。適当にか。ーーウルクの言っていた、無理をするなーー今やっと分かった気がするよ」

 

 

「まっ、ウルクを悲しませるなよ。多分ウルクもテオドールの事悲しませようとしねぇからな。ーー多分」

 

 

「多分って……僕もそんな馬鹿な真似はしませんよ」

 

 

「なんか嫌な事があったらウルクにでも言え。吐ける人が居るだけでもだいぶ違うからな…」

 

 

そう言いジェットの音みたいな甲高い音が聞こえる。

 

 

俺とテオドールが空を見上げてその正体を見る。

 

 

「ユウナさん、アレがーー」

 

 

「そうだ。クォーツドラゴンだったか。一応このエリアのトップだと。ーー俺たちの偵察機とかにぶつからなきゃ良いが……」

 

翼の先からヴェイパーを出しながら空気を裂く姿はまさしく戦闘機だ。

 

そう言やクォーツってどうやって機首上げ下げやってるんだろうか。直接エンジン部分を動かす推力偏向ノズル的な事で動かしているのだろうか。

 

それだと自分の体重エンジン出力で支えきれるって事になるのか?

 

 

「龍族に航宙法ーーいや、航空法って有るんですかね?」

 

 

「さぁ、案外俺たちよりガッチガチかもよ?」

 

 

もっとも、俺もその航宙法と航空法なんて知らないがね。

 

 

因みにその後もオラクル船団のゲートエリアに着くまでウルクの話は散発的に続いた。

 

 

因みにこちらを見て攻撃して来る龍族には、テオドールから教えてもらった闇系テクニックを放つ事でご退場願った。

 

 

 

ーーー惑星 アムディスキア ???エリアーーー

 

 

 

(カミツ様!)(ただ今)(戻りました!)

 

 

 

(コノレラよ、また許可を得ずに飛び回ったな?)

 

 

(ですが!)(飛び回らないと)(腕が鈍ってしまいます!)

 

 

(それも一理ある。だかな?我々龍族にもーー飛ぶ者にもルールがある。掟がある。それは分かるな?)

 

 

(ですが!)

 

 

(コノレラよ。ルールーー掟を破った罰として飛ばずにアークスとの模擬戦に勝って貰おう)

 

 

(そんな⁈)

 

 

 

ーーーオラクル船団 フェオ ゲートエリアーーー

 

 

その後パティとティアにメールを送り龍族のデータを渡す。正直闇系テクニック撃ちまくっただけだから余り見て欲しくないんだかな。

 

 

そう言や借りたロッド。キャンプシップ内で返そうとしたら拒否られた。なんでもウルクとの仲を取り繕ってくれたお礼らしい。…こうはなんだが、お礼品を自分の中古で渡すのか…借りたのは俺だけど。

 

カウンターで調査結果をマグを通じて送って、さぁ帰ってマトイとデュケットに会って癒されようとした時、知らない人に声をかけられた。

 

 

「君がビーストのユウナか?」

 

 

後ろを見るとソードを背負った…ヒューマンか?この人は?

 

 

「えぇ、そうですけど…」

 

 

「伝言だ。修理屋のジグが君を呼んでいる。ーーそれじゃ、要件は伝えたからな」

 

 

そう言いトコトコと何処かに行くヒューマン。去り際になんでジグさんはあんな獣を、と言っていたのは聞こえないことにする。

 

 

はぁ、と溜息をつき、そのままショップエリアに向かう。

 

 

 

と言うかペアーリって書いてあるけど…あれ修理のリペアだよな。

 

 

 

「おう!きたか!」

 

 

そう言いジグさんに会いに行くとーーリサさんもいた。

 

2人で何かを話していたらしい。フルキャストには半径数十から数百メートル届く個人用通信があるらしく、流石にそれは聞くことはできなかった。

 

 

 

「でわでわ私はお邪魔のようなのでぇ?帰りますねぇ。ーーそれではまた」

 

 

そう言い帰り間際に頭を下げて出て行くリサさん。

 

 

「…ジグさん。リサさんっていつもあんな感じなんですかね?」

 

 

「さぁの。わしが言えるのは外見、言動が全てじゃないってことじゃーーそれでな?」

 

 

「えぇ。なんです?」

 

 

「君が回収したクラリッサ。アレをどうにか修復出来てな?それをーー11番艦の方に置いてあるんじゃ」

 

 

「えっ?ここにあった方が良いのでは?すごい武器なんでしょ?それ」

 

 

「そうなんじゃが…これを使おうとすると身体中のフォトンが吸われるくらい燃費が悪くてな?使わせられんのよ」

 

 

下手したらそれでフォトン低下で死んでしまう可能性もあるしな、と言い席に座る。

 

 

「そうなんですか…」

 

 

「そもそもわしはびっくりしたぞ?第8世代とはいえ良くアレを持てたな、と」

 

 

「そんな事を言ったらアフィーーここに持ってきた人だってーー」

 

 

「あの時は既に圧縮状態ーー使えないんだよ」

 

 

「…えっ?何?なんか怖い」

 

 

「大丈夫じゃろ。寧ろ今のアークスにはお主の様な人物が必要じゃ」

 

 

そう言い硬い機械の腕で頭を撫でるジグさん。痛い。

 

 

「痛いですよ…」

 

 

「おぉ、すまんな。それでしゃ。お礼をしたいのじゃが……結局、前のと合わさり、決まったかの?」

 

 

「…実はまだ…」

 

 

「…うーん、困ったのぉ…お主、確かレンジャーだったよな?」

 

 

「えぇ、そうですが…?」

 

 

「お主…近距離戦と中距離戦、遠距離戦ならどれを取る?」

 

 

「……で、出来れば全部を…」

 

 

「全部か…因みに理由を聞いても?」

 

 

「…その…自分これなんで…組めるて人が1人しかいなくて…しかも彼もレンジャーでして。極端な話全部1人でやらないといけないので」

 

これのところで先程テオドールにやったようにミミと尻尾を見せる。と言うかそもそもケモミミと尻尾が付いたら可愛いに決まってんだろ!ここのセンスはおかしいのか⁈

 

 

「…そうか…分かった。少し考えておくよ」

 

 

「有難うございます」

 

 

そう言い頭を下げる。やっと専用武器か。出来れば汎用品で作って貰って弾代とか下げて欲しいなぁ…。

 

 

と言うかステブウェポンどうしよう。

 

席を立つと後ろから久しぶりに武器作るのぉ、とか、最近は修理しかやってないからなぁ、とか、クラリッサ持てたくらいだし、フォトン弾で良いかのぉ、とか聞こえたが、帰りたいので帰ることにする。

 

 

ロッドを圧縮してナノトランサーに入れる。ナノトランサーに今入っている武器はーーステブにロッド。だけか。後はメイト系が30個程とステブウェポン用の特化品のバンマガジンが2個、汎用マガジンが10個以上ある。

 

 

画面を消して帰路につく。数十分ほどの任務だったか…楽に終わったな。ダーカー数十体を倒していたらしいが、只管光テクニック撃ってれば終わるしな。

 

 

そう良い帰路に着きながら、ふと思い出す。そうだ。ステブウェポン、デュケットに渡せば良いんじゃね?デュケットさんも確かレンジャーの筈だし。ジグさんの言う武器が完成すれば、だけど。

 

 

 

 

そんなこんなでマイルームと言うか家に着き扉を開ける。

 

 

「ーーあっ!お帰りなさい!」

 

 

プシュ、とドアが開いて中に入るとーー中からマトイが俺に抱き付いてきた。今思ったんだけどなんでこんなにこの子の好感度高いんだ?

 

 

「ーーおっーーあぁ、ただいま」

 

そんなことを聞けるわけがなく。

 

そう言い戦闘服から一般的な服装ーー私服が少ないとデュケットが勝手に注文して購入したズボンと長袖のシャツに着替える。ーー胸が窮屈なんですがこれ。ーーに着替える。

 

 

服装も予めセットしておけばほぼほぼスグに着替えられるから楽では有る。

10個までしか対応してないから戦闘服とプラスアルファしか無いが。

 

 

「ねっ?ユウナちゃん。私またテクニック撃ちたいなぁ」

 

 

そのままリビングに抱きつかれながら移動してソファに座る。

 

 

「テクニックを?別に良いけどさ…」

 

 

「?」

 

 

「前回見たくフルパワーで撃たないでくれよ。あの時弁償しなくちゃってマジで思ったんだから」

 

そんいい頭に思い浮かぶはショップエリアにある訓練所爆発事件。

 

 

「わかってるよ!たいじょーぶ!今度は武器が壊れるくらいに弱くするから」

 

 

「それでも壊れるのか…」

 

そういやあの時武器壊れてたっけ?そう思いながらリモコンを操作してテレビのリモコンを変える。

 

 

『ーー次のニュースでーー』

 

 

『ーーいけっ!フォトン・ニックス!相手のーー』

 

ニュースは飛ばし、アニメはーーなんだこりゃ?変な動物が戦ってんぞ?前世のゲームとかアニメのあったアレか?

 

 

『ーーまた、アークスは被害を抑える為、1人運用可能なホバーバイクの本格量産を開始、これによりーー』

 

その次はホバーバイクの紹介か。確かにコレは使えそうだな。乗る機会が合ったら乗ってみるか。

 

 

『ーー所でトロットさん、アークスが鹵獲、それらのデータを元に開発した人型兵器についてですが』

 

 

『えぇ、あるアークスが惑星リリーパから鹵獲、又は奪取したとされる人型兵器ーーそうです、これですね。この総合技術開発本部とは名ばかりの所に運ばれた本機はーー』

 

 

「…あれ?コレユウナちゃんが乗っていた奴じゃ?」

 

 

「そうだな。コピーが量産され始めたって聞いたが…」

 

そう言いテレビにはあの人型兵器のテスト運用動画が流れる。

 

あれ?アレそもそも俺じゃなきゃ動かなかった気が。

 

そんな俺の思いを勝手にとテレビは進む。

 

 

『ーーえぇ、機体の動作プログラムはある程度、もとい完璧なまでに完成しているとのことです。オラクル船団に居るフルキャストからモーションパターンを貰い解析、最適化すれば良いだけですからね』

 

 

『と言うとコレは今後アークスの決戦兵器に?』

 

 

『それが何とも…主機ーーあぁ、エンジンにですね、小型フォトンリアクターを2機装備させて並列安定化させて運用しているとのことなんですが…些かコレでもダーカーからの侵食に耐えられるとは言い難い』

 

 

『フォトンリアクターを2機積んでもですか?』

 

 

「なんか難しい事言ってるね」

 

 

「…まぁ、アレだ、兵器は難しいねって事だよ」

 

 

そう言いリモコンをテーブルに置いて、俺はソファから立ち上がる。

 

 

「どこ行くの?」

 

 

「ん?トイレさ」

 

 

そう言いトイレの場所に行こうとするとマトイに呼び止められる。

 

 

「ユウナちゃん。お手洗いはそっちじゃ無いよ?」

 

 

「え。だってここにーー」

 

と言いトイレがあった所に行くとーー風呂が広くなっていた。

 

 

「ユウナちゃんが入院している最中、ここの施設長?なのかな?がきて女性しか住んでいない所のトイレを修繕していったの。それで場所がお風呂の中じゃなくてーーあそこ」

 

 

そう言いマトイが指す場所はーー。

 

 

「いや、場所ほぼほぼ同じじゃん。と言うか風呂の隣じゃん」

 

今気がついた。隣に扉がある。

 

それを開けると洋式トイレがポンと置いてある。

 

 

「うん?でも一応場所変わったよって伝えたかったの」

 

 

「うーん…そうか。ありがと」

 

 

「うん。あとユウナちゃん」

 

 

「ん?」

 

 

「トイレじゃなくて、お手洗い、だよ?」

 

 

「でも」

 

 

「ユウナちゃんは女の子なんだからね?本当はその口調もアレだけど…」

 

 

そう言うマトイをスルーして女になったお陰で近くなったトイレーー小をする。

 

 

トイレに入り鍵を閉めて下半身のズポンを脱ぐ。

 

その次に下着であるシマシマ青白パンツを脱いでトイレに座る。

 

 

しょろろろろ…と言う音ともにお尻の方におしっこが伝わる感触が。男の時だとそのまま出るからな…違和感半端ない。

 

 

出し切ったらトイレットペーパーで優しくお尻を拭いてパンツとズボンをーー胸が邪魔で見えねぇ…。

 

 

「うーん…」

 

 

見えない下を手の感触だけでパンツとズボンを上げる。

 

 

「ふぅ…よし」

 

 

トイレから出てマトイに言う。そろそろショップエリアに行こうか、と。

 

 

 




実はと言うとトイレの下でビデを出そうかと15秒ほど悩んーーげふんげふん

新たなライフルーー14ミリクラスでもapfsdsあるからこうーーフォトンを使って20ミリ30ミリ撃ててもいいよね?中にフォトンを充填出来ればなお良し。そうすりゃ重くなるしダーカーにも効くだろ


そろそろえっちい方に取り掛かるか。感想誤字その他受け付けてます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

95話目

えっちい方でアンケ取ったら持っている人が居たので


「ほらっ!見て見て!」

 

 

そう言い仮想ターゲットを凍らして、更に炎、風、最後に光を叩き込むマトイ。

 

 

「うわぁ……なんちゅうダメージ…」

 

 

上の方に付いているカウンターの数字がどんどん上がっていく。

 

 

「ねっ?凄いでしょ?」

 

 

「凄いって言うか…エグい」

 

 

ダメージの下にどの箇所がどの位のダメージを受けたかと言うとシュミュレートデータが出るが…原型が無い。

 

 

 

「みて!ほらっ!もっと撃てるよ!」

 

 

そう言い追尾する光テクニックーー後で調べたら俺がテオドールから借りたロッドで使った光テクニック、イル・グランツを連発する。

 

 

すると6発目辺りで急に撃てなくなった。

 

 

「あれ?ユウナちゃん。なんかこれ…撃てなくなっちゃった?」

 

そう言いロッドを両手で持ち、色んな角度から見始める。

 

借りるよ、と言いその撃てなくなったロッドを見るとーー。

 

「うーん…分からない」

 

 

武器の圧縮も出来なくなっている。ーーそもそも貸出品だから圧縮出来ないようになっているのか?

 

 

「あれ?おかしいなぉ…使い過ぎた?」

 

武器データを見るとーー40年前の旧式?そりゃ壊れるわな。

 

 

「マトイが凄い量のフォトンで打ったからじゃね?なに、壊れても大丈夫でしょ?それにほら。ここに旧式って書いてあるし」

 

 

「安全面はどうなんだろうねぇ?」

 

 

因みにその時は下まで読まなかったから分からなかったが、当時はフォトンをぶつける勢いで戦っていたらしく、そもそもこれらの武器は生半可な扱いでは壊れない、らしい。

 

壊れたと受付に戻したらマトイを調査したいとか言い出したから、この後用事があるって言って速攻此処を出た。

 

 

ブラックリストに入ってないよな?と言うかまた扱えるよな⁈

 

 

「ふぅ…っ!スッキリしたっ!ねっ、ユウナちゃん。次はどこに行く?」

 

 

「そうだなぁ…何時ものラフリに行って何か食べる?」

 

 

「うん。そうしよう。何を食べようかなぁ…」

 

 

そう言いショップエリア下層に向かい居住区に入る。

 

 

 

 

「それでね?エコーさんとメルランディアさんがね?」

 

 

マトイの中の話の中でサクッといるメルランディアに、君まだ通院段階だからそんな無理しちゃダメじゃ、と思っているとオラクル船団各所に設置されているモニターが赤くなる。

 

 

〈緊急事態発生!オラクル船団内に多数のダーカー反応の上昇を確認。全アークスはカウンターから担当地域を貰いダーカーを撃退せよ。繰り返す、オラクル船団内にーー〉

 

 

そう言うと周りの市民が何処かに走り出す。

 

 

「マトイ!シェルターにーーくそっ、場所どこだ⁈」

 

そもそも居住区なんて数える程しか降りたことないから分からない。

 

 

「ねぇ?大丈夫?ーーじゃないよね…」

 

マトイが心配そうに言うが…分からない。

 

 

「ーー取り敢えず、カウンターに向かおう。あそこならアークスも居るし、いざとなればフェリアさんを頼ってくれ。ーーいくぞ?」

 

 

「うん」

 

 

〈ーー事態発生、オラクル船団No27から29の船団内に多数のダーカー反応検出。全アークスはカウンターからーー〉

 

 

 

ショップエリアから下に向かっただけであった為戻る事は容易だった。

 

 

〈ーー緊急指令が発布されています。繰り返します、緊急指令です〉

 

 

〈全アークスは逐次ーーえっ?カウンターを無視しても⁈〉

 

 

〈そうだ。自体は一刻を争う。全アークスは逐次出撃。攻め込まれたアークスシップの救援に迎え〉

 

 

〈ーー速報!アークスシップ28番艦テミスにダーカー反応急上昇!侵入されました!〉

 

 

〈緊急指令が発布されています!繰り返します!アークス各員はクエストカウンターから逐次ーー〉

 

オペレーターの方も混乱しているらしい。ある程度年の行った人が指示を出し始めているよつだ。

 

「付いた!」

 

 

マトイの手を握り走ってゲートエリアに入る。周りにはアークスやここに逃げ込んできた市民、その他多数が居る。

 

 

「ーーいたっ!あそこっ!フェリアさん!」

 

複数の看護士がライフルを背中に背負いながら治療をしている。

 

名前を呼んでこっちに気付かせる。

 

 

「貴女達ーーと言うかマトイさんまで⁈」

 

 

「フェリアさん、マトイさんを頼む!」

 

 

「ちょっと待って!私も治療しなくちゃいけないのよ⁈」

 

 

「周りにいる人もしかして…全員…?」

 

そう言い周りを見渡すマトイ。くそっ、やっぱり此処はダメか?

 

 

「そうよマトイちゃん。ここに居させることは緊急時だから出来るけど…」

 

 

そこでふとさっきのロッド壊した時と過去に爆発させた時を思い出す。あの時はどちらも攻撃系テクニックだった筈だ。なら回復系ーーフォトンの力で自然治療能力を大幅に上げるレスタなら?

 

 

「…ぁ、マトイ、レスタ使えるよな?」

 

 

「う、うん。出来るけど…」

 

そう心配そうに言うマトイの赤い目を見る。

 

 

「ちょっと⁈アークス所属以外の武器所持はーー」

 

 

「緊急なんです!マトイ、こいつを使ってレスタ、使えるか?」

 

 

「う、うん。やってみる」

 

 

「そもそも此処は武器使用禁止エリア!使えるはずがーー」

 

 

マトイがロッドを掲げるとーーゲートエリア全体に緑色の薄い煙が出る。

 

 

「ーーで、出来た⁈なんでぇ⁈」

 

 

「よしっ、行けるな⁈フェリアさん、負傷者の様子は?」

 

 

「まってよ!ーー嘘っ⁈全快してる⁈マトイちゃん、貴女ーーいえ、今はそれどころじゃないわ」

 

 

「フェリア部長!これは⁈」

 

他の看護師がフェリアさんに聞きに来たーーと言うか部長⁈トップなの⁈

 

 

「このマトイちゃんがやったことよ。ーーマトイちゃん。負傷者ーー怪我人がある程度集まったらレスタ撒いてくれる?」

 

 

「はい!」

 

 

「よしっ!ユウナさん、ありがとうね。なんとか打破できそうよ此処は」

 

 

「フェリアさん、ありがとうございます。おーー私はこれでクエストの方に行ってきますね」

 

 

「ユウナさん。死なないでよね。貴女が死んだらマトイちゃんも後を追うわよ?」

 

 

「嘘を言わないでくださいよ。ーーそれでは」

 

「頑張ってね。ユウナちゃん!」

 

そう言うマトイに後ろ向きで手を振って、カウンターの方に行く。複数の人がカウンターに座って居て人ごとに任務を受ける場所を言っている。

 

 

「次っ!貴女は28番艦、テミスに向かって!」

 

俺の番が来た瞬間すぐに言われた……えぇ…。

 

 

ーーーオラクル船団 アークスシップ 28番艦 テミスーーー

 

 

 

乗っていたキャンプシップからテミス市街にテレプールを通じて降りる。

 

 

「うわぁ…ひでぇなこりゃ…」

 

 

至る所で上がる対空砲火、大型ダーカーによる建築物の破壊、爆発音や悲鳴が響く。

 

 

〈ーー繰り返します!ダーカーは27番艦ヨルダ、28番艦テミス市街地に出現、侵入しています!〉

 

〈全アークスは各自の判断でダーカーの殲滅、逃げ遅れた市民と市街地の安全を確保して下さい!繰り返します!〉

 

 

通信機から鳴り止まないオペレーターの逼迫した声。それと爆発音、対空砲の音を聞きながらナノトランサーからステブウェポンを取り出し握る。

 

マガジンは既に装着済み。コッキングレバーを引いて初弾装填、レバーを少し引き薬室内にちゃんと入っているかを確認する。

 

 

安全装置を解除、モードを三点バーストにする。

 

 

ショットシェルーーアークスの言うデュフェーズシェルを装填する。ランチャーの安全装置も解除した。

 

本来ならキャンプシップ内でチェックしたかったが…緊急だったからやれなかった。

 

と言うかメンテしてないんだよなぁ…壊れたりしない、よな?

 

「よし。行くか」

 

 

そう言い前に一足進めると後ろから声が。

 

 

「ーーあ、ユウナさんも同じエリアですか」

 

 

「その声は…メルランディアさん?」

 

 

後ろを見るとーータリスを装備したメルランディアが出てきた。

 

 

「えぇ、緊急指令ですから。私もアークスなので」

 

そう言われ、そうか。アークスじゃ無いのは姉のメルフォンシーナの方か、と思い出す。

 

俺とメルランディアが話している間も上空では飛行型のダーカーと少し前にプラモデルを作った機体がドックファイトを繰り広げている。

 

「…そうですね、ユウナさんが良ければ途中までで良いのでパーティ組みませんか?タリス1人だとキツイので」

 

それにゲッテムハルトさんも今は居ませんし、付け加えて。

 

 

「良いですよ。俺もライフルだけじゃキツイと感じたので」

 

 

「えぇ、それでは行きましょうか」

 

 

「…えぇ、後ろはお願いしますね」

 

 

上空では背後に突かれた戦闘機がフレアとチャフ、対ミサイル用ミサイルを放っている。シザーズをしながらフレアとチャフ、ミサイルを散布するがミサイル以外効果が無いみたいだ。

 

 

「ユウナさん、上ばっかり見ていると掬われますよ。前を見ましょう。ね?」

 

 

「あ、う、はい。行きましょう」

 

 

ボコボコにされた車道を2人で周辺を警戒しながら進む。

 

 

すると目の前の地面から四つ足の黒と赤い何かーーダーカーが出てきた。

 

 

「目の前、ダーカー六匹。ユウナさん、フリーで!」

 

 

そう言うとメルランディアさんは右手に持っている何かーーアレはカードか?それをダーカーに向かって投げる。

 

俺はそのままその場で三点バーストでダーカーの天辺にある頭かその下にあり、隠れているコアを狙う。

 

「メルランディアさん!

 

「ディアで良いですよっ!ーーそれっ!」

 

炎系のテクニックーーこれはシフタか?確かフォトンを一時的に活性化させるとかなんとか。

 

 

「はい!その次っ!」

 

 

光系テクニックを放ち、それはダーカーを襲う。

 

 

その間も俺はダーカーが動かない様にと脚を当たらなくて良いからひたすら撃つ。

 

 

光の群れがダーカーに接触ぶっ飛んでコアが見える様になる。

 

 

「ユウナさん!狙って下さい!」

 

 

「はいっ!」

 

 

コアに銃口を向けてトリガーを引く。薬室内で薬莢が蹴られエジェクションポートから外に出される。分かれま弾頭がパウダーの爆発エネルギーを受けてバレルを通り、コアを貫通、内部で弾頭内にある少量のフォトンが流れ込みダーカー因子と対消滅、ダーカーが消える。

 

 

「その調子!他もお願いします!」

 

脚などを撃ってもダーカーは倒せる。最も、当たりの大きい胴体、と呼んで良いのだろうか?そこを狙ったほうが早いが。

 

二体、三体と行くと起き上がり接近してくるダーカーもいる。

 

 

「ユウナさん!右後ろ!」

 

 

「えっ?ーーきゃあ⁈」

 

 

右後ろからダーカーの前脚を振り下ろされたがーー痛いだけで何も無い。

 

 

「ーーほらっ!ーーユウナさん!大丈夫?」

 

 

「えっ、うん、…多分」

 

 

「…レスタとアンティ、掛けますね」

 

 

そう言いメルランディアがレスタを掛ける。マトイがやった様に広範囲では無いが。

 

 

「……うん、大丈夫、かな?ありがとう」

 

 

「いえいえ…」

 

 

そう言い立ち上がるメルランディア。

 

 

「…どうしました?メルーーディアさん」

 

 

「いえ…その…姉のことを考えてまして」

 

 

「メルーーシーナさんの事?」

 

 

「えぇ、ちゃんと避難してるか、とか、この混乱に乗じてガンスラッシュを持って戦いに行ってないか、とか…」

 

 

「シーナさん、見た目によらず凄く行動早いな」

 

 

「元々そんなところ有りましたし。じゃ無いとーーあっ、これ私が言っていたって言わないでくださいね?」

 

しーですよ、と言うディナにこくこくとうなづき、

 

「言わない言わない」

 

と言った。

 

「…その…脳筋じゃ無いとーーゲッテムハルトさんと付き合う事ないじゃ無いですか」

 

 

「あぁ…」

 

そこでふと2人ともファイターだったなと思い出す。片方は元だが。

 

「でしょ?ーーいやね?ゲッテムハルトさんも良い人なのは分かりますよ、あの顔で。ーー知ってますか?ゲッテムハルトさん、最近近くの家に住んでいる子供達にお菓子あげているんですよ⁈」

 

 

そう言うディアの話を聞いてくるとーー顔にタトゥーを入れて会えばゼノさんと戦っているゲッテムハルトさんの印象が壊れていく。

 

 

「最初に会った時みたく新人アークスにお小遣いあげたり…いやね?姉とゲッテムハルトさんに合った事を考えれば、それがアークスの力になるって言うのは…少し分かります、けど!」

 

 

 

「違う方法…合ったんじゃ無いんですかねぇ…そう思いませんか?」

 

 

「…それは…その…うん、まぁ、ゲッテムハルトさんのやりたい様にやれば良いんじゃ?」

 

 

「…そう言われればそうなんですけど…なんか最近ゼノさんと戦うのも良いがもっと強い奴と闘いたいとかなんとか言って…」

 

うわぁ、戦闘狂怖い。

 

「ユウナさんも気を付けて下さいね?何かあれば私とシーナ姉ぇが行くので」

 

 

「あははは…」

 

 

苦笑いしながら本日株を爆下げしたゲッテムハルトさんを警戒しようと今更になって薄々考える。

 

 

そもそもお前強くなるからいつか決闘しような!とか言われてるけどな!

 

 

そんな話を聞きながらさらに奥へ向かう。ーーあっ、ドックファイトしていた機体が落とされた。あれパイロットは生きているのだろうか?

 

 

そんなことを考えながらまた出てきたダーカーに照準を合わせてトリガーを引いた。




実はと言うとえっちい方のUA、2万突破したと言う真実。えっじゃぁこれは?2.7万…うーん(そもそもアンケで10人以上投票するとは思って居なかった)因みにまだ内容千も行ってないです。
取り敢えずファントムも来て終の艦隊迎撃戦も来たけど…終わりそう?終わらない()

えっ?キャラの外見?銀髪で髪の毛長くて胸もデカイケモミミと尻尾の付いた女の子を想像すればオーケー(描きたいけど画力なし)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

96話目

なんか海外で来年の春からpso2が運営開始するらしいので


 

 

 

「ーーユウナさん!前のカルターゴ!コアは頭の後ろ!」

 

 

ある程度進むと複数のカルターゴが仮シェルターにレーザーで攻撃している場面に遭遇。

 

 

シェルター付近にある無人砲台ーーセントリーガンは既に沈黙して大穴空いている状態だ。

 

 

ステブのモードをフルオートにしてスタン.Gーー中に少量のフォトンスフィアが入っていて、それをダーカーに投げると一時的に動かなくなるーーソレを投げる。ーーが失敗して手前に落ちる。

 

 

「ユウナさん!1つだけ生きているセントリーガンが有ります!それを再起動させるのでーー少し頑張って!」

 

 

スタン.Gが手前に落ちるのと同時にメルランディアがそう言い放つ。

 

はい!と言いながらも心の中では頑張れと言われても、と思いながらライフルをダーカーに撃ちまくる。

 

 

バシュン、と言う音と共にスタン.Gが爆発したが遠い為カルターゴは動かなくなることは無い。

 

 

あのスタンが当たればもっと楽だったのにな。そんな思いを頭の隅に追いやり、狙いを付けずにトリガーを引いた。

 

薬莢が飛び散り、弾頭がカルターゴに当たる。

 

ーーが、しかし、貫通しているようだがコアには当たって居ない。途中で止まっているのだろうか?仕方なく脆いと思われる脚を狙う。

 

 

 

 

シェルターを狙って居たカルターゴの内の数体が体を回して俺の方を見る。数体はそのまま全身、頭部の上に赤黒い円ができる。

 

 

「ユウナさん!レーザーです!注意ーー!こっちにも⁈」

 

 

手持ちの弾じゃカルターゴの頭を覆う黒い羽らしき物を貫通出来ない。

 

 

かと言って回り込もうにも周りに4体ほど集まって居て回り込めないし、多分回り込もうにも向こうのほうが多脚だから旋回早いに決まっている。

 

 

仕方が無い。

 

 

戦闘服に付いているグレネード、残り4個しか無いスタン.Gを手に持つ。

 

幸いピンが抜けて自爆したところで人には何も害は無い。そう意味では安全では有る。

 

 

ピンを左手で抜きそれをダーカー_ーーカルターゴが居るところに投げる。

 

手前に転がりそこで煙が上がる。

 

 

「ミスったな、もう一個!」

 

 

もう一個を戦闘服から外して同じくピンを抜き投げる。

 

 

今度こそフォトンスモークがカルターゴを包み一時的に動かなくなる。

 

 

その隙に走って近付きカルターゴの背後ーー脚部に乗る。

 

 

頭の後ろに有る赤い弱点で有るコアに銃身で狙いをつけてーートリガーを引く。

 

 

エジェクションポートが後ろに後退して空薬莢を外に弾き出し、薬莢から分離した弾頭が銃身ーーバレルを通り外に出る。

 

マズルから飛び出てコアに着弾ーーコアに穴が開く。

 

 

コア内に入った弾丸が自壊、弾頭内に入っている少量のフォトンが飛散し、ダーカー因子を中和する。

 

 

中和されダーカー因子が無くなったカルターゴはその場で倒れ消える。

 

他に居る四体も混乱と言うか、まぁ、動かなくなったカルターゴに対し同じくコアを撃ち抜く。

 

 

「よしーーディアさんは⁈」

 

 

「終わりましたよ」

 

 

「え」

 

 

そう言う声が帰ってきたので急いで振り返るとーーメイトを飲んでいるメルランディアが。

 

余りの余裕っぷりに援護入れても良いんじゃないかと考えてしまう。

 

 

「…その、助けてくれても…」

 

 

そしてその考えが声に出てしまった。

 

 

「いえ。実は再起動させるのに手間取ってしまいまして。こう言うのってボタンを押せば再起動するんじゃ…」

 

 

そう言いメルランディアは無人銃座を叩く。

 

 

プシュー、と言う音と共にバチバチッと音がして完全に沈黙した。

 

 

「…あれ?おかしいですね?」

 

そう言い再度軽く叩くがーー反応なし。

 

「どうしよう、こう言うのってアークスが払うんだよね?私じゃ無いよね⁈」

 

そう言い動かないターレットを見渡すメルランディア。と言うかテンパるの始めて見たな。

 

 

「…その、何かあったら証言するよ」

 

ありがとぉ、と言い抱きついてくるメルランディア。この人ってこんな人懐っこかったっけ?

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

私が船から降りると目の前にビーストーーユウナさんが立っていた。

 

 

どうやらライフルを弄っているらしい。

 

 

そもそも私一人ではーーフォース一人ではとてもじゃないがやっていけない。ユウナさんに声をかけてみようかしら。

 

 

そう思い私はユウナさんに声をかける。

 

 

「えと…あのぉ…んっ、ユウナさんも同じエリアですか?」

 

「その声は、メルランディアさんか?」

 

 

そう言い振り向く彼女ーーゲッテムハルトさんに認められそうな彼女。シーナ姉ぇに、まさか彼女と戦う気?と何度か言われて目線を逸らしているのを何度も見ている。そんな彼女。

 

 

確かに、私達と同じくーーいえ、少し違うかな?

耳は申し訳程度に尖っているし、それはヒューマンには無い。他にも頭の上に付いているミミや腰、と言うか位置的にはお尻の上かな?そこから生えている尻尾。

 

 

確かに見れば見るほどビーストね、と再確認する。

 

 

それと同時にビーストはその特性上近接職に多くいる、と言うか近接職が殆どらしいが、なんで彼女はレンジャーなんかを?と疑問に思った。

 

 

「えぇ、緊急指令ですから。私もアークスなので」

 

 

そんな事を考えて居たお陰で変な言葉が出てしまう。

ふとユウナさんの後ろを見るとーー尻尾を振っている。ユウナさんも一人じゃ怖い、と言うか落ち着かなかったのだろうか?

 

 

そう言えばレンジャーにも近距離、中距離、遠距離用の武器があると聞く。この様子だとユウナさんは遠距離なのだろうか。詰められたらダメージを食らう、という意味で。

 

 

「ーーそうですね、ユウナさんが良ければ途中までで良いのでパーティ組みませんか?タリス1人だとキツイので

ーーそれにゲッテムハルトさんも今は居ませんし」

 

ここで今は一人、と言うこととパーティを組みたい事を言う。

 

 

…タリス云々は要らなかったかしら。

 

 

「良いですよ。俺もライフルだけじゃキツイと感じたので」

 

そう言い二つ返事で了承する彼女。やはり遠距離二人は不味いかな?

 

 

「えぇ、それでは行きましょうか」

 

 

「…えぇ、後ろはお願いしますね」

 

 

そう言うとユウナさんが上を見始めた。私も同じように上を見るとーー上空で飛行機が戦っている。

 

 

「ユウナさん、上ばっかり見ていると掬われますよ。前を見ましょう。ね?」

 

ユウナさんに注意をして前に進みましょ?と言う。

 

 

「あ、う、はい。行きましょう」

 

ーーーーー

 

 

なんかさっきから見られているような気が…え?そんな俺おかしい?やっぱり男の服は駄目なのか?

 

そんな事を思いながらも攻撃を受けていたシェルターをメルランディアさんが開ける。

 

 

「…おかしいですね…何故か知りませんけど開きませんね」

 

因みにセントリーは完全に沈黙、重力に従い下に銃身を下ろしている。

 

 

動かないと言われ、メルランディアが動かしている端末を覗き込むと其処には『Low Power』と出ている。

 

 

「電力が無いんでしょうか?」

 

 

「電力、ですか…ゾンデ系テクニック使ってみます?」

 

 

そう言いメルランディアがタリスを取り出す。此処でそんな物使って俺たちも感電しない⁈

 

 

「いや、そもそもゾンデ系を使った所でどうやってこれに電力が…?」

 

周囲に避雷針的なものも無いし。

 

 

「…そうでしたね。…どうしましょう?」

 

 

さて、どうしようか。

 

そんな事を体感2分くらい考えているとシェルターの扉が開く。

 

 

「ーーおぉ⁈アークスの人達か⁈助かった!」

 

 

「アークスか!よかった…」

 

 

出て来たのは沢山のヒューマンーー中には子供もいる。

 

 

それを見たメルランディアが咄嗟に俺の前に出て話を始める。

 

 

「皆さん何処もおかしい所ないですね?ーーはい、皆さんこのテレパイプをくぐって下さい。直属の避難施設に繋がってますから」

 

中に居た避難民を少し見ると、すぐにテレパイプを起動。避難民を其処には向かわせる。

 

 

「見て見ておかーさん!ミミがあるよー!」

 

何人かがテレパイプに入り、テレパイプに入って行く避難民を見つつ、ライフルを上に上げて周囲を警戒しながら見ていると、列を離れ子供が走って来た。

 

 

「こらっ!そんなーー指を刺さない!すいませんね」

 

「ほらほら!しっぽもふもふ!」

 

 

そんな母親らしき人の話を聞かずに、今度は俺の尻尾を触っている。

 

 

「あぁ⁈おい!」

 

正直変な感じがするからやめて欲しいものだ、と触られながら考えていたら咄嗟に声が出てしまった。

 

 

「こらっ!すいません、すいません!」

 

列から離れて子供達を捕まえてひたすら俺に謝る母親。そんな事はいいから早くテレパイプを潜って安全な所に避難してくれと言った。

 

 

 

 

 

 

「ーー凄まじいダーカーの数ですね…私もこれまで生きてましたが、見た事ない量です」

 

 

全員がテレパイプを潜り、二人で空になったシェルターを確認してそのまま奥に進んで行く。

 

因みに何故あんなにタイミングよく開いた原因が複数のカメラによる中からの開放だった。俺とメルランディアを中の避難民が確認して、かつ周囲の敵が消えたのを見計らって開けたらしい。

 

 

更に奥に進み、今度はダーカーとカルターゴの他にチョウチンアンコウみたいな奴と空に飛んでいるダーカーが集まっているところに会ってしまった。

 

視認できる距離まで近づき、また直ぐにでも撤退出来るように物陰に隠れながら前のダーカー群を見る。

 

それを見たメルランディアが話した。

 

 

こんな数、見たことない、と。

 

 

「一体何処からこれ程の数が湧いてくるのか…正直分かりません」

 

 

そもそもこんな数俺とメルランディアで捌ききれるのか、と思う。

 

 

「それこそ無から現れているんでしょ?現に此処に侵入されているし」

 

そもそもダーカーってどこから来るのよ?えっ?無から?

 

 

「えぇ。にしてもこの数は異常です。それにオラクル船団の被害も甚大ーーアークスシップをたかが三隻とは言え…復元も大変でしょう」

 

 

そんなノリで適当に言ったら肯定された。えっ本当?

 

 

「確か30隻くらい居るんだっけか?」

 

 

「いえ、48隻です。その内の3隻とは言え…死んでしまった命を戻すのにどれ程かかる事やら」

 

 

そこでメルランディアは言葉を詰まらせ考えているように見えた。と言うか多分考えている。

 

 

「…ユウナさん、私は時折ーーいえ、ダーカーと戦い終わった後分からなくなるんです。ダーカーを追い詰めているのか、私達オラクル船団が追い詰められているのか」

 

 

「……メルランディアさん、人っていうのは同じ敵と戦っているとそれが良いことなのか悪いことなのか分からなくなる。そういう時こそ最初の目的を思い出すチャンスでは?」

 

 

「…と言うと?」

 

 

「えっと…メルランディアさんのーー」

 

 

「ディアで良いですって」

 

何度言ってもディアで呼んでくれないんですか?て言われ、すいません、と答える。

 

 

「ーーディアさんの夢と言うか、目的と言うか…それは何です?」

 

 

「……そうですね、今の所はシーナ姉ぇとゲッテムハルトさんが仲良く暮らしていければいいかな、と」

 

それを聞いてそれ自分の夢じゃなくね?て言いたくなったがそれを飲み込む。

 

「だったらダーカーなんて自分とゲッテムハルトさんが死なないように適当にやって生き残れば良いんですよ。正直な話、俺たちが考えたところで何も変わりはしませんからね」

 

 

「…確かにそうかもしれません。ですけど、根を断たなければ負けてしまう。もし、もしも。負けてしまったら…私達は一体どうなるのでしょうか?」

 

流石にそれ以上は言えなかった。

 

 

「…その時は両目を瞑りましょうや」

 

 

「そんな無責任な」

 

 

「そんな事言ったらまだ負けてないのに負けたって事で話を進めるのは?」

 

 

「……」

 

 

「生き残れば勝ちなんだよ。多分」

 

結局、生き残れば勝ちってゲームでも言うしね?

 

 

 

「おぉ、ちょうど良いところに」

 

あの後ひたすらダーカーのコアを見つけてはそこに弾を撃って、ダーカーから攻撃食らって痛い思いして、コアを狙ってーーそれを数十回程やったらダーカーが消えていた。

 

メルランディアがレスタとシフタ、デバインドを掛けてくれて地味に助かった。

 

 

と言うかあんなに攻撃食らったのにこの戦闘服破れてすらしない。過去の戦闘服は何だったのだろうか。

 

 

そんな事を考えながら先に進んでいると背後から声を掛けられた。

 

 

「其処の二人、アークスであろう?少し手伝って貰えるか?」

 

 

後ろを振り向くとーー白い身体のフルキャストがホバー移動で接近しながら話を掛けて来た。

 

 

誰だこのお爺さんみたいな喋り方のフルキャストは、と考えていたら隣のメルランディアが驚いたような口ぶりで話す。

 

 

「ーー⁈その純白のポディはーー六芒均衝の一、レギアスさん⁈」

 

六芒均衝?なんか偉い人なのだろうか?いや、肩書き的に偉い人なのだろう。…そういやどっかで聞いたような聞いてない様な……。

 

 

多分聞いてないな。

 

と言うか純白って…フルキャストは純白禁止かって言うの。ーーそもそもフルキャスト見るのこれで三人目なんだが。あれ?意外と多い?

 

 

「如何にも。私を知っているなら話は速いな」

 

 

すいません、俺は知らないです。なんて言える筈も無く。言うタイミングでも無いが。

 

 

「ナベリウスに行っているの聞いていたのですが…どうしてこのような場所に?」

 

兎も角、なんでそんな偉い人がこんな所に、と独りでに考えていたら二人で会話が進んでいたらしい。

 

 

と言うかメルーーディアさんそんな事まで掴んでいたんですね。と言うか最初に聞くのそれ?

 

「ははっ、よく知っているな。だが私もアークス。本拠の危機と有れば馳せ参じるのは同然であろう?」

 

 

「ーーとは言え。優秀なアークス諸君の活躍によって逃げ遅れた一般市民の救出には成功。ダーカーも駆逐されつつある。ーー完全に出遅れてしまったよ」

 

 

「ーー分かりました。それで手伝って欲しい事とは?」

 

えっ?何?やる気なの?俺もう帰りたいんだけど。

 

 

「うむ、何のことはない。一般市民の避難経路の確保をして欲しいのだ」

 

 

「自分の工房から離れたくないと言うキャストも居るものでな。手を焼いているのだ」

 

そう言い頭に手を当てる目の前のフルキャストーーもといレギアスさん、だったか。

 

 

「何、二人共とは言わん。どちらか一人手を貸して欲しい」

 

 

「……それでしたら私が手伝います。実力的にも妥当でしょう」

 

そこまで聞いてそんな後方任務ほど俺みたいな初心者向けなんじゃ、と喉まで出た言葉を飲み込む。何?もしかしてメルランディアも楽したいの?俺もしたいんだけど。

 

 

「ユウナさんはこのまま前進してダーカーの撃退をお願いします」

 

 

「…という事、だそうだ。最近の女性アークスは決断が早いな」

 

 

「…さぁ、急ぎましょう。手分けをすれば早く終わる筈です!」

 

 

「やれやれ、女性に先導されるとは…私もいよいよ年を実感するな…フルメンテナンスはしたものだが…それでは失礼する」

 

そういうと目の前のフルキャストとメルランディアが、二人で進んできた道を引き返していった。

 

 

「…俺一度も声出さなかったよ…」

 

二人の姿が消えるのを確認した後に呟く。完全に空気じゃないか、と。

 

 

そう言えばさっき言っていた工房から離れたくないフルキャストが居るって話。

 

 

もしかしてジグさんかもな。

 

 

はっはっはっ、と内心笑ながらも一人になった事で怖くなりながら先に進むことにする。

 

さっきまで隣にいたメルランディアが既にもう懐かしい。

 

 

…やっぱ一人は怖いわ。ソロはダメだな。

 

 

かと言ってパーティ組んでくれる人なんて…アフィンくらいしか居ないや。メニューを開きアフィンを調べるとーーこんな事になっているのにリリーパにいやがる。

 

 

やだなぁ、怖いなぁ、ダーカーの攻撃受けたく無いなぁ、と思いながらライフルを構えながら更に奥に進むことにした。

 

 

 




せんせー!最近NP1002とか不明なアプリケーションにより(ry)とかで艦隊戦落ちまくります!pso2も海外展開するんだから32bit版から64bit版に変えましょう!そうすりゃ16gbもあるRAMを活かせる、筈。後ついでにアクセサリー枠も。


えっ?海外展開確定した時の海外ニキ達?めっちゃ喜んでましたよ(このうち本編やって何割生き残るやら)やっぱりpsoは凄かったんですねぇ。


えっ?えっちい方?……ちょっと今秋月作って、その後球磨作って日本海軍ルート終わるまで待って(本当の事を言うと全然進んで無い。やっぱダメだなこれ)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

97話目

水曜日&新たなSGスク&720万突破してアンフィトリエ2つ目貰ったので。

EP1)終わるまで終わらない


 

 

 

 

「あぁ"ぁぁ!づがれだぁぁ」

 

 

そう言いマイルームに戻りベッドに倒れる。あの後複数のダーカーと交戦、レーザーで焼かれて変な塊を食らって全部倒した後ゲロ吐いたりしたけど元気です。多分。

 

 

リビングにある作業台にステブウェポンをマガジンを取ってコッキングレバーを引いて初弾を抜く。抜いた後それらを作業台に置いて自室のベッドに向かう。

 

因みにテーブルにはフェリアさんの所に行って来ます、と手紙が置いてあった。

 

 

「疲れた…もう寝たいーー」

 

 

下着姿になりベッドに横になり寝ようでした時。インターホンが鳴る。

 

「…はぁい、どちら様ですかぁ?」

 

 

『こちらH&T運送会社ですがユウナさん宛にお荷物が有ります』

 

 

「荷物?どちらから?」

 

 

『えっと…ジグさん、からですね。ご確認をお願いします』

 

 

「えぇ、少し待って」

 

 

そう言い急いで服をーーさっきまで来ていた戦闘服ーーはダメだ。今洗ってるし。

 

 

仕方なくアークスの研修服を着て扉を開ける。

 

 

 

「はい。こちらが物になりますね」

 

 

「えぇーーえっと…」

 

 

「あぁ、ココですよ。ココ」

 

 

そう言われて配達員は紙の一部を示すがーー書けない。

 

 

 

そもそもアークス言語書けない。確か英語を崩した外見だったよな?

 

 

取り敢えず超適当にソレ風に書こうかと考えていたら配達員が口を開く。

 

 

「あれ?おかしいですね、ボールペンが使えないです」

 

まだ中身は入っているはずなんですけどねぇ、と言いボールペンを振る。

 

 

チャンスと思い俺はすかさず言った。

 

「あぁ⁈なら私の部屋から持って来ますよ。少し待っていて下さい」

 

 

そう言い、部屋の中に急いで戻りポスを使い自分の名前の大まかな形を暗記、暗記した後にポールペンを持っていく。

 

 

「待たせましたーーこんな感じで?」

 

 

「はい。それではこちらが荷物です」

 

 

「あ、どうも」

 

そう言い渡して帰っていく配達員。

 

 

寝るはずが完全に目が覚めて起きてしまい、また端末からファッションの項目を選び、ホルタートップパンツと言う服を着る。そもそもスカートが嫌だ。足がすぅーすぅーして違和感がヤバイ。そんなんだったら下着に近いけどまだパンツのコレにするわ。

 

そう言い洗っている戦闘服を調べる。

 

俺が来ている戦闘服は、ある機関が開発した戦闘服、の更に上に男用の戦闘服を煽っている。

 

だがこの戦闘服を着ているとなんか周囲から見られるている気がしてならない。

 

なんでも大気、と言うか何処にでもあるフォトンを吸収しやすくする為にアークスの女性陣は露出が多いらしいが…あいにく俺はーー中身は男だ。露出は避けたい。

 

と言うか女の子がこんな戦闘服を着ちゃいけないのかよ?

 

 

 

そんな事を考えながら戦闘服の情報を消して、端末を閉じて、荷物をリビングのテーブルに置きナイフで開ける。

 

「さて…中身は一体なんだか…」

 

 

十中八九少し前に言っていたライフルだと思うが…果たして。

 

 

ナイフでダンボールを破り中身を取り出す。中には梱包材に包まれたジェラルミンケースとーーそれを覆うように複数の小さなダンボールが入っている。

 

 

ナイフで中身を開けるとーー中にはマガジンが入っている。

 

 

なんだこれは?明らかに俺が今使っている武器より装弾数ないぞ?と思いながらも残りのダンボールを開けてマガジン数を確認する。

 

 

「ーー30個。何発入るか知らないが、まぁ、300発くらいは撃てるだろ」

 

 

そう言いテーブルにマガジンを並べてジェラルミンケースをダンボールから取り出す。ーーその下にもまたダンボールが。

 

 

今度はなんだ?と思いながらそれを開けるとーー。

 

 

「なんだこのーー弾頭が薬莢の中に入っているのか?」

 

 

そのダンボールの中からはーー沢山と弾薬が出て来た。しかもデカイ。

 

 

よく見ると紙もある。それを拾い読んでみるとーー。

 

 

「ジグさんの特製ーーてれ、てれす…テレスコープ?弾、だって?」

 

 

紙にはそう書いてある。口径は12.7ミリと20ミリ。どちらも撃てるらしい。

 

 

それちゃんと雷管叩けるのか、とかちゃんと薬莢外に排出できるのか、とか撃った反動デカくない?とか弾速ちゃんと出るのだろうか?とか色々浮かんだが…。

 

 

紙の続きには試供品と言うか試作品として定期的に弾は送るから、との事。それと口径が口径な為オートローダーは使えないとの事。

 

 

そこまで読んで紙をマガジンの下に挟み、本体であるジェラルミンケースを開ける。

 

 

中には白と青の色を施したーー最初の頃に使っていたライフルに近い武器が出てきたーーあれ?

 

 

「…これトリガーガード無いんだけど」

 

 

不良品じゃなかろうか?と言いながらソレを取り出す。

 

 

よく見ると上にスコープも付いているのか。

 

 

そう言いながらそのライフルを取り出し手に持つ。

 

 

「……ストックもうちょい短ければな…」

 

 

そう呟きスコープを除く。

 

 

スコープに風速、距離などが出てきた。正直俺はそんな物より近距離用のサイトが欲しい。

 

 

見たところレールらしきものも無いし…どうなんだろうか?拡張性。

 

 

ジェラルミンケースの下の方に明らかに手作り感のある取説が。作製及び製造者、ジグって書いてあるし。

 

 

中身は次世代用のライフルのプロトタイプの試作らしい。試作と打ってあるが性能は充分実戦使用可能との事。

 

試験にて30メートル先のミクダに撃ったら穴を開けて過貫通したとの事。

 

因みに射手はリサさんとの事。ーーリサさんだから射抜けたんじゃ無いんですかねこれ?

 

対ダーカー用に弾頭内に小口径弾では充填出来なかった量のフォトンを詰め込んだ代物の為、弾自体の威力のお陰との事。

 

これに銃の外装、バレル、雷管等にフォトン等複数の素材で製造すればまだ性能は上がる、とまだ改造の余地があるとの事。

 

ジグさん曰くプロトレイ、と呼称しているらしい。今のアークスの戦力を鑑みて次世代用の武器の製造を考えている、と言うことも。

 

これに踏み切れたのもユウナがクラリッサを持ってきてくれたおかげだ、と書いてある。

 

取説を読み終えてテレビを付けて空のマガジンを全てテーブルに置く。

 

ソファの横に弾の入っている箱を置いてソファに座り、テーブルに置いてあるリモコンを使いテレビを付ける。

 

 

『ーーであるからして、最近のアークスの損耗率がーー』

 

手作業でマガジンに弾を込めていく。オートローダーは使えないし、手動の奴もそもそもこんな大口径ーー歩兵が持つ武器で、と言う意味でだがーーに対応したものが無い。と言うか俺が初めて触る訳だからそんな物あっても困る。ーーどうせならジグさんに付けて欲しかった。

 

そう言いガシャ、ガシャっと弾を込めていく。

 

 

 

……おかしい。もう30発入れている筈。なんでまだ入る?

 

そう思いながらマガジンを見る。何の変哲のない只のマガジンだ。横は透明な素材が使われていて中の残弾が分かるようになっている。これ多分プラ?でも撃った時のガスが来るかもしれないし…なんだろ?

 

 

そんな事を考えながらガシャガシャ入れているとまたしてもブザーが。

 

 

「はぁい、いまでまぁす」

 

 

そう言いドアを開けるとーーそこにはジグさんが。

 

 

 

『お主に渡すものを忘れてーーなんじゃその服装は?』

 

 

「えっ?」

 

 

そう言われて自分の服装を見るとーーそうだ、ホルターパンツのまんまじゃ無いか。

 

 

『いくらマイルームとは言え服は着とかんとな』

 

 

「……はい」

 

 

『お主、女性なのだからそこはきゃー!とか言わんのか?』

 

 

「騒いでも見られた事は変わりませんし」

 

 

『そうじゃが…そうじゃった。コレを渡しにきたんじゃよ』

 

 

そう言いジグさんが四角い箱をナノトランサーから出した。

 

 

『わしがプロトレイ用に作ったオートローダーじゃ。上の空いているスペースに弾を入れて下に空のマガジンをセットすれば後は勝手に入れてくれるぞ』

 

 

「…ジグさん、ジグさんの腕を見誤る訳じゃ無いんですけど…アレ本当に大丈夫なんですか?ライフルクラスに20ミリですよ?」

 

 

『大丈夫じゃよ。安心せい。弾の反作用を無くす、と迄は行かないが軽減する方法をテクニックと技術を合わせて出来たのでな。ソレを組み込んである。7ミリクラスの反動までには抑えたぞ』

 

 

「それが本当なら凄いんですが…」

 

 

『因みにあの20ミリ。弾頭の中身がフォトンで作ってあるから生き物、ダーカーの両方にも効くぞ』

 

 

それは貴方が書いた取説にも載ってましたよ、と言おうとしたがその次の言葉で言うのをやめる。

 

 

『それとな。マガジンには100発入るようになっているから。弾込めるのも大変じゃろ。そこでさっきのリローダーじゃ』

 

 

と親指を立てながら言う。

 

 

「ひゃ、100⁈そんなにっ⁈」

 

 

『おう。一々リロードするのも大変じゃろ。フォトナーの技術を再構成して作った空間圧縮装置じゃ。まだ甘くてナノトランサークラスに到底及ばんがな。それにブレットーーいや、弾頭じゃな。それを撃つ為の火薬も新しいのに変えてある。存分に扱ってくれ』

 

 

そう言いジグさんは帰って行った。

 

 

「100って…分隊支援火器かなにか?」

 

 

そう言いもう一度ライフルーープロトレイを見る。

 

 

はぁ、銃を撃ちたいとは前のーー男の時から思っていたけどさぁ。

 

 

そろそろ肩が痛くなってきたよ。

 

 

そう思いながらジグさんから渡された箱を開けて中身を作業台の上に置く。

 

 

上の部分に弾をばら撒いて下に込めている途中のマガジンをセット。

 

 

すると勝手にマガジンの挿入口に弾が入っていく。

 

 

こりゃ楽だな、と言いそのままキッチンに。

 

 

「マトイぃ?居るかぁ?」

 

 

そう言いマトイの部屋をノックするが…応答なし。入るぞ、と言い中に入るとーー居なかった。

 

 

デュケットに場所を聞こうにもそもそもあの襲撃事件の後だ。管制官はやる事が多いのだろう。

 

 

となるとどうするか、と悩んでいるとアフィンからメールが。

 

 

内容は…えっ?マトイがメディカルルームで負傷者の手当てをしていただって?

 

そもそも医療免許が無い人が治療をして良いのだろうか?

 

 

疑問に思った俺はアフィンに連絡、即出た。

 

 

「アフィン、どう言う事だ?」

 

 

『おぉ、相棒、俺が聞きたいよ。記憶が無いとかでメディカルルームにかかっていたはずじゃなかったのかよ⁈』

 

 

「…はっ、もしや襲撃事件の時にマトイが船団内でレスタばら撒いたから?」

 

 

『は?だって船団内はリミッター掛かっているはずじゃ…一部の所以外』

 

 

「そんな事言われてもーーあ、メールーーフェリアさんから⁈」

 

 

『まじっ⁈』

 

メールを開き中の内容を確認する。

 

 

「内容はーーマトイさんをメディカルルームにて検査しています…?あれ?」

 

 

『えっ?』

 

 

「アフィン、どう言う事だ?こっちには検査って書いてあるぞ」

 

 

『……もしかしたら……見間違え、かも…でもなぁ…』

 

 

「おま、えぇ…」

 

 

『しょうがないじゃん!マトイがナース服着てたんだし!ほらっ』

 

 

そう言い即座に送られてくる写真ーーマトイがナース服を着ている。

 

 

「…きっちり体のライン出てるな」

 

心は男なのでその写真を保存しておこう。

 

 

『それは相棒の服もそうでは?』

 

 

「んじゃ男用の戦闘服寄越せや」

 

 

『だから作ってる会社が女嫌いでーーえ?買い物⁈ごめん相棒、買い物に行ってくるわ』

 

その声と同時に弟さんの声と母親の声が聞こえてくる。変な所で集音機能優秀だな。

 

 

「分かった。行ってらっしゃい」

 

 

それじゃあ、と言い通信を切る。リローダーの方を見ると装填が終わったらしい。

 

下部に空のマガジンをセットして弾を追加。また機械が弾を込めていく。

 

 

「……ん?」

 

 

よく見るとリローダーの入っていた箱の下に何かが入っている。

 

 

その何かを手に取り目の前に持ってくるとーー。

 

 

「…ハイダー?でもこの穴…マズルブレーキ?」

 

 

なんでライフルなんかに?と一瞬疑問に思ったが、同時に視界に入ったリローダーを見て答えが出る。

 

 

そりゃそうだよな。フルオート可能なライフルで口径20ミリだもんな、と。

 

 

そのマズルブレーキをライフルに装着。空のマガジンをセットしてグリップの下部分を持つ。そう言やトリガーガード無いぞって言うの忘れたなぁ…。

 

 

そう思いながら構える。

 

うーん、やっぱり固定ストックは嫌だな、と言うか嫌いだな。と。

 

 

そもそもなんで固定ストックじゃ無くて、四段階から五段階位に稼働するストックーークレーンストックだったか?アレみたいな奴じゃダメか?と思ったが、クレーンストックだと反動受けきれないのかな、とも。

 

 

もっとも試作段階の物だから何とも言えないが。後でジグさんに言ってみるか。

 

 

そう考えながらソファに座りテレビのリモコンを弄り始めた。

 

リローダーが静かに弾込めしている。この静かさなら寝ている時にでもやって貰っても良いかな?

 

 

リモコンのボタンをぽちぽち押すがーーニュースしかやっていない。

 

 

やっているニュースはーーアークスの損耗率、食料自給率ーーは三倍から四倍半らしい。他にはアークスはの入隊キャンペーンとか、メイト系を作っている会社の募集とか、アークスの戦闘艦の人員募集とか。

 

 

後はゲーム系のコマーシャルか。

 

 

そう言やリバースエンジニアリングに成功したあの機体ーー量産どうたらってどうなったのだろうか?後で見に行くーーって一般のアークスが行っても門前払いされるだけか。

 

 

そう思いリモコンで更に変える。

 

『ーーえぇ、反ビースト組織であるB.A.V.E.L.S、バベルズがダーカー襲撃に便乗し、複数のアークスに所属しているビーストに被害を加えているとの情報が入りました』

 

リモコンを操作していたら何時ものニュース番組ーーニュース オラクルに止まった。

 

『またですか。それで被害の程は?』

 

 

『えぇフマルさん。攻撃ーーと言っても明確なライフルやソードでの攻撃では有りませんが、どうやら助けに入った民間人から攻撃を受けたそうです』

 

 

『受けたって…ビースト側に何かが有ったわけでは無くって?』

 

『えぇ、そのビーストに付いていた女性ヒューマンとセミキャストの証言、マグのデータからも常軌を逸した行為は何も無かったとの事』

 

 

『またバベルズが先制ですか…このダーカー襲撃で忙しい時に一体何を』

 

 

『フラビンさんは何故この組織が生まれたをーー』

 

 

そのニュースを聞いていたらインターホンが鳴る。

 

はぁい、と言おうてした時、テレビの方に目が行く。もしこれがバベルズの連中だったら?

 

新品のプロトレイに100発入ったマガジンを装填、ボルトキャッチボタンを押して初弾を装填する。

 

 

扉に付いている普段は使わないモニターを付けて玄関前を確認ーー。

 

 

『あれ?ユウナさんまだ帰ってきてないのかな?』

 

 

帽子を被りメガネを掛けたデュケットだった。なんだビックリした、と呟き扉を開ける。

 

 

「ただいーーユウナさん⁈なんでライフルなんか⁈」

 

 

「お帰り。いや、その…今ニュースでバベルズの特集があって…」

 

そう言いリビングまで歩きライフルを作業台の上に置く。コッキングレバーーーは畳まれてあるからそれを引いて初弾を抜く。

 

あっ、マガジン抜かないと意味無いや。

 

マガジンを抜いてもう一度引く。弾頭と薬莢が一体となった弾をもう一度マガジンに込める。どうせ2発だけだからね。

 

「あぁ、バベルズですか…ユウナさんも気を付けてくださいね。ーーここだけの話、女性のビーストには結構エグい事やってる、との事までアークスは掴んでいるので」

 

デュケットがソファに座り俺もその横ーー1つ開けて横に座る。

 

 

「ひっ⁈や、やめてくれよぉ、そんなジョーダン」

 

そんな危ねぇ組織なのかよ⁈カルテルかよ⁈ま、ビーストでも女だけーーあっ、今の俺女の上にビーストだったわ。余りの身近にある怖さに一瞬忘れてたわ。

 

 

「冗談だったら良かったんですがねぇ…余りにもアレなんでバベルズに対しては鎮圧モードでは無く排除方針まで上に上がっている位ですからね」

 

 

「…やだなぁ…」

 

 

「まっ、ユウナさんなら大丈夫ですよ。ーー多分、いやでもダメかなぁ」

 

 

おい!声聞こえてるから!ミミと耳が拾ってるから!

 

 

「…そんな小声で言われても聞こえてるんだよ…」

 

 

「あっ、ごめんなさい!大丈夫よ!大丈夫!ねっ?」

 

 

そんな今更取り繕ったように言われても余計に怖いんだよなぁ…。

 

 

「大丈夫よ。只でさえ少ないって言われているニューマン女性より少ない女の子のビーストなんだから上が守ってくれるに決まってるよ」

 

 

バベルズは結構アークスにも食い込んでいるらしいんですがそれは。




誤字報告ありがとうございます。

アンフィトリエの使い道?無いです()

作中でレイライフルどうたらこうたらって言っているけど…どう考えても20ミリでは無く12.7ミリの口径の方が合っているような気がする。えっ?そんな物撃てるのかだって?ほら、フォトンで何でも解決!

Q所でやっとEP1.8だけど…終わりそう? A無理です(今年度中に終わる可能性)ライフルにvita pso2に合った16連射のパッチが pso2に来るくらいの可能性。せめてシングル、バースト、フルのどれかから切り替えが良かった。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

98話目

少ないけど許して


 

 

 

 

「…あちぃ…」

 

 

そう言い借りたホバーバイクのエアブレーキ兼ランディングアームを下ろし地上に降りる。

 

ラダーペダルから足を離して地上に足を付けてライフルを右手に持つ。

 

 

『そう言わないでくださいよ。私も暑くなってしまいますから』

 

それにしてもほんっと、暑そうですねぇそっち。あっ、ユウナさんの尻尾も全然振ってない。と通信越しに言うデュケット。手には勿論冷たい飲み物が。

 

 

「デュケットは空調の効いた場所からの通信だろうに…ッ」

 

 

『そんな事言うと本来の業務ーー管制室に戻りますよ?無理言って今日の管制官ラミアさんに代わってもらったんですからね』

 

 

それにそのホバーバイク、貸してあげたんですからね、と言う。

 

 

「ごめんって。ーーったく、なんで俺がこんな事を…」

 

 

そう言い額に汗が垂れた。それを銃を持っていない手で拭い、カラッと晴れている空を見る。今いる場所は灼熱のクソあちぃ惑星、リリーパ。ーーの砂漠地帯と地下坑道の境目。そう、今俺はリリーパにいる。

 

 

何故こんなクソあちぃ惑星にいるのか。

 

 

その理由は俺が今ナノトランサーから出したこの紙ーー手紙が原因である。取り敢えず手紙を持った手を上に上げて、一体何処の大馬鹿野郎だ俺をこんな所に呼び出したのは、と思いながらナノトランサーに再度入れてこのライフルーープロトレイを両手でしっかりと保持してーー手紙に付いていた座標点を確認しながら、デュケットから借りたバイクに何も無いかを確認する。

 

 

今から2日前。マイルームにてマトイとデュケット。それと俺の3人で料理をしていた時のことだ。

 

突然ブザーと言うかインターホンと言うか。それが鳴り、少し前にデュケットにやったようにライフル構え外を見る為のモニターを見る。

 

 

モニターに映ったモノは何もなくただ廊下を映す。

 

イタズラか?と思いながら玄関に向かうと玄関のポストに紙が入っていた。それを手に取りリビングに向かい、デュケットとマトイが見守る中ソレを開ける。

 

 

そこには2日後、惑星リリーパのエリアJo245、xG056で待つ、とだけ書かれていた。

 

 

二日間の間に届いたテレスコープ弾を全てマガジンに詰め込みマガジン用のナノトランサーに放り込む。

 

 

その間デュケットは嫌な予感がします、と言い先程言っていた通りに管制官を代わってもらい、それと場所が場所なので、と言いホバーバイクを圧縮状態で借りた。

 

その時これ、テレビでやっていたホバーバイクかよ⁈と興奮したが、どうやらコレは結構前のモデルらしく、圧縮状態には対応してはいるものの、その他の性能は最新型には遥かに劣るそうだ。

 

 

それでも徒歩で歩くよりはよっぽど良い、という事で有り難く拝借した。

 

 

一方マトイは3日おきにフェリアさんの所に行っているらしい。ある意味変わってないな。と言うかマトイだけ関係無いな。そもそもアークスですら無いし。

 

 

そう言い、周辺に何も無いことを確認するとライフルをシートに置いて背後のナノトランサーからサンドイッチーーマトイがこれ、現地で食べてね、と渡してきた保存用の紙で巻かれた冷たいサンドイッチを手に取る。

 

 

中身はベーコン、ハム、レタスにトマト、マヨネーズと普遍的だが…。

 

 

『マトイさん、いくらなんでも作りすぎですよね。流石にこの量ーー半分のサンドイッチを15個は…あっ、シート汚さないでよね?』

 

 

そう、15個ーー上下パン合わせて30枚である。パーティでも開くつもりなのだろうか?

 

 

「はむっ…分かってるよ。まぁ作ってくれたから有り難く食べるけど…なぁ?」

 

 

『そう言うユウナさんも食べますけどね。それでも食べれて4個から6個くらいですか?』

 

その栄養は全部胸に行ってるのでしょうか。羨ましい。と聞こえたが、まぁ、聞こえなかったことにする。

 

この体になって最初の内は胸柔らけぇ、となったものの次第になんか、こう…変な気持ちになり辞めた。因みにブラジャーは厚いので先っぽが擦れて、そう言う気分になるような事はないので、心配する必要など無い。

 

 

「まっ、ナノトランサーの中に放り込んでおけば消費期限を気にしないって言うのは良いよな」

 

 

『事実上、ですけどね。それ』

 

 

「まっ、前の冷蔵庫よりは性能は段違いさ」

 

 

冷蔵庫とあるがこれもある種のナノトランサーらしく、俺たちアークスが使う奴より性能が落とされているらしい。そうしないと物が売れなくて市場が回らないと言うのと、冷凍冷蔵等冷蔵庫に必要なソリースを付けたらナノトランサー自体の性能が落ちたとの事。

 

 

『…はぁ…取り敢えずマトイさんは食べ物に関しては自分を基準で作らないようにって言わないと…』

 

 

「マトイ曰く『食べなくちゃ生きていけないよっ!』だからな」

 

 

『ほっぺにケチャップやマヨネーズ、玉ねぎとか付けながら言われると、妙に説得力ありますもんねぇ…』

 

 

「…えっ?つまみ食いしてたの?だって出掛ける時5個食べてたぞ」

 

そう言い出掛ける時にコレを渡され、これ持って行って食べてね、と言いながら開いた手にサンドイッチを2つ持っていた記憶が出てくる。

 

 

『えっ⁈』

 

 

「……なぁ、デュケット。今度3人で買い物に行かないか?」

 

 

『…もしかしてマトイさんの食べる量がおかしいって事を分からせる為?』

 

 

「出来れば、だが」

 

 

『…まぁ、それ失敗しませんかそれ』

 

 

「…うん…ま、マトイの食べるなくちゃ生きていけないって言うのも分かるが」

 

 

そもそも食べなくちゃ人は生きていけないしな。料理も好きと言えば好きだし。

 

 

ユウナさんの場合はただ美味しいもの食べたいだけでしょ?と言われバレちゃあしょうがねぇな。と言い返す。

 

 

『まっ、無事に帰って来てくださいね。私とマトイさんは待ってますから』

 

 

「…まてまてまて。まだ所定の場所には遠いから。もう少し掛かるから!」

 

 

『ふふっ、冗談ですよ。あっ、でも私とマトイさんって言うのは本心ですからね』

 

 

「はぁ、なんでこんな心配されるんだか」

 

 

『ユウナさんはマトイさんに救われてるんだから、命を大事にしないとね?』

 

 

はいはい、と言いナノトランサーからオレンジジュースを取り出しサンドイッチと共に食べる。

 

 

「ふぅ…ごちそうさま。んじゃまた行くわ」

 

 

『はいはーい。W.Pは任せてね。地形データから大まかなW.Pを割り出して道案内するから』

 

 

「頼むよ」

 

 

そう言い保存用の紙をホバーバイクに付いている小型ゴミ箱に吸わせて跨がる。

 

ハンドルの左手側のグリップを奥に握る。

 

するとゆっくりとホバーバイクが上昇してランディングアームとそれを兼用するエアブレーキが格納される。

 

両足のラダーを動かして背部に付いているパドルの動きを見る。ーーオーケー。

 

次にハンドルを左右に動かし、さっきより激しく動くのとパカ、パカと外装の一部が飛び出てくる。

 

 

「…これよく見たらスポイラーって奴か?」

 

 

ふと頭の中でエレボンと言うのも浮かんだがどっちが合っているか分からないので今はスポイラーにしておこうと思う。

 

それを隅に置いてもう一度スポイラーを見るとーースポイラー上の方が大きく出ている。上の方を大きくして空力ブレーキとしてパドルと併合して曲がるのだろうか?

 

 

そんな事を思いながらも操縦に集中する為それを四隅に追いやる。右側のグリップをゆっくりと奥に握り速度を出す。

 

 

正面計器に速度と地形データが表示される。

 

 

『…えっと、ユウナさん、此処から6km行った先を方位3ー6ー0を基点として、このまま方位0ー4ー0の方向のまま進んで2時方向に曲がってくださいね』

 

 

「おーけーおーけー、その時になったらまた教えてくれ」

 

 

『りょーかい!分かってますよ。ーーそう言えばリリーパの砂漠地帯に野生のマンゴーが生えているらしいですよ?』

 

 

「取って来いってか?変な病原菌が居たらどうする?」

 

 

『その時は没収して運がなかったって事で』

 

 

「無駄足じゃないか」

 

 

そう言い何も無い砂漠を結構な速度で走る。

 

 

 

『…あれ?この反応…アークスですかね?』

 

 

結構な距離を走りウェイポイントを5箇所くらいパスした時。デュケットさんがそう通信で話す。

 

 

『でもこの人数おかしくない…?普通アークスって2人から4人でパーティ組むんじゃ?』

 

 

そう言いデュケットの隣に座っているマトイーーマンゴーの話の後数分にメディカルルームから戻って来たらしい。

 

 

「まぁ、俺みたいにソロの人も居るがな」

 

 

『…ちょっと待ってくださいね。パーティ照会します。ーーあれ?船団を出た時は4人ってなってますね。少し接触してみませんか?』

 

 

「…時間の余裕はあるし…行くか。デュケットさん、修正を」

 

 

『はい。割り込ませますねーー方位2ー8ー5、9時と8時の間!』

 

 

「りょーかい。そっちに向かう」

 

 

『私の方からも呼び掛けます。ーーこほん、此方アークス専属管制官、デュケット。そちらのパーティーにーー』

 

 

そう言いデュケットからの通信が切れる。

 

 

『ーーえっと…こほん。えっとデュケットさんが相手している間私がオペレーターするね。そのまま真っ直ぐだよ』

 

 

通信が変わりマトイがオペレーターに。何で咳を?

 

 

『と言うかこの機械おっきいね。オペレーターさんはこんな大きな物でやってるのかな?』

 

 

『ーー違うよマトイちゃん。本来だったら立体端末で充分なんだけど…今回はちょっと危ないって事で色々誤魔化してオペレートしてるの』

 

 

『へぇー。そんなに危ないんですか?』

 

 

『だって明らかにおかしいじゃ無い。今時紙でのやり取りなんて…』

 

 

そう言いパーティーの少ないアークスが居るという場所に向かう。

 




ホバーバイクはPSUだか何かにあったホバーバイク的なアレ。そもそもアークスもといオラクル船団って技術力が分からない。チューブ型の道路があると思えば気球らしきものが飛んでいたり、車もタイヤ駆動っぽいし…流石に電気(防水加工)かみんな大好きフォトン動力だよな?



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

99話目

えっ?サーレクスはどうしたかって?…さぁ?


 

 

 

「……見つけた。ーー戦ってるな」

 

 

『此方もマグからの映像を受信しました。あれはーー』

 

 

『なにあれ…おっきな機械だねぇ』

 

 

『ーー「トランマイザー ⁈」です!』

 

 

『ユウナさん、あの人数、基パーティでは不利です。迎撃又は撃退を!』

 

 

「俺1人行ったところで変わらんやろっ!」

 

 

そう言いホバーバイクから降りて圧縮状態にし、ナノトランサーに格納する。

 

100発入る20ミリライフルことプロトレイを手に取り畳まれているコッキングレバーを引いて、マガジンをセットしてボルトキャッチボタンをリリース。エジェクションポートが前にスライドしてチェンバーに初弾を入れる。

 

下部のランチャーに互換性のある40ミリHE弾をセット。装甲を施されているトランマイザーには効果は薄いと思うが…仕方がない。これで効果が無かったらショットシェルーーこっちじゃデュフェンダーシェルだったか。それを使うしかない。

 

 

そう言い左手に付いているタリスもチェックーー問題無い。と言うか弄ってないから当然と言えば当然だが。

 

 

デバンドを掛けて次にシフタ、その後はナバータをセットしておく。

 

 

走って近付いて、ある程度近付いたらフルオートからセミオートに切り替えてスコープを覗く。

 

 

スコープに距離が表示される。距離が勝手に上がり、写っている距離の所で止まる。

 

 

これ勝手に距離を測って調整してくれるのか?

 

 

そう思いトリガーを引く。

 

ズドンっ、と言う音と共に反動がーー来ない。

 

 

あれ?全然来ないぞ?

 

 

そう思ったらトランマイザー に弾着。顔らしきパーツがこっちを見る。

 

 

「援軍⁈」

 

 

「リーダーが呼んで来たの⁈」

 

 

「でもリーダーは居ないっぽいよ⁈」

 

 

「どうでも良い!さっき入った管制官の専属のアークスだろ!そこのアークス!援護を!」

 

 

「は、はい!」

 

 

そう言いライフルを両手に持って3人の近くに走っていく。

 

「ミサイル!」

 

 

「リックは回避!イザベルも同じく!」

 

そう言いトランマイザー に突っ込むハンター。手にはパルチザンが握られている。

 

サイトを覗きこみミサイルの撃ち落としを試す。ミサイルをサイト内に収めると倍率が下がり等倍程に。その代わりミサイルの進行方向が表示され、弾の速度から割り当てられた場所にリードマーカーが付く。

 

 

そこに向かってフルオートにして撃ち込む。

 

ズドドドドッ、と言う連続音と共に弾が撃たれてミサイルに命中。撃ち落とす。

 

 

「おぉ⁈」

 

 

「流石!ビーストはちげぇな!」

 

 

そう言いハンターはトランマイザーに変な技ーーフォトンアーツを使い攻撃し始める。

 

 

「あのトランマイザー、硬いよ!ゾンデ系が効かない⁈」

 

 

「リック!未だ他にもテクニックはあるわ!」

 

 

「う、うん!イザベルさん!」

 

 

そう言い2人がテクニックを乱雑に放つ。

 

 

「そこのビースト!名前は!」

 

 

トランマイザー から離れ俺の名前を聞きに来るヒューマンハンター。

 

 

「ゆ、ユウナです!」

 

 

「そうか。ユウナ。専属付きって事は…まぁ、任務でそれなりの点を得たって事だが…気にするな。ーー俺が囮になる。その好きにリックとイザベルと協力して奴のコアーーケツを叩け!」

 

 

そう言うが否や未だトランマイザー に突撃を敢行するハンター。

 

 

「ユウナさん、援護しますよ!」

 

 

「私も。ーーこうして見ると本当に動物見たいね。その尻尾とミミ」

 

 

そう言いリックとイザベルが話し掛けてくる。

 

 

「えっと、話は後で!あのハンターを援護しましょ!」

 

 

「ねぇリック?リーダーは何処に行ったと思う?」

 

 

「分からないよ。ボクも今を生きるので精一杯ーー」

 

 

「ミサイル行ったぞ!回避!」

 

 

「ーーきゃぁぁあ⁈」

 

 

「ーーッ!2人はハンターの援護を!一人で行きます!」

 

 

「あ、危ないよ!」

 

 

「そもそも私はそっちのパーティーに入ってないので!好きにやらせてもらいます!」

 

 

そう言い二人を一人でトランマイザー の攻撃に耐えているハンターに付かせ一人でケツを取る動きに入る。

 

 

量腕部のナックルで地面を耕しハンターに迫るトランマイザー 。

 

 

その隙に後ろに回り込みフルオートにして腰に抱えて撃つ。

 

 

キン、キン、キン、キンと2センチ代の穴が複数開く。

 

 

流石20ミリ。小口径とは格が違う。

 

 

そう言い弾の説明をする為にジグさんがくれたメールを思い出す。

 

 

弾の弾頭部分を長くする為に弾頭自体を薬莢内に入れて、かつそれで不足する火薬のパワーを特殊な火薬で従来以上のエネルギーを得て、それで発射する、とか。

 

 

お陰で弾自体は俺の今の手のサイズに収まるクラスである。

 

 

そう言い片手にライフルを持ちトランマイザー に向かって走りスライディングを構ます。

 

 

そのままトランマイザー の股下に滑りそこからライフルをフルオートで撃ちまくる。

 

 

元来から機会というか装甲持ちはあぁ言う攻撃を意図していない所は薄いことが多い。

 

 

打ち終わったらそのままスライディングを継続、ハンターの所へ向かう。

 

 

「やるなぁ!よくもまぁ、そんなよく訳のわからない敵の懐に潜れるな!」

 

 

股下から撃った弾が主要ブロックに当たったのかそのまま崩れて各部からオイルが流れ出る。

 

 

「…やった…?」

 

 

「待て!リック!ユウナさん、念の為撃ってもらっても?リックとイザベルはゾンデを!」

 

 

「了解!リックはゾンディールを。私はゾンデを放つわ」

 

 

そう言い二人が攻撃し始めるのと同時に俺もライフルのトリガーを引いた。

 

 

 

「いやぁ…助かりました。あっ、自分ハンターのカナンって言います」

 

それからすぐして男ハンターが言う。後ろでは漏れたオイルから引火して爆発しているトランマイザー が。

 

 

「もう…カナンは只管前に行くんだから…そのくせ直そうよ…」

 

 

「リックに言われてもなぁ…」

 

 

「そうだよカナン。私もそう思うわ。ーー所でリーダーは?」

 

そう言やリーダーって言って居たが…男ハンターがリーダーじゃないのか?

 

 

『皆さん無事のようですね。カナンさんにリックさん、イザベルさん達のリーダーは無事発着場に撤退しました。増援を要請しているとのことですが…どうしますか?』

 

 

そんな事を思ったら良いタイミングでデュケットから通信が。内容はリーダーは既に発着場に撤退しているとの事。

 

 

「うーん、どうにか敵は倒せたし…俺たちも発着場に戻ろう。ユウナさん、テレプールあるか?」

 

 

「いや、無いな」

 

 

「そうか。済まないな、無理言って。2人は?」

 

 

「私無いなぁ…」

 

そう言いイザベルがナノトランサーの内容物のリストを見るが…無いらしい。

 

 

「僕も……あっ!合った!」

 

 

リックの方も同じかと思ったが合ったようだ。

 

 

「よし。コレで帰れるな。俺たちは一度発着場に戻る。君も死ぬなよ」

 

 

そう言いリックがテレプールを使い3人ともその中に消えて行く。

 

 

俺もその場でナノトランサーからバイクを出して圧縮状態を解除。

 

地下坑道へと急ぐ為にスロットルを閉めた。

 

 

 

「ーー到着、と」

 

 

そう言えば何故キャンプシップやジャバスプーーSp−68で行かないのか。理由は簡単である。

 

 

デュケットが本来の任務ではなく別の任務で向かう様にオーダーしたからである。だから本来は地下坑道の任務を受けて坑道前に出るはずで合ったが、砂漠地帯に到着、熱い砂漠地帯をホバーバイクで爆走して地下坑道を目指している訳である。

 

 

『W.P11を通過。もう少しで見える筈だよ』

 

 

「…そうは言ってもなぁ…高度上げるか?」

 

 

『いや、危ないからやめておいたほうがいいよーーなに?』

 

 

『いえ、デュケットさんは何か食べます?』

 

 

『うーん、それじゃあーー』

 

 

「ーー見えた、地下坑道入り口」

 

 

『ーーそれなら手紙の地点に向かえるようにW.P最新しますね。あと2W.P!それとマトイさん、私紅茶が飲みたいな』

 

『分かりました。取ってきますね』

 

 

了解、と2人の会話を聞きながら計器に表示された場所にパドルを切る。

 

 

ーーー惑星 リリーパ 地下坑道ーーー

 

 

地下坑道入り口でバイクを圧縮状態にしてナノトランサーに放り込み、ココからは徒歩で、というデュケットの言葉に従い、ライフルを脇に抱え前に進む。

 

出てくる機構種はライフル1、2発で壊れるので最初よりは遥かに楽になったと思う。

 

視線の右上に固定されているマップにはココのマップデータが本来なら出て来るが…今は無い。単にデータが集め終わってないのだろう。

 

 

左腕にあるタリスにもレスタを選択済みであり、いつでも敵と一戦交えられる状態である。

 

 

 

 

 

「ーーユウナさん、お待ちしてましたよ」

 

 

いきなり声を掛けられてその方向に銃口を向けようとした所でふと気づく。この声どっかで聞いたぞ、と。

 

 

「…っ⁈ーーフーリエさん⁈」

 

 

其処にはランチャーを背負ってこちらを見てくるセミキャストーーフーリエさんが居た。

 

 

 

「…目的は分かってます。こっちにどうぞ」

 

 

 

「本来ならメールや通信で連絡を入れたかったのですが…上にバレると危ないって事で止められてしまって…」

 

 

「そもそもなんでこんなところに?」

 

 

 

「それも全ては彼に会ったら、ですよ。私がココにいる訳もね。それはですねーー」

 

 

そう言いどんどん歩いて行きーーある扉の前で止まるフーリエさん。よく見ると扉の横にあるロック機構の電源が生きている?

 

 

「私です。フーリエです。彼女をーーユウナさんを連れて来ましたよ。

 

そう言うのと同時に扉が開きーー。

 

「ーーロジオさん」

 

 

中から消えたとされて居たロジオさんが現れた。

 

 

「ユウナさん!良かった!またお会いーーっ!」

 

 

そう言い腕を抱えるロジオ。

 

 

「あぁ⁈ダメですよ!まだ治って無いんですから!」

 

 

それに対して側にフーリエが向かう。

 

 

「痛たたっ…でも良かった。ユウナさんが無事で…」

 

 

「俺が無事って?」

 

 

「正直貴女も狙われていると思いましたよ。ですが、その様子だと大丈夫みたいですね」

 

 

「…ロジオ。確かナベリウスで調査しに行って居なくなったんだよな?何が合ったんだ?」

 

 

「…えぇ、率直に言います。アークスは惑星ナベリウスに何かを隠しています」

 

 

「私はそれをーー地質から微小なD因子が混じっているのを調査していたら殺されかけて…それがココにいる理由です」

 

 

「ただ、どうやって助けてもらったとかは全然覚えてなくて…」

 

 

「…少し前に一人でリリーパでリリーパ族と遊んでいた時に、傷だらけのこの人を担いだアークスがやって来たんです」

 

 

「その小さな女の子は『この人を匿ってくれ』と言って居なくなってしまいました」

 

 

「正直何が起こっているのか、私には分かりませんが…ロジオさんの話の通りだととても危ない感じがします」

 

それと同時にこの部屋を使える様にして良かった、とも。

 

「…しかし、秘密裏に殺そうとするほど危険な何かを隠しているのもーー多分事実でしょうし」

 

 

「とは言え、私はもう目をつけられてしまいましたし、多分そっちでは死亡扱いになっているでしょう。表立っての行動は最早出来ません。ーーでも、」

 

そう言い視線を上げて俺を見る。

 

 

「でも、貴女なら。貴女なら私なんかより上手く立ち回れる筈」

 

 

「…嘘だろ?相手は殺すって言う手段を選んでくるんだぞ?」

 

 

「お願いです!ナベリウスの秘密を探って貰えませんか!」

 

 

「出来うる限りで構いません!どうか、お願いです…」

 

 

「…私からもお願いします。ロジオさんの言っていることに嘘は無いと断言出来ますし。それにーー」

 

 

そう言い何処からかりー!と言う鳴き声と共にリリーパ族が現れる。後ろに装備している雑多入れに食べ物らしき物を入れて。

 

 

「リリーパ族がロジオさんの事を警戒も無しに懐いてしまって。それを見て多分、ロジオさんの行っている事は本当なんだろうな、と」

 

 

「だからユウナさん。私からもお願いします。いざとなれば私も手伝います。だからロジオさんのお願い、引き受けてみませんか?」

 

 

 

 

 

『…成る程、ねぇ…』

 

 

そう言い経緯を通信機越しにデュケットに話す。

 

 

 

『ナベリウス奥地ーー所謂遺跡跡地にて地質調査をして居たら狙われた、そしてその土から微小なD因子の反応があった、と』

 

 

「…そもそもダーカーが出るんだ。土とかにそう言うのが付くっていうのは?」

 

 

『…多分それは無いね。D因子は確か無機物、有機物どっちにも付くが土とかに付いたって言う話は聞いたことが無いわ。ーー今の所はね。私の知り合いに学者が居るから後で聞いてみるわ』

 

 

「…遺跡地帯って俺たち入れるのか?」

 

 

『入れなくは無い、けど……よし、それは私がどうにかして入れる様にしておくから。発着場に帰還してくれ。テレパイプは持ってないんでしょ?』

 

 

 

「…無いな。分かった。帰還するわ」

 

 

『ユウナさんもいい加減テレパイプ持ったらどうだい?ーーあぁ、それと。あのホバーバイク、あげるよ。ユウナさんに。幸い気が付いたらメセタも溜まって新型買えるくらいに余裕はあるし』

 

 

「ありがとう」

 

 

『良いの良いの。それじゃ通信終わり。無事に帰ってきてね』

 

 

そう言い通信が切れる。

 

 

ナノトランサーからホバーバイクを圧縮解除。それに跨り発着場に向かう事にした。

 

 

 

 

 

ホバーバイクで帰還中にレーダーに反応がある事に気付く。デュケット達に聞こうかとしたが二人とも離席しているらしい。

 

 

キャンプシップ発着場まで時間はあるし…念の為確認しに行くか。

 

 

 

そう言いラダーパドルを右に切りその反応に向かう。

 

 

 

 

「……無いなぁ…んっ?」

 

 

一人で砂漠地帯にーー俺の感で向かって探しては居るが…中々見つかるものでは無い。そもそも居なくなったのはオラクル船団内のアークスシップ内でだ。

 

 

それがリリーパに居る、と言う感もおかしいが…。

 

 

そろそろ切り上げ帰還する為にテレパイプを準備しようかと悩んでいた時。レーダーに何かを捉えた。ーーこの反応はアークス?こっちに向かって来ている?

 

 

レーダーで包囲を確認してその方向を見るとーーなんだあのホバーバイクは。やけに古いな。

 

 

そしてフロントから見えるミミを見てーー。

 

 

「ーーえっ⁈ユウナ⁈」

 

 

「っしょ、と。なんだ。アフィンか」

 

 

目の前にランディングアームを下ろし着陸するユウナの乗ったホバーバイク。

 

 

 

「相棒、一体どうしたんだよ。このホバーバイク」

 

 

「あぁ、これ?一緒に住んでいる管制官ーーデュケットさんからさっき貰った」

 

 

「貰った⁈うっそだろ⁈だってこれーー」

 

 

「新光歴175年モデルの限定生産モデルじゃん!」

 

 

「…ぁ、コレにもそう言う限定モデルとかあるのか…」

 

 

「有るのかなんてレベルじゃ無いよ⁈このモデル余りの高さに売れなくて船団内でも数百アレばいい方って言う奴なのに…さ、さわっても⁈」

 

 

「壊さなければな。と言うかそこまでだと保守パーツどうすっかなぁ…」

 

 

「中身自体は汎用品だからどうにかなるしーーそれにこれ!アトアーマーによって自己修復するんだよ!後にも先にも採用されたのはこの175モデルだけ!」

 

 

 

 

アフィンの前に降りたら限定品のエアガンとかプラモを見たときの俺みたいな反応になって困った。

 

 

話を聞くとこのホバーバイク、シャレにならないレベルの限定品らしい。

 

 

しかもボディも自己修復すると来た。デュケットは何でぶつけるなとか言って来たんですかね…?

 

 

「…あ、そうだ。アフィンはテレパイプ持ってるか?さっさと帰りたいんだ」

 

 

「それなら俺もさっき帰ろうとしていたんだ。待っていてくれ。今投げる」

 

 

そう言い空中に投げる。するとそこには発着場の景色が。

 

 

「よし、さっさと帰ろうぜ」

 

 

「あ、あぁ」

 

 

そう言い潜るアフィン。俺はその後ろから潜り、テレパイプはこういう風にショートカットみたいになるんだなぁ、と記憶しつつ、後で買っておこうとも考えた。




事実上Ep1の締めであるダークファルス復活が近付いて来ました。えっ?アイドル兼アサシンとのドラゴン探し?何であれあんなに急なんですかね?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

100話目

ヤスミノコフ5000S来い、落ちろっ!落ちろぉお!(フライング)


 

 

ーーー惑星 ナベリウス 遺跡地帯ーーー

 

 

「って言われて来てみたけどよ…何で丁度のタイミングで遺跡地帯の調査が…」

 

 

そう言い内心変な力でも働いたか?などと思いながら片手で持つライフルを構えて進む。

 

 

 

『そんな権力私には無いですよ。ーーそれよりここ。確かに他に比べてD因子の濃度が高いですね…』

 

 

「…ヤケにダーカーを見ると思ったら、そういうことか」

 

 

『えぇ。お陰である程度のダーカーとの戦闘経験のあるアークスしか行けないんですよね』

 

 

 

「……んじゃ、俺は?」

 

 

 

『…まぁ、龍族と和解させた本人って事で』

 

 

「ダーカー関係ないんだよなぁ。ーーいや、あったか」

 

そう言い更に奥に進む。すると少し開けた所に変なーー剣の刀身部分みたいなとんがった物が現れた。

 

 

「デュケット。あれは?」

 

 

『えっと…有りました。複数のアークスから報告されているあの小さなシンボル。一定時間でダーカーに有利なフィールドを作るとか。ーーまるで地中からD因子でも吸っているのでしょかね?』

 

 

「さぁ、そこら辺は頭が良い人に聞いてくれ」

 

 

『それこそローーごほん!かの人に聞いてみますね』

 

 

「…何で言い直した?」

 

 

 

『えっと、その…つまりこう言う事ですよ』

 

そう言いアークスから支給されている端末ではなく、別の端末にメールが。流れ的にデュケットだろう。

 

内容は正しく思っていた通りのーーロジオさんに聞いた方が良いし、一応会話のログも残るので。ーーと書いてある。

 

 

明らかな咳とかそう言うのはどう処理されるのだろうか?

 

 

「……つまりって、まぁ、うん、信用出来ないって事か」

 

 

『ユウナさん!今は仕事中なので』

 

 

「あ、ごめん」

 

 

『…こほん。では、そのまま奥へどうぞ。データを逐一確認するので』

 

 

それと同時に複数のフォトンワークをバイパス、各ユニットを踏み台にしてロジオのデバイスに送るらしい。

 

変な所で優秀なんだがなぁ…。

 

 

そんな事を思いつつ奥に進むと出るわ出るわダーカーの数。

 

 

浮遊するアンコウにはシングルで撃ち込み、ダーカーには脚ごと抉る事が出来るのでフルオートで動けなくする。縦に100cm有ろうが近づかれなければ意味は無い。

 

 

最初ーーアフィンと最初の訓練を受けた時は驚いたなぁ…周りの目も痛かったけど。

 

 

そもそもアークスの戦闘服のーー特に女性陣の露出の多さにモノ言いたい。

 

 

いや、最初に来ていたレンジャー用の戦闘服ーーサウザンドリムは'比較的'露出は無いけれどもーーそれでも元男になんて物を着せているんだ、と。

 

 

「…まぁ、目を引いたのはそれだけでは無いんだがな。ーーんっ」

 

 

そう呟き崩れた建物らしき物の間を通ろうてしてーー胸が引っかかる。何度も行こうとするが…無理だなこれ。

 

 

『…ゆうなさーん?今私すっんっごくイラってくる映像を見ているんですけどぉ…?』

 

 

「し、仕方ないでしょ⁈そもそも!デュケットだって有るし!」

 

 

『マトイさんやユウナさんに比べれば全然ですけどね!』

 

そう言い通信のモニターに映る自分の胸を両手で触るデュケットの画面が映る。

 

 

「…んっ!…んーー!…はぁ…無理だなこりゃ。これ以上やると胸が痛くなるわ。ーー迂回路探す」

 

 

もしかしたら胸を手で少し抑えれば行けるか、と思ったがデュケットの顔が少しづつ悪くなって来たので早々に諦めた。

 

 

 

 

「…デュケット。アレは?」

 

 

迂回路を通りデュケットと話しながら目的地まで歩いているとカニのようなダーカーに出会う。

 

咄嗟に建物の陰に隠れて敵を見る。

 

 

『…クラバーダですね。弱点で有るコアはーー今見えました?』

 

そう言いクラバーダがこちらを向いた時ーー丁度真正面を向いた時にダーカーの弱点と言うか侵食核と言うかコアと言うか。その赤い所が見えた。

 

 

「見えた。…アレ手で隠されたり?」

 

 

『しますね。データによると防御態勢に入るとフォトンを使った攻撃が効きにくくなるとか』

 

 

「ライフルだと?」

 

 

「A.C.inc.製だとキツイってデータが来ていますが…ここまで来る人は何かしら別の会社の武器を使ってますし。アークス貸し出し武器では無いので苦戦はしない、かも知れません』

 

 

 

「まぁ、小口径だもんな。初期武器」

 

 

『そんなゲームみたいな…。まぁ、ユウナさんのソレは20ミリらしいですし?中のフォトン含量も小口径に比べたら桁違いでしょうし。何とかなるんじゃ有りません?』

 

 

 

「…こう言う時はね」

 

 

地面に伏せてモードをシングルに。胸が邪魔だか仕方がない。スコープを覗き距離、風速、弾道落下迄を視野に入れたデータが出て来る。正直弾道落下は無いに等しいし、弾速もレールガン並の即弾着だから意味ない気がするが。

 

敵はクルクル回っているだけなのでコアが見えそうになったらトリガーを引く。

 

 

ダンッ、と発砲音が聞こえ弾丸はそのまま敵のクラバーダに吸い込まれるようにしてコアにーー当たらなかった。

 

 

「あ」

 

 

『…ユウナさん?』

 

 

即座に立ち上がりフルオートに。肩にストックを押し当て照準器の倍率を等倍にしてクラバーダを滅多撃ちにする。

 

 

攻撃を察知したクラバーダは身体を横にしてーー外見の通りに蟹歩きでこちらに向かって来る。

 

 

後ろを振り向き退路を念の為確認しながらも、少しづつ後ろに後退。それでも攻撃は辞めない。

 

 

「ミスった。変な所に当たっちまった」

 

 

『…まぁ、ユウナさんですし?何とかなるでしょう。まだ死んで貰って欲しくないしね』

 

 

「……」

 

 

 

そう言うデュケットの話を聞きつつクラバーダは再度防御態勢に入る。

 

 

 

『防御態勢に入ると一定時間そのままのようです。近付いて倒しましょう!』

 

 

「なんか遠距離攻撃とかは?」

 

 

『無いです。完全に近距離用のーーあのハサミ。アレが攻撃手段らしいですよ』

 

 

「近距離しか無いなら話は別だ」

 

 

そう言い近付いてひたすらトリガーを引いて20ミリを撃つ。

 

この距離ならば流石に外さないし、変な方向に飛んで外れても当たる。

 

そう言い5秒ほど近距離で撃っていると、クラバーダごイキナリ消え始めた。

 

 

『倒したようですね。ーーどうでした?』

 

 

「いや。特には。強いて言うならあのハサミーーーアレが硬かったかな。それにお腹減ったし帰ってご飯食べたい」

 

 

 

『そうですか。なら私はユウナさんが作った料理が食べたいです』

 

 

「そんな結婚した人みたいな…それに今は女だぞ」

 

 

そもそも言っちゃ悪いがデュケットはーー男の時の俺には合わない。何せ太ってたからな。

 

 

そんな太ってる奴の隣に超絶美少女ーーそもそもアークス、もといオラクル船団で微妙な女性に会ったことがないがーーが居てみろ。変な噂立てられるに決まってる。

 

 

 

『えっ?出来ますよ?女の子同士で』

 

 

 

「……は?」

 

そんな事を思っていたらデュケットが変な発言をした。えっ?女の子でも出来る?

 

 

 

『いや、だから女の子同士でけっーー』

 

 

「ーーよせっ!やめっ!やめ!この話はなし!」

 

 

『ま、まぁユウナさんがそう言うなら。ーーもう少し奥に進むと採取ポイントですよ。ポイントに着き次第採掘機を転送しますからね』

 

 

「…はい…」

 

 

因みにその後聞きたくなかったが聞かされた。何でもオラクル船団には一応種族の保存もあるらしく、それで万が一男陣が全滅した場合でも子供を作れるようになっているらしい。

 

 

その言葉の通り逆の意味でも可能、らしいが。

 

 

因みにナノトランサーの中身を探していたらレーションが見つかり、早速フォイエで温めてました。1分くらいで出来て、すっごく味が濃かったです。

 

 

ーーー オラクル船団 マイルーム ーーー

 

 

「えっ?マトイを外に?」

 

採掘機で掘った石をアークスとフーリエに渡して次の日の事。マイルームでなにか暇を潰せる物は無いか、とパソコンをいじっているとデュケットがマトイを外に出して欲しい、と言ってきた

 

 

「えぇ。マトイさんもそろそろココとメディカルルームも飽きてきていると思うので。気分転換って事で」

 

 

「デュケットは?」

 

 

「私も行きたいのですが、届いたホバーバイクの調整に苦労しているので…それが直り次第合流しようかな、と」

 

 

 

「と言ってもなぁ…どこに行けと?しょーじき俺はそう言う連れ出して遊ぶって言うのはなぁ…特にホラ。俺コレだし」

 

そう言い何時もの如くミミと尻尾を指差す。正直俺も変な目で見られるから外に出たくは無い。

 

 

「分かってますって。無難に映画なんてどうです?私としてはこの12人の特殊部隊って言う映画なんかがオススメですよ」

 

 

そう言い俺に画面を投げつけてきたデュケット。それを見るとーー。

 

 

「…筋肉やばいな」

 

 

内容は複数の特務部隊が手を組み乗っ取られた架空の星、架空の国の大統領の家族、国の政治中枢部にて人質となっている大統領を奪還する話らしい。

 

 

「でしょ⁈絶対楽しめますよ!」

 

 

「…俺は武器とか兵器とかを見るが…マトイは?」

 

 

「あっ…」

 

 

「そうやってマトイを筋肉マッチョマンに連れ込むな。ーーと言うかこれ、コマンーー」

 

と言いかけるとインターホンが鳴る。それを聞いたデュケットが歩きながら玄関に向かう。

 

「ーーあ、はーい?どちら様ー?」

 

 

『マトイです。メディカルチェック終わったよ?』

 

 

「はーい。今開けるわね」

 

因みに本来だとここまで自動で開くのだが…例の反ビーストの件も有ってここだけ手動に変えてある。

 

因みに寮長と言うか責任者と言うか。その人には提出済みである。

 

 

「…これストレートにマトイに聞けばいいんじゃね?」

 

 

「ユウナ?どうしたの?」

 

口に手を当てて考えているとマトイが部屋に入って来た。

 

 

「……」

 

 

「…うん?」

 

 

「…マトイはどっか行きたい所あるか?」

 

 

「えっ?うーん……」

 

 

「ほら、マトイさん、最近メディカルチェックとユウナの部屋しか行き来してなーいって言っていたじゃ無い」

 

 

 

「あ、あれは!…その…」

 

 

「ほら。この際だからいっちゃいましょ?温泉に行きたーい、とか」

 

 

「それはデュケットさんの本心じゃ…?」

 

 

「……あ」

 

 

そう言うデュケットの言葉を聞いて思う。確かに温泉なら休まるかも知れないし、一泊くらいなら泊まれるかも知れない。外を見るってこともできるし。

 

 

「ん?どうしました?」

 

 

「デュケット、そのホバーバイクの調整はどのくらいかかる?」

 

 

「えっと…リアクターの換装したりしますから…二、三時間くらい?」

 

 

そこまで聞いて時計を見る。今はAM11:18分。

 

 

そして今フーリエさんが石を届けているし、ロジオさんがそれを解析するのにも時間がかかるはず。それに解析する機械もフーリエさんが用意するのかもしれない。もしかしたらもっと伸びる可能性も。

 

 

そう思い、部屋に備え付けられているアークス用の機械ーーまぁ、選ぶはメセタの残高だがーーを見る。

 

 

まだ、と言うかマトイやデュケットしか使ってない為全然ある。

 

 

「あの…ユウナ、ちゃん?」

 

 

機械から離れパソコンにて検索。ーー内容はそうだな。

 

 

 

「人数3人、女、宿、温泉付き」

 

 

「え⁈温泉?」

 

 

「え⁈本当に⁈確かに私も3日間はお休みもらいましたが…」

 

 

「どうせ3日間もらってもバイク弄って終わりでしょ?だったら行こうぜーー」

 

 

 

「温泉が湧く宿によ。ーー温泉が湧く?」

 

 

そこまで言って、ふとココ宇宙船の中なのに温泉が湧くってどう言う事なんだ、と疑問が出る。

 

 

「見てください、マトイさん!ここ、料理美味しそうですよ!」

 

 

「本当!量も多いし。ユウナ、ね?ここに行こ?」

 

 

「待て待て、言ったのは俺だがそんな簡単に取れる訳ーー」

 

 

「ユウナさん、予約取れました!」

 

 

「デュケットちゃん、さすが!」

 

 

「……」

 

 

そう言い手を繋ぐ二人をよそに値段とかを見るが…言うほど高くなかった。と言うか安い。しかも2泊3日でこの値段…アレ?想像以上に安いぞ?

 

 

そう言い怖くなって調べてみるが…特に事故があったとかは無いらしい。

 

 

「デュケットちゃん!今すぐ用意しないと!」

 

 

 

「はい!何だか楽しくなってきました!頑張りますよー!」

 

 

そう言い必要な物をどんどん民間用に調整したバック型ナノトランサーに放り込む2人。

 

 

 

「…2泊で20万行かない…?でも特に怪しいところはヒットしないし…うーん…」

 

 

「ほら!ユウナさんも!着るもの全て入れちゃいましょ!」

 

 

「ユウナちゃん!こんなのどうかな?似合うかな?」

 

 

 

そう言う二人を見つつ宿泊する宿を調べるとーーぁ。

 

 

「…ぁ」

 

 

「…?どうしました?」

 

 

「あぁ…まぁ…ここ、ビースト…ダメっぽい」

 

 

そう言い画面を指差す俺。それにつられて二人が画面を見る。

 

そこにはビースト禁、と出ている。

 

 

 

「…仕方ない。マトイとデュケットの二人で行ってきな。俺は……まぁ、家でのんびりしているよ」

 

 

ビーストがダメなら仕方ない。そう言い頭の中では何しようか、と考えはじめた矢先、二人が声を揃って言う。

 

 

 

「ダメです!ユウナさんも行かないと!」

 

 

「そうだよ!私もユウナと一緒に行きたい!」

 

 

 

「…そうは行ってもだな……うわ、見ろよこれ。殆どーービースト禁止じゃないのを見つける方がキツイぜ」

 

 

そう言いサイトの宿泊先を見せる。

 

 

「ほ、他の船は?ここ見たらシップナンバー1から10までしかチェック入ってないよ?

 

 

「あれ?本当だ。んじゃ、ナンバー48までで…ぁ」

 

 

「ほらっ!ほらっ!出てきた!」

 

 

「シップナンバー18ですか。確かここはバベルズが少なかった気がしますよ」

 

 

「そうなの?ーーぁ、マトイ⁈」

 

 

「えへへへ、予約取っちゃいました!」

 

 

 

「まぁ、そんだけ楽しみって事で」

 

 

「そう言うデュケットも仕度また再開してんじゃん」

 

 

「ユウナさんこそ。尻尾、動き隠せてませんよ?」

 

 

「⁈」

 

 

「これで3人で泊まれるわけだし。何しよっか?」

 

 

 

「マトイさん、そう言うのは無事に着いて泊まれたらりですよ」

 

 

「ふふっ、分かりました!」

 

 

そう言い仕度を再開する二人。その二人を尻目に俺は画面を見る。

 

 

ここ、どんだけビースト嫌われているんだよ、と。バベルズがビースト殺したって言うし…。

 

 

これ俺の種族だけ地味にハードじゃね?

 

 

「ユウナ!ユウナも一緒に準備しよっ!ほらっ!」

 

 

そう言い考えていたら腕をマトイに引っ張られる。

 

 

「あ、あぁ。うん」

 

 

そう頷いたものは良いものの、着る服自体そんなに持ってないぞ。と思いながらマトイに腕を引っ張られ一緒に準備する事になる。

 

 

 




そろそろエッチい服ばっかじゃなくてさ…ほら、露出の無い…。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

101話目

war thunder で夕立取るのに忙しくて…(言い訳)


 

 

ーーーオラクル船団 S.No.18ーーー

「…到着、と」

 

 

「わたし飛行機なんて初めて乗ったよ」

 

 

「私とユウナさんはなんだかんだで任務とかで乗りますからね」

 

 

「まぁ、民間用に安全を取った大型機らしいがね」

 

 

そう言い宙港から離陸していく機体を見送る。数機が壊れても良いようにと複数のエンジンユニットが纏められた機体が機体各部に付いているスラスターを点火しながら離れていく。

 

 

「場所は…マトイさん、分かる?」

 

 

「えっと…この辺りじゃないの?」

 

 

そう言い二人はモニターに周囲のマップを表示して目的地までのルートを探していく。

 

 

 

「…ぁ、飛行艇使えない?」

 

 

「うーん。バスよりかは速いけど…目的地から少し離れた所に止まらない?」

 

 

「そうなのかなぁ…ルートを調べてみるね」

 

 

「お願い。ーーユウナさん、そっちは電話出来ました?」

 

 

「は?ーーいや、まだだ。今しようとしていた所だ」

 

 

「はい。ーーにしても本当に即日で泊まれるとはね…」

 

 

「うん。旅館って書いてあってダメ元で予約したら泊まれるなんてね」

 

 

 

「…それって予約なのか…?」

 

 

そんな事を言いながら今回泊まる旅館電話を入れる。

 

 

「ーーはい。今日そちらに宿泊予定の者なんですが。ーーはい、はい。ユウナです。ーーはい。はい」

 

 

「…あ!デュケットさん!ここ!ここのお店美味しいって書いてありますよ!しかも手作りって!」

 

 

「本当かしらねぇ…最近手作りっていうのも偽装が多いって聞きますしねぇ…」

 

 

「その点ユウナは手作りだから安心だね」

 

 

「安心度合いで言えば自動調理器の方が安心なんだけどね…」

 

 

「ーーはい。はいーーえぇ⁈三部屋も⁈マジで⁈ーーあぁ、ごめんなさい。それで…三部屋もですか?」

 

 

二人の会話を聞きつつ旅館の話を聞いたら、なんと三部屋も開けてくれているらしい。

 

 

「はい、はい。あぁ…オフシーズンなんですか。それで…」

 

 

旅館の人曰くオフシーズンな上にバベルズが各シップで暴れているらしく、中々お客さんも来ない、との事。

 

 

「…やっぱり飛行艇で行こうよ?」

 

 

「…そうですね。それで近場の発着場で降りてバスで向かいましょう」

 

 

「…えっと…到着予定時間は…デュケット?ここどこだっけ?」

 

 

「宙港ですよ」

 

 

「ーー宙港に着いて、えっと…ロビー?ですね」

 

 

そこから飛行艇に乗り数十分、その近場に送迎用のバスを向かわせるとの事。

 

 

「ーーだってさ」

 

 

「飛行艇とバスですか」

 

 

「やった!私飛行機に乗ってみたかったの!」

 

 

そう言い飛行艇の発着場を指差す。宙港の目の前に何機か止まっている。

 

 

大型のものから小型のものまで。二種類ある。

 

 

「ねっ?アレに乗ろう!早く!」

 

 

「マトイさん急かさない。ーーさ、ユウナさんも」

 

 

二人に急かされるまま飛行艇に乗り込む。ーーその前に。

 

 

「離陸時間は…10分程度あるのか」

 

 

飛行艇の時刻表を見るとーー全部暗記したわけじゃ無いが、宙港に発着する機体の時間とほぼほぼ同じの様な気がする。連動しているのか?

 

 

そう思いながらタラップを登り飛行艇の客室の中に。

 

 

中は列車の様になっており、2つの座席が向かい合う様になっている。

 

 

「…飛行艇ってこうなっているのか」

 

 

「座席はどうなってるの?自由席?」

 

 

そう言うマトイと一緒にデュケットを見る。

 

 

「えっと、自由席、の筈ですよ。確か」

 

 

「なら彼処に座ろ!」

 

 

指差しながら席に座るマトイ。さりげなく窓側を取る。

 

 

「まぁ、私はどこでも良いんですけどね」

 

 

そう言うデュケットも同じくマトイの前の窓側を。

 

 

「……」

 

とりあえずマトイの隣に座る。

 

 

「……まだかなぁ…」

 

 

「マトイさん、まだ乗ったばかりですよ。後ーー9分くらいかな?」

 

 

まだかなぁ、と言うマトイとそれに対してまだですよ、て言うデュケット。二人とも暇だろうし何か買ってこようかな、と思い客室内を見渡す。ーーあった。自動販売機。

 

 

席を立ちそれに向かう。モニターには簡易的な食事、飲み物、その他が書かれている。

 

 

「マトイー?デュケットー?何か飲むー?」

 

 

「うぅん。炭酸じゃなければなんでも良いよぉ」

 

 

「私は…ユウナと同じもので」

 

 

…なら三つともオレンジで良いか。

 

 

そう言いオレンジジュース三つとお菓子を何個か買う。

 

 

「ほら。お菓子も何個買ったぞ」

 

 

そう言いテーブルに置く。全部甘いお菓子だが…まぁ、なんとかなるだろ。

 

 

「なら私チョコ貰いますね」

 

 

「なら私はこの棒のお菓子を」

 

 

そう言い二人は食べ始める。デュケットの横に座り俺もオレンジジュースに口を付けた。

 

 

 

 

 

「ーー確かココだよね?降りるところ」

 

 

テーブルに映る現在位置と止まる場所と端末の迎えが来る場所の名前がーー一致する。

 

 

「ーーそうだな。ココだな」

 

 

「10分止まりますし、ゴミ箱に入れて出ますか」

 

 

テーブル下のゴミ箱にゴミを入れて、止まるのを待ち、止まったのを確認したら出口に向かって歩く。

 

 

「それにしてもここ綺麗だねぇ…景色」

 

 

「えぇ。私たちが住む1番艦と違って都市開発もあまり進んでないみたいですし」

 

 

そう言い飛行艇から降りるデュケット。

 

 

「へぇ。そうなんだ。あれ?でもこんなに開発進んでないとかえってダーカーの襲撃が来たりしないの?」

 

 

「ダーカーって人が多い所を集中的に狙うらしいんです。おかげ、と言うわけかは不明ですけど襲われないって訳です」

 

 

それでも一般人が逃げれる程度の人は居ますけどね、と言いデュケットがある所ーー山になっている所を見る。

 

 

俺もそれにつられて山を見るとーー頂上にレーダーサイトらしき物が。こんな所になんでレーダーサイトっぽいのが?

 

 

「デュケットさん、あれは?」

 

 

「あれは空気中のD因子の監視と気象をコントロールルームと申し訳程度のアークスが居る場所の筈ね。詳しくは知ら無いけど」

 

 

何せ入った事ないし、そもそも私はデスクワークしかやらないからね、と付け加えて。

 

 

「コントロールルーム、ねぇ…あんなの、あったっけ?」

 

 

そう言うマトイの後を付いて行き飛行艇から降りる。ーーあんなの?

 

「…マトイ?あんなのって一体ーー」

 

 

「ほら、ユウナさんも。10分待ってくれるとは言え待たせては悪いですからね」

 

 

「ーーあぁ、分かってるよ」

 

 

 

 

飛行艇から降りると、目の前のバス停のような所に一台のバスが止まっている。

 

 

後ろの席にはーーあれはーー。

 

「…アレ…ビースト?」

 

 

「みたいですね。ーーあ、ユウナさんもしかして?」

 

 

「あぁ…うん。俺以外のビースト初めて見たわ」

 

「まぁ、ここーー19番艦はビーストが多いって事で一部の人達に人気の船ですからね」

 

たぶん、私見ですけど、オラクル船団の殆どのビーストはここにいるんじゃ無いんですかね?と言いながらバスに近づく。

 

 

「…と言うかアレが俺たちが乗るバスだよな?」

 

 

「みたいですね。ほら。ドアに書いてあるじゃ無いですか」

 

 

そう言うデュケットの通りにバスのドアに書いては有る。ーーあるのだが。

 

 

「……そうだな」

 

 

例に習ってアークス言語。マトイやデュケットのように元から住んでいるなら兎も角、俺は部外者ーー無論中身が、だが。ーーなので読めなくは無いが、読もうとは思えない。

 

 

マトイは本当にオラクル船団の人なのかまだ怪しいが。

 

 

「すいませーん。私達予約した者なんですけど」

 

 

「はい。三名で宿泊予定のユウナ様ですね。こちらへ」

 

 

そう言いバスに案内する女性の人。

 

 

それに従い俺たち3人はバスの中に入って行った。

 

 

 

その後旅館に到着、受付にて予約ーー最も、当日予約という物だがーーで寝室が防音の個室になっている部屋の鍵を貰い、その部屋に向かう。

 

 

「鍵って聞いて持っている物に付加型のキーとか、宿泊者の身体データの複合キーだと思ってたけど…」

 

 

「本当に鍵なんですね」

 

 

初めて見ましたよ、言い鍵を見るマトイ。デュケットはマトイが持っている鍵を見る。

 

 

「パーツ付加型、か…」

 

そう呟き右手に持っているーー前の世界でも毎日のように見ていた鍵を見る。

 

 

「付加型は身体のどこかに触れさせておかないとダメなんですよね」

 

 

「ネックレスとかそう言うのとかは?」

 

 

「マトイさん、ネックレスとか持ってないでしょ?」

 

 

「あぁ…そうでした」

 

 

そう言いながら旅館の人は俺たちが泊まる部屋まで案内してくれた。

 

 

 

「こちらが宿泊するお部屋になっています。ごゆっくりどうぞ」

 

 

と言い旅館の人はそのまま戻っていく。

 

 

「はやく。開けましょ?」

 

 

「ユウナさん、マトイも言っている事ですし…」

 

 

急かす二人に急がされ、部屋の鍵穴に鍵を入れて回す。

 

 

ガチャ、と言うロックが外れた音がして、鍵穴を元に戻し、鍵を抜き取る。

 

 

「…先に入ってくれ」

 

 

「うん。ーーわぁ!」

 

 

「それじゃぁ、甘えて……へぇ…」

 

 

そう言い二人は靴を脱ぎーー景色の良い居間へと進む。

 

 

二人が脱いだ靴を前に正して俺もその横に靴を脱ぐ。

 

 

玄関から登り俺も二人に合流しようとした時、閉じた玄関がノックされた。

 

 

「はい?」

 

 

『お客様、少し中に入ってもよろしいでしょうか?』

 

 

どうぞ、と言うデュケットとマトイが俺に顔を合わせてくる。

 

 

失礼します、と一言いい中に入ってきた旅館の人はーー靴を見て説明は大丈夫のようですね、と言う。

 

 

 

「説明って?」

 

 

「えぇ、この旅館はーー靴を脱いで裸足になって歩いてもらう部屋が多いいですから…その、お客様の中にはそのまま上がってしまう方も多くて…」

 

 

ですがお客様はご存知の様でしたので安心しました、それでは失礼します、と言い扉を閉めて出て行った。

 

 

 

「…そういや俺の部屋の中じゃ靴脱いでいたが…いやでもアフィンとかゼノさんやエコーさんが来た時は普通に脱いでたよな?」

 

 

「ゲッテムハルトさんやメル姉妹も、ですよ。ーー多分親戚にそう言う作法に詳しい人が居たのでは?」

 

 

「そう言うデュケットは?」

 

 

「ほら。そこはこうーー流れで」

 

 

「えぇ……」

 

 

そんな方に今までやっていたのは流れで、と言われ困惑していると突然パァン!と言う音が響き、音の方を見るとーーマトイがベランダに出ていた。

 

 

「すごーい!山だ!山があるよ!目の前に!」

 

 

「…まぁ、1番艦は開発進みまくって、こう言う森林とか山とかないらしいからねぇ…」

 

「へぇ…」

 

 

「その分住むには楽だけど」

 

 

すごーい、きれー、と少し幼くなった様な言葉を使うマトイを少し心配しつつ、テーブルの角にセットしてある座布団に座る。

 

 

スッと座りテレビの電源をリモコンで押して局を変えていく。

 

 

「ーーわぁ、これが…えっと、確かキモノって言うやつですか」

 

 

「えっ?キモノ?」

 

 

「そう。なんか古来からあるって言う服らしいわよ。着方は……まぁ、デバイスに登録してーーほら」

 

 

テレビから視線を外しデュケットとマトイの方を見るとーーデュケットは濃い青色のーー。

 

 

「…浴衣じゃね?」

 

 

「…あ!そうです!ユカタです!」

 

 

なんか引っかかりがあると思ったら…コレが浴衣ですか、と言い用意してあった浴衣を着ている。

 

 

マトイもそれを着るもののーー胸がこう…ねぇ。

 

 

それをデュケットがじっと見て、そこから更に自分の胸ーー前々から言うがペッタンではなく、充分ある!ー旨を触る。

 

 

「…こうなったら……。ユウナさん!ユウナさんも着ましょ!ユカタ!」

 

 

そう言い座っている俺の手を引っ張り立たせた後、下着姿にして同じ色の浴衣を着せる。

 

 

「コレで3人お揃いだね」

 

「まぁ、うん。そうだな」

 

「…やっぱり…大きい…」

 

 

小さな声で言うが残念な事にミミで充分聞こえているんだよ。

 

 

それにしても、と言い自分のお尻ーー尻尾が生えている所を触る。

 

完全に穴が開いている。しかも少し大きめの。

 

 

「…ユウナ?どうしたの?」

 

 

「…いや、ちゃんと尻尾用の穴が開いているなって」

 

 

「ここはビーストが多い船ですからね。そう言う所もちゃんと用意できているんでしょう」

 

 

そうなんだぁ、と言い尻尾を上げて確認してくるマトイ。

 

 

「んっ、マトイーー少しやめてくれ、尻尾触るの」

 

 

「…えっ?あ、ごめんね?本当に開いているかどうか気になって…」

 

 

「開いてなかったら今頃下着見えてますよ」

 

 

「機にする所そこか?」

 

 

デュケットが私なりに気を使ったんですよ、と言うがそれは気の使い方を間違っている。

 

 

喉が渇いたのでお茶でも作ろうかと簡易キッチンに向かうとーーなんと場違いなドリンクサーバーが合った。

 

サーバーにはフリードリンクと書かれている。

 

 

少しの間ーー10秒から20秒ほど怪しんだ後、取り敢えず飲んでみるか、とコップに入れて持っていくとーーマトイとデュケットが何処から持ってきたのかけん玉で遊んでいた。

 

 

しかも玉を乗せる遊びではなく、玉を振り回しなんか…メイスみたいな戦いごっこをしていた。

 

 

「……な、なぁ、二人とも…何を?」

 

 

「何って?」

 

 

「うん、剣玉だよ?」

 

 

俺の問いにデュケットは何を変な事を言っているんですか、と言わんばかりの顔をし、マトイは首を傾げつつ言う。

 

と言うか初めてかもしれない。首を傾げる動作を見たの。

 

 

「…けん玉の使い方…違くない?」

 

 

「剣玉ってこの先の玉で相手を叩く遊びじゃないの?」

 

 

柔らかいし、と言い指で丸い玉を突くデュケット。

 

 

「けん玉ってその…いや、デュケット。貸してくれ」

 

 

説明するより実際に試した方が早いか。そう思いデュケットからけん玉を借りて実践する。

 

 

「ーーそもそもけん玉って言うのはーーっ!ーーよしっ!」

 

 

玉を空中に落とし、それを腕の動きだけで、刺さっていた剣に玉を刺す。

 

 

「ほっ、それっ、ーーほらっ!こうゆう風にやるーーいてっ!」

 

 

調子に乗ってグルリと玉を回し一周させてから載せようとしたら、そのまま頭に当たり、手で押さえる。

 

 

「大丈夫?」

 

 

「っっっつ!やめやめ!やってられっか!」

 

 

そう言いけん玉をテーブルに置いて持ってきたジュースを飲む俺。

 

 

一方二人は俺のやり方で何となく分かったのか、俺より上手くけん玉出来ている。

 

 

アレがセンスって奴か。

 

 

そんなけん玉に少し熱中している二人を見つつ更にジュースを飲んでいた。




5000S来週かよ、騙された!(G.R.D)


潔く出来ました…やっぱりやる事じゃないね()

さて、こんな風に書きましたが次回からは本編に戻ります。旅館は…気が向いたら外伝にそっと追加しておきます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

102話目 Ep1.8 AM11:00辺り

取り敢えずここから気が向いたらオーバーな道を書き始める。尚接点が出来るのはTS(の影は薄い)主人公と鈴木 悟だけです。異次元断層後の本編には多分絡みません。


 

 

 

 

ーーー惑星ナベリウス 遺跡地域ーーー

 

 

「いつも通りダーカー殺せって…はぁ…」

 

 

『仕方ないじゃないですか。あの人ーーラヴェールさんにオーダーを貰っちゃった訳ですし』

 

 

「俺はてきとーに調査して帰るつもりだったのによぉ…何でダーカーを倒さなきゃらならんのよ」

 

 

『そりゃダーカーは宇宙をーーと言うかモノとか空間を蝕む'敵'ですからね。その為の私達アークス、ですよ』

 

 

「そうは言ってもね…」

 

 

ライフルを脇に抱え草で覆われている道を歩く。

 

 

『それよりどうです?その眼鏡型フォトンレーダーは』

 

 

「まぁ、いちいちデュケットにコンタクトを入れてもらう寄りは遥かに気が楽だが…」

 

 

そう言い視線の右上を見る。眼鏡のレンズに表示されている50メートル程に複数のD反応があるからなのか点が複数出る。

 

 

『私は似合ってると思いますよ?ユウナさんの眼鏡姿』

 

 

「…眼鏡していると耳の上が痛くなってなぁ…」

 

 

『大丈夫です!眼鏡の引っかかる部分はなんか肌触りの良いモノを使っているらしいです』

 

 

「えぇ…」

 

 

そう言いながら目の前からくるダーカーを只管撃つ。

 

20ミリのサイズが有ればダーカーくらいは一撃、とまではいかないが数発で倒せる。

 

そのくせコイツ反動が無いから鬼の様に固定して撃てる。まるでエアガンの様だ。ブローバックしない電動の。

 

 

フルオートで敵を倒して一息つくと、改めてこのライフルーープロトレイを見る。特にセーフティを。

 

 

一般的にはセーフティ、シングル、バースト、フルオートの四つがある。コイツもこの四つだ。

 

 

『そういえばユウナさんってP.Aのワンポイントって使いませんよね?なんでです?』

 

 

グレネードシェルやデュフェーズシェルは使うのに、と付け加える。

 

 

「…ワンポイントって何発撃つ?」

 

 

『確か…12発でしたっけ?』

 

 

「バースト4回分だな。それならフルオートで撃った方が早く無いか?」

 

 

『そうでしょうか?それにさっき上げた奴以外も使いませんよね?サテライトカノンとか』

 

 

「あれは…そもそも使いやすい以前に俺に使えるかどうかの方が…」

 

 

『試しにやってみます?ほら、ライフルを媒体にして特大のレーザーを照射してみましょう!あのダーカーに!』

 

 

言うや否や一体だけいるダーカーにマーカーが付く。

 

 

頭を掻きながらマーカーのついた敵にサテライトカノンを使う。

 

マーカー付きダーカーの周囲に魔法陣みたいなものが浮かび上がり、数秒すると30センチ位の太い光がダーカーを焼き、更に爆発した。

 

爆発が終わり、撃ち終えると何もなかった。

 

 

『…あれ?サテライトカノンって支援攻撃を要求するP.Aの筈じゃ?』

 

 

『ーーと言うかアレ、ナ・メギドじゃないですか⁈』

 

 

ユウナさん、ライフルでテクニック使えるんですか⁈と驚愕されたが使えてしまったもんは仕方ない。

 

 

「…そもそもナ・メギドってどう言うやつよ」

 

 

『えっと…上級の闇系テクニックでエネミーの周りに特殊な領域を作って、その中で闇と光を当てて、その二つが臨界点を突破した爆発エネルギーで敵を消すテクニック、の筈です』

 

 

「……やっぱそんなテクニックより銃弾だよなぁ…」

 

 

『ユウナさん⁈これ凄いことですよ⁈』

 

 

自分で自作テクニック作るなんて初めてですよ!と言われたが…そもそも俺が使っていたのってグレラン、フルオート、ショットシェル、の3つ位である。

 

 

それを今更テクニックだ?

 

 

「…まぁ、偶然出来たんでしょう。そうに違いない、絶対そうだ」

 

 

『これは一応上に報告しておかなくては…』

 

 

「これのおかげでレンジャーから強制的にフォースやテクターにクラスチェンジとか無いよな?なぁ⁈」

 

 

『証拠動画も添えて…よしっと』

 

 

「聞いてる⁈デュケット⁈俺ヤだよテクニックとか言う変なの使うの!」

 

 

『……一応…ユウナさんの親がニューマンだから適正自体はある、とは思うのですけど…』

 

 

「それでも俺は銃が良いの!ーーはぁ…所で討伐数は……終わり、か?」

 

 

『……まだですね。規定ラインを超えてませんし』

 

 

「…そうだな、帰還ーーん?」

 

まだですよ!と言うデュケットを無視して帰ろうかと思っていた時。

 

メールの欄が光った。何かしらメールが来たらしい。

 

 

『聞いてます⁈ーー…?どうしました?』

 

 

「……ジグさんからメールが…はぁ⁈クラリッサが無くなった⁈」

 

 

『…?』

 

 

「あんなにくろーしてパーツ集めたのに…もっと厳重に保管しとけよ!創世機なんだろアレ!」

 

 

『…えっ?創世機⁈』

 

 

「…くそっ、俺がしたくろーは何だったんだよ……あ、いや、何でもない」

 

 

『いや!大問題じゃないですか!』

 

 

「…メールにも『此方で探すから、パーツを集めて貰ったと主には悪いな。後で何か埋め合わせする』って書いてあるし」

 

 

『アークスの武器に関するトップがそんなんで良いの…?』

 

 

「…良いんじゃね?」

 

 

そもそもそんなんだから俺にコレが回って来たんでしょ?と言いプロトレイの事を言うとデュケットはうーん、と言い静かになった。

 

 

 

 

 

『…おや、この様な所に来訪者とは。ーー余り歓迎しないが、よく来たな』

 

 

それから規定ラインを越えるためにひたすらダーカーを撃っていると、何処からともなく鈍い音が聞こえ、デュケットに確認すると付近でアークスが戦っているとのこと。

 

念の為確認してほしい、と言われて、反応のする方に向かうと、白色のフルキャストに会った。

 

 

 

『ーーん?あぁ。君はダーカー襲撃時に居たアークスだな?仕事熱心な事はいい事だ』

 

 

そう言われて思い出すはーー。

 

 

「ーーレギアス、さん?」

 

 

『いかにも。私の名前を覚えてくれて嬉しいよ。ーーだがそれはそれ。コレはコレ、だ。この付近は少しーーいや、我らアークスにとっては勝手が異なるぞ。用がない場合は早々に帰還を進める』

 

 

そう言い手に持っていた鞘のついた剣を背中に背負うと俺に言った。

 

 

 

『滞在理由があるにしても、急いで終わらして帰るべきだ。私なら兎も角、もっと面倒なのに目を付けられると厄介だぞ』

 

 

「面倒なのって言うのは…?」

 

 

『あぁ、それは……いや、ここに長時間居なければ良い話だ』

 

 

 

『……うぅむ…それにしても前に会った時も思ったが…いやだが…ビーストと言うのは少ないから私のメモリーにも…』

 

 

そう言い顎部分のパーツに手を乗せて考え始めるレギアスさん。

 

 

『…いや、失礼した。私の気のせいだろう』

 

 

そう言い、考えて出なければ気のせいに違いない、と言って。

 

 

『良いフォトンを放っているな。焦らずゆっくり鍛えれば…私たちの仲間にもなれる程の実力を持つだろう』

 

 

『ーーだからこそ。あまり急ぐなよ。若きアークス』

 

 

 

『大局を見失えば、いずれ取り返しがつかなくなるからな』

 

 

『…ふっ、いかんな。歳をとりすぎると説教が長くなる。まぁ、それなりに心に留めておいてくれ』

 

 

それではな、若きアークス。

 

 

 

そう言い目の前のーーレギアスさんは俺の後ろに歩いて行きーー。

 

 

『そうそう。最後の助言だ。小さくて煩いのには気を付けたまえよ』

 

 

そう言い片手を上げて去って行った。

 

 

 

 

 

「ーーあれ?貴女、ここで何ているの?」

 

 

そう改めて俺に聞く銀髪ポニーの少女ーーサラが俺に聞く。

 

「…ま、依頼だよ」

 

 

 

 

レギアスさんと別れた後。

 

 

もう少しで規定ラインを越すって時にデュケットが連絡をして来た。

 

 

何でも未登録の人物反応があるらしく、それの保護を頼む、との事だった。

 

 

何で俺が救助なんか、と思いながらその反応のあった場所に向かう。

 

 

だがそこには何もなかった。

 

 

「…おい、デュケット?何もないぞ?」

 

 

デュケットに通信するが何も無し。アレコレまさか…?

 

 

デバイスを起動して各種データを確認し始める。

 

 

脳裏によぎる仮面との戦闘、前の異変。アレは確か通信がジャミングされて聞こえなくなったはず。

 

 

各種データには異常無し。だが仮面が手を変えてきた可能性もあるかもしれない。

 

 

急いでライフルストックを肩に当てて周囲を捜索。

 

 

捜索している最中、草が僅かに動きそちらに銃口を向けた。

 

 

「誰だ!」

 

 

その草の奥から帰ってきた答え。

 

 

「ーー私はアークスよ」

 

 

その声は女のものだった。

 

 

「…姿を見せてくれ」

 

 

はいはい、少し待ってね、と言い数秒待つとーースカートの様な服を着たーー明らかに俺たちの着ている戦闘服では無いモノを着た少女が出て来た。

 

 

「…何者だ、アンタ」

 

 

「言ったじゃない。アークスだって」

 

 

「…にしてはその服…船団内の居住エリアでも着れそうな服装だな?」

 

 

因みにだが居住エリア、工業エリア、他の食料生産プラント船に乗る時は、警備を除いて基本私服か正装である、らしい。

 

 

「あぁ…まぁ、アークスよ。コレでも」

 

 

「…人型のダークファルスと交戦した事が何度もある。…どっちだ?」

 

 

「私は人よ?少なからず、ね」

 

 

「…アークスではないんだな」

 

 

「一応保護者はアークスだけどね」

 

 

そう言うと相手も手に装備していたワイヤーを外して背中に背負う。

 

 

「……」

 

 

貴女も下ろさないの、と言う視線を感じた為、ライフルを下ろす。

 

 

「…所で貴女。こんな所で何をやってるの?一般のアークスは入れない筈よ?」

 

 

「一般のアークスがダメならアンタはもっとダメだろ」

 

それもそうね、と言いつつ辺りを見渡す少女。

 

 

「ーーはぁ…手厳しいわね。…サラよ」

 

 

「…ユウナだ」

 

 

「…うん。そうね。もう少し日当たりのいい場所に行かない?」

 

 

ここじゃ草もデカイし、痛いしね。

 

 

そう言うとサラは手招きしてついてきなさい、と言った。

 

 

 

 

 

「調査依頼?ーーあのロジオから?」

 

 

それから数分後。誤解も解けて今は普通に話をしている。

 

 

「あぁ。ーーまて、クライアントは言ってないぞ?」

 

 

「あぁ、彼を救ってあのセミキャストに渡したの。アレ私なの」

 

 

「あぁ……本当か?」

 

 

「ま、信じてもらわなきゃ意味は無いけどね。それにしてもーー」

 

 

そう言い俺と同じ様な髪色をしているサラは岩に座りながらため息をついた。

 

 

「ーー呆れた。あんだけの目に遭ったのに懲りないって…最早才能ね」

 

 

そう言いながらナノトランサーから栄養バーを出して食べ始めるサラ。

 

 

一本食べる?と言う問いに、俺はいらないと答えた。

 

 

「危ない目って言うのは?」

 

 

「彼、殺されそうになったのよ。それを助けたのが私。ま、もしバレたら処罰は受けるでしょうけど、まぁ、私はアークスじゃないですし?」

 

 

 

「寧ろその危ない依頼を受ける貴女の方が危ないわよ。そんな暗殺依頼が来ている人の依頼を受けるなんて自殺行為過ぎるけど…ま、私にはかんけー無いし」

 

 

「…はぁ…」

 

その時、辺りが少し暗くなる。

 

 

「…またか」

 

 

「えぇ。……全く。ほんとっ、ここはフツーじゃ無いわね…。異常よ、異常」

 

 

そう言い周囲を見渡すサラ。変なでっかい花は咲いているし、変なの飛ばしているし、確かに変ではある。なんか知らない残骸もあるし。

 

 

「原因は何だろうな…異常にダーカー湧くし」

 

 

「ダーカーしか湧かない、の間違いでしょ?…原因ねぇ。原因は私には分からないわ。ウチの猪突猛進お馬鹿さんはフォトンがおかしいって言っていたけど」

 

 

「猪突猛進…?」

 

 

なんだそりゃ?と言うと実際そうなんだもの、そう言うしかない、と返される。

 

 

「ーー繰り返すけど私にはわからない。詳しい事は自称保護者を見つけて聞いてね」

 

 

「…しゃぁない。んじゃ原因をその人に聞くか。ーーんで、その、猪突猛進で自称保護者は何処にいるんだ?」

 

 

「何処にいるのかって?さぁ?そんなの、私が聞きたいくらいよ」

 

そう言い手を上げて、岩から降りて周囲を見渡すサラ。

 

 

「…はぁ…完全に迷子だわ…ねぇ、ユウナ。貴女ビーストでしょ?匂いとかで分からない?」

 

 

 

「…頑張ってね」

 

 

そう振られ、何を失礼な、と思い俺は即座に迷っているサラの横を通り抜け更に奥に向かった。

 

 

 

 

「……デュケット?」

 

 

 

『ーーあ"あぁ⁈やっと通じました…ユウナさん、急に通信が出来なくなって…ほんともう心配したんですよ?』

 

 

「……付近に仮面の反応は?」

 

 

 

『……無いですね。と言うかダーカー反応が邪魔して正確な情報は無理ですね』

 

 

一種のジャミングですよこれ、と言う。

 

 

『さっきは何があったんですか?』

 

 

「あぁ…いや、なんでもないさ」

 

 

『…そう、ですか』

 

 

「…あぁ。取り敢えず小型種は規定ラインを越した、と思う」

 

 

 

『……はい、後は中型種ですね。カルターゴにキュクローダ、サイクローダ位ですね』

 

 

「…カルターゴは回り込んで、キュクローダとサイクローダは目を狙えば良いんだな?」

 

 

 

『他のデータですと、暴れ出すとか。股間部にある弱点を隠す場所を壊すと其処も弱点になるらしいです。そっちの方が安全かと』

 

 

「…マスブレードにハンマー…こんなのに近接挑むとか頭おかしいわ…」

 

 

『?何か言いました?』

 

 

「いや、なんでもない。もう少し奥に進んでそれらを倒したら帰ろう」

 

 

『了解しました。ーーん?』

 

 

 

「どうした?」

 

 

 

『…あぁ…緊急ってほどでもないですが…以来ですね』

 

 

「ん?なんだ?」

 

 

 

『ナベルダケという名のキノコを有れば取ってきてほしい、との事』

 

 

なんでも今からだと船団の各種生態に影響があるかも知れなくて育てられないのだとか。それで自然品で確保する必要があると。

 

 

 

「…分かった、見つかったらな」

 

 

『お願いしますね』

 




何故かって?小説もアニメも漫画もweb版も読んでないからだよ。多分畳みきれない。出るキャラが多い上にアインズ様万歳とか知的ムーブは書けないので…。


そもそもオーバーロードのゲームってどういうゲームよ?mmo?mmoのゲームとmoのゲームを組み合わせて戦わせたところでね…えっ?バトルアリーナ?一、二試合やってラグがひどくて…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

103話目

ヤスミ5000S 8時間で落ちました。


 

手でG.グレネードのピンを抜いてダーカーに向けて投げる。数秒立つとD因子を持つダーカーだけを集める重力力場が発生。ダーカーを一箇所に集める。

 

 

そこにサテライトカノンを照射。ダーカーをまとめて光のレーザーで焼く。

 

 

 

サテライトカノンを使用後、モードをフルオートに変えて残ったダーカーをまとめて倒す。

 

 

20ミリの対ダーカー用にフォトンが詰まった物で作られた徹甲弾や榴弾をダーカーに撃ち込む。

 

 

 

数十秒も撃ちまくれば当たりはダーカーの死骸ーーは消えるから、辺りは来る前となにも変わらなくなっている。

 

 

 

『…ほんと、銃って良いですよねぇ…』

 

 

「んぁ?どうした急に」

 

 

『いえ。ーー辺りに元ハンターのオペレーターとか結構いるんで、小声になるんですけど…よくあんな奴らに近接挑めるなぁって思いまして』

 

 

「…まぁ、確かにな。やっぱ銃が1番だよな。近接とか絶対脳筋だろ。そもそも近付きたくない」

 

 

『脳筋率は確かに高いですけど。まぁ、私はフォースやテクターの適性が低くてですね。まぁ、オペレーターやってる訳ですから全体的に低いのですけど』

 

 

『その中でも唯一…レンジャーだけが適正比較的高くてですね。ーーあ、勿論私のーー当社比って奴で、ですよ』

 

 

レンジャーだけ他の人達並みに高かったら私もオペレーターじゃなくてレンジャーやってますよ、と加える。

 

 

『ーー最も1番簡単に慣れて、1番慣れが必要なのもレンジャーらしいんですけどね』

 

 

「まぁ、後退撃ちとかコケそうで怖いもんな」

 

 

『それもありますけど…船団内で警備とかに駆られると、どうしても対人って事が稀によく有りまして…』

 

 

「治安いいんだから悪いんだか…」

 

 

『まぁ、殆どはバベルズですが』

 

 

「バベルズの本部に乗り込めば良いものを。それか空爆とか?」

 

 

『船団内でそんな事やったら戦争になりますよ。それに周囲の非難勧告はどうするんです?』

 

 

そもそも船団内で爆発物使ったら…まぁ、余程の炸薬量じゃなければ、てすけど壁に穴が開きますよ。と続ける。

 

 

「はぁ、ほんとクソゲー」

 

 

『だからユウナさんも気をつけて下さいね。って再三言ってますけど』

 

 

あまり船団内ではビーストの人権は危ういんですから、と言う。

 

 

「…そうだな。そうなったらナベリウスにでも住むか?森に凍土。海もあるしな」

 

 

『今いる遺跡地帯は少し変ですけどね。なんか別の文明の跡地、みたいな?」

 

 

「さぁ、どーだか。ーーデュケット。ライン越した?」

 

 

『えっと…もう少し、ですね。にしても色々な人から言われてるんですが…」

 

 

「ん?」

 

 

『ラヴィールさんのオーダー…新人にやらせるには危険すぎるんですよね』

 

 

「そうなのか?」

 

 

『はい。そもそもユウナさんが撃ちまくって倒しているダーカー…あれ一体でもフォトン許容量が小さいと倒すのに時間が掛かるんですよ?』

 

 

「…いや、そもそもフォトンが充填された徹甲弾や榴弾で普通に倒せるだろ?更に口径のデカイランチャーなら尚更」

 

 

『そうは行かないんですよ…。そもそもフォトンアーツを使う為のフォトンーーこれって人によって貯蔵出来る量が違うんですよ』

 

 

「うん?…うん」

 

 

『…理解してませんね、その顔は」

 

 

「そもそもレンジャー_ーーもといライフルやランチャーは実体弾じゃん。それのどこに外部のーー使う人のフォトンを使う力が必要になるんだよ?」

 

 

『…あれ?コレは最初に教えられると思っていたのですが…。因みにですけど、ユウナさん。本当にーー今使っているライフルは兎も角、あんな小口径弾でダーカーを倒せる程のフォトンをぶつけられると思ってます?』

 

 

 

「…ほら、そこは数撃てばコアに当たるの理論で」

 

 

『相手の体力が数千有るのに2桁のダメージを与えた所でどうなるんです?それにダーカーが複数いたら?』

 

 

「そんなの、逃げるに決まってるでしょ」

 

 

『その低いダメージを上げる為に外部のフォトンーー使う人のフォトンが必要になるんです。ーー実際はもっと複雑の筈ですけど、まぁ、こんな感じの筈』

 

 

「こんな感じって…」

 

 

『それにほら、ユウナさんの理論だと近接職はどうなるんですってーー』

 

 

そこまでデュケットが言い話が止まる。

 

 

 

『はいーーえぇ、そうですが……いえ!そんなことはないです!はい!神に誓って!』

 

 

『ーーだがーー君のバディを組んでいる彼女がーー』

 

 

『いえ!それはダークファルスによる可能性が高いかと』

 

 

『ーーかしーールスにジャミーーあるーー』

 

 

『すいません、一度オペレートを終了します。終わり次第またやりますので』

 

 

「あぁ、デュケーー切りやがった…何があったんだ?上司か?」

 

 

オフラインと表示される立体情報端末のウィンドウを手で消し去り、左手で保持していたライフルを右手に構え直し進む。

 

 

 

 

 

「67!」

 

規定のラインまであと少し。

 

 

ダーカーが前脚で引っ掻いてくるが痛みは比較的少ない。

 

 

後ろを見つつ、前に向けてライフルを撃ちまくる。

 

ポートが解放されて薬莢が地面に転がる。数秒するとその薬莢も土に帰る。

 

 

「74!もう良いだろこれ!マグ!ダーカーの討伐数は⁈」

 

 

マグも単発のフォイエを放ちつつウィンドウを表示。ラヴィールからのキル数カウンターをチラッと見る。ーーチラッとじゃ分からない。

 

 

トリガーを指で引き続け、ダーカーが一点からしか来ないのを確認して改めてウィンドウを見る。

 

 

「ーーんなっ!70じゃねぇか!」

 

オーダーには76/70とカウントされている。

 

「ふざけーーっ!」

 

 

んな、帰るぞ。と言おうとしたら3メートルはあるダーカー_ーーメガネにはエル・アーダと出ているーーが突っ込んできて吹っ飛ばされた。

 

 

「っ!」

 

 

壁に吹っ飛ばされ、背中を打つものの、凄く痛いがまだどうにかなる痛さである。

 

 

しっかり掴んでいるライフルを構えてエル・アーダにマズルを合わせフルオートで撃ち込む。

 

 

「ーーそこの貴様!P.Aのホーミングエミッションを使うのだ!」

 

 

何処からともなく聞こえてきた声。

 

「ホーミングエミッション?んだよそれ!」

 

 

「複数のターゲットをロックして弾に誘導性を持たせるP.Aだ!早く使うのだ!」

 

 

そう言う声だが使った事はない。取り敢えず視線に入っている6体にミサイルみたいに…いけっ!

 

 

銃口から飛び出た弾はフォトンにより誘導性を与えられ6体いる内の4体に当たる。

 

 

「その調子だ!待ってろ!今すぐフォイエ系テクニックで焼き払ってやる!」

 

 

エミッションを食らって地面に落ちていたエルアーダを含めた6体が急に爆発して消える。

 

 

「……」

 

 

「危なかった貴様。貴様大丈夫か?怪我とかないか?」

 

 

なんならシフタをかけてやるぞ、と言うーー目の前に現れた赤と白の帽子を被った少女ーー女の子?

 

「いや、こう言う時は黙って掛けるのがポイント高いんだよな!それっ!」

 

そう言い周りに緑色のフィールドが発生してー、痛みが消えた。

 

 

「あ、ありがと…」

 

 

「うむ。怪我のない事はいい事だ。ーーあ。そうだ。貴様、名をなんと言う?」

 

 

「貴様って…ユウナです。アークスをやってます」

 

 

「ユウナ……成る程、たしかにアークスだな」

 

俺の名を探し当ててすぐさまウィンドウを消し去った。

 

 

「ーーなに?私のこと?よもや私の事を知らないのか、貴様⁈まったく、私もまだまだなのだな」

 

そう言いーー最後は小声で言って、顔を上げる目の前の少女。

 

 

「私の名はクラリスクレイス!六芒の五をーー痛っ!ーー司る者だ!」

 

手に持つロッドをくるくる回しーー途中で頭に当たりロッドを落とすものの、それを急いで拾い上げ自己紹介を続ける。

 

 

「ほぉらどぉした貴様ぁ⁈なんと言っても私は六芒均衝だぞ!」

 

 

「…いや、その…」

 

 

「…ふん。どうやら雲の上の存在過ぎて私の寛大さがわからないようだな。まぁ、いい。寛大な心で許そう」

 

全く、ヒューイの奴め、こんな面倒な名乗り上げなんてしなくても普通にすれば良いものを…と言っていたのもスルーする。ついでに痛かったと頭を摩るのも。

 

 

「ーーそれより貴様、ココでなにをしている?この場は危険区域に指定されている。そうやすやすと踏み入っていい場所ではないぞ」

 

スッと顔を上げて、それはそれ、これはこれ、と言うように話を変えてくる偉い人。

 

 

「オーダーを受けまして。ダーカーを倒してこいと」

 

 

「依頼?依頼だと貴様?すまんが少し見せてもらっても?ーーふむ、確かにダーカー殲滅任務の依頼だな。…まぁ、私が言えた事ではないが、余り余計な事に深入りするなよ。この地域は危ないからな」

 

 

「私の力はダーカーを倒すためにある。あまり人相手に使いたくないからな。ーーいや、そもそも使いたくないしな。忘れるなよ、貴様」

 

 

そう言いーーさっき見たような光景が目に広がる。確かサラだったか。サラのように前に行き辺りを見渡す。

 

 

「まったく…アノ人はどこに行ってしまったんだ…?」

 

 

「えぇと…あれ?こっちに一度来たような…」

 

 

二人とも同じ事を言っているし…。クラリスクレイスは兎も角、サラは会えたのだろうか?

 

 

 

 

クラリスクレイスと別れて、モノメイトを片手に持ちストローを吸っているとなんかひらけた場所に付いた。それに変な塔みたいなものがある。

 

 

ーーラッキーな事に塔のところに階段があるではないか。

 

 

階段に座りライフルを右側に置いて、少し早いお昼を取ることにする。

 

 

「…いや、その前…」

 

 

ライフルを膝の上に乗せてリリースボタンを押してマガジンを取る。マガジン内にはまだ弾が入っているようだが、念の為交換しておこう。

 

 

左右についているポケットからマガジンを抜き取る。今回は左側か。左側のマガジンを抜き取ると、スッとまたマガジンが姿を合わした。

 

 

弾の入っているマガジンをライフルに差し込み、残弾の無いはずのマガジンをナノトランサーに放り込む。本来ならマガジン用のナノトランサーに入れるべきだが…まぁ、後々帰ったら弾を抜き取ってローダーで入れるし、どっちに入れても変わらないだろう。

 

 

コッキングレバーを少し引いて初弾が入っているのを確認。安全装置を掛けて横に置く。

 

 

立体情報端末のナノトランサーの欄を開き、マトイが作ったお弁当を取り出す。

 

 

それを押すと中に浮かんだ状態で出て来た。それを手に取る。

 

 

フタを開けるとーー卵にウィンナー、野菜など結構な量が入っている。

 

 

二段目を開けるとーー俺の家では主食となっている米が入っていた。

 

 

ついでに頑張ってね、と言う紙も入っていた。

 

 

『ほうほう…これまた熱いじゃないか』

 

 

その紙を読んでいた時。急に後ろから声を掛けられた。

 

 

 

急いで振り返るとーージグさんビィシズさん、リサさんに次いで四人めのフルキャストに会った。

 

 

『そんな驚く事はないよ。なぁに、私も偶然ココに来ただけだからね』

 

 

「はぁ…」

 

 

そう言い隣いいか?と許可を取りつつも座ってくる黄色いフルキャスト。

 

 

 

『ーーあぁ。私の名はマリアと言うんだ。覚えておいてくれ』

 

 

「はぁ…その、食べても?」

 

 

『あぁ。食べてくれて構わないよ』

 

 

そう言い隣のフルキャストーーマリアさんも何かを飲み始めた。

 

 

『これかい?コレはフルキャスト専用の…まぁ、食事だよ』

 

 

少しの間見ていたら言われてしまった。

 

 

『ほら。アタシ達フルキャストって言うのはセミキャストーー_一概に、とは言えないが殆どが生身じゃない。機械の体を動かし続けるためにオイルやら潤滑油、その他色々混じった物を取らなくちゃならんのさ』

 

 

『味は設定したものに出来るが…その味も正しいかどうか分からなきゃ意味が無いね』

 

そう言いながら飲み物を飲み続けた。

 

 

 

 

 

『ーー所で食べている最中に悪いが…アークスでもそれなりの地位に居るもんでね。ちょっとばかし質問させてもらうよ』

 

 

話を聞き終わりマトイが作ったお弁当を左側に置き、甘い卵焼きを口に入れて、ご飯を口に運ぶと隣の飲み終わったマリアさんが言う。

 

 

『…アンタは此処にーー何をしに来たんだい?』

 

 

「…ダーカーの討伐任務を受けましてーー」

 

 

『ーーそれも分かった上で、だ。本来のーー本当の意味でのクライアントオーダーは』

 

 

「……」

 

その言い草に右横に置いてあるライフルに手を合わせる。

 

この人、ロジオの事を知っている…?

 

 

『なぁに、そこまで警戒心出さなくても良いだろう。ほら。ライフルを置きな。そっちの事情も知ってるしな』

 

 

『アンタ達が隠している学者の事も、ね』

 

 

その言葉を聞きライフルを手に取り構えつつ離れる。

 

 

「ーーどっち、なんですか?」

 

 

『おやおや。そんなに警戒されてるとは思ってなかった。こちとら少しお話しできればって思っていたんだがね』

 

 

「…彼は調査中殺されかけたと言います。付近に居たアークスによるとその反応は同じアークスの反応が一瞬写ったそうです」

 

 

『それとアタシが同じ組織だとでも?』

 

 

「…1番面倒なのが面倒な時に限って起こる。それが現実に高確率で起きるのでね」

 

 

『なぁに、そう警戒するなって言うのは無理な訳だよな。ほら。アタシも武器を外すからこっちに来てくれ』

 

 

そう言い右手に出したパルチザンを圧縮、俺の手前に投げてくる。

 

 

ライフルを相手の足元に合わせたまま圧縮された武器を拾う。

 

 

「……」

 

 

『にしてもアンタ。さっきアタシがアークスでもそれなりの地位にいるって言ったのに、よくもまぁ武器を向けられたもんだ。感心したよ』

 

 

『ーーさて。そんな肝の座っているアンタに質問だ。此処にーーこの遺跡地帯と言われるエリアに、何をしに来たんだい?』

 

 

「……ここのーー此処が何なのかの調査、です」

 

 

『ふぅん…此処が何なのかの調査、か。成る程。ーー優秀じゃないか。その学者も、ここまで突破してくるアンタも』

 

伊達にアタシに向けてくる度胸があるねぇ、と言う。

 

 

『さて。世の中には優しい嘘と言うのがある。ーー皆んなの為になる、嘘って奴だ』

 

 

『真実がいつも正解って訳じゃない。黙って蓋をして行くのは割と多いのさ。世の中にはね』

 

 

『まぁ、違和感に気付いたのはお見事。でもまだ遠いな、真実には。ーー言いふらされても困るしね』

 

そこまで聞きまたライフルを構えてーー本格的に攻撃来るか?と思いセーフティを外す。

 

 

『ーーだから教えよう。一つの真実を』

 

 

「…は?」

 

 

『ん?どぉしたんだい?そんな変な声を出して』

 

 

「…いえ、なんでもありません」

 

 

セーフティを付け直し腰に武器を付ける。

 

 

『よっと。なに、そんな余計なこと知ったから消すなんて事はしないさ。特にアタシはそう言うの嫌いでね』

 

そう言い階段上にある塔を見上げるマリア。

 

 

『此処は、40年前に行われたひとつの大きな戦いの跡さ』

 

 

「40年前の…?」

 

 

そう言えばそんな話を誰かに聞いた気がする。

 

 

『ーーそう考えてーーなさそうだが、それらしい違和感はあっただろう?文明的な跡地とか至る所にある小さなオブジェ。アレは此処に落ちた戦闘艦に過去の戦いを癒すための装置さ。何十万と言うアークスも死んだ。大戦跡地なのさ、ここは』

 

 

『私達の所属するアークスにとって一つの節目となった大きな戦いの跡だよ』

 

そう言われて今一度塔を見上げる。よく見ると変な模様が描かれている。

 

 

『ーー何故アークスが、オラクル船団が、アークス上層部が嘘をついているのか。その理由を考えるのはアンタ達だ』

 

 

『私は無意味に嘘をつかないし、黙っている義務も無い。何かしら嘘を付く理由があるのさ』

 

 

「ーーはぁ、はぁ、はぁ…い、いたぁ…それにぃ、さっきぶりねぇ…」

 

 

声が聞こえて後ろを振り返るとーー階段を上がって来たサラが居た。両足に手を付け息を整えている。

 

「おいこらぁ!はぁ、はぁ…バカマリアぁ!あたしを…はぁ…置いて勝手にぃ…行くなぁ!」

 

 

『ふん、バカとは大層なご挨拶だね、馬鹿娘。追いつけない方が悪いの。未熟なの』

 

 

「はぁ、はぁ…んっ、はぁ……あたし、が、まだ未熟…?」

 

 

『未熟さ。まだまだね。馬鹿娘は今日までだね。今日から未熟娘さ』

 

 

「うるさい、馬鹿マリア」

 

 

『さて。サラも追いついて来たしおしゃべりは此処までだね』

 

 

『アタシ達はまだやる事があるけど、調べるような物は何も無いよ。さっ、帰った帰った!』

 

そう言いサラを連れて戻って行くサラとマリア。

 

 

『ーーアークスは嘘を付いていたけど、アタシの言った事は嘘じゃ無いよ。よーく、考えてみるんだね』

 

 

 

マリアさんが此処には何もない、と言っていたが…念の為調べておくか。後ロジオさんに届けるために写真データを取っておこう。

 

 

数分ほど塔の周りを探ったが…本当に何も無かった。

 

 

塔の四方八方を写真で撮りデータをフーリエに転送、あの子どうやら機械に強いらしく色々とそう言うものを持っているらしい。あの子経由でロジオさんの所に今回のデータが行くはず。

 

 




本格的にエルダー戦前に突入しそう(小並感)

こんな風にEp1進めて来たけど…なんでこっからクーナのハドレット探しに移行するの?

えっ?アンケに2と3が無い?だってアニメ化するし…。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

104話

詰まった時は人型兵器を出す()


 

 

 

マリアさん曰く封印する為の塔の調査も終わり、何も無い事が判明したのでもう少ししたら帰ろうかな、なんて考えていたら前から足音が聞こえる。

 

 

「…」

 

 

腰に付けていたプロトレイに手を回し、両手で保持した後、セーフティを外し、後ろから来る的か何かに向ける。

 

 

 

「おいおい、よぉおがあるから来てみればァ…俺だ俺。ゲッテムハルトだよォ」

 

 

 

「…ゲッテムハルトさんですか…はぁ…」

 

 

ライフルを上に向けてセーフティを付け直し、塔の調査に戻る。

 

 

 

「俺が言うのもなんだがァ…おまえ、こんな所で何をやってんだァ?」

 

そう言い手に装備していたナックルを外して腰に付ける。

 

 

「何って…任務ついでに変な塔があったから調査してるだけですよ」

 

 

「…調査、ねぇ…ある意味、導かれたって訳だなァ」

 

 

 

「導かれた?何に?」

 

 

 

「分からないって顔してんなァ?気付かないのか?この場に漂う、どす黒い感覚に」

 

 

「…どす黒いと言えば変なのが舞ってはいるが…それの事ですか?」

 

 

「…インや、場の空気がって事さ。ーーそうか。オマエも見えるのか」

 

 

そう言い塔の前に向かい立つゲッテムハルト。

 

 

「…それもだが見ろよコレを。すっげぇきれぇだと思わねぇか?ーータマラねぇよ」

 

 

そう言い、話題を逸らしたゲッテムハルトの言動に先ほどマリアから言われた言葉ーー戦没者の塔、と言うのを思い出す。

 

 

「…まちどぉしいなぁ!ーーやっとだァ、これでシーナの仇をーー彼奴の代わりにッ!」

 

 

「仇、だって⁈」

 

 

「ーーそうだ。オレが今からやるーーいや、今からじゃねぇがーーエゴだ、オレが今存在する意味の、な。ーーあとオマエの望む様な物はココにはねェよ。サァ、帰った帰った!」

 

 

そう言うゲッテムハルトが手をシッシッとやるのを見たので後ろを向いてテレポーターを起動。サーレクスに帰ることに。

 

 

「ーーここに、ダークファルスがーー」

 

 

「ーーダーク⁈」

 

 

そう呟くゲッテムの声をミミが捉えたが残念なと事にテレポーターを潜った後だった。

 

 

 

ーーーオラクル船団 ゲートエリアーーー

 

 

「ーーはい、コレが今回のデータ。全て揃っているはず」

 

 

結局俺はダークと呟いたゲッテムハルトの事を管制官には言わなかった。そもそも言わなくてもマグの解析で分かるだろうし。

 

 

場所を移してショップエリアを抜けた先にある居住区のいつもの店ーーラフリに来ている。

 

 

 

既に渡す相手のフーリエさんは席に着きサンドイッチを口にしていた。対面席には既にオレンジジュースが置いてある。

 

 

ふとフーリエさんの腕を見ると見慣れない物が付いてーーいや、この場合は手袋、と言うのだろうか?手袋の様なものが手の部分に着ていた。

 

 

「ーーはい。貰いました。ーー所でユウナさん、こんな話聞きましたか?」

 

 

「話?」

 

 

サンドイッチを口にしながら続けて言う。

 

 

「えぇ。ーー何でもアークスが一人行方不明だとか」

 

 

飲み込んで空いた手に形状記憶小型高容量情報記憶装置を手に取り後ろのナノトランサーに放り込む。

 

 

「…行方不明なんて多い言って聞いたぞ」

 

そう言い思い返すはラジオが消えた時の話。

 

「…その行方不明の人がーーゲッテムハルトさんらしいです」

 

 

「…ぇ」

 

 

いや、ゲッテムハルトならついさっきナベリウスで、と言いかけ、その言葉を飲み込む。

 

 

「今から少し前にあったダーカー襲撃から確認が取れないらしくて。メル姉妹に事情を聞きに言っているらしいんですが…」

 

 

「…ねぇ、フーリエさん」

 

 

「…?どうしました?」

 

 

「…確かメルフォンシーナさんって10年前の戦いで負傷したんだよね?」

 

 

「えぇ。その筈です。それが一体?」

 

 

 

「いや。何でもないさ、確認しただけ。うん」

 

 

そう言ったフーリエの言葉に考える。マリアさんの言葉ーー戦没者の塔ともう一つの役目のある塔。その塔に来たゲッテムハルト。彼は10年前のダークファルス襲撃でーー死んで無いとは言えーーメルフォンシーナに怪我をさせている。

 

 

もし…あの塔に居るのがメルフォンシーナの仇、で合っているか分からないがーーであるダークファルスが…いや、でもさっき帰る間際ダークファルスって…。

 

 

そこで悩みに悩んだ俺は一度帰ることにした。悩んだって始まらない。第一。どうせ明日も行くことになるんだ。それの準備もしないとな。

 

 

「…フーリエ。すまん、今日は帰るわ。明日も任務あるし」

 

 

「ーあ!何処に行くんです⁈まだ話はーーもうっ!報酬は振り込んでおきますからねっ!」

 

 

テーブルから去りショップエリアに向かう。

 

 

後ろからフーリエさんが色々言っているが本当に何か言いたかったらメールでもよこすだろう。ーー多分。

 

 

 

 

「ーーメール?フーリエからか?ーー総技部から?」

 

ショップエリアでグレネードの弾や各種手榴弾、ジグさんの所で20ミリを貰いつつ帰路に着く頃。総合技術開発本部からメールが届いた。

 

 

内容は君が奪取した機体の改装が終わった。テストをしたいから来てくれないか。

 

 

中身を掻い摘むとこんな内容だった。

 

 

来る時間は施設が開いていれば何時でも構わない、とも。

 

 

ホバーバイクをナノトランサーから取り出し道路に置く。圧縮状態の六角形から二人乗れるホバーバイクが形を作る。

 

 

それに跨り目的地をセット。総技部に向かった。

 

 

 

 

 

「ーーすいません、呼ばれたユウナなんですが…」

 

受付に向かうと女性の方が座って待っていた。

 

「はい、ユウナさんですね。技術長がお呼びですので、こちらで案内しますね。ーーはい。ユウナさんが来られました。はい。はい?はい。わかりました」

 

 

電話を使い技術長と話をして、どうやら彼が来るらしい。

 

 

「ユウナさんに迎えを迎えに来るとの事ですので、彼方の席で少々お待ちください」

 

 

 

それから数分して技術長とその仲間が来て機体の改修が終わったから見てくれ、と言われてその後をついていく。

 

「ユウナさんか。やっと出来たよ」

 

 

「出来たってこれ…」

 

 

そう言い指差す技術長。そこにはトランスポーターに寝せられて横たわっている機体を指差す。地上には一つの武器が置かれている。

 

置かれた武器の周りに作業員が複数囲み、弾の装填や掃除などを行なっている。

 

 

 

「何か変わった…所あります?」

 

 

機体自体には前から見た限り特に変わった所はなく技術長に聞いてしまうくらいだ。

 

 

 

「あぁ。大いにあるぞ。前からは分からんがね。ーー取り敢えず乗ってみれば分かるはずだ。ーーあと、その戦闘服、ナノトランサーは付いているよな?」

 

 

「え?えぇ」

 

 

「よし。後は乗ってみてくれ。そうすれば分かる」

 

 

 

 

「ーーコックピットに入りましたけど…コックピットのインターフェース全く違うじゃないですか!?」

 

 

最初に乗った時のように頭部を上げて胴体に収まる。シートに座ると前まであった複数のスティックやペダルが無くなっている。

 

 

『そりゃこっちの規格に合うように全面改修したからな。アーマーもアークスが使うアトテクノロジーを発展させた自己修復型ヨクトアーマーに変更した。お陰で頭部ユニット以外はほぼ新造だ』

 

 

「そんなに⁈」

 

 

『いかんせん何時の年代の代物かも分からないからな。リバースエンジニアリングは終わったし、こいつを元に新型機を開発計画を組み立て中だ』

 

 

「…あれ?でも開発終わったって俺見ましたよ?」

 

 

『あれは多分コイツのデータを取っているところを見られたんだろう。計画が練られて設計図が出だした辺りだ。試作機の2パターンーービッグフット計画とフラット計画に基づいた設計図が上がっている』

 

 

「ビッグフットとフラット?」

 

 

『あぁ。フラットはそのままコイツのコンセプト見たく機動性と装甲をそれなりに確保。無理な場合は追加パッケージで確保だな。もう一つの計画は…まぁ、なんだ』

 

 

「もう一つの計画?」

 

 

『…真逆の重装甲高火力の案だ。脚部を大型化させてシュミレートさせてはいるものの…設計図を何十回破棄しているか分からない』

 

 

『俺でしちゃビッグフットの方が好きなんだが…ロマンでアークス死なせる訳にはいかんしな』

 

 

「まぁ、俺もそれは分かりますけど…」

 

 

『だろ?高火力高防御!ロマンが滾るっ!』

 

 

「相手にそれ以上の火力、それ以上の機動力、それ以上の火力が現れたら死ぬんですけどね…」

 

 

『…そうなるとフォトンを使用した武装でも作る?』

 

 

「いや、武器に関しては実用性を取りましょうよ、なんせ未知数の兵器カテゴリーだし。最初は実弾だけでも良いのでは?」

 

 

『そうだろうと思って演習用の武器も持ってきたぜ。ほら。あそこを見ろ。ーーいまだ、機体の横に上げろっ!ーーえっ⁈違う!演習弾じゃないっ!ーーすまんユウナさん。俺が出ないとダメみたいだ。少し離れるから待っていてくれ。ーーおいそこっ!セーフティピンを装着前に抜くなっ!』

 

機体の周りに置いてある物が次々と繋がり一つの武器となる。

 

 

『ーー長!ーー試作個体重力慣性制御システムと試作対ダーカー因子フォトン転換装甲はどうしますか!』

 

 

『あたりめぇだ!さっさと入れろ!実戦形式だ!弾もいれろっ!』

 

 

『了解!聞いたなお前ら!上げろぉおっ!』

 

 

そう言いライフルを装着した車両がライフルを上に上げる。

 

 

「…え?今回動かすだけじゃ?と言うか試作の奴って…⁈」

 

 

『大丈夫だ。問題は無い。それ自体の理論は他の分野でも十分に発揮されて、実機も作られている。問題が有るとすれば動くかどうかだ。ーーそうだ。ナノトランサーを接続、と言うか後ろに背中を合わせてみろ』

 

シートの背もたれ部分を見るとナノトランサーと同じような物が付いている。それに合うように座るとーー。

 

「はい。ーーおぉ⁈」

 

 

『どうだ?そのH.M.D。ユウナさんの顔の視線の通りに機体の頭部ユニットも動くぜ?』

 

 

ナノトランサーを接続すると上から降りてきたバイザーらしきH.M.D.がブラックアウト。そこにPrototype.O.P_Mod.0_と表示される。

 

複数のバーが機体データの横にに表示。その横に人の身体ーーこの場合は多分俺か。それが表示される。

 

 

バーが上がっている横ではジェネレーターの出力が上昇。それと同時に補助電源ユニットからジェネレーターに初期動力が渡されていく。

 

ジェネレーターの出力が一定ラインを越すと今度はA.P.U.に少しづつキャップされて行く。

 

 

バーが最後まで上がり、ジェネレーターの出力が上がりきるとH.M.D.にStart.Upと表示。視界がクリーンになる。

 

「おぉ⁈おぉ!?」

 

自分の首を横に振るとH.M.D.に表示される画像も横を向く。

 

H.M.D.の奥にある大型ディスプレイには期待を前から見た映像が表示されている。

 

 

 

『…大丈夫かい?さっきから驚いた声しか…』

 

 

「…こ、これ。もう動きます?動く?」

 

 

『A.P.U.は常時稼働ーーフォトンバッテリーで動いているから。まぁ立ち上がってみろ。ーーお前ら!離れろ!動くぞっ!』

 

 

「立ち上がるって…ペダルもないのにのどうやって?」

 

 

 

『今の状態は寝ている状態だ。人は寝ているとどうやって起きる?』

 

 

「そりゃ手足を動かしてーー」

 

 

そう言い途中まで言うとH.M.D.に映る景色が変わる。具体的には起き上がったようなーー起き上がる?

 

 

『そうだ。アークスの戦闘服を通して身体の電気信号を頭部ユニットとコアのS.C.S.ーー中枢制御システムが解析と機体に合うようにパイロットの動作を最適化。それらを各A.C.S.ーーアクチュエータ制御システムが実質ゼロタイムでやってのける。ーー最も、人の体じゃ0.2秒ほどと時間が掛かるらしいがね』

 

機体を立たせ、腕部をを見る。機体も考えた動作をトレースする。

 

右手首を回転させようとすると、それの考えに倣い手首が回る。

 

 

『ーー説明を続けるぞ』

 

 

そう言う技術長に向けて左手の親指を立てる。

 

 

『良し。使い方は分かってきたみたいだな。ブースターユニットは足の裏に小型化した物を2基、脚部に4基、背部に2基の8基だ。その他制御バーニアを持っているが…まぁ、これは置いておく。スラスター出力はマージンを取ってある程度の安全をとっては有る』

 

 

そもそもそんな出力出すにはこの船は狭すぎるからな、と付け加える。

 

 

 

『…さて。ユウナさん。武器の使い方は分かるかな?』

 

 

機体の横に上げられたライフルを手に握る。握ったライフルの上に装弾数がオーバーレイされ、表示される。

 

 

「一応レンジャーなんで。ーーこのライフルのテストですか?」

 

既にマガジンは装填されているので大型のコッキングレバーを引いて初弾を装薬室に入れる。

 

 

『そうだ。試作ソリッドライフルだ。人の武器をそのまま大きくしただけだかね。使用弾薬はH.E.D.E.F.。対ダークファルス用の重榴弾だ。炸薬の力でフォトンを撒き散らすぞ。これを食らえばダーカーなんてイチコロよ』

 

 

『本当は初速と貫通力を得る為に電磁機構とレーザーユニットを使った複合ユニットを用いたガトリングを作りたかったんだが…こいつは試作機だ、実験はある程度量産してからにしてくれって頼まれてな』

 

 

「なんですその訳わかんないユニットは…」

 

 

『まぁ作れるかどうかは謎だがな。所詮は武器の真似事よ。本腰入れるにはR.C.S.o.P,Armsやヤスミノコフ造兵廠とかA.C.insとかに各社に協力を求めないと行けないからな。現状は俺たち総技部の作った実弾のソリッドライフルだけだな。装備は』

 

ライフルを装備して大型格納庫の外に出る。

 

ガシャン、ガシャンと音が響く。

 

 

『レーザーライフルも大型化すれば余剰出力を使って放てるんだがなぁ…』

 

 

『技術長!ユウナさん外に出ましたよ!』

 

 

『ーー!そうか。俺たちも外に出るぞ。お前らっ!ユウナさんの機体の周囲に近づくなよ!踏まれても知らんぞ!』

 

 

 

H.M.D.に投影される人口太陽の光が眩しく手を顔に翳そうとすると機体の手が頭部の前に動く。

 

 

「ーー技術長さん。どこに向かえば?」

 

 

『ーーえっとだな。目の前に仮設の射撃場が有るだろう。そこに向かってくれ』

 

歩こうとすると機体も歩く。走ろうとすればそのまま走る。

 

そう言えばこいつーーちゃんと走っている時空中に居るが、ちゃんと姿勢制御出来てるな。俺の居た前の世界じゃその空中の制御が難しくて早歩きが限界とまで言われてたが。

 

 

『技術長。エネミーは固定型にしますか?動く奴にしますか?』

 

 

『ーーそうだな、腕部の反応スペックを調べたい。出来るか?』

 

 

『高性能3Dスキャナーがあります。それだけでも充分解析出来るかと』

 

 

『分かった。それを今試作の設計段階のフラットとビッグフットにも出来るか検討しておこう』

 

 

「射撃場に着きました。指示を」

 

 

『了解した。先ずは右腕部に持っているライフルを試してくれ。的の厚さは…いや、今は良い。取り敢えず当ててみてくれ。ターゲットを見れば勝手にターゲットマークをリアルタイムで出してくれる』

 

 

右腕に保持するライフルを両手で持つ。よく見ればこの武器スナイパーライフルみたいに長いな。

 

 

『試しに撃ってみてくれ。弾薬はーー確か150発程度は言っているはずだ』

 

 

ライフルを除く動作をしようとするとH.M.D.にオーバーレイ、真上に表示される。

 

 

トリガーを引く動作をするとロボットの指も動きソリッドライフルのトリガーを引く。

 

 

バスン、と言う重い音が三回連続で響き、その音と共に即弾着。3点バーストで12発ほど撃つ。

 

 

「うわぁぉ…」

 

 

『命中したな。どうだ?』

 

 

煙が上がっているが頭部ユニットがそれらを透過。ターゲットとされる的は消し飛んでいた。

 

離れた所で固まって色々データを見ている人達の方を探すために顔を動かそうとする。

 

機体の中枢制御システム等がそれを検知。機体の頭部を俺の動かしたい方に動かす。

 

左右を見てーー複数のモニターを持ってきて外でリアルタイムで受理しているか場所を発見。

 

 

『ーー炸薬量が多すぎましたね。見てください。ホログラムのバレル部分ーー銃身に大きな歪みが有ります』

 

 

『この場合は銃身が歪んでと当てたれたユウナさんを褒めるべきか、それとも歪みを感知して修正をしたS.C.S.を褒めるべきか…さて。銃身寿命を考えると炸薬量を少なくしても良いか?』

 

 

『いえ。ダーカーは確実に倒せなくては行けないので。ーーやはり各社に応援を求めないとダメですね』

 

 

『そうだな。餅は餅屋ってやつだな。ユウナさん。もう少しーー後一時間くらい実験に付き合ってくれ』

 

 

「了解。ーーライフルはどうしますか?」

 

 

『一度トラックを回す。その上に置いてくれ』

 

ライフルを上にあげて機体を左右に振りトリックがどこから来るのかを探す。

 

 

技術者なのか整備士なのか分からないが一人が戻り、先ほどいた格納庫から大型トラックを持ち出してこちらに向かってきた。

 

 

俺の機体の真横に止まると通信が入る。

 

 

『…トランスポーターを持ってきたのか。まぁいい。その上に乗せてくれ。次はーーどうする?』

 

 

『飛行テストをしましょうか?キャスト達のデータを使っているとは言えあのサイズは未知数ですから』

 

 

『そうだな。ーーユウナさん。次は飛行テストだ。飛ぶように…なんて言えばいいんだ?』

 

 

『…ロボゲーみたく飛んで見てくれ、としか』

 

 

『おいおい。ユウナさんは女の子だぞ?無いだろ?』

 

 

そう言う通信している奥から聞こえる。分かってる。飛んで見ればいいんだろ?

 

 

思い出すは数多のロボゲーの飛ぶ動作。

 

 

先ずは背部のスラスターを点火。

 

 

ヒュイーン。と言う少し弱気な音と共に期待が浮く。

 

少しづつ出力を上げつつ片脚を少し曲げてそっちのスラスターも点火。残った脚の方も火を入れる。

 

 

少しつづつ上昇し始めH.M.D.の横にA.L.T.と角度数が表示される。

 

 

 

『おおっ!良いぞっ!飛んだなっ!』

 

 

『データ受信感度は良好!良いデータですよ!これ!』

 

 

『人型があんなに安定して飛びのか…よく飛べるなぁ…』

 

 

『よく見ろ。補助バーニアを定期的に噴射して姿勢を制御している。ロボゲーのパイロットみたいだな』

 

 

『女の子でビーストで巨乳でロボットの才能あるって…何処の同人ゲーだよ』

 

 

『おまえらっ!通信は入ったままだぞ!自粛せい!』

 

 

機体を飛ばしながらもーー例えば脚を前に出してオーバーシュートさせる機動をしたり、補助バーニアを使ってその場で180度回転したりしてふと気付く。Gーー重力加速度が、無い?

 

 

「…あれ?Gがない?」

 

 

『そりゃ重力制御しているからね。それに今の出力じゃ高くても…30Gくらいだろ』

 

 

「えぇ…」

 

 

『正式採用されれば出力を上げて100Gを越す制御も可能なんだが…データが取れるのがこの1機だけとなると、どぉしても慎重にならざる得ない』

 

 

『さっきのライフルを置いたのも暴発したらマズイからな』

 

 

「…ん?なんだ?」

 

 

しばらく飛んでいると奥のモニターに映るレーダーに反応が出た。

 

 

『どうした?何かトラブルか?』

 

 

「いえ…今一瞬レーダーに何か映ったような…?」

 

 

『捜査線の誤認じゃないのか?』

 

 

「…きのせい、かな。それにしてもレーダーにすら町のデータ入れているとか…用意凄いですね」

 

 

『いや。多分それやったのはその機体だ。レーダー波を出して帰ってくる物を元にマッピングでもしたんじゃ無いか?勝手に』

 

 

「…と言うと地図データ無い所でも地図が作れるんですね」

 

 

『まぁ、機体内で完結可能な支援システムを組み込んであるからな。量産化でどうなるかは分からないが』

 

 

十中八九付けっ放しになるだろうけど、と言いながらも他に何か異常は無いかと聞いてくる。

 

 

「…特には無いですね」

 

 

『よし。飛行試験は取り敢えず終了。今度は地上でホバーでの移動をしてくれ。頼むぞ?』

 

 

「了解」

 

 

そう言い空中でホバリングしている機体をーーメインのスラスターの出力を落としてさっきまで居た場所に帰る。

 

 




やっと通常投下出来た…長かったなぁ…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

105話目

W.Tの日本ルートにオイ車が実装されそうな気がしないので


 

「ダーカーでけぇんだよっ!さっさと死ねっ!」

 

 

腰に抱えたライフルを撃ちまくり、下部に付いているランチャーのトリガーも引く。

 

 

ランチャーの反動で銃身が上に上がるものの、そのまま下に下ろしマガジンを地面に落とす。

 

 

それと共に左手にナノトランサーから出したーー弾頭が丸い弾丸の装填されたマガジンをライフルにセット、チャージングハンドルを引き初弾を薬室内に装填する。

 

 

空の薬莢がエジェクションポートから飛ばされて空を舞う。

 

 

銃口を再度ダーカーーー俺の腰よりデカイダーカーに向けてトリガーを引く。

 

 

プライマーをファイヤリングピンが叩き中の装薬が爆発。弾頭が銃身に沿うように真っ直ぐ進む。

 

 

銃身を出るとダーカーの前で弾頭が割れてーー中から複数の細く短い弾が出てきた。

 

それが近距離に居たダーカーに当たりーーダーカーの中心部に複数の穴が開く。

 

 

「ーーショットシェル使えるぞ!」

 

 

ショットシェルを真正面から食い霧となるダーカー。これを作ったジグさん曰く『フォトンアーツのディフェーズシェルを小型化、プロトレイ用に試しに作ってみた』との事。その代わりこのマガジンを装填していると殆どのライフル用フォトンアーツが使えないと言っていたが…まぁ、そもそもフルオートとセミオート位しか使わないから意味が無い。

 

 

迫り来るダーカーの大群をショットシェルで霧とかしながら撃ちまくって数十秒後。

 

辺りにはチリ1つ無いーーそもそもダーカーは死んだら消えるのだがーー場所で佇む。

 

 

ライフルを左手に持ち替えてウィンドウを表示。ナノトランサーからモノメイトを取り出す。

 

キャップ部分を開けるとにゅ、とストローが飛び出す。それを口に入れてーー。

 

 

「ーーおぇ。ぺっ!んだよこれ、オレンジじゃねぇじゃん」

 

 

そう言い手に握るモノメイトの背面ーー色々と情報が載っているところを見てうわっ、と言う。

 

 

これメロン味な上に更に炭酸じゃないか、と。

 

 

周辺に敵がいない事をデュケットに確認して貰いナノトランサーに入っているモノの一覧を見る。

 

ズラッと表示されてその中から飲食物をリストに残す。

 

 

モノメイト8、ディメイト2。それがナノトランサーに入っている残数だった。

 

 

仕方なくこのメロン味のモノメイトをーーストローを格納すると連動してキャップが閉まるーーナノトランサーに入れて前に歩く。

 

 

 

『…ぁ!ユウナさん!付近にアークスの反応があります!』

 

 

 

急に通信機ーー本来なら耳元に付いているナノ通信装置が支給されているのだが、耳に直接入れると言う前世のイヤホンの比ではない深さに入れる、と言う仕様に驚き旧型の通信機ーーヘッドセット型を貰った。ーーに声が響く。

 

 

「ぅわぁ⁈びっくりした…」

 

 

『すいません、つい大声で…じゃなくて!アークスの反応が2つ有ります。その周辺には多数のダーカーの反応と動音を探知!』

 

そう言い周囲のマップを出す。

 

 

「また救援か?他のアークスは?」

 

 

『そもそも遺跡エリアまで探索許可が下りている方が少ないので…』

 

 

「…メセタは弾ませてくれよ、デュケット」

 

 

『それを決めるのは上なので。さぁ、決まったのならアークスの救援に向かいましょう』

 

 

「そもそも援護の必要性があるかどうかも謎だがな」

 

 

ライフル片手に走り、デュケットの言う通りに二人で孤立しているアークスの方に向かった。

 

 

 

 

『ーー反応少なくなっています。孤立している二人が倒しているのでしょうか?』

 

 

「わからない。もしかしたら同士討ちとか?」

 

 

 

『ダーカーは基本的には同士討ちはしません。そもそも報告も上がってきてませんし、実例も……えぇ。今調べましたが無いみたいですね』

 

 

 

「…そうなのか。ーーよし、高台に着いた、孤立している二人はーー」

 

 

 

『ユウナさんから見て方位3ー3ー5。11時方向ですね』

 

 

「…黒煙を確認した。ーーうわぁ…超居んじゃん」

 

視線の先にはーー鬼のような数のダーカーが地中や空から出現している。

 

 

その中心に居るものの巨大なソードを片手で振りつつ、空いた片手でガンスラッシュの銃モードで遠距離の敵を撃って居る音が聞こえる。

 

 

エコーさんの方はフォイエを複数の敵に放ちつつ近付いてくる敵に対してロッドでガシガシと突いている。

 

 

 

『…照合確認。ゼノさんとエコーさんですね、そちらからも見えますね?ーーどうします?このお二人なら十二分にこの数を倒せますね?』

 

 

「…一応会うだけ向かおう。1人で戦うよりよっぽど楽だ」

 

 

『分かりました。お二人の方にも通信をしておきます。ーーこちら管制官のデュケットーー』

 

 

 

 

 

 

「いやぁ、助かったわ!流石に俺たちでもあの量はキツかったわ…な?エコー」

 

 

「えぇ。ここの調査を始めてからだけど…ここ異常なまでにダーカー係数高いわぁ…お陰でダーカーも強いしデカイし…踏んだり蹴ったりよぉ…」

 

 

「そうなんですか…」

 

確かに気持ち大きかったような気がしないでも無い。そもそも近寄られる前に弾幕張れば良いだけだが。

 

 

「ま、レンジャーのユウナの言いたいこともわからなくも無い。アレだろ?頭撃てばトブのになんで?って奴だろ?」

 

 

「えっと…はい…」

 

 

「そうなんだよ、レンジャーは近付かれなければ対ダーカー戦に置いて強いんだよ」

 

 

ソードを地面に刺して胡座をかくゼノさん。その隣でロッドを両手で持ちながら周りを警戒するエコーさん。

 

 

「そもそも射撃、法撃系のクラスが近接に比べて死ぬ可能性が低い上に近接がエネミーのヘイトを取ってくれるから死ににくいって言うのもあるけどね」

 

 

「…まぁ、エコーが言った通りだ。だがな、俺はふと思っちまったんだ。そんなレンジャーが詰められたらどうするのか」

 

 

「それでソードを持てるようにしたって言うのだからほんっと、ゼノって脳筋よねぇ」

 

 

「うるせぇ、これでも独学で頑張ったんだぞ?」

 

 

「それで独学なのが心配なのよ…」

 

 

「本当は刀身がソード並みにあるガンスラッシュが有れば良いんだが…中々合致する武器を出す会社が無いんだわ」

 

 

「そもそもガンスラッシュ自体意味不明の武器な気が…」

 

 

「まぁ、ライフルとしちゃ弾数不足、近接武器としちゃレンジ不足だもんなぁ…何とかならねぇかなぁ…」

 

 

 

「フォースやテクターみたくフォトンを飛ばせば良いのよ」

 

 

「そうは言うけどよエコー。そう言うライフル型の奴は…ん?どうした?」

 

 

「…俺、実弾火器しか触ってませんよ?そんなエネルギー火器なんてあるんですか?」

 

 

「あぁ…あるにはある、んだが…」

 

 

「だが?」

 

 

「…さっき私がフォトンを飛ばすって言ったじゃ無い?」

 

「えぇ」

 

 

「実弾は誰でも扱えるからレンジャーの主力になっているのよ。それで私が言ったフォトン弾のライフルは…安定的にフォトンを供給できるアークスじゃ無いと扱えないわけ」

 

 

「因みに俺も試しにと向かったら落ちたぞ。俺のフォトン容量じゃキツかったみたいだわ」

 

 

「とまぁこんな感じで。色々技術者達もあの手この手で上ーージグさんに言ってみるもんだけど中々成功は今の所無し」

 

 

「そうなのか?俺はアークスに外部装甲を付けてフォトン容量を上げる実験をして成功したって聞いたぞ?」

 

 

「ぇ?そうなの?…私も年かしら」

 

 

「エコー…ニューマンでそれを言うって…まだそんな年じゃ無いだろ?」

 

 

「まぁ、そうね。…ゼノ候補生⁈」

 

 

「あっ!おまっ!エコー!」

 

 

そう言いロッドを片手に走るエコーさん。エコーさんが言った言葉に切れたのかゼノさんがエコーさんの事を追いかけている。

 

 

その様子を見ながら俺はふととんでもないカップルのノロケ話的なのを聞かされたのだろうか?と思ったものの四隅に追いやりゼノさんが使っているソードを抜き取り2人の後を追った。

 

 

 

『…ニューマンって時間の流れが遅いってよく聞きますけど…と言うとゼノさんとエコーさんの関係は一体…?』

 

 

 

「デュケット、そんなのは後だ。2人の後を追うぞ」

 

 

 

『了解、不肖デュケット。ナビゲートしますよ』

 

 

「いつもしてるでしょ?」

 

 

そう言いウィンドウの中で笑うデュケット。そもそもなんでデュケットは俺のオペレーターをやっているんだろうか?

 

 

「なぁデュケット」

 

 

『なんです?』

 

 

「そういやなんで俺のオペレーターをやっているんだ?」

 

 

『何です急に?…まぁ、普通に上司からの命令ですよ。成績が良いのか悪いのかよく分からない新人アークスの管制官をやる奴はいるか、ってね』

 

 

「...ん?居るか?」

 

 

『そう。複数の管制官がーーメセタに眩んで行ったんですけどね…全員落ちましたよ』

 

 

「なんで?」

 

 

『さぁ?上司も上司からの命令だからって。んで管制官全員に召集がかかって…』

 

 

「んでデュケットが受かったと」

 

 

『えぇ。まさか私が受かるとは思いませんでしたので急いで引き継ぎをやって…お陰で今は数少ないビーストの中でも更に少ないニューマンベースのビーストと任務に当たってますよ』

 

 

 

「そうなのか…ん?通信?」

 

 

『あ?終わりですか?ーーえっとこれはゼノさんですね』

 

 

「出るわーー」

 

 

『ユウナ⁈今どこにいる⁈』

 

 

「ひっ⁈デュケット⁈今ここどこだ?」

 

 

『Ug54kL12ですね』

 

 

『デュケットさんか!g55のL11まで来てくれ!マズイことになった!』

 

 

『ちょっとゼノ!早く撃ちなさい!』

 

ゼノさんが後ろを向くとエコーさんがテクニックーー多分フォイエ系だろう、それをひたすら撃っていた。

 

 

『おい!ゼノ!お前も早くヤれ!ダーカー供を殲滅しなくちゃならんからなぁ!ーーおらっ!』

 

更にモニターがブレてーーエコーさんが撃って居る横にーー行方不明になっているゲッテムハルトも居た。

 

 

『分かってる!あと絶対にソード持って来てくれ!』

 

 

そう言い通信が切れた。

 

 

「…しょうがない。非常時だ、アレを使おう」

 

 

『あれ?…アレってまさか?』

 

 

「そうだ、ホバーバイクだ」

 

 

『…言いにくいんですけどリリーパみたいなD係数が低い惑星なら兎も角、このエリアじゃあフォトンエンジンがダーカーの発するノイズに掻き乱されてーー』

 

デュケットが何か言っているがそれをスルーしていつもの様にナノトランサーからホバーバイクを出して目の前に展開する。

 

 

展開が完了したホバーバイクに跨り、これまたキーを差し込んで回す。

 

 

甲高い呼吸系の音が響き、各種データがホログラムで表示される。

 

 

「…よし、掛かったぞ」

 

 

 

『嘘でしょ?』

 

 

 

「掛かった。ほら、マグ越しに見れるだろ?」

 

マグの方を見るとーーマグもしっかりバイクを写している。

 

 

『…うそ、フォトンエンジンはダーカーが発する…ノイズって言うか、なんか、こう、すっごいので動かなくなるのが定説なのに…』

 

 

「驚いているところ悪いがウェイポイント頼むわ」

 

 

『ーーもしやあのモデルがD因子キャンセラーを…?いやそんな情報無いし、そもそもそんな物が合ったら大革命必至だし…それに燃料も一般的な物の筈…うぅん、分からないわ…』

 

 

「デュケットっ!」

 

 

『あぁ⁈ごめんなさい!私の世界に入ってたわ…」

 

 

「…W.Pたのむよ」

 

 

『はい、分かりましたよ』

 

 

高度を少し上げてスロットルを少し開ける。20キロ程をキープしつつデュケットの設定したW.Pを進む。

 




久し振りにソロ前提のマムタロスやったら死にまくったので悪魔の力(mod)を身に付けてやったら凄く楽しかった()

え?pso2…?敵旗艦潜入をソロでやったらダメージ3万を突破してしまったので…所で弓とランチャーを使う上位クラスはいつ実装されるの?()


アニメの方で頭をパージしたりダーカーが3メートルくらい合ったらしてたけど…正直観ていて面白かったです(konami)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

106話目

気付いたらアニメの方に抜かれていた上にリアノヴェル落ちなかった。起訴。
敵艦潜入の15武器コンプなんていらねぇ…いや、いるか。


「おいっ!こっちにシフタだ!」

 

 

「エコー!デバンドも!」

 

 

「2人とも五月蝿い!こっちだって手一杯なのよ!そもそもアンタ行方不明で捜索願出てるのよっ!」

 

 

「エコー!そんな事は後だ!周りの奴ら全部倒すぞ!」

 

 

「はっ!言うねぇ。ーーゼノ!勝負と行こうじゃないか!」

 

 

「はぁ⁈ゲッテムハルト、何をいきなり言ってんだよ!」

 

 

「聞こえなかったのかぁ⁈キル数勝負と行こうじゃないかっ!」

 

 

「おまっ!エコーのはどぉすんだよ!」

 

 

「んなのっ!カウント外だっ!」

 

 

「はっ!勝ったら何くれんだよっ!おらっ!」

 

 

「そう、だなぉ!ーーオレが何でここにいるか、とかか?」

 

 

「そうかい!なら全力で勝たせに行かせてもらうぜっ!」

 

 

「へっ!甘ちゃんが!」

 

 

 

「エコー!下がってろ!こっからは男だけの勝負だっ!」

 

 

そう言いゼノは背中にガンスラッシュを置いてナノトランサーから急いで短いソードを取り出す。

 

 

「…ゼノ、てめぇ…それを出すとは…本気らしいな」

 

 

「そりゃそうだ。友が道を外そうとしているのに黙って見てられるかよ」

 

ただ、普遍的なソードとは違いーーそれには鞘が付いていた。ゼノはそれを背中に背負う。

 

 

「でも!それゼノ使えないんじゃ!」

 

 

「それでもだ。ーー師匠が言っていたんだ、コレを使う時は絶対に止めたい相手がいる時だ、ってな」

 

 

「おもしれぇ!さぁ!いくぞっ!」

 

 

ゲッテムハルトはナックルを鳴らし、ゼノは背中からソードをーーカタナを抜き取る。

 

 

「おう!」

 

 

「あぁ⁈ちょっと、2人とも!」

 

 

そんな2人のテンションについて行けなかったエコーは2人から逸れ、後に来るユウナと合流する事になった。

 

 

 

 

 

「……」

 

 

ホバーバイクを使いデュケットから伝えられたW.P通りに進んでいく。

 

 

60キロ前後で左右のペダル、ハンドルのスロットルなどを使い進む。

 

 

 

『ーーユウナさん、ここから直ぐにエコーさんの反応が有ります』

 

 

「分かった、そっちに行こう」

 

 

左にハンドルを切り角度を30度ほど傾けて左ペダルを踏み込む。

 

バイクが左にパンクして機首が少しづつ下がり始めた。

 

 

右ペダルを押し込み機首の沈み込みを水平に保ちつつもハンドルを手前に少し引く。

 

 

グッと機体が上がりーー左にバイクが曲がっていたから上に上がりつつ曲がる。

 

 

 

『方位的にはそちらで合っています。ー役160メートル、下方、ですね』

 

 

「それ直ぐじゃねぇーか!」

 

 

曲がり終えると同時に左右のペダルを押し込みハンドルを目一杯手前に引く。

 

 

バイクのサイドボディからエアブレーキが迫り出す。それと同時に機首をあげた事により大幅に速度が消える。

 

 

 

「…ぁ!ユウナちゃぁぁん!こっちぃぃ!」

 

 

『エコーさんは11時の方向ですね』

 

 

「分かってる!」

 

 

速度がゼロに近くなると推力が下部に噴射され始める。エコーさんに離れるように言って、離れたのを確認してから高度を下げる。

 

 

 

「ユウナちゃん!追いついたのね」

 

 

「えぇ。所でゼノさんと…声的にゲッテムハルトさんですよね?お二人はどちらに…?」

 

ホバーバイクを圧縮、六角形の圧縮状態に戻して手に取りナノトランサーに放り込む。

 

 

「…2人でテンション上げちゃって奥に行ってしまったの。私1人だとキツイからユウナちゃんも一緒に行かない?」

 

 

ロッドを握りながら言うエコーさん。俺は二つ返事で引き受ける。

 

 

「分かりました。ゼノさんとゲッテムハルトさんはどちらに?」

 

 

「あっちね、2人で奥の方に向かって行っちゃった」

 

ロッドで2人の去った方を示して俺の方に顔を向ける。

 

 

「分かりました。行きましょう」

 

 

 

 

「……」

 

 

 

「……えっと、ねぇ、ユウナちゃん?」

 

 

 

「はい、何ですか?」

 

 

 

「前も言ったような気がするのだけど…砕けた口調で良いわよ?」

 

 

 

「…そう、か。わかった」

 

 

 

「えぇ。私としてもそっちの方が話しやすいしね」

 

 

 

「…そうですか。ーーぁ、そろそろ人工的な足場になるな」

 

 

 

「えぇ。この惑星に私達の船団が不時着したって話は聞いた事ないんだけど…何なんでしょうねぇ…」

 

 

 

「さぁ?分からない事は分からないんで。未知の宇宙人って事で」

 

 

「この惑星の原住生物からしたら私達が宇宙人よ」

 

 

 

「そうですねぇ…ぁ、あの変なのーーモノリスでしたっけ?そこにダーカーが」

 

 

 

「あの地中のD因子を大気に放出させている奴ね。どう取り巻きを倒す?」

 

 

 

「…エコーさんは何かありますか?」

 

 

 

「…ほら、私って基本的にゼノとコンビ組んでるじゃん?そのお陰でゼノの指示とゼノに危害を加えそうな奴を優先的に倒すようにしているのよ」

 

 

「えぇ、それで?」

 

 

 

「今までゼノの指示通りに動いていた訳。そんな私が作戦を?」

 

 

「…そうですか…こう、テクニックでばばーん、って殲滅できません?」

 

 

「できなくは無いけど…ユウナちゃんもニューマンの血が混じっているなら出来るはずよ。ほらっ」

 

 

「えぇ⁈俺レンジャーですよっ⁈」

 

 

 

「第8世代は武器を握れば使えるの!ーーそのクラスを使っている人に比べればアレだけど」

 

 

 

「エコーさん、最後の聞こえてますよ」

 

 

「…兎に角。ユウナちゃんも使ってみると良いのよ。そうすればロッドの良さに気付くから」

 

 

「俺はテクニックよりライフルの方が良いなぁ…」

 

 

「そう言わずに。ーーさて。私は反対側の残骸の上に登るわ。ユウナちゃんも同じく見晴らしの良いところに。通信リンクは確立している筈だから大丈夫よね?」

 

 

「えぇ」

 

 

「よしっ。さくっと彼処にいるダーカーを倒しましょうね」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

「エコーよ。場所に着いたわ」

 

 

 

ユウナちゃんと別れて数分。見晴らしの良い残骸に登り下に居るダーカーを見る。

 

 

相変わらずカサカサと首を傾げながら動いている。

 

 

 

『ーーはいっ、もう、すこしで…っ。っふっ、ふんっ。ーーはぁ、はぁ…』

 

 

「大丈夫?無理なら私が倒しちゃうよ?」

 

 

『はぁ、いえ、俺も借りた手前使ってみたいんで…あぁ…こっちからは無理か…』

 

 

そう言う通信が終わり少し経つとーー残骸の上にユウナちゃんが歩いて来るのが遠目に分かった。

 

 

 

「…ユウナちゃん?こっちからそっちが見えるわ。ーーそこ登れそう?」

 

 

 

『そうですねぇ…まぁ、登ってみますよ』

 

 

そう言い登り始めるユウナちゃん。それを遠目に見つつ上の方に手を掛けたのを見て考え出す。

 

 

何でゲッテムハルトはこんな所に居るのだろうか?そもそも此処の再調査が始まったのは10年前から。その前の時は……確か50年ぐらいだったかな?あの時は討伐したが後が怖いって事で調査出来なくなっていたけど…何で急に…。いや、そもそもゲッテムハルトはアークスから逃げてまで一体何をしようと?

 

 

『ーーエコーさん!こっちも到着しました。ーーエコーさん?』

 

 

 

そこまで考えて通信に驚きこっちに戻る。

 

 

 

「…あぁ、ごめんごめん。少し考え事をね。さて。ユウナちゃん、ロッドは持った?テクニックの使い方分かるよね?」

 

 

 

『バァン!ってやればいける筈です。ーーよね?』

 

 

 

「ま、まぁうん。そんな感じ。ーーさて、やるわよ!」

 

 

 

『りょーかい。ーー所でエコーさん』

 

 

そう言い2人でダーカーの居る中央にテクニックを放つ。

 

2人でテクニックを撃っている最中、ユウナちゃんがふと私の名前を呼んだ。

 

 

「なぁに?」

 

 

その声に応えつつもロッドを両手で持ちながら先端からギ・ゾンデを放つ。

 

雷が走りダーカーに当たり感電した様に倒れたり仰向けになる個体もいる、

 

『ダーカーって…何が効くんです?』

 

 

「今聞くのぉ⁈ーーきゃっ⁈」

 

その発言と共に大きな火球が降って来てダーカーが消し飛んだ。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

「ーーはいっ、という事でテクニックの話を始めるよ」

 

 

 

「ほんとすいません。えぇ…その…お願いします」

 

 

炎は汎用性高いから火の玉作って放り込めば一撃っしょ、て思いフォイエを使ってみたら、いつかのマトイのような火球が上から降って来た。

 

 

その爆風に煽られエコーさんが少し飛んだのを覚えている。

 

 

因みに今話しているエコーさんの後ろにはーー半径2メートルから3メートル位の穴が開き、そこに水が少しづつ流れ込んでいる。

 

 

 

「まず使い勝手の良いフォイエ系のテクニック。コレは炎を扱うテクニックね」

 

 

そう言い穴が開き水が流れ込んで進行形で池となっている場所にエコーさんがフォイエを放つ。

 

 

「炎かぁ…キャンプとか火起こし楽になりそうだなぁ…」

 

 

そう言い俺は開いた池から目を逸らし空を見る。

 

 

「いやいや。テクニックの通りに使わないと火力が出なかったりそもそも不発だったりで使い勝手が微妙に悪いのよ。ーーまぁ、ユウナちゃんのアレは少しーーいえ、全然分からないけどね」

 

 

そう言いエコーさんも後ろを見る。

 

 

「ーーそもそも。キャンプ用の各種装備品は貰ったり買えるはずよ?」

 

 

 

「…そうなんですか?……ぁ、ナノトランサーに入っているわ」

 

 

「でしょ。さて、続けるわね。次はバータ系ね。そうね…それっ」

 

 

エコーさんがロッドを振り上げるとエコーさんの正面に氷の塊が出来上がり、真っ直ぐ地上を走っていき、暫く…多分20から30前後進んで消えた。

 

 

「へぇ、すごい」

 

 

 

「でしょ?他にはね?」

 

 

その他にもギ・バータ、ラ・バータ、サ・バータを見せてもらった。エコーさんのオススメはサ・バータらしい。

 

 

 

「さて。こんな感じかな。ーーぁ、ユウナちゃん、どの位たった?」

 

 

「…えっと、10分くらいですかね?」

 

 

「やばっ!追いかけないと!ユウナちゃん!行くわよ!」

 

 

「えぇ⁈あの、雷系のテクニックは⁈」

 

 

 

「戻ったら教えるから!さぁ、早く!」

 

 

「えぇ…嘘でしょ、ったく」

 

 

そう言い走り出すエコーさんの後を追いかける。ロッドは取り敢えずエコーさんと同じ様に背中にセットした。

 

 

 

 

 

「……くそっ!」

 

 

エコーさんの後を追っていると小さな声でゼノさんの様な声をミミが拾う。

 

 

「エコーさん!ゼノさんの声です!ーー多分こっちです!」

 

 

「うそっ⁈私には何もーービーストだからね!案内お願いよ!」

 

 

「はいっ!」

 

 

 

 

 

 

「ゼノさん⁈一体その怪我は⁈」

 

 

「ユウナちゃん、ディメイト、モノメイト、その他個人回復キット持ってない?」

 

 

「いえ、そんな物は……その個人回復キットって言うのは無いみたいです」

 

 

「…仕方ないか。ーー」

 

 

「あぁ、やられたよ…まさかあのヤロー本当に殴って来るとは…」

 

 

 

「ーーほら、しっかりしなさい。ディメイトよ。飲める?」

 

 

「大丈夫だ、エコー。子供扱いすんな」

 

 

「ふふっ、そんなこと言っちゃって。私の中のゼノは何時迄も子供よ」

 

 

そう言いなんかピンク色の空間になりそうになるが、此処は遺跡跡地。周りは木々や草、それにデカイ花で覆われている。そんな所でピンク色になられても俺が困る。

 

 

 

「…その、お二人の時間中に失礼ですが…」

 

 

 

「…あぁ、すまん。んで、なんだっけか」

 

 

 

「…その傷は?」

 

 

 

「ゲッテムハルトにやられた。ーー多分本気の時用に扱える様にしたコレを使って無かったらゲガじゃすまなかったかも知れねぇな…」

 

 

そう言いゼノさんは横に置いてあった武器ーー刀を見せる。

 

 

 

「刀⁈なんで?」

 

 

「ほぉ、コイツを知ってるのか。ますます師匠みたいだな」

 

 

「ちょっとゼノ。ユウナちゃんはビーストよ?ゼノの話だとニューマンなんでしょ?」

 

 

 

「でもなぁ…超髪の毛長くて今のユウナみたいな髪の毛の色で、目は…どうだったかなぁ…」

 

 

「ミミはあ…有るわけないよね…」

 

 

「…いやでも胸はエコーよりあっ、ふがっ⁈」

 

 

「ゲガ人はさっさとモノメイト飲んでゲガを治しましょうねぇ?」

 

 

そう言い怪我人のゼノにエコーさんがメイトを喉奥まで押し込む。

 

 

「ちょ、それは…」

 

 

 

「ーーっはぁ!おまっ、殺す気か⁈」

 

 

「ほら、元気になったでしょ?」

 

 

「…そうっすね」

 

 

「ちょ、ユウナ…」

 

 

「さて。ゼノも元気になった事だし。ゲッテムハルトはどっちに逃げた?」

 

 

「あぁ、向こうだ。確実に。それとな、ユウナに一言言ってたよ」

 

 

 

「あぁ?なんです?」

 

 

「2人を頼んだってな」

 

 

「…俺女なんですけど、メル姉妹の事を頼まれてもねぇ…」

 

 

「だろうな。だからさっさとあのバカを止めるぞ。エコー、ユウナ。行けるよな?」

 

 

「えぇ、もちろん」

 

 

「多分ね。ーーぁ、ゼノさん。これ」

 

 

 

「あぁ。ソードか。わりぃな。…んじゃ俺からも」

 

 

そう言いソードを渡すと、ゼノの隣に置いてある刀を俺に渡してきた。

 

 

「は?いや、なんで此処でゼノさんの師匠の刀を俺に⁈大切な物なんでしょ⁈」

 

「なぁに、師匠に似てるからに決まってんだろ?ーーと言うか師匠の子供だったりしてな、はっ、はっ、はっ!」

 

そう言い、ほら、貰っとけ、と言い手に握らされる。

 

 

「えぇ…刀貰ってもなぁ…剣道したこのないし…」

 

 

「なんだそのケンドーって言うのは」

 

 

「まぁ刀の練習する…うん?まぁ、練習する訓練ですよ。…うん?」

 

 

「そうかぁ、訓練かぁ。俺もそのケンドーって奴やればカタナ使えっかな?」

 

 

「どうでしょうねぇ?正直俺も怪しい、いや、使えないかもしれないし」

 

 

「そん時は銃つかえ、銃。それにいざとなったな2人でお前の事を逃すさ」

 

 

「ちょっと!私も逃すって言いなさいな!」

 

 

「はっ、はっ、はっ!何を言うエコー。後輩を逃すのは先輩の役割、だろ?」

 

 

「……全く。ユウナちゃん、こう見えてテクニックも凄かったんだからね。いざとなれば2人でゼノの事を援護するわよ」

 

 

「そうかそうか!良いねぇ。アークスの未来は明るいねぇ」

 

 

「そんなおじさんみたいな事言わないの。ーーさて、ユウナちゃん。準備は良い?」

 

 

「はい、行けますよ」

 

 

「よし。じゃぁ俺の友達を止めに行くか!」

 

 

そうゼノは言い渡したソードを背中に装備し、エコーはロッドを片手で持ちながらあたりを見ながらゼノの隣に向かい、俺はライフルを腰に、貰った刀をソードの様に背中に刺して後を追う。

 




パソコンデスクが届いたら編集し直す。ーー多分。

そう言えばアニメの方じゃライフルの弾実体弾じゃなくてエネルギー(パルス?)弾なんですねぇ…そのエジェクションパートは何のために…?

アフィンは女の子。PS4版解禁時のクロのオーダーにも書かれている。(オーダー内容の話しかけるのが女性陣ばかりなのに男性陣がアフィンだけ入っている事からも明らか)ーーつまり男の娘…?


後にアンケ取るかもしれない


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

107話目

米ツリーのF−4Cがあと12万RPで開発終わりそうなので


 

 

「ーーそこのアークス達。それ以上進むのは余りよろしくないですよ?」

 

 

ゲッテムハルトが通ったと思われる場所をデュケットに教えてもらい、その道を三人で進んで行くと何処からか声を掛けられた。

 

 

 

「…アンタは…」

 

破損したと思われる何かの残骸の上に座っていた男性がこっちに降りて来た。

 

 

見た目は薄緑色の髪の毛に変な帽子にグラサンをかけた…変な人だ。

何なんだ、あの帽子は。

 

「えぇ。カスラ、と言う者です。見たところアークスの様ですが…こちらで一体何を?」

 

そう言う目の前の男ーーカスラは言う。

 

 

「あぁ、ちょっと友達が奥にね」

 

そう言いゼノさんは普通に対応したが、もう一方のエコーさんは顎に手を当てて数秒考えて小声であ、と言う。

 

 

「……ぁ⁈か、カスラさんってもしかして⁈ろ、六芒の…⁈」

 

 

なんかよく六芒って聞くがイマイチよく分からん。まぁ、なんか強い人達なんだろう。

 

 

「いえ、そんな驚かれる程では。私なんて周りに居るアークスより少し情報戦が得意なだけの取り柄のない1アークスですよ。ーーおや、そちらのビーストは…」

 

そう言いカスラさんがこちらを向く。

 

「は?ーーいえ、私は貴方と会った事はその…無いような気がしますが…?」

 

そう言い記憶のーーこっちに来てからの記憶を探したがーー会ったことのある人でそもそも緑髪の人は居ないはず。

 

 

ーーショップエリアにいた様な…?居たっけか?

 

「いえ。此方でも色々と聞いてますよ。複数のオーダーを受けたりーー終いにはアムディスキア、リリーパ、ナベリウスの現地の草や花を持ってきては欲しいと言う本当の意味での依頼を管制官を通さずに受けていたとか」

 

 

「げっ、バレテーラ」

 

そう言い頭に手を当てながら言うカスラさん。実際ポスで探すと色々と出て来る。

 

 

ーーそもそもそう言う事が書かれているサイトを規制しない方が悪い。実際メセタの量も結構貰えたし。

 

そんな事を考えていると、エコーさんがえっ?そんな事をしていたの?と言っていたが仕方ない。地味に報酬高いんだもの。

 

「…まぁ、そこは動植物防疫エリアに預けて欲しい所ですね」

 

 

「そうよ、ユウナちゃん。船団じゃ未知の病原体で全滅、なんて事もあるんだからね?」

 

 

「あぁ。過去にアークスシップが消えたんだっけか」

 

 

「えぇ。ーー最も今ではキャンプシップ自体に防疫センサーが搭載されているのでそこに反応しなければ大丈夫ですが。ーーふむ。脱線しましたね」

 

 

 

「なぁ、六芒の偉い人なのは分かる。だが俺にも止めなくちゃいけない奴が居るんです。どうか見逃して貰いませんか?」

 

 

 

「……ふむ。ならば私もそちらに同行しましょう。それならば問題有りませんよね?」

 

 

「まぁ、アイツを止めるための戦力が増えるのなら助かる。良いよな?エコー。ユウナ?」

 

 

「勿論」

 

 

「こっちも」

 

 

「だ、そうだ。頼むぜ、カスラさん」

 

 

「えぇ。此方こそ」

 

 

そう言いゼノさんは手を出して握手のサインを出す。カスラさんと言ったニューマンの男性はーー少し困りながらもーーそれに応じた。

 

 

 

 

「ーーところでカスラはどんな用事でここに?」

 

 

「ゼノ!さん付けしないと!」

 

 

「いえ。先程も言った通りに六芒と言っても一般アークスより少し強いくらいですから。敬語なんて要りませんよ」

 

 

 

「だってさ。んで話に戻るが、なんでこんな所に?」

 

 

「…3人はここがどのような場所なのか知っていますか?」

 

 

「いんや。知ってるか?エコーにユウナ」

 

 

「……50年前のーー」

 

 

 

「ダークファルス エルダーを倒した場所、よね」

 

 

 

「おや。そちらのニューマンはーーエコーさんと言いましたか」

 

 

 

「えぇ。伊達にアークスで50ーーゴホンッ!ーー伊達に勉強してないわ」

 

 

「…エコー…そんなくらいで俺は何とも思わないぞ」

 

 

「ゼノ…」

 

 

「…まぁ、お二人の関係はこの際置いておきまして。そちらのーーゼノさん、でしたか。は知らないようでしたがここはD.Fエルダーを倒した場所。ーーとなっている場所です」

 

 

「は?」

 

 

「え?」

 

 

「…」

 

そもそも俺はそのダークファルスとか言うのを知らないんだが。なんか超強いダーカーなのだろうか?

 

「えぇ。貴方達の反応も分かります。ーー真実を聞きたくないですか?」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

50年前の先の大戦ーー作戦名、巨人落としをアークス及びオラクル船団は実行。

 

 

当時2億居たアークスと六芒均衝の内、数名の犠牲と1億2000万人の犠牲により勝った、とされる大戦がされた場所です。

 

 

ーーえぇ。エコーさんやゼノさん。貴方達の言いたいことも分かります。

 

 

ダークファルス、エルダーは倒したじゃないか、と。

 

 

オラクルに存在するありとあらゆるデータ、書物にはそう書かれています。

 

 

ですがーー本当は、巨人を墜とせなかったんです。

 

 

当時の技術、兵装、武器。そしてフォトン適性の低い当時のアークスでは封印が限界でした。

 

 

知ってますか?当時の六芒と今の第4世代ではフォトン適性では第4世代の方が遥かに上なんです。

 

 

今より遥かにお粗末な武装でエルダーに挑め、と言った方が分かりやすいかと。

 

 

えぇ。先程言った通り、此処はD.F エルダーを鎮めた場所。しかし幾ら封印したとは言えエルダーから溢れ出るD因子の濃度は濃くそのままではいずれ復活してしまう。

 

 

そこで上層部はあらゆる所にモノリスーーそうです、ユウナさんの指したあの物体がそれです。

 

 

そのモノリスで地中のD因子を浄化しているのです。他にも特例でここのエリアは原則進入禁止ーー普通のアークスや一般人が入ったらD因子に汚染されて私達のことを襲ってきますからね。

 

…それでなんでしたっけ。ーーあぁ、そうです。モノリスでしたね。

 

それでモノリスを設置した物は良いものの、エルダーのD因子の濃度が予想以上でありダーカーが増えてきたのです。

 

 

今のままですと惑星ナベリウスをアークス訓練用地から別の惑星ーーロノウェやフォルネウス辺りに変えなくてはいけません。

 

上層部はモノリスを改修する事にしたのですが…ここ最近そのモノリスが破壊されると言う事件がありまして。

 

えぇ。そうです。ゼノさん。そのまさかです。ある情報を私は入手しましてね。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

「ーーあるアークスがかの敵ーーエルダーを復活させようとしている、と言う情報を入手しまして」

 

…ぁ、そう言えばあの仮面って奴もダークファルスって言ってたっけか。そういう意味ではダークファルスと交戦してんのか、俺。

 

「…話を聞く限りその入手したデータがデマって可能性は?」

 

などと思っていたらなんか会話が進んでいたらしい。

 

 

「こう見えて情報戦は得意なんです。出どころから調べた結果ーー確率は高い、と出ました」

 

 

 

「…エルダー…もしかして」

 

 

 

「えぇ。貴方達の追う友。それが復活させようとしているのかもしれません。それとモノリス破壊の可能性も考えられています」

 

 

 

「まて!ゲッテムハルトはそんな奴じゃーー」

 

 

 

「えぇ。分かっています。ーー彼は素業こそ悪いものの他のアークスからは彼を空いている六芒に、とまで推薦される程の人気者です。此方とて調べてはいます。調べた上で分かったからこそ止めに向かうのです。我々4人で」

 

 

要約するとあの厳ついゲッテムハルトさんがそのダークファルス…何とかって奴を復活させるかも知れないからそれを阻止しに行くって事か。

 

 

「…ヤバイ、少しお腹が…」

 

そう言い俺の隣にいたエコーさんが腹を抱え始める。…あれ?これ不味くねぇ?

 

「エコー。乗っちまった船だ、今更降りることはできねぇよ。ーーいざとなったら」

 

 

「分かってます。女性陣を逃す、ですね?」

 

 

 

「さすが、六芒さんだ。分かってるじゃないか」

 

 

「六芒均衡としてアークスを守るのも任務、と言うより使命ですから」

 

 

「…と言うことだ。さて、ユウナ。準備はいいよな?」

 

 

「…俺はまだ死にたくないんだがなぁ…」

 

そう言い俺は空を見上げる。定期的に飛ぶ原生生物が居るがその後ろをエル・アーダが追いかけ回していた。

 

出来るのならば今すぐ帰りたい。

 

「なぁに、ユウナの適性なら生き残れるって。なぁエコー」

 

 

「ちょっと!私も心配してよ!ーーごめん、今の無しで」

 

そう言いすっとすぐ静かになるがーーエコーさんの手が震えている。

 

 

「ーーさて。彼が目指している墓標ーーエルダーを封印した場所まで移動する間に、今現在起こり得る最悪を想定してエルダーの事を話します」

 

 

「エルダーってアレよね…あのすっごく大きかった奴。私もあの大戦に参戦していたけど…後方の後方だったから映像越しだけど」

 

 

「それが今確認できる姿のD.F エルダーですね。ーーですが、もし万が一復活していたとしてもあのサイズではないかと」

 

 

「カスラさん、もしあのサイズだったら?」

 

 

 

「…今頃私達は生きてないですよ。ーーエルダーについて話しますね」

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

1つ目はD.F エルダー。巨人落としでは封印が限界だった小惑星サイズのエネミーです。基本的な弱点はダーカーと同じく赤色のコアですが当たり前の様にカードしてきます。ーーこれと戦うのは今は無理ですね。いくらフォトン適性が上がったところで扱う人の練度が低い今では余計に。

 

 

2つ目はファルス・ヒューナルと言う人型形態です。サイズは約3メートルから5メートル。攻撃手段は基本的に格闘戦を好むとの事。これも食らったらまず吹っ飛ぶ威力です。

基本的には距離をとって光系のテクニックって感じですかね。

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

「ーーとまぁこんな感じで言いましたが…」

 

 

「…カスラさん、光系のテクニックって言ってますけど…」

 

 

「分かってますよ。今のアークスでも数発が限度って事も」

 

 

「ぇ」

 

そういうカスラさんの言葉に小さく呟く。あれ?確かマトイと…あの武器のテスト上で遊んだ時、マトイがスッゲェ…グランツを撃っていた気が…あれ、アレはフォイエだったか?

 

 

「エコー、そんなテクニックってムズイのか?」

 

 

「いえ、グランツやメギド系がキツイのよ。他のテクニックなら何とでもなるわ」

 

 

「ですよね…となるとゼノさんと私でーー」

 

 

「でもユウナちゃんならいっぱい撃てそう。さっきのフォイエを見ると」

 

 

「…は?」

 

そんな事を考えていると、エコーさんが俺の名前を呼び、その後に数発しか撃てないグランツをめっちゃ撃てそうとハードルを上げてきた。

 

「見たところその腰に装備している武器はライフルで…背中に小型のソードらしき武器にロッド…すいません、ユウナさん、貴女のクラスは?」

 

 

「…ロッドとテクニック使えるけどカターーソードは握れるだけなのでレンジャーです」

 

 

「…私の知っているレンジャーはライフルとランチャーを使用するのですが…まぁ、この際は良いでしょう。使える武器があるのならそれだけエルダーと戦う時に取れる選択肢が増えるはずです」

 

 

「はぇー、カスラさんってタリスを使えるんですね」

 

 

「えぇ。任務が任務なので本来なら創世器を持って来たかったのですが…少々持ち出しに苦労しますので」

 

 

 

「と言うとカスラさん、テクター?」

 

 

「えぇ」

 

 

「…ニューマンの男でテクターか。珍しいな」

 

 

「創世器に認められてしまいましたからね。使わない訳にはいかないでしょうと。ーー最も、今は持ってきていませんが」

 

 

「…まぁ、近接俺の支援が2人、遠中近どれでも入れるのが1人。ーー案外行けるんじゃね?」

 

 

「慢心はダメです。そもそも今回の任務はかの人の説得及びエルダーの復活阻止なので。それが無理と私が判断した場合即座に撤退してもらいます。それ用の機体も私用ですが準備してありますので」

 

 

 

「ひゅー。六芒になると自前の機体まであるのか」

 

 

「えぇ。ですが使用は緊急時のみです。ゲッテムハルトの説得に成功した場合、貴方達にはこのエリアから撤退して貰いますよ?」

 

 

「勿論だ」

 

 

「さて。話しながら進みまたが…そろそろ見える筈です」

 

 

 

 

そう言い俺たち4人は少し見えて来た目覚えのある塔ーー少し前に階段で弁当を食べた塔の先っぽが見えて来る。

 

 

「…ねぇ、カスラさん、目的地ってどこら辺?」

 

 

「そうですね…此処から後10kmって所ですね」

 

 

「ななぁ⁈…ちょっと遠すぎるよぉ…」

 

 

「まぁ、そう言うなって」

 

 

そう言う三人の後について行くと…何か金属同士が擦れ合う甲高い音をミミが拾う。

 

 

「…ん?何だこの音?」

 

 

「どうしましたか?」

 

 

「いえ、何か…金属音が…あの、方向…⁈」

 

 

よくミミを澄まし、その音の方ーー塔の方に指を指す。

 

 

「…まさか⁈」

 

 

「…戦っている?誰かが?」

 

 

「ゼノさん、エコーさん、ユウナさん!緊急事態の可能性があります!三人は可及的速やかに撤退を!」

 

 

「どう言う事だよ⁈」

 

 

「…エルダーが復活した可能性が高いと見ました。今この地点に機体を向かわせています。三人は此処で待機して撤退をお願いします。ーーレギアス、聞こえますか?緊急事態です。…えぇ、コード ズール、最悪の事態です」

 

 

「ちょっとゼノ!どうする⁈ダークファルスが復活って⁈」

 

 

「…エコー、ユウナは此処に残れ。俺はあのバカに会いに行く」

 

 

「ゼノっ!」

 

 

「止めるな、エコー。ユウナ、エコーを頼む」

 

 

「…いえ、俺も行きます。カスラさん、機体の到着時刻は何時頃ですか?」

 

 

「ーーえぇ、ナベリウスに居る全アークスにコード ズールの発動要請を管制官に。ーーえ?機体の到着時間ですか?ーーE.T.A+30分と出てますね」

 

 

「はぁ、5分くらいは戦えるから。どうせ撤退するんだ、少しはゲッテムハルトの顔を見て行こうや」

 

 

「ユウナ、お前…」

 

 

「まっ、ゼノさんには何だかんだで恩を貰いましたし?少しは援護しますよ」

 

 

「ーーっ!もうっ!後輩にそんな事を言われたら私も行くしかないじゃない!ゼノ!絶対に生き残るわよ!」

 

 

「エコー…」

 

 

「ーーはい、現地にて調査中のアークス三名と合流し、かの者かどうかの確認を。はい…はい、分かりました。では。ーー三人とも。宜しいのですか?」

 

 

「俺はあのバカをぶっ飛ばす。それだけだ」

 

 

「わ、私はゼノについて行くわ…」

 

 

「乗っちまった船だから仕方ない。ーー本当にいざとなったら機体に乗せてもらいますよ」

 

 

「分かってます。それでは付いてきてください。走りますよ」

 

 

そう言い走り出すカスラ。俺たち三人もーー地獄であろう先に走り出した。

 

 

 




ネタバレ


ゲッテムハルトは死なないし、ゼノもエコーの前から姿を消さない。

レギアス「全先行試作型A.I.S!発艦!」

総技部「宇宙域テストしてないです()そもそもやっとリリーパのアレのリバースエンジニアリング終わってA.I.Sのある程度の動作が出来るようになったのにテストもせずに戦闘?嘘でしょ?」

レギアス「えぇい!ならば戦闘機を出せ!」

次回 多分A.I.S戦。

A.I.S Vegaのプラモ欲しい。出来れば1/72のサイズで。


惑星にF−4EJとスパローが来たら書く。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

108話目 Vs巨躯

なんか惑星の亡霊君挙動がおかしいような…


「くそっ!なかなか強ぇじゃねぇか!」

 

 

『さぁ、始めるぞ!果て無き闘争をなっ!』

 

 

走るカスラさんに付いていき、塔ーーエルダーを封印したと言う塔が見えるところまで走るとーー。

 

 

「…最悪の事態です」

 

 

「…ゼノ、アレが…」

 

 

「ダークファルス」

 

 

「エルダー…」

 

 

目の前ではゲッテムハルトが手に装備したナックルで突っ込んでくるエルダーにカウンターでナックルを食らわせるものの吹き飛ばされーー上記の言葉を言う。

 

 

『むっ、このフォトンは…アークスか!』

 

 

「…へっ、その様子だと充分やられたようじゃねぇか。ゲッテムハルト」

 

 

「うるせぇ!」

 

 

「ゲッテムハルトさん。貴方にはエルダーを復活させた疑いーーまぁ、目の前にいるので確証ですが。ーーが有ります」

 

 

「あぁ、分かってるよ」

 

 

「…さて、皆さん。アレをーーエルダーを今のうちに削りますよ!」

 

 

そう言うとカスラさんはタリスを投げてエルダーに攻撃しつつ氷や炎、風などのテクニックを。ゼノさんはソードを握りながらゲッテムハルトの元へ。エコーさんはロッドを構え、カスラさんと同じようにテクニックを放つ。

 

俺も腰にあるライフルに手を伸ばしーー。

 

 

『それは止めた方が良い。奴にはそのーー刀が効く』

 

 

「は?」

 

ライフルに手が触れた瞬間ーー自分の声の様な、だが明らかに言っていない言葉が聞こえた。

 

 

「どうしたのユウナちゃん!来るわよ!」

 

 

「…近接はイヤなんだよっ!」

 

 

どうせ何かの縁だ、この際刀を使ってやる。

 

 

ライフルから手を離し背中にある刀に手を掛けーー抜きとる。

 

片手で空を切りーーエルダーに向かい刀を向けて走る。

 

 

『良いぞ!アークス達よ!我をーー数十年振りに愉しませよ!』

 

 

「もう千年寝てくれっ!」

 

 

エルダーがこちらを向き腕を回しながら跳ぶ。

 

「ユウナさん!危険です!」

 

 

そうカスラが言うも、間に合わず刀を頭の前にやり、エルダーの攻撃を防ぐ。

 

 

「んのっ…っ!っだぁ!」

 

 

力を込めて振り払いエルダーが後ろに飛んだ。

 

 

「…ぉあ…なんで、刀を、俺が使えてる?」

 

 

「ユウナちゃん!下がって!」

 

 

そう言いエコーさんとカスラさんが俺の左右から出てきてテクニックを放つ。

 

 

「…ったく、やはりお前は俺ーーいや、俺たちのライバルになる奴だよ、全くなぁ」

 

 

「うるせぇ、ゲッテムハルト。まずは礼を言え。ーーお前、

結構限界だったろ」

 

 

「うるせぇ、ゼノ」

 

 

「…なぁ、なんでアイツをーーエルダーを復活させたんだ?」

 

 

「…笑うなよ?」

 

 

「そうだな、盛大に笑ってやるよ。ーー生き残れたらな」

 

 

「…俺は…シーナを、シーナの仇を取りたかった、ただそれだけだ」

 

 

「…えぇ⁈ちょっとゲッテムハルト!そんな訳で復活させたの⁈」

 

 

「そうだよ、わりぃかよ」

 

 

「悪りぃもなにも!シーナちゃん、とっくにそんな事忘れてアンタの隣で戦うって言って頑張ってるのよ!」

 

 

「は?」

 

 

「シーナちゃんはーーアンタと歩く未来を見てんのに!なんでアンタは過去をーーきゃぁ⁈」

 

 

「エコー!」

 

 

「…ゼノっ!離せ!俺もやるぞ!」

 

 

「だけどっ…!」

 

 

「ほら、お前は彼女ーーエコーの所に行ってやれ」

 

 

「…っ!ゲッテムハルトぉ!戻ったら奢れ!良いな!」

 

「おう!」

 

 

俺がエルダーに近づいてひたすら刀で切っている間、何回後ろの方で友情が熱くなってるようなんだが…。

 

 

「おい!そんな事やってないでっ!援護をーーうぉ⁈」

 

 

後ろを一瞬向いた瞬間、目の前に闇波が飛んできてーー咄嗟に刀でガードする。

 

「っーー!」

 

 

『はっはっはっ!まだだ!まだ我の闘争は終わらんぞ!』

 

 

 

「ゲッテムハルトさんとゼノさんはユウナさんの援護を。私とエコーさんで三人を援護します。ーーエコーさんはテクニックをフォトンを使い過ぎて死なない程度に撃ちまくってください」

 

 

『丸聞こえだぞっ!アークスゥゥウ!』

 

 

「来ます!」

 

 

「行くぞユウナ!」

 

 

「行けるな!ユウナ!」

 

 

カスラさんとエコーさんが後ろに下がり、その変えで左右にソードを持ったゼノ、ナックルを手に嵌めるゲッテムハルトの2人が陣取る。

 

エルダー本体と周りが爆炎や落雷、氷を発生させてそれを風系のテクニックで飛ばしたりと色々と攻撃する。

 

『さぁ!来い!』

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

「全アークスにコード Z 発令」

 

 

「ナベリウスに向かうシップに着陸禁止令をだせ。全回線でだ!」

 

 

「撤退用のシップのみ発艦令を!」

 

 

「キャンプシップナンバー52350、現在惑星ナベリウスには着陸禁止令がーー」

 

 

(ーーユウナさん…)

 

 

「デュケットちゃん!手が止まってる!」

 

 

「は、はい!ーーキャンプシップナンバー51987、着陸許可を出します!」

 

 

「非番のパイロットを呼び戻せ!スクランブルを掛けろ!」

 

 

「戦闘艦、空母共に火器管制装置の一斉安全装置の解除を知らせ!」

 

 

「キャンプシップナンバー52000以降の機体は惑星ナベリウスに急行、残されたアークスの救助に迎え」

 

 

「CAP中の機体にも防空識別範囲に穴が開かない様に入れ替えで帰艦させろ!相手はダークファルスだぞ!」

 

 

「第023飛行小隊、056飛行小隊の離艦を確認」

 

 

「出せるものはなんでも出せ!50年前の再現と行こうぜ!」

 

 

「シップソーンから第159小隊、及び178、179飛行小隊の離艦を確認」

 

 

「シップユルとニイドから2個飛行隊の離艦を確認」

 

 

「総合技術開発部に連絡を入れろ!動かせる物は何でも出せ!」

 

 

「緊急事態発令!オラクル船団の保有する惑星、ナベリウスにてコードZ、ズールが発令!ナベリウスにて任務中のアークスは速やかにーー」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

「うわぁ⁈」

 

 

『ふんっ!』

 

 

「ユウナ!大丈夫か⁈」

 

 

「ゼノっ!横に飛べっ!」

 

 

俺が吹っ飛んで、エルダーが飛びゼノが間に入ろうとして更にゲッテムハルトに吹っ飛ばされる。

 

 

「おいっ!ばか!いてぇだろぉ⁈」

 

 

「お前のソードじゃコイツの攻撃を防ぎきれないだろっ…っ!おらぁ!」

 

 

「ゲッテムハルトさん!避けて!」

 

 

「っ⁈」

 

 

吹っ飛ばされた反動で木に寄りかかりながらライフルに装備されているグレネードランチャーに弾ーーH.Eを装填、トリガー引く。

 

避けてと言う声と共にゲッテムハルトが横に避けてーー吹っ飛ばさて立ち上がろうとしているゼノの上に飛んで倒れる。

 

 

「ーーいったっ!ぉまっ!ばかっ!どけって!」

 

 

「うるせぇ!今から立つからーー」

 

 

「ゼノ!ゲッテムハルト!」

 

 

「エコーさん!グランツを!」

 

 

そう言うカスラさんがエコーさんに言い、エルダーの上からーー光の矢?が数個降って来るが…エルダーにはダメージを与え切れていないみたいだ。

 

 

『そんなものか!アークスは!』

 

 

「うるせー!さっさともう数千年寝てろ!寝ろっ!」

 

 

『はっはっはっ!そっちの小娘は威勢のいい様だな!』

 

 

H.Eーー榴弾がエルダーの腹部に着弾、爆発するもーー爆炎から出て来たのは傷がほぼないエルダーだった。

 

 

「まじかよっ!」

 

 

両手で持っていたライフルを片手ーー左手に持ち、右手に刀を持って回りながらエルダーに向かってライフルを撃つ。

 

 

無反動ゆえのバレルの先に確実に当たる20ミリのテレスコープ弾がエルダーの表面でチカチカと光る。

 

貫通はしているし、表面で炸裂しているが意味が無いらしい。これダークファルス用の榴弾じゃねぇのかよ!

 

『はっ、はっ、はっ!中々痛いでは無いか!久しいぞ!この感覚ゥ!』

 

 

「なんだよ、アイツ!痛みすら意味ないのか!」

 

 

「つまり、ドMって事⁈」

 

 

「ちげぇだろエコー」

 

 

「ゲッテムハルトさん、こちらへ。ユウナさんが囮のうちにレスタを掛けますので」

 

 

「おう、あのバカ2人にも頼む」

 

 

そんな俺を他所に三人は回復し始めている始末。なんで一番新人の俺が殿やってんのぉ⁈

 

 

『さぁ!行くぞっ!』

 

 

「ーーッ!」

 

 

そう言い背中の武器を手に持ち突っ込んでくるエルダー。ライフルを手放しーーナノトランサーに戻しーー刀を両手で持ち突っ込んでくるエルダーの武器にどうにかして当てる。

 

 

金属同士が擦れ合う音が鳴りエルダーの武器ーーソードと俺の刀が火花を上げる。

 

 

「っ!」

 

 

『ほぉ!我の一撃を堪えるとは!アークスも強くなったな!』

 

 

先程エコーさんたちの撃っていたテクニックっぽい物をエルダーに当てようとする。

 

 

そんなあやふやな物でもテクニックが発動してエルダーに複数の矢が刺さる。

 

 

 

「ねぇ!ユウナちゃんのアレ!」

 

 

「ほぉ、あのグランツ系をあれほど…」

 

 

「ほぉ、やるじゃねぇか」

 

 

「おう!ゲッテムハルト!俺たちも行くぞ!」

 

 

「…あの量のグランツを…どうやって」

 

 

「もしかしてあの時のーーユウナちゃんが片目失った時のあれかな?」

 

 

「あれとは?エコーさん」

 

 

「ユウナちゃん、少し前に怪我をしちゃって。片目を失ったの。それを治すためにーー確かマトイちゃんよね?に遺伝子を貰ったとか…」

 

 

「…マトイ、さんですか」

 

 

「えぇ。ユウナちゃんみたいって訳じゃないけど何か姉妹みたいな感じよ」

 

 

「そうですか」

 

 

 

そんな4人を傍目に後ろに逃げてソードを持っていない片手を地面に叩きつけて赤黒い焔が出来上がり俺の方に向かって来る。

 

 

嘘だろと思いつつ刀片手にその焔の柱の間を走り抜けて刀を突き刺す。

 

 

『はっはっはっ!まだまだ遊びは終わらんぞ!』

 

 

突き刺す寸前で空いたソードで防御される。そのまま回し蹴りを食らい横に飛ぶがーー空中で空を切り地面に刀を差して止まる。

 

 

『はっ、はっ、はっ!よもや終わりではあるまい!小娘よ!』

 

 

「ーーはっ!終わるならさっさと終わらせて帰りてぇぜ」

 

 

「ユウナぁ!大丈夫か!」

 

 

「おいおい!そんなんでへばっちまったら今後が心配だゼェ?」

 

 

「ゼノ、ゲッテムハルト…」

 

 

『ほぉ。こちらに来たか。我もそろそろ楽しめたしーー終わりと行こうか』

 

 

そう言うとエルダーのソードが赤黒く光りだす。

 

 

「ーーまずいっ!三人とも避けて!」

 

 

『オォォォォッ!!答えよ深淵!我が力にぃぃ!』

 

 

赤黒く帯びたソードが縦に伸びてーーそのまま俺たちのいるところに降って来る。

 

 

俺が左に、2人が右に避ける。

 

 

その後エルダーが体の後ろにーー薙ぎ払いをするかの様にソードを持ち直しーー横にソードが振ってくる。2人は空に飛ぶが、俺はそのまま地上でガード、フォントとか言うなんだかよく訳の分からないものをーー兎に角願い、刀に纏わせてガードする。

 

 

『はっはっはっ!これも防ぐか!やるなぁ ァ!小娘ェ!』

 

 

そう言い空に飛んで、刀を上から降り下げようとするエルダー。ガードを解除し、上から降ってくるエルダーの胴体ーーその中心部に赤いコアが見えた。

 

 

そのコア目掛けてーー刀を突き刺す。

 

 

『くふっ!くふふふっーー我もまだ未熟、と言う訳か』

 

頭の下あたりに刀が刺さりコアが消える。

 

「やったか⁈」

 

 

「はぁ、はぁ、おま、ぜの、それは…」

 

 

開いた手で俺を持ち上げ刺さった刀ごと抜き取り少し離れた所にスッと地面に降ろすエルダー。

 

 

『…だが今の我は本調子では無い。此処は一度引こう。ーーそこの小娘』

 

 

「…はぁ、はぁ、んぐっ…んだよ」

 

 

『良き闘争だったぞ!』

 

 

そう言い少し離れ後ろに飛びーーいつかの仮面の様に消えるエルダー。

 

 

「おま、ふざけーー」

 

 

そう言い手に持った刀を地面に刺して立とうとしてーーそのまま刀を手に持ったまま倒れた。

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

「……」

 

 

すっと次に眼が覚めるとーーいつかの部屋、多分メディカルルームなのだろうと判断する。

 

 

白い布団を蹴りベッドから降りてーー何か違和感を覚える。

 

 

視線を下に、と言うより服を見るとーー肩丸出しの長いスカートの様なものを着ていた。

 

 

服の上部分を手で開きーーなんかやたらめっちゃ小ちゃい…この、胸の先端くらいしか保護出来ていない物を見てえぇ…と声を上げる。

 

 

まさかと思い下も確認するとーーなんか変なーーとてもパンツ、とは言えない下着になっていた。

 

 

冗談だろ、と言いながら本当にーー局部だけなのかと手で自分の尻や胸を触るがーー何か見えない力で保護されている、とかは無く素肌に手が触る感触を感じた。

 

 

そう思いこの服ーー後にエグザムリーシュと言う病院服と分かったがーーのデザインについてふとおかしくないか、と更に重ねる。

 

 

窓際に行き外を眺めながら思う。あの後どうなったのだろうか、と。

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

「撤退⁈」

 

この状況で⁈と続けながらテクニックを放つエコーとカスラ。

 

「そうです、エコーさん。今ーーエルダーが撤退した今、私達が5人で撤退出来る可能性が高い場面は今です」

 

 

「とは言ってもな…」

 

 

そう言い周りを見渡すゼノ。周りには数え切れない量のダーカーが5人を囲っておりカスラの機体が置いてある場所まで移動出来ないでいた。

 

 

「…」

 

 

「ゲッテムハルト、ユウナちゃんの調子はどう?」

 

ナックルを外しユウナを肩に背負っているゲッテムハルト。

その後ろからエコーが話しかけた。

 

 

「まだ覚めねぇ。まぁエルダーと実質一騎打ちだったんだ、D因子でヤられている可能性もある」

 

 

「なら早くメディカルルームに行かないとーー」

 

 

 

「行きたくても突破出来ねぇんだよっ!」

 

そう言いーーゲッテムハルトからでは無くゼノから声が出てくる。

 

 

「ゼノさん。そこまでに。ーー仕方ありません、彼女に頼みますか」

 

 

「彼女?」

 

 

「えぇ。ーーマリアさん、聞こえますか?」

 

 

『おうよ!』

 

 

そう言いーー空からキャストが降ってくる。そのままパルチザンをダーカーに突き刺し別のダーカーに投げ飛ばす。

 

 

「マリアのヤツ…早いんだからっ!」

 

 

そう言いもう1人ーー白髪のポニーテールの子がワイヤードランスを振り回してダーカーを切る。

 

 

『ほらっ!こっちだ!来な!』

 

 

「皆さん。彼女の後に付いて行きましょう」

 

 

「おう。エコー、ゲッテムハルト、離れんなよ!」

 

 

「分かってる!」

 

 

「あっ!こらっ!私を抱えるなぁ!」

 

何を思ったのかゲッテムハルトがエコーを開いた手で抱え込みーー2人を背負ってカスラさんの後について行く。

 

 

「はっははっ!そりゃ丁度いい!カスラさんも」

 

 

「えぇ」

 

 

そう言い5人プラス2人の計7名はダーカーの包囲網を突破。

 

 

カスラの所有する機体にてナベリウスから撤退。オラクル船団へと帰艦した。

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

複数の車や飛行艇、ホバーバイクが道路や空を飛んでいる、と何度確認したか分からないこの船ーー船団の技術を思う。

 

 

ーー最もその内の一つのホバーバイクを貰って使ってるんですけどね。

 

 

そう思いながら外をボーッとみているとーー不意に空に黒い靄が見えた。

 

 

「んぁ?」

 

 

そう変な声を上げると同時にデバイスから音がなる。

 

『緊急事態発生。オラクル船団内部にてダーカーおよびダークファルスの発生を確認!全アークスはこれの討伐及び一般市民の救助に迎え。繰り返します。緊急事態ーー』

 

 

テーブルの上に転がっていたデバイスを手に取る。そのタイミングで病室の窓が開き看護師が緊急事態ですので避難を、と勧告してきた。

 

 

分かったと言い少したどたどしい歩きで看護師の後を追った。

 

 

ふと此処で自分はアークスです、と言った方が良いのだろうか?と思ったがそもそも多分あのーーでっかいダークファルスと戦った後に倒れて病院に運ばれたって事だから多分、今はアークスではない、そう、療養中なんだと言い聞かせて看護師の後を追う。

 

 

本心はもうあんな化け物と戦いたくない、って所だけど。

 




pso2のアクセ枠もう2個欲しい。欲を言えば10個くらいあれば問題無い。

本編的に言えばこの後クーナと合流、そこで龍の話を聞く。んで別れてアムデュスキアに言ったらまた会って調査開始、というふんわりした流れで。

惑星の日本ルートに実用的な爆装量の機体が来たら次を考える。ぇ?スパロー?ーーぶっ放して反転しなきゃ


正直このネタ小説が終わるより先にpso2が終わりそう(小声)それまで持ってくれよっ!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

109話目

mgrの上院議員を見ていたらエルダーに似てるなと思ってしまった。


 

 

 

「さぁ!こっちです!早くバスに!」

 

 

病院内に残っていた人を乗せてバスが動く。どうやら俺達が最後だったらしい。

 

良くもあんな速さで…敵らしき機影を見たのは数分前だぞ?

 

 

バスに乗せられシェルターに向かっているらしい。その間も街中で複数の光弾ーー多分対空戦車か何かだろう。他にも敵がいるエリアに向かう装甲車も見れた。

 

 

「くそっ、少し前に緊急事態って出たと思えば市街地へのダーカーのワープだって?!」

 

 

「大丈夫よね⁈私達死なないわよね⁈」

 

 

「そこはアークスを信じるしかないわ…」

 

 

「大丈夫だからね?」

 

 

慣れない足取りでーー多分この様子だと結構な時間を寝ていたのだろうか?ーードライバーの方に向かい座る。バスには既に数十人、中には子供も数人ほど居る。

 

 

 

「どうせならもっと寝させて欲しいがねぇ。ーードライバーさん、あとどのくらいでシェルターに着く?」

 

道中には複数のアークスがライフルやソード、ウォンドにロッド等多彩な武器を持ちつつ市街地各地に向かっているのが見えた。

 

 

「さぁな、生まれてこのかなオートで俺は座ってるだけだったからな。正直今でもおっかなびっくりだよ」

 

 

「ちょっと!ちゃんと前見てーーほらっ!」

 

 

そう言い目の前に赤黒い塊が落ちてきてーー道路が溶けた。

 

「うおっと!」

 

そう言いドライバーがブレーキを踏み、プシューと言う音が聞こえ止まる。

 

 

「ーーありゃエルアーダだったか」

 

窓の外から何処から放たれたのかを探しーーバスの前を12時として3と4時の間にそれらしき機影が見えた。

 

 

「知ってるのかい、お嬢さん」

 

 

「おじょーーいや、今はそんな事はどうだって良い。ーーアイツはエルアーダだ、確かさっきの塊を放ってくるしーーほら、あの下の赤いコア。あそこからレーザーも撃ってきたはず」

 

何回か交戦したことがあるが…毎度毎度フォトンが守ってくれるとか戦闘服のアトなんとかが防御してくれるとか言うが、それでも当たるもんは怖いし痛い。

 

 

「冗談じゃねぇ。さっさとずらかるぞ」

 

 

そう言い十字路をバックして左側の道路に入るバス。

 

 

「ったく、さっきの対空戦車は何をしてんだ?」

 

 

「さぁな、そこはアークスに聞いてくれや」

 

 

そう最後に言いドライバーは黙る。

 

 

アークスに言え、か。

 

 

そもそもこんな中身が一般人より遥かに低い俺が良くもまぁここまで生きてこれたなと。

 

 

この身体になってアークスをどうにかやって来たが…戦う時は帰ることを第一に考えて帰るようにするが…ダーカーや原生生物と交戦した日にはもう布団、いや、ベッドか。そこでガクブルする日々。

 

 

親は多分居ない、頼れるの人は居ない。同居人は居るがそれは所詮他人。

 

自分の秘密である中身は男、と言う事を心に閉じ込めて生きて行く。

 

 

ジョーダンじゃない。人って言うのは人に言えない事ほど他人に行って同意か慰めて欲しいものだ。

 

 

ーーだがこれは違う。いくらこんな科学力が発達した人種…人種か?いや、まぁ船団でいい。船団でさえ魂や精神のみが他の場所からワープしてきて別の性別の人に入りました、なんて聞いたら頭のおかしい人だと思う。俺も外面だけは同意しつつも内心じゃえぇ…となるに違いない。

 

 

はぁ、同居人のマトイやデュケット…は管制官だから仕事に出ているてしてマトイの方は無事に逃げられただろうか?と窓の外を見ながら思う。

 

 

「…そもそもユウナって誰だよ、俺の名前はーー」

 

 

そんなーー本当に誰にも聞かせる気の無い小声はバスの走行音と自走対空砲にかき消させた。

 

 

 

数分ほどして避難場所らしき所にバスが着く。そこには複数の市民の車、それに列が並んでいる。

 

 

「さぁ!着きました!皆さん降りてください!」

 

 

そう言うドライバーや看護師の後を着いてバスを降りる。周りには軽い荷物を持った人が沢山いてーー。

 

 

そこまで見回しふと見た事のある大型のトラックが見えた。

 

 

「ユウナさん。お身体に支障は?」

 

「…あぁ、いえ。すいませんが少しーーあこトラックの方に行きたいのですが…」

 

「あのトラックに?えぇ、分かりました」

 

 

そう言い離れてーー少し、いや10秒ちょっと経つと戻ってきた。

 

 

「取り敢えずチクカさんにはいったので。あのトラックで間違い無いんですね?」

 

 

「えぇ」

 

 

うなづき肩を貸してもらいそのトラックに近付いた。

 

 

 

 

 

「ーーダメですねぇ。何度やっても起動しない」

 

 

「分かってる」

 

 

「各動力部、ジェネレーター、各種ユニットのチェックはグリーンを出しています。ーー外部からのチェックですが」

 

 

「…はぁ、やっぱりユウナさんを呼ばねぇとだめかねぇ」

 

 

「今からですかい副班長?あのお嬢ちゃんアークスですよ?防衛に出ているに決まってますわ」

 

 

「そうは言ってもだなぁ…このデカブツを動かせるのはあの子しか居ないんだぞ?」

 

 

「そう言って副班長、珍しいビースト見たいだけじゃねぇの?」

 

「う、うるさい!さっさと仕上げないと班長にドヤされーー」

 

 

「…やっぱり副班長さんですか⁈」

 

 

「ぎょぇぇえ!す、すいませーん!はんちょ……あれ?ユウナさん?」

 

 

「あれ?ユウナさんじゃないですか?どうしてここに?」

 

 

「いえ、まぁ…少し怪我…怪我?をしまして。それで入院していたらこの事態に」

 

 

「と言うことは副班長!」

 

 

「あぁ!入院中の所悪いんだがコイツに乗ってくれねぇか?」

 

 

「…確かに俺は動かしましたけど…他のアークスは?」

 

 

「全員、とまではいきませんが防衛に駆り出されてしまいまして」

 

 

「そうなんだ、今この場に居る中で一番戦える可能性が高いのがユウナさんなんだ。ーー最もアークスだし当然と言えば当然だが」

 

 

 

「えぇ⁈貴女アークスだったんですか⁈」

 

 

「…いや、病院ならカルテか何かで分かるでしょうに…」

 

 

「すまん!頼む!もう班長にドヤされるのはごめんなんだ!」

 

 

「ふ、副班長⁉︎」

 

 

「…わかった、分かりましたっ!乗りますよ!」

 

 

「おぉ!よっしゃ!お前らっ!各種手順は飛ばせ!ユウナさんを出すぞ!」

 

 

「おう!」

 

 

 

 

看護師にコックピットまで付いてきてもらおう、と言おうとした時、副班長から一言言われる。

 

 

「あぁ、ユウナさん。その服ーー多分ナノトランサー付いてないから他の服に着替えてきてくれる?」

 

 

「ぇ」

 

 

「いや、だって少し前に乗った時に言ったじゃん。OSとIUを変えたから乗るにはアークスが使う戦闘服に付いているナノトランサーが必要だって」

 

 

「…マニュアルとか」

 

 

「ない!そもそも考えてみろ?あのサイズーーまぁアレでも小さい方だが、アレを完全マニュアルで動かすのに何年かかると思ってんだ?」

 

 

「…ぅ」

 

 

「そんなんアホな事をやっているんだったら戦闘服に付いている神経パルスや自然に体を動かそうとする動作をナノトランサーを通じて機体のSCSにブチ込める」

 

 

「…負傷したアークスとか居ない?」

 

 

「…えぇ、少し聞いてきますね」

 

 

「頼む。ーーはぁ…」

 

 

そう言い輸送車の横にある簡易的な椅子に座り空を見上げる。

 

 

音が遠いって事は少なからず戦地からは遠いはず。少しは休めるだろう、なんて思ってたらまさかの逆戻り。

 

 

「俺は楽に生きたいだけなんだがねぇ…」

 

そう言いそう言やこれに乗って防衛戦に出たら金ーーメセタって出るのかなぁ、と思いながら看護師とそれに付いていったメカニックマンを目の端に止めながら思った。

 

 

 

数分だか10分程度だか分からないが、少なからず5分は経っていたはず。

 

 

4人程人が来てーー中央の頭に包帯を巻いている人が俺にアイテムーー圧縮状態のモノを渡して来た。

 

 

「これは?」

 

 

「戦闘服よ。ナノトランサーも付いているし、中身のアイテムは全部私の倉庫に送ってある」

 

 

そう言われて展開するとーーぇ、これは…。

 

 

「どう?初期戦闘服をどうしょうもなくって捨てられなかったのだけど…どうせ私は着ないしアークスを辞めて数年経つんだわ、貴女にあげる」

 

 

そうした方がこの服も喜ぶでしょ、と言い俺に押し付けて頭に包帯を巻いた人は帰っていった。

 

手元には初期服ーー後にネイバークォーツと分かったがーーを着て引く。

 

「えぇ…これ…服ぅ?」

 

そう言いデバイスを弄り、空中に浮かぶウィンドウに今の俺の姿が映る。

 

「うっはぁぁぁ!服眼ですなぁ⁈」

 

 

「おい!副班長を止めろぉ!」

 

 

「煩いっ!そもそもビーストが居ないのがいかんのだぁ⁈」

 

 

そんな暴走する人を尻目にこのーー痴女の様な服…服?を着る、と言うより付ける。

 

 

着終わった後に言いたい事は…何この服、もう2度と着たくない、だった。

 

大きく開いた胸元。お臍や太もも部分に布が無い。背中に手を回せばお尻や背中は半分素肌である。

 

 

そんな事を思いながらふと、明らかに俺より重症なのにあの人は大丈夫なのだろうか?と言うかあの人こんな服を着て生き残っていたのか…何気にベテランだったのだろうか?

 

 

 

 

 

「乗りました。ーー後は?」

 

コックピットに座り込みナノトランサーの接続を確認した後、頭の前に何かが降りてきて、頭を固定した。

 

「ぇ⁈何これっ⁈俺知らないんだけど⁈」

 

『身体を固定するための固定器具だ。試しに目を瞑ってみろ』

 

 

言われるがままに目を瞑る。ーーすると瞼を閉じているはずなのに外の景色が映る。ーーん?

 

 

「なんか…高くない?」

 

 

『そりゃそうだ。君の見ている視界はその機体の頭部から得られたデータを元に構成されているからな』

 

 

「…ぇ?それじゃぁ…」

 

 

『…そうだな、フォトンを扱える適性が少しでも有ればコイツは手足の様に動かせる』

 

 

そう言う副班長の言葉を聞きつつ腕を上げる。機体の頭部から得られる視界も当然腕を上げる。

 

そのまま人ではできない挙動、プラモデルなどで見る手だけを回す動作を思い浮かべると当然の如く機体の手が回る。

 

 

「うぉ…すげっなぁ…」

 

 

『少し前に乗った時は最適化があまり進んでなかったからなぁ…今回は行けると思う。という事で立ってみてくれ』

 

 

「立つって、どうやって?」

 

 

『普通に立つ動作を思えば出来る』

 

 

 

そう言われてついに足を上に伸ばし勢いを付けて地面に叩きつけて上半身を起こす方法をやろうとしてーー目の前に警告を意味するWaningと言うアークス文字が出て来た。

 

 

『こっちでも確認した。きみぃ、変な方法で起きようとしなかったか?』

 

 

「…いえ、そんなことは…流石に足の反動を利用した起き方はダメか」

 

 

『そんな起き方したら脚が壊れるでしょうに。仕方ない。ブースターを使って起きてくれ』

 

 

そう言いわれてもブースターを使った起き方って…脚部がキャストの人やフルキャストの奴らじゃねぇとわからねぇだろう、と思いながら某ロボットアニメの様に横になっている機体の横に手を置き、片足を地面に付けて少し起き上がる。

 

 

その後地面に着いた手に力を入れて上半身を起こし、半分程起き上がったら腕の関節部分を地面に付けて更に起き上がる。

 

 

完全に起き上がった後にピーン!とでも頭部のカメラ部分を光らせたかったが…そもそもコイツ複眼だから意味ねぇや、と思い直し、周囲を見渡す。

 

 

『よし、動いた上にちゃんと立てたな。おい!コイツ用のライフルとソード持ってこい!』

 

 

そう言うと脇に止まっていた車の荷台部分が開き、中からライフルとソードが出て来た。

 

 

「あれ?コイツが持っていたガトリングとかは?」

 

 

『あれな?想像以上に劣化が激しくてな…データと3Dデータと弾のサイズだけ取って廃棄したわ』

 

 

「えぇ⁈」

 

 

『大丈夫だ、コイツのO.Sはコッチ仕様に変えてある。バグやO.Sに前のデータが残留してない限り問題ないさ』

 

 

「ほんとに?」

 

 

『あぁ、それと。近接用にソードを出したが、そいつの腕部に高出力のレーザーブレードの発振装置が付いてるからもしソードが壊れたらそいつを使ってくれ。覆ってあったぶんライフルやガトリングよりは劣化は無いはずだ』

 

 

そう言われ左腕を前に出してーーロボゲーの様に刀身を想像するとーー腕部の装甲がスライドしてプラズマが発生。数秒ほど刀身を形成した。

 

 

『見たところ結構な出力アップを果たしたな。これもフォトン動力炉に変えたお陰かぁ?』

 

 

『でしょうな。ーーぇえぇぇえ⁈は、班長⁈』

 

 

『おう。あの機体、動いているって事はユウナさんが乗ってるんだろ?さっさとライフルとソードを使って市街地内にいるダーカーを倒してくれ。今回のこの戦闘で実地試験と行こう』

 

 

『えぇぇえ⁈だってアレはまだダーカー汚染にどのくらい耐えられるかーー』

 

 

『分かってる。その為にコックピットブロックだけ別系統にしたんだ。ユウナさん。危なくなったらベイルアウトしてくれ。私達はこの後此処にいる民間人をゲートエリアとショップエリアに連れて行き保護する』

 

 

『確かにあそこなら厳重ですしシェルターよりよっぽど安全かもしれませんねぇ』

 

 

そう言い空いている整備士や看護師、取り敢えず動ける人がコイツが載っていた車に乗せるだけ載せている。

 

 

その様子を頭部ユニットを通して見ているとこの痴女服を渡してくれた人と視線が合う。

 

親指を立てながら車に乗っていくのを見送るがーーもっとマシな服は無いのだろうか?

 

 

足元に警告表示が出て何事かと覗くとーー複数の子供が群がっていた。

 

 

「あ、あぁ…そこの君達。その、あれだ、もう少しで動くから危ないぞ?」

 

そう、優しく語りかけると喋ったとか動くのとか色々言ってきている。

 

 

「そうだぞ?動くと踏み潰されちゃうから早くあのーーそう、あの車に乗りな?」

 

 

そう言い車を指差す。が、全然乗ってくれない。

 

 

「…副班長さん?足元の子供をどかしてくれないか?」

 

 

『分かった。もう少し待ってくれ。ーーん?なんだこの音…?』

 

 

「音?…レーダーに点?敵⁈」

 

 

『くそっ、ついに此処まで来たか!班長!』

 

 

そこまで言うと通信が切れる。レーダーからの情報を頼りにライフルを構える。

 

 

方位は2.5.6から3機。地面から離れて高度が50と出ているから飛行型の筈。なに、こっちには大口径ライフルに物理ブレードとプラズマブレードがあるんだ。何とでもなる。

 

 

そう自分に言い聞かせて動こうとした時。もう一度警告音が。

 

 

「ーーぇ⁈まだ居るの⁈」

 

 

足元にまだ居る子供達。これじゃ動けない。

 

 

「おいっ!足元にいる子供!今からダーカーが来るから!早く中に!」

 

 

そう言うと泣き出す始末。つい班長と副班長の2人を呼ぶがーー反応なし。

 

 

「ああっ、くそっ!おい!耳塞いでくれよっ!デッケェ音なるからなっ!」

 

 

そう言いさらに接近してくるダーカーに対しトリガーを引く。

 

 

甲高いあの音共に弾丸が発射されーー視界には

エルアーダとブリアーダとネームが付いている。

 

 

その場で動けないから固定砲台とかしひたすら連射して攻撃の隙を与えないようにする。

 

 

重臣から曳光弾がダーカーに対し伸びていき、撃ちながら弾道修正をかけて漸く当たり始める。

 

 

外れまくった曳光弾は数キロ進むと自壊するようになっているらしい。遠くで連続した爆発音が聞こえる。

 

 

「はんちょぉぉ⁈まだぁぁ⁈」

 

 

『ーー、ーーー』

 

 

「応答無しかよっ!くそがっ!」

 

 

ダーゲットに俺がなったのかブリアーダが後ろに下がり車の方に向かっている。エルアーダの方は機体の周りを周回して腕らしき物で攻撃してくる。が幸いな事に下の子供には手を出していない。

 

 

ブリアーダを右手で狙いつつ左手のブレードを使いエルアーダを追い払おうとする。がいかせん動けないのが辛い。

 

 

 

『ーーユウナさん!ミサイルを!ミサイルを使え!ーーうぉ⁈ーー』

 

 

急に聞こえたかと思えばま出して不通になる通信機。ミサイルだぁ⁈んなもん何処にあるってんだよ!

 

 

そんな俺の思考を読み取ったのかライフル下部のリボルビング機構が動き始めーー機体の周りをウザったく飛ぶエルアーダにロックの文字が。

 

 

その状態でトリガーを引くとポポポシュ、と言う音と止めにミサイルが発射。それを感知したエルアーダ二機が速度と高度を上げて回避しようとくるくる回ったりするがーー見たところコイツのミサイルの燃料、途切れないっぽい。

 

 

推力を失わないミサイルはエルアーダに当たりーー爆散した。

 

 

エルアーダが片付いた事でもう一体の方ーーブリアーダの方にライフルを向けるとーー高度を上げてどっかに去っていった。

 

 

「はっ、はっ…はぁ…」

 

ライフルを下ろし周囲を見る。下から子供達の声が聞こえるから多分無事なんだろう。

 

 

輸送車の方に目を向けると所々黒くなっているが問題はないみたいだ。少なからず外見上は。

 

 

その後班長に子供達を預け輸送車は中心地に向かう。護衛と言うことで俺もそれの援護に付いた。

 

道中複数の襲撃が有ったがーー自由に動けるっていいなって言うことが分かった。やっぱ固定砲台はダメだ。

 




面倒なんでこの後クーナさんとアフォンと主人公の三人でエルダーに挑ませます(多分)

ぇ?Et?何のことですか?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

110話目

あんなにノヴェルリアが出ねぇとか言ってたリアが2020パッチで交換できる…まぁ、初手は鍵を貰ったんですけどね(アプグレ素材ほぼ未確認)

所でミニガンを使うHuよりの新しい射撃クラスはいつ出来るの?


110話目

 

 

『方位0ー2ー2、高度500からエルアーダ接近!』

 

 

『方位2ー5ー5からダーカー接近!』

 

そう報告が次々に飛んで来てはレーダーが更新され敵の種類、数、高度が表示される。

 

機体後ろの試作のレーダーユニットが逐一更新して行くがーー対処が間に合っていない。そもそもライフルとミサイルランチャーだけじゃ色々とーーマンパワーが足りない。

 

 

「無理ゲーすぎる!他のアークスは⁈というかなんでこっちが分かるより先に分かるんの⁈」

 

 

『ーー付近にアークスの反応はないわ…多分後方だから来ないと思っていたようね…』

 

『こっちはアークスのレーダーデータとリンクしているんだ。本来ならそいつもリンクさせる予定だったんだが…』

 

 

『えぇ。エルダーが復活しちまった現状、アークスが使えるモノはなんでも使えって方針になっちまって…』

 

『仕方なく本来載っていたレーダーにダーカーのD因子を感知、見分けられるようにレベルを設定、までは良かったが…』

 

 

『少し探知距離が短いんすよね…2キロくらい?』

 

 

『そこはこっちの技術でどうにかするしかない。ーー最も生き残ればの話だがな』

 

 

「…最悪だよっ!ほんっと。ーーぁ、あの時見た対空戦車は⁈呼べない⁈」

 

 

『どの時の事を言っているかわからないけど、多分大破しているか汚染されているかで戦力にはーーきゃっ!』

 

黒い爆発と共に前から3両目が赤く燃えた。近くにブーストを使って駆け寄るがーー特に支障は無いっぽい。

 

 

『3号車に被弾!援護機は何をやっている!』

 

 

「ふっざけんなっ!こっちは一機なんだぞっ!」

 

すぐさま前に出て探知する敵にライフルを撃つがーーとてもじゃないが1人じゃ無理である。

 

 

『ーー此方4号車!予備のライフルも使ってくれ!』

 

さっき被弾した3号車の後ろの4号車か通信が入り、荷台が開く。

 

 

「なんだこれっ!ミサイルランチャーじゃ無いのか⁈」

 

 

中にはライフルの下部に比較的大きめのランチャーが付いている武器が出て来た。

 

 

『フォトンブラスターを付けている!チャージは必要だが高熱量のエネルギー攻撃が出来る!フォトンを指向させる兵器だからダーカーもーー』

 

通信を聞きながらも多数湧いてきたり飛んで来たりするダーカーを迎撃する。

 

各車両に1門だけ付いている機銃が曳光弾を空や地上に弧を描くがーーフォトンを使わない旧型の火器の為か有効弾にはなり得ない。

 

『くそっ!こんなんから上に掛け合って武装更新用のメセタ貰わねぇとダメだなっ!』

 

『撃て撃て撃て!弾幕はって近寄らせるな!』

 

『そもそもアークスシップに直接強襲とか何年ーー』

 

 

 

『4号車大破!ーードライバー席はどうなっている⁈』

 

 

『援護機!こっちは5号車!これから4号車の救助に入る!援護を!』

 

 

『方位0ー4ー5からーーなんなの、この反応…新手のダーカー?気を付けて!』

 

 

『方位1ー6ー7、距離14キロから友軍反応!通信繋ぎます!』

 

 

『こちら第63対空部隊。そちらの救援信号を受信した。そちらの状況は?』

 

 

『こちらアークス統合技術開発部本部所属のニッケル!現在シェルターから逃げた民間人を乗せてショップエリアに向かっています!援護を!』

 

 

『了解した。今から撤退しようかと考えていたが対空戦車と歩兵戦闘車を向かわせる。民間人の規模は?数名か?』

 

 

『副班長!民間人の人数は⁈」

 

 

『俺に聞かれても分かるかよぉ⁈班長!』

 

 

『654名だ』

 

 

『分かりました、ろっぴゃく…は?』

 

 

『シェルター前にエネミーが出てきちまったんだ、仕方ねぇだろ』

 

 

『……分かりました。此方の戦力をそちらに回します。ーーお前ら!撤収準備が終わったら民間人の撤退支援に行くぞ!返事は!』

 

 

『E.T.A表示されました。ーー約五分です』

 

 

『友軍が来るとはいえ結局は彼女1人か…』

 

 

『先行量産型の内何機かをこっちに回せないか?』

 

 

『無理だな、他のシップの総技部に回しちまったし、そもそも完全に稼働して戦闘行動が出来るのがアイツだけだ。ーー出力が少し安定しないが』

 

 

『そう思うとアイツの放置してあった場所に行ってみたいですねぇ…鬼の様に未知の技術がありそうで。予備パーツがあるのと無いのでは選択肢が違う』

 

 

『…上に掛け合ってみよう。最も生き残ればだがな』

 

 

『班長…それさっきも聞きましたよ…っつー事で!ユウナちゃん!頼むよぉ!』

 

 

「んなこと言ったってーーうぉ⁈」

 

 

『ろ、6号車被弾!か、各種システムは無事です!』

 

 

両手に持つライフルを空と地上に向かって撃つがーー距離が遠くて偏差が効かない。

 

曳光弾を見つつ少しづつ前にズラし、飛ぶダーカーとの偏差を取っていく。

 

 

地上は地上で湧いたり空中から現れたりで出てくるデカイダーカーに向かってひたすらトリガーを引いて弾を送り続ける。

 

 

「誰でもいいから援護!援護くれっ!」

 

 

そう通信機に怒鳴り込むも聞こえて来るのは各車両は自前に近づかせないだけで精一杯。終いには俺を罵倒する声も。

 

 

「うるせーっ!こちとら必死に撃ってんだよ!文句があるなら救援を寄越さねぇ上にーー」

 

 

警告、フォトンリアクターの出力低下。

 

 

「ーー文句をーーは?」

 

 

両手で空と地上の二方向をいまだに撃ちつつ輸送車と同じスピードで歩いていると突如警告音と共に出力低下の声が。

 

 

「ちょ、は、班長⁈なんか今出力低下って⁈」

 

 

『…想像以上に早くガタが来ていたか』

 

 

『旧型艦の小型リアクターを入れてみたんですが…やはり其れ相応のジェネレーターを新規に作らなくちゃいけないみたいですね』

 

 

『対空隊から通信!もう直ぐ合流地点に到着するとの事!合流地点は8ブロック先の中心街に進むルート2番入り口にて待機していると』

 

 

『ーー仕方ない。ユウナさん、3号車の荷台にそいつを載せてくれ。ーー通常動作は兎も角戦闘中はどこに負荷が掛かるかわからないか』

 

 

『そうっすね。これからフィードバックして新型とコイツの改良を行いましょう』

 

 

『武装もな。よく見ろ。所々から撃った排煙が漏れている。精度が足りてないな』

 

 

『対ダーカー戦となると近接戦闘も視野に入れなくちゃなりませんね…こちらも各総技部に案をまとめて貰いましょう』

 

 

『エネルギーブレードは近接には場所を取らないし良いが…消費出力がな』

 

 

『チャージ式とかどうです?幸い高容量バッテリーならあのサイズにするのにもさして苦労はーー』

 

 

『チャージするのになん分掛かるんだか分からんものを載せるな』

 

 

『…フォトンを直接使えないと効率が落ちるなぁ…』

 

 

『ユウナさん、機体を3号車の荷台にロックを。下半身を固定して固定砲として使います』

 

 

 

脚部をロックして出力の低下したエネルギーを稼働する上半身に繋げる。

 

 

再度動くようになった両手を上にあげて空からくる敵に向かって曳光弾と徹甲弾の混じった弾を放った。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

先ほどの通信を盗み聞きしていた通りにハイウェイの入り口付近にて複数の対空戦車、歩兵戦闘車の姿が見えた。IFVが地上に向けて掃射し、対空戦車が名の通り大型のダーカーに対し発砲を続けている。

 

 

輸送車を守るように陣形を組み直している最中、総技部から逃げてきた人達総出で今乗っている機体の修復に掛かる。

 

 

『脚部ユニットのユニットNo.94の消耗が激しい。こっちの汎用品で誤魔化せるか?』

 

脚部の装甲を外し中身をチェックしている人の方にズームをかける。

 

 

『脚部ユニットにそんなパーツ使えるか!そこら辺にある大破した車両から使えそうなパーツを取って来い!』

 

ズームして暫くすると二人組が接近。中身を見ていた人がパーツをどっかから調達して来いと無茶振りをして2人が離れていく。

 

 

『大破した車両からの方がーまずーー』

 

『そもそも人型兵器なのに車両からーーってーー』

 

 

離れていき音が拾えないものの言いたい事は分かる。んな車両から取った汎用品でコレが動くのかよ、と。

 

 

『班長!どうやら先程のパワーダウンは出力配分をこっちで弄った際下半身に重視し過ぎてのエネルギーが逆流、ジェネレーターのコントロールユニットがセーフティを発動して出力が低下した、と私はみています』

 

 

少し離れた所で大型の車両内にある端末を弄っている人ーーその隣には班長がいる。

 

 

『やはり人型は難しいな…激しく動くのなら脚部に余剰出力を渡すのは当然と思っていたが』

 

 

『キツキツかと思いましたが余剰出力自体はだいぶ余裕がありますね。廃棄されたの小型戦闘艦とは言えフォトンリアクターの出力を舐めてはいけませんでした。ーー最も最適化させないとダメですが』

 

 

『出来るか?』

 

 

『先程の稼働データがあるのでそれを元にやってみます』

 

 

『頼む』

 

2人の話の最中、1人のーーアレは脚と腕が機械になっているーーセミキャストがホバー移動しながら班長達の居る端末室に入っていった。

 

 

『班長!装備していたライフルの修理は終わりました!』

 

 

『改良は無理か?』

 

 

『えぇ、本格的に改良、と言うよりあれを元に新規で作った方が早いかと』

 

そう言われて視線を走ってきた場所を辿るとーー其処にはライフルに応急処置を施している複数のセミキャストと技師が居る。

 

 

1号車と4号車の荷台で修復作業に入っている技術者たちから目をそらしーー機体の複眼がその動作通りに目を細める動作をしてーーその反対に居る人達ーー対空隊の指揮官と思われる人にズームを掛ける。

 

 

 

『ーー隊長、地下からも避難民がアークスのシェルターを目指しているとの報告が』

 

 

『地下からもか』

 

 

『はい。ダーカーによる直接ワープによって地下すら危うい、と言うことに気付いたのでしょう』

 

 

『地下までとなると…アークスと我々総出でもカバーできるか…』

 

『噂ですがバークス(Brks)の人達にも戦闘準備が行われているとか』

 

『おいおい、バークスに所属している連中はフォトン適性が低い管制官の奴らだろ?ーーいや、それでも適性のないフォトン弾に頼っているオレ達よりはマシか』

 

 

『我々第63対空隊の他に65、67、42から45隊が対空戦をしつつ中心地の守りを固め始めています』

 

 

『アークス本部は敵中心地にF波とD波の乱れ、それとフォトン因子の乱れとD因子の増幅を確認。その地点に高濃度のD因子を持つ敵ーーD.F エルダーが居ると見ています』

 

 

『上は?』

 

 

『アークス本部は全アークスとバークス、及び通常戦力を一度ゲートエリア含む中心街に集中。その後エルダーの居ると思われるエリアに一点突破を仕掛ける、との事』

 

 

『それで上は動かせるものは全てってか?』

 

 

『えぇ。全チャンネルで今回のミッションの説明をしています。ーーそれと至急移動出来る部隊は民間人を集いゲートエリアに来いと』

 

 

『それでコイツもーー鹵獲機もって訳か』

 

 

『えぇ。ーーその、本調子ではなさそうですが』

 

 

『ーーそれを直すのが俺たち技師の務めってもんよ。ーー出力配分は?』

 

 

『再設定は終わっています。ーー中のパーツは?』

 

 

『チェックオーケーです』

 

 

『よし。ユウナさん、ジェネレーターの再始動を』

 

 

「…はいよっ。…再始動ってどうやるんだ?」

 

 

呟きながらコックピット内を探すがーーそもそもそれに準ずるようなものがない。

 

 

『脚に力を入れようとすれば勝手に起動するわ。ーー脚部のロックを解除!』

 

 

『りょーかい!ロック解除!』

 

 

そう言うと一気に立っていることが不安定になりーーカバーしようとする動作を機体に伝え再度立てるように。

 

『よしっ。立ったな』

 

 

『オーケー。コレで戦力は元どおりだ』

 

 

《ユウナさんはこのまま我が隊、63対空隊と共に技術者と民間人を乗せた輸送車を護衛。アークスシップ中心地のゲートエリアに集合中のアークスと合流する。それまで我が隊含め援護を頼む》

 

 

「…了解した。出来うる限りやってみます」

 

 

『頼むぞ。総勢1000人近くの命がかかっている。ーーあ、おい⁈ーー』

 

 

『ーーユウナちゃん、そう力を込めないで。大丈夫よ。必ず生き残れるから。ーーほら、子供達も』

 

 

そう言うとマイクが画面外から聞こえる声をーー子供特有の少し高い声を拾う。

 

 

「…はぁ、まぁ、やってみます」

 

 

『えぇ。お願いね』

 

 

『…よしっ!全車前進!ハイウェイをまっすぐ進み中心地に向かうぞ!』

 

 

隊長と呼ばれていた人の一声で全車が進む。輸送車にて応急処置を受けていたライフルを手に取り初弾をオートで装填する。

 

 

『対空車は上空警戒!装甲車は輸送車の前後左右に展開!意地でも守れ!』

 

 

『ユウナさんは前方の装甲車の援護を。いくら武装しているとはいえ打撃力はその機体には及ばない』

 

 

ガシャンガシャンと音を立てながら前に向かいーー一定の速度になるとブーストを起動、そのまま前方にいる装甲車を追い抜く。

 

 

『方位1ー2ー5から飛行ダーカーーーダガッシャとダーガッシュの反応複数!』

 

 

『こちら1号車!前方に動作音!ダーカーの接近の可能性あり!ユウナさん!』

 

 

『空は任せろ!地上を頼む!』

 

 

 

そう言う隊長の声を聞きブーフトを起動、両手に持つライフルを構えて前方にーーワープしてきたダーカーに向けて弾丸を撃つ。

 

 

生身で交戦するよりよっぽど楽で良い。

 

 

そう思いながらトリガーを引き機体の中枢ユニットが勝手に補正して反動を感じさせずに寸分の狂いもなくダーカーに吸い込まれる弾を見ながら思った。

 

 

 

 




本当はこの後の展開飛ばしてクーナとアフィン、それとマトイを連れてのドーム内でのエルダー戦がやりたかった。

という事でこの後飛ばします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

111話目

最近再度書き始めたエッチ方の内容がなんだか分からなくなってきた…何アレ


 

 

あの後中心街に到着し其処でアフィンとーー非常時にロッド握って暫定的にアークスに所属したマトイと合流。其処で俺の本来着ていた服であるラーグバルバトスとゼルシウスを着てやっと本来の服装に戻る。

 

 

「やっぱコレだよなぁ。あんな痴女みたいな服をきれるかってぇの!」

 

機体を総合技術部の人達に返し上層部からの指示の元、俺たち3人は規定のラインを進む。

 

 

まだ新人の上に武装しているとはいえ民間人であるマトイもいる、と言うこともあり担当エリアは殆ど掃射が終わり残党が居ないかの確認をするだけとなった哨戒エリアである。

 

 

本来ならば新人はこう言う時は避難民の救助や手当てなど比較的に敵と交戦しない裏の方に回されるはずがあの機体を乗ってほぼ欠ける事もなくシップの中心街から一番遠いシェルターから撤退して来たと言う訳の分からない評価を受けた事で裏の避難民の支援ではなく残党狩りに駆り出されることに。

 

 

「でも相棒、フォトンは肌面積が増えれば増えるほど効率が良くなるんだよ?」

 

 

「はっ!その理論なら最強は裸になっちまうぞ!」

 

そう言いながら鞘を持ち、刀本体を右手に持ちながら両手を上に少しあげお手上げのポーズをする。

 

マトイが圧縮状態で保管していた事もあり俺のーー元はゼノさんの武器であるがーー刀と服を取り戻せた。

 

 

「ほら、必要な装備を持たなくちゃいけないから裸にはならないと思うよ?」

 

ロッドを持ちながら俺とアフィンの間で喋るマトイ。一応マトイはーーあのショップエリアで爆発騒ぎをした程のフォトン適性があるとは言えーー民間人なので俺とアフィンで守る事に。

 

 

「…そうは言ってもだな、マトイ。あの服装はどう見ても痴女じゃないか」

 

 

そう言いふとマトイをナベリウスで救出した時を思い出す。マトイがあの時着ていた服も中々ーーエッチいかったなと。

 

あの時は民間人が倒れているってことで慌てていたけど。

 

 

と言うかーーいや、俺の偏見だと思いたいが…。

 

 

「…そもそもパンツ見える戦闘服多すぎね?」

 

 

「ぱ、パンツ⁈何を言ってんだ相棒⁈」

 

 

「ユウナちゃん?やっぱりもう一度病院に…?」

 

 

「は⁈いやな⁈アークスの戦闘服にパンツ見える奴多過ぎね?って思って…その、声出ちゃった…ごめん」

 

 

 

「…確かにそうだけど、フォトン吸収率が上がればよりダーカーを倒しやすくなるし。因みにだがあの戦闘服、ニューマンの女ハンターに渡される、俗に言う初期服らしいぞ」

 

 

「えぇ…レンジャーで良かったわ俺」

 

 

「レンジャーの服ーー確か部屋にあった奴だよね?」

 

因みにマトイはこれまた俺と同じように男性と女性も着れる両用のセレニアコートを今は着ている。民間人とは言え戦闘服を着ないとD因子にやられてしまう可能性が高いからだ。

 

 

 

「そうだよマトイ。ユウナーー相棒は足がスースーするから無理って言って早々にヘレティックロードの女性版のヘレティッククイーンを購入して着ていたけどね」

 

 

「アレも中々良い服だったが…ズポンのあの突起だけはよく分からなかった…」

 

 

ポーズをした後テキトーに刀を振りながらーーマトイに危ないよと言われ直ぐに刀を鞘に入れて背中に。腰に装備しているーーアークス製のライフルを手に持ち、居ないと思うが周辺を警戒しながら前に進む。

 

 

「いやぁ…にしてもエルダーかぁ…誰か倒してくんねぇかなぁ」

 

 

「大丈夫だって!俺らみたいなやつよりよっぽど強い奴が居るんだから!ーーにしても」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

「ん?どうしたの?アフィン?」

 

そう言う俺にマトイが首を傾げた。

 

 

「いやな?巨躯って確か撃破されたって研修生時代に書かれていたような…?」

 

 

そうーーそう習っているんだ。研修生時代に。最も形だけとはいえ今現在確認されているダーカーの種類や弱点等を教えるだけだが。正直数少ない俺が座学で覚えられた事だと思う。もう怪しいが。

 

 

「…研修…?……ぁ、あぁ⁈アレなアレ!確かにそうだよなぁ…」

 

そんなことを思っているとーーライフルを肩に置きながら明らかに挙動不審になる相棒ーーユウナを見る。

 

 

「なぁに、そのアレって?」

 

 

相棒のアレ発言にマトイがアレとは何かと相棒に聞くが…顎に手を置きながら視線を外して答えを見つけようとしている。

 

 

「あぁ、その…アフィン!あとは頼む!」

 

終いには俺にパスする始末。もしかして相棒はーー。

 

 

「…もしかして相棒、研修中寝てたなんて言わないよなぁ?」

 

 

「…いやぁ、あんなのくっそ長くて良い睡眠音楽にしかならないって」

 

言うほど話長かったか?…いや、そもそも研修生時代はまだお互い知らないし、もしかしたら相棒の方の講師は話を長くするタイプの人だったのかもしれない。

 

そう思いきってマトイに話にアレーー50年前だか100年前だか忘れたがーー巨躯撃破作戦、巨人落とし作戦の内容を大まかに思い出そうとする。がーー。

 

 

「って言ってもなぁ。俺も座学は苦手だったし…確か50年だか100年だか忘れたけどそんくらい前に巨躯をナベリウスにて撃破したって話だったような…」

 

 

そもそも研修生時代の俺はーー消えた姉をこれで探し回れる、と内心テンションが上がりっぱなしで座学など聞いている暇はなかった。

 

そもそもフォトン適性で規定値を越えればアークスに入れたも同然。その後の話はオマケである。

 

「…」

 

 

そんな事を思っているとふと相棒が静かになっているのでに気づく。

 

 

「…どうしたんだ?相棒?」

 

 

「…いや。何でもないさ。ーーその、言いにくいんだが…」

 

そう言い言いにくそうに言葉を淀む相棒。

 

「どうした?」

 

 

「その…トイレ…行ってきていいか?」

 

「…あぁ…トイレね」

 

 

「ユウナちゃん、そう言う時は…」

 

 

「いや、今戦場だし、そんな回りくどい事言えないし」

 

 

「前線から離れているらしいけどね」

 

 

「…という事でちょっとトイレ行ってくる」

 

 

そう言いそそくさと前に進む相棒。

 

 

「トイレねぇ…なぁマトイ、相棒の事が心配だから見にーー」

 

 

「アフィンくん私のイル・グランツ食らってみる?」

 

 

「…なんでもないです、はい」

 

 

そう言いながら2人で周辺を警戒しているとヒルダ管制官から通信が入りここいらの安全が確保されたとの通信がはいる。

 

 

2人して応答し、W.Pの変更を言い渡された。相棒の方にもルート上で合流するように言い渡されているようで合流地点を目指して2人で進むことに。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

あの変な帽子を被ったニューマンーーカスラさんだったか。に聞いたエルダー戦。はぇーって感じで聞き流していたが正直もう2度と戦いたくない。周りのーーエコーさんにゼノさん、ゲッテムハルトさんにカスラさんは手を出してこなかったお陰で俺1人でーー死ぬ気で戦ったし…もう2度と戦いたくない。

 

 

そんな事を思いながら男の時と違い全く持ってくれない尿意と戦いつつトイレを探しているとふと、あれ?ここどこだ?と辺りを見渡す。

 

 

トイレに行きたすぎて歩いて…いや、走ったか?しまっていたら余りにもトイレを探す事に集中し過ぎて訳もわからず来てしまったらしい。

 

 

公園を見つけてーー周辺に血などが散乱しているのを見てうわぁ、やべっ。どーしよ、と呟き、心の中でヤダヤダヤダと思いながらライフルを両手で持ち直しコッキングレバーを少し引き初弾が薬室内に入っているかを確認する動作ーープレスチェックを行い、自分の目でちゃんと入っている事を確認する。

 

 

案の定マガジンを指してそのままだったのでそのままコッキングレバーを引き切り初段を薬室内に送り込みリリースボタンを押して装填の確認をする。

 

 

セーフティを外しシングルに変えてーー取り敢えずどこでも良いのでフロントサイトをリアサイト越しに覗き込み、トリガーを引く。

 

右手でライフルを持ち左手で扉をホールド、一瞬で開けて中を確認する。

 

 

「ーーぎゃぁ⁈」

 

 

中からダーカーが出てきて俺の上に飛びかかってきた。

 

 

そのまま後ろに倒されて体の上で変な音を出しながらダーカーが脚で斬りつけてる。

 

 

「アァアァァっ⁈」

 

 

大声で叫びながら弱点であるコアーー赤い部分を必死に左手で殴りーーダーカーが上に吹っ飛んでいく。

 

「はぁ、はぁ、はぁ…じゅ、じゅうを…」吹っ飛んでいったダーカーが地面に落ちてーーひっくり返りながら脚を動かしているがパパパパッと言う乾いた音と共に腰に抱えてダーカーを撃ち殺す。

 

 

はぁ、とそのまま座り込んでーーライフルを構え直し、もう嫌だと言いなが立ち上がり再度トイレに向かった。

 

 

ーー因みに漏れていた。

 

 

 

 

 

 

 

結構な距離を歩いた気がするが…多分そんなに距離は稼いで居ない。こっちは病院上がりなんだ、何かないかねぇ…。

 

 

そう思いながら道路脇にあるベンチに座り、手に持っていたライフルを上に置きナノトランサーに入っているモノのチェックに入る。

 

 

入っているモノは…ジュースにメイト系、今は使えない20ミリのテレスコープマガジンーー薬莢内に完全に弾が入っているーーと…。

 

 

「…ぁ⁈バイクあんじゃん!」

 

そう言いアイテム一覧に移るホバーバイクの文字。

 

 

圧縮状態で外に出し展開、そのままバイクに跨る。ライフルを腰、ではなく刀と同じように背中に斜めに装着する。

 

スロットルを少しづつ開けて数十センチ浮上、そのまま道なりに進む事に。

 

 

取り敢えずW.P通りにあのーースタジアムに行こう。あそこに行けばさすがにトイレの1つくらいはあるはずだろう。

 

 

そう祈りながらスタジアムに向けて道路を飛んで行った。

 

 

『ーーこえーー』

 

 

「…うん?」

 

 

 

『きこえーーユウーー』

 

 

「んだこれ…どっからだ?」

 

 

『ー棒!スタジーー』

 

 

「…アフィンとマトイか。…もう最終地点に着いたのか?やけに早いなぁ…」

 

 

あの2人も何か乗り物使ったのか?それとも俺がトイレに行きたいが為に逆方向に行っていたのか。

 

デバイスを操作して付近のマップを呼び出しーー確かに真逆の方に進んでいたわ。

 

 

マップを見ている間もホバーバイクは安全速度で飛行していく。

 

 

スタジアムってどこらへんだったっけなぁ、と思いながらデバイスのコース通りに向かいーー2人の通信の発信源であると思うスタジアムに向かった。

 

 

 

 

デバイスに表示されるルートによるともう少しで着くらしい。

 

 

「スタジアムかぁ…どうやって入るんだ?」

 

 

前のーー男の時はインドア派だった為そういう所に行った経験がない。

 

何か案内板があればいいと思うが…。

 

 

そう思いながら通信をーー2人に向けて通信を行う。

 

 

ーーが帰ってきたのはノイズのみ。

 

 

それを疑問に思いデュケットに通信を掛けてみるがーー此方もノイズでかき消される。

一瞬向こうも混んでいるのだろうかと思ったが…管制官まで出したら末期戦のような気がするのでそれはないと思いたい。

 

「……ぇ、これもしかしてダークファルス…居る?」

 

 

ノイズを走らせている通信機を切りーーペルソナと戦ったときを思い出す。あの時も通信機がイカれたような挙動をしていた。

 

 

…エルダーは知らない。

 

 

そこでふとデュケットが言っていた事を思い出す。

 

オラクル船団の重要な設備やアークスの使う装置はフォトンを使う物が多く、D因子はこれらの波長を邪魔するとかなんとからで、小型のものほど影響を受けやすいとかのんとか。

 

なんでもその辺は研究が進んでいなく何となくーー人より小さいのは使えなくなる、くらいのことらしい。

 

 

それで尚更ダークファルスが居るなら2人がして帰還しないと、と思いスロットルを開けてスタジアムに急ぐ事に。

 

 




先生ェ!レンジャー解式用にコンバットカノンが欲しいです!あと常設の海王種二体は爆散して。お前らオーダーに居ねぇじゃねぇか!


あと本当に惑星にF-4EJと改来そう。HUDとかどうすんだろ、着陸する時にHUDに十字線出してくれないかな。と言うか基地を広くしてくれ(毎回毎回SBで亡霊の脚を折って大破しているパイロットからの感想)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

112話目 前半 Vs巨躯 ラウンド2 後半 アフィンの成就

なにこれ?


ランディングギアを出して地表に着陸、デバイスを使い周辺に有る自分の物ーーアイテムを圧縮状態に。

 

 

圧縮までの時間は基本的には乗り物なら全員が降りたら起動するようになっている。

 

 

圧縮状態になったホバーバイクをナノトランサーに放り込みーー後ろのスタジアムに体を向ける。

 

 

 

通信をーー途切れ途切れだったもののーー整理するとアフィンとマトイの2人が俺がトイレでダーカーと格闘中に先に進みーー俺に知らされていない別のスタジアムに着いて中に入るとダークファルス、エルダーとそれと戦う少女がいてーー2人がエルダーと戦い始めた所でD因子濃度が濃くなったのか通信が出来なくなった。

 

 

刀の収まった鞘を左手に持ちスタジアムの中に向かった。

 

 

 

 

 

「アフィン!これ強いよ!」

 

 

 

「分かってる!相棒が来るまで待て!」

 

 

受付口に鞘が引っかかったり物音にビビりながら進みーーライフルの着弾音やテクニックのーー表現し難い音。それに刃物の音まで聞こえる。

 

 

この様子だと2人の他にもう1人いる…?

 

 

歩きから走り出して入り口に近くなる。

 

 

よくアニメや映画とかで入り口が白い光で一杯なのはあるがーー残念な事にここは現実。そんな光が溢れるほどの光源なんて無いし。

 

 

お陰で近くなれば近くなるほど中の様子ーー1人でどうにかーーいや、1人は1人だが実際はエコーさん、カスラさん、ゼノさんにゲッテムハルトさんが居たがーー戦っていたあのエルダーとーーマトイとアフィン、そして俺と同じ様な戦闘服を着た少女が見えた。

 

 

 

「おい!救援に来たぞ!」

 

 

「アフィン!ユウナちゃんが!」

 

 

 

「分かっている!そこのアークスさん!アンタも撤退を!れ

 

 

 

「無理ですね。今かの敵ーー巨躯は私達を狙っています」

 

 

 

「くそっ!耐えるしか無いのか!」

 

 

会話している3人に混じり刀を抜いて走り間に入る。

 

 

アフィンと少女の隣に立ちーーふと前に会ったことのある様な気がし始める。

 

 

 

「…戦場で言う事じゃないかもしれないが…もしかして一度会っていません?」

 

 

 

「……今は後です。目の前の巨躯を撃退しなければこのダーカー襲撃は終わりません」

 

 

「マトイ!耐えるだけでいい!離れていた相棒が来たってことは通信もーー」

 

そうは言ったって!と言うマトイの声が聞こえるが残念ながら多分通信は不通のままである。

 

「いえっ!ふっ!ーー依然D濃度は高いはずです。多分ですが本部も気付いていないでしょう」

 

 

そう言いながら少女は両手に持つ小さな刃物ーーダガーでエルダーの攻撃を往なす。

 

 

「そ、そんなぁ…」

 

そう言う少女の答えにアフィンが目に見えてショボくれるものの直ぐにライフルを構え直し横向きに走りながらフォトンで弾の挙動をアシストして命中弾を叩き込んでいく。

 

「アフィンとマトイは離れて射撃とテクニック!マトイは光系を!俺と彼女で止める」

 

 

 

そう言いエルダーと闘っている少女に合わせーーられないから適当にテクニックでデバンド、シフタを掛けて突撃する。

 

 

 

刀を突き刺しそのままテクニックのサ・フォイエを使い突撃。エルダーに向かい刀を突き刺す。

 

キィンッ!と言う明らかに生物の皮膚の音ではない音が響きエルダーの目がこちらを捉える。

 

『ーーッ⁈貴様はあの時の!』

 

 

「覚えてんのかよっ!」

 

 

「ーー貴女巨躯の交戦経験が⁈」

 

『はっはっひっ!ここで会ったが数年目!我を愉しませろ!小娘ェ!』

 

「ああっ!もう2度とごめんだって思っていたがねっ!」

 

 

そう言いエルダーの話を無視して、力を込めてフォトンを刀身に集中させるとザクッと刀が突き刺さる。突き刺した後、そのまま横に引き抜きエルダーの脇腹に切れ端が出来るが…少し時間が経つとそれも塞がる。引き裂いた刀のエネルギーをそのままにエルダーの頭を狙うべく見上げるがーー改めて格闘戦を仕掛けるとデカイ。

 

 

『ふん!効かんわっ!』

 

 

「ーーッ!」

 

頭を持たれたがいつも同じ場所に装備しているーー何時ぞやに使って以降全然使っていないハンドガンを抜き取り自分の体より上で保持するエルダーに向けて手の間から見える視界を元にハンドガンで頭をーー出来る限り目を狙う。

 

チュン!チュン!と言う音がし、エルダーの頭に当たってはいるがーー効果は無い。フォトンと言う訳の分からない力を体に纏わせているためかエルダーに握られては居るものの痛くは無い。

 

「っしゃぁ!」

 

 

俺を持っているエルダーに向かい少女ーーと言ったって俺達と同じような身長だがーーがダガーをエルダーの腕に突き刺し吹っ飛ばす。

 

 

『ぐおっ!ーーイイぞっ!これだっ!これこそがっ!闘争だっ!』

 

 

切られた衝撃で俺を話しそのまま後ろに下がる。スライドオープンしたハンドガンのマガジンを抜き取りナノトランサーに。予備マガジンをホルスターから抜き取りガイドラインに沿うように装填、スライドストップを押して初弾を薬室内に放り込む。

 

 

少女も後ろに下がりーーそれを合図に少し離れた位置にいるマトイとアフィンがA.Pと光系テクニックをしこたま撃ち込む。

 

 

 

『はははっ!イイぞっ!イイぞアークスぅぅ!』

 

 

撃たれながら俺に向かって突進ーーそのまま殴り掛かろうてしてくる。

 

 

咄嗟に怖くなって目を瞑りながら刀でガードしーーキィン!と言う音が響き、目を開けるとエルダーが体勢を崩していた。

 

 

『ぬおっ⁈』

 

 

そのまま仰け反るエルダー相手に刀で更に斬りつける。腕、脚、肩、手が届く範囲をひたすら斬る。

 

後ろーーアフィンとマトイの援護もあって俺と少女はひたすらエルダーに斬りかかる。

 

上、横、脚、腕、胴体と見える場所をひたすらフォトンを纏わせた刀で切りまくった。

 

「もうっ!さっさと倒れろ!死ねっ!」

 

 

「ーーふっ!」

 

 

 

『我はまだ堕ちん!まだだっ!我に!真なる深き闘争を見せよっ!』

 

エルダーが両手を合わせ地面を叩くとーー紅黒い焔が円を抱いエルダーの周囲を回る。

 

 

俺は手を合わせ地面を叩いた衝撃で吹っ飛ばされるも空中で'何故か出来る'姿勢制御し、地面に刀を突き刺し止まる。吹っ飛ばされたお陰で距離が離れたのでモノメイトを飲み込む。それを見ていたかのように少女がダガーを目に見えない速さでエルダーを斬りつけ始めた。

 

 

「な、なんだありゃ…」

 

 

「P.Aだ、相棒」

 

 

「P.A?ーーあぁ、フォトンアーツだったか」

 

モノメイトを飲み切り空中に捨てーーそれが飛散するともう一度刀を抜きーーエルダーに突撃を仕掛けた。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

数分ーー闘っていた俺からすれば数十分の気がしたがーーすると突如エルダーが

 

 

 

『ーーッ!我は、我は満足したぞ、アークスよ!また次なる闘争で会おう!』

 

 

そう言うとエルダーは後ろに飛び撤退。それを合図に通信がクリアになる。これ以上闘っていたら途中でダウンしたマトイとアフィンをカバーしつつは無理、と思った矢先であった。

 

 

 

突如として通信機が息を吹き返しデュケットから今までどこに行っていたのかと大声で怒られる。

 

 

そこで俺はスタジアムにてまたエルダーと交戦、撃退した事を告げる。

 

 

デュケットにまさか1人で⁈と驚かれたものの即座に4人、て言おうてした時。

 

 

目の前にいる少女が口に手を当ててシッーと言うジェスチャーをし、更に開いた手で4人の次にバツをつけ3人と訂正する。

 

 

 

「……あぁ…三人ーーマトイと俺、アフィンの3人だ。ーーそれと2人ともダメージが凄い。メディカルセンターの準備を」

 

 

 

通信にそう言いまたエルダーを撃退したのですか⁈と驚く言葉とメディカルセンターは今現在パンク気味で病院の方に回す、との答えも。それを聞き分かったと言い、一度休憩してそっちに戻る、と言い通信を切る。

 

 

切った後に電源を落とし少女に近づき一言。

 

 

 

「…なんで3人なんだ?」

 

 

 

「私は…その、ここに居ただけに過ぎないので」

 

 

その言葉にマトイとアフィンが頭の上に?マークを付けているが俺はそれを無視し次の質問に。

 

 

 

「…1度俺と会ってないか?確か龍を探していると」

 

 

「…えぇ。私はある龍の捜索願を受けています。その時にお会いしたのでしょう」

 

 

 

「…すまないが名前は?」

 

 

「…クーナ」

 

 

 

「クーナさん?オーケー。取り敢えず今回は助かった。クーナさんが居て助かったよ」

 

 

 

「いえ。私も貴方達が居て助かりました。流石に私1人ではどうにもなり得ませんでしたので」

 

 

そう言い踵を返し何処かに行こうとする少女ーーもといクーナ。

 

 

「おい、そっちには何も無いはずだぞ」

 

 

「いえ。そもそも私と会う事自体不味い事ですので。ーーそれでは」

 

 

そう言うや否やスッと俺たち3人の前から消え去るクーナ。

 

その後周囲を見渡しその場にぺたりと女の子座りをしてしまう。

 

「…はっはっ、今頃になって来やがった…」

 

そう言い震える両手を見ながら震える足に力を入れて倒れている2人の近くに行き、立てるかと聞く。

 

エルダーとの戦いで負傷して喋れないマトイとアフィンを1人づつ抱えてバイクの両脇にカーゴを装備させその中に2人を座らせる。

 

2人を乗せた後俺も跨りオートドライブに設定、行き先をショップエリアに。

 

ホバー特有の音を立てて高度を上げてショップエリアに帰還する事に。

 

ーーーーーーーーーー

 

後日俺は自分のマイルームにてパソコンを弄りーーそこに提出用の文章を書いては消してを繰り返していた。

 

あの後、不自然な事にマグの提出要請も来ずそのまま話のみでのお終い。トイレ行ったら2人と離れてさらに周囲を探しても中々無いからスタジアムに向かったら2人の声が通信機から聞こえ中に入ったら2人がエルダーと交戦していた、と手短に言ったらシップ内の事故処理は2人ーーアフィン君とユウナ君にはパスさせるからデータを後で提出するように、と言う言語がまだ読めない俺にとっては地獄の様なオーダーが入ってきた。

 

 

 

「そもそも詳細つったって…」

 

 

お陰で全くもって進んでいない。正直必至に刀を振り回し、光波を出したりして必至に闘っていた事以外なんとも書けない。

 

しょーがねぇからデュケットでも読んで手伝ってもらうか。

 

そう言い少し前に旅館で行った時にボロった話をなんか変な風に解釈してアークス言語を読めない、って言う事を知っているデュケット辺りに手伝ってもらおう。

 

そう思いパソコンの前から立ち上がりそのままキッチンに。

冷蔵庫の中から冷やしてあるオレンジジュースをタンブラーに注ぎベランダに持っていく。

 

 

アークスに所属する者はアークスシップ中央から出来うる限り近い所に住むように言われている。

 

アークスが全力で中央部分は守ったお陰で近くは比較的無事だが…少し遠くや地下部分は結構なダメージを受けているらしい。

 

 

正直建物より死傷者の方が船団的には痛いらしいが。民間人、アークス含め結構な数がやられたらしい。他にオラクル船団付近の宙域にて多数のダーカー反応があり宇宙戦闘機が何個飛行小隊も出撃したとかなんとか。もはや飛行隊では。

 

 

と言うのも報告では気持ちダーカーがデカくなっている、と言う報告がチラホラネッーーポスで調べたら出て来た。曰くエルダーが出現したからD因子の濃度が上昇、それによって大きくなったとか何とか。ーー後で調べたら宙域にて交戦したダーカーも大型サイズになっていたとのこと。但しその分脆いとも。

 

 

遠くの方では未だに救助活動が続いているのか何時ぞやに乗ったあの飛行艇ーーあれを使い遠方からの救助者を輸送している。

 

 

こう言う時こそテレプールだか何だかんだを使えよと思う反面何かしらデメリットでもあるのだろうか、と言うことも過ぎる。ーー因みに使わない理由は何処にでもワープと言うかショートカットが出来る奴は民間に渡ると洒落にならない事が起きるから厳重に管理しているだとかデュケットが言っていた。

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

「はぁぁぁ…ほんっと報告書を作んのヤダ」

 

 

提出する戦闘結果もデュケットとマトイのお陰で終わり今は2人ーー俺とアフィンの2人ーーで何時ものラフリに来ている。

 

 

「そうは言ってもあのぐらいならすぐ終わっただろう?」

 

 

 

「俺は文系は苦手なんだよっ!」

 

そもそもアークス言語分かんねぇし。

 

そう悪態付きオレンジジュースの入ったコップに口を付ける。

 

 

 

「ーーんで。俺を読んだ訳は何だ?まさか奢らせるため?」

 

 

 

「…んな訳。ーーアフィンはあの子ーークーナって言っていた子を見たよな?」

 

 

 

「あの子クーナって言うのか。そもそも名前は初めて聞いたが見たも何もふつーに戦ってたし。それが?」

 

 

 

「…いや、なんかおかしく無い?普通アークスって報告書はマグの録画を参照にしているだろ?ふつーならそれをーーマグを提出して終わりだろ?」

 

 

 

「それが今回はなんで報告書かって?多分アレだ、今ゴタゴタで忙しいから後で提出みたいな?」

 

 

 

「いやいやいや!録画データは一定周期で消えるんじゃないのか?」

 

そう反論すればアフィンは黙りうーんと悩み。その結果。

 

「…そう考えると彼女が?」

 

 

 

「あぁ。もしかしたらめっちゃ偉い人ーー」

 

 

そこまで言ってふと窓の外から視線を感じその方向に顔を向けるがーー何も無い。

 

 

 

「…どーした?相棒?」

 

何も無い。何も無いのだが…何かがいる。それもこの匂いは…確証はないがクーナさん、か?

 

「…ステルス迷彩ってか?まるで蛇だな」

 

 

異常に視線を感じる場所を睨みーー一言呟く。

 

 

「ステルス?透明?それに蛇がなんだって?」

 

 

「…いや、なんでも無い」

 

そう言うと匂いと視線の主であるクーナさん(仮)は道路に沿って人混みの中に消えていった。ーー正直匂いで何となく追跡できなくはないが…今はよそう。

 

「…おいおいおい!辞めてくれよ、ホラーはよ!俺は苦手なんだ」

 

何を勘違いしたのか俺の視線をアフィンは死者か何かと勘違いしたらしい。

 

 

「…とまぁそんな話は置いておいて。相棒、目の方は大丈夫か?」

 

と急に真面目トーンになったアフィンに少し困惑しつつそれに答える。

 

「目?……あぁ、マトイのアレか。大丈夫だ、今の所はな」

 

そう言いマトイから貰ったーー遺伝子的な意味でーーの方を触る。

 

 

「…相棒…逆だ逆、右目じゃない、左目だ。ーーどっちが貰った奴だか分からない様子だと大丈夫みたいだな。安心したよ」

 

 

こっちだったか、と言いながら左目の覆う。

 

 

「…そうだな、強いて言うならーー」

 

 

「…言うなら?」

 

 

「ーー気持ちテクニックが使いやすくなった気がする」

 

シーンとなるアフィンを見て、内容ミスったか?と余ったが数秒して言葉を返す。

 

「…なぁ、相棒って俺と同じレンジャーだよな?」

 

 

「…言うて同じ…確か第8世代だからアフィンも使えるだろ?」

 

 

「俺はテクニック系は全然でね…初期テクニックが使えるかどうかって所だな」

 

一応ニューマンなんだけどなぁ、て腕を首の後ろで組みながら言う。

 

そう言うと窓の外からゴゴッ、と言う音をミ耳が拾い外を見る。

 

 

 

「どうした?また見えちゃいけないやつ?」

 

 

 

「……いや…多分アークスの車輌だろう」

 

 

「…ま、相棒が言うならそうなんだろ。なんだかんだで相棒のミミには救われて来たし」

 

 

 

「…なぁ、そう言や戦場跡地になった市街地に向かうトラックの音を聞いて思い出したんだが…アフィンはあの時何をやってたんだ?俺と合流する前」

 

 

「あぁ、あの時?あの時は他の同期と臨時パーティ組んで市街地内の救助活動とダーカーの撃退をやっていたよ。確かその時に装甲車部隊とも協同で戦ったな」

 

 

「へぇ…んだよ、その様子だと俺の見舞いには来なかったのかよ」

 

その言葉にアフィンがは?何言ってんだ相棒、と言いたげな表情をする。

 

「は?相棒の見舞いは4連続で行ったぞ?」

 

 

「…は?4連続?」

 

そう言うアフィンの言葉に言葉を一瞬失う。4連続?俺は4日間も寝ていたのかと。

 

 

「確かその内2回程はそのまま相棒の病室で寝落ちしていたからーー」

 

 

 

「待て待て待て!は⁈俺何日寝てた⁈」

 

 

追い討ちをかけるようにさらに投下される言葉。待て待て待て!俺は一体何日寝てたんだ⁈

 

 

つい立ち上がり、最早準常連と言ってもいい俺達の行動にマスターは一瞬こっちを見るもののいつもの事かと直ぐに自分の仕事ーー愛用らしき道具の整備に戻る。因みに彼は客が1組前後の時ではないと自分の道具の整備はしない。何回か来てそれは分かった。

 

 

「と、10日だけど…」

 

 

「と、おか……10日も、か?」

 

 

「あ、あぁ…ビビったよ、任務から帰ったらエコーさんとゼノさんから鬼の様に連絡が来て出たら相棒ーーユウナが倒れたって聞いてメディカルセンターに向かったんだ。んでゼノさんとゲッテムハルトさんに話を聞いてーー俺はその時ゲッテムハルトさんに悪い事しちまったけど…つい…」

 

そう言い下を向くアフィン。気持ち声のトーンも下に下がっている気がする。

 

「…なんだ?ついって」

 

先が気になりアフィンにその後を促すと普段は温厚なアフィンの口から信じられない言葉が。

 

「ゲッテムハルトさんのこと…思いっきり殴っちまって…ゲッテムハルトさんもずっと俺に殴られていたよ。ーーなんか、アレだな、恥ずかしいな」

 

そう言いながら、あの時任務帰りでライフルも装備したまま来たから、ゼノさんが居なかったら撃ち殺していたかもしれない、と言い内心怖っと思いつつそこまで俺を思っているのか?と言う男としてーー外見は女だがーーとても複雑な心情が芽生える。ーーいや、正直アフィンを女の子としてみればまぁ…。

 

「……そっか。…ありがとな、アフィン」

 

 

「…ユウナ…」

 

 

「まぁ、その、なんだ、ゲッテムハルトさんも悪気…はマシマシだけど本人なりの目的があったから、まぁね?」

 

その悪気でーーアークスの敵であるエルダーを復活させ、更にそれによって死にかけたらか許し難いが。そもそも負傷して後ろに下がったメルフォンシーナの仇を取りたいなら持っとこう…別な方法をだな。

 

と言うかあの時なんで誰も援護してくれなかったの?少し前に闘ったエルダー戦ラウンド2時のクーナさん、アフィンとマトイの方が援護の層厚かったよ?

 

「で、でもその行動でユウナが死んじまったら…俺は…」

 

そんな事を考えたらアフィンの目元に粒ーー涙が出ていた。

 

「…ぇ?おいおい、嘘だろ?泣くなよ。男だろ?それに姉ちゃん探すんだろ?」

 

 

「…っ」

 

 

な?な?と言うもアフィンの涙は止まらず、しょうがねぇな、と言い立ち上がりそのままアフィンの隣の席に座りーーぎゅっと抱き締める。

 

 

後ろからおぉ、と言う声がしてミ耳がぴんっ、と立ったが俺は気にしない。なんせこんなに心配してくれたんだ、これぐらいはね?

 

 

一方声を上げた主であるマスター'と'その娘であるフランカはその様子を見て方や腕を組み首を上下に動かし、青春だなぁとでも言いたそうに。方や興奮しながら彼女愛用のフライパンを持っていない方の手をグーにしながらイけ!イけ!っとビーストのユウナにも聞こえない程小さな声で応援していた。

 

 

 

そんな後ろ事のを知らずに泣いているアフィンの背中をポンポンと軽く叩きながら耳元で「俺は此処にいるから…ね?」と泣き止むのを待つ間、これじゃどっちが女だか分かんねぇな、アフィン女顔だし、と思いながらアフィンが泣き止むのを待つのであった。

 

 

 

数分するとアフィンが真っ赤になった顔を上げて一言ごめんと言う。

 

 

 

「なぁに、俺の胸なんぞいつでも貸してやるわ。ーーあ、今エロいこと考えたろ?」

 

 

「は、はぁ⁈そんな事考えてねぇし!」

 

そう言いながらもテッシュを渡し鼻をかむアフィン。

 

「…ま、なんだ。友から今は親友だな」

 

びぃーー!と言う鼻をかむ音が店内に響くがーー誰も止めない。なんせ俺とアフィンの2人しかいないからな。

 

そう思いつつさっき言った言葉ーー親友という言葉。男友達ならそこでお終いである。ホモではないからな、それ以上は無い。

 

だが今の俺は女ーーそれも16歳と言うスッゲェ若い女の子である。そんな事をこれまた俺の外見年齢と同じアフィンに言わせればーーそうだな。

 

「さぁアフィン!次で彼氏だ、頑張れよ!」

 

 

「…ぇ?えぇぇえ⁈マジで⁈本当に彼女になってくれるの⁈」

 

 

はっ、はっ、はっ!と笑いながら会計を済ませてアフィンも早く、と笑いながら言う。

 

「そうだなぁ、俺のガードは固いぜ?それに親友から彼氏へのランクアップは鬼の様にポイント必要だぞ?」

 

お、おう!やってやるよ!と言いながらアフィンもお金を払い俺と2人はそのまま外に出て行った。

 

 

「…んっ」

 

入り口でアフィンを待ちやってくるとスッと手を出す。

 

「…ぇ⁈マジ⁈」

 

 

「なんだ?繋がないのか?」

 

 

「繋ぎます繋ぎますっ!ーーあれ?案外チョロくね?」

 

 

「…はっ、はっ、はっ!手伝ってくれるお礼だよ、相棒」

 

 

「い、今、相棒って…」

 

こう見えて何回かアフィンの事を相棒って読んだことあった気がするが…平時では初めてかな?

 

 

「さぁ、さっさと帰って寝るぞー。俺はこう見えて病院上がりなんでね」

 

 

「…全く…ほんっと。男っぽいねぇ…相棒は。ーーそこも好きだけど」

 

「聞こえてるぞ、アフィン」

 

 

そう言い2人して手を繋ぎ店をーーラフリ出た。

 

 




なぁにこれ。

Ep.Hはもう少しだけ待ってくれメンス。(内容は…そのはっちゃけ過ぎてなんだかよく分からないものが出来つつあります。これはマズイ)

実はこれH方向に行ったかもしれない内容だったりして。次?H版完成した時に二番手の内容で書くから…。(タイならもう一度or内容決定アンケート)


ぇ?忘れ去られた旅館編…?……惑星にB52H(ケツにバルカン装備)が来るかこの小説が終わったら考える。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

113話目 龍祭壇へ

なんかスカイホークが実装されるらしいので。…所で海の獲得RPの変更はいつ?(測距しても中々命中が見込めず敵のボートに占拠されボロ負けしながら)


113話目 龍祭壇へ

 

 

 

「……は?デュケット、もう一度言ってくれ」

 

 

 

「はい。ユウナ、アフィンの両名は複数の惑星にて出現する未確認生物の確認、可能ならそれの撃破任務がおりました。10日以内に正式な任務として出されるようです。それと本任務には詳細の内容は現地にてーーえっと、とある人物と行動を共にせよ、との注意事項も」

 

 

 

あの後アフィンと…その…て、手を繋ごうと自分で言っておきながら、俺とアフィンは顔を真っ赤にして帰りアフィンの部屋の前で別れ自分も帰宅。その後冷静になりベッドに頭から入り、変な奇声を上げマトイとデュケットに不思議そうに見られながら数分間あげた後、ぐちゃぐちゃになったベッドから離れ冷静になる為にリビングの端にある作業台の前の椅子に座る。

 

 

ナノトランサーを弄って中に入っているライフルーー戻ってきたプロトレイの整備とエルダー戦でひっさしぶりに使ったハンドガンの整備をしているとデュケットから声を掛けられた。

 

 

「…注意事項アリの任務なんて初めてだな」

 

 

「……所でその…さっきの奇声は?マトイちゃんも心配してましたよ?アンティかける?って?」

 

 

 

そこまで言う2人に俺は簡易分解をしてバレル内の掃除ーー長い棒の先に布と油を浸した奴でグリグリ掃除しているーーを一度やめ2人の前に椅子ごと身体を向けて言う。

 

 

 

「…人ってその場の勢いで言うと恥ずかしいんだな…」

 

 

デュケットの後ろーーソファに座りお菓子を食べながら聞いていたマトイは頭の上にはてなマークを乗せながらどう言う事って言う風にデュケットに視線を送る。

 

 

デュケットは俺の言った事を一瞬考え即座に答えを見出した。

 

 

 

「…あぁ、アフィンさんの事ですね?」

 

 

「………」

 

 

 

「無言は肯定と同意義ですよ?」

 

 

 

「ぇ?ユウナちゃん、アフィンの事すーー」

 

 

 

「…そうだ、その場のノリだ!そうだ、それで押せば良い。彼氏になるにはポイントを高くーーいや、点を確保するごとに上限を上げれば良い!」

 

 

 

「……デュケットさん、やっぱりアンティをかけた方が…」

 

 

「えぇ、そうした方が良い気がしますね、あの様子だと…」

 

 

 

そう言いアフィンが俺を呼びに来るまで俺の混乱は止まる事はなかった。ーーもっともこの後もその感情で混乱することになるのだが。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

あのまま自室にいると2人に無い事ある事言われ、終いにはメディカルルームに連れて行かれそうになったのでライフルとハンドガンは作業台の上に置いて来て自室を出てショップエリアに足を向けて向かう。

 

 

訳はのちに考えるとして…いや、いっそ銃の消耗品を買いに行った、とでも言い訳すれば2人にも分かってくれる筈だろう。何せオーダーを受けたんだ、それで躱せるだろう。

 

 

そう自分に言い聞かせメイト系のアイテムを買っていると不意に声が脳内に聞こえる。

 

 

その声を聞き瞬きをするとーー店員の手が止まる。まさかと思い周囲を見渡すと周りにいる、と言うか大型モニターの時間や中央モニュメントの噴水の水さえ止まっている。

 

 

 

「事象は大いなる変化を見せた。それこそが貴女が成し遂げた一つの成就のカタチだ」

 

 

 

「例えーーそれが望まぬ形であったとしても」

 

 

 

「私と…私達は謝罪する。識りながら変える事のできない身である事を」

 

 

 

「かの事実(ダークファルスの封印失敗の事実)は根幹(アークスの根幹)を揺るがすモノ、張陵する者達(アークスのトップ)は拡散を望まず内に秘めようと暗躍するだろう」

 

 

 

「故に貴女の役目こそが重大。全てを見て、識った貴女こそが鍵になる」

 

 

 

「貴女が抱く経験で世界は成る。ーーそれは修正ではなく累積に基づき数多の知己と敵を生むだろう」

 

 

 

「ーーそれでも。貴女は己の意思が赴くままに進んで欲しい。誰も見出せなかった道へと」

 

 

 

 

「…私と、私達はその道を見、識る為にココに居る」

 

 

 

そう言い終えると視界がブレて彼女ーーシオンは消え去る。それと同時に周りも動き始めーー先程まで自分が居た店の店員が俺を呼んでいた。

 

あ、あぁ、と生半可ね返事をして代金を渡す。店員は急に消えて怪しんでいたがそれ以上は何も言っては来なかった。他にも色々と回らなくちゃいけないのに…急に来やがって。

 

 

はぁ、と溜息をつきーー今度はジグさんの店に向かった。行く内容は勿論ーー背中に背負うこの刀について鑑定をしてもらう為である。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

「煉獄刀・焔嗟って…何だこの名前…怖すぎだろう…」

 

 

 

そう呟きながら手に持つ刀ーー焔嗟を見直す。ジグさん曰く我々の、オラクルの技術体系では無い別の何かで作られている、と言うことは分かったらしい。但し何故かフォトンに反応する、と言う事も。

 

ジグさんにも解析するからちょっとの間貸してくれ、とまで言われたのでそれじゃこれに似たような刀ーーソードを作ってください、と言ったら静かになった。それと同時に同じような物を作れば貸してくれるのじゃな?と言い、そうです。…ぇ?作れます?と言えば分かったと言い今から作るから今日は帰ってくれ、とまで。

 

 

そこまでしてこの刀を見たいのだろうか?

 

 

そんなことを思いながらショップエリアの上ーー今では誰もいないショップエリアどころかアークスシップ全部を見渡せる屋上にある大型公園に来ている。椅子に座り道中で買ったオレンジジュースを飲みながら買った物リストを見直しつつふとーー先程のシオンさんとの会話を振り返る。

 

冷静にーー基本あの人難しい言葉しか使わないけどーーなって考えてみるとあの人ーー。

 

 

「にしても、あれ…日本語、だよなぁあれ」

 

 

そう、彼女のしゃべる言葉が完全に日本語なのである。

 

 

何故オラクル船団の人が日本語を使えるのか?

 

 

その事に対する理由付けを考えていたら何処からともなく歌が聞こえてきた。

 

 

ミ耳を立てて微かに聞こえる音の飛んでくる方向を特定。その方向へ飲み物片手に向かう。

 

 

近づけば近づくほど何処かで聞いたようなメロディと声がする。それと同時にコレはアークス言語…いや、オラクル言語だよなぁ、とも。オラクル言語やアークス言語と呼ばれる言葉を聞けば聞くほどシオンの日本語の謎が深まる。

 

 

その方向に更に近づくとーーなんとアイドルとアフィンの言っていたクーナが歌っているではないか。俺も時折テレビやポスで見かけたりするが…確かにアレは見た奴と同じだ。

 

 

おぉ…と感嘆の声を上げて、シオンの日本語の件は棚に上げて、ジュースを片手にずっと見ていると向こうと視線が合う。

 

 

 

「「あ」」

 

 

と言う2人の声がハモりーークーナさんの歌が止み、周りに俺しかいないため静かになった。

 

するとクーナさんが周りを見渡し周囲に誰もいないことを確認したような素振りを見せると、その場から横に動きーー俺もその動きに視線と体を合わせる。

 

そのーーまるで俺が本当に見ているかどうかを確認するかのような動作はもう少しだけ続いた。

 

 

「……貴女…私の事…見えてる、の…?」

 

 

そう言い俺の事をわなわなと震える指で指差すクーナさん。

 

 

 

「ぇ、あの、その…見えてるって言うのは?」

 

 

「やっぱ見えてるんじゃないっ!どうして⁈マイは使えてる筈なのに…ッ」

 

 

そう言いながら頭を抱え後ろを向くクーナさん。

 

 

「もしかしてオフでした?それでしたら自分も帰りーー」

 

 

そう言い後ろを向き見なかった事にして帰ろうてした時、後ろからさっきとは違う…視線というか気を感じ取る。

 

 

再度後ろを向くとーーそこには先程まで普遍的な服を着ていたアイドルのクーナでは無くーー何度か会っている戦闘服を着たクーナさんが居た。

 

 

「ぇ、あれ?…クーナさんは?」

 

 

「…貴女…何者なんです?前もーー上から監視を命じられたてカフェに居た貴女を見ていた時も私の事を認識していましたよね?ーー勿論その前もです」

 

 

そう言い腕に装着されているダガーの刀身が青く光り、フォトンが刃を形成する。

 

 

 

「まてまてまて!ここアークスシップ!室内戦はダメの筈じゃ!」

 

 

「私の問いに答えなさい。アークスに登録されている貴女ーーユウナさんは一体何者なんです?」

 

 

そう言いゆっくりと近付いてくるクーナさん。何回か会った上に前回のエルダー戦で味方だった為に背中に背負う刀に手を掛けるもそこからが抜けない。

 

 

「…俺は俺、と言う確証以外に何が必要、なんですか?クーナさん…?」

 

 

そう言いにじり寄るクーナさんに対し後ろに引きつつもいざとなった抜く気の無い刀の柄に手を添える。

 

 

まさかこの世界に来て対人戦をやる事になるなんて、なんて内心悪態をつきながら背中にある刀の柄を添えていた右手で掴みーー。

 

 

「……はぁ、今は止しましょう。任務も降りてませんしね」

 

 

向こうから武器を解除してきた。フッと両腕に付いている刃が飛散して少しづつ離れていく。

 

 

 

「……」

 

 

到底向こうから戦闘態勢に入って来たんだ、幾ら人とは言え流石に手を離せない。

 

 

 

「私も解除したんです。貴女もしたらどうですか?」

 

 

「そっちから戦闘モード入って解除されてもそう易々と解除は出来ないねぇ。こっちはしたいけど」

 

 

「…はぁ、分かりました。それでは私は去ります。ーーあと」

 

 

「…?ーーはぁ⁈」

 

 

「ーー貴女が今日ここで見た事は他言無用って事で!」

 

 

そう言うクーナさんに首を傾げた瞬間ーー目の前のクーナさんが先程までいたアイドルのクーナさんの服装になりーー見た事は誰にも言うなと言いさって消えた。

 

 

 

「……あ」

 

 

 

アークス消える奴多すぎるやろ…。

 

 

と言う呟きは本人に聞こえていたかどうかは定かではない。ーーと言うかアレ、アイドルのクーナさんはアークス(暫定)のクーナさんと同一人物…?

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

「……」

 

キャンプシップーーサーレクスmk9とも呼ばれる機体ーーの椅子に座りライフルとハンドガンの掃除、煉獄刀・焔嗟と言う洒落にならない名前の付いていた刀を台の上に置き整備していると向かい側にアフィンが座ってきた。

 

 

「…なぁ、相棒」

 

そう言われて頭をあげるが、あの事ーー吹っ切れてアフィンの手を握った事があった為にアフィンを直視しづらい。と言うかあの事があってからかアフィンの事をーー外見が女っぽい為か女の子と認識してしまいそうでヤバイ。

 

 

「……な、なんだ、アフィン」

 

 

そう言い澱みながらライフルのマガジンに弾をガシャガシャ入れていく。

 

 

マガジン下部の横に空いた小さな穴から弾が見えるまで装填していく。

 

 

「……その、前に言っていた彼氏にするって言うやつの事なんだけどさ」

 

その言葉にピタリと止まりーー。

 

「……あぁ、その事なんだがーー」

 

 

 

「ーーその…ヘタレって思うかもしれないけど…いや、そもそも本人に言う事じゃないけど…俺は相棒と友で居たい」

 

 

 

「…ぇ?」

 

 

 

「…いや、正直俺は相棒の事好きだよ?だけど…俺はまだ相棒の隣に入れるほど強くない。現にあの時ーー巨躯の時だってそうだ。相棒…奴と一対一でやり合ったんだろ?ーーダークファルスと」

 

 

 

「…ま、まぁ…あの時は先輩達が居たけど…先輩達援護くれなかったなぁ…あん時は死ぬかと思った」

 

 

 

「それについてゼノさんエコーさん。それと今は謹慎に入っているゲッテムハルトさんから言葉を貰ってるよ。3人の話を纏めると巨躯とユウナの闘いが凄すぎて間には入れなかったって」

 

 

「……凄すぎてって…俺はひたすらガードしたりぶっ刺したりしただけだぞ」

 

 

そもそもなんであの時使い慣れていない刀なんぞ使ってしまったのだろうか?ーーあれ?そういやエコーさんからロッドを借りたままだったような気がする。…後で、アフィンの話が終わったら確認しておくか。

 

 

「それが凄いんだって。そもそもユウナは知ってるのか?ダークファルスと交戦する時は急激なD因子の上昇によって自我を失う事が多々あるんだぜ?先輩達が無事なのは10年前に別のダークファルスと交戦した経験があるからでーー先輩達もユウナさん担いで直ぐにメディカルルームに向かっていたけど」

 

 

 

「…確かにあん時は必死だったけど…」

 

 

「それにさっきも言ったけど経験のある先輩達が入れない程の闘い方をする相棒ーーユウナの隣にいるには今の俺じゃ力不足なんだ」

 

 

「……」

 

そう言い切るアフィンに俺はーーそんな戦い方してなくね?元はニートも同然だったんだぞ、と出て来たがそれを喋ったらダメな気がするので出かかった言葉を飲み込む。

 

「相棒はさも当然のように探索任務でダーカーを斬りつけて倒しているけど…普通俺みたいにアークスに入って数ヶ月も経ってない新人がやれる事じゃない」

 

 

それは突発的に奇襲してくるダーカーに寄生された原生生物や機械類に言ってくれ。

 

 

「と言うかそもそもなんだよアレ、途中からその細いソードにテクニックを纏わせたりしてさ。相棒さ、異常過ぎるよ」

 

 

「…アフィン、お前…」

 

 

流石にそこまでーー目の前で言われると傷付く。コレはアレか?親友と思っていたのは俺だけパターンか?

 

 

「…だから。俺は…俺は、今は相棒の彼氏にはなれない。俺が相棒の彼氏になれると思った時。その時に俺はもう一度相棒ーーユウナに告白する。だからーー」

 

 

 

「それまでは友達でいようよ。な?」

 

そんな事はなかったことに安心しつつ、それと同時に彼氏問題をアフィンの方から先送りして来てラッキーと思う俺だった。

 

「…お前そこまで俺を……あぁ、分かった。だが俺はーーいや、よそう。それはその時に話すさ」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

「…さて。お二人ともお話は終わりましたか?」

 

そう言う声が聞こえ俺はーーアフィンは真後ろにいる少女に気が付いた。

 

 

「うぉぁ⁈ーーあの時の?」

 

 

そこに居たのはあの突発的な巨躯戦で一緒に戦っていた少女だった。相棒を見ると俺の声に驚いたのか平然を保ちつつーー尻尾と耳がぴーん、と立っている。それも直ぐしたらゆらりゆらりと左右に振れるが。

 

 

 

「…クーナさんか。どうしてここに?」

 

 

そう言い切る相棒の目が一瞬だけ目の色が青から赤に変わった様に見えたがーー今はそんな事はいい。今相棒はクーナって言わなかったか?

 

 

「…今回貴方達と行動を共にするクーナです。以後お見知り置きを」

 

そう言い相棒の隣に座った少女ーークーナさんは相棒と同じような戦闘服で隣に座る。

 

 

なんか、と言うか相棒のサイズがおかしいだけだけど…なんか、小さく感じてしまうなぁ…。

 

 

そんなことを思いつつクーナさんの名前を口に出すと、

 

「く、クーナさんって言うのかぁ……ん?」

 

 

 

「どうしたアフィン?」

 

 

 

「…いや、なんか…アイドルのクーナさんに似てるような気が…でも髪の毛の色違うし関係ないか」

 

案の定と言うべきか…俺の方からアイドルのクーナさんとの関係性があるのかを気になって言ってしまう。

 

「…アフィンさんでしたか。クーナさんの歌がお好きなんですか?」

 

そう言われてガタッと椅子から立ち上がり目の前のクーナさんと同名の少女に言い切る。ら

 

「えぇ!それは勿論!なんならファンクラブに入ろうと思っていたこともありましたし」

 

 

 

「思った?」

 

思った、と言う言葉に少し悲しそうな顔をするが直ぐに訂正をする。なんかクーナさんーーアイドルの方を悲しませたような気がしてならない。

 

「えぇ、その時にアークスに受かってしまいまして。そのまま入れずに」

 

 

「そうなんですね…ユウナさんは?」

 

そう言いクーナさんは相棒に話を振るが

 

「俺?歌とかはあまり聴かないな…」

 

と素っ気なく話を切る。

 

「そう。彼女の歌はいい歌ですよ、今度聴くのをお勧めすます」

 

確かに良い曲なのは全肯定する。

 

 

そう思いながらクーナさんの言葉にウンウンと頷いているとふと頭の中に今回の任務の事で聞きたいことがあるのを思い出す。

 

「…あっ!そうだ、いきなり話をぶった切る感じで悪いんだけど今回の任務は一体なんなんだ?俺ある生物の確認って事しか管制官から言われてなくて…」

 

 

 

「…クーナさんがいるってことはもしかして?」

 

 

 

「えぇ、前にーーユウナさんに言っていた龍ーー造龍の討伐が今回のオーダーです。多分ですが私と会ったことがある為に上から指名されたのでしょう」

 

 

「造龍?なんなんですそれは?」

 

 

 

「造龍とは読んで字の如し人工的に作られた龍族。惑星アムディスキアの複数の一族から生体データを貰い受けアークスから対ダーカー用の龍族を造ろうとして…失敗、封印された計画の副産物です」

 

 

 

「なんでそんなものが外に?」

 

 

 

「……理由は分かりませんが施設内にて凍結保存されていた一番強い造龍の1人がダーカーに似た転移方法でワープ、複数の惑星にてアークスに攻撃を仕掛けているとのことで……討伐任務が降った、という事です」

 

 

 

「へぇ…という事は討伐もするのか?3人で?」

 

 

 

「いえ。できるならという事ですが…無理ならば増援を呼びに戻ることも可能ですし、なんなら見つからない場合は捜索を切り上げ撤退も許可されています」

 

 

 

「…で?クーナさん、最初はどの惑星に行くつもりで?」

 

 

ここまで黙ってマガジンに弾を入れていた相棒が話を切り出す。

 

 

「…先ずは龍祭壇に向かおうと思います」

 

 

そう言うクーナさんの言葉にーー後で相棒も言っていたが、何故かとても悲しそうな感じがした。




えっちいのが中々進まない…と言うか題材マザーでってキツくね?

話は変わるが最近液タブのフィルムを買って描くぞってなる度に描く気がなくなるこの現象は何なのだろうか?

多分全部Ep1終わったら追加したりする、かもしれない


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

114話目 顔合わせ

まただっ!まだ終わっていないっ!

一ヶ月以上何やってたの?→米ファントムと日ファントムを作ってました。

これからこれどうなるの?→半ばオリジナルになるかもしれないけど出来る限り元のストーリーの方に戻したい(願望)


 

 

「……居ないらしいですね」

 

 

そう言うアフィンの言葉にクーナはウィンドウで何かを弄っている。

 

 

 

「…確かにそう見たいですね。このエリアに拠点を構えている龍族曰く、そう言う者は見てないと」

 

 

そう言いながら龍族から貰った謎の食べ物をスキャンする。

 

 

謎の食べ物の上にウィンドウがオーバーレイ、火山パイナップルと言うアムディスキアの火山付近にしか生えていない種でオラクルで栽培されているやつの大元はこれをモデルとしたらしい、と書かれている。ついでに凄く甘いとも。

 

 

 

「……所でユウナさん。あなたは一体何を…?」

 

 

 

「いや、なんかくれたから食べてみようと」

 

 

「…これは…火山パイナップルですか」

 

 

 

「…おぉ、天然のパイナップルかぁ!相棒!いいか!」

 

 

「あぁ、ほら、クーナさんも」

 

 

そう言いナノトランサーから野外用の調理一覧セットからまな板を選び石のテーブルに置いて、ハンドガンホルスター脇に装着してあるナイフを抜き取り大雑把に切って2人に渡す。

 

 

 

「…どうだ?」

 

 

 

「甘いねぇ!」

 

 

 

「うんっ、これは中々…美味しいですね」

 

 

 

「まぁ切っただけだけどな。ある意味じゃ本物の天然モノか」

 

 

何個か食った後にベロが痛くなったため、後は自分で切れとアフィンにナイフと場を渡し、椅子に座っていつもの様にジュースを口に付ける。

 

 

「そう言えばクーナさんはなぜ龍祭壇を?他にも火山洞窟とか浮遊大陸とかあったでしょう?」

 

 

 

「龍祭壇は一番龍族が多く情報が見込めると思っていたので。…実際はゼロですが」

 

 

「…ま、まぁ此処は古いとは言え宇宙港に近い、その、一番奥にある安全なエリアだから龍族も戦闘に加わって無いんだろう」

 

 

「…そうだと良いですが…」

 

 

「…んで。次のアテはあるのこ?」

 

 

 

「…そうですね、アフィンさんの言う通り少しづつ外周に向かいましょう。ダーカーが出てきたらその都度交戦って事で」

 

 

 

「ダーカーに侵食された龍族の場合は?」

 

 

 

「時に寄りますね。今は比較的関係が良好とは言え同族を殺されるのを黙って見るのは嫌でしょう。極力避けつつ、万が一侵食された龍族と龍族が交戦していたら援護に入る形で」

 

 

 

「了解した、アフィンは?…アフィン?」

 

 

アフィンに有無を聞こうと顔を向けたらーーパイナップルの酸っぱさに顔をしかめている。

 

 

 

「……あの、彼は…?」

 

 

 

「…大丈夫だろ、腐ってもエルダーとやり合って生き残ったし」

 

 

 

「それは貴女もですけどね」

 

 

「俺は二度と会いたく無いがな」

 

 

そう話を切り捨てアフィンの頭を軽く叩き行くぞと腕を入り口に向けて動かす。

 

 

それを見たアフィンがまだ残っているパイナップルを全部口に入れ立ち上がり、既に入り口の方に向かって歩き出しているクーナと俺の後を追い始めた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

「クーナさん、5時の方向にディカーダ!三体!相棒の後ろにーーうわっ!」

 

俺とクーナをいつでも援護と二人のどっちかがアフィンの援護に行ける距離を維持しつつアフィンからの指示に従いダーカーと戦う。

 

「っ!おらぁ!」

 

 

人に近い体型をしたダーカーに対し丸見えの胴体中央にある赤いコアに向けて刀を突き刺す。ぎぃ…と言う鳴き声と共に飛散するディカーダ。そのまま周りに居る同種に出せるようになった衝撃波を当てて、倒れた所に同じ様にコアに突き刺す。

 

クーナの方を見るとあちらも終わったっぽい。ダガーの刃を飛散させている。

 

 

終わったし俺も刀仕舞うか。

 

 

そう思い背中に忍者刀の様に背中にある鞘を左腰に持ってきて鞘に収めようとした時。

 

 

「ーーあっ!相棒の6時方向!見た事ないぞ!」

 

 

そうアフィンに言われ半分程鞘に納めていた刀を抜き取り後ろに向けるとーーそこには先ほどのディカーダと似た、だが腕部に刃らしきモノが付いているのがみえる。

 

 

刀を右手で持ち新種のダーカー種ーー後にプレディカーダと名称される敵ーーに近く。

 

 

碗部下部に格納されていた鎌が展開、鎌のついた武器腕となった敵が俺に向かってーー。

 

 

フッと消える。

 

 

 

「消えたーー。ッ⁈」

 

 

 

ミ耳が何かを感じて後ろに刀を向けるとーーキィン!と言う弾く音が響く。

 

 

そのまま後ろに引きながら刀で守った衝撃を受け流し、再度両手で持ち直す。

 

敵を見るとどうやらワープしてきたらしい。

 

右手で敵の下から斜め左上に切り上げて、敵の頭を思いっきり斬りはらう。

 

 

頭を吹っ飛ばして尚動くためにそのまま首から真下に向けて刀を振り落としーー真っ二つにした。

 

 

二つに割れた直後、空に飛散して何もなかったかの様になった。

 

 

 

「…はぁ、はぁ…あ、ありゃなんだ?」

 

 

その場にペタンとーー体が勝手に女の子座りの様な風に座り込みーー二人が駆け寄ってくる。

 

 

「…分かりません。新種の様ですが…今上にデータを送ります」

 

 

 

「ディカーダみたいだったけど…腕に武器なんか付いてなかったよな?今までの」

 

 

そうアフィンとクーナが周辺を警戒しつつ背中を俺に向けて近くに来た。

 

 

「あ、あぁ…まるで対人特化だな。にしてもワープまでしてくるとは…懲り懲りだぜ、ほんともう」

 

そう言い俺は刀を地面に突き刺して刀を杖代わりにして立とうとした。

 

 

「…相棒、立てるか?」

 

 

それを見ていたアフィンが俺に手を差し出してくる。

 

 

「あぁ、あたりめぇよ、って言いたいが…手ぇ貸してくれ」

 

 

 

「ほらっ」

 

 

その手を握り立ち上がりーー地面に刺した刀を誰もいない方向に振り払い鞘に収める。

 

 

「ありがと、アフィン」

 

 

 

「…出ました。先ほどのエネミーはプレディカーダと呼称するとの事です。アークスのエネミーデータに保管されるとも」

 

 

 

「…速ぇな。そんなすぐデータ挙げられるならカウンターにマグを預けなくても…」

 

 

「すいません、私の上司は秘密主義者なので。あまり中間を挟みたくないのでしょう」

 

 

「…まぁ、他にも色々と預ける方が都合が良いんだろう、分かっているさ。ーーさて。検問所までもう少しかかりそうか?」

 

 

「そうですね。このままマップ通りに向かえば龍祭壇を抜けられそうです」

 

 

そう言い立ち止まりマップを俺たちに見せてくるクーナ。マップ上の2ー3ー0、南西の方向にコレまた龍族の居るエリアがあるらしい。そこが龍祭壇と浮遊大陸の境目だとか。

 

 

「浮遊大陸を移動するには私の機体を使いましょう。あの機体なら小さいですし、宇宙港に着陸しなくても良いですし」

 

 

そう言いクーナがマップ上に着陸エリアを指定する。他にも俺たちが見られるまで上空待機とも追加でオーダーを出す。

 

 

「えっと…今いるエリアが…マップのココだろ?」

 

 

そう言い横からアフィンがマップを指差す。龍祭壇の端っこにある検問所みたいな所から約2kmの所にマーカーが付く。

 

 

 

「えぇ、約3キロですね。歩いて…まぁ、40分も有れば到着するでしょう」

 

 

「ここいらに着陸するって言うのは?」

 

 

 

「やっとの事で龍族と関係の修復が出来つつあるのに、飛行禁止エリアまで来て着陸するのはどうかと。彼らにとって龍祭壇は神聖な場所です。本来なら私達が居られるのもおかしいんですよ。ーーもっとも、貴女は違う様ですがね」

 

 

「…まぁ、成り行きだよ、アレは」

 

 

 

そう言いながら此処にくる原因となった2人ーーライトとアキさんを思い出す。そう言やあの二人はアークスシップ強襲時は大丈夫だったのだろうか?

 

 

「と言うか冷静に考えたらライトさんの髪形めっちゃヒャッハーみたいだったなぁ…」

 

 

 

「…?どうしました?」

 

 

 

「…いや、アイツもヒャッハーな髪形していたなと」

 

 

「ひゃっはぁ?なんです、それ」

 

 

「クーナさん、相棒時折そう言う変な事を言うから気にしない方が良いよ。ーー最も俺も気になるけど」

 

 

「そうだな、ヒャッハーって言うのはだな…

 

 

そう言い俺は二人に世紀末の様な髪形を話し始める。アークス、と言うよりオラクル船団はロボ系は疎いもののそう言う世紀末に似た様なアニメがあるのかアフィンの方はすんなりわかったらしい。

 

 

 

「ーー要するにモヒカンって事か?」

 

 

「いや、まぁ、そうだけど…なんか、違うんだよな…」

 

 

「…お二人とも、私がついていけないのですが…」

 

 

「あぁ、ごめん、クーナさん。世紀末って言うのはーー」

 

 

 

アフィンが説明をしようとした時。俺たちが目指している龍祭壇と浮遊大陸の境い目だと思うエリアの方で何か慌ただしい音をミミが拾う。

 

それから少ししてクーナさんも何か気づいたようだ。

 

 

「ーーで、胸に七つの傷を持つ男が…あれ?どうした?相棒?…それにクーナさんも」

 

俺とクーナさんの異変に気付いたのかアフィンが話をぶった切り、聞いてくる。

 

「…アフィン…俺たちが向かっている方向から何か聞こえる。…多分、戦ってる」

 

 

 

「…龍族とダーカーでしょうか。なら救援に向かいましょう。アークスの印象を良くしておかないと」

 

 

 

「俺もクーナの意見に賛成だ。アフィンは?」

 

 

 

「俺は二人に従うよ。もっとも、救える命は救わないとな!それがアークスってもんよ!」

 

 

そう言い俺はナノトランサーからホバーバイクを出して後ろに二人を乗せる。

 

 

スロットルをゆっくり広げ高度を上げてラダー、エルロン、エレベーターの動作をアフィンに見てもらい確認してもらい高度を1メートル前後あげて速度を上げる。

 

 

コイツの出力ならもっと上がる上に速度も出るらしいのだが今回は2人も乗っているため速度を出せない。

 

 

それでも歩く、走るよりは遥かに速い速度で検問所に向かった。

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「撃て撃て撃て!アフィン!ーーぐぁ!」

 

 

そう声をーー右手に持っている焔嗟を握りつつ左手でアフィンに敵を指差しーー上げて指示を出す。

 

 

その間もさっき見た新種ーープレディカーダはワープして俺の後ろに跳んで来る。

 

 

後ろから吹っ飛ばされるて地面に転がるがーー痛みを耐えーーられないので刀を地面に刺して立ち上がり、イテェ!と叫びながら、俺を吹っ飛ばしたカーダ相手に右下から左上に斬りあげる。

 

 

その後に首を水平に斬ってーー最後にコアに突き刺す。

 

 

コアから刀を抜き取り、一度刀を鞘に納めて、右手をライフルグリップを握る形にする。

 

するとライフルが右手に現れていつもの動作を行い、ライフルを左手でグリップを持ち、空いた右手で刀を握る。

 

ライフルを脇腹に挟んで出来うる限り固定してダーカーに向かって片手で撃つ。

 

 

 

「相棒っ!そんなんで当たるのかよっ!」

 

 

 

「龍族が襲われてんだ!助けない意味はないでしょ⁈」

 

 

 

「そうは言ってもこの数はーー」

 

 

 

『アークス 救援 感謝する しかし この数 無理がある』

 

 

「おいっ!そこの剣持ち!大型の龍族とか呼ばないのか⁈」

 

 

 

『ハ・ニガ様 や タ・ユギ様 は 現在 テリオトー 深部 に居る 救援は 期待 出来ない』

 

 

 

『手の空いている者 は 備え付け の ランチャー を使え 我らで 此処 を 守り抜け』

 

 

『ダーカー とやらは まだ 来るはず 今の内に より 強固に 守りを固めろ』

 

 

「アフィンは高台からーー高台に陣取っている龍族と一緒に撃ち下ろしてくれ。クーナと俺で前に出る」

 

 

「了解、他の龍族にも指示は?」

 

 

 

「アフィンの指示に従ってくれるやつだけでもいい。クーナさん、行けるよね?」

 

 

そう聞き終えるとアフィンは高台の上に向かって走っていく。

 

 

「もちろん。ーー私がこのくらいでバテるとでも?」

 

 

「…まぁ、そうは思ってないよ」

 

 

「それよりユウナさんの方こそ大丈夫ですか?そんなおっきな胸をぶら下げて」

 

 

 

「大きなお世話だ、それにこちとらスポーツブラやぞ。そう簡単に痛くはならない」

 

 

 

「…私の精一杯の場の上げ方をスルーですか…」

 

 

 

「それ人によっちゃ煽りにしかならんからな」

 

 

『アークスよ 我ら も 準備が 整った』

 

 

「おーけー、それじゃ、突撃かますか」

 

 

「ユウナさん、作戦とかは?」

 

 

「んなもん、会って数分の奴らに聞かせられるか。それに彼らも俺らが立てるより各々の判断の方が良いだろうよ」

 

 

 

『分かった 突撃 次第 各々の判断で 攻撃 で 宜しいか?』

 

 

 

「そうだ。それじゃ、頼むぜ」

 

 

 

『よし 今ここに いる 龍族よ レヤ・ハサマ の名に おいて 突撃を掛けろ!』

 

 

 

そう言う龍族を横に俺とクーナは走り出しダーカーに突撃を掛ける。

 

 

それから数歩して後ろに控える龍族も突撃を掛けた。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「ーー状況は⁈勝ってる⁈」

 

 

『現在 は 我等 が 優勢』

 

 

「今は勝ってるってさ!このままなら無事にーー」

 

 

「ーーアフィン!5時の方向!」

 

 

 

「おりゃぁ!」

 

 

 

「ーー勝って指定エリアに行けそうだな」

 

 

 

「…お、うん」

 

 

 

『アークス よ 此度 の 救援 感謝 する』

 

 

シールドや剣、ロッドらしき武器を持った龍族が次々に前に出て俺とクーナは国境検問所の方に下がる。

 

 

刀を鞘に収め背中に戻し、ライフルを単発モードにして龍族に当たらないように単発で撃つ。

 

 

高台から降りてきたアフィンもそれに釣られて俺が撃っている方向にライフルを向けーー向けただけで終わる。

 

 

「…龍族のD許容値範囲は……まだ…大丈夫みたいですね。ユウナさんはアンティを使えますか?」

 

 

 

そう言われてクーナの方を見るとーー複数のウィンドウを起動して周囲にいる龍族のD因子許容値を目で流している。

 

 

 

「あ、あぁ。確かナノトランサーに先輩だか同期だか忘れたが借りパクしちまったロッドがあったはずだから使える筈」

 

そう言い自分のデータ一覧を見て習得済みのフォトンアーツの欄で光系テクニックの一覧とエコーさんかテオドールかはたまた他の誰かからか借りたロッドをあるのを見てーー一通り習っていた事をクーナに伝える。

 

 

「分かりました。戦闘が終了次第ユウナさんと私、アフィンさんの手でソルアトマイザーを投げましょう。ユウナさんは先程言ったとおりアンティをお願いします」

 

 

 

「了解した」

 

 

 

「…ソルアトマイザーなんて俺持っていたっけな……あったわ」

 

 

そう言うアフィンを横にマガジンを抜き取り数発だけ撃ったマガジンにバラで持っている弾を装填しようと検問所の中に入ろうとした時。

 

 

ミミがなんだか良くない…言葉で表現出来ない変な何かを察知する。

 

 

「…ん?どうした、相棒。ミミをそんなに立てて。…それに尻尾も。相棒、触って良い?」

 

 

 

「…アフィン、今はそんな時じゃねぇ。と言うか…何か、変な感じとかしないか?」

 

 

 

「変な感じ?…いやぁ…無いわ」

 

 

 

「…クーナさんは?」

 

 

 

「いえ。今のところは」

 

 

 

「相棒、気の詰めすぎなんじゃ無いのか?今度…そうだな、クーナさんやマトイさんの3人で遊びにでもーー」

 

 

 

そこまでアフィンが喋るとーー少し離れたところに空間の切れ目と言うか仮面がワープしてくる時と似た様なモノーー黒い円が少し時間を置いて出来上がりーー中から。

 

 

 

「…アレは…っ!ハサマさん!至急前方の龍族に撤退命令を!」

 

中から出てきたソレに直ぐに反応し隣に居る龍族に撤退命令を出せと言ってくるが、ソレの口が開きーー黒いビームを発射。龍族ダーカーを巻き込み、更に検問所の端っこを貫通して空に一筋の黒い光が散る。

 

 

「あ、あれってヤベェ奴…?」

 

ソレを見たアフィンが小さく言うが俺も背中の刀に手を伸ばしーー。

 

 

「…多分超ヤベェ奴。んでアレがーー」

 

 

 

「ハドレット…‼︎」

 

クーナがそう言うと一人でハドレットと呼ばれるソレーーアークスの暗部が造ったとされる人造龍ーーと交戦に入る。

 

 

「もくーー言われちゃったよ…」

 

一人でハドレットに向かっていくクーナに対し俺とアフィンも方やライフルを、もう片方も刀を手に握りクーナの後を追う。

 

『我が 同胞 が … 一瞬で』

 

身体が白く大型の肉食恐竜の様に歩き目の前の龍族とダーカーに向かい攻撃を開始した。

 

 

「龍族はA.S.A.Pで退避!アレは私が殺りますっ!」

 

 

先に走るクーナが大声で龍族達に言うとーー大きくジャンプしてハドレットの頭にダガーを刺した。

 

 

「アフィンはケツを!どんな生き物でも6時方向は弱いはず!俺とクーナで前から狙う!」

 

 

 

「了解!」

 

 

そう言いアフィンは大きく円を描きハドレットのケツ方向へ。

 

 

俺はそのままクーナと同じように頭方向に向かいーー俺から見て右前脚に刀を突き刺し引き抜く。

 

 

「ユウナさん、アフィンさん!これが目標のーーハドレットです!」

 

 

そのまま一回転し地面に着陸、俺も引き抜いてクーナの横に並ぶ。

 

クーナを見たハドレットはーー一際大きな声で鳴きーーどこかに去っていった。

 

 

去っていくハドレットを見ながらクーナはその後を追いーー「なんで逃げたの?」と言うとても小さな言葉を発しーーハドレットもソレを聞いたのか、ワープホールを作りその中に消えていった。消えた場所を見ながらその場で座りーーハドレット、と消えた奴に掛ける。

 

 

 

「…あ、相棒…アレって…」

 

 

「…言うな。ああ言うのは詮索しちゃいけない奴なんだ。聞きたくてもな」

 

 

そう言い後ろにいる龍族に声を掛けられ本来の任務に戻るように指示。俺とアフィンはクーナの横に向かいこの後も任務を続けるかを聞きに向かった。

 

 




今からエッチいの書くから許して()

あっ、そうだ(唐突)Ep.オラクル終わったけど…こっちの終わる気配は全然無いです。こりゃ次の新クラスまでに終わるかな…。


戦闘シーンは捨てる事にするゾ。自分には荷が重すぎた…。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

115話目 一時帰還

実はと言うとモデルガンなんて持っていない。そもそもエアガンしかない。

ふと今の小説の自キャラの装備を考えたら…結構重くね?

背中 レンゴクトウ・エンサ&ロッド(ランク1から6の間のコモン)

腰 プロトレイ(ディムライフルの全部真っ黒ver)

足 ハンドガン

ゼルシウスの上にラーグバルバトス着てこの装備は無理がある。


 

 

 

「…で、今回交戦、したって言えるかどうかは別として。アレが今回の任務の目的の人造龍ハドレット、で良いんだよな?」

 

 

あの後一度検問所の龍族にも警戒態勢を引いてもらいさっき見た龍ーーハドレットを見た場合は至急アークスに連絡をするようにと言いそのまま前進。

 

 

既に着陸していた機体に3人とも乗り込みその中でこの後も任務を続けるかどうかを会議。結果今回のデータを確実に持ち帰る事を選択しそのまま離脱、オラクル船団に帰還した。

 

 

クーナは情報を上に確実に届けるために分かれる必要があるため集合場所ーーラフリに終わり次第来てくれと言い、さも当然の様に目の前で消えた。

 

 

もっともアフィンは「…本当に消えた」と言っていたがなんでか知らんが俺はどこに向かって歩いているとか何となくで分かる。これも多分ミミのせいだろう、そうに違いない。

 

 

 

それでその後こちらからもマグを提出し、データを上に報告、一足先に俺とアフィンでラフリで一服している。

 

 

 

しばらくするとーー私服を着たクーナが来たのでアフィンが手を振りもう既に居ることを気付かせる。

 

 

 

その後各々ーー俺とアフィンは飲み物だけは注文してあるのでメインである食い物ーー俺はホットドッグを。アフィンはいつもの様にステーキを。一方クーナさんはケーキセットを頼む。

 

 

 

それで来る間にーー冒頭の言葉が出たわけだ。

 

 

 

 

「はい。彼ーークローム・ドラゴンのハドレットの説得、それができない場合は…倒す任務ですね、今回の任務は」

 

 

 

「説得できそうな、と言うかそもそも話は通じるのか?見た感じ直ぐに襲ってきたけど…」

 

 

 

「…言語は理解できているはずです。もっとも発声は出来なかったはずですが」

 

 

そう言い切りーーなんで逃走なんてしたんだ、と小さな声がクーナの口から続けて聞こえる。

 

 

 

「…取り敢えず、会敵したら戦うしかないか…他に何か情報は?」

 

 

 

「龍祭壇でも見た通り彼はダーカーどころかその星の原生生物、それどころか私達オラクル船団の人まで食べる事がある、とか…」

 

 

 

「割と重要じゃねぇか!それ!」

 

 

 

「……ぇ、俺もしかしてヤベェ任務を相棒と一緒に渡されたパターン?」

 

 

 

「…取り敢えずサイズは分かった。…仕方ないからあの人達に力を借りるか」

 

 

 

「あの人達、ですか?」

 

 

 

「あぁ、総技部だ。俺がリリーパから持ってきた機体を使えるかどうかを電話で聞いてみるわ」

 

 

 

「そうか。確かにあのサイズならあのハドレットも!」

 

 

「…あ、班長さん?私です、ユウナです。えぇ、先日はお世話に…え?此方こそ?いえいえいえ、あの時班長達が居なかったら私だって死んで……はい、はい。あ、それは本当にありがとうございます。……はい、実はですね、私任務でちょっとヤバめな事になりまして…あの機体を借りれないかなぁって……ぇ?ダーカー襲撃で色々と問題発覚したから今はなんとも?嘘でしょ?」

 

 

「ーーダメかぁ…」

 

 

「……はい、え、出来るんですか?………確約は出来ない?わかりました、お願いします。ーー確約は出来ないけどやってみるって」

 

 

「あのロボットですか…確かに使えれば大幅な戦力アップですね」

 

 

「まぁ、確約は出来ないらしいから、あの機体による殴り合いはプランAで。無理な場合のプランBを考えておこう」

 

 

「ロボットによる攻撃が不可能って言うと…俺たちの手持ち武装で倒せるもんなのか?アレ」

 

 

 

「ハドレットはD因子濃度を実験のために許容範囲を越した量で、自我を失っている可能性が高いんです。それを私たちのフォトンの力で浄化出来ればーー」

 

 

「ーー正気に戻って戦闘をやめるってか?…本当かそりゃ?」

 

 

 

「た、多分ですが…」

 

 

 

「……はぁ……一層の事ゲームに習って落とし穴でも作って麻酔ボールでも投げるか?」

 

そう呟きオレは外を見る。

 

「相棒…そんな簡単に行くならオレ達にお呼びがかからないよ…」

 

 

外には大型のモニターにニュースやオラクル船団や各惑星の天気変動情報などが出ている。

 

 

「…ダメだ、全然案が出ない」

 

オレはジュースに入っていふストローを口に入れ口を動かし上げ下げする。

 

 

「…私もです。上の方にもっと情報を開示出来るかどうかを聞いてきます」

 

まだオレ達に言えない情報があんのか、と内心思いつつも頼むと言おうとした時。

 

「ーーお待たせしました、こちらホットドッグセットとステーキセットのaランチ、こちらがケーキセットのeセットになります。ごゆっくりぃー」

 

 

そう言いアフィンは早速きた肉にナイフを入れて直ぐ様にそれを口に放り込んでいる。

 

熱くて口を開けているアフィンを尻目にクーナさんの方を見て肯定の意味を込めて一言。

 

 

「頼むわ。……んじゃこれ食い終わった後どーするよ?」

 

 

 

「…そうですね。割りかし今回の任務で割と自由な権限を貰ったのでそこら辺をぶらぶらしようかと」

 

 

 

「…んっ…はぁ…ならオレ達と一緒に買い物に行かないか?なぁ、相棒。良いだろ?」

 

 

いや、確かに買い物にでも行けば何か案が出るかもしれないけど…だけどさ。

 

 

 

「良いけどさ…俺たちレンジャーだよ?近接のクーナさんが見て回っても面白いとは…」

 

 

それにあの時ーー公園みたいなエリアでの件があった為にイマイチ信用が出来ない。

 

 

「…いえ。暇なのでお二人について行きます」

 

 

 

「だってさ」

 

 

 

「……まぁ、うん。はい」

 

 

 

女になった所で女の子に対面で言うのはやっぱ無理だったわ。

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「…なんだこりゃ?」

 

 

 

「ガンスラッシュですよ。使った事は?」

 

 

 

「全然」

 

 

 

「相棒、何買えば良い?」

 

 

 

「アフィンはフォトンの比率が高い爆薬だな。間違っても通常の爆薬は買うんじゃねぇぞ?…そう言やターゲットの状態って?」

 

 

 

「…正直あの状態だとある程度ダメージを与えないと正気には戻らないような気がします」

 

 

 

「…まるで捕獲作戦だな。何か使えそうな物って無かったっけ?」

 

 

 

「アークスがダーカーを研究目的で捕獲する装置があった筈です。それの使用許可も貰ってきます」

 

 

 

「…あれ?その装置って転送装置だった気がするんだけど?違ったっけ?」

 

 

 

「…俺は使った事ないわ。と言うか見たこともないわ、その転送装置だか捕獲装置って奴」

 

 

 

「ユウナさんに説明するとですねーー」

 

 

 

クーナ曰くーー探索任務にて中型ダーカー及び大型ダーカーと交戦した場合、撃破か捕獲の2つに分かれるらしい。

 

 

ある程度になると1人から使える装備を使い捕獲できるのだが初心者ーー入りたてや捕獲をしたことの無いアークスに限り管制官が大型捕獲装置を転送、中心にフォトンで作られた擬似ヒューマンやニューマンを表示、エネミーの攻撃がそっちに移っている間に起動する、と言う感じらしい。

 

 

 

「ーーって言う装備があります。今回はユウナさん以外使い方知ってますし、初心者用の大型装置じゃ無い方で行きますか?」

 

 

 

 

「…今思ったんだけどプランBは捕獲の流れ見たいじゃん?」

 

 

 

「え?えぇ」

 

 

 

「今回の任務って可能なら説得して回収。無理なら撃破だよな?…あの様子だと無理じゃね?」

 

 

 

「ならロボットによる強襲をプランA、捕獲作戦はプランB、ロボットの使用不可、捕獲作戦も無理って場合のプランCを考えましょう」

 

 

 

「…また更にプラン重ねるのかよ…」

 

 

 

「プランAが可能ならそれに越したことはないんですがねぇ…」

 

 

 

「…所でクーナさん。さっきロボットって言ってましたけど…あの時って何処かで会いました?」

 

 

 

「いえ。知っている訳を知りたいならーーほら」

 

 

 

そう言いウィンドウを表示。こっちにと言い俺とアフィンがクーナの横に向かう。

 

 

 

そこには『遂に実用化⁈アークスの新戦力!』という見出しと共に整備士と大きく引いたアングルで撮ったと思われる写真が。…ご丁寧に俺の姿を消して。

 

 

 

「…この記事を書いたのはバベル派の奴だな、間違いない」

 

そう言い俺の横で見ているアフィンが決めつける。

 

 

「にしたってコレは露骨過ぎますからね。だからと言って上も止める訳でもなく…十中八九他の種族に置き換えて出るタイプですかね」

 

 

 

「ひでぇな本当。相棒もそう思うだろ?」

 

 

 

「……まぁ、いざとなったらアレに乗って暴れてやるわ」

 

 

 

「…私の所に来ない様にお願いしますね」

 

 

 

「……」

 

 

 

「…ぇ?どういう事です?クーナさん」

 

 

 

「……私なりのジョークよ、気にしないで」

 

 

 

その出で立ち且つステルス持ちがそんな事言ったらジョークに聞こえないんだよなぁ。

 

 

 

そんな事を思いつつ再度バラけてーー店内を物色する。

 

 

今俺たちがいるショップーーヤスミノコフ系列の店らしいが…なんか、前世で見知った様な形の物が多い。

 

 

 

特にこのヤスミノコフ2000Hなんて…。

 

 

「45口径じゃないか。…かの有名な」

 

 

 

そう言い店内に飾ってあるソレーーM1911を手に取る。

 

 

グリップ横のマグキャッチボタンを押して中身を下に落とし、手の中に。

 

 

マガジン内部には実弾を催しつつーーけつ部分に撃針が当たった様な凹みがある。

 

 

店主に聞くと小声で「なんか臭うと思ったらビーストかよ、獣臭ぇ」と言われたもののそのビーストたる由縁のミミがバッチリその声を捉えてしまう。

 

 

言った事を聞こえないフリをしつつ、これは試し撃ちできるのかを聞いたら中に入っているのは弾を催した物らしい。本物を撃ちたきゃアークスカードを見せろとも。

 

 

初手侮辱したこの野郎に身体が震えつつ足についているハンドガンで撃ち殺したろかと思いつつ渋々自分のを見せる。

 

 

 

「……確認した。コレがヤスミノコフ2000Hだ。後ろの射撃スペースで撃ってみてくれ。ーー弾は払えよ?」

 

 

そう言いハンドガン用のケースを何処からか取り出す。

 

 

んだよ、弾代は自前かよ。

 

 

そう思いつつ合う弾を見繕ってもらい、後ろの射撃スペースへ。

 

 

ふと二人ーーアフィンとクーナはどこに?と思い周りを見渡すがーー居ない。

 

 

 

クーナは兎も角アフィンはちゃんと爆薬を買ったんだろうか?

 

 

と頭の中で思いながら射撃スペースに向かうとーー。

 

 

 

「もうちょい上…そこです」

 

 

 

バシュ、バシュ、と両手で保持するランチャーを撃つアフィン。その隣でアフィンに指示を出すクーナ。

 

 

ランチャーのマガジンには青文字でH.Eと言う文字が逆さで書かれている。

 

 

「…ちょい下…ちょい左…そこです」

 

 

「……だぁぁぁ!ダメだ、俺にはランチャーは無理だコレ…」

 

 

そう言い両手で持っていたランチャーをテーブルの上に置くアフィン。

 

 

 

「まぁ、フォトンが補助してくれるとはいえ射撃は射手の技量によりますからね」

 

 

 

「弾道が読めなくてキツイわ…ソレに腰だめって言うのもなぁ…」

 

 

そう言いつつアフィンはランチャー本体から大型のマガジンを外し横に置く。

 

 

 

「…ユウナさんも試し撃ちですか?」

 

 

 

「んぁ?あぁ。コレをね」

 

 

 

そう言いアフィンとクーナの居る場所の隣に席を取りガンケースを開ける。

 

 

2つ付いている蓋を外しーー中身を開ける。

 

 

中にはーー前世と呼んでいいのかわからないがーーにて結構頻度で触ったことのあるガバメントに似た銃が入っている。

 

 

 

触った通りにマガジンキャッチボタンも同じだしぱっと見同じに見える。

 

 

マガジンキャッチボタンを押しマガジンを排出。その状態でサムセーフティを下にして解除。スライドを引き切り、スライドストップが上部スライドの切り欠きに引っかかるのも確認する。

 

 

その状態でわざわざ試射用に購入したマガジン2つを装填してスライドストップを下にして解除する。

 

 

スライドが前進してマガジン内のバネにより上にテンションが掛かっている弾をスライド後部が薬室内に押し込むのと同時にエキストラクターが弾の後部の凹んでいる所に噛み込む。

 

 

両手で持ってダーカーを催したホログラムに向かってトリガーを引く。

 

 

ファイアリングピンーー撃針が弾のケツを叩きカートリッジ中で爆発、先端部分だけがバレル内部に沿って真っ直ぐ進んでいく。

 

 

爆発の反動でスライドとエキストラクターにケツを噛まれた薬莢が後退してはエジェクションポートーー排莢孔横にあるエジェクターが噛まれた薬莢をエジェクションポートから外に放り出す。

 

 

バレル内から飛び出た弾頭は風の影響の無い室内の為真っ直ぐ進みーーダーカーの頭に当たる。

 

 

「……減音機が欲しいな…」

 

 

そう呟き自分のミ耳を触る。いかんせんコレは便利であるがでかい音は苦手である。

 

 

そう言う意味では減音機ーーサイレンサーだかサプレッサーも候補には入る。

 

 

一時期付けていたヘッドアクセ…付けるの面倒だったけどつけ直すべきだろうか?

 

 

そう思いつつもハンドガンの練習がてら撃ち尽くした。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

「…これ、返すわ」

 

そう言い店主にテキトーにケース内に放り込んだガバメント入りガンケースを返す。

 

「…そうかい。ほかに用は?」

 

そう言う店主。何か無いかと店内を見渡すとーー店主の裏のラックにあるものが見えた。

 

「…んじゃアレは試せる?」

 

そう言い視線と人差し指の先にあるハンドガン、ではなくリボルバーらしき銃を見る。

 

 

「…ほら。試してみな。ーーあぁ、コイツはマガジン入らない。コイツはフォトン弾を使う」

 

弾は?と言おうとしたら先に店主に言われる。なんだ、そのフォトン弾って?

 

「フォトン弾?なんだいそりゃ?」

 

「コイツは適正がちと合ってな。一定のフォトンを使える能力が無いと完全に、とはいかないが使いにくいらしい。ーー最もあんたは第8世代だ、関係ないだろうがね」

 

「…フォトン弾って?」

 

 

「ダーカーが嫌がる弾のことだよ、お勉強しなかったのか?さぉ、いった、いった!ーービーストとお話しするほど暇じゃねぇんだ」

 

そう言いガンケースに入ったソレを受け取りもう一度射撃スペースに。

 

あんのクソ店主め、俺が俺じゃなかったら撃たれてたぞくそがっ。

 

 

と今日何度目から分からない悪態をつきつつガンケース片手に射撃スペースに向かう。

 

一方の2人はーーアフォンはマガジンを選んでいる。まぁアークスの支給品は使いやすいけど痛いところに手が届かないからなぁ…だから俺もジグさんのプロトレイを使っているわけだし。

 

ちなみにクーナさんは飽きたのか休憩エリアでお菓子を食っていた。

 

もう少し時間が掛かると言う旨を伝えると、「私もこう言う事は初めてで楽しいので。時間をかけても大丈夫ですよ」とと言われた。

 

 

こう言う事ってどう言う事だ?と思いつつクーナの横を通り

射撃スペースの扉を開ける。

 

 

 

…そう言やアフィンはフォトン爆薬買ったのだろうか?

 

 

 

そんな事を縁で考えつつ、取り敢えず撃ってみてからで良いや、とリボルバーのH10ミズーリ.Sが入っているガンケースを開けた。

 

 




オーブがある武器に限ってピュラスに交換できて本命に限り素材が無い。あると思います()

銃に関するアレはガバガバなので許して。…ガバメントだけに。

ヤスミノコフのやべぇー奴にトラウマ植え付けられてソレが蒸し返って発狂してクーナとアフィンに落ち着かせられるシーンでも入れようかと思ったけど面倒だからやめた。多分記憶から消えたんでしょう。

エルフは可愛い。ミミと尻尾の生えた獣人(?(獣化度Lv1)も可愛い。つまりソレらを足したら更に可愛い。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

116話目

いつか全面改修を行いたい(未定)あっ、誤字報告ありがとうございます、改修は未定なので…その、ね?


 

 

 

それからと言うもの3人で行動しつつアムドゥスキアを回るものの…遭遇はするものの少し交戦すると去っていくハドレット。

 

 

 

これにアフィンが業をなし一度クーナを機体に置いて上空待機させ、出現率の高いエリアを俺とアフィンの2人で重点的に探した。

 

 

だがその場合は会うことすら出来ずーー。

 

 

 

「ーープランAとCはムリ!と言うかそもそも会えねぇし交戦したら逃げやがるっ!んだあの龍!」

 

 

そう俺はテーブルに突っ伏し、「うぁぁぁ、もうやだなぁ。このオーダー抜けたい」と続ける。

 

 

最も前金は貰ってしまった上に追加報酬も有りときた。これで任務先に行ったらアフィンとクーナでも攻撃(騙し悪いが)されたら俺はブチ切れていたかもしれない。…だってまだ数ヶ月程度しかいないからな、ここに。

 

 

 

「…取り敢えずあのハドレットがクーナさんを好きなのは分かった。……それこそクーナさんが居ないと出てこないレベルに」

 

そう言いオーダー前に2人ーーマトイとデュケットに言った「こんなオーダーはすぐ終わるから」と言う言葉を思い出す。今思えば十分に死亡フラグだったなと。

 

そう思い返しながら手に持つアイスをそのまま口に持って行き一口、いや、三口ほど頬張る。

 

 

 

「…そもそもユウナさん、プランAは兎も角、Cの方は捕獲装置の使用許可の認証がおりませんでしたので…その、はい、うん」

 

そう言い下を向くクーナ。あの時のアレが無ければなぁと心の中で思うわ。お陰で警戒心が未だにマックスだよ。解けないよ。

 

そう思いながらもーー次のプランを考える。地道に捜索するプランAはクーナが居ないと見つからないし、そもそも見つけても逃げられる。Cはそもそも使用許可が降りない。となるとーー。

 

「…もうダメだ、あの機体を使うしかねぇ」

 

 

「使うって言ったって…修理は済んだのか?」

 

 

 

「メールが届いて機体の修復は完了、武装の方もテストする為に追加されたみたいだ、暇な時に寄れだってさ。…何ならこの後3人で行く?」

 

 

 

そう言いクーナの方を見る。

 

 

「…ぇ、でも総技部って確か機密性が高くて…その、私のセキュリティクリアランスでも中々行けない場所何ですが…大丈夫なのですが?私がついていっても?」

 

 

 

「…セキュリティクリアランスってなんだ?」

 

 

 

「やべぇ情報を扱う資格の筈。…相棒、アークスってそんなにセキュリティガチガチだったか?」

 

 

「…表しか見てないけどそんなガチガチって事は…」

 

 

 

「…ぇ?そもそも私以外のアークスに会うのも許可が必要って私は…上の方から聞いたのですが…」

 

 

「…なんで他の人と会うのに許可が必要なんだ?」

 

 

「…私の性質上他人に会うのは良い事ではないらしいので」

 

 

 

「でも今俺達と会ってんじゃん」

 

 

 

「それは任務でーー」

 

 

 

「デブリーフィングだから今日の任務は終わり。つまり今は自由時間だから任務は関係ないよ」

 

 

「…そうでしょうか?」

 

 

「そうでしょう。…なぁ、アフィン」

 

 

「あぁ、そうだ。関係無いな。なんなら相棒が責任を取ってくれるよ」

 

 

「おまっ、お前も責任取るんだよ!…いや、違うからな?決して変な意味じゃ…」

 

 

俺の言葉にアフィンが反応し、んじゃ責任とるわ!と言いながらケラケラ笑う。それを見たクーナもクスッと声が漏れたのをミミが拾う。

 

 

「…まぁ、兎も角アレだ。許可が必要ならテキトーにでっち上げて…あの機体の実地試験って事で」

 

 

 

「…それだとハドレットと戦う意味がないのでは?それにアレはユウナさん達が奪取したものだから戦闘にも耐えるので実地試験の意味も無いのでは?」

 

 

 

「違う違う。…そうだな、これでハドレットとの戦闘で捕獲できたら軍も使う程器用という事でオラクル船団内の重労働にも使えるって事になるだろう。それに改めて戦闘に耐えるほど使えるなら重工業や特殊車両の代わりになるかもしれないし」

 

軍と言う発言にアフィンが首を傾げているがそれをスルーしてクーナに話を向ける。

 

「…相棒、本当は?」

 

首を傾げつつアフィンが口を開く。

 

「人と同時に働く大型ロボットが見たい」

 

 

 

「…フルキャストじゃダメなんですか?」

 

クーナに言われ頭に浮かぶはジグさんにリサさん。珍しいと言えば珍しいがいないと言うわけではない。珍しいって意味では俺の種族の方が余程珍しい。

 

「…違うんだ、違うんだよ。ロボットとフルキャストは。そもそもキャストは人じゃん」

 

 

 

「いや、一緒じゃん。ロボットも人っていう生き物が載っていて、キャストは人の身体に機械のパーツか機械の体に生体パーツ'かの違いだろ?」

 

 

「違うんだ…ッ、違うんだよ…ッ」

 

そう言い握り拳を作りながら、ある意味アフィンの言う事も一理あると言う考えが頭に残る。

 

 

「…ユウナさんとアフィンさん。その…そろそろ行きませんか?」

 

 

だが、だが、違うんだ。と言おうとした時。クーナさんが俺とアフィンの話に飽きたのか総技部に向かおうと迫る。

 

 

「…別に良いけど…言っといてなんだけど、移動手段ってある?」

 

 

 

「…車、アフィン持ってなかったっけ?」

 

 

「あぁ、言ってもお古だけど」

 

 

 

「それで良いです。早く行きましょう。時間は早い方がいいですから」

 

 

「俺も久しぶりに見たいし…行くか、アフィンの運転で」

 

 

「運転って言ったって…殆どオートだぞ」

 

 

「そうは言っても運転席に座るのはアフィンだ、頼むぞ」

 

 

「…はいはい、分かりましたよ…」

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

運転席に座り目的地をオートドライバーに入力し、動き出して早数分ーー後ろの方で丁寧に時間を掛けて尻尾の位置を調整した結果ーー腕を胸の下で組みながらすぅすぅと息を立てて寝ている相棒をバックミラー越しに見ながら前を見る。

 

 

フロントガラスに表示されるデジタルメーターとフォトン燃料のゲージ、車の角度、包囲、タイヤの向き、道路の進行角度などが視界を邪魔しない程度に雑多に表示されている。最も俺自身が運転しない為無意味に等しいが。

 

 

 

「…アフィンさんはユウナさんの事をどう思っているんですか?」

 

 

前見ながらぼーっとしているとユウナの隣に座ったクーナさんに声を投げかけられる。

 

 

 

「どうって…そりゃ、相棒ですよ、そう呼んでますし」

 

 

「…そう」

 

 

そう言いシーンとーー対向車や追い抜く車のエンジン音、ユウナの寝息以外が聞こえなくなる。

 

 

「…」

 

 

 

「…クーナさん」

 

 

 

「はい?なんでしょうか?」

 

 

 

「…クーナさんはアークス所属なんですよね?」

 

 

 

「………えぇ、一応は。アークス内の別の組織に所属しています」

 

 

 

「別だって?」

 

 

 

「すいません、これ以上は…」

 

 

そう言い話を切り上げるクーナさん。多分だが本人也の優したって言うやつなんだろう。

 

 

そう思い込みーー椅子を再度前に向けた。

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

「ーーぼう!ほらっ!ーーめだ、クーナさん、頼めます?」

 

 

 

「ほら。ユウナさん?着きましたよ。目を開けてください」

 

 

 

「…んぁ…着いたぁ…?…着いたの、かぁ…」

 

 

 

案の定と言うかなんと言うか。言うほど離れていたわけでは無い筈なのにいつのまにか寝てしまっていたらしい。

 

 

 

「起きましたね?アフィンさん。ユウナさんが起きましたよ?」

 

 

 

「相棒、総技部に着いたぞ。早く降りて使用許可を貰ってこようぜ」

 

 

 

そう2人に言われ車を降りて受付を済ませるためにメインホールをくぐった。

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「これが例の…」

 

 

 

「そうだよ、クーナさん。相棒と俺で掻っ攫ってきたロボットだ!」

 

 

そう言い2人が機体を見上げているがーー外見が色々と変わっている事にぱっと見で気が付いた。

 

 

 

まず肩が首を覆う用に大型化。それに伴ってかウェポンラックと言うべきかハードポイントと言うべきか…それが大型化した両肩に2基ずつ計4基が付いている。

 

腕の方もよく見たら俺から見て右手側に何か変なーー武装か何か分からないがエネルギータンクらしき物も見える。その先には大型の銃口も。

 

 

技師の間を縫って側面に回るとーー他にも違いがあった。背部になんかよく分からない大型のユニットが付いている。もしかしてアレはーー。

 

 

 

「コックピットなのか?」

 

 

 

仮のコックピット部から伸びるブースターユニットらしき物もある。

 

 

一目でわかったのはそのくらいだろうか?

 

 

 

「相棒!なんか色々と変わってんな!」

 

 

「えぇ。アフィンさんの言う通りです。データベースで見た機体と少々…その、違う様な気がしますが」

 

 

 

「いや、クーナさん、よく見てくれ。機体の頭部は同じだろう?」

 

 

 

「そうですか?ここからでは…うぅん?」

 

 

唸るクーナを見ていると技師達が何かと忙しくなり始めた。それから少し経つと強襲時によく聞いた声をミミが捉える。

 

 

 

「あら!ユウナさんじゃないの!よく来たねぇ!」

 

 

上から聞こえてきてその方向に向くとーー三階の手すり部分、そこに副班長が居るのが見える。序でに彼等にメットを渡せとも。

 

 

「ええっと、班長さんは?」

 

 

 

「班長?班長ならもうそろそろしたら来ると思うよ?ーーそれよりも見てくれ!お連れさんも!」

 

 

そう言い3つ持ったメットを俺たちに渡しーーミミの有る俺はどう付けろと視線を送るもスルーされ、手に持つスパナらしき物を機体に向けてどうだい!と言い放つ。

 

 

 

「人型兵器を戦力化する為の予算が本格的に降りた!これもユウナさんがあの時避難民を護衛してくれたおかげだ!」

 

 

 

「…いえ、そのぉ…お、私も乗れて楽しかったですし…その、メットを被ーー」

 

 

 

「ーー予算がちょー降りたおかげでコイツを基にアークスが狩る専用兵器を作ることができる。んが、しかしーー」

 

被れない、と言いたかったが被せられてしまった。被せるのはメットだけにしてくれ、そう思いながらミミを手で畳んで被ろうとした時、他の技師がやけに縦に長いメットを渡してきた。

 

 

「何も1からは無理って事でぇ!コイツを実験機に使うことにしましたぁ!ーーあ、実験機と言っても使われる武装は全て実戦を想定した物が多いからそこは心配しないでくれたまえよ」

 

 

副班長が話を続けるが、俺はこの縦に長いメットを見て…おぉ、ミミを立てたまま入る、と言うことに感動しつつ、これ何かしら当たって中で反響したらヤバくね?とも。

 

 

 

「は、はぁ…」

 

 

 

「いやぁ!ユウナさん達はいい物を取ってきてくれたよ。上は戦術上コイツと同じ10メートル、又は8メートル程まで出来ればダウンサイジングしてくれって来たが…まぁ、今の設計図だと十二分に行ける筈だ。ーー戦闘時間が犠牲になるが」

 

 

 

いま何か明らかに聞き捨てならない言葉が聞こえんだが。2人を見るとえっていう顔をしているし。

 

 

 

「…えっとその…「副班長って呼んでくれ。その方がここに居る奴等も分かりやすいからな」…はい。では副班長さん、戦闘時間が犠牲になるとは一体?」

 

そんなことを思っていたらクーナさんが突っ込んで言った。

 

 

「そのことかい。簡単なことさ。ダーカー因子は万物ーー有機類無機類関係無く侵食する。これは3人ともアークスだから分かっているよな?」

 

 

うんと頷く2人に遅れ俺も急いで頭を上下に振る。そんな事より幾ら新機軸の機体だからって戦闘可能時間が数分もないのはNGで。探すだけで終わるわ。

 

 

「…1人怪しいのがいるが…んでそのダーカー因子を浄化出来るのがフォトン、普遍的にーーそれこそ宇宙が出来た時からあるモノだ。このフォトンによってダーカー因子は浄化出来る。がしかしーー」

 

「ーーフォトンを扱えるのは決まって我らヒューマン、ニューマン、ビーストの三種族だけ。ーーキャストはそもそも元は人だから数えないぞ?んでダーカー因子はさっき言った様に有機類、無機類を侵食する。がフォトンが少しでもあれば侵食速度は遅くなり、一定以上あれば抗体となる。ーーここまでは良いか?」

 

俺が頷くより先に2人が首を縦に振り話を先に続ける。

 

 

「ーーよし。じゃぁ質問だ。俺たち総技部も色々と頑張ってはいるが流石に無機物にフォトンを授けるのは無理だ。さて…オラクル船団の至る所にあるガンターレットやフォトンサークル…アレらがダーカー因子に侵食されたら?」

 

「…ダーカー因子を振り撒くダーカー側の兵器になる、でしたよね?」

 

俺が答えないでいるとクーナさんが答えを出す。さっきの話だと無機類にはフォトンを授けれないらしいが…それじゃフォトンサークルって何なんだよ。

 

「そうだ。そこの青髪の娘さんのいう通りだ。んで今こう思ったろ?何でフォトンを使う兵器なのに侵食されるのかって?」

 

「答えは簡単だ。私達ヒューマンとその他の種族の使うフォトンと無機物を介して使うフォトンは別物だって事がな。1番良い例がアレーーガトリングトーチだ。適性のない人が乗ると只の銃座だが適性があるやつが乗るとあら不思議。ダーカーをミンチよりヒデェ状態に持っていけるんだ」

 

「つまり…私達フォトン適性のある者が乗らないと侵食を…ゆっくりと受けてしまうって事ですね?」

 

「正解だ。んで戦闘時間の減少の話に戻るが…流石にあのサイズになると受ける量も半端ではない。それを打開するためにあの機体には新型の小型高出力の試作型のフォトニック複合リアクターが安全マージン高めに取って3基装備してある。これは本来なら2基か更に高性能なリアクターなら1基なんだか…1基だけだと戦闘用出力まで回すと結構ギリギリでな…」

 

「…ダーカー因子の危険性が篦棒に高い戦場だと…多分持って6分くらいだな」

 

 

 

「ろっ…っ⁈実質マトモに戦えない様なもんじゃ無いですか⁈」

 

 

「まてまて。さっき言ったろ?リアクターが1基だと戦闘出力で6分だ。だがそれが2基なら?倍にはならないが…そうだな、10分位は持つ筈だ」

 

「…つまりあの実験機は3基のリアクターを載せているから…10分以上は戦えるって事ですね?」

 

「そうだ。最も更に高出力のリアクターの開発が終われば戦闘時間も伸びるが…今のリアクターだとこれが限界って所だな」

 

「…って言うと20分ちょっとしか動かせないってことか?」

 

「いんや、そこのニューマンの言っている事は合っていて合ってない。その時間は戦闘出力だ。武装にエネルギーを供給しない通常モードならそれそこ木っ端微塵にならない限り半永久的に持つ。ーー1基のモデルでもな」

 

「それじゃその通常モードで戦えばーー」

 

 

 

「そんな質問も来るだろうと思っていたよ。良いか?装甲に関しちゃ問題は無い。アークスが乗った時点でフォトンで守られているも同然だからな。問題は武装にエネルギーが向かわないようにしているんだ。なんでかって?簡単な事さ、今現在作っている試作のS.マシンガンは弾丸を自己生産するシステムを組み込んでいてな?其奴を動かすの莫大なエネルギーが必要なんだ、それで撃たないんだ」

 

「他にも試作のレンジャーのフォトンスフィアに似た武装を作ろうとしているんだけど…武装の方が持たなくてな…」

 

「本来ならここから更に搭乗者のフォトン適性率で性能が変動する様にって案もあるには有るが…性能差が出る兵器をアークスは採用したがらなくってね。仕方なく最低ラインに合わせる設計で現在は試作機を製造中だ。ーー我々としては双発にして安全性を高めたいがね」

 

 

そう言い機体を見る副班長。それを聞いた2人も同じ様に機体を見る。一方の俺は実体剣でも待たせれば良いのにって思っていた。

 

 

 

「…さて。お話はこのくらいにして。ユウナさん、何個かの武装は更に改造を重ねたし…いっちょ乗ってく?ついでに問題点も洗ってほしい」

 

 

そう言い副班長は機体を親指で指してーー俺に聞いてくる。




この二次創作が終わるか、pso2が終わるか。…どっちだと思う?

俺はハードでアレサの中から初代W.Gが来るのかと思ってました(AC2みたいな)

もういっそ色々と端折りたい。


次?…惑星のサーバーが正常になったらかな()


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

117話目

エメルとエクゼクルとヴァルナが足りなくてスティル2本目が作れない。


9月10月にはもっとヤベーの実装されてんだろうなぁ…


 

「おい見ろよ相棒!クーナさんだぞ!クーナさん!」

 

 

「…いやぁ…見ろって言われてもなぁ…」

 

そう言いショップエリアの大型モニターにクーナのMVが流れるが…どうしてもあの日見たアイドルクーナが変身したアサシンクーナ…いや、逆かもしれないが、それのお陰でアイドルとして見られない。そもそも任務中の言動からは考えられないアイドル時を見てーー内心彼女は二重人格なんじゃないかと疑い始めている。

 

「…っ…」

 

 

そんな事を思っていたらブルって来た。トイレだこれ。

 

辺りを見渡し周辺にトイレがないかを確認する為にマップを開く。

 

 

「ん?どうした相棒?」

 

 

「…すまん、ちょっとトイレに」

 

 

「…分かった。トイレは…まぁ、一緒に着いて行くよ」

 

 

「いや、お前は此処でクーナのMV見てなくて良いのか?ーーあぁ、いや、なんでもない。漏れそうだからさっさと行くぞ、男と違って延長ケーブルがこちとらねぇんだ」

 

 

「ちょ、相棒!何を言ってんだよ!ーー因みに後で買うから何度でも見れるし」

 

そう言うも小声で「どうせなら出来る限り相棒と一緒に居たいし」というのも聞き取る。

 

「んで。トイレは何処だ?あっちか?」

 

そう言いながら。そういやアフィンは俺の事が好きだったんだなぁ、と今更思い出す。

 

 

「…ほら。さっさとトイレに行くぞ。ーー違うそっちじゃない、あっちだ、あっち!ーーあーもう、相棒!付いて来い!」

 

そう言い俺の手を握られーー。

 

 

「あ、あぁ…」

 

 

 

そう言い俺の手を握ったアフィンはショップエリアの少し離れたトイレに向かった。

 

 

どうあがいても常識的に考えて入れないからとアフィンをトイレ前で待機させて俺は奥まった場所にある女性用トイレに入る。未だにならないトイレにビクつきつつ、只の大だ、と自分に言い聞かせ個室に入り鍵を閉める。

 

前の世界で見知っている普通のーー細部を見れば違うかもしれないがーー洋式トイレに座る。

 

戦闘用の服装であるラーグバルバトスでは無く私服ーー長めのスカートの下にズボンーーを下におろしシマシマのパンツも下ろし、便座に座りトイレットペーパーの台の上に手の踵を置き顎に手を当てる。

 

 

(…デュケット…俺に他のパンツも買えっていうが…あんな所余り入りたくねぇよなぁ…未だ慣れてねぇし…そもそも高いし。幾らアークスが高給取りって言ったってあんなの買ってたら無くなっちまうよなぁ…カネが)

 

 

幸いなことにあの機体を持ってきた事で上から降りたお金は未だある。十二分にあるが…今はジグさんの弾とアークスの共通弾を使っているから良いものを弾丸まで手を出しだら間違いなく逆鞘になる。

 

 

(…今の弾丸でもどうにかなってるから…今のところは大丈夫か…)

 

 

 

ちょろろろ…と便座の水面の手前部分に尿が流れ水溜りに流れていく。

 

 

ペーパーを多めに取って優しく拭き取りズボンとスカートを上げてトイレ出ると入り口付近にいた筈のアフィンが居ない。さてどこに言ったのかと周りを見渡したらーー珍しい事にリサさんとアフィンが少し離れた椅子に座って話をしていた。

 

 

ミミを清ますと…あの子を守ってやりなさい、だの、あの子を落とすのは難しいですよ、等話し合っているのが分かる。

 

 

 

あの子って…まぁ、俺の事…だよなぁ…。

 

 

なんて事を思っていたらリサさんと特徴的な目と言うカメラアイと言うか…兎に角赤い目がこっちを凝視、すると「でわでわぁ!私は邪魔者なので何処かにさりますねぇ〜?」と言い放ちゲートエリアに向かう転送装置に向かって行った。

 

 

リサさんの突然の反応に困りつつ、直ぐに俺を見つけこっちに駆け寄ってくるアフィン。

 

 

 

「アフィンがリサさんと話すなんて…俺ぁ驚いたわ」

 

 

 

「いやいや、リサさんはレンジャーとガンナーの創設者みたいな人だよ?色々教わったりするから割りかし皆んな話すと思うよ?でもーー」

 

まぁ確かに銃器に関して言えばリサさんの話とかは分かりやすい、フルキャスト特有なのかリサさんが時折居る射撃場ではレンジャーの人達がこぞって話を聞きに言ったり講義会みたいなのをやっていたりするのを見るし。

 

「ーー初見の人がちょっと特殊な人って印象を付けるけど」

 

 

「ま、まぁそうだな、確かにその…少しーーいや、だいぶアレな人だけど」

 

でも各企業からの新製品のトライアルを任されていたりで其処はレンジャーを代表する人だなとも。前にこのライフルをーーあれ、なんか其処で怖い目にあったような…?

 

 

「でも射撃の腕は頭おかしいレベルだぜ?見たか?リサさんのマンターゲットヒット。全て頭と胴体にツータップだぜ?アレで冗談なのか人を撃ちたい、なんて言われたら俺でも怖がるよ。ーーあれ?聞いてる?」

 

考え始めようでした時、アフィンからの声で意識がこっちに戻る。

 

「…ぁ、まぁそりゃそうだ、俺だって怖いし。ーー所でアフィン、なんでリサさんと話を?」

 

 

 

「ぁ⁈い、いやぁ…まぁ、レンジャーとして?少し技術を教わろうかと…」

 

 

そう言い視線を目ではなく額の方に感じる。まさか…?

 

 

 

「嘘、か?」

 

 

 

「えっ⁈い、いや、ホントだよ、ホント!」

 

 

 

「…じゃぁなんでフルキャストのリサさんがトイレ近くに?必要ないでしょ?…多分」

 

因みに今はこう言ってるが後で調べたらトイレも出来るらしい。機械だけど機械じゃないのか。

 

 

「……じ、じつは…」

 

 

 

相棒がトイレに行ったから…トイレから離れたところにベンチがあっただろう?其処に座って待ってようかと思って座ってたんだよ。そしたらその…俺より少し年上の先輩アークス達が来て私達と任務に行かないかって誘われて…んで、先約があるし相棒を待ってるからごめんなさい、って言ったら…。

 

 

 

「やめときなさいよ、そんなケモノ臭いメスイヌ。私達ニューマンと一緒に行きましょ?」

 

「そうよ、そうよ!君みたいなニューマンはあんなケモノと合わないんだって!あのケモノも内心思ってるかもよ?『私には合わないから』って」

 

 

って言われて…俺、その…すっごく悔しくて…ぶん殴ろうかと思ったけど、とてもじゃないけど敵わないから…でも本当に悔しくて…。

 

「…いえ。それでも僕は彼女とバディ組んでいるんで。もう少したったら任務も入るので、誘ってくれたのは感謝しますが今は結構です」

 

 

「ダメよダメ!さっきも言ったけど貴方はニューマンなのよ?せめてあのケモノ以外の種族にしなさいな。ーーいや、種族なんてコトバ、ビーストには過ぎたコトバね」

 

 

そう相棒の事を言われ頭に来て、握った手で目の前のアークスを殴ろうかと思った時に銃声がして先輩達の足元に6発の弾痕ができたんだ。

 

 

それに驚いて先輩アークス達が下がったらすっごい遠くから俺の通信機に『あらあら、面白いことになってますねぇ〜?』って言う独特の声が聴こえてーー。

 

 

「…んでリサさんが登場したと」

 

 

「あ、あぁ…その通りだ。お、俺それにビビってさ…その場に尻餅ついちまったぜ」

 

ショップエリアの中央にある噴水の見える位置にある椅子に座りアフィンの話を聞く。ブチ切れて殴ろうとした癖に目の前に弾痕出来たら知り待ちするのか…俺なら漏らすかもしれない。今さっきトイレに行ってきたけど。

 

 

「…まぁ、切れて殴ろうとしたのは置いておいて。そりゃ目の前に弾痕できりゃそうなるわ。しかも船団の中で。オラクルの中じゃフォトン系列の武器は基本使えない筈じゃねぇのかよ…んで、その後は?」

 

 

「先輩達、バベルに所属しているらしくてずっとリサさんが来てからもビーストの事罵ってたよ…余り言いたくない言葉で」

 

 

 

「……」

 

 

 

「…ち、因みにだけど…き、聞く?」

 

なんでんな事俺に聞かせんだよ、なんて思ったが一瞬アフィンのズボンを見てなんとなく理解する。あぁ、またこれか、と。

 

 

「…余り女が聞くべき話では無い様な気がするが…内容はどんなのだ?」

 

 

 

「ビーストは家畜だのペットだのまぁ普遍的なバベルの奴らと一緒だな。他には…その…」

 

 

「んだよ、言えよ」

 

 

「…耳ちょっと良い?」

 

 

そう言われたので顔を近付ける。するとアフィンはどっちに話すの考えて耳の方に近づけてその先を言う。

 

 

 

「………」

 

 

 

「…は?なえ…は?」

 

 

 

「…その、ビーストってフォトン適性で言えばニューマンやヒューマンのいいとこ取りをした上位互換なんだよ、ヒューマンやニューマンの適性に足してビーストが追加されるかり以上にフォトンを扱えるから先輩達曰く『オスは滅ぼしてメスだけを…その…な?」

 

 

「…もうヤダこの船、理論的に蛮族じゃん、中世じゃん、ヤダこの船団降りたい」

 

申し訳無いがそういうのはそういうゲームで頼むわ。

 

「ち、中世…?…まぁ、相棒が船を降りるなら俺も…」

 

そもそも降りてどこに行くんだよと。言ったことのある星なんてナベリウスにアムディスキア、リリーパしかねぇぞ?

 

「アフィンには弟がいるんじゃ…?と言うか降りたらもう1人付いてくるぞ?」

 

一瞬デュケットの事が気になったが…まぁ、彼女にも家族がいるだろうし、まぁ、付いてこないわなと。

 

「マトイさんか?俺は別に良いぞ?それに俺の弟は俺以上に優秀なんだ、きっとどうにかするさ」

 

 

「…まぁ、とりあえずアフィンが俺のことを酷く言われてキレたのは分かった。…前も言ったがそんな好きか?」

 

ベンチから立ち上がり噴水の方へ。アフィンも同じくベンチから離れる。

 

 

「おう、俺からしたらニューマンには美少女が多いがその全ては相棒以下だからな」

 

そんなにアフィンからのストレートな物言いにーーアフィンの…本人には言えないが女みたいな童顔も相まって少しだけーードキッとした。

 

「…ッ…そうだなぁ、アイドルのクーナさんでも?」

 

これでも俺は男なんだ、その思いを捨てない為に急いでーー考えるふりをしつつ後ろを向き、アフィンの好きなアイドルのクーナの話にすり替える。

 

 

「…ッ、そ、それはッ…んん"っ!…ち、違う、じゃん?」

 

 

「お前…アイドルのクーナさんは揺らぐ材料になるのか…」

 

そうアフィンに言いながらショップエリアの銃器専門店に入って行く。

 

 

「……相棒、耳ミと尻尾に感情出ているよ」

 

 

…バレてたか。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

「…はぁ…」

 

 

そう小声で呟き目の前のーーエコーさんから目を離し、エコーさんの隣にいる人物ーーマールーさんにエコーさんを止めてくれと目で合図するが見てないのか、テーブルのデザートに手を出している。

 

 

 

「それでさぁ、ゼノったら今の実力じゃアイツ等に勝てねぇって言って私に修行に行ってくるって言ってどっかに行っちゃったのよ⁈ーーまぁ、確かにそうだけど…」

 

 

そう言いながらコーヒーカップを手にとり口に持っていくエコーさん。

 

その隣で話を聞いている少女ーーマールーさんは野菜合わせを食べている。さらにその隣のメル姉妹はデッケェパフェを2人で突いているし…。

 

 

(こんなんなら任務が入って行けませんって断れーーないよなぁ…)

 

 

なんでこんなことになったのか?それは今から約5分程前こら始まる。

 

 

久し振りにお茶会をしようとメールがエコーさんから飛んできて、何を着ていくかを10分程度悩んだ後、どうせ任務に行くから戦闘服で良いやといつもの服装を着てラフリに向かったらーーもう既に始まっていた。

 

 

呼ばれたのは俺と主催者のエコーさん、メル姉妹と見たことのない…その、オラクル船団でもあまり見たことない薄い紫色のショートヘアーの少女がエコーさんの隣に座っている。

 

 

「…どうも」

 

 

「…ぁ、こ、此方こそ…」

 

 

そう言い互いに会釈をしてーーエコーさんも俺が来た事に気がつく。

 

 

 

「ユウナちゃん!やっと来たのね!もう始めてるわよ!」

 

 

「えっと…その、隣の方は…?」

 

 

 

「マールーよ、フォースをやってるわ。…宜しく」

 

 

 

「ユウナです。一応レンジャーをやっています」

 

 

 

「ーーさて!全員来たことだし?今日もやるわよぉ〜!」

 

 

 

 

それから5分後がこれで有る。誰1人としてエコーさんの話を聞いていない。

 

 

そう思いながら届いたオレンジジュースを飲んでいると、ふとゲッテムハルトさんってどうなったのだろうか?と言うのが頭によぎる。

 

 

一応死に損なったとは言えーーメセタを援助してくれたりした人で有る。気にならないわけがない。

 

 

かといって…本人達に聞こうにもなぁ…姉の方は恋人っぽい挙動していたし。

 

 

そう思いながら2人を見るとーー身長の小さい方のメルランディアが口を開いた。

 

 

 

「…ゲッテムハルトさんの事が気になりますか?」

 

 

「ぇ⁈い、いやぁ…その…」

 

 

 

「…ゲッテムハルトの事はご免なさいね。あの人のお陰で貴女にだいぶ迷惑が入ったみたいで」

 

 

正直迷惑どころではないし、お陰でエルダーに狙われている(ような)ですけどね。…たまったもんじゃない。

 

 

 

「ゲッテムハルトさんは現在アークスの留置所にて留置されています」

 

 

 

「…私の為に行動してくれた事は嬉しかったけど…やり過ぎなのよ」

 

 

「…最悪は処刑、らしいのですが…」

 

 

「ですが?」

 

 

「…新人アークスから処刑を止めるよう要請が上がっているらしく、もしかしたら再度アークスになれる、と言う話もあります」

 

 

 

「あのバカ…自分のメセタを節約して私達の他に新人達に独自の教えをしていたらしいわ…ほんと、バカよね…ゲッテムハルト…」

 

 

「…姉さん…」

 

そう言いディアがシーナさんに手を寄せる。少し前までパフェを食っていたとは思えないな。

 

 

…この空気を作ったのは俺だけど。

 

 

「…確かに巨躯を復活させたのは余りにもアホな行為よ。それで処刑って言うのも頷ける」

 

 

「…ちょっと、マールー!」

 

 

気付いたらエコーさんも話を聞いていたらしく、配慮のないマールーさんの話をぶった切って止めようとする。

 

 

「エコーは少し黙って。貴女だって分かるでしょ?ダークファルスの脅威は。その脅威を測った上で処刑は頷けるわ。ーーでもゲッテムハルトさんが独自の生存方法を布教し始めてから教えを請いて貰った新人の死者が減ったのも事実。最もこの情報を元に選ぶのは上だし、私達には変えられないわ。ーーまぁ、私個人としてはファイターとかハンターは前に出てこないで欲しいわね。テクニックの邪魔になるもの」

 

そう言い切り野菜をぽりぽりと口に運ぶマールーさん。

 

メル姉妹のさっきまでの姉妹愛は何処へやら。マールーさんの物言いに姉が妹を抑えようとしている。曰く「同じフォースならもっとこう…ねぇ?シーナ姉ぇ?」と言われてあははは…と苦笑いをしつつパフェを口に運ぶ。

 

因みに後で何であの時笑ってたんだ?と聞いたら「マールーさん、ヤケにファイターやハンターの事目の敵にしていたじゃない?あれを聞いて昔を思い出しちゃって」と言っていた。

 

 

さて。話を戻して…まぁ、ゲッテムハトさんがワンちゃん戻って来るなら良しとして。

 

 

「エコーさん、ゼノさんについてなんですが」

 

 

 

「ぇ?いや。心配はするけど大丈夫よ。なんせ私のゼノだからね!ーーと言うか冷静に考えたらゼノが強くなったら私頼られなくなっちうわねぇ…一層の事ゼノと同じハンターでもやってみようかしら?」

 

 

そう言うとハンターと言う単語にマールーさんが反応し2人で口論を始めたのだが…メルフォンシーナさん曰く「いつもの事だからもう大丈夫よ、ここのメセタは…そうね、私が払っておくわ、一応先輩だもの」と言い切りお礼を言って先にラフリを出て行った。

 

 

俺が店の出口を潜るまで後ろの方で言い争っていたが…まぁ、寿命の長いニューマンなんだし1つや2つ嫌な事を言い合っているんだろう。

 

 

そう決めつけ俺は店を出た。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

AP 238/4月

 

 

「…本当にここで目撃証言なんてあったんですか?」

 

 

そう言いコックピットに座るクーナに問いかける。

 

 

 

「はい。此処ーー浮遊大陸のエリアDg327ー45にて目撃情報が上がってます」

 

 

 

そう言いクーナは機体角度を水平に、ランディングアームが接地しているのを確認してリアクターの出力を下げ始めエンジンの出力をカットする。

 

 

 

ドアのロックを解除し、機体から降りて久しぶりの浮遊大陸だなぁと思いながら空気を吸う。

 

 

「…エリアDg327ー45って結構広いけど…」

 

 

 

そう言いマップをクーナにも見せる。

 

 

 

「…不運ですがこのエリアにはダーカー警報が出ています。貴女の実力を侮る訳ではないですが…気を付けて行きましょう」

 

 

「りょーかい、クーナさんも頼みますよ」

 

 

そう言い腰にあるライフルにマガジンを装填、セーフティを外しコッキングレバーを引いて初弾を薬室内に入れる。

 

 

「…準備は出来ましたか?」

 

 

「こっちは出来た。そっちは?」

 

 

「私の武器は元々このマイだけです、手に持てば直ぐにですよ。ーーほら」

 

そう言いダガーを展開したら消したりする。

 

 

「今回はアフィンさんは居ない任務となります。まぁ、お話をしながらハドレットを探しましょう」

 

 

そう言いクーナさんは先に進んだ。俺も1人じゃマズイので付いていく。

 

 

「因みにですが…今の私の状態。ユウナさんにはどう映っていますか?」

「映っているも何も…普通に見えますよ?」

 

 

「…実はこれーー今マイの能力を使っているんですよね。なのでハタから見たらユウナさんは何も無い空間に喋っている可哀想な子になります」

 

 

「⁈」

 

 

「なんてね…冗談ですよ。さぁ、ジョークでほぐれたでしょうし?ハドレットを見つけましょう」

 

そう言い歩き出しーーほら、ユウナさんも速くと言われ俺も後を追う。ーークーナさんってこんな事言う人だっけ?

 

 

そう思いつつーー浮遊大陸でのハドレット探しが始まった。




今年中には終わらせたい(希望)

次回からは多分本編になるはず…多分。


冷静に考えたらゲッテムとゼノ2人とも生きているからメルランディアとエコーが吹っ切れる原因がないと言う。

まぁ、これだとニューマンはエルフ的なアレなんですけどね。

尚本来ならゲッテム成分が少ない分アークスに敵意むき出しのエルダーになる強化が入る模様(未定)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

118話目 1ー9 4/10日らへん

最早自分がストーリーをどの位まで書いたか分からなぬ所存。


 

 

「……本当に目撃情報があったんですが?」

 

 

そう言い龍族のテリトリー内にて聞き込みを始めるクーナ。一応を俺も聞き込みをするも…目撃証言は無い。それっぽい情報と言えばーー。

 

 

「ここ最近何個かの龍族のテリトリーが龍族のみ消え去っている、と言う話を聞きました。もしかするとハドレットが食べているのかもしれません」

 

 

 

「やめてくれよ、俺はまだ生きていたいんだぜ、龍に呑まれて終わりって…」

 

 

そう言いてを上に上げてお手上げのポーズをしながら、横に置いてあるジュースに手を動かす。

 

 

 

「…そう言えばユウナさん。その左手についているそれは…?タリスのようですが」

 

「あぁ、これ?事前にセットしているテクニックーー今だとレスタとアンティ、それとデバンドとシフタか。それらを非テクニック系クラスでも使えるようにしたタリスらしい。ただしテクターやフォースの奴に比べれば半分位の上にロッドやウォンド、本職のタリス使いは全部のテクニックを使えるけど…コイツはーーほら」

 

 

そう言い太めのカードが入った部分をクーナに見せる。

 

 

 

「コイツを変えないと他のテクニックを使えないんだ。もっとも今はさっきの4種類しか無いけど」

 

 

 

「そうなんですか。中々便利そうですね」

 

 

「そっ、実際便利よこれ。怪我したらレスタで治療出来るし。ーーなんなら使ってみます?」

 

 

「いえ。私はマイを使っているので。こう見えてフォトン容量も結構カツカツなんですよ」

 

 

「そうなんですか?」

 

 

「えぇ。もっともコレを使えると言う事だけが私の存在する意味なので…使えなかったら今頃どうなっていたか分かりませんが」

 

 

 

「……」

 

 

 

「さて。お話はこのくらいにして。そろそろ行きましょうか?」

 

 

「りょーかい、まずは何処へ?」

 

 

 

「…龍族の言っていた壊滅したテリトリー…近いのはこことここ、どちらもエリアDg327ーaC45内ですし歩けば数十分程度ですね」

 

 

 

「おーけ。クーナさんの機体で行こう」

 

 

「…ユウナさん、ここから先のエリアだと着陸するのに機体が大き過ぎます。よって徒歩です」

 

 

「まじかよ…」

 

 

「マジです。ユウナさんには悪いですが…まぁ、貴女も色々と聞きたいことがあるでしょう?」

 

 

 

「…」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

「…はい。少し前から偽装データを流しました。今なら何を聞いても大丈夫です」

 

 

聞きたいことがあるだろう、そう言われて早10分。クーナの口から出た言葉は上の言葉どおりだ。

 

 

「…なぁ、クーナさん。あんたは一体何者なんだ?アークス、なのか?」

 

 

 

「…えぇ。一応アークス所属になっています。最も元は虚空機関所属ですが。私はその虚空機関の実験体。その17番目です」

 

 

「は?ヴォイド?実験体?んだそりゃ?」

 

 

「虚空機関の実験により生まれたイキモノーーそれが私です」

 

 

 

「実験⁈なんでそんな物を⁈ダーカーを殺す為にか⁈」

 

 

 

「…それもあるでしょうが一番はコレーー」

 

 

 

「数多ある創世器を扱う為だけに造られた存在ーーそれが私達です。…私はどうにか透刃マイを扱うことができましたが…他の兄弟姉妹達は…その…」

 

 

 

「…なんでその…ゔぁ、ヴォイド、だったか?その組織はなんで創世器を使いたがるんだ?」

 

 

「創世器の性能はアークスの使う武装に比べて途轍もなく性能が高いです。例えばアークス総司令のレギアスの使うソードの世果。あれ実はソードじゃ無いって知ってますか?」

 

 

 

「い、いや…知らないが」

 

 

 

「あれは本来は刀で、世ノ果の鞘から刀身を抜く時はオラクル船団の危機の時にしか抜けない、と当人が言っており実際に過去のダークファルス戦においてレギアスが世ノ果から刀身を抜き取り戦っている場面が有ります。性能も凄まじく、前代のダークファルス、巨躯の眷属、エルダーアームを一撃で叩き割ったデータがあります」

 

 

あぁ、これがその時の映像です。そう言い俺にウィンドウを見せてくれた。

 

 

そこにはマスターな腕の様な形の敵が複数出現している。アークスがライフルやソード、テクニックを使うがあまり効果がない様に見える。しばらくすると白色のフルキャストが現れーーマッチポンプかよ?と疑うしかない様な挙動でアームを潰していく。

 

 

その動画を見ながらふとあることに気づく。あの刀…長くね?

 

 

「…刀って…これくらいの長さだよな?」

 

そう言い背中から刀を抜き取り、クーナに見せる。

 

 

「…おかしいですね…?私が見たデータだと刀身が3メートル以上あったような気がしますが…コレは精々1メートルも無いように見えますが」

 

 

「…まぁ、長すぎたら重くて持てないからな。いくらフォトンで手にかかる質量は無くせると言っても」

 

 

 

「そうですね。…とにかく、コレで創世器の凄さは分かってくれたと思います。因みにですがアークスには先程のレギアス、マリア、カスラ、クラリスクレイスの4名が創世器を使うことが出来る筈です」

 

 

「…マリアさんにカスラさん、レギアスさんにクラリスクレイス…?俺全員と会ってね?」

 

 

「…流石に任務をする場合はアークスと同じ武装をする筈ですが…レギアスはアークスの総司令であるのと同時にオラクル船団の総艦長ですよ?そうそう会うことはないと思いますが」

 

 

「…レギアスさんって白色でツノがあって黄色い目のフルキャストだよな…?それなら一回会ってるぞ、俺」

 

 

確かあれはメルランディアと一緒に船団内に湧いたダーカーを倒す任務を受けた際に確か会った様な…?

 

 

「…因みにですがその時彼は何を装備していたか覚えてますか?」

 

 

 

「いやぁ…あん時は敵を倒すことで精一杯だったから…全然覚えてないわ」

 

 

 

「そうですか。…とりあえず創世器の性能の凄さは分かってくれたと思います。…コレが空虚機関の目的です」

 

 

 

「…所で何でそんな情報を俺に?言っちゃ悪いがそんな情報をタダの1アークスに伝える意味なんてーーまさか俺を⁈」

 

 

殺す気か⁈そう思い急いで離れライフルを向けーー。

 

 

「いえ。…ただ…その。何故か似てる様な気がして」

 

 

 

「…似ている、だって?」

 

 

 

「えぇ。もっとも何でそんな気がするか、なんて事は分かりませんけれども」

 

 

 

「気がする、で重要目標を話しちゃうのか…向いてないんじゃない?この仕事」

 

 

「…辞めたくても辞めれませんよ」

 

 

「…そうだったな。ならさっさと終わらせてメシでも食いに行こうや。どうせ今回も現れないだろうし」

 

 

「…そうですね」

 

 

そうクーナは言いーー先に進む事にする。これ以上話していたら任務が中々進まないからだ。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

「…やっぱりいねぇし、気配も感じねぇ…しゃーなし」

 

 

 

クーナと別れて約数十分。元々今回の任務にやる気が起きなかった為にテキトーに切り上げてクーナとの合流地点に向かい始める。

 

 

 

最初にーー先輩達と来た時には見れなかった蟹もどきや最近見かけるようになったチョウチンアンコウもどき、それに鈍器を腕にくっつけた武器腕持ちまで出るように。

 

 

一応視線を合わせればどこが弱点か分かるが…ライフルだけじゃきつい。特に不意の遭遇戦は。

 

 

本来ならそういう時時ように背中に刀があるんだが…人はやっぱり楽に、そして安全に戦いたい。

 

 

地味にキツイ後ろに下がりながらライフルを撃つという前世の兵士も余りやらないやり方で倒しながら合流地点に。

 

 

 

ウィンドウでマップを出しながらW.Pをマップ上に作り、それ通りに向かう。

 

 

約2キロを切ったか、と思った時。何処からか歌が聞こえ始める。

 

 

新たにウィンドウを表示しつつ周辺のアークスを表示ーークーナ以外無し。

 

 

 

「……と言うと…これが」

 

 

 

合流地点に近付くにつれその声も大きくなる。それを聞きながらふと、クーナの歌って初めてマトモに聞いたなと考える。大体は隣にアフィンが居たからなぁ…。

 

 

 

クーナの声だと確実に分かる程度まで近付くと向こうも此方に気付いた。

 

 

 

「……ぁ…」

 

 

 

「…あ、いや、えっとですね、これは…ッ!そのっ!違いますからね!決してアイドル時の歌を口ずさんでなんてーー」

 

そう言い両手を左右に振り違うと言うが、残念な事にM.Vをアフィンと一緒に聞いた声とモロに同じなんだよなぁ、と。

 

「…そんなんで本当にそのクールな見た目守れるの?」

 

 

 

「違いますって!私は'アイドル'のクーナでは無くアークスのーーぇ?」

 

 

「てっ⁉︎避けろっ!」

 

 

そう言い突如後ろに現れた鈍器付きを撃つためトリガーを引いてーー奴が飛んだ。

 

 

「きゃあっ!」

 

重力によって地面に叩きつける質量の増した鈍器がクーナを吹っ飛ばす。

 

 

吹っ飛ばされたクーナの近くにより敵目掛けフルオートで撃つが、両手で弱点部分を保護しやがって中々当たらない。

 

 

「うっ⁉︎下がれ!聞こえねぇのか!」

 

 

撃ちながら片手で倒れたクーナを揺さぶるが反応が無い。

 

一方のダーカーも片手で撃っている為弾がバラける。最も当たった所で意味は無いが。

 

そのままダーカーは走り出しーー俺を鈍器の右払いで吹っ飛ばした。

 

 

「きゃぁ⁈」

 

 

と女の子らしい悲鳴が俺の口から飛び出た後に数メートルは吹っ飛んでーーそのまま地面を転がるも反動を生かしてどうにか立ち上がる。

 

 

ダーカーの方を見ると倒れているクーナに鈍器を振り下ろそうとしてーー。

 

 

「ぁあっ!くそっ!」

 

 

ライフルを腰に装着して背中の刀を抜きとる。右側に刀を下ろしそのまま奴の方に走りーー振り下ろされる鈍器の下に、クーナの間に割り込む。

 

 

 

「くそっがぁぁ!おい!起きろっ!寝てんな!おいっ!」

 

 

そう言い足でクーナを蹴るがーー反応無し。

 

 

「くっ!」

 

 

タリスのシフタとデバンドを発動、俺の周囲に赤と水色のフォトンによる攻撃と防御の活性フィールドが展開される。

 

 

「おらっ!死ねっ!」

 

 

鈍器をシフタで強化された力で切り上げ、そこから更に奴の目に刀を突き刺す。

 

 

 

「ーーしゃ!ーーぁ、クーナさん!聞こえるか⁈」

 

 

奴ーーのちにキュクローダと分かったがーーが死んだかどうかはどうでも良いとして刀をクーナのすぐそばの地面に突き刺してクーナの身体を揺さぶる。

 

 

 

「えっと、確かこう言う時はーー」

 

 

頭を上げて少し体を冷やすんだっけか。

 

 

サ・バータを近くに落とし氷を手に持てるように壊しソレをクーナの頭に乗せる。それと同時にレスタをーー緑色の光がクーナを包む。

 

 

 

「…んぅ…んん…ここは?」

 

 

 

「起きたか⁈痛むところはないか⁈」

 

 

 

「い、いえ…確か…先程のダーカーは…?」

 

 

 

「あ、あぁ、倒したよ…いやぁ…死ぬかと思ったぜ」

 

 

 

「そうですか…命を救われましたね、感謝します」

 

 

 

「…良いって…まぁ…無事ならいいや。もう今回は切り上げよう」

 

 

 

そう言い刀を鞘に戻しクーナに肩を貸して開いた手にライフルを握り帰ろうとした時。

 

 

 

複数の歪みが現れーー複数のダーカーが現れた。

 

 

 

「…は?」

 

 

 

「そんな…っ!」

 

ダーカーの数は尚も増加。片手でキュクローダにライフルを向けトリガーを引くもーー奴ら弱点の腰部分の前に鈍器を置いてガードしやがる。

 

 

「クーナさん、機体をココに呼んでくれ。…そこまでどうにかして持たせる」

 

そう言いライフルのマガジンを抜き取り、新たなマガジンを装填する。

 

 

「…いえ。それには及びません、私も一緒に戦いますよ」

 

 

 

「でも今の怪我でーー」

 

 

「…そんなの、死ぬよりはマシですよ。座して死ぬか、賭けに出るか。ーーそんなの決まってるじゃないですか。それに、怪我の度合いで言ったらあいこですよ」

 

 

「…それもそうか…はぁ、ほんとはもっと楽な任務だと思ってんだけどなぁ…あとクーナさん、こんな場面だから言うけど…俺の事、追跡してない?」

 

 

 

「何を言ってるんです。私の秘密を知ったからには意地でも追い続けますよ」

 

 

おぉ、怖い怖い、と言いながら左手で刀を抜き取り、俺とクーナにシフタとデバンドを掛ける。

 

 

ジリジリと迫ってくるダーカーに対し、クーナが飛び掛かろうとした時。

 

 

ダーカーのいる部分に更なる歪みが発生する。

 

 

「おいくそっ!増援が⁈」

 

 

「…いえ、あれ…あれはっ!」

 

 

そうクーナが言うと歪みの中からーー中々会えない任務の目標であるハドレットが登場、そのままダーカーに突っ込んで倒し始めた。

 

 

 

「おいおいおい!ハドレットだぞアレ!クーナ!」

 

 

「…今回は共闘します。…良いですね?」

 

 

「おーけー!クーナの判断に従うわ!」

 

 

そう言いハドレットが二体目のキュクローダを口に咥え始める。それを合図に残りのキュクローダに攻撃を仕掛けた。

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

目に刀を差したり、開いた手でライフルの銃身をぶっ刺し撃ったりを繰り返してどうにかダーカーを殲滅して。

 

 

「ハドレットッ!」

 

 

そうクーナが言い戦闘が終わり去ろうとするハドレットをクーナが止める。

 

 

 

「…なんで、なんで今なのよっ!私達が危ない時に!狙ったかの様に!ーーまるで恩でも売り付けるようなタイミングでぇッ!」

 

 

そう泣きながら言うとーーハドレットもクーナの方を見ずにその場に留まる。

 

 

「遅いのよ、このバカっ!助けるならもっと早く助けなさいよっ!それにっ!なんで…なんで…ッ!」

 

 

「…貴方は…裏切り者なのよ…ハドレット…っ!貴方の姿が見えなければ、アークスに見つからず、誰も居ない所で生きていてくれればっ!私だって…」

 

 

「…ハドレット!貴方に聞くわ!なんで、私を、私達をーー虚空機関を裏切ったの!なんで、なんで貴方が…!」

 

 

聞かれたくない話を聞こうとした為か。それとも別の理由でもあるのか。その話を聞いた瞬間歩み始めるハドレット。

 

 

「ま、待ちなさい!ハドレット、ハドレットォ!」

 

 

クーナの制止も止めずダークファルスのような歪みを作り何処かに消える。

 

 

「…なんで…なんで逃げるのよぉ…私と…私とーー」

 

 

 

戦ってよぉ!

 

 

 

そのクーナの声は浮遊大陸の晴天の空に空虚に響く。

 

 




話が前後したとしてもそれはきっとマターボードのしわざに違いない。描写が少ない?脳内で補うんだ。

notEP7までにEP1終わらせたい。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

119話目

ストーリー完結記念&ハードコアSクリア記念に


119話目

 

 

 

「…ユウナさん。これを」

 

 

 

そう言い帰りの機体内で渡してきた紙切れ。ぐしゃぐしゃになっている。

 

 

 

「…私個人用のメールです。何かあった場合はこちらにメールを」

 

 

そう言い切りゲートエリアで紙切れを開き中身を見る。そこにはきれいに畳まれたキレイな紙があり、それを破けないように丁寧に開くと中にはオラクル語と数字が混ざった文字列が書かれていた。これ本当にヴォイドとか言う奴らに気づかれないのか?と聞こうとしたらもう目の前に居なかった。  

 

少し離れた場所でクーナの気配が離れていっているのが分かる。

 

 

 

「…ったく、いくらなんでも任務が終わり次第すぐ帰るって…わからなくも無いけどよぉ…」

 

 

 

そう言いながら帰ってきたマイルーム。キッチンで料理しているマトイにおかえりなさいと言われあぁ、ただいまと言い返しリビングの作業台に座ってライフルーープロトレイを分解する。

 

 

ハドレット本人とは戦っていないもののその道中のダーカーに対してはバンバン撃っているため帰ってくるときは基本簡単なメンテをしている。

 

メンテと言ってもピンを数本外しトリガーユニットがある部分、ストック部分、上部レシーバー権スコープ部分の3部位に分けてオイルを塗ったりバレルの掃除くらいだが。

 

そこから更に上部レシーバーとハンドガードと一体化しているグレネードランチャーを取り払い、軽くする

 

 

その後バレルを長い布で中の汚れを拭いたり、機関部に油を塗布する。

 

オイルを馴染ませつつまだ任務は続くんだろうなぁ、とため息が出てくる。

 

「…まぁ、あの任務は続くんだろうなぁ…だろ?デュケット」

 

 

「…バレてましたか」

 

そう言い後ろを向くとーー忍び足で俺の後ろに回り込もうとしているデュケットが。

 

 

「あぁ。そもそもこちとらミミで聞こえてんだよ」

 

 

「あはは...流石ビーストですね」

 

 

「ーーみんなー!ご飯できたよ?ーーあれ?デュケットさん帰ってきていたんですか?」

 

 

 

「えぇ。先程ね。…私マトイさんにも声掛けましたよ?ね?」

 

 

「いや、ね?って…」

 

 

そう私言ったの聞こえてましたよね?って顔をされても…。

 

 

「あれ?だってさっきミミで分かるって」

 

そう言いながらデュケットはソファに座りテレビを点ける。

 

 

「デュケットって分かったからコレに集中していたの」

 

 

そう言いマガジンに弾頭の見えない弾丸をマガジンに押し込めていく。

 

前にアフィンから「相棒もマガジン店で購入すれば?」って言われたがそもそもコイツは試作のやつの上に弾丸も違うから無理って言ったが…。

 

 

それの他にもう一つ自前で作っている意味がある。それがコレーーテレスコープ弾のケース部分の上半身に赤い線が塗られている。

 

赤い線の入った弾は曳光弾、弾頭のケツ部分に使い捨ての発光体が入っている弾のことでコレで弾が何処に向かったとか、着弾点を撃ちながら修正出来る優れものである。

 

 

弾速は全て同じ速さになっていて極論曳光弾さえ当てられるなら無くても当てられる。

 

 

一部の人は購入品もわざわざ弾丸を全てマガジンから取り出して曳光弾を抜いたりする人も居るのだとか。

 

 

俺は逆に多め入れている。大体3発に1発程度の割合で。他にも何を思ったのか曳光弾だけのそれはそれは眩しいマガジンも有ったりする。

 

 

 

「…あははは…ごめん、料理に夢中になっていて…」

 

そんなことを思いながら二人の話を聞いていると最終的には料理で聞こえなかったって言うオチになった。

 

 

「…ビーカーで料理、ねぇ…」

 

 

そう言いデュケットが俺の位置からは壁で見えないキッチンを見る。デュケットのビーカーという言葉から科学者みたいな実験を想像したが...いくらなんでもそれはないだろう。

 

 

「あ、後でちゃんと片付けるから!ね?今はとりあえず食べよ?」

 

 

まぁ、初めての女の人が作った料理なんだ、有り難く食べさせてもらう事にしよう。

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

「ねぇ、ユウナちゃん」

 

 

「んん〜?何だ?」

 

 

そう言い食後の任務後は暇な時はやるようにしている尻尾のブラッシングをソファでしている最中。デュケットの援護もあり比較的早くキッチンの後片付けが終わったらしく俺の隣に座って話しかけてきた。

 

 

因みに料理は美味しかったです。…コレで初めてとは…。やはり紛い物では本物には勝てないってことか...。

 

 

「…その、私に浮遊大陸のお話聞かせてくれない?」

 

 

「…何で急に?」

 

コップを3つ持って隣に座るマトイ。中にはオレンジジュースが入っていた。

 

「…いや、ほら。なんか聞いたら記憶が戻るかなって」

 

 

「それもありそうですけど、本心は暇でしょうがないんでしょ?」

 

マトイが持ってきたコップの一つをデュケットが手に取りソファの空いた場所に座る。

 

「そ、それもそうだけど…」

 

 

「まぁ、アークスシップってちょーデカイ上に分かりにくいからな…特に下層のエリアとか」

 

 

「う、うん。フェリアさんにも一人で遊びに行くのはやめときなさいって言われてから怖くて…」

 

 

「…って言ったってな…こう言うこと、話していいの?」

 

 

「まぁ、正直な話アークスにおいて任務に関する守秘義務はほぼ無い感じですからね。そもそも話せない任務の場合は私から他言無用の言葉が出ますよ」

 

 

「そうか。そう言うもんか…って言っても俺が言った所なんてナベリウス、リリーパ、アムドゥスキアの三惑星だけだぞ?それこそデュケットに聞いた方が良いんじゃないか?」

 

 

「一応私も任務でロノウェとフォルネウスには管制の任務で少しだけ滞在したことがありますが…あまり変わりませんよ?ナベリウスと」

 

 

 

「えっと…じゃぁ、リリーパについて何か凄かったこと教えて?」

 

 

 

「リリーパだって?…そりゃあのロボットしかないよな?」

 

 

 

「うん。それでも良いよ?」

 

 

「そうだなぁ…あれはアフィンと遺跡調査の任務だったかーー」

 

 

それから30分ほど俺とアフィンの脱出劇を簡単に話す。

 

 

「んで、どうにかトランマイザー だっけか。そいつを倒して帰還したって事さ」

 

 

 

「うん。…凄い話だねぇ。改めて聞くと」

 

 

「俺は懲り懲りなんだがなぁ…」

 

 

「…そう言えばユウナ、最近任務に掛かりっぱなしだけど…一体どんな任務なの?」

 

 

 

「ぇ?…デュケット、話していいのこれ?」

 

 

「うーん…別に重要任務と書かれていますが極秘とは書かれてないんで」

 

 

 

「えぇ…まぁ、デュケットがそう言うなら…」

 

 

そう言い俺は今やっている任務ーー造龍の撃破任務の事を簡単に話す。

 

 

 

「ーーって所。いやぁ、毎回毎回逃げられてなぁ…」

 

 

「でも龍族でしょ?アムドゥスキアの龍族と同じじゃないの?どうやって逃げていくのかな…?走って逃げているのかな...?」

 

 

「いや、あのやろーダーカーやペルソナみたく空間が歪んで消えやがるんだ…お陰で毎度毎度攻撃すら当てられねぇ」

 

 

「空間を歪ませて…?龍族ってそんなことも出来るんだ…」

 

 

「いや、ハドレットだけだと思うぞ?」

 

 

「…って事はアークスシップ内にも出てこれるんだねぇ。凄いねぇ…」

 

そうマトイに言われ俺も気づく。少し前に来たエルダー(巨躯)のようにワープして強襲してくる可能性があるのか?

 

「…そう言われれば確かに…これ割と上に上げなきゃ行けない情報じゃね?」

 

 

「いえ。これも確証が得られないので…まぁ、私が上に上げておきます」

 

 

「頼むわ、デュケット...頼ってばかりだな」

 

 

「いいんですよ、管制官は頼られてナンボって言いますから」

 

 

ナンボという言葉がデュケットの口から出てきたことに驚きつつマトイの話の続きを聞く。

 

 

「…空間を歪ませて何処にでも行けるなら…なんでわざわざアークスが居る惑星に現れるんだろう?…誰もいない惑星に逃げれば良いのにね」

 

 

「…確かになぁ…それはクーナも言っていたけど」

 

そう言い--泣きながらワープして消える直前に言っていた言葉を思い出す。ーー誰もいない場所に逃げてくれば。クーナの小さな声で脳裏に思い出させられる。

 

 

「…あっ!ユウナ!もしかしてそのハドレットって龍族にはやり残した事があるんじゃないかな!」

 

 

 

「や、やり残した事…?」

 

 

 

「うん!…まぁ確証はないけどね…」

 

 

「…一応コレもーー」

 

 

「上げてあります。不確定でも、もしかしたらあるので」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

マトイとデュケットにリリーパとアムドゥスキアの土産話が終わり、食事も終わった頃。デュケットがテレビを付けてクーナのアイドル番組を見ながら「なんでこの子私より無いのにアイドルに受かったんだろう?」と本人が聞いたらキレるかも知れない言葉を小声で言うのを聞いた時。メールボックスに新たなメールが入っている事に気づく。

 

 

中身はクーナからで一瞬辺りを見渡すも…気配は感じない。流石に偶然か、と片付けて中身を見る。内容は私と会ったあの場所で明日の14:00時頃、待っています。との事だった。

 

 

 

そして翌日の午後2時。最初に会ったショップエリアの更に上層部の公園。

 

 

全長5000kmの長さを誇る船の端まで見える公園のベンチに座る。

 

 

周囲にも子供連れの人が居て各々遊んでいる。

 

 

道中で6個程買ってきたホッドックに手を付け、女の小さな口で一個めを食べ終えた頃。

 

 

何人かの子供が俺の揺れる尻尾やミミを見つけ触ろうと近寄ってくる。

 

別に引っ張ったりしなければ良いかと無視していたらなんと言う事でしょう。

 

 

ベンチの上に立ちミミと耳をペチペチ触ったり、伊達に長い髪の毛を使って隠れようとしたりーー。

 

 

ミミやしっぽの付け根辺りを触るならブチ切れるがそんな事はなく…ふさふさの部分だけを的確に触っていく。

 

 

そろそろ注意でもすっかな、と思った時。自前のミミがクーナの足音を捉える、のと同時にミミが立つ。その足音も俺の近くに、と言うより隣に座りーー。

 

「…一体どうなっているんです?」

 

ベンチを占領する子供達のお陰で座れないから俺の目の前に立つ。

 

「食うか?」

 

 

そう言い左においてあるホッドックの入った袋から一個を取り出しクーナに渡す。

 

 

 

「えぇ、まぁ」

 

 

 

2個めを袋から取り出し、ついでに飲み物を渡す。

 

周囲にいる子供に「俺は今からこのお姉ちゃんとお話しするんだ、みんなは別の場所で遊びな」と言い子供達を散開させる。

 

わー!と言いながら散っていきーー残るは俺とクーナだけ。

 

「……よく俺が分かったな。結構広いだろ、この公園」

 

ベンチを手で払って隣に座るクーナ。

 

「周囲にビーストはユウナさんを除いて居ませんでしたからね。そういう意味では見つけるのはラクですよ。目印もありますからね」

 

そう言いクーナの視線がミミと尻尾に移る。

 

「そうか。…ビーストはもっと居るらしいんだがなぁ…」

 

 

「バベルが最近事件を起こしましたからね。アークスや一部の仕事をしている方を除いて閉じ籠って居るのでしょう」

 

 

ほら、これを見てくださいと言い俺にウィンドウを見せてくる。中身はーー『B.A.V.E.L.S、ビースト経営のホテルを襲撃、アークスも一部参加か』と言う見出しだった。

 

 

「ヤだねぇ…ほんと」

 

 

 

「えぇ。私達にはダーカーとダークファルスって言う必ず滅ぼさなきゃならない存在が居るのに…」

 

 

 

「まぁ、人類なんてそんなモンよ。過去を見れば分かるさ」

 

 

 

「じんるい…?なんです?じんるいって?」

 

 

 

「…あぁ、いや、何でもない。それで?俺を呼んだ理由って?」

 

 

 

「はい。ハドレットが次に出るであろう場所です」

 

 

クーナはウィンドウを俺の見やすい位置に移動させる。

 

 

「...強襲をかける可能性あり、だって?!」

 

昨日デュケットやマトイと話していた事がすぐ起きる事になった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

排莢口から薬莢が飛び出て地面に落ちる。フォトンが込められた弾頭はダーカーの身体を撃ち抜き地面に伏す。

 

 

伏すのを確認する前に次から次へと迫ってるダーカーを撃ち抜く。このプロトレイーー30ミリのテレスコープ弾を使っている癖に反動が殆ど無い。オラクル驚異のメカニズムなのか、フォトンによる恩恵なのか分からないが…。

 

 

そう思いながら空になったマガジンを抜き取ってーーナノトランサーを弄って虎の子のボックスマガジンを取り出してライフルのマガジンの入り口に入れる。

 

 

マガジンキャッチボタンがボックスマガジンの凹みを噛んで外れなくなる。一気に重量感が増すがそれと同時に安心感も増す。

 

 

反動が無いライフルのトリガーを引きっぱなしにしてダーカーに対し弾丸を当てていく。

 

 

グレネードランチャーのトリガーを引きーー敵の手前にロックオンマーカーが6個付きトリガーを話すとーーグレネードランチャーからエネルギー弾が発射、少し進むと6個に分かれて敵に突っ込んでいく。

 

 

エネルギー弾が着弾した瞬間、小規模の爆発が起きて6匹のダーカー種が消し飛び空気に飛散する。

 

 

ランチャーのロックを外しカラになったエネルギーシェルを抜き取る。

 

 

「ーーつぇなぁ!このホーミングシェルは!」

 

 

そう呟きホーミングシェル、もといP.Aホーミングエミッションをもう1発装填する。

 

 

『ーーユウナさん、そちらはどうですか?』

 

 

 

「ーーあぁ!レンジャー1人じゃ死んじまうせ、なんて思ってたけどーーおぉ⁈」

 

クーナと話をしている最中。ミミが何かの振動音を聞き取る。

 

 

『どうしました?』

 

 

「なにか...でっかい物が歩く音が...なんだコレ。クーナさん、なんかでっかいダーカーが出てきたとかそう云うデータ来てます?」

 

 

『いえ...今の所は』

 

 

「分かった、少し偵察してくる」

 

 

 

『...わかりました、無理はしないでくださいね』

 

 

「わかってる、引くときは弁えるさ」

 

 

そう言い歩道に出て音のする方に向かう。

 

 

 

暫くダーカーと交戦しつつ先に進んで行くとーー。

 

 

「何だあのクモ⁈目の前の道路を…この方向は…どこだ⁈」

 

 

 

『クモ…?まさか!ダーク・ラグネですか⁈速やかに隠れてください!そいつは危険です!』

 

 

 

「やっべっ!気づかれたか⁈一回切るわ!」

 

 

 

『ちょっと!ユウナさん⁈どこかに隠れてくださいね!私も向かいーー』

 

 

クーナが話している途中にウィンドウを消してすぐさま建物の陰に隠れる。

 

 

片目だけ影から出してゆっくりと…立体高速道路順に進んでいるところが見える。

 

 

ライフルのマグキャッチを押してマガジンをリリース、残り弾数を確認しつつ過ぎ去るのを待つ。

 

 

数秒か数分か。俺のミミが多脚の足音が消え去るのを確認してーー恐る恐る影から片目を出す。ーー何も居ない。

 

 

「……っ…クーナ、聞こえるか?」

 

 

 

『ーーはい。聞こえます。私に通信を入れられるって事はーー』

 

 

「あぁ。どうにかやり過ごせた…ぁ。あと今クーナ識別範囲に入ったぞ。…そこから…2キロ前後の地点に居るぞ、俺は」

 

 

『分かりました。そこを動かないでくださいね』

 

 

 

 

それから数分してクーナと合流。今回の任務について再度確認する。

 

今回の任務はアークスシップ内に発生した中規模ダーカー襲撃の際に造龍の出る確率がとても高いことが分かった。ユウナ、クーナの両名はこの任務を重要任務とし、確実に成功させよ。尚今回の任務に関してはアークスの任務より上位である事を忘れるな。

 

 

と言うオーダーを見直す。

 

 

 

「…で、エネミーのダーク・ラグネはどちらに向かいましたか?」

 

 

「そうだな…あの立体高速道路を歩いていたから……」

 

 

そう言いマップと睨めっこして……やべぇ、俺まだオラクル言語完璧じゃなかったんだ。

 

 

 

「…ここは…会場ですね、私も何度か来たことがあります」

 

 

 

「か、会場か…取り敢えず行ってみる?ハドレットはダーカーを食うんでしょ?」

 

 

「そうですね。エネミーと同じ道順で行けば確実に着くでしょうし」

 

 

そう言い俺とクーナは高速道路入り口に向かった。

 

 

道中複数のダーカーと交戦するもーー1人でないため楽に終わる。

 

 

 

そしてーー。

 

 

 

「…無理だなこりゃ…」

 

 

目の前にある破壊された高速道路入り口。ライフルのスコープの倍率をいじりよく見ると…断面が赤黒く溶けている。

 

 

「…なんだいありゃ…赤黒く溶けているな…」

 

 

 

「見してください。……多分あれはブリアーダかカルターゴの毒弾かレーザーですね、あの様子だと」

 

 

見してくださいと言うのでライフルを渡し見せるとそう分析するクーナ。

 

 

 

「…にしてもどうするよ?結構先でしょ?あれ」

 

 

 

「そうですね。迂回するしかありません。…こっちから行きましょう」

 

 

そう言い指差した先は地下。

 

 

 

「何箇所か迂回すれば会場近くに出るはずです」

 

 

 

「了解。土地勘ないからクーナ、頼むわ」

 

 

 

「はい。しっかりついてきてくださいね」

 

 

ーーーーーーーーーー




EP6終わって無事主人公達も帰還したけど…この小説どう?終わりそう?


うーん、無理!

初めてPC(原案はスマホ)で書いてみたけど...自前のやつがUSキーボードだから
『』の出し方わかんねぇだわ。


次回以降超絶駆け足でハドレットと決着をつけたい


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

120話目

エタったと思ったか?残念だったな!…クラースアームを探していただけだよ…。


 

「…ひでぇな…この辺りは」

 

 

 

「えぇ。ここのエリア一帯はダーカー因子の濃度が高いです。フォトンを扱える私達なら動けますが…あれを見てください」

 

 

そうクーナが示す場所にはーーサークルレーザーシステムが赤黒い触手に侵食されている。

 

 

「ダーカーに侵食されてダーカー因子を撒き散らしていますね。速やかに再起動しないと」

 

 

「再起動って一般人でも出来るだろ?」

 

 

「定期的にダーカー因子に汚染されて反転したダーカー波が出てくるのにですか?私達アークスが再起動時に触れる事によってダーカー因子を浄化するんです。…試しにやってみます?」

 

 

 

そうクーナに言われーー赤いレーザーを放つS.L.Sの上に乗り侵食されたシステムを再起動する為、マグを経由してS.L.Sの制御ユニットにクラッキング。汚染されている部分の特定とその部位をマグに表示してもらう。

 

 

4から5箇所ほど汚染されたパーツがあるのでその部位を触るとーーフォトンが移りダーカー因子を浄化。システムが勝手に再起動の手順を踏む。

 

 

最後にウィンドウが表示されーーデカデカと再起動の文字が。

 

 

それを押すとーー赤いレーザーが青系のレーザーを放ち始めーーシステムが正常化する。

 

S.L.Sの放つダーカー波を食らってしまったものの…少し痛いだけで特に何も無い。念の為モノメイトをナノトランサーこら取り出して口に含みつつクーナに近づく。

 

 

「出来ましたね?では先に進むとしましょう」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

しばらく進むとーー特徴的な帽子を被ったニューマンを見つけた。

 

クーナもそれに気がつくとーー小さくチッと舌打ちをする。

 

 

その音をミミが聞き取りエッと言う顔でクーナを見るがーー逆に「どうしましたか?」と心配された。

 

 

気のせいだろう、そうに違いないと自分に信じ込ませ緑色の帽子を被るニューマンーーカスラさんに声を掛ける。

 

 

 

「…おや、珍しい。クーナさんと…ユウナさんの組み合わせですか」

 

 

「…六芒均衝のカスラ…どうしてここに?」

 

 

「随分とご丁寧な挨拶ですね、クーナさん。私も貴女と同じく任務中。ただそれだけですよ。六芒均衝と言っても実力は最下位ですからね」

 

 

「…しかし、貴女が誰かと組むなんて…中々珍しい事もあるものですね」

 

 

「しかもその相手がユウナさんとは…何か運命的なものを感じますよ」

 

 

そう言い周辺を見渡すカスラさん。

 

 

「…クーナはカスラさんと知り合いなのか?」

 

 

 

「警戒は必要ありませんよ。私は六芒均衝と言う役職上色々な件で何度か顔を合わせることがありましたから」

 

 

「…それより。貴女達もあの造龍を仕留める為にここに来たのでしょう?」

 

 

 

「市街地中心部の大型会場の中心部にて造龍と思われる個体ナンバーの反応が確認されています」

 

 

「…ユウナさん。やはり…」

 

 

「…クーナの歌かそれ関係に誘われている…?」

 

 

「えぇ…不思議ですよ」

 

 

「…あそこは今。かのアイドルさんの次のコンサート場所として選定されているだけですしね」

 

 

「ダーカーが群れている場所ではなく、意味も無くそんな場所に出現。…正直、意図は全く読めませんね」

 

 

「…ユウナさん、やっぱりコレって…?」

 

 

「…歌を聴くみたいだな。まるでファンだな」

 

 

「そうかも知れません。以前会った時は歌を。それ以外の時は…」

 

そう言いアフィンと3人で任務を受けていた時を思い出す。あの時は高確率、と言うか確実に逃げられていたがクーナが歌を歌ってダーカーに襲われた時ーーあの時はすぐに逃げずにいた。

 

「会場に歌を流しておけば…留めておく事が出来るかも」

 

 

「う、歌ですか?…なんともまぁ詩的な話でもありますが…あのエルダーとサシで生き残ったアークスであるユウナさんからの提案ですし…」

 

 

「…そうですね、どうにか都合は付けましょう。やってみる価値はありそうですし」

 

 

「お願いします、六芒均衝カスラ」

 

 

「いえいえ。クーナさんには恩を売っておいた方が何かと楽ですからね。ーーお二人は会場の方へ。私も準備が出来次第歌を流し始めますので」

 

 

 

「…クーナ、俺達も会場に急ごう。ーーカスラさん、ありがとうございます」

 

 

「いえいえ。先ほども言ったように恩を売る為ですから。…それとユウナさん。あまり虚空機関と関わらない方がいいかもしれませんよ」

 

 

 

「ぇ?」

 

 

 

「いえ。こちらの独り言です。ーー急いでくださいね。私も運営の方に説明して許可を貰ってから遠隔操作で歌を流さなくてはなりませんので。お二人が遅れたら意味がありませんから」

 

 

そう言いカスラさんは会場とは別方向に向かって走っていった。

 

 

「ヴォイドとはあまり関わらない方がいい」そうは言っても今回のは任務としてきているんだ、やるしかないさ。

 

 

そうカスラさんが言った事を今はスルーして先に少し進んで俺を待っているクーナの後に続く。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「おおいっーーですねっ!」

 

 

 

「ほんとっ!一般人にやらせる仕事じゃねぇな!」

 

 

そう言い刀でブリアーダを水平に斬り真っ二つにした後、片手でライフルを構えてブリアーダの産んだ卵を撃ち抜く。

 

 

フルオートで撃ちながら修正射をしつつダーカーやクラーダを撃ち抜いていく。

 

クーナが狙いにくいと思われるダガッチャやダーガッシュを手に持つライフルで優先的に墜としていく。

 

 

「ーーユウナさん!プレティガーダです!ワープに気を付けて!」

 

 

そうクーナがキュクローダの目にダガーを突き刺しながら注意してきた。

 

 

防衛システムの隔壁が一部解除され隔壁が下に下がっていくとーーそれを待っていたかのようにプレディガーダが五体出て来た。

 

 

摺り足で進んで来てーー一定の距離が此方を視認するような動作を行うと消える。

 

 

 

そして五体が消えるとーー何故だか知らないが敵が現れる場所がわかる。

 

 

ライフルを腰に戻し鞘に納刀している刀を左手で持ち、柄を握りーー「ーーそこぉ!」と言い後ろに振り向き刀を抜いて横に斬りはらう。

 

 

 

プレディガーダが真っ二つに分かれーーその後ろからもう一体が片手を下から上に上げて切り上げてくる。

 

 

右側に切り払った刀を今度は斜め左上に切り上げてプレティガーダの向かって右肩を腕ごと切り落とす。

 

 

 

「⁈ギィギッ⁈」

 

 

と言う声を発したがーー切り上げた後にそのまま水平に斬りつけーー同じく真っ二つに。

 

 

 

そのまま両手に持ち奥にいるディガーダに同じ様に切り上げる。

 

 

すると真っ二つになったディガーダの上半身がーー別れたまま俺に腕を突っ込んできた。

 

 

「いっ!」

 

 

思いっきり腹に食らうものの戦闘服によりある程度中和される。

 

 

そのまま吹っ飛ばされ地面に叩きつけられるがーーさほど痛くない。

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

『ーーお二人さん、聞こえますか?』

 

 

 

「…」

 

 

「…こちらユウナ。どうぞ」

 

 

『ーー聞こえているようですね。先ほどの内容ですが、お二人の内容通り造龍は会場内に留まっています』

 

 

 

『いつまで効果があるかは分かりませんが…』

 

 

 

「…大丈夫です。歌が聞こえている限り彼は…あいつは動かない筈です」

 

 

 

『それともう1つ。当事者のお二人には伝えておきたいことがあります』

 

 

 

『ハドレットを皮切りに、他の造龍が暴走した原因について』

 

 

「は?そんな話聞いてねぇぞ⁈」

 

 

『はい。ユウナさんに与えられた任務は造龍ハドレットの捕獲又は撃破任務。追加情報は虚空機関からの妨害で中々おりませんからね。ユウナさんのほか数十人にも同様のオーダーが出ていますが…中々強い龍です。流石に虚空機関が造るだけはあります。兎も角、お二人に原因をーー』

 

 

 

「…いえ。説明は不要です。六芒均衝カスラ」

 

 

「…私が何の策もなく上に従っていただけだとでも?」

 

 

「…」

 

 

 

「あの手この手でーー上層部に入り浸りデータをーー頭の中に無理やり記憶しました。えぇ、憎いですとも。ですがーー」

 

 

 

「…こんな私のためにあの子がーーハドレットが身代わりになって今に至るって?…冗談じゃない!ーーユウナさん、援護を頼みます」

 

 

『…そうですか。お二人のーー特にクーナさんの奮闘に期待しますよ』

 

 

「…カスラさん、総技部と繋がりとかあったりします?」

 

 

『は?…え、えぇ。何度か伺ってあそこの班長とは無理難題を付き合ってもらう仲ではありますが…何故に?』

 

 

「念の為にね。ある事を要請して欲しいんだ」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ーーくそっ!鍵がかかっています!」

 

 

「下がって!グレネードを使う!ーーほら!早く!」

 

 

そう言い二人して壁に隠れ、壁から銃のサイトを覗きランチャーのトリガーを引く。

 

 

無反動で真っ直ぐグレネードが飛んでいき先端部分が扉に着弾、ヒューズがグレネード中心部にある圧縮技術により圧縮された炸薬を起爆、爆発する。

 

 

扉が吹っ飛び辺り一面に煙が舞い上がる。その中を1人先にクーナが走っていく。

 

 

「おまっ!1人で先行はマズイって!俺が!」

 

 

そう言い突っ込むクーナの後を追う。

 

 

 

 

「…ハドレット…」

 

 

その声が聞こえ走りながら会場に入るとーー座っているハドレットに対しクーナが語りかけていた。

 

よく聞くとグルルルッ…と小さく唸っている。

 

 

「苦しそうな声を…ッ!ーーハドレットッ!私に教えて!一体あの研究施設で何が行われたのかを!」

 

クーナが語りかけるのを聞き俺は銃身を上に向けて、戦闘は今はしないと言うポーズをハドレットに見せる。

 

 

「…始末者として向いていないこの私に…一体何の任務がおりる予定だったのかを!」

 

 

 

「…ううん。違うよね…そんな時はアンタが陰ながらアシストしてくれる筈だからこんなに怒るわけがない…」

 

 

「…ハドレット…あたしは、あたしは何をされそうだったの⁈」

 

 

そこまで言うとハドレットは咆哮を上げる。咄嗟にライフルを構えハドレットに向けるーーがクーナの手がそれを遮る。

 

「おいクーナ!奴さんガチだぞ⁈」

 

 

そう言い無駄に両方についているコッキングレバーを引いてチェンバーの中の弾を飛ばして構え直す。

 

「…ほんと。あんたは…全部自分の内で抱え込んで、身勝手で…バカなんだから。ーーわかっているわよ。ユウナさん、援護をお願いね。ここで彼ーーいえ。ハドレットを倒します」

 

 

「…お話しして和解なら良かったんだが…ダメか。迎撃ーーいや、当方に迎撃の用意アリってね」

 

 

『ーーユウナさんのマグをお借りして機体内に接続、そちらに向かわせていますが…発進場所が場所の為時間がかかります。お二人とも、ご無事をとクーナさんに言っておいて下さい』

 

 

 

つい先程カスラと話した内容を思い出す。今回限りだがあのロボットとの戦闘許可をカスラさん経由で強引に割り込ませて提出させて貰った。

 

 

正直確実に無理だろうと思いながらも言ったらーーあの変な帽子を被っている姿から想像出来ないほど出来る人らしく、全部を言い切る前に把握からの総技部や各オペレーターに連絡。許可を付けてしまった。

 

 

 

「ーーなんです?トーホーニゲイゲキノヨーイアリって?」

 

 

 

「インターセプトだ。さぁ、逃げられないように立ち回るぞ」

 

 

そう言い刀を抜居てそのままハドレットの前脚に突っ込む。

 

 

 

前脚に刀を突っ込ませーーその後すぐに刀を引いて横に振りかぶる。

 

 

「ーーッ!かてぇ⁉︎」

 

そのまま後ろに飛んで距離を取る。

 

「それはそうでしょう。なんせ私の弟ですからーーきゃ!」

 

 

そういい空中を蹴ってハドレットの前腕に回転しながら斬りつけーーそのまま手で握られ会場の壁に投げられる。

 

 

「クーナ⁈ーー⁈」

 

 

それに気を取られ前を見るとーー目の前にとんがった赤黒い槍が突っ込んでくる。

 

 

手に持つ刀を両手で持ち刀でガードを行う。刀がソードとしてアークスに登録されているためかフォトンで出来た八角の半透明なシールドが刀の前に現れ槍を消し去る。

 

 

離れつつクーナの方に近付くとーー目を閉じていた。

 

 

 

「おいっ!起きろって!俺1人じゃ流石に無理だから!おいっ⁈」

 

 

そう言いハドレットの方を見つつ足で揺さぶるもののーー全く反応がない。

 

 

仕方なく刀を鞘に入れてクーナを背負い、ライフルでハドレットに射撃を加えつつ、会場の入り口の横にクーナを座らせる。

 

 

座らせた時に脈はあったからまだ生きてはいるはず。こっちの言動に少なからず「うーん…」と言っているのが聞こえる。

 

 

ハドレットもハドレットで俺がクーナを肩に背負って居る間は攻撃をしてこない。それを見てるとクーナを盾にしながら攻撃すればなんとかなるんじゃ無いかと思ったが…ハドレットの逆鱗に触れそうなので止めておく。

 

 

会場中心部で佇むハドレットに対し、再度刀を抜いて、もう片方にライフルを握る。

 

 

それを見たハドレットが咆哮を上げ此方に赤黒い結晶を投げて来る。それを外周を走って躱しながらひたすらライフルを撃ちまくりーークーナから一番離れたところでライフルをナノトランサーに格納、刀を持って胴体の青い部分を斬りつけた。

 

刀身から赤黒い血が流れるがーー傷は浅いようだ。

 

その場で顔めがけてジャンプして刀で回転攻撃を行いながら地面に着地、そのまま後ろに下がる。

 

 

んがそこをハドレットに掴まれーー口を大きく開けた。

 

 

 

「ーーいぃぃいッ⁈」

 

 

片手だけ拘束から取り出してーー足に付けているハンドガンをどうにか抜き出し、開いた口目掛けスライドがストップするまで撃ちまくる。

 

 

ぎゃうっ⁈と言う声が響き拘束が解けーー地面に落とされる俺。

 

 

「ーーっ!イッテェ…」

 

 

そう言いながら刀を鞘に収めライフルを取り出しーー距離を取りながらハドレットに向かって30ミリを撃ちまくる。

 

アークスが採用している12ミリクラスよりフォトン含量が多い弾は的確にハドレットを削っていきーー終いには弾が当たっている場所を守ろうと手でガードし始めた。

 

 

そしてーー。

 

 

 

 

「ーーーーーッ!」

 

 

「…は⁈ダーカー⁈なんでぇ⁈」

 

 

 

声に表せない方向をあげると周囲にダーカーが出現。咆哮により起きたクーナが俺に近づいてきた。

 

 

 

「ユウナさん、状況は最悪です。どうします?」

 

 

 

「…くそっ…どうするって…まだ任務は終わっちゃいねぇぞ」

 

 

 

「…正直この数は…私でも想定外です。…ざっと40から50位ですかね」

 

 

「…あの機体はいつ来るんだ…ッ」

 

 

 

『ーーお二人共。聞こえますか⁈』

 

 

「その声は…カスラさんか?」

 

 

『はい。ユウナさん。あなたの機体がそちらの空域に入りました。後10秒ちょっとでーー』

 

 

 

そう言い切る前にある地点にいたダーカーが一瞬で消え去る。

 

数秒後にはフォトン特有の音を立てながらーー複眼の機体がゆっくりと降り立つ。

 

 

降り立つと片膝を立てつつ左右の腕は周囲のダーカーに向けて発砲を再度開始。

 

 

それと同時に頭部部分が上に上がり切る。それと同時にメールが。

 

機体が到着したことにより少し安心してそのメールを見るとーー宛先はあの機体からだった。

 

 

 

〈Entry stand by〉

 

 

 

アークス言語で書かれていたが内容はなんとなく分かる。

 

 

 

「クーナ!あの機体に乗り込むぞ!急げっ!」

 

 

「えぇ⁈だってあれは単座だって情報がーー」

 

 

 

「いいから!ほら!」

 

 

そう言いハドレットに吹っ飛ばされて万全では無いクーナの手を引っ張りあの機体に近づく。

 

 

近づくと機体は片方のライフルを地面に置いて俺のクーナを優しく握り頭部横に降ろす。

 

そのままコックピットに座りーーその上からクーナも座る。すると前もってカスラさんに渡していたマグがメインメニターにある言葉を出す。

 

 

〈You have control〉

 

 

その問いを受け「アイハブ!」と声を上げる。

 

 

「ど、どうしたんですか⁈ユウナさん⁈」

 

 

 

「なぁに、通過儀礼ってヤツよ。さて、クーナさん。これがあればハドレットとサシで行ける。説得はどうする?」

 

 

「…辞めです。ユウナさん、私の弟を…コテンパンにして下さい」

 

 

「あぁ。やってみるさ」

 

 

そう言い片足をつけた状態から立ち上がりライフルをハドレットに向ける。

 

 

「さぁ、再度任務開始だ…」

 

 

そう言い脚部にあるスラスターにホバーする程度の推力を発生させハドレットにソリッドライフルを向け突撃した。120話目




さて…ここから話を飛ばすか


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

121話目

オリジナル展開(尚次で終わる)


 

 

「…逃げられたようだね?」

 

あの会場での戦闘後。すぐさま俺とクーナは偉い人に呼び出されてーー簡単な報告をしている。

 

マグを提出して終わりのはずなんだが…何故か上がそれを許してくれないとクーナが言っていたのを思い出す。

 

「はい。ですが少なからずのダメージは与えたかと」

 

「…分かった。引き続きこの任務を2人で当たってほしい。場合によっては他のアークスを引き抜いても構わない」

 

 

「はっ。それでは失礼します」

 

そう言い短く敬礼するクーナ。それに続いて見様見真似でそれを真似する俺。

 

 

そう言いクーナの敬礼が終わると身体を出口に向け歩き出す。俺もそれを見てーー少し挙動不審になりつつ早く出たいが為に早足で出て行く。

 

ガチャリと扉が閉まり数秒立つと一言。

 

「彼女が、ねぇ…」

 

 

そう言いテーブルの上で手を組みその上に顎を乗せるニューマン。

 

後ろからは人工太陽の作る光が射し込みニューマンの表情は誰にも分からなかった。ーー一握りを除いて。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「ーーあぁ!ダメだねこれは!完全に各ユニットにガタが来ている!」

 

 

 

『ダメですか…?』

 

 

 

「…そうだね…俗に言う新造した方が早いって感じだなこれは」

 

 

そう言い彼はーー班長は己の部下達に指示を飛ばしハンガーにかけられている外部装甲を外された状態の機体を見る。

 

 

 

「ーーお嬢さん2人の乗っていたコックピットブロックは兎も角、他の損傷が酷すぎる。なんせD因子の極太レーザーを喰らった様だからな。2人のフォトンで中身はどうにかって所だが外部は駄目だ。…幸いな事に装甲系はこっちでどうにかなるからいいものの…中の駆動系ーー特に足と腕の可動部が不味いな」

 

 

 

『…直ります?』

 

 

 

「…そうだなぁ…1から新造と変わらないが出来なくはない。どうせだ。こっちで好き勝手やらせてもらうぜ。予算は此方でどうにか引き出す」

 

 

 

『お願いします』

 

 

そう言い通信相手のユウナは通信を切る。

 

 

 

「…ったく。あの嬢ちゃんもあのろくぼーの奴も人使いが荒すぎるっていうんですよ。班長もそう思いますよね⁈」

 

 

「煩いぞ。だがあの嬢ちゃんがこいつを持ってきたお陰で俺たちゃ日向を大手を振って歩けるんだ。ハルもそう思うだろ?」

 

 

「ですかねぇ…まぁ、コレが来る前の此処での仕事といったら量産する気の無い軍用車の設計、実験、試作くらいしか有りませんでしたからね。子供には「ぱぱは何の仕事をしているの?」って聞かれた日にゃ…」

 

そう言いぶつぶつと独り言を喋る副班長であるハルを横目に班長は先ほどの言葉を頭で思い出す。

 

 

(好き勝手やって良い…技術屋の俺には余りにも悪魔的提案だな)

 

 

そう言い班長は隣でいまだに喋り続けるハルを置いていき、解析が完了した機体の3Dモデルを見に設計室に向かう。班長の頭の中には既に複数のプランが出来上がっていた。問題は予算を上からどうやって取るかである。

 

 

 

「ーーそれで終いには嫁さんに逃げられるかとーーあれ?班長?班長どこに⁈はんちょおぉう⁈」

 

それから約2分。やっと班長のいなくなった事に気付いたハルであったが部下達からの救援要請があり機体の整備の指示出しに入った。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「…ん?」

 

 

総技部と電話が終わり街中をフラフラしているとふと視線に古びたジャンク屋が目に入る。

 

 

 

「……開いてんのか…ここ…」

 

 

そう呟き店に入る。中にはいろんなパーツや基盤。謎の部品まで様々であった。

 

 

「……うわぁ…pcパーツみたいだ…」

 

そう言いさらに奥に進むと店主らしき人がカウンターで新聞を読んで座っている。

 

 

俺に気付き「……いらっしゃい」と一言言うと再度新聞を読み始める。

 

 

そう言い店主の前にある棚を見ているとーー1つだけメガネが置いてあった。

 

 

なんでメガネが?と思いながらそれを手に取る。

 

 

懐かしいな、前は眼鏡をかけていたっけ。とレンズをふっと息を吹きかけ埃を飛ばしメガネをかける。

 

 

幸いな事に度数が入っていない。なんだ、伊達眼鏡か。そう思いながら周囲を見渡す。

 

 

「…ん?……んんっ⁈」

 

 

本棚にある本のーーあの英語を難解にした文字あるオラクル言語で書かれたーータイトルが読める。

 

 

「……」

 

 

身に付けた眼鏡を外して店主の方に向かう。

 

 

 

「これっ!これいくら⁈」

 

 

 

「…6万メセタ」

 

 

 

「ろっ⁈…いや、高めの眼鏡と考えれば……」

 

 

そう言いに手取りながらうーんと暫く悩み。

 

 

「ありがとうございました」

 

 

 

そう言う店主を横に眼鏡を付ける。

 

 

 

「…おぉ…」

 

 

読める。今まで全く読めなかったオラクルの言葉が読めるぞ。

 

本棚には光歴やフォトナー等なんだか俺には分からないそう言う古い本類が並んでいる。

 

 

読めることを確認してウキウキしながらジャンク屋から出て行った。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「……プラント船の警備?」

 

 

そう言い俺は貯まっている洗濯物をマイルームのベランダに干すために物干し竿の家具を備え付きの大型デバイスを弄り探す。

 

 

「えぇ。アフィンさんとユウナさん、その他のアークスでプラント船の定期警備に当たって欲しいとのオーダーです。ーーあとユウナさん。竿はそこじゃなくてあっちに入ってます」

 

そうデュケットに言われもう片方のーーホログラムが緑色のデバイスに触り起動する。

 

「…何から警備するの?」

 

有ったと自分のナノトランサーに入れてそのままベランダに。

 

ナノトランサーのホログラムを弄り指定の場所に置く。

 

 

「なんでもハベルが犯行予告を行いまして。一応目標船の大まかな絞り込みは出来たのですが時間的に完全に絞り込めない状況でして。私たちバークスも駆り出される予定なのですが…それでも足らないと言う事でアークスの方からも駆り出される予定らしいです」

 

 

「うわ…めんどくさそう。却下とか出来ない?」

 

 

「無理やりマトイさんをここに同居させるのに結構手間が掛かったんですよ?時には私を昇進させると思って受けて下さいよ」

 

 

「……はぁ、頼むから危険の無さそうな船に派遣してくれよ。ほんと頼むから」

 

 

「まぁ、あれの後ですからね。そこくらいはこっちでなんとかしますよ」

 

 

「はぁ…面倒だなぁ…アークスって」

 

 

「…まぁ、そう言わずに。どうせハベルの奴らは襲って来ませんよ」

 

 

 

「どーだか。…所でマトイは?」

 

 

 

「えぇ。彼女ならエコーさんと何処かに出かけましたよ」

 

 

 

「…まぁ。エコーさんなら一緒にいても大丈夫だろ」

 

 

 

「えぇ。ああ見えてエコーさん。子供好きですからね。ゼノさんのように子守は適任でしょうし」

 

 

 

「エコーさんがそんな歳くったみたいな風に言うなよ」

 

と言うかそもそもゼノさん20は確実に越しているだろうに。

 

そうデュケットの話を聞きながら洗濯物を竿にーーハンガーに掛けて棒に掛ける。

 

 

「ぇ?だってエコーさん確か3ーーまぁ、その。ニューマンですから」

 

 

「…まぁエルフみたいなもんだよな」

 

 

 

「える…?まぁ、そうなんじゃないですか?…所でユウナさん?」

 

 

 

「ん?」

 

 

 

「その眼鏡は一体…?イメチェンって言う奴ですか?」

 

 

「いや…まぁ…そう」

 

 

そう言いながら洗濯物を干し切りーーよしと呟く。

 

 

「…ふぁ…んで。その任務いつからよ」

 

 

 

「2日後の13:00時からです」

 

 

 

「……」

 

 

「そんな嫌な顔をしなくても直ぐに終わりますよ。大丈夫です。私も行きますから」

 

 

「デュケットが⁈戦えるのか⁈」

 

 

「私も一応バークス、B.r.k.sですよ?ランチャーで支援くらいは出来ますって!」

 

 

そう言い、という事で作業台借りますね。と言い部屋に入って作業台に座るデュケット。しばらくすると大型のーーキャストが使うようなランチャーが音を立てて現れてかちゃかちゃと弄り始める。

 

 

それを見ながら俺は「ロケランは肩に乗せて撃つものだろ…」と言いながら残った洗濯物を竿に干す。今日の予報だと雨は降らないはずだ。このまま干しっぱなしでも良いだろう。

 

それから数分してすべてが干し終わりーー俺も家の中に入った。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

「確かにさぁ!あぁ入ったけどよぉ!ーーデュケット!ロケラン!早く!」

 

 

 

「分かってますって!アフィンさん!援護を!」

 

 

 

「やってるって!相棒!継続射撃⁈」

 

 

「作戦もクソもあるか!他のアークスに合わせて撃って撃って撃ちまくれ!」

 

 

そう言い壁に隠れながら弾の切れたマガジンをナノトランサーに入れて新たなマガジンを差し込む。

 

敵は…ダーカーだ。

 

 

 

遡ること今からーーそうだ、2時間くらい前だ。俺、アフィン、デュケットの3人は護衛予定のプラント船に到着。そこで各々の死守ポイントを言い渡されたものの今回の隊長枠の人に「何のことはない、どうせバベルの奴らは来まい」と宣言されてしまい、各々死守ポイントには居るものの本当に居るだけだった。

 

 

戦況が動いたのはそれから50分後。全域のチャンネルで一部のアークスから連絡が途絶えたとの報告が隊長枠の人に入る。

 

 

隊長が6名程のアークスを抜き取りそのまま仮部隊を組んでそれらの捜索に向かう事に。

 

それから5分後には通信が入りーー「ダーカーにやられている」

 

 

その通信の後隊長から帰還命令が下り死体をどうにか持ってきて任務をまだ続けるかどうかを判断するのに10分。

 

 

プラント船の乗組員その他を脱出させる為に艦橋に向かい状況説明するのに20分。

 

その間にも乗組員42名がダーカーにやられてしまう。因みにこの時俺も護衛する為に前に出ていたがーー後ろを見たら真っ二つになったヒューマンとその切れ目から内臓ーー小腸、大腸、半分に割れた胃とかを見たら大声上げて乱射してしまったよ。

 

 

その時にアフィンに言われた「…死んだ人には申し訳ないけど…諦めるしかないんだ」

 

そう言い真っ二つに分かれた上半身の見開かれた目をーー手で閉じるアフィン。

 

 

それからすぐに退艦命令が出てーー。

 

 

ソードやダガー、ワイヤードランス等近接職が乗組員が乗り込む時間を稼ぎ、ある程度乗ったら近接職が下がる。

 

それと同時にライフルやランチャー、ウォンドやロッド、タリス持ちの遠距離が下がる近接職を援護しつつ更に下がる。それを繰り返して少しづつ撤退。これを繰り返すことで新たに死者を出さずにいる。

 

 

そして今。最後の乗組員を乗せた輸送機が離艦、ワープに入る。

 

 

〈良し。最後の乗組員の離脱を視認した。残存アークスは速やかに輸送機に撤退、現宙域から離脱する〉

 

 

そう言われてぞろぞろと後ろに下がっていく俺たちアークス。守っていたエリアが中央だった為必然的に一番最後尾に就くことになった俺。

 

 

もう少しで輸送機に着く、そう思っていた矢先に今俺が居る場所が揺らぎーー真下に落ちる浮遊感が。

 

 

(…ぁ、俺死んだわ)

 

 

上の方で2人が叫ぶ声が聞こえたがーー何か頭にあたり意識を失った。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

「……うぅ……ここ何処だ?」

 

 

通路の崩壊に巻き込まれた迄は記憶がある。上を向くとマグがクルクルと俺の上を回っている。マグのさらに奥を見るとーー結構な長さの穴が空いていた。

 

 

痛む身体をどうにか動かしてーー手元に何もない事に気がつく。直ぐに周りを見渡して持っていたライフルを探すもーー周りには無い。

 

幸い足に装備していたレッグホルスターにナイフとハンドガンがまだ付いていたのでそれを引き抜く。

 

 

ハンドガンを引き抜きマガジンキャッチを押して一度マガジンを抜いた後、スライドを引いて弾を抜く。

長い事マガジンを入れっぱなしだったから中のバネが弱っていたりしないかと心配になり、スライドストップがかかった所に初弾を入れようとしてーーリサさんに言われた事を思い出す。

 

 

『ーー拾ったマガジンや長年使っていない銃器の最初の1発は動作不良ーー装填時のジャムや排莢時のジャムは基本的に銃本体のメンテをしていないから発生しますが、絶対に銃が悪いとも言い切れませんからねぇ?ダーカーを前にしてストーブパイプやダブルフィード等々弾詰まりを起こしたら大変ですからねぇ?レンジャーの皆さんはちゃーんと日頃から整備メンテナンスを日頃から行いましょうねぇ?』

 

 

 

「…やっときゃ良かったな…」

 

 

1人取り残されたことで震える手で排莢した10ミリ用の弾丸をナノトランサーに放り込む。

 

 

「…この10ミリハンドガン、新人が撃ちやすく、ダーカーに効きやすいって言うから採用されているらしいけど…ライフルの弾丸と比べるのは酷って言う奴か」

 

 

そこまで言って俺はふと気付く。そもそも一般レンジャーの初期ライフルの口径がおかしいんじゃないかと。

 

今回はどうせ来ないからと初期ライフルーー確かA.C.A.R–mk.5をデュケットから借りて来たんだっけか。…それもどっかに行っちまったが。十中八九、落ちて来る間に手から離れんだろう。

 

 

「…後で謝らんとなぁ…」

 

 

アークスから渡されるライフルは兎も角、大体のレンジャーは大口径化に流れるらしい。曰く「小口径が撃ちやすいのは分かるが10ミリ以下じゃ弾丸のフォトン含量が少な過ぎてエネミーを倒すのに時間が掛かる」とか「フォトン弾を撃つライフルの方が(適正のあるなしにせよ)エネミーに対しては有効だ」という事で初期ライフルは売り払われるかロックを掛けて倉庫に放り込まれるかの二択だった。

 

一応アークスでは大口径のライフルは反動がどうこうで進めたくないらしいが…今の技術だとほぼほぼ無反動に出来るのを未だに上は知らないのだろうか?

 

 

そう思いつつストップの掛かった開いたスライドに2発めの弾を放り込みスライドストップを下に下げる。

 

マガジンを挿入しようとして、ふとこのままコックファイヤだか忘れたがそんなずっと撃ててしまう現象もあったなと思い返す。

 

 

これはオートマチックとは言えトリガーを引かなきゃ次は撃てないハンドガンだ、それは無いだろうと思いつつーー安全性を取り一度抜く。

 

 

やっと準備が終わりそこら辺の瓦礫にーー勿論距離を取ってーー撃ってみる。

 

 

パンッ、と乾いた音と共にスライドが動き空薬莢をエキストラクターが噛み後ろに引っ張る。エキストラクターの反対側にあるエジェクターが噛んだ反対側の端に当たり、エジェクションポートから排出。マガジンが刺さってない為スライドストップかスライドに噛み合わず止まらない。それと同時に非常に軽い反動が腕に掛かってきた。

 

 

「…」

 

 

よし、撃てる。そう確信しスライドをオープン状態にしてハンドガンにマガジンを挿入しスライドストップを下ろす。

 

ガシャ、と言う金属音が響きマガジン内の弾をチェンバー内に送り、撃つ準備が終わる。

 

辺りを調べる。幸いな事に眼鏡をつけているお陰でオラクル言語はどうにかなる。

 

メガネが無かったら死んでたなこれ。と思いながら付近に艦内案内板はないかと探す。

 

 

取り敢えず脱出する為に救助艇、あのカタパルト辺りまで向かわなくちゃならない。

 

付近を探すもそれらしきものは無し。多分だがまっすぐ上に進めば着くはず。今はそれだけを考えよう。

 

 

そう思っていると俺が落ちた穴から何かが落ちて来る音をミミが拾う。物陰に隠れセーフティの確認、トリガーに指を掛けサイトを覗く。

 

 

 

「ーーァァァァあああぁ!!ーーいでぇ!?」

 

 

 

上から落ちていた物。それはーー。

 

 

 

「…あ、アフィン⁈なんで⁈」

 

 

金髪ニューマンの相棒ことアフィンだった。

 

 

 

「いってぇぇ…あ、相棒を…1人にしておけ…くぅぅ…」

 

 

「おまっ、確かに嬉しいけど…大丈夫か?」

 

 

「…なに、こんな痛み大丈夫だから。ーー後伝言。ユウナさん、絶対に帰ってきてくださいね、だってさ」

 

 

そう言うアフィンを見て内心ーーとても安心した、とは言えなかった。

 

 

「…1人よりよっぽど楽さ」

 

「そうだな、相棒。んじゃどーするよ?」

 

「上だ、上。ダーカーに制圧されつつある船に居たくはないんでね」

 

 

それもそうだな。と言い俺とアフィンは前に進み始めた。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「……アレは…武器庫…?」

 

 

そう言いハンドガンの残マガジンが少なくなってきたと思っていた時。武器庫と言う壊れた案内板を発見。アフィンに前を任せつつその通りに武器庫を発見してその中に入る。そこで見知った形のライフルを見つける。

 

 

「…Mk.4って奴だな…俺も初めて見るよ」

 

 

この体になった時に握っていたライフルだけっけか。チャージングハンドルを引いて初弾を吐き出す。幸いな事にボックスマガジンが複数置いてあった。

 

 

ハンドガンをいつでも手に取れる位置に置き弾を入れていく。

 

 

「相棒!見ろよこれ!」

 

 

そうアフィンが言い Emergency と表示される扉を開け切る。

 

 

そこにはランチャーの形をしたガトリングガンが合った。

 

 

「…携帯式のガトリングガンだ…こんな旧式武器、俺初めて見たよ」

 

 

「旧式…?アフィン、これ持てるか?」

 

 

「俺こう見えて力はあるんだぜ?見てろ?ーーふんっ!ふぅぅぅん!!」

 

 

そう言いアフィンがガトリングに近付きそれを持とうとするがーー上がらない。

 

 

「…ふぅぅんんんっ!!ふんっ!ーーはぁ…んっぁ…だめだ…動かねぇ」

 

 

そう言いその場に座り込むアフィン。

 

 

俺は固定されているガトリングガンの周囲を見て、それを手で触ったり動かそうと揺らしたりした。

 

特に変わりはない。となるとーー。

 

「…これか?」

 

 

そう言い Emergency と表示されるウィンドウに触る。文字が変わり レベル3カードをスキャンせよ。と言う文字に変わる。

 

 

「レベル3カード?…アークスカードじゃダメか?」

 

 

「いや、普通に考えてダメだろ。…これあれか?ドアとかロックされているパターン?」

 

 

 

「そんなゲームみたいな…仕方ない。アフィン、この場は武器だけ持って先に進もう」

 

 

「分かった。ーーカードがあったら?」

 

 

「そんときゃ戻ってくるさ。さぁ。早く行くぞ」

 

 

そう言い俺はMk.4ライフルを持って部屋から出ようとした。扉をくぐるとライフルだけが置いていかれる。

 

 

そしてウィンドウが表示されーー。

 

 

 

「…アフィン。ライフルは置いていこう。…いざとなったらアフィン。頼む」

 

 

どうやら持ち出すにもカードが必要なようだった。

 

 

 




初めて次の話で簡単な流れを汲んだ。尚その通りに進むとは()

今頃になってEP1&2とEP3の資料集を見つけて買ったけど…ガバガバっすね、この小説の設定。見直すべきかな…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

122話目 帰艦

まさかの1万文字突破。でも書いたことは行って帰って来ただけ。次回から本編…の筈。


 

 

 

 

「…L3カードなんて何処にあるんだよ…そっちはあったか?」

 

 

『…そう言うなって。相棒は何処らへんを探している?』

 

 

「あぁ…同じエリアの…研究室か?ここ。ーーなんでプラント船に研究室なんかが」

 

 

『一応各種食料の種の改良の名目で作られているらしい。やるかやらないかは各プラント船の船長の判断だが』

 

 

「…こう、プラント船ってでっかい農場が複数階あるって思っていたけど…全部野菜なんだな」

 

 

『あぁ。一応小規模ならあるけど、それはどっちかっていうと種として残す為の保護区とか動物園とかそう言うのかな?それに生きている生き物を殺してまで肉を食べたいか、と言うと…』

 

 

「合成肉を食べたらなぁ…正直なところあそこまで肉と一緒の感触、味だったとは…もっとも、今は肉はいらねぇな…」

 

そう言いナノトランサーに突っ込んであったライトで照らしながらカードらしき物を探す。

 

肉の話をしていたからなのか余計に触りたくない遺体や断裂部、着ている服や机の引き出し等々探すもーー中々見つからない。有ってもレベル2カードだった。

 

『…そもそも思ったんだが…戦死した乗組員とかってそんな高レベル?のカード持っていたのか?』

 

 

「…持ってなかったら…そうだな、アフィンのライフルにグレネード付いてなかったっけ?」

 

 

『グレネードシェルの事か?付いているけど』

 

 

「それで扉吹っ飛ばすしか無いな。できるか?」

 

 

『…周りの被害を考えたらなぁ…危ないでしょ?』

 

 

「最終手段か…あ、こっちにパソコンあったわ。なんかそれっぽい検索用のシステムないか調べてみる?」

 

 

『調べてみてくれ。ーーやべっ、ダーカーだ。一度切る』

 

 

「大丈夫か?そっちに行くか?」

 

 

そう言いマップシステムを起動、ウィンドウに俺の現在位置とアフィンの位置が現れる。

 

 

『そんな10mmオートで来られても困るからな。そっちはカードを探してくれ』

 

 

「…いや、確かにそうだけどよぉ…」

 

 

切れた通信に呟く。左手にライト、右手にーー女性でも握り易いようにとシングルカラムのマガジンを収めるグリップを握りパソコンの前に立つ。

 

 

左手のライトはパソコンの上に置き、なんら変わりの無いオラクル製のオラクル文字の印刷された英キーボードを叩く為に手を置く。ーーがしかし。

 

 

「…やべぇ…俺英語出来ねぇじゃん」

 

 

そう。オラクル言語のベースは多分英語。所々日本語に近いニュアンスは有るが、それでも基本は英語である。そして手元には日本語を英語にするスマートフォンや端末は無い。なんせここの使用言語は英語をベースとしたオラクル言語一択で有る。

 

 

「…アフィンと合流しよう」

 

 

そう言いパソコンは付けっ放しにしてライトを持ってアフィンの現在位置に向かう。

 

ーーーーーーーーーー

 

 

「なぁアフィン」

 

 

「ん?何だ」

 

 

パソコンを弄り使えるシステムがないか調べるアフィンに暇なもんで話しかける。

 

 

「…あん時あのまま逃げれば良かったのに…何で追って来たんだ?」

 

 

「そりゃお前…好きな奴置いて逃げる男が居るかよ」

 

そう言いモニターを見ながら何当然の事を、とでも言うように顔を向けず話すアフィン。

 

…やはり他人から好き、と面を向けて言われるのは心にキツイ。俺はまだ男だろうと。

 

そう思いーー口籠もりながら言い返す。

 

「せ、盛大に尻餅ついてたけどな」

 

 

「そりゃあんな高さから落ちれば誰だって尻餅くらいつく。戦闘服のお陰で逆に尻餅で済むと思えば軽いもんだろ」

 

 

「…ったく。ほんと何でアフィンは俺の事が好きなんだか。前にも言ったが俺はけもーービーストだぞ?バベルに嫌われている」

 

そう言いネットーーではなくポスニュースで出てくるビーストに対する事件を思い出す。軽いのは強姦や誘拐、酷いのは殺害や闇市場での違法取引。オラクルに住む人にはIDが発行されているらしいが、それを踏まえた上で取引されているって事はそれらを管理する所に入れる奴がいるって事ってデュケットが言っていたのを思い出す。

 

そして貴女は珍しい純粋な灰色の毛を持つ人なんですから…余計に心配なんです。とも言われた。

 

今回もアークスの実質の負けで終わる。ーー最もプラント船に来たのはバベルではなくダーカーだった訳だが。

 

そしてバベルの奴がもっとヤバい理由は…ビーストを好きになった人にまで危害が加わる事。

 

 

「それがどうしたって言うんだ?好きな人に好きと言っちゃいけねぇのか?」

 

 

「いや、そうとは言ってないが…」

 

そんな俺の思いを知らずか好きを好きと言えず、なんて事を言い出す始末。

 

「んじゃ言わせて貰うけど…ユウナ、好きです。ーー彼女になって下さい」

 

そう言い今度はーー顔を此方に向けてーー告白してくる。

 

 

「……誰も見てないからアレだけど恥ずかしいからやめろ。俺まで恥ずかしくなる。ーーくそっ、尻尾が⁈」

 

 

「ははっ。やっぱりそうですよねぇ…。まぁ、そこを含めて俺は好きだけどなぁ。ーー良し、合ったぞL3カードの場所!」

 

 

「マジで!でかした!」

 

そう言いアフィンの肩に手をかけモニターを見る。

 

 

「ただまぁ…ダーカー反応もあるけど」

 

 

「ぇ?」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ヴォルガーダ戦

 

 

大きな研究用の多目的スペース。まるでゲームならボスでも居そうなエリアに二人揃って向かっている。

 

「…ぜってぇボス部屋だよこれ」

 

 

「…でもなぁ…アレにはD因子反応 中って表示されていたし」

 

 

「俺からしたら俺よりデカイ奴は全部ボスだ。ーー所でアフィン。ライフルのマガジンは後何個くらい?」

 

 

「俺は常時使っているからまだまだ大量に有るぞ。相棒は?」

 

 

「残り20個だから後120発。ーーアフィン、ハンドガン持ってなかったか?」

 

 

「有るけど…両手で使うのか?」

 

 

「アキンボって奴だ。どうせあまり使わないんだ、在庫処分と行こうぜ」

 

 

「弾代は後で返してくれよ」

 

 

そう言いアフィンはナノトランサーからこれまたレンジャーやガンナーの支給品である10mmオートと同じくマガジン20個を渡してくる。俺と違い受領したらナノトランサーに放り込んでいたお陰なのか汚れ等の無い新品だった。

 

 

「相棒はなんでナノトランサーに入れてなかったんだ?」

 

「…そうだな…もし何かに掴まれた時、足とか胴体とかにハンドガンやナイフが有れば応戦できるじゃん?」

 

 

「何処情報だよそれ」

 

 

「映画やゲームでよく聞き手の反対の胸部分にナイフをしまっていたり足にハンドガンを付けている軍人沢山居るじゃん」

 

 

 

「ゲームに映画がソースって…どうよ?」

 

 

「あぁ。それにーー」

 

 

「それに?」

 

 

「ーーかっこよくない?レッグホルスター」

 

 

そう言い受け取ったハンドガンを利き手に持ち、いつもの動作ーープレスチェックやマガジンの確認、薬室に俺のハンドガンと同じく装填して1発多めに入れたりと色々行う。

 

一通り両方のチェックが終わるとーーアフィンが先に向かい扉のスイッチの手前に立つ。

 

 

「カバーはする?」

 

 

「念の為。ダーカーが居るのは確定だからな」

 

 

「…って言うと開けるタイミングは俺か。練習するぞ?スリー、ツー、ワン、で開けるからな?」

 

そう言いアフィンがドアのタッチパネルに拾ったアークスカードを当ててーー首をかしげる。

 

 

「ゼロは無しか?」

 

 

「…無しだ。ワンで行こう」

 

 

そう言いアフィンの反対側に立ちアフィンの指示を待つ。

 

カードを仕舞いピッと音がした。見るとこの船のカードを当てている。

 

 

「…良し。カウントダウン、いくぞ?。ーースリー、ツー…ワン」

 

 

ビーと言うと音が響き扉が開く。俺が少し顔を出しーー開いた多目的スペースを確認してーーどこにもいない事に気がつく。

 

 

「…おかしいな。D因子の反応が無いぞ」

 

 

そう言い中に入る俺とアフィン。周りにはコンテナが沢山置いてある。中にはハッチが開いている物も。

 

 

「カードの居場所はここなんだろ?」

 

 

「あぁ。さっきまではD因子汚染の可能性大としてアークスカードでしか開かないはなのに…此処のカードで開いたからな」

 

 

「…敵の反応…もねぇし…」

 

 

「でもカードの反応は此処からだぞ」

 

 

「こう言うのって大体中央まで行くと何かあるはずだ」

 

「そうだな。ゲームなら出現位置は中央だもんな」

 

そう言い合い2人して構えながら中央に進む。

 

 

「…来ねぇな」

 

「…確かに」

 

「なに?此処もしかしてバイオに良くあるセーフティルー」

 

 

ム、まで言おうとしたらダーカーが出現する前兆の赤黒いワープホールが出来上がりーー中から5メートルぐらいの人型のダーカーが出て来た。

 

 

「んだあいつ⁈」

 

 

「相棒!散開!左右に別れろ!」

 

 

そうアフィンの声に言われる通りダーカーから見て左側に回り込む。

 

アフィンは右側に逃げてーーライフルを撃ちながら引き撃ちをし始めた。グレネードシェルやフルオート(ワンポイント)徹甲弾(ピアッシングシェル)を撃つ。

 

その猛攻にキレたのか大型ダーカーはアフィンの方を向きーー横綱の張り手の様に両手を押し出しながら向かって行った。

 

 

その間も俺はーー装弾数がリボルバーと同じ6発しか入らないハンドガンを撃ちまくり、少しでもダーカーを振り向かせようとするがーー全く振り向かない。

 

何か振り向かせる方法ーー具体的には爆発物ーーを探すために撃ちながら部屋を見渡す。

 

が、辺りにそんな危険物は置いていない。当然だろう、なんせ此処は研究室の多目的ルーム。そんな物があっちゃいけない。

 

他に手元にあるものといえばーーG.グレネードとフラッシュグレネード(スタングレネード)が各2つ。何方も小型のダーカーには効果があるが…あの大型のダーカーには効果は無いだろう。サイズ的に。

 

「ーーくそっ!アフィン!俺もそっちに行く!こっからじゃ当てても意味が無い!」

 

 

スライドストップが掛かり撃針が顔を見せる。ハンドガンを2つとも左右に振りカラになったマガジンを飛ばす。飛んで行った空のマガジンは空中で消え、ナノトランサーへと転送される。

 

左脇にハンドガンを抱えそこにマガジンを入れる。同じ様にもう1つのハンドガンにも入れ、両手に持ちスライドストップを下に下げる。

 

 

スライドが前に動き再び撃てるように。

 

 

「よせっ!来るな!」

 

 

「そんなこと言ったってよ!どーしろって言うんだ!」

 

 

「何か使えそうな物探せ!早く!」

 

 

そう言い更に後ろに距離を取りながらライフルを撃つアフィン。

 

そう言われてーー探せる物と言ったらコンテナしかない、と決めて溜まっているコンテナの中身を探す。

 

 

「…これはーー違う。ーーこっちも違う。…ゲームならボス用に武器を置いておけよ!」

 

 

そう言い手で開けられるコンテナは粗方開き終わりーー成果は何もなかった。

 

 

となるとーー。

 

 

「…って言ったって…横に書いてある文字…あれ総技部だよな…」

 

コンテナの側面には総技部の文字が入っていた。扉のすぐ横には指紋認証する為の装置が付いている。

 

もしかしてと思い手のひらを当ててーー不許可の文字が出てくる。

 

 

ダメかと思い別の物を探そうと踵を返した時ーーマグが認証装置に近づいた。

 

 

ん?と思い見ているとーーマグがシステムに侵入し始めたではないか。驚いているとあれよあれよと気が付けばロック解除の文字。

 

 

ライトで照らしながら中を覗くとーー底には複数のマガジンと少し前に見たガトリングガンが鎮座していた。

 

「…コンバットガトリング…ガン?」

 

勝てる、そう確信しそれを持ち上げる。明らかにそれだけで30kgありそうな物ではあるがそこはオラクル驚異の科学力。曰く俺たちの着ているこの戦闘服自体にパワーアシスト機能があるらしくーー。

 

 

「…よしっ!」

 

 

大型のボックスマガジンを入れてランチャーのグリップの様に横についている部分を左手で握り、トリガー付きのグリップを右手で握る。

 

その状態で走ってーーコンテナから飛び出す。

 

「アフィン!こっちだ!」

 

そう言いレーザーサイトを付けて大型ダーカーに向けて構える。赤いドットがダーカーの背後につく。

 

 

トリガーを押して直ぐにバレルからエネルギー弾が発射。アークスが普段使う弾丸より小口径エネルギーの為、アークスのライフルには単発だと叶わないが、それはレートでどうにでもなる。

 

 

連続する発砲音とダーカーに着弾する音。バレルから伸びる青色のエネルギー弾がダーカーに向かって突っ込んでいく。

 

 

「何だこの…っーーガトリングぅ⁈」

 

 

「最高にハイってヤツだぁぁぁ!」

 

 

ダーカーに向けて飛ぶエネルギー弾。弾が地味に痛いのか顔を向け当たっている部位を手で守りながらこっちに向かってくるダーカー。

 

 

「おい!アフィン!けつを撃て!早く!」

 

 

そう言い撃ちながら後ろに下がる俺。アフィンに怒鳴り攻撃を待つもーー全く飛んでこない。

 

 

「…相棒の胸が…すっげぇ…」

 

 

ミミを澄ますとこんな事を言ってライフルを握る手を下ろしていた。

 

「…アフィン!おい!変態エルフ!変態ニューマン!何言ってんだ!さっさと奴の背後を撃てぇ!」

 

 

その言葉に気を取り戻したアフィンが背後からグレネードシェルを放つ。まっすぐ飛びそれは奴の足に着弾した。

 

 

アフィンの方に奴が向かない様にと奴の腕や足、取り敢えず狙えれる場所を動かしながら狙う。そこで前から見てふと思う。あいつの顔…ダーカーのコアみたいなの赤いのあるじゃん、と。

 

 

そこに向けてドットを向けてーー弾の嵐が奴を襲う。弱点がバレたのが分かったのか今度は両手でそれを覆いながら前進して来た。

 

 

すると奴の背後にいるアフィンがーー走り出し地面をスライディングしながら奴の股を潜り抜け何発か股間に当てて俺の横に来た。

 

 

「ーー来たな、変態エルフ」

 

「んだよ変態エルフって⁈ーーまぁ兎も角。奴はどうするよ?」

 

 

「あいつの顔にダーカーみたいなコアがあった。アフィンは狙ったか?」

 

 

「いいや。ご覧の通り狙って撃つとガードしちまう。ピアッシングシェルなら貫通こそするが…有効打にはならないな」

 

 

「…俺が囮になる。その間に奴の弱点を突いてくれ」

 

 

「はぁ⁈相棒が囮になるなら俺がっ!」

 

 

「俺のおっ…胸に見ほれて撃つの止めたらシャレになんねぇからな。ほら!早く行け!」

 

そう言いガトリングから左手を離しアフィンを押す。

 

 

「早く!引きながら撃つのも難しいんだよ!」

 

 

「ーー分かった」

 

 

そう言いアフィンは奴のコアを狙える位置に向かいーーピアッシングシェルを放つ。

 

 

下部のグレネードランチャーから放たれる貫通弾は手で守られていない部分を通りーー奴のコアに当たる。

 

ライフルの通常弾に比べてフォトン粒子の量が多いためかーー直ぐに浄化。そのまま倒れる。

 

 

「…やった…?」

 

 

「…待て!こういうのはまた動くかもしれない。もっと撃っておこう」

 

 

「何処情報だよそれ」

 

 

「…映画だ」

 

 

そう言い俺はトリガーを引きーーその後直ぐに奴の死体が飛散するまで撃ちまくった。

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

「げほっ、げほっ…ごめんな…アフィン…」

 

 

「あ、あぁ…大丈夫…大丈夫だ…」

 

 

そう言い俺は相棒に肩を貸しーー1機だけ動かせる状態の期待に向かう。

 

現在位置は下部格納庫。あの人形ダーカーを倒しL3カードを入手、そのまま脱出迄は良かったんだが…上の格納庫に通じる通路が全部壊れて嫌がる。他の脱出ルートを探そうにも増えていくダーカー。俺と相棒は上部格納庫に行く事を諦め下部格納庫ーー戦闘機がある格納庫に向かう事にした。

 

 

格納庫前までは比較的すんなり向かいーーいざカードを使い開けてみたら…中に今までの比では無いくらいのD反応が出現。

 

出てきたのはダーク・ラグネ。複数のアークスがチームを組んで戦う筈の相手だった。

 

流石の俺も驚くのと同時に怖くなってーー震え始めた時に相棒に言われた言葉で気を戻す。

 

「…大丈夫だ、俺たちならやれる。…だろ?」

 

そう言い相棒は弾の切れたガトリングを仕舞いロッドを手に持ちフォイエやバータなどを使い攻撃していくがーーあまり効果が無い。

 

そこで相棒はーー六芒や一部のアークスが使用するグランツーー光系のテクニックを乱射し始めた。特にーー過去のとあるアークスが好んで使ったと本に書かれていたイル・グランツの連射。

 

光のーーフォトン其の物と言っていいミサイルがラグネに着弾、爆発を起こしながら体力を奪っていきーー最後には飛散して行った。

 

隣ですげぇ、とその様子を見ていたらはぁ、はぁ、はぁ、と息を絶え絶えにする声。背後を見ると同時にその場に倒れこむユウナ。それと同時に持っていたロッドの先端部分が壊れた。

 

どうにか身体を支えーー出てきた言葉が咳をしながらの謝罪だった。

 

 

ロッドが異常なフォトン励起により爆発して吹っ飛んだユウナに駆け寄りーーなにも持っていない手に気が付いたら握られていた弾の切れたハンドガンに俺のナノトランサーから取ったマガジンを入れる。

 

 

「げほっ、だ、だめだぁ…アフィン…今の俺じゃ…握る事すら…」

 

そう言ってきたので一度ハンドガンからマガジンを抜き取り、スライドを引いて中の弾を引き抜く。それを再度マガジンに込める。スライドを元に戻しマニュアルセーフティを掛けねマガジンを入れて相棒のホルスターに戻す。

 

 

「…よし。大丈夫だ。何が何でも俺が…ぜってぇに生き残らせてやるから」

 

そう俺の口から出たコトバ。

 

「…ふふっ…たのむぜぇ…相棒」

 

そのコトバに少し安心したのか少し笑顔になるユウナ。

 

「おうよ、任されて」

 

 

そう言いダーカー反応の無くなった格納庫でゆっくりと相棒と二人三脚で機体ーー確かアークスがモルガンと同時に作られていたウンディーナという機体だったか。ーーに乗り込む。ユウナを直ぐそばに座らせて機体に登る。

 

 

「確かマニュアルだと…キャノピー横の…イジェクション…合った、これか」

 

 

小さな扉を開き装甲が施されたキャノピーを開く。二分割のキャノピーが割れた。

 

そのままコックピットシートに座りーー内装はモルガンと一緒らしい。

 

「…良し。動くか…?」

 

 

補助動力には灯が入っている。と言うことはリアクターに灯が点っているって事と同意義か。誰かが乗ろうとしていたのか、そのタイミングで俺たちが来て脱出出来たのか、それは分からない。

 

警報システム、火災警報システム、機体防御システムのチェック、それと同時に再度APUが立ち上がっているのを確認。各種データが中央の大型MFDに投影されていき一定値になると完了と表示され脇にズレる。

 

IDの提示を示されーー俺は自前のアークスIDを打ち込んだ。

 

パイロットデータ認証、とだけ表示数秒後、それは消える。

 

「フォディナシステムは…アクティブ、第1エンジンは…これか?」

 

MFDを弄り他の第2、第3エンジンを始動する。高い周波数が俺の耳をつん裂く。

 

コックピットシートから降りて、2つに分かれて開く後部座席のキャノピーを同じ手順で開く。

 

「F.Oの席は…確かこれを下げれば…」

 

 

そう言い俺は斜めになっている席を戻しーーフライトオフィサーの乗る席を確保する。

 

 

「良し…相棒!乗れるか!」

 

 

「…手を貸してくれぇ…ひ、1人で立てそうに…」

 

 

そう言い下で座っている相棒に肩を貸すために再度コックピットシートから降りてーー相棒に手を差し出す。

 

 

「ほら。こんなところ、さっさと抜け出そうぜ」

 

 

「あぁ」

 

 

相棒を後部座席に乗せ終えると俺は前の席に着く。

 

 

「…よし。聞こえるか?」

 

 

『あぁ…これ何か弄るのか?』

 

 

「いや。弄るのはこっちでやる。相棒はそのままで」

 

 

『良かった…今の状態じゃ手を動かすのもキツイからな…』

 

 

「…モノメイト飲んでおけよ」

 

分かってら、という声を聞きつつ此方も弄る。

 

エンジンの出力が既定値の65%で安定。スロットルレバーの位置がアイドル位置にある事を確認する。

 

 

第1エンジンに続き第2、第3エンジンも65%で安定する。ラダーペダルを踏み込みながら少しだけスロットルを押し込むとーー出力が70%になる。

 

 

エンジンが安定してから数秒後、中央のパネルに自己診断プログラム起動の文字が。

 

それを目で追って確認するとキャノピーを閉めてーーキャノピーに機体外の景色が表示される。

 

すると自己診断プログラムが走りーー突然各種警告音がキャノピー内に響く。

 

 

『ぉあぁ⁈何だこれ⁈ーーいや…テスト…?』

 

 

「そうらしい。…そっちのMFDには何も出ていないか?」

 

 

『あぁ…射撃管制装置の…あ、ア、Activeか?』

 

 

「武器関係のテストか?そっちはテキトーにやっておいてくれ。音声認識だから手は使わない筈だ。こっちは飛行制御装置のテストに入る」

 

 

『んなテキトーにって…まぁ、良いや。ーー火器管制装置のテスト続行…30mmL.V.Mk.0のテスト…スピンアップの確認。えっと次は…ミサイルのテスト…オーケー。…こんな技術の塊でも武装はミサイルか』

 

 

「ん?どうした相棒?」

 

 

『いや。何でもない』

 

 

そう言いユウナは後ろで色々と声に出しながら声に出しながら読み上げていく。

 

 

「…宙域角度と高度装置と座標の初期化完了…高度と角度と座標のデータは…オラクル標準データを入れて…よしっ」

 

 

『…どうにか…腕の震えは止まりそうだ』

 

 

「…アテンションプリーズ。当機は離陸準備が整いました。本気はこれよりカタパルトに接続。離艦を開始します」

 

 

『…は?』

 

 

「相棒のナチュラルなは?が怖い」

 

 

『…ねぇ、これ本当に帰れるの?』

 

 

「大丈夫だ、シミュレーションで何度か使ったことがあるし一応訓練は受けた」

 

 

『…これの搭乗ライセンスは?』

 

そう通信機越しに痛い所を突いてきたユウナ。

 

大丈夫だ、安心しろよ。なんては言えない。何せ初の実機ーーしかも正式には量産されていない機体での起動だからな。

 

「…よーし、離艦するぞ」

 

 

そう言い機体随所に付いているスラスター推力を上げ下から離れる。ギアを上げメインの3つのスラスターの出力上げる。それに対しノズルは絞む。第2ノズルが90度下を向き他のスラスターも起動、少し浮かびランディングアームを格納し上昇、1と3番だけ推力を上げて機体を少しづつカタパルトに向かわせる。

 

 

「…よーし…システムクリア、各システムノーマル、武器関連は…相棒!」

 

 

『…ノーマルだ』

 

 

そう言いカタパルト前に飛ぶがーー扉が開かない。

 

 

マグが調べるとーーダーカーがこの船の制御システムを乗っ取っている可能性があると言われる。

 

 

それと同時に速やかに脱出せよ、とも。

 

 

『…ミサイルか何か使うしか無いな』

 

 

「…オーケー、何使う?」

 

 

『ミサイルしかねぇだろこれ』

 

 

そう言い主翼上下についているランチャーにぶら下がるミサイルポッドの発射口から複数のミサイルが発射、扉に向かって行く。

酸素があるためか煙を描きながら扉に命中。爆発が起こる。

 

爆炎と煙が消えると…綺麗に消えていた。

 

『…思ったけどこれ格納庫の酸素が外に吸い出されるんじゃ…』

 

 

「それは大丈夫だ。この船自体にシールドが張られているから酸素は逃げないし、この船自体に供給装置があるから関係ないぞ」

 

 

『…んじゃあの扉は何のために…?』

 

 

「機体が出すブラストから格納庫を守るブラストディフレクターだな。アレがないと機体のエンジンから出る火が格納庫に入っちまうからな」

 

 

『アレが…もっと先進的な…未来的な物かと思ったよ』

 

 

「…まぁ、過去には半透明のーーいま船を覆っているシールドみたいな機構を試したらしいが…こっちの方が動いている事が一目で分かるって事で。それに耐えられなかったらもっと厚さを増やせば良いだけだし」

 

 

『…まぁそのブラストディフレクターだっけか。…吹っ飛んで行ったけど』

 

 

「…格納庫に誰も居ないから問題なし。さぁ行くぞ相棒」

 

 

『…よし…おーけー』

 

 

そう聞くや否やスロットルをMaxーースラスターのノズルが絞り炎が出てくるとノズルが緩み一気に加速する。

 

 

『うぅ…おぉ…』

 

 

「…っーーよし!発艦した!」

 

 

そう言いプラント船の重力圏内から離脱すると機体に内蔵されている重力制御装置が起動。Gから解放される。

 

 

『…っぷはぁ…はぁ、はぁ…こんなGが掛かるのか…』

 

 

「…コンパスオープン、オラクル船団領域…A.W.Pは…こっちか」

 

 

M.F.Dをタッチしてフォディナシステムの最終チェックに入る。離陸前にチェックしていたが念のためにもう一度。

 

 

問題なし。

 

 

表示される文字に俺は安心しーーフォディナを起動する。

 

 

「…アテンションーー」

 

 

『聞きあきたぞ』

 

 

「はえーなおい。…今からオラクル船団の近くにワープするから注意しろよ?」

 

 

『おーけーおーけー。人生初の宇宙がすぐに終わるのか…』

 

 

「…なぁに、アークスなら船外任務もある時はあるからそん時に嫌って言うほど見れるぜ」

 

 

『…そうだな』

 

 

ーーーーー

 

発艦してプラント船の周囲を旋回していた時。宇宙やコックピットの内装を見ていた時。ふと視界の端に砲塔らしき物がこちらを向くの見えた。

 

「……ん?アフィン、なんか砲塔こっちに…?」

 

 

『H.W.Rに反応⁈あの船はもう無人の筈じゃ…⁈』

 

 

「は?ーーブレイク!ブレイク!」

 

 

そう言いアフィンが機体を右90度に向け加速。その後首を後ろに向けるとーーそのエリアが歪んでいた。

 

 

「んだよアレ⁈」

 

 

『対隕石やダーカー用の高出力レーザー砲塔だ、コイツは3発機分のリアクターが有るからシールドで十分に防げーー』

 

 

そこまで言ったらーー機体を衝撃が覆う。

 

 

「うぉぉぉぉ⁈」

 

 

『ーー機体各部ノーマル!まだ行ける!』

 

 

〈警告 D反応 確認 9時方向。後方の鑑から敵意有り 以降α1とデータをアップデート〉

 

 

その電子音声と共にM.F.Dにデータがアップデート。プラント船の3Dモデルが表示される。

 

 

『ーーあのサイズの船がD因子に侵されたらマズイ!撃破するぞ!』

 

 

そう言うアフィンだがーー俺には全く不味い意味が分からん。無理ならさっさと帰るべきでは?第一。

 

 

「コイツのミサイル対艦用じゃないだろぉぉ⁈」

 

 

M.F.Dに表示される武器ーーDIFM-20−8と書かれたダーカー迎撃用フォトンミサイル、威力こそあの扉を壊した時を鑑みれば十分にあるもののーー些か全長キロ単位の船を攻撃するには力不足の気がする。

 

 

『うるせぇー!ちっこくても当てるしかねぇんだよ!』

 

ミサイル発射口から複数のミサイルが発射。一定の距離を進むとミサイルが割れ多弾頭化。以降ランダムな軌道を描きながら艦の砲塔めがけ突っ込んで行く。それを感知したのか船の甲板に現れたカルターゴがレーザーで迎撃しながら砲塔に向かっていく。

 

 

「アフィン!カルターゴが!」

 

 

『分かってる!』

 

 

機体が機敏に動きレーザーバルカンを斉射。甲板を焦がしながらカルターゴに当たり首を後ろに向けて見るとーー無傷である。

 

「た、倒せてねぇぞ!」

 

 

『じゃねーだろ!俺たちみたいに直接フォトンをぶつけられねぇんだ!』

 

そんな事を言っている間に何発かが弾着、爆発。砲塔が上に吹っ飛んでーー。

 

 

「な、中から…ダーカーが…」

 

砲塔のあった部分からウネウネとーー赤黒いダーカーの触手の様なモノが現れる。

 

アフィンがそれを見て機体を姿勢制御用のスラスターを用いた直角機動を行いレーザーレールキャノンで近接攻撃を掛ける。

 

ーーが効果は薄い。当たってはいるものの有効打とはなっていない様子。

 

 

『…ダメだ。今回は逃げよう』

 

「残当、見ろよ奴の3Dデータ。D因子濃度がアフターバーナーしてるぜ」

 

そう言い前席にデータを投げる。

 

 

『…何だダーカー因子の濃度⁈俺ら1機でどうにかなる問題じゃない』

 

 

「オラクルのモルガンだっけか?そいつを…何機か呼んでこないと無理だろ?」

 

機体が180度回転。その後すぐに加速。機体の前にワープホールが形成されその中に入っていく。

 

 

「うぉ⁈ーーおまっ、ACMと言うか変な機動する時は一言声をっ!…まぁ良い、アフィン」

 

 

『なんだ、相棒?』

 

 

ワープ空間を飛んでいる最中。ふと気がついたことをアフィンに聞く。

 

 

「…デュケットから借りていたライフル…どうしよ」

 

 

『…謝るしかないでしょ』

 

 

ワープ空間を抜けるとーーこっちのM.F.Dのレーダー画面に反応あり。ーーしばらくするとオラクル船団の文字が。

 

『よーし。着いたな。ーーさて。相棒』

 

 

「何だよ急に?」

 

 

『フライトプランも出さずに急に戦闘機が現れた場合ーーどうなると思う?』

 

 

「…まさーー」

 

 

『ーー警告する!エリア23にワープアウトした不明機!フライトプランは提出されていない!そちらの意思は何か!』

 

 

『…こう言うことさ。相棒は少し静かにね…こちらアークスナンバー ーー』

 

 

そう言いアフィンは管制官とコンタクトを始める。周りには任務に向かうキャンプシップや船と船の間を行き交う交流船、哨戒任務中の戦闘機の編隊などが飛び交う。

 

 

それから少し経つと機体のすぐ横に前進翼の機体が2機近付いてくる。1機は真横に、もう1機は真後ろについた。

 

 

『ーーであったために任務の続行は困難と判断。こちらにワープアウトしました』

 

 

『分かりました。ではそのままシップ1への着艦を許可。その後の判断はゲートエリアにて通告します。ーー以上』

 

 

『了解しました。ーーさて、相棒。愛しの我が家に帰還だ』

 

 

「あ、あぁ…」

 

アフィンがそう言うのと同時についてきた2機はブレイク。どこかに飛んでいく。

 

 

はぁ、と溜息をついて、やっと帰れると思い力が抜けた。

 

 

 




Raにリングで通常攻撃がバーストからフルオートになるリングくれ。え?ウィークバレット…?武器アクで撃てるようにしろや。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

123話目

前回は去年の12月。今回はそれから2ヶ月後。訳は何故か?プロット通りに進まなかったからだ


123話目

 

 

 

帰艦後機体から降りれず他の人の手を借りてメディカルセンターに入れられてーーそこで看護師ーー此方もなんとビーストの方ーーの世話になる事に。

 

 

戦闘服を脱がされオラクルの病院服ーーエグザムリーシュに着替えてくれと言われ個室に入れられる。

 

 

 

 

曰く「ユウナさんの放つフォトンの過剰放出に武器が付いて行けず爆発、フォトンを伴う爆風が指向性をユウナさんに向けて何故か放った様ですね。今日は此方で安静にしていて下さい」と言われ早数分。最早何もすることがない。

 

 

エコーさんと確かテオドール、デュケットさんを呼んで貰いベッドの上で待つ事約2時間。エコーさんが先に来てくれた。勿論土産付きで。

 

 

「…その…エコーさんから借りたロッドを…その…」

 

 

「良いって別に。それにあの任務の後じゃ疲れているでしょ?ゆっくり休みなさいな」

 

 

「は、うん、そうします…」

 

 

「そうそう。若いうちは寝て育ってね。それにほら。見てよこれ」

 

 

そう言い取り出したのはーーオラクルでは珍しい白黒の写真。

 

 

「ゼノの奴…マリアさんと一緒に特訓してシゴかれているみたい。それにーーお話も出来たし」

 

 

「…そうですか。ーーその、ゼノさんとエコーさんって…?」

 

 

「えぇ。ゼノの方はそう思っているわよ。…私は…ほら、ニューマンだから…ね?」

 

 

「ね?と言われましても…」

 

 

「あら?知らないの?ならお姉さんが教えよっかなぁ〜?…まぁ、ユウナちゃんもベースはニューマンっぽいから聞いておいて損は無いわよ?」

 

 

「はぁ…それなら」

 

 

「うん。それはね?」

 

そう言いエコーさんは語る。今までのニューマンの同期達を。

 

 

「ーーつまりニューマンは容姿そのまま長生きするが為に性に大らかになってる上に子供が出来にくいから…その…」

 

 

「うん、その通りよ。私は今までーー本当の意味で処女を守って来たけど皆んな大体ユウナちゃんくらいの年で初めてを失うわ。ーー再生するけど」

 

 

 

「…聞きたくなかった…この世界のエルフがエロに耐性あり過ぎて一周回って来てんのか…」

 

 

「える…まぁ、そんな感じで私としては…ゼノにはヒューマンの同じ女性に付き合って欲しいのよ」

 

 

「…その、エコーさんは…?」

 

 

 

「えぇ。勿論ゼノの事は好きよ。loveの方で。…でも…ね?内心はどんな人にも股を開く種族とか思ってるんじゃと思うと怖くてね。…告白するのが」

 

 

「いいじゃないんですか?どうせダメならダメ元でいきましょうよ?」

 

そう俺が言うとエコーさんは手を左右に振りながら

 

「今は良いのよ別に。一時的とは言え会えなくなるし」

 

と言い放つ。

 

「会えなくーー」

 

「まぁいいじゃない。一時の迷いって奴よ」

 

そう言うとエコーさんのマグが俺のいる病室をスキャンし始めーーすぐに終わる。

 

 

「ーートラップは無しと。ーーいいユウナちゃん?」

 

突然のことに戸惑っている俺を無視しつつ話を続けるエコーさん。

 

「ーーゼノは少し前のダーカー襲来で戦死扱いになっているわ。ーー勿論生きているわよ」

 

そう言われーー「は?」と声を上げた俺は悪くない。

 

「六芒均衡の2のマリアさんがゼノに特訓をさせているわ」

 

そう言い遺跡で出会ったフルキャストのーーあまり女性とは言えないゴツい装備をしていた人を...キャストを思い出す。

 

「マリアさんって...あの黄色のフルキャスト?」

 

「えぇ。上の方に偽装も掛けるから私は大慌てよ。ゼノの物を処分するって名目で外に運び出したり家族に説明しなきゃでーー」

 

『警告。偽装網の稼働限界』

 

「ーーここまでのようね。取り敢えず言いたいことは言えたわ」

 

「エコーさん」

 

「...なに?ユウナちゃん」

 

「私が言うのもなんですが...後悔するより当たって砕けた方が楽ですよ」

 

「...わかっているのよ。ーー心の中ではね」

 

そう言い病室から出ていくエコーさん。去り際に

 

「...でも再確認だけさせてくれてありがとね」

 

と言い出ていった。

 

ーーーーーーーーーー

 

 

エコーさんが帰って入れ替わる様にテオドールが入って来た。ーーシャレにならないくらいに表情を暗くして。

 

 

「…ど、どうしたんだ⁈テオドール⁈」

 

 

「ユウナさん…僕…結局向かい合って話せず…うぅ…」

 

 

「一体どうしたんだ…話を聞かせてくれ」

 

 

「はいぃ…」

 

それから椅子を出しポツリポツリと話し始めたテオドール。内容はーー。

 

「…は?ウルクさんが、死んだ?嘘だろ?」

 

 

「…本当なんです…前にあったヨルダとテミスへの強襲が有りましたよね…あの時に…」

 

 

「…すまん…多分俺もテミスでダーカー掃討戦に出てから…」

 

 

「良いんです…ユウナさんは悪くないですよ…僕があの時もっと…いえ、真面目にアークスとして仕事をしていれば…」

 

 

「テオドール…?」

 

 

「…すいません。独りでにちょっと考えてしまいました。ーーその、僕を呼んだ理由は?」

 

「あぁ…確かテオドールからロッドを借りていたろ?それを返そうとして呼んだんだ」

 

「…おかしいですね。僕はテクターなのでウォンドの筈ですが…?」

 

「あれ…じゃぁこれは誰のだ…?」

 

一応壊れたロッドをナノトランサーから取り出しテオドールに渡す。

 

渡されたロッドをまじまじと360度の角度から観察し始めた。

 

「…僕のではないので…まぁ、破損しているみたいなので返さなくても良いのでは?…にしても破損するんですね。ロッドって」

 

コトリとテーブルの上に置かれる地味にデカイロッド。

 

「そうなのか?医者の話じゃ珍しくないらしい雰囲気だったが」

 

 

「いえ。武器の不調で壊れるって言うのは割と聞きます。ですがーーほら、見てください。ここのフォトン結晶。耐えられなくなって消えています。ユウナさん、フォトン結晶を壊すなんてどんな力でテクニックを放ったんです?」

 

 

「いや…イル・グランツを放った、としか…」

 

 

「えぇ⁈イル・グランツを⁈ユウナさん!少しお話を聞いても?」

 

 

「えぇ?…ま、まぁ面白くなんてないよ?」

 

 

「お願いします!彼女ーーウルクの為にもダーカーを殺すためにテクニックを学びたいんです!」

 

 

そう言うテオドールに対しーー俺も感覚だからごめんね?と一言いい今まで撃ってきたテクニックの感覚を教える。

 

ーーーーー

 

 

「…はぁ…」

 

 

『いや!はぁってそれはねぇだろ⁈』

 

 

「…確かに軍、じゃなくてアークスの新型に乗れたのはラッキーだったけどよ…こちとらそれどころじゃねーんだわ」

 

 

『そう言えば今病院なんだっけ?大変だなぁ…』

 

 

「てめぇ…人ごとのような口をしやがって…ッ。あの時俺が居なかったらどうなっていたことやら」

 

 

『ダーク・ラグネだろ?いやぁ、流石にアレには俺もビビったよ。まさかあんな所に居るなんて』

 

だれだあんな所で虫を飼っていたら奴は、と言うアフィン。

 

「俺はへんなPAブッパしてたらぶっ倒れたけどな」

 

 

『覚えてねぇのか?』

 

 

「いや…なんかマトイが使っていたイル・グランツだっけか?それを使った、って言うのは何となく分かるが…正直あまり」

 

 

『…ぇ?マトイってグランツ系使えるの?』

 

 

「そもそもグランツって何だ?」

 

 

『…フォースやテクターが使う光系テクニック。最もアークスの殆どはグランツやレスタ、アンティ、ギ・グランツ、ラ・グランツの5種類しか使えない奴が多いけど』

 

そう言い動画データが添付されていてーーそれを見るとフォースの女性が各種グランツを放っている動画が開く。

 

 

『他にも毒を与えるメギド系は…その、有るにはあるけど…メギド系はフォトンの特徴がダークファルスに近いらしくって…使える奴は軒並み死んでいるわ』

 

 

「なにその魔の技使いたくねぇんだけど」

 

 

『なぁに、武器に宿すには安全らしいからメギド系の属性の武器を使えって事だ』

 

ちなみにこれがそれらの動画な?と言い飛んでくる各種P.Aの動画。

 

その中にはアフィンの言ったメギド系がありーーマトイがこれと同じようなP.Aを使っていた気がするが気の所為だ、そうに違いない。

 

「ほぉ…マトイの奴より威力と言うか光の大きさと言うか…なんかちっちぇな」

 

何だったら俺が放ったテクニックの方が強い気もする。

 

『んでこれより更に上のナ・グランツ、さっきのイル・グランツが有るんだけど…ここいらはフォースやテクターのエースでしか使えないらしい』

 

 

「なんでよ?」

 

 

『なんでも威力は凄まじいんだけど…その、グランツ系のP.Aは使用者のフォトンをそのままぶつけるような感じらしくてな?使用者が耐えられないって話だ。ほら。相棒も倒れただろ?』

 

 

「…いや、アレは武器が爆発したからって話でーーあっ、やべっ!」

 

 

『は?武器が爆発?爆発音なんて俺聞いてしてなーーあれ相棒…そのベッドの穴は…?』

 

 

「…イル・グランツを普通に入院している状況でーーなんなら素手で使えんだけど」

 

 

『…レンジャー辞めてフォースかテクターになれば?ーーじゃなくて!オラクルの中じゃ基本的にP.Aは使えないはずだぞ⁈』

 

 

「どうしようこれ…確実に怒られるーーいっそバベルの奴らが狙撃してきたとか」

 

 

『ねぇわ。第1その穴のサイズじゃ銃弾って言うのは無理だろ…大人しく看護婦に怒られろ』

 

 

「おいおい、俺の事好きなら助けろや」

 

ついでに暇だから来いや、と言えばアフィンは

 

『生憎告っても友達からとか言われるんでね。それにら俺今オラクルに居ないし』

 

 

「…は?」

 

 

『リリーパに居るんだよ。前に言ったろ?姉を探しているって』

 

そう言いウィンドウが動きーー背景に砂漠が一面に広がる。

 

「あぁ…確かそんな事を言っていた気が…」

 

 

『気って…兎に角、俺のカンがここに居るって騒ぐんだよ』

 

 

「カンねぇ…ま、姉が見つかるのを願ってるよ」

 

正しく砂漠で一粒のダイヤを探すってか。

 

『おう。…あれ?またここか。何度来ても大規模採掘基地に戻って来るんだよなぁ…』

 

そう言い映る大型の塔。塔のてっぺんからは赤黒い煙が吹き上がる。

 

「カンは頼りにならなさそうですねコレは」

 

 

『…仕方ない、てきとーに機甲種壊して帰るわ。それじゃ』

 

 

おう、と言いアフィンからの通信が切れる。

 

因みにその後来た看護師にその事をいろいろ聞かれたがーーやる事がなくて持ち物整理をしていたらサバイバル用のコンロが落ちて少し焼けた、と無理のある言い訳をしたが看護師が納得したのでお咎めは無しだった。

 

ーーーーーーーーーー

 

 

あれから退院後、いつもの様にショップエリア上層部の公園に来ている。マトイやデュケットが凄く心配してくれたのは嬉しいが…どうしても気になる事が有って1人で考えたいから、と2人に言いここに来ている。

 

現在時刻は夜9:36分。

 

まぁ本当はクーナと話し合うのが理由だがーーそれでも会うまでには14分くらい時間がある。

 

 

自動販売機で買ったコーンポタージュを手に持ちつつーーアフィンやエコーさんから言われた事を思い出す。ーーなんでユウナはレンジャーなのにテクニックが使えるのか、と。

 

 

クラスカウンターの人にそれとなく聞いてみたが…分からない。の一言だった。

 

 

そもそもテクニックと言われているこのP.A。元はと言えば今の年号の新光歴より遥か昔ーーテクニックの本元であるマジック使いの人の魔法を技術を使い再現したのがテクニックらしい。んがテクニックとフォトンアーツが干渉し合うためかーー現状では本来の威力を保持したままの両立が出来ないらしい。一応一定のレベルまで使える様になればフォトンアーツとテクニックを両立出来るらしいが…とても威力は目に当てられないらしい。

 

六芒のあるフォースが嫌々やってみたらしいが…そこら辺の新人フォースやテクターの方が威力のあるテクニックを放てる、との事だった。

 

 

んで何故俺がレンジャーなのに撃てるか、と言うとーー謎である。

 

 

マトイの掛かりつけの医者であるフェリアさんに聞いてみても謎であった。曰く

 

「…もしもだけど…ユウナさんの左目。マトイさんの遺伝子から培養したものですよね?もしかしたらーーほら、此方にもある通りマトイさんの遺伝子が入った事によってテクニックを使用可能になったとか…そう言うのとかどうです?他の案だと…一度見たテクニックやP.Aを練習無しでーーフォトンアーツは元からそうであるべきですけどーー使えるのなら説明が付きます」

 

 

との事だった。確かに俺が放てるテクニックはあの時ーーマトイと一緒に練習場に居た時に見たテクニックばかりだし、なんならその他のテクニックも動画等で見ている。

 

 

そう思うとチートだなぁと思いつつそれでもマトイクラスの量と威力は出ない事にふと思う。

 

 

「…そんな威力を出せるマトイは…」

 

 

「ーーマトイさんがどうしたって言うんです?」

 

 

「うぁあ⁈ーーく、クーナか…」

 

 

「えぇ。そうですが。ーー兎に角本題を言いましょう。ハドレットが見つかりました。浮遊大陸の一部を使い回復行為に入っているようです」

 

そう言い俺にウィンドウを投げてきてそれを見る。現地の龍族がこちらの装置を使い送ってきたものらしい。

 

奥には円形の…何か石の様なブロックで構成されたドームができている。

 

 

「虚空機関はアークスに戦闘機の要請をして二機ほど借りれたそうです。私達の任務はその二機が来るまでの時間稼ぎ。ーー最もハドレットがそれで死ぬとは思っていませんが」

 

 

「いや、空爆だぞ?何を使うか分からないが…炸薬とフォトンの量でどうにかなるだろ?」

 

 

「オラクルの多くのパイロットはフォトン適性が一定値以下なのです。お陰で炸薬の中にあるフォトンが活性化しない為に威力自体は薄いかと思います」

 

 

「…因みに放つ爆弾は?」

 

 

「対ダークファルス用に造られたミサイルです。理論上は50年前の躯体になら極小ですがダメージは通るはずです。ーー今回の躯体には通りませんでしたが」

 

 

そう言いウィンドウに画像が出てきてーー使うらしいアニメや漫画でしか見た事のない機体より大型のミサイルの3Dモデルが現れる。

 

「アークスの戦闘機がこれを8発放つそうです」

 

「…これを8発?」

 

 

「アークスも虚空機関もD因子の厄介さは分かっている筈ですが…ハドレットの行動を抑制出来ると思わないとやってられませんよ」

 

俺はこんな大型ミサイルを8発もか、という意味で言ったのだが、クーナにはたった8発しか撃たない、という意味に聞こえたのだろう。

 

「俺たちはミサイルが降ってくる場所で戦うのか」

 

 

「その前に倒せれば帰還するはずです。ーー来たところで撃ち落とされそうですが」

 

 

「…いやだねぇ…ったく、辞めたいよこの仕事」

 

 

「仕方ないですよ、ユウナさん。それにビーストだと色々と面倒ですからね。…兎も角明日はお願いしますよ?集合場所は…ショップエリアのアークスの武器屋の前で」

 

そう言いふっと透明になって消えるクーナ。…最も普通に透明なものの輪郭は分かる上にミミや鼻で匂いや足音が分かるから関係ないが。

 

側から見たら独りでにドアが開き下に向かっていくエレベーター。

 

 

クーナの気配が範囲外になったのを確認すると一言呟く。「ステルス迷彩だなぁ」と。輪郭が分かるあたり更にである。

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

「きゃぁ!」

 

 

悲鳴を上げながらクーナが吹っ飛んでいく。ミニガンを撃ちながらクーナの近くに行こうとしーーハドレットの視線が俺に来たことに目線で気がつく。撃ちながらクーナの吹っ飛んだ反対側に向かいーー途中で弾が切れる。

 

750発と言うナノトランサーの様な圧縮技術の使われていない旧来のーー前世の様なベルトリングで繋がれた弾丸ーー装弾数では撃ち切るのに10秒も掛からない。

 

くそっ、発射速度調整出来ねぇのかよ!そう言いながらリロードしようとしてマガジンを放り投げーーハドレットが突っ込んできて宙を舞う。

 

クルクル空中で回りながら地面に倒れーー立ち上がり痛みがない事を確認する。

 

吹っ飛んだ際に手から離れたのか握っていたミニガンは腰に装着されている。

 

 

くそっ。ハドレットが目の前にいる今はリロードが出来ない。それが殊更に面倒なミニガンは特に。機関部にマガジンから弾薬を取り出して中に放り込まなきゃならない。突っ込んだら勝手に吸い上げてくれないだろうか。

 

 

弾の切れたミニガンを放り投げーー空中で消失、ナノトランサーに転送される。ーー俺の意思を汲み取ったのか刀が手に現れる。近接武器はコレしかない。だがーー。

 

 

「…てきとーに振るしかねぇ…ッ!」

 

 

鞘から刀を抜き取り鞘を背中に、刀に左手をかざしゲームの様にダーカーに特効の力がある光系テクニックのグランツを付与、煉獄刀の紅い刀身が光り輝く。

 

 

「はいやぁぁぁあ!」

 

 

ハドレットに向かい走り出す。ハドレットは手を地面につけーー俺の走る進路上に紫色の紋章が展開。紫色の氷の刃が地面から生えてくる。

 

「きゃぁぁあぁ!ーーっしねぇぇ!」

 

 

進路上の紋章から紫色の刃が俺を貫きーー真上に吹っ飛ばす。

 

くるくる回りながらもーー俺もどうやってやったか知らないが見えるフォトンを手足から放出、姿勢制御を行いーーそのままハドレットに突っ込む。

 

ガギィィンッ!とまるで金属を金属で削った様な音。んなぁ⁈と驚いてハドレットから距離を取る。

 

 

空いている左手で空虚を掴みーーそこにライフルが現れる。

 

ハドレットから見て左側に回りながらライフルを片手で撃ちーー倒れたままのクーナに近づく。

 

 

30mmのCTA弾がハドレット目掛け飛翔していくーーが所詮人から放たれる30mm。FAPの貫通力はあっても3cmは行かないだろう。しかし30mmのフォトンは徹甲弾の中身ーー粉末化されているフォトンは確実にハドレットを弱らせていく。

 

キンキンキンキンと放たれる30mm×50mmCTAのFAPやFHEF、それらに混じるフォトンの入っていない曳光弾が飛んでいく。

 

 

人と同じ様な紅い血を出しながらもーー其れでもなおハドレットは立っている。

 

 

「ーーくそっ!おい!クーナ!起きろ!お前一人で寝んな!レンジャーを一人で戦わせんなよ!」

 

 

そう言い足で蹴るがーー反応が無い。

 

背中に刀を仕舞いライフルをマガジンを交換、クーナのうなじ部分を両手で引っ張りこのハドレットが作ったフィールドの端に引っ張る。

 

 

幸いな事にクーナを引っ張っている間はハドレットは攻撃を仕掛けてこない。やはり弟としてまだ意識があるのだろうか?

 

それと同時に俺たちが来る前に攻撃を開始してサッサとケツを捲って帰った戦闘機隊に文句でも言いたい、と思いながらクーナを一番端に寄せ終わる。

 

 

ライフルを再度左手に、右手に刀を持ちーー自身に言い聞かせるように、又はハドレットに声をかける。

 

 

「ーーさぁ、ここまできたらやるしかない」と。

 

それと同時に終わったらメセタたんまり貰って休暇を思いっきり取ってやる、と決心しながら俺はハドレットに突っ込んだ。

 




NGSが来る前に終わらせる


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

124話目

一年以内に投稿ならエタってない

流石に11849文字は多い。次回から5000強にしておこう。


「ーーそれで私とは…呆れるな」

 

 

クーナが気絶して早数分。刀やライフルでハドレットを迎え撃つもーー中々有効打が打ち出せない。

 

 

こっちは新人に対して向こうはーーヴォイド機関とか言うなんか特殊な所から脱走したヤベェ奴。強いのは明白だった。

 

 

ダガンやそれの上位のエル・ダガン。最近遺跡以外にも現れる事とが多くなった二足歩行型ダーカーのディカーダとプレディカーダ。それに任務で出たガメーーゼッシュレイダにダーク・ラグネ。

 

あの手この手で倒してきたがーーコイツは別格だ。

 

 

吹っ飛ばされて刀を地面に刺してブレーキとしつつ。態勢を立て直しモノメイトを飲む。

 

 

背中に刀を仕舞い久しぶりに使うフラッシュバンを手に取る。

 

俺たちフォトンを使う種族には効果は無いがダーカー因子のあるモノに使うと一時的に因子が枯渇し一定時間ーー大体5から6秒ほど動かなくなる。

 

 

その間にライフルに変えてリロードをしている最中。毎度毎度聞く声が聞こえた。

 

 

「ーーくそっ!ペルソナかっ!今はそれどころじゃねぇんだ!」

 

 

 

「そのようだな。それにだいぶ苦戦しているようだな?ーーそれにアレはココまで強くなかったはず」

 

 

 

「はぁ⁈何言ってんだおまえ!」

 

そう怒鳴りながら下部レシーバーに付くグレネードランチャーのバレルのロックを解除。ホーミングエミッション用の弾頭を入れる。

 

 

「…援護する。もしかしたらオマエならーー」

 

ランチャーをハドレットに向けてトリガーを引く。バレるから弾頭が飛び出てーー10センチほど進むと弾頭が割れて中から誘導するレーザーが現れる。

 

6つのレーザーがハドレットに群がる光景を見ながら、この弾結構高いんだよなぁ。と思いながらも銃身をハドレットからペルソナに向ける。

 

 

「マトイは殺させねぇって言ってんだろ、彼女は記憶がねぇんだぞ!」

 

 

「今は良い。私に銃を向けるな。奴を、ハドレットを狙え」

 

そう言い再度ソードを片手に振るペルソナ。お前も近接でやるのかよ⁈と思いながら俺もそれに釣られ、ライフルを消して背中に付く刀を抜く。

 

 

「…'私'はそうでなくては」

 

そう小さく呟くペルソナの言葉は当然のように俺のミミが拾う。

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

ペルソナがコートエッジでハドレットの攻撃を防ぐ中、その脇を走り去り振りかざされるもう片方の手を刀で切り上げる。

 

ペルソナがそれを見るや左手から赤黒いエネルギー弾を放ちながら後ろに下がる。

 

 

「ユウナ、前を頼む。私は後ろからMGで援護する」

 

 

「てめぇ!ごついソード持ってんだろ⁈前に出ろよ、前に!ーーきゃぁ!」

 

 

そうペルソナの方を見たらーー目の前にデカイ氷柱が突っ込んできてーーまたもや結構な距離を吹っ飛びペルソナにキャッチされる。

 

 

「んぁ?」

 

 

「大丈夫か?」

 

 

「あ、あぁ…いや、そうじゃなくってーー」

 

 

「にしても今回のハドレットはやけに…レベルが高いな」

 

そう言いながら俺を地面におろしハドレットを見るペルソナ。降ろされた俺は刀を鞘にしまいライフルを取り出す。

 

 

「レベルだって?ゲームじゃねぇんだしよ…くそッ、強いなぁ…」

 

 

特に俺の目の前と横のやつが、と心の中で呟きながらマガジンキャッチを押してマガジンを地面に落とす。

落ちたマガジンが光に消えてナノトランサーに格納される。

 

「それにしても…当時の私はカタナなんぞ使ったことは無いぞ」

 

 

「…はぁ?」

 

 

「それにこの当時にブレイバーは無かったはず…いや、だがギリアムがもしかして早急に普及を…?」

 

 

「ブレイバー?何を言って…?」

 

 

「兎に角。さっさとクーナが目覚める前にカタをつけるぞ。良いな?」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ずどぉぉん!と大きな音を立て倒れたハドレットの目の前でーー即座に俺はペルソナに銃を向ける。

 

「…」

 

 

「…貴様…何のつもりだ?」

 

 

「確かに援護してくれたのはありがたかったし、実際危なかった。ーーだがそれとこれは別だ。ーーあんた、やっぱりダークファルスなんだろ?」

 

 

そう言い手に握るハンドガンーーMk.40に力が入る。

 

 

「…そんなモノで私にダメージが入るとでも?」

 

 

そう言い左手に装備されているタリスを見る。アークスと同じ様な武器を持つダークファルスーー武装が使える奴が強いのはダーカーに対する俺たちアークスが証明している。

 

他にも背中には何度か店で見た事のあるコートエッジやTMG(コートバレル)、それに腕に付くタリス(コートタリス)。

 

最もそれらは俺が良く見る青水色ではなく赤黒いフォトンで覆われている訳だが。

 

 

「無いよりマシに決まってんだろ?ーーそれに俺はレンジャーだ。銃を使うのが本業だ」

 

 

「…銃を、か。ーー所で1つ聞きたい」

 

 

「なんだ?アークスに来るってか?」

 

 

 

「…貴女…何者だ?'私'はそんな男の様な言動をしていなかった筈だが」

 

 

「…何が言いたい?」

 

 

「私はこれまでありとあらゆる世界線の'私達'や私がマトイを殺したり殺すのを見てきた。ーーだがこの世界線の'私'はそのどれとも違う。ーーもう一度聞こう、貴様は…何者だ?」

 

 

「せ、世界線だって…?あんた、何をーー」

 

 

「ーー言うぞ、この世界線のユウナ。私は何があろうとマトイを殺す。それが世界のーー強いては彼女の救済になるからだ」

 

 

「はぁ⁈おまっ…ッ⁈何を⁈」

 

 

「…だが…貴様が今までの'私'と違うならば…もしかしたらがあるかもしれんな。ーーッ!」

 

 

「ーー⁈」

 

そう俺が聞くとーーペルソナの足が銃を握る手を蹴り上げ空中にハンドガンが吹っ飛ぶ。

 

そのまま蹴り飛ばされてーー地面に体を擦りながらも立ち上がり刀を抜きとり構える。

 

そのままペルソナはソードを握りながらこちらに来てーー鍔迫り合いに発展する。

 

 

「お前のようなーーカタナを使うレンジャーが居るか?」

 

そう言いながら今の俺と同じ顔を傾げつつ笑うペルソナ。

 

 

「それに私に銃を突きつけた時。結構震えていたぞ?まだ人に向けて銃を向けるのは怖いか?」

 

 

「うるせぇ!それでも俺は…ッ!アークスでっ!レンジャーなんだよっ!」

 

そう言い女になってからか、はたまたこの体の元の持ち主は毎日鍛錬を欠かさなかったのか。しなやかに曲がる脚を使い脇にさっきの仕返しとばかりに蹴りを入れて肩肘を付くペルソナ。

 

地面に刺したコートエッジを反対方向に思いっきり吹っ飛ばし一言。

 

 

「…これで近接武器は無くなったなぁ!?」

 

 

そう言いペルソナを見たらーーTMGを両手で握り俺の持つ刀を狙って撃ってきた。

 

 

キンッ!と甲高い音が鳴り響き刀も同じ様に吹き飛ぶ。

 

 

「お前が出来るっていう事は私も出来るんだよ。ーー同じだからな」

 

 

そう言われてライフルを握りペルソナのいた場所を再度狙おうとしたらーースタスタとソードに向かって歩いていくペルソナ。

 

 

「お、おい!待てよ!さっきの事を含めてちゃんと説明をしろ!」

 

「…それは全て引っ括めてシオンにでも聞いておけ」

 

 

 

「シオンにって…お前、一体何をーー」

 

 

 

「じゃあな、この世界線の純粋な'ワタシ'。ーーまた会おう」

 

 

そう言いソードを抜き取ったペルソナは会う度に見るダークファルス特有の赤黒い何かを纏いながら消えていく。

 

 

「…一体なんだって言うんだ…」

 

 

1人取り残された俺はーー蹴り飛ばされて地面に落ちたハンドガンとライフルを手に取り地面にクーナの元へ向かう。

 

 

内心はーー撃たなくて良かった。と思いながら。

 

壊れてないかの確認の為にマガジンキャッチボタンを押して抜いた後にスライドを引く。

 

地面に落ちたMk.40用の弾丸を拾い上げ息を吹きかけ付いたゴミを飛ばしマガジンに再度入れる。

スライドを少しだけ引き初弾が入ってないのを確認して一度トリガーを引いて内部のハンマーを倒して元の位置ーーコッキングをして弾を薬室に入れないと撃てない状態に戻す。

 

念の為誰も居ない位置に向けてトリガーを引きハンマーの動く音がしない事を確認し、セーフティを掛けてホルスターに入れる。

 

 

入れ終わった後に自分の顔を触りーー特に傷とかがない事に安心する。基本的に食らったダメージは全部戦闘服が吸ってくれたから傷は多分ない。まぁ逆を言えば戦闘服であるバルバトスとゼルシウスはボロボロの訳だが。

 

 

ナノトランサーからディメイトを取り出して飲み込む。トリメイトにはモノメイトの比ではないアトマシンが入っているらしく比較的大きな傷でも次の朝には治っているだとか。

 

因みに過度に摂取しても問題は無いらしい。アトマシン様様である。

 

因みに最上位のディメイトにはヨクトマシンにフォトン素子を入れているらしい。

 

 

…フォトンってなんだ?ポスに接続するデバイスやパソコンの性能表を見ている時に大体フォトン素子を用いた〜と書かれているが…。

 

 

「…クーナ?起きてるか?」

 

 

腰に付いたライフルを左手に持ちクーナを揺らしながらふと、ハドレットから攻撃受けて一撃ダウンでよく暗殺者?なんて稼業やっていけるなぁ。と思いながら更に声をかける。

 

 

「うぅ…ユウナ、さん…?ぁ!ハドレットは⁈」

 

 

「ほら、どうにか2人がかりで倒せたよ」

 

 

そう言い俺の後ろに倒れるハドレットに左手で指を指す。

 

 

「…2人…?でも私は…」

 

 

 

「良いんだ。話すと長くなる。兎も角ハドレットの近くへ。彼が何か言っている」

 

そう言いクーナに肩を貸しーーそのままハドレットの元へ向かう。

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

個室の部屋内にシャワーの音が響く。今俺はクーナの部屋に入ってシャワーを借りている。最初は初の女性の部屋という事で緊張したがーー部屋の中は言うほど女性らしくは無く必要最低限の物しかないように見えた。

 

 

ちらっと置いてある物に値札か何か付いていたらこの部屋も偽物かもーーと昔に遊んだ事のあるゲームのある内容をふと思い出した。

 

その内容は海外から来た主人公が仲の良くなった女性に家に来ないかと誘われて中に入ってみたら値札の付いたものだらけの部屋だった、と言う内容だった。

 

そのゲームを進めると女性は警察機関の人で監視を命じられていたとかなんとか。

 

とまぁ、そんな事を思い出したが、彼女がーークーナがそんな事をするか?とも同時に思う。

 

 

スパイとしては常套手段かもしれないが。

 

 

『ユウナさん?着替えは此処に置いておきますね』

 

 

そう風呂の扉の向こうから声をかけてくるクーナ。

 

 

ハドレットと戦い無事に撃破ーーと言うか消滅。聞くとダーカー因子を過剰に摂取していたハドレットの身体はもうダーカーと変わらなかったらしい。それでも最後に話せたのは流石私の弟、とはクーナの話。

 

無事に任務を終了し、今はクーナの部屋でシャワーに入っている。何故直接マイルームに帰らなかったのか。答えは簡単である。

 

 

そう言いドアを挟んだ部屋にある再生中の戦闘服ーー細切れ一歩手前の服が置いてある。

 

 

 

どうやら戦闘中にハドレットやら俺、と言うかこの身体と言うか。同じ顔、同じ身体のダークファルスの仮面から結構なダメージを食らっていたらしく腹や腕、しまいには胸の一部の部分が破れていたらしい。

 

 

それを見たクーナが「巨乳め…」と言ったかはさておき、このままだと不味いとクーナのマイルームに直接ワープさせてもらう事に。

 

 

本当ならクーナの着ている本来の性能のゼルシウスを着てみたかったが…その、胸が入らず断念した。

 

 

因みにクーナはその様子を冷めた目で見ていたのを覚えている。

 

 

とまぁ、そんな痴女姿で帰るのはくっそ恥ずかしいのでクーナ自家用機で直接マイルームに向かい、更に風呂に入っているわけだ。

 

 

一通り洗い終わりバスルームのドアを開けるとーーそこには俺が着ていた黒に赤いラインの入ったゼルシウスが置いてあった。

 

 

「…あ?」

 

 

おかしいと思い破れたゼルシウスのレプリカの方を見るとーーやはり置いてある。

 

 

「驚きました?それアークス用に下ろすためのプロトタイプらしいです」

 

 

そう言いドアの奥からクーナの声が飛んできた。

 

 

 

「プロトタイプ?」

 

 

「えぇ。私のゼルシウスからP.M型光熱網学迷彩機能を取り除いて一般的なアークスでも使用可能なゼルシウスの前実験段階の服です。通常のーーユウナさんが着ていたレプリカよりD因子耐性が大幅に上がった代物ですよ」

 

 

そう言うクーナの話を聞きながら身体を拭いてスポーツブラとパンツを履き、足から先に入れる。

 

そのまま上半身に持ってきて首まで持って来るとーー着ている人のフォトンを感知してキュッと締まり身に纏う。

 

 

「…おぉ…実に馴染む。ーーような気が」

 

それに良く見れば俺が着ていたゼルシウスの様に尻尾部分にあるテール部分が丸っ切り無くなってそこから尻尾を出せる様になっている。

 

 

「着ている人のフォトンを効率良く防御に回すために少し分厚くなっているのが分かります?」

 

 

「…おぉ」

 

 

 

「本来フォトンは肌を露出すれば効率が上がるのですが…その分素肌の防御分消費も早くなるので、ならばと服がフォトンを効率良く吸収して防御に回し、服のフォトンと本人のフォトンの二重でエネミーの攻撃を耐える、と言うコンセプトで作られたそうですよ」

 

 

「…」

 

そう言い分厚くなったかを確認するためにーー自前のデカイ胸を触る。前のゼルシウスだと先っぽがバレちまうんじゃねぇかと思いながら着ていたが…その点このモデルは大丈夫そうだった。それに胸を触っても変な感じはしないし。

 

 

「…分厚くなったかを確認するのに胸を触るんですね…まぁ、分からなくもないですが」

 

 

「…いや…なぁ、クーナ。この服尻尾部分が元から出せる様になってるが…これって元はなにか付いていたのか?」

 

 

 

「単にこの服がビースト用に一番簡単に再設計し易かったのと撮影で使った奴のお古っていう事も有りますけと。丁度お尻のところにテールを付ける部分も有りますし。因みにこれは…ほら」

 

そう言い尻尾部分のテールを稼働する範囲内で独りでに振り回すクーナ。

 

 

 

「…なにこれ」

 

 

 

「なんでも一部のビーストの持つ尻尾を第3の腕の様に使う為の物だとか。私は面倒な上に武器がダガーなので使いませんが」

 

 

そう言いながらテール部分の先端が3つに分かーー水中用のMSの様な3本の爪の様な形に分かれる。

 

 

 

「こうすれば銃を握らせたりできるのですが…ほら。私の創世器って完全ステルスじゃないですか?だからほらーー」

 

 

そう言いクーナは手に俺のハンドガンを持ち、マガジンを抜いて1発だけ薬室に入れてテールに持たせ、自室の簡易的なターゲットに向かってトリガーを引いてーー音が出ないがターゲットには弾痕がある。

 

 

どう言う事だ?と頭がこんがらがってクーナを見るとーーちゃんとハンドガンがスライドストップしているし、なんなら床に薬莢が転がっている。

 

 

「…とまぁ、こんな感じで。マイを身体のどこかにつけている状態だと音と体が消えるんですよね。他のビーストも何かあるっていうのは分かるらしいですが。ーー最もユウナさんには完全に見えているみたいですが」

 

 

「…サイレンサー要らずか。めっちゃくちゃ良いな」

 

 

「ビーストはミミが良いらしい人が多いらしいですらね。ユウナさんみたいな…その犬?ガルフ?系のビーストでレンジャーは発砲音が煩そうですし」

 

確かに今まで見たビーストは猫ミミ、犬ミミの二つくらいしか知らない。多分ガルフも犬の方に区別されているんだろう。

 

「減音効果と防御を期待してヘッドアクセサリーを付けているけど…完全に音を消すサイレンサーとか無いかねぇ…」

 

 

 

「確か申請すれば使えたはずですよ。そのかわりサイレンサーの保管場所を逐一報告しなくちゃなりませんが」

 

 

「…パスだ、パス。そんな猟銃を管理する為に逐一警察に連絡するような事面倒っぽいからな」

 

 

そう言いその上からバルバトスを着ようとしてーーこれもダメージが酷かったのを思い出す。

 

 

「…なぁクーナ?この上から来れる服…無いか?」

 

 

「生憎私はこれが戦闘服なので。…それに私が言うのも何ですが…これに合う様な服はなかなか無いですよ」

 

 

「だよなぁ…これ単体で外を歩くのはなぁ…」

 

 

「…まぁ、わからなくは無いですが…一層の事オペレーターに迎えに来て貰えばよろしいのでは?」

 

 

「…あぁ、確かに。そうするか」

 

そう言いマグを動かし2人に連絡を入れようとするとクーナが口を割ってくる。

 

「…となると私のこの姿はマズイのでーー」

 

 

「ーーどーお?こんな感じで!」

 

 

「……は?」

 

そう言いゼルシウスから普遍的なオラクルの服装に戻る。ーー最も髪型は青色からオレンジベースになったが。

 

 

「やだなぁ!私だよ私!クーナだよ!」

 

 

「…こんなにテンション高いのか…アイドル時は」

 

 

 

「…そうでもしないとやっていけませんよ。アークスの偶像なんて」

 

 

「うわっ、急に戻るなよ」

 

 

「と、兎に角!オペレーターさんと合うときはこの姿で、ね!」

 

 

 

「あ、あぁ…その、電話するから…良い?」

 

 

 

「勿論!」

 

 

そう満面の笑みで言うクーナを視界の端に追いやりつつデュケットに連絡を掛ける。

 

 

『ーーあっ、マトイさん!ユウナからです!』

 

 

『ほんと!』

 

 

「…あぁ…取り敢えず連絡が遅れたわ。済まんが今ある方に世話になっていてな…ちと迎えに来て欲しいんだわ」

 

 

 

『お世話⁈ゆ、ユウナ!何かあったの⁈』

 

 

「あぁ…まぁ…ちと戦闘服が結構ひどい破け方してな…ある人にーーっておい!クーナさぁーん⁈」

 

 

「はぁい!ユウナさんのオペレーターさん!」

 

 

 

『うぇ⁈クーナさん⁈うそっ!?なんでぇ!?』

 

 

「私がアムディスキアで訪問ライブから帰っている途中ね?それはそれは大きな丸い建物を見つけたの。興味が湧いてそれに入ったら、おっきな龍族とユウナさんが闘っていてね?危ないから、それの決着がつくまで待っていたら2人同時に倒れちゃったの。ユウナさんに応急処置をしながら倒れた龍族にお別れの歌を歌っていたらユウナさんがそのまま倒れてね?そのまま私のマイルームに連れてきたの」

 

 

「以上!ユウナさんを連れてきたお話終わりっ!」

 

 

『そんな事が…って言うと今回の虚空機関の任務は結構きつかったみたいですね…取り敢えず無事でよかったです』

 

 

『そうだよ!ユウナが居なくなったら私…』

 

 

「…ともかくそんな感じでな。奇跡的にもクーナさんが俺の着ていたゼルシウスと同型を持っていたから服は何とかなるんだが…上が無くてな。この格好じゃ外は歩けないから迎えに来てくれないか?」

 

 

『分かりました。住所は…はい。1ー2ーA23ですね?』

 

 

「あ。オペレーターさんと其方のお名前はなんで言うんですか?」

 

 

『私はデュケット。こっちはマトイさんです』

 

 

「お二人さん。私がここに住んでいるって事はトップシークレットって事で!」

 

 

『はい!…あの、サインを貰っても?』

 

 

「勿論!色紙を持ってきたらサインするよ!」

 

 

 

『!ちょ、ちょっとユウナさん。少し、いえ、結構遅れるかも知れません。えっとーーと、取り敢えず今から向かいますので』

 

 

「あ、あぁ」

 

 

「安全運転でね!」

 

 

『はい!マトイさん、行きましょう!』

 

 

『う、うん』

 

 

それを最後に切れる通信。それと同時にクーナのアイドルモードが切れていつもの口調に戻る。

 

 

 

「…大変だな」

 

 

 

「…えぇ、いつもの事なので慣れています。ところで、

その…ユウナさん」

 

 

 

「なんだ?」

 

 

 

「…ハドレットは…無事に生まれ変わってくれるでしょうか?」

 

 

「…急に真面目な話になるなよ…龍族に詳しい人に前に聞いたんだが、龍族は独自の理論?を持っていて、それ曰く全ての龍族は死ぬのと同時に身体が無くなるが、魂は新しい体に宿る。ってい感じのことを言っていたはず」

 

 

「それならハドレットもーーっ!」

 

 

 

「…だがハドレットはーーと言うか造龍はオラクルが弄った存在だ。クーナには悪いが…神さんが転生させてくれるかはそれこそ神様しか知らん」

 

 

 

「…」

 

 

 

「…まぁ、カッシーナだったか。その神様に祈ってみるのも良いんじゃねぇか?」

 

 

「カッシーナ?」

 

 

「詳しくは…いや、龍族に詳しいアキって言う人が居るだが…俺の方からアキさんにアポイント取れるかどうか聞いてみるか?」

 

 

 

「…いえ。結構です。ーーハドレットが生まれ変われる可能性があるなら…私はそれで良いです」

 

 

そう言いテーブルの上に置いてあるハドレットも巻いていた布を左手に巻くクーナ。

 

 

「…ハドレット…お姉ちゃんはハドレットの分まで生きるから…」

 

 

そんな言葉をミミすればそうしてくださいとはその場の雰囲気で言えるわけもなく。

 

 

ただただ俺は厚めのゼルシウスを着てその場でいつ来るかわからない2人の救援を待つしかなかった。

 

 

俺もアイドルのクーナには詳しくはないが…あの時詩っていた歌。あれを聴いていればハドレットも転生出来なくても成仏は出来るだろう。

 

 

「まぁ、あの詩を聴きながら死んだんだ。その…万が一転生出来なくとも成仏してくれるさ」

 

 

「…どうでしょうか…私を怨んでいたりとか」

 

 

「無いだろう。有ったらあんな執拗に俺を狙わんさ」

 

 

そもそも恨んでいたら気絶した後に追撃を咬ますだろうし、俺がクーナを端に移動させていた時なんて十分なんて時間じゃない程隙があった。そんな状態で攻撃をしてこなかったって事はーー。

 

 

「ーー怨んでなんてないさ。じゃなかったら俺がこんな苦労した意味が無い」

 

 

 

「それもそうで…すいません。通信が。…出ても?」

 

 

 

「どうぞ」

 

 

そう言いクーナの表情が柔らかくなりそこら辺にある椅子にどっしりと座る。先程撃った窓からSFチックな高層ビルやドーム、飛行船、見ると安心感のある地上を走る車や、デュケットから貰ったホバーバイクの様な空を飛ぶ車等この高層ビルから見る景色は壮大だった。

 

 

クーナに聞いて何か飲み物でもないか、それを聞こうとさっき座った腰を上げて身体を向けた時。クーナの声が変わる。

 

 

 

「…は?ハドレット傘下の他の造龍が逃げ出した…?え、しょ、所長?何を仰っているのか…はい、ハドレットはーー確かに私達で殺しました。ーーですがハドレットクラスだとーーぇ?ダーカー因子の適合率が高いのは…はい。…はいぃ⁈……はい、分かりました」

 

 

 

そう言い通信を切るクーナ。先程から口に出ていた内容からあまり聴きたくないのだが此方を見て口を開く。

 

 

 

「…ユウナさん。先程通信で複数の造龍が脱走したとの事です」

 

 

「…やだ。俺はもう行かんぞ」

 

 

 

「…虚空機関で成功したと言えるのはハドレットだけです。他の造龍はその…」

 

 

「…なんだよ」

 

 

 

「…ダーカー因子を与えた事により弱体化したので他のアークスに緊急依頼(エマージェンシーオーダー)として接敵した場合倒してもらうとの事です」

 

 

「…ハドレットより弱いと言われてもな…それってどのくらいなんだ?」

 

 

「…ユウナさんは遺跡エリアのヴォルガーダと戦ったことは?」

 

 

「遺跡じゃないが別の場所で一度だけ」

 

 

 

「…あぁ、報告に合ったBavelsの拠点強襲時にですが。あれほどではありませんが…まぁ、あれより弱いと考えてくれれば」

 

「アレよりさらに弱い?あの大きさで?…自然界で生き残れるのか?」

 

 

「強化に使ったD因子がばら撒かれるだけなので…現地にダメージはでてもアークスが直ぐに向かえば済むことかと」

 

 

「現地にダメージがある時点でダメだろ…てかなんでアークスの船になんでダーカーが?」

 

 

「研究用の個体だそうで。私も何度か経験がありますがダーカーの捕獲を頼まれる事があるので、それらの何れかが逃げ出したのかと」

 

 

「研究用の個体が厳重なエリアにいるんじゃなくて格納庫なんかに…」

 

 

「さぁ?混乱に乗じて逃げ出したのでは?ーー兎も角、他の造龍はヴォルガーダクラスという事なので」

 

 

「…クーナは良いのか?腐ってもハドレットの配下だろ?」

 

 

「…私にとって弟はハドレットだけです。それが私達と同じ龍族だとしても」

 

私達、という言葉に一瞬謎が行くが話の流れ的に切り返せないし、俺はさっさと帰りたい。

 

「…兎も角。これで依頼は終わりかな?」

 

 

「そうですね。ハドレットは倒しましたし。私の方から報告とレポートを済ましておくのでユウナさんは振り込まれるのを確認してから連絡を下さい。ーーあ、そうでした」

 

 

そう言い、はいっと渡されたカード状のデバイス。

 

 

「これ。私のアークスとしてのカードです。私の機密上ユウナさんが一人の時しか向かえませんが…」

 

 

ユウナさんが狙われてもシャレにならないので、と小さな声で付け加える。

 

 

「…ただでさえバベルやら何やらに狙われてる可能性あるのに…」

 

 

「大丈夫ですよ。いざとなれば私がマイで…」

 

 

「…そうならないように願うわ」

 

 

「えぇ。ハドレットには一足先に取られましたが…対人戦では私それなりに強いんですよ?」

 

 

 

「そりゃ…まぁ透明になって後ろからやれればそれは…」

 

 

「兎も角。そのカード経由でこちらから依頼があった場合は直接依頼を投げるのでーー来ましたか?」

 

 

そうクーナが途中まで言うとインターホンが鳴る。それに近づくにつれクーナの暗めの青い髪の毛がオレンジ色に変化して声の高さも変わる。

 

 

「…はい。えぇ!私のお客よ。そのまま中に入ってもらって?」

 

 

そう言いクーナは部屋のドアの鍵を開けてーー一階のテレポーターから飛んできた二人が入ってくる。

 

クーナの姿を見た二人のうち一人はそれはそれはテンションが上がっていたそうで。

 

 

そんなテンションを上げている一人をよそにマトイはこっちに来てーー手に持っていたバックから上着を取り出す。取り出した上着はーー俺が着ていたラーグバルバトスと同じ物だった。

 

 

助かったよ。そう言いその服に手を入れてーーいつもの服装に戻る。

 

 

 

 

それから少しの間ーー特にデュケットがクーナのサインやらグッズやらの話を本人に話しーー俺とマトイはその様子を20から30分くらいずっと見ていてーー余りにも長いのでそろそろデュケットに帰ろうかと言おうかと思った時。

 

俺の隣に座るマトイが俺の膝に手を置く。

 

 

「…ねぇ、ユウナ。もう少し待ってあげようよ」

 

 

「でもなぁ…もう30分だぞ?デュケットの持ってきたグッズ類にはサインが終わってるし…やることはないだろ?」

 

そう言いクーナに一言いい冷蔵庫から飲み物をーー一通り取り出して蓋をあける。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

「何で俺ここにいるんだ…?」

 

 

そう呟く俺に機体内に備え付けられたモニターが答えるように続く。

 

 

 

『ーーして!我々アークスはあの巨躯に勝った証として!全アークスによる戦技大会をここ!ナベリウスで開く!』

 

 

『勿論!何かしら事情がない限りアークスは基本参加だ!』

 

 

『そうだぞ!クラリスクレイス。ルールは簡単!各々ツーマンセルを組んでーー』

 

 

「なんで俺…ここに居るんだ…?」

 

 

「相棒…何度目だよそれ…」

 

 

そう良い隣に座る何時もの金髪エルフ野郎ことアフィンが答える。

 

 

「いや。分かってる。クーナと一緒にーーいや、クーナに助けられて無事に帰っていざ一週間は休むぞと意気込んでたらこれだぞ。ーー頭おかしいんじゃねぇか、このトップ」

 

 

「クーナ⁈おまっ、クーナさんと会ったのか⁈」

 

 

「…まぁ。会うには会った」

 

 

「どーして俺に何も言ってくれなかったんだ⁈さ、サインとかは⁈」

 

そう良い椅子のロックを外し俺の肩を揺らすアフィン。

 

それを見る他のアークスが変な目で見ているがそのうちの何名かが話を聞いてウンウンと首を上下に振っているのがちらっと見えた。

 

 

「ねぇな」

 

 

 

「…くそっ!」

 

 

「…あ、いや確かデュケットが何枚か貰っていたような…」

 

 

「期待して良いのか?良いんだよな⁈」

 

 

「デュケットに頼め。俺にはそれしか言えない」

 

 

「あぁ、くそっ。…てかなんでクーナさんと?」

 

 

「…ちと上から俺指名で任務があってな。その任務をクリアした際にガバって倒れちまって。そん時に来たのがクーナさんってわけ」

 

 

 

「…そういやアムディスキアでM.Vを撮るから護衛がほしいってオーダーあったな。…落ちたが」

 

 

「まぁ、そんなこんなで知り合ったんだ。あぁ」

 

 

「…良いなぁ…クーナさんを至近距離で見れたなんて…ん?そういやその服…前のと違くね?」

 

 

 

「あぁ…まぁ、さっき言った通り戦闘服もボロボロでな。クーナさんが前に戦闘服のメーカーとコラボした際に使ったビースト用の服を貰った」

 

 

「…えぇえぇ⁈あのProvidence of the beastsのM.Vの時に来てた…⁈確かにそう言えばその中身の服装…」

 

 

「なん…プロビデンス?ガンダーー」

 

 

「Providence of the beastsだ。クーナさんが相棒の着ている服と獣耳と尻尾を付けたM.Vなんだ。…一部を除いて不評なんだがな」

 

 

「…もしかして?」

 

 

「あぁ。Babelsだ。奴らあろうことかクーナさんに殺害予告まで出しやがって。…その後に死んで見つかったが…噂じゃクーナさんを護衛する為のチームが居て其奴らが排除したとか言われてたなぁ…」

 

 

そう言いながらアイドルになんて事を…、と続けるがクーナの本職を知っている手間、自前で排除したんじゃねぇの?なんて言えない。そもクーナがヴォイドの暗殺者?って言うのも秘密事項らしいし。

 

 

「とまぁ、その服。俺みたいな一部のヤベー奴からしたら殺してでも奪い取るになっちまうかもしれない。この事は俺たちの秘密って事で」

 

 

そう言い口の下で人差し指を立てるアフィン。秘密も何も最初の驚き声でこの機体内にファンがちらほらいることが明らかになっている以上、それは無理なんでは…?

 

 

そんな疑問を頭に浮かべていると「まぁ、なんだ。何かあったら俺が守ってやるよ」とひじょーにクサイ台詞を言いーー等の本人はフンスッ!と満面な笑みで決まった、と勘違いしてそうな顔をしている。

 

 

隣で「どうだ?」と言いたげな顔をするアフィンから目をそらしーーと言うか目を閉じる。

 

 

E.T.Aは25分後。本来ならオラクル周辺中域を離れ次第跳ぶのだが…それこそ数多のアークスを乗せた機体がナベリウスに飛ぶので時間をずらしながら向かうらしい。

 

 

 

はぁ…戦技大会とか絶対クソじゃん。これが終わったらぜってー1週間休んでやる。

 

 

そう俺は決心しーーアフィンに着いたら起こしてくれと言い目を閉じた。

 




設定はその場の思いつき&辻褄合わせはあと合わせ。


適当に流し読みして)ヨシッ、異常無し!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

125話目

1月 1070から3060tiに乗り換え。それに伴いrift sとvtol_vrを購入
それ以降vrにハマる
11月 rift s ケーブル破損 pico4購入それに伴い3080に乗り換え←今ここ

なので誓って失踪はしていません!


ーー刀の刀身が目の前のディカーダを水平に切り裂く。真っ二つに割れたディガーダの奥から10を越す数のエル・ダーカーが見えーーそのまま刀を消してA.I.T.Ddから許可を貰い俺の物になったフルキャスト用に開発されて没になったガトリングガンをランチャーの様に両手で保持。

メインの30mmと同じ弾を使うように薬室やバレル、給弾システム周りを改造してもらった。…総合技術開発本部の開発部副班長と呼ばれているハルさんにメセタを取られたが…性能には充分だ。

 

バレルを回すための左右に別れて付いているフォトン供給装置とそれで駆動する出力ユニット。

そしてそれらの下部にあるバランサーを兼ねた部分に入っているクリーニングキットと万が一のフォトン供給装置が壊れた時用のーー前世で馴染みのある電動ガンの様なフォトンバッテリー。

後方に付いているタンクにはマシンオイルが満タンに入っておりーーこれ一個で理論上は20000発程度は撃てるらしい。レートを下げれば更に撃てるらしいが、900以下にするとそれは最早ガトリングではない、という事でそれ以下には下げない方針である。

 

 

 

『ーーおっとぉぉ⁈ここで新人二人組がトップ10に割り込んできたぞぉ⁈』

 

 

『うん?アレは…ヒューイ!私あの2人のうちの片方に会ったことがあるぞ!』

 

 

そんな声が通信機越しに響く。ふとアフィンを見ると俺と同じようにアークス製のライフルを腰だめで撃ちながらーー俺の元に後退してくる。

 

 

 

「相棒!この凍土エリア中々多いぜ⁈俺たちだけじゃどうにもならないぞ⁈」

 

 

「だがここでのキル数のおかげで報酬がっぽだぜぇ!もう少し粘ーー」

 

 

「でも時間がっ!」

 

 

「えぇ⁈なんてぇ⁈」

 

 

「時間だよ、時間っ!規定数は倒したし、さっさとここを突破して遺跡に到達しないと!」

 

最後のダーカーが爆散し、カラカラと虚しくバレルが回るガトリングからマガジンを抜き取り、ベルトリングを中に入れようとしてーー立ちながらだと中々中に入らず弾の残ったガトリングごとナノトランソーに放り込んで何時もの様にライフルを担ぐ。

 

 

「……あぁ!もう!行くぞアフィン!」

 

 

「りょーかい!」

 

 

そう言い前を先行するアフィンについていきーー凍土エリアから周りを凍土で覆われた遺跡へと向かうテレポーターのある場所に向かった。

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

「ところでさ」

 

 

「ん?」

 

 

 

そう言いガトリングを一度アフィンに持ってもらい、マガジンから垂れるベルトリングを中に入れている最中、ふと思い出した事を聞く。

 

 

「アークスって定期的にこんな事やってんの?」

 

 

「…どうだろうなぁ…一応5年くらい前にあったって言うのは記憶にはあるにはあるけど…まぁ、ある種の賭け事みたいなものだよ。開始前にパーティを作るだろ?2人から4人の。それらがリアルタイムでオラクルに中継が飛んで、んでそこで誰が一位になるか賭けられるんだ」

 

 

「賭けられるって...」

 

 

「んでそこから倍率が勝手に計算されてーー相棒、あそこの裏--草むらの中ににスイッチがある」

 

 

「どっちが押す?俺か?」

 

 

「相棒、カタナ持っていたよな?」

 

 

「いやまぁ…持ってるけどさぁ」

 

 

ライフルを手放し忍者刀形式で背中に付いている刀を抜く。

 

 

「…そのカタナってさ。P.A使えるの?」

 

 

「…刀身がソードに比べて短くてなぁ…一部なら適応されるかもしれないけど…」

 

 

そう言いオーバーエンドを振るために横に刀を振ってーースカる。

 

もしかしたらと思いそのままモーションを振り続けるもーー虚しく降ってきた雪を切るだけだった。ーーいや、切るというより積もった、と言った方があっている。

 

 

「…使えねぇや」

 

 

「…冷静に考えたら俺たちレンジャーじゃん?確かにプリセットである程度のP.Aは渡されてセットも終わっているけどさ」

 

 

「でもそれ用のクラスに変えないと使えないんだろ?」

 

 

「そりゃライフルとソードじゃフォトンの纏わせ方、武器と体に纏わせるバランスとか全然違うし」

 

 

そう言いアフィンは持っていたガトリングを地面に起きーー自前のライフルの残弾数を確認する動作に入る。

 

 

「…ならーー光波っ!」

 

そう言いテキトーに俺は刀を振りーー右上から左下に振りかざすとーー青白い光の刃が飛んで行った。

 

「こんなことよりさっさと先に進まないとなぁ」とマガジンを見ていたアフィンは本当に出た光波に二度見をして驚く。

 

「…うぉ⁈出たぁ⁈…けどこれどっかで…」

 

 

「すげぇ!光波だ光波!ほんとに出やがった!体力5000くらい飛ばしそう!」

 

そういいながら草むら目掛け刀から光波を飛ばす。

 

 

「体力5000…?いや、そうじゃなくて。ゆ、相棒。それさ」

 

 

「あ?」

 

 

 

「パルチザンのスピードレインだ、それに似てるぞ」

 

 

「スピードレイン?なんだそれ?てかパルチ?」

 

 

「あぁ。先輩のオーザさんって人がハンターを進めてきたことがあってな?その時に一通りP.Aを貰って使ってみたんだ。その時に使ったパルチザンのスピードレインに似ているって話だ」

 

 

「ハンターねぇ…トロイ俺には近接は無理だな」

 

刀を仕舞い地面に立てかけられたガトリングを手に取る。

 

 

「カタナで近接戦闘やスピードレインみたいな事をしたり、タリスを使うレンジャーが何処にいるんだよ?」

 

 

「まぁ、本当は刀より銃を撃つ方が好きだがな。あんな運動量のある動き。osがアシストしてくれるって言ったって無理があるってぇ言うの」

 

 

「…俺は見る分には好きだがなぁ…」

 

 

そう言いアフィンの目線が顔から下ーー胸辺りで止まる。

 

 

「おめぇは俺の胸をガン見してぇだけだろ?ーーあ!これはポイントマイナスですねぇ?」

 

 

「そんな事言っていると…無理矢理にでもヤっちゃうかもよ?」

 

そう言い手をワキワキと動かす。

 

 

「大丈夫だ、アフィンがそんな事をする訳ねぇ。んだったらそもそも近づけねぇよ、俺が」

 

 

「あぁ…?あっ…」

 

 

「少し前から異常に年上の男が怖くてな…俺も元ーーで大丈夫な筈なんだが…んだけどアフィンは大丈夫なんだわ。…なぁ、なんで俺男性不信?になっただか分かるか?」

 

 

 

「さ、さぁ…」

 

 

「おま、露骨に目をそらすなよ。まぁ、なんか…アフィンは…友と言うべきか…その…まぁ、うん」

 

 

そう言うとアフィンがまだアレを克服していねぇのか、と言っていたのでアレって?と聞いてみたもののはぐらかされた。

 

「……うぅん…」

 

 

そう言い俺はアフィンをジロジロと見てーーふと言い放つ。

 

 

「女の子みたい、だからかなぁ…」

 

 

 

「女の子みたい、かぁ…」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「女の子みたい、かぁ…」

 

 

そう言う目の前の少女ーーと言っても俺と同年代だがーーの発言を反復する。

 

 

 

女の子。ーーそれは俺が小さい頃から言われた言葉だ。俺の母親は居るものの父親は分からない。何も母親が強姦にあったとかそういうわけでは無い。

 

オラクルはここ200年ーー旧暦の旧暦である今は殆どが情報が開示されていないフォトナーの黄金時代を含めたら3000年以上の間をダーカーと戦っている。

 

今はこうして当時を考えれば化け物スペックの戦闘服のお陰で俺たちの様な新米でも戦地から帰ったり輸送機やジャバスプ等に乗ってすぐさま帰艦出来るがーー当時はそれが出来なかった。

 

 

お陰でアークスの戦死率はとても高くーー当時の任務の生還率は14.5%と2割を切っていた。

 

 

そんな事をかれこれ有史以来最低でも3000年以上続けていれば必然的に男性は少なくなりーークローン技術を用いた妊娠法なども行われたが、妊娠できてもそれはほとんどの確率で女の子だった。

 

それはそうである。この船じゃ女性と女性は男性の人数が半分を切ってから少しづつだが当たり前になって来た。

そして完璧なクローン、とまでいかなくとも女性同士の卵子から掛け合わせて作られた精子も作れるようになりーーソレが一般に出回るのもさして掛からず。

 

そんな事になればーーフォトンで力の差は補えるからかーー少しづつ減っていった男性はさらに減っていく。

 

俺と同じニューマンでも時折男の子も生まれてくるもののーー成長すれば胸の無い女の子と股間を確認しなければ分からない程度に遺伝子データが壊れておりーーその2人が妊娠しても出てくる子供は同じような子供だった。

 

 

最もヒューマンの方はそれから復活も時間が掛かったとはいえ男性らしい男の人も生まれてきた事もありーー今は6割くらいのオラクルの男性はヒューマンである。

 

一方のニューマンの方はーーヒューマンより寿命が長く、かつ性行為が出来る時間が長い為か。今でこそ少なく無い数の男性がいるが…殆どが今の俺の様に女の子の様なーーヒューマンに言わせると男の娘だ。ーー因みに後程この事を相棒に言ったら「股間認証システム…実在していたのか…」なんて驚いていた。考えることは皆同じなんだな。

 

おかげでなのか知らないがニューマンで男らしい男として生まれるとそれはそれは…俺たちニューマンの男からも別の意味でモテる奴で。

 

 

とまぁ、そんな外見を俺はとても嫌っていた。アークスに入ったのも姉を探すと言う目的があるがーーもう1つは体を鍛えーーオラクルで成功しながらもその身1つでアークスに入ったクロトさんの様なカッコいい男になる為だった。

 

 

そんなコンプレックスを好きな人である相棒ーーユウナに褒められてしまったらなぁ…。

 

 

「俺は好きだぞ?アフィンの事。ーーぁ、コレはアレだからな?ラブじゃなくてライクの方な?」

 

 

「今俺のこと好きって⁈」

 

 

「だぁから、ライクだって言ってんだろ?」

 

 

「でも口走ったって事は俺もついに⁈」

 

 

「だぁからぁ!ライクだって言ってるだろ⁈それに俺はーー」

 

 

『おおっとぉ⁈ここでトップ10に入っている新人二人がストォォップゥウ!内容を聞くに痴女喧嘩かぁ⁈』

 

 

『ヒューイ?ちじょけんかって何だ?喧嘩となにが違うんだ?』

 

 

『ええっとだな、クラリスクレイス……え?どうしたカスラ?実況しろ?』

 

 

『実況だなっ!今はーーあっ!女の方ーー確かユウナって言う方が男の方にストレートパンチをしたぞ!続いてローキック!』

 

 

『おおっと⁈此れにはあのニューマンもタジタジだぁ!どうする⁈カウンターをーー返されたぁ⁈』

 

 

『ーーお二人さん。そんなルーキーの痴女喧嘩なんて実況せず他の方に合わせて下さい。ほら。ドローンパイロットのみなさんも各員、ブレイク』

 

 

『あぁ⁈カスラぁ⁈もう少し痴女喧嘩を見たかったのにぃ』

 

 

『クラリスクレイス。幼い君にはまだ早い。ーーそれにヒューイ。貴方も止めるーー』

 

 

 

「ーーあぁ⁈もしかして今の全部撮られてる⁈」

 

 

「あ、あぁ…だから言ったろ、船の方で色々やってるって…てか、相棒…ローキックはイカンよ」

 

 

そんな痛くないけど、と言おうとしたがユウナがビーストである事を思い出し言うのを飲み込む。

 

任務中に数百メートル離れた場所でビースト好きの友達とビースト、と言うかユウナがどれほど愛らしいかを語っていたらユウナがぶっ飛んできて小言を言われたからなぁ…あん時は俺たちニューマンでも聞き取りづらい小声だったんだが…まぁ、友は「アフィンはビーストの恋人がいていいなぁ…俺の周囲にビーストなんて居ないし、ビーストの多いシップに行こうとしたら親に止められちまった。なんでこんな権力あんだよ俺の親」と愚痴っていたのを思い出す。

 

 

因みに気が引けるが友曰くユウナは中々見られないビーストであることも気付いている。

 

因みにコレは最初の告白後ーーあのカフェでデレた時ではないーーに気が付いたのだがユウナの耳がヒューマン系の耳ではなく、ニューマン寄りの少し尖った耳なのも告った後にが付いた。

 

 

んで調べたらニューマンビーストは数が少なく、このオラクルを見ても数百居ないとも言われている。

 

 

なのでプロテクト何重にも掛けてposのビースト友達に上げたい。是非とも目線消すから画像くれ、とも。

 

 

因みに本人に聞こうと思っているのだが…中々聞けずに居る。

 

幾ら男っぽい言動をしていてもそこは女の子である。

 

と言うか目に線入れたらもうそれエロ画像じゃん。

 

 

「ーーはぁ…先行こ先。どうせポスの管理局に連絡入れればよっぽどのことがない限りポスには残らんだろうし」

 

 

そう言いながら立てかけてあるガトリングの空になったマガジンを拾い相棒のナノトランサーに放り込む。

キル数はトップ10に入っているものの同点多数が数多に居る。

 

 

このままじゃ落ちるな。そう確信しつつ走破記念を貰うべくーー俺自身は一位を取る気で居るがーーそのまま奥のテレポーターに乗り、最近解放された遺跡エリアに向かった。

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

「ーーおかしい」

 

 

「え?」

 

 

「少し前まで喧しかった通信が聞こえない」

 

 

最終地点の遺跡エリア入って数分した時。俺はアフィンに話しかける。

 

 

「確かに。俺たちの前にも複数のチームが先に入って居るはずなのにーー」

 

そう言うとユウナが左手を上げグーのまま俺に見せる。

そのまま片膝立ちになりユウナの後ろ側を警戒する。

 

「…銃声や法撃…斬撃音すら無い…?」

 

ぴこぴこ動くユウナのミミを見ながら呟くアフィン。

 

「…辞めてくれよ、マジで。嫌な予感がする。アフィン。こいつを付けろ」

 

 

そう言いナノトランサーからサプレッサーを取り出す。

 

 

「…⁈これって⁈」

 

 

「あぁ、俺特製の超大型サプレッサーだ。中身は空洞の極太サプレッサー」

 

 

「でもサイレンサーは持つのに許可がーー」

 

 

「…なに、手違いで超太くなったバレルと言えばいい。正直減音効果はあまり無いが無いより役に立つ」

 

 

そう言いアフィンのライフルにくっ付けてーーサイドレールに固定する。

 

 

そのまま俺もライフルに固定しようとしてーーぁ。

 

 

「アフィンのライフル…確かフォトン弾式だよな?」

 

 

「そうだけど…ぁ、まさか?」

 

 

「俺のライフルじゃねぇと互換性ねぇわ」

 

 

「って事はーー撃ったら中で?」

 

 

「あぁ、フォトン弾がサプレッサー内で駆け巡って破裂するかも知れない。ーーあっぶねぇ、気づけてよかったわぁ…」

 

 

そう言い俺の持つライフルのセーフティを掛けて、マガジンを取ってアフィンに渡す。

 

 

「相棒のライフル使いにくくてなぁ…何でコッキングレバーを一々撃ち切ったら引かなきゃならんのよ」

 

そう言いながらマガジンを指してコッキングレバーを必死に引こうとするアフィン。

 

 

「EN弾のフォトン弾と違ってこっちは勝手に薬室に入ってこないの。俺からしたらフォトン弾の方が使いにくそうで嫌だわ」

 

 

そう言いながらアフィンに近付きセーフティを解除、コッキングレバーを引いた。

 

 

「…んで弾が切れた状態でコッキングレバーを引くも良し、ボルトリリースを押すも良し…で良いんだよな?」

 

 

「そうだ。ーーグレネードの使い方は?」

 

 

「支給品はセーフティ、フォトン弾と兼用だからなぁ…二つもトリガーがあるなんて面倒だなぁ…」

 

 

「…トリガー1つの方が問題だろ」

 

 

「いや、TOSの方がオートで選択してくれるし」

 

 

「それでも怖いもんは怖いんだよ」

 

 

「そんなランチャーみたいな武器を持ちながら言われてもねぇ…」

 

 

「…さぁ、さっさと行くぞ。ゴール地点に向かえば何か分かるかもしれない」

 

 




ngs始まる迄に終わらせる予定だったんだがなぁ…
取り敢えず走り抜くしかない。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

126話目

悲報 9年ランナー且つ小説のデータの入っていたiPhone、バッテリーが膨らみ、モニターが浮き上がりK.I.A


 

「…なぁ、なんかレーダーに反応ない?」

 

そうアフィンに言われコンソールを開きレーダーを見るとーー灰色の点が複数あった。

 

 

「先に進んでいた友軍?でも動いてない?」

 

 

「やられてはないはず。そしたら転送されてーーぁ⁈」

 

 

「どうした?アフィーー」

 

 

「も、もしかしてだけど…ダーカーのP.J.A(光子妨害攻撃)か⁈マズイぞそれは⁈」

 

 

「パジャア?なんだそりゃ?」

 

 

「ダーカーからの電子戦だ!通信妨害ももしかして…?」

 

 

「電子戦ーーE.Wゥ⁈ジャミングって事か⁈ーーでもフォトンは電子の中に含まれないんじゃ…」

 

 

「ーーいや、光に当たる物、と言うより光に触れる物は全て等しくフォトンにーーって違う!今はそれどころじゃねぇ!くそっ!ダーカーも進化するって事か。やべぇぞ、相棒。これで船団の方に偽の映像データが送られていたら…」

 

 

「情報戦で負けたらボロ負け確定ぇ⁈よしてくれよ、話の出来る相手なら兎も角ダーカーだぞ⁈エロゲーみたいに苗床とかになりたくねぇぞ俺ぇ!」

 

 

「エロゲーに苗床ってお前、なんでそんな単語が…兎も角、先に進むぞ!ーー遺跡エリアに入るまでは通信は聞こえていたし、レーダーも正常だった筈だ」

 

 

「と言うことは先行組は致命的なダメージを受けて、撤退する事が出来ない⁈」

 

 

「テレパイプの短距離ワープを使おう、アレなら凍土とギリ森林エリアが射程内な筈。ーー何個持ってる?」

 

 

「定数の10個。アフィンは?」

 

 

「同じく。何回も使えるとは言え…俺たちより前にいるチームの数とか…分かる?」

 

 

「さぁ…最低でも20人以上かなぁ…」

 

そう言いながら2人揃って方やライフル、方やガトリングを構えながら前に進む。

 

ーーーーーー

 

「ーーよし。これで8人目。アフィン、そっちは?」

 

 

『こっちはひでぇや…12人の内半数がその…』

 

 

「何だよ、言えよ」

 

 

『下半身とか腕がねぇ。服のお陰で止血と痛覚カットが済んでいるのが幸いか』

 

 

「腕に下半身が…?」

 

 

『あぁ、俺が先に行っているからアレだが生存者曰く「ダークファルスが出た」って…』

 

 

「…合流ポイントはどうする?何ならこのまま異変を察した上の援軍を待つか?」

 

 

『…相棒、前に俺のカンって当たるって言っていたよな?』

 

 

「あぁ、それが何か?」

 

 

『そのカンが今ーー遺跡の中心部、ゴール地点を示してる』

 

 

「はぁ?お前、こんな状況で…」

 

 

『そしてダークファルスは中心に向かっていったとも』

 

 

「尚更じゃねぇか!撤退だ!凍土エリアまでーー」

 

 

『ーー俺は行く』

 

 

「…お前…何言ってるか分かってるのか?」

 

 

『相棒はそのまま負傷者の救援と援軍が来るまで他のアークスを援護してやってくれ』

 

 

「お前…」

 

 

『そうだな。…相棒風に言うならダークファルスが…そうだな…南下してくる可能性が高いから俺が殿を務め救援が来るまで凌ぐ、って所か』

 

 

「…死ぬ気なのか?」

 

 

『まさか?俺には弟も母親も居る。ーーだからこそ』

 

 

『男にはやらなきゃいけない事があるんだ』

 

 

「…成る程。何となくわからなくもないが…それで死んじまったら意味がねぇ。つぅーことでコッチも救難信号出し終わり次第動ける奴を率いてそっちに向かう」

 

 

『…分かった。ーー相棒』

 

 

「なんだよ」

 

 

『すーー「アホォ!そう言う事は今言うな!フラグって言うんだよっ!無事に帰ってから言え!」ーー…分かった』

 

 

 

「それに!」

 

 

「俺は絶対にうん、とは言わん。何せ全然カンストまで行ってねぇからな」

 

 

『あい、ぼう…』

 

 

「だからだ。俺たちが行くまで逃げ回れよ。ーー本当はアレでも入れてお守りにでもしてやりたかったが…生えてなかったしな」

 

 

『アレ…?…えぇ⁈アレってアレ?!』

 

 

「まぁ、なんだ。俺の相棒なんだ。死んでくれるなよ」

 

 

『まって!生えてないってそれくわーー』

 

 

「…っと。回収していくか…」

 

 

そう良い通信を終わらせ、アフィンの寄越した回収地点に負傷者を放り込んでいく。

 

 

ある時は足を。ある時は服の首元を引っ張っていく。

 

 

 

「…おうおうおうおう…まじかぁ…」

 

 

奥の方の最後の4名はーー片手や下半身が無い、アフィンの言っていた状態となっていた。

 

 

この状態になると欠損部分に防護膜を形成しーーオラクルに戻るまで保護してくれるようになっている。

 

 

一定人数を吐き気としかめっ面になりながら集めているとーーもう少しってところでテレポーターが墜ちた。

 

墜ちたと言うより壊れた、が正しいか。

 

再度展開しようにもD因子の濃度が上がっているらしく、それによってテレポーターの距離も短くなってしまったらしい。

 

 

どうしたものか、と考えているとーー何処からともなくジェットーーいや、フォトンエンジンのそれに似た音をミミが捕まえた。ーー近くに来るごとに音が小さくなっているっということも。

 

 

高度約100mを切った辺でギアダウン、エンジンノズルが次第に下を向きーー強引に接地、数十mもすれば完全に止まる。

 

 

 

『ーーああっ!くそっ!エンジンの回転数がっ!』

 

暫くして完全にエンジンが止まりーー中から再始動させようと努力した結果の声が響く。それから側面のハッチが開き、中から人がーー黒人のニューマンが降りてくる。

 

「俺も落ちたとはいえそれなりに適正はあるんだぞっ!ーーくそがっ!ーーいっ!!」

 

 

機体を思いっきり蹴っ飛ばしーー足を抱えながらジャンプするニューマン。

 

 

「救援か?ーーじゃないよな…その様子だと」

 

 

「あぁ?戦技大会に参加したアーーーえぇ?!なんだその後ろの!」

 

 

「テレポーターの使い過ぎで壊れちまってな…後ろの奴らの輸送をしてほしいんだ」

 

 

「だが…だって…戦技大会でこれは…」

 

 

「奥にダークファルスらしきものも居るかもしれない。だからーー」

 

 

「分かったけどよ…機体のエンジンの調子が…全く、最初のチェッカーフラッグを見るのは俺だと思っていたが…調子が悪いのはダークファルスのせいか…」

 

そう言いながら仮死状態のアークスを機体の後ろに詰め込む。

 

「さっきも言ったがD因子濃度が高くて俺の適正じゃ、今の状態じゃ動かせない」

 

「動かせない?機内バッテリーやA.P.Uでも壊れたのか?」

 

 

「いや、機内バッテリーは動くしA.P.Uも動く。ーーがエンジンがな…」

 

「エンジンが?」

 

「あぁ。この機体ーーオービタル含め俺達みたいな2軍ーーBrks(バークス)でも比較手にフォトン適性が高い奴に優先的に渡される航宙機なんだが…D因子のせいで起動が阻害されていてな…Arks(アークス)なら動かせる、かもしれないんだが…」

 

 

「俺に動かせと?!ライセンスどころか触ったこともないのに?!」

 

「しょうがないだろう。本来なら宙域内にある無尽蔵のフォトンでエンジン内を加速、圧縮された圧縮フォトンをそのまま後方に放つんだが、今このエリア一帯に超高密度のD粒子がばら撒かれているんだ。足りないフォトンをパイロットから得なくちゃ起動しない仕様なんだ」

 

「他が壊れているとかは?」

 

「機内外S.CもS.S.Cも一致して原因はD粒子の高さが原因と判断してる。それにほら。エンジンユニットをマグでスキャンしてみろ」

 

そう言われ機体上部に登り、マグをエンジン部に近づける。

 

2秒程でスキャンが終わり詳細なデータをホログラムとして表示してくる。

 

「えぇっと……すまない、俺が見ても…ちょっと解んないわ」

 

 

「まぁ、ノーマル表示されているから異常はないんだ。っことでだ。さっさと乗ってくれ。後ろのアークスたちも連れてな」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

「いいか?俺が後ろから指示を出す。ーー因みに何だがシミュレーターをつかったことは?」

 

 

「……無い」

 

高度を上げAGL5にてギアアップ、15度で上昇中にパイロットに話しかけられた。

 

「オーケー。AnGeL15、対地高度15000ftまで上昇、その後はBulls eyeーー方位1-5-0に向かっていけばいい。45nm後、テレポーター付近に着陸しアークスを回収、その後、機首を上に向けスロットルを前に固定しろ。そうすりゃ宇宙に出れる。ーーいいか?間違っても3-3-0には向かうなよ?そっちにはダークファルスが居るからな」

 

「…外から見たときにミサイルらしき物が付いていたけど…あれは?」

 

 

「もしものときの自衛用だ。他にもーーTSDからEquipment欄を開いてみろ」

 

 

「…AMM-16P-5が…24発?!ひゅ…ヒュプリスが180発?!ーーいや、これはロケット…?」

 

 

「40年以上前の旧式とは言え対ダーカー用全領域対応高機動長距離ミサイルが24発、中距離宙域両用ミサイルが両ハードポイントに30連3連装2基で180発の軽装備だ。いいか?絶対ダークファルスには向かうなよ?中型クラスなら兎も角、大型や奴らとは戦える武装じゃない」

 

「そもそもとしてコイツはーー」

 

 

その時。TSDに自機に目掛け赤いラインが表示される。

 

 

「くそっ!ダーカーの脅威度係数に捕まったか!ーーいいか?!全力で回避しろ!でもロードアウトの投棄はするなよ!そいつらは旧式のクセに高けぇんだ!」

 

そう言われサイドスティックを右へ倒しスラストスティックについているボタンを押し込む。

 

 

『chaff/flair.chaff/flair.』

 

と電子音声が鳴り響き、エンジン下部後方及び上部からフォトンクォーツと発煙体が撒かれる。

 

「うぉっ!!俺もいるんだぞ!!もっとゆっくりーーうわぁ?!ーーぎゃぁぁ!」

 

 

シートに手を掛けながら俺に指示を出していたパイロットの人が回避行動を取ったお陰で後ろに転がっていきーー多分、載せてきた他のアークスに当たったな。

 

サイドスティックに付いているアナログハットを動かしてTSDに表示されている敵に合わせる。2度ほど押し込むとIRSTがその敵の方にレーザーを照射する。

 

 

マスターアー厶の蓋を開けスイッチオンに。視線入力のトリガーをオンにするがシーカーが目の前に固定されたままになっている。

 

「ねぇ!これシーカーのアンケージってどれでイジるの?!」

 

「対地か?!対宙か?!」

 

「どっちも!ーー装備欄からか?!」

 

 

「そうだ!それのーーうぉ!」

 

TSDのメニュー欄から装備欄をタッチ。今装備されている武装が機体のモデルとともに表示された。

 

 

AMMから始まる武装欄のパネルをタッチ。シーカーモードをロックドからアンケージに変更。

TSDをSOIに設定してレンジ内のターゲットにスティックのハッドを使ってロック、そのデータをIRSTらしきシステムに受け渡す。

 

サイドスティックのトリガーを引くとエネルギー弾を撃ってくるダーカーに対してIRSTかトラックしたダーカーにシーカーが動きーー。

 

 

『Shoot.』

 

甲高い電子音と電子音声が撃てとのオーダーをだす。

 

機体左側のランチャーから青白い煙を靡かせながらミサイルがダーカーに突っ込む。

 

飛んでいった飛翔体にすぐに気がついたダーカーがターゲットを俺からそのミサイルに変更、赤黒いレーザーを小刻みに放つ。

 

「もう一発だ!もう一発撃て!」

 

その言葉により再度放たれるミサイル。一発目が撃破される中その爆炎を突っ切ってーー。

 

 

「よしっ!イイぞ!」

 

 

赤黒い霧となり飛散していくダーカー。それをP.O.T.S越しに見る俺と本来のパイロット。

 

 

 

「…にしてもダークファルス…ポラリスを使うだろうなぁ…」

 

 

「ーーはぁ…終わったのか…ポラリスって?」

 

 

「ROEにて定められている対ダークファルス用オプションだよ。習わなかったのか?」

 

 

「…いや。もしかしたら寝ていたのかもしれん」

 

 

「…基本的に対ダークファルスはフォトン適正を持つアークスを突っ込ませてD因子を削り取るのが理想だ。んが、今の現状だと…」

 

 

「このエリア一帯に強力な電波妨害が掛かり俺たちオラクルがそれに引っ掛かっていると」

 

「基本的に初期の段階で迎撃出来なければ…惑星ごと消し飛ばすのが正しいんだが…ワープされたらそれそこ無意味だからな。気取られないように囮としてアークスが前を貼ってーー当たる直前に撤退が道筋だ。…取り敢えずテレポーター作ったエリアに着陸後、ナベリウス衛星軌道上の友軍に知らせて増援を要請。上が破棄するか徹底抗戦か…まぁ、さっき言ったポラリスーー対惑星用滅却用高機動誘導弾が30発前後撃たれて終わりだな。ジャミングから換算したら…下手したら大会開始前からの可能性も十二分にあり得る」

 

 

「…嘘だろ…?」

 

 

「しゃーない、生き残っただけマシだ。ーーそういや戦技会って二人からなんだが…ーービーストで女ってことは…バディはニューマンのアフィンってやつか。そいつは今何処に?」

 

そう言われ実感が湧かない手で居ると思われる方向を指差す。

 

 

「…嘘だろ?一人で?」

 

 

「ダークファルスのヤツと?」

 

 

「……馬鹿だろ?」

 

 3つの問にコクンと答えながらーーテレポーターの使える場所まで退避していく。

 




気が付いたらngsも75目前だゾ…

ということでデータのバックアップも無い為、ある種1からのやり直しです()


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。