ポケットモンスター 悪ノ花道 (天導 優)
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神童

この作品はアニメ基準で技マシンは出てきませんがレベルアップ等で技マシンで覚える技を覚えます。
また、技は4つまでという縛りはありません。
ちなみにサトシ一行は今のところ出す予定はないです。


謎の男side

 

私は今、我が組織の第3施設の地下にあるバトル場に来ている。

ここでは日々、我が組織の幹部に成り上がろうとする強者たちが達がバトルするための場所であり、弱者は無用とされる場所でもある。

それ、即ち勝者絶対敗者無用ということだ。

しかし、いつもと違い団員達の様子がおかしい。

「サカキ様、何故この様な場所に」

一人の団員が私に気づいたのか話かけてきた。

「何、暇潰しだ。それとこれはどういう状況だ」

バトルフィールドを見てみると年端もいかない一人の少年が一人だけ立っており、他の団員達は膝から崩れ落ちたり壁に背中を預けたりしている。

「あの少年が一人でここにいる全員のポケモンを倒してしまったのです。たった一匹のポケモンで」

な、信じられん。少年の向かいにいる人物は我がロケット団の中でも最高幹部の一人だ。

「いったい、どんなポケモンを使ったのだ。あの少年は」

「……キングです」

「はっきりと言え。あの少年は、どんなポケモンを使ったのだ!」

「コイキングです!!」

信じられん、あの幹部のエースポケモンはボスゴドラのはずだ。

それがコイキングという最弱クラスのポケモンに倒されたというのか。

いや、考えようによっては神童と呼べるかもしれんな。

「面白い」

「ボス、どうなされました」

「あいつを我がロケット団の幹部の座を与えようと思ってな」

「しかし、あいつはまだまだ子供です」

「だからなんだというんだ。少なくともお前たちより強いことは確かなのだろう」

「分かりました」

「それで、あの少年の名は」

「有りません。孤児で、ポケモンとストリートチルドレンをしているところを発見し連れて来たものですから」

「なら、私が命名してやろう。奴の名は今日からサイだ」

「サイ、ですか?」

「そうだ、未知(X)才能(ability)の底が見えないほど不可視(invisible)。その頭文字から、サイだ」

「畏まりました」

「私は帰ることにする。他の者たちにも伝えておけ」

「畏まりました」

フフフ、ハハハ。

これで我がロケット団の野望にまた一歩近づいた。

もっと強くなれよ、サイ。

 

少年side

弱いなコイツら。

「コイキング、とびはねる

「ボスゴドラ!?」

コイツらは本当にロケット団なのだろうか。

弱すぎてオレのエースポケモンをだすまでもない。

ん、誰だ。あのスーツを着た男は?

ここから距離があるから解りづらいがあの人、強いな。

「……幹部」

上手く聞き取れないがコイツは幹部だったのか。

一人の女がオレに近づいてきた。

「ちょっと来てもらえるかしら」

「なんのようだ。オレ、長い話はしたくないんだけど」

「簡単な話よ。ボスがあなたを幹部に認めるそうよ」

名無しのオレを幹部にねぇ。

「名前が無いやつが幹部をまかせられるってどうなのかな」

「君、まだ八歳くらいだよね。年上に対してそのしゃべり方はどうかな。それと名前ならサカキ様が考えて命名なさったわ。サイ、だそうよ」

「サイ、か。悪くないね」

「ロケット団野望のために頑張ってよ」

ああ、そうだな。

なにもしないでいるより、野望を持ってた方が良いかもな。

「その目、やる気満々って感じだね」

ああ、やってやるさ。

「じゃあ、これからよろしくね」

これから、おもしろくなりそうだ。




楽しんでいただけたでしょうか?
自分はポケモンはゲームボーイの緑からやっていますがミスなどがあれば教えてください。
また、技は全ての世代で覚える技を使います。
それでは次回もお楽しみください。


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暗黒

今回セリフは一切ありません。
読みにくかったらごめんなさい。


サイside

オレがロケット団に入って早くも4年の月日が経っていた。オレがロケット団でやっていることは基本的に研究及び製造だ。

その研究のテーマはダークポケモンの製造だ。

ダークポケモン、数年前までオーレ地方に暗躍していたシャドーとかいう組織が行っていたことだ。

ポケモンの心を封印し、ダーク技と呼ばれる技を覚えさせることでポケモンを戦闘マシンのようにしてしまう方法だ。

だが、オレから言わせてもらえばこの研究は不十分だと言いたい。

心を封印することで躊躇いや恐怖、痛みを感じる事は無くなるだろうが忠誠心が無くなってしまっては支配下に置くこともできなくなる。

そして何より、ポケモン自身の弱点やステータスが強化された訳では無いからだ。

これでは弱点を攻められたりしたらすぐに戦闘不能だ。

そこでオレはホロンという地域に生息するδ種と呼ばれるポケモン達に可能性を見た。

δ種のポケモンは本来とは違うタイプを持っているのだ。

例えばピカチュウは普通は電気タイプだがδ種のピカチュウは鋼タイプということだ。

だが1つだけ謎がある。

δ種はタイプが変わっても弱点は元の弱点は変わらないということだ。

これはどういう事かはある程度答えは解る気がする。

その答えは単純にポケモンが本来持っている弱点を克服できないという推測できる。

そして何故違うタイプを持っているかは研究を進めていく内にある結果が判明した。

本来、二重らせんになっているはずのDNA構造がδ種のポケモン達は三重らせんになっているのだ。

これがδ種と呼ばれるポケモン達の特徴なのだ。

しかし、この実験は失敗に終わった。

ポケモンをダークポケモン化させた際、三重らせんの1つが消失してしまうのだ。

研究の結果、δ種のポケモンをダークポケモン化させる際のエネルギーが三重らせんの一部を破壊してしまうため、二重らせんのようにしてしまう。

これがδ種のポケモンが弱点を克服できない点にある。

三重らせんの遺伝子構造が二重らせんの遺伝子構造より弱いためだ。

δ種を強化しつつダークポケモンにする方法は無理なのか。

オレも諦めかけていたがロケット団の地下研究所で発見した物のおかげで実験は成功した。

それは、破壊の遺伝子。

かつてロケット団がミュウの遺伝子を改造して産み出そうとしていたミュウツーの細胞の一部とされている物だ。

結果、実験は成功した。

ポケモン本来の弱点を克服し、タイプによる相性を受けるようになった。

低かったステータスも破壊の遺伝子の影響を受け大幅に強化された。

忠誠心の方はまだまだ研究段階だがいずれは完成させたいな。

そしてオレは研究を進めていく内にある発見をした。

それはδ種の三重らせんを詳しく調べると同タイプになったポケモン達は似たような構造をしている事が分かった。

知っての通りポケモンのタイプはノーマル、ほのお、みず、でんき、くさ、こおり、かくとう、どく、じめん、ひこう、エスパー、むし、いわ、ゴースト、ドラゴン、、あく、はがね、フェアリーの18種類に分類されている。

今、解っている発見したδ種の特殊構造は現時点で324種類。

つまり、その気になればポケモンのタイプを自在に変え、ダークポケモンを製造することが可能だ。

これは1度サカキ様に報告した方が良いな。




今回主人公が言っていたδ種やダークポケモンに関することの多くは作者の独自の考えで公式ではありません。
ご了承ください。


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実戦

連続投稿です。
若干眠気をおびてますが頑張ります。


サカキside

私は今、サイが持ってきた資料に目を通している。

アイツはポケモンの強化を目的としダークポケモンに目をつけて研究していたな。

その研究の結果は長年ロケット団のボスを務めていた私ですら驚くものだった。

その研究は下手をすれば神の領域に踏み込んでもおかしくない代物だからだ。

すると何者かが慌てて私の部屋に入ってきた。

「サカキ様、正気ですか。あのような子供に幹部の座を与えるなど」

確かこいつはアポロとかいったな。

ジョウト地方に向かわせていた幹部の一人の筈なんだが。

「当然だ。アイツは既にお前よりも上の実績を誇っている。それでもアイツを認めないと」

「なら、アイツとバトルさせてください」

「バトルだと」

「ロケット団内における知識は確かなものがあるのは認めます。ですが実戦は違うということを証明してみせます」

アポロはサイのバトルを見たことがなかったな。

「良いだろう。報酬は何が望みだ?」

「次期ボスの座を私に」

なるほど、それが狙いか。

「なら、サイが勝利した場合はアイツの下につけ」

「な!?」

「どうした?。実力があるから言ったのではないか?」

「分かりました。あのような子供に負ける私ではありませんので」

そういうとアポロは退室した。

退室した後私はサイに連絡をいれた。

 

サイside

先ほどサカキ様から連絡があった。

なんでもアポロとか言う幹部の一人がオレがロケット団の幹部を勤めている事が気にくわないらしい。

「勝つ保証はあるのか」

番長の格好したオレの部下では1位2位を争う部下、カンザキが話しかけてきた。

「当然でしょ、サイならあのアポロって人もしたっぱ以下よ」

この女性はかつてオレに話しかけてきた女性(※第1話参照)、名をルイとか言ってたな。

実力はカンザキと双璧をなす強さを持っている。

「ルイが言った通り、オレが研究していたダークポケモンを使えば火を見るより明らかだな」

「ってことは今度のバトルでダークポケモンのお披露目するわけか」

「ああ、そうだな」

 

バトル当日

 

「フン、お前がアポロとか言うしたっぱか」

「な、口の減らないガキだな。年上の人間にタメ口など」

「当然だろ。下につく人間に敬語を使う必要があるのか?。答えはない決まってるだろ。使う必要もない」

「待て、お前たち。ここには罵闘口龍しに来たわけではないだろ」

サカキ様の言うとおりだな。

にしても、結構な人数が集まったな。

この地下バトル場は観客5000人(VIP席は別)は入れるがその席全てが埋まっている。

「それでは、ポケモンバトルを始める。ルールは1vs1のバトルだ。それでは始め」

「いくぞ、私のポケモンはヘルガーだ」

観客が騒いでるな。ヘルガーがコイツのエースらしいからな。それなら。

「オレはキレイハナだ」

「キサマ、ふざけているのか。ヘルガー、ほのおのきば

「キレイハナ、かわせ」

「逃がすな、スモッグ

「この程度か」

「何!!」

「格の違いを教えてやるよ。キレイハナ、ダークラッシュ

キレイハナが黒い霧の様なものを纏ってヘルガーに体当たりした。

次の瞬間、ヘルガーはぶっ飛び、壁に激突し、瀕死状態になっていた。

この瞬間、オレはアポロより強いと証明できたわけだ。

アポロの奴がオレを認めるかどうかは別にしてもな。




今回出てきたカンザキとルイはポケモンのゲームでもマニアックな物好き人なら分かると思います。
感想、質問など待ってます。


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親子

遅くなりましたが更新です。
後、評価や感想は0ですがお気に入りに件数が2桁突入。
質問や感想、誤字報告など待ってます。
これからも頑張ります。


サイside

あのバトルから数日後、アポロはオレの手下になった。

といってもオレの活動班の中では一番下で元幹部の威厳も無くし、オレの部下最年少部下のユカに負けている程、バトルの腕も低い。

それとコイツはヘルガーをダークポケモン化させていない。

下手なプライドがそれを許さないのかもしれないが分類上、デルビルとヘルガーは元祖ダークポケモンだぞ。

今、オレはサカキ様より新たな研究テーマを与えられた。

それは進化を超える進化、メガ進化だ。

メガ進化、カロスやアローラ、最近ではホウエンでも時折見かけるバトル時のみ進化する特別な進化だ。

これをダークポケモンに取り込めないかと相談を受けた。

理論上では不可能に近い。

メガ進化できるポケモンは数が限られているし文字通り鍵となるキーストーンや対となるメガストーンは大変珍しい物なのだ。

そもそもダークポケモンとメガ進化は対極の位置に存している。

ダークポケモンはトレーナーとの絆を絶ちきる事で冷酷な戦闘力を与える。

それに対してメガ進化はトレーナーとポケモンの絆が最大限に高まった状態でなければ発動しないのだ。

もし相反する2つの力を同時に扱えればそれこそ強靭にして無敵の最強ポケモンが誕生する訳だが。

「悩んでいるようだな、サイ」

オレに話しかけてきたこの人はビルリッチ様。

ロケット団に入った頃親元の無いオレの親代わりなってくれた人でこの班の実質リーダーの人だ。

といってもこの班のアポロを除くメンバーは皆、ビルリッチ様の友人やオレのような孤児だったりする。

現にビルリッチ様夫婦には子供がいないためオレにとっては兄弟が一度に沢山できた気分だ。

「ええ、面白いテーマですけど壁にぶつかって」

「なら、目一杯悩むと良い。若い頃に沢山悩んだ方が大人になって得することもあるからな」

まったく、この人にはポケモンバトルで勝てても、人間的な器には勝てないな。

ときどき、鋭い事を言っているからこの部署のメンバーはビルリッチ様を尊敬し父親の様に慕う者も多い。

「どうしても上手くいかない時は発想を変えてみるといい。正解は1つかも知れんがそこに辿り着く答えは1つでは無いはずだ」

発想を変えるか、それもそうだな。

「ありがとうございます、ビルリッチ様」

「頑張るんだぞ、サイ」

そう言われるとビルリッチ様は自室に戻られた。

しかしながらどうしたものか?

オレはそう思いロケット団基地のある場所を訪れる事にした。

数々の資料が眠る、ロケット団の地下書庫に。

 




今回出てきたビルリッチは前話に出てきたカンザキやルイと同じゲームに登場するキャラクターです。
また、今回出てきたダークポケモンやメガ進化は作者個人の意見が含まれている部分があり公式ではないところもあります。
ご了承ください。


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原始

サイside

オレは今、ロケット団基地の地下書庫に来ている。

ここには世界中のほぼ全てといっていいほど世界中の書物が集められている。

「これはこれはサイ様。また何かの資料をお探しで」

「ああ、メガ進化の研究資料を探しにな」

「なるほど、かしこまりました」

「なあ、鉱物関連の資料を持ってきてくれないか。できるだけ古いものから」

「了解しました」

ここの司書にある程度話をするとオレは部屋の隅に置かれている他とは色合いが違う白い椅子の席に座る。

この席はいわゆる、オレの特等席だ。

サカキ様がオレの10歳の誕生日にプレゼントしてくれたものだ。

途中ひそひそ話が聞こえてきたが軽く無視しておこう。

「こちらになります」

「ああ、悪いね」

持ってこられた資料は軽く20冊はあるだろうが、それだけ鉱物には古い歴史があるということだろう。

とにかく目を通すと様々な鉱物があることが分かった。

更にポケモンを進化させる石には自然エネルギーと呼ばれるエネルギーが含まれている事が分かった。

この進化の石に含まれる自然エネルギーはとある放射線を出しており、この放射線を浴びた特定のポケモンは進化する。

人間にはこの放射線を浴びても害はない。

そして、恐らくだがこの進化の石は自然エネルギーが長い時間をかけて結晶化したものの可能性が高い。

そもそも自然エネルギーは大昔はどこにでもありふれたエネルギーだったが、人類が今のような科学水準を手にした時から減少していったらしい。

だがオレの研究のテーマであるメガストーンは見つからない。

そんな時、オレはある鉱物に興味を惹かれた。

それは紅色の玉、藍色の玉の2つである。

この2つの鉱物は他の石に比べて桁違いの自然エネルギーを貯えている事が分かった。

更にこの2つは超古代ポケモンであるグラードンとカイオーガの2匹を操ることができる事が分かった。

だが嘗てのグラードンとカイオーガは現在のような姿ではなかったらしい。

例えるなら今のグラードンは目覚めただけで夜が昼間のように明るくなり猛烈な暑さをもたらすが嘗てのグラードンはそれに加えて周囲の海水を一気に蒸発させて大陸にする程の力が合ったらしい。

今と昔、何が違うかといえばやはり自然エネルギーだろう。

つまり、メガ進化ポケモンは、「バトルの時のみ進化する」ではなく、「バトルの時のみ嘗ての姿に原始回帰する」のではないだろうか。

早い話がメガストーンはこの2つの玉と同じように自然エネルギーの塊ではないかと予測できる。

そんな時、オレの協力者の1人であるオーヤマ博士から連絡が入った。

何でもメガストーンが1つだけだが入手できたとのことだ。

オレは資料を片付けるとオーヤマ博士の元に向かった。

 



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実験

サイside

オレは今、オーヤマ博士の研究室に来ている。

「これがメガストーンか、オーヤマ博士」

「うむ、名前をヘルガーナイトと呼ぶらしい」

ヘルガーナイトと呼ばれたメガストーンを光に翳してみると中に遺伝子構造のような模様が入っている。

「しかしどうする。キーストーンがなければメガ進化はできんぞ?」

「いや、オレに考えが1つある。それを確かめてみる」

「何を始めるつもりじゃ?」

オレは早速集めてきた炎の石の自然エネルギーをヘルガーナイトに集めた。

この時の為に開発を頼んでいたエネルギー観測装置によると200%にまで貯まっていた。

「こんな方法が合ったとは。やはり、天才。いや、天災じゃな。しかし肝心のヘルガーがいないぞ。どうする」

「言ったろ。考えがあると」

 

「放せ、私のヘルガーをどうするつもりだ」

アポロが俺に文句を言いに来た。

「アポロ、お前は弱い。サカキ様に見捨てられてもおかしくないくらいにな。だからお前に力を与えてやるよ。ダークメガポケモンを」

「だからなぜ、私のヘルガーを連れて行く」

「簡単なことだ。オレたちが手に入れたメガストーンはヘルガーに適した物だった。それだけだ」

「たったそれだけの理由で私のヘルガーを」

「お前、ロケット団を舐めてるのか。ロケット団の団員なら、ボスに、サカキ様に自分のポケモンを献上するくらい視野に入れておけ」

「貴様」

ギリギリと歯ぎしりをするアポロ。

「押さえておけ」

さて、実験を初めようか。

俺は手術室と書かれた部屋に入った。

 

3時間後、手術は終了した。

ヘルガーは特に外見上に変化は見られない。

ただ胸に例のメガストーン、ヘルガーナイトがくっついてる事を除き。

それ以外の変化は内面的に起こっていた。

だがそれはダークポケモンとして当然の事だ。

感情が消えていた。

「来週、そのヘルガーはバトルするそうだ。準備をしておけよ、アポロ」

アポロは膝を付き拳を握りしめていた。

 

1週間後、オレは例のバトルフィールドのVIP席にサカキ様、ビルリッチ様と共にいた。

 

ヘルガーのトレーナーは勿論アポロだ。

そして相手のポケモンはバンギラスだった。

そのバンギラスのトレーナーだがサカキ様の一人息子らしい。

お、バトルが始まった。

 

「バンギラス、アイアンテール

「ヘルガー、飛んでかわせ」

やはりダークポケモンにしたお陰か強くなっているが、あのバンギラスも相当鍛えられているな。

「行くぞヘルガー。燃えろ、炎の雄叫び、メガ進化だ」

するとヘルガーは身体が大きくなり角も鋭く発達していた。

第一段階はクリアした。

残る課題はもう二つ

「ヘルガー、ほのおのきば

以前のバトルに比べると威力は段違いに上がっているがそれでもタイプの相性であまり効いてないようだ。

「バンギラス、メガトンパンチ

ヘルガーはかわす事なくその一撃を受けていた。

「ヘルガー、カウンターだ」

おっ、なかなかやるね。

「負けるなバンギラス、いわなだれ

「ぐっ。こうなったら、ヘルガー、ダークウェーブ

ヘルガーが黒い波紋状の技を与えると、バンギラスの動きに隙ができた。

「これで決めろ、ダークブレイク

その一撃が決め手となり、バトルは終了した。

そしてオレの実験はダークポケモンをメガ進化させることに成功はした。

だがヘルガーはバトル終了後に絶命した。

やはりメガ進化とダークポケモンという相反する実験の影響だろう。

まだまだ、改良の措置が必要のようだ。

それが理由かは分からないが数日後、アポロはロケット団を辞めた。

だがオレには関係ない。

全てはサカキ様の為に、世界を征服する。

それだけだ。



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親友

遅くなりましたが更新です。


赤い髪の少年side

俺はイライラしていた。

みんなして俺をもて余す。

「さすがですね、三代目様」

俺は三代目様なんて名前じゃない。

「さすがはサカキ様のご子息ですね」

俺と父さんを比べるな。

俺は俺だ。

俺には俺の名前がある。

なのに誰も俺の名前を呼んでくれない。

気がつくと俺はある部屋の前に来ていた。

「どうした、ジン?。オレになんかようか?」

そう、俺の名前を呼んでくれるのは父さんと唯一無二の親友にしてライバルのサイだけだ。

______________________

「どうした。また、名前を呼んでもらえなかったのか」

「ああ、そうだ。俺には父さんがつけてくれたジンって名前があるのに」

「確かにな。コーヒー飲むか」

「貰う」

俺はサイからコーヒーを受け取り砂糖を入れずミルクを少しだけ容れる。

これが俺のコーヒーの飲み方だがサイは砂糖を入れないのは俺と一緒だがミルクを大量に容れる。

それはコーヒーにミルクを容れるというよりミルクにコーヒーを容れているかぐらいの量を容れて飲む。

別に気にしてはいないが。

俺とサイは他にも共通点が2つある。

1つは伝説と呼ばれるポケモンを所持していることだ。

サイはロケット団に入る前から所持していたがバトルで使うことも稀だ。

俺の伝説のポケモンは昔、父さんと遺跡の研究に行った際、僅かな間、神隠しみたいなめにあったらしい。

その後で気がついたら所持していた。

「なあ、オレ達ってどう呼ばれてるか知ってるか?」

サイからその言葉が出るとはな。

その一言の通り、俺達二人には二つ名がつけられている。

「もちろん知っている。知恵のサイに、戦闘のジンだろ。俺の名前が呼ばれるのはその時だけだからな」

そう、ポケモンバトルなら俺が強いが進化やポケモン孵化、ポケモン育成などポケモンの研究はサイの方が上にいる。

違う道を歩いている俺達だが、歳も同い年なので話が合う。

こうゆうのを親友というのだろうか。

「後はお互いポケモン捕獲の腕だな」

もう1つの共通点がこれだ。

俺もサイもポケモン捕獲は苦手だ。

サイは遠投が苦手、俺は距離は出るのだがノーコンなのだ。

俺達が使っているポケモンだって元を辿れば他の団員に頼み捕獲を依頼して手に入れていた。

「どっかに捕獲のプロなんていないもんかな」

「そんな都合の良い話があるかっての」

そんな他愛のない話をしながら時間の許す限り話続けていた。




次回の話でようやくヒロインの登場です。


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少女

おひさしぶりです。
書きたいことを書いていたら2000字越えてしまいました。
なお、今回ヒロインが初登場です。


ジンside

俺達は今、ロケット団の基地には居ない。

なぜなら俺達は今、オレンジ諸島へと来ている。

目的は大きく分けて2つある。

1つはオレンジ諸島で珍しいポケモンを捕獲すること。

そしてもう1つは、ロケット団の慰安旅行ということだ。

意外かも知れないがロケット団にも慰安旅行というものは存在する。

何しろロケット団は表の顔はロケットコンツェルという、外食系企業、ポケモンジム、サントアンヌ号、アオプルコリゾートのポケモンランド、オレンジ諸島の飛行船部門等他多数の仕事をしている大企業だ。

その為に年に1度、各企業の支部長3名とその支部長が選んだ部下3名、及びにその家族が慰安旅行に参加できる。

仕事も兼ねているため、あまり気を抜けないのだが一番気を抜いてるのが恥ずかしながら、俺の父親、サカキ(社長兼ボス)だ。

父さん曰く仕事とプライベートを分けることが大事だと言っていたが完全に気を抜いてる。

オレンジの地にモンスターボールの柄が入った海パンと同じデザインのアロハシャツだけを着てサングラスを掛けデッキチェアに寝転がっている。

他人にロケット団のボスといっても信じてもらえない気がする。

因みにビルリッチ様によると俺の母さんと出会ったのもこの慰安旅行がきっかけらしい。

何でも若気の至りということで2人してナンパしていたが全く相手にされなかった所を慰めてくれたのが母さんで、それを期に結婚したらしい。

因みに母さんは父さんと離婚していないし亡くなってもいない。

旅行好きのため、3年前、俺が立派になったということを期に世界各地を旅行している。

それでも1日1回は電話するほど仲が良い。

さて、気分を変えて俺もこの慰安旅行楽しむか。

 

俺達はビーチでカイスの実割りをしたり、遠泳をしたりして楽しんだ。

日も傾いてきたのでホテルに向かおうとしたら。

「おれの荷物が、無くなってる!?」

こいつは確かラムダだったな。

ロケット団の幹部の1人でロケットコンツェルでは男ながら化粧品メーカーを任せられていた覚えがある。

「自分の荷物くらいしっかり管理しとけよ」

サイの言う通りだ。

ん、何だあの穴は。

そう思った瞬間、その穴から人の手が現れ荷物を持っていってしまった。

と、なるとこれは窃盗か。

俺はサイに話すと。

「おそらく、主犯がいるはずだ。その荷物が盗られたのはついさっきだな」

「ああ、そうだけど。どうやって取り返す」

「一応、俺達の荷物には発信器がつけてある。それを辿れば分かるはずだ」

「成る程な。それで場所は?」

「ここから案外近い。あのビルの裏地辺りだ。行くぞ」

「ああ」

俺達はさっそく、犯人を追うことにした。

 

少女side

今日は最高の日だ。

観光客は私にとっては最高のカモだ。

盗られた事にあたふたする。

その要領で他の奴からも盗む。

そして、その盗んだ物、他地方からであれば珍しい物なら高値で売れる。

しかも、観光客なら長くはこの地にいない。

だから私の事を追うことなどできない。

そう思っていた。

私とそう変わらない年代の男の子2人が私達を追いかけてくる。

私が所持しているポケモンの能力で逃げようと思えばできるけど、この子はまだ自分が知っている範囲でしか使えないし1度使うと暫くは使えないという欠点がある。

よく見るといつのまにか、男の子がいなくなり、代わりに大人達が追いかけてくる。

なん組かのグループかと思っていたけどあれが1つのグループだったらしい。

やむを得ない、この子の能力で逃げよう。

場所はまだ誰にも知られていない私の秘密基地へ。

「お願い、フーパ。私の秘密基地へ繋いで」

するとフーパは私の目の前に金色の輪差し出した。

さっそく通り抜ける私とフーパ。

抜けるとそこは私のよく知る私の廃ビルを利用した秘密基地、ではなかった。

まるで私達を囲むように張り巡らした糸があった。

「やっぱりここがお前の隠れ家って訳か」

そこにはさっき私達を追いかけていた2人の少年がいた。

「何でここが分かったの?」

すると白い髪の少年が語った。

「簡単な推理だな。お前が窃盗した場所を調べ、その中心にあった場所。それがここだ」

まだだ、まだ負けた訳じゃない。

「フーパ、いじげんホール

すると2人もポケモンを繰り出した。

白い髪の少年はピンク色の小さなポケモン、赤い髪の少年は白い大型のポケモンを。

「ミュウ、シャドーボール

「アルセウス、あくのはどう

2匹のポケモンの技がフーパを捉える。

私はなす統べなくやられてしまった。

 

気がつくと私は秘密基地とは違う場所で目を覚ました。

そこにはさっきの少年2人と黒い服を着た大人達がいた。

「ここは?」

すると大人達の中心にいた人物が口を開いた。

その手にはフーパの入ったモンスターボールが握られていた。

「君が荷物を盗もうとしていたロケットコンツェルのビルだよ」

ロケットコンツェル!?。

私が手を出したのはとんでもない大企業だったみたいだ。

だけど気になる点がある。

「けどその格好、まるでマフィアじゃない。ロケットコンツェルではそれが制服ってわけでもないでしょう」

そう、彼らの格好はまるでマフィア。

それに黒い服のマフィアと言ったらロケッ……ト……団。

まさか、ロケットコンツェルって。

「気づいたようだな。そう、ロケットコンツェルとは表向きの仮の姿。真の姿はロケット団なのだよ」

ロケット団。

世界中を暗躍する謎の組織。

どうする、私!?。

「君には今、3つの選択肢がある。1つはその窓を破り脱出するか」

それは無理だ。

ここは地上25階、助かる保証は0に近い。

「2つ目に君のポケモンの能力で逃げる。しかし、そのポケモンは今、私の掌中にあるが」

その選択も無理だ。少人数相手ならなんとか取り返せるけどこの人数は無理だ。

「最後の選択は我らロケット団に入ることだ。どうする?」

選択肢なんて合って無いような物だ。

私が助かるには3つ目の選択肢しかない。

だったら、なってやろうじゃないの、ロケット団に!!。

「その目、気に入った。名前は」

「無いわ。好きに呼びなさい」

「なら名を与えよう。今日からお前はユウキだ。我々ロケット団から荷物を盗もうとしていた勇気に因んでな」

こうして私はロケット団の団員になった。

だが今はまだ知らなかった。

後に私達3人が超越する者達と呼ばれる存在になるなんて。




質問や感想などお待ちしています。


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結成

サカキside

私は今、幹部の一人が持ってきた試料を見ている。

その試料には我が息子、ジン。

そして、サイとユウキの才能テストの結果が書かれていた。

子供というのは大人が思っている以上の実力を持っているものらしい。

サイの才能は嘗て他の組織が開発した技術を理解し改良するだけではなく、更にポケモンを強く育てる才能があるようだ。

ジンはバトルの才能が高く、特訓を重ねた結果、ポケモンが構えただけでなんの技がくるか、理解できるようになってしまったらしい。

最後に、先日我が組織に入ったユウキだが、彼女はいかなる姿勢、状況によっても狙った場所にモンスターボールを命中させるコントロール力があるようだ。

それに加え、手持ちのポケモンに気のような物を与えることでポケモンの体力を回復させる能力を持っていた。

まだ未成年だが、このメンバーは既に幹部と同等、もしくはそれ以上の実力を持っている事からチームを結成させることにした。

チーム名は、この子らの頭文字をとって……。

 

サイside

「チーム、ですか?」

ユウキが入って3ヶ月した頃、オレ達3人はサカキ様に召集をかけられた。

「そうだ、お前達には3人1組のチームとして行動してもらう」

確かにオレ達3人は歳も近く、それぞれ不利を補えている。しかし大きな欠点もある。

「サイよ、お前の言いたい事は分かる。その年齢で1つのチームを任せれば、アポロのような者が出ると言いたいのだろ」

「ええ、その通りです」

サカキ様の言うようにオレ達3人はロケット団の中では年少の部類に入る。

そのために以前、アポロが文句を言ってきたのだ。

「なら、そのような面子はお前達の実力で捩じ伏せてやれ。お前達にはそれだけの才能があるのだから」

サカキ様はオレ達3人にそれだけ期待をなさっている。

これは断らない方がいいな。

ジンとユウキを見ると同意見なのか、頷いていた。

「「「畏まりました。我ら3人、ここにチームを結成します」」」

するとサカキ様はニヤリと笑われて。

「よろしい。今日からお前達はチーム名エクシーズを名乗れ」

エクシーズ。

オレ達3人の頭文字をとってXYZか。

「お前達に、初の任務を与える。オーキド研究所に侵入し、3匹のポケモン、フシギダネ、ヒトカゲ、ゼニガメを盗んでこい。良いな」

「「「畏まりました」」」

 

PM23:25

オレ達3人は今、マサラタウンのオーキド研究所の上空に気球で待機している。

オーキド研究所は1時間と25分前に消灯しているが、新人トレーナー用のポケモンがいるという理由で警備が厳重になっている。

表に30人、裏に40人、そして内部に20人の合計、90人。

「どうやって侵入する?」

ジンの質問だが既に作戦は考えてある。

「まずはジンに行動を頼む。くれぐれも姿を見られないように注意しながら派手に表で暴れてくれ」

「了解した」

「その隙にオレが混乱に乗じて内部に入り込みポケモンを盗む」

「私は何をすればいいの」

「ユウキはオレ達の回収を頼みたい。ジンがある程度敵を引き付けたら人気の無い場所にフーパの能力を使ってこの気球に帰還させてほしい。オレの方は連絡をいれる」

「了解」

「さぁ、任務開始といこう」

AM0:00 作戦開始

ジンside

俺は今、オーキド研究所の近くにまで来ている。

田舎町だけあって近くに警備の者以外誰もいない。

「バンギラス、出番だ」

俺がバンギラスをくり出した事で警備の奴ら慌てているな。

この近くにバンギラスは生息していないからな。

さて、改めて俺の役割を始めるか。

「バンギラス、地面に向かってはかいこうせん」

裏や内側からも何人か応援が来てるが好都合だ。

「みずのはどう」

警備の奴ら足に先程の巻き上げられた土が泥と成っている。

「仕上げだ、れいとうビーム」

駆けつけた警備員達の足が凍り、足止めは完了した。

俺の役目はここまでだ。

俺はフーパの能力を使い、帰還した。

 

サイside

ジンの奴、派手にやったな。

まぁ、オレが頼んだ事だけど。

「キレイハナ、天井に向かってねむりごな」

オレは警備が手薄になった裏口から特殊なガスマスクを身につけて突入する。

1階表入り口付近に今回のターゲットである、それらしき

モンスターボールを3つ見つけた。

オレはそれを回収し脱出。

「そこまでだ。お前はこの国際警察のハンサムが逮捕する」

ち、国際警察が出てくるのか。

「もう一度、今度は大量にねむりごな」

「ムダだ。ガスマスクを身につけている私には効かんぞ」

確かに相手もガスマスクを身につけているが狙いは相手を眠らせる事じゃない。

オレは粉が充満した事を見計らってライターに火を点け投げつけた。

次の瞬間、大爆発が起こった。粉塵爆発というやつだ。

穏やかにはいかなかったが、作戦は成功だろう。

それにしてもお前か。

そう思いながらオレはフーパの能力を使い、脱出した。

sideout

 

AM3:30 ロケット団アジト

「サカキ様、先程チームエクシーズが帰還しました。そしてこちらがオーキド研究所から手に入れた3匹のようです」

「そうか、作戦は成功したか」

サカキはエクシーズが手に入れた3匹のポケモンを持ってきた部下とは反対の方を向いているが、僅かに微笑んでいた。

それは親が子供の成長を喜ぶ時の顔によく似ていた。

「しかし、国際警察に目をつけられた可能性もあるかと」

部下の言葉にサカキは。

「国際警察など、どうにでもなる。エクシーズに新たな任務を伝えておけ。3日ほど休暇を与えると」

「畏まりました」

部下が部屋から退室するとサカキはポケギアを取りだし何処かへと電話をかけていた。

相手が電話に出ると微笑んだ顔で語り出す。

それは自分の愛する妻への電話だった。

 




遅くなりましてすみません。仕事などで更新が遅れてしまいました。


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