シークレット・俺ガイル (カルタ)
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ゲームスタート

カルタと申します。今回は最後まで書き切りたいと思いますのどうかよろしくお願いします。


 

 

『俺は、本物が欲しい』

 

そう言ったあの日から幾許かの時間が経ち、本物とは何かまだ解らないがきっとあいつらとなら見つけることが出来るだろう。

そう、あの時までは、あの忌々しいゲームさえ無ければそう思えていたんだ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を覚ますとそこは見慣れない場所だった。

一瞬夢かとも思えたが目元に滲む涙がそれを否定していた。

 

「ここは…」

 

そこはホテルの一室のような部屋だった。西洋風の家具でまとめられており高級そうな部屋作りをしていた。

しかし部屋は全体的に薄汚れ、至る所に埃などが溜まっていた。

だが、意外にもこの男”比企谷 八幡”は冷静だった。いや、冷静を装っていただけなのかもしれない。

少し思案してみると一つの考えが浮かんだ。

 

「誘拐…でもされたのか俺は…」

 

だが一体なぜ自分が誘拐されたのか特に思い当たる理由もなかった。

身代金目当てなら中流家庭の自分より上流階級の家を狙うだろう。

一瞬自分のことを気に食わない連中の仕業かと思ったが流石にここまで大掛かりなことは出来ないだろうとすぐに判断した。

 

「昨日は確か…」

 

いつも通り学校へ行き、昼休みにはベストプレイスで千葉県のソウルドリンクを飲みながら天使の頑張る姿を目に焼き付け、部活をして家へ帰る道のりの途中までは覚えている。

そこで記憶は途絶えていた。

 

「どうなってるんだ一体」

 

疑念に駆られている中、首元に小さな違和感を感じ手を伸ばすと何か金属のような感触があった。

そこには首をぐるっと一周するように首輪がはめられていた。

取り外そうにも首と輪に隙間などほぼなく、表面にも取っ掛かりらしきものないので少なくとも今の状況では取り外すことは不可能だろう。

 

「なぜ首輪が…監禁でもされてるのか?」

 

周りを見渡すと、学校に持って行っていた鞄が置いてあった。

中身を確かめてみたが教科書、筆記用具、文庫本などと特に無くなっているもの見当たらない。

スマホも一緒に入っていたが当然のように電波が入らなかった。

ふと、視線を逸らすと鞄の横にスマホに似たようなものが置いてあった。

 

「なんだこれ?」

 

側面にあったボタンを押してみると電源ボタンだったのか画面が点いた。

そこには〈A〉の文字が書いてあった。

 

そんな時、突然部屋に置いてあったモニターの電源がつき甲高い声が流れてきた。

 

『やっほー!!』

 

『僕は今回のゲーム進行を務めさせていただく者だよ!』

 

『全員起きたみたいだからこれから君たちにやってもらうゲームのルールを説明するよ!!』

 

いきなりの事に戸惑っていたが何か重要なことを言っていた気がする。

しかし、そんな考えを余所に説明は進んでいく。

 

『君たちにやってもらうゲームは【シークレット・ゲーム】だよ!!』

 

『ルールは以下の通りとなってるよ!』

 

1.各プレイヤーそれぞれ固有のPDAが与えれる。表示されている絵柄のクリア条件をゲーム終了までに達成せよ

2.制限時間は48時間とする

3.各プレイヤーには首輪が着けられ、ルールを違反した場合などに作動する

4.初めに配られたPDAが破壊された場合首輪が作動する

5.ゲーム参加者は14人である

6.開始2時間は非戦闘時間とする(正当防衛は除外とする)

7.開始8時間経過時に全員生存の場合ランダムに二つ首輪を作動する

8.JOKERのPDAは他のPDAに偽装する機能を持っており、クリア条件以外は偽装したPDAそのものになる

 ※一度使うと1時間他のPDAへの偽装は出来ない

9.ゲーム終了時条件が達成されており、生存しているプレイヤーに賞金20億円を山分けする

10.会場内には食料、武器、薬品などを含む様々な物資が置いてある

11.各プレイヤーのクリア条件は以下の通りである

 

A…クイーンのPDAの所有者の殺害

 

2…開始から6時間以内に自身以外の番号を一つ指定し、そのプレイヤーのゲーム終了までの生存

 

3…3名以上の殺害。ただし首輪の作動は含まない

 

4…自分以外の首輪を3つ取得する。手段は問わない

 

5…JOKERの殺害。このPDAのみ半径1m以内でJOKERの偽装機能は無効できる機能を持つ

 

6…自身を除き3名以上が条件達成する

 

7…自身以外の全参加者の死亡。手段は問わない

 

8…自身のPDAの半径2m以内で奇数番号のPDAが3個破壊される。また、偶数番号のPDAが破壊された場合は首輪が作動する

 

9…開始から10時間目以降に全員と遭遇。死亡している場合は免除。

 

10…首輪が5個作動すること

 

J…ゲーム終了までの生存

 

Q…自身以外に危害を加えない。 危害を加えた場合首輪が作動する

 

K…未クリア状態のPDAを3台以上収集する。ただしクリアの為に使用したPDAは使用不能となる。

 

JOKER…初めに変化したPDAのクリア条件のクリア

 

『以上がこのゲームルールだよ!ルールはPDAからいつでも見れるから安心してね!』

 

『ちなみにPDAは近くの机に置いてあるスマホみたいなものだよ!壊すと死んじゃうから大切に持っててね!』

 

『あ、質問や苦情は一切受け付けないからね!』

 

『それじゃ、みんな心の準備はいいかな?』

 

『【シークレット・ゲーム】スタートだよ!!!』

 




如何だったでしょうか?途中出てきた甲高い声の主は只の進行役です。
次回はもう一キャラ出るかと思います。


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〈Q〉

3月って色々忙しい時期ですよね。


『ゲームスタートだよ!!』

 

その言葉を最後にモニターの電源は切れた。

しばらく呆然としていた彼であったが直ぐに思考を切り替えた。

PDAを見てみると制限時間のカウントダウンが始まっている。

 

「俺の絵柄は〈A〉クリア条件は...QのPDAの所有者の殺害か…」

 

「もう一度小町や戸塚達に会うためには条件を達成するしかないっていうのか」

 

しかし、只の高校生である彼に現時点で他人を殺す覚悟が有るのかと問えば答えは否だ。

だが、これが普通の感性であり、日本という世界トップクラスで平和な国で育っていればごく自然なことである。

 

「取りあえず情報が少なすぎるな…」

 

「もう少しこの部屋を調べてみるか」

 

タンスの中、引き出しの中、ベッドの下などと調べてみたが特に何もなかったが冷蔵庫の中を見てみるとペットボトルに入った水があった。

そんな時、部屋のドアノブが回った。

 

「誰だっ!!」

 

そこに立っていたのは見知った顔の少女だった。

 

「一色?」

 

そう、そこに立っていたのは亜麻色髪のあざとい後輩"一色 いろは"だった。

 

「せ、せんぱいなんですか…?」

 

彼女の声は震えており、よく見ると目元にはうっすらと涙が溜まっていた。

走っていたのか息も若干上がっておりうっすらとだが頬が赤く染まっている。

すると感極まったのか又は不安に耐えきれなくなったのかは分からないがこちらに飛びついてきた。

 

「お、落ち着け一色」

 

「怖かったです、怖かったです。目が覚めたら知らないところに居ますし、訳が分からないゲームの説明されましたし、とにかく怖かったんですー」

 

「そうか、そうだよな」

 

彼は自然に彼女の頭に手をやっていた。

 

「ふぇ?」

 

「あー、わりぃ、つい俺のお兄ちゃんスキルが発動してしまってたみたいだ」

 

「もうっ!!あざとすぎですよ先輩!!でも…ありがとうございます…」

 

「ん。取りあえず状況を整理したいから一度座るか」

 

こうして一度椅子に座った二人はお互いの状況を確認しあった。

二人に共通しているのはここに連れてこられる直前の記憶はあるがこのゲームに参加させられている心当たりは無いということ。

また、連れ去られる直前に持っていた荷物はそのままあるということ。

 

「先輩、このゲームって本物なんですかね?」

 

「本物?」

 

「いや、ほらテレビのドッキリ企画とかそんなんじゃないかなーって…すみません、そんなわけないですよね」

 

彼女の気持ちは分からなくもない。

いきなり非現実的な事に巻き込まれたのだ、現実逃避をしたくなるのも分からなくもない。

 

「本物かどうかは知らんが、本物として動いていくしかないだろうな」

 

口ではそう言っているが内心は否定したかった。映画やテレビか何かだと思いたかった。だが自分以外の参加者が実際に居るという事実。

彼は何かを悟っていた。このゲームは本物だと。条件をクリアしない限りここからは出られないということを。

だから彼は___。そんな時彼女が食い気味に質問をしてきた。

 

「そういえば先輩の絵柄ってなんなんですか?ちなみに私は〈Q〉です!」

 

「!?」

 

「あれ、先輩どうしました?顔色すごく悪くなってますよ」

 

「一色、PDAを渡さなくていいから絵柄の画面だけ見せてくれないか?」

 

「? いいですよ」

 

彼女は彼に画面を見せた。そこに描かれていたのは紛れもなく〈Q〉だった…

 

〔残り47時間35分〕




次回魔王襲来予定


余談ですが直前でマキナスリーブ取り逃すという悲劇が起こりました。


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魔王襲来

意外と早く書けました。


「一体どうしちゃったんですか先輩、本当に顔色悪いですよ?」

 

「一色よく聞け、俺の絵柄は〈A〉だ。つまり、俺のクリア条件はお前の殺害だ…」

 

「なんだ、そんな事ですか。心配して損しましたよ」

 

「は?」

 

彼は唖然としてしまった。自分が殺されるかもしれないというのに”そんな事”で済ませたのだ。

まだ考えが纏まらぬ内に彼女は言葉を続けた。

 

「確かに現時点では条件をクリアするしか出る方法はないですけど、もしかしたら他に方法があるかもしれないじゃないですかー」

 

「それに先輩って私のこと好きじゃないですか。しかも人を殺すなんて出来るとも思いませんし」

 

「自分の命が掛かってるんだ。お前を殺すかもしれないんだぞ?怖くないのか?」

 

「怖くないって言ったら嘘になりますけど、こんな所に一人で居る方が怖いですし。しかも私を殺す気があるなら正直に〈A〉なんて言わないじゃないですか」

 

「それに…私先輩の事信じてますから」

 

「っ!!」

 

「バカだとは思っていたがここまでバカとはな…」

 

「バカとは何ですかバカとは!!私生徒会長ですからね!」

 

「そんな事より早く二人とも出れる方法を探しに行きますよ!時間無いんですから!!」

 

そう言って彼女は部屋から出ようとした。

 

 

「一色」

 

 

そんな彼女を彼は呼び止めた。

 

「どうしました?」

 

「いや…、なんでもないわ」

 

「…何なんですか!さっさと探しに行きますよ!!」

 

「へーへー」

 

そう言って今度は彼が部屋から出ようとしたときだった。

 

 

「先輩」

 

 

彼女は彼を呼び止めた。

 

「絶対に二人でここから出るんですからね!!」

 

「絶対に…ここから、二人で、生きて、出るんですからね!!」

 

「…ちゃんと最後まで責任取ってくださいね?」

 

彼女は何かを悟っていたような顔をしていた。

 

「…ああ。分かった。必ず出よう」

 

そうして再び今度こそ二人で部屋から出ようとしたときドアの向こうから声が聞こえた。

 

「だったらお姉さんも一緒に行っていいかな?」

 

ドアを開けた先に居たのは彼と同じ部活に所属している雪ノ下雪乃の姉の”雪ノ下陽乃”だった。

 

「ゆ、雪ノ下さん?あなたもここに連れてこられてたんですか」

 

「ひゃはろー、いやーこんな所で会うとは奇遇だね」

 

「いきなりで悪いんだけどさ比企谷君ちょっとこっちに来てくれないかな?あ、一色ちゃんはここに居てね!」

 

「なんでわた「わかりました」しだけ…」

 

「先輩、大丈夫なんですか?先輩だけとか怪しすぎませんか?」

 

「あの人がこんなに分かりやすく何かをするとは思えないからな」

 

「先輩が言うなら別にいいですけど…何かあっても知りませんからね!!」

 

一色一人を部屋に残し二人は部屋から出て少し歩き始めた。

 

「部屋の外ってこうなってたのか…」

 

「あれ、比企谷君まだ部屋から出てなかったの?」

 

「まあ、色々ありまして」

 

部屋の外は全面コンクリートで構成されており窓一つ無く、まだ全貌は分からないが目に見える範囲で廊下がずっと続いている。

 

「さてと、ここら辺でいいかな」

 

「一体何なんですか?一色は残して俺だけなんて」

 

すると今までおちゃらけた感じだった彼女が急に真剣な顔つきになった。

 

「比企谷君、このゲームって何のために開催されてると思う?」

 

「何のため、ですか?さあ、何でしょうか?」

 

「それはね、世界中の富豪たちの見世物、つまりは富豪たちの娯楽のために開催されてるの」

 

「!? というかなんで雪ノ下さんは知ってるんですか?」

 

「比企谷君、私の家が何なのか忘れたの?」

 

「雪ノ下建設…」

 

雪ノ下建設、日本を代表する企業の一つであり雪ノ下姉妹の実家でもある。

さらに父親は県議会議員をも兼ねており国内トップクラスの富豪と言えるだろう。

 

「私もこのゲームの存在を知ったのはごく最近のことなの。まさか自分が参加するなんて思わなかったけどね」

 

「そのゲームはどうなったんですか…」

 

彼女は少し躊躇いがちにこう言った。

 

「…ルールに則り進められたわ」

 

その言葉だけで十分だった。その言葉だけでやはりこのゲームが本物であるかどうかが判明した。

 

「細かいルールの違いはあるけれど基本的には今回と同じ。生きてここから出るためには条件をクリアするしかないの」

 

「つまり…比企谷君がここから生きて出るためには一色ちゃんを殺すしかないってこと」

 

「聞いていたんですね…」

 

「まあね。それを踏まえてなんだけど一つ聞いていいかな?」

 

「なんですか?」

 

「君、一色ちゃん殺す気ないでしょう。というより、もうここから出ることを諦めてるでしょう。」

 

「っ!!」

 

彼女の言っていることは完全に的を得ており、彼は動揺が隠せなかった。

 

「流石雪ノ下さんですね…。でもしょうがないでしょう?俺より一色の方が生きる価値がある。それだけで理由なんて十分です。」

 

「ふーん。まあ、それも君の本心なんだろうけど他にもあるでしょう?」

 

「他にもだって?そんなの決まってるでしょう…一色を殺さずに二人ともここから出ることに決まってるじゃないですか!!」

 

「うんうん。素直でよろしい。だったらお姉さんも協力してあげるよ」

 

「は?」

 

彼女が何を言っているのか一瞬分からなかった。

それもそうだろう。ほんの少し前に彼女の口からこのゲームは本物であると告げられたのだ。

その彼女がルールを無視してここから出ようと言っているのだ。

 

「ま、私もここから出る方法なんて分からないけどね!」

 

「それでも…二人より三人でしょ?比企谷君?」

 

「何故俺に協力しようとしてるんですか。あなたなら一人でも条件をクリア出来るでしょうに」

 

「それに俺たちが、一色がやろうとしている事は恐らく徒労に終わるでしょう。それに付き合ってたら雪ノ下さんまでクリア出来なくなるかもしれないんですよ?」

 

 

「確かに私なら一人でクリアできるかもしれない。ただ、それじゃあ意味が無くなったんだよ」

 

「…比企谷君は雪乃ちゃんの大切な人だからね。だから協力するってだけ。比企谷君も私と同じなんだから分かるでしょう?」

 

「雪ノ下さんって意外と優しいんですね」

 

「へっ!?」

 

「なんでもないですよ。あ、そう言えば一つ聞いていいですか?」

 

「ん?なにか誤魔化されたような気がしたけど…。まあいいか、〈JOKER〉だよ!」

 

「ぶっ!」

 

彼は思わず笑ってしまった。

 

「なにかな?その笑いは?」

 

彼女の顔も笑っているが目が全くと言っていいほど笑ってはいなかった。

 

「い、いえなんでもありません」

 

「ふーん?ま、いっか早く一色ちゃんのところへ戻ろうか」

 

こうして二人は帰りを待つ彼女の元へ戻るのであった。

 

〔残り47時間5分〕




サブタイほぼ内容と関係ない気が…

次回は一気に3人ぐらいと遭遇予定です。


余談ですが今日は新弾リリース日ですね。ようやく環境が変わるので楽しみです。


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新たなる3人

5ヶ月ぶり位の投稿になります…
ホントすみませんでした(´・ω・)
しかも文字数はいつもより多いんですが凄い手抜きです。内容ぺらっぺらです。
後書きに理由とか書きます…。
それではどうぞ


「あ!遅いですよ先輩方!!」

 

部屋に戻るとベッドに腰掛けたご立腹の一色がいた。

たった十数分程しか経っていないはずなのだが随分と久しぶりに会ったような気がした。

 

「悪い、少し長引いたな」

 

「で、何の話をしていたんですか?」

 

「それは二人の秘密だよね?比企谷君」

 

彼女は一色の方を挑発するようにそう言いながら彼の腕に抱きついた。

 

「ちょ、何してるんですか雪ノ下さん」

 

「いいじゃない、私と君の仲なんだから♪」

 

「ちょ、ホントに何の話してたんですか!!」

 

「ま、一色ちゃんをからかうのはここら辺にしておこうか」

 

そう言うと彼女は説明を始めた。

このゲームが本物、つまりここから出たければルールに則り条件をクリアしなければいけないということ。お互いのクリア条件。富豪達の見世物であること。そして、3人全員生きてここから出るつもりということ。

 

「という訳だから私も協力するよ」

 

「取り敢えずは信用しますが、具体的に何するつもりなんですか?」

 

「先ずは他の参加者を探そうと思うの」

 

「それって大丈夫なんですか?私たちは偶々知り合いだからこんな風に話せてますけど知らない人だったらこうはいかないんじゃないですか?」

 

「本当に偶々だと思ってるの?一色ちゃん」

 

彼女の発言に彼は頷いた。

 

「俺も雪ノ下さんと同じ考えだ。これが富豪たちの見世物である以上なにかしらの演出を入れてくるに違いない」

 

「その演出ってのがもしかして…」

 

「恐らく総武校関係者で固めてあるだろうな」

 

その発言を聞き彼女は満足そうに笑った。

 

「そ!だから他の参加者を探して協力を仰ごうと思うの!」

 

「まあ、お二人がそう言うならいいですけど…」

 

「そうと決まれば行こうか。あ、聞きたいことがあれば今のうちにね。外では念のためにあまり音を立てないように行きたいから。」

 

「あたしは大丈夫でーす。先輩はなにかあります?」

 

すぐに彼の返事は来なかった。

 

「先輩?」

 

「…ああ、大丈夫だ。ちょっと考え事しててな」

 

「しっかりしてくださいよ!先輩は私をちゃんと守ってくれないとダメなんですからね!!」

 

「そいうのは葉山の奴に頼めよ…」

 

「はいはい、そこら辺にして行くよ」

 

 

 

heyadetayo

 

 

 

こうして部屋を出てすこしばかり歩いてわかったことがいくつかある。

恐らくこの建物を上から見ると碁盤の目のような作りになっているという点。全体的に同じような造りをしている点。そして偶にある銃痕のようなもの…。

こうして歩いているだけでも自分たちの置かれている状況が非現実的なものだと主張してくる。

似たような場所を30分ほど歩いた辺りで途切れ途切れではあるが話し声が聞こえてきた。

 

「…軍…であるから…あ、すみま…」

 

「へ~…なんだ~」

 

「いざっ…僕が…守…」

 

やはり反応が早かったのは彼女であった。

後ろを歩く二人に素早く止まれの指示を出し耳を澄ませた。

その指示に従い二人も耳を澄ませた。だが彼だけなぜかげんなりとした表情になった。

 

「2人とも止まらなくても大丈夫ですよ。少なくとも危険な奴では…ある意味では危険ですが基本無害なやつなんで」

 

「そうなの?君が言うなら行こうか」

 

彼らは声のするほうへ向かった。

声の主たちと合流するのはすぐだった。

 

「やっぱりお前だったか…材木座…」

 

「えっ!!八幡なの!?ホントに八幡なの???」

 

「暑苦しいから近づくな、あとキャラぶれてんぞ」

 

「あれ~比企谷だ~君も来てたんだ~。それに一色ちゃんと陽さんもいる~」

 

「八幡!!」

 

「その声は城廻さんに、戸塚なのか!!!」

 

「八幡も連れてこられちゃったてたんだね…」

 

「いや、もう大丈夫だ。必ず戸塚は元の日常に戻して見せる!!俺が!!」

 

「やっぱり凄いね!八幡は!」

 

「あれ~なんか我のときと反応違くない?」

 

「あれ?まだいたのお前?」

 

「相変わらず酷いっ!!」

 

その時肩を後ろから叩かれた。振り返るとそこには笑顔の彼女の顔があった。

 

「そろそろいいかな????」

 

「あっ、はい、すみませんでした…」

 

「取り敢えず自己紹介をしようか」

 

彼女を中心に全員の簡単な自己紹介をしていった。その中に彼と彼女のクリア条件の関係。それでも尚全員で生きて帰るということなどを伝えた。

反応は三者三葉であったがこのゲームが本物であるということは理解したようだった。

 

「これでこちらから言えることは終わりかな。じゃあめぐりたちの番号とクリア条件教えてもらってもいいかな?」

 

「わかりました~。私は<10>で条件は首輪が5個作動することって書いてあります」

 

「では次は我が行こう。番号は<2>で条件は開始から6時間以内に自身以外の番号を一つ指定し、そのプレイヤーが最後まで生き残ることである!!」

 

「じゃあ最後は僕だね。番号は<9>で条件は開始から10時間以降に全員と遭遇することだね」

 

3人の番号と条件は一人を除き比較的簡単なものだった。

 

「なるほどね…。取り敢えずめぐり以外の二人は条件クリアは出来そうだね。問題はめぐりか…」

 

「そうですね。もしものことまで考えるなら中々に難しいですね」

 

「そんな顔しないで下さいよ二人とも!!なんとかなりますよ!!それに力を合わせれば大丈夫ですよ~」

 

今だけは彼女のその短絡的とも呼べる考えが二人にとっては救いだったのかもしれない。

 

「そうね、どの道全員で帰るにはなんとかするしかないわけだしね。めぐりいいこと言った!!」

 

「わぁ!ありがとうございます。陽さんに褒められた~」

 

「それで今からどうするんですか?雪ノ下さん」

 

「うん、取り敢えず人数も増えたことだし2手に別れようと思う」

 

「危険ではありますが、それがいいですね。分け方はどうします?」

 

「まあ、私と比企谷君は別れるとして…。私とめぐりと戸塚君でいいんじゃないかな?」

 

「そうですね。それでいきましょうか。」

 

「じゃあ、1時間後くらいにまたここで合流しよう。」

 

「もし合流できなかったらどうします…?」

 

「…その時は君たちだけでも生きて帰ってね…」

 

「……分かりました。逆のときもそれでお願いします」

 

「任されたよ。じゃあまた後で会おうね!!」

 

こうして2手に別れて脱出の手がかりを探すのであった...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Scene change

 

「条件は…自分以外の参加者の全員死亡…やってやる…絶対に生きて帰るんだ…」

 

「帰ったら八幡に会いたいな…」




いかがだったでしょうか。感想は聞くまでもないですね。
途中からもういろはすとか空気になってますしね。
理由としてはさっさと先に進みたかったからです。
恐らく後2話くらいはこんな感じで話があんまり進まないと思いますがどうかお許しを。
それと次の話から視点が変わるかもしれないのでご注意を。
そう遠くないうちに続きは書くと思います。
それでは


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