全く知らない作品に転生させられたけど、知ってる作品の力をフル活用して生きていく (ハクリ)
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知らない人についていかざるを得ない時ってどうすりゃ良い?

ロックマンエグゼのSSを書きたかったから書いてみたけど、どうなるかわからないんで、そこんとこ注意(展開?作者もこれから考えるんだよぉ!)
ただ、マジでなんでもありだから、無理な人は見なきゃいい。


『死ね』

 

俺は人生の中で、この言葉を何回も何回も言われ続けた。

もちろん最初は抗ったりもしたけど、だんだん慣れていき、あしらえるようになってきた。

すると、言葉だけだったのが、今では立派な暴行となり表れている。

 

「あ、ごめ〜んw」

 

「痛っ…何すんだよ」

 

「いや〜ごめんな〜。

…いや、そんな目されてもなぁ〜。

こいつに押されたからしょうがないや〜んw」

 

こんな事を言っているが、押してきたと言われてる奴は笑っているし、押されたと言ったこいつも笑ってる。

はっきり言ってしまえば、こいつらがグルだって事も、押させて肘を腹に突っ込んで来たっていうのも知ってる。

もちろん教師や母親、兄にも言った。

母親と兄は真摯に対応してくれ、俺と一緒に学校に意見をぶつけてくれた。

 

けど、教師や他の生徒が無能だった。

担任は俺が何もやってないのを見てるのに『あんたが何かしたからやってきてるんだ』の一点張り。

事なかれ主義全開の女教師には思いっきり腹が立った。

他の教師も見て見ぬ振り。他の生徒も同様。見てないで助けてくれって話だ。

その担任教師が2学期の席替えでそいつを俺の席の目の前にした時から、これらの行動はエスカレートしていった。

 

助けてくれない学校。

解決しない暴行。

『いじめはダメ』とかスローガンだの何だの言ったところで、誰も肝心な被害者の声に耳を傾けないんだから意味がない。それどころか悪化してるように感じる事もあった。

 

そんな俺にとどめを刺したのは、やはりというべきか学校だった。

卒業記念の学年通信には『いじめも無く』の一文。

ずっと言い続けて、無視してきた上でこの一文だ。

もちろん、訂正を促したが効果無し。やはり無能である上に、学校側はそこまで隠蔽したいのかとも思えた。まぁ?学校の看板に傷がつくのは嫌でしょうからねぇ?

 

だから俺は、卒業式にあるサプライズを行なった。

 

いじめの主犯格及び同罪の奴ら全員の顔面を全力で一発殴った。兄弟喧嘩でしか人を殴った事もなかったので、数年ぶりくらいに殴ったが、思いの外いい感じに入った。

 

そして締めは、卒業文集の音読。

 

「俺は卒業したら、こんなクラスメイトみたいに!こんな教師共みたいに!こんな学校みたいに!誰かをいじめて見て見ぬ振りをしないような場所に行きたいです!

それではクソ共、さ・よ・う・な・らっ!」

 

と言いつつ教室の窓から飛んだ。

俺のクラスは3階にあったので、そこそこの高さがある。

もちろん即死できるように頭から落ちている。

他のやつの迷惑とか、親が泣くとか、そんな事は関係ない。

ただ、人が傷ついてるのを見て、見て見ぬ振りや、それ以上の傷をつけに来る奴がいる、そんな現実から逃げたかったのだ。

 

そして俺は、何かが潰れるような音が聞こえ『()()()()()()』。

 

 

 

 

…ん?『()()()()()()』?

 

待て待て待て!?俺は確かに頭から落ちたし、あの高さなら即死!万が一生きてても目を覚ますなら病院だ!なのにここは白一色で何にもない上、薬品の匂いもしない!何処だここ!?

 

「お、やっと目を覚ましたな…ポックリ逝ってしまったかと思ったわい…まぁ、ここは逝ってしまわなきゃ辿り着けんがな…」

 

「へ?あ、じゃあ死ねたのか。良かった良かった」

 

「…マジで言うと、死ねて良かったって言えるお主、何処かイカれとらんか?」

 

「あんた、見た所…神様っぽいよね?てことはさ、生前の俺、見てたんだろ?高みの見物してたんだろ?なら原因分かるよな?んん?」

 

「あぁ分かるとも。誰からも手を差し出されず、苦しんだことも知っておる…」

 

「ならなんで何もしなかった?神様ってもんは、そうやって困ってる奴を助けるためにいるんだろ?なんで助けてくれなかったんだよ!」

 

「…実際やろうともしたんじゃ。しかし、個人に対して加護を行えば、ワシの立場も危うくなるのでな…」

 

「へぇ?じゃああんたは、俺があんたの立場守るために死んでくれたと思ってんのか。

なるほどー、神様の世界にも縦社会があるんですね大変ですねー。

で?なんか言う事は?」

 

「本当に申し訳無かった…まさかあれだけの事態になるとは夢にも思わなかった…」

 

「はっ!普段は俺たち人間風情に夢見せてくれる神様が?夢にも思わなかった?

人舐めるのも大概にしろよ…?

ッハァ…もういい、勝手にしろよ。どうせ?もうこっから死ぬだけなんだし」

 

イライラし過ぎたせいか、かえって落ち着いてきた。まぁ、神に会ったところで生き返るわけでもなく普通に死ぬだけだし。

 

そう思ってたんだけど、

 

「いや…今回の事を受けて、こちらでも会議が開かれての…君を転生させる事となった」

 

…え?

 

「転生って…アレか?二次小説とかでよくある…」

 

「そう、その転生。ただ、行き先がランダムなのが問題でな…」

 

なんか聞こえるが無視。

転生か…アニメとか仮面ライダーは好きだったからなぁ…生前では唯一の癒しだったよ…

早速行き先の予想とシミュレーション、あと特典とかも考えなければ…

 

「あ、そういえば」

 

「え、何?今考え事してるんだけど」

 

「これ背負って?」

 

「…?こう?」

 

「そうそう。

 

 

 

それでは、

グッドラック。少年d(´ω`)」

 

カパッ

 

「へ?」

 

突如間抜けな音がしたと思ったら、突如急降下を始めてた…訳がわからん…

 

え?じゃあ、もしかして今背負わされたの…パラシュート…?

 

 

 

「パラシュートの使い方なんか、さっきまで中学生だった俺に分かるわけねぇだろ!ふざけんなクソジジイィィィィィィ!」

 

そう叫びながら、俺は光の中に突っ込んだ。

 

叫びながら試行錯誤してた結果、フォーゼのパラシュートモジュールみたいに手に装着したら、パラシュートは無事に開いた。

 

ならなぜ背中に装着させた

 

 

 

 

 

目を覚ますと、そこは子供部屋だった。

ただただ普通の。

何をどうすればいいか考えていた時、寝ていたベッドに手紙があることに気づき、それを手に取ってみた。

 

えーっと?

 

『この世界は「ロックマンエグゼ」の世界のようじゃ。

一応、年齢は原作に介入しやすいよう、小学校5年生に設定しておる。

PETとバトルチップは机の引き出しにしまってるから、それも確認するように。

P.S.

その世界だと、こちらが観測してる中で、6度は世界の危機に陥るから注意するように。』

 

 

 

「…え?『ロックマンエグゼ』って何?」

 

俺の正直な感想はそれだ。

まどマギとか、仮面ライダーシリーズとか、Fateとか、そんなんじゃなく…『ロックマンエグゼ』?

そういうゲームのシリーズがあるっていうのは聞いたことあるけど…全くやったこと無いぞ…?しかも、6回も世界が危機になるとか、犯罪はびこりすぎじゃね?

とりあえず、今思ったこと。

 

「転生したから授業出来ると思っちゃダメだ…真面目に授業受けないと、この世界の基本が分からん…!」

 

右や左どころか、基本概念さえ分からない世界に転生するとか、マジでイミワカンナイ!どうしたらいいんだ、この先!?




この後は本気でどうなるかわからん…。
この主人公にヒロイン?そんなもんは居ない(と思いたい)。
もう原作なんか粉々にしてやんぜ!って気概で行くんで、見てくれる人はよろしくー。


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青兎「原作知識持ってる転生者羨ましいわ。その場所の地理とかぜーんぶ分かるんだから」

なんとか続けて行きたい…
『最終更新が3ヶ月弱になるまで書き終わらない奴が何を言ってんだ』ってのはごもっともだけど、この想いは変わらないので、よろしくお願いしたい。


1日掛けて、ようやく自分に与えられた状況と特典を整理出来た…

 

状況①俺は今、小学校5年生である。この世界の主人公も通ってる秋原小学校に転入する予定(転入日は3日後)

 

状況②この世界はネットワーク技術が生前の世界より遥かに進んだ世界である事、またそれに伴うウィルスなどの脅威に対し、『ネットナビ』と『PET』と呼ばれる物が存在する。

 

これが状況、あと世界観みたいなもの。主人公も通ってる小学校に転入って事は、手紙に書いてあった通り、知りもしない原作に足突っ込むのが確定って事だよなぁ…。

 

そして問題の特典。

 

①自分専用のPET+ナビが居る。

ネットナビの見た目は『夢喰いメリー』って作品の主人公『藤原夢路』ってキャラなんだけど、ネットナビ特有の黒タイツ?みたいなのを着てるところ以外は本当にそのままである。右手は常に光ってる。

『夢喰いメリー』知ってる人は多分分かると思うけど…やっぱ『アレ』も出来るのかね?

 

特典②オリジナルのチップ所持

相手が知らない武器を持てるのは素直に嬉しい。また解析もされないようにしているため、完全に自分専用のものらしい。が、そのチップを見てたら、明らかに俺が知ってる作品の武器だったりした…大丈夫なのか、これ?

 

 

特典③自分用PCとPCから入れるHP(ホームページ)の電脳(インターネットにも繋がってる)と神様製のセキュリティ

一応確認してみたけど、セキュリティキューブが他の人のと違って、小さな立方体がキューブの周りにチラホラくっついている物だった。何なのかなと思ったら、(恐らく)悪さをしようと近づいて来た如何にも悪いナビですってナビに、ビーム発射してた。え?セキュリティキューブってみんなああなの?

 

 

とまぁ、特典はこんな感じ

 

多分、原作を知ってる人からすれば結構良い感じの特典なんだろうけど…知らない俺はどこまで使いこなせるかが不安で仕方ない…

 

一応、一部のオリジナルのチップの説明は見たけど、テスト出来ないしなぁ…シミュレータとかあれば話は別だったんだろうけど…

 

しかし、俺は別の問題に気づいた。

 

「あ…待てよ?秋原小学校って、 どこにあるんだ?」

 

そう、 立場上は『転校生』ということになっているのだが、肝心の転校先の学校がどこにあるかを知らないのだ。

 

「…明日はこの町を散策かな?」

 

 

 

そして次の朝、早速町の散策に出かける。

 

この町自体はそこまで大きくは無い。けど、豪邸やリスのオブジェクトがある公園など、いろんなものが積み込まれた町…というのが第一印象だ。

 

そうして北側へ進むと

 

「ここか…」

 

小学校に着いた。割と大きめな校門だ。

 

位置を確認したところで、踵を返して帰ろうとすると、

 

(ガタガタン…)

 

…ん?今なんか聞こえた気が…気のせいか…?

 

(シーン…)

 

…やっぱ気のせいか。よし、帰ろう。そろそろ昼ご飯の時間だし。

 

 

 

昼食完了。

 

そして今気づいた。チップのテストは、インターネットでやれば良いと。

 

えーっと、ここに挿して…

 

「プラグイン!『ルシッドマン』exe、トランスミッション!」

 

プラグインした空間は、かなり殺風景なもので、中央には2つの緑色の結晶のようなもの、そして入ってすぐ右手にはポストのようなものがある。

 

この結晶の中にオリジナルのチップが入っている。1〜2日ごとに2枚、新しいオリジナルチップが何処からか入ってくるらしい。もちろん最初から持ってるチップもあるが、やはり戦力は増えるに越したことがない。

なお、転生2日目だからこれを開けるのは初めてだ。

 

ポストに関しては何も入ってない。ここにメッセージが入れば、俺のPETにも同時に送られるらしいので、読み逃しはないとは思うが…

 

まぁ、それはさておき、記念すべき結晶の確認…初回は…?

 

「『ガシャコンブレイカー1』と『ガシャコンソード1』…エグゼイド関連か…」

 

今回は、『仮面ライダーエグゼイド』の主人公と2号ライダーの初期武器(2号ライダーは最後まで使っていた)がチップ化されたものが手に入った。

 

今日の回収タイムが終わったところで、HPの電脳からインターネットへ出る。

 

白を基調とした広々とした空間、入り組んだ道。これが、インターネット…

 

『おっと!見とれるのは良いが、青兎!ウイルスだ!』

 

ルシッドマンの声を聞き、気を入れ直し、ウイルスに向かう。この世界に来て初めての戦闘…よし、行くぞ!

 

 

バトルフィールドが広がる。

なるほど。3×3の9マスが、こちらと相手側にある…この中で動きながらチップを当てたりしてウイルスを撃破するわけだな。

 

自陣中央に現れたルシッドマンに対し、ウイルスは敵陣の最前列上段・最後列下段に一体ずつといった感じだ。

 

それを確認し、チップをカスタム画面から選ぶ。

 

「…よし、これで行こう」

 

そう言った途端、バトルが始まる。相手の動きは単調で、ルシッドマンと同じ横列に並ぼうとする。

 

『…そこ!』

 

同じ列に並ばないようにしながら近づき、先ほど手に入れた『ガシャコンブレイカー1』を、同じ列に並びに来たウイルスに叩きつける。うーん…エグゼイド系統の武器って、基本的に2モード以上はあるはずなんだけど…切り替えってどうやるんだろ?

 

そんなこんなでまずは1体。もう一体も同じ個体だった。

 

「最後列…これで決める!」

 

次のチップは『ロンリネス1』。敵陣の2×2の範囲に対してブレイク性能?のあるこけしを落とすチップらしい。ただ、中央は軸になるから必中なんだけど、他の3マスはどこになるかは完全にランダムなんだよな…でもこれに賭ける!

 

『くらえ!』

 

ルシッドマンが右手を振り下ろしてこけしを落とす。が、

 

「くそ、外れた!」

 

敵陣最前列の上2段と中列の上2段の範囲にこけしが落ちる。その衝撃でパネルにヒビが入る…あれ?ヒビが入るってことは、あのパネルって壊れるの?

 

そんなことを考えていると、ウイルスが衝撃波を繰り出してくる。スピードはそれほどだが、考え事をしていた俺は反応出来ず、

 

『ぐぁっ!』

 

「ハッ!大丈夫か!?」

 

『大丈夫。少しドジっただけだ』

 

「…悪い、次のチップを出す」

 

カスタム画面を開き、次に送るチップを選ぶ。より確実に相手にヒットするチップ…これで行くか。

 

チップを転送し、バトルを再開する。と同時に同じ列に並び、チップを使用する。

 

使用したのは『ホークガトリンガー』。射撃タイプのチップで弾速も速い。1発1発のダメージは低いが、そこは名前の通りガトリング。合計6発の弾丸がウイルスに叩き込まれる。うーん、けど6発かぁ…弾数が少ない…もっとこう、原作みたいにチャージしてでも良いから、弾数100発とかでも良いのに…

 

とりあえずバトルが終わり、リザルトからゼニーを手に入れる。基本的にゼニーを手に入れたら、貯める事にしている。オリジナルのチップだけでも戦えなくもないけど、やっぱり既存のチップも入れとかないと、怪しまれたら困るしね。

要は、既存のチップを購入する為の資金稼ぎだ。あ、もちろん娯楽にも当てるよ?娯楽無くして人間は成り立たないと思うからね。

 

とかなんとか言っていたら気になることが。

 

「あれ?ダメージ受けてたよな?なんで回復してるの?」

 

『いや、俺にもさっぱり…』

 

なんか、さっき受けたダメージが回復してたんだよね…いや、助かるんだけどね?なんかこの先、このシステムを免罪符に強い敵ばっかり来そうなんだよね…それだけは嫌だなぁ…(遠い目)

 

そんな事を感じながらプラグアウトする。

 

なお、俺のPETの中のメールボックスの中に、チップテスト用のバトルシミュレーションプログラムが有り、『これ、わざわざインターネットに行かなくても良かったんじゃね…?』と思ったのは、プラグアウトした数秒後の話である。




約3ヶ月待たせてこんな物しか出来なくて申し訳ない。
もしかしなくても、これからもこれくらいの更新速度が続く可能性が9割超えてるんで、それでも快く受け入れてくれる読者の方がいる事を祈ります。


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青兎「ガキ大将みたいなのいる…(震え声)え?バトルしろ?…なんで?」

また…3ヶ月ちょいかかった…今の仕事、ワークライフバランス悪すぎ…(昼勤で朝5時半に起きて夜10時前に帰宅、夜勤は夕方4時半前に起きて翌日朝10時前に帰宅)。

今回は転校初日となります。


さあ、ついにこの日が訪れた。

 

俺が秋原小学校に転入する、その日が。

 

「はーい!それじゃあ転入生を紹介するわ!仲良くしてあげてね!」

 

とうとう呼ばれちまった。行かねば…

 

「えっと、宮藤青兎です。とにかく平凡に過ごしたいと思ってるので、これからもよろしくお願いします」

 

やべ、ちょっと願望が口から出た。

 

「はい!ありがとう!それじゃあ新しく入ってきた先生も紹介します!」

 

え?俺とほぼ同タイミングで新しく先生入って来るの?この学校受け入れ態勢凄くね?

 

「日暮闇太郎でマス。チップのコレクションが趣味でマス。これからもよろしくお願いするでマス」

 

変わった語尾だな…後こいつの名前、どことなく怪しい…(普通、名前に闇とか入ってたら疑うよね?主に名付け親のネーミングセンスを)。

 

「宮藤君はあそこの空いてる席に座ってね!」

 

空いてる席…あぁ、あそこか。端っこだからちょうどいいか。隣はどんな奴だろ…

 

「おう!よろしくな、転校生!」

 

ヒェッ(小声)

 

なにこいつ!?本当に小学5年生か!?デカすぎだろ!?

 

「おーい、デカオー!あんまり怖がらせるなよー!」

 

「俺は挨拶しただけだろ!」

 

あ、こいつデカオっていうのな。体のデカさも相まって覚えやすいな。

 

そして、授業も終わり放課後になった時、

 

「おい!ネットバトルしようぜ!」

 

「…は?」

 

待て待て待て。何言っとるんだ。

 

「いやだ。まだ荷ほどきが終わってない荷物もあるし、早めに帰りたいんだ」

 

「そんなのどうせすぐ終わるだろ!一戦だけやろうぜ!」

 

「えぇ…」

 

こういう奴が言う『1回だけ』ほど信用できない言葉ってあんまり…いや、結構あるな…

 

「…分かった。その代わり俺が勝ったら、今後は俺が同意しない時は素直に身を引け。こちらにも都合があるから」

 

「へっ!なら俺の『ガッツマン』でボコボコにしてやるぜ!」

 

「なら返り討ちにする。(荷ほどきが終わってない今)負ける訳にはいけないんでな!」

 

 

 

そうして、近くの適当な電脳にプラグインし、ルシッドマンがデカオのナビ『ガッツマン』と相見える。どんな奴か気になったが、見れば一目でパワー型と分かるナビだった。

 

「さて、何を使うか…」

 

カスタム画面に表示されたチップは、コードも系統もバラバラ。

 

「…とりあえずこれで行くか」

 

カスタム画面が解除され、バトルが始まる。

 

ウイルスと違う不規則な動きな上に、どんな攻撃をしてくるのかが分からないのが、ネットナビの厄介さだと思う。

 

そんなことを考えながら、ガッツマンに近づかせ、『ガシャコンソード1』を使わせようとするが…

 

「甘いぜ!喰らえ!ガッツパンチ!!

 

『っな!?』

 

ガッツマンの巨腕から繰り出されるパンチをモロに受けてしまう。これはかなりのダメージと予想される…戦術を誤ったか…!

 

「悪い!判断ミスだ!」

 

『気にすんな!次は食らわせる!』

 

まだしっかり動けるようだ…有難いな、本当に。

 

そしてまたカスタム画面を開く。今来たこのチップに補助を乗っけて…!

 

「『食らいやがれ!」』

 

放ったのは前回も登場した『ホークガトリンガー』。

 

『グフゥ!』

 

「おい、大丈夫か!ガッツマン!」

 

『かなり痛いでガス〜…』

 

このチップ、あの後いろいろ試してて気づいたんだが、実は結構変わっててな…

 

元々の攻撃力は10×6。つまり与えられても60…なんだけど、攻撃力が10増えるごとに、弾数が1発増えるんだよ。

 

で、さっきのはアタック+10が2枚あったから、それをホークガトリンガーにつぎ込んだ。すると攻撃力は30×6(合計180)となり、1発あたりの元々の攻撃力が20上がっている為、30×8(合計240)となる…あれ?普通に強くね?

 

「よし、相手の態勢が崩れてるうちに…!」

 

そしてまたカスタム画面を開く。今回も即決。

 

「よし、行け!ルシッドマン!」

 

「何度もやらせるか!食らえ!ガッツパンチだ!」

 

ハァ!?目の前にいないってのにまたパンチ!?判断ミスかよ!?

 

って飛んで来やがったぁぁぁぁ!?

 

うん!パンチが飛ぶなんて俺、聞いてない!(某所長風)

 

さらに俺も、パンチが飛んで来た事に動揺したのか、避けさせるのではなく、転送したチップを使わせるという2度目の判断ミス。

 

コレはヤバイ。そう思った…

 

『その時、不思議なことが起こった!』

 

…ん?待って、なんか聞いた事あるナレーションが聞こえて来たんだけど…

 

『飛んで来たガッツパンチに対して繰り出したロンリネス1がぶつかり…』

 

…あれ?パンチが飛んでこない…?

 

『強力なパンチ攻撃を無効化したのだ!』

 

こけしすげぇぇぇぇぇぇぇ!?

 

「なっ!?ガッツパンチが消えた!?」

 

『なんででガスか!?』

 

「よし、今だ!」

 

『ハァァ!』

 

今度はあちらが動揺したので、お返しに『4コマニンポウトウ』でトドメを刺す。

 

『次は負けないでガスゥ〜…』

 

『ふぅ…なんとか勝てた…』

 

「ガッツマンが負けた…!?」

 

「じゃ、今後は俺の同意なしにやるなよ?」

 

「…あぁ、分かったぜ」

 

あ、物分かりはまだ良い方か。それとも他の奴がいるからか…まぁいっか。

 

 

 

初めてのネットナビ戦に勝利し、安堵の心のまま家に帰り、荷解きを終える。

 

その後、追加のチップを回収し、眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ザザ…ザザザッ…

 

カチカチカチカチ…

 

 

 

 

カチッ

 

 

『○〜○○、○○〜○!』

 

ただでさえ崩れかけていた物語が、音を立てて崩れ出す。

 

その先にあるのは、最低最悪のバッドエンドか。

 

それとも、最高最善のハッピーエンドか。

 

それは当事者にすら分からない。




やっぱり3ヶ月かかった…書けたと思ってもこの程度しか出来ないし…原作主人公の影も形もないし…(セリフでだけしか出てきてない)。

次こそは…次こそは絡ませる…!

というわけで、やっぱり3ヶ月ちょいは確実に待たせてしまいます。亀更新で申し訳ない。こんなのでもよければ、今後ともよろしく…。


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青兎「ほらな!やっぱり怪しかったんだよ!名前の時点d…あ、そのチップ…見せてもらって良いですか?」

シフトが…めっちゃぐるぐるしてる…4勤2休ヤバい…


『この世界は欠陥が多すぎる』

 

『似合っているとも…オシャレだぞ』

 

『違う!俺じゃない!』

 

『××ル×の犯行ではなかったのか!?』

 

 

 

『オレは…信じない…もう2度と誰も…!』

 

 

 

「…ハッ!?

 

ゆ、夢…?でも…どっかリアルさがあったような…」

 

アイツは、一体何者なんだ…?

 

電脳世界にいたから、ネットナビ…なのか?となると、オペレーターはあの博士みたいな人か?

 

けど最後のあの言葉…もしかしてアイツは…誰かに裏切られた、のだろうか…?

 

それに、今でも単独行動してると仮定したら、オペレーターの指示無し・バトルチップとかの援護無しで動けるナビなんて、いるのか…?

 

…今は考えても仕方ない…時間は…3時半か…

 

「…寝よ…」

 

こうして二度寝を決行した。

 

 

朝起きて学校に行くと、ある人に呼び止められた。それは、

 

「宮藤くん、ちょっと良いでマスか?」

 

「は、はい」

 

日暮先生である…

 

正直この人、絶対ヤバい人だと思うんだけど…でも話さなかったら怪しまれるし…とりあえず話そ。

 

「どうしました?」

 

「いやぁ、昨日の放課後に大山くんと宮藤くんがネットバトルしてたのを遠巻きに眺めてたんでマスが、見たことないチップばかり使ってたんで、気になったんでマス」

 

あ〜…やっぱこの世界には俺の持ってるチップは存在しないと…

 

あれ?もしこの人が世界を危機にするヤバい組織の一員だったりしたら…マズくね?

 

解析は出来ないようになってるらしいけど、流石に悪人の手に渡るのは…

 

「実はアッシ、バトルチップについてはかなり知識がある方だと、自負してるでマス。そんなアッシでも見たことないチップ…なんとしてでもお目にかかりたいのでマス!

 

けど…流石に本人の意思を無視して見るというのもどうかと思ったので、こうして了承を得に来た次第でマス」

 

あ、良かった。まだ良識ある人だった。うーん…けどなぁ…なんも無しにとは…待てよ?

 

「かなり知識があるって言ってましたけど…もしかして日暮先生ってマニア的な人ですか?それなら、バトルチップのコレクションとかしてます?」

 

「してるでマスが…それがどうしたでマス?」

 

「ならさ、先生のコレクションも見せてよ。俺、家にあったチップしか使ってないから、あんまりそういうチップ見たことなくてさ」

 

「あ、あんな見たことないチップしか使ったことがない!?!?そ、それは凄いでマス!あ、アッシのコレクションなんかで良ければ、是非見てもらいたいでマス!」

 

あ、もしかしてこの人、趣味のために仕事してる感じかな?だとしたらラッキーだ。こういう人は『大抵』、自分の損になる選択は選ばないし。

 

「良ければ、そっちのコレクションでいいのがあったら、トレードとかしたいんだけど、どう?」

 

「い、いいんでマスか!?」

 

「うん、流石にアレだけだと不安定な時もあるし」

 

「こちらこそ喜んでお受けするでマス!」

 

…この人は、いい人な気がする。自分の好きなことに、ここまで盲目的に突っ込んでいけるのは、羨ましくもあるし。

 

しかしその日

 

『WWW(ワールドスリー)のしもべとなれ!!』

 

今日は自習らしく、それを伝えた日暮先生が教室を出た途端、なんかヒゲ面の爺さんの演説が始まった。と思ったら、頭めっちゃ痛い。

 

「くっそ、ヤベェわこれ…頭割れんぞ…」

 

日暮先生…アンタは、やっぱり敵だったのか…?

 

あの時の嬉しそうな表情や、チップに対しての姿勢も、全部芝居だったのか…?

 

「あぁ、クソ…光ってやつが居ないな…もしかしてアイツがなんとかしてくれるパターンか…?」

 

でも、それを待ってるだけじゃ、つまんねぇよな…

 

「…黒板の電脳からでも、壁を越えれば…カリキュラムとか、弄ったりする、学校のサーバーの最深部に行ける…よな…?」

 

『今の状態でやるのか?危険だぞ!?』

 

途端にルシッドマンが止めにかかる。確かに危険だ。でもよ…

 

「あの人は、多分いい人だ。俺は、あの人に直接聞きたい…アレが本当に全部嘘なのかって…」

 

『…分かった。行こう』

 

「理解が早くて助かる…そんじゃ行くか。

 

プラグイン…!ルシッドマンexe…トランス、ミッション…!」

 

ここで動かなきゃ、何のためにここにいるか、分かんねぇだろ…!




また3ヶ月経っちゃった…遅筆もいいとこだ…

この作品の目標の一つは…アレです。冒頭のシーンがわかる方ならほぼ確実に辿り着けるかと。

後、実はこの作品、書き溜めとか全くありません(やりたい事の大筋はありますが)。

なので、『○○出てきたけど、青兎と遭遇したら、コイツならこう動きそう』みたいな感想があった場合は、整合性を取れるようにしつつ組み込んだりする事もしばしば(組み込みが行くところまで行ってしまえば、こちらの大筋も変更になる可能性があります)。

何か思うことがあったりする場合の指摘なども受け付けてるので、今後ともよろしくです。


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青兎「あれ?そういえば、まだ主人公と絡んでなくね?」

熱斗と絡ませるの忘 れ て た

絡ませないと…

ナンバーマンのところまでの道中はスキップさせてもらいます。長々とするのは流石にどうかと思うので。

ちょっとリアルで大変な目に遭い、精神がリアルに病んでたので、書く気力が湧かなかった。

こんな作者ですが、良ければどうぞよろしく。


ルシッドマンに、セキュリティを解除させながら先を急がせる。

 

そして、頭の痛みに耐え続け約15分後…

 

「みつ、けた…!」

 

『お前があのプログラムを仕込んだナビか!』

 

『まさか、まだ動ける者が居たとは…』

 

「な、ナンバーマン!早く始末するでマス!」

 

「やっぱ、オペレーター…日暮先生か…!何が目的で…!」

 

汗が酷い。頭の痛みを無理やり耐えているが故ではあるが、まずは目的だ…それ、を聞かない…と…

 

「決まってるでマス!お金の為でマスよ!レアチップを手に入れるためには、自由に使える潤沢な資金が必要でマス!それなのに働けば働くだけ、税金が掛かって一向に貯金も増えない…そんなの散々でマス!なら手っ取り早く、稼げる手段に行き

着くなんて当たり前でマス!」

 

「それは傲慢だろ!痛っ…理不尽でも働いて、少しずつでも金貯めて…そうやって手に入れるから、嬉しいモンなんだろ?!

…楽して手に入れたいってのも、ガキだけど分かるよ。でも、それで他人を…巻き込むなよ…!がっ…

 

「う、うう、うるさいでマス!ナンバーマン!さっさとやるでマス!」

 

「来る、か…!ルシッドマン、バトルオペレーション…セッ…ト…

 

『…?青兎!?』

 

マズイ…意識が…

 

悪い!遅くなった!

 

…?この声は…

 

「行くぜ、ロックマン!バトルオペレーション、セット!」

 

『イン!』

 

ハハッ、ヒーローは遅れてやってくる、ね。

 

「ちょーっと…遅すぎじゃ、ないか?…いや、そういえばお前遅刻してたな…」

 

「ゲッ!?それは…これでチャラに…」

 

「それは、俺の決める…事じゃねぇし…してもらえ、るかはお前次…第だ」

 

「ちぇっ…けど、ちょっと休んでろ!もう限界だろ!?」

 

『青兎!プラグアウトだ!』

 

「あぁ…」

 

プラグを抜いた途端、俺の気も抜けたのか、

 

俺はそこで意識がなくなった。

 

 

 

 

俺が次に目を覚ました時には、事件は解決していた。

 

聞いた話によれば、あいつは…『光熱斗』は、あのナンバーマンって奴を倒したあと、日暮先生にガチ説教。

 

反省した日暮先生は自首して即お縄。刑期を満了した際には、チップ屋を経営してみたい…とも話していたそうな。

 

なお、遅刻についてはチャラにならなかった模様。まぁ、今回に限っては、熱斗(好きに呼んでくれって言われたから、名前で呼ぶ事にした)が遅刻しなかったら、こうして解決には至らなかったって先生には言ってはみたけど…まぁ、さすがに常習はダメだわ…うん。

 

ん?俺?俺は今…

 

「熱斗!ここはこうじゃねぇ!この公式を当てはめてだな?」

 

「いや、ちっともわかんねぇよ!」

 

「熱斗…流石にもうちょい勉強しろよ…俺も分からないところ多いなりに頑張ってんのに…あ、『ヒノケンさん』、ここどうしたらいいですかね?」

 

「今度は青兎か。ここはこうで…お?式の使い方が少し違うぞ」

 

「え、マジ…?」

 

次のテストに向けて

 

大 勉 強 会 で す 。

 

…ん?なんか知らない人がいる?

 

それについては、いつかの次回で。

 




久々過ぎて書き方忘れてる…

次もなんとか作っていきますので、感想等あればよろしくお願いします。



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青兎「勉強は…いつの時代もしんどいな…」ヒノケン「ま、頑張っていこうぜ?」

他の皆さんのように、もっと早く投稿できるようになりたい…と思ったら、出来てた…(今までのスピードに比べたら)アクセルフォームでも使ったのかってくらい早いですね…

Q.プログラムアドバンスは使わないの?(感想で頂いた意見の要約)

A.『作者である俺(ハクリ)』はプログラムアドバンスを知ってるけど、『青兎くん』はプログラムアドバンスを知らないので使えない。

ゲーム機を持ってプレイしている『プレイヤー』が攻略本で知り得た知識を、プレイヤーが操作している『ゲームの中のキャラクター』が知ってるかって言われたら、そうではないですよね?
そういった考え方です。
ましてや青兎くんはロックマンエグゼという作品を(存在するって事しか)知らないので、プログラムアドバンスを知らないのも、当然と言えば当然と言えると思ってます。

ということで、今回はストーリーを少しだけ進めながら、青兎くんにプログラムアドバンスを知ってもらいます。いくつかアイデアを頂いたので、それを使用させてもらいます。


現在、熱斗の家で俺と熱斗は勉強会を開いている。

 

熱斗のお母さんのはる香さんは、熱斗と勉強を一緒にしようって子が家に来た事に嬉しがっていたが…成績を聞けば、まぁ…うん。

学校での成績をネットバトルの腕前とかに持ってかれてないか?

 

「あぁぁぁぁぁ!!ダメだ!全然分かんねぇ…!」

 

「おい熱斗…もうギブアップかよ?青兎を見てみろよ。順調に進んで…」

 

あ、この人は火野ケンイチ。

 

火属性のナビ「ファイアマン」のオペレーターであり、元WWWのメンバーらしい。

今は熱斗の勉強の面倒を見てる人で、俺がここに来る(転生する)前に、紆余曲折あって不定期にこの熱斗の家に来ているそうなので、俺もついでに勉強を見てもらってる、んだけど…

 

「…プログラム言語…?プログラムの構成…?こんなの習うの?小学生で?」

 

「ない!?しかも頭から煙が出てるじゃねぇか!?青兎!一回エンピツ置いて教科書閉じろ!マジで爆発すんぞ!?」

 

「え?プログラムに関してなら普通に習うだろ?なんでそれ知らないんだ?」

 

「熱斗は口を閉じろ!」

 

え?必須科目なの?いや、ネットナビはいわばプログラムの塊みたいなものだし…?

 

てことは、もしナビの修理とかってなったら…全部自分でやるのか…?嘘だろ…?

 

プログラム…ワカラナイ…オレ…コノセカイデ、ヤッテイケナイ…?

 

「おい青兎!しっかりしろ!」

 

「ゲッ!目回してるじゃん!」

 

「とりあえず勉強は中断!熱斗ははる香さんに熱冷ましのシート貰ってこい!知恵熱って言ったら多分分かる!」

 

「あ、あぁ!」

 

シカイ、グルグル…セカイモグルグル…

 

 

ブツッ

 

 

 

 

「…あれ?俺どうしてたんだっけ?」

 

なぜだろう…途中で混乱してからの記憶が全くない…

 

「お、目が覚めたか…」

 

「よかったぁ…!心配させんなよ、青兎…

でも、ネットバトルはあんなに強いのに、なんでプログラムの事が分からないんだ?俺はパパが科学者だから、他のみんなより少しは多くかじってるけど…」

 

「ん?こいつそんなに強いのか?」

 

「あぁ。デカオ…は知ってるだろ?アイツのガッツマン相手に、最初の一回ダメージ受けただけで、そこからは一回もダメージを受けずにガッツマンを倒したんだ。初めて戦ったはずなのに」

 

「まぁ、アイツはパワー型だからな…一撃をしっかり避けられれば勝機はあるさ。ただ…ちょっと興味が湧いてきたな…」

 

ん…?この流れは…

 

「なぁ、青兎。ちょっとばかり俺とネットバトルしねぇか?もちろん、知恵熱出してぶっ倒れて、そっから起き上がってすぐだ。無理に受けなくても良い」

 

「やっぱそう来ます?」

 

「まぁ、奴らのことだ。目的が達成してないうちはなりふり構わずに、こっちを襲ってくるだろうしな…実力と経験は付けといた方がいいだろ」

 

「奴ら?」

 

「WWWだよ。目的の為なら、民間人も平気で食い物にするからな…といっても、俺の使うナビの調整も兼ねてる。一応はwin-winだ…どうする?」

 

「…分かりました。やりましょう」

 

元とはいえWWWの構成員。日暮先生とは戦えなかったし、自分の実力を試すのも良いか。

 

 

 

 

 

 

「じゃあやるか。いくぜ、ヒートマン!」

 

え、待って、ファイアマンじゃないの?

 

「俺は『俺の使うナビの調整』としか言ってないぜ?手の内がこっちに知られてるなら別のナビ使って…なんて考える奴も居ないとは限らないしな」

 

うわぁ、正論過ぎる…反論の余地がない…

 

『嘆いたって仕方ない。行くぞ、青兎!』

 

「…ぇえい!もうやれるだけやってやらぁぁぁぁ!!!」

 

と、ぶつかった所までは良かった。

 

 

 

 

『アレ?もしかして俺たちのコンビって弱い?』

 

「なにアレ…本当にまだ作って数日経ってないの?オペレーション完璧じゃん…」

 

「これでも製作者だ。俺のオペレートに合わせて作ってるからな。ま、大人を舐めるなってことだ」

 

『良い経験にはなったんじゃねぇか?』

 

はい。みるも無残な敗北です。

 

なんか火柱出してくるし、それ避けてたらライターの形になって飛んできたので、それをギリギリで避けたら着地点を中心にまた別の火柱上がったし…そんなこんなで敗北しました…

 

「というより、お前らはチップをそのまま使いすぎだぞ。プログラムアドバンス知らねぇのか?」

 

「プログラム…アドバイス?」

 

アドバンス!特定の3枚以上のチップを順番通りにスロットインする事で、1枚の強力なチップへと変化する現象の事だ。もちろん、元になったチップより強い性能を持つから、狙える余裕があるなら積極的に狙っていけ」

 

ふむふむ。プログラムアドバンス…そんなものがあるのか…俺のチップだと…どんな組み合わせになるんだろ。

 

「ちょっとそれも試してみるか?」

 

「…お願いします!」

 

そして第2戦。

 

「(カスタムの中にはビルド系武器が3つ…順番ってなると…登場の順か?それなら…!)」

 

俺は意を決して、その3枚をスロットインする。

 

「ホークガトリンガー・4コマニンポウトウ・カイゾクハッシャー…トリプルスロットイン!」

 

その3枚のチップは変化していき、1つのチップへと姿を変えた。

 

「…来た!」

 

「来るか!?」

 

「プログラムアドバンス!ショウリノホウソク1!」

 

これがプログラムアドバンス…!

でも使用したら、ヒートマンが停止した。なんでだ?

 

「ゲッ、暗転系PAかよ!?」

 

暗転…なるほど。こっちができるって事は、相手もできる可能性があるってことか。覚えとこう。

 

ルシッドマンが一旦画面から消え、現れたのは3人の『仮面ライダービルド』。ホークガトリングニンニンコミック海賊レッシャーの3人だ。

 

まず、ホークガトリングがヒートマンにホークガトリンガーの弾丸をバラまく。ヒット数は10。ただ、今回はヒートマンだけなのでヒット数に関しては、ウイルス戦でも使ってみないとな…

 

それが終われば、続くようにニンニンコミックが4コマニンポウトウによる分身の術を使い、火遁の術による火炎斬りと風遁の術による竜巻斬りを披露。消える際に隠れ身の術で消えていくのもどこかあのフォームらしいと思った。

 

最後に海賊レッシャーが、ヒートマンをカイゾクハッシャーで3回切りつけた後、最大チャージの海賊電車を発射…発車?させた。4両編成での4ヒットの上、貫通して奥まで届いた。

 

これで終わりと思いきや、最後に3人のビルドが一挙に現れ、飛び上がった。

 

そして、3人のビルドによる同時キック。何故かエリア全体に爆発が起きたのを最後に、今度こそ1連の流れが終わりを迎えた、んだけど…

 

『…あれ?ヒートマンは?』

 

「い、いない…?」

 

何故かいないヒートマンに首を傾げていると

 

「最後の攻撃でデリート寸前だったからPETに避難させたんだよ!なんだ今のプログラムアドバンス!?本当に3枚で発動するやつか!?強すぎるだろ!」

 

「…まさかそんなに強いとは思わず…」

 

まぁ、その後も何戦か行ったが、組み合わせになりそうなチップが来ることもなく、10戦中勝てたのはプログラムアドバンスを発動したあの一回だけだった。

 

「やっぱ勝てないな…」

 

「いや、作って数日のヒートマン相手とはいえ、ここまで食い下がられるとなれば、もう少し調整が必要だな…こっちも良い判断材料になったよ」

 

「でも、何回か傷一つ付けられないくらいの戦いもあったし…やっぱ俺弱いんだろうか…」

 

「ヘコみやす過ぎやしないか!?あのな?別にお前らが弱いって言ってるわけじゃねぇ。むしろ経験を積めば光る存在の筈だ。けど…青兎、お前『ルシッドマンといつから一緒にいる』?」

 

「っ!」

 

マズい、そこを突かれるとは…!熱斗は…トイレか?

 

「その反応…訳ありか」

 

「…はい」

 

「熱斗にも話せないか」

 

「そうですね…こればかりは」

 

「…ちょっと場所変えるか」

 

「分かりました…」

 

勉強道具一式をまとめ、外に出る準備をする。

 

そして部屋から出た先には

 

「…なぁ、今の話…」

 

「い、居たのか…」

 

熱斗がドアノブを掴もうとしていたのか、行き場のない手を出したまま固まっていた。

 

「なんか入りづらくってさ…その、話せるようになったら、話してくれよな。俺で良ければいつでも聞くからさ」

 

「あぁ、悪い…」

 

そう言いながらも心の中では、今は聞かないでくれる友人には感謝しかなかった。

 

「ヒノケンももう帰るの?」

 

「今日のところはな?しっかり勉強しとかないと、次のテストでまた赤っ恥かくぞ?」

 

「うげぇ…が、がんばります…」

 

「分かってりゃいい。すいません、はる香さん。お邪魔しました」

 

「俺も、ありがとうございます。急に倒れてしまったのに…」

 

「あら、良いのよ。また来てね」

 

「…では、お邪魔しました」

 

そう言って、光家を後にした。

 

 

 

そうして来たのは公園。様々なジンクスがあるらしいリスの銅像が目を引く公園だ。

 

「じゃ、話聞かせてもらおうか」

 

「…」

 

どうする…話すべきか?実際問題、俺が転生してこの世界に来たって事は、この世界の親にも話してない。仮にも拒絶されて追い出されて、小学生で家無しってのはマズいし…

 

ただ、ずっと隠し通せるって根拠も自信もない。それこそ熱斗達のようにずっと一緒にいるパートナー同士を見れば、俺たちの戦い方がチップのパワーによる力押しってのは一目瞭然で、オペレーターとナビのコンビネーションなんて形が取れてない。

今回はそこから感づかれた…流石に隠し切れないか…

 

…話そう。この人なら、信頼できそうだ。

 

 

「実は…」

 




…まさかこんなに早く出来るとは夢にも思わなかった…
こんなこと滅多にないんで、何回も持続できないとは思います。すいません。

で、今回のオリジナルPA(プログラムアドバンス)。

ショウリノホウソク1 攻撃力表示無し(アタック+10等による底上げ不可)

ホークガトリンガー*+4コマニンポウトウ*+カイゾクハッシャー*
並びとしては登場順。
①ホークガトリンガーで弾丸をバラまく。1ヒット10ダメージ。
今回はヒートマンのみだったので、ヒートマンのみに10ヒットでしたが、ウイルス3体のウイルス戦では、3ヒットずつ+ランダムな1体にもう1ヒットの計10ヒットとなります。

②4コマニンポウトウによる分身→炎属性・ソード系統(火遁の術の火炎斬り)+風系統・ソード系統(風遁の術による竜巻斬り)での斬撃。1ヒット40ダメージ。
一番近くの敵に斬りかかるが、ウイルス戦だと、火炎斬りで1番近くの1体を斬りつけた後、竜巻斬りで次に近い敵を斬る。範囲はワイドソードなので、配置によっては2ヒットする可能性も。

③カイゾクハッシャーの刃の部分による斬りつけ3ヒット→海賊電車発射(発車)。海賊電車は水属性で、横一列の貫通4ヒット。どちらも1ヒット20ダメージ。
どちらも一番近くの敵に行うので、場合によっては海賊電車の貫通で2体以上の敵を攻撃できない場合もある。

④3人同時キック。敵エリア全体に爆発を起こす。1ヒットで100ダメージ。

というものです。本当に3枚で発動するものかこれ?(効果を考えたのは作者)

PAのアイデアはライデン1115さんから頂きました。
名前をカタカナ表記に変更し、どういった攻撃にするかを考えましたが、こういう時便利なマスタースタイル形式。色々やっても最後にみんなで爆発させたら全て丸く収まる(暴論)
なお、海賊電車のヒット数は、クライマックスファイターズのビルドの海賊電車の攻撃のヒット数が確か4ヒットだったような…といううろ覚えなので、間違ってたら指摘お願いします。

活動報告にこのエグゼ小説におけるリクエスト箱も設置してるので、希望する展開やこんな事してみたら?などはそちらに送ってください(感想はダメですよ。消されちゃいますので)。流石に倫理的にアウトなやつは弾きますが。

では、感想等よろしくお願いします。


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青兎「実はこんなことがあって…」ヒノケン「なるほどなぁ…そういうことか」

頑張って作るんや…合間合間にちょいちょいやれれば…あとは土日にガッツリやれば良いんだから…ってノリでやってます。

さて今回は、ヒノケンに転生の事を暴露します。
えぇ?って思われるかもしれませんが、前回の通り
①ロックマンエグゼ世界では必須とも言える知識(プログラム関連等)の、圧倒的不足
②基本的にオペレーターとナビは何年も一緒にいるが、この2人はペアを組んで数日しか経ってないので、戦闘でのコンビネーションが全く取れてない

この2点はヘタを打てばあっさり利用されてしまうからですね。あと、エグゼ世界において重要である(と作者は思いこんでいる)『信頼できる大人』枠にヒノケンにはなってもらいます(ちなみにこの枠は、熱斗くんにはパパが当てはまります。良くも悪くもパパと世界のためには、熱斗くん滅茶苦茶しますから)。

なお、今回の話は独自設定・独自解釈が紛れ込んでます。


「経緯は分かった。バトルでは力押しが多いことや、この世界ではほぼ必須となる知識の不足…違和感を感じてはいたが…なるほど、お前の前世じゃそういった知識は専門の知識で、最低でも高校あたりから触れるのか」

 

「そうなります…」

 

ヒノケンには経緯を説明した。と言ってもこの世界が元々ゲームの世界…とは言ってない。ここは紛れもなく現実だし、ゲームの世界なんて言ったら、この世界で必死に生きてる人に、間違いなく失礼であるからだ。

 

「ただ、そうなると…うーむ」

 

「…?どうしたんですか?」

 

「いや、俺は研究とかならまだしも、そうなってくりゃ分類はオカルトになってくる。専門外だからなんとも言えんが…青兎は『小学5年生の姿で』この世界に来た…というか転生?したんだな?」

 

「はい…そうですが…」

 

「となると、元々の人間の意識は…いや、まさかな」

 

「えっと…そんなにまずいんですか?」

 

「やっぱり俺だと分かんねぇな…オカルトに詳しいネットバトラーでもいればいいんだが…」

 

「この世界、めちゃくちゃ科学が進んでるじゃないですか。この世界でオカルトに詳しい人ってもはや希少種なのでは…」

 

「世界のどこかに居るかもしれない奴を、そんな珍獣みたいに言うなよ!?」

 

「くしゅん」

 

「…?なんか言ったか?」

 

「いえ、なにも?」

 

…え、なんかくしゃみ聞こえたんだけど…

 

まぁいいか。

 

「ただ、お前の言う通りここまで手がかりがあると、隠し通すのは困難だからな。俺が居る時くらいはなんとかフォローしてやるさ」

 

「ありがとうございます…」

 

「とは言っても、流石に最低限の知識は身につけとけ。騙されるのは困るだろ?」

 

「そりゃもちろん」

 

本当にありがたいことに、ヒノケンは味方になってくれるようだ。

 

しかし、こちらとしても聞きたいことがあった。

 

「ヒノケンさん…」

 

「ん?どうした?」

 

「その…元々WWWの構成員だったんですよね…?」

 

「あぁ、その話か」

 

「どうして辞めて、熱斗の家庭教師もどきをしてるのか、熱斗の言ってた『色々』の中身を知りたいんです」

 

「…お前も話しにくい事を、俺に話したしな。ここは大人として腹割って話しとくか。まぁでも、つまらない話だぞ?」

 

「お願いします」

 

「ははっ。その目は熱斗そっくりだな…

 

お前がこの世界にくるちょっと前に、俺はWWWが計画していた、『あるウイルス』を作るためのプログラム…ファイアプログラムを探してくるように命じられたんだ」

 

「あるウイルス?」

 

「あぁ、ドリームウイルスっていうらしいんだが…俺も詳しくは知らない。っと話がズレたな。

で、その手段が家庭用レンジの電脳にファイアマンをプラグインして探させる事だった。メンテナンスの口実でやってたからな…証拠隠滅の為のレンジの暴走は、俺がその家を離れて少し経ってからやってた」

 

「そんな事してたんですね…」

 

「その活動の中である女に会ってな…まぁ、そのなんだ…一目惚れって奴だ。俺から猛アタックして付き合い始めた。あいつの焼いたタコ焼きの美味さは、今でも忘れられねぇ。

そいつは俺のやってることなんて知らなかった。ただ、どっかのタイミングで俺が表に通してた職業…つまり家電の整備士ってのと、発火事件の事がそいつの中で繋がっちまったみたいでな…1番の決め手は、熱斗の家を探す直前の家が、そいつの親が住んでる家だったことだ」

 

「…!」

 

「『親の住んでる家のレンジから火が出た』…聞いたときは冷や汗が止まらなかったな…それで、俺から一方的に別れたんだけどな…どうにもやるせなくてよ…自分の中の火は燃える事なく燻ったまんまだった」

 

「それから…どうなったの?」

 

「ある種最悪の事態になった。どっかからそいつと付き合ってた事が漏れたらしく、ファイアプログラムの捜索を早めるよう言われたよ。ご丁寧に拘束された彼女の写真付きでな」

 

「そんな…」

 

監禁の上に脅迫…ゲスすぎるだろ…

 

「で、それを言われてすぐ行ったのが、熱斗の家だった。ただ、家に入ったときに、熱斗とはる香さんと祐一朗さん…あぁ、熱斗の父親だ。その3人が揃っててな…その、メンテナンスをしようにも、祐一朗さんが完璧に行ってたんだよ…」

 

「あぁ、熱斗のお父さんなら知ってる。少し調べただけでも、科学省の代表的な人物ってのでかなり取り上げられてるから…まぁ、下手に外部の人間がメンテナンスやるより、身近にその道の専門家が居たら、間違いなくそっちに頼るよね…」

 

「しかも何故かファイアプログラムを捜索してるって事もバレてたし…」

 

「…え?どゆこと?」

 

「それは俺にも分からん…そんなこんなで、熱斗の家のレンジを調べる理由が無くなって、手持ち無沙汰になったのを見かねたのか、はる香さんがお茶を淹れてくれてな…観念して自分のやった事を洗いざらい話したんだ」

 

「で、どうなったの…?」

 

「…祐一朗さんが、送られた脅迫文に添付された画像から場所を割り出して、オフィシャルに連絡取って数時間後には彼女は救出されてた。まぁ、当然ながら俺も最初は自分の意思でやってたからな。それ相応の罰は覚悟してたんだが…」

 

「…?」

 

「『情状酌量が認められる故、光祐一朗の観察下において、半年間の無償奉仕を行うべし』って決着になった。あんだけの事をしたのに、まさかのお咎めなし…そりゃもちろん俺も、それじゃダメだって謝罪しに回ったさ」

 

「…殴られたり蹴られたり、されなかったの?」

 

「されたされた。って言っても一部の奴だけだ。他の人は、『事情があったんだからしょうがない』って…最初は自分の意思でやってたって言っても、何故かニコニコしてて、追及してこないし話も通じないし…」

 

「…あれ?もしかして、元彼女さんの事話した?」

 

「ん?そりゃもちろん。レンジを発火させた後に出会った人ってのも、間違いなく付け加えてな」

 

「…もしかしたら、表向きに出てる判決と元彼女さんの存在が変な形で混ざりあって、

『遠距離恋愛、それもメールだけでやり取りしてた彼女に知らず知らずのうちに出会って一目惚れ。しかし、その彼女が誘拐されて脅迫を受けたので仕方なく犯行を行った』…みたいに曲解されてない?」

 

「…あの妙に生暖かい視線と笑顔はそういうことだったのか…?」

 

「なんか、この世界って基本的に良心で回ってません?前世と比べたらとんでもない事になってる…」

 

「更生の余地ありってなれば、様々な条件がありはするが、前科が消滅する時もあるしな…」

 

「うそーん…」

 

「ま、そんな事があって、祐一朗さんの観察下のもとって建前で、熱斗の家庭教師もどきをしてるって訳だ。一応大学は出てるし、なんなら教員免許もあるからな。それ聞いたときのはる香さんの食いつきっぷりと来たら…」

 

「…あぁ、そういうことか…」

 

熱斗の成績…それこそプログラムの授業以外の成績酷いしなぁ…

 

そこに無償で見て貰える家庭教師となり得る存在がきたら…その反応も当たり前か…

 

「今のところは、大学生時代に理論上だけ作った空論をある程度形にして、それを売りに教師をやってみようと思ってる。もちろん、謝罪行脚も忘れずに行うし、自分のやるべきことは忘れちゃいけねぇ。それが叶うとなると、どっかの学校での非常勤講師かね…」

 

「ヒノケンさん…凄いですよね。そんな事があっても、叶えたいと思える夢があって…」

 

「お前に夢はないのか?」

 

「…」

 

夢…そもそも自覚なんてしたことがなかった。

 

親に言われ他人に言われ、従う事だけしか出来ずに生きてきた俺に、夢なんてモノはなかった。

 

けど、口にする事がどうにも恥ずかしく

 

「今は探し中ですかね…仮にも2度目の生ですし、ゆったり探しますよ」

 

「おう。けどな?いちいちそんな風に、歳に対して不相応な反応するなよ?そこからバレてもおかしくはないからな」

 

「あ、それもそうですね」

 

なんて言いながら自分のしたい事、夢を考える。

 

俺の夢って、一体なんなんだろう…

 

自分の意思で、一直線に突っ走って、見つかれば御の字なんだけどな…

 




(ヒノケンを味方サイドにした本当の理由→6からではなく、最初っから味方サイドにいるヒノケンとか見てみたいと思いません?俺は見たかった)

めちゃくちゃなのは理解してます。が、あくまでこの作品…原作なんてあってないようなものなんで。私のやりたいようにやった結果です。悲恋にさせたくなかったんや…

あ、ちなみにパパは、その日偶発的に休みが入ってしまっていた所に、発火事件の事を熱斗などから聞いたため、自発的にメンテナンスを行っていた。
そこにヒノケンが入っちゃった訳なんですよね。なんだかんだでパパなら、
レンジからの発火事件→こうしてメンテナンスの人が来てるのに?→ならこのメンテナンスをしている人が犯人なのでは?→となると狙いはファイアプログラムか?
って繋げられると思うんです。日本最高峰の頭脳を持つ科学者ですよ?やれる気がしてならない。

夢に関しては人それぞれです。自分の夢に向かって飛ぶもよし、誰かの夢を守りたいと願うもよし。ただ、青兎くんはそもそもの夢がないので、そこは探して貰わないと…という感じですね。

活動報告にこのエグゼ小説におけるリクエスト箱も設置してるので、希望する展開やこんな事してみたら?などはそちらに送ってください(感想はダメですよ。消されちゃいますので)。流石に倫理的にアウトなやつは弾きますが。

それでは、意見や感想などよろしくお願いします。


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熱斗「科学省行こうぜ!」青兎「良いけど…あれ?メトロ止まってない?」

はい。という訳で青兎くん、初科学省…とは行きません。あのナビが居ますからね。青兎くんがおこです。
あと話の中の時間は適当です。

色々アイデアを送ってくださり、ありがとうございます。頂いたアイデアは番外編を作ってでも消費しようと思ってるので、今後とも宜しくお願いします。


 

AM10時

 

「なぁ…やっぱりメトロ止まってるよな…?」

 

「今日が開通初日のはずなんだけどなぁ…」

 

えー、開通初日のメトロに乗ろうとした俺たち2人は立ちぼうけしていた。俺たちの言ってることを見て分かるとは思うけど、ここまでの詳細を話そうと思う。

 

〜約18時間前〜

 

「青兎、明日科学省行こうぜ!」

 

「…え?」

 

金曜日、出された宿題を一緒に処理していた熱斗が、俺に提案してきた。

 

「確か青兎、科学省行った事ないんだろ?オレ、パパがいるから顔パスで通れるんだ!メトロラインも明日開通するし、一緒に行こうぜ!」

 

「いや、俺は空いてるけど…熱斗のお父さんのご予定は?流石に、機密性の高いデータの多い研究室にお邪魔するのにあたって、それをしっかり守れる人が居ないのはちょっと…」

 

「大丈夫!パパに聞いてみたけど、明日なら何もなければ昼の1時ごろは空いてるって言われたから!」

 

ふーむ。それなら…良いか?

 

「分かった。俺は科学省への道が分からないから、その辺のナビゲートよろしくな」

 

「任せとけって!」

 

 

〜回想終了〜

 

という事で、俺自身も初めて行く科学省に割とワクワクしていたのだけど…駅に着いてみれば

 

 

 ウイルスが原因の落石事故による運休のお知らせ

 

   本日開通予定のメトロラインですが、

   保安プログラムにウイルスが侵入し

   た影響により、運休とさせて頂きま

   す。

   現在復旧の目処は立っておらず、開

   通は復旧まで延期とさせていただき

   ます。

   開通を心待ちにしていた皆様に、ご

   迷惑をお掛けする事態となり、誠に

   申し訳ございません。

 

       メトロライン秋原駅 駅長    

 

となっていた訳だ。ちなみに今の時間はっと…

 

AM10時17分

 

「…おい熱斗…」

 

「ん?どうしたんだ青…って顔ヤベェ!?」

 

「すぐに犯人見つけて、この運休…解消しようか…」

 

「た、楽しみだったんだな…」

 

「当然だ。初めて行く場所はワクワクするだろ?つまりそういう事だ」

 

「まぁ、たしかに。けど…いつもそれくらい感情出せば良いのに」

 

「流石にそろそろ、自分の態度くらいは正しておかないとな。あと1年と少しすれば中学生だぞ?」

 

「なんか青兎って大人っぽいよなぁ…ま、俺も久々にパパに会う機会なんだ!早く解決して、科学省に行こうぜ!」

 

「あぁ!もちろんだ!」

 

この時の俺がどんなだったかを後で熱斗に聞いたら、

『なんか、表情だけで人を殺せそうなヤバさだったぞ…』

との事だった。解せぬ。

 

 

AM10時32分

 

俺と熱斗は二手に分かれて行動することにした。その方が効率が良いと判断したからである。

 

俺がインターネット担当で、熱斗が現実世界担当となった。

 

『くっ、デカオのアドレスが必要なのか!青兎!熱斗にメール!』

 

「もう打った!よし、送信!」

 

 

「ん?デカオのアドレスが必要か…あ、ちょうど家の目の前だ。おーい!デカオー!!」

 

「ん!?いきなりどうしたんだ熱斗!」

 

「デカオのアドレスくれねぇか!?メトロの運休をどうにかするのに必要なんだ!」

 

「良いけどよ…そうだな。リカバリー50のLってあるか?」

 

「リカバリー50のL…あった、ほらコレだろ!」

 

「よし、ならネットバトルだ!勝ったらリンクを渡すぜ!」

 

「上等…!速攻で片付ける!ロックマン!青兎に少し掛かるって言っといてくれ!」

 

『分かった!』

 

 

「少し掛かるか…ルシッドマン!ウイルスバスティングで時間潰して行こう」

 

『OK!』

 

「今の時間は…10時57分、か。間に合うか…?」

 

 

「よし、勝った!」

 

「ふぅ…俺の負けだ!アドレスと…ガッツマンのチップも持っていけ!青兎の分もあるから、あいつにも渡しとけ!」

 

「サンキュ!あとはアドレスをあいつに送って…!」

 

 

『…!熱斗からメール!アドレスと…ガッツマンのチップだ!』

 

「ありがてぇ…よし!開通して行くぞ!」

 

 

「間に合うかは分かんないけど…!デカオ!パソコン借りるぞ!」

 

「おう!好きに使え!」

 

「よし!プラグイン!ロックマンEXEトランスミッション!」

 

『急いで2人の加勢に行かないと…!』

 

 

『保安プログラム?あぁ、この先だよ。けど、なんか変なでっかいのも居たなぁ…』

 

『情報助かります!』

 

「急ぐぞ!」

 

現在時刻 AM11時13分

 

「間に合わせる…絶対に!」

 

 




今回はあっさりめに。やっぱり+1人するだけで、解決速度って段違いだと思うんですよ。進むのにアドレスとか必要でも、こうして待機してもらってる方にメールで送って…なんてのもできるはずですし。

次回は原因となるナビを倒します(確信)(なお、現在青兎くん激おこ状態キープ中)。
哀れストー○マン…君には貰ったアイデアの中でもヤバいのを喰らう実験台となってもらおう…w

活動報告にこのエグゼ小説におけるリクエスト箱も設置してるので、希望する展開やこんな事してみたら?などはそちらに送ってください(感想はダメですよ。消されちゃいますので)。流石に倫理的にアウトなやつは弾きますが。

それでは感想等よろしくお願いします。


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青兎「覚悟は良いか…?岩野郎…」熱斗「ヒェッ」

あれ?なぜだ…指がスイスイ動くぞ…?

メトロライン落石事件解決回です。

青兎くん激おこなので、今頂いてる中でも1番ヤバいあのPA使っても良いよね…使わせていただきます…!
前回同様、記載されてる時間は適当です。
さらに青兎くんのテンションが謎の上昇を見せます。

ここからの流れも、少し変更点はありますが、進めていきます。

あ、オリキャラ+1名入りまーす。




AM11時24分

 

『お前!そこで何してる!』

 

『ゴゴゴ…!(保安プログラムに、落石を落とし、メトロラインの開通を、妨害している!)』

 

『こんな事するって事は…WWWのナビってことで良いよな!?』

 

『ゴ、ゴ!ゴ…!(そこまで知られてるのなら、邪魔者だな!お前はデリートする!)』

 

『…だってさ…』

 

「デリートされるのはな、ルシッドマンじゃない。デリートされるのはお前の方だ…!」

 

『ゴ、ゴ、ゴ!?(な、なんだお前は!?)』

 

「答える義理もない。ルシッドマン…バトルオペレーション、セット…!」

 

『イ、イン!』

 

『ゴゴゴゴォォ!!(返り討ちにしてくれる!)』

 

さて、こいつに慈悲などくれてやるものか。カスタム画面は…

 

「…マジか」

 

『…?青兎?』

 

「あぁ、すまん。

リボルケイン B

ボルティックシューター B

バイオブレード B

トリプルスロットイン…!」

 

『え!?ちょっ、まっ…それって!?』

 

「プログラムアドバンス!

BLACK RX(ブラッ!ア゛ーエ゛ッ)!!

 

『あ…あぁ…』

 

「ルシッドマン…

使え

 

『あっハイ』

 

このプログラムアドバンスも、どうやら暗転系のようだ。

 

スゥ…

 

まず一番手はロボライダー!ボルティックシューターを撃ちまくり岩野郎に全弾命中ぅ!(10ヒット)

お次にバイオライダー!いつの間にか取り出したバイオブレードで、敵を新鮮なバターのように斬りまくって行くぅ!(7ヒット)

最後にBLACK RXがRXキックをお見舞い(1ヒット)…だがここで終わるわけがない!!

左手でリボルケインを抜いてー…

右手に持ち替えー…

行ったぁぁぁぁぁぁ!!岩野郎に深々と突き刺さるリボルケインーーーー!(1ヒット)

エネルギーが流し込まれて行くぅ!グリグリしてる中でも光は大きくなっているぞ!(10ヒット)

さぁここで引き抜いた!引き抜いた途端、敵がバチバチいってますね!

さぁ、RXがリボルケインをRの字を描くかのように振るいぃ!

 

一欠

 

ポーズをキメ、敵が爆散んんんんん!!仮面ライダー界における最強必殺技の一つ、リボルクラッシュが決まったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!(1ヒット)

(合計30ヒット)

 

 

 

あ、ここで終わりみたいだな…フゥ、なんかテンション上がってたわ…

 

 

 

『良かった無事だったんだ…アレ?原因のウイルスは?』

 

「あぁ…さっきまでそこにいたんだけどな…バトル開始してプログラムアドバンス使ったら、居なくなってた」

 

『え、何それ怖い』

 

「どんなPA使ったんだよ…」

 

「ん?プログラムアドバンスはそう略すのか。覚えておこう。

後で映像を送っとくよ」

 

「あ、あぁ…」

 

『それより時間は…!』

 

AM11時26分

 

「『…バトルしたのに2分しか経ってない、だと…?』」

 

「は、早く終わったならそれで良いだろ!それより早く行こうぜ!」

 

「あぁ!!」

 

そうして俺たちはメトロラインに乗り、科学省のある『官庁街』へ向かった。

 

 

PM12時02分

 

科学省のエレベーターが使えないと首を傾げたところもあったが、そこは熱斗の顔パス。受付の人が対応してくれ、熱斗のお父さんのフロアに繋げてくれた。

 

\ピンポーン/

 

エレベーターを出て、少し進んだ先に熱斗のお父さんの研究室があるとその階の受付の人が言ってたので、廊下を進んで行くと

 

「パパ!」

 

「おぉ、熱斗!少し遅いから迎えに行こうと思ってた所だったんだ。しかし、メトロラインが止まってたはずだが…」

 

「青兎が原因のウイルスを倒してくれたんだ!」

 

「青兎?」

 

「あ、こんにちは。俺が宮藤青兎です。ウイルスってよりWWWのナビでしたが、なんとか倒せました」

 

「え?そうだったのか!?」

 

「やはりWWW関連か…」

 

「あれぇ?この声、青兎か?」

 

…んん?なんか聞き覚えのある声が…

 

「俺だよ!来るなら連絡くれたら良かったのに!」

 

「…え?父さん…?」

 

「あ、宮藤…そうか。あなたの息子さんでしたか」

 

「え?え?なんでここにいるの?」

 

「青兎?誰だよこの人」

 

「あぁ、そっちの子…光博士の息子さんは初めてかな?俺の名前は宮藤 真司(みやふじ しんじ)!青兎の父親だ!今は光博士と共同で研究を行ってるぞ!」

 

「ど、どうも…」

 

「え、父さんが科学者って聞いてないんだけど」

 

「そりゃ言ってないからな!まぁ、青兎も何かあったら俺にも相談してくれよ?お前ただでさえ抱え込みすぎるんだから」

 

「え、あっ…うん」

 

今まで職業を聞いてもはぐらかされてきたけど…まさか、自分の父親がこの国の権威とも言える科学者と一緒に研究してるとか…マジですか?

 

 

 




やりきった…!アイデアを出して頂いたライデン1115さんですら、ネタ枠としてスルーしたPA…BLACK RXを出せた…!

BLACK RX (攻撃力表記無し(アタック+系無効))

①ロボライダーがボルティックシューターを撃ちまくる(近くの1体に10ヒット。1ヒット50ダメージ)。
②バイオライダーがバイオブレードで斬りまくる(①の攻撃が終わった時点で、HPが残っている1番近くの1体に7ヒット。1ヒット50ダメージ。水属性ソード系統)
③まずBLACK RXがRXキックを放つ(②の攻撃が終わった時点でHPの残っている一番近くの1体1ヒット。50ダメージ)、その後ベルトからリボルケインを抜き、敵に突き刺す(1ヒット。50ダメージ。無属性ソード系統)。敵の内部にエネルギーが流し込まれ(10ヒット。1ヒット100ダメージ)、引き抜いてキメポーズをとった後爆発(1ヒット。100ダメージ)。

やはりBLACK RXは強い(確信)。哀れストーンマン…もちろん、流石にチートが過ぎるのでこのPAは自重します。しょうがないね!

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真司「あ、ちょっと渡すものあるから」青兎「これは…」

ルシッドマン強化(すぐに強化とは一言も言ってない)入りまーす。姿は…あの感じでいいでしょう。

一応先に言っとくと、青兎パパの真司さんのモチーフは、おそらく皆さんの想像の通り某ジャーナリスト仮面ライダーです。ただし幾ばくかの戦闘センスと引き換えに、祐一朗と共同で研究が出来るくらいの頭脳を手にしました(戦闘センスが消えたとは言ってない)。

え?彼の持ちナビ?

…いつか出てくるんじゃないですかね。
(ノープランではないけど、このタイミングで出すには強さのランクがちょっと釣り合わない。そりゃオリPA使ったら勝てますが…あと、本来ならオペレーター不明枠のナビをオペレートさせるので。5の燃次みたいな感じです)
(そのナビと馬が合うとは一言も言ってない)



 

「凄いだろ?ルシッドマン専用の強化プログラム『ガジェットシステム』だ。けど、あくまで未完成でなぁ…先にインストールだけしといてくれるか?」

 

「分かった。じゃあルシッドマン、インストールを」

 

『了解っと…っていうかこれ…』

 

はい、どう考えてもルシッドガジェットになりますね。本当にありがとうございます。

 

…どんな風になるんだろ。

 

「えぇ…良いなぁ青兎…専用のプログラムかよ…」

 

「熱斗、ルシッドマンはそれこそロックマン並みに複雑な作りをしてるんだ。しかも少し規格が違うから、他のナビが普通に組み込めるHPメモリやバスターUPをルシッドマンは使えないんだ」

 

「え?つまり…ロックマンと違って、強化するってなったらその強化用のプログラムを、全部一から作らないといけないの!?」

 

「分かってくれて良かったよ。まぁ、俺だけだと少し知識が足りなかったから、光博士の力もお借りしたんだけどね」

 

「ははは、何を言ってるんですか。私が手伝う時には既に9割完成させてた上に、バグチェックしか行うことがなかったじゃないですか」

 

「朗々としながらデメリット部分の軽減や、セキュリティ部分の致命的なバグをあっさり取り除いてくれたのは光博士じゃないですかー!」

 

「「………ハハハハハ!」」

 

「「父さん(パパ)怖っ…」」

 

え、なにまさかマッドな人だったの?マジ?

 

「満足出来ないようなら、またいつでも言ってくれ。いつでも改良してやるからさ」

 

「…サンキュー、父さん」

 

「ははっ、良いんだよ息子なんだから。俺や母さんにはしっかり甘えれば」

 

「…熱斗みたく、危険に飛び込むかもしれないぞ?」

 

「その時はその時だ。青兎がいつでも帰ってこれるようにロープ張って待っててやるよ」

 

「…ありがとう」

 

「さて、今日も遅いし帰ろうか」

 

「ん?今日は帰ってこれる日だっけ?」

 

「あぁ。青兎が来るって聞いて、仕事全部済ませたんだ」

 

「…あれ?全部ってことは…」

 

「え、今日パパ帰ってこれるの!?」

 

「あぁ、今日はたまたま仕事が少なくてな。急ぎのものもないし、明日の昼くらいまでは家に居るぞ」

 

「やった!」

 

『久々にパパと居れるね、熱斗くん!』

 

「…もしかして…」

 

「あ、やっぱバレた?熱斗くんには内緒な」

 

「クマ少し目立ってるからね。全く…お人好しなんだから」

 

「良いじゃん。少しお人好しなくらいがちょうど良いんだよ、俺は」

 

「…そっか。じゃあ帰ろ。あと、帰ったらまたバトルの相手してよ。久々にアイツの顔見たい」

 

「いやそれ、割と運ゲーになるから勘弁してくれない!?」

 

なお、父さんが家に帰ったら、知らせもなく急に帰ってきたので、慌ててもう1人分作る事となり母さんがキレてしまった事は、当然と言えるだろう。

 

「…ふぅ、今日だけで色々あったな…」

 

メトロライン運休騒ぎに父さんの職業判明だったり…

 

「またアイツらは、究極のプログラムを狙ってくるんだろうな…」

 

WWWの狙いが『究極のプログラム』である事は熱斗のお父さんから聞いた。そして、ヒノケンさんにも確認を取ったが、ファイアプログラム以外はまだ着手してないという…

 

つまり、あいつらはまた関係ない人を巻き込んだ事件を起こすつもりなんだろう…

 

「俺たちが止めないとな…」

 

こればっかりは父さんの力を借りられない…というより、力を借りるには父さん達は少し立場があり過ぎる。少しでもフットワークの軽い俺たちで、どうにかするしかないのだ。

 

「…少しくらい、平和が続けばいいんだけどなぁ…」

 

そう思いながら眠りについた。

 

 

 

 

 

「チィッ、ファイアプログラムを手に入れられなかった上に、メトロラインも復旧されるとは…使えん奴らだ!」

 

「ですが、次のターゲット『アクアプログラム』を狙う計画は盤石です。ファイアプログラムはその後でも問題はありません」

 

「…あの光の孫、そして宮藤ぃ…お前らは完膚なきまでに叩きのめしてくれる!」

 

いくら平和を願おうが、WWWは止まらない。

 




真司さんのナビのヒントはもう埋め込みましたので、推測してもらって大丈夫です。ただネタバレになるので、分かったと思ったらメッセージとかで言ってください。答え合わせはするので(ヒント→真司さんの言い回し)。

ルシッドガジェットを使うにはまだデータ…というよりはルシッドマン自体の経験値が足りません。無理やり使うことも出来はしますが、6における超獣化(ビーストオーバーって読むんですね。つい最近知りました)使った後の極限状態みたいになります。無理を通すには明らかに不釣り合いなデメリットです。

獣化といえば、今は初代エグゼの時間軸なので、6までは遠すぎる道のりですが、ルシッドマンの獣化はどうしようかって思ってます。ロックマンが出来たのはエクサメモリのおかげだし、フォルテはゲットアビリティプログラムがあったからだと思うし…かと言ってそれだけのために第3の電脳獣とか考えようがないし…ウゴゴゴゴ…

活動報告にこのエグゼ小説におけるリクエスト箱も設置してるので、希望する展開やこんな事してみたら?こんなキャラって出せる?などはそちらに送ってください(感想はダメですよ。消されちゃいますので)。流石に倫理的にアウトなやつは弾きますが。

それでは感想等よろしくお願いします。


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番外編 10.5話 ルシッドマンの『規格』

この話は10話『真司「あ、ちょっと渡すものあるから」青兎「これは…」』の話に、ちらっと出てくる事を題材にしているので、そっちを見てからの方が『なんのこっちゃ?』を防げると思います。

そもそもルシッドマンがこの世界で作られた理由…
実は青兎を転生させた神様は、あくまで『PETとナビがいる環境』を提供しただけで、ルシッドマンの製作自体には全く関知しておりません。

また、この話は青兎視点ではなく、真司視点で話が進みます。

それを踏まえてご覧ください。

真司のナビも最後にチラッと登場します。
あと…オリ電脳獣、出します!やりたい放題になってまいりました!





 

「やっぱダメか…」

 

今俺は、初期型インターネット『プロト』の反乱の折に姿を消した『フォルテ』と呼ばれるナビに対するカウンターとなるナビを作っている…が、その要となるシステムを搭載するナビがうまく作れない。

 

浦川さんが作ったセレナードも確かに優秀だが、上の人間は『セレナードという盾だけじゃなく、フォルテを叩きのめす事ができる矛も作成しろ』などと言ってくる。

 

「元はと言えばお前ら上の人間が、フォルテにあんな仕打ちをしたからだろ…!」

 

ただ、そんな事を言っても始まらない。試行を繰り返さなくては。

 

この科学省には、もう光先生もコサック博士もいない。光先生の息子さんである祐一朗さんが科学者としてのトップだと言えるが…彼は今、自分の行いを悔いている真っ最中だ。そんな彼に更に重荷を背負わせるわけにはいかない。

 

「…汎用型のネットナビをベースにするのは不可能じゃないかな、これ…」

 

上の人間は、フォルテに対抗出来るナビを大幅に増やすため、一般にも出回っている汎用型のネットナビに組み込めるプログラムをと言っているが…どう足掻いても叶う事がなかった。

 

「やっぱ、プログラムを運用する事を目的として、別の規格で作るべきかな…?」

 

そうなれば、何をベースに考えるかだ。

 

ケモノ型や無機物型も高性能ではあるが、やはり応用という点を取れば人型が1番か。

 

ただ、それだけじゃ足りない…なにか、何かないか…

 

「…そうだ、確か昔…」

 

そう言いながら、過去の文献を漁る。

 

そこに記されていたのは

 

『電脳神フォルトエル』

 

『電脳竜ドラグサイバー』

 

「…確かこいつらは、他の2体と違って科学省の管理下にあったはず…上の人間にバレないようにコンタクト出来るかだな…」

 

 

…結論を言うと成功した。

 

ドラグサイバーの汎用性とフォルトエルの守護の力、フォルテの持つゲットアビリティプログラムをモデルに作った専用プログラム『ルシッドプログラム』をインストールして、『ルシッドマン』が完成した。

 

意外だったのは、他の科学者…それも光先生相手ですら話を聞こうともしなかったドラグサイバーが、俺のコンタクトにはしっかり応えてくれた事だ。

 

ただ、やはりというべきか、無断で電脳獣とコンタクトを取った事で上の人間からは糾弾を浴びた。しかし、規格がオーダー通りではないとはいえ、フォルテのカウンターとなり得るナビを作成したとして、祐一朗さんの観察下での研究を義務付けられるのみとなった。

 

けど、

 

「こんな目的で作ったなんて…口が裂けても言えないよなぁ…」

 

青兎もルシッドマンも、ルシッドマンの本来の目的なんか知らずに生きて欲しい。それが父親としての願い。

 

「…なぁフォルテ、今はどこほっつき歩いてるんだよ。コサック博士、ずっとお前の帰りを待ってるんだぞ」

 

こっちは、一科学者としての願い…けど、

 

「俺も、もう一度お前に会いたいよ、フォルテ…」

 

俺はただ、あの時未熟だった俺に、乱暴ながらも改善点を言い続けてくれた恩人に、ただお礼を言いたいだけなんだ。

 

 

 

 

「…あの時の夢か…」

 

『真司、具合は?』

 

「大丈夫…慣れたから。ふぅ、ちょっと水でも飲むか…」

 

そう言いながら、台所の水道を使おうとして

 

スカスカ…

 

「…あれ?」

 

『水が、出ないな…』

 

「…ボトルとかでの貯蓄は?」

 

『真司が寝る前に確認した時は、2Lが7本に500mlが13本、250mlが22本のはずだ』

 

「ヤバいな…!」

 

けど俺は、光博士と共同研究しているから、自由に動けないし…!

 

「青兎に、頼るしかないか…」

 

『…歯痒いな』

 

「子供を守ってやるのが大人の責務なのにな…そんな子供に助けられてばっかりだ…」

 

『守られるだけが子供ではない…ということだろう。青兎は間違いなく強いさ』

 

「…その強さに甘えるだけじゃダメだよな。ウラで情報収集、頼めるか?」

 

『分かった。トレーニングのついでにやっておこう』

 

「頼む。プラグイン…スワローマンexe、トランスミッション!」

 

サーーッ!

 

俺に出来ることはする。

 

けど、俺はもう雁字搦めだ。

 

「頼むぞ、青兎…」

 

 




本文だと、文字数稼ぎと取られかねないので、こちらでごっそり解説。

電脳神フォルトエル
(ティファールは邪道さんからアイデアのベースを頂きました)

グレイガとファルザーの戦いにおける被害を抑えるために造られた防御システム。
亀に似たフォルムをしており、その堅牢な甲羅は城壁の様に、いかなる破壊も寄せ付けない。図体は大きいが、その割にはスピードは早め。

亀に似せたのは、その大きな甲羅で破壊の渦から電脳を守るという想いが込められている…のが5割。あと半分は開発者の趣味だったりする。

グレイガとファルザーの戦いに巻き込まれていながら、ファルザーのように暴走する電脳獣とはならずに(これには後述の電脳竜も関与している)その使命を果たし、被害をエリア1つに食い止めた電脳獣事件の功労者。故に電脳獣というよりは電脳神と呼ばれている事が多いので、この解説でもその名称を使用している。

現在は科学省の中枢サーバーの奥の奥…科学省の人間でも、いまや片手で数えられるほどの人間しか知らないエリアに、電脳獣による被害を繰り返さないために存在しており、電脳獣事件から幾年も経った今なお、フォルトエルを『電脳の守り神』として崇める科学者も多い。



電脳竜ドラグサイバー
(魚介(改)さんからアイデアのベースを頂きました)

元はウラインターネット最深部のシークレットエリアにおいて、自然発生した竜型のウイルスが他のウイルスを喰らって成長し、電脳獣事件の際シークレットエリアを死守する為に、セレナードに力を与えられた存在。

単純な強さではグレイガにやや劣り、機動力もファルザーにはほんの少し敵わないが、ドラグサイバーの真骨頂はその電脳獣に迫る力を、他者に与えることが出来るというもの。電脳竜と呼ばれているのも、自身はフォルトエルに力を与えていた事がほとんどのため、暴走を引き起こしていないから。

これによりフォルトエルは堅牢な甲羅に加え、ドラグサイバーの力も活用する事で、フォルトエル自体のエネルギーを制御不可能なレベルまで引き上げずとも、電脳への被害を最小限に食い止めることが出来た。つまり電脳獣事件の影の功労者である。

現在ドラグサイバーは、シークレットエリアでセレナードを守る為に居座っている為、コンタクトを取るのは至難。それに加え気を許せる者としか意思疎通を図ろうとしない為、一応の管理下にあるとはいえ、厄介者として扱われることも多い。

姿自体はメタリックなスカイブルーのドラグレッダー。真司の声に応えた理由がよくわかる。


上記のドラグサイバーの『他者に自身の力を与える能力』を『他者に過ぎた力を強制的に与える攻めの力』と解釈し、それを守護の力で反転させ『他者の力(データ)を自分に付与する能力』が『ルシッドプログラム』。
しかし、それだけだと守護の反転による影響で、力を蓄える目的が守護のみとなる為、守護の方面では心強くなるが、矛としての役割が無くなってしまう。

その反転を部分的に解除して、蓄えた力(データ)を武装としてロードし、形作るためのプログラムが『ガジェットプログラム』である。

この2つが合わさる事で、本来あるべき『フォルテへのカウンター』としてのルシッドマンの姿が完成すると言える。

解説だけで1000文字超えてる…
という訳で、この作品の世界においては、電脳獣は電脳四獣となりました笑

内訳は、

玄武→フォルトエル
白虎→グレイガ
朱雀→ファルザー
青龍→ドラグサイバー

となります。なんという偶然…

アイデアを考えてくださった、ティファールは邪道さん、魚介(改)さん、ありがとうございます!

次は作者のトラウマ、水道局シナリオです…

活動報告にこのエグゼ小説におけるリクエスト箱も設置してるので、希望する展開やこんな事してみたら?こんなキャラって出せる?などはそちらに送ってください(感想はダメですよ。消されちゃいますので)。流石に倫理的にアウトなやつは弾きますが。

それでは感想等よろしくお願いします。


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青兎「なんか水出ないんだけど」熱斗「ウチは朝飯も無かったんだけど」


はい、今回は作者のトラウマ水道局シナリオです…というのも、さすがにあの光景はいつになっても心にくる…この小説書き始めた理由の一つに、それを覆したかったからっていうのがあります。まぁ少し無理やり感は出るでしょうけど…

まぁ、オリ電脳獣まで出したんだ…なにがなんでも進まねば…

ちなみに真司のナビ…分かった人いますかね…?



 

 

「なぁ青兎、お前の家さ、水…出た?」

 

「いや、出てないな。うちも父さんが夜中に気づいたっぽいし」

 

「俺朝飯食えてないんだよなぁ…」

 

「カレーパン一個余ってるけ「くれ!」喉渇くぞ…?」

 

「うっ…けど流石に腹が…」

 

「…分かった、一応食っとけ。何かあっても困るし」

 

「おう!」

 

「もう、熱斗ったら食い意地張ってるんだから…」

 

「まぁ、流石に腹は減るから仕方ない。メイルももう少しソフトに言ってやれ…」

 

というのが数分前。

 

「今日は臨時休校です」

 

「先生、それならメールでも送ってくれれば良かったんじゃ…」

 

「うっ…急遽決まったから仕方ないの!さぁ、みんな下校して!」

 

そんなことがありまして、今俺と熱斗は…

 

「また来ましたよ、官庁街」

 

「水道局って、確か科学省に行く途中にあったよな」

 

「あぁ、確かそのはず」

 

そう言って水道局に入る。

 

「…以上の理由から、水道局の施設…特にネットワークのチェックが必要と判断します」

 

「オフィシャルネットバトラーの方ですね。承知しました。念のためIDカードをお見せください」

 

「どうぞ」

 

「はい、確認しました。エレベーターはIDカードを差し込めば使えます。後は自動運転で水道施設のあるフロアにご案内しますので」

 

「ありがとう」

 

…ふむ、水道施設に行くにはIDカードが必要か…

 

「…?なぜガキがこんな所にいる。邪魔だ!」

 

っと、前にいたオフィシャルネットバトラーの奴が、そう言い捨て去っていった。

 

「なんだアイツ…感じ悪ぃ…」

 

「多分アイツも俺らと年変わらないよな…」

 

『でも、羨ましいなぁ…オフィシャルネットバトラーって、ネット犯罪に対抗するために国が認めたネットバトラーだよね?どこでもネットバトルできるみたいだし、何せどんなナビかも気になるし…』

 

へー…そんな権限があるのか…

 

「…ん?待て、なんかおかしくないか?」

 

「どうしたんだ?」

 

「うーん、ちょっとこっち」

 

そう言って休憩用スペースに来た。ここなら聞き耳立てて聞いてるような奴がいない限りは、他の人や声に紛れて変な騒ぎにはならないはず。

一応、小声で話すけどね。

 

「いや、仮に水道局のネットワークに異常が発生してるとして…その調査で国公認のオフィシャルネットバトラーなんかが出て来るのは…流石に大掛かり過ぎると思うんだ」

 

「…確かに」

 

「あと気になったのが…」

 

「ん?なんだよ」

 

「やいとの奴から聞かなかったか?どうも別のクラスだが、誘拐された奴がいるらしいんだけど…」

 

「あぁ、その話なら俺も聞いたよ。けど、どこにいるかなんて分かるのか?何にも情報がないんだぜ?」

 

「…場所は分からないが、どんな場所に放置されてるかについては、実はもう目星はついてる」

 

「え!?嘘だろ?」

 

「いや、あくまで勘。けど…誘拐の噂が出てきたのと、水が出ない騒ぎの時期が微妙に合ってるのが気になって」

 

「…つまり?」

 

「ヒノケンさんの時みたいな事になってる可能性がある」

 

「人質ってことか!?」

 

「声抑えて…おそらくね。流石にWWWもバカじゃないし、ヒノケンさんの時みたいにバレないように、かつ何かあれば即移動できるようにって考えると…

 

「「車の中(か!)」」

 

「つまり、あまり見ない車を探せば…」

 

「ただ、その周囲にWWWの連中がいる場合もあるから…今日って空いてたかな…」

 

「ん?どうした?」

 

「なんでもない。とにかくやいとに詳しい情報を聞こう。誘拐なんて噂がすぐに入るアイツなら、まだ様子見してる情報もありそうだからな」

 

「先に助けとけば、脅されて悪いことする必要もないしな!」

 

「そゆこと。一回出直そう」

 

そう言いながら、俺は先に行く熱斗を見ながらある人たちに電話を掛ける。

 

「もしもし…」

 

 

そして秋原町に戻った俺たちは、やいとに更に詳しい話を聞く事にした。

 

「あんた達ね…ほんとに噂程度の話なのよ?」

 

「それでも良いからさ。な?頼むよやいとー…」

 

こういう交渉の時は、付き合いの長さが大事だからな。俺より熱斗が言う方がいいだろ。

 

「しょうがないわね…いい?その誘拐された子は『氷川』って子らしいわ。その子が最後に目撃されたのは、この秋原町。隅々まで探せば、もしかしたら…って話よ」

 

「いや、それだけでも助かる!」

 

「ありがとな、やいと!」

 

「…あ、ちょっと!どこかで見つけたら水買ってきてー!」

 

なんて声を聞きながら、やいとの豪邸を後にした…

いや、ずっと庶民の暮らしだったから、豪邸とか初めて入った。よくこんなホイホイ入れるな…熱斗の度胸が凄い。

 

そうして探し始めて1時間ちょっと。

 

学校の近くに止まっている車を見つけた。

 

「ん?昨日あんな車いたっけ?」

 

「いや…というより臨時休校って言われた帰りからいたよな…」

 

「まさか…?」

 

「当たりかもしれない…うん、今から調べるから

 

「ん?なんか言ったか?」

 

「いんや、何も?さてさて…」

 

外から調べてみたらあらびっくり。中が見えないようになってました。

 

「ビンゴ…!」

 

そう言ってドアを開けた時、

 

「ガッ!」

 

「熱斗!」

 

「チィっ!こんなガキどもに嗅ぎ付けられるとはな!」

 

「マジかよ…!」

 

待ち伏せ…!熱斗は…よし、動けそうだな。

 

「ガキがよぉ…俺らに逆らうんじゃねぇよ!」

 

なんとかドアは開けられたので、中にいた氷川くんは脱出。熱斗が話を聞いてる…ピンチではあるけど…

 

なら大人ならいいって事だよな?

 

なぁ、俺の息子とその友達になにしてんだよ

 

「…なっ!?」

 

まぁ、流石に対策はしてたよ。

 

「くっ、クソ!」

 

「まったく、往生際が悪いって」

 

逃げようとする誘拐犯にそう言った父さんが、かなりの素早さで足払いを行い、頭からすっ転んだ誘拐犯は気絶した。

 

 

 

「ハァ…全く、間に合ったからよかったものの…」

 

「もう少し早く電話してくれ…」

 

「あー、うん。ごめんなさい」

 

「青兎…もしかして…」

 

「悪い、待ち伏せの可能性も考えて、ヒノケンさんと父さんに電話してたんだ」

 

「なるほどな…って、それなら俺に言ってくれても良かったじゃねぇか!」

 

「それに関しては、本当にすまんかった…変に安心感与えたら気付かれると思って…」

 

「確かにそうだけどさぁ…まぁ良いや。氷川って奴も見つけた事だし!」

 

俺とヒノケンさんも加わって(父さんは無理言って出てきた為、すぐに科学省へ帰った)聞いた話では、水道局の責任者である父に対して、WWWが自分を人質として脅迫し、水道施設をストップさせたようだ。

 

「許せねぇ…」

 

「なぁ、その脅迫した奴ら、何か言ってなかったか?なにをするとか…」

 

「うぅん。そこまでは。あ、これお父さんが仕事で使うプログラムなんだ。何かに使えるかもしれないし、よければ持っていって。あと、伝言もお願いできるかな?」

 

「ああ、確かに受け取ったぜ!」

 

「悪い、水道局は水属性のウイルスが多いからな…一緒に戦ってやりたいが…」

 

「うん、ヒノケンさんの強さは知ってるけど、俺たちの面倒見ながらだと、数で押されたら不利だしね」

 

「ナビを使わない範囲でなら俺も手伝うさ」

 

「うん、助かる」

 

「となると…青兎、どうする?IDカードが無いと水道施設のフロアには行けないし…」

 

「…確かにな…」

 

その問題に悩む俺たちに、ヒノケンさんが道を示してくれた。

 

「ん?確か水道局のエレベーターなら、科学省職員のライセンスでも起動したはずだぞ」

 

「マジか!」

 

「…となれば、だ」

 

「事情を説明してパパ達にライセンスを借りれば…!」

 

「ただ、受付の人もいるしな…下手に見られたらそれこそオフィシャルに通報されかねない…」

 

そんなことを考えていると

 

「そうだな…お前達、かくれんぼは得意か?」

 

「「…え?」」

 

 

…かくれんぼ?

 

 




という訳で、氷川さんに接触する前に氷川くんを助けました。

直接的にあの悲劇を避ける手立てとはなりませんが、事件とおそらくではあるけど関連性があり、人質を取るってやり方を知ってるなら、先に誘拐されてる子を助けられれば、脅迫の材料を消せるため凶行を辞めてくれるのでは…という判断は、青兎くんと今の熱斗くんならきっとできると思います。

なお、事情を話してライセンスを借りるため、たまーに見かけるこれ盗難じゃねぇかこれ!って事にはなりません。所有者の許可はしっかり取ってますから。

活動報告にこのエグゼ小説におけるリクエスト箱も設置してるので、希望する展開やこんな事してみたら?こんなキャラって出せる?などはそちらに送ってください(感想はダメですよ。消されちゃいますので)。流石に倫理的にアウトなやつは弾きますが。

それでは感想等よろしくお願いします。


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青兎「まさかかくれんぼなんかをする事になんて…」ヒノケン「馬鹿野郎!かくれんぼバカにしたら協会から訴えられるぞ!?」青兎・熱斗「「協会とかあるの!?」」

タイトルについて

確かエグゼ5のかくれんぼくんが存在を明言してたはずなので。というより、かくれんぼ協会…実在するらしいです。

マジか…ってなりました。

誤字報告ありがとうございます。ルシッドマンがソリッドマンになってました。
投稿した頃はHEROにボコられ過ぎてましたから…(遊戯王)
これでゴジシュウセイできてるはず…

水道局シナリオの続き入ります。
少しずつ確実に進めていきたいです。


「「「………」」」

 

一言も話さず、静かに時を待つ。

 

(あと1分…!)

 

そして、

 

ピーンポーンパーンポーン

 

『本日の業務は終了しました。またのご利用をお待ちしております』

 

「ふぅ、ようやく12時か…」

 

「しっかし、熱斗が隠れる場所にここを選ぶとは…確かに、ある意味最強の場所だよな…」

 

「いやー、どうせパパたちに事情を説明しなきゃだし、ついでに使わせてもらおうと思って…」

 

そう、今俺たちは熱斗のお父さんである祐一朗さんの研究室(であると同時に俺の父さんの研究室)に隠れていた。

 

確かにココは科学省の中でもトップクラスのセキュリティが施されている上に、俺たちは顔パスで入れる(俺も最近顔パスで行けることが判明した。ヒノケンさんは祐一朗さんの観察下って名目である)し、どうせ父さんたちに話をしないといけないので、ちょうど良かったのだ。

 

「で、熱斗。これはどういう事か、話を聞かせてもらっていいかい?」

 

「あ、実は…」

 

熱斗が祐一朗さんに話してる横で

 

「実はさ、街で起きてる水道騒ぎを止めたいって思うんだ」

 

「…それにヒノケンさんも連れてくのか」

 

「うん」

 

「心配ねぇよ。俺も了承済みだ」

 

「はぁ…分かった。それならこれを貸すよ。後で返してな?」

 

「…ありがとう」

 

「ははっ。普段からそれくらいで良いから、もうちょっと笑えって」

 

…どうやら俺は笑顔になってたようだ。自分の顔がどんな風になってるか、いまいちよく分からないけど、父さんがいうならそうなんだろう。

 

そんなこんなで俺も熱斗もヒノケンさんも、IDカードを手に入れ、水道施設フロアへ向かう。

 

「…なんか静かだな…」

 

「職員の人達も軒並み帰っちゃったしな…」

 

「今はこの方が都合がいいだろ。一応俺ら(祐一朗さんから許可貰ってるとはいえ)、扱いは侵入者だからな?」

 

「それもそっか…まぁでもこうして設備が動く音がするってことは、氷川さんが脅されて何かさせられてるって事なんだよな…誘拐されてた氷川も無事だって事を知らせるために、俺たちも頑張らないと…」

 

「…」

 

「ヒノケンさん?どうしたの?」

 

「いや、この事件…そんなに単純か?って思ってな」

 

「どういうこと?」

 

ヒノケンさんは、何かが引っかかるようだ。

 

ただ、俺にはどう複雑かが分からない。

 

「うーむ、『水が出なくなる』だけじゃねぇとは思うんだが…」

 

「この水道局にあるアクアプログラムを手に入れるために、人質使うような奴らだからね…まだ何か仕掛けがあるかもってこと?」

 

「そうなるな。熱斗に青兎、ココのウォータークーラーからプラグイン出来るみたいだから、中がどんな様子か確認してくれないか?」

 

「オッケー!」

 

「分かりました!」

 

「「プラグイン!ロックマンルシッドマン.EXEトランスミッション!!」」

 

 

水道局の電脳の中を見て気づいた。

 

『なんだこれ…道が凍ってる!?』

 

『何かしらのプログラムが異常をきたしてるのかな…』

 

「けど、どうにかするには進むしかないか…」

 

「行くぞ、ロックマン!」

 

『うん!』

 

 

 

 

『う、うわぁぁぁぁぁ…

 

『ルシッドマン!?ってあぁぁぁぁ!?

 

「意外と、進むのが…難しいな…!」

 

「道は見えてんのにぃぃ…!」

 

 

そんなこんなで最深部

 

『あ!見て!』

 

「ポンプ型のプログラムか!」

 

『でも凍りついてるな…ヒノケンさん、ファイアショットあります?』

 

「あぁ、あるぜ」

 

「なら早く使おうよ!みんな水が飲めなくて大変なんだからさ!」

 

「あぁ、今転そ…?いやちょっと待て!?」

 

「え、ヒノケン?どうしたのさ?」

 

「熱斗…今なんて言った?」

 

「いや、だから『()()()()()()()()()()()()()()()()()』って…」

 

「…ヒノケンさん、もしかしてこの事件って…」

 

「あぁ、おそらく同じ意見だ。ココのポンプはあくまで凍ってるだけだ。氷を溶かせば水は出るだろうよ」

 

「なら早く出さな『けどな』え?」

 

「俺たちはなんで『()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()』んだ?」

 

「え?それは水道局の人が浄水プログラムで…あぁ!?」

 

「そう、多分…今これを溶かしたら間違いなく、浄化されてない汚染された水が町に流れるだろうな…」

 

「ってことは…」

 

「どうせにせよ、そこが行き止まりって事は、そこにはそれしかねぇ。浄水プログラムがあるとすれば…」

 

「…あれ?そういえばさっき、ハンドルがない水道がなかったか?見間違いかもだけど…」

 

「それを早く言え!絶対その先だな!!」

 

「ハンドルならさっきもらったからな!多分それでいける!」

 

どうやら、ここは最深部ではなかったみたいだ。

 

少し戻って…

 

『ここだな…』

 

『じゃあ止めるね!』

 

キュッキュッ…

 

「よし、水が止まった!」

 

「先を急ぐぞ!」

 

喉の渇きに割と焦りを感じながら、しっかりとオペレートをしていく。

 

こうなるなら、小さいペットボトルの水でも持ってくれば良かったか…

 

今更ながらにそう思った。

 




少し間が空いた理由としては、水道局イベントにおいて、ウォータークーラーへのプラグインだけで、水道局の電脳全部回れたっけ…?(奥のでかいモニターの部屋に入る必要あったか否か)と、ピンポイントでド忘れを引き起こしたので、実況動画で確認してから書きました。あとは活動報告に書いてる通り、ツインリーダーズやったりしてました。

活動報告にこのエグゼ小説におけるリクエスト箱も設置してるので、希望する展開やこんな事してみたら?こんなキャラって出せる?などはそちらに送ってください(感想はダメですよ。消されちゃいますので)。流石に倫理的にアウトなやつは弾きますが。

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青兎「なんだあのナビ…!」ルシッドマン『速い上に底が見えない…あれがオフィシャルのナビか…!』

今回はタイトルで察しがつく方が多いと思いますが、あのナビと出会います。

今回で水道局シナリオは終わると思います。
終わる…よね?


この話の投稿作業の直前に、UA5000到達してました!
今読んでくださっている皆さんも、1年半以上更新出来なかった時も待っていてくださった皆さんも、本当にありがとうございます!
これからも頑張っていきます!



水を止めた先のワープホールを抜けた先には…

 

『…!新手か!』

 

『うわっ!?』

 

『な、なにするんだよ!』

 

片手を剣に変え、ロックマンに斬りかかる赤いナビがいた。

 

「どうした、ブルース!」

 

「って、お前さっきの!」

 

「ふん、なんでお前達がここに居るのかは知らんが、邪魔しないで貰いたい。そこに犯罪者がいる事についても、話を聞かせて貰いたいがな…!」

 

「…!ヒノケンさんは反省して、真っ当に生きようとしてるんだ!そんな風に言うな!」

 

「しれた事!犯罪者を野放しにすれば、再犯の機会を与える事と同義だ!犯罪を未然に防ぐのも、オフィシャルの役目なのでな!」

 

「くっそ!」

 

ダメだ、こいつ話が全く通じねぇ!!

 

「チッ!こんな所で時間を食うわけにh『プルルルル』…はい。はい…わかりました。

ブルース!退くぞ!浄水プログラムは囮だ!」

 

『了解!』

 

と思いきや、すぐさまプラグアウトされ、その姿は見えなくなった。

 

「…なんだったんだよ、あいつ…」

 

「分かんない…けど、あいつの目的はアクアプログラムの防衛に切り替わったと思うから、奥まで行って、氷川さんを止めよう」

 

「そうだな!逆に言えば止める奴が居なくなったって事だし!」

 

「…」

 

「…ヒノケンさん、気にしないでください。ヒノケンさんが今どんな想いでここに居るかは、少なくともさっきの奴よりは理解してるつもりですから」

 

「あぁ、すまねぇな…」

 

 

 

 

 

『また凍った床が…うわぁぁぁ…!

 

『なんか既視感があるんだけど!?って、あぁぁぁぁぁ…(スカッ)え…!?ゆ、床どこ行ったぁぁぁぁぁ!!!(ドスン)』

 

「「…この床マジでめんどくせぇ!」」

 

 

なんだかんだで最深部

 

『ロックマンとルシッドマンです!2対1とはいえ抵抗はさせてもらうです!』

 

「あぁ!でないと息子は…!」

 

「ちょっと待って!その息子さんから伝言預かってるから!」

 

「し、しかし…」

 

こちらの言う事に未だ確信が持てない氷川さんだったが、

 

「いや、本当に無事だぜ。なんなら俺も一緒に確かめた。息子さんを見張ってた奴もオフィシャルに引き渡した。それでも信じれないってんなら、ここにボイスデータもある。もう襲われる心配はねぇ!」

 

さすがヒノケンさん。頼りになる。

 

「…そ、そうか。なら…」

 

『アイスマン!この浄水プログラムのバグを取り除いてくれ!』

 

『分かりましたです!』

 

そう言った途端、大きく息を吸い込んだと思えば、浄水プログラムの氷が一気に溶けていく。

 

『あとは給水プログラムを戻せば元通り、安心して飲むこともできるお水が水道から出てくるです!』

 

「…あっ、そうだ!アクアプログラム!」

 

「そういえば…!氷川さん!アクアプログラムは!?」

 

「もう回収された後だ…しかし、WWWはアレを何に使うんだろうか…アレがあると、何故か美味しい水が作れたんだが…」

 

「悪い、それは俺たちにも分からねぇ…」

 

「いや、あのような手段に屈してしまった私の責任でもある…申し訳なかった」

 

「いや、息子さんも無事でしたし、汚染水などによる被害も出てませんから」

 

そう言いながら、ふとエレベーターの方を見ると、

 

「チッ、まぁアクアプログラムが手に入っただけ良しとするか…」

 

派手な服を着た女がエレベーターに乗った姿が見えた。

 

「ん?青兎、どうしたんだ?」

 

「…いや、なにも」

 

ただ、今の状態で追ってもこちらは万全とは言い難い。そんな状態で深追いすれば間違いなくこちらがやられる。

 

なので見てみぬフリをしておいた。けど、服装と人相は覚えた。あいつが何かしでかすなら、俺が叩きのめせばいい。

 

色々散々な1日だったが、この1日だけで終わらせられた幸運を胸に、水道局を後にした。

 

もちろん、その際に借りたIDカードは父さん達に返した(まぁ、今回の件のお礼ということで、水道局用のIDカードを氷川さんに頂いたので、持っておく必要性がなくなったとも言える)。

 

「あ、そうだ!青兎!これ受け取ってくれないか!?」

 

「…『熱帯植物園招待チケット』…?」

 

「明日までなんだけど、仕事とかでどうしても行けなくてな…代わりに行ってきてくれ!1枚しかないのが、申し訳ないけど…」

 

「まあ、仕方ないさ。楽しんでこいよ、青兎!」

 

「あぁ…分かった」

 

そんなやりとりをした後、帰り道にあるチラシなどが貼ってある掲示板を見たとき、

 

俺の意識は恐怖に呑まれた。

 

 この男に注意!

  連続殺人犯       浅倉威

 

     身長 180cm前後

     服装 蛇皮のような服

     髪の色 金髪

     ナビ オウジャ

     ナビの色 紫

     ナビの特徴 コブラの様な頭部

           蛇の尾のような剣

  概要

  一般のナビを大量にデリートしている上

  に、オペレーターも現実世界において殺

  人を実行している凶悪犯です!

  見つけた場合は下手に刺激せず、至急

  オフィシャルへ連絡をお願いします!

 

  浅倉威関連特別連絡先

  ○○-△△△△-####

 

「嘘だろ…?浅倉…だと…!?」

 

 

…下手を打つことがあれば、2度目の死を覚悟しないといけないようだ。

 

 




という訳で、水道局シナリオは終わりました。水道局シナリオはな。

次からはこの作品オリジナルの『熱帯植物園編』となります。
時系列は次に起こる信号機シナリオの直前なので、並行して行われるという事はありません。
また、このシナリオは基本青兎くんのみです。仮に誰か来る…となっても、熱斗くんが現れる事は『確実に』ありません。
(熱斗くん以外なら、意見が出て尚且つ入れても問題なさそうなら、追加で出します)

活動報告にこのエグゼ小説におけるリクエスト箱も設置してるので、希望する展開やこんな事してみたら?こんなキャラって出せる?などはそちらに送ってください(感想はダメですよ。消されちゃいますので)。流石に倫理的にアウトなやつは弾きますが。

それでは感想等よろしくお願いします。


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青兎「さすが熱帯植物園…暑いな…」ルシッドマン『ま、今日は遠足みたいなもんだ。軽くいこうぜ?』

オリジナルストーリー、熱帯植物園編です。

元々(青兎くんの父親のモチーフに関連した)何かしらのオリジナルを突っ込む気はありましたが、感想にベノスネーカーを呼んでくる!って方が居たり、ダークライダー等を別世界からのウイルスとかで出しても良いのでは?って意見もあったんで、(用意してた)浅倉登場イベを早めました。あと、浅倉はキャラ崩壊してそう。

ベースとなる話もないので時間は掛かると思いますが頑張ります。



「暑い…」

 

『気温は25度近く…』

 

「快適に過ごす空調とかに慣れてると、結構キツいな…」

 

現在俺は、1人で熱帯植物園に来ている。昨日父さんに貰った招待券を使ったのでタダで来れたが…維持費とかが嵩むのか、子供料金はともかく大人料金はやや割高になっていた。

 

ただその分、生前含め見たこともない植物などを見る事が出来る。フラッシュを焚かなければ写真を撮ることも可能だそうなので、最悪今年の自由研究はここの植物についてでやってみても良いだろう。

 

「ただ、やっぱり暑いな…」

 

水を飲みながらそう言う。

 

その視界の端に、最近見た服装を見つけた途端に途切れたが。

 

「あいつ…」

 

昨日見たあの派手な服装の女だ。何かあっても対応できるように構えるが…

 

「…?すぐ帰ったな…」

 

…ってよりかは、なんかから逃げるみたいに…

 

『何かあったのか…?』

 

「誰かいた…のかもしれない」

 

『けど、そんな血相変えて走るほどの人間って…』

 

「いや、さすがにこんな所にはいないだろ…」

 

俺はこの時、かなり楽観視していた。

 

それもそうだ。生前含めて、そんな危険な目に遭ったこともなかったし(いじめや虐待は別)。

 

ましてやあんな事になるなんて、思いもしなかったんだ。

 

 

 

「しっかし、このネットワーク社会で、こんなにも緑の溢れる場所があるなんてな…」

 

『…もしかして、気疲れ?』

 

芝生の休憩エリアに寝そべりながら、そんな会話をする。

 

「かもなぁ…最近いろんなことがあったし…精神的に疲れが出てたのかもしれない…」

 

実際、昨日は水道局の事件を終わらせて家に帰った後、水を飲んですぐ眠ってしまった。

 

翌日起きた時に父さんから、気を張りすぎて精神的に疲弊してたんじゃないかって言われて、割と納得した。なにせここに来てから事件に巻き込まれまくってるし…

 

けど、こうして緑を見ると落ち着く。

いや、別に緑を見てないわけじゃないんだけど…生前含めて、これだけ多くの緑に囲まれる機会なんてなかった。

 

「おや、君は…」

 

「あ、ここの園長さんですか?」

 

「あぁ。真司先輩…君のお父さんには長年お世話になっててね」

 

「長年?」

 

え、どういう事?

 

「この植物園を開園するにあたって、温度や湿度を管理するプログラムや、植物の成長調整プログラムの設計にそれの保守、それこそ資金の援助とかもしてもらって…頭が上がらないんだ」

 

「…父さんが、そんなことを…」

 

「元々、学生時代のよしみで話をさせてもらったんだけど…このネットワーク社会に植物園を作りたいって話を、自分のことみたいに一緒に考えてくれて…最近ようやく自然保護団体の方からも認めてもらえたんだ」

 

「これだけの緑を何年も維持しないとダメなのか…」

 

「少しの期間だけ維持して、認定を貰おうとする人も残念だけど少なからずいるからね…でも、ウチは真司先輩が管理システムに『ウッドプログラム』を入れてくれてるおかげで維持が成り立ってる…むしろ、そのプログラムがないと、ここまでの規模での管理は出来ないんだ」

 

「ウッドプログラム…!」

 

『それってもしかしなくても…』

 

「あぁ、WWWが狙ってるとは聞いてる。もちろん、セキュリティも強化してはいるが…」

 

ビー!ビー!ビー!

 

「「!?」」

 

『このアラームは!?』

 

「ウッドプログラムのあるエリアに侵入したナビが現れた事を知らせるものだ!」

 

「なっ!?」

 

『なんで…いったい誰が…!』

 

【これかぁ…?マイクは…】

 

「…!」

 

身体が震える。

 

【ここにあるウッドプログラムは、俺が貰った。急成長で出れなくなるだろうが、こんな場所に来る奴らだ。葉っぱと心中できりゃ満足だろう?】

 

「まさか…!」

 

「浅倉、威…!」

 

【ここに来れんのなら来てみなぁ…!俺が相手してやっからよ!】

 

俺は誰も頼れない孤立無援の中、この殺人鬼と対峙しないといけなくなった。

 

…勝てるのか、俺に…

 




こんな状況になったら、基本的にどうあがいても絶望ですね。
この世界では、それこそ電脳につながる端末があれば(実力等が充分あるなら)、解決できるってのが凄いと思うんですよ。
3の話ですが、手術室外のコンパネからプラグインして、手術室のシステムを復旧できるって…下手したら悪用して下さいって言ってるようなものですし…(もちろん通常時はそんなこと出来ないようにはなってるだろうけど…)。

ちなみに、リクエストなどで誰か来ると決定した場合は、外にある端末からの干渉になります(もちろん味方サイド(と数えられる人)のみ)

活動報告にこのエグゼ小説におけるリクエスト箱も設置してるので、希望する展開やこんな事してみたら?こんなキャラって出せる?などはそちらに送ってください(感想はダメですよ。消されちゃいますので)。流石に倫理的にアウトなやつは弾きますが。

それでは感想等よろしくお願いします。


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青兎「倒せるのか…?」ルシッドマン『やるしかないだろ!』

どんどん進んでいきましょう。
電脳はどんなギミックにしようかな…って色々考えましたが、最終的にこんな感じになりました。




「…ふぅ…」

 

なんとか呼吸を整えて頭を回す。

 

やるべき事は、ここからの脱出に、ウッドプログラムを奪い返す事。

 

その為には…

 

「園長さん!近くにある端末は!?」

 

「…え?あ、端末…端末!?まさか君が行くのかい!?」

 

「じっとしてても、絶対にどうにもなりませんから!俺がやります!」

 

「で、でも…」

 

「ようやく夢を叶えたのに、こんな理不尽で諦めるんですか!?」

 

「だが、しかし…」

 

ここまで来てかなり言い渋っていたが、諦めたのか

 

「…この道を道なりに少し進んだ先に、植物図鑑のデータベースに繋がる端末がある。そこからならシステムの中枢に行ける…これがそこで使うキーだ」

 

しょくぶつえんキーを手に入れ、すぐにその端末に走る。

 

ここに熱斗(主人公)はいない…つまりこれは物語の『()』の話…だから今!ここにいる俺が、ケリをつけなくちゃいけないんだ!

 

「青兎くん…すまない…気をつけてくれ…」

 

その言葉は走っていった俺に届くことはなく、

 

「プラグイン!ルシッドマン EXE、トランスミッション!!」

 

無我夢中で端末にプラグインした。

 

 

 

 

植物図鑑の端末の電脳自体は、他の独立した電脳と作りは変わりないが、奥にワープホールがあった。

それに入り、移動した先には…

 

『…樹、だな…』

 

「あぁ…」

 

中央には、下部に幾つもの穴がぽっかり開いた大樹が存在し、その穴からは様々な向きの矢印が付いた床が伸びていた。

 

『で、この扉にこのキーをかざして…』

 

しょくぶつえんキーを使用して先に進もうとする時、その側で倒れているナビがいた。

 

「待て!そこにナビが倒れてる!」

 

『マジかよ…!おい、大丈夫か!誰にやられた!』

 

『む、紫色のヘビ、みたいなナビだ…ここのシステムを荒らして、奥に居座っ、てやがる…』

 

『ここのシステムを正常化するには!?』

 

『あの大樹…オペレーターの子も、見えてるな…?そこの、大樹に向かって伸びてる…矢印の床を踏めば、あの大樹の中に辿り着く。そこから外側に…伸びてる矢印の先に…』

 

「…おい、しっかりしろ!」

 

『あ、ぁ…すまない…その先に、システムを調整する、装置がある…そのキーは、園長…だな…?ならそ…を、装置にかざ……装置は元に、戻る…全部……装置、4つ…それを…直して、大樹の中、の…』

 

『おい、ダメだ…!起きろって…!』

 

『気をつけ…横の樹…か…へ…が…』

 

その言葉を最後に、倒れていたナビは沈黙。何も応えなくなった。

 

「…行くぞ」

 

『あぁ…こんな事する奴は絶対に許さねぇ…』

 

俺たちは、しょくぶつえんキーを使い扉を開け、先ほどのナビの屍を横に退け、前に進む。

 

さっき言われた矢印の床までは一直線…そのまま突っ切って…

 

『気をつけ…横の樹…か…へ…が…』

 

「…!!ルシッドマン下がれ!」

 

『!?』

 

俺の声を聞いて、一拍置くこともなく飛び退いてくれたルシッドマンの前を横切ったのは

 

シャァァァ!!

 

『ヘビ…!?』

 

「やっぱり…あのナビが残そうとした最後のワードはこれか!」

 

横の樹のオブジェクトから蛇が飛び出てくるとか…厄介過ぎるだろ!

 

「ん、待てよ…?リズムは固定か…?なら…」

 

『青兎、どうした?』

 

リズムを読んで…今!

 

「GO!」

 

『…!』

 

よし、狙い通り。

ヘビが出てこないタイミングで突破できた。

 

「よし、抜けたか…!」

 

『いきなり言うなよ!反応出来たから良かったけど!』

 

「あのヘビが出てくるリズムは一定だった。だから一回観察して、出てこないタイミングで抜ければいいって思ってな」

 

『なるほど、そういうことか…先を急ぎたい俺たちにすれば、かなりやり辛いな…』

 

「確かにそうだけど、ダメージを受けまくった状態で指名手配犯のナビ…相手に出来るか?」

 

『無理!』

 

「だろ?だから落ち着いて、少しずつ進むんだ」

 

『了解…』

 

あんなトラップを用意するとか…かなり狡猾だな…一定のリズムだからまだマシだが…そうと見せかけて…なんてのも警戒しないとな…




この話や電脳の仕掛けを考えてた時に、ふと頭に浮かんだのがアナコンダロボの電脳。相手はヘビモチーフだし、場所も熱帯関連。となれば、ヘビもなにかしらで出してやろうって考えに至りました(デンパくんのポジションはシステム調整装置が一生懸命務めてくれます(バグってるんだから務めを果たせてないじゃねぇか!ってツッコミは無しで))。
また、要望があればこの電脳のマップを、上から見た平面だけですがマップを頑張って書きます。絵心はないので、期待はしないで下さい。

活動報告にこのエグゼ小説におけるリクエスト箱と青兎くん宛のメッセージボックスを設置しています(目次にリンクあり)。
希望する展開やこんな事してみたら?こんなキャラって出せる?などはリクエスト箱に、青兎くん宛に直接アドバイスやチップをダイレクトに送りてぇ!!って方はメッセージボックスに送ってください(感想はダメですよ。消されちゃいますので)。流石に倫理的にアウトなやつは弾きますが。

それでは感想や(チェックは一応していますが)誤字脱字報告等よろしくお願いします。



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ルシッドマン『まずどこから行く?』青兎「そうだな…」

先日活動報告で言った通り、仕事が新型コロナによる生産減少の終了が繁忙期に掛け合わさったのでまた3ヶ月ちょっとお待たせました…
やはりというべきか、夏頃みたいな更新速度には出来ないかもです(個人的な用事もあるので)。

感想やメッセージボックスにメッセージなどを送ってくださった方々、本当にありがとうございます。
一応送られた分は全部採用していくつもりではありますが、基本的に1話で一通分ずつ、多くて二通分でいきます。
これは…はい、完全に作者の描写力不足が原因です。
あと、投稿までに届いたもの全てを1話に凝縮しようとすると、間違いなくかなり長くなってしまい、その分皆さんをお待たせする事になると考えたからです(以前1年半お待たせしたのは本当に申し訳ございませんでした…)。

まだまだ続くよ植物園。ではどうぞ。



なんとかヘビの奇襲から逃げ切り、ルシッドマンは大樹の中へ辿り着いた。

 

『あっぶね…』

 

「なんとか切り抜けられたか…」

 

ただ、息をつく暇なんてない。

 

「えぇっと…?道は5本で、セキュリティのトビラで1本塞がってるから実質4本…装置の数と一致するな…」

 

道は、右斜めと左斜めの上下とセキュリティが働いて進めない真正面の、合計5本に延びている。

あと、中心には黒くなってるワープホールが。単純に機能してないのか、どこかからの一方通行なのか…まぁそれは良いか。

 

どこから行くか頭を悩ませようとした矢先、

 

『…右斜め上から行こう』

 

ルシッドマンがそう発言した。

 

「…根拠は?」

 

『なんとなくの勘…としか言いようがない。

けど、一番最初はそこから行ったほうがいい気がして…』

 

「ふーむ…」

 

確かに今は悩んでる場合じゃないし、ここはルシッドマンの直感を信じるか…

 

「わかった。ただ、ヤバそうならこの大樹の中に戻って立て直そう。あの木と木の間を通るだけなら、ここには入ってこないはずだしな」

 

そう言いながらルシッドマンをその道に行かせたので、そこから道なりに直進しようとした時。

 

『ん?なんかメールが届いてる…?』

 

メール?一体誰から…

 

『えっと?差出人は…謎のチップ開発者R…?

え、これ…開ける?』

 

「…開けよう!もしかしたらとんでもない物が入ってるかもだし…」

 

『え、青兎って意外と怖いもの知らず?』

 

違います。

生前の体験考えたら、こっちの世界でのトラブルはまだ軽い軽い。

その上ウイルスメールだとしても、ルシッドマンで倒せばいいだけってのも大きい。

 

『じゃあ読むぞ…なになに…

 

初めましてかな?青兎君。今日も元気にしてるかな?

え?俺が誰かだって?謎のチップ開発者Rだよ。

まぁ〜、マーリン見たいな奴と思ってくれればいいよ。

今回は苦戦しそうな時にちょっと便利なチップを送らせてもらうよ。

どう使うかは任せよう。避けられないように使うんだよ?

 

…あ、チップも付いてるな…にしても、避けられないようにって…どういう事だ…?』

 

そんなことをルシッドマンは言うが、俺は心の中で驚愕しながら、冷や汗を流しまくっていた。

 

「(いやこれ避けるのなかなか大変だと思うんだけどぉぉぉ!?

というか、このメールのチップ!!fateのエミヤの武器とかじゃん!!え、この世界には俺以外にも転生者がいるって事か…?いやでも、ならなんで俺のメアド…まぁいっか)」

 

混乱しながらも、チップの説明やメールの最後にあったPAに関しての説明に目を通す。

 

…いやコレマジでエミヤじゃん…コレ使って大丈夫…なん、だよな…?

 

『青兎!ウイルスだ!せっかくだし使うか!?』

 

「やってやるか!!」

 

と意気込んだは良いけど、この道は見る限り一本道なので、ここからはダイジェスト…もといウイルスたちのdieジェストでお送りします。

…誰に言ってるんだろ、俺。

 

「バトルチップ『カンショウ・バクヤ』スロットイン!」

 

『ハァッ!…いやなんだこの軌道!?』

 

「ブーメラン系チップを元にしたそうだけど…」

 

 

「お次はこいつだ!『ブロークン・ファンタズム』スロットイン!…他のチップも加えて、と」

 

『せいっ!…剣が爆発したぁ!?ていうかダメージバラバラじゃねぇか!?しかもその後に送られてきたミニボムもリカバリーもなぜか使えねぇし!』

 

「え!?…あ、説明に書いてたわ…」

 

 

「えっと…?これは…こうか!『カンショウ・バクヤ』『オーバーエッジ』ダブルスロットイン!」

 

『そいや!…なんか剣がデカくなってる!?え、回って回って…最後なんかデカイ剣2つ振り下ろされたんだけど!?』

 

「ほへー…こうなるのか…」

 

 

「装置までもうちょい!最後はコレだ!『カンショウ・バクヤ』『オーバーエッジ』『ブロークン・ファンタズム』トリプルスロットイン!」

 

『プログラムアドバンス、アンリミテッドBW(ブレイドワークス)!』

 

ズドドドドド…

 

「『おぉ!空から剣が!!』」

 

カッ!ドゴーン!!

 

「(あ、やっぱ最後は爆発なのね…)」

 

 

 

そんなこんなで一つ目の装置にたどり着いた。

ん?ヘビ?この道はほとんど出なかったよ。木が少ないってのもあったけど、出てきてもリズムがかなり単調だし、ペースも遅かったから無傷で済んでる。なのでカットしました。

 

『確か、このキーをかざせば…』

[システムを再起動します…再起動完了しました]

「よし、これでまず1つ!」

その途端、ルシッドマンの近くにワープホールが現れた。

『ん?もしかしてこれって…』

ルシッドマンがそう言いながらワープホールに入ると、大樹の中心にあった機能してないと思ってたワープホールからルシッドマンが現れた。

 

「なるほどね…システムの点検とか終わったらそこからすぐ帰れるように一方通行にしてる訳か」

 

『行きだけ自分で歩いてってのは、ヘビのトラップとかが暴走してないかどうかを確かめる為か?』

 

「多分そうじゃないかな…っと、無駄口叩いてる暇はないよな…さっさと次に行こう、次」

 

『おう、俺たちでなんとかしないといけないからな…』

 

ようやく1歩、あいつに近づいた。

何も起こらなきゃいいけど…

 

 

 

 

 

「…アイツ、まさか1人でアイツを倒そうとしてるネ…?」

『どうするの?彼のこと。手伝う?』

「…もうちょっと隠れてるネ…」




最後の子?はて…?ダレデショウネェ…()
理由は(無理やりだけど)考えてはいるんです!許してください!なんでもはできませんが!(このネタの使い方これであってます?)
あとすいません…進みがおっそいのは重々承知なのですが…少しでも進めておかないとってことでこうなりました…

活動報告にこのエグゼ小説におけるリクエスト箱と青兎くん宛のメッセージボックスを設置しています(目次にリンクあり)。
希望する展開やこんな事してみたら?こんなキャラって出せる?などはリクエスト箱に、青兎くん宛に直接アドバイスやチップをダイレクトに送りてぇ!!って方はメッセージボックスに送ってください(感想はダメですよ。消されちゃいますので)。流石に倫理的にアウトなやつは弾きますが。

それでは感想や(チェックは一応していますが)誤字脱字報告等よろしくお願いします。


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???『ここから先は!』?????「私たちも同行するネ!」青兎・ルシッドマン「『誰!?』」

口調合ってたかな…


ようやく一つのシステムを復旧し、さぁここからだ…って思った時、裾を引かれる感覚がした。

 

「…?…!?」

 

そこに居たのは、しゃがみながら近づいてきていた女の子だった…って女の子!?

 

「しっ!あんまり反応するとバレちゃうネ!」

 

「あ、ごめん…」

 

こんな所に隠れてた子がいたのか…いや、割と小柄だし、隠れる場所にはあまり困らなかったのか?

 

「手が足りないようだから手伝うヨ!プラグイン!メディ.EXEトランスミッション!」

 

「いや、ありがたいけど…!相手は指名手配犯だぞ?!」

 

「アンタも他人の事言えないネ!」

 

「うぐっ」

 

正論で突っ込まれた…ていうか、

 

「えっと、君は?」

 

「あ、ワタシジャスミンいうネ!チョイナから来たヨ!」

 

「チョイナ…」

 

確か、前世では中国にあたる所だったよな…?

 

そんな事を考えながらも、手と目を休めずルシッドマンを進ませ続ける。

 

「何が目的で一人で日本まで来たんだ?セイリュウリンスロットイン

 

「おじいちゃんが病気になったネ。それを治すのにニホンの医学の勉強に来たヨ。あ、ここはこのカプセルでいくネ

 

「これ強化バスターみたいなもんか…?それで植物園を選んだってことは…薬草とかの視点からか?ゲンブゴウダンスロットイン

 

「まぁそんなところヨ…ところでさっきから見たことないチップばっかり使ってるネ…あー、適応するカプセルがないネ…

 

「なるほどロケットパンチかぁ…いろんな人が送ってくれるんだけど…まぁ作っただけだと分からない事もあるだろうから、その辺のテストも兼ねてるんだろうなぁって…ビャッココウスロットイン

 

『え、すっご。敵がふっ飛んでる…』

 

『俺からすれば、ふっ飛ぶだけかって感じだな…慣れって怖い…

 

『さっきのより凄いのがあるの…?』

 

『まぁ、色々と…』

 

「『…ニホンってもしかして魔境(カ)?』」

 

「『違う!…と思いたい…』」

 

そんなこんなで2つ目の装置に辿り着いた。

 

『さてと、これをかざして…』

 

『待って!ウイルスが!』

 

「マジか!」

 

くっそ、まさか装置にも仕込んでるなんて!

 

「間に合うか?マイスザクスロットイン!」

 

『ハァッ!』

 

「今度は剣舞カ!?」

 

なんとかチップが間に合い、 ダメージもなくウイルスのデリートが出来た。

 

『今度こそ…』

 

[システムを再起動します…再起動完了しました]

 

「これで2つ目…!」

 

「装置はあといくつネ?」

 

「あと3つ!」

 

「気合入れていくヨ!」

 

とはいえ、即席コンビな上に相方は女の子…こっちの世界で何かあれば、俺が盾にならないと…




2020年内に!
間に合いませんでした!!
申し訳ありませんでした!!!
しかも全然進んでおりません!!!!

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青兎「後悔はしてる…俺がもっと強ければ…」

また1年半以上お待たせしてしまいました…申し訳ありません…

仕事の忙しさにかまけていた、そう思われても仕方ないくらいですが、言い訳がましい理由は一応ありまして…
その辺りの詳しい話は活動報告にて


ピッ…ピッ…

 

今、俺はある病室の前で、ベッドで眠りについている園長さんの姿を目に焼き付けていた。

 

『こんな事になるなんて』

 

『あの時ああしていれば』

 

そんな思考が次々に浮かんで消える。

 

隣には、一緒に園長さんを見ているが、怒りの形相になっている父さんがいる。

 

この顔を見るのは2度目だ。

 

「…青兎。今、俺がなんで怒ってるか分かるか?」

 

あの事件が終わった後、泣きながら俺の頬を引っ叩いたもこう聞かれた。

 

「それは…」

 

 

 

 

2つ目の装置を正常化した後、なんとか3つ目の装置も正常化し、4つ目の装置に向かっていた俺たちだったが、

 

『ヘビの数が多すぎる…!』

 

出てくる木も多ければ出てくるヘビも多い…ダメージ覚悟で突っ走ろうとして、

 

『これ、別のシステムは無いの?こういうのは過剰な動きを抑制するためのシステムもあるはずだけど…』

 

『「それだ!」』

 

現在そのシステムを探して奔走中である。

 

「そっちはどうだ?」

 

「ダメだヨ…見つからないネ…」

 

『こっちにも無いな』

 

『おかしいわね…でもあの数は明らかに過剰すぎるし…』

 

そんな中、探していた通路を見て、何かこう…妙な感覚がした。

 

「なぁ、そこの行き止まり…なんか妙じゃないか?」

 

『妙…とは?』

 

「いやなんかこう…行き止まりとして突き出てるにしては、妙な角度してね?」

 

そう、行き止まりではある。あるんだけど…最後の所だけ鉤括弧のように直角に曲がって行き止まりになっているのが、気になったのだ。

 

「…チョイナのインターネットとかでは、『見えない通路』とかあったりするのか?」

 

「うーん…私はその辺りはちょっと分からないヨ…あ、メディは心当たりあるカ?」

 

『あるにはあるわね。ちょっと前は覗かれたくない日記帳だったりとか、機密データをやむを得ず自分のHPに置いたりする際には、道を知ってる人だけが行けるように、見えない通路の先にそういったデータを配置する手法が取られたりはしてたわ。まぁ、今となっては、ここの電脳みたいにセキュリティトビラで最初っから閉じちゃう手法が主流にはなって来てるけどね』

 

『へぇ、色んな場所を回って来たんだな』

 

『一応、本業は医者だからね』

 

「となると…ルシッドマン、ちょっと行ってみてくれるか?」

 

『分かった!』

 

そうして行き止まりへ向かい、色んな方向に向かって進もうとして

 

『…お、この方向に進めるな』

 

「ならメディもついて行ってみるネ」

 

『了解』

 

そうして止まったり進んだりして…

 

『あ!こんなところにスペースが!』

 

『さっきの装置と似てるわね…これがヘビの制御装置かしら…』

 

「多分ウイルスが出るんだろうなぁ…」

 

なんて言ってたらやはり出て来たので、即対応する。

 

ウイルス戦?カットで。

 

『お、ヘビの数が明らかに少なくなった!』

 

『これなら通れるわね!』

 

「気をつけろよ、何があってもおかしくはないんだからな!」

 

とは言ったものの、何事もなく4つ目の制御装置に到着し、出てきたウイルスも難なく打ち倒した。

 

「これであと1個ネ…!」

 

「そこには浅倉のナビがいる…気を引き締めないと…!」

 

そうして俺たちは帰り用のワープホールを抜け、セキュリティトビラが開いた先の5つ目の装置へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハハッ…みーつけたぁ…!

 




見えない通路の件に関しては、要は5のメイルのHPのアレです。
初見(作者からすれば初めてのエグゼ)プレイで事前情報なしで見えない通路に入った時の恐怖感と不安が凄かったです…(これがあったので他のエグゼも隠し通路前提の進み方をしていた)


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ジャスミン「私を守ろうとしただけヨ…青兎何も悪くないネ…」

話を進められない作者で、本当にすいません…


 

未だに動かそうとすると痛む腕を見ながら思い当たる罪を数える。

 

「1つ目、館長さんの指示を無視して、1人で突っ込んだ。

2つ目、ジャスミンと出会った時点で2人で逃げるべきだった…

3つ目は、誰も来ないうちに俺がやられた事。

4つ目は…館長さんをこんな目に遭わせてしまった事…!」

 

「…まだだ、5つ目が残ってるぞ」

 

「…え?」

 

 

 

「…!!!!」

 

「ひっ…!」

 

声のした方を思わず向いた。

 

そこにはヘビの鱗のような服を着た男がいた。

 

全身が震えを越して痺れすら起こす。

 

それでもジャスミンを背に隠せたのは、わずかながらに残っていた意地と幸運が成したものだろう。

 

「お前らか…さっきからウロチョロしてたガキ共は…」

 

「…だったら?」

 

「WWWからは、ウッドプログラムさえ手に入ればここは用済みだから、証拠隠滅のために潰せって言われてんだよ…まぁ、それが取引の条件だったからなぁ…」

 

「取引…?」

 

俺がジャスミンに気づく前に、ジャスミンがオフィシャルに通報していたらしいので、なんとか会話で時間を稼いでオフィシャルが来るのを待つ事にした…が、

 

「ハッ!そこまで言ってやる筋合いは無ぇ!これ以上ウロウロされるとイラつくんだよ…」

 

くそ、会話を切られた!しかもマズイ!手には…鉄パイプ…!

 

「俺のナビはチップなんざ使わなくても戦えるからなぁ…PETだけプラグイン状態で放っておけば動けるんだよ…つまりなぁ…

お前らも!お前らのナビも!どっちもこの世界から消してやるよ!」

 

クソ、こいつそれが狙いか!

しかもプラグインしてるから逃げられねぇ…!

 

「ジャスミン!ここは俺がなんとか受け続ける!ルシッドマンのオペレート、頼めるか!?」

 

「えぇ!?2体のナビの同時オペレートネ!?流石に無理があるヨ!?」

 

「じゃあルシッドマンはオートで良い!時間経過でチップの自動選出を使える!メディはその間の時間稼ぎとサポートを!」

 

「それなら…!分かったネ!」

 

「へっ、無駄話は終わりか?そらぁ!」

 

ミシッ…

 

「ぐっ…」

 

今、腕が…ミシッていった…!

 

流石に何発も受けれな…

 

「ハッ、もう終わりか?ぁぁん?」

 

ドゴ、バゴ、ガン!

 

「あっ…ぐ」

 

だけどまだ…これくらいなら、転生する前にいくらでも味わってきた…!

 

「まだ…だ…!」

 

「おっ、珍しいな…あれだけやってまだ立てるのか…殴りがいがあるなぁ!」

 

「早く…早くしないと…青兎が死んじゃうヨ…!」

 

 

 

 

『青兎!?』

 

青兎との通信が途絶えた…!いや、一瞬見えたのは…あの指名手配犯か!?

 

『しまった、こいつ元は自律型!?』

 

『おう、よく分かったな女ぁ…けどまぁ…だからと言ってお前らに勝ち目は無ぇがなぁ!』

 

『くっ!ケミカルボム!』

 

メディが投げる錠剤型の爆弾も

 

『ハハッ!行け、ベノスネーカー!』

 

『シャァァァァァ!!!!!!!!』

 

『嘘でしょ!?そのまま突っ切ってきた!?』

 

そのヘビの突進をなんとか避けるが、打開策が浮かばない。

 

そうこうしてるうちに

 

『ハッ、貰ったぁ!』

 

『…!』

 

ズシャッ…

 

『ルシッドマン!』

 

俺はいつの間にか近づいていたオウジャの剣で斬られていた。しかもこの感じ…HPバグ付きか!

 

『まだデリートされねぇか…だがこれで終わりだ!』

 

だが、俺に近づいたな?

 

『グッ!?テメェ…!』

 

『メディ特製のホワイトカプセル付きビャッココウ…!さらにエリアスチール!』

 

『しまっ…!』

 

『終わりだ…セイリュウリン+ゲンブゴウダン+マイスザク…!プログラムアドバンス…Code…キリンアサルト!』

 

『ぐぁぁぁぁぁ!?だ、が…!麻痺さえ解除すれば…!』

 

『させない!ホワイトカプセルボム乱れ投げ!』

 

『ゲェ!?ゴガガガガガガ!』

 

ナイスメディ!あとは…!

 

『この連撃を!全部!叩き込むだけだ!』

 

『ゲァァァァァ!!!!!』

 

なんとか…デリート、で…

 

ドサっ

 

『なっ、ルシッドマン!?これは…毒!?解毒しないと…!』

 

マズ、イな…回復…おい、つ…か…

 

 

 

「が…ぁ…」

 

「へっ、もう何十発も受けてんだ…ここらが限界だよなぁ!クソガキぃ!」

 

「ぼへっ…」

 

「…!青兎!あのヘビのナビ、デリート出来たネ!」

 

「あん!?あの野郎…こんなガキ共のナビに…!」

 

ま、ず…ナイ、フ…

 

「イライラするぜ…死ねやァァァァァ!!」

 

いし、き…が…

 

「おぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

グシャっ

 

…痛みが、ない…今の声…まさか…

 

「てめぇ!邪魔すんじゃねぇ!」

 

「この子は…恩人の子でね…これ以上は傷付けさせんよ…!」

 

「クソ!邪魔だ!」

 

「ゴッ…」

 

あぁ…俺が…俺がやられたから…俺なんかがやられたから館長さんが…

 

「くそ…くそぉ…!」

 

「チィッ!おいそこの女ぁ!お前も頭蓋叩き割ってやるよ…」

 

「ひっ…ぃ…」

 

けど、その鉄パイプが振られる前に

 

「嫌な予感ってのは…当たっちまうもんか…!」

 

「テメェどこから…!」

 

そんなやり取りが聞こえてきた

 

館長さん、大丈夫かな…

 

あの子は、無事かな…

 

俺なんかどうでもいいから…

 

あの2人は…助けて…

 

そんな事を思いながら、俺の意識は途切れた

 




メンタルブレイクは強敵です…皆さんもご自愛ください…

救援者のヒントとしては『この世界は電脳世界で起こってる事が現実世界にもフィードバックされる世界』であること、そしてその前提の上で『異常発達した木を効率的にどうにかできる人』で、『青兎くんを助けようとしてくれる人』です

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青兎「何がいけなかったんだ…」

お待たせしました
アドコレをやってモチベを少しずつ回復しておりました
そしてなんと、お気に入りが100を超えておりました…!
アドコレ効果をひしひしと感じております


 

 

5つ目の罪…?

 

「青兎、お前は『女の子を泣かせた』」

 

「…!」

 

あぁ、やっぱり…ジャスミンを泣かせちゃったのか…

 

「確かにあの場、あの状況では、最善だった…間違いではなかったさ。あの場で誰かを守ろうと出来るのはすごい事だ」

 

「…」

 

「けどな?相手は鉄パイプにナイフ、それも殺人犯って分かってる相手…無謀と勇気は履き違えたらダメなんだ」

 

「それでも…俺は…」

 

「分かってる。青兎は優しい奴だ。けれど、お前が傷ついて悲しむ人が居る…それだけは絶対に忘れないでくれ…」

 

「……」

 

分かった…って一言が言えなかった

 

前世でそんな人は居なかった

 

まず父親は論外(殴るわ蹴るわ人格否定するわだから)(そのくせ外面だけはいいから、警察を言いくるめて捕まらなかった)。

 

いじめの際の母親や兄貴ですら、怒りこそすれど、一緒に悲しんではくれなかった

 

実感がないんだ

 

愛されてる実感が欲しかった

 

けど、俺は転生した身だ

 

今の両親から産まれたわけじゃない

 

そんな俺が…愛されていいのか?

 

 

「青兎」

 

考えがグルグルし始めた矢先、あの時助けてくれた人の声が聞こえた

 

「ヒノケンさん…」

 

「ちょっとツラ貸せ…真司さん、ちょっと青兎くん借りていきます」

 

「…あぁ、頼みます」

 

 

 

「青兎、お前…自分の命を軽く見ちゃいないか?」

 

「…そんな事は『あるんだよそれが』…!」

 

「お前、病院に運ばれてからはずっとうなされてたんだ。『俺はいいから2人は…』ってずっと言ってたんだぞ」

 

「いや、まさか…」

 

「事実だ。お前、自分の事を勘定に入れてないだろ…だからあんな無謀が出来たんだ」

 

「…あの場ではあれが最善だったんだ…」

 

「あの女の子…ジャスミンって言ったか。お前が起きるまでずっと手を握ってた…泣きながらな」

 

「…」

 

「『自分があの場にいたから、あそこでずっと隠れていれば』って言い続けてたぞ…自覚しろ。お前は、お前の思ってるよりずっと大切にされてるんだよ」

 

「…じゃあどうすればよかったんだ!あの場で、足止めしてなかったら!間違いなく全員死んでた!」

 

「それが間違いとは誰も言ってねぇだろ!」

 

「っ!」

 

突然の怒鳴り声に、思わず身体が強張る

 

「館長は重症だし、お前も身体中ボロボロだ。けどよ、死んではないんだ。確かにお前はあの場で何回も判断を間違えた。けど、最後の最後に最善を尽くしたんだ」

 

「…ジャスミンは?」

 

「なんとか間に合ったからな。あの子は無傷だ」

 

「よかった…」

 

「オフィシャルの聞き取りとかもあったから…多分、今はロビーにでも居るんじゃないか?」

 

「…行ってきていいですか?」

 

「おう、俺から真司さんには言っとく」

 

「じゃあ、行ってきます」

 

 

 

 

 

「とは言ったものの…合わせる顔がないんだよな…」

 

会って何を話せば良いんだ…

 

俺なんかより怖い思いしたのに、ずっとそばに居てくれたあの子になんて言えば…

 

「「あっ」」

 

気づいたら目の前に居たよ本人!ダメだぁ…もう逃げられねぇ…

 

「ケガ、大丈夫カ!?」

 

「あー、動けるくらいにはなんとか…ただ度合いが度合いだから、しばらくは入院だってさ」

 

「当然ネ!というかベッドに括り付けられてないのが不思議だヨ!」

 

「え、そこまでされる必要ある!?」

 

「意識取り戻したかと思えば、止めるのも聞かずに急に動いて、傷を開いたの何処のダレだったカ!?」

 

「うぐっ」

 

言わなきゃバレなかったものを…!

 

いやまぁ、その点は…反省してます…

 

…って、結局ジャスミンから話されてばっかりだ…こっちからも…

 

…何言えば…

 

「あー、その、えっと…」

 

「ん?どうしたカ?」

 

「その、色々とごめん」

 

「謝る必要まったくないネ!そもそも巻き込んだのはコッチ、青兎悪くないヨ!」

 

「いや、怖い思いをずっとさせたし、なんなら目の前で死ぬかもしれなかった…ほんっとうにごめん…」

 

「ハァ…青兎?いいカ?」

 

「へ?」

 

「青兎は、いちいち自分を下げ過ぎネ!今アタシがココに無傷で居る!館長さんも死んでない!何より青兎自身も生きてル!全部青兎のおかげなんだヨ!」

 

「…」

 

「青兎はもっと胸を張るべきネ!いつまでしょげてる気カ!」

 

「…うん、ほんっとゴメン…あと、ありがとう」

 

「分かったならイイヨ!っと…そろそろネ…」

 

「ん?何かあったっけ?」

 

「アー…実はこっちには短期の予定で来てたカラ…そろそろ帰らないとダメなんだヨ」

 

「…そっか」

 

そういえばそうだ。海外から来てるなら当たり前ではある…けど、なんか寂しくなるな…

 

「事件のことで、特例として長くしてもらったけどネ…ケド、今の時代インターネットもあるし、PETもあるから、連絡くらいはいつでもできるヨ!コレ、アタシの連絡先ネ!」

 

「あ、じゃあこっちも…」

 

「ン!確認したネ!青兎!次会う時は、しっかり胸張れるようになってるネ!」

 

「あぁ、努力『約束するネ!』あー、はい…約束します…」

 

「ヨシ!ならそろそろ行くネ!」

 

「…じゃあまた、どこかで」

 

「またどこかデ!」

 

 

 

 

 

ジャスミンを見送って、病室に帰るとそこには父さんとヒノケンさんがいた

 

「どうだった?」

 

「胸張れる自分になれって、約束させられちゃいました」

 

「ははっ!どうやらだいぶ言われてきたな?」

 

「色々と考えさせられました…」

 

「な?お前を大事にしてる人間は、お前の思ってる以上に居るもんだ。その縁は忘れたらいけないぞ」

 

「うん、ありがとう」

 

そうだ、今はあの前世じゃない…今生きてるのは、ここにいる自分であって…

 

ん?俺は今この状態で転生してきて…秋原小学校に『転校』して…

 

…俺が『俺』になる前って…どんな感じだったんだ…?

 

「ねぇ、父さん…」

 

「なんだ?」

 

「俺って…前の学校で何があったの?」

 

「…?……!あぁ、やっぱり…」

 

「?」

 

「いや、そうか…そうもなるか…その、青兎は、少し不安定な時期が続いていたりしてたからな。それを少しでも解消したくて転校させたんだ」

 

「具体的になにがあったかは、教えてくれないんだね」

 

「…気になるだろうけど、忘れてる方がいい事もあるんだ…だから…」

 

あー…これ完全に藪蛇だったか…

 

けどこうなると尚更知りたくなるな…

 

…なぁ『宮藤青兎』、お前一体なにがあったんだ…?

 




なにやら伏線とも言えないモノをばら撒き始めましたが、早めに回収しようとは思います

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