個性:『ゴースト』 (ゲイツ幻夢アーマー)
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個性:『ゴースト』

試し書きしてみました


“個性”と呼ばれる能力が一般的になった現在、緑谷出久は無個性として生まれ、

幼なじみの爆豪勝己から“木偶の坊”の【デク】と呼ばれて周りからバカにされてきた。

そんなある日、No.1ヒーロー『オールマイト』に偶然会い、出久は彼に訪ねた。「無個性でもヒーローになれますか?」と…。しかし、彼からの返答は「夢を見るのは悪いことではない。だが、現実も受け入れなくてはな。」と彼の夢を否定するものだった。

No.1ヒーローであり、自身の憧れの存在の言葉に絶望し、途方にくれる出久の前に不思議な穴が現れ、出久は穴の中へと吸い込まれてしまった。

 

出久が目を開けると、そこは自分の知っている世界ではなかった。街を見れば、ヒーローのポスターや事務所はなく、すれ違う人にオールマイトや“個性”のことを聞いても知らない…というより、最初から存在していないかのような反応ばかり帰ってきた。

出久「僕はどこにいるんだろう…」

悩みながら街を歩いていると、突如爆発音が聞こえてきた。

出久「な、なんだ⁉️」

突然のことに戸惑っていると爆発音がした方向から、大勢の人々がなにかから逃げるように走ってきた。

「逃げろー‼️」

「早くここから離れろ‼️」

「“ショッカー”だー‼️」

出久(ショッカー?)

聞き慣れない言葉に頭を傾げていると、黒い全身タイツのような服を着た集団が人々を襲い、建物を破壊しながら此方へ進んできていた。

出久(敵(ヴィラン)⁉️)

一瞬、出久は自分の世界にいる悪の存在“敵(ヴィラン)”だと思ったが、ここは自分の知っている世界ではない。

出久(あれがさっきの人が言っていたショッカーなのか?)

出久は、逃げながらいくつかのパズルを解くように頭のなかで、今知っている情報のピースを組み立てていた。

“個性やオールマイトがいない”、“自分が知っている世界と異なる世界”、“全身タイツの集団”、そして“ショッカー”…。

 

考えながら逃げていると、一組の親子が転倒してしまった。

出久「‼️」

ショッカー軍団が親子のすぐ後ろまで迫ってきている。

出久(助けなきゃ⁉️…でも、無個性の僕になにができる‼️)

出久は親子を助けようと足を止めた。しかし、同時に出久のあたまの中に、自分の尊敬する二人の言葉が蘇る。

『無個性のお前になにができんだよ、クソナード‼️』

幼なじみの爆豪勝己の言葉、

『夢を見るのは悪いことではない。だが、現実も受け入れなくてはな。』

No.1ヒーロー、オールマイトの言葉。

出久(僕は、無個性だからヒーローにはなれない。)

二人の言葉を思い出し、出久は下を向き動けなくなってしまった。

男の子「ママっ‼️」

母「あなただけでも逃げなさいっ‼️」

男の子「やだ‼️ママといっしょにいる‼️」

 

出久(ッ‼️ 確かに僕は無個性だ。ヒーローにはなれない。でも、困ってる人を見捨てるなんてもっとできない‼️)

出久は覚悟を決め、親子の元に向かった‼️

出久「立って‼️早く逃げましょう‼️」

親子の元へ駆け寄り、一緒に逃げようとするが、

「「「「「「「「「「「「イーーーーーッ‼️

」」」」」」」」」」」」

全身タイツの集団“ショッカー戦闘員”に囲まれてしまった。

絶体絶命の出久と親子は、恐怖のあまりに目を閉じるが

「大開眼‼️オメガドライブ‼️オメガブレイク‼️」

突如聞こえた声に、目を開けると周りにいたショッカー戦闘員が吹き飛ばされていた。

???「もう大丈夫だよ。」

声がした方に出久が目を向けるとそこにいたのは…

 

 

本来の出久の進む未来が変わり、新たな能力を得たことで、新たな未来が生まれた。“ゴーストドライバー”と数多の英雄が宿りし眼、“眼魂(アイコン)”を手にした出久は“仮面ライダーゴースト”となり、命を燃やしヒーローを目指す!!



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主人公設定

設定はこんな感じでしょうか



緑谷出久

 

 

【挿絵表示】

 

 

年齢:16歳

 

個性:無個性→ゴースト

 

身長:170cm

 

体重:60kg

 

幼い頃からヒーローが大好きで、いつか自分も“ヒーローになりたい‼️”と思っていた。しかし、個性診断で無個性の診断を受け、その結果周りからバカにされてきた。中学生になったある日、とある敵(ヴィラン)事件で来ていたNo.1ヒーローで憧れの存在である『オールマイト』に会う。

疑問に思っていた“無個性でもヒーローになれますか?”という質問をするが、彼にそれを否定されてしまう。

途方にくれる出久の前に、突如空間に穴が開き、出久はライダーワールドに飛ばされてしまう。

 

ライダーワールドに飛ばされた出久は、悪の組織“ショッカー軍団”に襲われるが、この世界のヒーロー“仮面ライダー”の一人である平成17番目の仮面ライダーゴーストに助けられた。

 

出久は、ゴーストから“ゴーストドライバー”と英雄の魂を宿した眼“眼魂(アイコン)”を授かる。

先代ゴーストと行動を共にした出久は、ゴースト以外のライダーやショッカー以外の悪の組織に出会い、“本当のヒーローとは何か”を知る。

 

ライダー達の力により、出久は元の世界に戻るが、時間は全く進んでおらず最初は夢かと思ったが、腰に手をかざすと“ゴーストドライバー”が現れ、ライダーワールドに行ったことが現実だと理解する。

 

個性:ゴーストの詳細

 

見た目:仮面ライダーゴーストと全く同じ

 

武器:ガンガンセイバー

ゴースト専用武器。基本のソードモードから、二刀流モード、ガンモード、薙刀モードと形態を変える。

眼魂によって形態が更に変わることも。

 

眼魂(アイコン)

英雄の魂を宿した眼のような形をしたもの。状況に応じて様々な眼魂を使う。※眼魂内の英雄達とは邂逅済み

 

パーカーゴースト

眼魂に宿った英雄がパーカーの形をしたもの。色が様々でフードと袖の形状が異なる。

 

No.00 オレ魂(ダマシイ)

ゴーストの基本形態

オレンジ色の顔に額に角が一本生えている。黒いパーカー“パーカーゴースト”を纏い戦う。

出久が親子を助けようと覚悟を決め、先代ゴーストに会ってから出現した。

 

No.01 ムサシ魂(ダマシイ)

パーカーゴースト:赤色

剣豪宮本武蔵の魂を宿した眼魂。二刀流を得意とし、敵を切り伏せていく。

 

No.02 エジソン魂(ダマシイ)

パーカーゴースト:白を基調とした黄色

発明家エジソンの魂を宿した眼魂。電気を発見し、電球を発明したことから、電気系の技を使い、瞬時の閃きで戦場を上手く使い戦う。

 

No.03ロビン・フッド魂(ダマシイ)

パーカーゴースト:緑色

義賊ロビン・フッドの魂を宿した眼魂。弓の武器で戦い、敵にエネルギー状の矢を放って倒す。

 

コンドルデンワー

ゴーストのサポートメカの1つ。

旧式の電話の形をしているが、コンドル形態になることで敵を探したり、戦闘においては敵を翻弄したりする。

ガンガンセイバーガンモードと合体することで、ガンガンセイバー弓矢モードとなり、ロビン・フッド魂専用の武器となる。

 

No.04ニュートン魂(ダマシイ)

パーカーゴースト:青色

哲学者ニュートンの魂を宿した眼魂。両手がパンチンググローブの形状をしており、重力と引力を発見したことから、重力を駆使して戦うことができる。

 

No.05ビリー・ザ・キッド魂(ダマシイ)

パーカーゴースト:茶色

西武のガンマンビリー・ザ・キッドの魂を宿した眼魂。銃撃戦を得意とし、多数の敵に有効的に戦える。

 

バットクロック

ゴーストのサポートメカの1つ。

四角い置き時計だが、偵察や追跡にも使用できる。

単体でガンモードになることが可能で、ガンガンセイバーガンモードに合体することで、ガンガンセイバーライフルモードになり、より強力な一撃を放つ事が出来る。

 

No.06ベートーベン魂(ダマシイ)

パーカーゴースト:白っぽい灰色

音楽家ベートーベンの魂を宿した眼魂。襟の鍵盤を弾くことで、エネルギー状の音符と5線が出現し相手に放つ。

 

No.07ベンケイ魂(ダマシイ)

パーカーゴースト:白色

武蔵坊弁慶の魂を宿した眼魂。力で押しきる戦闘を得意とし、大槌の武器を使って戦う。

 

 

クモランタン

ゴーストのサポートメカの1つ。

円錐形のランタンの形をしているが、ランタンが開くとクモのような形態になり動くことが可能。特殊な光を放つことで不可視の存在を見ることができる。クモの形態になるとエネルギー状の糸を出し、相手を拘束することが可能。ガンガンセイバー薙刀モードと合体することで、ガンガンセイバーハンマーモードになり、強力な打撃技を相手に与える事が出来る。




眼魂は随時更新予定


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雄英入学
ライダーワールドからの帰還


いざ二次小説書こうとすると、中々案が浮かばずつまずきそうになります。
オリジナルで、小説書いてる人達はヤベー‼️スゲー‼️



出久がライダーワールドから帰還して

出久は家に帰り、母親の緑谷引子に“個性が発現した”といった。引子は、目を丸くして出久がなにを言っているのかわからない様子だったが、目の前で

『開眼‼️』

変身してみせると、引子は驚愕し、出久に個性があることを理解すると目から滝のような涙を流し、そのまま出久を抱き締めた。

 

引子「よかった~~、ホントによかったよ~~~‼️」(泣)

出久「母さん…、ありがとうッ‼️」

 

出久は知っていた。引子が自分を無個性で産んでしまったことに負い目を感じていたことを…。

幼い頃からヒーローに憧れていた自分を側で見てきたのは、他でもない両親(特に母である引子)だった。

出久が無個性だと診断されたとき、

 

引子『ごめん、ごめんね出久…』(泣)

 

泣きながら自分を抱き締めてきた。

幼いながら、辛い現実を突きつけられた出久は日に日に元気を失っていった。その姿を見ていた引子は、それに耐えられなくなり食に逃げ、小さい頃はとても細かったが、今では太ってしまっていた。

そんな母をようやく救うことができたと出久も母・引子を抱き締めた。

 

 

 

 

ライダーワールドから帰還して10ヶ月後…

 

緑谷家

 

???「出久~、ご飯よー」

 

スリムな女性が出久を呼んでいた、彼女は一体…?

 

出久「おはよう、母さん」

引子(?)「おはよう、出久」

 

スリムな女性の正体は、なんと出久の母・引子であった。

個性の発現を告げた翌日、引子は近くのジムへ行きダイエットを開始した。食事制限やスナック菓子をやめ、ダイエットに励んだ結果、わずか10ヶ月で10年前の体型に戻したのである。

(※普通は無理です、小説補正というやつです。急な体重減少は体調不良につながります。気を付けましょう。)

 

出久(どんだけ過酷なダイエットしたら、あんなに痩せるんだ?)

それは出久だけでなく近所の人が全員思っていることであったとかなかったとか

 

引子「出久、いよいよね‼️大丈夫⁉️」

 

出久「大丈夫だよ、母さん。絶対“合格”してみせる‼️」

 

そう、今日は高校入試の日。出久が受けるのは多くのプロヒーローを輩出しているヒーローになりたいものなら誰もが憧れる場所、ヒーローの登竜門“雄英高校”である。

 

出久(今の僕なら、きっと大丈夫だ‼️)

 

中学の進路希望の際、雄英と書き先生に発表されたとき、クラス内から無理だとされた。その時の出久は、“無個性”だったのだから…

 

出久「本当のヒーローはなんなのか、あの人達に全て教わってきた。僕は、その人達に恥じないように精一杯やってくる‼️」

 

引子「出久…」

 

ライダーワールド帰還の夜、出久は自分の身になにがあったかを引子に全て打ち明けた。

ライダーワールドのこと、悪の組織のこと、仮面ライダーのこと、そして本当のヒーローとはなんなのかを…

 

引子『出久、頑張ったわね。』

 

出久『ッ‼️…母さん、信じてくれるの?』

 

引子『あなたは、そんな事で嘘を付くような子じゃないもの。…それに、自分の息子が言ったことを親が信じなくてどうするの』

 

出久『ッ‼️』

 

出久は改めて感じた、母の偉大さを…

 

引子「さぁ、そろそろ時間よ。」

 

出久「うん、行ってきます‼️」

 

引子「いってらっしゃい‼️」

 

出久は、母と恩師達の思いと共に雄英高校へ向かうため家を出た‼️

 

 




長くなりました。
次回、変身します‼️っていうかさせます‼️


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雄英入試と大目玉

スペクターとネクロムは、出したほうがいいのでしょうか?
本編です


出久「で、でかい…」

 

出久は雄英高校校門前まで来ていた。

 

出久(自信持って家を出てきたけど、やっぱ緊張する‼️)

 

ライダーワールドを先代ゴースト変身者“天空寺タケル”と旅をして、気弱な性格は成りを潜め、たくましくなってきたが本番になるとガクブルで緊張することがある。日本人の典型的なタイプである。

 

???「ボーッと突っ立ってんじゃねぇ‼️ぶっ飛ばすぞコラァ‼️」

 

出久「ッ‼️か、かっちゃん‼️おはよう。」

 

勝己「おう‼️」

 

暴言じみたことを言って出久の後ろから来たのは、

出久の幼なじみである“爆豪勝己”

出久の尊敬する人物の一人である。

 

勝己「おいデク‼️ガタガタしてんじゃねぇ‼️俺らでここからトップヒーローになんだろうが‼️」

 

出久「そうだよね、かっちゃん‼️」

 

何故こんなに勝己が出久に優しい(?)のか

それは出久がライダーワールドから帰還した数日後、出久に“個性”が発現したと聞いて、出久に勝負を吹っ掛けたのだ。

 

勝己『おいデクゥ、てめえ個性が出たって?おばさんから聞いたぞ‼️』

 

『俺と勝負しろコラァ‼️』

 

最初は断っていた出久であったが、あまりにも勝己が鬼の形相になっていたので仕方なく勝負したら、圧勝してしまったのだ。

それから入試の今日まで、ことあるごとに勝負を挑んできて、ことごとく返り討ちにしたのである。

 

勝己『デクゥ、てめえ雄英受けるんだったな。』

 

出久『う、うん』

 

勝己『だったら勝負だ‼️俺とお前、どっちがオールマイトを越えたトップヒーローになるか‼️それまで、俺はもう敗けねぇ‼️てめえも俺以外の奴に敗けんじゃねぇぞ‼️もし敗けたら、俺がおまえをぶっ殺す‼️』

 

出久『ッ‼️かっちゃん、うん‼️』

 

勝己はそれから出久を認め、自分と将来を競い合う

ライバルと認識したのだ。

 

出久(一番身近で尊敬していたかっちゃんから認められたんだ。カッコ悪いことはできない‼️)

 

勝己の一喝で、震えが止まった出久は先に行った勝己を追うように、雄英に入ろうとしたら

 

???「キャッ‼️」

 

出久「うん?」

 

???「イタタタ、なんでこんなとこに壁…って人やった‼️すみません‼️すみません‼️」ペコペコ

 

出久「だ、大丈夫だよ、全然痛くなかったし」

 

誰かが出久の背中にぶつかってきたのだ。振り替えると茶髪の女の子がいた。

 

???「そ、そうなん?ならよかった。」

 

出久「き、君も雄英受けるの?」

 

???「そうだよ‼️あっ、もしかして君も?」

 

出久「うん、お互い頑張ろう?」

 

???「うん‼️じゃあまた‼️」

 

出久も彼女の後を追うように今度こそ雄英の中へ入っていった。

 

???(2)「あらあら、やっと見つけましたわ♪

出久様♥️」

 

出久(ッ⁉️)ブルッ キョロキョロ

(なんだろう、悪寒が…)

 

 

 

 

筆記試験は滞りなく終わり、いよいよ実技試験である。

 

???『ヘーイ‼️大勢のリスナー達‼️今日は俺のライブへようこそーーーー‼️』

 

『……』

 

???『オイオイ‼️コールがないのはサビシイナァ‼️もっと楽に行こうぜー‼️』

 

ボイスヒーロー“プレゼントマイク(以降PM)”が受験者の気持ちをほぐすために演説を始めた。

実技試験の説明が終わり、各々が準備を始めていると

 

PM『ハイ、スタート‼️』

 

なんの合図もなく実技試験が始まったが、出久は走り出していた。そして変身せず、仮想敵を“生身”で倒していた。

 

PM『オイオイ、なにボーッとしてんだ⁉️敵はヒーローのことなんざ待っちゃいないぜぃ、これは実技試験なんだからより実戦に近いやり方をしなきゃな‼️』

 

遅れながらも他の受験者達も次々と仮想敵を倒していった。

 

「あいつ、なんで生身で仮想敵倒せんだ?」

「増強系の個性じゃねぇか?」

 

そう、出久は変身せず、生身で仮想敵を倒しているのである。

ライダーワールドで戦った出久は、身体能力が上がり生身でもそれなりに強くなっていた。“クズヤミー”や“ダスタード”、“グール”等といった敵を相手にしていたため、仮想敵程度は問題ないのである。

 

ちなみに以前勝己と勝負をしたとき、身体能力が上がっていたことで加減ができずボコボコにしてしまったのである。

 

 

試験終了時間が迫ってきたころ、出久はポイントを80近く稼いで休息していた。

 

出久(これだけあれば、大丈夫かな。)

 

ドーンッ‼️

 

出久(ッ‼️なんだ‼️)

 

突然大きな音がしたので、様子を見ると

 

出久「でかい‼️」

 

試験会場中央に超巨大の仮想敵が出現していた。

 

「でかいぞ‼️」

「あいつ、0ポイントだと⁉️」

「マジかよ⁉️あんなの叶うわけねぇだろ‼️」

「とにかく逃げるぞ‼️」

 

ほとんどの受験者は0ポイント敵から逃げていく。

 

出久(あの大きさは、ポイントを抜きにしても倒すのは無理だ。雄英側はなにを考えて…ッ‼️)

 

出久は考えながら0ポイント敵を観察していた。

 

???「あ、脚が…」

 

出久「あの子は⁉️」

 

0ポイント敵が建物を破壊したことにより、逃げ遅れた子が瓦礫に脚を挟まれて動けなくなっていた。その子は、校門前で出久にぶつかった女の子であった。

 

出久は彼女の元に向かって走り出していた。

 

???「君‼️なにやってるんだ⁉️危険だぞ‼️」

 

眼鏡を掛けた優等生そうな男子が出久を静止しようとするが

 

出久「あの子が困ってるんだ‼️助けにいかなきゃ‼️」

 

眼鏡男子「なっ⁉️」

 

「あいつなに考えてんだ?」

「助けてもポイントになんねぇだろ。」

 

出久「大丈夫⁉️」

 

女の子「えっ‼️き、君は朝の‼️」

 

出久は彼女の元にたどり着き、彼女に声をかけると彼女も出久のことを覚えているようで驚愕していた。

 

女の子「なんで来たん⁉️あいつ倒してもポイントならんのに‼️」

 

彼女も自分を助けても意味がないのをわかっている。

しかし

 

出久「決まってるじゃないか、君が困っていたからだ。

 

女の子「ッ‼️」

 

女の子が出久の言葉に驚いていると、0ポイント敵が2人にターゲットをしぼり、踏み潰そうとしてきた。

 

「危ないぞ‼️」

「脚が来てる‼️」

眼鏡男子「君たち、早く逃げるんだ‼️」

 

 

女の子(もうダメッ‼️)ギュッ

 

彼女は恐怖のあまり、目を力一杯閉じた。

 

出久「大丈夫」

 

彼女「?」

 

出久「君は、僕が守るよ。」

 

彼女「////」

 

出久の言葉に顔を赤くした彼女だったが、この危機的状況の中何故か安心していた。

 

出久は彼女に背を向け、腰に手を当てる。

すると、出久の腰にベルト、“ゴーストドライバー”が出現した。

 

女の子「えっ‼️」

 

彼女が驚いているのをよそに、出久はポケットから“眼魂”を取り出しボタンを押す。

ドライバーのふたを開け、“眼魂”を装填すると

 

ドライバー(以降D)『アーイ‼️』

 

D『バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️』

 

ドライバーから不思議な音楽が流れ始め、ドライバーの中心から黒いパーカー、“パーカーゴースト”が現れ、0ポイント敵の脚を弾き返した。

バランスを崩した0ポイント敵は、そのまま後ろに倒れた。

 

「なんだあれ⁉️」

「パーカーか⁉️」

「どっから出てきたんだ⁉️」

 

女の子「お、お化け⁉️」

 

彼女がパーカーゴーストに驚いているなか、出久は両手を横に広げ、自分の前まで移動し、手を体の前で一周させ右手の人差し指と中指を立てて

あの言葉を叫ぶ。

 

出久「変身‼️」

 

同時にドライバーの右のレバーを引く。

 

D『開眼‼️オレ‼️レッツ・ゴー覚悟‼️ゴ・ゴ・ゴースト‼️』

 

出久の姿が変わり、鎧の様なものを纏った瞬間、パーカーゴーストが出久の側により、パーカーゴーストを纏った。

オレンジ色の顔、額の一本角、胸に眼のような模様

出久は、彼女を助けるために仮面ライダーゴーストに変身した。

 

「「「「「「「え~~ーーーーーーー‼️」」」」」」」」

 

会場にいる全員が驚愕の声をあげるなか、出久は瓦礫を破壊して彼女を救出した。

 

出久「ごめんね‼️」

 

女の子「えっ?うえ⁉️/////」

 

出久は彼女をお姫様抱っこして受験生達のところへ移動する。

そして彼女を眼鏡男子に預けると

 

出久「彼女を頼むね‼️」

 

眼鏡男子「お、おい‼️君‼️」

 

女の子「//////」ホーーー

 

0ポイント敵の元へ向かった。0ポイント敵は立ち上がろうとしていたが

 

出久「時間がないし、一気に決める‼️」

 

出久はドライバーのレバーを数回引っ張る。

 

D『大開眼‼️大目玉‼️』

 

出久の上空に、巨大な眼のようなものが出現する。

 

「「「「「「「「「「「「でかーーーーーーーーーーーーーーーーー‼️」」」」」」」」」」」」

 

全員が更に驚愕して声をあげるなか、出久はもう一度レバーを引く。

 

D『大開眼‼️オレ‼️オメガドライブ‼️』

 

出久は飛び上がり、大目玉の後ろに陣取る。

 

 

出久「はぁーーーーーーーーーッ‼️」

 

出久は大目玉をおもいっきり、0ポイント敵に向けて蹴り飛ばした。

 

すると、0ポイント敵に大目玉が直撃し、爆発を起こして0ポイント敵を跡形もなく消し飛ばした。

 

出久「ふぅ。」D『オヤスミー』

 

出久は綺麗に着地してから変身を解く。

 

『………………』

 

眼鏡男子「彼は一体……」

 

女の子「か、かっこええ////」

受験生が全員、いろんなことをかんがえていること

 

プレゼントマイクから試験終了を告げた

 

 

 

 

 




ネクロム、少しだしかた考えました。


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電車通学?バイク通学

ネクロムは、オリキャラになってもらおうと考えています。(ちなみにすでにチラッと出てたり)

スペクターは、出久がライダーワールドから帰還して、雄英入試までの空白の10ヶ月間に、新たに開眼したというものにしようかと。

空白の10ヶ月は、いろんなプロヒーローやアカデミーの生徒と会って顔見知りというような感じをつくろうかと思っています。B組の鉄哲徹鐵とかC組の心操人使とか

それじゃ本編です


結果から言うと、僕(出久)は雄英入試に“合格”した。

 

 

仮想敵を倒してポイントを取ったのもそうだが、“救助ポイント”というものがあったらしい。

ヒーローになるものとして、敵を倒すことは確かに必要なことだ。でもそれに固執してしまい、人命救助や周囲の安全確保、避難誘導を怠ってはならない。

 

あの巨大な0ポイント敵は、ヒーローを目指す僕らが

“どのように逃げながら周りを誘導するか、逃げ遅れた人を想定し危険を犯しても救助にいこうとするのか”というヒーローとしての可能性を見るものだったのだ。

 

※本当に危険だと判断した場合、先生達が0ポイント敵を破壊するつもりだったみたい。

 

そんなこんなで、今日は雄英高校の入学式である。

 

 

 

引子「出久、ハンカチ持った⁉️」

 

出久「持った‼️」

 

引子「ティッシュは⁉️」

 

出久「持ったよ‼️」

 

引子「制服は⁉️」

 

出久「持った‼️……っていうか着てるでしょ‼️」

 

たまに、母さんと会話してるととんでもないことを言ってくる。

 

出久「それじゃぁ行ってくるね‼️」

 

引子「出久‼️」

 

出久「今度はなに⁉️」

 

引子「超かっこいいよ‼️」

 

出久「ッ‼️うん‼️ありがとう‼️」

 

引子「いってらっしゃい‼️」

 

出久「行ってきます‼️」シュッ

 

僕は敬礼の様なポーズをとってバイクに跨がりエンジンを掛け、雄英高校に向かった。

 

※実はライダーワールドでちゃっかりバイクの免許を取ってた出久。合格通知が来た翌日、学校にバイク通学を申請していた。

 

ちなみにこのバイク、全体的に紫色をしており前方に2本の角がある。

 

名前は『マシンフーディー』

 

今後、このバイクも活躍するがそれはまた後ほど

 

僕はバイクを駐輪場に止め、教室に向かう。

 

???「ん?緑谷か?」

 

出久「え?」

 

後ろから声が聞こえたので振り向くと、

紫色の髪をした気だるげそうな男子生徒がいた。

 

出久「心操君‼️おはよう‼️」

 

心操「おはよう。」

 

彼は心操人使。“洗脳”という戦闘向きではないが非常に

役に立つ“個性”を持っている。

彼とは数ヶ月前に鍛練中に会い、雄英を受けるという事で仲良くなった。他にも色々あるけど、その話はまた別の機会に

 

心操「お前バイク通学なんだな。」

 

出久「うん。学校から許可もらったよ。」

 

心操「へぇー」

 

???「オゥイ‼️緑谷ーッ‼️」

 

出・心「「ッ⁉️」」バッ

 

突然大きな声で呼ばれたので、僕につられて心操君まで振り向いた。

 

出久「てっ、徹鐵君‼️おはよう。」

 

心操「誰だ?」

 

鉄哲「オッス‼️」

 

銀髪を少しオールバックにした感じの髪と目の周りに特徴的なまつ毛をした男子生徒。

彼は“鉄哲徹鐵”。“スティール”という体を鋼鉄にする“個性”を持っている。彼は数ヶ月前に、鍛錬中に勝負を挑まれて以降仲良くなった。

ちなみに勝負の結果は、僕の圧勝である。

 

徹鐵「なんかすげぇバイクが学校入んの見えてよ‼️どんな奴が乗ってんのかと思って見てみたら、緑谷だったからよ‼️」

 

出久「バイク通学の許可もらったんだ。」

 

徹鐵「そうか‼️ん?隣にいる奴は初めてだな。俺はB組の鉄哲徹鐵だ、宜しくな‼️」

 

心操「お、おう。俺はC組の心操人使だ、よろしく」

 

徹鐵「おう‼️」ガシッ

 

出久「ハハハッ(心操君、徹鐵君の勢いに押されて若干引き気味)」(苦笑)

 

徹鐵君、見た目や口調は粗暴だが実は義理人情に熱く礼儀正しい。

寡黙な心操君とは真逆なタイプだから、心操君はかなり驚いてる。

 

出久「とりあえず、そろそろ教室行こうよ。」

 

心操「それもそうだな。」

 

徹鐵「だな。」

 

僕たちは自分たちの教室に向かうため校舎に入った。

 

 

???「ふふ、早くお話ししたいですわ♪出久様♥️」

 

 

出久「ッ‼️(また悪寒が‼️)」キョロキョロ

 

心・鐵「「?」」

 

 

何処からか感じたことのある視線を受けて…

 

 

 




出久に視線を送る相手は誰なのか?

※性別は、わかってると思うけど女性です。

口調似てるけど、八百百じゃないですよ


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クラスメイトと担任、個性把握テスト

なかなかオールマイト出せない‼️


出久「じゃあ、また放課後に。」

 

徹鐵「おう‼️またな‼️」

 

心操「また後でな。」

 

 

僕たちは別れて、それぞれの教室に向かった。

 

 

 

僕は1-Aの扉の前にいる。

 

「扉でかッ‼️」

 

そう、扉が非常に大きいのだ。様々な“個性”が見つかっている現在、バリアフリー対策がとられているのだ。

どんな“個性”を持った人がいるのか、クラスメイトと仲良くなれるか、多くの期待と不安が頭の中をかけまわっていた。

 

出久(考えたって仕方がない‼️何事も行動あるのみ‼️)

 

僕は考えるのを止めて1-Aの扉を開ける。

 

 

 

眼鏡男子「机に足をかけるな!雄英の先輩方や机の製作者に申し訳ないとは思わんのか!」

 

爆豪「思わねぇよ!テメーどこ中だよ?端役が!!」

 

 

中に入るとかっちゃんと、僕と同じ入試会場にいた男子生徒が言い争いをしていた。

 

飯田「ぼ、俺は聡明中出身の飯田天哉だ。」

 

爆豪「聡明だあ⁉️超エリートじゃねぇか‼️ぶっ潰しがいがあるなぁ‼️」

 

飯田「ぶっ潰す⁉️君本当にヒーロー志望か⁉️言葉が乱暴すぎるぞ‼️」

 

 

このままだと収集が着かなさそうなので僕は2人の間に入ることにした。

 

出久「ま、まあまあ2人ともそのくらいにしとこうよ‼️折角雄英に入学できたんだから‼️」

 

爆豪「アァッ‼️ってデクか。」

 

出久「おはよう、かっちゃん。」

 

飯田「き、君は入試の時の⁉️」

 

出久「飯田君だよね。僕は緑谷出久、かっちゃん…って言ってもあだ名じゃダメか。爆豪勝己君の幼なじみなんだ、よろしくね‼️」

 

飯田「緑谷君だね‼️聞いていたみたいだけど改めて自己紹介するよ‼️俺は飯田天哉だ、よろしく‼️」

 

やっぱり飯田君は、最初の印象通り優等生気質みたいだ。

 

飯田「そういえば、緑谷君は入試の本質に気づいていたんだね。俺は入試のルールに拘ってしまって本質に気付けなかったよ。」

 

出久「本質に気づいた訳じゃないよ!ただ僕は、困ってる人がいたから助けただけだよ。」

 

そう、僕は入試の本質に気付いた訳じゃなかった。あのとき僕は、目の届くところに困ってる人がいたから助けたに過ぎない。けどこれこそが“この世界におけるヒーローの質の低下”なのだ。

 

出久「“困ってる人がいたなら手を伸ばせ。伸ばさかったら、一生後悔する。”って、僕に戦い方を教えてくれた人達の1人が言ってたんだ。僕はそれを実行しただけだよ。」

 

飯田「そうか。でも、その人の教えを実行できたのは事実じゃないか。普通は言われても中々実行出来ることじゃない。あんな状況なら尚更だ。けど君は、躊躇なく彼女を助けに行けた。誇っていいことだよ‼️」

 

出久「飯田君。そうだよね、ありがとう‼️」

 

飯田「お礼を言われる程じゃないさ。」

 

飯田君の言葉に、僕の行動が正しいものに見えたのだと実感した。あの行動を見て、“助けるのが無意味”だと思った人たちは、これから“真のヒーロー”になるには難しいだろう。僕に戦い方や行動を教えてくれたのは、“仮面ライダー”なのだから。

 

彼らは利益や人気、名誉のために悪と戦っているのではない。“誰かが困っていたら助ける。”それがヒーローなのだ。

 

???「あぁっ‼️あの時のパーカーの人‼️」

 

出・飯「「えっ/ん?」」

 

声を掛けられたので振り向くと、入試の時助けた女の子がいた。

 

???「同じクラスなんやね、よろしく‼️」

 

出久「よ、よろしく…(近い近い‼️顔が近い‼️)////」

 

 

※実は出久、戦い方は学んだが女性の扱いや接し方は教わっていなかった。

まあライダーの皆様も色恋沙汰には疎いので…

 

 

???「仲良しごっこやるなら他所に行け、ここはヒーロー科だぞ。」

 

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「‼️‼️⁉️」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

 

突然声がしたので教卓の方にクラスの全員が目を向けると、

 

寝袋に入った人がいた。…多分教師だろう。

 

???「はい、静かになるのに8秒かかりました。君達は合理性に欠けるね。」

 

そう言われて、皆急いで自分の席に着いた

 

相澤「俺は担任の相澤消太だ。ヒーロー名はそのうちわかるだろ。」

 

(((((((((((((((((担任だったんだ‼️)))))))))))))))))

 

クラス全員の心が1つになった瞬間だった。

 

相澤「これから個性把握テストをやる。体操着に着替えてグラウンドに集合しろ。」

 

入学式そっちのけで、僕のクラスは個性把握テストを始めるようだ。どんなものなのだろうか?

 




出久のヒーローコスチューム、仮面ライダーゴーストでアランが着ていた眼魔の服にしようと思っています。
どうでしょう?


次回は変身します


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個性把握テストと万有引力

内容考えるのって大変だわ




本編です


相澤先生に言われ、僕たち1-Aの生徒は体操着に着替えてグラウンドに集まっていた。

 

相澤「それではこれより個性把握テストを始める。まずはハンドボール投げだが。爆豪、お前ハンドボール投げの記録いくつだ?」

 

爆豪「67m」

 

相澤「なら個性を使って投げてみろ、全力でな」

 

そう言われて、かっちゃんはボールを持つ。そして、

 

爆豪「んじゃ、死ねぇ‼️」

 

かっちゃんの個性で、ボールは勢いよく飛んでいく。

 

しかし

 

((((((死ね?))))))

 

相澤「まずは自分の最大限を知れそれがヒーローになる為に必要なことだ。」

 

かっちゃんの記録は705メートルだった。そしてみんなが騒ぎ出す。

 

???1「705メートルとかマジかよ!」

 

???2「面白そう!!」

 

???3「さすがヒーロー科!!!」

 

それぞれの感想を言っていると、相澤先生から衝撃の一言を告げられる。

 

相澤「面白そうか、よしならこうしようトータル成績最下位の者は見込み無しとし除籍処分にしよう。」

 

そんないきなり入学初日だぞ!!それに相澤先生の目マジだ!!最下位じゃなくても見込みがない人は除籍処分になるかもしれない!!

 

飯田「最下位除籍って!入学初日に理不尽ですよ!!」

 

相澤「理不尽を覆すのがヒーローだ。」

 

 「プルスウルトラ・全力で乗り越えてみろ。」

 

こうして個性把握テストが始まった。

 

 

 

 

相澤「んじゃ次、緑谷準備しろ。」

 

出久「はいッ!」

 

僕の番になり、ゴーストドライバー(以降GD)を出現させる。

 

そして、【4】と書かれた眼魂をセットする。

 

GD『アーイ‼️』

 

『バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️』

 

音声が鳴ると同時に、ドライバーの中心からパーカーゴーストが現れ、僕の周りを飛び回る。

 

???1「なんじゃありゃ⁉️」

 

???2「パーカー出てきたぞ⁉️」

 

???3「あれがあいつの“個性”か?」

 

???4「つうか、なんでパーカーが飛んでんだ?」

 

女の子「あれ?あのパーカー…」

 

飯田「前のと色が違う。」

 

入試に見た飯田君と彼女は気付いたみたいだが、今回はパーカーゴーストの色が“青い”のだ。

 

出久(距離を出すならこれが1番。力を貸してください、ニュートンさん!)

 

出久「変身‼️」

 

GD『開眼!ニュートン!リンゴが落下!引き寄せマッカ~~ッ‼️』

 

青を基調とした顔、青いパーカーを纏い、両手にパンチンググローブのようなものを着けたゴースト。

“仮面ライダーゴースト【ニュートン魂】”に変身した。

 

爆・飯・女の子以外「ええーーーーーーーーーッ⁉️」

 

相澤先生も声には出していないが驚いている。

 

???「なんじゃありゃ⁉️」

 

???「変身した⁉️」

 

???「俺と同じ“異形型”か?」

 

???「かっちょえぇー‼️」

 

色々な感想が飛び交う中、僕は円の中に入る。

 

相澤「(これがこいつの“個性・ゴースト”か?霊を呼び出すのかとと思ったが、全く別物じゃねぇか)よし緑谷、始めろ。」

 

出久「はいッ‼️」

 

僕はボールを“左手”で掴み、なげる体勢になる。

 

爆豪「‼️おいクソデク‼️お前右利きだろうが‼️」

 

全員「「「「「「「えっ⁉️」」」」」」」

 

出久「大丈夫だよ、かっちゃん。見てて。」

 

「はぁッ‼️」

 

左手で上に投げたボールを右手で殴る。ボールは勢いよく飛んでいく。そして皆の視界から見えなくなった。

 

相澤「記録∞」

 

全員「「「「「「「「はぁーーーーーーーーーッ!」」」」」」」」

 

僕の記録に全員が驚愕していた。

 

個性把握テストは、まだ始まったばかりである。

 

 

 

 

 

 




眼魂の順番は気にしないで下さい


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続・個性把握テストと放課後の会話

皆さんの僕アカの二次小説を見るとやっぱり凄いなぁと思います。
オリキャラだして織り混ぜたり、出久を強化したり。
まだまだ勉強しなきゃと思いました。



本編です。


???「緑谷すげぇな!」

 

???「マジでヒーローみたいじゃねぇか!」

 

???「変身ということは、発動型の個性なのか?」

 

皆の所に戻ると、僕の元に皆が一気に押し寄せてきた。

 

出久「ちょ、ちょっと待って!」

 

さすがに動揺していると

 

相澤「うるせぇぞお前ら!全員除籍になりたいのか‼️」

 

全員『……』

 

相澤先生の一喝で、皆一気に静かになった。

 

相澤「緑谷に聞きたいことがある奴は後にしろ、今はテスト中だ。次に行くぞ。」

 

そして、そのまま次のテストに移った。

ちなみに、次の種目になる前にオレ魂に眼魂チェンジしといた。

 

 

ここからダイジェスト

 

 

50m走 

 

相澤「記録、3.5秒」

 

???「緑谷はえええ!!」

 

???「走りづらそうな格好なのにな。」

 

飯田「ギリギリ勝てた……」

 

 

 

立ち幅跳び

 

 

 

相澤「記録、測定不能!」

 

???「うおおお!跳びすぎだろあいつ!!」

 

???「跳びすぎというか、あれは飛んでませんか?」

 

???「飛んでるというか、浮いてない?」

 

測定不能で一位。

 

 

握力

 

 

相澤「記録、測定不能!」

 

???「何事もないかのように目盛りを振り切ったな…」

 

???「見ろ!握力計が変形しちまって使い物にならなくなってる!!」

 

ライダーの握力は、トン単位なのだ

 

 

反復横跳び

 

 

相澤「記録、88回」

 

???「緑谷のやつ足着いてたか⁉️」

 

???「若干地面が陥没してる‼️」

 

ライダーはキック技が多いので、脚力は大事

 

 

上体起こし

 

相澤「記録、88回」

 

???「大丈夫か、障子」

 

障子「全ての手で押さえたのに、吹き飛ばされそうになった……」

 

???「切島君の硬化なら大丈夫だったんじゃない?」

 

切島「いや無理だろ。」

 

 

 

長座体前屈

 

 

相澤「記録、88cm」

 

???「また88だ…」

 

???「同じように数字だね…」

 

???「記録揃えられるんだから…逆にすげえよ。」

 

 

 

持久走

 

 

 

出久「はぁーーーーーーーーーッ‼️」

 

爆豪「クソがーーーーーーーーーッ‼️」

 

飯田「ウオーーーーーーーーーーッ‼️」

 

???「…ハァハァ…ハァハァ…なんで、あの三人…張り合ってんだ?」

 

???「ハァハァ…知らねぇ…ハァハァ」

 

僕、かっちゃん、飯田君の順番でゴール。

 

これで全てのテストが終わった。

 

相澤「んじゃ結果発表するか。まず、お前らの除籍は無しな。合理的に見て問題ないだろ。」

 

僕らの頑張りを見て、相澤先生は除籍を取り止めてくれた。

 

???「あれは冗談ではなかったんですか⁉️」

 

相澤「俺は冗談は言わんぞ。」

 

女子生徒“八百万百さん”は除籍が冗談だと思っていたらしい。あれは冗談じゃなかった。本気の目だった。

 

相澤「んじゃ峰田、お前の個性の“モギモギ”片付けるぞ。」

 

峰田「は、はい」

 

相澤先生に言われ、峰田君がモギモギの実を片付けようとすると、地面に付いていた実が相澤先生の手であっという間に取れた。

 

峰田「あれ?オイラのモギモギ、他の人じゃ手にくっついて取れねぇのに。」

 

出久「えっ?」

 

その言葉を聞いて、僕は改めて相澤先生を見る。“首に掛けたゴーグル”、“個性を消すような個性”、“ヒーロー特集で見たことのないヒーロー”……

 

出久「あっ、そうか‼️」

 

全員『⁉️』

 

突然大きな声を上げた僕に、クラスメイトの視線が集中する。

 

切島「どうした、緑谷?」

 

???「なんかあったのか?」

 

硬化の“個性”を持った切島鋭児郎君とテープの“個性”を持った瀨呂範太君が話しかけてきた。

 

出久「思い出したよ!相澤先生の個性は“抹消”!個性を消す個性、“抹消ヒーローのイレイザーヘッド”だ!」

 

そう、相澤先生のヒーロー名は、“イレイザーヘッド”。

敵の個性を消して、捕縛するヒーローだ。

 

切島「イレイザーヘッド?」

 

瀨呂「聞いたことねぇな。」

 

???「メディア嫌いのヒーローか?」

 

切島君達の後に、“電気”の個性を持つ上鳴電気君が聞いてきた。

 

相澤「そうだ。俺は相手を見て個性を発動させると、相手の個性を消すことができる。まぁ、あんまり闘わないがな。オレ、ドライアイだし。」

 

(((((((((((((((((凄い個性なのに残念すぎる!)))))))))))))))))

 

また、クラス全員の心が1つになった瞬間だった。

 

 

 

教室に戻って、諸々の連絡を受けて帰る支度をしていると

 

徹鐵「おい緑谷!」

 

心操「帰ろうぜ。」

 

徹鐵君と心操君が待っていてくれた。

 

出久「うん、帰ろうか。」

 

飯田「俺も一緒にいいだろうか?」

 

女の子「私もいいかな?」

 

出久「もちろん、いいよ。」

 

飯田君と女の子“麗日お茶子さん”が話し掛けてきて、一緒に帰ることになった。

 

 

 

それぞれの自己紹介を終えて今日の出来事を二人に話す。

 

徹鐵「んな事があったのか。」

 

心操「だから入学式にいなかったのか。」

 

出久「うん、大変だったよ。」

 

飯田「全くだ。」

 

麗日「せやねー。」

 

当事者である僕ら三人は本当に大変だった。最下位だったら除籍だもんなぁ。

 

麗日「そういえば、なんで緑谷君てあだ名が“デク”くんなん?」

 

麗日さんが唐突にあだ名の事を聞いてきた。

 

徹鐵「そういやそうだな。」

 

飯田「俺も気になっていたんだ。」

 

心操「名前の漢字をそういう風に読んだのか?」

 

麗日「あー」

 

僕は、あだ名の意味とこれまでの事を少しだけ話すことにした。

 

出久「…というわけ。」

 

心操「お前、無個性だったのか?」

 

徹鐵「マジかよ⁉️」

 

飯田「しかし、君は変身してじゃないか⁉️」

 

心・徹「「変身⁉️」」

 

麗日「そうやったんや。」

 

四人とも様々な反応をみせた。確かに昔、木偶の坊の“デク”でかっちゃんに付けられたあだ名だ。最初は嫌だったんだよなぁ。

 

麗日「でも、なんか“頑張れ”ってみたいで、私は好きかなぁ。……モチロンチガウイミデモスキヤシ////」

 

出久「デクです‼️」バッ

 

心・徹・飯「「「いいんかい⁉️」」」

 

思わず3人に突っ込まれてしまったが気にしない。このあだ名を前向きに捉えられる事ができたのだから。

 

心操「しかし変身かぁ。」

 

徹鐵「ロマンがあるぜぇ‼️」

 

飯田「うむ。あれは何度見ても興奮するものだな‼️」

 

男子の感想としてはこんな感じなんだろうなぁ。

 

麗日「デク君、テストの時と入試の時と色が違ってたけど?」

 

麗日さんがパーカーの違いを聞いてきた。

 

出久「僕の個性は、相手や状況に応じて戦闘スタイルを変えられるんだ。それに、僕の師匠達が“1つの戦い方に拘ると相手に見抜かれて隙をつかれやすい”って言ってたからね。」

 

麗日「へぇー」

 

麗日さんは僕の説明に納得してくれた。

 

飯田「しかし、緑谷君に戦い方を教えた人達は凄いな!俺も会ってみたいものだ!」

 

心・徹「「俺もだ。」」

 

麗日「私も会ってみたいなぁ!」

 

そんな話をしながら僕らは帰っていた。

またいつか会えるかもしれない師匠達を思い浮かべながら。

 

 

出久「ちなみにこのバイクも変身するときに使えるんだよ。」

 

飯・徹・心・麗「「「「えぇッ⁉️」」」」

 

 

 

ちょっと皆をドッキリさせてみた。

 

 

 




変身すくねぇー


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登校時間の1コマ

サブタイトルに、なににゴーストチェンジするか入れてみました


個性把握テストがあった次の日、バイクを駐輪場に停め校内に向かう。すると

 

???「あーッ⁉️やっと見つけましたよ緑谷さん!」

 

出久「うん?」

 

昨日同様後ろから声を掛けられたので振り向くと、ピンク色の髪とゴーグルが特徴的な女の子がいた。

 

出久「発目さん!久しぶり!」

 

発目「お久しぶりです!」

 

彼女は発目明さん。“ズーム”という個性を持ち、5キロ先を見ることが出来る。

ちょうど個性で遠くを見ていたとき、僕が鍛錬中にドライバーと眼魂を出したのが見え、興味が出たらしく僕の所に来たのだ。

 

発目「おーっ!これはまた興味深いバイクですね‼️現存するメーカーのバイクとの違いをビンビン感じます!」

 

出久(さすが発目さん、着眼点が違う。)

 

発目「そうでした緑谷さん、この間お借りしたものお返ししますね!」

 

出久「うん。ありがとう」

 

眼魂に興味を持った彼女は、『解析させてほしい‼️』と懇願してきたのだ。最初は断ったが、諦めきれず家にまで押し掛けてきた始末である。

 

出久(執着心はかっちゃんに似たものがあるなぁ。)苦笑

 

そして、僕の手もとに【5】【6】【7】の眼魂が

戻ってきた。

 

出久「どうだった、参考になったかな?」

 

発目「もちろん‼️これで私の“ドッ可愛いベイビー”が

改良出来ます‼️緑谷さんから頼まれてたものもなんとか形になりそうです。」

 

出久「本当に⁉️」

 

僕は、眼魂を発目さんに渡したとき“あるものを作ってほしい”と頼んだのだ。彼女は快く承諾してくれた。

 

発目「はい‼️出来上がりを楽しみに待っていてください。」

 

出久「ありがとう、発目さん!」

 

発目「では、私はこれで。」

 

出久「うん、それじゃ。」

 

発目さんと別れて、僕も教室に向かおうとする。

 

麗日「オハヨウデククン。」

 

すると、また後ろから声を掛けられたので振り向くと

 

出久「お、おはようございます。う、麗日さ…ん」

 

目のハイライトの消えた麗日さんがいた。

 

出久(なんかめっちゃ怖いんだけど⁉️)

 

麗日「どうしたのデク君、そんなに震えて?」

 

出久「な、なんでもないよ⁉️」

 

麗日「そっか、ならいいよ。」ニコッ

 

いつもの麗日さんに戻った。さっきのは気のせい…

 

麗日「ところでデク君、サッキノ子ハ誰ナン?」

 

気のせいじゃなかったぁー‼️

 

出久「う、麗日さんどうしたの⁉️なんか凄く怖いんだけど⁉️」

 

この感じ、まるで“テラードーパント”に遭遇したような

 

麗日「トリアエズ質問ニ答エテクレル?」ニコッ

 

同じ笑顔なのに凄く怖い‼️

 

出久「は、発目さんは数ヶ月前に鍛錬中に会ったんだ」

 

麗日「フーン、ソレニシテハ仲良サソウヤッタネ?」

 

出久「か、彼女とは同じヒーロー好きってことで意気投合したんだよ⁉️」

 

これは間違いではない。発目さん、色んなものを開発するために色んなヒーローの研究をしているのだ。

 

麗日「フーン、ソレダケ?ホカニハナイノ?」

 

出久「それだけだよ⁉️」

 

麗日「ならいっか!早く教室行こ?」

 

出久「う、うん」

 

なんとかもとに戻った麗日さん、凄く怖かった。

でも、どうしてあんなに怒ってたんだろうか?

 

 

飯田「緑谷君は鈍いんだな。」

 

心操「鈍いな。」

 

徹鐵「鈍いのか?」

 

飯・心「「…。」」

 

飯田「…取り敢えず、麗日君は怒ったら怖いという事で。」

 

心・徹「「だな」」

 

 

偶然会った飯田君達が、僕達のやり取りを見てそんな話をしてたとかしないとか。




訓練いけなかったー‼️


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戦闘訓練と天下無双の二刀流

タイトル通りにいけたらなぁ。


午前の授業も滞りなく終わり、昼食を食べ終えてこれから午後の授業だ。

ヒーロー基礎学の授業、担当の教師は

 

???『わーたーしーがー』

 

「普通にドアから来たーーー‼️」

 

No.1ヒーロー“オールマイト”である。(以降AM)

 

切島「オールマイトだ‼️ホントに先生やってる‼️」

 

切島君を皮切りにクラスが沸く。

 

出久(オールマイト…。僕は…)

 

僕の想いを否定されたあの日以降、僕がオールマイトに会うのは今日が初めてだ。オールマイトへの憧れや尊敬度は以前に比べてだいぶ下がってしまったと思う。

 

オールマイトへの憧れがないと言えば嘘になる。でも、それ以上になんの取り柄もなかった僕に、“戦う力と意味”、そして“本当のヒーローとはなにか”を教えてくれ、僕に新たな目標をくれたのは“仮面ライダー”の

皆だ。

 

出久(僕は貴方を超える、真のヒーローになるために!)

 

AM「今日のヒーロー基礎学は戦闘訓練!!」

 

 「入学前に送ってもらった個性届と要望に答えて作成した・・・戦闘服!これに着替えたらグラウンド・βに集合だ!!」 

 

それから僕達は戦闘服に着替えグラウンドグラウンドβに集まっていた。

 

 

 

AM「来いよ、有精卵ども!」

 

オールマイトが凄味を出して言う、顔が濃い…

 

 

 

その後、みんなコスチュームに着替えてから演習場へと集合した。

 

 

 

麗日「あ、来た来た、デクくーん!そのコスチューム」

 

飯田「おお、緑谷君!まるで何処かの国の司令官のようなコスチュームだな!」

 

切島「格好いいな、緑谷!」

 

麗日さんと飯田君、少し遠くの方で切島君が僕のコスチュームの感想を言ってきた。

僕のヒーローコスチュームは、ライダーワールドで会った“仮面ライダー”の1人、アランさんが着ていた服だ。

 

麗日「うんうん、格好いいよデク君‼️(…サスガワタシノデククン)」////

 

出久「?どうしたの、麗日さん?」

 

麗日「な、なんでもないよ⁉️」

 

出久「そう?麗日さんも似合ってるよ。」ニコッ

 

麗日「ふえッ⁉️あ、ありがとう。」////

(その笑顔でその言葉は卑怯や。////)

 

出久「?」

 

女性陣(((((ほほぉーー。)))))ニヤニヤ

 

麗日さんとこんなやり取りをしてたら、女子に温かい目で見られた。なんなんだろう?

 

 

そう話しているとオールマイトが話し出した。

 

 

AM「みんなカッコイイじゃないか!!」 

 

「これから君たちには屋内戦闘訓練をしてもらう!敵は屋外よりも屋内のほうが出現率は高いんだ!」

 

「真に凶悪な敵は屋内に潜む!君たちにはこれから“敵組”と“ヒーロー組”に分かれて2対2の屋内戦を行ってもらう!」 

 

するとみんなが驚き質問が出た。

 

瀨呂「勝敗はどうなりますか?」

 

爆豪「ぶっ飛ばしていいんすか。」

 

切島「また除籍とかあるんですか?」

 

飯田「どのような分かれ方をするのですか?」

 

次々来る質問にオールマイトが説明してくれた。

 

AM「いいかい設定は敵がアジトに核兵器を隠していてヒーローはそれを処理することだ!敵は時間までに核兵器を守るかヒーローを捕まえることヒーローは敵を捕まえるか核兵器を回収する事が勝利条件だ!チームはくじで決める!」 

 

飯田「適当なのですか!?」 

 

出久「プロは他事務所とチームを組むことがあるからじゃないかな。現場について、初めて会うヒーローと連携を取れるように。」

 

飯田「なるほど・・失礼いたしました!」

 

AM「いいよ、それでは始めよう!!」

 

そしてくじを引いた結果は

 

 

 

Aチーム 緑谷出久(個性:ゴースト)

麗日お茶子(個性:無重力)

 

Bチーム 轟焦凍(個性:半冷半燃)

障子目蔵(個性:複製腕)

 

Cチーム 八百万百(個性:創造)

峰田実(個性:モギモギ)

 

Dチーム 爆豪勝己(個性:爆破)

飯田天哉(個性:エンジン)

 

Eチーム 芦戸三奈(個性:酸)

常闇踏陰(個性:(黒影)ダークシャドウ)

 

Fチーム 砂藤力道(個性:シュガードープ)

口田甲司(個性:生物ボイス)

 

Gチーム 上鳴電気(個性:帯電)

耳郞響香(個性:イヤホンジャック)

 

Hチーム 蛙吹梅雨(個性:蛙)

青山優雅(個性:ネビルレーザー)

 

Iチーム 葉隠透(個性:透明化)

尾白猿夫(個性:尻尾)

 

Jチーム 切島鋭児郞(個性:硬化)

瀬呂範太(個性:テープ)

 

となった。

 

麗日「デク君よろしく!頑張ろうね!」

 

出久「うん!よろしく麗日さん!」

 

麗日(やったぁ!デク君と同じ組‼️)

 

そして最初の対戦が決まった

 

AM「最初の対戦はAチームがヒーロー!Dチームが敵だ!!」

 

初めから僕達か!しかもかっちゃんと戦うのか!かっちゃんがむちゃくちゃ睨んでくる。それにあの目は…

 

爆豪(やっとデクとガチでやれるッ‼️)

 

戦いたくてウズウズしてるときの目だ‼️

 

麗日「デク君、どうしたの?」

 

出久「いや、かっちゃんが僕とガチで戦えるって目をしてるから…(汗」

 

麗日「フーン、目ェ見タダケデワカルンヤネ?」

 

出久「目からハイライトが消えてるよ、麗日さん⁉️か、かっちゃんとは幼なじみだから‼️」

 

麗日さんが、めちゃくちゃ怒ってる‼️

 

麗日「ふーん、ならいっか♪」

 

出久「…フーッ」

 

 

 

 

飯田「…爆豪君、緑谷君は昔から鈍いのか?」

 

爆豪「俺が知るか。」

 

飯田(彼も鈍そうだ。)

 

AM「(恐いぞ、麗日少女⁉️)あー、ゴホン。では敵チームは先に準備をしてくれ!ヒーローチームは5分後に潜入し戦闘訓練を開始する。度が過ぎると中断するかもしれないからやりすぎないように!」

 

オールマイトがそう言うとかっちゃんと飯田君は建物の中に入って行った。

 

 

 

時間になったので僕達は建物の中に潜入した。

 

麗日「デク君、これからどうする?」

 

あらかじめ変身しておいた僕に、麗日さんが質問

してきた。っていうか麗日さんめっちゃ近い‼️肩が当たってるんだけど⁉️

 

出久「う、麗日さんは、核兵器の有る部屋に向かって。多分、核兵器の部屋には飯田君がいると思うし、かっちゃんが奇襲を掛けてくるだろうから。」

 

麗日「なんで爆豪君が奇襲?」

 

出久「かっちゃんはじっとしてるのが嫌いだからね。相手がいるなら、倒そうと考えて動き出してるはず。

飯田君は、いい意味でも悪い意味でも優等生だから。」

 

麗日「どういうこと?」

 

出久「飯田君は言い付けを守るタイプの人だ。だから、オールマイトに言われた通りに悪役を演じて、核兵器の場所に待機してるはず。」

 

麗日「なるほど。よくわかるね。」

 

出久「僕は昔からヒーローになりたくて、いろんなヒーローの事を調べて記録してるんだ。」

 

そう、僕の武器として存在するもの。それは“観察力”と

“分析力”である。これについては、ライダーの皆さんから好評なのだ。

 

出久(あのフィリップさんが言うんだから、

自信持とう‼️)

 

AM『それでは、スタートだ‼️』

 

オールマイトの合図と同時に爆発音が響き渡る。

 

出・麗「「ッ⁉️」」

 

爆豪「見つけたぞぉ、デェクゥウ‼️」

 

かっちゃんが爆煙の中から現れた。さながら本物の

敵のように

 

出久「麗日さん、行って‼️」

 

麗日「うん‼️デク君、頑張って‼️」

 

かっちゃんは麗日さんを気にする様子もなく、僕を見据えている。

 

爆豪「さぁて、邪魔者はいなくなった。せっかく個性

使えんだ、タイマン張ろうぜデクッ‼️」

 

出久「そんなことだろうと思ったよ、かっちゃん‼️」

 

僕は【1】の眼魂をドライバーにセットする。

 

GD『アーイ‼️』

 

『バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️』

 

音楽と同時に赤いパーカーゴーストが出現する。

 

爆豪「また違う色か。」ニヤッ

 

GD『開眼‼️ムサシ!決闘!ズバッと!超剣豪‼️』

 

赤いパーカー、柄のようなちょんまげ、刀を2本重ねたような顔の模様。

 

仮面ライダーゴースト【ムサシ魂】

 

パーカー装着と同時に、ドライバーからゴースト専用武器、“ガンガンセイバー”が出現する。

 

僕はそれを取り、刀部分をスライドさせてガンガンセイバーを二刀流モードにして構える。

 

爆豪「剣豪宮本武蔵か。面白ぇ、ぶっ潰しがいがあるぜぇ‼️」

 

かっちゃんも構え、同時に走り出す。

 

出久「はぁーーーーーーーーーッ‼️」

 

爆豪「オラァーーーーーーーーッ‼️」

 

僕達の攻撃が当たり爆発が起こる。

 

戦闘訓練が始まった。

 

 




長くなったなぁー。しかも終わんねぇ


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2人の戦い、オールマイトの思い

麗日さんのヤンデレ確定にしようかな?


私(オールマイト)は、2人の生徒の戦いをモニターで観ていた。

その2人とは、爆豪少年と緑谷少年である。

 

爆豪『オラオラオラァーーーッ‼️』

 

出久『はぁーーーーーーーーーッ‼️』

 

爆豪少年の爆破を二刀流でいなし・防ぎ・交わす。

緑谷少年も爆豪少年の攻撃に合わせてカウンターや武器で反撃している。

だがおかしい。緑谷少年のあの戦いかた、多くの修羅場をくぐってきた動きだ。それに確か、

 

爆豪『死ねぇやあッ‼️』

 

出久『だりゃッ‼️』

 

確か彼は“無個性”だったはずだ。

 

 

 

彼と初めて会ったのは、ちょうど1年程前“ヘドロ敵”を追っていた時だ。当時は熱狂な追っかけかと思ったが、

 

緑谷『無個性でも、ヒーローになれますか⁉️』

 

彼の言葉で全て悟った、彼は“私と同じ無個性”だったんだ。それでもヒーローになることを諦められなかったから、私に尋ねたのだろう。

彼の言葉には強い信念が宿っていた。でも当時の彼には、ヒーローになれるだけの力がなかった。

思いだけではヒーローになれないのが今の世の中の現状だ。

だから私は、

 

AM『夢を見ることは悪いことではない。だが、現実も受け入れなくてはなッ‼️』

 

と彼に敢えて辛い言葉を掛けた。現実を受け止めるも、また立ち上がることが出来れば、彼は“私の力を継承する”のに相応しいだろう。そう信じて、私はヘドロ敵を追うためにその場を離れた。

しかし、私がヘドロ敵に追いついたときには、既にヘドロ敵は何者かに倒された後だった。

警察から一体誰が倒したのかを聞くと、

一瞬の出来事だったので良く分からなかったらしい。

一瞬で現れ、ヘドロ敵に取り込まれていた少年を助けて直ぐ“消えてしまった”らしい。

 

まるで、幽霊(ゴースト)のように…

 

唯一わかるのは、パーカーを羽織り額に角のようなものがあったとか…

 

それ以来、緑谷少年と会うことはなかった。彼なら私の“個性:ワン・フォー・オール”を受け継いでくれると信じていたが…

 

雄英入試の日、春より私も教師として働くため受験生達を眺めていると、緑谷少年がいた。

 

AM(ようやく彼に会えた。夢を諦めなかったんだな。)

 

この試験が終わったら、私の“秘密”を彼に話し、彼に私の力を受け継いでもらおう‼️

そう考えていたが…

試験開始の合図が出されると、彼は走り出し仮想敵を素手で倒していた。

私同様他の教師陣も、彼の戦闘力に驚愕した。

 

あの戦い方は、私と同等かそれ以上の修羅場をくぐってきた動きだ。この10ヶ月近くの間になにがあったのか…

 

試験終了時間が迫るなか、0ポイント敵が受験生達を追い詰めていた。この試験の本質に気付いていないもの達は、ただ逃げ惑うだけであった。

そんな折、麗日少女の足ががれきに挟まり身動きが取れなくなってしまっていた。

さすがに教師陣もまずいと思い動こうとしたら、緑谷少年が彼女を助けに向かったのだ。

 

 

AM(それだ、私はそれを待っていたんだ緑谷少年‼️)

 

 

彼の行動、そして麗日少女に放った言葉はどれもヒーローとなるのに必要なものだった。

現代社会では、“個性”を持つのが一般的になり、ヒーローも一種の“仕事”になってしまっている。そのせいか地位や報酬を気にしてヒーローとしての本質が、完全に失われてしまった。

これが“ヒーローの質の低下”なのだ。

 

彼なら、緑谷少年なら私がいなくなった後に他のヒーロー達を導く光になってくれるはず‼️

そう確信して、私は試験会場に意識を戻す。

 

緑谷少年は、麗日少女を庇うように0ポイント敵と向かい合う。そして足を振り上げ、彼らを踏み潰そうとしたが出来なかった。

 

緑谷少年が腰に手を当てるとベルトが出現し、ポケットから“何か”を取り出しベルトに入れる。

すると、ベルトの中央からパーカーをようなものが現れ、0ポイント敵を弾き返した。

私を含めた教師一同が何度目か分からない驚愕をしていると、

 

出久『変身‼️』

 

緑谷少年が叫ぶと、彼の姿が変わりパーカーが覆い被さる。

 

AM「あれは⁉️」

 

ヘドロ事件で敵を倒した者と特徴が一致したのだ。

 

AM(あのヘドロ敵を倒したのは、緑谷少年だったのか‼️)

 

そんな事を考えていると、彼はあっという間に麗日少女を救出し、瞬く間に0ポイント敵を破壊してしまった。

 

AM(彼は“無個性”だったはずだ、それなのにあの力は一体…)

 

 

そして今日、ヒーロー基礎学を教えるために1-Aに入った。他の生徒達が騒ぐなか、彼は冷静に此方を見ていた。しかし、彼の私への眼差しは以前のものと違っていた。あの目は、まるで…

 

 

切島「うおー‼️スゲェ、あの2人‼️」

 

常闇「激しい打ち合いだな。」

 

上鳴「ってか緑谷のパーカーの色、また違くねぇ?」

 

芦戸「こんどは赤色だね。」

 

八百万「いったい幾つ持っているのでしょうか?」

 

 

私が、考え事をしていると2人の戦闘が佳境に差し掛かろうとしていた。

しかし、教室でのあの目は、私への失望と新たな覚悟をした目だった。

 

 

 

 

 

もう僕達はどのくらい闘っているのだろう?

 

10分かもしれない、1時間かもしれない、そんな錯覚に襲われていると

 

爆豪「ハァハァ…なぁデク…ハァハァ。」

 

さすがに息が上がっているかっちゃんが話しかけてきた。

 

出久「何、かっちゃん?」

 

対して僕はまだまだ余裕である。

今の僕とかっちゃんには、決定的な差がある。

それは場数である。こちらの世界では一瞬だったライダーワールドの旅は、5~6年の年月が経っていたのだ。

旅のなか、幾度となく敵と戦っていたため、体力と持久力が着いたのだ。

ライダーパワーの力でこっちの世界に戻るとき、年齢も飛ばされる前に戻してもらえた。

しかし、力はそのままだったので最初は加減ができず、かっちゃんをボコボコにしてしまっていた。

 

 

爆豪「お前、俺にまだ何か隠してんだろう?」

 

出久「どうしてそう思うの?」

 

爆豪「こんだけ殺ってんのに、お前は息切れ1つ起こしてねぇ。まだ余裕あんだろ⁉️」

 

出久「さすがかっちゃん、よく気付いたね。」

 

爆豪「分かるわ、クソが‼️…とにかく、これ以上やっても俺がもたねぇ。次で最後にすんぞ…」

 

どうやらかっちゃんは次の攻撃で終わらせるらしい

 

出久「いいよ。正々堂々、受けてたつ‼️」

 

僕はガンガンセイバーをGDの前にかざす。

 

GD『大開眼‼️ムサシ!オメガドライブ‼️』

『ガンガンミナー‼️ガンガンミナー‼️ガンガンミナー‼️ガンガンミナー‼️』

 

音楽が流れだし、僕も構える。

 

出久「…。」

 

爆豪「…。」

 

そして、

 

GD『オメガスラッシュ‼️』

 

同時に走り出し、

 

出久「はぁーーーーーーーーーッ‼️」

 

爆豪「オラァーーーーーーーーッ‼️」

 

僕とかっちゃんの攻撃が炸裂する。

 

AM『それまでー‼️』

 

前に訓練終了の声が響き渡る。

 

出久「えっ?」

 

爆豪「はぁ?」

 

僕とかっちゃんが唖然とするなか

 

AM『勝者Aチーム‼️』

 

僕達の勝利が告げられる。

 

出久「ええぇーーーーーーッ⁉️」

 

爆豪「ざけんな、コラアァーーーーーーッ⁉️」

 

僕驚愕、かっちゃん怒号の声を上げるなか

不完全燃焼のまま、僕とかっちゃんの勝負は引き分けに終わった。

 

麗日さんが輝かしい笑顔で、僕に手を振っていたのが、凄く頭の中に残った

 




主人公設定に今作の出久のイラストを載せました


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明かされた真実

オールマイトファンの方はごめんなさい。オールマイト不遇です


爆豪「納得出来るかぁーーーッ‼️

勝負させろやコラァーーーッ‼️」

 

かっちゃんがいつも以上に荒れている。理由は単純。

さっきの勝負が中途半端に終わったからだ。

 

出久「おちついてかっちゃん‼️」

 

切島「そうだぜ、落ち着け爆豪‼️」

 

瀨呂「ここで暴れたらまずいって‼️」

 

飯田「冷静になるんだ、爆豪君‼️」

 

爆豪「離せてめぇらぁーーーーーッ‼️」

 

今にも暴れだしそうなかっちゃんを僕・切島君・瀨呂君・飯田君の4人で必死に止める。

 

AM「爆豪少年、これはあくまでも訓練だ。私的理由での戦闘は認められない。」

 

爆豪「んなこと知るかぁーーーッ‼️」

 

AM「駄目だ。全然治まらない…。(汗」

 

オールマイトが話すも全く納得いかず、更に力を込めるかっちゃん。

若干オールマイトも諦めムードだ。

 

オールマイト…教師がそれでいいのか?

 

切島「おい、このままじゃやべぇって‼️」

 

瀨呂「テープ切れちまう‼️」

 

飯田「緑谷君、何か方法はないのか⁉️」

 

飯田君が僕にかっちゃんを宥める方法を聞いてくる。

 

出久「そういえばかっちゃん‼️最近新しい激辛専門店が出来たんだ‼️」

 

爆豪「ッ⁉️」

 

切・瀬・飯(((えっ⁉️)))

 

かっちゃんは、辛い物に目がない。食べ物でつる。

 

出久「今度の休みに一緒に行こう⁉️だからおちついて。

 

爆豪「…その約束忘れんな。」

 

かっちゃんは落ち着きを取り戻し危険は去った。

 

出・爆以外(((((((緑谷パネェーーーッ‼️)))))))

 

単純だけどこれが一番かっちゃんに効くのだ。

 

切島「なぁ緑谷、そんとき俺も行っていいか?」

 

瀬呂「あっ!俺も俺も‼️」

 

上鳴「なんか面白そうだから俺も‼️」

 

飯田「緑谷君、俺もいいだろうか?」

 

麗日「デク君、私も行く‼️」

 

一緒にかっちゃんを抑えていた切島君・瀬呂君・飯田君、事の成り行きを見守っていた上鳴君と麗日さんが、着いてきたいと言ってきた。

 

出久「僕は構わないけど…」チラッ

 

僕は確認のため、かっちゃんに目を向ける。

 

爆豪「…勝手にしろ」

 

どうやら大丈夫みたいだ。

 

出久「大丈夫だって。」

 

切・瀬・上「「「よしっ‼️」」」

 

飯田「ありがとう、緑谷君。」

 

麗日「ありがとう、デク君‼️」(デククントオデカケ♪)

 

AM「あーッ、そろそろいいかい?評価と次のチームに移りたいんだか…」

 

オールマイトの言葉で、漸く現状を思いだした

 

 

 

 

 

 

 

 

授業が終わった放課後、僕はオールマイトに呼ばれたので、校長室に向かっている。飯田君と麗日さん、徹鐵君と心操君には先に帰ってもらうように言った。

 

校長室の前に来た僕は、扉をノックする。

 

出久「1-Aの緑谷です。」

 

???『入りたまえ。』

 

校長室に入るとオールマイトと保健室の担当医である“リカバリーガール”、そして、顔に傷のあるスーツを着たネズミのようなものがいた。

 

出久「あなたが・・・・校長先生ですか?」

 

???「Yes。ネズミなのか犬なのか熊なのか。かくしてその正体は・・・・・・校長さ!」

 

ネズミの校長先生、根津校長は軽く挨拶したあと、オールマイトに視線を移した。

 

AM「緑谷少年、今日の戦闘訓練は実に見事だった。さて、これから君に衝撃の光景をお見せするよ。」

 

 そういうと突然オールマイトの体から湯気が出始めた。

 

出久「ッ⁉️」

 

 出久は突然のことに戸惑う。煙が晴れるとそこにはがりがりのミイラのような人物が座っていた。

 

出久「オ、オールマイト?」

 

 出久は突然のことに戸惑いを隠せなかった。目の前で憧れのヒーローが一転してがりがりな姿へと変わったのだから。

 

根津「ここにいる全員が彼のこのことを知っている。そしてなぜ、僕たちが君にこのことを打ち明けたかわかるかな?」

 

根津校長がそう聞くと出久は首を横に振る。

 

根津「これを見て欲しいのさ。」

 

 根津はそう言うとリモコンを手に取りスクリーンを映し出した。そこには試験会場、そして今日の戦闘訓練で戦っていたゴーストの姿があった。

 

根津「はっきり言うと君の個性は規格外だ。変身するだけならまだしも、その驚異的な戦闘力はプロヒーローの教師陣も凌駕する。そして君は、去年まで“無個性”だったはずだ。しかし、突如“個性”が目覚めるにしても

この戦い慣れしているのに違和感を感じる。

ここ数ヵ月で君に何があったんだい?」

 

根津校長に聞かれ、僕は“ライダーワールド”について話すことにした。

 

 

 

 

 

出久「これが、僕がライダーワールドで体験してきた全てです。」

 

ライダーワールドの話をして、3人共驚愕していたが

無理もない。

“個性の存在しない世界”、“強大な悪の組織”。そして、悪に立ち向かう“仮面ライダー”…。

 

AM「そうか、私が離れたあとにそんな事が起きたのか…」

 

オールマイトは、僕の話を信じてくれたようだ。

 

出久「意外です。オールマイトも頭ごなしに否定するとおもいましたが。」

 

AM「今日の授業の取り組みを観ていれば分かる。君はこのような嘘をつく人間ではないとね。」

 

出久「…。」

 

オールマイトの言葉に、リカバリーガールと根津校長も納得したようだ。

 

 

 

 

 

 

 

程なくして、リカバリーガールと根津校長が退室しオールマイトと2人きりになった。

 

AM「さて、緑谷少年。私の本名は八木俊則。

こんな体なのには理由がある。と言っても、表立って言える内容ではない。君のような仮面ライダーが巨悪と立ち向かったように、私も立ち向かったのだ。私はそいつを倒した!……だがその代わり深手を負ってしまってね。呼吸器官半壊、内臓全摘、度重なる手術と後遺症で普通に生活しているのが奇跡な状態だ。活動時間は今では3時間ほどだ。」

 

出て「3時間ですか…。」

 

ずいぶん短い。

出久はそのことを冷静に分析していた。

 

AM「あの後警察に届けようとしたときに瓶詰めにしたのは良いがうっかり落としてしまってね。昨日試験を受けに来ていた少年に被害を出してしまった。

 そして同時に君も気づいていたと思う、今のヒーローの質の低下を。」

 

出久「…。」

 

AM「私はあの試験で君の変身を、いや活躍を見た時からこう決めていたのだよ。

君は“力”を受け継ぐに値する・・・・・・とね。」

 

出久「個性を受け継ぐ・・・・・ですか?」

 

AM「そう!私が持っている個性:”ワン・フォー・オール(以降OFA)“は、聖火のごとく引き継がれてきたものなんだ。」

 

出久「そんな個性が…。」

 

これにはさすがに驚愕した。本来“個性”とはその人に

宿った体の一部。そんな簡単に譲渡することなど出来ない。体のことで言えば、臓器移植のそれと似ているが、

もう1つ似ているものがある。

 

出久(仮面ライダーと似ている。)

 

仮面ライダーは力を譲渡する訳ではないが、新たな歴史が始まるなか、“思い”を受け継いでいるのだ。

人々の・世界の平和を守るという思いを…

 

AM「そうだ。そしてこの個性の特徴、それは力を譲渡することによって力を蓄えていくものだ。一人が力を培い、その力を一人へ渡し、また培い次へ・・・・そうして救いを求める義勇の声を紡いできた力の結晶!力を引き継いでくれるかい、緑谷少年?」

 

以前の僕だったら、オールマイトと同じ“個性”が宿ると思い、嬉々として受け入れただろう。

しかし、

 

出久「すいませんがオールマイト、僕は個性を受け取るつもりはありません。」

 

AM「な、何故だね⁉️」

 

僕の決断にAMが、驚愕な顔をしていた。

 

出久「僕が最初に貴方に会ったとき、貴方に言ったことを覚えていますか?」

 

そう、僕は

 

AM「ッ⁉️」

 

僕は一度、夢を否定されているのだ。

 

出久「“無個性でも、ヒーローになれますか?”です。」

 

目の前のNo.1ヒーロー“オールマイト”に…。

 

出久「貴方の話では、その個性は“力の譲渡”だといっていました。」

 

AM「ああ、そうだ。だからこの力には先代達の思いが…‼️」

 

出久「力の譲渡、つまり力が以前より蓄積されているんですよね?貴方が先代から受け継いだときより…」

 

AM「ッ⁉️」

 

オールマイトは、僕が言わんとしていることが分かったらしい。

 

出久「モノを入れるには器が必要です。しかし、最初は小さい器でも入れるものが大きくなれば、その器はいずれ限界を超え、器自体が使い物にならなくなります。

貴方は体格に恵まれた、恵まれてしまったんです。僕と貴方では、体格差が有りすぎて“個性”を受け継ぐ瞬間に、僕の体が持たないでしょう…。」

 

AM「だが、君はまだ成長段階だ‼️鍛えていけば、この力を受け継ぐ器になれる!」

 

オールマイトはまだ諦めていないらしい。仕方ない、

 

出久「貴方はあの時、僕の質問にこう答えましたよね?“夢を見ることは悪いことではない、だが現実も受け入れなくてはな”と…。」

 

AM「あ、あれは…。」

 

出久「僕はあの時、心の支えが必要なほど弱りきっていました。しかし、オールマイトが、“僕の憧れ”が目の前に現れたとき、微かな希望がありました。

“無個性でも、ヒーローになれますか?”

この質問に対して、貴方から“ヒーローになれる!”という言葉を聞けるだけでよかったんです。ですが、貴方から返ってきたのは否定の言葉でした。」

 

AM「わ、私はそんなつもりで言ったわけでは‼️」

 

出久「つもりがなくても、あの時の僕はそう捉えてしまったんです。貴方は、ヒーローとしてたくさんの人々を救ってきていましたが、心までは救えていなかったんです。」

 

AM「くっ…」

 

出久「僕が仮面ライダーの人達に教わったのは、ただ敵と戦って勝てばいいというものではなく、その人の“支え”に“希望”に“光”になることが大事だと言うことです。全てを守るのは無理です。でも、目の前で困っている人を放っておくことはもっと後悔します。」

 

この世界に帰ってきてからの不満をオールマイトにぶつけた。ヒーローの本質を忘れ、地位や名誉の為にしか動けない“ヒーローという名の偽善”

 

出久「僕は仮面ライダーから受け継ぎました。

“力”、“願い”、“意思”そして“信念”を」

 

僕は校長室の扉の前に立ち、

 

出久「僕は貴方を超えます。仮面ライダーから受け継いだ力で、仲間達の力で。失礼します。」

 

オールマイトにそう宣言してから校長室を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




長くなったし、駄文ですね


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委員と婚約者?

おでかけの番外編、いつやりましょう?

長い上に駄文です。



本編どうぞ


オールマイトから彼の真実を聞き、彼の力の継承を断った翌日、僕はバイクで学校に向かっていた。

でも、いつも乗っている『マシンフーディー』ではない。

ボディカラーは黒、先頭部は馬のような形状をしており、ゴーストの時と同じ一本角が特徴。

 

『マシンゴーストストライカー』

 

ゴーストの専用バイクである。

 

何故マシンフーディーではないのか?気分的なものです。

 

バイクを走らせ、学校に近づくと校門の前には報道陣が詰めかけていて、雄英高校の関係者が通るたびにマイクとカメラが向けられ次々と質問される

 皆、真面目にだったり、緊張しながらだったりそれぞれ答えていた。中にはかっちゃんの様に無視して通り過ぎる人もいた。

 

僕?ゴーストの能力の1つ“霊体化”で、スルー

 

 

 

相澤「さてHRだが・・・急で悪いが今日は君らに・・・」

 

「学級委員長を決めてもらう」

 

1-A「「「学校っぽいの来たー!!」」」

 

 先生の一言で教室は一気に騒がしくなった

 皆自分がやりたいと手を上げて主張し始めたからだ

 それを鎮めたのは

 

飯田「静粛にしたまえ!!」

 

 飯田君だった

 

飯田「〝多〟をけん引する責任重大な仕事だぞ!『やりたい者』がやれるモノではないだろう!」

 

「周囲からの信頼あってこそ務まる聖務!民主主義に則り真のリーダーを皆で決めるというのなら、これは投票で決めるべき議案!!!」

 

切島「そびえ立ってんじゃねーか!!何故発案した!!!」

 

容赦なく切島君からツッコミがはいる。飯田君、右手が伸びまくってる…

 

飯田「どうでしょうか先生!!」

 

相澤「時間内に決めりゃ何でもいいよ」

 

相澤先生、教師なのになんでそんなに投げやりなんでしょうか?

僕は飯田君に投票しよう。真面目だし、こういうのに向いてそう

 そして投票結果は

出久「僕5票!?」

 

飯田「わかってはいた!!さすが聖職と言ったところか…しかしこの1票は誰が…」

 

 僕が5票で委員長、次点2票で八百万さんが副委員長に決まった

 

…そんなこんなで昼休み…

 

徹鐵「へぇ~、緑谷が委員長か。」

 

心操「確かに適任だな。」

 

飯田君と麗日さん、食堂で合流した徹鐵君と心操君と昼食を採っていて、HRの話になった。

ちなみに席は、僕の隣に麗日さん、向かい側に心操君・飯田君・徹鐵君である。

 

出久「でもまだいざ委員長やるとなると不安だな~。」

 

飯田「大丈夫さ、緑谷君は観察力や判断力は〝多〟をけん引するに値する。だから君に投票したのだ。」

 

 君だったのか!!僕に票を入れたのは‼️

 

麗日「でも飯田君も委員長やりたかったんじゃないの?眼鏡だし!」

 

それは偏見だよ、麗日さん…

 

心操「まぁ、緑谷なら問題ないと思うがな。」

 

徹鐵「緑谷はアドバイスとか教えんの得意だろ?」

 

出久「プレッシャーかけないでよ…」

 

僕は以外にメンタル弱いのに……。

 

???「お茶ですわ♪」

 

出久「うん、ありが……えっ?」

 

麗・飯・徹・心「「「「?」」」」

 

僕は渡されたお茶に違和感を感じた。

 

おかしい…確かにプレッシャーで喉が渇いてきたからお茶でも飲もうかと思ったけど、僕はお茶を持ってきていない。

それに渡されたときに聞こえた女性の声、ここには女性は麗日さんしかいない。でも、麗日さんは僕の“右隣”で食事をしてる。お茶は左隣からきたのだ。

 

そしてこの聞き覚えのある声は

 

徹鐵「音黒、いつの間に?」

 

音黒マミ「たった今ですわ、鉄哲さん」

 

出久「マ、マミさん⁉️」

 

徹鐵君と話している音黒さんを僕は知っている。なぜなら、

 

出久「な、なんでマミさんがここに⁉️」

 

マミ「それは野暮ですわ、出久様♪」

 

飯・徹・心「「「出久様⁉️」」」

 

麗日「デククン、ソノ子誰ナン?」

 

出久「目が据わってるよ麗日さん⁉️」

 

麗日さんの機嫌が急激に下がりだした、何故⁉️

 

マミ「初めまして。わたくし音黒マミといいます。緑谷出久様の婚約者ですわ♪」

 

麗・飯・徹「「「婚約者ーーーッ⁉️」」」

 

心操「マジか?」

 

麗日さん達が驚愕するが

 

出久「違うよ‼️マミさんは、僕の師匠の1人の娘さんなんだよ‼️」

 

音黒マミさん、腰ほどまである金髪にエメラルドグリーンの目、スタイルは八百万さんにも劣らない。

そして彼女は、“仮面ライダーネクロム”の変身者

アランさんの娘である。

以前、一緒に旅をしていたのだが、旅仲間からいつの間にか婚約者になっていた。

なによりおかしいのは、彼女がここにいるということ。

彼女は、アランさんの娘である。つまり、彼女は“ライダーワールド”の住人なのだ。

 

出久「どうしてここに?アランさんは?」

 

マミ「お父様に、出久様の元へ行きたいと言ったら、快く承諾してくれましたの。そしたら士様が連れてきてくれたんですの、今はマンションに住んでますわ♪」

 

出久「士師匠が?」

 

士師匠は“仮面ライダーディケイド”、平成10番目の

ライダーで世界を渡る力を持っている。

その他の説明は次の機会に。

 

マミ「それで出久様、ようやくお話し出来たのですから、今日の放課後わたくしのマンションに…」

 

麗日「ちょっと待ったーーーッ‼️」

 

婚約者の話辺りから放心状態だった麗日さんがマミさんに待ったをかけた。

 

麗日「なんで緑谷君が貴方の家にいかなあかんの⁉️」

 

マミ「あら、貴女には関係ないことではないですか?」

 

麗日さんの反応が気に入らなかったのか、マミさんが無表情で対抗してきた。

 

マミ「だいたい貴女は“私”の出久様とどういったご関係ですの?」

 

君のではないでしょ‼️

 

麗日「で、デク君と私は同じクラスやもん‼️それにデク君はあなたのではないでしょ⁉️」

 

なんかの2人の間で火花が見えるんだけど⁉️

どうしたらいいの、この状況⁉️

 

飯田「な、なんだか喉が渇いたからお茶でもとってこよう‼️」

 

心・徹「「俺も。」」

 

飯田君達が一斉に席を離れた…

ちょっと待って‼️僕を置いてかないで⁉️

 

ガシッ

 

出久「ッ⁉️」

 

麗日「デク君、どこ行くん?」

 

マミ「どちらへ行かれようとしているのですか、出久様?」

 

立ち上がろうとしたら2人に掴まれた。

 

出久「ぼ、僕も飲み物をとりに…」

 

マ・麗「「スワッテクダサイ/スワッテ?」」ニコッ

 

出久「は、はい…」

 

この後暫く2人から解放されなかった

 

 

 

 

 

 

 




音黒(ねくろ)マミ

年齢16歳

身長153cm

見た目:カンピオーネのエリカ・ブランデッリ

出るとこ出てて引っ込んでるとこ引っ込んでます


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USJ事件
USJとヴィラン襲撃


なかなか思い浮かばない


マミさんと再会した翌翌日、

 

相澤「えー…今日のヒーロー基礎学だが…俺とオールマイト、それともう1人で見る事になる。」

 

瀬呂「はいっ、何するんですかー?」

 

瀬呂君が聞く。すると相澤先生はRESCUEと書かれたカードを取り出し

 

相澤「災害水難何でもござれの、レスキュー訓練だ。」

 

上鳴「レスキュー…?今回も大変そうだな…。」

 

芦戸「ねー!」

 

切島「ばーかおめェ!これこそヒーローの本分だぜ!上鳴!」

 

相澤「おい、まだ途中…!」

 

相澤先生の言葉に静まり返る。

 

相澤「…今回コスチュームの着用は個人の判断で構わない…中には活動を制限するものもあるからな…以上、準備をしたら移動のためバスに乗るから外に集合…じゃ、準備開始…!」

 

バスで移動か、それなら

 

出久「相澤先生。」

 

相澤「なんだ、緑谷。」

 

出久「僕はバイクで移動してもいいですか?レスキュー訓練なら役に立つことがあるんで。」

 

相澤「いいだろう、許可しよう。」

 

僕は相澤先生に許可をもらって“ゴーストライカー”で移動することにした。

 

出久(…なんだか嫌な予感がする。)

 

朝から何か嫌な予感を感じていた。不安が残るなか、僕はバイクを取りに行き、バスを待つ皆と合流することにした。

 

麗日「おーい、デク君。」

 

麗日さんが手を振って呼んでいたので、麗日さんと合流した。近くには飯田君もいる。

 

麗日「あれ?前に乗ってたやつと違うね?」

 

出久「これは“ゴーストライカー”って言って、ゴースト専用のバイクなんだ。ちょっとした特殊能力もあるんだよ。」

 

麗日「へぇ~。」

 

飯田「名前があるのか。では、あの青いバイクにも名前と特殊能力があるのかい?」

 

出久「飯田君達が最初に見たバイクは“マシンフーディー”。あれにも特殊能力はあるよ。」

 

麗日さん達とそんな話をしていると、バスがやって来た。

バスの乗り降りをスムーズにするため、飯田君が“番号順に並んで乗り込むべきだ。”宣言したが、来たバスが市バスのタイプで無意味に終わった。

 

なんで飯田君が指示を出したかというと、彼にクラス委員を譲ったのだ。

 

 

 

先日、マミさんと麗日さんに挟まれて動けなかった時、突然警報が鳴始めた。どうやら侵入者が現れたらしく、食堂はパニックに陥ったが、飯田君が皆を落ち着かせた。

彼は、咄嗟の判断や緊急の時に的確な指示を出していた。リーダーとして一番大事なものを持っていたから、午後の授業で飯田君にクラス委員を譲ったのだ。他の皆も納得してくれた。

 

とりあえず、皆がバスに乗り込むのをみて、僕もバイクに乗ろうとすると芦戸さんが声をかけてきた。

 

芦戸「ねぇねぇ緑谷~。」

 

出久「どうしたの、芦戸さん。」

 

芦戸「私もバイクに乗せて♪」

 

なんとなく予想通りなものだった。

 

出久「いいよ、でもしっかり掴まっててね?」

 

芦戸「ありがとー。」

 

僕がバイクに跨がると芦戸さんが後ろに乗ってきた。

しかし、

 

芦戸「へへぇ~♪」ギューッ

 

思った以上に芦戸さんが掴まってきて背中に女性特有の弾力が

 

出久「あ、芦戸さん⁉️」

 

芦戸「さぁ緑谷、行くぞー‼️」

 

出久「りょ、了解。」

 

背中に芦戸さんの弾力を感じながら、無心でバイクを走らせる。

 

芦戸「んー、風が気持ちいいーーー♪」

 

出久(π=3.1415926535897932…)ブツブツ

 

 

 

峰田「ぬぐぐぅー、緑谷~‼️」チナミダ

 

上鳴「恨めしい~ッ。」

 

切島「帰りは俺が乗っけてもらうかなぁ。」

 

葉隠「私ものりたーい。」

 

麗日「デククンツイタラハナシキカナアカンナ…」

 

飯田「お、落ち着くんだ麗日君‼️」

 

蛙吹「顔が怖いわよ、お茶子ちゃん。」

 

耳郎「なに、このカオス…」

 

僕が煩悩と戦ってるとき、バスの中でこんなことがあったとかなかったとか

 

 

 

僕らは大きなドームの前に付いた。そこには…

 

???「ようこそ皆さん。待っていましたよ!」

 

出久「スペースヒーロー13号‼️」

 

麗日「私13号好きなんだ!」

 

スペースヒーロー13号(以降S13)がいた。救助などに精を出すヒーローだ。

 

相澤「…おい、オールマイトはどこだ…?」

 

S13「…それが、オールマイトは勤務中に活動時間を残り一時間にしてしまったので仮眠室で休んでいます…」

 

指を一本立てる13号

 

相澤「不合理の極みだな」

 

出久(もしかしてオールマイトの制限時間のことか?…)

 

中に入ると、すごいの一言だった。

 

瀬呂「すっげぇ!USJかよ!?」

 

瀬呂君がそう叫ぶ、確かにUSJのように色んな所がある。

 

S13「水難ゾーン、火災ゾーン、暴風ゾーン、土砂ゾーンその他諸々僕が作った演習場です!」

 

「(U)嘘の(S)災害や(J)事故ルーム!略して!」

 

「USJ!!!」

 

1-A(((本当にUSJだった!)))

 

S13「始める前にお小言を一つ2つ…3つ…4つ、5つ…6つ…」

 

1-A(((ふ、増えてる…)))

 

S13「僕の個性は知っての通りブラックホール。なんでも吸い込んでチリにしてしまいます。」

 

「しかし容易に人を殺せる個性です。みんなの中にもそういう個性の子が居るでしょう。超人社会は個性の使用を資格制にして、厳しく規制している事で一見成り立っているように見えます。ですが、一歩間違えば、容易に人を殺せる行き過ぎた個性を持っていることを自覚してください。」

 

「相澤先生の体力テストで自身が持ってる可能性を知り、オールマイト先生の戦闘訓練で相手に個性を向ける危うさを知ったでしょう。」

 

13号先生は、個性の危うさや可能性などの話を語っていっている。

 

「ここでは心機一転!人命のために個性を使用するやり方を考えましょう!君たちの個性は、傷つけるためにあるのではなく、助けるためにあるのだと心得て帰ってくださいな!」

 

「ご清聴、ありがとうございました!」

 

軽いお辞儀をした瞬間に、拍手が飛ぶ。

相澤「よし…そんじゃまずは…」

 

出久「…ッ⁉️」

 

 

相澤先生が言い淀み、僕はドライバーを出現させる。すると、館内のライトに電気が走り、照明が落ちる。

真ん中にある噴水は途切れ途切れに出るようになっている。

噴水の形が歪み始め、どんどんその歪みは黒く大きくなっていき、中から手だらけの人が顔を出す。

 

相澤「一塊になって動くな!13号!生徒を守れ!」

 

相澤先生が焦る。当然だ、何故なら…

 

切島「なんだ…?もう試験は始まっているって奴か…?」

 

相澤「動くなっ!!」

 

相澤先生の初めて聞く怒鳴り声に、みんなが足を止める。

 

「あれは…」

 

それは、奇しくも人を救う訓練の時に現れた。

 

「ヴィランだ…!」




次、戦います。オールマイト来る前に、デク君が脳無倒しちゃいます。あー、オールマイトの株が


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水難エリアと発明王

浮かばねぇー


???「イレイザーヘッドに13号ですか。先日頂いた教師側のカリキュラムではオールマイトはここにいるはずなのですが…」

 

相澤「やはり先日のはクソ共の仕業だったのか。」

 

???「どこだよ…せっかくこんなに大衆を引き連れてきたのにさ…オールマイト、平和の象徴…いないなんて…子供を殺せば来るのかな?」

 

体中に手がある男は出久たちを見ながらそう言った。

 

出久(間違いない、こいつらは本気だ。しかも馬鹿じゃない。ここのセキュリティーをやすやす突破して入ってきてる!)

 

出久はいつでも変身できるように構える。

 

切島「敵⁉️バカだろ⁉️ヒーローの学校に入り込んでくるなんてアホすぎるだろ‼️」

 

出久「敵もバカじゃないよ!」

 

轟「先生、侵入者用センサーは?」

 

S13「もちろんありますが…!」

 

轟「現れたのはここだけか学園全体か…なんにせよセンサーが反応しねぇなら向こうにそういうことができる“個性のヤツ”がいるってことだな。」

 

出久「多分ここだけだよ。あいつが言っていたでしょ?オールマイトを狙っているって。つまり…目的があるから用意周到に画策された奇襲!」

 

出久が冷静に分析をする。元々分析力がある上に場数を踏んでいるからこそ出久は冷静さを保つことができるのである。

 

相澤「13号、避難開始!学校に電話試せ!センサー対策も頭にある敵だ!電波系の”個性”で妨害している可能性もある!上鳴、おまえの”個性”で連絡試せ!」

 

上鳴「っす!」

 

相澤先生はそう指示を出すと敵の方へ突っ込んでいく。

 

峰田「おいおい、大丈夫なのかよ!先生の個性じゃあの数は無理だろ⁉️」

 

出久「大丈夫だよ、峰田君。先生はプロ、一芸だけのヒーローじゃない!」

 

出久はこの世界に帰ってきてから“ヒーローの質の低下”を実際に現場や動画で確認していた。ほとんどのプロヒーローは個性にのみ頼り戦闘をしている。だから、相性の悪い敵と遭遇すると身動きが取れなくなってしまい、人質や逃げる隙を与えてしまう。

それに、相澤先生は“抹消”の個性。それだけでは敵を制圧できない。

そう。個性に頼るなら…

 

敵1「射撃隊!行くぞ!」

 

敵2「情報じゃ13号とオールマイトだけじゃなかったのか⁉️ありゃ誰だ!」

 

敵3「知らねぇ‼️が、一人で正面から突っ込んで来るとは…」

 

敵『大間抜け‼️』

 

射撃系の個性を発動しようとするが個性は消されているため発動しない。

 そのことに呆けている敵の隙を相澤先生は見逃さず装備している包帯を二人に巻き付け頭同士をぶつける。

 

敵4「馬鹿野郎‼️あいつは見ただけで“個性”を消すっつぅイレイザーヘッドだ!」

 

敵5「消すぅ~~?へっへっへ、俺らみてぇな異形型も消してくれるのか?」

 

四本腕の個性を持つ敵が相澤先生を狙うがそれよりも前に相澤先生のパンチが敵に入った。

 

相澤「それは無理だ。発動系や変化形に限る。が、お前らみたいなやつらのうまみは統計的に近接格闘で発揮されることが多い。」

 

殴り飛ばした敵の脚に包帯を巻きつけ後ろから来る敵の個性を身を低くして回避するとそのままぶつけた。

 

相澤「だからその辺の対策はしている!」

 

???「肉弾戦でも強く、その上ゴーグルで目線を隠されていては”誰を消しているか“わからない。集団戦においてそのせいで連携が後れを取るな…なるほど。嫌だなぁ、プロヒーロー。“有象無象”じゃ歯が立たない。」

 

 全身手で覆われている男が冷静に分析をする。

13号先生が引率して避難しようとするが出口に黒い敵が立ちふさがる。

 

出久(!少し目を離してたけど階段を上ってくる様子はなかったということは移動系の個性か、もしくは“ゾーンメモリー”のような空間転移型…)

 

???「初めまして。我々は敵連合。僭越ながら…この度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせていただいたのは、平和の象徴オールマイトに息絶えていただきたいと思ってのことです。本来ならばオールマイトがいるハズ…何か変更があったのでしょうか?まぁ、それは関係なく…。」

 

13号先生は警戒して人差し指の蓋を開け、いつでも”個性”を発動できるようにする。

 

???「私の役目はこれy」

 

敵が何かを言おうとした途端、かっちゃんと切島君が攻撃を仕掛けるが敵は回避する。

 

爆豪「その前に俺たちにやられることは考えてなかったのか⁉️」

 

???「危ない危ない・・・・・そう・・・・生徒と言えど優秀な金の卵。」

 

S13「ダメだどきなさい、二人とも!」

 

13号先生が注意した途端、敵の黒い靄を僕たちを覆うように広げた。

 

???「散らして、嬲り殺す。」

 

出久(マズい‼️)

 

出久はゴーストドライバーからガンガンセイバーを出し、ガンモードにして敵に撃つ。

 

???「ぐっ!」

 

牽制できたが、黒い靄によって僕を含め何人かはどこかへ転送させられた。

 

出久「ッ⁉️」

 

僕が次に目にしたのは水であった。目の前を一面水が張っている。そしてそこがどの場所か見当がついた。

 

出久「水難エリア⁉️」

 

空中で体制を立て直し、ゴーストドライバーに眼魂を入れた。

 

出久「変身‼️」

 

GD『開眼‼️オレ、レッツゴー‼️覚悟ゴ、ゴ、ゴースト‼️』

 

変身したことで水には落ちず、ゴーストの能力“空中浮遊”で船の甲板に降り立つ。

 

出久(奴らの狙いはオールマイトを殺すこと…。そしてあいつの“個性”はワープ!ここまでするなんて‼️)

 

出久がそう思っていると

蛙吹梅雨さんが脇に峰田君を張り付けて現れた。

 

蛙吹「緑谷ちゃん。」

 

出久「蛙吹さん‼️それに峰田君‼️」

 

峰田「カエルの割になかなかどうして…おっぱぐげッ⁉️」

 

峰田君がどさくさ紛れに蛙吹さんの胸の感触を味わっていたことに気づき甲板に投げつける。

 

出久「蛙吹さん達、無事だったんだ。」

 

蛙吹「梅雨ちゃんと呼んで。それより大変なことになったわね。」

 

蛙吹さんは僕と共に身を屈める。

 

出久「カリキュラムが割れていた。単純に考えれば先日のマスコミ乱入は情報を得るために奴らが仕組んだってこと。奴らは虎視眈々と準備をしてきたんだ。」

 

峰田「でもよでもよ!オールマイトを殺すなんて出来っこねぇさ!オールマイトが来たらあんな奴らケチョンケチョンだぜ!」

 

峰田君は自信ありげに言うが、蛙吹さんは違った。

 

蛙吹「峰田ちゃん、殺せる算段が整っているから連中こんな無茶しているんじゃない?そこまでできる連中に私たち嬲り殺すって言われたのよ?オールマイトが来るまで持ちこたえられるのかしら?オールマイトが来たとして、無事に済むのかしら?」

 

蛙吹さんの言葉にだんだん峰田君の顔は青くなる。

 

出久「確かにその通りだ。でも、あいつらはそれをまだ見せていない。」

 

峰田「どういうことだよ?」

 

出久「相澤先生の戦闘を見て気づいたとは思うけど、あいつらは強くない。相澤先生があしらえる相手ってことはチンピラ同然。でも問題はそこじゃない。多分アイツらは捨て駒だ。」

 

峰田「捨て駒!?あいつらが!」

 

出久「うん。その証拠に指揮を執っていなかった。つまりいる人材があの中にいなかったってことになる。でもそんなことよりまず僕たちが考えるのは、ここから脱出することだ。おそらくあいつらの中にしびれを切らして船を沈めに来る奴らがいると思う。だから今から僕の言うことを聞いて欲しい。」

 

出久が内容を話していると突然船が大きな音を立て揺れた。それと同時に船に大きな傷ができた。

 

敵1「じれったいだけだ。ちゃっちゃとおわらそう。」

 

敵の一人の攻撃が船を割った。

 

出久「それじゃあ行くよ‼️」

 

峰・蛙「「おう!/ええ!」」

 

出久はゴーストドライバーからオレ魂を外し、【2】と書かれた眼魂を入れた。

 

GD『アーイ‼️バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️』

 

銀色を主体とした黄色が入ったパーカーゴーストが出現する。そして、

 

『開眼‼️エージソン‼️エレキ、閃き、発明王~ッ‼️』

 

電球の模様をした顔、2本角のような電波塔をもち、かつて世界に電気の技術を広げ、“1%の閃きが無ければ、99%の努力は無駄になる”という名言を残した発明王エジソンの力、仮面ライダーゴーストエジソン魂に変身する。

 

出久「時間がおしいから一撃で決める‼️」

 

出久はガンガンセイバーをガンモードにしてドライバーにかざす。

 

GD『大開眼‼️オメガドライブ‼️』

 

銃口を上に向けるとゴーストの周りに電気が走り、2本のアンテナに集まっていく。

 

『ガンガンミナー‼️ガンガンミナー‼️ガンガンミナー‼️ガンガンミナー‼️』

 

敵1「なんだあいつ?」

 

敵2「知らねぇ。だがチャンスだ。」

 

敵「「「「一斉攻撃だ‼️」」」」

 

そしてエネルギーが溜まり、銃口を水面に向ける。

 

出久「蛙吹さん!」

 

蛙吹「梅雨ちゃんと呼んで‼️」

 

蛙吹さんは峰田君を抱えて上に跳ぶ。

なぜ蛙吹が峰田を抱えて跳んだのか、それは出久が話した作戦である。

 

出久『ここにワープさせられたってことは、ここにいる敵は殆どが水中戦を得意とする個性を持っているはず。そうじゃなくても、水中で待ち伏せしてるはずだ。』

 

峰田『じゃあはっきりした数がわかんねぇじゃねぇか⁉️』

 

出久『いや、分からなくても全員水中にいるならまとめて倒せる。』

 

蛙吹『どういうこと、緑谷ちゃん?』

 

出久はエジソン魂を2人に見せる。

 

峰田『これって…』

 

蛙吹『緑谷ちゃんが戦う時に使うアイテムね。』

 

出久『これは眼魂“アイコン”といって、偉人の魂が宿ってる。これはエジソン眼魂。エジソンの魂が宿ってる。』

 

蛙吹『なるほど、そういうことね。』

 

峰田『なんだよ‼️どういうことだよ⁉️』

 

出久『エジソンは電気を産み出した偉人。だから能力は電気を操ることなんだ。水中にいる敵の数は分からないけど、電気で攻撃すれば一網打尽にできる。』

 

峰田『おぉ‼️なるほど‼️』

 

出久『だから僕が大技を使うとき、巻き添えと感電しないように、蛙吹さんは峰田君を抱えておもいっきりジャンプして。』

 

蛙吹『分かったわ。』

 

峰田『じゃあ俺は?』

 

出久『峰田君は僕が攻撃した後、敵達にモギモギを投げて拘束するんだ。』

 

峰田『なるほど‼️』

 

出久『ちなみに今日の体調は?』

 

峰田『さっき蛙吹の胸を揉んだから絶好ちょヘブ‼️』バシッ

 

蛙吹『…。』

 

出久『じゃ、じゃあ行くよ‼️』

 

蛙吹『ええ‼️』

 

峰田『おう!』

 

 

 

 

 

 

GD『オメガブラスト‼️』

 

出久「ハァッ‼️」

 

出久はトリガーを引き、水中にエネルギー弾を撃つ。

 

敵「「「「ぎゃあああああああああああッ⁉️」」」」

 

水は電気を通す。

その為、水中にいくら潜んでいようとも電気系統の攻撃をくらえば、感電により動けなくなるのだ。

そして、当初の作戦通り峰田のモギモギで敵達をくっつけて拘束し、逃走を行えなくした。

 

峰田「やったぜ、緑谷‼️」

 

出久「うん、ありがとう峰田君‼️蛙吹もありがとう‼️」

 

蛙吹「緑谷ちゃんのお陰よ。それと蛙吹じゃなくて梅雨ちゃんって呼んでね?」

 

出久「分かったよ、あすっ梅雨ちゃん。」

 

こうして水難エリアの敵達は、大したことをするわけでもなく、水に浸かって痺れただけだった。

 

 




終わらない、オールマイト出せない。


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脳無と狩人、そして緑のスペクター

スペクターをカラー変更しました。


水難エリアの敵を倒した僕達は相澤先生が戦っている場所付近に近づいてみるとそこには、脳がむき出しの敵が相澤先生の片腕を握り潰そうとしていた。

 

出久(マズイッ‼️)

 

僕はすぐに【3】と書かれた眼魂を取り出し、ドライバーに入れる。

 

GD『アーイ‼️』

 

『バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️』

 

音声と同時にドライバーから緑色のパーカーゴーストが出現し、敵を弾き飛ばし相澤先生から遠ざける。

 

峰田「オリャーーーーーーーッ‼️」

 

出久「梅雨ちゃん、今だ‼️相澤先生を‼️」

 

蛙吹「ケロッ。任せて。」

 

弾き飛ばすと同時に、峰田君のモギモギで敵の動きを封じ、梅雨ちゃんの舌で相澤先生を救出する。

 

???「なんだ?」

 

GD『開眼‼️』

 

レバーを引き、パーカーを纏う。

かつてあるところに盗賊がいた。しかしその盗賊が盗むのは、悪徳貴族が弱き民から奪ったものばかりで、盗んだものは元の持ち主に返した。

弓矢を使うその盗賊は、民を守る正義の盗賊“義賊”として人々より慕われた。その盗賊の名は

 

『ロビン・フッド‼️ハロー、アロー‼️森で会おう‼️』

 

出久は、仮面ライダーゴースト“ロビン・フッド魂”に変身した。

 

???「死柄木弔。」

 

黒い靄が手を体に付けた敵“死柄木弔”の横に現れ、敵が中から出てきた。

 

死柄木「黒霧、13号はやったのか?」

 

黒霧「行動不能にはできたものの散らし損ねた生徒がおりまして…。一名、逃げられました。」

 

死柄木「…はぁ?」

 

死柄木は間抜けな声を出す。

 

死柄木「は~ぁ…」

溜息を吐くと顔を掻き始め、両腕で首をガリガリと掻き続ける。

 

死柄木「黒霧、おまえ…ワープゲートじゃなかったら粉々にしてたよ。さすがに何十人ものプロ相手じゃ敵わない。ゲームオーバーだ。あ~ぁ…今回はゲームオーバーだ。」

 

出久(ちょっと待てゲームオーバー?…アイツは…人の命をゲーム感覚で楽しんでいたってのか?)

 

出久は死柄木の言葉を聞いて“ある怪人”を思い出した。

自分にルールをつけ、成功すれば褒美を与え、失敗すれば罰を与える。

自分に音楽を奏でる楽しさを教えてくれた師匠の1人

“紅 渡さん・仮面ライダーキバ”の世界の怪人

“ファンガイア”その幹部の1人、“ルークファンガイア”

奴もまた、ゲーム感覚で人の命を奪っていた。

出久は仮面の下で歯を食いしばっていた。

 

死柄木「けどその前に、平和の象徴の矜持を少しでも…」

 

 死柄木は一瞬で出久たちの下へ近づき、手を伸ばす。

 

死柄木「へし折って帰ろう!」

 

死柄木の手が蛙吹の顔を捉えようとした瞬間

 

???『ピーッ‼️ピーッ‼️』

 

機械の鳥が死柄木の手を弾いて蛙吹から遠ざける。

 

死柄木「いっつ⁉️なんだ今度は?」

 

機械鳥“コンドルデンワー”は出久の持っているガンガンセイバーと合体し、“ガンガンセイバー弓矢モード”に変わる。

 

出久「ハァッ‼️」

 

死柄木「くっ‼️」

 

出久はエネルギー状の弦を引き、同じくエネルギー状の矢を放ち、敵達を攻撃する。

 

蛙吹「先生、大丈夫かしら?」

 

峰田「先生ボロボロじゃねぇか⁉️」

 

相澤「すまん、助かった。かなりやばかったんでな。」

 

「どうやら、あの脳がむき出しのやつ“脳無”がオールマイト対策らしい。個性を消してみたが、いくつかあるらしい。その上パワーが桁外れに強い。」

 

相澤先生は敵の知りうる限りの情報を話してくれた。

このまま戦うのは怪我人の相澤先生や梅雨ちゃん達を巻き込む可能性があるため、逃げの1手を考えるが敵がこちらを逃がすわけがない。

 

死柄木「ガキ共と手負いのヒーローになにができる…脳無、奴等を殺せ。」

 

死柄木の声に反応し、脳無は峰田君の放ったモギモギを強引に引き剥がし始めた。

 

峰田「嘘だろ⁉️今日は調子良いから明日までは外れねぇぞ⁉️」

 

蛙吹「とんでもないパワーね。」

 

相澤「パワーだけじゃねぇ。あの図体でスピードもある。モギモギが全て取れたら一気に来るぞ。」

 

相澤先生の話を聞いて、僕はガンガンセイバーをドライバーに翳す。

 

GD『大開眼‼️オメガドライブ‼️ガンガンミナー‼️ガンガンミナー‼️ガンガンミナー‼️ガンガンミナー‼️』

 

エネルギー状の弦を引き、脳無に構える。

 

GD『オメガストライク‼️』

 

出久「いけぇッ‼️」

 

脳無の体をエネルギー体の矢が貫通し、爆発をおこす。

 

峰田「スゲー…」

 

蛙吹「流石ね、緑谷ちゃん。」

 

相澤「なんつうパワーだ。」

 

死柄木「なに⁉️」

 

黒霧「脳無が⁉️」

 

この場にいる全員が驚愕するが、煙が晴れるとボロボロだが再生を始めている脳無の姿があった。

 

出久「ッ⁉️」

(あれを受けても再生するなんて‼️流石は対オールマイト対策、一筋縄じゃいかないか…)

 

峰田「マジかよ⁉️緑谷の攻撃で死なねぇなんて…」

 

蛙吹「ケロッ。正に化け物ね。」

 

相澤「クソッ。」

 

死柄木「流石は先生の最高傑作だな。」

 

黒霧「驚愕しましたが、問題ないですね。」

 

脳無は再生しているが、ダメージが大きいのか完全に再生するにはまだ時間がかかるようだ。出久は次の行動に出た。

 

出久「峰田君、梅雨ちゃん。相澤先生と一緒に皆と合流して。僕が足止めする。」

 

峰田「無茶だって緑谷‼️相手は化け物だぞ⁉️」

 

蛙吹「峰田ちゃんの言うとおりよ。危険すぎるわ。」

 

峰田も蛙吹も出久のことを止めようとする。

 

出久「相澤先生は動ける状態じゃないし、梅雨ちゃんも峰田君も戦闘向きじゃない。敵が見逃してくれるとも思えないし、誰かが残って交戦しないと。」

 

そんな話をしているとまた死柄木が攻撃しようとしてきた。

 

死柄木「逃がすと思ってるのか?」

 

死柄木の手が峰田に触れようとした瞬間

 

出久「キャプテン・ゴースト‼️」

 

出久が呼ぶと空中から足が生えたような船が現れ、死柄木を黒霧のほうへ突き飛ばす。

 

死柄木「ぐあっ‼️」

 

黒霧「死柄木‼️」

 

キャプテン・ゴーストは蛙吹達の近くに止まる。

 

峰田「ふ、船?」

 

相澤「なんだこりゃ?」

 

蛙吹「緑谷ちゃん、これは?」

 

出久「これはキャプテン・ゴースト。僕のサポートメカの1つだよ。空中移動が出来るから、相澤先生を乗せて梅雨ちゃん達も一緒に行って。」

 

蛙吹「…分かったわ。でも緑谷ちゃん、約束して。死なないで。」

 

出久「…ありがとう、相澤先生のことお願いね。」

 

蛙吹達はキャプテン・ゴーストに乗り込み、皆に合流するためこの場から離れる。

出久は蛙吹達を見送ったあと、死柄木と黒霧、そして再生が完了した脳無に向き直る。

 

黒霧「貴方は逃げないのですか?」

 

出久「ここで全員逃げるより、誰かが残って戦ったほうが足止めになる。」

 

黒霧の質問に出久は変身を解きそう返す。

 

死柄木「なんだ?死にたがりのガキか?お前の攻撃を受けても脳無は死ななかったんだぞ。勝ち目がねぇだろ。それともオールマイトが来るまでの時間稼ぎか?」

 

出久「そんなつもりはない。僕は勝つために残ったんだ。オールマイトを超えるヒーローになるために、対オールマイト対策のそいつを倒す。」

 

出久はそう答えて、【S】と書かれた眼魂を取り出す。

 

死柄木「オールマイトを超える?面白れぇな、それ。ならこいつを倒してみろ。やれ、脳無‼️」

 

脳無は死柄木の命令に従い、出久に迫り攻撃しようとする。しかし、

 

GD『アーイ‼️バッチリミロー‼️バッチリミロー‼️バッチリミロー‼️バッチリミロー‼️』

 

ドライバーから現れた緑色のパーカーゴーストに脳無の攻撃は阻まれる。

 

死柄木「なに?」

 

出久「僕は本当のヒーローになるために、オールマイトを超えるために、脳無を、ゲームといって人の命を取ろうとする貴方達を倒す‼️

変身‼️」

 

GD『開眼‼️』

 

 

 

 

出久がライダーワールドから帰ってきてから数日。テレビや新聞ではヒーロー達の活躍が大半を占めていた。しかし、敵に爆豪勝己が捕まったとき多くのヒーローがいたが、相性が悪いという理由で動けずにいた。

本来ヒーローとは相性関係なく敵と戦い、人々を守るものだ。ヒーローが職業となったことで個性の向き不向きが出始め、町への被害が大きくなったり、人質が危険な目にあうリスクが上がってしまったのだ。

 

出久はそんなヒーロー達をみて憤りを感じた。

仮面ライダー達は、相性が悪くても自分自身がボロボロになっても、敵に立ち向かっていった。他のライダーが助っ人に来ても、相手を任せず自分も立ち向かっていった。助け合いはするも、決して他人任せにはしなかった。

そして最後は、逆境をはね除けて悪を打ち倒した。

 

“本当に彼らはヒーローなのか”、“これが自分の求めていたヒーロー像なのか”

 

出久は自分の世界のヒーローの不甲斐なさに怒り、血が滲むほど右手を握りしめていた。

 

出久(こんなの本当のヒーローじゃない。僕が本当のヒーローになる。どんな状況にも負けない、真のヒーローに‼️)

 

その時、右手から緑色の光が漏れだしていた。出久はそれに気付き右手を開くと、緑の眼魂があった。

緑の眼魂には数字ではなく、文字が書いてあった。

オレ魂の眼魂が【G】であるなら、この眼魂は【S】

 

出久はこの緑の眼魂こそが、自分の“個性”なんだと感じた。なぜなら、この眼魂は自分が“真のヒーローになるための覚悟”から生まれたからだ。

 

色こそ違えど、力は同じ。

 

仮面ライダーゴーストと対となるもう1人の仮面ライダー。世界に適合できず、1度人としての生涯を閉じ、眼魂となった妹を生き返らせるため、自分を犠牲にして妹を生き返らせてくれた友のため、戦う覚悟を決めた

出久に“戦う覚悟”を教えてくれた師匠、

 

“深海マコト”またの名を

 

GD『スペクター。レディゴー、覚悟‼️ドキドキゴースト‼️』

 

出久は緑の顔に2本の角を持ち、緑色の袖のパーカーゴーストを羽織り、新たな姿に変身する。

 

 

仮面ライダースペクター。

 

出久が自分の世界で開眼した“自分自身の眼魂”。

 

出久はスペクターとなり、静かにパーカーを外す。

そして出久はオールマイトを超えるために、真のヒーローとなるために敵に立ち向かう。

 

 

 




仮面ライダースペクター(僕アカVer)

原作スペクターと姿は似ているが、青の部分が緑になっている。
出久が自分の世界のヒーロー達に憤りを感じ、真のヒーローとなるために覚悟を決めた時に発現した。



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襲撃事件決着

思いつきません


死柄木「また変わりやがった。そんなにコロコロ変わんなら…、アイツを死体に変えてやれ脳無‼️」

 

死柄木の命令で脳無が出久に向かって走り出した。3mは有るであろう巨体からは考えられないスピードで出久に迫り、その勢いのまま脳無はパンチを当てる。

 

ドオォォォォォォォォォォォォォォン

 

パンチは出久に当たり、はげしい土煙を起こし周囲の視界を奪う。

 

死柄木「死んだな、アイツ。」

 

黒霧「全く避ける素振りを見せていませんでしたからね。確実に死んでいるでしょう。」

 

死柄木も黒霧も出久が死んだと疑わなかった。

 

 

 

 

切島「ウオーーーーーーーッ‼️」

 

勝己「死ねぇーーーーーーーッ‼️」

 

そこに、黒霧を追ってきた切島と爆豪が攻撃を仕掛けたが、あっさりかわされてしまった。

 

轟「くらえッ‼️」

 

間髪入れずに轟が攻撃を仕掛けてきたが、黒霧の個性でかわされてしまった。

 

黒霧「奇襲ですか。作戦としては見事ですが、ツメがあまいですね。」

 

死柄木「オールマイトが来るまでにコイツらも殺しとくか。」

 

勝己「ハッ‼️殺れるもんならやってみろ‼️オールマイトが来る前に俺が全員ぶっ殺す‼️」

 

切島「逃げてばっかじゃ男じゃねぇからな‼️」

 

死柄木達は爆豪達に標的を変えた。

 

轟(あの脳が出てるやつがオールマイト対策の化け物か。それに、…あの手のやつ、さっき“コイツらも”って言ったよな?)

 

 

轟は周りの状況を分析し、襲ってきた敵からオールマイト対策の化け物について聞いていた。そして、死柄木の放った一言に引っ掛かった。

 

轟「おい、お前。さっき“コイツらも”って言ったよな。」

 

そう。死柄木は“コイツらを”ではなく“コイツらも”と言ったのだ。それはつまり、誰かが殺されたことになるからだ。

 

死柄木「あー、なんかパーカー着たやつなら脳無が殴り殺したぞ?」

 

勝・切・轟「「「ッ⁉️」」」

 

“パーカー着たやつ”そう言われて思いつく人物は1人しかいない。

 

切島「嘘だろ⁉️」

 

轟「ッ⁉️」

 

勝己「デマ吹いてンじゃねぇ‼️デクがお前らなんかに殺されるわけがねぇだろッ‼️」

 

切島は声に出して驚愕し、轟も声には出さないが衝撃を受けていた。勝己は信じたくないのか、怒号をあげる。

 

 

黒霧「彼は、手負いのイレイザーヘッドとクラスメイトを逃がすために自ら残りました。そして、脳無と戦いましたよ。今のヒーロー社会には彼のような自己犠牲を払う者も必要ですが、たった今息絶えました。」

 

死柄木「そういうことだ。でも安心しろ、お前らもあの世ですぐにアイツに会えるさ。あのガキどもを殺せ、脳無‼️」

 

 

死柄木が脳無に命令するが、出久を殴った体勢から動いていない。立ち込めていた土煙が晴れ始めるととんでもない光景が視界に入った。

 

死・黒・切・轟「「「「ッ‼️」」」」

 

対オールマイト対策の脳無の拳を出久が片手で受け止めていたのだ。これには、全員が驚愕していた。

 

勝己「ほぉらなっ‼️」

 

しかし、勝己だけは分かっていたかのように平然としていた。

 

出久「ハァッ‼️」

 

出久はそのまま脳無を殴り飛ばした。脳無は勢いよく飛んでいき、瓦礫に埋もれた。

 

切島「おぉぉぉぉーーーーーーー、緑谷ッ‼️」

 

轟「とんでもないヤツだ。」

 

勝己「おせぇぞデク‼️」

 

最終兵器である脳無が、オールマイトではなくまだヒーローにもなっていない子供に殴り飛ばされたことに、死柄木と黒霧は呆然としていた。

 

死柄木「…どういうことだ黒霧ッ‼️脳無は先生が作った最高傑作じゃないのか⁉️」

 

黒霧「彼の力は予想外ですね。まさか脳無が殴り飛ばされるとは…。それに脳無の攻撃を片手で受け止めたあの力…、オールマイトより厄介かもしれません。」

 

死柄木「…ちっ、次世代のオールマイトのつもりか?」

 

敵サイドでそんな話をしていると出久が横槍を入れた。

 

出久「僕はオールマイト“みたい”なヒーローになるつもりはない。」

 

死柄木「なに?」

 

死柄木も出久の言葉に反応をみせた。

 

切島「おい緑谷‼️お前なに言って…ッ⁉️」

 

轟「…緑谷」

 

切島と轟からしたら信じられない言葉である。今の社会で最も憧れの存在と呼ばれるのは、オールマイトである。それは雄英の生徒だけでなく、ヒーローを目指す誰もが“彼のようになりたい”と思っているものだ。

しかし、出久はそれを否定した。

 

出久「僕は出久、緑谷出久だ。オールマイトじゃない。僕は僕として、ヒーローになる‼️オールマイトを超える本当のヒーローになるんだ‼️」

 

切・轟「「ッ‼️」」

 

勝己「ハッ‼️」

 

 

 

オールマイトに夢を否定されたあの日、それは出久が本当のヒーローである“仮面ライダー”にあった運命の日でもある。そして、先代ゴーストが出久を認めた日でもある。

 

 

タケル『確かに、君の世界ではその“個性”っていうのがないとヒーローになれないかもしれない。でも君は、この世界に来て直ぐにヒーローになれたじゃないか。』

 

 

出久『え?どういうことですか?』

 

タケル『ヒーローになるのに条件があるなら、“夢を諦めないこと”“誰かを守る勇気”、そして“悪に立ち向かう覚悟”だ。』

 

出久『ッ⁉️』

 

タケル『君は無個性と診断されてもヒーローになる夢を諦めなかった。

戦う力がないのにショッカーから親子を逃がそうと立ち向かった。

赤の他人の親子を助けて、守る勇気があった。これだけあれば、君は立派なヒーローだよ。』

 

 

あの日、タケルの言葉にどれだけ救われたか、無個性の自分をヒーローと見てくれたことが出久にとってまさにヒーローを目指す分岐点となったのだ。

 

 

死柄木「…ったら」

 

「だったら脳無を倒してみろ‼️脳無、ヤツを殺せ‼️」

 

 

死柄木は脳無に出久を殺すように命令した。しかし、

 

 

切島「やらせるかッ‼️」

 

 

切島が出久の前にでて、脳無の攻撃を防いだ。動きを止めた脳無は轟に下半身を凍らされ、

 

轟「今だ爆豪‼️」

 

勝己「くらえーーーッ‼️」

 

 

爆豪の爆破で上半身を吹き飛ばされた。

 

 

勝己「おいデク‼️俺を忘れんじゃねぇ‼️俺達でヒーローの頂点目指すんだろうが‼️」

 

切島「俺も混ぜてもらうぜ‼️お前らとなら、最高のヒーローになれそうだしな‼️」

 

轟「俺もだ。俺にはどうしても越えたいヤツがいるんだ。こんなところでくたばる訳にはいかない。」

 

 

出久の思いに触発され、勝己達も己のヒーロー像をかかげた。

 

 

出久「なら、皆で対オールマイト対策のアイツを倒そうか。オールマイトを越えるなら脳無を倒さないとね。」

 

勝己「俺とデクだけで楽勝だろうがッ‼️」

 

切島「そう言うなって爆豪。ここまで来たんだから俺もやらせてくれよ。」

 

轟「目の前の敵を倒さないとヒーローとしておかしいからな。」

 

 

そして出久の発案で、出久・勝己・切島・轟の4人で脳無を倒すことにした。

全ては、オールマイトを超えるため、己の目標のために

 

 

死柄木「ガキ共が調子こいてんじゃねぇッ‼️やれ脳無、皆殺しだ‼️」

 

死柄木は出久達の発言に怒り、再度脳無を突撃させる。

 

出久「行くよ皆‼️」

 

勝・切・轟「「「おうッ‼️」」」

 

出久の掛け声と共に全員が走り出す。

 

 

脳無は突進していこうとするが、轟の氷で下半身の動きを封じられる。動きを封じられた脳無に出久と切島のラッシュが繰り出される。

脳無はなんとか出久達を振り払おうとするが、

 

 

勝己「オラァーーーッ‼️」

 

前方に気をとられた脳無は、背後からの勝己の爆破を諸に食らった。

そして、

 

出久・切島「「ハァーーーッ‼️」」

 

出久と切島が正面から重い一撃を与えた。

 

脳無「ガアァァァァァァァァァァァァァッ‼️」

 

 

脳無は声を上げながら後ろに飛ばされていく。

再び瓦礫に埋もれるも、また再生を始めていた。

 

 

切島「まだ再生すんのかよ、いつ倒せんだッ⁉️」

 

脳無の頑丈さに声をあげる切島だが、他の3人は違った

 

 

出久「いや、そろそろ脳無も動けなくなるよ。」

 

切島「なんでそんな事わかんだよ⁉️」

 

出久「脳無の再生速度が遅くなってる。再生するにしてもエネルギーが必要だ。エネルギーが減ってきたり、疲労が溜まれば再生するのに時間がかかる。」

 

轟「確かに化け物だが、アイツも生物だ。疲れないなんてことはない。先生と闘ったり、緑谷と闘ったりしたんだ。体力が持ってかれないわけがない。」

 

勝己「俺らの攻撃で脳みそ野郎も限界が近いんだよ。だが、このままやっててもじり貧だ。」

 

切島「じゃあどうすんだよ⁉️」

 

出久「脳無が立ち上がれない程の攻撃を当てれば大丈夫。再生が追いつかなければ意味ないからね。だから…」

 

 

慌てる切島に3人で説明し、最後の攻撃を話していた。

 

出久「それじゃあ行くよ、轟君‼️」

 

GD『大開眼‼️スペクター、オメガドライブ‼️』

 

出久はライダーキックの体勢に入り、轟は足元から氷の柱を作り、上に飛ぶ。そして轟は右足を脳無に向かって突き出し、氷柱のような形状にしていく。

 

 

切島「ウラァーーーッ‼️」

 

勝己「死ねぇーーーーーーーッ‼️」

 

 

切島と爆豪は最大火力で脳無を殴り飛ばす。そして脳無が殴り飛ばされた上空には、

 

 

GD『オメガブレイク‼️』

 

出久・轟「「ハァーーーーッ‼️」」

 

出久と轟が脳無に向かってダブルキックを仕掛けていた

 

陸上と上空から攻撃を食らい、

 

 

脳無「ガアァァァァァッ‼️」

 

脳無は声を上げながら爆発を起こし、倒れた。

 

切島「ッしゃあァァァァァッ‼️」

 

勝己「どうだ、脳みそやろう⁉️」

 

轟「なんとかなったか。」

 

オールマイト対策の脳無は出久・勝己・轟・切島の4人で撃破された。

 

死柄木「…黒霧、今日は帰るぞ」

 

黒霧「分かりました。」

 

黒霧はワープゲートを展開し、敵が撤収していく。

 

死柄木「パーカーのガキ、お前の名前は?」

 

出久「緑谷出久…」

 

死柄木「緑谷、次に会うときは…」

 

 

死柄木はなにかを言い切る前に、ゲートの中に消えていく。

 

 

 

救助授業が一転して敵連合の襲撃を受けたが、オールマイト対策の脳無を倒すことに成功した。

 

 

 

 




終わりでーす。体育祭に行きたいので


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番外編
勉強会と出久の力の経緯


体育祭行こうと思いましたが、A組+aに出久の力の経緯を説明させようかと思います。


敵連合の襲撃“USJ事件”の翌日、雄英高校は事後処理や事情聴取を行うため臨時休校となった。出久は特訓でもしようかと考えたが、切島から電話があり“昨日のことやこれからについて勉強会をしよう”と連絡があった。出久はいい機会だから、自分の力の説明をしようと思い、4人追加してもいいか訪ねると快く承諾してくれた。出久は4人に連絡を入れると、全員今日は予定がないらしく来てくれることになった。

 

 

 

出久の連絡で、鉄哲と心操、マミと発目が集まり、集合場所となっている八百万の家に向かっていた。途中で飯田と麗日と合流し、マミと麗日の間で一悶着あったが各々自己紹介を済ませ、目的地に向かった。

 

 

他のクラスメイトと合流し、現在八百万家の玄関前、

 

 

瀬呂「でかい…」

 

葉隠「すごいねぇー、お屋敷って感じ。」

 

 

瀬呂と葉隠の言葉に一同頷くしかできなかった。

 

八百万の家は豪邸と言う言葉が似合うほど大きく、先程玄関前と記述したが、完全に門である。一同あまりの豪邸さに唖然としていると、

 

八百万「みなさん、お待ちしておりましたわ‼️どうぞお入り下さい‼️」

 

中から八百万が目をキラキラさせて出迎えてくれた。なんでも八百万は、雄英に入るまでお嬢様学校に通っており友人と遊ぶ機会がなかったらしい。

そのため、今回の勉強会という切島の提案に、嬉々として場所を提供してくれたのだ。

 

 

心操「ヒーロー科は、生活も規格外なのか?」

 

 

一同『ないないない。』

 

 

 

全員が講堂に入り、心操達が自己紹介を終えるとある程度の勉強を済ませ、昨日の話になった。

 

 

上鳴「しっかし、昨日は大変だったよなぁ。」

 

瀬呂「あぁ、生きた心地がしてねぇよ。」

 

耳郎「上鳴アホになったしなぁ。」

 

上鳴「それ言っちゃう⁉️」

 

 

昨日はそれぞれで大変だったらしく、上鳴は八百万と耳郎と共に山岳エリアに飛ばされ、敵と交戦したらしい。最初は順調だったらしいが、上鳴が許容力を越える電気を出したためアホになり、敵に捕らわれ人質となったらしい。しかし、そこにキャプテンゴーストに乗った蛙吹達が現れ、敵を倒したらしい。

 

 

八百万「あの時はありがとうございますわ、梅雨さん」

 

蛙吹「ケロッ。気にしないでいいわ。お友達を助けるのは当然だもの。」

 

 

耳郎「だけどさぁ、蛙吹達が船に乗って飛んでくるとは思わなかったよ。」

 

上鳴「確かにあれには驚いたな。梅雨ちゃんあんなの持ってたのか。」

 

蛙吹「違うわ。あの船は緑谷ちゃんの船なの。」

 

上鳴「ウエッ‼️緑谷のだったのか⁉️」

 

耳郎「ということは、ウチら緑谷にも助けられたことになるな。」

 

八百万「ありがとうございますわ、緑谷さん。」

 

上鳴「サンキューな緑谷。」

 

耳郎「ウチからもありがとう。」

 

上鳴達は間接的に助けてくれたお礼を緑谷にした。

 

出久「気にしなくていいよ。梅雨ちゃんも言ってたけど、友達を助けるのは当然だからね。」

 

蛙吹「でも緑谷ちゃんのお陰で私達助かったのよ。緑谷ちゃんが指示を出して脳無を足止めしてくれたから、私達生きていられたのよ?」

 

 

峰田「そうだぜ緑谷‼️オイラ、すっごく感謝してんだからよ‼️」

 

 

蛙吹は純粋に、峰田は恐怖で動けなくなっていたのに緑谷の指示で、相手の動きを封じることができたことから緑谷に感謝していた。

 

 

発目「飛ぶ船ですか⁉️緑谷さんの持つ眼魂やバイクもそうですが、船とはなかなか興味深いですねぇ‼️是非見せていただきたいのですが‼️」

 

 

発目はキャプテンゴーストの話を聞いてテンションが上がっていた。出久のゴーストに限らず、ライダーアイテムは現代人が実現させることが不可能なオーバーテクノロジーのものが多い。

 

 

瀬呂「つうかさぁ、緑谷の“個性”って色々凄すぎねぇ?」

 

上鳴「あー分かる。個性診断の時はほぼ無敵だし、クラスの中じゃ強いほうに入る爆豪とはタメ張れるしな。」

 

 

切島「確か爆豪は幼馴染だったよな。緑谷は昔からあんなに強いのか?」

 

勝己「んなわけねぇだろ。デクはこの間まで無個性だったんだからよ。」

 

『ハァッ⁉️』

 

勝己の答えに一同驚愕した。

当然だ。個性とは本来、4歳頃に発現する。遅咲きで発現する人は存在するが、究めて稀である。

一同出久に視線を向ける。

 

出久「そうだよ。僕はこの間まで無個性だったんだ。」

 

出久本人が言っているのだから事実であるが、それにしても出久の強さは異常だと誰もが思った。

 

瀬呂「マジかよッ!」

 

砂藤「それにしても緑谷の強さは異常だろ‼️」

 

口田「ッ⁉️」コクコク

 

耳郎「入学までに、緑谷になにがあったの?」

 

常闇「確かに気になるところだな。」

 

出久の強さの異常さに気付いたクラスメイトはその強さの訳を聞くことにした。

 

出久「いいよ、教えてあげる。どうして今の僕があるのか。」

 

上鳴「マジでかッ⁉️」

 

出久「もともとそのつもりで来たからね。徹鐵君達を呼んだのも前々から教えてほしいって頼まれてたし、僕の師匠達の話にもなるからね。」

 

 

飯田「おぉッ‼️緑谷君の師匠か!是非とも聞きたいと思っていたんだ‼️」

 

出久「それじゃあ、僕が個性を発現させたところから話すね。」

 

 

出久は、自分の強さの経緯、そして異世界にいる自分の師匠達“仮面ライダー”のことを話し始めた。

 

 

 




長くなるので一旦区切ります


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出久の力と異世界の戦士【1】

クラスに仮面ライダーについて説明しようかと思います。

今回会話と回想が中心です


出久「僕は学校で進路希望の授業を受けたとき、雄英に受験するつもりだったんだ。でも、その頃の僕はまだ無個性。クラス中から笑われたし、かっちゃんにも止めるように言われたんだ。

その日の下校中に、ある事件で来ていたオールマイトに会って僕は聞いたんだ。“無個性でもヒーローになれますか?”って。」

 

出久は皆に自分が力を手に入れた経緯を話し始めた。

 

障子「それでオールマイトはなんて答えたんだ?」

 

出久「オールマイトから返ってきた言葉は“夢を見るのは悪いことではない。だが、現実も受け入れなくてはな‼️”だった。」

 

『ッ‼️』

 

一同出久から聞いたオールマイトの言葉に唖然とした。オールマイトは誰もが認める正義のヒーロー、“平和の象徴”である。個性無個性関係なく、今の社会でオールマイトに憧れない人は少ない。

そんなNo.1ヒーローの言葉は精神的に突き刺さるものなのである。

 

出久「オールマイトは僕の目の前から立ち去ったけど、その言葉を聞いて僕は何も考えられなくなった。憧れのヒーローに“ヒーローになるのは無理だ”って言われたんだから…」

 

 

八百万「違いますわ緑谷さんッ‼️オールマイトは決してそのようなつもりでおっしゃったわけでは…」

 

出久「八百万さんの言いたいことは分かるよ。でも、当時の僕はその言葉の意味を理解することが出来ないほど心が弱くなっていたんだ。」

 

八百万「緑谷さん…」

 

出久「その後僕は、家に帰る気にもなれなくてふらふら歩いてたんだ。そしたら目の前に黒い靄みたいなものが現れてね。なにかと思ってたら、僕は急にその靄の中に吸い込まれちゃったんだ。」

 

切島「黒い靄って…まさか緑谷ッ‼️お前昨日の敵にッ⁉️」

 

黒い靄と聞いて、切島は先日襲撃してきた敵のことを思い出した。

 

出久「大丈夫だよ切島君。敵の仕業じゃないから。」

 

切島「そ、そうか。」

 

出久「吸い込まれた後、気がついたら路地裏に倒れてたんだ。黒い靄も無くなってたし、なんなんだろう?って思って大通りに出たんだ。そしたら、すごく違和感を感じたんだ。」

 

麗日「違和感?」

 

芦戸「なにがあったの?」

 

出久「今はどの街に行ってもヒーローのポスターとか異形型の個性の人とかたくさんいるよね?でも、そういうものが一切無かったんだ。不思議に思って周りの人にオールマイトとか個性のことを聞いてみたんだ。」

 

尾白「そしたら?」

 

出久「返ってきた言葉は“知らない”だったんだ。」

 

葉隠「どういうこと?」

 

出久「そのままの意味だよ。誰もオールマイトや個性のことを知らなかったんだ。もしかしてって思って近くの本屋に立ち寄って、地図や歴史の本とかを読んでみたんだ。そしたら、ヒーローのこと、個性のことは何にも書かれてなかった。」

 

青山「それってつまり?☆」

 

出久「うん、僕は異世界に来たんじゃないかって思ったんだ。」

 

一同『異世界ッ⁉️』

 

全員出久の言葉に驚愕する。当然だ。異世界なんてそんな夢物語を信じるはずがない。しかし、今は昔と違い“個性”が存在する。一概に夢物語で片付けることができないのだ。

 

出久「皆が驚くのも分かるよ。僕も最初はとても信じられなくて、“これは夢なんだ”って思ったくらいだもん。そんな事を考えながら宛もなく歩いていたら、前方から爆発音が聞こえてね。何か起きたのか分からなかったんだけど、こっちに逃げてくる人達は皆口々に“ショッカー”って言ってたんだ。」

 

『ショッカー?』

 

出久「僕もなんだろうって思ったんだ。そしたら、全身黒タイツの変な集団が人を襲ったり、建物を壊しながらこっちに近づいてきたんだ。その黒タイツの集団がショッカーだったんだ。」

 

心操「俺らでいう敵のことか?」

 

出久「そう。僕も他の人と一緒に逃げていたんだ。そしたら、僕の後ろで逃げていた親子がいたんだけど、お母さんが転んじゃってね。もう後ろにはショッカー軍団が迫ってきてたんだ。」

 

峰田「おいおい、それってやばくねぇか⁉️ヒーローはなにやってんだよ⁉️」

 

蛙吹「峰田ちゃん忘れたの?緑谷ちゃんは異世界に飛ばされたのよ?ヒーローがいないのよ。」

 

出久「お母さんは子供だけでも逃がそうとしたんだ。でも子供がそれを嫌がったんだ、“お母さんと一緒じゃなきゃヤダ”って。僕はその時立ち止まったんだ、“助けたい。でも無個性の僕になにが出来る”って思ったんだ。でも、子供は必死にお母さんを連れて逃げようとしてたんだ。確かに僕は無個性だからヒーローにはなれない。でも、困ってる人を見捨てるのはもっと出来ないって思ったら、体が動いてて親子のところに走ってたんだ。一緒に逃げようとしたんだけど、そのころにはショッカー軍団に囲まれてたんだ。」

 

上鳴「おいおい、大ピンチじゃねぇか⁉️」

 

常闇「まさに絶体絶命だな」

 

口田「…」コクコク

 

轟「で、その後どうなったんだ?」

 

出久「僕も親子も“もうダメだ”って思って目を瞑ったんだ。そしたら、声の後に大きな爆発が起きたんだ。」

 

蛙吹「声って?」

 

出久「“大開眼”と“オメガドライブ”」

 

飯田「ッ⁉️待ってくれ緑谷君‼️それはつまり…‼️」

 

出久「飯田君が思った通りだよ。僕達を助けてくれたのは、僕に“ゴーストドライバー”と“眼魂”を託してくれた人で、僕の師匠の1人“異世界のヒーロー、仮面ライダーゴースト”天空寺タケルさんだったんだ。」

 

 




続く


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出久の力と異世界の戦士【2】

しばらく続きます。


今回ゴーストの説明回です


どうぞ


出久「天空寺タケルさん、僕を最初にヒーローと認めてくれた先代“仮面ライダーゴースト”だよ。」

 

 

出久は自分がライダーワールドに飛ばされ、最初に起きた事件を話していた。

 

砂藤「なぁ緑谷。その“仮面ライダー”ってのはなんだ?ゴーストは緑谷が変身するやつだから分かるけど。」

 

 

出久「仮面ライダーはこっちの世界でいうプロヒーローの総称だよ。世界で暗躍する悪の組織に対抗するために生まれた、人知れず闘う正義の存在。闘う時は仮面を着けていて、バイクに乗って颯爽と現れる。だから、仮面ライダーなんだ。」

 

一同『へえ~。』

 

仮面ライダーとはなにか、出久の説明で少しわかった一同であった。

 

 

蛙吹「ねえ緑谷ちゃん、緑谷ちゃんが変身する“ゴースト”だけど、どんな能力があるの?」

 

峰田「そうだよ緑谷、オイラも気になってたんだ。昨日の事件の時もあの目玉みたいなやつ出して、黄色と緑色になってたじゃんか。」

 

尾白「他にも有るってことなのか?」

 

蛙吹達の言葉を皮切りに出久のゴーストについて話し始めた。

 

飯田「普段緑谷君が変身するゴーストは、オレンジの顔に黒のパーカーだな。」

 

上鳴「個性把握テストの時は、青色だったな。」

 

八百万「爆豪さんとの戦闘の時は赤色でしたわね。」

 

峰田「んでぇ、オイラと蛙吹が見た黄色の顔に銀のパーカー。」

 

蛙吹「後は相澤先生を助けたときの緑色のパーカーかしら。」

 

切島「いや、まだ有るぜ‼️俺達が一緒に戦ったときは、緑色の顔に黒のパーカーだったぜ⁉️なあ轟?」

 

轟「あぁ、確か額に有った角も2本だったな。」

 

各々が出久が今まで変身したゴーストの形態について話していると、

 

勝己「要するに、デクの使う力は“幽霊”ってことだろ。」

 

一同『幽霊⁉️』

 

勝己「テストの時に使ってた青色のやつはたしか“ニュートン”って言ってやがった。俺とやり合う時に使ってた赤色のパーカーはムサシ、“剣豪宮本武蔵”だった。」

 

皆の話を聞いて勝己が出久の力について確認していた。

 

徹鐵「俺はまだ見たことねぇけど、そんなにあんのか。」

 

心操「実際どうなんだ、緑谷?」

 

全員出久に視線を向ける。出久はポケットから幾つか眼魂を取り出して、皆に見えるように机に置いた。

 

出久「かっちゃんの予想通りだよ。ゴーストの能力は、この眼魂“アイコン”を使うことで発揮されるんだ。」

 

一同『アイコン?』

 

出久「眼の魂と書いて“アイコン”。この眼魂にはそれぞれに偉人の魂が宿ってる。その能力は偉人達を象徴する力を使うことができるんだ。」

 

そう言うと出久は【G】【S】【1】【2】【3】【4】の眼魂を皆に見せ、順番に説明をする。

 

出久「まずこれが“オレ魂”。ゴーストの基本形態だよ。戦闘スタイルは近接から遠距離までが可能だよ。

ゴースト専用武器のガンガンセイバーは、セイバーモード・ガンモード・薙刀モード・二刀流モードに変形できるんだ。」

 

麗日「デク君がよく使う武器やね。」

 

耳郎「そんなに色々あるんだ。」

 

 

出久「次に“ムサシ魂”。かっちゃんと闘った時に使った眼魂だよ。この中には剣豪宮本武蔵の魂が宿ってる。」

 

飯田「宮本武蔵はたしか二刀流で有名だな。」

 

障子「なるほど、だからあの時二刀流で闘っていたのか。」

 

常闇「まるで演武を見てるようだった。」

 

口田「…。」コクコク

 

 

出久「次がこの“エジソン魂”。発明王エジソンの魂が宿ってるんだ。宮本武蔵は剣豪として有名だから二刀流で、エジソンは電気を発明したことで有名になった人だから、ガンガンセイバーをガンモードにして電撃を撃つことができる。」

 

上鳴「なんか俺みたいだな‼️」

 

耳郎「上鳴はエジソンみたいに天才じゃなくてアホだけどな。」

 

一同『ウンウン。』

 

上鳴「皆ひでえッ‼️」

 

 

同じ電気を使うのにエジソンとは月とスッポンもの差がある上鳴であった。

 

出久「あはは(苦笑)つ、次いこうか。次は“ロビン・フッド魂”。弓矢の名手で、ガンモードにコンドルデンワーが合体すると弓矢モードになるんだ。」

 

一同『コンドルデンワー?』

 

聞き慣れないワードに一同頭の上に?が浮かぶ。

 

蛙吹「もしかして、昨日脳無を突き飛ばしたあの鳥?」

 

出久「うん。形は昔のダイヤル式電話なんだけど、アニマルモードになると空も飛べるし、敵を翻弄したりしてくれるんだ。」

 

 

発目「それはつまり緑谷さんが操作するのではなく、自動的にやってくれているということですか⁉️今度是非とも調べさせて下さい‼️」

 

出久「こ、今度ね。次はこれ。」

 

芦戸「緑谷が個性把握テストの時に使ったやつだね。」

 

出久「これは“ニュートン魂”。ニュートンはこの世界に重力が存在すると見つけた人だから、麗日さんと同じく重力を使って闘うことができるんだ。左手が引力で右手が斥力、左手で敵を引き寄せて右手で弾き飛ばすんだ。」

 

麗日「へえ~。…デククントオナジチカラ」////

 

出久「?」

 

葉隠「緑谷君少しは気付こうよ…」

 

 

出久を含めた何人かは葉隠の言った意味が分かっていなかった。

※原作でも色恋沙汰が皆無ですし。

 

 

出久「それじゃあこれが最後だね。」

 

轟「緑谷が脳無を倒したヤツだな。」

 

出久「これは“スペクター魂”。英雄の魂じゃなくて僕の覚悟が宿ってる、この世界に戻ってきて開眼した眼魂だよ。能力的にはゴーストとほとんど一緒だよ」

 

出久は何故この眼魂を開眼したのか皆に話した。そして、現代社会での“ヒーローの質の低下”を話した。

 

出久「ライダーワールドを旅した僕は、師匠達の力で元の世界に戻ってきて最初に“ある敵”を倒したんだ。」

 

轟「ある敵?」

 

“ある敵”この言葉に勝己が反応した。それは仕方のないことだ。何故なら

 

出久「“ヘドロ事件”って言えばわかるかな。」

 

一同『ッ‼️』

 

それは出久がライダーワールドから戻ってきて最初に倒した敵がヘドロの個性を持った敵であり、最初に助けたのが敵に取り込まれた勝己なのである。

 

出久「僕は離れた路地裏から現状を見てたんだ。周りには沢山の野次馬とプロヒーロー、中央にはヘドロ敵に取り込まれたかっちゃんがいた。沢山のヒーローがいるのに、相手との相性が悪くて誰1人かっちゃんを助けに行けなかった。増援が来るまでの間、かっちゃんはずっと苦しんでた。ヒーローは完全に“他人任せ”になっちゃってたんだ。」

 

八百万「他人任せ…」

 

出久「個性が一般的になってヒーローが“正義の味方”から“目指す職業”になっちゃったんだ。その結果ヒーロー達は“どの依頼をこなせば人気が出るか”もしくは“どの依頼なら報酬がいいのか”っていう正義の味方としての行動が出来なくなってるんだ。」

 

切島「い、言われてみれば…」

 

上鳴「…確かに」

 

皆何かしら思うところがあるのか納得しているが、1人だけ反論した。

 

飯田「そんなことはないッ‼️」

 

飯田である。彼の家はヒーロー一家であり、兄は今世間でも有名なプロヒーロー“インゲニウム”である。出久の話を聞いて飯田自身も思い当たるものがあったが、ここでそれを肯定してしまえば、自分は尊敬する偉大な兄を否定することになる気がしてしまったのだ。

 

飯田「緑谷君の言っていることは確かに分かる‼️でも、プロヒーロー全員がそういう訳じゃないだろ‼️」

 

瀬呂「飯田落ち着けよ‼️」

 

蛙吹「そうよ飯田ちゃん。冷静になって」

 

瀬呂や蛙吹が飯田を落ち着かせようとするが、冷静さを失っている飯田の耳には入っていなかった。しかし、

 

 

マミ「…静まりなさい。」

 

一同『ッ‼️』ゾクッ

 

いままで傾聴していたマミの発言が全員の耳に入り、射殺そうとする目で全体を睨んでいた。

 

マミ「飯田さん、まだ出久様が話をしている途中ですわ。冷静になりなさい。貴方の御身内がプロヒーローなのは、今の発言と態度で分かります。ですが出久様は全てのプロヒーローを悪く言っているわけではありません。過剰な反応と私情を持ち込むのはおやめなさい。」

 

 

飯田はマミに言われて冷静さを取り戻し出久に謝罪した。

 

飯田「…すまない、緑谷君。」

 

出久「気にしないで飯田君。家族にプロヒーローがいるなら僕の言った言葉は、その後人の家族を否定することだからね。マミさんもありがとね。」

 

マミ「お役に立てて何よりですわ、出久様♥️」

 

さっきの雰囲気とうって代わって、目映い笑顔を出久に向けていた。それと同時に別サイドで黒い靄が発生したとかしなかったとか、近くにいたのが口田だったのでその真相は謎のままである。

 

出久「話を戻すね。正義のヒーローとして活躍してるのは今はほんの一握りしかいないんだ。ほとんどのプロヒーローが自分達の名声と報酬に執着するようになった。…これが現状における“ヒーローの質の低下”なんだよ」

 

 

 

 

 

 

出久「僕は、すぐ近くで友達が苦しんでるのに僕よりも近くにいるヒーロー達が誰も助けに行かない現状を見て、僕は変身してすぐにかっちゃんを助けて、ヘドロ敵を倒してから僕もその場を離れた。

それから、ヒーローの雑誌とヒーローへのテレビ取材を見て僕は思ったよ。“何がヒーローだッ‼️かっちゃんがあんなに苦しんでたのに助けにいったヒーローが誰もいなかったじゃないか‼️”って。」

 

出久「だからこそ、僕がヒーローになろうって思ったんだ。“どんなに辛い状況に陥ろうとも決して諦めず挑み続ければ、必ず道は開ける。自分を信じ、仲間を信じ、人間を信じる。それがヒーローだ。”

僕の師匠の1人が言った言葉だよ。」

 

かつて彼はバイクレーサーだった。しかし、悪の組織に捕まりバッタの怪人にされそうになるが自力で脱出し、正義のヒーローとして戦うことを決意した。

 

その男の名は“本郷猛”

 

出久「またの名を“仮面ライダー1号”。仮面ライダーの原点にして頂点だよ。」

 

ヒーローとは悪より後に生まれる。悪事が起きなければヒーローとは存在しないのだ。

 

 

徹鐵「その人の言葉すげぇなッ‼️なんかぐっと来たぞ‼️」

 

切島「おっ!鉄哲分かってんな‼️なんか“漢”って感じがするよな‼️」

 

徹鐵「全くだ‼️」

 

ここに暑苦しいが義理人情に暑いコンビが成立した。

 

轟「なぁ緑谷。仮面ライダー1号ってことは、他にも仮面ライダーがいるのか?」

 

出久「うん。沢山いるよ。生憎昭和ライダーは1号さんしかあってないけど。仮面ライダーの歴史は昭和と平成に別れていて、今も歴史が続いているんだ。平成ライダーなら能力とか話せるけど?」

 

轟「聞かせてくれ。」

 

上鳴「俺も俺も‼️」

 

瀬呂「俺も聞きたい‼️」

 

麗日「デク君、私も‼️」

 

芦戸「他にどんな仮面ライダーがいるの⁉️」

 

峰田「女の仮面ライダーとかいねぇのか⁉️」

 

蛙吹「峰田ちゃんぶれないわね。最低だけど…」

 

八百万「でしたら御紅茶の御代わりを準備いたしますわ‼️緑谷さん、準備が終わるまで待っていてください‼️」

 

 

切島「なんだ、爆豪も聞くのか?」

 

勝己「当たり前だッ‼️あのデクをそこまで強くできたやつらだ、興味あるぜ‼️」

 

心操「確かに、無個性だった緑谷をあそこまで強くした師匠には興味がある。」

 

全員が仮面ライダーに興味を持ち始め、出久から話を聞きたくなった。八百万が全員分の紅茶の御代わりを取りに戻り、また自分達とは違う世界のヒーローの話しに耳を傾けることにした。

少しでも分かるかもしれない“本当のヒーローとはなんなのか”

 

 




まだまだ続きます。
出久が皆に仮面ライダーの話をするの書いてみたかったんです。都合上平成ライダーだけですが、ご了承下さい


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出久の力と異世界の戦士【3】古代の超戦士“クウガ”

中々都合つけられませんでしたが、どうぞ飽きずに見てくださるとありがたいです。

アドバイスや“番外編でこんなのやってほしいなぁ”というものがあれば、お聞かせください。



ではどうぞ


八百万が全員分の紅茶の御代わりを準備し終え、出久の仮面ライダー達の話が始まった。

 

出久「まず、平成ライダーは今も歴史が続いてるんだ。“ゴースト”は17番目の平成ライダーで、新たに2人の仮面ライダーが誕生してる。」

 

蛙吹「つまり、緑谷ちゃんの“ゴースト”の前に後16人の仮面ライダーがいるのね?」

 

葉隠「スゴいねぇ~、そんなにいるんだ。」

 

峰田「でもよぉ。こっちの世界のほうがヒーローは圧倒的に多いぜ?それにその仮面ライダー達がどんな格好なのかわかんねぇじゃん。」

 

蛙吹が仮面ライダーの人数を確認し、葉隠が感心するなか、峰田は仮面ライダーの人数と姿に疑問を持っていた。

確かに、出久の話だけでは彼らの姿まで明確に説明できない。映像があれば話は別だが、

 

 

マミ「それなら心配ありませんわ。」パチンッ

 

マミが指を鳴らした。すると突然、景色が変わった。そこはまるで“宇宙”のようだった。そして幾つかの地球が浮かんでいた。

 

上鳴「うえッ⁉️なんだこれ⁉️」

 

芦戸「どおなってんの⁉️」

 

八百万「これが音黒さんの個性ですか⁉️」

 

徹鐵「音黒の個性はこんなんじゃねぇぞ⁉️」

 

切島「じゃあなんなんだよ⁉️」

 

瀬呂「ってか周りにあんの地球か⁉️」

 

峰田「なんでこんなにあんだよ⁉️」

 

全員がこの現象に驚く中、出久は別の意味で驚いていた。

 

出久「マミさん、これってもしかして…」

 

飯田「緑谷君は、何か知ってるのかい?」

 

麗日「そうなのデク君⁉️」

 

出久はこの現象を知っている。何故ならこれは、出久の師匠が話をする際に使ったものだから。

 

マミ「流石は出久様ですわ♪こちらに来る前に渡さんのところへ立ち寄って、やり方を教わりましたの。」

 

マミは嬉しそうに出久の質問に答えた。

 

常闇「…音黒、お前は一体何者だ?」

 

個性でないというのなら、この現象の説明がつかない。常闇はマミに質問した。マミは一度、出久のほうを向き、出久が頷くのを確認して質問に答えた。

何故出久をみてからなのか。何故ならマミは“出久至上主義”だからなのだ。何故マミが“出久至上主義”なのかはのちほど。

 

マミ「分かりましたわ。では改めて自己紹介させていただきます。私の名前は音黒マミ。父の名はアラン、またの名を“仮面ライダーネクロム”と申します。」

 

出久以外全員『ッ‼️』

 

マミ「今のでお分かり頂けたでしょうが、私はライダーワールドの住人です。私も出久様と一緒に旅をしたんです、世界を知るために。そして私も父から仮面ライダーの力を受け継ぎ、“仮面ライダーネクロム”に変身することができます。」

 

瀬呂「マジか⁉️」

 

上鳴「スゲーッ‼️」

 

勝己(デクと同じだとッ‼️)ギリッ

 

麗日(デククントオナジチカラ…)

 

 

全員が驚愕、羨望、嫉妬の表情を浮かべているなか、出久が話を切り出した。

 

出久「とりあえず、仮面ライダーの説明からするね。仮面ライダーは昭和と平成に時代が分かれていて、昭和ライダーの最初がさっき話した仮面ライダー1号、平成ライダーの最初が“仮面ライダークウガ”なんだ。」

 

仮面ライダーの名前を出すと同時に、マミが1号と平成ライダーの姿を映し出した。

 

切・徹「「カッケェーーッ‼️」」

 

葉隠「カッコいい~!」

 

砂藤「マジでヒーローって感じだな。」

 

常闇「姿形も様々だな。」

 

麗日「あっ‼️デク君のゴースト‼️」

 

上鳴「轟みてぇに半分の仮面ライダーもいるな。」

 

障子「鬼のような姿のやつもいるな。」

 

心操「カブトムシみたいなのもいるのか。」

 

蛙吹「ケロッ、ピンク色のライダーもいるわね。」

 

芦戸「すごーい‼️」

 

耳郎「ん?でもみんな…」

 

八百万「ベルトをしてますわね。」

 

多種多様なライダーが映し出され、それぞれの感想を述べていると、耳郎と八百万がライダー達の共通点に気づいた。

 

出久「そうだよ耳郎さん、八百万さん。仮面ライダーの共通点はベルトでの変身が主になってるんだ。仮面ライダーによってはブレスレットだったりするんだ。マミさんが変身する“仮面ライダーネクロム”はガントレットだからね。」

 

一同『へぇー。』

 

発目「変身アイテムにも色々あるんですねぇ~。仮面ライダーの技術というのは実に興味深いです‼️」

 

一同驚愕し、発目は興奮を隠せずにいた。

 

 

 

 

出久「平成ライダーの先駆けとなったのが仮面ライダークウガ、モチーフはクワガタ虫だよ。」

 

出久がクウガの説明に入ると、何処かのショッピングモールが映し出された。多くの人が往来する光景は、どこの世界も変わらないらしい。

そんな平和な時間が突如として崩壊した。突然異形の怪人が人々を襲い始めたのだ。

 

峰田「ひぃぃぃ⁉️な、なんだよアイツ⁉️」

 

出久「彼は“グロンギ”、数千年前にいた戦闘種族だよ。彼らは1人1人が高い戦闘能力を有していて、彼等の神と呼ばれる存在、“ン・ダグバ・ゼバ”を復活させるために人を殺すゲーム“ゲゲル”をするんだ。」

 

敵(ヴィラン)のような存在だが、まるで人ではないその姿に皆が驚愕し、人を殺すことをゲームとしている彼らに対して、全員が恐怖を覚えた。

 

勝己「おいデク、数千年前に生きてた奴等がなんで今生きてんだ⁉️」

 

瀬呂「そうだよ緑谷‼️なんで生きてんだよ⁉️こいつら不死身なのか⁉️」

 

勝己と瀬呂の疑問に皆の視線がショッピングモールの映像から出久に向けられる。

 

出久「数千年前、グロンギの他にもう1つ栄えた種族がいるんだ。彼等の名は“リント”、高い技術力を持ち、争いを好まない僕ら人間の祖ともいえる種族だよ。

争いを好まないリントは、グロンギに対抗するためにある鎧を造り上げた。その鎧を纏う者は“リントの戦士”と呼ばれ、グロンギ達に戦いを挑んだんだ。

グロンギの神、“ダグバ”を倒すのではなく封印することでリントは戦いに勝ったんだけど、多くのリントがグロンギに命を奪われ、グロンギとリントの文明は滅んだんだ。だけど、ある時考古学者チームがグロンギ達の封印を解いて、2000体のグロンギが世界に解き放たれた。考古学者チームは、この時解き放たれたグロンギ達に全滅させられたんだ。この後、日本では大量虐殺事件が起きたんだ。」

 

尾白「大量虐殺事件って…」

 

出久「グロンギ達が“ゲゲル”を始めたんだ。彼らはゲゲルを始めるけど、無差別じゃない。何かしらのルールが存在する。“血を流させてはいけない”とか“決められた敷地の中で殺す”とか」

 

出久の説明に全員が恐怖した。

 

心操「リントの戦士ってのは…」

 

出久「そう、それが“クウガ”だよ。彼らはいつの日かグロンギが復活することを危惧して、平和を守る志を持つ者にリントの力を託したんだ。それがクウガのベルト“アークル”なんだ。」

 

出久が説明しているとショッピングモールの中央に、警察と1人の男性がいた。警察の持っていたアタッシュケースの中から“石でできたなにか”がでてきた。その“石でできたなにか”は男性の腰に当たると、それは男性の体の中に吸い込まれていった。

この光景を観ていた全員が驚愕していると更に男性に変化がおき始めた。徐々に体を“白い鎧”が覆い、金の角と赤い複眼を持った戦士が生まれた。

“仮面ライダークウガグローウィングフォーム”である。

 

上・峰「「オオー、変身したぁーーー‼️」」

 

上鳴と峰田が変身に感動しているなか、轟はある違和感に気付く。

 

轟「緑谷、確かコイツは体が“赤”なんじゃないか?」

 

飯田「確かにそうだ‼️それに2本の角も心なしか短い気がする。」

 

轟と飯田はマミが見せた最初の“クウガ”の姿と違うことに気づくと、他の皆もその事に気づく。

 

出久「この時はまだアークルの力が体に慣れなくて、未完成の状態でクウガに変身したんだ。

けど、アークルは男性に“五代雄介”さんに、夢を見せるんだ。正しいクウガの姿を…」

 

今度は燃える教会の中に景色が変わった。

 

五代雄介がグロンギと戦いを繰り広げている中、出久が叫ぶあの台詞を腰に手を当てアークルを出現させた雄介が叫んだ。

 

五代『変身‼️』

 

そう叫んだ雄介はグロンギを殴ると左腕が変わり、蹴りを入れると脚が変わった。そして、右手で殴った瞬間、右腕と体全体、そして顔が鎧に覆われた。

 

2本の金の角と赤い複眼、そして“赤い鎧”。

燃える炎の拳を持つクウガ、“仮面ライダークウガマイティフォーム”。

 

峰田「赤くなったぁー‼️」

 

切島「かぁ~、カッコいいなぁ‼️」

 

出久「雄介さんが“戦う覚悟”を持ったことでアークルが応えて、完全なクウガに変身したんだ。

仮面ライダーには、あらゆる敵や場所を想定して戦うために、“フォームチェンジ”っていう能力が存在するんだ。

クウガの場合は、“水のドラゴン”、“風のペガサス”、“大地のタイタン”、後は“究極の闇”の異名を持つ“アルティメットフォーム”だよ。」

 

出久が説明すると、クウガの各フォームが映し出され、それぞれ“青のドラゴンフォーム”、“緑のペガサスフォーム”、“紫のタイタンフォーム”そして、“マイティ”を含めた強化形態“ライジングフォーム”、“究極の闇・アルティメットフォーム”が皆の前に現れた。

 

 

常闇「“究極の闇”か…憧れる。」

 

青山「青色で水のような優雅さ…まるで僕のようだね☆」

 

障子「性格や戦闘スタイルはまるで違うのにな。」

 

 

クウガの姿に、感動したり共感するものがいた。

 

 




区切って、次はアギトにします。

このままじゃ収集つかないので


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出久の力と異世界の戦士【4】クウガの力と戦う理由

クウガの設定読んだら、凄く細かいですねぇ。子供のころ、何気無く観て、“仮面ライダーカッコいい”と思っていたら、こんなに深いとは。


アギトはもう少し後に


全員がクウガのフォームチェンジを見て感動しているなか、出久は説明を始めた。

 

出久「“ドラゴン”と“タイタン”は戦闘向きなんだけど、“ペガサス”だけは“クウガ”の中でも危険度の高いフォームなんだ。」

 

上鳴「何があぶねぇんだ?」

 

出久「フォームにはそれぞれ特徴があって、“ドラゴン”なら変幻自在の水の流れのような攻撃、跳躍力が強化されるんだ。“タイタン”は高い防御力と耐久力、肉体の強化だよ。」

 

切島「なんか俺達みたいだな、鉄哲‼️」

 

徹鐵「肉体強化か、いい響きだな‼️」

 

似たような個性を持つこの2人、タイタンフォームに共感していた。

 

出久「だけど“ペガサス”の強化されるものは感覚。特に視覚と聴覚が強化されるんだ。」

 

それに食いついたのは、変態度ならオールナイトをすでに越えているクラス1の変態、峰田であった。

 

 

峰田「マジかよ⁉️やべぇってそれ‼️オイラにその力があったら、女子の着替えとかエロボイスを聞いて…」

 

耳郎「お前は少し自重しろっ‼️」シュッ

 

ブスッ

 

峰田「ぎゃあああああああああああああ」

 

耳郎が峰田の暴走をイヤホン・ジャックで突き刺して止める。

 

 

芦戸「うわぁー…」

 

葉隠「サイテー…」

 

麗日「ややな、峰田君…」

 

蛙吹「ホントにぶれないわね峰田ちゃん…」

 

八百万「破廉恥ですわ‼️」

 

耳郎「全く…」

 

発目「興味深いほどの変態度ですねぇ…」

 

マミ「人として最低ですわね。」

 

 

女性陣から非難殺到である。発目でさえ引きぎみだった

 

上鳴(口に出さなくてよかった…)

 

 

峰田と若干同じ事を考えた上鳴は、内心ほっとしていた

 

 

出久「あはは(苦笑)、そんないいものじゃないよ峰田君。確かに“ペガサス”は聴覚と視覚の強化をしてくれるけど、これは諸刃の剣なんだ。」

 

飯田「どういうことだい、緑谷君。」

 

出久「普段僕達はあくまでも近くの物の形や音を拾ってるけど、“ペガサス”にチェンジすると普段は絶対聞こえない超音波や紫外線までもが、視覚と聴覚で拾うことができちゃうんだ。敵が人混みや遠くに逃げたりした時は見つけられるけど、長時間使ったら目と耳は許容量の限界を超えて使い物にならなくなる。

“ライジング”になると更に強化されちゃうから“ライジングペガサス”に変身できるのは30秒程だよ。」

 

ペガサスの説明を聞いて全員顔を青くしていた。あまりにもハイリスクなのだから…

 

砂藤「な、なあ緑谷。もしその“ライジングペガサス”ってのに30秒以上変身したら、どうなるんだ?」

 

出久「…音も映像も、全ての情報は脳に行く。脳の情報処理が追い付かなくなって…」

 

一同『追い付かなくなって…?』

 

出久「脳細胞が破壊されて、植物人間か廃人になる。そうならなかったとしても、視力と聴力は完全になくなって何も分からなくなるよ。」

 

一同『ひぃぃぃぃぃぃ』

 

峰田「オイラ…、やっぱり今のまんまでいいや。」

 

自分の視力と聴力を失ってまでほしいとは思わない峰田であった。余談だが、この話を聞いた峰田の変態が自重された…訳ではなかったらしい。

 

 

 

 

出久「最後の究極の闇の異名を持つ“アルティメット”も危険な変身なんだ。」

 

常闇「それもか。…なぜだ?」

 

“究極の闇”に憧れを持った常闇がすかさず聞いてきた。

 

出久「“究極の闇”はグロンギの神“ン・ダグバ・ゼバ”に匹敵するほどの力を持ってるけど、制御出来ないと周りのものまで無差別に破壊するんだ。

最初は雄介さんも制御できなかった。でもダグバが復活したことで、各地で3万人以上が死ぬ大虐殺事件起きたんだ。ダグバは特殊能力の自然発火を使って人間の体内から焼き殺したんだ、しかも遊びで…」

 

“遊びで人を3万人以上殺した”ダグバに全員が戦慄した。

 

出久「その中にダグバに殺された人の子供が泣いてたんだ。さっきまで一緒に楽しく話をしていた人がいきなり死んじゃうんだからね。

雄介さんは“人の笑顔を守るため”に仮面ライダーになったんだ。長くグロンギと戦ってきた中で忘れかけていた“戦う理由”を子供の泣き顔を見て思い出したんだ。

雄介さんは、“究極の闇”アルティメットフォームを使いこなして、ダグバに勝った。その後は世界に旅に出たんだけど、僕達にある言葉を残していったんだ。」

 

 

 

 

 

雄介『どんなに力を持ったとしても、間違った力の使い方をすれば、“究極の闇”より恐いものになると思う。俺は“皆の笑顔を守りたい”からクウガの力を使って戦うことができた。お前(出久)達も自分の中で、正しいと思ったことに力を使うんだ。…それが、人々の笑顔と平和を守るためなら、自分の中の力に迷うなよ。』

 

 

 

出久「雄介さんは最後の最後に、“戦う意味と理由”を僕達に残していってくれたんだ。」

 

 

“強大な力”とは、人々の薬にもなれば毒にもなる。クウガの話を聞いた彼らは、今一度自分の“個性”について、そして“自分がヒーローになりたい理由”を改めて考え始めるのであった。




次はアギトにいきます


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現れたのは10番目【1】

ちょっとやってみました。


時系列は体育祭が終わってしばらくです。


今日も雄英高校1年A組は、ヒーローを目指すため戦闘訓練を運動場にて行っていた。

 

今回教師陣は、担任の相澤先生・オールマイト・エクトプラズム(以降EP)先生である。

 

 

エクトプラズム:個性“分身”

 

エクトプラズムを飛ばし、任意の場所で実体化させる事の出来る能力。一度に出せる数は大体30人、カラオケで2~3曲歌った後は36人くらいでるらしい。また、それらを集約する事で、巨大な分身を作り出し、対象物を捕獲する事も出来る。

 

 

今回は模擬戦形式で行おうとしていたところ、突如銀色のオーラが現れる。

 

 

切島「なんだあれ⁉️」

 

 

瀬呂「またヴィランか⁉️」

 

 

切島君や瀬呂君を中心に、他の皆も動揺している。

 

 

相澤「全員1ヶ所に集まっていろ‼️」

 

 

AM「心配ない。何故なら、今日は最初から私がいるからだ‼️」

 

 

EP「今回ハ私モイル。」

 

 

クラスメイトや先生達は臨戦体勢を取るが、僕だけは違った。

 

 

出久「あれは、ディメンションオーラ‼️」

 

 

僕はあのオーラを知っている。僕が叫んだことで視線が一気に僕の所へ集まった。

 

 

相澤「緑谷、あれのこと知ってるのか?」

 

 

出久「はい。あれは“ディメンションオーラ”。世界と世界を繋ぐことの出来るものです。」

 

 

そして、このディメンションオーラを通ってこれる人は

 

 

???「ここがお前の世界なのか、出久?」

 

 

出久「士師匠‼️」

 

 

ディメンションオーラから出てきたのは僕達と一緒に旅をして、“戦いの答えの出し方”を教えてくれた師匠門矢士さんだったのだ。

 

出久「お久しぶりです。なんで師匠がここに?」

 

 

士「まぁただの寄り道だ。」

 

 

士師匠は常に旅をしている。世界と世界を渡る旅を…。

 

 

晴希「お久しぶりです、士さん。」

 

 

士「お前もいたのか、久しぶりだなぁ晴希。」

 

 

 

AM「緑谷少年、操真少年、その方と知り合いなのか?」

 

 

師匠と話していると、ことの成り行きを観ていたオールマイトが話し掛けてくる。

 

 

出久「はい、紹介します。僕の師匠の1人で門矢士さんです。」

 

 

僕はオールマイトだけでなく、この場にいる皆に師匠を紹介する。

 

 

士「門矢士だ。」

 

 

AM「初めまして。私は雄英高校で教師をしている…」

 

 

士「オールマイトだろ?知ってるよ。それと、イレイザーヘッドとエクトプラズムもな。」

 

 

士師匠はオールマイトの話を遮り、後ろで警戒していた先生達の名前を言い当てた。

 

 

相澤「何故異世界人のお前が、俺達のことを知っている?」

 

 

EP「事ト次第ニヨッテハ貴方ヲ拘束サセテモラウ。」

 

 

※相澤先生を通じて、何人かの先生はライダーワールドのことを知っています。

 

 

出久「大丈夫ですよ先生。士師匠が先生達のことを知ってるのは、ディメンションオーラの影響なんです。」

 

 

EP「ソレハドウイウコトダ?」

 

 

晴希「世界から世界に行くには、その世界の知識が必要となってくるんです。ディメンションオーラを潜ることで、その世界の知識が自動的に脳へ流れ込んでくるんです。」

 

 

相澤「なるほど。だから俺達プロヒーローの知識があるのか。」

 

 

出久「まぁそれでも士師匠の口癖は“だいたい分かった”ですからね。」

 

 

士「余計なこと言うな。」

 

 

そんな話をしていると、士師匠に危険はないと分かったクラスの皆が集まってきた。

 

 

飯田「あの、緑谷君の師匠ということは、貴方も“仮面ライダー”なんですか?」

 

 

士「ああ、俺は仮面ライダーディケイドだ。」

 

 

上鳴「ディケイドってどんなライダーなんすか?」

 

 

八百万「たしか10のとか10番目という意味ですわね。」

 

 

士「お前、なかなか詳しいな。ディケイドは平成10番目の仮面ライダーなんだ。」

 

 

一同『へぇー。』

 

 

耳郎「あっ!前の勉強会でマゼンダ色してた縞模様の仮面ライダー?」

 

 

耳郎さんがこの間の勉強会で見た映像を思い出していた。

 

 

轟「どんな戦いをするんですか?」

 

 

轟君はディケイドがどんな戦い方をするのか気になっていた。すると、

 

 

相澤「それなら、今日の模擬戦は門矢さん対1-A生徒でどうだ?」

 

 

士「俺は構わないぞ。」

 

 

相澤先生の提案に士師匠はあっさり了承してくれた。

 

 

士「俺としては、プロヒーローとも戦ってみたいからな。コイツらの後はあんたらと戦ってみたいんだが。」

 

 

相澤「まぁその方が合理的か。」

 

 

AM「私は一向に構わないぞ‼️」

 

 

EP「私モ問題ナイ。異世界ノヒーローノ力トイウモノニ興味ガアル。」

 

 

こうして僕達は、士師匠と模擬戦をすることになった。

 

 

そして先生達は知ることになる。

異世界のヒーロー“仮面ライダー”の実力を…

 

 




続きます。


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現れたのは10番目【2】ディケイド対1-A

今回次回はディケイドさん無双です。


僕アカのヒーロー達よ、日朝のヒーローの力を見よ‼️


ではどうぞ


ディメンションオーラを通って現れたのは、僕の師匠の1人“仮面ライダーディケイド”門矢士さん。

僕達は先生の提案で士師匠と模擬戦をやることになった。

 

 

出久「…ダメだ、勝てるビジョンが浮かばない。」

 

 

晴希「奇遇だなぁいずっくん、俺もだ…。」

 

 

出・晴「「はぁ~。」」

 

 

さっきからシミュレーションしてるけど、一方的にボコられるビジョンしか浮かんでこない。

 

 

相澤「それではこれより、門矢士対1-Aの模擬戦を始める。ルールはどちらかが戦闘不能になったらだ。いいな?」

 

 

1-A『はい‼️』

 

 

士「俺も構わないぞ。」

 

 

師匠も了承すると皆は戦闘体勢を取り、僕と晴君、士師匠がドライバーを装着する。

 

 

GD『アーイ‼️』

 

 

WD『ドライバーオン。プリーズ。』

 

 

GD『バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️』

 

 

WD『シャバドゥビタッチ、ヘンーシン!シャバドゥビタッチ、ヘンーシン!』

 

 

僕達の待機音が鳴り響くなか、士師匠も“ネオディケイドライバー(以降NDD)”を引き、“ライドブッカー”からカードを取り出す。

 

 

相澤「はじめ‼️」

 

 

出・晴・士「「「変身‼️」」」

 

 

GD『開眼‼️オレ‼️レッツゴー‼️覚悟‼️ゴ・ゴ・ゴースト‼️』

 

 

WD『フレイム。プリーズ。ヒーヒーヒーヒーヒー‼️』

 

 

NDD『カメンライド。ディケイド‼️』

 

 

僕はゴーストに、晴君はウィザードに、そして士師匠はディケイドに変身する。

 

 

瀬呂「先手必勝‼️」

 

 

切島「行くぜ‼️」

 

 

変身完了と同時に、瀬呂君と切島君が攻撃を仕掛ける。

 

でもそれは悪手だ‼️

 

 

士「ふっ‼️はぁっ‼️」

 

 

瀬呂「ぐおっ⁉️」

 

 

瀬呂君のテープが掴まれ、引き寄せられた瀬呂君はボディに一撃もらってしまった。

それに呆気にとられていた切島君に近づき、同じようにボディに一撃を食らった。

 

 

切島「がぁっ⁉️」

 

 

開始10秒で、2人が戦闘不能になった。残り19人

 

 

砂藤「ウソだろ…⁉️」

 

 

耳郎「あの2人を一瞬で…⁉️」

 

 

全員が呆気にとられて動けなくなっているのは危険だ。

それを感じた僕・晴君・かっちゃん・轟君が攻撃を仕掛ける。

 

出・晴「「はぁぁぁぁぁぁ‼️」」

 

 

勝己「オラァァァァァァァァ‼️」

 

 

轟「ふっ‼️」

 

 

僕と晴君は、ガンガンセイバーとウィザーソードガンで攻撃、かっちゃんが爆破で特攻、轟君が氷結で攻撃と同時に動きを封じようとした。だが、

 

 

士「はぁっ‼️」

 

 

ライドブッカーをソードモードにした士師匠は、自身に迫る氷を斬り飛ばした。

 

 

轟「なにッ⁉️」

 

 

斬りかかった僕達は、横凪ぎで斬り飛ばされ

 

 

出久「ぐあっ⁉️」

 

 

晴希「うわっ⁉️」

 

 

そして真っ向から攻撃しようとしたかっちゃんは…

 

 

勝己「死nがぁっ⁉️」

 

 

右手を出した瞬間、背負い投げで地面に叩き付けられた。かっちゃんの爆破のスピードも重なって、尋常じゃない衝撃がかっちゃんを襲い、そのまま意識を手離した。

そして、背負い投げのために少し後ろを向いた瞬間を狙って轟君が一撃当てようとしたが、

 

 

士「はぁっ‼️」

 

 

轟「がぁっ⁉️」

 

 

振り向き様にボディに拳を叩き込まれ、戦闘不能になった。

 

 

麗日「デク君‼️」

 

 

飯田「操真君‼️」

 

 

上鳴「爆豪‼️」

 

 

八百万「轟さん‼️」

 

 

開始1分もしない内に、戦闘に特化した6人があっさりやられた。

 

 

峰田「マジかよ⁉️」

 

 

蛙吹「緑谷ちゃん達が一瞬で…。」

 

 

芦戸「あの6人があんなにあっさり…。」

 

 

常闇「これが仮面ライダーの力か‼️」

 

 

残りのメンバーと先生達は、士師匠の力に戦々恐々としていた。

 

残り15人

 

 

 

そこからは一方的だった。

 

 

常闇君のダークシャドウや梅雨ちゃんの舌で牽制するも、舌を掴まれて引き寄せられた所に当て身を受けて梅雨ちゃんが戦闘不能になり、ダークシャドウを斬り伏せて接近され、ボディに蹴りを食らった常闇君が戦闘不能になった。 残り13人

 

 

戦闘向きじゃない耳郎さん、口田君はあっさり背後に回られ、当て身を受けて戦闘不能。

葉隠さんはあっさり居場所を見つけられ、当て身を受けて戦闘不能になった。

 

残り10人

 

 

峰田君のモギモギで動きを拘束し、飯田君のレシプロバーストで蹴りを入れようするも、ガンモードに切り替えたライドブッカーでモギモギを全て撃ち落とされ、飯田君の蹴りを受け止めたと同時に掴み、峰田君目掛けて投げ飛ばした。ぶつかった衝撃と投げ飛ばされた衝撃で2人とも戦闘不能に。

 

残り8人

 

パワーで圧倒しようとした砂藤君と障子君は、パンチを出した瞬間手を掴まれ、片手で地面に叩き付けられた。その瞬間を尾白君の尻尾で攻撃しようとしたが、尻尾を掴まれて同じく地面に叩き付けられ戦闘不能。

 

残り5人

 

電撃で足止めしようとした上鳴君は、電撃を交わされたところを接近され、キャパオーバーしてアホになった所を狙われて戦闘不能。

 

青山君のレーザーと芦戸さんの酸攻撃もソードでいなし交わされ、青山君は腹痛になったところを狙われ、芦戸さんは当て身を受けて戦闘不能。

 

八百万さんの創造で、大量の鉄球を作り、麗日さんの無重力で鉄球の雨を降らせたが、ガンモードで撃ち落とされ、鉄球の落下で生じた土煙で視界を奪われ、背後に回られて当て身を受けて戦闘不能。

 

 

わずか5分もしない内に1-Aは全滅した。

 

 

 

 

 

 

次はいよいよディケイド対先生達である。

 

 

続く




無理矢理の無双感半端ないですね。


先生達はどのように戦うのか、ディケイドの力をほんのちょっとだけお見せします


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現れたのは10番目【3】ディケイド対プロヒーロー

ではどうぞ


しばらくして皆が意識を取り戻したが、早々に暴れだそうとしていた人がいた。お察しの通りかっちゃんである。

 

 

勝己「クソがぁぁぁぁぁ‼️俺は負けてねぇぇぇぇ‼️」

 

 

現在かっちゃんは、瀬呂君のテープと晴君のバインド、僕・切島君・砂藤君・障子君で止めている。

自分の攻撃が届く前に攻撃を交わされただけでなく、背負い投げされて気絶したのだから、全く納得いっていないのだ。

しかも、士師匠は全く本気になっていなかった。何故なら“ディケイドの能力”を何も使っていない。

 

 

士「それじゃあ次は、あんた達とだ。プロヒーロー。」

 

 

相澤「ああ。よろしく頼む。」

 

 

AM「貴方の強さはよく分かった。我々も本気を出さねばな‼️」

 

 

EP「相手ハ1人デスガ油断ナドシナイヨウニ。」

 

 

そしてすでに、士師匠と先生達の模擬戦が始まろうとしていた。

 

 

飯田「開始の合図は、クラス委員の飯田天哉が務めます‼️ルールは先ほどと同様に、どちらかが戦闘不能になったら終了です。」

 

 

士師匠はディケイドのまま、先生達も臨戦体勢に入った。そして、

 

 

飯田「それでは…はじめ‼️」

 

 

今プロヒーローと異世界のヒーローの戦いが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

最初に仕掛けたのは、オールマイトだった。高速で士の前に移動し攻撃を仕掛ける。

 

 

AM「テキサス スマーッシュ‼️」

 

 

攻撃の余波で風圧が生じる。ある程度のヴィランならこの攻撃で倒すことが出来るが、

 

そこは仮面ライダー。

 

危なげなくオールマイトの攻撃を交わすと、エクトプラズムが追い討ちをかけるように蹴りを連続してはなってきた。

エクトプラズムの攻撃を避けきった士だが、腕に何が巻き付いた。相澤の特殊ロープである。

動きを制限された士に、相澤の攻撃が襲い掛かる。更にそこへ再びエクトプラズムの蹴りが追加された。

しかし、そんな状況でも士は2人の猛攻を全て受け流し、往なしていた。

そして2人が離れると、2人の後方、士の正面からオールマイトが接近していた。

 

 

AM「カロライナ スマーッシュ‼️」

 

 

誰もが当たると思っていた。相澤とエクトプラズムの連携攻撃から、オールマイトの急接近からの攻撃はさすがに交わすことは出来ないと…。

しかし、予想は悪い意味で裏切られた。

 

 

NDD『アタックライド。インビジブル。』

 

 

AM「なにッ⁉️」

 

 

目の前にいた筈の士が突如として消え、オールマイトの攻撃が地面にあたった。

 

肝心の士は、オールマイト達から少し離れた距離にいた。

 

士「思ったよりやるなぁ。さっきのは少し焦ったぞ。流石はプロヒーローといったところか。連携も悪くないし、攻撃のキレもアイツらとは全然違うな。」

 

 

相澤「そりゃどうも。」

 

 

AM「プロヒーローであり、1教師だからな‼️少年少女達に遅れをとるわけがない‼️」

 

 

EP「シカシ貴方モヤリマスネ。教師トハイエ、我々プロヒーロー3人ヲ相手ニ互角トハ。」

 

 

士の称賛に三者三様で答えるが、心中穏やかではない。

 

 

相澤(よく言うぜ。俺達の動きを全部見てやがる。)

 

 

AM(相澤君達の連携もあるというのに、攻撃が一度も当たっていないどころか掠りもしないとは‼️)

 

 

EP(互角デハナイ。相手ノ方ガ実力モ格闘センスモ上ダ。)

 

 

この攻防で相澤達は士の実力を測っていた。そして分かったことがある。

 

 

相・E・O(((俺達じゃ/私達では/我々デハ/勝てない/勝てん/勝テナイ‼️)))

 

 

士「それじゃあそろそろ、こっちも攻撃させてもらうか。」

 

 

ここから士“仮面ライダーディケイド”の猛攻が始まる。

 

 

 

 

 

峰田「ウソだろ⁉️オールマイト達の攻撃が全然当たってねぇ‼️」

 

 

上鳴「ヤバいってあの人‼️」

 

 

1-Aの生徒達はただ驚愕していた。プロヒーロー3人を相手に互角の攻防を繰り広げている士という存在に…。

 

 

轟「緑谷、操真。あの人の実力はどこまでなんだ?」

 

 

轟は気になっていたことを出久達に聞いた。

 

 

出久「正直なことを言えば、プロヒーロー全員集まっても士師匠には勝てないと思う…。」

 

 

1-A『ッ⁉️』

 

 

出久の答えに全員が信じられないような顔をする。

 

 

出久「士師匠のディケイドは“世界の破壊者”っていう異名を持つライダーなんだ。」

 

 

1-A『世界の破壊者⁉️』

 

 

芦戸「なんでそんな物騒な呼び名なの⁉️」

 

 

正義のヒーローである筈の仮面ライダー。しかし、ヒーローなのに何故破壊者なのか…。

 

 

晴希「ディケイドは元々、ライダーワールドの悪の秘密結社“ショッカー軍団”が作り出したものなんだ。」

 

 

八百万「どうして敵の組織が、そのようなものを?」

 

 

晴希「ショッカー軍団を含めた怪人組織は、ライダーを倒すために数多くの怪人を産み出してきた。だけど、どんなに強力に作っても、最後は必ずライダーに倒されてしまう。そこで、ショッカー軍団はある結論に辿り着いた。“怪人で倒せないなら、ライダーに倒させればいい。”」

 

 

仮面ライダーディケイドは“仮面ライダー殲滅用仮面ライダー”なのだ。ショッカー軍団の科学力と技術、そしてライダー達のデータを元に作られたのが、

 

“仮面ライダーディケイド”である。

 

 

出久「ある時間軸では、平成1番目から9番目までの全ライダーが“1つのターゲット”に集中攻撃を仕掛けたんだ。主要ライダーからサブライダー、ダークライダーまでもが手を組んで“たった1人”を相手に勝負を挑んだんだけど、そのたった1つのターゲットに仮面ライダー達は全滅したんだ。」

 

 

9つの世界の全てのライダーが、たった1人の敵に殲滅された。

これがどういう意味なのか、その意味が分からないものはいなかった。

 

 

麗日「ね、ねぇデク君、そのたった1人の敵ってもしかして…。」

 

 

出久「そう、それが“ディケイド”なんだ。」

 

 

出久の話がここで途切れ、模擬戦に目を向けると“ディケイド”士の攻撃が始まった。

 

そして、この世界のヒーロー達は知らしめられる。

異世界のヒーローとの実力差を…。




もう少し続きます。

駆け足だから、駄作ですが…。


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現れたのは10番目【4】戦鬼と閃光と創造

思いつきネタなので

そろそろカメンライドしないと


士「それじゃあそろそろこっちも攻撃させてもらうか。」

 

 

彼“門矢士”の言葉に、私達は身構える。

 

今日のヒーロー基礎学では、相澤君、私、そしてエクトプラズムを講師として、模擬戦形式で戦闘技術を上げていくつもりでいた。

しかし突如、銀色のオーロラのようなものが現れ、1-Aの生徒達は困惑していた。

無理もない。つい先日に、ヴィランに襲撃され奇跡的に無事だったとはいえ、まだ学生の身であのような体験をしたのだ。動揺しない方がおかしい。

しかも奴らは、私“オールマイト”を狙ってきたというのに、肝心の私は活動時間ギリギリまで、出勤前にあちこちでヒーロー活動をしていた。

結果生徒達は、私がいないことに対する“八つ当たり”という名目でヴィラン連合に襲われた。

 

飯田少年が救援を呼びに来たときは、自分自身の名声の影響で、生徒達を危険な目に会わせてしまったことに憤りを感じた。

 

飯田少年と共にUSJに着いた時には、既にヴィラン連合が撤退した後だった。

 

翌日は臨時休校となり、我々プロヒーローや警察が、捕縛されたヴィランと“オールマイト対策”として作られた“脳無”という怪人について調査していた。

 

調べた結果、脳無は大量の“個性”を所持しており、体が負荷に堪えられるように肉体改造された“無個性”の人間であることが分かった。

 

今の時代、個性が発現したことで“無個性”という存在は軽蔑され、虐待・差別を受ける。家族に捨てられ、路頭に迷うものや自殺をするもの等もいる。

そして更に残酷なのは、警察に捜索願がいかないことだ。“無個性”と診断されたものの家族は、“無個性”の存在をなかったことにしようとするのだ。

しかもそれには、国家絡みだということも多い。

 

私が守ってきた平和の裏では、常にこのような事が起きていると聞かされ、私は自分が情けなくなった。

 

 

AM(私だってもしかしたら、“師匠”と出会わなかったら、この脳無のようになっていたかもしれない。私が守ってきた平和の陰で、こんなことが起きていたとは…。)

 

 

 

相澤君の話によれば、この脳無を倒したのは、緑谷少年達らしい。“オールマイト対策”というだけあって、プロヒーローである相澤君が相当苦戦したらしく、緑谷少年の救援がなかったら、“腕をへし折られていたところ”らしい。

 

 

個性の譲渡の話以来、緑谷少年とは話をしていない。

 

 

“無個性でも、ヒーローになれますか⁉️”

 

 

あの時、私が“君はヒーローになれる‼️”と言っていたら、少年は私の力を受け継いでくれただろうか?

 

少年と共に、特訓をして今もなお少年の憧れでいられただろうか?

 

 

そんなことを考えて今日の授業に銀色のオーロラ“ディメンションオーラ”から出てきた青年“門矢士”は、緑谷少年の“師匠の1人”だという。

 

 

もしかしたら、私が緑谷少年の師匠になっていたかもしれない立場にいる彼の力を知りたかった。

 

 

 

相澤君の提案で始まった門矢君と生徒達の模擬戦は、あまりにも一方的だった。

開始1分もしない内に、緑谷少年達が戦闘不能になったのだ。しかも、“たった一撃”で…。

 

 

生徒達の模擬戦(という名のワンサイドゲーム)が終わり、次に我々プロヒーローの番になった。

 

私はここで勝てば、また緑谷少年が支持してくれるのではないかと思っていた。

 

しかし、蓋を開ければとんでもない相手だった。我々3人の連携が全く通じず、私の攻撃が当たるどころか掠りもしないという事態に陥っていた。

 

私達は、門矢君に勝てないことを悟った。

 

しかし、諦めるわけにはいかない。

 

我々はヒーローなのだ‼️

どんな苦難や困難にも立ち向かう人々の平和を守る光なのだ‼️諦めるわけにはいかない‼️

 

勝てなくてもせめて、善戦することを決めた我々はこの後、“仮面ライダーディケイド”の力を思い知らされることになる…。

 

 

 

 

 

士の攻撃宣言に、オールマイト達は身構える。

 

士はライドブッカーから1枚のカードを取り出し、

 

 

士「変身。」

 

 

ネオディケイドライバーにカードを入れる。

 

 

NDD『カメンライド。響鬼‼️』

 

 

声音と共に、ディケイドは青紫の炎に包まれた。

 

 

士「はぁッ‼️」

 

 

左腕を横凪ぎに祓うと炎は霧散し、先ほどとは全く違う姿をしたディケイドが現れた。

 

 

一同『ッ⁉️』

 

 

対峙している教師陣、そして観戦していた1-A生徒達は驚愕した。ベルト以外は全く違う姿になったディケイド。

鬼を連想させる角に隈取り、鍛えられた筋肉を連想させる紫を主体としたボディ。

仮面ライダーの中でも異色と呼ばれるライダー

 

 

 

 

“仮面ライダー響鬼”

 

 

 

 

これがディケイドの能力“カメンライド”である。

 

世界の破壊者の異名をもつディケイドは、仮面ライダー殲滅のために作られたライダー。

そのため、ディケイドは他のライダーの力を使うことで戦うことのできる存在なのだ。

 

 

EP「私ガ先ニ仕掛ケマス。」

 

 

どんな力を持っているか分からないディケイド響鬼に対して、エクトプラズムは分身を作り出して攻撃する。

 

 

NDD『アタックライド。音撃棒 烈火。』

 

 

士はカードを入れると、赤い太鼓の撥のようなものが手に握られていた。

“音撃棒 烈火”仮面ライダー響鬼専用の武器である。

 

 

士「はぁッ‼️」

 

 

士は烈火を振ると先端から炎が発生し、その炎をエクトプラズムの分身体に放った。

分身体に炎が当たり、あっという間に分身が消える。

 

 

相澤「エクトプラズムの分身体を…」

 

 

AM「ものの数秒で全て消し去った‼️」

 

 

これには流石に、声を上げてしまう相澤達。

エクトプラズムもいとも簡単に分身体が全て消されるとは思っていなかったようで、立ち尽くしてしまった。

 

 

士「休憩とは余裕だな。」

 

 

EP「ッ⁉️シマッタ‼️」

 

 

エクトプラズムは士の接近を許してしまった。

 

 

NDD『ファイナルアタックライド。ヒ、ヒ、ヒ、響鬼‼️』

 

 

エクトプラズムの腹部に烈火で連打を決める。

 

 

“爆裂強打の型”

 

 

士「はぁーーーーーッ‼️」

 

 

EP『グアァァァァァァァッ‼️』

 

 

攻撃が決まり、エクトプラズムは吹き飛ばされる。

壁にぶつかり、もたれ掛かるエクトプラズム。

 

 

相澤「プラズム‼️」

 

 

士「他人の心配している場合か?」

 

 

相澤「ッ⁉️」

 

 

士は新たなカードを入れる。

 

 

士「変身。」

 

 

NDD『カメンライド。ファイズ。』

 

 

再び声音が鳴り、ディケイドの体を紅いラインがはしる。

光が収まると、ディケイドの姿がまた変わっていた。メタリックな銀を主体としたボディに、黄色複眼。

まるでロボットを彷彿させるようなライダー。

 

 

“仮面ライダーファイズ”

 

 

 

相澤「まだ変わるか…。」

 

 

AM「厄介なものだな、仮面ライダーというのは‼️」

 

 

士は更にもう1枚のカードを入れる。

 

 

NDD『フォームライド。ファイズ、アクセル。』

 

 

更にディケイドファイズは姿を変え、胸の装甲が展開し、複眼が紅く染まる。

 

 

士「10秒間だけ、俺に付き合ってもらうぞ。イレイザーヘッド。」

 

 

相澤「なに⁉️」

 

 

『スタートアップ。』

 

 

音声がなると同時に士の姿が消える。否、

 

 

相澤「なっ⁉️消えtぐあっ‼️」

 

 

“光速で移動している。”

 

 

アクセルフォームとなることで、10秒間だけ通常の1000倍の速度移動する事ができる。

この光速移動から着いたファイズの異名は

 

 

“紅き閃光”

 

 

見えない光速の攻撃になす統べなくやられる相澤は、空中への蹴りあげられる。

 

 

相澤「がぁっ‼️」

 

 

NDD『ファイナルアタックライド。ファ、ファ、ファ、

ファイズ‼️』

 

 

 

相澤の周りには紅い円錐状のポインターが出現する。

 

 

士「はぁッ‼️」

 

 

ファイズの必殺技“クリムゾンスマッシュ”が決まる。

 

 

『スリー、ツー、ワン。タイムアウト。リフォメーション。』

 

 

相澤「がぁぁぁぁぁぁッ‼️」

 

 

AM「相澤君‼️」

 

 

オールマイトは地面に落ちてくる相澤をキャッチして、静かに地面に下ろす。

そしてオールマイトは、士に対してファイティングポーズをとる。

 

 

士「オールマイト。お前には“新しい力”を試してやる。」

 

 

士は新たなカードを入れる。

 

 

士「変身。」

 

 

NDD『カメンライド。ビルド。』

 

 

『鋼のムーンサルト‼️ラビットタンク。イエーイ‼️』

 

 

再び士は新たな仮面ライダーに変身する。

青と赤の複眼に、青と赤のボディアーマー。

複眼は青色の方は戦車の形をしており、赤色の方はウサギの形をしている。

戦車の耐久力とウサギの跳躍力が合わさり、2つの“フルボトル”で変身する仮面ライダー。

 

 

“仮面ライダービルド”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

切島「なんじゃありゃぁ⁉️」

 

 

晴希「分からない‼️俺も見たことない‼️」

 

 

蛙吹「緑谷ちゃんも知らないの?」

 

 

出久「僕にも分からない。でもおそらく、あの仮面ライダーは平成19番目の仮面ライダーだ。」

 

 

常闇「何故そう思う?」

 

 

出久「僕はライダーワールドに飛ばされてから、たくさんの旅をしてたくさんの仮面ライダーを見てきた。でも、僕が知っている最新の仮面ライダーは、ゴーストの次に誕生した“仮面ライダーエグゼイド”っていうライダーだ。もし、エグゼイドの方が終着しているとしたら、次代の仮面ライダーって考えても不思議じゃない。」

 

 

仮面ライダーとは人知れず悪と戦う正義の存在。

彼らには、まず最初に決まった敵種族や組織が存在する。

“グロンギ”

 

“アンノウン”

 

“ミラーモンスター”

 

“オルフェノク・スマートブレイン”

 

“アンデッド”

 

“魔化魍”

 

“ワーム”

 

“イマジン”

 

“ファンガイア”

 

“ドーパント・ミュージアム”

 

“財団X”

 

“グリード”

 

“ゾディアーツ”

 

“ファントム”

 

“インベス”

 

“ロイミュード”

 

“眼魔”

 

そして“バグスター”

 

 

その敵種族及び組織のボスを倒すことで、ライダー達の物語は1つの区切りとなり、仮面ライダーの歴史に刻まれる。それと同時に、新たな仮面ライダーの歴史が始まる。

 

 

 

 

新たな姿“ディケイドビルド”に警戒するオールマイト。どのような力を有しているか分からない以上、下手に攻撃を仕掛けると危険である。

しかしこのまま膠着状態では、相手に考える隙を与えてしまい一撃で倒される可能性もある。

 

どちらを選択するにしても、オールマイトの攻撃は届かない。

 

 

AM(ここまで力の差があるというのか…。どんなに攻めの一手を考えても、私が負ける未来しか見えない‼️)

 

 

士「来ないのか?ならこっちから行くぞ‼️」

 

 

士は徒手空拳でオールマイトに攻撃を与え仕掛ける。だが、オールマイトもNo.1ヒーロー。ただでやられるわけにはいかない。

 

 

士「はぁぁぁぁぁぁッ‼️」

 

 

AM「ぜぁぁぁぁぁぁッ‼️」

 

 

パンチやキックの応酬が繰り広げられる。互いに時には受け止め、時には受け流し、“一瞬の隙が勝敗を左右する。”そんな状態になっていた。

 

 

士「だぁッ‼️」

 

 

OM「ぐあっ‼️」

 

 

しかし、修羅場の規模が違いすぎる仮面ライダー。格闘センスや体格差を差し引いても、オールマイト達プロヒーローよりも一枚上手なのだ。

 

 

NDD『フォームライド。ビルド、ゴリラモンド。』

 

 

『輝きのデストロイヤー。ゴリラモンド。イエーイ‼️』

 

 

赤と青のボディから、茶色と水色のボディに変わる。

ゴリラの腕力とダイヤモンドの硬さをあわせ持つ、右腕がゴリラの腕力を象徴するように肥大化したフォーム。

 

“仮面ライダーディケイドビルド ゴリラモンドフォーム”

 

 

士は直ぐにダイヤモンドの壁を生成する。そしてゴリラの右腕で、

 

 

士「はぁッ‼️」

 

 

ダイヤモンドの壁を砕いた。

 

 

砕かれたダイヤモンドの壁は礫のように、オールマイト目掛けて飛んでいく。

 

 

AM「ぐぅぅぅぅぅぅッ‼️」

 

 

オールマイトは避けきれないと判断し、両腕を腕の前でクロスしてガードの体勢をとる。

ただの石の礫ならば、オールマイトにはダメージにならない。しかし、今オールマイトが受けているのは世界で最も硬い鉱石。生身で受けるには体に相当の負荷がかかる。

攻撃が終わると同時に、オールマイトは片膝を着き息も上がってきていた。

 

 

AM「はぁ、はぁ、はぁ…。」

 

 

士「…。」

 

 

“ビルド”から“ディケイド”に戻った士は、満身創痍のオールマイトを見下ろしていた。

 

 

出久と晴希以外の1-Aメンバーも呆然としていた。3人もいたプロヒーロー、

そのうちの1人は世界最強のNo.1ヒーロー“オールマイト ”

自分たちの憧れであるプロヒーロー達が、たった1人の異世界のヒーロー“仮面ライダー”に追い詰められているのである。

経験不足の自分たちでも嫌というほど、突き付けられた真実。

 

 

“実力が違いすぎる。”

 

 

 

 

士「これで終わらせるぞ、オールマイト。」

 

 

AM「はぁ、はぁ。…君と私達の実力差はよく分かった…。例え私の一撃を放っても君に勝てないということも…。」

 

 

士「ならどうする?降参するか?」

 

 

AM「降参などしない‼️実力の違いが分かっていても、敵を目の前にして逃げるなど私はしない‼️今まで間違いを犯してきた私が、行動で間違いを正せる機会なんだ。…私は少しでも、彼のヒーローであり続けたい。」

 

 

オールマイトは自分に言い聞かせるように、なんとか立ち上がる。たった一言が、自分の後継者をなくしてしまった。たった一言が、彼の夢にとどめをさしてしまった。

2度と同じ過ちを繰り返さないために、自分のようになりたいと夢を見ている未来を担う若者達の光となるように…。

 

 

士「…お前の覚悟は分かった。」

 

 

NDD『ファイナルアタックライド。ディ、ディ、ディ、ディケイド‼️』

 

 

オールマイトと士の間に、カード状のフォログラムが出現する。士が跳躍しキックの体勢をとる。

フォログラムを通るごとに、速度が上がるディケイドの必殺技。

“ディメンションキック”

 

 

AM「デトロイト…」

 

 

士「はぁぁぁぁぁぁッ‼️」

 

 

AM「スマーーーーーーッシュ‼️」

 

 

互いの必殺技がぶつかり大規模な爆発が起きる。

 

 

 




次で終わります


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現れたのは10番目【5】通りすがりは次の旅へ

これでディケイドは、次の旅へ出発します。

本編に出るかは、未定ですよ?多分


ではどうぞ


両者の必殺技がぶつかり、大規模な爆発が生じた。全員があまりの衝撃に目を瞑り、黒煙が辺り一面を覆う。

 

 

瀬呂「どうなったんだ…?」

 

 

上鳴「何が起きたんだよ…」

 

 

出久「2人の必殺技がぶつかり合って、相殺しきれずにエネルギー同士の干渉で爆発が起きたんだ。」

 

 

切島「そんなこと起きんのか?」

 

 

八百万「…本来なら有り得ませんわ。干渉で生じる爆発というのは、力が拮抗している時に起こる現象なんです。」

 

 

轟「オールマイトが放った技は俺達が知るなかでも最強の必殺技だ。なのに…」

 

 

勝己「あいつ、オールマイトの必殺技を蹴りで封じ込めやがった。」

 

 

晴希「オールマイトが全力で放った技を士さんは“通常態”のディケイドで倒したんだよ。」

 

 

 

黒煙が晴れ始めると、運動場中央には悠然と佇んでいるディケイドと気絶こそしてはいないものの、満身創痍のオールマイトが座り込んでいた。

 

 

士「…審判。」

 

 

飯田「…はっ‼️し、試合終了‼️勝者門矢士さん‼️」

 

 

士の声に、意識を戻した飯田が、士の勝利を宣言した。

プロヒーロー及びヒーローの卵は、仮面ライダーディケイドに完全敗北した。

 

 

 

 

 

 

 

 

気を失っていた相澤とエクトプラズム、そして満身創痍のオールマイトは、麗日が呼んできたリカバリーガール(以降RG)によって体力の回復と傷の手当てをしていた。

 

 

RG「大人のアンタらがムキになってどうすんだい‼️世話ばっかり妬かして‼️」

 

 

模擬戦とはいえ、プロヒーローの意地を見せようと自棄になっていたことをあっさり見抜かれ、治療と同時に説教も受けることになってしまった教師陣…。

 

 

相澤「申し訳ありません。」

 

 

EP「ツイ力ガ入ッテシマイ…。」

 

 

AM「面目次第もございません…。」

 

 

1-A((((((((((背中が小さく見える…。))))))))))

 

 

…出久達はこの時思った、雄英最強は“リカバリーガール”なのではないかと…。

 

 

 

 

士「まぁこの世界のヒーローの力は大体分かった。」

 

 

そう呟くと同時に、士の後ろに再び“ディメンションオーラ”が出現する。

 

 

AM「もう行ってしまうのかい?」

 

 

士「ああ。俺は出久と晴希の様子を見に来ただけだからな。出久、晴希。もう少し修行積んどけよ?」

 

 

出・晴「はい‼️」

 

 

士「他の奴らもな。修行や答えに行き詰まった時はまずは立ち止まれ。そして振り返ってみろ。“過去は振り返るな。”なんて諺があるが、振り返らないと見えないもの、見落としたものがある。それをしっかり見つけて、自分の正しい道に迷わず進んでいけ。1人で悩むな、仲間を頼れ。そうすれば、お前達は誰にも負けないつよさを手に入れられる。」

 

 

1-A『はい‼️』

 

 

士は、1-Aの生徒達とプロヒーロー達に向けて“己の進む道について”改めて考えるよう諭した。

そして後ろに振り返り、ディメンションオーラを潜ろうとする。

 

 

士「オールマイト。」

 

 

AM「何かね?」

 

 

士は背中を向けてオールマイトに話す。

 

 

士「意思は必ず受け継がれる。お前が信じたものを見失わなければ、先代の意思は必ず次の世代へ引き継がれていく。…信じたものを諦めるな。」

 

 

AM「…門矢青年、君は一体何者なのかね?」

 

 

歩み始めていた足をオールマイトの言葉で止めて、首だけ後ろに向けた。

 

 

士「“通りすがりの仮面ライダー”だ、覚えておけ。」

 

 

士は再び歩を進め、ディメンションオーラを潜っていく。そして完全に通り終わるとディメンションオーラは消えていた。

 

 

1-A生徒及びプロヒーロー達は、次元を超えた仮面ライダーの強さを目の当たりにした。

そして、士の残した言葉にはこれから新たなヒーローになる出久達へのエールが込められていた。

 

 

 

今日も彼は旅を続ける…。新しい出会いと仲間を求めて…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最後は駄文になりましたが、ディケイド編これでおわりです


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原作世界との邂逅【1】

ちょっと思い付いたので書きました。


ビルドも終わり、次はいよいよ平成最後の仮面ライダー“ジオウ”です。楽しみ楽しみ♪


ではどうぞ


ヒーロー仮免試験が迫るなか、僕と晴君、そしてマミさんは運動場を借りて自主トレをしていた。

そんな時、晴君が新しく手に入れたウィザードリングの性能を試したいと、僕とマミさんの前で発動させた。

 

 

WD『パラレル。プリーズ。』

 

 

音声と共に、僕らの上空にリング状のゲートが出現し、僕らはそのままリングに吸い込まれてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄英高校ヒーロー科1年A組は、1週間後に控えたヒーロー仮免修得試験に向けて“必殺技”の特訓に励んでいた。セメントス(以降CM)、ミッドナイト、エクトプラズム、担任の相澤、そしてオールマイト(トゥルーフォーム)が監修を務めていた。

各々必殺技のイメージが見え始め、特訓に精が出てきたある日、上空にリング状のゲートが出現した。

 

 

瀬呂「おい、あれなんだよ⁉️」

 

 

上鳴「また敵が攻めてきたのか⁉️」

 

 

瀬呂や上鳴が動揺しているなか、教師陣は生徒の安全を守るために迅速に行動を取り始めた。

 

 

相澤「全員訓練中止‼️1ヶ所に集まれ‼️」

 

 

CM「全員私が作った壁の後ろへ、オールマイトも。」

 

 

AM「すまない。」

 

 

MN「貴方が謝ることではないわ。」

 

 

EP「貴方ハ今マデ我々ノ分マデ戦ッテキタ。今度ハ我々ガ貴方ノ分マデ戦イマス。」

 

 

プロヒーローである教師陣は先の戦いで力を使い果たしたオールマイトを労いながらも、ゲートへの警戒を怠っていなかった。

 

 

緑谷「大丈夫ですオールマイト。今度は僕達が守ります。」

 

 

轟「アンタはしっかり隠れていてくれ。」

 

 

爆豪「クソデクと半分野郎はすっこんでろ‼️俺が1人でぶっ殺す‼️」

 

 

1-Aもまた、オールマイトを守ろうと全員戦闘態勢を整えていた。そして、ゲートから何かが、いや“誰かが”落ちてきた。

 

 

???1「うわっ‼️」

 

 

???2「ぐあっ‼️」

 

 

???3「きゃっ‼️」

 

 

落下と同時に土煙が舞い、ゲートから出てきた者達は声を上げた。

 

 

???1「いたたたっ。もう晴君…。」

 

 

???2「ごめんごめん、あー痛ぇ。」

 

 

???3「毎回出久様や私を実験に使うのは止めてください。」

 

 

何か揉めてるようだが、土煙が晴れると、教師陣や1-Aのメンバーは顔を驚愕の色に染めた。

 

3人のうち2人は知らないが、1人だけとても見覚えのある顔がそこにいた。

 

 

出久「あれ?皆がいる。」

 

 

晴希「ちょっと待って、壁の向こうにいずっくんがいるけど…。」

 

 

マミ「これは一体…。」

 

 

ゲートから自分たちのクラスメイトであり、教え子である緑谷出久がいたのだ。

 

 

緑谷「ぼ、僕が出てきた⁉️」

 

 

峰田「どうなってんだ⁉️」

 

 

切島「なんで緑谷がいるんだよ⁉️」

 

 

1-Aの生徒達は、クラスメイトである緑谷出久の出現に動揺し始めた。

 

 

出久「僕がもう1人いる。しかもコスチュームが全く違うしどことなくオールマイトに似ている。ということは…。」

 

 

晴希「いずっくんも気付いた?マミちゃんはどう?」

 

 

マミ「あちらの気弱そうな出久様、かわいいですわ♪」

 

 

晴希「…着眼点そこじゃない…。」

 

 

ゲートから出てきた3人は、早くも状況を理解した。

そんな中、教師陣が彼らを取り囲む形になった。

 

 

相澤「変な行動はするなよ。お前らは何者だ?」

 

 

教師陣を代表して相澤が出久達に話し掛けた。返答次第ではいつでも拘束できるように、セメントス達も身構えている。

 

 

晴希「そんなに警戒しなくても大丈夫ですよ、相澤先生。って言っても無理か。」

 

 

相澤「なぜ俺の名前を知っている?」

 

 

CM「新手の敵か?」

 

 

マミ「そう考えても不思議ではないですが、それは違いますわセメントス先生。」

 

 

MN「では貴方達は何者なの?」

 

 

出久「僕達はこことは別の世界の住人、“パラレルワールド”から来たんです。おそらく僕が辿ったルートと違う時間軸だと思いますが。」

 

 

緑谷「べ、別の世界の僕?」

 

 

パラレルワールドから来たと言われて俄に信じがたいが、彼らが嘘を付いているようには見えない。なので、

 

 

相澤「ならお前が学級委員になった時に何が起きて、その後何があった?」

 

 

緑谷に関わる質問をしてみた。

 

 

出久「確かあの時はお昼休みに、マスコミに扮した敵が雄英に侵入してきて、そこで飯田君が的確な指示を出して周りを落ち着かせて、それを見た僕は学級委員が飯田君に適任じゃないかと進言して、クラス皆が納得してくれて。その後飯田君のあだ名が“非常口飯田”になって。それからUSJでの救助訓練をしようとしたときに、敵が攻めてきてそれから…」ブツブツ

 

 

晴希「いずっくんの悪い癖が始まった…。」

 

 

マミ「考え込む出久様、素敵ですわ♪」

 

 

晴希「…もうなにも言わない。」

 

 

出久は物事を深く考えたりするとき、それに集中し過ぎて周りが見えなくなる癖がある。

 

 

相澤「…問題ない、あれは間違いなく緑谷だ。」

 

 

緑谷以外『うんうん。』

 

 

緑谷「えっ⁉️僕ってあんな感じなの⁉️」

 

 

緑谷だけ驚愕していたが。なんとかパラレルワールドから来たことを証明できた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マミ「慌てる出久様、かわいい♪」

 

 

出久「でも確かあのとき…ブツブツ…あ、でもこっちじゃ力が違うから…ブツブツ…。」

 

 

晴希「そろそろ2人共戻ってきてくれないかなぁ。」

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は原作側との邂逅でした。


信用するには材料少ない気もしますが…


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原作世界との邂逅【2】パラレル組の自己紹介

【前回のあらすじ】

仮免修得試験に向けて自主トレをしようとしていた出久・晴希・マミの3人。
晴希が新しく手に入れた“パラレルウィザードリング”の能力を試そうと発動したところ、3人の上空にリング状のゲート“パラレルゲート”が出現し、出久達はゲートに吸い込まれてしまった。
ゲートから出てきた出久達の目にしたものは、パラレルワールドの1-Aの皆と教師陣。
相澤先生の質問に、考え込む出久を見て、パラレルワールドの話と目の前の出久が、自分達の知る緑谷出久だと確信する。


 

考え事の世界に浸っていた出久と“原作世界”の出久を見て母性を滾らせていたマミがようやく現実に帰って来た。

 

 

出久「どうもすいません、昔からの癖でつい…。」

 

 

マミ「申し訳ございません。出久様のあまりの可愛さについ♪」

 

 

各々謝罪のため頭を下げるも、反応がないので顔を上げるとなぜか全員唖然とした顔でこちらを見ていた。

 

 

上鳴「いや、そっちの黒服の緑谷が別の世界の緑谷とか以前に…。」

 

 

峰田「さっきからなんでそこの女子は緑谷のことを“出久様”って呼んでんだよ…。」

 

 

上鳴と峰田の疑問に全員が頷いていた。そしてこの2人の反応からして、どうやら性に対する執着心は向こうと変わらないらしい。

 

 

マミ「それは私が出久様の婚約者だからですわ♪」

 

 

原作組『婚約者ぁぁぁぁぁぁぁぁ⁉️』

 

 

マミの爆弾発言に原作組は全員絶叫の声を上げたが、男性陣と女性陣で反応が違った。

 

 

飯田「緑谷君いつからあの子とそんな関係に⁉️」

 

 

切島「お前すげぇなぁ、漢だぜ‼️」

 

 

常闇「まさに驚愕。」

 

 

上鳴「テメェ人生舐めてんのか⁉️」

 

 

峰田「なに羨ましい関係作ってんだよお前⁉️将来勝ち組かこの野郎⁉️」

 

 

CM「君も中々やりますねぇ。」

 

 

相澤「緑谷、責任は取れよ?」

 

 

EP「男トシテシッカリ幸セニシテアゲナサイ。」

 

 

AM「ファイトだ緑谷少年、私は応援するぞ!」

 

 

緑谷「ちょ、ちょっと待ってください‼️僕じゃないよ‼️向こうの僕の話でしょ⁉️」

 

 

上・峰「「お前であることに変わんねぇだろうがぁ‼️」」

 

 

緑谷「無茶苦茶だよ‼️」

 

 

男性陣は嫉妬と関心で緑谷に迫り、

 

 

蛙吹「緑谷ちゃんやるわね。」

 

 

葉隠「ラブコメだぁ~。」

 

 

芦戸「やるねぇ緑谷ぁ。」

 

 

耳郎「意外だなぁ。」

 

 

麗日「…。」

 

 

八百万「麗日さん、しっかりして下さい‼️お気を確かに‼️」

 

 

MN「はぁ~、青いわぁ~‼️」

 

 

麗日以外の女性陣は若干の関心と頬を赤らめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

事態がなんとか落ち着いてようやくパラレル組の自己紹介が始まった。

 

 

出久「えっと、改めまして雄英高校ヒーロー科、1年A組の緑谷出久です。個性はゴーストです。」

 

 

晴希「俺は操真晴希。体育祭前に1-Aに転入してきたんだ。俺の個性はウィザードだ。」

 

 

マミ「音黒マミと申します。所属は1年B組、個性はネクロムですわ。」

 

 

 

※ちなみに「」の前の名前は、原作組は緑谷でパラレル組が出久と表記してます。

 

 

 

瀬呂「それにしてもそっちの緑谷は…」

 

 

出久「そっちとかこっちとか言いにくいだろうから、僕のことは“出久”って呼んでくれればいいよ。」

 

 

瀬呂「そうか?じゃあ遠慮なく。出久は緑谷と違って身長高いよな?」

 

 

砂藤「しかもコスチュームも全然違うしな。」

 

 

青山「顔もなんだか逞しさを感じるね☆」

 

 

意外に言いたい放題言われており、出久は苦笑い、緑谷は膝を抱えて落ち込んでいた。そんな緑谷を飯田と麗日が慰めていた。

 

 

相澤「そもそもお前達の個性はどんなものなんだ?」

 

 

爆豪「どんな個性だろうとクソデクはクソデクだろ。」

 

 

相澤は個性の名前だけでは分からず能力を聞こうとし、爆豪は自分が出久に劣るはずないと考えていた。だが、

 

 

マミ「こちらの爆豪さんはずいぶん出久様を下に見ているんですね?」

 

 

爆豪「あぁ⁉️なんか言ったか金髪女ッ⁉️」

 

 

切島「止めろよ爆豪‼️」

 

 

瀬呂「相手は女子だぞ⁉️」

 

 

上鳴「女子には優しく‼️」

 

 

爆豪の発言に少し苛立ちを覚えたマミは冷たい目で爆豪を見つめ、マミに煽られたように思った爆豪は少しキレ始めた。それを爆豪一派の3人が止めた。

 

 

 

晴希「…この世界のいずっくんの友達関係が分かってきたかな。これが爆豪の本質か。自分を強者だと信じ、弱者を見下す傾向がある。」

 

 

爆豪「なにが言いてぇ、すかし野郎‼️」

 

 

晴希「俺達の世界の爆豪はもう少し理解のある奴だけど、こっちじゃどうやら違うみたいだな。そんなんじゃいずっくんには勝てないぞ?」

 

 

爆豪「俺がデクより弱ぇ訳ねぇだろ‼️」

 

 

晴希「爆豪だけじゃない。実際、いずっくんは雄英1年の中では最強だ。話を聞く限りじゃ爆豪がいずっくんに勝った話は聞いたことない。」

 

 

爆豪「なっ⁉️」

 

 

晴希と爆豪のやり取りを見ていた全員が驚愕した。今でこそ少なくはなったものの、緑谷は個性を使う度に大怪我をしていた。そのため、緑谷の個性を詳しく確認できるものは少なかった。

しかし出久は違った。爆豪の力は1年の中では最強の部類に入る。そんな爆豪が出久には全く勝てずにいるという話に全員耳を疑った。

 

 

爆豪「ふざけんなッ‼️俺がクソデクより弱ぇ訳ねぇだろッ‼️デタラメ言ってんじゃねぇ、ぶっ殺すぞ‼️」

 

 

晴希「なら模擬戦するか?お前は絶対いずっくんには勝てない。いずっくんの優しさと強さを知ろうとしないお前じゃ勝てないよ。」

 

 

爆豪「クソデクはただの弱虫のクソナードだ‼️あいつは強くなんかねぇ‼️」

 

 

爆豪のこの言葉にさすがに晴希は少し怒りを覚えた。

 

 

晴希「いずっくんに助けられたのにまだそんな事言ってんのか‼️弱かったら誰がお前をヘドロ敵から助けたんだ⁉️優しさと強さがなきゃ、助けられなかっただろ⁉️」

 

 

爆豪「俺が頼んだわけじゃねぇ‼️アイツが勝手にやっただけだ‼️」

 

 

爆豪の言い分に、晴希は怒りを通り越して呆れてしまった。

 

 

晴希「…ならいずっくんと戦ってみればいい。今のお前がどれだけ弱いか知る機会だ。緑谷はよく今までお前に堪えてきたと思うよ。」

 

 

爆豪「んだとコラァ‼️」

 

 

 

険悪なムード漂うなか、唐突的に決まった原作組とパラレル組の模擬戦。話を区切り、一度にそれぞれ集まるなかパラレル組の目は、爆豪に対する怒りや憎しみ、そして悲哀の感情が込められていた。





次回模擬戦です。

女子6人vsマミ

男子7人vs晴希

男子7人vs出久


でやっていきます。


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原作世界との邂逅【3】1-A女子vsマミ

【前回のあらすじ】
トリップしていた2人が戻ってきて自己紹介を始めたパラレル組。少し和やかなムードになっていたが、爆豪が出久を見下していたことに、親友である晴希と“出久至上主義”のマミが出久の力が爆豪を含めた原作組より上だと伝わる。しかし、自分の方が上だと疑わない爆豪は切れ、出久の強さを否定した。
さすがに晴希が腹を立て、原作組との模擬戦を提案した。


突如行う事になった原作組との模擬戦。

その始めとなるのが、1-A女子vsマミの模擬戦である。

 

 

八百万「すみません音黒さん。爆豪さんが失礼なことを。」

 

 

マミ「八百万さんが謝罪したところで意味はありません。貴女が出久様を侮辱したわけではないのですから。」

 

 

八百万の謝罪をマミは否定した。

本来ならば、爆豪が謝罪をしなければならない事なのに、何故八百万が爆豪の代わりに謝罪しなければならないのか、それは八百万を含めたクラスメイト達も、爆豪の発言に対してパラレル組が憎悪と悲哀の感情を出したことに気が付いたのだ。

晴希とマミにとって出久がどのような存在なのか感情だけで理解することができた。だからこそ謝罪したのだ、彼らの支えである出久を侮辱したことを…。

 

 

マミ「それに私達が戦ったところで意味はありません。」

 

 

耳郎「それはウチらが弱いってことか?」

 

 

マミ「そうではありませんわ、耳郎さん。この模擬戦は爆豪さんに私達の力の強さを見せつけるためです。ですがおそらく、この模擬戦でどちらが勝っても爆豪さんに響くことはないでしょう。そちらの爆豪さんは、自分以外のクラスメイトの皆さんの力を下に見ているのですから。」

 

 

1-A女子『…。』

 

 

原作組女子にもマミが言っていることはよくわかっていた。爆豪は自分以外の全てを下に見ている。それは体育祭の選手宣誓にも表れていた。

 

“俺が1番になる。”

 

 

“せいぜい良い踏み台になってくれ。”

 

 

他クラスのみならず、クラスメイトまで敵に回しかねない発言は、自分以外を見下すような発言であった。

しかし、それだけの実力を爆豪は持っているため、強く否定することができない…。

 

 

マミ「ここでどちらが勝ったとしても、爆豪さんからは“戦った相手が弱かっただけ”としか思わないでしょう。」

 

 

蛙吹「確かにマミちゃんの言う通りだわ。でも、私達には意味があるものよ。マミちゃんと戦うことで、新たに学べることもあるし、別世界の私達がどれくらいの力を持っているか少なからず分かるはずよ。」

 

 

この模擬戦に意味はないと考えていたマミ、しかし梅雨は別世界のクラスメイトと戦うことで、自分達の強さを知り、マミの力を知るいい機会だと考えた。

 

 

マミ「やはりどこの世界でも蛙吹さんは蛙吹さんなのですね。とても安心しましたわ♪」

 

 

芦戸「まぁせっかくの機会なんだし、模擬戦しようよ。爆豪に少しでも私らの実力見せつけてやんなきゃ!」

 

 

葉隠「うん!そう考えると燃えてくるよ!」

 

 

耳郎「まぁやるならやらなきゃね。」

 

 

麗日「みんな頑張ろう!」

 

 

八百万「そうですわね。」

 

 

梅雨の発言でやる気を出し始めた原作組女子。気合いをいれるが、マミの力は彼女達の予想を遥かに上回るものである…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MN「それではこれより、1-A女子vs音黒マミさんの模擬戦を開始します‼️ルールはどちらかが戦闘不能になった時点で、終了となります。」

 

 

 

瀬呂「どちらか戦闘不能って…」

 

 

切島「明らかに音黒の方が不利じゃねぇか‼️」

 

 

上鳴「6vs1じゃほぼ勝ち目ないじゃんか‼️」

 

 

審判のミッドナイトが付けたルールに異議を唱えるが、これはパラレル組の要望である。

 

 

飯田「大丈夫なのかい?出久君、操真君。」

 

 

出久「これでも足りないくらいかな。」

 

 

晴希「正直マミには、まだハンデが必要かもな。」

 

 

峰田「おいおい!それじゃあ女子組は勝てねぇってことか⁉️」

 

 

晴希「現状マミに勝てるのは、俺かいずっくんだな。」

 

 

この自信がどこから来るのか分からない。男子達が不満を持つまま、女子組の模擬戦は開始された。

 

 

 

 

MN「それでは…、始め‼️」

 

 

女子組は開始の合図と同時に一斉に散らばる。

そしてマミも、メガウルオウダーを装着する。

 

 

MU『スタンバイ。』

 

『イエス、マム。ローディング。』

 

 

ネクロム眼魂をセットし、ボタンを押すとマミの周りをパーカーゴーストが飛び回る。

 

 

原作組『ッ⁉️』

 

 

突然のパーカーゴーストの出現に原作組は驚愕する。

 

 

マミ「変身。」

 

 

MU『点眼、ネクロム‼️メガウルオウド。クラッシュ、インベイダー‼️』

 

 

パーカーゴーストを纏い、マミはライダー少女ネクロムに変身する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相澤「あれが音黒の個性か?」

 

 

CM「あれは一体…。」

 

 

教師陣はマミが変身したことで生徒達との力量差を直感した。

 

“たとえクラス全員で戦っても勝てない”と…。

 

 

AM(音黒少女、一体どれ程の修羅場を潜り抜けてきた‼️)

 

 

EP(我々ガ模擬戦ヲシテモ、本気ヲ出シテモ勝テナイカモシレナイ…。)

 

 

離れた場所から見ている相澤達が冷や汗をかくほどのプレッシャーを感じている。審判を勤めているミッドナイトと対面している女子組は、尋常ではない。

 

 

MN(な、何よこれ‼️このプレッシャーはなんなの⁉️本当にあの子達と同じ16歳なの⁉️こんなプレッシャー、この年齢の子に出せるものじゃない‼️)

 

 

ミッドナイトはネクロムになったマミを見て震え出してしまった。押し潰されるようなプレッシャーを放つマミに、まるで強敵と対面したかのような重圧を受けていた。

 

 

トサッ

 

 

MN「えっ?ッ⁉️」

 

 

何か倒れる音に正気を取り戻したミッドナイトは、音のした方を見ると…、

 

 

葉隠「あっ、あぁっ…。」ブルブル

 

 

蛙吹「む、無理よ…、私達が勝てる相手じゃないわ…。」

 

 

芦戸「無理無理無理‼️無理だよ‼️こんなの勝てるわけないって‼️」

 

 

耳郎「はぁっ…はぁっ…はぁっ…‼️」

 

 

麗日「無理や、絶対勝てん…。」

 

 

女子全員はマミのプレッシャーに充てられ顔面蒼白の状態となっており、完全に戦意を喪失させてしまっていた。

 

 

八百万「す、すいません…ミッドナイト先生…。私達…、き、棄権…します…。」

 

 

なんとか喋ることのできた八百万は、棄権を申し出た。

 

 

MN「…音黒さん、構わないかしら?」

 

 

マミ「構いませんわ。私も少し気が立っているようですので。」

 

 

マミに同意を求めてから、ミッドナイトは勝敗を宣言した。

 

 

MN「じょ、女子組の棄権により、勝者音黒マミさん‼️」

 

 

マミが変身を解除すると同時に、プレッシャーから解き放たれた女子組は、ミッドナイトも含めて震えが止まらなくなっていた。

 

 

原作組とパラレル組の模擬戦は、マミのプレッシャーにより、女子組の戦意喪失から始まった。

 

 

 

 




爆豪の発言に怒りを隠しきれず、変身と同時にプレッシャーとして解き放ってしまったマミ。


爆豪の発言は、それだけマミを怒らせるものだった。


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原作世界との邂逅【4】1-A男子Aチームvs晴希

仮面ライダージオウ始まりましたねぇ。
どんな物語になっていくのか楽しみです‼️


【前回のあらすじ】
突如行う事になった原作組との模擬戦。1-A女子とマミが模擬戦を始めようとするも、マミがネクロムに変身したことで、マミから発せられたプレッシャーに気圧され、1-A女子は戦意喪失をしてしまい、原作組の棄権という形で模擬戦は幕を開けた。


女子組とミッドナイトの体調が少し落ち着きを取り戻したところで、2回戦が始まろうとしていた。

 

【原作組】

 

飯田天哉、青山優雅、口田甲司、砂藤力道、尾白猿夫、常闇踏陰、障子目蔵

 

 

晴希「ふーん、スピードにパワーに、索敵能力が長けた面子が揃ってるねぇ。口田君の個性も中々に厄介だし、何より変幻自在のダークシャドウがいるから大変かもな。」

 

 

男子チームを見て個性の把握と戦闘スタイルを決めていく晴希。

 

 

飯田「そちらの世界でも、俺達の個性は変わらないのか?緑谷君と出久君では、だいぶ違いがあるらしいが。」

 

 

晴希「パラレルワールドとの違いは、人付き合いとその存在くらいさ。分岐点で起きた事象が異なれば、一部かあるいは全てが変わる。その事象が、いずっくんに起きただけなんだけどね。」

 

 

砂藤「出久にどんな事が起きたんだ?」

 

 

晴希「それはさすがに教えることは出来ないよ。」

 

 

青山「どうしてだい?☆」

 

 

晴希「本来世界と世界の間には壁が存在していて決して干渉されることもすることもない。だから、この干渉が起きたことによって起きる流れが変わらないように、あまり情報を出すわけにはいかないんだ。」

 

 

ライダーワールドと違い、出久達が訪れたのはパラレルワールド。同じ人間が存在するこの世界で、その人物に関する事を話すと、どのような事が起こるか全く分からない。性格が変わるのか、生活環境が変わるのか、そんな簡単なものならいいが、最悪の場合存在そのものが消滅してしまう恐れがある。パラレルワールドと干渉がないのは、その世界の流れを乱さないためでもある。

 

 

CM「それでは、審判は私が務めるよ。これより、1-A男子Aチームvs操真晴希の模擬戦を開始します。」

 

 

WD『ドライバーオン。プリーズ』

 

 

男子チームは戦闘体勢に入り、晴希もウィザードライバーを展開する。

 

 

WD『シャバドゥビタッチ,ヘンシーン。シャバドゥビタッチ,ヘンシーン。』

 

 

CM「それでは…、始め‼️」

 

 

合図と同時に、青山と常闇がレーザーとダークシャドウで先制を仕掛ける。

 

 

晴希「変身。」

 

 

WD『フレイム,プリーズ。ヒーヒーヒーヒーヒー‼️』

 

 

魔方陣を前方に出現させ、レーザーとダークシャドウの攻撃を防ぎ、走り出して魔方陣を潜り抜け、

仮面ライダーウィザードに変身する。

 

 

青山「僕の華麗なレーザーが防がれた‼️☆」

 

 

常闇「ダークシャドウも歯が立たんとは…。」

 

 

飯田「全員距離を取るんだ‼️このまま戦うのは危険だ‼️」

 

 

自分達の攻撃が防がれたことに動揺する青山と常闇だが、戦闘現場を間近で経験している飯田が周りに指示を出す。

 

 

 

晴希「はぁっ‼️」

 

 

尾白「でりゃぁ‼️」

 

 

 

晴希が蹴りを放ち、尾白の尻尾で打ち合った。連続で蹴りを放つ晴希に対し、尾白も負けじと体を回転させて連続で尻尾で攻撃を放つ。時には往なし、時には防ぎ、そんな攻防を繰り広げていると、晴希達の周りに晴希の視界を遮るように、大量の鳥達が羽ばたいている。

 

 

口田「羽ばたく鳥たちよ、赤き者の視界を遮るのです‼️」

 

 

口田の個性により集まった鳥達は、晴希の視界を塞ぎ、尾白を戦闘から遠ざけた。

 

 

青山「大丈夫かい、尾白君?☆」

 

 

尾白「なんとか…。もう少し続けてたら押し負けてたよ。」

 

 

晴希との攻防により、尾白の尻尾は赤くなっていた。晴希の蹴りのダメージを諸に受けていたのだ。赤くなるだけで、すんだのは幸いかもしれない。

 

 

 

 

 

 

峰・上「「へ、変身した~‼️」」

 

 

瀬呂「カッケェ‼️」

 

 

切島「なんかまさにヒーローって感じだな‼️」

 

 

轟「音黒も変身してたがだいぶ違うな。」

 

 

緑谷「音黒さんは部分的に、操真君は全体的に鎧を纏ってる感じだね。どういう個性なんだろう?」

 

 

爆豪「…。」

 

 

晴希がウィザードに変身したことで、男子Bチームは各々の感想を出していた。

爆豪は終始無言だが、晴希の格闘センスに自分が劣っていることを見て感じ取っていた。

 

 

 

 

視界を塞ぎられた晴希に、砂藤と障子が一撃を当てようとパンチを繰り出すが、それを予期したかのようにバックステップでパンチをかわされ、青山のレーザーで援護を受けつつ、全員が攻撃を当てようとするが…、

 

 

WD『ライト!プリーズ。』

 

 

ライトウィザードリングの光によって、Aチームの動きが止まり、口田が呼び寄せた鳥達は散々となり、常闇のダークシャドウも弱体化してしまった。

 

 

晴希「連携は悪くないね。遠距離から攻撃できる青山君と常闇君で牽制を仕掛け、口田君の個性で鳥達を呼んで俺の視界を塞ぐの同時に、劣勢になった尾白君を戦闘から離脱、そこにパワー型の砂藤君と障子君を当てて、さらに援護のレーザーとダークシャドウで意識が外れたところを飯田君のレシプロバーストで攻める。簡単なようだけど、息を合わせなきゃ出来ないことだ。」

 

 

模擬戦が始まる前に飯田が立てた作戦を見抜いた晴希、洞察力なら出久には多少劣るものの自信はあるのだ。

 

 

晴希「それじゃあそろそろこっちもいきますか。」

 

 

晴希の言葉に飯田達は身構えた。晴希はフレイムウィザードリングから装飾が異なるリングを新たに付け替えた。

 

 

WD『フレイム。ドラゴン!ボー‼️ボー‼️ボーボーボー‼️』

 

 

魔方陣が展開されるとドラゴンを模した炎が晴希の周りを飛び、黒が主体のローブやスーツが紅くなり、ボディにはドラゴンのような顔、そして頭部にはドラゴンの角を模した装飾が加わっていた。

 

 

原作組は、晴希の新たな姿を目の当たりにして、驚愕の表情を浮かべていた。

 

 

晴希「これが俺の、ウィザードの強化形態“フレイムドラゴンスタイル”。さぁ、ショータイムだ。」

 

 

フィナーレは近い

 




ちょっと続きます。


ジオウの第1話、まるでディケイドを彷彿させるような展開でしたね。
世界の破壊者と時の魔王、どちらが強いのでしょうか。
そして主要ライダー達が怪人となる“アナザーライダー”
ビルドやエグゼイド、かなり怪人化していましたが、他のライダー達がどうなるのか楽しみです


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原作世界との邂逅【5】男子Aチームvs晴希 ドラゴンショータイム

ジオウに出てくるアナザーライダー、なんだかカッコいいと思ってしまうのは俺だけですかねぇ?



【前回のあらすじ】
原作組の男子Aチームと模擬戦を開始した晴希。
飯田が考案した作戦で攻め立てていくが、晴希はいとも容易く全てをかわす。
そして、晴希はウィザード強化体“フレイムドラゴン”となり、反撃を開始する。


“フレイムドラゴン”へとエレメントチェンジした晴希から発せられる熱気が、模擬戦を見ていた全員に襲いかかる。

 

 

相澤「なんつう熱気だ…。」

 

 

CM「…これだけで彼の力が分かってしまうとは…」

 

 

EP「アレダケノプレッシャーヲ出スコトガ出来ルモノナノカ?」

 

 

AM「こっ、これだけの力は私の全盛期かそれ以上だ…。」

 

 

プロヒーローとして活躍し、本当の闘いを経験している教師陣には晴希の放つ力を敏感に感じ取っていた。それは1-Aの生徒達も同様だ。

 

 

爆豪「…くっ‼️」

 

 

峰田「ヒェェェェェェ‼️なんだよあれ⁉️」

 

 

上鳴「操真の色が変わったと思ったらなんかすげぇ怖ぇんだけど…」

 

 

切島「な、なぁ緑谷、轟。こ、この感じ…」

 

 

轟「…あぁ、このプレッシャーの感じは…。」

 

 

緑谷「…敵連合とプロヒーロー達の闘いの時に…。」

 

 

敵連合の拠点に近付き、爆豪を救出しようとした路地裏組は間近でプロヒーローと敵が激突する瞬間を肌で感じているため、晴希の放つプレッシャーに少し身がすくんだ。

 

 

出久(…この世界の僕達にこれまでに何が起きていたのかは分からない。でも、このプレッシャーに堪えられなければ、ヒーローとしてやっていくのは難しくなるかもしれない。)

 

 

原作組は出久達のように、直接仮面ライダーの闘いを目にしていない。自分達の世界のヒーローのことしか知らないため、異世界のヒーローである“仮面ライダー”の強さや、“ショッカー”等の強大な組織を見たことがない。そして、“仮面ライダー”や“ショッカー”はこの世界のヒーローやヴィランよりも力、能力において全てが優っている。

 

 

 

 

 

模擬戦をしている男子チームは、晴希のプレッシャーと熱気を至近距離で受けている。

 

 

青山「…。」ガタガタガタガタッ

 

 

口田「…。」ブルブルブルブルッ

 

 

青山と口田は、震えながら無言のまま抱き合っていた。

 

 

尾白「なんか、もう怖いとしか言えないや…。」

 

 

常闇「…難攻不落。」

 

 

砂藤「お、俺達、同じ人間を相手にしてんだよなぁ?」

 

 

障子「そう錯覚したくなるのも分かる。あれはもはや規格外だ…。」

 

 

尾白達は、晴希のプレッシャーに対し“人ではない別の何か”と対峙しているかのような錯覚さえおぼえていた。

 

 

飯田(これが俺達と同い年で出せるプレッシャーなのか⁉️下手したら、プロヒーロー達よりも上かもしれない。)

 

 

飯田は肌で感じ取った。晴希の規格外を。

 

 

飯田「皆怯えるな‼️ヒーローになるんだろ⁉️」

 

 

Aチーム『ッ⁉️』

 

 

本当なら飯田だって戦意喪失してもおかしくはない。しかし、震える自分に鞭を打ってチームメイトに渇を入れる。

 

 

飯田「ヒーローになるなら、こんな事は毎日のようにやってくる‼️ここで諦めたらヒーローになれないぞッ‼️」

 

 

飯田の言葉は、見ていた他の者達にも響いた。1番恐怖で逃げ出したいのは、晴希と向かい合ってプレッシャーを直に受けている飯田自身だ。しかし飯田は、そんな自分だけでなく、クラスメイトの皆にも“ヒーロー”としての意思を伝えるために叫んだ。

 

その激励を聞いて、Aチームは晴希と向かい合っている飯田の横に並んだ。

 

 

尾白「さすが飯田、グッときたよ。」

 

 

青山「ここで諦めるわけにはいかないよねッ‼️☆」

 

 

口田「…。」コクコクッ

 

 

常闇「…ダークシャドウ、行けるか?」

 

 

DS『ッタリマエダ‼️』

 

 

砂藤「俺達の底力見せてやろうぜ‼️」

 

 

障子「勝負はここからだ‼️」

 

 

飯田「皆…。」

 

 

フルフェイス越しに涙が出そうになる飯田だが、ここはグッと堪える。

 

 

飯田「行くぞ、Aチーム‼️」

 

 

Aチーム『おうッ‼️』

 

 

 

Aチームは戦意を取り戻し、観戦している原作組もAチームの勝利を願って声援を送る。

 

 

 

晴希「流石委員長してるな飯田。面と向かって相手してる飯田の方が逃げ出したいはずなのに。」

 

 

飯田「確かに操真君の力は凄まじい。しかし‼️だからといって諦めるわけにはいかない‼️俺達は雄英の生徒だ‼️次代のヒーローである俺達が逃げるわけにはいかない‼️」

 

 

“どの世界でも、飯田は飯田なんだな。”

 

 

パラレル組はそう思っていた。

 

 

晴希「なら、Aチームに敬意を評してもう1つ俺の力を見せよう。」

 

 

WD『コネクト。プリーズ』

 

 

晴希はコネクトウィザードリングを使い、魔方陣から“白い籠手”のようなアイテムを取り出した。手首の部分には、“タイマー”のようなものが着いている。

 

 

晴希の新たなアイテム“ドラゴタイマー”

 

 

晴希はドラゴタイマーを右手に装着する。

 

 

DT『ドラゴタイム,セットアップ。』

 

 

ドラゴタイマーのダイヤルを回し、

 

 

晴希「さぁ、ショータイムだ。」

 

 

DT『スタート。』

 

 

手を模した親指のボタンを押してAチームへと駆け出す。

 

 

 

どのような攻撃をしてくるか分からない晴希に対して飯田達は身構えた。しかし、予想を斜めに行く事態が起きた。

走りながら、ダイヤルの矢印が青の部分に差し掛かる瞬間、晴希はボタンを押した。

 

 

DT『ウォータードラゴン‼️』

 

 

音声と同時に晴希の横に魔方陣が出現すると、魔方陣から“フレイムドラゴン”と同じ姿をした“青いウィザード”が現れた。

青色以外はフレイムドラゴンと酷似しているが、フェイスの形はひし形になっている。

 

“仮面ライダーウィザード ウォータードラゴン”

 

 

Aチーム『なっ⁉️』

 

 

2人になった晴希は、動揺しているAチームに蹴りや“ウィザーソードガン”で攻撃をしていく。

 

 

飯田「ッ‼️全員散開‼️彼を包囲するんだ‼️2人に増えたが、包囲すれば突破口はあるはずだ‼️」

 

 

攻撃をなんとかかわして全員に指示を出す飯田。

 

 

晴希F「確かに人数で圧倒してる場合、相手を包囲して逃げ道とかを塞ぐのは正当だ。だけど…」

 

 

晴希W「俺に対しては、それは愚策になっちゃうんだよねぇ。」

 

 

飯田「なにッ⁉️」

 

 

2人の晴希の言葉に飯田を含めたAチームに動揺がはしる。

晴希はダイヤルが緑の部分に差し掛かるとボタンを押した。

 

 

DT『ハリケーンドラゴン‼️』

 

 

晴希の頭上に新たな魔方陣が出現し、魔方陣から緑の色をし、フェイスの形が逆三角後になっているウィザードが現れる。

 

“仮面ライダーウィザードハリケーンドラゴン”

 

 

晴希Hはウィザーソードガンのガンモードで飯田達を牽制する。

 

 

砂藤「また増えやがった⁉️」

 

 

障子「どういうことだ⁉️」

 

 

晴希に1人でも相手にならなかったのに、それが3人に増えてしまえば流石に焦りが生じる。

 

 

飯田「青山君はレーザーで牽制‼️口田君はさっきのように鳥を集めて彼らの視界を塞いでくれ‼️」

 

 

飯田は打開策を打つために青山と口田に指示を出す。それには、晴希Wと対峙している尾白と常闇の救出も含まれている。2対1にも関わらず、晴希Wに対して完全に防戦一方に回ってしまっているからだ。

 

 

青山「行くよッ‼️☆」ドーン

 

 

口田「羽ばたく者達よ‼️指輪の者の動きを封じるのです‼️」

 

 

口田は鳥達を集めて晴希の視界を塞ぐため、青山はネビルレーザーで動きを止めるためにそれぞれ攻撃をする。

 

しかし、

 

 

晴希F「そうは問屋がおろさない。」

 

 

晴希はダイヤルが黄色の部分に差し掛かるとボタンを押した。

 

 

DT『ランドドラゴン‼️』

 

 

迫ってくるレーザーと鳥達、そして鳥達に紛れて攻撃をしようとした飯田の前に突如土の壁が出現し、攻撃を防がれる。

 

 

飯田「なっ⁉️」

 

 

攻撃を防がれた飯田は一度チームの元へと下がる。さらにウォータードラゴンと対峙していた尾白達も、飯田達の所へ蹴り飛ばされた。

 

 

尾白「うわっ‼️」

 

 

常闇「くっ‼️」

 

 

砂藤「尾白、常闇‼️」

 

 

障子「大丈夫か⁉️」

 

 

砂藤と障子が飛ばされてきた2人を起こす。

 

 

尾白「な、なんとかね。全く攻撃が当たらなかった…。」

 

 

常闇「…まさに緩急自在だ。」

 

 

話しているなか晴希の方を見ると、土の壁が地面に戻り新たなウィザードが片膝と片手を地面に付けていた。

 

他の3人同様の姿をしているが、フェイスは四角く黄色で統一されているローブ。

 

“仮面ライダーウィザードランドドラゴン”

 

 

晴希L「俺もいたりして。」

 

 

晴希は、自分を含めた“エレメントドラゴン”を全て呼び出した。

 

 

 

 

芦戸「ちょ、ちょっと‼️なにあれ⁉️」

 

 

葉隠「操真君が増えた⁉️」

 

 

マミとの模擬戦から、ようやく落ち着きを取り戻した女性陣が観たのは、晴希が増えているところだった。

 

 

切島「俺達だってわかんねぇよ⁉️」

 

 

瀬呂「なんか操真が、籠手みたいの出して…」

 

 

上鳴「ダイヤルみたいなの回してから飯田達に向かって走っていたと思ったら…」

 

 

峰田「急に増えだしたんだよ⁉️」

 

 

耳郎「一体どうなってんだよ?」

 

 

最初から観戦していた切島達も状況に追い付けていない。

 

 

蛙吹「出久ちゃん、あれはどういうことなのかしら?」

 

 

晴希の個性について知ってるであろう出久に、蛙吹が質問する。すると全員の視線が出久に向かう。

 

 

出久「細かい説明があるから省くけど、晴君が取り出したのは、分身体を造り出すことのできる“ドラゴタイマー”っていうアイテムなんだ。」

 

 

原作組『分身体⁉️』

 

 

出久「晴君は“ウィザード”として、“炎のフレイム”、“水のウォーター”、“風のハリケーン”、“大地のランド”にそれぞれスタイルチェンジできる。そして、その強化形態がドラゴンなんだ。」

 

 

八百万「スタイルチェンジ…、つまり操真さんは相手に応じて戦闘手段を変えることが出来るのですね?」

 

 

緑谷「それぞれのスタイルから考えて、フレイムが攻撃特化、ウォーターが回避特化、ハリケーンが素早さ特化、ランドが防御特化ってところかな。」

 

 

八百万と緑谷が冷静に分析する。

 

 

出久「一辺倒の戦闘スタイルは見抜かれやすい。ヒーロー達の活躍は常にテレビや雑誌に報じられ、一般人ですらプロヒーロー達の戦い方を知っている。相手に応じて臨機応変に戦闘スタイルを変えないと、情報を与えてしまい戦いづらくなる。」

 

 

プロヒーローには、ヴィランの情報は事件が起きるまで伝わらない。だから現場に到着すると、相性の悪い個性のヴィランの場合、有効打を与えられる他のヒーローがくるまで手も足も出せなくなる。

 

 

爆豪「ハッ‼️いくつも戦闘スタイルころころ変えんのは弱ぇからだ‼️俺だったら即瞬殺してやる‼️」

 

 

マミ「そんな夢物語、小学生のお子様の考えですわ。」

 

 

爆豪「あぁッ⁉️」

 

 

爆豪の発言に、マミは冷たく返す。すると爆豪はすごい目付きでマミを睨んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DT『ファイナルターイム‼️』

 

 

音声と同時に晴希達は走り出し、飯田達を攻撃していく。負けじと迎撃するが、晴希1人に軽くあしらわれていたのに、それが4人になってしまっては最早手も足もでない。飯田達はなすすべなく弾き飛ばされてしまった。

 

 

DT『ドラゴンフォーメーション‼️』

 

 

音声と同時に晴希達にそれぞれ魔方陣が展開される。すると、晴希Fの胸元にはドラゴンの頭、晴希Wの腰後ろにはドラゴンの尻尾、晴希Hの背中にはドラゴンの翼、晴希Lの両手にはドラゴンの爪が展開された。

 

 

その後に驚愕する原作組だが、間髪入れずに晴希Fが空中に浮遊して、ドラゴンの頭から炎が吐き出される。飯田達に炎が直撃し、さらに晴希Wの繰り出した尻尾の横凪ぎで、全員が倒れる。立ち上がろうとした直後、晴希Hの翼で左右から攻撃を受け、止めに地中からきた晴希Lの爪で吹き飛ばされる。

 

 

WD『ル・パッチ・マジック。タッチ・ゴー‼️ル・パッチ・マジック。タッチ・ゴー‼️』

 

 

晴希F.W.H.L「「「「フィナーレだ。」」」」

 

 

WD『チョーイイネ。キックストライク。サイコー‼️』

 

 

晴希達はロンダードを行い、

 

 

晴希F.W.H.L「「「「はぁっ‼️」」」」

 

 

晴希4人の“ストライクウィザード”が炸裂する。

 

 

Aチーム『うわぁぁぁぁぁぁっ‼️』

 

 

Aチームは全員後ろの吹き飛ばされ、完全に沈黙した。

 

 

CM「えっ、Aチーム全員戦闘不能‼️勝者操真君‼️」

 

 

晴希「ふい~。」

 

 

セメントスからの勝利宣言と同時に、晴希の分身体は消え、晴希自身も変身をとく。

 

 

 

原作組対パラレル組は、0勝対2勝となり最後の模擬戦が行われる。

 

 

 

 

 

 

続く…

 

 




オーバーキルですが、なんとか書き上げました。

フレイムドラゴンもドラゴタイマーも少しネタバレになっちゃいましたね。本編ではでてないのに…。


次はいよいよ出久が戦います。


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原作世界との邂逅【6】男子Bチームvs出久 真のヒーロー

【前回のあらすじ】

原作組との模擬戦を行っている出久達パラレル組。晴希はフレイムドラゴンとなり、更にドラゴタイマーによってそれぞれのエレメントドラゴンの分身体を作って攻撃した。Aチームは防戦一方になり敗北してしまった。

次はいよいよ出久が、原作世界の自分と幼馴染と模擬戦を始める。


目を覚ましたAチームはクラスメイト達の元へと戻り、セメントスの個性で所々穴が開いたフィールドは修復されていく。

そしてフィールドが元の状態に戻ると、爆豪がすぐさまフィールドに立つ。

 

 

爆豪「オラァ‼️出てこいやクソデク‼️テメェなんざ俺1人でぶっ殺してやらぁぁ‼️」

 

 

切島「落ち着けって爆豪‼️」

 

 

瀬呂「一応模擬戦なんだから‼️」

 

 

残りのBチームメンバーも続々とフィールドに出てくる。

 

 

緑谷「異世界の僕…、どんな戦い方を…。」

 

 

轟「すまねぇが出久、操真達の模擬戦を見て油断出来ねぇ相手ってことは分かった。」

 

 

峰田「い~ず~く~、てめぇは絶対ぶっ飛ばす‼️」ビシッ

 

 

上鳴「人生嘗めてるテメェは絶対許さねぇ‼️」

 

 

…戦う理由が様々だが、なんとなく自分の知る彼らの戦闘理由に似ていると分かった出久であった。

 

 

出久「話を聞いた限りだと君達も仮免試験の前みたいだから、僕も全力で行かせてもらう。」

 

 

そういうと、出久は腰に手を翳しゴーストドライバーを出現させた。そして、右手にスペクター眼魂を握りドライバーにセットする。

 

 

CM「それでは、Bチーム対緑谷出久君の模擬戦を開始します。はじめ‼️」

 

 

セメントスの合図と共に、爆豪が爆破で突っ込んできた。

 

 

爆豪「しぃねぇぇぇぇぇ‼️」

 

 

爆豪の攻撃が当たると誰もが思った。

 

 

晴希とマミを除いて…。

 

 

 

GD『アーイ‼️』

 

『バッチリミロー‼️バッチリミロー‼️バッチリミロー‼️バッチリミロー‼️』

 

 

爆豪「なっ⁉️がぁっ‼️」

 

 

爆豪自身も当たると思っていた攻撃は、ドライバーから出現したパーカーゴーストによって阻まれ、カウンターをくらって弾き飛ばされた。これには観戦していた原作組も何度目か分からない驚愕の表情を浮かべていた。

 

 

出久「変身。」

 

 

GD『開眼‼️スペクター。レディゴー‼️覚悟‼️ドキドキゴースト‼️』

 

 

原作組の反応を余所に、出久は“仮面ライダースペクター”へと変身する。

 

 

出久「これが僕の個性“ゴースト”の1つ、“スペクター”だ。」

 

 

切島「あれが…」

 

 

瀬呂「別世界の緑谷の個性…」

 

 

轟「ゴースト…。」

 

 

緑谷「想像してたのと、全然違う…」

 

 

峰・上「「ちくしょぉぉぉぉ‼️なんかかっこよくてムカつく‼️」」

 

 

緑谷を含めた原作組は、自分達の知る緑谷の個性とは全く違うことに唖然としていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

飯田「あ、あれが出久君の個性…。」

 

 

常闇「完全なる変貌。」

 

 

障子「変貌というより、変身したという感じだな。」

 

 

砂藤「なんかめちゃめちゃ格好良くねぇか?」

 

 

口田「…。」コクコクッ

 

 

尾白「操真とは、また違った“ヒーロー”って感じがするね。」

 

 

青山「きらびやかさは、僕の方が上かな?☆」

 

 

芦戸「出久の個性格好いい‼️」

 

 

葉隠「姿が変わっただけなのに、なんかドキドキするッ‼️」

 

 

耳郎「出久の個性の前に、」

 

 

蛙吹「響香ちゃんの言いたいことは分かるわ。」

 

 

八百万「出久さんの纏ったあのパーカー。爆豪さんを簡単に弾き飛ばしましたわ。」

 

 

麗日「…向こうのデクくんの個性…、カッコェェ////」

 

 

 

観戦しているクラスメイト達は、各々の感想を述べていた。

 

 

 

CM「あれが出久君の個性…、“ゴースト”ですか。」

 

 

相澤「“ゴースト”というからには自分自身が幽霊になるのかと思ったが…、」

 

 

EP「今ノトコロ、アノ姿ト個性名ノ関連性ガミエナイ。」

 

 

MN「確かに。でも、操真君や音黒さんと同等かそれ以上の威圧感を感じるわ。」

 

 

教師陣のプロヒーロー達は、出久の個性を分析しようとしていた。

 

 

 

 

 

 

AM「あれが出久少年の個性か…、私の力を受け継げなかったのか…。」

 

 

晴希「受け継げなかったんじゃないですよ、“受け継ぐのを拒否した”んです。」

 

 

AM「ッ⁉️」

 

 

オールマイトは、自分の個性を受け継げなかったと思い少し落胆したが、晴希の言葉に動揺と驚愕を覚えた。

 

 

AM「…なぜ出久少年は、個性の継承を拒んだんだい?」

 

 

どこまでが同じ時間軸なのか分からない。出久が“最初からあの個性を発現していたからか”、もしくは“自分と会わなかったからなのか”。

少なくとも、オールマイトは出久は自分に憧れてヒーローになることを選んで、雄英に来たのだと考えていた。しかし…、

 

 

マミ「貴方がそれを聞くのですか?オールマイト先生。貴方が最初に出久様がヒーローになれることを否定したのではないですか。“夢を見ることは悪いことではない、しかし現実も受け入れなくてはな”と。」

 

 

マミは模擬戦で見せたとき以上の威圧感をオールマイトに放った。そしてここで分かった。出久と緑谷の分岐点を…、

 

 

 

AM「…そうか。どうやら、その言葉の後が分岐点だったようだね。」

 

 

マミ「どういうことですか?」

 

 

晴希「…。」

 

 

AM「先程の君達の会話の中で、“爆豪少年をヘドロ敵から助けた”というのがあったね。その時も無個性の緑谷少年が助けに向かったんだ。他のプロヒーロー達が手を出すのを躊躇っていた相手に、“助けを求める顔をしていたから”という理由で立ち向かっていった。それこそがヒーローになる素質があると感じた私は、少年に私の後継者になってもらえた。しかし…、そちらの世界では私と別れた後に“別の何か”が起きたんだろう。そして出久少年はあの力を手にいれ、あの力で爆豪少年を助け出した。…そちらの私は、出久少年に真意を伝えられなかったということか…。」

 

 

まさか自分の真意を伝えられなかったことに、ひどく落ち込んだオールマイト。自分の安易な言葉で、自分の後継者になれる存在を潰してしまったことにとても後悔していた。

 

 

晴希「…その思いは、後からオールマイト自身に聞いていたといずっくんは言っていました。しかし、その思いを聞いてもなおいずっくんは後継者になることを拒みました。」

 

 

AM「…それだけ私に対して失望していたからかい?」

 

 

平和の象徴に対する失望が、継承を拒否したのだと思ったオールマイトであったが、晴希は首を横に振った。

 

 

晴希「…違いますよ。いずっくんは、“ゴースト”の力を上手く使えるようになるまで、多くの経験を積んできました。そしていずっくんが受け継いだのは、力だけではなく“戦う理由”と“思い”なんです。」

 

 

 

 

 

“戦う理由”と“思い”

 

ヒーローが“正義の味方”ではなく“誰もが目指す職業”となったことにより、ヒーローとしてあるべきことが失われてしまった。それは…、

 

 

 

“困っていたから助けた”

 

 

 

 

現在のヒーロー達は、己の地位や名声、そして報酬のために活動しているのがほとんどだ。そして政府の決定により、“無許可での個性の使用の禁止”というあり得ない法律が生まれてしまった。

 

 

晴希「“目の前で困っている人がいるのに、助ける力があるのにそれができない。”いずっくんはニュースを観ながらよくぼやいていました。」

 

 

AM「…そうか。」

 

 

晴希「確かに俺達の世界のいずっくんは、貴方と別れた後に“ライダーワールド”に飛ばされて、“異世界のヒーロー”である“仮面ライダー”の力を手に入れました。そしていずっくんは、“仮面ライダー”達から教わったことがあると言っていました。」

 

 

“誰かの笑顔を守るために戦う”

 

“皆の居場所を守るためにこの力を使う”

 

“誰かを守るためにライダーになった”

 

“夢を持ってない。だが夢を守ることはできる”

 

 

晴希「ライダー達の戦う理由は、決して自分のためではなく他人のため。自分の利益よりも他人の幸せを願うのが“仮面ライダー”というヒーローなんです。いずっくんは、“無個性”の時に怪物になりかけた俺を助けてくれました。いずっくんは、最も仮面ライダーになる資質を秘めていたんです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

~出久達の世界のオールマイトとの話~

 

 

ある日の放課後、オールマイトは出久を呼んでヘドロ事件の時に伝えられなかった真意を伝えた。

 

 

AM『…緑谷少年、あの時から君には“ヒーローになるための素質”を持っていたんだ。そんな君だからこそ、私の“個性”を受け継いでほしいんだ…。』

 

 

 

出久『オールマイトの真意は分かりました。…ですが僕は、貴方の力を受け継ぐ訳にはいかないんです。』

 

 

AM『…。』

 

 

 

出久『貴方の力を受け継ぐことで、確かに“平和の象徴”としてやっていけるはずです。だけど、それだけじゃ駄目なんです。助けられる力があるのに、許可や資格がなければ手を出してはいけないなんておかしい。“困っているなら助けるのがヒーロー”なんです。

僕は今の社会を壊さなくちゃいけないんです。真のヒーローとして、多くの人々を守って行けるように…。』

 

 

AM『…君と話ができてよかった。ならば、君に私の“個性”を渡すのはやめよう。だけど、私の“思い”は受け継いでほしい。真のヒーローを目指す君は、次代のヒーロー達を引っ張って行く“先導者”になれるはずだ。…人々を導く“真の強さ”をもったヒーローになってくれ。そのためなら私達は、君達への協力は惜しまない。君達が明るい未来で、笑顔を絶やすことなく暮らせるように…。』

 

 

出久『ありがとうございます、オールマイト。』

 

 

 

 

 

 

 

晴希「オールマイトの個性を受け継ぐことで、確かに“平和の象徴”としてやっていけるでしょう。でも、ヒーローに資格が必要で、その資格がなければ助けることができず、無資格で助けてしまえば犯罪になってしまう。…今のヒーロー社会を壊すためには、“仮面ライダー”としての在り方を見せなければならないんです。これからのヒーロー達を導く“光”だけでなく、社会そのものを新たに変えなくてはならないんです。」

 

 

 

 

出久達のヒーロー社会において、仮面ライダーとは正に異質な存在である。しかし、政府が仮面ライダーを罰することはできない。

なぜなら、仮面ライダーは“人々を助けるヒーロー”だから…。

 

 

無個性の出久が、“ライダーワールド”に飛ばされたのは現代社会で失われた“ヒーローの本質”と“真のヒーロー”という存在を取り戻すためだったのかもしれない。

 

無個性という現実を突き付けられても、諦めずにヒーローを目指した出久だからこそ…。

 

 

 

晴希「この模擬戦で、いずっくんが求めたヒーローの姿を見てあげてください。いずっくんの“憧れ”である貴方が。」

 

 

 

晴希の言葉を聞き、オールマイトは改めて出久の模擬戦を観戦する。別世界の“自分の後継者”がたどり着いた答えに…。




戦わなかった~。


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原作世界と邂逅【7】男子Bチームvs出久 異世界の力

番外編:現れたのは10番目シリーズのディケイドライバーをネオディケイドライバーに変更しました。




【前回のあらすじ】
原作世界にやって来た出久達は、原作組の1-Aの生徒達と模擬戦をやることになった。
マミ、晴希の模擬戦が終わり次は出久の番になった。
戦闘特化の個性持ちが多いBチーム、戦闘開始と同時に爆豪が特攻を仕掛けたが、出久のパーカーゴーストに阻まれる。出久は仮面ライダースペクターに変身し、異世界の自分と幼馴染、そしてクラスメイト達と対峙する。


仮面ライダースペクターに変身した出久を見て、Bチームは呆然としている。しかし、自身の攻撃を阻まれた勝己はすかさず立ち向かった。

何故なら気に食わないからだ。異世界とはいえ、自分が見下している幼馴染に弾き飛ばされたことに。

 

 

勝己「姿変わったところでクソナードはクソナードだ‼️俺が負けるわけねぇぇぇぇぇ‼️」

 

 

自身の爆破で加速し、出久に突っ込んでいく勝己。

しかし、勝己の知るクソナードのデクとは違い、ライダーワールドでいくつもの修羅場を経験してきた出久は、勝己の猛攻を難なく交わし続ける。

 

 

勝己「避けてばっかいんじゃねぇぇぇぇぇ‼️」

 

 

出久「攻撃が単調過ぎるから避けやすいんだよ。」

 

 

勝己「んだとぉ‼️クソナードのくせして、調子こいたこと言ってんじゃねぇ‼️」

 

 

出久の簡単な挑発に乗った勝己は、攻撃の速度を更に上げたが、全く出久に当たらない。

 

 

勝己「くっそがぁぁぁぁぁぁっ‼️」

 

 

しびれを切らした勝己は火力を上げて攻撃を仕掛けたが、

 

 

出久「頭に血が昇ると右手の大振りは変わらないねぇ。」パシッ

 

 

勝己「なっ⁉️」

 

 

勝己は感情が高ぶると右手の大振りをする癖がある。それはどちらの世界の勝己も変わらなかった。

脳無の攻撃を片手で受け止めた出久にとって、勝己の攻撃はほとんど止まって見えてるのだ。

 

 

緑谷「か、かっちゃんの攻撃を…⁉️」

 

 

轟「…片手で止めやがった‼️」

 

 

切島「マジかっ⁉️」

 

 

瀬呂「あの爆豪の攻撃を⁉️」

 

 

峰田「ウソだろ⁉️あんなこと出来んのか⁉️」

 

 

上鳴「ほとんど化け物じゃねぇか‼️」

 

 

勝己の猛攻を見ていたメンバーは、勝己の攻撃を片手で受け止めたことに驚愕と同時に恐怖した。

勝己は口調や態度こそ悪いが、現在1-Aの中では最もヒーローに近いと理解していた。そして、別世界から来た出久との戦いも善戦するか、もしかしたら勝利するものだと考えていた。

しかし勝己の攻撃は全てかわされた挙げ句、火力を上げた攻撃は片手で受け止められてしまった。感情が高ぶっているとはいえ、勝己の攻撃を簡単に受け止めた出久は確実にBチームだけでなく、TDLにいる誰よりも上なのだ。

 

 

出久「はぁっ‼️」

 

 

勝己「がぁっ‼️」

 

 

自身の攻撃を受け止められて硬直状態になっていた勝己の腹部に、出久のストレートが炸裂する。それと同時に掴んでいた右手を離し、勝己はメンバーのところまで吹き飛ばされる。

 

 

切島「爆豪‼️」

 

 

瀬呂「無事か⁉️」

 

 

勝己「ハァハァッ、…クソッ‼️」

 

 

緑谷(あれだけ攻撃したからかっちゃんの息が上がってる。それに対して向こうの僕は、交わしてただけだから全く疲れてない。パワーがダメならスピードで…‼️)

 

勝己と異世界の自分が見せていた攻防で、相手はパワー型と考えた緑谷は、己のスピードで勝負を仕掛けることにした。

 

 

緑谷「ワン・フォー・オール フルカウル‼️」

 

 

そう叫ぶと、緑谷の全身に光が纏われる。

 

 

出久「…なるほど。オールマイトの力を受け継いだのか。」

 

 

緑谷が個性を発動させたことで、出久はオールマイトの力である“ワン・フォー・オール”を受け継いだのだと理解した。

 

 

そして緑谷は、

 

 

緑谷「スマーーーーーッシュ‼️」

 

 

自身の能力を向上させたOFAで高速で出久に近づき蹴りを放った。

 

しかし緑谷の攻撃は、空を切った。

 

 

出久「高速からの蹴りか、なかなかいい攻撃だけどその速度を目で追える相手にはまだまだ訓練が必要だね。」

 

 

緑谷「ッ⁉️」

 

 

出久は緑谷の動きを目で追い、そしてしゃがんで蹴りを回避した。蹴りを繰り出した脚は無防備になり、出久はその脚を掴んだ。そして、

 

 

出久「ハァーーーッ、デリャァァァァァ‼️」

 

 

緑谷「うわぁぁぁぁっ‼️」

 

 

 

緑谷の速さを利用して投げ飛ばした。そして、

 

 

緑谷「がっ⁉️」

 

 

セメントスが造り上げていたセメントの壁に激突した。

 

 

切・瀬・峰・上「「「「緑谷っ⁉️」」」」

 

 

轟「ちっ‼️」

 

 

切島達は動揺により動けず、轟だけが牽制を含めて氷結で攻撃を仕掛けた。

しかし、直線上の攻撃のためあっさり回避されてしまった。

 

 

轟「やっぱダメか…」

 

 

出久「大きさ・速さ・威力共に申し分ないけど、直線上の攻撃ほど避けやすい物はないよ。氷結の牽制を利用して、敵を左右もしくは上空に逃げるように誘導して熱線を放つ方がこの攻撃は通るかな。」

 

 

轟「…アドバイスどうも。」

 

 

攻撃に特化し、何よりクラスの中ではトップ3である爆豪・緑谷・轟は、出久に簡単にあしらわれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

観戦席側では…

 

 

砂藤「ウソだろ⁉️爆豪達の攻撃が全然通じてねぇ‼️」

 

 

障子「うちのクラスの上位にいる奴等の攻撃を全く脅威と感じていない⁉️」

 

 

葉隠「さすがにスゴすぎない?」

 

 

耳郎「いや、スゴいなんてレベルの問題じゃないでしょ。」

 

 

八百万「…あれが異世界の緑谷さんの力。」

 

 

飯田「彼は…さっきの緑谷君のスピードを目で追えたというのか⁉️」

 

 

今の一連の戦闘だけで、出久の強さを確認した観戦側。原作組は声に出して驚愕し、教師側は声にこそ出していないが出久の戦闘能力の高さに驚いていた。

 

 

 

 

晴希「今のデモンストレーションで驚いているのはちょっと意外だね。」

 

 

マミ「…それだけこちらは平和に近いのでしょう。…ライダーワールドで戦ってきた出久様からしてみれば、元の世界はどんなに暴れているとはいえ、所詮“人間”ですからね。」

 

 

 

個性が発現したからといって全てが変わるわけではない。個性が発現するのも使用するのも、結局は“人間”なのだ。原作世界は“対人戦”をしているだけに過ぎない。

しかし、ライダーワールドを旅した出久は違う。人間の常識が通じない相手と闘ってきたのだ。

 

 

“殺戮と戦闘を主とする種族・グロンギ”

 

 

“神に等しい力を持つ・アンノウン”

 

 

“世界の裏側ミラーワールドに住むミラーモンスター”

 

 

“人間を越えた存在・オルフェノク”

 

 

“生き物の祖と言われる不死身の生命体・アンデット”

 

 

“人間に恐怖を与える妖怪の祖・魔化魍”

 

 

“宇宙より飛来し、高速の世界を移動する蟲・ワーム”

 

 

“歪んだ形で望みを叶え、時を破壊するイマジン”

 

 

“人間を餌とする種族・ファンガイア”

 

 

人間よりも強大で凶悪な存在と出久は“ゴースト”の力を得てから闘ってきた。

 

 

マミ「…アンデットや魔化魍、眼魔等と比べればクラスメイトの方達は弱すぎますね。余りにも危機感に欠けています。それに…」

 

 

晴希「まだいずっくんは、“ゴースト”の力を使ってない。驚くのはここからだろうね。」

 

 

 

 

 

 

 

峰田「グレープラーーーッシュ‼️」

 

 

瀬呂「おりゃーーーーっ‼️」

 

 

戦闘特化の3人の攻撃がいとも容易くかわされ、受け流され、受け止められた。それに恐怖を感じたのか“拘束特化”の峰田と瀬呂が自棄になってモギモギを飛ばし、テープを伸ばす。

 

 

出久「…恐怖にかられて自棄になったね。全く狙えていない。(恐怖するということは大事だ。だけど敵わないと思ったらそこで負ける。)」

 

 

無茶苦茶な攻撃ほどかわしやすい。出久は2人の攻撃を難なくかわす。攻撃を掻い潜り、2人に近付く間に瀬呂のテープを掴み、瀬呂のテープを使い峰田と瀬呂を拘束する。

 

 

瀬呂「うわっ⁉️」

 

 

峰田「むぐっ⁉️」

 

 

身長的に峰田は瀬呂の腰辺りで口ごと拘束され、峰田が放ったモギモギの場所へ2人を飛ばす。

峰田自身にはくっつかないが、瀬呂にはくっつく。

結局峰田達は、自分たちの個性で拘束されてしまった。

 

 

 

上鳴「峰田‼️瀬呂‼️」

 

 

切島「クソッ‼️」

 

 

切島は身体を硬化して出久に肉弾戦を仕掛ける。

 

 

切島「オラオラオラオラオラオラオラオラァァァァァッ‼️」

 

 

怒濤のラッシュを出久に繰り出すが、悉くかわされ、受け流される。

 

 

切島「クソッ‼️当たらねぇ‼️なんで当たらねぇ‼️」

 

 

出久「今切島君は、僕に対して恐怖を抱いてる。恐怖を振り払おうと何時もより無茶苦茶な攻撃をしてるんだ。狙えてるようで狙えてない、“せめて一撃当たれば”って考えが頭を支配してるんだ。」

 

 

 

切島「ッ⁉️」

 

 

今の心情を当てられた切島は、攻撃の手を緩めてしまった。その結果、切島の拳は受け止められ腹に重い蹴りを喰らい、壁まで吹き飛ばされた。

 

 

切島「ぐあっ‼️」

 

 

蹴られたことにより息が切れたため、吹き飛ばされている間に硬化が解け、生身の状態で壁に激突し意識を手放してしまった。

 

 

 

上鳴「切島ッ‼️」

 

 

吹き飛ばされ、気絶した切島に気をとられてしまった上鳴は、目の前に敵がいるというのに出久から目を放してしまった。

 

 

出久「余所見は禁物だよ。上鳴君。」

 

 

上鳴「なッ⁉️」

 

 

出久の声に正面を向いた上鳴の目と鼻の先に、出久が立っていた。そして、

 

 

出久「はぁッ‼️」

 

 

上鳴「がぁッ‼️」

 

 

出久は上鳴の腹部に強烈なストレートを放った。肺の空気を強制的に出された上鳴は、切島同様吹き飛ばされ、壁に激突して意識を手放した。

 

 

 

出久「ふぅ、4人片付いた。…でも、まだやるんでしょ?」

 

 

轟「当たり前だ。」

 

 

緑谷「僕だって、まだやれる‼️」

 

 

爆豪「…俺が、クソデクに負けるわけねぇんだよ‼️」

 

 

 

轟、緑谷、爆豪の3人はまだ勝負を諦めていない。しかし、峰田と瀬呂は自分たちの個性で拘束されて動けず、切島と上鳴は出久の攻撃で既に戦闘不能になっている。

模擬戦とはいえ、ノーダメージでBチームと戦っている出久は、1-A生徒の中だけでなく雄英生徒の誰よりも強い。

 

 

出久「諦めていないことは確かに利点だけど、敗北を受け入れる強さも必要だよ。」

 

 

爆豪「うるせぇ‼️デクのくせに、この俺に偉そうに説教かましてんじゃねぇッ‼️」

 

 

出久の言葉に完全に切れた爆豪は、火力を上げて出久に突っ込む。

 

 

爆豪「クソデクは、俺の後ろに居りゃいいんだッ‼️力のねぇお前は、俺に守られてりゃいいんだッ‼️」

 

 

出久「…自分の弱さを認められてない時点で、君は僕に勝てない。」

 

 

爆豪「うるせぇっつってんだろうが‼️」

 

 

出久の声には最早耳を傾けることをしなくなった爆豪。“自分より上の存在を認めない”今の爆豪は、ここまでが限界だ。

それを察した出久は、無言のままライダー眼魂を取り出した。

 

 

GD『アーイ‼️』

 

 

『バッチリミロー‼️バッチリミロー‼️バッチリミロー‼️バッチリミロー‼️』

 

 

『開眼‼️カブト‼️』

 

 

『今すぐ加速‼️キャスト・オーフ‼️』

 

 

出久は“仮面ライダースペクター・カブト魂”にゴーストチェンジした。

 

 

爆豪「ッ⁉️…変わったところで俺には勝てねぇ‼️死ねぇぇぇぇぇぇッ‼️」

 

 

爆豪は出久に最大火力で攻撃を仕掛けた。

 

 

 

 

 

 

だが、

 

 

 

 

GD『大開眼‼️カブト‼️オメガドライブ‼️』

 

 

出久がゴーストドライバーのレバーを引っ張った瞬間、爆豪の目の前にいた出久は姿を消した。

 

 

爆豪「なッ⁉️」

 

 

突然のことに動揺した爆豪は、動きを止めて辺りを見渡した。

 

 

爆豪「何処だ‼️何処にいきやがったクソナーdッぐあっ‼️」

 

 

叫びながら出久を探していた爆豪の下から衝撃が襲ってきた。爆豪がなんとか目を向けると、そこにはさっき突然消えたはずの出久が、拳を上げていた。

 

出久はカブト魂になり、クロック・アップを発動させて爆豪まで近付き、アッパーを繰り出したのだが、“仮面ライダー”を知らない原作組からすれば、“何が起きたのか分からず、気付いたら爆豪が殴られていた”くらいの認識しかできない。

 

 

顎を殴られ、脳を揺すられた爆豪は頭から地面に向かって落下するが、

 

 

出久「はぁッ‼️」

 

 

出久の“ライダーキック”が炸裂し、壁まで吹き飛ばされる。壁に激突し、轟音と共に土煙が巻き上がる。

 

 

緑谷「かっちゃん‼️」

 

 

轟「爆豪‼️」

 

 

 

土煙が晴れると、壁に埋もれた状態で気絶した爆豪がいた。

 

 

 

 

“爆豪が負けた”

 

 

その事実だけが、原作組の脳内を支配した。

 

 

 

 

 

 




なかなか思い付かず、大分間が空いてしまい申し訳ないです


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原作世界と邂逅【8】男子Bチームvs出久 また次に

時間が開きました。

【前回のあらすじ】

原作世界のクラスメイト達と模擬戦を始めてから、出久の戦闘力を垣間見た原作組。しかしそれでも爆豪は認めていなかった。自分のほうが上だと信じていた爆豪は、出久のカブト魂により戦闘不能になった。

残るは、原作世界の出久と轟の2名。


“爆豪が負けた”

 

 

これだけでも正直受け止められないことだが、事実目の前でそれは起きた。粗暴も態度も悪いが、実力は本物でありクラスでもトップの強さと頭も良い“天才”という存在は確かに負けたのだ。

そして、その天才を倒したのは異世界から来た自分達のクラスメイトであり、気弱そうに見えるが誰よりもヒーローに憧れ、重傷を負いながらも周りに認められるようになってきた“努力の天才”である緑谷出久である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

常闇「爆豪が負けた…だと⁉️」

 

 

障子「あの爆豪が…」

 

 

芦戸「ヤバすぎでしょ、あっちの緑谷‼️」

 

 

耳郎「爆豪もそうだけど、うちのクラスメイトで戦闘向きの奴等が集まってるのに全く息を切らしてない…」

 

 

八百万「…まさか緑谷さんの実力がこれほど…」

 

 

蛙水「出久ちゃんの実力が、それだけ高いということよ。私達では相手になれないわ。」

 

 

 

 

驚いているのはクラスメイトだけでなく、教師側も同じだが…

 

 

 

 

 

 

AM「これが…異世界の緑谷少年の力…」

 

 

CM「…力の差があるとは感じていたがこれ程とは」

 

 

相澤「あいつらが負けることは想定の範囲内だったが、異世界の緑谷の戦闘力はこちら側とは比べ物にならん。おまけに闘い方や相手へのアドバイス、これ等を同時に行うとは…なかなか合理的か。」

 

 

MN「他の2人の強さを肌で感じたから分かるわ。だけど、まだ緑谷君の力量が計り知れない‼️」

 

 

EP「彼ノ力ハ確実ニ我々プロヒーローヨリ上デショウ。ソレダケノ戦闘経験ヲシタトイウコトカ。」

 

 

 

プロヒーローである彼等は、自分達よりも戦闘力が上であることを把握した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

緑谷「あ…あのかっちゃんが…負けた?」

 

 

轟「…夢なら覚めてほしい所だが…」

 

 

同じチームで戦っていた2人も目の前で起きた出来事を完全に処理しきれていない。

見た目・口調・性格・態度にいたるまで敵寄りの勝己であるが、クラス屈指の実力者であることに変わりはない。

そんな勝己が、平行世界から来た自分(親友)に完膚なきまでにやられ敗北した。

 

 

この覆らない事実を前に動きを止めてしまったことが2人の敗北を加速させることになってしまった。

 

 

 

出久「…味方がやられたからといって思考・行動を止めてしまうのは命とりだよ。」

 

 

緑谷・轟「「ッ⁉️」」バッ

 

 

突然掛けられた声で現実に戻された2人。

声の聞こえた後方から距離を取るように飛び上がる。

 

 

出久「ハァッ‼️」ドカッ

 

 

緑谷・轟「「がっ‼️ぐっ‼️」」

 

 

が、2人が後退するよりも早く出久の蹴りが炸裂した。鳩尾に受けた衝撃は凄まじく、2人は蹴り飛ばされて起き上がることができず膝をついてしまった。

 

 

 

 

 

 

緑谷(ち、力が桁違いだ‼️OFAを…シュートスタイルにしたのとほとんど同じ威力のパワー…、向こうの僕は、確実に今の僕達どころか、プロヒーロー達よりも圧倒的に強い‼️)

 

 

轟(力もそうだが…なによりも驚くのは戦闘中に相手を把握する分析力だ。…いくら向こうの緑谷とはいえ、ここまで高い分析力に加えてあの速度、見た目が変わったこともあるがそれを瞬時に使いこなすか‼️)

 

 

 

 

緑谷達は異世界の自分の力が、異常に高いことを文字通り肌で感じた。出久の放ったプレッシャーはもちろん、格闘センス・分析力・攻撃力において全てが自分達の現在の実力より遥かに上だ。

どこまで時間軸が同じで、どこでここまで差がついたのか、それは異世界組のみが分かること。

 

 

 

出久「そろそろ限界だね。…これ以上抵抗しても君達の被害が拡がるだけだ。これで終わらせる。」

 

 

出久は新たに眼魂を取り出しドライバーにセットする。

 

 

GD『アーイ‼️バッチリミロー‼️バッチリミロー‼️』

 

 

『開眼‼️龍騎‼️』

 

 

『周りはライバル‼️始まるサバイバル‼️』

 

 

 

仮面ライダースペクター“龍騎魂”にゴーストチェンジした出久は、そのままレバーを引いた。

 

 

『大開眼‼️龍騎‼️オメガドライブ‼️』

 

 

ドライバーから声音が流れた後、轟が作った氷からミラーワールドを通して“無双龍ドラグレッダー”が咆哮を上げて現れる。

 

 

ドラグレッダーの出現に、最早声を出すことも出来ないほど驚愕している原作組に目もくれず、周囲を廻るドラグレッダーと共に出久は飛び上がる。

上空で体を回転させ、ドラグレッダーの炎と共に仮面ライダーの代名詞である“ライダーキック”が緑谷達に炸裂する。

 

 

出久「ハァァァァァァァ‼️」

 

 

 

緑谷・轟「「ッ⁉️」」

 

 

爆音と共に2人の声は掻き消され、周囲を爆煙が包み込む。

あまりの威力に目を閉じていたクラスメイトと教師陣が見たのは、フィールド中央に悠然と立っているスペクターと倒れ付している緑谷と轟の姿だった。

これにより全ての模擬戦は、異世界組の圧勝に終わり原作組は手も足も出すことができなかった。

 

 

 

 

 

 

相澤「模擬戦に関してはそっちの圧勝だが出久、やりすぎだ。」

 

 

出久「すいません、つい。」

 

 

模擬戦後、教師陣の行動によりすぐにリカバリーガールが運動場に着たが、緑谷が2人いるという状況に驚愕し「ふぅ…あたしもいよいよお迎えが来たのかねぇ…」と現実逃避仕掛けていたが、周りの説明でなんとか納得し、生徒達の治療にはいった。

出久の最後に放った“ドラゴンライダーキック”により、運動場にはクレーターが出来たがセメントスによりすぐに元に戻された。

 

 

 

晴希「んじゃ、そろそろ帰りますか。」

 

 

出久「もう魔力戻った?」

 

 

晴希「回復力も上がってきてるからね。戻るには充分だよ。」

 

 

マミ「それでは帰りましょうか。どの程度時間に誤差があるか分かりませんし。」

 

 

 

AM「もう帰るのかい?」

 

 

出久「この世界で言えば、僕達は異物の存在ですから早めに帰らないと事象に違いが出てくるかもしれないので。そっちの僕。」

 

 

緑谷「?」

 

 

出久「憧れを憧れのままにしちゃいけない。憧れを超えていくことが、更に君をヒーローに導いてくれるはずだ。それに、皆にも言える事だが1人じゃない。助けてくれる誰かがいる。抱え込まずに、仲間を頼ってね。」

 

 

WD『パラレル‼️プリーズ』

 

 

緑谷にだけでなくクラスメイトにも言葉を残して出久達は自分達の世界に帰っていた。

まだまだ聞きたいことがたくさんあったが、それはまた次に会えるときが来たとき改めて聞こう。

原作組の仮免試験の日は近い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

相澤「あっそうだ。お前ら完膚なきまでにボコボコにされてたからしばらく補習な。」

 

 

1-A『えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ⁉️』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




だいぶ間を開けてしまいました。
現実コロナが流行していますが皆様は体調大丈夫でしょうか?
自分は急性喉頭蓋炎という病気にかかってしまい入院しておりますが、体調を崩されないようにお過ごしください


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葉隠透の素顔と個性の特徴①

なんか思いつきました

後自分なりに葉隠の個性がどういうものか考えてみました


それはある日の放課後のこと、出久のもとに発目が訪れゴーストのサポートアイテムについて話をしているところから始まった。

 

 

発目「ほぉ~、これが出久さんのサポートメカ“ゴーストガジェット”ですか。」

 

 

出久「うん。コンドルデンワーにバットクロック、クモランタンにコブラケータイだよ。どれも日常生活に使用できるし、それぞれがアニマルモードになると自立した行動を取ることができるし、個々の能力もあるんだ。」

 

 

出久がゴーストとして使うサポートメカ“ゴーストガジェット”のことを発目にしていると、興味を持ったのか他のクラスメイト達も近くに集まってきた。

 

 

梅雨「緑谷ちゃん、USJの時相澤先生が脳無に頭を潰されそうとした瞬間にコンドルちゃんが妨害していたけど、それがその子の能力なの?」

 

 

晴希「違うよ梅雨ちゃん、コンドルデンワーの能力は通話の逆探知や通信傍受ができるんだ。アニマルモード時は鋭い爪での攻撃や電話相手の元へ持ち主を案内したりすることもできる。実を言うと時空を越えての通話も可能だったりする。」

 

 

発目「時空を越えて⁉何ですかその素晴らしいギミック!!是非とも解析させていただきたいのですが!!」

 

 

晴希の説明に発目が出久に急接近し、言い争いをしていた麗日とマミが黒いオーラを出しながらゆっくりこちらに近づいてきていた。

 

 

出久「(近い!近いよ発目さん///)た、多分無理じゃないかなぁ。コンドルデンワーも含めてガジェット達は自律してるから嫌がるかもしれないし。」

 

 

発目「そ~ですかぁそれでは仕方ないですね。もし可能でしたら教えてください。」

 

 

発目はまだガジェット達の解析を諦めるつもりはないらしい。

 

 

上鳴「なぁ緑谷、コンドルデンワーとコブラケータイは通話ができて、バットクロックは時計の役割をしてんのは分かっけど、クモランタンは何なんだ?戦闘中に明かりなんか必要か?」

 

 

飯田「確かに少し気になるな。バットクロックは蝙蝠から連想して超音波を発することは何となく分かるが、クモランタンはなかなか思いつかないんだが。」

 

 

クモランタンの能力が想像できない上鳴と飯田が疑問を出久にぶつけると、周りでも考える人達が増えてきた。

 

 

出久「クモランタンの能力は、蜘蛛の糸でもある“アブソーブワイヤー”で相手を拘束するんだけど、その拘束時に相手のエネルギーを吸い取る効果もあるんだ。ランタンとしての能力は不可視の相手を可視化することができるんだ。」

 

 

出久の説明に皆が納得した時、芦戸が何か思い付いたのか提案をしてきた。

 

 

芦戸「ん?ねぇ緑谷、可視化って視えないものを視えるようにするんだよね?」

 

 

出久「それで合ってるよ。」

 

 

芦戸「じゃあ透明の個性の透にクモランタンの光を当てたら透の素顔が視れるってこと?」

 

 

『あっ!!』

 

 

その芦戸の考えに全員が興味を更に上げ、葉隠に視線が集中した。

 

 

葉隠「へっ⁉なになにっ⁉どういうこと⁉」

 

 

尾白「なるほど、葉隠さんの個性は透明だから俺達の目には視えない。」

 

 

常闇「普段視えない葉隠にクモランタンの光を当てれば葉隠の姿が視えるというわけか。」

 

 

八百万「私達女性陣も葉隠さんのお顔は拝見したことなかったですからねぇ。」

 

 

切島「なるほど!そりゃ面白そうだなぁ!葉隠の顔は見たことねぇから気になってたんだ!」

 

 

瀬呂「確かに気になるな!なら早速t峰田「ちょっと待った!」

 

 

クラス内で葉隠の素顔を確認しようという流れの中、峰田が待ったをかけた。

 

 

峰田「それは実習の時にやるべきだ!」

 

 

鉄哲「なんでだ?別に今ここで試しても変わんねぇだろ?」

 

 

峰田の提案に鉄哲は疑問に思ったがクラス内では嫌な予感がした。何故なら今発言してるのは、クラスきってのエロ煩悩のカタマリ“峰田実”だからだ。

 

 

峰田「変わるんだよ!!葉隠は普段から透明だからそれを活かしたコスチュームをしてる!!だが実際はコスチュームとは名ばかりの手袋とブーツだけでほとんど全裸状態だ!!ヒーロー実習の時にクモランタンの光を当てれば合理的に葉隠の女体を拝むことができr耳郎「いい加減にしろぉぉぉぉぉ!!」ギャァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

峰田が熱弁していたことを簡潔にまとめると、

 

 

“葉隠の裸がみたい”

 

 

これである。

 

 

全部言いきる前に耳郎のイヤホンジャックで両眼を刺したが、ほとんど言い終わった後だったため、男性陣は顔を真っ赤にさせており女性陣は峰田を冷やかな目で見ていた。

会話の中心人物である葉隠に至っては、床に座り込んでいる。

心なしか湯気が出ているような……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくしてようやく全員が落ち着いたところで葉隠にクモランタンを使用してみることになった。

※峰田は瀬呂のテープで簀巻きにされて教室の隅に放置されている。もちろん口と目も塞がれて

 

 

麗日「でも峰田君の言ってる事は無しにしても、透ちゃんの姿が見れたら楽しそうやね。」

 

 

マミ「楽しそうとは?」

 

 

麗日「今まで透明やったから分からんかったから、皆でお買い物とか行く時にお洋服選びし合ったり、ヘアスタイル変えるのにきっと楽しいやろうなぁって。」

 

 

耳郎「確かに、葉隠は鏡とか使えば自分の好みの服は選べるけどウチらで選ぶってことはできないからなぁ。」

 

 

梅雨「それを考えると透ちゃんの姿が見えたら確かに楽しそうね。」

 

 

八百万「皆でお買い物……」キラキラ

 

 

芦戸「そうやって考えると早く葉隠の姿が見たーい!!ねぇねぇ緑谷、早くクモランタン使ってみよう!!」

 

 

麗日の発言に女性陣が盛り上がりを見せていた。ちなみに出久が絡まなければ麗日とマミは案外仲が良い。

さっそく使ってみようと芦戸が出久に催促するがそれに飯田が待ったをかける。

 

 

飯田「待つんだ芦戸くん、我々が葉隠くんの姿を見たいからと言って話を進めるのはどうかと思うぞ?ここはまず、葉隠くんの意思を尊重しなければいけないんじゃないか?」

 

 

飯田の発言も最もだ。外野の自分たちがいくら盛り上がっても当事者である葉隠が嫌がるのなら無理強いするのは良くない。そのため、再び視線が葉隠に集まる。

 

 

出久「飯田君が言ってたけど、葉隠さんはどうする?大丈夫なら使ってみるけど葉隠さんが嫌なら無理にすることはないし。」

 

 

代表して出久が問いかけ、全員がそれに頷く。峰田は何か抗議していたが全員スルーすることにした。

 

 

葉隠「……私はやってみたいかな。」

 

 

八百万「葉隠さん無理にすることはないのですよ?飯田さんと緑谷さんが言ったように葉隠さんの気持ちが大事ですから。」

 

 

葉隠「ありがとうヤオモモ。確かに峰田君のアレで恥ずかしいなぁって思ったんだけど、でもそれ以上にお茶子ちゃんの話を聴いてて良いなぁって思ったの。私基本透明だから出かけた時とか友達に服を選んでもらったことなくて、姿が見えたら私のコーディネイトしてもらえるなぁって。」

 

 

誰しもコンプレックスというものがある。それは超常社会においても必ずと言っていいほど存在し、それが個性に由来することも多々ある。

心操や葉隠がこれに当てはまる。心操の洗脳はヒーロー向きではないと周りから言われ、常時透明な葉隠も“姿が見えない”というのはヒーロー活動には役立つが“一般的な女子同士の生活”に少し負い目を感じていたのかもしれない。

 

 

葉隠「だから私からお願い!緑谷君のクモランタン私に使ってみてもらえないかな?」

 

 

出久「分かったよ葉隠さん。いくよ。」

 

 

葉隠が自分から出久に頼み、出久は了承してクモランタンを持って葉隠に向かって使う。クモランタンの光の粒子が葉隠にあたり、

葉隠の姿が徐々に現れてくる。

するとそこには、ふわふわした緑色の髪を肩ほどまでに伸ばし、緑色の綺麗な眼と八重歯が可愛らしい、八百万にも負けずとも劣らない美女が立っていた。

 

 

一同『おぉ〜』

 

 

葉隠の姿をみて、全員がそんな声を出した。

 

 

葉隠「ねぇねぇどんな感じ?皆には私のことどう見えてる?」

 

 

葉隠も周りの反応に自分の姿に興味があるらしく周りに聞くが、男性陣はもちろん女性陣も見とれてしまい、すぐに反応できなかった。

 

 




ここで区切り、次回自分が考えた葉隠の個性の詳細を説明します。たぶんこうじゃないかなぁ、という自分の考えですので


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葉隠透の素顔と個性の特徴②


仮面ライダーリバイス、どんな進化をしていくか楽しみですね。
リバイス眼魂を考えなければ


僕アカの個性って、何かしら自然界にあるものや人体の構造の延長線みたいなものだと思うんです。
葉隠の個性の性質は、こうじゃないかなぁと自分なりの考えですのでご了承ください。


 

出久のクモランタンにより、透明の個性である葉隠の姿が現れたことに見守っていたクラス一同が声を漏らした。

入学してから今まで、誰も葉隠の容姿を見たことなく(本人を含む)出久のアイテムである“ゴーストガジェット”で見ることができたのだ。

クラス一同の反応で自身の姿が気になる葉隠に、八百万が創造で作り出した手鏡を葉隠に渡し自分の顔を見る。

 

 

葉隠「……これが、私の顔?」ペタペタ

 

 

手鏡を見ながら自分の顔を触る葉隠は、反応に困っていた。

 

 

芦戸「ヤァァァァァァン‼カワイイ‼可愛いよ葉隠〜‼」

 

 

葉隠「わぁっ!ちょっと三奈ちゃん⁉」

 

 

辛抱堪らず芦戸が思いっきり葉隠に抱き着き、固まっていた葉隠ばびっくりして声を上げた。

すると周りが賑やかになってきた。

 

 

麗日「ホントやね‼透ちゃんとってもめんこいね‼」

 

 

マミ「えぇ、とても素敵なお顔ですね。」

 

 

耳郎「でもなんかイメージ通りって感じがするなぁ。」

 

 

蛙吹「透ちゃんの性格と合った顔だからね。なんとなく響香ちゃんの中でイメージ出来てんだと思うわ。」

 

 

八百万「確かにそうですわね。いつもの明るい葉隠さんにぴったり合う御姿ですし」

 

 

拳藤「それにしても緑色の髪が綺麗だねぇ。」

 

 

発目「緑谷さんのアイテムも凄いですが、普段透明な方が見えると新鮮ですねぇ。」

 

 

女性陣は思い思いに葉隠の姿に感想を述べており、男性陣は何を言えばいいか分からなく終始無言だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある程度すると、相澤先生がクラスに顔を出して下校を促そうとすると、クラスに見慣れない生徒がいたため声をかけると、葉隠だと教えられ少し固まった姿は全員の目に焼きついた。

 

 

相澤「……なるほどな、緑谷の持つアイテムで葉隠が視えるようになったというわけか。改めて思うがやはり仮面ライダーのアイテムというのは規格外な物が多いな。」

 

 

相澤先生の言う通り、仮面ライダーのアイテムは規格外な物が多い。現存する科学を遥かに越えるテクノロジーが使われているのだ。これは発目だけでなく、おそらくサポート科の生徒全員が興味を持つことだろう。

 

 

切島「しっかし改めて考えると個性って不思議だよな。俺や鉄哲みたいに身体を硬くするものもあれば、八百万みたいに色々身体から生み出せたりできるんだからな。」

 

 

 

切島は個性が対しての疑問を口にした。今でこそ日常生活に溶け込んでいる個性ではあるが、少し前の時代では個性があることが“異常”であり、無個性であることが“当たり前”だったのだ。更に言えば、個性には人体に直接影響しているものもあれば、対象がなければ発動しないというものまで様々だ。

 

 

瀬呂「言われてみればそうだな。切島と鉄哲みたいに似たような個性だけど違いはあるし、ヤオモモみたいになんか作ったり、梅雨ちゃんは動物みたいだし。」

 

 

晴希「いずっ君はどう考えてる?“個性”について。」

 

 

晴希は出久に聞いてみることにした。個性が当たり前であることを今他のクラスメイトに聞いても、“なんで生きていると息を吸うのか?”という質問と同じ意味になってしまう。

無個性であり、ライダーワールドを旅した出久なら答えが導き出せるのではないかと考え、疑問を投げかけたのだ。

 

 

出久「…僕の憶測だけど、個性は“地球そのもの”なんじゃないかなって思うんだ。」

 

 

『地球そのもの?』

 

 

相澤「どういうことだ緑谷?」

 

 

同じく話を聞いていた相澤先生が質問してくる。唯一大人である相澤先生であっても“個性はなにか”と言われたら明確に答えられるほどの知識はない。

しかし、出久の回答が気になるのも事実だ。

 

 

出久「仮面ライダーWというライダーがいるんですけど、敵であるドーパントも含めて彼等は地球にある生物から物質、事象までも記録している“ガイアメモリ”という一般のUSBメモリより一回りほど大きなものを使うんです。」

 

 

マミ「ガイアメモリには先ほど出久様がおっしゃった通り、地球(ガイア)における様々なものを記録(メモリ)されています。」

 

 

 

拳藤「その様々なものって?」

 

 

晴希「それこそホントに様々さ。動物だったら鳥とか虫とか、絶滅動物のアノマロカリスとか恐竜とか。」

 

 

出久「自然現象や自然の中にあるものだと、溶岩とか天候とかあるし他には海とかあるよ。」

 

 

マミ「人間が創り上げたものもあります。エンジンや鋼、ナスカ文明を内包したガイアメモリもありますので、正に多種多様な数が存在するんです。」

 

 

出久「ガイアメモリは地球上で起きた事、生存していた動物や動物が生み出した物まで多くのものを記録しています。これを個性に置き換えると瀬呂君や飯田君みたいな個性は人間が文明を発展させる上で作られてきた“物の記録”、梅雨ちゃんのカエルみたいな“動物の記録”、心操君や葉隠さんの“状態の記録”という振り分け方になります。」

 

 

発目「私的には個性のことより“ガイアメモリ”のことが非常に気になりますねぇ。是非詳しく聞かせていただきたいのですが!! 

 

 

出久「それはまた後で…。つまり僕の考えは、“個性は地球が経験・体験したものが人間の体の機能として体現されたもの”だと考えています。葉隠さんの透明は“動物の擬態や光の屈折・反射”からきていて、無個性の人達に個性をつけるなら“人間”っていう個性になるんじゃないかと。」

 

 

 

この出久の憶測が学会で物議をかもすのはもう少し先の話。

 




めちゃめちゃ遅くなりました。


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雄英体育祭
雄英体育祭と転校生


最近ネタが思い浮かびません


どうしましょ?

今回ルオンさんから頂いたオリキャラを導入しようかと思います。


八百万さんの家で勉強会と“仮面ライダー”の説明をした翌日、僕達はいつも通り登校した。

朝のHR

 

相澤「そろそろ雄英体育祭が迫っている。体育祭にはメディアや活躍しているプロヒーローがスカウト目的に来る。お前達の力を最大限発揮しろ。」

 

 

一同『学校っぽいのキタァーーー‼️』

 

 

“雄英体育祭”

 

かつて“スポーツの祭典”と呼ばれていたオリンピックは、“個性”が目覚めたこの“超常社会”において全盛期ほどの人気がなくなり、歴史の1つとしてなくなってしまった。

その代わりに“今代のオリンピック”と称されるのが雄英体育祭である。

次代のヒーローを担う僕らが、個性を駆使して競い合う体育祭は、例年尋常じゃないほどの盛り上がりを見せており、多大な活躍をした生徒は、卒業後プロヒーローからのスカウトというプロへの道に近づくことができる。

 

 

相澤「盛り上がるのはいいが油断はするなよ?この体育祭は謂わば“もう1つのふるい”だ。不様な結果を出したものは他クラスへの編入、逆に功績を残した生徒はヒーロー科への編入が可能となる。浮かれすぎれば足元掬われるぞ。」

 

 

峰田「なぁ、緑谷。どういうことだ?」

 

 

峰田君が相澤先生の話の内容を理解していなかったらしく、僕に聞いてきた。

 

 

出久「雄英体育祭は世間では“今代のオリンピック”なんて呼ばれてるけど、学校側は“ヒーロー科への編入が可能”な生徒の選出だよ。」

 

瀬呂「なんでそんなことするんだ?入試の時にやったじゃねぇか。」

 

話を聞いていた瀬呂君が同じく質問してきた。

 

出久「雄英入試は正直あまりいいとは言えないよ。仮想敵を倒してポイントを取れるのは、“戦闘向きの個性”か“戦闘に応用できる個性”の人達だかね。ヒーロー科を希望しても“戦闘向きじゃない”って判断されて、普通科に行った人もいるんだよ。」

 

相澤「緑谷の言う通りだ。はっきり言えばあの入試は合理的じゃない。戦闘特化の個性を優遇するのがこの不条理な社会だ。入学したてはいいが、数ヶ月たって頭角を現す生徒もいる。そんな奴等の為のチャンスの場でもある。お前達“ヒーロー科”は最大の敵だ。決して油断はするなよ。」

 

 

一同『はい!』

 

相澤先生の言葉に皆やる気を出す。

 

出久(オールマイトを越えるヒーローになるんだ。ここで立ち止まる訳にはいかない‼️)

 

僕はオールマイトを越えるヒーローになるため、改めて強く意志を固める。

 

 

相澤「それじゃ、最後になるが転入生を紹介する。ヒーロー科への転入は、入試同様仮想敵の討伐だ。制限時間内に上限のポイントを取るか全ての仮想敵を倒すことで終了する。」

 

一同転入生が来ると聞いて騒ぎ始めた。

 

 

芦戸「先生‼️男子ですか?女子ですか?」

 

相澤「男子だ。」

 

峰田「なんで野郎なんだよぉー⁉️ここは美人の転入生が相場だろ⁉️」

 

 

相澤先生の言葉に峰田君がショックを受ける。

峰田君、ホントに君はぶれないね。尊敬するよ…

 

相澤「“操真”入ってくれ。」

 

 

操真「失礼します。」

 

相澤先生に呼ばれて入ってきた男子に僕は驚愕した。

 

 

出久「えっ⁉️」

 

麗日「どうしたのデク君?」

 

飯田「彼のこと知ってるのかい?」

 

その男子は黒髪に青い瞳でイケメンの部類に入るタイプで、指には特徴的な指輪をしていた。

 

 

操真「今日から皆と一緒に勉強する“操真晴希”です。俺の個性は“ウィザード”、指輪を使って魔法が使えます。ただし、魔法は指輪で決まっているので無いものは発動できませんが。これからよろしくお願いします。」

 

 

切島「なんかクールなヤツだな。」

 

耳郎「爽やかだねぇー。」

 

勝己「…すかし野郎。」

 

操真君の登場に各々思ったことを口にしていた。

 

相澤「聞きたいことがある奴は休み時間にでも聞けよ。操真、お前の席は緑谷の隣だ。」

 

操真「分かりました。」

 

そういうと操真君は僕の隣の席に座った。

 

操真「久しぶりだね、“いずっくん”。」

 

出久「久しぶり、“晴君”。」

 

 

僕達の対応にクラスは驚愕していた。




操馬 晴輝(そうま はるき)

性別


年齢
16歳

身長
178cm

一人称


変身ライダー
仮面ライダーウィザード
仮面ライダービースト

趣味
読書・ドライブ・料理

好きな物・人
友人である出久にマミ
ライダーたち
プレーンシュガー
甘い物に辛い物

嫌いな物・人
出久の心を壊しかけたオールマイト
友人を傷つける奴
漬け物


詳細
仮面ライダーウィザードの操真晴人の息子。
出久がライダーワールドに来てからの友人である。
散歩していた際にショッカーに拐われ、体にショッカーが生み出した人工ファントム、ウィザードドラゴンとキマイラを埋め込まれ、ショッカーに洗脳されてライダーたちを襲う。
その時、初めてゴーストに変身した出久に、殴られ正気に戻る。
その後、出久と共にショッカーを倒し、出久が自身の世界に帰るまでの間、共に高めあった。
マミが出久の世界に行ったことを知り、晴人に許可をもらって、輪島のおっちゃんが作ったワールドリングを使用して出久の世界へと行き、出久のクラスに編入する。
また、出久を 取り合うマミとお茶子を見て面白がる


ルオンさん、ありがとうございます。


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自重しない八百万、操真晴希の“ウィザード”

想像力ないと小説は難しいですねぇー。

思いつかなくて大変


それと追加ですが、出久は皆にまだクウガのことしか話していないので、クウガ以降のライダーは姿だけ分かるというだけに成っています


午前中の授業が終わり、昼食の時間になった。

本来なら学食に向かうのだが、今回は晴希のことを知りたいもの、晴希のことを知っている出久と“マミ”に話を聞くため、全員教室に集まっていた。

 

 

麗日「ナンデ普通ニ音黒サンガオルン?シカモデク君の隣ニ…」

 

 

マミ「出久様に教えていただきましたの、“晴君が来た”と。晴希さんのことは私もお知り合いですから、ちょうどいいかと思いまして」

 

 

バチバチバチバチ

 

 

2人の間で火花が飛び散っているように見える。

だが全員、怖くてとても突っ込めなかった。

 

飯田「そ、それより昼食にしないとだが皆食事は…」

 

 

召し使い「お待たせしましたお嬢様、26名分の黒毛和牛のステーキセットを御用意いたしました。」

 

八百万「ありがとうございます。」

 

八百万以外『………』

 

ちなみに、今1-Aにいるのは晴希を加えた勉強会メンバー全員である。

 

 

召し使い「皆様も何かございましたら、遠慮なくおっしゃって下さい。お嬢様のご学友様方」

 

一同『あ、アリガトウゴザイマス…』

 

召し使い「それでは私はこれで。」

 

 

八百万「さあ皆さん‼️お昼の支度ができたので頂きましょう‼️」

 

何事もなく昼食を摂ろうとする八百万に、上鳴が手を挙げた。

 

 

上鳴「あの~、八百万さん。先程の御方はいったい…どなたなのでしょうか?」

 

八百万「私の家で給仕をしてくれている一ノ瀬さんですわ。操真さんの話を聞くらしいので、皆さんのお昼の御用意をお願いしましたの。」

 

耳郎「あのさあヤオモモ。さっき“黒毛和牛”って聞こえたんだけど…」

 

 

八百万「直ぐに用意できるものがそれしかなかったもので、申し訳ありません。」

 

男子(((((((黒毛和牛が直ぐに用意できるのか⁉️)))))))

 

女子((((むしろこっちが申し訳ない‼️))))

 

 

相澤「お前らも早く食わないと肉が固くなっちまうぞ。」

 

 

一同(((((((何故当然のように居るんですか先生⁉️)))))))

 

相澤「すいません、紅茶お願いします。」

 

一ノ瀬「種類は何になさいましょうか。」

 

相澤「アールグレイで。」

 

一ノ瀬「かしこまりました。」

 

一同(((((((((((そしてとても手慣れている⁉️)))))))))))

 

 

 

相澤先生の以外な一面だった…

 

 

 

 

 

 

晴希「それじゃあ聞きたいことがある人は手ぇ挙げてねぇ。」

 

多分一生お目に掛かれないだろうブランド牛を味も分からず食べ終えたメンバーは、晴希の声で本来の目的を思いだし、手を挙げた。

※相澤先生は、紅茶を飲んでから職員室に戻った。

 

 

麗日「じゃあ私からね。操真君はデク君と音黒さんの知り合いみたいだけどなんで?」

 

晴希「それは単純だよ。俺はマミと同じライダーワールドの人間だからね。いずっくんとは、一緒に旅をした仲間だよ。」

 

 

切島「次俺な‼️操真の“ウィザード”っていうのはどういうヤツなんだ?やっぱり緑谷みたいに変身すんのか?」

 

 

晴希「そうだよ。俺が変身するのは“仮面ライダーウィザード”。“指輪の魔法使い”の異名を持つ平成14番目のライダーさ。」

 

 

出久「晴君のお父さんは、操真晴人さん。僕の師匠の1人で“初代仮面ライダーウィザード”だよ。」

 

一同『へぇー』

 

口田「…」

 

常闇「“ウィザードはどんなライダー?”と口田が言っている。」

 

 

マミ「では私が説明を…」

 

 

 

“仮面ライダーウィザード”

 

絶望を希望に変える者

 

敵組織からは“指輪の魔法使い”と呼ばれている。

 

 

魔法の力を宿した指輪“ウィザードリング”を使い、絶望した人を希望で救う仮面ライダーである。

戦闘スタイルは基本的に魔法による特殊攻撃が主体だが、格闘では中国武術とエクストリーム・マーシャルアーツを取り込んだアクションで各スタイルの差別化を行っている。

宝石を模したマスクをしており、黒を主体とした魔法衣は敵の魔力を吸収し、自身の魔力に変換することができ、また自身の意志で長さを自在に変えられるため、離れた人間を守ることができる。

 

“エレメント変化”と呼ばれるフォームチェンジには

 

炎の力を纏った赤色の“フレイムスタイル”

水の力を纏った青色の“ウォータースタイル”

風の力を纏った緑色の“ハリケーンスタイル”

大地の力を纏った黄色の“ランドスタイル”があり、

 

自身の魔力の源であるファントム“ウィザードラゴン”の力を解放し、各フォームを強化する。

 

水の力に加え、氷の力を得た“ウォータードラゴン”

風の力に加え、雷の力を得た“ハリケーンドラゴン”

大地の力に加え、重力の力を得た“ランドドラゴン”

更に

“ウォータードラゴン”がスカルドラゴンテイル、

“ハリケーンドラゴン”がスカルドラゴンウィング、

“ランドドラゴン”がスカルドラゴンクローと各フォームによって具現化する部分が違い、全てのドラゴンの力を合わせることができ、“スカルドラゴン”ドラゴンの首を具現化する

“フレイムドラゴン”が存在する。

 

そして、ドラゴンの力を完全に解放し最高度の防御力と攻撃力を有したウィザード最強の形態

“インフィニティスタイル”が存在する。

 

マミ「以上ですわ。」

 

 

一同『おぉ~。』パチパチパチ

 

 

瀬呂「じゃあ操真は、親父さんから“ウィザード”の力を受け継いだんだな?」

 

 

晴希「…違うよ、受け継いだんじゃない。父さんの“ウィザード”もそうだけどこの力は“与えられた力”なんだ。普通に生活していた人がどうやったら魔法に気付くと思う?」

 

皆疑問に思った。

 

確かに普通に生活をしていれば、“個性診断”のように検査を受けなければ、自身の内にある力に気付くことはなかなかできない。魔法となれば尚更だ。ではどのようにして、力に気付くことができたのか…

 

 

出久「晴君、辛いなら言わなくてもいいよ。」

 

出久は晴希を気にかけた。これからの話は、とても過酷なものになるからだ。

 

晴希「いや、これは話さなくちゃいけないことだ。俺がどうして力を得たのか、父さんがどうして“ウィザード”になったのか。これからヒーローを目指す皆には知る必要がある。」

 

 

晴希の言葉に、出久は納得した。

 

 

相澤「そろそろ昼休みが終わるから音黒達は教室に戻れ…と言いたいところだが、俺も操真の話に興味がある。午後の授業は自習にして操真の話を聞く。音黒達はこのまま参加しろ、先生方には俺から話しておく。」

 

マミ・徹・心・発『ありがとうございます。』

 

 

 

 

これから、どのような経緯を経て“仮面ライダーウィザード”が誕生したのか、そして晴希が出久に会うまでの過去が語られる。

 

 

 




話が長くなってしまいます。

仮面ライダーを語りたいので


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初代と次代のウィザード誕生秘話【1】

今回はウィザード説明回です


相澤先生の計らいで、勉強会メンバー全員が晴君の話を聞くことになった。でも…、仮面ライダーウィザード誕生は、他の平成ライダーの中でも数少ない残酷な部分がある。

 

 

晴希「まず、俺の父さん“初代仮面ライダーウィザード”の話からするね。」

 

 

梅雨「さっきの話だと、操真ちゃんは緑谷ちゃんと違って、受け継いだ訳じゃないのよね?」

 

 

出久の場合も少し特殊だが、眼魂をタケルから受け継いだため、ゴーストの力を受け継いだと言えばあながち間違いではない。

 

 

晴希「父さんが“ウィザード”として誕生したのは、偶然と奇跡だったんだ。

 

 

父さんが“ウィザード”になるきっかけになったのは、ある日起きた大量失踪事件。老若男女問わず、失踪した人達の共通点もなく、日本全土で同時に起きたことなんだ。その失踪した人の中に俺の父さんも含まれてたんだ。」

 

 

全員晴君の話を真剣に聞いているなか、1人疑問に持つものがいた。

 

 

相澤「まて操真。ここ十数年で、そんな大量失踪事件なんてものは起きてないぞ。」

 

 

相澤先生がそういうのも無理はない。晴君が話しているのは、“ライダーワールド”の1つ“ウィザードの世界”で起きた事件のことだ。相澤先生は、晴君とマミさんが“異世界の住人”であることと僕が“ライダーワールド”に行っていたことを知らない。だから…

 

 

出久「相澤先生、実はですね…」

 

 

僕は相澤先生に話すことにした。

 

 

数分後…

 

 

相澤「…成る程な。“個性のない世界”、“ヒーローとは職業ではなく、仮面ライダーのこと”そして操真と音黒はその“ライダーワールドの住人”ってことか。更に緑谷は、その世界に飛ばされ、元の世界に帰る方法を探して旅をしながら、仮面ライダーの力を受け継いだと…。

俄に信じがたいが、緑谷の卓越した戦闘力と冷静な判断力のことを考えると合理的に説明がつく。

異世界のことに興味があるが、今は操真の話を聞くほうがいいか。悪いな操真、話の腰を折っちまって。」

 

 

相澤先生は、戸惑いを見せるけど信じてくれた。

頭ごなしに否定しないことから見ると、やっぱり相澤先生はヒーローとして人を救う素質を持っている。

そして相澤先生が謝罪してから、晴君の話は再開された。

 

 

晴希「大丈夫です、それじゃあ続きを話すね。

大量失踪事件には共通点がないって言ったけど、実は唯一共通点があったんだ。」

 

 

飯田「その共通点とは一体なんなんだい?」

 

 

晴希「全員が体の中に“ファントム”を持っていたんだ。」

 

 

一同『ファントム?』

 

 

相澤「確か、“幽霊”や“亡霊”の意味を持っていたな。操真、その“ファントム”ってのはなんなんだ?」

 

 

聞き慣れた単語に一同反応し、相澤が教師として無難に和訳を行う。確かに、“ファントム”とは幽霊や亡霊という意味があるが、“ウィザードの世界”の“ファントム”は違う…。

 

 

晴希「ファントムは体の中にあれば魔力の源で、外に出ればこちらの世界でいう敵(ヴィラン)のことですが、亡霊というのは合っているんです。皆に質問するけど、どうしてヴィランは生まれるんだと思う?」

 

 

ヴィランが生まれる理由など誰も考えたことがなかった…3人を除いて。

 

 

心操「それは育った環境やどんな“個性”を持ったかで決まる。俺の個性は“洗脳”でな、小学校の頃から“ヴィラン向きの個性”って周りから言われてきたんだ。子供の間は悪ふざけで周りは言うが、言われたこっちはかなり辛い。」

 

 

出久「僕は“無個性”って理由でよくいじめられたよ。僕は“ライダーワールド”に行ったお陰で力を手に入れた。希望を持つことができた。でも世の中は理不尽だ。“ヴィラン向きの個性”や“無個性”は理由の1つにすぎないけど、苛めや差別で相手を妬み、羨み、そして憎む。これがヴィランが生まれる理由で、同じ境遇を味わった人達が集まっていく。それが“ヴィラン”連合なんだよ。」

 

 

心操と緑谷の言葉に、一同納得してしまった。2人は実際に体験したことなのだ。ヒーローを目指すものとして“恵まれた個性”を持っているものには、わからない苦労である。

 

 

晴希「周囲の環境によって“ヴィラン”は生まれる。それでも、“自分”という存在があるだけまだいい。」

 

 

轟「どういうことだ?」

 

 

晴希「さっきも言ったけど、ファントムは体内にあるなら魔力の源、外に出ればヴィランになるんだ。」

 

 

勝己「もっとかみ砕いて話せ‼️」

 

 

晴希「体内に存在するファントムを外に出すには、ファントムの持ち主を“絶望”させる、“生きている理由”を無くさせることなんだ。」

 

晴希はそういうと視線をマミに向け、マミが頷き指をならすと、どこかの海辺の映像が写り出した。突然景色が変わったことに相澤先生は驚いたが、出久が説明していた。

 

 

障子「絶望させるとは、どういうことだ?」

 

 

晴希「例えば、“夢を完全否定”したり、“信じてた人に裏切られたり”、“宝物や形見を持ち主の目の前で破壊したり”方法は様々だよ。でも、それを1人1人やるには時間が掛かる。だから、もっと簡単な方法をとったんだ。」

 

 

すると海辺の映像では、先程まで晴れていたのに突然暗くなり、太陽が金環日食のような状態になっていた。すると突然、

 

 

『あぁぁぁぁぁッ⁉️』

 

『いやぁぁぁぁぁッ⁉️』

 

 

周りにいた人達が苦しみだし、身体中に罅が入り始めた。

 

 

切島「おいおい、何がどうなってんだよ⁉️」

 

 

八百万「何が起きているんですか⁉️」

 

 

晴希「…あるファントムに連れてこられた人達は、全員が体内にファントムを持っている“ゲート”と呼ばれる存在なんだ。ファントムを表に出すには、持ち主を“絶望”させる必要がある。だから敵の力で周りは、“強制的に絶望”させられたんだ。これを“サバトの儀式”って言うんだ。そして絶望が大きくなればファントムは、自らの意志で表に出ようとする。絶望し始めた人達は、強大になったファントムの力に堪えられず…」

 

 

晴希が今の状況を説明していた刹那、絶望していた人達の身体が弾け、その場には新たに異形の化け物が存在していた。映像を見ていた全員が驚愕と恐怖に襲われた。

 

 

晴希「身体が爆散して、身体の中のファントムが具現化する。そして、ファントムを生み出した人達は死に、生まれたファントム達は、自分を生み出した人間の姿になって街の生活に溶け込む。新たな同胞を生み出すために…」

 

 

次々と人は爆発し、そこから新たに異形の化け物が誕生していく。しかし、1人だけ抗う者がいた。

晴希の父“操真晴人”である。それでも、晴人の背中からはファントムの一部である“ドラゴンの翼”が出てきていた。

 

 

晴人『あぁぁぁぁぁッ、はぁ、はぁ、…お、俺は…絶望なんて…しない‼️』

 

 

晴人は太陽に手を伸ばしながら叫んだ。すると、金環日食のような状態が終わり、周りにいたファントム達も姿を消したが、晴人は海辺の岩場に座っていた。

 

 

晴希「父さんは、まだ子供の頃に両親を事故でなくしたんだ。それが父さんの絶望だったんだけど、死ぬ前に“お前は最後の希望だ”って言われたらしい。その言葉を思い出して、父さんは完全に絶望せずに済んだんだ。そして父さんは自分の中にファントムを抑え込んだんだ。」

 

 

呆然としていた晴人の後ろから、一体のファントムが近付いてきていた。ファントムは晴人に襲い掛かろうとするが、何者かの攻撃でファントムは吹き飛ばされた。

 

そこには、“白い魔法使い”と呼ぶに相応しい姿をした者が、1人の女性を抱えて晴人を見ていた。

 

 

白い魔法使い『よく希望を捨てず、絶望に打ち勝った。お前は、魔法使いになる資格を得た。』

 

晴人にそう告げた白い魔法使いは、“ウィザードライバー”と“ウィザードリング”、そして気を失っている女性“コヨミ”を託した。

 

 

白い魔法使い『お前が最後の希望だ。』

 

 

その言葉を残し、白い魔法使いは姿を消した。

暫くしてコヨミは目を覚ますが、全ての記憶を無くしていた。自分が何者なのかも分からず、あの“サバトの儀式”から何故生きていたのかも分からず、コヨミは一度海に身を投げようとした。

しかしそれを晴人が止め、

 

 

晴人『俺がお前の“最後の希望”になってやる。』

 

 

コヨミに自分が希望になると言ったのだ。

 

こうして、“指輪の魔法使い”仮面ライダーウィザードが誕生した。

 

 

 

 

晴希「それから父さんは、白い魔法使いの言葉に従って、指輪の製作者である輪島のおじさんのところに居候して、ファントムから多くの人達を守ってきたんだ。」

 

 

“最後の希望”

 

この言葉に話を聞いていた全員が思った。

 

“自分も人々の希望になれるようなヒーローになりたい”と…

 

 

相澤(やはり操真の話を聞かせることは、コイツらのためになったか。まだ“自分のなりたいヒーロー像”が定まっていない今だからこそ、改めて“自分がどんなヒーローになりたいか”考えることができる。俺も…)

 

相澤先生も晴希の話を聞いて、自分がどんな志でヒーローを目指したのか、改めて考えさせられていた。

 

 

 

次に始まるのは、“二代目ウィザード”晴希の話。

彼はどのようにして力を得たのか、それは話を聞いていた全員が想像を絶するほど悲惨なものであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




時々ランキングを確認すると自分の作品があるときがあります。これを読んでくれている皆様、心より感謝いたします。


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初代と次代のウィザード誕生秘話【2】

続いて二代目ウィザードの誕生秘話です。

晴希はどのような経緯でウィザードとなり、どのようにして出久と出会ったのか


ではどうぞ。


常闇「“サバトの儀式”で操真の父親が“ウィザード”になったということは、操真も“サバトの儀式”を体験したということか?」

 

 

砂藤「そうか!“ウィザード”になるってことはそういうことになるのか。」

 

 

常闇と砂藤の言葉に、“自分のなりたいヒーロー像”を考えていた全員が、晴希に目を向けた。

 

 

晴希「いや、俺は儀式を体験してない。俺にはそもそも体内にファントムはいなかったし、“サバト”をやるファントムもやる理由もなかったからね。」

 

そう、“サバトの儀式”の本来の目的は違い、大量のファントムを生み出すものではなかったのだ。大量のファントムが生まれたのは、儀式の副産物であったのだ。

これについては、また別の機会に…

 

 

峰田「じゃあ、どうやって操真は“ウィザード”になったんだよ?」

 

 

ウィザードになるには、“体内にファントムがいること”、そして“ファントムを抑え込むための絶望に打ち勝つための精神力”が必要がある。

しかし、晴希は前提とした“体内にファントム”が存在しない。

別の方法でも、“魔法使い”にはなれるが今は割愛します。

 

 

晴希「父さんは俺の体内にファントムがいないことを喜んでいた。“自分と同じような道を歩ませなくてすむ”って。

でも俺は、“仮面ライダーウィザードの息子”として敵から目をつけられていたんだ。父さんが戦っている間に、俺は“ショッカー軍団”に拐われたんだ。」

 

一同『拐われた⁉️』

 

 

勝己「弱ぇからそうなったんだろ。」

 

 

一同驚くなか、勝己だけがとんでもない発言をしてしまった。

 

 

切島「おい爆豪‼️」

 

上鳴「いくらなんでもそりゃねぇだろ⁉️」

 

瀬呂「言葉考えろよ⁉️」

 

飯田「酷すぎるぞ爆豪君‼️」

 

轟「やっぱ発言も酷いもんだな。」

 

八百万「貴方には人の心がないのですか⁉️」

 

耳郎「少しはデリカシーってもんを学べ‼️」

 

 

勝己の発言に、クラス中が勝己を批難したがそれを止めたのは以外な人物であった。

 

晴希「いいんだよ皆。爆豪の言うとおり、俺が弱かった結果なんだから。」

 

 

一番否定したいはずの晴希が止めたのだ。

 

 

芦戸「操真はいいかもしれないけど…」

 

蛙吹「そうよ。操真ちゃんが良くても、爆豪ちゃんの発言は不適切だわ。」

 

葉隠「そうだよ。」

 

 

晴希が止めても、やはり勝己の発言には問題があったのだ。

 

 

出久「待ってみんな‼️かっちゃんはあんなこと言ったけど、別に晴君を見下してる訳じゃないんだ‼️

かっちゃんもヴィランに捕まって、自分の個性を使われたから…」

 

 

一同『ッ‼️』

 

 

確かに勝己の発言は不適切だった。しかしそれは、晴希を見下した結果ではなく、“自分も同じような経験をした者”としての発言だった。

 

 

晴希「話を続けるよ。拐われた俺は、実験体としてショッカーの生み出した“人工ファントム”を体の中に埋め込まれたんだ。しかもそのファントムは、父さんと仁藤さん、父さんと同じ魔法使いの人のデータを元に作られた“ウィザードラゴン”と“ビーストキマイラ”だったんだ。」

 

 

“仁藤攻介”

 

考古学者を目指していた彼は、ある遺跡から奇妙なベルトを発見した。それを腰に着けた途端、彼は自分の精神世界に入ってしまった。そしてそこには、機械の身体を持ったライオンがおり、左翼が鷲、右翼がイルカ、胴体にバッファロー、尻尾にカメレオンといった動物を合わせたキメラ型ファントム“ビーストキマイラ”がベルトを通じて、彼の身体の中へ入っていたのだ。

 

“魔力を喰わねば死ぬ”

 

キマイラが身体の中に入ったことによって、攻介はほぼ毎日を空腹に襲われた。

 

ファントムと闘い、ファントムを喰らう。

 

古の魔法使い“仮面ライダービースト”はこうして誕生した。

 

 

晴希「ショッカーの実験で強制的に魔法使いになった俺は、まず力に堪えきれず暴走を始めた。ショッカー戦闘員と実験場を破壊した俺は、ファントムに身体を乗っ取られて“ドラゴキマイラファントム”として父さん達と戦ったんだ。その時のことは何も覚えてない。

でも、時々主導権を奪い返したときがあってその時にいずっくん達と出会ったんだ。

暴走したことで記憶を無くした俺をいずっくんは、“ずっと昔から遊んでた友達”のように親身になってくれた。

そんな時に、父さんが俺を見つけたんだ。父さんを見た瞬間、身体が言うことを聞かなくなって、ファントムに主導権を取られそうになったんだ。

その瞬間、記憶を思い出した。身体がファントムに乗っ取られる前に、父さん達に今の状況を説明したんだ。

説明が終わった後、主導権が完全に奪われる前に父さん達にお願いをしたんだ。“俺を殺してくれ”って。

記憶が戻ったとき、ファントム体で何をしてたかも頭の中に流れてきた。街を壊して、人を傷付けて…。

もう自分が自分で無くなるのが嫌になって、殺されたほうが楽だと思ったんだ。」

 

 

晴希の話を聞いて、女性陣は涙目に、男性陣は顔を青くしていた。あの勝己でさえ、自分が受けた境遇がかわいいものだと思ってしまうくらいに…。

 

 

晴希「俺は殺してほしかった、また自分を失うことがないように。でも、いずっくんがそれを止めたんだ。身体を乗っ取られたけど、いずっくんの言葉は今でも覚えてる。」

 

 

暴走した晴希をなんとか止めようとする“仮面ライダーウィザード”と“仮面ライダービースト”。

しかし、自分の息子であり、弟のように可愛がっていた晴人と攻介は戸惑うあまり本気を出せず、一方的にファントムと化した晴希に倒されてしまった。タケルも戦おうとしたが、その前に晴希の前に出たものがいた。

 

出久である。しかし、出久はまだこの時変身できなかった。

 

 

タケル『出久君、下がるんだ‼️』

 

出久『今僕の目の前で、僕の友達が苦しんでるんです‼️晴君は今も僕の目の前で戦ってます。助けを求めてるのに、ただ見てるだけなんて僕にはできない‼️』

 

 

しかし、出久の叫びは届かず、出久はドラゴキマイラファントムに凪ぎ払われてしまう。

 

出久『がっ⁉️』

 

タケル『出久君‼️』

 

タケルもゴーストとなって戦うが、晴人同様一方的にやられてしまった。

 

 

出久『ぼ、僕は…諦めない。友達のために…。友達の家族のために…。助けるって決めた僕自身のために‼️』

 

 

出久が叫んだ瞬間、出久の腰が輝き始めた。その光は、タケルのゴーストドライバーにあたり、光が徐々に強くなっていく。

あまりの強さに全員が目を瞑り、ドラゴキマイラファントムは光に弾き飛ばされた。

光が止み、出久が目を開けると自分の腰に“タケルと同じゴーストドライバー”、右手には“オレ眼魂”が握られていた。

ライダーワールドにきた出久は、環境に触れたことで“無個性”という存在が、出久の“友を救いたい覚悟”に反応して、出久に力を与えたのだ。

 

出久は無言で立ち上がり、ドラゴキマイラファントムを見据える。

 

そして、オレ眼魂を押してゴーストドライバーにセットした。

 

GD『アーイ‼️』

 

『バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️』

 

 

出久『晴君、絶対に助けてあげる。この命燃やして。

 

 

 

変身‼️』

 

 

GD『開眼‼️』

 

 

 

 

 

 

 

晴希「その後俺は、いずっくんと戦って倒された。でも、ファントム2体が身体に入ってた俺は、それで死ななくて人間体に戻ったんだ。それで、身体を直した俺は、体内のファントムを制御すべく、いずっくん達と一緒に旅に出たんだ。

ドライバーは、輪島のおじさんのところで修行していた俊平さんが作ってくれたものなんだ。ウィザードリングを作るために輪島のおじさんに弟子入りしたんだけど、リング作りはいまいちなのに、ドライバーを作ることができるようになったみたいで、俺専用のウィザードライバーを作ってくれたんだ。」

 

 

その後晴希は、ドライバーとリングを使い、“仮面ライダーウィザード”に変身することができた。ウィザードになったことで、晴希は“自分の命を懸けて助けてくれた”出久を助けるために、自分の中にいるウィザードラゴンとビーストキマイラを制御できるように、出久達と一緒に旅に出た。

彼自身、誰かの希望になれるように…。

 

 

出久が“晴希の希望になったように…”

 

 

 

晴希「これが、俺がウィザードになるまでの誕生秘話ってやつだよ。」

 

 

晴希の話を聞いた全員は、晴希を命懸けで助けた出久に称賛をあげていた。

 

 

飯田「緑谷君、君ってやつは…ウウッ」

 

切島「緑谷ぁぁぁぁぁッ、やっぱお前漢だぜ‼️」

 

徹鐵「同感だぁぁぁぁぁッ‼️」

 

耳郎「暑苦しいわ‼️」

 

障子「緑谷はやはり強いな。」

 

瀬呂「そりゃ友達助けるためにやったんだから、強ぇだろ。」

 

常闇「障子が言いたいのは、そういうことではない。」

 

砂藤「どういうことだ?」

 

尾白「心の強さってことだよ。」

 

 

目の前で誰かが困っていたとき、自然と手が出るだろうか?

 

答は否だ。

 

人間とは、本能的に自分を守ろうとする自己防衛が先に働く。危険なことに自分から進んでいくものはそうそういるものではない。

だが出久は違う。危険を顧みず、友達を助けるために前に進んだのだ。これはヒーローとして、とても重要なものなのである。出久はヒーローになる素質があると相澤先生は感じ取った。

 

 

相澤(やはり操真の話を聞かせて正解だったな。もしかしたらコイツらにいい刺激になると思ったが…。それに、緑谷の行動はヒーローとして必要な“命を懸けて助ける”だ。自分より友を、他人を優先したコイツはヒーローに最も近いかもしれないな。)

 

 

相澤「よしお前ら。操真の話を聞いてどう思ったかは個人の自由だ。だが、お前らの個性はヒーローになる切欠に過ぎない。もう一度、“自分がどんなヒーローになりたいか”それをよく考えておけ。今回の話は、お前らを含めて俺にもいい刺激になった。ヒーローってのは、いったいどういうものなのかもしっかり考えておけ。

それでは、授業はこれまでとする。」

 

 

こうしてウィザード誕生秘話は終わった。

 

次はいよいよ、体育祭である

 

 

 

 

峰田「かわいいねぇちゃんとか色気話がないのはなんかなぁー。」

 

 

蛙吹「峰田ちゃん、ぶれなすぎよ。」

 

 

八百万「呆れを通り越して尊敬しますわ。」

 

 

一同『うんうん。』

 

峰田「やだな~みんな、褒めんなよ。」テレッ

 

 

一同『褒めてねぇよ。』

 

 

相澤「…峰田、お前除籍にするか?」

 

 

峰田「納得できねぇっす‼️」

 




ドラゴキマイラファントム


晴希の身体の中にいる人工ファントム“ウィザードラゴン”と“ビーストキマイラ”が晴希の身体を使って具現化したファントム。

右肩にライオン、左肩にバッファローの顔が付いており、左翼が鷲の翼、右翼がイルカのヒレの形状をしている。また、尻尾はカメレオンの舌がモチーフになっている。

人工ファントムとして身体に入れられたため、宿主である晴希の身体を使わなければ、ファントム態にはなれない。
また、暴走した要因は、勝手に作り出され、無理矢理知らない晴希の身体に入れられた嫌悪感からくるものだった。


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雄英体育祭開幕

体育祭はじめていきます。
ここらでライダーアイコン出していこうかと思います。



ではどうぞ


晴君の“ウィザード誕生秘話”を話してから数日が経ち、今日は雄英高校体育祭である。

 

 

PM『雄英体育祭!ヒーローの卵たちが我こそはとしのぎを削る年に一度の大バトル‼️どうせテメーらアレだろ、こいつらだろ⁉️敵襲撃を受けたにもかかわらず鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星‼️

ヒーロー科‼️

1年A組だろぉぉぉ‼️』

 

 

プレゼント・マイクとその隣に座っている相澤先生がいる雄英高校に作られたドーム。それは大きく一年、二年、三年と学年ごと3つに分けられていた。

 

 

PM『B組に続いて普通科C・D・E組・・・!!サポート科F・G・H組も来たぞー!』

 

 

今年入学した僕達雄英高校1年が、ドーム中央に集まった。

 

 

葉隠「うぅ~、緊張する~。」

 

 

飯田「見に来ているのは、一般市民だけではなくプロヒーローもいるんだ。葉隠君の緊張も分かる。」

 

 

切島「体育祭で目立ってプロヒーローにグンと近づこうぜ‼️」

 

 

峰田「オイラも目立って目立って目立ちまくって、モテモテになるぞ~‼️」

 

 

耳郎「もう止めるのも疲れた…」

 

 

蛙吹「諦めましょう耳郎ちゃん、峰田ちゃんのあれはもう不治の病よ。」

 

 

尾白「リカバリーガールでも治せないね。」

 

 

1-A『うんうん。』

 

 

???「静かに!選手宣誓‼️」

 

 

 主審を務めるのは18禁ヒーローのミッドナイト(以降MN)であった。ミッドナイトのヒーローコスチュームはヒーロー業界でも波紋を呼んだ起源となっている。

 

常闇「18禁ヒーローなのに高校にいてもいいのか?」

 

峰田「いい!」

 

 常闇君の疑問に峰田君は叫んで言った。

峰田君、ホントにぶれないねぇ…。

 

MN「静かにしなさい!選手代表、緑谷出久君‼️」

 

ミッドナイトに呼ばれ、僕は壇上に向かう。選手代表は入試の高得点獲得者が務めるらしい。実は高得点獲得者はかっちゃんなのだが、相澤先生に僕が指名された。

 

というのも…

 

 

 

回想

 

 

相澤『あ、そうだ。体育祭の選手宣誓だが、これは入試の時に最もポイントを稼いだヤツにやってもらうことになっている。今年は爆豪なんだが…。

緑谷、お前がやれ。』

 

 

出久『えっ、僕ですか⁉️』

 

 

勝己『なんでだ先生‼️』

 

 

相澤『爆豪がやると挑発して他クラス全部を敵にまわす可能性があるからな。』

 

 

一同『『『『確かに。』』』』

 

 

勝己『何納得してんだコラァァッ‼️』

 

 

相澤『挑発するのは構わん。“あいつを倒して一番になってやる”という向上心が生まれるからな。しかし、爆豪がやれば他クラス全部を敵にまわすだけじゃなく、1-Aの品格を疑われるからな。体育祭後も白い目で見られるかもしれんぞ。』

 

 

勝己以外男子一同『『『『頼む緑谷‼️』』』』

 

 

女子一同『『『『『お願いします‼️』』』』』

 

 

相澤『じゃあ賛成多数で決定な。頼むぞ緑谷。(爆豪が宣誓なんてやったら俺の給料にも影響が出てくるかもしれん。)』

 

 

出久『は、はい。(なんか先生から別の意図が…)』

 

 

勝己『クソがぁぁぁぁぁッ‼️』

 

 

 

 

回想終了

 

 

…と、まあこんなことがあり、かっちゃんを宥めるのに凄く苦労したのは別の話。

 

 

…僕に決めたら、先生直ぐ職員室戻っちゃうんだもんなぁ…

 

 

そんなことを考えながら僕は壇上に立つ。

 

 

出久「宣誓‼️我々雄英1年一同は、ヒーローマンシップにのっとり、正々堂々競い合うことを誓います‼️」

 

 

切島「思ったより普通じゃね?」ヒソヒソ

 

 

瀬呂「まあ緑谷だしな。」ヒソヒソ

 

 

 

 

出久「そして‼️」

 

 

1年一同(((((((まだあるのか⁉️)))))))

 

 

 

出久「この体育祭において、自分のなりたいヒーローに一歩でも近付いていこうと思います‼️

自分の掲げるヒーロー像を見つめ、ヒーロー科・普通科・サポート科・経済科全ての生徒は、今の自分に出せる全力を出しきり、また限界を越えて“自分のなりたいヒーロー像”を確かなものにしていけるよう頑張ります‼️選手代表、1年A組緑谷出久‼️」

 

 

ウオォォォォォォォォーーーーッ‼️

 

 

切島「いいぞ緑谷ァ‼️」

 

 

瀬呂「かっこいいぞぉ緑谷‼️」

 

 

晴希「いずっくんらしい。」

 

 

轟「…全力か、やってやる!」

 

 

マミ「流石は出久様ですわ♪」

 

 

徹鐵「おっしゃあ‼️やる気出てきたぞぉ‼️」

 

 

心操「学科関係なくか、やってやるか。」

 

 

発目「緑谷さんの近くにいれば、必然的に私のベイビー達が目立ちます‼️」

 

 

 

皆それぞれの思いを胸に体育祭は始まった。

 

 

 

 




次回第一種目で変身ですのでお待ちを


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第一種目 障害物競争と三人同時変身そして武士

お待たせしました。今回は、出久・晴希・マミを変身させます。

マミは完全なネクロムではなく、ライダー少女のような姿にしようかと思います。


ではどうぞ。


MN「さーて、それじゃあさっそく第一種目行きましょう。」

 

 

麗日「雄英ってなんでもさっそくやね。」

 

 

ミッドナイトの進行に麗日がツッコミを入れる。確かに、他の学校なら校長先生の挨拶とかあるのに…

 

※校長先生の挨拶と来賓紹介長いよねぇー

 

 

MN「いわゆる予選よ!毎年ここで多くの者がティアドリンク‼️涙を飲むわ‼️さて運命の第一種目‼️今年は……

コレ‼️」

 

モニターには障害物競走と表記されていた。

 

出久「障害物競争!」

 

 

出久は文字をそのまま読み上げる。

 

 

MN「計11クラスでの総当たりレースよ!コースはスタジアムの外周約4km!我が校は自由が売り文句!ウフフフ……コースさえ守れば“何をしたって”構わないわ!さあさあ位置に付きまくりなさい。」

 

 ミッドナイトの言葉で一斉にスタートラインに立つ雄英高校一年生徒全員。そして三つのランプが光った。

 

 

MN「スターーーーーーーーーーーーーート!」

 

 

ミッドナイトのスタート合図で1年全員が走り出す。

しかし、1年全員が参加しているこの障害物競争、先頭にいる面々はともかく後ろにいる生徒達はすでに不利な状況なので、周りを押し退けて行こうとする生徒がほとんどで、すでにごった返している。

 

 

PM『さあ始まったぁ‼️第一種目の障害物競争‼️1年全員参加のこの種目、一体誰がトップでゴールするのか……って、おいおいどうした⁉️A組の緑谷と操真、そしてB組の音黒はまだスタート地点にいるぞ⁉️』

 

 

相澤『緑谷がいる次点で何か考えがあるんだろ。』

 

 

プレゼント・マイクの言うように、スタート地点には出久・晴希・マミの3人が残っている。

 

 

出久「じゃあ行こうか。」

 

 

晴希「あぁ。」

 

 

マミ「はい、出久様♪」

 

 

出久はゴーストドライバーを展開し、晴希も腰に手をかざす。

 

 

???『ドライバーオン、プリーズ。』

 

 

すると晴希の腰に中心が手のひらを模したベルト“ウィザードライバー(以降WD)”が展開された。

 

出久とマミはそれぞれ眼魂を取り出し、出久はゴーストドライバーにマミはガントレット型の変身アイテム“メガウルオウダー(以降MU)”に眼魂をセットする。

 

GD『アーイ‼️バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️』

 

 

WD『シャバドゥビタッチヘンシン‼️シャバドゥビタッチヘンシン‼️』

 

 

MU『スタンバイ。』

 

 

そして、おなじみの台詞を3人で叫ぶ。

 

 

出・晴・マミ「「「変身。」」」

 

 

GD『開眼‼️オレ‼️レッツゴー、覚悟‼️ゴ・ゴ・ゴースト‼️』

 

 

WD『フレイム、プリーズ。ヒーヒーヒーヒーヒー‼️』

 

 

MU『イエス、マム。ローディング。点眼‼️ネクロム、メガウルオウド‼️クラッシュザインベイダー。』

 

 

出久はパーカーゴーストを纏って“仮面ライダーゴースト”に、晴希はドライバーに翳した左手を左に伸ばし、展開された魔方陣が晴希を通過する。

 

黒を基調としたボディとローブ、ルビーを彷彿させる仮面を身に付けた絶望を希望に変えるもの“仮面ライダーウィザード”に、マミはメガウルオウダーをタッチし、出現したパーカーゴーストを纏う。

 

白のボディに黒を基調とした裾の長い緑のパーカーゴーストを纏い、右目にカメラのレンズのようなルーペと額に、ゴースト同様1本の角を付けた“仮面ライダーネクロム(ライダー少女ver)”にそれぞれ変身した。

 

 

 

PM『これはいかすぜぇぇぇ‼️スタート地点に残っていた3人が変身したぁぁぁぁぁ‼️』

 

 

相澤『緑谷の個性は“ゴースト”。世界で名を馳せた偉人の力を宿した眼魂を駆使して戦うことができる。

操真の個性は“ウィザード”。腰のウィザードライバーを通して、ウィザードリングと呼ばれる指輪に秘められた魔法を使う。

そして音黒の個性は“ネクロム”。使うものは緑谷同様眼魂だが、音黒の場合姿が異なるらしい。』

 

 

PM『突然の個性説明サンキューイレイザー‼️そんなこんなで3人もスタートしたぞ‼️まさか変身見せてくれるとは思わなかったぜ‼️だが、お陰で観客席やテレビ前のリスナー達はテンションMAXだぁぁぁ‼️』

 

 

変身を完了させた出久達は走り出し、第一障害物に当たる。

 

 

 

PM『第一種目は障害物競走!この特設スタジアムの外周を一周してゴールだぜ!!ルールはさっきミッドナイトが説明した通りコースアウトしなけりゃなんでもありの残虐チキンレースだ!!各所に設置されたカメラロボが興奮をお届けするぜ!』

 

 

 1年の部障害物競走をノリノリで解説するプレゼント・マイク。

 

出だしから大技を見せた轟は0P仮想敵を凍らせ障害を排除、そして同時に妨害をした。その際に約二名の生徒が下敷きになり、誰もが死んだかと思われたがその予想は大きく覆された。

 

 

切・徹「「死ぬかぁぁぁぁぁ‼️」」

 

 

切島「轟の野郎、わざと倒れるタイミングでやりやがったな⁉️俺達じゃなかったら死んでたぞ!なぁ鉄哲‼️」

 

 

徹鐵「全くだ‼️あいつは血と涙も凍ってんのか⁉️」

 

 

下敷きになったのは、切島・徹鐵の熱血コンビだった。

身体を硬くする似たような個性を持っているため、潰されることはなかったらしい。

 

 

轟「お前らなら大丈夫だと思ってやったんだ。そもそもこのくらいの篩はしのがねぇとな。」

 

 

第一関門“ロボ・インフェルノ”

入試の時に登場した0P仮想敵を配置したもの。標的を1年として襲ってくる。

 

 

出久「やるねぇ轟君。僕も負けてられないや‼️」

 

 

出久は【7】と書かれた眼魂を取り出し、ドライバーにセットする。

 

 

GD『アーイ‼️バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️』

 

 

ゴーストドライバーから発せられた音と同時に、“白い”パーカーゴーストが出現する。

 

 

古の都に1人の武士(もののふ)がいた。その武士はある橋の上で、通りすがりの武士に勝負を申し込んだ。愛用の薙刀を振るい、倒した武士から武器を奪った。その数は999本、刀から槍まで様々であった。

そして1000本目に達しようとしたとき、武士は負けた。武士は己を負かした侍に忠誠を誓い、死ぬまで主に仕えた。

999本もの武器を持ち、忠義を尽くした武士。

 

その名は

 

GD『開眼‼️弁慶。兄貴ムキムキ‼️仁王立ち‼️』

 

 

武蔵坊弁慶の力を宿した白を基調としたパーカー、顔には弁慶を象徴する武器が描かれている。

出久は“仮面ライダーゴースト・ベンケイ魂”にゴーストチェンジした。

 

 

PM『出ぇたぁぁぁぁぁ‼️ゴーストの真骨頂ゴーストチェンジ‼️戦闘の状況、場において様々な形態に変わる能力‼️変身の際、ベルトから偉人の名前が発せられるから、歴史が苦手なやつはちゃんと聞いとけ‼️いい勉強になるぞ‼️』

 

 

相澤『今緑谷が使ったのはベンケイ魂、武蔵坊弁慶の力を宿した眼魂だな。京都の五条橋で999本の武器を携えたと言われる偉人だ。』

 

 

PM『説明サンキューイレイザー‼️俺は歴史が苦手だから説明しづらくて‼️』

 

 

相澤『自分の国のことなんだから覚えとけ山田。』

 

 

PM『本名呼ぶな‼️』

 

 

ベンケイ魂にゴーストチェンジした出久は、他の選手を襲っている0P仮想敵の所へ向かう。

 

 

0P『標的確認。排除シマス。』

 

 

巨大な右腕を選手達に振り下ろされる。

 

 

出久「はぁッ‼️」

 

 

出久が0P仮想敵の攻撃を両手で止めたのだ。

 

 

出久「みんな、早く行くんだ‼️」

 

 

選手達は口々に出久にお礼を言いながらゴールへ向かう。

 

 

出久「はぁぁぁぁぁぁッ‼️でりゃぁぁぁぁぁ‼️」

 

 

そして出久は仮想敵の腕を掴み、他の仮想敵に向かって“仮想敵を投げ飛ばした”。

 

 

PM『すげぇぞ緑谷ぁぁぁぁぁ‼️仮想敵の攻撃を防いで、生徒を守っただけじゃなく、他の仮想敵に捕まえた仮想敵を投げ飛ばしたぁぁぁぁぁ‼️なんちゅうパワーだぁぁぁぁぁ‼️』

 

 

相澤『武蔵坊弁慶は、並外れた巨体とそのパワーがうりだ。この位お手のものだろう。』

 

 

晴希「やるねぇいずっくん。俺もぼちぼちやってこうかな。」

 

 

晴希も出久同様、仮想敵に向かって走り出す。すると“手を巨大化させる個性”をもった女子が、2体の仮想敵に攻撃を受けていた。

 

 

晴希「ありゃまずいな。」

 

 

そう呟いた晴希は、右手のウィザードリングを付け替えた。

 

 

WD『ルパッチ・マジック・タッチゴー‼️ルパッチ・マジック・タッチゴー‼️

 

エクステンド‼️プリーズ。』

 

魔法が発動して、晴希の右腕に魔方陣が展開される。晴希は魔方陣を通った腕を女子に向かって“伸ばした”。

 

 

???「えっ⁉️きゃあ‼️」

 

 

いきなり腕を掴まれて驚きを隠せない女子だが、仮想敵の攻撃が迫るなかその“伸びた腕”に引っ張られ、危機を脱した。

 

 

PM『こいつはすげぇーーー‼️魔法で伸ばした腕で、仮想敵に攻撃されていた女子を救ったーーー‼️』

 

 

腕を掴まれた女子“拳藤一佳”は、助けてくれた人物“操真晴希”をみる。黒を基調としたボディとウィザードローブ、ルビーを彷彿させる仮面は、どこか“魔法使い”を連想するフォルムだった。

 

 

拳藤「ありがとう、助かったよ。」

 

 

晴希「気にしない気にしない。」

 

 

拳藤「A組の操真だよね。私はB組の拳藤一佳、よろしく。」

 

 

晴希「ご丁寧にありがとう。知ってると思うけど、A組の操真晴希、よろしく。」

 

 

お互いに挨拶をしていると

 

 

仮想敵『標的確認。排除シマス。』

 

 

仮想敵『排除シマス。』

 

 

仮想敵が拳藤と晴希を襲い始めた。しかし、

 

 

晴希「静かにしてろって。」

 

 

WD『バインド。プリーズ。』

 

 

仮想敵の周りに複数の魔方陣が展開され、魔方陣から伸びた鎖が2体の仮想敵を拘束する。

 

 

拳藤「…すごい‼️」

 

 

2体の仮想敵の動きを止めたことに、拳藤は素直に感動していた。

 

 

晴希「時間がないから終わらせる。」

 

 

WD『コピー。プリーズ。』

 

 

拳藤「増えた⁉️」

 

 

コピーウィザードリングで2人になった晴希は、更にウィザードリングを翳す。

 

 

WD『ルパッチ・マジック・タッチゴー‼️ルパッチ・マジック・タッチゴー‼️』

 

 

晴希「「フィナーレだ。」」

 

 

WD『チョーイイネ。キックストライク‼️サイコー‼️』

 

 

晴希は、仮想敵に向かって走り出し、側転後に跳躍し空中で身体を捻る“ロンダード”を行い、

 

 

晴希「「はぁぁぁぁぁぁッ‼️」」

 

 

ウィザードの必殺キック“ストライクウィザード”が仮想敵に決まり、仮想敵の後方へ着地すると仮想敵は爆発を起こした。

 

 

PM『またまたすげぇーーーッ‼️魔法で仮想敵を鎖で拘束したと思ったら操真が2人になって、必殺キックで仮想敵2体を撃破‼️今年の1年すげぇのばっかだなぁ‼️』

 

 

相澤『緑谷も操真もただ敵を倒すんじゃなく、周りにいる生徒を助けつつ動いている。“危険から市民を守るヒーロー”としての合理的な戦法だ。…若干派手だがな。』

 

 

 

プレゼント・マイクの実況を聞き、確かに今年の1年生は粒揃いだと感じている個性の“上部だけ”をみているプロヒーローと、相澤の解説を聞き、“ヒーローとしての本質”を改めて考え直していたヒーローとで観客席は割れていた。

 

 

 

拳藤「キレイ…////」ホォー

 

 

拳藤は、晴希がロンダードを行った一連の動作に見惚れていた。

 

 

晴希「ふぃ~。ん?どした?」

 

 

拳藤「な、何でもない‼️さ、さぁ行きますか‼️」////

 

 

呆然としていた拳藤に声をかけたら、顔を真っ赤にしてさっきに行ってしまった。

 

 

晴希「?」

 

 

何がなんだか分からないまま、晴希もゴールに向かいだした。

 

 

 

 

マミ「あらあら、晴希さんも罪な方ですわ♪」

 

 

1体の仮想敵を操り、他の仮想敵を倒していくマミは、理由を察し微笑んでいた。

 

 

障害物競争はまだ始まったばかりである。

 

 

 

 

 

~オマケ~

 

 

峰田「あれが音黒が変身するネクロムってやつか?…なかなかエロいですなぁ~。」

 

 

砂藤「ホントぶれねぇな、峰田のやつ。」

 

 

口田「…」コクコク

 

 

常闇「何故かたくましく感じるな。」

 

 

葉隠「なんでこの状況でもああしていられるんだろう?」

 

 

蛙吹「考えるだけ無駄よ、葉隠ちゃん。」

 

 

芦戸「あれが治せるサポートアイテムを発目に頼む?」

 

 

麗日「頼むだけ無駄やよ。」

 

 

耳郎「ありゃ死んでも治らないな。」

 

 

一同『うんうん。』




障害物競争終わらなかった‼️


仮面ライダーネクロム(ライダー少女ver)

マミが変身するネクロムは白のボディに黒を基調とした裾の長い緑のパーカーゴーストを纏い、右目にカメラのレンズのようなルーペと額に、ゴースト同様1本の角を付けたもの。


出久のゴースト同様の能力だが、意思をもたない物なら操ることができる。
ただし、脳無のような相手を操る場合、身体に相当の負荷がかかるので、多用は現状難しい。


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障害物競争の行方と音速の昆虫

そろそろビルドも佳境ですねぇー。

難しい親子愛だと思いました。

この作品は、どうやってビルド出しましょう。


ここでライダー眼魂だします。


第一関門を切り抜けると次に待っていたのは足場がわずかしかない場所であった。

 

 

PM『緑谷と操真のレスキューがあったが、第一関門なんなく終了!んじゃ第二はどうだ!?落ちればアウト!!それが嫌ならはいずりな!!ザ・フォーーーーーーーーーール‼️』

 

 

 プレゼント・マイクがノリノリで実況をする中、蛙吹は綱を渡り始める。

 

 

蛙吹「大げさな綱渡りね。」

 

 

 麗日と芦戸が立ち止まっている隣でサポート科の発目がその状況を喜んでいた。

 

 

発目「フフフフフフ、来たよ来ましたよアピールチャンス!私のサポートアイテムが脚光を浴びる時!見よ、全国のサポート会社!ザ・ワイヤーアウト&ホバーソール」

 

 

麗日「発目さん⁉️」

 

 

芦戸「えー、アイテムの持ち込みいいの⁉️」

 

 

驚く二人に発目は説明をした。

 

 

発目「ヒーロー科は普段実践訓練を受けているでしょう?“公平を期す為”私たちは自分の開発したアイテム・コスチュームに限り装備オッケー!と言われています。むしろ…」

 

 

発目はワイヤーを対崖の方へ跳ばす。

 

 

発目「サポート科のわたしたちにとっては己の発想・開発技術を企業にアピールする場なのです、フフフフフ‼️」

 

 そう言うと発目は飛び降りる。断崖をホバーソールで登りスムーズに進んでいく。

 

 

発目「さぁ見てくださいデカイ企業―!!私のドッ可愛いぃぃぃベイビーを‼️」

 

 

その光景に呆気を取られていた二人は我に返り追いかけ始める。

 

 

麗日「すごい!負けない!」

 

 

芦戸「くやしー!悪平等だ!」

 

 

出久は“ゴースト”の特徴をフルに生かしていた。“空中浮遊”を使い、そのまま行こうとしたが、

 

 

出久「峰田君いつの間に…。」

 

 

峰田「緑谷がいれば、確実に抜けられると思ったので。」

 

 

“もぎもぎ”を使い出久にくっついている峰田がいた。

 

 

上鳴「峰田ぁぁぁぁぁ‼️ずりぃぞ‼️」

 

 

晴希「ゴールするまでは“なんでもあり”だからねぇ。個性使って他を利用するのも大事だよ。」

 

 

拳藤「それっていいの?」

 

 

晴希と一緒に来ていた拳藤が疑問に思った。同時に到着した他の生徒たちも疑問に思っていたのか、立ち止まった。

 

 

晴希「別に悪いことじゃない。戦場において向き不向きは必ず存在する。それをカバーする上で、相手の力を利用して勝利に導くのは時には必要なことさ。敵がヒーローを誘き寄せるのに、市民を襲ったり街を破壊するのは、ヒーローの正義感を利用した戦法の1つだよ。」

 

 

一同『へぇー。』

 

 

一同が晴希の話に納得している間に、晴希は“赤”のウィザードリングから“緑”のウィザードリングに付け替えた。

 

 

晴希「それじゃ、俺も行くね?」

 

 

WD『ハリケーン。プリーズ。フーフー、フーフーフー、フーフー‼️』

 

 

晴希は炎を司る“フレイムスタイル”から風を司る“ハリケーンスタイル”にフォームチェンジする。

 

 

晴希「お先に失礼。」

 

 

拳藤「あっ、待って‼️」ガシッ

 

 

風の魔法で飛んでいく晴希の足に拳藤が掴まり、そのまま先へ進んでいく。

 

 

一同『お前も飛ぶのかぁぁぁぁぁ‼️』

 

 

 

 

 

 

 

“ザ・フォール”を最初に切り抜けたのは轟、次に爆豪であった。その後を飯田が続くがバランスを取るために両手を広げ直立と理にはかなっているがカッコ悪い姿であった。

 

 

PM『先頭が一足抜けて下はダンゴ状態!上位何名が通過するかは公表しねぇから安心せずにつき進め‼️そして早くも最終関門‼️かくしてその実態はーーーーーーッ。面地雷原‼️“怒りのアフガン“

地雷の位置はよく見りゃわかる仕様になってんぞ!目と足、酷使しろ‼️ちなみに地雷!威力は大したことねぇが音と見た目は派手だから失禁必至だぜ!』

 

 

相澤『人によるだろ。』

 

 

 ノリノリで解説するプレゼント・マイクに相澤はツッコミを入れた。

 

 

峰田を引っ付けた出久と拳藤に足を掴まれた晴希、そしていつの間にかマミが“怒りのアフガン”の前で立ち止まっていた。

 

 

マミ「峰田さん、出久様にくっついていた件、後で詳しくお聞かせ願います?」ニコッ

 

 

峰田「美人の笑顔なのにめちゃくちゃ恐ぇぇぇ‼️」

 

 

拳藤「マミ、いつの間に…。ってか恐ッ‼️」

 

 

晴希「そりゃいずっくんにくっついて来たんだから怒られるわな。…後で骨は拾ってあげるよ。」ボソッ

 

 

出久「ボソッと恐いこと言わないの晴君‼️マミさんも落ち着いて‼️」

 

 

マミ「はい出久様♪」

 

 

出・峰「「はぁぁ~。」」

 

 

拳藤「変わり身はや⁉️」

 

 

晴希「いつものこと。」

 

 

軽くコントをしている間に、轟と勝己がトップ争いをしていた。飯田は爆発する前に速く走って切り抜けようとするが、足が着いた瞬間爆発するのでなかなか前に進めないでいた。

 

 

峰田「なぁ緑谷、どうやったら抜けられんだここ?」

 

 

拳藤「地道に地面見ながら地雷避けて行った方がいいんじゃない?」

 

 

拳藤の考え方が一番この状況を楽に突破できる。そのため、他の生徒たちも次々と地雷を避けて進んでいく。

 

 

晴希「それだとリスクが高すぎる。」

 

 

マミ「ええ。轟さんは地雷を凍らせて進み、爆豪さんは自身の爆破の衝撃で進んでいます。互いに得意分野を生かしているのでほぼノーリスクで行けるのに対し、他の皆さんは地雷を避けながら進みつつ、轟さん達の妨害を警戒しなければなりません。」

 

 

峰田「じゃあどうすりゃいいんだよ⁉️」

 

 

マミの解説に峰田は完全にテンパる。

 

 

 

出久「爆発する前に移動すればいい。」

 

 

峰・拳「「はい?」」

 

 

出久の答えに、峰田と拳藤は思わず呆けてしまった。

 

 

峰田「なに言ってんだよ緑谷⁉️飯田の速さで爆発するんだから無理だろ⁉️」

 

 

出久「飯田君より速く移動すればいいんだ。」

 

 

拳藤「無理でしょ‼️」

 

 

飯田の個性は、スピードに特化した個性。それより速く移動出来るものなど今現在ここに存在しないのだ。

 

 

 

この世界では…

 

 

 

出久の発案を否定している峰田と拳藤をよそに、出久は“メタリックレッド”の眼魂を取り出した。

そこには、【07】の間に、小さく“R”と書かれていた。

 

 

晴希「…なるほど、“クロック・アップ”か。」

 

 

マミ「流石ですわ、出久様♪」

 

 

峰・拳「「クロック・アップ?」」

 

 

出久が出した眼魂をみて納得した晴希とマミ。知らないワードが出てきて疑問符を浮かべる峰田と拳藤。

 

 

出久「貴方の力を使わせていただきます、“総司師匠”。」

 

 

GD『アーイ‼️』

 

 

GD『バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️』

 

 

眼魂をセットするとパーカーゴーストが出現する。しかし、いつものパーカーゴーストと少し違っていた。

赤を基調とした鎧のようなパーカーゴーストが、右手の部分を上に上げるようなポーズをとると、パーカーゴーストの横に“カブトムシ”を連想させる赤い戦士の幻影が出現した。

 

 

拳藤「な、なにこれッ⁉️」

 

 

峰田「確かあれって…。」

 

 

 

 

東京渋谷に突如飛来した隕石。隕石の衝突で東京の人口の半分以上が死亡した。それだけでは留まらず、隕石の中から異形の生命体が地球に放たれた。

地球外生命体“ワーム”は、人間に“擬態”して人間を捕食していた。

ワームに危機感を抱いた日本警察は、ワームに対抗するためある組織を設立した。

 

 

その名は“ゼクト”

 

 

警察はワームの脅威に対抗するため“ライダーシステム”を造り出した。

数ある“ライダーシステム”の中でも特に強い力を持つ“それ”は、ある男が所有していた。

 

 

総司『おばあちゃんは言っていた。“世界は自分を中心に廻っている”と。』

 

 

男の名は“天道総司”

 

 

天の道を行き、総てを司る彼は“カブトゼクター”を使い、ワームの脅威から人々を守るヒーローに変身する。その名は…

 

 

 

GD『開眼‼️カブト‼️今すぐ加速‼️キャスト・オフ‼️』

 

 

“仮面ライダーカブト”

 

 

光速の仮面ライダーである。

 

 

メタリックレッドのパーカーを羽織り、フードにはカブトムシを思わせる角があり、“仮面ライダーカブト”の顔が浮かび上がる。

 

出久は仮面ライダーゴースト“カブト魂”へと変身した。

 

 

PM『なんじゃこりゃぁぁぁぁぁッ‼️緑谷のゴーストチェンジは偉人だけじゃねぇのか⁉️そんなカブトムシみたいな偉人っていうかヒーローはいねぇぞ⁉️』

 

 

相澤『…(あれが緑谷達以外の仮面ライダーの力か。どんな世界観か聞く必要があるな。)まあなんにせよ、あれにチェンジしたってことはいい方法が浮かんだんだろ。』

 

 

 

 

出久「もう時間がないし、一気に行くよ。峰田君はもぎもぎの準備。マミさんと拳藤さん、晴君は掴まって。」

 

 

峰・拳「「は、はい‼️」」

 

 

晴希「了解。」

 

 

マミ「畏まりました。」

 

 

出久の発言に動揺する峰田と拳藤だが、出久の言うとおり“もぎもぎ”を発動する峰田。もぎもぎを背中に着けた出久に、もぎもぎを利用して晴希・拳藤・マミがくっつく。

そして出久は、峰田を左腕で担ぐ。

 

 

峰田「なぁ緑谷、なんでオイラ担がれてんだ?」

 

 

出久「このままだと峰田君、マミさんと拳藤さんにセクハラ紛いなことをしそうだからね。」

 

 

峰田「ギクッ。」

 

 

もぎもぎで出久にくっついていることに便乗して、マミと拳藤の身体を触ろうと画策していた峰田。

それを察知した出久は峰田を担いで拘束することにした。そして、峰田も否定しないあたり図星だったらしい。

 

 

 

晴希「隠す気ないなぁ~、峰田。」

 

 

拳藤「…最低(でも、操真ならいいかなぁ…って何考えてんの⁉️)。」////ブンブン

 

 

晴希「?」

 

 

マミ「峰田さん?あまりにオイタが過ぎると、殺しますわよ?」ニコッ

 

 

峰田「ヒィィィィ。」ガタガタブルブル

 

 

出・晴・拳(((恐ッ⁉️)))

 

 

出久「そ、それじゃ行くよ‼️」

 

 

GD『大開眼‼️オメガドライブ‼️』

 

 

オメガドライブが発動すると、出久以外の動きが止まったような現象になった。

 

 

“クロック・アップ”

 

 

カブトシリーズの仮面ライダーが使う特徴的な能力。

空気中にあるタキシオン粒子を吸収し、爆発的な速度で移動することができる。

クロック・アップ使用中は、光速移動中のため発動者以外の動きがまるで止まったかのように見える。雨やビルから落ちてくる瓦礫でさえ、空中に留まる。

 

 

出久はクロック・アップの世界を走り抜け、動きを止めている轟と勝己を追い抜いてゴールする。

 

ゴールと同時にオメガドライブの効果が切れる。そして峰田のもぎもぎの効果も切れ、晴希達もゴールした。

 

 

轟「何⁉️」

 

 

勝己「デクッ‼️いつの間に俺の前に⁉️」

 

 

2人が驚愕していると、後方にある地雷がゴールに向かって爆発した。

 

 

 

PM『ゴ、ゴーーーーーーーール‼️なんだなんだ⁉️何が起こりやがったぁ⁉️緑谷達が消えたと思ったらいつの間にか轟、爆豪を追い抜いてゴール‼️しかも勝手に地雷が爆発したぞぉ‼️』

 

 

相澤『恐らくあのゴーストチェンジの能力だろう。瞬間移動のように見えるが、それだったら地雷が爆発するのはおかしい。俺達が肉眼では捉えられない程の速度で移動したんだろう。踏んで直ぐに爆発する地雷が遅れて爆発したのは、爆発する前に走り抜けることができる程の速度ってことだ。』

 

 

 

PM『長ったらしい説明サンキュー、イレイザー‼️何はともあれ、第一種目障害物競争の勝者は、1年A組緑谷‼️それにちゃっかり便乗した同じくA組の峰田と操真、そして1年B組の拳藤と音黒だぁぁぁぁぁ‼️』

 

 

 

ワァァァァァァァァァ‼️

 

 

怒号のような歓声が響くなか、爆煙を背に出久は右手を伸ばし、人差し指を空に向けてポーズをとっていた。

 




結構強引にライダー眼魂出しました。

次誰出そうかな?


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第二種目 騎馬戦とプチ修羅場と赤き龍騎士

テレビシリーズの仮免試験早くやりたいなぁ~。


ここでは、騎馬戦に習い、馬ではなく、“赤き龍”に乗ってもらいます


勝己「デェェェェクゥゥゥゥ‼️」

 

 

ゴールしてから暫くして、かっちゃんが鬼の形相で迫ってきた。

 

 

勝己「俺様差し置いてゴールってのはどういうこったぁぁぁぁぁ‼️」

 

 

出久「お、落ち着いてかっちゃん‼️冷静に、冷静にね⁉️」

 

 

かっちゃんを宥めていると、次々と他の生徒達がゴールしてきた。。

 

 

MN「予選通過は上位42名‼️残念ながら落ちちゃった人も安心しなさい!まだ見せ場は用意されているわ‼️そして次からいよいよ本選よ‼️ここから取材陣も白熱してくるよ!気張りなさい!」

 

 

ミッドナイトが選手に激励を送る。

 

 

MN「さーて、第二種目!私はもう知っているけど~~~~~~~何かしら!!?言っている側からコレよ!!!!」

 

 

ディスプレイには”騎馬戦!”と表記されていた。

 

 

上鳴「騎馬戦?」

 

 

蛙吹「個人競技じゃないけどどうなっているのかしら?」

 

 

上鳴君が読み上げ、梅雨ちゃんが疑問に思う。

 

 

MN「参加者は2~4人のチームを自由に組んでもらうわ!基本は普通の騎馬戦と同じルールだけど一つ違うのが先ほどの結果に従い各自にポイントが振り当てられること!」

 

 

砂藤「入試みてぇなポイント稼ぎ方式か、わかりやすいぜ。」

 

 

障子「つまり組み合わせによって騎馬のポイントが違ってくると。」

 

 

砂藤君と障子君が理解するとミッドナイトがバラ鞭を鳴らす。

 

 

MN「あんたら、私が喋ってんのにすぐ言うね‼️ええ、そうよ!そして与えられるPは下から5Pずつ!

42位が5P。41位が10Pといった具合よ。そして…

1位に与えられるPは1000万‼️‼️」

 

 

その言葉に僕も、選手一同も驚く。

 

 

MN「上位の奴ほど狙われちゃう――――――下剋上サバイバルよ!」

 

 

 

その言葉を聞くと出久は“あるライダー世界”と“あるライダー達”を思い出した。

 

生き残りを掛けて戦い、最後の1人となった勝者には、“あらゆる望みを叶える。”

鏡の世界“ミラーワールド”を舞台とし、ミラーワールドを閉じ、“戦いを終わらせるため、人を守るためにライダーになった男”。

 

世界は裏から“ある森”によって侵食され始めていた。

“ヘルヘイムの森”に伝わる“運命の巫女”と“黄金の果実”。その2つを手に入れた者は、“世界の王”になれるという…。

世界の崩壊を防ぐため、人を越えた“王になった男。”

 

 

“仮面ライダー龍騎”と“仮面ライダー鎧武”。

 

 

己の願いを叶えるために、“ライダー同士”が戦った。

 

“城戸真司”と“葛葉紘太”

 

出久に“誰かを守るために戦う強さ”と“負けても立ち上がる強さ”を教えてくれた2人の師匠。

 

MN「上に行くものにはさらなる受難を。雄英に在籍する以上、何度も聞かされるよ。これぞ

PLUS ULTRA‼️

予選通過位1位の緑谷出久君!!持ちポイント1000万!!」

 

 

周囲の目が出久へ集中する。

 

 

MN「制限時間は15分。割り当てられるPの合計が騎馬のPとなり、騎手はそのP数が表示された“ハチマキ”を装着!終了までにハチマキを奪い合い保持Pを競うのよ。取ったハチマキは首から上に巻くこと。取りまくれば取りまくるほど管理が大変になるわよ!そして重要なのはハチマキを取られても、騎馬が崩れてもアウトにはならないところ!」

 

 

八百万「ということは…。」

 

 

砂藤「42名からなる騎馬10~12組がずっとフィールドにいるわけか?」

 

 

八百万と砂藤が疑問に思う。

 

 

芦戸「いったんP取られて身軽になっちゃうのもアリだね。」

 

 

蛙吹「それは全体のPの別れ方を見ないと判断しかねるわよ、三奈ちゃん。」

 

 

芦戸の案に梅雨が注意をする。

 

 

MN「“個性”発動アリの残虐ファイト!でも…あくまで騎馬戦!!悪質な崩し目的での攻撃等はレッドカード!一発退場とします!これより15分!チーム決めの交渉タイムスタートよ!」

 

 

一同『15分!!?』

 

 

出久(僕のポイントは1000万。この状態だと僕と組んだとき、狙われるリスクが大きすぎる。)

 

 

出久の推測通り、高得点は狙われる対象になるため出久の周りには他の生徒が来なかった。

 

ある3人を除いて…

 

 

マ・麗・発「「「出久様/デク君/緑谷さん‼️私と組みましょう/もう/んで下さい‼️」」」

 

 

マミ・麗日・発目の3人である。

そして、マミと麗日の間では火花が飛び散っていた。

 

 

出久「え、えっとぉ~。マミさん達は僕と組んでくれるんだね?なんで?」

 

 

発目「緑谷さんと組めば、必然的に私のドッ可愛いベイビーが目立ちますので。それに、緑谷さんには“個人的”に興味がありますから‼️」

 

 

マ・麗「「…。」」

 

 

どのような意味合いで言ったのかは、出久にはまだ分からない。

 

 

麗日「やっぱり仲の良い人とやったほうが楽しいから‼️(スキナヒトトヤリタイシ)////」

 

 

好意を隠しているのだが、

 

 

マミ「…。」

 

 

男子生徒((((チッ‼️リア充が…‼️))))

 

 

マミや周りの男子生徒には気付かれている様子。

 

 

マミ「私は最初から出久様と組むと決めていましたの。私は出久様の婚約者ですし♪」

 

 

出久「婚約者じゃないでしょ⁉️」

 

 

マミはもう隠す気もサラサラないらしい。

 

 

男子生徒(((((爆発しろ‼️)))))

 

 

MN「あぁ~ッ、青いわ~。」

 

 

男子生徒は苛立ち、ミッドナイトは喜んでいる。

そして、

 

 

晴希「プッ、ククククククッ。」

 

 

晴希はこのプチ修羅場を楽しんでいる。

 

 

晴希「面白ぇ~、最高~。」

 

 

心操「お前いい性格してるな。」

 

 

尾白「面白がってるよね絶対。」

 

 

常闇「周りに必ず1人はいるな。」

 

 

峰田「チキショー‼️なんで緑谷ばっかり~。」

 

 

蛙吹「見苦しいわよ、峰田ちゃん。」

 

 

障子「峰田と緑谷では差があるからな。」

 

 

 

 

 

そんなこんなで騎馬が出来上がり、開始の時間になった。

 

 

PM『よォーし組み終わったな⁉️準備はいいかなんて聞かねえぞ‼️いくぜ‼️残虐バトルロイヤルカウントダウン‼️』

 

 

プレゼント・マイクがノリノリで進行を促す。

 

 

PM『3‼️』

 

 

轟「狙いは…。」

 

 

PM『2‼️』

 

 

勝己「デクの…。」

 

 

PM『1‼️』

 

 

出久(スタート同時に全員がこっちに来るはず。その状況を打破するためには…。)

 

 

出久は【03】の間に、Rと書かれた眼魂を取り出し、

 

 

PM『スターーーート‼️』

 

 

出久のチームに向け、

 

 

徹鐵「実質、それ(1000万)の争奪戦だ!」

 

 

葉隠「もらうよ、緑谷君!」

 

 

鉄哲と上半身裸の葉隠を先頭に一斉に襲い掛かってくる。しかし、

 

 

GD『アーイ‼️』

 

 

GD『バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️』

 

 

ドライバーに眼魂をセットすると、赤のボディに銀の装甲を纏ったようなパーカーゴーストが出現し、周りの騎馬を弾き飛ばした。

左手部分を前に、右手部分を少し上に上げたポーズをとったパーカーゴーストの横に、“赤い西洋風の騎士”の幻影が出現する。

 

 

晴希「あれは…。」

 

 

 

 

 

 

ルポライターである男は、最近話題になっている失踪事件の行方を追っていた。そんな中、突然共鳴音のようなものが頭に響いたと思ったら、鏡の中に引き込まれてしまった。

鏡の世界“ミラーワールド”に引き込まれた男“城戸真司”は、“ミラーワールド”・“ミラーモンスター”・“仮面ライダー”の存在を知り、今までの失踪事件の原因がモンスター達の“捕食”によるものだと理解した。

 

“ライダーバトル”

 

ミラーモンスターと契約し、ライダーとなった者達は己の願いを叶えるために、生き残りをかけて戦う。

 

城戸真司は、母親を目の前で捕食された女の子を見たとき、考えていなかった自分の願いを決めた。

 

 

“誰かを守るためにライダーに変身する。

ミラーワールドを閉じて、この戦いを止める。”

 

 

他人の為に、戦いに身を投じた赤い騎士の名は

 

“仮面ライダー龍騎”

 

 

GD『開眼‼️龍騎‼️周りはライバル‼️

始まるサバイバル‼️』

 

 

出久は、赤を基調とした銀のパーカーを纏い、フードを被ることで、龍騎の顔とフードの左右に付いたバイザーが合わさり、赤い西洋騎士を彷彿させる。

 

“仮面ライダーゴースト龍騎魂”

 

ゴーストが平成3番目の仮面ライダーの力を纏った。

 

 

出久(貴方の思いと力、お借りします真司師匠。)

 

 

赤き龍騎士が、戦場に現れる。

 

 

 




騎馬戦終わらねぇ~。




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騎龍激突 無双龍対魔法龍

騎馬戦なのに、乗るのは龍。

タイトル通り、晴希がウィザードラゴンを召喚します。


PM『開始早々、全ての騎馬が緑谷チームをターゲットにしたが、パーカーゴーストによって騎馬を弾き飛ばした‼️しかもまた違うパーカーだ‼️どんだけ持ってんだ⁉️

でもってそのパーカーはなんの偉人だぁ⁉️』

 

 

相澤『少しは落ち着け。』

 

 

やや興奮気味になっているプレゼント・マイクの実況に、相澤は冷静に突っ込む。

 

 

晴希「開始と同時にゴーストチェンジか。流石いずっくん。」

 

 

心操「どういうことだ?」

 

 

出久のゴーストチェンジを理解した晴希は素直に称賛するが、同じチームの心操・尾白・常闇はまだ理解できずにいた。

 

 

晴希「いずっくんは、開始と同時に全員が自分の所に来ることを分かってたんだ。だから開始同時に眼魂をセットすることで、パーカーゴーストに自分の騎馬の防衛をさせたんだ。」

 

 

常闇「それは緑谷のパーカーゴーストには、俺の黒影のように意思があるということか?」

 

 

晴希「あるにはあるけど、パーカーの意思でできた訳じゃない。」

 

 

心・尾・常「「「?」」」

 

 

晴希の説明にますます分からなくなる心操達。

 

 

晴希「仮面ライダーには、変身妨害抑制の能力があるんだ。」

 

 

心・尾・常「「「へんしんぼうがいよくせい?」」」

 

 

晴希「平成の仮面ライダーって、怪人が街や人を襲撃してるときって変身しないで駆けつけることが多いんだ。怪人と対面してそこで変身するんだけど、」

 

 

尾白「それじゃ、変身前とか変身中に攻撃されたら終わりじゃないか。」

 

 

晴希「そう。だけど、仮面ライダーはその変身を妨害されないために、変身妨害抑制の能力が備わっているんだ。」

 

 

心操「どういうものなんだそれ?」

 

 

晴希「さっき尾白が言ったように、変身前もしくは変身中に攻撃すれば、変身できないし戦えない。でも、それが出来ないのは、アイテムや変身時における妨害があるから。

いずっくんやマミは、ドライバーやメガウルオウダーに眼魂をセットするとパーカーゴーストが出現して、変身妨害を防ぐ。俺の場合は、変身の時に魔方陣を通過するけど、攻撃を防いだり、敵を弾き飛ばす能力がある。変身を妨害されないために、それぞれのライダーに違った防衛措置が存在するんだ。」

 

 

心操「だが、確かクウガはそんなのなかったぞ?」

 

 

 

※平成に入って何故主人公達が、変身しないで敵の前に現れるのか。

これは、テレビ側が狙った視聴率の獲得のためである。クウガを演じたのは、オダギリジョー。“イケメンライダー俳優”の先駆けとなった。

男の子がいる家庭なら、仮面ライダーのカッコいい姿を観ることで、視聴率が上がり、イケメン俳優が出れば世のお母さんの視聴率が取れる。

だから平成ライダーは、昭和ライダーより変身してる時間が短いらしい。

 

 

 

晴希「クウガの場合は、敵が戦闘種族だったからなんだ。グロンギは残虐でゲームと称して人を殺すけど、戦士としての礼儀を重んじるんだ。誇り高き戦士として、正々堂々真正面から戦う。戦う準備をしている相手を攻撃することは、戦士として恥じることらしい。」

 

 

心操達は、晴希の話を聞いて出久の考えを理解した。そして同時に、あの残虐無慈悲のグロンギが戦士としての礼儀・誇りを重んじるという意外性に、少し感銘を受けていた。

“敵にも色々あるんだ”と…。

 

 

 

晴希達が話をしている間にも、ポイントの奪い合いは続いていた。勝己の黒歴史ともいえる“ヘドロ事件”で、挑発してきた“個性:コピー”を持つ1-Bの物間は、挑発し過ぎてポイント奪われたと同時に、爆破で吹っ飛ばされて気絶していた。

 

 

※原作でも、物間性格悪いよねぇ~。いい奴かもしんないけど…。皆はどう思う?

 

 

勝己「あのモノマネ野郎は終わった!次こそデクの番だ‼️」

 

 

切島「あんまり1人で突っ走んなよ爆豪。」

 

 

瀬呂「そうだぜ。いくら個性使っていいからって。」

 

 

芦戸「ホントだよ。」

 

 

勝己は爆破を使って他の騎馬に飛び移ったり、攻撃を仕掛けてポイントを取っていた。騎馬の意味がまるでないが、騎手が地面に足を着けなければいいので、結構やりたい放題。

 

 

そんな出久は、轟チームと対峙しようとしていた。

 

 

轟「飯田、前進!」

 

 

飯田「ああ!」

 

 

轟「八百万、ガードと伝導を準備!」

 

 

八百万「ええ!」

 

 

轟「上鳴は…、」

 

 

上鳴「わかってるって!しっかり防げよ!」

 

 

轟チームを筆頭に複数のチームが出久めがけて襲い掛かってくる。

しかし、そこへ上鳴の無差別放電130万Vが流される。轟達には放電が浴びないように八百万の“個性”で絶縁シートが創造された。

 

 

轟「残り6分弱、後には引かねぇ。悪いが我慢しろ。」

 

 

轟は右の氷結を使い、八百万に作ってもらった伝導の棒で地面を凍らせ後ろの動きを完全に封じる。

 

 

PM『なんだなにをした⁉️群がる騎馬を轟、一蹴!』

 

 

相澤『上鳴の放電で“確実”に動きを止めてから凍らせたんだ…。さすがと言うか、障害物競走で結構な数を避けられたのを省みているな。』

 

 

PM『ナイス解説!』

 

 

相澤の解説にプレゼント・マイクが親指を立てる。

そして轟は出久チームへ向かう際に二組のチームからハチマキを奪った。

 

 

轟「一応もらっておく。」

 

 

轟はそう言うとハチマキを二つとも首へ回す。そして、騎馬の足が凍っている出久チームのハチマキにも手を伸ばそうとするが…。

 

轟は失敗したのだ。凍らせたことで“映し出すもの”が出来てしまった。

 

龍騎シリーズのライダー達は、本来鏡や車の車体等にデッキを翳して変身する。何故なら、鏡像を作り出すものは、“ミラーワールド”の出入り口となる。

 

つまり、

 

 

出久「ありがとう轟君、氷を作ってくれて。」

 

 

轟「なに?」

 

 

出久「ドラグレッダーーーーーーーーーッ‼️」

 

 

ドラグ『オォォォォォォォォォォォォォォン‼️』

 

 

出久と轟の間から、“赤い龍”が氷の中から出現する。

 

 

アリーナ全体『『『『『『ドラゴンッ⁉️』』』』』』

 

 

アリーナ全体が氷の中から出現したドラゴンに驚愕する。

 

 

PM『なんじゃありゃぁぁぁぁぁ‼️緑谷が突然叫び出したと思ったが、氷の中から赤い龍が現れたぁぁぁぁぁ‼️』

 

 

相澤『恐らく、あの龍がパーカーの能力だろう。あれは召喚系のものかもしれないな。』

 

 

相澤達が話している間に、ドラグレッダーの炎で足の氷を溶かし、出久チーム全員がドラグレッダーに乗り移り上空を移動した。

 

 

轟「チッ‼️上空に逃げられた。」

 

 

ドラグレッダーの出現に、ほとんどの生徒は戦意喪失していた。いくら個性を使っても騎馬が崩れてもいいとしても、あんな化け物に敵う訳ないと諦めてしまっていた。

ただ数人を除いて…。

 

 

勝己「くたばれぇぇぇぇッ‼️」

 

 

個性を使って上空まで出久を追ってきた勝己が、ドラグレッダーに攻撃を仕掛けた。しかし、ドラグレッダーに簡単に交わされ、地上に戻る。

 

 

切島「大丈夫か爆豪⁉️」

 

 

瀬呂「緑谷があのドラゴン呼んだのか⁉️」

 

 

勝己「ドラゴンだろうと関係ねぇ‼️あのくそドラゴンぶっ潰して、デクからポイント取ってやる‼️」

 

 

芦戸「無理だよ‼️ドラゴンだよ⁉️私らで勝てるような相手じゃないじゃん‼️」

 

 

勝己はドラグレッダーに怯まず、出久からポイントを取ろうとするが、騎馬の1人である芦戸は、ドラグレッダーの咆哮によって戦意を失っていた。

 

 

勝己「だったら今すぐ棄権して自主退学しろピンク女。」

 

 

芦戸「ッ⁉️」

 

 

勝己は、戦意喪失した芦戸に退学しろと言い出した。

それを同じチームである瀬呂と切島が止める。

 

 

切島「おい爆豪‼️」

 

 

瀬呂「いくらなんでも言い過ぎだぞ⁉️」

 

 

勝己の性格はこの数ヶ月でだいぶ分かってきた。言葉とは裏腹に、相手を思いやる気持ちをきちんと持っていることを…。

しかし、それを差し引いてもあまりにも無慈悲な言葉であった。

 

 

勝己「うるせぇクソ共‼️敵相手に怖がってンならヒーローになる資格なんざねぇ‼️」

 

 

芦・切・瀬「「「ッ⁉️」」」

 

 

勝己「俺は、お前らと仲良くなるために雄英に来たんじゃねぇ。ヒーローになるために雄英に来たんだ‼️敵と戦う為に、ヒーロー目指してンだ‼️ヒーロー目指してる奴が、デクの出した龍くらいでびびってんじゃねぇ‼️ヒーローになりゃ、もっと危ねぇ目に会うんだ。ここで怖じ気づいてたら、ヒーローなんかなれるわけねぇだろ‼️」

 

 

 

 

 

“爆豪勝己”

 

彼は、生まれながらにして“爆破”という個性に恵まれた。しかし、それだけではない。

頭も良く、ほとんどのスポーツをこなすことができ、苦手なものがあっても数分あればものにできる。

 

彼はまさに天才だったのだ。

 

そんな才能に恵まれた勝己に、ある事件が起きた。

 

中学3年の春、下校途中に道端に転がっていた瓶を蹴飛ばした。その瓶には、オールマイトが捕まえたヘドロ敵が入っていた。

オールマイトが落としてしまったその瓶を蹴飛ばした勝己は、ヘドロ敵を解放してしまい、瞬く間に捕らわれ、自分の“個性”を使われてしまった。

 

 

勝己(く、クソが…‼️なんで俺がこんな目に会うんだよ…。)

 

 

苦しみながら周りを見ると沢山のプロヒーローがいたが、勝己の個性を使っていて手を出せずにいた。

 

 

勝己(なに…やってンだよ…‼️早く、はやく助けてくれよ…‼️なんで見てるだけなんだよ…。)

 

 

多くのプロヒーローがいるのに、“危なくて手が出せない”という理由で自分を助けようとしないヒーロー達に失望し始めていた。そして、自分自身も諦めかけていた。

 

勝己(なんだよ…。今のヒーロー共はみんなクソかよ…。俺だったら…。)

 

 

“俺だったら、どうしていただろう?”

 

 

そんなことを考えながら目を閉ざそうとしたその時、

 

 

???『諦めるな‼️』

 

 

勝己「ッ‼️」

 

 

誰かに呼ばれたような気がした勝己は、閉じかけた目を開けると、そこには自分に手を伸ばし助けようとするパーカーのようなものを纏った知らないヒーローがいた。

 

 

勝己(だ、誰だ…?…いや、誰だって関係ねぇ、こんなところでくたばってたまるか‼️俺は絶対にヒーローになるんだ‼️誰にも負けねぇ、決して逃げねぇ強いヒーローに‼️)

 

 

自分のヒーローへの新たな思いを掲げた勝己は、その伸ばされた手を掴む。

 

 

 

 

 

勝己「ヒーローになるために雄英入ったんなら、あんなの程度にびびるな‼️」

 

 

かつて自分を助けたのは、散々馬鹿にし続けていた出久であることを知った勝己は、ことあるごとに出久に勝負を挑んでは返り討ちにあった。

諦めなかったことで、ヒーローになる道を掴んだ出久に勝己は少なからず尊敬の念を抱いた。

多くヒーロー達が、近寄ろうとしなかったのに、危険を顧みず、自分を助けた幼馴染に…。

 

 

芦戸「ごめん…爆豪。」

 

 

勝己「謝るんなら態度で示せ。」

 

 

切島「お前ってホントひねくれてるよなぁ。」

 

 

瀬呂「緑谷のやつ、よく幼馴染続けられたな。」

 

 

出久がどんなに勝己に罵倒されても、幼馴染でいられたのは、出久の優しさと単に、勝己をヒーローとしてみているからである。

 

 

勝己「行くぞ、テメェら‼️」

 

 

芦・切・瀬「「「おう‼️」」」

 

 

爆豪チームが動き出すのと同時に、勝己の話を聞いていた生徒達も出久に挑み始めた。

 

 

晴希「口が悪いけど、周りのやる気を引き出すあたりは、流石いずっくんの幼馴染って感じだな。」

 

 

心操「そんなことよりどうする操真?」

 

 

尾白「俺達も続かないと。」

 

 

常闇「しかし、相手は緑谷とはいえ龍に乗っていては…。」

 

 

操真チームも動こうとしたが、どうしたらいいかわからず立ち往生していた。

 

 

晴希「向こうが龍ならこっちも龍だ。」

 

 

尾・心・常「「「は?」」」

 

 

晴希の発案に、唖然とする3人を他所に、晴希は指輪を付け替える。

 

 

尾白「その指輪は?」

 

 

晴希「この指輪は本来、ゲートとなった人のアンダーワールド、つまり精神世界でしか使えないんだけど、俺がこの世界に来たことで指輪の法則も変わったみたい。」

 

 

晴希はドライバーにウィザードリングを翳す。

 

 

WD『ドラゴラーイズ‼️プリーズ。』

 

 

翳した後、上空に手を向けると巨大な魔方陣が現れ、その中から晴希の力の源であるファントム

“ウィザードラゴン”が出現する。

 

 

ウィザー『オァァァァァァァン‼️』

 

 

アリーナ全体『またドラゴン出たぁぁぁぁぁ‼️』

 

 

2体目のドラゴンの登場にアリーナ全体が驚愕の声を上げる。

 

 

PM『今度は操真がドラゴンを呼び出したぁぁぁぁぁ‼️今年のお前のクラスどうなってンだイレイザー⁉️』

 

 

相澤『あいつらは規格外過ぎンだよ。』

 

 

 

WD『コネクト。プリーズ。』

 

 

晴希はさらに、ウィザード専用のバイク“マシンウィンガー”を呼び出し、乗り移る。

マシンウィンガーに乗った晴希は、ウィザードラゴンに向かってバイクごと飛び上がる。

マシンウィンガーは形を変え、巨大な翼の形になる。

巨大な翼となったマシンウィンガーは、ウィザードラゴンと合体した。

 

 

常闇「尾白、俺を操真のところまで投げてくれ。」

 

 

尾白「分かった。」

 

 

尾白は尻尾に常闇を乗せ、ウィザードラゴンに向かって投げ飛ばす。

 

 

尾白「ハァーッ、でりゃあ‼️」

 

 

投げ飛ばされた常闇は、ウィザードラゴンの背中に着地する。

 

 

常闇「ダークシャドウ‼️」

 

 

DS『アイヨ‼️』

 

 

即座にダークシャドウを発動し、尾白と心操を掴みウィザードラゴンまで引き上げる。

 

 

晴希「ナイスコントロールだねぇ、尾白。」

 

 

常闇「よくやってくれた。」

 

 

心操「お前の尻尾すげぇわ。」

 

 

尾白「そんな大したことじゃないって。」

 

 

 

 

雄英高校体育祭

 

 

第2種目騎馬戦にて、アリーナ上空に2体のドラゴンが飛翔する。

無双龍ドラグレッダーと魔法龍ウィザードラゴン

 

 

今ドラゴン同士の対決が始まる。




次回騎馬戦決着です。


少しだけ爆豪オリジンを入れてみました。


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騎馬戦決着 龍炎脚と魔龍脚

騎馬戦決着です。






PM『第2種目騎馬戦‼️残り時間僅かとなった今、ポイントの奪い合いはデッドヒート‼️さらにアリーナ上空では、緑谷チームと操真チームがドラゴンに乗り移り、騎馬戦ならぬ“騎龍戦”になっている‼️今年の雄英体育祭は荒れてんぞぉぉぉぉぉ‼️』

 

 

プレゼント・マイクの熱の籠った実況に感化され、観客席及び視聴者の興奮も増していた。

 

 

出久「行け‼️ドラグレッダー‼️」

 

 

操真「迎え撃て‼️ウィザードラゴン‼️」

 

 

それぞれの声に従い、ドラグレッダーとウィザードラゴンはぶつかり合う。

 

 

ドラグレッダー『オォォォォォォォォン‼️』

 

 

ウィザードラゴン『オァァァァァァァン‼️』

 

 

激しくぶつかり合い、反動で両者共に後退する。まさに力は拮抗しているが…。

 

 

轟「俺がいることを…。」

 

 

爆豪「忘れんなぁぁぁぁぁ‼️」

 

 

轟の氷結がドラグレッダーに、爆豪の爆破がウィザードラゴンを襲う。

 

 

出・晴「「かわせ‼️」」

 

 

それぞれの合図で攻撃をかわし、緑谷チームは轟チームと操真チームは爆豪チームと対峙した。

 

 

出久「さっきぶりだね轟君。」

 

 

轟「俺達忘れて操真とだけやりあってるからな。操真に集中してる間に、ポイント取ろうと思ったんだが…。」

 

 

出久「常に周りには注意をはらってるさ。いつ、どんなタイミングで攻撃されるか分からないからね。」

 

 

轟「やっぱりお前はすげぇよ。だからこそ、お前からポイントを奪う。」

 

 

そういうと轟は、氷で作った剣を出す。

 

 

出久「そう簡単にはいかないよ。」

 

 

出久もまた、ドラグレッダーの尻尾を模した剣“ドラグセイバー”を構える。

 

 

出・轟「「はぁぁぁぁぁッ‼️」」

 

 

雄叫びと共に、互いの剣がぶつかり合う。

 

 

 

 

一方の操真チームは…。

 

 

晴希「おーにさーんこちら、手ぇの鳴るほうへ♪」

 

 

勝己「待てやクソがぁぁぁぁぁ‼️」

 

 

…思いっきり勝己を挑発して遊んでいた。

 

 

心操「真剣にやれ操真‼️」

 

 

尾白「煽ってどうするの‼️」

 

 

常闇「最早鬼神だ。」

 

 

切島「待てって爆豪‼️」

 

 

瀬呂「1人でどんどん行くなよ⁉️」

 

 

芦戸「おいてかないでよぉぉ‼️」

 

 

鬼(爆豪)が龍を追う奇妙な鬼ごっこが繰り広げられていた。

 

 

晴希「ほらほらー、急がないと時間になっちゃうよ?爆豪ちゃーん♪」

 

 

心・尾・常「「「だから煽るな‼️」」」

 

 

勝己「がぁぁぁぁぁ‼️ぶっ殺してやるぅぅぅ‼️」

 

 

鬼を通り越して、閻魔になった爆豪は爆破で飛びながらウィザードラゴンに乗る操真達を追い、その閻魔を切島達が地上から追うという、またしても奇妙な構図が出来ていた…。

 

 

 

出久(もう残り時間は少ない…。このまま轟君達とやっていれば、確実に仕掛けてくる。そうなると…)

 

 

終了時間が迫るなか、出久は次に起こすであろう轟チームの行動を予測していた。

出久は幼いころからヒーローに憧れ、“いつか自分も彼らのようなヒーローになりたい”という思いから、自作の“ヒーロー解析ノート”を持っていた。

ヒーローや個性への憧れから、観察眼に優れていた出久は“ライダーワールド”での旅の中で、敵組織の行動やライダー達の戦闘スタイルを間近で見ていたことで、観察眼は更に磨かれ“予知レベル”にまで至っていた。

 

 

出久「みんな、そろそろ飯田君が仕掛けてくる可能性がある。だから…。」

 

 

出久はこれから起こるであろう可能性をマミ達に話し、勝負を仕掛けることにした。

 

 

 

 

晴希「(そろそろ終了時間だ。爆豪がキレてるから周りに意識がいってない。これなら…。)そろそろ勝負仕掛けるよ。内容は…」

 

 

晴希は出久やマミと共に旅をしていた。だからこそ、出久がどのように行動するか分かるため、出久の行う可能性を利用しようとしている。

 

 

 

 

 

飯田「みんな聞いてくれ。この後俺は“使い物にならなくなる”。」

 

 

轟「飯田?」

 

 

飯田の発言に少し困惑する轟だが、飯田がなにをしようとしているのか分かった。

 

 

飯田「幸い緑谷君達は直線上にいる。必ず獲ってくれよ轟君。」

 

 

出久(来る‼️)

 

 

晴希(動いた‼️)

 

 

現在、緑谷チームの後を追うような形で轟チームが存在し、緑谷チームの正面方向には操真チームと閻m…ゴホン

爆豪チームがいる。

 

 

飯田「しっかり掴まっていろ。トルクオーバー!レシプロバースト‼️」

 

 

飯田がエンジンを一気に最大限まで引き上げ、捨て身の技を発動する。

 

 

轟チームが一気に緑谷チームに迫り、轟が出久からハチマキを奪おうと手を伸ばす。しかし、

 

 

出久「上がれ、ドラグレッダー‼️」

 

 

直線移動していたドラグレッダーが出久の掛け声で上昇する。

 

 

晴希「そう来ると思ってたよいずっくん‼️追え、ウィザードラゴン‼️」

 

 

更に逆方向から爆豪チームに追われていた操真チームが、出久の後を追い上昇する。

ドラグレッダーとウィザードラゴンは螺旋を描くように上昇していく。

 

突然のことに困惑する轟だが、目の前から同じく目標を失った閻魔の勝己が迫ってきていた。

 

 

轟「くっ‼️」

 

 

轟は咄嗟に目の前に氷の壁を作り、勝己を止める。

 

 

勝己「オラァ‼️」

 

 

勝己は追っていた操真が目の前から消え、轟の氷の壁で阻まれたことで、爆破で壁を破壊し、自身を追っていた切島達に着地する。

 

 

勝己「邪魔すんじゃねぇ半分野郎‼️」

 

 

獲物がいなくなったことで、飯田の足を冷却していた轟にあたる。

 

 

轟「邪魔したのはそっちだろ。」

 

 

勝己「アァ⁉️」

 

 

轟もまた、標的にしていた出久がいなくなり、目の前から怒り心頭で来ていた爆豪に少し強めにあたる。

個性の関係か性格の違いか、この2人はまさに“火と油”なのである。

 

 

勝己「すかし野郎の前に、テメェからぶっ潰してやる‼️」

 

 

轟「上等だ、先にお前から片付けてやる。」

 

 

まさに一触即発の状態のなか、

 

 

麗日「解除‼️」

 

 

常闇「ダークシャドウ‼️」

 

 

DS『アイヨ‼️』

 

 

上空から緑谷チームの麗日・発目・マミが、操真チームの心操・尾白・常闇が降りてきた。

 

 

PM『なんだなんだぁ⁉️轟チームと爆豪チームの一触即発ムードに、緑谷チームと操真チームの騎馬組が降ってきやがった‼️』

 

 

相澤『どうやら上空で決着つけるらしいな。しかし、もう騎馬じゃなくて完全に龍に乗ってんな。』

 

 

 

 

 

一方上空では…。

 

 

出久「なんとなく追ってくるのは分かってたよ晴君。」

 

 

晴希「流石いずっくん。ならどうするか分かってるよね。」

 

 

出久「もちろん‼️」

 

 

GD『大開眼‼️オメガドライブ‼️』

 

 

WD『チョーイイネ。キックストライク‼️サイコー‼️』

 

 

出久がドラグレッダーの上から飛び上がると、ドラグレッダーは出久の周りを飛ぶ。体を回転させてキックの体勢を取る。

 

 

晴希もウィザードラゴンから飛び上がると、ウィザードラゴンは形を変え、まるで龍の足のような形状になる。キックの体勢を取った晴希の右足に、ウィザードラゴンが装着されると、巨大なウィザードの幻影が現れる。

 

地上ではその光景に、観客は息をのみ、選手達は競技中であることを忘れて観入っていた。

 

 

出久と晴希は、それぞれのドラゴンの炎を纏った。

そして、

 

 

出・晴「「はぁぁぁぁぁッ‼️」」

 

 

両者のライダーキックが激突し、激しく爆発する。

 

 

PM『両者のキックが炸裂‼️それと同時に地上にも爆風と衝撃が襲ってきやがった‼️桁外れの威力だぁぁぁぁぁ‼️』

 

 

相澤『あの2人完全に競技変わってんな。』

 

 

上空に爆煙が立ち込めるなか、爆煙の中から“オレ魂”に戻っている出久と晴希が落ちてきた。

 

 

出久「発目さん‼️」

 

 

発目「了解しました‼️」

 

 

発目は、バックパックブースターを吹かして出久をキャッチする。

 

 

晴希「常闇‼️」

 

 

常闇「ダークシャドウ‼️」

 

 

DS『アイヨ‼️』

 

 

晴希は常闇を呼び、ダークシャドウで回収される。

 

 

PM『タイムアーーーーーップ‼️』

 

 

2人が地上へ降りてきたと同時に競技が終了する。

 

 

PM『最後の最後ですげぇモン見たわ‼️お蔭で観客及び視聴者はテンション上がりっぱなしだぁぁぁぁぁ‼️そんなこんなで競技結果観ていくぞ‼️第4位、爆豪チーム‼️第3位、轟チーム‼️第2位、操真チーム‼️そして第1位は、圧倒的不利な状況でポイントを守りぬいた緑谷チーム‼️』

 

 

 

これにより本選に進む16人が決まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




トーナメントの組み合わせどうしよう


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組み合わせ発表とライダー眼魂

やっぱりなかなか上手く内容が思い付かないものですねぇ。

毎日投稿できる人達はホントに尊敬します。

今回ちょっとだけライダー眼魂の説明があります。

どうぞ


騎龍戦もとい騎馬戦が終了し、1時間の小休憩を挟んで午後の部が行われることがプレゼント・マイクの口から言われた。

 

 

ここで、トーナメントに勝ち残った生徒をおさらいしておこう。

 

 

1-A

 

緑谷出久(個性:ゴースト)

 

 

麗日お茶子(個性:無重力)

 

 

爆豪勝己(個性:爆破)

 

 

瀬呂範太(個性:テープ)

 

 

切島鋭児郎(個性:硬化)

 

 

芦戸三奈(個性:酸)

 

 

轟焦凍(個性:半冷半熱)

 

 

八百万百(個性:創造)

 

 

飯田天哉(個性:エンジン)

 

 

上鳴電気(個性:帯電)

 

 

尾白猿夫(個性:尻尾)

 

 

常闇踏陰(個性:黒影)

 

 

操真晴希(個性:ウィザード)

 

 

1-B

 

 

音黒マミ(個性:ネクロム)

 

 

1-C

 

 

心操人使(個性:洗脳)

 

 

1-H

 

 

発目明(個性:ズーム)

 

 

 

残った16名で優勝を争う形となり、いつものメンバーに新たに拳藤一佳(個性:巨腕)を加えて、昼食を摂ることになった。

全員がそれぞれ席に着いて食事を摂り始めると、話題は午前に行われた競技のことになった。

 

 

勝己「すかし野郎‼️てめぇさっきはよくも‼️」

 

 

切島「落ち着け爆豪、食堂で暴れんな‼️」

 

 

瀬呂「まずは冷静になれよ‼️」

 

 

勝己「うるせぇカス共‼️俺はいつだって冷静だぁ‼️」

 

 

1-A+a(((((それはない。)))))

 

 

勝己は騎馬戦で晴希に挑発されたことに対して相当怒っていた。

 

 

心操「操真はもっと落ち着きある奴だと思ってたんだがな。」

 

 

尾白「相手を挑発するとか一番無縁そうだもんね。」

 

 

常闇「流石に、あの挑発には此方も恐怖を感じた。」

 

 

晴希と同じチームであった心操達も挑発には少々困惑したようだ。

 

 

マミ「晴希さん、また悪い癖が出たようですね。」

 

 

晴希「いやぁ面白くてついね。メンゴメンゴ。」

 

 

出久「そうやって必要以上に攻撃されたの忘れたの?ウヴァやデムシュを怒らせて大変な目にあったのに…」

 

 

晴希「爆豪とあいつらはなんか似てんだよねぇ。」

 

 

蛙吹「緑谷ちゃん、操真ちゃんの癖って何かしら?」

 

 

蛙吹は、皆が気になったであろう晴希の癖を出久に聞くことにした。

 

 

出久「晴君、戦うときとかになると相手を挑発する癖があるんだ。」

 

 

上鳴「なんだ、その癖⁉️」

 

 

マミ「晴希さんは、気分が上がると相手を挑発して自分に的を絞らせて、挑発によって攻撃力を上げた相手と戦うのが非常に楽しいらしいんです。」

 

 

出久「でも挑発しすぎて大抵痛い目にあうのにちっとも懲りないから…。」

 

 

話を聞いていた周りは思った。晴希は勝己とは別ベクトルの戦闘狂、いわゆる“バトルジャンキー”であると…

 

 

轟「ところで緑谷。」

 

 

出久「どうしたの轟君?」

 

 

轟「お前が競技中に使っていた眼魂のことなんだが…」

 

 

轟は出久が競技に使っていた眼魂について話を聞こうとした。

 

 

勝己「そうだデク‼️あんときいつの間に俺の前に来やがった‼️」

 

 

出久「お、落ち着いてかっちゃん‼️ちゃんと説明するから‼️」

 

 

晴希の挑発の影響で機嫌が非常に悪い勝己をなんとか宥めて、轟の質問に答える。

 

 

出久「僕の使う眼魂には偉人の魂が宿ってるのは知ってるよね。」

 

 

飯田「確かニュートン魂にムサシ魂、エジソン魂にロビン・フット魂だったね。」

 

 

八百万「後は障害物競争で使用していたベンケイ魂ですわね。」

 

 

砂藤「こうして聞くと、緑谷自身のオレ魂とスペクター魂を除いて5個もあるんだな。」

 

 

発目「緑谷さんの持つ眼魂ならまだありますよ?」

 

 

砂藤が出久の眼魂を確認していた時に、発目が小さい爆弾を投げた。その爆弾が当たったのは、言わずもがな麗日とマミである。

 

 

麗日「デク君、ナンデ発目サンガ他ノ眼魂ノコト知ッテルン?」

 

 

マミ「私が知っているのはまだしも、何故発目さんがご存知なのですか?」(黒笑)

 

 

出久「待って待って‼️今は眼魂の説明でしょ⁉️発目さんが眼魂のことを知ってるのはまた後で話すから‼️ね⁉️」

 

 

2人の据わった目を見て、出久は話の脱線を必死に戻そうとした。

 

 

八百万「また始まりましたわね。」

 

 

拳藤「マミっていつもあんな感じなの?」

 

 

蛙吹「緑谷ちゃんがからむといつもね。」

 

 

芦戸「修羅場ってやつだよ。」

 

 

葉隠「頑張ってぇお茶子ちゃ~ん。」

 

 

耳郎「いやいや、音黒の方が押し強いからなぁ。」

 

 

女性陣は新たに拳藤が加わって更に華を増し、

 

 

峰田「なんで緑谷ばっかり…。」血涙

 

 

障子「いい加減諦めろ峰田。」

 

 

鐵徹「緑谷とは根本的に違うからな。変態だし。」

 

 

晴希「やっぱ面白ぇ、最高~。」プププッ

 

 

心操「ホントいい性格してるよな、操真。」

 

 

男性陣は嫉妬に燃えたり、修羅場を楽しむものとそれぞれだった。

 

 

 

 

 

 

 

なんとか事態を収集できたため、轟の疑問に思っていた眼魂の説明を始めた。

 

 

出久「眼魂には偉人の魂が宿っていて、その偉人の象徴とも言える力を使うことができる。これは単に、“眼魂に魂もしくは魂に似た何か”を封じ込めれば、力を使うことができるってことなんだ。」

 

 

口田「…。」

 

 

常闇「“魂に似た何かって?”と口田は聞いている。」

 

 

出久「“魂に似た何か”って言うのは簡単に言えばエネルギーかな。」

 

 

心操「それって、魂の代用になるのか?」

 

 

晴希「ならないことはないよ。エネルギーは力でもある。力はその人物の象徴とするものだからね。エネルギーや魂の入っていない眼魂は真っ白でね。空の眼魂に魂や力(エネルギー)を封じ込めれば、その人物の眼魂になるって訳さ。」

 

 

上鳴「も、もうちょいかみ砕いて言うと?」

 

 

晴希の説明を聞いていまいち理解できなかった上鳴。

やっぱりアホなのだろうか?

 

 

出久「真っ白な眼魂が空のペットボトル、エネルギーや魂が飲料水だとするでしょ?空のペットボトル(眼魂)に好きな飲み物(魂)を入れれば、空のペットボトルはその飲み物のペットボトルになるわけ。」

 

 

上鳴「ああ~。」

 

 

出久「そして、真っ白な眼魂にライダー達の力を封じ込めたのが、僕が競技に使っていた“ライダー眼魂”になるんだ。」

 

 

※何故拳藤が話に付いていけるのか、それはクラスメイトとして鉄哲とマミから多少聞いているのである。

 

 

 

轟「じゃあ障害物競争で俺達より先にゴールしてたのも、騎馬戦で龍を出したのも全部その“ライダー眼魂”の力なんだな。」

 

 

出久「そうだよ。障害物競争で使ったのは“カブト魂”、騎馬戦で使ったのは“龍騎魂”だよ。」

 

 

そう言うと、出久は2つの眼魂をテーブルに出した。偉人達の眼魂と違い、ライダー眼魂はメタリックカラーになっている。

 

 

出久「障害物競争で使ったのは“カブト魂”。

平成7番目“仮面ライダーカブト”の力を宿した眼魂だよ。カブトのもっと特徴的な能力は“クロックアップ”といって、空気中にあるタキオン粒子と呼ばれる粒子を吸収して、爆発的な速度を生み出すことができる。クロックアップ発動時は、発動者以外の動きは完全に停まったように見えるんだ。だから、轟君やかっちゃんは僕達が急に現れたように思っただろうけど、実際には視覚や嗅覚とかの五感では認識できないくらいのスピードで移動したんだよ。」

 

 

轟「なるほどな。」

 

 

勝己「だからってあれは速すぎだろ‼️」

 

 

飯田「俺よりも速く…」

 

 

 

轟は納得し、勝己は荒れていたがなんとか納得していた。しかし、速さには自信があった飯田はそこそこ落ち込んでいた。

実は速さに定評のあるライダー達は数多くいるのだが、ここで話すと飯田の傷を広げかねないのでやめておこう。

 

 

出久「それで騎馬戦で使ったのが“龍騎魂。”

平成3番目“仮面ライダー龍騎”の力を宿した眼魂だよ。龍騎の戦う場所は現実世界じゃなくて、鏡の世界“ミラーワールド”が舞台なんだ。龍騎はミラーワールドに住む怪物“ミラーモンスター”と契約することで力を手に入れることができる。

そして、龍騎が契約したモンスターが“無双龍ドラグレッダー”。その強さは、ミラーワールドでもまさに最強クラスと呼ばれてる。」

 

 

峰田「ならなんで“龍騎魂”になった瞬間に、そのドラグレッダーを呼ばなかったんだ?」

 

 

峰田の言うとおり、騎馬戦開始と同時にドラグレッダーを召喚すれば他の生徒達に囲まれることはなかった。しかし、召喚したのは轟が周囲に氷を作り出した後であった。

 

 

轟「確かあの時、緑谷は俺に“氷を作ってくれてありがとう”と言っていた…。⁉️」

 

 

八百万「氷…、氷?…あっ!」

 

 

飯田「そうか!」

 

 

上鳴「何々⁉️なんで轟達は分かったの⁉️」

 

 

…今さらながら、轟チームは上鳴を除いた3人は中間順位ベスト5に入る秀才組。

 

 

八百万「緑谷さんは、ドラグレッダーを喚びたくても喚べなかったのです。グラウンドには何も“写るもの”がありませんでしたから。」

 

 

芦戸「どういうこと?」

 

 

飯田「ミラーモンスターである“ドラグレッダー”は、本来ミラーワールドに存在している。ドラグレッダーを喚ぶには、鏡もしくは“鏡のように写るもの”が必要だったんだ。」

 

 

轟「だから緑谷は、俺の氷を利用して“鏡のように写る氷”からドラグレッダーを呼び出したんだ。」

 

 

出久「そう。鏡や鏡のように写るものは、ミラーワールドに続く入り口。龍騎ワールドのライダー達はカードデッキを鏡に写して、バックルを出現させる。そしてバックルにカードデッキを嵌めることで変身することができて、ミラーワールドに行けるようになるんだ。」

 

 

峰田「じゃあどっかで変身してミラーワールドから温泉の女湯にある鏡から外に出れば…。」

 

 

峰田はライダー達の力を覗きに使おうと画策していたが…。

 

 

晴希「残念だけど峰田の思うことはできないぞ。」

 

 

峰田「なんでだ?」

 

 

マミ「ミラーワールドを出入りするには“変身した鏡”からでしか不可能なのです。他の鏡から現実世界を見ることはできますが、出ることは出来ません。」

 

 

出久「それにミラーワールドにいるのにも限界があるんだ。ミラーワールドに入れるのはよくて30分から1時間くらい。それを過ぎると、ライダースーツが消滅して変身が解けて、ミラーワールドで実体が保てなくなって消滅する。」

 

 

龍騎の世界観を聞いて顔を青くしていた面々、ライダーとは敵だけでなく戦う場所までもが危険と隣り合わせなのである。

 

 

 

そして昼食が終わり、組み合わせが発表された。

 

 

1試合目 緑谷出久vs切島鋭児郎

 

 

2試合目 尾白猿夫vs心操人使

 

 

3試合目 飯田天哉vs発目明

 

 

4試合目 音黒マミvs芦戸三奈

 

 

5試合目 上鳴電気vs操真晴希

 

 

6試合目 轟焦凍vs瀬呂範太

 

 

7試合目 八百万百vs常闇踏陰

 

 

8試合目 爆豪勝己vs麗日お茶子

 

 

 

 

 




なんとか書き上げました。

どう戦わせましょう


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1回戦第1試合 緑谷出久vs切島鋭児郎

番外編も思い付きません。

続きが書けない…。どうしよう。


レクリエーション種目をはさんで、本戦に出場する生徒達は、各々準備を始めていた。

 

時間は過ぎてセメントスによってスタジアムが出来上がっていた。

 

 

PM『サンキューセメントス!ヘイガイズ!アァユゥレディ⁉️色々やってきたが‼️結局これだぜガチンコ勝負‼️

頼れるのは己のみ!ヒーローで無くてもそんな場面ばっかりだ!わかるよな⁉️心・技・体に知恵知識‼️総動員して駆け上がれ!』

 

 

実況のプレゼントマイクが会場を盛り上げる。

 

 

PM『1回戦‼️幽霊の力を使ってんのに存在感有りまくり‼️ヒーロー科!緑谷出久‼️個性はゴースト‼️

バーサス‼️男気一筋ど根性‼️ヒーロー科!切島鋭児郎‼️個性は硬化‼️』

 

 

出久と切島がスタジアム上で対峙する。

 

 

切島「入学してから緑谷と戦ったことなかったな。」

 

 

出久「そうだね。まぁ、色々あったからね。」

 

 

切島「その色々の中で俺はお前の強さを見てきた。だから、男らしくお前を倒すぜ‼️」

 

 

出久「ならこっちも全力でいくよ、切島君‼️」

 

 

お互い戦闘態勢に入り、出久もゴースト眼魂をセットする。

 

 

 

 

PM『ルールは簡単!相手を場外に落とすか行動不能にする。あとは”参った“とか言わせても勝ちのガチンコだ‼️喧嘩上等、怪我上等‼️こちとら我らがリカバリーガールが待機してっから‼️道徳倫理は一旦捨て置け‼️だがまぁもちろん‼️命にかかわるようなことはクソだぜ!!アウト‼️ヒーローとは敵を“捕まえるため”に拳を振るうのだ!』

 

 

 その言葉を聞いて出久はおかしいと思った。

 

 “仮面ライダーが戦う理由”、それは人間の自由と平和を守るために戦う。決してその力は誰かに振るうための物ではないのである。

 

 

出久(やっぱり先生達の中にも、ヒーローとしての本質を忘れている人がいるのか…。)

 

 

 

PM『そんじゃ早速始めようか!』

 

 

GD『アーイ‼️』

 

 

GD『バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️』

 

 

PM『レディィィィィィィ。スターーーート‼️』

 

 

GD『開眼‼️オレ!レッツ・ゴー覚悟‼️ゴ・ゴ・ゴースト‼️』

 

合図と同時に変身した出久と硬化を発動させた切島が、スタジアム中央まで走り出し、

 

 

出久「ハアァァァァッ‼️」

 

 

切島「どらぁぁぁぁぁっ‼️」

 

 

お互いの拳をぶつける。

 

 

 

 

スタジアム中央では、出久と切島の戦闘が繰り広げられている。出久は受け流しやカウンターを巧みに使い、片や切島は己の個性である硬化を駆使してパワーのゴリ押しで攻撃を繰り出している。

 

 

瀬呂「切島圧倒してんなぁ。」

 

 

上鳴「緑谷相手にすげぇな。」

 

 

峰田「緑谷のヤツ防戦一方じゃねぇか。」

 

 

試合を観戦している瀬呂達や“上辺だけ”の戦闘しか見ていないプロヒーロー達も猛攻を続けている切島が有利だと思っている。しかし…

 

 

晴希「いや、いずっくんの方が優位だよ。」

 

 

本当の戦闘をしたことのある晴希や“ヒーローの本質”を考慮して観戦しているプロヒーロー達は、出久の方が有利だと気づいている。

 

 

芦戸「なんで?どう見ても切島が圧してんじゃん。」

 

 

晴希「いずっくんは受け流したりカウンターを使って切島の攻撃を無効化、もしくは利用する戦闘スタイル。それにしても対して、切島の攻撃は個性を重ねてゴリ押しスタイル。」

 

 

上鳴「それがなんで切島が不利なんだ?」

 

 

晴希「戦法には細かい部分を除いて、大雑把に2つの戦法がある。」

 

 

瀬呂「2つの戦法?」

 

 

晴希「圧倒的な力で相手を倒そうとする“剛”、相手の力を利用もしくは無効化させて翻弄する“柔”。この剛柔が戦闘における主な戦法なんだ。」

 

 

八百万「試合を見る限り、緑谷さんが“柔”切島さんが“剛”の戦法ですわね。」

 

 

晴希の話を聞き、八百万が冷静に2人の戦法を分析する。

 

 

晴希「剛の戦法は確かに力強いし、相手を圧倒できる。だけど、圧倒しようとすればするほどパワーを使うから長期の戦闘には向かない。対して柔の戦法は、相手の力を利用するから自分自身の力を最低限に留めることができる。だけど、相手のパワーが強いと受け流しやカウンターでもダメージをくらう。」

 

 

葉隠「それならやっぱり、圧倒してる切島君の方が有利なんじゃないの?」

 

 

晴希「パワーで圧倒するってことは、それだけスタミナの消費も激しい。対戦相手が同じ剛の戦法ならいいけど、長期戦に長けた柔の戦法を使っているいずっくん相手だと攻撃が当たらないし、尚且つスタミナを消費するだけだ。」

 

 

ここで何故出久が優勢だと言っているのかが分かった。柔の戦法で戦う出久は、剛の戦法で戦う切島の攻撃を受け流す、あるいは切島の攻撃を利用したカウンターで戦うためスタミナの消費は少なく、長期戦に長けている。一方切島の剛の戦法は、パワーで圧倒する戦法のためスタミナの消費が激しい。短期戦に長けた剛の戦法では、柔の戦法にどうしても時間が経つにつれて遅れをとってしまう。

 

 

晴希「さらに言えば、ライダーワールドで多くの怪人と戦ってきたいずっくんの潜り抜けてきた修羅場は切島とは桁が違う。戦闘経験が皆より1回りも2回りも違う。冷静に戦闘を分析できるいずっくんは、切島のスタミナ切れを狙ってるのさ。」

 

 

“雄英高校生”という立場であれば、出久や晴希も周りと同じ土俵であるが、実戦経験においてはプロヒーロー達よりも濃い。それは何故なら、

 

ライダー達は常に、命懸けで世界の平和を守っているからだ。

 

 

 

切島(強ぇっ‼️)

 

 

試合が始まりどれ程時間がたったか分からないが、切島は己と出久の戦力の差に気が付いていた。

 

USJ事件の時、オールマイト対策である“脳無”と対峙した時、彼は恐怖した。しかし、その脳無の攻撃をスペクターとなった出久が受け止め、更には殴り飛ばしたのだ。

 

 

切島(あん時から、俺達と緑谷の間には埋めようのないくらいの力の差があった。緑谷だけじゃねぇ、操真と音黒のヤツとも差がある。今の俺達じゃ、正直勝てねぇ。)

 

 

切島は既に、自分達とは違う領域にいる出久や晴希達には勝てないと分かっていた。しかし、彼とて“ヒーローの卵”ここで諦めるわけにはいかない。

 

 

切島「(ここで諦めたら漢じゃねぇ‼️)なぁ緑谷、正直今の俺にはお前に勝つことはできねぇ。けどよ、俺だってヒーロー目指してんだ、諦めるわけにはいかねぇ‼️」

 

 

出久「じゃあどうするの?」

 

 

切島「お前の必殺技を受けきったら俺の勝ち、堪えられず場外に出たらお前の勝ちってことでどうよ?」

 

 

出久「…切島君の覚悟は分かった。その勝負乗った‼️」

 

 

切島「サンキュー緑谷‼️」

 

 

お互い十分に距離を離し、出久はベンケイ眼魂を取り出した。

 

 

GD『アーイ‼️』

 

『バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️』

 

『開眼‼️ベンケイ‼️兄貴ムキムキ仁王立ちぃ‼️』

 

 

ベンケイ魂へとゴーストチェンジした出久は、ドライバーから出現したガンガンセイバー薙刀モードと何処からともかく現れたサポートメカ“クモランタン”を合体させて、ハンマーモードになったガンガンセイバーを握る。

 

 

PM『待ってましたゴーストチェンジ‼️今回のゴーストチェンジは、障害物競争で圧倒的なパワーを見せつけたベンケイ魂だぁぁぁ‼️更に今度は武器を手にしてるぞぉ‼️』

 

 

プレゼント・マイクの実況を余所に、切島は硬化によって体を硬くして構える。そして出久は、ガンガンセイバーをドライバーに翳す。

 

 

GD『大開眼‼️ベンケイ、オメガドライブ‼️』

 

『ガンガンミナー‼️ガンガンミナー‼️ガンガンミナー‼️ガンガンミナー‼️』

 

 

出久が腰下げ、ガンガンセイバーハンマーモードを構える。すると出久の後方に、刀や槍等の武器の形をしたエネルギー体が出現する。

 

 

出久「行くよ、切島君‼️」

 

 

切島「来いやぁ‼️」

 

 

GD『オメガボンバー‼️』

 

 

出久「はぁぁぁぁぁっ‼️」

 

 

勢いよく振り下ろされたハンマーの衝撃波と共に、エネルギー体の武器も切島を襲う。

 

 

切島「がぁぁぁぁぁぁぁっ⁉️」

 

 

両腕をクロスして堪えようとするが、攻撃の威力に押し負け場外に吹き飛ばされる。

 

 

切島(くそっ、やっぱ強ぇよ緑谷…。俺もいつか、…お前の…いる…領域に、…行けっかなぁ…。)

 

 

意識が薄れゆくなか切島は自分もいつか出久と同じ領域に立てるか願っていた。

 

 

MN「切島君場外‼️緑谷君の勝ち‼️」

 

 

審判のミッドナイトにより、第1試合は出久の勝利で終わり、トーナメントは始まった。




思いつかないですねぇ。
ジオウは、平成ライダーの力を使うというより、完全にアーマーにしてるんですねぇ。

自分はゲイツ派ですけどね。


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1回戦 第2試合 尾白猿夫vs心操人使

全然話進まない…はぁ

けど、めげずに頑張ります‼️

戦闘描写ほとんどありません

どうぞ


 

PM『第1試合からハイレベルな戦いが見れたぜぇぇ‼️観客も俺も興奮冷め止まない中で、次の試合にレッツ・ゴー‼️』

 

 

相澤『解説なんだから少し落ち着け。』

 

 

 

出久達の試合の影響で、解説のプレゼントマイクを含めた観客席の興奮状態は非常に高かった。“仮面ライダー”としての圧倒的な力を見せた出久、力の差があるにも関わらず真正面から立ち向かった切島。

“ヒーローの本質”を理解しているプロヒーロー達は、果敢に立ち向かった切島と戦闘時の分析力を見出だしていた出久を将来有望な存在だと確信していた。

 

 

 

PM『第2試合‼️尻尾を駆使して勝利を掴め‼️個性:尻尾‼️ヒーロー科、尾白猿夫‼️vs普通科唯一の生き残り、個性地味だけど精一杯ぶちかませ‼️個性:洗脳‼️普通科、心操人使‼️』

 

 

心操「緑谷の後だとなんか余計なプレッシャーを感じるな。」

 

 

尾白「それについては全く同感だよ。」

 

 

出久達の試合の後では、自分達の試合は少し味気ないものになる気がしてならない2人であった。しかし、そんな思いとは裏腹に、2人の目は真剣に自分の前にいる対戦相手を見据えている。

 

 

PM『それじゃあ始めてくれ‼️レディィィィィ…、』

 

 

2人は同時に構え、

 

 

PM『スタァァァァァトォォォォォ‼️』

 

 

2人は同時に舞台中央まで走り出す。そして、

 

 

心操「はぁッ‼️」

 

 

尾白「てりゃぁッ‼️」

 

 

心操の回し蹴りと尾白の尻尾の殴打がぶつかり合う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の名前は心操人使。“洗脳”っていう個性を持っている。周りからは常に“敵(ヴィラン)向きの個性”として、言われ続けてきた。

中学3年の時、進路希望で雄英を志望した時も声には出していなかったが、周りからは“お前には無理だ”という意味合いの視線を受けた。クラスメイト達ならまだしも担任までもがそんな思いで俺を見ていた。

 

 

 

心操(…分かってるよ。俺みたいな“敵向きの個性”を持ってて、戦闘に不向きな奴がヒーローになれないなんて…。)

 

 

 

俺だってヒーローに憧れた。危険を顧みず、市民のピンチを助けるヒーローに。

 

 

“俺も周りを助けるヒーローになりたい”

 

 

そう思っていた。

だが、俺の持っている個性は“洗脳”。俺の意思のある言葉を聞いた相手を操る個性。

とてもヒーローに向かないものだった。

 

 

心操(結局ヒーローになれるのは、戦闘に向いている個性を持つ奴だけってことか。…いいよなぁ…。)

 

 

次第に俺はヒーローになる道を諦めかけていた。

だが、そんな俺にまたヒーローを目指す道をくれた“奴”がいた。

 

 

 

 

 

日曜日のある日、俺は特に予定もなく散歩をしていた。だが、周りからの差別的な視線によってここ最近精神が不安定だった俺は、街の喧騒に対してイライラしていた。

 

 

心操(…どいつもこいつもうるせぇなぁ。強い個性が有るからって…。)

 

 

理不尽な苛立ちが頭を支配していた俺は、この喧騒から逃げ出したくなり街外れの山へ向かった。

 

 

 

心操「…ここなら誰も来ないし、少しは落ち着けるか。」

 

 

暫く山の中を歩いていた俺は、1ヵ所開けた場所を見つけ切り株の上に腰を下ろした。そして、静かに空を眺めていた。どのくらい時間が経ったのか分からないそんな時、近くの茂みから物音がしてそちらに目を向けた。

 

 

心操(なんだ?何かいるのか?)

 

 

出久『あれ?先客がいたんだ。』

 

 

茂みから出てきたのは、俺より背が高いがまだ顔に幼さが残るそばかすのある男子だった。

 

 

心操『…誰だお前?』

 

 

出久『僕は緑谷出久。君は?』

 

 

心操『…俺は心操人使だ。』

 

 

それが、俺と緑谷との出会いだった。

 

 

 

 

 

出久『そういえば、心操君の個性ってなに?』

 

 

緑谷と出会って何日かしたある日、緑谷が俺の個性を聞いてきた。

緑谷はこの山の中で鍛練をしているらしい。俺も鍛練に誘われ、気分転換に身体を動かすことにした。

 

緑谷の鍛練は滅茶苦茶辛かった。山の中を往復ダッシュしたり、丸太背負って腕立てしたりと、他にも色々あるが思い出すと気分が悪くなるので止めた。

最初は往復ダッシュで倒れた俺も、今ではなんとか緑谷について行けてる感じだ。だが、緑谷はまだまだ余裕があるのか全く息を切らしていなかった。

 

 

心操(…こいつの体力は異形型か?)

 

 

そんなふうに思った俺は悪くないと思う。

 

 

 

心操『…俺の個性は“洗脳”だ。』

 

 

 

緑谷と出会って一緒に鍛練をしてから、緑谷とはいい友達になれた。本当は“個性”の話はしたくなかった。友達になれた緑谷から、“敵向きの個性”なんて言われたくなかったから。

だが俺は、緑谷になら“個性”のことも含めて俺の悩みを打ち明けてもいいと思った。鍛練の時も、俺がまだ無駄な動きがあることを丁寧に教えてくれた。俺の身体が鍛練に慣れるまで、俺のペースでやってくれた。

こいつなら、緑谷なら俺を軽蔑するようなことは言わないと確信した。だから全てを打ち明けた。

 

 

出久『“洗脳”かぁ。いいなぁ。』

 

 

心操『は?』

 

 

案の定軽蔑はされなかったが、予想を斜めにいく感想だった。俺の個性を軽蔑するどころかまさか羨ましがられるとは、思ってもいなかった。

だから俺は、何故羨ましがっているのかを聞いた。

 

緑谷は自分が“無個性”であることを教えてくれた。今の時代で“無個性”の奴は限りなく少ない。しかし、“無個性”は社会からも差別対象としてよく見られる存在だ。

 

 

個性を持つ俺よりも過酷な環境にいたはずの緑谷。だからこそ、どんなものであれ“個性”を持っていることが羨ましかったらしい。

 

俺の個性はそんな良いものじゃないと緑谷に言ったら、緑谷は俺の個性は“ヒーローとして必要なもの”だと言ってくれた。

 

 

出久『確かに心操君の個性は、周りからみると“敵向き”なんて言われるけど僕はそうは思わないよ。』

 

 

心操『どういうことだ?』

 

 

出久『例えば、敵が人質をとっているとするでしょう?周りは人質に危害を出さないために動くことができないけど、心操君の個性があれば、敵を洗脳して人質を救出、敵を捕縛することができる。敵にも人質にも、周りの人達や建物にも被害が出ないから最小限の動きと最低限の人員で行動できる。』

 

 

俺は緑谷の説明を聞いて驚いた。今まで“敵向きの個性”と呼ばれていた俺の個性が、まさかヒーローとして活躍できるということに。

 

 

出久『“敵向き”なんて言うけど、それは使い方次第だよ。敵向きかヒーロー向きか、それはその個性を使う人の使い方次第だよ。強い個性だったとしても、それを犯罪に使えばその個性は敵向き。敵向きと言われてた個性で人を助ければ、その個性はヒーロー向きになる。』

 

 

 

緑谷は小さい頃からヒーローに憧れ、“自分もいつかヒーローになりたい”という思いから、ヒーローの個性や特徴を調べて行くようになったらしい。その結果、個性の有効な使い方や動きをある程度予測出来るようになったらしい。

 

 

出久『僕は確かに“無個性”だけど、師匠達から“ある力”と“思い”を受け継いだ。ヒーローになることを諦めなかったから、きっとチャンスが来たんだと思った。』

 

 

緑谷は“無個性”と診断されても、ヒーローになることを諦めなかった。その結果、緑谷は師匠と出会えたらしい。

 

 

出久『心操君、君はヒーローになれると僕は思ってる。君の個性は、必ずこの先役に立ってくる。個性を活かすも殺すも、個性の使い方次第。“助けたい”って思った時点で、君はヒーローになれると思う。だから、“諦めないで”。』

 

 

“ヒーローになれる” “諦めないで”

その言葉を聞いたとき、俺は声を殺して泣いていた。緑谷は何も言わず俺の肩を叩いてくれた。

 

 

 

 

 

 

心操(俺がヒーローを目指し直すことが出来たのは緑谷のお陰だ。緑谷に出会うことがなかったら、ヒーローを諦めて本当に敵になっていたかもしれない。)

 

 

 

心操は、出久との出会いを思い出しながら尾白と徒手空拳の試合を続けていた。出久との鍛練の影響で、肉弾戦においてヒーロー科の生徒にも勝るとも劣らない力を身に付けた。

 

 

心操(ヒーロー科の奴と知り合えて、ヒーロー科の奴と渡り合えるのも全部緑谷のお陰だ。あいつがいてくれたから俺はヒーローになる道を取り戻すことができた‼️)

 

 

尾白の尻尾を掴み、背負い投げの要領場外へ投げ飛ばす。

 

 

MN「尾白君場外‼️勝者心操君‼️」

 

 

PM『決まったぁぁぁぁ‼️激しい徒手空拳の応酬を制したのは、普通科の心操だぁぁ‼️個性なくても普通に強ぇじゃねぇか‼️』

 

 

試合が終わると、心操は周りからの歓声と拍手に包まれていた。その中には、かつて受けていた“同情”や“哀れみ”の視線ではなく、“羨望”や“尊敬”の眼差しだった。

 

 

場外に落ちた尾白を引き上げ、

 

 

尾白「凄かったよ。君があんなに強いなんて思わなかったよ。」

 

 

心操「これでも緑谷の鍛練に付き合ってきたからな。そう簡単には負けねぇ。」

 

 

尾白「緑谷の鍛練?是非とも聞きたいかな。」

 

 

心操「…そうだな。」

 

 

尾白「なにかな今の間は?」

 

 

舞台中央で握手を交わした2人

 

 

 

心操は控室に戻る際に、観客席に目をやる。するとクラスメイト達から“すげぇぞ‼️”“かっこよかった‼️”等の称賛の声が聞こえた。

 

 

そしてそれはヒーロー科の皆からも、

 

 

切島「やるなぁ心操‼️」

 

 

瀬呂「すげぇの見させてもらったぞ‼️」

 

 

八百万「おめでとうございます‼️」

 

 

芦戸「格好良かったよー‼️」

 

 

鉄哲「漢を見たぞ心操‼️」

 

 

マミ「素晴らしかったですわ‼️」

 

 

他クラスの心操を誉め称えていた。その中には、

 

 

出久「おめでとう心操君‼️」

 

 

自分の道を示してくれた恩人もいた。

 

 

心操(緑谷、俺はお前に感謝してる。だから俺はヒーローになる。お前を支えられるような“心の強い”ヒーローに。)

 

 

 

 

“ヒーローを支えるヒーロー”

心操が目指すヒーロー像が見えた瞬間だった。

 

 

 

 




今回心操のオリジンを入れてみました。
出久との出会いから、新たなヒーローの道を見つけた心操、これからどうなるか。


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1回戦ダイジェスト 轟焦凍という男の思い

1回戦は一気にダイジェストでお送りします。


2回戦に進むのは、まあまあ原作通りなので


心操が勝ち上がるという普通科の可能性を見せたことで、観客は大いに賑わっていた。他の普通科の生徒達も、心操を見て自分の中にあるであろう可能性に心を踊らせていた。

 

そんな中で、試合は着々と進んでいく。

 

 

第3試合の飯田と発目は、飯田が発目の発明品を披露し、それで満足した発目は棄権して飯田が勝利。

 

 

第4試合のマミと芦戸は、酸を投げて飛ばす芦戸の攻撃をネクロムとなったマミがかわしながら芦戸に近づき、徒手空拳により場外に押し込まれマミの勝利。

 

 

第5試合の上鳴と晴希は、速攻で勝負を決めようとした上鳴が強力な電撃を放つが、ウィザードに変身した晴希にあっさりかわされ、許容量を越えてアホになった上鳴を手を繋いで場外に送って、晴希の勝利。

 

 

第6試合の轟と瀬呂は、最大級の氷結を出した轟により、瀬呂は行動不能になって轟の勝利。

その直後、瀬呂にドンマイコールが贈られたのは、言うまでもない。

 

 

第7試合の八百万と常闇は、ダークシャドウの圧倒的攻撃に堪えるため、盾を創造した八百万を逆に利用して、八百万を場外まで押し込んだ常闇の勝利。

 

 

第8試合の麗日と爆豪は、攻撃に対して圧倒的差があるにも関わらず、ボロボロになりながらも善戦した麗日だったが、爆豪が勝利。

 

その際、“女子をいたぶる悪質な奴”ということでブーイングが響き渡るが、出久や晴希といったライダー組、ライダー達の存在を知っている1-Aの生徒や鉄哲等がブーイングに対して“ヒーローとしての在り方”を理解している分、そのブーイングに嫌悪感を抱き、解説席にいた相澤がブーイングを飛ばしたプロヒーロー達に、“ヒーローのあるべき形”を述べる。これにより、上辺しか見ていなかったヒーロー達は黙りこむ。

“仮面ライダー”の存在を知っている相澤は、“今のヒーロー社会”に浸っている雄英教師達にも言い聞かせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結果2回戦の対戦表は

 

 

第1試合 緑谷出久vs心操人使

 

 

第2試合 飯田天哉vs音黒マミ

 

 

第3試合 操真晴希vs轟焦凍

 

 

第4試合 常闇踏陰vs爆豪勝己

 

 

という組み合わせとなった。

 

 

この試合、“仮面ライダー”と戦うことになる心操、飯田は“自分の現段階の実力”を知るいい機会と考えている。それは彼、“轟焦凍”も同じなのだが少し違う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺“轟焦凍”の父親である“轟炎司”は、巷でも有名なヒーロー“エンデヴァー”

しかしエンデヴァーは、万年No.2ヒーローと言う本人にとっては不名誉な称号を持っている。

 

 

彼の前に立ち塞がる不動のNo.1ヒーロー

 

 

 

オールマイト

 

 

“オールマイトがいる限り、自分はNo.1ヒーローにはなれない”

そう感じた親父は、自分ではなく自分の子供を“No.1ヒーロー”にしようと考えた。

そこで親父がとった行動は、自分の個性である“炎”と真逆の個性“凍結”をもつ者との結婚“個性婚である。”

 

 

現代様々な個性が発見されるなか、両親の個性を受け継ぎ“新たな個性を発現させる複合型”と呼ばれる者が存在する。俺は、この複合型にあたる。

俺には、兄が2人と姉が1人いる。しかし、兄姉は父親もしくは母親のどちらかの個性を受け継ぎ、エンデヴァーの理想にはならず、“失敗作”と呼ばれることもあった。そして俺が生まれ、父と母の個性を受け継ぐ“最高傑作”となった。

親父は、俺をNo.1ヒーローにするために日々特訓をした。しかし、思うような結果が現れず、親父は俺に厳しくあたることもあった。毎日辛い特訓を受ける俺であったが、母さんはいつも笑顔を向けてくれた。そんな母さんが俺は大好きだった。

 

 

 

しかしそんなある日、俺は大好きな母さんから煮え湯を顔にかけられた。いつも笑顔を向けてくれた母さんの顔からは、俺に対して憎悪を向けていた。

 

 

“お前の左顔が憎い”

 

 

大好きな母さんに言われた言葉に俺は心に絶大なダメージを受けた。

 

 

 

母さんはその後、精神病院へと搬送され今もなお入院生活を送っている。

母さんをあんな風にした“左の個性が憎い”。母さんを利用して俺という存在を作り出した親父が憎い。

俺は次第に、父親である“エンデヴァー”に憎悪を抱くようになった。そして雄英に入学し、“母の個性だけを使ってヒーローになる”、“親父の個性を全否定する”。

俺はそんな思いでいた。

 

 

ヒーロー科に推薦入試で入った俺の周りは、自分を特別視する者はいなかった。

“エンデヴァーの子供”という認識が広い小中校時代は、周りから少し壁があるのを感じていた。

 

 

“自分は周りより強い個性がある”

 

 

俺はそう考えていたが、ある事件とある人物により俺の中にあったものが変わった。

 

 

“USJ事件”

 

救助訓練をするために集まった俺達は、“ヴィラン連合”と戦うことになった。“靄みたいなヴィラン”に分散され、俺は1人でヴィランと戦った。

ヴィラン共を凍らせて、“この事件の目的”を聞き出した。それは…

 

 

 

“オールマイトの抹殺”

 

 

そんな事出来るわけないと思っていたが、“対オールナイト用最高傑作”があると言われ、俺は最初にいた広場へ向かった。

途中で爆豪と切島と合流して目的地に向かうと、リーダー格の手を身体中に付けたヴィランと靄のヴィラン、そしてオールナイトの倍はあるんじゃないかと思うほどの脳を剥き出しにしたヴィランがいた。

俺が戦ったヴィラン共の情報で、外見が一致した“脳無”が“オールマイト対策”だとわかった。

手だらけのヴィランが、俺達を攻撃するように脳無に指示を出したが、脳無は“何か”を殴ったような体勢から動かなかった。脳無の先には、俺達のクラスメイトである“緑谷出久”がいて、脳無の一撃を“片手”で受け止め、更には倍以上あるデカさの脳無を“殴り飛ばした”のである。

 

 

 

“緑谷出久”

 

 

同じヒーローを目指すクラスメイトだが、あいつは他の連中と違和感を感じた。個性把握テストで見たゴーストは“まるで本物のヒーロー”のように感じた。

なんでそう思ったのか、その時の俺は分からなかった。

だが、緑谷がヴィランに放った言葉に俺は衝撃を受けた。

 

 

出久『僕は出久、緑谷出久だ。オールマイトじゃない。僕は僕として、ヒーローになる‼️オールマイトを超える本当のヒーローになるんだ‼️』

 

 

今のヒーロー社会において、プロヒーローに憧れてヒーローになろうとする奴がほとんどの中、緑谷は“本物のヒーローになる”と宣言し、“オールマイトを越える”とまで叫んだ。

“誰かの代わりじゃない自分だけのヒーロー像”

そう感じた俺の中に、ある日の母さんの言葉が蘇ってきた。

 

 

轟母『難しく考えなくていいよ。お前は、お前のなりたいヒーローになればいいんだから。』

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後俺は緑谷と爆豪、そして切島の4人で脳無を倒すことが出来た。先陣切って戦う緑谷が“ヒーロー”のように見え、翌日の八百万の家での勉強会で“本物のヒーロー”である“仮面ライダー”の存在を知った。

仮面ライダーと共にいた緑谷は、“本物のヒーロー”を間近で見ていたから“オールマイトを越える”何てことが言えたんだろう。

 

 

俺は緑谷の言葉を聞き戦う姿を見て、親父を“否定する”のではなく“越えよう”と考え方を変えた。

正直俺は、否定していた親父の力を使うにはまだ抵抗がある。

だが、俺の次の対戦相手は緑谷と同じ“仮面ライダー”の操真だ。迷っている暇はない。

 

俺もヒーローになるんだ。緑谷のような本物のヒーローに。

 

 

“親父を越えるヒーローに”

 

 




頭の中ではなんとか出来ているんですが、文面にしようとするとなかなか難しいです。

飽きずに読んでくださると幸いです。


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2回戦 第1試合 緑谷出久vs心操人使 盲目の音楽家と眼魂ジャック

心操に、オリジナル技をつけました。


小休憩をはさみ、いよいよ2回戦が開幕する。

 

 

PM『さあ全リスナーお待ちかねの2回戦第1試合‼️このカードは非常に見物だぞ‼️ヒーロー科1年A組、“偉人の数だけ力あり⁉️”緑谷出久‼️』

 

 

出久「数には限りあるけどね。」

 

 

PM『バーサス‼️普通科唯一の生き残り‼️普通科1年3組、“個性よりも肉弾戦‼️”心操人使‼️』

 

 

心操「個性も使うけどな。」

 

 

プレゼントマイクの選手紹介により、観客席は大いに盛り上がりを見せていた。それはクラスメイト達も同じだ。

 

 

 

麗日「頑張れーー‼️デクくーーーん‼️」

 

 

爆豪「俺以外のヤツに負けんじゃねぇぞ、デクゥ‼️」

 

 

切島「やったれ心操‼️」

 

 

瀬呂「ぶちかませーー‼️」

 

 

 

どのような対戦になるか、非常に見物である。

 

 

 

MN「試合、開始‼️」

 

 

ミッドナイトの合図と同時に心操は走り出し、出久に右ストレートを食らわせようとするが、

 

 

GD『アーイ‼️』

 

 

GD『バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️』

 

 

パーカーゴーストによって阻まれ後退する。

 

 

心操「やっぱそう簡単には、一撃もらってくれねぇか。」

 

 

出久「当然。変身‼️」

 

 

GD『開眼‼️』

 

 

GD『俺‼️レッツゴー覚悟‼️ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト‼️』

 

 

 

攻撃を阻まれたことに悪態をつけるが、わかっていたからか心操は笑っていた。そんな心操に返答して、出久は仮面ライダーゴーストに変身する。

 

 

出久「じゃあ、特訓始めようか‼️」

 

 

心操「ああ、頼むぜ‼️」

 

 

周りのことは気にせず、出久指導による心操の戦闘訓練が始まった。

 

 

 

 

 

 

試合が始まったが、1回戦に比べて少しゆったりした戦闘になっていた。

 

 

峰田「なんか緑谷のやつ、最初に比べて動き遅くね?」

 

 

蛙吹「緑谷ちゃん手加減してるのかしら?」

 

 

出久の戦闘を直に視たことのある峰田や蛙吹は、1回戦に比べて動きに余裕がある出久に疑問を持っていた。

 

 

晴希「いずっくんはそんなことしないよ。試合なのに手加減するなんて相手に失礼だからねぇ。あれはどちらかと言ったら、心操の戦闘訓練だねぇ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

徹鐵「戦闘訓練?」

 

 

拳藤「なんでそんなことを?」

 

 

B組の中で、出久と面識のある鐵徹や拳藤も疑問に持ち、出久をよく知るマミに尋ねていた。

 

 

物間「自分の強さを見せつけたいからだろ?嫌だねぇA組は。そうやって優越感に浸ろうするところがあってさぁ。ヒーロー目指してる割にはあまりにも低nへぶッ⁉️」

 

 

最後まで嫌味を言い切る前に、物間はマミと拳藤のストレートで撃沈した。

 

 

マミ「出久様がそんな低俗なことするはずないでしょう。そんな思考している貴方の方がよっぽど低能ですわよ。」

 

 

拳藤「…いつもごめんね、マミ。」

 

 

物間のA組に対する嫌味は今に始まったことではなく、入学当初から何かと目の敵にしていて、その言動がエスカレートすると拳藤やマミに殴って鎮められる。

しかし、ちっとも懲りない。

 

 

徹鐵「ところで音黒、戦闘訓練ってどういう意味だ?」

 

 

物間のせいで脱線した話を徹鐵が戻した。それにより、話を聞いていた他のB組の面々もマミ視線を向ける。

 

 

マミ「出久様に聞いたのですが、心操さんとは入学前に特訓中にお会いしたそうです。それから、よく心操さんと特訓していたらしいのです。心操さんの個性は、決して戦闘向きではありません。ですが、“ヒーローになりたい”という心操さんの想いを知り、一緒に特訓をするようになったらしいのです。」

 

 

 

 

 

 

 

晴希「元々“無個性”だったいずっくんにとって、“個性を持っている”ってだけで羨望の眼差しがあるらしい。だから、“個性があるのにヒーローを諦めるのは勿体ない”って心操に、ライダーワールドで培った肉弾戦の技術を教えたらしいんだ。」

 

 

尾白「だから個性に関係なくあんなに強かったのか。」

 

 

晴希の話を聞いて、実際に戦った尾白は心操の強さに納得した。

心操のような肉体に影響を及ぼさない個性は、ヒーロー業に向かないと世間一般には思われている。

しかし、思い出してほしい。心操とは別ベクトルでヒーローに向かない個性を持っているヒーローがいる。

 

 

 

耳郎「そういえば、相澤先生だってよくよく考えたらヒーロー向きの個性じゃないけど、立派なプロヒーローだもんなぁ。」

 

 

1-A担任の相澤消太の個性は“抹消”

 

 

相手の個性を消すことのできる“個性”は、いまでこそ“イレイザーヘッド”として世間に浸透しているが、ヒーロー向きかと言えばヒーロー向きではない。

 

 

 

 

マミ「相澤先生という前例があるように、“個性”は使い方次第です。肉体に直接影響を及ぼす物がヒーロー向きというのは、所詮は個性の上部しか見ていない人達です。精神系の個性ならば、肉体を鍛えればヒーローになる可能性を秘めているんです。」

 

 

 

 

晴希「いずっくんは、“個性”だけでヒーローか敵かなんて考えず、その努力した結果をみてるんだ。個性だって、訓練次第では別の使い方ができるようになるだろうしね。」

 

 

晴希、マミの話を聞いたクラスメイト達も分かった気がした。世間は結局“上部しか個性を見ておらず、人間性を見ていない。”一部を除くプロヒーローもそうだ。だからこそ“ヒーローの質の低下”が話題になり、“敵連合”のような組織が生まれてしまう。

これからヒーローを目指す自分達は、相手の人間性を理解していかなければならず、“敵だから”と言ってただ倒すだけではダメなのだ。

 

 

“過去に囚われず、未来に進む。”

 

 

何処かの仮面ライダーも過去と運命に囚われ、未来に進むことができなくなったが、過去と未来を知らしめる時の魔王が仲間と共にそれを絶ち切ったのだが、それを知るのはもう少し後になるだろう。

 

 

“自分達が仮面ライダーであることを忘れ、アナザーライダーが誕生し、王を目指す新たな仮面ライダーが誕生したことを知るのも、もう少し未来の話”

 

 

 

 

 

 

心操は、パンチやキックを繰り出して出久を攻撃するが、全て受け流されている。出久も攻撃を繰り出し、心操に当てようとするが、心操も負けじと出久の攻撃を掻い潜っている。

 

 

 

PM『試合が始まってから緑谷と心操の攻防はまさに互角‼️地味な戦闘だが、力の差が解りきっていることは確かなのに食らいついていく心操のタフさとスタミナはすげぇぞ‼️』

 

 

相澤『聞いたところによると、心操に肉弾戦の技術を教えたのは緑谷らしい。緑谷の実力ははっきり言えば、そこらのプロヒーローよりも上だろう。そんな緑谷に指南された心操なら、ここまで食らいついていけるだろうが、生半可な努力と訓練じゃあそこまでにはならん。緑谷の技術もそうだが、心操の努力も評価に値する。(心操の個性は確かに戦闘向きではない。しかし、あれだけの技術を持っているというのは緑谷の教えがあってだろうが、諦めなかった心の強さもあるだろうな。そして緑谷の指導する技術も実に高い。今の世間を変えるヒーローの先頭に立つのは、間違いなくアイツだな。)』

 

 

ヒーローとして教師として、相澤は2人を高く評価した。

 

 

 

そんな特訓と言う名の試合も遂に動きがみられた。近接格闘を続けていた出久が、心操のパンチをバク転でかわして距離をとった。

 

 

出久「今の心操君なら、プロヒーローの目に留まるだけの力を得た。ここまで強くなるなんてね。」

 

 

心操「お前が教えてくれたからだ。あの時、お前に会わなかったら俺は敵になってたかもしれない。だからこそ、お前に助けられたから、お前みたいに誰かを助けられるヒーローになりたいと思ったから、俺はここまで強くなれた。緑谷には、本当に感謝してる。」

 

 

 

心操の成長に驚く出久、自分を強くしてくれた出久への感謝。人はきっかけがあれば、変わり、成長していく。

 

 

 

出久「心操君が諦めなかったから、そこまで強くなれたんだ。心操君の心の強さだよ。」

 

 

心操「緑谷…。やっぱりすげぇよ、そんなことを言えるお前って。」

 

 

心操は出久に感謝だけではなく、尊敬していた。自分よりも過酷な状況で生活してきたのに、誰よりも他人を高く評価する出久に。そして、ヒーローとしての強さや優しさを持ち合わせた出久が、どのプロヒーローよりもヒーローに見えることに。

 

 

出久「そろそろ終わりにしようか。」

 

 

出久は、ムサシ眼魂を取り出した。

 

 

心操「(来たか‼️)ああ、そうだな。」

 

 

GD『アーイ‼️』

 

 

GD『バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️』

 

 

眼魂をセットして、パーカーゴーストが出久の周りを飛び回り、出久がレバーを引こうとした瞬間、

 

 

心操「(今だ‼️)ムサシ‼️俺に従え‼️」

 

 

心操は出久ではなく、パーカーゴーストに己の個性を発動した。そしてパーカーゴーストは出久の側を離れ、心操に憑依した。

 

 

出久「なっ⁉️」

 

 

これには流石の出久も驚愕した。

 

 

パーカーゴーストを洗脳し憑依させた心操の姿が変わりだした。

髪が赤く染まりちょんまげができ、目が赤くなっていた。さらに、着ていた雄英のジャージが着物に変わり、両手に刀を持っていた。

 

 

 

出久「まさかパーカーゴーストを洗脳するなんて。」

 

 

心操「これがお前への秘策、“眼魂ジャック”だ。ぶっつけ本番だったが上手くいったぜ。」

 

 

 

驚愕したのはもちろん出久だけではない。

 

 

 

 

 

晴希「まさか個性をいずっくんにじゃなく、パーカーゴーストに使うとはねぇ。考えたな心操。」

 

 

上鳴「あんなこと出来んのかよ⁉️」

 

 

晴希「普通は無理さ。使用者以外がパーカーゴーストを纏うなんて出来やしない。」

 

 

 

 

 

 

マミ「あれは心操さんだからこそ出来たことでしょう。」

 

 

拳藤「どういうこと?」

 

 

マミ「心操さんの個性は“洗脳”。意思の乗った言葉に反応したものを操ることのできる力だからこそ、パーカーゴーストとして意思のある眼魂を洗脳出来たのでしょう。」

 

 

 

 

PM『心操スゲー新技炸裂したぁぁぁぁぁ‼️緑谷に個性を発動するんじゃなく、緑谷の持つ眼魂から出てきたパーカーゴーストを洗脳して、その能力を纏いやがった‼️しかも見た目も変わってんぞ⁉️』

 

 

 

心操の“眼魂ジャック”に周りは驚愕と興奮に包まれていたが、心操本人はそれどころではなかった。

 

 

 

心操(ぐっ‼️…ぶっつけ本番だからか体力持ちそうにねぇ。一撃で決めねぇと‼️)

 

 

 

出久(ぶっつけ本番で眼魂を洗脳したんだ。多分そんなに持たないはず。それに、急に何時もと違うことをして体が拒否反応を起こしてるんだ。…不利な状況でも諦めないで挑むなんて…。)

 

 

今の心操の状況を察知した出久は、ドライバーからムサシ眼魂を取り出し、新たな眼魂をセットする。

 

 

GD『アーイ‼️』

 

 

GD『バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️』

 

 

新たに出現したパーカーゴーストの色は白。出久の周りを飛び回る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本から遠く離れた地、ドイツに生まれた少年は父からその才能を期待され、虐待に匹敵するほどの音楽教育を受けた。音楽を嫌悪したこともあったが、12歳の時に才能が実を結び、世間に羽ばたいた。しかし20を過ぎた頃、音楽家の命と言える聴覚を失ってしまった。それでも彼は諦めることなく音楽を奏で続けるも、40を越えた頃に視力までも失ってしまった。音を聞くことができず、楽譜を視ることができなくなったにも関わらず、彼は56という生涯で音楽を奏で続け、死後には彼の作曲した曲は世界に広まり、“楽聖”と呼ばれるようになった。

 

 

 

出久(どんなに苦しくても諦めないところ、貴方みたいですよベートーヴェンさん。)

 

 

GD『開眼‼️』

 

 

GD『ベートーヴェン‼️曲名?運命‼️ジャジャジャジャーーン‼️』

 

 

 

白いパーカーゴーストを纏うと、顔には楽譜が描かれ、襟の部分は鍵盤のようになっている。

 

 

“仮面ライダーゴースト ベートーヴェン魂”

 

 

生涯を音楽に捧げた偉人の力だ。

 

 

 

PM『緑谷新たにゴーストチェーーーンジ‼️今度は白か⁉️しかもベートーヴェンってことは、あの名曲“運命”か⁉️』

 

 

相澤『ベートーヴェンはドイツの作曲家で日本では楽聖と呼ばれている知らない奴はいない偉人だ。聴覚と視覚を失い、多くの病気に侵されてもなお、生涯を音楽と共に過ごしたとされている。音楽業界からしたら偉人を通り越して神だな。』

 

 

 

出久「これで決めるよ、心操君。」

 

 

心操「…ああ。」

 

 

GD『大開眼‼️ベートーヴェン‼️オメガドライブ‼️』

 

 

心操は2本の刀を構え、出久もオメガドライブを発動させる。オメガドライブ発動と同時に、出久は宙に浮かび上がり周囲を様々な音符が囲む。

 

 

GD『オメガブレイク‼️』

 

 

出・心「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ‼️」」

 

 

出久の必殺キックと心操の刀がぶつかり合う。

 

拮抗は長く続かず、体力の限界が来ていた心操は踏ん張ることができずに、場外へ吹き飛ばされた。

 

 

 

MN「心操君場外‼️勝者緑谷君‼️」

 

 

PM『決まったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼️攻防の末、2回戦を制したのは1-A緑谷だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼️』

 

 

相澤『少し落ち着け。』

 

 

心操「やっぱり負けちまったか、完敗だ緑谷。でも、すげぇ楽しかった。」

 

 

出久「僕もだよ心操君。“眼魂ジャック”、上手く使えるように特訓だね。」

 

 

心「ああ、またよろしく頼む。」

 

 

 

 

負けた心操は、とても晴れやかだった。

 

 

 




ベートーヴェンのオメガドライブ、誰か教えて下さい‼️




眼魂ジャック


心操が考えた出久への秘策。パーカーゴーストに個性を発動し、自分に憑依させることで偉人の力を手に入れる。しかし、憑依させるために体力をかなり消耗してしまい、現在超短時間のみでしか使用できない。
憑依させることによって、髪の色と目が眼魂と同じ色に変わり、服装や髪型が偉人の面影を生み出す。

武器は、偉人が持っていた物が出現する。

武器を持たない偉人の場合、手を相手にかざすことで能力を発動できる。


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3回戦 第2試合ダイジェスト 第3試合 轟焦凍vs操真晴希

なかなかモチベーションが上がらず手がつけられませんでした。待っていた方、本当に申し訳ないです


待ってくれてる人いるのかな


第1試合は激闘の末に、経験の差で出久が心操に勝利した。ヒーロー科相手に粘りを見せた心操の印象は、プロヒーローからも観客からも、そして“戦闘向きではない個性”の人々に希望を与えた。

 

 

“努力すれば、ヒーローになることができる”と

 

 

 

第2試合の飯田とマミの試合は、戦闘直前に飯田の母から電話があり、プロヒーローとして活躍している“インゲニウム”が何者かにやられたという連絡を受けて試合を棄権した。棄権した飯田は、病院へ向かうらしい。

不戦勝という形でマミが第3試合に進出することになったのだが、

 

 

 

マミ『私も棄権させていただきます。私は出久様と戦うつもりはありませんし、出久様に優勝していただきたいですから。出久様の“未来の妻”として夫に勝利を譲りますわ♪』

 

 

 

というとんでもない爆弾発言をしてから棄権した。出久がこの後婚約者じゃないと誤解を解くのに必死になったり、麗日がこの発言で黒いオーラを出していたり、晴希がその光景を見て必死に笑いを堪えていたりと中々な修羅場になっていたらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

PM『第2試合は両者の棄権ととんでもない爆弾発言があったが、後で詳しい話は緑谷に聞くとして第3試合を始めるぞー‼️』

 

 

テンションの高いプレゼントマイクの実況で第3試合の選手がステージに上がる。

 

 

 

PM『2回戦第2試合‼️指輪の輝きは勝利の輝きか⁉️今世紀の魔法使いで、個性:ウィザード‼️ヒーロー科、操真晴希‼️』

 

 

晴希「勝利は時の運でもあるけどねぇ。」

 

 

WD『ドライバーオーン.プリーズ』

 

 

PM『バーサス‼️氷の個性のみで勝ち進んできた男‼️個性は冷たいけど、ハートは熱いぜぃ‼️個性:半冷半燃‼️ヒーロー科、轟焦凍‼️』

 

 

轟「…。」

 

 

 

轟は何も言わずに晴希を見据える。

 

 

 

WD『シャバドゥビタッチヘンシーン。シャバドゥビタッチヘンシーン。』

 

 

ウィザードライバーの待機音がステージ上に鳴り響く。

 

 

 

MN「試合開始‼️」

 

 

ミッドナイトの開始の合図と同時に、轟は氷結を晴希に放つ。

 

 

 

晴希「変身。」

 

 

WD『フレイム、プリーズ。ヒー、ヒー、ヒーヒーヒー‼️』

 

 

前方に魔方陣を出現させて氷結を防いだと同時に魔方陣が潜り変身した晴希は、そのままウィザーソードガンを構えて轟に駆け出す。

 

 

晴希「ハァッ‼️」

 

 

轟「ちっ‼️」

 

 

迫り来るウィザーソードガンを氷の壁を作って防ぐが粉々に砕かれ、

 

 

晴希「でりゃッ‼️」

 

 

轟「ぐっ⁉️」

 

 

体制を変えた晴希の蹴りが轟の腹に直撃、その勢いで轟は少し後退してしまった。

 

 

 

轟「ハァハァッ、クソッ‼️」

 

 

強制的に空気を出されたことで息が荒くなったが、氷を飛ばして反撃に出る。

 

 

 

WD『キャモナスラッシュ、シェイクハンズ‼️キャモナスラッシュ、シェイクハンズ‼️』

 

 

WD『フレイム、スラッシュストライク‼️ヒーヒーヒー‼️』

 

 

晴希の攻撃によって氷は瞬く間に溶かされた。

 

 

 

 

 

晴希「…轟、お前俺のこと嘗めてる?」

 

 

 

轟「な、なんだと…。」

 

 

 

 

いつもの明るい晴希の時とは明らかに違う声の低さに、轟は一瞬寒気を感じた。

 

 

晴希「さっきから戦ってるけど、お前は炎も使えるんだよねぇ?お前は2つの異なる力を持ってるのに炎は使おうとせず氷ばかり使う。個性は体から発するものだから少なからず人体に影響を及ぼす。氷、つまり冷気を使っていけばいくほど体温は奪われ、体の動きは鈍くなる。今のお前は、半袖で雪山にいる状態と変わらない。そうだろ?」

 

 

 

轟「…。」

 

 

晴希「口まで凍らさないでもらえるか?」

 

 

図星をつかれ口を閉ざした轟に、先程より強めに問いかける。

 

 

 

晴希「なんで炎を使わない?炎を使えば冷えた体が温まって動きがとれやすくなる。」

 

 

晴希の言う通り、炎を使えば冷気で冷えた体を温めることができるし攻撃の幅も広がる。しかし轟は使うことを否定してきていた。炎を使えば、轟が憎む“アイツ”と同じになってしまうから。

 

 

轟「…俺はアイツとは違う。」

 

 

晴希(アイツ?…いずっくんの話だと轟の父親はNo.2ヒーロー“エンデヴァー”。炎の個性を使うヒーローだったはず。つまり…)

 

 

轟「俺は絶対アイツの個性は使わない。アイツの個性を使わずに優勝して、アイツの存在を否定する‼️」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

晴希「…で?」

 

 

轟「なに?」

 

 

轟は思いを打ち明けた。しかし、その晴希からは気の抜けた声が聞こえた。まるで“それがなに?”というように

 

 

 

晴希「アイツってのはエンデヴァーのことでいいんだよなぁ。轟の個性はお父さんの個性なの?じゃあ轟の個性はなに?」

 

 

轟「は?」

 

 

自分の個性はなんなのか?轟はその質問に呆気にとられた。

 

 

晴希「轟の個性は半冷半燃だよな?エンデヴァーは氷も使えたのか?」

 

 

轟「違う‼️氷の個性はお母さんの個性だ‼️アイツは炎だけだ‼️」

 

 

晴希「じゃあ氷と炎を操れるのは轟の家族の中でも他にいるのか?」

 

 

轟「俺だけだ‼️だから俺はアイツの個性である右側を使わずに…」

 

 

晴希「じゃあそれはエンデヴァーの炎じゃないじゃん。」

 

 

轟「ッ⁉️」

 

 

晴希「氷を出せて、炎を出せるのは轟焦凍だけだ。つまりそれはお前の力じゃないか。エンデヴァーの炎だと思ってるかもしれないけど、轟に宿った力ならそれはすでに轟の“炎”だ。お母さんの氷だと言ったけどその力もお前に宿った“氷”だ。“誰かの個性”じゃなくて“轟焦凍の個性”じゃないか。」

 

 

 

轟「…アイツのでもお母さんのでもない…俺の、個性」

 

 

 

晴希の言葉に何か感じたのか轟は少し動きを止めた。

 

 

 

晴希「轟の過去に何が有ってその結論になったのかは分からない。でも、轟の個性は轟だけの個性じゃないか。炎を使ったとしても、その炎がエンデヴァーの炎なんて誰も思わない。だって今炎を使っているのは“轟焦凍”、お前だ。」

 

 

轟「…フッ」

 

 

少し下を向いて考えていた轟から、炎が吹き出してきた。

 

 

 

轟「お前は馬鹿だな。わざわざ敵に塩を贈る真似なんかしやがって。」

 

 

 

炎を使い始めたことで、冷気で冷えた体は温まり動きにキレが戻ってきた。

 

 

轟「お前のおかげで吹っ切れた。ありがとな操真。」

 

 

轟は静かに右手を晴希に向ける。

 

 

晴希「皆全力でやってるんだ。俺はきっかけを与えただけだよ。」

 

 

晴希は防ぐがウィザーソードガンをガンモードにする。

 

 

 

WD『キャモナシューティグ、シェイクハンズ‼️キャモナシューティグ、シェイクハンズ‼️』

 

 

 

お互いに一撃の準備を終える。辺りはまるで夜のように静かになっており、2人の一挙一動に集中する。

 

 

 

WD『フレイム、シューティグストライク‼️ヒーヒーヒー‼️』

 

 

音が流れた数秒後、ステージ中央から爆発音が響き渡った。

 

 

 

 

爆煙がステージを埋めつくし、勝敗の結果を確認することができない。そしてゆっくりと煙が晴れていき、ステージ上にいたのは…

 

 

 

 

晴希「ふい~。」

 

 

 

轟「…。」

 

 

 

ウィザーソードガンを構えた晴希と力なく座り込んでいる轟だった。

 

 

 

MN「試合終了‼️勝者操真君‼️」

 

 

 

試合終了と同時に、大きな歓声がステージを埋め尽くした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




無理やり終わらせました。

長らくお待たせしてしまいすいません。中々モチベーションがあがらず、リアルが忙しく手をつけられませんでした。
また、ちょくちょく投稿していきますのでよろしくお願いいたします。


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雄英体育祭決勝戦 英霊と魔法と爆撃 そして裏側で起きたこと

ジオウが放送されている間、ほとんど投稿していなかったことが悔しい。

ゼロワンの間は絶対頑張って投稿します‼️

実はヴィラン連合にはご退場願おうと思っています。
その理由は後ほど


第4試合の常闇対爆豪は、爆豪の爆撃の閃光によりダークシャドウが本来の力を発揮することができず、常闇が爆豪に押さえ込まれたことで勝敗が決した。

 

準決勝を行う予定だったが、出久の対戦相手であるマミが棄権したためそのまま不戦勝かと思われたが、

 

 

相澤『それなら三つ巴で決勝戦をやればいい。』

 

 

という提案があり、それを横で聞いていた実況のプレゼントマイクが大いに盛り上がり、プレゼントマイクもまた観客たちに尋ねた結果観客席も大いに沸いた。

 

 

相澤(実力から言えばこの3人が今現在最もプロヒーローに近い。だが“ヒーローとしての本質”をしっかり体現できているのは間違いなく緑谷と操真の2人のみ。そのことを理解しているプロヒーローが何人いるのか分からんが、“仮面ライダー”というヒーローの存在と戦い方は俺達も学ばなければならないことがある。)

 

 

“仮面ライダー”=“ヒーローの本質”

 

 

この方程式ができたからこそ、相澤は三つ巴を提案したのだ。“仮面ライダー”である出久と晴希、その出久と触れ合っている爆豪を含めた1-Aのクラスメイト達。仮面ライダーの存在を理解している生徒達は、必ず次世代のヒーロー達の先頭を進むことができる。そう確信している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

PM『観客席とテレビ前のリスナーの皆お待たせしたなぁ‼️イレイザーの提案で、準決勝吹っ飛ばして三つ巴の決勝戦を開催するぜぇぇぇぇぇぇ‼️』

 

 

 

プレゼントマイクの実況が皮切りになり、観客席から絶叫に似た大歓声が響き渡る。

 

 

PM『それでは選手の紹介するぜぇぇぇぇぇ‼️数多の英雄と力を合わせてここまで来たぞ‼️“個性:ゴースト”ヒーロー科、緑谷出久‼️』

 

 

プレゼントマイクの紹介で入場口から出久が姿を現す。

 

 

GD『アーイ‼️』

 

 

『バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️』

 

 

出久「変身‼️」

 

 

GD『開眼‼️』

 

GD『オレ‼️レッツ・ゴー‼️覚悟‼️ゴ・ゴ・ゴースト‼️』

 

 

ゴーストに変身した出久は空中浮遊でフィールドに上がる。

 

 

出久「優勝してみせる。この命燃やして‼️」

 

 

 

PM『いきなりのサービスで会場盛り上がってきたぁぁ‼️サンキュー緑谷‼️続いて紹介するぜぇぇぇぇぇ‼️指輪の魔法は希望の数‼️“個性:ウィザード”ヒーロー科、操真晴希‼️』

 

 

 

WD『ドライバーオン、プリーズ。』

 

 

『シャバドゥビタッチヘンシン‼️シャバドゥビタッチヘンシン‼️』

 

 

晴希「変身。」

 

 

WD『フレイム、プリーズ。ヒーヒーヒーヒーヒー‼️』

 

 

同じく入場口で変身した晴希は、ロンダードをしてステージに降り立つ。

 

 

晴希「さぁ、ショータイムだ。」

 

 

 

PM『緑谷に続いて操真も登場を盛り上げたぁぁ‼️さぁ最後に登場するのは、この体育祭でド派手さならコイツ‼️全員爆撃でぶっ飛ばせ‼️“個性:爆破”ヒーロー科、爆豪勝己‼️』

 

 

最後に入場口から現れた爆豪は、爆破で飛び上がり空中ひねり3回転してステージに降り立つ。

 

 

勝己「1位はこのオレだぁぁぁぁぁ‼️」

 

 

PM『爆豪の優勝宣言が響き渡る‼️こっからは三つ巴、容赦無用のバトルロイヤルだぁぁ‼️この3人の中で最後まで残っているのは誰だ⁉️』

 

 

3人はステージ上でそれぞれ戦闘態勢をとる。

 

 

MN「決勝戦、開始‼️」

 

 

開始早々勝己は晴希目掛けて突っ込んできた。

 

 

勝己「死ねぇぇぇぇぇ‼️」

 

 

晴希「おっと‼️」

 

 

バックステップしてかわすが、連続爆破を繰り出す。

 

 

勝己「オラオラオラオラオラオラオラオラァァァァァ‼️」

 

 

晴希「ちょっと‼️爆豪‼️なんか‼️ピンポイントに‼️俺を‼️狙ってない⁉️」

 

 

回避しながら勝己に質問する晴希。バトルロイヤルなら、晴希に集中することなく出久にも攻撃を仕掛けていいはずなのに、勝己は出久には目もくれず晴希ばかりを狙う。

 

 

勝己「テメェ、騎馬戦の時に散々オレを馬鹿にしたこと忘れてんのかァァァァァ‼️」

 

 

晴希「あっ…」

 

 

そう。騎馬戦で晴希の悪い癖である挑発癖が発動してしまい、勝己を煽りに煽ってしまったのだ。

 

 

晴希「それは悪かったけど‼️いつまで‼️根に‼️もってんだよ‼️」

 

 

勝己「オレを馬鹿にした落とし前つけさせてやらァァァァァ‼️」

 

 

晴希「ちょっと‼️危な‼️いずっくん‼️爆豪‼️止めて‼️」

 

 

晴希は勝己の幼馴染である出久に助けを求める。しかし、

 

 

出久「かっちゃんって、負けたり馬鹿にされたりする嫌なことはずっと覚えててすっごく根にもつタイプだから。それに、これは晴くんの挑発癖で起きた自業自得だよ。」

 

 

晴希「薄情者ぉぉぉぉぉぉ‼️」

 

 

勝己「余所見してんじゃねぇぇぇぇぇぇ‼️」

 

 

出久は晴希の自業自得だと言って助けようとはせず、晴希は助けてもらえないために叫び、無視されている勝己は更に怒りをあらわにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻のとある場所

 

 

 

???「ぐっ…。ま、まさか…、ぼ、僕の個性が、なにも…効かないなんて…。」

 

 

何者かと対峙して、満身創痍の状態で地面に伏している人物。

人物というには少々疑問が生じるが、首から下は壮年の男性を思わせる体格だが、問題は首から上だ。頭髪から眉、髭にいたるまでの毛が一切なく目や鼻も見当たらない。

しかし、しゃべることができることから彼が人間であることを主張している。

 

 

彼の名は“オール・フォー・ワン”

 

 

オールマイトの宿敵にして、先日雄英に乗り込んだ敵連合の首領、そしてその敵連合とともに来た死柄木弔の師でもある。オールマイトの宿敵とあって、実力は勿論彼の個性は、“他人から個性を奪う、他人に個性を与える”というもののため、幾つもの個性を有している。しかし、そんな彼を圧倒した存在がいた。

 

 

???「この程度の力で裏の世界を支配できるのか。ならば、この世界のヒーローとやらは相当弱いらしいな。」

 

 

AFO「な、なんだと…。」

 

 

行き絶え絶えながら、自分を打ち負かした相手を見るオール・フォー・ワン。紫を基調とした服を纏い、髪型はオールバック、男の目には何かを成し遂げようとする野望に満ちていた。

 

 

AFO「き、君は…いったい、な、何者、なんだ?」

 

 

???「冥土の土産に教えてやろう。俺の名はスウォルツ、“タイムジャッカー”だ。先程も言ったようにこれより俺が、お前に代わり裏の世界を支配する。」

 

 

数十分前に突如として現れたスウォルツは、オール・フォー・ワンに戦いを挑んだ。スウォルツは、自分が負けたら“敵連合の配下になる”という条件と自分が勝ったら“敵連合をいただく”という条件で戦いを始めた。

オール・フォー・ワンは、“自分に勝てるはずがない。”と思っていた。

しかし、いざ戦いが始まるとスウォルツは異形の者へと姿を変えた。異形型で発動型の混合型の個性と考えていたが、スウォルツの一方的な猛攻に完全敗北してしまったのだ。

 

 

AFO「き、君に…できる、ものか…。」

 

 

スウォルツ「…。」

 

 

AFO「き、君は…、自分の力を…、か、過信しすぎている…。そして…、自分以外の存在を下に見ている。そんな君が、う、裏の世界を支配することは…、ぜ、絶対に…できない…。」

 

 

オール・フォー・ワンはスウォルツの目を見てそう感じた。何故かは分からない。だがそんな感じがしたのだ。言われたことに怒りの表情を顕にしたスウォルツは、片手でオール・フォー・ワンの首を掴み持ち上げた。

 

 

AFO「ぐっ…」

 

 

苦しむが、最早抵抗する力もなくなっていた。

 

 

スウォルツ「…お前の意見など、求めていない‼️」

 

 

スウォルツが放った衝撃波のようなものを受けたオール・フォー・ワンは、声をあげることなく消滅した。

 

 

AFO(し、死柄木…。)

 

 

 

スウォルツ「くっくっく、フッハハハハハハハハ‼️」

 

 

最後に自分の弟子を思い出し、完全にこの世から消滅したオール・フォー・ワン。オールマイトの知らぬところで因縁の対決が終わり、死柄木の知らぬところで敵連合は侵食されようとしている。

 

 

新たな脅威が世界を蝕み始めていることを、出久を含めプロヒーロー達もまだ知らない。

 

 

 

 

 




という訳で、スウォルツに登場していただきました。これからどうしようかどうなるか、お楽しみに


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雄英体育祭決着 西武のガンマンと血染めのヴィジランテ~混沌の序章~

“投稿はいつになりますか?”という連絡があり、待ちくたびれている人がいるのと同時に待ってくれている人がいると思うと、申し訳ない気持ちもありますが励みになります。

頑張って投稿しますので、応援よろしくお願いいたします。


敵連合の頭目である“オール・フォー・ワン”がタイムジャッカーと名乗る“スウォルツ”に消滅(?)させられたことを彼を知る存在が気づかずにいる今、雄英体育祭が佳境を迎えようとしていた。

 

 

 

相澤の提案で異例の緑谷出久・操真晴希・爆豪勝己による三つ巴の決勝戦が行われた。

開始と同時に、騎馬戦で煽られた恨みを晴らすため勝己は晴希に標的を定めて猛攻を繰り出していた。“仮面ライダーウィザード”としての戦闘経験がある晴希は難なく爆豪の攻撃を避けるも、威力と破壊力に特化し、尚且つ怒りと恨みの影響でその強さが増している勝己に若干ながら劣勢をしいられていた。

 

 

あまりのしつこさに、勝己の幼馴染であり晴希の親友で恩人でもある出久に助けを求めるが、

 

 

“自分の悪い癖が蒔いた種、自業自得だよ。”

 

 

とぐうの音も出ない正論で押し返されてしまった。

 

 

 

 

PM『開始早々爆豪が操真に猛攻撃‼️騎馬戦で挑発された恨みを張らさんとばかりにメチャクチャやってるぜぇ‼️爆豪は結構根に持つタイプか?』

 

 

相澤『爆豪は個性や性格も相まってプライドが高い。だがそのプライドに見合う実力を持っている分質が悪い。緑谷の話では幼少期から爆豪に敵う奴がほとんどいなかったからな。自分を馬鹿にした操真が許せないんだろうな。』

 

 

一応学校行事なので私情を加えるのは良くないが、これも晴希の自業自得なのでちょっとした罰である。

 

 

 

晴希(くっ、このまま避け続けてもらちが明かない。爆豪の爆撃を止めたいけど、あんなに熱くなってるアイツをどうやって止めれば…。ん?熱い?もしかして…)

 

 

勝己の攻撃を避け続けていた晴希は“ある予想”を立て指輪を変える。その動作に真っ先に傍観に徹していた出久が気付く。

 

 

出久(晴君が何か思いついたな。可能性としてはかっちゃんの個性の特徴に。だから次に晴君のとる動きは…)

 

 

勝己「しぃぃぃぃぃぃぃぃねぇぇぇぇぇ‼️」

 

 

晴希「そうカッカしなさんな。少し頭を冷やしなさい。」

 

 

WD『シャバドゥビタッチヘンシン‼️シャバドゥビタッチヘンシン‼️』

 

 

『ウォーター‼️プリーズ』

 

『スイースイースイスイー』

 

 

真正面から突っ込んでくる勝己に左手を向けて、青い魔方陣を当てようとする。

 

 

出久「かっちゃん‼️前方爆破‼️」

 

 

勝己「ッ⁉️オラァァァァァァァッ‼️」

 

 

しかし出久の声に反応し何かを感じ取った勝己は、出久の指示に従い進行方向にある魔方陣を爆撃する。するとステージ一体が煙に覆われる。

 

ステージ後方に下がった勝己とその隣に立つ出久、二人の見る煙の向こうには晴希がいる。

 

 

晴希「やっぱりいずっくんには気付かれたか。」

 

 

煙が晴れるとウィザードの姿が変わっていた。赤を基調としていたヘルムとアーマーが青になっており、顔のヘルムは赤の丸から青のひし形になっている。

 

 

“仮面ライダーウィザード ウォータースタイル”

 

 

勝己「どういうこったデク。」

 

 

出久「かっちゃんの個性を見抜いたみたいだよ晴君。」

 

 

 

 

 

 

 

拳藤「操真の色、また変わってる。障害物競争の時は緑に変わってたけど。」

 

 

徹鐵「なんだありゃ?」

 

 

マミ「あれは“エレメントチェンジ”です。」

 

 

拳・徹「「エレメントチェンジ?」」

 

 

B組観客席では障害物競争で行動を共にした拳藤が、操真の新たな姿に驚いていた。徹鐵も疑問に思っていたなか、出久と“ついでに”晴希のことを知るマミが補足を始めた。これには同じく疑問に思っていたB組メンバーも聞き耳を立てる。

 

※物間は悪態をつけかねないので、試合が始まる前にマミに意識を刈り取られている…

 

 

マミ「エレメントチェンジとは晴希さんが変身するウィザードに備わっている能力です。赤のフレイム、青のウォーター、緑のハリケーン、黄のランド。これらのスタイルにチェンジすることで、使える指輪の魔法や能力が変わります。そもそもエレメントとは、この世に於ける自然の物、火・水・風・土を表しています。おとぎ話でも魔法使いは火や水を出したり、風を生み出して箒で空を飛んだり、大地を耕したり岩を浮かばせたりと様々なことをしていますでしょう?そのおとぎ話の魔法が、忠実に表れているのが晴希さんの使う“ウィザードリング”なんです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

PM『なんだなんだ⁉️煙が晴れたと思ったら操真の色が変わっているぞ‼️こりゃとんだサプライズだぁ‼️』

 

 

相澤『操真の使うウィザードリングにはそれぞれ魔法が込められているらしい。操真から渡された資料によると、あれは“エレメントチェンジ”と呼ばれるものだそうだ。基本スタイルが赤の“フレイム”、水を操る青の“ウォーター”、風を操る緑の“ハリケーン”、そして大地を操る黄の“ランド”と合計4つが存在するそうだ。』

 

 

 

PM『イレイザーそんなの貰ってたのか⁉️後で貸してくれ‼️』

 

 

相澤『嫌だ。』

 

 

 

 

エレメントチェンジによる魔方陣の展開で勝己の猛攻をはね除けた晴希は、ウィザーソードガンをガンモードにして戦闘態勢をとる。

 

 

晴希「爆豪、お前は確か自分の汗を爆発させる個性なんだよな?」

 

 

勝己「それがどうしたッ‼️」

 

 

晴希「つまり、汗が出ないと爆発させることが出来ない訳だ。」

 

 

WD『バインド。プリーズ。』

 

 

晴希は水の鎖で勝己を拘束する。

 

 

勝己「こんなもんッ‼️」

 

 

勝己は鎖を解こうと個性を発動しようとするが発動しない。ウォータースタイルの影響で水の鎖となったことで、勝己から体温を奪うことで爆破を封じたのだ。そして鎖が水で構成されているため上手く動くこともできない。勝己は完全に動きを封じられてしまったのだ。

 

 

勝己(動けねぇッ‼️これじゃああの時と同じ…)

 

 

今の状態は自分がヘドロ敵に捕まっていたときと似ていた。その事を思い出し、勝己のなかで沸々と沸き上がるものがあった。

 

 

“自分の個性を勝手に使った敵”

 

 

“自分が苦しんでいるのに助けようとしない現在のヒーロー”

 

 

“自分が見下していた出久に助けられたこと”そして、

 

 

“なにも出来なかった自分”

 

 

 

勝己「ッがァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ‼️」

 

 

晴希「ッ⁉️」

 

 

雄叫びを上げたと同時に激しい爆発が起こり、晴希のバインドを力づくで打ち破った。

爆発により起きた衝撃で隣にいた出久が押されてしまった。

 

 

勝己「俺をあの時と一緒にすんなァァァァァッ‼️」

 

 

晴希「爆豪は水に濡れたら個性使えなくなるんじゃないの?」

 

 

出久「どうも晴君がウォータースタイルでバインドしたのが駄目だったみたいだね。拘束されて動けないっていう状況がかっちゃんがヘドロ敵に捕まったことと似てたんじゃないかな?」

 

 

晴希「…冷静な解説どうも。」

 

 

だがそんな出久も冷静では入られない。元々体が冷えていた状態から怒りによる感情の高ぶりで体全体を爆発させたような勝己。本来は“掌”にのみ発動するはずの個性が、体全ての汗腺から出ているのだ。勝己は今ほとんど意識がない状態だろうが、意地とプライドでギリギリの状態だ。

この状態には、ステージの外で待機しているセメントスとミッドナイトも気付いている。

 

 

出久(かっちゃんの状態を考えると長く持たない。一撃で“撃ち抜く”‼️)

 

 

出久は結論が出て直ぐ様【6】と書かれた眼魂を取り出し、ゴーストドライバーにセットする。

 

 

GD『アーイ‼️』

 

 

『バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️』

 

 

ゴーストドライバーからパーカーゴーストが現れ、出久の周りを飛翔する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アメリカで産まれた少年は、母と平和に暮らしていた。しかし彼は10代の時に、アウトローと呼ばれる法外追放者となった。その後少年から青年に成長した彼は、生きていくために様々な偽名を名乗りながら、窃盗や罪人を殺していった。

彼は愛用する2丁の銃を持って、弱き民を守ってきたが銃撃戦で射殺されてしまった。

 

 

銃の名手とまで言われた男の名は

 

 

 

GD『開眼‼️ビリー・ザ・キッド‼️百発百中‼️ズキュン‼️バキュン‼️』

 

 

西部のガンマン“ビリー・ザ・キッド”

 

 

 

 

フードとくっついた様なカーボーイハット、中世の保安官を彷彿させるような茶色い長袖のパーカー、そして銃口と銃弾を発射したようなフェイス。

 

 

仮面ライダーゴースト“ビリー・ザ・キッド魂”

 

 

 

 

 

PM『出た出たァァァァァ‼️緑谷の真骨頂ゴーストチェンジ‼️今回のはなんかカウボーイっぽいぞ⁉️』

 

 

相澤『あれは“ビリー・ザ・キッド”だな。アメリカ西部で存在していた伝説のガンマンだ。2丁の銃を使っていたことから、銃の名手とも呼ばれていたが齢21でこの世を去った義賊だ。』

 

 

PM『説明サンキューイレイザー‼️しかしさっきから会場の隅っこでスナイプが嬉しさのあまりはしゃぎまくってねぇか⁉️』

 

 

相澤『あいつの“個性”の原点になってる存在なんだろう。』

 

 

 

 

 

実況席の解説と会場の隅っこで興奮するスナイプ先生を無視して、出久はガンガンセイバーをガンモードにして飛んできた“バットクロック”を合体させてライフルモードにする。

 

 

 

出久「一撃で決める‼️」

 

 

GD『大開眼‼️ビリー・ザ・キッド‼️オメガドライブ‼️』

 

 

『ガンガンミナー‼️ガンガンミナー‼️ガンガンミナー‼️ガンガンミナー‼️』

 

 

出久の様子を見て晴希もウィザーソードガンをガンモードにして構える。

 

 

 

晴希「あんな風にしちゃったのは俺の責任だしね。俺もケジメつけないと。」

 

 

WSG『キャモナシューティング‼️シェイクハンズ‼️キャモナシューティング‼️シェイクハンズ‼️』

 

 

 

 

2人が必殺技を構えた瞬間勝己の全身爆破の威力が上がり、勝己の周りを火花がバチバチ音を経てている。

すでに勝己は半分意識が飛んでいるが、ステージ中央まで爆破の衝撃でいつも以上のスピードで特攻する。

 

 

さすがに危険だと判断したセメントスとミッドナイトが各々の個性を発動して勝己を止めにはいる。

 

 

CM「ミッドナイトこれ以上は‼️」

 

 

MN「彼の体が持たない‼️」

 

 

 

が、一足遅かった。

 

 

 

 

 

GD『オメガインパクト‼️』

 

 

WSG『ウォーター‼️シューティングストライク‼️』

 

 

『スイスイスイー‼️スイスイスイー‼️』

 

 

 

出久「命、燃やすよ‼️」

 

 

晴希「フィナーレだ‼️」

 

 

勝己「オラァァァァァァァァァァァァ‼️」

 

 

 

 

 

 

3人の攻撃がステージ中央でぶつかり、激しい爆発とフラッシュで会場全体がつつまれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

会場全体が見えるまでに爆煙が晴れると、壁にぶつかって気を失っている勝己。衝撃に耐えられず場外へ押し出された晴希。そして、ステージ上でガンガンセイバーを構えた状態で立っていた出久だった。

 

 

 

 

MN「け、決勝戦終了‼️勝者緑谷出久君‼️」

 

 

観客や実況があまりの衝撃で静まり返っていた会場は、正気を取り戻したミッドナイトの声で大歓声につつまれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~とある路地裏~

 

 

 

???「この世を正さねばならない。今のヒーロー達は己の欲や利益のためにしか動かない…だが、“あの少年”の約束は守らねばならない。」

 

 

 

 

 

 

 

暗い路地裏では先程まで戦闘があったのだろうか、周りに血が付いている。そして数人の人間が横たわっていた。

しばらくしてから住民から通報を受けて駆け付けた警察が身元を確認すると、とあるプロヒーロー達と敵の集団だった。調査を進めていくにつれて、路地裏に倒れていたプロヒーロー達と敵集団は裏で繋がっていることが分かった。プロヒーロー達に金を掴ませる代わりに、敵集団達の犯罪を揉み消すというヒーローにあるまじき行為だった。

 

 

 

 

実はこの事実を最初に知ったのは、飯田の兄でありプロヒーローの“インゲニウム”だった。インゲニウムは密会場所として使われていた路地裏に様子を伺いにきたまではよかったが、“何処からか”現れた異形によって重傷を負ってしまった。異形はインゲニウムに止めを刺さんとばかりに攻撃をしようとするが、突如現れた男によって攻撃を阻まれそのまま逃げてしまった。

男は異形を追わず、インゲニウムに駆け寄る。

 

 

インゲニウム「…あ、あな…たは…一体…」

 

 

???「本来なら名乗るつもりはないが、“ステイン”だ。」

 

 

 

“ステイン”

今世間を騒がせている別名“ヒーロー殺し”。

しかしヒーロー殺しとは名ばかりか、実際には死んではいない。警察が調べるとステインが襲ったヒーローのほとんどは、闇取引や敵と繋がりを持っているものばかりであった。

警察は“ステイン”を“ヴィジランテ”として行方を追っていた。

しかし、警察上層部とプロヒーローの一部はステインの活躍を知っているため少ないながらも支援していた。インゲニウムもその1人なのである。

 

 

ステイン「傷の手当てを…」

 

 

インゲニウム「お…俺の…ことは、いい…から、は…早く…あ、あいつら…を」

 

 

自分のことよりも犯罪者を捕らえてほしいというインゲニウムの言葉に、

 

 

ステイン「…分かった。お前の事務所に連絡を入れた。直に助けが来るはずだ、それまで耐えろ。お前の任務は俺が遂行する。」

 

 

 

ステインはインゲニウムの思いを優先した。

 

 

 

インゲニウム「た…頼み…ます…」

 

 

そこまで言うとインゲニウムは気を失った。だが、そんなインゲニウムの耳には確かに聴こえた。

 

 

ステイン「…お前は、“あの少年”と同じ“本物のヒーロー”だな。」

 

 

その言葉を残して、ステインは路地裏に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 




明けましておめでとうございます。書こう書こうと思っているのですが、なかなか進められず申し訳ないです。なるべく頑張っていきますので、今年もどうかよろしくお願いいたします。



爆豪オリジナル技


負の感情が高まると本来は掌のみに発動する爆破が、身体全体の汗腺を通って発動する。身体全体を包むように常時小規模の爆発が起きており、火花がバチバチ音を立てている。発動中は、身体能力が上がっており攻撃力も上がる。
しかし、現段階ではコントロール出来ず発動中に気を失ってしまう。反動で2、3日は体を動かすことが出来ずその間汗腺が閉じてしまう。



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表彰式と敵連合に蔓延る影 そして未来を知るもの

実はこの小説をpixivで投稿はじめました。投稿しつつ少しハーメルンとは違う流れでやって行けたらと考えているので、そちらもよろしくお願いします。


三つ巴の決勝戦が終わり、3人の体力がある程度回復したところで表彰式が行われることになった…のだが…

 

 

勝己「んーーーーーーーーっ‼️」

 

 

勝己は保健室で目が覚め、表彰式の前までずっと暴れていたので、縄で縛られ口を塞がれていた。

理由はこの表彰式に納得していないためである。

 

勝己は出久を自分の力で倒したかった。倒して優勝して、ヘドロ敵から自分を助けた出久に少しでも近付きたかったのだ。しかし、体育祭直前に転校してきた晴希は、出久とは違う形とはいえ“同じ仮面ライダー”だった。仮面ライダーの力が自分達雄英生を含め、現存しているどのヒーロー達よりも上であることは把握している。2回戦の騎馬戦で、短い間ではあるがライダー同士の闘いに目を奪われた。決勝戦でも勝己は、自分を馬鹿にした晴希に一泡吹かせようと自棄になりながらも、冷静に攻撃を繰り出したが全てを交わされた挙げ句、自分の弱点である“寒気”にあてられた。あっさりと捕まってしまったが、それでも勝己は“仮面ライダー”というのは存在の強さを認めていた。

 

だが、晴希に拘束されたことで忌々しいヘドロ敵の事件を思い出し、自分の中で何かがキレる音がした。その先からは記憶が曖昧になっていて、気がついたら保健室で横になっていた。

拘束された上に意識がとんでいた状態で表彰台に立つというのが、勝己自身のプライドが許さないのである。

 

 

 

 

 

 

晴希「捕まった死刑囚みたいだな。」

 

 

出久「そういうこと言わないの晴君。」

 

 

勝己「んーーーーーーーー‼️んっんーーーーーーーー‼️」

 

 

晴希「ん?なんだって?」

 

 

出久「“誰が死刑囚だコラァァァァァァァァァァァァァ‼️ぶっ殺してお前に死刑執行してやる‼️”だって。」

 

 

口を塞がれているのに、勝己が何を言っているのか分かる出久は幼馴染であるが故にだろう。

 

 

因みに順位だが、場外に出た僅差で晴希が3位、勝己が2位である。

 

 

MN「それではこれより表彰式に移ります。2位の爆豪君はこのままでご了承ください。」

 

 

主審であるミッドナイトがそう告げた。

 

 

MN「メダル授与よ‼️今年のメダルを贈呈するのはもちろんこの人‼️我らがヒーロー、オールマイト‼️」

 

 

AM「ハーッハッハッハー!わーたーしーがー!メダルを持ってきた!」

 

 

ミッドナイトの紹介の後にオールマイトが登場する。

 

 

MN「ではメダル授与へ移ります。」

 

 

 オールマイトはメダルを晴希へ授与する。

 

 

AM「操真少年、3位という結果ではあるが自分の特技と個性を生かした素晴らしい戦いだった。ただ爆豪少年を挑発したことは感心しないがね。次は頑張りたまえ。」

 

 

晴希「ありがとうございますオールマイト。」

 

 

次にオールマイトは勝己にメダルを授与する。

 

 

AM「爆豪少年、惜しくも2位という結果ではあったが自身の個性を使った良い戦い方をした。何より誰に対してでも本気で戦った。」

 

 

勝己は口が自由になったのでオールマイトに抗議する。

 

 

勝己「オールマイト、俺はこんな何の価値もないメダルを受け取る気はねぇ!世間が認めても俺が認めなきゃゴミなんだよ!それに、最後の方なんざ意識がとんでて覚えてねぇ。尚更俺はそれをもらうわけにはいかねぇ。」

 

 

言葉では言い表せない悔しい顔になっていた。

 

 

AM「うむ、相対評価に晒され続けるこの世界で不変の絶対評価を持ち続けられる人間は多くない。君はそれだけでも充分にこのメダルを受け取るに値する。そして次は、最後に見せたあの力を完全にコントロールすることだ。悔しさをバネにすれば、君は間違いなく私を越えるヒーローになれるだろう。」

 

 

爆豪も思うことがあるらしく、オールマイトから渋々ながらもメダルを受け取る。

 

 

 

 

AM「おめでとう緑谷少年、文句なしの優勝だ。」

 

 

出久「ありがとうございます。」

 

 

AM「…君は見違えた。最初に君と会ったとき、君からとても弱々しいがヒーローになれる素質を感じていたが、この体育祭で痛感した。障害物競争では生徒達を助け、騎馬戦では仲間を信じ、トーナメントでは出し惜しみせず力を出した。君は今、この中で誰よりもヒーローとしての強い輝きを持っている。これからもその思いと力を存分に育んでくれたまえ。」

 

 

オールマイトは最後に優勝者の出久にメダルを授与する。

 

 

そしてオールマイトは会場の方へ顔を向けた。

 

 

AM「さぁ‼️今回は彼らだった!しかし皆さん!この場に立つ誰もがここに立つ可能性があった‼️ご覧いただいた通りだ!競い!高め合い!さらに先へと上って行く姿が次世代のヒーローは確実にその芽を伸ばしている‼️てな感じで最後の一言‼️皆さんご唱和ください‼️せーのっ!」

 

 

 

 

 

 

 

『PLUS ULTRA‼️』

 

 

 

 

こうして雄英高校体育祭は幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

敵連合本部

 

 

スウォルツ「この怪物が脳無か。」

 

 

オールフォーワンを消滅させ裏社会に君臨しているスウォルツは、脳無を見つめていた。

 

 

スウォルツ「この人形相手に苦戦するようなら、外のヒーロー達には絶望を味わってもらおう。」

 

 

スウォルツはそういうと、ポケットから歪な絵柄が記されている黒い造形物のボタンを押した。

 

 

 

『ウィザード』

 

 

黒い造形物“アナザーライドウォッチ”から不気味な声が鳴り、スウォルツはウォッチを脳無の中に入れた。

 

 

 

脳無「ガァァァァァァァァァァァッ⁉️」

 

 

『ウィザード』

 

 

脳無は苦痛の声をあげる。その瞬間脳無の体に変化が表れた。

剥き出しの脳は変わらないが、何処か指輪を彷彿させるような頭、腕は肥大化しており右手の指には歪な指輪をしている。ボディは赤いアーマーを纏っているが、まるで人が絶望の表情を浮かべているようにも見える。腰にはベルトをしているが中央には骸骨の手が装飾されている。両肩と腰付近には破れたローブが付いている。

 

 

スウォルツ「名付けるなら“アナザーウィザード脳無”か。こいつに勝てるかな、ヒーロー共?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「雄英体育祭は“仮面ライダーゴースト”緑谷出久の勝利で幕を閉じた。しかしその裏では、“我が魔王”が倒したはずの“タイムジャッカー”スウォルツが敵連合の頭目“オールフォーワン”を倒し、この世界を裏から支配しようとしている。そして脳無にアナザーライドウォッチを使い、アナザーウィザード脳無が誕生した。この世界でこの後何が起こるのか何が起き始めているのか、それを知るのはもう少し未来の話。私はここで失礼させてもらうよ。必要とあれば、“我が魔王”にもきて頂かなければならないからねぇ。」




最後の人物はいったい誰なのか、ライダーファンは分かるでしょう。


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職場体験
体育祭後の朝


こちらの投稿が遅くなってしまい申し訳ありません‼️原作のほうは、なにやらまだ不穏な空気が漂っていますが、こちらはこちらのペースでやって行こうと思います‼️
しかし‼️先に宣言をしておきます‼️自分はミッドナイトを死なせはしない‼️
なぜなら、ライダーがいるから‼️


雄英体育祭が終わり、振替休日を使って体の疲れを取った翌日。いつものように通学するつもりだったが、雨模様だったためバスで行くことにした。バスに乗っていると何故か多くの視線を感じたが気のせいだと思っていたが、

 

 

「雄英の緑谷君だよね?」

 

 

出久「え?」

 

 

「優勝おめでとう‼️素晴らしかったよ‼️」

 

 

「俺も観ていて興奮したよ‼️君を見てると若い頃を思い出すなぁ。」

 

 

出久「あっ、あの…」

 

 

「何よりヒーローとして周りの生徒達も助けながら競技に参加して1位通過なんてすごいじゃないか‼️君なら立派なヒーローになれるよ‼️」

 

 

『頑張れ‼️ヒーロー科‼️』

 

 

出久「は、はい‼️」

 

 

バスに乗っている間いろんな人達から声をかけられ、体育祭優勝を祝ってくれた。すごく嬉しいけど、なにより嬉しかったのは“立派なヒーローになれる”と言われたことだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バスから降りると少し雨が降ってきたので、家を出るときに母さんに渡された傘をさして学校へ向かう。

 

 

 

天哉「おはよう緑谷君‼️」

 

 

出久「飯田君、おはよう…って、カッパに長靴⁉️」

 

 

天哉「ヒーローたるもの、天候を利用して体を鍛えるのも必要だ‼️先に行ってるよ‼️」

 

 

僕に挨拶をした後飯田君は足早に学校へ向かっていってしまった。普段ならそのまま色んな話をしながら学校に向かうのだが、

 

 

心操「…あれは追い詰められてるな。」

 

 

出久「あっ、心操君おはよう。」

 

 

心操「おはよう緑谷。」

 

 

飯田君の走り去るのを見送った後、心操君がやってきた。それに心操君の言葉は…、やっぱり理解しているんだろう。

 

 

心操「ニュースにも載ってたからな。“ヒーロー殺し”。」

 

 

 

 

“ヒーロー殺し”

 

 

最近話題になっている存在だ。夜の時間を狙ってヒーローを襲う。敵だけでなく、ヒーローも狙われ再起不能にされた者もいるという。

 

 

心操「インゲニウムがヒーロー殺しに襲われたのが体育祭の前日の夜、運ばれた時には応急処置も終わっていたらしいがしばらくは活動自粛らしいしな。」

 

 

出久「うん。飯田君、憧れのお兄さんがヒーロー殺しに襲われたから落ち着かないんだろうね。それに…」

 

 

心操「…眼鏡越しでも分かったよ。アイツのあの目、“個性を認めてもらえなかったときの俺の目”だ。」

 

 

個性を認めてもらえず、周りの全てに嫌悪感を抱いていた頃の心操君は、いつもの何かを恨むような目付きをしていたらしい。それでも僕と知り合えたことで、自信をもてるようになったって。

 

 

 

心操「緑谷、もしかしたら飯田を助けられるのはお前かもしれない。俺を認めて助けてくれたときみたいに。」

 

 

出久「心操君…。」

 

 

心操「お前は同年代の俺達の誰よりも多くの経験をしてるんだ。きっとお前なら出来るさ、お前は俺の“ヒーロー”なんだからな。」

 

 

心操君はそう言って僕の肩に手を置いた。こういう時、やっぱり友達の言葉は力になる。

 

 

出久「うん‼️頑張ってみるよ‼️」

 

 

心操「ああ、俺に出来ることがあったら教えてくれ。」

 

 

出久「ありがとう、頼りにしてるよ。そういえば、心操君はどうだった?やっぱり声掛けられた?」

 

 

心操「小学生とか年下に声掛けられたな。“僕もヒーロー向きの個性じゃないけど、貴方が頑張る姿をみてまた頑張ろうと思います”ってさ。」

 

 

出久「すごいじゃないか‼️僕はね…」

 

 

心操「へぇ…」

 

 

その後は通学途中にあったことを話ながら一緒に学校へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

切島「途中から聴いたから詳しくは分からんが、熱い漢の友情を感じる‼️」(泣)

 

 

徹鐵「分かる‼️分かるぞ切島ァ‼️」(泣)

 

 

 

 

 

後から来た切島君と教室に向かう徹鐵君を見たとき、2人とも目が赤かったんだけどどうしたんだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




本当はヒーロー名まで行きたかったんですが、お待たせしていたので投稿させていただきました


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己の未来を象る名前

コロナがどんどん身近にきています。自分の生活圏内の職場近くでもクラスターが発生した模様です。皆さんもお気をつけください。


朝の登校時の話を皆でしていたら相澤先生が入ってきた。

 

 

相澤「おはようお前ら。体育祭お疲れさん。早速だが今日のヒーロー情報学、ちょっと特別だぞ。」

 

 

なんだろう。テストだろうか。

 

 

相澤「コードネーム‼️ヒーローネームの考案だ。」

 

 

『胸ふくらむヤツ来たぁぁぁぁぁぁぁ‼️』

 

 

騒ぐ僕らは相澤先生の眼力で鎮圧される。

 

 

相澤「というのも、体育祭の指名にかかわってくる。指名が本格化するのは経験を積み即戦力として判断される2・3年から。

つまり今回来た指名は将来性に対する興味に近い。興味が削がれたら一方的にキャンセルとかよくある話だ。」

 

 

成程、頂いた指名が自分へのハードルになるのか。

 

 

相澤「逆にお前達からキャンセルしても構わない。お前達は緑谷や操真と触れあってることで、“ヒーローの本質”を1年ながら理解している。これはやはり“仮面ライダーという存在”が大きい。本当のヒーローの在り方を知っているお前達は、指名を受けたヒーロー事務所の理念に疑問を持つ部分が出るはずだ。その疑問をそのままにせず、“あるべき形”にすることがお前らにはある。ヒーロー事務所に行って、違うと思ったら迷わず指摘しろ。それでヒーローから否定され、キャンセルされたら構わん。こっちから今後拒否する。最も“ヒーローの本質”に触れているお前達の言葉を否定するようなヤツのもとでは、今後成長は見込めないからな。」

 

 

体育祭のトーナメント後から、相澤先生は観戦に来ていたヒーロー達を観察していたらしい。ヒーローの本質を理解していない人達に僕達を任せることはしたくないからだそうだ。クラスメイトの皆と同じく、“仮面ライダー”に触れているだけでなく、非戦闘向きの個性であるからこそ分かる“個性の優劣”に先生自身、思うところがあるんだろう。

 

 

相澤「お前達も指名ヒーローをしっかり観ておけ。そして来た指名の数が、これだ。例年はもっとバラけるんだが、三人に注目が偏った。」

 

 

音声読み上げ機能により、数字が読み上げられる。

 

 

 

 緑谷出久 2423

 

 操真晴希 2225

 

 爆豪勝己 1528

 

 轟焦凍  360

 

 飯田天哉 301

 

 上鳴電気 285

 

 八百万百 108

 

 切島鋭治郎 74

 

 麗日お茶子 24

 

 尾白猿夫  14

 

 瀬呂範太   9

 

 

 

峰田「やっぱりトップスリーか。」

 

 

麗日「デクくんすごいやん‼️」

 

 

出久「ありがとう。でも麗日さんにも指名来てるじゃないか。」

 

 

相澤「あとはB組の寝黒が二千超えだったらしい。……これを踏まえ、指名の有無関係なく、いわゆる職場体験に行って貰う。」

 

 

 成程、それでコードネーム。

 

 

相澤「まあ仮にとはいえ、適当な名前は…」

 

 

MN「つけたら後悔しちゃうわよ‼️」

 

 

出久「ミッドナイト先生。」 

 

 

MN「この時の名が、世に浸透してヒーローネームになってるヒーローが多いからね。」

 

 

確かに、“ヒーローネーム”とは今後ヒーローとして活躍する上で必ず必要になっていくもの。その名が知れ渡れば、一般人からは安心の、敵からは恐怖の対象として多くの影響を与えることになる。

 

 

出久(…なら、僕のヒーロー名は…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒーロー名が決まった人から発表する形になり、僕も決まったヒーロー名を皆の前で発表することにした。

 

 

出久「僕のヒーロー名は

 

 

 

 

『仮面ライダーゴースト』です。」

 

 

相澤先生を含め、クラスメイトは納得した表情を浮かべているが、仮面ライダーという存在を知らないミッドナイト先生は少し難しい顔をしていた。

 

 

MN「仮面ライダー?ゴーストは緑谷君の個性から来ていることは分かるけど、その仮面ライダーっていうのはどういうこと?」

 

 

当然仮面ライダーを知らないミッドナイト先生なら疑問に思うことだろう。

 

 

出久「僕の個性は変身することで発動します。その際顔は顔を含めて全体がスーツやアーマー、仮面で覆われます。マスクヒーローだと少し締まりがないので仮面、バイクの免許を取得してるので颯爽と現れるように出来ることからです。それに…」

 

 

MN「それに?」

 

 

出久「仮面ライダーはヒーローの本来在るべき姿なんです。様々な理由でライダーになった人達がいますけど、共通して言えることは、“平和を守るため”なんです。地位や名声、報酬等を求めずただひたすらに人々の平和を守ることを指命とした“最高のお人好し”です。このヒーロー名も僕に力をくれた人のものですけど、そんな人達の想いや願いを一緒に背負って行きたい。そう思ったんです。」

 

 

“仮面ライダー”に少なからず触れている相澤を含めたクラスメイト達は、出久の話を聞いて更に納得できた。勉強会で聞かされた“ヒーローの質の低下”。

 

これを理解していないもの達は、強さに固執し、地位や名声を上げることだけに執着し、高い報酬で救助を優先する。

 

ヒーローとは本来“困っている人を助ける存在”のはずなのに、ヒーローが職業となったことでその本質が失われつつある。

 

ある世界線に生まれたライダーも、会社の社員として地位やランクを気にするばかりに、人命救助が疎かになっていたが、“ある破壊者”によりその理念が破壊された。

 

 

だからこそ、出久は叶えたいのだ。自分を救い、世界を救うために今も戦い続ける“師匠”や“新たな正義”が目指している平和な世界を作ることを。

 

 

MN(彼は一体どんな経験をしてきたのかしら。相澤君は知っているようだから聞いてみましょう。私も耳が痛くなることを言っていた訳だし、なにより何故か彼の言葉には強い信念と覚悟、信頼を感じるわ。)

 

 

出久のヒーロー名の由来を聞いて、“ヒーローの質の低下”を自分も影響を与えていることに罪悪感を覚えながら、ミッドナイトは次の生徒のヒーロー名の発表を促した。

 

 

 

 

 




またずいぶんとお待たせしました


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新たな仲間

本来のものとは違うのですが


他の皆もヒーロー名が決まり、そろそろ指名ヒーローの元へ行く職場体験する場所を決めようと考えていると相澤先生が待ったをかけた。

 

 

相澤「そうだお前ら。職場体験場所は今日の放課後までに決めておいてもらうとして、もう1つ大事な知らせがある。」

 

 

大事な知らせと言われ、誰もが疑問を浮かべていた。

 

 

相澤「体育祭前にも話したと思うが、入学から時間が経ち、頭角を表す生徒がいると言ったのは覚えているな?」

 

 

確かに体育祭前に、相澤先生はそんな事を言っていた。

雄英を受験する上での実技試験のなかに、仮想敵を倒すものがあり、特定のポイントを手に入れた生徒が重点的にヒーロー科に入れるものだ。しかし、これは“戦闘向きの個性”を有してる者が特に有利となり、“非戦闘向きの個性”を有してる者が不利な状況になっている。

 

 

相澤「入試の実技試験でふるいにかけられて、普通科に行った生徒は多い。入学してから数ヶ月経ち、“ヒーロー科への編入”を求める生徒もいる。だが体育祭の最中、“ヒーロー科へ編入するに値する生徒”を教師側で決めることがある。職員会議を通し、過半数の教師の賛同を経て普通科からヒーロー科へ移ることができる。」

 

 

上鳴「なぁ緑谷。なんで編入するだけで職員の半分以上の賛成がいるんだ?担任だけじゃダメなのか?」

 

 

瀨呂「確かにな。」

 

 

上鳴君と瀨呂君が編入の規定に疑問をもっている。口には出さないけど、他にも同じように思っている人達がいるのか目線がこちらに集まっている。

 

 

出久「普通科からヒーロー科に移るってことは、“よりヒーローになる可能性が近くなる”ってことなんだ。」

 

 

峰田「それはわかっけど、なんで回りくどくやるんだ。その生徒に“次からお前はヒーロー科だ”ってだけじゃダメなのか?」

 

 

晴希「ヒーローになる可能性が近くなるってことは、“命の危険が高くなる”ってことなんだ。今まで普通科にいて、体育祭での活躍でヒーロー科へ移るようになるのは他の高校とは訳が変わってくるんだ。」

 

 

普通の高校ならば、様々な理由で編入するにあたって生活面や勉学面を考慮すればそれで終わる。しかし、普通科からヒーロー科への編入は、ヒーローになる可能性が近くなると同時に、“ヒーローとして戦う覚悟”と“ヒーローになって命を落とす”ことに直結する。

 

 

 

相澤「緑谷や操真が言っていることは間違いじゃない。一言で“ヒーローになる”と言うが、これはもっと言ってしまえば“命を懸ける程の覚悟がある”ということにもなる。警察や消防も犯人逮捕や火災における人命救助で命を落とす可能性がある。警察と消防の特性をあわせもっているヒーローは、その分命を落とす危険性が高くなるということだ。」

 

 

“警察が犯人逮捕”、“消防が火災における人命救助”といった特色を両方持っ“ヒーロー”はその分命を落とすリスクが高くなる。ヒーロー科で学ぶことは、“ヒーローになること”だけでなく、“自分の命を懸ける覚悟”を理解し学ばなければならないのである。

 

 

相澤「お前達は、緑谷と操真の影響もあってその事について理解し始めている。だが改めて言うが、ヒーローは有名人でも芸能人でもない。“常に命の危険にさらされ、他者の命を守る者”だ。憧れや夢だけでヒーローになろうとするな。お前達は“ヒーローの本質”を理解した上でヒーローを目指せ。」

 

 

相澤先生の話を聞いて、1-Aの生徒全員が改めてヒーローになるということを理解した。

 

 

相澤「さて、前置きが長くなったが体育祭の活躍によるものと、教師過半数の同意によりこのクラスに編入することが決まったものがいる。入れ。」

 

 

心操「失礼します。」ガラッ

 

 

教室に入ってきたのは、体育祭で唯一トーナメントに進み、準々決勝まで残った心操君だった。

 

 

心操「普通科から編入してきた心操人使です。改めてよろしくお願いします。」

 

 

相澤「心操にも職場体験から参加してもらい、夏休みの合宿から本格的にヒーロー科として編入する。普通科から来た心操に追い抜かれないように、お前らもこれからのヒーロー雑学の励め。」

 

 

1-A『はい‼️』

 

 

相澤「それと緑谷と操真、お前ら2人は放課後残ってくれ。少し用事がある。」

 

 

新たな仲間が加わり、クラスは更に盛り上がってきた。

でも、僕と晴君に用事ってなんだろう?

 

 

 

 

 

 




心操には、早速体育祭の活躍で編入してもらいました。キリがよかったのであげました


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今の彼に必要なもの/事件の裏に起きたこと

またコロナ出てきましたねぇ。どこも遠出できない。できても県内。
東京にいる祖母は元気だろうか?

この小説完結できるだろうか?

ではどうぞ


心操君が新たに仲間入りすることになった放課後、僕と晴君は相澤先生の後に付いていき校長室に向かっている。

 

何故校長室なのか相澤先生に尋ねたのだが、“すぐに分かる”と言われ、その後は何も聞けなかった。

 

ほどなくして校長室に到着し、相澤先生がノックをしてから中へ入る。

 

 

相澤「失礼します。緑谷と操真を連れてきました。」

 

 

中に入ると校長先生だけでなく、雄英にいる教師達が待っていた。根津校長の前に行くように促された僕と晴君は、校長の前に立つ。相澤先生は、校長の斜め後ろにオールマイトと並ぶように控えている。

 

 

根津「よく来てくれたね。君達を呼ばれた理由はあるものを渡したいからなんだ。」

 

 

教室ではなく校長室で、しかも校長先生が直々に渡すことになるものというのは限られてくるが、ある程度察しているが断定できない。

 

 

根津「君達は今回の体育祭で目まぐるしい活躍を見せてくれた。色々伝えたいこともあるが、君達にはこれを受け取ってほしい。」

 

 

そう言って一度話を中断した根津校長は僕達の前にあるものを出した。やっぱり僕の予想通りなものだった。

 

 

根津「これは君達の“ヒーロー仮免許”だ。」

 

 

晴希「ヒーロー仮免許?」

 

 

僕たちが渡されたのは“ヒーロー活動許可仮免許証”

 

 

ヒーロー志望の生徒達なら誰もが手にしなければならない物の1つだ。

 

 

相澤「緑谷は察していたようだな。」

 

 

出久「はい。なんとなくですが分かってました。“放課後の校長室への訪室”、“体育祭後の呼び出し”、そして“呼ばれた僕達”である程度把握できました。」

 

 

根津「素晴らしい推理力だね緑谷君。相澤君に聴いていたけどこれ程とは思わなかったよ。」

 

 

根津校長が僕の推理力に称賛をくれたことは素直に嬉しい。けど、やっぱり聞いておかなければならないことがある。

 

 

出久「確認のためなのですが、何故僕達に?」

 

 

根津「君なら分かっていると思うが、君達の体育祭での活躍は目を見張るものがあった。これは単にトーナメントの戦闘力だけでなく、第一競技で見せた他生徒の救援救助と事件現場においての柔軟な対応、第二競技での団結力が評価の水準になっている。」

 

 

晴希「それだったら俺達だけじゃなく他の生徒にも当てはまるはずですが、あえて俺達2人なのは他に理由があるということですね。」

 

 

相澤「その通りだ。本来なら体育祭だけで“ヒーロー仮免許”を渡すまでにはいたらない。だがお前達には、他を逸脱したものがある。“仮面ライダーの力”だ。」

 

 

相澤先生の説明も予想の範囲内だ。でもそうしたら、

 

 

晴希「なら何故音黒マミがこの場にいないのですか?彼女も見た目こそ違いますが、“仮面ライダーの力”をもっている人物です。」

 

 

もし“仮面ライダーの力”が条件にあるのならマミさんも仮免許を渡されてもいいはずだ。けどいないと言うことは

 

 

出久「ヒーロー協会ですか?」

 

 

相澤「やはり察しがいいな。」

 

 

晴希「なんでヒーロー協会が出てくるんですか?まさか上の人間が渋ったんですか?」

 

 

根津「彼女はトーナメントに出れたが戦闘をほとんどしていない。“戦闘力の判断ができない”として彼女への仮免許は見送りになったんだ。」

 

 

晴希「…結局お偉いさん方も“戦闘向き”を優遇したいってことですか。」

 

 

相澤「それを言われると耳がいたい。」

 

 

つまりヒーロー協会のほとんどが“戦闘向き個性の優遇”に浸かってしまっているため、戦闘が少なかったマミさんは見送られたことになったということだ。

上の人間がこれでは、“ヒーローの質の低下”が起きてしまうのも頷ける。

 

 

AM「だが、今回の体育祭を経て“ヒーローの本質”を思い出してくれた者達は少なからずいる。それもまた緑谷少年達のお陰でもある。」

 

 

今回の体育祭を観戦していたプロヒーローは“ヒーローの本質”を思い出してくれたようだが、まだほとんどのヒーローが“個性の上部”のみを見ているらしい。つまり、“仮免許”の提示は僕達のヒーロー活動を許可するだけでなく、“ヒーローの本質”を思い出してもらうための抑止力となってもらうということみたい。

 

 

相澤「仮免許があれば、なにか事件が起きればそれに対応できる。緑谷、お前が目指しているものに少なからず近づけるはずだ。」

 

 

出久「分かりました。」

 

 

返事をしたあと、僕と晴君は仮免許を受け取った。この重みを理解しなければならない。だけど、いつかこんな免許証が必要なくても困っている人を助けられるようにしなければならない。

 

 

本当の仮面ライダーになるために

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相澤「さて、仮免許を渡したがもう1つ話したいことがある。」

 

 

仮免許を渡され、少し間を空けてから相澤先生が話し始めた。

 

 

相澤「先日プロヒーロー“インゲニウム”が“ヒーロー殺し”に襲われたというニュースを見たと思うが、あれには裏がある。」

 

 

ヒーロー殺しの話が出たとき少し驚いたが、この後更に驚くことがあった。

 

 

相澤「実はヒーロー殺しは、汚職や賄賂をもらっているヒーローや敵と繋がりのあるヒーローを襲っていて、ヴィジランテと認定している。そして、事情を知っているヒーローと警察上層部では“ヒーロー殺しステイン”を“ヒーローの本質”を理解しているものとしてバックアップしている。そのなかには、俺やオールマイト、そしてインゲニウムも含まれている。」

 

 

ステイン“さん”のことは知っていたけど、ここまで色んな手が入っているのは知らなかったので少し驚いた。

 

 

晴希「ちょっと待ってください?インゲニウムはヒーロー殺しに支援していたんですよね?なのになんで襲われたんですか?」

 

 

確かに、支援をしているのに襲うというのはおかしい。それにステイン“さん”は、インゲニウムを襲うことはしないはず。

 

 

相澤「警察が目を覚ましたインゲニウムから事情を聞いたそうだ。それに、ステインに襲われたにしてはおかしい点があってな。」

 

 

相澤先生の話によると、ステイン“さん”に襲われたヒーローや敵の体には鋭利な刃物で斬りつけられた後があったが、インゲニウムには三叉槍(さんさそう)のようなもので刺されたような後があったらしい。この時点でおかしく、さらに目を覚ましたインゲニウムに事情を聞いたところ、

 

 

相澤「インゲニウムを襲ったのは、灰色の体色にひび割れたようなラインが入っていて、悪魔の槍のようなものを持っていて2本の角が生えていたそうだ。更にそいつは1人だけでなく集団で襲ってきたらしく、見た目から武器に至るまで“全て”同じだったそうだ。その後、秘密裏にステインと情報を共有したところ、インゲニウムを襲ったのは“灰色の敵”であることが確定した。ステインが応戦して何人か取り逃がしたみたいだが、倒した敵は“その場で崩れるように消えた”らしい。」

 

 

 

“灰色の体色”

 

“ひび割れたようなライン”

 

“悪魔の槍のような武器”

 

“2本の角”

 

 

晴希「先生、もしかしてその敵、“動き方がさ迷うゾンビ”みたいな歩き方してませんでした?」

 

 

相澤「ッ⁉️なぜそれが分かる操真⁉️」

 

 

晴希「やっぱり…」

 

 

相澤先生が述べたものと晴君が言った歩き方で確証を得たが、どう考えてもおかしい。

 

 

出久「…晴君」

 

 

僕よりも晴君が驚いている。何故なら、

 

 

晴希「あぁ…。なんでこの世界に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

“グール”がいるんだ…?」

 

 

なにか良くないことがこれから起こる気がした

 

 

 

 




書き上げました。また投稿にばらつきがありますが、楽しく読んでいただければ嬉しいです


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平和の象徴の師

保須事件はなるべく早めに終わらせたいと思っています。


仮免を受け取り、オールマイトから個性の継承の真意を聞いた(番外編に少し記載されてます)翌週。僕達ヒーロー科は職場体験をするヒーローの事務所へ向かうため駅に集まっていた。

 

駅から各々の事務所に向かい、そこで一週間プロヒーローの仕事を体験して自分の将来に役立てるのだが、それと平行して相澤先生から“各ヒーロー事務所がヒーローの本質を理解しているか査定してこい”というクラス担任相澤消太としてではなく、

 

プロヒーロー“イレイザーヘッド”

 

として依頼されたのだ。

そしてここには、今現在普通科の心操君もいる。職場体験には、他の生徒に声を掛けて一緒に行けるシステムがあるらしく、そのシステムを利用して僕は心操君と一緒に、オールマイトからの依頼で“あるヒーロー”の元へ向かうことになった。

 

 

相澤「それではこれから一週間、お前達は各ヒーロー事務所に赴き職場体験を行う。雄英の生徒としての自覚を持って行ってきてほしいのと、“ヒーローの本質”を頭に入れて行ってこい。そして間違っても“イエスマン”にだけはなるな。ヒーローとして違うと思ったことははっきり言って来い。それで苦情が来たら、お前達がそのヒーローから学べることはないからな。」

 

 

生徒全員『はい‼️』

 

 

僕は心操君と、晴君は轟君と一緒にバイクで目的地のヒーロー事務所へ向かうことにした。

 

 

出久「じゃあまた一週間後に。」

 

 

轟「あぁ、気をつけてな。」

 

 

晴希「心操もしっかりな。」

 

 

心操「できる限り頑張ってくる。」

 

 

軽く挨拶をしてこれから一週間お世話になるヒーロー事務所へ向かう。

 

 

心操「ところで緑谷、俺はお前に声を掛けられただけだから行き先が分からねぇんだけど何処のヒーロー事務所に向かうんだ?」

 

 

出久「僕達が向かうのはヒーロー“グラントリノ”のヒーロー事務所だよ。」

 

 

心操「グラントリノ?聞いたことないな。どういうヒーローなんだ?」

 

 

出久「僕も詳しくは分からないんだけど、オールマイトに闘い方を教えた師匠らしいよ。オールマイトの個性は少し特殊らしくて教えられる人に限りがあるみたいで、オールマイトを鍛えるためだけにヒーロー免許取っただけらしいから、ヒーロー活動そのものはあまりしてないみたい。」

 

 

僕達は道中、一週間お世話になるヒーローのことについてOFAのことは伏せて話していた。

 

 

心操「オールマイトの師匠?大丈夫なのかそれ?話を聞いた限りだとオールマイトが学生時代の頃になるから結構高齢なんじゃないか?」

 

 

出久「僕も聞いてみたけどそこは問題ないみたい。これかららしいけどまだ現役だって。それにオールマイトがグラントリノのこと話してるとき、冷や汗かきながら見て分かるくらい震えてたよ。」

 

 

あんなオールマイト、きっと後にも先にも見れない気がする。

 

 

心操「オールマイトが震えてた?…それはちょっと興味あるな。」

 

 

出久「どんな戦闘スタイルなのかとかは分からないけど、この一週間はきっと価値のあるものになると思う。」

 

 

心操「だな。」

 

 

そんな話をしながら僕達は目的地に向かってバイクを飛ばした。

 

 

 

そして3日後、後に保須事件と呼ばれる事件が起こり、この世界に新たな敵が誕生する。

しかもその敵は、プロヒーロー達では敵わない存在であり、現ヒーロー達を脅かすものになるとはまだ誰も予想できていない。

 

 

それは出久達雄英生だけでなく敵連合の死柄木でさえ同じこと

 




駆け足短めです


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ヒーローとは

またグダグダ語っただけ


職場体験3日目、僕達は今小柄なお爺さんヒーロー“グラントリノ(GT)”と戦闘訓練をしている。

 

 

GT「ほい終了‼️」

 

 

出久「はぁ…はぁ…ふぅ。」

 

 

心操「ぜぇ…ぜぇ…ぜぇ…。」

 

 

ずっと戦闘訓練なのである。初日に事務所に到着した時、誰もいないのかと思ったけど、床に倒れているグラントリノを見つけて発狂しかけたのは記憶に新しい。

声を掛けると起き上がり、とりあえず自己紹介を終えると“実力がみたい”ということで模擬戦をすることになった。

 

 

 

グラントリノ:個性“ジェット”

 

自身が吸い込んだ空気量の分に応じて足の裏の噴出口からジェットを噴射する。爆発的な加速力と機動力を発揮し、屋内外問わず縦横無尽に動き回ることが出来る。

その速さを活かした蹴りはコンクリートを叩き割る威力を誇る。肺活量次第では空中を飛ぶことも可能。

 

 

GT「俊則のバカが推薦した“無個性”の緑谷出久、その緑谷が推薦した“洗脳”の心操人使。お前さん達のことは大体聞いていたが、まず基礎的な戦闘力は比較的高い。緑谷の坊主が異世界でどれ程の経験をしてきたか分からんが、お前さんのヒーローとしての戦闘力、相手に対する分析力、そしてそれらを充分に活用する応用力はそこら辺のプロヒーロー達より格段に高い。そのまま慢心せずに鍛練を続けろ。わしが教えられるのはこれだけじゃ。」

 

 

出久「はい。」

 

 

戦闘訓練をする前に、僕はグラントリノに“ライダーワールド”のことについて説明して、僕の力が“個性”ではないことを伝えた。最初は半信半疑で聞いていたけど、話の冒頭でオールマイトのことを話したとき、

 

 

GT『あの馬鹿者が…‼️』

 

 

とかなり怒っていた。そのまま話を続けると少しずつではあるが信じてくれた。ちなみに戦闘訓練では変身せずに生身で戦った。

これは“もし変身を封じられたら”という時の対応と“変身に頼る”というものに対するもので、グラントリノから要請された。この世界で変身を封じられることはそうそうないと思うが万が一ということもある。そして、変身に頼ることで基礎的な肉体訓練を疎かにすると、その反動がくるかららしい。

 

 

GT「次に心操の坊主じゃ。お前さんは緑谷の坊主まではいかんが、プロヒーロー達とも充分に渡り合える戦闘力を持っとる。わしの速さについてこれたのも緑谷の坊主の指南があってこそだろうが、如何せんまだ体が追い付いてきておらん。重点的に肉体訓練をしていけば、お前さんもまた上に上がれるはずじゃ。」

 

 

心操「はぁ…はぁ…、ありがとう…ございます…。」

 

 

心操君はまだ呼吸が落ち着かないようだが、話を聞いていた。グラントリノの個性は、高速移動だけでなくその高速から放たれる蹴り技が主流。初見ではなかなか対応できず、僕も心操君も初撃を諸に喰らってしまった。その後、僕はなんとか対応することができたけど、心操君は少し動揺することが多く動きに無駄があった。

 

 

GT「しかしまさか3日でわしの動きに付いてこれるか。緑谷の坊主はともかく、心操の坊主も目を見張るものがあるのぉ。」

 

 

心操「初日の戦闘の後に、緑谷が対策を教えてくれたんです。」

 

 

GT「対策じゃと?」

 

 

緑谷「グラントリノの個性を使った高速移動は、消えるように見えると言っても実際に消えた訳ではなく、“目で追えない程の速さで移動してる”というものです。実体そのものがなくなったわけではないので、空気を切る音や地面を蹴る足の音で次の行動を把握したんです。」

 

 

心操「緑谷には、“肉体だけじゃなく五感も鍛えるといい”と教わっていたので。」

 

 

GT「なるほどのぉ、肉体だけでなく五感の鍛練か。それはなかなか思い付かんな。」

 

 

僕達の説明を聞いてグラントリノは顎に手を当てながら感心していた。

 

 

 

 

 

 

 

僕達は現在、東京都保須市へ向かっている。僕と心操君ならバイクで向かえるけど、グラントリノも一緒なのでキャプテンゴーストを使うことにした。心操君は以前の勉強会の時に少し話を聞いていたからあまり驚きはなかったけど、初めてライダーアイテムを披露したグラントリノは驚いた顔をしていた。

 

 

心操「ところでグラントリノ、どうして東京に行くんですか?」

 

 

東京に行かなくても事務所の県内でもヒーロー活動はできる。なのに、何故東京へ向かうのか疑問に思った心操君がグラントリノに質問した。

 

 

GT「確かにヒーロー活動ならわしの事務所の近くでもできるが、東京のような都心のほうが事件の規模がでかい。そんな事件だからこそいい経験ができるし、慣れることができる。」

 

 

心操「経験は戦闘訓練とかで、慣れっていうのは?」

 

 

GT「“現場の空気”と“強い覚悟”じゃ。お前さんなら分かるだろ緑谷の坊主。」

 

 

グラントリノの言いたいこと、考えていることはよく分かる。

 

 

出久「“現場の空気”、テレビやネットを通して見るより、直接現場に行くことで被害の大きさや状況を肌で感じることができる。画像やニュースなんかより自分の目で視ることで、事件の悲惨さや深刻さ、緊張感を体が覚えようとする。」

 

 

GT「その通りじゃ。いくら頭ん中で理解しようとしても実際に現場に到着した時、事件現場の空気に当てられ体が思うように動かなくなる。これは恐怖心からくるもので根元的なものじゃ。しかし、その恐怖心により訓練で着けた実力を発揮できん。だからこそ、ヒーローとして本格的に活動する前に現場の空気とそれに伴う恐怖心を覚えることが大事なんじゃ。」

 

 

心操「なるほど。じゃあ“強い覚悟”というのは?敵と戦うことを指してるわけではないですよね?」

 

 

GT「もちろん心操の坊主が言ったように、敵と戦うための覚悟も重要じゃがもう1つ知っておかねばならん覚悟がある。」

 

 

心操「もう1つの覚悟?」

 

 

GT「犠牲者や被害者をみることじゃ。」

 

 

心・出「「…。」」

 

 

GT「どんな事件においてもヒーローが動き出すのは“事件や事故が起きてから”なんじゃ。敵に襲われたり、巻き込まれたりする一般人は多くいる。そして犠牲者の親族や被害者から苦情もある。

 

“なんでもっと早く来てくれなかった。”

 

“なんで家の人が巻き込まれなきゃならない。”

 

“この怪我で将来に影響したらどうしてくれる。”

 

と言ったもんがな。」

 

 

ヒーローは万能ではない。ヒーローも1人の人間であるために、何かが起きなければ動くことはできない。未然に防ぐためにパトロールを行うけど、その隙をついて事件を起こすことがある。そして巻き込まれた被害者の親族や犠牲者から文句をもらうこともある。

 

 

GT「ヒーローは必ずしも綺麗なものではない。中にはヒーローの到着が間に合わず、命を落とす者達もおる。これに後悔や罪悪感が混ざり合い、ヒーロー活動を辞める新人も多い。どんなに辛いことや苦しいことになろうとも、それらを背負い罪のない者を救い、前に進んで行くのがヒーローじゃ。それが“強い覚悟”、“心の覚悟”じゃ。」

 

 

 

グラントリノの話を聞いているとヒーローとしての重みを感じることができる。どんなヒーローだって間に合わず、犠牲になってしまった人達は少なからずいる。その後悔や自責の念に囚われて、活動できなくなるヒーローもいる。

 

 

 

“綺麗ごとでヒーローはできない”

 

 

 

でも、その綺麗ごとを成し遂げたいからヒーローを目指す。それがどんなに険しくても、“誰かを救う”ために必死で前を見なくちゃいけない。そんなことを考えていると、

 

 

 

 

 

 

 

 

ドオォォォォォォォォォォン

 

 

 

 

 

前方から破壊音が聞こえ見てみると、

 

 

 

 

エンデヴァーとステイン、飯田君と轟君、そして晴君が脳無と戦っていたが、その脳無は違和感を感じるが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どこか“ウィザードに似ていた”

 




次こそ、次こそは戦います‼️


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脳無の変貌とウィザードの異変

アナザーライダーもだけど、ダークライダーも出したい


ちなみに、現在アニメで放送中のクラス対抗の訓練では、ある方に出てもらう予定です。


痛みは一瞬だ…


それは、出久達が東京に着く数分前に遡る。

 

 

保須市のヒーロー事務所を希望した飯田は、指導役のヒーローとパトロールをしている際、路地裏に入っていく“ヒーロー殺し”と思われる人物を目撃する。

ニュースで聞いていたヒーロー殺しの特徴と似ていたため、飯田は指導役のヒーローの静止を聞かずにヒーロー殺しと思わしき人物の後を追い、路地裏に入っていった。

 

 

この時、飯田の脳内にはヒーロー殺しに対する復讐心しかなかった。尊敬する兄が、ヒーロー殺しに襲撃されたという“誤報”を兄から直接聞いてしまったからだ。

 

 

飯田(ヒーロー殺し‼️お前は僕が倒す‼️兄さんの敵を討たせてもらう‼️)

 

 

ヒーロー殺しに復讐することを考えていた飯田は、更に路地裏の奥へ行った。

 

 

 

…ヒーロー殺し“ステイン”が誘導したとも知らずに…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

指導役のヒーローは、パトロールに来ていたエンデヴァーと付いてきた轟と晴希に事の顛末を説明していた。

話を聞いたエンデヴァー(「」前の名前はE)は

 

“指導者の立場にあるものがそんなことでどうする⁉️”

 

と説教するが、

 

 

轟(…それをアンタが言うのかよ)

 

 

晴希(思いっきりブーメランになってる気がするなぁ)

 

 

と子供2人に呆れられてることは知らない。

そんな中、悲鳴が聞こえ全員が視線を送るとUSJ襲撃時のものとはかなり違うが、脳が剥き出しになっている特徴から翼の生えた“脳無”が人々を襲っていた。

 

エンデヴァーはそれに対抗するために動きだし、

 

 

 

E「ショート‼️ウィザード‼️お前達は“ヒーロー殺し”と思われる奴の後を追ったインゲニウム2号を探せ‼️こちらが片付き次第我々も向かう‼️」

 

 

轟「…言われるまでもねぇ」

 

 

晴希「了解しました‼️」

 

 

エンデヴァーからの指示を受け、轟と晴希は“ヒーロー殺し”を追った飯田を探すために路地裏に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ステインに誘導されていた飯田は、曲がり角に差し掛かった瞬間ステインと目があった。

 

 

ステイン「…ようやく追い付いたか、インゲニウムの弟よ」

 

 

飯田「ッ⁉️ヒーロー殺しステイン‼️何故兄さんを襲った‼️」

 

 

対面したために少し動揺を見せるも、飯田は溜まっていた怒りとともにステインに理由をぶつけた。

ことと次第によっては、今すぐにでも攻撃をしたいところだがステインから予想外の言葉を告げられる。

 

 

ステイン「…やはり兄の話を聞いていなかったか」

 

 

飯田「ど、どういうことだ‼️」

 

 

ステイン「お前が見舞いに行った後、兄から連絡が来たのだ。『弟が貴方に会おうとするはずです。弟は俺と似たようなコスチュームをしていますので、もし会うことがあったら事の真相を教えてやってください。正義感と使命感にとらわれて、貴方に復讐しようとするかもしれないので』ということを聴いてな。」

 

 

飯田「何故兄さんがお前と連絡を取っているんだ⁉️それに真相とはなんだ‼️」

 

 

兄を襲ったはずのステインから、兄の言伝てを聞いて困惑する飯田は訳が分からなくなっていた。

 

 

ステイン「真相は話してやろう、だが少し待て。お前を探しに来た者たちも加えて話す。」

 

 

ステインがそういうと、飯田の後ろの道から晴希と轟がやって来た。

 

 

轟「飯田見つけ…ッ⁉️…お前がヒーロー殺しか?」

 

 

晴希「飯田君、どういう状況?説明プリーズ」

 

 

飯田を探した2人も現在の状況を理解できずに困惑した。

 

 

ステイン「揃ったな、ではまずインゲニウムに起きた経緯は説明するがこの事は他言無用だ」

 

 

 

こうしてステインの口から当時のことを説明された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エンデヴァーが脳無を制圧した直後、エンデヴァーに話しかけるものが現れた。

 

 

?「…エンデヴァー」

 

 

E「…何者だ貴様は?」

 

 

エンデヴァーに話し掛けた人物は、逆立った薄紫の髪をしており、外見はトカゲの姿をしていた。

 

 

?「…失礼。俺の名はスピナー、

 

 

 

ヴィジランテ“シャドウ”の一員だ」

 

 

E「ッ⁉️」

 

 

スピナー「…路地裏にて我が主ステインと雄英の生徒3名が接触、先日起きた事件の真相と我々の関係性を説明している」

 

 

E「…そうか、ならば俺達も路地裏に向かおう」

 

 

スピナーの報告を聞いて路地裏に向かおうとしたエンデヴァーは、脳無を駆け付けた警察に任せようとした。

 

 

しかし、

 

 

 

『ギシャァァァァァァァァァァァ‼️』

 

 

 

 

 

 

 

制圧されたはずの脳無が再度動きだし、奇声を上げて飛び去ってしまった。

 

 

スピナー「ッ‼️エンデヴァー、あの方向にはステイン達がいる‼️」

 

 

E「ッ⁉️警察はこの付近の警戒をしろ‼️脳無が他にもいるかもしれん‼️俺は奴を追跡する‼️」

 

 

警察『了解‼️』

 

 

E「スピナー案内しろ‼️」

 

 

スピナー「承知」

 

 

 

警察に指示をだし、スピナーの案内でエンデヴァー達はステインのところへ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ステインは飯田達に自分の立ち位置と先日のインゲニウム襲撃事件について話を終える。

 

 

ステイン「…ここまでが今に至るまでの経緯だが納得できたか?」

 

 

轟「はっきり言うと納得しにくいが理解はした…」

 

 

晴希「…理不尽な大人の世界を垣間見た気がしたよ」

 

 

轟はあまりのことにあまり納得していなかった。それもそうだろう、巷では数多くのヒーローを殺してきたと言われている“ヒーロー殺し”が、実は警察上層部と一部プロヒーローと協力関係をとっており、ステインの支援に飯田の兄や自分の父が関わっていたのだ。全てをのみ込もうとするのには時間がかかる。

 

対して晴希は話を聞いて納得はしたものの、ヒーローが汚職や賄賂に手を着けていることに大人の世界の醜さを知り、“本当のヒーローってもしかしてステインなんじゃないの?”と思うのでさえあった。

 

 

飯田「…ステイン、聞いてもいいか?」

 

 

なんとか状況を整理した飯田は、ステインに聞いてみることにした。

 

 

ステイン「なんだ?」

 

 

飯田「…お前が兄を襲ったというのは誤解だと分かった。そして、兄との関係性も…。でも何故表に出ない?社会でヒーロー活動をすればしっかりとした評価をもらえるはずだ。なのにどうして裏の社会に身をおくんだ?」

 

 

ステイン「…表の社会ではすでに“オールマイト”という象徴が存在する。しかし、そのオールマイトという強い光に隠れて裏で悪事に染まる偽物のヒーローが現れたのだ。“この世界を正す”という信念で偽物達を粛清していたが、“世界の裏側の一辺”を見て“現在のヒーロー社会に復讐”しようとしていたのかもしれないな。」

 

 

 

“復讐”

 

 

ステインの話を聞くまで飯田は兄への復讐をしようとしていたため、ステインの言っていることがとても他人事のように聞こえなかったのだ。

 

 

ステイン「しかし、偽物達を粛清している時にある少年に会った。少年にも話した、“この世界を正す”という信念と思いを…。誰かが悪になり正さねばならないと。」

 

 

 

『確かに今のヒーロー達は名誉や人気、報酬で動いている人達がほとんどです。しかも善意で個性を使って人助けをしたとしてもヒーロー免許がなければ犯罪者扱いされてしまうのが今の社会の理不尽なところです。今の世の中に対して“復讐”しようと思うのは分かります。

 

ですが、その後は?

 

その復讐が終わった後に貴方には幸せが訪れるのですか?復讐を成し遂げた人に待っているのは達成感ではありません、喪失感です。

復讐という人生の目標を達成してしまったとき、その復讐が終わった後、これから何を目的に生きていけばいいか分からなくなってしまいます。

貴方の“世界を正すという復讐”を止めるつもりはありません。ですが、どうか歩む道を踏み外さないでください。貴方の信念に賛同してくれる人達はきっといるはずですから。』

 

 

 

ステイン「年端もいかぬ少年に言われたことは今でも鮮明に覚えている。そして、少年の目を見て言っていることにはとても重みを感じたのだ。

 

“復讐の先にはなにもない”

 

少年の言葉を聞き、目を見たことで俺は上位に位置するヒーローを通して今までの経緯を警察に説明した。全てのヒーローに伝えることはせず、警察の信頼をおけるヒーロー達に俺の存在を認知させ、汚職等の犯罪に手を染めている偽物達を粛清することにしたのだ。そして俺は思った。俺を正しき道に連れ戻してくれた少年は、俺が求めている“本物のヒーロー”になり得る存在だと。」

 

 

 

その話を聞いて、ステインをヒーローの道に戻したのが誰か、飯田達はなんとなく分かった気がした。彼と触れ合って数ヶ月(晴希は数年)だが“誰よりもヒーローになることに誇りと憧れを持っている”彼だからこそステインを説得し、正しい道へと連れ戻すことが出来たのだろう。

 

 

そんな話をしているなか、

 

 

 

『ギシャァァァァァァァァァァァ‼️』

 

 

 

大きな奇声を発しながら、脳無がステイン達のもとに現れた。

 

 

ステイン「ッ⁉️脳無‼️」

 

 

飯田「なんで脳無がここに⁉️」

 

 

晴希「なぁ轟、あの脳無って…」

 

 

轟「クソ親父が相手をしてたやつだ、取り逃がしやがって…‼️」

 

 

脳無の出現に動揺するが、戦闘態勢を整えると

 

 

スピナー「ステイン‼️」

 

 

E「ショート‼️無事か⁉️」

 

 

脳無を追ってきたスピナーとエンデヴァーと合流した。

 

 

ステイン「スピナー、やはりお前は仕事が早いな。すでにエンデヴァーと合流していたか。」

 

 

スピナー「ありがとうございますステイン。」

 

 

轟「クソ親父、取り逃がしてんじゃねぇよッ‼️」

 

 

E「しっかり息の根を止めて確認までしたわ‼️しかし何故か再度動きだしたのだ‼️」

 

 

それぞれが話をしているなか、

 

 

 

 

『ギシャァァァァァァァァァァァ‼️』

 

 

 

再び脳無が奇声を上げると

 

 

ウィザード

 

 

不気味な音が鳴ると脳無の姿が変わり始めた。

顔が赤いフェイスに覆われ、恐怖に満ちた表示がうっすら浮かんでおり、何処か指輪を彷彿させるような頭、腕は肥大化しており右手の指には歪な指輪をしている。ボディは赤いアーマーを纏っているが、まるで人が絶望の表情を浮かべているようにも見える。腰にはベルトをしているが中央には骸骨の手が装飾されている。両肩と腰付近には破れたローブが付いている。

 

 

脳無が“アナザーウィザード脳無”へと変貌したのだ。

 

 

飯田「のっ脳無が姿を変えた⁉️」

 

 

ステイン「変異型の個性が含まれているのか⁉️」

 

 

飯田達は脳無の変化に驚愕しているなか、

 

 

WD『シャバドゥビタッチヘンシーン‼️シャバドゥビタッチヘンシーン‼️』

 

晴希「変身」

 

WD『フレイム、プリーズ。ヒーヒー、ヒーヒーヒー‼️』

 

晴希もウィザードに変身するが

 

 

 

ジジッ

 

 

晴希「ッ⁉️」

 

 

体にノイズが走りウィザードの姿が霞む

 

 

轟「どうした、操真」

 

 

晴希「力が安定してない…ッ‼️」

 

 

そういった瞬間、ウィザードの姿が更に霞み、変身が解けてしまった。

 

 

E「ウィザード‼️何故変身を解いた‼️」

 

 

晴希「変身が解けた?違う…、変身できなくなったんだ」

 

 

晴希が変身不能になり、全員が驚く中

 

 

脳無『ギシャァァァァァァァァァァァ‼️』

 

 

アナザーウィザード脳無は、問題無用で襲いかかってきた

 




ヴィジランテ『シャドウ』
ステインにより構成されている公式ヴィジランテチーム

個性差別により理不尽に迫害された者達が集まっており、ステインが掲げる“この世界を正す”という信念の元、汚職や脱税等に手を染めるヒーロー“いわゆる偽物”を粛清することを中心に活動している。メンバーの中には、殺人未遂を行っているものもいるが、精神未発達の子供を追い込んだことで暴走してしまったということで、ステインの監視という名の保護を受けている。

また、警察上層部やトップヒーロー達と連携することにより、ある程度の支援を受けている。

組織の全員がステインの意思に賛同しており、ステインを影のヒーローとして導いてくれた少年を神のように思っており崇拝している。ステイン以外少年のことを知らないが、会えたとき最大のもてなしと感謝、そして信仰していこうと考えている。
基本ステインの指示には絶対的に従っている


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生身でも戦えます

さて、どうしたものか


出久「晴君‼️」

 

 

“アナザーウィザード脳無”と交戦しているエンデヴァー達のところに、出久が到着した。グラントリノと心操は、警察がいる大通りのほうへ援護に向かった。

 

 

晴・轟・飯「「「いずっくん/緑谷(君)‼️」」」

 

 

出久「状況説明お願い‼️」

 

 

晴希達に状況を確認して、ある程度の予想をたて始めた出久にステインが声を掛けた。

 

 

ステイン「久しいな少年」

 

 

出久「お久しぶりです、ステインさん。こんな状況じゃなければ色々話したいのですが…」

 

 

ステイン「それはこちらも同じだ」

 

 

ステインが出久に話し掛けるのを見てスピナーは、ステインを正しい道に連れ戻してくれたのは彼であると確信した。

 

 

スピナー(彼が、ステインを導いてくれた少年か。中継で観戦していたが、この年であの戦闘力に洞察力、そして踏み外しかけたステインを導くことの出来る先導者の気質。ステインの言うとおり、彼なら後の世界を良くし、俺達を導いてくれる存在になるもの。)

 

 

出久の印象はスピナーにとって宗教の神のような存在になりかけている。

 

 

E「話は後にしろ‼️まずは目の前の敵に対処するのだ‼️」

 

 

エンデヴァーの声で全員が戦闘態勢に入り、変身能力を失った晴希も構えをとる。

 

 

E「…緑谷といったな、お前の実力見させてもらうぞ」

 

 

出久「はい‼️」

 

 

出久は返事をした後、ゴーストドライバーを出して眼魂をセットする。

 

 

GD『アーイ‼️』

 

 

『バッチリミナー‼️バッチリミナー‼️』

 

 

パーカーゴーストが出久の周りを飛び回っている瞬間、脳無が動き出す。

 

 

プリーズ

 

 

指輪を腰のベルトに翳すような仕草を取ると、手をこちらに向けて炎を放ち出す。

 

 

出久「変身‼️」

 

 

声と同時に炎が出久達に着弾する瞬間、

 

 

GD『開眼‼️ムサシ‼️決闘ズバッと‼️超剣豪‼️』

 

 

出久「はぁッ‼️」

 

 

“仮面ライダーゴースト ムサシ魂”に変身した出久は、ガンガンセイバーで炎を切り裂いた。

 

 

プリーズ

 

 

息つく間もなく脳無が手を翳すと、脳無と出久達を囲むように大量の“グール”が現れる。

 

 

 

 

グール軍団『ヴゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ』

 

 

 

ステイン「こいつらはあの時の…」

 

 

飯田「コイツらが兄さんをッ‼️」

 

 

ステインはインゲニウム襲撃の時の敵が目の前に現れ、飯田は話の中で兄を襲ったのがグールだと知り怒りと驚愕を表情に浮かべ、

 

 

轟「なんだコイツら⁉️」

 

 

E「増殖系の個性か⁉️だが多すぎる‼️」

 

 

轟とエンデヴァーは、脳無の出したグール達に対して困惑をしているが、全員の意識が晴希と出久のやり取りで晴希に集中する。

 

 

※ちなみにスピナーは、変身できなくなった晴希を守る指示を受けたため側にいる

 

 

出久「グール‼️」

 

 

晴希「なんであいつグールを呼び出せるんだ⁉️」

 

 

飯田「操真君‼️君は奴らを知っているのか⁉️」

 

 

晴希「知ってるもなにも、“仮面ライダーウィザードの世界”の敵、ファントムの使役する戦闘員どもだよ。」

 

 

出久以外『ッ⁉️』

 

 

“仮面ライダーの世界の戦闘員”

 

 

事情を知らないエンデヴァー達には分からないが分かっている轟達は驚愕していた。

 

 

“アナザーウィザード脳無(以降AW脳無)”は手を掲げ、グール達を出久達に向けて襲撃させた。

 

 

出久「全員迎撃してください‼️戦闘員と言っても高い戦闘力は持ってません‼️充分に対抗できます‼️」

 

 

E「他に聞きたいことができたが今はこの状況を突破する‼️ウィザードはどこかに身を…ッ⁉️」

 

 

出久の声で一同意識をグール達に戻し、グール達を迎え撃つ。敵の情報を有している晴希達に説明を求めようとしたが、プロヒーローとして現状を打破しなければならないため迎撃を開始する。変身能力を失っている晴希に、どこかに隠れるよう指示を出そうと目を向けると、

 

 

晴希「はっ‼️ふっ‼️でりゃっ‼️」

 

 

生身でありながら襲い掛かってくるグールを倒していた。その様をみて、飯田と轟はクラスメイトとしてだけでなく、“仮面ライダー”としての力の一端を垣間見た。

 

 

晴希「エンデヴァー‼️生身だからといって戦えないわけじゃない‼️なによりコイツらは生身でも充分対応できる‼️」

 

 

轟「…流石だ」

 

 

轟はグールを氷漬けに、

 

 

飯田「仮面ライダーは変身しなくてもあれだけの戦闘を‼️」

 

 

飯田は高速の蹴りをグールに放ち、

 

 

スピナー「…俺の護衛は必要なさそうだな」

 

 

晴希を守っていたスピナーは、晴希の戦闘をみて護衛は必要ないと感じ、2本の刀(ステインへのリスペクト)でグールを切りふせ、

 

 

ステイン「…流石は少年の友人、素晴らしい戦闘力だ」

 

 

晴希の体捌きに称賛しつつ、グール達を切りふせていく

 

 

 

E「フンッ‼️」ニヤ

 

 

「ならば全員巻き添えを食らうなよ‼️」

 

 

晴希をみて心配無用と分かったエンデヴァーは、自身に襲い掛かってくる大量のグール達を大火力で燃やしていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

AW脳無の出したグール軍団は、表通りにまで溢れかえっていた。しかし、援護にきていた心操とグラントリノ、通報により駆け付けたプロヒーロー達により次々とグール達は排除されていき、通りにいたグール達は全て倒された。

グールを一般人の個性と思い、拘束しようとした警察官がグールに近づくと、グール達は崩れるように消滅した。

これには他のヒーロー達も驚き、“仲間の個性で逃走したかもしれない‼️”と騒ぎながら、周辺の捜査を始めた。

 

 

GT「…坊主、今の敵どもについてどう思う?」

 

 

心操「…他の仲間の助けで逃走したんじゃなくて、文字通り消滅したんだと思います。」

 

 

GT「やはりそっちの方がしっくりくるか。」

 

 

心操とグラントリノは、グール達が消えたのを“逃走”ではなく“消滅”だとしっかり認識していた。

通りの騒ぎを鎮圧するために、全員が走り回るなか“何か別のものがある”と感じていた。

 

 

 




どうやってソウゴ出そう?


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アナザーライダーと魔王の臣下

明日から令和3人目の仮面ライダーですね。恐竜モチーフはある意味初めてですね


E「これで残りは脳無(ヤツ)だけだな」

 

 

エンデヴァーの攻撃で周りにいたグール達は全て消滅した。だが、

 

 

轟「クソ親父てめぇッ…」※氷の壁を生成

 

 

晴希「…サンキュー轟、ゴートゥヘルエンデヴァー」ボソッ

 

 

ステイン「…エンデヴァー、貴様は偽者に分類されるぞ」

 

 

飯田「エンデヴァー‼️少しは加減してください‼️」

 

 

 

スピナー「…一瞬死を覚悟した」

 

 

出久「…ヒーローが周りに被害出さないでください」

 

 

あまりにも広範囲及び高火力で攻撃したため、全員所々黒焦げになっている部分がある。※晴希は轟の生成した氷の壁である程度守られた。

 

 

E「ヒーローたるものいかなるときも全力を出すものだ。これで終わればお前達はそれまでだっただけのことだ。」

 

 

全員『(独裁者が‼️)』

 

 

E「…しかし、それこそ抑えたとはいえ力を出したが…」

 

 

エンデヴァーが少し言葉を濁して言いながら、目線の先をうかがうと

 

 

AW脳無『ヴゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ』

 

 

そこには無傷の脳無がいた

 

 

E「俺の攻撃が全く効いていないとはな…」

 

 

出久「当然でしょうね。」

 

 

E「なに?」

 

 

出久「おそらくヤツには、エンデヴァーの持つ炎であっても倒せない。」

 

 

ステイン「何故そう言えるのだ少年?」

 

 

僕の言葉にまた全員が耳を傾け、代表してステインさんが聞いてくる。

 

 

出久「飯田君達の話を整理してみると、

 

1.脳無の変化、2.脳無の容姿、3.晴君の異変

 

の3つの部分があげられます。

脳無はおそらく雄英に来たものとほぼ同じですが、変化したところをみて何か手を施されたのはたしかです。その脳無の容姿が、どことなく“ウィザード”の面影を残していますが、“絶望を希望に変える”とは違い、“絶望や恐怖”を象徴しているように見えます。そして脳無があの姿になった後、“ウィザードの身体にノイズが走り変身が解けた”という点から考えると、脳無が“ウィザードのような怪人”になったんじゃなくて

 

 

脳無が“ウィザードそのもの”になったんです。」

 

 

全員『ッ⁉️』

 

 

そうと考えれば辻褄が合う。同じ仮面ライダーは2人も存在していない。脳無があの姿に変わったとき、晴君の変身にノイズが走り、その後変身ができなくなった。

それはつまり、

 

“操真晴希が仮面ライダーウィザード”

 

ではなく、

 

“脳無が仮面ライダーウィザード”

 

 

という歪んだ歴史が生まれた。

 

 

出久「…エンデヴァーの炎が効かないのは、ウィザードの“フレイムスタイル”が脳無に影響を与えて、炎を無効化状態にしているんです。そして、脳無という点を無視して言うなら、あいつはライダーの歴史が歪んで生まれた紛い物の仮面ライダー、あえて名前を付けるなら

 

アナザーライダー

 

とでもいいましょうか。」

 

 

 

?「素晴らしい。少ない情報の中で観察力と分析力を駆使し真実に辿り着くとは、君は実に優秀な人材だ。我が魔王の配下に加えたいくらいだ。」

 

 

『ッ⁉️』

 

 

出久の推測から導き出されたものを全員が聞いていた最中、出久の推測を称賛する声が聞こえそちらに視線が集中する。

 

そこには、グレーのコートのような服を身に纏い、黒いマフラーを首に巻いている男性がいた。そしてその男性の手には、表紙を歯車で組み合わせたような

 

“逢魔降臨暦”

 

という題名の本が抱えられていた。

 

 

E「何者だ貴様は」

 

 

エンデヴァーは突然現れた男性に警戒する。今現在出久達がいる場所はいりくんだ路地裏、その路地裏で怪人“脳無”とヒーローが戦闘しているにも関わらず、何の前触れもなく現れたのだから、アナザーライダーになった脳無についての関係者、即ちヴィランだと考えている。

 

 

?「失礼、紹介が遅れたね。私の名は“ウォズ”、今回はあの“アナザーウィザード”についての対策を教えに来たんだ。詳しい話し合いはまた後日“我が魔王”を含めて行いたい。

現在時間がないので手短に伝えよう。さっき彼の言った通り、奴らは“仮面ライダーの歴史が歪んで生まれた紛い物の仮面ライダー、アナザーライダー”だ。

他の怪人達と違い、アナザーライダーは“アナザーライダーの元となったライダーの力でしか倒せない。”ということだ。歪んだ歴史を戻すには正しい歴史でなければならないからね。例外で言えば、アナザーライダーよりも更に強い力でなら倒すことは可能だが、この世界にはそれほどに力を持った者達はいないようだからね。」

 

 

ウォズの説明に一同警戒するも、納得がいく部分がある。

“アナザーウィザード”となった脳無の出現で、晴希はウィザードに変身出来なくなった。グールを呼び出したり、エンデヴァーの攻撃が効いてないことから出久の立てた仮説とも一致する。

 

 

轟「…アンタが何者か知らないがなぜ“アナザーウィザード(ヤツ)”のことを俺達に教える?」

 

 

ステイン「彼の言う通りだ。ヤツのことを知っていると言うことは少なからず貴様はヤツと関わりがあると言うことであろう?」

 

 

轟君とステインさんの言い分もわかる。突然現れたウォズさんは、僕達が相手をしているアナザーライダーについて知っている。だからこそアナザーライダーと何かしらの関係があるのは分かるけど、対処法を教えるっていうことは

 

“僕達の味方”か“自分では対処できない”

 

ということになる。

 

 

出久「……もしかして貴方は、“ライダーワールド”の存在なのですか?」

 

 

ウォズ「やはり君の分析力は非常に素晴らしい。如何にも私は君の言う“ライダーワールド”の住人だ。そして、アナザーウィザードのことに関しては少なからず私達が影響を与えてしまった部分もあるが、先程言ったように時間がない。」

 

 

E「時間がないとはどういうことだ、貴様には詳しい話を聞かねばならんのだが?」

 

 

ウォズ「次元と時空が不安定な状態でこの世界に“私という異物”が入ってしまったため、亀裂が生じ始めていてね。今回はこちらのライダー達にお任せすることにしたよ。」

 

 

話をしているとしびれを切らしAWNが炎で攻撃してくる。全員対処に遅れかけるが、ウォズさんがいつの間にか僕達とAWNの間に入り、マフラーで攻撃を弾き飛ばした。

 

 

『ッ⁉』

 

 

ただのマフラーではないと思ってたけど、攻撃を弾く耐久性と伸縮性に驚いた。

 

 

ウォズ「では私はそろそろ失礼するよ。今の君なら十分にアナザーウィザードを倒せるはずだ。」

 

 

そう言うとウォズさんはマフラーを広げて伸ばし自身を覆うと、瞬く間に消えていた。

 

 

飯田「い、いったいあの人はなんだったんだ?」

 

 

出久「…とりあえず今は、あの脳無の倒し方だけは分かった。」

 

 

僕はそう言うと、脳無に対抗できる眼魂を取り出す。

 

 

 




次回決着!!……するといいなぁ


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