異世界はアサリ貝の王も一緒に<凍結中> ('にーにーと)
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ブロローグ(改)
ブロローグ
「十代目!」
「ツナ!」
獄寺くん、山本。いつも居てくれた親友の二人が俺を止めるかのように名前を呼ぶ。ごめん。二人とも約束守れない。けど必ず皆を守るよ。
「沢田」
「つ..な....」
「ボス...」
俺の憧れの人の兄と、弟分、霧の片割れの少女が何処か辛そうに声をかけてくる。
お兄さんいつもみたいに俺たちを明るくさせるのに今は何辛そうな顔してるんですか。
ランボ。なに泣てるんだよ。
クロームもそんな顔しないで大丈夫だから。
「任せたよ。小動物」
「それがあなたの選択なのですね。沢田綱吉」
いつも喧嘩ばかりしている二人が今日はおとなしい。
任せてください、雲雀さん。
ああ、これが俺の選択だよ。骸。
いつも喧嘩ばかりしている二人が俺のために並び立っているのが少し嬉しい。
「とっとと行ってこい。ドカス」
「また世界を救っちゃうんだね♪ツナヨシくん♪」
「頑張れよツナ」
「ツナ。お前は俺の自慢の息子だ」
ひぃぃ!やっぱりザンザス怖い。
お前は世界滅亡の目前なのに呑気だな!白蘭!
ディーノさん。頑張ります
父さん、何がらにもないこと言ってるんだよ。
「沢田さん、貴方なら必ず成し遂げてくれると信じています」
小さな虹のお姫様は祈るように俺に告げる。
ありがとう、ユニ。
「沢田殿。ご武運を」
何時も俺たちを手助けしてくれる父さんの部下で同い年の仲間がエールを送ってくれる。
俺の父さんの元で大変だと思うけど此れからも頑張ってねバジルくん。
「ツナくん。君一人に任せてごめん。」
俺と似ている環境の親友は泣きたいのを耐えながらまるで祈るように拳を俺の胸に軽くぶつけた。
うん。炎真分かってる。だから辛そうな顔しないで
「そろそろ準備は出来たかい?」
ああ、準備はとっくに出来てるよチェッカーフェイス。
「ツナ」
後ろから声が聞こえる声に立ち止まる。いつも近くで俺を教え励ましてくれた先生。俺の恩師。
「ツナ。忘れるなよ。お前の死ぬ気の原点を」
「分かってるよ。リボーン。今までありがとう」
「....お前は俺の最高の教え子だ。こんな逆境は簡単に跳ね返してこい!」
嬉しい。最高の教え子だなんて初めてそんなことを言われた。なら絶対にやり遂げないとな。
ゆっくり歩く。目の前にある前は不気味に思えた炎を今はきれいで優しく見えるのは今回の事件で初めて仲間だと思えるように成ったからかな?
「行くぞ」
こくりと頷き、目を瞑りハイパー死ぬ気モードになる。
周りに夜の炎が俺を包み込む。
ああ、頼む。バミューダ。
グニャリと世界が歪み直ぐ様視界が晴れる。暗く冷たい世界。息も出来ない世界。これが宇宙か。あ、地球が青い。
少し冷静になってこんなときに俺は可笑しなことを考えていることに笑みを浮かべてしまう。
頭を振りかぶり頭を切り替え、目前に来ている物に目を向ける。
向けた先には地球と同じぐらいの巨大な隕石が後数十メートルでぶつかりそうになる。
惑星クラスの隕石で現代兵器のほとんどが通用しない特殊物質らしく通用するのはどうやら死ぬ気の炎を使った超高密度エネルギーのみたいだ。その上最高純度を持った死ぬ気の炎でないと確率がかなり低いらしい。
神を名乗る化け物が最後の力を振り絞り召喚したこれを壊す。
きっと生きて帰ることは出来ないかもしれない。それでもこの隕石は必ず!
俺一人だけなら絶対に壊せないかもしれない。だけど、この炎は俺だけの炎じゃない。皆が託してくれた死ぬ気の炎だ!!
だから、絶対に大丈夫だ。そう思い両手を前に出して皆から貰った炎を一つに束ね、隕石向かって放つ。
鮮やかに輝く15色の色がぶつかり少しづつだけど削られていく。
少しづつ削られてはいるが15色が一つまた一つと減っていく。数十秒後には残っているいる色が橙色だけになる。
足りないのか。なら俺のありったけの、命を、俺自身を炎に変えて!
「あああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
息の出来ない声も出ないのに全身から声を張り上げる。不思議な感覚だ。
皆を守りたい。その思いが炎と成って隕石を焼き消した。
「はあ...はぁ...」
宇宙空間では息が出来ないため視界がぼやけ、ハイパー化も解け意識が朦朧とする。
全身隅から隅まで一ミリも動かせない。意識が遠くなりすぎて息もしているかわからない。冷たくなる感覚は死ぬ気弾、小言弾を撃たれたときに似ているけどそれより深く飲み込まれていく。
ああ、そうだ。これだけは、これだけは絶対に言わないと。
縋る様に全身を微動だに動かし、体の方向を如何にか地球に向ける。
「みんな...ありが..とう....さよ..な..ら」
「というわけで、お前さんは死んでしまった。本当に申し訳ない」
「はあ」
二つの声が聞こえてきた。
あれ?俺死んだんじゃなかったっけ?
そう思い目を開き起き上がる。床は畳に布団が引いておりそこに寝かせてもらっていたみたい。
周りを見ると高齢の男性と俺と同じくらいの学生服を着た男性がちゃぶ台を挟んで座っている。壁や屋根が無い為外が見えるが空の上みたいだ。
「ここは」
どこ?そんな言葉が自然に出る。ってここ雲の上!!何で浮いてるの!!
「おお!目覚めたか。沢田綱吉君」
「ええ!?」
何でこのお爺さんは俺の名前知ってるの!?
驚く俺に対して、ニッコリと笑うお爺さんと俺の声にこれといって反応する訳もなく自然体でお茶を啜っている学生服の少年。
「それでどこまで話したかのう」
「僕が雷を受けて死んだってところまで聞きましたよ」
「おお、そうか。 あれは儂の責任でな。雷を落とした先に人がいるか確認を怠った。本当に申し訳ない。えっと」
「望月です。望月冬夜《もちづきとうや》」
そこから長々と話し合う二人の話を纏めると、ここは神界と呼ばれる天国より上の神様達がいる場所らしい。
お爺さんは神様でその神様が不注意で雷を望月さんに当ててしまいそのお詫びとして生き返らせてくれるらしい。ただ元の世界には生き返らせることが出来ないそれルールだそうだ。
「さて、次は君番じゃ。沢田綱吉君」
「え?」
何で俺?
「君には儂らの尻拭いをさせてしまった。本当に申し訳ない」
「ええと、どうゆうことですか?」
「君達が戦ったやつじゃが、神でな」
「神ってあのあなたと同じってことですか?」
「まあ、概ねその通りじゃよ。正確には儂は世界神、あやつは下級の火の神と格の違いは有るがまあ、今はいいじゃろう」
「はあ...」
つまり何が言いたいんだろう?
「あやつは儂らのルールを裏切って君達の世界を自身の物にしようとしていた。ここまでは理解してくれ」
「は、はい!そこは本人から聞きました!」
よく理解していないのがばれてた!
「儂らもどうにかしたかったんじゃがあやつの計画を甘く見とった。あやつが君たちとの最終決戦の力は儂らにとっても手痛い犠牲を出すレベルじゃった。
儂らじゃ君達の世界を守ろうにも儂たちの力で破壊してしまい兼ねん。火の神が儂らの驚異になりうる前に君の世界を破壊することにしたんじゃが、君達があやつを倒してくれた。じゃがそのせいで君を犠牲にしてしまった」
「ちょっと待ってください!あの隕石ってもしかして」
「そう、儂らがやった。正確にはある神がだな」
「もしかして俺無駄死に(ガーン)!!」
あの神がお前ら此れで殺してやるって言い残したからあの隕石はあいつがやったのかと思ってたけど違ったのかよ。
「無駄ではないぞ。少なくとも君はあの世界を守ることが出来た。そして君は自力で神の領域に入る権利を得た」
「神の領域?」
「ストレートに言おう。沢田綱吉君神になる気はないか?」
「なっ!!!」
俺が!神に!なんでそうなるの!!?
「まあ、その話は追々君に考えてほしい。それとな君にも生き返ってもらいたい」
「ちょっ!ま!話が急展開過ぎて分からないんですけど!」
「まあまあ、落ち着いてほら、お茶美味しいから」
「何で貴方は凄くおちついているんですか!」
望月さん?の、マイペースさに少し落ち着いた。それ以前にこの人何でこんなに落ち着いてるんだろか?
とにかく落ち着くために言われた通りお茶を飲む。あ、美味しい。
「落ち着いたか。なら話を戻すぞ。理由は2つ一つは少しでもと罪滅ぼしのつもりじゃ。もう一つは望月冬夜君に特典をあげるつもりだが不安でな。君ならあの世界でも問題ないじゃろ」
俺使い勝手のいい奴になってない?あ、そう言えば
「あの、俺自分の持ち物確認したんですけど、リングやグローブを持っていないんですけど」
「それは安心してくれ、ここにあるぞ」
神様が小さな鞄を渡してきた。中には橙色のリングと赤色のリング、ライオンの形をしたリングが一つずつと、匣"ボックス"が3つ、そして見慣れた27と手の甲に書かれてある毛糸の手袋。
何か準備万端だ!?しかも何!!このリングと匣!?
「お、俺基本ダメダメですし迷惑かけると思いますけど....」
「そこまで言うなら、彼に決めてもらおう。冬夜君。君は彼を連れて行きたいかな?」
「え?ああ、じゃあ、お願いしてもいいかな?一人だと心細いし」
「決まりじゃな」
勝手に決められた!(ガーン!)
「さて、綱吉君の方は決まったとして冬夜君。君が望むことをできる限り叶えたいが何か無いかな?」
「なら、"これ"あっちの世界で使えるようにしてくれませんか?」
そう言って懐から何かの携帯端末?を出した。なんだろう?
「これをか? まあ可能じゃが…。いくつか制限されるぞ。それでもいいなら…」
「例えば?」
「君からの直接干渉はほぼ出来ん。通話やメール、サイトへの書き込み等じゃな。見るだけ読むだけなら問題ない。そうじゃな…ワシに電話くらいはできるようにしとこう」
「充分ですよ」
あれって携帯電話だったの!知らなかった....
「さて、そろそろ蘇ってもらうとするか」
「色々お世話になりました」
「いや、元はといえば悪いのはこっちじゃから。そうだ、蘇ってまたすぐ死んでしまっては意味ないから基礎能力、身体能力、その他諸々底上げしとこう。これでよほどのことがなければ死ぬことはない。間抜けな神様が雷でも落とさん限りはな」
そんなに力与えるなら俺いらないんじゃ...?絶対にいらないよね!!
「あの世界での出来事には手出しはできんが、相談に乗るぐらいはできる。困ったらいつでもそれで連絡しなさい」
そう言い望月さんの携帯電話?に指を指す。
「では、またな」
「ちょっ!まっ!!!」
神様の声に意識が遠くなる。
「頼むぞ綱吉君。君には大変迷惑だと思うが君しかいないんじゃよ。あの者たちと戦えるのは」
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標的1 異世界、そして銀色の双子来る!(改)
大体月一位ののんびりとした投稿ですが、今後ともこんな駄作で駄文かもしれませんがよろしくお願いします。
2019/02/03 改訂
一
「あれ?ここは?」
つい最近同じことを口に出した気がする。死んだとか神様とか神界とか生き返るとかそんな夢物語の話は夢だよな。
「大丈夫かい?」
「わぁ!?」
いきなり話かけられて驚く。そこに居たのはブレザーの制服を着た俺より年上だと思う望月冬夜さんだ。ってやっぱ夢じゃない!?
「大丈夫かい?顔色悪いけど..」
「は、はい!大丈夫です!あの、ここが異世界何ですか?」
「どうやらそのようだね。改めまして、僕は望月冬夜よろしく」
「あ、はい。よろしくお願いします。俺は沢田綱吉です」
「じゃあ、ここからどうしようか?綱吉君」
「も、望月さんにお任せします」
「そう?なら...道沿いに歩こう。町が有るかも知れないし」
「は、はい!」
「そんなに緊張しなくても、僕だって高校生に成ったばかりだし年変わらないからタメ口でいいよ?後僕の事は冬夜って呼んでよ」
「そうですか?じゃあ、俺のことはツナって呼んでください。友達はそう呼びますし。ってあれ?高校生に成ったばかり?」
その表現は可笑しくないか?俺は後一月で並中を卒業して高校に行くのにその表現は可笑しい。
もしかして...
pipipi
冬夜さんの携帯端末から音がなる。
「もしもし?」
「そうなんですか?いやまあ、助かりましたけど。ちょうど道に迷っていたもので」
「ええ、まあ」
神様の声が微かに聞こえる。なんの話をしてるんだろう?
「え?そうなんですか?はあ、じゃあ、代わりますね。ツナ、神様が君に代わってだって」
何のようだろう?そう思いながら携帯を手に取り先程冬夜さんがやっていたように耳をつける。
『電話を代わってもらって悪いな綱吉君君に伝え忘れていたことがあってのう』
「はあ、何でしょう?」
『橙色と赤色のリング、それと3つのボックスのことじゃよ 』
「あ!それは気になりました!ナッツのアニマルリングとグローブは分かるんですけど他は俺持っていないやつでしたし。オレンジ色のリングはたぶん代わりですよね?」
『そうじゃな。まあ、一つずつ説明しよう』
「お願いします」
『橙色のリングは予想通り大空のリングじゃ、そしてもう一つのリング赤色の方は大地のリングになっておる』
「大地のリング?炎真の炎を使えるようにしてくれたんですか?」
『違うぞ。今の君には今や大空と大地の二つの波動が流れているのじゃが知らなかったのか?』
「し、知りませんでした」
あれって、炎真が力を分けてくれてくれているか、シモンリングがボンゴレギアと合体することで使えるだけだと思ってたけど、俺にも大地属性の波動も流れてたのか。
『まあ、よいその二つのリングは特別製でな君に合ったリングになってくれるんじゃよ』
「俺に合ったリング?」
『まあ、それは追々に自分の目で確かめたらいいじゃろ。次は3つのボックスじゃが、1つ目は橙色のシンプルなやつが君の未来でのっていたバイクが入っておる。燃料は君の炎だから問題ないじゃろ』
長距離を移動するときには便利だ。
『2つ目は、27と書かれているボックスじゃが専用ヘッドホンとコンタクトレンズが入っておる。ついでに儂と冬夜君に連絡出来るようになっておるよ』
「あ、ありがとうございます」
これは素直に嬉しい。はぐれたときや距離がある時に便利だ。
あれを使えないのは少し心細いけど、如何にかなるよな。
『最後のボックスじゃがすまんがそれは預かってくれんか?』
預かる?誰かのなのか?
『その事については渡す相手に会えた時におって伝えよう』
「はあぁ」
気の無い返事をついてしまう。
『儂からは以上じゃ。冬夜君にそのスマートフォンは返しておいてくれ』
神様はそう言いながら電話を切った。
「何だった?」
「鞄の中にある道具の説明を一通り教えてもらいました。あ、これありがとうございます。えっと、スマートフォン?」
「そうだけど、スマホ知らないの?」
「知りませんよ。見たことも聞いたことも無いですし」
「へえ、神様が僕とツナの世界が違うって聞いたけど文化も違うのかな?」
「そうなんですか?」
パラレルワールドってことか。
「半年もずれてないし敬語は止めようよ。お互い気軽にさ」
「はい、じゃなくてうん。これからよろしく冬夜」
「よろしくツナ」
道沿いをゆっくりと歩きながら俺たちの
「話を纏めるとツナの世界だと僕の世界より医療が進んでいるのかな?」
「そうかな?冬夜の世界は機械が進んでるんだね」
「機械って言うより情報機器かな。進んでいるのは」
さっき会ったばっかなのに、すごく話しやすい。冬夜ってかなり話し上手で聞き上手だったり?
冬夜がさっきからスマホ?をちらちらと見ている。何でもこの世界の地図を見れるらしい。スマホってすごい便利なんだな。
「そのスマホを見た限りだと後どれくらいでつくの?」
「んっと、まだかなり距離があるね。町に着いたら先ずは資金集めかな」
「ああ、こっちのお金無いから大事だね」
「他には宿泊場所、水、食料は確保しないと」
「ごめん俺そこまで考えて無かった」
確かに資金、食料、水の確保はしなければ生きていけないな。
今は町を目指して歩いているけど、そこまで距離があるなら、バイクのボックスを使うべきかな?そんなことを考えていると、後ろから馬車がり抜けていった。
「君たち! そこの君たちだよ!」
バタンと馬車の扉を開けて出て来たのは白髪と立派な髭をたくわえた紳士?でいいのかな?
「なんでしょう…?」
冬夜が答えてくれた。良かった。俺だとどもって変なこと言いそうだし。
「こっ、この服はどこで手に入れたのかね!?」
「「は?」」
一瞬、なにを言っているのかわからず、ポカンとしてしまったが、そんな俺達をお構い無しに、髭の紳士は後ろに回り、横に回り、矯めつ眇めつ俺達の着る学校の制服を眺めている。
「見たことのないデザインだ。そしてこの縫製…一体どうやって…。うむむ……」
この世界では制服が珍しいらしい。
「……よろしければお譲りしましょうか?」
「本当か!」
再び冬夜が答える。って、譲るの!?
「この服は旅の商人から売ってもらったものですが、よろしければお譲りいたしますよ。ただ、着る物を全部売ってしまうと困るので、次の町で別な服を用意していただけるとありがたいのですが…」
冬夜がつらつらと嘘の背景を話始める。え、今の話即席で考えたの?すげぇ
「よかろう! 馬車に乗りたまえ。次の町まで乗せてあげよう。そしてそこで君の新しい服を用意させるから、その後その服を売ってくれればいい」
「では取り引き成立ということで」
髭の紳士と冬夜は固い握手を結んでいた。
(冬夜って何者なの!)ガーン!!
その後のはとんとんと話は進み馬車に乗せてもらって町に着いた
髭の紳士はザナックさんと言うらしく服飾関係の社長?なのだとか。
服譲ってくれるのであれば相応の礼は渡してくれるみたいだ。
冬夜は抵抗がなく渡していたが、俺はこの並盛の制服を渡すのに抵抗がある。俺にとって大事な思い出だから....
「あの、ザックさん僕の服だけで良いですか?」
「それは構わんが、残念だ。彼の服は見たことがない繊維で出来ているからな!」
冬夜は俺を、気遣ってくれたみたいだ。情けないな。
「ブレザーだけなら売っても大丈夫です」
「そんなに大事なものなら手放さなくても良よぞ?貨幣に不安があれば少し色は付けるつもりだが」
「いえ、ブレザーだけなら本当に大丈夫ですから、気にしないで下さい」
その後冬夜は金貨を10枚、俺は金貨を7枚をくれた。
本当は10枚以上渡すと言ってくれたが流石にブレザーだけで冬夜と同じ金額を貰うのは抵抗があって、どうにか7枚で収まってくれた。冬夜はザックさんになにか聞いていたけど何だろう?
その後、ザックさんに聞いたらしい宿泊場所「銀月」って言うところで今日は泊まることにした。今はスマートフォンで場所を探している。
「それにしても冬夜は凄いね。俺だったら流されて何もできなかったかも」
「そんなこと無いだろ?あ、銀月ってここかな?」
「いらっしゃーい。食事ですか。それともお泊まりで?」
ドアを開けると俺達と年が変わらないお姉さんが話しかけてきた。
「えっと、宿泊をお願いしたいんですが、一泊いくらになりますか?」
「ウチは一泊、朝昼晩食事付きで銅貨二枚だよ。あ、前払いでね」
冬夜は金貨1枚を出してお姉さんに訪ねる。
「これで何泊できますかね?」
「何泊って…50泊でしょ?」
「50!?」
50って、確かに驚くけどそこまで?
銅貨2枚で一泊ってことは、どうゆうこと?
「ツナ。金貨の価値が銅貨100倍だってことだよ」
こっそりと教えてくれた冬夜の言葉に、ギョットする。そんな大金貰っていたんだ。
「で、どうするの?」
「えーっと、じゃあひと月分を二人お願いします」
「はいよー。ひと月ね。最近お客さんが少なかったから助かるわ。ありがとうございます。ちょっと今、銀貨切らしてるから銅貨でお釣りね」
遅れて驚く俺を置いて冬夜がお姉さんに交渉する。本当に俺要らなかったんじゃ...
そこから部屋を見たり、昼食を食べた後、町の散策の為に散歩をすることにした。周りを見ると本当に俺のいた世界と違う。リボーンの歴史の授業で中世ヨーロッパ圏の町風景がこんな感じだって前に習ったけど、今の時代があたりなのかな
「ん?」
「どうしたの?」
「裏路地から騒がしい声が聞こえたから」
「俺には聴こえないけど」
「行ってみよう」
そう言って走り始めた。
「ちょっ!待ってよ!」
って足早!
数秒置いて、追い付いた。ほ、本当に人がいた!厳つそうな男二人と俺と同じ年位の女の子が二人
「お取り込み中すいません。ちょっといいですか?」
行動早!!
「あ? なんだテメエは? 俺たちになんか用か?」
「あ、いえ、用があるのはそちらの彼女で」
「え? あたし?」
冬夜は脅すように睨みつけてきた男を無視して、後ろのロングの子に声をかける。
「あなたの角を金貨一枚で僕に売ってもらえないかと」
冬夜の意図に気付いたのかロングの女の子は笑みを浮かべ
「売るわ!」
「テメエら、なに勝手なこと言ってやがる! これはもう俺たちのもん────」
冬夜は石を何かの角に当て砕いた
「なッ…!? なにしやがる!」
「それはもう僕のものだから、僕がどうしようと僕の勝手です。あ、お金はちゃんと払うんで」
「野郎!」
冬夜はナイフを持った相手足らうように倒す。
「ぐふッ…!」
「なっ!ってめぇらぶっ殺してやる!」
「何でおれ~!」
なぜか俺の方に斧を持った男が向かってくる。
「わわ!!」
斧の攻撃は攻撃は何とか避けられたが思いっきりぶん殴られる。まあ、リボーンに殴られるより痛くない。
殴り飛ばされた時に男の後ろに見えた銀色ロングの少女が俺を殴った男性を殴っている姿を見て、この子は怒らせたら危ないと理解した。
「はい、金貨一枚」
「…いいの? あたしたちは助かるけど…」
「粉々に砕いたのは間違いなく僕だしね。かまわないから受け取ってよ」
「じゃあ、遠慮なく」
冬夜が金貨を少女に渡した。あんなに強いなら助け要らなかったんじゃ無いかな。
「助けてくれてありがとう。あたしはエルゼ・シルエスカ。こっちは双子の妹、リンゼ・シルエスカよ」
「…ありがとうございました」
「僕は望月冬夜。あ、冬夜が名前ね」
「へえ。名前と家名が逆なんだ。イーシェンの人?」
「あー…まあ、そんなとこ」
「で、そっちの人はなんて名前なの?」
「俺は沢田綱吉。俺も綱吉が名前だよ。」
「へぇ、あなたもイーシェンの人なんだ」
見た目は本当によく似た双子だな。中身はエルゼさんは勝ち気、リンゼさんは静かな印象だけど。
この二人はどうやら同じ銀月に泊まっているらしい。
その後銀月で、話をしていると稼ぎのためギルドに登録することになったが、三人とも俺に対して不安そうに見ていたけど、俺だって少しは戦えるからね?
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標的2 初依頼、そして大空の片鱗来る!
二
「綱吉は、本当に武器を買わなくて大丈夫なの?」
「その、防具だけでも買っておいた方がいいと思います。綱吉さん」
銀色の双子が心配そうに聞いてくる。
「エルゼさん。武器はちゃんと持ってるから大丈夫だよ。リンゼさんも心配してくれるのは嬉しいけど大丈夫だから」
昨日のギルド登録を決めたときから、何度も二人を宥めているため、慣れてしまった。
刀を買った冬夜が戻ってきた
「お待たせ」
「二人とも冬夜が来たし、そろそろ行こう」
「...そうね」
「...はい」
二人はまだどこか納得してないみたいだけど、依頼の一角狼討伐に行けそうだ。
やっぱり俺この世界に来なくて良かったんじゃないですか?神様......
「やあぁぁ!!」
「はっ!」
「炎よ来たれ、赤の飛礫、イグニスファイア」
一瞬にして三人が一角狼を倒した。
エルゼさんはガンドレッドで殴り飛ばし、冬夜は刀で切り伏せ、リンゼさんは炎の魔法で焼き尽くす。
「冬夜やるじゃない。依頼は5匹討伐だったけど一匹多く仕留めちゃったわね」
冬夜とエルゼさんが話している間に討伐箇所を採取しとこ俺だけ何もやってないし。
「あっ、手伝います」
「ありがとう。リンゼさん」
「あ!ごめん二人とも」
慣れない作業に時間がかかる俺に対して、慣れた手つきの双子の少女を見て情けなく思ってしまう。冬夜もすぐ終わらせてるし。はあ...
「最後はあの離れているのだけだし私がやるねお姉ちゃん」
「リンゼ、お願い」
二人の言葉から、本当に信頼しあった様子がわかる。仲の良い姉妹だな。
「ごめん。俺何もやってないし今回の報酬は三人が貰って」
「そんな気にしなくてもいいのに」
冬夜が励まそうとしてくれるけど、やっぱり俺異世界でもダメダメだ。
はあ、と溜め息が出てしまう。
「きゃあ!!!」
リンゼさんの声の方へと振り向く。そこに見えたのは一角狼だ。ただ違いはさっきの一角狼より一回りも二回りも大きくとても筋肉質なところだろう。
リンゼさんはいきなり現れたそいつに驚き落としてしまった。
一角狼はリンゼさんに勢いよく襲って行こうとする。
「リンゼ!!!」
エルゼさんはリンゼさんの所に駆け出す。冬夜もその後に続いた。しかし、距離が少し離れているためこのままなら間に合わない。そう直感して、俺はすぐにグローブをはめた。
sideエルゼ
「え?」
一角狼の攻撃がリンゼの触れる前に消えた。
急いでリンゼの姿を探したがすぐに見つかった。リンゼがいたところより少し先の場所だ。
安心したと同時に彼がただ者じゃないことを確信した。昨日一瞬だけ感じた違和感に納得する。
昨日やさっきまで話していたなよなよとした雰囲気はなく、ただそこに居るだけで周りを圧倒する存在感。今の私じゃ手も足も出せないような感覚。
額と両手に着けているグローブが燃えている。
「あれ、綱吉よね?」
「ツナだと思う...」
トウヤもまるで別人のように変化した綱吉に驚いている。綱吉あんたって本当に何者なの?
side綱吉
「大丈夫か?」
リンゼの顔を覗くと少し赤くなっていた。
「え!?だ、だ、大丈夫ですよ!!つ、綱吉さんですよね?」
「ああ」
始めてみる人からは二重人格に見えるからな。
赤くなっているリンゼを下ろす。
「下がっていろ」
「はい」
何処かボーッとしている声だが言われた通り少し下がってくれた。
「グァァァァ!」
「遅い」
下に潜り込み上に上げて、直ぐ様空中に飛び、背後から思いっきり地面に向けて踵落としを決める。
一角狼を見ると口から血を吐きながら絶命していた。
「ごめん」
命を奪ったことに対して、拳を握り祈るように言葉を呟く。
「ふう」
超死ぬ気モードを解く。流石にこの世界で初めての戦闘は緊張した。ボンゴレギアがない以上予想以上に力が出なかったがどうにかなった。
「ツナ!」
「綱吉!」
冬夜とエルゼさんが駆け寄ってきた。
「何よあれ!」
エルゼさんが思いっきり詰め寄ってきた。って
「近い!近いですから!」
「そんなのはいいからさっさと吐きなさい!さっきのは何なのよ!」
「お願いだから落ち着いて、エルゼさん!」
「あはは」
「(ボ~)」
冬夜見てないで助けて。リンゼさんも!
その後問い詰められたのがこの後数十分も続いた。
「で?あれは何なの?貴方の無属性魔法?」
「魔法じゃなくて、えっと俺の国に伝わる技...かな?」
「イーシェンにそんな技が有るんですね」
「なら、冬夜も使えたりして?」
「僕は使えないよ。ツナと合うまでそんな力が有るって知らなかったからね」
戻ってきて夕飯を食べながら、俺の力のことはかなり誤魔化して説明し、納得してもらえた。
実力もある程度有るって理解してもらえたし、後の問題はハイパーモードの質力が大幅に下がっている所かな?あのレベルまでならまだどうにか対処できるけど、あれ以上の相手には今のままだと厳しい。
「そうだ、二人に頼みがあるんだけど」
「頼み?」
「うん、僕に読み書きを教えて欲しいんだ。やっぱり文字が読めないと、不便でさ。これからやっていくのが大変そうで」
「あー、確かにね。依頼内容がわからないんじゃねえ。」
「出来れば俺もお願いします」
「うーん。そういうことならリンゼに教えてもらうといいわ。この子頭いいから教えるのも上手だし」
「そ…そんなこと…ないけど…。私でよければ…」
「ありがとう。助かるよ」
「ありがとう。リンゼさん」
「そうだリンゼ。ついでと言ったらなんだけど、魔法も教えてもらえないかな。僕も使いたいんだ」
「「え?」」
ピッタリ息があった声に、流石双子と思ってしまう。それにしても魔法を教わるのは驚かれるの?
何でも魔法を使うには適正が必要らしい。リンゼさんは、水・火・光の三種類なのに対して、エルゼさんは強化魔法と、血の繋がりがあっても違うみたいだ。
適正が有るかは、リンゼさんがポーチから出した7つの石で適正が分かるらしいけど。
「で?冬夜は適正は有るの?」
「適性ねえ…うん、でも大丈夫なんじゃないかな。ある人が、お前ならすぐ魔法を使えるようになれるって太鼓判押してくれたし」
「誰よ、その人?」
「あー…とっても偉い人?かな」
ああ、確かに冬夜は、神様から言われてた気がする。
「ふーん。ねぇ、なら綱吉は?」
「え?」
いきなり、エルゼさんが話を振ってくる。
「魔法の適正のことを言ってるの。冬夜使えるなら、あんたもその偉い人に聞いてるって思ったんだけど?」
「ああ、なるほど。...俺は多分使えないと思う」
「手や額から炎出していたし火の魔法適正が有るって思ったんだけど」
あれは、死ぬ気の炎だから魔法じゃ無いんだけどな。
横で冬夜が、石の使い方を聞いて実行しようとしている。
「水よ来たれ」
「って、うわぁ!!」
「うぉわッ!?」
テーブルが水浸しになっていた。
冬夜も慌てて石から手を離したから、これで済んでいるけど、もう少し手を離さなかったらテーブル下まで濡れるところだよ!
「場所変えましょうか」
エルゼさんの意見にリンゼさんがこくこくと頷いている。お店の人に謝ってから、銀月に戻り、庭を貸してもらった。
「火よ来たれ」
「土よ来たれ」
「風よ来たれ」
「光よ来たれ」
「闇よ来たれ」
銀色の双子が同じ顔をして驚いている。何でも、複数の属性を使える人はかなり珍しいとのこと。
俺たちの世界で言えば獄寺くんの5属性の死ぬ気の炎と同じ扱いなのかな。
「あれ?この石は何の属性なの?」
無色透明な石を持ちながら、聞いてみる。
「あ、それ僕も聞きたかったんだ」
「これは、無属性魔法の魔石です。無属性魔法は個人魔法と呼ばれていて同じ魔法を使える人は早々いません」
「無属性魔法は詠唱がないの。魔法名を言えば発動できるのよ」
「例えばお姉ちゃんの身体強化だと、「ブースト」って唱えれば発動します。その他に筋力を増加する「パワーライズ」、珍しいものだと遠くに移動できる「ゲート」なんてのもあります」
へぇー。何か凄そう。でも、冬夜なら何となくできそうな気がすけど。
「…でも、自分がどんな無属性の魔法を使えるかなんてどうやってわかるの?」
「あるとき、ふと思い付くのよ」
「じゃあ今すぐ無属性の適性があるかはわからないのか…」
「いえ、魔石を手にして何か無属性の魔法を使おうとしてみればわかります。魔法が発動しなくても、魔石がちょっと光るとか、少し震えるとか、なにかしらの変化はあるはずですから」
「変化が無かったら?」
「…残念ながら無属性の適性はありません」
冬夜が、適正が無いなら仕方ないみたいな表情してるけど、あの神様のことだから、もしかしたら複数の無属性魔法を覚えさせていると思うんだけど。
「ゲート」
冬夜の空間がゆれ、森が写し出された。
石が光るのは予想できたけど、魔法まで発動するなんて、これってたまたま使える魔法を言い当てた?もしかして、魔法名が分かるなら全部使えるとか無い...って思いたい。
エルゼさんリンゼさんの二人は驚き過ぎて真ん丸の目になってる。
「はー、それにしても全属性使えるって…。あんたちょっとおかしいわよ」
「全属性使える人なんて聞いたことありません。すごいです、冬夜さん」
エルゼさんは呆れたように、リンゼさんは感心してようにと違う反応をしている。
「もしかして綱吉?貴方も全属性使えるんじゃないの?試してみなさいよ」
「う、うん。リンゼさん試してもいいかな?」
「は、はい!どうぞです」
リンゼさんは昨日から話すと照れ臭そうに顔を赤らめている。も、もしかして惚れられたり!.....無いな。俺ダメダメだし...。
「えっと、水よ来たれ」
しーんと何も反応がない。そこから冬夜と同じ順に石を持って唱えてみたけど、どれも反応はなく...
「綱吉さん、げ、元気出してください」
「そうよ。冬夜がおかしいだけで、別に適正が無いのだって普通よ?」
「あれ何か僕、disられてない?」
うわぁ...。神様、本当に俺要らないだろ。
身体能力の向上に、全属性の魔法適正、それにここまで会ってきた人達の出会いの運が明らかに良すぎる。
金銭に、宿に、仲間。これはまるで何かに引き付けられているかのように作為的に思えてくる。はあ...。
あの後宿の食堂で夕飯を食べているとあれは、ミカさんと誰?
「この子はアエルって言ってね、街で「パレント」って喫茶店をやってるんだけど…」
「ああ、昨日行きました。いい雰囲気のお店ですよね」
冬夜が答える。ああ、あの水浸しにしたところの店か。
「その店で新メニューを出そうかと考えているんだけど、あんたたちにも聞いてみたいと思ってさ。別な国の人なら、なにか珍しいメニューを知ってるかもと思ってね。」
「なにかいい料理があれば教えて欲しいんです」
「僕らでよければ。どんなものを出したいと思ってるんですか?」
「そうですね…やっぱり軽く食べれるもの、ですかね。デザートというか、女性受けするものならさらにいいんですが…」
「女の人が喜びそうなもの、かあ。クレープとか、アイスぐらいしか浮かばないけど…」
「後は、ケーキ好きな人多いからその方向で考えるのもいいと思いますよ?何か作れたかな?」
「え?」
「え?」
「「「え!?」」」
あれ?俺が作れるっておかしい!?
驚かれた後、何を作るか検討していると、
「ケーキは分かりますが、アイス? 氷ですか?」
「いや、そっちじゃなくて。アイスクリームの方」
「アイスクリーム?」
「どんな料理なんですか?」
「えーっと、甘くて冷たくて、白い…バニラアイスって知りません?」
「いえ。聞いたこともないです」
知らないんだ。そう言えば冷蔵庫や冷凍庫は無かったから当たり前か。
「作り方はわかりますか?」
「いや、作り方までは…確か牛乳を使って作るってことぐらいしか…」
「あ、俺一度作ったことありますよ」
「有るんだ!」
「教えて綱吉くん!」
うわ!近い近い近い!美女と呼べるくらいの容姿が二つも近づかれて顔を赤くなってしまう。
「わ、分かりましたから、離れてください!」
そう言うと不思議そうな顔をして離れていく。この二人は鈍感なんだな。
「厨房見せて貰っても良いですか?材料確認したいので」
「いいよ~。何の材料も好きに使っていいからね!期待してるよ!」
「あはは」
期待できる程の出来にはならないと思うんですけどね...。
牛乳、卵に砂糖と...生クリームはこれかな?バニラエッセンスは無いから、んーん、あ!カカオかな?これが有るなら二種作れるし使わせて貰おう。後は、
「リンゼさんって氷の魔法は使える?」
「使えますけど...」
「手伝ってくれないかな?」
「はい!手伝います!」
「私も手伝うわよ!」
「僕もやらせてよ」
「私たちもやるからね!」
「お願いします」
そこから先は俺が指示を出して、皆と一緒に作っていく。
途中リンゼさんが以外と大雑把な事が分かった。
後は、一晩掛ければ完成かな?
次の日に、木箱に引き積めた氷をどけ、中の入れ物を取り出す。
「どうですか?」
「これがアイス...」
「ひんやりしてる」
「美味しい」
「美味しいねお姉ちゃん」
「良かった」
「これはお店出せる味だと思うよ。ツナ」
俺達が作ったのはミルクとチョコの二種のアイスだ。
良かった~。みんな喜んでくれた。リボーンに無理矢理作らされてあのときは文句をグチグチ言われたから、自信無かったんだよな。
「ありがとうございます!このアイスならお客さんも満足してくれます!」
「他には他には!何かお勧め出来るのってないの!?」
昨日と同じく詰め寄られてあたふたする。
「綱吉って戦闘以外でも意外と凄いのね」
「あはは、僕も最近知り合ったばかりで、頼りない弟分に思っていたよ。」
「むぅー」
「どうしたの?リンゼ?」
「綱吉さんがデレデレしているところを見てると何か胸の奥がムカムカして。お姉ちゃん何でかな?」
「(これってあれよね!?リンゼが綱吉にその....)」
「(惚れてるね。確かにハイパーモード時でのツナは男の僕から見てもかっこよかったけど、多分ギャップ萌えで落とされたね。今のところは無意識だろうけど)」
「(ど、どうしたらいいかしら!?)」
「(今は気づくまで、そっとしておこうよエルゼ。その方が見てるこっちは面白いし)」
「お姉ちゃん?冬夜さん?」
「わ、私は分からないかなー(棒)」
「いつか分かるときが来るよ。きっと」
「何ですか!二人して!お姉ちゃんは棒読みだし、冬夜さんは暖かい目で見てるし、絶対に何か知ってますよね!教えてくださいよ!」
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標的3 侍少女、そして大空の信念来る!
ダブルマークIIセカンド様、ID:Uinu7/8E様感想ありがとうございます。人生で初めて感想を頂けて本当にうれしく思います。
今話から後書きで一人ずつ主要キャラの人物紹介を書いていきたいと思います。
3
「いててて」
「ツナ。そのコブどうしたの?」
「おはよう、冬夜」
宿の食堂に行くと三人ともすでに揃っていた。
「ベットから落ちゃって」
「ああ」
「どんくさいわね」
そう言いながら冬夜とエルゼは面白そうに笑う。
「だ、大丈夫ですか?これで冷やしてください」
「ありがとう。リンゼ」
唯一笑わず心配してくれているのは、リンゼだ。
この二人を呼び捨てで呼ぶようになったのは、昨日の以来の時に言われたんだよな。
一緒に依頼を何回もこなして冬夜は呼び捨てなのに私達がさん付けはおかしいと言われ、呼び捨てにするようにした。逆に二人には「ツナ」「ツナさん」と呼ばれるようになったんだ。
「ほうほう」
「へぇ」
「な、何?お姉ちゃん?冬夜さんも?」
「いやいや、何でも無い。な?エルゼ?」
「そうね。私達のことは気にしなくていいからね。リンゼ」
「もー!二人してからかわないでください!」
「??」
二人してリンゼさんをからかっているけど、何でそんなにニヤニヤしてるんだろう?
朝食を食べ終え、いつも通りギルドに立ち寄る。
昨日からランクが上がり今までよりもランクの高い依頼を受けれるため、三人はウキウキとしてるように見える。
「ねえ、これ…」
「「ダメ!」」
冬夜の手に持っている依頼書を二人に見せるとすぐに拒絶の反応が返ってきた。俺はまだ読めない部分が有るから依頼内容が分からないけど何だろ?
「それにあいつらって服とか溶かしてくるのよ?絶対に嫌!」
「なっ!」
エルゼさんの言葉を聞き二人の溶かされた想像をして顔が赤くなってしまう。
「ツナ!何想像してるのよ!」
「してない!してないから!」
「うぅぅ」
エルゼは少し赤らめながら、怒る。その後すぐに残念そうにため息を吐いていた冬夜の方に軽く睨んだ。
リンゼは想像されたのが恥ずかしいのか俺の方に真っ赤にして睨んでるが、全然怖くない。
その後、想像した最悪感から何度も二人に謝ったらどうにか許してもらえた。
「本当に人の縁は、分からないね」
「うん」
スライム討伐以外の依頼を探して見つけた。そしてその依頼人が何と初めてこの世界に来たときに出会ったザナックさんだった。
本当に人の縁って分からないな。
交通費もかなりの色を着けてくれたしね。
「ツナ、そう言えばザナックさんから追加でお金払われてたけど、あのブレザーそんなに高価なのか?」
「高価かどうか分からないけど、特注品?なのかな」
「へー」
流石にレオン特製の制服のことを説明するのは時間がかかるし、それより今しないといいけないのは
「それより、現実逃避は止めない?」
「....はい」
何処かガックリと音が聞こえる位に肩を落とす冬夜を横見に斜めに座る和装少女に目を向ける。何処と無く侍を払拭させるような雰囲気をもった少女は、"ガツガツ"と効果音が聞こえるかのように食べていた。
ようやく、満足したのかゆっくりと皿を置く。
「御馳走様でござる!」
皿が塔のようになっているのを出来るだけ見ないようにしながら、その少女に苦笑した。
彼女の名前は、九重八重と言うらしい。出身はイーシェンで一人修業の旅をしているらしい。
冬夜がエルゼ、リンゼの二人の時と同じような感じで一緒に行動することになったけど...
「これは予想外の失費だ...」
俺も無言で頷く。財布を落とした九重に冬夜が直ぐ様一緒に行動する提案をだした。
初めは渋っていたけど冬夜の口車に乗せられ一緒に行動することになった。
その口車が受験中に息抜きに見たホストの手口に似ていたけど、冬夜はホストだったとか?無いよね?
「いやー、面目無い!本当に助かったでござるよ!」
「あはは」
「冬夜とツナの奢りだしまだお腹すいてるならもう少し食べても大丈夫よ?」
「む?確かにまだ腹六分目でござるが流石に迷惑になるからここで止めるでござるよ」
"まだ食べれるの!?(ガーン!!)"
"後、俺は奢るって言ってないよね!?"
そんことを心の中で言っていると、肩にポンと軽く手を乗せてきた。冬夜だ。
「旅は道ずれって、言うだろ?」
「そんな道ずれは、やだよ!!」
結局二人で割り勘することになった。ザナックさんから貰ったのが、半分ほど持ってかれた。
「はあ」
徒歩より早く進んでいく馬車に乗りながらため息を吐く。
近くを見るとリンゼが冬夜の顔を覗いていた。
どうしたんだろう?
「アポーツ」
新しい魔法かな?確か冬夜は無属性の魔法を何でも使えるんだっけ?聞いてみよう。
「冬夜。どんな魔法なの?」
「物を手元に引き寄せる魔法なんだ」
へぇ、面白そうな魔法。
「なにを引き寄せようとしたのよ?」
「八重の刀。急に無くなったら驚くかと思って。うーん……ああ、大きさかな?小物って書いてあるしな。よし」
エルゼの質問に答える冬夜の言葉に、目線を九重へと移す。どんだけ九重のを狙いたいんだろう?冬夜って、一様は俺より年上のはずなのに何処か子供ぽいよな...。
「アポーツ」
「ふわっ⁉」
「リボン?」
「成功ですね。使い方によっては便利ですが、恐ろしくもありますね」
「「恐ろしい?」」
リンゼの言葉に、冬夜も同じことを聞き返す。
「だって知らぬ間に物が無くなるのよ。これってスリとか、そういうことをし放題ってことでしょう?」
「なるほど…。そう考えると怖いな。お金とか宝石、そういった類いの物も奪えるのか…」
「……やるんじゃないわよ?」
「……やらないで下さいね?」
「それは犯罪だからね?」
俺達三人のジト目に、対して
「やらないよ、そんなこと。でも、これって下着とかも引き寄せることができるのかな…?」
「なっ!」
な、何考えてるんだ冬夜!ってか二人とも冬夜から離れるのは分かるけど、俺からも何で離れるの!!
「あのう〜、髪が風でバサバサするのでござるが……」
そう言えば、八重の髪そのままだった。
それに気づいたエルゼ、リンゼの二人が髪を直しながら楽しそうに話している。
こんな感じでゆっくりと、馬車は揺れていく。
あれから三日、町も何個か通り過ぎ、
そろそろ日時的に時間が迫りそうになっていたから、今日は朝早くから出発した。
「冬夜。今何種類無属性魔法使えるんだっけ?」
「今は10、いや12種類かな。朝から読んで増やせたのは。今13種類目を試そうと思ってる」
「あんた、本当に規格外よ」
「凄いです。冬夜さん」
「あはは」と微妙な表情で笑う冬夜。
「試そうとしてるのはどんな魔法でござるか?」
「ロングセンスって言う魔法で広範囲おける感覚拡張魔法だよ。」
「凄く便利そうだね」
俺の感想に笑って頷く。「ロングセンス」と小さく呟き、一瞬うっすらと光が冬夜を包み込みすぐに消えた。
「何だ?この音?ん、声?闇よ来たれって、闇魔法!それに金属音にあの兵士達!八重この方向に人が魔物に襲われている!」
「ッ…!承知!」
林の方向を指す冬夜の声で全員に緊張が走る。
ほんの数十秒走っていくとすぐに戦闘している人達が見えてって!危ない!
瞬時にグローブをはめ馬車から飛び出す。
「先に行く」
皆に告げ、追い込まれている兵士の元に向かう。間に合わないそう直感しアニマルリングに炎を灯す。
「頼むぞ、ナッツ」
現れるのは小さなライオン、今までとは帽子のデザインが無くなり、シンプルな白色になった、相棒の天空ライオンverボンゴレのナッツは、任せろと言わんばかりに頷き、咆哮をあげ、リザードマンだけを石化させる。
「はああぁ!」
石化した敵を殴り粉砕する。直ぐ様来た敵を一歩下がってカウンターの容量で殴り付ける。襲われている兵士達の敵にはナッツの咆哮で手助けをする。
「大丈夫か?」
「だ、大丈夫です」
「時間を稼ぐ。下がって仲間の手当てをしてくれ」
「ありがとうございます!助かります!」
礼を言って怪我をしている仲間に肩を貸して高級そうな馬車の方に向かっていた。
迫ってくるこいつらを馬車に近寄らせない様にするには
「死ぬ気の零地点突破
俺の方向にだけ入り口が出来るように氷のドームを作る。
これで守りやすくなった。目の前の敵だけに集中すれば問題ない。
「炎よ来たれ、渦巻く螺旋、ファイアストーム」
いきなり、目の前に炎の竜巻が燃え上がる。
炎に遅れて冬夜、エルゼ、八重が来た。リンゼは馬の手綱を握っているため離れている。
「ツナがいきなり飛び出るから馬を静めないといけなくなったじゃない!」
「まあ、まあ、エルゼ落ち着いて」
「本当に綱吉どのでござるか?」
八重の質問に軽く頷き冬夜に顔を向ける。
「冬夜、それと後から来るリンゼには、この中にいる怪我人の治療を頼む」
「分かった」
「エルゼ、八重のどちらかは治療が一段落するまでここを守っていてくれ」
「なら拙者がここを守るでござるよ」
「なら私はツナと一緒にそこいらのリザードマンと術者を倒すわ」
「行くぞ!」
俺の言葉を引き金に俺とエルゼは敵の集団に飛び込む。
目の前にいる敵を殴る、蹴る、時には投げ飛ばし、ナッツの咆哮で石化させるなどをしてが、数が減らない。エルゼ、八重は殲滅力のある大技は無さそうだ。もう一度、初代エディションを使うか?いや...。
「スリップ」
「炎よ来たれ、赤の飛礫、イグニスファイア」
「はああああ!!」
どうやら援軍が来たようだ。
これならどうにでもなりそうだな。
「アイツが黒幕か、..スリップ!」
術者が転けて詠唱が途切れた。
「ご覚悟」
そう言いながら疾風のように、踏み込む。あれは、駄目だ!
「何をするでござるか?綱吉殿」
俺を微かな殺気を含め睨み付ける八重。当たり前だ。俺がやったのはこの術者の首を跳ねようとした刀を止めたのだから。
「ひっ、ひぃぃぃ~~~!!」
「逃がさないでござるよ!」
八重が踏み込む前に、俺が術者の首裏を叩き意識を飛ばさせる。
八重の後から来る一閃から庇うように間に入る。勢いのある刀は俺の前に止まった。
「本当に何のつもりでござるか?!」
二度も庇ったことから俺に対して明確に敵意を向けてくる八重。
俺達二人の間に緊張が走る。近くにいる冬夜、エルゼ、リンゼの他、助けた兵士達や兵士に守ってもらっていた小さな少女と執事ぽい老人が此方を不安そうに見てくる。
此方には敵意がないことを証明するべく、死ぬ気を解いた。
「そこをどけ!綱吉殿!」
「駄目だ」
「お主は何がしたいんでござるか!敵に、ましてや悪人に情けなど無用でござるよ!」
「それでも殺さないですむなら、俺は殺すところも殺されるところも見たくないんだ」
「そんなのは綺麗事でござるよ!そんな綺麗事では本当に危ない時に自分を守れないでござる!それに、助けたその者が再び障害になるやも知れんのだぞ!」
「それでも!」
「っ」
「それでも、殺すところも殺されるところも俺はみ見たくないんだ」
「救いようがないくらいの御人好しでござる」
はあ、とため息を吐く八重。
俺の言葉にどうにか敵意を消してくれたが、何処か不振そうには見てくる。一番の理由を言うべきだろうな。
「それにこの人、本当に悪い人には思えないんだ。」
「何でそう思ったんだ?」
緊張が緩んだためか冬夜が聞いてきた。
「ずっと脅えながら戦っていたし、それに...」
「それに?」
「俺、人を見る目は有るんだ。これだけは先生からお墨付きだからね」
俺がいた世界にいる小さな家庭教師のことを思い出しながら小さく笑顔を向ける。あの世界のことを思い出すのは少し寂しくなる。
「はあ、今日のところは分かったでござるよ」
どうやら八重はどうにか聞いてくれた様子だ。冬夜、エルゼ、リンゼの三人は仕方無いなと言いたげな様子で頷いてくれた。
「感謝するぞ!お主達、助かったじゃ!」
俺達の雰囲気が穏やかになったのを感じて此方に話しかけて来たのは、小さな金髪の女の子だ。
服からして貴族みたいな服を着てる。後から、この少女が王族の縁者だと知って驚き叫びをあげた俺の声が森中に響き渡った。
それにしても冬夜はなんであんなに堂々と出来るのか不思議で仕方ないんだけど?!
沢田 綱吉(さわだ つなよし)
家庭教師ヒットマンREBORNの主人公、本作品の主人公の一人
性格は仲間たちと離れたため、少し暗くなるが、基本は原作同様に争い事が嫌いで仲間思いの優しい性格の常識人。味方だけでなく敵にも生命を軽んずる行為を嫌う。
冬夜パーティの中で主にツッコミ役及び、いじられキャラを担当させられる。
パーティでの戦闘は、戦闘経験が少ない冬夜、他メンバーの補助、
戦闘スペック
現状通常のXグローブに神様特製のリングをはめている通常のハイパーモード。
スペックは未来編のVS死茎隊程度だが、原作から約一年後なため、現状の実力ではチョイスのVSトリカブト程の実力を持ち合わせている。
持ち物
Xグローブ
アニマルリング(ナッツ)
大空のリング(神様特製:Bランク以上Aランク未満)
大地のリング(神様特製:Bランク以上Aランク未満)
ボックス×3(XBarner用ヘッドホンとコンタクトレンズ(神様と連絡可能)、バイク、???)
現状の総合スペック比較
冬夜>>>>>>>>>>超ツナ>エルゼ=リンゼ=八重
今作品では、基本望月冬夜は純粋なスペックでは神様仕様のため、ツナより大きく上回りますが、技術、経験の面ではツナより大きく劣ります。
またツナは現在かなり劣化していますが、冬夜も経験も技のバリエーションが低いので実力的には今話時点ではツナの方が上です。
後2、3話で同等、アニメ版最終話前後位で少し下になります。ツナ最強とかではありません。
今は異世スマのWeb版、アニメ(最近Youtubで見てます)を辿っていく予定ですが、少しずつオリジナル要素やオリジナルストーリーを入れていきたいと思います。
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