モンスターハンター「俺が主人公だ!」(処女作、凍結) (狩る雄)
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プロローグ『黄金』
第1話「黄金を求めて」


読む専だから、初投稿なんです。


白くて偉い竜が言った。

 

雄大な自然の中で生きる、ヒトという生き物。

知能を持ち、文明を作り上げてきた。

この過酷な世界を群れで生きてきた。

 

私たちに勇敢に立ち向かうヒトを、私たちは、「ハンター」と呼んだ。

彼らは道具を持ち、戦う。

群れを作り、力を合わせる。

「ハンター」は常に成長していく。

中には、私たちと心を通わせる者もいた。

 

しかし、私が「ハンター」と呼ぶヒトは、そう多くはないのだ。

 

 

 

―――――ここは空に浮かぶ集会酒場「ホーンズ」。

G級クエストを受注することのできる場所の1つである。

そして、チームを組む場所でもある。

「ギルド」と言ったところか。

 

ハンターは協力することで、真の強さを見せる。

巨大なモンスターに立ち向かうための勇気を得るのだ。

今日も腕利きのG級ハンターが集まっていた。

かなり鍛え上げられており、まさに戦士と言えた。

クエストボードに2人の男性が近づいた。。

 

 

【狩猟クエスト 大地に踊る黄金 G★★★★】

依頼主 ちょっと強引な商人

~依頼内容~

なんと黄金の鱗を持つ雌火竜が現れたって話じゃないか。

密林まで行ってきて、ちゃちゃっと捕獲してきてくれないか!

捕獲したなら、200万zを渡そう!

逃げないうちに頼む!

 

 

「おいおい、まじかよ。」

「ハg…おっさん、このクエスト嘘じゃない、ですよね。」

G級になったばかりの若い男性ハンター2人は店員に聞く。(HR9)

 

店員はこちらをゆっくりと見て、答えた。

「ええ、本当です。しかし、あなたたちにはまだ早いでしょう。」

 

俺たちは飛び上がるような声で答える。

「「ひっ!そ、そうですよね。」」

 

黒いサングラスをかけた酒場の店員は、怖かった。

それはまるで歴戦のハンターに見えた。

そして、彼らが言いたいことは…

((なんで、受付”嬢”じゃないんだよ!))

 

気まずさを感じて、

2人は足早にクエストボートから遠ざかった。

椅子に座り、会話を始める。

 

「(参加条件が)HR13以上だってよー。それって人外の領域じゃねぇか。」

「ああ、でも見てみたいよな。リオレイアって普通緑だろ。しかも報酬金200万zとか、ヤバいだろ。」

 

そんな俺たちに話しかける人がいた。

「よう、どうした?」

「「あ、兄貴!」」

そこに現れたのは、上位時代にお世話になった先輩ハンター。(HR10)

2人はそのクエストについて説明する。

 

先輩は答えた。

「へー、面白そうじゃんか。ちょっと見に行ってみないか?」

「まじっすか!危ないっすよ。」

「そうっすよ!」

 

そんな俺たちに先輩は言う。

「色違っても、どうせレイアだろ?ヤバかったら閃光玉使って逃げればいいし。それに俺も見てみたいし」

「たしかに。見るだけでも価値ありますし。」

「んじゃ、こっそり行きますかね。密林ならすぐだしな。」

 

 

 

 

密林。ココット村に比較的近い熱帯植物が生い茂る場所であり、海も近い。

また、湖や滝が美しい場所でもある。

自然にあふれており、多くのモンスターが住んでいる。

 

「という場所に僕たちは来ました。」

「お前誰に言ってるんだ?」

「だ、だれにでしょう?」

 

訪れたのは3人の男性G級ハンター。ボロスXシリーズやファンゴXシリーズの防具に身を包んでいる。

また、ランス、ヘヴィボウガン、太刀といった、人の身長ほどある武器を背負っている。

 

歩きながら先輩に聞く。

「本当にこんなとこにいるんすかね?金火竜。」

「普通のリオレイアもここで狩ったことあるし、可能性はあるな」

 

俺たちは前を向いて言った。

「虫と猿しかいないですね。」

「うーん、洞窟行ってみますか?」

 

エリア7。

大きなドーム状の空洞である。大きな穴から光が入ってきており、明るい。

そんな場所に、傷ついた金がいた。

 

先輩が驚きながら、ようやく声を出した。

「おいおい、まじでいやがったよ。」

 

俺たちもようやく声を出せた。

「寝てるんすかね?」

「ケガしてる、みたいですね。」

 

先輩が予想し、答える。

「ああ、モンスターと争ったんだろう。」

爪は折れ、金色の鱗はところどころ焦げている。出血も見られる。

そんな満身創痍な金火竜が眠っていた。

 

声を絞り出すように、会話を続ける。

「これって麻酔玉でも使えば、捕獲、できるんじゃないか?」

「まじっすか。200万zですよ!」

「一生遊んで暮らせるじゃんかよ。」

「くそ、クエストで来てないことが悔やまれる。3人でこいつを運べないからな。」

「とりあえず狩猟しちゃいませんか?」

「そうっすね。」

 

3人は各々の武器を構えた。攻撃しようとした瞬間、金火竜は突然目を開いた。

3人のハンターは咄嗟に回避行動を行い後退した。

対して、金火竜は3人のハンターを一瞥して、飛び始めた。

 

先輩が焦るように叫んだ。

「ヤバい!逃げられるぞ!」

 

俺はある物を投げながら、叫ぶ。

「これでもくらえ!」

 

閃光。そして金の飛竜は、地に墜ちた。

 




主人公出ないし、いきなりシリアス。
ハッピーエンド好きな作者なんでご安心ください

7/10:地の文章を増やす。
7/12:台本形式になってそうなので工事
描写しやすい文章目指して頑張ります!



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第2話「黄金堕ちる」

キャラが勝手に動きます。
ヒロインの1人称視点からの、
ハンターの1人称視点へ。


―――生まれたときから'希少'だった、竜の物語

 

私は、父や母や兄や姉と違った。

緑や赤じゃない、硬い鱗を持っていた。

そして、知能が、あった。

 

そんな私はあるとき、ヒト里というものに興味を抱いた。

暗くなったら行ってみた。

見たことのないものばかりで、興味がわいた。

いっぱいヒトがいて、みんな空を見上げていた。

…こっちを見てる?指差してる?

 

 

 

ときどき、ハンターが襲ってくるようになった。

急に近づいてきたり、いつのまにか体が痛くなったり。

 

私は、偉い竜に聞いた。

彼らはヒトであり、「ハンター」と呼ばれると。

ヒトは、生きるために狩りをすると。

弱い存在だが、知恵を持つと。

そして、私は「人」になれると。

 

 

ときに、私は、銀の雄にあった。

珍しいなと思った。

食べ物をくれたり、飛び回ったりしてた。

しかし、ある夜に襲ってきた。

 

私はとにかく逃げた。

強くなんかない。

熱いのには慣れてるはずなのに、熱くて。

ぶつかってきて、痛くて。

 

逃げきれたときには、もう眠かった。

見つけた洞窟で、眠った。

 

起きると3人のヒトがいた。

逃げようとしたら、眩しさに驚き、落ちてしまった。

 

 

 

先輩が、叫んだ。

「今だ!」

 

3人のハンターは、とにかく攻撃した。

金火竜は動きも鈍いし、傷ついている。

顔に撃ち続け、翼を突き、尾を斬った。

鋼鉄のように硬いが、やるしかない。

 

俺は武器を構え直して、言う。

「よし、いける!」

しかし突然、金火竜は突進し、絶壁の底へ落ちて行った。

 

沈黙の中、俺が声を出す。

「おいおい、まじかよ」

 

先輩は下を見ながら言った。

「海にでも落ちたか?」

 

ハンターたちがいる場所は絶壁。降りることはまず不可能だ。

残されたのは、3人のハンターと、金の尾のみ。

 

先輩がこちらを見ながら、話始めた。

「とりあえず、尾だけでも剥ぎ取って帰るか。」

 

俺は答える。

「そうっすね。」

 

相棒が話し、続けて先輩が話した。

「にしても、もったいないなー」

「だが、自慢にはなるだろうよ。明らかにG級素材だぜ、こりゃ。」

 

何かが光った。

そして空から現れたのは、銀。

銀の飛竜である。

その威圧感は金の飛竜の比じゃない!

 

3人のハンターは逃げるように帰っていった。

 

 

 

~夜~

空に浮かぶ集会酒場ではなく、ここは地上。

集会酒場にはG級ハンターしか行けないし、

また、疲れたハンターたちはわざわざ空の上まで行く気にもならない。

祝う者、落ち込む者、自慢する者、女性ハンターをナンパする者で賑わっている。

 

2人の後輩は疲れて帰宅したのだが、俺はいつも通り酒場に来た。

ハンター稼業は飲まないとやってられない。

 

テーブルの反対側に座る友人に向かって鱗を取り出して話しかける。

「なぁ、こいつ見てくれよ」 

 

驚き鱗を見ながら会話を続ける。

「まじか。何の鱗だ?」

「リオレイアだよ。雌火竜。」

「まさか噂の金火竜か!狩ったのか?」

「いや、尻尾斬っただけさ。逃げやがった。」

「にしても綺麗だなー。まじで金色じゃねぇか。」

 

銀火竜が来たため、鱗1個しか持って帰れなかったのだが。

 

鱗から視線を外し、俺を見て話し始めた。

「だがよ、あれってHR13以上じゃなかったか?」

「採集ツアーしてたら、偶然寝てる金火竜見つけたんだよ。」

 

苦笑いしながら、話す。

「運ヤバいな。」

「だろう?そして、このままHR13、いや50にでもなれるかもなー」

 

俺たちに話しかけてくるやつがいた。

「その話詳しく聞かせてもらえませんか?」

そこに現れたのは、銀色の長髪のハンター。

レウスXシリーズに身を包み、強者の風格を持っていた。

 

(なんだイケメンかよ)

俺は話を聞くことにした。

「おう。いいぜ。」

「金火竜は密林にいましたか?」

まさか当てられるとはな。

「よくわかったな。そうだぜ」

 

さらに質問してくる。

「それで、どこに逃げたのですか?」

「い、いや、海に落ちたんだよ。」

 

そいつは遠くを見ながら答えた。

「そうですか」

 

(な、なんだこいつ、ヤバくね?)

話すにつれて、目つきが怖くなるし、不機嫌になっていく。

しかも今は、考えこんでいる。

 

恐る恐る聞いてみた。

「あ、あの、ところでHRはおいくつで?」

「12ですが、なにか」

「すげぇな。HR12のハンターなんてそうはいないぜ。」

そう。HR12になるための条件は古龍を倒すこと。

さらに自身がクエストにおいてリーダーとなる必要がある。古龍討伐クエスト自体珍しいものであるし、危険度も凄まじい。

飛竜よりも遥かに巨大な”龍”である。

 

そいつは興味なさげに、話して去っていった。

「オオナズチを倒しましてね。運がよかっただけですよ。」

「では、これで失礼します。」

 

友人が俺に話しかけてくる。

「俺、HR12のやつと話したの初めてだぜ。どうした?」

「いや、俺今日は帰るわ。」

 

「ああ、そうか。またなー」

親友のハンターに見送られた俺は帰路についた。

なんだか夜道が怖かった。

 




プロローグ終わったから、次回ようやく主人公登場



7/10:工事


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第1章『竜から人へ、そしてハンターへ』
第1話「ヒト...人と生きる」


おしとやかな清楚系金髪美少女書こうとしたけど、
元気いっぱいJK視点となった。
何が言いたいかというと、俺ガイルの一色いろはが好きなんだ。

あと、とあるssに影響されてます
兎さんの、ね。

主人公は黒崎一護の顔を思い浮かべた。


密林から少し離れた砂浜。もう日はとっくに暮れている。

モンスターがあまり来ない比較的安全な場所である。

そこにはベースキャンプがあり、休憩所としてハンターは使っている。

そんな場所に、1人のハンターとヒトがいた。

たき火を焚いており、どこか幻想的だ。

ハンターは生肉を焼き、ヒトは横たわっている。

 

 

私は、目を覚ました。暗いけど、明るい。火?

あれ、なんか身体に違和感。

これってヒトの手?

 

「気分はどうだ?」ビクッ!

声が隣から聞こえてきた。

 

見てみると、雄のヒトがいた。青い鎧を着ている。

ということはハンター?

…逃げなきゃ!そうだ私は銀色の雄から逃げて疲れて眠ってハンターに襲われて逃げようとしたら光って落ちて痛くて走って落ちたんだ。逃げよう!

 

…身体が、動かない。

ハンターの、声が聞こえる。

「動かないほうがいいぞ、ケガしてるんだし。」

もう私はここまでのようだ。最後に、ヒトと話してみたかった。

私は目をそっと閉じ、覚悟を決めた。

 

彼の声が聞こえた。

「いや、食べないぞ?」え、食べないの!

 

そんなハンターさんに私は早口で言う。

「私を巣へ持って帰るんですね。そして後で美味しくいただくんですね。私そんなに美味しくないですので、どうか、お見逃しを。」

 

ハンターは答える。

「持って帰らないぞ。」

 

私は恐る恐る聞いてみた。

「では、私をどうするのですか。」

 

ハンターはそっぽを向きながら言った。

「いや、どうもしねぇよ。傷ついたやつほっといたら、ハg…親父に殺されるからな。」

 

彼は緑の液体を差し出して言う。草の臭いと甘い香りがします。

「飲んどけ。一瞬で治るぞ。」

 

飲んでみます。こ、これは甘さと苦みのハーモニー!

薬草とハチミツでしょうか。

ハンターさんを向きながら笑顔で言った。

「美味しいです!」

「え、そうなの。」

ハンターさんは、そう返事した。

 

しかも体の痛みが無くなりました。これで逃げられます!

だけど、ハンターさんの声が聞こえた。

「お、おう。もう立ち上がれるようになったか」ひぇ~

 

さらに話しを続け、肉を差し出してきた。

「回復薬すげぇな、人間様ぱねぇな。ところで肉食うか?」

お腹空いてるんです。ありがとうございます。

「いただきます。」

焼いた肉!私もよく焼きます。

スパイス効いてる!美味っ!ジューシー!

 

ハンターさんに捲し立てるように訊ねる。ハンターさんも答えてくれた。

「ところでハンターさんはヒトですよね!」

「ん、そうみたいだな。」

「じゃあ、じゃあ、ハンターさん、私をヒト里に連れてってください。」

「ああ、いいぞ。」

 

あと、気になったので聞いてみる。

「ところで、私なんでヒトになってるんでしょうか。」

「え、今気づいたの。」

少し考えたけど、

「まあ、なんとかなるでしょう。」

「そうだぞ。」

 

 

そして、私たちは日の出とともに船に乗り込むのだった・・・

猫が、しゃべった!

「そこニャ、女性。服着るニャ。」

服とは、なんだ。

 

 

 

―――ベルナ村

高原地帯を思い浮かべるとよいだろう。

山岳、草原、そして青空に囲まれた小さな村。

自然の恵みを生かした生活が営まれており、木製のものや石造りのものが多い。

ハンターも数人住んでおり、モンスターによる被害とは程遠い平和な土地だ。

 

 

私たちはハンターさんの住むベルナ村へとやってきた。

ちなみにハンターさんのシャツを着ている。

かなり、ブカブカしてる。

でも、着ないと身体がスースーして、しょうがなかった。

これが服!やるな服!

 

キョロキョロしながら叫ぶ。

「これが、ヒト里!」

「そうだぞ。」

 

原っぱにいくつかヒトの巣がある。

そして、ヒトがいっぱいいる。

いつも空から見てた場所じゃないか。

上からじゃなくて、横から見るヒト里。

私は感動している。

 

すると、雌のヒトが話しかけてきた。

赤かオレンジの鎧を身につけている。

もしかして、雌のハンターさん?

 

「カルロさん、今回は早かったじゃないか。」

「ルカか、臭い猿狩ってただけだしな。」

 

雌のハンターさんはさらに訊ねる。

「ところで、誘拐?」

「拾った。」

「どこから。」

「密林。」

「服は。」

「着てるじゃん。」

雌のハンターさんは、構えた。

「女の子になんて格好させとるんじゃ!」

「あべし!」

なんてスナップの効いた一撃!

ハンターさんは飛んでいった。

 

こちらを、向いた。

「お嬢さん、ちょっといいかな?」ひぇ~

その後、彼女は服をちゃんと着ることを義務付けられた。

 

 

「それで、これからどうするんだい?」

姉御がそう言います。

「もちろんヒト里を見ます。」

「そのために連れてきたんだしな」

 

「そうじゃなくて…私のうち来る?」

姉御のうち...

「姉御の巣に、ですか?」

「いや、巣って…」

 

ハンターさんがさらっと答えてくれた。

「ああ、そのことか。俺が面倒みるよ。」

「いや、任せられんわ。」

「大丈夫だ問題ない。」

 

私もさらっと答える。

「ハンターさんがそういうなら、ハンターさんの巣に行きますね。」

「いや問題しかない。」

姉御に、反対された。

 

姉御が説得を始めようとすると、雄のヒトがゆっくり歩いてきて、口を開いた。

「これはこれは、カルロ殿。誘拐、ですかな。」

「…あんたもか、村長。」

ハンターさんは、呆れたように言った。

 

 

結論として私はハンターさんの巣に住むこととなった。

ヒト…いや、人の暮らしは初めてばかりで、戸惑うこともあったけど、ワクワクした。

姉御や村長をはじめ、村の皆は優しいし、モフモフがいる。ムーファというらしい。

一度、ハンターさんのお義父さんに会った。私に名前をくれた。

優しそうなのに、ハンターさんは恐怖していた。

 

あと、特に、最高なのが、布団だ。

モフモフを寝ながら味わえる。

私は布団の虜となった。

うん、捕獲されました。

 

 

「起きろ、イロハ!」ひぇ~

「朝飯だぞ。」

ハンターさんの叫び声が1階から聞こえた。

 

急いで布団から出る。人が食べるご飯はとにかく美味しい。

ハンターさんが作る料理は、なんというか豪快だが、美味しい。米がいいね。

大皿に乗せられた米と肉。果物、

そして回復薬グレート。ここは天国か。

 

それでは。私は手を合わせて笑顔で言う。

「いただきます!」

 

 

 

 




誰が主人公視点と言った。ヒロイン視点だ!

ヒト里、上から見るか横から見るか

いただきます、の文化は伝説のハンター タロウによってもたらされました。

7/12:工事


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第2話「私、ハンターになります!」

ストックを、どんどん使ってしまう
シリアスになったり、ほのぼのになったり、忙しいssです。


ベルナ村は石造りの家が多い。

カルロの住む家も例外ではない。

G級ハンターということもあり、大きめの家であり、部屋も多い。

ただ、多くの部屋が、竜の鱗や角といった「素材」の倉庫と化している。

倉庫として使っている部屋の1つを整理して、

イロハも自分の巣...部屋を得た。

 

 

今日もいい天気。ハンターさんの苦手な洗濯と掃除が私の仕事です。

姉御にはいろいろ教えてもらいました。もう読み書きもできるのですよ。

…ハンターさんの教え方はとても簡潔でした。

 

ハンターさんはたまにフラっと出かけて、仕事に行きます。

火山という暑いとこで活躍しているそうです。

ただ、寒いのは苦手とか。

 

「ハンターさん、ハンターさんの仕事について教えてください。」

「いいぞ。俺の仕事というか最終目的はあの忌々しい龍を狩ることだ。黒いやつだ。そして、生きるためだ。俺は親父より、つよくなる。」

「なるほどなるほど。では、私はあの小さい動物を狩ることにします。たしかジャギィというやつです。」

「なんかあったのか?」

「私たちの巣にまで入ってくるんです。」

「あー、そりゃ許せんわ。」

「では、行ってきます。」

「気をつけて行ってら~」

 

ハンターさんはソファで転がっていて、そして手を振ってくれた。

私はいざ旅立ったのだが、

「ハンターさん、今の私は飛べません。それにどこに行けば?」

戻ってきた。

 

 

姉御に会いに来ました。

「ハンターになる?」

「らしいな。」

「いや、あんたの方がHRずっと上でしょ。」

「俺は知らない間にハンターにさせられたしな。」

「姉御教えてください。どうやったら、ジャギィを狩れますか。」

 

 

こうして、ハンターさんと姉御から、ハンターについて習い始めた。

まずは防具。新米ハンターには防具が支給される。

そして、防具は人から貰うのではダメだそうだ。

サイズの問題じゃね?とか、HRに見合う防具を身に着けるべきだとか言ってた。

ハンターさんはラギアクルス、姉御はアグナコトルの防具と言っていた。

 

次に武器。数種類の武器から選んで使う。人それぞれ好みがあるらしい。

ハンターさんは大剣2本、姉御は片手剣でサブに弓を使うと言っていた。

姉御曰く、ハンターさんは軽々と剣を振るので、人外とのこと。

 

そして、道具。普段食べている、こんがり肉や回復薬グレートを使うとは、驚きだ。

その他にも罠や爆弾といったものもあるらしい。

 

最後に、ハンターさんは、人間様ヤバいだろと言っていた。確かに!

 

 

――――――武器はいろいろ試してみた。

いくつか手が震えて持てなかった。

あと閃光玉を使えば、思わずしゃがみこんでしまった。

だけど、ハンターさんに抱きしめてもらったら、震えは止まった。

 

 

とりあえず、今日はお布団へ!

明日が初クエスト!

 

【討伐クエスト ネコ嬢のジャギィ討伐依頼 ★】

依頼主 ネコ嬢

~依頼内容~

古代林のジャギィを追い払って、アイルーちゃんを助けてあげてください!

 




1話分で1話投稿!
次回、シリアス!

戦闘描写も自信ないし、長編のssも自信ないし、
タグで構想したけど無理で、新たなssを作り出せず、
この作品にしか手を出せない作者です


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第3話「ハンターってなんだろう」

次の日(明日)になったので投稿。
イロハちゃんの初クエスト。
主人公視点はお預け。

シリアス注意報。


古代林。

広大な島の中心に存在する未開の地である。

中生代を思わせる原始の森と草原が広がっている。

(モチーフはジュラシ〇ク・パーク)

古代林独自のモンスター多く存在し、化石が多く見つかる。

そして、調査のため、研究者も多く訪れている。

 

今回のターゲット、ジャギィ。

2足歩行をする小型の肉食鳥竜であり、群れをなす。

仲間との意思疎通とスピードと数を活かした戦略的な”狩り”をする。

しかし、集団から離れて好き放題に周囲を荒らし回るといった被害報告もある。

雄の個体であり、雌の個体はジャギィノスと呼ばれる。

そして、彼らのリーダーは、大型化したジャギィ。

―― ドスジャギィである。

 

 

 

ハンターさんと私は、飛行船を使って古代林へとやってきた。

また空を飛べるとは思わなかった。

そして、ここはベースキャンプ。

標高の高い場所にある。

 

下を見ればたくさんの動物がいる。

開けた草原では首の長い動物が木の実を食べている。

どこか派手な鳥竜が群れをなしている。

まるで刀のような尻尾を持つ竜は悠々と歩く。

青い大きな鳥は森の中へと入っていった。

 

ハンターさんに呼ばれ、クエストの準備を始めた。

アイテムボックスには支給品がある。 

ギルドのハンターへのサポートが行き届いてる証拠だ。

 

ふむ、これが地図というものか。なるほどわからん。

空から見たようなものだけど、分かりづらい。やはり自分の目で見たい。

 

「地図とか久々に見たな。というかボックスに物入ってるのか。」

ハンターさん曰く、G級クエストでは支給品が来るのが遅くなるらしい。

 

応急薬や携帯食料、軽くて保存の効くものが多かった。

私はハンターさんから、入念に持たされているんだけどね。大好きな回復薬グレートとこんがり肉があるし。

 

ともかく、友達のネコちゃんのためにも、私のためにも、憎きジャギィを倒さねば。

ベルダーシリーズに身を包み、弓を担いだ私は決意した。

 

そう。私が選んだのは、弓。

姉御から教えてもらった。

金火竜時代にも遠距離からの炎ブレスが得意だったし、目もいい。

…相手に近づくのは怖いんです。

今使っている弓は新米ハンター用のもの。

だけど、それはハンターの武器。鍛冶という技術によって作られた人類の武器。弓を引き絞ることにかなりの力がいる。

 

ハンターさんに向かって元気よく言う。

「さあ、行きますよハンターさん!」

「ああ。」

あれ、ハンターさん、どこか浮かない顔…

 

 

ハンターさんはあくまでサポートに徹するとのこと。

お義父さんもそうやってハンターさんを鍛えてくれたみたい。

ハンターさんはどこか遠い目をしていた。

 

知らない土地を、歩くのはちょっと大変だったけど、

私の住んでいた巣に似た場所にたくさんのジャギィがいた。

私は弓を射って、とにかく殺した。遠くからジャギィの身体に矢を貫通させた。火のブレスよりは地味だけど、当てることは得意だ。

近づいてきたから、高台へ登った。

もう10匹超えたんじゃないかな。

ジャギィノスも殺した。

ハンターってモンスターを”殺す”仕事だから。

 

ジャギィが下へ飛び降りると、私も飛び降りて追いかけた。

だって、私は飛べるし…

 

____________

 

 

雨が降ってきた。ハンターさんはいない。

私の前にはドスジャギィ。

たくさんのジャギィを引き連れている。

暗い。痛い。立てない。炎も吐けない。飛べない。涙が出てきた。

弓も、壊れているようだ。

 

谷。私はそこに落ちたようだ。

私は頑丈だし、骨は折れてないようだけど、力が入らなくて、うつ伏せになっている。

 

視界がにじむけど、声を絞り出す。

「死ぬ、覚悟はできてる。だって、もう人に会えたんだから。人里に行けたんだから。」

 

だけど涙が止まらない。

思い浮かぶのはベルナ村での生活。

まだ1ヶ月くらいだけど、ワクワクした。

もっと、ハンターさんと一緒にいたい。

美味しいもの食べて、お布団で眠って、生きたい!

 

私は無我夢中で回復薬グレートを飲む。立てるようだ。

立ち上がり、そして、1本の矢を持つ。

 

私は、つよく叫ぶ。

「私は死ねない!生きるために、あなたを”狩る”!」

攻撃を躱し、ドスジャギィの目へと矢を突きさした。

ひるんだ隙に、もう1本矢を拾おうとした。

 

しかし、ドスジャギィは片目を失ったにも関わらず、さらに攻撃してきた。

「ああ、つよいな…」

声が、漏れた。

 

「そうだろう。イロハ。」

意識を失う前に、ハンターさんの声が聞こえた。

 

 

俺は、背中に背負った2本の大剣を構える。

ラギアクルスの素材を使ったその剣は雷を纏う。

この雷を見ると、あの海での戦いを思い出す。

海中で竜と戦うとか、もうしないからな。

龍は、絶対に嫌だ。

 

「さて、ジャギィども。俺は、お前らを見逃す。お前らは、こいつを見逃せ。」

俺は、威圧する。

 

それでも数匹のジャギィがこちらに来ようとしたが、ドスジャギィは吠えることで留める。

そんなドスジャギィに俺は回復薬グレートを投げながら話しかける。

「すまなかったな。ハンターとはいえ、まだまだ子どもなものでな。」

 

イロハが、狩りではなく、殺しをしているのは見ていた。このままじゃ、'早死に'をするとも。

まあ、俺もそういう時期があったわけだが。

 

命の危機が、生きる欲望を引き出してくれた。

そして、逃げずに立ち向かう勇気も。

これでイロハは「ハンター」になったと思う。

ハg...親父の言ったこと、そのままだけどな。

 

納刀して、イロハを担ぐ。

いまだこちらを警戒するジャギィたちを背に、俺は去った。

 

 

ドスジャギィは、本能で、恐怖して動けなかった。

「ハンター」より、はるかに恐ろしいなにかを感じた。




戦闘描写、難しいっすねぇ

イロハの成長とともに、文章を成長させたい。
ようやく主人公する主人公。


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第4話「新米ハンターイロハ」

イロハが、レリーーズするわけじゃないです。


主人公する主人公。
早くも、腹ペコ竜登場です!


【狩猟クエスト 罪深きタルの食材探訪 G★】

依頼主 タルアイルー

~依頼内容~

目的の食材の情報を手に入れたニャ。

それは古代林にあって、その周りにはテツカブラが住んでいるらしいニャ。

安全に食材を確保するために、テツカブラの狩猟を頼むニャ!

※狩猟環境不安定

 

 

 

―――イビルジョー。

獣竜種の大型モンスターの一種。

その姿はまさに肉食恐竜、≪恐暴竜≫と呼ばれた。

過剰なまでに食料を追い求める性質を持つ。

特定のテリトリーは持たず、常に獲物を求めて各地を彷徨っている、特級の危険生物。

 

この未開の地に現れ、古代林まで来ているようだ。

古代林で活動する場合、厳重に注意してほしい。

 

 

 

古代林のベースキャンプ。もう日はとっくに暮れている。

高台にあって、モンスターがあまり来ない比較的安全な場所である。

休憩所としてハンターは使っている。

そんな場所に、1人の男ハンターと女ハンターがいた。

たき火を焚いており、どこか幻想的だ。

男ハンターは生肉を焼き、女ハンターは横たわっている。

 

そして、研究者と数人のハンターが、騒いでいる。

 

 

私は、目を覚ました。暗いけど、明るい。もう夜?

お布団、じゃない?

「気分はどうだ?」ビクッ!

知っている声が、聞こえた。

 

沈んだ声が出た。

「ハンターさん…」

 

ハンターさんは私と向き合って話し始める。

「カルロと呼べ。」

「俺も、お前も、今はハンターの、1人だ。」

 

私もハンターさんも、ハンターか...

「はい。あの、助けて、くれたんですか?」

「言っただろ。サポートに徹するって。」

 

私は、生きていた。

安全な場所で眠れて、涙を拭いながら、

回復薬グレートを飲み、生きていた。

カルロさんは、ぶれて見えた。

 

絞り出すように言う。

「ごめん...なさい」

 

カルロさんは話を続ける。

「敗けたな。でも、生きてる。」

「俺も、敗けて、強くなった。ハンターになった。」

「イロハなら、立ち上がれる。」

 

私は、回復薬グレートと彼のおかげで、立ち上がれた。

涙をこらえて、こんがり肉にかじりついた。

 

 

もう、イロハは大丈夫そうだ。

さて、腹ペコ竜が来たか。確かに、ここは食料豊富だからな。

雪山か砂漠のやつが移動してきたんだろう。

≪恐暴竜≫とか、大層な名前ついたな、おい。

テツカブラ狩猟クエストに来たハンターたちが口論をしている。

弱腰のやつ、プライドが高いやつ、’早死にするやつ’、...はぁ。

 

歩きながら、訊ねる。

「お前ら、3人か?」

 

3人のハンターは男2人、女1人か。

太刀とヘヴィボウガン、それに大剣

ファンゴシリーズと、ザザミシリーズ。

 

1人が答えた。

「お、おう。そうっすけど。」

恐る恐る聞いてきた。

「あの、HRは、おいくつで?」

正直に答える。正確には覚えてないんだがな。

「たしか、130まで上がってた気がする。」

「「!?」」

 

HR解放。

HR12を超える者はクエストをこなすごとに、HRが”上限なく”上昇する。

まさに人外を超える人外。

既存のHRでは表せない、人類最強のハンターたち。

 

2人が話し始める。

「な、なあ、この人に任せればいいんじゃないか?」

「ここまで来てあきらめられるかよ!」

 

今まで黙っていたやつが口を開く。

「私は、早く行きたいんだけど。」

 

この女ハンター。古傷が多い。

防具も武器も傷が多い。無茶な戦いをしてきたんだろうな。

なにか恨みでも秘めたような、そんな’ヒト’。

 

俺はこれだけ言っておいた。

「まあ、待て。俺が手伝ってやる。ただ、見てろ。危なくなったら、加勢しろ。」

その威圧感に、大きさに、従うしかなかった。

恐怖と、頼もしさを感じた。

 

イロハが話しかけてくる。

「ハ...カルロさん…」

 

「え、いま、ハgって言った?」

ちょっと焦る。周りを見る。いないな。

イロハをまっすぐ見る。

「イロハ、今から俺は’狩り’に行く。」

「双眼鏡持ってるだろ?ここから見てろ。」

 

付いていきたかったのだろうか。

イロハは沈んだ声で答えた。

「…はい。」

 

 

エリア6。

広大な草原と遠くに見える活火山が印象的な、まさにジュラシッ〇パーク。

首の長い草食動物であるリモセトスが3頭ほど無残な姿で…

そこに、腹ペコ竜はいた。

俺は背中の大剣を構える。2本の剣は雷を纏う。

そして、つぶやく。

「上位レベルってとこか。」

 

 

ハンターは駆け出す。ジャンプし、竜の身体を踏みつけ、さらにジャンプ。

2本の大剣を振り下ろす。切り傷がつく。

竜は咆哮を上げ、怒る。3人のヒトは思わず、しゃがむ。

ハンターは竜の足元を通るとともに、斬る。

声が自然と出た。

「硬いな。それに、つよい。」

 

この竜は元々古傷が耐えない。無茶な戦いをしてきたんだろうな。

それでも、’食欲’を糧に、生きてきた。

ヒトは、怯えている。

ハンターは剣を口に近づける。剣に’黄色’のなにかがついていた。

竜は赤くなり、さらに怒る。そして、突進する。

だが、躱され、斬りつけられる。動じず、ハンターを見た。

 

衝撃。この感覚は1度味わったことがある。それは、黒曜石の如き鎧を持つ竜と対峙したとき。

竜は、倒れた。

 

 

 

 

カルロさんはG級ハンターで、強い防具を身に着けている。強い武器を持っている。

何よりも経験がある。多くの竜を狩ってきたのだ。

それでも竜から目を離さない。常に竜に向き合っていた。

これが’人’、いや、’ハンター’か。

私はつぶやいた。

「ああ、本当に、つよいなー」

 

私たちは帰路についた。今日の食卓は肉がいつも以上に多かった。

…硬かった。

 

 

 

そして今、私はユクモ村に来ています!

 

ユクモ村。

山岳地帯にあり、交通の便は良くないものの、林業と良質な温泉が有名で、木材や湯治のために遥か遠くから足を運ぶ人も多い。

村の景観はまさに温泉街で、「和」の雰囲気が漂う。

伝説のハンター タロウが住んでいたとされる。

 

ハンターとして、HR2の昇格祝いだそうです。

あれから、私は一からハンターについて学びなおしました。カルロさんに、姉御に、そしてお義父様に。

1ヶ月もかかってドスジャギィを1人で討伐できました。

(カルロさんはいつでも飛び出せるように実は隠れてたそうです。)

そして、ドスジャギィの防具を作ってもらいました。

…軽いものだけど、なんだか重かった。

 

隣にいるカルロさんに話しかける。

「ベルナ村とは、雰囲気が違いますね。」

 

どこかうきうきしながら答えてくれた。

「ああ、そうだ。そして、温泉がある!」

「温泉?」

聞き返す。

 

「大きいお風呂だ。」

「なんですと!」

 

私たちは、駆け出した。

 

 

そして、温泉旅館へ着いた。

ユクモ村の中でも最も大きい宿だそうです。まるで人外を見るように、街の人がこちらを見ていた。

 

女将さんという女の人が挨拶してくれた。

「いらっしゃいませ、ハンターさん。本日はお泊まりでしょうか、それともお風呂のみで?」

会話を続ける。

「泊まりで。」

「珍しいなぁ。」

「渓流に用事があってな。」

「そうなん?ではお部屋へ案内します。」

部屋へ向かう途中でカルロさんに訊ねた。

「ところでそちらは後輩さん?」

「そんなところ。」

 

これが仮宿ですね。いつものカルロさんの家もいいけど新鮮でいいですね。

草の香りが心地良いです。ゴロゴロ~

荷物をおろしたのだろう。ちょっと弾んだ声が聞こえた。

「さて、温泉行くか」

 

私は青と赤の布を見ながら、訊ねる。

「この、男と女というのは、なんでしょう。」

「湯に性別でもあるんじゃないのか?俺はいつも男しか行かせてくれないが。」

なるほどー。

「じゃあ私も一緒に行きます。」

「よし、いくか。」

では、早速いきまs…「そこのお二人さん、ちょっと待ちぃ。」

 

 

いつもよりちょっとだけ、大きめのお風呂にカルロさんと私が浸かっている。

「気持ちいい~」「ぬるいな」

水浴びでは、味わえないこの感覚。お風呂というものを考えついた人すごいな!

 

何事もなく、

私たちは旅館を満喫しました!

 

 

 

渓流。

ユクモ村から比較的近いところにあり、川が流れ、巨大な樹木や洞窟が存在する。

多くの名産品があり、木材や山菜は他の地方の人々にも好評である。そして、「ユクモの木」は、ハンターの武具の素材になるほどの性能を誇る。

ちなみに、伝説のハンター タロウはタケノコが好きだったらしい。

 

翌日、カルロさんと渓流に行くことに。

採集と、古代林以外のフィールドに行くことが目的とのこと。

水で溢れ、穏やかな場所ですね。

ジャギィがいますが、以前のように殺したりはしません。

襲ってきたらもちろん狩ります。

 

カルロさんがいるからか寄ってきませんし。

そして、この倒木を、剝ぎ取るんですね。

首を傾げていると、教えてくれた。

「こいつはユクモの木と言ってな。弓の素材になる、らしい。」

「まだ買ったハンターボウのままだろ?そろそろ良い弓使ってもいいかなと。」

 

なるほど。弓を作るためなんですね。さすがカルロさん!

そして、ユクモ村の鍛冶屋で作ってもらったのがこの弓。竹取ノ弓

うーん、まさに渓流で見た竹というものですね。

ともかく、これからもカルロさん目指してハンター頑張ります!

 

 

 

ユクモ村に銀色の輝く長い髪を持つ男が宿を訪れた。

「ここに、亜麻色の髪の、少女が来たと?」

「ええ、お知り合いでしょうか?」

「片想い、でしょうかね。」




主人公は、お金持ちです。
お風呂では、何事も、なかったです。

タロウや銀髪のハンター、一体なにものなんだ!
ヤンデレ注意報


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第5話「ハンターのスタイル」

作者もちょっとくらい成長したのではないでしょうか(自己判断)
台本形式からの脱却のため、大幅工事いたしました。
(徹夜)

主人公ピンチ



狩猟スタイル。

「狩猟術」とも呼ばれる。

ハンターは、自分の個性を活かし、’狩り’を極めていく。武器の扱い方に加え、’立ち回り’も重視されるのだ。

 

多くのハンターは「ギルドスタイル」と呼ばれる立ち回りをする。

特化した要素を持たないが癖がなく、柔軟な狩りを行う。身の安全を考慮し、道具の扱い方も上手い。

一方、ハンターの中には独特な動きをする者がいる。G級ハンター、そして歴戦のハンターにはそういう者が多いのだ。

 

 

イロハはHR2となり、狩りも慣れてきた頃だ。新米ハンターには教えることではないのだが、俺としては自分の「スタイル」を持ってほしい。

個性を活かすことが、どのような立ち回りをするとはいえ、ハンターとして伸びるきっかけとなるだろう。

俺のスタイルは、ハg...親父と同じ「エリアルスタイル」と呼ばれるものだ。

「空中での立ち回り」を得意とする。

相手を踏み、跳躍し剣を振り下ろすというのが基本だ。自身の体重を載せた強力な一撃を与えることができる。

相手の攻撃の隙をつけば、空中へと避けることもできる。相手の意表をつくことが可能だ。

しかし、リスクは高い。ミスれば、相手に吹き飛ばされるし、空中で追撃に遭うこともある。

 

考えをまとめた俺は、イロハを見ながら言う。

「俺は、ジャンプして、叩き斬るのが得意だ。」

「そうなんですね!」

 

 

 

私はカルロさんから、自分の「スタイル」を持てと言われた。そして、ジャンプして、叩き斬るのが得意らしい。

お義父さんによって、今は地面に埋まっているが。

ひぇ~

 

お義父さんによると、私の得意なことを見つけ、それを活かした狩りを極めてほしい、とのこと。

私の得意なこと...

お洗濯とお掃除、でしょうか。

 

 

 

【狩猟クエスト 雪の荒くれ者 ★★】

依頼主 ポッケ村の若者

~依頼内容~

厚い毛皮を持つ牙獣種たちは、極寒の雪山でも元気に暴れてやがる。

大猪が村に近づいているのを目撃したやつがいる。被害が出る前に狩猟を頼むぜ!

 

 

ポッケ村。

フラヒヤ山脈近くの雪山の懐にある村。雪山に行くハンターたちの拠点でもある。

温泉が湧いていて村は少し温かいとはいえ、村人は、モンスターの毛皮を用いた民族衣装で寒さを凌いでいる。

また、大陸の極地にあるため物流や人手が乏しい。

そして、餌を求めて降りてくるモンスターの脅威に晒されることも多い。

そのため、村を訪れるハンターに狩猟を求めているのだ。

 

 

しかし、俺は、帰りたい。

「カルロさん、これが雪なんですね!」

「ああ、忌々しい。」ひぇ~

イロハの明るい声に対して、沈んだ声が出た。

ホットドリンク何本目だっけ?

 

ハゲに殴られた俺は、イロハへ頼んだクエストに同行させられた。下位の猪とはいえ、なにが起こるか分からない。

ボディーガードとしても、俺を地獄へ行かせたのだろう。あれ、ハゲはイロハにだけ優しくないか?

なんだか、急に殴られたところが、2度程痛んだ。

ハg…親父のやろう!

 

イロハにとりあえず謝らなければ。

「ああ、すまん、イロハ。寒いところが苦手でな。」

「は、はい。」

 

 

なんかほんとごめんイロハ。

さて、今回のターゲットはドスファンゴか。

雪山以外にも生息している牙を持つ小型の猪を、ブルファンゴという。

その群れの中で最も強いボスこそ、ドスファンゴだ。

《大猪》ともいう。そのままだな。

基本的に突進しかしないが、突進中に攻撃してもひるまずに向かってくる。

…弓を使うイロハにとっては、天敵かもしれない。

ちなみに、筋肉質で少し硬いが、その肉はなかなか美味しい。

考えをまとめた俺は、イロハを見ながら言う。

「イロハ、今日の晩飯は猪だ。」

「わかりました!」

 

 

私たちは雪山へと向かった。高いですね。飛べたらなぁ。

さて、準備します。

支給品にはホットドリンクがありました。寒いところで活動するには、これが必須だと姉御は言っていました。

さて、赤い飲み物を一気飲み。これは辛さと苦み。なんて味だ。顔を、赤くして、彼を見る。

「カルロさん、身体が、熱い、です…」

「それはなにより。」

 

 

さて、ひたすら雪山を登ります。雪の積もった地面は予想以上に歩きづらくて大変です。

山の中腹ほどでしょうか、大きな獣がいました。

では、狩らせてもらいます!

 

カルロさんが前で大剣’1本’を構える。私も周囲を警戒して、弓を構えます。

群れである以上、相手は、大猪だけとは限りません。

手筈は、カルロさんが大猪を剣で受け止める。その隙に足を狙って、動きを制限するというものです。

だけど、

――カルロさんは吹き飛ばされた

 

空が見える。白い霧で視界がぼやけた。背中は氷みたいに冷たい。身体が上手く動かせない。ホットドリンクの効果が切れたのか?

誰かの、声がする。

 

 

私は、立ったまま動けなかった。どうして、なんで、あのつよい、カルロさんが?

大猪はこちらを向いて、前足で雪を掻く。

来る!私は躱そうとしたけど、雪に足をとられ、

―――吹き飛ばされた。

 

だけど、すぐに立ち上がる。大猪から目を離さない。ちゃんと、向き合う。

大猪の’立ち回り’は単純。

前足で雪を掻き、一直線の突進。

ギリギリまで引き付けて、私は風のように躱した。

すかさず、矢を、放つ。

大猪は、膝をついた。

 

 

俺は、よわいな。寒いところが苦手で、そして嫌いだから、雪山はいつも避けていた。ホットドリンクなんて気休めだ。

風の音が、聞こえた。

そうか。イロハは、つよくなったみたいだ。

敗けてられるかよ。

身体の中に、意識を向ける。おら、起きろ、お前ら。

 

 

5頭の猪がこちらに向かってきた。前足で雪を掻き始める。

この数は、きつい…

だけど、彼の声が聞こえた。

「すまん。遅くなった。」

 

私は振り向かず、背後の’ハンター’に言う。

「カルロさん、いけますか?」

「ああ。」

 

弓に’3本’の矢をつがえる。

1頭の猪の突進を、引き付けて、躱す。

そして、もう1頭も、躱す。

動きの止まった、前の3頭の猪に矢を放つ。

背後で、雷が2度落ちる音がした。

さらに、大猪に、矢を放つ。

 

 

大猪と猪から剥ぎ取って、私たちは帰路についた。

かなりの荷物となった。

 

夜は、ポッケ村の人たちと猪鍋をしました!

毛皮も村の人たちは喜んでくれた。

 

最後に、カルロさんと’雪だるま’を作ってみた。村の子供たちと'雪合戦'もした。

いつものカルロさんを、やっと、見れました!

 

青空の中、私たちはベルナ村に、お家に向かった。

 

 

 

「ブシドースタイル」。

攻撃をギリギリまで引き付けて躱し、反撃を行う。その’立ち回り’は、まさに風。

それはカウンターだ。相手の意表をつくことが可能である。

しかし、相手の立ち回りを’見る’ことが必須であり、かなりの集中力を使う。

そして、リスクは高く、失敗すれば、攻撃をもろに受けてしまう。




作者はエリアルスラアクとブシドー双剣を使うハンターです。

雪だるま つくーろー
(日本:夏)


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第6話「決意するハンター」

第1章最終回予定。

ようやくタイトル回収(一度目)
シリアス警報発令

あと、MHXX、オンラインに人がまだいてくれて嬉しい


孤島。

広大な森があり、海にも面している。

村の住民達からは「モガの森」と呼ばれ、比較的安全な場所である。

 

そして、モガの村。

海に面しており、孤島付近にある平和な村。

住民の多くは海の民であり、漁が盛んである。

海竜、さらに大海龍によって沈みかけたが、村の専属ハンターと’派遣されたハンター’の2人によって危機を逃れた。

 

ジャギィシリーズ、薄紫色の軽めの防具を身につけ、竹を重ねたような弓を持つハンターの少女。

ラギアXシリーズ、水色の鎧を身に着け、さらに同色の大剣2本を背負うハンターの男。

そして、赤色の服を着た、受付嬢の女性。

 

受付嬢さんは元気よく話しかけてくる。

「おお!カルロさん、お久しぶりです!」

「アイシャか。相変わらず、声が大きいな。」

「元気いっぱいな方ですね。」

 

受付嬢さんはこちらを向いて元気よく挨拶をする。

「おお!あなたとは、初めましてですね。

ようこそ≪モガの村≫へ。あなたがカルロさんに誘拐された美少女ですよね。どうぞよろしくお願いしますね! 」

「はい、こちらこそ。」

「おい。拾っただけだ。」

 

私たちはモガの村、孤島にやってきました。

私にとっては馴染み深い場所ですが、まさかカルロさんも昔住んでいたとは。

 

 

「ねえねえ、ちょっと聞いてください! 」

「彼ったら、いつもいつも遠くに狩りに行っちゃうんですよ!」

「まだ新婚旅行にだって行ってないのに!」

「そりゃあ、狩りから帰ってきたときに、お帰りなさいを言うのは楽しみですよー。」

「お土産もよく持って帰ってくれますし。」

「でも、心配する嫁の身にもなって欲しいんです!」

「あれ? 視線が冷たい…?」

 

元気いっぱいな方ですね…

 

 

俺は、手に持っているクエスト用紙に目を向ける。このクエストを見てから、イロハは思い詰めている。

イロハは孤島に住んでいたことがあるらしい。いや、孤島で、’生まれた’。

孤島には山の上に、よく飛竜の巣になるエリアがある。

 

 

【調査クエスト 孤独の緑の女王 ★★★】

依頼主 流浪の植物学者

~依頼内容~

雌火竜が孤島に巣を作ったようだ。だが雄火竜が見当たらない。警戒心が高まっており危険だが、ハンターに様子を見てきてもらいたい。

…もし、近隣の村に被害を及ぼす可能性があるなら、狩猟を頼んだ。

 

 

リオレイア。

’緑’の甲殻に身を包む、≪火竜≫とも呼ばれる飛竜リオスの雌。≪雌火竜≫と呼ばれる。

飛竜リオスは大きな翼を持ち飛行を得意とし、目もいい。火のブレスを吐くことができ、鋭い爪を持ち毒を扱う。

そして、脚力が高く、飛竜でありながら地上戦も強い。雄の「空の王者」に対して、雌の「陸の女王」である。

 

リオレウスは≪雄火竜≫と呼ばれ、雄と雌は番で’子育て’をする。

雌火竜は子育てと食料確保を担い、雄火竜は家族を守る。

 

 

しかし、孤島で飛び回るはずの、雄が、いないのだ。

アイシャを軽く睨みながら俺は言う。

「さっさと、クエストの説明を、しろ。」

 

まるで動じず、彼女は答えた。

「ほいほいっと。孤島に住むリオレイアですよね。巣を作るのはよくあることなのですが、」

「リオレウスが、いないと?」

「そんなところです。」

俺は隣にいるイロハを見る。

「イロハ、どうしたい?」

「会ってみたい、です。」

 

「ぐぬぬ...無性に、彼に会いたくなりました。」

アイシャが何か言っていたが、気にしなかった。

 

 

私が生まれた巣、そこに仲間がいるらしい。私は’金’だったけど、お父さんもお母さんも私を育ててくれた。飛び方を教えてくれた。独り立ち、させてくれた。

 

今の私は「ハンター」、もしかしたら、仲間を’狩る’ことになるかもしれない。カルロさんは、私に決めさせてくれるようだ。どちらにしろ、会いたい。

私たちは橋を渡り、村から、’巣’に向かった。

 

鹿の家族、灰色の草食竜の家族がいる。なんだか懐かしくなった。隣を歩くカルロさんに話しかける。

「子供の頃のこと、聞いてみても?」

 

イロハに俺は前を向きながら答えた。

「…親の背中ばかり見ていた。親よりも、強くなるために。誰にも、敗けないために。」

俺は物心ついたとき、無力だった。

 

話を続ける。

「独りになってからは、いろんなところを旅してた。強さを、求め続けた。」

 

少し笑みが溢れた。

「そんな俺は、親父に敗けて、ハンターやらされた。」

 

イロハは少しは気が楽になったみたいで、いつもの明るい声で言った。

「そうなんですね。」

 

 

洞窟。ここを通るか壁を登るか、そして飛ぶことでしか’巣’には着けない。

ここは海にも面している。だからだろうか。

海竜が、陸にいる。

 

沈黙の中、俺は声を出す。

「海竜…」

「ラギアクルス、ですね。」

 

さらに俺は言うべきことがある。

「獰猛化、してやがる。」

 

モンスターが何らかの要因によって’極度の興奮状態’に陥る状態。(いわゆるバーサーカー状態)

特定の部位の筋肉が過剰に活発化し、その部位は、黒い霧を纏っているように見える。

そのモンスターは’命を削って’、強くなる。

 

大剣を2本抜き、イロハに言う。

「こいつはヤバいな。先に行け、イロハ。」

「仲間と、会うんだろ?」

 

私は駆け出した。

住んでいた巣へと続く道を、登っていく。

明るい。たどり着いた。

だけど、会えた'緑'は、すでに息絶えていた。

「ぁ、どうして...」

 

'銀'髪のヒトが、答えた。

「私が狩ったからですよ、お嬢さん。」

「G級ハンターは'フリーハント'の許可が取れましてね。もちろん、厄介な手続きと'お金'が必要ですが。」

 

腕に金の鱗が浮かび上がる。さらに黒い霧を纏う。

弓を構えた。

 

「おや、'人'に、武器を向けるとは。」

「さすが、'竜'といったところですかね。」

「黙れ。」

 

'銀'髪のハンターの足下に、勢いよく矢が突き刺さる。

 

私は矢をつがえて、たずねる。

「次は、当てます。なぜ’殺した’!」

「私が、’ヒト’であり、ハンターであるから、」

 

その答えに、

矢を、放ってしまった。

だけど、

―――風の音とともに、刀の一閃。

'赤'が見えて、私は、倒れた。

 

 

 

G級レベルの上、獰猛化していた海竜をなんとか追い返せた。

今の武器が雷属性である以上、海竜には効きづらい。

しかし、雷の強力な一撃で獰猛化が収まったようで、海へと戻っていった。

残念だったな。陸では、『俺が主人公だ!』

…陸ではな。

 

 

そして、巣へと登った俺が見たのは、倒れた雌火竜とイロハだった。

俺は、剣を、捨てた。

 

 

 

 

 

 

―――夜空

星が見える。昔もこうやってよく空を見上げていた。

あのたくさん光っているのは、なんだろうって。

 

その中で一際輝く、

大きな’黄金’と小さな'黄金'は、なんだろうって。

 

 

周りを見た。

たくさんの穴があった。

ところどころ、燃えていた。

 

隣に座り込む、私の家族。

そして、仲間だった'緑'。

 

視界が歪む。回復薬グレートを飲む。

 

私の家族は、’空’を睨んでいる。

私は、'夜空'を見上げる。

 

私は、つぶやく。

「世界は…残酷、ですね。」

 

そして、いつもの優しい声が聞こえた。

「そんな世界に、俺たちは、生きている。」

「つよくなろう、イロハ。」

 

声が上手く出せないけど、答えた。 

「は゛い゛」

 

この世界は…残酷だ…そしてとても美しい。

無限に広がる夜空の下で、頭を撫でられながら、そう思った。

'黄金の月'と'一番星'は、輝いていた。

 

 

’緑’の鱗を見に纏い、'緑'の甲殻の弓を背負う’女性ハンター’が、生まれた。

どのハンターよりも、その装備は似合っていた。

その姿は、まさに、決意をした'女王'であった。

 




次章で、2人は成長しています。
一人称視点や口調が変わっているかも。特に狩り中とか
作者のスキルも上がってきてる、つもり!
いろはす好きすぎて、俺ガイルss書こうとしたんだけど、実はゲームしかやったことなくて、もうこの際ゲームで書いてみるかということになって、いろはす登場からのラノベを買いにいこうと思いました。(唐突)
ほら、なんか、ちゃんと小説読みながら書いたら上手くなりそうじゃないですかー。いま、完全にハーメルンで培ってきたなにかを引き出してるだけなんですよー。


進撃〇巨人のセリフ。
名言が好きな作者なんです。

シリアスブレイカー『回復薬グレート』でも勝てないシリアスでした。


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番外編
私と七夕


今日は七夕です!(断言)(7月9日)
本編後のイチャイチャな話を思いついたら書きます。

台本形式かもしれないけど、番外編ですし、イチャイチャ書きやすいんです。


ここは高原であり、夏でも過ごしやすいベルナ村。

そこに住む2人のリア充のお話。

 

「カルロさん、カルロさん!」

「なんだい、なんだい。」

「七夕らしいです!」

「それってなんだい?」

「なんでしょう?」

 

一緒に住んでいるイロハが七夕というものを知らせにきた。七夕という名前をルカから聞いたのだろう。

...七夕について聞いてみるか。

 

 

集会所。下級・上級の数多くのハンターが集まる場所。

集会酒場とは違い、地上に存在する。

つまり訪れやすく、商人も多くて賑わっている。

 

また、定期的に交流イベントが行われる。

そのときは多くの屋台が建つ。

今回はユクモ村主催らしい。

 

タロウという人物が、古文書に残した行事の1つが七夕だ。

タロウは多くの古龍を倒したハンターであり、各村に文化を生む手助けをしたらしい。その強さと発想力は、人類に大きな影響を及ぼした。

 

そう、今日は七夕である。

 

そんな祭りに俺たちは来た。

あと、イロハの腕を鷲掴みしていた。

やはり細いな。

「人がいっぱい!」

「はぐれるなよ。」

((チッ、リア充か。というかそこは手をつなぐんじゃないのかよ))

 

中心には巨大な笹があり、多くの短冊があった。

この短冊に願い事を書くと、きっと叶うはずだとタロウは言ったらしい。そして、願うということが、夢を叶える一歩にもなるのだと。

 

「この短冊に願い事を書くと、叶うらしい。この紙きれで?」

「むむむ、悩みますね。新しい枕か美味しい肉か…」

((なんでこいつらカップルしてるの?))

 

タロウはある小説を書いた。

織姫と彦星の恋物語。引き裂かれたカップルの切なさ、そして彼と会うための父との戦い。

勝ち取った、1年に1度だけ会える日。

そう、それが七夕である。

 

「七夕ってのは、愛する人とたまにしか会えなくなる話らしいぞ」

「そうなんですか!ひぇ~」

((省略しすぎ!))

 

「「じゃあ、書くことは決まりだな(ですね)」」

『ずっと一緒にいられますように。』

((彼女が欲しいと、僕たちは書きます))

 

 

―――そして、夜

「花火があるらしいぞ。」

「なんですか?」

「なんだっけ。」

 

花火ってなんだ。花が燃えるのだろうか。

みんな空を見上げているし、何か飛んでいるのか?

 

「星も月も、綺麗ですね。」

「ああ。」

「私、よく夜にベルナ村を空から見てたんです。」

「(知ってた。)」

「みんななにしてるんだろうなーって思ってて。」

「(夜目効く俺は、襲ってくるのかと思ってたぞ。)」

「なんでしょう、この音は。ひぇ~光りました!」

「まだ怖いのな。」

「そうなんです。でも、こうしてると大丈夫みたいです。」

 

イロハと俺の手は、重なっていた。

 

「そうか。」

「ちょっと怖いけど、綺麗です。」

「粘菌でも空に打ち上げてるのか?」

「どうでしょう。」

「どうなんだろう。」

 

爆発といえば、粘菌だろうな。

あの花火の数だ。どれだけ集めたんだろう。

 

「帰るか、家に」

「帰りましょうか、おうちに」」

 

 

 

_____朝、ベルナ村

 

「おい、ルカ、花火ってなんだ。粘菌打ち上げてるのか?」

「いきなりなんだい。」

「いや、昨日七夕行ったんだよ。」

「七夕まつりな。」

「そうそれ。」

 

さて、まとめると、花火は数種類に分かれる。

あれは打ち上げ花火らしい。

粘菌じゃなくて、爆薬なのか。

しかしあの爆発はまさに美だ。

音からしてもかなりの破壊力。

計算され尽くした一撃。

ちょっと俺もやりたくなったぞ。

力で花を咲かせる、なんて素晴らしいんだ。

さすが人間様だ。

 

そしてルカは俺とイロハだけで行ったのが、気に入らなかったのだろうか。

「彼氏欲しいーー!」

「(彼氏というやつが欲しいのか。願いなら短冊に書けばいいだろう。)」

 

考えをまとめた俺はイロハを見つけて、言った。

「おお、イロハか。花火ってのは、つまり花だ!」

「なるほど!」

 

そんな七夕のお話。




書いてて思ったけど、甘い!
どこからこんな話引き出せてるんだ(自問自答)
まさに、キャラが動く。

主人公視点がようやく書けてきたこの頃。


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私とスキヤキ

衛宮ごはん見て思いついた。
ちなみに晩御飯はスキヤキ。


ここは高原であり、夏でも過ごしやすいベルナ村。

そこに住む2人のリア充のお話。

 

「カルロさん、カルロさん!」

「なんだい、なんだい。」

「スキヤキらしいです!」

「それってなんだい?」

「なんでしょう?」

 

一緒に住んでいるイロハが、スキヤキというものを知らせにきた。スキヤキという名前を、ルカから聞いたのだろう。

...俺が聞いてみるか。

 

スキヤキは伝説のハンター タロウが好んだ料理らしい。TKG(タマゴカケゴハン)とスキヤキのために、ショウユを考案したらしい。俺も、ショウユはよく使う。

ハンターとしても、知恵者としても、タロウはすごいな!

 

肉や野菜を鍋で煮て、調理する。味つけはショウユと砂糖を主に使うのか。

肉はまさにメインであり、各地方でこのメインの食材が変わる。

草食動物であるリモセトスやアプトノスが基本か。

え、フルフルの幼体食べるの。柔らかいというかブヨブヨじゃないか。

 

さて、どうするか。家にある肉はブルファンゴ(猪)のものか。筋肉質で硬いため、サイコロミートとしておいて、焼くのが主流だ。

俺やイロハはそう固いとは思わないし、大丈夫だろう。

煮込む時間を少し増やせばいい。

野菜は、まあ、なんでもいいだろう。

あとは、米だな。やはり米は欠かせない。ベルナ村では、高玄米がよく栽培されている。

俺がベルナ村が好きな理由の1つだ。

 

考えをまとめた俺は、イロハを見て、言う。

「おお、イロハか。スキヤキってのはな、鍋ものだ。」

「なるほど!」

 

さて、イロハも手伝ってくれるようだし、調理開始だ。

ブルファンゴ1頭分を使う。俺もイロハも大食いだから、ちょうどいい。

野菜は…

棍棒ネギ。硬く辛いが、煮物だし、アクセントとなるだろう。その硬さから武器として使われることもあったらしい。

五香セロリ。調理方法によって香りが変化する食材。

エンペラーセロリ。とてもいい香りがする食材。臭みのある肉に合うのではないだろうか。

そして、草食竜の卵。かなりの大きさで、1つあればいいだろう。

 

狩りや交易で手に入った食材たちだ。

『この世の全ての食材に感謝をこめて』、

調理を始めた。

イロハも最近は手伝ってくれるようになった。今は野菜を切っている。

それにしても、白くて細い指だ。

ピンクのエプロンを身につけ、セミロングの髪を後ろで束ねている。...俺は、見とれていた。

かわいい、というものだろうか。

 

「どうかしましたか?」

「いや、なんでもないぞ。」

 

いかんな。集中しよう。

俺は火をおこす。巨大な鍋で割下を作る。魚のだし汁に、砂糖とショウユを入れて、煮込む。

「イロハ、野菜を頼む。」

「わかりました。」

 

イロハが火の番をしている間に、俺は肉を斬る!

鉄人包丁。ハンターによって片手剣としても使われるほどの斬れ味を持つ。ブルファンゴの肉は筋肉質で、家庭的な包丁では、刃がたたない。

俺は豪快に、繊細に片手剣を振る。そして、薄切りにした肉を焼き、割下に入れていった。

気づけば、イロハがこちらを見ていた。どうかしたのか。

「あとは、待つだけだ」

「は、はい!」

 

さて、煮すぎないように火加減を調節して、完成だ!

米は大皿に山のように盛る。

卵をどんぶりに割る。

「「いただきます!」」

 

「美味いな、これ。」

「ですね。」

 

 

美味しい料理なのは、確かだ。

だけど、俺が、'食'を楽しむようになったのは、いつからだろうか。イロハと出会ったとき、からかな。

昔は肉と米食えりゃ満足してたんだが。今では、料理をするようになった。

明日は、どうしようかな。

 

イロハがお布団と肉と回復薬グレートが大好きなように、俺もイロハとの食事が、生活が大好きみたいだ。

 

「「ごちそうさまでした。」」

「いつも、ありがとうな、イロハ。」

「こちらこそ!」

 

その笑顔に、見とれていた。

俺はイロハと一緒にこれからも、生きたい。




...ブラックコーヒー買ってきます


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第二章「ハンターから、あなたの唯一無二に」
私のお友達


主人公とヒロイン以外のキャラ登場。
好きなアニメキャライメージしながらなんですけど。




――どんよりとした曇り空の中、

「和」を感じさせる村に、2人のハンターが訪れた。

 

レイアシリーズ、’緑’の鱗を見に纏い、'緑'の甲殻の弓を背負うハンターの女性。

エスカドラXシリーズ、古龍≪煌黒龍≫の素材を用いた’黒’を基調とする鎧を身につけ、’黒’の大剣と古龍≪大海龍≫の’白’の大剣の2本を背負うハンターの男。

ヘリオスシリーズ 、’白’を基調とする鎧を身につけ、'黒'の角を用いたスラッシュアックスを背負うハンターの男。

 

そして、3人以外にも多くのハンターが、ここユクモ村に集まっていた。

 

俺は、戦友に話しかける。

「ゴロウも、来たのか。」

こちらに気づいたようだ。

「ユクモ村は、モガの人たちもよく訪れるんだ。俺も無関係じゃねえんだよ。」

「ところで、お前、いつからナンパできるようになったんだ?」

 

俺とイロハは首を傾げる。

「「ナンパ?」」

 

ゴロウは呆れたように言う。

「お前ら、俺より鈍感かよ…」

 

こいつはモガの村の専属ハンターであるゴロウだ。あまり知られていないが、あの伝説のハンター タロウの子孫だったりする。

モガの村に派遣された当時はまだまだ初心者だったが、その実力はいまや古龍を狩るほどに高い。

俺より水中戦ははるかに強い。「海の主人公」と呼んでやろう。

 

モガの村を危機に追いやった海竜、そして古龍≪大海龍≫ナバルデウスを協力して狩猟した。とても、大きかった、です。

あとは、俺の目標1体目の古龍’黒のやつ’アルバトリオン狩猟を手伝ってくれた。とても、カオス、でした。

俺は戦友の装備を見ながら言う。

「今回はお互い、本気みたいだな。」

「そーだな。」

 

「カルロさん、この方は?」

イロハがそう問いかけてきた。俺がそれぞれ紹介しておくか。

「こいつは、戦友だ。イロハは、家族だ。」

 

ゴロウはなぜか感動しながら言う。

「そうかよ。お前もずいぶん優しい’人’になったじゃねぇか。」

「うるせ。」

「というか、相変わらず、説明が下手だな。」

 

 

カルロさんは友人さんと会えたのが嬉しいみたいです。

一歩引いて、談笑してる姿を見ながら、’これから’について考えます。

 

 

【特殊クエスト 舞うは風、奏でるは災禍の調べ G★★★★】

依頼主 ユクモ村の村長

~依頼内容~

古龍≪嵐龍≫アマツマガツチ。かつて伝説のハンター タロウによって’討伐’された古龍です。霊峰にて、その姿が確認されました。

傷も完全に癒えているようです。わたくしたちは、古龍に挑み、無事帰還することを信じています。

 

 

霊峰。

ユクモ村に近い’渓流’のさらに奥にある山の頂。

嵐を操る古龍が棲むという。≪嵐龍≫の力による、豪雨・竜巻・暴風・落雷によって、’ヒト’が生きられる環境ではない。

 

アマツマガツチ。

嵐を呼び、その嵐を自在に操る。まさに≪嵐龍≫。白き羽衣を纏うような姿で、泳ぐように空中を舞う。

強い縄張り意識を持ち、今は霊峰が縄張りである。

 

「イロハ。」

私は、カルロさんの声で顔を上げた。

「イロハは、ユクモ村で待機しておいてほしい。万が一の時は村を頼む。」

私は元気よく返事する。

「はい。わかりました!私、カルロさんを信じて待ってます!」

「ありがとうな。」

 

カルロさんは、友人さんの所へ向かっていった。

「なんだか。アイシャに無性に会いたくなったぜ。」

そんな声が、聞こえた。

 

 

 

 

村に集まったハンターたちは、二つに分けられた。

先行して嵐龍を狩る者たちと、万が一のとき村を守る者たちだ。

 

村から少しだけ離れた林で、木に印をつける。

私は、’あの日’から、日課となっている的当てをする。

命中精度、速射、そして、集中力を鍛えるためだ。

矢を筒から取り出してすぐ、放つ。

あるときは走りながら、あるときは回避行動をしてから。

 

かなり集中していたのだろうか、

誰かの気配を感じ、咄嗟に弓を構えてしまった。私は弓を構えを解く。そして、頭を下げた。

「ごめんなさい。」「ごめんなさいね。」

「え?」「え?」

 

ミツネSシリーズ、和服のような白い防具を身に纏った、腰まで長い髪を束ねた女性が話し始めた。私と同じ亜麻色だった。

「ごめんなさいね。練習、してたんでしょ。あなたも弓を使うのね。」

「いえ、こちらこそ、武器を向けてしまって。あなたも、弓を?」

 

なんだか優しそうな女の人だ。

「ええ。そうよ。私はユクモ村に住んでいる、コトネっていうの。上位ハンターやってます。」

「私は、イロハです。ベルナ村から来ました。ハンターになったばかりの新人です。」

「私も、ここで練習していい?」

「はい、どうぞ。」

 

私は姉御以外の弓を見たことがない。それに片手剣がメインだ。

だからだろうか、私はコトネさんの姿に見惚れていた。

凛としていて美しい、そんな構え方だった。

私も、構えた。

 

 

私たちは近くの地面に揃って座り、汗を拭う。

コトネさんが話しかけてきた。

「イロハちゃんの弓、狩りの中で成長したって感じよね。」

「コトネさんの弓、とても綺麗でした!」

 

「イロハちゃんは、狩技って知ってる?」

「はい。まだ、使えるわけじゃないんですけどね。」

 

狩技。

狩猟スタイルと同じく個性を活かした、'技'である。

必殺技や奥義と言い切ってもいいかもしれない。

使えるハンターはあまり多くないが、使える者が誰かに教えることが多いので、だんだん使用者は増えてきた。

 

コトネさんは立ち、ポーチから、鋼鉄の糸を取り出した。

「これをね、2本の矢に結びつけるの。そして、矢をそれぞれ左斜めと右斜めに、放つ。」

 

それは、直進する鋼の刃。木の枝が、切断された。

私から声が漏れる

「すごい。」

 

コトネさんは笑顔で振り向く。

「ありがと、イロハちゃん。」

 

私たちは、一緒に待機場所へと向かっていった。

カルロさん、私に初めてのお友達ができました!

 

 

 

村の広場にハンターが10人ほど集まっていました。

聞いたところによると、霊峰付近に住んでいたモンスターが嵐から逃げるように渓流へと降りてきたらしいです。

≪青熊獣≫アオアシラ、≪大猪≫ドスファンゴ、≪彩鳥≫クルペッコ、≪雷狼竜≫ジンオウガ、そして、≪尾斧竜≫ドボルベルク亜種

ハンター12人による5頭の大狩猟。

 

私とコトネさんは下位レベルのジンオウガを担当することになりました。

 

コトネさんと狩りの準備をしています。コトネさんはどこか浮かない顔です。

「ドボルベルク亜種に、4人。上位レベルって聞くけど、大丈夫かな。」

そう、多くのG級ハンターは霊峰に向かってしまっています。村には下位や上位のハンターしか残っていません。

「私たちも早く狩猟して合流しましょう。」

「うん、そうだね。」

 

 

 

霊峰に向かうには、渓流の険しい山を登らなくてはならない。

G級ハンター10人はいまだ向かう途中だった。嵐を起こせる以上、飛行船は危険で使うことができないのだ。

 

ゴロウが俺にだけ話しかけてきた。

「こいつら、浮かれてるな。」

「ああ、古龍を、見たことがないんだろう。」

 

海底遺跡での狩りも、そして’溶岩島’での狩りも鮮明に覚えている。確かに2人だけで狩ったのは確かだ。

だが、前者はゴロウが、後者は俺が、得意なフィールドであったのだ。

霊峰は空気が薄いし、嵐の中の狩りとなる。そして、俺たちは、空を泳ぐ龍に、有効打を持っていない。

 

 

 

私たちとコトネさんは水辺にいるジンオウガを見つけた。

青い鱗と、黄色の甲殻に白色の体毛を持つ牙獣。鋭い牙と爪を持つ。まさに狼である。

そして、電気を操る。周囲の雷光虫に電力を与え、活性化させることでまさに雷を纏う。

 

私たちは弓を構える。遠距離を得意とするガンナー2人。

手筈は、左右からの同時攻撃。そして、攪乱だ。

狩りが始まった。

 

私はまず毒瓶を使う。矢尻に毒を塗り、矢を放つ。ジンオウガに刺さり、こちらを向く。私は後退する。

そして、コトネさんに背を向けた。

狩技、『ブレイドワイヤー』。鋼の刃が尻尾を切断した。

 

ジンオウガは吠える。急激に雷を纏う。だが毒が回ってきたのだろう。動きが少し鈍くなる。

私は、麻痺瓶を使い、矢を放つ。さらに動きが鈍くなる。

コトネさんは水属性の矢を放つ。弱点は、背中、いや、雷光虫。蛍が舞うように、散らばった。

 

私たちが、とどめを刺すのは時間の問題だった。

 

 

 

5頭すべて無事に狩猟を終えた私たちはお互いを見合った。

「イロハちゃん、お疲れ様。」

「お疲れ様です!」

 

 

だけど、

――渓流に嵐が来た。

 




作者は3GとMHXXのみプレイ済みです。


アスナって名前にすると、細剣使わなきゃとか思ってしまったから、コトネさん。…オリキャラです!


そろそろキャラ設定書こうかと思ってみた。主人公とヒロインだけじゃ明らかに字数足らない状況に陥りそうだったし。


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私に芽生える恋心

書いていて投稿しなかったもの。まだまだ書き慣れてない頃ですねー。

この作品はここまでのつもりですが、催促されたらどうなることやら。


 

 

嵐の中だ。

 

俺たちは霊峰一歩手前まで来た。準備を始めようとしたが、ベースキャンプはなかった。

 

 

 

雨、風、雷の音しか聞こえなかったのだが、ようやくゴロウの声が聞こえた。

 

「支給品どころか、アイテムボックスがないのかよ。バリスタも使いものにならねぇな。」

 

「ああ。それにケガ人が出ても休ませる場所がない。」

 

 

 

バリスタは、古龍と戦う際によく用いられる固定用砲台である。その弾は、槍。巨大な龍に立ち向かうために必須な武器である。

 

 

 

そして、一度きりの狩り。休めるテントもないし、狩場である霊峰からここまで逃げることも一苦労だ。

 

 

 

だが、俺たちはG級ハンター。

 

過去の狩りでも状況の悪いときなんて、多かった。

 

 

 

───相手のホームグラウンドで、狩りをしてきた。

 

 

 

何人か危ういやつや弱腰になっているやつもいたが、ここ霊峰で、狩るしかない。

 

 

 

 

 

さらに、嵐がひどい。

 

龍は嵐を纏い、空を泳ぐ。

 

一人のハンターから声が漏れでた。

 

「でけぇ。」

 

 

 

多くの龍は竜より遥かに巨大で、つよい。ヒトにとってはまさに天災と言える。多くの古文書にも、天災によって村が滅んだとされるほどだ。

 

 

 

多くの者が立ち止まり、嵐を見上げる中、

 

俺は大剣を2本抜き、駆け出す。

 

狙うは尻尾。龍の装備をしている俺はいつもより動ける。

 

 

 

古龍の素材は、ハンターに大きな影響を与える。防具そのものの硬さ、身体能力の向上である。そんな強力な装備にはもちろんリスクがある。素材に染み付いた怨念的なものがハンターを蝕む。あと、疲れる。

 

HR解放されたG級ハンターなら気合いで抑え込むから、ちょっと疲れるくらいなんだが。

 

 

 

 

 

尻尾を踏みつけ、さらに跳ぶ、'もう一度'蹴りつけ跳ぶ。重すぎる防具を含む全体重を込めて、2本の大剣で叩き斬った。嵐が、墜ちた。

 

俺は'あの日'、空に対して無力だった。襲いくる火球に対して、家族を守ることしか、できなかった。だからだろうか、'銀の空'を落とすために鍛え始めた。

 

 

 

 

 

受け身をとり着地すると、ゴロウはその白き斧を振り回す。スラッシュアックスは斧でもあり、剣でもある。変形機構を持っており、状況に応じて切り換えるのである。嵐に剣を突き刺すと、震え始める。そして、爆発。込められた薬品、強撃ビンをもとに更なる一撃を与える。

 

ガンナーたちもようやく撃ちはじめた。

 

 

 

ゴロウは俺のところまで後退してきた。

 

「ヤバいな。」

 

 

 

そう、巨大すぎる。ハンターの武器はヒトの大きさほどあるとはいえ、龍にとっては小さきもの。与えた傷も浅く、小さい。

 

嵐は飛び上がる。そして、溜めを始めた。

 

俺は叫ぶ。

 

「ブレスが来るぞ!」

 

 

 

その水は、まさに刃。地面が斬られた。

 

嵐は始まったばかりだ。

 

 

 

俺は、焦っていた。はるか上空で舞う嵐にヒトは無力だった。ガンナーの一撃は風で吹き飛ばされる。水の刃が何度も襲いくる。

 

いつのまにかハンターの数が減っていた。逃げたやつと、落ちたやつだ。

 

急に身体が嵐に引き寄せられた。本能が告げる、逃げろと。龍自身が竜巻となり、俺たちは吹き飛んだ。

 

(古文書にタロウが記した'嵐龍'の必殺技、ダイソンか!)

 

 

 

 

 

渓流に嵐が来た。羽衣が泳いできた。

 

滝の前へと降りてくる。

 

いくつか刃物による傷がある。カルロさんたちによるものだろう。私とコトネさんは弓を構えた。

 

だけど、嵐に矢は届くことはなかった。

 

そして、水の刃が、向かってきた。

 

 

 

私よりちょっと背の高いコトネさんを担いで、嵐の中を逃げる。脇腹の白い防具が赤に染まる。カルロさんや友人さんは遠い霊峰だ。他のハンターは散り散りに逃げていった。

 

私は、岩影にコトネさんを降ろす。私を、庇ってくれて傷ついた。回復薬グレートを飲ませる。傷の治りは、遅かった。私は嵐を見る。

 

「イロハちゃん。ダメ。」

 

 

 

弱々しく、手を握りられた。だけど、優しくほどく。

 

「ごめんなさい。私、行かなきゃ。」

 

嵐に、駆け出した。

 

 

 

 

 

嵐に立ち向かう。求めるは、強力な一撃。風を突き進む矢。私の両腕は'金の鱗'を纏う。矢尻が燃える。

 

1本の矢に私の全てを込める。

 

これが私の、'竜'の狩技「一番星」

 

月から放たれた'金の一撃'によって、嵐は片目を失った。

 

 

 

 

 

龍は怒り、嵐を呼ぶ。まさに台風。私は岩にしがみつく。両腕はすでに人のものへと戻っている。

 

声が自然と漏れた。

 

「ここが、限界かな。あとは、お願いします。」

 

 

 

彼が来てくれるって、信じてた。私の大切な家族が。

 

だから、私は嵐に立ち向かえた。

 

私はコトネさんのもとへ向かい始める。

 

「任せろ。」

 

 

 

 

 

俺は霊峰から飛び降り、川を駆けおりた。'竜'となって嵐を追いかけた。今はハンターに戻っている。

 

滝の上から、'龍'を、'竜'の腕で殴る。

 

さらに、爆発を起こす。龍は後退した。

 

 

 

龍を見上げて言う。

 

「追いかけてきて疲れてるんだ。終わらせるぞ、狩りを。」

 

 

 

俺は、空を掴む。空を蹴って駆け上がる。今なら、できると思った。

 

空で、「俺が主人公」となるために編み出した。

 

俺の、'ハンター'の狩技「月歩」

 

空を駆け、嵐龍を斬り続ける。

 

 

 

ゴロウも滝から降りてきた。

 

狩技「剣鬼形態」

 

効果は単純。剣となったスラッシュアックスの強化と、自身の強化。龍属性の剣が尻尾を斬り落とす。

 

 

 

 

 

嵐龍は最後に雷を呼んだ。燃える嵐は、やがて静まった。

 

そして、虹がかかった。

 

 

 

 

 

「イロハちゃん!」

 

私はコトネさんに抱きつかれる。

 

「ただいまです。コトネさん。」

 

「無事で、よかった。」

 

私も、大切な人を守れたみたいです!

 

 

 

 

 

燃える龍を見ながら、ゴロウがいまだ真剣な顔で話しかけてくる。

 

「やったな。」

 

「ああ。」

 

俺たちは、そして村は、生きていた。ヒトは天災を生き抜いた。それは勇敢なハンターのおかげである。

 

犠牲となったハンターの想いを背負って、俺たちは狩りを続けていく。

 

 

 

 

 

 

 

私とコトネさんは一緒にお風呂に入ってます。

 

気持ちいい~

 

「コトネさん、傷は大丈夫ですか?」

 

「うん、回復薬グレートのおかげかな。」

 

隣り合う美少女達は会話を続ける。

 

「助けてくれてありがとうございます。」「助けてくれてありがとう。」

 

 

 

私たち、なんだか、似た者同士みたいです。

 

笑顔でお互いを見合う。

 

 

 

コトネさんが話しかけてくる。

 

「ところで、彼は大事な人?」

 

「はい、家族です!」

 

「え、あなたたちもう結婚してるの!」

 

 

 

私は首を傾げる。

 

「結婚って?」

 

コトネさんは顔を赤くしながら答えてくれる。

 

「え、と、大切な人とずっといれる、というか。」

 

「とてもロマンチックなもの、だと私は思う。」

 

ほうほう。なるほどなるほど。

 

 

 

「あとは、彼と、彼の子どもと暮らせると、もっと幸せ、かな。」

 

いつも以上に優しい顔をするコトネさんに訊ねてみる。

 

「もっとその人のこと教えてください!」

 

 

 

また、顔が赤くなった。

 

「えぇ! うん。彼ね、今は研究者やってるの。ハンターとしても実力があるんだけど、本人はそっちのほうが、合ってるって。私のことを置いておいて、いろんな狩場へ赴いてるのよ。」

 

コトネさんは、頬を少し膨らます。そして、こちらを見つめる。

 

「今度は、イロハちゃんの番だよ。」

 

 

 

私にとって、カルロさんは...

 

「人としても、ハンターとしても、つよいんです。そして、夜空の、一番星、だと思います。」

 

コトネさんは首を傾げる。私は続けた。

 

「この広い世界で、一番輝いて見えるんです。世界に比べたら、小さな一人のハンターなんですけど、'本物'の輝きを持っているんです。」

 

 

 

そんな彼のおかげで、人でも竜でもなくて、私が'私'でいられるんです。

 

 

 

のぼせたのかな。なんだか、顔が熱くなってきました。

 

───広い世界の、姉妹のような乙女たちの恋バナ。

 

 

 

 



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