インフィニット・ストラトス ~何気ない騒がしい日常~ (ゲイツ幻夢アーマー)
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1話 織斑家3姉妹はブラコンである

ほのぼの系をやろうかと


俺“織斑一夏”には姉と妹がいる。

 

 

姉“織斑千冬”は文武両道で常に注目の的になっていて、俺の誇りだ。しかし、それは外での話。

“天は二物を与えず”との諺があるが、文武両道という社会ではとても素晴らしい能力を授かった代わりに、家事能力が全くないのだ。脱いだ服は脱ぎ散らかし、掃除をしようものならする前より散らかる。料理に至ってはよくて黒炭、悪くて殺戮兵器になったりする。

 

 

 

双子の妹“織斑円夏(まどか)”は武の方に長けている。サッカー、バスケットボール、バレー等のスポーツ系はもちろんのこと、剣道、弓道、合気道、槍術等の武道も2、3日すれば、有段者にも負けない実力者になる。

 

 

円夏『兄さん凄いだろ‼️誉めてくれ‼️』

 

 

有段者に勝つと、円夏は俺に満面の笑みで駆け寄り頭をだす。“勝ったから頭を撫でろ”と言う暗黙のルールが適用されているためだ。スポーツ万能なのはいいが、勉強はあまり宜しくない。

テストは毎回良くて赤点ギリギリ、悪いと補習である。

掃除はできるが、料理は姉とどっこいどっこい。

 

 

1つ下の妹“織斑三春(みはる)”は頭が非常にいい。どの教科もあっという間に基礎を覚えて応用に回せるため、勉学面では千冬姉よりも上だ。テストは毎回満点、悪くても90点台がほとんどだ。

 

 

三春『お兄ちゃん100点取りました‼️ギュッてしてください‼️』

 

 

100点を採ると、三春はハグを要求してくる。小柄なのに胸があるから、時折ドキッとしてしまう。

 

ちなみに、胸というワードは円夏と幼馴染には禁句である。俺の友達がうっかり口を滑らせたことがあり、顔面と鳩尾に強烈な1撃を喰らい、あっという間に気絶した。翌日友達は休み、翌々日に登校してきた。

なぜ昨日休んだのか聞いたら、

 

 

“綺麗な花が咲いている川岸に座っていた”らしい…。

 

 

と、とりあえず三春は勉学に長けているのだが、運動はからっきしダメ。サッカーをすれば、ボールを蹴ろうとして空振り、バレーでトスをしようとして顔面強打、バスケでドリブルしようとすれば、変な方向にボールが飛んでいく等々。

料理はできるが、掃除が出来ないという致命的なものもある。

 

 

そして俺“織斑一夏”は勉強も運動も平均より少し上。調子がいいと学年5位以内、悪くても20位以内には入るようにしている。運動もそれなりにできるが、武道の方も少し嗜んでいる。

家事に至っては炊事、洗濯、掃除に編物等々…。

要するに、織斑家の家事を取り仕切っているのは俺なのである。

男子からは、“おかん”とよく言われて笑われるが、女子からは“いい旦那さん”とよく言われる。

 

 

 

俺を含めた織斑家は、“才能の宝庫”と呼ばれているが織斑家3姉妹には共通している欠点が存在する。

それは…

 

 

千冬「一夏‼️なんで一緒に寝てくれないんだ⁉️」

 

 

一夏「千冬姉アンタいくつだ‼️」

 

 

円夏「兄さん‼️千冬姉さんとではなく、私と一緒に寝るべきだ‼️」

 

 

一夏「俺は1人で寝たいんだよ円夏‼️」

 

 

三春「お兄ちゃん、三春と一緒に寝て頂けませんか?」ウルウル

 

 

一夏「…三春、ウソ泣きは良くないぞ。」

 

 

千冬「三春、その右手に持ってる目薬はなんだ‼️」

 

 

円夏「汚い小芝居をするな‼️」

 

 

三春「汚くありません‼️三春はお兄ちゃんと一緒に寝たいんです‼️」

 

 

 

 

この3人、ドが付く程のブラコンなのである。



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2話 登校風景である。

僕アカ ゴーストがなかなか思い付かないので、こちらを投稿していきます。

アドバイスをください‼️


どうぞ


一・円・三「「「行ってきまーす‼️」」」

 

 

千冬「気を付けて行くんだぞ。」

 

 

俺達は中学校に行くため家を出る。千冬姉はもう少し後から家を出るらしい。

“らしい”というのは、俺達は千冬姉がどんな仕事をしているのか知らない。前に気になって聞いてみたことがあったが、のらりくらりとはぐらかされてしまった。

 

 

一夏「ホントに千冬姉はなんの仕事してんだ?」

 

 

円夏「私も聞いたことないぞ。」

 

 

三春「三春もないです。」

 

 

学生である俺達より出勤が遅いのはどういうことなのだろうか。まあ、俺達の登校が早いというのもあるが…。

 

 

???「おっす、一夏、円夏、三春ちゃん‼️」

 

 

???「お、おはようございます一夏さん‼️」

 

 

???「おはよう3人とも。」

 

 

考え事しながら歩いていると、前から声を掛けられる。

 

 

一夏「弾、蘭、数馬、おはよう。」

 

 

円夏「おはよう弾、数馬。おい蘭、なぜ兄さんだけに挨拶したんだ。」

 

 

三春「おはようございます、弾先輩、数馬先輩。蘭ちゃん、どうしてお兄ちゃんだけなんですか?」

 

 

俺達に声をかけてきたのは、俺と円夏の同級生である“五反田弾”と“御手洗数馬”、そして弾の妹で三春の同級生の“五反田蘭”である。

 

 

蘭「あっ、おはよう三春。それと円夏先輩も。」

 

 

円夏「私はついでなのか。その喧嘩買ってやるぞ?」

 

 

三春「三春にも今気づいたみたいですね。」

 

 

これは俺達の恒例の朝の挨拶の1つである。毎回蘭は俺に挨拶してから、円夏達に挨拶する。一緒に挨拶すればいいのに、なぜ俺だけ先なんだ?

 

 

弾「おい一夏、お前今絶対“なんで蘭は俺だけ先に挨拶するんだ?”みたいなこと思ってただろ。」

 

 

一夏「なんで分かったんだよ?」

 

 

弾「何年お前の親友やってると思ってんだよ。」

 

 

数馬「分かりやすいというか分かろうとしないというか…。」

 

 

一夏「数馬もわかったのか?」

 

 

数馬「もちろん。」

 

 

親友2人には、俺の考えていたことが分かったらしい。何故なんだ?

 

 

 

他愛のない話をしながら学校へ向かう。すると…

 

 

???「おっはよー‼️」

 

 

一夏「どわっ⁉️」

 

 

背後から強い衝撃を受け倒れそうになるがなんとか持ちこたえる。俺の背中に突撃してきた人物は見なくても分かる。

 

 

一夏「“鈴”、いつもいきなりおぶさってくるなって言ってるだろ‼️怪我したらどうすんだよ、危ないだろ⁉️」

 

 

俺におぶさるようにタックルをしてきたのは、俺達の同級生で“凰鈴音(ファンリンイン)”。小学生の時に転校してきた中国人である。

仲の良い友人からは、鈴と呼ばれている。

 

 

鈴音「心配しすぎよ一夏は。あっ、弾と数馬、おはよう。ついでに円夏と蘭と三春も。」

 

 

弾「おはようさん、鈴。」

 

 

数馬「おはよう、鈴。今日も元気だな。」

 

 

鈴「当然よ!それが私だもの。」

 

 

円夏「…それしか取り柄がないんだろ。」ボソッ

 

 

鈴「円夏、何か言った?」

 

 

円夏「何も言ってないぞ、おはよう鈴。」

 

 

蘭「鈴さん、おはようございます。そろそろ一夏さんから降りたらどうですか?一夏さん辛そうですよ?」

 

 

鈴「なに蘭?アンタ遠回しに私が重いって言ってんの?」

 

 

蘭「いやだなぁ鈴さん、被害妄想ですよ?」

 

 

三春「でも鈴先輩?そろそろお兄ちゃんから降りてもらえませんか?」

 

 

鈴「まぁそれもそうね。悪いわね一夏。」ヒョイ

 

 

一夏「ったく。」

 

 

鈴との朝の挨拶はいつも体にダメージを受ける。

そして登校時間にもう1人、

 

 

???「一夏、それに皆もおはよう。」

 

 

一夏「おう“箒”、おはよう。」

 

 

声をかけてきたのは“篠ノ之箒”、俺の幼稚園からの幼馴染だ。

 

 

数馬「おはよう箒。」

 

 

三春「箒先輩、おはようございます。」

 

 

円夏「…出たな発育の暴力。」ボソッ

 

 

蘭「…何を食べたらあんなに大きくなるでしょう。」ボソッ

 

 

鈴「…いっそもぎ取って殺ろうかしら?ボソッ」

 

 

箒「お前達は何処を見ながら小声で言っているんだ‼️それに鈴、恐ろしいことをさらっと言うな‼️」

 

 

箒の登場に、円夏、蘭、鈴の3人からどす黒いものが立ち込めている。この3人にある共通点。それは…

 

 

弾「どこってそんなの箒のむnんぐ⁉️」

 

 

弾が何か言おうとしたので、俺と数馬が口を塞ぐ。

 

 

弾(なにすんだよ、一夏、数馬‼️)

 

 

一夏(バカ、何言おうとしてんだよ⁉️円夏達にそれは禁句だって分かってんだろ⁉️)

 

 

数馬(お前この間円夏と鈴の前でそれ言ったから三途の川まで行ったの忘れたのか⁉️)

 

 

そう、円夏達3人に共通していること。それは、“貧乳”であることなのだ。

以前、悪ふざけで円夏と鈴の前で“貧乳”のワードを出した瞬間、2人からの攻撃を喰らい臨死体験したのがこの弾なのだ。その時の光景を見て以降、 “貧乳”は円夏達の前では禁句として封印されている。

そりゃ誰だって自分のコンプレックスを指摘されたら怒るのも当然だ。しかし、円夏と鈴、そして恐らく蘭も自分の胸のことを気にしている。

 

何故なら、円夏達の周りの女性のほとんどが、胸が大きい。

 

千冬姉然り、箒然り、そして三春も胸が大きい。千冬姉に負けてるならまだしも、同級生の箒、年下の三春に負けているというのが辛いらしい。なんせ、比較対象が身内や友達にいるのだから…。

 

 

円夏「…弾、貴様なにを言おうとした?」ギロッ

 

 

鈴「…言うならはっきり言いなさい。死なないように殺してあげるから。」ニコッ

 

 

蘭「…お兄がなにを言おうとしてるか当ててあげようか?」ジロッ

 

 

円夏と蘭の眼光、そして鈴の目の笑っていない笑顔に迫られながら、弾は後退りしていく。

 

 

一夏(良かったな弾、お前が前に言ってた“女子に迫られたい”っていう夢が叶ったじゃないか。待っているのは、薔薇色の生活ではなく、血塗られた地獄だが…)

 

 

弾「(こんな殺伐としたの望んでねぇよ‼️)な、なにも思ってないぞ?それより早く学校行こうぜ、遅刻するからよぉぉぉぉぉぉぉ‼️」ピュー

 

 

鈴「あっ、逃げた‼️」

 

 

円夏「逃げられると思っているのか‼️」

 

 

蘭「待ちなさいお兄ぃ‼️」

 

 

凄い速度で逃げた弾を円夏達が追っていった。

 

 

一夏「数馬、弾のやつまた1つ夢を叶えたな。」

 

 

数馬「ああ。確か“女子に追いかけられたい”だっけ?まぁ追い付かれた後に待っているのは地獄だろうけど。」

 

 

そんな話をしながら、残された俺達も学校に向かうことにした。

 

 

 

 

おまけ

 

 

 

箒「全く、胸が大きいからなんだと言うのだ。あるだけ邪魔だろ。」

 

 

三春「そうですね。肩は凝りますし、男性からの視線は辛いですし。」

 

 

一・数((そんなこと鈴達の前で言ったら、自殺しかねないな…。))

 

 

 

 

三春「でも、お兄ちゃんは三春のコレ(胸)、喜んでくれますよ♪」

 

 

箒「なにっ⁉️どういうことだ一夏‼️」

 

 

一夏「ま、待て‼️そんなことはない‼️」

 

 

数馬「今日もいい天気だなぁ~。」

 

 

三春「?」

 

 

 

 

 

 

 

 




キャラ一気に出したかも


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3話 マンモス校である

こっちもちょこちょこ投稿していきます。


ここは、私立藍越学園。幼稚園から大学まである超マンモス校、中等部に在学している一夏達が通う学園である。

この学園はとある大企業の社長が運営しており、もっぱら趣味である。その為、学費が非常に安く、数多くの学生が在学している。勉学とスポーツの両方に力を入れており、有名スポーツ選手や教師がこの学園から輩出されている。

 

学園のモットーは

“子供は明るく元気に、自由に学び自由に体を動かす”

である。

 

 

弾「…。」

 

 

校門前で、ボロボロになっている弾がいた。全力疾走したが、スポーツ万能の円夏とその円夏とタメをはれる鈴からは到底逃げ切ることができず、鈴の跳び蹴りにより転倒、そこから円夏・鈴・蘭に滅多打ちにされたのだ。

 

 

 

一夏「また盛大にやられたな、弾のヤツ。」

 

 

数馬「なんで逃げ切れないの分かってて逃げるんだ?」

 

 

箒「理解力がないのだろう。」

 

 

三春「大丈夫ですか、弾さん?」

 

 

後から来た一夏達は、とりあえず弾の現状を確認した。三春だけが弾の心配をしているようだ。

 

 

弾「…あ、あいつら加減をしらなさすぎる…。」

 

 

…弾は一応生きていた…。

 

 

一夏「この間は三途の川渡りかけたんだから十分手加減されたほうだろう。」

 

 

数馬「そもそも、分かってて地雷踏んだ弾の自業自得だろ。」

 

 

そんな話を校門前でしているなか、

 

 

???「おはよう織斑兄妹、御手洗、篠ノ之。それから五反田兄。」

 

 

体格のいい男性教師が声を掛けてきた。

 

 

一・三・数・箒「「「「西村先生、おはようございます。」」」」

 

 

西村「あぁおはよう。」

 

 

声を掛けてきたのは藍越学園の教師である西村宗一。

学年を飛び越え、学園主任という初等部から大学までの全ての学科を担当する。趣味がトライスロンということもあり、生徒からは“鉄人”というあだ名で慕われている。

 

 

弾「おはようっす、鉄…西村先生。俺のことはついでっすか?」

 

 

西村「気のせいだ五反田兄。それよりお前今鉄人と呼ぼうとしなかったか?」

 

 

弾「それこそ気のせいっすよ。」

 

 

西村「…まあいい。それより相変わらずお前達は早いな、流石は“生徒会”だ。」

 

 

一夏達は生徒会なのである。一夏は中等部生徒会会長、三春と蘭が副会長、箒は書記、数馬が会計、弾が庶務である。

書記、会計、庶務にそれぞれ1人いるがそれは後程。

 

 

西村「五反田兄には少し問題があるが、お前達は家の学園の生徒達の模範となる立派な生徒だ。これからもよろしく頼むぞ。」

 

 

一・三・数・箒・弾「「「「「はい‼️」」」」」

 

 

西村「特に、あの問題児達をよろしく頼む。」

 

 

女子生徒達『こらー‼️待ちなさい変態5人組ー‼️』

 

 

変態5人組『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ‼️』

 

 

男子生徒1「…。」カシャッ

 

 

 

 

 

西村「…ホントによろしく頼む。」

 

 

一・三・数・箒・弾「「「「「…頑張ります。」」」」」

 

 

不安を抱えながら、彼等は校門をくぐる。




問題児とは誰なのでしょうか?


学園を代表するバカ、赤毛ゴリラ、寡黙なる性職者、乳龍帝の変態トリオかなぁ


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4話 生徒会室にて

なかなか浮かばない…


どうしたものか


時は飛び放課後、俺はある“6人”の男子生徒を生徒会室に呼んだ。

 

 

一夏「…つまり、珍しく朝早く学校に来たはいいけど、やることないから何しようか考えていたら、女子サッカー部の更衣室の窓が開いていたので、好奇心から中を除き、台座にしていた朝礼台がお前ら6人の体重を支えきれず倒壊し、その音を聞き付けた女子達に追いかけられた…ということか。何か言うことはあるか?」

 

 

???「「「「「こいつが悪いんです‼️」」」」」

 

 

男子生徒1「…そんな事実はない。」フルフル

 

 

一・箒・弾・数・三・蘭『はぁ~。』

 

 

 

俺達は今、今朝の騒動の発端であるであろう男子生徒達に事情聴取をしている。結局、覗きが原因らしいが全員揃って罪を誰か1人に押し付けている状況だ。

 

 

???「明久が朝早く来るから悪いんだろうが‼️」

 

 

明久「雄二が“暇だから散歩するか”なんて言って教室出るのが悪いんだろ‼️それで一誠達に会って僕までとばっちり受けたんじゃないか‼️」

 

 

一誠「ちょっと待て明久‼️俺は元浜達に誘われただけだぞ⁉️」

 

 

元浜「あっ‼️兵藤お前、俺に罪を擦り付けるつもりか‼️俺だって松田に誘われただけだぞ⁉️“絶好の覗きスポット見つけたぞ”って‼️」

 

 

松田「ふざけんな元浜‼️確かに俺は覗けそうな窓を見つけたが“台座使った方がもっとよく見えるだろ”って言い出したのは坂本だぞ⁉️」

 

 

…こんな感じに罪の擦り付けのペンタゴンが繰り返されている。しかし、重要なことはただ1つ…

 

 

一夏「…女子達の下着姿はどうだったんだ?」

 

 

明・雄・兵・元・松『最高でした‼️』

 

 

一夏「はい罰則。」

 

 

明・雄・兵・元・松『ぎゃぁぁぁぁぁ⁉️』

 

 

一夏「土屋、お前も同罪だぞ。」

 

 

土屋「…俺は現場にはいなかった。」フルフル

 

 

弾「なあ土屋、サッカー部部長の下着の色はなんだった?」

 

 

土屋「水色のスポーツタイプ」

 

 

即答かよ…しかも聞いてないブラの種類まで…

 

 

弾「一夏、確信犯だ。」

 

 

一夏「よし、同罪。」

 

 

土屋「ッ⁉️」

 

 

この6人、実は中等部でもなかなかに有名な問題児達である。しかも全員必ず他の誰かに罪を擦り付けて、罰則を逃れようとする。

 

 

一夏「とりあえず全員、西村先生の特別補習を明日の放課後から1週間みっちり受けてくれ。」

 

 

6人『鬼かいちょ~ーーーーーーッ⁉️』

 

 

 

そんな叫びをあげているところ、生徒会室入り口が開いた。

 

 

???「一夏君、西村先生呼んできたよ。」

 

 

 

一夏「サンキュー“裕斗”。」

 

 

今入ってきたのは生徒会書記の木場裕斗。

金髪イケメンで“中等部2大王子”なんて呼ばれてる。

 

えっ、もう1人の王子?なぜか俺らしい。

 

 

一夏「では西村先生。6人の特別補習よろしくお願いいたします。」

 

 

西村「すまんな織斑兄。この馬鹿どもは俺がみっちり補習で鍛え直してやる。」

 

 

どうやら西村先生はやる気みたいだな。

 

 

明久「お願い一夏‼️鉄人の鬼の補習だけは勘弁して‼️」

 

 

一誠「一夏、名前に同じ“一”が付く仲じゃないか‼️反省文で勘弁してくれ‼️」

 

 

元浜「あんな拷問堪えられるわけねぇよ‼️」

 

 

明久と一誠、元浜が特別補習を取り下げてほしいと懇願してくる。声には出してないが、残りの3人も高速で頷いている。

実は学園主任の西村先生の補習は滅茶苦茶厳しく、補習室であらゆる教科を教え込まれる。

補習を受けたものからは、“鉄人の鬼の補習”として恐れられている。

 

ちなみに円夏と鈴もたまにこの補習を請ける。

 

アウトドアな2人でさえ、補習を受けた後は引きこもる恐ろしさだ。

 

 

西村「拷問だと?馬鹿を言うな、あれは立派な教育だ。特別補習が終わる頃には、“趣味は勉強、尊敬する人は二宮金次郎”という理想的な生徒像に仕立てあげてやる。」

 

 

6人『それは教育ではなく洗脳だぁぁぁぁぁ‼️』

 

 

それについては生徒会一同も同意と頷く。

 

 

西村「しかし俺は今非常に気分が良い。明日からとは言わず、是非とも今日から特別補習を施してやろう。全員行くぞ‼️」

 

 

そう言うと西村先生は、問題児6人を抱えて補習室に向かう。

 

 

雄二「離せ‼️離しやがれ鉄人‼️」

 

 

明久「鉄人、いや鉄人様‼️何卒御慈悲を‼️」

 

 

一誠「頼む一夏、助けてくれ‼️」

 

 

元浜「まだ死にたくなーい‼️」

 

 

松田「まだ大人の階段登ってないのにぃぃ‼️」

 

 

土屋「…無念。」

 

 

明久達は弁解を求めていたが西村先生が生徒会室に来た時点で逃げ場はない。土屋は潔かったな。

 

 

 

こうして6人は西村先生により補習室へ連行されていった。

 

 

 

 

一夏「これで懲りればいいけどなぁ。」

 

 

蘭「無理ですよ一夏さん。あの人達、お兄よりも理解力ないですから。」

 

 

弾「蘭、ついでにさらっと俺を罵倒するなよ。」

 

 

 

6人の処罰が終わり、一息付いていると弾と蘭の兄妹コントが始まった。何処かで必ず蘭が弾を罵倒し、それを聞いた弾がつっこむ。

生徒会室の恒例である。

 

 

一夏「でもありがとな裕斗。書類整理任せてたのに、西村先生呼んでもらって。」

 

 

裕斗「気にしなくていいよ生徒会長、僕と君の仲なんだし。それに…君の頼みを断るなんてそんな事するわけないじゃないか。」

 

 

一夏「そういう言葉は、女子達に言ってやれ。変な誤解を生む。」

 

 

時折こいつはBLなんじゃないかと思う発言をする。

 

 

三春「皆さんお茶が入りましたよ♪」

 

 

一夏「ありがとな三春。」

 

 

 

とりあえず三春が淹れてくれたお茶を口にする。

 

 

一・箒・三・蘭・弾・裕・数「「「「「「「はぁ~。」」」」」」」

 

 

 

一夏「んじゃ、仕事始めますか。」

 

 

箒・三・蘭・弾・裕・数「「「「「「わかった/わかりました/ああ。」」」」」」

 

 

 

 

 

 

~おまけ~

 

 

一夏「そういや箒、明久達の反省文の合計枚数幾つだ?」

 

 

箒「…全員でトータル600枚だ。」

 

 

弾「ちなみに、吉井が校舎の窓ガラス5枚、坂本が6枚だ。兵藤、元浜、松田の3人は女子部活の各部室の覗き行為。んで土屋は、女子が使いそうな教室で目撃情報多数。止めに今朝の朝礼台の破損だそうだ。」

 

 

蘭「なんで先輩達ここまでのことして退学処分にならないんですか?」

 

 

一夏「理事長曰く“何事にもやる気を出すことは良いことだ。彼らの向上心は育むべきだ”だとさ。」

 

 

裕斗「向上心の方向性間違ってるよね、どう考えても。」

 

 

数馬「あのやる気を勉強に向ければまた違うんだけどなぁ。」

 

 

 

三春「それに皆さん、なんだかんだで優しいところがありますから。」

 

 

 

あいつら憎めないところがあるからなぁ

 

 

 

 

 

 




キャラクター紹介(現在登場人物)


織斑一夏(15)
今作の主人公。勉強・運動をそつなくこなし、織斑家の家事財政面を一手に担う長男。真面目で面倒見がよく、学園の生徒や教師に評判がいい。原作より実は鈍感さ少し軟化。


織斑千冬(24)
織斑家長女。読者モデルをやっていてもおかしくないプロポーション。文武両道だが、家事全般は壊滅的酷さ。何の仕事をしているかは後に解明。ブラコン。


織斑円夏(15)
織斑家次女で一夏とは双子の妹。胸が小さいのがコンプレックスで、触れると危険。武道・スポーツに長けており、ある程度基礎を学べば有段者とは互角にやりあえる。勉学に至っては壊滅的。平均点より下回り、最悪補習の場合がある。千冬と同じくブラコン。


織斑三春(14)
織斑家三女。年齢のわりに胸が大きく、よく円夏と鈴、蘭に睨まれる。春の身体測定の時、また少し成長したらしい。勉学においてトップクラスの成績を有している。飛び級レベルなのだが、「お兄ちゃんと離れるのは嫌です。」という事で飛び級を蹴った。スポーツに関しては壊滅的。周りの人にも被害が及ぶことがある。姉達と同じくブラコン。







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5話 兎現る

僕アカ思い付かないよー


あの後生徒会の仕事を終わらせて、各々の用事に動き出す。

藍越学園は部活動にも力を入れているが、入部は強制ではない。しかし、帰宅部は意外にも少ないのである。

なぜなら部活動も種類が豊富で、生徒達に合った部活が多かれ少なかれ必ず存在しているからだ。そのため、部活を掛け持ちでやっている生徒も少なくない。

 

一夏、箒、裕斗の3人は生徒会と剣道部を掛け持ちしており、数馬は軽音部を掛け持ちしている。五反田兄妹は実家が“五反田食堂”という食事処なので、生徒会の用事が終わると食堂を手伝うために帰宅する。

三春は料理部と科学部を掛け持ちをしている。織斑家では、一夏と三春が料理をしなければ大惨事になりかねないのだが、三春が料理部を掛け持ちしている理由は

 

 

三春「お兄ちゃんに、三春の愛情たっぷりのお料理を食べてほしいです。そして科学部で研究している媚薬が完成すれば…へへっ♥️」

 

 

…科学部の掛け持ち理由は果てしなく邪な理由である。

 

 

 

 

 

 

 

 

帰宅途中に近所のスーパーに寄り、今日の夕食の買い物をして家に帰る。

 

 

一夏「ただいまぁ。」

 

 

家に帰ってくるのは大抵俺が一番早い。その後順番に三春、円夏、千冬姉である。まず台所に行って買ってきたものを冷蔵庫にしまい、部屋に戻って私服に着替える。

そして、家を出る前に干しておいた洗濯物を片付ける。

 

 

一夏「さて。夕飯の支度を始めるかな。」

 

 

俺自身の用事を粗方片付けて、台所に立って今日の夕食を作り始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕食の支度がある程度終わり、居間でテレビを観ながらのんびりしていると

 

 

バタンッ

 

ドタドタドタドタドタ

 

 

もの凄い勢いで扉を開けて誰かが入ってきた。時刻は夕方の5時。この時間は、決まって“あの人”が来る。

 

 

???「いーーーーーーーっくーーーーーーーん‼️」

 

 

インターホンも押さずお構いなしに入ってきたのは、機械的なうさみみを付けた白衣を着たスタイル抜群の女性だ。

 

 

一夏「ほい。」ヒョイ

 

 

???「ぐへッ。」

 

 

ソファーに座ってた俺が避けると思っていなかったのか、女性はそのまま顔面からソファーにダイブした。

 

 

???「ひどいよいっくん、なんで避けるのさ⁉️そこはハグして受け止めるのが愛し合う者同士の決まりでしょ⁉️」

 

 

一夏「俺がいつ貴女と愛し合ったんですか“束さん”。」

 

 

嵐のように現れたこの女性は“篠ノ之束”。名字で分かる通り箒の姉さんで、千冬姉とは幼馴染である。

束さんは千冬姉同様文武両道の女性で、特に科学面においては世界的にも有名な人物である。発展途上国と言われている日本を“近未来科学の先進国”と変えたのが、他でもない束さんなのだ。

そんな凄い人がなぜここにいるかというと、束縛されるのが嫌いで着の身着のままに好きなところへ行く。

束さん曰く

 

 

束『何事も決められた事をやっていればいいという訳じゃないよ。科学においては自由な発想がなければ次に進めないのだよ♪』

 

 

ということらしい。

自由な発想はいいけど、色々ぶっ飛んでることが多いけど…

 

 

束「ところでいっくん、今日のご飯はなんなの?」

 

 

一夏「今日はハンバーグですよ。後は捏ねて焼くだけです。」

 

 

束「おぉ、いっくんの手作りハンバーグか。それは楽しみだねぇ‼️」

 

 

…だいたい束さんがこの時間に家に来るときは、夕食をご馳走になろうするときだ。

 

 

一夏「俺は構いませんけど、束さん家の方は大丈夫なんですか?」

 

 

束「今日はお父さんとお母さんは剣道連盟の食事会だからねぇ。」

 

 

篠ノ之道場は、日本でも数少ない剣術を取り入れている道場でそれなりに有名な選手が多い。

そのため、時折武術を指導している人達が集まって、近況報告をするために食事会を行っているらしい。

 

 

一夏「なら箒に連絡しときますね。そろそろ準備を始めるので束さんはのんびりしてて下さい。」

 

 

束「はーい。」

 

 

人数を2人分追加するために台所に向かい、夕食の準備を再び始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時刻は夜6時を少し過ぎた頃、連絡した箒がすぐに来て束さんを怒鳴りつけてから、夕食の支度を手伝ってくれている。

 

 

一夏「悪いな箒、お客さんなのに手伝ってもらって。」

 

 

箒「気にするな。私と姉さんはご馳走される立場だからな。これくらいはするさ。」

 

 

篠ノ之姉妹が家に来るときは、必ず箒が食事の支度を手伝ってくれる。お客なんだからいいと最初は断ったんだが、箒が頑なに譲らなかったので俺が折れた。

 

 

箒(一夏と台所に立てるというこんな美味しいシチュエーションを簡単に手離す訳にはいかんだろ‼️)

 

 

 

千冬「くっ、箒のやつ‼️」

 

 

円夏「ここぞとばかりに兄さんに近づきおって‼️」

 

 

三春「…完全に出遅れてしまいました。」

 

 

束「アハハハハハッ、いつ見ても飽きないねぇちーちゃん達は。」

 

 

 

千冬姉と円夏も手伝ってくれようとするが、最悪殺戮兵器を作りかねないので台所は出禁、束さんも料理は出来るが何か変な薬を入れられそうなので却下。必然的に箒か三春になるのだが、台所に3人も入ると狭いので先に来た人から台所に入る。

 

 

一夏「箒、味噌汁よそってくれるか?」

 

 

箒「わかった。盛り付けは任せるぞ。」

 

 

一夏「あいよ。おーいそろそろ座ってくれよぉ。」

 

 

 

俺の声に、千冬姉達が席に座る。盛り付けを終えた夕食を持っていき、俺と箒も席に座る。

 

 

一夏「そんじゃあ、いただきます。」

 

 

箒・円・千・三・束「「「「「いただきます。」」」」」

 

 

 




登場人物紹介

五反田弾(15)
五反田家長男。実家が五反田食堂という食事処を営んでいるため、家の手伝いをしている。初等部に入った頃、一夏に出会いそれから意気投合。家族ぐるみでの付き合いになっている。円夏のコンプレックスである貧乳に触れて三途の川を渡りかけたことがあるが、懲りずによく煽る。学習能力があるのようでない。妹の蘭には頭が上がらない。


五反田蘭(14)
五反田家長女。兄同様実家の五反田食堂を手伝っている。三春とは兄経由で知り合い仲良くなった。小学校の頃、家に遊びに来た一夏に一目惚れ。円夏同様貧乳がコンプレックスで、同い年の三春にサイズで圧倒的に負けていることが悔しいらしい。学園でも家でもしっかり者のため、兄の弾より立場は上。


御手洗数馬(15)
一夏の初等部の頃からの友人。軽音部所属。
“楽器弾ければなんかカッコいい”という浅はかな理由だが、楽器全般をマスターしている。


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6話 織斑家の夜

後少しで今年が終わりますねぇ~。


今年だけではなく、平成も終わるんですから大変ですよねぇ。

ではどうぞ


夕食が終わり、少し居間でのんびりしてから箒と束さんは帰っていく。

 

 

束「えー‼️まだいっくんといたーい‼️」

 

 

箒「子供みたいに駄々をこねないでください。そろそろお父さん達も帰ってくるんですから。」

 

 

束さんを引き摺りながら玄関に箒。

 

この光景も毎回見られるものだ。

 

箒が帰宅を促すと束さんが俺に抱きつき駄々をこねる。だが、千冬姉達が強引に引き剥がし箒に渡す。

 

いつもの流れだ。

 

 

箒「では一夏、円夏、三春、またな。千冬さんお邪魔しました。」

 

 

束「じゃあねぇ~いっくん達ぃ~。」

 

 

…あんだけ駄々こねるのに帰る挨拶はしっかりするんだから…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千冬「全く束のヤツ、“私”の一夏に抱きつきおって。」

 

 

円夏「全くだ。“私”の兄さんに抱きつくなど…。」

 

 

三春「お兄ちゃんに抱き付いていいのは三春だけです。お兄ちゃんは“三春”のなんですから。」

 

 

…俺は誰のものでもないんだが…

 

 

一夏「…それはいいから、全員もう少し離れてくれないか?」

 

 

千・円・三「「「嫌だ/です。」」」

 

 

箒達が帰った後ソファーに座ってテレビを観ているが、俺が中央、千冬姉が右隣、円夏が左隣、そして三春が俺の膝の上だ。

因みに、俺の膝の上は毎回じゃんけんで決めている。千冬姉がじゃんけんで勝った場合、俺の膝枕に変わる。

さすがに、千冬姉を膝の上に乗せるのはつらい。

本人に言うと絶望したような顔をするから、心に留めておく。

 

 

 

千冬「一夏、今日は学校で何かあったか?」

 

 

一夏「そうだなぁ~。」

 

 

居間で寛ぐ時間帯、千冬姉は学校で何かあったか俺に聞いてくる。何故そんな事するのか聞くと、

 

 

千冬『お前たち(とくに一夏)に何か有っては、父さん達に悪いからな。』

 

 

ということらしい。千冬姉は家では基本だらしないが、常に俺達の事を心配してくれているとても優しい人なのだ。

 

 

千冬(ただでさえ私の一夏の周りには、一夏をたぶらかそうとする害虫が多いんだ‼️一夏の学校での日常は把握しておかなければ‼️)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「-ということがあったかな。」

 

 

俺は千冬姉に朝の覗き騒動についてを話した。

 

 

 

千冬「はぁ~。全くあの馬鹿者は。あきらのヤツはいったいどんな教育をしているんだ。」

 

 

 

千冬姉のいう“あきら”とは、千冬姉と束さんの共通の友達で本名は“吉井あきら”。今朝覗き騒動を起こしたうちの1人である“吉井明久”の姉である。

明久は俺達の幼馴染の1人で、箒同様幼稚園からの付き合いである。明久は真っ直ぐで嘘の吐けないバカ正直なヤツで、俺の知るなかじゃ誰よりも優しいんだが、人一倍バカが目立つため周りには明久の良さがあまり伝わらない。

そんな明久が、何故覗き行為をするようになったのかというと、原因は姉のあきらさんにある。

あきらさんは、運動は人並みなのだが頭脳はアメリカのハーバード大学に合格出来るほど。卒業した今も海外生活をしているらしく、月に1度は明久の様子を見に帰ってくる。

そんな頭脳の持ち主なのだが、実の弟に対して“1人の女として”恋愛感情を抱いている。それに加えてスキンシップが過剰で、明久を怒る代わりにキスを迫るのだとか。

しかも、明久の不純異性交遊は禁止しているのに、不純同性交遊は許可しているという恐ろしい考えを持っている。

家族の愛情があるのはいいことだが、実の姉からの恋愛感情で、時折女装を強要などしようものならそれは嫌気がさす。だから明久は、あきらさんが苦手らしい。

 

 

 

千冬「明久もあのような姉を持って苦労しているんだろうなぁ。」

 

 

…それ千冬姉が言うかね…

 

 

円夏「姉さん、1度鏡を見てきた方がいいんじゃないか?」

 

 

三春「この場合同族嫌悪でしょうか?それとも“類は友を呼ぶ”でしょうか?」

 

 

千冬「円夏、三春。それはどういう意味で言っている?」

 

 

円夏達はまた火に油を注ぐようなことを…

 

 

円夏「どう聞いてもあきらさんの感情は姉さんとそっくりじゃないか。人の尻みて我が尻直せと言うだろう。」

 

 

尻みてどうする…

 

 

三春「円夏お姉ちゃん、それは“人の振りみて我が振り直せ”です。お尻みてどうするんですか?」

 

 

円夏「…振りも尻も似たようなものだろ。」

 

 

千冬「全く違うわ馬鹿者。お前の頭脳も明久並みのようだな。」

 

 

円夏「あんな“中等部を代表するバカ”より私の方が上だ‼️」

 

 

家の姉妹は仲が良いんだか悪いんだか…くだらないことでよく喧嘩する。

 

 

一夏「千冬姉達の喧嘩が酷くなる前に風呂に入ってくるかな。」

 

 

三春「三春もお兄ちゃんと一緒に入ります♪」

 

 

一夏「…俺は後に入るから、三春が先に入っていいぞ。」

 

 

俺が風呂に入ろうとすると誰かしら一緒に入ろうとする。しかも三春の場合、

 

 

三春「…お兄ちゃんは三春の事が嫌いですか?」ウルウル

 

 

拒否しようとすると涙目になって訴えてくる。

 

 

一夏「き、嫌いな訳ないだろ?三春のことは大好きだぞ?」

 

 

三春「じゃあ一緒に入ってもいいですか?」ウルウル

 

 

一夏「そ、それは…」

 

 

いつもこの攻防が風呂前に繰り広げられる。

 

 

千・円「「…。」」

 

 

風呂前の攻防をしていると、さっきまで喧嘩していた千冬姉と円夏が無言のまま近づいてくる。

 

 

千冬「おい三春。この右手の目薬はなんだ?」

 

 

三春「それはただの水の入った醤油差しです。」

 

 

円夏「なぜそんなものを今持っている?」

 

 

三春「三春はなんのことだか分かりません。」

 

 

 

3人が口論を始めた間に、こっそり居間から出て風呂場に向かう。

俺の入浴前は、大抵こんな感じである。




登場人物紹介

凰鈴音(15)
一夏達の初等部からの友人。中国出身で、日本に来た理由は両親が日本で中華料理店を開くため。転校当時、日本語に不慣れだったことから周りの男子達に苛められるが、一夏達に助けられてから何かと行動を共にするようになった。一夏達に日本語を教えてもらい、だいぶ話せるようになるとクラスの中でもムードメーカーとして振る舞う。助けてもらった一夏に恋愛感情あり。
原作同様貧乳は禁句。
禁句に触れると“死なないように殺される”らしい。
勉学は少々足りていないが、運動面では円夏とタメを張れるほど。



篠ノ之箒(15)
一夏達織斑家とは、幼少の頃から家族ぐるみの付き合い。いつも一緒にいる一夏の事がいつの間にか好きなっていた。実家が剣道場をしていることもあり、剣道の腕は全国レベル。モデル顔負けのスタイルを持ち、剣道の腕がたつことから同門の女子や剣道部の同級生・後輩から“お姉さま”と慕われている。



篠ノ之束(24)
箒の姉で、千冬の親友。全てにおいてハイスペックで、日本の機械技術を発展させている世界が最も注目している人物。しかし、思考が若干子供染みており、小さい頃から一緒にいる一夏達は、束の発明によって迷惑を被ることもしばしば。
箒同様スタイル抜群だが、彼氏が出来る気配はない。本人曰く

『私の彼氏さんで旦那さんはいっくんだけ。』

らしい。


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7話 飯マズは凶器である。

思い付かないと進められないのが、小説の難点。なんで皆思い付くのだろう。流石だ。

タイトル通り“飯マズ”の人達が出ます。
自分、ほとんどがサイト小説知識なのですが、D×Dキャラに飯マズさんはいるのですか?


遥か昔、俺達の先祖がまだ毛に覆われていた頃、突如先祖達の前に雷が落ち“火”を生んだ。木の実をかじることしか出来なかった先祖は、興味本位に木の実を火にかざし、焼けた木の実を食べた時衝撃を受けた。

 

 

“ただの木の実が美味しくなった。”

 

 

これが料理の最初とされる。(本当は知らないです。作者の勝手な想像です。)

 

 

 

時代が進み、様々なものが進歩していった。料理もその一つであり、神が人間に与えた能力でもある。料理に使う食材は自然の恵み。肉や魚、野菜にいたるまで自然がもたらしてくれたものだ。調味料の原料となるものも自然から取れることから、食材には感謝を込めなければならない。食材も生きていることから、“食べるということは生きるということ”。調理・料理とは、その食材から命をもらうということなので、感謝を込めて美味しく食べる。

それが食材にたいする礼儀だと考えている。

 

 

だから俺は食材を冒涜するようなことをするやつは絶対に許さない。そう、絶対に‼️

 

 

 

 

 

 

 

 

藍越学園:調理室

 

 

藍越学園は部活動は勿論、就職にも力を入れている。生徒が望む職種があれば、それに見合った授業を行い生徒の夢を全力でサポートするのが藍越学園における教師の役目だ。生徒の夢を親身になって聞いてくれる教員たちは、生徒だけでなく親御さんからも非常に評判がいい。生徒の夢には

 

“調理師や料理人になりたい”

 

という生徒も少なくない。和食や洋食、中華やイタリアン等どのような国でも通用するように、調理室には有名レストランやホテル顔負けの調理器具が揃えられている。

調理室はとても整理されていて、気持ちよく料理ができるだけように掃除も行き届いている。

 

が、現在調理室は屍になった4人の男子生徒が床に横たわり、美しい乙女達が絶賛正座させられている。

 

 

 

一夏「…。」ニコニコッ

 

 

「「「…。」」」

 

 

一誠「おい明久、しっかりしろ‼️」

 

 

雄二「ムッツリーニ、AED持ってこい‼️」

 

 

土屋「了解‼️」シュンッ

 

 

松田「坂本大変だ‼️五反田が息してない‼️」

 

 

元浜「こっちもヤバい‼️比企谷と戸部が泡吹いてる‼️」

 

 

 

 

 

 

藍越学園中等部我らの生徒会長である織斑一夏は、学園が誇る生徒であり上は大学部から下は初等部まで、在学する生徒に男女問わず人気があり教師達からの信頼も厚い。嫌な顔1つせず、生徒達の悩みを笑顔で聞いてくれることから、“藍越の太陽”と呼ばれている。

しかし、そんな一夏は怒るとものすごく恐い。いつもの笑顔と変わらないが、目からハイライトが消え発する声も低くなる。一夏が怒ると“藍越の太陽”から“藍越の般若”と名を変える。

 

※一夏を怒らせた生徒の証言では、一夏の後ろに般若が見えたらしい。

 

滅多に怒らない一夏が怒るのは調理実習の時であり、怒らせるのは決まって3人の女子生徒である。

 

 

 

一夏「…さて」

 

 

「「「…ッ⁉️」」」ビクッ

 

 

一夏「…明久たちは何を食べたんだ?“セシリア”」

 

 

セシリア「…えっと、カレー…ですわ。」ヒヤアセ

 

 

 

金髪の貴族感溢れる女子生徒、名前はセシリア・オルコット。

イギリス出身の本物の貴族であり、英国淑女らしく紅茶とテニスを嗜みその姿に見惚れる男子生徒が後を絶たない。勉強・スポーツにおいても円夏や鈴にも勝るとも劣らない実力を持っている。

 

 

一夏「…カレーの中に何を入れたんだ?“由比ヶ浜”」

 

 

結衣「…も、桃缶、です…」メェソラシ

 

 

ピンクの髪を肩まで伸ばしお団子に結っている女子生徒

、名前は由比ヶ浜結衣。

人当たりが良くクラスのムードメーカー的な存在である。しかし頭は非常に悪く、“藍越学園が普通の学校だったら入学できたのか?”と噂されるほど。

テストに関しては明久と毎回最下位争いをしている。

 

 

一夏「…桃缶ねぇ。それだけでここまで酷くはならないよなぁ。…“姫路”、お前も何か入れただろ?」

 

 

瑞希「…桃缶は甘いから…さ、酸味がほしいと…お、思いまして…」ビクビクッ

 

 

由比ヶ浜よりも明るいピンクの髪を腰辺りまで伸ばし、ウサギのヘアピンを着けている女子生徒、名前は姫路瑞希。

運動が苦手だが勉強においては学年上位に名を列ねている。彼女と周りは何故かふわふわした雰囲気が流れており、“学園の癒し”とまで言われている。

 

この3人はスタイルも非常に良く、胸も大きいため円夏や鈴等の一部に不満を持っている女子達からは睨まれることもしばしばあるが、共通して残念なところがあるため、逆恨みの苛めより同情の眼差しを送られている。

 

 

一夏「…思いまして?」

 

 

瑞希「さ、酢酸を…入れました…」

 

 

 

 

 

 

この3人、料理が好きなのはいいが出来るものが不味いを通り越しており、化学兵器レベルにまで達している。所謂“必殺料理人”なのだ。

 

 

一夏「…」

 

 

一夏は3人が作ったカレーが入っているカレー鍋に近づき匂いを嗅ぐ。

一瞬意識が遠退きそうになるもなんとか堪えて、再び3人の前に立つ。

 

 

一夏「…他に何入れた?」

 

 

セシリア「桃缶が入った際に、カレーの色が薄くなりましたので…チョコレート1ケースと…」

 

 

結衣「…とんかつソースを…入れました…。」

 

 

 

カレーの中に入れたものを聞いて、一夏を含めた調理室にいる生徒達は完全に固まった。

 

 

一夏「…一応聞くが、味見は?」プルプル

 

 

セシリア「…そのぉ、飲食店のご子息である五反田さんに味を見てほしくて…(ホントハイチカサンニタベテホシカッタンデスガ)」

 

 

結衣「…え、えっとまず最初にひ、ヒッキーに食べてほしくて…」

 

 

瑞希「味見すると太っちゃいますから…」

 

 

 

 

 

 

 

ピキッ

 

 

 

何かがキレる音を生徒全員が聞いた。そして何人かは耳を塞いだ、この後来る噴火を堪えるために…

 

 

 

 

一夏「食べ物を粗末にするなァァァァァァァァァァァァァ‼️」

 

 

セ・結・瑞「「「ごめんなさいぃぃぃぃ」」」ドゲザ

 

 

 

一夏が噴火し般若の幻影が現れた。

 

 

 

一夏「ちゃんと料理ができない奴等がいきなりアレンジなんてしようとするんじゃありません‼️カレーだったらルーの箱の裏に作り方書いてあるんだからその通りに作ればいいんだよ‼️アレンジ加えるのはもっと料理が上達してからだ‼️今までやったことないスポーツの試合に、今すぐ出ろって言われても無理だろ⁉️まずは基本と段階をしっかり踏まないと駄目だろ‼️」

 

セ・結・瑞「「「…仰る通りです。」」」

 

 

一夏「料理は作って自分で味見するのが基本なんだよ‼️太るからとかそんなのが味見しない理由になるわけないだろ‼️食べてほしい人がいるなら尚更自分達で味見しなさい‼️」

 

 

セ・結・瑞「「「はい…」」」

 

 

一夏「セシリアは見た目を写真に近付ける努力じゃなくて現物を食べて味を近付けさせなさい‼️由比ヶ浜はなんでもかんでも桃缶入れればいいと思うな‼️そして姫路‼️料理に科学薬品なんかいれるんじゃない‼️」

 

 

セ・結・瑞「「「…すいません。」」」

 

 

一夏「まともな料理が出来るまで、お前達は味付けしちゃいけません‼️セシリアはチェルシーさんに、由比ヶ浜と姫路はお母さん達に料理を最初から教えてもらうこと‼️いいな⁉️」

 

 

セ・結・瑞「「「…はい。」」」

 

 

一夏「声が小さい‼️」

 

 

セ・結・瑞「「「イエッサー‼️」」」

 

 

 

 

 

藍越学園中等部生徒会長兼調理指導織斑一夏

 

 

調理に関しては誰よりも恐い

 

 

 

 

 

 

 

 

 




この3人組ませちゃダメだよ…


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8話 藍越学園高等部のポンコツ生徒会長

何故投稿がこんなに遅いのか、それは自分は基本読み専なのでなかなか思い浮かばないんです。
遅すぎて申し訳ないです。


藍越学園中等部生徒会、学園からの仕事はもちろんの事だが、色々な悩みを抱える生徒達のお悩み相談も兼ねている。初等部からだけでなく何故か高等部や大学部、果てには教師からもお悩み相談を受けることがある。

初等部はまだまだ幼さが残るため歳上の存在に悩みを相談するのは当然なのだが、何故歳下に相談に行くのか。

 

それは高等部の生徒会長が所謂

 

 

“ポンコツ”

 

 

だからなのである。

 

 

 

 

???「毎度毎度申し訳ありません一夏さん。」

 

 

一夏「まぁ、慣れてますから気にしないで下さい“虚”さん。」

 

 

眼鏡をかけた女性、“布仏虚(のほとけうつほ)”は一夏に頭を下げている。

 

布仏虚

藍越学園高等部2年で生徒会に所属している。性格も生真面目で大人な女性の雰囲気を醸し出しているため、学園男子生徒に人気があり、女子生徒達からも慕われている。実家は代々とある家に使えており、歴史も深い。

彼女が生徒会に所属しているのはこれが要因である。

 

 

が、高等部生徒会室に生徒会長は今不在である。

 

 

一夏「それで…、“刀奈”さんはどこに逃げたんですか?」

 

 

一夏の言った人物、刀奈こそが高等部生徒会長である。

 

 

 

更識刀奈

藍越学園高等部1年で生徒会長を努めている。更識家は代々槍術を伝承している武家であり、剣術を教えている篠ノ之家とも交流がある。布仏家が仕えているのがこの更識家である。そのため、刀奈と虚は幼馴染みであり、2人とも一夏の同級生に妹がいて篠ノ之家とも交流があることから、友好も非常に深い。

 

が、生真面目で大人な女性を醸し出している虚と違い、刀奈はスタイルのいい“いたずらっ子”な節がある。更に言えば、サボり癖があり生徒会の仕事を全くやらずにどこかへ遊び(逃げ)に行くというのが、高等部の生徒達にはほとんど知られている。

 

中等部生徒会が高等部生徒会より頼られるのはこれが原因である。

 

 

 

今日こそ溜まりに溜まった生徒会の仕事をやってもらおうと生徒会室に来た虚の目に飛び込んできたのは、天井まで届くほどの書類の山と刀奈の書き置きだった。

 

 

 

『遊んでくるから書類よろしくね☆。』

 

 

読んだ瞬間大声を上げて幼馴染みを呼んだ虚は悪くない。

 

 

いくらなんでも多すぎる書類をどうしようかと思い、藁にもすがる思いで一夏に連絡し今に至る状況である。

 

 

虚「刀奈お嬢様のことですから、おそらく“簪”お嬢様のところへ行っているのではないかと…」

 

 

一夏「あー、あの人シスコンだからなぁ。」

 

 

更識簪

藍越学園中等部に通っており、刀奈の妹であり一夏達の同級生である。頭脳明晰であるが、運動はあまり得意ではなく円夏と鈴の同士。

趣味はお菓子作りとヒーロー番組を観ること。引っ込みがちな性格だが、それぞれの趣味により男女間に友達が多い。

 

 

 

最近悩みがあるようだが、それはまた次に

 

 

 

一夏「しかし、これだけの仕事よくここまで溜め込んだなぁ。」

 

 

虚「やれば出来る人なのですが、飽きるとすぐにどこかへ行ってしまうので…、次からは首に鎖着けて仕事が終わるまで生徒会室に缶詰めにしてやります…。」

 

 

一夏「…落ち着いて。口調と思考が黒くなってきてるよ“うつほ姉”。」

 

 

虚「ハッ‼️…コホン、ふふっ久しぶりにそう呼んでくれましたね“一夏君”。」

 

 

 

交流が深いため一夏は虚や刀奈のことを“うつほ姉”、“刀奈姉”と呼んでいた。中等部にあがってから思春期特有の恥ずかしさがあり、最近ではほとんど『さん』付けに変わってしまったので、虚は少し寂しさを感じていた。

 

 

コンコン

 

 

虚「どうぞ。」

 

 

???「失礼しま~す。」

 

 

生徒会室に入ってきたのは学園の制服を改造し、袖をだぶだぶにしたのほほーんとした女子だった。

 

 

虚「“本音”、またあなたはそんなやる気のない顔をして。もっとしゃっきりなさい。それにどうしてあなたがここに?」

 

 

箒「失礼します。」

 

 

簪「虚さん、お姉ちゃん連れてきました…」

 

 

???「ちょっとぉー、箒ちゃん簪ちゃん縄ほどいてよぉ~(泣)」シクシク

 

 

 

続いて生徒会室に入ってきたのは箒と簪、それと縛られた刀奈であった。

 

 

虚「箒さん、それに簪お嬢様も。いったいどうして?」

 

 

箒「一夏にだいたいのことを連絡で受けまして、ちょうど簪達と一緒にいたものですから近くに刀奈さんを見つけたので逃亡する前に」

 

 

簪「こうして縛り上げて連れてきたと言うわけです。」

 

 

本音「イッチーから連絡もらってぇ、周り見渡したら刀奈お嬢様がいたから直ぐだったよぉ~。」

 

 

 

 

布仏本音

藍越学園中等部に通っており、更識家に仕えているため同い年の簪とは、幼馴染み兼メイドの関係。

しかし、本人がのほほーんとしているほどマイペースなためメイドとしての仕事は全く成り立っていない。

しかしマイペースな性格なため、藍越のマスコットのような存在でもある。

 

 

 

一夏「わざわざありがとな、3人とも。」

 

 

箒「気にするな。私はお前から連絡を受けたときにたまたま簪達と一緒にいただけだからな。」

 

 

簪「家のダメ姉のせいで一夏が仕事してるから、せめてこれくらいはしないと。」

 

 

刀奈「ちょっと簪ちゃん⁉️実の姉に対してダメ姉ってひどい‼️お姉ちゃんそんな風に育てた覚えないよ⁉️」

 

 

簪「…家にいるときも学園にいるときもぐーたらしてるんだからこれくらい言われてもしょうがないよ。それに生徒会長になった理由が“なんか面白そう”だっけ?そんな姉に対しての妥当な評価だと思うけど?」

 

 

刀奈「うぐっ‼️」

 

 

 

姉に対しての言いように言い返した簪だが、正論をぶつけて刀奈を黙らせた。

 

 

虚「皆様ありがとうございました。残りの仕事は刀奈お嬢様にきっっっっっっっっっっっっっっちりやっていただきますので。」

 

 

刀奈「…あれ?虚ちゃんもしかして怒ってる?」

 

 

虚「さぁ仕事をしましょうか“更識生徒会長”。」ニコッ

 

 

虚が怒るときと機嫌が悪い時は大抵刀奈が絡んでいる。

虚の顔に怒気が含まれているだけで、高等部の気温がやや下がるのだ。

虚を鎮めるには、刀奈を差し出せば落ち着くというのが藍越学園における暗黙の了解とされている。

 

 

 

 

 

一夏「それじゃぁ俺達は帰りますね。」

 

 

箒「それでは失礼します。」

 

 

簪「虚さん、後はよろしくお願いします。お姉ちゃん、仕事終わるまで帰ってこないでね。」

 

 

本音「刀奈さんファイト~。」

 

 

刀奈「ちょっと待って‼️まだ山のようにあるんだけど⁉️これ私1人でやらなきゃいけないの⁉️」

 

 

虚「やらなきゃいけないもなにも貴女が貯めに貯めた仕事です。しっかりこなして下さい。それと、お嬢様の右側にある書類の山は期限明日までですからね。」

 

 

刀奈「嘘っ⁉️終わるわけないじゃない‼️一夏君、箒ちゃん‼️同じ生徒会でしょ⁉️これ手伝ってぇ~‼️簪ちゃ~ん、本音ちゃ~ん‼️」

 

 

虚「早く始めないと一週間は缶詰めですよ?」

 

 

刀奈「えぇー⁉️」

 

 

虚「大丈夫です。西村先生からご許可はいただいていますので、泊まり込みで仕事して下さいね?」ニコッ

 

 

 

刀奈「誰かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼️」

 

 

 

 

藍越学園高等部生徒会長、更識刀奈の悲鳴をBGMに一夏達中等部組はそれぞれの帰路についた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




刀奈さんは、ポンコツです


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8.5話 腐り目の助っ人

投稿するのも何ヵ月ぶりか。

ブラコン要素少なくて、タイトル詐欺っぽくなっていたのでタイトル変えました。
しかしブラコンは変えてません。


~藍越学園中等部生徒会室~

 

 

生徒会は生徒の要望を叶えるために、生徒達からの意見を聴く。より良い学園生活を送ってもらい、友好を育んでもらうためだ。

生活指導の先生のところに悩み事を相談するよりも生徒会長の一夏のところへ来るのが圧倒的に多いのは、親身になって聞いてくれる一夏の態度と頼りがいのある性格がある。

そして、男女先輩後輩関係なく対等に接してくれることから、

 

 

“悩みがあれば織斑一夏に”

 

 

というのが出来上がっていた。

 

 

 

 

 

 

今日も平和な藍越学園の生徒会。いつも通り生徒会作業を行っていた一夏達中等部生徒会と助っ人が1人。

 

 

一夏「ありがとう八幡。少し作業が遅れてたから助かった。」

 

 

八幡「…あー、まぁ気にすんな…。」

 

 

生徒会作業を手伝ってくれているのは、調理実習の際由比ヶ浜の尊い犠牲となった男子生徒

 

 

“比企谷八幡”

 

目が少し濁っていて猫背、やる気のない姿勢や寝癖を治さない等の身だしなみの悪さから、周りからあまりいい印象を持たれていない“自称ボッチ”。

 

しかし、やる気がないだけで与えられた仕事はきっちりこなし、誰か(特に後輩)が困っているとなにも言わずに助けてくれる事から、後輩達の間ではかなり人気が高く、一夏や裕斗に次ぐ大規模なファンクラブを持っている。

 

※ちなみに、ファンクラブの存在は本人達は知らず、裕斗以外の2人のものは、彼らに縁のあるもの達が立ち上げた非公認なものである。裕斗のみ公式

 

また、自称なだけに意外とボッチではなく、周りには人が多くいる。自身を顧みず犠牲となり、周りや関わりのある人達を守ろうとするため、八幡のことをよく知る人達は少し過保護な時もある。

 

 

八幡「教室でも織斑が生徒会の仕事してるの見てたしな。席が隣だからこのまま続けられたら俺も昼寝出来ねぇし…。」

 

 

なかなか素直に感謝の気持ちを受け取らないのは八幡の悪い癖だが、その事も知られているため“捻デレ”と呼ばれている。

 

 

弾「相変わらず捻くれてるなぁ。素直に感謝の言葉は受け取っとけ。」

 

 

蘭「そうですよ比企谷先輩、実際お兄より役に立ってくれてますし。」

 

 

『うんうん。』

 

 

弾「あれっ⁉️俺ってそんなに評価低い⁉️」

 

 

弾も決して仕事ができない訳ではないが、凡ミスが多く書類訂正をよくやる。今回仕事が遅れてるのは、弾の凡ミス修正が少し原因でもある。

 

 

箒「仕方ないだろ。弾の記入ミスの書類修正で時間が押してしまっているんだから、これくらいの文句は言われて当然だ。」

 

 

弾「返す言葉もございません…。」

 

 

仕事ができるから何度か八幡を生徒会に勧誘しているのだが、

 

 

八幡『働きたくないから嫌だ。』

 

 

と断られている。

 

 

本当は欲しい人材ではあるが、相手が嫌がることを無理強いするのも良くないので“今回は”諦めることにした。

 

 

なんとか首を縦に振ってくれないもんかねぇ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

 

高等部生徒会室

 

 

刀奈「ねぇ虚ちゃん、そろそろ帰らない?」

 

 

虚「ダメです。まだ納期までにやらなければならない書類があるんですから。」

 

 

刀奈「でも、もう4日も家に帰ってないんだけど…」

 

 

虚「私も同じです。そもそも4日も家に帰れなくなるまで仕事を溜め込んだのは何処の誰ですか?」

 

 

刀奈「わ、私です…」

 

 

虚「だったら無駄口叩いてないでさっさと仕事を再開しなさい‼️本当ならお嬢様を置いていって帰ってもいいところをこうして一緒に泊まり込みで手伝っているのですから‼️…一夏君からの差し入れのクッキーがなかったらホントに帰ってましたよ。」

 

 

刀奈「一夏君からの差し入れのクッキー⁉️私貰ってないんだけど⁉️」

 

 

虚「『やるべきことが片付くまで渡さないでください』と言われていますからね。早くしないと本音が嗅ぎ付けてお嬢様の分が失くなってしまいますよ?」

 

 

刀奈「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん‼️(泣)」

 

 

 

 

 

 

更識刀奈・布仏虚、本日4日目の生徒会室泊まり

 

 

 

 

高等部生徒会室扉前

 

 

本音「いっちーのクッキー?いいこと聞いちゃった~♪」

 

 

 

刀奈のクッキー取り分消失

 

 

 

 




明けましておめでとうございます‼️生存報告といいますか、なかなか投稿ができずに止まってしまって申し訳なく思います。

忘れずに読んで頂いてくださると嬉しいです。

この小説でこんな話してほしい‼️
というのがありましたら、是非ともご意見ください‼️


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