倒せ!ヒーローを!!怪獣よ世界を征服せよ!! フュージョン怪獣奇譚!!! (銀色の怪獣)
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第一話 誕生!剛と超の力のフュージョン・ライズ!!

どうも。『ハーメルン』内にて主に"怪獣"が関係した作品を投稿している銀色の怪獣です。

この度、新作の小説を投稿することにしました!!

その内容とは・・・

某『ウルトラマンオーブ』や『ウルトラマンジード』で登場した『フュージョン怪獣』と呼ばれる怪獣たち・・・を"オリジナル"フュージョン怪獣を考え、その怪獣たちがヒーローなどをバッタバタッとなぎ倒していく小説です!!

加えて、この小説では日の目が当たらない怪獣を登場させ「いたねこんなの」とか「こんなのいるんだ~」と読者のみなさまになって欲しい、怪獣たちの知名度アップに役立ったらな、という純粋な「怪獣への愛」で執筆しています。

なので、是非ともこの小説を通して怪獣のことをたくさん知って下さい!!

そんな中、記念すべき一話目は・・・怪獣もですが、ヒーローの方もかなりマニアックです。一話目からこんな感じか・・・

とりあえず、どうぞ!!


―――ガァアアアァァァッ!!―――

 

とある荒野に轟く凄まじい「咆哮」があった。

 

見れば、件の荒野のど真ん中に山の如き巨体を持った生物が、俗に言う「怪獣」が現れ、視線の先にある「街」を、怪獣の大好物(にんげん)が大勢いる場所を目指して直進していた。

 

 

 

もし、怪獣がこのまま進んで街に入れば・・・大惨事は免れないだろう―――と、その時だった。

 

 

 

「お前に恨みは無いが・・・街の人を守るため、お前を倒す!!」

 

 

突然、怪獣の進行方向上に誰かが、一人の青年が現れた。

彼の名は―――『クレナイ ガイ』という、とある超人(・・・・・)"たち"の力を借りることの出来る特別な人物だった。

そんなガイは、迫り来る怪獣をキッと見据えると―

 

「ティガさん!」

 

《ウルトラマンティガ・パワータイプ!》

 

―――タァア!!―――

 

「ダイナさん!」

 

《ウルトラマンダイナ・ストロングタイプ!》

 

―――ダァア!!―――

 

迫り来る怪獣をキッと見据えたガイは、懐から二枚のカード―――「ネオフォロンティア」と呼ばれる世界で戦った、二人の光の巨人(ウルトラマン)の力が宿ったカードと、

 

《フュージョン・アップ!!》

 

―――タァア!!――― ―――ダァア!!―――

 

何かの機械―――カードに宿った光の巨人(ウルトラマン)の「力」を"お借りする"装置・オーブリングを取り出し、二枚のカードをスキャンさせ、そして―

 

『衝撃の剛腕! 退路無用のスーパーヘビーウォーリアー!!』

 

《ウルトラマンオーブ・パワーストロング!!》

 

『光の剛力に敵は無い!!』

 

二枚のカードに宿る光の巨人(ウルトラマン)の力を"お借りした"ガイは凄まじい筋骨隆々の巨人・『ウルトラマンオーブ・パワーストロング』に変身し、膨大な量の土砂を巻き上げながら着地した!!

 

―――ガ、ガァアァ・・・ガァアアアァァァッ!!―――

 

突如として目の前に現れた、凄まじい筋骨隆々の巨人・ウルトラマンオーブ・パワーストロングを目の当たりにした怪獣は一瞬怯んだものの、すぐに挑みかかった―

 

 

 

 

 

「ガルラシウムボンバー!!!」

 

―――ガッ!?ガァアアアァァァッ・・・!!―――

 

―――ドォオオオォォォン!!―――

 

 

怪獣とウルトラマンオーブ・パワーストロングの戦いは呆気なく、そしてあっという間に決着が付いた―――『光の剛力に敵は無い!!』が売りの、ウルトラマンオーブ・パワーストロングの圧勝だった。

 

「これで、街の人々は無事だ。よかった・・・」

 

怪獣を容易く、瞬く間に撃破したウルトラマンオーブ・パワーストロングもといガイ青年はほっとい一息ついた―――その瞬間!!

 

 

―――グオオオオオォォォォ!!―――

 

―――ギィヤオオオォォォ!!―――

 

「!?な、何だ!!?」

 

突如として凄まじい咆哮が辺りに轟いた―――かと思えば、

 

ガイ青年の目の前の地面が突如として吹き飛び、地中から銀色の怪獣が、

 

ガイ青年のすぐ近くの景色が突如として歪んだ後、空中にポッカリと穴が開いて穴の中から金色の怪獣が、

 

合計2体の怪獣がガイ青年の前に現れた―――ばかりか、

 

 

《フュージョン・ライズ!》

 

《剛力怪獣シルバゴン!!》

 

―――グオオオオオォォォォ!!―――

 

《超力怪獣ゴルドラス!!》

 

―――ギィヤオオオォォォ!!―――

 

《剛なる力と超なる力の融合を見るがいい!剛怪超獣アルゴドラゴン!!》

 

―――グギィヤオオオォォォッ!!!―――

 

「なっ!?か、怪獣が・・・合体、いやフュージョンアップしただと!!?」

 

突如として、謎の光が、

 

銀色の怪獣、300万馬力の剛力を誇る剛力無双の最強の大怪獣・剛力怪獣シルバゴン

 

 

金色の怪獣、ジルバゴンの同族ながら、シルバゴンを遙かに上回る"強さ"を誇る大怪獣・超力怪獣ゴルドラス

 

を包み込み、二体を融合させて新たな怪獣を、

 

頭部には天に向かって伸びる2本の角と側頭部に生えた巻き角と後頭部にせり出した2本の角の合計6本の角を持ち、

 

金色に爛々と輝く眼光鋭い瞳のある目を持つ、小顔ながら迫力満点の顔。

 

マッシヴながらも引き締まった肉体と、凄まじく太い剛腕とそれを支える怒り肩、

 

背中には剣山の如き背ビレが生え、その背ビレは棘となって尾の先端まで生えている。

 

そして、見るものの目を奪うであろう、金色と銀色の鱗が見事なコントラストを描く体表、という姿を持った、

 

二体の剛力・超力怪獣が融合(フュージョン・ライズ)した大怪獣

 

「剛怪超獣アルゴドラゴン」

 

が今ここに爆誕した!!

 

 

―――グギィヤオオオォォォッ!!!―――

 

 

そんなアルゴドラゴンは、呆然としているガイ青年もといウルトラマンオーブ・パワーストロングに猛然と向かって来た。

 

「来るか・・・!よし、行くぞっ!!」

 

一方で、一歩踏み出す度に凄まじい地響きと轟音を轟かせ、膨大な量の土砂を巻き上げながら向かってくるアルゴドラゴンに、パワーストロングも凄まじい地響きと轟音を轟かせ、膨大な量の土砂を巻き上げながら猛然と向かって行った。

 

「せいやぁあぁっ!!」

 

まず、先手を取ったのはパワーストロング。

 

パワーストロングはアルゴドラゴンを射程圏内に捉えた瞬間、その剛腕を振り上げてアルゴドラゴンの腹を、胸を、顔を連打した。しかし、

 

―――グギィヤオオオォォォッ!!!―――

 

腹を、胸を、顔をパワーストロングの剛力で、しかも全力で幾度も殴られても全く応えないアルゴドラゴン。それどころか、

 

「うっ!?ぐっ・・・!う、腕が・・・痺れるっ・・・!!」

 

何と、アルゴドラゴンを殴ったパワーストロングの方が痛みを、ダメージを負っていた。

 

殴った方がダメージを受ける・・・この異常な自体であるが、それも当然の事。

 

アルゴドラゴンの元となったシルバゴンの体表は『ロックボディー』と呼ばれる強靱な皮膚で構成されおり、大型ミサイルどころか、光の巨人(ウルトラマン)最強の光線を"喉"に受けても耐えるほどの強靱さを誇る。

 

同時に、同じく元になったゴルドラスの皮膚も『ミナオルズボディー』という、あらゆる合金よりも堅い強固な皮膚を持っている。

 

そんなロックボディー(シルバゴンの皮膚)ミナオルズボディー(ゴルドラスの皮膚)が合わさった体を持つアルゴドラゴンを殴るなど・・・正直言って「愚の骨頂」であった。

 

―――グギィヤオオオォォォッ!!!―――

 

ここで、アルゴドラゴンが動いた。

 

アルゴドラゴンは怯んだパワーストロングに向かってノシノシと歩み寄ると―

 

 

―――グギィヤオオオォォォッ!!!―――

 

―――ゴキッ!!―――

 

「がっ―――はぁあっ・・・!?」

 

パワーストロングに歩み寄ったアルゴドラゴンは、右フックを"一発"だけパワーストロングに打ち込んだ―――たったそれだけで『退路無用のスーパーヘビーウォーリアー』の異名を取るパワーストロングが、巌窟な筋肉の装甲に覆われた体を持つパワーストロングが、膝から崩れ落ちた。

 

だが、アルゴドラゴンは一切容赦しなかった。

 

―――グギィヤオオオォォォッ!!!―――

 

―――ガッ!ゴッ!ドゴッ!バキッ!―――

 

「がっ!?あぁ・・・あっ・・・!!?がはっ!!」

 

アルゴドラゴンは膝から崩れ落ちたパワーストロングの首根っこを鷲掴んで立たせた直後、ただひたすらにパワーストロングを殴り、蹴り、殴り飛ばし、蹴り上げ、徹底的に痛めつけた。そして―

 

―――グギィヤオオオォォォッ!!!―――

 

―――ドォオォンッ!!―――

 

徹底的にパワーストロングを痛めつけたアルゴドラゴンの攻撃の"シメ"は、フラつくパワーストロングのボディー目がけて頭から突っ込み、そのまま首の力で投げ飛ばす投げ技だ―

 

「今だっ!『オルテガハンマー』!!」

 

―――ドゴォオンッ!!―――

 

だが、パワーストロングもやられっぱなしというわけではない。

 

パワーストロングはアルゴドラゴンが頭から突っ込んできた瞬間、無防備になったアルゴドラゴンの頸椎に向かって、組んだ両手を相手の頭上などへ打ち下ろす『オルテガハンマー』を叩き込んだ!!

 

ただでさえ頭部などを殴打するオルテガハンマーは脳震盪などを起こさせる確率が高いが、それを『衝撃の剛腕』の異名も持つパワーストロングがやったら・・・結果は言わずもがなだろう―

 

―――グギィヤオオオォォォッ!!!―――

 

「な、なにぃ―――」

 

パワーストロングのオルテガハンマーはアルゴドラゴンには・・・毛ほども応えていなかった。

 

パワーストロングの剛力でオルテガハンマーを叩き込んだのに。

 

パワーストロングのオルテガハンマーは、アルゴドラゴンの頸椎に叩き込まれたのに。

 

アルゴドラゴンには全く応えていなかったのだ。

 

 

―――グギィヤオオオォォォッ!!!―――

 

「な、なにぃ―――」

 

繰り出したオルテガハンマーが全く応えてない事に衝撃を受けるパワーストロングに対し、アルゴドラゴンはそのまま首の力だけ(・・・・)で、6万トンもの体重を誇るパワーストロングを軽々と持ち上げて数十メートルも投げ飛ばしてた。

 

―――ドォオォンッ!!―――

 

「があっ!?うっ・・・!うぅ、クソッ・・・!!」

 

アルゴドラゴンに投げ飛ばされ、地面に叩き付けられたパワーストロングは叩き付けられた衝撃に加え、6万トンの自重が仇となって相当なダメージを負って、仰向けのまま悶絶していた。

 

―――グギィヤオオオォォォッ!!!―――

 

一方で、地面に仰向けに倒れたまま悶絶するパワーストロングを見たアルゴドラゴンは一吠えした後、トドメを刺すべくパワーストロングに向かって歩み寄ろうとした、その瞬間!!

 

「今だ!はぁあぁっ・・・!!『ガルラシウムボンバー』!!!」

 

それまで仰向けで悶えるばかりだったパワーストロングだが、それは"誘い"だった。

 

パワーストロングはアルゴドラゴンが油断し、射程圏何入るや否やバッと跳ね起きつつ、両手を大きく広げてエネルギーをチャージして赤く輝く光球を、パワーストロング最強の必殺技・『ガルラシウムボンバー』をアルゴドラゴンに向かって放った!!

 

だが、

 

―――グギィヤオオオォォォッ!!―――

 

「なっ!?バリヤー・・・だと!!?」

 

ガルラシウムボンバーがアルゴドラゴンに直撃する刹那、アルゴドラゴンの頭部にある6本の角の内、天に向かって真っ直ぐ伸びる2本の角が発光した。

その瞬間、アルゴドラゴンのすぐ目の前に透明な壁が、特殊なバリアーが展開され、ガルラシウムボンバーを弾いて無効化してしまった。

 

「くっ!とにかく強い上にバリヤーまで使うなんて・・・ん?バリヤー・・・そうだ!!ヤツ(・・)のバリヤーには、ヤツの能力(・・)には欠点があるんだった!!」

 

パワーストロングの使用できる中でも最強の必殺技・ガルラシウムボンバーを無効化されてしまったガイ青年は歯噛みしたが、直後に「ある事」を、アルゴドラゴンの"元"になっているゴルドラスの能力の欠点(・・・・・)を思い出した―――ガイ青年が"力をお借りしている"光の巨人(ウルトラマン)の「ティガさん」がゴルドラスと戦って得た情報を、その「ティガさん」の力を見に宿しているガイ青年は「ティガさん」から情報を得る事が出来た。だからこそ、

 

「はぁあっ・・・!行くぞ!ガルラシウムボンバー!!」

 

アルゴドラゴンの、アルゴドラゴンの"元"になっているゴルドラスの能力の欠点(・・・・・)を突くべく、パワーストロングはアルゴドラゴンに向かって駆け出すと同時にガルラシウムボンバーをチャージし、アルゴドラゴンを射程圏内に捉えるとガルラシウムボンバーを放った―

 

―――グギィヤオオオォォォッ!!―――

 

だが、当然のようにガルラシウムボンバーはアルゴドラゴンが出したバリヤーに弾かれた―――その瞬間!!

 

「今だっ!ガルラシウムボンバー!!」

 

―――ドォオオォンッ!!―――

 

確かに1発目の(・・・・)ガルラシウムボンバーはアルゴドラゴンのバリヤーに防がれた・・・が、パワーストロングはバリヤーが消え失せた瞬間、即座に2発目のガルラシウムボンバーをアルゴドラゴンに、アルゴドラゴンの頭部にある「角」を狙って打ち込んだ―――すると、今度は見事にガルラシウムボンバーは炸裂したのだ。先程はバリヤーの防がれたのに何故?

 

実は、アルゴドラゴンの元になったゴルドラスが繰り出すバリヤーを始めとした"超能力"は「繰り出した直後のコンマ三秒の間(・・・・・)のみ力が弱まる」という欠点がある。

加えて、その超能力はゴルドラスの頭部にある角から出る―

 

そう、パワーストロングがアルゴドラゴンに一発目のガルラシウムボンバーを防がれた直後、もう一発のガルラシウムボンバーを打ち込んだら防がれなかった、否、アルゴドラゴンは防ぐことが(・・・・・・)出来なかった(・・・・・)のは、ゴルドラスの「繰り出した直後のコンマ三秒の間(・・・・・)のみ力が弱まる」という欠点に起因していたのだ。

 

加えて、パワーストロングがアルゴドラゴンの頭部にガルラシウムボンバーを撃ち込んだのも、厄介なバリヤーを始めとした超能力の源である「角」を無くすためだった―――アルゴドラゴンの頭部には、ゴルドラスの2本の角と、シルバゴンの4本の角が合わさった計6本の角が生えているので

 

「どの角を折っていいから分からなかった」

 

ために、とりあえず頭部を狙ったというのもあるが・・・

 

 

「やったか・・・?」

 

見事に能力の欠点を突き、パワーストロングはアルゴドラゴンの頭部にガルラシウムボンバーを撃ち込み、撃ち込まれたアルゴドラゴンの頭部は爆炎に包まれていた。

そして、その爆炎が晴れた時、そこには―

 

―――グギィヤオオオォォォッ!!―――

 

「なっ!?そ、そんな・・・角が折れていない・・・だとっ!!?」

 

爆炎が晴れた瞬間、パワーストロングは驚愕した。

 

何故なら―――凄まじい破壊力を持つガルラシウムボンバーを頭部に、顔面にモロに受けたアルゴドラゴンは・・・角を含めて全くの無傷だったのだ。

 

だが、アルゴドラゴンはバリヤーを使っていない、というか使えなかった(・・・・・)のに・・・そう、驚くべき事に、アルゴドラゴンは肉体の頑丈さ(・・・・・・)そのもの(・・・・)"のみ"で、ガルラシウムボンバーを無効化してしまったのだ。

 

だが、それも当然の事。

アルゴドラゴンの元になっているシルバゴンとゴルドラスの内、シルバゴンは並み居る強敵の攻撃や、必殺技の光線などを無効化してしまうロックボディーを持っており、そのロックボディーの性質はアルゴドラゴンにも、アルゴドラゴンの全身に受け継がれている。

だから角が折れることも無く、頭部に必殺技を受けてもアルゴドラゴンは平然としていたのだ。

 

―――グギィヤオオオォォォッ!!―――

 

―――バチンッ!!―――

 

「ぐぁああぁっ!!?」

 

呆然とするパワーストロングに対し、アルゴドラゴンが攻撃を再開した。

 

アルゴドラゴンは大股でパワーストロングに歩み寄ると、その場で半回転しつつ、その長く、強靱な極太の尾を叩き付けた。

その際、アルゴドラゴンはただ尾を叩き付けるのでは無く、尾に生えた鋭い無数の棘を勢いよく叩き付けた―――たださえ鋭い棘を勢いよく叩き付けたことで、巌窟な筋肉の装甲に覆われたパワーストロングの肉体に深い切り傷が幾本も刻まれた。更に、

 

―――グギィヤオオオォォォッ!!―――

 

―――バチッ・・・バリバリバリッ!!―――

 

「ぐぁああぁっ!?か、体が・・・痺れる・・・!!」

 

尚も尾でパワーストロングを打ち据えまくるアルゴドラゴン。

その際、アルゴドラゴンは頭部の角を、ゴルドラス由来の超能力で発生させた電撃を尾に纏わせ、尾の打撃に加えて電撃による電気ショックの二段構えの攻撃をパワーストロングに叩き込んでいた。

 

「ぐぁああぁっ!?か、体が・・・痺れる・・・!!」

 

ただでさえ体中に深い切り傷を負った所への電撃攻撃は相当に応えるものだった。

 

結果、強靱な肉体が自慢のパワーストロングは防戦一方となり、おまけに幾度も浴びせられる電撃に感電してしまったために身動きが取れなくなっていた。

 

そうこうしている内に、パワーストロングの胸にあるカラータイマーが、肉体の限界を告げる"サイン"が点滅し始めた。そう、パワーストロングに活動時間の限界が近付いているのだ。

 

―――グギィヤオオオォォォッ!!―――

 

―――ドォンッ!!―――

 

「がぁあぁっ!?ク、クソッ・・・!!」

 

だが、アルゴドラゴンは一切攻撃の手を緩めない。

 

このままでは・・・パワーストロングは確実に"敗れて"しまうだろう―――

 

しかし、

 

「俺は・・・俺は!諦めない!!うぉおおおぉぉぉっ!!!」

 

それまで、防戦一方だったパワーストロングはアルゴドラゴンの尾を両手で弾くと同時に、前転してその場から離脱し、限界が近い肉体に鞭打って立ち上がり、改めてアルゴドラゴンと対峙した。

 

―――グギィヤオオオォォォッ・・・!!―――

 

一方のアルゴドラゴンであるが、今の今までやられっぱなしだったパワーストロングが思わぬ行動に、ボロボロになりながらも「俺はまだ戦えるぞ!!」という姿勢を示した事に感心するかのような動作を見せていた。

 

「行くぞ!怪獣!!」

 

全身傷だらけで、カラータイマーが点滅していて、もはや立っているだけでもやっとなのに、それでも目の前にいる怪獣に勇ましく挑みかかるパワーストロングもといガイ青年。

 

―――グギィヤオオオォォォッ・・・―――

 

対するアルゴドラゴンも、向かってくるパワーストロングをキッと見据えると両手を構えた。まるで、ガイ青年の意思をくみ取って迎え撃つかのように―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、

 

―――グギィヤオオオォォォッ!!―――

 

「!?な、何だコレは!?景色が歪んで―――う、うわぁあああぁぁぁっ!!?」

 

突然、アルゴドラゴンが吠えた。

 

その瞬間、パワーストロングの周囲の景色が歪んだ―――かと思えば、その"歪み"は瞬く間にパワーストロングを呑み込み、そのまま・・・消し去って(・・・・・・)しまった(・・・・)

 

そして、辺りには静寂が広がっていた・・・

 

 

 

何が起きたのかと言えば、実はアルゴドラゴンもといアルゴドラゴンの元になっているゴルドラスには「時間や空間をねじ曲げる力」がある。

 

その力は凄まじく、遙かな時を超えて物体や生命を移動させるのは朝飯前だが、もしも普通の生物が時空の歪みに吞まれれば即死する程だ。

 

しかし、その能力も"超人"たるウルトラマンには効かない・・・"普通ならば"だが。

 

そう、今アルゴドラゴンの前で時空の歪みに吞まれてしまったパワーストロングは心身ともに相当に消耗し、活動時間の限界が近付いていた。

 

だから、パワーストロングは超人(ウルトラマン)なのに時空の歪みに吞まれ、消えてしまったのだ。

 

 

―――グギィヤオオオォォォッ・・・―――

 

 

パワーストロングが跡形もなく消え去った後、アルゴドラゴンがまるでため息を漏らすように鳴いた・・・実は、本当にアルゴドラゴンはため息を吐いたのだ。

 

何故か?

 

そもそも、このアルゴドラゴンの元になっているシルバゴンにしてもゴルドラスにしても、とにかく戦いを生きがいにする「戦闘狂」な怪獣なのだ。

 

加えて、ゴルドラスは『常に自分より強い相手としか戦うことを考えていない』と称されるほどに強い相手と戦う事を好むと同時に、強者との戦いに餓えている。

 

そんな中で出会ったあの巨人(ウルトラマン)、ウルトラマンオーブ・パワーストロングはアルゴドラゴンの戦闘欲を、闘争本能を満たして―――はくれなかった。

 

確かにパワーストロングは強い・・・強いだが、それでもアルゴドラゴンの実力には及ばなかった。

 

だからアルゴドラゴンはパワーストロングに「失望」していた。

 

だが、それでもパワーストロングは勇敢に、諦めずにアルゴドラゴンへ幾度も挑みかかった。

 

その事はアルゴドラゴンも「感心」はした―――が、やはりアルゴドラゴンが求めるのは己の戦闘欲を、闘争本能を満たしてくれる"強者"のみ・・・残念ながら、パワーストロングはアルゴドラゴンのお眼鏡にかなわなかったのだ。

 

だから、アルゴドラゴンはパワーストロングを時空の歪みの中に消し去ってしまったのだ。

 

 

―――グギィヤオオオォォォッ・・・―――

 

"ここにも満足できる戦いが出来る相手はいなかった"

 

 

今のアルゴドラゴンの吠え声を訳すならばこうだろう。

 

そんなアルゴドラゴンは、視界の端に映る人間の街をチラッと見こそしたが「どうでもいい」と言わんばかりに背を向け、何処かへと去って行ってしまったのだった。

 

 

 

アルゴドラゴンが求めるのは強者のみ。

 

アルゴドラゴンが求めるのは己の戦闘意欲を満たす強者のみ。

 

果たして、この世界の何処かにアルゴドラゴンのお眼鏡にかなう"強さ"を持った者はいるのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

~合体怪獣解説~

 

・剛力怪獣シルバゴン+超力怪獣 ゴルドラス(フュージョン・ライズ)剛怪超獣 アルゴドラゴン

 

・スペック ・身長80m  体重7万8千トン 

 

・データ:『ウルトラマンティガ』に登場した「剛力怪獣シルバゴン」と「超力怪獣ゴルドラス」がフュージョン・ライズして誕生した融合怪獣。

ただでさえ「最強の戦力を持つ」と謳われつつ、必殺技が何も無い=肉弾戦のみで「最強」なシルバゴンと、そのシルバゴンの同族にして「シルバゴンの数十倍の戦闘能力を持つ」と言われるゴルドラスの合体のため、凄まじく強い。加えて、同族同士が合体しているので拒絶反応などが全くなく、互いの欠点を補い合っている(後述)。

また、シルバゴンの欠点「視力が弱い」もゴルドラスが融合したために克服されている・・・どころか、むしろ「動いているもの"だけは"敏感に捉える」というシルバゴンの能力が強まり、どんなに素早く動く相手の動きも捉える・・・どころか、透明化した相手でも「空気の歪み・光の屈折」などで何処にいるかを察知できてしまうほどになっている。

非常に好戦的で「目の前で動くものには何でも襲いかかる」シルバゴンの凶暴さと、「自分より強い相手を倒すことのみを考えている」という"設定"のゴルドラスの戦闘狂さが融合しているのでものすごく戦いに餓えている・・・一方で非常に知能が高いため、対戦相手が「自分にとって満足できる戦いが出来ない相手」だと判断すると途端にやる気を無くす一面もある。

 

 

容姿:顔、体ともにベースはゴルドラス・・・ながらも、シルバゴンの筋肉がついているのでかなりゴリマッチョ。

主に体の前半分(腹部)がゴルドラス=金色、残りの半分(背中側)がシルバゴン、という感じ。ちなみに、指の本数はシルバゴンと同じく5本。

 

頭部には天に向かって伸びる2本の角(ゴルドラスの)と側頭部に生えた巻き角と後頭部にせり出した2本の角(シルバゴンの)の合計6本の角がある。

 

金色に爛々と輝く眼光鋭い瞳のある目を持つ、小顔ながら迫力満点の顔。

 

マッシヴながらも引き締まった肉体と、凄まじく太い剛腕とそれを支える怒り肩。

 

背中には剣山の如き背ビレが生え、その背ビレは棘となって尾の先端まで生えている。

 

 

容姿のイメージは「王道の怪獣・怪獣らしく背ビレがある」です。

 

 

必殺技:同族同士が合体したのと「合体怪獣」なので、元々もっていた能力が凄まじく強くなっている。

・シルバゴン由来の「グレートマッスル」とゴルドラス由来の「キングマッスル」が融合した「ドラゴンマッスル」が生み出す凄まじいまでの超パワーを用いた肉弾戦技。

・ゴルドラス由来の電撃を用いた技の数々、触れてきたor触れた相手に電撃を流し込んで感電させる、相手に電撃を放つ、時には自らの筋肉に電撃を流して筋力を増幅させることも可能。

・シルバゴン由来の背中から尾の先端まで生えた鋭い棘を使い、特に長くしなる尾に生えた棘を、まるで刃物のように振るって相手の体を切り裂く、あるいは背ビレで相手の体を切り裂くなども可能。

・ゴルドラス由来の「時空や空間をねじ曲げる能力」が強化された事で、対象を時空の歪みに吞ませて消し去ってしまう。

・必殺技・・・とは違うが、ゴルドラス由来の「超能力のバリヤー」も健在で、特殊・物理構わずに弾いてしまう。

ただし「バリヤーが出た直後のコンマ3秒は無防備になる」もそのまま・・・だが、ウルトラマンティガ最強の技・ゼペリオン光線に耐え抜いたシルバゴンが融合したことで、バリヤーが使えなくても"肉体そのものの頑丈さ"で相手の攻撃に耐え抜いてしまう。

ぶっちゃけ、バリヤーは「保険」程度(バリヤーで一度攻撃を受け、「これぐらいなら平気」と判断したらバリヤーを使わず、攻撃を受けながら突っ込んでくる)である。

※シルバゴン由来の防御力の高さはアルゴドラゴンの全身にくまなく行き渡っており、角ですらも頑丈になっている。

 

 

肩書きの由来:「剛怪」とは「豪快」をもじったもの&シルバゴンの肩書き「『剛』力『怪』獣」と、ゴルドラスの肩書き「『超』力怪『獣』」を組み合わせた。

※「超獣」と言っても、某ヤプールとは関係ない。むしろ「骨翼超獣 バジリス」や「暗黒超魔獣 デモンゾーア」みたいな「全てを超えた獣」=「超獣」のネーミングに近い。

 

名前の由来:『銀(シルバー)』のラテン語『argentum(『アル』ゲントゥム)』と『金=『ゴ』ールド』を組み合わせ、そこに「ゴル『ドラ』ス」と「シルバ『ゴン』」を組み合わせた。

加えて、合体怪獣には「キメラ」や「キマイラ」「~ベロス」などの「合成獣」由来の名前はいるものの、同じく複数の動物の部位を持つ「ドラゴン」がいまだにいないので、そういう意味でも「ドラゴン」という名前。

 

 

合体元解説

 

・剛力怪獣シルバゴン:『ウルトラマンティガ』の26話『虹の怪獣魔境』に登場した怪獣。非常に凶暴で、目の前で動くものには何でも襲いかかる。その一方で、かなりお茶目で知能が高い。

特にコレと言った武器は無いが、ウルトラマンティガでも壊せなかった怪獣のバリヤーを"素手"で、しかも"平手打ち"でたたき割る馬鹿力が武器。あと、ウルトラマンティガ最強の必殺技・ゼペリオン光線を"喉"という「生物の弱点」であり「皮膚が最も薄い部分」に喰らっても死なない脅威の耐久力・防御力の高さを誇る。

そのため、怪獣図鑑などでも「ティガが戦った中でも最強の戦力を誇る」と堂々と書かれている。

だが、唯一の欠点として「動いているもの意外が見えない」という致命的な弱点がある・・・おそらく、彼の目はカエルと同じ構造(カエルも動いているものにしかピントが合わない)か、「肉弾戦しか出来ない」ために他の怪獣との戦いの中で「網膜剥離」を患っているのではないかと推測される(網膜剥離はプロボクサー、プロレスラーのような"戦う職業"か"顔面を殴られる職業"に多く、患うと目のピントが合わなくなる)。

 

・超力怪獣ゴルドラス:『ウルトラマンティガ』の36話『時を超えた微笑(ほほえ)み』に登場した怪獣。

上記のシルバゴンの同族・・・ながら「シルバゴンの数十倍の戦闘能力を持つ」と怪獣図鑑でも言われている・・・が、基本的に自分が作りだした『時空界』と呼ばれる場所から出ず、ティガとの戦闘も逃げ腰である。

加えて「自分より強い相手とのみ戦うことを考えている」と称される『バトルブレイン』なる脳を持っているが・・・やはり、逃げ腰。

その理由は、持っている能力の強さ、『シルバゴンの数十倍の戦闘力を持つ』と言われる恵まれたスペックなどがある、なによりも非常に知能が高いために「無駄な戦いを避ける事の利点」を知っているため・・・と思われる。多分・・・




如何でしたか?

今回はシルバゴンとゴルドラスの合体怪獣「アルゴドラゴン」に加えて、まさかのウルトラマンオーブ・パワーストロングが登場・・・

いやね、パワーストロングのインパクト(主に見た目)は是非ともその目で確かめて下さい。驚きます・・・


とりあえず、こんな感じでこの小説は投稿します。で、その内に活動報告にて『合体怪獣案募集』とかの欄を作りたいです。

感想とかに書いちゃうと、契約違反で運営様に消されるのでご注意を・・・せっかくのアイデアが勿体ないことになりますので。

よければ、今後もよろしくお願い致します。


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第二話 爆誕!奇怪な蟲たちの融合獣!!

お待たせしました!二話目です。

今回は・・・ヒーローが完全に敗(ま)けます。完膚なきまでに敗けます。
なので、そのヒーローが好きな方には大変申し訳ありません・・・ですが、今回登場する融合怪獣の相手はそのヒーローしか務まらない、そのヒーローしかいないんですよ!だって・・・

で、今回登場する融合怪獣は

『「円谷らしい」怪獣=ウルトラシリーズにいる「沖縄の要素」』

が入った合体怪獣が出ます。

以下、沖縄要素のある怪獣の一例↓

・チブル星人(沖縄語でチブル=頭)、
・ヤナカーギー(沖縄語でヤナカーギー=もの凄いブス)
・ギガール星人チュラサ(沖縄語でチュラサ=もの凄い美人)
・グクルシーサー(沖縄語でグクル=心)&シーサー

一体、どんなヤツでしょうか?

では、どうぞ!!


―――キキュウゥ!キキュウゥ!!―――

 

―――カキィイイイィィィッ!!―――

 

―――シキュイイィ!シキュイイィ!!―――

 

「う、うわぁああぁっ!?か、怪獣だーーーっ!!?」

 

突如として辺り一帯に響き渡る巨大生物、俗に言う「怪獣」の咆哮。

 

見れば、何処かの大都市の近くに怪獣が出現していた・・・しかも、一度に三匹も。

 

 

―――キキュウゥ!キキュウゥ!!―――

 

一体目は、遙か5000年前に伝説の街・バラージの町を襲って壊滅的な被害をもたらしたという「磁力怪獣 アントラー」が、

 

―――カキィイイイィィィッ!!―――

 

二体目は、伝説の巨人(ウルトラマン)のあらゆる攻撃を小細工など無しに、その身一つで防ぎきったという「光熱怪獣 キーラ」が、

 

―――シキュイイィ!シキュイイィ!!―――

 

三体目は、凄まじく堅い(わん)(こう)であらゆる攻撃を防ぎ、近い未来を見通すという予知能力を持つ「変異昆虫 シルドロン」が、

 

という三匹の怪獣が突如として大都市の近くに現れて咆哮を上げつつ、大都市に向かって進撃を開始した。

 

このままでは街は壊滅、そこにいる人々の命も危ない―――と、その時だった!!

 

「「ウルトラ・ターーーッチ!!」」

 

『デュワーーーッ!!!』

 

突然、怪獣たちの目の前で眩くも力強い光が瞬き、それと同時に何者かが、怪獣たちに匹敵する大きさを誇る巨人(ウルトラマン)が現れた。

 

―――キキュウゥ!キキュウゥ!?―――

 

―――カキィイイイィィィッ!?―――

 

―――シキュイイィ!シキュイイィ!?―――

 

「あっ!来てくてよ!!ウルトラマンエースがっ!!!」

 

『デュワッ!!』

 

突如として現れた巨人(ウルトラマン)を前にした怪獣たちは怯んだが、怪獣たちの前に立ちはだかった巨人(ウルトラマン)の姿を見た街の人々はその巨人(ウルトラマン)の名を、大勢いるウルトラ戦士の中でも"エース"の名を冠する戦士の、ウルトラマンA(エース)の名を口々に叫び、声援を送り始めた。

 

―――キキュウゥ!キキュウゥ!!―――

 

―――カキィイイイィィィッ!!―――

 

―――シキュイイィ!シキュイイィ!!―――

 

一方で、突如として現れたウルトラマンエースに、怪獣(じぶん)たちの天敵・ウルトラマンを目の当たりにした三匹の怪獣は後ずさり、明らかに警戒を示していた。

 

『兄さんたちから聞いていたからアントラーとキーラは知っているが・・・あの腕の太い虫の怪獣は見た事も無いぞ。一体、どんな能力を持っているんだ?』

 

勇ましく登場し、大都市を目指す三体の怪獣の目の前に立ちはだかったウルトラマンエースは構えつつ、三体もいる怪獣のことを、特に全く見た事も聞いた事も無いシルドロンの事をよく観察していた。

 

「見知らぬ相手はよく観察し、その特徴や弱点を見極めよ」

 

という、彼の"兄弟"たちの教えによって――――が、

 

『・・・だが、いつまでも見ているわけにはいかない!手早く倒して街を、大勢の人々を守る!!それが最優先だ!!』

 

と言いながら、勢いよく三体の怪獣に向かって行くウルトラマンエース。確かに、戦うために登場しておきながら、相手を観察するだけではラチがあかないのは事実なのだから。

 

『うぉおおおおおぉぉぉぉっ!いくぞ、メタリウムこうせ―――』

 

勢いよく駆け出し、怪獣に向かって直進するウルトラマンエースは怪獣を射程圏内に捉えた瞬間、彼の必殺技を放って怪獣を殲滅しようとした、その瞬間!!

 

―――キキュウゥ!キキュウゥ!!―――

 

―――カキィイイイィィィッ!!―――

 

―――シキュイイィ!シキュイイィ!!―――

 

『!?な、何だ!?怪獣たちが・・・手を挙げた(・・・・・)!!?』

 

此方に向かってくるウルトラマンエースに対し、それまで一カ所に固まって警戒したまま動かなかった怪獣が動いた・・・のだが、何故かキーラ・アントラー・シルドロンはそれぞれ片腕を天高く掲げたのだ。

それを見たウルトラマンエースは思わず立ち止まった。何故なら、怪獣たちの動作はまるで「ちょっと待って!」とでも言ってるかのようにも見えたからだ―――否、違った。

 

―――キキュウゥ!キキュウゥ!!―――

 

―――カキィイイイィィィッ!!―――

 

―――シキュイイィ!シキュイイィ!!―――

 

『!?こ、今度は・・・手を合わせている・・・?一体、何をしているんだ―――』

 

再び、怪獣たちに動きがあった。

何と、怪獣たちは挙げていた腕を・・・合わせた(タッチした)のだ。その瞬間―

 

《フュージョン・ライズ!》

 

《磁力怪獣 アントラー!!》

 

―――キキュウゥ!キキュウゥ!!―――

 

《光熱怪獣 キーラ!!》

 

―――カキィイイイィィィッ!!―――

 

《変異昆虫 シルドロン!!》

 

―――シキュイイィ!シキュイイィ!!―――

 

《羽蟲の王よ!その姿を見せよ!! 》

 

《モンスター・タッチ!変異光力怪蟲獣・ヤンバルキャラブ!!》

 

―――シカキィキュイイイィィィッ!!―――

 

突如として、謎の光が腕を合わせて(タッチして)いたアントラー・キーラ・シルドロンを包み込み、三体を融合させて新たな怪獣を、

 

左右に飛び出た、触角の先についている爛々と輝く複眼で構成された目を持ち。

 

頭頂部には点滅する水晶体が浮き上がり、口の両脇には短いながらも鋭利な大顎を生やし。

 

上腕の部分には巨大な盾の如き腕甲を備えつつ、内側にズラッと刃物のような棘が無数に生えた極太の腕を持ち。

 

ドッシリとした太鼓腹と、重量感溢れる全身を支えるために太くなった脚、その足の先は二股になっている。

 

そして、全身を棘だらけの群青色の強固な外骨格で覆った刺々しい巨大昆虫の如き姿を持つ、

 

三体の怪獣が融合した

 

「変異光力怪蟲獣 ヤンバルキャラブ」がここに爆誕した!!

 

 

『そ、そんな・・・まさか!?こんな事が・・・』

 

当然、目の前で起きた怪獣の合体はウルトラマンエースを大いに驚かせていたが、何よりもウルトラマンエースが驚いていたのは、

 

『か、怪獣が・・・ウルトラ・タッチして合体した!!?』

 

そう言って、思わず自分の両手を凝視するウルトラマンエース。

 

そもそも、このウルトラマンエースというウルトラ戦士は、それぞれの体にウルトラマンエースの「力」を宿しつつ、その「力の証」を持つ"二人の勇者"が合体して変身するという、特異な変身方法を行う。

その際、件の"二人の勇者"は互いが持つ「力の証」である「ウルトラリング」なる物をはめた手を合わせる(タッチする)『ウルトラ・タッチ』という動作を行う必要がある。

 

そんな中、その『ウルトラ・タッチ』と酷似した動作を三体の怪獣が行い、ウルトラマンエースその人の目の前で合体した・・・これには驚いて当然だろう。

 

とはいえ、怪獣たちが『ウルトラ・タッチ』をやっても『"ウルトラ"・タッチ』にはならない・・・だって怪獣だから。

 

なので、さながら『モンスター・タッチ』とでも言うべきだろうか?

 

―――シカキィキュイイイィィィッ!!―――

 

それはさておき、三体の怪獣が合体して爆誕した怪獣「変異光力怪蟲獣 ヤンバルキャラブ」は先程までの警戒心丸出しの様子はどこへやら、けたたましい咆哮を上げながらウルトラマンエースに向かって来た。

 

『三匹いた怪獣が一匹にまとまったんだ!むしろ好都合だ!!行くぞっ!!!』

 

対するウルトラマンエースは先の『モンスター・タッチ』に気を取られて呆然としていたが、向かってくるヤンバルキャラブのけたたましい咆哮と、ヤンバルキャラブが地面を蹴る度に上がる轟音でハッと我に返るとそのまま駆け出し―

 

『エースブレード!!』

 

向かってくるヤンバルキャラブに向かって行くウルトラマンエースは、そのまま一気に加速してヤンバルキャラブの懐に飛び込みつつ、懐に飛び込んだ瞬間に空中から剣を、エースの必殺武器『エースブレード』を取り出し、エすれ違いざまにヤンバルキャラブの首をエースブレードで刎ねて―

 

―――パキィイイィィンッ!!―――

 

―――シカキィキュイイイィィィッ!!―――

 

『!?なっ―――エースブードが・・・折れたっ!!?』

 

ウルトラマンエースのエースブレードがヤンバルキャラブの首を刎ねることは無かった―――どころか、エースブレードはヤンバルキャラブの外甲のあまりの強度と、ウルトラマンエースがすれ違いざまにヤンバルキャラブの首を覆う外甲に叩き付けた衝撃に耐えきれずに折れてしまった。

 

一方で、一撃で巨大怪獣の首を刎ねる鋭さを持つエースブレードを、そのエースブレードで思いっきり斬り付けられたヤンバルキャラブの首を覆う外甲には、せいぜい"引っかき傷"・・・どころか"よく見ないと分からないほどの薄い線"が付いていただけだった。何という頑丈さだろうか。

 

『だったら・・・受けてみろ!マルチギロチン!!』

 

自慢のエースブレードが折れてしまったことにショックを受けつつも、即座にウルトラマンエースは次の攻撃に出た。

ウルトラマンエースは体にエネルギーを溜めると、次の瞬間には頭部と両手先、みぞおちの辺りから十字型の光のナイフ・『マルチギロチン』を次々に、しかもてんでバラバラの位置から飛ばした。

どうやら「多方向」から「数で」攻撃する手段に出たようだ。だが、

 

―――ピコン・・・ピコン!ピコンピコン!!―――

 

―――シカキィキュイイイィィィッ!!―――

 

―――カキンッ!キンッ!キンッ!キンッ!―――

 

『なっ!?マルチギロチンを手で全て防いだ―――』

 

多方向から、無数に迫るマルチギロンがヤンバルキャラブの体に当たる刹那、突如としてヤンバルキャラブの頭頂部にある水晶体が激しく点滅した。

するとどうだろうか、何と、まるでマルチギロチンが"どの位置"から"どう当たるのか"が分かっているかのように、ヤンバルキャラブは腕にある盾のような腕甲を動かしてマルチギロチンを全て弾いてしまった―――ばかりか、

 

―――ザンッ!!―――

 

『がっ!?あぁあっ・・・!しまった・・・!!』

 

ヤンバルキャラブはウルトラマンエースのマルチギロチンを防ぐだけではなく、無数に放たれたマルチギロチンの内の一発を、マルチギロチンが腕甲に当たった瞬間に腕を動かし、そのままマルチギロチンを放ったウルトラマンエース本人に向かって撃ち返したのだ!!

 

当然、突然飛んできたマルチギロチンに、まさか弾いたマルチギロチンで攻撃されるなど夢にも思っていなかったウルトラマンエースはモロにマルチギロチンを浴び、マルチギロチンはエースの右肩に深々と刺さっていた。

 

―――シカキィキュイイイィィィッ!!―――

 

自分の技に自分が傷付けられる、という情けない有様を晒すウルトラマンエースを前にしたヤンバルキャラブは、あからさまに喜ぶような動作を、ケタケタと笑っているかのように鳴き声を上げつつ、天を仰いでいた―――その実は「ある恐ろしい事」をするための準備だった。

 

『おのれっ・・・!だが、今ので分かったぞ!!お前の防御の(・・・)欠点(・・)が!!』

 

肩に刺さっていたマルチギロチンは消え去ったものの、マルチギロチン刺さった事でウルトラマンエースの右腕の機能は著しく低下した。

だが、その中でもウルトラマンエースは冷静に、それでいて確実にヤンバルキャラブの事を観察していた。だからこそ、ヤンバルキャラブが見せた「鉄壁の防御」の"欠点"を見抜いた。なので、

 

『はぁああぁぁっ・・・!受けてみろ!!バーチカルギロチン!!!』

 

ウルトラマンエースは動かしにくくなった右手を鞭打って動かし、ウルトラマンエースが持つ中でもかなりの大技を、膨大なエネルギーで生み出した巨大なエネルギーの刃を撃ち出して相手を唐竹割りの真っ二つに切り裂く『バーチカルギロチン』を放った!!

 

―――ピコン・・・ピコン!ピコンピコン!!―――

 

―――シカキィキュイイイィィィッ!!―――

 

当然、ウルトラマンエースが放ったバーチカルギロチンをヤンバルキャラブが律儀に受ける訳もなく、ヤンバルキャラブは素早く左右の腕甲をピッタリと合わせ、合わせた腕甲で頭部や腹部を覆うような動作を見せた―

 

『無駄だ!お前の腕の盾はただ合わせただけで真ん中に隙間がある!!私のバーチカルギロチンはその隙間を通ってお前を斬る―――』

 

ヤンバルキャラブが腕甲でガードを決めた瞬間、ウルトラマンエースが叫んだ。

 

そう、ウルトラマンエースが発見した「鉄壁の防御」の"欠点"こそ、元々は左右別々の腕に付いている腕甲は合わせても"完璧"にくっつく(・・・・)わけではない(・・・・・)点だ

それはつまり、合わせた左右の腕甲は一見すれば巨大な盾のようになっているが、その実は合わせた左右の腕甲は「真ん中に隙間がある」のだ。

だから、ウルトラマンエースはその「真ん中の隙間」を通り抜けるように、相手を唐竹割りの縦一文字(・・・・)に斬ってしまうバーチカルギロチンを選んだのだ―――だが、

 

―――ガッキィイイィィンッ!!―――

 

―――シカキィキュイイイィィィッ!!―――

 

『!?なん・・・だと!?バーチカルギロチンが効いてない・・・!!?』

 

確かにバーチカルギロチンはヤンバルキャラブの腕甲の真ん中の隙間を通り抜け、ヤンバルキャラブの顔面に、胸に、腹部に、と当たった・・・当たっただが、バーチカルギロチンがヤンバルキャラブの体を一刀両断する事は無かった。

どころか、エース必殺のバーチカルギロチンを真正面から受けてもなお、ヤンバルキャラブの体を覆う外骨格には"薄い線"が付いただけだった・・・何という強度を誇る外骨格であろうか。

 

―――シカキィキュイイイィィィッ!!―――

 

―――ドォンッ!!―――

 

『うがぁっ!?』

 

ここで、ヤンバルキャラブが反撃に出た。

ヤンバルキャラブは大股でウルトラマンエースに歩み寄ると、自慢の腕甲が付いた極太の腕でウルトラマンエースを殴り、極太の脚でウルトラマンエースを蹴り上げ、といった具合にいたぶり始めた―

 

『今だ!フラッシュハンド!!』

 

だが、ウルトラマンエースはされるがままでは無かった。

ウルトラマンエースはヤンバルキャラブが至近距離まで近付き、調子に乗って自分をいたぶり始めた瞬間、動かせる左手にエネルギーを溜めつつ、その左手をヤンバルキャラブの"肩口"に叩き付けた。

その瞬間、ウルトラマンエースの左手から凄まじいエネルギーが放たれ、エース必殺の切断技『フラッシュハンド』がゼロ距離でヤンバルキャラブの肩口に、肩の"関節部分に"炸裂した。

 

(どんなに堅い外骨格を持っていても、関節部分から軟らかいはずだ。ましてや、肩口から切り落とせばかなり戦力が低下するハズだ!!)

 

ヤンバルキャラブの肩口に、肩の"関節部分"にフラッシュハンドを当てたウルトラマンエースは心の中で呟いた。

 

そう、ウルトラマンエースはヤンバルキャラブの、生物の体でも一番柔軟で、同時に"軟らかい"部位である「関節」を狙ったのだ。

事実、確かにヤンバルキャラブの関節部分は軟らかい。何故なら、関節部分まで外骨格で覆ったら・・・動かせなくなるからだ。だから、確かにウルトラマンエースの目論見は正しかった―――理論上は。

 

―――ガッキィイイィィンッ!!―――

 

―――シカキィキュイイイィィィッ!!―――

 

『なっ―――そ、そんなバカなっ!?コイツは関節まで硬いのか!!?』

 

ウルトラマンエースのフラッシュハンドは確かにヤンバルキャラブの肩の関節に叩き込まれた・・・だが、フラッシュハンドがヤンバルキャラブの肩口を、腕を切り落とす事は叶っていなかった―――ヤンバルキャラブの体は、全ての部位が異常なほどに硬いのだ。

何故なら、ヤンバルキャラブの「元」になっている怪獣は恐ろしいほどに硬い体を持つ―――そんな硬い体を持つ怪獣が、二体もヤンバルキャラブには合体している。だから、ヤンバルキャラブの全身が硬いのは「当たり前」なのだ。

 

と、ここで―

 

―――シカキィキュイイイィィィッ!!―――

 

―――ブシュッ!!―――

 

『うわっ!?な、何だこの液体はっ!?まさか毒か酸か!!?』

 

突然、ヤンバルキャラブが緑色の液体をウルトラマンエースに向かって吐き出し、ウルトラマンエースはその緑色の液体をモロに浴びてしまった。

 

「怪獣が何か液体を吐き出して浴びせてくる」という行為は基本的に攻撃であり、しかもだいたいは毒や酸だ。だからウルトラマンエースは慌てていたのだが、

 

『な、何だ・・・?溶けもしないし、爆発もしない?それに・・・具合が悪くなったりもしないぞ?これは毒や酸じゃないのか?』

 

ヤンバルキャラブの吐いた緑色の液体をモロに浴びたウルトラマンエースであったが、その体に異変が起きることは全く無かった。

 

そう、実はあの緑色の液体は毒や酸ではない。ないだが、その実毒や酸などとは比較にならない「とんでもない代物」なのだ―

 

『どうやら、私も覚悟を決めねばならないようだな・・・行くぞ怪獣!私の最強にして、最後の技を受けてみろ!!くらえ!ギロチンショット―――』

 

ウルトラマンエースはヤンバルキャラブの謎な行動の意味を確かめたかったが、額にあるウルトラスターというエネルギー源が点滅し始めた・・・活動時間の限界が近いと悟ったため、自身の持てる最大の必殺技『ギロチンショット』を放つためにエネルギーをスパークさせ始めた、その瞬間!!

 

―――ドォオオオォォォンッ!!―――

 

『う、うわぁあぁっーーー!?な・・・何だ・・・!?何が・・・起きたのだ・・・!!?』

 

突然、エースの頭部で、腕で、胸で爆発が起きた。結果、ウルトラマンエースは大ダメージを負って倒れてしまった。

 

『まさか・・・怪獣が攻撃を―――いや、ヤツは何もしていない・・・むしろ、私がひとりでに爆発したような―――』

 

一瞬、ウルトラマンエースはギロチンショットの溜め動作中にヤンバルキャラブが攻撃してきたのかと思ったが、

ヤンバルキャラブが攻撃したわけではない。

 

むしろ、ウルトラマンエースが"ひとりでに爆発した"のだ・・・一体、何故?

 

『待てよ・・・そうだ!確か・・・私がギロチンショットの・・・準備のためにスパークを起こしたら・・・爆発したんだ!・・・それも、まるで何かに引火したかのように・・・!!そして・・・私はヤツから緑色の液体を・・・かけられた・・・!!きっと・・・あの液体に原因があるんだ・・・!!』

 

不意に、ウルトラマンエースは爆発が起きた際の事を、その前にヤンバルキャラブからされた事を思い出し、仮説を立てた―――それは全て当たっていた。

 

そう、あの時ヤンバルキャラブがウルトラマンエースに吐きかけた液体こそ、ウルトラマンエースがギロチンショットの準備動作の際に発生させたスパークに"引火した"原因であり、爆発を起こした原因だった。

あの緑色の液体は『高純度エネルギー』と呼ばれる特殊な液体であり、凄まじいエネルギーを秘めた液体である物の、同時に凄まじいエネルギーを秘めているからこそ引火しやすく、オマケに引火したら大爆発を起こす危険な代物なのだ。

 

―――シカキィキュイイイィィィッ!!―――

 

そして、その性質や危険性をヤンバルキャラブは熟知している。だからこそ、ヤンバルキャラブは相手に高純度エネルギーを吐きかけ、相手が自らの炎や電撃などで引火して爆発を起こし、自爆するように仕向けるのだ。何という策士であろうか。

 

『と・・・透視光線・・・!!』

 

―――シカキィキュイイイィィィッ?―――

 

不意に、ウルトラマンエースが両目から光線をヤンバルキャラブの腹部に照射した。

だが、光線が当たってもヤンバルキャラブには何の影響もなかった。故に、ヤンバルキャラブは不思議そうに首を傾げた。一方で、

 

『な、何だコレは・・・!?ヤ、ヤツの体内には・・・あの緑色の液体が凄まじい量で詰まっている・・・!こんなの爆発させたら・・・辺り一帯、何もかもが消し飛んでしまう・・・!!」

 

件の光線を、その実は当てた物体の内部や怪獣の体内を透視して見ることの出来る『透視光線』でヤンバルキャラブの体内を見たウルトラマンエースは思わず声を上げた。

何故なら、ヤンバルキャラブの腹部にある何かの袋のような器官には高純度エネルギーがなみなみと詰まっていたからだった・・・たった少しの量で、たった少しのスパークでウルトラマンに大ダメージを負わせるような爆発を起こす高純度エネルギーが、50m以上あるヤンバルキャラブの腹部の大半を占めるような袋に詰まっている量の高純度エネルギーに引火でもしたら・・・辺り一帯は全て吹き飛び、何も残らない焼け野原になるだろう。

 

そのことを知ったウルトラマンエースは思わず身震いした・・・知らなかったとはいえ、その危険な高純度エネルギーをなみなみと体内に保有するヤンバルキャラブに攻撃しまくっていたのだから。

しかも、引火しそうな技もバンバン使っていた・・・これで身震いしない方がおかしいだろう。

 

―――シカキィキュイイイィィィッ!!―――

 

『な、何だ―――えっ・・・?』

 

突然、ヤンバルキャラブが吠えた。

その声につられ、倒れていたウルトラマンエースが顔を上げた―――その上げた顔の真ん前に、ヤンバルキャラブの両腕()があった・・・だが、ヤンバルキャラブの体はウルトラマンエースが倒れている場所から50mは離れている所にある―

 

『ヤツの腕が・・・伸びた―――』

 

ウルトラマンエースは、なぜ自分の顔の真ん前にヤンバルキャラブの両腕があるか悟った。

 

そう、ウルトラマンエースの言う通り、ヤンバルキャラブの腕が伸びたのだ・・・より正確に言えば、ヤンバルキャラブは普段は腕を"折り畳んで"おり、必要に応じてその折り畳んでいる腕を展開する。

 

そして、その腕の長さは脅威の50mを誇る・・・片腕で50mもあるのだ。

 

加えて、その伸ばされた腕の内側には鋭利な棘が無数に生えており、腕の長さと無数の鋭利な棘が相まって、まるで"ギロチン"の様である―

 

―――シカキィキュイイイィィィッ!!―――

 

―――ザンッ!!―――

 

『あっ―――』

 

ヤンバルキャラブは、伸ばしていた腕を倒れているウルトラマンエースの首に振り下ろした。

 

それに伴って"何か"が切り落とされた(・・・・・)ような音(・・・・)と、その直後には"何か"が転がる(・・・)ような音(・・・・・)が聞こえた。

 

その代わり、何故かウルトラマンエースの声は一切しなくなった。

 

「ひ、ひぃいいぃぃっ!?ウ、ウルトラマンエースが・・・首を・・・」

 

「い、いやぁああぁぁっ!?首が!首がぁああぁぁっ!!?」

 

「ままー!ウルトラマンエースはどうなったのー?」

 

「み、見ちゃいけません!絶対に見ちゃダメ!!」

 

それまでずっとウルトラマンエースとヤンバルキャラブの戦いを見守っていた街の人々が一斉に悲鳴を上げ、特に子供がいる親たちは必死になって子供たちの目を覆っていた・・・目の前で起きた"惨劇"を子供たちに見せないようにするために。と、その時だった。

 

―――ゴゴゴ・・・ゴゴゴゴ・・・ゴゴゴゴゴゴゴッ!!!―――

 

「な、何だこの音!!?」

 

「何か・・・落ちてきてる?」

 

「あっ!?アレは何!!?」

 

「はっ?何が?どこだよ?」

 

「あ、あそこ!()に何かが―――」

 

不意に、何か音が聞こえ始めた。その音はまるで、何か巨大なものが落ちてきているかのような音だった―――そう、その通りなのだ。

 

―――ドォオオオォォォン!!―――

 

「う、うわぁあああぁぁぁっ!?な、何だーーーっ!!?」

 

「い、隕石だーーーっ!!?」

 

突然、辺り一体を凄まじい衝撃と爆風が襲った。

その原因は・・・突如として宇宙(てん)より降ってきた隕石だった。

 

―――ドォオオオォォォン!!―――

―――ドォオオオォォォン!!―――

―――ドォオオオォォォン!!―――

―――ドォオオオォォォン!!―――

 

それも、一つや二つでは無く無数にだ。

 

「に、逃げろー!隕石に潰されて死ぬぞーーーっ!!」

 

「どこに逃げればいいんだよーーーっ!!?」

 

「た、助けて!誰か、助けて―――」

 

―――ドォオオオォォォン!!―――

 

突如として雨の如く、無数に降ってきた隕石群によって大都市は一瞬で壊滅し、そこにいた人々も、大都市の近くで物言わぬ姿となったウルトラマンエースだったもの(・・・・)は隕石群によって姿を消した。

 

しかし、一体なぜ突如として隕石が降ってきたのだろうか?そもそも、なぜ隕石はこの辺り一帯だけに降ってきたのだろうか?

 

―――シカキィキュイイイィィィッ!!―――

 

その原因こそ無数に降ってくる隕石を、何故かまるで前もってどこに落下するのか予知しているかのように難なく避けているヤンバルキャラブだった。

 

実は、ヤンバルキャラブもといヤンバルキャラブは合体元である「磁力怪獣 アントラー」が持つ「万物を引き寄せる磁力を出せる」という能力を強化して宿しており、その力の凄まじさは宇宙に浮かぶ隕石すら引き寄せてしまう―――そう、突如として隕石が降ってきたのはヤンバルキャラブが引き寄せたからだったのだ。

 

"まだ生きていた"ウルトラマンエースと戦っていた時に、ヤンバルキャラブが見せたケタケタと笑っているかのように鳴き声を上げつつ、天を仰いでいた動作こそ、体から出す凄まじい磁力を使って隕石を引き寄せて降らせる技「メテオ・クライシス」の予備動作だったのだ。

 

―――シカキィキュイイイィィィッ!!―――

 

相変わらず無数に降ってくる隕石を、何故かまるで前もってどこに落下するのか予知しているかのように難なく避けているヤンバルキャラブは嬉しそうに咆哮を上げていた―――あのウルトラマンエース"だったもの"が転がっていた場所をチラ見しながら。

 

―――シカキィキュイイイィィィッ!!―――

 

そんなヤンバルキャラブの咆哮は嬉しそうであったが、同時にどこか「やりとげた感」でいっぱいだった―――その咆哮は、今まで数多の怪獣の頭部や首に手足を切断してきたウルトラマンエース、に屠られた怪獣(どうし)たちへの鎮魂の意だったのかもしれない。

 

 

「ギロチン王子」の異名を取るウルトラマンエースが、ヤンバルキャラブの鋭利な棘が無数に生えたギロチンの如き腕に抱かれて敗れるなど・・・ある種の「皮肉」でしかなかいだろう。

 

 

 

~合体怪獣解説~

 

・磁力怪獣アントラー+光熱怪獣キーラ+変異昆虫シルドロン(フュージョン・ライズ)変異光力怪蟲獣・ヤンバルキャラブ

 

 

スペック:身長55m 体重4万4千トン

 

データ:『ウルトラマン』に登場した「磁力怪獣アントラー」と「光熱怪獣キーラ」と『ウルトラマンダイナ』に登場した「変異昆虫シルドロン」の三体がモンスター・タッチもといフュージョン・ライズして誕生した融合怪獣。

とにかく頑丈な外骨格を誇る(ウルトラマンのスペシウム光線を"外骨格の堅さのみ"で耐えた)アントラーに、同じくとにかく頑丈な外骨格を誇る(ウルトラマンのスペシウム光線や八つ裂き光輪を"外骨格の堅さのみ"で耐えた)キーラが合体しているので、とにかく防御力が高い。

それに加えて『ウルトラマンダイナ』の防衛チームのスーパーGUTSの戦闘機・ガッツイーグルのレーザー攻撃を完全に防ぎ、ウルトラマンダイナの光線技も無効化する強度を誇る腕甲を持つシルドロンが合体しているので、特に腕甲が一番防御が高く、あらゆる攻撃を弾く(全身も異常に硬いが、特に腕甲が硬い)。そのため、ヤンバルキャラブは積極的に腕甲を盾にしている。

加えて、アントラーの弱点「バラージの石」も、キーラとシルドロンが入っているので意味が無くなっている。

また、シルドロンが持つ「予知能力」も健在で、相手の攻撃・・・だけではなく、相手の"行動すら"予知出来るレベルになっている。

そんなヤンバルキャラブの最大の特徴にして、最大の武器こそ片手だけで50mものリーチを誇る腕である。この腕の内側には鋭利な刃物のような棘がビッシリ生えており、その棘つきの腕で相手の腕や頭をギロチンの如く刎ねてしまう。

同時に、普段は腕は"折り畳んでいる"―――腕の関節が10mごとに一個、何と5個の関節を持つため、腕は自在に折り畳める・自在に動かせる・自在に伸ばせる。

また、左右に飛び出た目は視野が広く、真横や真後ろも見えるので死角は無く、不意打ちなどに強い。

 

 

容姿:ベースはシルドロンで、左右に飛び出た、触角の先についている爛々と輝く複眼で構成された目がある。

 

頭頂部にはシルドロンの点滅する水晶体が浮き上がり、口の両脇には短いながらも鋭利な大顎→元はアントラーの大顎が「メスのクワガタ」みたいな感じでシルドロンの口の両脇に生えている感じ。

 

上腕の部分には巨大な盾の如き腕甲を備えつつ、内側にズラッと刃物のような棘が無数に生えた極太の腕を持つ→腕の先にある"手"はキーラの腕と同じく「物が掴める指が生えている」

 

ドッシリとした太鼓腹と、重量感溢れる全身を支えるために太くなった脚、その足の先は二股になっている。

 

そして、全身を棘だらけの群青色の強固な外骨格で覆った刺々しい巨大昆虫の如き姿→体の色はアントラーの青みがかった外骨格にキーラの薄茶色の外骨格の色を混ぜた感じ。また、全身にキーラの棘が生えている。

 

容姿のイメージは後述の「ヤンバルテナガコガネ」です。

 

 

必殺技:各怪獣の能力・必殺技が使える&強化されている。

 

・アントラーの持つ磁力により、精密機械を狂わせる、磁力光線で相手の光線などを分散&無効化させる、磁力光線そのものを放つ、相手を自分の方へ引き寄せる、宇宙に浮かぶ隕石を磁力で引き寄せて降らせる「メテオ・クライシス」が使える(このメテオ・クライシスはゲーム作品でアントラーが使ってた技)。

 

・キーラが目から放つ「至近距離では爆発を起こし、機械の回路をも焼き切る」という「フラッシュ光線」は目から・・・だけではなく、頭部の水晶体からも放てる。この際、頭部の水晶体はよく点滅するので「ただ単に点滅しているだけ」なのか「フラッシュ光線の予備動作」なのか相手には分からず、一種の揺さぶりをかけられる。

 

・シルドロンが持つ予知能力により相手の攻撃を先読みし、その予知能力が強まっているために「相手の行動」すら先読みしてしまう。

 

・片腕だけで50mものリーチを誇り、無数の棘が生えたまるでギロチンの如き腕を振るって相手の手足や首を刎ねてしまう。

 

・武器・・・とは少し違うが、ヤンバルキャラブの体内には『高純度エネルギー貯蔵ぶくろ』という器官があり、そこに高純度エネルギーを貯蔵している。

この体内の高純度エネルギーは、

 

・活動エネルギーになっている→高純度エネルギーの効果により、凄まじいスタミナを生み出す。

・相手に吐きかける→高純度エネルギーの引火・爆発性により、相手が少しでも電気や火花を起こすと高純度エネルギーに引火して相手は自滅or大怪我を負う。

・相手は高純度エネルギーの恐ろしさを知る→そんなのを大量に体内に貯蔵しているため、相手は下手に攻撃できなくなる"自己防衛"&"精神的揺さぶり"をかけられる

 

という、三つの使い方が出来る優れ物である。

 

 

 

肩書きの由来:ただ単に三体の肩書きを混ぜただけ・・・一応『怪獣』ではなく『怪蟲獣』としたのは三体とも蟲っぽい見た目だから(シルドロンは完全に虫だが・・・)

 

名前の由来:実は名前もだが容姿も、我が国・日本の沖縄の『山原(やんばる)』の森のみに生息する「ヤンバルテナガコガネ」という、天然記念物にして日本最大の甲虫(コガネムシ)がモデル。

 

ヤンバル→やんばる・山原

 

キャラブ→コガネムシの英語『scasrab・スキャラブ』=キャラブ

 

ヤンバル+キャラブ=ヤンバルキャラブ(ヤンバル(テナガ)コガネ)という、まんまヤンバルテナガコガネです。

 

事実、このヤンバルテナガコガネは外敵と戦う際はその長い腕(とその内側にある棘)を使って相手を投げ飛ばす、相手に棘を叩き付けて傷を負わせる、みたいなことをします。

 

つまり、ヤンバルキャラブは「ヤンバルテナガコガネの怪獣」って感じです。

 

 

合体元解説

 

・磁力怪獣 アントラー:『ウルトラマン』の第7話『バラージの青い石』。勘違いされやすいが、あくまで宇宙から来た歴とした宇宙怪獣である。5000年ぐらい前にも地球に来た個体がいたらしく、ソイツは作中の伝説の街・バラージで暴れ回っていたが、『ノアの神』というウルトラマンに似た神様が倒した。

主に砂漠などに巣を作り、持ち前の強力な磁力で空飛ぶ飛行機などを引き寄せて人間を食べる(怪獣図鑑に食べ物・飛行機と書かれているが、正確には「飛行機の人間」)。

元祖『ウルトラマンのスペシウム光線を完全に耐えた』怪獣であり、しかも『体の頑丈さのみで耐えた』というスゴいヤツ・・・なのだが『バラージの石』という石をぶつけられただけで全身から火花を吹いて死ぬ謎の弱点がある。

 

・光熱怪獣 キーラ:『ウルトラマン』の第38話『宇宙船救助命令』に登場。『Q星』という惑星に生息する宇宙怪獣で、Q星に送り込まれた科学特捜隊の観測機を破壊し、それの回収に来た科学特捜隊を襲うが、現れたウルトラマンと戦う。その際、ウルトラマンの各種必殺技を「体の頑丈さ」だけで無効化する、パワーとフラッシュ光線のみでウルトラマンを完膚なきまでに叩きのめす、など隠れた強豪怪獣でソフビ化もされている・・・が、次話(39話の)"宇宙恐竜"の影に隠れがちな不憫な子・・・その宇宙恐竜は端っから「対ウルトラマン用」だったが、キーラは「素で」ウルトラマンを圧倒しているからキーラの方がスゴい―――まぁ、キーラはウルトラマンのウルトラ念力で倒され、宇宙恐竜は人間に爆弾一発でやられてるから何とも言えないが。

 

・変異昆虫 シルドロン:『ウルトラマンダイナ』の第5話『ウイニングショット』に登場。何かの昆虫が突然変異して生まれた怪獣。高純度エネルギーという液体エネルギーを常食としている。

非常に硬い腕甲&特殊な「予知能力」を持っており、その予知能力で相手の攻撃を先読みしつつ、腕甲で弾く。ただし、腹だけは軟らかい。

また、とある島でクローンとして蘇っていた・・・が、それは「ある怪獣のトレーニング用の相手(しかも定期的な)」であり、アッサリ殺されていた・・・「定期的」ということは、数え切れない数のシルドロンのクローンが殺されまくっているという事なのか?

ちなみに、コイツのデザインと動きは特技監督が「可愛くしてね」という注文で作られている・・・そのため、劇中でも首を傾げる、エサが無くなると拗ねる、エサが入っているパイプの中を覗き込む、等々の「可愛い行動」が多い。

 




如何でしたか?

前書きで言った

『「円谷らしい」怪獣=ウルトラシリーズにいる「沖縄の要素」』が入った合体怪獣

とは、沖縄県の天然記念物・ヤンバルテナガコガネの要素を盛り込んだヤンバルキャラブでした。

「いや、沖縄の動物って言えばイリオモテヤマネコとかヤンバルクイナ、ハブだろう」

という意見もあるでしょうが、あえてヤンバルテナガコガネを、

"知ってる人は知ってるけど、一般的な認知度は高くない"

生物を選びました。

だって、有名な動物選んだって意味が無い=知ってもらわないと意味が無いんですよ。1人でも多くの人が知ることで保護などに繋がるんですよ・・・

「有名どころの怪獣しか出さない」今の円谷プロに埋もれている

「"知ってる人は知ってるけど、一般的な認知度は高くない"怪獣を1人でも多くの人に知って欲しい」という僕の思いと同じです。

で、ウルトラマンエースをボコボコにしてスミマセン。エースファンの皆さん、本当にスミマセン。

ですが、やはりヤンバルキャラブの相手はエースしかしないんですよ。

だって、あの"ギロチン王子"がギロチン技で倒される・・・こんな"皮肉な展開"は他に無い・・・とりあえず、申し訳ありません。

※この小説はヒーローや強い怪獣が合体怪獣に倒される小説です。
何「一度でいいから怪獣に天下を取らせてやりたい」という思いだけで書います。
その辺りを、どうかご了承下さい。



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第三話 禍々しき融合!遺恨を遺す獣!!

お待たせしました、三話目です!!

今回は・・・何と、怪獣が負けます。

「コレ、ヒーローが負けて怪獣が勝つ作品だろ?」

という、至極真っ当なツッコミがあるでしょうが・・・だからこそ

「負けてもタダじゃ終わらない融合怪獣」がでます。


さてさて、どんな怪獣が出るのか?


では、どうぞ~


「あぁ、喉が渇いた・・・水のもうっと」

 

「さて、お洗濯お洗濯っと」

 

「ふぅ、汗かいちゃったわ・・・シャワー浴びようかしら」

 

「さて、カレーを作るか。水は1000ccだよね」

 

という声と共に人々は求めているものを、さも当たり前のように手に入る"清潔な"「水」を求めて人々は行動し、蛇口のハンドルを捻るなりレバーを上げ下げした―

 

「「「「!?く、くさいっ!?水がもの凄いくさいっ!!?」」」」

 

「何だコレ!?洗ってない雑巾みたいな臭いがする!!」

 

「婆ちゃんの家の裏庭にいたシマヘビとかアオダイショウみたいな臭いがする!!」

 

「洗ってない柔道着を詰め込んだカバン開けた時の臭いがする!!」

 

「掃除してないザリガニの水槽の臭いがする!!」

 

喉を潤すため、手や体を洗うため、料理をするため、等々の理由で水を求め、待望の水が蛇口から出た瞬間―――人々は悲鳴を上げた。

何故なら、蛇口から出て来た水が異様な臭いを放っていたからだった。その臭いのヒドさは誰もが例外なく悶絶するほどであった。そして、この突如として水が臭くなる現象は日本各地で同時多発的に起こり始めた。

 

「調査の結果、水質には何の異常もありません。ですので、生活用水に使用したり飲んでも大丈夫です―――」

 

突如として水が臭くなるという異常事態を前に、水道局などは早速調査に乗り出した。

結果、驚くべき事に雑菌や汚染物質などの検出は認められず、水質そのものには何の異常も無い、本当に安全で安心なレベルの水であったのだ・・・ただし、臭いだけはどうしても治まらなかった。

なので、水道局などは水を飲んだりしても大丈夫と公表したが―

 

「ふざけんな!こんな臭い水が飲めるか!!」

 

「こんな臭い水で洗濯や料理が出来るわけないでしょう!!」

 

「こんな臭い水のシャワーとか浴びたら、体が臭くなるだけじゃないのよ!!」

 

という、至極真っ当というか「贅沢な」クレームが一般市民から水道局などに大量に寄せられた。

 

確かに、あの異常な臭いの水を利用するのは無理というか何というかだ―――だが、外国には病原菌が多量に水中に漂っていたり、動物の糞が流れ込むような川の水をそのまま利用せざる(・・・・・)を得ない(・・・・)地域の人々がいたりする・・・つまり、今回の事案は清潔な水が"当たり前だと思っている"日本人の、清潔な水に"慣れすぎた"日本人の「贅沢さ」が招いた事案でもあるのだ。

 

それにしても・・・一体、どうして急に水が臭くなったのだろうか? 一体、その原因とは?

 

 

 

 

 

―――マガジャパッパッパッ・・・!!―――

 

とある野山の奥地にある湖の一帯に響く、カエルともアヒルとも付かない謎の鳴き声―――ただし、その声の大きさはカエルやアヒルなど比較に大きさであった。

それもそのハズ、その声の主は・・・凄まじく巨大な体を持つ生物、俗に言う「怪獣」だったからだ。

 

―――マガジャパッパッパッ・・・!!―――

 

そんな怪獣であるが、大まかな容姿は金色のタツノオトシゴに手足を生やし、頭部には赤い結晶が存在し、そしてタコの吸盤のような物が体中にあるという非常に珍奇な姿をしていた。ただし・・・意外と顔は、特に目が可愛かった。と、ここで―

 

―――ガッ?マガジャパッパッパッ・・・?―――

 

不意に、タツノオトシゴのような怪獣がいる湖の湖畔にハーモニカの音が響き、その音につられたタツノオトシゴのような怪獣が音のする方を見れば、そこにはハーモニカの発生源が、ハーモニカを手にした一人の青年が立っていた。

 

「やはり、魔王獣マガジャッパか・・・大自然を風呂代わりか―――オイ、お前っ!ちゃんと掛け湯してから入れっ!マナー違反もいいところだぞっ!!!」

 

そんな青年はハーモニカを懐にしまいつつ、突如として激高しながらタツノオトシゴのような怪獣に指を突き付けながら怒鳴った。

その際、青年はタツノオトシゴのような怪獣の名を口にした―

 

「水ノ魔王獣 マガジャッパ」

 

と。

 

そう、この怪獣こそ日本各地で起きた「水が臭くなる現象」の犯人にして、『存在するだけで地球環境に大きな影響を及ぼす』という厄介な性質を持つ『魔王獣』という種族に属する「水ノ魔王獣 マガジャッパ」だったのだ。

 

そんなマガジャッパは「水ノ魔王獣」の肩書きの通り、生命には欠かせない水に悪影響を与える何とも厄介で迷惑な存在なのだ。

だからこそ、その厄介なマガジャッパを倒すべくあの青年「クレナイ・ガイ」は立ち上がったのだ―――"諸先輩方"の力をお借りして。

 

「ウルトラマンさん!」

 

《ウルトラマン!》

 

―――シュワッ!!―――

 

「ティガさん!」

 

《ウルトラマンティガ!》

 

―――タァア!!―――

 

「 光の力、おかりします!」

 

水を汚し、大勢の人々を苦しめるマガジャッパをキッと見据えたガイは、懐から二枚のカード―――二人の光の巨人(ウルトラマン)の力が宿ったカードと、

 

《フュージョン・アップ!!》

 

―――シュワッ!!――― ―――タァア!!――― 

 

何かの機械―――カードに宿った光の巨(人ウルトラマン)の「力」を"お借りする"装置・オーブリングを取り出し、二枚のカードをスキャンさせ、そして―

 

《ウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオン!!》

 

『俺の名はオーブ。闇を照らして悪を撃つ!」』

 

二枚のカードに宿る光の巨人(ウルトラマン)の力を"お借りした"ガイは、二人の光の巨人(ウルトラマン)の「力」と「匠意」を宿した巨人・『ウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオン』に変身した!!

 

―――マガジャパッパッパッ・・・!!―――

 

一方で、突如として目の前に現れた怪獣(じぶん)たちの天敵、ウルトオーブ・スペシウムゼペリオンを前にしたマガジャッパは思わず後退った―――その瞬間!!

 

―――バキッ・・・バキバキバキッ!!―――

 

―――セーデ・・・ガァン!!―――

 

『!?な、何だコイツ(・・・)は!!?』

 

突然、湖の近くの森の木々が揺れた、かと思えば、その森の中から木々をなぎ倒しながら「何か」が、マガジャッパには及ばない大きさであるが、それでも20mもの巨体を誇る一頭の怪獣が現れた。

そんな怪獣であるが、体はくすんだ茶色、異様に出た太鼓腹、蛇腹状になった背中、ネズミのような尻尾、まるで人間のような構造をした手足、そして・・・まるで『お茶〇水博士』みたいに垂れ下がった巨大な鼻を持った奇怪な姿をしていた。

 

―――セーデ・・・ガァン!!―――

 

―――マガジャパッパッパッ・・・!!―――

 

そんな怪獣であるが、もの凄い勢いで森から出てくるとそのままマガジャッパの元に駆け寄りつつ、ウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンに向き直って睨みを効かせた。

一方のマガジャッパも、謎の怪獣の姿を見て喜びつつも、謎の怪獣と共にウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンに向き直って睨みを効かせた。

 

『何だ?コイツら仲間か―――なるほど、マガジャッパを助けに来たのか』

 

突如として現れた謎の怪獣に一瞬ひるみ、動きを止めたウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンであったが、二頭の仲のよさそうな様子を見て悟った。

 

「マガジャッパとあの怪獣は仲間で、その仲間を助けに来たのだ」

 

と。

 

そして、その通りだった―――同時に、この二頭は仲間などという単純な関係(・・・・・)では無い(・・・・)のだ。何故なら―

 

―――マガジャパッパッパッ・・・!!―――

 

―――セーデ・・・ガァン!!―――

 

『んっ?何だ―――』

 

怪獣(じぶん)たちの天敵であるウルトラマンに立ち向かおうとする二体の怪獣が肩を並べ、目の前のウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンをキッと睨んだ瞬間―

 

《フュージョン・ライズ!》

 

《水ノ魔王獣マガジャッパ!!》

 

―――マガジャパッパッパッ・・・!!―――

 

《悪臭怪獣 セーデガン!!》

 

―――セーデ・・・ガァン!!―――

 

《芳しき香りで魅せよ!その脅威を!!()(じゃ)(こう)(じゅう) スカトリジン!!》

 

―――ゼガッパッパッパッパ・・・!!―――

 

「なっ!?か、怪獣が・・・合体、いやフュージョンアップしただと!!?」

 

突如として、天から降り注いだ謎の光が、

 

『存在するだけで地球環境に大きな影響を及ぼす』という厄介な性質を持つ『魔王獣』の中でも、生命には欠かせない水に悪影響を与える魔王獣・水ノ魔王獣マガジャッパ

 

 

毒ガスにも匹敵する"悪臭"を放ち、体からは未知の成分を含んだ粘液を分泌する謎の怪獣・悪臭セーデガン

 

を包み込み、二体を融合させて新たな怪獣を、

 

ほとんどマガジャッパそのままの容姿だが、マガジャッパの頭部にある嘴がセーデガンの垂れた鼻になり、

 

マガジャッパの手足がセーデガンのまるで人間のような手足になり

 

セーデガンの背中にある蛇腹模様が背中に浮き出て

 

体の色は茶色&粘液でテカっていて、さながら「生きたタコ」みたいな体表&体色になっている

 

二体の悪臭を放つ怪獣が融合(フュージョン・ライズ)した大怪獣

 

 

()(じゃ)(こう)(じゅう) スカトリジン》

 

 

が今ここに爆誕した!!

 

 

―――ゼガッパッパッパッパ・・・!!―――

 

そんなスカトリジンは、呆然としているガイ青年もといウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンに猛然と向かって来た。

 

「来るか・・・!よし、行くぞっ!!」

 

一方で、ハッと我に返ったウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンもスカトリジンに猛然と向かって行ったのだが―

 

『!?く、く・・・臭いっ!!うがっ・・・ぐあぁ・・・む、無理だっ!!近付けたモンじゃないっ!!!』

 

スカトリジンに近付いた・・・"スカトリジンの10m手前"にウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンが近付いたその瞬間、ウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンの鼻に、目に、肌に、スカトリジンの体臭が"突き刺さった"のだ―――「におい」が突き刺さるはずも無い・・・突き刺さったと錯覚するほどに強烈なのだ、スカトリジンの「(にお)い」は。

 

『お、おえぇっ・・・!うげぇ・・・』

 

あまりに強烈なスカトリジンの体臭に悶絶し、嘔吐(えず)くウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンはその場に崩れ落ちた。

 

―――ゼガッパッパッパッパ・・・!!―――

 

―――ガッ!!―――

 

『うおっ!?は、放せ―――って、があぁっ!?臭い臭い臭い臭いっ!!!』

 

 

だが、それはスカトリジンからすれば好都合この上ない。

スカトリジンはそのままウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンに肉薄し、ウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンの首根っこを"起用に"掴んで無理矢理立たせつつ、そのままウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンに抱き付くと―

 

―――ゼガッパッパッパッパ・・・!!―――

 

―――ヌチャッ!ベチャッ!グチャッ!ベチョッ!ビチャッ!ヌチャァ・・・―――

 

『どぅわぁ!?や、止めろぉ!気持ち悪い―――ぐぉあぁ!?臭い!気持ち悪い!臭い気持ち臭い気持ち悪い悪い臭い気持ち悪いっ!!!』

 

ウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンに抱き付いたスカトリジンは・・・その『お茶〇水博士』の如く大きく、垂れた鼻をウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオン鼻をに顔面にこでれもかと押し付けた。

そんなスカトリジンの鼻の表面からは凄まじい量の粘液が分泌されている―――現在、ウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンの顔面はスカトリジンの鼻の表面から分泌される粘液まみれであり、ウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンは凄まじい不快感を覚えていた。

加えて、件の粘液はスカトリジンと同じ悪臭を放っている・・・顔面のへの不快感と、治まることの無い悪臭のコンボを前に、流石のウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンもされるがままだった。と、ここで―

 

『んっ?何だ、この匂い(・・)は・・・?まるで、上質な麝香(じゃこう)のような(かぐ)しい香りが―――』

 

不意に、ただひたすらにスカトリジンの悪臭に悶絶していたウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンの鼻に、とても甘く、そしてとても蠱惑的な香りが広がった。

それはまるで、上質な麝香(じゃこう)の如き上品な匂い―

 

『って、ぐぁああぁっ!?く、臭い!急に臭くなった・・・って、またいい匂いが―――って、やっぱり臭い・・・いや、またいい匂いが―――って、また臭い!?な、何がどうなっているんだ!!?』

 

突如として匂ってきた謎の香りに心を奪われかけていたウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンであったが、再び漂ってきたスカトリジンの悪臭でハッと我に返った―――次の瞬間にはまたあのいい匂いが漂った、かと思えばまた悪臭が、かと思えばいい匂いがした、次の瞬間には悪臭が、といった具合でいい匂いと悪臭のループがウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンループを苦しめていた。

 

―――ゼガッパッパッパッパ・・・!!―――

 

ただひたすらに悶絶し、何も出来ずに自分にされるがままのウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンを見下ろすスカトリジンは笑っているかのような動作を見せた。

それもそのハズ、今ウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンを苦しめているいい匂いと悪臭のループはスカトリジンが、スカトリジンの「粘液」に秘密があったのだ。

 

実はスカトリジンの鼻から分泌される粘液はスカトリジン本体と同じく悪臭を放つ・・・が、時間が経つと途端に芳醇で魅惑的な"匂い"を放つようになるのだ。

 

―――ヌチャッ!ベチャッ!グチャッ!ベチョッ!ビチャッ!ヌチャァ・・・―――

 

『がぁあぁっ!?も、もう止めてくれ・・・!!』

 

だが、スカトリジンはその悪臭にもいい匂いにもなる粘液を、分泌されたそばから絶えず相手に塗りつける。

すると、まだ悪臭を放つ状態の粘液と、すでにいい匂いを放つようになった粘液がごちゃ混ぜになってしまう。結果、粘液を塗りつけられた相手は悪臭といい匂いの終わること無いループに巻き込まれてしまうのだ。

 

―――ゼガッパッパッパッパ・・・!!―――

 

当然スカトリジンはその事を理解しているからこそ、粘液を積極的に相手に塗りつけるのだ。何という策士であろうか―

 

『ううぅ・・・ち、調子に乗るなぁ!!』

 

―――ゴッ!!―――

 

―――ゼガッパッパッパッパ・・・!?―――

 

だが、ウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンだっていつまでもやられっぱなしではない。

ウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンは気力を振り絞ったのか、はたまた鼻が麻痺したからもう気にならなくなったのかは分からないが、調子に乗っていたスカトリジンの鼻に、顔面に強烈な頭突きを一発お見舞いした。

 

結果、ウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンに抱き付いたままだったスカトリジンはモロに頭突きを受け、驚いてウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンを解放してしまった。

 

『輪切りに、タツノオトシゴのお造りにしてやる!スペリオン光輪!!』

 

スカトリジンの熱く、執拗な抱擁から解放されたウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンは両手からエネルギーで出来た光の輪を、当たれば怪獣の巨体をスパスパ切り裂く『スペリオン光輪』をひっくり返ったままのスカトリジンに向かって放ったが―

 

―――キンッ!カンカンカンカンッ!!―――

 

『なっ!?スペリオン光輪が弾かれた!?アイツ、意外と硬いじゃないか!!』

 

確かにスペリオン光輪はスカトリジンに全て当たった・・・当たったがだ、スペリオン光輪はスカトリジンの体表を覆う鱗状の外皮に、マガジャッパ由来の外皮に弾かれてしまった。

そう、スカトリジンの元になったマガジャッパは防御力が高く、当然ながらスカトリジンもその防御力の高さを受け継いでいるのだ。あの鱗状の外皮ごと。

 

―――ゼガッパッパッパッパ・・・!!―――

 

ここで、スカトリジンが起き上がった。

そんなスカトリジンは荒々しく息を吐いている―――先程ウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンから不意打ちで受けた頭突きで怒ったのだ。だから―

 

―――ゼガッパッパッパッパ・・・!!―――

 

『なっ!?ヤツが・・・消えた!!?』

 

ウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンの頭突きで怒ったスカトリジンはその場で力んだ―――その瞬間、スカトリジンの体が透明化し始め、あっという間に完全に消えてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

だが、

 

『水場にいちゃ、バレバレだぜっ!!』

 

―――バキッ!!―――

 

―――ゼガッパッパッパッパ・・・!?―――

 

完全に透明化し、見えなくなったハズのスカトリジンに華麗に跳び蹴りを当てるウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオン。

当然、完全に透明化したのに思いっきり蹴飛ばされたスカトリジンはまさかの事態に驚き、せっかくの透明化が解除されて姿を現わした。

 

だが、スカトリジンがウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンに蹴飛ばされたのは当然の結果だった。

何故なら、スカトリジンとウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンは湖に入ったまま戦っており、足下には水がある・・・そう、いくら透明化して姿を消したとしても、少しでも動けば足下の水まで一緒に動くため、どこにいるかモロバレだったのだ―――透明化は状況が状況ならスゴい能力だが、今は何か残念な感じになっていた。

 

『さて、いつまでもお前に付き合っている時間は無い。みんながちゃんと飲める水を待っているんだ。それに、俺もひとっ風呂あびたいんでね・・・だから、お前を倒させてもらうぞ!!』

 

思いっきり蹴飛ばされて痛みに悶えるスカトリジンを前に、ウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンは宣言した。

 

「お前を倒す」

 

と。

 

 

そんなウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンもといガイ青年はオーブリング片手に、ウルトラマンとウルトラマンティガ"ではない"二枚のカードを取り出すと―

 

「タロウさん!」

 

《ウルトラマンタロウ!》

 

―――トワァアーッ!!―――

 

「メビウスさん!」

 

《ウルトラマンメビウス!》

 

――セヤァッ!!―――

 

「熱いヤツ、頼みます!!」

 

《フュージョン・アップ!!》

 

―――トワァアーッ!!――― ――セヤァッ!!―――

 

《ウルトラマンオーブ・バーンマイト!!》

 

(くれない)に燃えるぜっ!!」

 

新たに取り出した二枚のカードに宿る光の巨人(ウルトラマン)の力を"お借り"したガイ青年は、二人の光の巨人(ウルトラマン)の「力」と「匠意」を宿した巨人・『ウルトラマンオーブ・バーンマイト』に変身した!!

 

―――ゼガッパッパッパッパ・・・!!―――

 

一方で、せっかくの透明化能力が通じなかった事に加え、思いっきり蹴飛ばされた事で完全に頭に血が上ってしまったスカトリジンは、無鉄砲に真正面からウルトラマンオーブ・バーンマイトに突っ込んでいった―

 

『俺に触れると・・・火傷するぜ!はぁあああぁぁっ・・・!!ストビュームダイナマイト!!!』

 

真正面から突っ込んでくるスカトリジンを前に、ウルトラマンオーブ・バーンマイトも同じく真正面からぶつかった―――ウルトラマンオーブ・バーンマイト最強の必殺技、全身に(くれない)の炎を纏い、相手に体当たりを繰り出して大爆発させる『ストビュームダイナマイト』で!!

 

『うぉりゃあああぁぁぁっ!!!』

 

―――ドォオオオォォォン!!―――

 

―――ゼガッパッパッパッパ・・・!?セガッ・・・パッパ・・・パッ・・・ッ・・・―――

 

暑く、熱く燃えたぎる紅蓮の炎そのものとなったウルトラマンオーブ・バーンマイトは、スカトリジンをいとも容易く爆散させたのだった。

 

『シュワッ!!』

 

スカトリジンを見事に撃破し終えたウルトラマンオーブ・バーンマイトは天高く飛び上がって何処かへと去って行った。これで、水の悪臭騒動は一件落着だろう―

 

―――バシャッ・・・!ポチャン・・・!ポチョン・・・!―――

 

ウルトラマンオーブ・バーンマイトが何処かへと飛び去って行った頃、ストビュームダイナマイトで爆散したスカトリジンの肉片が、血液が、体液がバラバラと湖に、水の悪臭騒動に悩まされていた大都市の「水源」に降り注いだ―

 

これが悲劇の幕開けに、「殺されてからが本番」のスカトリジンの"一番恐ろしい能力"の本領発揮となるのだ―

 

 

 

 

 

「あ~あ・・・ガイのヤツ、やっちまったなぁ・・・くふふっ、さぁて、お楽しみはここからだぜ・・・!!」

 

そう言いながら、スカトリジンの肉片や血液が降り注いだ湖と、ウルトラマンオーブ・バーンマイトが飛び去って行った空を交互に眺めつつ、不敵な笑みを漏らす黒いツースの男がそこにいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どいて!どいて下さい!!道を空けて下さい!!」

 

「先生!急患です!!」

 

「先生!こっちもです!!」

 

「先生!早く診察を!!」

 

「い、一体、何がどうなっているんだ!?何なんだコレはっ!!?」

 

 

件の水の悪臭騒ぎとその騒動の元凶の怪獣が倒されて数日後の事だった。

 

あの水の悪臭騒ぎに悩まされていた大都市では、大都市にあるに総合病院では早朝から次から次に急患が運び込まれる、あるいは大勢の人々が大挙して総合病院に詰めかけるなどして大騒ぎが起きていた。

 

「せん~せ~い~!助け~て~くだ~さい~!!」

 

「何~で~こんな~事になちゃった~のぉ~?」

 

「私~どうなっちゃう~のぉ~?元に~戻れるの~?」

 

「い~や~!こんな~姿~あ~!!」

 

「セェデ・・・ガァアン・・・!!」

 

総合病院に運び込まれ急患たち、あるいは詰めかけた人々を目の当たりにした看護師や医師たちは思わず後退った。

 

何故なら、総合病院へやって来た人々は・・・鼻が異様に肥大化して垂れ下がっていたり、体中に鱗が生えていたり、尻尾が生えていたり、皮膚が蛇腹になっていたり、上手く言葉が話せずに間延びした喋り方をする、あるいは言葉では無く唸るような"鳴き声"しか発せない者もいる、といった本当に異常な事態が起きていたのだ。

 

「オイオイ、一体なにが起きてるんだコレは・・・!?」

 

そんな大騒ぎが起きている総合病院の前の駐車場に一人の青年が、総合病院の前を偶然通りがかったあのガイ青年が騒ぎを聞きつけて駐車場から院内の様子を見て驚愕していた―――駐車場からでも見える程、総合病院には人が押し寄せ、病院の外まで溢れてるほどに人で溢れていたのだ。と、ここで―

 

「ほほぉ、こりゃあ見事に怪獣になってるなぁ。いやぁ、実に見事だなぁ」

 

「!その声は・・・ジャグラーお前だな?どこにいるんだ!?出てこい!!」

 

「そうイキるなよガイ。俺はここだぜ」

 

不意に、ガイ青年のものとも病院に詰めかけている人々のものとも違う声が聞こえた。

 

そんな声に、声の主に聞き覚えがあったガイ青年が声の主の名を呼べば、ガイ青年の近くに泊めてあった車の影からあの湖畔にいた変態・・・黒スーツのな青年こと「ジャグラー」が現れて―

 

「よぉ、ガイ。久しぶりだなぁ。お前、まだ正義の味方ごっこやってんの?本当、飽きないなお前は・・・それにしてもよぉ―――あーはっはっはっはぁ!やっちまたなぁ、ガイぃ!!お前のせいで何の罪も無い人間が大勢、怪獣に(・・・)なっちまった(・・・・・)なぁ、オイ!!傑作だぜ!!」

 

「!?オイ、どういうことだジャグラー!?」

 

「どういうことだって、お前・・・そのままさ。お前が余計な事を、あの湖にいたスカトリジンをぶっ殺しちまったせいでスカトリジンの体液とか血が水に流れ出したんだよ。

そのせいで、何の罪も無い人間が怪獣になっちまうんだよ!!あのなガイ、スカトリジンの血や体液には『人間を怪獣に変える効果』があるんだよ!!」

 

「なん・・・だと!?」

 

突如として現れたジャグラーはガイをニヤつきながら一瞥した後、この場にわざわざ出向いた理由を、いま街中で起きている人間がが怪獣化した原因を嫌味を含めてガイに語った。

 

そう、人々の怪獣化の原因こそ、あのスカトリジンの血液(・・)体液(・・)に、スカトリジンの血液や体液が持つ「摂取した人間を怪獣に変える」という恐ろしい特性が原因だったのだ―――厳密に言えば、その能力はスカトリジンの『元』になっている「悪獣怪獣 セーデガン」のものなのだが、スカトリジンはセーデガンのその特性も受け継いでいるのだ。

 

そして、その厄介かつ世にも恐ろしい効能を秘めたスカトリジンの血液や体液は、ガイ青年がスカトリジンを爆散させた際に湖に(・・)、騒ぎが起きている大都市の水源(・・)である湖に流れ出した結果、人々はスカトリジンの血液や体液が溶け込んだ水を摂取してしまった・・・そのせいで人々は怪獣の姿に、スカトリジンの元であるセーデガンへと変貌し始めたのだ。

 

「そ、そんな・・・!俺は、俺はただ単に、あの怪獣が水を臭くしてみんなに迷惑かけてたから―――」

 

「オイオイ、別に"臭くなった"程度で、飲めないわけじゃねぇだろ?考えてみろよ、インドとかアフリカじゃ水が臭おうが汚かろうがお構いなしに飲んだり、風呂の水に使ったりしてるぜぇ?」

 

「そ、それは・・・そうだが・・・でも、そのインドやアフリカでは清潔じゃ無い水を飲んで命を落とす人も大勢いる―――」

 

「いやいや、別に水は臭いだけで水質には何の問題も無かったんだろう?」

 

「そ、そうらしいな・・・で、でも―――」

 

「『でも』じゃねぇんだよ、ガイ。怪獣はな、今回特に特に悪いことしてねぇし、人目に付かない山奥でひっそりと水浴びしてただけだ・・・なのに、人間の"贅沢"で悪者だと決めつけられたんだよ。

挙句、自分の楽しみ(ひとっ風呂浴びる)を邪魔されてムカついてたお前(ガイ)にぶっ殺されりゃ、そりゃ恨むよなぁ!"遺恨"だ何だが残るよなぁ!!」

 

「っ!?そ、それは・・・その・・・」

 

「ふんっ!言い返せないよな・・・そうだなよなぁ!?つまりさぁ、今回の事は贅沢でワガママな人間と、お前(ガイ)が一方的に怪獣を悪者にして、ぶっ殺した事の『報い』なんだよぉ!ひゃはははっ!因果横暴ってヤツだなぁ!!」

 

「そんな・・・俺は、俺は・・・俺のせいで・・・!!」

 

「そうだ!その通りさ!!お前のせいでみーんな怪獣になっちまうんだよ、ガイぃ!!」

 

「ああぁ・・・うわぁあああぁぁぁーーーっ!!!」

 

ジャグラーによって告げられた真実を前に、両手をワナワナと震わせつつ、自分のしでかしたことの重大さに打ちひしがれ、ガイはガックリと膝を付いてしまった。

 

そんなガイを見たジャグラーはそれはそれは愉快そうに、それはそれは嬉しそうに笑い、喜び、嘲ってその場を去って行った。

 

後に残されたのは自負の念に駆られて茫然自失としているガイ、そして大都市中に溢れる怪獣化してしまった人々だけだった・・・

 

 

 

 

これほどの禍邪波がもたらす影響は、怪獣という人知を越えた存在が遺した"禍"は恐ろしいのだ―

 

 

 

 

 

~合体怪獣紹介~

 

 

水ノ魔王獣 マガジャッパ+悪臭怪獣 セーデガン=()邪香(じゃこう)(じゅう) スカトリジン

 

 

スペック 身長62m 体重3万5千トン

 

データ:『ウルトラマンオーブ』に登場した「水ノ魔王獣 マガジャッパ」と『ネオ・ウルトラQ』に登場した「悪臭怪獣 セーデガン」がフュージョン・ライズして誕生した融合怪獣。

その最大の特徴は、とにかく「臭い」こと。ただでさえ臭いマガジャッパに、これまたただでさえ臭いセーデガンが融合しており、その臭いは公害レベルである。

(マガジャッパの臭いはお察し、セーデガンの臭いは『「牛糞」と「正露丸(セーデガンの名前の由来の一つ)」と「大をした直後のトイレの中」の臭いを混ぜた感じ』らしい・・・)

当然、その臭いは武器としても使用可能で、歴戦のウルトラ戦士でも怯ませる、あるいはあの「高次元捕食体 母ガール」でも裸足で逃げ出す・食う気すら失せるレベルの悪臭である。

ただし、スカトリジンの鼻の粘液から分泌される「粘液」だけは、ある一定の条件下では芳醇な香りを、上質の麝香のような匂いを放つようになる。

マガジャッパの各種の必殺技や相当な防御力を誇る鱗状の外皮に加え、セーデガンの「人間のような構造の手足」を有しており、道具を持って使用したり、相手を掴んだり握ったりも出来る。

反面、戦闘能力面に関しては「マガジャッパに毛が生えた程度」である(元々、セーデガンは大人しいことに加え、戦闘に向いてない&自衛隊の機関銃の一斉射撃で死ぬレベルの生命力しか無い)。

ただし、スカトリジンの真の恐ろしさこそ"殺されてから発揮される真の能力"こと「スカトリジンの血液や体液を摂取した人間は怪獣に、セーデガンになってしまう」である。

実はスカトリジンの元になったセーデガンは、セーデガンの血液や体液を浴びた人間がセーデガンに変貌してしまう効力がある。その効力は、当然ながらスカトリジンも保有している・・・どころか、より強まっている。

スカトリジンの場合、血液や体液の「原液」どころか「血液や体液が溶け出した水」を飲んだだけでも効果を発揮する、どんな水質浄化システムを駆使してもその効果は消えない、などなどより恐ろしくなっている。

 

 

容姿:ほとんどマガジャッパそのままの容姿だが、頭部にある嘴(マガ水流)がセーデガンの垂れた鼻になっている(マガジャッパの顔に『お茶〇水博士』の鼻をくっつけた、と思って下さい)

 

マガジャッパの手足がセーデガンの手足(人間みたいな指があり、物が掴める)になっている

 

セーデガンの背中にある蛇腹模様が背中にある(背中側だけレッドキングみたいな感じ)

 

体の色は茶色&粘液でテカっていて、さながら「生きたタコ」みたいな体表&体色

 

 

必殺技:各怪獣の能力・必殺技が使える&強化されている。

 

 

・マガジャッパの各種の必殺技(マガ水流・マガ臭気、マガ吸引)に加え、透明化能力も健在。

 

・マガジャッパのかなりの防御力を誇る鱗状の外皮に加え、セーデガンの弾力のある皮膚&蛇腹状の皮膚により、攻撃の衝撃を無効化する、あるいは斬撃の威力を弱める事も可能。

 

・セーデガン由来の太鼓腹はかなりの弾力と、マガジャッパ由来の防御力が合わさっており、あえて相手の攻撃を腹で受けてそのままはじき返すことも可能。

 

・セーデガンの人間のような構造の手足=「物を掴んだり出来る」ため、武器を使用したり、相手の武器を白刃取りで受け止めたり、組み合ったりも可能。

加えて、マガジャッパ由来の吸盤もあるので、吸盤の吸着力&物を掴める構造の腕で相手に抱き付き、そのまま締め上げたりする。その際、後述の「鼻から出る粘液を鼻ごと相手の顔面になすりつける」を行う。

 

・体中から放たれる悪臭が一番の武器であり、その強さは『千〇千尋の神隠し』の『オクサレ様』みたいに食べ物を腐らせたりするほど。

また、鼻の表面から出る粘液を鼻ごと相手の顔面になすり付け、「悪臭といい匂いの無限ループ」&不快感を与えるコンボが特異。

ちなみに、この粘液にはどんな傷や怪我をも治す効力がある―――が、それはスカトリジン自身やスカトリジンが「仲間・友人」と認めた者だけであり、敵対する相手には発揮されない。

 

※粘液の治癒効果の他者への効果のあるなしの原理として「ストレス」が関係している

 

仲間・友達と認めた者→粘液が分泌される際にストレスを感じないので、粘液には治癒効果がある(残ったまま)

 

敵対する相手→粘液が分泌される際に多大なストレスを感じるため、粘液の治癒効果が失われる

 

・武器・・・とは少し違うが、スカトリジンの血液や体液を人間が摂取するとセーデガンになってしまう。加えて、この効力は「スカトリジンの血液や体液が流れ出た水」を飲んだりしても効果が現れる。

また、その血液や体液の効果はどんなに優れた水質浄化システムでも消えない(セーデガン由来の「人間を怪獣に変える能力」と、マガジャッパ由来の「水質に影響を与えず、水を臭くする」が合わさって生まれた特性)。

そのため、下手にスカトリジンを殺すと大事になる。

 

「水辺から引き離せばいいのでは?」

 

という意見もあるが、スカトリジンは基本的に水場から離れないので厄介である。

 

 

肩書きの由来:ジャコウジカという動物から取れる、天然の香水の成分「麝香(じゃこう)」と「『邪』悪な『香』り」=「邪香(じゃこう)」をかけたネーミング。

 

名前の由来:悪臭成分「スカトール」と刺激臭成分「ピリジン」を合わせた名前。

(※最初は「マガジャデガン」か「セーデガジャッパ」だったが、何か語呂悪いから止めた。ついでに、他には「シュールストレミング」とか「キビヤック」、「ホンオフェ」とか「エピキュアチーズ」(全部臭い食べ物)でも考えたが、いいのが浮かばなかったので。)

 

 

合体元解説

 

・水ノ魔王獣 マガジャッパ:『ウルトラマンオーブ』第3話『怪獣水域』に登場。

『魔王獣』という「自然のエネルギーが"あるもの"と結びついて具現化した怪獣」であり、コイツは水とその"あるもの"結びついて生まれた。

とにかく臭く、やれ「洗ってない雑巾」や「洗ってないザリガニの水槽」などの臭いに形容される体臭を放つ。加えて、その体臭を水に伝染させてしまう厄介極まりない性質がある(ただし、水質には何の異常も出ない)。

その一方で意外と大人しく、あまり争いを好まない。戦うのも「自己防衛のため」程度である・・・臭いわ硬いわなコイツを、好き好んで襲うヤツがいない=外敵が少ない、からだと推測される。

が、水に入るだけで生物が生きる上不可欠な水を使用不可能にする=「見過ごせない大被害」を出す、正しく「何もせずとも存在するだけで周囲に甚大な被害を与えてしまうタイプ」= 「怪獣らしい怪獣」であもある。

 

・悪臭怪獣 セーデガン:『ネオ・ウルトラQ』第6話『もっとも臭い島』に登場。

意外にもオーソドックスな怪獣らしい姿・・・まるで人間のような手足、『お茶〇水博士』みたいに垂れた鼻、そして途切れ途切れではあるが「喋れる」などなど、謎な部分が多い。

実は、このセーデガンという怪獣は元は人間である・・・らしい。事実、劇中ではセーデガンと仲良くなった女性が、危険な怪獣と誤認されて殺されたセーデガンの死体にすがりついた際、セーデガンの血液や体液を浴びた―――数週間後、女性はセーデガンに変化し始めていた。

全身から悪臭を放つ粘液を出すが、その粘液はセーデガンから離れて時間が経つと芳醇な香りを放つようになる。

デザインモチーフはアザラシで、造形はレッドキングを意識して着ぐるみが作られている。また、名前の由来は「正露丸(せいろがん)」と名古屋弁で「もの凄く臭い」を意味する「くせぇでがん」らしい。

 

 




如何でしたか?

何かもう・・・スゲー嫌な合体でしたねぇ(こんなの序の口ですよ?)

臭いわ迷惑だわ恐ろしいわ・・・実に"怪獣らしい"感じでしたね。

思うのですが、最近の怪獣ってね・・・「大人しく殺されすぎ」なんですよ。

例えば、

レギオン(平成ガメラ)ではレギオンは倒されても、ガメラにマナを大量消費させて「ギャオスの大量発生」と「イリスの覚醒」を引き起こす。

シーリザー(ウルトラマンティガ)は死んでもゾンビとなって蘇り、腐った体で人々やティガを苦しめた

ガタノゾーア(ウルトラマンティガ)は殺されてもなお怨念としてこの夜に留まり、ガタノゾーアを上回る「暗黒魔超獣 デモンゾーア」へと変貌して世界に"闇"を広げた。

グランスフィア(ウルトラマンダイナ)は死ぬ間際にウルトラマンダイナを道連れにした。

ゴジラは・・・まぁ色々&ゴジラは歩き回るだけで高濃度の放射能を辺りにまき散らす(『シン・ゴジラ』では「ゴジラの放射能は半減期が~」とか"配慮しすぎた"こと言ってましたが・・・)

といった感じで、昔の怪獣さんたちはタダでは死にませんでした・・・ですが、最近の怪獣さんって劇中では「スゲーだろ!?強いぜ俺は!!」みたいにイキって―――目立ってますが、死んだらそれっきり・・・勿体ないです。

だからこそ、今回のスカトリジンはそんな「死んでもタダじゃ死なない、怪獣らしい怪獣」を意識して作りました。


では、次回もお楽しみに~!

ちなみに、次回は僕のアイデアじゃ無い、ご友人の方から頂いたアイデアの怪獣を出します。


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第四話 超融合!怪獣が見せし"絆"!!

お待たせしました、四話目です!!

今回は、前回言った通り僕(が勝手にご友人だと思ってるだけです、何とまぁ図々しい・・・スミマセン・・・)のご友人の方から、僕の作品にいつもコメントして下さったり情報提供して下さるユーザーの方から頂いたアイデアの融合怪獣を出します。

一体、どんな融合怪獣なのか?

また、今回は"ウルトラシリーズの最新作"を舞台にお話を展開しています。最新の作品を使いつつ、ユーザーの方から頂いた融合怪獣が出る・・・そんなお話をどうぞお楽しみ下さい!!


後々、みな様からもアイデアを募集する場を活動報告欄で作りますので、よろしければアイデアなど送って頂けると嬉しいです・・・

では、どうぞ~


―――ゴゲェアアァァッ!!―――

 

凄まじい咆哮を轟かせ、目の前に乱立しているビル群を次々になぎ倒す怪獣が大都市のど真ん中で暴れていた。

 

―――ゴゲェアアァァッ!!―――

 

そんな怪獣は赤黒く毒々しい体表と、まるで骨が体表に浮き出ているかのような独特の外見、そして紅く爛々と輝く目を持ち、口からは万物を一瞬で蒸発させる100万度の高熱火炎『ボーンブレスター』を放って暴れ回る宇宙より飛来した「火炎骨獣 グルジオボーン」という怪獣だった。と、ここで―

 

「アイツ、また出て来たのか!?懲りないヤツだな・・・」

 

「全くだなぁ・・・でも、放ってはおけない」

 

「確かに。よし、行くぞイサミ!」

 

「オッケー!カツミ兄!!」

 

破壊の限りを尽くし、大暴れを続けるグルジオボーンを前にして逃げ惑う人々を尻目に2人の青年が、「(みなと)」という名字を持つカツミとイサミの兄弟が現れ、暴れ続けるグルジオボーンをキッと睨みつつ、それぞれの懐から両手で持つ大きめの何かの機械と、何かが描かれたメダルを取り出して―

 

「「オレ色に染めあげろ!ルーブ!!」」

 

というかけ声と共に、カツミとイサミの兄弟はそれぞれ手にしていた機械『ルーブジャイロ』に、同じくそれぞれ手にしていたメダル『ルーブクリスタル』をセットすれば―

 

『纏うは火!紅蓮の炎!!ウルトラマンロッソフレイム!!』

 

『纏うは水!紺碧の海!!ウルトラマンブルアクア!!』

 

ルーブクリスタルをルーブジャイロにセットして起動した瞬間、眩い光がカツミ・イサミ兄弟を包み込み、2人は光の巨人(ウルトラマン)へ、兄弟揃って戦うウルトラマンロッソ・ウルトラマンブルへと変身したのだ!!

 

―――ゴゲェアアァァッ!!―――

 

一方でのグルジオボーンは、目の前に現れたウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟に驚きつつも即座に挑みかかってきた。

 

『上等だ!!』

 

『行くぞ!!』

 

相手が向かってくるなら迎え撃つのみ。

ウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟も真正面から突っ込んで来るグルジオボーンに向かって駆け出すと―

 

『おりゃぁ!!』

 

―――ドォン!!―――

 

―――ゴゲェアアァァッ!?―――

 

『隙ありっ!!』

 

―――バキッ!!―――

 

―――ゴゲェアアァァッ!?―――

 

『『ほらほら、こっちだっ!!!』』

 

―――ドォオオオォォォン!!―――

 

―――ゴ、ゴゲェアアァァッ!!?―――

 

真正面から、ただひたすらに力任せに、そして単純に突っ込んでくるだけのグルジオボーンに対し、ウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟は兄弟のコンビネーションを活かして戦った。

 

例えば、ウルトラマンロッソがグルジオボーンを引きつけた瞬間、後からウルトラマンブルが跳び蹴りをかます。

 

例えば、ウルトラマンブルがグルジオボーンと相性のいい「水」を使った技でグルジオボーンの攻撃を無効化した瞬間、ウルトラマンロッソがグルジオボーンに一撃かます。

 

例えば、ウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟が同時にグルジオボーンに向かって行き、どちらを狙うべきかグルジオボーンが迷った瞬間、2人同時に攻撃をかます。

 

といった具合に、ウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟は「兄弟」というものを最大限に活用して戦っていた。

 

―――ゴ、ゴゲェアアァァッ・・・!!―――

 

一方で、"たった一頭で"二人のウルトラマンを相手にしているグルジオボーンはウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟にされるがまま、完全に手玉に取られ、あっという間に息も絶え絶えのボロボロになっていた。

 

『よし!ヤツはもう弱ったぞ。そろそろトドメだ!!』

 

『オッケー!これ以上、街を壊させるわけにはいかないもんね!!』

 

兄弟の絆を、立場を、利点を最大限に活かして戦うウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟の見事な連携により、完全に弱ったグルジオボーンを見たウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟はグルジオボーンにトドメを刺そうと構えた、その瞬間!!

 

「コラーーーっ!お前らーーーっ!!この卑怯者ーーーっ!!それでもウルトラマンかーーーっ!!それでも『正義のヒーロー』なのかこのヤローーーっ!!!」

 

『な、何だ!?』

 

『んっ?あっ!カツ兄!あそこ!!あのビルの上に!!』

 

『んっ?って、あっ・・・アイツ(・・・)は・・・愛染(・・)!!』

 

弱ったグルジオボーンにトドメを刺すべく構えたウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟構えたの耳に突き刺さった怒声。

その怒声の主は兄弟の近くのビルの上にいる、手に拡声器を持った白いスーツの中年男性、その名を「愛染マコト」という男だった。そんな愛染は再び拡声器を掲げると―

 

「オイお前ら!そんな事して恥ずかしくないのか!?正義のヒーローたるウルトラマンが、2人がかりで一人ぼっちの怪獣を攻撃・・・いや、イジめる(・・・・)なんて!?それって、悪役がやることだぞ!!?

普通な、逆なんだよ!悪者が複数で1人のヒーローを袋だたきにする。でも、ヒーローは正々堂々と立ち向かう・・・それを見て、ちびっ子たちや視聴者は『正義とはなにか?』や『正々堂々、正しくすることの大切さ』あるいは『汚いマネのみっともなさ』を学ぶんだ!!

なのに、なのに・・・今時のヒーローどもは端っから複数で、1人の敵を相手にリンチ状態で戦っている!!そんなの恥ずかしくないのか!!?まったく、悪役の方が正々堂々としている現状は何なんだよ!!?

オマケに、今時のヒーローどもは複数でもやられたり、下手したら先輩たちが1人で倒した怪獣や宇宙人を複数で、しかもやっとのことで倒すという醜態まで晒す始末ではないか!

全く情けない!!例えばだよ?相手がもの凄い大きいとか、もの凄いヤツならともかく、普通の大きさとか先輩は一人で倒せたヤツを相手に複数で戦うって・・・本当に今時のヒーローはどうかしてるよ全く!!!」

 

と、上記の長ったらしい台詞を息継ぎも無しに喋りきった愛染・・・流石に、喋り終わった直後は息切れし、肩で息をしていたが。

それはさておき、実はこの愛染という男が他の逃げ惑う街の人々とは違って逃げずに、この場にいる理由は・・・何と、ウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟に先程の長ったらしい台詞を言うためだったのだ。

 

『あーあー、もう・・・また始まったよ。ウルトラマンオタクの押しつけが・・・』

 

『本当にご苦労なことだよ・・・呆れを通り超して感心しちゃうけどね・・・』

 

そんな愛染を前に、ウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟はため息を吐きつつ、やれやれといった感じで愛染に背を向けようとしたが―

 

「はーい!はいはいっ!!と、言うことで・・・そんな卑怯者の君たちと違って、正々堂々と一人で戦ったグルジオボーン君にはこの愛染が救いの手を差し伸べましょう!

だって、寄ってたかってをイジメてくる卑怯者ども(・・・・)に立ち向かった"勇者"は必ず報われるのが定めなんですよっ!!」

 

『はっ!?何だって―――』

 

『えっ!?オイ、何する気だ―――』

 

ああだこうだ、とうるさい愛染を無視しようとウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟が愛染に背を向けた瞬間、愛染はニヤリと笑うと懐から何かの"メダル"を、グルジオボーンに(・・・・・・・・・)酷似した(・・・・)赤い怪獣(・・・・)のメダルを取り出せば―

 

《フュージョン・ライズ!》

 

《火炎骨獣 グルジオボーン!!》

 

―――ゴゲェアアァァッ!!―――

 

《破壊獣 モンスアーガー!!》

 

―――ジィワァオォウゥ!!―――

 

《赤き獣よ!全てを壊し、骨まで食らい尽くせ!! 火炎破壊骨獣 グルジオアーガー!!》

 

―――ジィゲェアァウゥッ!!―――

 

『『なっ!?グルジオボーンが・・・何か別の怪獣になった!!?』』

 

愛染が懐から取り出したメダル、その実はその内に怪獣たちを宿した『怪獣クリスタル』を取り出し、天高く放り投げた瞬間、天から降り注いだ謎の光が怪獣クリスタルとグルジオボーンを包み込み、

 

「『妖奇星(あやかほし)』に潜む剛力無双の魔獣」の異名を持つ「偶龍爾王(ぐるじお)様」こと火炎骨獣グルジオボーン

 

 

自らが収める領域に侵入した者の息の根を止める事を宿命とし、その実は大宇宙で行われる戦争用に生み出された生体兵器たる破壊獣モンスアーガー

 

を包み込み、二体を融合させて新たな怪獣を、

 

グルジオボーンよりも体が更に紅く、その一方で腹が真っ青に変化した表皮

 

細身だったグルジオボーンが筋骨隆々に変化し、腕は剛腕と呼べるほどに太く、足は己の体重を支えるために極太へと変化し、腕にも足にも分厚い合金を容易く切り裂く切れ味の鋭い鉤爪が生えそろっている。

 

グルジオボーンの体表を覆っていた外骨格はモンスアーガーの外骨格と融合したことで更に巨大に、より強固になっている

 

また、口外に飛び出す牙もより鋭く、より長く、そして鮮やかな金色に変化していた。

 

そして、何よりも目を引くのは・・・頭頂部にある、青い謎の「皿」のような器官を持つ、

 

全てを破壊し、全ての命を骨をも遺さず食らい尽くす大魔獣

 

《火炎破壊骨獣 グルジオアーガー》

 

が今ここに爆誕した!!

 

更に、

 

「ふっふっふっふっふ。どうだ、驚いたかね?だが、お前たちにはもっと驚いてもらうよ・・・と言うことで、スペシャルゲストさんカモーン!!!」

 

二体の大怪獣が融合して爆誕した「火炎破壊骨獣 グルジオアーガー」を前に呆然とするウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟を尻目に、もの凄く得意気な様子の愛染が指をパチンと鳴らすと―

 

―――ジィゲェアァウゥッ!!―――

 

『な、何だっ!?』

 

『なっ!?怪獣が・・・同じようなのがもう一匹出て来た!!?』

 

愛染が指をパチンと鳴らせば、グルジオアーガーの近くの地面が吹き飛んで大穴が開いた、かと思えばその穴のなからもう一体のグルジオアーガーが現れた・・・ただし、新たしく現れたグルジオアーガーの体表は赤ではなく、黄色味がかった体色だった。と、ここで―

 

―――ジィゲェアァウゥッ!!―――

 

―――ジィゲェアァウゥッ!!―――

 

『な、何だ?あの怪獣たち、何をしているんだ・・・?』

 

『何か・・・仲よさげだけど・・・?』

 

不意に、新たに現れた黄色いグルジオアーガーが元からいた赤いグルジオアーガーの元へ近づいた、かと思えば、そのまま二頭は顔を寄せ合う、あるいはお互いを撫で合う等の行動を見せ始めた。その様子は実に仲睦まじい―

 

「その二体が仲良しなのは当然さ。何故ならば"彼女"はお前たちがイジメていた"彼"の『奥さん』だ・・・そして、お前たち兄弟が2人なら、グルジオアーガーも2体。これで"公平"だろう?」

 

二体のグルジオアーガーが仲睦まじいのは当然だった。

何故なら、二体は"夫婦"であり、赤いグルジオアーガーがオスであり"旦那さん"、黄色いグルジオアーガーがメスであり"奥さん"だったからだ。

 

同時に、愛染がグルジオアーガーを二体呼び出した理由こそ、「ウルトラマン2人VS怪獣1体」という"不公平な"状況ではなく、「ウルトラマン2人VS怪獣2体」という"公平な"状況を作り出すためだったのだ。

 

『クソッ!一頭いるだけでも厄介なのに、二頭も一気に相手にするなんて・・・!!』

 

『落ち着けよイサミ。いくら2体いて、それで夫婦だからって、相手は怪獣だ。で、こっちはウルトラマンでしかも兄弟。負ける要素なんて無いのさ!!』

 

『そう・・・だねカツ兄!よし、アイツらに俺たちの強さと兄弟の絆、見せてやる!!』

 

『オッケー!その通りだ!!』

 

突如として二体になったグルジオアーガーを前に動揺するウルトラマンブルこと湊イサミを、ウルトラマンロッソこと湊カツミがなだめつつ勇気づけ、カツミの言葉を受けたイサミは落ち着きを取り戻した。

そんな兄弟は互いの手を打ち合わせる独特の動作をして気合を入れ直し、改めてグルジオアーガー夫婦に向き直った。

 

―――ジィゲェアァウゥッ!!―――

 

―――ジィゲェアァウゥッ!!―――

 

対するグルジオアーガー夫婦であるが、ウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟と違ってああだこうだは言わず、ただ短く鳴き声を交わすとウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟をキッと睨み付けた。

 

 

そして―

 

『『行くぞーーーっ!!!』』

 

 

―――ジィゲェアァウゥッ!!―――

 

―――ジィゲェアァウゥッ!!―――

 

ほぼ同じタイミングで、ウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟とグルジオアーガー夫婦は地面を蹴り、相手に向かって走り出した。

 

こうして、まさかのウルトラマン兄弟VS怪獣の夫婦という、正々堂々・2対2にして夢の対決(?)の火蓋が切られた。

 

果たして、勝つのはどっちだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――ジィゲェアァウゥッ!!―――

 

―――ジィゲェアァウゥッ!!―――

 

 

『ぐっ・・・あぁあっ!?そ、そんな・・・』

 

『うぅ、ぐっ・・・!?まさか、俺たちが完敗するなん・・・て・・・』

 

 

ウルトラマン兄弟VS怪獣の夫婦という、正々堂々・2対2にして夢の対決の結果は・・・怪獣の、グルジオアーガー夫婦の圧勝だった。

 

 

『受けてみろ!フレイムスフィアシュート!!』

 

『くらえ!アクアストリューム!!』

 

時は少し遡り、ウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟とグルジオアーガー夫婦が真正面からぶつかり合った時の事だ。

 

 

―――ジィゲェアァウゥッ!!―――

 

―――ジィゲェアァウゥッ!!―――

 

『受けてみろ!フレイムスフィアシュート!!』

 

『くらえ!アクアストリューム!!』

 

真正面からその身一つで突っ込んでくるグルジオアーガー夫婦に対し、ウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟は各自の必殺技を撃ち込んだ。だが、

 

―――ジィゲェアァウゥッ!!―――

 

―――ジィゲェアァウゥッ!!―――

 

『な、なにっ!?』

 

『俺たちの技が・・・全然、効いてない!?』

 

ウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟の必殺技は確かにグルジオアーガー夫婦に、それもグルジオアーガー夫婦の腹にクリーンヒットした・・・が、グルジオアーガー夫婦は「それがどうした!?」とばかりに吠え、腹に必殺技を受けながら直進してそのままウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟を撥ね飛ばした。その際、

 

『い、痛い!痛い痛いっ!?何だ今の!?もの凄い痛かったんだけど!!?』

 

『グ、グルジオボーンの体当たりとはケタが違う・・・!!』

 

グルジオアーガー夫婦の体当たりで撥ね飛ばされたウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟は、そのあまりの威力に悶絶し、地面にひれ伏したまま悶絶していた。

 

だが、それも当然の事。

このグルジオアーガーという融合怪獣は、その元になった「破壊獣 モンスアーガ―」という怪獣は、ウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟が戦っていたグルジオボーンより巨体で、体重も重く、何よりもその身に纏うあらゆる攻撃を弾く合金の如き外骨格を有している。

そして、その全てをグルジオアーガーはモンスアーガーから受け継いだ、ばかりか、より体は巨体で重く、外骨格は更に強固になっている・・・そんなのに並大抵の攻撃が効くわけも無いし、そんなのに撥ね飛ばされたら無事で済むわけがないだろう。

 

―――ジィゲェアァウゥッ!!―――

 

―――ジィゲェアァウゥッ!!―――

 

"ただの体当たり"だけで軽々と吹っ飛び、そのまま地面にひれ伏したままの2人のウルトラマンを見て喜びの雄叫びを上げるグルジオアーガー夫婦。だが、二体は容赦しない―

 

―――ジィゲェアァウゥッ!!―――

 

―――ジィゲェアァウゥッ!!―――

 

『き、来たぞっ!イサミ、起きろ―――』

 

『げっ!?逃げれない―――』

 

グルジオアーガー夫婦はいまだに地面にひれ伏したままのウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟に向かって直進、グルジオアーガー夫婦が近付いてくる足音でハッと跳ね起きたウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟に接近すると―

 

―――ジィゲェアァウゥッ!!―――

 

―――ジィゲェアァウゥッ!!―――

 

―――ドォンッ!!―――

 

『うわぁああぁぁっ!?』

 

『ぎゃああぁぁっ!?』

 

ウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟に接近したグルジオアーガー夫婦は、2人の胴体にそれぞれパンチを一発見舞った―――ただそれだけで、ウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟の体がまるで木の葉のように宙を舞い、数十メートルは吹っ飛ばされた。

 

『な、何だ・・・今のパワー・・・!?ケタが・・・違う・・・っ!!』

 

『が・・・がはっ・・・!?なんて・・・馬鹿力なんだ・・・よっ!!』

 

グルジオアーガー夫婦からそれぞれパンチをもらい、そのまま数十メートル吹っ飛ばされたウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル吹っ飛ばされた兄弟は地面に大の字に倒れたまま悶絶していた。

 

しかし、それは当然の事だ。

グルジオアーガーもといグルジオアーガーの元になっているモンスアーガーは、実は300万馬力もの剛力を有する怪獣であり、同時にクルジオボーンも相当な怪力を有する。

そして、そんな二体の怪獣が融合して誕生したグルジオアーガーが持つパワーは・・・とてもじゃないが、測定不可能な域に達している―――だからウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟は数十メートルも吹き飛ばされてしまったのだ。

 

だが、グルジオアーガーの実力、そして攻撃がこの程度に収まるはずも無く―

 

―――ジィゲェアァウゥッ!!―――

 

―――ジィゲェアァウゥッ!!―――

 

―――ドォオオオォォォン!!―――

 

『『う、うわぁあああぁぁぁっ!!?』』

 

ウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟をパンチで吹っ飛ばしたグルジオアーガー夫婦は大股でウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟に歩み寄りつつ、両手の先から元はモンスアーガーの技・赤く輝く光線『大破壊光弾』の強化技の『火炎塵化光弾』と、口からは元はグルジオボーンの技・100万度の火炎放射『ボーンブレスター』を強化、球状にした『炎骨(えんこつ)烈火球(れっかきゅう)』を乱射してウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟を徹底的に攻撃した。

 

『ぐっ、このままじゃ負ける―――んっ?何だろう・・・アイツの頭にある青いのは?』

 

あまりに激しく、そして全く止む気配の無いグルジアーガー夫婦の猛攻に晒されたウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟はされるがままだった。

そんな中、不意にウルトラマンロッソがグルジオアーガー夫婦の頭にある青い皿のような器官に気付いた。

 

(アイツの体は全身が岩石みたいに硬い・・・でも、あの部分だけはもの凄く無防備だ・・・ってことは、もしかしてアソコがアイツの弱点なんじゃないか!?)

 

戦いの最中、沈着冷静で知的なウルトラマンロッソが、ロッソの変身者である湊カツミが気付いたグルジオアーガーの頭部にある青い皿のような器官を、その器官に何かを感じたイサミもといウルトラマンロッソは―

 

『うぉおおおぉぉぉっ!!』

 

『カツ兄!?何してるんだ!危ない―――』

 

『おりゃあああぁぁぁっ!!受けてみろーーー!!!』

 

グルジオアーガー夫婦の猛攻を前に、もう立ち上がる気力すら失せていたウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟の内、体に鞭打って立ち上がったウルトラマンロッソは赤いグルジオアーガーめがけて勢いよく駆け出し、ある程度赤いグルジオアーガーと距離を詰めると地面を蹴って跳躍、そのまま赤いグルジオアーガーに、グルジオアーガーの頭部にある青い皿の様な器官に向かって跳び蹴りをかました―――その瞬間!!

 

―――ジュッ!!―――

 

『!?う、うわぁあああぁぁぁっ!?あ、足が・・・足が・・・焼けるっ!!?』

 

ウルトラマンロッソの跳び蹴りは確かに赤いグルジオアーガーの頭部の青い皿の様な器官に当たった―――その瞬間、ウルトラマンロッソの足から煙が上がり、ウルトラマンロッソ本人は足に異常な熱さと痛みを覚えた。

結果、ウルトラマンロッソはその場に崩れ落ちるように落下し、そのまま煙が上がった方の足をかかえて悶絶していた。

 

『カツ兄!?大丈夫―――って、何だコレ!?カツ兄、足が火傷で大変なことになってるよ!!?』

 

目の前で起きた事態に戸惑いながらも、気力を振り絞って立ち上がったウルトラマンブルがウルトラマンロッソの側に近寄ったとき、ウルトラマンブルはその目で見た―――赤いモンスアーガーの頭の青い皿の様な器官に跳び蹴りを当てた方のウルトラマンロッソの足が、足の皮膚が焼けただれてしまっているのを。

 

―――ジィゲェアァウゥッ!!―――

 

一方で、ウルトラマンロッソに頭にある青い皿の様な器官を受けた赤いグルジオアーガーは・・・何事も無かったかのようにケロッとしていた。

 

実は、この青い皿の様な器官は「排熱器官」なのである―――元々、グルジオアーガーの元であるモンスアーガーも頭部に青い更に様な器官があるが、実はそこはモンスアーガーにとっての弱点である。

もし、モンスアーガーは頭部の青い皿の様な器官を攻撃される、あるいは割られた場合は・・・何と、即死してしまう。それほどに、モンスアーガーにとって青い皿の様な器官は重大な弱点なのだ。

 

「なら、なんでそんな弱点が分かりやすい頭にあるの?」

 

と思う方もいるだろう。

 

実は、モンスアーガーは強い代わりにもの凄く体温が上昇しやすく、その体温はモンスアーガー自身の肉体や内臓、脳を焼いてしまうほどだという。

そのため、モンスアーガーは体内で発生した熱を体外に逃がす必要がある―――そう、その熱を逃がす器官こそが頭にある青い皿の様な器官であり、同時に最も大事な脳を一番に冷やすために頭に排熱器官があるのだ。

 

反面、その排熱器官を壊されれば排熱が出来ずに自滅する、あるいは排熱器官の真下には脳があるため、排熱器官を攻撃、あるいは破壊されたら一緒に脳も破壊される・・・だから青い皿の様な器官はモンスアーガーの弱点なのだ。

 

―――ジィゲェアァウゥッ!!―――

 

一方で、そんなモンスアーガーが合体しているグルジオアーガーも頭部に排熱器官はある・・・が、グルジオアーガーには「"火炎"骨獣」の異名を持ち、同時に100万度の炎を吐いても平気なグルジオボーンも合体している―――結果、グルジオアーガーは排熱しなくても大丈夫になっているのだ。

 

同時に、頭部にある青い皿の様な器官は脳がある箇所とはズレているが、排熱機関としての役割も持っている―――そのため、グルジオアーガーは相手が頭部の排熱器官を攻撃した瞬間、体内の熱を一気に噴出し、相手に手傷を負わせるという芸当を身に付けているのだ。

 

『あぁ、クソッ・・・!見誤った―――』

 

『カツ兄しっかり!いま俺のアクアジェットブラストで火傷を治療して―――』

 

弱点だと思ったら違っていた、どころか痛手を負わされて倒れたままのウルトラマンロッソと、そのウルトラマンロッソの火傷に治癒効果のある技をかけようとするウルトラマンブルであるが、彼らは忘れていた―

 

―――ジィゲェアァウゥッ!!―――

 

―――ジィゲェアァウゥッ!!―――

 

『『あっ―――』』

 

今、ウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟は戦いの最中にるということを、その戦っている相手が、一切の情け容赦を持たない凶暴なグルジオアーガー夫婦であることを―

 

 

―――ジィゲェアァウゥッ!!―――

 

―――ジィゲェアァウゥッ!!―――

 

赤いクルジオアーガーがウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟の首根っこを掴んで無理矢理に立たせ、そのまま突き飛ばした―――先に黄色いグルジオアーガーが待ち構え、黄色いクルジオアーガーは突き飛ばされたウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟にラリアットを見舞う

 

黄色いグルジオアーガーがウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟を足で蹴飛ばした―――先に赤いクルジオアーガーが待ち構え、赤いクルジオアーガーは蹴飛ばされたウルトラマンロッソ・ウルトラマンブルに尻尾のフルスイングを見舞う

 

赤と黄色、オスとメス、愛する夫婦が、グルジオアーガー夫婦は息ピッタリに、フラフラしているウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟の横っ面に連続で張り手を叩き込む

 

オスのグルジオアーガーが頭突きでウルトラマンロッソを、メスのグルジオアーガーがウルトラマンブルをショルダータックルで吹っ飛ばす

 

と言った、あるでどこぞの夫婦レスラーにような戦いをグルジオアーガー夫婦は、ウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟相手に一方的に繰り広げていた。

 

 

『うぅう・・・』

 

『あぁあ・・・』

 

一方で、グルジオアーガー夫婦の猛攻に晒され、もはや虫の息のウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟は朦朧としながらも、ふらつきながらも立っていた―――これがいけなかった。

 

―――ジィゲェアァウゥッ!!―――

 

―――ジィゲェアァウゥッ!!―――

 

―――ゴキッ!!―――

 

『『がっ!!?はぁ・・・あ・・・・・・』』

 

朦朧とする意識の中、フラフラとしながらも立っていたウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟を、グルジオアーガー夫婦は前と後から挟み込むようにして突撃、そのままウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟の首に痛烈無比なダブルラリアットを見舞った!!

 

その瞬間、辺りには何かが折れるような鈍く、嫌な音が響き、同時にウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟の短く、かすれるような悲鳴が一瞬聞こえた後、その後はウルトラマンロッソ・ウルトラマンブル兄弟の声は、息づかいは一切聞こえなくなったのだった―

 

 

 

 

 

 

「やれやれ、やはりアイツらでは勝てなかったねぇ・・・

『兄弟は他人の始まり』と言うが、逆に夫婦は『他人が一緒になって始まる』・・・つまり、いずれは他人になる兄弟のアイツらと、元は他人どうしだったけど一緒になって夫婦になったグルジオアーガー夫婦では戦力も、絆も、お互いへの気配りもまるで違うのさ・・・

早い話、無理ゲーだったんだよねぇ、この戦い・・・

でもね、昔のヒーローはそんな無理ゲーでも諦めず、勇敢に、そして"ヒーローらしく"戦っていたんだよ。

だからみんな応援した。だからみんな憧れた。だから助太刀や奇跡も起きた・・・

でも、ヒーローらしくも無いエセヒーローのアイツらじゃ、奇跡も何も起きない。負けて当然さ。

やっぱり、アイツらはヒーロー失格だねぇ」

 

全てが終わり、何処かへと仲睦まじく寄り添いながら去って行くグルジオアーガー夫婦を、完勝した(・・・・)グルジオアーガー夫婦の後ろ姿を見送りつつ、ずっと戦いを見ていた愛染はそう呟いたのだった。

 

 

 

 

~合体怪獣紹介~

 

火炎骨獣グルジオボーン + 破壊獣 モンスアーガー(フュージョン・ライズ)火炎破壊骨獣 グルジオアーガー

 

この怪獣はユーザ-・『青色好き』様から頂いたアイデアを元です。同時に、頂いたアイデアを元にお話を作成しました。

 

青色好き様、どうもありがとうございました。

 

 

同時に、青色好き様から頂いたアイデアに、僕なりに小ネタを少し入れましたので紹介致します。

 

・グルジオアーガーが『夫婦』だった件:今回、何故か夫婦で登場したグルジオアーガーですが、この理由は・・・実はグルジオアーガーの元である「火炎骨獣グルジオボーン」は「破壊獣モンスアーガー」がリデザインされた怪獣であると同時に、あの「パワードレッドキング(雄)」もリデザインとして取り入れられています。

で、そのパワードレッドキングは赤と黄色、赤がオスで黄色がメスの夫婦で登場しました―――つまり、赤と黄色、オスとメスの二匹、そして夫婦でグルジオアーガーが登場したのはパワードレッドキングのオマージュです(パワードレッドキングも夫婦で登場し、夫婦でウルトラマンパワードを追い詰めた)。

 

また、愛染社長が言った(言わせた)通り

 

「一匹の怪獣をウルトラマンが二人がかりで"イジメる"なんてもってのほか!それって悪役のやることじゃん!!」

 

「二対一は不公平だ。だから、ちゃんと二対二で戦え!!」

 

という理由もあってウルトラマン✕2VS怪獣✕2=兄弟VS夫婦、という"フェア"な試合にしてます。

 

 

・モンスアーガーの「皿」の説明:文中でも述べたとおり、モンスアーガーの頭にある「青い皿」は排熱器官だそうです(手元にある怪獣図鑑に書いている・・・んだけど、図鑑によっては「メラニー遊星の電波を受信するコンピューター」や「脳がむき出しになっているので、それを覆っているだけ」とか色々と書いてあるんですが・・・)ので、その中でも一番「納得出来そう&武器に使えそうな設定」を採用し、グルジオアーガーには"武器になる排熱器官"として取り付けました。




如何でしたか?

今回は初めて読者の方から、ユーザー・青色好き様から頂いたアイデアを参考にお話を作りました。

青色好き様、重ねてお礼申し上げます。ありがとうございます。

こんな感じで、後々みな様からもアイデアを募集する場を活動報告欄で作りますので、よろしければアイデアなど送って頂けると嬉しいです・・・

それにしても、色々とネットなどでは注目される愛染社長と、その愛染社長に"取り付いているヤツ"の言い分、そして例の『ウルトラマン通信簿』ですが・・・別にねぇ、いいじゃん。

時代に合わせてヒーロー像も変化するし、人によって好き嫌いはあるんだから―――だからこそ"公式"があんな事するのは流石にどうかと思いました。


ただし、ウルトラマンは「子供のヒーロー」であると同時に「子供のお手本」なのは忘れて欲しくないです。

せめて、せめて・・・何かしてもらったりしたら「ありがとう」って言う、誰かと会ったら「おはよう」とか「こんにちは」と挨拶ぐらいはちゃんとする、いくら親しい仲や年下、あるいはお父さんやお母さんであっても『親しき仲にも礼儀あり』ぐらいはわきまえる、等々の『最低限のマナー』は守れるヒーローを出して下さい・・・

子供ってね、真似するんですよ。特に、ヒーローとかアニメのキャラのマネってするんですよ・・・だからこそ、その「子供のヒーロー」であり「子供のお手本」のウルトラマンがチャラいのはちょっと・・・

親になったからこそ、親の立場だからこそ「ヒーローらしいウルトラマン」を出して欲しい、そう説に願います・・・

ただ、うちの子は女の子だからなぁ・・・しかもまだ生まれてはない―――

では、次回もお楽しみに!!


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アニメ『SSSS.GRIDMAN』放送開始記念・"忍ぶ者"と"異次元の者"の融合(前編)


はい、どうも。銀色の怪獣です。

さてさて、みなさま・・・いよいよ、今週末(10月6日)よりあの『電光超人グリッドマン』のリメイク作品『SSSS.GRIDMAN』が放映されますね!!

いやいや、グリッドマンをリアルタイムで見てた&録画したビデオテープ(懐かしい)を擦り切れるまで見ていた僕としては嬉しい限りです。

ただ・・・何故に深夜アニメ(深夜アニメの方が放送枠の料金が安いから)なのか・・・あの『グレンラガン』でさえ朝に放映していたのに・・・

まぁ、楽しみです!!

なので、その放送記念と言うことでグリッドマンネタを、グリッドマンに出た怪獣を出します―――ただ、今回は前編ですし、本格的なバトルは後編で・・・スミマセン。

しかし、まぁ・・・『ハーメルン』内にはグリッドマンが原作とか少ないですね。
アニメを機に増えるといい―――擬人化・美少女化とか止めて欲しいですが。


「ちくしょう!ちくしょう!!なんで、何でこの僕がこんな目に遭わないといけないんだよ!!」

 

と言う声と共に、一人の男子中学生が自宅である大きな屋敷に帰宅していた。

 

そんな男子中学生であるが・・・見た目も、立ち振る舞いも、全てを一言で言い表すならば「オタク」それも「根暗な」だった。

 

ジトッとした目つき、牛乳瓶の底のような分厚いレンズの眼鏡、妙にさらさらした髪をおかっぱとも坊ちゃん刈りとも違う髪型に整え、常にムスッとした表情でうつむき気味に歩いている、という典型的な「根暗なオタク」といった感じの少年、名を「藤堂(ふじどう)武史(たけし)」という。

 

そんな藤堂少年だが、帰宅中に何か嫌な事があったらしく、自宅に入るや否や自室に駆け込み、その内に抱えたうっぷんを本棚や机の上にある物にぶつけ、部屋の中を散らかしまくっていた。

 

ちなみに、藤堂少年の両親は海外に出張中らしく、いまこの屋敷には藤堂少年しかいないのでいくら騒いでも怒られることはない・・・だから藤堂少年は思う存分(?)荒ぶっていたのだ。と、ここで―

 

『どうしたのだタケシよ?何か嫌な事でもあったのか?』

 

突然、藤堂少年の部屋にあるパソコンがひとりでに起動した、かと思えば、パソコンの画面には「ザ・悪役」といった見た目の、赤く輝く両目に鎧兜のようなマスク、黒いマント、とてもメカメカしい全身、と言った風体の"怪人"が現れた―――その瞬間、

 

「カーンデジファー様ぁ!またアイツらのせいで僕が笑いものされたんです!!」

 

『それは酷い!タケシよ、コンピューターワールドに怪獣を送り込んで仕返ししてやるのだ!!』

 

「はい!」

 

突然パソコンの画面に現れた謎の怪人が藤堂少年に話しかけた瞬間、藤堂少年はパソコンに画面の中の怪人「魔王 カーンデジファー」 に泣き付いた。

 

実はこの藤堂少年、このカーンデジファーという『ハイパーワールド』なる"異次元"に住む魔王と手を組み、様々な悪事を働いているのだ―

 

(全く、何故このワシがこんなガキのフォローなぞしてやらねばならんのだ・・・)

 

 

が、実を言えば藤堂少年はカーンデジファーにいいように利用されているだけであり、カーンデジファーはいつでも藤堂少年を見捨てる気なのだ。とはいえ、

 

「ヤツらめ、絶対に許さないぞ!どうやって困らせてやろうか・・・そうだ!"シノビラー"を更に改良して、もっと大混乱を起こしてやろう・・・!!」

 

(コヤツめ、このような悪知恵だけは一級品だな・・・その点だけは評価してやるぞ、タケシよ)

 

カーンデジファーが藤堂少年に協力する一番の理由こそ、とにかく卑屈で妬み屋で自己中心的な性格、思考回路の藤堂武史が持つ"悪知恵"をカーンデジファーの目的である「地球侵略」に利用するためだった。

 

 

『地球に入っては地球従え』

 

という格言があるが、地球とは違う異次元からやってきたカーンデジファーには地球のことは、地球侵略において最も邪魔な(・・・)存在(・・)である地球人の事は分からない。

だからこそ、地球侵略のために地球人の事を、地球人の弱点などをカーンデジファーが探ろうとしていた矢先、カーンデジファーは地球人ながらに地球人を憎む、それも自己中心的で、身勝手な事や私利私欲のために悪事を働く地球人、藤堂武史少年と出会った。

 

『我こそは魔王カーンデジファー。小僧、お前に力を貸してやろう』

 

様々な"力"を持ち、地球を侵略したいが、地球のことは分からない魔王・カーンデファー、

 

「僕に協力してくれるの!?」

 

悪知恵や悪意はあるが、人徳も、人脈も、"現実的な"行動力も、力も無い少年・藤堂武史、

 

この二人が出会った結果、大事が起きてしまうのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――ファアアアァァァ・・・―――

 

そんな武史とカーンデジファーのやり取りを、二人がやり取りしているコンピューターの回線を通して見ていたものがいた。

 

―――ファアアアァァァ・・・―――

 

ソイツは地上の遙か上空に"浮遊"している・・・「クラゲ」だった―――

 

 

 

 

 

 

 

 

―――アあ゛ア゛あァぁァァっ!!―――

 

―――ドォオオオォォォン!!―――

 

『う、うわぁああぁぁっ!!?』

 

「そ、そんな・・・キンググリッドマンが・・・負けてる!!?」

 

とある街中に轟く破壊音と破裂音、そして・・・巨大な「怪獣」の咆哮と、その怪獣に一方的にされるがままのヒーローの悲鳴が辺りに響き渡っていた。

 

「ど、どうなってるんだ!?何なんだあのシノビラーは・・・!!?」

 

『オイ、タケシよ!彼奴はお前が考えた新たなるシノビラーとも違うぞ!?一体何をした!?というか、お前どうやって彼奴を実体化させたのだ!!?』

 

「わ、分かりませんよ!カーンデジファー様こそ、何かミスったんじゃ―――」

 

『何だと!?貴様、ワシのせいにするのか!?このっ・・・"おしおき"してやろうかっ!!?』

 

「ひ、ひぃいぃっ!?や、止めて下さい!!今は逃げないと巻き込まれますよぉ!!」

 

逃げ惑う人々に混ざって、あの藤堂武史がノートパソコン片手に、中にカーンデジファーがいるノートパソコンを片手に逃げ惑っていた。

そんな二人は言い争っていた―――その原因こそ、いまこの瞬間にも街を破壊して大暴れしている怪獣、本来は藤堂少年が怪獣の"アイデア"を考え、そこにカーンデジファーが不思議な力を使って実体化させて暴れるように仕向けるハズだった怪獣、

 

パッと見はまるでイカのようにも見えるが、全体的なフォルムは人間そのもの、赤い眼光を放つバイザー状の目、鋭い鉤爪の生えた両腕、まるで帷子(かたびら)を着ているかのような黒い皮膚、そして・・・あろうことか、忍者刀や鎖鎌、あるいは手裏剣を所持しているという実に特異な怪獣、その名も「忍者怪獣 シノビラー」であった―――のだが、このシノビラーは藤堂少年やカーンデジファーが召喚していなかったのだ。

 

ならば、一体どこから出て来たのか?

 

そもそも・・・コイツは本当に(・・・)シノビラー(・・・・・)なのだろうか(・・・・・)?

 

何故なら、

 

 

『ハ、ハイパーキック!!』

 

突如として街のど真ん中に出現し、大暴れを続ける"謎の"シノビラーを、まるでパワードスーツそのものの姿をした英雄(ヒーロー)が、悪のカーンデジファーを追ってカーンデジファーと同じく異次元から地球にやって来た正義のヒーロー『電光超人グリッドマン』、の強化バージョン『合体竜帝 キンググリッドマン』が迎え撃っていたのだが、

 

―――アあ゛ア゛あァぁァァっ!!―――

 

『なにっ!?まただ、またヤツは実体を(・・・)無くして(・・・・)して私の攻撃を躱したっ!!』

 

キンググリッドマンが放った痛烈無比なキック『ハイパーキック』が"謎の"シノビラーに当たる刹那、突如として"謎の"シノビラーの体がまるで空気のように透き通った。

結果、キンググリッドマンのハイパーキックは"謎の"シノビラーの体を通り抜け、虚しく空を切っただけだった。

 

―――アあ゛ア゛あァぁァァっ!!―――

 

―――ドォンッ!!―――

 

『がっ!?ヤツめ・・・また火薬玉をばらまいたかっ・・・!!』

 

ここで、"謎の"シノビラーが反撃に出た。

"謎の"シノビラーは懐から取り出した火薬入りの爆弾を投げる『火遁の術』、肩から発射する赤い手裏剣状の光線『シノビラー拳・爆裂光波弾』といった投函武器を乱射しつつ、更にはエモノである鎖鎌や高熱を放つヌンチャクを振り回し、持ち前の素早さでキンググリッドマンを完全に圧倒していた。更に、

 

―――アあ゛ア゛あァぁァァっ!!―――

 

―――ドンッ!!―――

 

『くっ!まただ、またあの波動か!!一体、何なんだあの波動は!?ビル群をあっという間に砂に(・・)変える《・・・》なんてっ!!』

 

火遁の術やシノビラー拳・爆裂光波弾を乱射し、鎖鎌やヌンチャクを振り回す"謎の"シノビラーであるが、ときおり手から謎の波動をキンググリッドマン、ではなく、周囲のビルなどの建物に向かって放った。

するとどうだろうか、"謎の"シノビラーが手から放った波動がビルなどにあった瞬間、ビルは一瞬で「砂」へ分解され(・・・・)崩れ去っていた。

結果、あれだけ乱立した無数のビル群はほとんどが砂となって崩れ去り、キンググリッドマンと"謎の"シノビラーが戦っている街は今や砂漠のような有様となっていた。

 

『い、一体あのシノビラーは何者なのだ!?シノビラー、再生シノビラー、カンフーシノビラーの全能力に技を持ちつつ、シノビラーでは持ち得ていない能力まで有している・・・一体、ヤツは何なのだ!!?』

 

「ほ、本当にカーンデジファー様が生み出したんじゃないんですか・・・?」

 

『だから何度も言っているだろう!ワシは生みだしておらんと!!』

 

「じ、じゃあ・・・アイツは一体なんなんですか!!?」

 

『知るかっ!いいから早く逃げろ!!』

 

「は、はいぃっ!!」

 

逃げ惑う群衆の最後尾を、オタクゆえに体力が無いせいで逃げ遅れているような状態の藤堂少年と、その藤堂少年が抱えているノートパソコン内にいるカーンデジファーは尚も暴れ続け、完全にキンググリッドマンを圧倒する"謎のシノビラー"を見て首を傾げるばかりだった。

 

何故なら、本当に今回現れた"謎の"シノビラーはこの二人が生みだしたのではないからだ。

加えて、カーンデジファーの言う通り、今キンググリッドマンと戦っている"謎の"シノビラーは普通の(・・・)シノビラーの能力だけでは無く、シノビラーの上位種「忍者怪獣 再生シノビラー」に加え、シノビラーの最上位種「忍者怪獣 カンフーシノビラー」という、三種類のシノビラーの攻撃能力や身体能力を有している一方で、手から放ってビルなどを砂に変えてしまう謎の波動や、キンググリッドマンのハイパーキックを躱した際に見せた回避技も、本来はシノビラーたちが使う『空蝉の術』とは少し勝手が違っていた。

 

だからカーンデジファーも藤堂少年も"謎のシノビラー"を見て思ったのだ。

 

「アイツは、一体何者だ?」

 

と。

 

 

―――アあ゛ア゛あァぁァァっ!!―――

 

『はぁっ!はぁっ・・・!!そろそろ、私も活動時間の限界だ・・・次で必ず仕留める―――』

 

全く衰えない暴れっぷりと、全くそこが見えない奇々怪々な能力の数々でキンググリッドマンを圧倒する"謎の"シノビラーに対し、そろそろ活動時間の限界が近づいてきたキンググリッドマンもといグリッドマンは必殺技のチャージに取りかかった―――その瞬間であった。

 

―――アあ゛ア゛あァぁァァっ・・・ファアアアァァァ・・・!!―――

 

『なっ!?シ、シノビラーが浮いた―――いや、それ以前にシノビラーがクラゲ(・・・)になった!!?』

 

突然、シノビラーが吠えた―――その次の瞬間、シノビラーが浮いた(・・・)のだ。

 

「飛んだ」や「跳んだ」ではなく「浮いた」のだ。

 

まるで風に流される風船のように。

 

まるで海に浮かぶ"クラゲ"のように。

 

更に、宙に浮かんだシノビラーの姿が変化し始め、あっという間にキンググリッドマンの言う通りの「クラゲ」に変貌した。

 

シノビラーの体を「傘」に、

 

シノビラーの赤いバイザー状の目がある頭部もとい首が異常に伸びつつ、口が裂けてまるで爬虫類の顔に、

 

そして・・・一見すればクラゲのような体付きであるが、その「傘」の下からは四本の「腕」と二本の逞しい「足」を生やした異形の姿に変貌したのだった。

 

―――アあ゛ファアあぁァァ!!―――

 

『何だ・・・あの化け物は・・・!!?』

 

突如として突如として異形の姿へと変貌した"謎の"シノビラー・・・否、"謎の"シノビラーに化けていた(・・・・)異形は、例の「クラゲ」を前に呆然とするキンググリッドマン、あるいは、

 

『何だ・・・アレは・・・あんなの・・・ワシは知らん・・・ぞ・・・』

 

「な、何ですかあれ・・・?」

 

逃げ惑っていた人々はみな思わず足を止め、呆然とするキンググリッドマンと同じ反応をしていた。

 

その反応はカーンデジファーと藤堂少年も例外ではなかった。

 

それほどに、"謎の"シノビラーに化けていた「クラゲ」が異形の姿をしていたからだった。と、ここで―

 

―――アあ゛ファアあぁァァ!!―――

 

『なっ!?ヤツが消えた・・・反応も全く無い―――はっ!?まさか・・・』

 

不意に、例の「クラゲ」が・・・消えたのだ。それも、きれいサッパリ、跡形もなく。

 

そんな「クラゲ」の生命反応などをキンググリッドマンはあらゆる感知能力や装備しているレーダーを用いて探ったが・・・「クラゲ」の反応は全く感じ取れなかった。

まるでこの世から消え去ってしまったかのように―

 

『まさか・・・ヤツは別の時空へ移動したのか!?ということは、ヤツも我々と同じ異次元から来た存在だったのか・・・だが、一体なんのために?』

 

突如として消え去った「クラゲ」を前に、キンググリッドマンもといグリッドマンは一つの結論に達した。

 

「あのクラゲは別の時空へと消え去ったのではないか。そして、あのクラゲは自分と同じ異次元から来た存在ではなかったのか?」

 

と。

 

 

 

 

そして、その考察は当たっていた。

 

 

 

 

 

―――アあ゛ファアあぁァァ!!―――

 

突如としてグリッドマンたちの前から姿を消した「クラゲ」は移動していた・・・四方八方に様々な景色が見える、光に包まれた"道"を、俗に言う"異次元"の中の道を移動していた―――この「クラゲ」が、この「クラゲ」の一族(・・)に苦い敗北を味合わせた地球(ガイア)の化身たる巨人(ウルトラマン)がいる世界へと。

 

―――アあ゛ファアあぁァァ!!―――

 

異次元の中を移動する「クラゲ」の言葉を訳するならこうだろう―

 

「待っていろ地球(ガイア)の化身たる巨人(ウルトラマン)よ!異世界で手にした力で、貴様らを葬ってやるぞ!!」

 

であろうか。

 

 

 

 

 

そう、この「クラゲ」がグリッドマンたちのいる世界へ行った理由こそ、かつて自分たちの一族を打ち負かし、多くの同士を葬った憎き巨人(ウルトラマン)が住む地球(ガイア)への"復讐"のため、新たな力を得るためだった―――あの異世界にいた魔王と、その魔王に利用されている悪知恵などに長けた少年が生みだした「素晴らしい怪獣」のアイデア(・・・・)を自らに取り込むために。

 

 

 

 

 

 

 

―――アあ゛ファアあぁァァ!!―――

 

「コマンダー!またメザードが出現しました!!」

 

「よし、出動だ!!」

 

「チームライトニング、出動!!」

 

「はい、はい・・・って、ええっ!?コマンダー、大変です!!」

 

「どうしたんだ?」

 

「いま出現したメザードですが・・・『とにかく異形だ』とのことです!!」

 

「どういうことだ?」

 

 

『突如として大都市のど真ん中に「クラゲ」が出現し、暴れている』という異常事態に対し、この世界(・・・・)の防衛チームの戦闘機が出動したが・・・が、悉く撃墜された。

 

何故なら、今回現れた「クラゲ」が異様に強く、そして・・・誰も知らない、知り得もしない能力を身に付けていたからだった。

 

「ガイアー!!」

 

―――デュワッーーー!!―――

 

そんな「クラゲ」に対抗すべく、この世界(・・・・)の守護神が、地球(ガイア)の化身・ウルトラマンガイアがその雄志を現わした!!

 

 

―――アあ゛ファアあぁァァ!!―――

 

一方で、自分の前に現れた怨敵・ウルトラマンガイアを一目見た「クラゲ」、否、「超空間」と呼ばれる異次元からやって来た存在「超空間波動怪獣 メザード」が、異次元で手に入れた「忍者怪獣 シノビラー」の力をその身に宿した「超隠密忍動怪獣 シノビメザード」が雄々しく咆哮を轟かせた。

 

 

続く




如何でしたか―――って、前編だしなぁ・・・

まさかのシノビラーにメザードが合体・・・ヤバいぜ。

ちなみにこの二体を合体させたコンセプトは

『汚いなさすが忍者きたない』を"極限まで"極めたい+何となくイカっぽいシノビラーと、クラゲのメザードなら合いそう

という単純な発想です・・・

まぁ、次回でその意外な強さと「厄介さ」を存分に発揮しますのでお楽しみに



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アニメ『SSSS.GRIDMAN』放送開始記念・"忍ぶ者"と"異次元の者"の融合(後編)

お待たせしました。後編です。

まさかのシノビラーの力を宿したメザード・シノビメザードの実力とは? 是非とも、その目でお確かめ下さい・・・

ついでに「宇宙忍者(を用いた合体怪獣)」は当然ながら出します。「ワォ!NINJA!!SAMURAI!!」ってリアクションしそうな、"アメリカのウルトラマン"と戦って頂きます・・・フフフ

いやいや、それにしても本当に今週末が、アニメ『SSSS.GRIDMAN』の放送が楽しみです!!

全く関係ないですが、今回の話を書くために近所のTS〇TAYAでグリッドマンを借りて、更には『N〇RUTO』もたくさん見て、と他にも『忍た〇乱太郎』や『仮面〇忍者赤影』など色々な『忍者モノ』も見ました・・・しばらく、忍者はいいや。

ついでに、忍者繋がりで・・・某『対〇忍RPG』やってます。ユーザー名、分かりやすいです。見かけたら・・・よろしくです。

では、どうぞ!!


「ガイアー!!」

 

―――デュワッーーー!!―――

 

突如として大都市のど真ん中に出現して大暴れする大怪獣に対し、勇ましく立ち向かうは地球(ガイア)の化身たる巨人(ウルトラマン)・ウルトラマンガイア。

 

―――アあ゛ファアあぁァァ!!―――

 

そのガイアを怨敵と定め、ガイアに討ち取られた仲間たちの仇を討つべく「超空間波動怪獣 メザード」の一体が異世界まで出向いて手に入れた力を、異世界で見付けた「忍者怪獣 シノビラー」の一族(・・・)の力を宿した「超隠密忍動怪獣 シノビメザード」。

 

という、ウルトラマンと融合怪獣の二大決戦の火蓋が切られた。

 

 

―――デュワッーーー!!―――

 

まず、先手を取ったのはウルトラマンガイア。

 

ウルトラマンガイアはかけ声を上げると同時に駆け出し、凄まじい量の土砂を巻き上げながらシノビメザードに向かって突撃、右腕を大きく振りかぶって痛烈無比な右ストレートをシノビメザードの顔面に叩き込んだ―――その瞬間、

 

―――ドオォォン!!―――

 

―――アあ゛・・・ファアあ・・・ぁァァ・・・!!―――

 

―――デ、デュワ!!?―――

 

ウルトラマンガイアの右ストレートは確かにシノビメザードの顔面に叩き込まれた―――その瞬間、何と、シノビメザードの体が一瞬で爆散・消滅したではないか!!

 

これにはウルトラマンガイアとシノビメザードの戦いを見守っていた人々も、そしてたったパンチ一発だけでシノビメザードを爆散させた(・・・・・)ウルトラマンガイア本人も大いに驚いていた―――その次の瞬間!!

 

―――アあ゛ファアあぁァァ!!―――

 

―――ドォン!!―――

 

―――デュワッ!?―――

 

突然、ウルトラマンガイアが背後から赤い(・・)手裏剣(・・・)のような(・・・・)光線(・・)に撃たれ、背中に爆炎の華を咲かせた。

 

当然、それに驚いたウルトラマンガイアが背後を振り向くとそこには・・・何と、ウルトラマンガイアの右ストレードで爆散・消滅したハズのシノビメザードがビルの背後から現れたではないか!!

 

実は、先程シノビメザードが見せた爆散・消滅は「技」、それもメザードが取り込んだシノビラーの、カンフーシノビラーの技『シノビラー微塵隠れの術』を応用した『シノビメザード流微塵隠れの術』という、相手から何か攻撃を受けると爆発したかのように姿を消し、別の場所から何事もなかったかのように現れる"忍法"だったのだ。

 

同時に、ウルトラマンガイアの背中を撃った赤い手裏剣状の光線もシノビメザードが放った、元はシノビラーの技『シノビラー拳・爆裂光波弾』を応用・強化した『シノビメザード拳・爆散裂光波弾』だったのだ。

 

そう、シノビメザードはシノビメザードは相手から攻撃を"あえて"受けて『シノビメザード流微塵隠れの術』を発動させて相手を動揺させつつ、相手の背後などに回り込むと同時に『シノビメザード拳・爆散裂光波弾』で狙撃するという方法で攻撃してくるのだ・・・何とも知的で、何とも汚いのだろうか。

 

だが、シノビメザードの本領はまだまだこれからだ―

 

 

―――デュワッ!!―――

 

シノビメザードが見せた"忍法"に翻弄されたものの、メザードという怪獣の一族(・・・・)と幾度も戦ったウルトラマンガイアはさほど驚いていなかった―――そもそも、メザードという怪獣自体が姑息で、かなりトリッキーな戦い方を好むので、正直言ってそのメザードの一族と何度も戦ったウルトラマンガイアは「慣れて」いるのだ。

 

ただし、このシノビメザードは今までのメザードたちとはひと味もふた味も違うのだ・・・

 

 

―――デュワッ!!―――

 

どうにか態勢を整えたウルトラマンガイアは再びシノビメザードに向かって突撃した。

 

―――アあ゛ファアあぁァァ!!―――

 

一方のシノビメザードであるが・・・何故かその場から動かずにその場にひざまずいたままだった―――その実は地面に付けた「腕」の先端より波動を、あのビル群などを砂に分解してしまう波動を周囲一帯の地面、及び下水道管に放っていたのだ・・・全ては、ウルトラマンガイアを"落とし入れる"ために。

 

―――デュワーーーッ!!―――

 

そうとも知らずにシノビメザードに向かって突撃してくるウルトラマンガイアは、一歩踏み出す毎に膨大な量の土砂を巻き上げ、地面を大きく陥没させていた。それほどに、ウルトラマンガイアが走る"勢い"とウルトラマンガイアの"体重"が凄まじいという事の証拠だ。

 

そして、ウルトラマンガイアがシノビメザードを射程圏内に捉えた、次の瞬間―

 

―――メキッ・・・バキバキバキッ!!―――

 

―――デ、デュワッ!?―――

 

突然、ウルトラマンガイアの足下の地面が大きく陥没した・・・ばかりか、その陥没した地面はズブズブとウルトラマンガイアの足を呑み込み始めた。その様はまるで蟻地獄・・・否、まるで「流砂」の様であった。

 

―――アあ゛ファアあぁァァ!!―――

 

そんなウルトラマンガイアを前に、嬉しそうな雄叫びを上げるシノビメザード。

 

そう、今まさにウルトラマンガイアを呑み込んでいる地面はシノビメザードの仕業だったのだ。

 

 

―――デュワッ!!―――

 

―――アあ゛ファアあぁァァ!!―――

 

あの時、どうにか態勢を整えたウルトラマンガイアがシノビメザードに向かって突撃し、シノビメザードがその場から動かずに地面に向かって波動を放っていたときの事だ。

 

シノビメザードが地面に向かって放ったビル群などを砂に分解してしまう波動は周囲一帯の地面、の下だけを(・・・・)砂よりも微細な「微粒子」にまで分解した。

次に、シノビメザードが放った波動は地面の下に"無数に"走る下水道管を破壊し、膨大な量の水を漏洩させた。

 

結果、微粒子ベレルの大きさになった砂や土の粒と大量の水が結合して「流砂」を生み出した―――その一方で、地面の表面はそのままだった。

 

―――デュワーーーッ!!―――

 

だが、そうとは知らないウルトラマンガイアは、一目見ただけでは地面の下が流砂になっているなど知らないウルトラマンガイアは、いつもの調子で地面を蹴った―――結果、ウルトラマンガイアの4万2千トンもの「体重」と、一歩踏み出す度に膨大な量の土砂を巻き上げる勢いで地面を蹴るウルトラマンガイアの「癖」が仇となり、シノビメザードが作り出した流砂の砂地獄に、言うなれば『土遁・液状化流砂地獄の術』にハマってしまったのだ。

 

―――デ、デュワッ!デュワッ!!―――

 

まんまとシノビメザードの術中にハマってしまったウルトラマンガイアは必死で足を引き抜こうとしていたが、両足を流砂に吞まれてしまっているために脱出が叶わず、仮に飛行して流砂から抜け出そうにも膨大な量の(・・・・・)流砂が持つ強烈な拘束力の前にはやはり脱出は不可能だった。

 

―――アあ゛ファアあぁァァ!!―――

 

そんなウルトラマンガイアを前に、シノビメザードが動いた。

シノビメザードは再び腕を地面に付けた・・・が、今度は地中に向かって波動では無く"電撃"を放った。すると、

 

―――バチッ・・・バリバリバリッ!!―――

 

―――デ、デュワッ!?デュワッ!!―――

 

シノビメザードが放った電撃は地面を、地面の下にある流砂、に含まれている下水道管から漏れ出した膨大な量の水を伝い、いまだに流砂から抜け出せずにもがいていたウルトラマンガイアを襲った。

 

が、強靱な肉体を持つウルトラマンガイアがただの電撃(・・・・・)程度に負けるハズも無く、ウルトラマンガイアは平然とした様子だった―――これが、ウルトラマンガイアにとっての命取りと、シノビメザードがウルトラマンガイアを"欺く"ための手段だったのだ。

 

―――アあ゛ファアあぁァァ!!―――

 

―――バチッ・・・バリバリバリッ!!―――

 

―――デュワッ!!―――

 

相も変わらず電撃を放ち続けるシノビメザードと、相も変わらず流砂から抜け出そうともがくウルトラマンガイア、という代わり映えのしない光景が繰り広げられていた。だが、次の瞬間―

 

―――アあ゛ファアあぁァァ!!―――

 

突然シノビメザードが吠え、同時にウルトラマンガイアの近くに(・・・)向かってシノビメザード拳・爆散裂光波弾を"たった一発"だけ放った―――その瞬間!!

 

―――ドォオオオオオオォォォォォォン!!―――

 

―――デ、デュワ・・・―――

 

たった一発だけ、それも直接ウルトラマンガイアを狙って放たれていないシノビメザード拳・爆散裂光波弾がウルトラマンガイアの近くに迫った瞬間、突如として凄まじい大爆発が起こり、紅い爆炎の巨大な華がウルトラマンガイアを完全に覆い尽くしてしまった。

 

そして、爆炎が治まった時、ウルトラマンガイアがいた場所には・・・"何も"残って(・・・)いなかった(・・・・)

 

―――アあ゛ファアあぁァァ!!―――

 

跡形も無くなったウルトラマンガイアを、ウルトラマンガイアがいた場所を見て勝ちどきの咆哮を轟かせるシノビメザード。

 

 

 

―――アあ゛ファアあぁァァ!!―――

 

―――バチッ・・・バリバリバリッ!!―――

 

―――デュワッ!!―――

 

あの時、相も変わらず電撃を放ち続けるシノビメザードと、相も変わらず流砂から抜け出そうともがくウルトラマンガイア、という代わり映えのしない光景が繰り広げられていたあの時、実はシノビメザードは着実にウルトラマンガイアを仕留める準備を整えていた。

 

―――アあ゛ファアあぁァァ!!―――

 

―――バチッ・・・バリバリバリッ!!―――

 

実は、シノビメザードが地面に向かって電撃を放っていたのは漏れ出した下水で体が濡れているウルトラマンガイアを感電死させるため・・・ではなく、漏れ出した下水を電撃で「電気分解」して大量の"水素"を発生させるためだった。

 

―――アあ゛ファアあぁァァ!!―――

 

―――ドォオオオオオオォォォォォォン!!―――

 

―――デ、デュワ・・・―――

 

突然シノビメザードが吠え、同時にウルトラマンガイアの近くに(・・・)向かってシノビメザード拳・爆散裂光波弾を"たった一発"だけ放ち、次の瞬間には大爆発が起きた理由こそ、シノビメザードが漏れ出したなどを電気分解して作り出した膨大な量の水素にシノビメザードの光線が引火した「水素爆発」が起きたからだった。

 

名付けて『雷遁・水分解の術』からの『火遁・大水素爆発火炎の術』だったのだ。

 

 

―――アあ゛ファアあぁァァ!!アあ゛ファアあぁァァ!!!―――

 

メザード一族の憎き怨敵・ウルトラマンガイアを跡形も無く吹き飛ばして見せたシノビメザードは、その長い首を天高く伸ばし、ただひたすらに勝利の咆哮を轟かせていた。

それほどにウルトラマンガイアを消せたのが嬉しかったのだ―――だが、

 

 

―――デュワーーーッ!!―――

 

―――バキッ!!―――

 

―――アあ゛ファアあぁァァ!?―――

 

突然、シノビメザードが顔面を蹴り飛ば(・・・・)された(・・・)。太陽を背に、空高くから降りてきた巨人(ウルトラマン)に。

 

―――デュワッ!!―――

 

―――アあ゛・・・ファアあぁァァ!?―――

 

喜びで完全に油断していたためシノビメザード流微塵隠れの術が使えず、顔面を思いっきり蹴飛ばされたシノビメザードは顔面の痛みに耐えつつ、自分の顔面に蹴りを入れた存在を見て驚いた。

 

何故なら、そこにいたのは・・・『雷遁・水分解の術』からの『火遁・大水素爆発火炎の術』で跡形も無く吹き飛んだはずのウルトラマンガイアだったからだ―――そんなウルトラマンガイアは先程とは姿が、特に体の色(・・・)が大きく変化していた。

 

今のウルトラマンガイアは、元のウルトラマンガイアが銀色の地に赤と黒だったカラーリングに対し、青い色も加わった上に赤と黒の面積も増したかなり派手なカラーリングになっており、オマケに体付きもどことなくマッシヴになっている―――それもそのハズ、この姿こそウルトラマンガイアの「最強の姿」こと『ウルトラマンガイア・スプリーム・ヴァージョン』、通称『投げの鬼』と呼ばれる最終強化形態だったのだ。

 

そう、ウルトラマンガイアはスプリーム・ヴァージョンに変身したからこそ、"無理矢理"の"力ずく"で『土遁・液状化流砂地獄の術』から抜け出て『火遁・大水素爆発火炎の術』を回避できていたのだ。

ただ、逆に言えばウルトラマンガイアはスプリーム・ヴァージョンまで変身しないと『土遁・液状化流砂地獄の術』から抜け出せなかった・・・シノビメザードの実力は、術は全く以て侮れないという事だ。

 

―――デュワッ!!―――

 

最強の姿スプリーム・ヴァージョンに変身したウルトラマンガイアはシノビメザードに跳び蹴りを入れた次の瞬間には間髪入れずに駆け出し、サイコメザードに一気に接近してその体をガシッと掴むと―

 

―――デュワーーーッ!!―――

 

―――アあ゛ファアあぁァァ!?―――

 

シノビメザードの体をガシッと掴んだウルトラマンガイア・スプリーム・ヴァージョンは、シノビメザードをそのまま軽々と抱え上げ、次の瞬間には凄まじい勢いで地面へと叩き付けた。

これがスプリーム・ヴァージョンが『投げの鬼』と呼ばれる所以だ―――しかし、

 

―――アあ゛ファアあぁァァ!!―――

 

―――バンッ!!―――

 

―――デ、デュワッ!?―――

 

何と、シノビメザードが『受け身』を取ったのだ!!

 

いくら『投げの鬼』と呼ばれていても、投げ技が強くても、投げた相手が『受け身』を取ることで『投げ』の衝撃を緩和する、投げられた者が自重による負荷で受けるダメージを相殺しては何の意味も無かった。

 

―――デ、デュワーーーッ!!―――

 

―――アあ゛ファアあぁァァ!!―――

 

―――バンッ!!―――

 

その後も、ウルトラマンガイア・スプリーム・ヴァージョンは何度も何度もシノビメザードを掴んでは投げるを繰り返したが、シノビメザードも投げられる毎に完璧な受け身を取っていた。

 

そう、"人型"かつ「忍者」の肩書きを持つシノビラーと、シノビラーが持つ「柔軟性」と何よりも「腕」と「足」を得たことで『投げの鬼』たるウルトラマンガイア・スプリーム・ヴァージョンに、シノビメザードは完璧に対抗してみせていたのだ。

 

そして、ここからシノビザードの本領が、逆襲が始まる―

 

―――アあ゛ファアあぁァァ!!―――

 

突然、シノビメザードが吠えた。すると、

 

―――カアーッ!カアーッ!!―――

 

―――チーッ!チューッ!!―――

 

―――ブゥウウゥゥン・・・ッ!!―――

 

 

―――デ、デュワッ!?―――

 

突然、ウルトラマンガイア・スプリーム・ヴァージョンの体に無数のカラスが、ネズミが、ハエやゴキブリが、といった動物たちが寄って集り始めた・・・ばかりか、その集結した動物たちはウルトラマンガイア・スプリーム・ヴァージョンの目や鼻、あるいは口などの侵入しようとしているのだ。

 

そう、これこそが巨人(ウルトラマン)や怪獣といった「巨体を持つ者」特有の大きすぎる(・・・・・)眼窩、鼻腔、口腔などに小さな(・・・・)動物を無数に侵入させる"嫌がらせ"兼"目眩まし"の術、その名も『虫獣遁(ちゅうじゅうとん)蟲獣(ちゅうじゅう)集蠢結術(しゅうしゅんけつじゅつ)』なのだ。

 

ちなみに、本来ならばこのような戦いが起きれば真っ先に逃げ出すであろう動物たちがわざわざ戻って来る、ばかりかシノビメザードに従順な理由こそ、元はメザードの一族が持つ『相手に幻覚を見せる幻覚誘発粒子を放出し、相手を意のままに操る能力』を応用していたからだ。

この幻覚誘発粒子は大勢の、不特定多数の人間を意のままに操れる・・・ならば、ちっぽけで単純な動物を操るなど尚のこと簡単なのだ。

 

 

―――カアーッ!カアーッ!!―――

 

―――チーッ!チューッ!!―――

 

―――ブゥウウゥゥン・・・ッ!!―――

 

 

―――デ、デュワッ!?―――

 

尚もウルトラマンガイア・スプリーム・ヴァージョンは顔に、眼窩、鼻腔、口腔などに集ってその内部に侵入しようとするカラスやネズミ、ハエやゴキブリなどの妨害を受け続けていた。

 

「巨大なウルトラマンが、ちっぽけな動物に妨害されるとか・・・!!」

 

などど思った人もいるであろうが、人間も顔の周りをハエやカが一匹でも飛び回ったら鬱陶しい事この上ない―――今、ウルトラマンガイア・スプリーム・ヴァージョンの顔にはその"鬱陶しい状態"を遙かに上回る数の動物たちが集っている・・・決して笑い事には、馬鹿には出来ない状況なのだ。

 

―――アあ゛ファアあぁァァ!!―――

 

一方で、ウルトラマンガイア・スプリーム・ヴァージョンが『虫獣遁・蟲獣集蠢結術』で足止めを受けているのを機と見なしたシノビメザードは体の、『傘』の中に隠してあった元はシノビラーが使用していた忍者刀やクナイを取り出し、その四本の腕に武器を構えるとウルトラマンガイア・スプリーム・ヴァージョンに飛び掛かった―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、

 

 

―――アあ゛ファアあぁァァ!!―――

 

―――ウォアァッ!!―――

 

ウルトラマンガイアとシノビメザードが大都市で戦っていた頃、別の大都市では・・・何と、もう一体のシノビメザードが暴れていた・・・ばかりか、そのシノビメザードとウルトラマンガイアとは違うウルトラマンが、地球の"海の化身"たる青いウルトラマン・ウルトラマンアグルが戦っていた。

 

 

「アグルーーーっ!!」

 

―――ウォアァッ!!―――

 

時は少し遡り、ウルトラマンガイアが強敵・シノビメザードの術中にハマってしまった頃、近くの大都市では大勢の人々が非難していた。

そんな中、一人の眼光鋭い長身・長髪の青年が高いビルの屋上から、遠くに見えるウルトラマンガイアとシノビメザードの戦いを見ていた。

すると、件の青年は懐から"何か"を、『アグレイター』という名のブレスレッドを取り出し、叫んだ―――その瞬間、青年はあっという間に青い体を持つ巨人(ウルトラマン)へと、地球の海の化身であるウルトラマンアグルへ変身した!!

 

―――ウォアァッ!!―――

 

そんなウルトラマンアグルであるが、シノビメザードに苦戦するウルトラマンガイアの救援に向かおうとそのまま空高く舞い上がった――――その瞬間!!

 

―――アあ゛ファアあぁァァ!!―――

 

―――ドォン!!―――

 

―――ウ、ウォアァッ!!?―――

 

突然、ウルトラマンアグルが横っ面を殴り飛ばされた。

結果、バランスを崩したウルトラマンアグルはそのまま落下してしまった。そんなウルトラマンアグルの横っ面を殴り飛ばしたのは―

 

―――アあ゛ファアあぁァァ!!―――

 

―――ウ、ウォアァッ!!?―――

 

自分の横っ面を殴り飛ばした相手を確かめるべく顔を上げたウルトラマンアグルが見たもの、それは・・・何と、空中に浮いているシノビメザードだったのだ!!

 

しかし、シノビメザードは遙か遠くでウルトラマンガイアと戦っている・・・にもかかわらず、確かにシノビメザードはウルトラマンアグルの目の前にもいる。一体、どういう事なのか?

 

実は、これこそシノビメザードの、メザード一族の特性『量子飛躍の理論』による『一匹でも複数の場所に存在することが出来る』という特性を応用・飛躍させた『忍法・分身口寄せの術』だったのだ。

 

この『忍法・口寄せの術』は、シノビメザードがあらかじめ実体を伴う(・・・・・)分身を用意しておき、同時に異次元にその分身を隠す。

そして、もしも自分の戦いや破壊行動を邪魔する者が、あるいは戦いに横槍を入れようとする者が現れた場合、異次元に隠していた分身が自動的に出現して戦う、という実によく出来た「自己防衛システム」なのだ。

 

―――アあ゛ファアあぁァァ!!―――

 

ウルトラマンアグルの横っ面を殴り飛ばした"分身の"シノビメザードは、どうにか起き上がろうとしているウルトラマンアグルを尻目にその場に着地すると同時に、元はメザードの一族が持つ『相手に幻覚を見せる幻覚誘発粒子を放出し、相手を意のままに操る能力』を街中に放った。結果、

 

「ああぁ・・・」

「ううぅ・・・」

「おおぉ・・・」

 

―――ウ、ウォアァッ!?―――

 

ウルトラマンアグルが体勢を立て直している僅かな間に、シノビメザードは『相手に幻覚を見せる幻覚誘発粒子を放出し、相手を意のままに操る能力』で街中の人々を操り、ウルトラマンアグルの周りを取り囲ませる、あるいは街の人々をシノビメザードの"盾"になるように集結させた・・・これでは"正義の味方"たるウルトラマンアグルは下手にシノビメザードに手出しが、どころか身動きすら取れない状態になってしまった。

これぞシノビメザードの"常套手段"にして正義の(・・・)ヒーロー(・・・・)には効果抜群の『忍法・人傀(じんかい)戦術(せんじゅつ)』である。

 

―――アあ゛ファアあぁァァ!!―――

 

だが、そんな事は"悪者"であるシノビメザードには関係ない。

シノビメザードはウルトラマンアグルが人々を踏み潰さないように、人々を気遣った結果で身動きも手出しも出来ないのをいい事にウルトラマンアグルに突撃、一方的にいたぶり始めた―――足下にいる大勢の人間たちを踏み潰しながら。

 

「悪こそ最高の美学!」

「悪こそ最高の美学!」

「悪こそ最高の美学!」

 

だが、シノビメザードによって完全に支配され、操られている人々は死の恐怖を全く感じていなかった。

どころか、シノビメザードが見せた卑劣なやり方を口々に賞賛していた―――自分が踏み殺されるその時も、命が尽きるその瞬間まで「悪こそ最高の美学!」という言葉を口にしながら。

 

 

 

 

 

―――アあ゛ファアあぁァァ!!―――

 

 

―――デ、デュワッ!!?―――

 

―――ウ、ウォアァッ!?―――

 

数々の「忍法」でウルトラマンガイア・ウルトラマンアグルという二人のウルトラマンを圧倒するシノビメザード。

 

そのやり方を一言で言い表すならばこうだろう―

 

「汚いなさすが忍者きたない」

 

だ。

 

 

 

 

 

~合体怪獣紹介~

 

超空間波動怪獣 メザード+忍者怪獣 シノビラー(フュージョン・ライズ)超隠密忍動怪獣 シノビメザード

 

スペック:身長70m 全長(『傘』の全長)75m 体重 3万4千5百トン

 

データ:『ウルトラマンガイア』に登場した「超空間波動怪獣 メザード」と『電光超人グリッドマン』に登場した「忍者怪獣 シノビラー(の一族)」がフュージョン・ライズ(厳密に言えば、メザードがシノビラー一族のデータを取り込んで)して誕生した融合怪獣。

とにかくトリッキーな能力を持ち、摩訶不思議な戦い方をする怪獣同士の融合なため、文字通り「忍者」を相手にしている感じ。

 

容姿:シノビラーの体を横にして、胴体がクラゲの「傘」になっている。またその胴体(傘)のど真ん中から4本の腕と2本の足が生えている=「クラゲ(メザード)になったシノビラー」という感じ。

また、シノビラーの首が伸びて亀みたいに、ようするに「シノビラーの首と頭がメザードの首と頭に置き換わった」感じになっており、メザードの頭部にはシノビラーのバイザー状の赤い目がある。

 

必殺技:各怪獣の能力・必殺技が使える&強化されている。

また、シノビラーの使う「忍法」がメザード(ウルトラマンガイアの世界観)の持つ「科学的な能力」でより「科学的」になっている。以下、主な忍法。

 

「空蝉の術」→『異移・無蝉の術』メザードの能力で異次元に逃げ込み、完全にあらゆる攻撃を躱す。

「シノビラー微塵隠れの術」→『シノビメザード流微塵隠れの術』

「シノビラー拳・爆裂光波弾」→『シノビメザード拳・爆散裂光波弾』

各シノビラーが使う拳法や剣術→腕が4本になっているので忍者刀・ヌンチャク・クナイなどを同時に使ってくる。

 

・忍法『土遁・液状化流砂地獄の術』→メザード一族が使える『ビル群などを砂に分解してしまう波動』で地面(地表)の下だけを(・・・・)砂よりも微細な「微粒子」にまで分解し、そこに下水道管や地下水脈から漏れ出した水が合わさった「流砂」を生み出し、そこに数万トンの体重を誇るウルトラマンや怪獣が一歩でも足を踏み入れた瞬間、ウルトラマンや怪獣は自重が仇になって流砂の砂地獄に捕われてしまう。(この際、地面の表面だけは分解せずにそのままにしておくことで『落とし穴』の原理で相手をハメやすい)

※『土遁』とは地の利や「土・台地」そのものを利用した忍術である。ただ土の中から竹筒だして隠れるのだけが土遁ではない。「落とし穴」も実は立派な土遁である。

 

・忍法『雷遁・電気分解の術』→下水管や地下水脈から漏れ出した水を電気分解し、大量の水素や酸素を作り出す・・・それだけ。ただ、後述の忍法の下準備に欠かせない。

(一応、水で濡れた相手に電撃を浴びせることも出来る・・・相手が電気に弱ければ"それなり"に効く?)

※「雷遁」なんて忍術、無い。アレは『N〇RUTO』や『対〇忍ユキカゼ』とかの"フィクションの世界の忍術"である(昔は電気は『エレキテル』、雷は『稲妻』と言っており、『人間には容易く扱えない・扱いにくい』という認識だった・・・一応『雷がスゴい日に屋敷の屋根に金物と火薬を置いて落雷させる&落雷の衝撃で火薬を起爆させる』という手もあったらしいが・・・)

 

・忍法『火遁・大水素爆発火炎の術』→前述の『雷遁・電気分解の術』で発生させた膨大な量の水素に光線などで引火させ、水素爆発を起こして対象を吹き飛ばす必殺技。

※「火遁」とは「火・火薬・煙」を使った忍術。あの「煙玉の術」も歴とした火遁である。

 

 

・忍法『虫獣遁(ちゅうじゅうとん)蟲獣(ちゅうじゅう)集蠢結術(しゅうしゅんけつじゅつ)』→メザードの一族が持つ『相手に幻覚を見せる幻覚誘発粒子を放出し、相手を意のままに操る能力』でカラスやネズミ、ハエやゴキブリなどの「動物」を操って巨人(ウルトラマン)や怪獣といった「巨体を持つ者」特有の大きすぎる(・・・・・)眼窩、鼻腔、口腔などに動物を無数に侵入させる"嫌がらせ"兼"目眩まし"の術。

※『虫獣遁』とはヘビやクモ、ナメクジやゴキブリと言った「蟲」を煙り玉や布に包み、相手の顔面などの投げつけて精神的なダメージを負わせる、戦意を喪失させる、あるいは相手が怯んだ隙に逃げる忍術である。

また、時には猿に鍵を開けられるように調教して屋敷の鍵を開けさせる、猫を連れていって猫の瞳孔の大きさで時間を計る、ハトやスズメに爆薬を括り付けて人間を爆殺する、などの「虫や獣を利用した忍術」=虫獣遁である。

 

・忍法『分身口寄せの術』→メザード一族が持つ『量子飛躍の理論』による『一匹でも複数の場所に存在することが出来る』という特性を応用・飛躍させたもの。

 

やり方は

 

→シノビメザードがあらかじめ実体を伴う(・・・・・)分身を用意する。

→同時に異次元にその分身を隠す。

→もしも自分の戦いや破壊行動を邪魔する者が、あるいは戦いに横槍を入れようとする者が現れた場合、異次元に隠していた分身が自動的に出現して戦う。

 

という実によく出来た「自己防衛システム」である。

 

※『分身の術』は・・・基本、夜や夕方、薄暗い屋敷の中など"限定"で使用できる、自分に背格好や体格が似た人間に同じ服を着せ、いかにも「同じ人間が複数人いる様に見せかける」か幻覚を引き起こす毒薬(主にダチュラやガマガエルの毒)を吹き矢、あるいは煙にして相手に吸い込ませて幻覚を見せる術である・・・あんなアニメみたいに「分身」とか「分身してるように見える速度で動く」など無理。

 

『口寄せの術』は・・・元々は「忍者が(・・・)使えている主の声、あるいは何かの合図(咳、口笛、足音)などで即座に主の元へ駆け付ける、指示を理解する」というものらしい・・・

 

・忍法『人傀(じんかい)戦術(せんじゅつ)』→メザード一族の『相手に幻覚を見せる幻覚誘発粒子を放出し、相手を意のままに操る能力』で街中の人々を操って「人間の盾」を作るだけではなく、ヒーローの足下を人間に囲ませて身動きすら取れない状態にしてしまう。特に正義の(・・・)ヒーロー(・・・・)には効果抜群である。

※「人傀(じんかい)戦術」は「人海(じんかい)戦術」にかけた"シャレ"であると同時に、「"人"間を"傀"儡(操り人形)にしてしまう術」=「人傀」というダブルネーミングである

 

肩書き・名前の由来:それぞれ合体させただけ(一応、超隠密に行動できるメザード・シノビラーが合体しているし、"忍"びながらも行"動"する時にはもの凄く大胆な高度をする怪獣である、メザードもシノビラーも。だから「超隠密忍動怪獣」である。

 

ちなみに、合体コンセプトは

 

『「忍術」をより科学的にしたい・・・ならば『ウルトラシリーズでも随一の理屈っぽい―――科学的な作品『ウルトラマンガイア』をコラボさせつつ、その中でも科学的な特性が多いメザードと合体させよう!!』

 

という発想である。

 

 

 

合体元解説

 

・超空間波動怪獣 メザード:『ウルトラマンガイア』に複数登場(第4話『天空の我夢』にはプライマルメザード&メザードが、第13話『マリオネットの夜』にはサイコメザードが、第19話『迷宮のリリア』にはサイコメザードⅡが、第37話『悪夢の第四楽章』にはクイーンメザードが登場)している。別名「波動生命体」。

超空間、つまり異次元に住んでいる怪獣で『量子飛躍の理論』によって、一匹でも複数の場所に存在することができる。 その目的は地球を砂漠にする=地球環境の破壊、あるいは人間の心理を理解するため(自分たちの知識の幅を広げようとした)などなど。つまり、かなり頭がいい怪獣である。

メザード一族=波動生命体のコンセプトとして『根源的破滅招来体の諜報部門』でありながらも『身近に存在していながら理解する事ができない恐怖感』らしい。

 

・忍者怪獣 シノビラー:円谷プロの特撮作品『電光超人グリッドマン』に複数登場した(第9話『悪魔の洗脳作戦』にシノビラーが、第15話『歪んだターゲット』には再生シノビラーが、第29話『愛犬爆弾計画』にはカンフーシノビラーが登場)している。別名「インテリ忍者」。

オートインテリジェンス機能を搭載しているため非常に知能が高く、言葉を話すことができる・・・どころかかなり喋りまくる。断末魔にして決め台詞は「悪こそ最高の美学!」である。

「忍者」の肩書き通り、様々な忍法(火遁や分身の術、手裏剣や忍者刀などなど)を使いこなしつつ、怪獣らしく大暴れもする厄介なヤツ。何気に三回も登場している事に加え、某擬人化計画にも何故か参加している・・・ウルトラ怪獣じゃねぇのに。(ちなみに、最初の擬人化のデザインはデザイナーが悪ノリして忍者=『対〇忍』的なデザインだったらしい・・・だから嫌なんだよなぁ

 

・『電光超人グリッドマン』:円谷プロが製作したヒーロー特撮ドラマ。円谷プロ創立30周年記念作。 1993年4月~1994年1月にかけて、TBS系列局で放映された(作者はリアルタイムで見て、録画していたビデオテープ(懐かしい・・・)が擦り切れるまで見ていた)。

当時としては斬新な『コンピュータウイルスの怪獣と戦うヒーロー』という設定の意欲作であり、ヒーローをサポートするポジションが特捜チームではなく、普通の中学生というなどが特徴。

加えて、悪役が『悪いド〇えもん』こと、残虐非道だが何か憎めない「魔王 カーンデジファー」と、根暗でオタクで卑屈な少年・藤堂武史の二人に限定されているのも特徴的。

当時はコンピューターというものがあまり一般的には普及していなかったこともあり、視聴率は低めだった・・・が、視聴率は徐々に伸びて3クール放送しきった。

そして、2018年の10月6日より深夜アニメ『SSSS.GRIDMAN』として放映されることと相成った!!嬉しい!みんな、見ようね!!

 




如何でしたか? ふぅ・・・やってやったぜぇ!!

意外に厄介な忍術+科学・・・忍術は基本的に科学の上に成り立っています。
事実、忍者の仕事が必要なくなると、忍者たちは医師や薬剤師、花火師などになったといいます。つまり「忍者=インテリ」じゃないと出来ないんですよ。

外国の方とかが大好きな「ワォ!NINJA!!SAMURAI!!」みたいな、真っ昼間とか街中でも黒い忍者衣装着た忍者とかいねぇよ・・・巻物加えて変化したり、なんか口から火を吐いたり手からエネルギーの弾を出す忍者とか絶対いねぇよ・・・

だからこそ、そんな「絶対いねぇ忍者」を怪獣の力を使って再現しました今回。どうでしたか?お楽しみ頂けたら幸いです。

さてさて、本当に楽しみですなアニメ『SSSS.GRIDMAN』は。シノビラーは確実に出るみたいだし、あのベノラも出る模様・・・楽しみです!!みなさんも、見れたらアニメ『SSSS.GRIDMAN』を見て下さい!!


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第五話 "白き猿"を討て!全てを支配(しはい)する四這い(しはい)の王よ!!(前編)

どうも!作者です。

今回は・・・スミマセン、また前後編になりました。

いやぁ、相方が"時期が時期"なので入院したり、その他色々でアレなのでまぁ・・・いつ投稿できるか分からない&投稿できなくなるかも、なので出来た側から投稿します。ハイ

で、本編の方は・・・まさかの"白い猿"が出ます。

なので、ヤツに対抗できるスゴい合体怪獣が出ますよ今回。

一体どんな合体怪獣化か・・・それは是非、本編を見てお確かめ下さい。

ついでに、実は"白い猿"だけじゃないんですよねぇ・・・合体怪獣が戦う相手。

とりあえず(前編)をどうぞ!!


「おりゃぁっ!!」

 

―――ザンッ!!―――

 

―――ガァアァッ!?アァ・・・ァ・・・―――

 

「とりゃっ!!」

 

―――ゴシャッ!!―――

 

―――ピィッ!?ピィ・・・ィ・・・―――

 

「うははっ!一匹残らず切り刻んで、皮を剥いでやるぞ~~~!みんなの迷惑で、いるだけで"悪"の怪獣は、この僕が、仏様のお使いであるハヌマーンが一匹残らず駆逐してやるんだ~~~!!!」

 

逃げ惑う怪獣たち―――の首を、胴を、怪獣たちの「命」を、次から次に手にした三叉槍(トライデント)で引き裂き、刈り取っていく"巨大な白い猿"がそこにいた。

 

この白い猿の名は『白猿 ハヌマーン』というタイ王国の英雄だ―――ただし、あくまで彼が英雄として(・・・・)接するのは(・・・・)"ごく一部の人間だけ"だ。

 

「うりゃうりゃ!死ね死ね怪獣っ!!」

 

―――ザシュッ!!―――

 

―――ゴギャオォ!?ギャ・・・オォ・・・―――

 

事実、ハヌマーンは彼が悪と認めた存在・ハヌマーンが使える『仏』に対して信仰心を持たぬ者は容赦なく制裁を加える。

同時に、そんなハヌマーンが最も目の敵にしており、とにかく見付けたらその場で即座に殺す存在がいる―――それこそ、

 

『偉大な(ブッダ)へ仇をなす存在・身の程を弁えぬケダモノ(・・・・)

 

とも

 

『偉大な(ブッダ)に肩を並べようとして力を求めたケダモノ』

 

とも称される「怪獣」たちだ。

 

 

―――カァアァ!!カァアァッ!!―――

 

―――カァァ・・・カァァ・・・!!―――

 

「ん~?何だぁ?お前、子供がいるのかぁ?もしかして『子供だけは助けて』って言うつもりかぁ?」

 

ハヌマーンに取って怪獣は仏様の敵ゆえに倒すべき存在であり、同時に世間の人々からしても怪獣は"いるだけで迷惑"なので消えて欲しい存在だ。なので、

 

―――ドォオオォォンッ!!―――

 

―――カァアァ!?アァ・・・ァッ・・・―――

 

―――カァァ!?・・・ァァ・・・―――

 

「へへ~ん!子供だって見逃すか~!!怪獣はなぁ、大人も子供も、みーんなみんな死んじゃえばいいんだ~~~!!」

 

怪獣退治に明け暮れるハヌマーンが偶然見付けた、決して人が寄りつかず、決して人に迷惑がかからない山奥で暮らしていた怪獣の親子を、

 

「子供だけは見逃して下さい!!」

 

と言っているかのような・・・というかその通りに必死で訴える母親も、まだ幼い子供の怪獣も諸共にハヌマーンは粉微塵に吹き飛ばして殺した。

 

全ては、偉大な(ブッダ)のために。

全ては、世の中の平和を守るために。

全ては、己の力を怪獣たちに見せつけて"見せしめ"を行うために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――グギィイイィィッ・・・!!―――

 

怪獣を次から次に屠る白猿・ハヌマーンによって大勢の怪獣が殺され、殺された怪獣たちの血が、無念が、怨念が台地に、地下に染み込んだ結果で"ソイツ"は目覚めた。

 

―――グギィイイィィッ・・・!!―――

 

凄まじく太く、逞しい四つ足と貫禄のある巨体。

凜々しく、威風堂々と起立した立派な背ビレ。

しなやか且つ強靱な筋肉で構成され長い首と尻尾。

頭部には湾曲しつつも、見事な2本の角が生えている。

 

その姿を、その立ち振る舞いを見れば誰しもがこう言うだろう。

 

 

「コイツは・・・怪獣の王様(キングザウルス)だ」

 

と。

 

―――グギィイイィィッ・・・!!―――

 

そう、あの白い猿に殺された数え切れない怪獣(なかま)たちの仇を討つため、これ以上怪獣(どうし)たちを殺させないために、怪獣の王(キングザウルス)が遙かな太古の眠りより醒めたのだ。

 

―――ケァアァァッ!!―――

―――シィゲェエエェェッ!!―――

―――キキィィッツ!!―――

―――フゲェエェッ!!―――

―――グワァアアアァァァッ!!―――

―――ゴルァアアァァッ!!―――

―――シィガァウオオォォッ!!―――

 

怪獣の怨敵・ハヌマーンを討たんとする7体の同士(かいじゅう)たちの力をその身に宿して―――

 

 

 

 

 

 

 

「ふう、粗方この辺りの怪獣は殺したかなぁ?」

 

そう言って、顔も頬も、どころか全身に怪獣の返り血を浴び、白い体が緑や青、黄色に染まっているハヌマーンが次なる獲物・・・もとい「偉大な(ブッダ)に仇なす存在」こと怪獣を探すべく、飛び立とうとした矢先だった。

 

―――グギィイイィィッ!!―――

 

「んおっ!?何だ何だ~~~?」

 

突然、ハヌマーンのすぐ目と鼻の先の地面が爆発した・・・ように見える程の勢いで大量の土砂が吹き飛び、地底から一頭の怪獣が姿を現わした。

 

―――グギィイイィィッ!!―――

 

凄まじく太く、逞しい四つ足と貫禄のある巨体。

凜々しく、威風堂々と起立した立派な背ビレ。

しなやか且つ強靱な筋肉で構成され長い首と尻尾。

頭部には湾曲しつつも、見事な2本の角が生えている。

 

その姿を、その立ち振る舞いを見れば誰しもがこう言うだろう。

 

「コイツは・・・怪獣の王様(キングザウルス)だ」

 

と―――まさにその通り。この怪獣の名は「古代怪獣 キングザウルス三世」だ。

 

 

 

―――グギィイイィィッ!!―――

 

「何だ何だ?もしかしてやる気か?いよぉし!お前がその気なら相手になってやる!!」

 

ハヌマーンのすぐ目に出現したキングザウルス三世は雄々しく咆哮と轟かせつつ、ハヌマーンをキッと睨んだ。

 

それに対し、ハヌマーンはエモノである三叉槍(トライデント)を構えると―――

 

「仏様を大切にしろ!大切にしない奴は死ぬべきなんだ!!」

 

そう言って、明らかに笑みを浮かべながらキングザウルス三世に向かって行った―――その瞬間!!

 

―――グギィイイィィッ!!―――

 

―――ケァアァァッ!!―――

―――シィゲェエエェェッ!!―――

―――キキィィッツ!!―――

―――フゲェエェッ!!―――

―――グワァアアアァァァッ!!―――

―――ゴルァアアァァッ!!―――

―――シィガァウオオォォッ!!―――

 

 

「!?な、何だぁ!!?」

 

突然キングザウルス三世が咆哮を轟かせ、その咆哮に呼応するかのように近くの地面が次々に盛り上がった・・・ばかりか地中から次々に怪獣が現れ、それに驚いたハヌマーンは思わず足を止めた。すると、

 

《フュージョン・ライズ!》

 

《古代怪獣 キングザウルス三世!!》

 

―――グギィイイィィッ!!―――

 

《透明怪獣 ネロンガ!!》

―――ケァアァァッ!!―――

 

《海獣王 キングゲスラ!!》 

―――シィゲェエエェェッ!!―――

 

《毒ガス怪獣 ケムラー!!》

―――キキィィッツ!!―――

 

《灼熱怪獣 ザンボラー!!》

―――フゲェエェッ!!―――

 

《岩石怪獣 ガグマ!!》

―――グワァアアアァァァッ!!―――

 

《甲殻怪地底獣 ゾンネル!!》

―――ゴルァアアァァッ!!―――

 

《インビジブルタイプビースト ゴルゴレム!!》

―――シィガァウオオォォッ!!―――

 

《この世を支配せし()()いの王よ!その姿を現わせ!! ()(はい)合成獣 キングユネルタン!!》

 

―――グゲェラァオオォォアアァァッ!!―――

 

 

 

「なにぃ~!?怪獣どもが合体しただとぉ~~~!!?」

 

 

突如として天から降り注いだ謎の光がキングザウルス三世と、怪獣王(キングザウルス)

 

ハヌマーン(ヤツ)に屠られた大勢の怪獣(どうし)たちの仇を共に討たん!!」

 

という呼び声に応えた

 

「透明怪獣 ネロンガ」が、

「海獣王 キングゲスラ」が、 

「毒ガス怪獣 ケムラー」が、

「灼熱怪獣 ザンボラー」が、

「岩石怪獣 ガグマ」が、

「甲殻怪地底獣 ゾンネル」が、

「インビジブルタイプビースト ゴルゴレム」が、

 

怪獣王(キングザウルス)の元に一堂に会して融合(フュージョン・ライズ)して誕生した、

 

頭部はキングザウルスのまま、かつガクマの角を新たに生やして3本角となりつつ、ネロンガの耳が生えている

 

首から首の付け根にかけてと、尾の付け根から尾の先端までキングゲスラのヒレがキングザウルス三世のヒレの如く生えている

 

胴体はザンボラーなので目に付く赤い皮膚と棘が生え、長く太い武器になる尾はキングザウルス三世のままだ

 

四肢は頑丈な外骨格で覆われたケムラーの四肢ながらも、ゴルゴレムのように四つん這いながらも膝をつかない肢の生え方をしている

 

背中にはゾンネルの巨大な殻とその殻の周りに生えたゴルゴレムの結晶が生えている

 

という、八体の四つん這い(・・・・・)の怪獣たちの集合体にして集大成の融合(フュージョン・ライズ)たる

 

()(はい)合成獣 キングユネルタン!!》

 

が爆誕した!!!

 

 

―――グゲェラァオオォォアアァァッ!!―――

 

怪獣王(キングザウルス)の声に応え、怪獣の怨敵・白猿ハヌマーンに屠られた大勢の怪獣(どうし)たちの仇を討つべく融合(フュージョン・ライズ)して誕生したキングユネルタンは雄々しく、そして明らかな"怒り"を含んだ咆哮を轟かせ、ハヌマーンを睨んだ。

 

「へ、へへぇ~んだ!別に合体したからってお前が死ぬことに変わりはないぞ~~~!!それにしてもまるで『ピー』だな!だから、なおさら徹底的に殺してやるぞ~~~!!!」

 

一方で、八体もの怪獣の同時出現と合体、そしてキングユネルタンが爆誕する、という一連の光景に最初こそビビっていたハヌマーンであったが、己を奮い立たせるようにして言葉を発しつつ、キングユネルタンがハヌマーン及び(ブッダ)、そしてタイの人たちにとって一番の大敵である"水牛の妖怪"である「ピー」に似ている事から、キングユネルタンを即座に始末しようと三叉槍(トライデント)を構えて挑みかかった―――

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、

 

 

 

―――ゴッ!!―――

 

「あ痛っ!?」

 

エモノである三叉槍(トライデント)を構え、キングユネルタンに真正面から突っ込んだハヌマーンが何かに激突して顔面を強打して思わずその場にうずくまった・・・が、どうにか顔を上げるとそこには―

 

「な、何だコレは!?透明な・・・壁っ!!?」

 

顔を上げたハヌマーンの目の前には・・・何と、限りなく透明で、恐ろしく頑丈な壁がそびえ立っていた。

また、その透明な壁にはハヌマーンが顔をぶつけた際に出来たらしき「ハヌマーンの顔拓」がクッキリと残されていた。

 

―――グゲェラァオオォォアアァァッ!!―――

 

顔面を強打し、その痛みに悶絶するハヌマーンを前にしたキングユネルタンは・・・何と"笑っていた"のだ。

 

「こ、この野郎~~~!怪獣のクセに笑いやがったなぁ・・・!!それと、この壁を出したのはお前だな!!この卑怯者め~~~!!正々堂々と戦え~~~!!!」

 

まさか怪獣に笑われるとは・・・屈辱を味わったハヌマーンはその白い顔を怒りで真っ赤にしつつ、顔をぶつけた透明な壁を出したのがキングユネルタンだと判断した。

 

―――グゲェラァオオォォアアァァッ!!―――

 

事実、ハヌマーンの考察は当たっていた。

 

そう、あの透明な壁―――その実は俗に言う「バリヤー」は確かにキングユネルタンが、キングユネルタンのベース(・・・)のキングザウルスの"角からバリヤーを出す能力"を応用・強化したものであった。

 

元々、キングザウルス三世のバリヤーは体の周りに(・・・・・)カーテン状に(・・・・・)しか出せない(・・・・・)

が、様々な怪獣たちとフュージョン・ライズしたためにバリヤーを出す能力が強化され、キングユネルタンが出すバリヤーは遠く様々な場所へ、そして自由自在に形を変えて出せるようになっていたのだ。

 

だが、それと同時に「ある欠点」も出来てしまった。それは、

 

―――グゲェラァオオォォアアァァッ!!―――

 

突然、キングユネルタンが吠えた―――その瞬間、キングユネルタンとハヌマーンを隔てていたバリヤーが消滅しした。

 

「んおっ?透明な壁が無くなったぞぉ?何で―――まぁ、いいや!これで攻撃できるぞ~~~!!」

 

突然バリヤーが消滅した事に最初こそ疑問に思ったハヌマーンであったが、物事を難しく考えない"子供らしい一面"のあるハヌマーンは深くは考えなかった。

 

「いよぉ~し!行くぞ~~~!!死ねぇ、怪獣~~~!!!」

 

邪魔なバリヤーが消えたことでキングユネルタンに攻撃できると悟ったハヌマーンが、再びエモノである三叉槍(トライデント)を構え、キングユネルタンに真正面から突っ込で行った。

 

―――グゲェラァオオォォアアァァッ・・・―――

 

一方のキングユネルタンはその場から動かず、何もしなかった―――否、その実は口内にエネルギーを(・・・・・)溜めていた(・・・・・)のだ。

 

"一撃必殺技"を放つために。

 

同時に、その必殺技を放つにはあの頑丈すぎる(・・・・)バリヤーが邪魔だった―――敵の攻撃を完璧に防ぐが、同時に敵への(・・・)キングユネルタンの攻撃も防いでしまうバリヤーが邪魔だった・・・だからキングユネルタンはバリヤーを自ら消したのだ。

 

「もらったぁ!死ねぇ、怪獣~~~!!」

 

そうこうしている内にもハヌマーンはキングユネルタンとの距離を詰め、振りかざした三叉槍(トライデント)がキングユネルタンに届くという、その瞬間!!

 

―――グゲェラァオオォォアアァァッ!!―――

 

「うわっ!?眩しい・・・!このぉ、目眩ましか―――」

 

それまで身動ぎ一つしなかったキングユネルタンが口を大きく開き、突っ込んでくるハヌマーンに向かって青白い(・・・)光線(・・)を放ち、ハヌマーンはモロに光線を浴びてしまった。

 

だが、その光線はハヌマーンの身を焼いたり、爆発したりしてダメージを負わせなかった。

そのため、ハヌマーンは「ただの目眩まし」かと思ったのだが、ふと自分の下半身に違和感を覚えたので足を見ると言葉を失った。何故なら、

 

「な、何だよコレ・・・足が、足が・・・石に(・・)なっていく(・・・・・)!!?」

 

ハヌマーンが言葉を失った理由、それは・・・何と、キングユネルタンに光線を浴びせられた足が、下半身が石になっていたからだ!!しかも、よく見るとハヌマーンの体は現在進行形で全身が石に変化していた。

 

―――グゲェラァオオォォアアァァッ!!―――

 

徐々にだが、確実に全身が石になっていくハヌマーンを前に勝ちどきの咆哮を轟かせるキングユネルタン。

 

実はあの光線、キングユネルタンに合体しているガクマの必殺技にして「浴びた物体は、生物・機械・有機物・無機物とわずに石に変化する」という恐るべき必殺光線・『石化光線』がより強化されたものだった。

 

だからハヌマーンはその身を石に変えられていたのだ。

 

「ク、クソぉ!このまま石になってしまう・・・こうなったらぁ、エイっ!!」

 

たった一撃で大ピンチに追い込まれたハヌマーンは必死で石化に抗おうとしたが・・・そもそも「どう抗っていいか分からない」状態だった。だが、そうこうしている内にも石化は進み、とうとうハヌマーンは指一本すら動かせなくっていた。

 

しかし、ハヌマーンは指というか腕が動かせなくなるその前に空に向かって腕を伸ばし、腕からエネルギーを放って空に何かの(・・・)サイン(・・・)を描いた。

 

 

「やっ・・・た・・・ぞぉ・・・」

 

ハヌマーンが腕から放ったエネルギーで空に何かのサインを書き終えたと同時に、とうとうハヌマーンは完全に物言わぬ石像になってしまった。

 

―――グゲェラァオオォォアアァァッ!!―――

 

怪獣の怨敵・ハヌマーンが物言わぬ石像になったのをその目で見たキングユネルタンは喜びの咆哮を轟かせつつ、大勢の怪獣(どうし)たちを虐殺したハヌマーンの体を粉微塵に砕くべく、ハヌマーンの石像に向かって突進し始めた―――その瞬間!!

 

 

「シュワッチ!!」

「デヤッ!!」

「シュワッ!!」

「ダアッ!!」

「トアッ!!」

「ヤアーッ!!」

 

 

―――グゲェラァオオォォアアァァッ・・・!!―――

 

 

突然、宇宙(そら)から巨大な"何か"が、巨人(ウルトラマン)が現れてキングユネルタンの目の前に着地した・・・それも一度に(・・・)六人も(・・・)だ。

 

「シュワッチ!!」

「デヤッ!!」

「シュワッ!!」

「ダアッ!!」

「トアッ!!」

「ヤアーッ!!」

 

キングユネルタンの目の前に現れたのは、通称『ウルトラ6兄弟』と呼ばれる"宇宙の警備団"の、

 

ウルトラマン

ウルトラセブン

ウルトラマンジャック

ウルトラマンエース

ウルトラマンタロウ

 

そして、その6兄弟を束ねる宇宙警備団隊長・ゾフィー

 

の『ウルトラ6兄弟』が現れた。

 

更に、

 

「あぁ、コチャン!何という惨い有様に・・・今すぐ蘇生してあげましょう、この母が!!」

 

物言わぬ石像と化したハヌマーンに突進しようとしたキングユネルタンの前に立ちはだかるようにして居並ぶウルトラ6兄弟とは別に、

 

宇宙(そら)から地表へ降り立つや否やキングユネルタンの石化光線を浴びて石像と化したハヌマーンに駆け寄り、(若干大げさな)悲しみのリアクションをしながらも『死者をも蘇らせる再生エネルギー』を手から放つ『マザーシャワー』をハヌマーンの石像に浴びせる

 

ウルトラウーマン・マリー

 

こと

 

ウルトラの母

 

も駆け付けていた。

 

結果、

 

「うぅ・・・あぁ・・・はっ!?元に戻れた!!?」

 

「あぁ!コチャン!!息を吹き返したのですね!!母は嬉しいですっ!!!」

 

「う、うわっ!?ちょ、ちょっと・・・恥ずかしい・・・」

 

ウルトラ6兄弟のおかげでキングユネルタンの突進から守られ、更にはウルトラの母の持つ癒やしの能力で石像から元に戻れたコチャン(・・・・)もといハヌマーンと、そのハヌマーンに頬ずりして喜ぶウルトラの母。

 

「シュワッチ・・・」

「デヤッ・・・」

「シュワッ・・・」

「ダアッ・・・」

「トアッ・・・」

「ヤアァ・・・」

 

そんな二人を、ウルトラ6兄弟たちは何とも言えない感じで、というか恥ずかしさから直視できずに肩越しに見ながらため息をついていた。

 

―――グゲェラァオオォォアアァァッ!!―――

 

一方で、戦闘中にも関わらず喜劇―――何かゴチャゴチャと、まるで「余裕ぶっている」かのような態度すら見せるハヌマーン・ウルトラマン&ウーマンたちに苛立ちを覚えたキングユネルタンが吠えた―――怪獣王(キングザウルス)たる彼にとって、己の命とプライドをかけてやり合う戦いの最中にふざけるなど・・・間違っても"許せない"からだ。

 

「シュワッチ!!」

「デヤッ!!」

「シュワッ!!」

「ダアッ!!」

「トアッ!!」

「ヤアーッ!!」

 

隠しきれないし隠す気など微塵も無い"怒気"を全身から放つキングユネルタンの咆哮でハッと我に返ったウルトラ6兄弟は臨戦態勢を整え、

 

「クッソ~さっきは油断したけど、今度はそうはいかないぞぉ!なんて言ったって、コッチには僕が発したハヌマーン(・・・・・)サイン(・・・)で駆け付けたウルトラ6兄弟と、"母さん"がいるんだからなぁ!!!」

 

「まぁ、コチャン!私を『母さん』と・・・!!母は嬉しいですっ!!」

 

ウルトラの母の"奇跡のパワー"で見事に再生したハヌマーンも、ピンチに際して発した『ウルトラサイン』ならぬ『ハヌマーンサイン』で駆け付けてくれたウルトラ6兄弟(+ウルトラの母)に加わると、

 

「行くぞ怪獣!今度こそ、お前の息の根を止めてやるぞ~~~!!」

 

「シュワッチ!!」

「デヤッ!!」

「シュワッ!!」

「ダアッ!!」

「トアッ!!」

「ヤアーッ!!」

 

「頑張って我が子たち!母は後方支援に徹します!!」

 

ウルトラ6兄弟+ハヌマーンの7大勢力が一斉にキングユネルタンに向かって突撃した―――

 

 

俗に言う『ウルトラリンチ』の開幕だ―――

 

 

 

 

「この卑怯者め~~~!!正々堂々と戦え~~~!!!」

 

とかキングユネルタンがバリヤーを張ったときにハヌマーンは言っていたのにねぇ・・・

 

 

 

 

 

 

後編に続く

 

 

 

 




如何でしたか―――って、本格的なバトルは後編で。

ちなみに、何故かキャラ崩壊がデカいウルトラの母・・・CVは戸松遥さん(頼光ママ=『源頼光・F〇teの』)orももぞの薫さん(不知火ママン=『水城 不知火』)で想像して下さい。

さてさて、後編ではキングユネルタンVSウルトラ6兄弟&ハヌマーン&ウルトラの母という、あまりにアレな試合―――

『※この小説は、作者or読者の皆様が考えた「怪獣の合体」で生まれた合体怪獣がヒーローや強い怪獣を倒す小説です。なので、基本的にヒーローとかが一方的に負けます』

この注意書き通りの展開になります。

そもそもキングユネルタンは8体もの怪獣が融合している最強の融合怪獣です。

なので、そうそう簡単にキングユネルタンは負けたりはしませんよ・・・?

では、後編をお楽しみに!!


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第五話 "白き猿"を討て!全てを支配(しはい)する四這い(しはい)の王よ!!(後編)

お待たせしました!後編です!!

やっとあの"白猿"を成敗―――キングユネルタンの強さ、とくとご覧下さい。

そろそろ活動報告欄で読者の皆様からの合体怪獣などのアイデアを募集する欄を作りたいです・・・作った際は、気が向いたら気軽に投稿して頂けますと嬉しいです。


では、本編をどうぞ!!


―――グゲェラァオオォォアアァァッ!!―――

 

「行くぞ怪獣!今度こそ、お前の息の根を止めてやるぞ~~~!!」

 

「シュワッチ!!」

 

「デヤッ!!」

 

「シュワッ!!」

 

「ダアッ!!」

 

「トアッ!!」

 

「ヤアーッ!!」

 

「頑張って我が子たち!母は後方支援に徹します!!」

 

 

『存在するだけで悪』の怪獣を倒し、この世に平和をもたらす正義のヒーローにして仏の使い・白猿ハヌマーンは、突如として現れた八体の四つん這いの怪獣が合体(フュージョン・ライズ)して爆誕した「四這(しはい)合成獣 キングユネルタン」を前に、"ハヌマーンサイン"で呼び寄せたウルトラ6兄弟とウルトラの母とともにキングユネルタン討伐に乗り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのわずか数分後、

 

―――グゲェラァオオォォアアァァッ!!―――

 

 

「う、うぐぐ・・・!クソォ・・・こんなハズじゃぁ・・・!!?」

 

「シ、シュワッチ・・・!!?」

 

「デ、デヤッ・・・!!?」

 

「シ、シュワッ・・・!!?」

 

「ダ、ダアッ・・・!!?」

 

「ト、トアッ・・・!!?」

 

「ヤ、ヤア・・・ッ!!?」

 

「あぁ、そんな!?我が息子たちが!!?」

 

雄々しく、そして活力に満ち溢れた咆哮を轟かせるキングユネルタンとは対照的に、そのキングユネルタンに"数の暴力"で挑みかかったハヌマーンとウルトラ6兄弟は全員が地にひれ伏し、ウルトラの母は悲痛な叫び声を上げていた。

 

 

 

 

 

 

 

―――グゲェラァオオォォアアァァッ!!―――

 

「行くぞ怪獣!今度こそ、お前の息の根を止めてやるぞ~~~!!」

 

「シュワッチ!!」

 

「デヤッ!!」

 

「シュワッ!!」

 

「ダアッ!!」

 

「トアッ!!」

 

「ヤアーッ!!」

 

「頑張って我が子たち!母は後方支援に徹します!!」

 

 

開幕早々から"たった一頭"のキングユネルタンに対し、ハヌマーンとウルトラ6兄弟は一斉に襲いかかった。

 

「この"風"を、切断光線を受けてみろ!とりゃーーーっ!!!」

 

「シュワッチ!!」

 

「デヤッ!!」

 

「シュワッ!!」

 

「ダアッ!!」

 

「トアッ!!」

 

「ヤアーッ!!」

 

キングユネルタンに襲いかかったハヌマーンとウルトラ6兄弟は開幕から必殺技を、ハヌマーンは三叉槍(トライデント)から『相手の肉を吹き飛ばして骨だけにしてしまう不思議な風』と『切断光線』を同時に発射し、ウルトラ6兄弟は各自の必殺技を、

 

ウルトラマンは『スペシウム光線』を

ウルトラセブンは『エメリウム光線』を、

ウルトラマンジャックも『スペシウム光線』を

ウルトラマンエースは『メタリウム光線』を

ウルトラマンタロウは『ストリウム光線』を

ゾフィーは『M78光線』を

 

同時に、ハヌマーンとともに放った。

 

 

だが、

 

―――グゲェラァオオォォアアァァッ!!―――

 

「シュワッチ!!?」

 

「デヤッ!!?」

 

「シュワッ!!?」

 

「ダアッ!!?」

 

「トアッ!!?」

 

「ヤアーッ!!?」

 

「な、何ぃ!?攻撃を全部防いだだとぉ~~~!!?」

 

ハヌマーンとウルトラ6兄弟が一斉に放った各自の必殺技は・・・キングユネルタンが出したバリヤーに完全に防がれ、全く意味を成さなかった。これには流石に驚くしか無い一同―――と、その瞬間!!

 

 

「シュワーーーッ!!」

 

「あれは『流星キック』!見事ですジャック!!」

 

自慢の必殺光線などを防がれたハヌマーンたちは驚き、次に取るべき行動を迷っていたが、その中で唯一ウルトラマンジャックだけは素早く動いていた―――かつて、ウルトラマンジャックはキングユネルタンのベースになっているキングザウルス三世と戦ったことがあるからだ。

 

ウルトラマンジャックは天高く飛び上がり、直後に足を突き出しながらキングユネルタンの目がけて跳び蹴りを、かつてウルトラマンジャックの光線技をことごとく防いだキングザウルス三世の"弱点"を付いて倒すべく編み出した『流星キック』を放った―――だが、

 

―――グゲェラァオオォォアアァァッ!!―――

 

「シ、シュワッ!!?」

 

「な、何ぃ~!?怪獣が透き通った(・・・・・)~~~!!?」

 

ウルトラマンジャックの流星キックがキングユネルタンにヒットするという刹那、突然キングユネルタンの体が・・・透き通って(・・・・)しまったのだ。しかも、

 

―――ドォンッ! ボキボキッ!!―――

 

「シ、シュワッ!?アァッ・・・!!?」

 

「あ、あぁ!ジャック!!そんな・・・!?」

 

「ジ、ジャックの足が・・・変な方向に曲がってる~~~!!?」

 

突如として体が透き通ったキングユネルタンに驚くウルトラマンジャックであったが、今さら流星キックは止められない。

だからそのまま流星キックで突っ込んだ―――結果、ウルトラマンジャックはキングユネルタンの体を通り抜け(・・・・)、そのまま地面に激突した。

ウルトラマンジャックの体が、足が地面に激突した瞬間、辺りには何かが折れるような嫌な音が響き渡り、直後には苦しそうに呻くウルトラマンジャックが変な方向に(・・・・・)折れ(・・)曲がり(・・・)、だらしなく垂れている足を抱えて悶絶していた・・・そう、ウルトラマンジャックの足は地面に激突したせいで折れてしまったのだ。すると、

 

―――グゲェラァオオォォアアァァッ!!―――

 

「あっ!アイツ、出て来やがったなぁ~~~!!よくもジャックを―――でも、何でジャックはアイツの体をすり抜けたんだ・・・?」

 

折れた足を抱えて悶絶するウルトラマンジャックと、ジャックの周りに集まって心配するハヌマーンとウルトラ5兄弟(・・・)をあざ笑うかのように、それまで体が透き通っていたキングユネルタンが元に戻った―――実はコレ、キングユネルタンに合体しているゴルゴレムの能力「別の位相に移動して半透明状態となり、あるらゆる攻撃を無効化する」能力だ。

この能力が発動してしまえばどんな強力な攻撃もキングユネルタンには当たらない・・・反面、キングユネルタンの攻撃も相手に当てることが出来ない。だからキングユネルタンは再び姿を現わしたのだ。

 

「ヤアーッ!!」

 

―――グゲェラァオオォォアアァァッ!?―――

 

「おっ!タロウが行ったぞ!!行けぇタロウ~!やっちゃえ~~~!!」

 

キングユネルタンが姿を現わした瞬間、ウルトラマンタロウが「おのれジャック兄さんの仇!!」とばかりに叫び、猛スピードでキングユネルタンに突っ込んだ。

 

そのスピードは凄まじく、流石のキングユネルタンでも目で捉えられず、ゴルゴレムの能力の発動が間に合わなかった―――何故なら別の能力(・・・・)を発動(・・・)させている(・・・・・)から(・・)だった。

 

「ヤアーッ!!」

 

一方のウルトラマンタロウだが、その体は赤熱して辺りに陽炎が発生していた。

これこそウルトラマンタロウの超必殺技・己の体を爆弾にして相手に突撃して相手もろとも大爆発する『ウルトラダイナマイト』だ―――自身の体を赤熱化させるウルトラマンタロウ(・・・・・・)だからこそ(・・・・)気付けなかった(・・・・・・)。体が赤熱し、辺りに陽炎が発生しているのはキングユネルタンも同じであることに―

 

「ヤアーッ!!」

 

「行けぇタロウ!必殺のウルトラダイナマイトだ~~~!!」

 

「シュワッチ!!」

 

「デヤッ!!」

 

「シュワッ!!」

 

「ダアッ!!」

 

「トアッ!!」

 

「タロウ、あぁ・・・あんなに無茶をして。母は心配ですよ・・・よよょ・・・」

 

ハヌマーンと他の兄弟たちの声援(と実母の心配する声)を背に、ウルトラマンタロウのウルトラダイナマイトがキングユネルタンに炸裂しようとした、その瞬間―

 

―――ジュワッ!!―――

 

「!?ウ、ウワァアァ!?ヤアァァ・・・!!?」

 

「「えっ!?タ、タロウーーーっ!!?」」

 

「シュワッチ!!?」

 

「デヤッ!!?」

 

「シュワッ!!?」

 

「ダアッ!!?」

 

「トアッ!!?」

 

ウルトラマンタロウがキングユネルタンの体に抱き付いた瞬間、ウルトラマンタロウの体が焼かれた(・・・・)ウルトラマンタロウ(・・・・・・)が発している(・・・・・・)以上の超高熱(・・・・・)で―――キングユネルタンに合体しているザンボラーの能力、がより強化されたことで発した10万度を鼻で笑う(・・・・・・)超高熱(・・・)で。

 

「!?ウ、ウワァアァ!?ヤアァァ・・・!!?」

 

「タロウ!?タロウ大丈夫ですか―――な、何と惨い・・・!!?」

 

「ひ、ひえぇ・・・!もの凄い火傷だぁ・・・!!」

 

全身を凄まじい高熱で焼かれ、倒れてしまったウルトラマンタロウの全身は焼け爛れ、ウルトラダイナマイトを中断しても、キングユネルタンから離れても凄まじい高熱を持ったままだった。

 

―――グゲェラァオオォォアアァァッ!!―――

 

ウルトラマンジャックに続き、ウルトラマンタロウにも手痛い手傷を負わせたキングユネルタンは首を天高く掲げて、大きく口を開けて勝利の雄叫びを上げた―――否、違った。

 

―――グゲェラァオオォォアアァァッ!!―――

 

―――ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!―――

 

「な、何だぁ!?アイツ、何してるんだ~~~?」

 

天を仰いだキングユネルタンは空に向かって無数の火炎弾を乱射した・・・何故、ハヌマーンたちに火炎弾を直接浴びせないのだろうか?

しかも、キングユネルタンは火炎弾を放ち終わると体温の上昇を止めた―――キングユネルタンの発するあまりの高熱はキングユネルタン自身にも負担をかける上に、背中にある殻の中身(・・・・・)にも危険を及ぼすからだ。

 

「デヤッ!!」

 

そんな中、ウルトラセブンが動いた。

ウルトラセブンは頭にある切断武器にして"ブーメラン"である『アイスラッガー』を手に、キングユネルタンの足を(・・)狙った―――基本、四つん這いの生物にとって足をやられるというのはバランスがとれなくなり、行動に激しく支障をきたしてしまう。

ましてや、数万トンもの体重を誇る「怪獣」にとって足をやられたら・・・それこそ"何も出来なくなってしまう"のだ。だからウルトラセブンはキングユネルタンの前足を自慢のアイスラッガーで狙った―――しかし、

 

―――ガッキッ・・・ンッ・・・バリンッ!!―――

 

「デ、デヤッ!!?」

 

「嘘ぉ!?アイスラッガーが・・・欠けてる~~~!!?」

 

ウルトラセブンがキングユネルタンの前足をアイスラッガーで切りつけた瞬間に聞こえた、まるで石に己を叩き付けた様な音・・・からの、刃物が折れるような音。

見れば、ウルトラセブン自慢のアイスラッガーが刃こぼれ・・・どころか、完全に折れて使い物にならなくなっていた。

一方で、アイスラッガーで斬り付けられたキングユネルタンの前足には「薄い引っかき傷」が付いている程度だった。

そう、キングユネルタンの四肢はケムラーの頑丈な甲殻、が更に頑丈になった甲殻で覆われているので易々と傷を付けるのは不可能なのだ―――四つん這いの王「四這合成獣」だからこそ、四肢の大事さは分かっている"キングユネルタンらしい強化"だったのだ。

 

「デ、デヤァ・・・」

 

―――グゲェラァオオォォアアァァッ!!―――

 

―――バチンッ!!―――

 

「デヤッ!?ヌゥオォ!!?」

 

自慢のアイスラッガーが折れてしまい、呆然とするウルトラセブンに対し、キングユネルタンは間髪入れずに極太の尻尾を叩き付けて吹っ飛ばし、地面に大の字になったウルトラセブンにのしかかるとそのまま踏みつけ、噛み付き、尻尾で打ち据え始めた―――その瞬間!!

 

「シュワッチ!!」

 

―――ガッ!!―――

 

―――グゲェラァオオォォアアァァッ!?―――

 

キングユネルタンがウルトラセブンにのしかかって攻撃を加え始めた瞬間、ウルトラマンがキングユネルタンの背ビレに(・・・・)飛び掛かった―――ウルトラマンは知っていたのだ。

キングユネルタンの背ビレが、かつてウルトラマンが戦ったことのある「海獣 ゲスラ」のものと同じ事に(厳密に言えばキングユネルタンの背ビレは「海獣王 キングゲスラ」のものであるが)。

だからこそウルトラマンは背ビレに飛び掛かったのだ。背ビレを引き千切るために―――(キング)ゲスラにとって、背ビレは弱点なのだ。

だからウルトラマンはキングユネルタンの背ビレを引き千切ろうとその見事な背ビレに触れた・・・触れてしまった(・・・・・・・)。その結果、

 

「シ、シュワッ!?ヘヤァ・・・アァ・・・ッ!!?」

 

「ど、どうしたんだウルトラマン!?何でそんなに苦しんでるんだ~~~!!?」

 

ウルトラマンがキングユネルタンの背ビレに触れた瞬間、ウルトラマンの体には電気が走ったような激痛が走り、次の瞬間には手が痺れ、更にはあっという間に全身の筋肉が弛緩してその場に倒れてしまった。

一体、何が起きたのか?

 

「まさか・・・」

 

「どうしたの母さん!?何か分かったの!!?」

 

「えぇ、コチャン・・・きっと、あの怪獣の背ビレには毒があるのよ・・・だからウルトラマンがあんなことに・・・」

 

「そ、そんな・・・」

 

目の前で体中の筋肉が弛緩し、その場に倒れたまま動けなくなってしまったウルトラマンを見たウルトラの母はキングユネルタンの背ビレの秘密を見抜いた・・・病人や怪我人の治療などを行っている彼女の経験ゆえに。

 

そう、実際にキングユネルタンのキングゲスラ由来の背ビレなどには猛毒が、キングゲスラ由来の「相手を痺れさせたりショック死させるほどの猛毒」こと『ショッキング・ベノム』が更に強化された『アナキラフィシーショッキング・ベノム』が蓄えられており、それに無闇に触れてしまったがゆえにウルトラマンは倒れたのだ。

しかも、キングユネルタンは背ビレが弱点だった(キング)ゲスラと違って背ビレが弱点ではないのだ。

 

―――グゲェラァオオォォアアァァッ!!―――

 

「うぐぐ、クソ~っ!調子に乗るなよぉ・・・!!」

 

「ダアッ・・・!!」

 

「トアッ・・・!!」

 

「あの怪獣、以外と強いわね・・・!!」

 

先に戦闘不能になったウルトラマンジャックとウルトラマンタロウに加え、アナキラフィシーショッキング・ベノムで体が弛緩して動けなくなったウルトラマン、体にのしかかられた挙句にボコボコにされて戦闘不能になったウルトラセブン、の計四人のウルトラ兄弟を背に、残ったハヌマーン・ウルトラマンエース・ゾフィー・ウルトラの母を挑発するかのように雄叫びを上げるキングユネルタン。と、ここで―

 

―――ヒュウウウゥゥゥン・・・―――

 

「?な、何だ―――」

 

不意に、何かが落ちてくるような音が聞こえた。その音につられたハヌマーンたちが空を見上げると―

 

―――ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!―――

 

「う、うわぁあぁっ!?な、何だ!!?」

 

「ダアッ!?」

 

「トアッ!?」

 

「こ、これはさっき怪獣が打ち上げた火炎弾!?」

 

何かが落ちてくるような音につられ、空を見上げたハヌマーンたち―――を、空から無数に無理注ぐ火炎弾が、先程キングユネルタンが空に向かって乱射した火炎弾、が酸素を取り込んで巨大化し、更には落下の勢いで威力を増した火炎弾が流星群のように降り注いできた。

 

そう、キングユネルタンは火炎弾の威力を増大させつつ、更には時間差で攻撃するために"ワザと"火炎弾を空に打ち上げたのだ。

 

―――ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!―――

 

「ひ、ひぃいぃっ!?躱しきれないっ!!?」

 

「ダアッ!?」

 

「トアッ!?」

 

「これでは私たちだけでは無く、タロウたちまでもっ・・・!!」

 

無数に、無差別に降り注ぐ火炎弾に右往左往するしかないハヌマーンたち。

オマケに、ウルトラの母の言う通りにダメージを負って動けなくなっているウルトラマン・ウルトラセブン・ウルトラマンジャック・ウルトラマンタロウにも火炎弾は容赦なく襲いかかっていた。と、ここで―

 

「ダ、ダアッ!!?」

 

「ま、まぁ!?ゾフィー大丈夫ですか!!?」

 

「た、大変だ~!ゾフィーの頭に火がついちゃった!!?」

 

何と、上空から無数に無差別に降り注ぐ火炎弾がゾフィーの頭に直撃し、頭に火を付けてしまった。

 

「ダ、ダアッ!?ウワッ!?ドワッ!?ジュワッ!?ドワァアッ!!?」

 

頭に火がついたゾフィー(ミスター・ファイヤーヘッド)はパニックを起こしてしまい、日頃や"隊長としての"威厳はどこへやら、頭に付いた火を消そうと手をバタつかせ、何か喚き散らしながら慌てふためき、挙句はその場で右往左往するばかりだった。その結果―

 

―――グゲェラァオオォォアアァァッ!!―――

 

「ダッ!?ダア・・・アァッ・・・!?」

 

「ゾ、ゾフィー!!?」

 

「アイツ、ゾフィーにあの石になる光線をっ!!?」

 

相変わらず頭に付いた火でパニックを起こすゾフィーは右往左往して隙を晒しまくりだった。

 

当然、それはキングユネルタンからすれば好都合この上ない。キングユネルタンはその長い首をゾフィーに向かって伸ばし、ガクマ由来の石化光線をゾフィーに照射してゾフィーを石に変えてしまった。

 

「アイツ、ゾフィーを・・・!許さないぞ!!エース!行くぞ!!」

 

「トアーっ!!」

 

慌てふためくゾフィーの不意を突いて石に変える、という卑怯な行いをしたキングユネルタンに怒り心頭のハヌマーンとウルトラマンエースはキングユネルタンに向かって猛ダッシュし、キングユネルタンを射程圏内に捉えた瞬間、その場で大きくジャンプしてキングユネルタンを飛び越えて後ろを取ると―

 

「今だ!くらえっ!!」

 

「トアーっ!!」

 

―――ザシュッ!!―――

 

―――グゲェラァオオォォアアァァッ!?―――

 

キングユネルタンの後を取ったハヌマーンとウルトラマンエースは間髪入れずにそれぞれの切断光線を放ち、見事にキングユネルタンの尾を切り落とした。

 

―――グゲェラァオオォォアアァァッ!?―――

 

当然、尻尾を切り落とされたキングユネルタンはその痛みに驚きつつ、フツフツと湧き上がる怒りをハヌマーンとウルトラマンエースに向けた・・・そのせいで周りを、ハヌマーンとウルトラマンエース以外に(・・・)まだ動ける人物がいたのを、その人物が「あることの専門家」だったの忘れてしまった。その結果、

 

―――グゲェラァオオォォアアァァッ!!―――

 

―――ドォンッ!ドォンッ!ドォンッ!ドォンッ!ドォンッ!ドォンッ!―――

 

「うわっ!?これは防ぎきれない―――」

 

「トアッ―――」

 

尻尾を切断され、怒り狂ったキングユネルタンは火炎弾を直接(・・)、それも凄まじい数をハヌマーンとウルトラマンエースに向かって乱射した。

その数は、勢いは、威力はたった二人しかいないハヌマーンとウルトラマンエースには防ぎきれない。危うし、ハヌマーンとウルトラマンエース―――

 

「行くわよ!みんな!!ウルトラバリヤーーーっ!!!」

 

「シュワッチ!!」

 

「デヤッ!!」

 

「シュワッ!!」

 

「ダアッ!!」

 

「ヤアーッ!!」

 

 

―――グゲェラァオオォォアアァァッ!?―――

 

キングユネルタンが乱射した火炎弾がハヌマーンとウルトラマンエースに炸裂しようとした刹那、ウルトラの母と・・・何と、先程までは起き上がることすら不可能だったウルトラマン・ウルトラセブン・ウルトラマンジャック・ウルトラマンタロウ、に加えて石になっていたゾフィーがウルトラの母の力によって復活し、ウルトラの母とともに手から出したバリヤーで無数の火炎弾からハヌマーンとウルトラマンエースを守ったのだった。

 

「コチャン!エース!大丈夫ですか!?怪我はないですか!!?」

 

「シュワッチ!!」

 

「デヤッ!!」

 

「シュワッ!!」

 

「ダアッ!!」

 

「ヤアーッ!!」

 

「た、助かったぁ・・・ありがとう、お母さん!みんな!!」

 

「トアッ!!」

 

ウルトラの母と復活したウルトラ5兄弟のおかげで無事だったハヌマーンとウルトラマンエースはホッと胸を撫で下ろしつつ例を述べ、直後にはウルトラの母が二人をヒーリングした。結果、ハヌマーン側の戦力は、体力は万全になった。

 

―――グゲェラァオオォォアアァァッ・・・!―――

 

一方で、ウルトラの母という最強・無限大の回復役(ヒーラー)に加え、全員で八人もの戦士がいるハヌマーンたちと違い、"たった一頭"で戦っている上に手の内も色々と見せてしまったキングユネルタンは完全に不利な状況に追い込まれれていた。

 

―――グゲェラァオオォォアアァァッ・・・!!―――

 

だからこそ、キングユネルタンは「奥の手」を使うことにした。本当に最後の(・・・)「奥の手」を―

 

「よし、じゃあ行くぞ怪獣―――んっ?何だアイツ・・・何で殻を(・・)開いてる(・・・・)んだ―――」

 

自身の体力も体調も、ウルトラ6兄弟の体力も体調も万全になったハヌマーンたちは改めてキングユネルタンに向き直った・・・その時には既に、キングユネルタンは背中にあるゾンネル由来の「敵が背中に馬乗りになるのを防ぐため」の巨大な殻を開いていた―――その直後!!

 

―――グゲェラァオオォォアアァァッ・・・!!―――

 

 

―――ドォオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォンッ!!!―――

 

「えっ―――」

 

「シュワッチ―――」

 

「デヤッ―――」

 

「シュワッ―――」

 

「トアッ―――」

 

「ダアッ―――」

 

「ヤアッ―――」

 

「コレは何ですか―――」

 

キングユネルタンの背中の殻が開ききった瞬間、殻の内部から煌々(こうこう)と輝く光の球(・・・)が出現した―――その瞬間、キングユネルタンを中心として辺り一帯を凄まじい爆発と閃光が襲った。

 

「こ、これはいけません!みんな、バリヤーで爆発を封じ込めますよ!!」

 

「シュワッチ!!」

 

「デヤッ!!」

 

「シュワッ!!」

 

「ダアッ!!」

 

「トアッ!!」

 

「ヤアーッ!!」

 

「コチャン!貴方も手伝って―――」

 

キングユネルタンの殻から出現した光の球が起こした爆発は、万物を一片として残らず吹き飛ばす勢いで辺り一帯を覆い尽くした。

そんな爆発を前に、正義の心に溢れるウルトラの母やウルトラ6兄弟はバリヤーを使って爆発を封じ込め、周囲への被害を防ごうとしていたが―

 

「い、嫌だ・・・!怖いっ!怖い怖い怖いっ!!僕は死にたくないっ!!」

 

「コ、コチャン!?どこに行くのですか―――」

 

「!?シュワッチ―――」

 

「!?デヤッ―――」

 

「!?シュワッ―――」

 

「!?トアッ―――」

 

「!?ダアッ―――」

 

「!?ヤアッ―――」

 

ウルトラの母とウルトラ6兄弟がキングユネルタンの起こした爆発を防ごうと死力を尽くす中、なんと、ハヌマーンは・・・ビビって自分一人だけ飛んで逃げてしまった。

 

そんなハヌマーンに、正義のヒーローにあらざる行いをしたハヌマーンに驚いてしまったウルトラの母とウルトラ6兄弟は思わずバリヤーを弱めてしまった―

 

―――ドォオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォンッ!!!―――

 

「きゃっ―――」

 

「シュワッチ―――」

 

「デヤッ―――」

 

「シュワッ―――」

 

「トアッ―――」

 

「ダアッ―――」

 

「ヤアッ―――」

 

 

爆発を封じ込めようとしたバリヤーが弱まってしまった結果・・・というか、そもそもバリヤー程度ではとても封じ込められような規模ではないキングユネルタンが起こした爆発もとい"自爆"は全てを、ウルトラの母とウルトラ6兄弟もろとも全てを呑み込んだ―

 

 

 

「ひぃいいいぃぃぃっ!?嫌だ嫌だ嫌だっ!死にたくない―――」

 

子供らしく(・・・・)ビビって一人だけ逃げていたハヌマーンは、そもそもが正義のヒーローにあるまじき行いの数々を常日頃から行っているハヌマーンは全速力で飛び、爆発から逃げていたが―

 

―――ドォオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォンッ!!!―――

 

「い、嫌だ―――」

 

一人で逃げた天罰か、それとも罪の無い怪獣を"虐殺"していたハヌマーンへの敵討ちを切望していたキングユネルタンを始めとした怪獣たちの思いが天に届いたのか、ハヌマーンは後ろから迫る爆発の中へ消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キングユネルタンが起こした自爆の規模は凄まじく、周囲30km四方を跡形も無く吹き飛ばしていた。

 

当然、その自爆の中心地の近くにいたウルトラ6兄弟とウルトラの母、そして一人で逃げていたハヌマーンは影も形も見当たらなかった。

 

そう、キングユネルタンは己の身を犠牲にして大勢の怪獣(どうし)たちを殺してきた「怪獣の天敵」たちへの敵討ちを成し遂げたのだ―

 

 

―――グゲェラァオオォォアアァァッ・・・!!―――

 

突然、爆心地の中央の地中から何かが現れた―――それは、全身がボロボロで息も絶え絶えのキングユネルタンだった―――何と、キングユネルタンは生きていたのだ!!

 

あれだけの凄まじい自爆を起こしておきながら。

あれだけ凄まじい自爆の、爆弾の"核"になっておきながら。

全てを吹き飛ばし、ウルトラ戦士やハヌマーンすら跡形も無く吹き飛ばす自爆をしておきながら、キングユネルタンは生きていたのだ。

 

そんなキングユネルタンであるが、流石に満身創痍で虫の息。全身がズタボロでその命は風前の灯火―――かと思いきや、何と、その体は見る見るうちに修復され、再生しているのだ!!そして、

 

―――グゲェラァオオォォアアァァッ!!―――

 

時間こそかかったが、キングユネルタンは全身を見事に再生していた―――ハヌマーンとウルトラマンエースに切断された尻尾もろとも。

 

そう、実はキングユネルタンはゴルゴレム由来の再生力が更に強化されて備わっており、仮に先程の自爆―――ゾンネル由来の「小型の太陽の爆発に匹敵するエネルギーを殻の中に宿す能力」が更に強化された自爆を行ってもなお、キングユネルタンは再生可能なのだ。

 

―――グゲェラァオオォォアアァァッ!!―――

 

全てを、怪獣(じぶん)たちの天敵を吹き飛ばし、見事に怪獣(どうし)たちの仇を討ったキングユネルタンは地底深くへと潜り、眠りに付いた。

 

再び、怪獣(じぶん)たちを虐げる存在が現れたときに備えるために。

 

怪獣(どうし)たちが救いを求める時にその救いの声に応えるために。

 

そのために「四つん這いの王」こと「四這合成獣 キングユネルタン」は地底でエネルギーを蓄えるために眠るのだ。

 

 

 

 

~合体怪獣紹介~

 

 

ベース:「古代怪獣 キングザウルス」

         +

「透明怪獣 ネロンガ」

「海獣王 キングゲスラ」 

「毒ガス怪獣 ケムラー」

「灼熱怪獣 ザンボラー」

「岩石怪獣 ガグマ」

「甲殻怪地底獣 ゾンネル」

「インビジブルタイプビースト ゴルゴレム」

         

(フュージョン・ライズ)  四這(しはい)合成獣 キングユネルタン

 

 

スペック 身長(全長)210m  体高 61m 体重9万8000千トン

 

データ:『帰ってきたウルトラマン』に登場した「古代怪獣 キングザウルス三世」に

 

『ウルトラマン』に登場した「透明怪獣 ネロンガ」・「海獣 ゲスラ」・・・の亜種「海獣王 キングゲスラ」・「毒ガス怪獣 ケムラー」・「灼熱怪獣 ザンボラー」

 

『ウルトラマンティガ』に登場した「岩石怪獣 ガグマ」

 

『ウルトラマンガイア』に登場した「甲殻怪地底獣 ゾンネル」

 

『ウルトラマンネクサス』に登場した「インビジブルタイプビースト ゴルゴレム」

 

が合体して誕生した「最強の"四つん這いの"怪獣」である。

 

四つん這いゆえのパワー、体格で立ちはだかるもの全てを踏み潰し、破壊する文字通り「四つん這い怪獣の王様」である。

また、四つん這い怪獣の弱点である「顔を蹴られやすい」「背中に乗られたらお手上げ」をちゃんと克服している(後述)。

そんなキングユネルタンの四肢は膝をつかない(いわゆる"ハイハイ形態"ではない)ため、スピーディー+パワフルに動き回る事も可能。

加えて、凄まじい再生力を有している。仮に角や足や尾を切断されても生える・・・どころか、後述の自爆を行っても再生できるほどに強靱すぎる再生力・生命力を有している。

意外に「鉱物食」であり、肉食では無い・・・その巨体を維持するのに動物の肉では間に合わない&鉱物、あるいはウランなどが持つ"エネルギー"で体を維持しているために肉食では無い。

 

コンセプトは『強い四つん這い怪獣』を作りたいである・・・

 

『四つん這い怪獣は総じて絵にならない(故・川北紘一 監督談)』

 

『四つん這いはスピィーディーな戦闘が出来ないから、"今時"の派手さが大事なウルトラマンには合わないんだよねぇ(とある円谷スタッフ談・2014年に出たオモチャ紹介の雑誌から抜粋)』

 

とまで酷評される四つん這い怪獣のみであり、そんな彼らに日の目を浴びせたいという切な思いからです(事実、『ウルトラマンジード』で登場した「グクルシーサー」が登場するまで『ウルトラマンメビウス』の「アングロス」が"新規"の四つん這い怪獣だったンです・・・グクルシーサーとアングロスの間は12年も空いており、その間は新規の四つん這い怪獣は出ていません)。

 

また「~キング」で唯一ハブられているキングザウルス三世を活躍させたいという僕の個人的な思いです・・・レッドキング、エレキング、ブラックキングは出るのにキングザウルス三世だけのけ者って・・・不公平でしょ?

 

 

 

容姿:

・頭部はキングザウルスのまま、かつガクマの角を新たに生やして3本角となりつつ、ネロンガの耳が生えている

 

・首から首の付け根にかけてと、尾の付け根から尾の先端までキングゲスラのヒレがキングザウルス三世のヒレの如く生えている

 

・胴体はザンボラーなので目に付く赤い皮膚と棘が生え、長く太い武器になる尾はキングザウルス三世のまま

 

・四肢は頑丈な外骨格で覆われたケムラーの四肢ながらも、ゴルゴレムのように四つん這いながらも膝をつかない脚の生え方をしている(いわゆる"ハイハイ形態"ではない)

 

・背中にはゾンネルの殻+ゴルゴレムの結晶が殻を囲むようにデカデカと生えている

 

 

 

必殺技:各怪獣の能力・必殺技が使える&強化されている

 

・キングザウルス三世が角から出す「強靱だが真上ががら空きなカーテン状のバリヤー」は大きく形を変え、意外にも普通の「壁状のバリヤー」になっている・・・がその強度は凄まじく、ウルトラ6兄弟+ハヌマーンの光線などの一斉攻撃を受けても崩れない。このため、顔や首を蹴られたりする危険性がグッと減っている。

反面、あまりにも頑丈すぎるために自分の攻撃(主に口から吐く)が相手に当てられないという欠点も出来てしまった。ただし、後述のやり方でそれを解消している。

 

・ゾンネルの「口から吐く火炎弾」が凄まじく強力に、約100万度に達している。そんな火球を、キングユネルタンは主に上空に放つ―――理由として、

 

①前述の「相手の攻撃を防ぐが、自分の攻撃も相手に当てられないバリヤー」が邪魔なため、バリヤーを通り超すような遙か上空に火炎弾を打ち上げて降らせる。

②上空に打ち上げることで酸素を取り込ませて巨大化させ、更には落下の勢いで威力を増した火炎弾は流星群のように降り注ぐ。

 

という二つの理由がある。

 

・ガクマの「浴びた物体は、生物・機械・有機物・無機物とわずに石に変化する」必殺光線『石化光線』がより強化されたものを口から吐く。ぞの威力・即効性はガクマどころかガーゴルゴンすら鼻で笑う。

 

・首から背中にかけて、あるいは尾の付け根から先端まで生えているヒレはキングゲスラ由来だが、(キング)ゲスラたちのように弱点ではない、どころか凄まじい猛毒(アナキラフィシーショッキング・ベノム)を秘めている。そのため弱点だと思って触れた相手は猛毒で返り討ちにあってしまう。

ちなみに、アナキラフィシーショッキング・ベノムは激痛を伴う神経毒であり、主に筋肉の弛緩や意識混濁、呼吸困難などの「行動不能になる症状」を引き起こす。

また、尾の先端にまで生えた毒の棘を尻尾ごと相手に叩き付け、相手に毒を与える攻撃も積極的に行う。

 

・ゴルゴレムが持つ「別の位相に移動して半透明状態となれる=相手の攻撃を完全にシャットアウトする」がより強化されている・・・反面、キングユネルタンも別の相違にいると相手に攻撃が当てられなくなっている。

 

・背中にはゾンネルの殻+ゴルゴレムの結晶が殻を囲むようにデカデカと生えており、そのおかげで背中に乗られることは無い・・・つまり「四つん這い怪獣最大の弱点」=「体に馬乗りになられたらお手上げ」を見事に克服している。

また、その殻の中にはゾンネル由来の「小惑星すら一瞬で粉々にするエネルギー」がより強まったものが蓄えられており、それを解放すれば周囲30km四方が吹き飛ぶ。

この際、ケムラー由来のガス(可燃性ガス)を噴射して爆発力をより増すことも可能。

 

・ザンボラー由来の超高熱を体から発し、不用意に触れた相手を大火傷させる。また、あまりに高温ゆえにミサイルは着弾する前に蒸発し、ウルトラ戦士などの光線は熱によって発生する大気の歪みでねじ曲る=「空気レンズ」を発生させる。冷凍攻撃、水などは全くの無駄になる。

加えて、 高温による上昇気流が発達した積乱雲を発生させる為、局地的なハリケーンも巻き起こす、等々もはや「天災」に匹敵する―――反面、あまりの高熱で自分が命の危機に陥るほか、前述のアナキラフィシーショッキング・ベノムが熱で変性して使えなくなる事もある、キングユネルタンが立っている地面が溶けてしまうため、高熱を発する能力の長時間の使用は行わない。

 

・四肢にはガクマ由来の「猫のように伸ばすことの出来る鋭い爪」が隠されており、状況に応じて爪を伸ばして相手を攻撃する。

 

・この他にもネロンガ由来の透明能力、ケムラー由来の毒ガスの噴射能力、キングザウルス三世たちが使える光線や電撃も出せる、まさしく全身が武器である。

 

 

 

肩書きの由来:「四這(い)」は「しはい」=「支配(しはい)」、そして「"四"つん"這"い」というダブルネーミングです。

 

そんなキングユネルタンを構成しているのは

 

『四つん這い怪獣は総じて絵にならない(故・川北紘一 監督談)』

 

『四つん這いはスピィーディーな戦闘が出来ないから、"今時"の派手さが大事なウルトラマンには合わないんだよねぇ(とある円谷スタッフ談・2014年に出たオモチャ紹介の雑誌から抜粋)』

 

とまで酷評される四つん這い怪獣のみであり、そんな彼らに日の目を浴びせたいという切な思いからです。

 

 

名前の由来:『四つん這い症候群』の別名を持つ『ユネルタン症候群(人間なのに何故か四歩行で活動する人々を研究したユネル・タンという医学博士が命名した遺伝系統の病名)』の「ユネルタン」に、強いヤツには欠かせない「キング」を合成した名前です。

 

キング+ユネルタン=キングユネルタン(四つん這いの王様)

 

 

 

合体元解説・・・多いため、簡略化。

 

古代怪獣 キングザウルス三世:『帰ってきたウルトラマン』の第4話「必殺! 流星キック」に登場。

・『帰ってきたウルトラマン』初の四足歩行型怪獣に登場した"3番目のキング怪獣"である(1番目はレッドキング、2番目はエレキング、4番目はブラックキング)。

ちなみに、他のキング仲間と違って最近のシリーズに出れない理由は「見栄えが悪い」「四つん這いだから」「操演にお金がかかる(首の)」等の理由らしい。

 

・透明怪獣 ネロンガ:『ウルトラマン』第3話「科特隊出撃せよ』

・海獣 ゲスラ(海獣王 キングゲス):『ウルトラマン』第6話『沿岸警備命令』(キングゲスラは映画『大決戦!超ウルトラ8兄弟』)

・毒ガス怪獣 ケムラー:『ウルトラマン』第21話『噴煙突破せよ』

・灼熱怪獣 ザンボラー:『ウルトラマン』第32話『果てしなき逆襲』

 

・岩石怪獣 ガグマ:『ウルトラマンティガ』の第2話『石の神話』

 

・甲殻怪地底獣 ゾンネル:『ウルトラマンガイア』の第17話『天の影、地の光』 ~第18話『アグル対ガイア』

 

・インビジブルタイプビースト ゴルゴレム:『ウルトラマンネクサス』のEPISODE.19『要撃戦 -クロスフェーズ・トラップ-』からEPISODE.21『受難 -サクリファイス-』

 

にそれぞれ登場。 みんな四つん這い怪獣である。




如何でしたか?

ふう、白い猿は討ったぜ・・・ヤツは中身"子供"ですし、きっとあんな状況に置かれたら逃げるでしょうねぇ・・・

で、ゾフィー隊長の扱いあんなんでスミマセン・・・やはり「ファイヤーヘッド」はやりたいでしょ!?やりたいんですよ!? 何か・・・スミマセン。

で、エースを最後まで残したのは以前のヤンバルキャルブでの"首はね"の謝罪です。

それにしても・・・いい加減、四つん這いでパワフルな動きが出来る怪獣が見たいなぁ。無理ですかねぇ・・・?


さてさて、ここで次回予告をしておきますが・・・

次回は「毛色の違うお話&ちょっと独特のフュージョン・ライズ」だと先に言っておきますし、次回は怪獣じゃなくて「星人」のフュージョン・ライズです。

一体どんなのが出るのか?そしてどんな話か・・・お楽しみにです。


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第六話 (言葉)(パワー)より強し!商人の策略

どうも!銀色の怪獣です。

さてさて、今回は全開予告したとおりの
「毛色の違うお話&ちょっと独特のフュージョン・ライズ」&「星人のフュージョン・ライズ」です。
ついでに、かなり長い&会話がメインです・・・読みづらかったらスミマセン。


で、今回の話・・・ぶっちゃけ『対魔忍 R〇G』見てて思いつきました。

「え?何、下ネタ・・・?」と思われる方もいるでしょうが・・・違います。

ですが、その『対魔忍 R〇G』見てて何でこの話を思い付いたのか、というか作者が何をしたいのか・・・よろしければ本編をご覧になって推測して下さい。

ではどうぞ~

それにしても・・・人生で初めて『ガチャ』なるものをやりましたが・・・レアキャラって出ないなぁ! まぁ、課金する気にならないから"安心"ですが・・・


「社長、本日の便が到着しました」

 

「そうですか。報告、ご苦労様です」

 

「おそれいります」

 

「さてさて、では・・・商品たち(・・)を見に行きますか」

 

とある広々としたオフィスにて、一人の女性が「社長」と呼んだ人物らしき(・・・)存在(・・)に報告していた―――なぜ「人物らしき存在」と形容したかと言えば、その「人物らしき存在」が・・・"人外の存在"だったからだ。

 

頭部は長い触角と巨大な複眼があるカミキリムシのようであり、同時に頭頂部には先端に水晶体がある角を生やしている。

また体付きこそ人間のようであるがその体表は赤褐色の外骨格に覆われており、手には鋭い鉤爪まで生えている異形の存在が・・・上下ともシワ一つ無い黒のスーツでビシッと決めていた。

 

また、そんな人外の存在もとい「社長」に話しかけた褐色肌に眼鏡で巨乳の女性も一見すれば人間のようであるが・・・よく見れば耳が尖っている、瞳孔が縦に開いている、皮膚に鱗が生えている、といったこれまた人外の存在であった。ちなみに、この女性らしき存在は「社長」の秘書だ。

 

そして、そんな人外の存在たちがいるオフィスからは外の景色が一望できるのだが・・・そこには満点の星と月が輝く暗黒の宇宙空間があった。

 

そう、このオフィスがあるのは宇宙のどこかの惑星であり、そのオフィスを構えている人外の存在たちは俗に言う「宇宙人」だったのだ。

 

「社長、本日の便で届いた"商品"ですが・・・ほとんどが栄養失調状態、及び精神的な傷を負っている模様です」

 

「やれやれ、困りましたねぇ・・・とはいえ"あんな事"があった後では致し方ないですねぇ・・・アレは本当にヒドかったと聞きますからねぇ」

 

「はい、件の宇宙怪獣によって"商品"たちの故郷の星はほぼ壊滅状態、同時に"商品"たちの大多数が殺されたりしたとか・・・」

 

「おやおや、何とまぁ惨い・・・全く、あの連中(・・・・)は何をやっているんでしょうかねぇ?『宇宙の平和を守る警備団』とか言っておきながらむざむざ怪獣を取り逃がしたばかりか、その取り逃がした怪獣が様々な惑星に被害をもたらしている・・・呆れてしまいますよねぇ」

 

「全くです。連中(・・)にはほとほと愛想を尽かします・・・連中のせいで、私の故郷も・・・!!」

 

「ち、ちょっと!ここで暴れないで下さいよ!?はい、落ち着いて!ね?お菓子でも食べますか?」

 

「はっ!も、申し訳ありませんでした社長・・・つい昔の事を思い出してしまって・・・」

 

オフィスから出た社長と秘書は長い長い廊下を歩きつつ、色々と話をしていた。

 

その会話の中で語られた件の"商品"や「あの連中」とは一体なんなのであろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、では3列になって並んで!!」

 

「ホラホラ、早く並んで!!」

 

所変わって、ここは例のオフィスがある場所から少し離れた「船着き場」だ―――船着き場にある"船"は全て宇宙船であった。

 

そう、ここは宇宙船の発着ゲートであると同時に、件の"商品"の「受け渡し口」なのだ。

 

「ねぇ、お母さん・・・本当にここでご飯がお腹いっぱい食べられるの?」

「そうよ、ここなら安全だしご飯も出るって話よ・・・」

 

「俺たち、何するんだろうなこれから・・・?」

「さあ、知らんよ・・・メシと寝床があれば何でもいいさ」

 

「本当に大丈夫かな私たち・・・?」

「うん、何をするのかなぁ・・・?」

 

そんな宇宙船の発着ゲート兼"商品"の受け渡し口には共通の制服を身に纏った"宇宙人"の「従業員」たちとは違う、ボロ布のような衣服を身に纏った宇宙人が大勢いた。すると、

 

「みなさん、お加減は如何ですか?今日も元気に働いてますか?」

 

「「「!!こ、これは社長!お疲れ様です!!はい!従業員一同、マジメに働いております!!!」」」

 

「そうですか、そうですか。それはいいことです・・・ですが、あまり気を張り詰めすぎないようにして下さいね?休憩や休暇はちゃんと取って下さいよ?」

 

「「「勿論です!社長が与えて下さる休暇、休憩時間は有益に使わせて頂いておりますっ!!!」」」

 

「そうですか。それはよかった。はい、では引き続き安全と健康に気を付けてお仕事お願いしますね?」

 

「「「はい!従業員一同、誠心誠意に頑張ります!!!」」」

 

発着ゲートに現れた社長の姿を一目見た従業員たちはその場で姿勢を正して元気よく社長に挨拶を行い、社長もまた微笑みながらそれに応えた―――とはいえ、社長の顔はカミキリムシそのものなために表情の変化、どころか「表情そのものが分からない」という状態であるのだが・・・

まぁ、それでも一応は声色が優しい、複眼の色が淡く輝いてる、口が開いている、などから「従業員たちは社長の表情らしきもの(・・・・・・・)を察していた」と言うべきか。

 

「何、アレ・・・?」

「まるで軍隊だな・・・」

「よく躾けられてるなぁ、オイ・・・」

 

そんな社長と従業員たちのやり取りを見たボロ布のような衣服を身に纏った宇宙人たちは不安そうに、訝しげに先のやり取りを見ていた。

 

「さて、では・・・おぉ、今日もまたたくさん来ましたねぇ・・・リザさん、今日の便で来た方々はどこの惑星の方たちですか?」

 

「はい、社長。本日の便で来た方たちはかに座星雲やおうし座星雲など出身の方々ばかりです。かに座星雲の方々は再生力が、おうし座星雲の方々は力が優れているとの情報です」

 

「ふむ、再生力と力ですか・・・なるほど、医療分野と力仕事分野の訓練(・・)などですね、それならば」

 

社長への挨拶を終えた従業員たちがそれぞれの持ち場に戻った直後、社長は秘書の女性―――「リザ」という名の女性にボロ布のような衣服を身に纏った宇宙人女性にたちの出身地や特性などを尋ね、それを踏まえた上で色々と考えた後、

 

「はい、どうも皆さん始めまして。私、皆さんのアフターケア(・・・・)を担当させて頂きつつ、皆さんによりよい職などを(・・・・)ご紹介する(・・・・)、この『マーキザン商会』の社長のマーキザン星人です―――」

 

色々と考えていた社長だった―――その間、僅かコンマ数秒であり、その間に考えた物事の全てに答えを出していた。そう、この社長もとい「星人」は恐ろしく知恵が回るのだ。

そんな色々と考え、考えた物事の全てに答えを出した社長は従業員に見せた以上の、極上の微笑みを浮かべつつボロ布のような衣服を身に纏った宇宙人たちに向かって自己紹介をし始めた、その矢先の事だった。

 

「社長ーーー!大変ですーーーっ!!」

 

突然、社長たちがいる宇宙船の発着ゲートに従業員の一人が社長の名を叫びつつ、大慌てで入って来た。

 

「おや?どうしましたか、そんなに慌てて?」

 

「た、大変です・・・大変です社長!族が、族が社内に侵入して社内を荒らし回っています!!」

 

「何ですと?して、その族とは?」

 

「は、はい!とにかくもの凄く目つきが悪いのと、もの凄く暑苦しいのと、後は・・・とにかくガラが悪そうなのの集まりです!!」

 

「おやおや、まぁ・・・それは困りましたねぇ。仕方ありません、リザさんここはお任せしてもよろしいですか?」

 

「はい、お任せ下さい」

 

「どうも。では、族の方に向かいますか・・・こっちですか?」

 

「はい、こちらです」

 

社内に侵入し、暴れているという"族"の知らせを受けた社長はその場を秘書のリザに任せつつ、自身は"族"の対処へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さあ、早く逃げるんだ!この俺たちが来たからにはもう大丈夫だぜっ!!」

 

「ファイヤァアアアッ!!オラオラ!とっとと逃げなお前らっ!!」

 

「ちょっと、もう少し優しい物言は出来ないんですか?貴方はタダでさえ色々と荒っぽいんですから」

 

「その通りだ。これでは私たちの方が悪者のようではないか。なぁ、弟よ?」

 

「・・・全くだ。正直、やはり"アウトロー"よりも"極悪人"の方が似合っていると思うな」

 

「んだとゴラァ!?もういっぺん言ってみろこのヤロっ!!?」

 

所変わって、ここは先の宇宙船の発着ゲートより遙か北にある大きなドームだった―――そのドームには大穴が開けられており、あちらこちからか火の手が上がっていた。

その原因こそ、火の手にしてもドームに開いた大穴にしてもやらかした(・・・・・)者たちは同一人物にして、

 

「オイオイ、喧嘩すんなよお前ら。せっかくウルティメイトフォースゼロが全員揃っての仕事だってのに」

 

そう言って、喧嘩する仲間たちを仲裁しようとしているのは『無限の可能性を秘めた、光の国出身の若きウルトラ戦士』と呼ばれるヒーロー・ウルトラマンゼロ。

 

「そうはいいますがゼロよ、彼の無鉄砲で荒っぽすぎる面は問題ですよ実際のところ」

 

と言いながらウルトラマンゼロに反論するのは『アナザースペース』と呼ばれる宇宙にあるエスメラルダ星を守る『鏡の騎士』の異名を持つヒーロー・ミラーナイト。

 

「全くだ。コイツはもっと礼儀作法やその他をお勉強させた方がいいと私も思うね。そうだろう、弟よ?」

 

「・・・その通りだ。品性や品格、下手すれば知性すらもアンタからは感じられないからな」

 

ウルトラマンゼロに反論するミラーナイトの言葉を肯定するのは、アナザースペースのエスメラルダ星の王家専用のス宇宙船・『ターコルベット』が変形したAI持ちの巨大ロボット・ジャンボットと、ジャンボットとは「兄弟」の関係にあるロボット・ジャンナイン。

 

「テ、テメエら揃いも揃って俺を悪者扱いか!?そういうのイジメって言うんだぞこのヤローーーっ!!!」

 

そして、ウルトラマンゼロ以外の仲間たちからアレやコレやと言われ、槍玉に挙げられている超暑苦しい男こと、アナザースペースを股にかける炎の海賊の()用心棒かつアウトロー・グレンファイヤー。

 

そんな見た目も種族も、あるいは性格もバラバラながら「宇宙のワルは、全部ぶっ倒す!!」を信念に掲げ、大宇宙を旅する彼らこそ、『新しい宇宙警備隊』の『ウルティメイトフォースゼロ』だった。

 

そんなウルティメイトフォースゼロがこの地にいる理由とは―

 

 

「あ~あ・・・あっちもこっちも壊れちゃってまぁ・・・こりゃヒドいですねぇ」

 

「!?誰だっ!!」

 

不意に、ウルティメイトフォースゼロの背後から声が聞こえ、その声に驚いたウルティメイトフォースゼロの面々が振り向くとそこには―

 

「やれやれ、あなた方ですかコレやったの?全くヒドいことしてくれちゃいましたねぇ・・・怪我した人とかいないでしょうねぇ?」

 

そう言って、ウルティメイトフォースゼロの面々の背後にいつの間にかいた、ウルティメイトフォースゼロの面々が壊したドームの破片を両手に持ちつつ、壊れたドームをため息交じりに見つめていたのはあの「社長」だった。

 

「・・・オイ、ミラーナイト。コイツで間違いないか?」

 

「はい、間違いないですねゼロ。コイツが"例の男"でしょう」

 

「そうか・・・」

 

そんな社長を前にしたウルティメイトフォースゼロの面々の内、チームのリーダーであるウルトラマンゼロとミラーナイトは社長のことを見て"確認し"、そして確信した(・・・・)。そして―

 

「やいやいやい!テメェがマーキザン星人か!テメェのやってることは俺たちウルティメイトフォースゼロが許さねぇ―――」

 

ウルトラマンゼロは社長ことマーキザン星人―――とある物騒な(・・・)肩書き(・・・)を持つ異星人・マーキザン星人に向かってビシッと指を突き刺しつつ、大声で怒鳴った―――その瞬間、

 

「おぉ、これはこれは!いつもお世話になっております!!ウルティメイトフォースゼロ!!あなた方のご活躍はかねがね聞いておりますよ!!

いやいや、あなた方のご活躍のおかげで宇宙の平和が守られているとか・・・素晴らしい!宇宙に生きる者として心よりお礼申し上げます!!!」

 

そう言いつつ、マーキザン星人は一瞬で(・・・)ウルトラマンゼロとの距離を詰め、ウルトラマンゼロが突き出した指を両手で優しく包み込み、うやうやしく頭を下げながらお礼を述べた。

 

「・・・こ、こりゃどうも。ご丁寧なお言葉を・・・その、ありがとよ・・・?」

 

もの凄い気迫とオーラを放ちつつ、カッコよくキメたウルトラマンゼロに対するマーキザン星人の反応はまさかのものであり、これには流石のウルトラマンゼロも完全に調子を崩され、褒められた事と丁寧な挨拶に思わずかしこまってしまった。

 

「って、ゼロ!?しっかりして下さい!相手のペースにハマってますよ!!」

 

「そうだ!リーダーのお前がそんなことでどうするんだ!?」

 

「・・・グレンファイヤーならともかく、リーダーならもっとしっかりしてくれよ」

 

「ってオイ!ジャンナインてめぇ『グレンファイヤー(おれ)ならともかく』ってどういう事だよ!!?」

 

一方で、リーダたるウルトラマンゼロがマーキザン星人のペースに吞まれ、調子を狂わされているのを見た仲間たちはズッコケながらも即座にウルトラマンゼロを援護した・・・若干2名が内輪モメしていたが。

 

「って、はっ!?そ、そうだった・・・やいお前!エラく余裕ぶってるが、それも今のうちだぞ!俺たちはお前の、お前がやっている"悪事"を成敗しに来たんだからなっ!!」

 

マーキザン星人の丁寧な挨拶と低い姿勢からの握手、に流されたウルトラマンゼロは完全に調子を狂わされたが、即座にマーキザン星人に詰め寄った―

 

「はて?悪事といいますと・・・何のことでしょうか?」

 

かなりの勢いと気迫に加え、つり上がった悪人面なウルトラマンゼロが詰め寄ってもなお、問い詰められてもなおマーキザン星人はキョトンとしていた―――まるで本当に件の"悪事"とやらが何のことか分からないように。

 

「と、とぼけるんじゃねぇ!お前が人身売買を行っている奴隷商人だってことはお見通しなんだよ!!現に、こうして大勢のヤツらを閉じ込めてるじゃねぇか―――」

 

マーキザン星人が見せたとぼけているかのような反応を前に、改めてウルトラマンゼロは怒声を上げながらマーキザン星人に詰め寄った。

 

そう、このマーキザン星人という宇宙人、何と様々な人種・星人を人身売買する「奴隷商」だったのだ―――

 

「ふ、ふざけるな!社長(・・)はそんな事してないぞ!!」

「そうだそうだ!社長(・・)は我々を助けてくれているんだぞ!!」

「そうよ!社長(・・)のおかげで私たちはひもじくないし、危険に晒される事もないのよ!!」

「そんな社長(・・)に因縁ふっかけるなこのチンピラ野郎!帰れっ!!」

「そうだ!帰れ!!」

 

「「「か・え・れ!か・え・れ!!か・え・れ!!!」」」

 

 

「ちょ!?痛っ!!?」

「や、止めて下さい!!」

「い、石を投げるなよテメェら!!」

「な、何がどうなってるんだ!?」

「・・・おそらく、洗脳の類いではないか?」

 

突然、それまでマーキザン星人とウルティメイトフォースゼロの面々のやり取りを遠巻きに来ていた大勢の異星人が一斉に―――ウルティメイトフォースゼロの面々に向かって「帰れコール」を連発しつつ、石やドームの破片などを投げつけ始めた。

 

まるでウルティメイトフォースゼロの面々が悪者で、社長(・・)こと人身売買を行っているで(・・・)あろう(・・・)マーキザン星人こそが正義の味方であるかのように―

 

「あーハイハイ、皆さん、お客様(・・・)にそんなことしちゃダメ・・・ですよっと!!」

 

相変わらず大勢の異星人が石などを投げつけられているウルティメイトフォースゼロの面々を見かねたのか、マーキザン星人が動いた。

 

マーキザン星人はウルティメイトフォースゼロの面々に石などを投げている異星人たちをたしなめつつ、彼らがウルティメイトフォースゼロの面々に向かって投げた石などを空中で(・・・)全て(・・)キャッチして(・・・・・)みせた(・・・・)

 

「!?オイオイ、嘘だろ・・・アイツ、どんな動体視力してやがるんだ・・・?」

 

「これは驚きましたね・・・戦士である我らでもあんな動きは無理ですよ」

 

「おぉ、コイツはスゲェ!是非ともお手合わせ願いてぇじゃねぇか!!」

 

「おい、ジャンナイン。お前、今のヤツの動きを解析できたか?俺は・・・無理だった」

 

「いや・・・スキャンできなかった・・・驚いたな」

 

マーキザン星人に投石などから助けてもらう形になったウルティメイトフォースゼロの面々は、マーキザン星人が見せたまさかの動き・動体視力に釘付けだった。

特に、様々なシステムを搭載しているジャンボーグ・ジャンナインのロボット兄弟は、自分たちの解析能力でもマーキザン星人の動きを捉えられなかった事に驚愕していた。と、ここで―

 

「はぁ・・・分かりました。どうやら、ウルティメイトフォースゼロの皆様は何か誤解されているご様子ですね。でしたらば、是非とも我々マーキザン商会の仕事内容(・・・・・)を見学されては如何でしょうか?

それでもしも、私が皆様が言うような"悪党"だったら素直にお縄を頂戴致しましょう・・・如何でしょうか?」

 

「「「「「・・・いいぜ・分かりました・いいだろう・了解した・了承した」」」」」

 

かなり悪くなった場の空気を変えるために、いまだに殺気立ったままウルティメイトフォースゼロの面々を睨む異星人たちからウルティメイトフォースゼロの面々を守るために、あるいは何から"誤解している"らしきウルティメイトフォースゼロの面々に真実(・・)を見せるため、マーキザン星人はウルティメイトフォースゼロの面々を自分の会社(しろ)の中に案内したのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

「いいですかみなさん!こちらの工具はこのように使用して下さい。分かりましたか?では、さっそく作業をやりましょう」

 

「「「分かりました講師(コーチ)!!!」」」」

 

 

「よろしいですか?始めは弱火で中までじっくり焼き、最期は強火で表面を焼きます。こうするととても美味しく仕上がります。では、やってみましょう」

 

「「「はい、講師(コーチ)!!!」」」

 

 

「まず、ここに留め針をして、次にここを縫い止めて・・・はい、これで出来上がりです。いいですか、この手順で行えばテキスト通りの仕上がりになります。では、実技を始めましょう」

 

「「「はい、頑張ります!!!」」」

 

 

 

「いいですか、営業はまずは挨拶と笑顔、そして元気です。とにかく第一印象で全てが決まります。ということで、隣の人とペアを組んで挨拶と笑顔の練習をしましょう。はい、はじめ!!」

 

「はじめまして!」「はじめまして!」

「こんにちは!」「こんにちは!」

「よろしくおねがいします!」「よろしくおねがいします!」

 

 

 

「オイオイ、何だよこりゃぁ・・・?」

「これは・・・一体なにを・・・?」

「何じゃこりゃ・・・?」

「これは・・・まるで・・・」

「うむ、これは正しく・・・」

 

マーキザン星人の案内でマーキザン商会の社内、の地下にある広大なスペースに案内されたウルティメイトフォースゼロの面々は目の前に広がる光景に呆然としていた。

 

ある者は手にした工具の扱い方を学び、そして宇宙船や色々な機械などを作る訓練(・・)を受ける。

ある者は様々な食材を調理し、多種多様な料理や食品加工の訓練(・・)を受ける。

ある者は多腕、多頭、多体・・・等々の多種多様な身体構造をしている多様な異星人のニーズに合わせた衣類などのを作る繊維工業に従事する訓練(・・)を受ける。

ある者は宇宙をまたにかける『営業』に従事するためのノウハウの訓練(・・)を受ける。

ある者は―――

 

といった具合に、大勢の様々な宇宙人たちがマーキザン商会の社員にして講師(・・)たちの指導の元に様々な訓練(・・)を受けていた―

 

「はっはっはっは、如何でしたか?我がマーキザン商会の『職業訓練』の様子は。素晴らしいでしょう?」

 

「「「「「し、職業訓練だと・ですと・だぁ・だと・だと・・・?」」」」」

 

マーキザン星人の案内の元、様々な宇宙人たちが『職業訓練』を受けている様子を見学し終えたウルティメイトフォースゼロの面々は社長室にいた。

 

「ええ、その通り。職業訓練です。我がマーキザン商会は何かしらの事情で・・・紛争に巻き込まれた、怪獣に襲われた、惑星の寿命が尽きた、等々の理由で住む場所を無くした、あるいは『何か働きたい』と思い方々を受け入れ、様々な職業訓練を施す企業です。決して奴隷商などという悪徳事業はしてはおりませんですよ?」

 

「「「「「・・・へぇ、そうだったのか・んですね・のかよ・なのか・なのか」」」」」

 

ウルティメイトフォースゼロの面々に件の職業訓練の様子を見せ、更には社長室に案内するというある意味では舐めた態度を、ある意味では身の潔白を証明するにはこの上ない振る舞いを見せたマーキザン星人を前に、最初はアレだけイキって・・・血気溢れる様子だったウルティメイトフォースゼロの面々はすっかり大人しく、完全にマーキザン星人のペースに飲まれていた―

 

「そんな職業訓練を終えた方々を様々なクライアント様に紹介し、その過程で金銭を得て我が商会は運営しております。これがマーキザン商会なのです」

 

「って!やっぱり人身売買してるじゃねぇかよ!!」

 

「そうですよ!潔白どころか真っ黒、どす黒いじゃないですか!!」

 

「テメェ、やっぱり悪党じゃねぇか!ふざけんなこのヤローーーっ!!」

 

「やはり、貴様は悪党か!ウルティメイトフォースゼロの名にかけて成敗してくれようぞ!!」

 

「その通りだ。貴様はここで始末してやろう・・・!!」

 

だが、直後にマーキザン星人が言い放ったまさかの一言でウルティメイトフォースゼロの面々は我に返った。

 

そう、実際のところマーキザン星人もといマーキザン商会は職業訓練を終えた異星人を色々なクライアントに紹介し、金銭などを受け取っていた―――詰まるところ、やはり人身売買を行っていたのだ。

 

しかし、

 

「ですが、あくまで私たちは私たちの元から旅立っていった方々のアフターケア(・・・・・・・)は欠かしません。

例えば、自慢ではありませんが・・・私は父譲り(・・・)のこの大きな目のおかげであらゆる情報を見て、覚えて、そして絶対に忘れません。

そして、それは我々の元を旅立ち、クライアント様の元で働いている方々の事も同じです。私は我が商会にて職業訓練を受け、旅立っていった方々は誰一人として忘れていません。顔も、声も、性別も、出身も、どんなクライアント様の元へ行ったか、どこで働いているか、全て覚えているのです」

 

目の前で殺気立ち、明らかに食って掛かってこようとするウルティメイトフォースゼロの面々を前にして、マーキザン星人は社長用の椅子に腰掛けたまま悠々とそう答えた。更に、

 

「とはいえ、それでも100%安全で安心かと言えば言い切れないでしょう・・・いくら私がこの大きな目で相手の事を瞬時に判断し、本心などを見透かすのが得意とは言え、中には欺いてくる輩もいますからねぇ。

だからこそ、私どもはクライアント様の元へ行くこととなった方々には"コレ"を、私の母(・・・)の故郷で採れるこの"魔石"を加工した物を、渡す際に受け取る側の希望に合わせてネックレスやイヤリング、髪飾りや指輪などなどに加工して渡すのです。

この魔石、元々は身に付けた者を凶暴化・巨大化させる忌まわしい物体ですが、あえてその性質を逆手に取り、もしもクライアント(・・・・・・)から理不尽な扱い、暴力などの身の危険を感じるような不当な扱いを受けた場合、危険に晒された方を巨大化させます・・・全てはクライアントのためでは無く、クライアントの元で働くことになった我々の元にいた方々の安全、安心のためです。

あぁ、ちなみに普段はただのアクセサリー程度ですよ?何の危険も無いように加工しています。

ついでですが、この魔石を加工した物は言ってみれば"発信器"にもなります。つまり、我々の元を旅立って行った方々がどこでどう働いているのか、あるいは健康状態や生命があるかなども知れるのですよ」

 

そう言って、マーキザン星人は自分たちの"商売"の『抜け目』などをため息交じりに語った―――が、その対策は完璧すぎるほどに行っていた。

 

マーキザン星人は目の前にある机の引き出しから、マーキザン星人(・・・・・・)の母親の(・・・・)故郷(・・)で採れる赤い石を、通称『ムザン星の魔石』という「身に付けた者を凶暴化・巨大化させる石」を加工した物を取り出し、それを用いてクライアントの元で働くことになった異星人たちの安全対策を行っているとも説明したのだった。

 

「た、確かにお前のやってる商売はちゃんと安全対策とかが取られてるみてぇだし、何よりもさっきの職業訓練の様子はみんな楽しそうだったよ・・・でも、人身売買に加えてそんな事で(・・・・)やっていこうとする連中には感心は出来ねぇな。もっと自分たちの力で頑張らねぇと―――」

 

自分たちが事前に仕入れていた情報とは色々と違うマーキザン商会の内部事情、あるいは今までのマーキザン星人の説明などを受け、殺気立っていたウルティメイトフォースゼロの面々は再び大人しくなった・・・が、リーダー格のウルトラマンゼロだけは尚もマーキザン星人に食い下がったが―

 

「ふむ、なるほど。『そんな事でやっていこうとする連中』ですか・・・

ならば、例えば・・・ウルトラマンゼロさん、あなた方ウルトラマンさんが贔屓にしていらっしゃる地球と地球人の方々を例に挙げましょうか」

 

「な、何だよ急に。お前、何が言いたいんだ―――」

 

「まあまあ、とりあえず話を聞いて下さいよ。

確か、地球には地球人の男性の方々を喜ばせる"性風俗"なる職業に従事する女性たちがいるそうですね?そして、その職業に従事していらっしゃる方々を地球人の方々は非難するそうですが・・・なぜ非難されなければならないのでしょうか?

その方々は自分が持てる能力を、例えば容姿や身体的特徴が武器になるからこそのような職業に従事し、オマケに他人がやりたがらないような仕事に従事している・・・素晴らしい心がけではありませんか。

普通、他人が嫌がるような仕事を自ら進んでやるなんてその辺の人は出来ませんよ。そうでしょう?」

 

「そ、それはそうだが・・・」

 

「でしょう?しかも、例えばあなた方のように『宇宙の平和を守る』みたいな『大変だけど、人々から褒め称えられる職業』ならいざ知らず、『大変な事に加えて他人から非難される・・・けれども"他人からの需要はある"』お仕事をやっている性風俗の方々がなぜ非難されなければならないのですか?

というか、その性風俗に需要を見出す方々は、自らの需要を満たしておいてもらっておきながらその職業の方々を非難する・・・矛盾しておりませんか?」

 

「そ、それは・・・その・・・」

 

「加えて、同じく地球には自分の体を使って金銭を得ている・・・自分の体や身体能力などを武器にしているスポーツ選手なる職業もあるそうですが、その方たちは性風俗の方々とは違い、他人から奉仕(・・・・・)してもらう(・・・・・)立場で、しかも結局は自分のことだけしかやらない・・・

一方で、性風俗の方々も同じように体を武器にして商売をしているし、何よりも他人へ(・・・)奉仕する(・・・・)という真逆のお仕事・・・果たして、どちらが『他人(ひと)のため』になっていますか?」

 

「・・・そ、それとこれは関係ねぇだろ!?俺が言いたいのは、仕事にしても何にしても、自分の力で頑張ってやるしかねぇって事であって―――」

 

「あのですねぇ、ウルトラマンゼロさん。いいですか?世の中にはあなた方ウルトラマンやヒーローみたいに"強くない"方々も大勢いるんですよ?

そりゃ、あなた方は色々と『強い』からいいですよ・・・でもね、世の中ってのは力も、能力も、立場も本当に弱くてどうしようも(・・・・・)出来ない(・・・・)方々もたくさんいるんです。

そんな人たちに貴方は『自分だけでなんとかしろ?』って言うんですか?冷たく突き放すんですか?自分が強いヒーローだから?自分が何でも出来る超人(ウルトラマン)だから?それって残酷で身勝手じゃないですか?」

 

「だ、だから、俺が言いたいのは努力したり頑張るのは自分だ、って事を―――」

 

「そうでしょう、そうでしょう。あなた方のように宇宙中に名をはせ、人々からヒーローだ、英雄だと呼ばれ、色々と"強い"からこそ他人にも『自分の力で何とかしろ』って言える種族はみんなこうですよねぇ・・・

ですが、所詮あなた方ヒーロー、特にウルトラマンと言う種族は『ただ助けるだけ』で『助けた後』は完全放置、『後は自分たちでどうにかしろ』って言って放置しますよねぇ?例えそれが怪獣・宇宙人によって甚大な被害を受け、食料も住む場所も失って途方にくれる人々にも言い放つ・・・だって、あなた方ウルトラマンは"強い"ですからねぇ・・・」

 

「うっ・・・あの・・・それは・・・」

 

「だからこそ、我々マーキザン商会はウルトラマンの方々がやらない"アフターケア"を専門に行っているのです。おかげで、怪獣災害や戦争で被災したり、食べ物も住む場所も無い異星人の方々を大勢救えています―――ですが、何をするにでもお金や物資がいるんですよ。だから我々はあくまでも"商売"を行います。

ヒーローやウルトラマンの皆さんのような『助けるだけ』でお金などいらない方々とは違い、『助けた後』のアフターケアにはとにかくお金や物資がいるんですよ」

 

「・・・・・・・・・」

 

ウルトラマンゼロが悪気なし(・・・・)何となく(・・・・)言った言葉に対し、マーキザン星人はその巨大な複眼を発光させながらウルトラマンゼロに詰め寄り、早口で"正論"を述べた。

 

確かに、世の中には"弱い"者たちは大勢いる。

そして、その"弱い"とは何も『力』のことだけではない―――立場が、能力が、体が、あるいは外的な要因によって全てが"弱い"立場になってしまう事はままあるのだ。

 

「俺たちが救ってやるぜ!!」

 

そんな時、必ずと言っていいほどに『弱い物の味方』ことウルトラマンを筆頭とした"ヒーロー"が現れて助けてくれる―――だが、彼らはあくまで助けるだけ(・・・・・)で、その後は基本的に放置だ。

 

「いかがです、我々の商会にて職業訓練を受けませんか?手に職を付ければ何かの役には立ちますよ」

 

だからこそ、助けるだけ(・・・・・)のヒーローたちがやらない「アフターケア」をマーキザン星人たちは積極的に行っているのだ。

 

『命あっての物種』とはいうものの、仮に助かっても助かった後(・・・・・)に生きる術がなければ・・・死んだも同然だからだ。

 

「ということで、助けることだけが専門のヒーローの皆さんは我が商会にいる異星人の皆さんを"助ける"のですか?

助けたればどうぞご自由に・・・ですが、彼らが生きて生活する"場所"を、彼らがいきるための"食料"を、彼らが生きていくための"今後"を、あなた方に用意できますか?

我がマーキザン商会にて職業訓練を受けている異星人―――数十億は下らない異星人を全て面倒を見れますか?

それともウルトラマンさんたちがいつもやっているように"ただ助けるだけ"ですか?・・・その場合、助けられた人々はどうなってしまうでしょうかねぇ?」

 

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

 

ウルトラマンゼロを筆頭にした"ヒーローたち"に「正論」を突き付けながら詰め寄るマーキザン星人。

 

対するウルティメイトフォースゼロの面々は・・・ぐうの音も出ず、その場で固まっていただけだった。

 

「ふう、思わず熱くなってしまいました。どうやら皆さんは何もなさらないようですね・・・申し訳ありませんが、私も色々とやることがありますので、用事がないのならばお引き取り願えますか?出口はあちらです」

 

「「「「「・・・・・・・・・」」」」」

 

結局、ウルティメイトフォースゼロの面々は誰一人としては何一つ反論できず、マーキザン星人に促されるままスゴスゴと帰って行こうとしたが―

 

「あぁ、そうでしたそうでした・・・リザさん"アレ"をウルティメイトフォースゼロのみなさんに」

 

「はい、かしこまりました社長」

 

「何だ―――」

 

「コレをどうぞ。この場でご覧(・・・)下さい(・・・)

 

ふと、何かを思い出したマーキザン星人は秘書のリザに命じて"何か"を、ウルティメイトフォースゼロの面々に手渡せさせた。そんな"何か"とは―

 

・破損した建物 〇〇棟 修理費用〇〇〇・・・

・空調設備、温度調節装置 修理費用〇〇〇・・・

・取引中止による損害額 〇〇〇・・・

・予定キャンセルによる被害額〇〇〇・・・

・怪我人の治療費 〇〇〇・・・

 

「これは・・・請求書!?」

 

「とても細かく分けられていますね・・・」

 

「うげっ!?もの凄ぇ額じゃねぇか!!」

 

「オイオイ、一体何枚あるんだ・・・」

 

「まるで辞書のように分厚いな・・・」

 

社長秘書・リザがウルティメイトフォースゼロの面々に渡したのは―――文字通り、見ての通りの請求書、の束だった。

 

「はい、その通りです。あの時、みなさんド派手に暴れて壊してましたからねぇ・・・おかげで建物とかの修理代もスゴいし、色々なクライアント様との取引などがメチャクチャになって、そのせいでエラい損害が発生しまして・・・それらの請求書です。当然、払って頂けますよね?だって、皆さんがやったんですもんねぇ」

 

「「「「「・・・・・・・・・」」」」」

 

手渡された請求書を、請求書に書かれた目玉が飛び出るような総額を前に、ウルティメイトフォースゼロの面々は顔面が蒼白になって、喋ることが出来なくなっていた。

 

「おや、どうされました皆さん?もしかして・・・払えないのですか?

あらあら~~~それは困りましたねぇ・・・とはいえ、ちゃんと払って頂きますよ?みなさん、"大人"でしょう?

大人には"責任"というものがついて回りますからねぇ・・・」

 

請求書の束を凝視したまま一言も喋らないウルティメイトフォースゼロの面々に対し、マーキザン星人は両手を体の後で組みながら近づき、そのままウルティメイトフォースゼロの面々の周りをグルグルと回りながら"煽った"。

 

「・・・お、俺たちは、その・・・自警団だから・・・金なんて持って・・・無い」

 

「ふむ、でしたら、皆様の故郷やご家族に請求書をお送りすることになりますねぇ・・・ウルトラマンゼロさんはM78星雲宛てに、ミラーナイトさんたちはどこでしったっけ?」

 

「アナザースペースのエスメラルダ星です、社長」

 

「おぉ、流石はリザさん。では、さっそく請求書を郵送しますか―――」

 

「だぁーっ!止めろ!止めてくれっ!!そんなことしたらオヤジにどやされる!!」

「お、お願いします!それだけは・・・父や母、それに姫様に合わせる顔が無くなってしまう・・・」

「か、金の問題だけは困るぜ・・・俺も昔は散々苦労したし・・・」

「ふむ、金銭問題はよく分からんな・・・」

「あぁ、その通りだ」

 

提示された請求書の金額もとい「損害賠償」を払えないウルティメイトフォースゼロの面々を見かねたマーキザン星人は、あろうことか請求書をそれぞれの故郷や親元(・・)に郵送する準備を整え始めようとしていた。

一方で、慌ててそれを止めようとするウルティメイトフォースゼロの面々・・・とはいえ、この場合は彼らには何の拒否権も無い―――のだが、

 

「ですが・・・宇宙の平和を守るウルティメイトフォースゼロの皆様にお金を要求したとなると後味が悪いでしょう。

ということで・・・ここはこの色紙に単なる(・・・)サイン(・・・)頂けますか?あと、一緒に記念撮影もさせて頂けませんか?

それに応じて頂ければ今回の請求はチャラにしますが・・・如何ですか?」

 

「えっ?あぁ・・・いいぜ」

「そ、それだけでいいのですか・・・?あんな金額だったのに」

「マジか!するする!!サインも記念撮影も何枚だってしてやるよ!!」

「ふむ、たったそれだけでいいならいくらでもしよう」

「あぁ、異論は無い」

 

「おぉ!それは有り難い!!では、まずはこの色紙にみなさんそれぞれ個別にサインを・・・是非『マーキザン星人さんへ』みたいなメッセージをお願いしますね。

それと、記念撮影は私と握手しながら笑顔でお願いしますね。もう満面の笑みで!!」

 

なんと、マーキザン星人はシャレにならない額だった損害額などを「ウルティメイトフォースゼロの面々のサインと記念撮影でチャラにする」と言い、そのまま本当にチャラにしてしまったのだ!!

 

一方のウルティメイトフォースゼロの面々は厄介な問題が、もの凄く単純かつ簡単な事で解決する事に喜び、マーキザン星人の言うままに色紙にサインや記念撮影に応じた。

 

「・・・・・・・・・」

 

その様子を秘書のリザは目を見開き、拳をワナワナさせて何か言いたげにしていた・・・が、マーキザン星人がそれを手で制していた。

 

「いやいや、ありがとうございます!これは家宝決定ですねぇ!!では、お約束通りお金の請求は無しに、請求書も燃やします・・・よっと!!」

 

「おぉ、ありがとよ・・・」

「どうも・・・」

「サンキューな・・・」

「うむ、礼を言おう」

「あぁ、礼を言う」

 

色紙へのサインと、記念撮影を終えたマーキザン星人はそれはそれは上機嫌で、約束通りウルティメイトフォースゼロの面々の目の前で請求書の束を光線で燃やした。

 

その後、ウルティメイトフォースゼロの面々はマーキザン商会の社員の案内でその場を後にしたのだった。

 

 

 

 

ウルティメイトフォースゼロの面々が社長室を出て数分後、

 

「社長!なぜ連中を帰したのですか!?それに、我が社が負った負債や多額の修理費をたかがサインや記念撮影でチャラにするなんて・・・一体、何をお考えになって―――」

 

もの凄い勢いと剣幕で、秘書のリザがマーキザン星人に詰め寄った。

 

確かに、先程マーキザン星人のやった行為はあまりに理解しがたい―――しかし、

 

「いえいえ、むしろ今回は大収穫ですよ」

 

「は、はい?何がですか・・・?お言葉ですが、我々が今回得たのは連中のサインと記念撮影した写真だけ―――」

 

「いいですかリザさん?お金ってのは何とかすれば手に入ります・・・しかし、今回我々が得たもの(・・・・)はお金じゃ手に入れにくいのですよ。ですが、我々はそれを今回手に入れました。なんだか分かりますか?」

 

「・・・?いいえ、全く検討がつきません・・・」

 

「ふふふ、今回我々が得たもの、それは・・・"信頼"ですよ」

 

「信頼・・・ですか?ですが、信頼とはどういう事―――」

 

「それはね、このサイン(・・・)写真(・・)ですよ。正直、コレに比べれば先程の損害など・・・ちっぽけですよ」

 

「・・・・・・・・・?」

 

戸惑うリザに対し、マーキザン星人はにこやかに、それでいてとても嬉しそうにウルティメイトフォースゼロの面々のサイン色紙と記念撮影をした写真を見つめながら言い放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねーお母さん!これってあのウルトラマンゼロだよね?」

「わぁ~!となりにいるのはミラーナイトにジャンボーグ、ジャンナイン、それと・・・グレンファイヤーもいるよ!!」

「あら、本当ね・・・まさかあのヒーローたちがここの社長さんと一緒に記念撮影してるなんて・・・やっぱり、ここの会社はスゴいのね。来てよかったわ」

 

 

「ほほぉ、これは驚きましたな・・・あのウルティメイトフォースゼロの面々が社長さん宛に直筆のサインをしているとは・・・」

「えぇ、マーキザン商会はとても顔が広いとは聞きますが、まさかあのヒーローたちとも知り合いだったとは・・・コレは実に優良かつホワイトな会社、ということですな」

「ははっ!全くです。ここでなら優秀かつ健全な取引などが行えますよ!!」

「えぇ、悪者が取引しようとやって来たらウルティメイトフォースゼロの面々にしょっぴかれかねませんな!!」

 

先のウルティメイトフォースゼロの面々によるマーキザン商会襲撃騒動からしばらく経っていた。

 

ウルティメイトフォースゼロの面々が破壊し、損害を与えたマーキザン商会の建物―――社員や職業訓練を受けている異星人たちの居住スペースはすっかり修繕され、マーキザン商会はすっかり元通り・・・どころか、マーキザン商会は今まで以上に忙しく、そして大繁盛していた。何故なら、

 

「う~む、やはりいつ見てもいいですねぇ、あのウルティメイトフォースゼロの皆さんと一緒に取った写真、あるいは私宛に書いて頂いたサインは」

 

そう言って、マーキザン商会の社長にして責任者である「極商売人エイリアン マーキザン星人」が宇宙の平和を守る正義の警備団・ウルティメイトフォースゼロから直接(・・)書いてもらったサイン、一緒に(・・・)映ってもらった記念撮影写真を眺めていた―――大勢の異星人が運ばれてくる搬入口に飾られた記念撮影写真、マーキザン商会を訪れるクライアントが真っ先に目にする入り口に飾られたサインを順番に見て周りながら。

 

「社長・・・お見逸れしました」

 

「はい?何がですかリザさん?」

 

「社長は連中、ウルティメイトフォースゼロの写真や直筆のサインを使って"信頼"を得たのですね!我が社に職業訓練を受けに来る異星人からも、我が社を訪れるクライアントの方々からも!!

連中ほどの有名人が書いた直筆のサイン、あるいは連中と共に映った写真、それらさえあれば我が社は連中が(・・・)関わった(・・・・)という"箔"が付く・・・社長が仰った『信頼』とはこの事―――」

 

そんなマーキザン星人に対し、興奮気味にマーキザン商会が今まで以上に忙しく、そして大繁盛することになった"理由"を口にした――――だが、

 

「いえいえ、私はそんなつもりはありませんよ?」

 

「・・・えっ?」

 

「別に、私はただ単に(・・・・)飾っている(・・・・・)だけですよサインや写真は―――ですが、サインや写真を見た方々が"勝手に"勘違いしているだけのことです・・・なので、もし万が一にウルティメイトフォースゼロのみなさんが因縁・・・苦情を言いに来ても大丈夫ですよ」

 

「・・・・・・・・・」

 

リザの言葉に対し、口元の大顎を歪めて"笑う"マーキザン星人。

 

「この人には逆らえないな」

 

これがリザが思った素直な感想だった・・・が、かつてマーキザン星人とマーキザン商会によって職業訓練を受け、今や彼の秘書として充実した毎日を過ごし、美味しい食事と安住の地を手にしているリザはマーキザン星人に心から感謝しているのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「みなさんも、後先考えずに行動してはいけませんよ?特に、易々とサインや写真撮影に応じては絶対にダメです・・・じゃないと、私のような輩にどんな利用の仕方されるか分かりませんのでねぇ・・・」

 

 

 

この言葉が誰のものかは分からない。

 

だが、この言葉は紛れもな事実だ。

 

どうか心の隅にでも留めておいて下さい。

 

 

 

 

 

 

~合体怪獣(星人)商会~

 

宇宙商人 マーキンド星人(結婚)極悪ハンター宇宙人 ムザン星人(フュージョン・ライズ)極商売人エイリアン マーキザン星人

 

 

スペック:人間態 身長2m10cm 体重190kg  巨大化態 身長63m 体重5万6千トン

 

データ:『ULTRASEVEN X』に登場した「宇宙商人 マーキンド星人」と『ウルトラマンティガ』に登場した「極悪ハンター宇宙人 ムザン星人」が結婚(マーキンドが父、ムザンが母)してフュージョン・ライズ(意味深)した結果生まれた"ハーフ"である。

 

幼い頃から両親(の種族)のやり方をみて色々と学んだ結果・・・とにかく「平和」と「安全」、そして「信頼」・・・+α「金」を大事にするようになっている。

そのため、ムザン星人のような"ハンター"な行いは決してヨシとせず、マーキンド星人のような"死の商人"も絶対に好まない。

また、非常に口が達者。オマケにありとあらゆる原語・単語をマスターしている。そのため、とにかく話(言葉)が通じる相手は"合理的に"言いくるめてしまう・・・ただし、決して理不尽な事は言わない(後でモメたりしないように)。逆に、話が通じない相手には父親譲りの身体能力と母親譲りの戦闘能力で"物理的"に叩きのめす事もある。

そんなマーキザン星人は様々な事情(怪獣の襲撃、紛争、自然災害)で住む場所を失う、食料が無くなる、明日からの生活に希望が見出せない人々(種族は問わず)を自らが経営する『マーキザン商会』に任意で(・・・)連れて来た後、様々な職業訓練を受けさせて色々なクライアントの元へ送り出している・・・その際、クライアントからはお金を、送り出す人々には『ムザン星の魔石』を加工した物を渡し、双方に安全対策・損害が出ないように勤めている。

ただ、そのやり方や彼の両親たち(の種族)などの情報が悪い方に誤解されてしまい、一部では「奴隷商人」や「人身売買」など根も葉もない噂が流れている・・・が、マーキザン商会は超が付くほどのホワイトかつ、職業訓練を受けている異星人たちには十分な衣食住が用意され、子持ちだったりした場合は子供ごと受け入れるなどやはりホワイトである。

 

容姿:ほとんど父親のマーキンド星人そのまま・・・であるが、体表は母親であるムザン星人のような赤茶けた色の甲殻に覆われ、頭頂部にはムザン星人の『怪光線の出る触角』が生えている。

だが、母親のムザン星人特有の姿も受け継いでおり、あの

 

『尾の先端に頭部のあるサソリのような四足歩行の形態』

 

にもなれる・・・が、マーキザン星人曰く

 

「何か平衡感覚とかが感覚がおかしくなるし、四つん這いするとスーツが汚れるからなりたくない」

 

と言っており滅多にこの形態にはならない。

 

 

名前の由来:それぞれの星人の融合。

肩書きの由来:商売を極めた商人=極商売人エイリアン、って感じ。

 

 

必殺技:両親から受け継いだ能力・必殺技が使える&強化されている。

 

・父親(マーキンド星人)譲りの空中を高速で飛び回る能力、手から黄色い光弾、目から青い光弾を発射する。

 

・母親(ムザン星人)譲りの頭頂部から出す「人間大の生物なら一撃で灰にする光線」も出せる・・・が、マーキザン星人は争いを好まないので触角には基本的にカバーをかけている。

 

・何気に、両親ともに優れた変身能力を有していたためか、マーキザン星人も変身・変装が大得意。基本、どんな種族にも変身できる。

 

・最大の特徴・特技は父親譲りの巨大な複眼+母親の『ムザン・アイ(どんなに遠く離れた場所にいるエモノでも確実に見付ける)』が合わさっている高性能の複眼(おおよそ3億個ものレンズで出来ている)であり、この複眼はあらゆる波長の電磁波や空気の流れなども視認できる。

そのため、マーキザン星人は様々な情報を同時にキャッチ・分析する、あるいは相手の呼吸や血流の流れ、体温の変化なども視覚的に見て相手の行動を先読みする、あるいは相手が嘘をついたりしていても瞬時に見破れる。

 

 

合体元解説

 

・宇宙商人 マーキンド星人:『ULTRASEVEN X』に登場した"宇宙を股にかけるビジネスマン"。

何者かからの兵器製造依頼を受け、『ホープレス』という現代で言えばフリーターやホームレスを集めて侵略兵器を作らせていた。

その際、「きつくて時給が安いが、リスクのない仕事(単純に力仕事)」と「きつくなく時給が高く、リスクがある仕事(人間の脳からエネルギーを吸い取り、兵器に応用する。報酬欲しさにエネルギーを吸収されすぎると脳が収縮し死ぬ)」を"自主的に"選ばせて働かせていた。

その後、アジトに乗り込んできたセブンXと格闘し、死の間際に「自分に兵器製造を頼んで来たのは人間だ!」と言って観念したかのようにアイスラッガーを受けて倒される(その人間が誰なのかは不明)。

 

 

・極悪ハンター宇宙人 ムザン星人:『ウルトラマンティガ』に登場した"他星の知的種族をターゲットとしたハンティングゲームを好む宇宙人"。

この悪趣味さ故ムザン星は『悪魔のような住人が住む星』と呼ばれている・・・が、後の『ウルトラマンダイナ』ではそのムザン星で採れた魔石を身に付けた「放浪宇宙人 ファビラス星人」も凶暴化しており、もしかしたらムザン星人よりもその石(というか物質)がムザン星人を凶暴化させている可能性も示唆されている(地球でも地球から漏れ出した有害金属で発生した発達障害、知的障害などの例がある)。

劇中では件のゲームの最中、ターゲットの異星人を保護していた防衛チーム・GUTSから妨害を受けるが諦めず、更にはターゲットの異星人がGUTSの元から逃げた(仲間を助けに行こうとして)結果、ターゲットをGUTSの前で爆殺する・・・が、それが引き金となって完全に怒ったウルトラマンティガ(変身バンクの色が赤、戦い方もいつもより乱暴)に徹底的にボコられ、倒された。

 

 

 

 

 

 

 




如何でしたか?

まさかの星人たちの合体・・・そして、今回は「戦わずして勝つ」という展開に。

たまにはこういうのもアリ―――じゃないですかね?

ですが、そんな中に色々と皮肉というか社会問題を・・・

・人がやりたがらない仕事を率先してやるのに、非難される

・人からやほや&散々サポートしてもらうが、あくまで自分のためだけにやってる

どっちが世のために"人のため"になってますか・・・?

まぁ、流石にスポーツ選手と夜の商売を一緒にしたら怒られるでしょうが・・・でも、どちらも"自分の体を武器"に稼ぐのに、なぜ後者だけは非難されるのか?
だって、需要があるのは後者で、需要を見出す人が大勢いるからそれに応えているのに・・・

ただ怪獣(しかも同じの)ワーッと出して、ただワーッと倒すだけの展開もいいですが、たまには"特撮らしい=社会問題、考えさせられる"回も見たいです・・・ね、円谷さん?


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第七話『SSSS.GRIDMAN』よりの刺客・「忍び」と「一角獣」の融合!!

はい、銀色の怪獣です。

今回のお話は仕事終わり→現在入院中の相方のお見舞いが終わり→帰宅、してから色々した後に二時間で書き上げたのでちょと荒削りです・・・でも、読んで頂けると嬉しいです。


で、タイトル通り今回は現在放映中の『SSSS.GRIDMAN』をネタにしつつ、というかその『SSSS.GRIDMAN』の第3話がベースです。

加えて、このお話を書いたのは僕が『SSSS.GRIDMAN』に対して思う「ある思い」を実現させたかったからです。

その思いが何なのか?そしてどんな合体怪獣が出るのか?是非ともご覧下さい。では、どうぞ~


『グリッドマン!お前は目障りだ!消えてもらうぞ!!』

 

「アクセス・コード!バトルトラクトマックス!!合体するぞ!グリッドマン!!!」

 

『了解した!!』

 

『『剛力合体超人!マックスグリッドマン!!行くぞ、怪獣ーーー!!!』』

 

『舐めるなーーーっ!!!』

 

とある大都市にして、凄まじい戦いが起きていた。

 

一目見て危険だと分かる存在が、まるで忍者のような風貌の怪獣こと「アンチ」

 

 

一目見て正義のヒーローだと分かる存在が、力強い文字通りの英雄(ヒーロー)然とした「ハイパーエージェント・グリッドマン」

 

が「アシスト・ウェポン」の一体・2門の大口径砲『タンカーキャノン』を備えた自走砲「バトルトラクトマックス」 と合体した

 

「剛力超人 マックスグリッドマン」

 

が戦っていた―

 

『時間・・・切れだ・・・とぉ!?クソッ・・・グリッド・・・マン・・・お前が、憎い・・・!!」

 

最後にそう捨て台詞を吐いて地にひれ伏すアンチ。

 

 

 

 

 

 

 

「嘘でしょ・・・アンチが負けた・・・」

 

剛力合体超人・マックスグリッドマンとなったグリッドマンに敗北を期してしまったアンチを、モニター越しに見ていた一人の少女―――アンチを"創造した"少女・アカネは自慢のアンチが負けて締まった事に呆然としていた。

 

『うむむ、今回は残念だったね・・・だが、次また頑張ろうじゃないかアカネ君―――』

 

そんなアカネを、アカネが所持するパソコンに住み着いている(・・・・・)謎の存在「アレクシス・ケリヴ」なる存在は"いつものように"アカネをフォローしたのだが―

 

「・・・うるさい・・・うるさい!うるさいうるさいうるさい!!うるさーーーいっ!!」

 

『うおわっ!?ら、乱暴すぎるなぁ・・・』

 

アレクシス・ケリヴがフォローの言葉をかけた直後、アカネは突如として憤慨し、自分をフォローしてくれたアレクシス・ケリヴに八つ当たりでもするかのように―――事実、八つ当たりでアレクシス・ケリヴが住み着いているパソコンを思いっきり床に叩き付けた。

 

「何で私の思い通りにならないの!?何でなの!?何でなのよ!!ムカつくーーーっ!!!」

 

その様は正しく子供

その様は正しくワガママなお子様

その様は正しく・・・「ガキそのもの」だった。

 

だが、このアカネという少女は実に厄介だ。何故なら―

 

「こんなの絶対に許さない!!こうなったら、コレ(・・)でグリッドマンを殺してやる・・・コレ(・・)をアンチに合体させれば、グリッドマンなんてすぐ殺せるんだからっ!!!」

 

今の今まで荒ぶり、手当たり次第に物を投げ散らかす、椅子や机を蹴飛ばす、お菓子などを踏み砕く、といった行為を行っていたアカネだが、不意に"何か"をポケットから取り出して・・・アンチと(・・・・)繋がっている(・・・・・)パソコン(・・・・)に"ソレ"をインストールした―

 

『!?なっ・・・止めるんだアカネ君!"ソレ"は危険だ!!何か悪い予感がする―――』

 

アカネが件の"ソレ"をパソコンにインストールしようとした刹那、アカネが床に叩き付けたパソコンの中にいるアレクシス・ケリヴが止めようとしたが―――既に手遅れだった。

 

 

《フュージョン・ライズ!》

 

《アンチ!!》

 

「うおぉおおぉぉっ!!!」 

 

《一角超獣 バキシム!!》

 

―――キイイイィィィィ!!――― 

 

《悪しき思念が交わるとき、全てを超越する・・・一角忍超獣 アンチバキシム!!》

 

―――がァアあぁぁァっ!!!―――

 

『『な、何っ!?ヤツが復活・・・いや、別物になっただと!!?』』

 

アカネがインストールした"ソレ"からマックスグリッドマン、そして敗れたアンチがいるコンピューター・ワールドに不思議かつ邪悪な(・・・)データが転送されれば―

 

身勝手でワガママで、人の命を何とも思っていない少女・アカネが生み出した人語を解する怪獣・アンチ

 

 

邪悪なる(・・・・)異次元人(・・・・)が生み出した『怪獣を超える獣』こと『超獣』が、それも虫獣の中でも有数の実力者である「一角超獣 バキシム」

 

の"全てが"融合し、

 

見た目は怪獣態のアンチとあまり変わらないものの、

 

顔はまるで龍のような端正かつ"怪獣然"とした顔に

 

腹部は色こそ紫色のままだが蛇腹状に変化し、背部には背ビレのように配置されたオレンジ色の結晶のような物が無数に生え

 

両腕は異様に太く、逞しくなりつつ、手の平にも甲にも無数の鋭い棘がスパイクのように生え

 

額にあった発光器は天に向かって伸びる一本角に変化した

 

竜人のような怪獣―――否、『超獣人』とでも言うべき姿になった

 

《一角忍超獣 アンチバキシム》

 

が今ここに爆誕したのだ!!

 

―――がァアあぁぁァっ!!!―――

 

辺り一帯に"言葉"と"咆哮"が混ざったモノを轟かせるアンチバキシムと、

 

「やったー!やっぱりカッコいいーーー!!よーし、さっさとグリッドマンを殺しちゃって~~~!!!」

 

偶然手に入れた「一角超獣 バキシム」のデータ(・・・)を、一度は敗れて倒れたアンチに混ぜて(インストール)生み出したアンチバキシムの仕上がり具合を見たアカネは、その場でとんではねて大喜びしていた―――そのせいでアカネは気付いていなかったのだ。

アンチにインストールしたバキシムのデータに邪悪な者(・・・・)潜んでいた(・・・・・)事に。

 

『『くっ・・・!だが、私はお前に負けたりはしない―――行くぞっ!!』』

 

一度は倒したハズのアンチが復活した―――それも見た事も無い何か(超獣)の"全て"を得て。

 

だが、それでもマックスグリッドマンは臆すること無くアンチバキシムに向かって突撃し―

 

『『せりゃぁあああぁぁぁっーーーっ!!!』』

 

アンチバキシムを射程圏内に捉えたマックスグリッドマンはその巨大な拳を振りかぶった―――その瞬間、

 

―――がァアあぁぁァっ!!!―――

 

―――ドォンッ!!―――

 

『『な、何っ―――』』

 

マックスグリッドマンが振りかぶった拳をアンチバキシムは易々と片手で受け止めた―――ばかりか、

 

―――バキッ・・・バキバキバキッ!!―――

 

『『私の拳が・・・穴だらけにっ!!?』』

 

アンチバキシムが受け止めたマックスグリッドマンの拳には無数の穴が開いていた・・・そう、アンチバキシムの手の甲にも平にも無数に生えた、バキシム由来の鋭い棘によって。更に、

 

―――がァアあぁぁァっ!!!―――

 

―――ドォオオオォォォン!!―――

 

『『う、うわぁあああっ!?何だコレは・・・?手からミサイルに・・・火まで出るのか・・・!!?』』

 

まさか自らの拳を受け止める腕力と、更に拳を穴だらけにするような芸当の出来る手を持っているアンチバキシムに驚きを隠せないマックスグリッドマンであったが、直後にはアンチバキシムはマックスグリッドマンの拳を掴む手、掴んでいない方の手、の両手からロケット弾や14万度にも達する超高熱火炎を"ゼロ距離"でマックスグリッドマン、及びマックスグリッドマンの拳に放った。その結果―

 

『うぅ・・・っ!ク、クソッ・・・!!私はもうダメだ・・・!!』

 

『バトルトラクトマックス!?そんな・・・バトルトラクトマックスの装甲が、バトルトラクトマックスそのもの(・・・・)が溶解しているだと・・・!!?』

 

『スマン・・・グリッドマン・・・無念だ・・・』

 

『バトルトラクトマックス!?おい、しっかりするんだバトルトラクトマックス!返事をしてくれ!!』

 

ゼロ距離で無数のロケット弾と14万度という超高熱の火炎を浴びせられたマックスグリッドマンの拳、もといマックスグリッドマンの拳を形作っているバトルトラクトマックスはボロボロ、装甲などが熱で溶け果ててしまっていた。

 

結果、マックスグリッドマンは強制的に合体が解除され、バトルトラクトマックスはその場に崩れ落ちてしまった。

 

「やった!やったーーー!!よーし、じゃあそのままグリッドマンを殺しちゃえ~~~!!」

 

―――がァアあぁぁァっ!!!―――

 

―――ドォオオオォォォン!!―――

 

『がっ・・・!?ぐぁああぁぁぁっ!!?』

 

(グリッドマン)にとって不利な状況は、(アンチバキシム)からすればこの上ない"好機"だ。

 

アンチバキシムは創造主であるアカネに指示に従い、マックスグリッドマンから強制的に合体が解除されたグリッドマンに襲いかかった。

 

額にあった発光器の代わりに生えた一本角―――その実は射出・再生可能のミサイル『アンチ・ユニコーン・ボム』を

 

両手を前方に突き出して放つ無数のロケット弾『アンチ・ハンドミサイル』を

 

アンチ・ハンドミサイルと同じく手から放つ14万度の高熱火炎放射『アンチ・バキシムフローガ』を

 

嘴のようになった鼻先から放つ火炎弾『アンチ・ランポスファイヤー』を

 

と、多種多様な武装を最大火力で同時にグリッドマンに放った。

 

そして、アンチバキシムがグリッドマンに攻撃を行って発生した爆炎が治まった時、グリッドマンの姿は・・・何処にも、現実世界にも、コンピューター・ワールドにも影も形も見当たらなかった。

 

―――がァアあぁぁァっ!!!―――

 

「やったーーー!勝ったーーー!!これであのウザいグリッドマンが死んだ~~~!!これで私はやりたい放題だ~~~!

ふふっ、ご苦労様アンチ君。ご褒美にまた『どんぐりの木』でご飯食べさせてあげるね。よし、じゃあ帰っておいで」

 

今度こそグリッドマンが完全に消滅したと、勝利を確信したアンチバキシムは勝利の雄叫びを轟かせ、アカネはアンチバキシムを褒め称えた。

そんなアカネがアンチバキシムに戻って来るように促せば―

 

―――がァアあぁぁァっ!!!―――

 

―――バリィイイィィンッ!!―――

 

「うわっ!スゴーい!やっぱりバキシムの異次元移動能力も使えるんだ!!」

 

創造主(アカネ)に帰還命令を受けたアンチバキシムは・・・何と"空間の壁"を砕き割った(・・・・・)―――そう、アンチバキシムの元になった「一角超獣 バキシム」という超獣は"空間の壁"を自由に割り、自由自在に異次元に移動することが出来るのだ。

 

「うふふっ!やっぱりバキシムと合体させてよかった。だって、バキシムって強いしスゴいし、何よりも頭がいいよね~~~!!」

 

アンチバキシムが見せた強さ、多彩な能力にすっかりご満悦のアカネはただひたすらに喜んでいた。

 

―――がァアあぁぁァっ・・・!!!―――

 

一方で、空間の壁を割って異次元への入り口を開いたのに何故かそこへ入ろうとしないアンチバキシム・・・だったのだが、不意にアンチバキシムは異次元の入り口に手を入れた(・・・・)―――と、次の瞬間!!

 

―――がァアあぁぁァっ!!!―――

 

―――ドォオオオォォォン!!―――

 

「えっ?って、何してるのアンチバキシム。早く帰っておいでよ―――」

 

不意に、異次元の入り口に手を入れたアンチバキシムが異次元へと向かってアンチ・ハンドミサイルとアンチ・バキシムフローガを放った。

 

一方で、アカネはアンチバキシムの謎の行動に驚きこそしたものの、アンチバキシムの行動の意味を深く考えずに早く戻ってくるように促そうとした、その瞬間―――

 

―――バリィイイィィンッ!!―――

 

「えっ―――」

 

突然、アカネの耳に"何か"が割れる(・・・)ような音(・・・)が聞こえた―――その瞬間、何故かアカネの部屋にポッカリと穴があいたのだ・・・異次元に繋がる穴が。

 

そして―

 

―――ドォオオオォォォン!!―――

 

「!?きゃああぁぁぁ―――」

 

突然、自分の部屋に開いた異次元に繋がる穴に訳が分からず呆然とするアカネ―――の事などお構い無しに、異次元から無数のロケット弾や14万度の炎が、アンチ・ハンドミサイルとアンチ・バキシムフローガがアカネに襲いかかったのだった。

 

 

『あ~あ、だから言ったのに・・・人の言うことは素直に聞いて欲しかったなぁ・・・』

 

そう言って、パソコンというか電脳世界へと逃げ込んだおかげで無事だったアレクシス・ケリヴはボヤいていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『バカな小娘め・・・我はヤプール(・・・・)なり・・・人間如きにいいように利用される訳がない・・・我々が貴様を利用していたのだ小娘ぇ・・・!!!』

 

 

異次元に繋がる穴に、その穴をアカネの(・・・・)部屋に(・・・・)繋げたアンチバキシムが喋った―――否、いま喋ったのはアンチバキシムでも、バキシムでも無い。

 

いま喋ったのは―――『その存在を完全に消し去る事は不可能』とまで称され、人々の怨念や情念、負の感情を糧として存在する異次元の住民・「異次元人 ヤプール」だったのだ。

 

そして、このヤプールが姿を変えた存在こそ「一角超獣 バキシム」だった―――そう、アカネは

 

「自分がバキシムを手に入れた」

 

と思っていたが、

 

「ヤプール人が"新たな体を得るため"にアカネに自ら(・・)手に入れられた(・・・・・・・・)

 

のであった。

 

 

「ちゃんと死んだかな?まっ、どっちでもいいけど」

「ひひひっ!うちの担任殺そっかな~って思って」

「よしっ!よしっ!死んだーっ!きゃははははっ!!」

 

しかし、あのアカネという少女はとにかく自己中心的で、身勝手な"お子様"だった・・・だからヤプール人にいいように利用され、挙句は「用済み」として殺されたのだ・・・

 

「ちゃんと死んだかな?まっ、どっちでもいいけど」

「ひひひっ!うちの担任殺そっかな~って思って」

「よしっ!よしっ!死んだーっ!きゃははははっ!!」

 

だが、ソレは全てアカネという少女の"自己責任"と"因果応報"だったのである。

 

 

 

 

~合体怪獣(超獣)紹介~

 

 

アンチ+一角超獣 バキシム(フュージョン・ライズ)一角忍超獣 アンチバキシム

 

スペック 身長59m 体重6万1千トン

 

データ:『SSSS.GRIDMAN』に登場したシノビラー・・・をモチーフにした「アンチ」と『ウルトラマンエース』に登場した「一角超獣 バキシム」がフュージョン・ライズして誕生した超獣。

シノビラーもといアンチ譲りの素早さ・力強さに加え、多種多様な武装を備えたバキシムが融合しているので弱いわけが無い超獣に仕上がっている。

また、もの凄く頭がいい・・・というのも、コイツに合体いしているバキシムは「ヤプール人が変身したバキシム」なので"頭がいい"よりは"ずる賢い"というべきか・・・

 

『汚いなさすが忍者きたない』

 

である。

 

容姿:見た目は怪獣態のアンチとあまり変わらないものの、

 

顔はまるで龍のような端正かつ"怪獣然"とした顔(ほぼバキシムの顔そのままだが口がキュッと閉じられ、威厳のある感じに)

 

腹部は色こそ紫色のままだが蛇腹状に変化し、背部には背ビレのように配置されたオレンジ色の結晶のような物が無数に生え

 

両腕は異様に太く、逞しくなりつつ、手の平にも甲にも無数の鋭い棘がスパイクのように生え

 

額にあった発光器は天に向かって伸びる一本角に変化した

 

"竜人"のような怪獣―――否、『超獣人』とでも言うべき姿。

 

 

 

 

名前・肩書きの由来:それぞれの合体。ちなみに『忍』は『しのび』と読みつつ、『耐え"忍"ぶ』=目的のためならば小娘に利用されることも厭わない"ずる賢さ"を体現した肩書きでもある。

 

 

必殺技:それぞれの能力・必殺技が使える&強化されている

 

・アンチ由来の素早さが重量級のバキシムと融合した結果、遅くなっている・・・が、それでも凄まじい速度で動き回れる(歩行速度は時速800km)

 

・アンチ由来のマックリグリッドマンと拳で押し合えるパワーは更に強化され、おおよそ300万馬力のパワーが出せる。

 

 

・額にあった発光器の代わりに生えた一本角―――その実は射出・再生可能のミサイル『アンチ・ユニコーン・ボム』

 

・両手を前方に突き出して放つ無数のロケット弾『アンチ・ハンドミサイル』

 

・アンチ・ハンドミサイルと同じく手から放つ14万度の高熱火炎放射『アンチ・バキシムフローガ(※フローガ=ギリシャ語で「炎、火炎」)』

 

・嘴のようになった鼻先から放つ火炎弾『アンチ・ランポスファイヤー(※ランポス=ギリシャ語で「嘴」)』

 

・両手の平・甲に無数に棘が生えており、さながら『ガントレット(籠手の一種)』のような形状の手で相手に殴りかかる。また、両手はガントレット状ながらも指がちゃんと生えており、物を掴むなども可能。

 

これらは全てバキシム由来の技・能力が強化されているものである。

 

合体元解説

 

・アンチ:現在放映中の『SSSS.GRIDMAN』に登場した普通に喋る(喋りまくる)&擬人化まで出来る怪獣。CVは鈴村健一 氏(『銀魂』の沖田、『男子高校生の日常』のヨシタケなどを担当)

元ネタは『SSSS.GRIDMAN』の元ネタの『電光超人グリッドマン』に登場した「インテリ忍者」こと「忍者怪獣 シノビラー」である(シノビラーももの凄い喋る)。

「サイコパス女」こと新條アカネが作った怪獣で、アカネも彼を大事にしている・・・ようで、その扱いは正しく「モノ扱い」レベルであり、アカネが機嫌がよければ食事をもらえたり褒めたりしてもらえるが、一度アカネの起源が悪いと八つ当たりされる、食事を与えられないなど散々な扱いを受けている。

しかし、創造主かつ主人であるアカネにはどんな扱いを受けても逆らうことは無い(今のところ)。

怪獣の姿ではグリッドマンを圧倒し、更には「剛力超人」こと「マックスグリッドマン」と殴り合えるだけのパワーを持ち、オマケにスピードも凄まじい。加えて「相手の技をマネる能力」まで持っている。

 

・一角超獣 バキシム:『ウルトラマンエース』に登場した『怪獣を超える獣』こと『超獣』であり、超獣界でも有数の知名度と実力を有している。

名前の由来は『牙のある芋虫』→キバムシ→ムシキバ→逆読で『バキシム』である。

多種多様な武装に加え、人間に化ける能力と人間を欺く知能まで有しており、最大の特徴は『異次元に干渉する能力』である。

原作では子供に化け、『子供の心が純真だと思うのは人間だけだ 』という名(迷)言とともに化けていた少年の祖父母を殺し、様々な破壊活動を行っていた。

そのごのシリーズでも出番は多い・・・が、最近は知的な描写が少なくなり、「ただの強い超獣」になっている少し残念な子。

 




如何でしたか?

今回は互いに知能の高い怪獣(バキシムは超獣)が融合しました・・・同時に、前書きで書いた

『僕が『SSSS.GRIDMAN』に対して思う「ある思い」を実現させたかった』

とは・・・あのサイコパス小娘・新條アカネというキャラクターのあまりのヒドさ・同情できなささ、武史君やカーンデジファー様のような『憎めない悪役』じゃない、皆さん大好き(大嫌い)な某ヒルカワさんに匹敵する・・・下手すればヒルカワさんを超えるクズな所業の数々に対する"成敗"を与えたいという思いが―――

まぁ『SSSS.GRIDMAN』はあくまでも「深夜アニメ」ですし、そういう展開も仕方ない&"現代風"なら尚更ですが・・・それでも、あの小娘はヒドすぎる・・・

是非とも、今はアカネをヨイショしているアレクシス・ケリヴが本性現わして、アカネを怪獣したり、何かに利用するなどしてそれなりの"罰"は受けて欲しいです。
これでアッサリ味方になったりしたら殺された&巻き込まれた人々が浮かばれないぜ全く・・・

話はズレますが・・・本当に今って気持ち悪い・・・ネットではやたらヒロインどもにばかり注目・話題→同人とかの話題ばかり出て来てマジで嫌・・・
まぁ、監督が直々に『ヒロインはお色気枠』って言ってるからか・・・?

もっと『グリッドマン』を見て下さいみなさん!!


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第八話 誇り高き者たちの融合!"武者"と"武人"

今回は、またしてもご友人の方(僕が勝手にご友人だと思ってるだけです、何とまぁ図々しい・・・スミマセン・・・)から、僕の作品にいつもコメントして下さったり情報提供して下さるユーザーの方から頂いたアイデアの融合怪獣を出します。

一体、どんな融合怪獣なのか?

是非ともご覧下さいませ。


余談ですが、今回出てくる怪獣と、今週末公開のアニメゴジラ『星を喰う者』に出てくる(キング)ギドラってよく似てると思うんですよね、境遇が。

強い・何度も登場する・人気・・・でも"他種族の操り人形"という境遇が・・・

とりあえず、どうぞ~



―――グォオオォォオ・・・!!―――

 

「あぁ・・・嫌・・・来ないで・・・!来ないで・・・!!」

「嫌だ・・・!嫌だ・・・死にたくない・・・!!」

「お願い・・・食べないで・・・!!」

 

 

『ふふふ、いいぞいいぞ。もっと恐れろ、もっと恐怖しろ・・・我が"ゼットン"の為にな・・・貴様ら恐怖が、絶望がゼットンの糧となる。貴様らの血肉とともにな・・・!!』

 

とある緑豊かで、生命に溢れていた(・・・・)星―――今となっては完全に荒れ果て、あらゆる生き物が死に絶え、そして食らい(・・・)尽くされていく(・・・・・・)星々が、通称『フューチャーアース』と呼ばれる世界があった。

 

そして、そんなフューチャーアースを荒れ果てさせた全ての元凶こそが―

 

―――グォオオォォオ・・・!!―――

 

まるで猛獣のような唸り声を上げ、目の前にいる人間を、それもか弱い女子供を鎌状になった前脚を擦り合わせつつ、ワシャワシャと開閉する口からヨダレをボタボタと垂らしながら見下ろしている、巨大な刺々しい外骨格に覆われた黒い芋虫―――否、とある怪獣もとい"恐竜"を生体改造した怪物「宇宙怪獣 ハイパーゼットン・ギガント」

 

と、

 

『おぉ、おぉ・・・待ちきれないかハイパーゼットンよ。よかろう、存分に食うがよい・・・簡単に殺さず、徹底的に恐怖させ、痛みを感じさせて食うのだ。そうすれば、お前はもっと強くなる』

 

件のハイパーゼットン・ギガントを育てるために、フューチャーアースの数多の命を、自然をハイパーゼットン・ギガントの"エサ"にした真の元凶・まるで甲冑そのものに命が宿かったかのような体を持ち、背中には名前の由来にもなった"コウモリのような羽"が生えた異星人「触角宇宙人 バット星人」がそこにいた。

 

―――グォオオォォオ・・・!!―――

 

「あぁ・・・嫌・・・来ないで・・・!来ないで・・・!!」

「嫌だ・・・!嫌だ・・・死にたくない・・・!!」

「お願い・・・食べないで・・・!!」

 

『ふふふ、恐れずともよい・・・貴様らの恐怖や絶望、そして血肉はハイパーゼットンの糧となって役に立つ。これほどに名誉で、素晴らしいことはないのだ。だから、安心してハイパーゼットンに食われるがいい』

 

フューチャーアースの数多の命を、ハイパーゼットン・ギガントの"エサ"にしてきたバット星人によって捕らえられ、今まさにハイパーゼットン・ギガントの目の前に"エサ"として放り出された年若い女性たちや幼い子供たち―――を、バット星人は近くの廃墟の壁にコウモリのように逆さにぶら下がりつつ、ハイパーゼットン・ギガントが"エサ"を捕食する瞬間を見届けようとしていた。

 

―――グォオオォォオ・・・!!―――

 

そして、とうとうハイパーゼットン・ギガントが前脚の鎌を"エサ"に向かって振り下ろそうとした、その瞬間!!

 

「ふんっ!!」

 

―――ザンッ!!・・・ドサッ!!―――

 

―――!?グォオオォォオ・・・!?グォオオォォオ・・・!!?―――

 

「「「えっ!!?」」」

 

『なっ、何ぃ―――あああぁぁぁっ!?ハイパーゼットンの前脚がーーーっ!!?』

 

ハイパーゼットン・ギガントが前脚を"エサ"に向かって振り下ろそうとした刹那、何か黒い者がハイパーゼットン・ギガントが前脚の前を横切った―――その瞬間、ハイパーゼットン・ギガントが前脚が根元からスッパリと切断され、地響きを立てながら地面に落ちた。

 

―――グォオオォォオ・・・!?グォオオォォオ・・・!!?―――

 

『だ、誰だっ!?我がハイパーゼットンにこんなマネをした不届き者は―――』

 

前脚を根元からスッパリと切断されたハイパーゼットン・ギガントはその痛みにのたうち回り、手塩にかけて育てたハイパーゼットン・ギガントが傷付けられた事に怒り狂うバット星人は辺りを見回し、そして見付けた。

ハイパーゼットン・ギガントの前脚を、手にした太刀の一振りで斬り落とした"豪傑"を。

 

「誰がやった、か・・・フン、俺だ。そこの同族(・・)があまりにもみっともないマネをしていたので、つい手が出てしまっただけさ」

 

という言葉と共に、手にしていた太刀―――その実は右手と(・・・)一体化(・・・)している(・・・・)太刀(・・)の刀身に付着しているハイパーゼットン・ギガントの体液を拭いつつ、威風堂々とした佇まいでバット星人を睨んでいたのは―

 

『な、何だと・・・!?ゼットン(・・・・)()喋っている(・・・・)!!?』

 

そう言って、ハイパーゼットン・ギガントの前脚を一太刀で斬り落とした"豪傑"の姿を見たバット星人は呆然としていた。

何故なら、今バット星人の眼下にいる"豪傑"とは・・・かのハイパーゼットン・ギガントの元に(・・)なった(・・・)怪獣、あの「宇宙恐竜 ゼットン」だったからだ。

 

とはいえ、その姿は一般的に知られている「宇宙恐竜 ゼットン」とは色々と違っていた。

 

まず目を引くのは頭部の触角の間から伸びる"赤毛のちょんまげ"と"赤い隻眼"だ。

 

次に、全身には鎧武者が纏っているような青い甲冑を身に纏っている。

 

そして、鎧を纏ったゼットンの右手にある伸びる銀色の輝きを放つ刀―――その刀は何と、鎧を纏ったゼットンの右手の掌から直接(・・)生えて(・・・)おり、言うなれば「右手と刀が一体化している状態」だった。

 

まさしく異形、まさしく"普通では無い"ゼットンがそこにいた―――だからバット星人は驚いていた。

 

同時に、バット星人が驚いたのにはもう一つ理由があった。それこそ、

 

「何だ、ゼットンが喋ってはイカンのか?まるで我らゼットン族は頭が悪いとでも言いたいような物言いだな、バット星人よ?」

 

『・・・!?そんな、有り得ん!ゼットンが喋るなど・・・ゼットンなど、所詮は操られるだけの存在―――』

 

空中で制止しているバット星人を睨む「喋るゼットン」にただ驚くバット星人―――そう、この「ゼットンが言葉を話す」という行為こそバット星人が驚いている理由だった。

 

そもそも、ゼットンという怪獣(・・)は言葉を話さない・・・だって獣だから、動物だからだ。だからバット星人は相当に驚いていた。

同時に、バット星人の言う通りゼットンは強いが所詮は怪獣なので知能の高い宇宙人などに良いように利用されるだけの(ケダモノ)でしかない―――

 

その一言が、ゼットンという種族を侮辱するかのような一言がバット星人の運の尽きだった。

 

「ふ・・・んっ!!」

 

―――ザンッ!!―――

 

『なっ―――ぎ、ぎぃやぁあああぁぁぁっ!!?』

 

突然、バット星人の体に痛みが走った―――その痛みをバット星人が体感した瞬間には、バット星人の甲冑のような体には袈裟懸けの一太刀が浴びせられつつ、そのコウモリのような羽が両翼とも斬り落とされており、結果でバット星人は頭から地面へ真っ逆さまと相成った。

 

『あぅぐぅうっ!?ク、クソぉっ・・・!こ、この私に何という無礼を―――』

 

両翼を斬り落とされたために地面へ真っ逆さまに落下して全身を強打した挙句、体に浴びせられた一太刀のダメージも相当に応えているバット星人であったが、どうにか身を起こして立ち上がろうとしたその瞬間―

 

「オイ」

 

『はっ?あっ―――』

 

「せいっ!!」

 

―――ドォオオオォォォン!!―――

 

『がっ!?がっはぁ―――』

 

バット星人が不意に顔を上げると目の前に真っ黒い"何か"が立っていた―――その真っ黒い"何か"が、あの「喋るゼットン」だとバット星人が理解した瞬間、バット星人は「喋るゼットン」に殴り飛ばされた・・・数十メートルの距離を、まるで小石のようにバット星人が飛んで行った。

「喋るゼットン」はたったの一発だけバット星人を殴っただけなのに。

 

「スゴい・・・」

「強い・・・」

「一体、何者なのあの怪獣・・・?」

 

目の前で繰り広げられるあまりに一方的な展開に、ほんの少し前までハイパーゼットン・ギガントのエサになる運命だった女子供たちは目を奪われっぱなしだった。すると、

 

「オイ、お前たち・・・そこの人間たち。俺の声が聞こえるか?」

 

「!?えっ!?あの怪獣が私たちに話しかけてきた―――」

 

不意に、あの「喋るゼットン」が逃げることも忘れたままその場に留まっている女子供に声をかけ、そして―

 

「お前たちはジャマだ。さっさと逃げろ。あっちに逃げればここから遠ざかれる。分かったら早く行け」

 

「えっ?えっ?どういうこと―――」

 

「・・・いいからさっさと逃げろ。お前たちはジャマだ。あっちに逃げればいいだけだ。もう言わんぞ・・・分かったら早く失せろ」

 

「・・・みんな、逃げるよ」

 

「「「は、はーい!!!」」」

 

あの「喋るゼットン」は・・・何と、女子供たちに逃げ道を教えてくれた。

 

当然、最初こそ戸惑っていた女子供たちであったが、即座に「喋るゼットン」の示した逃げ道を通ってその場から離れた・・・その去り際、女子供たちは「喋るゼットン」に向かって頭を下げて逃げて行った。

 

その直後、

 

『あぁ・・・!おのれぇ・・・!!よくもこの私を・・・絶対に許さんぞっ!!!』

 

ガラガラと音を立てて崩れ落ちる瓦礫の中からバット星人が這い出てきた。

その目は怒りに燃え、全身から明らかな怒りのオーラを放っていた。

 

『オイ!ハイパーゼットンよ!!あのゼットンを始末しろ!!貴様の前脚を斬ったアイツを―――』

 

そんなバット星人は・・・自分で動くのでは無く、何とハイパーゼットン・ギガントに命令して「喋るゼットン」を始末させようとしたのだが―

 

―――グッ・・・!グォオオォ・・・オオォオ・・・!!―――

 

『なっ!?なんだ・・・と!?ハイパーゼットンが震えている・・・だとぉ!!?』

 

ハイパーゼットン・ギガントに「喋るゼットン」を始末させるべく、ハイパーゼットン・ギガントの方を向いたバット星人が見たもの、それは・・・何と、あのハイパーゼットン・ギガントが全身をガタガタと震えさせ、建物の隅に隠れるようにして身を縮こまらせ、挙句は残った片方の前脚で必死に頭部を隠そうとしている、という実に"情けない"有様だったのだ。

その様は完全に「猛獣に恐怖に怯える小動物」の如く―――

 

『えぇいっ!何と情けない虫ケラだっ!!もういい・・・この私が直々にお前を始末してやろうぞっ!!!』

 

手塩にかけて育てたハイパーゼットン・ギガントが見せたあまりにも"情けない"有様を前に、頭に血が上ったバット星人はどこからともなく長剣を取り出して構えて「喋るゼットン」に向かって行った―――だが、

 

『きぃえええぇっ!!』

 

「遅い」

 

『はっ・・・?』

 

自慢の長剣を目一杯に振り上げ、何故かいまだにその場から動かない「喋るゼットン」を長剣の一振りで一刀両断してやった、とバット星人が思った時には「喋るゼットン」は―――虚しく空を切って振り下ろされた長剣を握ったままのバット星人の真横にピッタリと着けていた―――ばかりか、

 

「ふ、んっ!!」

 

―――ゴガッ!!―――

 

『がっ―――はぁああぁぁっ!!?』

 

バット星人の真横に着けた「喋るゼットン」は右手に一体化している剣―――巨大な隕石をも一刀両断する名刀・(ほし)(きり)(まる)背で(・・)バット星人の脇腹を薙ぎ払った。

 

たったのそれだけでバット星人の体は再び小石のように軽々と、数十メートルの距離を吹っ飛んでいった。

 

何という威力、何という怪力か・・・刀の背で薙ぎ払っただけなのに。

 

『ぐぁあっ・・・!?そ、そんなバカな・・・!?この私が負けるなど・・・あってなるものかーーーっ!!!』

 

二度に渡って吹っ飛ばされ、その度に相応のダメージと傷、そして"泥"を付けられたバット星人の堪忍袋の緒が切れた。

どうにか起き上がったバット星人は長剣を激しく振るい、その剣圧を持ってして生み出した"飛ぶ斬撃"を、更には剣圧で地面に落ちている無数の瓦礫などを散弾のように「喋るゼットン」に向かって飛ばした。だが、

 

「せいっ!やあっ!!はっ!!」

 

無数に、一斉に飛んでくる瓦礫の破片や"飛ぶ斬撃"を、「喋るゼットン」は見事に、一片の漏れも無く、全て星斬丸で斬り、撃ち落とし、相殺して見せていた―――その瞬間!!

 

『もらったぁ!!』

 

という声と共に、無数の瓦礫の破片や"飛ぶ斬撃"に混じって長剣を構えたバット星人自らが「喋るゼットン」に突っ込んできた。

そう、バット星人は瓦礫の破片などを囮にして「喋るゼットン」の隙をうかがい、そして斬り付けて来たのだ。

何という姑息なマネを―――と言いたいところだが、

 

―――ゴッ・・・ンッ!!―――

 

『がっ―――はぁあ・・・っ!?何で・・・こんな所に壁・・・が・・・!!?』

 

姑息なマネで「喋るゼットン」に斬りかかったバット星人だったが、突然"なにか"に激突した―――バット星人がベッタリと張り付いている透明(・・)な壁(・・)に、俗に言う「バリヤー」に。

そんなバリヤーを出現(・・)させた(・・・)のは当然、

 

「ふん、貴様の魂胆や攻撃など見え透いていた・・・が、貴様のような小汚い輩をただ単に斬るのは虫が好かん。だから使わせてもらったぞ、俺の(・・)バリヤー(・・・・)を」

 

そう言って、バット星人がぶつかったバリヤーを出現させた「喋るゼットン」は、ベチャッという音を立てながら地面にずり落ちたバット星人を蔑むような目で見た。

その直後、

 

『お、おのれぇ・・・!調子に乗るなよっ!!』

 

という声と共に、バッと跳ね起きたバット星人は長剣を振るって自らと「喋るゼットン」の間にあるバリヤーを破壊しようとしたが、

 

―――ガッ・・・ギィイィン!―――

 

『何ぃ!?どうして壊れないんだ―――』

 

いくら斬り付けても、いくらフルパワーで攻撃しても、件のバリヤーは全く破壊できなかった。それに驚くバット星人。と、ここで―

 

「凄まじい防御力を誇る俺のバリヤー・・・それを攻撃に(・・・)使ったら(・・・・)どうなると思う?」

 

不意に、バリヤーを破壊しようと躍起になっているバット星人に「喋るゼットン」が問い掛けた。

 

「凄まじい防御力のバリヤーを攻撃に使ったらどうなると思うか」

 

と。

 

『なに?貴様、何を言っている―――』

 

一方で、問い掛けられた当のバット星人はその問いかけの意味が分からずにいた―――その瞬間!!

 

「なら教えてやろう・・・"こういう事"だっ!!」

 

―――ドォオオオォォォン!!―――

 

『がっ・・・!?がぁあああぁぁっ!!?』

 

突然、バット星人を凄まじい衝撃が襲った―――「喋るゼットン」が飛ばした(・・・・)バリヤー(・・・・)によって(・・・)

 

そう、何と「喋るゼットン」は防御手段であるバリヤーを攻撃に転用したのだ。

たたでさえ凄まじい強度を誇るバリヤーが、凄まじ勢いで飛んできて激突したら・・・相応のダメージを負うのは言わずもがなだろう。

 

『バ、バカなっ・・・!バリヤーを飛ばすなど・・・有り得んっ―――なっ!?そ、そんな・・・剣が、剣が・・・折れているだとっ!!?』

 

バリヤーを飛ばす、という有り得ない事と、その有り得ない事によって受けた凄まじいダメージによって朦朧とするバット星人だが、それでも何とか起き上がって再び「喋るゼットン」に挑みかかろうと長剣を構えた―――その長剣は刀身がポッキリと折れ、バット星人の足下に転がっていた・・・先程のバリヤーが激突した際の衝撃でだ。

 

「ふん、そんなナマクラ刀と斬り結ぶ気は毛頭無い。そんなことをしては我が友(・・・)の形見(・・・)に失礼だからな」

 

バット星人の長剣をバリヤーをぶつけた衝撃で叩き折った「喋るゼットン」はまるでため息交じりに言いつつ、己が右手と一体化している星斬丸を見つめる目だけはどこか儚げで、どこか・・・悲しみに満ちていた。

 

(ク、クソっ!クソっ!!このバット星人様が圧倒されるなど・・・あっていいのかっ!!?とはいえ、どうにかして逃げる手立てを確保せねばヤツに殺されるぞ・・・どうする!?どうすればいい―――)

 

一方でエモノである長剣はもう使い物にならず、オマケにことごとく「喋るゼットン」に翻弄されてばかりのバット星人は悔しさを滲ませつつも、持ち前の"ずる賢さ"でどうにか現状を打破できる方法を模索し、そして見付けた(・・・・)

 

そこからのバット星人の動きは速かった。

 

『オイ!このゼットン野郎!!これが見えるか!?コイツ(・・・)を殺されたくなかったら、下手な動きをするんじゃない!!分かったかっ!!?』

 

「・・・・・・・・・」

 

バット星人は見付けた"現状を打破できる方法"を手に・・・というか、両手で羽交い(・・・)締め(・・)にして(・・・)「喋るゼットン」に見せつけたのだ―――

 

「い、嫌っ!放して!!放してっ!!」

 

『ははっ!実にいい所にいたな人間っ!!お前のおかげで、ヤツはもう私に手出だしが出来ない・・・お前は人質だっ!!!』

 

先程「喋るゼットン」が逃がしたはずの女子供の内の一人の女性が、バット星人に羽交い締めにされて人質にされていた。

 

(ど、どうしよう・・・あの人(?)が心配になって戻ってきたらこんな事になっちゃうなんて・・・私のせいであの人(?)に迷惑かけることになるなんて・・・)

 

バット星人に人質にされた女性がこの場にいる理由、それは女性なりに「喋るゼットン」を心配しての事だったのだ―――今回、それがものの見事に裏目に出てしまった訳だが。

 

『どうだっ!これで貴様はもう私に手出しできないだろう・・・よし、こうなったら今までやられた分の仕返しをしてやる―――』

 

一方で、人質を取るという姑息なマネに出たバット星人はそれはもう得意気に、満面の笑みで勝ち誇ったように「喋るゼットン」を罵っていたのだが、その直後にバット星人と人質の女性は固まった。何故なら―

 

「はぁぁああぁぁっ・・・!!」

 

―――バチッ・・・!バチバチッ!!―――

 

「な、なにアレ・・・?」

 

『き、貴様・・・まさか"あの技"を、あの"一兆度の火球"を使う気か・・・!?そんな事をしたら、人質まで―――』

 

空気が爆ぜる音と、「喋るゼットン」が気合を入れる声が聞こえた―――何故なら「喋るゼットン」は準備を(・・・)していた(・・・・)のだ。

 

彼ら「宇宙恐竜 ゼットン」最大にして最強の大技"一兆度の火球"を放つための準備を、今まさに「喋るゼットン」の顔の前に煌々と輝く光球が構成されていたのだ。そして―

 

「我が奥義、受けてみよっ!!」

 

大技"一兆度の火球"のチャージを終えた「喋るゼットン」は・・・あろうことか、そのまま"一兆度の火球"をバット星人に向かって放った―――人質がいてもお構いなしにだ。

 

「い、いやっ!?助けて!!死にたくない―――」

 

『き、貴様!?この人質が見えないのかっ!!?まさか、人質ごと焼き殺そうというのか―――』

 

当然、「喋るゼットン」が大技を放ったのに驚いたバット星人と人質の女性は思わず叫んだが―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は警告した『ジャマだから逃げろ』と・・・その警告を守らなかったソイツが悪いだけだ」

 

「!?そ、そんな―――」

 

『!?な、なにぃ―――』

 

バット星人と女性の叫びに対し、「喋るゼットン」の答えは・・・実に的を得た「正論」だった。

 

 

―――バチッ・・・!バチバチッ!!―――

 

「い、いやっ!来ないで・・・!来ないで―――」

 

『ひぃいっ!?来るな!来るな―――』

 

そうこうしている内にも、「喋るゼットン」が放った"一兆度の火球"はバット星人たちに迫る―――

 

『来るな・・・来るなーーーっ!!!』

 

「きゃっ―――」

 

ここで、バット星人が動いた。

 

確実に、着実に迫る"一兆度の火球"を前にしたバット星人は・・・人質の女性をその辺に放り捨て、そのまま自分だけ逃げた―――その瞬間、

 

「・・・醜いな」

 

『へっ―――』

 

―――ザンッ!!―――

 

『なっ―――あっ・・・』

 

不意に、逃げるバット星人の真横で声が聞こえた・・・あの「喋るゼットン」の声が。

 

その声がした方にバット星人が顔を向けた瞬間、鋭い一閃がバット星人の体に走り、そのままバット星人の視界が(・・・)真っ二つ(・・・・)に割れ(・・・)つ、バット星人の()そのものが(・・・・・)真っ二つに(・・・・)なった(・・・)

 

そんなバット星人が最期に(・・・)見たものは・・・あの「喋るゼットン」が、バット星人が放り捨てた人質の女性を左手で担ぎ上げ、右手と一体化した星斬丸の刀身をバット星人の血で濡らしている光景だった―――それをバット星人が理解し終える前に、バット星人の意識はフェードアウトして二度と戻ることは無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あの・・・何回も助けてくれでありがとうございます・・・」

 

「・・・礼などいい。それよりも、俺は忠告したはずだ。さっさと逃げろ、とな」

 

「そ、それは・・・貴方が心配で・・・その・・・」

 

「・・・余計なお世話だ。全く、おかげで余計な(・・・)芝居(・・)を打つ羽目になったではないか」

 

「うぅっ・・・その、ごめんなさい・・・」

 

バット星人を"始末"し終えた「喋るゼットン」は、抱きかかえていた女性を安全な場所に下ろしつつ、女性に向かって不満というか文句を言っていた・・・事実、彼女のせいで「喋るゼットン」は一芝居打たなければならなかったからだ。

 

 

「我が奥義、受けてみよっ!!」

 

「い、いやっ!?助けて!!死にたくない―――」

 

『き、貴様!?この人質が見えないのかっ!!?まさか、人質ごと焼き殺そうというのか―――』

 

「俺は警告した『ジャマだから逃げろ』と・・・その警告を守らなかったソイツが悪いだけだ」

 

「!?そ、そんな―――」

 

『!?な、なにぃ―――』

 

―――バチッ・・・!バチバチッ!!―――

 

「い、いやっ!来ないで・・・!来ないで―――」

 

『ひぃいっ!?来るな!来るな―――』

 

『来るな・・・来るなーーーっ!!!』

 

「きゃっ―――」

 

あの時、「喋るゼットン」がバット星人に人質にされた女性に構わずに"一兆度の火球"を放ち、それに恐怖したバット星人が自分だけ逃げた時の事だ。

 

自分だけ逃げたバット星人に放り捨てられ、迫る"一兆度の火球"の前に放り出された女性は死を覚悟した・・・が、すぐにそれは杞憂に終わった。何故なら、

 

「・・・全く、世話が焼けるな」

 

「えっ・・・?えぇっ!?火の玉が・・・消えた―――って言うか、吸い(・・)込まれた(・・・・)―――」

 

不意に、女性の目の前に黒い何かが・・・あの「喋るゼットン」がまるでテレポートでもしたかのように突然現れ、女性と"一兆度の火球"の間に割って入った―――ばかりか、そのまま「喋るゼットン」は"一兆度の火球"を吸い込んでしまったのだった。

 

当然、それを見た女性は口をあんぐりと開けたまま驚いていたが、

 

「フン、自分で出した火球を自分でどうにか出来ない俺じゃ無い。それに、俺たちゼットンはテレポートも出来んだ・・・またお前が人質にされると面倒だ。一緒に来い」

 

「えっ!?ちょっと・・・きゃっ―――」

 

目の前で起きた現象に呆然とする女性を尻目に、あの「喋るゼットン」は手短に何が起きたのかを口にしつつも、女性を左手で抱え上げるとその場から移動し、そして―

 

「・・・醜いな」

 

『へっ―――』

 

―――ザンッ!!―――

 

『なっ―――あっ・・・』

 

女性を左手で抱え上げた「喋るゼットン」は再びテレポートで移動し、自分だけ逃げるバット星人の真横に出現、右手と一体化している星斬丸の一閃でバット星人を一刀両断して見せた。

 

これが事の顛末であり、経緯であった。

 

 

 

 

 

 

 

「さて、と。まだこの辺りにいるハズだが・・・」

 

バット星人に人質にされた女性を一芝居打って助けつつ、そのバット星人を始末した「喋るゼットン」は何か言おうとした女性を無視してその場を去り、最初にバット星人たちがいた瓦礫の山がある場所に戻ってきていた―――"ヤツ"を見付けるために。すると、

 

―――グォオオォォオ・・・!!―――

 

突如として聞こえる低い獣のような唸り声。その唸り声の主こそ「喋るゼットン」が探していた存在こそ、あのハイパーゼットン・ギガントだった。

 

「おぉ、いたか・・・オイ、お前―――」

 

そんなハイパーゼットン・ギガントに対して「喋るゼットン」は話しかけつつ近寄ろうとしたが―

 

―――グォオ?グォオ!?グォオオォォオ・・・!!?―――

 

自分に歩み寄ってくる「喋るゼットン」に、自分の前脚を切り落とした「喋るゼットン」が近付いてくるのに気付いたハイパーゼットン・ギガントは恐怖に(おのの)きつつも、精一杯の"プライド"と"自己防衛"の為、残った前脚の鎌を「喋るゼットン」に向かって振り下ろした・・・が、

 

―――ガッ!!―――

 

―――グォオオォォオ・・・!!?―――

 

振り下ろされるハイパーゼットン・ギガントの巨大な鎌状の前足を、「喋るゼットン」は易々と受け止めた―――素手(・・)で、腕力(・・)だけ(・・)で・・・ばかりか、

 

「オイオイ、いきなり何をするんだ。まるで礼儀がなっていない・・・なっ!!」

 

―――ドォオオオォォォン!!―――

 

―――グォオオォォオ・・・!!?―――

 

易々とハイパーゼットン・ギガントの前脚を受け止めた「喋るゼットン」は、そのままハイパーゼットン・ギガントの前脚を掴みつつ、気合一閃に"背負い投げ"でハイパーゼットン・ギガントの巨体を投げ飛ばして見せた。

 

結果、辺り一帯には凄まじい地響きと膨大な量の土煙が舞い、周囲の廃屋などが一斉に崩れ落ちていた。

 

―――グォオオォォオ・・・!!?―――

 

まさか前脚を素手で受け止められたばかりか、そのまま背負い投げで投げ飛ばされる・・・そんな有り得ない体験の連続に、ハイパーゼットン・ギガントはひっくり返ったまま混乱しっぱなしだった。すると、

 

「・・・あのなぁ、別に俺はお前を取って食おうというわけでも無いし、殺す気など尚のこと無い。ただ、話を聞いて欲しいだけだ・・・お前ほどの強いゼットン(どうぞく)だからこそ出来る『話』を、『頼み』をな」

 

―――グォオオォォオ・・・?―――

 

「そうだ。『話』と『頼み』だ。俺たちゼットン族にとって大事な、な・・・」

 

ひっくり返ったまま混乱するハイパーゼットン・ギガントの頭部に歩み寄る「喋るゼットン」の声色は、表情は非常に穏やかだった・・・表情筋も無く、そもそもが顔どころか全身が硬い外骨格で覆われたゼットンに表情というものなど無いのだろうが。

 

それはさて置き、ハイパーゼットン・ギガントの頭部へと歩み寄った「喋るゼットン」は、彼の言う『ゼットン族にとって大事な話』を、彼の言う『お前みたいな強いゼットン(どうぞく)にしか出来ない頼み』をハイパーゼットン・ギガントに語った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――ドォオオオォォォン!!―――

 

『ぎゃーっ!?何だーーー!!?』

『た、大変だっ!養殖場(・・・)からヤツらが、ゼットンどもが逃げ出してるぞ!!』

『な、何だって!?い、一体どうして―――』

 

所変わって、ここは大宇宙に点在する数多の星々の内の一つの、その名も『バット星』と呼ばれる「触角宇宙人 バット星人」たちが済む星だ。

 

そんなバット星の各地では今まさに大混乱もとい"大暴動"が起きていた。その理由は―――

 

「・・・『どうしてか?』だって?教えてやろう・・・この俺と、相棒(・・)がやったのさ。俺たちの仲間(どうぞく)を解放するためにな」

 

『『『な、なにぃ!!?ゼットンが・・・ゼットンが喋ってる―――』』』

 

バット制止の各地で起きる"大暴動"により、大勢のバット星がパニックを起こしていた。

 

その最中、バット星で起きている"大暴動"の首謀者にして、バット星の各地に点在する「養殖場」―――あの「宇宙恐竜 ゼットン」を養殖する養殖場を次々と襲撃し、狭くて不衛生な養殖場に押し込められている大勢の仲間(どうぞく)たちを解放(・・)している(・・・・)者こそ、

 

「聞け!同士たちよ!!お前たちは操り人形でも家畜でも無い!!お前たちは誇り高き『宇宙恐竜 ゼットン』だ!!

お前たちはもう誰かの家畜になる必要は無い!!これからは自由に生き、そしてもっと賢くなるべきだ!!

そのためにも、この俺―――"武者ゼットン三世"と、相棒のハイパーゼットン・ギガントと共に来いっ!!!」

 

―――グォオオォォオ・・・!!―――

 

―――・・・ピポポ・・・ゼットォンーーーッ!!!―――

 

右手と一体化した名刀・(ほし)(きり)(まる)を、かつて共に戦った"友"から、その"友"の力と共に(・・・)受け取った(・・・・)形見を掲げつつ、バット星人たちのゼットンの養殖場から解放した大勢のゼットン(どうし)たちを先導し、自由を与えたのは・・・あの「宇宙恐竜 ハイパーゼットン・ギガント」の背に跨がった「喋るゼットン」こと「宇宙恐竜剣豪 武者ゼットン三世」だった。

 

そしてこの"解放運動"を機に、宇宙中に「宇宙恐竜 ゼットン」の一族はより一層のこと有名に、より一層のこと強大になってゆく―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、という事で。コレが私たちの種族の歴史です。みんな、分かったかな?」

 

「「「はーい!せんせい(・・・・)~~~!!!」」」

 

とある大都会の真ん中にある"学校"の教室で、教壇に立っている先生が生徒たちに自分たち(・・・・)(・・)種族の(・・・)歴史を(・・・)教えて(・・・)いた(・・)

 

そんな生徒および生徒たちは・・・全て、あの「宇宙恐竜 ゼットン」だった―――そう、ここはゼットンたちの「学校」なのだ。

 

「郵便でーす」

 

「いらっしゃいませ。ご注文は何になさいますか?」

 

「あ~こりゃ、宇宙風邪だねぇ・・・お薬、一週間分お出ししますね」

 

「社長、本日のご予定ですが・・・」

 

郵便配達をするゼットン

 

接客業をするゼットン

 

医者のゼットン

 

企業を運営するゼットン

 

等々、実に多種多様な職業や活動を大勢のゼットンたちが行っていた―――そう、ここは「宇宙恐竜 ゼットン」たちだけが(・・・)住む星、通称「ゼットン星」なのだ。

 

「私たちゼットン族は、かつては宇宙人たちに操られるだけの存在で頭も悪かった。

だが、あるとき現れた"英雄"によって私たちは解放され、自由を得た・・・その"英雄"への感謝を、敬意を忘れるなかれ。

そして、常に賢く、知的であるために学び、努力し、強くあれ。それが"英雄"の武者ゼットン三世様への礼儀なのだ」

 

これはゼットン星に、ゼットン星に住むゼットンたちの間に伝わる「教え」であり「戒め」だ―――そう、かつての「宇宙恐竜 ゼットン」は強さこそ凄まじいが、所詮は他種族にいいように利用されるだけの(けだもの)だった・・・

 

だが、そんな(けだもの)のゼットンたちを解放し、自由を与えた後、様々な「教育」を施して賢くした"英雄"がいた。

 

その"英雄"こそ、

 

 

「ね~ママ」

 

「なぁに?」

 

「あれが武者ゼットン三世のどうぞうなんだよね?」

 

「こーら、『武者ゼットン三世』じゃなくて『武者ゼットン三世"様"』よ。ちゃんと"様"を付けないとダメよ?武者ゼットン三世様のおかげで私たちはみんな賢く、自由になれたんだからね」

 

「はーい」

 

ゼットン星にある、とある公園で遊んでいた母親ゼットンと子供ゼットンが、公園にある銅像―――ゼットン族を解放し、教育した"英雄"の武者ゼットン三世の銅像を前に、母親ゼットンが子供ゼットンに色々と教えていた。

 

そう、彼らゼットンにとって武者ゼットン三世は英雄であり、恩人なのだ。

 

だから、ゼットンたちは武者ゼットン三世を常に敬い、尊敬している―――そんなことが出来る程に、考えられるほどにゼットンたちは賢く、そして『素晴らしい存在』になっていた。

 

これなら、ゼットンは他の宇宙人などに異様に利用されることは無いだろう。絶対に。

 

 

強い:一兆度の火球が使える、光線ならば吸収・無効化・威力路増幅して反射、強固なバリヤーが使用できる、テレポートが出来る、肉弾戦も強い

 

賢い:"言葉"を話せる、他種族の原語が理解できる、知識がある、他者を"理解"出来る

 

こんなゼットンたち(・・)・・・勝てるヤツはいるのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

~合体怪獣紹介~

 

 

・宇宙恐竜 ゼットン三世+宇宙剣豪 ザムシャー=宇宙恐竜剣豪ムシャゼットン三世

 

スペック

・頭身大(人間大になれる)→身長2m15cm 体重180kg 

・巨大化時(元の大きさ)→身長62m 体重5万3千トン

 

 

データ:漫画作品『決戦!ウルトラ兄弟』に登場した「宇宙恐竜 ゼットン三世」と『ウルトラマンメビウス』に登場した「宇宙剣豪 ザムシャー」がフュージョンライズして誕生した"誇り高き武人(宇宙恐竜(ゼットン))"。

一見すると無愛想で冷たい印象を受けるが、その実は非常に高貴かつ礼儀正しい性格であり、何よりも卑怯な行いは嫌う武人肌な性格。

ゼットン族が持つ元来の戦闘能力・特殊能力に加え、ザムシャーの持っていた剣術、そしてゼットン三世由来の格闘術や知能の高さも相まって正しく"強者"である。

戦闘に際しては相手が武器を有しているなら右手と(・・・)一体化(・・・)している(・・・)ザムシャーの愛刀にして形見の『星斬丸』を用いて剣術のみで戦い、相手が素手だったり格闘線で戦うタイプの場合は星斬丸を"腕の中に収納"して格闘線のみで戦う―――どちらも、卑怯な行いを嫌う武者ゼットンらしい"心遣い"故である。

また、ゼットン族の十八番であるテレポートやバリヤー、光線や火球などは戦闘に際しては基本的に使わず、自らの動きでのみ応戦・防御して戦う―――これも武人肌かつ卑怯な行いを嫌う武者ゼットンらしい"正々堂々さ"に由来する。

反面、相手が戦いに際して騙し討ちや卑劣な行いをする輩な場合、剣術と格闘術を織り交ぜて戦い、更には火球や光線、テレポートやバリヤーなども織り交ぜて徹底的に叩きのめす一面もある。

 

 

 

容姿:ベースはゼットン三世(基本的な「宇宙恐竜 ゼットン」そのままの姿)ながらも、全身にザムシャーの鎧を全身に纏った感じ

 

=『ザムシャーの鎧を身に纏ったゼットン(三世)』である

 

・頭部はゼットン(三世)そのままで、頭頂部の触角の間からザムシャーの"赤毛のちょんまげ"がなびいている。

また、目は隻眼"になっている―――ザムシャーとフュージョン・ライズしたために片目だけが赤くなっているが、もう片方の目は黒いままなので、まるで隻眼のように見えるだけである。

(※ゼットンの目は黄色い部分の左右にある複眼のような突起部であるが、『ゼットンの目はほぼ見えておらず、頭部の触角がレーダーの役割を果たしている』という設定がある。)

 

・ザムシャーの愛刀・星斬丸は武者ゼットンの右腕と完全に一体化しており、星斬丸の刀身(・・)は武者ゼットンの右手の掌から飛び出ている。

また、武者ゼットンの任意で星斬丸の刀身は右腕の中に収納・露出させることが出来る(『大怪獣空中決戦』のガメラのエルボー・クローが飛び出るのと同じ原理)。

その様はまるで武者ゼットンの右腕そのものが星斬丸の"鞘"であるかのようである。

 

 

 

必殺技:ゼットン三世・ザムシャーの各能力・必殺技が使える&強化されている。

 

・ザムシャーの持つ剣術が更に強化・洗練されており、相手は自分が斬られた事に気付かない程に華麗で美しく、無慈悲な剣術で斬り捨てられる。

 

・ゼットン三世の体術がザムシャーの剣術の動きと融合した結果、トンデモナイ実力と威力を持った体術が使える。

 

・ゼットン(三世)の持つ「強固なバリヤー」を防御だけではなく、そのまま射出して攻撃に転用する事も可能。

 

・相当な"剛力"を誇り、作中では「宇宙恐竜 ハイパーゼットン・ギガント」の前脚の一撃を"素手で"受け止め、更にはハイパーゼットン・ギガントの巨体を軽々と放り投げる剛力を有している。

 

・当然、あの『一兆度の火球』や『相手の光線を吸収・無効化・増幅して反射』も使えるが・・・基本的に、体術や剣術で相手と対峙しつつ、相手の攻撃や光線などは体術や剣術で(さば)いてしまうため、あまり使う事は無い。

 

肩書きの由来:それぞれの融合(宇宙恐竜+宇宙剣豪=宇宙恐竜剣豪)

 

名前の由来:それぞれの融合・・・かつ、ザムシャー=文字通りの"武者"なので「武者ゼットン三世」である。

 

合体元解説

 

・宇宙恐竜 ゼットン三世:漫画作品『決戦!ウルトラ兄弟』に登場した"喋るゼットン"である。

外見は初代ゼットンと同じで一兆度の火の玉やバリアを使え、何よりも格闘戦に特に長けている。加えて、卑怯な行いは嫌う武人肌な性格でとても潔い(後述)。

初代ウルトラマンが倒した初代ゼットン、ウルトラマンジャックが倒したゼットン二代目の弟で、二人の兄を殺したウルトラマン達に復讐を果たすために登場。

ジャックを倒そうとする「ドグラ星人」なる宇宙人に雇われ地球にやって来たが、ジャックを倒せば用済みになったゼットン三世も殺そうとしているドグラ星人の企みを見抜き、ジャックと共にドグラ星人を倒すと、改めてジャックと戦う。

ジャックとは互角以上の戦闘を繰り広げたが、ジャックがウルトラセブンの助言で生み出した新必殺技「ウルトラ山あらし」で大ダメージを受け敗北。

 

「俺は誇り高きゼットン一族の一人だ。こんな姿をさらして生きていくつもりはない。さらばだ新マン(ジャック)」

 

と言いながら、潔く自身の負けを認めて火山の火口に身を投げ焼死した。

 

(ほぼ)元祖"喋るゼットン"にして、とにかく強くてカッコよく、素晴らしい武人肌のゼットンである―――どこぞの『ウルトラ怪獣女体化計画』・・・『ウルトラ怪獣擬人化計画』の"ゼットンさん"が喋るゼットンだと認識されやすいが、こちらの方が数十年も先輩で、しかも"カッコいい"・・・こんなのを出して下さい、円谷さん。

 

 

 

宇宙剣豪 ザムシャー:『ウルトラマンメビウス』の第16話『宇宙の剣豪』と第49話『最終三部作II 絶望の暗雲』に登場。名前の由来は「THE() 武者」である。

宇宙に名を馳せる剣豪で、出身地は不明。非常に好戦的な性格で、己の剣の腕に絶対の自信を持つ。また、己より強い者と戦うことに強い喜びを感じており、地球に来た理由もウルトラマンヒカリこと「ハンターナイト・ツルギ」を倒して更に強くなろうとしていたため。

愛刀の「(ほし)(きり)(まる)(ほしきりまる)」の切れ味は抜群で、いとも簡単に巨大隕石を真っ二つにし、メビウスのメビュームブレードを折るほど。

オオシマ彗星上でマグマ星人兄弟を瞬殺し、その後にザムシャーを倒して名を上げようとしていたバルキー星人を地球に降下した後に斬り捨てる。

その後、メビウスと戦ってメビウスを追い詰め、本命のウルトラマンヒカリと戦う・・・が、ヒカリとの一騎打ちの末に星斬丸がメビウスとの戦いで既に折られてしまったこと、メビウスの強さの源が「守るという事」であるとヒカリに告げられ、潔く負けを認め地球を去っている(その際に「いつか必ずお前に勝ってみせる」と再戦を誓っている)。

そして、第49話ではGUYSの危機に際して駆け付けて、インペライザーを斬り倒す活躍をする。その際

 

「勘違いするな。貴様は俺が斬ると決めた相手だ」

 

とカッコよくメビウスやヒカリ(GUYSはオマケ)に向かって言い放つ・・・カッコいい!!

 

だが、エンペラ星人には敵わず、瀕死の状態でエンペラ星人の光線から"斬る相手"を身を呈してかばい、「守る」ことを理解しながら自身は光の粒子となって消滅する。

しかし、消えずに残った星斬丸は後にヒカリの手に渡り、エンペラ星人に一太刀浴びせることに成功している。

 

もしも『ウルトラ怪獣擬人化計画』が『ウルトラマンメビウス』に回ってきたら一番に選ばれそう―――だが、

 

「ザムシャーはカッコいいからいいんだ!女体化なんてするな!!」

 

「武人、鎧、刀、カッコいい・・・そんなザムシャーを女体化なんてさせるかよ!!」

 

「原型こそが最高のザムシャーをイジる、というか女体化なんてするな!!」

 

というスタッフの反発もかなりあるとか・・・まぁ、聞き入れれもらえないだろうが(泣)

 




如何でしたか―――って、コレは僕のアイデアではないので偉そうには言えませんが・・・

今回もユーザー・青色好き様から頂いた素晴らしいアイデアを参考にお話を作りました。

青色好き様、重ねてお礼申し上げます。ありがとうございます。

で、前書きでも言ったように(キング)ギドラとゼットンってマジで境遇が似ていますよね?

特に「強いけど他種族の操り人形」っていうのが。

一応ギドラ族は「グランドギドラ(モスラ3)」という完全に野生・頭もいい個体もいますが、ゼットン族だけはいまだに他種族の操り人形を脱せていない・・・そろそろ、公式でゼットン三世みたいな"知的なゼットン"出て来てもいいと思うのですが・・・?

ついでですが、件の『星を喰う者』のギドラもやはりというか所詮というか、メトフィエスに呼び出される=グランドギドラのように自己で考え、行動するような存在ではない、つまりは"他種族の操り人形"って事でOK・・・なのか?

さて、そろそろマジで『読者の皆様から合体快獣を募集する欄』を活動報告欄で作ります。

もし作りましたら、よろしければ覗いて見てみて&アイデアを頂けると嬉しいです・・・

では、次回もお楽しみにです!!


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特別話 大怪獣バトルin”星を喰う者”

今回は、またしてもご友人の方(僕が勝手にご友人だと思ってるだけです、何とまぁ図々しい・・・スミマセン・・・)から、僕の作品にいつもコメントして下さったり情報提供して下さるユーザーの方から頂いたアイデアの融合怪獣を出します。

一体、どんな融合怪獣なのか?

是非ともご覧下さいませ。

そして、今回の舞台は・・・あの『星を喰う者』(アニメのゴジラ)です―――できる限り、ネタバレ的な描写は避けてます(というか、内容をイジっているのでネタバレもへったくれも無いんですが・・・)

果たして『星を喰う者』の世界でどんなバトルが起きるか・・・是非ともその目でお確かめ下さい。

では、どうぞ!!


同時に、前々から言っている『「読者の皆様から合体怪獣のアイデアを募集する欄」を活動報告で作る』という話・・・本当は今日中に作ろうとしてましたが、このお話を書いて言えて疲れてしまい、後日になります・・・スミマセン。

でも、数日中にはマジで作ります!作ったらお気軽にアイデアをどうぞ・・・


「この時を待っていた。悠久の時を超えて受け継ぐ、我が使命がいま果たされんとしている―――さぁ、伏して拝むがいい―――来たれ"ギドラ"よ!我らに栄えある終演を!!」

 

「ゴジラだけでなく、この星もろとも全て滅ぼそうってのか!?」

 

「あれはゴジラどころの脅威じゃ無い・・・地球そのものが食い尽くされる・・・!!」

 

どこかの世界のとある緑豊かな星―――地球という惑星にて、凄まじい戦いが繰り広げられていた。

 

―――ア゛ン゛ギャアアアァァァオオオオォォォォン!!―――

 

 

凄まじい咆哮を轟かせ、万物を"蹂躙"する超巨体の怪獣―――全長300mの、文字通りの"怪獣"たる「ゴジラ・アース」

 

が、

 

―――ギュュリィリィィ!ギュリィリィィ!!―――

 

積乱雲渦巻く(そら)に現れた三つの"黒穴(ブラックホール)"からその長大な首を(・・)伸ばし、眼下にいるゴジラ・アースに噛み付き、一方的にいたぶって"蹂躙"する怪獣―――『黄金の虚無』の異名を持つ黄金の怪獣「高次元怪獣 ギドラ」に一方的に攻撃を受け、文字通りに"蹂躙"されていた。

 

―――ア゛ン゛ギャアアアァァァオオオオォォォォン!!―――

 

―――ギュュリィリィィ!ギュリィリィィ!!―――

 

ゴジラ・アースとギドラの戦いはまさしく超次元。まさしく"神"と"神"の戦い―

 

「さぁ、伏して拝むがいい。黄金の終焉を―――」

 

ゴジラ・アースに食らい付き、一方的に"蹂躙"するギドラを、近くの突き出した崖の上にいる異星人―――「エクシフ」という種族の"神官"にしてギドラの目(・・・・・)になっている「メトフィエス」という男が、ゴジラ・アースもろともに地球そのものを食らい尽くそうとするギドラの姿を喜々として見ていた。

 

「一体、何が起こっているんだ・・・?」

 

そんな超次元の戦いを、"神"と"神"の戦いをちっぽけな人間が、メトフィエスにそのゴジラを憎む心を"供物"として目を付けられた地球人の青年、ハルオ・サカキという青年が呆然と見ていた―――否、ちっぽけな人間が"神"と"神"の戦いを見ようなど・・・おこがましい。

 

もしも、"神"と"神"の戦いを見たくば―――伏して拝むしかあるまい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ダメだなぁ。全くもってダメだなぁ・・・』

 

宇宙(そら)に近く、同時に別の世界―――『あの世』または『天国』と人々が称する"天上の世界"にいる一人の男が、黒縁メガネをかけてくわえタバコをした日本人(・・・)の男(・・)が、下界(ちきゅう)で行われるゴジラとギドラの超次元の戦いを見下ろして―――ため息をついていた。

 

『全く、本当に成っていない。見せるということが、魅せるってことが分かっていない・・・特に子供たちを喜ばせるということが出来ていない・・・あれは本当にダメだ・・・そう思うだろう、ゴジ坊(・・・)?ギド坊(・・・)?』

 

―――アンギャアアアァァァオオオオォォォォン!!―――

 

―――キュリィリィィ!ギュリィリィィ!!―――

 

下界(ちきゅう)で行われる(ゴジラ)(ギドラ)の超次元の戦いを、あろうことか「成っていない」とため息交じり断言する黒縁メガネの男の問い掛けに、男の後に控えていた二体の怪獣(・・)が力強く、強く賛同しながら答えた。

 

一体は真っ黒でケロイド状の皮膚を持つ、直立二足歩行形態の恐竜のような怪獣―――否、大怪獣だ。

 

一体は黄金の鱗と、巨大な一対の翼、そして龍のような顔をした三つの首を持つ怪獣だった。

 

同時に、黒縁メガネの男は怪獣たちを「~坊」と子供扱い、否、まるで「息子」であるかのような物言いをした―――そう、その通りに黒縁メガネの男にとって黒い大怪獣も、黄金の三つ首龍も"息子"なのだ―――彼らは男が造り出し、生み出したのだ。

 

『やれやれ、私が死んでからもゴジ坊やギド坊はずっと人々に愛され、そして戦ってきた―――怪獣としてね。

だが、今の"アレ"はどうしたことだ・・・怪獣を神だなんだと呼び、オマケに怪獣が主役でもなければ、怪獣を見せる事も魅せる事もしていない体たらく。

そして、お話もグダグダで長ったらしいだけ。アレでは子供たちが飽きてしまう・・・本当に怪獣映画らしくないなぁ』

 

ゴジラとギドラの超次元の戦いを、まるで「物語」あるいは「作品」または「映画」であるかのように男は言い放った―――何故なら、男は生前は映画監督であり、同時に"とある分野"の映画では『神』と呼ばれていたのだ。

 

だからこそ、

 

『さぁ、行っておいで・・・ゴジ坊!ギド坊!彼らに、お客さん(・・・・)に"本物"を見せておいで!!』

 

―――アンギャアアアァァァオオオオォォォォン!!―――

 

―――キュリィリィィ!ギュリィリィィ!!―――

 

黒縁メガネの男の言葉を受け、黒い大怪獣と黄金の三つ首龍は意気揚々と、それでいて「待ってやがれアイツら・・・!!」と言わんばかりの"怒り"を孕んだ雰囲気を漂わせながら下界(ちきゅう)へ行こうとした―――その時だった。

 

―――ピポポ・・・ゼットォン!!―――

 

―――アンギャアァァオオォォン・・・?―――

 

―――カララ・・・ギュリィリィィ・・・?―――

 

『おや、君は・・・』

 

不意に、下界(ちきゅう)へ出向こうとした二大怪獣の前に電子音のような鳴き声を上げる黒い怪獣が現れた。

そんな黒い怪獣は黒い大怪獣と、黄金の三つ首龍の元へ近づくと―――うやうやしく(ひざまず)き、そして―

 

―――ピポポ・・・ゼットォン!!―――

 

『そうか、君も戦いたいか。確かに、君もどうにも扱いが悪い。変な姿にされた挙句、女体化される始末だ・・・それに、先輩方の役に立ちたい、それが一番大きいんだね?』

 

―――ピポポ・・・ゼットォン!!―――

 

『ゴジ坊、キド坊、彼も連れて行ってあげてはくれんかね?』

 

―――アンギャアアアァァァオオオオォォォォン!!―――

 

―――キュリィリィィ!ギュリィリィィ!!―――

 

―――ピポポ・・・ゼットォン!!―――

 

『そうかそうか、よかった』

 

黒い怪獣は・・・"申し出"をしたのだ。

 

「自分も先輩方と共に戦いたい」と。

 

「是非とも偉大な先輩方のお役に立ちたい」と。

 

「自分もどうにも不当な扱いばかり多く、その憂さを晴らしたい」と。

 

若干の私怨こそあれど、黒い怪獣は偉大な先輩方こと、黒い大怪獣と黄金の三つ首龍の役に立ちたいと申し出るために現れ、そしてその申し出を快諾してもらえたのだった。

 

『では改めて・・・さぁ、行っておいで息子(・・)たち(・・)よ!!存分に暴れ、存分に"本物"を見せておいで―――今時のお客様がたにね!!』

 

―――アンギャアアアァァァオオオオォォォォン!!―――

 

―――キュリィリィィ!ギュリィリィィ!!―――

 

―――ピポポ・・・ゼットォン!!―――

 

 

黒眼鏡の男の声を背に、三体の怪獣は意気揚々と下界へと降りていった―

 

下界(ちきゅう)で"下らない争い"を行う、自分たちの名を語る"紛い物"たちに、その"下らない争い"を見せられている(・・・・・・)『お客様たち』に、正真正銘の"面白い闘い"を、"本物"を見せるために―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――アンギャアアアァァァオオオオォォォォン!!―――

 

―――キュリィリィィ!ギュリィリィィ!!―――

 

―――ピポポ・・・ゼットォン!!―――

 

 

 

―――ア゛ン゛ギャアアアァァァオオオオォォォォン!?―――

 

―――ギュュリィリィィ!?ギュリィリィィ!!?―――

 

「なっ、何だアイツら(・・・)は!?一体、どこから現れたんだ―――」

 

「ちっ・・・!栄えある終焉に、横槍を入れる愚か者は何処のどいつだ―――」

 

尚も地球で続く(ゴジラ・アース)(ギドラ)の超次元の戦い―――に、横槍を入れた者たち(・・・)がいた。

 

―――アンギャアアアァァァオオオオォォォォン!!―――

 

大地を、天を震わせる咆哮を上げ、『生態系の王』とも呼ばれたゴジラ・アースを憎しみにも、あるいは哀れみにも満ちた目で見つめるのは―――人類が行った原水爆(えいちのほのお)にて生まれた"人類の罪の化身"にして、"怪獣の王"たる大怪獣・・・その名も「怪獣王」または「水爆大怪獣 ゴジラ」。

 

―――キュリィリィィ!ギュリィリィィ!!―――

 

電子音のような奇怪な咆哮を上げつつ、自分に都合がいい場所に引きこもり、ゴジラ・アースを安全圏(・・・)から一方的に"イジメている"、実に情けない「偽りの神」ことギドラを可哀想なものを見るような目で見つめるのは―――あまねく宇宙にその悪名を轟かせ、数多の星を滅ぼした宇宙の大怪獣・・・その名も「宇宙怪獣 キングギドラ」。

 

―――ピポポ・・・ゼットォン!!―――

 

そして、ゴジラとキングギドラと共に地球に現れ、自らが尊敬する先輩方(・・・)の為に役立ちたいと志願した宇宙の恐竜―――光の巨人(ウルトラマン)すら屠る最強の怪獣「宇宙恐竜 ゼットン」。

 

の三体がいま地球(ここ)に、ゴジラ・アースとギドラの前に降り立った―――ばかりか、

 

《フュージョン・ライズ!!》

 

《水爆大怪獣 ゴジラ!!》

 

―――アンギャアアアァァァオオオオォォォォン!!―――

 

《宇宙怪獣 キングギドラ!!》

 

―――キュリィリィィ!ギュリィリィィ!!―――

 

《宇宙恐竜 ゼットン!!》

 

―――ピポポ・・・ゼットォン!!―――

 

《最強の力、最強の姿、伏せず(しか)と"観よ"!! 新の終焉を魅せるのは・・・お前だ!!出でよ!!大怪獣王 キングゴゼッジラ!!!》

 

―――アンギャァオォキュリィリィトォンンンッ!!―――

 

 

―――ア゛ン゛ギャアアアァァァオオオオォォォォン!?―――

 

―――ギュュリィリィィ!?ギュリィリィィ!!?―――

 

「なっ!?怪獣が・・・合体した!!?」

 

「・・・・・・・・・」

 

突如としてゴジラ・アースとギドラ、メトフィエスとハルオたちの目と鼻の先に現れた三体の怪獣、ゴジラ・キングギドラ・ゼットンの三体を、積乱雲をかき分けて天から降り注いだ謎の光が包み込みんで融合させて―――

 

全身を覆う鱗は漆黒ながらも、美しい金色に縁取られた芸術品の如く

 

雄々しく、刺々しくそびえ立つ三列の背ビレ

 

極太の逞しい腕と脚、そして長大な尾

 

ドン、と出た貫禄抜群の太鼓腹と、胸の左右には色鮮やかな黄色い発光体

 

両肩にはまるで"龍の顔"のような肩当てのような外骨格が装着され

 

その顔はゴジラのように端正ながらも、頭頂部にはキングギドラの角が生え、ゼットンの"発光体"が顔面を両断するかのように額から上顎と、下顎から首にかけてまで付いている

 

三体の最強の怪獣の"姿"と"能力(ちから)"が融合した大怪獣

 

《大怪獣王 キングゴゼッジラ》

 

が、今ここに爆誕した。

 

 

「ちっ!栄えある終焉に横槍を入れる愚か者がっ!!貴様など、お呼びでないのだ・・・ギドラよ!その愚か者を始末して―――」

 

突如として現れ、メトフィエスが求める「栄えある終焉」に確実な"障害"となり得る、明確な"邪魔者"となり得るキングゴゼッラドンを舌打ちしながら睨むメトフィエスは、その目となっているが故にある程度の意思の疎通が出来るギドラに念じてキングゴゼッラジラを排除してもらおうとした、その瞬間―

 

―――アンギャァオォキュリィリィトォンンンッ!!―――

 

「なっ―――・・・・・・・・・」

 

不意に、キングゴゼッジラの目とメトフィエスのまだ(・・)見える(・・・)方の目(・・・)が合った―――その瞬間、キングゴゼッジラの目が赤く光った。すると、

 

「・・・・・・・・・」

 

「オ、オイ、メトフィエス?どうしたんだ・・・急に黙って―――って、オイ!?メトフィエスそっちは崖だぞ―――」

 

突如として赤く光ったキングゴゼッラジラの目を見たメトフィエスはガクッと項垂れ、同時にまだ見える方の目は虚ろへと変わり果て、挙句はとおぼつかない足取りでフラフラと崖の縁まで歩んでいき、そして―

 

「・・・・・・・・・」

 

「!?メトフィエスーーーっ!!?そんな・・・メトフィエスが身投げを・・・!!?」

 

目を見開き、絶叫するハルオ。

何故なら、フラフラと崖の縁まで歩いて行ったメトフィエスは・・・そのまま崖から身を投げたからだった。

 

しかし、何故・・・?

 

―――アンギャァオォキュリィリィトォンンンッ!!―――

 

目の端でメトフィエスが身投げしたの見たキングゴゼッラジラは鼻を鳴らしながら吠えた。

 

その吠え声を人語に訳するならば―――

 

怪獣(おれたち)の戦いに、"虫ケラ(にんげん)"如きがチャチャを入れるな」

 

こうだろう。

 

実は、キングゴゼッジラの目を見たものは一瞬で全てを"調べられ"て、そして操られてしまうのだ―――キングゴゼッジラに合体しているキングギドラ・・・の中でも、二億年という悠久の時を生きた「龍の翁(グランドギドラ)」の能力によって。

 

そう、驚くべき事に、このキングゴゼッジラという大怪獣、合体しているゴジラ・キングギドラ・ゼットンの一族(・・・)が使える能力を、特徴を全て使えるのだ―――彼らが、歴とした(・・・・)怪獣(・・)であった頃(・・・・)の一族の力、能力に限定されるが。

 

と、ここで―

 

―――ギュュリィリィィ!?ギュリィリィィ!!?―――

 

「何だ!?ギドラが、急に苦しみだした・・・?」

 

突如としてギドラが吠えた―――それも、ハルオの言う通り「苦しんでいる」ため、悲鳴を上げたのだ。

すると、

 

―――アンギャァオォキュリィリィトォンンンッ!!―――

 

―――ガッ・・・シィ!!―――

 

―――ギュュリィリィィ!?ギュリィリィィ!!?―――

 

「なっ!?ギドラに・・・ギドラに、あの怪獣が触れている(・・・・・)!!?」

 

不意に、キングゴゼッジラが手近にいた悲鳴を上げるギドラの首をガシッと掴んだ―――そう、掴めた(・・・)のだ。

それを見て驚くハルオ、と、自分が掴まれてしまったことに驚くギドラ。

 

何故なら、このギドラという存在・・・何と、地球(ここ)とは別の次元に存在しており、ギドラ(あちら)側からは地球(こちら)へと干渉できるが、逆に地球(こちら)側からギドラ(あちら)側に干渉することが出来ないという、最早チート(ズルい)と言うのもおこがましい存在なのだ―――だが、今のギドラはキングゴゼッジラにしっかりと、ガッチリと掴まれている・・・何故?

 

―――アンギャァオォキュリィリィトォンンンッ!!―――

 

慌てふためくギドラ(とハルオ)とは対照的に、鼻を鳴らしながら吠えるキングゴゼッジラ。

 

そんなキングゴゼッジラの視界の端には崖の下で物言わぬ姿になっているメトフィエスが映っていた。

 

実はこのメトフィエスという存在こそ、別の次元にいるギドラを地球(こちら)側に干渉させるための『媒体』の役割を果たしている・・・だからこそ、先程メトフィエスの全てを調べたキングゴゼッジラはメトフィエスを始末し、ギドラに地球(こちら)側から干渉する事が出来るようにしたのだ。

 

そして、こちら側からギドラに干渉できるようになったならば、やることは決まっている―

 

―――アンギャァオォキュリィリィトォンンンッ!!―――

 

キングゴゼッラジラは一声吠えると、ギドラの首を両手でガッチリと掴み直し、そして―

 

―――ミヂッ・・・ブチブチブチッ!!―――

 

―――ギュュリィリィィ!?ギュリィリィィ!!?―――

 

「なっ―――ギドラの首を、腕の力だけで引き千切った・・・?」

 

辺り一帯に響く、肉を引き裂くような身の毛もよだつ嫌な音―――キングゴゼッジラが気合一閃、腕力だけでギドラの首を引き千切ってみせたのだった。

 

これで、ギドラの首は残り二本だ。

 

だが、キングゴゼッジラがこれしきで満足するハズも無く、

 

―――アンギャァオォキュリィリィトォンンンッ!!―――

 

三本あるギドラの首の内の一本を腕力だけで引き千切ったキングゴゼッラドンは、首を引き千切られた痛みに悶え、ジタバタしているギドラの残り二本の首の内の一つに狙いを定めると―

 

―――アンギャァオォキュリィリィトォンンンッ!!―――

 

―――ドォ・・・オオォォンッ!!――――

 

―――ギュュリィリィィ!?ギュリィリィィ!!?―――

 

「なっ!?アイツ・・・跳んだ(・・・)!?あの距離を・・・ジャンプしたのか!!?」

 

ギドラの残る二本の首の内の一つ、地面スレスレで悶絶している首に狙いを定めたキングゴゼッジラは・・・何と、数十メートルの距離を跳び(・・・)、ギドラの首―――の先にある頭を全体重を乗せて踏み潰したのだ。

 

これには唖然とするしかないハルオ―――キングゴゼッジラは、身長が180mで体重も7万5千トンもある巨大・超重量級の大怪獣だ。

 

「あんな超重量の物体が浮くなんて有り得ない!!」

 

と誰かは言った―――今回は「浮いた」では無く「跳んだ」のだ。だって、キングゴゼッラドンには筋肉も脚力もあるから。

それも、キングゴゼッジラに融合しているゴジラの中でも"歴代最強の個体"と呼ばれる「最終決戦(ファイナルウォーズ)に勝ち残った個体(ゴジラ)」の身体能力によって。

 

―――アンギャァオォキュリィリィトォンンンッ!!―――

 

―――グチッ・・・!グジャッ・・・!!

 

ギドラの頭を全体重をかけて踏み潰したキングゴゼッジラは・・・あろうことか頭を踏み潰すだけには飽き足らず、潰れた頭を徹底的に踏みにじって完全にすり潰してしまった。

 

これで、残るギドラの首は一本だけだ。

 

だが、

 

―――ギュュリィリィィ・・・ギュリィリィィ!!―――

 

―――アンギャァオォキュリィリィトォンンンッ・・・?―――

 

「アイツ・・・逃げる気か!?敵わないと悟ったから・・・!!」

 

三本ある首の内の二本の首を破壊(ころ)され、首が残り一本だけとなったギドラは・・・何と、迷わず逃げることを選んだ。

 

―――ギュュリィリィィ!ギュリィリィィ!!―――

 

いまだに健在の、どうにか無事だった最後の首はもの凄い勢いで首を(そら)(そら)へと引き戻し、ギドラたちが地球(こちら)側へやって来るのに使った異次元へと通じる"黒穴(ブラックホール)"の中へと逃げ込もうとしていた。

 

加えて、キングゴゼッジラが引き千切った・踏み潰したハズの首も、まだ残っている部分は"生きている"らしく、先の無事な首と同じように異次元へと通じる"黒穴(ブラックホール)"の中へと逃げ込もうとしていた。

 

だが、しかし―

 

―――アンギャァオォキュリィリィトォンンンッ!!―――

 

―――バチッ・・・バチバチッ・・・!!―――

 

(そら)(そら)へと逃げ、流石にもう手も足も出せない高度まで逃げ仰せたギドラの首に対し、キングゴゼッジラは背ビレを白熱させて"熱線"を放つ準備を整えた。

 

だが、

 

「ア、アイツも熱線の類いが出せるのか・・・?でも、相手は三匹もいる。一度には仕留められなから逃げられる―――」

 

キングゴゼッジラが熱線の準備を整えている光景を見たハルオは思わずそう呟いた―――確かに、ギドラの首は三本もある。

いくらキングゴゼッジラr熱線を放てるとは言え、一度に三本ある首を仕留めることは不可能だろう普通は。

 

だが、もしもその"普通ではない事"が起きたら?

 

もしも、その"普通ではない事"をキングゴゼッジラが出来るとしたらどうなのか?

 

―――アンギャァオォキュリィリィトォンンンッ!!―――

 

そうこうしている内にもキングゴゼッジラは熱線のチャージを終えた。後はギドラに向かって熱線を撃ち込むだけだ。

 

―――ギュュリィリィィ!ギュリィリィィ!!―――

 

一方のギドラは眼下のキングゴゼッジラが何かしている事は把握こそしているが、もうとっくにキングゴゼッジラの手が届かない高さへと首を上げる事に成功しいたし、何よりもこちらは首が三本もある。

 

『仮に相手が何かしても、既に傷付いた首を囮に使って逃げてやる』

 

ギドラはそう考えていた―――だが、そうは問屋が卸さないもといキングゴゼッジラが卸さない。

 

―――アンギャァオォキュリィリィトォンンンッ!!―――

 

凄まじい咆哮と共に、キングゴゼッジラが一筋の(・・・)極大の熱線をギドラに向かって放った―――その瞬間!!

 

―――キュリィリィトォンンンッ!!―――

―――キュリィリィトォンンンッ!!―――

 

 

 

―――ギュュリィリィィ!?ギュリィリィィ!!?―――

 

「なっ!?あの怪獣の肩当て(・・・)()首に(・・)なった(・・・)!!?しかも、熱線まで―――」

 

キングゴゼッジラが逃げるギドラに向かって熱線を放った瞬間、何とキングゴゼッジラの両肩にある"龍の顔"のような肩当てのような外骨格が起き上がり(・・・・・)、正真正銘の『首』となってキングゴゼッジラと共に熱線を放ったではないか!!

実はキングゴゼッジラに合体しているキングギドラは三つ首だ。そんな三つ首の内、左右の首はリーダー格の真ん中の首のサポートをする役割があり、キングゴゼッラドンの両肩の首も、いざとなればリーダー格であり本体のキングゴゼッジラをサポートするために活動するのだ。

 

こうしてキングゴゼッジラとその両肩の首が放った光線は三本となった―――逃げるギドラと同じ数に、逃げるギドラを一度に始末できる数の熱線が放てた。つまり、

 

―――ドォオオオォォォン!!―――

 

―――ギュュリィリィィ!?ギュリィリィィ!!?ギュリィイ・・・イィィ・・・―――

 

キングゴゼッジラとその両肩の首が放った三つの熱線は、驚くギドラを容赦なく異次元へと通じる"黒穴(ブラックホール)"ごと穿ち、一瞬で跡形も無く消滅させてしまったのだった。

 

―――アンギャァオォキュリィリィトォンンンッ!!―――

 

「スゴい・・・あのギドラを一度に全部やっつけるなんて・・・」

 

完全に、ギドラに関する物も、ギドラそのものも全てを消し去ったキングゴゼッジラは肩当てに戻った両肩の首を差し置いて勝利の雄叫びを轟かせ、ハルオは目の前で起きる次元の違い過ぎる出来事の数々に呆然とするしか無かった―――その瞬間!!

 

―――ア゛ン゛ギャアアアァァァオオオオォォォォン!!―――

 

―――ヴォンッ!!―――

 

突然それまでジッと、ただひたすらキングゴゼッジラとギドラの戦いを見ていたゴジラ・アースが吠え、一撃で

ヒマラヤ山脈すら穿ってしまう威力の『高加速荷電粒子ビーム』をキングゴゼッジラに不意打ちで、キングゴゼッジラの背中に向かって放った―――だが、

 

―――アンギャァオォキュリィリィトォンンンッ!!―――

 

―――ア゛ン゛ギャアアアァァァオオオオォォォォン!!?―――

 

「ウソ・・・だろ・・・!?ゴジラのビームを・・・あの怪獣、吸収したのか!!?」

 

完全な不意打ちでキングゴゼッジラの背中に高加速荷電粒子ビームを放ったゴジラ・アースだったが・・・何と、キングゴゼッジラはその高加速荷電粒子ビームを()そのもの(・・・・)で吸収してしまったのだ―――ばかりか、

 

―――アンギャァオォキュリィリィトォンンンッ!!―――

 

―――ドォオオオォォォン!!―――

 

―――ア゛ン゛ギャアアアァァァオオオオォォォォン!!?―――

 

「なっ!?アレはゴジラの技―――いや、威力も、規模も、何もかもがゴジラの比じゃない!!」

 

不意打ちでゴジラ・アースに高加速荷電粒子ビームを背に受けたものの、それを吸収して見せたキングゴゼッジラはギロっとゴジラ・アースを睨んだ―――直後、キングゴゼッジラの口からゴジラ・アースと全く同じ・・・否、威力も、規模も、ビームの太さも、と全てがゴジラ・アースの高加速荷電粒子ビームアースを遙かに上回る高加速荷電粒子ビームをキングゴゼッジラがぶっ放し、ゴジラ・アースの土手っ腹に大穴を開けてみせた。

 

全てはキングゴゼッジラに融合しているゴジラの中でも"憎悪の化身"と呼ばれる白目の(・・・)ゴジラ(・・)能力と、同じくキングゴゼッラドンに融合している「宇宙恐竜ゼットン」の能力によってゴジラ・アースの高加速荷電粒子ビームを吸収・無効化・威力を倍増して反射したのだ。

 

そして、ここからキングゴゼッジラによるゴジラ・アースへの一方的な"蹂躙劇"の幕が上がる―――

 

―――アンギャァオォキュリィリィトォンンンッ!!―――

 

―――ア゛ン゛ギャアアアァァァオオオオォォォォン!!?―――

 

雄々しく吠えたキングゴゼッジラは、土手っ腹に大穴を開けられた際の衝撃で横倒しに倒れ、大穴を開けられた痛みに悶絶しているゴジラ・アースに大股で歩み寄りって首根っこを鷲掴む(・・・)と―

 

―――アンギャァオォキュリィリィトォンンンッ!!―――

 

―――ゴッ!ガッ!ゴキッ!ゴガッ!ドゴッ!バキッ!ゴシャッ!メギッ!―――

 

―――ア゛ン゛ギャアアアァァァオオオオォォォォン!!?―――

 

ゴジラ・アースの首根っこを鷲掴んだ(・・・・)キングゴゼッジラは、ゴジラ・アースの顔を、首を、腹を、腕を、足を、と全身をくまなく殴り、蹴り、踏みつけ、叩きのめし始めた。

 

「スゴい・・・ゴジラをボコボコに殴って蹴ってる・・・んっ?」

 

目の前で行われる、あまりにも一方的な"蹂躙劇"に、ハルオはただただ呆然としていた・・・が、ハルオはふと「あること」に気付いた。それは、

 

「ちょっと待てよ・・・あの怪獣、何でゴジラに普通に(・・・)触って(・・・)、何で普通に(・・・)ダメージを(・・・・・)与えら(・・・)れてるんだ(・・・・・)!?だって、ゴジラには非対称性透過シールドがあるハズなのに・・・」

 

ハルオが目の前で行われるキングゴゼッジラによるゴジラ・アースへの"物理攻撃"に疑問を抱いた理由こそ、本来ならばゴジラ・アースの体表を覆うシールド―――ゴジラ・アースが常時体内から発生させる膨大な量の電波によって作られる、一切の物理的干渉を遮断する『非対称性透過シールド』なるシールドで身を守っているのだ・・・だが、今のゴジラ・アースはキングゴゼッジラにボコボコに殴られ、蹴られている。

 

一体、何故なのか―――全ては、キングゴゼッジラに融合しているゴジラの中でも、かつて100万ボルトの電撃を操る大猿(ゴリラ)と戦い、宇宙より来た鉄の龍(メカゴジラ)を自らを電磁石に変換して討ち破り、挙句は電気、雷、電磁波を操るキングギドラ族と幾度も戦った"二代目"の個体(ゴジラ)経験(・・)が、ゴジラ・アースご自慢の電磁波を吸い取り、非対称性透過シールドを消し去ったのだ。

 

加えて、

 

―――アンギャァオォキュリィリィトォンンンッ!!―――

 

―――ゴッ!ガッ!ゴキッ!ゴガッ!ドゴッ!バキッ!ゴシャッ!メギッ!―――

 

―――ア゛ン゛ギャアアアァァァオオオオォォォォン!!?―――

 

ご自慢の、頼みの綱の非対称性透過シールドを無効化されたゴジラ・アースを一方的に殴り、蹴り、着実にダメージと傷を負わせ続けるキングゴゼッジラ。

 

だが、本来ゴジラ・アースの体表は多層泡状の非常に頑強は皮膚で構成され、それだけでなく細胞そのものが優れた再生能力を有しており、仮に表層が傷付いても瞬時に下層が再生するためそうそう傷を負ったり、ダメージが蓄積するような事は無い―――いま現在、ゴジラ・アースの全身には無数の傷が、決して癒えない傷とダメージがキングゴゼッジラによって無数に刻まれ続けていた。

 

全ては、キングゴゼッラドンに融合しているゴジラ(・・・)たち(・・)が、ゴジラ・アースなど鼻で笑う"公害が生んだ化け物"や"水中酸素破壊剤(オキシジェンデストロイヤー)が生んだ赤い悪魔"、"ゴジラ細胞を取り込んで暴走したエイリアン"といった「再生力の化け物たち」を幾度となく相手取ってきたゴジラという怪獣の"経験"と"強さ"がなし得ていた事だったのだ。

 

―――アンギャァオォキュリィリィトォンンンッ!!―――

 

―――ゴッ!ガッ!ゴキッ!ゴガッ!ドゴッ!バキッ!ゴシャッ!メギッ!―――

 

―――ア゛ン゛・・・ギャアアアァァァ・・・オオオオォォォォン・・・!―――

 

尚も続くキングゴゼッジラによる、ゴジラ・アースへの一方的な"蹂躙劇"により、ゴジラ・アースは着実に、確実に弱っていた―――しかし、

 

―――ア゛ン゛ギャアアアァァァオオオオォォォォン!!!―――

 

「何だ―――あっ!?ゴジラがアレ(・・)を始めた・・・!!」

 

突然、ゴジラアースが吠えた―――その瞬間、ゴジラ・アースの全身が赤く発光、否、赤熱し始め、それに伴ってゴジラ・アースの周囲の気温が急上昇、挙句はゴジラ・アースの周囲にあった木々が燃え始め、ゴジラ・アースの周囲には陽炎すら揺らぎ始めた。

そう、これこそが"王"たるゴジラ・アースの真骨頂、細胞を重力振動させて数千度の高熱を生み出して万物を溶解させる能力だ―――だが、

 

―――アンギャァオォキュリィリィトォンンンッ!!―――

 

―――ア゛ン゛ギャアアアァァァオオオオォォォォン!!?―――

 

「なっ!?あの怪獣もゴジラと同じように熱を・・・い、いや!ゴジラなんて目じゃない!!あの怪獣の方がもっと熱いんだ!!」

 

さも得意気に、さも自慢げに数千度の高熱を生み出したゴジラ・アースをキングゴゼッジラは・・・同じく体温を上昇させて高熱を・・・否、ゴジラ・アースなど足下にも及ばない高熱を生み出し、ゴジラ・アースの高熱を上書きしてしまった。

 

全ては、キングゴゼッジラに融合しているゴジラの中でも、炉心融解(メルトダウン)を起こしながらも戦い、最後の最後の瞬間まで戦い抜いた"灼熱の(バーニング)ゴジラ"の能力がなし得た事柄だったのだ。

 

その直後、

 

―――アンギャァオォキュリィリィトォンンンッ!!―――

 

―――ア゛ン゛ギャアアアァァァオオオオォォォォン!!?―――

 

突然キングゴゼッジラが吠えた、かと思えばキングゴゼッジラはゴジラ・アースの胸ぐらを思いっきり鷲掴みにし、そして―――

 

―――アン・・・ギャァオォキュリィリィトォンンンッ!!!―――

 

―――ア゛ン゛ギャアアアァァァオオオオォォォォン!!?―――

 

「ウソだろ・・・ゴジラを放り投げた(・・・・)―――」

 

ゴジラ・アースの胸ぐらを鷲掴んだキングゴゼッジラは気合一閃、全身の筋力を使って全長300m・総重量10万トンのゴジラ・アースを天高く放り投げた。

 

「あんな超重量の物体が浮くなんて有り得ない!!」

 

と誰かは言った―――今回は「浮いた」では無く「放り投げた」だが。だって、キングゴゼッラドンには筋肉も脚力もあるから。

それも、キングゴゼッジラに融合しているゴジラの中でも"歴代最強の個体"と呼ばれる「最終決戦(ファイナルウォーズ)に勝ち残った個体(ゴジラ)」は、ゴジラアースと同重量の"皇帝の(カイザー)ギドラ"を軽々と天高くぶん投げた"実績"があるから。

 

同時に、キングゴゼッジラがゴジラ・アースをぶん投げたのには歴とした理由がある―――ゴジラ・アースに「引導」を渡すためだ―

 

―――アンギャァオォキュリィリィトォンンンッ!!―――

 

キングゴゼッジラはゴジラ・アースを天高くぶん投げると同時に体を半回転させつつ、背ビレを赤く輝かせてエネルギーをチャージし、そして―

 

―――アンギャァオォキュリィリィトォンンンッ!!―――

 

エネルギーのチャージを終えたキングゴゼッジラは、己に融合している全ての(・・・)ゴジラ・キングギドラ・ゼットンの技の威力を加算した最強・最高の必殺技「バーニングG・K・Z・スパーク・インフィニット熱線」を天高くぶん投げたゴジラ・アースに発射した。

 

―――ドォオオオオオオオオオォォォォォォォォォンッ!!!―――

 

―――ア゛ン゛ギャアアアァァァオオオオォォォォン!!?ア゛ァ・・・ンギャァ・・・オォン・・・―――

 

キングゴゼッジラの「バーニングG・K・Z・スパーク・インフィニット熱線」は"神"にも例えられるゴジラ・アースの身を貫き、その身を内側から一片も残らず焼き尽くして爆散させた―――所詮、ゴジラ・アースは"神"ではなく"獣"もとい「生物」だったのだ。

 

そう、ゴジラ・アースは"神"ではなく「生物」だったからこそ、この世に存在し、考え、生き、行動できていた・・・これが"神"などという「いるかいないかも分からない存在」だったならば、ゴジラ・アースはこの世に(・・・・)存在して(・・・)いなかった(・・・・)だろう(・・・)

 

怪獣とは神ではなく獣・・・ただし、そんじゅそこらの動物とは次元が違う存在、だからこそ「怪獣」なのだ。

 

―――アンギャァオォキュリィリィトォンンンッ!!―――

 

ゴジラ・アースを屠り、更にはあのギドラさえも消滅させたキングゴゼッジラは勝利の雄叫びを心ゆくまで轟かせた。

 

「ゴジラは死んだ・・・でも、ゴジラより強い怪獣が現れた・・・あの怪獣には、もう勝てない・・・」

 

目の前で起きた人事られ無い出来事の数々―――それが紛れもない現実であると、逃れられない事実であると分かっているからこそ、ハルオは両目いっぱいに涙を浮かべつつ、泣き言を漏らしながらその場にへたり込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その直後、

 

―――アンギャァオォキュリィリィトォンンンッ!!―――

 

「ひぃっ!?こ、こっち見た―――」

 

突然、キングゴゼッジラがハルオの方を、ハルオを見たのだ―――当然、キングゴゼッジラの目を見たハルオは、キングゴゼッジラによって"全て"を調べ尽くされた。

 

ゴジラ(アース)が憎くて憎くて仕方ないことを

 

地球を支配したゴジラ(アース)を殺し、地球を自分たち人間の手に取り戻したかったことを

 

地球をゴジラ(アース)から取り戻すために必死に、大勢の犠牲を払いながら戦った―――が、全ては無駄だったとゴジラ(アース)に直接思い知らされたことを

 

だが、そのゴジラ(アース)とあのギドラさえも上回る力を、強さを持ったキングゴゼッジラのケタ違いの強さその目でしかと見て・・・今度こそ完全に絶望したことを

 

ハルオは一瞬のうちにキングゴゼッジラに全て調べ尽くされたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、

 

―――アンギャァオォキュリィリィトォンンンッ!!―――

 

「えっ・・・?」

 

吠えるキングゴゼッジラと、まるで呆けたように声を漏らすハルオ。何故なら、

 

―――アンギャァオォキュリィリィトォンンンッ!!―――

 

ゴジラ・アースもギドラも倒し、更にはハルオの事も全て調べ尽くしたキングゴゼッジラは・・・背中にある三列の背ビレの内の左右の二列を巨大な黄金の翼に変貌させて飛び立ち、そのまま(うえ)(うえ)へと昇って・・・地球を出て行ってしまった。

 

だからハルオは呆然としていたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『そうかそうか・・・やっぱり、地球みたいな狭い惑星(ほし)にずっといるようなゴジ坊たちじゃないね。やっぱり色んな世界を、色んな星々を見て回りたいんだね。

いいよ、行っておいで。それでこそ怪獣だ!!やっぱり、怪獣は生き生きしてないとね・・・じゃないと"面白くない"からね』

 

宇宙(そら)に近く、同時に別の世界―――『あの世』または『天国』と人々が称する"天上の世界"にいる一人の男が、黒縁メガネをかけてくわえタバコをした日本人(・・・)の男(・・)が、ゴジラやキングギドラ、ゼットンたちを始めとした怪獣たちの"親父さん"が、ちっぽけな地球を飛び出し、広大な宇宙へと旅立った(遊びに行った)キングゴゼッジラを暖かく、そして嬉しそうに見送っていた。

 

―――アンギャァオォキュリィリィトォンンンッ!!―――

 

暗黒の宇宙に轟く「大怪獣王 キングゴゼッジラ」の力強く、ドキドキワクワクに満ちた咆哮。

 

果たしてこれから先、キングゴゼッジラを待ち受けるものは一体なんなのか―――それはキングゴゼッジラにも分からない。

 

だが、分からないからこそこれからが楽しみ・・・というのもあながち間違いではないだろう。

 

 

 

 

~合体怪獣紹介~

 

水爆大怪獣ゴジラ+宇宙怪獣キングギドラ+宇宙恐竜ゼットン(フュージョン・ライズ)大怪獣王 キングゴゼッジラ

 

スペック 身長180m 体重7万5千トン

 

データ:その名を知らぬ者はいないと思われる超有名怪獣もとい「怪獣王」こと「水爆大怪獣ゴジラ」に、"ゴジラの永遠のライバル"と称される「宇宙怪獣キングギドラ」、そして怪獣の天敵(ウルトラマン)を屠って見せた「宇宙恐竜ゼットン」がフュージョン・ライズして爆誕した最強の、まさしく「大怪獣の王」である。

その実力、能力、御姿は文字通りの大怪獣であり、並大抵の怪獣ならば気配を感じただけで即座に逃げ出す程。

 

容姿:ベースはゴジラ(顔つきは初代で、体付きはVSシリーズの外見)で、

 

全身を覆う鱗は漆黒ながらも、美しい金色に縁取られた芸術品の如く

 

雄々しく、刺々しくそびえ立つ三列の背ビレ(この背ビレの左右の二列をキングギドラの翼に変異させ、空を飛ぶことも可能)

 

極太の逞しい腕と脚、そして長大な尾

 

ドン、と出た貫禄抜群の太鼓腹と、胸の左右には色鮮やかな黄色い発光体

 

両肩にはまるで"龍の顔"のような肩当てのような外骨格が装着されている(この外骨格、正真正銘の"首"であり、キングゴゼッジラの任意で瞬時に首に変化し、本体のサポートや本体と共に光線や熱戦を吐き出す)

 

その顔はゴジラのように端正ながらも、頭頂部にはキングギドラの角が生え、ゼットンの"発光体"が顔面を両断するかのように額から上顎と、下顎から首にかけてまで付いている

 

という感じ。

 

 

必殺技:ゴジラ・キングギドラ・ゼットンの各能力・必殺技が使える&強化されている―――事に加え

 

・ゴジラならば初代~ファイナルウォーズ版までのゴジラ族の能力を全て使用可能(二代目の異常なバイタリティ、VSシリーズの戦闘能力特化、バーニングゴジラの攻撃力・高熱、ミレニアムゴジラの『オルガナイザーG-1』による超再生能力、白目ゴジラの学習能力&格闘能力&光線などの吸収・反射能力、ファイナルウォーズゴジラのスタミナ・歩行スピード・脚力・腕力・技の威力)。

 

・キングギドラならばグランドギドラ・ヤングギラの能力も使用可能(重力を操る能力に加え、グランドギドラの多彩な光線・バリヤー・誘導テレポート能力、相手のことを一瞬で調べて任意で操るマインドコントロール能力、ヤングギドラの超再生力)。

 

・ゼットンは初代ゼットン、ゼットン二代目、ゼットン三世の能力・身体能力も使用可能。(ゼットン三世も入ってるため、もしかしたら喋れる・・・かも?)

 

※ぶっちゃけキングゴゼッジラは身体能力だけで恐ろしく強く、正しく振り回す腕が、振り下ろされる足そのものが脅威という"ザ・怪獣"といった存在であり、あまり光線やバリヤーなどには頼らない。

 

肩書きの由来:怪獣にとって最上級の肩書きは「大怪獣」(水爆大怪獣ゴジラ、大怪獣ガメラ、大怪獣バラン、宇宙大怪獣ベムスター&アストロモンスなどなど)であり、その大怪獣の頂点に君臨する存在なので「王」を組み合わせた。

 

名前の由来:それぞれの合体・・・に加え、あえて名前の最後を「ジラ」としたが、ゴ"ジラ"であると同時に、よく槍玉に挙げられる&ハブられる事が多い『GODZILLA 1998』のゴジラ(GODZILLA)=「ジラ」も歴としたゴジラゆえ、入れてあげたかったから。

 

合体元解説:あまりにみな有名なため、省略。

 

 




如何でしたか?

如何でしたか?今回はユーザー・浜本様から頂いた素晴らしいアイデアを参考にお話を作りました。

浜本様、重ねてお礼申し上げます。ありがとうございます。

そして、何故『星を喰う者』を舞台に選んだかといえば・・・作中に登場して頂いた"親父さん"が言った通り、怪獣モノの一番のお客様のちびっ子を喜ばせたい、ちびっ子を含めた視聴者が求める"怪獣バトル"をばっちり表現したかったんですよ『星を喰う者』が物足りないから。

ただし『星を喰う者』自体、実は東宝が虚淵氏や静野監督に「今回のゴジラ映画は怪獣プロレスやりませんので、それを念頭に置いて映画作って下さい」と無茶ぶりしているという原因があるので仕方ないっちゃ、仕方ないんですが・・・

で、その辺の『星を喰う者』に関する裏話、情報等を僕の最新の活動報告で書いてますので、よければご覧下さい。




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アイデア採用話・天使VS悪魔!破滅の招来

どうも!作者です!!

さてさて、今回より読者の皆様から頂いた有り難い合体怪獣のアイデアを、活動報告欄に投稿して頂いたアイデアを使ったお話を投稿します。

その際は今回のように『アイデア採用話』と分かりやすくさせて頂きます。

ちなみに、件の合体怪獣のアイデアはまだまだ、随時募集中ですのでお気軽にどうぞです!!

では、今回はどんな融合怪獣なのか?

是非ともご覧下さいませ。

どうぞです!!


暗雲に塗り込められた空

 

太陽の光が届かぬ薄暗い地上

 

肌寒さ・・・それも身の毛もよだつような嫌な寒さをヒシヒシと感じる外気温。

 

そして、

 

―――ゴガァアアァァオオオォォォッ!!―――

 

―――ア゛ァガァキィアア゛アァァァッ!!―――

 

天を、大地を、大気を震わせる凄まじい咆哮を轟かせ、文字通り火花を散らせながらぶつかり合う二体の巨獣―――身長が優に500mを超える超巨体を誇る怪獣が二体、が凄まじい咆哮と共にぶつかり合い、火花を散らせていた。

 

―――ゴガァアアァァオオオォォォッ!!―――

 

人馬(ケンタウロス)の如く四つ足でその巨体を支え、背に備えた翼を広げ、その龍のような―――それも「悪龍」と言わんばかりの凶悪な面構えをした異形の超巨大怪獣。

その様は天使か悪魔か―――この超巨大怪獣の名は「根源破滅天使 ゾグ」、それも「第2形態」と仮称される破壊と絶望をもたらす姿であった。

 

―――ア゛ァガァキィアア゛アァァァッ!!―――

 

そして、そんなゾグ(第2形態)と互角に、がっぷりと組み合いながらぶつかり合うのは

 

ゾグと同じく四つ足で、背中には巨大な翼を広げ―――否、体の前半分と後半分がまるで縫い合わせたかの如くちぐはぐで、ゾグの皮膜の翼とは違って漆黒の羽毛で覆われた翼を持ち

 

頭部は一見すれば黄金の甲殻に覆われた龍のようであるが、その口は耳元まで裂けた鰐口、目つきに至ってはゾグよりも遙かに禍々しく、そして厭らしい

 

ゾグに比べて遙かに逞しく発達した腕には巨大な黄金の鉤爪を生やしている。

 

また、何よりも異常(・・)なのは・・・この怪獣の全身の至るとこには"顔"があるのだ。

 

肩にトカゲのような顔が

腕に軟体動物のような顔が

胸に犬のような顔が

胴体にネズミのような顔が

腹部に虫のような顔が

背中に魚類のような顔が

尾にカエルのような顔が

首にタコのような顔が

うなじに花のような顔が

 

といった具合に、全身の至るとこに顔・顔・顔・顔・顔・・・と、顔が浮き出ていた―――ばかり、その顔たちは各々、好き好きに鳴くのだ・・・その不気味さは常軌を逸していた。

 

この"異形"の名は「フィンディッシュタイプ・ネオビースト デビルザウルス」という、二体の(・・・)「合体怪獣」が更に合体(フュージョン・ライズ)して誕生した、文字通りの「異形」だったのだ。

 

そして、デビルザウルスの異形さは何も見た目だけではない―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ウフフッ・・・アハハッ・・・』

 

「天使が・・・舞い降りた」

 

ある日、何の前触れもなく地球は滅亡の危機に瀕した。

 

突如として空に空いた異次元へと通じる穴(ワームホール)から現れ、暴虐の限りを尽く『根源的破滅招来体』という未知の勢力と、根源的破滅招来体が送り込む無数の怪獣によって。

 

だが、

 

『ウフフッ・・・アハハッ・・・』

 

「何だ・・・アレは・・・!!?」

 

ワームホールから現れ、暴虐の限りを尽くしていた根源的破滅招来体が送り込む無数の怪獣が、突如として(てん)から舞い降りたソレ(・・)によって一瞬で滅せられた。

 

『ウフフッ・・・アハハッ・・・』

 

「天使が・・・舞い降りた」

 

(てん)より地上へと舞い降り、根源的破滅招来体が送り込む無数の怪獣を一瞬で滅したのは・・・優雅で無邪気な女性のような笑い声を上げ、純白のドレスを身に纏い、自身も何の穢れもない純白そのものの体を持つ巨大な『天使』だった。

 

『ウフフッ・・・アハハッ・・・』

 

そんな天使は相変わらずの笑い声を響かせつつ、手から何かの波動のようなものを先の怪獣たちの襲撃で周囲の崩壊した建物や道路、傷付いた人々に放った。

するとどうだろうか、先の怪獣たちの襲撃で崩壊した建物や道路はすっかり元通りに、傷付いた人々は怪我が一瞬で治ったばかりか、中には命を落とす寸前だった重傷者が一瞬で回復し、何と死人すら蘇ったのだ。

 

「奇跡だ・・・奇跡だ!!」

 

「こんな事って・・・ありえるのか!?」

 

「いいえ、有り得るわよ・・・だって、天使様なのよ!?天使様に不可能はないのよ!!」

 

「そうだ!天使様なら奇跡を起こせて当然だ!ありがとう天使様!!」

 

「「「ありがとう天使様ーーー!!!」」」

 

目の前で次々と起こり、そして体験した数々の"奇跡"・・・それらは間違いなく現実で、いま人々の視線の先にいる巨大な天使が起こしたのだ。

 

当然、天使によって救われた人々は一斉に、何の疑いもなく口々に天使に向かって声の限りにお礼の言葉を叫び、手を振ったり頭を下げたりしていた。

 

『ウフフッ・・・アハハッ・・・』

 

一方の天使はといえば、自分に向かって口々にお礼の言葉を叫び、無邪気に手を振ったりする人々に答えるかのように手を振っていた―――口の端をニヤリと、厭らしく歪めながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その矢先の事だった。

 

 

 

―――ア゛ァガァキィアア゛アァァァッ!!―――

 

―――ドォオオオォォォン!!―――

 

『!?ウ゛ッ―――アッハァッ・・・!!?』

 

 

「な、何だ!?今の爆発は!!?」

 

「あ、あぁっ!?て、天使様が・・・何てヒドい!!」

 

突然、凄まじい咆哮が轟いた―――その瞬間、人々に手を振る天使の背中に爆炎の華が無数に咲き、その衝撃で天使はその場につんのめった。

そんな天使の背中からは黒煙がもうもうと立ち上り、凄まじく痛々しい火傷や傷跡が無数に付いていた。

 

当然、それを見た人々は驚き、慌てて周囲を見回し、そして見付けた。

 

地球を破滅に落とし入れようとした破滅招来体から地球を救った天使を襲った存在を。

 

―――ア゛ァガァキィアア゛アァァァッ!!―――

 

「何・・・アレ・・・!?」

 

「ば、化けモンだ・・・!!」

 

「い、いや・・・アレは"悪魔"だ!!」

 

身の毛もよだつような雄叫びを轟かせ、天使を撃ったであろう腕から(・・・)生えて(・・・)いる(・・)砲身(・・)から煙を燻らせている存在を一目見た人々は口々に言った。

 

「アレは"悪魔"だ」

 

と。

 

―――ア゛ァガァキィアア゛アァァァッ!!―――

 

『ウ゛ッ・・・!ハァアッ・・・!!』

 

件の悪魔を憎々しげに睨む天使を尻目に、その悪龍の如き顔に得も言われぬ笑顔を浮かべる「フィンディッシュタイプ・ネオビースト デビルザウルス」が、怪獣たちが現れたのとは別のワームホールから現れ、轟音を轟かせながら地上に君臨した。

 

『ウ゛ゥッ・・・!ハァアッ!!』

 

突然、天使が動いた。

 

天使は先程までの穏やかな顔を怒りに歪め、キッとデビルザウルスを睨むと両手から凄まじい衝撃波を伴う光球を放ち、更には両目から青い光線を放ってデビルザウルスを攻撃した―――だが、

 

―――ア゛ァガァキィアア゛アァァァッ!!―――

 

『!?エ・・・?エァアァ・・・!?』

 

「そ、そんな・・・天使様の攻撃が全然効いてないのかアイツ!!?」

 

天使が放った光球や青い光線は確かにデビルザウルスに当たった・・・だが、それだけだった。

 

 

―――ア゛ァガァキィアア゛アァァァッ・・・―――

 

デビルザウルスは光球や青い光線が当たった箇所をポリポリと、まるで「痒い」言わんばかりに掻いていた・・・そう、天使の攻撃はデビルザウルスには何の効果も無く、文字通り「痒い程度」だったのだ。

 

『ウ゛ゥッ・・・!ハァアッ!!』

 

自慢の攻撃が全く通じない、どころかその攻撃が当たった箇所をポリポリと掻くデビルザウルスの態度が天使の癪に相当障ったらしく、天使は再び怒りの声を上げるとデビルザウルスに攻撃を仕掛けた―――その瞬間!!

 

―――ア゛ァガァキィアア゛アァァァッ!!―――

 

―――ドォオオオオオォォォォォンッ!!!―――

 

『!?ウ゛ッ―――アッハァッ・・・!!?』

 

 

「あぁっ!?天使様が・・・っ!!?」

 

「何だよアイツ・・・ビームとか炎だけじゃなくて、ミサイルに手裏剣に爆弾に、って・・・まるで武器庫じゃねぇかよ!!?」

 

天使がデビルザウルスに攻撃を仕掛けた瞬間、デビルザウルスも天使に攻撃を仕掛けた。

 

デビルザウルスが天使をキッと睨んだ瞬間、デビルザウルスの全身の至る所にある無数の顔から一斉に光線や火炎放射、強酸などが発射された・・・ばかりか、何とデビルザウルスの体からはミサイルや爆弾、手裏剣などなどの「火器」までもが発射されたのだ!―――

 

デビルザウルスの元になった融合怪獣の内の一体は生物と兵器が融合した『超獣』と呼ばれる存在の集合体(・・・)であり、その超獣の集合体が融合しているデビルザウルスもまたミサイルなどの火器を自在に使えるのだ。

 

『!?ウ゛ッ―――アッハァッ・・・!!?』

 

―――ア゛ァガァキィアア゛アァァァッ!!―――

 

「そ、そんな・・・天使様が・・・」

 

「ウソだ・・・こんなのウソだ・・・天使様がやられたのか・・・?」

 

「天使様・・・天使様!死なないでーーーっ!!!」

 

デビルザウルスのあまりに圧倒的な火力攻撃には天使もされるままで、あっという間に爆炎の中に消えていった―――かと思えば、

 

『ウフフッ・・・アハハッ・・・アハハハッ!!アハハ―――ゴガァアアァァオオオォォォッ!!―――

 

「何だ!?天使様の声が変だぞ―――」

 

「あ、あぁ、一体どうしたんだ天使様―――」

 

不意に、爆炎の中から天使の笑い声が聞こえが、その笑い声は"狂笑"だった―――直後、その狂笑はもはや「声」ではなく「咆哮」に変わった。同時に、

 

―――ゴガァアアァァオオオォォォッ!!―――

 

「!?な、何じゃ・・・アリャ・・・!!?」

 

「バ、化けモンだ・・・化けモンがもう一匹でてきやがった・・・!!?」

 

「まさか・・・アレが天使様の正体・・・なのか!!?」

 

件の咆哮の主は爆炎の中より現れた・・・否「爆炎を突き破って現れた」のだ。

 

―――ゴガァアアァァオオオォォォッ!!―――

 

凄まじい咆哮を轟かせ、その巨大な4本の足で大地を踏みならす異形、

 

人馬(ケンタウロス)の如く四つ足でその巨体を支え、背に備えた翼を広げ、その龍のような―――それも「悪龍」と言わんばかりの凶悪な面構えをした異形の超巨大怪獣。

身長が127mから一気に666mまで巨大化した「根源破滅天使 ゾグ(第2形態)」が爆炎を突き破って降臨した。

 

同時に、そのゾグを見て人々は悟った。

 

「あの怪物こそ天使の正体なのだ」と

 

「あの怪物は天使じゃない」と。

 

「あの怪物は・・・危険だ!!」と。

 

「自分たち人間は欺されていたんだ!!」と。

 

天使のような姿をしていたゾグ(第1形態)が怒りに身を任せ、本性を現わした事で人々は真実を知ったのだ。

 

―――ゴガァアアァァオオオォォォッ!!―――

 

だが、人間たちがどう思おうが、人間たちが真実に気付いてしまったのも、何もかもがゾグにはもうどうでもよかった。

今のゾグの頭の中にあるのは自分に無礼を働いた存在、デビルザウルス《ふとどきもの》を屠る事のみだ。

 

ゾグは凄まじい咆哮を轟かせつつ、その太く逞しい四つ足で地面を蹴ってデビルザウルスに肉薄し、そして―

 

―――ゴガァアアァァオオオォォォッ!!―――

 

―――ア゛ァガァキィアア゛アァァァッ!!―――

 

猛然と迫るゾグと、そのゾグの突進を真正面からガッチリと受け止めたデビルザウルスはがっぷりと組み合った。

 

ただそれだけで大気が震え、周囲一帯の大地を地震の如く揺らした。

 

―――ゴガァアアァァオオオォォォッ!!―――

 

―――ア゛ァガァキィアア゛アァァァッ!!―――

 

がっぷりと組み合ったゾグとデビルザウルスの力はほぼ互角だった。

 

二体は押しに押され、押し返して押してを繰り返していた―――

 

―――ア゛ァガァキィアア゛アァァァッ!!―――

 

―――ザッシュッ!!―――

 

―――ゴガァアアァァオオオォォォッ!?―――

 

突然、デビルザウルスがゾグと組み合う腕を解いた・・・かと思えば、デビルザウルスは腕に生えた鋭利で巨大な鉤爪でゾグの右目を掻いた―――結果、ゾグの右目からは血が噴き出し、目が潰れてしまった。

 

―――ゴガァアアァァオオオォォォッ!!―――

 

当然、右目を潰されたゾグは大激怒。ゾグは素早く後に下がってデビルザウルスから距離を置くと―

 

 

―――ゴガァアアァァオオオォォォッ!!―――

 

―――ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!―――

 

デビルザウルスから距離を置いたゾグは怒りの咆哮と共に、第1形態(天使の姿)の時は手からのみだった光球を両手に加えて口から、それも凄まじい量を一度にデビルザウルスに放った。

 

どうやら数で圧倒しようという魂胆に加え、今のゾグの出す光球は第1形態の時よりも威力が跳ね上がっているのだ―――しかし、

 

―――ア゛ァガァキィアア゛アァァァッ!!―――

 

―――ゴガァアアァァオオオォォォッ!?―――

 

確かにゾグの放った光球はデビルザウルスに当たった・・・デビルザウルスに光球が当たる刹那、突如としてデビルザウルスの体にある軟体動物のような顔が吠え、デビルザウルスの周囲の大気を振動させ始めた。

 

するとどうだろうか、何と、数十は下らない数の光球はその振動する大気に阻まれ、空中で拡散・無効化されてしまった。これには流石のゾグも唖然としていた。

 

―――ア゛ァガァキィアア゛アァァァッ!!―――

 

一方で、ゾグの放った数え切れない光球を消し去ったデビルザウルスはさも愉快そうに吠えた―――デビルザウルスに合体している融合怪獣の内、超獣の集合体ではない(・・・・)()の融合怪獣、異性獣(スペースビースト)の集合体の怪獣に合体している「ノーチラスタイプビースト メガフラシ」という怪獣が持つ能力により、あらゆる光線やレーザーの類いなどを拡散・無効化する能力をデビルザウルスも有しているのだ。

 

そして、デビルザウルスが有するスペースビーストたちの能力はこれだけには留まらず、

 

―――ア゛ァガァキィアア゛アァァァッ!!―――

 

ゾグの光球をメガフラシの能力で無効化したデビルザウルスが一声吠えれば、今度は花のような顔とタコのような顔が吠え、花のような顔は黄色い花粉を、タコのような顔は黒い煙を噴射してゾグに当てれば―

 

―――ドォオオオォォォン!!―――

 

―――ゴガァアアァァオオオォォォッ!?―――

 

花のような顔が吐いた黄色い花粉がゾグの体に付着した瞬間、花粉が付着したゾグの皮膚は気化した花粉が放つ超高温によって一瞬で焼け爛れて炭化した。

 

タコのような顔が吐いた黒煙がゾグの体に触れた瞬間、黒煙が触れた箇所のゾグの体表で爆発が次々と起きた。

 

それもこれも、全てはデビルザウルスに融合しているスペースビースト、花のような顔の持ち主「ブルームタイプビースト ラフレイア」とタコのような顔の持ち主「フィンディッシュタイプビースト クトゥーラ」の能力だった。

 

―――ア゛ァガァキィアア゛アァァァッ!!―――

 

―――ドォオオオオオオォォォォォォンッ!!―――

 

―――ゴガァアアァァオオオォォォッ!?―――

 

ゾグと同じ体格、身長を誇り、ゾグの攻撃をことごとく無効化しつつ、自身に融合している全ての超獣・スペースビーストの技・能力・火器を使えるデビルザウルスの前に、ゾグはやられっぱなしだった。

 

―――ゴガァ・・・アアァァ・・・オオオォォォッ・・・!―――

 

デビルザウルスの圧倒的な超火力・多種多様な攻撃を一度に受けたゾグは満身創痍でフラフラだった。

 

―――ア゛ァガァキィアア゛アァァァッ!!―――

 

だが、デビルザウルスに情け容赦といった感情など微塵も無く―

 

―――ア゛ァガァキィアア゛アァァァッ!!―――

 

―――ドォオオオオオオォォォォォォンッ!!―――

 

―――ゴガァ・・・アアァァ・・・オオオォォォッ・・・オォッ・・・―――

 

満身創痍のゾグに対し、デビルザウルスは内蔵しているミサイルや爆弾、火炎放射や強酸、手裏剣などの火器による一斉射撃に加え、各種スペースビーストの持つ技と熱線を同時に発射した。

 

結果、ゾグは今度こそ跡形もなく爆炎の中に消えていったのだった―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『この時を待っていた!根源破滅天使ゾグ、貴様の力、このウルトラマンベリアルが頂くぞぉ!!!』

 

―――ア゛ァガァキィアア゛アァァァッ!?―――

 

「な、何じゃありゃぁ!!?」

 

「ま、またなんか出て来たぞ!!?」

 

デビルザウルスがゾグを屠った直後、突如として再三のワームホールの出現が起きた・・・ばかりか、そのワームホールからは最初に地球を襲った怪獣たちとも、デビルザウルスとも違う存在が現れた。それは―

 

「黒い・・・巨人(ウルトラマン)だ!!」

 

誰かの言ったとおり、件のワームホールから現れたのは・・・全身に血の如く赤い模様が走った漆黒の体、鋭い両手の鉤爪、そして耳元まで裂けた鰐口と釣り上がった爛々と輝く目を持った巨人(ウルトラマン)、ウルトラマンベリアルがワームホールから現れた。

 

そんなウルトラマンベリアルはよく見ると、手に何かの"カプセル"を持っていた―――その直後、

 

『さぁ、この『怪獣カプセル』の中に入れゾグの(・・・)残滓(・・)よ!そして、俺様の力となるがいいっ!!』

 

ウルトラマンベリアルは手にしていた謎のカプセル『怪獣カプセル』なるカプセルを、ゾグが爆発四散した辺りに向かって放り投げた。

 

するとどうだろうか、辺りに漂っていたゾグの破片やゾグの"怨念"といった「ゾグの残滓」が怪獣カプセルに取り込まれ、怪獣カプセルにはゾグの姿が映し出された―――当然、これで事態が収まるはずもなく、

 

『ふはははっ!成功だ!!これでゾグの力は俺様のものだ・・・今こそ、この(・・)カプセル(・・・・)と共に俺様の力になるがいいっ!!!』

 

そう言って、ゾグの姿と力が取り込まれた怪獣カプセルを拾い上げたウルトラマンベリアルは、どこからともなくゾグのものとは違う怪獣カプセル、及び何かの機械を取り出すと―

 

《フュージョン・ライズ!!》

 

《ファイブキング!!》

 

《ゾグ第2形態!!》

 

《ウルトラマンベリアル・キメラベロス!!》

 

『がぁあっ・・・!ガァアアアァァァァッツ!!!』

 

手にした二つの怪獣カプセル、片方はゾグ第2形態、そしてもう片方は「超合体怪獣 ファイブキング」という五体の怪獣が合体した融合怪獣の怪獣カプセルを、ウルトラマンベリアルは件の機械―――『ジードライザー』という"変身アイテム"にスキャンした。

 

するとどうだろうか、人型だったウルトラマンベリアルはあっという間に異形の、上半身こそウルトラマンベリアルのままだが、背中には一対の巨大な翼、下半身は鱗に覆われた怪獣のものに、そして長い尾まで生えてではないか!!

 

これこそウルトラマンベリアルの新たな姿、ゾグ第2形態とファイブキングをその身に取り込んだ「ウルトラマンベリアル・キメラベロス」という姿なのだ!!

 

『ガァアアアァァァァッツ!!!アハハハッ・・・!ついに手にしたぞ!最強の姿を!これでヤツら(・・・)を葬り去ってやる―――』

 

キメラベロスになったウルトラマンベリアルは喜びの咆哮と声を上げつつ、流石に驚いて警戒したまま動かないでいたデビルザウルスの方を振り向くと―

 

『貴様のおかげで俺はこの姿になれた・・・礼として、貴様を俺様の配下に加えてやろう!さぁ、俺様と共に来るがいいっ!!』

 

デビルザウルスの方を振り向いたキメラベロスは再びどこからともなく何かを、金棒のような謎の機械―――あらゆる怪獣を支配し、意のままに従える『ギガ・バトルナイザー』なる機械をデビルザウルスに向けた・・・結果、

 

―――ア゛ァガァキィアア゛アァァァッ・・・―――

 

『ハハはハッ!どれほど強かろうが、所詮は怪獣!レイオニクスに、俺様に隷属されるのは当然の事だ!

とはいえ、コイツは使える・・・キメラベロスの力と合わせ、今度こそヤツら(・・・)もろとも光の国を崩壊させてやろうぞっ!!!』

 

キメラベロスが向けたギガ・バトルナイザーからは不思議な光が放たれ、ソレを浴びたデビルザウルスは大人しくなった。

 

一方のキメラベロスはさも愉快そうに笑い、笑い終えると背中の翼を広げて飛び上がり、あっという間に地球から去って行ってしまった。

 

―――ア゛ァガァキィアア゛アァァァッ・・・―――

 

デビルザウルスはキメラベロスの後を追うように飛び立った―――キメラベロスは喜びですっかり有頂天になっていて気付かなかったが、キメラベロスの後に続くデビルザウルスの目はギラギラと輝き、口の端をニヤリと釣り上げていた。

 

 

 

そして、地球を飛び立ったキメラベロスとデビルザウルスが月の衛星軌道上に差し掛かった時、事件が起きた―

 

―――ア゛ァガァキィアア゛アァァァッ!!―――

 

―――ドォオオオォォォンッ!!―――

 

『がっ・・・!?ぐぁああぁぁっ!!?そ、そんなバカ・・・なっ!!?』

 

突然、キメラベロスの後に続いて宇宙を飛ぶデビルザウルスが吠えた―――ばかりか、デビルザウルスはキメラベロスを後からミサイルや熱線で攻撃し、月へと叩き落とした。

 

―――ドォオオオオオオォォォォォォンッ!!―――

 

『がっ・・・はっ!おのれぇ・・・!アイツ、俺様に隷属したフリをしてやがったのか・・・!!?』

 

凄まじい衝撃音と膨大な量の土砂を巻き上げつつ、月面へと叩き付けられたキメラベロスは痛む体に鞭打って立ち上がり、自分を背後から襲ったデビルザウルスを睨もうとした―――その直後、

 

―――ア゛ァガァキィアア゛アァァァッ!!―――

 

―――ドォオオオォォォンッ!!―――

 

『がっ―――ぐぁああぁぁっ!!?』

 

キメラベロスが起き上がった直後、キメラベロスの真上から再びミサイルや光線、強酸や爆発する花粉や黒煙、各種攻撃が雨あられと浴びせられた―――自分を隷属できると思い上がっていたキメラベロスを悠々と見下す(・・・)デビルザウルスがキメラベロスの真上に飛んでいた。

 

『なめ・・・るなぁっ!!!』

 

自分を見下し、一方的に攻撃してくるデビルザウルスに酷くプライドを傷付けられたキメラベロスは怒り狂い、雨あられと浴びせられる攻撃をものともせずに反撃に転じた。

 

キメラベロスは超音波光線や熱線、冷気と火球、ゾグが使っていた光球に加え、ウルトラマンベリアルの必殺技『デスシウム光線』を一度にデビルザウルスに放った。

 

だが、

 

 

 

―――ア゛ァガァキィアア゛アァァァッ!!―――

 

『!?バ、バカな・・・俺様の攻撃が・・・全く通じていないだと・・・!!?』

 

キメラベロスの攻撃は確かにデビルザウルスに当たった・・・だが、それだけだった。

 

―――ア゛ァガァキィアア゛アァァァッ・・・―――

 

デビルザウルスはキメラベロスの攻撃がが当たった箇所をポリポリと、まるで「痒い」言わんばかりに掻いていた・・・そう、キメラ攻撃はデビルザウルスには何の効果も無く、文字通り「痒い程度」だったのだ。

 

加えて、デビルザウルスはメガフラシの能力を使わなかった―――デビルザウルスにとって、キメラベロスの攻撃は「防ぐ価値もない」上に「余裕で、体の頑丈さで受け流せる」から当然の事だった。

 

『お、おのれぇ・・・!おのれおのれおのれっ!!怪獣の分際で俺様をコケにしやがって!!絶対に許さん―――』

 

せっかく手にしたキメラベロスの力がことごとく通じず、オマケに"怪獣ごとき"にバカにされたキメラベロスもといウルトラマンベリアルは怒り狂い、今度はデビルザウルスに掴みかかろうと翼を広げた―――その瞬間!!

 

 

―――ア゛ァ・・・!ガァキィアア゛アァァァッ!!!―――

 

『な、何だ―――』

 

―――ドォオオオオオオォォォォォォンッ!!―――

 

突然、デビルザウルスが吠えた―――その瞬間、デビルザウルスの体が閃光を放ち、直後には凄まじい規模の爆発を起こし、キメラベロスもろとも爆発の中に消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「月が・・・消えた・・・!!?」

 

突如として目の前で起きた怪獣の出現や怪獣同士の戦い、挙句は謎の黒い巨人(ウルトラマン)が天使になりすましていた怪獣を屠った怪獣を連れ去った事に驚いていた地球の人々であったが、更に驚く事となった。

 

何故なら、地球の、地上にいる人々の耳に聞こえるような轟音が宇宙(てん)より轟き、その轟音に驚いた人々が空を見上げれば・・・何と、空に浮かぶはずの月が完全に消滅していたのだ!!

 

「いったい、何が起きたんだ・・・?」

 

「まさか・・・あの化けモンか巨人がやったのか・・・?」

 

月が消滅した空を見上げる人々は口々にその原因を言い合っており、同時に多くの人々が考えが当たっていた。

 

そう、月を消し去ったのは件の化けモン―――ゾグを屠り、キメラベロスを圧倒し、ウルトラマンベリアルの隷属になる事など決して無かったデビルザウルスの最大・最強の必殺技

 

エネルギーや体力の消耗が激しいものの、惑星一つを破壊、あるいは吸収する大技

 

『ラグナロク・クライシス』

 

だったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当然、そんな大技を至近距離でモロに受けたキメラベロスは跡形もなくなっていた―――

 

―――ア゛ァガァキィアア゛アァァァッ・・・―――

 

一方で、ラグナロク・クライシスをぶっ放したデビルザウルスは疲労困憊、エネルギーが完全に枯渇していた。

 

―――ア゛ァガァキィアア゛アァァァッ・・・!!―――

 

不意に、宇宙空間を漂っているデビルザウルスが地球の方をグルリと向き・・・口からボタボタとヨダレを垂らした。

 

そう、デビルザウルスは地球にエネルギーの補充のための"食事"に行こうと考えたのだ。

 

そんなデビルザウルスの"食事"とは―――人間だ。

 

そう、デビルザウルスは人を喰うのだ。

 

人間の肉を、人間の恐怖を、人間の魂さえも喰らい、己の(エネルギー)とする。

 

文字通りの"悪魔"なのだ。

 

そんな悪魔から逃れる術は・・・人類には無い。

 

 

 

 

~合体怪獣紹介~

 

究極超獣 Uキラーザウルス +フィンディッシュタイプビースト イズマエル

 

=フィンディッシュタイプ・ネオビースト デビルザウルス

 

概要:Uキラーザウルスをベースに体の各部にスペースビーストの頭部が出現、頭部はUキラーザウルスの面影がありながらイズマエルの特徴が色濃く表れている。

Uキラーザウルスの特徴である長い触手の代わりにザ・ワン・ベルゼブア・コローネの巨大な翼が生えている。

全てのスペース・ビースト(フログロス、アラクネア、バグバズンブルード、バグバズングローラーも含む)、超獣の能力が使える。

ほとんどの攻撃が通用しない防御力と相手の防御を一気に崩せるほどの高い戦闘力を持つ。全身のビーストの顔をから光線を一斉に発射、体の各部にあるビーストの部位を利用した能力の発現、空中における高い飛行能力、巨体から放たれるパワーと鈍重さをカバーする戦術などこれまでのスペースビーストとは一線を画す存在。

また、消耗が激しいものの、惑星一つを破壊、吸収する大技ラグナロク・クライシスを使う。

 

※この怪獣・説明文はユーザー・柏葉大樹様より頂きました。柏葉大樹様、重ねてお礼申し上げます。ありがとうございます。

 

以下、作者の考えたデータ↓

 

デビルザウルスの体型はゾグと同じケンタウルス体型で、体の前半分がUキラーザウルス、後半分(胴体~後ろ脚)がイズマエル。

 

スペースビースト・超獣の共通点である「人喰い」も行う―――人間などの知的生命体を捕食する事を好む(知的生命体が捕食される瞬間に発する恐怖の感情に加え、肉体や魂でさえも残らず己の糧にする)

 

身長:666m

全長:444m

体重:66万トン

※身長・体重はゾグ第2形態と同じ(『666』とは聖書における『獣の数字』という不吉な数字で、それに同じく不吉な『4』を三つ合わせました・・・ただし、実は『444』は安定・幸福をもたらす数字である―――デビルザウルスが幸運な数字を持つ、皮肉でいいと思うのですが?)

 




如何でしたでしょうか?

今回はユーザー・柏葉大樹様より頂きました。柏葉大樹様、重ねてお礼申し上げます。ありがとうございます。

今回の対戦相手はゾグ―――"デビル"ザウルの対戦相手がゾグ(肩書きが『天使』)は我ながらいいアイデアだと思うのですが・・・?

「天使VS悪魔」ってことです、今回の戦い。

で、まさかのベリアル閣下の乱入・・・『ウルトラマンジード』で、なぜベリアル閣下がゾグの怪獣カプセルを所持していたのか、ずっと疑問だったので

「ゾグ出すし、ついでにその疑問にも(自分なりの)決着付けるか。ついでに、デビルザウルスの強さの演出にはもってこいかな」

と考えた上での演出です(最初はゾグ倒す→ラグナロク・クライシスで地球を破壊、程度でしたが『面白くない』と判断し、この展開にしました)

まだまだこれからも読者の皆様からのアイデア募集、アイデアの採用をどんどんさせて頂きます!!

ですので、どうぞお気軽にアイデアの投稿を活動報告欄にお願い致します(感想欄に書いてしまうと運営様に消されるので何卒お気を付け下さい)

では、また次回です!!


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(半分)アイデア採用話・荒ぶる神か、守護神か・地球の調整者!!

どうも!作者です!!

さてさて、今回も読者の皆様から頂いた有り難い合体怪獣のアイデアを、活動報告欄に投稿して頂いたアイデアを使ったお話を投稿します。

その際は『アイデア採用話』と分かりやすくさせて頂いていますが・・・何故か「(半分)アイデア採用話」としています。

その理由は・・・後書きにて明かしております。なので、最後まで読んで頂けると嬉しいです・・・

ついでに、今回は多少過激です―――その理由も怪獣の説明の中で書いております。なので、やはり最後まで読んで頂けると嬉しいです。

ちなみに、件の合体怪獣のアイデアはまだまだ、随時募集中ですのでお気軽にどうぞです!!

では、今回はどんな融合怪獣なのか?

是非ともご覧下さいませ。

どうぞです!!


―――ジィギィイイイィィィッ!!―――

 

―――カァアアアァァァッ!!―――

 

―――グガァアアアァァァッ!!―――

 

―――キィピュイイイィィィッ!!―――

 

―――グオオオオオォォォォ!!―――

 

―――ギィヤオオオォォォ!!―――

 

―――グワァアアアァァァッ!!―――

 

 

遙かな昔、太古の地球を人類ではなく超巨大な生物、俗に言う「怪獣」が支配していた頃の出来事。

 

地球の支配者たる怪獣たちは陸に、海に、空に、と地球中の全てを我が物として思うがままに生きていた。

 

だがある日、突然なんの前触れも無く怪獣たちは滅ぼされた(・・・・・)のだ。

 

『シュワッ!!』

『タアッ!!』

『ヤアッ!!』

『トォウ!!』

 

―――ジィギィイイイィィィッ!?―――

 

―――カァアアアァァァッ!?―――

 

―――グガァアアアァァァッ!?―――

 

―――キィピュイイイィィィッ!?―――

 

―――グオオオオオォォォォ!?―――

 

―――ギィヤオオオォォォ!?―――

 

―――グワァアアアァァァッ!?―――

 

ある日、突如として遙か遠い星雲より怪獣たちと同等、あるいはそれ以上の強さを持った異星人(ウルトラマン)たちが地球へ飛来した。

そんな異星人(ウルトラマン)たちは地球にやって来るや否や、持ち前の強さで怪獣を殺し、滅ぼし、追いやった。何故なら、

 

『我々ウルトラマンは弱いものの味方だ。この星の住民は怪獣に苦しめられている。これでは可哀想だ・・・だから、我々が怪獣を倒すのだ!!』

 

『『『おぉーーーっ!!!』』』

 

突如として地球に飛来した異星人(ウルトラマン)たちは非常に正義感が強く、同時に「お節介」だった。

 

彼らは広い宇宙を「宇宙の平和を守る」という名目で飛び回り、自分たちの正義感や観点を他の星の種族や摂理に"押し付け"る種族だ。

 

そして今回、そのお節介者の異星人(ウルトラマン)たちが目を付けたのが怪獣たちが支配する星、地球だった。

 

正義感の強い自称(・・)「弱いものの味方」の異星人(ウルトラマン)たちは・・・あろうことか、地球の支配者たる怪獣たちを「悪者」と決めつけ、怪獣たちの影に隠れて生きるものたちを「怪獣の苦しめられている弱者」だと、これまた一方的に決めつけ怪獣たちを滅ぼしにかかった。

 

「私はユザレ。地球星警備団の団長です。みなさん、今この地球に起きている大異変、怪獣たちの台頭による恐怖を、遙か遠い星雲よりやって来た"光の巨人"が解決してくれています。だからこそ、我々も彼らの力になりましょう」

 

「「「おぉーーーっ!!!」」」

 

突如として地球に訪れ、自分たちの観点などから怪獣たちを「悪」と決めつけ、滅ぼしにかかった異星人(ウルトラマン)たちは確かに怪獣たちからすれば迷惑この上なかった。

 

だが、その怪獣たちの影に隠れて細々と生きる肩身の狭い思いをしている「人類」からすれば、自分たちを恐怖させる怪獣を倒してくれる異星人(ウルトラマン)たちは「救いの神」であった。

加えて、異星人(ウルトラマン)たちは人類(じぶん)たちに優しい・・・そんな彼らの力に、強さに、存在に憧れないわけがなかった。

 

結果、人類は異星人(ウルトラマン)たちを「神」と崇拝し、完全に陶酔していった。

 

挙句、

 

「おぉ、生まれたぞ・・・我が子よ。光の巨人(・・・・)の力を(・・・)宿した(・・・)新たな世代の子よ・・・!!」

 

地球人と交流を深めた異星人(ウルトラマン)は・・・何と、地球人と"愛"を育み、子を成した。

 

当然、そうやって生まれた子供は地球人でありながらも異星人(ウルトラマン)の"力"を宿し、あらゆる困難や恐ろしい敵に、怪獣に全く引けを取らない強さを開花させた―――結果、なおのこと怪獣たちは絶滅に追いやられ、その数を減らしていっていたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――どうだ、そろそろ俺と手を組む気になったか?―――

 

―――・・・お前もクドいな。俺は、あくまで生態系の守り神であって、別にあの宇宙人どもを殲滅したいわけじゃない。ましてや、人間を滅ぼすなどもってのほか―――

 

―――なぁ、お前も薄々わかっているのだろう?今の人間どもはもはや地球の住民じゃない、宇宙人どもと交わって生まれた"化け物"なのだと、その化け物どものせいでお前の愛する生態系とやらも崩壊し始めているのだと、お前、分かっているんだろう?―――

 

―――・・・だが、それでも俺は・・・―――

 

―――いい加減、自分の本能に身を委ねたらどうだ?このままではお前の守るべき生態系が、愛する自然が、地球が、宇宙人(ウルトラマン)どもと化け物どものものになってしまうぞ?―――

 

―――・・・それは・・・―――

 

―――はぁ・・・お前、相当に我慢しているようだがな、俺には分かるぞ。人間どもは俺らの仲間(・・)がいなくなったことでデカイ面をして、資源を貪って自然を破壊しまくっている。そのせいで、今や地球環境はメチャクチャだ・・・そんな人間どもに、お前もそろそろ我慢の限界が来ている、そうだろう?―――

 

―――・・・流石は"神様"だな。俺の心を読むとはな・・・―――

 

―――どうだ?俺とお前が手を組めば、あの宇宙人どもを根絶やしに出来る。地球を守れるのだぞ?もう我慢はせずともいいのだ・・・悪い話じゃないと思うのだがなぁ?―――

 

―――・・・しかし、人間たちは・・・同じ地球の仲間・・・―――

 

―――悪いことは言わん。人間どもは諦めろ。というか気にするな。いまいるアレ(・・)は・・・"混ざりもの"だ。異星人(ウルトラマン)の血に汚された"混ざり物"だ。今や、純粋な地球人はいない―――

 

―――・・・わかった。いいだろう。お前に手を貸す・・・だが、せめて人間は苦しませずに滅ぼしてやってくれ―――

 

―――フン、最後までお優しいなお前は・・・いいだろう、人間どもには極上の快楽を与え、苦しまずに滅ぶように"贈り物"をしてやろう―――

 

―――・・・・・・・・・―――

 

―――なぁに、気を落とす事はない。お前だって、お前を作った超古代人の滅亡は見ているんだろう?それと同じ事だ―――

 

―――御託はいい、さっさとやってくれ・・・"神様"よ―――

 

―――あぁ、分かった・・・お前の力、借りるぞ"守護神"様よ―――

 

深い深い深海の奥底で、二つの巨大な影が"会話"を行っていた。

 

一つは巨大な貝殻を背負い、無数の触手と巨大なハサミ、そして逆さに生えた顔を持つ異形

 

一つは巌窟な甲羅を背負い、下顎から口外へ伸びる一対の牙と深緑色の目を持つ大怪獣

 

この二体が深い深い深海で、光も届かぬ内なる海の底で"会話"を行っていた―――突如として地球に飛来し、地球の先住民である怪獣を駆逐し、挙句は地球人の血を汚染する異星人(ウルトラマン)への対応(・・)を話し合っていたのだ。

 

何故なら、彼らは地球の先住民、怪獣の中でも特に長寿であり、そして"偉大"だからだ―――逆さに生えた顔を持つ異形は地球上に繁栄する怪獣の一族の長を勤め、深緑色の目を持つ大怪獣は地球や生態系の守り神でもある。

 

そんな二体が話し合うほどに、わざわざ対策を立てなければならないほど、件の異星人(ウルトラマン)による"地球の侵略行為"は大問題なのだ。

 

同時に、二体はその大問題への対策を、解決策を見付けた―――二体の全て(・・)を文字通りに「一つに合わせる」という方法で解決しようと決めたのだ。

 

それこそが―

 

《フュージョン・ライズ!》

 

《邪神 ガタノゾーア!!》

 

―――バオオオオオオォォォォォォ!!—――

 

《大怪獣 ガメラ!!》

 

―――ゴアアアアアァァァァ!!———

 

《地球の守護神にして調整者、今ここに這い()でたり!!(あら)(ぶるる)護神(まもりがみ) ガメロストーア!!》

 

―――ゴァバォオオオォォアアァァッ!!―――

 

ある日、突如として地球へと飛来したばかりか、地球の住民たる怪獣を数多く虐殺し、人間と交わってその血を汚染した恐るべき異星人にして侵略者、光の巨人(ウルトラマン)から地球を、生態系を守るべく立ち上がった、

 

人間たちからは"邪神"と一方的に(・・・・)呼ばれているが、その実は地球の環境を均衡に保つ「調整者」にして、多くの地球怪獣たちの総元締め「邪神 ガタノゾーア」

 

 

生態系の守護者にして、数億年の時を生き長らえたか弱い者の味方たる長寿の大怪獣「大怪獣 ガメラ」

 

が文字通り"一つになった"存在、

 

ガタノゾーアの巨体の背部に覆い被さるようにしてガメラの甲羅が融合し、全長が280mまで達した長大な全長

 

ガタノゾーアの巨体を支える無数の脚に、ふくらはぎに蹴爪(けづめ)・『邪撃脚(カーフクロー)』が生えたガメラの太く逞しい足が加わり

 

ガタノゾーアの無数に生えた触手と、巨大なハサミをかき分けるようにして、肘から鋭利な棘・『邪斬突(エルボークロー)』が生えたガメラの剛腕が加わり

 

そして、逆さまに生えたガタノゾーアの顔にガメラの"目"が融合し、下顎にはガタノゾーアの赤い目が、上顎にはガメラの深緑色の目がついた

 

地球という星そのものの、地球に根付く「生態系」の守護者にして調整者

 

(あら)(ぶるる)護神(まもりがみ) ガメロストーア》

 

が、内なる深海にて産声を轟かせた。

 

同時に、ガメロストーアは即座に行動に出た。

 

全ては地球の生態系を守るために・・・そのためにも、いま地球上を我が物顔で侵略(・・)し続けている異星人(ウルトラマン)を根絶やしにする必要があるのだ―

 

 

 

―――ゴァバォオオオォォアアァァッ!!―――

 

『シュワッ!?』

『タアッ!?』

『ヤアッ!?』

『トォウ!?』

 

地球に降り立ち、怪獣という生ける災害を駆逐してか弱い人間を助けていたウルトラマンたちは、自分たちを神と崇める地球人たちと共に暮平和にらしていた。

 

中でも、南太平洋のど真ん中にある島にはウルトラマンたちと特に密に関わって生きる地球人たちが、ウルトラマンたちと共に住まう大都市―――名を『ルルイエ』という大都市があった。

 

だが、そのルルイエは僅か一夜にして海の底に沈んだという、何故なら―

その矢先、突如として

 

 

―――ゴァバォオオオォォアアァァッ!!―――

 

『シュワッ!?』

『タアッ!?』

『ヤアッ!?』

『トォウ!?』

 

突如としてルルイエ近海の海が大時化(しけ)たかと思えば、それまで雲一つ無かった青空が突如として雲に、それも夜の闇よりも黒い、一切の光を遮断してしまう程の暗黒の雲に覆われ、挙句はルルイエ近海の深海より"ソイツ"がその姿を現わしたのだ。

 

その"ソイツ"こそ―

 

―――ゴァバォオオオォォアアァァッ!!―――

 

身の毛もよだつ程に禍々しく、同時に力強い咆哮を轟かせるのは、生態系ひいては地球の調整者たるガタノゾーアと、同じく生態系ひいては地球の守護神たるガメラが一体化した存在、《(あら)(ぶるる)護神(まもりがみ) ガメロストーア》だ。

 

そんなガメロストーアは海上にその巨体を現わすと、間髪入れずにルルイエの街を襲撃し始めた―

 

『シュワッ!!』

『タアッ!!』

『ヤアッ!!』

『トォウ!!』

 

だが、そうはさせまいとルルイエの守り手が、数多の怪獣を屠った"怪獣退治の専門家"の異星人(ウルトラマン)たちが一度に10人ほどに駆け付け、ガメロストーアと対峙した。

 

―――ゴァバォオオオォォアアァァッ!!―――

 

『シュワッ!!』

『タアッ!!』

『ヤアッ!!』

『トォウ!!』

 

雁首そろえた異星人(ウルトラマン)たちを、上顎と下顎合わせて四つの目で忌々しげに、憎々しげに睨み、吠えるガメロストーア。

 

自分頼りも遙かに巨大で、禍々しいオーラを全身から放つガメロストーアを前にしても一切動じず、威風堂々と構えるウルトラマンたち。

 

今ここに、世紀の大決戦の火蓋が切られた。

 

『シュワッ!!』

『タアッ!!』

『ヤアッ!!』

『トォウ!!』

 

まず動いたのはウルトラマンたち。

 

ウルトラマンたちは各自で構えこそ違うが、彼らウルトラマン最強にして最大の必殺技を、破壊力を持つエネルギーを相手に送り込み、爆発四散させる光線を一斉にガメストローアに放った。

 

だが、

 

―――ゴァバォオオオォォアアァァッ!!―――

 

『シュワッ!?』

『タアッ!?』

『ヤアッ!?』

『トォウ!?』

 

確かにウルトラマンたちの光線はガメロストーアに当たった・・・だが、それだけだった。

 

10人はいるウルトラマンたちの光線を、10もの光線を一度に浴びても、ガメロストーアには傷一つ、何のダメージ一つ入っていなかった。

 

―――ゴァバォオオオォォアアァァッ!!―――

 

―――ドォンッ!!―――

 

『ウ゛ッ!?アァ・・・』

 

ここで、ガメロストーアが反撃に出た。

 

ガメロストーアはその巨大なハサミの刃面を手近にいたウルトラマンに叩き付けた―――たったそれだけで、ガメストローアに比べれば小さいが、身長50m以上はある巨人(ウルトラマン)が熟れすぎた果実のように容易く潰れ、海の藻屑となって沈んでいった。

 

『シュワッ・・・!シュワッ!!』

『タアッ・・・!タアッ!!』

『ヤァッ・・・!ヤアッ!!』

『トォウ・・・!トォウ!!』

 

目の前で無残に潰され、海の藻屑となって仄暗い海の底に沈んだ仲間を見たウルトラマンたちは拳をワナワナと震わせ、怒りのままにガメロストーアに突撃した。

 

だが、そこは"怪獣退治の専門家"たるウルトラマン、怒っているとはいえども、無鉄砲な戦い方はしなかった。

 

ウルトラマンたちは飛んでガメロストーアの頭部についた陣営と、ガメロストーアの脚部についた陣営の二つに分かれ、上と下から同時にガメストローアを攻撃する作戦に出た。

 

確かに、一度に上と下から攻撃されては対処が難しい―――だが、

 

―――ゴァバォオオオォォアアァァッ!!―――

 

―――ドォ・・・オォンッ!!―――

 

『シュワッ!?』

『タアッ!?』

『ヤアッ!?』

『トォウ!?』

 

確かにウルトラマンたちの作戦は有効だ―――相手が普通(・・)ならば(・・・)だが(・・)

 

二手に分かれ、頭部と脚部を同時に攻撃しようとしたウルトラマンたちに対し、頭部についたウルトラマンたちには口から放つ超高熱の火球と"闇"を纏う黒煙を、脚部についたウルトラマンたちはには無数の脚や触手、ハサミを動かして蹴散らす、をガメロストーアは同時に行っていた・・・何故そんな事が出来るのか?

 

だが、それは当然の事。何故なら、ガメロストーアの頭部の四つの目は、下顎にあるガタノゾーアの目は足下もとい"下界"を監視する役割を、上顎にあるガメラの目は(宇宙)から来る侵略者を監視する役割を担っている―――つまり、ガメロストーアは上下を同時に見て、対処することが出来るのだ。

 

全てはこの星の生態系を守り、監視するために―

 

『ヌゥ・・・ハッ!!』

 

―――ゴァバォオオオォォアアァァッ!?―――

 

不意に、ガメロストーアが驚いたような声を上げた―――突然、一人のウルトラマンがガメロストーアのいくつもある脚の中でも一番太い足に、元々はガメラのものだった足の片方に組み付いた。

 

『ヌウゥ・・・!ハッ!!』

 

力の限りガメロストーアの足を掴むウルトラマン・・・彼はこの元ガメラの足がガメロストーアの巨体を支えるのに不可欠だと判断し、その不可欠な足をどうにかすれば、ガメストローアは自重を支えられず転倒するだろうと考えた故の行動だった―――しかし、甘かった。

 

―――ゴァバォオオオォォアアァァッ!!―――

 

―――ドオォンッ!!―――

 

『ウ゛ッ!?ハッ・・・アァ・・・』

 

自分の足に組み付くウルトラマンをジロリと見たガメロストーア―――直後、ガメロストーアはウルトラマンが組み付いている足をウルトラマンごと大きく振り、その勢いでウルトラマンを振りほどいた―――ばかりか、ガメロストーアは振りほどいたウルトラマンに再度足を叩き付け、太ももにある『邪撃脚(カーフクロー)』でウルトラマンの体を捕縛、そのまま大外刈りの容量でウルトラマンを勢いよく近くの岩礁に叩き付けた。

 

更に、

 

―――ゴァバォオオオォォアアァァッ!!―――

 

―――グシャッ!!―――

 

『ガッ―――アァ・・・』

 

岩礁に勢いよく叩き付けられたウルトラマンは、叩き付けられた激痛に悶絶していた―――直後、間髪入れずにガメロストーアが総重量45万トンの全体重を乗せた"踏みつけ"をウルトラマンに見舞い、岩礁ごとウルトラマンを海底深く没させたのだった。

 

『シュワッ・・・!』

『タアッ・・・!』

『ヤアッ・・・!』

『トォウ・・・!』

 

数多の怪獣を屠った光線をモノともせず、その圧倒的な巨体(・・)だけで(・・・)二人のウルトラマンをあっという間に屠ったガメロストーアを前に、流石のウルトラマンたちも嫌な感覚を覚え、思わず後退った。

 

その際、ウルトラマンたちはルルイエの街の方をしきりに見ていた―――ルルイエの街にはまだ大勢の仲間(ウルトラマン)たちがおり、状況が状況なので助っ人に来てくれるハズなのに、何故か誰も助っ人に来てくれないのだ。

 

一体、何故・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あへへへ~うへへへ~~~」

 

「ちょうちょ~ちょうちょ~~~」

 

「お花さんねぇ、どうしてそんな色してるのぉ?」

 

「ぴゅっ、ぴゅっ・・・」

 

「ぱたぱた~うふふ~!ぱーたぱたぱた~うふふ~~~!!」

 

『シュ、シュワッ・・・』

 

ルルイエ近海でガメロストーアとウルトラマンたちが激闘を繰り広げていた頃、ルルイエの街では大事が起きていた。

 

それこそ、

 

「あへへへ~うへへへ~~~」

 

「ちょうちょ~ちょうちょ~~~」

 

「お花さんねぇ、どうしてそんな色してるのぉ?」

 

「ぴゅっ、ぴゅっ・・・」

 

「ぱたぱた~うふふ~!ぱーたぱたぱた~うふふ~~~!!」

 

『シュ、シュワッ・・・』

 

呆然とするウルトラマンたちを尻目に、ルルイエの街に住む人々は皆一様に"おかしくなっていた"。

 

ある者は焦点の合わない虚ろな目で辺りを徘徊する

 

ある者は意味不明な事を言いつつ、両手を広げて大通りを疾走する

 

ある者はおままごとをしている―――いい年した中年女性がだ

 

ある者は動物の人形を両手に持ち、その人形を戦わせる―――ハゲたオッサンが俗に言う『ブンドド』をしている

 

ある者はヨダレを垂らしながら締まりの無い顔で地べたに寝転んでいる

 

 

といった、普通なら考えられないような有様をルルイエの街の人々は堂々と、人目も気にせずに晒していたのだ―――今の彼らには他人の事など眼中にない。

何故なら、彼らは皆一様に自分の世界に、それも極上の"楽しい夢の世界"に入り浸っているからだ。

 

突如としてルルイエ、どころか、地球上のありとあらゆる場所に咲き乱れた、黄色い花の出す花粉で人々は夢の世界を満喫していた―――厳密に言えば、件の花の花粉で人々は中毒になっている(ラリってる)のだ。

 

だが、不思議な事に件の花粉はウルトラマンには効いていない―――それは当然の事。

 

何故なら、この黄色い花は「地球からの贈り物」であり、地球の住民ではない異星人(・・・)であるウルトラマンたちに向けて贈られたモノではないからだ。

 

「あへへへ~うへへへ~~~」

 

「ちょうちょ~ちょうちょ~~~」

 

「お花さんねぇ、どうしてそんな色してるのぉ?」

 

「ぴゅっ、ぴゅっ・・・」

 

「ぱたぱた~うふふ~!ぱーたぱたぱた~うふふ~~~!!」

 

黄色い花の花粉が見せる極上の夢の世界で遊び、楽しむ人々はそれはそれは嬉しそうに、満ち足りた表情をしていた―――これらから起きる惨劇(・・)を、これから訪れる滅び(・・)を、その時を迎えても苦しまずに滅び、死に行けるように、と地球が贈り遣わしてくれた"慈悲"がこの黄色い花―――「超古代植物 ギジェラ」なのだ。

 

『シュ、シュワッ・・・』

 

同時に、ギジェラに魅入られた・・・否、完全に「堕落した」人々を前にして呆然と、明らかにマズそうな顔をするウルトラマンたち。

 

何故なら・・・ウルトラマンという異星人にとって、地球というウルトラマンの故郷の星雲とは環境が違う星において、ウルトラマンたちが地球で生きるためにはこの星の、地球の住民である地球人の(・・・・)体を(・・)借りな(・・・)ければ(・・・)ならない(・・・・)

 

しかし、今や地球人はギジェラの影響によって堕落し、ウルトラマンたちに力も体も貸す事もしなくなった・・・これでは、ウルトラマンたちは地球では生きていけない。

 

だからウルトラマンたちは焦っていた―――そのせいで、ルルイエ近海の海で起きている騒ぎ(・・)に駆け付ける事が出来ないでいたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――ゴァバォオオオォォアアァァッ!!―――

 

『シュワッ・・・』

『タアッ・・・』

『ヤアッ・・・』

『トォウ・・・』

 

ルルイエの街を含め、地球上に咲き乱れるギジェラによって大混乱が起きていた頃、先んじてガメロストーアと戦っていたウルトラマンたちは・・・全員、ガメロストーアによって屠られていた。

 

『シュワッ!!』

 

ウルトラマンの一人が素早くガメロストーアの背後に周り込み、当たれば相手をバラバラに切り裂く光輪をガメロストーアに放った―――しかし、ガメロスートアの背面は凄まじい強度の外骨格に覆われており、件の光輪は全く通用せず、傷一つ、引っかき傷一つ付けられなかった。

 

『トォウ!!』

 

ならば、と、一人のウルトラマンが己の体温を数十万度まで上昇させて体を燃え盛らせ、自らを生ける爆弾にして相手もろとも爆発する技でガメロストーアに突っ込んだ―――が、ガメロストーアはウルトラマンが生み出した数万度の熱も炎も吸い取ってしまった・・・ガメストローアに合体しているガメラには熱や炎、電気エネルギーを問答無用で吸収して己の糧にする能力があるが、当然ながらガメロストーアもその能力があるために出来る芸当だ。

 

『シュワッ・・・』

『タアッ・・・』

『ヤアッ・・・』

『トォウ・・・』

 

自慢の必殺技の数々が全く通じず、オマケに身体能力も大きさも、何もかもが桁違いなガメロストーアを前に、流石のウルトラマンたちも"恐怖"の感情を覚え始めた―

 

―――ゴァバォオオオォォアアァァッ!!―――

 

―――ドオオオォォォンッ!!―――

 

『シュワッ!?アァ・・・ッ・・・』

『タアッ!?ウゥ・・・ッ・・・』

『ヤアッ!?・・・ッ』

『トォウ!?オァ・・・ッ・・・』

 

だが、そんなことはガメロストーアに関係は無かった。

 

雄叫びを上げたガメロストーアはついにその全貌を海上に現わした―――身長260m・全長444m・総重量45万トンの超弩級の巨体を全貌を海上に現わし、その超重量をモノともせずに動き回るガメロストーアが攻撃に出た。

 

口から吐く万物を燃焼させる、本来は燃焼が不可能な物質をも燃焼させる火球『煉獄炎球』

 

同じく口から吐く、地球の生物なら即死させ、地球外の生物でも大きなダメージと恐怖を与える"闇"を纏う黒煙『深淵覗黒霧』

 

その四つの目から、目の一つ一つから放てる、当たれば相手の体を石化させて二度と蘇ることのない体へと変える光線『魔眼石化光線』

 

自慢の巨大なハサミ、無数の触手に高熱や超電解物質(プラズマ)を纏わせて対象を蒸発(・・)させる(・・・)『超昇火爪』、『超昇火手』

 

ガメラの腕に超電解物質(プラズマ)を纏わせ、触れたものを削り取るように分解・昇華させる『イデオン・フィスト』

 

ガメラの足に|超電解物質を纏わせ、触れたものを削り取るように分解・昇華させる蹴りを放つ『イデオン・レッグ』

 

そして、その超重量・超巨体そのものを活かした物理攻撃で、ガメロストーアはウルトラマンたちをあっという間に全員、跡形も無く屠ってしまったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『我々ウルトラマンは人類の選択には干渉しない・・・人類が滅びを望むなら、我らは救いの手を差し伸べることはしない。

だから、我々ウルトラマンは星雲へと帰る・・・さらばだ、地球の民よ。君たちのことは決して忘れない』

 

ガメロストーアによって10人のウルトラマンが葬り去られた頃、ルルイエの街にいたウルトラマンたちは・・・人類を見限り、故郷の星雲へと帰る決断をしていた。

 

というのも、先のガメロストーアの出現と同時に咲き乱れたギジェラをウルトラマンたちは駆逐しようとしたが、

 

「止めてー!ギジェラを傷付けないでーーー!!」

 

「ギジェラは俺たへの贈り物なんだ!そんなギジェラを処分するなんてしないでくれ!!」

 

「ギジェラ・・・ギジェラ!花粉を、花粉をくれっ!!またあの楽しい世界に連れて行ってくれっ!!」

 

ギジェラを駆逐しようとしたウルトラマンたちの前に突如として横槍が入った―――ギジェラの花粉がもたらす快楽に溺れ、完全に中毒になっている(ラリっている)地球人に、ウルトラマンが助けようとした地球人たちがウルトラマンの助けを拒んだのだ。

 

『そ、その花は危険だっ!今すぐ捨てるんだ!!それに見えないのか、あの"化け物"が!?今ここで快楽に溺れ、戦いもしなければみな滅ぼされてしまうんだぞ―――』

 

当然、ウルトラマンたちも必死に、地球人を「滅び」から救うために食い下がったが、

 

「無理だ・・・もう終わりだよ、俺たち」

 

「ウルトラマンでも勝てない化け物なんでしょ、アイツ?だから・・・もう諦めたわ」

 

「そうだ・・・だから、俺たちはせめて楽しい夢の中に行ったまま滅びたいんだ。だから、頼むよウルトラマン。俺たちのジャマをしないでくれ」

 

必死で人類を助けようと奮闘するウルトラマンたちの頑張りを、思いを、当の地球人たちは・・・拒んだ。

 

何故なら、分かっているからだ。

 

"アレ"には誰も勝てない・・・怪獣退治の専門家のウルトラマンでさえも勝てない、と

 

そんな"アレ"を前に、もう地球人は滅ぼされるしかないのだ、と

 

どうせ滅ぶなら(らく)に、(たの)しいまま滅びたい、と

 

だから、その(らく)(たの)しさをもたらしてくれるギジェラを奪わないでくれ、と

 

と、地球人はウルトラマンに面と向かって懇願した。

 

『・・・そう・・・か・・・分かった。

我々ウルトラマンは人類の選択には干渉しない・・・人類が滅びを望むなら、我らは救いの手を差し伸べることはしない。

だから、我々ウルトラマンは星雲へと帰る・・・さらばだ、地球の民よ。君たちのことは決して忘れない』

 

「「「うん、さようならウルトラマン・・・ありがとう、光の英雄戦士たち。今まで守ってくれてありがとう」」」

 

どれだけ頑張っても、それだけ説得しても、守る対象である地球人が拒むなら、滅びを受け入れるなら、ウルトラマンたちはそれ以上は言わず、何もしなかった・・・もしかしたら"呆れていた"のかも知れないが。

 

結局、滅びる運命を受け入れ、その間際の快楽に浸りたいと自己申告してきた地球人をウルトラマンたちはそのまま放置し、自分たちだけは地球を出た―――彼らにとって地球はただの滞在地(・・・)であり、故郷ではない。

 

加えて、その滞在地である地球は今まさに滅びようとしている・・・ウルトラマンでさえも容易く屠る恐ろしい怪物、ガメストローアによって。

 

だからウルトラマンたちは地球を"脱出"したのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――ふざけるな・・・!散々俺たちの星で好き勝手に、大勢の怪獣(なかま)たちを殺し、地球人の血を汚して"混じり物"を作っておいて、自分たちだけ逃げるだと・・・!?そんなの、絶対に許さんぞぉおおおぉぉぉっ!!!――――

 

―――ゴァバォオオオォォアアァァッ!!―――

 

『!?な、何だ―――なっ・・・!?そんな・・・バカな!!?あ、あの怪獣・・・飛んできたのか!!?地球を出て、宇宙までっ!!?』

 

 

不意に、暗雲に覆われた地球を何とか脱出したウルトラマンたちの後方で声が、咆哮が聞こえた―――散々地球と生態系に迷惑をかけ弄んだ(・・・)挙句、自分たちだけさっさと逃げた異星人(ウルトラマン)共に怒り、逃がすまいと宇宙まで追ってきたガメストローアの怒りの咆哮が宇宙に轟いた。

 

そう、何とガメロストーアは飛べるのだ―――ガメロストーアに融合しているガメラは自在に空を飛び、悠々と宇宙まで飛翔する能力を、特殊なジェット気流を噴射する器官を持っており、当然ながらガメロストーアもその器官を有していた・・・ガメラのよりも更に優れ、総重量45万トンの超重量の巨体を飛ばすだけのジェット気流を噴射する器官がガメロストーアにはあるのだ。

 

―――ゴァバォオオオォォアアァァッ!!―――

 

さんざん人類と怪獣(地球の住民たち)を翻弄して地球を侵略(・・)した(・・)挙句、状況が悪くなったら自分たちだけ自分の星雲へと逃げ帰ろうとした異星人(ウルトラマン)を、ガメロストーアは許さなかった。許せるわけがなかった。

 

だからこうして、わざわざ異星人(ウルトラマン)を宇宙まで追って来た。そして、追いついたらすることは決まっている―――

 

―――ゴァバォオオオォォアアァァッ!!―――

 

雄々しく、猛々しく吠えるガメロストーア。

 

するとどうだろうか、ガメロストーアの背後に背景のように存在していた地球から金色に光輝く何かが―――地球のエネルギーにして、地球の万物に宿る超自然的なエネルギー・『マナ』がガメロストーアに集まった。

 

そして―

 

―――ゴッ・・・ァバォオオオォォアアァァッ!!!―――

 

―――ドォオオオオオオオオオォォォォォォォォォンッ!!!――――

 

『な、何だ!?コレは―――』

 

大いなる大自然と、数多の命を育む地球のエネルギー・マナをその身に集めたガメロストーアの体は金色に、神々しく輝いた―――次の瞬間、ガメストローアの腹部にある「第二の口」が開き、そこからガメロストーアに集結して濃縮されたマナの奔流が放たれ、異星人(ウルトラマン)たちを一人残らず、跡形も無く消し去った。

 

これこそガメロストーア最強・最大・最終奥義、地球の全マナをその身に集めて濃縮して放つ『超究極(ウルティメイト)魔那(マナ)奔流(キャノン)』だ。

 

その威力は凄まじく、数百はいるであろう異星人(ウルトラマン)を一度に、一片も遺さず消し去るほどだ・・・反面、地球のエネルギーたるマナを直接消費するため、使用してしまえば地球環境が狂い、生態系もメチャクチャになってしまう欠点も存在する―――今の地球は、生態系は、異星人(ウルトラマン)によってメチャクチャにされており、仮に『超究極(ウルティメイト)魔那(マナ)奔流(キャノン)を使っても

 

「何を今さら」

 

な状態だ・・・だから、ガメロストーアは超究極(ウルティメイト)魔那(マナ)奔流(キャノン)を躊躇なく使ったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、地球の生態系を乱し、怪獣や地球人すべてを含めた「地球の住民」を翻弄した異星人(ウルトラマン)は、地球と生態系の守護者にして調整者のガメロストーアによって駆逐された。

 

だが、それでも地球が、生態系が負ったダメージは深刻なものだった。

 

太古の時代より地球で息づき、生きてきた怪獣たちはそのほとんどが絶滅、それも殺されて絶滅してしまった。

 

異星人(ウルトラマン)たによって汚され、"混ざりもの"となってしまった地球人たちも、生態系の守護者にして調整者たるはガメロストーア地球を(・・・)守るため(・・・・)()滅ぼさなければならなかった―――放置すれば、彼ら"混ざりもの"の体内に眠る異星人(ウルトラマン)の力が発現して怪獣を殺し、再び地球を異星人の星(ウルトラの星)にしかねないからだ。

 

「あへへへ~うへへへ~~~」

 

「ちょうちょ~ちょうちょ~~~」

 

「お花さんねぇ、どうしてそんな色してるのぉ?」

 

「ぴゅっ、ぴゅっ・・・」

 

「ぱたぱた~うふふ~!ぱーたぱたぱた~うふふ~~~!!」

 

だが、ガメロストーアは地球人たちに情けを、贈り物(・・・)をしていた―――それこそ、滅び行くその瞬間をせめて(らく)に、(たの)しく、苦しむことのないように、楽しい夢を見たまま滅んでいくことの出来る花粉を出すギジェラだった。

 

―――ゴァバォオオオォォアアァァッ!!―――

 

地球人を、地球の仲間を滅ぼさなければならないのは心苦しいが、あくまでガメロストーアは地球そのものの、生態系の味方であり、もの凄く"平等"な調整者なのだ―――だから、地球人という一つの種族だけに肩入れをすることは決して無く、地球と生態系に徒なすならば、例えそれが元は地球の仲間でも容赦なく滅ぼさなければならないのだ。

 

同時に、地球と生態系の守り神であり、調整者だからこそ、異星人(ウルトラマン)たちとの"混ざりもの"になっても尚、半分は(・・・)地球の仲間である地球人にガメロストーアは情けをかけた。

 

そう、ガメロストーアは厳しくも優しいのだ―――自己中心的で、無責任な異星人(ウルトラマン)たちとは違う、とても立派な存在なのだ。

 

 

~合体怪獣紹介~

 

邪神 ガタノゾーア+大怪獣 ガメラ(フュージョン・ライズ)  (あら)(ぶるる)護神(まもりがみ) ガメロストーア

 

スペック:身長260m・全長444m・体重45万トン

 

データ:『ウルトラマンティガ』のラスボス「邪神 ガタノゾーア」と株式会社・大映の怪獣特撮(現・角川映画株式会社、旧名・角川大映映画)に登場する「大怪獣 ガメラ」がフュージョン・ライズして誕生した融合怪獣。

※ガメロストーアに融合しているガメラは『徳間ガメラ』―――いわゆる「平成三部作ガメラ」のガメラ(それも『ガメラ3』の、通称"ワニガメラ")である。

ある日、突如として地球に降り立ち、地球の住民である怪獣を虐殺し、オマケに地球人と交わって「地球人と異星人(ウルトラマン)の"ハーフ"」を作り出したウルトラマンたちによる"侵略行為"に対抗すべく、地球と生態系の守護神であるガメラと、地球と生態系の調整者であるガタノゾーアが互いに合意の上でフュージョン・ライズした。

地球や生態系を侵す者は何人たりとも容赦せず、例えそれが同じ地球の同士であってもあまりにも重度の環境破壊などを起こせば容赦なく粛正する。

同時に、凄まじく平等でもある―――変な情に流されず、常に中立で公平な立場で物事を判断する。

ちょっとした切っ掛けで「地球の害となるものを『破壊』して地球を守ることが目的」という役割を放り出したバトラ、そもそもが人間に創造され、挙句は『ガメラブレイン(大脳):人間を守るようにプログラムされている』という設定が存在する平成ガメラと違い、冗談抜きで平等で地球に徒なす者や危険な存在には情け容赦は無い。

 

 

容姿:一言で言ってしまえば「カブトガニ」である―――それも「(つがい)になったカブトガニ」である。

 

・ガタノゾーアの巨体の背部に覆い被さるようにしてガメラの甲羅が融合している(カブトガニも番になった場合、オスがメスの背中に覆い被さり、まるで『二つの甲羅を持った一つの生物』みたいになっている)

 

・ガタノゾーアの巨体を支える無数の脚に、ふくらはぎに蹴爪(けづめ)・『邪撃脚(カーフクロー)』が生えたガメラの太く逞しい足が加わり

 

・ガタノゾーアの無数に生えた触手と、巨大なハサミをかき分けるようにして、肘から鋭利な棘・『邪斬突(エルボークロー)』が生えたガメラの剛腕が加わり

 

・そして、逆さまに生えたガタノゾーアの顔にガメラの"目"が融合し、下顎にはガタノゾーアの赤い目が、上顎にはガメラの深緑色の目がついている

 

・腹部には後述の必殺技を放つための"第二の口"がある(※正確には口ではなく必殺技の発射口である・・・が、モチーフのカブトガニは腹部に口があるので、それを参考にしたため"第二の口"と形容した)

 

 

 

必殺技・身体能力:各怪獣の能力・必殺技が使える&強化されている。また、ギジェラを始めとした超古代怪獣たちを出現させる事も可能。

 

・頭部にある四つの目(上顎にガメラの目、下顎にガタノゾーアの目がある)は上下左右を一度に見ることが可能なので、とても視野が広い。

反面、背部はがら空き―――なようで、凄まじく頑丈な甲羅に覆われつつ、実は無数に生えた触手には独立した中枢器官(副脳)があり、それぞれ個別に自己判断を下し、敵からの攻撃に対処するため、死角は存在しない。

 

・総重量45万トンという超重量ながら、ガメラ由来の飛行能力で空を飛べるし、成層圏を出て宇宙空間でも平然としていられる(かの『空想科学読本』いわく、ガメラの飛行能力は体重5万トンのゴジラを100匹ほどぶら下げたまま飛べるらしいので、それを参考にしました※ゴジラ100匹=5万トン✕百=500万トン)

 

・口から吐く万物を燃焼させる、本来は燃焼が不可能な物質をも燃焼させる火球『煉獄炎球』

 

・同じく口から吐く、地球の生物なら何も感じる間もなく即死させ、地球外の生物でも大きなダメージと恐怖を与える"闇"を纏う黒煙『深淵覗黒霧』(※地球の生物が何も感じる間もなく即死する理由は、一応は同じ地球の仲間ゆえの、ガメストローアなりの"情け"である)

 

・その四つの目から、目の一つ一つから放てる、当たれば相手の体を石化させて二度と蘇ることのない体へと変える光線『魔眼石化光線』

 

・自慢の巨大なハサミ、無数の触手に高熱や超電解物質(プラズマ)を纏わせて対象を蒸発(・・)させる(・・・)『超昇火爪』、『超昇火手』

 

ガメラの腕に超電解物質(プラズマ)を纏わせ、触れたものを削り取るように分解・昇華させる『イデオン・・フィスト』

 

・ガメラの足に超電解物質(プラズマ)を纏わせ、触れたものを削り取るように分解・昇華させる蹴りを放つ『イデオン・レッグ』

 

・ガメラのエルボークローによる刺突や切断、カーフクローによる大外刈りや足払い系統の技も出来る

 

・また、その巨体・超重量そのものも武器として存分に使用できる

 

・そして、ガメストローア最強にして最後の切り札こそ、地球の全マナをその身に集めて濃縮して放つ『超究極(ウルティメイト)魔那(マナ)奔流(キャノン)』である―――反面、地球のエネルギーたるマナを直接消費するため、使用してしまえば地球環境が狂い、生態系もメチャクチャになってしまう欠点も存在する(ガメラの『ウルティメイト・プラズマ』とほぼ同じ)

 

 

 

肩書きの由来:地球に徒なす存在を徹底的に殲滅する「荒々しさ」と、100%平等に地球と生態系の守り神を勤める「守り神」としての二面性ゆえ、この肩書き。

 

名前の由来:ガタノゾーア(アンモナイト・頭足類)とガメラ(爬虫類・双弓類)を合体させたらまんまカブトガニで、カブトガニの属する『腿口類(たいこうるい)・メロストマ綱』の英語名『 Merostomata・メロストーマ』に"ガ"メラとガタノゾ"ーア"を混ぜた。

 

『ガ』+『メロストマ』+『ーア』=ガメロストーア

 

 

 

・余談、というか考察

 

まず、前提として・・・このお話のウルトラマンたちは『ネオフロンティスペース』のウルトラマンたちです。つまり、M78星雲のウルトラマンとは一切関係ないです。

 

で、件の『ウルトラマン=侵略者』とした理由ですが・・・実際、ウルトラマンたちは人間には肩入れする一方、怪獣は駆除しまくり・・・怪獣も地球の住民なのにね。

何で人間は助けて怪獣だけ殺しまくるのか―――彼らにとって人間は価値観が同じ、怪獣は価値観が違う"邪魔者"だからじゃないですかね?

 

 

次に、ネオフロンティアの世界ではダイゴ隊員を始めとして"巨人のDNAを持つ者"が存在する―――というか、

 

「人間は誰でも光(=ウルトラマン)になれる」

 

というダイゴ隊員の発言通り、あの世界の地球人たちは誰でもウルトラマンになれる、つまりはDNAの中にウルトラマンのDNAが混ざった"地球人と宇宙人のハーフ"なんですよ―――それが3000万年の時を経てもなお、残っています。

つまり、ネオフロンティアの世界の地球はある意味では『ウルトラの星』になっていた―――怪獣を虐殺し、地球人のDNAを書き換えたウルトラマンたちによって"侵略"されていたんですよ。

 

これ、ウルトラマンたちがやってることはガメラシリーズ最強の怪獣・レギオンと同じじゃないですか?

 

レギオンも地球を侵略した―――ただし、それはレギオンにとって"悪意の無い侵略"であり、レギオンにとっては"当たり前の行動・ただ繁殖したいだけ"でした。

 

で、ウルトラマンも同じように、自分たちは悪意はなし人間からすればウルトラマンの存在は有り難いけど、怪獣たちからすればもの凄く迷惑な"侵略者"・・・ぶっちゃけ、ウルトラマンとレギオンって大差なくないですか?

 

まぁ、ウルトラマンは言葉通じるし、悪い宇宙怪獣や宇宙人をやっつけてくれるから―――多分、それでみんな欺されるんだと思います。

 

 

んで、よくガタノゾーアは悪者あつかいですが・・・ガタノって、少なくともウルトラマンという異星人が来たとき、人類が宇宙へ進出し、地球外の物を地球へ持ち込み始めた「地球環境の激変時」にのみ目覚め、地球に徒なす存在を蹴散らそうとしていました。

コレ、僕からすれば「ガタノって地球を守ろうとしたんじゃないの?」って思えてなりません。

だって、地球環境を激変させるような出来事が起きたら・・・地球からしたら堪ったモンじゃないですよ。

だからきっと、ガタノは地球の守り神or地球の化身なんじゃないですかね・・・?

 

 

と、以上のことを踏まえて今回はウルトラマンを侵略者に、「悪意の無い侵略者」にして、ウルトラマンがやったのと同じ(ようなこと)やったレギオン、と戦ったガメラとガタノゾーアを選び、合体させました。

 

 




如何でしたか?

今回はまさかのガメラとガタノゾーアの合体・・・んで、ウルトラマンたちが悪者というか侵略者あつかいでしたが・・・見方を変えたとき、別の解釈も出来るのも面白いと思います。

で、この話を「(半分)アイデア採用話」としたかですが・・・ユーザー・オカタヌキ様のご意見を受け、もともとから考えていたものの上手く纏まらなかったアイデア(ガメラを使った融合怪獣を考えたかった)が纏まったため、お礼の意味を込めて「アイデア採用話」とさせて頂きました。

オカタヌキ様、重ねてお礼申し上げます。ありがとうございます。

しかし・・・ガタノゾーア(アンモナイト・頭足類)+ガメラ(爬虫類・単弓類)=カブトガニ、って・・・見た目だけで強引すぎるなぁ(白目)

ちなみに、僕は絶対にガメラ(特に平成三部作の)をカメ呼ばわりはしないことにしています―――

金子修介監督「そりゃ、ガメラはカメだよ。でも、カメカメ言っちゃ・・・カッコ悪いでしょ?だから、カメをカメって言わせないカッコいいガメラを撮るんだ!!そのためにも、俺らは(平成三部作)ガメラをカメとは呼ばない」

という金子監督の心意気の元、僕もガメラをカメ呼ばわりはしないことにしています(※上記の金子監督の発言は『ガメラ監督日記』という書籍から流用しました)



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第九話 神話よりの刺客・九頭の大邪(だいじゃ)!!

どうも作者です!

いやいや、今年もあと僅か・・・仕事の追込みがある一方、チビちゃんのお世話が・・・可愛いし、疲れが取れますぜ!!

色々あって更新が滞る、感想の返信が遅れたりして大変申し訳ないです。


今回のお話、今時少ない「見た目でインパクト絶大な怪獣」を目指して作った合体怪獣です。

・・・先日『ウルトラマンルーブ』にて「カミソリマーガ」が出ましたが・・・彼を見て、彼を含めた"今時の怪獣"が忘れているモノをぶち込んだ合体怪獣、是非ともご覧下さい。


―――クォカァアァガァアアァァッ!!―――

 

ある日、突如として緑豊かな星・地球を一体の"化け物"が滅ぼしかけた―――『魔王獣』という数多の星々を滅ぼした怪物の、その魔王獣の総元締めにして最強の魔王獣、その名も「超大魔王獣 マガタノオロチ」という化け物によって―――だが、

 

『俺と一緒に撃て!撃て!ウルトラマンオーブ!!」』

 

『諸先輩方、光の力・・・お借りしますっ!!』

 

『じゃあな・・・』

 

地球を滅亡の危機に瀕させたマガタノオロチであったが、二人の戦士、及び八人の光の巨人(ウルトラマン)たちによって討ち取られ、跡形もなく吹き飛ばされた。

 

これで全てが終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハズだった。

 

だが、

 

『無念だろう・・・さぞかし無念だろう。その無念、痛いほどに分かるぞ・・・無念ゆえ、黄泉の国に行くことを拒む、その飽くなき執念、気に入ったぞ・・・!!

よって、我が力を貸してやろう・・・このツクヨミの力をなぁ・・・!!』

 

当り一面が漆黒の闇に覆われた空間に響く不気味な男の声。

 

見れば、件の空間に鎧を纏った一人の男が目の前にいる・・・あのマガタノオロチを見上げ、嫌らしい笑みを浮かべていた。

 

直後、

 

『さぁ、我が力を、我が化身の力を宿し、新たなる姿に転身するがいい―――グギャオオオオオォォォォ!!―――

 

突然、鎧を纏った男の体が膨れ上がった―――かと思えば、男は一瞬で八つの頭を持ち、赤褐色の胴体と太く逞し四つ足を持つ巨大な龍に、それも悪龍(・・)たる「魔王 ヤマタノオロチ」に変化した。

 

そんな男の名は・・・「ツクヨミ」という名だ。

 

そして、マガタノオロチとヤマタノオロチが顔を合わせた時"ソレ"は起こった。

 

《フュージョン・ライズ!》

 

《超大魔王獣 マガタノオロチ!!》

 

―――クォカァアァガァアアァァッ!!―――

 

《魔王 ヤマタノオロチ!!》

 

―――グギャオオオオオォォォォ!!―――

 

《大いなる邪よ交われ!生まれ出でよ大邪よ!!大邪獣帝 九頭(クズ)(リュウ)ノオロチ!!!》

 

―――グギャァアオオォォガォアアァァッ!!―――

 

 

暗黒の世界、所謂『黄泉の国』に通じる暗黒の世界で出会った二つの"巨悪"が、

 

 

『魔王獣』という数多の星々を滅ぼした怪物の、その魔王獣の総元締めにして最強の魔王獣、その名も「超大魔王獣 マガタノオロチ」

 

 

かつて力を欲し、"とある神々"に挑みかかったものの敗れた挙句、その邪悪さ故に(かみ)()らいされ、宇宙空間の氷塊に閉じ込められた悪神―――ツクヨミが変化した悪龍「魔王 ヤマタノオロチ」

 

が交わり、新たに転身した存在、

 

ヤマタノオロチ特有の太く逞しい四つ足と長い尾を備えた巨体

 

両前脚の付け根、両肩の辺りには紅く光る一対の発光体を持ち

 

その巨体に長く伸びる八頭の首を備え―――その八つの頭は八つとも全く違っていた

 

一つは青い羽毛を生やした猛禽類のような頭

 

一つはタツノオトシゴのような顔つきの頭

 

一つは機械か鎧で覆われた亀のような頭

 

一つは赤い棘を無数に生やした鳥のような頭

 

一つは複眼になった目と頭部の角が触角のようになっている頭

 

一つは・・・何と、無数の触手を生やしている上に頭が上下逆さまになっている頭

 

一つは赤く輝く目を持つワニのような頭

 

一つは耳元まで裂けた鰐口を持ち、異様に肥大化した頭

 

といった具合に八つの頭は各々まったく違うものの、どの頭にも赤い結晶体を持つという共通点はあった

 

そんな四つ足の巨体に八つの姿形が全く異なる頭と長大な首を持つ悪龍にしてオロチたる

 

《大邪獣帝 九頭(クズ)(リュウ)ノオロチ》

 

が黄泉の世界どころか、生命溢れる現世まで轟く咆哮を轟かせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何だ・・・今のは・・・!?」

 

 

所変わって、薄暗く陰鬱な空気が漂う黄泉の国から遙か遠くにある現世(・・)の大都市・・・の片隅にある公園にいた一人の青年が不吉な音を、ある巨悪(・・・・)の轟かせた咆哮を聞きつけた。

結果、驚いた青年は思わず吹いていたハーモニカを取り落としてしまった。

 

 

その直後、

 

―――ドォオオオォォォンッ!!―――

 

「!?な、何だ!!?」

 

突然、凄まじい揺れが大都市を襲ったばかりか、大都市のど真ん中の地面が盛大に吹っ飛び、更に吹っ飛んだ地面には常闇(とこやみ)を湛える深い深い大穴が開いた。

 

そして、その常闇(とこやみ)を湛える深い深い大穴の中からソイツ(・・・)が這い出てきた。

 

―――グギャァアオオォォガォアアァァッ!!―――

 

「!?そんな・・・アイツは・・・マガタノオロチ―――いや、違う!何だ、あの化け物は!!?」

 

大都市のど真ん中に開いた常闇(とこやみ)を湛える深い深い大穴の中から這い出てきたのは・・・あのクズリュウノオロチだった。

 

当然、先の大穴の出現で大都市はパニックになっていたが、それに加えてその大穴の名から突如として化け物が現れた事により、パニックは更に大規模なものとなった。

 

―――グギャァアオオォォガォアアァァッ!!―――

 

だが、そんなことはクズリュウノオロチには当然ながら関係ない。

 

大穴の名から這い出たクズリュウノオロチはその巨体と八本の首を総動員して大都市の破壊活動を開始した―――その矢先、

 

「どうやらマガタノオロチとは少し違うみたいだが・・・人々を守るためにお前を倒す!!」

 

―――グギャァアオオォォガォアアァァッ!?―――

 

突然、クズリュウノオロチの進行方向上に一人の青年が現れた。

 

彼の名は―――『クレナイ ガイ』という、"とある超人(・・・・・)たち"の力を借りることの出来る特別な人物だった。

 

そんなガイは暴虐の限りを尽くすクズリュウノオロチをキッと見据えると―

 

「ウルトラマンさん!」

 

《ウルトラマン!》

 

―――シュワッ!!―――

 

「ティガさん!」

 

《ウルトラマンティガ!》

 

―――タァア!!―――

 

尚も暴れ続けるクズリュウノオロチを見据えたガイは、懐から二枚のカード―――光の巨人(ウルトラマン)の力が宿ったカードと、

 

「光の力、お借りします!!」

 

《フュージョン・アップ!!》

 

―――シュワッ!!――― ―――タァア!!―――

 

何かの機械―――カードに宿った光の巨人ウルトラマンの「力」を"お借りする"装置・オーブリングを取り出し、二枚のカードをスキャンさせ、

 

《ウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオン!!》

 

『俺の名はオーブ。闇を照らして悪を撃つ!』

 

二枚のカードに宿る光の巨人(ウルトラマン)の力を"お借りした"ガイは『ウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオン』に変身し、膨大な量の土砂を巻き上げながらクズリュウノオロチの前に立ちはだかった!!

 

『さぁ、俺が相手だ!!』

 

―――グギャァアオオォォガォアアァァッ!!―――

 

突如として目の前に降り立ち、構えるウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンを前に、クズリュウノオロチは吠えた―――とても憎々しげに、とても忌々しげに。

 

それもそのハズ。だってクズリュウノオロチの元になっているマガタノオロチ、ひいては魔王獣たちはウルトラマンオーブによって屠られたのだから・・・つまり、クズリュウノオロチは怨敵を目の前にしている。

 

これで"怒らない"訳がなかろう。

 

『行くぞ怪獣!!』

 

一方で、ガイもといウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンは一刻も早くクズリュウノオロチを倒すべく行動を開始した。

 

『くらえっっ!』

 

ウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンはこれ以上クズリュウノロチによる被害を防ぐべく、開口一番に必殺の光線『スペリオン光線』を放とうと構えたが―

 

―――グギャァアオオォォガォアアァァッ!!―――

 

『!?な、何だ―――』

 

突然、クズリュウノオロチが吠えた・・・かと思えばクズリュウノオロチの八本ある首の内、青い羽毛を生やした猛禽類のような頭を持つ首とタツノオトシゴのような顔つきの頭を持つ首を前に突き出しつつ、それぞれの首から突風と水を噴射した―――ばかりか、

 

―――ザンッ!!―――

 

『ぐぁっ!?何だコレは―――水の刃(・・・)!!?』

 

青い羽毛を生やした猛禽類のような頭を持つ首とタツノオトシゴのような顔つきの頭を持つ首がそれぞれ吐いた突風と水は混ざり合い、無数の鋭い水の刃(・・・)となってウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンの体を切り裂き始めた。

 

そう、これこそ

 

青い羽毛を生やした猛禽類のような頭を持つ首―――風や大気、気象を司る「風ノ魔王獣 マガバッサー」

 

 

タツノオトシゴのような顔つきの頭をもつ首―――あらゆる水や水分を司る「水ノ魔王獣 マガジャッパ」

 

の能力を合わせて作り出した"高水圧カッター"で対象を切り裂く『風水斬刃』だ!!

 

オマケに、マガジャッパ(の力を宿す首)が吐く水は凄まじい臭気を放つという特性もあるために

 

「触れれば切れる」+「気分を害する悪臭を放つ」という水の刃が出来上がってしまうのだ。

 

『ぐっ・・・!まさかこんな技を使ってくるとは・・・ならば!!』

 

クズリュウノオロチの風水斬刃を前に防戦一方のウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンであったが、どうにか近くのビルの後に回り込んで盾にしつつ―

 

「タロウさん!」

 

《ウルトラマンタロウ!》

 

―――トワァーッ!!―――

 

「メビウスさん!」

 

《ウルトラマンメビウス!》

 

―――シュヤァッ!!―――

 

クズリュウノオロチの"水"を利用した攻撃に対抗すべく、ウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンもといガイは新たにな光の巨人《ウルトラマン》の力が宿ったを二枚取り出してオーブリングにスキャンさせると―

 

「熱いヤツ、頼みます!!」

 

―――トワァーッ!!――― ―――シュヤァッ!!―――

 

《ウルトラマンオーブ・バーンマイト!!》

 

『紅に燃えるぜっ!!』

 

新たな二枚のカードに宿る光の巨人(ウルトラマン)の力を"お借りした"ガイは『ウルトラマンオーブ・バーンマイト』という新しい姿へと変身した!!

 

同時に、

 

『そんな水、蒸発させてやるぜっ―――はぁああぁぁっ!ストビュームダイナマイト!!』

 

ウルトラマンオーブ・バーンマイトへ変身したガイは盾にしていたビルの影から飛び出た直後、全身を熱く熱く加熱して炎を纏い、そのままクズリュウノオロチに向かって走り出した。

 

―――グギャァアオオォォガォアアァァッ!!―――

 

当然、クズリュウノオロチは向かってくるウルトラマンオーブ・バーンマイトに風水斬刃を乱射したが、ウルトラマンオーブ・バーンマイトが纏う超高熱の炎が風水斬刃を瞬く間に蒸発させ、全く寄せ付けなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、

 

 

―――グギャァアオオォォガォアアァァッ!!―――

 

―――ゴゴゴ・・・ゴゴゴゴゴッ!ドォオオオォォォン!!―――

 

『なっ―――がっ!?しまった―――ぐぁあぁっ!?これは・・・マグマ(・・・)っ!!?何でこんな所にマグマが・・・!?』

 

突然、クズリュウノオロチが吠えた・・・かと思えばクズリュウノオロチの八本ある首の内、機械か鎧で覆われた亀のような頭をもつ首と赤い棘を無数に生やした鳥のような頭を持つ首がひときわ大きく吠え、同時にクズリュウノオロチが両前脚で大地を叩いた。

 

するとどうだろうか、突如としてウルトラマンオーブ・バーンマイトの足下が地盤沈下を起こしウルトラマンオーブ・バーンマイトはその沈下した大地に腰の辺りまで落ち込んでしまった―――ばかりか、何と沈下した大地の下には煮えたぎり、紅蓮に燃えるマグマの奔流があるではないか!!

 

そう、これこそ

 

 

機械か鎧で覆われた亀のような頭をもつ首―――大地を、土や岩を司る「土ノ魔王獣 マガグランドキング」

 

 

赤い棘を無数に生やした鳥のような頭を持つ首―――炎を司る「火ノ魔王獣 マガパンドン」

 

の能力が合わさり生み出された、大地の下にマグマを発生させ、そこに相手を大地ごと落として焼き尽くす『地沈溶岩葬』だ!!

 

更に、

 

―――グギャァアオオォォガォアアァァッ!!―――

 

『がぁあぁっ!?今度は・・・氷!?クソッ・・・!マグマが固まって動けない・・・!!体も・・・凍る・・・!!』

 

地沈溶岩葬に見事にはハマり、ウルトラマンオーブ・バーンマイトは自身が纏う炎よりも熱いマグまでダメージを受け続けていたが、そこにクズリュウノロチが追撃をかけてきた。

 

クズリュウノロチは再びマガバッサーとマガジャッパの力を宿す首から突風と水を吐いた―――今度は水を風で極限まで冷やし、気化熱によって相手の体温を奪って更には凍結現象まで引き起こす『風水零凍結』をウルトラマンオーブ・バーンマイトに浴びせてダメージを与えつつ、ウルトラマンオーブ・バーンマイトの下半身を飲み込んでいるマグマを冷やして固め、身動き出来ないようにしてしまった。

 

―――グギャァアオオォォガォアアァァッ!!―――

 

冷気による体温低下と冷やして固めたマグマによる拘束でウルトラマンオーブ・バーンマイトを捕らえたクズリュウノオロチは嬉しそうに咆哮を轟かせつつ、ウルトラマンオーブ・バーンマイトにトドメを刺そうと歩を進めた。

 

『クソッ・・・このままじゃマズい・・・こうなったら・・・!!』

 

一方のウルトラマンオーブ・バーンマイトは迫り来るクズリュウノオロチから逃れようと踏ん張った・・・が、凄まじい冷気で冷やされた体に力は入らず、下半身を拘束するマグマはそう簡単に砕けなかった。

 

だが、そうこうしている内にもクズリュウノオロチは歩み寄ってくる―――だからこそ、

 

「ジャックさん!」

 

《ウルトラマンジャック!》

 

―――シュワッ!!―――

 

「ゼロさん!」

 

《ウルトラマンゼロ!》

 

―――ぅおりゃーーーっ!!―――

 

絶体絶命の状況と迫り来るクズリュウノオロチに対抗すべく、ウルトラマンオーブ・バーンマイトもといガイは新たにな光の巨人《ウルトラマン》の力が宿ったを二枚取り出してオーブリングにスキャンさせると―

 

「キレのいいいやつ、頼みます!」

 

―――シュワッ!!――― ―――ぅおりゃーーーっ!!―――

 

《ウルトラマンオーブ・ハリケーンスラッシュ!!》

 

『光を超えて、闇を斬る!!』

 

新たな二枚のカードに宿る光の巨人(ウルトラマン)の力を"お借りした"ガイは『ウルトラマンオーブ・ハリケーンスラッシュ』という新しい姿へと変身した!!

 

同時に、

 

『受けてみろ!オーブスラッガーランス!!』

 

―――ドォンッ!!―――

 

―――グギャァアオオォォガォアアァァッ!?―――

 

ウルトラマンオーブ・ハリケーンスラッシュは迫り来るクズリュウノオロチに対し、変身と同時に手にした槍のような武器である『オーブスラッガーランス』でクズリュウノオロチの体を突き、近寄らせまいとしていた。

 

更に、

 

『今だ!ビッグバンスラスト!!』

 

迫ろうとするクズリュウノオロチの体をオーブスラッガーランスで突き、近寄らせまいとしていたウルトラマンオーブ・ハリケーンスラッシュはそのどさくさに紛れてオーブスラッガーランスにあるレバーを引いてエネルギーを溜め、エネルギーが溜まった瞬間にオーブスラッガーランスを地面に突き立てて『ビッグバンスラスト』という技を放って自らの下半身を拘束している固まったマグマを粉砕して脱出、クズリュウノオロチに向き直り―

 

『受けてみろ!トライデントスラッシュ―――』

 

見事に固まったマグマの拘束から抜け出し、クズリュウノロチに向き直ったウルトラマンオーブ・ハリケーンスラッシュは間髪入れずに存分にエネルギーを溜めておいたオーブスラッガーランスから『トライデントスラッシュ』という技を放とうとした、正にその瞬間!!

 

―――グギャァアオオォォガォアアァァッ!!―――

 

『!?なっ―――何だ今の光は!?クソッ・・・目が見えない・・・!!』

 

ウルトラマンオーブ・ハリケーンスラッシュが構えたオーブスラッガーランスから必殺技を放とうとした刹那、クズリュウノオロチの八本ある首の内、複眼になった目と頭部の角が触角のようになっている頭を持つ首が凄まじい閃光を放ち、ウルトラマンオーブ・ハリケーンスラッシュの目を眩ましてしまった。

 

更に、

 

―――グギャァアオオォォガォアアァァッ!!―――

 

―――ドォオォンッ!!――

 

『がっ―――はぁっ・・・!?』

 

複眼になった目と頭部の角が触角のようになっている頭を持つ首―――「光ノ魔王獣 マガゼットン」の能力で放った『輝爛閃光』という目眩まし技で身動きが出来なくなったウルトラマンオーブ・ハリケーンスラッシュをクズリュウノオロチの八本ある首の内、無数の触手を生やしている上に頭が上下逆さまになっている頭をもつ首が、触手を伸ばして鞭のようにしならせてウルトラマンオーブ・ハリケーンスラッシュを思いっきり吹っ飛ばした。

 

更に、

 

―――グギャァアオオォォガォアアァァッ!!―――

 

―――ドォオオオォォォン!!―――

 

『う゛っ・・・!?クソッ・・・』

 

無数の触手を生やしている上に頭が上下逆さまになっている頭をもつ首―――「闇ノ魔王獣 マガタノゾーア」の持つ『マガ触手』でぶっ飛ばされたウルトラマンオーブ・ハリケーンスラッシュを、クズリュウノオロチは容赦なく追撃した。

 

クズリュウノオロチはマガゼットンとマガタノゾーアの力を宿す首から同時に"光"と"闇"を放つ『輝光冥闇』でウルトラマンオーブ・ハリケーンスラッシュを数十メートルぶっ飛ばし、そのまま沈黙させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、

 

 

(使え・・・俺の力を使え・・・ここは素直に力を貸してやる・・・さぁ、俺様の力を使え!クレナイ・ガイっ!!)

 

「―――!!こんな所で・・・諦めてたまるかーーーっ!!」

 

不意に、地にひれ伏したウルトラマンオーブ・ハリケーンスラッシュもといガイの頭の中に声が、低く高圧的で迫力のある声が響いた―――が、その声はため息交じりながらもガイを心配し(・・・)、後押ししたのだ。

 

お前はまだ戦えるだろう、と

 

お前はまだ諦めるんじゃねぇ、と

 

そのために"俺様"が力を貸してやる、と

 

黒い巨人(ベリアル)がガイを叱咤したのだ。

 

結果、一度は地にひれ伏したガイは跳ね起きると―

 

 

「ゾファーさん!」

 

《ゾフィー!》

 

―――ヘヤッ!!―――

 

「ベリアルさん!」

 

《ウルトラマンベリアル!》

 

―――ヴォアッ!!―――

 

自らを叱咤してくれた黒い巨人(ベリアル)のおかげで意識を取り戻したガイは、新たな光の巨人《ウルトラマン》の力が宿ったを二枚取り出してオーブリングにスキャンさせると―

 

「光と闇の力、お借りします!」

 

―――ヘヤッ!!――― ―――ヴォアッ!!―――

 

《ウルトラマンオーブ・サンダーブレスター!!》

 

『闇を抱いて…光となる!!』

 

《ウルトラマンオーブ・サンダーブレスター!!》

 

『光を超えて、闇を斬る!!』

 

新たな二枚のカードに宿る光の巨人(ウルトラマン)の力を"お借りした"ガイは『ウルトラマンオーブ・サンダーブレスター』という、禍々しくも力強い姿へと変身した!!

 

―――グギャァアオオォォガォアアァァッ・・・!!―――

 

一方で、一度は確実に倒したと思ったウルトラマンオーブが立ち上がったばかりか、今までも最も禍々しく、最も力強い姿とオーラを放ちだした瞬間、流石のクズリュウノロチも警戒を露わにした。

 

直後、

 

『ゼットシウム・・・光輪っ!!ゼットシウム光線!!』

 

警戒を露わにし、身動きを止めたクズリュウノロチに対し、ウルトラマンオーブ・サンダーブレスターは目をギラリと光らた直後、間髪入れずに二つの必殺技をいきなりぶっ放してクズリュウノオロチに攻撃した。

 

その光景はハタから見れば不意打ち―――相手が相手の場合、手段を選んでいる暇は無いし、何よりも相手が隙を晒しているなら攻撃すべきだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、

 

 

―――グギャァアオオォォガォアアァァッ!!―――

 

『なっ・・・んだとぉ!?技を・・・喰った!!?』

 

ウルトラマンオーブ・サンダーブレスターの二大必殺技がクズリュウノオロチを捉らえようとした刹那、クズリュウノオロチの八本ある首の内、耳元まで裂けた鰐口を持つ異様に肥大化した頭を持つ首が首を前に突き出し、あろうことか飛んできたウルトラマンオーブ・サンダーブレスターの二大必殺技をさも美味そうに食べて(・・・)しまった(・・・・)ではないか!!

 

そう、これこそ耳元まで裂けた鰐口を持つ異様に肥大化した頭―――「超大魔王獣 マガタノオロチ」の持つ『万物を喰らう無尽蔵の食欲』を用いた『貪飲暴食』というありとあらゆる物を喰らい、無効化してしまう能力だ。

 

更に、

 

―――グギャァアオオォォガォアアァァッ!!―――

 

―――ドォオオオオオオォォォォォォンッ!!―――

 

『がっ―――ぐぁああぁぁっ!!?』

 

必殺技を食うというとんでもない暴挙を見せたクズリュウノロオロチを前に呆然としていたウルトラマンオーブ・サンダーブレスターを尻目に、クズリュウノオロチは八本ある首の内の赤く輝く目を持つワニのような頭―――「大魔王獣 マガオロチ」の能力を使った強烈な電撃『大邪迅雷』を始め、今まで使ってきた各種の技を一度にウルトラマンオーブ・サンダーブレスターへと浴びせ、今度こそ完全にノックアウトしてしまった。

 

また、

 

―――グギャァアオオォォガォアアァァッ!!―――

 

クズリュウノオロチはバカではなかった。

 

クズリュウノオロチは先程の事で学習し、ウルトラマンオーブを完全に屠らねばらならないと思ったのか、完全にノックアウトされたウルトラマンオーブ・サンダーブレスターの元へ歩を進め、その体を文字通り"喰らってしまおう"としていた。

 

―――グギャァアオオォォガォアアァァッ!!―――

 

突き出され、ガチガチと牙を打ち鳴らしつつダラダラとヨダレを垂らすマガタノオロチの首が、今度こそ完全に沈黙しているウルトラマンオーブ・サンダーブレスターに届きそうになった、その刹那―

 

 

―――シュワッ!!――― ―――タァア!!―――

 

―――トワァーッ!!――― ―――シュヤァッ!!―――

 

―――シュワッ!!――― ―――ぅおりゃーーーっ!!―――

 

―――ヘヤッ!!――― ―――ヴォアッ!!―――

 

 

―――グギャァアオオォォガォアアァァッ!?―――

 

突然、完全に沈黙しているウルトラマンオーブの周りに何かが、ウルトラマンオーブに力を貸していた光の巨人(ウルトラマン)たちが光と共に出現し、自らの体を盾にしてウルトラマンオーブをクズリュウノオロチから遠ざけた。

 

そう、彼ら"諸先輩方"は決死の覚悟で、文字通り命がけ手頑張ったウルトラマンオーブ(後輩)のために自ら(・・)具現化し、助けに現れたのだ。

 

同時に、

 

『力を貸してくれた諸先輩方のためにも・・・俺は、負けない!!うぉおおぉぉっ!!!』

 

"諸先輩方"の助けを、"諸先輩方"の力を感じ取ったウルトラマンオーブは痛む体に鞭打って、歯を喰い張って立ち上がり―

 

『俺の名はオーブ!ウルトラマンオーブ―――銀河の光が我を呼ぶ!!』

 

立ち上がったウルトラマンオーブはオーブの本来の姿、光輝く剣『オーブカリバー』を携えた『ウルトラマンオーブ・オーブオリジン』へと変身した!!

 

直後、

 

『諸先輩方!光の力、お借りします!!』

 

―――シュワッ!!――― ―――タァア!!―――

 

―――トワァーッ!!――― ―――シュヤァッ!!―――

 

―――シュワッ!!――― ―――ぅおりゃーーーっ!!―――

 

―――ヘヤッ!!――― ―――ヴォアッ!!―――

 

『オーブスプリームカリバーーーっ―――』

 

覚醒し、本来の姿となったウルトラマンオーブ・オーブオリジンは八人の"諸先輩方"と共に、一斉に必殺技を放ってクズリュウノオロチを屠ろうとした。

 

事実、かつてこのやり方でクズリュウノオロチに合体しているマガタノオロチは屠られている―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、同じ手が二度も通じるわけがなかった。

 

―――グギャァアオオォォガォアアァァッ!!―――

 

―――シュワッ!?――― ―――タァア!?―――

 

―――トワァーッ!?――― ―――シュヤァッ!?―――

 

―――シュワッ!?――― ―――ぅおっ!?―――

 

―――ヘヤッ!?――― ―――ヴォアッ!?―――

 

『なっ!?諸先輩方―――』

 

突然、クズリュウノオロチが吠えた―――その瞬間、クズリュウノオロチは首を伸ばして"諸先輩方"を巻き取り、捕らえてしまった。

 

マガバッサーの力を宿す首がウルトラマンメビウスを

 

マガグランドキングの力を宿す首がウルトラマンタロウを

 

マガジャッパの力を宿す首がウルトラマンジャックを

 

マガパンドンの力を宿す首がウルトラマンゼロを

 

マガゼットンの力を宿す首がウルトラマンを

 

マガタノゾーアの力を宿す首がウルトラマンティガを

 

マガオロチの力を宿す首がゾフィーを

 

マガタノオロチの力を宿す首がウルトラマンベリアルを

 

と、八本の首がかつて自らを封印、あるいは討ち破った"因縁の相手"にして"憎き相手"を捕らえてしまった。

 

更に、

 

『なっ!?諸先輩方―――』

 

当然、目の前で"諸先輩方"が捕まったのに驚いたウルトラマンオーブ・オーブオリジンは驚きつつ、即座に"諸先輩方"を助けようとしたが―

 

―――グギャァアオオォォガォアアァァッ!!―――

 

『うおっ!?この、放せ―――はっ・・・?』

 

不意に、クズリュウノオロチが吠えた―――その瞬間、ウルトラマンオーブ・オーブオリジンも"諸先輩方"のように捕われてしまった・・・首ではない(・・・・)やたらネバつき、肉色の触手のような物体に。

 

そんな肉色の触手のような物体は間違いなくクズリュウノオロチの体から伸びていた。

 

当然、ウルトラマンオーブ・オーブオリジンは自分を捕らえたその肉色の触手のような物体から逃れようと、その肉色の触手のような物体の出所を、クズリュウノオロチを見て絶句した。

 

何故なら、

 

―――グギャァアオオォォガォアアァァッ!!―――

 

『ヤツの体が・・・体が、真っ二つ(・・・・)に裂けて(・・・・)いる(・・)!!?』

 

 

ウルトラマンオーブ・オーブオリジンの言う通り、今クズリュウノロチの胴体が真っ二つに裂けていた―――厳密に言えば、クズリュウノオロチの体の後ろ脚の辺りが蝶番のようになっており、その蝶番を起点として胴体の上半分と下半分が裂けているのだ―――まるで「口」のように・・・

 

そう、実際に「口」なのだ。

 

そして、件のウルトラマンオーブ・オーブオリジンを捕らえたその肉色の触手のような物体は・・・その「口」から伸びる「舌」だった。

 

―――グギャァアオオォォガォアアァァッ!!―――

 

『まさかコイツ・・・胴体そのものが口なのか!!?』

 

胴体を上と下に開き、隠していた「口」を開けたクズリュウノオロチ―――の両前脚の付け根、両肩にある紅い発光体が瞬き(・・)をして(・・・)、捕らえた9人のウルトラマンをジロリと睨んだ―

 

驚くべき事に・・・クズリュウノオロチの胴体だと思って(・・・・)いた(・・)部分(・・)も頭、言わば

 

「クズリュウノオロチの"9番目の頭"」

 

だったのだ。

 

そう、このクズリュウノオロチもとい「九頭龍ノオロチ」は

 

『本来の頭を胴体にして四つ足と尾を生やし、そこに魔王獣の力を宿したヤマタノオロチ八本の首が生えている』

 

という異形の怪物だったのだ!!

 

同時に、両肩の辺りにあった紅い発光体は"本当の目"だった。だから瞬きしたのだ。

 

―――グギャァアオオォォガォアアァァッ!!―――

 

『なっ!?何をする気だ・・・!?や、止めろ!止めろ止めろ止めろ―――』

 

―――グギャァアオオォォガォアアァァッ!!―――

 

九番目の頭を、本来の頭に備わった「口」を開け、首や舌を使ってウルトラマンたちを捕らえたクズリュウノオロチは―――その常闇(とこやみ)を湛える深い深い、何処に繋がっているかも分からない「口」へウルトラマンたちを放り込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この日、とある宇宙に浮かぶ地球という惑星が滅んだ。

 

一体の化け物に"食い尽くされて"―――

 

―――グギャァアオオォォガォアアァァッ!!―――

 

『本来の頭を胴体にして四つ足と尾を生やし、そこに『魔王獣』という"化け物"の力を宿した八本の大邪(大蛇)の首が生えている』

 

という異形の姿をした化け物・「大邪獣帝 九頭(クズ)(リュウ)ノオロチ」に食い尽くされて滅んだ。

 

その後、底なしの食欲と破壊衝動を持つ九頭(クズ)(リュウ)ノオロチもといクズリュウノオロチは次なる獲物を求め、宇宙へと飛び立ったのだった。

 

 

 

~合体怪獣紹介~

 

超大魔王獣 マガタノオロチ+魔王 ヤマタノオロチ(フュージョン・ライズ)大邪獣帝 クズリュウノオロチ(漢字表記は九頭(クズ)(リュウ)ノオロチ)

 

 

スペック 全長320m 体高72m 首長80m 体重16万4千トン

 

データ:『ウルトラマンオーブ』に登場する「魔王獣(光、闇、火、風、水、土、マガオロチ、マガタノオロチ)」と『ヤマトタケル(1994年の東宝の映画)』に登場する「魔王 ヤマタノオロチ」がフュージョン・ライズして誕生した融合怪獣。

一言で言うなら「邪悪」であり、あらゆる生命や星々を食い尽くし、滅ぼすことしか頭にない「邪((じゃ))神」である。

ただでさえ危険な思考・力の持ち主にして"神"のヤマタノオロチと、『惑星のエレメントと結びつき誕生した"歪んだ自然の分身"」と称される魔王獣が合体しているために完全に他の生命、存在と共存不可能。

目についた惑星を惑星に生きる生命、自然、惑星そのものも滅ぼす危険すぎる存在。

 

 

容姿

 

ヤマタノオロチ特有の太く逞しい四つ足と長い尾を備えた巨体=

 

『本来の頭を胴体にして四つ足と尾を生やし、そこに魔王獣の力を宿したヤマタノオロチ八本の首が生えている』

 

詳しく言えば

 

・マガタノオロチの頭部をそのまま胴体にしてそこに四肢と尾を生やし、更に魔王獣たちの力を宿した八本の首を生やしている

 

である。

 

・件の「口」はクズリュウノオロチの体の後ろ脚の辺りが蝶番のようになっており、その蝶番を起点として胴体の上半分と下半分が裂けている・・・手っ取り早く言えば「巨大顎海獣 スキューラ」みたいな感じ。

 

 

・両前脚の付け根、両肩の辺りには紅く光る一対の発光体がある(実はこれが本当の目)

 

八つの頭は八つとも全く違う。

 

一つは青い羽毛を生やした猛禽類のような頭→マガバッサー

 

一つはタツノオトシゴのような顔つきの頭→マガジャッパ

 

一つは機械か鎧で覆われた亀のような頭→マガグランドキング

 

一つは赤い棘を無数に生やした鳥のような頭→マガパンドン

 

一つは複眼になった目と頭部の角が触角のようになっている頭→マガゼットン

 

一つは無数の触手を生やしている上に頭が上下逆さまになっている頭→マガタノゾーア

 

一つは赤く輝く目を持つワニのような頭→マガオロチ

 

一つは耳元まで裂けた鰐口を持ち、異様に肥大化した頭→マガタノオロチ

 

・ただし、どの頭にも赤い結晶体(マガ結晶)を持つという共通点はある。

 

 

必殺技・身体能力:各怪獣の能力・必殺技が使える&強化されている。加えて、八つの首が持つ能力自在に合体させて技を出すことも可能。

 

・マガバッサーとマガジャッパ(風+水)で"高水圧カッター"の『風水斬刃』、水を風で極限まで冷やして気化熱によって相手の体温を奪って更には凍結現象まで引き起こす『風水零凍結』。

※当然、マガジャッパ由来の水なのでもの凄くクサイ。

 

・マガグランドキング+マガパンドン(土+火)で大地の下にマグマを発生させ、そこに相手を大地ごと落として焼き尽くす『地沈溶岩葬』、あるいは火砕流で相手を焼き尽くす。

 

・他にも風+炎で灼熱の嵐、水+土で流砂を作る、土+風で土砂や瓦礫を含んだ竜巻・・・等なども可能。

 

 

・マガゼットンの能力で撃ち出す確実に相手の目を潰す閃光・『輝爛閃光』

 

・マガタノゾーアの「マガ触手」に加え、マガゼットン+マガタノゾーア(光+闇)で撃ち出す衝撃波&相手のエネルギーを奪い取る『輝光冥闇』。

 

・マガオロチの能力で撃ち出す電撃『大邪迅雷』

 

・マガタノオロチの持つ『万物を喰らう無尽蔵の食欲』を用いた『ありとあらゆる物を喰らい、無効化してしまう能力』=『貪飲暴食』(生き物、無機物、光線、その他諸々を何でも吸収してしまう)

 

・武器・・・とは違うが、九番目の頭の口は「黄泉の国へと通じている」と言われ、呑み込まれたら二度と戻って来れない・・・マジでどこに通じているか不明。黄泉の国か、地の底か、はたまた異次元か・・・謎である。

 

・何気にヤマタノオロチの吐く高熱火焔はどの首も吐ける、両目から撃たれる『覇帝紅雷撃』もどの首も出せる、覇帝紅嵐舞も八体の息を合わせて放てる。

 

 

肩書きの由来:「大いなる邪悪=大邪」と「大きな蛇=オロチ・大蛇」をかけた「大邪」、そして「王より上の存在="皇"帝」で『大邪獣帝』である

 

名前の由来:日本各地に伝わる『九頭龍伝説』(荒ぶる神、救いの神、悪神・・・などなど色んな面がある)に登場する龍神(蛇神)にして、八岐大蛇・ヤマタノオロチ(八本首)より首が多い九頭龍・クズリュウ(九本首)を参考にした。

 

 

合体元解説

 

・魔王獣:・・・多いので簡略化&概要のみ。

TV番組『ウルトラマンオーブ』に登場した『世界を滅ぼすと言われる怪獣』たちの総称で、作品を通しての敵勢力。

遥か昔に突如地球に現れ、世界を滅ぼそうと破壊の限りを尽くしていたが、事態を察知して結集したウルトラマンたちとの壮絶な戦いの末にすべての魔王獣が封印されたらしい。

また生物というよりかはむしろ『人類の叡智を超えた"自然災害"そのもの』という扱い。

その正体は惑星(地球)に寄生した「大魔王獣 マガオロチ」の卵のエネルギーが地球のエネルギーと結びついて生まれた「大魔王獣の子供達」であり「歪められた地球の分身」らしい。

 

 

・魔王ヤマタノオロチ:1994年公開の東宝の特撮&怪獣&SF&時代劇(?)映画『ヤマトタケル』に登場する邪神月読尊(ツクヨミ)(演・阿部寛さん)が変身した怪獣。

元々ツクヨミは世界を支配しようとしたが、他の神に破れて封印されていた・・・が、ふとした切っ掛けで力を取り戻し、再び世界を支配しようと暗躍していた。その後、主人公たちに追い詰められたツクヨミは知性も理性も捨て、ただひたすら破壊と殺戮を貪る神=ヤマタノオロチに変身して主人公たちに襲いかかった。

ちなみに、ヤマタノオロチの着ぐるみは全長10m、制作期間三ヶ月、制作費用3000万円がかかっているらしい・・・大きさも費用も、文字通り「モンスター級」である。

 

 




如何でしたか?

今回のクズリュウノロチ、インパクト絶大―――まさか「胴体が頭」「胴体そのものが口」「胴体が九番目の頭」というコンセプトです。

で、前書きの下りですが・・・今時の怪獣って"何がアピールポイントか分からない怪獣"or"カッコよく見せようとして盛りすぎた怪獣"が多いと思うんですよね。

いや、カッコいいですが・・・一言で言えば「君のアピールポイントは何?」ですかね。

レッドキングなら蛇腹、バルタンなら蝉顔とハサミ、ゴルザならデカい頭・・・といった具合に「一目でアピールポイントが分かる」がウルトラ・怪獣だと思うんですが・・・

逆に、ガタノゾーアやマザーレギオン、ビオランテやデストロイア、メカゴジラ機龍みたいに芸術・凝りに凝ったデザインもいいですが、どうも最近の怪獣は・・・"何がアピールポイントか分からない怪獣"or"カッコよく見せようとして盛りすぎた怪獣"な気がします。

ついでに「耳に残るような鳴き声の怪獣」も本当にいない。

みんな似たり寄ったり、あるいは・・・何かよく分からない声のヤツ多いような気が?

「シンプル・イズ・ベスト。最近の怪獣はゴチャゴチャしてていかん」

成田イズムが正しいとは言いませんが、どうせならもっとインパクト絶大なのを出して欲しいような?


そうそう、次回はアイデア採用話です。お楽しみに!!


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アイデア採用話・奢れる文明を喰らう異なる者!!

どうも銀色の怪獣です。

さてさて、今回は読者の方から頂いた素敵なアイデアを活かしたお話です。一体どんな合体怪獣が出るのか・・・?

ちなみに、割と過激です―――グロイ、とかじゃないんですけど。

全く関係ないですが『SSSS.GRIDMAN 』でいよいよアカネが怪獣に・・・予想はしてましたが。

「怪獣好きにとって一番の名誉は・・・怪獣になることだ!!」って事ですね。

「大好きなモンスターになれて嬉しいよ!にゃははは!!(by『ドラクエモンスターズ』のカルマッソ会長)」 と同意義ですな。

有り難いじゃないか・・・僕も怪獣になったことあります(今は無き『ウルトラマンランド』で着ぐるみバイトしてましたし。「硫酸怪獣 ホー」とか「用心棒怪獣 ブラックキング」のような"背が高い人が着る着ぐるみ"を着せてもらってました)

で、僕としてはアカネはディーンツやメンジュラのような"バケモノ的な怪獣"がいいですね―――アカネの内面を投影し、尚且つアカネのような小娘に欲情・・・萌えている方々に冷水ぶっかけて欲しいので。
主人公はグリッドマンなの!!アカネとか六花とかどうでもいいの!!

前置き長くなりましたが、どうぞ!!


「明日、新マケット怪獣のテストを行う・・・と上層部からお達しがあったぞ」

 

「「「!?はぁっ!!?」」」

 

母なる星・地球を守る"防衛組織"の基地の一室に響く声。

 

見れば、件の防衛組織―――Guards for UtilitY Situation・『あらゆる状況に対応する防衛隊』こと『GUYS・ガイズ』の日本支部である『CREW GUYS JAPAN』の基地のメインルームでGUYSの隊員たちが素っ頓狂な声を出していた。

 

その原因こそ、

 

「き、急に大きな声を出すなよ・・・もう一度言うが、明日は新マケット怪獣のテストを行う。なのでGUYSはそのテストに立ち会うように、と上層部からお達しがあった。一応、私も立ち会うがね・・・以上」

 

そう言って要件だけGUYSの隊員たちに伝え、さっさとメインルームを出て行こうとするGUYS JAPAN総監補佐官の中年男性・トリヤマ・ジュウキチ 補佐官であったが―

 

「ち、ちょっと待って下さいよ!マケット怪獣はミクラスとウィンダム以外は使わないって決まったじゃないですか!!」

 

「そうですよ!二体とも頑張ってるし、前みたい(・・・)な暴走(・・・)が起きたらどうするんですか!?」

 

そう言ってトリヤマ補佐官を引き止めようとするGUYSの隊員の男女、"怪獣オタク"のクゼ・テッペイと、怪獣と心を通わせることの出来る女性アマガイ・コノミだったが、

 

「それは私に言われても困るよ。今回の新マケット怪獣の導入を決めたのは上層部だって言ったじゃないか・・・文句があるなら上に言ってくれ、上に。

では、要件は伝えたからね。明日は遅刻しないように!じゃあ、私はこれで」

 

「あっ!?ちょと待って・・・って、行っちゃよトリピー・・・」

 

「そんな・・・ミクラスもウィンダムも頑張ってるのに・・・」

 

引き止めようとするテッペイ隊員とコノミ隊員をトリヤマ補佐官は「私に言われても困る」の一言で切り捨て、さっさとメインルームを出て行ってしまったのだった。

 

ちなみに、話題に上がっていた『マケット怪獣』とはGUYSが戦力増強のために生み出した「マケット」と呼ばれる分子を使って怪獣を再現し、使役するというトンデモナイ技術の事だ―――そのトンデモなさは凄まじく、怪獣はおろか光の巨人(ウルトラマン)まで自由に作り出し、好き勝手に使用できるのだ。

 

マケット怪獣が活動し、戦える時間は一分間に限られている、あくまで作り物(・・・)であって本物の、命のある怪獣や光の巨人(ウルトラマン)を使役するわけではないとはいえ、人類が"無"から命と呼んでも過言では無い存在を、ましてや怪獣や光の巨人(ウルトラマン)といったトンデモナイ存在を使役するなど・・・命への冒涜、人類の奢り昂ぶりではなかろうか?

 

「使用時間が限られてますし、使えるのはウィンダムやミクラスみたいな大人しい怪獣じゃないとダメですね」

 

マケット怪獣がGUYSの戦力として正式採用された際、とある隊員はそう発言し、他の隊員や上司たちもそれを肯定した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『愚かだ・・・実に愚かだ。この世界の者どもは実に奢り昂ぶっておる・・・だが、好都合だ―――ふはははっ!手始めにこの世界を滅ぼしてやろう』

 

そんなGUYSを、GUYSが所持するトンデモ技術・マケット怪獣を見て不敵に笑う存在がいた―――ソイツは満点の星が浮かぶ夜空に浮かん(・・・)でいた(・・・)

 

年の頃は初老に差し掛かった男で、纏っている衣服は非常に奇妙な、修験者か僧侶のような服装に黒マントを身に纏った、目の周りに不気味な隈取りのある男が夜空に浮かび、眼下のGUYS基地内を透視(・・)して笑っていた―――男の掌にある不気味な目で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ~・・・すっかり遅くなってしまった・・・というか、疲れた・・・」

 

夜の帳が降りた街を足早に歩き、帰路についていた一人の中年男性―――あのトリヤマ補佐官その人が家路を急いでいた。

 

そんなトリヤマ補佐官が街を抜け、人通りの少ない路地裏に差し掛かった時だった。

 

「もし、そこの顔形の整った御仁。しばし待たれよ」

 

「はい?私を呼んだ・・・うぇっ!?」

 

不意にトリヤマ補佐官を呼び止める声がした―――「顔形の整った」というキーワードに釣られたトリヤマ補佐官はもの凄い笑顔でその声がした方を振り向き、直後に変な声を出して驚いた。何故なら、

 

(な、何だこの男!?何という奇抜な恰好しているんだ!!?何かのコスプレか・・・?)

 

件の声のした場所には一人の男がいた―――その袈裟のような服と黒マントを身に纏い、体中に数珠や鎖を巻き付け、極めつけは目の周りに不気味な(くま)()りまで施した修験者が、はたまた占い師のような風体の男が道ばたで座禅を組んでいたのだ。

 

ぶっちゃけ、驚かない方がおかしいだろう。

 

「そうだ。(それがし)が呼び止めたのだ。顔形の整った御仁よ」

 

「は、はぁ・・・私に何か御用ですか?」

 

「うむ、その通り。某が見た所、御仁は―――」

 

自分に声をかけてきた怪しさMAXの修験者風の男を、警戒オーラ全開かつ腰が引けた状態で見るトリヤマ補佐官・・・を特に気にした様子も無く淡々と喋る修験者風の男は突然カッと目を見開くと―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここ最近、何か重大な厄介ごとを引き起こしておられぬか?それも、御仁みずからの過失で・・・それが原因で自らの立場を危うく失うところであった・・・違うかな?」

 

「!?えっ・・・?な、何故それを・・・」

 

修験者風の男が言い放った事に目を見開いて驚くトリヤマ補佐官。

 

何故なら・・・修験者風の男の言う通りトリヤマ補佐官は少し前に"大ポカ"を、下手すれば日本が焦土と化すようなレベルの大失態をトリヤマ補佐官個人が起こした―――色々と根回し、裏で小細工をやって(一応)未然に被害を防いだが、それでも色んな人を巻き込んで相当に大変だった。

 

同時に、その大ポカはトリヤマ補佐官とごく一部の人間しか知らないハズだし、何よりも件の大ポカの原因にして元凶がトリヤマ補佐官自身だと知っている者は尚のこと少ないハズ・・・なのに、今トリヤマ補佐官の前にいる修験者風の男は大ポカのことも大ポカの元凶もズバリ言い当てた。

 

結果、トリヤマ補佐官は修験者風の男に目と心を奪われてしまった―――そう、男の術中(・・・)ハマって(・・・・)しまった(・・・・)のだ。

 

「何故、と問われれば・・・(それがし)、生来より不思議な力を有しており申してな。それで見えただけの事」

 

「は、はぁ・・・?」

 

「だからこそ、御仁の身にこれから降りかかる災厄(・・)を見過ごす事は出来ぬ。御仁、近々・・・数日の内になにか大きな事柄を試すのではなかろうか?」

 

「えっ!?あ、あぁ、はい・・・明日ちょっと・・・まぁ、地球の平和のためになるような事を」

 

「そうかそうか・・・御仁、このままでは件の一件でも何か大事が起こるぞ。某には分かる」

 

「えぇっ!?そ、それは困る!前の(・・)一件(・・)でも大事だったのに、また何か起きたら今度こそ私の首が飛ぶ・・・しかも、明日のは上層部の連中が大勢来るから言い訳も言い逃れも出来ない・・・ど、どうしよう!!?」

 

見事に修験者風の男の術中にハマってしまったトリヤマ補佐官は不安を煽られた・・・過去に色々とやらかし、保身的な面があって、オマケに中間管理職であるトリヤマ補佐官だからこそ、尚のこと修験者風の男の術中にハマり易かった。

 

と、ここで―

 

「そこでだ、御仁・・・某、困っておる者を放置するのは好か故、"コレ"を授けよう。遠慮はいらぬので受け取ってくれ」

 

「はい―――って、何ですか"コレ"は・・・?」

 

修験者風の男の言葉を真に受けて動揺しまくりのトリヤマ補佐官に対し、修験者風のことは口の端をニヤリと歪めた直後、来ている袈裟のような服の懐から何かを取り出してトリヤマ補佐官に渡した。

 

その何かとは―――

 

青い(ガンキュウ)の飾り

 

 

クラゲ?ナメクジ?とりあえず、何かの軟体動物のような生物らしき根付け

 

だった。

 

「うむ、これらはそれぞれ幸運を招く代物だ。ご存じか?『青い目』とは全てを見通し、悪しき者を退ける幸運の象徴。そして、此方は・・・まぁ、幸運を招くという代物だ。

ということで、この二つを御仁に授けよう。あぁ、お代は結構。某、他者が困っておるのが見過ごせぬので」

 

「は、はぁ・・・どうもありがとうございます」

 

「うむ、では某はこれにて。御仁、ご武運を祈りますぞ」

 

「は、はい・・・どうも」

 

修験者風の男から渡された怪しいブツ✕2を受け取りってカバンにしまい、帰路につくトリヤマ補佐官―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フフフ・・・これで手筈は整った。後は・・・後はこの魔頭の思うがままよ・・・!!」

 

修験者風の男「魔頭」は、トリヤマ補佐官が自分が渡した二つのブツをしっかりと手にしたまま帰路についたのを見てさも愉快そうに笑った。

 

そして、これが悲劇の幕開けとなる―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オーライ!オーライ!足下注意!!」

 

「はい、はい、はい、そこで降ろして下さい」

 

「よし、準備は整った。これより、新マケット怪獣のテストを行う!!」

 

 

かなり開けた土地で、慌ただしく無数のトラックが行き来して荷台に積んでいた荷物―――もとい「生ゴミ」と「粗大ゴミ」を件の土地にうずたかく積み上げていた。

 

そんな積み上げられたゴミの山を前に、完全武装したGUYSのメンバー、トリヤマ補佐官、そしてGUYSの各支部の上層部の面々が雁首を揃えて集まっていた―――トリヤマ補佐官が上層部よりお達しされた『新マケット怪獣のテスト』のために。

 

「でもよぉ、何でマケット怪獣のテストのためにゴミを集めてるんだ?もしかしてゴミの山を敵に見立てて新しいマケット怪獣に攻撃させんのか?」

 

「さぁね・・・でも、その可能性は十分あるわね。だって、ゴミなら燃やそうが爆発させようが構わないし」

 

「でも、ゴミはちゃんと処理しなダメだろ」

 

件のゴミの山を前に、こんなのほほんとしている、というかあまりにも平和な会話をするGUYS隊員、アイハラとマリナという若い隊員2名。

 

とはいえ実際の所、なぜマケット怪獣という"戦力"を持った存在のテストをするのにゴミを集めたのか?

 

 

「準備、整いました」

 

「よし、では新マケット怪獣のテストを行う!マケット怪獣、セット!!」

 

「了解!!」

 

GUYSのメンバーがのほほんと、のんきに会話している内にとうとう新マケット怪獣のテストが開始された。

 

「出てこいマケット怪獣―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バルンガ!!シルバーブルーメ!!」

 

―――ブジュゥウウ・・・―――

 

―――ヒュゥウウゥゥ・・・―――

 

GUYSの上層部の人間がセットしたマケット怪獣がいよいよ具現化された・・・が、現れたマケット怪獣はあまりにも異形だった。

 

―――ブジュゥウウ・・・―――

 

まず、全身を気味の悪い灰色の肉で構成された目も、鼻も、口も、手も、足も、何もかもが無い「肉塊」とでも言うべき姿をした謎の存在―――そんな謎の存在がまるで風船のように浮いていた。

 

このマケット怪獣は元は「風船怪獣 バルンガ」という怪獣を元に作られている。

 

―――ヒュゥウウゥゥ・・・―――

 

次に、こちらはバルンガに比べれば幾分マシ・・・なようだが、まるでクラゲか空飛ぶ円盤のような奇妙な姿と、無数の赤い触手を垂らした謎の存在が空中を浮遊していた。

 

このマケット怪獣は元は「円盤生物 シルバーブルーメ」という怪獣を元に作られている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ち、ちょっとちょっと!?どういうことですかアレ!?何でバルンガにシルバーブルーメなんて危険すぎる怪獣をマケット怪獣にしたんですか!?あの二体の危険性、分かってるんですか!!?」

 

ここで、一人のGUYS隊員がGUYSの上層部にくってかかった―――あの"怪獣オタク"のクゼ・テッペイだ。

 

「バルンガはありとあらゆるエネルギーを吸収する。シルバーブルーメは何でも食べる。それこそボガールみたいに・・・そんな危険な怪獣をマケット怪獣にするなんて頭オカシイんじゃないですか―――」

 

クゼ・テッペイがGUYS上層部にくってかかった原因、それは勿論のこと新マケット怪獣として導入されたバルンガとシルバーブルーメにあった。

 

クゼ・テッペイの言う通り、バルンガもシルバーブルーメも相当に危険な怪獣なのだ。

 

まず、バルンガという怪獣はあらゆるエネルギーを"食べる"―――飛行機や自動車の燃料や電気、ミサイルや大型台風のエネルギーも、とにかく「エネルギー」になるものは何でもを吸収し無限大に巨大化する。

しかも、エネルギーを"食べる"際は直接エネルギーに触れずとも、上を通過したり側を通り過ぎるだけでエネルギーを取り込んでしまうのだ。

 

次に、シルバーブルーメはバルンガと違ってエネルギーを食べたりはしない・・・しないだが、その代わりにシルバーブルーメは貪欲な肉食生物で、あらゆる生物を襲って食べてしまう。

オマケに、その体は伸縮自在な上に無限大にサイズを変えられる―――人間や家畜を喰うばかりか、大型の怪獣でさえも襲いかかって丸吞みにし、強力な胃酸で無残に溶かしてしまうのだ。

 

そんな危険極まりない二体を「防衛のため」が前提のマケット怪獣にするなど・・・正気の沙汰とは思えない。

だからクゼ・テッペイはGUYS上層部の人間にくって掛かったのだ。しかし、

 

「クゼ隊員、君は『ウルトラ怪獣利用作戦』というモノをご存じですか?あらゆる怪獣、宇宙人に精通しているアナタなら知らないはずはないでしょう?」

 

「ウ、『ウルトラ怪獣利用作戦』ですって!?それって確か―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『怪獣の能力を活かし、人類のために働かせたらこんな事が出来るよ!!』っていう趣旨で、『暴虐の限りを尽くした怪獣の特殊能力などを、逆に人類に降りかかる災害への救助活動、 福利厚生などに使えばどれだけ素敵だろうか』って考えられた企画のこと、ですよね?」

 

「おぉ、流石はクゼ隊員だ。よくご存じで。

その通り、実は今回の新マケット怪獣のバルンガとシルバーブルーメは防衛用よりも人類のために働かせる目的なんですよ」

 

「バ、バルンガとシルバーブルーメを人類のために働かせる?ど、どうやって・・・・?」

 

「それはですね―――"こう"です!!」

 

 

くって掛かってきたクゼ・テッペイを軽くあしらいつつ、マケット怪獣に危険極まりない二体を選んだ理由を述べるGUYS上層部。

 

そう、今回バルンガとシルバーブルーメがマケット怪獣に選ばれたのは二体を人類のために働かせようと、『怪獣の能力などを人類のために役立てよう』という一見すればとち狂った考え、通称『ウルトラ怪獣利用作戦』という過去に試みがあった計画をGUYS上層部が実行しようと考えたからだった。

 

そして、何故バルンガとシルバーブルーメが選ばれたのかと言えば、

 

―――ブジュゥウウ・・・―――

 

―――ヒュゥウウゥゥ・・・―――

 

「なっ!?シルバーブルーメが・・・生ゴミを食べている!!?で、バルンガはガスを吸っている!!?」

 

GUYS上層部の声を受けたバルンガとシルバーブルーメは空中を移動し、うずたかく積まれたゴミの山の前に止まった。

 

すると、

 

―――ヒュゥウウゥゥ・・・―――

 

まず、シルバーブルーメは生ゴミの山の前に陣取ると、自慢の無数の触手を動かし、うずたかく積まれた生ゴミの山を次から次に口に放り込み、食べ始めた。

 

―――ブジュゥウウ・・・―――

 

次に、バルンガが粗大ゴミの山の前に移動し始めた。

その際、前もってGUYSの職員が粗大ゴミの山に燃料をまき、火を放って粗大ゴミを燃やしていた。当然、様々な粗大ゴミが混同したゴミの山からはもうもうと黒煙や様々な物質が含まれるガスが上がっていた。

しかしバルンガが燃え盛り、黒煙やガスを吹き出す粗大ゴミの山の前に陣取ったとき、件の黒煙やガス類は全てバルンガに取り込まれてしまった。

 

そう、二体の危険な怪獣が役に立つのだ―――いま現在、地球上で最も繁栄した人類・・・が抱える「ゴミ問題」を。

 

増えすぎた人類が出すゴミを、地球環境を汚染し、埋め立てる場所も捨てる場所も無くなったゴミを、そのゴミを燃やす際に出る有毒なガスや汚染物資を、二体の本来は危険極まりない怪獣が始末してくれるのだ。

 

まさに

 

『怪獣の能力を活かし、人類のために働かせたらこんな事が出来るよ!!』

 

という趣旨で

 

『暴虐の限りを尽くした怪獣の特殊能力などを、逆に人類に降りかかる災害への救助活動、 福利厚生などに使えばどれだけ素敵だろうか』

 

という旨の

 

『ウルトラ怪獣利用作戦』

 

を地で行くような"好例"なのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「時は来た!今こそ、奢り昂ぶった愚か者共に破滅をもたらしてやろうぞ!!」

 

GUYS上層部が新マケット怪獣の性能テストをしていた頃、件の性能テストを遙か上空(・・・・)浮遊(・・)しながら(・・・・)見ている者がいた―――あのトリヤマ補佐官に夜道で話しかけて怪しいブツを渡した修験者風の男、真の名を「魔頭鬼十郎幻州」という"呪術師"がそこにいた。

 

そんな魔頭は新マケット怪獣、バルンガとシルバーブルーメを見てニヤリとほくそ笑むと―

 

「さぁ、その力を見せるがいい―――百目!!異星獣!!」

 

そう言って、魔頭は何か呪文を呟くと同時に両手をかざした・・・バルンガとシルバーブルーメに向かってではなく、その二体を見ているGUYS隊員や上層部たちの中にいる"ある人物"―――魔頭が怪しいブツを渡したトリヤマ補佐官に向かってだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――キィヒィイヒヒヒィ・・・!―――

 

―――ピキュゥウゥ・・・!―――

 

「んっ?何だ―――」

 

まさか上層部がバルンガとシルバーブルーメという危険な怪獣をマケット怪獣にしていたばかりか、その危険極まりない怪獣を使ってゴミ問題を解決しようとしているといる、というまさかの自体に思わず固まってしまっていたトリヤマ補佐官だったが、不意に不思議な"笑い声"と"鳴き声"を聞いた―――その次の瞬間!!

 

―――キィヒィイヒヒヒィ!!―――

 

―――ピキュゥウゥ!!―――

 

「おっわっ!?な、何だ―――」

 

突然、トリヤマ補佐官のズボンのポケットから何かが、あの修験者風の男もとい魔頭鬼十郎から渡された

 

青い(ガンキュウ)の飾り

 

 

何かの軟体動物のような生物をもした根付け

 

咆哮を(・・・)上げながら(・・・・)飛び出し、そして―

 

《フュージョン・ライズ!》

 

《風船怪獣 バルンガ!!》

 

―――ブジュゥウウ・・・―――

 

《奇獣 ガンQ!!》

 

―――キィヒィイヒヒヒィ!!―――

 

《条理と不条理の間に生まれし存在を、不条理を超えたその先を見るがいい!!奇風船獣 バルQンガ!!》

 

 

―――グジュウィヒヒヒィ・・・!!―――

 

「な、何だ・・・アレ!!?」

 

「き、気持ちわるい・・・!!」

 

「お、おえぇ・・・」

 

新マケット怪獣として導入されたバルンガとシルバーブルーメ、にトリヤマ補佐官が修験者風の男、魔頭鬼十郎に渡された怪しいブツ―――その実は魔頭が悪意を込めた"バケモノ"を宿らせた(・・・・・)()がバルンガとシルバーブルーメに合体して生まれた、

 

―――グジュウィヒヒヒィ・・・!!―――

 

見た目こそバルンガのままであるが体色は毒々しい肉色になったばかりか、その肉塊そのものの体中にはギョロギョロと動く"眼球"が無数についている"バケモノ"の

 

《奇風船獣 バルQンガ》

 

 

 

《フュージョン・ライズ!》

 

《円盤生物 シルバーブルーメ!!》

 

―――ヒュゥウウゥゥ・・・―――

 

ブロブ(不定形)タイプビースト ペドレオン》

 

―――ピキュゥウゥ!!―――

 

《不定形の化身よ生まれ出でよ!具現化するがよい軟体の悪魔よ!!  ディスクレオン!!》

 

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

 

「うーわー!こっちもこっちで・・・」

 

「キ、キモい・・・もの凄いヌメってる・・・」

 

「おげっ・・・」

 

身動ぎする度に辺りは身の毛もよだつような粘着質な音を響かせる"ソレ"はまるで直立したナメクジ―――否、ナメクジなどという可愛い代物ではないほどに不気味だった

 

そんな"ソレ"の腹にはシルバーブルーメが一体化していた

 

頭頂部にはグルグルと回転する一対の触角を持ち、胴体からは腕のような触手が出ており、何故か左の触手はシルバーブルーメの触手だ・・・そんな触手が背中から4本生えてのたうっている

 

そして、何故か"ソレ"の首らしき部分には禍々しく光る紫色の発光器(タイマー)が存在していた―――まるで光の巨人(ウルトラマン)のカラータイマーの如く存在する異形

 

《ディスクレオン―――別の世界(・・・・)での肩書きを使えばこうだ

 

 

 

 

 

ベリアル融合獣  ディスクレオン》

 

という、恐ろしいほどに不気味で異形の融合怪獣が一度に二体も爆誕したのだ。直後、

 

 

 

―――ブィヒィイウヒヒヒィ・・・!!―――

 

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

 

「う、うわーっ!?た、助けてーーーっ!!!」

 

「い、嫌だー!嫌だーーーっ!!食べないでくれーーーっ!!!」

 

「死にたくない・・・死にたくない―――」

 

 

―――グジュウィヒヒヒィ・・・!!―――

 

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

 

「オ、オイオイ・・・アイツら、人間を喰うのか!?」

 

「ヤバいぞコレは・・・!!」

 

爆誕した二体の癒合怪獣はまるで「手始めに」とでも言わんばかりに・・・自分たちの手近にいた、ゴミを運んでいた運送員たちを襲い始めた。

 

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

 

まず、ディスクレオンはその無数の触手を伸ばして逃げ惑う運送員たちを絡め取り、腹部のシルバーブルーメ由来の円形の口に運送員たちを次々と、まるで人間がお菓子を食べるかのように放り込み、さも美味そうに喰らっていた。

 

―――グジュウィヒヒヒィ・・・!!―――

 

「ど、どうしてエンジンがかからないんだ―――って、ガソリンが無くなってる!?何で・・・さっきまで入ってたのに―――」

 

また、バルQンガは直接は人間を食べる事はしないものの、バルンガ由来の「エネルギーを吸う能力」が更に強化された「その場に存在するだけでエネルギーを吸う能力」により、運送員たちが乗ってきた、乗って逃げようとしたトラックなどからガソリンを吸収し、トラックを使い物にならなくしていた。

 

結果、

 

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

 

「う、うわーっ!?た、助けてーーーっ!!!」

 

「い、嫌だー!嫌だーーーっ!!食べないでくれーーーっ!!!」

 

「死にたくない・・・死にたくない―――」

 

バルQンガによってガソリン(エネルギー)を奪われて動かなくなったトラックもとい、逃げる手立てを失った運送員たちは為す術なくディスクレオンに捕食されるという悪夢の連鎖が起きていた。

 

その一方で、騒ぎの元凶にして魔頭に利用された哀れな道化のトリヤマ補佐官は「私は悪くない・・・私は知らないぞ・・・」とただひたすらに現実逃避&責任逃れしてばかりだった・・・それほどに今回の出来事は異常だった。

 

「一刻も早くどうにかしないとマズい!・・・GUYS出動―――」

 

相変わらずのトリヤマ補佐官を尻目に、目の前で突如として起きた異変と現在進行形で起きている惨劇を前にしたGUYS隊員たちは暴れる二体の融合怪獣を止めるべく、いざという時に備えて配置しておいたGUYSの戦闘機に乗り込もうとした刹那―

 

「待って下さい。それには及びません。GUYSの出番はありません」

 

尚も暴虐の限りを尽くすバルQンガとディスクレオンを止めるべく戦闘機に向かっていたGUYSの隊員たち―――の前に立ちはだかり、オマケに「GUYSの出番はない」と断言したのはGUYSの上層部だった。

 

「はぁ!?なに言ってんだよアンタ―――」

 

当然、それに納得がいかない、意味が分からないGUYSの隊員たち、の中でも「考えるより先に手や口が動く」で有名な問題児のアイハラ・リュウがGUYS上層部に食って掛かろうとしたが―

 

「正直、この状況は|ありがたいのですよ―――何故なら、実はバルンガとシルバーブルーメとは違う、戦闘用の(・・・・)マケット(・・・・)怪獣(・・)の用意があるのです」

 

「はぁ!?新しいマケット怪獣!?それってどんなの―――」

 

食って掛かってきたアイハラを手で制しつつ、何故GUYを出撃させないか手短に説明するGUYS上層部―――そう、実はGUYS上層部は用意していたのだ。

バルンガとシルバーブルーメのように人間の役に立つ以外の(・・・)、マケット怪獣の"本来の役目"を果たす新作の(・・・)マケット怪獣を。

 

そして、GUYS上層部は目の前の惨劇をあろうことか件の新作のマケット怪獣のテストに利用しようとしているのだ―――GUYSとGUYS上層部が言い合っている間にも運送員たちが喰われているのもお構いなしにだ。

 

「どんなの、ですか・・・それは―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新マケット怪獣・・・否、怪獣を(・・・)超える存在(・・・・)のマケット超獣(・・)です!!

さあ、出て来なさいマケット超獣たち(・・)よ!!」

 

―――グルォアアアァァァ!!―――

 

―――キイイイィィィィ!!―――

 

―――ガルラァアアアァァァッ!!―――

 

―――グルオオオォォォ!!―――

 

―――ゴルゥウウウゥゥゥ!!―――

 

「!?そ、そんな・・・アレって・・・!!?」

 

「オイオイ、マジかよ・・・」

 

「ベ、ベロクロンにドラゴリー、ブロッケンにバラバ、ガマスにファイヤーモンスに・・・超獣だらけだ!!!」

 

得意気に、それでいて自信満々に件の新作マケット怪獣を召喚したGUSY上層部と、具現化した新作のマケット怪獣を見て唖然とするGUYSの面々。

 

何故なら、件の新作マケット怪獣たちがあまりにもスゴい怪獣・・・否「怪獣を上回る強さ・存在」として有名な"超獣"が件の新作のマケット怪獣だったからだ。

 

全身にミサイルや銃火器を仕込みまくった「ミサイル・マケット超獣 ベロクロン」

 

銃火器に加えて剛力と猛毒を操る「蛾・マケット超獣 ドラゴリー」

 

とあるウルトラ戦士を完封し、殺害しかけた実力者「変身・マケット超獣 ブロッケン」

 

とあるウルトラ戦士を一度倒した実力者「火炎・マケット超獣 ファイヤーモンス」

 

頭や両手に刀や鉄球を仕込み、オマケに凶暴な「殺し屋・マケット超獣 バラバ」

 

などなど、かつて暴虐の限りを尽くし、地球人類はおろかウルトラ戦士たちにまでトラウマを植え付けたような強さを誇る超獣たちがGUYS上層部によってマケット超獣として作られていたのだ。

 

「どうですか?素晴しいでしょう?まさしく自信作です。

強さは超獣ですから怪獣など足下にも及ばず、オマケにマケット超獣は活動時間が5分もあります。

そして、余計な自我などは与えておりません―――臆病なミクラス、動揺するウィンダムのような醜態は晒さない、文字通りの"マケット"ですよ彼らは。

さて、では・・・行きなさいマケット超獣たちよ!お前たちの力、あのバケモノ共に見せてやりなさいっ!!!」

 

―――グルォアアアァァァ!!―――

 

―――キイイイィィィィ!!―――

 

―――ガルラァアアアァァァッ!!―――

 

―――グルオオオォォォ!!―――

 

―――ゴルゥウウウゥゥゥ!!―――

 

唖然とするGUYS隊員たちを尻目に、自分たちが作り上げたマケット超獣たちに完全に酔いしれているGUYS上層部はマケット超獣たちをバルQンガとディスクレオンにけしかけた。

 

いくらバルQンガとディスクレオンが融合怪獣とは言えども、怪獣と超獣では力の差などが歴然だ。だからマケット超獣が勝つ―――GUYS上層部はそう信じて疑わなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、

 

 

 

―――グジュウィヒヒヒィ・・・!!―――

 

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

 

 

 

―――ギッキイイイィィィィ!?―――

 

―――グルォアアアァァァ!?―――

 

―――キイイイィィィィ!?―――

 

―――ガルラァアアアァァァッ!?―――

 

―――グルオオオォォォ!?―――

 

―――ゴルゥウウウゥゥゥ!?―――

 

「そ、そんな・・・バカな・・・!?」

 

「オイオイ、マジかよ・・・」

 

「こ、こんな事って・・・!?」

 

創造主にして"ご主人様"であるGUYS上層部の命を受けたマケット超獣たちは徒党を組んでバルQンガとディスクレオンを襲撃した。

 

―――グルォアアアァァァ!!―――

 

―――キイイイィィィィ!!―――

 

―――ガルラァアアアァァァッ!!―――

 

―――グルオオオォォォ!!―――

 

―――ゴルゥウウウゥゥゥ!!―――

 

 

 

―――ドォオオオォォォンッ!!―――

 

「ふふ、流石は超獣・・・ご覧下さい、あの圧倒的な火力と武装を。やはり、怪獣など相手になりませんね―――」

 

二体の融合怪獣を射程圏に捕らえたマケット超獣たちはご自慢のミサイルや爆弾に光線、手裏剣や酸、毒のある鱗粉に高熱火炎をドッカンバッカン乱射し、バルQンガとディスクレオンを爆炎の中に消し去った―――と思いきや、

 

 

―――グジュウィヒヒヒィ・・・!!―――

 

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

 

 

―――ギッキイイイィィィィ!?―――

 

―――グルォアアアァァァ!?―――

 

―――キイイイィィィィ!?―――

 

―――ガルラァアアアァァァッ!?―――

 

―――グルオオオォォォ!?―――

 

―――ゴルゥウウウゥゥゥ!?―――

 

「そ、そんな・・・バカな・・・!?」

 

「オイオイ、マジかよ・・・」

 

「こ、こんな事って・・・!?」

 

確かにマケット超獣たちの攻撃は一つの漏れも無く二体の融合怪獣を捉えた―――しかし、その攻撃、及び辺り一帯に漂っていた爆炎が一瞬で消え去(・・・)って(・・)しまった(・・・・)のだ。

 

―――グジュウィヒヒヒィ・・・!!―――

 

「アイツ・・・攻撃も何もかもを吸い込んだのか・・・!?あ、あの規模の攻撃を残すことなく、全部吸い込んだってのか!!?」

 

不気味で、それでいて実に嬉しそうな鳴き声を上げるバルQンガ。そんなバルQンガの全身にある無数の目が"笑っていた"。

 

無数にある目が瞳孔の部分を歪め、"笑っている"のだ。その不気味さは他に表現のしようがなかった・・・それほどに不気味で、得体の知れない不気味さがあった。

 

同時に、何故バルQンガ何故が笑っているのかと言えば・・・このバルQンガという存在、とにかく「吸収する」という事に特化している―――何せ、

 

「エネルギー」になるものなら何でも吸収する怪獣・バルンガ

 

 

「熱反応もなく生命ですらないが、消費・吸収することは出来る」という特性のあるガンQ

 

が合体して生まれた融合怪獣・バルQンガだからこそ、無数のマケット超獣たちの一斉攻撃も全て吸収できるのは納得だ。

 

だが、実はバルQンガの本領(・・)はまだまだこれからだ。

 

「ちっ!遠距離攻撃の類いはダメですか・・・ならば直接攻撃で仕留めて見せましょう!行きなさいバラバ!ドラゴリー!超獣界の殺し屋の力と超獣一の剛力、見せてやりなさい!!」

 

―――ガルラァアアアァァァッ!!―――

 

―――ゴルゥウウウゥゥゥ!!―――

 

まさかあれだけの圧倒的な火力を、恐ろしい威力と膨大なエネルギーを生み出せる攻撃を全て吸収して無効化してみせた肉塊のバケモノ(バルQンガ)をGUYS上層部は憎々しげに睨んだが、「火器などがダメならば物理攻撃を」と思い立ち、マケット超獣もとい超獣界でも特に物理攻撃が得意なバラバとドラゴリーをバルQンガにけしかけた。

 

―――ガルラァアアアァァァッ!!―――

 

―――ゴルゥウウウゥゥゥ!!―――

 

―――ドォンッ―――

 

雄々しく吠え、バルQンガに殴りかかるバラバとドラゴリー。

 

バラバは両手の鎌と鉄球を、ドラゴリーはその鋭い鉤爪の生えた剛腕をそれぞれ振りかぶってバルQンガに叩き付けた―――のだが、

 

―――グジュウィヒヒヒィ・・・!!―――

 

―――ガルラァアアアァァァッ!?―――

 

―――ゴルゥウウウゥゥゥ!?―――

 

「なっ!?あの怪獣、バラバとドラゴリーの攻撃を(・・・)吸収した(・・・・)のか!!?」

 

確かにバラバとドラゴリーはバルQンガの体を思いっきり殴った―――バルQンガはその物理攻撃も吸収したのだ―――「殴る」という行動が発生させた「エネルギー」を吸収したのだ。

 

そう、このバルQンガという存在、何と物理攻撃(が生み出すエネルギー)すらも吸収して無効化してしまうのだ―――全ては「エネルギーを吸収する」という事に極限まで特化したバルQンガだからこそできる芸当なのだ。

 

更に、

 

―――グジュウィヒヒヒィ・・・!!―――

 

―――ガルラァアアアァァァッ!?―――

 

―――ゴルゥウウウゥゥゥ!?―――

 

「なっ!?バラバとドラゴリーがあの怪獣に吸い込まれた!!?」

 

まさか「物理攻撃までエネルギーとして吸収する」という本当にまさか過ぎる能力を見せたバルQンガであるが、そのバルQンガは・・・あろうことか、自分を殴りつけたバラバとドラゴリーそのもの(・・・・)を吸収してしまった。

 

「マケット超獣」という特殊な分子で構成された生物ではなく(・・・・)高エネルギー(・・・・・)()のマケット超獣はバルQンガにとって"エサ"でしかなかったのだ。

 

詰まるところ、マケット超獣とバルQンガでは冗談抜きで勝負にすらならないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方で、

 

 

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

 

 

―――ギッキイイイィィィィ!?―――

 

―――グルォアアアァァァ!?―――

 

―――キイイイィィィィ!?―――

 

―――グルオオオォォォ!?―――

 

「い、いやーーーっ!?何コレーーーっ!!?」

 

「く、来んなこのバケモンっ!!」

 

「ひ、ひぃいっ!?来るな来るな来るな―――」

 

バルQンガが見せた特異すぎる能力・・・に目を奪われることもない、というか奪われる暇さえ無いほどに残るマケット超獣、GUYSの隊員たち、そしてGUYS上層部は大混乱に陥っていた。

 

何故なら、

 

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

 

「あ、あのナメクジとシルバーブルーメの合体ヤロー、分裂できるのか!!?」

 

件の大混乱の元凶、それこそアイハラの言う「ナメクジとシルバーブルーメの合体ヤロー」もといディスクレオン・・・が分裂し(・・・)、数の暴力によって暴虐を働いていたからだった。

 

 

 

 

 

 

―――グジュウィヒヒヒィ・・・!!―――

 

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

 

あの時、マケット超獣たちの一斉攻撃、をバルQンガが吸収してくれた(・・・・)おかげで無事だったディスクレオンは即座に行動を起こした。

 

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

 

―――ミチミチッ・・・ミチミヂッ!!―――

 

「な、何だこの気持ち悪い音は!?」

 

「と、鳥肌が立つ・・・!!」

 

突然、辺りに一体に響く肉が粘着質だが裂けるような嫌な音。そのあまりの気持ち悪さにGUYS隊員たちもGUYS上層部たちも思わず耳を塞いでしまった。そんな音の出所こそ、

 

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

 

「!?オ、オイ・・・ウソだろアレ!?あのナメクジとシルバーブルーメの合体ヤロー・・・分裂した(・・・・)ぞ!!?」

 

件の嫌な音の発生源、それこそが今まさに二体に(・・・)増えた(・・・)ディクスレオンだった―――厳密に言えば、元の(・・)ディスクレオンが胴体が左右二つに裂けて分裂していた・・・かと思えば、その二つに分裂したディスクレオンが今度はそれぞれ分裂して四体に、更にその四体がそれぞれ分裂して八体に・・・といった具合に、あっという間にディスクレオンがもの凄い数に分裂してしまった。

 

そう、何とディスクレオンは分裂が可能なのだ・・・ディスクレオンの分裂は文字通り「一つの体が二つに裂けて分裂する」ため、一度分裂をしたら体が小さくなってしまうのだ。

 

ちなみに、この分裂して小さくなったディスクレオンは「クライン」と仮称される。

 

だが、その小さくなった体だからこその"利点"と、小さくなった体を補う手段(・・・・)をディスクレオンはちゃんと持っている。それこそ、

 

 

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

 

 

―――ギッキイイイィィィィ!?―――

 

―――グルォアアアァァァ!?―――

 

―――キイイイィィィィ!?―――

 

―――グルオオオォォォ!?―――

 

「い、いやーーーっ!?何コレーーーっ!!?」

 

「く、来んなこのバケモンっ!!」

 

「ひ、ひぃいっ!?来るな来るな来るな―――」

 

分裂し、小型のクラインになったディスクレオンは今度は体を平たくした飛行形態「フリーゲン」という形態に変化した。

このクラインの状態でフリーゲンになった場合、ディスクレオンは光の速さに匹敵するスピードで飛行可能な上、シルバーブルーメ由来の光沢のある体色を備えたボディが保護色となってその姿を捉えられる者はいない。

 

そんな特性を利用してディスクレオンは相手に突撃、すれ違いざまに相手の肉を食い千切る―――自慢の触手と、絶えず体表から分泌される溶解液で相手の肉を得るのだ。

 

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

 

 

―――ギッキイイイィィィィ!?―――

 

―――グルォアアアァァァ!?―――

 

―――キイイイィィィィ!?―――

 

―――グルオオオォォォ!?―――

 

「ウソだろ!?マケット超獣が食い尽くされていく・・・!!」

 

ディスクレオンが見せたまさかの攻撃を兼ねた栄養補給(・・・・)により、50m以上の身長を誇るマケット超獣たちが次々に喰われてしまった・・・本来ならばマケット怪獣、マケット超獣とは特殊な分子で出来た非生物のため「死ぬ」や今回のように「食い尽くされる」という事はありえない。

 

だが、ディスクレオンを構成しているシルバーブルーメとペドレオンは「食べる」という事に特化した存在ゆえ、マケット超獣すら食い尽くしたのだ。

 

そして、マケット超獣を食い尽くしたディスクレオンはと言えば―

 

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

 

「ウソだろ・・・!?増えまくりやがった・・・!!」

 

「さ、最悪ですよコレ・・・!!」

 

「ど、どうしよう・・・!!」

 

マケット超獣を食い尽くしたディスクレオンは存分に"栄養"を得たため、小型だったクライン状態から最初の大型の姿、厳密に言えば「ディスクレオン・グロース」へと戻った(・・・)―――無数に、数え切れない数に分裂したディスクレオンが全てグロース個体になった結果、辺り一帯はディスクレオン・グロースだらけになっていた。

 

そして、その中心にGUYS隊員たちとGUYS上層部がワザと(・・・)取り残されていた。

 

ディスクレオンの元となった「ブロブタイプビースト ペドレオン」の持つ「知的生命体の恐怖の感情を糧とする」性質により、残されたGUYS隊員たち及びGUYSa上層部を"極上の食料"に仕立てあげたのだ。

 

そう、ディスクレオンは嫌らしいほどに知能が高いのだ。

 

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

 

数え切れないほどの数に分裂したディスクレオン、

 

―――グジュウィヒヒヒィ・・・!!―――

 

そんなディスクレオンの元へバルQンガも合流し、バルQンガは体中の目に加えて、体の下部にある特大の単眼(モノアイ)の瞳を歪め、完全に追い詰められた哀れな人間どもをあざ笑っていた。

 

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

 

辺り一帯を取り囲み、哀れな人間どもを喰っていい時を今か今かと待ちわびる無数のディスクレオン

 

―――グジュウィヒヒヒィ・・・!!―――

 

人食いのディスクレオンに取り囲まれ、恐怖で絶望する哀れな人間どもをあざ笑うバルQンガ

 

 

「終わりだ・・・どうすりゃいいんだよこんなの・・・」

 

「死にたく、ないよぉ・・・!お母さん・・・」

 

こんな絶望的な状況を前に流石のGUYSの精鋭たちもただひたすらに絶望し、涙を流していた―――

 

 

「こうなったら・・・!最後の手だ!出でよマケット―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

超獣!バキシマム(・・・・・)!!

そして、マケットウルトラファミリー(・・・・・)!!」

 

―――ギッキイイイィィィィ!!――― 

 

 

『シュワッチ!!』

 

『デヤッ!!』

 

『シュワッ!!』

 

『ダアッ!!』

 

『トアッ!!』

 

『ヤアーッ!!』

 

『タッ!!』

 

『ハッ!!』

 

『ヌゥンッ!!』

 

 

 

「「「えぇっ!?そんな、まさか・・・!!?」」」

 

だが、絶望的な状況でも諦めていない人物がいた・・・あのマケット超獣を作ったGUYSの上層部の人間だった。

 

そんなGUYS上層部の人間は奥の手として隠していた・・・"隠しざるを得なかった"マケット超獣、そして禁じ手中の禁じ手である「マケットウルトラマン」を召喚した。それこそ、

 

「ど、どうですか?あれぞ我々の作り出したマケット超獣の中でも最高傑作、その名も―――『一角紅蓮超獣 バキシマム』をモデルにした『一角紅蓮・マケット超獣 バキシマム』です。

それに加え、改良に改良を重ね、あの(・・)マケット(・・・・)ウルトラマン(・・・・・)など足下にも及ばない優秀さを持つマケットウルトラマン、のファミリーですよ」

 

「「「・・・!・・・!!・・・!!!」」」

 

絶望的な状況の中で呼び出したマケット超獣を前に、明らかな安堵の表情を見せたGUYS上層部。

 

何故なら、それほどにいま呼び出したマケット超獣、及び・・・マケットウルトラファミリーに絶対の自信があるからだ。

 

目の前の怪獣を殲滅し、自分たちを救ってくれるという自身が。

 

―――ギッキイイイィィィィ!!―――

 

まず、最後の最後に召喚されたマケット超獣こそ、数いる超獣の中でも実力・知名度・知能が最高、最強の超獣として有名な「一角超獣 バキシム」―――の強化体、バキシムの鷲のように湾曲した嘴に緑色の目、頭頂部の一本角の存在する頭部に赤い飾りが加わり、背面の橙色と蛇腹状の腹部は濃紺が特徴の体はよりマッシヴになりつつ、背中の結晶体は棘で出来た背ビレ状に変化し、そしてスパイクのような棘が無数に生えた手は火炎放射器のような形状に変化した、バキシムに紅蓮の炎の力を与えて生まれた「一角紅蓮超獣 バキシマム」を元にした「一角紅蓮・マケット超獣 バキシマム」だ!!

 

 

『シュワッチ!!』

 

『デヤッ!!』

 

『シュワッ!!』

 

『ダアッ!!』

 

『トアッ!!』

 

『ヤアーッ!!』

 

『タッ!!』

 

『ハッ!!』

 

『ヌゥンッ!!』

 

次に、怪獣を倒す専門家として宇宙中に名を届かせる『怪獣退治の専門家』ことM78星雲の光の巨人(ウルトラマン)たちをマケット怪獣やマケット超獣と同じマケットにした『マケットウルトラファミリー』の、

 

「マケットウルトラマン」

 

「マケットウルトラセブン」

 

「マケットウルトラマンジャック」

 

「マケットゾフィー」

 

「マケットウルトラマンA(エース)

 

「マケットウルトラマンタロウ」

 

「マケットウルトラマンレオ」

 

「マケットウルトラマン80」

 

「マケットウルトラの父」

 

「マケットウルトラの母」

 

「マケットウルトラマンマックス」

 

「マケットウルトラマンヒカリ」

 

といった、歴代のウルト戦士たちがマケット化されていたのだ。

 

全ては地球を、地球だけ(・・・・)を守るために―

 

「ち、ちょっと!?なに考えているんですか!!?ウルトラマンをマケットにするなんて!!?」

 

「そ、そうですよ!ウルトラマンのマケットはあの一件(・・・・)でしちゃいけないって決められたハズですよね!!?」

 

「そうだそうだ!それに、まさか全ウルトラファミリーをマケット化するなんて・・・ウルトラマンへの冒涜だ!!」

 

「はっ!もしかして・・・今日ミライを(・・・・)に基地に待機するようにアンタら上層部が命じた理由って、あのマケットウルトラマンの事があるからだったのか!!?」

 

「それに、ウルトラマンだけじゃなくてバキシマムまで用意するなんて・・・あなたたち上層部は何て恐ろしい事をしているんですか!!?」

 

突然、それまでバルQンガとディスクレオンの恐怖に怯えて縮こまっていたGUYS隊員たちがGUYS上層部に食って掛かった―――GUYS上層部のあまりに奢り昂ぶった暴虐に。

 

だが、

 

「うるさい!今はそんな悠長な事を言っている場合じゃない!!このままじゃ我々はあの怪どものエサだ!!それに、防衛のために強くて便利な兵器(・・)を、有益な(・・・)存在(・・)を利用しない手立てはないだろう!?

じゃあ、聞くが・・・お前たちGUYSだってよく分かってもないメテオール、あるいは暴走したり、他の宇宙人に奪われて悪用される危険性があるマケット怪獣を使ってるじゃないか!!それと我々が違うって言うのか!!?違わないだろう、えぇ!?

それともなにか、お前たちは『それは血を吐きながら続ける悲しいマラソンですよ』とでも言うつもりか!!?」

 

「「「・・・っ!そ、それは・・・」」」

 

一斉に食って掛かってきたGUYS隊員たちを、GUYS上層部はぐうの音も出ない"正論"で黙らせた。

 

事実、GUYS隊員たちだって今回のGUYS上層部とそう変わらないことを、変わらない技術を使って任務に当たっている―――あくまで「制約を設けている」という"建て前"はあるものの、実際のところ本質は変わらない。

 

だからGUYS隊員たちは反論できなかった。

 

「ともかく、今は生き残ることが大事だろう!さぁ、行けバキシマムにマケットウルトラファミリー!!我々を守るんだ!!」

 

―――ギッキイイイィィィィ!!―――

 

『シュワッチ!!』

 

『デヤッ!!』

 

『シュワッ!!』

 

『ダアッ!!』

 

『トアッ!!』

 

『ヤアーッ!!』

 

『タッ!!』

 

『ハッ!!』

 

『ヌゥンッ!!』

 

GUYS隊員たちをぐうの音も出ない正論で黙らせつつ、とりあえずはこの修羅場をくぐり抜けて生き残る事しか頭にないGUYS上層部はバキシマム、マケットウルトラファミリーを融合怪獣たちに突撃させた―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「愚かなり・・・実に愚かなり。この世界の者どもは痛い目に遭ったことがなかったのだろう・・・この魔頭がいた世界、あるいはあの憎き影竜(・・)がいた世界、あるいは別の世界の者どもはそれなりに痛い目に遭っていた。だから学んだ。

しかし、この世界の者どもは痛い目に遭った事が無かった・・・だから奢り昂ぶり、そして滅んだ。

実に、実に・・・愚かしく、そして愉快だ!!ふはははっ・・・!!」

 

何もかもが荒れ果て、滅んだ世界に響く笑い声。

 

その声の主は・・・あの魔頭だった。

 

そんな彼はいくつもの世界を時に呪術師として、時に怪獣として(・・・・)渡り歩き、そのおかげで実に様々なものを見てきた。

 

そんな魔頭だからこそ、この常にウルトラマンに守られ、そして「平和」と「防衛」の名の下に恐ろしい技術を何の疑いもなく使い続け、そして「痛い目に遭った事が無い」故に無知なこの世界が必ず滅ぶと分かっていた。

 

だからちょっとの手助け(・・・)をしたのだ―――その"ちょっとの手助け"で滅ぶ程度の世界だったのだ。

 

全ては奢り昂ぶった人間―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、

 

その人間たちを奢り昂ぶらせたままにした本物の光の巨人(・・・・)にも責任があるかも知れない。

 

「自分が分からんモンに頼ってどないすんねん!?」

 

「だから、同じことを繰り返さんようにせなアカンのでしょう!?」

 

「アンタの言う科学ってそんなチンケなモンか!!?」

 

とある世界、魔頭の宿敵の"剣豪"がいた世界の科学者はこう言った。

 

そう、人間は完璧ではない・・・だからこそ、必ず失敗するし、痛い目に遭う。

 

同時に、人間はバカで不完全だからこそ学習してより高みに行ける可能性もある。

 

「使用時間が限られてますし、使えるのはウィンダムやミクラスみたいな大人しい怪獣じゃないとダメですね」

 

「何だ、やっぱりただのエサじゃないか!!」

 

「あの怪獣、見た目ほど頼りにならないのよ!!」

 

だが、今回滅んでしまった世界はその痛い目に、未知の技術や強大な力が伴う危険などに遭った事が無かった―――だから滅んでしまったのだろう。

 

「さぁ、行くぞ百目に軟体の(あやかし)よ!次なる世界を目指して!!」

 

―――グジュウィヒヒヒィ・・・!!―――

 

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

 

百目もといバルQンガ、軟体の妖もといディスクレオンを伴い、魔頭はまた別の世界へと旅立った。

 

果たして次に魔頭たちの毒牙に、魔頭たちに付け(・・)入られる(・・・・)ような"隙"のある世界はどこなのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「少し電気や水道が止まったくらいで怪獣保護を諦めるなんて馬鹿げてる」

 

「怪獣はペットじゃないんだぞ!?ヤツらはデカい!動物とは訳がちがうんだぞ!?」

 

 

 

 

 

 

「おぉ、ここがいい・・・!行くぞ百目!!軟体の妖!!次はあの世界を滅ぼそうぞ!!」

 

―――グジュウィヒヒヒィ・・・!!―――

 

―――ピィヒィキュウウゥゥ!!―――

 

どうやら魔頭たちは次の標的となる世界を見付けたようだった。

 

 

 

 

 

 

 

~合体怪獣紹介~

 

風船怪獣 バルンガ+奇獣 ガンQ=奇風船獣 バルQンガ

 

 

概要:バルンガに大量の目がついて、大きな目が一つ底のところについている。

 

能力:バルンガのエネルギーを吸収する能力とガンQの吸収光線が常に放出されていて、近づくもの全てを吸収する。

 

以下、作者が加えた設定

 

・ガンQの「瞳を歪めて笑う」を"精神攻撃の一環"として行い、相手のペースを乱す

 

・「全てを吸収する能力」に至っては物理攻撃="運動エネルギー"すらも吸収して無効化する

 

 

 

ブロブタイプブースト ペドレオン+円盤生物 シルバーブルーメ=ベリアル融合獣 ディスクレオン

 

概要:ペドレオンがベース、腹の部分にシルバーブルーメが組み込まれており、左の触手がシルバーブルーメの物になっている。背中からも同じ物が四つ生えている。首(?)の当たりに融合獣共通のカラータイマー部分がついている。

 

能力:武器はそのたくさんの触手とその触手から放たれる電撃、頭部からの火炎放射と衝撃波、そして全身から常に分泌されている溶解液。さらに小さく分裂する事もでき、その時のみ光速に近いスピードを出せる。

 

名前の由来は、シルバーブルーメは"円盤"生物だからディスク、そしてペドレオンの"レオン"を合わせたもの。

 

※この怪獣・説明文はユーザー・ホネ星人様より頂きました。ホネ星人様、重ねてお礼申し上げます。ありがとうございます。

 

以下、作者が加えた設定

 

・分裂して増えることが可能。その際、小型個体はペドレオンと同じく「クライン」、飛行形態「フリーゲン(アロマロカリス的な形のアレ)」、巨大化した姿は「グロース」と仮称される。

 

※この怪獣たち・説明文はユーザー・ホネ星人様より頂きました。ホネ星人様、重ねてお礼申し上げます。ありがとうございます。

 

 




如何でしたでしょうか?

今回はユーザー・ホネ星人様より頂きました。ホネ星人様、重ねてお礼申し上げます。ありがとうございます。

で、まぁ色々と過激なこと書きましたが・・・やはり、マケット怪獣って危ないんだよね。命の概念、そしてウルトラマンすら作れる技術。恐ろしい・・・


また、作中で出した『ウルトラ怪獣利用作戦』とは、1971年発行の『小学館入門百科シリーズ ウルトラ怪獣入門』に掲載されたコーナーの一つで、コンセプトは『ウルトラ怪獣の能力を活かし、人類のために働かせたらこんな活躍をするぞ!』的な趣旨です。

その際

『捕えられた怪獣たちは、改造手術をうけ、大人しくなるだろう。そして、いろいろな超能力を生かして、美しい地球を守るために大活躍するだろう』

という一文が添えらている・・・アレ?コレってノワール星人と同じ事をしてないか?

まぁ、怪獣が役に立てばさぞかし人間社会は潤うだろう・・・"共存"か"使役"の差、でしょうがねぇ・・・

二階堂教授「あの爛々と光る眼を見てみろ!あの猛り狂った口元を見てくれ!ジラースは俺の作り上げた最高傑作だ!」→興奮しすぎたジラースに蹴飛ばされる&ジラースはウルトラマンに殺され、泣き崩れる

オオトモ博士「怪獣と人間の共存を目指すぞ!!」→「神を冒涜する行為」とバカにされる&ネオザルスに踏み殺される

ゴンドウ参謀&TPC上層部「テラノイド・F計画(人造ウルトラマン計画)で地球を護るぞ!!」→闇の巨人復活・ゼルガノイド誕生でエラい事に(F計画の隊員はシビトゾイガーに喰われ、ゴンドウ参謀は責任取って死ぬ)

稲森京子「怪獣をコントロールするわよ!」→ゴメノスに焼き殺される

浅野未来「私には彼らの気持ちが分かる!」→クラブガン&アネモスに喰われかける

ノワール星人「怪獣は資源!有効活用すべし!!」→ウルトラマンコスモスに根絶やしに

GUYS「マケット怪獣を使うで~!ついでに属性も付与するで~!!危険な怪獣もウルトラマンもマケットにできるで~!!」→受け入れられる&特におとがめなし

バトルナイザー・スパークドールズ・怪獣カード・怪獣カプセル・怪獣メダル「怪獣を好き勝手に使役するで~!!」→受け入れられる&特におとがめなし

二階堂教授・オオトモ博士・ゴンドウ参謀&TPC上層部・稲森京子・浅野未来・ノワール星人「なんでじゃぁ!?」

※上記の方々の内、数名はウルトラマンゼロにもディスられている。

ウルトラマンゼロ「(オオトモ博士を見て)平和のための研究は命を弄ぶことだけじゃないはずだ」・「(ゼルガノイドを見て)心を持たない兵器はウルトラマンではない」※『新・ウルトラマン列伝』より引用

オオトモ博士・ゴンドウ参謀&TPC上層部「だから何でじゃぁ!!?」

こんな感じ・・・?

ちなみに、次回もアイデア採用話です!!


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アイデア採用話・通信簿と赤と白

あけましておめでとうございます!!銀色の怪獣です!!

さてさて、去年から始めたこの作品、読者の皆様からいつも素敵な、素晴しすぎるアイデアが続々と頂ける有り難い状況・・・感謝感激です。本当にありがとうございます。

今年も頑張って、一刻も早く頂いたアイデアを書けるように頑張ります!!

さて、新年一発目は・・・お正月じゃ無いと、お正月だからこそ許されるであろう(ある意味)過激なネタを・・・どっちかといえば「笑い」に振りました。

さて、どんな感じか・・・お楽しみ頂けると幸いです。

では、どうぞ!!


「これは何だ」

『ベータカプセル』

「ベータカプセル?」

『困ったときにこれを使うのだ。そうすると…』

「そうすると、どうなる?」

『はっはっはっはっはっはっはっは…心配する事はない』

 

満天の星を抱く宇宙、の"とある空間"にて不思議な会話が行われていた―――その会話を行っている者たちのうち、片方が不思議な出で立ちをしていた。

 

件の会話を行っている者たちの内、一人は多数の命に溢れた惑星・地球の住民にして、その地球の平和を守る『科学特捜隊』という組織のエースパイロットのハヤタ シン隊員。

 

そして、もう一人は―

 

『私はウルトラマン・・・』

 

「ウルトラ・・・マン?」

 

『そうだ・・・私は宇宙の平和を守る宇宙警備団に属する者だ』

 

今、ハヤタの目の前には・・・身長が40mを超え、銀色の地に赤の模様、そして胸には青い光の灯ったランプを持つ巨人が、歴史上地球人類と初めて接触したM78星雲人・ウルトラマンだった。

 

そんなウルトラマンであるが、不慮の事故でハヤタを死なせてしまっていた・・・だが、心優しいウルトラマンは自らの命をハヤタに分け与え、同時に"ある使命"をハヤタに与えたのだ―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『んん~っ、やっぱりスゴいですね初代さんは!

でもね~、いくら事故とは言えども人を殺しちゃ・・・ダメですよ?犯罪ですよ?過失致傷ですよ?普通ならブタ箱行きですよ?

『私の命を上げるから許してね』とは言いますが、命を上げる代わりに自分に変わって怪獣と戦う役割を押し付けるのもねぇ?

オマケに、その際の説明をはぐらかした感じもダメですよ。ちゃんと説明しておかないと。まるで悪徳商法ですよ。

あぁ、後・・・せっかくの大スター(・・・・)怪獣(・・)が友情出演してくれたのに、その大スターの襟巻きを引ったくって、散々弄んだ挙句に仲直りするどころか霞斬りで殺しちゃうなんて・・・ねぇ?

しかも、さっきの初代さんの笑い方、アレ完全に悪党ですよ。アレは子供が見たらガッカリしますよ~

はい、ということで初代さんは思いでの補正・功績・その他を含めて総合評価99.9点です!!』

 

『シュ、シュワッ・・・?』

 

「だ、誰ですかアンタ・・・?」

 

不意に、何の前触れも無く、ハヤタとウルトラマンの会話に割って入って来た第三者(・・・)がいた。それは―

 

『あぁ、これは失礼!私・・・ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツ、と申します。以後、お見知りおきを』

 

『・・・・・・・・・』

 

「・・・・・・・・・」

 

件の第三者、もの凄い饒舌にそれでいてもの凄い早口で喋るのは・・・ハヤタと会話していたウルトラマン、に似ているが、全身が黒味がかり、両目が赤く輝く謎の黒いウルトラマン―――その名も

 

『ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツ』

 

だった。

 

そんなウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツは好き勝手に喋り終えた後、ウルトラマンに何かの書類を手渡した―――ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツが彼の独断と偏見でウルトラマンたち(・・)を採点した『ウルトラ通信簿』なる"ヒーロー(ウルトラマン)としての行動を評価をした通信簿"を手渡したのだった。

 

『では、私はこれで・・・数々の伝説を、何十年も愛されて親しまれるウルトラの歴史を旗揚げした初代さんに会えて光栄の極みです!私、この日を一生忘れません!!では、さようなら(チャオ)!!』

 

『・・・・・・・・・』

 

「・・・・・・・・・」

 

散々好き勝手に喋り、気が済んだらしいウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツは、呆然としているウルトラマンとハヤタを尻目に、妙にスッキリした顔で去って行った。

 

『さてさて、では次なるウルトラマンさんの元へ行きますか!あぁ、楽しみぃ~~~!!』

 

両手を前に突き出し、暗黒の宇宙空間を飛ぶウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツは意気揚々と次の(・・)ウルトラマン(・・・・・)の元へ(・・・)向かったのだった。

 

全ては、彼が持つウルトラ通信簿をウルトラマンたちに直接(・・)手渡すために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ、メールだ。えっと、なになに・・・

 

『背景ウルトラマン様・・・いいえ、ティガ様。是非ともお会いしてお話ししたいこととお渡ししたい物がございます。つきましては、G-地区にあるカフェ『黒星』にお越し下さいませ』

 

・・・コレって・・・まさか・・・!?」

 

とある海洋に浮かぶ巨大な基地(・・)、内にある隊員の個室内で一人の若い隊員が届いていた電子メールを開封し、驚きの声を上げていた。

 

ここは『ネオフロンティア』と呼ばれる宇宙開拓が盛んな世界(・・)であり、先の海上にある基地にはそのネオフロンティアを守る防衛組織『Global Unlimited Task Squad』通称『GUTS(ガッツ)』がいる。

 

そして、そのGUTSのメンバーであり、同時にこのネオフロンティアの世界の守護神である光の巨人(・・・・)でもあるのが先の驚きの声の主、よく言えば「優しそう」だが悪く言えば「頼りなさそう」な顔形の整った青年、マドカ ダイゴその人だった。

 

そして、ダイゴ隊員もといネオフロンティアの守護神・ウルトラマンティガはつい先日、ネオフロンティアの世界を襲った二度目の(・・・・)"闇"による襲撃を退けたばかりだった。

 

「・・・一体、誰がこんなメールを僕に送ってきたんだ?まさか・・・また、キリノさんみたいな超能力者(サイキッカー)の人が・・・?」

 

二度目の"闇"による襲撃を退け終えたばかりのダイゴ隊員の元へ届いた差出人不明の謎の電子メール。

 

果たして、その差出人とは?その目的とは?

 

 

 

 

 

 

 

「ここか・・・」

 

先の電子メールが届いた翌日、ダイゴ隊員が電子メールに記述されていた喫茶店・メニューが1230円もするコーヒーしかない『カフェ・黒星』に入れば―

 

「いやいや~!お会いできて光栄ですよ、マドカ ダイゴさん!いやぁ~やっぱりカッコいいですな~!!もうね、色々とサイコー!!人の姿も、巨人の姿も両方カッコいい!!素敵ですよ本当に!!

・・・でもね~世界のピンチには悩まずに駆け付けましょうよ~いやね、新婚ホヤホヤなのは分かりますが・・・やっぱりウルトラマン(ヒーロー)である以上は即座に駆け付けて戦わないと、でしょ?

しかも、ティガさんというか中の方(・・・)の葛藤が、後々に息子さん(・・・・)が上手に変身できないのも関わるのはちょっと・・・

後ですねぇ、ちゃんと元カノ(・・・)の事は片づけておきましょうよ~

女にだらしない、って思われますよ?というか、その元カノたった一人のせいで大事になってますし・・・いやぁ、女って怖いですよね~~~やっぱり、付き合うならちゃんと性格とかその他を見極めないと・・・ね?

というわけで、ティガさんも思いでの補正・功績・その他を含めて総合評価99.9点です!!」

 

「・・・は、はぁ・・・どうも・・・?」

 

カフェ・黒星に入ったダイゴ隊員を出迎えた者、それこそが先の会話を息継ぎも無しに喋り、明らかにドン引きしてるダイゴ隊員の手を両手で握り、ずっと笑顔の白スーツのオッサンだった。

 

ちなみに、件の白スーツのオッサンの名前はアイゼン マコトという―――"とある黒い巨人"の正体にして依り代でもあるのだ。

 

その後、アイゼンはダイゴ隊員相手にあれやこれや喋った後、満足したらしく一足先にカフェを出て行ったのだった。

 

ネオロンティアの世界とは違う世界のウルトラマンに渡したウルトラ通信簿、をダイゴ隊員にも手渡して。

 

「あの~・・・」

 

「はい、何でしょうかお客さん?」

 

「い、いえ・・・店長さん、夜鳴き蕎麦の屋台の人ですよね?って言うか、オビ―――」

 

「違う!私は店長であって、断じて夜鳴き蕎麦屋なんてやってないですよ!?ついでに、妖怪でも無いですよ!!」

 

「そうですか?でも―――」

 

「だから、人違いです!それと、お会計はさっきの人が貴方の分も支払ってくれてますから、もう帰って下さい!!」

 

ちなみに、アイゼンがカフェを出て行った直後、会計を済ませようとしたダイゴ隊員がカフェ・黒星の店長の男性とちょっとした押し問答を繰り広げていたのだった。

 

ついでに、お会計はアイゼンがダイゴ隊員の分も済ませていてくれていたらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『よぉーし!今日も張り切ってウルトラ戦士と怪獣の戦いを紹介するぞ!!今日紹介するのは―――』

 

所変わって『ウルトラころせうむ』という場所の一室に元気いっぱいな少年の声が響いていた。

 

見れば、一人のウルトラマンが―――光の巨人(ウルトラマン)とは言ってもまだまだ子供で、空を飛べない小学生の(・・・・)ウルトラマン(・・・・・)・ウルトラマンボーイが、歴代のウルトラ戦士たちについて勉強していた。

 

そして、今日ウルトラマンボーイがその戦い方、心得などを学ぼうとしているウルトラマンこそ―――

 

「はぁ~い!こんにちは!!愛と善意の伝道師、愛・染・マコト・・・改め、我が名は『ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツゥゥ!!!』

 

『・・・?オジサン、誰・・・?』

 

ポカンとしているウルトラマンボーイを尻目に、割り込むようにして現れたのはあのハイテンションの黒いウルトラマン・ ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツ(アイゼン マコト)だった。

 

『私が誰か、か・・・私はウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツ。またの名を『闇を砕き、光を与えてくれる存在』かな?』

 

『『闇を砕き、光を与えてくれる存在』・・・ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツ・・・カッコいい!オジサン、カッコいいよ!ねぇ、オジサンのこと僕にもっと教えてよ!!』

 

『はっはっはっは!OKOK!流石はボーイ君だ!分かってくれるねぇ!よしよし、ではこの私ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツの輝かしい戦歴、そしてヒーローの心構えなどを伝授しよう!!』

 

『わぁ、ありがとうオジサン・・・ううん、ウルトラマンオーブダークノ・・・ノワールブラッ・・・うう~!上手く言えないよぉ・・・』

 

『あはは、気にしなくていいよ。徐々に、少しずつ言ってくれていいんだよ』

 

最初こそポカンとしていたウルトラマンボーイだったが、ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツの持つ意外な魅力や人柄、何よりも「他のウルトラ戦士のように強くなりたい!」を心情に日夜勉強に励むウルトラマンボーイにとって、色々と(・・・)知っている(・・・・・・)ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツは絶好の"先生"になる。

 

だからウルトラマンボーイはウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツと仲良くなっていた。

 

『そうだ!ボーイ君、実はね今日はこのウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツからボーイ君に素敵なプレゼントがあるんだ。受け取ってくれるかな?』

 

『プレゼント!?わぁ、なに?』

 

『ふふふ、それはね・・・』

 

不意に、ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツがウルトラマンボーイに"プレゼント"を手渡した。それは―

 

 

「・ボーイ君は一人前のウルトラマンになるために、いつも頑張っているし、先輩方への敬語や態度が素晴しい。

ベリアル(・・・・)襲来の件は気にしなくていい。まだ子供だから仕方ない。これから頑張って強くなりましょう。

・体育が苦手なのはよくない・・・けど、頑張って得意になろう。ウルトラマンは体育が出来ないと厳しいよ。

 

・そんなウルトラマンボーイ君には私、ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツが花マルをあげましょう!!

 

 ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツ・アイゼン マコト    」  

 

 

『これ・・・成績表?』

 

『そう!その通り!これはね、ボーイ君の成績表だよ。オジサンが付けたね』

 

『あっ!花マルがしてある!!うわぁ・・・!ありがとうオジサン・・・ううん、ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツさん!!』

 

『ははは、どういたしまして・・・って、おぉ!ちゃんと言えてるじゃないかボーイ君、私の名前が!!』

 

そう、ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツがウルトラマンボーイに手渡した物、それはあのウルトラ通信簿だった・・・渡す相手が子供もとい"努力して未来ある少年"であるウルトラマンボーイだからか、通信簿の至る所には花マルがしてあり、文面も優しい感じだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『じゃあねウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツさん!また来てね!!』

 

『あぁ、勿論だよ!私がいなくても、一人前のウルトラマンになるための勉強、頑張ってね、ボーイ君!!』

 

『うん!僕、頑張るよ!それにこの通信簿、大事にするね!!』

 

『あぁ、大事にしてくれたまえ!では、さらばだ―――トゥワッ!!』

 

ウルトラマンボーイの元にウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツが現れてから何時間か経った後、「用がある」と言ってウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツはウルトラマンボーイの元を去った。

 

その際、ウルトラマンボーイはいつまでもいつまでもウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツの後ろ姿を手を振って見送り、ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツが手渡したウルトラ通信簿を大事に握り締めていたのだった。

 

『フフッ、子供は純粋でいいよなぁ・・・その心、思いやり、そして『真のヒーローとは何か』を忘れないでくれよボーイ君・・・』

 

ウルトラマンボーイと交流を深め、更にウルトラ通信簿を渡したウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツは、純粋で未来あるウルトラマンボーイが"正しいヒーロー"に育ってくれるようにと願った―――かつて、ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツの正体(・・・)である「精神寄生体 チェレーザ」がウルトラマンボーイに自らの幼少の頃を、ヒーローに憧れていた幼少の頃を重ねていたからだ。

 

『さて、次はどのウルトラマンさんの所に行こうか・・・う~む、行くべき所は回ったから、今度は行きたくないところを回らねばならないからなぁ・・・どうしよう。

どこから回るか・・・はぁ、仕方ない。どうせ行きたくないところを回るんだ。どうせなら、行きたくないところの中でも、更に行きたくないところから回るか―――あぁ、嫌だ嫌だ!そうなると、間違いなくあのどら息子(・・・・)のところに真っ先に行くハメになるじゃないかーーーっ!!』

 

ウルトラマン、ウルトラマンティガ、ウルトラマンボーイ、を始めとしたウルトラ戦士たちの元を訪れウルトラ通信簿を渡しまくっていたウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツであったが、その訪れる基準はウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツが好きな、ウルトラマンとして尊敬しているウルトラ戦士ばかりえり好みしていたため、今となってはウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツが嫌いなウルトラマンしか残っていなかった。

 

だが、それでもせっかく用意したウルトラ通信簿を渡すために、ついでに嫌いなウルトラマンに「文句の10個や20個でも言ってやるか」ぐらいの気持ちに切り替え、ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツは彼が嫌うウルトラマンたちの元へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、

 

 

 

 

 

『ぎ、ぎぃやぁああぁっ!?何でこんな事になってるんだーーー!!?意味が分からないーーーっ!!!』

 

もの凄い勢いで走り、かなりの大声で悲鳴を上げながら逃げ惑うウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツ・・・そう、彼は今まさに終れていたのだ。

 

コイツら(・・・・)に。

 

『レッドファイト!レッドファイト!!レッドファイッ!!!』

 

『待て!この悪党めっ!!仏様を大切にしろ!大切にしない奴は死ぬべきなんだ!!』

 

逃げ惑うウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツを、手にした槍やらナイフやら三叉槍(トライデント)を振りかざして追うのは、

 

残虐非道で、一歳の情け容赦なく相手を殲滅する怪獣退治の(専門家)プロフェッショナル、通称「赤い通り魔」の異名を持つレッドマン

 

 

勇敢で優しい・・・というか、情け容赦ないわ融通が利かないわ、挙句はどう見ても悪役にしか見えない振る舞いや言動が特徴の「白猿」ことハヌマーン

 

に、ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツが追われていた。

 

『ひ、ひぃいいぃぃっ!?な、何でこんな事に・・・そりゃ、行き先の設定をテキトーにしたけど、何もよりにもよって連中のところに行き着くなんて・・・!!最悪だぁああああぁぁぁーーーっ!!!』

 

必死で逃げるウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツ。

 

実のところ、ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツがレッドマンとハヌマーンに負われている原因はウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツにあった―

 

 

『あーもー、行きたくないなぁ・・・会いたくないなぁ・・・特にあのどら息子とか。はぁ~あ、いく気が失せるなぁ・・・もういいや、テキトーで』

 

時は少し遡り、ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツがウルトラ通信簿を色んなウルトラ戦士に渡して回っていたときのこと。

 

実はウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツは世代を超え、時空を超え、世界観すら超える事ができるのだ―――どっかの怪しい太った喜劇王(チャップリン)みたいな宇宙人から買った特殊な機械で。

 

そう、ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツは件の太った喜劇王(チャップリン)みたいな宇宙人から買った特殊な機械でウルトラ戦士の元を訪れていたのだ。

 

『あーもー、行きたくないなぁ・・・会いたくないなぁ・・・特にあのどら息子とか。はぁ~あ、いく気が失せるなぁ・・・もういいや、テキトーで』

 

が、ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツは彼が会いたくないウルトラ戦士の元へ行かなければならなくなった際、彼の「(自分が)嫌なウルトラマンの元へ行きたくない」や「(自分が)会いたくないウルトラマンと会うのは本当は嫌だな」という気持ちが先行し、件の特殊な機械をテキトーに操作してしまった・・・結果、

 

『レッドファイト!レッドファイト!!レッドファイッ!!!』

 

『待て!この悪党めっ!!仏様を大切にしろ!大切にしない奴は死ぬべきなんだ!!』

 

『ぎ、ぎぃやぁああぁっ!?何でこんな事になってるんだーーー!!?意味が分からないーーーっ!!!』

 

尚もレッドマンとハヌマーンの残虐非道・無慈悲な"鬼畜ヒーロー"に追われ続けるウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツ―――そう、こうなってしまったのはウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツ自身に原因があったからだった。

 

とはいえ、

 

『レッドアロー!レッドナイフ!!』

 

『逃げるなこの悪党めっ!!観念して死ねーーーっ!!』

 

『!?ヤ、ヤバい―――』

 

いくら偶然が招いてしまった悲劇とはいえ、訳の分からない内に追われて殺されそうになっているウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツと、何となく見た目と直感で悪党だと決めつけて殺そうとしているレッドマンとハヌマーン(鬼畜ヒーローコンビ)の追いかけっこは終わりが見えなかった。

 

だからこそ、レッドマンは必殺武器のレッドナイフとレッドアローを、ハヌマーンは自慢の武器である三叉槍(トライデント)に加え「当たれば相手の肉を吹き飛ばして骨だけにする風」を、ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツの背に向かって同時に放った―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『お、お前らのようなヒーローの風上にも置けない外道に殺されてたまるか!!喰らえ!『ダークストビュームダイナマイト』っ!!!』

 

迫り来る投函武器や危険な風を前に、バっと振り向いたウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツは手にしてい『オーブリングNEO』のボタンを押して必殺技を、最強クラスの必殺技『ダークストビュームダイナマイト』をぶっ放した。

 

『ヤッ!?』

 

『な、何だ―――』

 

ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツの放ったダークストビュームダイナマイトはレッドマンとハヌマーンの武器や技を消し飛ばしつつ、全く衰えない威力のままレッドマンとハヌマーンに直撃して二体を爆炎の中に呑み込んだ。

 

『ははは・・・ははははっ!はーっはっはっはっ!!み、見ろ!正義は勝つのだ!!

ふふん、貴様らのような鬼畜外道で、ヒーローの風上にも置けない連中、死んで当然だ!特に白猿!お前は色々と(・・・)迷惑を(・・・)かけた(・・・)分際で、まだ迷惑をかけるつもりか!?

もし、貴様らに点数を付けるなら最低点も最低点!貴様らに渡すウルトラ通信簿など無いっ!!

というか、評価するにも値しない最悪の存在だよお前らはっ!!お前たちはウルトラマン・・・いいや、ヒーローとして落第点でありヒーローを名乗ってはならない!!」

全く、貴様らのような連中が同じ系列(・・・・)にいるなんて・・・嘆かわしい―――』

 

必殺のダークストビュームダイナマイトで二大鬼畜ヒーローを消し飛ばしたウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツは冷や汗を拭いつつ、レッドマンとハヌマーンをその内に呑み込んでいまだに燃え続ける爆炎に向かって暴言を吐いた―――その矢先だった。

 

『レッド・・・ファイッ!!』

 

ブッダ()よ・・・我に力をっ!!』

 

『!?な、何だアレは―――』

 

突然、レッドマンとハヌマーンをその内に呑み込んでいまだに燃え続ける爆炎が晴れた―――その晴れ間の中にレッドマンとハヌマーンが確かにいた・・・が、それはレッドマンとハヌマーンの"魂"であり"執念"だった。

 

そして、その"魂"であり"執念"はある一つの思いであの世には行かずにその場に留まっていた―――

 

「あの|ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツ《悪者》をぶっ殺したい!!」

 

という思いで。

 

そして、その思いが天に、あるいは仏様に通じたのか・・・奇跡が起きた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

起きてはいけない奇跡が起きてしまった。

 

 

 

それこそ、

 

《フュージョン・アップ(・・・)!!》

 

《赤い通り魔 レッドマン!!》

 

『レッドファイト!!』

 

《白猿 ハヌマーン!!》

 

『仏様を大切にしろ!大切にしない奴は死ぬべきなんだ!!』

 

《大いなる慈悲の心で人々を救済せよ!清らかな心で諸々の悪業や煩悩の苦しみを清めよ!!宝生(ほうしょう)阿弥陀 レッドハヌマーン!!》

 

『正義の名の下に・・・全てを清めるぅヴゥッ!!!』

 

 

 

『なっ!?なななななななななななな・・・何だとーーーっ!!?あの最悪の二体が・・・フュージョン・アップしたぁああああぁぁぁーーーっ!!?』

 

 

"起きてはいけない奇跡"を目の当たりにしたウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツは片時も離さなかったオーブリングNEOを取り落とすほどに動揺し、同時に絶望していた―――それほどに、今ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツの目の前に現れた存在が・・・ヤバいのだ。色んな意味で。

 

『正義の名の下に・・・全てを清めるぅヴゥッ!!!』

 

まるで地の底から響くような禍々しい声を轟かせつつ、その異常なまでに発達した剛腕の先にある鉤爪の生えた両拳を握るのは―

 

全身から悪鬼羅刹すら裸足で逃げ出すであろう殺意の波動を常に全開で放ち

 

見た目こそレッドマンそのまま・・・と言っても、細身だったレッドマンの体が異常なまでに筋肉質で逆三角形の体型となり

 

レッドマンが身に纏っていた赤いボディースーツは、ハヌマーンの故郷・タイの王族が纏う衣装・『スア・プララーチャターン』のようになりつつ、腕や足には腕輪や足輪を付け

 

顔はレッドマンそのまま・・・に見えるが、口がハヌマーンのように大きく裂け、オマケにハヌマーンが顔に施していたのと化粧が施された

 

 

力強く百戦錬磨のレッドマンと、仏教における「平等性智(びょうどうしょうち)」を司る赤の宝生(ほうしょう)如来(にょらい)

 

 

神仏の守護神にして最強のハヌマーンと、仏教における「妙観察智(みょうかんさっち)」を司る白の阿弥陀如来

 

の加護を受けた最強の戦士・《宝生阿弥陀 レッドハヌマーン》が今ここに爆誕した!!

 

 

『あ、ああぁ・・・ヤバいぞ・・・コレは・・・早くにげ―――』

 

目の前で起きてしまった起きてはならない奇跡によって爆誕したレッドハヌマーンを前に、流石のウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツ流石のも取り乱し、何の躊躇もなく逃げようとした―――が、

 

『逃が・・・さんっ!悪は全て滅べーーーっ!!!』

 

『ひっ!?うわぁあああぁぁぁ―――』

 

ガクガクと震える足に鞭打ち、どうにか逃げだそうとしたウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツに飛び掛かるレッドハヌマーン―――

 

この後がどうなったのか、それは―――誰にも分からない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただ、粉々に砕け散ったオーブリングNEOと、大地にまるで墓標の(・・・・)如く(・・)突き刺さったウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツ愛用の剣・『オーブダークカリバー』が全てを物語っているのだった。

 

 

 

 

 

 

 

~登場ヒーロー(?)紹介~

 

赤い通り魔 レッドマン+白猿 ハヌマーン=宝生(ほうしょう)阿弥陀 レッドハヌマーン

 

概要:混ぜるな危険みたいなノリな合体獣・・・ヒーローでは無く「獣」(色んな意味で)

 

特徴:悪人やら怪獣に容赦なくぶちのめす(レッドマン本編そのまんま・・・)。

殺意の波動みたいなノリなものを常に発散していて、レッドハヌマーンに狙われたら念仏唱えるしかないと言う絶望感(例えるならば・・・『必〇仕事人』に出て来る悪党の末路感)。

そのあまりの強さ、外道っぷりに善玉なヒーローからは白眼視されてる「ダークヒーロー(笑)」である。特にコスモスとの因縁が深い(怪獣保護の観点で)。

声はまさかの二又一成さん(某映画のハヌマーンの声)

 

 

※このヒーロー・説明文はユーザー・ナインボール77様より頂きました。ナインボール77様、重ねてお礼申し上げます。ありがとうございます。

 

 

以下、作者が加えた設定など

 

 

レッドハヌマーンの見た目:

・見た目こそレッドマンそのまま・・・と言っても、細身だったレッドマンの体が異常なまでに筋肉質で逆三角形の体型。

 

・レッドマンが身に纏っていた赤いボディースーツは、ハヌマーンの故郷・タイの王族が纏う衣装・『スア・プララーチャターン』のようになりつつ、腕や足には腕輪や足輪を付け

 

・顔はレッドマンそのまま・・・に見えるが、口がハヌマーンのように大きく裂け、オマケにハヌマーンが顔に施していたのと化粧が施されていて怖い。

 

 

ちなみに、肩書きの『宝生(ほうしょう)阿弥陀』とは、

 

仏教における「赤」と「白」に対応した仏様、

 

赤=宝生(ほうしょう)如来:平等性智(びょうどうしょうち)→『すべての現世のものが平等であることを知る智慧』

 

白=阿弥陀如来:妙観察智(みょうかんさっち)→『全ての現世のものを正しく見極める智慧』

 

で、それぞれ赤=レッドマン、白=ハヌマーンに当てはめました・・・「正しく見極める」とか「平等」ってどの口が言えるかこの合体獣は・・・

 

 

技:基本、レッドマン・ハヌマーンの技は全部使える(武器も含め)し、全ての技の威力が強化されている・・・もう、絶望しか無い(苦笑い)

 




如何でしたでしょうか?

今回はユーザー・ナインボール77様よりアイデアを頂きました。ナインボール77人様、重ねてお礼申し上げます。ありがとうございます。

ぶっちゃけ『ハーメルン』内、あるいはネット上などでも散々クソコラの餌食(?)になった赤い男と白い猿の融合、面白おかしく出来たしたかね・・・?

「バトルとかが無くてつまらない」と仰られたら申し訳ないです―――いや、最初はガッツリと社長がヒドい目に遭ってたんですが・・・ヤバかったので省きました。
だって・・・うん、ヤバかったです。ハイ。

まぁ、お正月なので過激・やり過ぎでも許して下さい(昔はお正月と言えば平然と過激な事やってましたし・・・『志村〇鶴瓶のあぶない交遊録』とかその典型例ですし・・・いいよね?)

で、対戦相手が"あの社長"だった理由は・・・やはり「礼の通信簿とかを(一応)円谷・ウルトラ系列のレッドマン、ハヌマーンに当てはめたらどうか?」という素朴な疑問からです。

まぁ、結果はヤバいことになるのは確定でしょうが。

さて、今年も頑張って投稿を、読者の皆々様から頂いた素晴しすぎるアイデアが溜まる一方、全然書けなくて申し訳ないです・・・精進いたしますので、どうかよろしくお願い致します。

そして、次回もアイデア採用話です!


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アイデア採用話・絶望の化身、暗黒の竜人!!

どうも銀色の怪獣です。

さてさて、今回は読者の方から頂いた素敵なアイデアを活かしたお話です。一体どんな合体怪獣が出るのか・・・?

何というか・・・書いてて「疲れた」―――素敵なアイデア故、色々と模索したり、頭を捻ったので「いい意味で疲れた」のです。

そんなお話、お楽しみ下さい。

では、どうぞ!!


―――ピキュゥウゥ!!―――

 

―――ガルルゥ・・・!ガゥウゥオオォッ!!―――

 

―――ヴゥルルル・・・!グルォオオオォッ!!―――

 

身の毛もよだつような咆哮を轟かせ、市街地を目指して猛進する三体の巨大な―――異形の怪物(クリーチャー)がそこにいた。

 

そう、先の咆哮の主たちは怪獣(モンスター)というよりも怪物(クリーチャー)なのだ。

 

―――ピキュゥウゥ!!―――

 

まず、身動ぎする度に身の毛もよだつような粘着質な音を響かせる"ソレ"はまるで直立したナメクジ―――否、ナメクジなど比べものにならない程に不気味な不定形(ブロブ)怪物(クリーチャー)

その名を「ブロブタイプビースト ペドレオン」という。

 

―――ガルルゥ・・・!ガゥウゥオオォッ!!―――

 

次に、獰猛な狼のような頭部が二つと、胴体のど真ん中に口だけで目も鼻も無い深海魚のような顔、の計三つの頭部を持つ異形の怪物(クリーチャー)

その名を「フィンディッシュタイプビースト ガルベロス」という。

 

―――ヴゥルルル・・・!グルォオオオォッ!!―――

 

最後に、一見すればネズミのようであるが、まるで生皮を剥がれたかのように筋繊維がむき出しのような体、異常に長く鋭い両手の鉤爪と口外へと飛び出た前歯、というペドレオンやガルベロス以上に醜悪で不気味な怪物(クリーチャー)

その名を「フィンディッシュタイプビースト ノスフェル」という

 

―――ピキュゥウゥ!!―――

 

―――ガルルゥ・・・!ガゥウゥオオォッ!!―――

 

―――ヴゥルルル・・・!グルォオオオォッ!!―――

 

とにかく不気味で異形の怪物(クリーチャー)、ペドレオン、ガルベロス、ノスフェルは揃って市街地を目指している―――三体は市街地に"食事"に向かっているのだ。

 

そう、"食事"に向かっているのだ―――彼らは人を食べるのだ。

 

そんな彼らはX(カイ)(じゅう)、あるいは異星獣(スペースビースト)という、他の生物を取り込む(ほしょくする)事で成長・進化を行う性質を持ち、特に人間などの知的生命体を捕食する事を好むために『知的生命体の天敵』と言われる特級の危険生物である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、

 

「行くよエックス!」

 

『了解だダイチ!!』

 

―――ピキュゥウゥ!!?―――

 

―――ガルルゥ・・・!?ガゥウゥオオォッ!!―――

 

―――ヴゥルルル・・・!?グルォオオオォッ!!―――

 

人間を食べるために市街地に向かっていた三体の異星獣の前に何者かが、胸に「X」字のタイマーを持った巨人が、かつて太陽系を襲った『ウルトラフレア』という現象から太陽系を救った自らの体を犠牲に太陽系を救った光の巨人(ウルトラマン)・ウルトラマンエックス、とそのウルトラマンエックスと一心同体となって戦う大空大地という青年、がスペースビーストの前に降り立った。

 

―――ピキュゥウゥ!!―――

 

―――ガルルゥ・・・!ガゥウゥオオォッ!!―――

 

―――ヴゥルルル・・・!グルォオオオォッ!!―――

 

「もの凄く殺気立っている・・・!!」

 

『あぁ、空腹に加えて邪魔者である私たちが現れたからだろうな・・・』

 

突如として現れたウルトラマンエックス(と大空大地)を前に、威嚇の咆哮を轟かせるペドレオン、ガルベロス、ノスフェル―――彼らにとって、ウルトラマンは敵であり邪魔者しかないからだ。

 

―――ピキュゥウゥ!!―――

 

―――ガルルゥ・・・!ガゥウゥオオォッ!!―――

 

―――ヴゥルルル・・・!グルォオオオォッ!!―――

 

「来た!来るよエックス!!」

 

『あぁ、よし、行くぞ大地!!』

 

睨み合うウルトラマンエックス(と大空大地)と異星獣たち。

 

そんな膠着状態の中、空腹と苛立ちがピークに達した異星獣たちが先に動いた。

 

三体の異星獣は咆哮を轟かせ、一斉にウルトラマンエックス(と大空大地)へと突撃した―――その瞬間!!

 

「サイバーカード、リロード!!」

 

一斉に向かってくる三体の異星獣を前に、ウルトラマンエックスと一体化している大空大地が何かのカードを、今までに出現した怪獣や怪人のデータをインプットした『サイバーカード』を取り出し、大地がウルトラマンエックスに変身したり通信するアイテム『エクスデバイザー』にスキャンすれば―

 

「『モンスアーマ-・装着!!』」

 

大地がエクスデバイザーにサイバーカードをスキャンした瞬間、エクスデバイザーから溢れ出した光がウルトラマンエックス(と大空大地)を包み込み、サイバーカードによってウルトラマンエックスが纏うことの出来る"鎧"である『モンスアーマー』が具現化した。

 

そして、今回大地が読み込み、ウルトラマンエックスが纏ったモンスアーマーは―――

 

背中に「0(ゼロ)」が描かれた黄金の(・・・)マント(・・・)だった。また、ウルトラマンエックスが纏う件のマントの胸元の留め具は「K」の形を示していた。

 

―――ピキュゥウゥ!!―――

 

―――ガルルゥ・・・!ガゥウゥオオォッ!!―――

 

―――ヴゥルルル・・・!グルォオオオォッ!!―――

 

一方で、ウルトラマンエックスの行動を警戒していた三体の異星獣たちだが、まさか「ただマントを纏っただけ」という"肩透かし"を受けて怒り、凄まじい勢いでウルトラマンエックスに突っ込んできた―――その瞬間!!

 

『「受けてみろ!『カオス・ガヴァージュ・0(ゼロ)!!!』」』

 

―――ピキュゥウゥ!!?―――

 

―――ガルルゥ・・・!?ガゥウゥオオォッ!!?―――

 

―――ヴゥルルル・・・!?グルォオオオォッ!!?―――

 

此方に向かって猛進してくるペドレオン、ガルベロス、ノスフェル、が射程圏内(・・・・)に入った瞬間、ウルトラマンエックス(と大空大地)は件の黄金の(・・・)マント(・・・)もといモンス(・・・)アーマー(・・・・・)を纏った(・・・・)からこそ(・・・・)放てた(・・・)必殺技「カオス・ガヴァージュ・0(ゼロ)」を三体の異星獣たちに向けて放った!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――ピキュゥウゥ・・・―――

 

―――ガルルゥ・・・ウゥオオォ・・・―――

 

―――ヴゥルルル・・・グルォオオオォッ・・・―――

 

 

「よし!成功だよエックス!!スペースビーストが大人しく(・・・・)なった(・・・)よ!!」

 

『あぁ、見事だな大地。それにしても、本当に凄まじいなこのモンスアーマーの力は・・・』

 

 

黄金の波動・「カオス・ガヴァージュ・0(ゼロ)」の直撃を受けた三体の異星獣たちは・・・爆散することもなく生きていた・・・が、その様子が"普段の彼ら"とはまるで違っていた。

 

まず、とにかく大人しくなっているのだ―――常に餓え、他の生物を取り込む(ほしょくする)事を生きがいとする「知的生命体の天敵」や「他の生命体と絶対共存不可」と言われる特級の危険生物たる異星獣(スペースビースト)が、とにかく穏やかな目付きになり、そして大人しくなっていた。

 

次に・・・三体はとても満ち足りた目を、そして腹を(・・)していた(・・・・・)―――そう、「満ち足りた腹」をだ。

 

そう、何と・・・先程ウルトラマンエックス(と大空大地)がスペースビーストたちに撃ち込んだ「カオス・ガヴァージュ・0(ゼロ)」とは、対象に凄まじいエネルギーと"ある波長"を送り込み、エネルギーで対象を物理的に(・・・・)満たし、件の"ある波長"で対象の感情などを鎮める技なのだ。

 

そして、このカオス・ガヴァージュ・0(ゼロ)の前では「知的生命体の天敵」や「他の生命体と絶対共存不可」と言われる特級の危険生物たる異星獣(スペースビースト)でさえも満たされ、大人しくされる。

 

一体、どんなカラクリがあるのか?

また、大空大地がエクスデバイザーにスキャンしたサイバーカードのデータとは何の怪獣なのか?

そして、ウルトラマンエックスが纏っている黄金のマントのモンスアーマーの名称とは何なのか?

 

 

 

 

と、ここで―

 

『いや~、お疲れ大地!エックス!見事にスペースビーストたちを鎮める事ができたみたいだね!!』

 

「あっ!グルマン博士!!はい、上手く行きました!!大成功ですよ!!」

 

『その通りです博士。博士の研究が実を結びましたね』

 

『そうだろう、そうだろう!何せ、自分でも相当な傑作だと思っているんだ。その―――カオスヘッダー0(ゼロ)・アーマーはね!!』

 

ふと、大地が持つ通信機に通信が入った―――その通信を入れてきたのは、橙色の体色とカタツムリのように突き出した目のある触角、巨大な口を持つ人外の存在「健啖宇宙人 ファントン星人」・・・の中でもイケメン(らしい)で、地球の言語を流暢に話せる「ファントン星人・グルマン博士」という、大地やウルトマンエックスが所属する『Xeno invasion outcutters・未知なる外敵からの防衛戦闘部隊』こと『Xio(ジオ)』の設立に大きく貢献した超重要人物だった。

 

その際、グルマン博士はウルトラマンエックスが纏う黄金のマントもといモンスアーマーの名を言った―――『カオスヘッダー0(ゼロ)・アーマー』と。

 

そう、今ウルトラマンエックスが身に纏い、あの特級の危険生物たる異星獣(スペースビースト)たちをも大人しくさせたカオス・ガヴァージュ・0(ゼロ)を放ったモンスアーマーの名は『カオスヘッダー0(ゼロ)・アーマー』といい、その元となったサイバーカードに保存されているデータの怪獣は「発光生命体 カオスヘッダー」・・・の中でも怒りや憎しみから解放されるのと同時に優しさや慈しみを学んで生まれ変わった「発光生命体 カオスヘッダー0(ゼロ)」だったのだ。

 

『いやぁ、それにしてもカオスヘッダー0(ゼロ)様々だねぇ。

何せ、カオスヘッダー0(ゼロ)は慈愛とエネルギーに満ち満ちてるし、何よりもカオスヘッダーの特性の"相手に問答無用で干渉出来る"があれば、基本的にはどんな相手も大人しくさせることが出来る。おかげで、我々の仕事も大助かりだ』

 

グルマン博士の自信作にして、その自信作に多大な貢献をしているカオスヘッダー0(ゼロ)、及びカオスヘッダー0(ゼロ)・アーマーは慈愛に満ち、そして凄まじいエネルギー量、そして「発光生命体 カオスヘッダー」が持つ「相手に問答無用で干渉出来る能力」により、怪獣との共存を模索するXioに多大な貢献をもたらしていた。

 

そう、カオスヘッダー0(ゼロ)・アーマーとその必殺技のカオス・ガヴァージュ・0(ゼロ)は、先のスペースビーストたちのようにどんな凶暴な怪獣も大人しくさせていた。

 

「獰猛な肉食怪獣」と称される「古代怪獣 アルゴナ」

 

とんでもない大食漢で意地汚い「肉食地底怪獣 ダイゲルン」

 

「一日に2万匹のマグロを食べる」と言われる大食漢で暴れん坊の「えり巻き怪獣 ジラース」

 

などなど大食漢の怪獣でさえも、凶暴で手が付けられない怪獣でさえも、果ては異星獣(スペースビースト)でさえも慈愛の波長で満たして鎮め、その寿命が尽きるまでの期間を満足させるエネルギーで満たすのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『・・・まぁ、あくまで『強制給餌・ガヴァージュ』の名を冠する辺り、本当に怪獣のためだとは思えないがな・・・』

 

『う゛っ・・・それを言われると・・・手厳しいなぁ、エックス』

 

「そ、そうだよエックス・・・怪獣も殺されるよりはいいんじゃないかな・・・?」

 

基本、どんな怪獣でさえ大人しくさせる必殺技を使えるカオスヘッダー0(ゼロ)・アーマーには皆が賞賛の言葉を贈る。

 

だが、唯一ウルトラマンエックスだけは、

 

『人間は自分達の役に立つかどうかで共存する生き物を選んでいる』

 

などと発言したウルトラマンエックスだけは、思慮深く人間の言動を冷静に分析している面もあるウルトラマンエックスだけは、無理矢理に(・・・・)怪獣にエネルギーを送り込んで大人しくさせる技を使うカオスヘッダー0(ゼロ)・アーマー、及び人間の身勝手で無理矢理に肥らされてフォアグラの材料にされるアヒルに行われる『強制給餌・ガヴァージュ』の名を冠するカオス・ガヴァージュ・0(ゼロ)に辛辣な発言をしていた。

 

『あっ!そうだ・・・大地、エックス。実は君たちに任務があるんだが・・・実はね、先の(・・)スパーク(・・・・)ドールの(・・・・)盗難事件(・・・・)で奪われたスパークドールズの反応が検知されてね・・・その現場に行ってくれるかい?』

 

「えっ!?それ本当ですか!!?行きます!勿論いきます!!」

 

『何と・・・勿論いきます。それで博士、一体どこで反応が検知されたんですか?』

 

先のウルトラマンエックスの辛辣な発言で空気がビミョーな感じになっていた際、空気を変えるべく、そして緊急の事案をグルマン博士が大地とウルトラマンエックスに伝えた。

 

『あ、あぁ・・・ここから数キロ離れた山の中なんだが・・・そこで盗難事件で奪われたスパークドールの反応が検知されたんだ』

 

「分かりました!行こうエックス!!」

 

『無論だ、行くぞ大地!!』

 

グルマン博士が、先の盗難事件―――何者かがXioの基地から「スパークドール」という「怪獣の力を宿すオーパーツ」を盗み出したが、その盗み出されたスパークドールズの反応が検知された場所に向かって欲しいと大地とウルトラマンエックスに伝え、二人は即座にその現場に向かった。

 

ちなみに、先の盗難事件で盗み出されたスパークドールとは"ある大怪獣"の力を宿すトンデモナイ代物だった。

 

そう、あの大怪獣―――「古代怪獣 ゴモラ」の力を宿すスパークドールだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――ギシャア゛ァヴォオオォォッ!!―――

 

「そ、そんな・・・!?アレってまさか・・・!!」

 

『あぁ、そのまさかだ大地・・・!だが、これは一体どうした事なんだ・・・!?』

 

山林地帯に轟く猛々しく、そして・・・禍々しい咆哮。そんな咆哮の主は発している咆哮に違わぬ程に猛々しく、禍々しい姿をしていた。

 

その姿を一言で言い表すならば―――「漆黒の鎧を纏った竜人」とでも言うべきか。

 

赤く爛々と輝く目、剃刀のような牙が無数に生えた鰐口、腹部には剣山の様な棘のある腹甲、背面には強固な背甲、鋭利な鉤爪の生えた大きな手、逆関節の脚、そして先端が鋭い槍のようになった長く極太の尾を持った漆黒の鎧を纏った竜人、が二つ刃の巨大戦斧を背負っていた。

 

そんな竜人の顔に(・・)大まかな(・・・・)見た目(・・・・)に、大地とウルトラマンエックスは見覚えがあった。

 

「アレって・・・EX(・・)ゴモラ(・・・)、だよね・・・?」

 

『あぁ、確かにアレはEXゴモラだ―――ただ、どうにも変だ。まるで・・・EXゴモラと何かが(・・・)合体して(・・・・)いるかの(・・・・)ようだ(・・・)・・・それも、恐ろしく邪悪で、強大な何かが』

 

先の漆黒の鎧を纏った竜人に大地とウルトラマンエックスが感じた既視感―――事実、二人の言う通り、件の竜人を大地もウルトラマンエックスも見た事があるし、会ったことすらあるのだ。

 

そう、いま二人の目の前にいる竜人は・・・かつて、あの「古代怪獣 ゴモラ」が"特殊なエネルギー"を浴びて凶暴化した「古代怪獣 EXゴモラ」―――が"とある存在"と融合を、フュージョン・ライズして誕生した、俗に言う合体怪獣なのだ。

 

つまり、いま大地とウルトラマンエックスの目の前にいる竜人はEX(・・)ゴモラ(・・・・)であり(・・・)ながらも(・・・・)EX(・・)ゴモラ(・・・)ではない(・・・・)"何か"・・・その名も―

 

 

―――ギシャア゛ァヴォオオォォッ!!―――

 

「!?き、来たよエックス!!」

 

『くっ、いきなりか!?戦うぞ大地!!』

 

「OK、行くよ!!」

 

突然、竜人が、EXゴモラが混ざった竜人が襲い掛かってきた。

 

対する大地・ウルトラマンエックスのコンビは即座に気持ちを切り替えて竜人を迎え撃った―――彼らがいつもやる方法で。

 

 

「サイバーカード、リロード!!」

 

『カオスヘッダー0(ゼロ)・アーマー装着!!』

 

「『受けてみろ!カオス・ガヴァージュ・0(ゼロ)!!!」』

 

猛然と向かってくる竜人に対し、大地がカオスヘッダー0(ゼロ)のサイバーカードでリードしたカオスヘッダー0(ゼロ)・アーマーをウルトラマンエックスが装着して必殺のカオス・ガヴァージュ・0(ゼロ)を放った。

 

いくら謎の変化を遂げているとはいえ、相手が(元は)怪獣ならば、あの異星獣(スペースビースト)すら一撃で大人しくさせるカオス・ガヴァージュ・0(ゼロ)を撃ち込めばすぐ終わる。

大空大地もウルトラマンエックスもそう信じて疑わなかった―――しかし、

 

―――ギシャア゛ァヴォオオォォッ!!―――

 

「『なっ!?カオス・ガヴァージュ・0(ゼロ)が・・・全然効いてないっ!!?』」

 

確かにカオス・ガヴァージュ・0(ゼロ)は竜人に当たった・・・当たったがだ、竜人は大人しくなることなど全く無く、大地とウルトラマンエックスは驚くしかなった―――結果、

 

―――ギシャア゛ァヴォオオォォッ!!―――

 

―――ドォオオオォォン!!―――

 

「『うっ!?がぁああぁぁっ!!?』」

 

数々の怪獣を、文字通り「たった一発」で大人しくさせてきたカオス・ガヴァージュ・0(ゼロ)が竜人に効かなかったために驚き、隙を晒した大地とウルトラマンエックスに対し、猛然と向かって来た竜人は口から光線を放っち、大地とウルトラマンエックスはモロに光線を浴びて吹っ飛ばされた。

その際、何とウルトラマンエックスが纏うカオスヘッダー0(ゼロ)・アーマーが粉々に砕け散ってしまった―――まるで、途方も無い悪意に、救いようが無い悪意と憎悪に慈悲と慈愛の象徴たるカオスヘッダー0(ゼロ)・アーマーが負けてしまったかのように。

 

―――ギシャア゛ァヴォオオォォッ!!―――

 

「うぅっ・・・!何だ今の一撃・・・!とんでもない威力だ・・・!!」

 

『だ、大丈夫か大地・・・?それにしても・・・カオスヘッダー0(ゼロ)・アーマーが粉々になってしまうなど・・・有り得るのか・・・!?』

 

大地とウルトラマンエックスを光線の一発で吹っ飛ばし、カオスヘッダー0(ゼロ)・アーマーを跡形も無く消し飛ばして見せた竜人は誇らしげに咆哮を轟かせていた。

 

一方で、竜人の光線たった一発で吹っ飛ばされた大地とウルトラマンエックスはそのあまりの威力に、そのあまりに痛みにもんどり打ったまま地にひれ伏していた。

 

だが、

 

―――ギシャア゛ァヴォオオォォッ!!―――

 

『!?来るぞ大地!!』

 

「も、もう!?このままじゃマズい・・・!!」

 

先の光線で負ったダメージから回復し切れていない大地とウルトラマンエックス、に猛然と向かってくる竜人―――を前にして、まだ受けたダメージのせいでロクに立ち上がったり、あるいは迎撃の構えもとれない大地・ウルトラマンエックスは絶体絶命の危機に陥っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だからこそ、

 

「サイバーカード・・・リロード!!」

 

猛然と向かってくる竜人を前に、大空大地がカオスヘッダー0(ゼロ)ものとは(・・・・)違う(・・)サイバーカードをエクスデバイザー』にスキャンすれば―

 

「『モンスアーマー・装着―――って、うわぁああぁっ!!?』」

 

大地がエクスデバイザーにサイバーカードをスキャンした瞬間、新たなモンスアーマーが具現化した・・・が、何故か二人は悲鳴を上げてしまった。

 

そんな悲鳴を上げる原因になったモンスアーマーこそ―――

 

 

凄まじく巨大な、まるで城壁のような巨大な盾がウルトラマンエックスの右手と左手にそれぞれ装着され、ウルトラマンエックスが両腕の盾を構えた瞬間、左右の盾が互いに引き合って組み合い、一片の隙間も無い文字通りの巨大な盾となって大地とウルトラマンエックスを竜人から隔離した。

 

また、件の巨大な盾の真ん中の部分には「G」の文字が刻まれていた―――何故かその「G」の字は逆さ(・・)で盾に刻印されていた。

 

―――ギシャア゛・・・!ギシャア゛ァヴォオオォォッ!!―――

 

突如として出現した盾に、自分と大地とウルトラマンエックス(えもの)を隔離した盾に対し、竜人は口から放つ光線に加え、先端が針のようになった伸縮自在の尾で対象を串刺しにする『テール・スピア』で盾を破壊しようと試みていた・・・が、盾はビクともしなかった。

 

「おぉ・・・!やっぱりスゴいね、このモンスアーマーは!!」

 

『あぁ、確かに凄まじい防御力ではあるが・・・あまりに重いし、装備したらあっという間に前方視界不良になってしまうのが欠点だな』

 

「それは・・・仕方ないよ。だって、この―――『ガタノゾーア・アーマー』は超防御特化のモンスアーマーだからね・・・」

 

一方で、巨大な盾状のモンスアーマーこと超古代の(・・・・)邪神(・・)にして支配者(・・・)の『邪神 ガタノゾーア』の力を真似て(・・・)作られた、数あるモンスアーマーの中でも最高クラスの銅牆鉄壁さを誇る『ガタノゾーア・アーマー』だった。

 

ただ、ガタノゾーア・アーマーはあまりに防御力に重点を置き過ぎてしまったため、装備したらたちまち前方がガタノゾーア・アーマーに覆われて視界不良になり、そもそもが総重量も5万トンもある盾が両腕に装着されるためにその場から動けなくなってしまうのである。

 

反面、防御力に関しては本当にあらゆるモンスアーマーの中でもトップだ―――

 

―――ギシャア゛ァヴォオオォォッ!!―――

 

―――ガリッ・・・!バリッ!バキッ!!―――

 

「『!?なっ!?そんな・・・!ガタノゾーア・アーマーに・・・ヒビがっ!!?』」

 

竜人の怒りの咆哮と共にガタノゾーア・アーマーに凄まじい衝撃が走り、更には亀裂が走る音までもした。

 

そう、あの竜人がガタノゾーア・アーマーを攻撃しているのだ―――背負っていた二つ刃の巨大戦斧『ディスペアーギロチン』でガタノゾーア・アーマーに無数の刃傷を、そして深いヒビを入れていた。

 

いくらガタノゾーア・アーマーがガタノゾーアの力を"真似ただけ"とはいえ、腐っても防御力だけで言えばガタノゾーアと同クラスの頑丈さを誇るハズなのに・・・それほどの竜人の力が、竜人の持つディスペアーギロチンの威力が凄まじいのだ。

 

このままではガタノゾーア・アーマーが破られるのも時間の問題だ―――

 

「サイバーカード・・・リロード!!」

 

「『モンスアーマー・装着―――『グランスフィア・アーマー』!!『ゾグ(第二形態)・アーマー』!!』」

 

 

ガタノゾーア・アーマーを破らんとする竜人の猛攻を前に、意を決した大地とウルトラマンエックスは反撃に出た。

 

大空大地はガタノゾーアのサイバーカードを取り外しつつ、新たなサイバーカードを二枚(・・)スキャンした―――

 

一つは『宇宙全ての生命を自らと同化させる事で宇宙平和を成し遂げる』という"押し付けの善意"で多くの星々を襲った「宇宙球体 スフィア」の親玉「暗黒惑星 グランスフィア」の力を宿す「グランスフィア・アーマー」。

 

一つは宇宙から襲来する人類の滅亡を望む全くの未知なる敵『根源的破滅招来体』と呼ばれる存在の中でも最上級の存在の「根源破滅天使 ゾグ(第二形態)」の力を宿す「ゾグ(第二形態)・アーマー」。

 

という、二つのモンスアーマーを纏ったウルトラマンエックス(と大空大地)が竜人の前に躍り出ると―

 

「『受けてみろ!『グランスフィア・グラビティ』―――からの!『グランスフィア・ウェーブ・レボリウム』!!!』」

 

竜人の前に躍り出たウルトラマンエックス(と大空大地)は右腕に装着された手の甲に青い「S」の字が刻まれ、手のひらの部分には青い球体があるロボットアームのような籠手、件の「グランスフィア・アーマー」で放つ必殺技を、

 

重力を自在に操り生み出すグランスフィアの能力を活かし、重力操作で相手の自由を奪う『グランスフィア・グラビティ』で竜人を拘束し、

 

 

重力操作の果てにブラックホールさえも発生させるグランスフィアの能力を応用して、対象の周りにブラックホールを発生させて対象を消滅させる『グランスフィア・ウェーブ・レボリウム』、

 

で竜人を消滅させようとした――――が、

 

 

―――ギシャア゛ァヴォオオォォッ!!―――

 

「『!?効いて・・・ないっ!!?』」

 

グランスフィア・アーマーの生み出す超重力による拘束も、重力操作で生み出されたブラックホールの引力も、竜人ははね除けていた。

 

当然、この有り得ない状況にウルトラマンエックス(と大空大地)は呆気にとられ、その隙を突いて竜人は二人に襲いかかった―――しかし、

 

「『捕まる・・・かっ!!』」

 

―――ギシャア゛ァヴォオオォォッ!?―――

 

呆気にとられて隙を晒していたウルトラマンエックス(と大空大地)に襲いかかる竜人、をウルトラマンエックス(と大空大地)は真上に、何百メートルも跳躍して(・・・・)躱した。

 

そう、今ウルトラマンエックスの下半身に装着されている、ウルトラマンエックスの足と合わさってまるで四つ足のように見える補助の足(・・・・)、腰の部分に「Z」の文字が刻まれた"機動力増加"のモンスアーマーである「ゾグ(第二形態)・アーマー」がもたらした跳躍力が成せる技だった。

 

―――ギシャア゛ァヴォオオォォッ!ギシャア゛ァヴォオオォォッ!!――――――

 

「クソッ・・・!アイツ、メチャクチャ強い・・・!これじゃ勝てない・・・!!」

 

『あぁ、まさかこれ程とは・・・正直、勝機が見出せない状況だ・・・これは非常にマズいな・・・』

 

ゾグ(第二形態)・アーマーのおかげで竜人から逃れたものの、竜人はまだまだ余力も勢いも有り余っている。

 

一方で、大地とウルトラマンエックスのコンビは疲弊し、オマケに本来であれば凄まじい力を持つラスボスの(・・・・・)モンスアーマーがいくつも破られた事で追い詰められていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だからこそ、二人は最終手段に打って出た・・・打って出ざるを得なかった。何故なら、

 

「アイツが体から出している・・・あの厚い黒雲?と、白い雪?、もの凄く嫌な感じがする・・・」

 

『そうだな大地。私もそう思う・・・あの黒雲のせいでグルマン博士と通信できないし、あの白い雪のような物のせいで木が枯れ、動物たちが死に絶えている。アレは・・・異常だ』

 

今、竜人とウルトラマンエックス(と大空大地)が戦っているのは人里離れた山奥である。

 

そんな山奥には何故か雪が・・・正確には雪ではないものの、雪ような白い物質が辺り一面に降り注ぎ、降り積もっていた―――竜人の体から発生し、太陽光を遮る謎の分厚い黒雲から件の白い雪のような物質が降っていた。

加えて、件の雪のような物質が降り注いだ辺りの木々は枯れ、雪のような物質を浴びた鳥やリス、小川の魚や地中のミミズなどのあらゆる生物が次々に死に絶えていた。

 

そう、まさしく異常、まさしく異形なのだ・・・件の白い雪上の物質の正体はある種の「毒」、つまりは"瘴気"だ―――その名も「ヴァリトヘイトスポア」という特級の危険物質だ。

 

また、危険物質のヴァリトヘイトスポアを降らせている黒雲も太陽光を遮って辺りの気温を著しく低下させる、ウルトラマンエックスの言う通りにグルマン博士と通信が出来ないような電波障害を生む、といった此方も危険な代物だった。

 

そんな危険な代物を、竜人は絶えず体から発生させているのだ―――冗談抜きで危険で、基本的(・・・)には(・・)どんな怪獣や宇宙人とも共存・共栄を模索するXio所属の大空大地、ウルトラマンエックスでさえも、竜人を抹殺対象と判断した。

 

だが、竜人は恐ろしく強い―――だからこそ、二人は最終手段に打って出た・・・打って出ざるを得なかったのだ。

 

そんな最終手段とは、

 

「サイバーカード・・・リロード!!」

 

「『モンスアーマー・装着―――『ギガバーサーク・チャリ(・・・・)オッツ(・・・)』!!!』」

 

意を決した大空大地はグランスフィア、ゾグ(第二形態)のサイバーカードを取り外しつつ、新たなサイバーカードをスキャンした―――その瞬間、辺りには凄まじい轟音が轟き、そして・・・現れた。

 

ウルトラマンエックスですら小さく見える程の巨大な、全体が眩い銀緯の輝きを放ち、先端部分には鋭い槍が何本も生えた鋭利で、そして猛々しいデザインの戦車(チャリオッツ)

 

とある「最強!最速!」をモットーにする光の巨人(ウルトラマン)を100%の確率で倒す為に生み出された、最強にして最大の機械獣、純粋に凄まじく巨大で硬くて高火力というシンプル・イズ・ベストな「最強」を体現する「機械獣 ギガバーサーク」のデータを参考にして作られたモンスアーマーにして乗り物(・・・)、ウルトラマンエックスが搭乗する搭乗席に「G」の文字が刻まれた『ギガバーサーク・チャリオッツ』だった。

 

―――ギシャア゛ァヴォオオォォッ・・・!?―――

 

突如として目の前に出現したギガバーサーク・チャリオッツを前に、流石の竜人でさえも後退った。

 

それほどにギガバーサーク・チャリオッツの大きさは、威圧感は凄まじいのだ。

 

『よし!敵は怯んでいるぞ大地!!このまま一気にたたみ掛けるぞ!!』

 

「OKエックス!ギガバーサーク・チャリオッツ・・・前進っ!!」

 

あの竜人でさえ後退る程の大きさ、威圧感を誇るギガバーサーク・チャリオッツに搭乗するウルトラマンエックス(と大空大地)はこの期を逃すまいと、竜人に向かってギガバーサーク・チャリオッツを前進させた―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、

 

 

―――ギシャア゛ァヴォオオォォッ・・・!ギシャア゛ァヴォオオォォッ!!――――――

 

「『えっ―――』」

 

轟音を轟かせ、猛然と向かってくるギガバーサーク・チャリオッツを前に・・・竜人は口の端をニヤリと歪めた―――瞬間、竜人の口からは先の光線など比較にならないほどの規模と禍々しさを誇る漆黒の光線『超絶闇黒破壊光線 ウルトラオスキレイション・ギガレゾリューム』が放たれ、ギガバーサーク・チャリオッツを搭乗している大地とウルトラマンエックスごと光線の奔流の中に呑み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「応答せよ大地!エックス!応答せよ大地!エックス・・・クソッ、一体何がどうなっているんだ!!?」

 

大空大地とウルトラマンエックスのコンビが謎の竜人と激戦を繰り広げていた頃、Xioの基地にいた「 健啖宇宙人 ファントン星人」のグルマン博士は必死で二人に連絡を取ろうとしていたが・・・それは叶っていなかった。

 

そんなグルマン博士だが、何故か全身傷だらけでボロボロ、息も絶え絶えの酷い有様だった。

 

一体、グルマン博士の身に何が起きたのだろうか?

 

 

「うヴ・・・あ゛あァ・・・!」

「ごぅオ・・・おぁア゛・・・!!」

「げぇ・・・えぁあ゛ぁ・・・っ!!」

 

 

「な、何なんだよアレは!?あれじゃまるでゾンビじゃないか・・・一体、何が起きているんだよ!!?」

 

今、グルマン博士はXioの基地内の一室に閉じこもって籠城している―――突如として凶暴化し、誰でも彼でも構わずに見境無く襲いかかるようになったXioの職員たち、グルマン博士の言うようにまるで「ゾンビ」と化したXioの職員から逃げていたのだ。

 

そう、グルマン博士に傷を負わせたのは・・・あろうことか、仲間であり、部下であるハズのXioの職員たちだったのだ。

 

一体、Xioの職員たちに何が起きたのだろうか?

 

―――ギシャア゛ァヴォオオォォッ・・・ギシャア゛ァヴォオオォォッ・・・――――――

 

「んっ?何だ、この声は―――」

 

不意に、籠城しているグルマン博士の耳に不思議な声が聞こえた―――その次の瞬間!!

 

―――ギシャア゛ァヴォオオォォッ!!――――――

 

―――ドォオオオオオオオォォォォォンッ!!―――

 

「!?う、うわぁあああぁぁぁーーーーっ!!?」

 

突然、グルマン博士の籠城している部屋が、Xioの基地そのものが吹き飛ばされた―――コイツ(・・・)が放った光線で。

 

―――ギシャア゛ァヴォオオォォッ!!――――――

 

自らが吹き飛ばしたXioの基地の残骸を横目で見つつ、喜びの咆哮を轟かせるのは・・・あの竜人だった。

 

「うヴ・・・あ゛あァ・・・!」

「ごぅオ・・・おぁア゛・・・!!」

「げぇ・・・えぁあ゛ぁ・・・っ!!」

 

そんな竜人の足下には、竜人が通ってきた跡地にはグルマンは博士を襲ったXioの職員と同じようにゾンビと化した人々が、犬や猫や小鳥に昆虫などの動物、あるいは植物ですらゾンビとなっていた―――彼らを、件のゾンビを正式な(・・・)名前(・・)で呼ぶならこうだ。

 

「異星獣 スペースビースト」

 

「異星獣人 ビーストヒューマン」

 

と。

 

そう、驚くべき事に・・・先のXioの職員も、あるいは竜人が通った後に蠢くゾンビは全てスペースビーストやビーストヒューマンと化したいたのだ!!

 

そして・・・そのスペースビーストやビーストヒューマンを生み出した全ての元凶こそ竜人、

 

何者かがXioの基地から奪ったゴモラのスパークドールを奪いて実体化させた後に変化させたEXゴモラ

 

に、

 

地球上に残留していた「"ある存在"の放つエネルギー」こと「ダークサンダーエナジー」

 

と、

 

同じく地球上に残留いていた微弱な「スペースビーストの力の源」こと「χニュートリノ・ビースト振動波」

 

に加えて地球上全域に充満するマイナスエネルギーがトリガーとなって、

 

別宇宙にある「惑星ハマー」という惑星に存在していた・・・「暗黒魔鎧装 アーマードダークネス」

 

と融合した「闇黒鎧龍 ヴァリトラムカルヴァーチュア」だったのだ!!

 

―――ギシャア゛ァヴォオオォォッ!!――――――

 

手始めに・・・大空大地とウルトラマンエックス、そしてXioの基地や手近にあった街などを全滅させ、スペースビーストの巣窟に変えたヴァリトラムカルヴァーチュアの活動はその後も全く衰えることは無く、遂には地球を掌握してしまった。

 

―――ギシャア゛ァヴォオオォォッ!!――――――

 

だが、それでもヴァリトラムカルヴァーチュアの活動は終わらない。

 

ヴァリトラムカルヴァーチュアは雄々しく咆哮を轟かせると―――何処かへと、時空を引き裂いて行ってしまった。

 

―――ギシャア゛ァヴォオオォォッ・・・!!――――――

 

その際、ヴァリトラムカルヴァーチュアは口の端をニヤリと歪めながら咆哮を発した。

 

そんなヴァリトラムカルヴァーチュアの咆哮を人語に訳すならこうだろう―――

 

「この星は堕とした。次の星を滅ぼしてくれようぞ」

 

絶望は終わらない。

 

 

 

 

 

~合体怪獣紹介~

 

暗黒魔鎧装アーマードダークネス+EXゴモラ=闇黒鎧龍 ヴァリトラムカルヴァーチュア

 

スペック:身長65m 体重9万t

 

概要:何者かが特捜チーム・Xioが保有するゴモラのスパークドールを奪い、再び狂暴化したEXゴモラへと実体化させ、地球上に残留していたダークサンダーエナジーと微弱なχニュートリノ(ビースト振動波)、そして地球上全域に充満するマイナスエネルギーを利用して、別宇宙の惑星ハマーでの破壊から修復されたアーマードダークネスと融合させた超凶悪戦闘怪獣。

融合したゴモラはダークサンダーエナジーにより通常の数万倍に増幅されたビースト振動波により本来怪獣ではありえないはずの完全なスペースビースト化を遂げており、彼の意思は完全に消去されている。よってダイチやアスナがどれだけ必死に呼びかけても無意味である。

飽くなき殺戮本能とウルトラ戦士および「光に生きる者」たちへの激しい憎悪のままに暴れ狂い、太陽光を遮る厚い黒雲を発生させ、白い雪状の瘴気「ヴァリトヘイトスポア」を降らせる。この瘴気は物質でもエネルギーでもなく、アーマードダークネスに宿っていたエンペラ星人とレイブラッドの強烈な邪念そのものであり、動物のストレスと幸福のシグナルに反応し、触れた対象を発狂死させる。体からは常に増幅されたビースト振動波が発せられ、通り過ぎた跡のヒトを含めた動植物は一匹残らずスペースビーストとなる。つまり一歩踏み出すだけで百を超えるビースト軍団が出来上がるのである。

EXゴモラを人型にし、アーマードダークネスの装甲が身体各所に癒着し実体化したグリーザのように豪奢で禍々しいフォルムに変化したような外見を持つ。

ベータスパークアローのフルパワーさえ通じない圧倒的防御力とベータスパークアーマーをジャブ程度の一撃で粉々に破壊する剛力、伸縮自在の太く鋭い尻尾、ダークネストライデントが変化した二つ刃の巨大戦斧「ディスペアーギロチン」、分裂し二振りになったダークネスブロード、口から発射する超絶闇黒破壊光線「ウルトラオスキレイション・ギガレゾリューム」が戦力。最後に述べた光線は単なる破壊光線ではなく、ウルトラ戦士を一体化した人間ごと物質レベルで分解、ウルトラ戦士特有の思念体(魂)レベルでの不死性すら無効化する。

無論エックスラッガーでの無力化もザナディウム光線でのドール化も不可能。

眼は赤く光る。

 

一言で言えば

 

「どうしようもない絶望」

 

※この怪獣・説明文はユーザーのサファイアアイズ・リントヴルム様より頂きました。サファイアアイズ・リントヴルム様、重ねてお礼申し上げます。ありがとうございます。

 

 

 

 

 

 

以下、作者の考えたモンスアーマー(いずれもまさかのラスボスのアーマー)

 

・ガタノゾーア・アーマー

 

概要:超古代の(・・・・)邪神(・・)にして支配者(・・・)の『邪神 ガタノゾーア』の力を真似て(・・・)作られた、数あるモンスアーマーの中でも最高クラスの銅牆鉄壁さを誇る。

・・・ただ、あまりに防御力に重点を置き過ぎてしまったため、装備したらたちまち前方がガタノゾーア・アーマーに覆われて視界不良になり、そもそもが総重量も5万トンもある盾が両腕に装着されるためにその場から動けなくなってしまう。

 

ただ、それを補うために触手(エックスに盾の向こうの景色を見せるセンサー付きのワイヤー)と、相手の動きを拘束する一対のハサミも生える。

 

見た目:凄まじく巨大な、まるで城壁のような巨大な盾がウルトラマンエックスの右手と左手にそれぞれ装着され、ウルトラマンエックスが両腕の盾を構えた瞬間、左右の盾が互いに引き合って組み合い、一片の隙間も無い文字通りの巨大な盾となる。

また、巨大な盾の真ん中の部分には「G」の文字が刻まれているが、その「G」の字は逆さ(・・)で盾に刻印されていた→ガタノゾーアの"頭"文字=「G」、ガタノゾーアの頭は逆さまに生えているので「G」の文字も逆さまに刻印されている

 

(※実はガタノゾーアの頭は逆さまに生えているのではなく「下顎に目があるデザイン(byデザイナー・丸山浩 氏)」らしい)

 

ぶっちゃけ、相手を左右の盾の間に挟んで潰す、相手の真上でアーマーを発動させて押し潰す、的な強引な使い方も可能、というかそっちの方が効率がいい。

 

 

・グランスフィア・アーマー

 

概要:『宇宙全ての生命を自らと同化させる事で宇宙平和を成し遂げる』という"押し付けの善意"で多くの星々を襲った「宇宙球体 スフィア」の親玉「暗黒惑星 グランスフィア」の力を宿すモンスアーマー。

 

見た目:ウルトラマンエックスの右腕に装着される。

手の甲に青い「S(スフィア=S)」の字が刻まれ、手のひらの部分には青い球体があるロボットアームのような籠手(ア〇アンマンがしてるアレみたいな感じ)

 

必殺技・重力を自在に操り生み出すグランスフィアの能力を活かし、重力操作で相手の自由を奪う『グランスフィア・グラビティ』で相手を拘束する。

 

・重力操作の果てにブラックホールさえも発生させるグランスフィアの能力を応用して、対象の周りにブラックホールを発生させて対象を消滅させる『グランスフィア・ウェーブ・レボリウム』(『ウルトラマンダイナ・ミラクルタイプ』の『レボリューム・ウェーブ』から引用)

 

 

 

 

・ゾグ(第二形態)・アーマー

 

概要:宇宙から襲来する人類の滅亡を望む全くの未知なる敵『根源的破滅招来体』と呼ばれる存在の中でも最上級の存在の「根源破滅天使 ゾグ(第二形態)」の力を宿すモンスーアーマー・・・が、ゾグの能力はあんまり大したことがないため、もっぱらウルトラマンエックスの機動力のサポート用のモンスアーマーである。

 

見た目:ウルトラマンエックスの下半身に装着される。

ウルトラマンエックスの足と合わさってまるで四つ足のように見える補助の足(・・・・)(ロケットブースターになっている)、腰の部分に「Z(ゾグ=Z)」の文字が刻まれた"機動力増加"のモンスアーマー(パワードスーツ的な感じ)

 

メタ的な話だが「モンスアーマーは上半身を覆うヤツしかないけど、何でエックスは下半身まる出しなの?」という作者の純粋な疑問から生まれたモンスアーマーである。

 

 

・カオスヘッダー0(ゼロ)・アーマー

 

概要:「発光生命体 カオスヘッダー」の中でも怒りや憎しみから解放されるのと同時に優しさや慈しみを学んで生まれ変わった「発光生命体 カオスヘッダー0(ゼロ)」の力が宿る

 

「Xioなどの"怪獣との共存を目指す世界"が喉から手が出るほどに欲しがるモンスアーマー」

 

である。

 

大食漢の怪獣も、凶暴で手が付けられない怪獣も、果ては異星獣(スペースビースト)でさえも慈愛の波長で満たして鎮め、その寿命が尽きるまでの期間を満足させるエネルギーで満たしてしまう。

 

見た目:背中に「0(ゼロ)」が描かれた黄金の(・・・)マント(・・・)。また、ウマントの胸元の留め具は「K(カオスヘッダー=K)」になっている。

・・・かなりオシャレor厨二クサい見た目(笑)

 

 

・ギガバーサーク・チャリ(・・・・)オッツ(・・・)

 

概要:「最強!最速!」がモットーの「ウルトラマンマックス」を100%の確率で倒す為に生みだされた、最強にして最大の機械獣、純粋に凄まじく巨大で硬くて高火力というシンプル・イズ・ベストな「最強」を体現する「機械獣 ギガバーサーク」のデータを参考にして作られた一応はモンスアーマー・・・だが、もう完全に「戦車=チャリオッツ」と断言している"乗り物"である(笑)

が、その戦力は伊達では無く、その圧倒的な大きさと戦力、武装で相手を殲滅する。

ちなみに、大きさはギガバーサークまんま(全長990m)である。

 

見た目:もうギガバーサークそのまんま・・・それ以上でもそれ以下でもない。

 

余談:実は・・・最初は「変形するバイク」だった―――

 

「バイクに乗るウルトラマン」

 

という"某ライダーとウルトラマンが戦うビデオ作品"的な演出がしたかった・・・が、何かアレなのでチャリオッツにした。

 




如何でしたでしょうか?

今回はユーザーのサファイアアイズ・リントヴルム様より頂きました。サファイアアイズ・リントヴルム様、重ねてお礼申し上げます。ありがとうございます。

いやいや・・・書いてて楽しかったです。

余談ですが・・・実はモンスアーマーもといサイバーカードには公式で

『サイバーガタノゾーア』

があります・・・が、一体どんな感じなのかなどは全くの謎です。

というか・・・邪神の力を使うって―――ソレ言ったら

「友達ハゴチソウ!」で共食いが常の「変形怪獣 ガゾート」のサイバー版「サイバーガゾート」もありますからねぇ・・・

邪神に共食い野郎ってさぁ・・・まぁ、僕としては是非とも『ウルトラマンエックス』にガゾートに出て欲しかった。
スペースビーストと違って「話も通じる」けど「共食いが当たり前・それしか生きる手段が無い」ガゾートが出たとき、どんな反応になるのか・・・それが見たかったです。

だって、スペースビーストとか端っから殺していい、殺すしかないヤツでしょ?

それじゃぁ・・・ねぇ?意味が無いですよね。

「怪獣との共存を模索する」

と謳っている作品なのに・・・


次回もアイデア採用話です―――読者様の有り難いアイデアに加え、作者の"力作"も出させて頂きます。どうぞお楽しみに!!


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アイデア採用話 決戦!ネオフロンティアの防衛者と破壊者(前編)

どうも!作者です!!

今回は読者様からの有り難いアイデアを使わせて頂きつつ、作者の自信作を出します―――一体どんなのか、お楽しみにです。

また、今回は前後編です・・・色々とやりたいことが多いので。

ですが、お楽しみ頂けるように頑張りました。

ですので、よろしければどうぞご覧下さい。

では、どうぞ!!


『私はギルバリス。不要な知的生命体は全て抹殺します』

 

 

「オイオイ、何だありぁ・・・!!?」

 

数多の星々が浮かぶ宇宙、に浮かぶ緑豊かな生命溢れる惑星(ほし)・地球、に突如として滅びの危機が訪れた。

 

コイツら(・・・・)によって。

 

『私はギルバリス、宇宙に永遠の平和を築く事を使命とする―――さあ、行きなさいギャラクトロン、そしてギャラクトロンMK2(マークツー)たちよ!!』

 

―――クゥオォオンッ!!―――

 

―――クゥオォオンッ!!―――

 

―――クゥオォオンッ!!―――

 

ある日、何の前触れも無く地球の上空に謎の(・・)裂け目(・・・)―――俗に言う「時空の裂け目」が発生したかと思えば、その裂け目から次々に地球上に純白のボディを持った人型のドラゴンのようなロボット「シビルジャッジメンター ギャラクトロン」とその強化態「シビルジャッジメンター ギャラクトロンMK2(マークツー)」が無数に送り込まれた。

 

そして、そんなギャラクトロンたちを地球へと送り込んだ元凶こそ、無数のギャラクトロンに続いて地上へと落下してきた、ギャラクトロンのような純白のボディを持った巨大な塔のような形状の人工頭脳(・・・・)たる「巨大人工頭脳 ギルバリス」という、遙か昔に"とある宇宙人"が生み出した後に暴走した存在だった。

 

『私はギルバリス。不要な知的生命体は全て抹殺します。』

 

 

「オイオイ、何だありぁ・・・!!?」

 

『私はギルバリス、宇宙に永遠の平和を築く事を使命とする。宇宙の平和に知的生命体は不要なのです―――私は我が創造主のプログラムを忠実に実行するだけの存在』

 

「知的生命体を抹殺だと・・・!?」

 

突如として地球に現れて即座に破壊活動を始めたギャラクトロン軍団、とその元締めにして「知的生命体の抹殺が使命」と宣うギルバリス。

その暴虐は止まるところを知らず、緑豊かで命豊かな星・地球を瞬く間に掌握してしまった―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

否、

 

「そんな勝手なこと、させるもんですか!!」

 

「そうだ!俺たちの地球は俺たちの手で守る!ヒビキ(・・・・)総監(・・)、ご指示を!!」

 

「あぁ、これ以上は好きにさせないぜ!地球平和連合・TPCの総監として命ずる―――TPCの、ネオフロンティアの総力を持って、あのロボット共を殲滅せよっ!!!」

 

「「「ラジャーーーっ!!!」」」

 

突如として現れ、自分勝手な持論と行いで地球とそこに生きる全ての命を奪おうとするギャラクトロン軍団とギルバリスに対し、この世界(・・・・・)地球(・・・)こと『ネオフロンティア・スペース』を守る防衛組織『地球平和連合・Terrestrial Peaceable Consortium』通称「TPC」が毅然として立ち向かうことと相成った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

更に、

 

―――ジィギィイイイィィィッ!!―――

 

―――カァアアアァァァッ!!―――

 

―――グガァアアアァァァッ!!―――

 

―――キィピュイイイィィィッ!!―――

 

―――グオオオオオォォォォ!!―――

 

―――ギィヤオオオォォォ!!―――

 

―――グワァアアアァァァッ!!―――

 

 

地球平和連合・TPCが持てる限りの戦力、各種戦闘機や巨大母艦などなどで暴虐の限りを尽くすギャラクトロン軍団を迎え撃った際、突如としてギャラクトロン軍団に・・・何と数え切れない数の、種類の怪獣たちが突撃し、ギャラクトロン軍団と戦い始めた。

 

ある怪獣は必殺の光線や炎、強酸や電撃でギャラクトロンを破壊していた。

 

ある怪獣は生来持ち得た剛力や角、爪や尾、あるいはその巨体でギャラクトロンを圧倒していた。

 

ある怪獣は特殊なバリヤーやシールド、頑丈な甲殻の盾でギャラクトロン軍団の攻撃を防ぎ、被害を抑えていた。

 

その際、実はとても不思議な事が起きていた。それは・・・何故か、怪獣たちはTPCの邪魔を全くしない、どころかTPCと、人間と協力し、あるいは人間を守りながらギャラクトロン軍団と戦っていた―――

 

本来、怪獣とは非常に凶暴で、人間とは相容れない関係のハズなのに・・・一体、何故?

 

と、ここで―

 

 

―――クゥオォオンッ!!―――

 

―――ドォンッ!!―――

 

―――ギシャアアァァァ!?ギッ・・・シャッ・・・―――

 

尚も続くTPC・怪獣の連合軍とギャラクトロン軍団の激しい戦い。

 

その最中、一体のギャラクトロンMK2の砲撃をモロに浴びてしまった怪獣、でっぷりと出た腹と耳元まで裂けた巨大な鰐口が特徴の「肉食地底怪獣 ダイゲルン」が、断末魔の呻き声を上げながら地にひれ伏した―――その瞬間!!

 

―――バチッ・・・!バチバチッ!!―――

 

―――クゥオォオンッ!?―――

 

突然、息絶えて地にひれ伏したダイゲルンが―――その体が揺らめき(・・・・)火花を(・・・)散らせて(・・・・)ショートし(・・・・)、次の瞬間にはダイゲルンの巨体が掻き消すように消滅してしまった。

 

これには流石のギャラクトロンMK2も驚き、辺りをキョロキョロと見回すほどだった。

 

一体、ダイゲルンの体に、身に何が起きたのだろうか―――

 

その答えは、

 

バーチャル(・・・・・)ダイゲルン、消失!!」

 

「あぁ~っ!やっぱりダイゲルンは弱いか・・・ナカジマ隊員、やっぱりダイゲルンいらなかったんじゃないのか?」

 

「そ、そうは言うけどカリヤちゃん、この状況なら一体でも戦力は多い方がいいだろ?致し方ないんだってば!」

 

「それはそうだが・・・どうせなら、シルバゴンやゴルドラス、ネオザルスやネオガイガレードを量産すればいんじゃないか?

だってバーチャル(・・・・)怪獣(・・)はいくらでも出せるんだろう・・・"アレ"がいる(・・)限り(・・・)

 

ギャラクトロンMK2に屠られたダイゲルン・・・をモニター越しに見ていたTPCの職員が言った通り、実は今しがた屠られ、その直後に消失したダイゲルンは「バーチャルダイゲルン」もとい「バーチャル怪獣」という

 

ネオフロンティアの世界にかつて現れた怪獣のデータを元に作られた「実体を(・・・)持った(・・・・)バーチャル(仮想の)怪獣」だったのだ!!

 

そう、何故か怪獣たちがTPCの戦闘機や戦闘員たちを傷付けることも無く共闘し、更にはギャラクトロン軍団に襲われた街や人々を身を挺して守っていたのも、全ては怪獣はバーチャル怪獣もとい「人間に生み出された、人間に絶対服従のバーチャル怪獣」だからだったのだ。

 

そして、そんなバーチャル怪獣を生み(・・)出している(・・・・)のが"コイツ"だ―――

 

―――ゴォガァアアアァァッ!!―――

 

―――クゥオォオンッ!?―――

 

ギャラクトロンをそのワニような口で"一口で"軽々と咥え、一瞬で真っ二つに噛み千切り、

 

ギャラクトロンMK2を巨大な手で捕らえつつ、その巨大な手に生えた鉤爪でギャラクトロンMK2の純白のボディを穿ってオイルを漏らされ、

 

十体ほどで固まっていたギャラクトロンたちの目掛けて跳躍した直後、そのままギャラクトロンたちの真上に垂直降下して踏み潰す、