誰がため、人がため (コーラテートク)
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日常から非日常へ

今回は好きに書く、ということで評価等は全く気にせず書いていくことにします。


「お前は東雲家きっての天才だ!」

 

「あなたは東雲家の誇りよ!」

 

古くから続く陰陽師の家系に産まれ、そんな言葉を言われ続けてきた。

期待が重かった。役に立たなければいけないと思った。

 

だから自分を()()()

 

自分を封じて、偽りの笑顔を浮かべて生きてきた。

故に、心が休まるときは少ししかなかった。

 

そんなある日の出来事───

 

「やっと学校終わったー!なあ、どっか遊びに行こうぜ!」

 

「ええ、いいですよ。どこにいきますか?」

 

「そうだなー、ゲーセン行こうぜゲーセン!」

 

「あはは、本当にゲームが好きですね、日野さん。」

 

「まあな!」

 

高校からの帰宅途中───

 

家族以外で唯一、私が持つ力を知っている友人日野 海斗(ひの かいと)とちょっとした雑談を交えながら歩いていた。

自分にとって唯一といってもいい、心から信じられる友人である。

 

「う…ぁぁ!?」

 

「…げろー!?」

 

不意に、背後が騒がしくなった。

 

「なあ、なんか後ろがうるさくないか?」

 

「言われてみれば…。確かにそうですね、どうしたんでしょう?」

 

と話していたところで、

 

「だれ、か、たすけ…。」

 

血塗れの男が近づいてくる。

今にも倒れそうで、かなり不安定な足取りだ。

 

「お、おい!大丈夫か!?」

 

「ぅ…。」

 

「出血がひどいですね…。早く治療しないと危険そうです。」

 

「なら、早く救急車呼ばないと!」

 

海斗が携帯を取り出し、救急に連絡を行う。

 

「もしもし、救急ですか!?人が血塗れで倒れてるんです!救急車をお願いします!」

 

気づかれないように治療を行う。

といっても、医学の知識があるわけではないので傷口を一時的に()()()ことで止血する程度だ。

 

「おい、後ろだ!危ないぞ!」

 

危険を知らせる声が聞こえたと同時に、いやな予感がして振り返る。

 

───電話をかけている海斗の後ろに、刃物を振りかぶる男の姿が見えた。

 

なにを言うまでもなく、体が動いていた。

海斗の前に飛び込み、自身の体を盾にする。

 

「えっ…?」

 

その瞬間、海斗の呆けた声が聞こえたと同時に、腹部にとてつもない痛みがはしる。

視界が真っ赤に染まり、呼吸がおぼつかなくなる。

 

目の前の男は、駆け付けた警官に取り押さえられた。

 

「封、しっかりしろよ!おい!」

 

見たところ海斗に目立った傷はないようだ。

 

「ぶじ、ですね…。よかったです…。」

 

安心したからか、意識が沈んでいく。

 

「───!───!?」

 

海斗が何か言っていたような気がしたが、それを聞くことはかなわなかった。

 

───────────────────────────────────────

 

「……?」

 

風の音で目が覚める。

 

「私は確か、海斗さんを庇って…?病院…ではないようですが…。」

 

周囲を見渡してみる。

 

目が覚めた場所は木々に囲まれており、吹き抜ける風の音が印象的だった。

 

「───いや、どこだよここ。」

 

思わず素が出た。




主人公の友人─日野海斗ですが、これ以降出てくる予定はほとんどありません(´・ω・`)

一応言っておくと、主人公─東雲封が現代で唯一心を許している人物でした。

これ以降の登場は考えてない、かな?


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ようかいになってた

最初のスタートダッシュだけは勢いよくいきますぞー(笑)


「いや、どこだよここ。」

 

思わず素が出てしまうほどに驚いたが、気を取り直して所持品などを調べることにした。

 

「えっと、服装は白い着物に薄青の袴か…。つまり普段着か。持ち物は…。」

 

といった具合に調べていく。

 

結論から言うと、服装が変わったことと持ち物がなくなっていた。

それ以外では一点だけしか変化はなかったのだが。

 

そのある一点が、一番の問題だった。

 

「なんで()()()()()んでしょうかねぇ…。」

 

───妖怪になってました。

 

「もし人がいた場合、問答無用で襲い掛かられても困りますし、封じておきましょうか…。」

 

自身が保有する能力───『封じる程度の能力』と自身が扱うことのできる最高の封印術を持って、妖怪という事実を封印する。

どうしても妖力は封印出来なかったため、感知されないようにだけ注意しておく。

 

「妖力だけじゃなくて、霊力も残っているようですね。これなら何とかなりそうです。」

 

確認と準備を終え、ようやく動き始める。

といっても、当てがあるわけではないので、適当に歩くことにする。

 

───────────────────────────────────────

 

しばらく歩いていたのだが何も見つからない。

 

「歩いても歩いても何も見つかりませんね。さて、どうしましょうか…。」

 

変化のない道程に辟易とする。

 

どうしたものかと悩みながら歩いていたのだが、

茂みの奥から硬いもの同士がこすれるような、ぶつかり合うような音が聞こえたため足を止める。

 

「今の音は…。誰かいるのでしょうか?」

 

他に行く当てもなかったため、その音がした方向へ足を進める。

がさがさと茂みの中を進んでいくと、不意に視界が開ける。

 

と同時に結界を展開し、飛んできた鋭い何かを弾く。

 

(危なかっ………え?)

 

その際、視界の端にあるものが映る。

 

───死体だ。軽く10人を超えており、その全員がずたずたに切り裂かれて絶命している。

 

それも、全員が苦悶に顔を歪めた状態で、だ。どのようにして殺されたかは考えるまでもなかった。

 

「ああ…。」

 

「なんだキサマぁ?あいつらみたいに死にたいのかぁ?ヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!」

 

「お前が元凶か?」

 

「アァ?」

 

「お前がやったのか、と聞いている。」

 

「そうだぜぇ?泣きわめく顔は見物だったなぁ?ヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!!」

 

───頭の中で何かが切れた。

 

「文句でもあるのかぁ?」

 

「…。」

 

答えずに大量の霊力弾を放つ。

 

「グ、ギャッ!?」

 

上手く声の主に当たったようで悲鳴が聞こえた。

 

だが、()()()()()()()()()()()()

 

「…。」

 

無言のまま霊力弾を放ちながら歩みを進める。

 

「ギ、ィ…!人間風情が、調子に乗るなぁ!!!」

 

妖怪(ゴミ)が叫ぶと、何かに縛られたかのように体が動かなくなる。

 

「ギャハハハハハ!!!どうだ、動けねぇだろぉ!これがオレの力、『拘束する程度の能力』!」

 

「…。」

 

「やってくれたじゃねぇかよぉ…!今からたっぷりと返してやるぜぇ!」

 

「…。」

 

「なんだぁ?怖くて声も「長いんだよゴミが、さっさとこいよ。」なら望み通り殺してやるよぉ!!!」

 

こちらが動けないからと言ってバカのように突っ込んでくる。

 

(───3)

 

相手が踏み込む。

 

(───2)

 

一気に距離を詰め、

 

(───1)

 

目の前で鉤爪を振りかぶり、

 

───そして

 

「ゼロ。」

 

下から現れた大剣に両断され、絶命した。

 




主人公激おこ( ゚Д゚)/
怒ると口調が変わります。

仕事の関係で全然書けないぃぃぃ!?
まだ二話目なのに…(´・ω・`)


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