笑顔にするアイドル、笑顔を取り戻すヒーロー (banjo-da)
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休日のreunion

時期としてはトゥルーエンディング内、ゲムデウス戦からビルド登場までの、ほんの僅かな間の出来事。
感想、評価頂けると励みになります。




『ねぇ、プロデューサーさん。それに──先生。私決めたよ。

 

 

────ファンのみんなにも教えるんだ…夢は叶うってこと。本当だから…。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【Game Start】

 

 

ある日の午後。空は晴れ渡り、熱すぎも寒すぎもしない過ごしやすい日。絶好のお出掛け日和だからか、道行く人々の表情は笑顔で溢れている。

 

そんな気持ちの良い日だからこそ。偶には店の中じゃなくて、通りに面して設置されたテラス席へと自然と足を運んでしまう───そんな経験が有るのは、きっと僕だけじゃ無い筈。事実、周りを見渡せば、テラス席はほぼ満席だ。所謂チェーン展開のハンバーガーショップで、近くには会社や学校もあるから、店内は何時も満席なんだけど…屋外の席まで埋まってるのは珍しい。

 

なんて事を考えながら、先に店内で買っておいたハンバーガーをテーブルに置き、席に着く。

ここは、僕のお気に入りのハンバーガーショップ。研修医時代は勿論、もっとずっと昔、小学生の頃からよく来てる。研修医の頃といえば、バガモンと出会ったのもこの店だったなぁ。(しかも、あの時もテラス席だった!)

 

僕は宝条永夢。小児科のドクターと、電脳救命センターのドクターを掛け持ちしてる。といっても、小児科医としてはまだまだ駆け出しの身だけどね。

ちなみに、電脳救命センターって言うのは…

 

「あれ?永夢先生じゃん。」

 

────っと。不意に名前を呼ばれ、振り返る。声の主は、フライドポテトの載ったトレーを手にした、高校生くらいの女の子。

正直女の子の事はあまりよく分からない僕でも、可愛らしい子だって分かる。

 

「加蓮ちゃん!あれ、今日平日だよね?何でここに?学校のハズじゃ…」

 

「あー、今日まで中間試験だったんだ。───で、仕事(・・)の前に凛や奈緒とお昼食べに来たんだ♪」

 

そう言いながら振り返る彼女につられて、僕も加蓮ちゃんの後方へ視線を向ける。そこには、彼女にも負けず劣らずの可愛い女の子が二人、トレーを抱えていた。(あくまで僕の感想で、やましい感情や変な意味は無いよ!)

 

「お友達?…あれ、凛ちゃんと奈緒ちゃんって名前、どこかで…」

 

「もー、先生ほんッッッと流行に疎いんだから!私達、これでも結構有名なユニットだよ?前先生には言ったじゃん!」

 

むすっ、と頬を膨らませる加蓮ちゃん。彼女の言葉で、漸く僕も思い出した。

 

─────トライアドプリムス。今、世間で大注目の女子高生アイドルユニットだ。

渋谷凛ちゃん、神谷奈緒ちゃん、そして北条加蓮ちゃん。この三人で構成されたこのユニットは、可愛らしい見た目や高校生という年齢からは想像出来ない程、抜群の歌唱力を武器に格好良いパフォーマンスをする…らしい。正直僕はまだ見れたことが無いんだけどね。

けど、あの大我さんすら名前は知ってた。凄く大人気なんだろう。(飛彩さんは当然の如く知らなかったけど。)

 

そんな事を考えていると、不意に背後から軽く肩を叩かれながら「あの」と声を掛けられる。不思議に思って振り返ると、そこには───スーツを着た、強面のお兄さん。

 

「は、は、は、はい!?ぼ、僕に何か用ですか!?」

 

見知らぬ、そして堅気には見えない男性に、思わず身構え後ずさる僕。しかしそんな僕の様子を見て、お兄さんは困った様に頭を掻き、何故か加蓮ちゃん達は大笑いし始めた。

 

「プロデューサー…完全にヤバい人と勘違いされてるじゃん」

 

「はぁ…すみません」

 

呆れた様に苦笑する凛ちゃんと、何処か申し訳無さそうなお兄さん。

 

「───って、え?プロデューサー…?」

 

凛ちゃんの言葉に引っ掛りを覚えた僕は、恐る恐る問い掛ける。

すると目の前のお兄さんは、「こういう者です」と名刺を差し出してきた。

 

「美城プロダクション…アイドル部門、プロデューサー…って事はもしかして?」

 

「フフッ…そうだよ先生。その人が、私達のプロデューサーさん。あー、笑い過ぎてお腹痛い…。」

 

「驚かせてしまって申し訳ありません。今、北条さんが仰有った通り、私が彼女達のプロデュースを担当させてもらっています。────ところで、失礼ですが貴方は…?『先生』と呼ばれていましたが…。」

 

「あ、アタシも気になってた!加蓮、この人誰なんだ?」

 

厳つい見ためとは裏腹に、凄く丁寧なお兄さん───もとい、プロデューサーさん。そして彼の言葉に食い付き、凄く興味津々な様子の奈緒ちゃん。

 

「え?私の彼氏だよ?ねー、先生♪」

 

「ブフッ!?ゲッホ、ゴホ…か、加蓮ちゃん…心臓に悪い冗談は止めてよ…!」

 

思わぬ爆弾発言に、飲んでいたコーラを盛大に吹き出し噎せてしまった。

見れば、奈緒ちゃんは一瞬で顔を真っ赤に染め上げ、口をパクパクさせてる。

凛ちゃんとプロデューサーさんは、奈緒ちゃん程じゃないけどやっぱり動揺してるらしい。困惑気味に僕と加蓮ちゃんを何度も見比べていた。

 

そして加蓮ちゃんはというと、そんな僕らを見て心底楽しそうだ。相手を乗せた時の貴利矢さんみたいな、物凄く良い笑顔だなぁ…。

 

「プロデューサーさん。それに神谷奈緒さん、渋谷凛さん。安心して下さい、さっきの加蓮ちゃんの言った事は冗談ですから。

───僕は聖都大学附属病院、小児科医の宝条永夢です。加蓮ちゃんは、以前僕が研修医として色々な科を回っていた頃、内科で担当させてもらった事があったんです。」

 

 

自己紹介を済ませれば、漸くプロデューサーさんも凛ちゃんも奈緒ちゃんも安心してくれたらしい。「なんだ」と揃って安堵の息を漏らしていた。

そこからは凄く楽しい時間だった。何時の間にか同じ席に着いていた加蓮ちゃん。凛ちゃん奈緒ちゃん、プロデューサーさんも隣の席に集まって、トライアドプリムスの活動について色々聞かせてもらった。

 

『患者には関わらない』が信条の飛彩さんとは対照的に(今では飛彩さんが何でそういうスタンスなのか知ったから、お互いに争う事は無くなったけどね)、僕は結構患者さんの話を聞きに行く。けど───退院した後、加蓮ちゃんがこんなにも凄いアイドルになってるなんて知らなかったな。

 

「なぁなぁ永夢先生!昔の加蓮の事も教えてくれよ!」

 

不意に奈緒ちゃんが、期待の籠った眼差しでそう問い掛けてきた。見れば、凛ちゃんも「興味が有る」って感じだ。

 

「もー!奈緒ってば、そういう事聞いちゃう!?先生、恥ずかしいから言っちゃ駄目だよ!」

 

加蓮ちゃんはちょっと顔を赤くして、慌てた様に首をぶんぶん横に振ってる。…さて、僕はどうしようかな…?

 

 

少し迷っていたけれど

───結局、僕はその質問に答える事は出来なかった。

 

 

次の瞬間、突然加蓮ちゃんが苦しみ出したからだ。

 

「「加蓮!?」」

 

「北条さん!宝条先生、これは…!」

 

心配そうに彼女の傍に駆け寄る凛ちゃんと奈緒ちゃん。

プロデューサーさんは、彼女達をいたずらに不安がらせ無いよう冷静に振る舞おうとしてたけど…流石に動揺を隠せてない。

 

けど、今は何より加蓮ちゃんの容態を把握しないといけない。

さっき、彼女の身体にノイズの様なものが表れたのを僕は見逃さなかった。もし僕の予想が正しければ…そう思い、聴診器型デバイス『ゲームスコープ』を取り出し彼女に向けてかざす。

 

結果は半分僕の予想通り。だけど、半分想定外…。

 

「新種の…ゲーム病…ッ!」

 

バグスターウィルス感染症───通称ゲーム病。実体化したコンピューターウィルス『バグスターウィルス』に感染し、最悪の場合文字通り消滅してしまう危険な病。

けど、医療は日々進歩している。オペでしか治せなかったこの病気も、貴利矢さんの開発したワクチンのお陰で早期かつ手軽な治療が行える様になった。

 

─────ハズなのに。ゲームスコープには該当無しと表示されてしまう。つまり、加蓮ちゃんに感染しているのは既存のウィルスではなく…まだデータの無い新型のバグスター。

これじゃあ、オペでしか対処出来ない。

 

そう思った僕は、懐から1本のゲーム(・・・)を取り出す。勿論、唯のゲームじゃない。

 

 

────加蓮ちゃんの身体から、何か(・・)が分離し、人型の異形を形作るのは、それとほぼ同時だった。

 

一言で言えば、二足歩行する人型のライオン。前足…というか両手には鋭い鉤爪を備え、頭部の黄金のたてがみが目を引く。

バグスターなのは間違いないけど、こんな敵キャラは見たことない。それにバグスターを患者から分離して無いのに、もう怪人態へ進化しているのも妙だ。

 

けど、やることは変わらない。どんなゲームだろうとクリアして、加蓮ちゃんを助ける。

 

「──────良いぜ。やってやろうじゃねぇか!」

 

『マイティアクションX!』

 

()はさっき取り出したゲーム、『マイティアクションX』のガシャットを起動すると不敵に笑う。

 

別に二重人格とか、そんなんじゃない。ただちょっと、ゲームをする時は性格が強気になる。ゲームに挑む時は燃える…まっ、ゲーマーとしての性みたいなもんだ。

 

ゲーム機の様なバックルを腰に当てれば、そこから伸びたベルトが腰に巻き付く。俺達がオペをする時に必要な装備、『ゲーマドライバー』の準備が整った!

 

「大変身!」

 

俺はガシャットをゲーマドライバーに挿入し、そのままレバーを開いてレベルアップする。

 

『Level Up !マイティジャンプ!マイティキック!マイティ・マイティ・アクションX!』

 

バグスターウィルスから人々を守る、電脳救命センターのドクターライダー─────仮面ライダーエグゼイド。

それが俺のもう一つの顔だ。

 

「宝条先生が…変身した…?」

 

「プロデューサー!悪いが3人を頼むぜ?ちょっと猛獣退治に行ってくるからさ!」

 

 

人気ゲームキャラ『マイティ』を模した、尖った髪が特徴のエグゼイド・レベル2。

通常バグスターは、患者を取り込んでバグスターユニオンって化物になるんだが…今回はいきなり加蓮と分離した。だから最初からレベルアップしたってワケ。

 

『stage select』

 

仮想空間を作り出(ステージをセレクト)し、俺とライオンバグスター?が草原へ送り込まれる。

さあ、ゲームスタートだ!

 

「ノーコンティニューでクリアしてやるぜ!」

 

「─────……。」

 

無言を貫きながらも俺の言葉に反応したのか、バグスターが構えを取る。…と言っても、どうみても真っ当な格闘技の構えの類じゃない。

脱力させた両腕をだらんと垂らし、軽く腰を落とす。

 

─────と思ってたら、次の瞬間には目の前に奴が迫っていた!あの体勢から一瞬で、助走も無しに飛んで来たのかよ!?

しかも垂らしてた筈の腕は、とうに振り上げられ、俺目掛けて突き出されてる。

紙一重の所で慌てて横へ回避。受け身すら上手く取れずその場に転がるが、何とか直撃は避けられた。

メチャクチャ早い…しかも今は避けられたが、あの爪はヤバい。『ギリギリチャンバラ』のカイデンの太刀筋にも匹敵する鋭さだ。

 

こいつはちょっと手強いかもな。俺は警戒レベルを引き上げながら、愛用のガシャコンブレイカーを取り出した。

 

「そおら!はっ!ほっ!よいしょ!!」

 

奴目掛けてガシャコンブレイカーを何度も叩き付ける。その度に『hit』の判定が表示されるが…正直、あんまり効いてる気がしない。それにコイツ、鎧も何も無いのにスゲー硬い…!

 

「おりゃぁ!」

 

アクションゲーマーの身軽さを活かして高く飛び上がり、落下と共にガシャコンブレイカーを叩き付ける。相手の硬さを突破するため、パワー不足を補う為の戦術だった。───が。

 

「───。」

 

「なっ!?」

 

想定外だった。奴は気怠そうに片腕を振り上げ、俺の攻撃を受け止めた。そしてそのまま力を込め、俺を押し返す。

空中に居た俺の身体は、いとも容易く後ろへ吹っ飛ばされちまった。

 

「いってぇ…強いなコイツ…。」

 

レベル2じゃ分が悪い。そう判断すると俺はドライバーからガシャットを抜き取り、別のガシャットと差し替える。

 

「一気に勝負を決める!マックス大変身!」

 

『マキシマムマイティXガシャット』

他のガシャットとは一線を画すこの巨大なガシャットから飛び出したマイティを押し込むと、俺はマイティの顔を模した巨大な鎧『マキシマムゲーマ』を身に纏う。

マキシマムゲーマー、そのレベルは99だ。

 

ガシャコンブレイカーをガシャコンキースラッシャーへと持ち替え、再び奴へと降り下ろす。

レベル2から一気に跳ね上がった攻撃力を前に、流石の奴も受け止め切れずその場でよろめく。このまま押し切ってやるぜ!

俺は畳み掛ける様に奴を連続で斬りつけ、ダメ押しとばかりにマキシマムゲーマの巨体で体当たりを仕掛ける。

堪らず奴が吹っ飛ばされたその隙に、俺はドライバーからマキシマムマイティXガシャットを抜き取り、ガシャコンキースラッシャーへと装填。刃の裏に備わった銃口へと、エネルギーが集約されていく。

 

『マキシマムマイティ・クリティカルフィニッシュ!』

 

さあ、フィニッシュは必殺技で決まりだ!

 

 

 

 

 

─────そう思っていた。

 

「舐めるな!」

 

体勢を崩されていたにも関わらず、奴は咄嗟に身を捩り必殺技を回避して見せた。マジかよ!?

それどころか、すぐに体勢を立て直すと、先程同様一気に間合いを詰めて来た。反応の遅れた俺は、今度は攻撃を避けられずマトモに食らってしまう。表示された『perfect』のエフェクトに、思わず仮面の下で顔を歪める…クソ、やっちまった。

 

けど、次の瞬間にはそれどころじゃ無くなった。ライダーゲージが一気に削り取られ、変身が解除されてしまったのだ。

 

「───な!?何で…幾らなんでもマキシマムの防御力が、こんな簡単に…!」

 

確かに通常、あまりに大きなダメージを受ければ変身は強制解除される。ライダーゲージが0になり、消滅してしまう事を防ぐ為だ。

だが、今の俺はピンピンしてる…それに、そんな現状とは裏腹に、一気に減少したライダーゲージ。新種のバグスターとはいえ、こいつ一体何者なんだ!?

 

「……自然界では、強者と弱者が一瞬の内に入れ替わる等日常茶飯。勝者こそが強者、そして常に弱肉強食。…『狩るか、狩られるか』だ。」

 

俺の疑問に、奴は淡々とした口調でそう答え、

 

「…中々楽しませてもらった。

だが、まだ物足りん…この身は、極限の闘争を欲している。───この俺が完全体になる前に、俺を攻略して見せろ。」

 

これまで何の感情も感じられなかった声音に、僅かな喜色を滲ませてそう呟くと、姿を消したのだった。

 

 

 

【to be continued…】




『ほうじょう』繋がりで書き始めました。3~5話位目安で、ゆっくり書いていきます。
拙い文章ですが、頑張ります。


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idolの信じるもの

間隔空いてしまって申し訳ありません。
ブハハハハ!時間差コンティニューだァ…ではなく、普通に多忙と執筆の遅さです。
少しでも楽しんで頂ければと思います。


「新種のバグスターだと…?エグゼイド、確かなのか?」

 

「はい…データも表示されませんでしたし、何よりあんなバグスターは見たことがない。」

 

あの戦いから約2時間後。バグスターを取り逃がしてしまった僕は、加蓮ちゃんをCRへ搬送。皆にも連絡を取って、今後の方針を話し合っていた。

バグスターの活動が沈静化しつつあるこのタイミングでの新種。皆の表情も険しい。

 

「『狩るか狩られるか』…そのバグスターはそう言ったんだな?」

 

そう問い掛けてくる飛彩さんも、難しい顔をしている。恐らく、僕と同じ事を考えてるんだろう。

 

「はい、確かに。」

 

「だとすれば、今回のバグスター…。ライオンの様な外見、という情報といい、そのフレーズといい…やはり敵は…「はいそこー。二人で分かった顔してないで、自分らにも教えてくんない?

───あ、永夢。これ加蓮ちゃんの診察結果な。」

 

僕と飛彩さんの会話を遮り、やって来たのは貴利矢さん。手にしたカルテを僕へ差し出しながら、しかめっ面を浮かべてる。

 

「…ったく。折角自分の開発したワクチンの出番と思ったのによ…新種とはな。───で?永夢と大先生、敵の正体に心当たり有る感じ?自分はてっきり、あそこで複雑そうな顔してる()…まーたアイツの仕業だと思ってたんだけど。」

 

言いながらCR奥に有るドレミファビートのゲーム機を顎で指す貴利矢さん。正確には、その画面に映った一人の男を指してるんだろうけど。

 

「おいゲンム、ほんとにテメェの仕業じゃねぇんだろうな?」

 

貴利矢さんだけじゃなく、全員の視線が彼に向けられる中、大我さんがウンザリした様子で彼に問い掛ける。

 

「黙れェ!また私の許可無く不正なガシャットを…いや、厳密にはガシャット自体は不正では無いが…!」

 

その問い掛けに苛立った様子で噛み付く彼───黎斗さん。心底不愉快そうに、ブツブツと独り言を漏らしながら画面の中をウロウロしている。

 

「てことは、本当にアンタの仕業じゃないってワケだ。おい神、敵は何者なんだ?」

 

「………永夢と鏡先生は察しているようだが、恐らく今回のゲームは『ナイト オブ サファリ』。確かに私も開発に関わっていた物だから、厳密には不正なガシャットではない。─────だが、私はこのゲームのバグスターを生み出した覚えは無イィ!!!」

 

ナイトオブサファリ。かつて幻夢コーポレーションで開発され、その後何者かに強奪されたレベル4のガシャット。

僕自身が攻略したわけじゃないけど、飛彩さんがその力で浅倉威という危険な男を倒したらしい。あの人は本当に恐ろしかった…暴力を楽しむ、黎斗さんとは違ったベクトルで危険な人物。

だけどその後飛彩さんが気付いた時には、ガシャットは紛失していたらしい。

 

「永夢の変身が解除させられたってのは?そのゲーム、聞いてた話だとレベル4のガシャットなんだろ?───そうでなくても、マキシマムが一撃で変身解除なんて異常だ…普通のバグスターどころか、パラドやグラファイトだって、そこまで出来るとは思えない。」

 

貴利矢さんが難しい顔をして黎斗さんに問い掛ける。

確かに僕も気になっていた…あの時、ライダーゲージはほぼ満タンの筈だったのに。

 

「……レベル4は特殊なガシャットだ。そうだな…仮面ライダーのレベルアップをゲーム風に言えば、レベル3まではキャラクターのステータス上昇と、単なる武具の装備。そしてレベル5からは、そこにスキルの習得が加わる。」

 

「スキル…?」

 

「ドラゴナイトハンターZの協力プレイ然り、デンジャラスゾンビの不死然り。この様なゲーム毎の特徴に加えて、例えばレベル50のゲームの『一つのガシャットで二種類のゲームを切り換えられる』性質や、レベルXの『未知数』だってそうだ。レベル3までの武装強化に加えて、何かしら特別な性質が加わってくる。

─────そして、レベル4はその実験段階のガシャットとして考案していた。」

 

「そんな事も分からないのか」と言わんばかりに渋い顔の黎斗さん。

多分皆その顔にイラッとはしてるだろうけど、先を促し余計な水は差さない。とにかく、奴の攻略法を探らなければいけないのだから。

 

「レベル4は言うなれば、レベルXのプロトタイプ。レベルの概念に縛られない戦力として考案した。…単純な戦闘能力とは違った方法で勝敗を求める、ジュージューバーガーもそうだな。」

 

「レベルの概念に縛られない…じゃあ、マキシマムがやられたのは…。」

 

「そのバグスターも言っていたろう?『狩るか狩られるか』だと。肉食獣は草食動物に対して絶対的な強者だが、時として返り討ちに逢う事も有る。どれ程優れたスペックを持ってしても、結局は生き残れ無ければ意味が無い───そんな自然界の厳しさを再現した能力というわけさ。…まったく…言葉にすると改めて自分の才能の恐ろしさを実感するな…ブハハハハ!!」

 

「うっせぇな…回りくどい言い方してるけど、よーするにレベル差無視攻撃ってワケ?ったく、ロクでもないモンばっか作る神だなオイ…。」

 

黎斗さんの高笑いに顔を顰めつつ、溜め息混じりに頭を抱える貴利矢さん。

そんなあからさまな反応も全く意に介さず、満面の笑みで黎斗さんは続ける。

 

「勿論、常にレベルやスペックを無視出来るワケではない。この能力が発動するのは、完璧に攻撃が決まり、当たり判定がパーフェクトになった時のみだ。」

 

「成程な。確かに厄介ではあるが、それが一番効果的に使えるのは最初の一度きり。相手の手の内さえ分かれば、幾らでも対策は立てられる。」

 

飛彩さんの言葉に、僕達も頷く。黎斗さんの言葉が正しければ、ヤツの力は初見殺しな部分が大きい。

あのスピードは厄介だけど、上手く立ち回れば勝てない敵じゃないって事だ。

 

「とはいえ、さっきも言った通り私の生み出したバグスターではない。最悪、ハイパームテキなら負ける事は無いだろうが…油断はしない事だ。」

 

「お?なんだ神。今回はいやに協力的じゃない。」

 

「勘違いするな。ハリケーンニンジャの件もそうだが…私以外の者が、私の才能を利用して不正な存在を生み出す…それだけは断じて許さない!それだけの事だ。」

 

何処までも何時も通りの黎斗さんの姿に、僕は思わず苦笑いした。

 

 

 

 

 

 

「あ、先生!」

 

「加蓮ちゃん、様子はどう?何処か苦しいとかは無い?」

 

「大丈夫だよー。強いて言えば、さっきポテト食べ損ねちゃったから食べたいなー…ってくらい。」

 

良かった。思ったより元気そうだ。その事に僕は安堵し、ほっと息を吐く。勿論油断は禁物だけど、今は加蓮ちゃんが大きなストレスを感じてない…容態が安定してる証拠だ。

 

「なぁ先生!加蓮は…加蓮は助かるよな!?頼むよ、加蓮を助けて…ッ!」

 

「ゲーム病ってあれでしょ?ちょっと前までニュースになってたやつ。何とかクロニクルってゲームの。…ねぇ、先生。本当に大丈夫なの?さっきもあの化物に逃げられちゃってたし…。」

 

寧ろそんな加蓮ちゃん本人よりも、傍に居る奈緒ちゃん達の方が不安そうだ。奈緒ちゃんは今にも泣き出しそうで、凛ちゃんも僕に向ける眼差しは厳しい。…無理も無い。ゲーム病の脅威は、連日これでもかという位に報道された。その上僕は、彼女達の前で変身しておきながら、結局バグスターに逃げられてしまった…大事な親友が消滅の危機に晒されてるとなれば、誰だって不安や悲しみや怒りを抱くだろう。

 

「………すみません。確かにさっき僕は、あのバグスターを取り逃がしてしまった。すぐに加蓮ちゃんを救えなかった。本当にすみません。

 

─────けど、どうか信じて下さい。必ずアイツを倒して、今度こそ加蓮ちゃんのゲーム病を治します。…加蓮ちゃんの、笑顔を取り戻してみせます!」

 

何をどう言い訳したって、加蓮ちゃんがまだ感染したままなのは揺るがない事実だ。

だから僕は、今度こそ彼女を助ける。その心からの想いを二人に伝えた。

 

「……でも!」

 

「ほーら、凛も奈緒もストップ。…心配してくれて、ありがとね?でも大丈夫…だって私は先生の事、信じてるから。」

 

尚も気持ちを抑えられない様子の凛ちゃんに、加蓮ちゃんは優しい声音で語り掛ける。…幾ら容態が安定してるとはいえ、一番不安なのは加蓮ちゃん自身だろうに…。加蓮ちゃんの言葉が僕にとっては凄く誇らしかった反面、彼女を救えなかった自分が情けなくなる。

 

けど、そんな僕に加蓮ちゃんは

 

「先生?今自分の事、『情けないな』とか思わなかった?」

 

「え?」

 

「もー…やっぱり!」

 

少し怒った様に頬を膨らませた後、すぐに笑顔を───とてもゲーム病に不安を感じてるとは思えない、暖かい笑顔を浮かべた。

 

 

 

 

 

 

「先生?今自分の事、『情けないな』とか思わなかった?」

 

「え?」

 

先生の顔を見て、自分の勘に間違いは無かったと確信する。先生、ホントに素直だから顔に出ちゃうんだよね。

それはそれとして、私は少し不満を覚えた。だって、真面目なのは良いけどさっきの言葉でその反応されちゃ、却って失礼じゃない!?

 

「もー…やっぱり!」

 

きっと…ううん、確信してる。この先生は、優しくて、命が───笑顔で過ごせる事が、どれだけ素敵な事なのか知ってるんだ。だから真面目に、私の『信じてる』って言葉を『信頼を裏切ってしまった』って捉えちゃう。

 

けど、私は本当に先生の事を信じてる。勿論、ゲーム病は怖いよ?でも、永夢先生なら必ず助けてくれるって信じられる…だから、怖くても不安にはならない。

 

「先生、さっき私の笑顔を取り戻すって言ってくれたよね。…でも、大丈夫。私は笑顔を失くしたりはしないから。─────私は、先生が助けてくれるって信じられる。だから、ゲーム病なんかにそう簡単には負けないよ!」

 

「加蓮ちゃん…。」

 

そう、この人はきっと大丈夫。だって…以前(・・)もそうだったから。

 

「………凛、奈緒。黙っててゴメン。

私ね────ゲーム病に罹るの、二回目(・・・)なんだ。」

 

もう、笑顔を失くしたりはしない。

 

 

 

 

昔、一度は失いかけて

─────永夢先生が取り戻してくれた笑顔を。

 

 

 

【to be continued…】




レベル4完全捏造設定は、『仮面ライダーブレイブ』で飛彩が浅倉に勝てた所からの考察もとい妄想です。
「もしあの浅倉が劣化コピーだとしても、レベル一桁で勝てるのかな?」→「そういうゲームだったのでは?」という。

感想、評価等お待ちしてます。


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huntingを開始せよ

Q 回想シーン、なんでソルティのゲーム病なんですか?

A ???「ポテトにしょっぱさは付き物だろう?」


始まりは最悪だった。

 

…あ、永夢先生は何も悪く無いよ?ただ、あの頃の私は、ちょっと荒んでたというか…。

凛や奈緒とユニットを組む前。漸く長い入院生活から解放されて少しした頃、私はアイドルとしてスカウトされた。憧れのアイドルになれるって期待は有るものの、『こんな私じゃ』って想いも抜けきれなくて…その時はプロデューサーに返事を待ってもらってた。

 

そんな時に永夢先生と出会ったんだ。

 

 

 

 

 

 

「はい、それじゃ薬を出しておきますね。朝と夜、ご飯の後に服用して下さい。」

 

「ありがとうございました。」

 

その日私は、掛かり付けの何時もの病院じゃなくて、少し離れた聖都大学附属病院に居た。偶々何時もの病院がお休みだったからね。

その日は朝からちょっと体調が優れなくて、念の為に診てもらおうと思ったの。退院直後って事もあって嫌な予感がしたんだ。

不安だったけど、結果は大した事無くて安心した。

 

─────でも、直ぐにその嫌な予感は的中する事になる。

 

 

「それじゃ… ────ッ!?」

 

急に苦しくなる私の身体。さっきまでの不調なんて可愛く感じる程の苦痛に、思わず胸を抑えてその場に倒れ込む。

 

「北条さん!?どうしたんですか!?」

 

慌てて私の傍へと駆け寄る永夢先生。

私が自分の手が少し透けているのを目にしたのと、そんな私を見て先生が息を飲むのは同じタイミングだった。

 

───── その直後。自分の身体から『何か』が大量に飛び出すのを目にしながら、私は意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゲーム病…?最近、ニュースでやってたアレの事…?」

 

「はい。北条さんは今、ソルティのバグスターウィルスに感染しています。」

 

その後私は、先程の病室とは違う、何処か秘密基地めいた病室で目を覚ました。(後で知ったけど、そこがCRだった。)

私は毎日欠かさずニュースを見てる様な真面目な子じゃないけど、最近話題のその病の事は知っていた。

衛生省って所が発表したその病気は、バグスターウィルスってウィルスに感染すると、最後は消滅する危険も有る…そんな怖い病気。

ソルティってのが何なのかは全然分からなかったけど、そんな事どうでも良い。そんな思いで胸が一杯で、先生の話も全然頭に入って来なかった。

 

「……また入院かぁ…。そうだよね、私はやっぱりそうなんだ…。」

 

諦め、不貞腐れた様に独り言を呟けば、自嘲気味に笑いながら永夢先生に背を向ける。

 

「北条さん…?」

 

「もうほっといて。…良いよ、どうなったって。結局私は、何処まで行ってもそうなんだから。」

 

「…!?な、何言ってるんです…ダメだよ、そんな投げやりになっちゃ!大丈夫、僕が必ず君を治すから!」

 

慌てた様子の永夢先生。その口調や声音からは、自分の損得一切抜きに私の事を心配してくれてるのが伝わって来る───── でも、その時の私は、それが却って煩わしくて、苛立ってしまった。

 

「………何が大丈夫なの?先生、私の事何も知らないクセに。」

 

そこからの私は、今思い出しても恥ずかしくなる程に酷かったなぁ…。誰が悪いワケでも無い、そんなやるせない苛立ちに身を任せて、一気に不満を永夢先生にぶつけちゃった。

 

幼い頃から身体が弱く、入院や通院を繰り返して生きてきた事。

そのせいで自分の人生に何の希望も持てなくなっていた事。

けれど、やっと人並みまでには近付けた事。

そして、ずっと憧れていた存在(アイドル)に成れるチャンスが巡ってきて、人生に希望が持てそうだった事。

───── その矢先、今度は消滅すら有り得る難病に掛かってしまった事。

ゲーム病の苦痛すら無視して、全てを吐き出した。

 

「…やっぱりね。もうどうでも良い。結局私はこういう運命の元に生まれたんだよ。私はアイドルなんて、お姫様みたいにキラキラした存在にはなれないし、それ以前に普通に生きるのだって難しい。…なんて、少し茶化してみたけど、正直本当に嫌になるよ…だから何も期待しない。先生、私の事はほっといて。」

 

一気に全てを吐き出した後、私は先生から顔を逸らし拒絶の意を示す。

普通なら、ここで困惑するか、耳障りの良い言葉を言うか、『頑張れ』って無責任に励ますと思う。

けど永夢先生は違った。

 

 

「………嘘、ですよね?どうでも良い、なんて本当は思ってないんでしょう?生きたいし、夢だって叶えたい。違いますか?」

 

「──── ッ!知った様な事…」

 

「だって、北条さん……泣いてるじゃないですか。」

 

永夢先生の言葉で、漸く私は自分の頬を伝う涙に気付く。

 

「…僕は今まで、本当に『どうでも良い』って絶望した人も見てきました。けど、北条さんは違う。その涙は…未練、後悔…絶望しそうな程に傷付いてなお、眩い希望を求めてる証です。

──────── どんなに苦しくても、それを失わなければ…君は前に進める。」

 

「勝手な事言わないでよ…私、ずっと人生ドン詰まりだったんだよ…?」

 

声を震わせながら、弱々しく永夢先生に言い返す。……ううん。今思えば、先生に言い返したってより。

病気を理由に、自信の無さから逃げてた自分への言い訳だったのかも。

 

「でも、それでもアイドルに─────皆に希望を与える、キラキラした存在に憧れた。どんなにドン詰まりな人生でも、夢を捨てられなかった。…違いますか?」

 

けれど、先生の声は優しかった。自然と涙が溢れて、止まらなくなった。

 

「………先生。やっぱり…私、死にたくない。こんな事なら、自信が無くても、ちゃんと夢への一歩を踏み出せば良かった。…私、生きたい。アイドルになりたい…。」

 

先生は、私の正面へ回り込むと、ゆっくり腰を屈めて視線を合わせてくれる。

こんなにも暖かい笑顔の人がいるんだな、って、ちょっと驚いた。

 

「分かった。それじゃ、約束しよう?」

 

 

 

 

 

 

「未来に希望が有れば、人は笑顔になれる。…僕はそう信じてる。

僕は君をアイドルにする事は出来ません。だけど、ゲーム病に奪われた君の希望を…笑顔を取り戻す。

…そしたら、今度は北条さんの番です。夢を叶えて、沢山の人達を笑顔にしてあげて下さい。」

 

─────── 僕達ドクターは、理不尽に奪われた笑顔を取り戻す事は出来ても…笑顔を与えてあげる事は出来ませんから。

 

そう語る先生を見て、私は……この人を信じてみよう。心からそう思ったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これは…!どうなってやがる…!?」

 

「おいおい…流石に悪乗りが過ぎるぜ。神、これもお前の才能か?」

 

「そんなワケ有るかァ!!!!!!バグバイザーも無しに、自力で増殖(・・・・・)だと!?」

 

「アイツ、随分好き勝手してるみたいだな?心が滾る…!」

 

「矢張この件には、裏で手引きしている黒幕が居るという事か。……だが、今は後回しだ。人々を守りながら、少しでも早くアイツを切除する!」

 

緊急通報に寄せられたバグスターの目撃情報を元に、俺達は現場へ急行した。パラドは俺達と同行したが、患者の様子を確認中の小児科医は、後から合流する手筈だ。

……だが、辿り着いた俺達の眼前に広がっていたのは…想像以上の地獄絵図だった。

例のライオンバグスターが人々を襲う…そこまではまだ分かる。

だが。襲われた人々がウィルスに感染し、バグスターへと変貌(・・・・・・・・・)して、他の人々へと襲い掛かっているなど、誰が想像出来ようか。

シマウマ、ガゼル、サル、カバにハイエナ…様々な動物を模したバグスターへと姿を変えた人々が、更なる犠牲者を生み出し、そして犠牲者がまた新たな怪物へと姿を変える。

その光景は、さながらゾンビ映画…ねずみ算式にバグスターが増え続ける。このままでは、ゲムデウスウィルスの集団感染に匹敵するパンデミックが起こりかねない!

 

「来たか…エグゼイドは居ないようだが。さぁ、俺を楽しませろ!この俺が完全な力を手に入れる前に、俺を攻略して見せるが良い!…尤も、それより先に、全ての人類が我が同胞と成るかもしれんがな?」

 

「ほざけ!アイツを待つまでもねぇ…テメェをぶっ潰す!」

 

事態は一刻を争う。奴と問答している暇は無い。

俺達はゲーマドライバーとガシャットを取り出し、一斉に戦闘体勢に入る。

 

「第伍十戦術!」

 

「ゼロ速!」

 

「グレードX-0…」

 

「MAX大…」

 

パンデミックなど起こさせてなるものか。…もう二度と、あんな悲劇はノーサンキューだ!

小児科医の言葉を借りるなら…人類の運命は、俺達が変える!

 

「術式レベル50…」

 

 

 

「「「「「変身!!!!!」」」」」

 

 

 

『バンバンシミュレーション!』

『爆走バイク!』

『デンジャラスゾンビ!』

『パーフェクトノックアウト!』

『タドルファンタジー!』

 

変身を終えた俺達は、一斉にライオンバグスター目掛けて突撃する。

 

当初の予定は、俺達全員で奴を相手取る作戦だった。小児科医の話では、レベル99のマキシマム相手に奴は苦戦していたという。如何にレベルを無視出来る攻撃だろうが、それすらさせぬ間に数とレベル差で叩く。卑怯だろうが何だろうが、人命が掛かっている以上そんな事はどうでも良い。

 

だが、此処へ来てその目論見は見事に崩れ去った。

戦った感じでは、どうやらコイツら自体はそれ程強くはない…だが、数の優位は完全に逆転し、それどころかコイツらが邪魔でライオンまで辿り着く事すら困難だ。

 

「ならば!」

 

俺はマントをはためかせ、身に纏うファンタジーゲーマの能力を発動。

俺の周りに、無数のバグスター(・・・・・)が召喚される。

俺の号令を待つ時間も惜しいとばかりに、バグスターの軍団は一斉に動き出す。ある者は、未だ無事な人々の救助に。ある者は、雑魚達を相手取りに。

檀黎斗は、どうせ真っ先に敵の首領を狙うだろう。それが最短の攻略で有る事に間違いは無いが、これ以上の感染者を増やさない事も重要だ。

周りを見れば、同じ事を思っているのか、パラドクスとスナイプも人々の避難を優先させている。

 

───── 絶対に助ける。

その思いを胸に、俺もメス…もといガシャコンソードを構え、迫り来るシマウマ型バグスターを斬り伏せた。

 

 

 

 

 

 

『混乱!』『発光!』

 

「暫くピヨってろ!ほら、今の内にお前は行け!」

 

「サンキュー、パラド!その人任せた!」

 

バグスターに襲われそうになっていた人をパラドに任せ、自分は奥へ待ち構えて居たライオンの元へ疾走する。

そこでは既に、神がガシャコンブレイカー片手に奴と斬り合っていた。ったく、分かっちゃいたがノリノリだな!

 

『ガシャコンスパロー!』

 

「おらよっと!」

 

レーザーターボの身軽さを活かして跳躍。神もライオンも纏めて飛び越し、奴等の背後へ着地。そのまま一気に背後からライオンを切り裂く!……なーんて、流石にそう簡単にはいかないらしい。ライオンはこちらを一瞥すらせず、背後からの急襲を難無く躱して見せる。

レベル無視のカウンターを警戒して身構える自分。だが、その隙を神に突かれる事を警戒してか、奴は直ぐ様自分達から距離を取った。めんどくせぇ…爪だけじゃなくて、頭も切れるってワケね?

 

「来たか。思ったより早かったな?」

 

「そりゃ、こんだけドクターが居たらな。ま、あと一人二人来る迄には、お前を倒しとくつもりだけどな?」

 

「面白い…やってみろ。」

 

さて…軽口を叩いたものの、状況は良くねぇ…。ちら、と背後を振り返って見れば、大先生達が未だ人々の救助と雑魚退治に奔走してる。バグスターを抑制するレベル0が二人に、殲滅戦に優れたライダーが三人。

大先生に至っては、敢えて戦闘能力の高いタドルレガシーより、魔法やバグスター軍団で制圧性能が高いタドルファンタジーを選んでる。これだけ揃ってても、未だ敵は多い…。

 

こりゃ、マジで増援期待するより自分達で片付けるプランの方が良さそうだな。

 

「来い、レーザー。ゲンム。お前達の力で、俺を越えて見せるが良い!」

 

「たかだかバグスター如きが、神に刃向かうかァ!」

 

勢い任せにガシャコンブレイカーを振り下ろす神と、いとも容易く避けるライオン。あー、駄目だこりゃ。アイツ完全に頭に血が昇ってやがる…。

そんな大振りの隙を見逃す敵ではなく、目にも止まらぬスピードで神の元へ詰め寄るライオン。だが、咄嗟に自分が間に割って入り、その巨体を蹴り飛ばした。

 

あっぶねぇ…。神のライフは残り1。もうコンティニューは出来ない。

癪だが、ここでアイツを失うワケにはいかねぇからな。

 

「…俺は貴様に生み出されたバグスターではない。故に、俺は俺の好きに動く。貴様の考えなど知った事か。」

 

「そうか。────── ならお前は、私の才能を利用した不正な存在というわけか!削除するゥッ!!!」

 

「気に食わなければ消しに掛かるか!まるで幼子だな!」

 

最早どっちが悪役か分からない程に、真っ当な正論で返される神。ガシャコンブレイカー片手に怒り狂った様子で奴の元へと駆け出し…って、またかよ!?乗せられ過ぎだろ黎斗神!

 

時間が無い…頼むぜ永夢。

暴走する神に頭痛を覚えながら、自分も敵サン目掛けて駆け出した。

 

 

 

 

【to be continued…】




長い目であったかく見守って下さる皆様に、心からの感謝を。
感想、評価、平成って醜くないか、誤字報告等、お待ちしております。


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笑顔にするIdol、笑顔を取り戻すHero

???「あれ?私とニコちゃんの出番全然無くない?なんで!?もー、ピプペポパニックだよ~~~!!!」

最終話にして、これ原作エグゼイドでタグをデレマスにすべきなんじゃないかと思い始めました。



───── おかしい…。

 

そんな違和感に気付いたのは、戦闘が始まって暫くしてからだった。

幾ら敵が多いからって、あまりにも数の減り方が遅過ぎる。ライダーが五人、しかも全員レベル50以上だぜ?

倒しても倒してもキリがない………というより、これは…!

 

『マッスル化!』

『キメワザ!パーフェクトノックアウト・クリティカルフィニッシュ!』

 

エナジーアイテムで自分の攻撃力を上げ、必殺技を叩き込む。ガシャコンパラブレイガンから撃ち出された光弾は、目の前のガゼルみたいなバグスターへ叩き込まれ、その場に大きな火柱と粉塵を巻き起こした。

 

「どうだ…!?」

 

言いながら、自分でも結果は予想出来ていた。煙が晴れ、その想像に違わず

 

「ガァァ…」

 

「クソ…!やっぱり耐えてるのかよ…!」

 

ガゼルはボロボロになりながらも、その場に立っていた(・・・・・・・・・)

そう、コイツら全然倒れないんだ!

戦って分かったが、コイツらは精々レベル一桁~多くてもレベル30程度の力しか無い。

───── だが、タフだった。

第一に素早い。ちょこまかとこっちの攻撃を避け、必殺技も紙一重で躱す。多分カイデンの太刀筋や、リボルの狙撃でも当てるのは難しいだろうな。

そしてそれ以上に、当てても中々倒れない。ラブリカみたいに攻撃が効かないワケじゃない。ゲンムみたいに死んでも蘇るってモンでもない。

致命傷を与えれば倒れるし、ダメージも蓄積されていずれは倒せる。ただ、そのハードルが半端無く高い!

鋼鉄化みたいな防御力アップ、あるいは残り体力が少なくても堪えるガッツ。こういう手合いの強化(バフ)を、反則レベルで付与されてるみたいな奴等だ。

 

ゲンムの話や、永夢が聞いたライオンの話から察するに、恐らくコイツらは『生き残る』事に特化したバグスターなんだろう。

自然界の生存競争で生き延びる為に身に付けた力。レースで相手を抜き去る為のモータスのスピードとも、正面から殴り合う為のガットンのタフネスとも、また別種の存在。

 

けど、ゲンムの言葉に嘘が無いのなら。コイツらの力は、何者かに改造されて手に入れたものだ。コイツら本来の能力じゃない。

 

「……白ける事すんなよ。」

 

ゲンムは気に食わないし、こういうのは不本意だが…少しだけ、アイツの気持ちが分かる気がする。

 

ゲームは、ルールの中でガチでやり合うからこそ楽しいんだ。不正改造(チート)使ったら最後、心踊る戦いは出来なくなる。

俺は静かに闘志を燃やし、拳に炎を纏わせる。

 

『高速化!』『高速化!』

『ウラワザ!ノックアウト・クリティカルスマッシュ!』

 

パーフェクトパズルの力でエナジーアイテムを纏めて取り込んだ俺は、目にも止まらぬ早さでガゼルの懐へ潜り込む。

そのまま苛立ちをぶつける様に、ガゼルへ拳を叩き込んだ!

 

『K.O !』

 

堪らず数メートル吹っ飛ばされたガゼルは、地面に叩き付けられ動かなくなった。

 

……やっと倒したか。けどやっぱコイツら、倒されても元に戻らない(・・・・・・・・・・・)。クロノスがゲムデウスウィルスを撒き散らした時と違い、倒されても感染者が消滅しないのが唯一の救いか。

このままじゃジリ貧だ…どうする?そんな不安が俺の思考に過ったその時。

──────けたたましいバイクのエンジン音が、辺りに響き渡った。

 

……待ってたぜ!

仮面の下で、そっと目を閉じれば。アイツの心が、想いが伝わってくる。…いや、態々感覚を共有しなくても。アイツが今何を思ってるかなんて、考え付く答えは一つしか無い。

 

 

 

俺はお前で、お前は俺なんだからな。

 

 

 

行く手を阻む雑魚達を蹴散らし、真っ直ぐにライオンへと向かって行く永夢を見送ると。

 

「心が踊るなぁ…さぁ、行くぜ!」

 

永夢の勝利を信じて、俺も再びバグスターの群れへと駆け出した。

 

 

 

 

 

 

……正直、こんな悲惨な状況になってるとは思わなかった。改めてあの時、奴を取り逃がした自分を呪う。

けど、ウジウジするのもそこまでだ。加蓮ちゃんは、僕を信じてくれた。

どんなに苦しくても、あの子は諦め無かった。約束を守ってくれた。

 

今度は僕の番だ。

 

あの時の約束は、あの一回きりじゃない。僕は彼女の主治医として、何度だって加蓮ちゃんを救ってみせる。

 

「やっと来たか…待ちくたびれたぞ?あと数秒遅かったら、コイツらの息の根を止めていた。」

 

こちらを向き、今まで無表情だったその顔に、醜悪な笑みを浮かべるライオンバグスター。奴の直ぐ傍には、変身を解かれた貴利矢さんと黎斗さんが倒れていた。

 

「さて…エグゼイド。この光景を見て何を思う?最早今更何をしようが無意味。…ゲーム病を発症し、貴様が俺を一度取り逃がしたと知ってなお、我が宿主の精神が安定していたのには驚いたがな。おかげで、進化に時間が掛かってしまった…どうやら、余程貴様を信頼しているとみえる。」

 

「永夢…そいつは最早レベル4なんて雑魚では無い!非常に不愉快な話だが、そいつはレベルアップ(・・・・・・)している!宿主のストレスによる症状の進行でも、倒されて復活したワケでもない!戦い、仲間を増やし、経験値を獲得している!!」

 

悔しそうに歯噛みする黎斗さんを一瞥すると、奴は一層楽しそうに口元を歪める。

 

「その通り…最早今の俺はレベル99すら越えた!あとは貴様を始末し、我が宿主の心を打ち砕けば!俺は完全な存在へと昇華するッ!!!」

 

意地の悪い下卑た声音で高笑いするライオンバグスター。自分の勝利を確信しているんだろう。だけど…。

 

「……随分、お喋りになったな。正直、最初に会った時のお前の方が怖かったよ。」

 

「………なに?」

 

僕の言葉に、奴はピクリと眉間に皺を寄せ、高笑いを止める。

明らかに気分を害した様子だけど、生憎そんな事には興味無い。

 

「一つだけ聞かせろ。お前を倒せばこの惨劇は…バグスターになった人々は、元に戻るのか?」

 

「……ああ、戻る。俺は檀黎斗により生み出されたバグスターではない。故に、その力も他のバグスター共とは根本から異なる。尤も、今の俺を貴様如きが───」

 

「そんな事までは聞いてない。…お前を倒せば、皆が助かる。それが分かれば充分だ。」

 

必要な事は聞けた。なら、()のやる事は唯一つだ。

俺はマキシマムマイティXガシャットと、他のガシャットとは形状の異なる『黄金のガシャット』を取り出し、起動する。

 

「人々の…そして、加蓮の運命は…

 

 

 

─────── 俺が変える!!」

 

マキシマムをゲーマドライバーに挿入し、黄金のガシャットを天高く掲げる。

そしてその腕を振り下ろし、黄金のガシャット───── 『ハイパームテキガシャット』をマキシマムに連結させた!

 

 

 

『輝け!流星の如く!』

 

その輝きは、人々の未来を。希望を照らす光。

 

『黄金の最強ゲーマー!』

 

どんなに険しい運命も打ち砕く最強のヒーロー。

 

『ハイパームテキ!エグゼイド!』

 

仮面ライダーエグゼイド・ムテキゲーマー。

俺はこの力で、必ず加蓮を助ける!

 

 

「…面白い。いよいよ本気を出したか。

ならば俺も、全力で貴様を叩き潰すとしよう!!」

 

奴は全身に禍々しいオーラを纏わせ、構えを取る。間違い無く、奴の最強の一撃が来るだろう。

…だけど。

 

「終わりだエグゼイド!貴様は─────」

 

奴の言葉が続く事も、必殺の一撃が放たれる事も無かった。

ガシャコンキースラッシャーで一閃。その時、俺は既に残心を取りながら、奴の背後に居た。

 

「な……に…?」

 

「これでフィニッシュだ。お前を切除する!」

 

ムテキガシャットを操作し、奴の頭上へと飛び上がると。

 

『キメワザ!ハイパー・クリティカルスパーキング!』

 

俺は奴目掛けて急降下し、その身体へライダーキックを叩き込んだ。

 

『Hit!』

 

「ぐ…」

 

『Hit!』『Hit!』『Grate!』

 

「ぐおぉ…!バカ…な!」

 

『Hit!』『Hit!』『Hit!』『Grate!』『Hit!』『Grate!』『Hit!』『Hit!』

 

『Perfect!』

 

「この…俺がぁ!ぐあぁ…ッ!!!」

 

自らの敗北を信じられぬまま、奴は吠える様な絶叫と共に爆発し、消滅した。

 

 

 

「……ゲーム…クリアだ。」

 

奴の言葉通り、感染した人々が一斉に元の姿に戻っていく。

その様子を眺めながら、僕は変身を解いた。

 

 

 

 

 

 

「やれやれ…やられちまったかぁ。アイツには、これでもかって程にムテキ対策を注ぎ込んだのに…まさか瞬殺とはなぁ?まぁーーーーったく!檀黎斗め!ファンキーな物を作ってくれたなぁ!!」

 

とある場所、薄暗い部屋。

一人の男がモニターを眺めている。

映し出されているのは、エグゼイドとライオンバグスターの戦闘記録。

 

結果は圧勝、という言葉ですら生温い、エグゼイドの一方的な勝利。

 

本来あのバグスターには、厄介なハイパームテキ対策を幾つも施していた。

通常のバグスターと異なる、レベルの上昇能力と増殖能力。レベルアップに必要な経験値は、本体たるライオンだけではなく、奴が感染させ生み出した他のバグスター達からも吸い上げる。増やせば増やす程、ねずみ算式に奴が強くなる。あの短時間でレベル4から99以上の力を手に入れたのもその為だ。

そしてレベル差無視攻撃は、奴自身が強くなればなる程強化される。理論上、最後にエグゼイドと戦った状態の奴ならば、ムテキの装甲にダメージを与える事すら可能だった筈だ。…尤も、エグゼイドに触れる事すら出来ずに奴が消滅した今、本当にムテキを倒せるのか確める術は無い。

他にも『リプログラミング無効』『エナジーアイテムによる妨害無効』『遠距離からの飛び道具によるダメージの軽減』…数え切れぬ程の対策を施した。

 

─────── にも関わらず、この結果だ。

 

「全く…仮面ライダーって連中は、本当に忌々しい奴等だ!」

 

矢張り、馬鹿正直に正面から対策するよりも。

根本から封じてしまうべき(・・・・・・・・・・)だろう。

仮に力を取り戻されても、自分の計画が成就した後なら敵では無い。

 

「…ネビュラバグスターの増産を急ぐかぁ。

♪ファンキー、ファンキー、鬼ファンキー…っとな。」

 

薄暗い空間に、男の笑い声が響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先生、ありがとう。おかげですっかり元通りだよ!」

 

「それが僕の、ドクターの務めですから。元気になって本当に良かった!」

 

あの戦いから一夜明けて。精密検査の結果、異常無しと判断された加蓮ちゃんは無事退院した。

 

「宝生先生…本当に有難うございました。担当プロデューサーとして…そして親御さんから大事な娘さんを任された大人として、本当に感謝しています。」

 

加蓮ちゃんとプロデューサーさんが、揃って笑顔を向けてくれる。

加蓮ちゃんの御両親が退院の手続きをしている間、僕達は別れの挨拶を交わしていた。

(ちなみに凛ちゃんと奈緒ちゃんは、ポッピーとドレミファビートに興じていた。流石はアイドル…って事かな?二人ともかなりの腕前で驚いた。)

 

「……北条さんから、以前の出来事をお聞きしました。…先生には、感謝してもしきれません。」

 

「いえ、そんな…。」

 

プロデューサーさんに頭を下げられ、僕は戸惑う。

 

「…『パワーオブスマイル』。私は、笑顔の持つ力というものを信じています。彼女達の笑顔は、人々に力を与えてくれる…今を、そして明日を生きる為の、元気の源となる。貴方は、そんな彼女の笑顔を取り戻してくれた。」

 

ゆっくりと顔を上げ、微笑むプロデューサーさん。

強面で不器用だけど、凄く優しくて暖かい笑顔だ。

 

「…約束したんです。僕は、彼女の笑顔を取り戻す。そうしたら今度は彼女が、僕達では手の届かない大勢の人々を笑顔にする…って。だから、お礼を言うなら僕の方こそです。」

 

有難うプロデューサーさん。彼女を、キラキラ輝く場所へと連れて行ってくれて。

 

有難う加蓮ちゃん。沢山の人を笑顔にしてくれて。

 

「も、もう!先生もプロデューサーも、なんか照れくさいじゃん!二人とも、聞いてるこっちが恥ずかしくなる様な事、大真面目に言うんだから!」

 

赤面した様子で僕達の間に割って入る加蓮ちゃん。

アイドルといっても、まだまだ年頃の少女なんだな…彼女の様子に、思わず僕もプロデューサーさんも、クスリと笑ってしまった。

 

 

 

 

 

「それじゃ先生、またね!今度のライブ観に来てよ!それに、何時かデート行こうよ!この前食べ損ねたポテト、一緒に食べに行こう!」

 

すっかり元通り…いや、それ以上に生き生きとした笑顔を浮かべる加蓮ちゃん。デート、って単語にぎょっとする奈緒ちゃん。礼儀正しく御辞儀する凛ちゃん。そして彼女達を暖かく見守る、プロデューサーさんと加蓮ちゃんの御両親。

彼女らを笑顔で見送ると──── 僕の胸元のゲームスコープが鳴った。緊急通報だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、こちら電脳救命センター!」

 

今日もノーコンティニューで、患者を救ってみせる。

その想いを胸に、僕は現場へ向かって駆け出すのだった。

 

【the game end】




完結です。たった4話なのに、最初に投稿してから半年以上経っていました。見守って下さった方々に感謝を。
時間が掛かったといえば、エグゼイド1話のマイティアクションX発表会。あれホントに黎斗の神の才能を持ってして5年も製作に費やしたの?と思った今日この頃。

次何書くかは検討中です。活動報告で候補は上げてますので、興味の有る方は是非。
御意見、御感想や批評、評価等お待ちしております。


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