姫島姉弟の歪な愛欲 (ユキシア)
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姫島弟として

彼は転生者だ。

頭のおかしなことを言っていると思われるだろうが、彼自身それ以外に現状を納得させる理由が他になかった。

「朱璃。よく頑張った。男の子だぞ」

「ええ、あなた………………」

視界に入るのは父親である強面の男性と朱璃と呼ばれた黒髪の綺麗な女性。

中学生だった筈の彼が赤ん坊になっている現状に転生以外でどう納得しろというのだ。

彼は物心ついた頃から両親から虐待されながら育った。何かあれば殴られ、何もなくても蹴られる。愛情の一欠けらもなく育ち、終には学校の屋上から飛び降りて自殺した。

そして気が付いたら赤ん坊になっていた。

どういうわけかはわからない。だけど、一つだけ確かなものがある。

この二人なら自分を愛してくれる。

二人の幸せそうな顔を見て、そう思った彼は眠りについた。

 

 

 

それから五年後。

彼は火月(かづき)と名付けられて父親であるバラキエルと母親である朱璃の二人から確かな愛情を注がれながら一つ年上の姉、朱乃と一緒に慎ましく幸せな生活を送っていた。

「火月! 遊ぼ!」

「うん、姉さま」

家の庭で姉と弟で仲良く遊ぶ二人の子供達の姿を朱璃は微笑ましくも見守る。

「今、帰った」

「「父さま!」」

父親であるバラキエルの帰宅に姉と共に駆け寄る火月は今の生活が幸せでいっぱいだった。

前世とは違う。両親はきちんと愛情を与えてくれる。姉である朱乃も弟思いのいい人だった。

火月は思った。

きっと神様がこの二人の子供にしてくれた。もし、そうなら火月は心から神様に感謝する。そしてできればこの生活がずっと続いて欲しいと火月は心から願った。

 

 

 

 

しかし、その願いは届かなかった。

火月が九歳の頃、父親の帰りを母と姉で待っている時に家に術者らしき者達が押し寄せてきた。

部屋の中を荒らされ、姉と共に母親の背に隠された火月。

何がどうなっているのか、理解も追いつかないなかで、術者の一人がこう口にした。

「その子らを渡してもらおう。忌々しき邪悪な黒き天使の子らなのだ」

その言葉の意味は理解できた。

自分は純粋な人間ではない。堕天使と呼ばれる堕ちた天使と人間との間に産まれた子供。

この世界は前世とは違って、天使、堕天使、悪魔といった存在が実在している世界だということは知っている。

そして父親であるバラキエルは術者が言う黒き天使、堕天使だ。

「この子達は渡しません! この子達は大切な私の子供です! そして、あの人の大切で大事な子達! 絶対に! 絶対に渡しません!」

朱璃は叫んだ。

我が子を守らんと二人を庇うように。

―――やめて。

―――やっと、やっと手に入れた本当の家族なんだ。

―――前世とは違う。こんな自分にも優しくしてくれる大切な家族なんだ。

縋るように彼は願った。

これ以上壊さないで、と。

これ以上手を出さないで、と。

母親を殺さないで、と。

――――だが。

「……………貴様も黒き天使に心を穢されてしまったようだ。致し方あるまい」

術者が刀を抜き放ち、斬りかかった。

「母さまぁぁぁぁぁぁっ!」

朱乃は叫んだ。

火月は啞然とした。

ゆっくりと横たわる母親、泣き叫ぶ姉、母親の血が部屋に飛び散る。

――――どうして?

――――どうして母さまが殺されないといけない?

――――ただ、普通に生活したかっただけなのに。

――――ただ、今の生活が続いて欲しかっただけなのに。

――――いったい、僕達が何をした? 

――――堕天使の血が流れていることがそんなにも許されないのか?

―――そんな事の為に俺達から母さまを奪ったのか?

「………………………………ぃ」

泣け叫ぶ朱乃を置いて火月は立ち上がる。

「許さない!!」

その双眸から涙を流しながら彼は背中から黒き翼を展開させて怒りを露にする。

刹那、彼の両足に膝上まで覆った砂色のメタルブーツが装着された。

神器(セイクリッド・ギア)…………………ッ!?」

術者の誰かがそう言った。

神器(セイクリッド・ギア)。それは特定の人間に宿る規格外の力。

半分人間の血を引いている為にその力が火月に宿っていた。

『やっとお目覚めか』

火月は自分の中から誰かが声をかけている事に気付いた。

―――誰?

『俺か? 俺は地殻龍アルドエイク。アルドでいいぜ? お前さんに宿るドラゴンだ。と、今は話している余裕はねぇな』

アルドエイクと名乗るドラゴンの言葉に火月は再び意識を前に向けると、術者たちが刀を抜いて警戒している。

――――ああ、そうだな。アルド、母さまの仇を取る為に力を貸してくれ

『いいぜ。それがお前さんの望みなら存分に俺の力を使え!』

頭の中に流れ込んでくるアルドの力と共に火月は跳ぶ。

 

 

 

バラキエルは急いで妻と子供達がいる家に向かっていた。

仕事を終わらせて自宅に異変を感じ取ったバラキエルは妻と子供達の無事を祈りながら全速力で翼を羽ばたかせる。

そして見えてきた見慣れた自分の家。あと少し、と思った矢先に家の中から扉を壊して飛び出してきた。

地面へ着陸と同時にバラキエルはそれを見て目を見開いた。

それは姫島家の者の術者。だが、それはもう死んでいた。

何が起きた、とバラキエルは家の中に駆け寄る。するとそこは朱色に染められていた。

床も、壁も、天井も全てが朱。

部屋の奥には血塗れで横たわっている自分の妻と妻にしがみついている娘である朱乃。

そしてその中央には全身を血で塗れた息子の姿。

「火月………………………」

戦慄する。

まだ九歳となったばかりの子供が姫島家の術者を全て殺していた。

その足には神器(セイクリッド・ギア)と思われるブーツ。

妻の遺体と状況を見て火月の中で眠っていた神器(セイクリッド・ギア)が覚醒し、術者達を皆殺しにした。

なんて声をかければいいのか、そう悩むなか。火月が口を開いた。

「………………………………なんで、なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでどうして!! どうして俺は…………………ッ! 俺は………………………ッ!!」

悔やむように、憎むように、恨むように、火月は床を殴る。

血で汚れた床に透明の液体が落ちる。

「母さま…………………ごめんなさい、ごめんなさい………………………」

命をかけて自分と姉を守ってくれた母親に向けて謝罪を口にする。

優しく、温かく、愛情を与えてくれた母親を守れなかった。

最後の最後まで自分達を愛してくれた人を守れなかった。

仇を取ることしか、謝ることしかできない彼を朱乃が抱きしめた。

「…………………火月、ありがとう。母さまの仇を取ってくれて、私を守ってくれて………………………」

朱乃は自分の手を汚してまで母の仇を取り、姉である自分の命を守ってくれた大事な大事な弟に感謝の言葉を口にする。

「う、うわぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっ!!」

大声を上げながら姉の胸の中で泣き叫ぶ弟の頭を朱乃は何度も何度も撫でながら自分も涙を流す。

「………………………………」

バラキエルはそんな二人をただ見守ることしかできなかった。

火月は後に自分達がどういう存在なのかを知った。

五大宗家の一つ、『姫島』は火之迦具土神と、その系統に属する神々を信仰している。その為、一族の者は大抵火に関する異能を発現している。

だが、姫島家は火の加護を得ない者に対して、追放を強いるケースが非常に多い。

特に朱乃と火月は出自が異質であり、姫島の上役たちにとっては汚点に等しい。

だから二人を殺そうし、朱璃は死んだ。

「………………………………父さま」

「どうした?」

朱乃が泣きつかれて寝入っている時に火月は父親に頭を下げた。

「姉さまと一緒にこの家を出ます」

「………………………………そうか」

バラキエルはそれ以上は何も言わなかった。

理解しているからだ。自分がこれ以上二人にしてやれることはないということを。

朱乃は今回の一件で堕天使を、父親を嫌悪している。

だからバラキエルは一緒にはいられない。

「これから、どうするつもりだ?」

火月は朱乃以上に賢い子だ。何も考えずにそんなことを口走ったとは思えない。

「姉さまと一緒に逃げて、どこか自分達を保護してくれる人を探します」

それは難しいことだろう。朱乃と火月を狙う者は姫島家だけではない。教会や悪魔にだって狙われる可能性が高い。

「………………………………そうか」

それでも、無理、と口に出す資格はないバラキエルはただそう返答するしかなかった。

火月は手早く旅支度を整えて朱乃を背負い、もう一度父親に頭を下げる。

「父さま、またどこかで」

「……………………ああ」

父親に背を向けて歩き始める息子と娘を見据えながらバラキエルはポツリ、と。

「すまん、火月。朱乃を頼む………………………」

息子に謝罪と娘を任せた。

朱乃のように恨み言を言ってもいいのに火月は最後まで自分のことを父親として見てくれた。

それが嬉しくもあり、同時に悲しくもあった。

 



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グレモリー

母親が殺されて、父親と別れを告げた火月は姉である朱乃と共に家を出て、各地を転々とする日々を送っていた。

家から持ち出してきた二人の小遣い。それは母の誕生日に何かプレゼントしようと貯めていたお金を使って食べ物を買った。

だが、お金は有限だ。いずれ限界が来るもまだ十歳と九歳の子供を雇うところなどない。

取り柄といえば母から教わった除霊術と父譲りの雷光を操る能力。

そして火月は地殻龍アルドエイクを宿す神器(セイクリッド・ギア)、『地殻龍の脚甲(アルド・ブーツ)』。その能力は脚力の累積加算。

一秒、また一秒と時間経過と共に脚力を増加させていく神器(セイクリッド・ギア)

火月はこの神器(セイクリッド・ギア)と雷光の力のおかげで姫島家や教会の関係者を撃退することができた。

それでも幼い二人にとっては過酷な日々だ。自分達が普通の人間ではない異形の存在だと隠しながら動かないといけない。

それでも二人は生きている。互いを支え合いながら生き延びようとしている。

そんなある日、火月は姉である朱乃にある提案をする。

「悪魔の眷属になろうと思う」

その提案に朱乃は顔をしかめる。

悪魔はプライドが高い者が多いうえに悪魔と堕天使は敵対していることはアルドから教わったが、火月は悪魔が持つ『悪魔の駒(イーヴィル・ピース)』に目を付けた。

悪魔、天使、堕天使の三つ巴の戦争で爵位を持った悪魔の大半が戦争で命を落とし、少数精鋭の制度を取ることにした。

悪魔は下僕を作ることで少数だけど強大な力を持つ精鋭を持つ。

そこからチェスのようなゲーム『レーティングゲーム』という自分の下僕を戦わせる競技が生まれて今では優秀な人間を自分の手駒にしようとしている悪魔もいる。

そして、火月は悪魔の眷属になる条件と引き換えに自分達の安全と生活を保障させようと考えている。

自分は堕天使の力も使えてドラゴンの力も宿している。悪魔側から見ても眷属に引き入れたい人材であることには間違いないと自負しているのだが。

「ダメ!」

朱乃はその提案を否定し、火月に抱き着く。

「…………………火月まで失いたくない」

涙声で呟く朱乃の言葉に火月も朱乃を抱きしめる。

万が一にも殺されるかもしれないという不安が朱乃を動かす。母親を失い、今度は弟まで失いたくないが為に朱乃も必死なのだ。

「姉さま。でも、俺達が生活していくにはこれしか方法はないよ」

今でも姫島家が自分達の存在を抹消しようと動いているはずだ。だから一刻も早く誰かの保護下に入らないと殺されてしまう。

だけど、自分達を保護してくれる方法といえばこれしかない。

教会関係者は論外として、堕天使側に行けば保護はしてくれるだろうけど、それでは朱乃の心が壊れてしまう。なら、悪魔と一か八かの交渉に出るしかない。

「大丈夫、姉さまは俺が守るから」

「………………………………うん」

なんとか姉を説得することができた火月は悪魔が縄張りとしているテリトリーに侵入し、その際悪霊に襲われていた人間を助けた。

そして二人はその町の捨てられた寺で悪魔が来るのを待っていた。

火月は万が一に備えて朱乃を隠し、神器(セイクリッド・ギア)も既に発動状態で待機している。向こうが交戦するのなら全力で逃げられるように。

最悪でも姉だけでも逃がしてみせる。その覚悟を胸に潜めて待っていると現れた。

綺麗な紅色の髪をした、自分達とそう変わらない歳の女の子がやってくると、正面にいる火月に声をかける。

「貴方が身内のテリトリーに入ってきた侵入者?」

「……………………はい」

「どうして入ってきたのかその理由を聞かせて貰えないかしら? きちんと話してくれるのなら咎めたりはしないわ」

「その前に二つほど確認させてください」

「ええ」

「爵位持ちの悪魔が眷属を集めているのは本当ですか? それと悪魔は契約を絶対遵守しますか?」

「どちらの答えもYESよ。私はまだ『悪魔の駒(イーヴィル・ピース)』を持っていないけど」

「なら、取引をしませんか?」

火月は確認を終わらせて早速取引を行う。

「俺が悪魔のテリトリーに入ったのは自分を売り込む為。眷属になる為にこの町に侵入しました」

「それで?」

「俺は堕天使の力とドラゴンの神器(セイクリッド・ギア)を持っています。悪魔側から見ても優秀な人材だと思います」

その証拠として黒い翼を展開させてブーツを見せる。

「貴女でも他のどの悪魔でも構いません。どなたかの眷属となって手足のように働きます。その代わり、俺達に身の安全と生活の保障を下さい」

「俺、たち?」

寺の中から朱乃が姿を見せる。それを見て彼女はどこか納得したかのように述べる。

「なるほどね。あのヒトたちが探している『堕天使の姉弟』というのは貴方達のことだったのね」

「「!?」」

彼女の言葉に二人は察した。

既に姫島家の者が悪魔と接触している。一年ぐらい前から自分達の前に執拗に現れる修験者の集団。

まさかもうこの町に訪れて悪魔と接触していたとは。

「いいわ、貴方の取引に応じるわ。だけど、縄張りの件に関しては私だけでは決められないから一緒についてきてちょうだい」

踵を返す彼女の後ろについて行く二人は緊張と警戒を解くことなく、彼女に縋るようについていく。

だが、その緊張と警戒は無意味だったということを数十分後に知る。

この一帯を一任しているアグリッパという悪魔は縄張りの件をあっさりと許し、更には自分達を追いかけていた修験者の集団、大叔父と交渉して条件付きではあるも命を狙われることがなくなった。

とんとん拍子でこれまで自分達に降り注がれてきた理不尽を次々と解消してくれるグレモリー家、それと火月の交渉に応じてくれたリアスには心から感謝した。

そしてリアスに連れられて冥界に足を踏み入れた二人が目にしたのは煌びやかで豪華絢爛な城だった。

その城でリアスの母、ヴェネラナに迎え入れられて二人は今までの生活が嘘のように思えるほどの世界に飛び込んでしまった。

レディ、紳士としての振る舞い、専門的な知識、勉強なども教えて貰った。

その中で火月は自分達を救ってくれたリアスの隣で楽しそうに笑っている姉の笑顔を見て心から安堵した。

だけど、全ての問題が解決したわけではない。

また、自分達を襲ってくる輩がいるかもしれない。

大切な家族をもう二度と失わない為にも火月は強くなる必要がある。

火月はリアスの両親に頭を下げて頼み込む。

自分を鍛えて欲しい、と。

リアスの両親は真摯な火月の言葉に了承。息子であるサーゼクスの眷属の方々から修行してもらえることになった。

戦い方を、魔法を、剣術を、戦術を、強くなる為に火月は己を鍛え続けた。

それから数年後、リアスが『悪魔の駒(イーヴィル・ピース)』を頂く少し前、火月はサーゼクスからある提案をされた。

「私と戦ってみてはくれないかな?」

その提案に火月は驚いた。だって魔王ルシファーからそんな言葉が出るとは思いも寄らなかった。

更には―――――

「もし、君が私に一撃でも攻撃を当てることが出来れば君を特例として上級悪魔として迎え入れよう。もちろん条件付きではあるけど」

ありえない話を吹っかけてきた。

爵位持ちの悪魔の下僕になった悪魔が成りあがって上級悪魔まで昇格することは知っている。しかし、それは悪魔という長い生を受けて多くの功績を上げた者のみだ。

それをたった数年で功績もあげていない火月を上級悪魔にでもすれば間違いなく問題が発生することぐらい容易に想像できる。

そう思っている、と。火月の考えていることがわかっているようにサーゼクスがその疑問に答える。

「以前から君にいくつかの仕事を頼んでいたのは知っているね? 実はアレはね、他の上級悪魔が解決を断念した仕事なんだよ」

「はい?」

魔王相手に思わず言葉が漏れた。

確かに以前から難度が高いと思う仕事をやらされていた。恩がある上に報酬も物凄く良かった為に頑張って解決してきた。

まさか、それが他の、それも上級悪魔が断念していた仕事とは思わなかった。

「はっきりと言う、と上層部は君を悪魔側に引き入れようと考えている。それを確実な物とする為に君を悪魔に転生させようとしているんだよ。だが、今の君の実力はリアスを大きく超えている為に妹の眷属にはできない。なら、いっそのこと上級悪魔として迎え入れてみようという案があってね。アジュカも私と同様にその案に賛成した」

「しかし、それならリアス姫の眷属は―――」

「君のお姉さんがなる。彼女自身が私にそう告げてくれた」

元々は火月がリアスの眷属になるつもりだった。だが、修行してリアスの実力を超えた火月の代わりに朱乃がリアスの眷属となることになった。

「しかし、いきなり上級悪魔にするというのも異例中の異例だ。納得しない者も多くいるだろう。それを解消する為に―――」

「サーゼクス様、魔王様と戦え、と?」

「その通りだ」

他の悪魔達に自分の実力を示せ。暗にそう告げている。

「………………………………わかりました。その提案に受けさせて頂きます」

火月はその案を呑んだ。

いきなり上級悪魔になることに不安もあるが、そのぶん得るものも多い。

今こうして自分達が生活できているのもグレモリー家の保護下にいるからが大きい。もし、万が一に見放されるようなことになれば自分はともかく姉である朱乃の心が持たない。

ようやく手に入れた平穏な日々。それを崩したくはなかった。

そうして、多くの悪魔達に見守られながら魔王と対峙する火月は相棒に声をかける。

「行くぞ、アルド」

『応よ! 魔王と戦えるなんておもしれねぇ!』

両脚にブーツを装着し、サーゼクスも滅びの魔力を纏う。

「初めから全開だ! 禁手化(バランス・ブレイク)!」

目を覆いたくなるほどの光量が火月から発生する。そして、光が収まるとそこにはドラゴンの力を具現化させた全身鎧(フルプレート・アーマー)を身に纏う火月がいた。

鎧の脚甲に装備、仕組みが集中していて腕に比べると脚甲の方が装飾が多めだ。そして、その背中には堕天使の翼を四枚広げて両手には雷光の力が込められた剣を作り出す。

――――『堕天の雷龍装(フォーリン・バルク・ディルア)

姉を守る為に、家族を失わない為に、辿り着いて手に入れた力。

その力を持って他の悪魔達に証明する。

そして戦いが始まり、激戦を繰り広げる火月と魔王の戦いに誰もが息をするのを忘れるほど夢中となった。

だが、最後まで立っていたのは魔王。

しかし、その腕には確かな傷が存在していた。

この場にいる誰もが火月の実力を否応がなく認めて彼は特例中の特例として上級悪魔へとなった。

それから更なる年月が経ち、現在彼等は駒王学園の学生をしている。

 




自作から原作開始。そしてR-18予定


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姉弟の依存な愛欲★

私立駒王学園。

数年前まで女子高だった学校で現在では共学し、火月はこの学園の二年生。

そんな彼の前に一人の男子生徒が土下座する。

「お姉さんを紹介してください!」

「断る」

毎日のように姉である朱乃を紹介してくれ、デートさせてくれ、付き合わせてくれ等。色々言われる彼は即断し、溜息を吐く。

この学園でリアス・グレモリーと姫島朱乃は『二大お姉さま』と呼ばれるほど人気が高い。

そしてその片割れである朱乃の実の弟である火月を頼って朱乃とお近づきになろうとする男子生徒は多い。

余談だが、火月とリアス・グレモリーの騎士(ナイト)である木場祐斗と並んで『二大イケメン』と噂されている。

「火月。部活に行きますわよ?」

「わかったよ、姉さま」

教室まで迎えに来てくれた姉である朱乃と共に部室に向かう姉弟の仲の良さは評判が高い。

「それでリアス姫のとこの例の新人はどうするの?」

「ふふふ、リアスはしばらくそのままにするようですわ」

二人の会話に出てくる例の新人。それは数日前にリアスが新たに眷属として転生させたこの学園の学生であり、悪い意味で有名で、女子生徒から毛虫のように嫌われている兵藤一誠。

特徴はとにかくエロい。

悪い奴ではない。たが、エロい。

話せば気を許せる相手だ。だが、エロい。

熱血で根性もあるいい奴だ。だが、エロい。

エロを三拍子揃えたとにかくエロい人間、いや、今は悪魔か…………。

「まぁ、素質はあるだろうけど………………………」

リアスから聞いた話では兵士(ポーン)の駒を全て消費して転生できた。少なくともそれだけに似合う素質を持っていることを火月は知っている。

『そりゃ、赤龍帝だもんな』

アルドが火月の中でそう答えるも頷いた。

兵藤一誠に宿しているのは神をも滅ぼせる力を持つとされる十三種ある神滅具(ロンギヌス)の一つ、『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』。

同じドラゴン系神器(セイクリッド・ギア)を持っている火月にはそれがわかった。

まだ覚醒はしていはいないが、それも時間の問題だろう。

火月はそれをリアス達には告げていない。下手に告げて余計な混乱を招くわけにはいかないからだ。

それから部室に到着していつものように談話する。

 

 

 

 

火月と朱乃は悪魔でも入れるように特別な約定が執り行われている無人の神社で生活している。

「すぐに食事の用意をしますわね」

「それじゃ風呂を出しとくよ」

ここで二人は互いに家事をしながら生活している。

「上級悪魔としてのお仕事には慣れました?」

「まだ………………………」

条件付きとはいえど、上級悪魔となった火月は難しい依頼をこなしてはいるも中々慣れないが現状だった。

それでも初めの頃よりかはよくはなっている。

食事をしながら談話したり、明日の事や、今ではリアスの新しい眷属を話題として姉弟で話を盛り上げてる。

そして、食事が終えると朱乃が口を開く。

「………………………………今日、いい?」

「うん………………………」

何を意味するのか、尋ねるまでもない。朱乃が食事の後片付けを終わらせている間に火月は入浴を済ませて寝室に赴き、布団をひく。

そして待つこと数十分。

髪をおろした白装束姿の朱乃が寝室に入る。艶のある表情をしながら帯をしゅるしゅると解き、するっと白装束を脱いで一糸まとわぬ、生まれたままの恰好で火月に近づいてその身を寄せる。

「んっ」

そして、唇を重ね合う。

「ふっ、んっ、ふぁ………………んん………………………」

「姉さま………………………」

唇を重ねて舌を絡ませ合いながら互いに首に手を回して互いの温もりを共有する。

朱乃はそっと火月が着ている寝間着の中に手を入れて丁寧に脱がせていき、肌を接触させる。朱乃の大きくて柔らかい胸の感触が火月に伝わる。

「………………………………触って」

火月の手を取って自分の胸に触れさせる朱乃に火月もまた自分の姉の胸を両手で触り、揉む。

「…………………ふっ、んん………………………」

甘い吐息を漏らす朱乃の声に火月は更に求めるように朱乃の胸の先端である乳首を吸う。

「んん! ふぅ、はぁ…………あ」

乳首を吸いながら舌で優しく舐める火月は思う。

いつからこんなことを始めたのだろうか?

リアスに救われてまた朱乃と一緒に生活できるようになってから抱き着いてきたり、キスしてきたり、一緒に風呂に入るぐらいのスキンシップはあった。

だが、そこまでなら仲がいい姉弟で済むだろう。しかし、二人はその一線を既に超えている。

何時の頃からはもう覚えていない。だが、弟である自分が姉を抱いて、処女を奪ったのは覚えている。

近親相姦。そんなことはよろしくない、普通ではないとわかってはいるも、止まらない。

朱乃も火月も不安でしょうがない。

こうして身体を重ね合わないと不安で不安で仕方がない。

互いに互いを依存しているのは理解している。だけど、それでも、止まらないし、止めることが出来ない。

肌の温もりを、自分を求めてくれる声を、抱きしめてくれる抱擁を、愛を求めてしまう。

母親である朱璃の死が二人の心に大きな穴を空けてしまった。

それを埋める為に二人は今日も互いに愛を重ね合う。

「ふっ、ンっ、はぁ…………」

朱乃は火月の股間に手を伸ばす。そこには既に勃起している火月の陰茎を優しく撫でる。

ビク、と反応する陰茎を手で撫でながら朱乃は体勢を変えて陰茎に顔を近づけて舌を出す。

「ふぅ……………………ンム、ジュル、チュパ………………チュ、ン………………………」

「あ、あ、姉さま………………………」

自身の陰茎を口いっぱいに頬張る朱乃に火月は感じるあまりに全身を震わせて感じている弟の表情に朱乃は嬉しくなる。

おっぱい(こっち)で気持ちよくしてあげるね………………………」

陰茎を口から離して自分の胸部の間に火月の陰茎を挟んで上下に動かす。

柔らかい感触に挟まれて自身の陰茎が見えなくなるも、気持ちいい感触だけが伝わってくる。

「どう、かしら? 私のおっぱい気持ちいい?」

「……………………うん、姉さま。も、もう………………………」

「いいよ。いっぱい出して」

朱乃はビクビクと震えている陰茎が胸の間から伝わってきて射精させようと激しく胸を動かす。

「も、もう、うっ!」

我慢の限界がきた火月は実の姉の胸の中で射精してしまう。

ドクドクと胸の中で溢れ出てくる精子を朱乃は指で掬って舐める。

「んっ、チュル………………火月の精子………………………」

舌を動かして弟の精子を味わう朱乃は最後にゴクンと飲み込むと、寝転んで両足を広げて秘部を見せながら潤った瞳で弟に両腕を広げる。

「来て」

そのまま火月は朱乃に近づいて自身の陰茎を朱乃の秘部に当てると、一気に挿入する。

「あっ、あ、ああ、んっ! んく……………んン、ああっ!」

「姉さま、姉さま………………………」

首に手を回して抱きしめ合うながらも激しく腰を動かす火月の切ない声に朱乃はキスをする。

「んっ、ふぅ! んん、ン……………ンは、私は、ここにンっ! いるから……………」

自分を求めてくれる弟を安心させるように言う朱乃に火月もそして朱乃も満たされていく感覚を実感しながら込み上げてくる絶頂が目前となる。

「姉さま…………………! 姉さま…………………! も、もう、出て!」

「んん! ん、まっ、い、一緒に、ね?」

子宮に出したい、と急かす本能を押さえながら互いに気持ちよくなろうとする姉弟。

そして――――

「出るぅ!」

「~~~~~~~~~~~~~~~~~~っっ!」

絶頂と同時に自分の体内、子宮に孕ませる勢いで精子が流れ込んでくるのがわかる。

出てくる精子に小さく絶頂し、身を震わせながら熱が籠った互いの体温が気持ちよくて挿入したまま抱きしめてしまう。

「姉さま………………………」

「んっ、大丈夫。大丈夫だから………………………」

射精したことによって昂った気持ちが静まってまた姉とセックスしてしまったことに少なからずの罪悪感を覚えるも朱乃はそんな弟を胸元に寄せて何度も頭を撫でて慰める。

火月は姉の優しさと温もりに包まれながら眠りについた。



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僧侶、黒歌★

「ハーレム王に俺はなるっ!」

海賊王的なノリでそう叫んだのは確かめるまでもないだろう。

リアスの眷属悪魔となった一誠をオカルト研究部に招き入れて一誠にこちらの事情を説明し、初めは下僕として生きて行かないといけないことに落ち込んでいたが、リアスから悪魔の階級、つまり下僕となった悪魔でも爵位を授けられ、自分だけの下僕が持てると知ると、叫びを上げた。

「因みにそこにいる火月は既に自分だけの下僕を持ってるわ。まぁ、彼は特例ではあるけれど」

「なにっ!? じゃ、火月は既にハーレムを!?」

リアスの言葉に過剰に反応する一誠。その問いを朱乃が微笑ましく答える。

「ええ、既に三人いますわ」

「ちくしょうぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッ!! やはり、イケメンだからか!? どうかハーレムの作り方を教えてくださいお願いします!!」

「忙しいな………………………」

悔やむように叫んだと思ったら土下座で懇願する一誠に呆れる。

「さっき部長が言っただろう? 俺は部長と同じ上級悪魔で下僕を持てるがこれは本来ならあり得ないことで特例中の特例で条件付きでそうなっているだけだ。普通ならどんなに頑張っても数百年の単位で頑張らないと上級悪魔にはなれないんだよ」

「それでもハーレムが作れるだけ羨ましいんだよ!!」

「泣くなよ………………………」

ガチ泣きする一誠に少し引いた。

『てか、ドライグの宿主のスペック低すぎだろう?』

アルドが一誠が発現したのは龍の手(トゥワイス・クリティカル)。本来ならここで赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)が発現してもおかしくはないのだが、アルド曰く宿主のスペックが低すぎてその程度の力しか発現しなかったそうだ。

「とにかくここにきちんと前例があるのだから貴方も頑張りなさい、イッセー」

「はい! 俺、頑張ります!!」

兵藤一誠の悪魔人生が始まった。

まずはチラシ配り。

 

 

 

一誠の悪魔人生が始まって数日、ついに一誠にも契約取り。

……………………の筈なのだが。

残念なことに一誠の魔力は低すぎて魔法陣が反応せず、前代未聞の足で直接現場に行くことになった。

『ギャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!』

「笑ってやるなよ………」

残念過ぎる一誠にアルドは高笑い。流石の火月もこれには同情する。

『無様! ドライグの宿主、無様! 残念過ぎる~宿主に~はい! 嘲笑♪』

一誠と一誠の内に宿るドライグを嘲笑うように歌い始めるアルドに嘆息する。

アルドとは長い付き合いなので結構自由な性格なのは知っている。

気紛れで、戦いが好きで、自由で、とまさにドラゴンらしい性格をしている。

『俺、お前さんが宿主でよかったぜ』

「俺も、お前がいてくれて助かるよ」

アルドがいなければ母と一緒に死んでいたかもしれない。これまでもアルドのおかげで助かったことは数え切れないほどある。

「…………………はぁ、色々と前代未聞ね、イッセーは」

「あらあら、面白いではありませんか?」

額に手を当てながら嘆くように呟くリアスに愉快そうに笑みを見せながら火月の背後に回って抱き着く朱乃。

なんで抱き着いてくるのか、特に理由はない。強いて言うのならただのスキンシップだ。

火月もそれがわかっているから特に何も言わない。

すると火月は何かを思い出したかのように小猫に言う。

「そうそう小猫ちゃん。そろそろ―――」

「しーろーね♪ ただいまにゃ♪」

「黒歌が帰って、来たね………………………」

いつの間にか小猫の背後から姿を現した和服を着た猫耳の女性、黒歌が小猫に抱き着く。

「…………暑苦しいです、黒歌姉さま」

「久しぶりなのに冷たいにゃー」

そう言いつつも抱き着くことをやめない。

黒歌と小猫、本名、白音は妖怪のなかでも上級妖怪の一種である猫魈の生き残りであり、妖術だけではなく、仙術も使いこなす。

黒歌は元々は別の悪魔の眷属、僧侶(ビショップ)をしていたが、主を殺害して逃亡。

その追撃部隊として火月は黒歌と対峙したのがきっかけだった。

『はぐれ』となった猫魈を捕縛、殺害の命を受けた火月だったが、対峙して気付いた。

こいつは、黒歌は力に溺れて主を殺害してはいない、と。

むしろ、自分と同じ。大切な誰かを守ろうとする強い意思がその瞳に宿っていた。

会話を試みようとしたが、聞く耳を持ってくれずに戦闘になり、辛うじて捕縛に成功。黒歌の事情を全て聞いて黒歌の主だったナベリウスの分家の者が後天的に超越者を作り出す研究に携わっていて、黒歌と小猫の父親もそれに協力していることが判明。

二人の両親はその研究の実験で死亡し、当時行くアテも力もなかった二人には断るという選択肢はなく、しかし眷属になったことで力に目覚めた黒歌は主を殺害した。

火月はそれをサーゼクスに報告。黒歌の罪を帳消しにするように頼んだのだが、首を横に振られた。

どんな理由であれ、主を殺した悪魔を罰さないわけにはいかない。

罪は軽くはなるも罰は必然。黒歌は処罰は避けられなかった。

―――だが。

その罰は姫島火月の眷属となり、主の命令に従う。という寛大な処罰だった。

黒歌の首には主である火月の命令には逆らえない様に高度な術式が施された首輪が嵌められている。

こうして黒歌は火月の眷属、僧侶(ビショップ)として働いている。

こうして姉妹は仲良く生活している、というわけではない。

一度ははぐれとなった黒歌のせいで小猫は精神崩壊まであと一歩まで心を追い詰められて今でも和解はしたが、わだかまりは消えてはいない。

「あ、火月。ただいまにゃ」

「お帰り。どうだった?」

「…………………そうだったわね。火月に報告したいことがあったわ」

不意に真剣な顔で部室の外に視線を向ける黒歌に火月も頷いて姉から離れて二人で部室を後にする。

「それで? 何が――――っ!?」

部室を出て周囲に誰もいない場所まで足を運んだ火月は黒歌から報告を聞こうと思って尋ねようとした瞬間、黒歌に口を塞がれた。

「ジュル、チュッ、んぅ………………はぁ………………………」

「んっ、く、黒………………歌…………な、」

突然口づけをされて舌で口の中を蹂躙される、と。黒歌は一度口を離して妖艶に微笑む。

「ふふ♪ 久しぶりの火月の味にゃ」

「………………………………報告は?」

「火月と子作りしたいにゃ♪」

「ないのね………………………」

悪戯に成功したように小悪魔な笑みを浮かべる黒歌に溜息を漏らすも、黒歌はもう待ちきれないかのように再度唇を重ねる。

「ふぅ…………んっ、ちゅ………………ねぇ、しよ?」

「………………………家まで我慢は?」

「無理」

即答で返す黒歌は着物をはだけさせてその豊満な胸を曝け出す。そしてその場に膝をついて火月のズボンに手をかけて陰茎を露にすると、早速と言わんばかりに口に入れる。

「ジュル、チュル、ふぅ…………ンン、ん………………………」

陰茎を口いっぱいに頬張って激しく頭を前後に振るう。口の中で陰茎が我慢汁を出しながら射精しようと震えているのが伝わってくる。

「ちょ、黒歌……………いきなり、激しい………………」

快感に身を震わせながらも初めから激しく刺激を与えられて火月の我慢は早くも限界に近づいていた。だが、そこで黒歌は緩めるようなことはせずに更に激しく、刺激を加える。

「んっ!」

そして火月は黒歌の口の中に思い切り射精した。黒歌の口から溢れ出ようとする精子。それを黒歌は陰茎を口にしたままゴクリ、ゴクリと飲み込んでいく。

「んっ、んっ……………ゴク、ンぐ……………はぁ、ふふ、火月は私の口から子を孕ませる気かにゃ?」

絶頂した火月の快感に打ち震える顔を見ながら悪戯笑みを浮かべる。すると、黒歌は壁に手をついて臀部を火月に向けて突き出す態勢を取ると、誘惑するように尻尾と臀部を振る。

「このエロ猫………………………」

「あら、猫又はエロいのよ?」

妖艶な笑みで皮肉を受け流す黒歌に火月は半分自棄になって黒歌の腰を掴み、自身の陰茎を黒歌の秘部に一気に挿入する。

「んにゃ! はぁ! あ、ああ! いい、気持ち、いいにゃ!」

「ああ、俺もだ」

先程の仕返しとして一気に挿入して激しく腰を振ってぶつけ合わせ、黒歌の子宮内を容赦なく蹂躙する。

「もっと! もっと、ちょうだい! 子種を私の中にいっぱい出して!!」

獣の本能か、黒歌は発情した猫のように恍惚な表情をしながら子種を求め、射精を催促するかのように膣内を締め付けてくる。

ぎゅうぎゅうに締め付けられた陰茎は快感が一気に増大して絶頂が加速する。

「いい、滅茶苦茶にしていい、から! 孕ませて! 私の膣内(なか)を子種でいっぱいにして!!」

自らも腰を振って射精を促す黒歌。その期待に応えるかのように火月は思い切り黒歌の膣内に射精する。

口でされた時とは比較にならないほど溢れ出てくる精子は黒歌の子宮を満たしていく。

どれだけ出たのかわからないほどに射精した火月は呼吸を整えながら抜くと、黒歌の秘部から精子が零れて太ももに流れ落ちていく。

「にゃはは、火月は獣にゃ、野獣にゃ」

「エロ猫に言われたくない」

笑みを見せながらからかいの言葉を投げる黒歌に肩を竦める。

二人は身だしなみを整えて匂いを魔法で消して部室に戻るも、リアスと朱乃はまるでわかっているかのように呆れ、微笑む。

「………………………………野獣先輩」

ぼそりと呟いた小猫に火月は肩を震わせた。

そして一誠が戻ってきて黒歌を見ると、「誰だ!? この和服猫耳美女は!?」と叫んだ。

 



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ドラゴンの逆鱗

今回ほぼ原作通り。


一誠が悪魔になり、己の駒と特性を知ったり、はぐれ悪魔やはぐれ悪魔祓い(エクソシスト)を知ったりと少しずつではあるが悪魔としての新たな人生を知りつつある。

だが―――

パン! と部室に乾いた音がこだました。

音の発生源は一誠の頬。リアスが険しい顔で一誠の頬を平手打ちした。

その理由はとあるシスター、アーシア・アルジェントにある。

彼女は偶然にも街で一誠と遭遇し、知り合い。そして、はぐれ悪魔祓いから身を挺して一誠を守ろうとした少女。

だが、彼女は堕天使側の人間。悪魔側に所属している一誠とは敵対関係にある。

一誠は彼女の事情を知り、彼女を堕天使から助けようと教会に行くことを提案するも、リアスは首を横に振った。

リアスは今回の件は一切関わらないと告げる。その言葉は正しい。

下手に堕天使を刺激し、戦争を引き起こす訳にはいかない。こちらに害がない以上は無関心を装うのが最善だからだ。

それでも一誠は一歩も引くことなく詰め寄り、叩かれた。

「俺はアーシア・アルジェントと友達になりました。アーシアは大事な友達です。俺は友達を見捨てれません!」

リアスと面と向かって告げる。しかしリアスも引けない。

互いにじっと正面から見つめるなかで朱乃がリアスに耳打ちする。

「大事な用事ができたわ。私と朱乃、それから火月はこれから少し外へ出るわね」

「ぶ、部長、まだ話は終わって―――――」

一誠の言葉を遮るように、リアスは人差し指を一誠の口元へ。

そして弱いと思い込んでいた『兵士(ポーン)』の特殊な力と神器(セイクリッド・ギア)について教える。

「――――想いなさい。神器(セイクリッド・ギア)は想いの力で動き出すの。その力も決定するわ。あなたが悪魔でも、想いの力は消えない。その力が強ければ強いほど、神器(セイクリッド・ギア)は応えるわ」

続けて、今度は火月が言う。

「イッセー。お前が持つ神器(セイクリッド・ギア)はドラゴンだ。ドラゴンは決して触れてはいけない逆鱗に触れた時、その力を発揮する。その怒りが純粋であればあるほどにドラゴンは牙を剥く。それを忘れるな」

同じドラゴンを宿す先輩としてのアドバイスを告げて三人は魔法陣でジャンプする。

 

 

 

「さて、部長。終わりましたよ」

「ええ、ご苦労様」

三枚の羽を手渡す火月。それはレイナーレに協力していた堕天使たちのもの。

リアス、朱乃、火月の三人がジャンプした先は教会の裏側。そこで今回の堕天使の行動について話しをするとすんなりと吐いた。

堕天使レイナーレがアーシア・アルジェントが持つ神器(セイクリッド・ギア)聖母の微笑み(トワイライト・ヒーリング)』を抜き取り、自分のものにする計画。

上を欺いてまで独自で計画した作戦まで丁寧に教えてくれた返済が火月の蹴撃であった。

最初に一撃を受けたのはミッテルトと呼ばれる堕天使の少女は火月の動きに反応することもできずに頭部を粉砕され、カラワーナとドーナシークが光の槍を出す前に雷光の剣が二人の首を斬り落とす。一秒にも満たない瞬殺劇で終わらせる。

リアスと朱乃は地下で戦っている祐斗と小猫を助ける為に魔法陣でジャンプし、火月は特等席で一誠とレイナーレを見ていた。

慟哭する一誠を嘲笑うレイナーレ。だが、愚かだと火月は思う。

奴はドラゴンの逆鱗に触れた。

逆鱗に触れたドラゴンの恐ろしさをレイナーレは知らなすぎる。

 

「アーシアを返せよォォォォォォォォォッッ!!」

 

『Dragon booster!!』

一誠の怒りに呼応するように手の甲の宝玉が眩い輝きを放ち、形を変えた。

『ギャハハハハハ!! いいオーラじゃねえか! ドライグもやっとお目覚めだ!』

アーシアの死をきっかけに一誠が持つ本来の神器(セイクリッド・ギア)、『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』が発動する。

まだ弱いが力強い龍の波動を感じてアルドが嬉しそうに声を上げた。

そう、逆鱗に触れたドラゴンは強く、しぶとく、執念深く、とにかく諦めが悪い。

光の槍が突き刺されようが、体中に激痛が走ろうが、ドラゴンは止まらない。

相手を倒すまでドラゴンは止まることを知らない。

そして赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)の力を解放して、一誠は逃げようとしていたレイナーレを捕まえて拳を作る。

「ぶっ飛べ! クソ天使ッ!」

一誠は見事に堕天使レイナーレを倒した。

それからレイナーレはリアスの手によって滅ぼされてアーシアはリアスの『僧侶(ビショップ)』として悪魔に転生した。

『宿主がもうちっと強くなったら戦ってみたいもんだな!』

アルドがそんなことを言っているが無視した。

 



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ライザー・フェニックスと騎士

リアス・グレモリーの僧侶(ビショップ)となったアーシア・アルジェントは駒王学園の転校して一誠と同じクラスになった。

少しずつクラスメイトとも馴染め、生活にも慣れてきて、悪魔の仕事もこなせるようになってきたアーシアは正直一誠よりも活躍している。

平穏な悪魔としての生活をするなかで一誠はリアスにしごかれている。

日々の基礎鍛錬として朝からスパルタなメニューをこなしている一誠。そのついでに火月も参加して一緒に身体を鍛えている。

元々鍛えてはいた為に少し物足りない気もしたが、しないよりかはマシだろう程度の気持ちで一誠に付き合っていた。

始めは根を上げていた一誠だが、日々の成長に実感を持てるようになるとより努力するようになった。

少しずつではあるが、一誠は成長している。

一誠が成長していくなかで、リアスはボーッとしていたり、溜息を吐くことが多くなった。

その原因は火月達の前にいる。

「いやー、リアスの『女王(クイーン)』が淹れてくれたお茶は美味しいものだな」

「痛み入りますわ」

赤いスーツを着た二十代前半の男性。彼の名はライザー・フェニックス。

純血の上級悪魔であり、古い家柄を持つフェニックス家の三男。そして、リアスの婚約者でもある。

ソファに座るリアスとライザーに対面するようにソファに座っている火月以外は少し離れた席に集まって二人の様子を見ている。

「いい加減にしてちょうだい!」

我慢の限界がきたリアスは激昂する。

元々リアスは今回の縁談は反対だった。だが、ライザーは悪魔の未来の為に純血の悪魔を絶やす訳にはいかないと述べる。

すると、ライザーは。

「安心しろ。お前の眷属達もしっかりと可愛がってやる」

そう言いながら近くにいた朱乃に手を伸ばそうと―――――

「おい」

するが、その腕を火月が掴んで止める。

「今回の縁談については割り込むつもりはなかったけど、姉さまに手を出すというのなら潰すぞ? ライザー・フェニックス」

姉である朱乃に手を出そうとしたライザーに怒りを剥き出しにしながら睨み付ける。だが、ライザーの表情からは余裕が消えない。

「相変わらずのシスコンだな、お前は。少しは姉離れでもしたらどうだ?」

「余計なお世話だ」

「俺はこう見えてもお前の事をかってるんだぜ? あの魔王様に傷を与えた逸材だ。どうだ? 俺の下で働く気はないか? 金も女も好きにしていいぞ?」

「誰がお前のような奴の下で働くか。いい加減その口を閉じろ。鳥野郎」

「……………ガキが。調子に乗るなよ?」

ドラゴンのオーラとフェニックスの炎を纏わせ一触即発する二人をグレイフィアが止めた。

「お二方。落ち着いてください。お二人がこれ以上騒ぎを起こすというのであれば私も黙ってはおりませんよ?」

薄っすら、とだけど氷のように冷たい殺気を放つグレイフィアに二人はオーラと炎を落ち着かせる。

それから今回のリアスとライザーの縁談はレーティングゲームによって決定することとなる。

リアスが勝てば縁談は破棄。

ライザーが勝てば即結婚。

二人はそれに了承する。

だが、今回のゲームはリアスが圧倒的に不利だ。

ライザーは既に成熟し、公式のゲームにも参加している上に眷属も揃っている。それに対してリアスはゲームの経験もなく、眷属の数も半分以下。

経験も人数も圧倒的に不利だ。

当然そのゲームに火月は参加できない。今回はあくまでグレモリー家とフェニックス家の御家問題。どちらの眷属でもない火月は参戦することは認められない。

ハンデとしてゲームは十日後。その間にグレモリー眷属は別荘で猛特訓することとなる。

その特訓には火月も付き合うことぐらいは許された。

 

 

 

「ばっかじゃないの?」

その話を聞いた黒歌はソファで寛ぎ、煎餅を食べながら言った。

「たかが十日特訓したぐらいで姫ちゃん達が勝てるわけないにゃ」

そう言い切った黒歌に姫島姉弟は肯定も否定も取れない。

「火月ならともかく、今の姫ちゃん達には無理にゃ。一ヶ月ならまだわからないけど」

黒歌の言葉は的を得ていた。

現在のリアス達とライザー達の実力はかけ離れている。たかが十日特訓した程度では勝てない。

「あの力を使えば………………………」

朱乃が深刻な顔をそう呟く。

朱乃は父親のこともあって光を使うことを拒んでいる。だが、悪魔の弱点である光を使えばまだ勝機があるかもしれない。

火月なら雷光を与え続けて不死性を崩していく手段も取れるし、禁手(バランス・ブレイカー)という奥の手だってある。

少なくともライザー相手に負ける気はしない。

「それでもできる限りの事は――――――」

「話は聞かせて貰ったわ!」

火月の言葉を遮って勢いよく扉を開けて入ってきたのは金髪の女性。

「その特訓にはお姉さんも参加するわ!」

「お帰り、ジャンヌ」

「ええ、ただいま」

帰ってきたのは火月の騎士(ナイト)であるジャンヌ・ダルク。聖人の魂を引き継ぐ者。今までは悪魔の仕事で家から出ていたけどどうやら仕事を終わらせて帰ってきたみたいだ。

「報告は後で聞くよ。それよりも対ライザー戦に向けて対策を考えないといけないから二人もすぐに準備して」

「ええ」

「はいにゃ~」

リアス達の特訓に付き合う為に準備をする為に今から出ていく二人を置いて火月は表情を曇らせている朱乃を抱きしめる。

「…………………火月、ごめんなさい。私があの力を使えたら……………」

「姉さまが謝ることなんて何一つないよ」

姉は弱い人だ。そして火月自身も自分は弱いと認識している。

互いが互いを支え合うことで壊れずに済んでいる。もう、引き剥がすことができない分身のようなものだ。

「俺達は姉弟なんだから、お互いに支え合って、もっと強くなろう」

「………………………………うん」

弟の言葉に頷く姉。

二人は気持ちが落ち着くまで身を寄せ合っていた。

 




原作キャラである英雄ジャンヌ・ダルクの魂を引き継いだ者、ジャンヌを騎士(ナイト)として入れてみました。自作R-18を三話続けて投稿予定。


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ジャンヌの奉仕★

ライザーとのレーティングゲームに勝つ為にグレモリー眷属は山で修行を行うことになった。その指導役として火月、黒歌、ジャンヌの三人はグレモリー眷属を鍛える。

祐斗は同じ騎士(ナイト)であるジャンヌと剣の模擬戦。

リアス、朱乃、小猫、アーシアは黒歌と魔力、魔法の特訓。

そして、一誠は―――――

「うわぁぁぁぁぁああんっ!」

森の中を全力で駆けまわっていた。その後ろからは木々を蹴り倒しながら一誠を追いかける火月の姿が。

「逃げるな、イッセー。戦え」

「無茶言うな! 死ぬわ! お前の蹴りを一発でも受けたら俺が死ぬ!!」

「ちゃんと手加減してるから大丈夫だ。直撃さえしなかったらだけど」

「ふざけんな!!」

修行初日目から一誠は逃げていた。死にたくがない為に逃げていた。

童貞のまま死にたくはない。

「いいか? イッセー。ドラゴンの修行は元来実戦方式だ。お前もドラゴンを宿す身なら少しは攻撃してこい」

「できるか!?」

「なら、徹底的に虐めてやるか」

「嫌だぁぁあああああああああああっっ!! 虐められるなら部長か朱乃さんにあああああああああああああああああああああああああああああああああっっ!!」

山の中で一誠は悲鳴が木霊する。

 

 

 

「うおおおおおお! 美味ぇぇ! マジで美味い!」

生き残った一誠は夕食にかぶりついていた。

「あらあら。おかわりもあるからたくさん食べてくださいね」

「朱乃さん、最高っス! 嫁に欲しいぐらいです!」

「うふふ、困っちゃいますね。火月」

「………………………………イッセー、明日は今日の三倍だ」

「うぇぇぇえええええええええええマ、マジか!?」

明日は一誠の命日になるかもしれない。

「俺より弱い義兄など許さん」

「ふふ、大好きなお姉ちゃんをイッセーに取られたくないのね」

からかうリアスにそっぽを向く火月に微笑む。

食べながらリアスは今日一日の修行の感想と戦う術を話すと―――

「食事が終えたらお風呂にはいりましょうか。ここは温泉だから素敵なのよ」

その一言で一誠の思考はエロに染まる。

「僕は覗かないよ、イッセーくん」

「俺も祐斗と同じく」

「バッカ! お、おまえらな!」

「あら、イッセー。私たちの入浴を覗きたいの? なら、一緒に入る?」

小さく笑いながらリアスは一誠に言う。

「朱乃はどう?」

「別に構いませんわ。殿方の身体は火月で見慣れておりますし」

「なに!?」

睨む一誠にさっと視線を逸らす火月。

「アーシアは? 愛しのイッセーとなら大丈夫よね?」

リアスの問いかけにアーシアは小さく頷いた。

「私も別にいいにゃ」

「私も気にしないわ」

黒歌、ジャンヌ共に了承する。

最後に小猫。

「…………………いやです」

両手にバッテン印を作って拒否する。

「じゃ、なしね。残念、イッセー」

悪戯笑みで告げるリアスにイッセーは見るからに落ち込むも、内心は覗きぐらいならと考えるも。

「イッセー。もし、覗こうとして姉さまの身体を見たら………………潰す」

ドラゴンのオーラを発しながら威圧する火月に一誠は敬礼。

「サー! イエス! サー!」

こうしてリアス達の裸体は守られた。

 

 

 

火月は全員が寝ている間に密かに自分の修行を行っている。

今よりも強くなる為にも日々の修行は外せれない。

「火月」

「ジャンヌ…………」

修行を一段落させて呼吸を落ち着かせている時、ジャンヌが歩み寄ってきてタオルを手渡してくれた。

「こんな時まで修行? 相変わらず熱心ね」

「………………俺は強くならないといけないから」

弱いままでは誰も守れない。それを幼い頃に体験した火月は少しでも時間があれば己を鍛える。

「強くならないと、姉さまを、皆を守れない…………」

悲痛に満ちた顔で語る彼の言葉にジャンヌは一息吐いて、彼の腕を掴む。

「火月。お姉さんと一緒にお風呂に行きましょう」

「え?」

「お姉さんが火月にご奉仕してあげる♪」

笑みを浮かべながらそう告げられて火月とジャンヌは互いに一糸まとわぬ恰好で温泉へとやってきた。

「ほら、ここに座って」

自分も裸だというのに一切の羞恥なく火月を座らせる。

大人しく椅子に座る火月の後ろに回るジャンヌに背中でも流してくれるのかな、と考えていると、不意にむにゅ、と。背中に柔らかい感触が火月を襲う。

「あ、あの、ジャンヌ…………?」

「ふふ、火月のお姉さんと猫よりかはないけど、形と柔らかさには自信があるのよ? んっ、でも、これ…………私も気持ちいいかも…………」

背中に感じる柔らかい感触と耳元で甘いと息と艶のある声が耳朶を震わせる。

「ふっ、ん、どう? 気持ちいい?」

「えっと、はい………………………」

頷いて肯定する火月にジャンヌは火月の耳を甘噛みする。

「ひぅ!」

「あ、今の反応可愛い。もっとしてあげる。ハム、レロ、ジュル…………」

「ん、ちょ、ちょっと、やめ………………………」

耳を甘噛みされ、舐められる火月は静止の声を投げるもジャンヌはやめることはしない。むしろ、耳穴まで舌を入れてくる。

背中から感じる女性特有の温もりと胸の感触。更には耳を舐められて快感に打ち震える火月の陰茎は見事に勃起する。

ジャンヌは手を伸ばして火月の陰茎を掴む。

「あらあら、お姉さんの身体がそんなによかったのかしら? それならきちんと責任を取ってあげないとね」

「べ、別に……んっ………………………」

背中から抱き着かれ、耳を舐められ、陰茎を手でしごかれる。

ジャンヌの手は普段は剣を持っているとは思えないぐらい柔らかいその手で激しくしごかれる火月の陰茎から我慢汁がこぼれる。

「お姉さんの手が気持ちいの? いけないマスターだこと」

「や、やめ………………………」

手を止めることなく耳元で囁かれる。

「~~~~~っ」

「うわっ」

堪らず射精してしまう火月。飛び出してくる大量に精子に驚くも自分の手で気持ちよくなってくれたことに嬉しい気持ちになる。

「けっこう出たわね。でも、まだできそうね」

まだ天を向いている陰茎を見てジャンヌは今度は火月を湯船まで連れて行ってお湯に浸からせると火月の上にジャンヌが跨る。

「お姉さんのここでもっと気持ち良くしてあげる」

陰茎を持って秘部に当てるジャンヌはそのまま腰を下ろして膣内に陰茎を収める。

「あっ! ん、はぁ…………気持ちいい?」

「………………………………うん」

「ふふ♪ じゃ、動くね? あっ……………んっ、ンン、あ、ああ、あ!」

火月の上に跨って自ら腰を振るう。

お湯の熱とジャンヌの膣内の温もりが火月の刺激を高めていくなか、ジャンヌは火月を抱き寄せて自身の胸に当てる。

「もっと、お姉さんに甘えてもいいから、ね? 自分一人で背負わず、お姉さんたちを頼って………………………」

顔を上げると妖艶な笑みを浮かべながらそう告げるジャンヌの顔がそこにあった。

ジャンヌとは仕事先で偶然にも出会った女性だ。

その身に神器(セイクリッド・ギア)、『聖剣創造(ブレード・ブラックスミス)』を宿し、英雄ジャンヌ・ダルクの魂を引き継いだ者。

その力を求めて教会関係者はしつこいぐらいまで勧誘されたり、悪魔から危険な存在とされて殺されかけたこともあった。初めは火月もその一人と思って攻撃された。

火月はジャンヌに勝利、そして過去の自分と姉の境遇に似ていることから眷属にならないか? と誘った。

今では火月の騎士(ナイト)として忠誠を誓っている。

自ら腰を振って喘ぎ声をあげるジャンヌに火月は眼前に揺れてるジャンヌの乳首にしゃぶりつく。

「んんっ! あ、そこ、乳首…………だめ! 感じちゃ、う!」

ジャンヌの綺麗なピンク色の乳首に赤ん坊のようにしゃぶりついて堪能する火月。お湯と僅かばかりのジャンヌの汗の味がするも、しゃぶりつくのをやめない。

右側の乳首をしゃぶったら今度は左側の乳首をしゃぶる。それを何度も繰り返す。

乳首をしゃぶられて快感に震えながらも腰を振るのを止めないジャンヌも絶頂が高まる。

「ジャンヌ、もう」

「ん、いいよ? いっぱいお姉さんの膣内(なか)に、ね?」

艶のある優しい声音でそう促すジャンヌに火月は限界を達してジャンヌの膣内に射精する。

「んん~~~~~~~~~っっ!!」

膣内に射精されて自らもまた絶頂を迎えてしまう。互いに抱きしめながら快楽に身を震わせる二人は顔を見合わせて唇を軽く重ね合う。

「ジャンヌ………………………」

「うん、また、したくなったら言ってね?」

暫くの間、二人は抱き合いながら温泉に浸かっていた。

 

 



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刺激を求めて★

グレモリー眷属の修行が始まってから五日が経過した。

始めは逃げてばかりの一誠だったが、三日目からは果敢にも立ち向かい、蹴り飛ばされ、攻撃しようとし、蹴り飛ばされ、攻撃を防御した上から蹴り飛ばされる。

一誠は何度も空から落ちる体験をしたかいもあって受け身が取れるようになった。

「よし、今日はここまで」

「お、おう………………………」

満身創痍の一誠を抱えながら別荘に帰る火月は治療をアーシアに任せて今日の修行の成果をリアスに報告しようと廊下を歩いていると―――

「おかえりにゃ」

ばったり、と黒歌と遭遇した。

「ただいま。そっちはどうだった?」

「んーぼちぼちかにゃ。白音も仙術も使えるようになったし、マシにはなってきたわね」

「そっか」

「でも、修行ばっかで飽きてきたところだから刺激が欲しいわね」

妖艶に微笑む黒歌は火月とキスできる距離まで近づくと、そのまま軽く唇を重ねて逃げられない様に抱き着き、首筋を舐める。

「ちょ、黒歌………こんなときまで―――」

「うるさい子にはお仕置きにゃ」

「痛ッ!?」

ざらっとした猫特有の舌触りが火月の首を伝わり、制止の声をなげようとしたら肩を噛みつかれた。

猫のように鋭い歯というより牙が火月の肩に噛み跡ができて血が流れる。

「火月?」

すると、その声が聞こえたのか、姉である朱乃が廊下から顔を出す。続けてリアスと小猫もやってくる。

よかった、と安堵していると、朱乃は不思議そうに首を傾げた。

「朱乃、どうしたの?」

「いえ、今、そこから火月の声が聞こえた様でしたので」

「気のせいではないの?」

不思議そうに会話をするお姉様たちに火月は怪訝した。物陰に隠れているわけでもなく、ちょっと顔を横に向ければすぐに見つかるところにいるのに、まるで火月と黒歌の姿が見えていないかのように――――

「黒歌、何をした?」

「ふふ、不可視の魔法をちょっとね♪」

小声で会話する二人。

先程のキスは不可視の魔法を火月にかけて姿を視えなくしたと素直に吐いた。

「今すぐ解いて」

「いや、言ったでしょ? 刺激が欲しいのよ。それとこの魔法は姿を視えなくするだけだから声でも出したらすぐにバレるわよ?」

そう告げて火月の股間に手を伸ばして陰茎を取り出す黒歌は手で火月の陰茎を刺激しながら服の上から乳首を甘噛みする。

「くぅ………………………」

「ふふ、可愛い顔にゃ♪」

反応する火月に嗜虐心が擽られた黒歌は余計に困らせたくなる。

ちょっと壁を蹴って音を出した。

その音に小猫が反応した。

「どうしたの? 小猫」

「………………………………今、あそこから物音が」

小猫が指す場所は火月と黒歌がいる場所。それに焦る火月。

こちらを怪訝そうに見据えている三人に冷汗が流れるも、黒歌は愉快そうに微笑む。

「どうしたのにゃ? 酷い汗にゃ」

「誰のせいだ、誰の!?」

三人に聞こえない様に小声で話す。だが、黒歌は止まらない。

こういうのを待っていた、と言わんばかりにその場にしゃがみ、先ほどまで手でしごいていた陰茎に涎を垂らす。

そして、自身の豊満な胸の間に挟む。

「ふぅ~~~~~~~」

「いい反応にゃ」

左右の胸を上下に動かして刺激を与えながら羞恥と快楽に震える火月の反応を楽しむ。

「一応、調べてみましょうか。万が一に侵入者がいるかもしれないわ」

真剣な顔で言うリアスに朱乃も小猫も真剣に頷く。

―――違います来ないでくださいお願いします!

近づいてくる三人に本気でそう願った。

調べる三人との距離はもう数メートルもない。少しでも音や声を出したら見つかってしまう。それなのに黒歌は止まらない。

パイズリしながら火月の反応を恍惚な笑みを浮かばせながら楽しんでいる。

射精したら匂いでバレてしまう恐れがある。だから、必死に射精しないように堪える。

「気のせいだったようね」

「ええ、そのようですわね」

「………………………………ですね」

三人は二人の存在に気付かないままその場を離れて行く。廊下を曲がって姿が見えなくなるのを確認してほっと一安心すると、これまで堪えていた我慢が一気に緩まって黒歌の胸の中で射精した。

「どんどん出てくるにゃ」

胸の中で熱くて白い粘液が黒歌の胸を犯すかのように出てくる。胸から香る精液のイカ臭い匂いが雌としての本能を刺激する。

「く~~~ろ~~~か~~~~~~ッッ」

「にゃ!?」

弄ばれた火月は怒髪天に衝くほど怒り、黒歌をその場で押し倒す。

「そんなに欲しいのならくれてやる!!」

感情のままに陰茎を一気に黒歌の膣内の奥にまで叩き入れる。

「にゃぁぁぁあああああああああああああっっ!! ひぐっ! いい、これ、これにゃ! これが欲しかったの!」

「このエロ猫! 時と場所ぐらい弁えやがれ!!」

乱暴に、それこそ強姦しているかのように強引に犯す火月に黒歌は嬉しそうに喘いだ。

「このドMの淫乱猫! もう二度とこんなことしないように今度から徹底的に調教してやるから覚悟しろ!!」

「はい、します! されます! 火月好みに調教されるにゃ! だから、もっと、もっと犯して! 火月のことしか考えられなくして!!」

喘ぎながら潤った瞳で調教を求める黒歌の膣内に火月は容赦なく中出しした。

「ふにゃぁぁぁああああああああああああああああああっっ!!」

喘ぎ声を上げる黒歌は快感に全身を震わせながら意識を手放す。それを見て一息吐く火月。

「ふぅ~、まったくこの猫は…………」

「あの、火月くん。お楽しみだったところ申し訳ないのだけど………………………」

不意に背後から声が聞こえて火月は石像のように固まった。

そして、錆びた人形のように後ろを見ると、祐斗が困ったように苦笑していた。しかし、あられもない黒歌や火月を見ない様に視線だけは外してくれる。

どうやら黒歌が意識を手放したせいで魔法が切れたようだ。

「廊下でそういうのは、少し勘弁して欲しいかな?」

「違うから!」

それから火月は土下座して弁明した。

祐斗もこの事は忘れてくれることに心から感謝した。

 



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歪んだ愛欲★

修行はついに大詰め。

最終日となった修行期間。リアスから許可を得て一誠は赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を使用して火月と戦っている。

『Boost!!』

赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)の能力は十秒ごとに持ち主の力を倍にしていく。

時間が経てば経つほどに持ち主の力は強くなる。

「これをどう躱す!」

火月が放ったのは雷光ではなく、雷の弾丸。それも十を超える数を一誠に向けて放つ。

「おっと!」

一誠はそれを躱し、時には木々を盾にして防いで力を溜める時間を稼ぐもそれを許すほど火月は甘くはない。

地面を蹴って一気に接近する。瞬く間に距離を詰められた一誠は笑った。

「今だ!」

『Explosion!!』

溜めておいた力を解き放ち、一誠は眼前に赤い魔力の塊を生み出す。

「!?」

それを見て火月は咄嗟に回避行動を取る。

「ドラゴンショット!!」

生み出した米粒程度の赤い魔力が巨大なものへと変貌して火月を通り過ぎて山を吹き飛ばした。

「あぶな………………………」

それを見て流石に冷汗を流した火月。流石にあれを直撃すればただではすまない。

『Reset』

増幅された力を失ってその場で腰を抜かしたように座り込む一誠に火月はただ驚く。

始めは素人同然だった。いや、魔力が乏しいことも含めれば素人以下だ。

赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)以外に何もないと思っていた一誠はこの十日間で強くなった。

火月は地面に座り込む一誠に手を差し伸ばす。

「強くなったな、一誠」

「ああ………………………」

差し伸ばした手を取って立ち上がる一誠に火月は最後に一言告げる。

「イッセー、忘れるな。俺達のなかに宿るのは力の象徴とされるドラゴンだ。ドラゴンの恐ろしさをライザーに教えてやれ」

「当り前だ! 絶対にあんな奴に部長は渡さねぇ!!」

「ああ」

即答する一誠は拳を火月に向ける。

「約束する。俺は拳が握れる限り最後まで戦う!」

「………………………それでこそ、ドラゴンを宿す者だ」

互いに拳をぶつけ合い、笑みを見せる二人は最後の修行を終えて別荘に帰還する。

 

 

 

 

グレモリー眷属の修行が終えてその結果を報告。後はゲームに向けて体調を整える。

その深夜、朱乃は火月の下へやってきた。

「火月………………………」

「姉さま………………………」

白装束姿で火月に身を寄せる朱乃は切ない声で懇願する。

「お願い、抱いて………………」

「うん」

それ以上の言葉は聞くまでもない。火月は朱乃と唇を重ねた。

「んっ……………」

朱乃は自分の『(キング)』であり、親友であるリアスの為に堕天使の力を使おうとしている。だけど、それは朱乃が嫌い、恐怖している力でもある。

だから、この不安を取り除いて欲しくて、勇気が欲しくて、朱乃は弟の元へやってきた。

白装束の中に手が入ってくる。

「んっ、ん………」

優しく撫でるように胸を触られて、揉まれる。

そこに嫌悪なんてない。むしろ、愛おしさすら感じる。

どんな時でも守ってくれる大好きな弟。

こんな自分を愛してくれる最愛の弟。

血を分けた大切な弟。

実の弟とこんなことをしてはいけないのはわかっている。だけど、不安で仕方がなかった。母を失い、寂しさのあまり弟を求めてしまった。

弟を身体を誘惑して肌を重ね合わせて処女を実の弟に捧げてしまったその日に朱乃は後悔した。姉弟として超えてはいけない一線を越えてしまったのだ。

だけど、火月は愛してくれた。

嫌悪することもなく、一人の姉として、家族として愛してくれる。

それが嬉しくてまた求めてしまった。

「姉さま…………」

それでも火月は自分を求めてくれる。

唇を重ね、肌を重ね、互いの温もりを共有する。

姫島朱乃は一人の女として実の弟を心から愛してしまった。

「ん………………ふっ、はぁ………………………」

男らしいゴツゴツとした手が朱乃の身体を触れる度に女としての悦びを感じてしまう。

自分を愛してくれる弟の手を朱乃は手に取って頬に当てる。

「ん………………」

また唇を重ねて朱乃は押し倒される。

「んっ、ンン………………ンっ、はぁ………………………」

唇を重ねながら火月は朱乃の大きな胸を揉みしだく。揉まれる度に朱乃は更に求めてしまう。

「火月、お願い………………………」

懇願する朱乃。

何をお願いしたのか、それを尋ねるまでもなかった。

火月はズボンを脱いで陰茎を取り出すと朱乃の両足を開いて秘部を外気に触れさせる。

そして陰茎を朱乃の膣内に挿入する。

「ふっ、ンン……………あっ、あ………………」

自分の膣内で愛しい弟の陰茎が何度も出し入れされて快感に震えて声を漏らす。

自分は淫らな女だ、と朱乃は思った。

実の弟に犯されることを望み、女としての悦びを心から感じている。これを淫らと呼ばずになんて呼べばいい。

「あっ………………んっ、ンっ、ンン!」

犯されながら唇を重ねて、口腔に舌を入れて絡ませ合う。

子宮の奥まで届く弟の陰茎に何度も身体に痙攣が迸る。

「はぁ…………はぁ………………姉さま………………………」

「あっ………………ああ、あ…………んっ、いいよ? 私、の身体あ、好きにして……………」

切なくも求める弟を許す朱乃に火月は上下に揺れる朱乃の豊満な胸に跳び込む。

乳房を揉みながら舌で乳首を舐めたり、吸ったりなど好き勝手に蹂躙される。

「ああっ! あ、あ、あ………………んっ、ンン、はぁ、あっ!」

愛しい弟に唇も、胸も、秘部も好き勝手に犯されるも、それが嬉しくて先ほどまであった不安が消えていき、弟の愛に満たされていく。

「姉さま…………も、もう!」

「んっ」

頷く朱乃。

火月は朱乃の膣内に精子を放出。自分の体内に弟の精液が流れ込んでくることを実感しながら自分も快感に震える。

「んっ、ん………………………」

まだ射精している弟を抱きしめ、また唇を重ねる。

「ありがとう………………………」

「うん……………」

自分達は間違っていることぐらいわかっている。

この愛も、情欲も正常ではない、歪んだもの。

これは血を分けた姉弟の歪んだ愛欲。

 

 



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恩人の為に

リアス・グレモリー眷属とライザー・フェニックス眷属とのレーティングゲーム。

結果だけ告げればリアス達は敗北した。

それぞれの力を発揮し、ライザーの眷属を次々に打倒したリアス達。

祐斗は修行で鍛えた剣技を発揮し。

小猫は仙術を用いて。

朱乃は嫌っていた光の力を雷に乗せて雷光を放ち。

一誠は赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)の新たな能力『赤龍帝からの贈り物(ブーステッド・ギア・ギフト)』の力を手にれた。

リアスも、アーシアだって頑張った。

善戦した。ライザーを除いた全ての眷属を打倒できるほどに。

だが、レーティングゲームの経験と不死鳥(フェニックス)を持つライザーには届かなかった。

リアスは眷属と共にライザーと戦った。それでも、不死の特性を崩すことが出来ずに一人、また一人と眷属達が撃破(テイク)されていく。

途中、リアスはこれ以上眷属を失うぐらいならと投了(リザイン)を選択しようとした。

だが、心が折れかけたリアスを支えたのは一誠だった。

「火月と約束したんだ! 拳が握れる限り俺は最後まで戦う! お前なんかに部長は渡さねぇ!!」

戦意を失うことなく最後まで戦おうとする意志を見せる一誠にリアスも再び戦意を取り戻そうとした。

しかし、現実は残酷だった。

ここまでの戦いで既に一誠は限界を超えていた。

だけど、それでも、一誠は立ち上がった。

血反吐を吐いてでも立ち上がって何度もライザーに向かっていった。

誰が見ても勝負はついている。諦めても誰も責めることなどない。それだけ彼等は善戦した。

それなのに一誠は諦めなかった。

何度殴られて、蹴られて、吹っ飛ばされて、血反吐を吐いてでも立ち上がった。

ライザーもそんな一誠を無表情で相手をした。

リアスは止めに入った。だが、止まらなかった。

一歩、また一歩と勝つ為にライザーに近づく一誠は既に意識を失っていた。

それでも拳を握りしめて立ち向かおう。

リアスはそんな一誠の身を案じて涙ながら己の敗北を認めた。

 

 

 

 

「火月様、これを」

リアスとライザーとのレーティングゲームが終えてグレイフィアが火月に一枚の封筒を手渡す。それはリアスとライザーの婚約パーティの招待状だった。

「………………………………」

火月は無言でそれを受け取る。しかし、その表情は複雑そうだ。

「………………納得されていませんか?」

「そう言ったらどうにかしてくれるのですか?」

思わず苛立ちをぶつけてしまう。

「リアスお嬢さまは、御家の決定にしたがったのですよ? その意味がわからない貴方ではないでしょう?」

「わかっていますよ! だけど、それでも納得しろというのは別問題でしょう!! あの人は、リアス姫は俺と姉さまを救ってくれた恩人だ! その恩人が望まぬ結婚に強いられて納得できるわけないでしょう!!」

声を荒げる火月。

あの日、リアスと出会わなければ自分も姉も死んでいたかもしれない。リアスと出会えたからこうして姉と一緒に幸せな日々を送れている。

それなのにその恩人が幸せになれないなんて納得できる問題ではなかった。

「だけど、俺の勝手な行動でグレモリー家や俺の眷属、他の皆にまで迷惑をかけるわけにはいかない!」

自分一人だけなら迷うことなく行動した。だけど、今では自分一人だけで済む問題ではない。勝手な行動で他の皆にまでなにより、世話になっているグレモリー家まで迷惑をかけるわけにはいかない。

無力な自分に、矮小な自分に、憤る。

「ふふふ」

突然、グレイフィアは小さく笑った。

「貴方は本当に変わらない。いえ、だからこそ期待してしまうのでしょう」

「グレイフィアさん………………?」

「姫島火月」

「はい!」

唐突に名を呼ばれて思わず返事をしてしまう火月にグレイフィアは告げる。

「覚悟があるのなら会場に殴りこんできなさい。そして、私の義妹リアスをその手で救いなさい」

「! それは―――」

「期待していますよ?」

最後に小さく微笑んで魔法陣でジャンプしたグレイフィア。唐突なことに驚くも火月は迷うまでもなかった。

「ありがとうございます。グレイフィアさん、サーゼクスさま」

 

 

 

 

そしてリアスとライザーの婚約パーティ当日。

誰もが二人を祝福する会場で突如、扉は破壊音と共に吹っ飛ばされた。

誰もが驚き、視線をそちらに向ける。そこにいたのは巨大な扉を蹴り飛ばした態勢のままの火月とその後ろに黒歌とジャンヌ。

突然のことに騒ぐ会場で火月はライザーを指す。

「ライザー・フェニックス。リアス・グレモリーを賭けて俺と戦え」

「貴様! 自分が何をしているのか――――」

他の上級悪魔や衛兵が火月を止めようとするも黒歌とジャンヌがそれを邪魔する。

「まったく、しょうがない主様にゃ」

「まぁ、それでこそ私達のマスターよ」

妖術、聖剣で火月の行き先を作る二人に感謝し、火月はライザーとリアスに近づく。

突然のことに困惑する悪魔達。

「私が用意した余興です」

そのとき、一番奥にいた紅髪の男性―――サーゼクスが歩み寄ってきた。

「サーゼクスさま、これはどういうことでしょう?」

近くにいたライザーがこの場にいる悪魔たちを代表するかのようにそう尋ねる。

「実はね、ライザー。私個人としては今回の縁談に反対なんだ。ああ、勘違いしないでくれ。別に君に不満があって言っているわけではない」

「では、なぜ?」

「大切な妹の婿になるにはそれこそ強い者が相応しいと思う。そう、例えば私に傷を負わせた彼のようにね」

食えないことを笑顔で語るサーゼクスの言葉にライザーは納得する。

「……………………なるほど。つまりサーゼクスさまはリアスの婿に相応しい夫になる者の強さを証明しろ、と。そういうことですね?」

「ああ、その通りだ。期待しているよ、ライザー」

「いいでしょう。サーゼクスさまに頼まれたら断れるわけもない。なにより私も彼とは一度、戦ってみたかった」

不敵に笑うライザー。

サーゼクスの視線は次に火月に向けられる。

「さて、姫島火月くん。君の望み通り、ライザーと戦う舞台は整えた。だが、そこでリアスを賭けるというのであれば君にもリスクを背負って貰う」

「…………………なんでしょう?」

「そうだね。君が負けたら君を含めて君の眷属はライザーの従者になってもらおうか?」

「わかりました。それで構いません」

即断する火月にサーゼクスは変わらずに笑顔のまま。

 

 

 

会場の中央に急遽作られた空間。

その周囲を会場の悪魔たちが好奇の視線で見守っている。この空間にいるのはライザーと火月だけだ。

「開始してください!」

バトルを取り仕切る男性悪魔が戦いの開始を告げる。

「行くぞ、アルド!」

『応ッ!』

禁手化(バランス・ブレイク)!!」

ドラゴンの力を具現化させた全身鎧(フルプレート・アーマー)

―――『堕天の雷龍装(フォーリン・バルク・ディルマ)

鎧を身に纏い、四枚の翼を広げて両手には雷光の剣を構える。

ライザーも巨大な炎の両翼を出現させて、全身を炎が渦巻き、会場を激しい熱気に包み込ませる。

二人が動いたのはほぼ同時だ。

互いの翼を羽ばたかせて炎と雷光をぶつけ合わせる。ライザーのあり得ないぐらいの質量から放たれる不死鳥の業火に対し、同等の威力の雷光を放って相殺。

互いに初手が相殺されて火月は雷光の剣を投擲するもライザーはそれを躱して接近。炎を纏った拳が火月に迫るも火月も雷光を拳に纏わせてクロスカウンターの要領で拳を相手の顔に入り込む。

二人は同時に後退。すると、ライザーが。

「………………………………正直、お前がここに来ることには驚いた。お前は俺が思っている以上に賢い奴だ。あの結果に納得しなくても反論さえしないと踏んでいた」

「ああ、その通りだ」

「なら何故お前はここにいる? まさか、リアスの『兵士(ポーン)』の影響でも受けたのか?」

「かもな」

「……………愚かな奴だな、お前は。いったいあいつの何に影響されたと言うのだ? あの諦めの悪いブーステッド・ギア以外に取り柄のないクズに―――」

 

「黙れ」

 

その一言でライザーは強制的に口を閉ざされた。

突如放たれる重圧に似た彼の怒気とオーラに当てられて。

「諦めが悪い? ブーステッド・ギア以外に取り柄がないクズ? あまりふざけたことばかり言うと殺すぞ?」

怒りを込めた声音で告げる火月はライザーに言う。

「確かにイッセーは弱い。魔力も子供以下で、あらゆる方面で才能がなく、ブーステッド・ギアしか頼れる武器がない。だがそれでもあいつは諦めなかった。才能の無さを認め、弱さを認めても強くなろうと足掻いた。いや、足掻いている。自分がどれだけ弱いかわかっているはずだ、才能がないかわかっているはずだ。それでもあいつは諦めなかった!! それがどれだけ辛いかわかるか!?」

「リアス姫も、姉さまも、祐斗も、小猫も、アーシアも、黒歌も、ジャンヌも、勿論俺にだって少なからずの才能が、力があった! だけど、あいつだけが何もなかった!! ブーステッド・ギア以外何もな! それでもあいつは、イッセーは最後まで拳を握りしめて戦った!! 才能がないから、もう詰んでいるから、身体が限界を超えているからと諦めていい理由がいくらでもあったはずだ! それでも俺との約束を果たす為に、仲間の為に、リアス姫の為に最後まで拳を握りしめて戦ったイッセーを馬鹿にするな!!」

咆哮する。

「だから俺はあいつの成し遂げなかったことを成す! イッセーの為に、リアス姫の為に俺はお前を倒す!!」

「………………………………そうか。お前にそこまで言わせる存在なのか、あの『兵士(ポーン)』」

火月の言葉を受けてライザーは真剣な表情となる。

「リアスの『兵士(ポーン)』を侮辱したことについて詫びよう。だが、勝負は別だ。俺はお前に勝つ。そしてリアスの婿になる!」

「そうはさせないって言ってんだろうが!! アルド!」

『へいへい、存分にやっちまいな!!』

アルドの了承を得た、次の瞬間。

火月は消えた。

「な―――」

消えた、そう思った瞬間、ライザーは地面に叩きつけられた。

「ガハッ! な、なにが………………ッ」

激痛が走る腹部を押さえながら顔を上げるライザーはつい先ほどまで自分がいた場所に火月が蹴りを放った態勢でいた。

それを見てライザーはようやく自分が蹴られたということを認識する。

「バ、バカな………………ッ! 先ほどまでとパワーもスピードも桁違いに上がってるだと!」

残像すら見えなかった火月の攻撃に困惑するライザーだが、火月は足に雷光を纏わせる。

「ガ!」

するとまた今度は背後から現れた火月の蹴撃を直撃する。

それは一方的な蹂躙だった。

ライザーは反応することすら許されずに雷光の力を纏った火月の蹴撃を受け続ける。

火月が持つ神器(セイクリッド・ギア)、『地殻龍の脚甲(アルド・ブーツ)』の能力は脚力の累積加算。一秒ごとに脚力を増加させる。

禁手(バランス・ブレイカー)になると時間経過という概念が消えて火月の意思でどこまでも脚力を増加させることができる。

そこに堕天使バラキエルから受け継いだ雷光を纏わせることでパワーもスピードも跳ね上げて強化される。

そこに悪魔の弱点である光が込められた強力な蹴りはいくら不死身と名高いライザーといえでもノーダメージでは済まない。それが連続攻撃なら尚更だ。

目視すら許されない連続攻撃。

しかも、その威力、速度は上がっていく。

処刑と言っても過言ではないその光景に誰もが畏怖する。

魔王に傷を与えたドラゴンの力を宿す姫島火月。その名を、強さを、恐怖を名前と共に心に刻んだ。

そして戦いは終盤。ライザーが次に火月を目視することができた時は既に再生能力も格段に落ちて炎の翼もまともな形をしていない。

「これで終わりだ」

右足に雷光を纏わせ近づいてくる火月にライザーはあわてふためく。

「ま、待て! この婚約は悪魔の未来の為に必要で大事なものだということをお前も理解しているはずだ!! お前はそれを滅茶苦茶にする気か!?」

続けて。

「お前だって今の立場は肩身が狭いはずだ! 純血の悪魔でないお前が突然上級悪魔になったことに関してよく思わない連中だっている! そいつらを黙らせる為にもお前には強力な後ろ盾が必要なはずだ!」

ライザーの言っている事は間違いはない。

その言葉の通り、火月をよく思わない連中がいることぐらい知っている。

「………………………そうだな。お前の言う通りだ。今回の婚約はこれからの悪魔の未来にとって必要なことぐらい理解している。だから、割って入るつもりはなかった」

「な、なら―――」

ライザーの顔に希望が差した、次の瞬間。

「だが、俺はこれからの悪魔の未来よりもリアス姫の幸せを取る」

選択した。

悪魔の未来か。

たった一人の少女の幸せか。

火月が取ったのは後者だ。

「リアス姫は俺と姉さまを救ってくれた。食べ物を、服を、居場所を与えてくれた。なにより、姉さまを笑顔にしてくれた。それが嬉しかった」

自分にはできなかった。

逃げ続ける生活のなか、たった一度も心から笑ってくれなかった姉に笑顔を取り戻してくれた。

一誠のこともある。だけど―――

「俺は恩人であるリアス姫を、リアス姫が大切する家族を、仲間を守る! その為に俺はお前を倒す!!」

雷光を纏った鋭い蹴りがライザーを貫く。

そしてライザーは意識を失って前のめりで倒れた。

誰が見ても明らかな勝利。火月はライザーに勝利した。

すると、ライザーの前にレイヴェルが現れて、無言で睨み何か訴えている。

それを見て火月は息を吐いて言う。

「ライザーに伝えておいてくれ。敗北を認めたくないのなら俺は逃げずに戦う、と」

伝言を任せて火月はリアスの元にやってくる。

「お待たせしました、リアス姫」

「………………火月」

鎧を解除して紳士のように振る舞いながらリアスの手を取って最後にこの会場にいる悪魔達に告げる。

「皆様方。この度は勝手な振る舞いをしてしまい、あまつさえ、パーティを滅茶苦茶にしてしまったことに関して心から謝罪をさせて頂きます。ですが、我が恩人であるリアス・グレモリーさまは返して頂きます」

頭を下げて謝罪の言葉を口にするも、自分の意思は曲げない強い言葉だ。

「もし、今回の一件でご納得いただけない方々がいらっしゃるのでしたら私はいつでもお相手します」

――――しかし。

「その時はお覚悟を。その魂にドラゴンの恐怖を刻み込んで差し上げましょう」

最後の最後まで自分の意思を曲げない火月はリアスを抱えて翼を羽ばたかせる。

紫色の空の下でリアスは火月の頬に手を当てる。

「バカね。たださえ貴方は立場が狭いのにあんなことをするなんて………………………」

「別にいいですよ。恩人に恩を返せると思えばその程度。それに、俺一人では貴女を救うことはできなかった。イッセーや皆、グレイフィアさんやサーゼクスさまがいてくれたからどうにかなったのですから」

「……………………今回は破談にできたかもしれない。でも、また婚約の話が来るかもしれないのよ?」

「その時はその時です。リアス姫自身が認めた人が現れるまで何度でも阻止してみせます。他でもない貴女の為に」

大切な家族である姉を笑顔にしてくれたヒトが現れるまで戦う覚悟はできている。

すると、不意に唇が塞がれた。

リアスの唇に。

「私のファーストキス。日本では、女の子が大切にするものよね?」

「………………………………これ以上にない褒美をありがとうございます」

顔を赤くしながら視線をリアスから逸らす火月にリアスは微笑む。

「ああそれと、明日から私も貴方と朱乃の家に住むことにしたから」

「はい?」

「一夫多妻制は避けられないけど、せめて正妻の座は手に入れないとね」

「あの、話がみえないんですが…………………?」

一人で勝手に話を勧めていくリアスに困惑する火月にリアスは満面の笑みで言う。

「上級悪魔であり、他の悪魔からも少なからず認められている実力者、グレモリーとしてではなくリアスとして愛してくれるヒト。それを見つけたわ」

ツン、と火月の鼻を突くリアスに火月は口に出して答えを言うまでもなかった。

「改めてよろしくね、私の婚約者(フィアンセ)くん♪」

「………………………………」

色々と言いたいこともあるけど今は何も言わないでおいた。

取りあえずは一件落着。

めでたしめでたし。

 

 

 

 

 

 

 

………………………………………………ではなかった。

「改めてよろしくね、お義姉さま♪」

「あらあら、うちは厳しいですわよ? リアス」

「お前どういうことだ!? 説明しろ!! どうしてお前が部長の婚約者になってんだ!? おいしいところ全部持って行きやがって!!」

「まぁまぁ、落ち着いて。イッセーくん」

「ぐすっ、部長さんが無事でよかったですぅ………………………」

「いつにも増して賑やかにゃ」

「………………………………ですね」

「まぁ、こういう日も悪くはないわね」

火花を散らし合う二大お姉様、火月の肩を掴んで激しく揺さぶる一誠にどうにか宥めようとする祐斗。リアスの無事に涙ながら喜ぶアーシアに、暢気に居間で寛いでいる黒歌、小猫、ジャンヌ。

いつにも増して騒がしくなる日常に火月は相棒であるアルドに助けを求めたが―――

『ま、諦めな』

あっさりと見放された。

 



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紅髪の手技★ 兵士

リアスとライザーの婚約は破棄されて、ライザーは初めての敗北で引き籠もり、火月たちはいつもの生活に戻っていない。

「うぅん………………………」

艶めかしい声が火月の耳元に届く。その声の正体は強引に一緒に住むことになった恩人であるリアスのものだ。いつの間にか火月の布団の中に入って来ていた。

全裸で。

もう一度言おう、全裸で。

いや、別にリアスが全裸でないと眠れないことぐらいは知っているし、長い付き合いもあってこういうことも何度もあった。

だから火月は慌てることも戸惑うこともなかった。

「リアス姫、起きてください」

「んん………………………」

取りあえず冷静に起こす。

今日も朝から一誠の早朝訓練があるのだからそろそろ起きないと間に合わない。

起き上がるリアス。だが、その顔は不服そうだ。

「………………………………思っていたより冷静ね。やっぱり経験しているからかしら?」

どうやら慌てふためく姿が見たかったらしい。

「長い付き合いですからね。子供の頃から姉さまと一緒によく寝ていたでしょう?」

「………………………………そうだったわね」

これまでも一緒に寝る(エロ抜き)ことがあった。だから平気だと告げる火月にリアスはそのことを思い出して納得する。

「私の身体はもう見飽きちゃったのかしら?」

「何度見ても美しいですよ。正直、襲いたくなるぐらいに(そんなことはしないが)。ですが、恩人に対して襲うなんてことしたくありませんし、軽はずみにそんなことをしたら………………………」

「したら?」

「グレイフィアさんに(精神的に)殺される………………………」

青ざめるその顔は真剣だった。

本当に殺されると思えるぐらいに。

リアスもそれを強く否定することができない。

メイドとしてならともかくとしてオフの時なら話は変わる。

義姉ならやりかねない。

「はぁ、わかったわ。ちゃんと結ばれるまで処女はお預けにしておくわ」

「ありがとうございます、リアス姫」

理解してくれる恩人に命拾いする火月だが、リアスはにっこりと微笑む。

「一線を越えなければ何も問題はないわね?」

「え? そ――う!」

ビクンと背筋が伸びる。

その理由はリアスが朝勃ちしている火月の陰茎を握ったからだ。

「へぇ、男性の性器ってこんな風になっているのね。固くし、熱いのね。それにさっきから震えているわ。これって私の手が気持ちいいってことなのかしら?」

「い、いきなり握られたら誰だってそうなりますよ。それに朝は生理現象で仕方がないんですよ………………ですから、離してください」

「嫌よ、未来の旦那さまのことについて知っておきたいもの。それに旦那さまを気持ちよくさせるのは妻の役目でしょ?」

あっさりと拒否られて陰茎を弄られる。

撫でられ、突かれ、抓まれ、握られ、熱心に研究するリアスの手つきは気持ちが良く、どうしても感じてしまう。

「ふ~~ん、なるほどね。こうかしら?」

「うっ」

「正解のようね」

感じやすいところを的確に弄られて思わず声を出してしまった。リアスはそこを何でも弄ってくるも―――

「でも私だけするというのも不公平よね?」

「んぐ!?」

態勢を変えたと思ったらリアスは自身の胸を火月の顔に押し付けて手で陰茎を弄る。

「はい。私のおっぱいを好きにしてちょうだい。舐めてもいいし、吸ってもいいのよ?」

そう言われて断れる男はいない。

お言葉に甘えて火月はリアスのおっぱいにしゃぶりつく。

「ンッ、思っていたよりくすぐったいのね。ふふ、でも、赤ちゃんにお乳を吸われている時もこんな感じなのかしら?」

感じながらも微笑ましく笑む。

「私のおっぱいはおいちいでちゅか~? なんてね。でもそういうプレイもいいわね」

流石にそういうプレイに喜ぶ性癖は持っていない為に遠慮したい。

でも、リアスの手技は初めて男性器を触っているとは思えないぐらいに上手い。

的確に感じやすい弱点(ウォークポイント)を刺激してくる為に陰茎の先端から我慢汁が出て来てしまう。

「何か出てきたわね。これが本で読んだ我慢汁というものかしら?」

恩人相手に何をしているんだ、と今更ながら考えてしまう。

だけど仕方がないじゃないか。だってこんな美女から迫ってきて断れるわけがない。

もし断れる男がいるのならそれはホモだ。

我慢汁(これ)が出てくるということは射精が近いってことよね? いいわよ、いっぱい出しなさい。私が受け止めてあげるから」

更に激しくなるリアスの手技。どうしてそんなに上手と尋ねたくなるその手技の前に成す術がなく火月は我慢の限界を突破した。

天井に向かって飛び出す精子。リアスは手について精子を興味本位で舐めてみた。

「んっ、あまり美味しくはないわね……………」

「そりゃそうでしょう………………………」

「でも、貴方のだから愛しくは思うわ」

恥ずかしげもなくそんなことを言うリアスに手で顔を覆いたい。

すると、部屋の扉がノックされる。

「火月。そろそろ起きませんとイッセーくんとのトレーニングに間に合いませんわよ?」

いつまでも起きない弟を起こしに来た姉。

やばいどうしよう、と。とにかくリアスがここにいないことに気づかれない様にしないとと思った矢先にリアスが口を開いた。

「朱乃。もう少し待っていなさい。私も火月もすぐに準備するわ」

リアスの言葉に即座に扉が開かれる。そこには怖い笑みで雷を迸らせていた朱乃の姿が。

「あらあらまぁまぁ。部屋にいないと思ったらこんなところにいましたのね?」

「ええ、火月を抱き枕にしたくてね。それと、朝の処理も済ませてあげたわ」

滅びの魔力を纏いながら朱乃同様に怖い笑みを浮かべるリアス。

互いの間に火花が飛び散り合う中で火月は今度こそ両手で顔を覆った。

 

 

 

「はい。今日はここまでよ」

「お、おーす………………………」

朝のトレーニングを終えて一誠は地面に横になる。すると、アーシアがタオルと飲み物を一誠に手渡す。

「イッセーさん、どうぞ」

「ありがとう、アーシア」

いつもの仲睦まじい二人。もう付き合えよ、と言いたくなる。

「マスターさま、どうぞ」

「ああ、ありがとう」

緑色の長い髪の美少女から飲み物を受け取る火月。すると、一誠は火月の隣にいる美少女について尋ねる。

「えっと、どちらさま?」

トレーニングが始まる前はいなかった美少女に今更ながら気付いた一誠に火月は紹介する。

「ああ、まだ紹介がまだだったな。彼女はリリティファ・ウェパル。断絶したウェパル家の末裔で、俺の兵士(ポーン)だ」

「ご紹介に預かりました、リリティファ・ウェパルです」

まだ顔を合わせていない二人に挨拶するも、二人は首を傾げる。

「えっと、ウェパル家って?」

「ああ、そっか。そっからだよな。前にライザーが戦争で多くの七十二柱の御家が断絶したのは聞いたよな?」

「ああ、そんなことも言ってたな………………………」

「リリティファはその断絶したウェパル家の血を引く末裔で偶然にも俺と出会ったんだ。ちなみにウェパル家というのは―――」

「人魚なのよ」

「人魚!?」

その言葉に過剰に反応する一誠はリリティファの足を見るも魚ではなく人間の足だった。

「魔法で本来の足を隠してるからな?」

一誠の考えを見据えて先に答える火月は周囲に人払いの結界を張ってリリティファに本当の姿になってもらう。

「お、おおおおおおおおおおおおおお!!」

魔法を解いて上半身は人で下半身は魚。人魚の姿になるリリティファに一誠は感動する。

「見ての通り人魚でもあり、悪魔でもあるの。人間界に住む上級悪魔は絶たれた家の末裔などが発見されたら、保護、または接触して状況を把握する役目も担っているの。火月が運よく彼女を保護し、グレモリー領にある湖で暮らしていたのだけど少し前に留学の許可認定試験に合格したのよ」

「へぇーそんなのがあるんすね」

悪魔の事情を知った一誠は感慨深く頷くも、一つの疑問が浮かび上がる。

「それじゃなんで火月の眷属に?」

「わ、私からお願いしたのです………………………」

「まぁ、断る理由もないし。ちなみに駒消費は兵士(ポーン)を三つ」

頬を赤くしながら答えるリリティファはチラリ、と火月を見る。

その反応に一誠は察して、ちくしょう、と悔し涙を流した。

やはりイケメンだからか………………と心底苦悩する。




ようやく黒歌、ジャンヌ、最後にリリティファ。火月の眷属が出せました。
彼女達はヒロイン枠とは別のサブ枠。
取りあえずとして眷属=サブ枠、と考えて進めていきます。


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グレイフィアの再教育★

駒王学園の行事である競技大会。

その部活動対抗戦の種目『ドッジボール』は怒り、嫉妬、殺意、悪意に満ちていた。

彼等はこの日が好機と言わんばかりに内に秘めた悪しき心を解き放ち、負のエネルギーを力に変えて標的を狙う。

「狙え! 兵藤を狙うんだ!」

「イッセーを殺せぇぇぇぇ!」

「アーシアちゃぁぁぁぁぁぁぁん! ブルマ最高ぉぉぉぉぉぉ! イッセー、死ねぇぇぇ!」

「お願い! 兵藤を倒して! リアスお姉さまのために! 朱乃お姉さまのために!」

「アーシアさんを正常な世界へ取り戻すんだ!」

「落ちろ! 右! いや、正面か!」

「殺せぇぇぇ! 死ねぇぇぇぇ! ロリコンは俺だけでいいんだぁぁぁ!」

「出てこなければやられなかったのに!」

「dtjgykdxるfglktcrd!!!」

ギャラリーから死ね死ねコールの嵐。目を殺意でギラギラと輝かせる。

この場に殺意は全て一誠に向けられているには理由がある。

オカルト研究部の女性陣全員は美女美少女で人気が高い。

そして、祐斗と火月は男子生徒全員の敵ではあるも、当てたら女子に恨まれてしまう。

最後に一誠だけは何の憂いもなく狙えるという究極の消去法だった。

ついでに火月は初めから外野に避難しているから狙われる心配はない。

「こ、これが人間界の学校なのでしょうか………………?」

「いやこれは特殊ケースだから」

そしてその隣には駒王学園に転校してきたリリティファ・ウェパルもまたオカルト研究部に所属して競技大会に参加し、火月と共に外野に避難していた。

クラスは火月と同じ教室だ。

「クソォ! 恨まれてもいい! イケメンめぇぇぇぇ!」

イケメンに対する憎悪が大きかったのか、ボールは一誠ではなく祐斗に撃ち出された。

その後一誠が………………………(一誠の名誉の為に伏せさせて頂きます)

 

 

 

 

大会が終わって雨が降る。雨天のなかで乾いた音が響く。

リアスが祐斗の頬を叩いた。競技祭終始ボケっとして非協力的だった祐斗は部長であるリアスに謝って部室を出ていこうとするも一誠に止められるが―――

「僕は復讐の為に生きている。聖剣エクスカリバー――――。それを破壊するのが僕の戦う意味だ」

決意の秘めた表情で一誠にそう告げて今度こそ部室から出ていった。

何故聖剣エクスカリバーを憎んでいるのかはこの場にいる一誠、アーシア、リリティファ以外の全員は知っている。

『聖剣計画』。キリスト教内で聖剣エクスカリバーが扱える者を育てる計画が存在し、聖剣エクスカリバーに適応する為、人為的に養成を受けた者の一人であり、適応できなかっただけという理由で処分されかけた生き残りでもある。

一誠とアーシアと共にその話を聞いたリリティファはそっと火月の袖を抓む。

『どの時代でも人間のすることは変わらねぇな』

同時にアルドがそんなことを呟く。

時々ある度は人間臭いことを言う。ドラゴンなのに。

すると、不意に部室に魔法陣が出現する。紋様からグレモリーのものだ。

そして魔法陣から姿を現したのは銀髪メイドであるグレイフィアだ。

「グレイフィア、どうしたの急に?」

「突然の訪問申し訳ございません、お嬢さま」

アポもなしにやってきたことに謝罪するグレイフィアは火月を見つけると、襟首を掴む。

「え? なに?」

「お嬢さま、数日の間だけ火月さまをお借りします」

「ちょ、ちょっと待ちなさい! グレイフィア!」

有無言わせずに転移魔法陣でジャンプするグレイフィアに火月もまたどこかへ連れ去られた。

 

 

 

グレモリー家本邸のとある一室。

「んっ……………はぁ………………………」

「ジュル、チュ、ふぅ…………殿方が情けない声を出すものではありませんよ?」

ベッドの上に腰を落ち着かせている火月の前に跪いて陰茎を奉仕するグレイフィアは情けない声を出す火月に注意を促す。

「ま、また、どうして………………………?」

しかしそんなことは今は考える余裕はない。この部屋にジャンプしてすぐにズボンを脱がされてベッドに座らせて強制的に奉仕を受けている現状にただ困惑する。

「もう、終わったのではないのですか………………………?」

別段こういうことをされるのは初めてではなかった。魔王であるサーゼクスと戦ってすぐにほぼ強制に近い形でグレイフィアと性行為を及んだ。

それには理由があった。

火月は魔王に傷を与えた。それがどれだけの偉業なのか悪魔なら誰でも知っている。

ならその逸材を自分の領地に招こうと悪巧みを働く輩も出てくる。

その悪巧みの中には女性悪魔を使って誘惑して既成事実を作る、ということもある。

当時はまだ14歳だった火月はちょうど性に目覚めてそういうことに興味を持つ年頃でもあった為に悪魔たちは火月を自分のものにしようと必死だった。

火月は立場上は非常に中途半端。グレモリー家で生活しているも眷属でもなければグレモリー家の一員でもない。言い方を変えればどこへでも行ける存在だった。

だからそんな火月を誘惑して既成事実を作って自分達の領地に招き入れ、養子、レーティングゲームの戦力、もしくは護衛など火月を利用する輩は多かった。

グレモリー家の一員でも、眷属でもない火月をグレモリー一家はどうにか守ろうとするも、問題がある。彼はドラゴンをその身に宿す者。ドラゴンは知らず知らずのうちに周囲の者を魅了する。

火月の意思関係なく異性を魅了されたら流石に庇いきれない場面も出てくる筈だ。

流石に14歳の子供を大人の政治に巻き込ませたくないリアスの両親とサーゼクス達はそのことについて非常に悩んだ。

どうすればいいのか、と悩んだ結果。火月に女性を抱かせて耐性をつけさせる案が出てきたのだが、火月に抱かれる相手を誰にするのかに頭を抱えた。

まず、実の姉である朱乃は外し、リアスも同様に外した。

その手の悪魔に頼む、という案も却下。その悪魔が火月を利用しないとは言い切れない。

信用できる女性、最低限の経験者。いくつかの条件がでてくるなかでグレイフィアが立候補した。

条件としては当てはまるも、流石に夫であるサーゼクスも両親も難しい顔になる。

だけど、グレイフィアはサーゼクスの妻としてではなくグレモリー家に仕えるメイドとして火月を教育する、と告げる。

貴族が自分の屋敷で働いているメイドを抱くのは貴族社会でも珍しいことではない。

だからグレイフィアが火月に抱かれても何も問題はなかった。

万が一にもまだ幼い火月を政治に巻き込ませない為に、サーゼクスは折れた。

勿論いくつかの条件でグレイフィアは火月に性教育を施した。

つまり火月にとって初めての相手がグレイフィアなのだ。

勿論、政治絡みの事は火月は今でも知らされていない。ただ、悪魔社会に生きる為に女性に慣れておくという名目しか知らない。

だからもう終わったとばかり思っていたが、何故かまた唐突に教育を受けることになったことに疑問が尽きなかった。

「火月さま、ここ最近眷属の方とされている場合、手玉にとられているのではありませんか?」

「う」

そう言われてここ最近ではいつも黒歌やジャンヌにされてばかり。

「私はそのように教えた覚えはありませんよ? 殿方なら女性を手中に収めるぐらいはしなさい。今日は再教育です。んっ…………チュル、チュ、ジュル……ン…………」

再教育が行われ、再び陰茎を奉仕される。

自分の陰茎がグレイフィアの口の中を何度も出し入れされ、口の中では舌も動かしていやらしい音が部屋に響く。

朱乃や黒歌たちとは違う舌使いに快感が込み上げてくる。

「グ、グレイフィアさん…………もう…………………」

「男の子なのですから堪えなさい」

無理、と言いたい。だけど、グレイフィアの口の中が、舌が、あまりにも気持ちが良くて声が震えてまともに喋れない。

「…………………ぁ、はぁ……………うぅ、も、だめ!」

堪えきれなかった火月は咄嗟にグレイフィアの頭を掴んで喉奥まで陰茎を挿入して射精した。

「ンンッ! ん、んん………………………」

「はぁ、はぁ、はぁ…………………」

喉奥から射精されたグレイフィアはなんとか精子を飲み込んで鼻で呼吸し始めるも、今も頭を離してくれない火月。陰茎を根元まで咥えられたグレイフィアの口の中で膨大に出た精子が口の端から零れ出てしまう。

「んグ、ンン………………ゴク、ん………………………」

快感に身を震わせている火月にグレイフィアは喉にまで絡むねばついた精子にどうにか飲み込んでいく。

「ぁ………………………」

射精して不意に力が抜けた火月の頭を取り払ってグレイフィアはメイド服の下につけているガーターベルトを脱いで火月の上に跨って陰茎を掴み、自分の膣内に収める。

「ふっ! あ、ん……………ご、ご自分で動かなければ、なりませんよ?」

夫以外の男性器を膣内に収めるグレイフィアは性教育の名の下に火月を指導する。

その指示通りに火月はグレイフィアの腰に手を回して腰を上下に動かす。

「そ、その調子んっ! そのまま……………あっ、動いて………………………」

動く度に火月の陰茎がグレイフィアの子宮の奥まで何度も叩くように届く。メイド服からでもわかる大きな胸に顔を埋めながら子供を一人産んだとは思えないくびれた腰にしがみつく。耳元で囁かれる指導の言葉は艶があり、吐息は熱を帯びているように熱い。

鼻孔から香る女性特有の香り、しかしながらも心を落ち着かせる懐かしい匂い。

「グレイフィア………………さん、気持ちいい、ですか?」

「………………………………はい、んっ、その調子で………………もっと強く抱きしめなさい」

ぎゅっと力を入れて抱きしめるも、その身体は細くて少しでも力を込めたら壊れてしまいそうに脆く感じた。

「ふぅ…………はぁ、あ、ンッ………………」

動く度に余計に声が漏れ出るグレイフィアの膣内は陰茎を離さないかのようにしがみついている。温かくても気持ちがいいグレイフィアの中。

火月はもう限界だった。

「も、もう………………!」

「~~~~~~~~~~~~~~~~っっ!!」

いっそう強く抱きしめてグレイフィアの膣内に射精する火月にグレイフィアも恍惚な表情で思わず火月を抱きしめてしまう。

互いに身を震わせながら絶頂の余韻に浸る、とグレイフィアが火月の上から離れてその場に座り、精液と自身の愛液が絡み付いた陰茎を口で掃除する。

「チュル、チュ……ジュル、チロ、レロ……………んっ………………………」

メイドとして最後の最後まで奉仕してくれるグレイフィア。

掃除が終えると、グレイフィアは予め用意しておいた濡れタオルで火月の陰茎を拭いて自身の秘部から垂れてくる精液を拭って取り、脱いだガーターベルトを穿く。すると、そこにはいつものグレイフィアに戻る。

「今日の教育はここまでとします。それと明日は別の訓練を取り行う予定ですので早めに起きてください」

「えっと、何の訓練ですか………………………?」

「当然戦闘訓練です。貴方がどこまで成長したのかを見させて頂きます。明日は私も有給を取っておりますので」

つまり明日一日は最強のメイドと訓練という名の拷問が始まる。

それを聞いた火月は天井を仰ぐ。

そんな火月を置いてグレイフィアは内心で嫌悪している。

それは火月に対してではなく、自分に対してだ。

(全く関係のない火月に贖罪を求めるなんて………………………)

グレイフィアには実の弟がいる。その名もユーグリット。もう死んだと思われる血の分けた弟だ。その弟と火月がなんとなくではあるが雰囲気が似ている。

勿論自分の気にせいだろう。だけど、何故かそう思えてしまい、負い目を感じてしまう。

そのせいもあって気が付けば火月の相手に立候補した。

咄嗟にそれらしい理由を言って夫と両親を誤魔化して彼に抱かれる。そのことで弟に対する贖罪を償いたかったのかもしれない。

いや、本音を言えばわからない。だけど、抱かれているその時だけ心が安らいでしまう。

自分勝手な気持ちを火月にぶつけることに申し訳なく思う。

だからその分だけ彼を一人前に育ててみせよう、とグレイフィアは再度決意する。

それに彼は義弟になるのだから、最低でも魔王を目指せるぐらいの悪魔になってもらう。



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騎士とトイレの個室★

「戦士ゼノヴィア。貴殿をカトリック教会より追放する」

緑色のメッシュを入れた女性、ゼノヴィアは先のエクスカリバー強奪事件を終えてカトリック教会から異分子として追放された。

その理由は聖書に記されし神が三つ巴の戦争で死んだという真実を知ったからだ。

これまで神の信徒として生きてきたゼノヴィアはこれからどうするかを思案している時、自分の前に一人の男性が立っていた。

「貴様は…………いや、その顔は覚えがある」

「なら話が早い、と言いたいけど…………一応自己紹介させてくれ。俺は姫島火月。お前を勧誘(スカウト)に来た」

勧誘(スカウト)。つまり眷属にするためにやってきた火月にゼノヴィアは少なからずの警戒を強いる。

「………………聖剣使いが眷属になればさぞかし戦力にはなるだろう」

「まぁ、それは否定しない。いずれゲームには出るつもりだから。だけど、それ以上に俺は行き場を失った奴を放っておくことはできない」

かつて自分と姉と共に当てもない旅をしていた頃、リアスと出会えたおかげで救われた。

だからコカビエルがエクスカリバーを盗んで駒王学園で戦った話と神の不在の話を聞いてもしやと思ってこの場にやってきた。

アーシアの時のように追放され、行き場がないのならダメもとでも声ぐらいはかける。

「先の事件と神の不在のことは聞いた。予想通りお前は教会から追放されたようだが、どこか行くアテはあるのか?」

「………………………………いや、ないな」

「だろうな。だから誘いにきた。聖剣デュランダルの使い手が野良で動いたらいつか必ず狙われる。俺じゃなくてもきっと他の悪魔が勧誘(スカウト)に来るはずだ」

火月は騎士(ナイト)の駒を取り出す。

「先に言っておくけど、嫌なら断ってもいい。俺がするのはあくまで勧誘(スカウト)でお前が歩む道を一つ増やすだけで選択するのはお前だ。ちなみに俺は上級悪魔だけど悪魔社会では地位は低い方だし、眷属になっても特に何かを与えるわけでもない。まぁ、衣食住は提供できるが…………それならリアス姫の眷属になった方がいいか。領地が貰えるし………………………まぁとにかく、俺はお前が欲しい。それは紛れもない事実だ」

「………………………………」

暫し考え込むゼノヴィアはふ、と笑みを浮かべる。

「………………………………ふっ、これではアーシア・アルジェントのことは何も言えないな」

ゼノヴィアは火月の持つ騎士(ナイト)の駒を手にすると、背中から悪魔の翼が出る。

「我が聖剣デュランダルの名にかけて―――忠誠を誓おう」

「ああ、よろしく。俺の騎士(ナイト)

こうして火月は聖剣デュランダルの使い手であるゼノヴィアを眷属にした。

 

 

 

 

「…………………と、いうことで悪魔に転生した。で、リアス・グレモリーからこの学園に編入させてもらった。改めてよろしく頼む、赤龍帝」

火月の騎士(ナイト)になった経緯を一誠たちに告げるゼノヴィアに一誠たちは驚愕に包まれる。昨日の敵は今日の友、という諺が何故か脳裏に過る一誠だった。

「つーか火月は今までどこ行ってたんだよ? こっちは大変だったってのに」

「冥界で訓練してきたらしいよ? きっと以前よりも強くなっているだろうね」

一誠の疑問をさらりと祐斗が答える。

「火月くんは部長や部長の眷属である僕達と違って立場が色々不安定なんだよ。だから実力をつけて自分の立場を守らないといけない。彼も大変なんだよ」

「はぁ~あいつもけっこう大変なんだな」

まだ自分が知らない悪魔の事情に一誠は深く聞くことはなくそれで納得するも。

「で、その火月はどこ行ったんだ?」

部室には火月、それと朱乃の姿は見えない。

「…………………さきほど朱乃さんがどこかに連れて行ってました」

小猫が羊羹を食べながらそう答える。

「あの二人の事なら心配はいらないわ。すぐにこちらに顔を出すでしょうから部活動を始めましょう」

『はい!』

最後にリアスの一言で部活動を始めるオカルト研究部。

 

 

 

 

駒王学園男子トイレの個室。

「……………んっ、ンン……………はぁ………………………」

「んっ…………………姉さま」

姉弟は個室トイレの鍵を閉めて濃密なキスをしていた。狭い個室で互いに抱きしめながら唇を重ねて舌を何度も絡ませ合う。

数分ぐらい舌を絡ませていると、朱乃が口を離すと唾液の糸が出る。

朱乃は潤った瞳のまま涙声で言う。

「貴方がいない数日間は寂しかった………………………」

「ごめん、姉さま」

朱乃の頬に手を当てながら謝る。

「ん…………」

頬に触れる手を取る朱乃は目を閉じて火月はもう一度朱乃と唇を重ね合う。

今度は舌を入れない軽いキス。

「俺がいない間は一人で慰めていたの?」

「………………………………はい」

「どんな風に?」

「…………………火月に抱かれている時を思い出しながらこう、指で」

「見せて」

トイレの便座に座る火月に朱乃は片手で自分の胸を揉みながらもう片方の手で自分の秘部を下着の上から弄る。

「ふっ、ん…………………んん………………………」

艶のある声を口から漏らしながら自分を慰める朱乃。

自分の胸を手で揉みながら時に下着の上から乳首に触れ、秘部を弄る。

「あっ………………ン…………」

自分の姉が眼前でオナニーしている姿に興奮する火月だが、不意に立ち上がって朱乃の手を取る。

「ごめん、姉さま。我慢できない……」

「んっ…………」

息を荒げる弟の姿に朱乃は小さく頷いて応じる。

上着を乱暴に脱がされ、下着をずらされて乳房が外気に触れると、火月はしゃぶりつくように朱乃の乳房を口に咥える。

「ん、ンン、ふ…………………」

乱暴に胸を揉まれ、乳首を吸われる。話で聞いたグレイフィアとの訓練がよっぽどきつかったのだろう。朱乃は自分の胸に夢中になっている弟に背中に腕を回す。

火月も姉の胸を堪能しながら手を朱乃の後ろに回してスカートの上から臀部を撫でる。

「あっ、ン…………」

スカートの上から中に手を入れられ、下着の上から撫でられ揉まれるもその手はすぐに下着の中にまで伸びてくる。

胸も尻も好きなようにされる朱乃はそれでも愛おしい気持ちでいっぱいだ。

すると、胸を舐めるのをやめた火月は朱乃の向きを変えて背中をこちらに向けさせる。

そして扉に手をつけさせて腰を持ち上げれ、臀部を突き出す態勢を取らされると、スカートを持ち上げられて下着を下にずらされる。

火月から見たら朱乃の下半身は丸見えだ。

火月は愛でるように朱乃の臀部を撫でながら勃起している自分の陰茎を取り出して早速、朱乃の秘部に挿入する。

「んっ! ン、んっ…………ふぅ…………」

まるでオナニー道具を使っているかのように好き勝手に使われるように犯される。

肉欲のままに貪られるいつもとは違う犯され方に朱乃は興奮してしまった。

すると火月が朱乃の耳元で囁く。

「姉さま。今日はこの後は下着はつけないでくださいね? そうしたらご褒美をあげますから」

「…………………は、はい、わかり、ました………………………」

朱乃はSでもMでもあるように火月もまたSでもMでもある。

だが、基本的に朱乃はS寄りで火月はM寄りだが、今日の火月はSのようだ。

後ろから犯されながらブラを取り外され、床に落ちる。そしてブラから解放された乳房は後ろから突かれる度に激しく揺れ動く。

「はぁ、あ…………ンン、んア、アア………………………」

「ああ、いい締め付けですよ。姉さま」

子宮の奥が何度も叩かれて快感が高まってしまう二人はその快感に身を委ねて一気に溜まっていたものを解き放つ。

「~~~~~~~~~~~~~~!!」

最後は子宮の奥で射精させられて絶頂してしまう朱乃は声を出さない様になんとか手で口を覆う。

互いに絶頂の余韻に浸かり、少ししてから火月は朱乃の膣内から陰茎を取り出すと。

「姉さま、綺麗にしてください」

「………………………………はい」

弟の言葉に従う朱乃は跪いて火月の陰茎を口に咥える。

「チュ、レロ、チロ…………ジュル、ゴク、んっ……………ふぅ………………………」

弟の精液と自分の愛液の両方が絡み合った味が口の中いっぱいに広がってそれを当たり前のように飲み込んでいく。

数分ぐらい舐めて綺麗にしていると、火月は「もういいですよ」と言って終わらせる。

そして床に落ちている朱乃のブラとパンツを自分のポケットに入れる。

「では部室に戻りましょうか、姉さま」

「はい…………」

弟に言われるがまま朱乃は子宮内に溜まっている精子を溢さない様に気を付けながら部室に戻っていつものように振る舞った。



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再教育チェック★

「冗談じゃないわ」

紅髪の女性リアスは怒りを露にしていた。その理由は堕天使の総督であるアザゼルがリアスの縄張りに侵入し、営業妨害をしていただけでなく眷属である一誠に手を出そうとしていた。

先の事件で悪魔、天使、堕天使の三すくみのトップ会談がこの町で執り行われるとはいえ、会談前にアザゼルが一誠に接触していたとは驚いた。

「やっぱ、ブーステッド・ギアか?」

「その可能性は高いわね。アザゼルは神器(セイクリッド・ギア)に強い興味を持つと聞くわ。きっと、イッセーがブーステッド・ギアを持っているから接触してきたのね……………」

「なら近い内に俺や祐斗にも接触してくる可能性は高いな」

「そうだね。火月くんも僕も禁手(バランス・ブレイカー)にまで至った。その可能性は高いと僕も思うよ」

祐斗は先の事件で禁手(バランス・ブレイカー)に至り、聖魔剣という聖と魔の相反する二つの要素がまじり合う剣を作り出した。

これも神が不在だからできたイレギュラーな禁手(バランス・ブレイカー)だ。

これからの事に警戒を強めてどう行動を取るか思案していると―――

「アザゼルは昔から、ああいう男だよ、リアス」

突然、この場の誰でもない第三者の声。全員は声がした方を見るとそこには紅髪の男性と銀髪のメイド。

魔王サーゼクス・ルシファーとそのメイドであるグレイフィアの登場にリアス達はその場で跪く。

「くつろいでくれたまえ。今日はプライベートで来ている」

手をあげて、かしこまらなくていいと促す。全員はそれに従って立ち上がる。

そしてサーゼクスがここに来た理由は授業参観に参加するとのこと。しかし今回はそれだけが理由ではなく、三すくみの会談をこの学園で執り行うための下見でもあった。

それに全員が驚愕する。

まさか自分達の学園で三すくみのトップが集まる会談をするとは夢にも思わなかった。

そして火月の新しい眷属である騎士(ナイト)であるゼノヴィアがサーゼクスに挨拶を終わらせると。

「さて、これ以上難しい話はここでしても仕方がない。うーむ、しかし、人間界に来たとはいえ、夜中だ。こんな時間に宿泊施設は空いているだろうか?」

「それでしたら魔王様。一つご提案が――――」

 

 

 

火月は自分たちが住んでいる家に魔王様を招待した。

リアスは「ダメ! ダメよ!」と可愛らしく抵抗するも、火月は「流石に魔王様を野宿させるわけにはいきません」とはっきりと言った。

現在姫島姉弟が住んでいる家には火月と朱乃。それから黒歌、ジャンヌ、リリティファ、それからリアスだ。ゼノヴィアは悪魔の息がかかったマンションで生活している。

流石の黒歌たちも突然の魔王の登場に驚いていた。

それから就寝時間。

「そ、そんな……………火月と寝てはダメなの?」

火月の部屋の前で悲しそうな顔を浮かべるリアスがグレイフィアに詰め寄っている。

「はい。火月さまにはこなさなければならない課題がございます。教育係としてその課題を放置するわけには参りません」

リアスは毎夜のように火月と一緒に寝ている。

普通に寝る時もあればフェラやパイズリといった本番抜きでのセックスを行う日もある。

一線を越えないラインぎりぎりまで行うリアスは前戯でも火月を満足させられるように日々、火月本人で練習している。

「それなら私も手伝うわ!」

「なりません。火月さまの立場もお考え下さい、お嬢様」

「うぅ………………………」

そう言われると強く出れないリアスは哀しそうに呻く。

「まぁリアス。今日はグレイフィアに彼を貸してあげて欲しい。彼は実力は十分だが何分悪魔社会ではそれだけでは足りない。これは彼とリアス、君自身の為でもある」

「………………………はい、お兄さま」

渋々と言った感じで納得するリアスは火月に抱き着く。

「一人で眠れる? 私が隣にいなくても平気?」

「いや、子供じゃないんですから落ち着いてくださいよ、リアス姫」

まるで子を心配する母親のような口調に苦笑しながらそう返すも。

「でも、やっぱり悪魔社会に詳しい誰かを眷属に迎え入れた方がいいか………………………」

それなりに知識は持っているも、貴族などに比べるとどうしても足りない部分が出てくる。それを補う為にも悪魔社会に詳しい誰かが眷属になった方が火月も助かる。

まぁそれは後ほどとして部屋の前でリアスと別れた火月はグレイフィアと共に部屋の中に入る。

部屋に入って扉を閉めると、火月はグレイフィアの背後から両胸を鷲掴みにする。

「ん…………」

後ろから胸を揉まれるグレイフィアは抵抗することなくただそれを許す。

教育は教育でも性教育。以前に受けた再教育を忘れていないかをチェックするのもグレモリー家に仕えるメイドとしてのグレイフィアの役目だ。

「はぁ……………グレイフィアさん………………………」

「んっ………………」

胸を揉まれながら耳を舐められてゾクゾクとした感覚がグレイフィアを襲う。ピチャクチャと音を立てながら生暖かい感触と熱い吐息が至近距離で味わう。

耳を舐められ、甘噛みされて、火月の舌はそのまま首筋をツーと舐める。

しかしそれだけではなく、臀部から伝わってくる固い感触、火月の大きくなった陰茎が自分に擦りつけられているのがわかる。

発情期の動物のように腰を動かす火月にグレイフィアの鼓動が早まる。

そしてトン、と背中を押されてベッドの上に倒される。

うつ伏せ状態にされるグレイフィアに火月はスカートをたくし上げて下着を露にさせると、そこには本当に子供を産んだとは思えないほど綺麗な尻がある。

しかしながらそこには男心を刺激するエロスが存在している。形、肌触り、色、匂い、どれも素晴らしいの一言に尽きる。

その臀部を包む下着を取り払って秘部も尻の穴も丸見えにさせる。

すると―――

「ふぅ、はぁ………………んん…………」

臀部を撫でるだけでグレイフィアの口から喘ぎ声が漏れる。

反応するグレイフィアに火月は笑む。

「どうですか? うちのエロ猫が得意とする仙術は。習い始めてようやく感じがつかめてきたんですよ。ですから日頃から激務であるグレイフィアの疲れを取ると同時に気持ちよくなってもらおうと思いまして」

火月は黒歌から仙術を習っていた。それ以外にも苛烈な修行を超えて闘気をも使えるようになっている。

今回はその仙術を使ってグレイフィアを気持ちよくさせようと試みた。

「わ、私のことに気を遣うことはありません………………異性をどうすれば手玉を取れるかだけを考えなさい」

「ではそのように」

「はぁ! あっ、んっ、ンン、あ!」

秘部を指で弄る火月にグレイフィアは嬌声を上げる。

仙術によってあげられた性感覚。そのせいもあって以前よりも感じてしまう。

そのせいもあってグレイフィアの秘部から愛液が流れて火月の指まで濡らしてしまう。

「そんなに指が気持ちいいのですか?」

「ふぅ、ンッ…………せ、仙術のせい、です………………………」

自分がこんなにも感じているのは仙術によるものと告げるグレイフィアに火月は指で弄るのをやめてズボンを脱いで陰茎を取り出し、秘部に当てる。

「~~~~~~~~~~~~~~~っっ」

そして奥まで一気に挿入する。

仙術の効果も相まってグレイフィアは声にならない嬌声を上げる。

数回分の絶頂を一度に起きたような感覚に襲われるグレイフィアの秘部から大量の愛液が放出させて一気に太ももと布団を汚す。

だが、それでも関係ないかのように火月は腰を動かす。

パンパンと音を鳴らしながら腰をぶつけ合わせる火月にグレイフィアは布団に顔を押し付けてなんとか声を出さない様に耐えようとする。

卑しい音だけが耳に届く。

これで後は火月本人が満足したら終わる。そう考えている。

すると。

「ひぐ!」

パン! と乾いた音が部屋に響く。

「本当にいいお尻ですね。こんなにも艶も張りもあるからいい音が出ますよ♪」

火月が挿入したままグレイフィアの臀部を叩いた。

パン、パンとリズムよくグレイフィアの臀部を叩く火月の加減が絶妙だった。

SとM。二つの素質を併せ持つ火月は朱乃同様に両親の才能をきちんと継いでいた。

痛くもあり、的確に相手の性感ポイントを見定めて痛いけど気持ちいい平手にグレイフィアは余計に感じてしまう。

「おや? どうなされました? グレイフィアさん。先程から締め付けが良くなっているようですけど、もしかして叩かれて感じているのですか?」

「あっ、ち、ちがい………………んんっ!」

「とてもそのようには見えませんが? 今のグレイフィアさんは例えるなら情欲に身を委ねる雌の顔です。まったく、とんだ性教育ですね。これではどちらが教育しているのやら。この淫乱メイド!」

「~~~~~~~~~!!」

呆れるように話すと強めに叩く火月にグレイフィアは絶頂を迎えた。

全身を身震いさせながら秘部から愛液が噴出する。

「ほら認めましょう。本当の貴女はただ犯されることに悦びを感じる淫乱メイドだと。大丈夫、グレイフィアさんがどれだけ淫乱でも嫌ったりなどしません。だから曝け出してください。己の本性を」

「んっ…………ンン、ンあ、ああ、は、はい……………わたし、はあっ、犯されることに、よろこびを、感じる…淫乱メイド、です…………ですから、もっと、犯してください………………………」

「よく言えました。ではお望み通り」

「ああっ! あ、あ、ああ、ア、ンンっ! ああ!」

乱暴に子宮内を広げるかのような勢いで激しく突かれるグレイフィアは嬌声を上げながらただ犯されることに悦ぶ。

快感に頭が白く染まり、口から涎が出ている事にも気付かずただ後ろから犯されることだけに意識する。

そして――――

火月はグレイフィアの膣内に射精する。

「~~~~~~~~~~~~~~~~!!」

何度目かの絶頂を迎えるグレイフィアはビクビクと痙攣するように身を震わせる。

「あ、あ…………」

そして少しずつ気持ちが収まり始める。思考も元に戻り始めて自分らしさを取り戻し始めようとするが。

「!」

まだ膣内にある火月の陰茎が大きくなったことに気づいた。

「今日は朝までお付き合いくださいね、教育係さん」

「あ…………」

すぐに行われる二回戦。教育は朝日が差し込むまで続いた。



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用具室で初体験★

今日は学園が休みの日曜日。だけど、オカルト研究部は学園に向かう。

その理由は生徒会からプール掃除を任された。プール開きに向けてオカルト研究部でプールを掃除する代わりに今日一日オカルト研究部だけのプール開きとなる。

「ほら、火月。私の水着、どうかしら?」

「去年より露出が減っていいと思いますよ?」

「もう、ここは褒めるところよ!」

「いや、去年の海水浴で紐みたいな水着を見たらそう思いますよ」

それに比べて今日はまだ布面積がある。

「あらあら。部長ったら、張り切ってますわ。うふふ、今年は余計にかしら? ところで火月。私のほうはどうかしら?」

「似合ってるよ、姉さま」

リアス同様に水着を火月に見せる朱乃を褒めるとリアスは不機嫌そうに頬を膨らませる。

「………………朱乃と私とでは対応に差があるわ」

「あらあら、部長ったらヤキモチかしら? 私の大事な弟はあげませんわよ?」

挑発的な笑みと共に背中に抱き着く朱乃により一層に不機嫌度を増すリアスは「絶対負けないんだから!」と言って一誠たちに指示を投げる。

「あの、マスターさま」

「ああ、お前も似合ってるよ。リリティファ。やっぱり人魚だけはある」

「はい、ありがとうございます………………………」

プール開きとして眷属であるゼノヴィアとリリティファを連れてきた。リリティファの下半身は既に魚となり、人魚の姿をしている。

初めてリリティファを見たゼノヴィアは人魚という幻想的な存在に感動していた。

ついでにリリティファは学園の男子生徒から『外国人淑女』と呼ばれて人気がある。

オカルト研究部全員でプールの掃除を終えると朱乃が魔力で水を作り出して一気にプールの中に水を溜める。

そして一足先にプールを堪能するオカルト研究部。

リリティファは早速プールに入るとイルカのような泳ぎを披露する。人魚の姿もあってその姿は幻想的だった。

アーシアと小猫は泳げないこともあって一誠と火月が練習に付き合う。

一通りプールを満喫した火月はプールサイドで休んでいると、呼び出しがあった。リアスから。

視線をリアスに向けるとその手にはオイル。それを見て一息吐いてリアスの元に歩む。

「お呼びでしょうか?」

「ええ、お願いするわ」

何を、と尋ねるまでもない。去年同様に背中にオイルを塗ってくれという懇願だ。

「はいはい」

言われた通りに手慣れた手付きでリアスの白い肌にオイルを塗っていく。

年上のお姉さんに言われていつも従ってしまうのは弟の宿命なのかもしれない。

「相変わらず上手いわね」

「それは毎年夏になるとしていますからね。部長や姉さまに」

「そうね………………もうこの程度では動じてくれないのかしら? やっぱりベッドの上でないと貴方は動揺しないのかしらね」

「はいはい、そういうお話は外でしないでください。さっきからイッセーが血涙流す勢いでこっちを睨んでいるのですから」

ぐぬぬぬ、と唸り声でも聞こえそうなほど凄い形相で睨んでいる一誠の左腕には赤い籠手がある。今の一誠となら負ける気がする。

「ふふ、本当に面白いわね。イッセー、アーシアにもオイルを塗ってあげなさい」

「はい! 部長!!」

リアスの鶴の一声。使い魔である蝙蝠にオイルを一誠に渡すことで視線を外させる。

アーシアも顔を赤くしながらもスクール水着を脱ぎ始める。

これで視線は外された、と一安心する。

「火月。私にもオイルを塗ってくださる?」

朱乃が火月の後ろから抱き着いてきた。それと同時に耳を甘噛みする。

「ん、姉さま……………不意打ちは勘弁」

「だってしたかったもの。姉弟に遠慮はしませんわ。ハム、チュル、チロ……」

そう言ってオカルト研究部全員がいるプールで大胆にも耳を舐めてくる朱乃。幸いにも一誠はアーシアのオイル塗りに夢中で小猫は読書、リリティファと祐斗はまだ泳いでいる為に気付いてはいない。しかし、変に声を出したりすれば一発でバレてしまう。

「ね、姉さま………………………」

「ふふ、本当に可愛い反応ですわね。もっと虐めたくなってしまいますわ」

耳を責められて反応する火月にS心が刺激された朱乃。

ヒュッ! ボンッ!

火月の横を何かが通り過ぎていき、後方で破砕音が聞こえた。振り返るとプールの飛び込み台が一つ消失していた。

「朱乃。いくら姉弟でも少しやり過ぎではないのかしら? オイル塗りだってまだ終わっていないのよ? それに火月は私の婚約者(フィアンセ)なんだから」

「あらあら、これは私達の姉弟のスキンシップですわ。それに部長も毎朝火月を可愛がっているのを見逃してあげているのですからこれぐらい許容してくださいな」

「嫌よ! 本当は朝だけじゃなくずっと可愛がってあげたいの!」

「それは欲張りでしてよ? 部長」

二人はオーラを纏い、全身に魔力を展開させながら空中に飛び交い、魔力で攻撃し合う。

「そういう朱乃だっていつも一緒にお風呂入ったりしているじゃない! 私だって火月の背中を流してあげたいのよ!」

「嫌よ! 火月と一緒にお風呂に入るのは私の癒しなのだから譲りませんわ! 本当は私も毎朝一緒に起きて可愛がってあげたいのを我慢しているのですから!」

「朱乃のおたんこなす!」

「リアスのバカ!」

「うぎゃ!!」

「イッセーさん!?」

空中で喧嘩する二人の攻撃が不運にも一誠に直撃。リリティファは慌てて結界を張って一誠たちを守りに入る。

そして火月は恥ずかしいプライベートを大声で暴露されて逃走する。

 

 

 

 

「はぁ……………」

用具室で大きなため息を吐く。

「火月か。どうしたのかな? と、外が騒がしいようだけど?」

「今は外に出ない方がいいぞ。それで随分と時間がかかったな?」

「うん。初めての水着だから、着るのに時間がかかった。似合うかな?」

「ああ、似合うぞ。でも、お前の場合は競泳水着の方がいいんじゃないか? 今度試しに買って着てみたらどうだ?」

「そうか。ではそうしてみよう。ところで火月、話は変わるのだが」

「どうした?」

「私と子供を作らないか?」

「はぁ?」

あまりにも突拍子もない言葉に耳を疑った。

「あー、えー、とりあえず理由を聞こうか? なぜ子作り?」

「うん、順を追って話そう」

ゼノヴィアは語る。

これまでの人生は夢や目標は全て神や信仰に絡んでいた。だけど悪魔になったことで夢や目標がなくなったゼノヴィアは以前に純血の悪魔であるリアスになにをしたらいいのかを尋ねた。

――――悪魔は欲を持ち、欲を叶え、欲を与え、欲を望む者。好きに生きてみなさい。

神に仕えていたときに捨てた女の喜び。それを解き放って最初に思いついたのが子供を作ることだ。

その理由を聞いて一応は納得した。しかし、何故その相手が火月なのか尋ねると。

「私は子供を作る以上、強い子になってほしいと願っているんだよ。父親の遺伝子に特殊な力、もしくは強さを望む。そこで火月が一番の適任だと思った」

話を聞いて火月は息を吐いた。

このエロ猫2号(ゼノヴィア)に呆れながら確認する。

「…………………一応訊くけど、本当に俺でいいんだな? 後で後悔しないな?」

「ああ、抱いてくれ。子作りの過程をちゃんとしてくれれば好きにしてくれてかまわない」

「わかった………………………」

覚悟を固めている女性に対して何もしないのは男が廃る。

火月はゼノヴィアの両肩を掴んで唇を重ねる。

舌を入れない唇を重ねるだけのキスだが、ゼノヴィアは唇に触れる。

「………………これが異性との口づけというものか。思っていたより悪くない」

「そうか、じゃ次に行くぞ」

水着を取り払ってゼノヴィアの乳房が露になる。

神にその身を捧げていたゼノヴィアの綺麗な身体を火月は触れる。

「んっ………………………」

「そんなに緊張していないで力を抜け」

「あ、ああ………………」

強張るゼノヴィアの身体にその緊張を解かせようともう一度唇を重ねて胸を揉み解す。

「んっ、ん、はぁ……………おかしな、気持ちになりそうだ」

「まだこれからだぞ?」

「そ、そうだったな…………………あっ」

男勝りな性格をしていると思ったら可愛らしい女の子の声をあげるゼノヴィアについ笑みを溢す火月はゼノヴィアの秘部に触れるもそこはもう準備ができていた。

まだ少ししか触っていないのにもう秘部から愛液が漏れている。やはり、慣れていないというよりもその手の娯楽を触れてこなかったせいか、過剰に反応をしているのかもしれない。

「ゼノヴィア。壁に手をつけて尻をこっちに突き出すように向けるんだ」

「んっ、こ、こうか……………?」

言われた通りに壁に手をつけて臀部を突き出す態勢となるゼノヴィアの水着をずらして神に捧げていた貞操をおいしく頂戴する。あ、神は死んでいた。

「行くぞ、ゼノヴィア」

「ああ、来てくれ」

ゆっくりと自分の陰茎をゼノヴィアの秘部に当てて膣内に挿入していく。

「んっ、んぐ、あっ……………はぁ………………うグ………………………」

苦痛に耐えるように顔を強張らせる。だけど、確かな女としての喜びまでも感じているゼノヴィアの秘部から赤い液体が流れてくる。

処女膜が突き破られてゼノヴィアは女となった。

「どうだ? ゼノヴィア。初めての経験は」

「あ、ああ………………予想以上に痛かった。正直、これまで受けたどの攻撃よりも痛い。だが、それと同時にこれ以上にない喜びを感じているよ……………私は女になったのだな」

「ああ、じゃ、動くぞ」

「ん、んんっ、はぁ、あ、ああ、ンぐ! ンッ! あっ!」

腰をしっかりと固定されて膣内を何度も出入りする陰茎にゼノヴィアは痛みと快楽が同時に襲いながら喘ぎ声を漏らす。

「ほら、力を抜かないと痛いぞ?」

「む、むり、だ……………こんな、頭が、真っ白んぅ! に、なる…………………!」

余裕がないゼノヴィアの表情にまぁ、初めてだから仕方がないと納得する火月は早めに終わらせることにする。

腰の動きを速めて一気にスパートをかける。

「ああっ! あ、あ、あ、ンッ、ンンっ!」

「出すぞ」

「~~~~~~~~~~~~~~~」

最後の一突き。子宮内の奥まで突き刺して射精する火月に初めての絶頂を迎えるゼノヴィアは何度も身体を痙攣させるその顔は男を知った女の顔だ。

ゆっくりと陰茎を取り出して魔力を水に変換させて精液などを洗い落とす火月はゼノヴィアを抱えて用具室を出ていこう――――

「これはどういうことかしら?」

冷え冷えとした声が耳に届いて振り返ると扉に薄く紅い魔力で覆われたリアスが仁王立ちしていた。

「あらあらまぁまぁ」

「うぅ、マスターさま。どうして私には………………………」

「…………………油断も隙もない」

更に朱乃、リリティファ、小猫までも姿を現して火月は冷汗を流す。

「あ~え~と、ですね………………………」

「正座」

「あ、はい」

リアスの一言で火月はその場で正座する。

ちなみに一誠はプールサイドでアーシアに看病されていたらしい。

 



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魔王少女の性癖★

授業参観当日。

火月のクラスでもクラスメイトの親が入って自分の子供達の勉強する姿を見に来る。

自分の子供達の勉強する姿を楽しそうに見る親や恥ずかしそうに授業を受けるクラスメイトたちに火月は小さく息を吐く。

自分の親は、父親はここには来れない。それぐらい重々承知している。

今の自分は悪魔側で堕天使であるバラキエルは当然堕天使側。いくら親子であってここは堕天使が踏み入れてはいけない領域だ。

この気持ちは姉である朱乃も同じ。いつものように授業を受ける。

すると―――

不意に教室が騒がしくなった。

殆どのそれこそ教師でさえも後ろに視線を向けている。

なんだろう? そう思って後ろに振り返る。

そこには自分の眷属である黒歌とジャンヌ。それからビデオカメラを持っているサーゼクスとその父親であるジオティクスまで自分がいる教室にやってきた。

黒歌とジャンヌは火月に向けて小さく手を振るう。

そしてクラス全員の視線が火月に向けられる。その視線は「お前の親戚か!?」と訴えているのが手に取るようにわかる。

無理もない。黒歌もジャンヌも超がつく美女美少女でサーゼクスとジオティクスも超がつくイケメンだ。その知り合いなら誰だって気になるだろう。

そこに

「火月、来てあげたにゃ♪」

「お姉さんたちに勉強しているところを見せてね」

二人が笑みを見せながらそんな言葉を投げてくる。

――ああ、これは絶対に後で色々言われるな。

それを確信した。

その後も後ろから見守られながら授業を受けることに恥ずかしくもあったけど、それ以上に嬉しくもあった。

いいヒトたちに恵まれている。そう思えた。

そして授業終了後。火月はクラスメイトからの質問責めを回避する為にダッシュで教室を出ていく。

 

 

 

「ふぅ…………」

「あら、火月じゃない。貴方も飲み物を買いに?」

「あ、部長に姉さま…………いや、ちょっと逃げてきまして………………………」

「「?」」

火月の言葉に首を傾げる二人。でも、少しは喉が渇いたので一緒に飲み物を買いに自販機のところに行くと偶然にも一誠たちとも出会った。

そして一誠はどういうことか、紙粘土で作られたアーシアの像を持っていた。

謎なことに一誠の授業は英語で紙粘土を使ったそうだ。どういうこと?

とにかく一誠作のアーシア像は非常によくできていたのは確かだ。

そこへ祐斗まで現れると。

「何やら魔女っ子が撮影会をしていると聞いたもので、ちょっと見に行こうかなと思いまして」

祐斗の返答に一誠とリアスは顔を見合わせながら首を傾げる。

「まさか………………………」

それとは別に火月は嫌の予感しながらその場所まで辿り着くと。

カシャカシャ!

フラッシュがたかれ、カメラを持つ男子生徒たちが廊下の一角で何かを撮影していた。

人垣をなんとかくぐり抜けて例の魔女っ子を目視する。

その魔女っ子の恰好は『魔法少女ミルキースパイラル7オルタナティブ』の魔法少女、アニメキャラのコスプレをしたコスプレ美少女。

スティックを片手に器用に回しながら恍惚に満ちた笑みで撮影されている美少女を見て火月は駆け出してそのコスプレ美少女を抱きかかえてその場から離れて行く。

「火月!?」

突然の行動に驚きを隠せれないリアスや一誠たちはただ啞然とするしかなかった。

「えっと、どうしたのでしょうか……………………?」

「さ、さぁ………………………」

ただ疑問だけが残るグレモリー眷属はただその場に残された。

 

 

 

「はぁ、はぁ………………………」

人気のない場所までコスプレ美少女を抱きかかえて逃走してきた火月はコスプレ美少女を離して問い詰める。

「こんなところで何をなさっておられるのですか? セラフォルーさま」

「おひさ~☆ 元気にしてた? 火月くん」

かわいらしくポージングするコスプレ美少女の正体は四大魔王の一人であるセラフォルー・レヴィアタンそのヒトだ。

そしてこの学園の生徒会長であり、シトリー家次期当主であるソーナ・シトリーの姉でもある。

「聞いてよ、火月くん。ソーナちゃんたら酷いのよ。今日のこと、黙っていたんだから! もう! お姉ちゃん、ショックで天界に攻め込もうとしちゃったんだから☆」

「そんなことで戦争を引き起こさないでください! それと例え来るのならそれに似合う服装で来てください」

「えー、だって、これが私の正装だもん☆」

「世間一般の、学園に入っても恥ずかしくない衣装でお願いします」

聞く耳も持たない魔王様に肩を落とす。

「もう、服装に関しては諦めますが……………一応お尋ねしますよ? 下着は身に付けていますか?」

その質問は異性にする質問でもなければ、したとしても誰もが「してる」と答える質問なのにセラフォルーは恍惚に満ちた笑みで首を横に振った。

「着けてません☆」

「………………………………下着ぐらい穿いてください」

「え~、だって、見られている快感がすっごく気持ちいいんだもん☆」

ここでもう一度彼女について語ろう。

このお方は四大魔王の一人であるセラフォルー・レヴィアタン。魔王に就く前はセラフォルー・シトリーであるソーナの姉でもある。

妹を溺愛しているシスコンであり、見られている事に性的興奮を覚える露出狂である。

その性癖を知っているのは姫島火月だけ。というか、火月がきっかけにセラフォルーはそういう性癖に目覚めてしまったのだ。

それは数年前に遡る。

リアスの御付きとして姉と共にシトリー領に遊びに行ったことがある。その時、ソーナと魔王の仕事が休みで実家に帰っていたセラフォルーと出会った。

出会いはよく覚えている。

「可愛い!」と叫んで姉と一緒に抱きしめられた。

魔王とは思えないぐらいに軽いというかフレンドリーなセラフォルーの存在にどう対処すればいいのかわからなかったが、とりあえず粗相がないようにだけ振る舞った。

それからリアス、朱乃、ソーナと共に部屋で遊んでいる途中で火月はトイレに向かったが、広く慣れていない屋敷に迷子になってとりあえず適当な部屋の扉を開けた。

そこには着替え中だったのか、下着姿のセラフォルーがそこにいた。

咄嗟に扉を閉めた。そして頭を抱えた。

魔王相手になんてことを!? と内心で叫び、着替えが終わったセラフォルーに土下座して謝った。

軽く許してくれたことに安堵し、トイレの場所を聞いて今度こそトイレに向かう。

この時はまだ知らなかった。

これがセラフォルーの内に秘められた性癖を覚醒させてしまったことに。

それからも会う度にセラフォルーは火月に向けて下着を見せたり、露出が多い服を着たり、アニメキャラのコスプレをしてその下に下着を身に付けないようになってしまった。

あの一件から見られる、ということに性的興奮を知ったセラフォルー。

人間界に来てからしばらく会わずだったが、まだ治っていないのは予想していなかった。

むしろ悪化している気がする………………。

「先程の撮影でスカートの下が撮られでもしたら―――」

「大丈夫☆ ちゃんとカメラには写さない様にちょちょいと細工しておいたから☆」

ピースサインを横向きでチョキするセラフォルーは火月に身を寄せて耳元で囁く。

「私の全部を見ていいのは火月くんだけだよ♪」

微笑みながらそう囁かれて少し距離を取るセラフォルーは頬を赤くしながら言う。

「だから見て。私の恥ずかしいところも…………んっ」

火月の前で自慰を始める魔王少女。

自らの手で胸を触り、スカートをたくし上げて秘部を露にする。

「はぁ……………あっ、ン…………」

自慰と共に口から漏れ出る喘ぎ声。いくら人気のない場所とはいえど誰かが通るかもしれない場所で自慰を始めるセラフォルーは火月に見られながら興奮を覚える。

魔王としての職務をしながらも露出をしていた。下着をつけなかったり、気付かれない様にスカートをたくし上げたりとしていたけど、今はそれ以上に興奮する。

自分の新たな性癖を目覚めさせた火月の目の前で自慰(オナニー)するのがこんなにも気持ちがいいとは思わなかったセラフォルー。

自分の姿に息を荒げ、凝視され、股間が膨れ上がっている火月にセラフォルーは自分の姿に興奮していることに嬉しくて火月のズボンに手を伸ばす。

「セ、セラフォルーさま…………………ッ!」

「大丈夫。私がすっきりさせてあげるから。あム」

ズボンから陰茎を取り出して口に咥えながら自慰をするセラフォルー。口の中に広がる男性の性器の味。熱くて固い感触が熱した鉄でも口に入れているようだ。

「ジュル、ちゅぷ……………んっ、クチュ……………ヂュル」

火月の陰茎を口で奉仕しながら秘部を弄るセラフォルーは目線を上に向ける。自分を見下ろして気持ちよさそうにしている火月の目線にセラフォルーはゾクゾクした。

「……ンッ、ヂュル、ジュル、チュル………………はぁ………………好きな時に出していいからね☆」

そう告げて再び口の中に陰茎を含ませる。

火月に見られ、誰かに見られているかもしれない場所で性的興奮を高めていくセラフォルーの口腔に突然の射精。

「んぐ、ゴク、ンンッ……」

口いっぱいに広がる精液を溢さない様にするも量が多すぎて飲み込んでしまう。だけど、少しは口の中に残して顔を上げて口を開ける。

「ひて(見て)」

セラフォルーの口の中に自分がつい今しがた出した精液がある。それを見せつけると火月に見られながら飲み込んでいく。

「ゴク、ん……………はぁ、ごちそうさま」

自分の精液を呑み込んだセラフォルーの反応にどう返せばいいのか悩む。

だけど本人は満足そうに立ち上がって恰好を魔法少女のコスプレから品性ある恰好になる。

「それじゃ、ソーナちゃんに会ってくるね♪」

そう言って駆け出す魔王様。

これからどうなるのやら、と悩む火月に予鈴が鳴った。

火月は慌てて教室に向かう。



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強くなる為に★

ギャスパー・ヴラディ。

リアス・グレモリー眷属の僧侶(ビショップ)ではあるも、その強大な力を制御できずに旧校舎の一室『開かずの教室』に封印されていた。

ギャスパーは人間と吸血鬼の間に産まれたハーフであり、人間の血も流れているためにその身に神器(セイクリッド・ギア)停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)』も宿しているも、その力を制御できずにこれまで無意識に多くのヒトの時間を停めてきた。

吸血鬼としての類稀なる才能と特殊な神器(セイクリッド・ギア)。その両方の力を秘めた存在であるギャスパーは幼い頃から居場所がなく、路頭に迷い、ヴァンパイアハンターに狙われ、一度命を落としたところをリアスに拾われた。

そんなギャスパーを今のリアスなら使いこなせると判断され、外に出ることは出来たのだが、本人がそれを強く拒絶している。

「人間でも、異形でもあるハーフはどこへ行っても毛嫌いされる。仮に居場所があってもハーフという存在そのものを忌嫌って始末する輩だっている。普通に暮らしたくても、周囲がそれを許してくれない………………………」

ギャスパーがまた自室に引き籠もって泣いている声を聞いて火月は思わずそれを口にしてしまう。

「火月………………?」

いつもとは違う憂いを感じる表情に首を傾げる一誠たち。

「火月。やめなさい」

リアスがそんな火月に一声をかけ、朱乃が火月を優しく抱きしめる。

「部長、少し席を外しても?」

「ええ、かまわないわ」

リアスの許しを得て朱乃は火月と共に魔法陣でジャンプする。

「あの、部長……………もしかしてですけど」

「………………………………そうね。そろそろイッセーたちにも話しておくべきね」

「やっぱり、朱乃さんや火月は堕天使の………………………」

「ええ、あの二人は堕天使と人間との間に産まれたハーフなのよ。ギャスパーと同じでね」

コカビエルの戦いで薄々は気付いていた一誠たち。だが、改めてその真実を聞かされるとなんとも言えなくなる。

「………………………………悲しい記憶よ」

朱乃と火月は母親―――姫島朱璃は五大宗家の一つ姫島に連なる者。だが、朱璃はある日、敵勢力に襲撃されて重傷を負った堕天使の幹部――バラキエルを救ったのが二人の出会いだった。

そこから二人は親しい間柄となり、夫婦となり、二人の子供を授かった。

それが朱乃と火月。

家族四人で慎ましくも幸せな生活を送っていたある日、姫島家の術者が火月たちが住む家を襲撃してきた。その時、母親である朱璃は自分の子供を命をかけて助けた。

「母親の死をきっかけに火月は内に眠るドラゴン――神器(セイクリッド・ギア)が覚醒して術者達を倒した。それから二人は互いを支え合いながら追手から逃げる逃亡生活のなかで私と出会ったの」

「………………………………そんなことが」

自分達の想像を超えた出来事にただ驚く。

「火月は姉である朱乃を守る為に強くなろうと必死に努力している。朱乃もまた弟を支えようとしている。互いが互いを支え合って生きているのよ。昔も、今も」

悲哀の色をした瞳で語るリアスは一誠に尋ねる。

「イッセー。貴方はどうなの?」

「どう、とは?」

「朱乃と火月。二人が堕天使と知って今まで通りに接することができる? 一度は貴方を殺し、貴方の大切なアーシアまで殺しただけではなく、この町を破壊しようとした堕天使にいい思いはないでしょ?」

「………………………………はい。俺は堕天使は嫌いです」

はっきりと一誠は告げた。

しかし

「でも、朱乃さんも火月も俺にとっては大切な仲間です。なんていうか、朱乃さんはやさしい先輩ですし、火月は俺にドラゴンの力を教えてくれた。二人に堕天使の血が引いていても二人は二人です。だから二人のことを嫌いになったりはしません」

「………………………………そう」

一誠の言葉に安堵するリアスはギャスパーのことを一誠に任せてサーゼクスとの打ち合わせに向かう。

 

 

 

朱乃は火月の自室のベッドの上で火月を抱きしめていた。

火月は顔を俯かせて朱乃に抱きしめられる。

時々、火月は今の状態になってしまう。人形のようにただ大人しくなる時が。

専門家の話では精神的ショックによる放心状態。強いショックを受け、後に精神的負担が蓄積するとなる精神病。

強いショック。それは訊くまでもなく母――朱璃の死だ。

母親の死をきっかけに神器(セイクリッド・ギア)を覚醒させた火月は術者達を倒して母親の仇を取った。

だがその直後、火月は心が壊れかけた。

母親の死を嘆く火月を見て朱乃は咄嗟に火月を抱きしめた。

このままじゃ大切な弟まで失ってしまう。そう思った朱乃の行動のおかげで火月の心は壊れることは無かった。だが、傷ついた心は今も火月を蝕む毒となっている。

朱乃は自分の辛さを父親にぶつけた。自分の精神を保つ為に。だけど、火月はそれを全て一人で受け入れてしまった。誰にも辛さをぶつけず、恨まず、憎まず、そして姉である朱乃の弱さまで受け入れた。

誰よりも傷つき、自分を守ろうとしてくれる大切な弟。

「………………………………ごめんなさい」

強く、優しい弟に朱乃は自分が情けなく思う。

弟はこんなにも頑張って強くなろうとしているのに自分は何をしているのだろうか?

ただこうして抱きしめてあげることしかできない。

『おい、ちょっといいか? 相棒の姉よ』

不意に声が聞こえて顔を上げて周囲を見渡すも自分と弟しかしない。

『こっちだ。こっち。相棒の足を見ろ』

その声に火月の足を見るといつの間にか神器(セイクリッド・ギア)であるブーツが発動して話しかけてきた。

「……………………もしかして貴方が?」

『こうして言葉を交わすのは初めてだったな。そうだ、俺が地殻龍アルドエイク。相棒同様アルドでいいぞ』

何度も弟から話だけは聞いた地殻龍アルドエイク。こうして話すのは初めてだ。

『さっきから随分と辛気臭い顔をしてるから声をかけさせて貰ったぜ。今の相棒はこっちから声をかけても反応すらしねぇからな』

神器(セイクリッド・ギア)であるアルドの呼び声にも応じない火月の心の傷はやはり大きいのだろう。

「………………………それで私になにか?」

『ああ、随分と悩んでいるようじゃねえの? 自分が弱いのがそんなに嫌なら強くなるきっかけを与えることができるぞ』

「え………………?」

『簡単だ。相棒を抱け。なに、ちゃんと反応はするから問題はねぇ』

ククク、と不気味に笑うアルドに怪訝する朱乃だが、アルドはきちんと説明する。

『ドラゴンを宿した者は少なからず周囲の者に影響を与える。抱かれれば特にその影響が出てくんだよ。お前さんも他の女たちも気付いてねぇかもしれねえが既にそれなりの影響を受けている状態なんだぜ?』

「そ、それならどうして…………………?」

『その影響が出てこないってか? 簡単だ。影響を与えるって言っても身体の中に少しずつドラゴンのオーラを溜め込んでいる状態のままじゃ外に出ることはねえ。外に出すにはきっかけが必要なんだよ』

「そのきっかけのために弟を抱けと?」

『ああ、お前さんの体内にはかなりのドラゴンのオーラが蓄積している。後はそこに俺が後押ししてやるためにも一つになる必要がある。簡単に言ってしまえば精液を強化薬としてそれをお前さんの子宮に打ち込むわけだ』

愉快そうに笑うドラゴンに朱乃は真剣な顔で訊く。

「………………………………それで、強くなれますか?」

『それはお前さん次第だ。俺がしてやれるのはあくまで後押しするだけだ。そこからどうなるのかは相棒の姉、お前さん次第だ』

「………………………………わかりましたわ」

朱乃は覚悟を決めた。

服を脱いで下着を取り払い一糸まとわぬ状態となって弟を横に寝かせて服を全て取り払う。鍛え抜かれた弟の肉体はがっちりとしていて逞しく見えるもその身体の所々には小さい傷が多く見られる。

これも全ては自分の為、なら今度は自分の番。

弟を守る為に朱乃は力を求める。

まずは刺激を与えて勃起させる為に朱乃は陰茎を口に含ませて刺激を与える。

「………………ん、レロ、チロ……ヂュル、チュ……………ジュル、チュ………………………」

口の中で舌も陰茎に絡ませて刺激を与えると口の中で少しずつ大きくなっていく。

アルドの言う通り反応はしている。なら、このまま続ける。

「ジュル…………チュ、チロ、んっ……………」

まだお風呂に入る前だった陰茎を口と舌で綺麗にしていく朱乃は熱心に舐める。

今日一日分の匂いと汚れを舐め取って飲み込んでいく。そして、勃起する陰茎を見て朱乃は陰茎を持ったまま火月の上に跨って秘部に当て、奥まで挿入していく。

「ふっ、んっ……………あ、ンン、ンあ…………」

子宮の奥まで挿入し、腰を上下に動かして快感を高めて射精を促す。

自分の子宮内にきちんと射精できるように膣内をしっかりと締め付けて腰を動かす度に朱乃の豊満な胸は揺れる。

「はぁ、あっ、あ…………んん、あっ」

膣内で陰茎が射精しようと震えているのがわかる。

それがわかるぐらいにもう自分の膣内は弟の陰茎の形を覚えている。それだけ弟の身体を重ね合ってきた。

「んっ、ンン、ンッ! はぁ! ああっ!」

射精が近くなったことに気づいてラストスパートをかける。

腰を動かす度に髪は乱れて胸は揺れる。

そして――――

「~~~~~~~~~~~~~~っっ」

膣内射精(なかだし)され、子宮内が精子に満たされていく。

ドクンドクン、と震えながら射精しているのが手に取るようにわかる朱乃は零れない様にしっかりと締め付ける。

「はぁ…………はぁ………………………」

そのまま弟に覆い被るように倒れる朱乃は弟の唇に軽くキスをして背に腕を回して抱きしめる。

「ずっと、傍にいますわ………………」

そう言って朱乃は子守唄を歌う。

幼い頃に母親である朱璃が二人に歌ってくれた子守唄。その歌を聞くと火月は何時も気持ちよさそうに眠りにつく。

小さく寝息を立てる火月に朱乃は火月を抱きしめながら瞳を閉じる。

――――母さま、どうか火月をお守りください。

亡き母に懇願する。

 



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テロリスト

三大勢力の会談。

駒王学園の新校舎にある職員会議室で執り行われる会談はこれからの三大勢力の行末が決定する。場合によってはこの場で即戦争という可能性もなくはない。

その会談に悪魔側はサーゼクス、セラフォルー。給仕係としてグレイフィア。

天使側はミカエルと女性天使。

堕天使側はアザゼルと「白い龍(バニシング・ドラゴン)」ヴァーリ。

そして、その会談に参加することとなったグレモリー眷属と火月を始めとする黒歌、ジャンヌ、リリティファ、ゼノヴィア。それと生徒会長であるソーナとその女王(クイーン)真羅副会長。

この場にいる者が最重要禁則事項である『神の不在』を認知していることを前提条件として会談が始まった。

 

 

 

会談は順調に進み、各勢力はこれまでのこと、そしてこれからのことについて話しを続けるなか、先の事件であるコカビエルが起こしたエクスカリバー強奪事件に関わった報告をリアスは終わらせて、アザゼルが和平を提示する。

悪魔も天使も和平を持ちかける予定だった。先の戦争で各勢力共に失ったものは大きい。このままでは三すくみは共倒れとなり、人間界にも影響を及ぼす。

途中、一誠がミカエルにアーシアの追放の件について質問したが、ミカエルはそれを丁寧に答えてアーシアに謝罪するもアーシアそれにゼノヴィアはそれを許した。

そしてアザゼルは三大勢力以外で世界に影響を及ぼしそうなヴァーリ、一誠、火月に問いかける。

―――お前は世界をどうしたい? と。

その問いにヴァーリは簡潔に答える。

「俺は強い奴と戦えればいいさ」

これ以上にない単純な答え。そして次に一誠は和平を選んだ。

その理由はアーシアとセックスできないという性欲真っ直ぐな理由で。

「姫島火月。お前は?」

「世界に興味などありません」

火月もまた素直に自分の意見を口にする。

その瞬間、時間が停止した。

 

 

 

「…………………あら?」

「おっ、赤龍帝の復活だ」

一誠が意識を覚醒した時、室内は少しだけ変わっていた。

ミカエルは窓から外を見ていて、サーゼクスとグレイフィアは何やら真剣な面持ちで話し込んでいた。

「俺の眷属は問題はないな。リアス姫の方は?」

火月は自分の眷属は誰も停止させられていないことを確認する。黒歌は小猫を庇った状態で魔法陣を展開して時間停止を防ぎ、ジャンヌは聖剣の力で防ぎ、その後ろにいたリリティファを守った。ゼノヴィアはデュランダルの力を盾にして防いだようだ。

そして火月は内に宿すドラゴンの力のおかげだ。

「眷属で動けるのは私とイッセーと、祐斗、小猫、それと………………朱乃、その腕………」

時間停止されていない自分に眷属を確認するリアスは朱乃の腕にある籠手を見て目を見開いた。

「あらあら、これは………………?」

朱乃も驚きながら自分の腕に装着されている籠手を見る。

『上手くいったみたいだな』

「アルド?」

不意に火月に宿るドラゴン――アルドエイクがこの場にいる全員に聞こえるように声を出す。

「ではこれが………………………」

心当たりがある朱乃はすぐにそれが何かに気付いた。

「アルド? どういうことだ?」

『お前さんの姉は力を求めていたからな。俺はその力を発動できるように後押ししてやっただけだ。体内に蓄積されているドラゴンのオーラを具現化させ、神器(セイクリッド・ギア)として機能するようにしてやった。名付けるなら眷属器(ラスール・ギア)地殻龍の籠手(アルド・ギア)』ってところだな』

その言葉にこの場にいる誰もが驚愕する。

「おいおい、神器(セイクリッド・ギア)神器(セイクリッド・ギア)を作り出したっていうのかよ? …………………いや、この場合は姫島火月の神器(セイクリッド・ギア)の一部が姉である姫島朱乃に宿ったと考えればいいのか? 神器(セイクリッド・ギア)にはまだ解明されていない部分もある。いや、それにしても………………………」

火月の神器(セイクリッド・ギア)と朱乃の眷属器(ラスール・ギア)を交互に見比べながらぶつぶつと何か考え込むアザゼルを無視して火月はアルドに言う。

「アルド、どうしてこんなことを…………………?」

『お前さんの姉はお前さんの為に力を求めていた。お前さんが姉を守りたいように姉もまたお前さんを守りたいんだとよ。だから、怒るな』

「でも、それでも……………………ッ!」

怒りたくもなる。

姉には戦いから離れて平和な日々を過ごして欲しいと願っている。だけど、ドラゴンの力を手にした以上は戦いの運命から逃れられないかもしれない。

そんなのは嫌だ。戦うのは自分一人でいい。

「火月」

憤る火月の手を朱乃は取った。

「私は貴方を守りたいの。だから怒らないで……………」

「姉さま………………………」

「私は貴方はの姉なのですから、少しは頼って、ね?」

「………………………………」

そう言われると何も言えなくなる。

本当はもう頼っている。母親が殺された日、姉がいなければ自分の心は壊れていた。姉が支えてくれたからこうしていられるのだから。

沈痛な顔で黙り込む火月を置いて一誠は何が起きたのか尋ねる。

「テロだよ」

アザゼルが答えて窓の方を示す。そこには黒いローブを着込んだ魔術師みたいな連中がこちらに攻撃を仕掛けていた。

そして問題の時間停止。おれはテロリストが旧校舎にいるギャスパーを利用して強制的に禁手(バランス・ブレイカー)状態にされたそうだ。

そのギャスパーを取り返すためにリアスと一誠が動く。

その間、アザゼルはテロリストについてこの場にいる全員に語る。

―――『禍の団(カオス・ブリゲード)』。

三大勢力の危険分子を集めている組織でなかには『神滅具(ロンギヌス)』持ちまでいる。テロリストの目的は破壊と混沌。更にテロリストの(トップ)は『無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)』オーフィス。神が恐れたドラゴン。

誰もが表情が険しくなるなかで聞き慣れない声が飛び込んでくる。

『そう、オーフィスが「禍の団(カオス・ブリゲード)」のトップです』

声と共に会議室の床に魔法陣が浮かび上がる。

今回の黒幕に気付いたサーゼクスはすぐにリアスと一誠を飛ばすようにグレイフィアに指示する。

二人が転送してすぐにその魔法陣から姿を現したのは一人の女性悪魔。

その悪魔の名はカテレア・レヴィアタン。先代レヴィアタンの血を引く旧魔王の一族。

旧四大魔王が滅び、新しい魔王を立てようとしたときに徹底抗戦を最後まで唱えたのが、旧魔王の血を引く者たち。その血を引く者たちは全て冥界の隅へと追いやった。

「旧魔王派の者たちはほとんどが『禍の団(カオス・ブリゲード)』に協力することに決めました」

今回の会談の逆の考えに至り、神と先代魔王がいないのなら、この世界を変革するべきだと、旧魔王派はその結論を出した。

オーフィスの力を借りて、一度世界を滅ぼしてもう一度構築する。新世界を取り仕切る。

己の目的を語るカテレアにセラフォルーが叫ぶ。

「カテレアちゃん! どうしてこんな!」

「セラフォルー。私から『レヴィアタン』の座を奪っておいて、よくもぬけぬけと! 私は正統なるレヴィアタンの血を引いていたのです! 私こそ魔王に相応しかった!」

「カテレアちゃん…………。わ、私は!」

「セラフォルー、安心なさい。今日、この場であなたを殺して私が魔王レヴィアタンを名乗ります。そして、オーフィスには新世界の神となってもらいます。彼は象徴であればいいだけ。あとの『システム』と法、理念は私たちが構築する。ミカエル、アザゼル、そしてルシファー――――サーゼクス、あなたたちの時代は終えています」

カテレアの言葉にサーゼクスもセラフォルーもミカエルも表情を陰らせる。

「よくもまぁ、そこまで言える………………………」

その発言の主は姉である朱乃を後ろに下がらせて静かに憤る火月からだった。

「俺はお前等みたいな奴等を良く知っている。その結果、不幸になる奴もいるということも」

神器(セイクリッド・ギア)である脚甲を装着させ、その背に六枚の堕天使の翼。

それを見たカテレアはゴミを見るような目で火月を見据える。

「フン、堕天使とのハーフですか。穢れた存在がよくもぬけぬけと私に意見を投げられるものですね」

「サーゼクスさま、それにセラフォルーさま。お願いがございます」

カテレアを無視して火月は二人に懇願する。

「この者の相手を私にお任せいただけないでしょうか?」

「………………………………勝てるのかい?」

「必ずや」

「そうか、では頼む」

「はい」

「火月くん、お願い………………………」

「はい」

魔王たちからの了承を得て火月はカテレアと対峙する。

「実力差もわからない半端者が私の相手になると?」

嘲笑交じりの侮蔑な物言い。だけど火月はそんなことどうでもよかった。

「旧魔王の一族。お前達の存在は害悪でしかない。古いしきたりに囚われ、血族を重んじているが為に種の存続、これからの未来に目を向けない。禁手化(バランス・ブレイク)

鎧をその身に纏う火月は告げる。

「俺はその古いしきたりを消し去る為に魔王を目指している」

姫島の一族より忌嫌われた子供たち。

もう自分と姉のような存在を生み出さない為に火月は己の夢を口にする。

「魔王を目指している? 純血でもないたかが堕天使のハーフ如きが魔王を語るとは………………ッ!」

火月の発言に激怒するカテレアは全身から魔力のオーラを迸らせる。

火月もまたその手に雷光の剣とドラゴンのオーラを全身から発する。

二人のオーラは衝突し、その余波で職員会議室が吹き飛び、二人は飛び立って校庭の遥か上空で攻防戦を繰り広げ始めた。

「火月……………」

上空を見上げて弟のことを心配する朱乃だが、その気持ちを今は振り払う。

グレモリー眷属と火月の眷属達は魔王サーゼクスの命によって結界の外にいる魔術師達の始末に向かう。

 

 

 

「はぁ!」

朱乃は雷光を放つ。すると、雷光が意思を持つ龍の形となって魔術師たちを葬って行く。

続けて放つ雷光の龍、雷光龍は激しい稲光と炸裂音と共に次々と魔術師たちを倒していく。しかも、その雷光龍の大きさ、速度は時間と共に大きく、速くなっていく。

「あらあらうふふ」

自分の腕にある眷属器(ラスール・ギア)。その力は能力の累積加算。時間経過と共に朱乃の攻撃は強くなる。

弟である火月を抱いたことによって得た力。その影響もあって雷光だけではなく魔力による攻撃は全てドラゴンの形になっている。まるで弟と一緒に戦っている気がして嬉しかった。

「行きますわよ」

弟も頑張って戦っている。なら自分も戦わないといけない。

大好きな弟の為にも、今よりも強くなる。

 

 

 

学園の空で戦うカテレアと火月。

魔力による攻撃を繰り出すカテレアに雷光をぶつける火月は空中を蹴って接近する。それを見越して防御魔法陣を展開させるカテレアの魔法陣と火月の蹴撃が衝突してぶつかり合う。

「おのれ…………ッ! たかがハーフの分際で!」

ここまで互角の戦いを繰り広げている二人だが、カテレアによっては不愉快極まりない。

純血の悪魔でもない。たかがは堕天使のハーフが自分と互角はあってはならない。

「アルド」

『応よ!』

再び接近する火月に魔力攻撃するカテレアだが、火月はその攻撃を躱してカテレアの至近距離で蹴りの体勢を取ると、カテレアは嘲笑う。

何度も防いだ蹴りの一撃。それがなんだというのだ、と言わんばかりの笑みで再び防御魔法陣を展開する。

だが―――

「なっ!?」

今度はその防御魔法陣が蹴り砕かれる。そして二撃目の蹴撃を放つ火月の攻撃をカテレアは紙一重で回避する。

「くっ…………! こ、の、半端者が………………ッ!」

自分の防御を破った火月にプライドを傷つけられたカテレアは懐から小瓶を取り出し、中に入っていた小さい黒い蛇らしきものを呑み込むと、カテレアの全身から放つ魔力が膨れ上がって、不気味なオーラを漂わせている。

そんなカテレアに極太の雷光の剣を投擲するもカテレアはそれを右腕を横になぐだけで消失させてしまった。

「なんだ? あいつの力が急に………………………」

『ありゃオーフィスの力だな。さっきあの女が呑んだのはオーフィスの力の片鱗だ』

アルドが急にパワーアップしたカテレアの正体を告げる。

カテレアは先程とは比べものにならない魔力攻撃に火月は避ける。いくらドラゴンの鎧を纏っていたとしても今の一撃をまともに食らえば致命傷は避けられない。

『おいおい、どうするんだよ。相棒』

「アレを使うぞ」

火月は動くのをやめて鎧を解除する。それを見たカテレアは攻撃の手を止めた。

「観念しましたか。それでいいのです。所詮はハーフ。真の血族である私に勝とうと思うこと自体が間違っているのですから」

諦めたと思ったのか、もう勝った気でいるカテレアに火月は口を開く。

「聖書に記されし神が、どうしてアルドを封印したかわかりますか?」

「はい?」

突然の話に怪訝するも火月は構わず続ける。

「恐れたからですよ。いや、神だけではない、二天龍すらもアルドの逆鱗に触れることを恐れた。逆鱗に触れたアルドの一撃は神すらも蹴り飛ばす」

「―――――っ」

阿寒が走る。

禁手化(バランス・ブレイク)、装甲パージ」

再び鎧を纏う。ことはなく、大質量のオーラは足だけに包み込み、鎧化の時とは比べて五、六倍はある極太の脚甲となる。

「『地殻龍の極脚(アルド・エクストリーム・ブーツ)』。最強のメイドとの訓練で辿り着いた俺の新たな強化形態」

もっと力強く、もっと速く、もっと神経を研ぎ澄ませる。そんな極限状態のなかで辿り着いた新しい神器(セイクリッド・ギア)の力。それがこの形態。

「………………………………ばかな、こんな、こんなことがッ!!」

戦慄する。

特大ともいえるドラゴンのオーラがその脚から放たれて、滲み出るオーラだけでも明らかに自分を上回っていることがわかる。

「ありえない………………わたし、私は、オーフィスの力も借りているのですよ! それなのに、どうして………………ッ!!」

『ギャハハハハハハハハハ! おいおい、レヴィアタンの血を引く悪魔よ。そんなこともわからねえのか?』

戦慄するカテレアに哄笑するアルドは答えた。

『そんなもん、俺の相棒の方が強かっただけの話じゃねえか』

あっさりと告げられるその言葉と共に火月は動く。

脚にあるドラゴンのオーラが膨れ上がってそこの雷光の力も加わることで濃密で凶悪なオーラを生み出す。

そして――――

「フォース・ドラゴニックキャノン」

放たれる波動はドラゴンの顎の形となってカテレアを襲う。

「あああああああああああああああああああああああああああああああああっっ!!」

放たれたオーラに喰われたカテレアは存在ごと消滅してオーラは校舎にぶつかって消し去る。

その光景を見ていたサーゼクスは自分と戦った時よりも強くなったことに嬉しく思って自然と笑みを溢す。

「あの程度で満足されては困ります。次からはもっと厳しくする必要がありそうですね」

その隣で解析を行っているグレイフィアからのきついお言葉に苦笑する。

 



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駒王協定

新たな力によってカテレアを倒した火月の背後から魔力弾が放たれるも火月はそれを避ける。

「………………………………何のつもりだ? 白龍皇」

敵である魔術師ではなくて明らかな敵意を持って攻撃してきたヴァーリを見据える。

「流石だ。まさかカテレアを倒してしまうとは思いもしなかった…………………いや、俺自身、君の実力を甘くみていたと言うべきか。とにかく今回のテロに加担してよかった。君のような強者と出会えたのだから」

その発言に火月だけではない。全員が驚く。

今回のテロによる襲撃の裏切り者はヴァーリだった。

「……………この状況で反旗か、ヴァーリ」

「そうだよ、アザゼル。こちらの方が面白そうなんだ」

白龍皇の裏切りにアザゼルは自嘲し、ヴァーリは旧校舎から姿を現した一誠に告げる。

「俺の本名はヴァーリ。――――――ヴァーリ・ルシファーだ」

ヴァーリは先代の魔王ルシファーの血を引く者。旧魔王の孫である父と人間との間に生まれた混血児。半分人間だから偶然にも白い龍(バニシング・ドラゴン)を宿した。

「嘘よ………。そんな……………」

その真実にリアスは驚愕するもアザゼルが肯定した。

「事実だ。もし、冗談のような存在がいるとしたら、こいつのことさ。俺が知っているなかでも過去現在、おそらく未来永劫においても最強の白龍皇になる」

ヴァーリの背中から光の翼と共に悪魔の翼が幾重にも生える。

「なぁ、兵藤一誠。運命とは残酷だと思わないか? 俺のように魔王プラス伝説のドラゴンみたいな思いつく限りの最強の存在がいる反面、そちらのようにただの人間に伝説のドラゴンが憑く場合もある。いくらなんでもこの偶然は残酷だと思うよ。ライバル同士のドラゴン神器(セイクリッド・ギア)とはいえ、所有者二名の間の溝はあまりに深すぎる」

ヴァーリはライバルである一誠の事を調べた。その結果ただごく普通の男子高校生だった一誠を知って落胆よりも笑いがでた。

「正直、彼が俺のライバルだったら俺も心から嬉しいのだが、ああそうだ。こういう設定はどうだろうか? キミは復讐者になるんだ! 俺が君の両親を殺そう。そうすれば、キミの身の上が少しはおもしろいものになる。親を俺のような貴重な存在に殺されれば晴れて重厚な運命に身を委ねるとは思わないか? うん、そうしよう。どうせ、キミの両親は今後も普通に暮らし普通に老いて、普通に死んでいく。そんなつまらない人生よりも俺の話した設定の方が華やかだ! な?」

「殺すぞ、この野郎」

ぼそりと一誠はそう口にする。

ヴァーリの勝手な都合で自分をここまで大事に育ててくれた両親を殺される。それにより、一誠は怒りを露にする。

「てめえなんぞに俺の親を殺されてたまるかよォォォォォォォォォッッ!!」

『Welsh Dragon Over Booster!!!!』

一誠の怒りに呼応して赤い鎧を纏う。

赤龍帝と白龍皇。二人の戦いが始まるなか、火月はリアスの傍に降りる。

「リアス姫」

「ええ、わかってるわ」

真剣な顔で頷くリアスは理解している。今の二人のオーラは限界を超えている。近づくだけで焼き死ぬということぐらい。

リアス達にできることは一誠が勝つことを信じるだけ。

基本スペックが違い過ぎる二人の差。それでも一誠は馬鹿を貫き通してヴァーリに一撃当てた。その一撃には龍殺し(ドラゴン・スレイヤー)も含まれた一撃の為にヴァーリは口から鮮血を吐くも笑っていた。

鎧は修復されて戦いは継続されるなか、一誠はヴァーリの白龍皇の宝玉を手に取って白龍皇の力を取り込んだ。

馬鹿を貫いた結果、相反する白龍皇の力も手に入れた一誠。

そんな一誠にヴァーリは本気を出した。

『Half Dimension!』

宝玉の音声と共にまぶゆいオーラに包まれたヴァーリが眼下に広がる木々に手を向けると、木々が一瞬で半分の太さになってしまう。

「赤龍帝、兵藤一誠。おまえにもわかりやすく説明してやろう」

と、アザゼルはいやらしい笑みと共にとんでもないことを口にする。

「あの能力は周囲のものをすべて半分にしていく。つまり白龍皇が本気になったら、アーシア・アルジェントを含めた女性全員のバストも半分になる」

「………………………………」

それを聞いた一誠は一拍空け。

 

「ふざけんなァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!」

 

一誠のドラゴンの力が爆発的に跳ね上がった。

「もう、イッセーたら…………………」

「あらあら」

「イッセーくん………………」

「………………最低です」

ギャスパーを除いたグレモリー眷属は呆れ、それでも一誠らしいと頭を悩ませる。

「にゃはは♪ 赤龍帝ちん面白いにゃ」

「う~~~ん、お姉さんも半分にされたら困っちゃう」

「うん、それでこそイッセーだ」

「え、え~~と…………」

『ギャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!』

それぞれの反応を示す。特にアルドは大笑い。

女性陣のおっぱいを守る為に爆発的に跳ね上がった力でヴァーリを圧倒する。

それでも嬉々として笑うヴァーリは不吉な言葉を口にする時、ヴァーリの仲間である孫悟空の子孫である美猴が現れてヴァーリと共にこの場から去って行った。

それから戦闘後の後処理と対テロ対策を思案するなかでこれだけは確定した。

和平は結ばれてそれを『駒王協定』と称されるようになった。

後日―――

アザゼルはオカルト研究部の顧問となってグレモリー眷属と火月たちの神器(セイクリッド・ギア)を正しく成長させ、禍の団(カオス・ブリゲード)の抑止力の一つにする。

赤龍帝である一誠と祐斗の聖魔剣のことについて話が終えるとアザゼルの視線は朱乃に向けられる。

「まだ俺らが――――いや、バラキエルが憎いか?」

「許すつもりはありません。母はあのヒトのせいで死んだのですから」

「朱乃、それと火月。おまえらが悪魔に降ったとき、あいつは何も言わなかったよ」

「当然でしょうね。あのヒトが私たちに何か言える立場であるはずがありません」

「そういう意味じゃねぇさ。いや、まあ俺がおまえら親子の間に入るのも野暮か」

「あれを父だと思いません! あのヒトのせいで火月は…………ッ!」

「姉さま」

それ以上はいい、と朱乃に声を投げる火月。

アザゼルもそれ以上は何も言わなかった。

これからも色々なことが起こりそうな予感を抱きながらオカルト研究部は夏休みを迎える。

 



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朝の性処理★

久しぶりに夢を見た。

それはまだ幼い頃の夢。姉である朱乃と一緒に眠っていた頃、夜中にトイレに行きたくなって起きた時に両親である朱璃とバラキエルの部屋から声が聞こえた。

普通の会話なら火月もまた素通りしていた。だけど、聞こえてきたのは悲鳴に近い呻き声に気になってそっと両親の寝室を覗くとそこには――――

 

「あらあら、この程度で根を上げるなんて衰えたのではありませんか? あなた」

「ああっ! いい! もっと、もっと私をしごいてくれ!!」

 

全裸で逆M字開脚で縛られて悦んでいる父親とその上から股間に蝋燭の蝋を垂らす満面な笑みの母親の姿が。

「………………………………………………………」

火月はそっと扉を閉めてトイレに向かった。

両親のSMプレイを目撃したことは夢だと思って忘れよう。

しかし、その日を境に夜中は扉が少しだけ空いていた。

 

 

 

「………………………………変な夢を見た」

目を覚ますと見慣れた天井を見ながらぼやく。

どうして今更あんな夢を? と思っていると視界に紅色が映る。

「どうしたの?」

紅髪の女性リアスは顔を覗き込むように尋ねてくる。

当然のように全裸で。

ついでも言えば火月は全裸ではない。浴衣を着ている。

「いえ、ちょっと変な夢を見まして……………リアス姫が気にかけることはありませんよ」

心配させまいとそう告げる火月にリアスは不服そうに頬を膨らませる。

「ねぇ、そのリアス”姫”って呼び方いい加減にやめてちょうだい。私達婚約しているのだから」

それに

「もうすぐ冥界に帰るのだから。お父様とお母様にもきちんと話さないといけないのよ?」

「あー、そういえばそうでした………………………」

夏休みを利用して眷属と共に冥界に帰る。それは毎年の事なのだけど今回は違う。

これまではどちらかというとリアスの従者に近かった立場が今年はリアスの婚約者としてリアスのご両親に会わなければならない。

「当主様と奥様にどんな顔をして会えば………………………」

「いつも通りでいいわよ? 貴方は冥界でも屈指の実力者だということは誰もが認めていること。グレモリー家に婿入りしてもおかしなことは何もないわ」

火月はこれまで実績を積み重ねてここ最近ではライザーとの一騎打ちに完勝し、先の事件では旧魔王のカテレアにも勝利した。

そんな実力者を無下にする悪魔はそうはいない。

「それでも気が重い………………」

それが本音だ。

そんな火月にリアスは嘆息する。

「とにかくお父様とお母様には私の婚約者としてしっかりと挨拶すること。いいわね?」

「心得ました」

ともかく腹をくくるしかない。

「さて、話もこの辺にして………………………」

リアスは話を終わらせて朝の処理を行う為に火月に寄り添ってその大きな胸を火月の身体に当てる。

「今日はどこでして欲しいかしら? 手? 口? それとも胸かしら?」

リアスは毎朝、火月の性処理を行っている。

本番行為以外で行われる性処理で火月は毎朝、手、口、胸のどこかで射精している。

「では、胸で」

「ええ」

胸を選択した火月。リアスは火月の下半身に移動して腰を持ち上げて陰茎を胸で挟めるようにすると、舌を出して涎を陰茎に垂らして滑りをよくしてから胸の間に挟む。

「ふふ、もう私の胸は貴方専用の性処理おっぱいね」

胸に挟まれた陰茎はすっかりリアスの胸の中に隠れてリアスは微笑みながら乳房を動かす。リアスの胸の中は暖かくて柔らかくて気持ちがいい。

そのあまりの気持ちよさのせいで顔に出てしまう。

「貴方が感じている時の顔、私は好きよ? 可愛くてもっとしてあげたくなるもの」

そう言って胸の谷間に涎を垂らして滑りをよくする。

滑りが良くなったことで余計に快感が増す火月の陰茎の先端から我慢汁が出てくる。

日に日にどんどん上手くなっているリアスの前戯。

「我慢しないで好きなだけ出していいのよ? いつものように貴方の精液を私にぶちまけて貴方だけの女に染めてちょうだい」

「ぁ……………そ、そろそろ、やば……………………」

リアスのパイズリの気持ちよさに火月は我慢の限界を迎えて陰茎の先端から白い粘液を放出させ、リアスの顔と胸を汚していく。

「んっ……………いっぱい出したわね」

まだ胸の中で震えている陰茎を挟んだままリアスは口元に垂れてきた精子を舐め取る。

胸から陰茎を解放してリアスはティッシュで精子をふき取って部屋を出ていく。

「それじゃ火月。着替えてくるわね」

「………………………………はい」

自室に戻るリアスを見送って火月もまた起きる。

 



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亜麻髪の雌犬★

夏休みを利用して冥界に帰還するリアス達。火月達もまたグレモリー領にあるグレモリー家の本邸にやってくる。

「はぁ、緊張するな………………………」

広く長い廊下を歩きながらそうぼやく火月に朱乃は微笑む。

「あらあら、婚約者さんは大変ですわね」

「姉さま、からかわないで……………」

姉弟でそんな会話をしている時、階段の方から声が聞こえた。

「あら、リアス。帰ってきたのね」

亜麻色の髪をした女性が階段から降りてリアス達に近づいてくると、リアスも微笑む。

「お母さま。ただいま帰りましたわ」

「お、お、お母さまぁぁぁぁあああああっ!? だって、どう見ても部長とあまり歳の変わらない女の子じゃないですか!」

母親だと聞いて一誠は仰天する。

悪魔は歳を経れば魔力で見た目を自由にできる。リアスの母親――ヴェネラナはいつもリアスと同じ年格好で過ごしているとリアスが一誠にそう説明する。

不意にヴェネラナの視線が火月に向けられる。

「朱乃それに火月も久しぶりね」

「ご無沙汰しております」

「お久しぶりです、奥様」

挨拶する姫島姉弟。火月は内心冷汗が止まらない。

「火月はこの前の娘のパーティには随分とやんちゃをしましたわね」

「………………………………その節は当主さまとサーゼクスさまに大変ご迷惑をおかけしてしまい申し訳ございません」

「ふふ、そう畏まって謝らなくてもいいのよ? むしろ夫にはいい薬になったでしょう」

「そう言って頂けるだけで気が楽になります」

早速何か言われると覚悟していたが、この程度で済んだことに安堵する。

 

 

玄関ホールから数時間後、ダイニングルームでリアスとその眷属それから火月とその眷属と共に食事を取る。

グレモリー家当主であるジオティクスとその妻ヴェネラナ、サーゼクスの息子であるミリキャスと夕食を取っていると不意にジオティクスが火月に言う。

「火月くん。今日から私のことをお義父さんと呼んでくれたまえ」

「ハハ…………それは嬉しいことですけど、これまで当主さまとして接して参りましたので今はまだ当主さまと呼ばせてください」

「そうか…………残念だ」

「あなた、性急ですわ。まずは順序というものがあるでしょう?」

「しかし、彼と朱乃くんは幼少の頃から知っているのだぞ?」

「だからこそ、彼は”今はまだ”と告げたのです。火月が慣れるまでゆっくりと待ちましょう」

「そうだな。どうも私は急ぎすぎるきらいがあるようだ」

深く息を吐くジオティクスにリアスの顔は赤くなり、火月は安堵する。

「火月。食後に大事なお話がありますので部屋に来てくださいね?」

「………………………………はい」

やはり、逃れることは出来なかった。

食後に火月はヴェネラナと共にある一室に入る。ここはグレモリー家に数多くある部屋の中で大事な話をする為に行われる云わば会議室のようなところ。

魔術により完全防音され、盗聴の恐れもない完全密室と言ってもいい部屋に入るとヴェネラナは鍵をかけて、首輪を取り出す。

犬につける首輪を自らの首に嵌めるヴェネラナはその場で衣類を全て脱いでいく。

リアス負け劣らずの豊満な胸を揺らしながら下着さえも脱いでいくヴェネラナはその場で四つん這いとなって火月に歩み寄る。

「くぅ~~ん」

「はいはい、待てができていい子ですね~」

犬のような鳴き声を出すヴェネラナに膝を折って亜麻色の頭を撫でると嬉しそうに目を細める。火月は亜空間から犬リードと尻尾プラグを取り出して犬リードを首輪に繋げる。

「お尻をこちらに向けてください」

「はぁはぁ、わん………………………」

命令に従うヴェネラナは四つん這いのまま向きを変えて臀部を火月の方に向ける。

すると火月は既に洪水している秘部に触れて笑みを見せる。

「おや、なに勝手に発情しているのですか? 本当にはしたない雌犬ですね、奥様」

「……………ご、ごめんなさい。久しぶりで、我慢できなくて」

「あれ? 誰がヒトの言葉を言っていいと許可しました? これはお仕置きが必要ですね」

「ひう!」

部屋に乾いた音が響く。火月はお仕置きと称してヴェネラナの尻を叩いた。

「あっ! あっ! 許し……………ひぐ! あ、あぐっ!」

「おかしいですね。この部屋にはヒトは俺一人しかいない筈なのに」

「キャン! キャン!」

「そうそう、ちゃんと謝れば許してあげますからね。では、行きますよ~」

臀部を撫でながら許して尻尾プラグをヴェネラナのアナルに挿入していく。

「んっ、ン、ンン……………」

入ってくる尻尾プラグ。肛門を強引に広げながら奥へ奥へと向かう様に入ってくるヴェネラナはいったいいつからこんなことになったのか、を思い出していた。

それはある日の事だった。

夫であるジオティクスがグレモリー家の当主として日々激務をこなしている為に疲労が溜まって夜の営みの数も時間も減っていき、欲求不満が続く中でヴェネラナは火月に目を付けた。

グレイフィアが火月に性教育を施しているのは知っている。なら、少しそれを代わって貰ってこの不満を解消しようと考えた。

それが始まりだった。

ヴェネラナは火月の才能を甘く見ていた。

彼は女を快楽に溺れさせる天性の素質を秘めていて、それを開花させてしまった。

女性の性感覚を的確に見抜き、絶妙な力加減でMの性癖を高めさせて墜としていく。

ヴェネラナはその日より火月の調教を自ら受けるようになっていた。

その結果、今では立派な彼の雌犬と化している。

「『亜麻髪の絶滅淑女(マダム・ザ・エクスティンクト)』と呼ばれている奥様の今の姿はさしずめ『亜麻髪の雌犬(マゾ・ドッグ)』ですかね。さて」

「キャン!」

犬リードを引っ張って会議室の奥まで散歩するように行くと火月はソファに腰を落ち着かせるとヴェネラナは恍惚に満ちた表情で火月の股間に近づいて行く。

「待て」

その言葉にピタリと動きを止める。

「よし」

動くことを許可されたヴェネラナは火月の股間に顔を埋めを頬ずりする。むくむくとズボン越しに大きくなっていく陰茎に興奮するように息を荒くするヴェネラナは顔を上げて火月を見る。

「手を使うことを許す」

許しを得て手を使ってズボンを脱がしていくヴェネラナは待っていたと言わんばかりに陰茎にしゃぶりつく。

「レロ、ジュル……………チュパ、ヂュル、ジュル、んっ………………」

犬のように陰茎を舐めるヴェネラナに火月は小さく息を吐く。

「当主さまもお可哀想に。自分の奥さんが男のチンポを夢中にしゃぶるただの卑しい雌犬だなんて。少しは我慢ができないのですかね~」

「キャウン!」

ぎゅっと乳首を抓るとヴェネラナは嬌声をあげた。

「まぁ、そんな雌犬でもリアス姫の御母上なのですから大切に調教してあげますけど。ああでも明日は明日ですることがあるから早めに済ませないと。止め」

火月の命令にしゃぶるのをやめて陰茎を口から離す。

「おねだり」

「クゥ~~~~ン、クゥ~~ン」

尻を向けて誘う様に左右に振るヴェネラナに火月は容赦なくヴェネラナの秘部に陰茎を貫かせる。

「キャイン! キャン! キャン!」

犬の真似声で喘ぎ声を出すヴェネラナの膣内は尻尾プラグをアナルに挿入しているせいか少しきつい。だけどそんなことお構いなしに腰を動かす。

「ほら、欲しくて欲しくて堪らなかったチンポの味はどうですか? これが欲しくて仕方がなかったのでしょう? ほらほら、ヒトに腰を動かさせる前にしっかりと腰を振って気持ち良くしなさい。こっちはいつでも抜いていいんですよ?」

腰を動かすのをやめて膣内から陰茎を抜こうとするも、その前にヴェネラナが離さない様に懸命に腰を振るう。

「あう! あ、ああ! イグっ! イぐ、アぐ、ああ………………ッ!」

「ええ、こっちも準備はいいですよ」

最後は自分も動きに合わせるように腰を振って絶頂を迎える。

「ああああああああああああああああああああああああああああああっっ!!」

久しぶりの精子が膣内に侵入してくる。それを実感しながらも絶頂して思考が飛ぶヴェネラナは快感に全身を震わせるとき、火月はヴェネラナの秘部から陰茎を抜く。

「大事な部屋を汚してしまって。綺麗にしないといけませんよ?」

「はぁ、はぁ………………」

息を整えながら陰茎を舐めて綺麗にしようと舌を伸ばす。だが、火月はヴェネラナの頭に手を置いてそれを止めさせる。

「何をしているのですか? 綺麗にするのはそっちですよ?」

火月が指すのは床。そこには自分の愛液と精液で汚れていた。

「ちゃんと犬らしく綺麗にしてくださいね?」

その言葉にヴェネラナは床を舐めて舌で綺麗に舐め取っていく。

「そうそう、偉い偉い」

きちんと部屋を掃除する雌犬を褒める。

 



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白猫初エッチ★

若手悪魔の会合。

アガレス、バアル、グレモリー、シトリー、グラシャラボラス、アスタロトの六家の次期当主とその眷属が集い、見定める会合。

階級の高い悪魔のお偉いさんや魔王の前で今後の夢と目標を語る。

その六家以外にも眷属を連れて顔を出している者たちもいる。

姫島火月とその眷属達。上級悪魔としてこの場にいる若手悪魔の一人としてこの場にいることを許された。

そして最後にそれぞれの夢を語り、ソーナが己の夢を口にする。

「冥界にレーティングゲームの学校を建てることです」

既に冥界にはレーティングゲームを学ぶところは存在するも、それは上級悪魔と一部の特権階級の悪魔のみ。ソーナが建てたいのは分け隔てのない学舎。

差別のない学校を建てると告げるソーナにお偉いさんは笑った。

それは無理だ、と。これは傑作だ、と。嘲笑を浮かべながら言う。

冥界も変わりつつあるものの、上級と下級、転生悪魔、それらの間で差別は存在してそれが当たり前だと信じる者も多い。

自分達の夢を笑われても堪えるソーナとその眷属たち。

すると―――

「私は賛成しますよ? ソーナさまの夢を」

一人、口を開いた者がいた。

誰もが集まる視線の先には微笑を浮かばせる火月。

「確かに転生悪魔は上級悪魔の主に仕え、才能を見出されるのは常。しかし、これからの悪魔社会にとってはソーナさまの夢はむしろ必要なものだと愚考します」

「………………………………ほう? その理由は」

「これまでは悪魔、天使、堕天使で睨み合いが続いておりましたが、和平が結ばれた以上戦争はまず起こることはないでしょう。現在ではテロリストという問題もございますので余計ないざこざを起こす可能性は低い。なら、これからの悪魔社会で一番重要とされるのはレーティングゲーム。この冥界に住まう誰もが楽しみにしているそのゲームをより盛り上げる為にもゲームのルールだけではなく、ゲームに参加する悪魔にも知識を身に付けさせるのも一興でしょう。勿論、知識だけでなく、技術、魔法も踏まえていずれ建てるソーナさまの学舎で学ぶ学生とぜひゲームで対戦したいものです」

火月の言葉にお偉いさんは顔を顰めるも言葉がでない。

レーティングゲームは悪魔社会でも重要とされているもの。それを盛り上げる方法を提示されたらそれを否定する言葉は出せない。

更にそれを口にしたのは姫島火月ということもある。

実績を積み上げ、その実績に似合う実力も有している彼の言葉を嘲笑うことなどできない。

「失礼。己の分を弁えずに過ぎた発言をしてしまった事に謝罪させて頂きます」

頭を下げて謝罪の言葉を口する火月はそれ以上は口を開かなかった。

そして、若手悪魔同士のゲームでリアスとソーナが競うこととなった。

そして会合が終えるとソーナは火月に歩み寄る。

「火月くん。ありがとうございました」

「いえ、お礼を言われるほどではありませんよ? むしろ、その礼は匙にしてあげてください。俺はあくまで第三者の立ち位置として意見を述べることしかできませんでしたけど、匙は真っ直ぐに会長の夢を肯定したのですから。いい眷属を持ちましたね」

「ええ、そうですね」

小さく笑みを見せる。

「それではソーナ姉さま。また」

「ふふ、懐かしい呼び方をしてくれますね。ええ、また」

そこで話を終わらせて火月はリアスたちと共にグレモリー家に戻る。

 

 

 

 

グレモリーの庭の一角にポツンと存在している和風の温泉。

その女風呂でリアスたちは一糸まとわぬ恰好で温泉を満喫している最中、黒歌が小猫の隣に寄る。

「はぁ~~、いい湯にゃ………………」

姉妹揃って温泉に浸かるなか、黒歌が口を開く。

「ねぇ、白音。私に遠慮してない?」

「…………………なんのことですか?」

「好きなんでしょ? 火月のこと」

ストレートに告げる黒歌の言葉に目を見開いて黒歌を見る小猫だが、黒歌はいたって真剣だった。

「……………………いつから、その」

「にゃふふ♪ 白音のお姉ちゃんだからね。すぐに気付いたにゃ。で、どうなの?」

「………………………………はい、好きです」

小猫は小さく声で確かに己の気持ちを口にする。

「…………………先輩のおかげで私はまたこうして姉さまと一緒にいることができます。もし、先輩がいなかったらきっと私は………………………」

「そうね。だから私も好きになっちゃったもの………」

でもね、と。

「私に遠慮なんかしなくていいのよ。火月はこんな私を受け入れてくれた。白音のこともきっと受け入れてくれるはずよ。だから私に遠慮せず火月に抱かれなさい」

「……………………黒歌姉さま、いきなりそれは」

「あら、私はそうしたわよ? 猫又なんだから気に入った雄は早めにゲットしないと」

獣だったにゃー、と暢気に初体験について語る。

「もし白音にその気があるのならお姉ちゃんは応援するにゃ。でも、子作りはまだダメ。どうしてもしたいのなら一度お姉ちゃんの部屋にいらっしゃい」

猫魈の出産は心身共に成熟した状態でないと危険を伴う。小猫はまだ未成熟の為にもし子を宿したら母子共に耐えられずに死ぬ可能性が高すぎる。

そう忠告して離れて行く黒歌。

「………………………………」

小猫は難しい顔で真剣に悩む。

 

 

 

 

火月は自室で明日からのトレーニングについて考えながら休んでいると誰かが扉をノックする。

「どうぞ」

「………………………………失礼します」

火月の部屋に入ってきたのは白装束姿の小猫。

「どうしたの?」

いつもと違う雰囲気に当てられて小猫に近寄る火月。すると、小猫は火月に抱き着く。

「……………………先輩、好きです」

「えっ……………」

「部長の次でも黒歌姉さまの次でも構いません。私を先輩のお嫁さんにしてください」

真っ直ぐに火月を見上げながら告白する小猫。あまりにも突然な告白に驚き、戸惑うも真剣に自分の気持ちを伝えているのは見てわかる。

「もし、もし少しでも先輩にその気があるのなら抱いてください。そうでないのならきっぱり先輩のことは諦めます………………………」

明日からトレーニングという前日に予想外の出来事に思考が追いつかない。

だけど、自分に告白してくれた小猫の気持ちには応えないといけないのだけは理解出来る。

「…………………小猫ちゃん。急な告白に正直驚いているし、俺は今まで小猫ちゃんのことを妹のように思っていた」

妹。その言葉にしゅんと顔に陰が入る。

「だけど、今の告白を聞いてホッとしている自分がいる」

「…………え?」

「小猫ちゃんから告白されるまでどうやら俺は小猫ちゃんのことを妹のように思っていただけで本心は誰にも渡したくないって嫉妬していたみたいだよ」

苦笑しながら自分の気持ちを素直に吐く。

「俺も好きだよ、もちろん一人の女の子として俺も小猫ちゃんのことが好きだ。ま、まぁ、リアス姫やもちろん黒歌のことも色々あって大変かもしれないけど、俺のお嫁さんになってくれますか?」

「………………はい」

改めて告白する火月に了承する小猫の表情は幸せに満ちていた。

火月は小猫の顔を上げさせて唇を重ねる。

「………………………にゃあ」

初めての異性との接吻。恥ずかしいけど嬉しいのか、猫耳と尻尾が動いている。

火月は小猫を抱えてベッドの上に寝転がす。

まだ幼く華奢な小猫の身体を撫でながらもう一度唇を重ねながら白装束を脱がす。

「これは…………?」

白装束を脱がせて一糸まとわぬ姿となる小猫の下腹部に何かしらの術式が施されていた。

「……………く、黒歌姉さまが施してくれました。その、避妊の術式だと」

「あいつ……………まぁいいけど」

脳裏に満面の笑みを浮かべているエロ猫を思い浮かべる火月だが、それを追い払って小猫の身体に触れる。

「…………ふぅ、んっ」

まだ触っているだけなのに敏感に反応する。

だけど、その初々しい反応がまた男心をくすぐる。

「………………先輩。私、背も胸も小さいから、先輩を気持ちよくできるか…………………」

「俺はそんなこと気にしないよ」

小柄な体格を気にする小猫だが、火月は気にする素振りすらなく小猫の乳首を舐める。

「うにゃ…んっ、はぁ………………………」

舌を動かして小猫の胸を堪能する火月は指で小猫の秘部に触れて準備させる。

背丈が小さい為に秘部もしっかりと濡らしておかないと余計に痛い思いをさせてしまう。

「んっ、ん…………はにゃ………………………」

双眸を閉ざして猫耳をピクピクと反応させる小猫。その尻尾は火月の右手首に巻き付いて離さないようにしている。

秘部から十分な愛液が出ているのを確認すると、火月は自分の陰茎を取り出す。

初めて見る男性の性器。不思議と怖いとは思えなかった。

「行くよ?」

「………………………………はい」

秘部に当てて少しずつ挿入していく。だが、予想以上に小猫の膣内は狭く、きつい。

「んっ、はっ、あっ……………せん、ぱい」

それでも嫌がるどころか受け入れようとする小猫が愛おしくなる火月は時間をかけて小猫の奥に到達する。

「ああ、今でもイキそう………………………」

それでも耐えて腰を動かす。

「にゃ、あ…………んっ、ふにゃ……………ああっ」

自分が異性と交尾している。そのことを実感しながら必死に腰を動かしている火月の姿に嬉しく思えた。

自分のようなちっこい体でも気持ちよくなってくれる。

それが嬉しくて仕方がなかった。

「ああ、小猫ちゃん、小猫ちゃん…………………ッ」

「…………………あっ、は、はい、どうぞ、せん、ぱい………の好きな、ところに、出して………………………」

自分を呼ぶヒトの想いに応えるように告げる小猫。

すると、火月は小猫の膣内で射精する。

「~~~~~~~~~~~~~~~」

射精されて生まれて初めての絶頂を迎える小猫も全身を痙攣させる。

「………………はぁ、はぁ…………」

「んっ、せんぱい………………」

絶頂の余韻に浸かりながら二人は顔を近づけて唇を重ねる。

 

 

 



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猫又姉妹の修行★

グレモリー眷属、火月とその眷属たちは夏休みを利用しての修行が始まった。

全てにおいて高スペックなリアスと高い実力を有している火月は『(キング)』の素質を高める。眷属達の力を最大限に発揮できるように。

朱乃は新たな力である眷属器(ラスール・ギア)を今よりも使いこなせるようになること。

祐斗は禁手(バランス・ブレイカー)を一日でも長く保たせる。剣の修行は師である沖田総司に指導してもらう。

ゼノヴィアとジャンヌは互いに模擬戦を繰り広げながらゼノヴィアはデュランダルを今以上に使いこなしてジャンヌは本物(オリジナル)に近い聖剣を創り上げる。

ギャスパーは元々のスペックはあるが、何に対しても恐怖するその心身を鍛えないと始まらない。その為にアザゼルが考案した『引きこもり脱出計画!』を行う。

アーシアは身体と魔力の向上、神器(セイクリッド・ギア)の強化。

リリティファは身体面は劣るも、魔力、魔法に長けている為にその能力を伸ばす。

小猫と黒歌は互いに猫魈としての能力を高める。

最後に一誠は―――最上級悪魔であり、ドラゴンであり、元「六大龍王」のタンニーンと実戦方式の修行。

それぞれの修行が開始されて火月もすぐに(キング)として必要なことを行う。

今回の若手悪魔のレーティングゲームには火月たちは参加できない。それは魔王から直々にテロリスト対策の戦力として数えられている。

お偉いさんや各勢力の護衛といった仕事を優先しなくてはならない為にゲームに参加する余裕はない。

ゲームに参加できないことに残念に思うことはあるも、仕方がないと割り切るしかない。

そんなこんなで修行が続くなか、火月は黒歌に呼ばれて部屋に向かう。

「どうした? 何かあったのか?」

「ちょっと白音との修行に付き合って欲しいのよ」

真面目に修行していることにちょっと意外に思った火月は尋ねた。

「それはいいが、俺は何をすればいいんだ?」

仙術の基本は己と他者と自然の気のあり方を把握すること。ともかく精神集中、座禅が一番基本で成長に一番いいのは黒歌から教わったのでよく知っている。

「………………先輩、すみません。少しの間だけ協力してください」

「いや、嫌ってことはないから大丈夫。二人が強くなるなら俺はいくらでも協力するから」

小猫の頭を撫でながら言う火月に頭を撫でられて嬉しそうにする小猫に微笑む。

すると黒歌が――

「じゃ、服を脱いで欲しいにゃ」

「え? なんで?」

「これも仙術の修行にゃ。いくらでも協力してくれるのよね?」

にんまりと笑いながら言う黒歌に渋々と服を脱ぐ。

「あ、パンツも脱ぐにゃ」

「いや、パンツは勘弁して欲しいのだけど………………………」

「もう身体を見せ合うどころか何度も子作りした間柄なんだから恥ずかしがることはないでしょう? ねぇ、白音」

「………………………………はい。私、大丈夫ですから」

黒歌もその妹である小猫も抱いた火月は羞恥心に悶えながらパンツも脱ぐ。

「それじゃこっちを向いて。あ、手は後ろに回してね」

黒歌に言われた通りにする火月の前に二人の猫又姉妹がじっと火月の身体を眺める。

「さて、始めるにゃ」

黒歌はそう言って火月の乳首を舐める。

「お、おい! これって本当に仙術の修行なのか!?」

「あら、嘘は言ってないわよ? いいから大人しくしてるにゃ」

舌を這わせ、ざらざらだけど柔らかくてぬめっとした温かい感触が乳首を刺激する。クチャクチャと卑猥な音を鳴らしながら火月の乳首を責める黒歌は小猫に手招きする。

「ほら、白音も私と同じように」

「…………………はい。先輩、失礼します」

「ちょ、小猫ちゃんまで………………………」

二人の猫又に挟まれて左右の乳首を舐められる火月は今の状況に理解が追いつかなくても身体はどうしても反応してしまう。

勃起する陰茎。それを見た黒歌は。

「ほら、わかる? 今、火月の気は股間に集まっているのよ」

「……………はい、黒歌姉さま。すごく、ビクビクしています」

「雄はこうなると雌を孕ませたくなるの。私や白音にしたようにね」

乳首を舐めながら陰茎を握る黒歌。

「白音も触りなさい。これも修行よ」

「…………………はい」

姉の師事に従って同じように陰茎を握る小猫は黒歌と共に手を動かす。

「全身の気が乱れているわね。それに――」

「……………先輩の気がここに集中しています」

「ちょ、二人共………………………」

昂る性欲。高まる快感。二人にシゴかれる火月は我慢ができなくなっていき―――果てる。

猫又姉妹の手によって射精する火月の精子は陰茎の先端から放出されて宙を飛び、床に飛び散る。

黒歌は手についた精子をペロリと舐める。

「これが子種。白音、貴女も味を知っておきなさい」

「…………………………はい。んっ」

黒歌の手についた精子を舐め取る。口に入れて飲み込む小猫の官能的な表情に気持ちが昂る。

「これがいずれ私達の中に入って子供になるのよ。覚えておきなさい」

「………………………はい、先輩の赤ちゃんの素ですから」

なんとも刺激的な会話をする二人だが、火月は大きく息を吐く。

「………………………………気は済んだか? このエロ猫」

笑う火月。だが、その眼は一切笑ってはいなかった。

その眼に冷汗を流す黒歌はぎこちない笑みを作って―――

「お、怒っちゃいやにゃ♪」

可愛らしくそう言うももう遅い。

火月は雷光を鞭の形に変えて黒歌を打つ。

「にゃん!」

「………………………調教してやる、このエロ猫!」

「あう! にゃ! あっ!」

雷光鞭でビシビシと打つ火月は黒歌を調教するも黒歌は打たれる度に恍惚の笑みを浮かべる。

「ほら、こうされたかったんだろう? まったくとんだドMのエロ猫だ。淫乱にも限度があるぞ! 俺が主でよかったな、ドM淫乱猫」

「はい! 火月が主様で幸せですにゃ! だから、もっと、もっと打って! ビシビシと鍛えて欲しいにゃ!」

「いいだろう。俺は(キング)として情けない眷属を鍛える義務がある。ありがたく思え!」

「にゃ! はい、ありがとう、ございますぅ!」

鋭くしなる鞭の一撃が黒歌に当たり、その度に黒歌は嬌声を上げて悦んでいる。急に始まった姉と先輩のSMプレイに何とも言えない小猫。

「小猫ちゃん、おいで」

すると火月は手招きする。恐る恐る近づいていく小猫に火月は自分の陰茎を小猫の顔に近づける。

「悪いけどフェラしてくれる? 見ての通り今は手が離せないから」

完全にSのスイッチが入っている火月に小猫は眼前ある陰茎を凝視しながら生唾を飲み込む。

前に自分の中に入った陰茎。小猫はどうするか悩んでいると不意に頭に手を置かれた。

「んぐ!?」

「ああ、小猫ちゃんの口の中、気持ちいいよ……………」

強引に口の中に陰茎を挿入された。

顎が外れるぐらい大きい陰茎を口いっぱいに頬張り、強引に喉奥まで突かれる。

息ができなくて苦しく涙が出てくる。

だけど何故か嫌な気はしなかった。乱暴に強引にされているはずなのに不思議と込み上げてくるものがある。

「んっ、んぐ、んん、ん!」

「あっ! あ! いい! もっと!」

乱暴な口淫(フェラ)をされる小猫。

雷光の鞭で打たれて嬌声を上げる黒歌。

「ああ、イク……………」

「ンンンッ!? ンンっ!」

小猫の口の中で射精する火月。小猫は口の中で一気に溢れ出てくる精子に驚いて火月の手を払って陰茎から口を離す。

「ケホ、コホ………………………」

口から精液を吐き出してやっとまともに空気が吸える小猫に火月は言う。

「ダメだよ、小猫ちゃん。ちゃんと飲まないと」

「ご、ごめんなさい………………………」

「まぁ、初めてだからしょうがないか……………でも、掃除はして貰おうかな。黒歌と一緒に」

精子を吐き出したことを許して精液塗れの陰茎を見せる。

鞭で打たれていた黒歌は四つん這いで近づいて迷うことなく陰茎を舐める。

「レロ、チュル…………んっ、チュ、ほら、白音も一緒に、ね」

「……………………………はい。ん、チュル…………ヂュル、ジュル」

二人の猫又姉妹の舌で陰茎についた精子を舐め取ってもらう火月は二人に言う。

「二人共いい子いい子。きちんと掃除をしたらご褒美をあげるから頑張って」

「「はい…………」」

ご褒美。その言葉でより熱心に掃除をする猫又姉妹に火月はSの笑みを浮かべる。



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騎士たちの調教★

「ハァァアアアアア!!」

聖剣デュランダルを振るうゼノヴィア。デュランダルから放たれる斬戟と共に波動が放たれてジャンヌを襲う。

ジャンヌはその波動を躱して神器(セイクリッド・ギア)聖剣創造(ブレード・ブラックスミス)』の能力でゼノヴィアの足元から聖剣を生やすが、デュランダル一振りで聖剣を破壊する。

互いに攻防を繰り広げながら己の力を底上げしていく二人の訓練。

「頑張ってるな、二人共」

「火月か……………」

「あら、火月。どうしたの?」

「休憩ついでに眷属の様子見。それに二人に差し入れ」

弁当を見せると二人は休息を取ることにしてこの場で差し入れを食べる。

「調子はどう?」

「やはりデュランダルの扱いは難しい。修行前よりかはマシにはなってはいるが……………」

難しい顔で現状の様子を話すゼノヴィア。

デュランダルは持ち主の言うことを聞かないじゃじゃ馬。ゼノヴィアの表情からその意味がわかる。

「お姉さんは順調よ。以前よりも創れる聖剣の質も量も向上したわ。やっぱり本物(オリジナル)があるとないとでは違うわね」

ジャンヌの方は問題はないようだ。それにジャンヌは既に禁手(バランス・ブレイカー)にも至っている。

特に問題という問題はないようで安心した。

(キング)として何か助言してあげたいが、聖剣に関してはゼノヴィアの方が詳しい。余計な入れ知恵で混乱させるわけにはいかない。

「ところで話は変わるのだけど」

「どうしたの?」

眷属器(ラスール・ギア)ってどうやったら発現するの?」

「それは私も知っておきたいな。どうすればいいんだ? 火月」

眷属器(ラスール・ギア)。火月の持つ神器(セイクリッド・ギア)地殻龍の脚甲(アルド・ブーツ)』より誕生した神器(セイクリッド・ギア)モドキ。

現在では姫島朱乃のみがその力を発現しており、その方法は神器(セイクリッド・ギア)に宿るアルドが他者に蓄積しているドラゴンのオーラを後押しすることで発現する。

つまり、セックスだ。

もっとわかりやすく言えば膣内射精(なかだし)だ。

それを伝えたら実の姉とセックスした、と言っているようなものだ。

どう説明しようか悩んでいると――――

『そんなもん簡単だぜ。相棒に抱かれればいい』

内に宿るドラゴン、アルドがあっさりと言った。

『相棒の姉はともかく、お前さんたちにはそれが一番効率がいいぜ』

一瞬冷汗を流すがしっかりとこちらの気持ちを汲んでくれるアルドに安堵する。

「つまり、子作りをすれば……………」

眷属器(ラスール・ギア)が手に入る………………………」

二人の目の色が変わった。

女としての悦びと新しい力が手に入る好奇心が一度に満たされる。二人は早速と言わんばかりにその場で服を脱ぎ始める。

「まさかこんな簡単な方法だなんてお姉さん驚いたわ」

「ああ、だけどこれはこれでいい経験だ。ほら、火月も準備をしてくれ」

羞恥心もなく服を脱ぎ始める二人の白い肌が外気に触れる。人気のない森の中とはいえ躊躇うことなく全裸になるのはどうなんだろう、と思う火月は間違っているのだろうか?

修行中に野外セックスすることになるとは誰が予想できるか。

ジャンヌの綺麗な白い肌。リアスや朱乃、黒歌と違って胸は大きくはないけれど、ちょうど手の平で収まるぐらいの形のいい乳房。その先端には綺麗なピンク色の乳首。腰はくびれがあり、太もももすらりとちょうどいい細さをしている。

ゼノヴィアはジャンヌより乳房はあり、十分な揉み応えがある。教会の戦士としてその身を神に捧げていたが、今は火月にその身を捧げている。鍛えている為に若干筋肉質な身体だが女の子特有の柔らかさも備わっている。

ジャンヌもゼノヴィアも誰もが認める美少女。その美少女が眼前で一糸まとわぬ恰好となって何もしないわけにはいかない。

外でするのは初めてだが、ここでとまるわけにはいかない。

二人を両腕に収めてまずは口づけから始める。

「んっ、ん……………はぁ、久しぶりのキスね…………」

「ん……………何度しても不思議な気持ちになる」

交互に口づけをしながら二人の唇を堪能しつつ、両手で二人の胸を揉み始める。

ちょうどいいサイズのジャンヌの胸と揉み応えがあるゼノヴィアの胸を一度に堪能する。

「ん、はぁ………あっ、乳首、だめ………………………」

「んんっ、ん、はぁ、ふふ、こうされるたびに自分が女だと実感されるよ………………………」

乳房を揉み、乳首を抓むなどして快感を高ませていき、ジャンヌとゼノヴィアも火月の首筋を舐めたり、乳首を弄ったりなどして気持ちよくしていく。

「ねぇ、マスター。そろそろお姉さんにマスターのおちんちんをちょうだい………………………」

「私も、触れ合いだけで求めてしまうんだ……………」

互いにおねだりをする二人は近くにある木々に手をつけて臀部を持ち上げる。

秘部からは既に愛液に溢れて準備ができている。後はそこに陰茎を挿入して射精するだけだ。

切ない顔で陰茎を求める美少女たちに火月は微笑んでアナルに指を突き入れた。

「ひぐっ!? あっ、ま…………そこ、は、ちがう……………!」

「んぐっ!? んっ! ああ、ま…………………」

止めてもらおうと声を上げるも火月は二人のアナルに挿入した指を動かすのをやめない。ぐちゃぐちゃとかき回す様に指を動かして二人のアナルを弄る火月は微笑みながら言う。

「黒歌の一件で俺は考えたんだよ。(キング)として眷属の教育はしっかりするべきだと。女性に責められるのも嫌いじゃないけど、男として最低でも眷属の女性ぐらいは手玉に取って置かないといけない」

二人は喘ぎ声を出しながら後ろに振り返る。そこにはSの笑みを浮かべていた火月がいた。

「だからまずは二人を調教するところから始めようと思う」

その時、火月の指から電気が迸る。

「「―――――――――――っ!!」」

声にもならない嬌声が二人の口から出て、秘部から大量の愛液が放出される。

「ん~ちょっと強かったかな? これぐらいは、と」

火月は得意の雷を指から発して二人のアナルに電気を走らせる。

ビリビリとアナルから電気が走る。それが刺激となって二人は絶頂が止まらないせいか、愛液が洪水のように噴き出ている。

脚もガクガクと生まれたばかりの小鹿のように震えて今にも崩れ落ちそうになるも火月がそれを許してくれなかった。少しでも崩れ落ちそうになれば強い電気を流し込まれて再び脚に力を入れなければならない。

「んぐ、ア、イク! と、止まら…………ない! コレ、だめ!」

「あグ! うっ、ああっ! ンぐっ!」

苦痛と快感が入り混じった顔で喘ぐ二人に火月はジャンヌの方の指を抜く。終わったのか、と思って後ろを見るとジャンヌは目を見開いた。

「それじゃ、ジャンヌが欲しいものをあげる」

勃起している陰茎を取り出す。だが、陰茎にも電気が纏っている。

「ま―――――」

今それを挿入されるとまずい、そう思ったジャンヌは制止の声をなげようとするが―――

「―――――――――――――――――――――――っ」

それよりも速く火月の陰茎がジャンヌの膣内に入った。

子宮に直接くる電気が刺激となってジャンヌは頭が真っ白になった。口をぱくぱくと開け閉めして涎を垂らす。数十回分の絶頂を一度に味わったような強力な快感に気絶しなかったのが嘘のようだ。

「思い付きでやってみたけど、これは俺にも結構効くな………………………」

電気が通常の刺激を増幅させてたら快感が増すと思って試しにやってみたまではよかったが予想以上に雷の精密な制御が必要で陰茎に纏わせたら自分の刺激も増してしまう。

だけどこれはこれである意味ではトレーニングにもなると思って腰を動かす。

「あっ! ああっ!これ、だ、め! お、おねえ、さん! 頭が、まっしろに………なっちゃう!」

「大丈夫。頭が真っ白になってもジャンヌは俺の騎士(ナイト)だから」

ゼノヴィアのアナルを指で弄りながらパンパンと腰を動かして音を森中に響かせる。

「んグ!あ、ぃぐ! も、もう、またいぐ!」

ジャンヌは絶頂を迎えると同時に火月もジャンヌの膣内に射精した。

それと同時に耐え切れなくなったのかジャンヌは意識を手放してしまいその場に倒れてしまう。

それを見て火月は頷いた。

「やっぱり微調整が必要だな、これは。次は上手くやるよ、ゼノヴィア」

次の相手――ゼノヴィアは隣で起きた惨劇にただ恐怖するも、火月は止まることなくゼノヴィアの秘部に己の陰茎を当てる。

当然のように微力の電気が施されている陰茎はゼノヴィアの膣内に侵入した。

「ひぐ!? ああ! アぐ! ん! まっ、まってくれ………………! これは…………!」

膣内に挿入されただけで絶頂を迎えてしまった。それだけでなく動く度に快感が増すばかり。これ以上は壊れてしまう。そう思って止めてもらおうと懇願するも火月は止まらなかった。

容赦なく何度も出し入れされる陰茎。動く度に絶頂してしまうゼノヴィアはもうまともな思考はしていない。

ただ苦痛、快感が全身を走り、内側から何か込み上げてくる。

すると、ゼノヴィアは何かの扉のようなものを幻視した。

犯されて、絶頂し過ぎて頭がおかしくなったのか。そう考えるのが一番現実的だろうけどゼノヴィアにははっきりとそれが見える。

そしてその扉が開かれてゼノヴィアはその扉の先に進む。

「イクぞ、ゼノヴィア」

「~~~~~~~~~~~~~~~~~~っっ!!」

最後の思い切った一突き。ゼノヴィアの子宮の一番奥で精子が溢れ出ると同時にゼノヴィアは何度目かわからない絶頂を迎える。

その場で膝を折って崩れ落ちるゼノヴィアはわかったことがある。

痛いのも気持ちがいい、ということに。

 

 



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酒を飲んでも呑まれるな

「あっ、火月」

「リアス姫、それに姉さま」

グレモリー家の廊下を歩いているところで偶然にもリアスと姉である朱乃の遭遇すると同時にリアスが火月に抱き着いてきた。

「……………火月の匂い」

ちょっとばかり変態染みた発言をするリアスに敢えて指摘せず軽く背中をポンポンと叩く。その二人を少し離れた場所からニコニコスマイルで見ている朱乃だが、勘違いしないで欲しい。あれは笑っているけど笑っていない笑みだ。

「火月、それはなにかしら?」

「ああ、これですか?」

リアスは火月が持っている箱のようなものを注視すると火月は中身を見せる。

「お酒……………?」

火月が二人に見せたのは一本のワイン。送り主はセラフォルーだ。

「先ほどセラフォルーさまから魔法陣を介して送ってくださったんです。なんでも酒の席に恥をかかない様に今の内に慣れておいた方がいいと。それと一緒に飲もうとも仰っていました」

「セラフォルーさまがねぇ………………………」

「あらあら、火月ったら魔王さまにまで…………」

何か勘繰るような疑わしい視線を火月に向ける二人だが、火月は話を進める。

「まぁ、せっかくセラフォルーさまのご厚意を無下にはできないから少し飲んで感想でも言おうと思いまして」

「それなら私も付き合うわ」

「では私も」

「はいはい……………」

そこに否定も拒否も許されないのはわかっていた。

火月は二人と共に部屋に戻って早速ワインを開けてグラスに注ぐ。

「貰っておいて今さらですが、未成年がワインなんて飲んでもいいんですか?」

「時と場合に寄るわね」

「そうですわね。まぁ、一杯だけでしたら問題はないでしょう」

まだ高校生である自分達がワインを飲むことに些か複雑な心境だが、ここで飲まない訳にはいかない。三人がグラスに注がれたワインを飲む。

「あら、意外といけるわね」

「ええ、とても滑らかで飲みやすいですわ」

リアスと朱乃は好評。流石はセラフォルーが送ってくれたワイン。味も保証付きだった。

「火月はどう―――――」

「姉しゃまぁぁぁあああああああああっっ!!」

――かしら? と声をかけようとしたリアスだったが、その前に火月が朱乃に抱き着いた。

普段では絶対見せないような小さい子供のような無垢で陽気な笑みと共に。

「姉しゃま、しゅき……………ひっく」

「あらあら」

大きい子供に抱き着かれる朱乃は嬉しそうに笑みを浮かばせながら弟の頭を撫でる。

「火月、酔っているの?」

「酔ってにゃいよ、ひっく」

「酔っているのね………………………」

グラス一杯で完全に酔っ払いと化している火月に小さく息を漏らす。

「姉しゃま、もっとなでて………………………」

「はいはい、うふふ」

自分に甘えてくる弟に存分に甘やかしてあげる朱乃。

「まさか火月がここまでお酒に弱いなんて………………………」

たった一杯で酔ってしまうとは。それも酔った時の状態が完全にお姉ちゃん大好きっ子だ。元々シスコンだったのは知ってはいるけれど酔うとその枷は外れて存分に姉に甘えている。

普段は気が利いて頼りになる火月も酔うとただの甘えん坊の弟だ。

「そういえばあのヒトも………………………」

今の火月を見て朱乃は幼い頃の時を思い出す。

まだあの家に住んでいた頃、酔い潰れている父の姿を見たことがある。

酒に弱いのは遺伝なのだろう。

「ん~姉しゃまのおっぱいやわらかい~」

何度も胸に顔を埋める弟に朱乃はそんなことを記憶の端の追い払う。

今は可愛い弟を愛でる方が優先だ。普段は決してさせてくれない甘え方を今の内に堪能しないで何時堪能すればいい。

「火月。ほら、私のおっぱいも柔らかいわよ?」

リアスも朱乃のように火月を甘やかそうと声をかけるも、火月は一度リアス、ではなくリアスのおっぱいを見て首を横に振る。

「やー、姉しゃまのほうがいい」

「あらあら。ごめんなさいね、リアス」

「うぬぬぬ………………!」

勝ち誇った笑みを浮かべる朱乃に悔しそうに唸るリアスだが、リアスはその場で服を脱いでブラを取り払った。

「ほら、火月。私のところにきてくれたらこの胸を好きにしていいわよ?」

ぷるん、と揺れるおっぱいに火月は反応する。

「ほんと………………?」

「ええ、触ってもいいし吸ってもいいわよ」

「じゃ、いくー!」

リアスの胸に飛び込む火月を抱きとめるリアス。火月は早速、リアスの乳首を吸う。

「んあっ、んっ、ふふ、おっきい赤ちゃんね」

官能的な甘え声を出すリアスは自分の胸に夢中になっている火月に微笑む。

「よしよし、いっぱい吸いなさい」

母性本能を擽られて甘やかすリアス。すると今度は朱乃が服を脱いだ。

「火月。いっぱい甘やかしてあげますわ」

優しい声音で誘う朱乃に火月は朱乃の胸に戻る。

「姉しゃま………………………」

「うふふ」

赤ちゃんのように乳首を吸う弟の姿に微笑む朱乃だがリアスは不機嫌そうに頬を膨らませる。

「朱乃ばかりずるいわ! 私にももっと火月を可愛がらせなさい!」

「やーですわ。火月は私とリアス、どちらがいいですか?」

「んん~~~~?」

朱乃とリアスのおっぱいを交互に見比べる火月は首を傾げながら言う。

「二人いっしょはだめ?」

その一言に二人は妥協した。

二人の胸に挟まれながら揉んだり舐めたり吸ったりする火月を見て。

「朱乃」

「ええ、リアス」

二人は互いに協定を結んだ。今後は交代で火月と二人っきりで甘やかすという協定が。

「それにしても酔うとこんなにも甘えん坊になるなんてね」

「恐らく今まで溜め込んでいたせいもあるのでしょう。火月は幼い頃から私や母に自分から甘えてくるなんてことはありませんでしたから」

「本当はこういう風に甘えたかったのを我慢していたのね」

「そうでしょうね」

元々甘えることを控えていた。そしてあの事件をきっかけに火月は強くなることを何よりも優先した。だからこれはそれまでの分も踏まえて甘えたいという欲求が酒の力で爆発したのだろう。

「これからはこうして甘やかしてあげましょう」

「ええ、そうですわね」

二人で火月の頭を撫でる。すると火月はいつの間にか眠っていた。

満足したのだろう。二人は火月を抱えてベッドまで運び、一緒に横になる。

「ってどうして朱乃も一緒に寝ているのよ?」

「あらあら、いいではありませんか。私だって弟と一緒に寝たいですわ」

火月を挟むように横にある二人。そのまま火月の腕に引っ付きながら眠りについた。

 

 

 

それから数時間後、火月は目を覚まして悶えていた。

酔って幼い子供のように甘えて二人のおっぱいを好きにした自分をしっかりと覚えている。

「俺は何を………………………」

後に酒に酔った火月の姿を弟モードと名称された。



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人魚と性交★

「あああああああああああああああ………………………」

現在進行形で火月は悶えていた。

トレーニングを放置してまでベッドの上で毛布をかぶって悶えていた。

それは先日の酒が原因だ。

セラフォルーから貰った酒を試しに一杯飲んだ結果、完全に酔ってしまって恥ずかしい姿を姉である朱乃とリアスに晒してしまった。

まだ幼い子供ならいいだろう。だが、高校生にもなって甘えるなんて恥ずかしすぎる。

だけど二人はとても微笑ましくいいものを見た、と言わんばかりの顔で去っていた。

――――甘えたくなったら呼んでね?

と、言い残して。

これから先、どんな顔をして二人に会えばいいと苦悩する火月。

そんな火月の部屋の扉を誰かがノックする。

「マスターさま、お時間よろしいでしょうか?」

「リリティファ? いいよ」

「失礼いたします」

自分の眷属であるリリティファを招き入れる。すると、リリティファは毛布に包まっている主の姿に少しばかり目を見開く。

「あ、あの………………………」

「ふ、笑えばいいよ………………俺はどうせ、甘えん坊の子供だよ」

自虐気味に笑む火月だが、リリティファは首を横に振る。

「笑ったりなど……………むしろ、私は安心しました」

「え?」

「お話はお二人から聞きました。マスターさまはいつも気を張り詰めて頑張っておられます。ですから、誰かに甘えたりしない方だとばかり思っていましたので、少し遠いお方だと考えてしまうことも………………………」

「………………………………」

「ですからお二人からお話を聞いてそうではないとわかりました。笑ったりなどしません、むしろ、もっと甘えてもよろしいと思います。マスターさまは立派な(キング)なのですから、時にはそういうのも必要か………………マスターさま?」

「うぅ……………リリティファが直視できない」

眷属の優しい心遣いに涙が出てくる(キング)

そんな(キング)の姿にリリティファは苦笑い。

「リリティファが眷属になってくれて本当によかった……………ありがとう」

火月の眷属のなかで唯一の常識かつ清楚な存在。

偶然とはいえ、眷属になってくれて今日ほど良かったと思う日はない。

しかし、リリティファは首を横に振った。

「いえ、お礼を言うのは私の方です。あの日、海で孤独に苛まれていた私に手を差し伸べてくださらなかったら私はまだあそこで一人でいたでしょうから」

仕事先で偶然とは出会ったリリティファ。

断絶したウェパル家の末裔と知って保護した火月の手をリリティファは手に取る。

「私はマスターさまの兵士(ポーン)。マスターさまが通る道を作りましょう」

それは決意と覚悟の現れ。

自分を助け、手を差し伸ばしてくれたヒトに全てを捧げる。

その意思を火月は(キング)として一人の男として受け止める。

「ああ、これからも一緒に頑張ろう」

「はい。…………………そのためにもマスターさまにお願いがございまして………………………」

「俺に? なんだ? 俺にできることならなんでもするぞ?」

「えっと、その……………」

顔を赤くして魚である下半身の尻尾が揺らる。

言葉を濁らせて何度も口ごもるリリティファに首を傾げる。

そして、意を決してようにリリティファは言う。

「私を………抱いてください………………………」

「………………………………ん? えっと、いま、抱いてくださいって言った?」

確認するように尋ねると頷いて返された。

「私は、眷属の皆さまのなかで一番弱いのは自覚しています。ですから、眷属器(ラスール・ギア)が必要なのです」

なるほど、と一応は納得した。

黒歌は猫又のなかでも上位の種族、猫魈。それも仙術、妖術、魔法の才を持ち、現段階でも高い戦闘能力を有している。

初めて戦った時はギリギリで勝利を掴むことは出来たが、次も勝てるという自信がない。

ジャンヌは英雄の魂を引き継いだ者。普通のヒトよりも圧倒的に強くて神器(セイクリッド・ギア)聖剣創造(ブレード・ブラックスミス)』を宿し、更には禁手(バランス・ブレイカー)にまで至っている。

ゼノヴィアは最近悪魔に転生したばかりとはいえ、教会の戦士としての戦闘経験と聖剣デュランダルの持ち主。

そんなヒトたちと比べれば自分には何もないと思うのも無理はない。

だから何もないリリティファは何かを得ようと考えて眷属器(ラスール・ギア)を必要としている。

「…………………やはり、ヒトの姿をしていない私では駄目でしょうか?」

「いや、そんなことはないけど………………えっと、説得力の欠片もないのは自覚しているし、節操無しだと思われても無理はないけど、俺はそういうのは真面目にしているつもりだ」

眷属全員を調教する気ではあったが、清楚なリリティファを穢すには抵抗があった。

これがエロ猫なら躊躇いすらないが…………。

「力が欲しいのはわかった。だけど、無理してまで俺に抱かれなくても時間をかけていけば自ずと発現できるようになる可能性だってある。それに俺だって嫌な女の子に無理矢理はしたくない」

「嫌ではありません! 私は、私はマスターさまだからお願いしているのです!」

「リリティファ………………………」

「マスターさま…………どうか………………………」

火月は息を吐く。

ここまで覚悟を決めて来てくれた女性に恥をかかせるわけにはいかない。

「あっ…………」

顎を持ってリリティファの唇を奪う。

「……………ん、んん……………は、ぁ………………マスターさま」

唇を重ねて口腔に舌を入れて舌を絡ませ、歯茎を舐める。キスをするたびに漏れる熱を帯びた吐息と甘く、綺麗な美声が火月の心を刺激する。

「人魚の歌声はヒトを魅了し、惑わせるで有名だけど…………リリティファはまさにそれだな。可愛く、美しい声だ」

「あ、ありがとうございます………………………」

「それが俺だけのものと考えるだけでゾクゾクする。主として命令する。もっと聞かせろ」

そう命令しつつ、首筋を舐める。

「んっ、あ、ます、たー…………さま………………………」

「ああ、俺に委ねろ」

ベッドの上に押し倒されるリリティファ。これから自分は女になると自覚しながらも初めての性交(セックス)に身を強張める。

緊張しているリリティファに微笑する火月は優しく触れるように丁寧にリリティファの乳房を揉む。

「ふっ、うっ………………んっ、はぁ………………………」

緊張のあまり瞳を閉ざしているせいか、触れただけで敏感に反応する。尻尾も上下に大きく振っている。

そんな面白い反応をするリリティファの乳房を揉みながらビクビクと反応する姿を楽しむ火月はリリティファの乳首を甘噛みする。

「ふぁ!」

一際大きく反応する。

「マスター、さま、そこ、は………………………」

「そこは? なに?」

そう訊き返すもリリティファの乳首を舐めるのをやめない。

「んっ、あ、んん…………はぁ、あっ」

敏感である乳首を執拗に刺激させて困らせる。その反応が初々しくてたまらない。

「い、いじわる、です………………………」

「そんなことないよ?」

そう返しつつも乳首を舐め、もう片方の乳首を指で弄る。

「はぁ、あっ、んっ…………」

諦観したのか、もう好きにしてくださいというように身を委ねるリリティファに火月は視線を下半身、人魚の象徴である魚の部分を見る。

「なぁ、リリティファの大事なところはどこにある?」

「……………ここ、です」

リリティファは人間でいう股間の位置に手を伸ばして生殖器という穴を広げる。

火月はそこに自分の陰茎を当ててリリティファの貞操を奪う用意をする。

「行くぞ?」

小さくコクリ、と頷くリリティファに火月は挿入する。

「んんっ!! はぁ、あっ!」

膣内を強引に広げて侵入する陰茎が自分の処女膜を破りながら突き進んでいく。

激痛が走り、その痛さのあまり意識が飛び掛けるも必死に耐えて受け入れようとする。

「あっ、ま、ます、ター………さま」

「ああ、俺はここにいるぞ」

手を伸ばすリリティファの手を取りながら最後、自分の陰茎が全て挿入するまで入れた火月はそこから動き出す。

「気持ちいいぞ、リリティファ」

「んっ…………ふっ、ん……………はぁ、マス、ターさま………………………」

求めるように縋るような声を出すリリティファに火月は抱きしめるとリリティファも火月の背中に手を回して抱き返す。

腰を振って何度も膣内を出し入れさせて奥まで突く。

耳元で聞こえる彼女の吐息と美声は魅力的で官能的。いつまでも耳元でその美声を聞き続けたいと思える。

「いい声だ」

率直で素直な感想を述べる。

美声を聞きながら高まっていく快感に身を委ねて火月はリリティファの膣内に射精。精子を放出する。

「―――――――――――――――っ」

絶頂と共にいっそうに激しく痙攣して身を震わせるリリティファは強く火月を抱きしめながら意識を手放した。

清楚な彼女にしては強過ぎる刺激だったかもしれない。火月はゆっくりと陰茎を抜いて離れるとリリティファに毛布をかける。

幻想的な緑色の髪を撫でながら火月は思った。

「………………なんか、冥界に帰ってからセックスばかりしている気が」

不意にそんな気がした。

 

 

 



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雌犬の散歩★

ヴェネラナ・グレモリー。

サーゼクスとリアスの母でグレモリー家現当主であるジオティクスの妻。

優しさと厳しさを併せ持つ淑女。

しかし、そんな彼女には裏の顔が存在している。

「レロ、チュル…………ジュル、ヂュル、チュ………………………」

全裸で四つんばいになり、首には首輪を嵌めて、尻尾プラグをアナルに差し込んで犬の姿をしながら眼前にある勃起した陰茎を美味しそうに舐めている。

その姿は誰もが見たら淑女とは程遠い卑しい雌犬。

男性の性器を貪る彼女の姿を火月はビデオカメラで撮影していた。

「いいですよ、奥様。綺麗に撮れています」

「くぅ~~ん」

犬の鳴き声を真似しながら返答するヴェネラナの頭を優しく撫でる。

火月の調教の結果、雌犬と化したヴェネラナ。この姿を知っているのは火月ただ一人。

本日はそんな雌犬の姿を記録に残すために撮影をしている。

「それにしても驚きました。まさか、奥様がご自分の痴態を撮影して欲しいとは………………当主様、ジオティクスさまにでもお見せするつもりですか?」

その問いに陰茎を咥えたまま首を横に振る。

どうやら違うらしい。

「ヒトの言葉を使うことを許可します」

言語の許可を出すと、ヴェネラナは陰茎から口を離して言う。

「火月…………いえ、ご主人様との思い出が欲しくて………………………」

「へぇ~、オナニー用にですか?」

「はい…………」

恥ずかしそうに頷くヴェネラナの顎を手に取って顔を上げさせる。

「まさか奥様の口からそのようなことを仰るとは……………いいですよ? 他の誰でもないリアス姫のお母様のお願いを無下にはできません。しっかりと奥様の痴態を撮影しましょう。ただし、その時のオナニー姿もきちんとご自分で撮影してくださいね?」

「は、わん」

「ふふ、いい子いい子♪」

忠実な雌犬の顎を撫でる火月は犬リードを手にする。

「では散歩に行きましょうか」

「…………………………わん」

飼い主(かづき)飼い犬(ヴェネラナ)は部屋の外にヒトがいないことを確認して部屋から出て散歩をする。

広い屋敷の廊下で散歩を行う。いつ曲がり角から執事やメイド、娘であるリアスがたちと鉢合わせるかわからないなかで散歩を行うヴェネラナは興奮していた。

万が一に誰かと、それこそ夫や娘と鉢合わせたらと思うと愛液が溢れ出る。

その姿もしっかりと撮影している。

火月自身もヴェネラナ同様にこの状況を誰かに見られでもしたら大変で済む問題ではないが、それはそれで気分が高揚する。

少し歩いていくと、勝手口が見えた。

「外に行きましょうか」

勝手口から外に出て、庭で散歩する。

衣類も下着さえも身に付けていないヴェネラナは吹く風が全身を撫でるように過ぎ去り、夜風の寒さを全身で体感する。

すると―――

ぶるり、と身体を震わせるヴェネラナは困った顔で火月を見る。

「どうなされましたか?」

「くぅ~ん……………」

腰を振るヴェネラナに火月は察して微笑しながら告げる。

「おしっこですね。では、そこの花壇でしましょうか」

夜風で身体が冷えて尿意を感じたヴェネラナを近くの丁寧に手入れされている花壇の前に連れて行く。

「ほら、犬のようにしっかりと片足を上げておしっこしてください」

その姿をしっかりと撮れるように構える。

ヴェネラナは片足を上げる。そしてジョロジョロと黄色の液体を花壇の花にかける。

「ふ、んっ、ふぅ…………」

あられもない痴態を撮られている恥辱とそれを悦んでしまう快感。それと膀胱に溜まっていた尿を外に放出した爽快感。

絡み合った感情を自覚しながら尿を全て出し終える。

「おや? あそこにいるのはリアス姫?」

「!?」

火月の視線の先を慌てて向けるヴェネラナ。そこには部屋のなかで過去のレーティングゲームの記録映像を真剣に見て研究しているリアスの姿が窓の外から確認できた。

それを見て、口を三日月のように歪ませる。

「あそこに行きましょうか」

犬リードを引っ張ってリアスがいる部屋の窓際に向かって歩き始める火月だが、ヴェネラナはそれだけは、と言いたげな目で訴えて抵抗する。

「キャン、キャン」

「ほら、行きますよ」

抵抗しようにも男の力には敵わず、リアスがいる窓際までやってくる。

中の様子を確認すると、部屋の中にいるのはリアスただ一人。それもこちらの視線に気づかない程に集中している。

その真剣な姿に何をやっているんだ、俺は……………と現在の自分とリアスと比べて肩を竦める。

「ほら、チンチン」

「くぅ………………………」

「チンチンですよ? 教えましたよね?」

促す火月。観念したのかヴェネラナは立ち上がって窓に手を当てて臀部を突き出す。

リアスが少しでも集中力を切らすか、視線を横に向ければ自分の母親の痴態を目撃することになるだろう。

その状況化で火月は陰茎を取り出してヴェネラナの膣内に挿入する。

「…………………んっ、ふっ、ンン………………………」

息を殺し、声を抑える。

自分の娘にこんな姿は見せられない。その一心で必死に声を抑える。

「興奮していますね。いつもより締め付けが凄いですよ?」

耳元で囁く。腰を動かす度にタコの吸盤のようにひっついてくるヴェネラナの膣内はいつも以上に締め付けが凄かった。

「ふぅ、ふっ、んん………………………」

(リアス)の前で犯されているヴェネラナ。リアスは今も気付かず、レーティングゲームの記録映像に夢中だ。

「娘の前で娘の婚約者とセックスしている気分はどうですか? お義母さま」

「うっ、………ふっ、あ、ン…………」

答えられない。いや、答えることなどできない。

「まぁ、今の卑しい雌犬の貴女には見られたところでご褒美でしかないでしょうね。そろそろ出しますよ。精々娘の前で鳴いてください」

よりいっそうに激しくなる火月はヴェネラナの膣内の奥に射精する。

「―――――――――――――――――――――――――っ」

声にならない叫びをあげる。

「なにかしら?」

不意にリアスは顔を横に向けて窓の外を見る。

そこには何もなかった。

「気のせいね」

風の音だろうと決めて再び記録映像に意識を集中させるリアスは気付かなかった。

窓際には雨も降っていないのに地面が濡れていたということを。

「ふぅ~危機一髪………………………」

一瞬早く茂みに身を隠したおかげでバレずにすんだ火月は汗を拭う。

「はぁ……………はぁ………………………」

火月の腕の中で呼吸を整えるヴェネラナの膣内にはまだ火月の陰茎が収まっている。

「さて、では」

「きゃぅん!?」

膣内で陰茎が大きくなり、豊満な胸を乱暴に掴まれるヴェネラナに火月は言う。

「せっかくですし、ここで第二ラウンドと行きましょうか」

拒否権はなかった。

茂みに隠れながら始まる第二ラウンド。娘に悟らされない様に必死に声を抑えるヴェネラナ。

飼い主が満足するまで飼い犬の散歩は終わらなかった。

 



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メイドに浣腸★

「ふぅ…………」

(キング)としての資質を上げる為にレーティングゲームの記録映像を見て一息つく。

アザゼルからの基礎トレーニングも合わせて強くなっているか、その実感は正直薄い。だけど、堕天使の総督が無駄なことをさせるとも思えないし、最初に将来性を見据えたトレーニングだと言っていた。

ここはアザゼルを信じて努力するいかない。

コト、と火月のテーブルに紅茶が置かれる。顔を上げるとそこには銀髪のメイド、グレイフィアがいた。

「ありがとうございます、グレイフィアさん」

「いえ、仕事ですから」

冷淡の表情で淡々と告げるグレイフィアに手を伸ばして胸を揉む。

「んっ」

その冷淡な表情が一瞬崩れて口から甘い声が漏れる。

五指を動かして揉みしだく火月にグレイフィアはされるがままに揉まれる。

いつもながら命の危機的な意味でドキドキする。

グレイフィアはきちんと仕事は仕事。オフはオフで切り分けている。

仕事ならグレモリー家に仕えるメイド、オフはお義姉さま。万が一にオフでこんなことをしたら死を覚悟しなければならない。

修行の際も、嵐のような魔力弾や山を斬り裂く手刀を涙ながら躱すほど過酷、いや、そんな言葉が生ぬるいほどの修行を受けている。

しかし、メイド。主に性教育を受ける時はグレイフィアが自分の口から仕事、それに関わることを告げるか、火月と二人っきりの時のみ行われる。

現在この部屋にいるのは火月とグレイフィアだけ。そしてグレイフィアは自分の口から”仕事”と口にした。つまりそういうことだ。

「…………………ふっ、ん」

メイド服の上から揉まれる胸の先端が固くなっているのがわかる。間違いなく乳首が勃っている。というよりも………………………。

「ブラ、されていないんですね?」

「………………………………」

そう訊くも何も答えないグレイフィアに遠慮なく乳首を抓む。

「んっ! んっ、んん………………………」

コリコリと捏ねるように乳首を弄る。その都度、グレイフィアの冷淡な表情が少しずつ崩れていく。

軽く弄るのをやめて腰に手を回して引き寄せる。突然の事に態勢を崩したグレイフィアは火月にもたれ掛かる。

甘い匂いを鼻孔で堪能しつつ手を後ろに回して臀部を持ち上げてグレイフィアを自分の膝上に座らせる。眼前に広がるグレイフィアの豊満な乳房。それを顔いっぱいで堪能しつつ臀部を撫でる。

スカートの上から臀部を揉み撫でる。感触から下はきちんと下着を穿いているようだ。

徐々にスカートをたくし上げて内部に手を滑り込ませて下着の上から触る。

「くっ、ふっ……………」

耳元でグレイフィアの艶のある声が耳朶を震わせるたびに陰茎がズボン越しに大きくなり、速くグレイフィアの膣内に挿入させろ、と訴えている。

だが待て、お前の出番はまだ先だ。と自分の息子に鎮めさせつつ下着の中に手を入れる。

手触りだけでもわかる滑々な肌と張りのある臀部。何度見て触っても飽きることがないグレイフィアの身体。

ちなみに全裸にするのは禁止にされている。仕事としてやり遂げたいかららしい。

臀部を撫でながら火月はふと思いついた。

そして、実行。グレイフィアのアナルに指を挿入させる。

「――――っ」

いつもとは違う場所に指を挿入されてビクッ、と背筋を伸ばす。

「んぐ、うっ……………そ、そこ、は!?」

「そこは、なんですか?」

違うと言いたいグレイフィアだが、指先から軽く電気を流して直腸を直接刺激させて黙らせる。

「もしかして後ろは初めてなんですか?」

「……………………………………………」

質問には答えない。しかし、その恥辱に濡れた表情が答えを明確に表している。

「サーゼクスさまとはアナルセックスされなかったのですね。ふふ」

微笑む火月。

グレイフィアを抱きかかえてベッドの上まで運び、臀部を上に向けてスカートをたくし上げて下半身を丸見え状態にする。

本当に何度見ても子供を一人産んだとは思えないほど綺麗だ。

物欲しそうにヒクヒクと動いているアナルに再び指を入れるのはいい。だけど、それは以前にゼノヴィアとジャンヌにしたばかりの為、今後の性活の為に新たな性技を会得しておきたい。

じゃないと、今度掘られるのは自分の番だから。

「いや、それはそれでいいけど………………でもなぁ」

想像する。四つんばいにされて自分の尻の穴に女性陣の指が入ってくる感覚を。尻の穴に指が侵入して強引に奥へ奥へ腸内を広げながら入ってくる。不快感と快感を同時に感じながら尻の穴を開発されていく自分の姿を。姉である朱乃やエロ猫なら喜んでやりそうでドキドキ。

と、今はそれを考える時ではないと思考を切り換えてグレイフィアの臀部を撫でながらどうしようかと考えている時、視界にあるものが入った。

「………………………………そういえばまだ、だったな」

火月が手にしたそれは先日、セラフォルーから頂いたワイン。それを見たしまったグレイフィアは流石に目を見開いた。

「ま、待ってください、それはさすがに………………………」

「大丈夫ですよ、ちゃんと穴をほぐしてから飲ませてあげますから。まぁ、飲むのは上の口ではなく下の口ですけど」

微笑みながら告げる火月はちゃんと入るように指でアナルをほぐす。

これまでSMでまだ試していなかった浣腸プレイ。せっかくなのでグレイフィアで試すことにした。

「ふぐ、んっ、あぐ…………くぅ…………………」

「弄っているのはこちらなのに、愛液の量が凄いですね」

アナルを弄っているのに秘部から漏れ出る愛液がシーツを汚している。後で取り換えて貰わなければいけないほどに。

「とりあえず、これぐらいかな? グレイフィアさん。俺も浣腸プレイは初めてですので痛かったら言ってくださいね?」

「………………………………あっ、ま、まっ」

「では行きます」

瓶ごと挿入させてワインを腸から飲ませる。

「ンぐ!? つ、つめた……………い、のが、はいって………………………」

「へぇ、ちゃんとした道具がなくても随分とお飲みになるのですね? どうぞ、遠慮なくワインをお飲みください」

三分の二は残っていたワインもあっという間に三分の一まで減った。

どうやらグレイフィアは酒がお好きなようだ。

「と、まぁこれぐらいで………………………」

流石に初めてのプレイの為に加減が分からない以上は妥当だと思うところで妥協して瓶をグレイフィアのアナルから抜く。しかし、グレイフィアはアナルに力を入れて入り口を閉ざしている。

どうやら出さない様に耐えているようだ。排泄行為を間近で見られるのと同じだからそれが当たり前かもしれないが。

「あー、やっぱりお腹は膨れていますね」

腹部を撫でるも膨らんでいる。ワインがここに溜まっているのがわかる。

火月はグレイフィアの顔を持ち上げる。ワインを排泄しないように必死に耐えているその顔が堪らず興奮した火月は陰茎を取り出して強引にグレイフィアの口の中に挿入する。

「うぐ!? んんぐ! ンんっ!!」

「耐えている分、口の締まりもよくなると」

オナニー道具のように扱う。ただ、自分の昂った感情を発散させるためにグレイフィアの口腔を無造作に蹂躙する。

「いいですよ、いつもより気持ちいいです。俺も出しますからグレイフィアさんも我慢せずに出しちゃいましょう。我慢は体に毒ですよ♪」

「おぐ、んぐ! んんっ」

「ああ、出る」

「ンン~~~~~~~~~っっ!!」

射精と同時にグレイフィアの口腔は一気に精子に満たされて、グレイフィアも出さない様に耐えていたワインをアナルから放出して部屋を汚す。

ビチャビチャと水音をたてながら出てくるグレイフィアの腸内に溜まっていたワインは火月の想像を軽く超えるほどの大洪水だった。

「うぐ、んっ………………………」

半分意識を失いがながら精液を飲み込んでいくグレイフィアから冷淡な表情は消えて、アへ顔となっていた。

「………………………………これ、今度からは浴室でしよう」

まだグレイフィアの口から陰茎を抜かずに飲ませながら部屋から漂るワインと排泄物がまじり合った悪臭に顔をしかめる。

浣腸プレイ。その結果、部屋であるプレイではない。やるとしてもきちんと準備が必要とする。

 



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姉と温泉★

夏休みを利用して冥界に訪れて、トレーニングの日々ももうすぐ終わりに近づいている。

「はぁ、あああああ………………………」

グレモリー家私有の温泉に浸かる火月は背筋を伸ばす。

「流石はタンニーンさまだったな………………………」

今日はいつもの(キング)としての資質をあげることではなく、一誠にドラゴン同士の戦いを見せて刺激を与えるというアザゼルからの提案を了承した。

それで一誠が禁手(バランス・ブレイカー)に至れば上々だったが、流石に至るまでにはいかなかった。

しかし、火月にとってもタンニーンとの戦いは意味があるものだった。

最上級悪魔であり、ドラゴンであるタンニーンと戦えた経験は大きい。

なにより―――

「覇龍か…………」

『お、覇龍(ジャガーノート・ドライブ)に興味があるのか?』

呟いた言葉にアルドが反応した。

―――覇龍(ジャガーノート・ドライブ)

魔物の類を封印して神器(セイクリッド・ギア)にしたものには独自で強力な制御が施されている。二天龍、赤龍帝と白龍皇はそれらを強制的に一時解除し、封じられているパワーを解放する。その力は一時的に神に匹敵する。

しかし、リスクも大きい。

寿命を大きく削り、理性を失う。周囲を全部破壊し、自らも滅ぼしかけてやっと停止する。

「アルド」

『やめときな、相棒。あの力は破滅の力だ。相棒が手にしていい力じゃない。そもそも俺に呪文なんてねえし、俺は二天龍と違って「覇」に興味はねえ』

何を言おうと察したアルドは先に告げる。

「だけど、今のままじゃ近い内に限界がくる」

強くなってはいる。その自覚はある。その証拠にオーフィスの力を使って強くなったカテレアを倒した。だけど、今のままでは駄目だ。

力を求めて『覇』になりたいわけではない。ただ、今よりも強くならなければいけない。

魔王になる為にも、家族を守る為にも。

「俺はもう、誰も失いたくないんだ…………………ッ」

自分と姉を愛し、護ってくれた母。

今でも忘れられない。あの時の光景を、朱色に染まる世界のことを。

「強くなりたい………………」

悲痛な慟哭。

全てを守れる力が欲しいとは言わない。

自分の手の届く範囲だけでいい。それだけでも守れる力が欲しい。

それが『覇』だろうと構わない。強くなれるのならそれすら使いこなしてみせる。

『……………………たく、相棒よ。お前さんはいつもそうだ。仮面をつけて平然と振る舞っているように見せかけ、その仮面の下はいつも哭いている。いつになったらその仮面を外す気になれるんだ?』

「………………………………少なくとも姉さまが幸せになってからかな?」

『だとよ、相棒の姉よ』

「え?」

アルドの言葉に振り返るとそこには一糸まとわぬ朱乃が立っていた。

「ね、姉さま………………………」

気が緩んでいた為に気づかなかった。

「隣、いい……………?」

「………………うん」

朱乃は火月の隣で温泉に浸かる。

「………………………………」

「………………………………」

無言になる二人。しかし、朱乃が先に口を開いた。

「私が頼りない……………?」

その言葉に火月は首を横に振って否定する。

「俺は、姉さまが好きだ。家族として、一人の女性として愛している」

想いを姉に告白する。

「……………この気持ちが歪んでいるのはわかってる。だけど、好きなヒトには幸せな生活を送って欲しい。戦いから離れて、普通の家庭を持って欲しい」

火月は朱乃の手を取って言う。

「俺は姉さままで失ったらもう……………耐えられない。強くなるから、姉さまの分までいっぱいいっぱい強くなるから………………だから」

「火月………………………」

弟の隠していた想いの告白。

あの日、誰よりも傷ついたのは自分でも父親でもない。弟だ。

だけど、その傷を隠してあんな想いを二度としないように家族である朱乃を守ろうと努力している。姉を傷つけないように。姉を戦いから遠ざけるために。

朱乃は火月を抱きしめる。

「私も、愛しています。実の弟を一人の男性として愛しています」

朱乃も自分の想いを口にする。

血のつながった実の姉と弟が愛し合っている。それは道徳に反することだ。

歪んだ感情、歪んだ愛情、歪んだ想い。だというのは互いに重々承知している。

それでもこの想いだけは止まらない。

あの日から、母を失ったあの時から歪みが生じてしまった。

もう普通の姉弟には戻れない。

「だから、私も貴方の隣で戦います。姉として、家族として、一人の女性として好きなヒトだけを戦わせたりはしませんわ」

朱乃は眷属器(ラスール・ギア)を発現させて火月に見せる。

「火月。私も貴方まで失ったら耐えられない。だから、お互いに支え合いましょう? 昔のように。その為の力を貴方がくれたのだから」

「姉さま……………それでも、それでも俺は」

「たまには私やリアスの前でも仮面を外してみせて。私も強くなるから一人で背負わないで、ね?」

姉の優しい声音と温もりが伝わってくる。

流れ出てくる涙を何度もその手で拭われ、柔和な笑みを見せてくれる。

「姉さま……………キス、していい?」

弟の懇願に朱乃は瞳を閉ざして唇を向ける。火月はその唇と自分の唇を重ねる。

「………………んっ、ん」

重ね合う唇。互いに舌を舐め合って気持ちを共有する。

「して、いい?」

「うん…………して………………………」

火月はもう止まらなかった。

朱乃の全身、腕、胸、腰、臀部、太ももを愛撫し、舌で首筋を舐めて軽く吸って痕を残す。これは自分のものだ、と主張するかのように何度も何度も執拗に繰り返す。

「んっ、んん………………はぁ、あっ」

姉の口から漏れる嬌声が火月の気持ちをより高ぶらせる。

朱乃の濡羽色の髪は乱れ、大きな胸を揉み、くびれた腰を撫で、臀部を鷲掴みにし、太ももを撫でる。

髪の先から足のつま先まで全部俺だけのもの、見ていいのも、触っていいのも、全部俺だけ。そんな独占力を満たすかのように強く、優しく、何度も何度も朱乃を求める。

そして、勃起した陰茎を朱乃の膣内に挿入させる。

「ふっ、んんっ、んっ、あっ」

「姉さま……………もっと、もっと見せて……………俺だけしか知らない姉さまを………………………」

喘ぐ朱乃の姿をもっと見たいかのように激しく腰を動かして喘ぎ姿を見る。自分だけしか知らない朱乃の顔、声、反応、揺れる胸、火照る体温。

締め付けてくる膣内はこれまでの性交もあってすっかり自分の好みとなっていると気づけば気持ちが満たされる。

「姉さま……………俺だけ、俺だけの姉さま……………………」

「あっ、ああ………………ふぅ、んんっ、はぁ………………………」

昂る気持ちに心身を委ねたまま動く火月はその気持ちを実の姉の膣内に放つ。

「~~~~~~~~~~~~~」

痙攣している姉の姿に何もかもが満たされていくことを実感する。

「んっ………………キス、して」

「うん……」

姉弟は再び唇を重ね合う。それから行われる第二ラウンド。

二人は互いを求めあった。



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白音と呼んで★

修行期間が終えてグレモリー眷属と火月とその眷属が全員集合するのは二週間以上ぶりだった。そして、肝心の修行の内容と結果についての報告会が始まる。

「あらあら」

「まったく………………………」

「ぐぬぬ………………っ!」

朱乃、リアスは微笑みながら苦笑し、一誠は涙ながら呻いていた。

その理由は火月の膝の上に小猫が座っているからだ。

猫耳をぴこぴこ動かして尻尾もふりふりと揺らしながらここが私の特等席かのように座っている小猫。

ジャンヌ、ゼノヴィアも若干羨ましくはあるも微笑ましい気持ちが大きい。

ただ、事情を知っている黒歌は愉快と言わんばかりにニヤニヤと笑みを浮かべている。

そう、一件ただ火月の膝の上に小猫が座っているように見える。

だが、これはそんな微笑ましい光景ではない。

なぜなら、小猫の膣内には火月の陰茎が収まっている状態だからだ。

ぱっと見はわからないが、二人は皆がいるこの場所で現在進行形で房中術をしている。

それを悟らせない様に必死に表情を取り繕う二人。現在のところ黒歌以外に誰にもバレてはいない。

何故このようなプレイをしているかというと、あれはほんの数日前のことだった。

夜、黒歌とSMプレイをしていた。

亀甲縛りをして鞭でべしべしと叩いて互いの性欲を発散していた頃、小猫が部屋に訪れた。

そして、二人のSMプレイを見て言った。

『…………私も先輩専用の雌猫になります』

自分と姉との扱いを気にして小猫は大胆にもそう宣言した。

姉である黒歌には鞭打ち、亀甲縛り、調教プレイなどアブノーマルなプレイに対して自分はノーマルプレイ。ただ愛されるだけでは不満を抱いた小猫は自ら姉と同じ、火月の雌猫となるべく調教を受ける。

どういうわけか、黒歌は小猫以上にノリノリで始めは緊縛プレイから始まった。そして、今も小猫は火月専用の雌猫になるべく調教中。

そんな事も露も知らずに修行の報告と結果について語り合う。

小柄な小猫の膣内は狭く、締め付けも凄い。正直今すぐにでも射精したい気持ちでいっぱいだ。だが、そんなことをすれば流石にバレる。

ここは耐えなければならない。

表情を取り繕いながら全員の修行の報告に耳を傾ける。

「ふっ………………………」

不意に小猫の口から甘い声が漏れる。幸いにも声が小さかった為に聞こえていたのは火月だけのようだ。

「ええええええええええええええええええええええええええええっ!?」

「「―――!?」」

不意に大声をあげる一誠に二人はバレたと思って肩を震わせた。

「何それ…………? お、俺、冥界産のウサギっぽい奴とかイノシシっぽい奴を狩ってさばいて焼いて食べていたんですよ………………? 水だって、山で拾った鉄鍋で一度沸騰殺菌してから水筒に入れてたし………………………」

「だから驚いているんだよ。おまえ、たくましすぎるぞ。あの意味、悪魔超えてる」

どうやら一誠は自分だけ酷い生活を送っていたことに嘆いていたらしい。

山で一日中ドラゴンに追いかけ回されて生活していたとは、ある意味凄い。

「イッセーさん。よく頑張りました」

「うぅぅぅ……………アーシア………………………」

涙を流す一誠を抱きしめて慰めるアーシアの胸の中で一誠は大泣きする。

だけど、禁手(バランス・ブレイカー)には至れなかった。

「なぁ、火月。お前はどうやって至ったんだ?」

「………………………………グレイフィアさんとの死を覚悟する修行で」

淡々と答える。思い出したくない過去の地獄の修行ということもあるが、今は房中術の最中の為に必要以上に動いたり、声を出せばバレるために気を付けている。

「ま、いい。報告会は終了。明日はパーティだ。今日はもう解散するぞ」

アザゼルの一声に報告会は終了して、皆は部屋から出ていく。

「じゃあね♪」

最後に黒歌が笑みと共に部屋から出ていく。全員が出ていくと火月と小猫はバレなかったことに安堵の息を漏らす。

「………………………………すごい、ドキドキしました」

「俺も…………………」

皆がいる部屋で房中術。なんとかバレない様にするだけで精一杯だった。

「さて、それじゃ小猫ちゃん」

「………………………はい」

腰を上げて陰茎を抜くと小猫は火月の陰茎をその小さい口で咥える。

「ジュル、ちゅる……………んっ、ぢゅる、んんっ………………」

「いいよ、小猫ちゃん。気持ちいいよ」

たっぷりと愛液がついた陰茎を口淫(フェラ)で綺麗にする小猫の口の中は自分の愛液の味と我慢汁の味が広がる。

尻尾を左右に振るわせてしっかりと口で奉仕するその姿は従順な雌猫そのもの。

「にゃあ、先輩のミルクをお口にくださいにゃ」

舌を出して物欲しそうな顔でおねだりする小猫に火月は笑む。

「今度はちゃんと飲むんだぞ?」

「んんっ!? んぐっ、ンっ、ンン! ん!」

小猫の頭を掴んで乱暴に口淫(フェラ)させる。小猫の小さい口では収まり切れない陰茎を強引に咥えさせて何度も喉奥まで当てる。

苦しそうにする小猫の双眸から薄っすらと涙が溜まる。それでも苦しむ小猫の表情が火月の嗜虐心を擽らせる。

「ああ、もうすぐミルクが出るからね」

快感が高まって射精が近くなった火月はそう言ってより激しくする。

猫のようなざらざらとした舌触り、精子を受け入れようと待ち構えている小猫の口に火月は射精した。

陰茎を全部咥えさせて喉奥まで挿入した状態で射精した。

「んグ、んんっ、ごく、ンぐ………………………」

喉奥で出された精子を吐き出さない様に我慢しながら少しずつ飲み込んでいく。

「そうそう、ミルクはしっかり飲まないと」

咥えたまま精子を飲み込んでいく小猫の頭を撫でる。必死に自分の精液を飲み込んでいく小猫の双眸に溜まっている涙を指で掬って舐める。

「へぇ、女の子の涙って美味しいな」

意外にも美味だった。

「………………………………先輩。先輩のミルク、飲めました」

「よしよし、それじゃ次は掃除をよろしく」

「………………………………はい。レロ、んっ、チュル………………ジュル………はぁ」

精液を飲み終えて次は掃除を始める小猫はもう立派な雌猫だった。

「あの、先輩。お願いがあります………………」

「なに?」

「二人っきりの時だけでいいので私のことを姉さまみたいに白音と呼んでください」

陰茎を握りながら懇願する小猫に火月は頷く。

「わかったよ、白音。黒歌共々たっぷりと可愛がってあげるから覚悟してね?」

「………………………………はい」

こうして小猫、白音は火月の立派な雌猫になる為に陰茎を舐める。



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女王

「火月、少しいいかしら?」

「どうぞ」

報告会が終えた夜にリアスが火月の部屋に尋ねてきた。

「お邪魔するわね」

部屋に訪れたリアスは見慣れた制服姿の恰好でベッドに座る。

「どうしました?」

「貴方と少し話がしたくてね」

そう言って自分の隣に来い、と目で訴えるリアスに火月はリアスの隣に腰を落ち着かせる。

するとリアスは火月の肩に頭を乗せる。

「小猫を抱いたそうね」

「あー、はい…………」

明後日の方向に視線を向けながら肯定する。

「気付いていたんですか?」

「ええ、小猫が貴方に好意を抱いていたのは知っていたわ。気付いていなかったのは貴方だけよ。それにしても私は抱かない癖に小猫は抱くのね?」

不服そうに頬を膨らませるリアスに火月の頬に一筋の冷汗が垂れる。

困っている反応をする火月にリアスは微笑を浮かべる。

「冗談よ。貴方が私のことを大切にしてくれているのはわかっているわ。でも、小猫たちのことも大切にしないとダメよ?」

「それは勿論」

即答する。

小猫だけでなく黒歌やゼノヴィアたちのことだって生涯大切にするつもりでいる。

「………………………もうすぐ、ゲームね」

「そうですね。相手はソーナ姉さま。戦力的にはリアス姫たちが有利でしょうけど、それを込みでソーナ姉さまは戦略を練ってくるでしょう」

「ええ、ソーナは手強いわ。それでも私は負けないわ」

負けるつもりなど微塵もない。勝つつもりで挑むリアスの意気込みに微笑する火月の手をリアスは手に取る。

「………………………ねぇ、少しだけ私の我儘を聞いてくれないかしら?」

「なんですか?」

「今だけ、今だけでいいから私のことをリアスって呼んでほしいの。貴方にそう言って貰えるだけで私は誰にも負けたりはしないわ」

リアスの手は僅かに震えていた。

いくら強がっても内心は不安はある。だから勇気づけられたいのだろう。

「応援している。だから頑張れ、リアス」

「………………………………うん」

リアスの震える手は止まっていた。

それからリアスから離れるまで火月はその場から動かなかった。

 

 

 

 

魔王主催のパーティにグレモリー眷属とシトリー眷属そして火月とその眷属も出席している。各御家の方々が行う交流会のようなパーティ会場ではリアスたちが到着する前に既に多くの悪魔達が和気藹々と会話を弾ませている。

「はぁ、息が詰まる………………………」

「ふふ、お似合いですわよ」

女性陣達(+ギャスパー)はドレス姿。一誠や匙は学校の制服を着ている中で火月だけは燕尾服を着ている。当然グレイフィアが用意したものだ。

『リアスの婚約者として恥ずかしくない恰好をしなさい』

有無を言わせない覇気を纏った言葉に頷くしかなかった火月はグレイフィアに着替えるのを手伝って貰い、更にはヴェネラナまでやってきて髪もセットされた。

「火月。あいさつ回りするわよ」

「はい」

リアスの婚約者として他の上級悪魔の方々にあいさつをするためにフロアを回る。

「これはこれはリアス殿それに火月殿。お二人の噂は聞きましたよ? ご婚約されたようでなりより……………ところで火月殿、まだ眷属は揃われていないようなら私が紹介しましょうか?」

「おおっ、リアス殿。相も変わらずお美しい! それに火月殿、聞きましたぞ! テロリストに加担した旧魔王の一人を御一人で倒したと! 流石ですな! 戦力に不安があるようでしたら私に相談してくだされ!」

「リアスさまそれに火月さま。ご婚約おめでとうございます。お二人がいればグレモリー家も安泰でしょう。しかし、もし眷属でお悩みの様でしたら私に一言ご相談を。良い方を紹介しましょう」

「ありがとうございます。お気持ちだけ受け取っておきます」

あいさつ回りの殆どがグレモリー家と関係を結ぼうとする輩と火月の実力を見込んで保身に走る輩ばかり。そんな相手にも対応しないといけない為に精神的に余計に疲れる。

「面倒くさいって顔に出ているわよ?」

「失礼」

リアスの注意にすぐに表情を取り繕う。

すると二人の前に見知ったヒトが現れる。

「御機嫌よう、リアスさま、火月さま」

リアスの元婚約者であるライザー・フェニックスの妹であるレイヴェル・フェニックスが二人の前にやってきて挨拶する。

「御機嫌よう。ライザーは元気にしているかしら?」

「………………………兄は火月さまに敗北されてから塞ぎ込んでしまいましたわ。よほどリアスさまが取られたことがショックだったのでしょう。ま、才能に頼って、調子に乗っていたところもありますから、良い勉強になったはずですわ」

「………………………そう」

複雑な表情を浮かべるリアスの手を取る。

「レイヴェル殿。貴殿たちには申し訳ないことをしたとは思っている。しかし―――」

「ご、誤解なさらないでくださいまし! べ、別に嫌味で言ったつもりはありませんわよ!? それに今の私は誰の眷属でもございませんので!」

「どなたかとトレードをなされたので?」

トレードとはレーティングゲームのルールのひとつで、『(キング)』である悪魔の間で自分の駒を交換することができる。ただし同じ種類の駒であることが条件だが。

しかしレイヴェルは首を横に振った。

「いえ、元々私は形だけお兄さまの眷属でしたので今は誰の眷属というわけではありませんの。今はフェニックスの息女としてのレイヴェル・フェニックスですわ」

「そうでしたか。それは失礼を」

紳士的に謝罪を口にする火月にレイヴェルはコホン、と頬を薄っすらと赤く染めながら咳払いして尋ねてきた。

「………………………………ところで火月さまはどのような眷属をお求めなのか窺っても?」

「そうですね。兵士(ポーン)戦車(ルーク)よりも先に女王(クイーン)を決めようかと。私自身、まだ悪魔社会に疎いところもありますし、戦力的にも私自身も前に出て戦うタイプですから後方で全体の指揮を執る軍師となり得る方が女王(クイーン)になっていただけたら助かるのですが」

「………………………………つまり、悪魔社会に詳しく指揮が取れる方をお求めで?」

「ええ。まぁ、あくまでこれは私の理想ですけど」

「…………………そうですの」

火月の意見を聞いて深く頷くレイヴェルは「失礼しますわ」と告げて二人から離れて行った。

「………………………………決まったわね」

「何がでしょうか?」

「貴方の女王(クイーン)よ」

意味深の笑みを浮かべるリアスに首を傾げる。

それからすぐに魔王のあいさつが始まり、パーティは順調に終わりを迎えた。

 

 

 

その後日。

グレモリー家に一人の少女がやってきた。

「レイヴェル・フェニックス。姫島火月さまの眷属となる為にやって参りましたわ」

火月の眷属になる為にレイヴェルが来た。

レイヴェルの登場にこうなることがわかっていたかのように息を吐くリアス。微笑む朱乃。苦笑いを浮かべる火月の眷属たちと祐斗。嫌そうな顔を浮かべる小猫。また美少女が、と悔やむ一誠に眷属が増えることに素直に喜ぶアーシア。それぞれの反応をするなかで火月は―――

「え?」

呆気を取られていた。

それからとんとん拍子でレイヴェルは火月の眷属、女王(クイーン)となった。

 



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姉の癒し★

魔王主催のパーティの一件からレイヴェルがグレモリー家に訪れて火月の眷属、女王(クイーン)となった。何故か? 正直わからん。

ライザーとのこともあって正直フェニックス家には恨まれてもおかしくないことをしでかしたのにレイヴェル本人は自分から火月の眷属になりにきた。

家の許可も取っており、両親の許し得ているとはいえ困惑しないわけはない。

でも、レイヴェルは火月が求める中でこれ以上にないぐらいのヒトだ。

フェニックス家の息女ということもあって悪魔社会にも詳しく眷属になってくれたことからフェニックス家という後ろ盾もできた。

レイヴェル自身もグレモリー眷属とのレーティングゲームで一誠の弱点を的確に見抜き、最善手で倒そうとした。軍師としても有能であることには間違いはない。

正直考えていた理想以上の人材ではある。

リアス・グレモリー眷属とソーナ・シトリー眷属とのレーティングゲームを観戦しながらそんなことを考える。

リアスとソーナのゲームが開始され、場所は駒王学園近くのデパートによる短期決戦(ブリッツ)。更にはバトルフィールドとなるデパートを破壊し尽さないというルールがある。

これはグレモリー眷属特に一誠、リアス、朱乃にとっては不利な戦場だ。

「レイヴェル。仮に俺達がこのルールでゲームをするのならどうする?」

今後の事も踏まえて今回のゲームを自分達がするのならどういう風に動かすか、そう訊いてみるとレイヴェルは少し考え、口を開く。

「私はまだ火月さま方の力を把握してはおりませんのであくまで私の想像となってしまいますが、火月さまはお兄さまとの戦いで使った鎧は身に付けない方がよろしいかと。下手なパワーアップでルールに触れる恐れがありますわ。ですから雷光の力を主に使うべきですわね。悪魔にとってそれだけでも脅威ですもの。主戦力としては黒歌さまとジャンヌさま。そのサポートとしてリリティファさま。ゼノヴィアさまは敵の陽動もしくは囮として―――」

ゲームを観戦しながらどのように戦うかを考えるレイヴェルに火月も頷く。

ウィザードタイプである黒歌による妖術や仙術。ジャンヌはパワータイプよりもテクニックタイプ。二人を中心に戦えば一番勝率は高いだろう。

視線をゲームに向ける。すると、一誠と匙がサシで戦っていた。

互いに拳を握りしめての命懸けの殴り合い。

匙は自分の命を魔力に変換させて高威力の魔力の一撃を放つ。それだけ匙は自分たちの夢がどれほど本気なのか。その気迫がこちらまで伝わってくる。

無論、一誠も負けてはいない。

互いに尊敬できる主を持つ二人の兵士(ポーン)はこんなところで立ち止まるわけにはいかない。

互いに何度も殴り合って、吹き飛ばされて、それでも立ち上がって突き進む。

何度も、何度も、何度でも。

二人は拳が握れるまで立ち上がった。

そして、最後まで立っていたのは一誠だった。

匙も負けてはいなかった。だけど、結果は一誠が勝った。

その勝負に観客の悪魔の何人かは拍手を送った。

しかし、シトリー眷属もこれで終わったわけではない。(キング)であるソーナも最後まで夢の為に戦った。

結果的にはシトリー眷属の敗北で終えたが、リアス達グレモリー眷属の評価も良いと言えない。

ゲームの内容によって大番狂わせだってある。

火月は今回のゲームを見てそれを知り、この夏で多くの事を学べた。

 

 

 

ここはグレモリー家にある浴室。温泉ではなく浴室だ。

殆どの者はグレモリー家が所有する温泉に向かうも火月は姉である朱乃と一緒に浴室にいる。

「うふふ、痒いところはありませんか?」

「大丈夫」

姉に背中を流して貰っている。背中だけではなく脇や腕も洗って貰い、動く度に朱乃の胸が当たる。

何故か? と問われれば簡単だ。ゲームの結果で悔しい思いをしたから弟である火月と一緒に入る事で癒されているからだ。

「はぁ、癒されますわ………………………」

艶のある息を漏らしながらゴシゴシと背中を洗う朱乃。

家でも朱乃は洗う側だ。もちろん火月も姉の背中を何度も流したことはあるがされる側が多い。

不意にむにゅう、と背中に柔らかい感触が襲う。

「次はおっぱいで洗いますわね。んっ、ふっ………………………」

胸をスポンジの代わりで洗っていく朱乃の口からは艶のある声が漏れ出る。

「ああ、私、ダメだわ………………こうして触れ合いだけで、感じちゃう………………………」

背中から感じる感触と甘い吐息。それだけでも反応しないわけがない。

肩に顎を乗せて視線を下に向ける朱乃は勃起している弟の陰茎を見て微笑む。

「あらあら、すっきりさせてあげますわね」

「うん………………………」

朱乃は火月の全面に移動して胸にボディーソープをかけて泡立てると、その胸の間に陰茎を挟む込んで胸で陰茎をゴシゴシと洗い始める。

朱乃の胸に挟まれて隠される陰茎を丁寧に洗う。

「んっ…………………ふふ、私の身体はもう弟に調教済みですわね。胸だけでもう火照りが収まり切れませんわ」

「気持ちいいよ、姉さま……………」

「あらあら、ではもっと気持ちよくしてあげますわ」

昂る気持ちのまま朱乃は胸を動かして刺激を与えていく。胸の中で快感に襲われて今にも射精したいと震えているのが伝わってくる。

「その昂りを私にぶちまけて……………」

「んっ」

胸の中で溢れ出てくる白濁色の精液は朱乃の胸を犯そうとするかのように出てくる。谷間に溜まった精液を朱乃は飲み込む。

「ゴク、んっ………………弟の精液、おいしい……………………チュ、レロ、チュル……………」

陰茎についた精液も綺麗に舐め取る朱乃に火月は朱乃の頭を掴んで強引に口の中に入れる。

「んっ! ンぐ、あぐ………………んんっ、ンン!」

「ああ、姉さま………………………」

射精しても昂る気持ちは収まらずに強引に口淫(フェラ)をさせる。

自分の陰茎を咥え込む姉の姿に興奮のあまりに身を震わせる火月は姉の口の中で二度目の射精をする。

「んんっ!!」

「全部飲んで………………」

喉奥で射精して全部飲ませる火月に朱乃は陰茎を咥えたまま飲み込んでいく。最後までのみ込むのを見て陰茎を抜いた火月は惚けている朱乃の顔を見て笑みを見せる。

自分だけの姉の姿をもっと見たい。自分だけのものにしたい。その昂る気持ちのまま火月は姉を立たせて壁に手をつかせる。そして後ろから勢いよく挿入する。

「お、く……………まで、はぁ、あっ! まっ」

「待たない。姉さまは俺だけのものだから。俺に従っていればいい」

奥まで挿入して激しく腰を振るいながら乳首を抓んで引っ張る。

「こんなに、すごいの………つかれたら、あっ、頭が、おかしく………………………」

「いいよ。頭がおかしくなっても姉さまは俺の姉さまだから、ちゃんと可愛がってあげる。俺以外に満足できない身体にして俺以外のことは考えられない様にしてあげるから。絶対に手放さないに、逃がさない。狂うぐらいに姉さまの全てを犯してあげる」

「んあ! あっ、あ、うあ! んぅ!」

「もう姉さまのマンコは俺専用の肉便器。いい? 忘れたらダメ? 姉さまは俺だけの姉さま。姉さまを好きにしていいのは弟である俺だけ」

「うん、わかったから……言う通りにするから! んっ、あン!」

「ありがとう、姉さま。大好きだよ」

「わたしも、大好き…………だから、もっとして! 他の事なんて考えられなくして!」

「わかった」

「はぐ、んっ! んぁ! あっ、あっ、ああ………………イク、弟のでイッちゃう!」

全身を支配されていく感覚に陥りながら弟に全身を犯されることに悦ぶ姉の膣内の奥に三回目の射精を注ぎ込んだ。

「~~~~~~~~~~~~~~~~」

種付けでもされるかのようにしっかりと腰を掴まれて膣内の奥へ精子が放たれる。ビクビクと膣内で陰茎が満足そうに震えている。

「はぁ、はぁ……………姉さまのなか、きもちいい」

「んっ、私も………………」

互いに気持ちを満たされて唇を重ねて舌を絡ませ合う。

こうして夏休みは終わりを迎える。

 



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保健室★

夏が明けて新学期――――二学期。

学園生活が始まったなかで火月は大きな欠伸をした。

「ふぁああ~」

「眠いのですか?」

「ああ、昨日はディオドラのことについて少し調べていたからな」

ディオドラ。その名前を聞いてリリティファも納得する。

ディオドラ・アスタロト。アスタロト家の次期当主であるディオドラはアーシアに求婚した。なんでもアーシアが教会で聖女をしていた頃に傷を治した悪魔がディオドラだったらしい。

その運命の出会いにディオドラはアーシアに求婚したのだが…………………。

「胡散臭いんだよな………」

火月がディオドラを調べたのは正直なところ怪しいの一言に尽きる。

リアスも姉である朱乃も口には出してはいないが、火月と同じ心境だ。

運命的な出会い。これに関しても出来過ぎている気がしなくもないけど、別にいい。たまたまそういう出会いがあったと片付けられる。

だが、不審に思う点はある。

上級悪魔であるディオドラが何故教会の近くにいたのか? それと仮にも上級悪魔であるディオドラをいったい誰がそこまで追い詰めたのか?

ディオドラは決して弱い悪魔ではない。並大抵の相手なら余裕で倒せれるだけの実力は有しているし、わざわざ敵地である教会に近づく動機がわからない。

「あいつの眷属もな……………………」

「眷属ですか?」

「ああ、調べてわかったけどディオドラの眷属は皆、元はシスターなんだよ。そしてアーシアも元はシスター。これって偶然か?」

調べてすぐに判明した眷属の素性。その全ては元はシスターや聖女ばかり。アーシアも元・聖女。この繋がりが偶然か、必然なのかはまだ判明は出来ない。

「ああ、クソ。眠くて頭が回らねぇ。少し仮眠を取ってくる」

「はい。先生には私から伝えておきます」

「頼む」

保健室で少し眠ろうと思って足を進める火月は保健室の扉を開ける。

「はーい♪」

そこには白衣で眼鏡をかけた黒歌がいた。

「……………………黒歌。お前、どうして………………………?」

「にゃふふ♪ 私、今日からここの養護教諭になったのよ。いざという時の戦力という意味も込めてね」

悪戯に成功した笑顔を浮かべながら真実を告げる黒歌に肩を竦めるもテロリストのこともあるから納得はするも、次からは一言はかけて欲しい。

「まぁ、いい。少し仮眠を取りたいからベッドを借りるぞ」

「ああ、今は―――」

「あふっ、んんっ………………………はぁ…………」

カーテンを開けるとベッドの上でゼノヴィアがオナニーしていた。

制服の上から乳房を揉み、指を股の間に入れて官能的な声を出して喘いでいた。

「ゼノヴィア……………………」

「火月…………………」

目を見開いて驚いている火月に縋るように抱き着き、潤った瞳でゼノヴィアは懇願する。

「頼む…………………君にお尻を弄られてからむずむずして落ち着かないんだ…………………………」

「あ、防音の術式を施してあるからいくらでも声をあげても大丈夫よ」

そう言ってカーテンを閉める黒歌。しがみついてくるゼノヴィアに火月は小さく息を吐いた。

「ゼノヴィアには刺激が強過ぎたか………………」

夏休みの修行中にアナルに指を入れて電気を流すプレイを実行した火月。性知識も疎い元・教会の戦士には刺激が強過ぎてしまったようだ。

「一人じゃ、だめ、なんだ………頼む……………………………」

一人で処理しようと試みたらしいが、満足することはできなかった。

だから火月に懇願すると火月はゼノヴィアの頭を優しく撫でる。

「わかったよ、ゼノヴィアは俺の大切な眷属だもんな」

火月はズボンから陰茎を取り出してゼノヴィアの顔に近づける。

「だからまずはゼノヴィアの口で大きくしてくれ」

「………………………わ、わかった」

初めて見る男性の性器。初めての時や修行の時は後ろからだったのでよくは見ていなかったが、こうも間近で男性器を見るのは初めてだ。

しかし、思っていたよりも小さい。本当にこれが自分の膣内(なか)に入ったのかと疑問を抱くも大きくしてくれ、と言っていたのでこれ以上に大きくなるのだろう。

「い、いくぞ…………」

舌を出してまずは先端を舐める。妙にしょっぱい味がするも耐えられない程ではない為に舐めていくと少しずつ大きくなっていくのがわかる。

「レロ、チル………んっ、チュル…………………」

先端から竿の部分を舐める。舌から感じる熱にドクンドクンと脈を打っているのがわかる。

「いいぞ、そろそろ咥えるんだ」

頭に手を置かれながらそう指示を出す火月にゼノヴィアは舐めながら上目で頷く。そして、陰茎を口の中へと挿入する。

「んんっ、ん、ン……」

陰茎を口の中に収めるゼノヴィアは息苦しさと生臭い味を覚えながら必死に舌を動かす。火月もゼノヴィアの頭を押さえて自ら腰を振ってゼノヴィアの口を堪能する。

「ジュル……………んっ、ンン…………………」

最早自分の口を性処理の道具のように扱われているゼノヴィアだったが不思議と嫌な気はしなかった。

だけど、口淫(フェラ)をするたびにアナルが疼いてしまう。自分でももう抑えられないぐらいに早く口に咥えているものが欲しいと訴えている。

「ぷはぁ、はぁ…………はぁ…………」

強引に口淫(フェラ)を終わらせてゼノヴィアは火月に背中を見せて四つん這いの体勢あると臀部を持ち上げる。

「た、頼む……………もう、我慢できない」

「ああ」

スカートをたくし上げて下着を下ろす。アナルがそれほどまでに火月の陰茎が欲しいヒクヒクしている。

それを見て笑み、火月は早速ゼノヴィアのアナルに陰茎を挿入する。

「~~~~~~~~~~~~~~~っっ!!」

声にならない嬌声をあげるゼノヴィア。今までに溜め込んだものが一気に解き放たれたような解放感に満たされるように秘部から愛液が溢れ出ている。

「ああ、これだ! これが欲しかった……………………ッ!」

自分の体内に強引に侵入してくる快感に打ち震える。

「これで前も後ろも俺が貰ったな」

二つの初めてを手に入れた火月は薄く笑みを浮かばせながらゼノヴィアの臀部を叩く。

パン! と気持ちのいい音がなった。

「やっぱりゼノヴィアの尻は叩きがいがある」

「んっ! あ、ンぐ! ああ、もっと、もっと…………強く、叩いてくれ!」

「ほらよ! このマゾ性剣使い!」

「ひぐっ!」

小刻みのいい音を響かせながらゼノヴィアの尻を叩く度に締め付けもよくなる。

「ほら! ほら! ほら! もっと悦べ! もっと喘げ! もっと興奮しろ! 後ろから犯されながら尻を叩かれて気持ちのよさそうな声をあげる性剣使いにはそれがお似いだ!」

「ふぐ! んっ! はぁ、あぐっ! んん~~~!!」

腰を動かすペースが速くなるたびに嬌声を上げるゼノヴィアを口責めする。

すると―――

「うぐ!」

火月は声をあげた。それは背後から黒歌が火月の尻の穴に指を入れたからだ。

「あらあら、お尻を責めるなんて火月は相変わらずサドにゃ」

いつのまにか交ざっていた黒歌は火月の尻の穴に指を挿入して動かす。

ぐちゃぐちゃと異物が自分のなかを掻き乱していく感覚に陥りながらも腰を動かすのはやめない火月は興奮していた。

アナルを責めて、責められる。SとMの性癖を同時に満たされていく。

おまけに黒歌は仙術も行使している為か、身体に熱を感じる。

昂る興奮。射精が近づいていく火月は腰の動きが加速する。

「ゼノヴィア、いくぞ!」

「ああ、遠慮はいい! おもっきりに頼む……………!」

「にゃふふ♪」

ラストスパートをかける火月は一気に陰茎の根元まで挿入してゼノヴィアの一番奥で射精する。

「ひぐぅ! ん~~~~~~~!!」

黒歌によって前立腺も刺激されて痛いぐらいに精子を出した火月は挿入したまま大きく呼吸を整える。

「はぁ…………はぁ……………」

「んっ、ふぅ…………」

互いに性欲を発散させてすっきりとした爽快の表情を見せる。

しかし―――

「さぁ、次はお前だ。黒歌」

「あらやっぱり?」

許可なく人の尻の穴に指を入れた黒歌をお仕置きする為に火月は笑むを浮かべる。

「お仕置きの時間だ」

仮眠を取るのを忘れるぐらいにアナルセックスをした火月だった。

 



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私は見てしまった★

姫島火月の女王(クイーン)であるレイヴェル・フェニックスは見てしまった。

兄であるライザーを見事撃退し、リアスを救ったドラゴンを宿す者。

その者の女王(クイーン)として同じ学園に一年生として転入して火月と同じ家で寝食を共にしているあの日の夜、喉が渇いて夜中に目を覚ました時に官能的な声に聞こえて思わず僅かに開いていた扉の隙間を覗き込んでそれを目撃してしまった。

「ジュル、ちゅル、んっ、ヂュル………………」

「んっ、クチュ、はぁ、ん、先輩………………………」

縄で身体を縛られて自由を封じられた猫又姉妹が自分の主である火月に奉仕している。

手足も縛られ、唯一自由にされている口と舌で陰茎を恍惚な笑みと共に口に咥える黒歌と同様に縛られながら火月の舌で口の中を蹂躙されている小猫。

「な、なんなんですの………………………」

その淫らな空間に思わず目を疑ったレイヴェル。似たような光景なら兄とその眷属とで見たことはあるもここまでではなかった。

そんなレイヴェルの視線に気づかずに三人は続ける。

「白音。舌を出して」

「………………………………はい」

火月に言われた通りに舌を出す小猫。その舌の前に自分の指を出す。

「舐めて」

「………………レロ、んっ、チュル、チュバ」

火月の指を丹念に舐め始める小猫の幼くも淫らな顔に微笑む。

「ふふ、そんなに俺の指が美味しいの?」

そう言えるぐらいに美味しそうに舐める小猫は小さく頷きながら舌を動かすのをやめない。

「白音も大分俺の好みの雌猫になってきたね。いい子いい子」

空いている手で頭を撫でると、今度は自分の陰茎を頬張ってる黒歌を見下ろす。

「黒歌。舌の動きが雑になってきているぞ。もっと丁寧にしゃぶらないともうしゃぶらせてやらないぞ」

「んっ!? はぁ、それは、それだけは嫌にゃ」

「なら、ちゃんとしゃぶれ。そうしたらご褒美ぐらいはあげてやる」

「約束よ………………? んっ、チロ、ぐプ、グプ、ジュル、ジュプ」

必死に口淫(フェラ)をする黒歌。

頭を激しく振って口の中で陰茎を涎と舌で絡ませながら吸い付くようにしゃぶる。

「よし、いいぞ。ほら、白音は俺とキスしよっか」

「……………………はい。チュ、ンッ、レロ、あっ、んん」

舌と陰茎で猫又姉妹の舌を堪能する火月は舌を小猫の口の中に侵入して舌を絡ませたり、歯の裏を舐めたりと好きなように蹂躙しながら黒歌の口淫(フェラ)によって込み上げてくる射精感に身を委ねる。

「ジュル、ジュブ、じゅぼ、じゅぼ、んっぢゅぽ」

「はぁ………………黒歌。そろそろ出してやるからしっかり奥まで咥えろ」

火月の言葉に口淫(フェラ)しながら頷いて応じる黒歌に火月は射精する。

「ゴプ、んっ、ゴク、ンぐ………………………」

口の中に溢れ、絡み付く白い粘液。口腔いっぱいに溜まる精液を溢さない様に咥えたまま飲み込んでいく黒歌に火月は笑む。

「よし、約束通りにご褒美をあげないとな」

「火月…………………私、もう、欲しくて、しょうがないの………………………」

尻尾と臀部を振りながら発情した猫のように誘惑する黒歌に微笑む。

「この淫乱猫。もう俺のチンポが欲しいのか?」

「欲しいにゃ…………………もう、我慢できないの………………………」

蕩ける表情で切ない声を出しながら懇願する黒歌に火月は頷いた。

「しょうがないな、それじゃ白音。これ」

火月は小猫の紐を解いてあるものを小猫に渡す。それは男性の性器を模した玩具、バイブだ。

「……………先輩、これ」

「それで君のお姉さんを気持ちよくしてあげなさい」

「………………………………わかりました」

バイブのスイッチを入れて頷く妹は姉を上向きにして股を広げさせる。

「…………………姉さま。もうこんなに濡れているのですね。こんな淫乱な姉を持った覚えはありません」

「し、白音………………………」

「ですから妹である私がしっかりと姉さまを教育、いえ、調教してあげます」

「い、妹に調教されちゃうにゃん!」

まさかの発言に驚くも身動きは取れない黒歌だが。

「ま、待って! 玩具を使う前にせめて火月のからちょうだい! 火月のじゃないと満足できないの!」

「………………駄目です。雌猫である姉さまがなに先輩のオチンチンを欲しているのですか? 姉さまにはこれで十分です」

そして小猫は一気にバイブを黒歌の膣内の奥まで挿入させる。

「ひぐぅぅぅうううううううううううううううううううっっ!!」

奥まで挿入させられた為に我慢していたものが一気に解き放たれて激しく絶頂する黒歌の秘部から愛液が飛び出て小猫の飛び散る。

「………………コレ、十段階まで振動を強くすることができるんですね」

そう口にして振動を一段階上げる小猫は笑っていた。

口から涎を垂らして淫らによがる姉の姿に小猫はバイブを激しく動かす。

「…………………先輩。もし、姉さまが耐えたらその時は先輩のをあげてください」

「ふふ、いいよ。白音はどうする? 生は少し危ないと思って一応ゴムは買ってあるけど」

「………………私は大丈夫です。後でお口にくだされば」

自分の舌を出して指を陰茎に見立てて舐める小猫を見てああ、確かにこの二人は姉妹だな、と思った火月は黒歌の顔の上に跨る。

「んんっ!?」

「ほら黒歌。舌を休ませる暇があれば俺の尻の穴を舐めてくれ。その間、お前の胸を借りるから」

顔の上に跨って尻の穴を黒歌の口に当てる火月は自分の陰茎を黒歌の乳房に挟ませて腰を振るう。

「んんっ、チロ……………レロ…………」

舌を出して尻の穴を舐め始める黒歌は次に舌を突き出して直腸に舌を挿入させて刺激する。

「ああ、いい………………………」

柔らかくも弾力がある黒歌の乳房を性処理道具のように好き勝手にしながら尻の穴を刺激させて快感が昂る。

「………………………………」

「んぐっ!? し、白音…………………もうすこいぐっ!?」

「……………姉さま。しっかりと先輩を奉仕してください。お尻の穴を姉さまの口で気持ちよくさせるんです」

半眼になりながら振動の段階を上げる小猫は自分にはない大きな胸で気持ちよくなっている火月を見て嫉妬し、その嫉妬を姉にぶつけた。

正確には段階を二段階上げた。

「白音は厳しいね」

そんな姉妹のやり取りに火月は苦笑する。

「でも、ごめん。そろそろ出そう」

黒歌の乳房と尻の穴からの刺激によって込み上げてくる昂りが精子と共に出たがっている。そんな火月に小猫は微笑む。

「……………いいですよ、先輩は好きな時に好きなだけ出してください」

「そう? じゃあ遠慮なく」

「ほら、姉さま。もっと先輩を気持ちよくしてください」

「んんっ! んぐ、んんっ!!」

バイブの振動を最大にして動かす小猫は姉にそう追言するも黒歌は返答する余裕はなかった。ただ、一秒でも早くこんな玩具ではなく火月の陰茎が欲しい為に必死に舌を動かす。

「……………先輩。もっと姉さまの胸を使ってあげてください」

小猫の言葉に火月は乱暴に乳房を揉みほぐしながら時に乳首を抓み、引っ張る。

そうする度に下半身、黒歌が反応するように腰を動かしている。

「………………………………先輩。いっぱいいっぱい気持ちよくなってくださいね? 私達はその為の雌猫なのですから出したくなったらいつでも言ってください」

どこまでも従順な雌猫となっている小猫。今度、学園でもお願いしてみようか、と思いながら我慢の限界がやってきた。

乳房と尻の穴を刺激されて込み上げてくる快感に身を委ねる。

「ああ、イく………………ッ!」

「ンン~~~~~~~~~~~~~~~!!」

火月とほぼ同時に黒歌も絶頂を迎えて愛液が洪水の方に噴出して小猫に飛び散るも小猫は飛び散った愛液を舐めると今度は姉の乳房によって出て腹部に飛び散っている精子を舐め始める。その姿はミルクを舐める猫のように。

振動を最大にしたままバイブを姉の膣内に挿入したままなのでさきほどから小刻みに黒歌の身体がビクビクと痙攣している。

「………………先輩。先輩のオチンチンをおくちで掃除してもいいですか?」

「許可する」

「…………………ありがとうございます」

許可を得て小猫は精子だらけの陰茎を愛おしそうに舐め始める。

レイヴェルは三人のプレイを最後まで見ていた。

 



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二人だけの時間★

姫島朱乃と姫島火月が元々は二人で住んでいた家も今では多くの仲間達と住んでいる。それが嫌と思った事は一度もないけれど、それでも二人だけの時間はどうしても減ってしまう。

だから家以外で人目に付かない場所ででしか二人っきりになれない。

駒王学園男子トイレの個室で姉弟は互いに身体を密着させ合っていた。

「………………………………んっ」

狭いトイレの個室で互いに息が当たるほどに密着して温もりを共有し合い、少し強く抱きしめただけで朱乃の口から漏れる艶のある声が火月の気持ちを昂らせる。

「…………………キス、して」

「んっ」

瞳を潤わせておねだりしてくる朱乃の唇を唇で塞いですぐに舌を出して絡ませ合う。

ピチャクチャ、と淫らな音が耳朶を震わせながらも火月は朱乃の舌を軽く甘噛みする。鋭い刺激と同時に流れ込んでくる弟からの愛欲を朱乃は受け入れる。

「もっと、舌を出して」

舌をベロベロと嬲るように強く舐め上げ、グニグニと歯で噛み潰し、唇でジュパジュパと強烈に吸い立てる。

弟からの激しい舌攻めに興奮と鮮烈な刺激に身体を震わせる。

暫くして、火月は朱乃から唇を離す。弟からの強烈な舌攻めによって舌は真っ赤になり、唇はだらしなく開きっぱなしにし、口端からだらしなく唾液を垂らしながらハァハァと息を荒げて呆然とする。

恍惚に満ちた笑みを浮かべている朱乃の意識を戻す様に耳を甘噛みする。

「ひゃう」

「姉さま、可愛い」

姉の口から出た可愛らしい声につい微笑ましくなる。

「もう、あまり虐めないで」

「顔はもっと虐めてって書いてあるよ」

言葉と表情が一致していない朱乃の上着のボタンを一つ一つ外していく。その度に朱乃の白い肌が外気に触れ、下着に包まれている豊満な胸が視界いっぱいに映る。

下着の上からその大きな胸を両手で揉みしだく。

「ふっ………………………んっ………………………」

「姉さまも、して」

火月は姉の手を取って自分の股間に当てる。すると、朱乃はズボンの上から陰茎を撫でながらズボンのチャックを開けて弟の陰茎を取り出す。

いつ見ても大きい弟の陰茎。

これを口に咥え、胸に挟み、大切なところを容赦なく穿った。

それが嬉しくも気持ちがよく、また欲しいと思うだけで疼いてしまう。

既に愛液が出て来て下着を濡らしている。きっとスカートをたくし上げられたらすぐに気持ちよくなっていることに気づいてしまうだろう。

弟に胸を弄られながら弟の陰茎をしごいているその時、ここの男子トイレに誰かが入ってきた。

咄嗟に動きを止めて息を潜める二人の耳に声が聞こえた。

「はぁ~、セックスしてぇ………………………」

「お前、いきなり何言ってんだよ。溜まってんのか?」

「それもあるけどさぁ。さっき姫島先輩のおっぱいを見たら急にムラムラしちまって」

「ああわかる。姫島先輩のおっぱいってでけぇよな。聞いた話だと三桁いっているらしいぞ」

「マジで? あのスタイルで三桁のおっぱいてアリかよ。一度でいいからパイズリして欲しいぜ」

「だよな。俺もあのデカ乳にチンポを挟んで欲しい。それが無理ならせめて生で見てオカズにしたい」

「俺、もう何度もシコッた。妄想だけで5回は出た」

「お前、出し過ぎ」

「姫島先輩が卒業する前に姫島先輩で童貞を卒業したいぜ。あのデカ乳でパイズリして貰ってバックでハメ倒したい」

「はいはい、妄想乙。まぁ、実際にできねぇから妄想ぐらいしかできないけど」

「やべぇ、勃っちまった」

「アホ」

そんな男子生徒の会話を耳にしながら男子生徒が去るのを確認して火月は朱乃に言う。

「ねぇ、今、どんな気持ち? 男子高校生にオカズにされていることを知ってどんな気持ち? 妄想だけで五回も出されちゃったね。姉さまで童貞も卒業したいとも言ってたね」

嗜虐的な笑みを浮かばせて言ってくる弟から顔を赤くして視線を逸らす。

「そんなの俺が許すわけないのに」

「んんっ!」

ぎゅっと力強く痛いぐらいに胸を揉まれて声をあげそうになる朱乃を無視して下着をずらして乳首が顔を出すと火月は口を開けてしゃぶりつく。

ぐちゅ、じゅる、ぢゅる、と音を鳴らしながら舌を攻められた時と同じように乳首も攻められる朱乃は急に込み上げてくる快感に思わず絶頂してしまった。

だけど、火月はそんなことお構いなしにしゃぶる。

「想像するのは自由。誰が何を想像してもそれを咎めることはできない。だけど、それで姉さまをオカズにされたら気持ちがいいものじゃない。正直今の話は不快だった」

「んん、んっ………………………」

乳首をしゃぶるのを一度止めて再び姉の口内を舌で蹂躙する。

「それもこれも全部姉さまが悪いんだよ? 姉さまのこの官能的な唇、男好みの大きな胸、くびれた腰に、魅力的な尻。一度堪能してしまったらもう忘れられないほどのエロい身体。どうして姉さまはこんなにもエロいの? 姉さまを好きにしていいのは俺だけなのに」

「ご、ごめんなさ、い………………………」

「許さない。許して欲しかったらどうすればいいのかわかるよね? 姉さま」

ニッコリと微笑む弟の許しを得る為に朱乃は火月を便座の上に座らせて胸で陰茎を挟み込み、滑りを良くするために唾を垂らす。

「パイズリ、でしょ? いっぱいしてあげるから………………………」

自らの乳房をそれぞれ外側からムニュッと寄せ、陰茎を更に強く乳房の谷間で締め付ける。そして身体をゆっくりと上下させ、フニフニと柔らかな乳肌を使って陰茎の擦りたて始めた。

「他の人にオカズにされた分、私の身体でいっぱいご奉仕させてください」

熱心に乳房で奉仕をする朱乃。

胸の谷間で心地良さそうに震える弟の陰茎を感じ取りながらも自らもまた弾ける快感に肢体を震わせつつ、両手を互い違いに動かして陰茎に強烈な快感を送り込んでいく。

「まだダメだよ、姉さま。ほら、先端も咥えないと」

姉の頭を取って僅かに開いた唇にヌポッと亀頭をねじ込む。

「んぷっ、んん、んあ、チュパチュパ、はぁ、ふむっ、ん」

亀頭を咥えたまま乳奉仕を続ける朱乃の上目遣いに激しい興奮を覚える。

激しく乳房を揺さぶる姉の息遣いと、亀頭をしゃぶる小猫のように舐め音がトイレの個室に小さく響く。

「いいよ、姉さま。そろそろ出すからしっかり飲んでね?」

射精前にそう告げると朱乃は頷いてより激しく乳房を揺すり、火月も速く射精がしたくて堪らないからのように腰を動かす。

そして、朱乃の口の中に射精した。

胸から激しい脈動、口に射精の強烈な噴射を感じながら朱乃は弟に言われたように精子を飲んでいく。

「んぐ、ゴク、んっ、ジュル、はぁ…………」

口いっぱいに広がる精液の味に強烈な精臭が鼻孔を焼かれて朱乃は妖艶な溜息を漏らす。

そして、朱乃は立ち上がって火月に背を向けると背を向けたままその場で下着を脱ぐとトイレの扉に手をつけて臀部を突き出す態勢を取る。

「お、弟のオチンチンで私の卑しいオマンコにお仕置きしてください」

姉からそう言われて断れる弟はいない。

スカートをたくし上げて既に濡れている秘部に後ろからズブリと陰茎を突き立てた。

「んんっ! あ、ああ、ィィ……………ッ! 弟のオチンチン、気持ちいい!」

突き立てられた弟の陰茎に嬌声をあげる朱乃はジンジンと熱く疼いていたその疼きを解消させたくて自らも腰を動かす。

「ちゃんと反省してる?」

「はい! 弟以外の人のオカズになってごめんなさい! エッチな身体をしてごめんなさい!」

「わかってくれたらいいよ」

姉を許し、お詫びとばかりに腰を激しく動かしながら乳首を摘まみ、左右の乳房を無軌道に振り乱して甘く淫らな声を喘ぎさせる。

「ぁひっ! んっ…………………もっと、もっと激しく、して! 逞しい弟のオチンチンで壊れるぐらいまで掻き乱して!」

蕩けるほどに瞳を潤わせて喘ぎながら懇願する姉の要望に応じるように滅茶苦茶にする。

「ぁッ! イク、イッちゃう! 弟のオチンチンでまたイッちゃう! 火月も、出していいから! 私のオマンコに精液をいっぱい注いで!」

姉からの膣内射精(なかだし)懇願に火月は迷うことなく姉の膣内で射精する。

「んんっ! ン~~~~~~~~~~~~~~!!」

身体の奥底に灼熱の奔流を浴び、悦びと共に激しく達する姉弟。

言葉通りに蕩けた表情で絶頂を繰り返す姉の姿に火月は満足そうに頷く。

 

 



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公認★

「というわけです。完全に黒とは断言はできませんがディオドラ・アスタロトがテロリストに関わっている可能性は十分にあるかと」

「………………………………そうか。他でないキミが言うのだから秘密裏に彼の動向を探ろう」

火月はディオドラ・アスタロトのことについてサーゼクスに報告をする為に冥界に赴いていた。

ディオドラにはここ最近で怪しい動きが多いことからもしかしたらテロリストに加担しているのではないかと思い、その事を魔王であるサーゼクスに伝えに来ていた。

「すまないね。本来ならキミもリアス達のように若手悪魔同士のゲームに参加させようと思っていたのだけど」

「お心遣いありがとうございます。しかし、私もまだ立場が不安定の身ですから我儘は言えません。ですのでテロリスト対策チームの一人として実績を積み上げていきます」

「期待しているよ」

「はい」

魔王からの期待の言葉を胸にしまう火月にサーゼクスは話題を変える。

「ああそうだ。リアスとは上手く行っているかな? ああ、いつも通りでいいよ」

仕事の話は終わり、プライベートの話になるので敬う姿勢を取らなくていいと言外に告げるサーゼクスの言葉に甘える。

「わかりました。……………………正直、今までリアス姫とは一歩引いて接して来ましたから今の関係に戸惑うこともありますけど、いいと思います」

「そうか。それを聞いて私も安心した。兄である私が言うのもどうかと思うがリアスは独占欲が強いところがあるからね」

「ああ、わかります」

特に朝の性処理の時はこれは私のモノみたいに火月を独占することが多い。

そのことを思い出しながら紅茶を啜る。

「リアスは抱いたのかい?」

「ブッ!?」

あまりにも突拍子もない言葉に火月は口から紅茶を噴き出した。

「兄である私から見てもリアスは素晴らしい身体をしていると思う。それに婚約者同士なのだから遠慮する必要もないだろう? どうだったかな?」

「妹を何だと思っているのですか!? サーゼクスさま!!」

「おや? 抱いていないのかい? 私はてっきりもう」

「そんなことをしたらグレイフィアさんに殺されます!」

「確かに」

その一言に納得する魔王。

しかし火月はそれであることをサーゼクスに話すことにする。

「あの、サーゼクスさまに折り入ってお話があります」

「おや? なんだい?」

「その、グレイフィアさんとの教育についてなんですけど………………終わりにして頂けませんか?」

「妻の身体にはもう飽きちゃったのかな?」

「そうではありません! むしろ逆、ってからかわないでください! 真剣に話してます!」

大人の政治に巻き込まれない様に女性に耐性を付けさせるために始まった性教育。火月はサーゼクス達の公認でグレイフィアに性教育を施され、何度もグレイフィアと身体を重ねている。

「始めはまだ悪魔社会について詳しく知りませんでしたが立場が不安定だったことぐらいはわかっているつもりでした。それに理由がどうであれグレイフィアさんみたいな綺麗な人に筆下ろしして貰えて嬉しかったです。途中からはもう俺の方から手を出してしまうぐらいで………………………けど、グレイフィアさんはサーゼクスさまの奥様です。俺の為とはいえ申し訳ない気持ちもあります」

何度もグレイフィアを抱いた火月。ノリノリだったことは否定しないけど何も思わない訳ではない。

「それに俺にとってグレイフィアさんはもう一人の姉のように思ってます。訓練は何度も死にかけるほど厳しいし、辛いことも何度もありましたけど、俺はグレイフィアさんのことを心から尊敬しています。ですので決して飽きたわけでも抱きたくないわけでもありません。今は昔よりも立場が安定していますし、何より後ろ盾にフェニックス家がいます。ですのでもう尊敬する人に心配をかけたくありません」

火月は自分の気持ちを正直にサーゼクスに話す。

何度も容赦なく中出ししたり、SMまがいなプレイをしたけど火月にとってグレイフィアは尊敬する人であることには変わりない。だから教育は終わりにしたいとサーゼクスは告げた。

その話を聞いてサーゼクスは顎に手を当て微笑する。

「だそうだよ。グレイフィア」

「え?」

火月は後ろを振り返るとそこには呆れた表情をしていたグレイフィアが立っていた。

「まったく、そのようなことを気になされていたのですか? ですがその気持ちはありがたく受け取っておきます」

「い、いつのまに…………………」

すぐ後ろにいるのに全く気配を感じられなかった火月は突然現れたグレイフィアに戦慄する。

「この程度の気配に察知できないようではグレモリー家当主の座はまだまだですね。次の休日の予定は空けておいてください。私も休みを頂きますので」

次の休日は火月は死ぬかもしれない。

「それと火月さま。お心遣いは嬉しいのですが、そのようなことを気になさる必要はありません。我が主の意向でもありますので」

「えっと、それはどういう意味ですか…………………?」

「ふむ。これは私の口から説明した方がいいだろう。実はね、火月くん。私はあることに気づいてしまったんだよ」

「あること?」

訊き返す火月にサーゼクスは神妙な顔で頷き。

「実は私にはNTR属性があったということに気付いてしまったんだ」

「………………………………はい?」

思いがけない言葉に自分の耳を疑った。気のせいだろうと思ってグレイフィアを見てみると心底呆れた顔で溜息を吐いていた。

「自分の妻が私以外の人に抱かれていると思うと気持ちが高まり、思わず興奮してしまって。まさか私にそんな属性があったとは数百年も生きて初めて気付いたよ」

「………………………………………………………」

火月は思考を停止した。

セラフォルーが露出狂、サーゼクスがNTR属性。二人の魔王に新たな性癖の扉を開かせてしまった事に現実逃避したい気持ちでいっぱいだった。

「グレイフィアさん、俺、どうしたらいいでしょう?」

「受け入れなさい」

尊敬する人からそう即断された。というよりもこの人は既に夫の性癖を受け入れているのかと思うともはや尊敬を超えて崇めたくなる。

「それに私は魔王という立場上はあまり妻の相手をしてあげられなくてね。グレイフィアさえよければこれからも相手をしてあげて欲しい」

「いや、魔王さまがお忙しいのはわかりますが……………………」

チラリ、とグレイフィアの方を見る火月。するとグレイフィアは。

「私は構いません。無論、これまで通り仕事の一環としてしてですが」

「ですが」

「途中で終わらせるわけにはいきません。それにあれだけのことをしておきながら今更辞めると言うのですか?」

サッ、と顔を逸らす。

以前の酒瓶をアナルに挿入した件についてのことだとすぐに気付いた。

確かにあれはやり過ぎたとは少しは反省している。

「おや? どんなことをしたのかな?」

「秘密です」

あのプレイに関しては他人に言えるわけがない。

「まぁなにはともあれそういうことだから私達に気を遣うことはない。それでは私はこれで失礼するよ。ディオドラの件も気になるし、魔王としての仕事もあるからね」

そう告げて部屋から出ていくサーゼクス。

「さて、それでは火月さま。どうなさいますか?」

その言葉の意味は帰るか、抱くか。その二択に迫る。

「………………………………この後の仕事の予定は?」

「一時間ほど空いていますが?」

「………………………………なら、いいですか?」

「はい」

了承するグレイフィアは火月の前に移動して跪いてズボンとパンツを脱がせて火月の陰茎に触れる。優しくねぎらうように触れる陰茎に指を這わせて両手で包み込み、くるむようにして撫でて、火月の陰茎を奉仕する。

手指による愛撫は火月に快感を高ませて陰茎が大きくなる。

しなやかで細い指がじわじわと追い詰めるような、あるいは可愛がるような優しい刺激でグレイフィアは肉竿を扱う。

どこをどうすれば気持ちよくなるのか良く知ってる指の動きに射精が高まる火月だけどそれによって火月のスイッチが入る。

「グレイフィア。口で奉仕して」

「ん、はふっ………………チュル、ジュル…………んん」

「手を使わず、口だけで。そう上手上手」

さん付けを止めて口だけで奉仕させる火月は指先に光に刃を形成させて奉仕をしているグレイフィアのメイド服を切っていく。もちろんグレイフィアの身体に傷をつけないように丁寧と。そしてメイド服もブラも切られたことによってグレイフィアの上半身は裸となる。

切られたことによってブラから解放されたグレイフィアの豊満の乳房。火月は奉仕を止めさせてその胸を鑑賞する。

白く、リアスや朱乃に負け劣らずにボリュームがある胸肉はなめらかな曲線を描き、頂点にある桜色の突起は胸の大きさに似合わず控えめ。臀部もそうであったが、胸も本当に一人の子を持つ妻とは思えない身体だった。

火月はその胸に手を伸ばして揉んでみる。すると乳首から白い液体――母乳がでてきた。

「これが母乳…………………」

初めて女性の胸から母乳が出てくるとこを見た火月。見られたことに顔を赤くして視線を逸らすグレイフィアを置いて火月はしゃぶりつく。

「ふぁ、あんっ………………………」

桜色の突起に吸い付き、甘い声が出てきた。

果実を齧った時に出てくる果汁のように口の中が母乳の味に満たされ、激しく吸い付くことでグレイフィアは胸先が痺れることを自覚しながらまだミリキャスが赤ちゃんの頃を思い出す。

赤ちゃんのように吸い付く火月にグレイフィアは快感を覚えながらも慈しみ、赤ちゃんを抱きかかえるように火月の頭に手を回す。

「ん、うん……………」

ちゅぱちゅぱと音が響き、その度に甘ったるい声がグレイフィアの口から出てくる。

少しして乳首から口を離して満足気味に頷く。

「ご馳走様」

母乳を堪能した火月は両手でグレイフィアの乳房を揉む。揉むたびに白い肌が赤くなり、グレイフィアの体温が高まってきていることを教えてくれる。

そろそろかな、と思って火月はグレイフィアをテーブルの上に押し倒してスカートをたくし上げるとそこは既に洪水状態。下着までぐしょぐしょでいつでも準備万態だった。

火月は己の陰茎をグレイフィアの秘部に当てて、一気に膣内に挿入する。

ぐずぐずに蕩けきった膣壁が肉棒を全力で歓迎し、甘く締め付ける。

「んっ、ふっ、んん」

「グレイフィアの膣内(なか)、相変わらず気持ちがいい………………」

名器と呼べばいいのか? 何度も挿入しているのに飽きさせないグレイフィアの膣。

グレイフィアの膣壁はしっかりと火月の肉棒を包み込み、淫蜜を潤沢に含んだ肉ヒダが蠢き、快感を与える。

するとグレイフィアの手が伸び、火月を自分の胸元に抱き寄せる。

「もっと甘えてもいいですよ………………? いっぱい、甘やかしてあげますから」

その言葉に興奮よりも温かみを感じた火月はグレイフィアの乳房を吸いながら腰を動かす。

温もりと快感を覚えながら両方の乳首を口に咥えて母乳を吸いつくすかのように吸い付く火月にグレイフィアはそんな火月に身を委ねながらも愛おしいように抱きしめる。

義弟から尊敬していると言われ、姉と思われるほど慕われ、それが嬉しくて異性に抱かれる快感も合わさり存分に甘やかし、どんなことでも受け入れようと思えてしまう。

今も乳首を吸っている火月のことが愛おしくて仕方がない。

「くっ、グレイフィア…………………出すよ、グレイフィアの膣内(なか)に全部………………ッ」

「どうぞ、受け止めますから……………………いっぱい射精なさって、ください」

激しくなる動きにグレイフィアの膣壁をより締め付けて射精を促す。

「でるッ!」

そして膣内の奥で精子が放出されていることを実感しながらもグレイフィアは膣壁を締め付けて最後の最後まで自分の膣内で射精させる。

「んっ、んんっ……………………」

小刻みに震える身体を寄せ合いながら互いの熱を共有する二人は目を合わせる。

すると自然に唇を寄せて口づけをする。

「………………………………グレイフィア。もう一回」

「はい。まだ時間に余裕はありますから遠慮なさらずあっ」

膣内に挿入したまま二回戦を始める火月は気付かなかった。

魔王(サーゼクス)がこの部屋に隠しカメラを仕掛けて見ていたことを。



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天へ

火月の予感は見事に的中してしまった。

ディオドラ・アスタロトは『禍の団(カオス・ブリゲード)』に通じていた。リアスとのゲームに旧魔王派の悪魔を呼び、そこでリアス達を抹殺し、アーシアを手に入れようと企んでいた。

だが、事前に火月が魔王に打診していたおかげもあって迎撃の準備はできていた。

そして火月達もリアス達を助ける為に北欧の主神であるオーディンと共にゲームフィールドに張られた結界内に侵入した。

「リアス姫! 姉さま! ここは俺達が引き受ける! 早くアーシアのところへ!」

「火月!? ええ、お願いするわ!」

リアスは火月達の登場に一瞬驚くもすぐにアーシアを助けようと行動に移る。

「イッセー。アーシアを必ず助けてやれよ」

「当り前だ!」

そう答える一誠に火月は微笑してその身に鎧を纏い、翼を展開させて雷光の剣を手にする。

「久々の大暴れ。お姉さんも本気を見せちゃう♪ 禁手化(バランス・ブレイク)

かわいく笑むジャンヌの足元から大量の剣―――聖剣が生み出され、ジャンヌの身に纏う。

するとそこには龍をモチーフに聖剣によって作り出された鎧を纏うジャンヌの姿が。

ジャンヌが持つ神器(セイクリッド・ギア)聖剣創造(ブレード・ブラックスミス)』の禁手(バランス・ブレイカー)は聖剣を携えた甲冑騎士を複数作り出す『聖揮の騎士団(ブレード・ナイトマス)』なのだが、火月と出会い、多くの経験を積み重ねてドラゴンの影響を受けたジャンヌの禁手(バランス・ブレイカー)は亜種へと変化した。

―――『聖揮の龍騎士(ホーリー・ドラゴニックナイト)』。

その力は複数の甲冑騎士を作り出す能力でもなければ複数の聖剣を操ることでもない。

聖なる力を一本の剣へ凝縮させて絶大なまでの力へと変換される。

「ハッ!」

一振り。たった一振りで旧魔王派の悪魔を一気に数十人を消し去った。

「まだまだ行くわよ♪」

振るわれる一振り一振りが悪魔にとって脅威そのもの。ただでさえ悪魔にとって聖剣は危険視するものなのにその馬鹿桁威力に悪魔達は戦慄を抱く。

「私も負けていられないな」

聖剣デュランダルをその手にジャンヌに対抗心を抱くゼノヴィアも悪魔達をデュランダルの餌食にしていく。

「火月。これが終わったらご褒美ちょうだいにゃ♪」

「はいはい。終わったらな」

黒歌も妖術、仙術、魔法。ウィザードタイプとしての本領を発揮しつつご褒美を強請る。

「レイヴェル! リリティファ! オーディンさまの護衛を頼む!」

「はい!」

「承知しましたわ!」

必要ないかもしれないが、万が一に北欧の主神に何かあるといけない。念には念を入れて二人に護衛を任せる。

「混血風情が!」

一人の悪魔が火月に魔力の弾を放つも火月は片腕でそれを払う。

「グレイフィアさんと比べるまでもない」

最強のメイドとの訓練で何度も死ぬ思いをしてきた火月にとって今の攻撃は痛くも痒くもない。

そしてその悪魔に鋭い蹴撃を叩き込む。

そして火月達は順調に旧魔王派を倒していくと不意にアルドが叫びをあげる。

『相棒! やばいぞ! 急いで赤龍帝のところへ行け!』

「アルド………………? いったいどうした?」

『このオーラ……………………間違いねぇ。覇龍(ジャガーノートドライブ)だ。ドライグの宿主が覇龍(ジャガーノートドライブ)を使いやがった』

鬼気迫る声音で告げるその言葉が嘘であってほしいと願う前に火月も感じ取ってしまった。荒々しくも禍々しい、圧倒的なドラゴンのオーラに。

「あの、馬鹿!」

思わず苛立つ火月はこの場をレイヴェル達に預けてリアス達がいるところに向かって翼を羽ばたかせる。

近づけば近づくほどに感じ取れる危険なオーラ。そして火月は見てしまった。

赤い閃光が何かを消し飛ばした瞬間を。

その一撃で神殿は崩れ去り、その姿を目視する。

「あれが、覇龍(ジャガーノートドライブ)……………………」

小型ドラゴンと化している赤き龍は天に向かって悲哀に包まれた咆哮をあげている。

そしてそのドラゴンより少し離れた位置にリアス達がいた。

「リアス姫!」

「火月!?」

リアスの傍で降りる火月。周囲を見渡してこの場に一人いないことに気づく。

「アーシアは……………………?」

その疑問に誰も答える人はいなかった。いや、答えたくなかったのだろう。だが何が起きたのかは、どうして一誠がああなってしまったのかは容易に想像できてしまった。

火月は己の手を強く握りしめて一誠に向かって歩み出す。

「火月、なにをするつもりなの!?」

「このままではイッセーは死にます。そうなる前に止める」

「そんなことをしたら貴方が――」

制止の言葉を投げようとするリアスの言葉よりも速く火月は一誠のところに向かう。

「火月!!」

悲痛交じりのリアスの叫び。それでもこれ以上誰かを失いたくはない。その想いが火月を動かす。

天へ嘆く一誠の傍までやってきて火月は言葉をかける。

「イッセー。俺の声が聞こえているか? このままだとお前はその力に命を削られて死んでしまう。だからその前に『覇龍(ジャガーノートドライブ)』を解くんだ」

冷静にゆっくりと言葉を語りかける火月の言葉に一誠は嘆くのを止め、火月を見る。

「イッセー」

『相棒! 逃げろ!』

突然のアルドの警告と共に一誠は火月に攻撃した。

「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッ!!!」

殺意に満ちた咆哮をあげる一誠は火月を敵とみなした。

「イッセー!」

避けながらも友達の名前を呼ぶも反応はない。

「アルド! どうにかできないか!?」

『あったらとっくに教えてる! とにかく今は無理にでも大人しくさせるしかねぇ!』

「ちくしょう!!」

鎧を解除して極脚を纏う火月は防御を捨てて攻撃と速度を上げる。しかし、覇龍(ジャガーノートドライブ)と化した一誠の動きは火月に容易く追いつく。

宝玉から刃が出て来て火月を襲う。辛うじて回避するもその身に赤い線が走る。

「フォース・ドラゴニックキャノン!」

カテレアを倒したドラゴンのオーラの塊。直撃するも一誠は怯みすらしない。

「どうしろってんだよ……………………!?」

『逃げろ相棒! 今のお前さんじゃ覇龍(ジャガーノートドライブ)は止められねぇ!! ………………………いや、誰も止められねえからこその覇龍(ジャガーノートドライブ)なんだよ! このままじゃお前さんまで!』

「友達を、イッセーを見捨てられるか!?」

『あ、おい!』

果敢にも覇龍(ジャガーノートドライブ)と化した一誠に立ち向かう火月だが、どの攻撃も通用しない。

雷光も魔法もドラゴンの力も何もかも通用しない。

そして赤龍帝の兜に口が大きく開き、口内から放たれるレーザーが火月に放たれる。

『相棒!?』

叫ぶアルド。火月は咄嗟に防御魔法陣を複数展開させて防御するもその防御魔法陣は儚い音と共に砕け散り、レーザーは火月を襲った。

「がっ…………………ッ!」

吹き飛ばされるもレーザーの軌道を僅かに逸らせたおかげで辛うじてではあるも致命傷は避けることが出来た。だが、覇龍(ジャガーノートドライブ)と化したドラゴンの手に捕まり、握り締められる。

「あああああああああああああああああああああああああああああああああああっっ!!」

メキバキと嫌な音を響かせながら骨を砕かれる火月は痛みに耐えられず叫びをあげる。

そして地面に叩きつけらるも火月は這いつくばりながらも動く。

「………………………………くそ、俺はどうして………………………」

―――こんなにも弱い。

所詮は天から堕ちた天使の混血と地に這う龍でしかないのか。

天にいる龍には何があっても届かないと言うのか。

「それでも………………………俺は………………………」

諦めたくない。

助けたい。

どうにかしてあげたい。いやしたい。

大切な人を失う痛みを知っているから、守れなかったその辛さがわかるから、どうにかしたい。一誠を助けてやりたい。

―――けどできない。弱いから。

こうして地面に這いつくばうことしかできない自分があまりにも情けなくて憎たらしい。

母親の時もそうだった。

神器(セイクリッド・ギア)をもっと早く覚醒していれば、雷光の力が使えていれば何か変われたはずだ。けど何もできなかった。

母親が死ぬ光景を見ることしか、仇を取ることしかできなかった。

「どうして…………………俺は、いつもこうなんだ…………………?」

肝心なところで何の役にも立たない。

強くなったはずなのに、あんな想いをしない為に強くなろうと努力してきたのに、どうしてこうなる?

『火月』

己の弱さに嘆くその時だった。

優しい声で自分を呼ぶ声が聞こえた。

「…………………………母さま?」

そこには自分と姉の母親が優しい笑みと共にそこにいた。

痛みのあまり幻覚でも見ているのか、それともあの世への迎えなのかはわからない。

ただ、ただもし会えたら言いたかった言葉がある。

「ごめん、なさい………………………俺が、もっと強かったら………………………」

母親に謝りたかった。それが幻であってもただ謝りたかった。

そんな火月の頭を朱璃は優しく撫でる。

『ありがとう、父さまを信じてくれて、朱乃を守ってくれて。そしてごめんなさい。ずっと貴方に辛い想いをさせてしまって……………………』

「母さま、俺は………………………」

『でももういいのよ。もう私に囚われてしまったらダメ。今の貴方には大切なヒトたちが沢山いるはずよ?』

「………………………………うん、いるよ。いっぱいいる。姉さまに父さま。リアスやサーゼクスさま、グレイフィアさん。両手で数え切れないほどいっぱいいる。こんな俺を愛してくれるヒトがいっぱい………………………」

『ならその力をそのヒト達の為に使いなさい』

「うん………………………」

涙ながら頷く火月に朱璃は満足そうに微笑む。

『愛しているわ、火月』

その言葉を最後に母親は消えた。今のが本当に幻なのかわからない。

誰も失いたくない。強くなりたい。だから弱い自分に仮面をつけて強くなろうと努力してきた。けどそれは違った。

自分を偽ってまで手に入れた強さでいったい誰を守ることができる?

本音も、想いにも蓋をして本当の自分を隠してどうする?

そんなこと母親は望んではいなかった。

「…………………………もっと、もっと家族四人で暮らしたかった……………………ッ! 母さまと、父さまと、姉さまともっと一緒にいたかった……………………!」

望みはただそれだけだった。

だけど母親を失った事で自分がどうにかしないといけないと思い込んでいたあまり、本当の望みすらも隠してしまった。

パキリ。

すると、自分で自分を縛り付けていた枷が剥がれていく。

あの日から火月は自責の鎖に縛られていた。だけどたった今それが解かれる。

すると火月の身体から火が噴き出る。

「何が起きたの!?」

遠くから火月の身体から炎が噴き出たことに困惑するリアス達だが朱乃だけはその炎の正体に気付いた。

火之迦具土神(ヒノカグツチ)……?」

それは姫島が信仰する神の名。その異能の火が弟の身体から発している。

これまでそんな才覚の片鱗すら見せなかったはずなのにこの場で目覚めたことに驚きを隠せれない。

すると朱乃の頬が誰かに撫でられた気がした。

懐かしくも優しい手つきに朱乃は撫でられた頬に触れ、涙を流す。

「母さま………………………」

いつも見守っている。そう言ってくれた気がする。

そして身体から火を発し、満身創痍の身体で立ち上がる火月。

『おいおい! 相棒! 今、お前さんの中に―――』

「アルド。謳おう」

『はぁ!? 何言ってんだよ!? まさか覇龍(ジャガーノートドライブ)の影響を―――』

「違う。これは俺達だけの謳だ。覇龍(ジャガーノートドライブ)とかそんなの関係ない。俺とお前が作る天龍を超える為の謳だ」

その言葉を聞いてアルドは一瞬間を開けて笑った。

『ギャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!! そうか! そういうことか! ようやく吹っ切れたのかよ、相棒! いいぜ、そうことなら謳おうぜ! 赤龍帝も白龍皇も関係ねぇ! 俺達の力で全てを蹴り飛ばす!』

「ああ」

火月とアルドエイク。これは二人の二重唱(デュエット)

「我等、根源を覆すは―――」

『堕ちた天使の混血と地を這う龍』

鎧が鋭角的になり、有機的な形状へとなっていく。

「自責の呪縛を解き放ち、自由な空を仰ぐ」

『我等、天に焦れ空へ叫ぶ』

籠手が、脚甲が、兜が、両翼が、さらなる変化をもたらして形を変えていく。

「穢れし存在、否、我が身に流れるのは尊き愛の血」

『雷光を轟かせ、赤き朱色の火を宿す』

砂色の鎧が赤く、朱色に染まっていく。

「火之迦具土神の火を纏う堕天の翼を広げて」

『天へと羽ばたく翼と共に舞い上がる』

六枚の黒き翼に火が纏い、まるで朱色の翼に見える。

「『我等、二天龍を超える天龍へと成り上がろう』」

謳は終わった。

前よりも有機的なフォルムと化し、朱色の鎧に変化した。

覇龍(ジャガーノートドライブ)のような特徴はあるもその鎧から放たれる波動から一切の禍々しさは感じられない。

火月は己の新たな鎧の変化と力に驚きながらも確信する。

「これならいける…………………ッ!」

『ああ! そして驚け! 神器(セイクリッド・ギア)によって封印されていた力の一つが解放された! これなら行けるぜ!』

頭の中に流れ込んでくるアルドの新しい力。

「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッ!!」

攻撃してくる一誠の攻撃。先ほどまでは躱すことも精一杯だったが一瞬で覇龍(ジャガーノートドライブ)と化した一誠の背後に移動する。

「ハァァァアアアアアアア!!」

雷光と火之迦具土神の火。そしてドラゴンのオーラ。三つの力が合わさったその蹴りは一撃で一誠を蹴り飛ばしただけではないその鎧を砕いた。

すると一誠は再び口内からレーザーを放ち直撃するも鎧には傷一つ負っていない。

「これがアルドが持っていた能力『金剛』。なんて防御力だ」

地殻龍アルドエイクが神器(セイクリッド・ギア)に封印される前に持っていた能力『金剛』。その能力は単純明快。あり得ないくらいの防御力。

覇龍(ジャガーノートドライブ)と化した一誠のレーザー攻撃でさえも傷一つ負わない。

『驚いてくれているのは嬉しいがそろそろやばいぜ!』

アルドの言葉に火月はこれ以上戦えば一誠の生命力が無くなり、死んでしまう。

だからこの一撃に全ての力を込める。

共に戦うドラゴンであり頼もしい相棒でもあるアルドの力。

父親から授かった雷光の力。

母親のおかげで覚醒した火之迦具土神の力。

その全てをここに。

右足に込められる三つの力が絶大なまでに引き上げられてその力を解き放つ。

 

「ヴァルンデット・シュート!!」

 

ドラゴンのオーラ、雷光、火之迦具土神。三つの力が合わさったその力が龍の姿をした波動となって覇龍(ジャガーノートドライブ)化した一誠を包み込む。

そして覇龍(ジャガーノートドライブ)化した鎧は砕け散り、一誠が姿を現す。

「アルド! イッセーは!?」

『安心しな。気は失ってはいるが生きてるぜ。それに覇龍(ジャガーノートドライブ)の禍々しいオーラが完全に消えていやがる。これはもしや』

何かぶつくさと考えているが今はそんなことはどうでもいい。

友達を助けることができた。それだけで十分。

火月はリアス達のところに戻るとそこにはヴァーリ達と死んだと思っていたアーシアがいた。

「ヴァーリ達が助けてくれたんだ」

祐斗がそう教えてくれる。

「そうか。ヴァーリ、ありがとう」

「別にいいさ。それに俺も面白いものを見せさせて貰ったしな」

ヴァーリはじっと朱色の鎧と化した火月の鎧を見て言う。

「『朱赫龍の天雷鎧(ヴァーミリアン・トゥルス・スケイルメイル)』と言ったところか。地を駆けるドラゴンが天を目指すか。ふっ、面白い。いずれキミとは本気で戦いたいものだ」

「少なくとも今は勘弁してくれ…………………」

鎧を解除するとリアスが抱き着いてきた。

「ばか、心配したじゃない………………………」

「ごめん、リアス」

リアスを抱きしめて謝罪する火月。すると朱乃が笑みを見せながら近寄る。

「火月」

「うん、心配かけてごめん」

今もその前からずっと姉に心配をかけ続けてきた火月はそのことに謝罪すると朱乃もまた火月を抱きしめる。

愛する人達の温もりを感じながら全員が無事だったことに安堵する次の瞬間。

「う……………………」

「火月……………………?」

ドクン、と火月の身体に異常が起こった。

「うぅ、あああ、ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッ!!!」

「火月!?」

突然体中から煙が放出して苦しみ出す火月の姿に戸惑い、困惑するリアス達。

「おいおい、どうしちまったんだ?」

「俺にもわからん。ただ言えるのは過ぎた力の代償かもしれない」

一誠を助ける為に不完全とはいえ覇龍(ジャガーノートドライブ)を超えた力を発揮した火月は今、その強大な力の代償に苦しめられている。

「部長! 火月くんの身体が!」

「………………………………どんどん小さく」

煙を上げながら火月の身体が小さくなっていく。もしかしたらこのまま消えていなくなってしまうのではないかと最悪な展開を想像するリアス達。だが、不意に煙は収まり、火月も叫びも止まった。

「………………………………か、火月?」

恐る恐る呼びかけるリアス。すると小さくなった火月はむくりと起き上がる。

その背丈は年齢で言えば3~4歳ぐらいの年頃だろう。ともかく身体に何かおかしなところがないか尋ねようとした時、火月の口から思いも寄らない言葉が出てくる。

「………………………………おねえさんたちは、だれ?」

「「「「「「「え?」」」」」」」

「ここどこ? 父さま、母さま、姉さまはどこ?」

予想外の出来事にリアス達はただ啞然とする。

 

 

 

 



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ショタ

「恐らくは力の欠乏が原因だな」

一誠の覇龍(ジャガーノートドライブ)を止める為に新たな力を発現した火月だったが、戦いが終えた途端に身体が小さくなり、記憶も幼い頃に戻ってしまった。

そんな火月を見てアザゼルは己の推測を語る。

「火月と朱乃は俺達堕天使の力と五大宗家である姫島の血が流れている。そこに火月はドラゴンの力まで宿している。そしてお前等が見た朱色の鎧はその三つの力を極限まで高めてその力を解き放つ分、膨大なエネルギーを消耗してしまうんだろう。消耗した分のエネルギーは肉体と魂にも影響を及ぼしている為に小さくなることで辻褄を合わせが起きているんだろう」

「肉体はわかるけど、魂にまで……………………?」

「そうじゃなきゃ記憶も幼い頃に戻るとは思えん。恐らくは……………………いや、それはないか」

何か言いかけたが途中でそれを止めるアザゼルは朱乃の膝の上で大人しくしている火月を見る。

「それにしても大人しいな」

「火月は昔からこうですから」

火月の頭を撫でる朱乃。

火月にとっては周囲のヒト達は全員知らないヒトばかりだというのにただ大人しく言うことを聞いている。普通なら泣いたり、喚いたりしてもおかしくないのにそれをしない。

「ガキらしくねえな」

そう思って火月の頭に手を置こうとするが、火月はアザゼルの手をはたいて朱乃の後ろに隠れる。

「………………………………怪しい」

「…………………………前言撤回。立派なクソガキだ」

ただ頭に手を置こうとしただけで怪しいヒト扱いされたアザゼルにリアス達は思わず笑いを込み上げる。

「よしよし、火月。大丈夫ですわよ。私がこの怪しいおじさんから守ってあげますから」

「うん」

微笑みながらアザゼルから火月を守るように抱きしめる朱乃にアザゼルはやれやれと嘆息する。

「はいはい。どうせ俺は怪しいおじさんですよ。たくっ」

「それで火月は元に戻るの?」

本題に戻るリアスにアザゼルは何とも言えない顔になる。

「詳しく調べんとわからん。まあ、俺の推測通りなら元には戻るとは思うが………………………元に戻らなくても別にいいだろう? お前らで火月を育てればいいじゃねえか」

「火月を……………………」

「育てる………………………」

女性陣一同の視線は火月に集まり、考える。

想像のなかで『お母さん』と呼ぶ火月の姿を思い浮かべるとそれもいい、と思ってしまう。

「………………………………いえ、やっぱり駄目よ。ええ、駄目だわ。火月は火月でないと」

迷いはあってもやっぱり元に火月の方が良いと判断した。

「ま、こっちでも色々調べてみるわ。お前らは火月が元に戻るまで子守りは任せた」

最後にそれだけ告げて帰るアザゼル。

「それにしても可愛いわね。ねぇ、朱乃。私にも抱っこさせてちょうだい」

そう言うと火月は朱乃に強く抱き着く。まるでリアスに抱っこされたくないと拒んでいるように。

「あらあら」

自分から離れたくないことに朱乃は嬉しそうに笑み、リアスは少しショックを受ける。

「やっぱり家族ですからわかるのですかね?」

「そうかもね」

小猫と黒歌は火月の様子にそう話す。

小さくなってすぐ火月は朱乃を見るとすぐに朱乃の後ろに隠れた。

同じ血が流れる家族だからこそわかるものもあるかもしれない。

「大丈夫ですわよ。ここにいるヒト達は貴方に危害を加えることはしませんわ」

「本当…………………?」

「ええ」

「………………………うん、わかった」

朱乃の言葉を信じて離れる火月はリアスの元に歩み、両腕を広げる。

「だっこ」

そう言われてリアスは満面の笑みで火月を抱っこする。

「よしよし」

火月を抱っこするリアスはご満悦だ。すると小猫が

「部長、私にも」

「あ、ずるいですわ! わ、私も!」

「にゃはは。それじゃ私も抱っこさせてにゃ」

「で、できれば私も」

「お姉さんも♪」

「私にも火月を抱っこさせて貰えないか、リアス部長」

「あらあらモテモテですわね♪」

小猫、レイヴェル、黒歌、リリティファ、ジャンヌ、ゼノヴィアも一人ずつ順番に火月を抱っこしていき、全員がご満悦の表情だ。

だけどやっぱり一番は姉である朱乃らしくひしっと抱き着く。

「うふふ、懐かしいですわね」

幼少の弟の姿に昔を思い出す朱乃。まだあの家で住んでいた頃もこんな感じだった。

「そろそろ寝ましょうか」

「うん」

「ちょっと待ちなさい! 朱乃!」

火月を抱っこしたまま寝室へ赴こうとする朱乃にリアスは制止の声を投げた。

「あら、どうしました? リアス」

「私も一緒に寝てもいいかしら? 私も今の火月のことが心配で傍にいたいのよ」

一緒に寝たい為にそういう建前を作るリアスに朱乃は頷いた。

「ええ、一緒に寝ましょうか」

驚くほどすんなりと一緒に寝ることを許した朱乃の少し拍子抜けするも今は喜びが勝る。

そして二人は火月を挟むようにベッドに横になる。

「おやすみなさい」

「ええ、お休み」

「ふふふ、お休みなさい」

そしてすぐに眠りについた幼い火月の寝顔に母性本能を擽らせながら二人もすぐに眠りについたその深夜―――

火月はトレイに行きたくなり、寝惚けながらトイレに向かう。

「…………………火月? どこに行くの?」

「トイレ……………………」

その時たまたまリアスも起きて火月をトイレに連れて行く。

「う~~~」

「ふふ」

まだ幼い子供になっているだけあって眠たそうに瞼をこする火月にリアスは子供ができたらこんな感じなのだろうかと思うと微笑ましく笑ってしまう。

トイレを済ませて再び寝ようとベッドに横になると火月がリアスの頬に触る。

「ちゅー…………………」

甘えるようにキスを求める火月が可愛らしくてキスをするリアスなのだが――

「チュー♪ ……………………んっ、んん、はぁ、ちょ、な、なに」

軽く触れるだけのキスのつもりが、首の後ろに腕を回され固定されて口の中に火月の舌が侵入してくると思ったらそのキスが異様に上手い。

「もっと……………………」

甘えるような声音でリアスと唇を重ねて舌を入れる火月のキスはまるでリアスから力を吸い取り、唾液はまるで媚薬のようにリアスの快感を高めていく。

離れようにも上手く抱き着いているせいか離れられない。

「あらあら、やっぱりこうなりましたか」

すると二人の様子に朱乃はまるでこうなることがわかっていたように口を開く。

「あ、あけ、ん、」

「だめ、こっちみてー」

朱乃の事情を聞こうとしても火月がそれを許さない。

「火月は幼少の頃から自分から甘えてくることは滅多にありませんでしたが、寝惚けている時や意識が曖昧の時は別ですわ。むしろ、抑制していた分も含めて愛に飢えた獣のように愛を貪ります。私も子供の頃はよくされましたわ」

それだけならまだいいだろう。

問題は火月の才能にある。

火月には両親から受け継いだ天性の才能がある。責めも受けもどちらもいける火月はどこをどう責めれば感じるのかがわかる。

朱乃も夜中や朝に今のリアスのように何度も火月にされてきた。

「歳を重ねることにそれもなくなり、加減も覚えてきましたがやはりこうなりましたわね」

幼い(かづき)に責められる親友(リアス)をSの笑みを浮かばせながら鑑賞する朱乃にリアスは目で訴えるも朱乃はどこ吹く風のように無視。

そして火月は責め続ける。

ただ純粋に、ひたすら無邪気に、どこまでも飽きることなく。リアスの唇に吸い付き、快感を高めていく。

ただの子供のキス。その筈なのにリアスは全身の力が抜け落ちて行き、頬も蕩ける。

責められているのは口だけの筈なのにまるで全身を愛撫されている気持ちだ。

「は、んっ……………まっ」

何度も舌を入れられて酸欠気味になるも火月は緩むことはしない。

自分が満足するまでただひたすらに愛を貪る。

すると、不意にリアスの口から離れる。

満足したのか、終わったことに安堵するリアス。

――――だが。

「リアス。これからが本番ですわよ♪」

「え?」

親友からの声にリアスはようやく気付いた。先ほどまですぐそこにあった火月の顔が自分の乳房に移動していることに。

そして火月はその小さい口を開けてリアスの乳首にしゃぶりつく。

「はむっ」

「~~~~~~~~~~~~」

可愛らしい口に乳首を吸われてリアスに快感が襲い、軽く絶頂した。

女の胸を吸う。それは子供にも可能な立派な愛撫。

リアスは身体を震わせるも火月はお構いなしにリアスのおっぱいをチューチュー吸う。

これまで火月に胸を吸われたことはあった。けどそれは手加減してくれていることにリアスはようやく気付いた。

「ふふ♪ リアス」

「んんっ! ん、あ、あけ、の…………………ッ」

「うふふ、ごめんなさい。リアスの顔を見ていると我慢できなくなったの」

Sの笑みを浮かばせながらリアスと唇を重ねる朱乃は構わず再度唇を奪う。

「リアスの唇。とっても甘いですわ。癖になっちゃいそう」

「あ、貴女んっ!」

「我慢は身体に悪いわよ、リアス。ふふふふ」

「こ、このドS姉弟………ッ! ああっ!」

「可愛いリアスが悪いのよ。だから責任を取って貰わないとね、火月」

そう声をかけるも弟はリアスのおっぱいに夢中だった。

「弟の婚約者を姉である私が調教するのもアリですわね。うふふ、リアス、覚悟はいいかしら? 今夜は寝かせませんわ」

こうして火月が満足して再び眠りにつくまでの約一時間。リアスは姉弟に責められた。

その日の一晩の経験をリアスは語る。

「普段の火月を知っている分余計に驚いたわ。まさかあんなに吸われるなんて………おまけに凄く上手いし、逸らすこともできないのよね。胸を吸われた時なんてもう………それに朱乃まで悪ノリしてくるから大変だったわ。というよりもどうして姉弟揃ってあんなに上手なのよ。責めに関したらもう才能よね。これからはもう無理にでも火月を甘やかさないとまたあんなことをされたら眠れなくなっちゃうわ………」

その経験談に朱乃は告げる。

「あらあら、リアスもまだまだですわね。まぁ私も幼い頃は大変でしたけど可愛い弟ですからいっぱい愛してあげましたわ。そう思えば唯一母さまだけは火月の過剰なる愛欲の獣(オーバー・ラブザイア・ビースト)(朱乃命名)を受けても平気でしたわね。やはり母の愛は偉大ですわね。私ももっと精進しないといけませんわね。ねぇ、火月」

「?」

 



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告白

覇龍(ジャガーノートドライブ)となった一誠を止める為に眠っていた姫島の力、火之迦具土神(ヒノカグツチ)が目覚め、鎧を新たな形態へと進化させた火月は見事覇龍(ジャガーノートドライブ)となった一誠の暴走を止めることに成功した。

だが、新たな力の代償として火月は外見も中身も幼い子供になってしまった。

そして現在、幼児となった火月は………………。

「うふふ」

朱乃の膝の上でジュースを飲んでいた。

そんな朱乃が羨ましく、リアスは負けずと火月を自分の膝の上に呼ぼうとするも。

「や」

火月はそれを拒否する。

「あらあら」

それに微笑みながら火月の頭を撫でる朱乃と拒否られたことにショックを受けるリアス。

火月がどちらに懐いているのか言うまでもなかった。

それを見た黒歌は。

「白音。私の膝の上にくるにゃ」

「嫌です」

「ふぐっ!」

最愛の妹からの何の迷いもない拒絶に黒歌は悶えるも……………どこか恍惚の笑みを浮かべていた。

「ふむ。子供の頃の火月は朱乃副部長に懐いていたのだな」

「そうみたいですね」

姉弟の仲睦まじい様子にゼノヴィアとリリティファは微笑ましい気持ちになっていた。

「それにしても火月さまがあのような姿になってもう数日。いっこうに元に戻る様子がありませんわね」

「仕方がないと思う。それだけ覇龍(ジャガーノートドライブ)となったイッセー先輩を止めるには大変だったはずだから」

火月が子供になって早数日。だけどまだ元に戻る様子がなく、少し心配になってきたレイヴェル。

そのことについてリアスが口を開く。

「今はアザゼルが調べてくれているようだから気長に待つしかないわね。それまで私達で面倒をみてあげたいのだけど……………………」

チラリと火月を見る。

もう姉である朱乃から離れたくないかのようにべったりだ。

「……………………火月のシスコンは子供の頃からだったのね」

火月がシスコンだということは重々承知している。そして朱乃もブラコンだということも良く知っている。

だからなのか、二人の空間にはどこかハートマークがあるように見えてしまう。

無理に引き剥がそうとすれば火月は文句は言わないけど、凄く嫌な顔をする。

だけど朱乃が傍に居れば凄く嬉しそうな顔をする為に無理に引き剥がせない。その為、火月の面倒は実の姉である朱乃が見ている。

「寝ている時はあんなに求めてくるのに……………………」

不服そうに頬を膨らませるリアス。寝惚けた火月は加減を知らない子供のように無垢に貪欲に貪るように愛を求めてくる。その時だけは朱乃だけではなくリアスにも甘えてくるのだが、数日経った今でもリアスは子供である火月に女を体感させられている。

キスしたり、乳首を吸われたりするだけでも自分が女だと体感させられてしまうリアスはそのことを思い出して頬を赤くする。

本番行為そのものは禁じられているが、リアスも火月と本番一歩手前のところまではしているからこそ普段の火月がどれだけ手加減しているのかわかった。

もし、本番行為アリで手加減無用で迫られたら恐らくリアスは火月なしではもう満足できない身体にされていただろう。

下手をすれば犬耳のカチューシャをつけて首輪も嵌められた雌犬にされていたかもしれないと思うとリアスは少しだけゾッとした。

流石のリアスも年上としてのプライドは保ちたい。

「あらあら、おねむかしら?」

リアスがそんなことを思っていると朱乃の膝上にいた火月がうつらうつらと頭を揺らしていた。

「や」

眠気に襲われながらも寝まいとする火月に朱乃は微笑ましく思いながら自分の胸の中で火月を眠らせようとすると、火月はまるで安心するかのように瞼を下ろした。

(昔からこうしないと眠ろうともしませんものね)

火月は幼い頃から賢く、そして警戒心の強い子供だった。

警戒というよりも何かに怯えている。そんな火月が安心して眠れる方法はこうして傍に誰かがいる時だけ。

それゆえか朱乃は姉として弟と共に寝るのが日常だった。

「寝ちゃったの?」

「はい」

眠りについた火月を抱えて部屋まで連れて行こうとする朱乃はリアスに言う。

「リアス。大事な話がありますの。一緒に来てくれないかしら?」

「? ええ」

真剣な顔で告げられたその言葉に怪訝しながらもリアスは朱乃についていく。

 

 

 

 

「それで話ってなにかしら?」

火月をベッドに寝かせてリアスと朱乃は対面するように腰を落ち着かせると朱乃はリアスに告げる。

「リアス。私は弟を、火月を異性として男として愛しています」

「!?」

朱乃はリアスに親友に秘めていた想いを告げた。

更に―――

「既に私は処女ではありません。火月に捧げました。それだけではなく週に一回は火月に抱かれて何度もここに子種を頂きました」

腹に手を当て、事実を口にする。

「母さまを失い、父を憎み、私には火月しかいなかった。弟だけが心の拠り所だったの。だから身体で迫った。母さまを失った寂しさを埋める為に、火月が私から離れないように」

隠していた想いを親友に伝える。

「卑しい女だと自分でもそう思うわ。身体で、それも血の分けた弟に迫るなんて最低なことをしているのも重々承知よ。けど、火月はそんな私を愛してくれる。何度もこの身体を抱きしめてくれて、私が女であることを教えてくれたわ」

「………………………」

「近親相姦というのでしょうね。私達、姉弟のことを。これが歪な愛で正常なものではないのもわかるわ。けど、それでも私は弟を、火月を愛しているの」

「………………………それをどうして私に言ったの?」

「火月が貴女のことを愛しているからよ」

その言葉にリアスは思わず火月に視線を向ける。

「リアス。貴女は気付いていないと思うけど、火月は心から貴女のことを愛しているの。でも火月は私のことを気にかけているから遠慮しているのでしょうけど」

「……………貴女を一人にさせない為に?」

「はい」

弟と親友。二人が結ばれても朱乃は姉として親友として心から幸せを願う。どちらも朱乃にとっては大切な存在。だから責めることなど決してしない。

だけどそれは火月も気付いている。だからこそ、そんな姉を一人にさせない為にリアスと僅かばかりの距離を取っている。

リアスは朱乃の話を聞いて心のどこかにある火月との距離感について納得した。けど。

「どうして今になって……………………」

「……………………怖かったの。姉と弟でしてはいけない一線を越えたことを、求めてはいけないものを求めていることが知られるのが。けど」

朱乃は勇気を振り絞って親友に言う。

「いつまでも弟に甘え、護られているわけにはいかないわ。だからこれはケジメよ」

朱乃は三つ指ついてリアスに土下座する。

「リアス。私を貴女の眷属から外してください」

それはリアスにとって予想もできなかったことだ。

「私が火月の傍にいればきっと火月は自分とそして貴女の幸せよりも私を優先してしまう。それだけは嫌なの。だから私は弟から皆の前から消える。だからお願い、リアス。私を貴女の眷属から外して―――」

「いやよ」

朱乃が言葉を言い終える前にリアスは朱乃の懇願を断った。

「ふざけないでちょうだい、朱乃。貴女を私の眷属から外すなんてこと二度と言わないでちょうだい! 貴女は私の親友! そして女王(クイーン)で、義姉なのよ! 私がそんなこと許すと本気で思っているの!?」

激昂する。

「貴女も火月も互いに歪な愛を抱いているのはわかったわ! けど貴女がいなくなったら私だけじゃない! 火月だって自分を責めるわ! 火月にこれ以上家族を失わせるつもり! 他でもない貴女が!」

「けど、私がいれば二人は―――」

「そんなの受け入れるわよ! 貴女達姉弟の歪な愛ぐらい!」

え? と思い朱乃は顔をあげる。

「朱乃。私はだれ?」

「リアス………………弟の婚約者(フィアンセ)で私の親友……………………」

「なら貴女の親友は貴女達の歪な愛を許容できないほどの器の狭い女かしら?」

「それは………………でも……………………」

「ええ、確かにまともではないわね。正常でもないわ。血の分けた姉と弟が本気で愛し合うなんてどう考えても歪ね。けどそれがなに?」

「え?」

「貴女達姉弟はそれがわかったうえで本気でお互いのことを愛し合っている。形こそ歪でもその愛は本物のはずよ」

リアスは親友の頬に流れる涙を手で拭う。

「朱乃。貴女は自分のことを卑しい女と思っているみたいだけどそれは違うわ。愛おしい人に抱かれたいというのは誰にだって抱く想い。その相手が弟であっただけの話よ。歪な愛には違いはないでしょうけど私はそれを受け入れる。そうすれば貴女が私達から離れることはないわね?」

「そ、そうだけど…………」

それでも、と言いたげな朱乃にリアスは言う。

「朱乃。貴女が私や火月の幸せを望んでいるように火月もまた姉である貴女の幸せを望んでいるのよ? その為に火月が努力しているのは知っているでしょう? それをなかったことにする気?」

「そんなこと!」

「ならこれからもずっと私達の傍にいなさい。勝手にいなくなるなんて許さないんだから」

「リアス………………」

自身と弟が抱く歪な愛を受け入れてくれた親友に朱乃は心から感謝した。

「それでしたらこれからは何の憂いもなく火月と一緒に寝れますわね♡」

「え?」

そこにはいつもの笑顔をする親友にリアスは呆気を取られる。

「リアス達がうちに来てからずっと人気のない学校のトイレでしていましたが、流石に限度がありますし、時間も限られていたので少々物足りなく………………ですが、リアスが受け入れてくれたので何の躊躇いも憂いもなく部屋でできますわ」

「あ、朱乃……………貴女、もしかして……………………」

「ふふ、リアス。貴女ならきっと受け入れてくれると信じていましたわ。だって親友ですもの」

計算通りといわんばかりの勝ち誇った笑みを見せる朱乃にリアスは空いた口が塞がらなかった。全ては朱乃の掌の上。それに気付いたリアスは怒りで全身を震わせる。

「朱乃………………ッ! 貴女ってヒトは!!」

「あらあら、リアス。私を誰の姉と思っていますの? 貴方の婚約者(フィアンセ)である姫島火月の姉ですのよ? ふふ、まだまだね、リアス。そう簡単に私の弟はあげませんわよ」

いつもの調子を取り戻す朱乃にリアスは親友を睨み付けて言う。

「火月は私のものよ! 誰にも渡さないのだから!」

こうして二人はいつも通りの喧嘩をするのであった。



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性教育★

姫島姉弟の歪の愛を受け入れたリアスに朱乃はこれで何の遠慮も配慮もなく火月と一緒になれることに喜ぶ。だが、リアスも負けじと朱乃に対抗する。しかし、今の火月はまだ幼い子供のまま。まだ元の姿に戻る気配がなく、アザゼルが何かしらの対策を持ってくるのを待っている。

その間、一誠やアーシアも仲間である火月の面倒をみようと遊ぶに来るも、幼い火月はアーシアはともかく一誠の扱いは酷かった。もはや邪険していると言ってもいい。

ドラゴンの雄は他生物の雄が大嫌い。もしかしたらドラゴン系神器(セイクリッド・ギア)、地殻龍アルドエイクをその身に宿しているからかもしれない。

男には触れさせようともしない火月。けれど、女性には寛容というわけでもなく基本的の火月の世話は姉である朱乃がみている。リアス達では駄目というわけではないが、懐こうとはしてこない。

特にリアスは積極的に火月の面倒をみようとするが、それでも懐いてはこない。だがしかし、そんな気難しい火月にも懐く女性がいた。

「あらあら」

「どうして…どうしてなのよッ!? どうしてグレイフィアには懐くのよ!?」

涙目で叫ぶリアスの視線の先にはメイド服にその身を包む銀髪の女性、グレイフィア。そのグレイフィアの腕の中には火月が無垢の笑みを浮かべてグレイフィアに抱き着いている。

朱乃は悔しがるリアスを苦笑しながら宥めるのであった。

「えっと……」

そんな義妹(リアス)と腕の中にいる幼い義弟(火月)に流石のグレイフィアも困惑する。しかし、朱乃同様に懐いてくる義弟を無下に扱うこともできず、とりあえず面倒をみているグレイフィアであった。

「まぁ、リアス。火月くんにとってグレイフィアはもう一人の姉だと思っているぐらいに慕っているんだ。懐くのも当然のことだよ」

「お兄さま……」

妹を宥める魔王さま。

幼くなった義弟の様子を見にきたサーゼクス。その付き添いでサーゼクスと共に訪れたグレイフィアに火月は朱乃から離れてグレイフィアに抱き着いたのだ。

これまで実姉である朱乃以外に誰も懐かなかったのにグレイフィアを見た瞬間に、火月はグレイフィアに抱き着いたのだ。その光景に微笑ましいという気持ちよりも何故という気持ちの方が強かった。

「さて火月くん、そろそろお義兄さんのところにこないかい?」

義弟を抱きたい一心で手を伸ばすが、火月はその手をビシッと叩いた。義弟はなかなか手厳しかった。

「……」

笑顔のまま固まる魔王様。よほどショックだったのだろう。

「まったく……」

グレイフィアは火月を抱えながら呆れるように息を漏らし、甘えてくる幼い義弟をよしよしする。

「リアスお嬢さま。火月さまはまだ元には戻られないのですか?」

「……ええ。アザゼルが色々と調べているみたいだけどまだ」

もうそれなりの日数が経っているのに火月が元に戻る気配はない。だからもしかしたらずっとこのままかもしれないという不安が脳裏を過る。

「それは困りましたね。火月さまにはまだまだ教えなければならないことが沢山ありますのに……」

火月は魔王を目指している。

自身と姉のような存在を生み出さない為に魔王を目指しているのはグレイフィアは知っている。だからその夢を後押しする為に色々と教育を施しているのだ。

火月にとってグレイフィアは姉のような存在でもあり、師匠でもある為にグレイフィアが火月を育てたと言っても過言ではない。

そう、性教育の方もグレイフィアが身を持って教えたのだ。

 

 

 

 

それは数年前、火月が14歳になった頃。

火月は冥界、グレモリー家で世話になりながらグレイフィアやルシファー眷属の下で様々な教育を受けていた。姉である朱乃を護る為に強くなり、遂には禁手(バランス・ブレイカー)に至り、魔王であるサーゼクスと戦い、傷を与えて特例とはいえ上級悪魔となった。

悪魔の駒(イーヴィル・ピース)』も授与された火月に朱乃やリアスはもちろん、グレモリー家のモノたちからも祝福された。

火月も魔王となる為の一歩を踏み出せたことに意気込みと更なる昇格にやる気を漲らせていた。

そんなある日のことだった。

「あークソ。禁手(バランス・ブレイカー)になっても沖田さんの動きにはまだついて行けねぇ……」

今日の修行相手はルシファー眷属の騎士(ナイト)である沖田総司。火月はそのヒトと剣術の修行と模擬戦を行ったが、総司の動きについて来れずに敗北した。

『それでもだいぶ強くなったんじゃねえか? あの騎士(ナイト)も褒めていたじゃねえか』

火月に宿るドラゴン、アルドエイクがそう告げるが火月は首を横に振る。

「沖田さんは本気なら俺は五回は殺されてる。それに今日の修行相手がグレイフィアさんなら『この程度で満足してはいけません。次はもっと厳しくします』って言われるぞ?」

現状に満足させずに更なる向上を意識させるグレイフィアの教育。厳しくも火月は素直にグレイフィアに尊敬の念を抱いている。

純血の悪魔でも転生悪魔でも、ましてや悪魔とのハーフですらない火月の魔王になりたいという夢を笑うことも貶すこともなく、その夢に協力し、教育を施してくれるグレイフィアには火月は感謝しかない。

「本当、サーゼクスさまが羨ましいな。グレイフィアさんみたいなヒトと結婚できて……」

グレイフィアを妻にもつサーゼクスに羨望の念を抱く火月はまだ実姉である朱乃と歪んだ愛を育んではいない。勿論、家族として愛してはいるが、一人の女としてはまだ愛してはいなかった。

とはいえ、姉に近づく害虫(おとこ)は容赦なく追い払っているがそれはそれだ。

「それにしても夜にグレイフィアさんに呼ばれるなんて珍しいな……。それも風呂上りになんて」

グレモリー家に住んでいた頃の火月のスケジュールは基本的に朝と昼が悪魔社会や一般常識、マナーやダンスなどといった勉強とルシファー眷属の下で戦闘訓練を受けるが、夜は基本的に自由時間。大抵はリアスや朱乃と一緒に何かするのだが、今日は珍しくもグレイフィアに呼ばれている。

『入浴を済まらせらすぐに部屋に行きなさい』

食事を終えた火月にグレイフィアがそう耳打ちした。何をするのかはわからない火月ではあったが、グレイフィアの言われた通りに入浴を済ませて真っ直ぐ部屋に向かう。

(部屋だから流石に戦闘訓練じゃないだろうな……。それに入浴を済ませたらって言っていたし、寝る前の勉強? でもそれなら昼間にちゃんとやっている。あ、もしかして抜き打ちテストか? それはあり得そうだ)

嫌だなー、と思いながらも自身の部屋に到着した火月は自身の部屋だというのに緊張気味にその扉を開ける。

「お待ちしておりました。火月さま」

そこにいたのはいつものメイド服姿のグレイフィアに火月はゴクリ、と生唾を飲み込みながら部屋に入って扉を閉める。

「も、問題用紙は……?」

「はい?」

思わぬ発言にグレイフィアは怪訝そうにするもすぐにその理由に納得した。

「何か勘違いなされているようですが、テストは行いません。それなら昼間の内に行っています」

「そ、そうでしたか……」

抜き打ちテストではないことに一安心する火月だが、それではどうして自分がここに呼ばれたのかわからない。

そんな火月にグレイフィアは告げる。

「火月さま。僭越ながら今日より私が火月さまの性教育を施させて頂きます」

「はえ?」

その言葉に火月はかなり間抜けな声を出した。

「…………えっと、保健体育ですか?」

「はい。ですが実際に私と性行為を行って頂きます。私ではご不満があるでしょうがそこは目を瞑って頂けると……」

「いやいやいやいやいやいやいや!! 不満なんて全然ないですから!! むしろ初めての相手がグレイフィアさんで嬉しいと言いますが……って違うだろ!? 俺!!」

混乱する火月は一度大きく深呼吸をして尋ねる。

「えっと、グレイフィアさん。どういうことか事情を説明してください……」

「以前、サーゼクスさまとの戦いで火月さまは上級悪魔になられました。それはグレモリー家に仕える身としても大変喜ばしいことです。ですが、悪魔社会に生きる為にも女性に慣れておく必要があります」

「……慣れている方だと思うのですけど」

というよりも基本的に火月は女性に囲まれていることが多い。主な相手は眼前にいるグレイフィアやリアスや朱乃だが、ソーナやセラフォルーとも交流がある。

男性よりも女性の方が交流を持っている火月だが、グレイフィアはそれを否定した。

「それは身内相手です。上級悪魔として悪魔社会に生きるのでしたら他の女性とも交流を深めなければなりません。そのなかには誘惑を得意とする女性悪魔も大勢いらっしゃいます。火月さまと既成事実を作ろうとするヒトも現れるでしょう」

「俺と……? でも俺、純血の悪魔でもありませんし、上級悪魔になったばかりですよ?」

それを聞いたグレイフィアは思わず頭を抱えた。

「火月さまはご自身の価値を理解なされていないようなのでご説明させて頂きます。確かに火月さまは純血の悪魔ではありません。ですが、火月さまは魔王であるサーゼクスさまに傷をお与えになったのです。それは誰でもできるというわけではありません。それができる上級悪魔など数えた方が早いでしょう…」

「でも、あの時はサーゼクスさまは本気ではなかったですよ?」

「それでもです。兎に角、火月さまには女性に慣れて頂きます。その為にも女性と性行為を行い、耐性を付けて頂く必要があるのです」

「その相手がグレイフィアさんですか……? でもグレイフィアさんにはサーゼクスさまが……」

「主から許可は頂いております。ですから何も気に止むことはありません。今の私はサーゼクスの妻ではなく、グレモリー家に仕える者として火月さまを教育させて貰います」

教育は教育でもその前に性がつく教育だが。

「……」

火月は難しい顔を作る。初めての相手がグレイフィアで嬉しいという気持ちもあれば申し訳ないという気持ちもある。複雑な心境を抱く火月をグレイフィアはベッドの上に押し倒して火月の手を取り、自身の胸に触れさせる。

「グ、グレイフィアさん……」

「これが女性の胸です。揉んでみてください」

火月に跨う態勢で火月の手を取って両胸を揉ませるグレイフィア。火月は掌では収まり切れないその胸を揉み始める。

(柔らかい……)

メイド服の上からでもわかる胸の柔らかさ、そしてその重量感。両手を、指を動かすたびにそれが伝わってくる。

(でもこれ……もしかしてブラをつけてない……?)

ブラの感触が伝わってこない。ということは今のグレイフィアはノーブラ。本当の性教育を施す為にこの部屋にやってきたのだろう。

「んっ…そ、その調子です……上手ですよ……」

薄っすらと頬を染めながら褒める。しかし、火月も年頃の男の子。グレイフィアの胸を揉んで既に陰茎がズボンの中で臨戦態勢となり、火月の上に跨っているグレイフィアは臀部から感じる堅い感触にはすぐに気付いた。

「……若い男の子ですものね」

薄っすらと笑みを浮かばせながら火月のズボンをズラして陰茎を取り出して指先で撫でるように触り始める。すると、陰茎はビクッと驚いたように動いて火月も初めて異性に触られたことに顔を赤くする。

「グレイフィアさん、俺……その……」

何か言いたそうにする火月にグレイフィアは優しく微笑む。

「誰でも初めてはあります。今日は私が動きますから」

経験がない火月の為にグレイフィアはまずは口淫(フェラ)から行おう。

(大きい……)

男性の陰茎は夫であるサーゼクスのしか知らないグレイフィアだが、これはそれ以上。微かに不安が過るもここで終わらせるわけにもいかず、グレイフィアは陰茎の先端を舐める。

「ん、ぺろ……ちゅ、ちゅる……」

銀色の髪を揺らしながら、唇のリングでカリ首をしごき上げる。鈴口や亀頭周辺には舌がうねうねと這い回る。

「ちゅ……ちゅば…ふっ……ん……」

別段、グレイフィアも経験が豊富というわけではない。火月の反応を確かめながら口と舌を動かしているに過ぎない。それでも女性経験のない火月には十分過ぎる程に刺激的である。

「……あ、う……」

グレイフィアの口の中が暖かくて気持ちがよく、思わず声を出してしまう火月は込み上げてくる射精感を必死に抑えながら耐えようとするが、口の中で這い回るグレイフィアの舌が射精感を高めていく。

初めての口淫(フェラ)に身を震わせる火月は我慢の限界を迎えた。

「んぐっ……ん……」

火月はグレイフィアの口の中で射精した。

びゅるびゅると口内に精液が吐き出されるグレイフィアはその量から口内では受け止めることが出来ずに思わずゴクリと飲み込んでしまう。

熱く、量も多い火月の精液。喉の奥にまでこびりつくような粘液に引っかかりながらもまだ射精が止まらない火月の精液を受け止め続ける。

「んっ……んん、ふっ」

長く量も多いその射精は若さゆえのものだろう。それでもグレイフィアはそれを受け止めて飲み込んでいく。初めての相手を火月本人に選ばせることなく、既に男性経験があるどころか、子供までいるグレイフィアが火月にとって忘れられない思い出となるのだ。だからせめて嫌な思いだけはさせまいと、グレイフィアは必死に奉仕するのだ。

グレイフィアにとってせめてもの救いが、『初めての相手がグレイフィアさんで嬉しい』とそう言ってくれたことぐらいだ。嫌な思いだけはしないでいてくれることに安堵するも、それでも少しでも良い思い出、経験にしようとグレイフィアは火月に跨り、本番を行使しようとするが―――

その際、火月に押し倒された。

「か、火月さングっ!? んん!!」

押し倒されたグレイフィアは火月に乱暴にその唇を奪われた。ただ若気の衝動に身を任せた乱暴で激しい口づけ。歯と歯をカチカチと当てながら強引に舌を口内に入れて貪るようにグレイフィアの口腔を蹂躙する。

「ンンッ! ン、ハァ…か、フッ! ンン、ン!!」

女性相手にはもっと優しくするようにと注意しようとするも、火月はグレイフィアの言葉など聞く耳も持たずにただ本能のままにグレイフィアを貪る。その瞳は既に理性という枷が壊れた獣。今の火月にはただグレイフィアを貪ることしか考えていない。

そして、顎が外れるかと思うような乱暴な口づけが終え、火月はグレイフィアのスカートに手をかける。既に爆発寸前の火月は本能のままにグレイフィアの下着を破り、秘部に自身の陰茎を押し込んだ。

「ひぐ!?」

挿入しただけでグレイフィアは背筋が仰け反り、絶頂した。

強引に挿入させられ、膣内を乱暴に穿つ火月の陰茎にグレイフィアは痛みと同時にそれ以上の快楽に襲われる。

勿論グレイフィアもそのつもりでいた。今日ここで火月の筆おろしをするつもりでいた為に覚悟はできていた。けれど想像以上以下以前に旦那(サーゼクス)より熱が帯びた大きく固い陰茎にグレイフィアは感じてしまったのだ。

「くっ、んっ、ふぐ……ン……」

若気の衝動に身を委ねて本能のままにグレイフィアの子宮内を乱暴に掻き乱す火月にグレイフィアは声を押えようと必死に堪え、シーツを強く握りしめる。けれども火月が動く度に揺れる大きな乳房に火月は服の上からもお構いなしにしゃぶり始める。

痛いぐらいに揉みしだかれて吸われるグレイフィアの乳房。秘部も滅茶苦茶にされてもはや教育どころではない。どうにか火月の正気を取り戻そうとするも、口を開けばどうしても官能的な声を出してしまう。

もはや、火月が満足するまでグレイフィアはただその身を蹂躙されるしかなかったのだ。

そして―――

「~~~~~~~~~~~~ッッ!!」

火月は容赦なくグレイフィアの膣内に精液を注ぎ込んだ。

長く、最奥まで精液を注ぎ込む火月。注がれる度にグレイフィアは快感にその身を打ち震わせるも、少しだけ安堵する。

(こ、これで、少しは落ち着きを……)

これだけ射精をすれば少しは落ち着きを取り戻してくれる。そう思ったグレイフィアであったが、その考えは甘かった。

「え?」

膣内で大きくなった陰茎にグレイフィアは思わず声を出してしまう。そう、火月はまだ獣のままであった。

そして再び、火月はただグレイフィアを貪るのであった。

 

 

 

 

(結局あの日は教育どころではありませんでしたね……)

朝になっても止まる気配はなく、一晩中子宮内に精液を注ぎ込まれたグレイフィアはあの日以上に妊娠を危惧した日はない。それだけ自身の膣内に射精されたのだ。

いくら悪魔が極端に出産率が低いとはいえ、本当に妊娠してもおかしくはないほどだった。無論グレイフィアも事前に避妊薬は飲んではいたが、それでも危惧した。

その日は結局、グレイフィアがどうこうする前に火月の方が体力の限界を迎えてすぐに眠りについたからよかったものの、あのまま続けていたらどうなっていたか、想像すらできない。

それから回数を重ねるたびに手加減と女性の扱い方を覚えていったが、それはそれで火月に眠る何かを目覚めさせてしまった気がしてならない。

グレイフィアは自身の腕にいる火月に視線を向けると火月は笑みを見せる。

(……このまま元に戻らなければ私が育てましょう)

割と本気でそう考えたグレイフィアであった。



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紡がれる家族の絆

「あらあら」

まだ元の姿に戻る気配のない火月は朱乃の膝を枕にして小さく寝息を立てながらお昼寝を満喫していた。

そんな火月を朱乃は愛おしそうに優しく頭を撫でる。

そんな二人の様子を火月の様子を見に来ていた一誠はリアスに言う。

「なんだか朱乃さん、嬉しそうですね」

それこそ母親が我が子を愛でるかのようにご満悦そうにしている朱乃。そんな二人を見ながらリアスは一誠に言う。

「嬉しいのでしょうね。火月があんな姿になったとはいえ、自分に甘えて、頼ってくれるのが。普段の火月ならそんなことさせてもくれないもの」

普段から火月はしっかりしている。

誰かに甘えるよりもむしろ甘やかす方だし、誰かに頼るようなことも滅多にない。大抵のことは一人でできてしまうから。それが朱乃には不満だったのだろう。

「姉の威厳とまでは言わないでしょうけど、弟にああして甘えて欲しいと思っていたのでしょうね」

もっと姉に頼って欲しい、甘えさせて欲しい。姉として弟の手助けをしたい。その不満を朱乃は心のどこかで抱えていた。

だけど今は、体も記憶も幼くなっていることもあって甘えてくれることが姉として嬉しいのかもしれない。

「俺も火月の手助けができればいいんですけど……」

「火月、男の人には触れさせようともしないものね」

命懸けで覇龍(ジャガーノート・ドライブ)から助けてくれた。だから今度は火月の力になろうと思って一誠はアーシアと共に毎日、この家に訪れてはいるも、アーシアはともかく一誠には触れさせてもくれない。

男が俺に触れるなと、言わんばかりに男の手を叩く。

今でも火月が懐くヒトは姉である朱乃とグレイフィアだけ。それ以外のヒトはそうでもない。積極的に面倒をみようとするリアスでさえも最近になってようやく甘え始めてきたところだ。

「でもイッセー、今はまだできることは少ないでしょうけど、いずれあなたの力も頼る日もあるかもしれないわ。その時はお願いね」

「はい、部長」

自分の眷属を励ますリアス。するとアザゼルがやってきた。

「よぉ、おまえら。火月の様子はどうだ?」

「先生!」

「おう、イッセー。お前もこっちに来てたんだな」

アザゼルの登場にリアスは早速と言わんばかりにアザゼルに尋ねる。

「それで? 火月が元に戻る方法は見つかったのかしら?」

「見当はついた。だがその前に朱乃、お前に会わせたい奴がいる」

「私に……?」

首を傾げる朱乃。アザゼルが身を横に移動すると二人の男女が姿を現す。その二人を目視した瞬間、朱乃は手で口を塞ぐ。

男の方は朱乃と火月の肉親、父親のバラキエル。

「朱乃」

朱乃とよく似た二十代前半の女性の名を朱乃は口にする。

「朱雀姉さま……ッ!」

朱乃と火月のいとこに当たる姫島宗家の現当主――姫島朱雀本人がそこにいた。

「どうして……」

ここにいるのか? その疑問を投げる前に火月が目を覚ました。

「とうさま!」

寝惚けた眼を擦り、父親の姿を目撃した火月は父親めがけて駆け出し、抱き着く。

「火月。話は聞いてはいたが、本当に……」

自分の息子が子供に戻った。その報告は聞いてはいたバラキエルではあったが、実際に目の当たりにして驚きを隠せない。しかし、懐かしくもその大きな手で火月の頭を撫でると火月も嬉しそうに目を細める。

「あらあら、火月ったら懐かしい姿になっちゃって」

朱雀もまた懐かしそうに火月を抱きあげる。すると火月もまた満面な笑みでコアラのように朱雀に抱き着くのだった。

「朱乃。色々と積もる話もあるでしょうけど、今は私よりも話すべき相手がいるでしょう? バラキエルさんも今はお仕事のことは置いておきましょう」

そう告げる朱雀に父娘の視線が自然と合う。

「……はい」

「わかった……」

二人は幼い火月を朱雀に預けて場所を移した。

 

 

 

場所を移した二人は互いに向かう会う様に座ったまま無言を貫いていた。

互いに顔を俯かせて何を言えばいいのか、思い悩むなかで先に沈黙を破ったのは朱乃だ。

「ごめんなさい……」

「あ、朱乃」

娘が頭を下げたことにバラキエルは戸惑いながら頭を上げさせようとするも先に朱乃が言葉を続けた。

「父さまが悪くないことぐらいわかっていた。けど、そう思わなければ、私の精神(こころ)は保たなかった……」

本心を父に語る。

「私は火月のように強くなれない。ずっと父さまのことを信じている火月のようには……だから、父さま。あんな酷いことを言った私が今更、父と呼ぶのは不快かもしれません。ですが、ずっとあなたのことを信じている火月だけは愛してあげてください」

酷いことを言ったその自覚は朱乃にはあった。父親であるバラキエルは何も悪くはないことぐらいわかっている。それでも父親に向かって酷いことを言った、つい最近まで憎しみの感情すら抱いていた朱乃に今更父親の愛情を求めるのは筋が通らない。だからここで絶縁だと言われてもそれを受け入れる覚悟は朱乃にはあった。だけど、火月は違う。

火月は今でも父親に憎しみも嫌悪感すらも抱くことなく父親を信じている。だからせめて弟だけには父親の愛情を与えて欲しいと朱乃はバラキエルにそう懇願する。

そんな朱乃の肩にバラキエルは手を置いた。

「頭を上げなさい」

静かな口調でそう告げられ、朱乃は頭を上げる。

「私の方こそすまなかった」

すると今度はバラキエルの方が頭を下げた。

「まだ幼いお前達に大変なものを背負わせてしまった。父としてお前達に返す言葉もない」

バラキエルは覚悟していた。

自分の子供達に罵詈暴言を吐かれるかもしれないと、だけどそれは仕方がないことだと思い、受け入れる覚悟をしていた。

もっと早く帰っていれば、そもそも仕事に行かなければあんなことにはならなかった。

そのせいで朱乃、特に火月には過酷な想いをさせてしまった。

「おまえたちさえよければ、また父と呼んで欲しい……」

「父さま……」

抱きしめ合う父娘。もう何年も感じることすらなかった父の温もりに朱乃の頬から涙が零れ落ちる。

「朱璃のことを……おまえたちのことを……一日たりとも、忘れたことなどないよ」

「はい……」

紡がれた親子の絆。

部屋の前にいたアザゼルはそっとその部屋から離れていく。

「よかったな、バラキエル」

本来ならこうはならなかっただろう。それだけ根が深い問題だった。だけど、火月がずっと父親を信じ、姉を守り続けてきたからこそ引き離れていた家族の絆はまた紡ぐことができた。

「いい息子を持ったじゃねえか」

だが、全ての問題が解決したわけではない。

先の一件。一誠の覇龍(ジャガーノート・ドライブ)を止める際に目覚めた火月に宿る火之迦具土神(ヒノカグツチ)。姫島が信仰する神の名、その力を覚醒させた火月を調べる為に姫島宗家の現当主である姫島朱雀がここにやってきた。

何故、今になってその力が目覚めたのか? その力を覚醒した火月を姫島家はどうするのか?

「悪いようにはならねえとは思うが……」

現当主が朱雀である以上、悪いようにはならないだろう。それでも悩みは尽きない。



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