邪神絶唱ニャルラトホテプさん。 (とろばこ)
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名状しがたいプロローグのようなもの
転生!


シンフォギアの世界にニャル子がいたら面白そうだなって思い書いてみました。


皆さん、転生って言葉は知っていますか?

最近多いですよね、そういう物語が。

トラックに轢かれたり、過労死したり、誰かに殺されたり...。

挙げたらきりがないですけど私も転生しちゃったんですよ。最後は病院でひっそりとお陀仏しました。

18でこの世を去るとか案外呆気ないものなんですね。

これからどうしようかと思ってたら真っ白な空間にいてですね、目の前に凄く綺麗な女性がいたのですよ。

 

「やぁやぁどうもどうも」

 

こちらこそどうも。失礼ながら質問いいですか?

 

「あ、どうぞなんなりと」

 

ここってどこなんですか?それと貴女は?

 

「あーそうですねぇ...ここは、死後の世界?天界?まぁそんなところです。私はここで神様をやっているのです。えっへん」

 

そうなんですか。なんかすみません、ここに来てしまって。

 

「大丈夫ですよ!貴女を転生させるためにここに呼んだのですから。まぁくじ引きで引いたら貴女がっていうわけですね。あ、ちなみに貴女のエントリーNo.は10032です!」

 

なんですかその妹達の個体番号の数字は。

 

「おぉ!貴女はそういうの知ってるクチなんですね!」

 

まぁ、それなりには。

 

(この神様、見た目はすごい綺麗なのに中身が少し残念な気がします)

 

「ちょっと貴女?失礼ですよそういうの」

 

ごめんなさい。

 

「よろしい。では早速なのですが転生のことです。神龍ではありませんが貴女の願いを3つだけ叶えてあげます。姿形能力世界どれでも構いません。何かありませんか?」

 

うーん。そう言われると何もないんですよねー。

 

「あ、分かります分かります。何かありますか?って言われると何を選べばいいかわからないですよね。そんなこともあろうかと!私が作って来ました!」

 

そういって神様は穴が空いている箱を3つ用意してくれました。多分くじ引きでしょう。

 

「いぇす!そうですそうです。まずはこのくじ引き!姿形のくじからです!どうぞ!」

 

はい、分かりました。

 

神様から差し出されたくじ箱に手を突っ込んで一枚の紙を引っ張りました。

 

「は、早いですね...」

 

こういうのは直感で引くといいんですよ。

あ、私は中身を確認しません。面白くありませんから。

 

「そうですかそうですか。では次は能力です、どうぞ」

 

また差し出されたので直感で引っ張ります。中身は確認しません。

 

「では最後は世界です。どうぞ」

 

生まれ変わる世界はちょっと気にしたいですね。ファンタジーな世界はあんまりよろしくないような気がしますが、まぁ選んだものは仕方ありません。いざ!

 

「はい、お疲れ様です。....ほーふむふむ。凄いですね貴女。結構運いいと思います」

 

そうなんですか?ありがとうございます。

 

「ではあとは転生するだけですね。最後に何か言いたいことはありますか?」

 

そうですね...私を選んでくれてありがとうございます。

次の人生も楽しんで生きます。

 

「...そうですか。こちらこそありがとうございます。それでは転生させます。貴女に幸があらんことを...」

 

神様がそう言った途端、私の意識は徐々に薄れていきました。これが転生なんですね....。

 

 

 

 

 

/////

 

 

 

 

 

「ふぅ」

 

今回も無事転生させることができました。

にしても彼女は凄く運がいいと思います。

なんたって這いよれニャル子さんのニャル子と同じ姿、能力なんですから。

世界は...ちょっと危ないですけどこれなら安心できますね。

 

そう思って手のひらにある紙に目を落としました。

 

___戦姫絶唱シンフォギア

 

そう書かれていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




誤字あったらすみません。


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ニャルラトホテプ爆誕!

うーん難しいですね。小説書くのって。


「目を開けてくれ!生きるのを諦めるな!!!」

 

私、天羽 奏は目の前に倒れている少女に叫ぶように吐いた。

その少女ははショットガンで撃たれたかのように全身に深い傷を負っていた。

沢山の血が流れている。もしかしたら彼女は駄目かもしれない。そう思いたくないが頭の中で死というイメージがぐるぐると回っている。

 

「.........ん.......ぁ.......?」

「!!!」

 

少女は薄っすらと目を開けて反応を示してくれた。

それを見た私は安心した。まだ生きていることが嬉しかった。

それと同時に決心し、彼女に微笑み、槍を強く握った。

 

 

「.........いつか、心と身体を全部空っぽにして、思いっきり歌いたかったんだよな」

 

そう言葉を零し、目の前にいる人類の敵、ノイズに一歩一歩足を運ぶ。

 

「今日はこんなに沢山の連中が聴いてくれるんだ」

 

「だからあたしも、出し惜しみ無しでいく...」

 

私は天に届くかのように槍を掲げた。

 

「とっておきのを送ってやる」

 

___絶唱。

 

私は静かに息を吸った。

これで最後だ。後は任せたよ、翼。

私は目を見開き、言葉を吐こうとしたら____

 

「おわああああああああ!!!!!!!」

 

大きな叫び声と共に銀髪の少女が天から降ってきた。

 

 

 

//////

 

 

 

意識が薄れてこれが転生か、と思えばこの仕打ち、酷くないですかね。神様。

そう思いながら土埃を叩く私です。

なんか黒いスカートですね。まぁいいですけど。

 

「なんだよ、おい.....」

 

声が聞こえたので振り返ってみると槍を持った際どいモビルスーツみたいなのを着た美人さんが唖然としてます。何かと戦っているのでしょうか、身体がボロボロに見えます。

 

他にも周りを見てみると、同じくモビルスーツもどきを着たスレンダーな美人さんと血だらけの少女と鮮やかな物体が...

 

「って、なんですかあれh...って危な!何してけつかるんですかあなた!」

 

色鮮やかな物体は最後まで人の話を聞かずに攻撃してきました。もしかしてボロボロだったのはこいつらと戦っていたから...?

 

そう考えれば納得です。

そう思いながら色鮮やかな物体__敵の攻撃を避けていきます。

 

「なにか武器は....ん?これはガラスですか?ちょいと拝借」

 

落ちていたガラスを手にとって私の顔を拝見させていただきました。敵が攻撃してくるのをそっちのけでです。

 

「なんじゃこりゃあああああ!!!!!」

 

ガラスに映っていたのは銀髪碧眼の美少女。しかもあのあなたの背後に這いよる混沌の、宇宙最強の邪神の、

 

ニャルラトホテプでした。

 

 

 

 

 

 

 

.......ハッ!知らないお空!

私は数秒気を失っていたそうです。

自分が這いよれ!ニャル子さんのニャルラトホテプになっていたことは一旦置いておきましょう。

とりあえず、先に敵の殲滅です。

あの作品のニャルラトホテプ___ニャル子さんは色々なことが出来たはずです。しかも最強の邪神なのですから人間とは根本的に耐久性が違うはずです。恐らく、並大抵のことでは傷1つつけることはないでしょう。

多分大丈夫な筈です。

では、ぶっつけ本番ですがあれを使って見ましょう。

 

「宇宙CQC!パート2!名状し難いバールのようなもの!」

 

そう叫びながら背中から名状し難いバールのようなものを引き抜きました。

 

うん、名状し難くないよね、これ。ただのバールだよね。

こんなので本当に敵を倒せるのかなぁ?

いやいや、ここでネガティブ思考に陥っては駄目です。

とりあえず怖いのでぶん投げて見ましょう。

 

「オラッ!!!」

 

そう叫びながらバールのようなもので勢いよく投げつけました。

凄まじい回転をしながら敵に向かっていくバールのようなもの。果たして威力はどれほどか?それほどでもないか。

 

と、思っていたら、

 

GYAAAAAAA!!!!!

 

と大きな雄叫びを上げながらバールにあたった敵達は粉々に砕けていきました。

...強すぎません?名状し難いバールのようなもの。

でもこれで確信しました。

 

宇宙CQC、邪神以外にも効く。

 

そうと分かれば話は早いです。

私はスカートに手を掛け、

 

「とっておきですよ!宇宙CQCパート3!だったっけ。まぁどうでもいいです!冒涜的な手榴弾!」

 

と叫びながらスカートの中からリボンの付いた手榴弾を取り出し、線を引き抜き敵に投げつけました。

 

チュドーン!

 

大きな爆発と共に敵達は四方八方に飛び散りました。

 

「まだまだぁ!!ホラホラ!!!」

 

一個だけじゃ足りないと思い、何個か敵に投げつけます。

そうすると、敵達は次々に爆殺されていきました。

 

多分今の私、凄く輝いているような気がします。

凄く楽しいんです。邪神になってから頭のネジが飛んだのかもしれません。

 

楽しいことはすぐ終わってしまいます。

気がつけば、敵達の姿は無く、残っていたのはモビルスーツの美人さん2人と血だらけの少女だけでした。

 

これは、なんて説明しましょう...。

 

「あのーこれには幻夢鏡よりも深ーい事情がありましてですね...」

 

「「.........」」

 

あのー何で無言でいらっしゃるのでしょうか。なんか不安になります。

 

「ちょっと用事があるので帰ります!」

 

なんか気まずい雰囲気に耐えられないので逃げることにしました。

 

「ちょっ、待ちなさい!」

「待てと言われて待つニャルラトホテプはこの世にいないんですよ!」

 

そう青いモビルスーツの美人さんに叫び、戦場を後にしました。

これからどうすればいいのでしょうか、不安しかありません。

 

 

 

 

 

//////

 

 

 

 

「行ってしまったな」

「何なのよ、あの娘...」

 

何だったのだろうか、あの少女は。

いきなり現れたと思ったら急に叫びだした上にバールや手榴弾でノイズを殲滅してみせた。

 

「分からない。とりあえず、助けてもらったんだ、それだけは感謝しておこう。それよりもだ。この娘を、早く病院に!」

「そ、そうね!叔父様!至急ヘリを!」

 

「ニャルラトホテプ、か...。覚えたよ、その名前」

 

そう呟いた言葉は少し強く吹く風に掻き消されてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




邪神は強い、はっきりわかんだね。


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中学校編入!

想像ではいくらでも考えられるんですけど文字にすると中々に難しいですよね。



あの戦いから少し日にちが経ちました。

戦いの後すぐ、適当に町を探検していたら道端に諭吉さんがあったので拝借させてもらい、ネットカフェで睡眠をとりました。

ん?それは窃盗じゃないかって?

 

「バレなきゃ犯罪じゃないんですよ......」

 

あと私の衣服に収納スペースがあったの凄くないですか?...全然凄くないですと?え?バールとか収納できるんだから凄くないですと?あんたバカァ!?ですよ。

四次元ポケットみたいなものなんですよ?青ダヌキと一緒なんですよ?凄いでしょうどう考えても。

 

話逸れたんで戻します。

 

その収納スペースにはバール、手榴弾の他に色々ありました。

 

まず、銀行手帳とそのICカードです。手帳覗いてみたら0が11個ぐらいありました。何ですかこの財政チート。流石ニャル子さん有給300年もある上に活躍しかしてこなかった分のお金があるんですね。道理で色んなものが買えるわけですよ。あぁ恐ろしい恐ろしい。

 

次に身分証明書です。名前の欄は、

「ニャルラトホテプ・ラヴクラフト」と書かれていました。神様が命名してくれたのでしょうか、凄く感謝です。

 

その次に「A・S・マンタ『すごいぞぼくらのうちゅうC.Q.C.』シチズンブライト出版、2009年」がありました。

これは伝説と言われた教科書です。

中身を覗いてみるとあの馴染みのある文章が見えました。

 

あなたがうちゅうC.Q.C.だとおもうものがうちゅうC.Q.C.です。

 

ただしたにんのどういをえられるとはかぎりません。

 

最後まで読みましたが全部ひらがななんですよ。凄く読みづらかったですが面白かったです。

 

最後にスマホとノートPCでした。

宇宙産だからでしょうか、落としても全然割れないし色んな機能付いているわりに動作が軽いです。ちなみに容量は4TBでした宇宙......恐ろしい子...!

 

 

 

 

 

//////

 

 

 

 

あれから更に数日が経ちました。

なんやかんやあって今中学校にいます。

3日目に銀行手帳の中に紙が入っててですね、神様が中学校生活から始めなさいだとか。まともに学校生活ができなかった私に対しての施しでしょうか。凄くありがたいです。それと住居は学校から少し離れたアパートに構えています。

ちなみに私は外国から来た編入生ということらしいです。何から何までありがとうございます神様。

 

「それじゃあ中に入って自己紹介を頼む」

「は、はい」

 

うーん緊張するなぁ。ここは掌に人と書いて飲み込むといいらしいですね。あれ?頭の中で何か...

 

「フハハハハハ!!!愚かな下等生物め!今すぐ塵にしてくれるわ!!!!!フーッハッハッハッハ!!!!!」

「早く入って来なさい」

「すんません」

 

怒られてしまいました。

しぶしぶ教室に入ります。

椅子に座っているみんなは目を輝かせていました。

まぁ無貌の神ですし。おすし。

 

『おぉ〜』

「かわいい〜」「すごくきれいだね〜」

 

なんかそう言われると恥ずかしいですよ。

あれ、空いている席が2つありますね。休みの方がいらっしゃるのでしょうか。

 

「では自己紹介よろしく」

「はい」

 

昨日一日中掛けて考えた自己紹介!とくとご覧あれ!(大嘘)

まず、黒板に名前を書きます。

そしてみんなに振り返り、あのポーズをします。そう、もちろんニャル子さん定番のライダー変身のポーズです。

 

「いつもニコニコあなたの背後に這いよる混沌ニャルラトホテプです!」

 

次に荒ぶる鷹のポーズをしました。安定のキレ重視です。

 

「好きなものはアニメ全般!得意なものは...声真似!皆さん、よろしくお願いします!」

『...............』

 

あ、あれ?もしかして滑った?

あんなに時間を掛けて考えた自己紹介なのに...(大嘘)。

みんなだんまりは良くないですよ。私、泣いちゃいますよ?涙ちょちょギレまくりっすよ!になりますよ?

 

「あ、先生呼び方はニャル子でいいですよ?」

「そ、そうだな。ニャル子くんの席は後ろのあの席だ。これから数ヶ月、よろしく頼むぞ」

「はいー」

 

先生に指示された席に向かいました。やっぱり珍しいのでしょう。他の生徒たちが私のことをチラチラ見てきます。見るならもっと堂々としてほしいですね。

 

「隣失礼しやっす」

「どうぞ」

 

隣の席の方は私から見ても綺麗な方でした。

名前はえーっと...

 

「私の名前は小日向 未来。小さい日向に未来って書くの。よろしくね、ニャル子ちゃん」

「こちらこそよろしくお願いしますよ!未来さん!」

「ニャル子くんうるさいぞ」

 

ありゃりゃ、また怒られてしまいました。

まあともあれ自己紹介は終わりました。しらけましたがなんとかなるでしょう。してみせる!

 

その後は普通に授業があり、休み時間には質問されまくって自由な時間はほぼ無く、いつの間にか放課後になっていました。

そしてさっきから疑問に思っていたことが。

 

「未来さん未来さん」

「なあに?ニャル子ちゃん」

「あそこに空いている席の人はどうしたんですか?」

「!.....」

 

未来さんは驚いた顔をした後、表情を暗くしてしまいました。なんか良からぬことが起きたのでしょうか。

 

「あの席の人は立花 響っていう娘なの。ある日事故で大怪我しちゃって...今は意識あるけど危険な状態だったんだってお医者さんが言ってた」

「そう、ですか...」

 

凄く悲しい出来事だったんですね。自然と私の心も悲しくなっていきます。入院は凄く辛いですよ。特に人工透析は。血を抜かれては戻されの繰り返しですから。あれは辛かったなぁ〜。

 

「そうだ!ニャル子ちゃんも一緒に響のお見舞いに行こうよ!」

「え...?」

 

流石に怪我人に向かって自己紹介は厳しいですよ。

しかも初対面なのにお見舞いだなんて普通じゃないですよ。

 

「大丈夫。響とニャル子ちゃんならすぐ仲良くなれるよ!」

「そういう問題じゃないんですよ未来さん」

「善は急げって言うじゃない?それじゃあ行きましょ?」

「あぁ!手を引っ張らないでー!」

 

こうして私は病院に連れて行かれるハメに。

お見舞い品はスーパーで果物を買って行きました。喜んでくれるといいのですが。

 

 

 

 

//////

 

 

 

 

「ここで少し待っててね」

「分かりました」

 

コンコンコン__。

 

「小日向 未来です。入るよ、響」

 

そう言って未来さんは病室に入って行きました。

 

「いつもごめんね〜未来」

「大丈夫だよ響。響は身体大丈夫?」

「へいき、へっちゃらだよ。こんな傷、早く治してすぐに戻るよ」

 

会話を聞くと凄く仲がよろしいご様子です。本当に私がここにいていいのでしょうか。今更ながら不安が...。

 

「そうだ、私たちのクラスに新しい転校生が来たの。響にも紹介するね。ニャル子ちゃん!入って来て」

 

未来さんに呼ばれました。しぶしぶと病室の中に入ります。

 

「どうもーニャルラトホテプっていいま...!?」

 

目の前にいた少女を見て驚きました。

嘘でしょう。こんなことってあるんですか...。

 

「え...嘘...あの時の...」

「響この娘のこと知ってるの?」

 

まさか、私が転生したところにいた、血だらけの少女がこの娘だったなんて...。こんな偶然があるんですか...。

なんだろう。

 

 

 

凄く気まずい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




艦これネタとエヴァネタを少々入れて見ました。


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お見舞い!

少しずつ増えていく文字数。


 

「え...嘘...あの時の...」

「響この娘のこと知ってるの?」

 

まさかの偶然、あの時の少女がこの病院に入院していたとは...普通誰も思わないと思います。現に私も思っていませんでした。偶然って怖いね。

ここで私の正体をばらされたらこの街にはいられません。転生して初めて足を付けた地ですし、地味に愛着があるんですよ。『ふらわー』っていうお好み焼き屋もすごくおいしかったんですよ!だからあまりこの地から離れたくないんです。

仕方ない、私の今後の邪神生のためにもここは響さんと一緒に一芝居を...

 

(すみません、話を合わせてください)

「うぇ!?」

「どうしたの?響」

「な、なんでもないよ未来。ちょっとびっくりしただけ」

 

響さんは突然の私のテレパシーでびっくりしたようです。

テレパシーも使えるとかなんて有能なんだニャル子さん。あと、テレパシーを使うと私のアホ毛がくるくる回るようです。仕様ですかね。

 

(突然すみません。今貴女の脳内に直接語り掛けています。あ、言葉を想像するだけで伝わるので大丈夫ですよ?)

(こっちも突然のことでびっくりしちゃって。なんかごめんね?)

(いえいえ)

 

凄い、凄いぞ主人公!さっそくテレパシーで会話ができるなんて!

多分外から見たら私と響さんが見つめ合ってるようにしか見えていないと思います。それでもアホ毛は回っている。

 

(単刀直入に言うと話を合わせてほしいんですよ)

(話を合わせる?)

(貴女もうっすらだと思いますが見た筈です。私とあの敵の戦いを)

(まぁ、うっすらとだけどね)

 

苦笑いして響さんは頭をポリポリと掻きました。こう見ると響さんもかなりの美少女ですよね。未来さんもきれいですし。

それから1分くらいかテレパシーでの会話を続けました。

私の力のことを黙っていてほしいこと、あの会場で出会ったのではなくて道に迷っていたところを響さんが教えてくれたこと、ファミチキをくださいということ。

 

「響たちなに見つめ合ってるの?」

「いやなんでもないですよ未来さん」

「そ、そうだよ未来」

(それではいきましょう)

(うん!)

 

こうして私たちの作戦は開始された__。そこまで大それたことではないけど。

 

「それで、ニャル子ちゃんと響は知り合いなの?」

「知り合いというか...」

「わ、私が道に迷ってた時に偶然助けてくれたんですよ~あはは~...ね?響さん」

「そ、そうだよ!ね!」

「ふ~ん」

 

未来さんは疑うように返事をしながら私と響さんを交互に見つめてきました。

内心物凄く焦っています。なんでこんなに鋭いの!?

 

(なんでこんな鋭いんですか!?)

(未来は普段からこんなだよ!)

 

響さんも焦っているようです。普段からということは幼馴染とかなんでしょうか。詳しいことは知りませんが、おいおい知りたいと思います。

 

「まぁ、そういうことにしておくわ」

「「ふぅ...」」

 

危機一髪でした。これから未来さんに隠し事は辞めといた方がいいと思いました。

...もしかして、私って顔に出やすいタイプなんですかね?どうなんでしょうか。

 

「そうですそうです!僭越ながらわたくしニャルラトホテプ、お見舞いの品を持参したのですよ!」

 

バサッ!とビニール袋を上に掲げて声を上げました。

 

「ありがとう!その...」

「ニャルラトホテプ・ラヴクラフトです。ニャル子、とお呼びください」

「分かったよニャル子ちゃん。ありがとね」

「いえいえ!」

「私が剥いてあげるね」

「ありがとう未来!」

 

そう言って未来さんはお見舞い品の中から果物を取り出し、皮を剥き始めました。ちなみに私はリンゴの皮は向かない派です。おいしいじゃないですか皮。

 

「はい響。あーん」

「あーん...おいしい!」

「ふふ、響ったら。お礼はニャル子ちゃんに言って」

「ありがとう!ニャル子ちゃん!」

「いえいえ。野菜、果物、お肉の目利きは得意なので。この邪神アイが全て見通します!キラーン!」

「あはは!変なの!」

 

あれ、意外と邪神と言ってもばれない...?なら少し安心ですね。

しかし、未来さんが響さんに果物を食べさせている光景を見てると、その...

 

「カップル、ですかねぇ...」

「そ、そんな...私たちがカップルなんて...///」

「そ、そうだよ!ニャル子ちゃん!変なこと言わないで!」

「いやぁ...こんな光景を見せられるとお二人方が付き合っているようにしか見えないんですよねぇ~。あ、私は大丈夫ですよ?NLもBLもGLもばっちおーけーですから!存分にいちゃついてください!」

「「そんなんじゃないから~!!!」」

 

息ぴったりなのも付き合っているようにしか見えないんですよね。お二人方には自覚がないようです。少し残念。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

/////

 

 

 

 

 

そんなこんなで早3ヵ月。響さんは明日退院だそうです。

 

 

「何から何までありがとね。未来、ニャル子ちゃん」

「大丈夫だよ響。また何かあったら私が看病してあげるから」

「なんで看病すること前提なんですか未来さん...。まぁ、何はともあれ退院おめでとうございます。響さん」

 

苦しいリハビリを超えて退院予定日よりも1ヶ月早く退院できるそうです。

身体に傷はあるものの、ケガする前までに体調は良くなったそうです。いやぁよかったよかった。

あとこの3ヵ月でこの世界のことを学べたと思います。

 

私が転生したところにいた敵は、認定特異災害『ノイズ』と呼ぶそうです。

そのノイズというものは人間に触れると人間を炭素の塊へと変換してしまうそうです。大分怖いですね。私には関係ないですが。

 

3ヵ月の間にもちょくちょく戦うことがあったんですよ。私の宇宙C.Q.C.の前では無残に飛び散りましたが。ナイトゴーントと同じ扱いでなんかかわいそうですね。人間にはただの脅威でしかありませんが。

 

「それじゃあ私たちは帰るから。あまり無茶しないでよ?私が心配するから」

「大丈夫だよ未来。あんまり心配しすぎると身体に毒だよ?」

「もう!響のために言ってるのに!」

「あらら...。それでは明日学校で会いましょう、響さん」

 

そう言って私と未来さんは病室を後にしました。

意外と未来さんって過保護なんですね。幼馴染兼彼女兼保護者役って結構いい属性持ってますね。

 

「だから彼女じゃないって!」

「あ、口に出てました?」

「出てたよ!」

 

顔を膨らませながら未来さんは答えました。可愛いですね。

 

「それより響さんは大丈夫なのでしょうか」

「どういうこと?」

「あのライブ?の事件というか事故というかの災害?は結構大事だったと思います。確か一万人以上がお亡くなりになっていてその中の生き残りの一人なのですからメディア目線から言えばいいネタになるかもしれませんよ?」

「...そうなんだ」

 

思ったことを口にしたら未来さんは暗い顔になりました。

こうなることは普通の人だったら当たり前です。私も暗い顔をしているでしょう。

 

「だからこそ、響さんの前では明るくしないと」

「そう、だね」

「大丈夫ですよ。響さんならへいき、へっちゃらとか言ってピンピンしているはずです!」

「そうだといいんだけど...」

「今からそんな暗い顔ではいけませんよ!ピシッとしておかないと後で響さんに心配されますよ?」

「うん...ニャル子ちゃんの言うとおりだね。少なからず響の前では明るく元気でいないと、ね?」

「その意義ですよ!」

 

次第に未来さんの顔は明るくなりました。

全ては明日になって分かることです。気長に...とはいきませんが私ができることを響さんにしてあげましょう。

そう決心し、私は自宅に向かいました。今日のご飯はカレーです♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




気が付けばお気に入りの件数が50超えていました。ありがとうございます!
よろしければ感想等もくれると糧になります。
誤字等ありましたら連絡ください。
次回をお楽しみに。


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ニャル子さん、キレる!

ちょっと暗めです。


思っていたより最悪な事態が起きました。

退院したとはいえ、ついこの間まで入院していた響さんに新聞記者やマスコミなどのメディア関係の人たちがぞろぞろとやってきたそうです。

それだけではありません。唯一生き残った人物として根拠のない責任というものが響さんに乗っかっていきました。

クラスのみんなも、響さんのことをやれ人殺しだの、税金泥棒だの酷いどころでは済まされない言いようでした。

響さんのお父様もそんな生活に耐えられず、家を出て行ってしまったそうです。

 

正直言って皆さんの人間性を疑いました。

誰かが響さんのことを守ってその方が亡くなったのなら話は別...とは言い難いですが分かります。

しかし、何の罪もないただの少女にこの仕打ちは...なんかやるせない気持ちになります。

 

私には何もできませんでした。何もできなかったんです。

苦しいことに耐える響さんを慰めることも、みんなの酷い言葉に反論するのも、何もできませんでした。

何が宇宙最強のニャルラトホテプ星人ですか。目の前で苦しんでいる人にも手を差し伸べることもしないなんて何が最強ですか。結局のところ、私も周りの人間と変わらないのです。

 

今日も響さんに酷い言葉が降りかかってきます。今じゃ机に落書きや花瓶などが置かれています。

響さんと未来さんは机に書かれた落書きを掃除しています。それを嘲笑いながら見るクラスの方々。

私が生まれ変わって見たかった学校生活はこんなだったのでしょうか。

私はこんな生活が続く方がよろしいのでしょうか。嫌な考えが頭の中で周ります。

 

「あいつらほんっと見てて面白いよねー、さっさと死ねばいいのに。ね?ニャル子ちゃん」

 

そう目の前のクラスメイトは私に言葉を投げかけます。

いいえ、私が見たかった学校生活はこんな暗くて醜いものではありません。

 

「そうですね...」

「うひゃー!ニャル子ちゃんもそう思うよね!?」

 

彼女は腹を抱えて大声で笑っています。響さんや未来さんは悲しい目をして私を見つめていました。

 

こんな生活が続くなら私は...

 

 

 

 

 

「あんたらが死んだ方がマシですよ!!!」

 

私は全てを投げ出しても友情を取ります。

 

そう叫びながら机をたたき割りました。パサ、パサと教科書が机から落ちていきましたがそんなことどうでもいいです。私は、もう我慢の限界です。

 

「え...ニャル子ちゃん...?」

 

目の前にいたクラスメイトは口をパクパクとさせて驚きました。周りのクラスメイトも同様に、驚いた顔で私のことを見つめてきました。

 

「大体あんたら何様のつもりですか!?普通クラスメイトが生きて帰ってきたら喜ぶところでしょうが!!!」

 

「それなのにも関わらずやれ人殺しやら税金泥棒やら...あんたら響さんがどんな気持ちで必死こいて生きようとしたのか分からないんですか!?」

 

「そもそも税金泥棒とかあんたらが言える立場じゃないでしょうが!親の脛チュバチュバとしゃぶってるだけの養われている存在じゃないですか!そんなの、威張り散らしている貴族の子供と変わりないんですよ!」

 

クラスメイトの皆さんは唖然としていました。

しかしそんなものは知らないと言わんばかりに私の口からは色々な言葉が溢れ出ていきます。

 

「こんなゴミ畜生どもと同じなんて私は最悪ですよ!あんたら力を合わせてでしか物が言えない雑魚どもに響さんを、響さんのことを悪く言う資格なんてこれっぽっちも無ェんですよ!てめぇら人間じゃねぇ!」

 

教室の中がしん、と静まりました。ちらほらと隣のクラスメイトがどんな様子かと背伸びをしながらこちらを覗いています。

息を整えて私は再度口を開きました。

 

「こんな腐ったクラスに私はいたくありません!あんたらの顔見てるだけで吐き気がします!響さん!未来さん!行きますよ!」

 

私は響さんと未来さんの手を引き、教室の窓から外へと飛び出しました。

こんなところにはいたくありません。多分、今後教室に向かうことはないでしょう。成績がどうとか関係なく、私は友達をとります。

 

 

 

 

 

 

/////

 

 

 

 

「ふぅ...ここまでくれば大丈夫でしょう」

 

私は額にたまった汗をハンカチで拭き取りながら呟きました。

今いる場所は私の家です。幸いなことにお隣の気配はありませんでした。多少騒いでも大丈夫でしょう。

 

「ニャ、ニャル子ちゃん...私...」

「いいえ。悪いのは私のほうです、響さん」

 

私は響さんの方に振り返り、頭を下げました。

 

「私は苦しんでいる響さんに慰める言葉も、手を差し伸べることもできませんでした...」

 

声が震えてきました。

もしかしたら嫌われてしまうのではないか、と最悪な未来が頭を過ります。

 

「ううん。あの時ニャル子ちゃんが声を出してくれてほんっと嬉しかった」

「!」

 

「あんなに声を出して私を庇ってくれただけで、私は幸せだよ」

 

私のことを抱きしめながら、響さんは私の耳元で囁きました。

 

「でも...」

「でももなにもないよ。だから、泣かないで、ね?」

「え...」

 

自分の頬をペタペタと触ると、水滴が手につきました。私泣いているのでしょうか。響さんが言うのだから泣いているんでしょう。涙を止めようと試みるのですが、止まることはありませんでした。

 

「響さんが...」

「ん?」

「響さんが!あんなこと言われているのが悔しくて、悔しくて!何もできない自分が嫌で!」

 

気持ちが溢れ出ていくのが分かりました。

必死に抑えようとしますが、溢れていきます。

 

「それで...それで...」

「いいんだよ。その気持ちだけで十分。ありがとね、ニャル子ちゃん」

「ぬぅぅぅぅ!!!」

 

その言葉で、私のダムは決壊しました。そのあとは皆さんのご想像通り、泣き叫びました。それはもう、うるさいと言わんばかりに。響さんも、未来さんも、私と一緒に泣いていました。

 

 

 

 

 

 

/////

 

 

 

 

 

「うぅ...人前でみっともなく泣いてしまいました...恥ずかしいです」

「あはは...そうだね...」

「ふふっ、でもこういうのも良いかもって思った」

 

こんなに人前で泣くのは初めてです。すごく恥ずかしい。穴があったら入りたいというのはこういうことでしょうか。でも、すごくすっきりしました。

 

「これからどうしましょうか」

「ニャル子ちゃんがあんなところにはいたくないって言ってたしね」

「それは言葉のあやってやつでですね...?」

 

確かに言いました。言いましたよ。でもこれからどうしましょうか。正直勉強のほうはいいんですよ。何かとこの身体有能でしてね、いろんな知識が詰まっているのですよ。流石ニャル子さん、宇宙でトップの大学を卒業しているだけあって頭がすごく良いです。これなら私立は何とか受かると思います。多分。

 

「...明日のことは明日考えよ?」

「そうだね...未来」

「...そうですよ!」

 

そう言って私は立ち上がりました。ついでにアホ毛もピーンと立ちました。

 

「明日のことは明日考えましょう!今日は焼き肉パーティーにしましょう!理由はありません!」

「えぇ!?でも私お金ないよ?」

「私も...」

「いいですよ私が全部出しますから!なんならA5ランクの黒毛和牛を用意しましょう!」

「駄目だよそんな高いお肉は!?」

「流石に高級なお肉をニャル子ちゃんに払わせる訳には...」

「私は丸々一頭買えるお金はありますけど!?」

「「そういう問題じゃないの!!!」」

 

あらら、怒鳴られてしまいました。あの暗かった雰囲気も自然と明るくなり、気が付けば私たちは笑顔になっていました。こんな生活がしたかったんですよ、私は。

 

「それではスーパーに買い出しに行きますよ!」

「はぁ...結局焼き肉パーティーするんだね...」

「こういうところで行動力があるのがすごいと思うよ...ニャル子ちゃん」

 

響さんと未来さんが何か小さい声で会話していますがそんなことはどうでも良いです。いやどうでも良くないんですけどね。お肉が私たちを待っている!私たちの焼き肉パーティーはこれからだ!!!いざ、戦場へ!

 

 

 

 

 




「ぬぅぅぅぅ!!!」
は、魔法少女まどか☆マギカの暁美ほむらちゃんが、まどかのソウルジェムを破壊するときに放った?言葉です。

「てめぇら人間じゃねぇ」
は、ポケットモンスター アドバンスジェネレーションの時のタケシがロケット団に放った言葉です。

もう70ものお気に入り件数があって驚いています。
本当にありがとうございます。
それでは次回もお楽しみに。



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口にするのもはばかられる戦姫絶唱シンフォギア
這い寄る混沌、高校生になる!


ここから一期が始まります。



私がブチギレてからあっという間に2年が経ちました。ニャル子です。

あの件からどうなったかというと、まず第一に響さんへのいじめがなくなりました。

また響さんのことをいじめると、私が叩き割った机のようにされるされないとの噂が流れたようですよ?流石に私はそこまでやりませんよ......多分。

 

私?私ですか。私はみんなからの見方っていうのが変わったそうです。

最初は元気いっぱいの外国美少女のように見えていたらしいですけど、今は混沌を呼び起こすものとして恐れられるようになりました。これぞ本来のニャルラトホテプがもたらす恐怖なんだなって思いました。自分でも何言ってるか分かりません。

 

あと受験しました。性格がねじくれた人たちとは一緒にいたくないと思ったので色々ある東京の学校に行こうかなと思っていたら響さんたちに、私立リディアン女学院に一緒に行こうと言われました。

ぶっちゃけ高校ならどこでもいいかなと思ってたんですけど響さんと未来さんの押しが強すぎて私が負けてしまいました。

 

私と未来さんは勉強に関しては大丈夫でしたが、3ヵ月も入院をしていた響さんは勉強に追いつけなかったそうです。なので1日3時間、響さんのために私の家で勉強会を毎日していました。毎回のごとく真っ白に燃え尽きた響さんを見て、失礼ながら面白いと思ってしまいました。

 

そんなこんなで受験当日。響さんと未来さんはすごく緊張していたそうです。集団面接もカミカミだったそうですよ。ちなみに私は大丈夫でした。テストは全部満点で、特待生として入学式にスピーチをやらされました。何度入学式サボろうかと思ったことか。

 

響さんと未来さんは寮生活をするとのことで、二人で一緒に暮らすことになりました。私は学校の近くにある1LDKのマンションを借りました。意外に交通や店なども充実しており、楽な暮らしができます。

 

そして入学式が終わってから約2ヵ月の今日のこと。

私は響さんと未来さんの3人でお好み焼き屋『ふらわー』にお邪魔していました。

 

「すっっっごく美味しいよ!おばちゃん!」

「分かります、分かりますよ響さん」

 

そうでしょうそうでしょう凄く美味しいでしょう。私が作ったわけじゃありませんが、本当に凄いんですよ。凄く美味しいんです。隠れた名店ってやつです。語彙力皆無ですね。

 

「響ったら口にソース付けて...はしたないよ」

「ん...ありがと、未来」

 

そういいながら未来さんはティッシュで響さんの口元を優しく拭いていました。

いやぁ、堂々といちゃついてくれますねこのお二人は。いいぞもっとやれ。

 

「それでね、それでね!リディアンにはあの翼さんがいるんだよ!」

「あーはいはい分かりました分かりました」

「響...それもう7回も同じこと聞いたよ?」

 

翼さんって言ったらあのツヴァイウィングの青い人ですよね。転生当時に見たスレンダー美人の方でしたっけ。アイドルは765か346ぐらいしか興味ないので分からないのですが、響さんが相当好きなアイドルだそうです。あ、響さんがお好み焼き全部食べちゃった。私少ししか食べてないのに。

 

「それでね!今日翼さんの新しいCDの発売日なんだ!」

「それも7回ぐらい聞きました」

 

響さんは同じことを何回も言ってきます。それほど好きで好きでたまらないのでしょう。この後CDショップに行って買ってくるそうです。ちなみにこの後私はゲーセンに行く予定です。

 

「おばちゃんご馳走様!また来るね!」

「「ご馳走様でした」」

 

「ふぅー食べた食べた!」

「私少ししか食べてないんですけどねぇ...」

「ごめんねニャル子...響ったら食いしん坊だから...」

「酷いよ未来ー!」

 

うーん、未来さんは事実を言ったまでなんですがねぇ...流石は好きなものはご飯&ご飯。炭水化物と炭水化物の夢のコラボレーションですね。熱々ホカホカです。

 

それから間もなくして、響さんはCDショップへ走っていきました。待ちきれなかったのでしょうか、私たちに声もかけず走り去っていきました。ご飯の後にあんな走れるなんて凄いですね。その元気を勉強に向けてほしいですよ、まったく。

 

「それじゃあ未来さん。私はゲーセン行ってくるので」

「そうなんだ。私は先に寮に帰ってるから」

 

そう言って未来さんは寮に向かっていきました。寄り道もせず響さんを帰ってくるのを待つ未来さん。これを夫婦と言わずなんというのでしょうか。

まぁいいや久しぶりのゲーセンです。コンビニでエナジードリンクを買うついでにお金を降ろしてきましょうか。

 

 

 

 

 

 

/////

 

 

 

 

 

ALL PERFECT!

 

「よっしゃあ!」

 

ゲーセンにたどり着いてから早1時間。ようやく目標の曲を攻略しました。

こんなにパーフェクトな身体の私ですが、自力で頑張っているんですよ。ゲームにずるなんてしたくないですからね。モノホンのニャル子さんと違って。

 

「次は何の曲をやりましょうか...あれ?」

 

後ろを振り返ってみると並んでいたはずの人たちが見当たりません。その他にも賑やかだったゲーセンは静寂に包まれていました。

 

「あれー。なんかあったんでしょうか」

〔太陽なんか眩しくって闇のほうが無限です!(どきどき)〕

 

おや、誰かから電話がかかってきたようです。

 

「はいはい、這いよる混沌ニャルラトホテプでーす」

『ニャル子!?今どこにいるの!?』

 

おや、未来さんが切羽詰まった声で私の居場所を聞いてきます。何かあったのでしょうか。

 

「まだゲーセンにいますが」

『今すぐそこから逃げて!ノイズが現れたって!』

 

そう未来さんが電話越しで叫んだ瞬間、

 

ドゴーン!

 

と大きな音を立てて壁が崩壊していきました。

 

「あー、未来さん」

『どうしたの!?何か大きな音がしたけど!』

「非常にまずいことが起きたんですけど」

 

その破壊された壁から私を覗くのは色とりどりのノイズたち。いや別に私にとって脅威じゃないんですけど。

 

『逃げてー!』

 

そう耳元で大きな叫び声が聞こえた後、電話は途切れました。スマホを見てみると何故か圏外と表示されました。なんででしょうね。まぁいいです。これで心置きなく戦えます。

 

 

「ふっふっふ...私にあったのが運の尽きでしたね...あなた方は死ぬ運命なのですよ!」

 

そうノイズに呟きスカートの中に両手を突っ込み、

 

「私の宇宙CQC劇場版大公開!口にするのもはばかられる対艦チェーンソー!」

 

 

思いっきり口にしましたが私はピンク色の大型のチェーンソーを出しました。

太古の昔に地球の神々がすんげー暇してた時に、自らが創造した人間を使って一つのゲームを思いついたのです。地上から天に続く塔を以下略してうんぬんかんぬんした伝説の武器です。ちなみにある呪文を唱えると魔装少女に変身できます。

 

「最初から最後までクライマックスですよ!」

 

コイルスタータを思いっきり引くと、低い音を轟かせて刃が高速回転を始めました。

 

「這い寄る殺法!邪神!大!切!」

 

天井に届かんばかりにジャンプをしてノイズ目掛けて切りかかります。

ノイズもそれにつられて私目掛けて飛んできました。

 

「えい」

 

そう覇気のない声で切りつけるとノイズたちは炭素の塊と化していきました。続けて2回、3回とノイズに向かって口にするのもはばかられる対艦チェーンソーを振り回します。

 

「うーん、あんまり減らないですねー」

 

目の前にはまだ沢山のノイズがいます。冒涜的な手榴弾を使ってもよいのですが、使うとこの建物が崩壊してしまう恐れがあるので止めておきます。ここ以外に家に近いゲーセンないんですもん。仕方がない。

 

「ここは、あれを使うしかないですね」

 

そう呟き制服のポケットから1枚のカードを取り出しました。

 

「私の宇宙CQC非公開シーンその1!」

 

取り出したカードをチェーンソーについていた改札機のセンサにかざしました。

【ガードベント】

 

「外なる闇で待ちうけるハーモニクス!」

 

そう高らかに宣言すると、私の隣に私の分身が現れました。英語で言うとアバター、仮面ライダーでいうところのイリュージョン、とある死後の世界ではハーモニクス、精霊とデートする世の中ではザフキエルのヘッド、忍者な里式の影分身の術です。

 

「いきますわよ、わてくし!」

[わかりましたわ、わてくし!]

 

2人の私は残りのノイズを蹂躙、もとい倒していきました。ゲーセンを覆いつくすようにいたノイズたちはものの数分で炭素の塊と化し、あっという間にいなくなってしまいました。

 

「ふぅ、一昨日きやがれってんですよ。戻っていいですよ、わてくし」

[疲れましたわ、わてくし]

 

疲れた表情でもう一人の私は闇の中へ消え去りました。

さて、これからどうしましょうか。とりあえず外に出ましょうか。決めたことはすぐに行動する、サバイバルの基本ですね。サバイバルなんて一切していないんですけど。ただの戦闘なんですけど。

 

いざ外に出てみるとあんなに綺麗だった街並みがボロボロに崩れていて最早世紀末のような感じでした。人っ子一人としていません。ノイズがでればあたりまえか。てへぺろ。

 

「なんでしょう、あの光は」

 

壊れかけた街を散策していると、少し遠くに子供を抱えた少女が屋根を走り回っています。その後ろにはノイズの集団が追いかけていました。その光景はアイドルを追うヲタクのような感じがしました。それにしてもどこかで見たような気がしなくもなきにあらず...そう思っているとその少女がこっちに近づいてくるではありませんか。

 

「ニャル子ちゃあああああん!!!!!」

「響さん!?」

 

なんとやってきたのはこれまたどこかで見たことあるような際どいモビルスーツを着た立花 響さんでした。

 

「どうしたんですかその姿は!」

「この子が親とはぐれちゃったらしくて、それで助けなきゃって思ったらこんな姿になってた。で、なんでチェーンソー持ってるの?」

「こまけぇこたぁどうでもいいんですよ。それより私がノイズの相手をするので響さんはその娘を連れて逃げてください」

「でもニャル子ちゃんが...」

「私のことは心配しなくても大丈夫ですよ、あなただって知っている筈ですよ?私の力を」

「...分かった。絶対無理しないでね」

 

そう言い残すと響さんは遠くへ走り去っていきました。これで何も考えずに戦えます。

 

「行きますよ!私の宇宙CQCパート5!」

 

スカートの中にチェーンソーをしまい、胸元から冒涜的な手榴弾を取り出し、栓を引き抜き、相手に投げつけました。

 

ちゅどーん!

 

大きな音を立ててやっぱりノイズの皆様は炭素の塊へと変換されました。

周りを見渡す限りノイズもいないようですし、お家に帰るとしますか。

 

「これにて一見落着...さて、お家に帰りますか」

「待ちなさい!」

「何奴!」

 

私を呼び止める声が背後から聞こえたので、背中から名状しがたいバールのようなものを取り出し、振り返りました。

 

「あなたは...」

「ようやく会えたわね...ニャルラトホテプ...」

 

私の目の前にいたのは際どいモビルスーツを着たスレンダー美人、片翼のセフィロス...じゃなかった片翼の一人、風鳴 翼でした。見た感じ少し身長は伸びたような気がしますけどお山は小山のままなんですね。

 

「う、うるさい!」

 

翼さんは顔を赤くしながら大きな声で言葉を発しました。

あやや、うっかり口が滑ってしまいました。てへペペロンチーノ。......つまんな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




~ネタ集~

「炭水化物と炭水化物の夢のコラボレーションですね。熱々ホカホカです。」
けいおん!!の「ごはんはおかず」のサビ前の歌詞。

「〔太陽なんか眩しくって闇のほうが無限です!(どきどき)〕」
言わずもがな這いよれ!ニャル子さんのOPです。

「ちなみにある呪文を唱えると魔装少女に変身できます。」
これはゾンビですか?のネタです。
ニャル子さんが言うとなると、
「んとん こるよ いは はしたわ どけだ ぐんみーちゃ でーりぶら」
ラブリーでチャーミングだけど私は這い寄る混沌 になると思います。多分。

「取り出したカードをチェーンソーについていた改札機のセンサにかざしました。【ガードベント】」
仮面ライダー電王と竜騎のネタです。

「「外なる闇で待ちうけるハーモニクス!」」

クトゥルフ神話に出てくる地球本来の神々、ヴォルヴァドスの別名とAngel Beats!の立華
奏のガードスキルの一種。分身する強すぎるスキル。

「仮面ライダーでいうところのイリュージョン、とある死後の世界ではハーモニクス、精霊とデートする世の中ではザフキエルのヘッド、忍者な里式の影分身の術です。」

最初から順に仮面ライダーディケイド、Angel Beats!の立華 奏のガードスキル、デートアライブの時崎狂三のザフキエル、NARUTOの影分身の術です。

~ネタ集終わり~

18日に終わらせようと頑張ってみましたが無理でした。
お気に入り件数があと少しで100超えることに驚きを隠せません。皆さん本当にありがとうございます。
文章力も語彙もない自分ですが、頑張っていきたいと思います。
次回もお楽しみに。





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ニャル子、呼ばれる!

今回ネタが少ないです。


しかし困ったものですね。あまり関わりたくない人と会ってしまいました。

 

「あなたには特異対策機動部二課まで来てもらうわ」

 

特異対策機動部二課?なんだっそら。

特異対策ということはノイズ災害に対する専門機関的なものなんでしょうかね。

 

「断る、と言ったら?」

「あなたのお友達がどうなるか分からないわよ?」

 

こいつ...私の友人を人質にして話を聞いてもらおうとしてやがりますね?流石組織にいる人間。考えることがゴミクズですわ。ここでこいつを殺してもいいんだけど、そうすると私が国に狙われちゃうからここは大人しく付いていこうと思います。なにかあれば壁ぶち抜いて脱出すればいいだけですし。

 

「賢明な判断に感謝するわ」

 

はぁ...まーためんどくさいことになりそうで憂鬱な気分になりますわ。でも友人のためでもあるし、仕方がないですね。一応名状しがたいバールのようなものは持っておきましょう。

 

 

 

 

/////

 

 

 

 

 

「あれ、ここは...」

 

目の前に見える建物は私が通っているリディアン女学院ではありませんか。もしやこの地下に基地があるのでは?かの新世紀な人造人間の特務機関みたいに。

 

「ついてきて」

 

翼さんが先生方がいる中央棟のエレベーターに案内してくれました。

しっかしこんなところにエレベーターがあったなんて初めて知りました。

 

「ニャル子ちゃん!」

「これはこれは響さんじゃないですか」

 

そこには制服姿の響さんがいました。見た感じ何のケガもなく無事なようです。

 

「ほらお前たち、手すりとかに摑まっときな」

 

後ろを振り返ってみるとツヴァイウィングのもう一人の片翼、天羽 奏さんがいました。二年前より大人っぽく見えます。こうして見ると凄く人柄が良さそうです。

 

「それじゃあ、降りるわよ」

 

そう翼さんが言うとエレベーターが凄いスピードで動き出しました。びりびりと圧を感じます。空気圧式のエレベーターでしょうか。凄く速いですね。

 

「ほんぎゃああああああ!!!!!」

「何者だよお前...この圧に耐えられるとか」

 

響さんは女の子が上げてはいけない奇声を上げてるし、奏さんは呆れた目で私のことを見てきます。そんな目で見ないでくださいよ、自分自身おかしいと思っていますから。

 

そうこうしているうちにエレベーターが目的地に着いたそうです。途中に見えた黄色の壁は何だったのでしょうか。凄く気になりました。

エレベーターを出ると一本道が続いていました。一番奥に扉が見えますね。あれが私たちが連れていかれる場所なのでしょう。

 

「さぁここが私たちの本拠地、特異対策機動部二課よ!」

 

翼さんが大きな声を上げると、大きな扉が開きました。

 

「宇宙CQC劇場版!口にするのもはばかられる対艦チェーンソー!」

 

私は咄嗟にスカートの中から口にするのもはばかられる対艦チェーンソーを取り出し、コイルスターターを勢いよく引っ張りました。

 

「にゃ、ニャル子ちゃん!?急にどうしたの!?」

「なんとなく、ですよ」

 

だって何が出るか分からないですし。万が一私たちが騙された場合、粛正という名の殺戮ショーが見られますよ?

 

「ま、待て!」

 

そう声が聞こえたので、チェーンソーの刃を下に向けると、開いた扉の奥からワインレッドのシャツを着た大男が現れました。

 

「急にこちらに呼び起こしてすまなかった。俺はこの特異対策機動部二課の指令を担当している風鳴 弦十郎だ」

 

そう目の前の大男は名乗ると頭を下げてきた。見た感じいかついなりですが悪い人ではなさそうです。

 

「そうですか。私はニャルラトホテプ・ラヴクラフトです。さっきは失礼しました」

 

スカートの中に口にするのもはばかられる対艦チェーンソーをしまったあと、私も頭を下げました。

風鳴、ということは翼さんの親なのでしょうか。でも全然似てませんね。親戚...でしょうかね。

 

「翼が粗相をやらかしたそうですまなかった」

「ほんとですよ。いきなり友達がどうなるかわからないとか言い出して...本気で殺そうかと思いましたよ」

「おい翼。後であのニャルなんとかに謝っとけよ」

「わ、分かってるわよ...」

 

そう奏さんに言われてしょんぼりする翼さん。反省が必要ですよ翼さん。私を少し怒らせたんですから。

 

「で、私たちを呼んだ理由とは」

「そうだったな。君たちには俺たち、特異対策機動部二課に協力してもらいたい」

 

そう弦十郎さんが真剣な顔で私と響さんに言ってきました。

 

 

話を聞いてみると響さんがある能力を発現したそうです。

シンフォギアとかいう過去の聖遺物?の力を使ってノイズと戦うシステムならしい。

感情や想いなどに反応し、旋律を奏でるとか。だからあのとき響さんは歌ってたんですね。

その旋律に合わせて装者が歌唱することにより、シンフォギアはバトルポテンシャルを相乗発揮していくらしいです。要するに歌うと強くなるアメイジングすげー科学力ってことですね。よくわからん。

 

日本政府はそのシンフォギアとかいうのを公にしたくないらしく、こうして呼び出し、保護をしているらしいです。

それだけならいいらしいんですけど私が問題だったらしく、生身の身体なのにノイズに触れても炭素の塊にならず、その上にノイズの撃破ができる化け物らしく、これも公にすると世界がこぞって私をさらいに来るとか。怖い世界だよまったく。

というわけで私と響さんをここに呼んだそうです。最初からそう言えば大人しく付いていったのに...翼さんは口下手ですね。

 

それと、響さんはメディカルチェックを受けに行きました。なんでも、聖遺物を持っていないのにも関わらず、シンフォギアに変身できることがありえないらしく、それを調べるそうです。

 

「指令、メディカルチェックの解析がでました」

「そうか緒川、案内してくれ。ニャル子君もついてきてくれ」

「分かりました」

 

何か問題があったのでしょうか、凄く心配です。大事に至らなければいいのですが。

 

 

 

 

 

 

 

/////

 

 

 

 

 

「これがガングニールの欠片ね」

 

そう櫻井さんから説明を受けました。

 

どうやら響さんの胸に聖遺物が埋まっていたらしく、現代医学で取り除くのは難しいとの事らしいです。

思ったより大丈夫でした。いや大丈夫じゃないんですけど。にしても櫻井さん香水の匂いがドキツいですね。もしかしてお風呂入ってないないのを誤魔化しているんじゃないかと疑いたくなるほどドキツイ匂いです。

 

「すまねぇな、あたしのせいで」

「いいえ違いますよ!頭を上げてください!」

 

奏さんは響さんにそう謝罪の弁を垂れると頭を下げました。

翼さんと違って奏さんはこういうところはしっかりしているそうです。翼さんと違って。

 

「私の株だけがどんどん落ちていく...」

「お前があんなこと言うのが悪いんだろ。反省しなさんな」

 

一段と落ち込む翼さんとそれに反応する奏さん。

ここに来てから大分時間がたったような気がします。そう思いスマホを点けてみると、

 

「うわぁ...」

 

未来さんの着信と会話アプリの件数がありえないほどの量で埋め尽くされていました。これ邪神より恐怖を醸し出していますよ。私のSAN値が下がったような気がします。未来さんこわひ。

スマホの時計には19:38と記されていました。そろそろお家に帰りたいですね。

 

「もうこんな時間か。遅くまですまなかった響君、ニャル子君。また何かあったら連絡する。そうだ、これを渡しておこう」

 

そう弦十郎さんに手渡されたものは通信機?みたいなものでした。トランシーバーでもなくスマホでもなく、なんだろう言葉にできない通信機でした。これが名状しがたいもの、というんですね。

 

「これは通信機みたいなものだ。あと、これさえあればこの市内の自販機の商品を無料で買えるという優れものだ」

 

なんとこの通信機、飲み物を買えるようです。見た目に反して凄い有能ですね。正直これなくてもいくらでも買えるんですけどね。これは心の片隅に入れておきましょう。心のドアが閉まります。駆け込み乗車は今の内ですよ?

 

まぁ色々ありましたが無事家に帰ることができました。明日未来さんにどう言い訳しましょうか。未来さん鋭いからもしかしたら言い訳が通じないかも。はぁ...憂鬱だ...不幸だ...。

 

 

 

 

 

 

/////

 

 

 

 

 

 

「面白いわね、この娘たち」

 

響とニャル子が帰った後、特異対策機動部二課の研究室にて、櫻井了子は二人のプロフィールに目を通す。

 

1人は立花 響。彼女は人類初となる聖遺物との融合症例している貴重な存在。

もう1人はクトゥルフ神話の邪神の名前を持つニャルラトホテプ・ラヴクラフト。生身の身体でノイズたちを次々と撃破する力を持っており色々な場所からいろいろなものを取り出す能力がある。ますます興味が沸いてくる。

 

「楽しませてくれるわね...」

 

そう櫻井了子は小さく呟いた。その顔にはまるで実験動物を見つけて喜んでいるような表情だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




~ネタ集~
「かの新世紀な人造人間の特務機関みたいに。」

新世紀エヴァンゲリオンに出てくる特務機関『NERV』のこと。

「心のドアが閉まります。駆け込み乗車は今の内ですよ?」

でんででんででん 電車ガ―タゴト
でんででんででん はやいぜ快特でお馴染み kattobi KEKYU Riderの歌詞の一部。

「不幸だ...。」

とある魔術の禁書目録に出てくる上条当麻の言葉。毎回言ってる。

~ネタ集終わり~

勢いがいい文を書きたいのですがなかなか書けません。
あとシャニマスがやりたいと思ったのでスマホでダウンロードしようとしたらバージョンが足りないとかでできませんでした。おのれディケイド。

次回もお楽しみに。


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新たなる敵、現る!

戦闘シーンとか会話とか難しすぎるんじゃ。


私が特異対策機動部二課に連行されてから数日が経ちました。

未来さんには、ノイズに襲われそうになった時にレスキュー隊が助けてくれたと言いました。鋭い未来さんですからどうせこの言い訳も疑うだろうと思っていたらすんなり信じてくれました。良かったです。響さんはどう言い訳したのでしょうか。気になるところです。

 

それと二課に戦うなとの命令がやってきました。生身の人間がノイズと戦っているとなると色々面倒事になるそうで。私の役目は災害などに遭った方々への避難指示とシェルターの案内役だそうです。つまらないですね。普段自宅待機ですよ?悲しみの極み。

夜中によくノイズが現れるらしいですが、自宅待機としか言われないですからね。それほど私に動いてほしくないのでしょう。

 

今日も今日とて自宅待機、下着姿で寝転がって乾燥したスルメイカをライターで炙りマヨネーズに付けて食べる日々、退屈ですねぇ。

 

ヴー、ヴー、ヴー

 

「おや、何かあったのでしょうか」

 

弦十郎さんから渡された通信機がバイブ音を鳴らしています。とりあえず出てみましょう。

 

「はいはーい、ニャル子です」

『ニャル子君か!?今からある場所に行ってもらいたい!頼めるか!?』

 

通信機の先からは弦十郎さんが切羽詰まった感じで連絡してきました。エンジン音が鳴っているので何かを運転しているのでしょう。

 

「分かりました。で、どこでしょうか」

『この街の中央広場だ!急いでくれ!』

 

そう弦十郎さんが言うと通信が切れました。色々とヤバい状況なのでしょうか。やっとまともな仕事ができるような気がします。

 

「私の変身...魔法使いバージョン!」

 

私は左手を横に突き出すと、そこから魔法陣が現れ私の身体を通過しました。するとなんということでしょう。下着姿だった私が、白黒の服、つまり普段着に変わっていました。科学の力ってスゲー。

 

「それでは行ってきまーっショウ!」

 

私は窓を開け、そこから飛び出していきました。それでも今後窓から出るのは止めようと思いました。スゲー怖い。

 

 

 

 

 

 

 

 

/////

 

 

 

 

 

 

 

 

「ネフシュタンの...鎧だと!?」

「あれは二年前に私たちの不手際で失ったもの...何故貴様が」

「へぇ~。てことはアンタら、この鎧の出自を知ってんだぁ?」

「どういうことなんですか!?奏さん、翼さん!」

 

私の目の前でネフシュタンの鎧だの二年前だの訳の分からない言葉を並べている。困惑しているうちに奏さんと翼さんは歌い始めた。

 

「止めてください!相手は人です!同じ人間なんですよ!?」

「「戦場で何をバカなことを!」」

「ひぅ!」

 

戦いを止めようとしたら翼さんと目の前の少女に怒鳴ってきた。

 

「すまねぇな、響。あたしたちはあのアマが着てるネフシュタンの鎧ってのを取り返さなきゃいけないんだ。だから、止めないでくれ」

 

奏さんは優しくも強い言葉でそう口にした。その時の顔は2年前に死にかけた私を見た顔と同じだった。

 

「寧ろ、貴女とは気が合いそうね?」

「だったら...仲良くじゃれ合うとするか!」

「その戦い、あたしも混ぜてくれよ、なぁ?」

 

少女はそこで話を止め、左手に持っていた鞭のようなもので私たち目掛けて振り落としてきた。翼さんは勢いよく飛んで躱し、奏さんは受け身を取って攻撃を躱した。私は吹き飛ばされてしまった。

 

「うぐッ!?」

 

吹き飛ばされたせいか、思いっきり地面にぶつかった。脇っ腹あたりに鈍い痛みが走る。凄く痛い。

周りを見渡すと、高く飛び上がった翼さんは大きな大剣を構えて勢いよく振り下ろした。

 

【蒼ノ一閃】

 

蒼い斬撃が少女に向かって飛んでいったが、少女は持っていた鞭で、簡単に防いでしまった。

続けて横から奏さんが少女に向かって槍を投げるが、少女は難なく避けてしまった。しかし、奏さんはニヤリとと笑みを浮かばせた。

 

【STARDUST∞FOTON】

 

次の瞬間、天から無数の槍が少女に目掛けて降り注いでいった。少女は驚いた顔をしながらも鞭をふるってはじいたり、軽々とステップをとって避けたりしていった。

 

「そんなもんかぁ?人気者ォ」

 

少女は悪どい笑みを浮かべながら煽り口調で翼さんと奏さんに飛ばしてきた。

 

「翼、あれをやるぞ」

「...分かった」

 

そう翼さんが返事すると、二人は武器を構え、少女に向かって走り出した。

 

「諦めて自殺行為かぁ?つまんねぇなぁ!」

「そいつはこれを喰らっても言えるかな!?」

 

少女は鞭をふるうが、二人は左右に飛び出し、天高く飛び上がった。

 

「行くよ奏!」

「応っ、翼!」

 

奏さんは槍を高速回転させ竜巻を起こし、翼さんはさっきの斬撃を放った大剣よりも更に大きい大剣を一撃、二撃、三撃と勢いよく振り下ろした。

 

【双星ノ鉄槌-DIASTER BLAST-】

 

次の瞬間、その竜巻と蒼い斬撃が混ざり合い、大きな光線となって少女に降り注いでいった。

しかし、少女はずっと笑みを浮かべたままで、その攻撃を鞭で防いでいた。

 

「あ~あ、あれをまともに喰らったら危なかったわ」

「何...だと...?」

「これが完全聖遺物のポテンシャルとでも言うの!?」

 

あの大技を喰らっても尚、少女はピンピンしていた。2人は難無く自身を簡単に遇あしらうあの鎧の性能に驚き、動揺を見せていた。

 

「ネフシュタンの力だなんて思わないでくれよな。あたしのテッペンは、まだまだこんなもんじゃねえぞ!」

 

そう少女が叫ぶと奏さんに向けて鞭を大きく振るった。

奏さんは次々とくる攻撃を避け続けたが、急に止まりだし、少女の攻撃を受けてしまった。

 

「ぐああああ!!!」

「ッ!?奏!」

「グッ...あぁ...」

 

翼さんは奏さんに向かって叫ぶが、翼さんの反応は薄かった。

 

「てめぇらの情報をあたしが知らないとでも思ってんのか?そうだとしたら傑作だなァ!」

「よくも奏を...!」

 

そう呟いた翼さんは少女に向かって剣を振りかざした。

それを怯みもせずに避ける少女はまるで洋画に出てくる主人公の様だった。

 

「まだまだ!」

 

【逆羅刹】

 

翼さんは逆立ちをしながら横回転をし、脚についていた鋭い刃で攻撃を繰り出した。

 

「ちょせぇ!」

「うぐっ!」

 

少女が横へ飛び出て、その場で回転している翼さん目掛けて鞭を振るった。咄嗟の行動に対応できなかった翼さんはその攻撃を喰らってしまった。

 

「翼さん!」

「うるせぇなぁ、てめぇはこいつらの相手でもしてな」

 

少女は、腰に付けていた杖らしきものを私に向けてきた。すると、杖の先端から光が放たれ、放たれた光の中から首の長い鳥のようなノイズが4体出てきた。

 

「ノイズが、操られている!?」

 

戦いたいけど、私には武器、アームドギアがない。自分の役立たずさが今になって足を引っ張る。

 

「逃げろ!」「逃げなさい!」

 

翼さんと奏さんは私にそう叫ぶ。二人はボロボロだった。それでも私を生かすために叫び続けた。

 

「くぅ...!」

 

零れそうになる涙を必死に我慢して、私は逃げるように走った。しかし、そう問屋は降ろしてくれない。

ノイズが私に向かって粘液のようなものを吐き出し、私はその粘液に捕まってしまった。

 

「そんな...嘘!?」

「残念だったなぁ」

 

少女はにやにや笑みを浮かべて、そう言ってきた。

 

「あたしの狙いはこいつなんだよなぁ、立花響ィ」

 

言葉を続けながら、少女は少しずつ私に近づいてくる。近づいてくる、その単純な行動なのに、私は恐怖に駆られていく。

 

「嫌、来ないで...」

 

じりじりと近づいてくる少女、必死に逃げようと踠こうとするが、粘液が絡みついて更に動けなくなる。どうする、どうすれば...。この時ニャル子ちゃんだったら何をする?バールを投げる?手榴弾を投げる?チェーンソーを振り回す...?

 

「ニャル子...ちゃん?」

 

そうだ、ニャル子ちゃん、ニャル子ちゃんがいた。ニャル子ちゃんがこの場にいれば何か起きるかもしれない。けどどこにもニャル子ちゃんはいない。それでも!

 

「助けて!ニャル子ちゃん!」

「無様に助けを呼ぶのか?どうせ来ねぇよ!」

 

少女は私にそう怒鳴るが、私は叫ぶのを止めなかった。希望を捨てきれなかった。だってあの時、ニャル子ちゃんは私のために怒ってくれた、泣いてくれた。きっと今回も...。

 

「ニャル子ちゃん助けて!」

「呼ばれて飛び出てニャル子、ここに参上!!!」

 

少女の後ろで砂埃を上げながら、ニャル子ちゃんは現れた。自然と涙が出てきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

//////

 

 

 

 

 

「呼ばれて飛び出てニャル子、ここに参上!!!」

 

そう声を上げて華麗に着地する私、ちょうかっこいい。

指示されたところに来てみれば、ボロボロのツヴァイウィングのお二人と、粘液に絡めとられた響さん、そしてこれまた際どいタイツを着た少女が見て取れました。

 

「ニャル子ちゃん...」

 

そう響さんが零すと、響さんの瞳から涙が出てきました。もう大丈夫ですよ。

 

「厄介な奴が来たな...」

「厄介とはどーいうことですか。私の友人をここまで凌辱プレイされたら流石に私も黙っていませんよ」

「凌辱プレイはされてないんだけど...」

 

響さん、少し黙っててください。今いいところなんですから。

それにしても目の前の少女は色々凄いですね。出るところは出てて凹んでるところは凹んでる。しかも私より身長が低いときた。これは世の中のオタクというオタクを喜ばせるロリ巨乳ってやつじゃないですか。ロマンですねぇ。

 

「視線が気持ち悪ィんだよこの変態が!」

「おぉっと」

 

まじまじと観察していたら際どいタイツを着た少女は私に向かって鞭を振り下ろしてきました。遅かったので少し飛んで避けました。振り下ろされた鞭は地面を叩きましたが、その衝撃は凄まじいものでした。地面を砕いたのです。あれを喰らったらひとたまりもないでしょう。気を付けなければ。

 

「これでも喰らいな!変態!」

 

【NIRVANA GEDON】

 

際どいタイツを着た少女、略してタイ女は鞭を高く上げると鞭の先端から黒い稲妻の球体が現れ、私目掛けて投げつけてきました。

 

「甘いんですよ!宇宙CQCパート1!名状しがたいバールのようなもの!」

 

私は名状しがたいバールのようなものを手に取り、大きく振りかぶりました。

 

「おりゃ!」

 

その球体は名状しがたいバールのようなものに当たりましたが、流石はバール、その球体を弾きました。その光景はまるでプロ野球選手がボールを打つが如く、綺麗に打ち返せました。

 

「嘘だろ!?ぐああああ!!!」

 

タイ女はまさか打ち返されるとは思ってもいなく驚きを隠せない少女は、その球体を身体全体に喰らって大きく吹っ飛びました。

 

「す、すごい...」

「どんなもんですか。オラァ!」

 

そう呟く響さんを横目に、粘液をぶっかけているダチョウみたいなノイズを名状しがたいバールのようなもので攻撃しました。このノイズって新型なんですかね?少し興味があります。しかし、そんなことは言ってられません。

 

「さぁて、スクラップの時間ですよ。まだ大丈夫ですよね?ねっ?」

 

そうタイ女に呼びかけます。そうすると鞭で煙を割いてカッコよくタイ女が現れました。くそうかっこいい。

 

「少しはやるじゃねぇか、変態」

「それはどうも。でもこれからですよ」

 

そうタイ女に告げると私は走り出しました。鞭が所々に飛んできますが、すらすらと避けられます。

 

「喰らいなさい!私の宇宙CQC十式!」

 

そう宣言し、少女の懐に入り込むと、真上に蹴り上げました。タイ女...めんどくさいから少女と呼びます。その少女は真上に飛んでいきました。その少女についていくように私も飛び上がります。

 

「オラオラオラオラオラオラァ!」

 

私は空中で少女をぶん殴り、吹っ飛んだ先に瞬間移動をし、またぶん殴り、瞬間移動をしぶん殴りを繰り返しました。

 

「これで最後です!」

 

そう高らかに宣言し、私は空中で回転しながらかかと落としをしました。

 

「ごふッ!」

 

少女は短く声を漏らすと、凄まじい速さで地面に追突しました。その少女の鎧は所々ひび割れていましたが、少しずつ治っていきました。修復機能が備わっているのでしょう。それでも少女の顔は痛みで歪んでいました。

 

「このままじゃ...死ぬ...」

 

小さい声ですが少女はそう呟いていました。死ぬ、まぁ仕方ないですもんね。これだけ響さんたちを傷つけたんですから。その報いですよ。

 

「こんなところで、死んでたまるかよ!」

 

少女は腰につけた杖を天に振りかざしました。そうすると緑色の光を発しながら、沢山のノイズを繰り出してきました。

 

「へへ、それじゃあな...」

 

少女は空を飛ぶノイズの背中に乗って、逃げていきました。それを見ていると横からノイズが攻撃してきます。周りに人がちらほらいますが別に耐えられるでしょう。そう判断した私はスカートの中から冒涜的な手榴弾を数個取り出し、相手に投げつけました。

 

ノイズは爆発とともにあっという間に消え去りました。咳している人が3人いますが仕方なかったんです。しょうがない。

 

「大丈夫ですか、奏さん。翼さんも」

 

そう二人に手を伸ばすと、彼女たちは私の手を取って立ち上がりました。

 

「ッ!ああ、少し身体が痛いだけだ」

「ありがとう。感謝するわ」

「いえいえ、自分がすべきことをしたまでですよ。そうこうしているうちに」

 

私は振り返ると、その先には車から降りた弦十郎さんと了子さんがいました。

弦十郎さんの顔が真っ青になっていますが、大丈夫なんでしょうか。まさか、車酔い?

 

「本当に助かったよ、ニャル子君」

「もう少し遅れたら響ちゃんが攫われていたところだったわ」

「ほんとですよ。危機一髪ですよ」

 

それにしても不思議ですね。なんで響さんを攫おうとしたのでしょうか。気になるところですが、先ずは響さんたちのことを優先しなくては。

 

「奏さんと翼さんを病院へお願いします。響さんは唾でも付けとけば大丈夫でしょう」

「酷いよニャル子ちゃん!...まぁその通りなんだけど」

「分かったわ。二人は気を付けて家に帰るように」

「「はい」」

 

弦十郎さんと了子さんは二人を後部座席に乗せると車のエンジンを焚き、そそくさと行ってしまいました。

 

「本当にありがとう、ニャル子ちゃん」

「友達を助けるのは当たり前ですよ。さぁ帰りましょう。あと、スマホ見ないほうがいいですよ。SAN値が下がりますから」

「SAN値...?......うわぁ」

 

響さんはスマホを覗くと徐々に顔色が悪くなっていきました。それもそのはず、未来さんからの電話や会話アプリの通知がびっしりと...。返信する勇気が必要ですよね。まじで怖いです、はい。

隣で顔を白くしている響さんを連れて、私たちは帰路につきました。明日、頑張ってください。響さん。ご武運を、祈ってます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




~ネタ集~
「「私の変身...魔法使いバージョン!」

私は左手を横に突き出すと、そこから魔法陣が現れ私の身体を通過しました。するとなんということでしょう。下着姿だった私が、白黒の服、つまり普段着に変わっていました。」

這いよれ!ニャル子さんでもあった仮面ライダーウィザードの変身パロ。

「科学の力ってスゲー。」

ポケモンの最初の町の人が言うあのセリフ。

「「それでは行ってきまーっショウ!」」

ミライアカリの「行ってみまーっしょう!」のあのセリフ。

「「さぁて、スクラップの時間ですよ。まだ大丈夫ですよね?ねっ?」」

とある魔術の禁書目録で一方通行が木原に吐いた言葉と、艦隊これくしょんの由良のセリフの最後のあれ。

「ら少女と呼びます。その少女は真上に飛んでいきました。その少女についていくように私も飛び上がります。

「オラオラオラオラオラオラァ!」

私は空中で少女をぶん殴り、吹っ飛んだ先に瞬間移動をし、またぶん殴り、瞬間移動をしぶん殴りを繰り返しました。」

NARUTOの裏蓮華と空条承太郎のオラオラ。

~ネタ集終了~

一瞬のうちに200を超えたお気に入り件数。しゅごい(語彙力)
本当にありがとうございます。評価もくれたりして感謝感激です。
これからもできるだけ色々ネタをぶち込んでいきたいと思っています。
次回もお楽しみに



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修行ですよ!修行!

色々とあったんです!許してつかぁさい!


「強くなりたいですと?」「強くなりたいだと?」

 

タイツの少女が襲ってきてから次の日、響さんは私と弦十郎さんに強くなりたいと相談されました。

なんでも、シンフォギア奏者のくせしてノイズ一匹も倒せないことに不安を感じたとか。

 

「別にいいですけど」

「いいの!?」

「そんなに簡単に決めていいのか?ニャル子君」

 

別に私は朝でも夜でも平日でも休日でも大丈夫ですけど。平日だったら外なる闇で待ちうけるハーモニクスを使って分身体の方を学校に送ればいいだけですし。休日は大半暇ですからね。だからゲーセン行ってるんですよ。

 

「本当になんでもありだな...ニャル子君は...」

「邪神ですから」

「...そうか」

 

そんな諦めたような顔をしないでくださいよ弦十郎さん。こっちだって自分のスペックに驚きっぱなしなんですから。毎日驚きの連続ですよ。で、弦十郎さんはどうなんでしょうか。響さんを強くするかしないかは。

 

「そうだな、俺も手伝おう。付け焼刃でもノイズを倒せる技術が身に付けばこっちのもんだ」

「ありがとうございます!指令!ニャル子ちゃん!」

「俺の修行はかなりハードだぞ?」

「大丈夫です!なんとかなります!」

「明日の朝からといっても?」

「う...多分...なんとか、なります!」

「勉強の方はどうするんですか?」

「ニャル子ちゃんに教えてもらいます!」

「もしニャル子君が教えないと言ったらどうするんだ?」

「うっ...」

 

質問ラッシュをしたら響さんは言葉を詰まらせてしまいました。大丈夫ですよちゃんと教えますから。

 

「ありがと~ニャル子ちゃん」

「はいはい。で、明日からでいいんですかね?弦十郎さん」

「あぁ、風鳴家の屋敷に色々揃っている。そこで修行をしよう」

 

ほぇ~風鳴家って屋敷持ってるんですか。凄いですね。それじゃあ日時も決まりましたし私は帰るとしますか。

 

「ニャル子君は俺の屋敷に泊まらないのか?」

「場所さえ教えてくれればいつでも行きますよ。一応バイクの免許は持ってますし、ほら」

 

そう言って私は弦十郎さんにバイクの免許を見せました。本当は校則で禁止されているんですけど別に取ったっていいじゃないですか減るものでもないんですし。私の誕生日は4月の上旬という設定なので筆記と実技をやって普通に取りました。

 

「そうか。それでは後で屋敷の場所を教えておく」

「はーい。それでは響さん、また後ほど」

「じゃあねーニャル子ちゃん」

 

にしても明日修行ですか。休日でも良かったのにこれまたしんどいですねー。ま、こんなこと言ってもしょうがない。気楽に行きますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

/////

 

 

 

 

 

 

 

 

「宇宙CQC非公開シーンその1!外なる闇で待ちうけるハーモニクス!」

 

そう高らかに宣言すると、私の影からもう一人の私が現れました。

 

「それでは今日一日頼みますよ、わてくし」

[分かりましたわ、わてくし]

 

さて、準備も整いましたし、そろそろ家を出ましょうか。分身と私は思考をリンクさせているので大体私が考えていることを実行してくれるでしょう。今日の授業は専門科目と体育がないので基本寝てても大丈夫だと思います。アメイジングスゲー科学力を駆使して寝ててもらいましょう。大丈夫ですよバレやしませんから。

にしてもまだ6月なのにクッソ暑いですね。蒸し暑すぎて蒸し焼きになっちゃいそうです。

 

「さてと、うーんと、えーっと、あったあった。カプセル怪獣」

 

ポケットの中から引っ張り出したのは某ポケモンのモンスターボールにしか見えないボール。これを見れば大体の人は分かりますよね?

 

「出てこいシャンタッ君!君に決めた!」

「みー!」

 

思いっきり地面にボールを叩きつけると中から可愛らしい生き物が顔を覗かせました。そうですシャンタク鳥のシャンタッ君です。性別はメスです。

 

「さてシャンタッ君、ちょっとくすぐったいですよ~。なに、痛みは一瞬です」

 

そうシャンタッ君に言うと、私はファイナルフォームライドしました。そうすると発光し始め、一瞬にしてバイクの形態になりました。

 

「これがマシンシャンタッカー!時速1200kmまで加速が可能な原付です!」

 

誰もいない中で説明するのは楽しいですかニャル子さん。えぇ、全然楽しくないですよ。寧ろ寂しさを感じます。

 

エンジンを吹かすといい音を鳴らしてくれます。前世ではこんなことできなかったから凄く嬉しいです。

 

「無限の彼方へさぁ行きますよ!」

 

誰もいない薄暗い道路で謎の言葉を発して出発しました。場所的にはすぐそこなんですけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

/////

 

 

 

 

 

 

 

風鳴家の屋敷に着きました。和風の武家屋敷みたいです。というか武家屋敷ですね 。中庭を覗いてみると響さんと弦十郎さんが特訓しています。

 

「えいっ!やぁ!」

「そうじゃない!稲妻を喰らい、雷を握り潰すように打つべし!」

「全然何言ってるか分かりません!けど、やってみます!」

 

響さんの言う通り、何言ってるか全然分かりません。しかし、響さんの目の色が変わりました。格闘技に関しては素人の私から見ても綺麗なフォームをし始めました。

 

「うおおおお!!!!!」

 

そう雄叫びを上げ、サンドバックを殴ると勢い良く吹っ飛び、池に落ちていきました。えぇ...響さんも弦十郎さんみたいに人間離れしちゃうんですか...。私ですか?邪神なのでノーカンですよノーカン!そろそろ私も顔を見せなくては。

 

「おはようございます。響さん、弦十郎さん」

「ニャル子ちゃん!おはよう!」

「おはよう、ニャル子君」

「それよりも響さん、まだ戦いのトーシロなのに凄いですね。これは私も本気を出さなくては」

「お、お手柔らかに......」

 

善処します。それから間もなく、疲れすぎて気絶した響さんを負ぶって屋敷の一部屋に寝かせました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

/////

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数時間後、ドュランダルとかいう完全聖遺物を二課が持ってると今後面倒なことになりそうだからどっかに運ぶとかなんとか。ぶっちゃけ話全然聞いてませんでした、ハイ。

 

「それではデュランダルの輸送作戦を開始する!」

 

あれあれ。私必要じゃないんですか。護衛ですよ護衛。私がいれば百人力ですよ?

 

「...ニャル子君が護衛をすると、軽く道路を破壊しそうな気がするのでな」

「oh...」

「だから君は俺の部隊についてきてもらう」

 

そう言われて向かった先は...

 

「うわぁ」

 

二課が所持してるとされる基地みたいな場所でした。もしかして、戦闘機に乗るとか?私操縦訓練してないですよ?事故ってもしょうがないですよ?

 

「違う違う。俺たちが乗るのはヘリだ」

 

弦十郎さんはコイツと親指を刺した方向には大きなヘリがありました。これなら安心ですね。

 

「さて、そろそろ行くとするか!」

「はい!」

 

こうして私は響さんたちが乗る車を上空から見守る部隊としてヘリに乗りました。

相変わらず高いところ好きですね、私って。スゲー怖ぇー。

 

 

 

 

 

 

 

/////

 

 

 

 

 

 

 

ヘリに乗り込んで数分、橋の上でカーチェイスみたいなのが始まりました。

ピンクの軽が恐らく響さんと了子さんが乗っている車でしょう。でもあの速度絶対軽じゃないですよね。あとドラテク凶暴すぎじゃありませんか?今頃響さんはグロッキーな状態でしょう。あんなのには乗りたくないですね。

 

「敵襲だ!まだ姿は確認できていないが恐らくノイズだろう!」

『この展開、想定してたのより早いかも!』

 

ピンクの軽がマンホールを超え、次の車が超えようとした次の瞬間、車が宙に舞いました。恐らく下水道にノイズがいるのでしょう。

 

「下水道だ!ノイズは下水道を伝って攻撃してきている!」

 

そう弦十郎さんが響さんたちに伝えている途中にも車が何台か宙を舞いました。危うく了子さんの車にぶつかりそうになりましたが、流石は了子さん。凶暴なドラテクで難なくと躱しました。あ、無線で響さんの悲鳴が聞こえました。楽しんでそうですね。

 

『弦十郎くん、ちょっとヤバいんじゃない?この先の薬品工場で爆発でも起きたらデュランダルは...』

「分かっている!さっきから護衛車を的確に狙ってくるあたり、ノイズがデュランダルを損害させないように制御されていると見える!」

 

ほう、ノイズって制御できたんですね。自由気ままに動いてるだけじゃないんですか。

そうこうしているうちに護衛の車は残り一台。これヤバいんじゃないですか?今すぐにマシンシャンタッカーで私も...

 

「狙いがデュランダルなら、敢えて危険な地域に滑り込み攻め手を封じるって算段だ!」

『...勝算は?』

「思いつきを数字で語れるものかよ!」

 

うわなにそのセリフ。かっこよすぎですよ。今度私も使ってみようかしら。

 

「あそこのマンホールからノイズ出ますよ!」

「何だとッ!?了子君、護衛車A目の前のマンホールから離れろ!」

『そんな無茶言わないで!』

 

了子さんがそう叫ぶとやはりマンホールからノイズが飛び出て護衛していた車に乗っかりました。操縦者は咄嗟に受け身を取って逃げることができたようです。

 

『ふぅ~危なかったですn...うわああああ!!!!!』

 

安心しきった響さんの声が聞こえたと思ったら車がどこかにぶつかったようでひっくり返ってしまいました。響さんのおまぬけな声が無線から聞こえてきます。

響さんが重そうに抱えているのはデュランダルとかいうものでしょう。

そう考えているとすぐにノイズたちが了子さんの車を貫きました。大きな爆発とともに、響さんたちの姿が見えません。

 

「ッ見えん!」

 

弦十郎さんも同じことを思っていたようです。あ、余談ですが翼さんと奏さんは今入院しています。少し重いケガだったそうです。少し重いケガってなんなんですかね。どっちかにしてくださいよ。そんなことは置いといてと。

 

「頼むニャル子君。了子君たちを守ってやってくれ」

「待ってましたよ!ニャル子、行きまーす!ヒャッホウ!」

 

そうやって喜んでヘリから飛び降りるあたり学習しないんですね。私ってホントばか。

 

「シュタっ」

 

自然と着地音が口に出ました。周りに人がいなくてよかったです。聞かれてたらその人の耳元で永遠とキャロルを歌っていたところですよ。

 

「さて、死にたいやつからかかってきなさい!私が相手をしてあげます!」

 

そうノイズたちに宣言すると、胸元から一本の名状しがたいバールのようなものを取り出しました。この冷たいバールの感触...たまらんですわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




~ネタ集~
「ポケットの中から引っ張り出したのは某ポケモンのモンスターボールにしか見えないボール。」

ポケモンのネタ。もはや隠す気がない。

「「さてシャンタッ君、ちょっとくすぐったいですよ~。なに、痛みは一瞬です」
そうシャンタッ君に言うと、私はファイナルフォームライドしました。」

仮面ライダーディケイドのあれ。劇場版でアルゴリズム体操みたいなのをやったあれ。

「「無限の彼方へさぁ行きますよ!」」

トイストーリーのバズライトイヤーのセリフ。ちなみにうp主は6年ぶりぐらいにこのセリフを聞きました。

「「待ってましたよ!ニャル子、行きまーす!ヒャッホウ!」」

機動戦士ガンダムのアムロの代表的なセリフ。うp主は全くと言っていいほどガンダムを知りません。許してください。

「そうやって喜んでヘリから飛び降りるあたり学習しないんですね。私ってホントばか。


あのウザ可愛いまどマギに出てくる美樹さやかのセリフ。私ってホントばか。

「「さて、死にたいやつからかかってきなさい!私が相手をしてあげます!」」

龍が如くの桐生一馬さんが言う代表的なセリフ。個人的に5が好きです。

~ネタ集終了~

色々と遅れてすみません。いろいろあったんです。
そして気づけば270もお気に入り件数が...ありがとうございます。
できるだけ早く更新できるように頑張りますので応援よろしくお願いします。
それでは次回もお楽しみに。


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暴走ですと...?

新元号は「令和」だそうですね。いいと思います。
どうでもいい話ですが私の趣味は切り絵です。


「ラブを制作(クラフト)戦いながら、ねぇ!」

 

ある歌詞を歌いながらノイズを名状しがたいバールのようなもので次々と撃破していきます。

いつしか響さんがシンフォギアを纏った時よりも多くのノイズがいるのでバールだけじゃ一苦労です。

冒涜的な手榴弾を使いたいのですがここ、薬品工場ならしいので使ったらここ一体吹っ飛びます。もしかしたら響さんも死んでしまうかもしれないので、使えません。ということは...やっぱりあれを使うしか。

 

「宇宙CQC劇場版口にするのもはばかられる以下略!」

 

スカートの中から最近バールより使用頻度が高いような気がする口にするのもはばかられる対艦チェーンソーを取り出しました。まだまだ、私のバトルフェイズは終了してませんよ?

 

「速攻魔法発動!外なる闇で待ちうけるハーモニクス!」

 

そう宣言し、カードを墓地に送ると私の分身が...

 

「ありゃ?私の分身出てきませんね。どうしたんですかこのポンコツは」

 

チェーンソーを斜め45度から引っぱたいてもうんともすんとも言いません。ワンチャン壊れた?

それなら一旦分身を戻しましょう。その後また外なる闇で待ち受けるハーモニクスを使えばいいでしょう。

 

「新しい宇宙CQCパート10、形なく知られざるアブソーブ」

 

静かに宣言すると透明な分身が私の影へ戻っていきました。これでもう一回外なる闇で待ち受けるハーモニクスを使えば...あれ、今何時でしたっけ。

 

「きえぇえぇぇぇええぇぇええ!!!!!」

 

なんてことをしてしまったんだ私は!まだ三限目の授業じゃないですか!急に分身体が消えたらサボったと思われるじゃないですか!うわああああ!!!!!

 

「......私は怒ったぞ!フリーザ○!!!!!」

 

これはノイズのせいだ。きっとそうなんですよ。自分の失態を他人に擦り付ける邪神の鏡。

なんで結界張っとけと言わなかったんでしょう。ホント、こういう場面で抜けているんですよね、私。

 

「貴様らには死よりも恐ろしい混沌を見せて差し上げましょう...。宇宙CQCエンハンサー!!!」

 

そう宣言すると私の身体から光が発し、少女タイプの身体を分解。より戦闘に適した身体を再構築されていきました。そして瑞々しかった柔肌を漆黒の硬質に組み替えられ、いつも通りの普段着をすべて取り払い、夜空よりも深い黒い装甲に変換します。装甲の表面に赤いラインが走り出しました。

美少女の顔も必要ないです。その代わりに激しい戦闘でも大事な頭部を守れるようにフルフェイスタイプの装甲に変換されました。全身も耐熱、耐弾、耐刃、耐衝撃仕様のボディアーマーに。

しかし機動性を確保するために細身のシルエットをとる。

そうして再構築された私の最強のフォーム。ニャルラトホテプ星人は自分が最も強いと思える容貌に己の身体を再構築させることができます。

これがニャルラトホテプ星人の最強フォーム、フルフォースフォームです。

ちなみにこの文は這いよれ!ニャル子さんの文庫から丸々引用しています。みんな許してね。

余談ですが仮面なライダーって中盤ぐらいで最強のフォームになりますよね。ク〇ガは例外ですが。

 

「さて、汚物は消毒だオラァ!!!」

 

ノイズたちは私に攻撃してきますが、そんな攻撃は無意味に等しいです。ただでさえ美少女フォームの身体に傷一つ負わすこともできないのに、フルフォースフォームに攻撃するとどうなるか。答えは簡単です。

 

「プギィャア!!!」

「そんな生ぬるい攻撃で私を殺せるとでも思ったんですか?そう考えていたなら滑稽ですね」

 

私に攻撃してきたノイズたちは炭素の塊へと姿を変えました。それでも学習せずに突っ込んでくるノイズの皆様。クロックアップを可能としている私にとっては鼻クソをほじってても避けられます。汚い表現ですが仕方がない。

でもそんなことは気にしていたらダメです。

私は片っ端からノイズを鉄拳制裁していきました。クロックアップをしているおかげか、美少女フォームよりスムーズにノイズを屠れます。美少女以下略でもクロックアップはできるのですが、如何せん疲れてしまうんですよ。だからあまりやらないんですよね。しかし面白いぐらいに潰れてくれますね、この子たちは。

 

そうこうしているうちに周りのノイズたちの消毒は終わり、黒煙も晴れていきました。少し離れたところに響さんたちがいます。いつしか見たタイツの少女も。

響さんはノイズを一体ずつ確実に倒していきました。修行を始めてから最初の方は殴る、蹴るの行為を迷いながらやっていましたが今は見違えるほどに変わっていました。拳を引いて打ち出すまでのプロセスに迷いが見られません。響さんって天才なんですかね?勉強はからっきしですが。

 

「私も響さんの元に行きますか」

 

そう呟き、私は響さんの元へ駆け出しました。このフォームの欠点を言いましょう。力が強すぎて足が着地するたびにアスファルトが破壊されていきます。

 

 

 

 

 

 

 

/////

 

 

 

 

 

 

「お待たせしました、響さん」

「この声...ニャル子ちゃん!?どうしてそんな姿に!?」

「細かい話はあとで。今は目の前の敵に集中です」

「うん!」

 

響さんは元気な返事をすると真剣な顔に変わりました。切り替わりが早いですね。

さて、ノイズの殲滅は響さんに任せてと。私はなんか高いところで偉そうに突っ立ってるタイツの少女に向かってジャンプしました。

 

「お久しブリ大根ですね」

「...ケッ。私は久しぶりだとは思ってねぇけどな!」

 

少女は私に向かって最早テンプレと言わざる負えない鞭で攻撃してきました。知能のあるヒューマンなんですから少しは学習しましょうよ。響さんを見習ってください。ほら、あんなに戦えてる。

 

「遅い!」

「何ッ!?」

 

私は鞭の攻撃を素早く避けて、相手の懐に入りました。宇宙を握りつぶさんが如く拳を力いっぱい握り、相手に目掛けて攻撃を繰り出します。

 

「左フック!」

「うッ!」

 

タイツの少女は横っ腹に本気のフックを喰らい、くの字に折れて血を吐きました。ぴちゃぴちゃ、と足元に赤い液体が落ちる。

 

「右フック!」

「ごふッ!」

 

今度は反対側の横っ腹に鋭いフックを突き刺しました。少女の顔が苦痛で歪んでいきます。まだまだですよ。

 

「ボディブロー!」

「がはッ!」

「ヘビィブロー!」

「うげッ!」

 

左の拳でボディを、右の拳で心臓部を思いっきりぶん殴りました。小さな悲鳴と共に血を吐いていきました。少女のお腹は青紫色になっており、この装備の自己修復が間に合わない状態でした。

 

「さて、これで最後です」

 

そう少女に呟きながらポキポキと拳を鳴らしながら迫ります。

 

「や、やめ...」

「やめてと言われて止める邪神なんか邪神じゃないんですよ。さぁ歯を食いしばりなさい」

 

そう言って少女の髪を掴み無理やり立たせた後、両手に拳を作り、大きく引きました。

 

「フィニッシュコンボ!」

 

そう叫び、私は拳を突き出しました。右の拳でボディブロー。再度右拳を引いてアッパー、最後に左拳でストレート。そのまま体重を乗せて打ち抜きました。

少女はきりもみしながら宙を舞い、吐血をまき散らしながら地面へ落下していきました。

 

「うーん、やりすぎたかな...?」

 

今更ながら罪悪感が乗っかかりました。装備を纏っているとはいえただの少女。一発殴るぐらいが丁度良かったような気がします。でも...悪だから仕方がない。そう、仕方がないんですよ。

 

「さてさて、響さんはどうですかな?」

 

響さんを見てみるとなんとかノイズと張り合えていることが分かりました。でも時々ノイズの攻撃を喰らっています。加勢したいところですが、今回は大人しく見守っていたいと思います。

そう思っていたらノイズが私に突っ込んできました。軽く腕を振るって塵にして差し上げました。ホントに邪魔。

 

観戦を再開すると了子さんの近くに置いてあった横長のジュラルミンケースの中から大型の剣がケースを突き破って出てきました。あれがデュランダルという完全聖遺物ですか。禍々しいオーラを感じます。呪われているのか、邪神の加護がついているのか分かりませんが、あれは危険な香りがします。

 

「チックショウがぁ!!!」

 

さっきまでそこら辺で転がっていたタイツの少女がそう叫び声を上げてデュランダルに向かって飛びました。しかし、

 

「渡すもんかぁ!」

 

少女の背中に響さんがタックルをし、デュランダルを掴みました。その瞬間、周りの空気が変わりました。

デュランダルが強い光を発し始めたのです。

 

「うがああああああああああああ!!!!!」

 

響さんは大きな咆哮を上げ始めました。そしてそれに応じるかのようにデュランダルは更に力強く発光し、金色に輝く刃が出現しました。

 

「そんな力を私に見せつけるなぁ!!!」

 

少女は杖らしきものを突き出し、ノイズを繰り出しましたが、それも無意味に終わりました。

 

「おおおおおおおおおおお!!!!!」

 

響さんが耳をつんざくような声を発し、少女に向かってデュランダルを振り下ろし始めたのです。近くにいたノイズはその圧倒的な力の前になすすべもなく塵も残さず消し飛びました。

 

「危ない!」

 

咄嗟に身体が動き、私はタイツの少女に向かって飛び出していました。クロックアップをしているおかげか、すぐに少女を抱えて避けることに成功しましたが、威力が強すぎたのでしょう。衝撃で少女は気を失ってしまいました。あれがデュランダルの力なのでしょうか。普通じゃ考えられない威力に驚きを隠せません。

 

「なんなんでしょうか...あの剣は...」

 

そう呟きましたが、その声は爆発と建物が崩れる音でかき消されました。少女を見てみると、さっきのタイツ姿ではなく、ワインレッドの服を身にまとい、手には杖のようなものを持っていました。一応回収して弦十郎さんに渡しておきましょう。私が持っているとなんか不安ですし。

とりあえず、この娘どうしましょうか。私の家に誘拐でもしておきましょうか。また何かされたら困るし。

 

「ちょっと用事ができたので一旦家に戻ります」

『何かあったのかニャル子君!?』

「いえ、特には何もないですよ。特には」

 

空を見上げながら私はそう言いました。

これから何が起きるのでしょうか。先が不安です。神様、もっとイージーな世界にしてくださいよ。そう願っても伝わるはずがないんですけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




~ネタ集~

「「新しい宇宙CQCパート10、形なく知られざるアブソーブ」」

angel beats!にでてくる立華 奏の分身を戻す能力。そこのあなた、お前angel beats!好きすぎかよ、なんて思わないでください。自覚してます。

「「......私は怒ったぞ!フリーザ○!!!!!」」

ドラゴンボールのネタです。最早隠す気がない。エロゲのピー音並みに隠す気がない。

「「さて、汚物は消毒だオラァ!!!」」

北斗の拳のモヒカンのネタです。ちなみにうp主はレイが好きです。

「クロックアップを可能としている私にとっては鼻クソをほじってても避けられます。汚い表現ですが仕方がない。」

仮面ライダーカブトの技の一つです。後半は関係ありません。

「「左フック!」
「右フック!」
「ボディブロー!」
「ヘビィブロー!」
「フィニッシュコンボ!」」

バイオハザード5のクリスさんがウェスカーに体術をかけるときのラッシュです。バイオ5のクリスさん使いづらいんですよね。

~ネタ集終了~

クリスのファンの皆様すみませんでした。

なんかいきなりお気に入り件数が増えてなんじゃこりゃー!とRotter Tarminationしています。
あと9月まで勉強しないといけないので投稿速度が遅れます。
なんとか5月の終わりまでに一期を終わらせたいと思っているのですが、もし遅れたらすみません。
次回もお楽しみに。


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黒幕は...?

お久しぶり大根です。


 

「はい、そうです。はい、分かりました。それでは」

 

 通信機を切って私のベッドに目をやります。

 そこで寝ているのは先ほどボコボコにした少女でした。

 身体中を殴ったはずなのですが、完全聖遺物とやらのおかげでしょうか、身体に痣一つありませんでした。私が殴った場所は。

 彼女の背中からお尻にかけて酷い蚯蚓腫れを起こしていました。恐らくですが、変身する前にやられた後なのでしょう。敵ながら何故か申し訳ない気持ちになります。

 

「んぅ......んぁ......」

 

 さっきから唸り声をあげているのですよ。何か悪い夢でも見ているのでしょう。彼女の夢の中にレッツラゴーしたいのですが、残念ながら手持ちにシルバー鍵がないんですよ。銀の鍵ですよ銀の鍵。あれがないとドリームランドいけないんですよね。はぁ~つっかえ。

 

「うぅ......待って!!!」

 

 彼女がそう声を上げながら勢いよく起き上がりました。すげーびっくりしましたよ。

 

「目が覚めましたか?」

「ッ!?なんだテメェ!何処だここは!私をどうする気だ!痛ッ」

 

 彼女は私が殴ったであろうお腹を抱え出しました。表面上には見えなくとも内蔵にはダメージは通ったのでしょう。凄く痛そうにしています。

 

「大人しくしててください。何も危害は加えませんから。......もっともそちらが反抗するならそれ相応の対応をしますが」

「......」

「よきよき。いい判断です。聞きたいことが色々とあるので協力、してくれますよね?」

「......あぁ」

 

思ったより彼女は頭がいいのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

/////

 

 

 

 

 

 

彼女にいろいろなことを聞きました。

 彼女の名前は雪音 クリス。世界的有名なヴァイオリストの父と音楽家の母を持つハーフだそうです。音楽界のサラブレッドですね。

 両親が「音楽の力で戦争をなくしたい」という願いを叶えに南米にいったら両親が御陀仏になり、捕虜になったのだとか。

 何故完全聖遺物のネフシュタンの鎧...?を纏っているのか、デュランダルを狙ったのか。その理由を聞くと、フィーネとかいう人に指示されてやったとのこと。身体の傷もそのフィーネとかいうのにやられたとか。

 響さんを狙った理由も話してくれました。なんでも、シンフォギアの破片が響さんの身体と融合しているのに興味を持ったからそうです。しかし、それは二課でしか知らない情報なのですが......。どこから漏れたのでしょう。もしや内通者が二課の中に...?これ以上考えるのはやめましょう。しんどいっす。

 

大体このような感じのことが聞けました。これはレポートにして弦十郎さんに報告ですね。

 

「ありがとうございます。いい情報が得られました」

「そうか......。で、これからあたしをどうするんだ?またさっきみたいにサンドバッグにする気か?」

「いえいえ、そんなことはしませんよ。ただただこの家にいて欲しいだけです。貴女はあくまで客人みたいなものなので」

 

 流石にサンドバッグにはしませんし、だからといって無責任に放り投げるわけにはいきません。ほとぼりが冷めるまで私が保護します。クリスさんには家事などを任せましょう。でも、最初の方は教えないといけませんね。なんでも、フィーネとかいう人が毎回料理を作ってくれたそうで。

 

「それではご飯にしましょうか。あまり重たいものは用意していませんよ」

「そうか.....」

 

 そう返事をするとクリスさんはベッドからのそのそと出てきました。やっぱりあの際どいタイツ姿とは違って愛らしい姿です。ヒールを履いていたのかはよく分かりませんが、今の姿は私より10cm、下手したら20cmぐらいの身長差があります。思わず抱きしめたくなっちゃいますね。......おっと話がずれました。

 

 私とクリスさんはダイニングまでやってきました。

 テーブルに用意した料理は卵がゆ、湯豆腐に温野菜、お味噌汁です。消化に良い料理ですね。前世の私はほとんどと言っていいほど病院食しか食べたことがなかったので特訓しました。未来さんには感謝しかありません。

 

「それでは、いただきます」

「......いただきます」

 

 先ずはお味噌汁からいただきましょうか。...うん、美味しいですね。いつもの味です。やっぱ高い味噌よりスーパーに置いてある味噌のほうがいいですよ。なんか安心する味がしますよね。お袋の味ってやつ?いいですよねー。

 次のバッターは卵がゆです。今回の味付けは鳥ガラスープの素を使いました。だしの素も使うんですけど大体は気分ですね。鶏がらスープの素の良さは味付けが楽、というところでしょうか。

 

「味はどうですかクリs......え”」

 

気になってクリスさんを見てみたらガツガツ食べているんですよ。食べるところまでは良いんです。こっちも嬉しいですからね。でも、あれ、うん。食べ方が下品です。口元にいろいろ付けて食べているんです。これは教育していかなくては...。

 

「クリスさん...」

「な、なんだよ......」

「貴女にはまず食事の仕方からお教えしましょう......!覚悟、してくださいね?」

「ひゃ、ひゃい!」

 

おやおや、何故怯えた表情を見せるのでしょうか。貴女にはちゃんとした女性にならなくては、困るんですよ!

 

その日の夜は、「ニャル子さん怖いニャル子さん怖いニャル子さん怖い」etcとなっているクリスさんと肌がつやつやになっている私がいましたとさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

/////

 

 

 

 

 

 

『念のために鍵は置いておきます。何かあったら電話を寄越してください。すぐに飛んできますから』

『.....あぁ』

 

朝にクリスさんとそんな会話をしてなんだか新婚さん見たいな感じだなと思い思わず頬がにやけます。

学校は遅刻すると連絡しときました。そんなこんなで弦十郎さんのところにやってきました。

そして昨日私が作成したクリスさんのレポートを見せました。

 

「そうか...。そのフィーネという奴が黒幕なんだな?」

「そうだと思います。あと、これ。どうぞ」

「こ、これはソロモンのt「静かにしてくださいよ!」す、すまん。でも何故ニャル子君が?」

 

家にクリスさんがいるからです。あの娘からキャトラッシュしてきました。俗にいう借りパクってやつです。思いっきり盗みましたけど。

 

「なるほどな。ありがとう、これは私が厳重に保管しておく」

「弦十郎さんだけに?」

「......」

「なんか反応してくださいよもう!」

 

ここぞとばかりに頬を膨らませてみます。うん、効果なしですね。今すぐやめましょう。

 

「あ、それと」

「まだ何かあるのかね?」

「ちょっと待ってくださいね。今から結界を張るので。......よし」

 

適当な場所に指をさすと、私と弦十郎さんがいる空間だけ色が変わりました。ちらっと弦十郎さんを見るともう驚かないぞと言わんばかりの顔をしていました。ちぇ、つまんないの。まぁいいですや。

 

「ここだけの話。二課に内通者とかいません?」

「な!?」

「あ、結界張ってるので大きな声出してもいいですよ」

「なんだとッ...!?」

 

本当に出しちゃったよこの人。

 

「クリスさんが言っていたんですよ。フィーネって人がギアの破片と融合した人間、響さんに興味があると。ついでにデュランダルもゲットすれば万々歳じゃね?って感じだったらしいです」

「そうなのか...。それで」

 

まず何故響さんの身体とギアが融合していることをクリスさんが知っているのでしょうか。そもそも、この情報は二課にしか知りえない情報のはずです。デュランダルだってそうです。なんでも、国の上層部にしか知られていないらしいじゃないですか。それを知っている人がいる。これってばもうスパイが二課の中にいるとしか考えられませんよ。断言はできませんけど。

 

「そうか。ニャル子君にとって一番怪しいと思うのは...」

「んー。最初はなんとなくで弦十郎さんかと思ってたんですけどー。今一番怪しいと思うのは櫻井了子さんでしょうか」

「......何故そう思う」

 

うーん何故と言われましてもねぇ。なんかこう、ビビッと来たんですよ。ほら見てくださいよ。了子さんのことを考えると邪神レーダーが荒ぶるんですよ。それだけじゃ分からないですよね。本当は薬品工場で響さんとクリスさんが戦っていた時なんですけどね。あるとき響さんがデュランダルを掴んだんですよ。一瞬空気が変わったときありませんか?

 

「あぁ、確かに変わったな」

 

あの時デュランダルが輝いてどこぞの約束された勝利の剣みたいになったんですよ。その時了子さんの顔を見たらなんか唖然としている感じじゃなかったんですよね。それこそ見惚れているような、そんな感じでした。

その他にもあります。クリスさんと了子さんがなんか見つめ合ったりしていたんですよ。普通敵相手にそんなことしないじゃないですか。その時了子さんにノイズは襲って来なかったですし。攻撃されてたのは響さんだけでした。そこでなんとなーく怪しいなと。

 

「そうか。俺には良く分からないが、ニャル子君の意見も参考にしておこう。了子君に監視を付けようと思う。それでいいか?」

「大丈夫だと思います。あと、ソロモンの杖は見えるところに置いておきましょう」

「なるほど。おびき出す作戦か」

 

そうですそうです。英語でいうとオフコース。ソロモンの杖の周りに隠しカメラでも設置すれば何とかなるでしょう。一応私の方からも道具を出すとしますか。

 

「それでは言いたいことは言ったので」

「分かった。気を付けて学校に行ってきな」

 

そう弦十郎さんが言ったと同時に結界を解除しました。

そんじゃまずお家に帰ってから学校いきますか。はぁ、めんどくさい。

 

 

 

 

 

 

 

 




~ネタ集~

約束された勝利の剣

fate/stay nightのセイバーのあれですよ、必殺技。

~ネタ終了~

書きたいんですけどネタが思いつかないんですよ。すみません。
次回もお楽しみに。


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