艦隊これくしょん~巨竜達の咆哮~ (超甲形巡洋艦)
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各艦の性能一覧、登場兵装 順次更新予定

タイトルの通りです、何か間違いなど有りましたら感想欄でおしえてくだち


剣型超大型巡洋艦「剣」

主要要目

・全長246.7m(水線長240m)

・全幅28,8m

・喫水線8,8m

・基準排水量:32,780t

・満載排水量:37.480t

・機関出力172,180馬力

・速力33.4ノット+(何だろうこの数字、違和感が)

・航続距離8,000浬/18ノット

 

搭載兵装

・零式五〇口径三一糎砲   

三連装三基九門

・九八式六五口径一〇糎高角砲 

連装八基十六門

・二式六一糎六連装魚雷発射管

二基十二発(自発装填装置無し)

・九六式二十五粍高角機銃

三連装十二基 連装二基 三十六門

 

搭載機数  

水上偵察機三機/カタパルト二基

 

同型艦

二番艦『黒姫』

 

コンセプト

アメリカで建造中と噂されていた大型巡洋艦(後のアラスカ級)への対抗、夜戦で水雷戦隊の障害となる重巡洋艦を排除するための艦。通信能力が高い。単純に秋月型二隻分の対空能力、そして高速力を生かし空母の護衛にも使える万能艦。大和型の設計図を非公式に参考にしたため大和型とよく誤認される。それが目的だったりもする

 

━剣━ 

性別 ♂   

服装 胴着と袴

好きな物、事

殺し合い ありとあらゆる闘争 読書 深海棲艦を切り刻む 刀 ロマン兵器 

嫌いな物、事

空襲 人の努力を無下にする事 自分の獲物を取られる事 仲間を大切にしない奴   

 

性格

砲戦よりも近接斬撃の方が自分のスタイルにあっているキチガイ、リアル狂人(憎しみの連鎖は憎しみを持ってる奴を片っ端から殺せば止まる)。普段は駆逐艦から優しい好かれるお兄さん。(でも敵の生き血を飲むと豹変する)何よりも敵を斬り殺す事を快感としている。そして駆逐艦から恐がられる。砲撃戦は普通に妹達とどっこいどっこい。しかし刀を解禁すると邪魔な艤装をパージして斬りかかってくる。夜戦指揮能力が高く、信頼を置かれている。人を奮い起たせるのも得意技であり個々の技量を見極め、適切な指示を出す。

思考回路は以外と複雑。利用しようとする奴を逆に利用する

 

━黒姫━  

生活 ♀ 

服装 黒いドレス

 

好きな物、事

料理

嫌いな物、事

返り血だらけの剣 イギリス料理 自分を大切にしない人

 

性格 

おしとやかなお姉さん

剣と同じく仲間思い。基本的に他人の事には口出ししないが、誰かが自己批判を目の前ですると本気で怒る戦闘では結構強気

 

━鞍馬━ 

鞍馬型超大型巡洋艦(改剣型)「鞍馬」  

主要要目

・全長246.5m

・全幅30.6m

・喫水線8.8m

・最高速力33,4ノット+ 

 

搭載兵装

三十糎三連装砲

九八式六五口径一〇糎連装高角砲

九六式二十五粍三連装二十四基

連装二基

単装六基

搭載機数 水上偵察機三機/カタパルト二基

 

同型艦『大雪』

  

コンセプト

剣型と建造用途は同じ。実戦での剣型の問題点を改良した剣型の改良型。最初から対空兵装が充実している

 

━鞍馬━

性格 ♀

服装 黒い軍服に赤のスカート

 

好きな物、事

甘いもの

嫌いな物、事

 

性格

とても軍人気質。何事にも真面目で、剣とはよく衝突する

 

 

━大雪━

性別 ♀ 

服装 純白に雪があしらわれた着物(天城が着ているものを白くしたらイメージしやすい)

 

好きな物、事

黒姫、お酒

 

嫌いな物、事

寒さ

 

性格

おおらか、潮の超大型巡洋艦版

 

十勝型防空巡洋艦「十勝」  

主要要目

・全長186.2m

・全幅17.6m

・喫水線6m

・最高速力35.5+ノット

 

兵装

九八式十糎連装高角砲

十二基二十四門

二十五粍高角機関銃

三連装十二基三十六門

 

同型艦

『石狩』『釧路』『空知』

 

コンセプト

主に空母の護衛戦力強化だったはず。駆逐艦は勿論並の軽巡洋艦なら先手さえ取れれば反撃の隙を与えずに圧倒的装填速度でスクラップにできる。

 

━十勝━

性別 ♀

服装 高雄と愛宕の服を足して二で割り緑に染めて全体的に丈を伸ばした感じ

 

好きな物、事

誰かのお手伝い

 

嫌いな物、事

対潜戦闘

 

性格

真面目でおおらか

 

━石狩━

性別 ♀

服装 十勝と同様  

 

好きな物、事

十勝

 

嫌いな物、事

とくにない

 

性格

漣や秋雲と馬が会う

 

━釧路━

性別♀

服装 十勝と同様

 

好きな物、事

小動物 

 

嫌いな物、事

大家司令

 

性格 

剣曰く『くそ真面目』

だが慌てる事は滅多になく、常に冷静に物事を判断する

 

━空知━

性別♀

服装 十勝と同様 

 

好きな物、事

辛いもの

 

嫌いな物、事

特に無い

 

性格

僕っ子である。石狩と共にふざけて十勝、釧路に怒られるのはいつもの事

 

 

ウスダコタ級戦艦「尾張」

主要要目 

・全長214,3m

・全幅32,95m

・喫水10,3m

・基準排水量39,760t

・満載排水量4,7282t

・馬力130,180

・速力27ノット

・航続距離17,000浬/15ノット

 

搭載兵装

四五口径三年式四十糎砲

三連装三基九門

四十口径八九式12,7糎砲

連装八基十六門

九六式二十五粍高角機銃

三連装十九基五十七門

連装二基四門

単装四十七門

 

コンセプト

霧島によって大損害を受け米軍により放置されていたサウスダコタを日本が鹵獲、修復し改装したもの。射撃システム、電探などはそのまま流用している。空母に改装する案も合ったが、予算と工期の関係で戦艦として復旧した

 

━尾張━

性別 ♀

服装 ???

好きな物、事

???

嫌いな物、事

???

 

性格

???

 

条約型大和型高速戦艦(大和)

主要要目 

・全長243,1m

・全幅32,3m

・喫水線8,7m

・「公称」排水量35,000t級

・基準排水量39,780t

・満載排水量49,480t

・馬力136,000/過負荷152,000

・30ノット

・航続距離5,600浬/16ノット

 

搭載兵装

四五口径四一式三十六糎砲四型

三連装四基十二門

六〇口径三年式十五糎五砲

連装四基八門

四〇口径八九式十二糎七高角砲

連装六基十二門

九六式二十五粍高角機銃  

三連装八基二十四門

 

搭載機

(搭載予定。未施工)  

同型艦『武蔵』『信濃』『甲斐』

 

コンセプト

史上最弱の最新鋭戦艦。

第二次ロンドン海軍軍縮条約に批准(勿論隠せる範囲で誤魔化す)する戦艦。史実の大和が個々の性能で勝るのなら、この大和は数で勝負するため四隻同時起工。有事の際にはカタパルトの追加、41糎連装砲に換装する予定。がその搭載量と速力を生かし輸送作戦従事する。そして大和型は同一データを元に統制射撃を行う

ただ船内の居住性はあまり良くなく、「大和スラム」と呼ばれていたりもする

 

━大和━

性別 ♀

服装???

好きな物、事

???

嫌いな物、事

???

 

性格

???

 

━武蔵━ 

性別 ♀

服装???

好きな物、事 

??? 

嫌いな物、事

???

 

性格

???

 

━信濃━

性別 ♀

服装???

好きな物、事

???

嫌いな物、事

???

 

性格

???

 

━甲斐━

性別 ♀

服装???

好きな物、事

???

嫌いな物、事

???

 

性格

???

 

雲仙型重巡洋艦

・基準排水量15000t

兵装

五〇口径二〇糎砲

三連装四基十二門

12,7糎連装高角砲

連装四基八門

六十一糎三連装魚雷発射管四基

 

コンセプト

航空艤装は少い、その理由は大和型との同時運用を計画しており、大和型の艦載機や空母艦載機に索敵、弾着観測を任せる気でいた。目論みは外れたが。上記の通り、火力が高い対艦戦闘特化型重巡洋艦である。敵の誤認を誘発するため、瞬撃大和型に似せて作られている

 

長門型戦艦「長門」再改装後

主要要目  

・全長234m

・全幅34,7m

・喫水9,5m

・基準排水量42,760t

・満載排水量49,182t

・馬力117,000

・最高速度27,4ノット

・航続距離8,500浬/16ノット

 

搭載兵装

四五口径三年式四〇糎砲・改(実口径43,2糎 内筒換装・拡張改修)

連装砲塔四基八門

四〇口径八九式12,7糎高角砲

連装八基 十六門 

九六式二十五粍高角機銃

三連装十六基四十八門 連装十二基二十四門

 

コンセプト

ノースカロライナ級に撃破された長門をノースカロライナ級を上回る戦艦として再生させたもの。主砲をボーリングして攻撃力の向上。ただ防御力は変わっていない

 

━長門━

基本は長門の第二改装。しかし改二があるのがいい感じに邪魔なので『改二双』とする

 

長門型戦艦「陸奥」再改装後

主要要目

・全長234m

・全幅34,7m

・喫水9,5m

・基準排水量42,435t

・満載排水量49,846t

・馬力117,000

・最高速力27,4ノット

 

主要兵装

四五口径三年式四〇糎砲

連装二基 三連装三基 十門

四〇口径八九式12,7糎高角砲

連装八基 十六門

九六式二十五粍高角機銃

三連装十六基 連装十二基 七十二門 

 

コンセプト

長門と同様。しかし損傷の関係で長門のような改装でなく二番、三番砲塔の三連装砲化になった。一番、四番砲塔は横幅の関係で連装のまま。手数でごり押す

 

━陸奥━

改二双になる

 

 

内田弘樹先生の本に登場する装備

 

二式徹甲弾

九一式徹甲弾より比重が重い徹甲弾で、食い付きがいい。剣型の主砲もこれを使うことにより三十六糎砲と同等の貫徹力を持つことができ、水中弾効果も受け継いでいる

 

四式音響酸素魚雷

敵の音を捉え追尾する魚雷射程が普通の酸素魚雷より少し短い。初期は発射した艦の音に反応するといった事例もあったが、実戦使用するにあたり改善されて、砲煙の巨竜では松型駆逐艦が米戦艦モンタナ級をこれで撃沈している

 

統制射撃装置

瞬撃の巨竜に登場する大和型が持つ装置。三十六糎砲四十八門を同一艦に対し投射、撃沈した戦果を持つ。大和型が同時四隻起工なのもこのシステムを積載するため

 

自分オリジナル

25号対空電探

擬似的に対水上電探としても使用可能。探知距離は航空機90km 編隊120km 艦探知距離は艦種や艦隊規模で変わる



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超大型巡洋艦『剣』

どうも、このシリーズは前に上げた小説の焼き直しです。色々あって内田弘樹先生の巨竜シリーズが手に入ったので、その艦も追加します


その海域は常闇に包まれていた。

周りには小さな島が沢山有り、身動きが取りずらい

ソロモン海、幾度となく日米が衝突した激戦の海域、多数の艦艇、航空機が沈み海底を埋め尽くしている。そこはアイアンボトムサウンド(鉄底海峡)と呼ばれた。そして人の手によって作られた海の神の眷属はどの世界でもその咆哮を轟かせた。

「おらぁ!相手が戦艦だろうと関係ない。沈め!」

 

「もう一度行きます武蔵、信濃、甲斐、準備は良いですね?統制射撃。てぇー」

 

「SGレーダ射撃モード固定、openfire」

 

「主砲、四基八門、一斉射!、てぇー」

 

そして、この度の海戦でも、巨竜達はその咆哮を轟かしていたその名は以下のとうり

 

超弩級戦艦

双撃の巨竜 長門・陸奥

瞬撃の巨竜 大和・武蔵・信濃・甲斐

迫撃の巨竜 尾張(旧サウスダコタ)

 

超大型巡洋艦

砲煙の巨竜 剣・黒姫・鞍馬・大雪

 

上の人らの性能は次の話に乗せておくのでそこを見てくれよな。

 

━━━━━━

 

~トラック泊地~ 

今トラック泊地を管理しているのは史実の戦艦大和ただ1隻、

「掃除終わり!・・・・やっぱり誰も居ないですね・・・・」

 

「ソンナコトナイヨ。ワタシタチヨウセイガツイテルジャナイカ」

足元に大和の艤装の操作をする妖精さんが集まっている

「そうでしたね。いつここが拠点になっても良いように掃除と点検をしましょう」

 

「リョウカイシマシタ」ビシィッ(敬礼

 

~トラック泊地沖~

とある一隻の巡洋艦が航行していた。航行といっても絶賛敵航空隊に襲われている。

 

「うっぜえな。これで何回目だよ」

 

「ゴドメダナ。剣」

剣の肩に乗っかっているのはかつての剣の司令、大家と

「シレイチョウ、ソロソロダンヤクガココロモトナクナッテキマシタ」

かつての艦長、橘

「ダソウダ.剣モウスグヨルニナル。」

 

「うへぇ、つまり何とかしろと?」

 

「ソロソロクルラシイ。カイヒウンドウハジメ」

 

「あー、こいつら確か基地航空隊だろ、大家司令」

 

「ラシイナ」

 

「沈まず逃げ切って航空基地艦砲射撃する機会があったら1機残らず消し去ってやる」

 

「ソノココロイキダケトッテオケ。イマハメノマエノテキニシュウチュウシロ」

 

「各対空兵器、使用許可、もう一踏ん張りだ。弾幕を張れ」

 

剣の艤装、65口径九八式10cm高角砲がくるりと回転し砲身を天に上げる。先制して剣が三式弾を撃ち上げる。が、効果は薄い。深海棲艦の濃い黄緑に塗ったたこ焼きが目視距離に入った、高射砲群、対空機関銃は射撃を開始する。剣にとって有り難いのは敵が魚雷を持つ陸攻でなく重爆であることだ。高高度爆撃は命中率が低い。

10cm高角砲が下の給弾ベルトを取り込んで発砲

乾いた炸裂音が連続し、25mm機関銃が火を吹く

「あー、やっぱ高高度爆撃機は当たっても落ちないな。無駄に硬い。お、1機撃墜。高角砲が直撃したか」

 

「シカシゴエイセントウキナシトハ」

 

「ジュンヨウカンノタンカンコウコウヲオソウナラゴエイハイラナイダロウ。テキキチカラカナリキョリガアルダケナノカ」

 

「よっ、ほっ、痛ってえ!」

 

剣の回りに水柱が乱立する、そして小型爆弾が一個命中した

 

「うん?・・・・どこも壊れてないな。よし、対空戦闘続行

出来るだけ撃墜しろ!」

 

しばらくして、全ての敵機が爆弾の投下、被弾による退避で第五次空襲は幕を閉じた。

 

「オワッタヨウデスネ」

 

「後はトラック泊地に逃げるだけか。機関巡航速度を維持、だがトラック泊地で補給か何かできれば良いが。」

 

~トラック泊地~ side大和

フォーンフォーンフォーンフォーンフォーン

「敵襲!?」

 

「ヤマトサン。ソナエツケノタイスイジョウデンタンニカンアリ。イゴアンノウントシ、カズハイチ、オソラクコウソクセンカントオモワレマス。サラニタイクウデンタンニカンアリカズハニ」

 

「分かりました。索敵機の発進をお願いします。情報の収集と解析を」

 

「アンノウンノシンロ、マッスグコチラニムカウ」

 

「サラニサクテキキガハッシン、アンノウンノカンサイキトセッショクスル」

 

[トラック泊地空域]

高高度を飛行する零式水上偵察機、眼下には海が広がっている

⊂( ・ω・)⊃ブーン《アンノウンハコノヘンノハズダガ。ン?アソコニイルノハ・・・・レイシキスイテイ?・・・・ナルホドアンノウンハカンムスカ。アノギソウ・・・ヤマトガタ?》

 

海面を見ると単艦航行している剣の姿が見えた。剣もこちらの零式水偵を発見したらしかった

 

『ジジッ あーあー、こちら巡洋艦剣。上空の零式水上偵察機へ、こちらに交戦の意思は無い』

 

⊂( ・ω・)⊃ブーン《コチラトラックハクチコウクウタイショゾク ゼロテイ。キセンノスガタヲミトム、コレヨリトラックハクチニユウドウスル》

 

『了解、誘導よろしく頼む』

 

~トラック泊地~大和side

「ヤマトサン.アンノウンニツイテノジョウホウマトマリマシタ。アンノウンノカンメイハツルギ。カンキュウハジュンヨウカンラシイデスガ、ギソウガヤマトサントソックリラシイデス」

 

「私に?ですか・・・そんな艦居ましたっけ?」

 

「ウーン,ワタシタチニモココロアタリガアリマセンノデ、ミセイカン、マタハケイカクダケノフネカモシレマセン。ソノヘンノホンニノッテマセンカ?」

 

「でも、うーん?・・・」

 

大和が『世界の軍艦wwⅠ~ wwⅡ』で日本の巡洋艦の項目を探すとB65型超甲型が目に留まった。

 

「これ?ですかね?」

 

「タシカニニテマスネ。デモケイカクダケノフネハタマシイガコンポンテキニタマシイガナイハズデス。マアホンニンカラハナシキケバイインデスガ」

 

「そうですね。」  

 

━━━━━

 

「ふー、トラックで補給は受けられそうだな」

 

「ソウダナ、ヒトマズアンシンダ」

 

「お!あれだなトラック泊地は・・・俺が知っている所とは色々違うな。只の森?橘艦長どう言うことだ?」

 

「ツルギ、アレハヒミツキチラシイ。カンムスハフツウノフネトチガッテダイキボナセツビガイラナイカラキチヲカクシヤスインダダカラアアシテルンジャナイノカイ」

 

「はえー」

 

「ツルギキイテキタワリニキョウミナダロ」

 

「何を言う、秘密基地は男のロマンだ。興味ないわけがない」

 

「ソウカ,ワカランナ」

 

「そうっすか」

 

「ツルギ,オレトチョウカンガツイテイラレルノハココマデダ」

 

「はい?」

 

「カンチョウクラスノヨウセイガカンムスヲシキスルノハドコカニチャクニンスルマデナンダ」

 

「ここで別れか。じゃあ二人ともお元気で」  

 

「ジャアナ、ツルギ」

「マタアオウ」

大家司令長官、橘艦長は光の粒子となって消えた

 

━━━━━━━

 

剣は適当なところから上陸、秘密基地を目指し歩く。

 

「舗装された道、この先か。天然のトンネルみたいだ」

 

道の上には木が枝を伸ばし葉をつけることで道を隠している。

少し歩き目についたのはコンクリートの建物。所々窓がついていて、どちらかと言うと宿泊施設に見える。扉の横についている呼び鈴を鳴らすと、妖精さんが5人出てきて大和がいる部屋まで案内してくれた。

 

「ヤマトサン、ハイリマス」

 

「入ります」

 

「こんにちは、えっと艦名は剣で良かった?」

 

「ああ、巡洋艦剣だ。よろしく頼む。あんたは大和で良いか」

 

「はい、戦艦大和です。まず聞きたいことがいくつかあるんですが」

 

「知っていることなら出来るだけ答えよう」

 

「えっと、あなたは艦娘、で良いんでしょうか」

 

「まあ、こんな成だがな」

 

「二つ目です、ここにある資料を片っ端から漁っても貴方の艦としての情報がありませんでした。それであなたに近そうなB65超甲巡案、これに当たりましたが、あなたで間違い無いですか?」

 

「うーん・・・ちと細部と武装が違うな。魚雷搭載してるし。細かいのは筆者が別で纏めるだろう」

 

『おう剣メタイ事言うのやめーや』

 

「筆者さんは引っ込んでてください!」

 

『( ;´・ω・`)』

 

「えっと、邪魔が入りましたね。取り敢えずこれに近い船ですか・・・」

 

「うん、そいやここに来るまでに五、六回程空襲受けたんだけど切り刻んで焼き払いたいからさ、どこに基地あるか知らない?」

 

「っ!!、空襲を受けたんですか!?」

 

「うん、数は一回の空襲で30機程、後の空襲は撃墜した数だけ減ってった」

 

「ここからどの程度離れた地点か分かりますか?」

 

「取り敢えずここに着いたのが朝で、最後の空襲は夕方だったから・・・俺の巡航速度から考えてそんなに近いとは言えね。その代わり遠いとも言えない。少なくとも護衛戦闘機は確認できなかったから普通に遠いだけかもしれん」

 

「ヤマトサン、コレハコノヘンニアタラシイヒコウジョウガデキタトシカ」

 

「分かっています。至急、呉鎮守府に通信を」

 

「それはオススメしない。この辺に潜水艦が居たらたとえ暗号でも発信源を特定されるぞ」

 

「ですがトラックの回りに深海棲艦航空基地があってその基地がここを射程内に納めていようものなら大規模作戦の時に支障が」

 

「秘密基地として本格運用する前に見つかったら意味は無い。だが俺が空襲を受けながらここに来た以上敵さんもどこに逃げたのか位は調査に来るだろう。俺はかなりの大型艦、船時代に大和型戦艦と間違われたこと結構あった。殺すために近いうちに捜索艦隊が来るかもな」

 

「・・・そうですね、迂闊でした」

 

「ま、連絡はしなきゃなならんだろうし。定期便みたいなのは無いのか?」

 

「確か三日後に物質等を載せた定期潜水艦が来るはずです」

 

「そんときか、連絡するなら。この間に・・・・何だ!」

 

フォーン,フォーン,フォーン

  

「ヤマトサン、シンカイセイカンノチュウキボカンタイガセッキンチュウデス。コチラノキチニキヅイテイルカハフメイナレドチカズイテイマス」

 

「来ましたか、第一種戦闘配置!、対艦迎撃戦用意」

 

「深海棲艦の艦隊構成は分かるか?」

 

「エット、ソクドジュウシノジュンヨウカンタイトシカ」

 

「戦艦や空母は確認されたか?」

 

「イエ,イマノトコロハ」

 

「了解、俺が迎撃して見せよう」

 

椅子から立ち上がり、軽く準備運動をしながら部屋を出ようとするが、大和に腕を捕まれ、行くなと言われた。だが、剣は『空襲ばっか受けて苛ついている。生き血を浴びたい。敵を殺させろ』と何か変なことを言い出した挙げ句、大和ごと引き摺って行く

※大和16.8万馬力 剣17万馬力 

建物から出かけたところで大和が折れた。生きて帰ってくることを条件に迎撃を許可した。

 

「でもここは備蓄が余り有りません。大規模な修理は難しいです」

 

「了解した。じゃあいってくる。」

 

そう言って艤装を纏い、水偵を発艦。敵の居る位置に向かって最大戦速で向かう。

 

━━━━━━

 

『ツルギノナンセイ50kmニテキカンタイハッケン。ヘンセイハ重巡洋艦1 軽巡洋艦2 駆逐艦3 シンロハホクセイ』

 

「了解、そのまま見つからないように監視し続けろ。弾着観測射撃するから射程内に入り次第連絡する」

 

剣の艦載機が敵艦隊を発見。剣は進路を調整し射程に入るのを待つ。




どうでしょう?勿論巨竜シリーズの戦艦だけでなく、海外の戦艦(実装済み)も登場するのでお楽しみに


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初陣 初めての鹵獲

タイトルどうりの初陣です。
 
補足しておくと、この世界の時系列は、アニメで現在吹雪がエリート駆逐艦に襲われているところを、赤城の戦闘機が銃撃で撃破したとこくらいです。つまり一話


前話に発見した深海棲艦の巡洋艦隊を迎撃に出た剣は艦載機からの情報を元に敵艦隊へ向かっていた。だが水上偵察機が敵の電探に捕捉され対空砲火を受けいるが、距離があるため注意していたら当たらないらしい。そして時は来た敵艦隊が射程内に入る。主砲に装填されている弾種、仰角、方角を確認し水偵に着弾観測の旨を伝えて準備を済ませる。

 

「主砲、弾種徹甲 目標敵重巡洋艦一斉射」

 

主砲が爆煙と共に砲弾を吐き出す。砲弾は空気との摩擦で赤熱化しながら放物線を描きリ級重巡洋艦へと突き進む。

 

『観測機から剣へ、着弾結果を報告する。至近弾無しいずれも遠弾。目標艦隊増速転舵、剣の方向へ向かう』

 

「了解。高角砲いつでも撃てるようにしといてくれよ。あーあやっぱこの距離は難しいな。おっとぉ?敵艦隊発見」

 

そして目視で第二射を発砲、重巡洋艦に一発命中

 

「んー、中破止まりか?まあいい主砲撃て」

 

敵艦隊のリ級が射撃を開始、砲弾が空中ですれ違う。そして剣の砲弾がリ級の顔面にヒット、大破。リ級の砲弾は剣の装甲には無力だった

敵艦隊と剣の距離が確実に狭まっている。腰に差している刀に手をかけて速度を限界まで上げ突撃。向こうはリ級は機関にダメージを受けたのか速度は遅い。突撃に気づいた軽巡ホ級、駆逐ロ級も剣の迎撃に入る。剣の高角砲はその迎撃を突破するため撃ちはじめる。主砲は速度が早すぎて狙いがつけられないため使用不能。 

高角砲の直撃弾を多数受けたホ級は一隻大破し、接近した剣は抜刀、そのままもう一隻のホ級を斜めに両断し剣に向けて放ったロ級の魚雷がその残骸に命中、もう一方の大破したホ級は高角砲の集中攻撃をくらい撃沈、ロ級の弾幕を装甲で無力化し、飛び付いてきた二隻をまとめて斬り払い、爆散させる。残るは大破したリ級とその護衛についているロ級のみ。リ級を守るためにロ級が突撃してきた。高角砲で集中攻撃するも砲塔旋回が追い付いていない。ならばと思いロ級を中心に円を描く機動をする

 

 

 

         良い護衛艦だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

          感動的だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

         だが無意味だ。

 

 

 

ロ級の周りで爆発が起こる。剣の放った魚雷が命中しロ級はそのまま沈んで行った。残りはリ級一隻だけだが機関が壊れたのだろうかその場から動いていない。

 

「・・・」

 

黙ってこっちを睨み付けてくる。燃えている様子は無いし撃ってこないところを見ると武装は使えないらしい

 

「何だ、もう抵抗しないのか?」

 

「・・・」

 

無言

 

「打電している訳でもない。か」

 

「・・・」

 

無言

 

「成る程、お前には少し聞きたいことがある。無力な相手を殺す趣味は無いんでな。ちょっと来てもらおう」

 

「!?」

 

驚いているリ級の首筋に刀を打ちつける。リ級はそのまま海の上に突っ伏し、波に合わせてプカプカ浮いている

 

「さってと、こいつどうすっかな?」

 

日本語が理解できそうだからその場のテンションで気絶させたは良いものの、案外処理に困る。取り敢えずこれ持ってトラックに戻ろう。そう考え、思考を停止した

 

━━━━━

 

トラックに着くまでは起きなかった。しかし損傷は無線アンテナを破壊、できる範囲での艤装取り外し以外放置なので早く治療した方が良いのは確か

 

「ただいまー、迎撃ついでにお土産持ってきたー」

 

「あ、大丈夫でし・・・何ですかそれ!」

 

「敵重巡洋艦、無力化したから情報聞き出せないかなって」

 

「何でリ級を鹵獲して、すいません。頭が痛くなってきました」

 

「そうだ、こいつ俺のせいでボロボロだから入渠させたいけど体見ると完全に女だし大和に任せて良い?後武装解除はしてあるよ」

 

「うーん、仕方ありませんね。でも暴れるかもしれないのでドックの入り口で待機だけしていてください。着替えは・・・」

 

「俺の服の予備と拾ったバケツがある。胴着と袴はある程度ならフリーサイズだから使って」

 

と、艤装の一部を展開し畳んである自分の服の予備を取り出し、大和に渡す

 

《入渠(風呂場)》~大和side~

とりあえず脱がしたはいいものの高速修復材剤を深海棲艦相手に使って大丈夫なのか、そう疑問に思う大和だが取り敢えずお湯に溶かし、そのままリ級を湯船に沈まないよう、浸す。すると後ろの時計が00:00:00を示した瞬間リ級の目が覚めた。

 

「・・・」

 

相変わらずの無言

 

「体洗いますよ。こっちに来てください」

 

と、そこは大人しく従うらしい。銭湯にあるような所で大和はシャワーを使いお湯を掛ける。リ級の体から流れ落ちていく水は少し黒く濁っており、お湯であらかた流したらスポンジにシャンプーをたらし体中をこする。

 

「・・・んっ・・・あっ・・・」

 

時々変な声を出すが気にしない。洗い終えたら、一緒に湯船に浸かる。

 

「・・・」

 

やはり無言

  

「一ついいですか?」

 

「・・・」コクッ

 

「剣は強かったですか?」

 

「アア、トテモナ。アイツハセンカンカ」

 

「あの成りでも巡洋艦らしいです」

 

「ジュウヨウカンダト?」

 

「えっと、本人が言うには超甲型巡洋艦。だと」

 

「ナンダソレハ?ジュンヨウセンカンニチカイフネカ」

 

「本人は否定していますがね。自分は戦艦じゃない、巡洋艦だ!って」

 

「ヘンナヤツダ。ワタシヲユウカイシテ」

 

「変な人だと言うのは、まあそうですね。」

 

「シカモシュホウハニハツシカアタラナイ。デモケンヲツカッテキリカカッテクルトハオモワナカッタ」

 

「一体どんな戦い方をしているんですか」

 

「カンムスナラトモニシュツゲキスルトキクライアルダロウ」

 

「・・・そうですね楽しみです」

 

「ドウシタ?」

 

「いえ、何でもありません。そろそろあがりましょうか」

大和は取り敢えず渡された胴着と袴をリ級に着付けをして脱衣場から出る。入り口で待機している剣は職務を放棄し立ったまま寝ていた。



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日常

前回、重巡リ級を鹵獲した剣。待機を命じられていたのに居眠りをし、大和に説教されて同室でリ級を監視しながら寝ろ。と言う命令が下った

今回はリ級視点で進みます


リ級を鹵獲して一晩経った。特に敵意も見せないため朝には監視役の剣もリ級を放置してどこかに行った

 

~リ級side~

 

「・・・」

 

朝起きたら部屋に剣の姿は無く、代わりのジャージが置かれていた。やることも無いのでそれに着替えて基地内を散策することにした。

 

━━キッチン━━

 

ふらついているとキッチンにたどり着いたが中から物音がする。中を覗くと大和と妖精さんが朝食を作っていた

 

「リ級さん、おはようございます・・・あれ?剣はどうしました?」

 

「オキタライナカッタ。ソレヨリナニヲシテイルノダ?」

 

「ああ、朝食を作っています。もう少しで出来上がるので剣を探してきてくれますか?」

 

「ワカッタ」

 

「さっき玄関のドアが開く音がしたので多分外に居ると思います」

 

~工廠~

ふらっと入ってみると妖精と共に艤装を改造している剣が居る。物陰に隠れながら少し観察しようと試みるがすぐバレた

 

「お?なんだリ級かどした?」

 

「ヤマトガモウスコシデチョウショクガデキルカラオマエヲサガシテコイトイワレタ」

 

「あっそう。じゃあ少ししたら行くって伝えといて」

 

「ワカッタ。ソウツタエル・・・ナンデワタシノギソウヲイジッテルノダ?」

 

「ああ、深海棲艦の電探は質と性能が良いと聞く。なら自分で使えないかと思ってな。鹵獲兵器の再利用だ」

 

「・・・ヘイキナノカ?」

 

「いや、つけた感じ体に異変はない。なら大丈夫だろ」

 

「ソウカ、カラダニイジョウガデタラツカウノハヤメタホウガイイ」

 

「忠告は受けた。何があるか知らんが使えるもんは使う。それが戦争だ。もう少し調整しなきゃならんから先行ってろ」

 

「ワカッタ」

 

~食堂~

用事も済ませて戻ってきた

 

「リ級さん、ちょっと手伝ってくださーい」

 

「ドレスレバイイ?」   

 

「えっと、料理が盛り付けてある皿はそこのテーブルに運んで下さい」

 

「ウン、リョウカイ」  

 

────

 

「手伝いありがとう。えっとそういえば剣は?」

 

「ギソウノチョウセイヲスマセタラクル。トイッテイタ。タブンモウクル」

 

「おー、いい香り。おはよう大和」

 

「おはようございます・・・で、何でリ級さんの監視をいきなりすっぽかしたんですか」

 

ジと目でにらんでいる大和、だが剣は悪びれること無く

 

「もう抵抗の意思が見えないから、ほっといても大丈夫だろ」

 

自分は抵抗を辞めたわけではない。深海棲艦のデータベースに無い謎の戦艦、大和と単身で一個艦隊を殲滅した巡洋艦、そんなのに囲まれて、倒せもしないし、艤装が大破し弄くり回されていて逃げれる訳でもないからおとなしくしているだけだ

 

「キカイガアッタラフタリヲコロシテニゲテヤル」

 

「ほう?かの大和型と重巡殺しと恐れられた俺を殺すと?面白い。手合わせしようぜ」  

 

「オモシロイ。ダガギソウガナイ」

 

「?何をいってる、近接戦闘に決まってんだろ」

 

「スデ?キサマホントニカンムスカ?」

 

「その問に関しては自分でもわからん」

 

「二人とも、戦意旺盛なのは良いですが先に朝ごはん食べますよ」

 

「ああ/アア」

 

(ハモった)

 

─────

「頂きます」

 

「イタダキマス?」

 

「あ、頂きますって言うのは命を頂く。という意味で、例えばそこの豚肉は元々生きていた豚さんを誰かが殺めて私が調理したものです。つまり命を食べるのでこう言うんです」

 

「ソウカ、ニンゲンハヘイキデホカノセイブツヲコロシスニクイヤツラトイウコトシカキイテコナカッタガ、コウヤッテカンシャトイウココロヲシメスノカ」

 

「まー、他の生き物を殺すのは食事だけじゃなくて、服だったり、道具を作るためだったり、一部を除いて死体を有効活用している。だが行きすぎた事をして、その種族を殺し尽くす。と言うことも珍しくない。正直人間は他の生物から見たらいいイメージは無いだろうな。同族なのに血で血を洗う戦争すんのも人だけだろ」

 

と、こんな話題で朝食をとっていたが、リ級がなんと言われて連れてこられたかを思い出す。

 

「ツルギ、キキタイコトトハナンダ?」 

 

「聞きたいこと?」

 

「ワタシヲキゼツサセルマエニイッタダロウ。キキタイコトガアルト」

 

「あー、んじゃ聞くわ。深海棲艦って何なの?」

 

「これまた直球な質問ですね」

 

「ソレハニンゲンニニンゲントハナニカトキイテイルヨウナモノダナ。コタエラレナイ。コタエガワカラナイ」

 

「聞き方が悪かったな。何で人間を襲う?何か目的があるのか?」

 

「シンカイセイカンゼンタイノモクヒョウハジンルイノセンメツ。トイウシレイガクダッテイル」

 

「指令?深海棲艦の側にも提督のような人が居るんですか?」

 

「ヤマトトイッタナ。オマエラモシッテイル姫ヤ鬼がシンカイセイカンノシュウダンヲシキシテイルガソレノウエガイルノカハシラナイシシルシュダンモナイ」

 

「ほーん、居るかもしれないのか・・・つまりそいつ殺してしまえば深海棲艦は大本を失って終戦、それでなくても停戦まで持っていけるかもしれないのか。んじゃ二つ目、ここに来る途中陸上機に襲われたんだけど何処に基地があるか知らない?」

 

「ソレナラヘンダーソンノ飛行場姫カラダナ。イッカイオマエラニコワサレタガシュウフクサレタ。ワタシハソコノシュビカンタイダッタ」

 

「ほーん。ん?・・・待って、何でそう易々と教えてくれる?いやまあ、ありがたいんだが・・・」

 

「トクニオンギモナイ」

 

「それでいいんですか・・・それで」

  

なぜ正しい情報を提供しているのに困惑しているのだろう?艦娘は不思議な連中だ 

 

━━━━━

<2/10 深夜ウェーク島>

 

「あら?ここは何処かしら」




登録者様
ePHA93Rp6様 ワイアット様 爆裂斎様 ワールドホーン2様
アカウント名まちがえてたらメッセージ飛ばしてください。

お気に入り登録ありがとうございます
もっといい文章が書けるように精進するのでよろしくお願いします 



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三話 え?四話だろって?細けえこたぁ良いんだよ

どうも、旧探偵のLです(この挨拶結構気に入ってる)
剣型二番艦『黒姫』が登場です。他の超大型巡洋艦の面々や十勝型もアニメのストーリー中に登場します


~ウェーク島近海~

「・・・ウェーク島沖?何でこんな所にこんな体で来たのかしら」

 

「ン?クロヒメナノカ?」

  

「あら兄部艦長?お久し振りですわ」

 

「ヒサシブリダナ。イツブリダ?」

 

「本当の私が退役した日以来です」

 

「ソウダッタカ。トニカクサクテキキヲダソウ。イツマデモコンナトコロニイルワケニハイカナイ」

 

「分かりましたわ。艦長」

 

 

━━━━━

~ウェーク島攻略艦隊、第三水雷戦隊~ 

 

「神通さん、あれ何でしょうか」

 

「なにか見えますか?」

 

「んー、艦娘かな?」

 

川内が望遠鏡を覗く。望遠鏡には、黒いドレスをまとった黒姫の姿が写っている

 

「艤装確認、あれは?戦艦クラスだと思う。神通、作戦中だけど」

 

「接触してみます。他の皆さんは周囲の警戒と鎮守府に打電を」

 

「那珂ちゃんの出番だね!」 

 

「那珂ちゃんは睦月ちゃんと夕立ちゃんを連れて周辺警戒を」

 

「ぶーぶー」

 

「何か言いましたか?(威圧)」

 

「いっ、行ってきまーす」

 

那珂は夕立と睦月をつれ逃げるようにその場を離れた

 

「神通さん、こっちに近づいてきてます。砲はこちらに照準されていますが撃ってきません」

 

「なら味方だね。早くお話してみよーよ」

 

「姉さん、ちょっと!行っちゃった」

 

「あははは・・・」

 

━━━━━

 

「あら?誰かしら」

 

独断専行した川内が先に黒姫と話す

 

「やっほー!川内参上、夜戦なら任せておいて!」

 

「超大型巡洋艦『黒姫』ですわ。私も夜戦は自信があるわ」

 

「本当?」キラキラ

 

「太平洋戦争でまともに戦ったのは夜だけ」

 

「クロヒメ、カノジョラハ」

 

「分かってるわ。味方ね」

 

「姉さん、先にいかないでください」

 

来たのは川内、神通、吹雪軽く残りの自己紹介を済ませた。第三水雷戦隊はW島攻略作戦に向かうところで、奇襲作戦に支障が出るかもしれない。黒姫は後続の第二水雷戦隊に同行することとなった。提督の指揮下に入ったため、兄部艦長は消えた

 

知ってる人が大半だろうが第二、第三水雷戦隊編成

第二水雷戦隊

旗艦 軽巡洋艦 夕張 軽巡洋艦 球磨

   軽巡洋艦 多摩 駆逐艦 如月

   駆逐艦 弥生  駆逐艦 望月

   超大型巡洋艦 黒姫

 

第三水雷戦隊

旗艦 軽巡洋艦 神通 軽巡洋艦 川内

   軽巡洋艦 那珂 駆逐艦 夕立

   駆逐艦 睦月  駆逐艦 吹雪

 

 

━━━━━

 

神通が鎮守府に連絡を取り、提督からの直々の指示で黒姫は作戦に参加することとなった。そのまま第二水雷戦隊の面々とも軽い自己紹介を済ませる

 

「黒姫さん?だったかしら」

 

「ええ、如月ちゃんだったわね。どうしたの?」

 

「超大型巡洋艦って、巡洋戦艦と何か違うの?」

 

「うーん、兄妹が建造された目的は夜戦で敵重巡洋艦部隊の撃沈とアメリカが建造しているんじゃないの?って言うアラスカ級に対抗する目的、おまけで空母の護衛だから、まず運用方法が戦艦と根本的に違うわね」

 

「へえ~」

 

「ねえ、その武装鎮守府に戻ったらよく見せて!たくさんの十糎連装砲に見たことない三十糎三連装砲と六連装魚雷発射管、いろいろできるな~グヘヘ」

 

「解析するのは構わないけど、壊さないくれる!」

 

「や、やだなぁ、壊そうとなんてしてませんよ、それより神通さん達が待ち伏せポイントに着いたみたいです。後はここで待機、夜を待って奇襲掛けます」

 

「そう・・・でも、嫌な予感がするわね」

 

「嫌な予感?」

 

「いえ、忘れてしまってくださる?」

 

全員の頭に?が浮かんでいるが気にしない

 

 

━━━━━

 

しばらくすると夕張に通信が来た。第三水雷戦隊が敵偵察機に発見され、退避しているらしい。出現を予期していなかった軽空ヌ級二隻に捕捉、攻撃を受けているとの報

 

「長門さんからの指示でこれより敵水雷戦隊の足止めを行います。黒姫さんは如月ちゃんを護衛にして第三水雷戦隊の援護に向かってください」

 

「了解したわ。如月ちゃん、護衛よろしくね」

 

「分かりました。こちらこそお願いします」

 

━━━━━━

 

第三水雷戦隊は群がる敵艦載機を相手にしていた。隙を縫ってヌ級に雷撃しても戦闘機の機銃で迎撃される(鋼鉄の咆哮かな?)

 

「うそ、魚雷も、このままじゃ」

 

敵機が一斉に三水戦の上空から退避、一瞬あと上空で三式弾が炸裂した

 

「やっぱり三式弾は対地攻撃に限りますわね。次弾徹甲、目標敵空母 対空戦闘用意 全対空火器撃ち方始め。如月ちゃん、敵機をこっちに引き付けるわ。気をつけてね」

 

「はい!」

 

「三水戦の皆さんは今のうちに空母を叩いてください。駆逐艦は榴弾、軽巡洋艦は徹甲弾をおすすめしますわ」

 

敵の艦載機がまとめて黒姫のほうに来た。小さい獲物を狙うより、大きな獲物を狙いたいのだろう

 

「分かりました。砲雷撃戦用意目標ヌ級、撃て」

 

神通の命令で一斉にヌ級に対して砲撃が鳴り響く。徹甲弾がヌ級の低装甲部位を貫き、榴弾が上部構造物を破壊する。

 

「主砲、一斉射 砲術師、ここを奴の墓場にしなさい」

 

そこに黒姫の徹甲弾が降り注ぎ大破。

 

「夕立、突撃するっぽい」

「当たってー!」

「てぇえええーい」

 

畳み掛けるように多くの中口径、小口径主砲弾が着弾、大破炎上の後、空いた穴から夕立の砲弾が侵入し内部炸裂、燃料が誘爆し轟沈した。

 

「やった!」

「うわぁー!敵機がまたきたよー!」

「母艦を撃沈されて怒ってるのかな~」

 

━━━━━

黒姫はヌ級の攻撃とギリギリ射程内の二水戦の支援と対空戦闘を同時に行っていた

 

「主砲、目標敵水雷戦隊撃て。機銃で敵機の進路を限定、そこを高角砲で確実に仕留めなさい!」

 

「対空火器、黒姫さんに敵機を近づけないで」

 

黒姫の弾幕は圧倒的で、敵機を次々撃ち落とす。さらに短い間隔で主砲が火を噴き、敵水雷戦隊に砲弾を送り込む。そして一機が魚雷を投下した

 

「黒姫さん!左舷から魚雷1」

 

「!減速、バイタルプレートで弾き返してやります」

 

黒姫の狙いどうり、魚雷が命中しても目立った損害はない。これも大和型戦艦から受け継がれた対水雷防御能力だ

 

「ふん、その程度ですか?」

 

「凄い・・・次、急降下爆撃三機来ます!」

 

「増速、取り舵一杯。応急修理班待機」

 

三機が爆弾を投下、しかし対軽装甲艦を想定してか中型、小型爆弾しか落とさなかった。その程度の爆弾では大して傷は無い  

 

「この程度?笑わせないでほしいわね。如月ちゃんは大丈夫かしら?」

 

「ええ、大丈夫よ」

 

遠くで爆発音、ヌ級が轟沈した音だ。

 

「睦月ちゃん・・・」

 

「不味いわ、母艦を撃沈された敵機が三水戦の方に!砲弾交換、三式弾装填急げ!」

 

━━━━━━

 

「艦隊、単縦陣から輪形陣へ!対空戦闘よーい」

 

「さっきより練度が上がってる!」

 

「くぅ~、アイドルの顔に傷つけないで~!」

 

「当たらないっぽい~」

 

怒り狂っている敵艦載機は本気で第三水雷戦隊を殺しに来ている。神通がこのままでは誰かが沈む、そう覚悟したときだった。

 

「三式弾、水平線のむこうから!?」

 

上空で三式弾が炸裂、第三水雷戦隊を倒すことに注意を置いていた敵艦載機はもろに子弾を喰らい、大多数が墜落した

 

━━━━━━   

 

「敵機の全滅を確認、流石ですお姉さま」

 

「当然デース、比叡!敵空母をよろしくネ」

 

「わっかりましたお姉さま。撃ちます!当たってえ!」 

 

八発の九一式徹甲弾が砲身から躍り出る。三発が直撃、他二発は水中弾となりヌ級を海の底へと送り届けた。

 

━━━━━

 

「やっぱり、遠征に出てた第二艦隊です。」

 

目の前で比叡の徹甲弾が着弾、ヌ級が一瞬で火の海に沈んだ。

 

━━━━━

 

「良かった。これでもう大丈夫ね」

 

ふらふら飛んで居る一機の爆撃機、如月はそれに気付いていない。

 

「やだ、髪が痛んじゃう」

 

爆撃を投下して機体は爆発

 

「如月ちゃん!危ない!」

 

黒姫が如月を庇い爆煙に包まれた

煙が晴れると無傷の如月と中破した黒姫がいた 

 

その後第二水雷戦隊は敵水雷戦隊を殲滅し、第二艦隊と合流後、鎮守府に帰投した




如月ショック 回避


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重巡殺しと飛行機殺し、再び

ああ、文才が欲しい

アニメ鎮守府は建物を見て呉だと断定しました。


「んー?ここはどこだ?」

 

「えっと、この姿は一体・・・」

 

また二人のイレギュラーが・・・

 

「え、ここは何処でしょう?」

 

「ファッ?ここはどこだー!!」

 

ごめんなさい、四人だったようです。

 

━━━━━━

 

「石狩さん。お久しぶりです」

 

「大雪!?あれ?私退役して解体されたされたはずなんだけどな~」

 

「私も解体されたはずです。けどここはどこなんでしょうか?」

 

「さあねぇ、転生とか言うやつじゃない?」

 

「転生?」

 

「だって、私達が人型な時点で可笑しいし、それにすぐそこになんか他の人居るし、なんか焦ってるし」

 

石狩の視界には何か慌てて回りに相談をしている空母が写る

 

「ふぇ?あ!本当だ。原因は・・・私達よね」

 

「だろうね~多分空母機動艦隊かな?」

 

大雪と石狩が遭遇したのは祥鳳を旗艦とする以下の艦隊

 

重巡:青葉、衣笠、加古、古鷹

空母:祥鳳

駆逐艦:漣

 

突然自分達の近くに大型艦が現れたのだから驚きもする

 

「オイッス。私は石狩、高性能防空巡洋艦だよ!よろしく」

 

「オイッス!私は駆逐艦漣よろしく!」

 

「ちょっと、漣ちゃん!?」

 

石狩の軽い挨拶に反応した漣、それに驚く古鷹

 

「すいません、うちの子が。根はいい子なんです。許してあげてください。私は大雪と言います」

 

「えっと、よろしくお願いします大雪さん」

 

「祥鳳さん!この人たちに取材してもいいですか?」

 

「青葉、後にして頂戴。貴方達所属は?」

 

「えっと大日本帝国海軍所属でした」

 

「日本・・・私達は呉鎮守府の祥鳳です。皆自己紹介して」

 

「古鷹型重巡の2番艦、加古ってんだ、よっろしくぅー!」

 

「古鷹と言います。重巡洋艦のいいところ、たくさん知ってもらえると嬉しいです。」

 

「はーいっ! 衣笠さんの登場よ! 青葉ともども、よろしくね」

 

「ども、恐縮です、青葉ですぅ! 一言お願いします!」

 

「漣です。よろしくお願いしました!」

 

「大雪さん単刀直入に聞きますがいく宛はありますか?」

 

「・・・現状ありません。」

 

「なら私達の鎮守府に来てください。歓迎します」

 

「いいんですか?」

 

「ええ、構いませんよ」

 

そして呉鎮守府に着任した大雪と石狩、自然と祥鳳の指揮下に入ったが、石狩の42号対空電探が航空機を補足した。

 

「祥鳳さん、3時方向より航空機多数接近」

 

「え?か、艦隊、輪形陣、全艦対空戦闘用意!戦闘機発艦始め!」

 

祥鳳の号令でするりと輪形陣が組上がる石狩、大雪はその対空能力を活かすため空母の前後に陣取る

祥鳳の戦闘機隊が綺麗な編隊を空中形成、石狩が電探で補足した敵攻撃隊の迎撃に向かう

 

《我ら祥鳳制空隊、隊長機より全機へ、二機編隊で一撃離脱を徹底、一機たりとも艦隊に向かわせるなここで全部叩き落とせ!》

 

十八機の零戦が上空から敵機群に襲い掛かる。突然の襲来に敵攻撃隊の編隊が乱れる。しかし護衛戦闘機が攻撃を妨害してくる

 

《こちら二番機、五番機、敵戦闘機は放っとけ!今は母艦への脅威を減す事に専念せい》

 

《こちら十三番機、くそっ被弾してエンジンから出火、離脱する》

 

十三番機をかわぎりに多数が被弾し、戦線離脱していく

 

《こちら祥鳳 全機退避しなさい。後はこっちで何とかするわ》

 

《こちら二番機、姐さん、そりゃないぜ》

 

《艦隊との距離も縮まっています。これ以上の交戦は許可しません》

 

《こちら隊長機、全機気合いで追撃を振り切れ。この空域を離脱する》

 

各機反転し逃走を開始、艦隊防空戦闘の火蓋がおとされる

 

━━━━━━

 

「ねえねえ石狩、その砲って長10センチ連装砲?それにその電探新型?」

 

「そうだよ。えっと1、2、3全部で十二基二十四門、電探は42号と32号」

 

「え!?そんな物積んでんの?いいな~」

 

「漣、それもいいけどそろそろ来るよ。気張っていけ!」

 

加古の掛け声で全員が気を引き締める

 

「古鷹さん、対空戦闘指揮おまかせします。ウエポンズフリー(全兵装使用自由)」

 

「分かりました。3時方向の急降下爆撃機は数が少ないので操艦で何とかしてください。4時方向第一目標は雷撃機」

 

「「「「「「「了解!」」」」」」」

 

石狩の艤装が開き、更に謎格納されていた長10糎砲、高射装置が姿を現す。その姿はまさに針山。

 

「対空戦闘開始、目標雷撃機。砲術妖精、弾幕形成いそげ!」

 

古鷹の指示の下、一斉に全ての艦が弾幕を形成。敵機も果敢に突っ込んで祥鳳に攻撃を試みるが攻撃位置に着く前に石狩の攻撃で被弾、撃墜される。そんな中魚雷を投下した機体がいた。すぐに撃墜されたが魚雷は確実に祥鳳に向かっている

 

「祥鳳さん!一機魚雷投下、回避運動を」 

  

「分かりました。」

 

祥鳳が転蛇。だが、避けれるかどうかは五分五分だった

轟音が付近に響く

 

「うぅっ、やられた…これじゃ、戦えないよ…」

 

祥鳳が被雷 中破した。だが敵航空機がどんどん撃墜されていく。

 

「墜ちろ、うらうら~」

「堕ちなさい!」

 

古鷹以下の重巡洋艦、駆逐艦も効果的な弾幕を展開、敵機を撃墜する。そしてやがて敵機は姿を消した

 

「対空戦闘用具納め、引き続き対空、対潜警戒を」

 

「祥鳳さん、大丈夫ですか?」

 

加古が肩を貸す。船で言う艦首付近に被雷、幸い一時的に傾斜しただけで穴をふさぎ注排水で艦載機の収容は可能だった

 

「大丈夫、航行に支障はないわ。これから鎮守府に帰投します」

 

━━━━━━

 

「鞍馬さん?」

 

「お前は十勝?」

 

二隻の船、超大型巡洋艦『鞍馬』と、防空巡洋艦『十勝』剣や黒姫のように、海の上に突然現れた。今までと違うとすれば、目視圏内に空母が二隻いるだけ

 

「あれは誰だ?識別できるか十勝」

 

「う~ん?人型なので詳しいことは聞いてみないとですが、二人共装備は同じ?でシとスが見えるから翔鶴型航空母艦の翔鶴さんと瑞鶴さんですかね」 

 

「すげえなぁ十勝」

 

「防空巡洋艦なので視力には自信がありますフンス」

 

「さてと選択肢は2つある。あの二人に話しかけるかこのまま何処かへ行くか」

 

「会ってみましょう。補給の目処が立つかもしれません。」

 

「そうだな。相手は帝国海軍時代の航空母艦。攻撃されたら明らかにこっちが優勢だし」

 

「まあ、攻撃され無いことを祈りましょう」

 

━━━━━ 

 

「あーあ、この作戦が終わったら翔鶴姉とも別艦隊か ー」

 

「仕方ない事よ瑞鶴。私がついていなくても頑張りなさい」

 

「うう、手厳しい」

 

「瑞鶴の事を思っているのよ。あら?」

 

「翔鶴姉なに?って・・・敵艦?」 

 

「それにしては変だわ。二隻しか居ないし、戦艦と駆逐艦か巡洋艦かしら」

 

「戦艦ならとっくに射程内の筈だし、部隊から落伍でもした?私達の鎮守府では見ない顔だし」

 

「他の鎮守府の艦娘かしら?取り敢えず会ってみましょうか」

 

━━━━━

 

「あ!鞍馬さん。空母がこっちに気づいた見たいです」

 

「おーい!おーい!こっちこっち~」

 

「翔鶴姉、こっちに手を降ってるよ」

 

「敵では無いのは確かね。進路このまま」

 

━━━━━━━━━

 

四人が合流し、鞍馬がどういう状況なのかを説明、成り行きで一緒に航行する事になった

 

「えっと、じゃあ貴方達は気づいたらこの海に居たと?」

 

「そうなる。おっと、自己紹介がまだだったな。鞍馬型超大型巡洋艦のネームシップ『鞍馬』だ」

 

「防空巡洋艦『十勝』です。対空戦闘ならおまかせください」

 

「翔鶴型航空母艦1番艦、翔鶴です。

一航戦、二航戦の先輩方に、少しでも近づけるように

瑞鶴と一緒に頑張ります」

 

「翔鶴型航空母艦2番艦、妹の瑞鶴です。

艦載機がある限り、負けないわ!」

 

お互い自己紹介、この時第五遊撃艦隊は新たに出現した敵艦隊の迎撃に出ている。なので翔鶴、瑞鶴の護衛艦として同行することになった

 

「ッ!鞍馬さん水上、対空電探に感あり敵機編隊接近、大型艦1中型2小型3おそらく空母機動部隊」

 

「こっちでも捉えた。対空、対艦戦闘用意!十勝、二人を頼んだ。私は機動部隊の足止めをする」

 

「瑞鶴、航空隊を発艦、少しでも負担を減らすわよ」

 

「分かった。稼働機全機発艦始め」  

 

多数の航空機が空へ舞い上がる。瑞鶴の戦闘機隊がが攻撃隊の護衛、翔鶴の戦闘機隊は艦隊防空、と役割を分けてそれぞれの任務を果たす

 

~制空戦~

瑞戦《各機、一機たりとも逃がしてやるな》

 

瑞/翔爆《巴戦も良いがこっちも守ってくれよ?》

 

翔攻《こちとら重い爆弾と魚雷腹に抱えてんだ。頼むぜ瑞鶴の》

 

翔戦《母艦の守りはこっちに任せとけ!撃ち漏らしたの全部叩き落としてやる》

 

━━━━

 

瑞攻《無駄話はここまでだ。敵編隊および遠方に敵艦隊確認》

 

瑞戦《第一目標は敵爆雷撃機だ。敵戦闘機と遊びすぎるなよ。一番機エンゲージ》

 

瑞鶴の戦闘機隊が敵の攻撃隊と会敵、五月雨式に襲い掛かる。が何故か戦闘機が少ない。

 

瑞戦《二番機より・・・おい、戦闘機はどうした?数がすくねえぞ。こっちにもっと寄越せよ》

瑞戦《こちら四番機、そうですね》

瑞戦《十番機、これじゃ訓練にもなりませんよ》 

瑞戦《(戦闘機が居ない?何処に・・・まさか!)隊長機より全機、戦闘機をおそらく攻撃隊の方に集中している。逆にチャンスだ。ここで全部落とせ!(頼んだぞ第二中隊)》

 

━━━━━

所変わって第二中隊が護衛している攻撃機群

瑞戦《よりによって敵戦闘機がこっちに集中するのか》

 

爆《本当に大丈夫なんだよなぁ?》

攻《心配要らん。直奄隊から増援を出してくれるようだ。それに我が航空隊は熟練揃い。問題にはならんよ》

 

深海棲艦戦闘機が襲いかかる。数機は巴戦に持ち込めたものの残りが一撃離脱に徹して、捕捉が難しい

翔戦《こちら翔鶴第一戦闘中隊、現着した。エンゲージ》

 

艦隊との距離がそう離れていないため、すぐに増援が到着した。三機一組で敵戦闘機と交戦する。

 

瑞戦《おお着いたか。よし!畳み掛けるぞ》

 

攻撃隊の襲撃に夢中だった戦闘機に横から奇襲をかけたため敵が混乱し編隊から外れた機を優先的に撃墜する攻撃隊も敵艦隊目前までせまる

 

爆《もう少しで敵艦隊が見えるはず》

 

攻《見えたぞ、敵ヲ級を含む機動部隊だ!》

 

爆《全機、編隊を崩すなよ。攻撃開始》

 

対空砲による迎撃が開始されるがそれをもろともせず九九艦爆が上空に突入、空母の進路前方から背面急降下、特有の風切り音を立てながら突入、隊長機クラスはダイブブレーキ無しの直角降下をしている。投弾、いくつもの爆弾が派手な水柱を乱立させるなか、数発が命中、ヲ級は艦載機運用能力を喪失した

 

爆《いよっしゃ、ヲ級を無力化。大破炎上中》

 

攻《あとは任せろ。九一式、頼んだぞ》

 

急降下爆撃機が敵艦隊の目を引き付ける中、真横から九七艦攻が接近、近づいてから発見されたためろくな迎撃を受けず魚雷を投下、ほぼ全ての魚雷が敵艦隊に突き進む

 

攻《よし!そのまま進めよ》  

 

敵も回避運動をしているが先の爆撃で速度が落ちたヲ級と合わせるため、かなり当てやすい

ズカーン、ズカーン、ズカーン

命中したのが爆発、空母を庇った駆逐艦二隻、軽巡洋艦が轟沈、その残骸に妨害され他には命中しなかった

 

攻《チッ、空母を殺し損ねたか・・・帰投する》 

 

━━━━━━

~艦隊防空戦~

 

「対空戦闘用意、各砲塔に目標振り分け、機銃群射撃開始」

 

あらかじめ迎撃準備を万全に済ませた十勝がやっとの思いで戦闘機の二段迎撃を突破した敵攻撃隊に容赦ない弾幕を張る

 

「す、凄い弾幕・・・」

 

「ほぼこっちに来る前に撃墜してる・・・」

 

圧倒的な弾幕を前にしても、既に母艦を破壊された彼らに帰れるところが無い。ただの一機も自分の爆弾、魚雷を投棄しない。もう命を捨てる覚悟は出来てるのか

 

「ボーッと二人も対空射撃してください!」

 

━━━━━━

重巡洋艦がヲ級を曳航し離脱にかかっている

 

「主砲、目標敵瀕死の空母、弾種徹甲弾一斉射ァ!」 

 

轟音、徹甲弾が唸りを上げて煙と共に躍り出る。庇うために空母の前に出てきた重巡リ級に狭叉した

 

「重巡に狭叉した?次斉射目標重巡洋艦に変更、てぇー」

 

空母が狙われていると思っているリ級は回避運動を取らず三発が直撃、爆沈した。駆逐艦がその隙に突撃してくる

 

「うん?向かってくるか。主砲・・弾装填」

 

派手な砲煙を吹きながら発砲、駆逐艦が砲撃を避けるため舵を切るが避けきれなかった。

 

<グオオオオ  

体?のいろんな場所が小規模爆発を起こしている

遠距離での命中率はひくい。そのため鞍馬が使用したのは三式弾(散弾)だ。クッソ威力が弱い代わりに子弾命中率は高い。低装甲部や艦上構造物に多大な損害を与えるなど朝飯前だ。

 

「後は空母を・・・」

 

目線の先でヲ級が爆発した。

 

「誰だ?」

 

付近を見渡すと慌てて戻ってきた吹雪以下の艦隊の砲撃が刺さったらしい。

 

「大丈夫ですか?二人と・・・えっと、あれ?」

 

「よう、駆逐艦。それに・・・雷巡と金剛型か」

 

「鞍馬さん!大丈夫でしたか?」

 

敵機を駆逐し終えた十勝と航空隊を収容した五航戦の二人が駆けてきた。

 

「翔鶴さん、瑞鶴さん、この二人は?」

 

「この人たちは吹雪ちゃん達が敵艦隊の撃退に向かった直ぐ後に会ってね、とっても強いよ」

 

「ンー、youは何てshipデスカー」

 

「鞍馬型超大型巡洋艦『鞍馬』だ。よろしくな」

 

「防空巡洋艦『十勝』です。対空戦闘ならお任せを」

 

「英国で生まれた帰国子女、金剛デース!ヨロシクオネガイシマース」

 

「はじめまして、吹雪です。よろしくお願い致します」

 

「重雷装巡洋艦、スーパー北上様だよ~」

 

「こんにちはー。軽巡洋艦、大井です。どうぞ、よろしくお願い致しますね」

 

「皆、大丈夫?ケガは無い?」

 

「はい!翔鶴さん達は大丈夫でしたか?」

 

「ええ、この二人のおかげでね」

 

「鞍馬さんと十勝さんでしたよね?」

 

「ああ/ええ」

 

「ねえ?吹雪ちゃん、超大型巡洋艦ってウェーク島で如月ちゃん命懸けで助けてくれた黒姫と同じ艦種だよね」

 

「あ!そういえば」

 

「なに?黒姫も居るのか?」

 

「わぁ、凄く久しぶりですね」

 

「お知り合いですか?」

 

「鞍馬型は剣型の改良版だからな。黒姫は義理の姉?に当たる」

 




勢いで書きすぎた。そして期間が空いた反省はするるので許してクレメンス

やっとの事で吹雪が出た、出せた・・・金剛のルー語、これでよかったのかな


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集結、超大巡

タイトルは集結されど二隻


~トラック泊地沖~

「look、見えてきたねー」

 

「あれがトラック島?」

 

「あんなところに本当に前進基地があるんですか?」

 

「SF作戦遂行のための基地ネ。他の艦娘達もここにmoveシテキテルネー。それに、陸奥が言ってたネー」

 

『ここに来ればとっておきの新鋭艦が待っているはずだから、ウフッ』

 

「新鋭艦、」

 

「確か鞍馬と似たような艦も居るみたいデスヨー」

 

「確か鎮守府に黒姫が居て、通信越しで大雪が居て・・・よりによってあいつか」

 

「え?お知り合いですかを?」

 

「多分私の兄貴分、剣型超大型巡洋艦『剣』が居る」

 

「んー?長門と潜水艦から聞いた話だと深海棲艦巡洋艦隊を接近戦で壊滅させた上に旗艦を鹵獲したらしいデスヨー」

 

「鹵獲?」

 

「兄貴・・・何やってんだよ・・・」

 

━━━━━━━

全員がトラック島の浜に上がる。そして森の奥から影が2つ

 

「よお鞍馬、久しぶりだな」

 

「ホ、本当ニ私ガ出テ大丈夫ナノカ」

 

「安心しろって言ってんだろうが」

 

剣がリ級を連れて迎えに出てきた

 

「「「「「「「・・・」」」」」」」

 

「どした?何か変な物でも見たような顔で固まって」

 

「それです!それ!何で深海棲艦が前線の秘密基地に要るんですか!?」

 

「聞いてはイタケド、結構驚くネー」

 

「大丈夫なの!?」

 

「なに、武装は切り刻んでその辺にポイ捨てしてある。使えんよ」  

 

「ねー、あなたが剣?」

 

「そうだが、その艤装重雷装巡洋艦・・・大井と北上だな?そこの巫女装束は金剛型、空母は翔鶴型姉妹、あと芋は・・・特型駆逐艦だな」

 

「芋!?」

 

「まあ良いじゃねえか。取り敢えずついてこい。案内が無いと迷うぞ」

 

━━━━━━━

 

「大和、来たよお客さん。勝手にラムネ出すぞ」

 

「お帰りなさい。冷蔵庫で冷してありますよ」

 

「あいよ。手伝え、リ級」

 

「ワカッタ」 

 

剣とリ級が奥に消えた

 

━━━━━━

「金剛さん、大丈夫何ですか?あれ」

 

「ンー?知らないデース」

 

「大丈夫なんですか!?」

 

ぶっちゃけ提督も長門も何かあっても大和と剣なら制圧出きるだろうと言う考えでの放置だった

 

「どう考えても危険でしょ。深海棲艦でしょ」

 

「案外大丈夫なのかもね~。もう艤装は細切れなんでしょ」

 

「北上さんがそう言うなら」

 

「ほれ、ラムネ持ってきたぞ」

 

剣とリ級がラムネを持ってきた。それを元おもむろに投げる。全員苦もなくキャッチした。

 

「座れ。こいつのことについて詳しい説明をする」

 

━━━━━━━

 

「あのー、抵抗しないから連れてきたじゃなくて抵抗できないからおとなしくしてたの間違いじゃないですか!」

 

「そうなのかもな。あとそろそろ日常パートのネタが無さすぎて筆者が死にそうなんだが」

 

「メタイよ!」

 

「んまぁ、鞍馬、十勝話が有るんだ。積もる昔話をしたい」

 

━━━━━━━

剣と鞍馬、十勝が集まった。他には誰もいない

 

「さて、何かこの世界は何か変だ。主に艦娘関連で、何か分かるか?」

 

「私達が人形になってることかしら?」

 

「鞍馬、ある意味正解だが不正解」

 

「うーん・・・・・・記憶?」

 

「十勝正解!そう。記憶、黒姫、大雪、石狩がどうか知らないが俺達は対米戦の記憶がしっかり残ってる。しかし大和に何回か鎌かけたが・・・太平洋戦争の記憶は無いらしい」

 

「つまり船の魂を持っていても、記憶を持っている訳じゃない。ってことですか?」

 

「そう言うこと。この原因は何だろうな?」

 

「魂を引き継いでいるなら記憶が合っても可笑しくない筈」

 

「十勝は頭が良いなぁ。」

 

「つまり・・・封印されている?」

 

「封印かどうかは知らないが、意図的に忘れてる可能性が高い。そして分かったことがある」

 

「なんだ?分かったことって」 

 

「この戦争は何かの流れ、俺らとは違う太平洋戦争の歴史を歩んでいる。で、過去の作戦を調べた結果、この間ウェーク島攻略作戦が合った。つまり、この先ソロモン海戦やら色々重要な戦いがある、その中で敗けたら一番ヤバいのはミッドウェー海戦、知ってる通り一、二航戦が死んだやつ」

 

「説明雑すぎだろ。だがミッドウェーは敗けたらヤバいな」  

 

「そこでだ・・・歴史を改編する」

 

「歴史を!?」

 

剣は太平洋戦争の歴史を知っている。ただ史実では剣型は建造されていない。ミッドウェー以降の剣の記憶はあまり役に立たない、しかしミッドウェー海戦を勝利に導けば戦況はある程度はよくなる筈だ。

 

「そうだ。事実ウェーク島攻略作戦は黒姫が居なけりゃ、駆逐艦如月は沈んでただろう。つまり・・・だ、俺らはこの世界にとってのイレギュラー。歴史を改編する鍵になれる」

 

「面白そう。やってみたいです!」

 

「確かに歴史を根本から覆すのは楽しそうだな!」



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空襲された鎮守府

「いや~、まさか鎮守府が空襲されるとはな~。警備網はどうなっているのやら」

 

「他人事じゃ無いでしょうに・・・」

 

「黒姫と大雪は無事かな?」

 

先日、鎮守府が空襲にあった。正直なんの愛着も無いのであんまり気にしてないが、提督が行方不明と聞き、真っ先に爆撃食らって体残らず吹き飛んだ?と発言。いろんな艦に喧嘩を吹っ掛けた風になり、ほぼ全員を相手にし、剣が一人勝ちした。

 

「いや~、喧嘩のなかに戦艦いたよな?あと航空機、面白いほど一方的だったな」

 

「何であれだけを相手にして勝てたんですか・・・」

 

「雑魚の集団に負けてやる必要はない」

 

結局トラックに進出していた長門以下連合艦隊は鎮守府に帰投。

『出港、連合艦隊なんの成果も得られませんでした。命名 剣』

あと剣リ級はそのままトラックに留まった

 

「しかしミッドウェーか・・・」

 

「どうしました?」

 

「ミッドウェーを攻略できるか否かでこの戦争の勝敗が決まる。そんな気がするのさ」

 

「ミッドウェー諸島攻略作戦カ、現状デハオススメデキナイナ」   

 

「お勧めできない?」  

 

「今回ノ件デ確信シタ。オ前タチノ暗号ハ意味ヲ成シテイナイ」

 

「予想通り解読されてると言うわけか」

 

「え!ちょっと待ってください。暗号が解読されてるって、早く伝えなきゃ」

 

「提督や連合艦隊旗艦様がそれくらい気づかないでどうする?そんなことも分からないなら、この戦争負けるぞ」

 

「気づいたら報告する!負けてもいいんですか?」

 

「負けても俺の責任じゃあない。そんな状況になったらコイツつれて深海棲艦に寝返るね」

 

「アイニクオ前ミタイナノヲ受ケ入レルカ知ラナイゾ」

 

「はあ、その時は私が全力で阻止します」

 

「大和型ごときの速力で追い付けると思うなよ?」

 

「私ノ艤装ハオ前ガ破壊シタダロ」

 

「担いでくか」

 

そんな会話をしていたら1日も経つ。提督もリ級の存在を黙認してくれた(管理が面倒くさいだけかもしれないが)そんなことで日常は過ぎて行く

裏では剣、黒姫、鞍馬、大雪、十勝、石狩による歴史改編工作を行っている。剣がしたのはリ級の鹵獲 黒姫は如月の救出 鞍馬、十勝は五航戦の護衛完遂 大雪、石狩は祥鳳機動部隊の護衛

すでに歴史は変わっている。既に五航戦はミッドウェー攻略作戦参加可能状態であり、リ級からの情報もある。全体的に余裕が出ているのだ。剣の中に確証は無い。歴史を改編できると言う、しかしやれることはやる。そして、鎮守府から攻略部隊の編成案が届いた。しかしそこに剣の名前はなかった

 



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剣は激怒した

やりすぎた\(^o^)/


剣は荒んで居た。他の姉妹が編成されているのに自分はお留守番と言うのに。

 

「ツ、剣、大丈夫カ?」

 

「あ?」

 

明らかにイラついて殺気を放っている。それにビビるリ級

 

「別に攻略部隊に入れなかった事を怒っている訳じゃないぞ」

 

「ジャア何デ常ニ殺気ヲ放ッテイル」

 

「最前線に出れないのが気に食わないだけだ。提督がここにいたら即座に首切り落としてる。勝手にソロモンで大暴れして(戦果上げて証拠残して)提督の胃腸破壊してやろうか」

 

実際のところ剣にとってソロモン海は庭だ。幾度となくアメリカの最新鋭戦艦群と殺し合ってきた海域、大暴れできない謂れはない

 

「剣さん、辞めてくださいね?」

 

「暇だったらやるね」

 

「辞めてくださいね!?」

 

(今ノコイツニハ何ヲ言ッテモ無駄ダナ)

 

その日の昼下がり剣はトラックから姿を消した

 

━━━━━━━━━━

~呉鎮守府~ 

「おはようございます、お姉ちゃん」

「おはようです。黒姫さん」

 

「あら大雪、十勝、おはよう。首尾はどう?」

 

「赤城さんの枕元でこれから起こることを囁き続けてますが」

 

「大丈夫よ。さっき赤城が定めのクビキとか意味のわからない中学二年生が言いそうなこと口走ってましたわ」

 

歴史改編作業の一貫としてミッドウェー作戦参加艦(戦艦、空母メイン)の枕元で囁き続ける。指令室に忍び込み代案を置いていく。暗号が解読されていると分からせる。等々をしているが、効果はいまのところ薄いと言わざる得ない。

 

「でも結局剣の参加はさせませんでしたが・・・大丈夫何ですか?」

 

「今頃ソロモン海で大暴れしてるころでしょう。ストレス発散に。まあ、それも計画の家ですわ」

 

━━━━━━━━~少し後のソロモン海、夜~

 

「ここにくるのは何年ぶりだろうか」

 

懐かしのソロモン海、太平洋戦争が終結して以来、船としての剣はソロモンに来ていない。記憶につかるのもつかの間、対水上電探に大量の影が写っている

 

「ひゃあ我慢できねぇ!」

 

機関をブーストさせ敵艦隊群に突撃を開始した、まずは近くにいる水雷戦隊の一掃、相手は複縦陣。魚雷、主砲を撃たれる前に艦隊内部に真正面から(反航戦)に突っ込み、前から二秒以内に殺しきる。ただとっくに剣の電波反応を深海棲艦は探知していたのだが、剣の電探はリ級からの鹵獲品。剣は電探本体をそのまま流用したため電波のパターンがほぼ同じであり敵なのか味方なのかを決めあぐねていた。それで味方の水雷戦隊を攻撃したのだから敵である。そういう結論に付いた。

しかし先程も言った通り剣の電探は深海棲艦のものと同じ、更に敵のど真ん中に飛び込んだためどれが剣でどれが味方か分からないのである。それをいいことに暴れ続ける剣。

主砲や高射砲を水偵が落としまくった吊光弾を元に自由に乱射する。更に剣自身も刀で暴れまわっているため収集がつかない 

 

「反撃してこないのかな?」

 

そう言いながら手近な戦艦を斬り殺す。近くにいた仲間の戦艦から砲撃(至近距離)が飛んでくるが本能で察知、砲弾を斬り飛ばし、九門の主砲をお見舞いする。剣の通り道は阿鼻叫喚だ

 

「グガァァァァァ」「ギシャァァァァ」「グゴァァァァァ」「ウゾダ...ウゾダドンドコドーン! 」「ゴガァァァァァァ」「アンダドゥーレハ、アカマジャナカッタンデェ…ウェ!」

 

「なんか変なの斬った気がするけどまいっか。あ♪逃げてる空母はっけ~ん」

 

嬉々として殺しに向かう

 

「はえ~、逃げちゃ駄目っすよ~」

 

後ろから全速で追尾。追い付いて斬る直前に振り向いて杖を振りかざし防御してきたがそれごと斬った

 

「は!あんなところに重巡洋艦が!殺さなきゃ(使命感)」

 

音もなく刀を振るい鞘に戻したとき、重巡洋艦が爆発した

 

「重巡、殺さずにはいられない!」 

 

後十分程暴れてもう殺せる深海棲艦が居なくなった。まばらに逃走している駆逐艦は放っておく

 

「終わりか?・・・02:00かえらないと空襲だな。はー、スッキリした」 

 

『正直ソロモン海の敵を一掃しといてスッキリしたの一言で済ませないでほしい。劇場版どうすりゃ良いんだ』




反省はしない


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始動 MI作戦

剣の説教から始まり


─────トラック泊地─

「つーるーぎーさーんー。絶対に辞めてくださいって言いましたよね?」  

 

「・・・」

 

「聞いてるんですか!」

 

「イヒャイイヒャイ」

 

おもいっきり耳をつまみ上げられる。正直キレた艤装まで持ち出した大和が怖すぎてまともな抵抗ができない。リ級も近くで見ているが、後に『阿修羅ノヨウダッタ』と語る

 

「全く、心配かけないでください!それに服も血だらけにして・・・」

 

「誠にすみませんでした」

 

「本音は?」

 

「反省も後悔もしてません」

いつもの剣であった

「ふん!」

剣の顔側面を46cm演習砲弾が掠める

「あっぶね!もう終わったことだし仕方ねえじゃねえか!」

 

「・・・」

無言の圧力

「ごめんなさい」

 

「風呂掃除一週間です」

「喜んでやらせていただきます」

━━━━━鎮守府━

「ねえ、十勝ちゃん?」

 

「何ですか?黒姫さん、計画なら順調ですよ。この編成案の通り第五航空戦隊が編成されました」

 

第五航空艦隊

旗艦 航空母艦 翔鶴 

   航空母艦 瑞鶴

   超大型巡洋艦 鞍馬

   超大型巡洋艦 大雪

   防空巡洋艦 十勝

   防空巡洋艦 石狩

対空ガチガチの編成だ。そして黒姫は大和旗艦の攻略隊に編成されている

 

「まあ、お兄様の性格と趣味を考えると・・・勝手についてくるかも知れませんわ」

 

「さすがにそれは・・・無いと言い切れないのが怖いですね。そうだ黒姫さん、剣さんが無傷でソロモンの敵を壊滅させたらしいです」

 

「あら、それは吉報ね。深海棲艦の目がソロモンに向くかもしれないわ」

 

「黒姫さん、もしかしてソロモンの敵が壊滅するのわかってました?」

 

「お兄様の性分を考えると近場で暴れようとするのは容易に予想出来ましたし、結構な被害を与えるとも考えるのは簡単でした。まあ、無傷でソロモンの敵を壊滅させるとは思いませんでしたが・・・」

 

なんにせよ黒姫の計画はすべて整った。後はMI作戦を実行するだけだ

そして実行までの数日間は空母機動艦隊演習で初となる三個艦隊での対空戦闘、陣形形成、対艦戦闘の猛訓練を積む。さらに夕張、明石が剣がリ級から鹵獲したレーダーのデータと十勝や石狩らの実績のある電探を研究し、性能を向上させた25号対空電探を三個開発した。機動部隊の護衛艦のどれかにつけられる予定だ。

 

「こんにちは黒姫姉さん」

「よお黒姫」

「やっほー黒姫さん」

 

「全員揃ったわね。まず私から・・・と言うより兄さまからの伝言一つだけど『好きなだけ暴れろ!だが何があっても回りを沈めるな』だそうよ」

 

「勿論そのつもりだ」

 

「航空機なんか全機叩き落として、ミッドウェー沖の海底を残骸で埋め尽くしてやる」

 

「あの第一航空戦隊の艦載機を一掃できたんです。怖いものはありません」

 

「じゃあ、わたしも一暴れしましょうか」




新しく編成した翔鶴、瑞鶴の艦隊があんななのはどうせMI作戦では他の空母と行一緒に動かすし固めといてもええやろ。あと考えるのがめんどくさいと言うのが理由です


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ミッドウェー攻略戦

────トラック泊地─

普段は地下に隠されている出撃船渠、そこに立つのは戦艦大和

 

「ついにこの時が来ましたか。剣、リ級、お留守番は頼みましたよ」 

 

「・・・」「マカセテオケ」

 

剣は目を閉じてほんの少し顔を下げている。何かを待っているかのようだ

 

「戦艦大和、出撃します!」

足元に水が流れ込みトラック泊地の妖精が操作するスポットライトに照らされながら艤装を装着する。戦艦大和は初めて作戦に身を投じた

 

「ほほう、了解した・・・さてと、俺も動くとしますかね。リ級、来い」

 

「ドウシタ?」

 

「お前の艤装の修復が完了した。まあ、修復と言うより新造に近いがな」

 

「私ノ装備ハ捨テタハズダロウ。残シテオイタノカ?」

 

「お前の船体は入渠で修理の時に改造を施した。歴史を弄くる為にな。後は一時的にも進出していた黒姫が隠し持ってきた兵装を取り付けるだけだ」

 

「何故私ニ装備ヲ返ス?裏切ルカモシレナイダロ」

 

「そう言ってるなら大丈夫だ。それにお前は『裏切れない』というか、今更裏切っておまえ・・・深海棲艦として戦えるのか?」

 

「・・・無理ダロウナ。今更戻ッテモ沈メラレルダロウ」

 

「ならいっそこっちで暴れようぜ!」

 

剣の中には最初から戦わないと言う選択肢は用意していないらしい

 

「・・・分カッタ」

 

「よし、なら早く艤装纏え」

 

剣が修復したリ級の艤装はほぼ日本製に換装されている

15cm三連装砲4基から20.3cm三連装砲3基に変更

魚雷兵装は剣が要らねえと早々に外した六連装酸素魚雷発射管2基。右舷、左舷に1基ずつ

12.7cm連装高角砲8基

25mm三連装機銃12基 25mm連装4基 

機関はあまり壊れてないため修理し流用した。しかし電探は剣がパクったまま

 

「艤装の調子はどうだ?」

 

「悪クナイ」

 

「それで・・・こうなったらお前は重巡洋艦リ級ではない。それに呼びにくいからな。そうだな、と或る北陸の河川の名からとって手取辺りでいいか」

 

「手取・・・重巡洋艦手取か。気に入った」

 

「よし、じゃあ行くか・・・ミッドウェー沖に」

 

こうして二人も抜錨、大和とは別で一直線にミッドウェーを目指す

 

────空母機動艦隊─side十勝~島の岩礁~

我が空母機動艦隊はあの大和旗艦のミッドウェー攻略部隊とのランデブーポイントに待機していた。だが作戦に亀裂が生じてしまい合流出来ていない事態が発生した

 

「赤城さん、どうしますか」

 

「合流するために少数の艦だけ残して進撃しましょう。残るのは・・・金剛さん、吹雪さん、十勝さんでどうかしら」

 

「待ってくれないか赤城、これから襲撃するのは飛行場と、それについて来るであろう空母機動部隊だ。十勝を外したくはない。それにこの合流だけなら十勝は居なくても良いだろう」

 

「そうですか・・・分かりました。吹雪さん、金剛さん、よろしくお願いします」

 

「ブッキー、安心しなヨー」

 

━━━━━━━━

 

ミッドウェー沖に接近した赤城総旗艦の空母機動艦隊。

筑摩の水上偵察機がミッドウェーに居座る飛行場姫を発見し、これに先制攻撃を加える。だが第五航空戦隊の戦闘機だけは温存しておく。なんで史実があんななのかを考えれば当然の処置だ

 

赤戦《赤城制空隊隊長機より全戦闘機に通達する。敵の迎撃だ!攻撃隊を守り通せ!》

 

全戦《了解!》

 

戦いの火蓋は切られた



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ミッドウェー攻略戦2

────制空戦─ 

加戦《ヘッドオン!》

飛戦《こいつら練度が低いのか》

蒼戦《そんな事言って油断すんなよ》

 

ほぼすべての戦闘機がヘッドオンしたが被害は少なく敵を削ることができた。後は巴戦で攻撃隊を守るだけだ

 

────攻撃隊─

先んじて急降下爆撃隊が上空に突入、次々に突入する

江草《蒼龍、デカイ土産待ってろよ!》

そう言い、九九艦爆は反転直角降下に入る。対空砲が撃ち上げられるも弾は掠りもしない

江草《高度800,700,600,500ここだ!》

ほぼ全機が25番を投下した。この時点で猛爆により滑走路は破壊された。さらに九七式艦攻が80番をプレゼントする

友永《俺たちも行くぞ!》

村田《対空砲火は急降下爆撃隊が引き付けている。さっさとお姫さんを黙らせるぞ》

 

艦攻隊の追撃で飛行場姫は損壊、被害で言うなら滑走路は穴だらけ、格納庫全壊、航空機地上破壊続出、対空砲陣地の大半は沈黙、管制塔はギリギリ生きている。後は基地としての機能を完全停止させるだけだ

 

─────艦隊─

「赤城さん、航空隊より入電!『我等、奇襲成功、第二次攻撃ノ用無シ。敵被害壊滅的』です」

 

「後は艦砲射撃で破壊しましょう」

大雪は口ではそう言っても喜んでいない。鞍馬、十勝、石狩も同様だ『必ず何かが起こる』と確信している

 

「鞍馬さん!対空電探に感あり。規模は・・・数えんのがめんどくさいよ~、でも最低ヲ級二隻分はいるよ」

 

「!?」

 

鞍馬ら以外ははここで敵空母機動艦隊が出てくると考えていなかったらしい。混乱していた。それを見かねた鞍馬は『第三警戒航行序列(三個艦隊用)』を発令した。そこで正気を取り戻したのか空母や他の護衛艦も即座に行動を開始。戦艦、重巡洋艦は三式弾の射撃準備を、五航戦は温存していた戦闘機を発艦する。

 

「赤城さん、攻撃隊の収容は」

 

「近くで待機してもらいます」

 

「赤城さん、それなら蒼龍、飛龍の戦闘機は攻撃隊と待機、赤城さんと私の制空隊は直ぐに翔鶴さんたちの増援に向かわせましょう。零戦の航続距離なら可能です」

 

─────制空戦─

翔戦《話によると敵は少なく見積もってもヲ級二隻分の戦爆雷連合らしい。腕がなるぞ》

 

約四十機の零戦21型と黒い深海棲艦機が空戦を開始。瑞鶴の戦闘機は戦闘機と遊ばないことを徹底し、翔鶴の戦闘機は瑞鶴の戦闘機に襲いかかろうとする敵戦闘機を追い散らす

 

瑞戦《流石にこの数は厳しいぞ!増援はまだか》

瑞戦《こちら二番機、隊長が弱音を吐くなよ》

翔戦《くっそ!どんだけ居やがる》 

 

先程から撃墜を重ねている制空隊、しかし敵は一行に減らない

 

赤戦《こちら第一航空戦隊制空隊到着!戦闘を開始する》

加戦《遅くなったな、五航戦。ただ弾薬を消費している。いつものようには期待してくれるな》

 

赤城と加賀の戦闘機隊五十機の零戦が突入するが一航戦の大半は20mmを使い果たしている

 

瑞戦《おいおい、大丈夫か?基地を襲撃して疲労してるだろ》

加戦《お前らなどと一緒にするな》

 

いきなり別の大規模戦闘機隊に襲われた深海棲艦攻撃隊は更に混乱する。

制空権、確保

 

赤戦《もう艦隊はすぐそこだ。必ず母艦群を守り通すぞ!》

 

だがもうここが最終防衛戦、これ以上は三式弾や対空砲に巻き込まれかねない。

 

─────艦隊─

「三式弾炸裂・・・今!」

 

対空電探を監視している十勝のタイミング指示で三式弾使用可能な砲門は全て開いた。細かい計算の元全ての三式弾が同じような場所で炸裂するように時限信管や発射タイミングを調整し、少しでも子弾の密度を上げる。そして計算は成功した。電探上では残敵の約二割を撃墜したのだ

 

「三式弾により敵二割程墜落」 

 

「十勝ちゃん、対空戦闘の指揮をお願いします」 

赤城からの下令

ここから先は高角砲、機銃の出番だ。すでにほぼ全て稼働準備は万端である。

 

「姉ちゃん、お出迎えだ」

 

「ええ!」

 

対空戦闘開始!

艦隊のほとんどは旧式の12cm連装高角砲であり命中精度は決して良くない。だが鞍馬型、十勝型が装備するのは10cm連装高角砲だ。おまけに電探とのリンクで通常より高精度の対空弾幕を張っている。

 

「す、凄い弾幕・・・」

「しかも凄い数落としてるし」

「これが・・・貴方たちの力」

 

「防空巡洋艦を舐めないで下さい!」

「おらおら~、この程度なのかな~」

「石狩、五航戦と一航戦の戦闘機が数を減らしたんだ。この程度だろう」

 

まもなくして敵機は全て姿を消した。艦隊には飛龍の至近で爆弾が爆発し、3くらいのダメージを受けただけ

 

「赤城!22号が敵艦隊捕捉!同時に観測機が視認した。恐らく三個空母機動艦隊が接戦中」

 

鞍馬が捉えた艦隊は紛れもなく空母機動艦隊である。

 

「こいつらの航路・・・砲戦を仕掛ける気か!」

 

「榛名さん!砲戦指揮をお任せします」

 

「分かりました。赤城さん達は十勝と石狩と退避してください」 

 

艦載機も上空待機のギリギリだ。艦隊から一時的に切り離し、艦載機を収容させる。珊瑚海の五航戦の二の舞にならぬよう護衛も忘れない

 

「さあ、正念場です!榛名、全力で参ります」

 

戦力差は

戦艦1

超大型巡洋艦2

重巡洋艦2

重雷装巡洋艦1 

駆逐艦1

に対し

空母3ヲヲヲ

重巡洋艦3リリリ

軽巡洋艦5トトトホホ

駆逐艦7ロロロイイハハ

 

総合火力で勝るだろうが数で負ける。榛名と鞍馬、大雪が迅速に空母、重巡洋艦を処分できるかが勝負の分かれ目

「主砲、高角砲、対水上戦闘用意。目標敵重巡洋艦、撃ち方始め」

 

「観測機発艦、弾着観測します」

 

榛名、鞍馬、大雪が敵に対し射撃。昼戦射撃は鞍馬、大雪にとってあまり馴染みの無いものであったが、電探も正常、明るいため常に目標がよく見える。いつもとそう変わらないものであった。

射撃した砲弾は先端を赤熱化させ、各々の目標に突き進む。遮るものは何もない。着弾、榛名の射撃をもろに喰らった重巡洋艦は爆沈、鞍馬、大雪の射撃も目標を捉え、鞍馬の射撃は中破止まり、大雪は狭叉という結果を得た

 

「第二斉射撃て!重巡洋艦だけは近づく前に始末するぞ」

 

《観測機ヨリ大雪ヘ、狭叉確認》

「狭叉確認です、同一目標、一斉射」

 

その装填速度を存分にいかし、砲撃を続ける。第二斉射で鞍馬は重巡洋艦を撃沈し、大雪は大破炎上させ、その戦闘能力を喪失させた

 

「敵重巡洋艦撃破!榛名さん!」

 

「はい!このまま距離をとって砲戦を継続、鞍馬さんと大雪さんは空母を狙ってください。他の皆さんは突撃してくる駆逐艦、軽巡洋艦の対処をお願いします」

 

「「「了解!」」」

 

各艦が射撃を開始した。大井、北上は魚雷を敵進路予測線に扇状射出し14cm単装砲で砲戦に参加。利根、筑摩の20.3cm連装砲も射撃を繰り返し、既に数発を命中させ軽巡洋艦二隻を大破させ撃破。夕立は単身で駆逐艦を相手取っていた。と言うよりか敵駆逐艦隊に突入、隊列を引っ掻き回し、魚雷を小出しにしながら三隻の駆逐艦撃沈、軽巡洋艦一隻大破に追い込んだ。そしてまだ戦闘を継続している。

 

「榛名!北東方向、22号に新たな敵影。それと21号に影!方向から恐らく味方の航空隊」

 

「私の観測機が敵艦影を確認、戦艦含む水上打撃部隊とのこと。その影に何か別の大型艦影が2つ見受けられるそうです」

 

「二隻の艦影?」

 

鞍馬の22号が捕らえたのはイレギュラーの敵水上打撃部隊だ。別の二隻はその水上打撃部隊の影になりうつらなかったらしい。

 

《こちら榛名、攻撃隊の皆さん、ここから北東の水上打撃部隊の邀撃をお願いします》

 

《赤城隊、了解した。五航戦のは引き続き空母機動艦隊を狙え残りで水上打撃部隊の邀撃に入る》   

 

─────剣、手取─

「さて手取、大和等よりも早くついたぞ。とりあえず目先の水上打撃部隊の始末だ。航空隊が飛来してやがる。先に殲滅して戦果を総取りするぞ」

 

「勝手に私を連れて出撃して良かったのか?」

 

「勝手に出撃してる時点で大目玉だろうよ。そこは戦果をぶつけて相殺しようか」

 

剣は抜刀、手取と共に増速し戦闘に入る



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ミッドウェー攻略戦3

「さあ、襲撃だ!」

 

単縦陣で航行する水上打撃部隊に後ろから笑顔で襲いかかり、一番後ろの駆逐艦をまず切り沈める。気付いて対処しようとした軽巡ト級が雷撃の姿勢を見せるが手取の20.3cm三連装砲三基が火を噴いた。至近距離での水平射、この砲撃は外れる筈もなく軽巡洋艦を爆沈させる。先頭の戦艦三隻と重巡洋艦リ級が砲撃してくるが、剣は体を捻ることで全て回避&装甲で防ぎきり、リ級の上半身と下半身を切り離す。噴水のように黒い液体が噴出、それに気にも掛けず戦艦ル級にその牙を向けた。三隻とのすれ違い様に一隻の首をカッターでサクッと切り裂き、血が吹き出す。直ぐに切り返し、片方のル級に手刀で心臓に当たる部位を突き抜き、黒い『何か』を抉りとる。もう1隻の砲撃を『何か』を抜いて動かなくなったル級を盾扱いし、近くに投げ捨て、残りの1隻を縦に一刀両断した。この間僅か10秒

 

「航空隊は到着せずと・・・戦果一人占めだぁ」

 

そして手取からのぶん取り品の対水上電探が大規模水上部隊を検知していた。

 

「これは・・・大和の艦隊か。おっせえな。」

 

「おい剣、合流するのか?」

 

「そりゃな」

 

─────大和艦隊─

 

「大和さん!見えました!赤城さん達です」

 

「Hey!大和、25号が大型反応を発見したネー。どうもこっちに向かって来てるみたいヨー」

 

「分かりました。このままその艦隊を撃滅、のち合流します。観測機発艦始め!」

 

金剛の25号が捕捉したのは剣と手取だ。25号は試作品故にまだ精度が良くないのだ。おまけにさっき剣が斬り飛ばした残骸で電波が乱反射し、金剛から見たら大艦隊に見えた

 

「お姉様、観測機が敵艦?視認しましたが・・・どうも重巡洋艦リ級系列の新型、見た目大和さんそっくりな戦艦の二隻らしいです」

 

霧島から『重巡洋艦リ級と自分そっくりの戦艦』の報告で大和は凄く嫌な予感がした。

 

「総員、一応戦闘準備。撃ってくるまでは絶対に撃たないでください」 

 

「大和さん、何で攻撃しないんですか?」

 

「多分剣です、というか絶対に剣です」

 

大和の予想は的中していた。勝手にソロモンに出るような戦闘狂、ここに来るぐらいは予想できていた。だがリ級までも連れてくるとは思っても見なかったのだ

 

「やっほー、大和。ついてきちゃった(*ゝω・)ノテヘッ☆」

 

「言いたいことはたくさんありますが・・・なんで捕虜まで連れてきたんですか?」

 

「面白そうだからだよ。それに今のこいつは『手取』という名前がある。あと無断出撃は反省する気無いからな」

 

大和はあたまに手を当てて、こいつの処遇をどうしようか考えていた

 

「でも今は作戦中、俺を咎める時間はあるかね?」

 

「はぁ、分かりました。単縦陣の後ろについて下さい」

 

「お兄さま、お久しぶりです」

 

「おっ?黒姫か久しぶりだな。お前の解体日以来か?」

 

「そうですわね、また会うとは思ってもいませんでした」

 

その後は赤城旗艦の空母機動艦隊と無事合流。

その後大和、剣、黒姫が三式弾で対地艦砲射撃を加え飛行場姫を完全に破壊しつくした。防衛の為に待機していた敵空母機動艦隊も撃滅され、イレギュラーの水上打撃艦隊も剣と手取が殲滅し、作戦目標は全て達成された

 

「霧が晴れない・・・」

 

赤城が呟く、全員が回りを警戒しているが、残りの艦隊も見当たらない

 

ただ、剣はある一点だけを見つめている。

というのも剣もとっくにこの世界には『何らかの力』が加わっているのに気付いているのだ。そして、三式弾を潰した筈の飛行場姫に降らせる

 

「つ、剣さん!?」

 

「え?お兄さま?」

 

「やっぱりだ、あいつは死んでねぇ」

 

飛行場姫が、中間棲姫に進化した



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ミッドウェー攻略戦4

前回、ミッドウェー攻略戦で飛行場姫が中間棲姫に進化した


「やっぱりだ、まだあいつは死んでねぇ!」 

 

「ヴアアアアアアアアアアアア!」

 

中間棲姫は進化の時に損傷が回復したらしい、たこ焼きを続々吐き出している

 

「元気になりやがったな畜生!」

 

「砲撃準備が出来次第砲撃をして下さい!」

 

剣が速攻で三式弾を撃ち込んだ。が、その度に損傷が消えているし、更にたこ焼きが出続けている

 

「クッソ、何だあれ!」

 

更に悪い知らせは続く、空母の偵察機が敵の大規模艦隊を発見した。陣容は隻眼の空母が指揮していると思われる機動艦隊、それを囲むように多数の軽空母、戦艦、巡洋艦、駆逐艦が付き添っている。剣は迷うこと無くその艦隊に抜刀突撃をかますが深海棲艦は混乱する事無く弾幕で対応してきた、が剣はそんなの気にも留めず最大戦速で突入を強硬、そして戦艦の射撃が剣の上を飛ぶ。と言うもの剣自身も高速で突撃してくる戦艦に正確な照準が出来る戦艦の主砲などwwIIの時点では居ないことも分かっている

 

「よっと」

 

そのまま集団の中に入り込み暴れまわる。上空では戦闘機が制空戦を繰り広げているが若干押されぎみだ。三式弾や対空砲火で援護すると言う方法も無いわけでは無いのだがあんな乱戦でそれは味方撃ちを意味する

 

『剣さん!そこから離脱して下さい!』

 

『敵に背中を見せるなんて後免だね!』

 

無線封鎖をされている筈なのに平気で無線を使う二人

大和はもはや容赦もなく砲撃命令を下した。大体の艦娘が躊躇うものの他の剣型は気にしない。砲撃した

 

「え?え?黒姫さん、大丈夫なんですか?」

 

思わず吹雪が聞いたが、「あの愚兄はこんなことではどうせ死にませんわ」と言って砲撃した。

 

「気合い!入れて!撃ちます!」「距離、速度、よし!全門斉射!」「慣れない主砲だが、まあいい一斉射!」「選り取りみどりっぽい!」「ええっ!先輩方?・・・当たって下さい!」

 

ほぼ全員が『もうどうにでもなれ!』と思いながら撃った。いくつかの砲弾は剣に当たりかけるが剣がその辺の奴に弾き飛ばす。

 

「カッハッハッハ」

 

いつも通りの乾いた笑い声を出しながら深海棲艦にトラウマを刻み込む剣、だが深海棲艦も剣ばかりに構っていられず油断したら大和達からの砲撃が来ると言う地獄に陥っていた。だが中間棲姫からの爆撃機は相変わらず飛んでくるのでたまに敵駆逐艦を空にぶん投げて爆破する

 

「貴方だけ楽しそうでズルいっぽい!」

 

そこに夕立も乱入してくる。夕立も主砲、魚雷をほぼ乱射し、剣の支援をする

 

「お?助かるねぇ。その戦い方・・・夕立か?」

 

「私を知ってるの?」

 

「ああ、ソロモンでの武勲は聞いている!」

 

「ぽい?」

 

「あ!いっけね(こいつら覚えてないんだった)」

 

とにかく後で聞かれたらどうしようか、それを考えながら目の前のタ級の艤装ごと胸を中心にX字型に斬り分けた

大和らのミッドウェー攻略艦隊は剣が大半の主力を斬り沈めたことで前進した。 

まだ制空権は均衡状態にあり艦隊への重爆による爆撃は続いている。空母機動艦隊の方は十勝、石狩、鞍馬、大雪を中心に吹雪、金剛、榛名が何とかしているいつ守りが崩れるか不明だ。

 

「お兄様!直上!」

 

剣の上には三機の急降下爆撃機、剣はその辺に浮かんでいる駆逐艦の残骸を空に放り投げた。爆弾はそれに命中し剣は無傷だ。それにほっといても剣の水平装甲は500kg爆弾の直撃に耐えられる

 

「オラオラどうしたぁ?巡洋艦一隻沈められないのかぁ?」

 

深海棲艦は基本的に砲雷撃戦しか知らない。と言うか船の癖に刀をもって近接戦闘する剣が可笑しいのだ。

 

「キヒッ♪」

 

「!?」

 

が、近接戦闘を知っている深海棲艦も居るみたいだ。横腹をおもいっきり蹴飛ばされた

 

─side大和────

「剣!」

 

剣が蹴飛ばされ、近くの岩にぶち当たる。剣を蹴飛ばした深海棲艦はそのまま剣に主砲を放った。

 

「あれは・・・新型です!」 

 

吹雪が冷静に観察した。その深海棲艦は吹雪と似たような身長であり、足先は人のそれよりも馬のようだ。そして、黒いフードを被っており、一番目立つのは長く太い蛇のような尻尾。それに大きな口と主砲が付いており尻尾の上部に飛行甲板があり、尻尾の先端の口に手を突っ込み艦載機を蹴り飛ばし、発艦している

 

「航巡?」

「吹雪さん、お兄様の装甲が破られています。お兄様の装甲を貫徹できるのはおおよそ35,6cm砲から。つまりあれは航空戦艦です。それもかなり強い」

 

黒姫が見れば、撃たれた剣は岩にもたれ掛かったまま動いていない。左腕が変な方向に曲がっているくらいで、艤装は誘爆を起こしていなさそうだ。損害は中破と言ったところだろう。そして大和、黒姫が砲撃、九一式徹甲弾、二式徹甲弾がフードの深海棲艦へ飛翔する。それと同時に敵艦載機が飛来した

 

「大和さん!敵弾来ます!」

 

新型深海棲艦を観察していた吹雪が叫ぶ。大和も回避行動を取るが全弾は回避できず、二発被弾した。

 

「痛ッ!この威力まさか・・・」

 

背中の三番砲塔が貫徹され燃えている。大和が知る限りそれが出来る火砲は46cm以上の砲だけだ

 

「大和と同等以上の戦艦ですか・・・あら?」

 

大和と黒姫の砲撃が着弾。が、命中した全ての砲弾が装甲で無力化された。

 

「あの堅牢な装甲と化け物主砲・・・間違えなく今までの深海棲艦の中でも最強クラス」

 

そして敵爆装戦闘機が大和への攻撃を開始。だが黒姫の対空兵装が阻止しにかかる。

大和の装填が完了する前に黒姫の一斉射。やはりその深海棲艦には無力だった。その後、何処からかフードの深海棲艦へ向け砲弾が降り注ぎ、損傷した

 

「この攻撃は!」

 

大和が砲声が轟いた方向に振り返る。その視界の先には

長門旗艦の大艦隊だった。救援に来てくれたらしい。そして

 

「良くもやりやがったな」

 

応急修理を済ませた剣が片方だけ口角を上げ、無事な右腕でフードの深海棲艦を強襲した。そして顔を掴み、海面に叩き付ける

 

『吹雪ィ!隻眼の空母を撃沈しろ。大和、吹雪の援護してやれ。新型は俺が片付ける!長門達は鞍馬の所に行ってやってくれ!』

 

『分かった。大丈夫だろうな?』

 

『心配無用』

 

「は、はい!大和さん、お願いします!」

 

「分かりました。駆逐艦吹雪、空母を撃沈してください。艦隊、吹雪さんの援護を!」

 

新型は既に左腕を骨折した剣が対処している。剣の指示どうり護衛が削られた隻眼の空母を攻撃に掛かる。残った護衛は殆どが駆逐艦や軽巡洋艦だった。吹雪が突出しその少し後方から大和らが護衛艦を削っていく

 

~side鞍馬~

「十勝、防空網は?」

 

「砲身加熱は替え砲身を大量です持ってきたんですけど、もう弾が心許ないです」 

 

「姉ちゃん、長門旗艦の艦隊が援護に来てくれたみたいだよ。これで心配ないはず」

 

「赤城、状況は?」

 

「敵の空襲が継続中です新型巡洋艦群の力で何とかなっていますがこのまま続けば弾薬が欠乏するところでした」

 

「敵飛行場姫は?」

 

「完全破壊をしたら形態変化しました。壊しても直ぐに損傷を修復してしまいます。まるで何かが破壊を妨害しているような」

 

長門と共に来た巡洋艦、駆逐艦の対空砲火を撃ち上げ、目に見えて敵機が減っていく。中間棲姫も爆撃機や戦闘機を落とされ続け爆撃機の離陸頻度が低下している。このまま押しきれると良いが

 

~side剣~

既に左腕は使用不能の筈なのにフードと対等に渡り合っている剣。その背中には艤装はなく、ただ一振の刀と己の体のみが今の剣の武装だ

だが完全にフードも剣を本気で殺り会わないと自分が狩られると理解していた。だが待って欲しい。二人共軍艦である。まず近接戦闘で相手を沈めにかかっているのが可笑しいのだ

 

「オッラァ!」

 

しっぽの付け根を切り裂き無力化。切断まで行かなかったが半分ほど切れ込みが入った剣からしたら戦艦の大口径、しかも大和の砲塔を破壊できる程の艦砲だ。当たったら絶対死ぬ。だがフードは自分で動かせないしっぽを引き千切った

 

「グウゥ、」

 

「ほう、自分で千切ったか。でもそれで継戦できるのか?」

 

尻尾は艤装らしく取ったら取ったで身軽になったらしい。襲いかかってきた

 

「オッホウ♪そうこなくちゃぁ面白くない」

 

「ギヒィ・・・シャッ!」

 

正面から襲ってきたフードを殴り飛ばす。それにも負けずフードはまた正面から襲いかかる・・・と見せかけ横から蹴る

 

「うおっ」

 

先ほどとは違いとっさに防御した。剣も少し飛ばされる。さすがにエンジン馬力が違う

 

「ッ!」

 

「ニヒッ」

 

「やってくれるじゃぁないの。力比べじゃ勝てやしない。じゃあ、速度で勝てるかな!」

 

海面を蹴り、フードから見ればほぼ瞬間移動に近い速度で迫る。が首に刃が通る所で寸止め

 

「ナンノツモリダ?」

 

「お前は俺たちから見たら初見の敵、OK?」

 

「ソウナノカ?」

 

「しかも規格外の強さと多彩な武装。だから調べたいじゃん」

 

「ワカラナクモナイ」

 

「だからお前鹵獲しようと思って」

 

「ワタシハカンタンニツカマルキハナイゾ」

 

「強制連行に決まってんだろ!」

 

そのまま返し刀で峰で首を殴打しようとする。フードは思いっきり後ろに体を反らしそのままサマーソルトキックで反撃に出た、不意を突かれ顎を蹴り上げられる 

 

「ゴギュゥ、痛ってぇ舌噛むとこだったじゃねえか」

 

「油断スルカラダ。ソレニ手加減ハ必要カ?」

 

「アハハ!その通りだ」

 

剣とフードの殺り合いは続く。剣はまず攻撃を受けないように立ち回り局所的にカウンターを入れている

フード、もといレ級はその小さい体躯を生かし攻撃を絶え間なく叩き込んでいく

 

「よっ、ほっと。そんなんじゃ当たんないぜぇ」

 

「クソガッ!」

 

「グッ」

 

レ級の蹴りをわざと背中で受けた。飛びそうになるのをギリギリで堪る。そのまま次の拳を叩き込みにかかったレ級だったが、剣の背中から刀が伸び、その刀が拳に刺さった

 

「ナンダト!?」

 

「グフッ、きつい」

 

剣は自分に刀突き通し、レ級に攻撃した。

 

「あー、クソ痛ぇ、やっぱこんな攻撃するんじゃなかった」

 

「オマエ馬鹿カ?」

 

「でも予想してなかったろ?」

 

「アア、サスガニナ」

 

剣の腹と背中の穴からは血がドバドバ出ている。が

 

「さあ、まだまだ楽しもうぜ!」

 

剣が先制し、一瞬でレ級の懐に飛び込み左肩を突き刺した。更に畳み掛ける。レ級もそれに負けじと抵抗し、二人共ほぼ戦闘不能直前まで殴り合った

 

「あー、身体中痛てぇ」

 

「フゥ、フゥ、フゥ、」

 

レ級が少しずつ後退する

 

「今日はここで打ち止めかい?俺以外の奴に殺されるなよ。だって」

 

「タカガ小型戦艦ニココマデヤラレルトハ思オモワナカッタ。ダガ」

 

「「次会うときは必ず殺す」」

 

そう二人で言い合い、レ級は撤退した。剣はとりあえず艤装を探す

 

~side吹雪~

(空母までもう少し、護衛も大和さん達が何とかしてくれる)

 

至近距離では支援砲撃で爆散する敵

吹雪も目の前の敵は撃ち倒し、進撃する。が目の前に手負いの重巡洋艦が立ち塞がった

 

「はぁぁぁぁぁあ!」

 

これにゼロ距離から魚雷を射出、直接魚雷をブチ当て撃破する。そして吹雪は空母の目の前まで到着した

 

~鞍馬side~

「やられたッ!」

 

蒼龍が被爆した、というよりも蒼龍の損害が一番目立っていた。空母の甲板は脆いのだ。長門や榛名、一部の重巡洋艦は持ち前の装甲で持ちこたえていたり、駆逐艦や十勝、石狩は至近距離での爆発に長時間晒されている。鞍馬、大雪に関しては船の大きさは長門以上の大型艦、対米戦で最新鋭戦艦(大和型)とずっと見違えられていた程だ、攻撃は集中する

 

(私と大雪もいつまで持つか・・・) 

 

「鞍馬さん!高角砲弾三割を切りました!」

 

「私も残量おなじくらいだよ。チクショウ」

 

「なに!?」

 

十勝と石狩の対空砲火が無くなったら空襲への勝ち目がほぼ無くなる。更に10cm高角砲は射撃が早く弾薬欠乏まではもう秒読み段階かもしれない

 

「鞍馬さん!戦闘機もこれ以上の継戦は無理です!」

 

「悔しいですが私の子達も弾がもう尽きかけています」

 

いくら熟練の制空隊と言え弾がなければ戦えない。だが対空砲火の激しい状況での発着艦は危険極まりない

 

「何これ?鞍馬さん、四時の方向、電探に機影です、それと・・・」

 

「敵の増援か?」

 

「いえ、32号電探と同じ電波を探知しました」

 

「32号と?長門、艦娘のなかに32号電探を搭載している奴は居るか?」

 

「いや、そんな電探を積んだ艦は居ないが」

 

「それに電探に反応?増援なのか?」

 

「速度は・・・速いです、もうすぐ制空隊と会敵します!」

 

~大鳳side~

「大鳳、空襲を受けていると思われる味方艦隊と爆撃機を捕捉」

 

「分かったわ。これより味方艦隊へ合流します釧路、空知ちゃん何かあったらお願いね」

 

「「了解/分かった!」」

 

大戦『大鳳、味方艦隊は相当酷くやられている。一目で分かる損傷は数ヶ所だが』

 

『制空隊は味方航空隊と合流して爆撃機の迎撃に向かって』 

 

大攻『了解したぜ』

 

大鳳の出撃中機は試製烈風後期型と流星、爆装していない零戦62型を艦隊防空に当てた。大鳳は流星を出す気は無かったのだが妖精に押しきられ出撃させてしまった。まあ爆撃機相手なら流星でも問題ないだろう

 

「大鳳、爆撃機の一部がこっちに差し向けられたよ」

 

空知の報告、そして釧路は対空弾幕を張る準備は万全だ

 

「対空戦闘用意、味方艦隊と合流します!釧路、空知ちゃん!」

 

「了解。弾幕展開!」

 

「対空砲火、撃ち方初めて!」

 

~大鳳制空隊side~

大戦『こちら大鳳制空隊!新兵なれど侮るなかれ!』

 

大攻『流星各機、三機一組で爆撃機を追い散らせ!』

 

赤戦『何だ貴様ら!?』

 

大戦『先輩方は弾の補給でもしててください』

 

大鳳の制空隊の練度は五航戦にも及ばないがのっている機体は烈風であり、機体性能で爆撃機を圧倒する

流星も流星で重い対艦装備を積まず余裕のあるエンジンを唸らせ爆撃機に20mm機銃を叩き込む

 

蒼戦『凄いな、攻撃機であの機動性とは、友永の奴が欲しがりそうだ』

 

飛戦『俺たちも負けていられんな』

 

大鳳制空隊が合流し爆撃機を押し返す。

 

「あれ?おい大雪、あいつ陸上型に刀一本で襲撃かましてるぞ」

 

「あらら、大丈夫なのかしら」

 

「アレの事だから心配入らないって」

 

「そ、そんなものですかね?」

 

『赤城へ、こちら赤城制空隊一番機、敵の重爆は減った。そろそろ補給のため着艦したい』

 

「了解です。鞍馬さん、空襲の様子は?」

 

「そろそろ一段落しそうだ。若干危険だがあんたらの航空隊の練度なら問題ないだろう」

 

剣が中間棲姫を襲っている為追加の重爆は出てきていない(剣が滑走路に当たる所を斬り刻んでいる。だがリアルタイムで中間棲姫は回復をしている為じり貧

 

~大鳳side~

「重爆接近、迎撃開始する!」

 

「僕の防空能力をなめないでよ!」

 

赤城達の方を襲っているのは一部だが数は少なくないが零戦62型による迎撃と十勝型の化け物対空能力であっと言う間に蹴散らす

 

大戦『大鳳、こっちはあらかた片付いたぞ、何故か陸上型に白兵戦してるのがいるが』 

 

「白兵戦・・・奴もいるのか」

 

「みたいだね、久しぶりだなぁ剣に会うの」

 

「知り合いなの?」

 

「ああ、太平洋戦争からの付き合いだ」

 

「えっと?太平洋戦争?」

 

「・・・気にしないでくれ、腐れ縁だ」

 

「大鳳さん、艦隊が見えたよ」

 

「このまま合流するわよ」

 

~吹雪side~

目の前の隻眼のヲ級は黙って睨んでいる。その表情からは何も読み取れない

 

「ハァアアアア!」

 

自分に残った酸素魚雷をすべて隻眼のヲ級に射出した。魚雷は一本の落伍もなく一撃必殺の槍となり海中を突き進む

 

~鞍馬side~ 

大鳳、釧路、空知が合流し更に敵機の撃墜速度が上がる

「鞍馬、敵機全機撃墜および撃破」

 

「姉さん、電探にも敵機は認められず」

 

釧路と大雪からの報告が飛び込んだ。そして大和からヲ級撃沈の報が飛び込んだ。

 

「全艦、目標敵飛行場、砲撃用意!」

 

長門の指示で敵艦隊を殲滅した大和艦隊も中間棲姫に目標を変更

 

「撃てー!」

 

ここで皆さん思い出して欲しい。中間棲姫相手に白兵戦をしてる馬鹿を・・・

その馬鹿はなんとダメージが通るようになった中間棲姫の足を斬り飛ばし味方の砲撃の着弾寸前で離脱した

 

「シズメェ、ミナ!シズメェエエ!」

 

 

═中間棲姫 破壊═

 

「ちゃんと死んだかな?」

 

ほぼ肉片と化した中間棲姫を指でつついてみるがピクリとも動かない。というか肉片になっている時点で生きてはいないのだが・・・そして剣の問題はまだある。艤装をレ級に蹴り飛ばされた所に放置したままだ

 

─────

 

「おつかれさん。大和、黒姫敵飛行場は完全に壊れたぜ。作戦成功だ」

 

半壊した艤装を片手に艦隊と合流。左腕骨折や体に穴が空いているなど満身創痍の剣、あまりの姿に駆逐艦はまとめて目を背けた

 

「手酷くやられましたね、お兄様」

 

「無様だな。剣」

 

「おう、ちょっとやり過ぎちったわ。と言うか釧路と空知もこっち来たのか」

 

「剣さん・・・大丈夫なんですか?」

 

「止血してないから若干貧血気味かな?あと戦闘終わってアドレナリンの供給止まって痛み出てきた。でも大丈夫だろ。欠損してるわけでもなし」

 

「それ大丈夫じゃないですよね!?」

 

「貴様が剣か。私は戦艦長門だ。よろしく頼む」

 

「巡洋艦剣だ。宜しく」

 

「皆さん、鎮守府に帰投します」



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MI作戦終結 剣、鎮守府へ

アニメの範囲が終了しました。これからはイレギュラー艦娘が好き勝手します


~母港~

帰投してきたミッドウェー攻略艦隊は鎮守府に残っていた艦娘から盛大なお出迎えがあった

 

「皆、お帰りなさい」

 

出迎えに来た艦娘の中から白い軍服に身を包んだ男が一人出てきた。

 

(この服装、旧海軍の少将、今の時系列なら海上自衛隊じゃないのか?)

 

この鎮守府に入港する前に海上自衛隊の護衛艦が停泊しているのを確認していた。まあ、このご時世で海上自衛隊が機能しているかと言われれば否だが

 

「提督!無事だったか」

 

各々の艦娘が空襲で(剣の中ではほぼ死亡と同等の)行方不明だった提督との再開を喜んでいる。金剛は飛び付いていった

 

「長門、僕の居ない状況で良くやってくれた。それに赤城達空母組も大活躍したみたいだね。それに秘蔵っ子の大鳳も少しの訓練でいきなりの大規模作戦投入、大変だったろう。それに良く分からない新鋭艦群も凄い性能と活躍だったと報告を受けている。まあ1隻大変な事をしてくれた艦が居るみたいだけどね。例の鹵獲艦は君かい?」

 

「・・・」

 

手取は剣の後ろに隠れている。

 

「手取、お前人見知り性あったっけ?」

 

「戦闘の時は別だ」

 

「じゃ提督、俺から軽く紹介しとく。こいつは手取、元深海棲艦重巡洋艦リ級」

 

「手取君、これからよろしく頼むよ」

 

「尋問でもするんじゃないのか?私を」

 

「実はねぇ、君の事は黒姫や十勝のような海域邂逅艦として処理してあるんだよ。つまり書類上は艦娘なのさ」

 

「書類上はいいのだが鹵獲したと言う事実は上層部に報告したはずだぞ、提督」

 

「長門の疑問にお答えしよう。空襲から身を隠して居た時に暇だったから色々手を回しておいたのさ。因みに本来のリ級はトラックで暴れて剣に処分された事になっているから」

 

「なんか知らない内に俺捕虜殺害の犯人にされてんだけど。あっ、でも今さら一人や二人殺した位で変わらないか」

 

「まあ、手取君の処遇の話は終わり。皆疲れているだろう。損傷した子は入渠して傷を癒してくれ。作戦成功の祝賀会はまた後日やろう」

 

この戦闘でほぼ全ての艦が大小傷を負っている。それに疲労も溜まっているし、鎮守府が復興したわけでは無いのだ

 

「後報告を偽造したから表向きは問題無いと言っても、話だけは聞かせて貰うからね。剣」

 

「あ、やっぱり?」

 

~どっかの地下室~

殺風景な部屋の壁はコンクリート打ちで薄暗い部屋には机一つと対面式に置かれた椅子、その部屋には剣とここの提督だけが座っている

 

「さて、君の行動について色々聴かせてもらおうか」

 

「めんどいから帰っていい?腹の風穴の処置したいんだけど」

 

「良い訳無いだろう。トラック泊地での敵巡洋艦隊の迎撃だけは多めにみるつもりだった。勿論その過程で捕虜にしたリ級の事もだ」

 

「うん。これから怒られる内容大体分かるから直球でどうぞ」

 

「ソロモン海への無断出撃に捕虜の艤装修復と装備の無断使用、更にその捕虜を連れてのミッドウェーへの無断出撃、何でこんなことをしたのか説明してもらおうか」

 

「面白そうだったから」

 

反省の色は無い

 

「ふざけるな!きっちり証拠も残してソロモンの敵の殲滅・・・どれだけ処理が大変だったことか」

 

「なんだ。手取の時みたいに情報握り潰せば良かったじゃねえか」

 

「それが出来れば苦労はしない。1つの一大拠点の敵を壊滅させたらバレもする。上層部から圧力と疑問の声が轟々だ」

 

「そりゃご苦労なこって」

 

「いや、これはどうでもいい。君は一体何なんだ?何の目的でここに居る?」

 

「艦娘の亜種みたいなもんだろ。んで目的に関してはなんの事やら」

 

自身の体が何故自分だけ男なのかは剣も分からないのだ

 

「とぼけるな。僕は少なくても無能ではない筈だ、君の姉妹が色々手回しをしていたのも知っている」

 

「あらら、あいつら隠密行動失敗してんじゃねえか。第一目的は既に達成したよ少将。それにあなたも同一目的だったみたいだし」

 

「第一目標?」

 

「史実の改変。太平洋戦争の結末を好き勝手に弄くり回す事。第一目標はミッドウェー海戦の勝利だ」

 

「なるほど、君も太平洋戦争の事を知っていたのか」

 

少将は疑問が府に落ちたらしい

 

「でも何で僕がそれをしていると思ったんだい?」

 

「疑問を持ったのは駆逐艦吹雪の戦線投入だ。まず前提としてはウェーク島攻略作戦の日付が変だったこと、そして珊瑚海戦だな。まあ黒姫、鞍馬、大雪、十勝、石狩が頑張ってなんとかなったみたいだけどな。だがミッドウェー海戦が成功裏に終わった以上、これから先どんなことになるか予想がつかないのが本音だ。ソロモン方面はソロモン方面で俺があんな事したからどうなるかわかんない」

 

「つまり完全に不透明ということだね?」

 

「そう言うこと。見立てではソロモン・・・南方はそこまで変わらないんじゃねえの?」

 

「何故そう思うんだい?」

 

「なんか歴史を修復してかかろうとする『何か』があるっぽいから、その『何か』の最終目的は日本の敗北だろうしいくら太平洋中部に駒を進めていても資源が無ければ戦争はできん」

 

「・・・ソロモン海は未だに制海権が曖昧な海域だ。辛うじて防衛に成功しているがソロモン海が深海棲艦の手に落ちたら南方資源地帯が落とされる。ってことだな?」

 

「ああ、ここまで史実通りに進もうとしてたら嫌でも気付く。後さっさと傷治療してきていい?艤装は整備に出したけど体の傷は応急処置で止血しただけだから。さっさと折れた左腕と腹の風穴を塞ぎてえ」

 

「ソロモンの時にはほぼ無傷で敵を殲滅したと聞いたけど」

 

「弱い奴は幾らでも斬れるんだよ。それに大混乱の中暴れた。同士討ちも結構してたし。今回は柄にも無く敵の新型戦艦と真正面から殴り合いしたからな」

 

「そうだ。その敵の新型戦艦についても報告を纏めておいてくれ」

 

「へいへい。んで入渠はどうすればいい?」

 

「ああ、そうだね・・・しばらくはドラム缶でも良いかい?」

 

「傷直せるからどうでも良い」

 

「工廠には適当なドラム缶用意しておくよう僕から頼んでおくよ。取り敢えず話はこれで終わりだ」 

 

「あと一つだけ。書類上艦娘と言え手取はどうするんだ?」

 

剣は軽く手取の今後についても聞いた。以後も監視は続行する。そして監視は引き続き剣が担当する事になっていた。そして手取はトラック泊地で魔改造した艤装の改修をしているらしい(元の装備は壊れていない物だけ事前に鎮守府に搬送済み。なおレーダーは壊れてた事にして剣がかっぱらったまま)

そして剣は部屋から出ていった

 

(さてと、彼はこれからどうするつもりなのか、見物だね)



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集結!砲煙艦隊

─戦艦寮 剣、手取部屋────

この部屋に集結したのはチーム砲煙の艦達だ。このメンバーが集まったのは予想外のトラブルが起こったからである。因みにこのトラブルが浮かび上がったのは剣と大和の雑談だった。

 

─戦艦寮、黒姫の部屋────

暇でこの部屋に集まった剣、黒姫、手取、大和の四隻

「剣ってたまに変な事口走りますよね」

 

「お兄様が可笑しいのはいつもの事ですわ」

 

「えぇ?そうなの?」

 

「よく史実がどうとか呟いてるじゃないですか」

 

「あー・・・この際大和ならいっか。手取も一応聞いといてくれ」 

 

「いいんですの?話てしまって」 

 

「構わんだろ。いつでも俺らが影で動けるとは限らんからな。さて大和『太平洋戦争』『大東亜戦争』って聞き覚えない?」

 

「太平洋戦争・・・ですか?」

 

「うん。めんどいから黒姫、概要説明よろしく」

 

「そこで丸投げは予想外でしたわ・・・太平洋戦争と言うのは文字通り太平洋を舞台とした日本対アメリカ、イギリスの戦争です。日中戦争で資源不足に陥っていた日本は石油等の資源を求めて南方資源地帯を手中に収めようとしていました。私達の世界の太平洋戦争はミッドウェー海戦で主力空母四隻を失い大敗、そのあとは南方海域で少しずつ戦線を後退しつつアメリカ艦隊を撃滅して行きまして、痛み分けに近い形で停戦しました。まあこの後が大変だったんですが」

 

「因みに俺らの世界線の大和の戦後は俺ら剣型と一緒にソビエト連邦の海軍牽制したりソマリア行って海賊への対処したり色々してて退役したら呉で記念艦になった」

 

「大和さんが退役したのは1993年ですわ」

 

その他海戦で自分たちが何をやらかしてきたのかをできるだけ詳細に語った

 

「なんでしょう、何か自分の中で引っ掛かッ!」

 

突然大和が頭を抑え苦しみ悶え始めた。まるで何かに憑りつかれたかのようだ

 

「おい、大和大丈夫か?大和!」

 

「お兄様、大和さんを今すぐ工廠の夕張さんの所に運んでください。手取ちゃんは提督へ報告をお願い」

 

「ヨイしょっと。工廠までの道のりは・・・廊下の窓から倉庫の屋上伝いが最短だな。手取、報告頼んだぞ」

 

剣は大和の背中と足に手を入れ持ち上げる(お姫様抱っこ)そしてそう言い残し廊下に脱兎の如く駆け出した。開いていた窓から倉庫(三階→二階相当の建物の屋上)へ飛び工廠を目指す。

手取も手取で部屋の窓から飛び降りるというアグレッシブな移動方法で提督がいる執務室の向かい、黒姫は普通に工廠へ向かう

 

─工廠────

工廠の開いてる窓から飛び込んだ剣、飛び込んだ部屋には調度良く夕張が休んでいた

 

「えちょっ、誰!」

 

「えっと、お前誰だっけ・・・夕張!急患だ」

 

既に頭も抑えておらず体はぐったりとしている大和。見ただけでもヤバいのは伝わる

 

「そこのベッドに寝かして!私は道具持ってくる!」

 

抱えてきた大和を丁寧にベッドにのせ、大和を観察する。もう頭を抑えてはいないがかなり顔色も悪く辛そうな表情をしている

 

「大和に一体なにが・・・」

 

「剣さん、後は任せて下さい」

 

「大和の事、任せたぞ」

 

何気にこの鎮守府で一番大和と付き合いが長いのは剣である。戦闘時はほぼ無意識に狂っているが平時は普通()なのだ

 

「お兄様、大和さんは?」

 

「いま夕張が診察中だ。しかしどうするよ、原因絶対俺らの話だろ」

 

「ええ、仮説自体へ有りますけれど、少々こじつけが」

 

「俺も仮説は立てた。だがピースが足りなくて説明できんが」

 

「私の仮説通りなら、艦娘の記憶は意図的に封印されている可能性が高いですわ。ミッドウェーの件での裏工作でそれは確信いたしました。私が意図的に伝えていない情報も何故か話していたから、後で十勝等に聞いてもそんなこと言って居ない。と言われまして、きっかけがあれば恐らくその封印は解かれるのなら筋は通ります。ですが今回の大和さんもその類いではないかと」

 

「あー、筋は通って居るがそれだと頭痛の原因が分からんな。同様の症状が赤城やらに出てないとおかしい。だが封印ってのはいい線行ってそうだよな。んで黒姫の仮説でピースがいくつか埋まったから話すと、一種の拒絶反応みたいなもんじゃねーの?」

 

「拒絶反応ですか?」

 

「ああ、まずこの世界は本来俺たちがいる筈のない世界なんだ。当然大和、いや大和に限らずともこの世界での歴史があるわけで、そして太平洋戦争の歴史を大和に教えて封印が解かれた。までは行かなくても綻びはしただろうよ。そんな脆くなった状態でこの世界とは別の歴史を認識させてしまったから記憶の衝突が起きたんじゃないか?」

 

「記憶の衝突と言っても私達の世界の大和さんの記憶をこの世界の大和さんが持っているのもおかしな話じゃありませんか?」

 

「それもそうなんだよなぁ。取り敢えず大和が起きたら話を聞くしかないな」



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大和の異変

~鎮守府、工廠医務室~

「大和は無事か!?」

 

手取が提督の首根っこを掴んで持ってきた。かなり乱暴な運び方をしていたような気がするのだが提督は平然としている

 

「あ、提督。大和さんの事ですが命に別状は無さそうです。ただ黒姫さん達に話を聞きましたが今回の症状の原因は私には分からないままです」

 

「そうか・・・ともかく予断は許されない。と言うことかな」

 

「そうですね。搬送されてきたときから意識を失った状態なので覚醒したら話を聞いてみてからですかね」

 

「そうか、取り敢えず大事がなくて良かった」

 

「司令官、艦娘がこんな感じで倒れたことってあったののですか?」

 

「僕は聞いたことがない。睡眠不足やストレス、疲労が原因で体調を崩したりすることはある」

 

「今回の事例はどちらかと言えば突発的な症状ですわ。お兄様の無断出撃でストレスがかかったり初陣で予想以上に体力を消耗していただけかもしれません」

 

「本当にそうだといいのだけど、ん?」

 

「おーい、大和ー!」

 

黒姫の隣で大和の頬をぺちぺちしている剣が居た。こいつなにやってるんだ?

 

「う、うーん」

 

と、大和が起きた。なんでこんな雑な起こし方をして起きるのだろう

 

「おい、大丈夫か?大和」

 

「えっと、何かあったんですか?」

 

「覚えて無いのか?」

 

「はい・・・でも何か記憶が混濁して」

 

「ふむ、なんとなく分かった気がするな。モンタナ級戦艦に聞き覚えがないか?」

 

「モンタナ級・・・朧気ながらなら少し」

 

「あー、こりゃ俺の予想が当たったかな?」

 

「剣、どういう事だ」

 

「そうあせんなさんな。順を追って話すよ」

 

まず一つ目 俺は本来この世界?に居ていい存在じゃない。本当の俺達が居る世界は恐らく別の世界だ

二つ目 当たり前だが世界には歴史が存在する。この世界の歴史と俺達の歴史が同じではない

三つ目 そして魂も世界によって別なんだ。例えばこの世界ての大和の魂と、俺達の世界の大和の魂がある。そろそろ何が言いたいか分かるんじゃないか? 

四つ目 恐らくだが俺達と言う異物を鍵か道として俺達の世界の大和の記憶と共鳴みたいな現象が起こったと考えられる。元々鉄の塊に入ってた魂がこうして体を持ってること自体が可笑しいんだ。それに俺の魂はその別の世界から来たものだ。もはや何が起こっても不思議ではない

 

「成る程、確かに筋は通って・・・駄目だ。不確定要素が大きすぎて筋が通っているのか通っていないのかもわからん」 

 

「俺も説明しといて難だけど何が何だか分からん」

 

「お兄様、私達と言うイレギュラーが居る以上敵側のイレギュラーについても想定するべきです」

 

「そうだな、俺達のような存在が居ないとも限らん。警戒しておくに越したことはないか」

 

 



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巨竜達の戦火

─北方海域 アリューシャン列島沖─────

夜間の北方海域、そこには今現在六隻から為る水上打撃艦隊が進撃している。そこで目標の空母機動部隊を捕捉し右翼より強襲しようとしていた

 

「照明弾炸裂、敵艦隊空母一、戦艦二、軽巡二、駆逐一、輪形陣、事前情報通りにゃ」

 

「主砲統制射撃用意!武蔵!行くぞ!」

 

「あぁ、行くぞ姉さん!」

 

「「てぇー!」」

 

「那智の砲雷擊戦!始めるぞ!」

 

「俺達に勝負を挑むバカ共はどいつだ?」

 

「撃つわ」

 

全員が一斉に砲撃を開始、事前に大和、武蔵は射撃の緒言を共有、二艦で先制し右翼の敵戦艦に向け24発の36cm砲弾を放った。深海棲艦はレーダーで事前捕捉をしていたのにも関わらず対応が遅れてしまった

これは艦娘側で知られるのはもっと後だがこの海域では天候の問題で電探に謎の影がよく映るのだ

そして回避運動も遅れてしまい、内5発が命中。一瞬にして爆沈したのだった

 

「敵戦艦爆沈確認、水雷艦は突撃開始!私らで突撃支援だ」

 

「「「「了解/にゃ」」」」

 

霞、木曾、多摩が敵艦隊に進路を向け突撃に入った。大和、武蔵、那智はそれを支援していた。ここに敵機動艦隊は殲滅されることになる

 

─ソロモン海─────

南方進出の為トラック泊地に進出していた艦隊、そしてそのトラック泊地に一つの命令が下された。

その内容は護衛の巡洋艦隊を突破し後方の輸送船団を撃破する事だった。

時間的猶予もなくその辺の奴らをかき集め即席の水上殴り込み部隊を剣の独断で編成

第一艦隊は剣を旗艦とした手取、鳥海、天龍、夕張

第二艦隊は黒姫を旗艦とし古鷹、加古、青葉、衣笠

の艦隊を組んだ。駆逐艦が居ないのが不安だ

二つの艦隊は別々に行動し混乱を避けるため単縦陣で進撃する

最初は二つの単縦陣を二つ並べた復縦陣、右は黒姫艦隊、左が剣艦隊

 

初めは剣、黒姫を集中運用しようと思ったのだが通信能力が高い為別々に運用する事になった。連合艦隊旗艦は一応剣だ

 

旗艦としては初陣となる。今まで剣は空母の護衛ばかりしていたところでストレスも溜まっている

 

「臨時水上打撃艦隊!出撃する!」

 

ここに十隻の連合艦隊がかつての戦争で多数の艦艇を食い散らかした鉄底海峡へ向け出撃した

 

═ソロモン海═════

剣が逆探に意識を向ける。E27号は正常に稼働している

艦隊には無線封鎖を徹底し、発行信号等で連絡を取り合う手筈になっている

 

(久々だ、ソロモンで艦隊決戦に出るのは・・・ん)

 

剣のE27号逆探が敵のレーダー波を探知した

そして黒姫にモールスの発光信号で

 

ワレ、テキカンタイノレーダーハホソク、ジュウジホウコウキョリ30000キロ

 

と連絡し剣艦隊にも左舷砲雷撃戦用意を下令した。距離二万で砲戦開始だ。剣はある物を積んだ水偵を発艦

剣が見ると黒姫艦隊も砲口を左舷に向けている

そして鳥海から信号があり、敵の陣容が重巡4、軽巡3、駆逐4の護衛巡洋艦隊で事前偵察通りだった

そして剣艦隊増速取舵、敵艦隊の頭を押さえに動く。

 

 



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第一次ソロモン海戦

夜戦、それは巨竜が支配する戦場である
夜戦、それは小さな事で勝敗が瞬時に逆転する戦場である
夜戦、それは個々の練度が物を言う戦場である



─ソロモン海─────

戦いは水偵からの吊光弾の投下から始まった

それを光源とし、剣の31cm砲九門が咆哮を上げる。照準は先頭を航行する重巡リ級Fであった。

先頭の重巡リ級は剣の斉射で戦闘能力を喪失し、続く手取の砲撃で爆沈した

今更ながら敵の陣容は

リ級F リ級E ネ級E ネ級 ホ級F ホ級 へ級 へ級 ロ級後期 ロ級後期 イ級後期 イ級後期

の単縦陣である

 

今の艦隊位置はこんな感じ

△深海棲艦

▲剣、黒姫艦隊

 

   ▼黒 → ▽深

 

        ↑

        ▶剣

 

剣艦隊からは丁字有利、黒姫艦隊からすれば同航戦で深海棲艦はクロスファイア受ける形となっている

 

続いて砲撃したのは黒姫だった。横から敵の三番艦(重巡ネ級E)狙いで攻撃、剣の攻撃で旗艦を撃沈され艦隊目が正面に向いていた為黒姫の攻撃は奇襲になったのだ。そして距離25000まで接近していた事もあり少なくとも三発が直撃し轟沈。更に古鷹以下三隻が砲撃を開始した。狙いは巡洋艦郡であった

 

一方、敵の駆逐艦が剣艦隊に向けて突撃開始

剣の高角砲群と鳥海、天龍、夕張が敵駆逐艦に向け砲撃を開始

艦隊には弦を引ききった弓の用な緊迫感があり誰も一言も発しない。しかし船体に深く深く刻まれた戦闘の記憶が無意識の内に甦り常に最高のパフォーマンスを発揮し続ける

 

激しい砲弾の応酬が始まり10秒がたった

 

剣が敵重巡の攻撃で被弾、小破

敵の重巡洋艦が全艦炎上中大破、駆逐艦は剣艦隊の砲雷撃で二隻轟沈、一隻大破炎上、一隻無傷

軽巡洋艦は古鷹、加古、青葉、衣笠の砲撃で二隻轟沈だが残ったホ級Fの砲撃で鳥海が運悪く中破した

 

数秒で大損害を被った敵艦隊は散り散りになり遁走を始めた。深追いはせず主目標の敵船団と集積地を血祭に挙げに行くと言う任務が残っているのだ

 

 

 

 

 

═敵集積地════ 

両艦隊は剣、黒姫を後衛、損傷した鳥海を形だけの直衛とし残りの艦は船団に突入し剣、黒姫、鳥海が集積地棲姫を三式弾で放火する

鳥海の応急修理が完了した頃に敵の船団と集積地棲姫が見えてきた

そして

 

カンタイ、テキセンダンニトツニュウセヨ!

ツイシン ハデニヤレ

  

剣、黒姫、鳥海は照明弾を織り混ぜ三式弾により集積地棲姫に攻撃開始

他の艦は主砲は勿論魚雷、高角砲、対空機銃まで撃ちまくり輸送ワ級を攻撃する。ワ級の中には混乱を極め同士討ちをするワ級も少なくなかった 

天龍は剣仕込みの斬撃でワ級を撃沈している

 

剣と黒姫、鳥海の三式弾速射で集積地棲姫はすでに大規模火災が発生している。更に物資の大半は破壊されており残りは放って置いても焼けるだろう

程なくして集積地は完全に破壊され剣らも輸送ワ級の撃沈にシフト、輸送団は一夜の内に壊滅したのだった

 

(なんだ?ソロモンってこんな海だったか?)

 

また一人の化け物がソロモン海へ違和感を感じていたのだった

 



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ソロモンの異常

遅れてすいませんなんでもしませんから許して…


~トラック泊地~

「変だった?ですか?」

 

「ああ、黒姫は何か感じなかったか?」

 

どうにもソロモンに対する違和感を捨てきれない剣、剣は大戦中のほとんどソロモンで戦って来た

 

「そう言われましても」

 

「何かこう、呼ばれる感じがしたのさ」

 

「呼ばれる・・・ですか?」

 

剣も上手く伝えられない

 

「あぁ呼ばれるって表現には語弊があるな。引き寄せられる感覚だ」

 

「お兄様無断でソロモンに出撃しようとして大和さんに良く止められられているじゃないですか」

 

そうである。3日に1回はソロモンに無断出撃しようとして大和に阻止されている

そしてその結果説得力が無くなっているのだ

 

「まあ、そんな感じがするのだ」

 

「ふーん、あれ?どうしたんですの?技術妖精さん?」

 

来たのは剣についてきた技術師の妖精さんだ

 

「クロヒメサン、オハナシガ」

 

「はい?」

 

妖精さんの話によると剣と手取以外の艦の装甲が不審な損傷を負ってたらしい。最初は戦闘の損傷かと思われていたらしいが、戦闘詳報との照合で砲撃や雷撃の傷では無いことが分かった。更なる解析で急激な温度変化で起こる現象に似ているらしいが

 

「お兄様の言う異常とこの謎の損傷・・・関係があるのかも知れないですわ」

 

剣は大家長官が使っていた一人用の皮張りソファーに腰かけて考え始める

 

「・・・手取が無事なのはなんとなく・・・それでも俺・・・世界の異物なら黒姫・・・ソロモン・・・そして本来の・・・吹雪・・・駄目だ、材料が少なすぎる。少なくとも手取に話を聞く必要があるな」

 

「手取さんなら先に大和さんとラバウルに進出してしまいましたわね」

 

「あいつに聞かないと分からないことが多すぎるんだよなぁ。聞いてもわからないかもしれないけど」

 

今のトラック泊地にいるのは輸送船団襲撃で損傷した鳥海、天龍、夕張と二人だけだった

 

「まあ、ラバウルに行ったら答えは出るだろう。今は鳥海の出渠を待ってラバウルに行かなきゃな」

 

─数日後 ラバウル泊地────

手取に数日前に聞いたことを全て話した剣、そうしたら別の任務でソロモン近海に出撃していた駆逐艦吹雪にもある異常が見られたらしく、大和や他の姉妹にも話をしていた。今は取り敢えず手取から話を聞いている

 

「結論から言わせて貰おう。私が無事だったのは深海棲艦だからだ」

 

「確かに貴様は深海棲艦だが、それなら何故剣と吹雪はなにもない?」

 

長門の疑問、手取は元深海棲艦だから影響を受けない。なら何故この二艦は無事なのだ?長門は特に共通点を見いだせない

 

「正直私にも分からないことが多い。と言うかほとんどわからないんだ。姫や鬼なら分かるかもしれないが」

 

「だが、何故艦娘が損傷を受けるかは大体分かる」

 

「ほう、何故だ?俺が損傷しない理由もそこにあるやもしれん」

 

「剣、貴様が原因だ」

 

「へ?」剣

「なんだと!?」長門

「なんですって?」大和

「お兄様が?」黒姫

「え?」大淀

「なに?」鞍馬

「なんでですか?」十勝

 

「剣がソロモンの深海棲艦を壊滅に追い込んだ事があっただろう」

 

手取の話を要約すると

・深海棲艦は大抵魂と怨念を混ぜ混ぜした物である

・怨念はエネルギーのようなものである

・しかし怨念は一ヶ所に大量に貯まるとまずい

・深海棲艦として存在する分には魂に固定、消費されているので問題ない

・怨念は深海棲艦が消費したり自然に消えたりする

・普通の砲雷撃で沈める分には浄化の意味合いもあるので問題ない

・剣が極短期間でソロモンと言う一ヶ所にその怨念を貯めすぎてしまった。しかも消費先も無い

・その結果色々間に合わずエネルギーが氾濫、外部に悪影響を出している

・しかし深海棲艦にとっては怨念は餌、多少感情が昂りやすいだけ。こんな影響があるのは艦娘くらい

・海に大穴が開くくらいなら問題ないし人為的?にできるがここまで影響があるとその元凶を沈めるだけでは解決しない

・解決方法は知らない下手すればずっとこのまま、もしくは広がる可能性もある

 

 

「「「「「・・・」」」」」

 

ここいにる全艦が思った。原因の大半が剣にあると

 

「いやー、ここまで大事になるとは思わなかったわ」

 

「「「「「気楽に言うな!」」」」」

 

全員が全員口を揃えて叫んだ

 

「まあ、そこにある怨念が何らかの形で消費か浄化されればもとに戻ると思うが」

 

「疑問があるんだがいいか?」

 

長門が疑問視する。元深海棲艦とはいえ詳しすぎないかと

 

「なぜそこまで詳しい?」

 

「私はリ級タイプの中では好奇心が強い個体でな。少しばかり調べていた」

 

「そうか」 

 

長門の中では手取はあまり信じられない。剣の管理下とはいえ(その剣も信用していないが)

 

「でもなんで俺は大丈夫だったんだ?・・・なあ手取、さっき深海棲艦は損傷受けないって言ってたよな」

 

「ああ」

 

「俺さ、無断でお前が持ってた電探パクったじゃん?」

 

「そうだな」

 

回りの顔が剣、貴様は何をやっていると言う顔になる

 

「もしかしてその電探が稼働してたから怨念が消費されたとか?」

 

「十分考えられる」

 

「成る程・・・そして剣、後で臨時執務室に来い。話がある」※スルーされます

 

しかし吹雪がなぜ無事なのかは以前としてはっきりしなかった。

 

「しかしな、このままでは進展が無いぞ」

 

「失礼すんで~」

 

会議室の扉が開かれ入ってきたのは軽空母の龍驤

 

「伝え忘れたことがあんねん」

 

「なんだ?」

 

「実は吹雪がな、出撃中に『大丈夫だよ』みたいな事言っとたっん思い出してん」

 

「・・・・・・・・・分かったかもしれん。吹雪が大丈夫な理由が」

 

「なんだと?」

 

「恐らくこの異常の中核には吹雪に限りなく近い深海棲艦がいると思われる」

 

「なるほど、確かに艤装が似通った艦の目撃、撃破例は確認されているから十分にあり得るな」

 

「更に迎えられるだろうな。吹雪なら」

 

会議は進む



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