オーバーロード 一足早い最強御方異世界転生 (シオンカシン)
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本編 序章
第1話 竜王ツアーとの会話



注意!

これは作者がいろんなものを混ぜ込んだ小説です!

通りすがりの仮面ライダーのシステムだったり
ダンボールの中で戦わないロボットホビーだったり
人理修復する使い魔だったり
分かる人には分かるネタを仕込んでいます

また原作も大幅に改変をしています
賛否両論あると思いますが、
それでもいいならお読み下さい。


[アーグランド評議国]

それは多数の竜王の議会制で運営されている国。

 

その竜王達の一体

ツアーこと、『ツァインドルクス=ヴァイシオン』

 

かつて現れたという八欲王のギルド武器を保護するために、その場から動かない彼の元にある一人の青年が訪れていた。

 

250年来の友人であるその青年との会話は、ツアーにとってはかけがえのない時間だった。

 

「それで?100年の揺り返しは今年か来年かな?どう思うツアー?」

 

青年との話題は[100年の揺り返し]と呼ばれている出来事の事で、ぷれいやーとも神人とも呼ばれ、100年の周期でやって来る者たちが、いつまたやって来るかだった。

 

ツアー「多分今年だと思うね。前回の神人大戦からちょうど100年じゃないか。どの国に来るかもわからないのだから来年だとしても備えはしておいた方が良いに決まっているしね」

 

ツアーは100年前にやって来たぷれいやーと、現地勢力との戦い[神人大戦]を思い出す。

 

青年「やはりか、今回はまともな奴が来ると良いのだが。200年前の十三英雄みたいな、冒険がしたくて、世界にあんまり影響を出さなくて、そこそこに弱くて、この世界に理解ある奴がいいな。前回の中途半端に力を持った馬鹿共や、八欲王みたいな連中は願い下げだ」

 

青年もツアーも[十三英雄]と呼ばれる英雄達の仲間であり、神人大戦でも共に戦った、いわば戦友であった。

 

ツアー「世界最強が何を言ってるんだい?あのぷれいやー達が恐れている“孤高の龍帝”とも思えない台詞だね」

 

かく言うツアーも、自身に縛りをかけなければ世界最強、と謳われていた。それは、今は亡き十三英雄達も、いま目の前にいる青年も、認めていた事だった。

 

青年「いつの話をしている?今の俺じゃ前回の馬鹿共ならまだしも、上位陣の連中が沢山来たら太刀打ち出来んぞ。言っただろう、馬鹿共のせいで本気が出せなくなったんだ」

 

前回の神人大戦の影響で、青年は全力全開の戦闘が出来ない状態になった。確かにワールドチャンピオンや、ワールドディザスターといった連中がやって来たら、確かに面倒事だったのだが…

 

ツアー「だとしても最強に変わりはないよ。それに君が本気を出したら世界崩壊待った無しじゃないか。それに守護者達もいるんだし」

 

それなりの対策はしているらしい。

 

青年「まあね。早く来てくれないかな、あの人達」

 

青年は、かつて所属していた組織の、頼れる仲間達を思い出す。

 

ツアー「君がそんなに言うからには凄い人達なんだろうね?なんて名前だったかな?」

 

青年「名前忘れんなよ?俺が死んだらお前さんに託すんだからな?その人達の名前というか組織名は…

 

 

“アインズ・ウール・ゴウン”

 

 

だぞ」

 

青年の名前は『フィロ』

 

大人気DMMORPG

[ユグドラシル] 十大ギルドの一つ

[アインズ・ウール・ゴウン]のメンバーであり

[孤高の龍帝]と謳われた

ユグドラシル最強クラスのプレイヤーである。

 

これは一足早く異世界転生した至高の御方が、その知識、技術、力で、ある国を守りながら、仲間達を待っていた物語である。

 




という事で最強オリ主混ぜ込み物語を
始めたいと思います。

新社会人なので次の投稿は分かりませんが
頑張って書いていこうと思っています。


予告
[ユグドラシル]
それは俺の全て

そんなユグドラシルがもうすぐ終わる

皆の足は遠退いてはいたが

あの人との最後のお別れに皆が集まる

さあアインズ・ウール・ゴウンに栄光あれ!

次回「異世界転移」

え⁉︎転移するの⁉︎

テンプレって奴だよギルマス


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第2話 異世界転移

 

大人気だったDMMORPGユグドラシル

12年間愛されてきたゲームも、サービス最終日が近づいてきた。

 

“やっとか”という意見もあれば、“終わらないでくれ!”という意見もある。“まだ遊び足りない!”という意見もあれば、“もう潮時だな”という意見もあるだろう。

 

ここは[ナザリック地下大墳墓]

 

ユグドラシル十大ギルドの一つ

ギルド[アインズ・ウール・ゴウン]

ユグドラシルで有名なDQNギルドの本拠地である。

 

難攻不落で知られるナザリック[第9階層ロイヤルスイート]その円卓に居るこの見た目が恐ろしい骸骨魔王は、「終わらないでくれ!」と切に願っているプレイヤーの一人だろう。

 

骸骨魔王の名前は『モモンガ』

 

ナザリック地下大墳墓 至高の41人のまとめ役

つまりギルド長である。

 

晴れてナザリックの仲間入りを果たす為には、加入条件を満たさなければならない。その条件とは、

“異業種である事”

“社会人である事”

つまり全員生活が掛かっているのだ。

 

彼は、長年愛したユグドラシルが終わる前に、家庭の為だったり、夢を叶える為だったり、逆に叶えた為に、足が遠のいていたギルドメンバー達に対して、こんなメッセージを送った。

 

「最終日にもう一度集まって、ユグドラシル最後の時を一緒に迎えませんか?円卓で待っています」と

 

そして彼はメッセージの最後に、ダシに使うことを許してくださいと思いながら、この一文を加えた。

 

「最終日はフィロさん命日ですしね」

 

 

そしてナザリックは、運命のユグドラシル最終日を迎えた。

 

 

最終日、モモンガは円卓ついて、ユグドラシルの思い出に浸っていた。

 

ナザリックを初見で落とした事、ボス相手に一喜一憂した事、素材集めで何を優先するかメンバー同士で口論した事、1500人ものプレイヤーとのナザリック攻防戦など、名場面を撮った写真、映像のスクロールは数え切れない。

 

そしてメッセージを見てやって来てくれたギルドメンバー達。メンバー同士の漫才とも言えるいつものやり取りは、最盛期のナザリックをモモンガに思い出してくれた。

 

「ウルベルトさん、何度言わせるんですか。悪が栄えた試しが無いように、悪による征服なんて出来ないんですよ」

 

「わかってないですねたっちさん、それを実行する事にロマンがあるんじゃないですか。それが分からないとは、あなたは本当につまらない人ですね」

 

「まあまあ、たっちさんもウルベルトさんもその辺で。モモンガさん、あそこに行くんでしたらそろそろ時間ですよ」

 

「ありがとうございます、タブラさん。皆さんちょっといいですか?」

 

自分達が居ない間も、ナザリックを守ってきたギルマス、モモンガの一言に、癖のあるメンバー達もじっと静かに見守る。

 

「今日は私の呼び掛けに応じてくださって、ありがとうございます!サービス終了時刻まで、あと一時間半ぐらいになったので、皆さんで[刃の間]に行きたいと思います。そしてその足で玉座の間に行って、そこで最後を迎えたいと思いますが、NPC達と迎えたい人は今の内に玉座に待機させておいてください!」

 

即座に「了解ギルマス」や「それじゃシャルティア連れて来るか〜」等の声が聞こえてくる。

 

刃の間で眠るある人物に、最後のお別れをした一同は、その足で玉座の間へと向かった。

 

ナザリック地下大墳墓第10階層[玉座の間]

攻め込まれた場合、魔王の様に堂々と迎えよう、というコンセプトで作り上げた場所である。荘厳・絢爛・威風堂々たるその場所は、まさに最後を迎えるに相応しい場所と言える。

 

 

メンバー達の最高傑作と言えるそんな場所で、メンバー達は思い思いの過ごし方をしていた。そんな中タブラ・スマラグディナは、自身が創造した『守護者統括 アルベド』の設定の最後を変えようとしていた。

 

「あ、そうだ。アルベドの設定ちょっと変えちゃうか」

 

「え、なんで変えちゃうんですか?最後なんですし、別にいいんじゃないですか…」

 

「⁉︎」

 

「ちなみにビッチである⁉︎」

 

「ギャップ萌えですか…」

 

「深夜テンションだったんですよ…だから変えようかなと。いくらギャップ萌えがいいからと言って“ちなみにビッチである”というのはどうかと思いまして」

 

「なるほど…まあタブラさんがいいと言うなら止めませんよ」

 

「ありがとうギルマス。んじゃ最後の設定何にしようかな?」

 

「おふざけで“モモンガを愛している”とか?」

 

「おい愚弟、はしゃぎ過ぎだ。ごめんね、モモンガお兄ちゃん」

 

「別にいいですよ茶釜さん。そうですね、アルベドはサキュバスなんですよね…”ギルメンを愛している”とかどうでしょうか?」

 

「「それだー!」」

 

「モモンガさん、それ採用」

 

「あ、ありがとうございます」

 

そこでモモンガはもうすぐ時間だということに気がついた。そして仲間達とNPC達に対して最後の言葉を述べた。

 

「皆さん、最後に集まっていただきありがとうございます。とっても楽しいひと時でした。ここまで来れたのはみなさんのおかげです。またユグドラシルⅡとかがあれば、出来れば是非皆さんとやりたいなぁと思います」

 

モモンガの一言にメンバーからも、口々に感謝の言葉が出る。皆ナザリックの維持に奮闘していたモモンガを、労うものだった。

 

そしてモモンガは最後の決め台詞を言う…

 

「アインズ・ウール・ゴウンに栄光あれ!」

 

「「アインズ・ウール・ゴウンに栄光あれ!」」

 

そして時刻は過ぎた。

 

23:59:59

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

00:00:00

 

「「アインズ・ウール・ゴウンに栄光あれ!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「…………はい?」」




正直なところ、ここからどう行こうか、ちょっと悩んでます。

大人しくナザリック転移して、カルネ村に行って貰うか、それともフィロさんの転生から行くか。
まあでも2手目でここに来た以上、行って貰う方が良さげだと思ってます。

設定集、詳しい改正ポイントは少し書いたら書く予定です。
では次回予告に行きます。






予告
異世界転移したとおぼしきナザリック

僕達をまとめ上げ御方は出撃する

そこで待っていたのは希望か絶望か

襲われる村

そこで衝撃の事実を知る

次回「未知との遭遇そして正義降臨」

果たして正義降臨なるか




(って感じでいいですか、フィロさん?)
(カット!OKだよたっちさん)


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第3話 未知との遭遇 そして正義降臨【前編】

3話は前編と後編に分けます。
前回の次回予告はちゃんと守りますが…


「「アインズ・ウール・ゴウンに栄光あれ!」」

 

「「……………はい?」」

 

 

 

 

 

ユグドラシルのサービス最終日、最後の時を迎えようとしていたナザリックは、最後の時を迎えなかった。

 

モモンガは、時間になってもログアウトがなされなかった事、聞き知れない声が最後の決め台詞を言った事に、驚き戸惑った。そこでメンバー達と状況把握をする事にした。

 

その結果、ログアウト不可、GMコール不可、フレンドとのメッセージ不可(通じないだけかもタブラ談)、MPCとの受け答え可、嗅覚味覚を感じる、MPCの脈あり(ヘロヘロ談)などが判明した。

 

また、プレアデスのリーダー『セバス・チャン』らの調査により、ナユグドラシル時代では沼地だったナザリックの周囲は、ただの平原が広がっていることが判明。それと同時に、天空城なども無くなっていることから “もしかして異世界転移とかしたのでは?” と言う認識にメンバーはなった。

 

最後までいたメンバーは『モモンガ』『たっち・みー』『ウルベルト・アレイン・オードル』『タブラ・スマラグディナ』『ペロロンチーノ』『ヘロヘロ』『ぶくぶく茶釜』『やまいこ』『武人建御雷』『弐式炎雷』の10名。

 

モモンガは異世界転移に巻き込んでしまったかもしれないことを謝ったが、

「来た事を選んだのは自分だし、帰れないとは限らない」

「くだらない向こうの世界よりも、こっちの世界の方がいいに決まってる」

「ナザリックがブラック企業じゃなければ大丈夫」

「こっちの世界の方が幸せになれそう。シャルティアも居るし(バキッ)ぐへ⁉︎」

「愚弟が心配になったし、たっちさんが言ったように帰れないとは限らないしね」

などの暖かい言葉を受ける。

 

そして至高の御方はしもべ達に言葉をかける。

 

モモンガ「セバス達の調査によって、ナザリックはユグドラシルでは無い世界に転移にしたと思われる。そこでナザリックの警戒レベルを上げる。とりあえずの目標は情報の収集だ、ナザリックに対する侵入者は殺さずに捕らえよ」

 

たっち「この世界の事がまだ詳しく分からない以上、我々以上の強者がいるかもしれないと言うことを考慮してくれ」

 

ウルベルト「警戒せよしもべ達、力にかまけて慢心せずに油断なく事を運べ」

 

ペロロン「君達に対する最上級の命令は“死なない事”だよ」

 

ヘロヘロ「何かあった際にはナザリックに即時撤退して下さいね」

 

茶釜「死んで罪を償おうなんて思わないでね」

 

モモンガ「今のところは以上だ、ほかに何か皆からあるか?……ん?はいタブラさん」

 

タブラ「セバス、確かナザリックの周囲は平原だったそうだね?周囲に丘などの起伏があったかい?」

 

セバス「いえ、平坦な大地が広がるばかりでございました。」

 

タブラ「モモンガさんナザリックの隠蔽だけど、流石にそのまんまっていうのはダメだよね?」

 

モモンガ「そうだな…では周囲に土などをかければ目立たなくなるのでは?」

 

弐式遠雷「でも捜索の観点からすると、平坦な大地にいきなり丘があれば少し目立たないか?」

 

モモンガ「確かにそうだな。では複数のダミーを設ければさほど目立たないのでは?」

 

タブラ「ナイスなアイデアだと思うよギルマス」

 

茶釜「それじゃマーレ、そういうダミー作れる?」

 

マーレ「可能です。ぶくぶく茶釜様」

 

茶釜「それじゃよろしくねマーレ」

 

マーレ「かしこまりました。ぶくぶく茶釜様」

 

モモンガ「他に何か意見があるものはないか?……ではこれで以上とする。各員任務に励め!」

 

御方は指輪の力で転移した。

 

 

 

 

転移(避難)した先の円卓の間で御方は、一同に口を揃えて言う。

 

「「あいつらマジだ」」と

 

 

 

 

 

 

その頃

 

[リ・エスティーゼ王国]

 

[エ・ランテル]

 

[陸軍第一師団本部]

 

そこにある男がやって来た。

 

男の名は『ガゼフ・ストロノーフ』

 

周辺国家最強クラスと名高い戦士であり、王国陸軍近衛師団団長、通称[王国戦士長]という役職に就いている男である。

 

エ・ランテルには“ガゼフに匹敵すると謳われる男”王国陸軍第一師団団長『ブレイン・アングラウス』や“王国守護者”もいる。

 

本来なら王都防衛の要である王国戦士長は、王都から出張って来る事などないのだが、それでも出張って来たのは“開拓村が襲われる”という事、そして開拓村を襲うのは、[スレイン法国]の“特殊部隊”だという事、などの情報を諜報部が入手したからだ。

 

特殊部隊の内容にもよるが、もし神人大戦の英雄の末裔達の部隊であれば、ブレイン率いる第一師団では手に余り、返り討ちにあう可能性がある。

 

その為、陸軍総司令官はガゼフに対し出撃を要請。近衛師団の指揮を総司令官に託して、精鋭200名でエ・ランテルまで来たのだ。

 

ガゼフ「久しぶりだな、ブレイン。まだ中将のままなのか?」

 

ブレイン「もう大将になったさ、何回も大将になってくれってうるさいからな。それよりもありがとうな、エ・ランテルくんだりまで来てくれてよ」

 

ガゼフ「構わないさブレイン、友の為、王の為、そして国民の為に力を振るうのだ、文句などあるまいさ」

 

ブレイン「お前らしいな。ところであの方はどうした?来ると思っていたんだが」

 

ガゼフ「確かに言えば来る筈だがあの方は来ない。たしか今はかの竜王に会う為にアーグランド評議国に居る。例の件でな」

 

ブレイン「例の件?もうすぐ来るかもしれない神人達の事か。じいさん達曰く俺ら以上の戦力を持っていた帝国が壊滅的打撃を受けて、今の腐敗が始まったらしいからな」

 

ガゼフ「我々も気を引き締めて行かねばなブレイン。ところで、その特殊部隊は開拓村をもう襲撃しているのか?襲撃しているのであれば……」

 

ブレイン「今のところその連絡はないな、だが用心に越したことはない。どうせ明日には行くんだろ?」

 

ガゼフ「ああ、手始めにここの開拓村に行こうと思う。ここなら他の開拓村が襲われても、ある程度即応できると思う」

 

ガゼフは地図を広げてある村を指す

 

「カルネ村か……」




まずは投稿が遅れてしまいすみませんでした。

書きたい事が増えたのでどう進めようか悩んでいたもので、ですが方向性もなんとなく見えてきたので、なるべく開けないように頑張ります。

今のうちに変更点少し書いた方が良いかな?

では次回予告行きます。



予告
ついに投稿された小説

守らない次回予告

もしかしたら今後中編とか出てくるかも

どうか暖かい目で見てやってください

次回
「未知との遭遇 そして正義降臨【後編】」

感覚を開けないように頑張ります




「ちゃんと正義降臨してもらうよ、たっちさん」
「任せて下さいフィロさん 正義降臨!」キラーン


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第4話 未知との遭遇そして正義降臨【後編】


おまたせしました。
正義降臨してもらいます


忠誠の儀(になぜかなってしまった)を終え、至高の御方は各自で休憩や調査を実施することになった。

 

模擬戦、アイテムの使用変更点の調査などをやっている者は少なく、大概の者は向こうの世界では味わえなかった豪華な食事、ふかふかベッドでの睡眠、NPCとの交流(イチャイチャとも言う)、などのナザリック至高のおもてなしを、半分戸惑いながら、半分テンション上げ上げで堪能していた。

 

そんな中、骸骨魔王ことモモンガは、NPCとの交流せず(黒歴史だから)、食事睡眠をせず(てか出来ない)にナザリックの周囲を《遠隔視の鏡》で調査(見学)をしていた。

 

しかし《遠隔視の鏡》の操作はこの世界では難しいらしく、あれこれ試しながらの作業となった。

 

そんな中………

 

たっち「おはようございます、モモンガさん。それは遠隔視の鏡ですか?まさかずっとそれやっていたんですか?」

 

ウルベルト「おはようそしてお疲れ、モモンガさん」

 

モモンガ「ああ、たっちさん、ウルベルトさん。おはようございます、よく休めました?」

 

たっち「そう言うモモンガさんは休んだんですか?」

 

モモンガ「いえ、骸骨なんで食事も睡眠も必要ないんですよね。疲労とかもありませんし」

 

たっち「だとしても休まなければ、この世界がまだ詳しく分からない以上無理は禁物だよ」

 

ウルベルト「今回は同意見だなたっちさん。モモンガさん、何度も言うが、我々の異世界転移が自分のせいだと思う必要はない」

 

モモンガ「………ありがとうございます。無理せずに休みながらやってますね。もうブラックはこりごりですからね」

 

ウルベルト「まったくだよ」

 

会話をしながら操作方法を模索していると、突如うまくいったような音がした。

 

ピピッ

 

「「ん⁉︎」」

 

ウルベルト「やったなモモンガさん!」

 

たっち「ちょっと待て、これは………」

 

《遠隔視の鏡》の映像にはある村の騒ぎが映っていた

 

モモンガ「祭り………じゃあなさそうですね」

 

ウルベルト「モモンガさん、これは戦だろ」

 

たっち「村かな?村を守る守備隊と村を襲撃する隊との交戦だね」

 

モモンガ「たしか弐式炎雷さんとやまいこさんが村を見つけたから、コネクションを取ってくると言っていたんですけど………まさかこの村?」

 

ウルベルト「この村だろ。だってそこにいるじゃん」

 

そこには弐式炎雷とやまいこも映っていた。

 

たっち「弐式炎雷さんは兎も角、やまいこさんだと参戦してしまうのでは?」

 

「「あ」」

 

たっち・みーがそう言った瞬間、モモンガとウルベルトは遠隔視の鏡を見る。するとそこには防衛ラインを抜いて、非戦闘員である村人を惨殺する襲撃側の騎士と、それに憤慨し今にも飛び出しそうなやまいこと、それを何とか押さえている弐式炎雷が映っていた。

 

その時モモンガは考えた。

 

女性とはいえネフィリムのためどうしても異業種だとバレるやまいこよりも、一見すると騎士の様に見えるたっち・みーの方が、この村とのコネクション作りに有効なのでは?と。

 

しかし懸念もある。

 

村だけを見ると“騎士が村人を惨殺している”のだが、全体を見ると、大きい戦争の局地戦や、国同士の小競り合いとしか思えないのだ。

 

さらにあの騎士達が自分達よりも格上だと言う可能性もある。

 

しかしやまいこは今にも飛び出しそうだし、いずれは現地勢力との“未知との遭遇”をしなくてはならない。ここで動いた方が襲われている側の国にもいい顔が出来る。

 

ふとたっち・みーを見ると、心なしかウズウズしている様にも見える。全体を知っているのも有利だ。

 

モモンガは決断した。

 

モモンガ「………たっちさん」

 

たっち「………なんですかモモンガさん」

 

モモンガ「行ってくれますか?」

 

たっち「分かりました」

 

モモンガ「《ゲート》」

 

たっちはゲートに入って消えた。

 

モモンガ「ウルベルトさん私達も行きましょう」

 

ウルベルト「そうだな。見た目は悪魔でも中身はまだ人間だったって思ったよ」

 

モモンガ「ええ、自分もそう思いましたよ」

 

モモンガそう言うと《メッセージ》でしもべ達にしもべ達に指示を出す。それと同時にナザリック内に居る(と思われる)ギルドメンバー達内も説明する。

 

しもべ達はメッセージ経由で必死に止めようとしたが、すでにたっちを始めとするメンバーが動いている事、留守の間は[第6階層 円形闘技場]でコキュートスとスパーリングしていた武人建御雷と、アイテム整理をしていたタブラ・スマラグディナに、ナザリックの全権を委任する事を伝えた。

 

タブラはモモンガから指揮を託されると、建御雷にナザリックの入り口を、ペロロンチーノにナザリック上空を、その他のメンバーには各階層で防衛に当たって貰う事にした。

 

「《ゲート》」

 

モモンガは再びゲートを発動し、たっちらの援護に向かった。今、村を襲撃している騎士たちが、自分達より格上だと言う可能性がある為と、交渉事になった際にある程度便宜が測りやすいと考えたからだ。

 

それに………

 

モモンガ「………後ろから見ているだけってのも嫌ですしね」

 

これが本音だろう

 

敵は格上どころでは無い事も知らずに………

 

--------------

 

その頃、

 

カルネ村から少し出た森で、とある姉妹は懸命に走っていた。

 

姉妹の名は

『エンリ・エモット』『ネム・エモット』

 

カルネ村の住人である。

 

姉妹は、カルネ村防衛隊の防衛陣が崩壊して以降、非戦闘員まで戦闘に巻き込まれた為、何とか逃げ延びようと考えたのだ。

 

母は防衛隊で交戦中、父は自分達を逃す為に囮となった。

 

姉であるエンリの脳内では“ネムだけでも逃がさなくては”という思いでいっぱいだった。

 

母から身を守る術はあある程度身につけているが、所詮村娘である自分では本職の騎士には勝てない。

 

その時急に体が重くなる、妹がこけたのだ。

 

“追いつかれた”

 

エンリは咄嗟に妹を庇う。

 

そしてその直後、背中に焼けるような痛みが走る。

 

この時エンリは覚悟を決めた。

 

“ネムが逃げられるだけの時間を稼いでみせる“と

 

エンリは母から教わった拳で反撃を………

 

そこで異変が起きた、騎士の動きが硬直したのだ。

 

後ろを見るとそこには白銀の鎧を身に纏った騎士が立っていた。

 

??「誰かが困っていたら助けるのは当たり前!」

《正義降臨》

ババーン!!

 

エンリ「………」

 

--------------

 

“弱過ぎる”

 

これがたっちやモモンガ達の感想となった。

 

村娘の危機を救う際に襲撃側の騎士を切り捨てたのだが、攻撃してきた騎士の剣を受けようとしたら、その剣は切れ、その勢いのまま騎士まで切ってしまったのだった。

 

モモンガにしても第5位階《ドラゴンライトニング》を(本人は手始めとして)打ったところ、騎士にあっさり直撃し、即死したのだ。

 

姉妹の怪我を治療し共に村まで出向いた先には、半分狂戦士化しているやまいこと、騎士に対して尋問をする弐式炎雷がいた。

 

やまいこ「防衛隊の人や大人たちはまだ分かるけど、子供達まで殺す必要ないでしょ!若い娘と見れば見境なく襲いかかって!絶対に許さない!この私が成敗してやる!」

 

炎雷「待て待てその気持ちは多いに分かるが、全滅させたら情報が引き出せないだろ⁉︎………おいアンタあんな末路になりたくないなら早く所属、目的、理由、人数を言うんだな」

 

騎士「は、はい、言わせていただきます!」

 

--------------

 

尋問と言う名の質問に対し、騎士はペラペラと話した。

 

その結果

騎士達は[スレイン法国」の者だと言う事

この格好は[帝国]の騎士だと思わせる為

目的は[王国戦士長 ガゼフ・ストロノーフ]の抹殺

理由は、人類の裏切り者である[王国]の力を削ぐ為と、ガゼフが持ってくるかもしれない[宝具]を“取り上げる”為

人数は、自分は末端の人間だから詳しくは分からないが、特殊部隊は30人ぐらい

ということがわかった。

 

モモンガ「取り上げる?奪うの間違いだろう?」

 

たっち「もし帝国がこの事を知ったら、自分達がだしに使われたと思って、関係が悪くなるんじゃないか?」

 

やまいこ「まあ待って。ねえあなた、王国が人類の裏切り者ってどう言う事?」

 

騎士「それは王国が、亜人種も傘下として“共存共栄”などと謳っているからです。亜人種は人類の敵。それを王国は、自分達は豊かな国土を持って居るからと言って、リザードマンやエルフなどという亜人種と仲良くしている。帝国は腐敗していますが、王国はそれ以上に、亜人と仲良くしている危険な国だと考えたのでしょう」

 

ウルベルト「つまりは俺らも敵か」

 

炎雷「なんだそれ?いい国じゃんか、亜人との共存共栄。平和が一番じゃないのか?」

 

騎士「我々スレイン法国は人類の護り手なのです!亜人種であり人類を滅ぼしうる[ビーストマン]と戦えば分かります。奴らと戦えば王国が如何に考えていないか分かります!」

 

??「分かっているとも。だからこそビーストマン包囲網を築こうとしているのではないか」

 

「「⁉︎」」

 

そこには馬にまたがった騎士の男がいた。

 

モモンガ(そう言えば違う騎士の隊が向かっているって言ってたな)「あなた方は?」

 

モモンガは尋問の前に別の騎士隊が村に接近しているとの報告を受けていたことを思い出した。

 

??「私は王国近衛師団団長 ガゼフストロノーフ 階級は大将」

 

ガゼフ「開拓村を襲っている襲撃者を討伐しにきた、王国の軍人だ」

 

村長「あなた様が王国戦士長でございますか?」

 

ガゼフ「その通りだ。君がカルネ村の村長だな?防衛隊はどうしたのだ?」

 

村長「………防衛隊は隊長以下玉砕しました」

 

ガゼフ「………そうか、村にまで被害が出たところを見ると、もしやと思ったが………」

 

ガゼフ「彼らこそ騎士の鏡だ。彼らには階級特進と勲章、遺族には彼らの代わりに、報奨金と慰霊金を出すよう総司令官に必ず伝えよう」

 

ガゼフは防衛隊が玉砕した事を聴くと、騎士の礼を取り、彼らに祈りを捧げた。

 

ガゼフ「それで村長、その方々は?」

 

村長「ああ、この方々は………」

 

モモンガ「それには及びませんよ村長。初めまして王国戦士長殿。私の名はモモンガ。この村が襲われているのを見て助太刀にきた魔法詠唱者です。そしてこの者達は私の大切な友人です。」

 

モモンガはそう言ってたっちややまいこ、弐式炎雷を紹介した。

 

ガゼフはこの世もこのような御仁達がいるのだなと思い、王国軍人として、騎士として、恥ない礼を尽くすべきと思い馬を降りそして……

 

ガゼフ「この村を救っていただき感謝の言葉もない!本当にありがとう!」

 

頭を下げ、感謝を伝えた。

 

「「ありがとうございました!」」

 

配下の兵達も続く。

 

モモンガは驚いた。仮にも師団を預かる人だ、しかも大将だという。“そうか、ありがとう”ぐらいだと思っていたのだ。

 

まして………

 

モモンガ「礼など入りませんよ。しかし戦士長殿、最早お判りだろうが、我々は異業種ですよ」

 

モモンガは“仮面を付け忘れていた”し、たっちや弐式炎雷は兎も角、やまいこもネフィリム、一目で異業種だとバレる。

 

実際、さっきの騎士からは警戒、恐怖があった。

 

だが、この村も戦士長も何ら変わらない態度だ。モモンガは不思議だった。

 

ガゼフ「確かにあなたは自分の眼では骸骨に見える。だが、あなたは私とこうして話をしている。故にあなたは見た目が骸骨なだけで、中身は立派な人間だと自分は思う。増してやあなた方はこの村を救ってくれた。これに感謝をしないのは王国に恥を晒す事になる」

 

故にあなた方は異業種などではない、我々王国は、私は、あなた方を友人として見る。それが我々の国是だ。

 

その一言を受けモモンガは感動を覚えた。必ず警戒され、最悪討伐しに来るかも、と思っていたからだ。

 

その時

 

??「ガゼフ!!」

 

ガゼフ「どうした?ブレイン」

 

ブレイン「この村を包囲する形で兵隊が来た。兵士からは天使が見えたとの事だ」

 

たっち ブレイン「「この方は?」」

 

ガゼフ「ああ、この者は『ブレイン・アングラウス』王国軍第1師団の師団長。ブレイン、この方々が村を救ってくれたそうだ」

 

ブレイン「ブレインだ、よろしく頼むぜ。そして、この村を救ってくれてありがとう!エ・ランテルに来たらいつでも俺を頼ってくれよ!」

 

ガゼフ「それでブレイン、天使を見たと言ったな?」

 

ブレイン「ああ、という事はだ………」

 

ガゼフ「ああ、読みが的中したな」

 

「「相手はスレイン法国の陽光聖典だ」」

 

 

 




題名を変えました。

すみません。

ガゼフとソルジャーではなく
未知との遭遇にしました。

このままだと後編長くなると思ったので。

でも内容は変えてませんのでご安心を。

あとNPC全く出てきませんが、彼らはアニメ道理に動いていると思って頂ければ。

それとデミえもんの勘違いはまだ起きていません。(起きないとは言ってない)

さて今回から改変ポイントと裏話書いていきます。

と言っても余り変えてませんが。(この時点では)

改変ポイント
《至高の御方の数》
絞った結果10人です。有名どころですね。

《カルネ村防衛隊》
エンリの母親が隊長でしたが、戦死しています。出す予定でした。

《王国軍》
詳しくは後日書く奴で説明しますが、王国はオリ主のせいで凄まじく強化され、原作の王国ではありません。腐敗も無しです。

《ガゼフ・ストロノーフ大将》
原作の様な危うい立場ではなく、きちんとした組織に所属して貰ってます。戦士長の肩書きを残したまま、近衛師団を率いています。

《ブレイン、軍人になるってよ》
ガゼフに誘われた形です。大将になるのを拒んでいるのは彼らしいから、結局受けたのは実際のところガゼフに負けるのがイヤだから。


--------------

では予告行きます。



防衛隊は玉砕した

手元の兵も少なくない

相手はスレイン法国の特殊部隊

しかし戦士長は不敵に笑う

ムカつく男だ

最高位天使を召喚する!

次回
「戦士長の強さに、ニグン死す」

天使にも二軍にも用はない

「え⁉︎」




(王国の守護者よどういうことだ!)
(だって生かす道あんま無いし)
(死んでくれた方がガゼフの強さ分かるかなーって)
(バカな!あり得るか!望む額を用意いたしますので!)


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第5話 戦士長の強さに、ニグン死す


死なないでニグン、あなたが死ねば、誰がスレインを支えるの?
まだ手札は残ってる。
この任務が終われば
休暇が取れるって言ってたじゃん!
今回「ニグン死す」




茶番はやめて本編に行きましょう。





ガゼフ達には懸念事項があった。

 

それはスレイン法国の特殊部隊が、何聖典かだった。

 

王国の諜報部が掴んだ情報では、六色聖典の内、開拓村を襲撃する為に、動ける聖典は2つ。

 

六大神の末裔の噂があり、法国の宝具を持ち、王国も詳しく把握してない六色聖典最強の[漆黒聖典]

 

天使達を多数召喚し、魔法攻撃を主体とする[陽光聖典]

 

もし、漆黒聖典が相手だったならば、ブレイン達第1師団では無理だろう。いや、ガゼフとブレインが組んでも勝算はかなり低いだろう。

 

現状、漆黒聖典と戦えるのは[王国の守護者]の6名と[王国の創設者の娘]しか居ない。

 

一方の陽光聖典はと言うと、召喚した天使達による突撃、魔法師達の魔法攻撃を主体としているため、ブレインとガゼフが組めば勝利確定と言ってもいいだろう。

 

ガゼフには歴代の王国戦士長に伝わる神器がある。

 

ブレインも宝具を有している。

 

だからガゼフ達は懸念していたのだ。漆黒聖典が相手になるかもしれないと。だが、相手となったのは陽光聖典だった。

 

何故か。

 

それは、スレイン法国が何よりも恐れている相手である『王国の創設者の娘』がやって来ると思ったからだ。

 

彼女と一戦交えるのには“漆黒聖典だけでは足りない”

 

そうスレイン法国は判断している為だ。

 

こうしてガゼフ達の懸念は、嬉しい形で外れた。

 

あとは陽光聖典を片付けるだけだ。

 

 

--------------

 

「総員傾聴……獲物は檻に入った」

 

この者は知らない、待ち受ける運命など。

 

--------------

 

 

ガゼフ「モモンガ殿、貴公にお願いがある」

 

ガゼフは覚悟と作戦を決めた。その為、ここに居る圧倒的な強者に願い出た。

 

(手伝って欲しいのか)

 

モモンガはそう思った。しかしガゼフの次の言葉は違った。

 

「我らが打って出ている間に、この村を守って欲しいのだ」と

 

そしてこう続けた

 

「私はブレインと共に打って出ようと考えています。部下も置いて行きます、村を守らせる為に。ですが部下達だけでは足りないかもしれない、ですから貴公達にも村を守っていただきたいのだ」と

 

“やはりか”

 

同じ騎士としてか、たっちはそう思った。

 

死を覚悟したのかと

 

しかしガゼフからすれば、この判断は万が一の布石としてだった。

 

自分達だけでも陽光聖典には勝てると思う、それに漆黒聖典が来ていないとも限らない、ならば目の前にいる自分達より強い御仁に、村を防衛していただいた方が良いと考えたのだ。

 

当然報酬の提示も忘れずに。

 

モモンガ「分かりました戦士長。アインズ・ウール・ゴウンの名に懸けてこの村を守って見せましょう」

 

ガゼフ「ありがとうモモンガ殿。では後顧の憂い無く、連中を蹴散らすことが出来ます」

 

こうしてガゼフはブレインと共に出撃した。

 

 

--------------

 

 

ニグンは驚いた。

 

目の前に来たのはたった2人だけだったからだ。

 

だが当初の目的は変わらない。むしろ達成しやすくなった。

 

好機だ…

 

そう思った。

 

ニグン「2人だけとは、大きく出たなガゼフ・ストロノーフ、そしてブレイン・アングラウス。王国屈指の実力者と言えども、我らの前では勝ち目はないと、分からなかったのか?」

 

ガゼフ「分かっていたさ、だからこうして2人で来た」

 

ニグン「村人達の命乞いでも来たか?」

 

ガゼフ「そうだと言ったら?」

 

ニグン「ふん!見逃す筈は無かろう。奴らを人質にし、今後は王国守護者を倒すまでよ」

 

ガゼフ「そうか…残念だ。お前たちでは王国守護者は倒せないだろう。いや、今あの村にいる御仁達にも勝てないだろう。そして…私達にも!」

 

ニグン「⁉︎」

 

ガゼフ「行くぞブレイン!」

 

ブレイン「ああ!」

 

ブレインはガゼフから距離を取る。これからガゼフが行う行為に巻き込まれるかもしれないからだ。

 

ガゼフは白く輝くバックルを取り出し、腰に当てた。

 

バックルはガゼフの腰に装着され、ガゼフはカードを取り出した。

 

ガゼフ「変身!」

 

ガゼフはカードを挿入し、セットする。

 

バックルから音声が出た

 

《LBXライド…

 

そのままスキャンをする

 

…ソルジャー》

 

直後サークルが出現し、アーマーが出る

 

アーマーはガゼフに纏わりつき、ガゼフはついさっきまでの鎧では無く、見事な鎧を身に纏った。

 

最後に鎧全体が光り輝き、変身は完了した。

 

ガゼフ「俺は王国戦士長!この国、この国民を守る者!そしてこれが、歴代王国戦士長に伝わる伝説の鎧、ソルジャーだ!」

 

ニグンは驚愕した。

 

慌てて攻撃命令を出すが時既に遅く、天使達は瞬く間に屠られた。

 

ガゼフ「これで終わりだ!」

 

《アタックファンクション ドラゴンインフェルノ!》

 

そして、切り札である最高天使を召喚する事もなく、ガゼフの必殺ファンクションによって倒されたのだった。

 

「あ、あり得ない。なんだとー」

 

--------------

 

「「な、なんだとーーーーーーー」」

 

「「⁉︎」」

 

だが驚愕をしたのはニグンだけでは無かった………

 

 




ニグンとの戦いはもっと長引かせようとも思いましたが辞めました

呆気ない方がお似合いかな?と思ったので

ニグン推しな方には申し訳ない……
(で、でも再登場するかもの方がいいでしょ?)


では改変ポイント
《ガゼフの強さ》
五至宝もいいけれどオリ主の武器を継承させた方がいい気がして

《LBXライド》
オリ主メイン装備のシステム、察しがいい人は気付いている筈。LBXをライドするんです…詳しくは設定書くんでそれで

《LBXソルジャー》
筆者が好きなLBXです。ええ趣味全開ですとも。これでラスボス改倒したのいい思い出。

《アタックファンクション》
LBXの必殺技、CCMが音声を流してその後技を出すんですよ。

《ドラゴンインフェルノ》
筆者が愛用した技の一つ、ボスには効かなかった。

《な、なんだとー》
驚愕の理由は次の回で


こんな感じでしょうか?
無理ある気はしますが、元々そんな小説なのでご容赦を

では次回予告行きます


予告
戦士長が見せたあの技術

あれはあの人の物だ

なぜ戦士長が持っている?

その答えは王国が持っているだろう

いやまさかあの人が……

次回「冒険者」

さあ冒険の始まりだ


(私はモンクね、全部溶かしてやりましょう)
(俺は弓兵で、まだ見ぬ幼女達よ!)
(俺は魔術師だ!クハハ、世界は破滅へと………)
(私は騎士で決まりですね)

私は俺は僕は俺は私は…………

(静まれぃ!冒険者大選抜会を開催する!)

じゃーん けーん ぽん!


(うわぁ)
(フィロさんすみません)


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王国編
第6話 冒険者【前編】



新社会人の都合上、どうしても投稿間隔が空きますが、何卒ご容赦を

ではお楽しみくださいませ


 

 

⁇?「冒険者って夢の無い仕事なのか?」

⁇?「まあまあ」

 

⁇?「私も、その仲間達も、実力に見合った依頼をこなしたい」

 

受付嬢「申し訳ありません、ですが規則ですから」

 

⁇?「………分かった、無理を言ってすまない。では我々が受けられる依頼の中で、一番難易度が高い奴を持ってきてくれないだろうか?」

 

受付嬢「分かりました。少々お待ちください」

 

⁇?「では私達の仕事を手伝ってくれませんか?」

 

 

------------

 

「「な、なんだとーーーーーー」」

 

カルネ村と未知との遭遇をし、村を守った。

 

その対価は

・この世界の住人は、極一部を除いてかなり弱いという事

・神人なる連中が昔いて、其奴ら間違いなくプレイヤーだと思う事

などが情報で支払われた。

 

だが

メンバー達にとって最も重要な情報は《ソルジャー》と《LBXドライバー》がある事、何故か王国がそれを有している事だろう。

 

《ソルジャー》と《LBXドライバー》それはかつて、ナザリックに所属していた最強のギルメン『フィロ』が持っていたものだ。

 

フィロが《DXライダーベルト》を元に作ったそれらは、間違いなくオンリーワンな物だ。

 

クソ運営が課金ガチャアイテムとして世に出したDXライダーベルトは、加工が難しい、作成にはリアルスキルが求められる、それに見合ったアイテムが無い、使用中は自身のスキルが上手く使えない、などのデメリットが多く、レア過ぎて当てた人も少なく、実際に使用できたプレイヤーは数少ない。

 

まさか盗まれたのか⁉︎

 

不可能だと思いながら、フィロ亡き後に作った『保管用のある場所』を確認すると、なんと実際に無いではないか。それにLBXドライバー以外にも無くなっているアイテムがある。

 

「「申し訳ありません!この罪は死んでお詫びするほか……」」

 

フィロのアイテムを守っていたNPCの悲痛な死の贖罪を、全力で止めた後、とりあえずギルメンで会議を開いた。

 

会議の結果、とりあえず王国を滅ぼしてLBXドライバーを奪還するのは見送ることにした。

 

フィロが作成したLBXドライバーは《白い試作機》《青い予備機》《銀の本機》の3つ。

 

その内、無くなったのは白と銀。

 

ガゼフが持っていたのは白の試作機、では銀の本機は何処へ?

 

それにやって来たばかりのナザリックに侵入し、あれを使用するのは難しいだろう。フィロのアイテムは、ナザリックでも最強クラスのメンバーが守っているので尚更だ。

 

そして、LBXドライバーを持っている王国には“特別な何か”がある。その為、むやみに滅ぼす様な事は出来ない

 

また、もし滅ぼす事になっても王国の事が分かってなくては、万が一が起きるかもしれない。

 

よく調査するべきだ。

 

いやまさかだが、フィロも来ているのか?ならばフィロのアイテムが無くなっているのが分かる。

 

だがフィロはあのときに死んでいる筈だ。

 

しかし現に、フィロのアイテムが一部無くなっている。

 

その為結論としては、フィロのアイテムの行方、フィロの生死の確認を含め、王国に潜入し、調査するべきだという事になった。

 

ではどうやって潜入調査をする?

 

そこで行われたのが、冒険者大選抜会だった。

 

いつの時代も、王道の決め方である“ジャンケン“をもって決められた冒険者メンバーは………

 

 

騎士として『たっち・みー』

弓兵として『ペロロンチーノ』

魔術師として『ウルベルト』

ブレーキ役として『やまいこ』

となった。

 

またそれ以外のメンバーも役割を決めた。

 

商人として潜入……タブラ・スマラグディナ

索敵……弐式炎雷

ナザリック防衛……武人武御建・ぶくぶく茶釜・ヘロヘロ

である。

 

またモモンガはナザリックにいる予定だったが、本人の珍しいわがままが通り、騎士としてリーダーとして冒険者となった。

 

ちなみに騎士になった理由は、死霊系魔法を使うのは避けた方がいいのと、王国側に冒険者として来た事を隠すためだと言う事だ。

 

ちなみにNPCからの反対は無視した。

 

 

------------

 

 

プラチナ級冒険者チーム『漆黒の剣』との《ゴブリン狩り》は、薬師の『ンフィーレア・バレアレ』のご指名で《トプの森での薬草採取の護衛》に変わった。

 

道中、ゴブリンとの戦闘(といっても瞬殺)カルネ村でのひと騒動(ンフィーレアにモモンガだとバレた)森の賢王と名乗るハムスターを仲間にした(物理で)などがあったものの、特に何事も無く依頼を達成した。

 

だが依頼はもうひと騒動起こしたのだ。

 

 

------------

 

 

⁇?「ンフィーレアちゃん帰って来たんだ。んじゃ、攫っちゃおうか」

 

⁇?「気を引き締めてかかれよ、ここは王国、守護者に気取られない様にせよ」

 

⁇?「分かってるよカジッちゃん、流石に守護者には私も苦戦するだろうしね〜」

 

------------

 

⁇?「何をしているのかは分かりませんが、王国を汚そうという者は我が主人の命により、消させていただきますね」

 

 

 




漆黒の剣とのやりとりは後編に書きます。

感想を送ってくれた方、ありがとうございます。
励みになります。間隔が開かない様に頑張ります。

では解説改変ポイント
《DXライダーベルト》
課金ガチャアイテムの一つ、オリ主は4つ手に入れた。このアイテムを改造すれば歴代の仮面ライダーのベルトが作れる。だがその作成はとても難しく、成功者は少ない。

《アイテムを守っていたNPC》
フィロが作成したNPCとしか開示出来ません。
お楽しみに。

《保管用のある場所》
フィロ亡き後に作った場所。
フィロのアイテムの一部が保管してある。

《白い試作品》
LBXドライバーの試作品。ソルジャーにしかなれない。ある場所に保管していたが紛失した。

《青の予備機》
銀の予備機、宝物庫にあり紛失しなかった。

《銀の本機》
フィロが死ぬまで使用していたドライバー、ある場所に保管していたが紛失した。

《ジャンケン》
王道にして究極の決め方。
モモンガさんの時代でも残ってると願って。

《冒険者メンバー》
前話の予告は一部フラグ。
モモンガさんは外せなかった。

《初めての冒険》
カットします。
後編でどうぞ。

《カジッちゃん》
クレマンティーヌは果たして生存するか?
ただ一言、声優だと悠木碧さんが好きです。
カジッちゃんは知らないし興味もない。

《最後の⁇?》
ついに出てきた王国守護者です。
後編で出す予定

後編頼みですね、頑張ります。
では次回予告行きます


私達は王国に潜入する事にした

新人冒険者として

商人として

目指すはある程度の地位

そこに行けば情報も来やすい

次回「冒険者【後編】」

いざミッションインポッシブル!


(愚弟が暴走したらブレーキお願い、やまちゃん)
(ええ〜私が抑え係?フィロ君助けて!)
(無理です、頑張ってやまいこさん)


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第7話 冒険者【後編】

クエスト 【神の血の錬成方法を入手せよ】

クエスト 【森の賢王をペットにせよ】

------------

きゃー可愛い!ペットになって!

ペット?某を倒したらその力を認め、ペットになるでござる!

うんわかった!てい

こ、降参でござるよー

叡智を感じますね

え?

------------

あなたは、モモンガさんなんですよね?

そうだ、出来れば……

はい、分かってます

そうか、私は一冒険者だ

それを忘れないでね

分かりました。

------------

これでイベントをこなしたって事でいいですかね?

あ、ダメなんですか、いいじゃないですか

ちょ、ちょっと待って冗談ですよ

分かりましたよフィロさん

真面目にやりますよ

それではお楽しみください




エ・ランテル冒険者ギルドにようこそ!

 

フィロの生死を確認する為、世界の情報を得る為、王国に潜入する事になったモモンガ達はエ・ランテルにいた。

 

ちょっとした試験の結果によって《最初のプレート》が変わる為、モモンガ達は実力を“ほんの少しだけ”出さなくてはならなかった。

 

その結果、いきなり《プラチナプレート》となったモモンガ達だった。

 

受付嬢曰くここ数年は無い事例らしく、冒険者チーム『オウンゴール』は期待の大型新人となったのだ。

 

名前を《オウンゴール》にした理由は簡潔極まりない、フィロにアピールする為だ。

 

さていよいよ最初の依頼を受けるにあたり、『オウンゴール』リーダーのモモンには大きな壁があった。

 

モモン「も、文字が読めん」

 

そうナザリックのメンバー全員が、現地の文字が読めないのだ。

 

解読が出来る眼鏡はあるのにはあるのだが数が少なく、大型新人となったモモンには文字が読めないなどという、イメージダウンになるかもしれない行為は避けるべきだった。

 

その眼鏡は一部の者しか持っていない。

 

モモン「ええい、ままよ!」

 

なんか書いてある依頼書とおぼしき紙を手に、モモンは受付に持っていく。

 

だが

 

受付嬢「申し訳ありません、モモンさん…この依頼書は、ミスリルクラスの方を対象にした依頼書です。残念ですがモモンさんには依頼出来ません」

 

モモン「分かっている、だからこそ持ってきたのだ」

 

受付嬢「え?」

 

モモン「確かにこの依頼書は、ミスリルクラスを対象にしているのだろう。だが私達はそれに見合う実力を有している。私や仲間達もその実力に見合った依頼をこなしたいのだ」

 

受付嬢「確かにモモンさん達はそれに見合う実力を持っているとは思いますが、申し訳ありません規則ですから」

 

モモン「…分かった、無理を言ってしまって申し訳ない。早まった真似をしてしまったな。では私達が受けられる依頼で一番難易度が高い奴を頼む」

 

モモン(よし!誘導成功!)

 

心なしか仲間達もサムズアップしている気がする

 

誘導し受付嬢が依頼を持ってくる待っていると…

 

⁇?「では私達の仕事を手伝っていただけせんか?」

 

モモン「あなた達は?」

 

???「僕達は『漆黒の剣』と言います」

 

冒険者が仕事の話を持ってきた。

 

------------

 

漆黒の剣と名乗る冒険者達が持ってきた仕事は、エ・ランテル周辺の魔獣達を狩る仕事だった。

 

王国の冒険者達にはそれぞれの実力ごとに階級が存在する。

 

“カッパー”

冒険者の見習い 魔獣との戦闘は許可されない

依頼は勤労奉仕やお使いなど

 

“シルバー”

冒険者の新人、このクラスから魔獣との戦闘が許可される

依頼は薬草採取や下位のモンスター討伐など

 

“ゴールド”

下位冒険者、護衛任務が許可される。

 

“プラチナ”

中位冒険者 冒険者が最初に慣れる最大の階級

最初からプラチナの冒険者は《ファーストプラチナ》と呼ばれる

 

“ミスリル”

上位冒険者 このクラスから未知への挑戦が許可

 

“オリハルコン”

最上位冒険者 国を超えての依頼が許可

 

“アダマンタイト”

最高位冒険者 王国では3チームのみ

 

この内モモン達は、前例のチーム全てがアダマンタイトになったという《ファーストプラチナ》ということだ。

 

漆黒の剣はプラチナになったばかりだが、エ・ランテルではそこそこ名が売れている冒険者で、チームリーダーでメンバーは戦士のペテル、野伏のルクルット、魔法詠唱者のニニャ、森祭司のダインである。

 

特にニニャは魔法習得が半分で済むという《タレント》を持つ事で有名だった。

 

《タレント》とはその人固有のスキルの様なものらしく、ニニャの様なものの他、明日の天気が分かるだとか、相手の魔法力が分かるだとかがある。

 

ニニャ曰く、この都市のはもっとすごいタレント持ちがいるらしいが……

 

顔見せも終わり、いざ出発しようとした一行だが受付嬢に止められる。なんでもご指名の依頼があるそうだ。

 

ご指名の依頼とはいえ先に仕事の話をしたのは漆黒の剣、モモンは断ろうとするが、その漆黒の剣から話を聞くだけでもと言われ一行は依頼主に会う。

 

依頼者は都市一番の薬師『ンフィーレア・バレアレ』だった。

 

ンフィーレアがオウンゴールに依頼を出したのは当然理由があった。

 

------------

 

モモン達が宿に行った際、やまこに対し絡んできた冒険者がいた。

 

だが当然の如く返り討ち、愚かな冒険者は“青いポーション”をニタニタと眺めていた女冒険者のテーブルへと吹っ飛ばされた。

 

女冒険者ブリタはモモン達にポーションを弁償して欲しいと言い、厄介ごとに巻き込まれたくなかったモモンは“赤いポーション”をブリタに渡したのだった。

 

話はここでは終わらない。

 

ブリタは見知らぬ赤いポーションを怪しみ都市一番の薬師と言われているリィジー・バレアレの元に持ち込んだのだ。

 

そして行われたやり取りは以下である。

 

リィジー「ンフィーや、珍しい物が来たぞ!」

 

ンフィー「おばあちゃん、このポーションって」

 

ブリタ「え、これってそんなに凄い物なの?」

 

リィジー「真のポーションは神の血の色をする。ンフィーよ、このポーションを渡した冒険者に依頼をして、錬成方法を探るのじゃ!」

 

ンフィー「うんわかったよおばあちゃん、僕やるよ」

 

以上が事の顛末である。

 

------------

 

ンフィーレアの依頼はカルネ村の近くにあるトプの大森林での薬草採取、そしてその護衛である。

 

依頼自体はタチミーの案で漆黒の剣との合同依頼とした。

 

道中、森の賢王なるハムスターをペットにしたいと言ったやまこが説得(物理)し見事従えるという珍騒動があったが、難なく依頼完了となった。

 

だが、この依頼はとんでもない自体に発展する……

 

なお、ンフィーレアにモモンがモモンガである事がバレた。

 

------------

 

ここはエ・ランテルの共同墓地

 

深夜、誰も来ないはずの墓地に1人のリッチっぽい男が居た。

 

一見すると老人にも見えるハゲの名前は『カジット・デイル・バダンテール』

 

秘密結社『ズーラーノーン』の幹部、十二高弟の1人だ。

 

そんなカジットを尋ねる、場違い女が来た。

 

???「カジッちゃんいる?」

 

カジッちゃん「その名称はやめんか、クレマンティーヌ」

 

場違い女の名前は『クレマンティーヌ』カジットと同じくズーラーノーン十二高弟の1人だ。

 

そしてスレイン法国特殊部隊、漆黒聖典の元メンバーだった。

 

クレマン「ええ?別にいいじゃん」

 

カジッちゃん「まあいい、それでなんのようだ?」

 

クレマン「お土産、持ってきたんだよ〜」

 

カジッちゃん「それは!《叡者の額冠》!スレイン法国の宝具ではないか」

 

《叡者の額冠》とはスレイン法国の宝具の1つで、使用者の自我を封じる代わりに超高等魔法をも使えるアイテムにするという物だ。

 

だが叡者の額冠は使用可能な“女性”が百万人に1人だけなので、本来なら宝の持ち腐れなのだが…

 

クレマン「そうだよ〜この都市のは制限なしでマジックアイテムを使えるタレント持ちがいるじゃん」

 

カジッちゃん「ああ、薬師のンフィーレアとかいう奴だ」

 

そう、エ・ランテルには《あらゆるマジックアイテムを使える》というタレント持ちンフィーレアがいるのだ。

 

クレマン「うんうん、そいつを拉致って使用させれば、第8位階の魔法も行使できるでしょ?」

 

カジッちゃん「うむ!この都市を死の都市に変えてくれる!だが、奴らが嗅ぎつけていないだろうか?」

 

クレマン「奴ら?」

 

カジットには懸念事項があった。

 

王国で悪さをしようとした秘密結社を潰した存在の事だ。

 

カジッちゃん「知っておろう、《王国守護者》だ。確かこの都市に居るだろう」

 

クレマン「居たね、確か《黒の守護者》だ」

 

腐ってもクレマンティーヌは元漆黒聖典のメンバー、王国最大の脅威ぐらい聞いていた。

 

カジッちゃん「守護者は全員がとんでもない奴らばかりだ」

 

クレマン「正直言ってあんまり戦いたくないね」

 

カジッちゃん「気を引き締めかからねばな」

 

 

------------

 

エ・ランテルの中に不思議な建物がある。

 

日本の屋敷に見えるその建物は、とある理由の為にあった。

 

中に居たのは1人の女性。

 

濡れた様な漆黒のおかっぱ髪

 

クロアゲハの髪飾り

 

漆黒に蜘蛛の巣の紋様があしらわれた着物

 

脇にはこれまた漆黒の刀

 

彼女こそ王国守護者の一角『黒の守護者』だ

 

そんな彼女がニコニコ顔を隠せずに、誰かと会話をしている。

 

???「かしこまりました、我が主人様。何事にも警戒ですね」

 

???「うん、よろしくねクロ。もしプレイヤーらしい人がいても、接触だけにしてね。ただ悪さをしようとしてたら……わかっているね?」

 

クロと呼ばれた女性は、ぷれいやーがいつ来るか友人に相談しに行った主人からの指令を受ける。

 

クロ「わかっております、排除致します」

 

主人に大恩がクロは、即答で答える。

 

???「ありがとうクロ、僕もツアーとの話し合いが終わったら王国に戻るからね」

 

クロ「もったいないお言葉です。ご帰還をお待ちしています」

 

ありがとうの一言に感動し、早く帰って来て欲しいと切に願うクロだった。

 

だが、時には真名で呼んで欲しいとも思うクロだった。

 

 




かなり端折った形となってすみません。
これでイベントをこなした形にしてください。

では改変ポイントを

《冒険者の階級》
夢の無い職業ではない様にしました。また安心の初心サポートで死人軽減を。

《ファーストプラチナ》
所謂飛び級制度です。アダマンタイト級冒険者は全員がこれだったとしました。ただ叩き上げの冒険者も居るにはいます。

《アダマンタイト級冒険者》
原作では最初は2組だけでしたが3組としています。
原作は青の薔薇 朱の雫ですね。

《冒険者オウンゴール》
原作より人数が増えたので
メンバーの名前も分かりやすいでしょう

《愚かな冒険者》
命があっただけマシでしょう

《賢王ペットになるってよ》
命があっただけマシでしょう。
やまいこさんは手加減をして殴った様です

《やっぱりカットされた初の冒険》
まあアニメどうりって事で

《名探偵ンフィーレア》
この小説ではほぼノーヒントで特定
ポニテメイドが同行してませんから
証言だけで「あなたはモモンガ様だー」

《カジッちゃんのダイスロール》
ニグンと同じく引き立て役として散ってもらいます。

《クレマンティーヌのダイスロール》
多分失敗します。

《王国守護者》
構成人数は現在の計画では6人です。
イメージカラーとそのコードネームがあります。
今回は黒です。

《クロ》
遂に登場した王国守護者の1人です。
次の回で活躍してもらいましょうかね。
なおクロはコードネームです。本名は別にあります。

《???》
誰でしょうね?


今回はこんな感じでしょうか?
では次回予告行きます。


オウンゴール結成、その出だしは好調

ファーストプラチナに、賢王をペットに

そんな中依頼者が連れ去られる

都市に渦巻く企みに

遂に王国守護者がモモンガの前に現れる

次回
「王国守護者 黒」

では敵を排除致します



(遂に我ら王国守護者の出番が来たのだ)
(この時をどんなに待ったことか!)
(我ら守護者に死角ナシ!)
(フィロ様!僕はやりますよ!)

(………出るの1人だけなんだよな)


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第8話 王国守護者 黒




緊急クエスト「ンフィーレアを奪還せよ!」


緊急クエスト「王国守護者と接触せよ」


僕が言えるのはこれだけです。
投稿遅れてすみません。



ではお楽しみくださいませ


モモン達は森の賢王(命名ハムスケ)をペット登録……ではなく魔獣登録をしに冒険者ギルドへ向かう。

 

その間、漆黒の剣とンフィーレアはンフィーレアの店に採取した薬草を降ろしに向かった。

 

冒険者ギルドに向かう途中、モモンはリーダーだと言うこともありハムスケにまたがるのだが…

 

ペテルやンフィーレア等はハムスケを、叡智を感じるだとか、なんて立派な魔獣だとか言っていたが、モモン達からすれば所詮“ちょっとだけ強い”でっかいジャンガリアンハムスター。

 

ハムスターにまたがるモモンを、街の人達はすわ英雄の凱旋か?と口にするが、モモンからすればいい歳したおっさんがメリーゴーランドに乗っている感が否めない。

 

事実、ウルベルとペロロンはニヤニヤが止まらないし、タチミーは背中だけしか見えないため様子が分からないが、肩が震えている。

 

ペットにした張本人は漆黒の剣と一緒にバレアレ店に行った。

 

モモンの凱旋はまだ続く、モモンガの珍道中もまだ続く。

 

モモン達オウンゴールの英雄伝が増えたのだった。

 

そしてモモンガの黒歴史がまた一つ増えたのだった。

 

 

だが彼らは気がつかない。

 

彼らを好奇の目以外で見ている女性を…

 

夜だと言うこともあり、ほぼ完全に周囲に同化したその女性を。

 

???「南の魔獣!?あれを支配するの…奇妙な人達、あの人達が神人かもしれないわね」

 

黒い和服に黒い武器を持つ彼女は、リ・エスティーゼ王国に6人しか居ない存在、『王国守護者』

 

王国創設者の直属の部下だった守護者達は、人智を超えた実力を有し、たった一人で王国陸軍全戦力に匹敵するとさえ言われている。

 

王国創設者が死んだ今でも、王国に魔の手が迫ればその力は発揮され、王国の抑止力として動く。

 

『クロ』という名を持つ彼女は現在王国、帝国、法国の国境に位置する王国第ニの都市、エ・ランテルに拠点を構えていた。

 

そして、今なお忠義を尽くすべきと考える唯一無二の存在から指令を受け、神人かもしれない奴を探っていた。

 

クロ「彼らを見張るべきかもしれないけど、今はあそこに行かなくてはならないわね」

 

そう言いクロは姿を消した。

 

----------

 

 

「さっきまで居たかわい子ちゃんがいないのは残念だなぁ〜」

 

「さっさとやらんかクレマンティーヌ!」

 

「はいはいカジッちゃん、分かってますよーだ」

 

目の前にいる老人と女性がそんな会話をする。その言葉から余裕があるのが見て取れる。

 

だが彼らには、漆黒の剣にはそんな余裕ある筈ない。

 

店に着いた漆黒の剣とンフィーレア、やまこは荷下ろしをしていたが、途中リィジーの手が必要となった。

 

その為かわい子ちゃん…やまこは店に居なかったンフィーレアの祖母、リィジー・バレアレをニニャと探しに向かった。

 

しかし二人が店から出た直後、ハゲの老人とマントを羽織った女性が現れたのだ。

 

しかもンフィーレアを拉致すると明言して。

 

その為ペテル、ルクルット、ダインの三人でンフィーレアを守らなくてはならない。

 

しかしそれはかなり絶望的な戦いとなる。

 

女性の方がかなりの手練れだと思われたからだ。

 

(ンフィーレアだけでも逃すべきだ)

 

そう判断した漆黒の剣は行動に移す。

 

ペテル「ンフィーレアさん、逃げてください!ここは私達が食い止めます!」

 

ルクルット「ニニャとやまこさんと合流しろや!」

 

ダイン「急ぐのである!」

 

ンフィー「皆さん…」

 

クレマン「ああ~お涙頂戴ねーお姉さん感動しちゃった。でも……勝てるわけないんだよね!」

 

漆黒の剣の絶望的な戦いが始まった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

バレアレ薬品店に向かっていたその道中、ンフィーレアの祖母であるリィジーと出会ったモモン達。

 

リィジーを一緒に探していたやまこが合流し、"叡智溢れる森の賢王"にまたがるモモンを、何故か大爆笑し可愛いを連発するというニニャには全く賛同出来ない事があった。

 

ニニャ(皆さん流石だな…)

 

可愛いよね!とやまこに賛同を求められ、ニニャが思ったのはこの一言だった。

 

一部ほんわか、一部失笑という賑やかな空気が流れていた中、リィジーと共に先行していたペロロンが流石の反応速度を見せる。

 

ペロロン「ストップだみんな、なんか血の匂いがする」

 

ペロロンチーノの種族はバードマン、例え人化の指輪で人種になっていても、その感覚は失われてはいない。

 

血の匂いがする場所…バレアレ薬品店。

 

警戒しながら突入した先にあったのは無惨な死体となったニニャ以外の漆黒の剣のメンバーだった。

 

そして、店にンフィーレアの姿がない。

 

死体となった仲間を見て卒倒するニニャ、孫を探して取り乱すリィジー。

 

その様子を見てモモンガは呟いた。

 

"すこしだけ、不快だな"

 

頷くオウンゴールのメンバー。

 

ウルベルトはリィジーに対して持ち掛けた。

 

"依頼したらどうだ?お孫さんを救えるのは我々だけだ"

 

孫の危機にリィジーは迷わなかった…

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

リィジーとニニャを守る為ヘロヘロ、やまいこを残し、モモンガ達はンフィーレアの奪還をする。

 

モモンガにとってンフィーレアの居場所を特定するのに時間は掛からなかった。

 

その結果、ンフィーレアはエ·ランテルの共同墓地に居る事がわかった。

 

しかもアンデッドの大軍という"オマケ付き"で。

 

共同墓地から溢れだそうとするアンデッドに対して、守備隊は陸軍に伝令を飛ばした。

 

そんな中、4人の冒険者がやって来た。

 

何の躊躇もなくアンデッドの大軍に飛び込みにあっという間に殲滅した彼らはきっと英雄になるだろう。

 

少なくとも守備隊の隊長はそう思った。

 

しかし隊長には未来の英雄に呆けている場合ではなかった。

 

???「門を開けてくれませんか?」

 

隊長「あ、あなた様は…」

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

ハゲの老人…カジットとその弟子達は《死の宝珠》を使いエ·ランテルを死の都市にしようと企んでいた。

 

どこからどう見ても黒幕っぽいそいつらにモモン達は近付いて行く。

 

弟子「カジット様、奴らが来ました」

 

"はい、バカ確定"

 

モモンは思わずそう言ってしまった。

 

ペロロン「いい夜だね"カジット"儀式やるにはちょっと勿体無いんじゃないか?」

 

カジット(馬鹿者が…)「ふん、儀式をやるかやらないかなど、わしが決めるのだ」

 

タチミー「だがその儀式も失敗に終わったようだな。罪なき人々を襲うなど言語道断!」

 

カジット「やかましい、これも我が宿願の為。邪魔立てするなら叩き潰すまでよ」

 

モモン「ところで、お前らの仲間に刺突武器を持った奴が居るだろう。出てこい」

 

モモンの一言に、神殿から女性が現れた。

 

クレマン「ふ~ん、あの死体を調べたんだ?もしかしてお仲間だった?あ、あたしの名前はクレマンティーヌ…よろしくね」

 

モモン「そうかこれはご丁寧に、我らは冒険者『オウンゴール』という。そして彼らが仲間かという疑問についてだが…」

 

ウルベル「残念ながら違う。だが奴らにはやって貰わなくてはならない仕事が、計画があったのだ」

 

モモンガ達が漆黒の剣に期待していたのは、自分達の名声を高める事だった。

 

確かに森の賢王を使役させ、途中出てきたオーガを簡単に切り捨てるのを目撃している彼らなら、いい宣伝役になるだろう。

 

だが彼らがニニャを残し壊滅したことで計画が狂う可能性があった。

 

それ以外にもモモンガ達が不快な理由があるのだが…

 

モモン「さて、じゃれあいはここまでにしよう。クレマンティーヌとやら、我々はあちらで殺しあわないか?」

 

タチミー「私も一緒に行きます」

 

クレマン「んふふ…おっけー」

 

モモンとタチミーはクレマンティーヌと名乗る女性と離れていった。

 

ウルベル「では俺達があそこに居るハゲの老人を相手しよう」

 

カジット「どうやら英雄級の馬鹿者らしいな、それにわしは見掛けより若いわ!」

 

ペロロン「んじゃ、ハゲおじさんだな」

 

カジット「………」

 

カジットはハゲを否定しなかった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

         

ウルベル「さていくか、《電撃球《エレクトロスフィア》」

 

カジット「何!」

 

ウルベルが放った電撃球はそのままカジットらに向かい直撃、しかし焼き焦げたのは弟子達でカジットは健在だった。

 

その理由は…

 

カジット「ふん、馬鹿者なのは当たったらしい。こちらには魔法に対して絶対耐性を持つ《スケリトルドラゴン》がいる!」

 

その名の通り"ザ·骨ドラゴン"な見た目の""魔法に対して絶対耐性持つ"スケリトルドラゴンがカジット側に居るからだ。

 

しかし、ウルベル達は余裕を崩さない。

 

ウルベル「絶対耐性?それって第6位階までの魔法の無効化じゃないのか」

 

ペロロン「自分が召還した奴の特性も知らないのか…」

 

そう、スケリトルドラゴンの魔法耐性は絶対耐性ではなく第6位階までの魔法を無効化するというもの。

 

ウルベルからすれば第7位階魔法を放てば良いだけの話だ。

 

その為…

 

ウルベル「さっさと終わらせるか」

 

ウルベルはそう言い放ち、必殺の魔法を叩き込もうとした瞬間。

 

ドドーン!!

 

突然の雷鳴が響き、スケリトルドラゴンは黒い稲妻によって破壊された。

 

カジット「何だと!?」

ペロロン「流石だな!」

 

カジットはご自慢のスケリトルドラゴンが破壊され呆然とした。

 

ペロロンはウルベルの《黒稲妻》が炸裂したと思いウルベルに近付いた。

 

しかし…

 

ウルベル「いや待てペロロン、俺じゃない」

 

ウルベルは自身が魔法を発動していなかったことで、周囲を警戒しペロロンを近付けさせなかった。

 

ペロロン「は!? あれ十八番じゃん違うのか?」

 

確かに《第8位階魔法 黒稲妻》はウルベルの十八番としてユグドラシルで使っていた魔法だった。

 

そしてカジットは黒色の稲妻を見て気が付いた、奴が来たと。

 

そしてそれは正解だった。

 

???「あら?もしかして余計なことをしましたか?」

 

カジット「流石と言うべきか、黒の守護者」

 

そこには…

 

クロ「お初にお目にかかるわね王国黒の守護者、クロと名乗る者ですわ」

 

王国守護者 黒がいた。

 




はい、大変長らくお待たせいたしました。

色んな方向性を考えているうちに迷子になりかけましたが、頑張って迷いながら満足出来るものを書いていこうと思います。

では改変ポイントを

《森の賢王》
みんな大好きハムスケです。
殴ってから考えるやまいこさんなら物理で解決するでしょう。

《クロの拠点》
原作でも経済、政治、軍事の要所と言われているエ·ランテル、当然守りの要として守護者がいます。

《ニニャ生存ルート》
とりあえず生き残ってもらいました。
今後のダイスの結果次第では最高の結末も。

《カジッちゃん達の運命》
ニグンの結末を知っている人ならわかるはず。

《王国の守護者 クロ》
元ネタは次第に分かるはず。

《黒稲妻》
元ネタあります。
詳細は次回にでも。

いかがでしょうか、要望、感想等ありましたら下さると嬉しいです。

では次回予告いきます。


俺達の前に現れたのは王国の守護者

そいつはあの黒の魔法を使え

現地勢力では考えられない力を持つ

敵対の避けつつ目の前のハゲおじさんを消そう

唸れ!我が秘儀!降りよ!究極の厄災!

次回
「漆黒の一撃」

さあ、消し炭にしようか




(この勢いでアレ使っていい?)
(それって僕に対する宣戦布告ですか?)
(………すみませんでした)
(俺達、次回目立てるかな?)
(儂、開始早々に消される?)
(あたし、カットされないよね?)


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第9話 漆黒の一撃

ダイスロールの結果、ハゲには当然のように散って貰います。

ごめんね、カジッちゃん。

ではハゲの散りざまをどうぞ。


更新が遅れて申し訳ありません。
二ヶ月に一回は更新出来るよう頑張りますのでよろしくお願いします。


「君はこれから○○・○○○○だよ」

 

「コードネームはね…クロ、かな」

 

「エ・ランテルを…王国を…頼んだよ…」

 

 

私は○○。

 

大きな黒い○○。

 

そして私は"災害"だった。

 

僅かな理性も振るわれる力も、殺戮と、収まらない食欲に消える。

 

誰も止められず自らも止められず、満たされることのない食欲のままに、破壊と殺戮そして食事をする。

 

それが何百年も続いた。

 

いつしか私は『黒の災害』と呼ばれた。

 

しかしそんな悪夢に終わりが訪れた。

 

目の前にあるのは出来たばかりの国、目の前に居るのはこれまで見たこともない、圧倒的な強者のオーラが漂う少年。

 

「これ以上進めば君を切る」

 

その少年はそう言い放ち、私はその警告を無視した。

 

「来るか、黒の災害、レイドボスよ。ならば加減はしない」

 

そして彼はカードを取り出し…

 

「変身!」

 

《カメンライド AX》!!

 

カードをバックルに差し込み、スキャンした。

 

直後、少年の周りに半透明なカードが出現し、彼の元で一つになった。

 

最後に胸元のXのマークと目の部分がひかり、私が見ても凄まじい力を持った鎧を身に纏った。

 

そして私は…ようやく止まれた。

 

 

 

それ以来私はあの方の為に存在し、力を使うと決めたのだ。

 

孤独を、飢餓を、殺戮を止め、仲間をくれたから。

 

だから今回も、私はあの方の為に、この国を汚そうとするあそこのハゲを消し炭にして、この世界を汚そうとするかもしれない"こいつら"に警告するのだ。

 

王国守護者は、世界の抑止力は健在だと。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

カジット「やはり来たか黒の守護者、だがわしは諦めんぞ!我が宿願の為に貴様にも死をもたらす!輝け《死の宝珠》よ! 出でよスケリトルドラゴン!」

 

カジットには分かっていた。

 

魔法に絶対耐性を持つこのドラゴンでさえ、彼女にとっては前菜に過ぎないということを。

 

現に先ほど一撃で、スケリトルドラゴンは消し炭となった。

 

それでもなお、もう二匹出したのは時間稼ぎと魔力切れを目論んでいたからだ。

 

だが、彼女はそんな淡い希望を消し去る行動に出た。

 

クロ「二匹ですか、美味しそうですがめんどくさいですね、一気に方を着けましょうか…」

 

クロはそう言うと、腰に差していた黒い刀を握り…

 

クロ「武技《黒刀神閃》」

 

抜刀し、一撃のもと切り捨てた。

 

彼女にとってスケリトルドラゴンは前菜にはならなかった。

 

カジット「なに!?」

ペロロン「へぇ」

ウルベル「ほう」

 

ユグドラシルにおいて戦士職と魔法職の両立は難しい。

 

両方を極めるのはレベルの関係で不可能に等しいから、両方とも中途半端になってしまうのだ。

 

無論出来なくはないが、本職はスキルで補えるものを自身の技量や武器の性能で補わなくてはならず、本職に劣ってしまう。

 

つまり余程リアルスキルや武器の性能に自信がないと、採れない選択なのだ。

 

まあ、ウルベル達はその例外を知っている訳だが…

 

ウルベル(黒稲妻を使えるということは、魔法に関してはナーベラル以上の力量が有るのか)

 

ペロロン(スケリトルドラゴンをワンパンね…黒稲妻に、未だ未知の《武技》…王国守護者は予想以上の力量を持っている、王国と戦うのは得策とは言えないね)

 

ウルベルト達はそう思い警戒を強め、敵対をなるべく避ける事にした。

 

クロ「さて、では邪魔な骨ドラゴンも消えたことですし、そろそろあなたも消えますか?"ズーラーノーンのカジット"」

 

カジット「そこまで知っていたのか…」

 

クロ「当然です、王国に害をもたらすかもしれない奴らは把握してますから。では…」

 

彼女がそう言った直後…

 

クロ「これは没収しますね」

 

カジットから死の宝珠を取り上げた。

 

直後、死の宝珠は"インテリジェントアイテム"の名に恥じない事を見せつけるかのように黒く輝き、クロを"支配"しようとしたのだが…

 

クロ「私を支配出来るのはあのお方だけ」

 

クロの怒りを買い、呆気なく破壊された。

 

そして…

 

クロ「さようなら、あなたの敗因は王国で、計画を実行しようとしたことです。《黒稲妻》」

 

カジット「わしの長年の計画が…宿願が…」

 

カジットは己は敗因を理解して死亡した。

 

そしてクロは本題に、来た目的を話す。

 

クロ「さて、邪魔なハゲを消し炭にした所であなた達の事を聞きましょうか?」

 

クロが最初から興味があったのはウルベル達だった。

 

彼女にとってはカジットが前菜だったのだ。

 

「「そうだな」」

 

それは彼等もだった。

 

ーーーーーーーーーー

 

ガーン!

 

クレマン「んふふ…あたし疲れてきちゃったな~」

 

モモンの攻撃を軽々とかわして、クレマンティーヌはそう言った。

 

モモン「だったら攻撃したらどうだ?先ほどから回避の一手じゃないか」

 

クレマン「っく、それができればねぇ…」

 

クレマンティーヌには攻撃に移りたくても出来ない理由があった。

 

それは目の前に居る漆黒の鎧に身を包んだ"素人"ではなく、その先に居る白の騎士を警戒してのことだった。

 

確かに黒い方の身体能力は凄まじい、だがそれだけ。

 

クレマンティーヌからすれば子供が力任せに棒切れを振り回しているかのように感じるのだ。

 

奴は戦士ではない。

 

故に《武技》を起動し、攻撃をブレイクすれば、簡単に仕止められる。

 

だが白の方はどうだ、奴からは戦士として強者のオーラしか感じない。

 

恐らく自分とほぼ互角か…

 

黒の方を下手に相手してもし殺し切れなかったら…

 

そんな油断ならない相手がやって来て1対2となったら…

 

もしかしたら負けるかもしれない。

 

故に踏み込めない。

 

しかしそんな弱い自分を押し殺し…

 

クレマン(あたしとまともにやりあえる奴なんて少ない!ましてやフルプレート!絶好のカモのはずだ!)

 

と己を鼓舞し…

 

クレマン(あたしは勝てる!先に漆黒の方を確実に瞬殺し、その上で純白の騎士を殺す!)

 

と決めたのだった。

 

 

だが…

 

クレマンティーヌには仕方がないとも言える大誤算があった。

 

一つ目は

"漆黒の方は、確かに戦士としては素人だが本職として挑めば彼女を瞬殺出来ること"

 

そう漆黒の方、つまりモモンガの本職は魔法詠唱者、しかも"かつて帝国にいたという『トライアダッド』という魔法詠唱者"よりも強いのだ。

 

二つ目は

"純白の方は手出しするつもりはなく、どちらかと言うと監督としてこの場に居ること"

 

たっちが居るのはモモンガからかねてより"戦士としての戦い方を教えて欲しい"というお願いを叶えたかったから。

 

つまり、余程の事がない限り手出しはしないつもりだったのだ。

 

三つ目は

"純白の方は装備の都合上弱くみえるだけで、実は圧倒的な強者であること"

 

たっちがガチ装備やサブ装備をしていれば流石に気が付いただろうが、彼らは相当加減した装備を身に付けていたのだ。

 

四つ目は

"彼らは人間ではない為、人間の人体急所の突いても効果はあまり無いこと"

 

たっちの種族は昆虫系、モモンガに至っては骸骨。

 

五つ目は

"そもそも彼らは彼女で言う所の神人であり、レベル差とか耐性とかで彼女の攻撃はまったく効果が無いこと"

 

神人の中でも上位の部類だと聞けば震え上がっただろう。

 

など数えたらきりがなく、プレイヤー側からこの状況を聞けば、むしろ戦意喪失せずよく立ち向かった方だと思われるだろう。

 

おまけに、例え彼女が切り抜けたとしても、その先には王国守護者のクロが居る。

 

要するに所詮無理ゲーだったのだ。

 

クレマン「んふふ…いっくよー」

 

モモン「さあ!死力を尽くしてかかってこい!」

 

クレマン「なめんじゃねぇ素人が!《疾風走破》《超回避》《能力向上》《能力超向上》!」

 

 

 

 

クレマンティーヌはモモンガにとって前菜にはなり得た。

 

何故なら彼らにとって未知の物だった《武技》を再確認出来た上、戦士としてバランスよく戦う事の大切さが分かったからだ。

 

モモンガ(この戦いは色々と勉強になったな…)

 

彼はそう思いながら、自分の腕の中で死の舞踊をしている猫をを潰した…




もうすぐ年も暮れますね。

なのに未だ9話目…頑張って更新していきます。

次回もお楽しみに!

そして皆様良いお年を


では解説ポイントを

《黒の災害》
クロの元ネタついて最大級のヒントです

《○○》
彼女の真の正体です

《カメンライド AX》
AX-00にライドします
フルネームだと長い機体は略しますので

今回はこんな感じでしょうか?
では次回予告を



武技…それは至高の御方ですらわからない未知の物

慈悲深く探求心溢れる御方は

武技の使い手を招待しろとおっしゃった

だけど何故?

下等な生物がわらわ達にに勝てるはずがありんせん

この任務を成功させ、わらわは…

次回
「吸血鬼の誤算」

ぐへへへへ…


(はっ!何でもないでありんすよ、フィロ様)
(ペロロンチーノさん、願いが叶って良かったね)
(控えめに言って、最高だ)


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