幻想複愛物語 (亜麻乃)
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目覚めたら



プロローグという形で書きました。
しばらくプロローグが続くかもしれません。
本編も直ぐ書きたいのですが探り探りなのでお待ち下さい。


 

 

人は死んだら何処に誘われるのか、天国、地獄、またはそれ以外の可能性があるのかもしれない

「ここどこだ?あり?」

 

そこは何にもない真っ白な空間が広がっている。

 

「え~と、うん..一先ず思い出そう..あ..コンビニに買い物しに行って、出た瞬間に車が目の前に」

 

そう彼は轢かれたのだ。

 

不運にもお気に入りの同人ソフトを手に入れて、

「これで明日はかつる!!」とか訳分かんないことをほざきながら、

 

「おい・・」

 

それはもう中学生が道端に落ちてた○ロ本を初めて拾った時のテンションで飲み物と菓子を買い・・・

 

「オイコラ!!テメェ!!さっきから変なナレーションしてんじゃねぇ!!」

 

え・・君にはオイラの姿が見えるのかい!!

 

「見えるのかい!!っじゃねよ!!真正面で浮いている女がいたら、嫌でも目に入るわ!!」

 

うんもぉー..つれない子ぉ、お姉さん悲しいぞ~♪

 

「頼むからその話し方止めてくれ..」

 

仕方ないな~♪「ッゲホン!!これでいいかな~♪」

 

「おっさんkaッ(ゲンコツ!!)~~ッ~ッ!!~ッ!!?!?!??!」

 

「だめだぞ~?年頃のお姉さんにそんな事言ったら♪あんまり失礼な事は言っちゃ駄目だからね?分かった?」

 

「・・・・はい・・・」

 

「は~い♪いいこ~♪」(なでなで~

 

「あの・・そろそろいい質問していいデスカ??」

 

「はい、どうぞ♪」

 

「ここは何処なんだ?俺は死んだのか??」

 

そうするとお道化ていた謎の女性が真顔になり答え始めた。

 

「そうね・・最初にごめんなさい、こちらの間違いで貴方を死なしてしまいました。」

 

「え・・いきなり真面目口調・・てか、死なしてしまったって・・あんた・・神様か・・??」

 

そう答えると謎の女性はにこやかな顔になり

 

「ちょっと違うかな?まぁ・・代理みたいなものね~…でも貴方はあの時、死を迎える運命では無かったの…だけど、こちらの手違いで貴方の運命が変わり死ぬはずない貴方は死を迎えてしまったの、本当はあり得ないんだけど・・」

 

しかし、彼はそんな代理人の説明を

 

「ふ~ん・・で??

 

凄く軽いリアクションですました。

代理人も「え・・なに・・この子・・」と少し引いている

 

「そんな俺に何の用なんだ?ただ謝りに来たわけじゃないんだろ?」

 

代理人が固まっていると彼は聞いてきた。

そんな彼に代理人は

 

「さっ・・察しがいいわね♪お姉さん嬉しいわ♪とりあえず貴方には転生してもらいます♪」

 

代理人にそう言われ彼は

 

「転生か・・で?その転生される先とまた人間で生まれるのか教えてもらいたいんだが」

 

という感じである

 

「全くもってリアクションが薄いわね~・・期待外れ~・・」

代理人は首を横に振りながらつまらなそうに言う

 

「まぁwそういう同人とか色々見たから、テンプレ的なww」

 

ドヤ顔で語る彼の顔にあきれながら代理人は

 

「んもぅ、別にいいわ~・・でも、こちらの手違いで死んでしまったのは変わりないから特別に♪貴方の大好きなゲームの世界に転生させてあげる♪」

そう代理人が言うと当の本人は

 

(゚Д゚;)マジでございまするか!!??

 

今までより一番のリアクションである、そんな彼に代理人は嬉しそうに言う

 

「えぇ♪マジよぉ♪貴方の憧れであり理想郷、しかしそこは忘れ去られた物達が集う偽りの理想郷・・その名を・」

 

 

 

「「幻想郷」」

 

彼と代理人の声が重なった。

 





これからゆっくり作って行きます、よろしくお願いします。


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んで、どうなるの?


(´・ω・`)不定期とは書いていましたが…
不定期ではなく1話目で放置してました
(´;ω;`)申し訳ございませんでした!
時間はかかると思いますが頑張って作って行きたいです!

(;´Д`)また放置しそうで恐いですが…
よろしくお願いします!!


 

 

今更だが彼と代理人の回りは無空間で何も無い場所である

 

「で…俺はいつまでここにいるんだ?」

 

若干興奮しながら代理人に聞く

 

「その前に〜…貴方は自分が誰だかわかるかな〜?」

 

言い方は柔らかいが若干真剣に聞いてくる代理人に対して

 

「Σ( ´・ω・`)んぇ!?」

 

間抜けなリアクションで何故か反応する

 

「…んなこと…言え…アレ?」

 

代理人に聞かれて気づいた彼は思い出そうと考えるが

 

「な、なんで?あれ?俺は誰だ?…えっ…名前もそうだけど…俺自身事が全くわかんねぇ!?コンビニとか分かんのに!?」

 

そう、彼はいくら思い出そうとしても自分自身に関することだけがスッポリと穴が空いたように抜け落ちていた

 

「え…なんで?」

 

困惑していると代理人が口を開いた

 

「それも私達の責任なの…貴方も聞いた事はない?…前世ではこうだったとか何していたとか耳にしたことはあるでしょ?…難しく言うと分からないと思うから簡単に言うと人は生まれ変わるのに自分に関する前世の記憶を消すの…そして、新しい命…新しい人として産まれるの…その仕組みは私達が創った仕組でもあり、絶対変えられない仕組なの…」

 

そんなことを淡々と言う代理人に彼は

 

「じゃあ…下手したらもしかして俺は消えてたのか…東方の知識でちょっとあってるか分からんけど…うん、でも…まぁ、何となく分かった…」

 

代理人は軽く頷いて

「これ以上は難しくなっちゃうから、このぐらいにしとくけど……大丈夫?」

 

「とりあえず、これ以上は俺の頭の容量がパンクするのでお願いします…」

 

今までの事を含むとここまで冷静にいるのは普通ではないと思うが……まぁ、気にしない

 

「それで?これからどうすんの?」

 

その質問に代理人はにこやかに答え始めた

「その前に~♪貴方の新しい名前を決めましょう♪…名前は大切な貴方の存在証明だからね♪どんなのがいいの?山田太郎とか?」

 

「なに……その履歴書の例題みたいな名前は、嫌だよ流石に……そうだなぁ……」

考え始める忘れた存在

 

 

 

 

 

 

<少年考え中>

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ~まだぁ~……?」

 

無空間でごろ寝し始めた代理人は退屈そうに声をかける

 

「女性を待たすのはよくないぞぉ~」(ゴロゴロ

しまいには、考え込む周りで転がり始める代理人……これでも神様の代理人である

 

「よし、決めた……」

 

「おお~?」(ぴたっ

「何々~??どんなの~??」

代理人は起き上がり聞いてきた

 

「俺の好きな人達から拝借したから結構シンプルな感じだけどな」

 

代理人は苦笑いをしながら

「その割に凄く時間掛かっていたわよね~・・で?君は名前はな~に~♪」

 

名無しの彼は自分の名前を代理人に対して言い放つ

 

「あぁ…俺は今から風華 幽鬼(かざばな ゆき)だ!」

 

 






一年放置してやっと主人公の名前が出来ました
いや、本当におっせぇ~と自分でも思います
次は主人公の能力を書きたいと思います。
分かる人には分かります・・チート能力です
頑張って次を作っていきたいと思います

本当素人の限界です・・はい・・


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そして、転生へ…(手段強制)



ウオオオオアアアアヽ(`Д´)ノアアアアアッッッッ!!!!!
と言う勢いで続きを書いたので載せます
内容めちゃくちゃです

(*`・ω・´)気にするな!!
いい加減…ちゃんと進めたい…


 

 

今世紀最大のキメ顔と言ってもいいほど(見た感じ)で名前を宣言する彼…

風華 幽鬼(かざばな ゆき)

そんな彼に代理人は…

 

暖かい目で見つめていた(若干肩が震えて)

 

「おい…コラ…何笑いこらえてんだ?」

幽鬼は必死で吹き出さないように堪えてる代理人を睨む

 

「ち、違うよぉw…堪えてないよォw…ぶはっw!!」

代理人は吹き出した、やはり堪えられなかったらしい

 

「名前か!?名前が可笑しいのか!?」

 

幽鬼がそう言うと代理人は首を横に振りながら

「ごめんねw勘違いさせてw…大丈夫だよ、名前は可笑しく無いから」

 

「じゃあ…何が可笑しかったんだよ?」

幽鬼は今でも若干肩が震えている代理人の様子に納得がいかずに聞いた。

 

「えーっとねw…君が名前を言った時の慣れてなさそうなキメ顔が可愛らしくてねw…ふふっw…ごめんね?」

口元を手で軽く隠しながら言う代理人

幽鬼は意識してキメ顔をした訳では無くて、単純な無意識にした表情だったので「そんなに自信があったのだろうなぁ…(汗」と遠い目をしながら少し落ち込んだ。

 

「ふふっ…そんなに落ち込まないで?名前が決まる事は貴方にとっていい事なの♪」

 

そう言いながら代理人は幽鬼の方に腕を伸ばし、手の平をおでこに近づけた…

 

「な、なにすんですかい?」

幽鬼は困惑しながら代理人に聞いた。

すると、代理人は

 

「少しじっとしててね?貴なta…いえ…幽鬼ちゃんに能力と力を作ってあげるがら♪(ニコ」

 

今まで見せてた笑顔よりも母親が自分の子供に向ける母性のある笑顔で幽鬼にそう言った。

 

「あ…はい…」

幽鬼はその笑顔を見た瞬間何故か懐かしさを覚えた

 

(そういえば…母親とかの記憶も無くなってんなぁ…)

 

少し寂しさを覚えた幽鬼は自分自身の状況を改めて認識した。

(よし…過去の事を考えるのはここで終わりだ!)

(新しくこの先…これからの事を頑張っていこう!)

 

(そうだよ〜♪これからの先の事を生きて行くんだから〜♪クヨクヨしちゃダメだよ〜♪)

 

(Σ(゚ロ゚;)こ、コイツ脳内に直接っ!?)

代理人の声が頭の中に響き驚く幽鬼に対して本人は

 

「(今は幽鬼ちゃんと繋がってる感じだから聞こえるのは当たり前〜♪じゃなきゃ、幽鬼ちゃんの身体を弄れないから我慢してねぇ〜)」

 

(理屈は分かったから、頭の中と声を両方同時に語りかけるのやめてくれ…混乱する…)

エコーがかった声に耐えきれない幽鬼は代理人にそう願った。

「じゃあ、声の方で…幽鬼ちゃんにはお姉さんがプレゼントで2つ、3つ能力を授けます♪…まずは、1つ目は〜…まぁ、能力と言うより力だね〜…幽鬼ちゃんにはそのまま人間に転生してもらうから、霊力を授けちゃいます♪不満はある?」

 

「ま、まぁ…大丈夫です…(人間で妖力持ってたらアウトや…)」

 

「それだと妖怪になっちゃうから妖力は候補から外れてたよー?まぁ、神力も考えたけどねぇ…うん…ダメ〜///」

何故か顔を赤く染めて身体をクネクネさせる代理人

 

「でもぉ…//幽鬼ちゃんがどうしても知りたいとかぁ…//神力が欲しいって言うならぁ…教えてあげてもいいけどぉ♪//」(チラッチラッ

 

教えたくて堪らないのか、そんな事を言ってくる代理人に対して幽鬼は

 

「お断りします」

「で?他の2つはどんなのになるんだ?」

軽く流し、話を進めた

 

その時

 

 

ブチッ

 

何かがキレる音が聞こえたと同時に

 

「もう怒っちゃた♪問答無用で…イタダキマス

 

代理人の声が響く

 

「へ?」

 

その瞬間、イタダキマスの声と共に幽鬼の姿が無くなった・・

 

 

「んふ♪これで幽鬼ちゃんは霊力と神力を身体にやどせるよぉ♪」(サスサス

 

代理人は自分の下腹部を撫でながら言う

 

「幽鬼ちゃんは魂のままだったから身体がなかったから産まれなきゃダメなんだよぉ♪…肉体の無い子は消滅しちゃうからね♪だから母体が必要になるの♪…霊力だけだったら、そのまま人間の母親にポーンだったけど♪…神力欲しがっちゃうんだもん♪…責任もって幽鬼ちゃんを産んであげる♪」

 

「ふふっ♪意識が戻ったらもうそこは貴方の望む世界♪」

生命の鼓動を感じる代理人

 

 

「あ…能力…ん~・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(えん)を操る程度の能力かな?(ニコッ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして1人の命が神の代理人によってほぼ強制的に産み落とされた・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こまけぉこたぁ気にしない!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

縁は作り出された・・






とりあえず、何かテンションで書きました
( ̄▽ ̄;)程度の能力って考えるの難しいですね…
他の東方小説書いてる人達が凄いなぁと改めて実感しました(´・ω・`)ショボーン


(*`・ω・´)もう!好き勝手にやりますので!

( ̄▽ ̄;)話が矛盾しないよう頑張ります



2021年03月23日 サブタイトル変更


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目覚め、動き出す物語



祝初連続投稿!!

(′・ω・`)内容は期待しないでください…

なんかやっと主人公が幻想入りします…
疲れるね…考えるの…(゜∀゜)ハハッ


 

サワサワ…サワサワ…

川が流れる音

その横の花畑に風が吹き花々や森揺れる・・

 

「んぁ…あ…?」

そこで花畑のど真ん中で気を失っていた男の子が目を覚ます

 

「ハッ!ここはだれ!?わたしはどこ!?」

意識が覚醒して起き上がり、テンプレ的な事を言う(逆だ

 

「えーと…なにがおこったんだ?」

起こったことを確認するのにふと考え込み気づく

 

「あれ?なんかこえがおさなくなってね?」

と言いながら自分の手平を目の前にして確認する

 

「………おれ、こどもにもどってる!?……いや、まて…おきあがりでねぼけてるだけかもしれない…うん…きっとそうだ…と、とりあえず…そこのかわでかおあらおう…」

立ち上がり、ゆっくりと川に近づく幽鬼

「よいしょっと…」

膝を曲げて、川に顔を覗かせる…すると…

 

ウソダドンドコドーン!!!

現実は非常であった…

 

10分後

 

「おちこんでても…しかたない…」

と_| ̄|○のまま言う

 

「なんでこどもなん…てんせいしたからなのか?」

 

しかし転生させた張本人の代理人はいない

 

「でも…ほんにんいないから…けっきょくわからないし…てか!のうりょくはなんなんだよー!!れいりょくくらいしかきいてねよぉー!」

 

1人の子どもの声がこだまするが誰も答えない

彼が自分の能力に気づくのはもう少し先の話である

 

「まずは・・とりあえず・・はだれかにあわなきゃ…」

 

そう言うと幽鬼は顔をあげ当たりを見渡す

 

「ここはどこらへんなんだろ?」

 

ふと周りと見渡す…よく見ると花畑の真中に道があるのを見つけた

けもの道とは違う、平凡な田舎の土手道みたいなのだ

 

「とりあえず…あのみちしかないよなぁ…もりはあぶなそうだし…」

 

幽鬼は花畑の道に足を向けた

「ん?」

その時無数の視線みたいなのを感じた…

「え…なに…え…?」

冷静に考えて出てきたのはここが幻想郷だった場合

人以外が存在している事に、そして今の自分は子供の身体

そいつらにとっては格好の獲物という訳だ

 

「………やばくね?」

 

この視線がもし獲物を狩るヤツらの物だとしたらと考えが止まらなくなった。

 

「……」

冷や汗が頬をつたう、しかし視線は感じるが姿は見えない

 

「と、とりあえず…すすもうかな…」

そう言って、歩きだした

 

(姿は見えないんだけどな…んぅ…何か見られてる…)

キョロキョロと子どもの視線の高さで見える範囲を見回す

 

「あ…はなはふまないようによけよ…」

所々道に向かう途中の花を気にして、避けながら目指した

 

「フゥ…やっとみちにでた…けっこうきょりあったな…」

川の方を振り向く

 

「んー?なんか…いわかんがあんなぁ…ま、いいか♪」

視線みたいなのは未だに感じるが気にするのをやめた

 

「とりあえず、おそわれなきゃいいや…今のからだじゃぁ…なにもできないきがするし…いまさらだけど、けっこう…キレイにさきほこっているんだなぁ…まぁ…子どものしせんじゃこんなもんか…」

 

サァァァァ…

と幽鬼の言葉に反応したかのように花畑が風で揺れる

 

「めをさましたばしょが、キレイなはなばたけでよかった」

 

そして幽鬼は言う

 

があったらまたくるか…(ニッ」

 

そして、幽鬼は前を向き歩き出す

無自覚無意識で自分の能力が発動し縁が繋がり始める

ここに沢山の人や妖怪、鬼、はたまた亡霊などの縁を持った人物達と来ることが決まった

 

縁は伸び…結ばれ…繋ぎ始める…

 

こうして幽鬼は花畑を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽鬼は気づかなかった視線や違和感…

幽鬼は見られていた…花畑に咲く花達に…

それは向日葵が陽の光に向かって花弁を向けるが如く花達は見ていた…

 

幽鬼の行動や問いに花達は喜んだ…「踏まれなかった♪褒められた♪」と…

 

だから幽鬼に答えた

 

 

「また来てね」

 

 

そして、「また来よう」と言ってくれた

 

 

花畑の花達は大いに喜んだ、そして幽鬼が気に入った

 

 

そして、花達はとても自分達の事を大切にしてくれる…いつも守ってくれる彼女に伝えた

 

花は彼女との会話で繋いだ

 

 

 

花と会話が出来る彼女

 

 

 

幽鬼は知らない…

 

歩く道の先にある場所は向日葵が咲き乱れる畑…

 

 

 

 

 

 

 

 

太陽の畑

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

縁は繋がる






(」゚д゚)」ブァァァァァァァァァ!!!!!

という訳だ…テンションが可笑しく妄想話が進みますな!


ごめんなさい、すみませんでした…
頑張っていい話を書けるよう頑張ります…




ここまで読んでくれてありがとうございました!!

2021年3月23日 サブタイトル変更


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たどり着く、太陽の畑



とりあえず
出来たのであげます(*゚Д゚)ノ⌒゚ポィ
(*´∀`*)誰か花粉から助けて


 

 

「はぁ…はぁ…ふぅ…」

 

花畑から歩き始めてから一時間がたとうとしていた。

幽鬼は足を止めて息を整え始めた

 

「はぁ…はぁ…子どものたいりょくとあしのながさじゃ…ふぅ…じかんがかかるなぁ…なんもあらわれない…」

 

子供の身体という枷が重くのしかかる。

 

「どうにかあかるいうちにひとにあわなくちゃ…」

 

幽鬼は再び歩みを進めはじめた。

 

 

 

それから30分位たっただろうか、幽鬼は足を止めていた。

幽鬼の視線は固まっていた…

 

「…こ……これは…」

 

数分前に土手の上に続く道に繋がり幽鬼は土手の方を選択し、やっとの思いで登りきり現れた風景に視線を奪われていた

 

 

それは…黄金色と言ってもいいほどに黄色で埋め尽くされた

 

 

 

 

向日葵畑

 

 

 

 

幽鬼は初めてでもあり、知っている場所でもあった。

しかし、生で見る迫力は頭の中の知っているその場所とは全くの別物と理解した。

 

「す…すごい…キレイ…」

 

幽鬼は感動し見惚れていた、無数に咲く向日葵達に

 

「ひまわり…ぜんぶこっちみてる…すごい…」

 

 

まさに向日葵は土手の方を…いや、まるで幽鬼自信を見ているようにも思えた。

 

「ま…まさか、ほんとうにみてるわけじゃっ…((いいえ、あの子達は貴方を見ているわ♪))

 

 

「っ!?」

 

 

後ろから声がした、幽鬼はすぐ様頭の中で冷静に考えはじめた

 

(向日葵…向日葵畑…太陽の畑…すなわち…)

 

「ゴクッ…」

 

生唾をのみ、ゆっくりと声がした方に顔を向ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこにはいい笑顔でいるこの場所の主…

 

危険度 極高

人間友好度 最悪

能力 花を操る程度の能力

 

太陽の畑の主である四季のフラワーマスター

 

風見 幽香(かざみ ゆうか)が立っていた。

 

 

 

 

 

「こんにちわ、お花達の中で目覚めた迷子さん♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《遡る事一時間前 》

 

「ふ〜ん♪ふふ〜ん♪」

 

お気に入りの日傘とジョウロを片手に向日葵畑を鼻歌交じりで歩く幽香

 

「ふふっ♪今日も皆一段とキレイに咲いてるわね♪」

 

向日葵達に話かけながら、ジョウロに入った水を向日葵達の根元にかけ始める

 

「だ〜め♪皆順番に上げるから待っててね〜♪」

 

そう言いながら向日葵達に均等に水を掛けて回っていると

 

「ん?何かしら…誰か来るわね…?」

 

手を止めて、先程までの笑顔ではなく鋭い目で土手の向こうの森に意識をむける

 

(人間……それも子供…ね…)

(それにしても普通の子供では無さそうね…混ざり物かしら…何しに来たかは分からないけど…まぁ…そこら辺のザコが喰らうでしょ…)

 

「まぁ…運良くここにたどり着いたら、人間の里にでも…ん?」

 

土手の方から優しい風が吹き、その風に乗って花びらが幽香の肩に舞い落ちる。

 

 

「………」

 

 

幽香はジョウロを置き、そっと優しく花びらを手にとる

すると花びらから伝わってきた想い(ことば)を聞いた

 

「…ふふっ…そう♪」

 

鋭い目から再び笑顔に戻る幽香

花びらが幽香に伝えた想い(ことば)

それは明るく元気な花達の願い

 

「来る子はいい子!」

 

「褒めてくれた!」

 

「避けてくれた!」

 

「また来る!約束!」

 

「お礼!お礼!」

 

「困ってる!」

 

「目覚めた!迷子!」

 

「助けてあげて!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕達のお母さん!!」

 

 

 

 

 

 

幽香は手で花びらを包みそっと地面に近づけながら

 

「彼処の場所は誰も寄り付かない場所…静かに咲く花畑…本来は沢山の目にふれなきゃいけない子達…ふふっ…本当に嬉しかったのね…わかったわ、あなた達のお友達は助けてあげる…」

 

優しく地面に手が置かれると

 

「だから、ここで咲いてなさい」(ニコッ

 

そう優しく言い残し幽香は静かにその場所を後にした

これから来る来訪者を迎えに行くためであり

道中その来訪者が襲われないように花を操り導きながら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、幽香が先程までいた場所にはヒルガオが咲いていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

縁は繋がる

 

 






テンション上がったので書けました

(*´∀`*)難しいです、とりあえず書いて、読み直して、直して、書くのを繰り返してます

ここまで読んでくれてありがとうございます
ペコリ((・ω・)_ _))


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花妖怪の少しの興味


(*´∀`*)ここまで見てくれた方に教えときます!
サブタイトルは作者が思いつかないので
作者の思った事を書いてます!

(′・ω・`)いや…ほんとにサブタイトル考えただけで失踪しそうになります

特定の話題切り替えの時にサブタイトルが載っかるかも知れません(確約は出来ませんが…)


(′・ω・`)他の作者の方達の凄さが分かります
(*`・ω・´)いずれ自分も書けるようになりたいと思っています!


 

 

幽鬼は固まっていた、思考が止まっているの方が正しいかもしれない

 

自分の目の前に幻想郷で存在する人物でまさに最強クラスのトップに入る人物…

風見 幽香が笑ってこちらを見ているのだ

 

しかし、幽鬼はそれとは別に感動し見惚れていた

今まで絵の中に描かれたその人物が…本人がいるのだから

 

「どうかしたの?固まって…何か変な所があったかしら?」

幽香はこっちを見たまま固まってる子供に声をかける

 

「びえ!?あ!?ご、ごめんなさい!」

 

何故か変な声をあげてから謝ってしまった子供

それに対して幽香は

 

「クスッ…何を謝っているのかしら?貴方はここに来て何かしたのかしら?」

喋りながらゆっくりと近づいてくる

 

「それとも後ろめたい事があるのかしら…」

妖力を少し解き放ちながら徐々に距離をつめる幽香

 

「ねぇ…どうなの?」

ついに目の前まで止まり名も知らぬ子供に問いかける

 

「えっと…お、お…えさんに…みと…た…だけです…」

 

子供は小さな声で何か答えた

 

「ん?何かしら…なんて言ったの?」

聞き取れるようにしゃがみ耳を傾ける

おねえさんにみとれてただけです!!

 

子供は、そうハッキリと言いきった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(言っちまったァぁぁぁぁ!!)

幽鬼は焦っていた、子供だからと言っても精神年齢は大人なのだ

 

(俺の転生人生終了のお知らせ…あぁ…でも生ゆうかりんにあえてよかった…)

 

そう幽鬼は覚悟を決めて目を瞑っていた

(………??)

だがいつまで経ってもその時はこない

すると…フワッと頭に優しく手が触れる

 

「ふふっ…妖怪相手にそんな事を言うの?不思議な子ね?」

すると、幽鬼の頭を優しく撫で始める。

 

「心配しないで大丈夫よ、少しからかっただけだから…」

幽香は優しく話す…

 

「!?…!?!?…」

一方、幽鬼自身は混乱していたそして

(ゆうかりんってこんなに優しいんだっけ…うーん…てか…なんで…俺が来ること知ってたん?)

自分が置かれている状況に余計考えがまとまらない…

そんな事を思いながら顔をあげると

 

「なんで、私が貴方の事を知っているか…教えてあげましょうか?」

 

はたまた優しく問いかける幽香

 

そして、余計に分からなくなる幽鬼本人

 

「あの子達が教えてくれたのよ?貴方がここにくるって♪」

幽香はそう言うと視線を向日葵達に向けた

(あ…そうだ!ゆうかりんは…)

思いだす、彼女は能力故に花…植物と会話が出来ることを・・

 

「まぁ…あの子達と言っても、実際教えてくれたのは貴方がいた所の子達なのだけどね…」

そう彼女に幽鬼の事を知らせたのは最初に目覚めた場所の花達である

 

(あの時の俺グッチョブ…)

 

自分の判断で詰みゲーになりかけていたのを回避した事を改まって理解した…

しかし、これは彼の能力と彼に付与されている力のおかげというのはまだ知らない…いったい代理人はどこまで力を授けたのだろうか…

まぁ、この話題はまた後ほど…

 

 

 

「まぁ…ここじゃぁ、落ち着かないし…そうね…」

立ち上がりながら、考える幽香

 

「あの子達の約束もあるから、貴方を助けてあげるけど本当は人間を助けるほど私は暇じゃないのだけど…ひとまず、着いてきなさい?一晩位だったら面倒見てあげるから…」

と、振り向きながら静かに言うと歩き出す

 

(あ…ゆうかりんだ…人間にはやっぱり冷たいんだ…)

先程までの笑顔もやはり花達の事が絡んだからの一瞬のお遊びなのだろうと幽鬼は思い始めた

 

「何してるの?早く着いてきなさいな?」

考えていると先程より冷たい声で言われた

 

「あ、はい…!」

焦って軽く早足で後を着いて行った

 

 

 

数分後

 

 

「ほら…着いたわよ」

向日葵の畑の真ん中にある丘の上にポツンと一軒家の前に止まる、屋根は赤色で壁は白色で窓が1つ着いた向日葵畑の風景に溶け込む幽香の雰囲気に合う家であった。

ガチャッ)

扉を開け中に入る、その後について恐る恐る入る幽鬼

「おじゃま…します…」

 

日傘を置き、台所に向かう幽香

「お茶を入れるから、リビングのイスに座って待ってなさい」

そう言って台所の奥に姿を消す

 

「あ…はい…」

返事も待たずに行ってしまい1人リビングに向かう

「と…とりあえず、すわろ…」

そう言って幽鬼はリビングに入った

そこにはリビングは小さなテーブルを真ん中にして、イスが向かい合って置いてあり、観葉植物が所々に置いてあり

窓辺にも鉢植えに植え付けられた花が幾つか置いてあった

 

「……」(キョロキョロ

幽鬼は窓を背にした側のイスに座り、リビングの中を見ていた

 

ピィィー!)

 

 

突然鳴り響いた音に驚き台所の方に振り向いた

お湯が沸いたヤカンかポットの音だと認識した

 

しばらく待っているとお茶のいい香りが台所から漂い始めた

そして、台所からティーセットを持った幽香が現れた

 

「お砂糖とミルクは必要かしら?」

テーブルにティーセットを置きながら聞く

 

「だ…だいじょうぶです…」

と言うと幽香は少し驚いたように見えた

 

「そう、ミルクはともかくお砂糖は入れるかと思ってたのに貴方は意外と子供なのに大人なのね」

 

カチャ…カチャ…)カップを幽鬼の前と空いている席側に置き

 

「落ち着いてお茶をするのはやっぱりハーブか紅茶なの…今日はとりあえず紅茶の気分なのだけどね…」

 

コポコポ…コポポ…)それぞれのカップに紅茶を注ぐ

 

「熱いから気をつけなさい…?」

入れ終わったカップを幽鬼の方に寄せる

 

「は…はい…いただきます…」(カチャ…ズズっ…ゴクっ…

ゆっくりと紅茶を口に運び飲む

 

「お味はいかがかしら…?」

向かいのイスに座りながら聴いてくる幽香

 

「お…おいしいです…ほどよくあったかくて…おちつきます…」

幽鬼はやっと身体の力が抜けた。

ここに来るまで何かに襲われるかもしれない恐怖と緊張感がやっと無くなった…(ただまだ幽香がちょっと恐いが)

 

「そう…それはよかった…」(カチャ…

そう言うと静かに自分のカップに口をつけ紅茶を飲み始める幽香

 

「ふぅ…そう言えば、迷子さんの名前を聞いて無かったわね…」

一息ついて幽香が聞いてきた

「迷子さんは何者で何であの子達の場所で寝ていたのかしら…子どもである貴方が…」

と静かに質問をしてきた

 

幽鬼は手にしていたカップを静かに置き、口を開く

「えっと、ぼくも…なんであそこにいたかわからないんです…さいしょ…へんなばしょでめざめたんですけど…そこからまたきをうしなって…きづいたら、あのはなばたけに…じぶんもなまえはわかるけど…それいがいのじぶんのことは…」

幽鬼は転生や代理人の事はふせて話した。

 

「ふーん…で?だったら貴方の名前は?名前は覚えているんでしょ?」

幽香はそう言いながら目線を落とし再び紅茶を口に運び飲み始める

 

「えーと…なまえは…かざばな…ゆき…」

 

ピタッ)幽香の紅茶の飲む手が止まり…

静かに目線をかざばな ゆきと名乗った子どもに戻す

 

「それいがい…わからないんです…」

(これで信じるのか…?)

はたから見たら記憶喪失の子供に見えるが相手は大妖怪の1人の風見幽香である、非常に苦しい状況

 

「……」(カチャ

幽香は何も言わず、カップを置く

 

 

「……」

幽鬼も喋るのをやめて反応を待つ

 

 

「字は書けるのかしら…?」

少しの間を開けて幽香が聞いてくる

 

「あ…はい…」

 

「漢字で自分の名前は書けるのかしら?」

そう聞き直してくる

 

 

「か、かけます…」

そう聞くと幽香は立ち上がり、紙とペンを持ってきた

 

「これに書いてみなさい…」

と目の前に置いて言った

 

 

コクっ…)幽鬼は軽く頷き名前を書く

 

風華 幽鬼と書いた紙を渡して見せる

 

「そう…こう書くのね…」

名前を見た幽香は静かに言った

 

「そういえば、私の自己紹介してなかったわね…」

そう言うと少し微笑み

「私の名前は風見 幽香…貴方と同じ読み方ではじまるわ…そして、貴方の事で幾つか分かったことがあるわ」

 

「え…?」

幽鬼はドキッとしたが幽香はそのまま続ける

 

「1つ目は貴方は私の事を知っている」

 

「……!」

 

「2つ目は私の事を知っているがどうこうしようとは考えはない…あるとしたらノコノコついてくるはずないしね」

 

「……!!」

 

「3つ目は…そうね…普通の人間の子どもに見えるけど…違うわ…何か余計に混ざっているし…貴方位の歳の子供は…漢字はまだ書けない…あるいはやっとひらがな程度が書けるぐらい…」

 

「……!!!」

 

「そして…4つ目は…」

 

「ゴクリ…(もうやめてー!私のライフは0よー!!)」

 

「後は…貴方は私に敵意はなくて、本当に困ってるって所かしら…住む場所すらね…って…事くらいかしらね…」

 

静かに幽香に述べる

 

「まぁ…あくまでも私が考えた憶測に過ぎないわ…でも、深く詮索はしないわ…正直興味ないし…」

 

再び紅茶を飲み始める

 

「…………」(ホッ・・)

これで聞かれてたらどう説明しようか考えていた幽鬼にとっては助かる内容だった

先程幽香が言っていたようにとりあえず一晩お世話になって人里に送って貰おうと考えが出てきた

 

しかし、幽香は…

 

「けどね…」

 

 

幽鬼にとっては予想外の言葉を言い放つ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私は貴方に興味を持ったわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

縁は結ばれる





( ̄▽ ̄;)うへぇ…書いてる途中で話が脱線しまくりそうで大変でした…
(′・ω・`)いっぺんに説明しようとしちゃうのが悩みです…
(;-ω-)考え過ぎなのかも知れません…



ここまで読んでくれてありがとうございます!

ゆうかりん攻略がはじまる!(たぶん!)

2021年03月23日 サブタイトル変更


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条件付きで同居確定



(′・ω・`)はぁ…本当に…この時期は憂鬱…

( `꒳´ )いいもん!妄想進めるもん!!

ぐへへ ヽ(*`∀´*)ノ グヘヘヘヘ!!





 

 

「私は貴方に興味を持ったわ」

 

 

幽鬼は目の前の人物、あの風見幽香に言われ硬直した

同時に頭の中で自問自答がはじまる

 

(え…今…自分に興味を持ったって…え…(;゜∀゜)イヤイヤイヤイヤ...ありえない…:((:(((;゚Д゚)))アリエヘン!!あ、そうか、あれか?コイツ強そうだな!ワクワクすっぞ!!の方か!!あー!それなら納得するけど…(′・ω・`)ぼくまだ子供だよ?( ̄▽ ̄)なになにそんなに期待大なの?いやー!( ノωノ)照れるなぁ♪ゆうかりんからそんな事を思われてるなんて…(*/ω\*)キャー!!恥ずかち!!あ、でもでも戦って友情が見栄えてなんてよりも普通に仲良くなりたいなぁ!今もこうして実際お茶を飲んでるんだしー!仲良くなって2人でお茶を楽しみたいなぁー!( -ω- `)フッモテる男はツラいぜ!!)

 

などと頭の中で1人混乱していました

脳の処理が追いつかず、無表情になっている幽鬼に対して幽香は話を続ける

 

「ふふ…私も驚いたわ、何故…私は貴方に興味を持ったのか分からないわ…最初は一晩だけ面倒を見て「あいつ」に引き渡して、終わりの筈がね…貴方は確かに子ども…でも、名前を聞いた瞬間…何かしらの潜在的な能力と力があるみたいに感じた…まぁ…私の勘違いかもしれないけどね…ちゃんと育てればキレイに咲くあの子達見たいに…貴方はまだ蕾の状態なのよ…だからちゃんと育ててあげれば大きく育ち綺麗に咲く…だから…」

 

そうして、次の幽香が言った言葉はさらに信じられなかった…

 

 

 

 

 

 

 

 

「私が面倒見てあげる」

 

 

 

 

 

 

 

「……………」

幽鬼はフリーズした。

 

脳の処理が追いつかなくなったのだ…いや…何もしてないのに何故一方的に話が進むのか理解できず

自分は自己紹介しかしてないはずなのに…と…訳が分からなくなった

 

しかし、幽鬼は難しく考えるのは辞めた、いや今考えた所で何も分からないからだ…ひとまず幽香が言っている「面倒を見る」がどういう意味なのか確かめるのを優先した

 

「あ、あの…かざみさnっ…(幽香で良いわ…)…ゆ、ゆうかさんがいった…めんどうをみるはどうして、きょうあった…しょたいめんのじぶんなんかを…」

 

とりあえず、形的に出た質問

それに対して幽香は

「あら…理由はさっき話したじゃない…貴方に興味を持ったから…」

 

「でも…それだけだと…」(え…これ同居ルート確定?)

 

 

「理由なんか簡単でいいのよ…とりあえず貴方は今日からここに住むの…それとも、放り出されたいかしら?」(ギロッ

 

幽香に睨まれながら言われた

 

「あ…いいえ…すまわさしていただきます…」(同居ルートキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!)

 

幽香はため息をしながら

「最初から素直になりなさいな…とりあえず…基本的な戦闘技術から教えてあげるわ」

 

「へ?」

心の中で浮かれていた幽鬼は物騒な単語に固まる

 

「ここに住む以上、私の立場って物が傷つかない為にそれなりの強さは持たなきゃだめよ…さっきも言ったけど、貴方には何かしら秘めている物がある…それを引き出せるか分からないけど…それは貴方の努力次第ね、私のお門違いだったら放り出すだけだけどね(ニコッ」

黒い笑で話す幽香

 

「……」

冷たい汗が身体中から吹き出る

 

 

「貴方が食らいついて来れるのであれば何時までもここに居ていいわよ…さぁ…見られるかしら?貴方が綺麗に咲く瞬間を…ふふっ♪」

 

その目は慈愛に満ちた物なのか…

それとも、これから育つ楽しみな玩具を見る目なのか…

幽鬼は分からなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

「私を超えて見なさい♪風華 幽鬼♪」

 

ただ1つこれだけは言える

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウソダドンドコドーン!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、風華 幽鬼は風見 幽香の元で修行する(暮らす)のであった…

 

しかし、彼の能力のおかげで幽香との縁はますます濃くなり時間が経つほど彼と彼女の関係は変わって行くのであった…

 

そして、それは幽香に縁を持つもの達とも縁が繋がることでもあった

 

 

 

 

 

 

 

 

縁は伸び…結ばれ…繋がり…

 

再び広がる






(′・ω・`)とりあえず幽香と同居する事の導入を書きました
(′・ω・`)短くてごめんなさい、限界です

皆さんにここで報告です

(´;ω;`)私戦闘シーンは書くのが苦手なので端折らせる事を繰り返します

(;-ω-)何度が挑戦しようと書きまくったんですが…自分で読んでて「何と戦ってんだ?これ?」ってなったんで基本的に弾幕勝負はないと思ってください…

自分にはあんな高度な文章作成は出来ません...(遠い目

あくまでもこの話は頭の中が可哀想な作者の想像=妄想を書いている物なのでご了承ください
長々と申し訳ございません


ここまで読んでくれてありがとうございます!

2021年03月23日 サブタイトル変更


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十年ノ時の流れ



(°言°妬)パルパルパルパルパルパルパルパルパルパル

おっと失礼しました
今回は幽鬼が一人思い出に浸ります

(-ω-)つまらなかったらごめんなさい




あくまでも作者の想像(妄想)中の産物です!


 

 

とある異空間…

禍々しく複数の目玉がギョロギョロと当たり一面に蔓延る空間にナイトキャップを被った金髪ロングの女性が…裂かれた空間から何か見ている

 

すると、背後の空間が裂け九つの尾を持つ女性が現れる

 

「どうだったかしら……

現れた女性の名を呼ぶ

 

「はい、確認した所…間違いでは無さそうです……紫様…」軽く頭を下げる

 

ここは「スキマ」

とある妖怪によって作られ存在する異空間である

 

「あの幽香が…人間の子育て…妖怪や妖精では無く…ふふ…驚いたわ…」

 

そのスキマから覗き見る彼女が此処を作った張本人である…

 

境界を操る程度の能力を持ち

 

幻想郷の創設者であり妖怪の賢者

誰よりも幻想郷を愛し、境界を管理、守護する人物

 

 

 

名前は八雲 紫(やくも ゆかり)

 

 

 

「紫様…あの幽香があそこまで…あの子に執着し、変わるのは何か強い力が働いているかと…」

 

そう紫対して言うのは

 

九尾の尾持ち…その昔「玉藻前」と言われていた元大妖怪

名を与えてくれた紫を主とし、式神であり…家族でもある

 

式神を使う程度の能力を持つ

 

 

 

名前は八雲 藍(やくも らん)

 

 

 

「まぁ…そう考えるのが妥当ね…でも、あの子の持つ力の影響は今はそこまで脅威にはならないでしょうね…」

 

幻想郷を管理する紫とって大きい力で幻想郷の力のバランスが傾いてしまうのは不味いのだが…今の所はその力が紫でも管理が出来ると判断したようだ…

 

しかし…紫はスキマを見ながら…

「藍?ちょっと頼めるかしら?」と声をかけた

 

藍は姿勢を正し直して静かな声で

「はい、紫様…」と答えた

 

 

「あの人間に関しての行動や変わった事は報告なさい…でも、簡単で良いわよ…敵対しそうな時…この世界に悪影響を及ぼす時以外はね?」

目を細め、藍に静かに命令を出す

 

「はい、承知致しました…紫様…」

そう答えて藍は静かにスキマから出ていく

 

 

誰も居なくなった空間で1人開いているスキマに視線を戻し…

 

「さぁ…貴方はこの世界に(幻想郷)何をおこし、何をもたらすのか…少し観さしてもらってから判断させて貰うわ…」

 

不敵に笑い…そう一人つぶやく…

 

スキマから見える風景に映る彼を見ながら…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼下がり

 

太陽の畑の端っこにある野菜畑

そこにジョウロを持つ青年が1人、畑に水を撒いていた

 

 

「……ん?」

不意に視線を感じ後ろを振り向く、だが誰もいない

辺りを見渡すがやはり、誰もいない

 

「気のせいか?」

と、前を向き直した

 

その時

 

「だーれだー♪」

目の前が真っ暗になった

 

「…………幽香さん」

そう答えたが

 

「…………………」

反応がない

 

 

「………はぁ…」

少しため息を吐き青年は言い直す

 

 

 

 

 

 

「ゆう()…でしょ?」

そう言うと視界が解放され明るくなり

目の前によく知ってる人物が現れる

 

「はい、正解〜♪流石♪(はな)ちゃん♪」

 

風見 幽香である

 

もう一度念の為に言う

 

 

 

 

あの風見 幽香(かざみ ゆうか)である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

( ºωº )どうしてこうなった?

 

 

 

 

 

 

 

幽香と出会ってあれから十年の月日が流れた

 

幽鬼も身長が伸び、声変わりもした(保護されたのが約五歳位)

しかし、身長は少しだけ幽香に負けているが…(今1番幽鬼が気にしている所)

それなりの高青年に育っていた…

 

 

 

 

 

しかし、変わったのは彼だけでは無かった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もうダメでしょ?お昼にはちゃんとお家に戻らなきゃ…お昼ご飯はちゃんとお家で一緒に食べるのがルールでしょ?」

 

そう両腰に手を当て、顔を覗き込んでくる幽香がいた…

 

 

 

 

 

何があったんだ…

 

 

 

 

 

「あ…ごめん、気付かなかった…」

 

幽鬼は幽香に言いながら思っていた

(出会った頃のクールビューティゆうかりんは何処へやら…)

 

幽香の変わり様を見て、遠い目しながら過去を思い出し整理していた

 

 

 

 

(最初の一年目は生活に慣れる為の週間付け見たいな感じで、ハードだったのが…二年目位からだったなぁ…)

 

(基本的な戦闘技術を叩き込まれながら、プラスで向日葵畑の手入れの手伝い…怪我とかしたけど食らいついてやったよなぁ…)

 

(そこから丁度五年目に入る前に異変が起きて…それが吸血鬼達による幻想郷侵略で、後に「吸血鬼異変」と呼ばれる奴がねぇ…)

 

(その時、やっと今の幻想郷の時代の流れがわかったし…はぁ…)

 

(やはり、ゆうかりんも戦力で異変に召集が掛かってたみたいだけど…本人は乗る気では無かったらしいんだけどさ…向日葵畑に吸血鬼の息がかかった妖怪の軍団が来て、向日葵畑の花々が荒らされかけてたんだよなぁ…)

 

(まぁ…その時、手入れをしていた俺もそいつらの攻撃食らって怪我をした訳で…大袈裟に血が出るだけの軽い切り傷程度だったけど…その…まぁ…はい…)

 

(ゆうかりんの恐さを改めて再認識しました…はい…)

 

(同時に自分がゆうかりんの保護対象になっている事が分かってしまった瞬間でもあったよ…それは、やってきた妖怪達を一瞬で蹴散らし、妖怪達が踏み入って、少し荒れてしまった部分を秒で直し…すぐ様、俺を家に連れて帰ったと思ったら…いつもより大袈裟な手当てを受けました…)

 

(今までも、ゆうかりんと過ごしている中で怪我とかした時は手当てしてもらったりした事はあるが…軽いかすり傷とか自分で出来る手当ては自分自身にやらせてたけど…あの時は違った…)

 

(そして、大袈裟な手当てを施した後「少しゴミ掃除をしてくるから、留守番していなさい…」と言われ、そのまま何処かに行ってしまったんだよねぇ…)

 

(まぁ、異変の対処に行ったんだろうと分かったんだけど…家から出る時の…ゆうかりんの目は…うん…辞めとこ…オレハナニモミテイナイ…)

 

(次の日の朝…血まみれのゆうかりんが帰ってきた時、普通に恐かったのを今でも覚えている…忘れる事はないだろ…あれは…)

 

(満面の笑みで起き抜けに「お掃除に時間掛かっちゃったわ…」って言われた時のインパクトが凄いのなんのって…)

 

(脱線したがどうやら…ゆうかりんの他にも声が掛かっていた人達と解決したようだった…その人達とは何れ会うことになるだろうね…)

 

(で…その時の吸血鬼異変の首謀の砦が紅魔館らしいけど…深く関わって無かったらしく、勝手に着いてきた奴らがおっぱじめた話で頭の名前を貸しただけらしい…)

 

(まぁ、彼女達の真の目的はただの移住だった話だしね…)

 

(長くなってる…まぁ、その半年位後に「スペルカードルール」が作られて幻想郷中に通達が来たんだっけか?)

 

(正直…色々ありすぎた…まぁ、ゆうかりんと弾幕ごっこを練習したりして少しは上達してるけど…正直弾幕ごっこは苦手だなー)

 

(妖精位には勝てるけど…やっぱり苦手…まぁ、ゆうかりんにも何故か無理しないよう言われた後に苦手な事を素直に話したら、何故かゆうかりんが率先して弾幕ごっこを吹っ掛けてくる奴らの相手をする様になってたな…まぁ…秒で消し炭になってたな…)

 

(まぁた…話が脱線したよ…まぁ、残り五年半はズルズルと過ごして来た感じだしなぁ…まぁ、ゆうかりんに呼び方を変えてくれって言われた時は驚いたけどね…「私はこれから華ちゃんって呼ぶからね」って言われた時は…うん…びっくりした…ゆうかりんに呼び方を納得させるまで2日かかったけどね…)

 

(後は…1つだけ言えるのは…ゆうかりんさ…何処で間違ったんだろうね……)

 

 

 

 

 

(過保護すぎるんですけど!!)

 

 

 

癖が強いんじゃ!!

 

 

(イヤ、アノネ?確かに五年半ズルズル過ごしたとは言ったけどね?…何処がキッカケになったか分からないし覚えてないけど、めちゃくちゃ過保護ゆうかりんになってしまって、今もそうだけどお昼は必ず家で食べるとかいつの間にか謎ルールが幾つか出来て…それらを守らないと…)

 

 

 

(夜寝る時に添い寝が確定するんだよね…あ…やべっ…お昼ルール破ったから確定してもた…)

 

(うわぁ…嬉しいけど…めちゃくちゃ悶々するんだよぉー!絶対ゆうかりん…知っててしてるでしょぉ……あぁ…)

 

 

 

 

長い事考えていたが結局は一瞬の事である

そして一通り記憶を整理した幽鬼は…

 

「ハァ…」

ため息をした

 

「あら?華ちゃんどうしたの?」

先程の体制のまま聞いてくる幽香

 

「いや…考え事してただけだよ…」

そう静かに答える

 

「考え事?何か悩んでる事があるの?」

首を傾げて心配そうな顔してくる

 

「あ、違うよ…考え事って言うより…ちょっと昔の事を思い出してただけだから大丈夫だよ」(ニッ

薄く笑みを浮かべ答える幽鬼

 

「そう…何かあったらちゃんと言いなさいね?じゃぁ…早くお昼ご飯を食べましょう?ほら、早く来なさいな♪」

幽香はそう言いながら幽鬼の手を取り繋ぎ、歩き出す

 

「だぁ!ちょっと!引っ張るなよぉー!歩けるからー!」

手を引かれながら幽鬼は後を歩く

 

「駄目よ♪華ちゃんを何時までも私が面倒を見てあげるって約束したし、今回のルールを破った罰の1つでもあるのよ♪」

 

「そんなルールと約束あったかぁっ!?」

 

こうして手を引かれたまま、2人は家に戻るのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰も居なくなった場所に一人姿を表す

 

「ふむ…やはり幽香のあの変わり様は異常だ…」

 

主である八雲 紫の命により、二人の様子を観察していた八雲 藍であった。

 

「しかし、あの人間…いや…青年には異様な気配は感じないのなら…脅威ではないのか…?」

 

そう言ったもの納得がいかない藍

「だが…普通ではない…あの身体に流れる霊力と…神力…何故ただの人が…紫様は今は大丈夫だと仰っていたが…」

 

「幽香の奴もそこに気づかないはずは無い…気づいているからこそなのか…しかし、それとこれとでは関係があるのだろうか…?」

 

謎が深まるばかりで答えが見つからないのが現状である

 

「あの青年の持つ力と…何かの能力なのかもしれないが…憶測に過ぎない…」

ひとまず考える事を一区切りつけ藍

 

「今回の事も報告しなければ…」

スキマが開かれる

 

「しばらく観さして貰おう…謎多し青年よ…」

そう言い残し藍の姿はスキマに消えた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あやや♪面白そうなネタがありましたねぇ♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

そこに第三者がいた事に気づかずに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

縁は広がり、繋がり、結び続ける

 

 






( -ω- `)フッ……なっげっ…
ボクは主人公の成長記を書くのはできましぇん!!
アタマノナカガ〜!ヘンダカラ!イッショウゥ!!


と言うの分からないネタを挟みましたが取り敢えず
幽香の変わり様が凄いです
まだ…終わらんよ!(`・ω・´)キリッ



ここまで読んでくれてありがとうございました!


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孤独だった花の妖怪(日記)

サブタイトル久々に書いた気がする……

今回は幽香視点中心です

どうして彼女が変わったのか書いていきたいです

(´・ω・`)ちゃんと書けてるか不安…


これはとある孤独な花の妖怪の日記

 

 

○月✕日

今日から日記とまでは言わないが残そうと思う

まぁ…何か変化があったら残すだけだと思うけどね

今日から人間の子供を家に住まわすことになった

私自身も驚いてる、人間の子供に興味を持つなんて

何故か放っておけない感情が出てきた、不思議な気まぐれもあるものなのね

たまたまかもしれない

まぁ、手が増えたと暇つぶしが出来たと思って様子を見ましょう

どんな時にどんな風に育ち咲くか、それとも育たず枯れるか楽しみね♪

 

 

 

 

 

☆月◻️日

あの子供はまだいる…前の日記から一年経ってしまっていた

私達妖怪の一年はあっという間だけなのは当たり前だけど。

何なの、いつもと何か違う、確かにあっという間だった

有り得ない、この私があの子供と過ごしていたのを楽しんでいた事に

気まぐれ、ただの気まぐれよ

明日から戦闘技術を叩き込む

この世界ではほのぼのと生きていけるのは人里だけ

ここは私の住処…人里のルールは適用しない

潰す勢いで叩き込む

それで着いて来れなかったら、捨てるだけ

もちろん、あの子達の世話もさせながらね

 

 

 

 

 

☆月◆日

有り得ない、あの子…霊力だけではなく神力ももっている

霊力はなら人間が持って産まれるのは稀にあるけど

驚いたわ、だから、あれだけ叩き込んだのに立ち上がってきたのね

何なの、この高揚感…分からない、考えられない

何故…私は…

 

 

 

 

 

 

 

 

◻️月◎日

あれから5年が経っていた

すっかりこの日記を忘れていた

幽鬼はまだこの家にいる

けど、忘れる程…私は幽鬼と過ごす事を楽しんでいたのか

今はまだ昼間、部屋の片付けをしていてこの日記を見つけたので書いている

まぁ、一人で過ごしていたの時よりかは楽しい

後は最近、久々にきな臭いスキマ妖怪が顔を出てきた

幽鬼はその時いなかったけど、勘づかれてる

ニヤニヤしながら話してきて、凄く腹がたった

だけどその後に何やら外から来た奴らが侵攻仕掛けてくる様子が見れたらしいから警戒をしとく事と万が一戦闘になったら戦力として参加してくれと言われた

全くこう言う時だけ来るのは迷惑な話

ここは幻想郷でも外れてる場所にあるし、暫くは大丈夫だとは思う

今日はクッキーが美味しく焼けたからティータイムにでも出そうと思う

幽鬼は今畑の端の野菜畑に

 

 

 

 

 

 

 

◻️月○日

やられた、迂闊だった

これを書いてる途中に外から花達の悲鳴が聴こえた

その方角が幽鬼がいた野菜畑だった

すぐ様向かい確認した

ゴミ共が私の敷地に入ったあげく

幽鬼に怪我をさせた

私はそれを見た時、怒りが込み上げた なぜ?

不思議だった、花々に対しての仕打ちに怒りが出たのもあるが

それ以前に目の前で血を流して倒れていた幽鬼を見て私は死んでしまったと頭によぎった時

一瞬目の前が真っ白になった

取り敢えず怒りの原因のソイツらは片付けた

幽鬼も意識が戻って起き上がった時は緊張感が抜けた

万が一の事もあり家に連れて帰り手当てしてあげた

その後は奴らの本拠地に向かってゴミ共を片付けに向かった

他の連中も来ていたが私には関係無かった

最終的に私達は片付けた、首謀者以外は全て片付けた

しかし首謀者は名を貸していただけの看板だった

移住が目的だったらしいが、はた迷惑な余興だった

スカイだか…レルリラだとか名乗っていたが関係ない

早く幽鬼の顔を見たかった

うだうだと何か話ていたが私には関係なかった

何故か私に話題を降ってくるのがしつこかった

結局朝帰りになってしまった

起きていた幽鬼と挨拶かわしたから満足した

今は疲れたからこの位で休もう

 

 

 

 

 

◻️月◇日

私は気付いた

今まで一人だったのに慣れていたから気にしなかったが

この間の事を考え直したり、この日記を読み返してみたりして確信した

私は初めて恐怖したのだ

恐怖…花々以外に人間である彼を失う事を

幽鬼と一緒に過ごす事が当たり前の日常になっていた

幽鬼を失うという事、あの頃の一人の自分に戻ってしまう事がとてもじゃ無いが考えたくなかったが

考え出したら止まらなかった

寂しく、悲しく、一人でいるのが恐くなる

でも、彼は人間

私とは生きる時間が違う

でも妖怪にはさせたくない

だからこそ今いるこの時を大切に守っていく必要がある

余計な所で死んで欲しくない

天命を真っ当して欲しい

最後まで見届けたい

前の私じゃ、考えられない答えだが

今の私は人間である彼を精一杯生かしていく

だから支え、守り…そして見送る

言われたからでは無い

これは私の意識であるから

幽鬼は脆いから私が見てあげなきゃダメ

もう無理して戦わせないでおこう

花々と同じく私が愛を注ごう

誰かに渡そうとは思わない

 

彼は私のモノだから

 

 

 

 

 

 

 

 

×月☆日

あのくだらない事から半年が経った今日

新しい戦闘のルールが出来たとアイツ()から聞いた

スペルカードルールと言うのごっこ遊び

舐めてるのかしら

っと前の私なら言うはずでしょうね

だけど今は違う

人間でも妖怪と勝負して勝てる戦い

生死を問わない戦い

前の私ならそこまで興味を持たなかったでしょう

本当に私にとってのお遊びになっていたはず

今回の報告は感謝しているわ

早速、幽鬼と一緒に練習をしなくちゃ

習うより慣れろって言うしね

明日が楽しみね♪

 

 

 

 

 

×月◇日

幽鬼はスペルカードルールすなわち弾幕ごっこが苦手だと今日言ってきた

私から見ても筋はいいと思うのだけど

ちゃんと霊力を練れてるし、しかも多少の神力が混じってる

おかげでそこら辺の中型妖怪を倒せる弾を撃ててるのだけど

まぁ、無理はさせないわ

私が変わりに弾幕ごっこすればいい話だから♪

しかも幽鬼は優しい子なのは私も知ってるし花達皆も知ってる事だから仕方ない事なの♪

書いてない時期の方が多いけど過去の頃の私がが今の私自身を見たらどんな反応するか想像しちゃう事があるの

過去の私に伝えられるのであれば今は複雑な気持ちもあるけれど私は幸せ、楽しく過ごしているわ

後は、幽鬼の態度をそろそろ変えさせようと思うのだけどね

手始めに呼び方を変えて見ましょう

呼ばれ方も考えておこうかしら

 

 

 

 

「幽鬼の新しい呼び名」 作 幽香

 

評価 ◎ ○ △ ×

 

 

風の部分 取り 「ふうちゃん」△

 

華の部分 取り 「はなちゃん」◎

 

幽の部分 取り 「ゆぅちゃん」△「ゆっちゃん」×

 

鬼の部分 取り 呼び方が難しい なし ×

 

「幽鬼に新しい呼ばれ方」 作 幽香

 

 

評価 ◎ ○ △ ×

 

 

母さん ◎◎◎○

 

ママ ◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎

 

姉さん ◎○○○○○

 

幽香 ◎◎◎◎◎

 

ゆうかちゃん ○○

 

「幽鬼自信に考えさせる」←(コレでいい♪

 

 

やっぱり幽鬼に考えさせる事に決めた

明日が楽しみ♪

 

 

 

 

 

×月◎日

生まれて初めて我儘を言ったかもしれない

華ちゃんに呼び方を変えて欲しいと言ったら

固まって驚いていた

可愛かった♪

それでいよいよと思ったけど納得行かなかったから持ち越しになっちゃった

今もリビングで凄く悩んでる、頭を抱えてね♪

ついでに色々とお家ルールを作りましょう♪

畑のお手入れも楽しいけれど、コレを考えるのも楽しいわね

 

 

(一部抜粋)

 

 

「お家ルール(華ちゃん限定)」 作 幽香

 

1・必ず家に帰ってくる事

(私と一緒なら夜出掛けても良い「向日葵畑限定」)

2・向日葵畑にいる時は朝、昼、晩はちゃんと家でご飯を食べる(私と一緒ならお外で食べても良い)

※私が呼びに来たりしたらアウト♪一緒にいたらセーフ♪

3・私(花達)の目が届く範囲にいる

※万が一出掛ける時は事前に話すこと(今の所無いが一応)

 

 

 

 

以上のルールを破ってしまった場合

その日の夜は一緒にベットで寝ること

 

今の所はコレだけ、ここから増やしていく予定

 

 

 

 

 

×月✧日

あれから2日経って華ちゃんが私の呼び方を決めた

凄く考え込んでいて最終的にゆう姉と言うのシンプルな呼び方にすると言ってきた

ママでもいいのよ?って言ったら

勘弁してくださいって土下座されちゃった

そんなに嫌なのかしら?

華ちゃんにとって私は親では無いからしょうがないのかも

でも敬語は辞めるからと言われて許しちゃった

顔を赤めて話してくる華ちゃんはたまらなかった

毎日が楽しい

 

 

 

 

 

 

 

 

♡月◎日

また疎かになっちゃったこの日記

最初のページから十年経った

華ちゃんも人間の歳だと15、6 だと思うのだけど

正確な歳は分からないからちょっと困る

凄く垢抜けて話すようになってからより華ちゃんが手放せなくなった

そろそろお昼なのに帰って来ない

またあの子達のお世話に夢中になってるのかも

でも、今回で百六十回目の添い寝ね♪

華ちゃんに抱きつきながら寝ると暖かくて心地がいい

そろそろルール破りの悪い子をお迎えにいきましょう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

窓辺に置かれた日記は風でめくれながら閉じられる

窓の外には鼻歌を歌いながら愛しい子を迎えに行く

花の妖怪の後ろ姿が

彼女は孤独な花の妖怪では無い…

 

 

 

 

 

 

 

今を楽しく過ごす普通の女性

 

 

 

 

 






(°Д°)長くなったぁぁ!!
誤字とか気をつけて書いてますが
( ̄▽ ̄;)絶対あるな…
( ´•௰•`)日記風に書いてみましたが…なってるのか分かりません

幽香の心境の変化とかを書きたいと思って書いた物なので色々欠けているところがあると思いますが
ご了承ください

ここまで読んでくれてありがとうございます!


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過去編・新天地での過ごし方の苦悩


しゃぁ!!
今回は初登場!紅魔館側の目線です!!

裏付けがちゃんと出来てるか不安ですが!
どうぞ



(゜Д゜)あ…最後らへん少しグロ注意です!!


 

 

幻想郷にある湖の畔

 

霧のかかる湖の畔に突然現れた紅く染まる建物

 

趣味の悪い建物と見た人は誰もが思うだろう

 

その建物の名は

「紅魔館」

 

「ここが噂の幻想郷ね…」

 

紅魔館のテラスから外を眺める少女が二人

 

一人はその背中からコウモリの羽が伸び

ピンク色のナイトキャップと同じ色のドレスを来て

水色の髪色でウェーブのかかったセミロング

一見普通の少女に見えるが彼女がこの紅魔館を統括する主

 

運命を操る程度の能力をもつ

 

幼き葵い月

 

レミリア・スカーレットである

 

 

 

「思った以上に簡単に入れたわね…ねぇ…パチェ?」

そう後ろに立っているもう1人の少女に声をかける

 

「レミィ…簡単ではなかったわよ…何個も呪文を組み直してやっと抜け道を切り開けたのよ…想定外の奴らも来たしね…この世界の結界は相当な代物よ…」

 

そう答えるのはこの館の居候

紫色のロングヘアにドアキャップに似たZUN帽を被り、月の飾りが着いている

紫と薄紫の縦縞が入ったゆったりとした寝間着のような服を着る少女

 

数少ない紅魔館の主の友人兼相談役

紅魔館の地下にある大図書館の管理人

 

火水木金土日月を操る程度の能力

魔法を使う程度の能力(主に属性)をもつ

 

動かない大図書館(紫もやし)こと

 

「誰が!?動かない紫モヤシよ!?」

 

「え?パチェ?」

 

パチュリー・ノーレッジである

 

「どうしたの?パチェ…いきなり叫んで…」

友人として心配そうな顔で聞いてくるレミリア

 

「な…なんか馬鹿にされた気がして…」

 

「パチェ…貴女疲れてるのよ…休んでなさい」

無理をさせたのだろうとレミリアは反省しながらそう言う

 

「そ、そうね…なれない呪文を使ったからかもしれない…休ませてもらうわ…レミィ、後はお願いね」

そう言い残すとテラスを後にして、自分の部屋に戻る

 

一人残されたレミリアはテラスからまた外を眺めていた

 

「誰かしら?」

突然レミリアが鋭く言う、すると

 

「お寛ぎ中失礼致します…レミリア嬢」

一人の吸血鬼が現れる

 

「レディの部屋にノックも無しで入るなんてとんだ不届き者ね…」

睨みつけながら、その吸血鬼に言う

 

「は!!申し訳ございません!御無礼をお許しください」

深々と頭を頭を下げる

 

「まぁ…いいわ、普通は首を跳ねるのだけど…今日は機嫌がいいの…今回は許してあげるわ…次は無いわよ?」

殺気を出しながら静かに言うレミリアは見た目によらず、正に館の主という肩書きだけではなくカリスマ性を持っているようだ

 

(※カリスマ性がカリちゅま性になるのはもう少し先の話)

 

 

 

「は!有り難き幸せ!」

命のやり取りをする吸血鬼達にとってこの流れは当たり前なのだ

気に食わなければ亡き者にする…退屈であれば殺し弄ぶ…

 

(私はくだらない奴らとの関係()を切りたかった…)

(新しい生活にこいつらはいらないのに…何処で知ったか…一部のハエが着いてきてしまったわね…)

(どうせこの世界の支配するとか言いに来たのね…ん?)

その時、目の前の吸血鬼の運命を通して見えた…

(こいつ…いや、着いてきたハエ共は…ふふ…そう…)

レミリアが軽く微笑むと

 

「して、レミリア嬢…我が主導者よ…我々…ついてきた物達は貴女様に心から感謝しております!」

吸血鬼が坦々と述べる

 

「そう…」(社交辞令を通しての、侵略提案ね)

 

「その感謝の印を形にするべくこの場所を…いえ…この幻想郷を貴女様に捧げる為…我々はこれから侵攻を開始致します」

 

レミリアが思った通りに目の前の吸血鬼は述べた

 

「そう…それならここの世界にいる人間達は残しときなさい…先ずは遠方に広がる輩達を倒すか引き込むかした方がいいかもしれないわねぇ…」

レミリアはワザと口にしながら言う

 

「は!レミリア嬢の提案を有難く受け入れ実行します…しかし、何故人間達は残すのでしょうか?あの物達は弱い存在先に消してしまった方が…」

 

黙りなさい…

先程より殺気を増し増しで言い放つ

 

「!?」固まる吸血鬼

 

「貴様は馬鹿なのか?私が後にしろと言っているのよ?じゃないと私の楽しみが無くなってしまうじゃない?」

 

「申し訳ございません!レミリア嬢の遊具にするとは気づかず!かしこまりました!人間達はレミリア嬢の手でお願い申し上げます」

 

「そうそれでいいの」

(貴方達が人間達消したりしたら新しい交流が出来ないし、住めなくなるわ…貴方達には人間より先に消えてもらうからね)

 

と考えていると吸血鬼が

 

「その故、レミリア嬢にも微力ながらお力をお借りしたいのですが…」

しかしレミリアは

 

「私達は手は出さないわよ」

キッパリ言った

 

「そ、それは何故でしょうか!?」

驚く吸血鬼に対してレミリアは言う

 

「貴方さっき自分で言ったこと忘れたのかしら…私の為に捧げる供物をどうして私が取りに行かなければならないのかしら?」

 

「そ…それは…」

たじろぐ吸血鬼

 

「私に捧げるのであれば貴方達だけでやりなさい、まぁ…名乗る時位に名を貸してあげるわ…」

 

「し、しかし…」

納得の行かない吸血鬼しかしレミリアは先の運命を知りこう言う

 

「そうねぇ…なら、貴方達だけでこの幻想郷を支配出来たら…スカーレットの名を与えるわ

レミリアは静かに言う

 

「誠で御座いますか!?」

驚く吸血鬼

 

「私が偽りを言った事があるかしら?」

 

「いえ!滅相も御座いません!必ず我々の手でこの世界を落とし!レミリア嬢に捧げましょう!!」

吸血鬼は見るからにヤル気を上げて言う

 

「そうなら、1つだけ教えてあげるわ」

と言うと一点の方向を指差し

 

「あっちの奥の方にとても不吉な予感があるから先に潰す事をオススメするわ」

と吸血鬼に言うと

 

「ご助力感謝致します!では、先にそちらを潰して参ります!失礼を致します!」

姿が無くなり気配も消えた

 

レミリアが指差した方に言ったのだろう

幾つかの気配がそちらに向かったのを確認した

 

「ふふ…それでいいのよ…」

不敵に笑うレミリア

 

その時ドアがノックされる

「開いてるわよ」

 

するとドアから一人入ってくる

「失礼いたしまーす、お嬢様?」

 

紅いロングヘアでメイド服を着ている女性が

 

「あら、美鈴どうかしたの?食事の時間にしては早いわよ?」

 

レミリアが美鈴と呼ぶこの女性は人間に見えるが妖怪である

紅魔館の主であるレミリアに仕え、門番兼メイド長をしている

 

気を使う程度の能力をもち

 

華人小娘

 

名を紅 美鈴と言う

 

「いやぁ…ははぁ♪そうなんですけど…あの〜…」

聞きずらそうに喋り出す

 

「ふふ…もしかして盗み聞きかしら?」

微笑みながら

 

「ひゃえ!?す、すみません!?」

どうやら図星のようだ

 

「大丈夫よ、貴女は家族なのだから首なんか跳ねないわよ…安心なさいな?」

美鈴の傍に行く

 

「し…しかし、お嬢様…あんな約束して良かったんですか?」

心配そうに聞いてくる美鈴

 

「ん?約束?」

首を傾げるレミリア

 

「さっきの勝手についてきた人達の1人に言ってたじゃないですかー!(スカーレットの名を与える)ってー!」

レミリアのモノマネを挟みながら言う美鈴

 

「美鈴…減俸ね♪」

 

「なぜぇ!?」

 

「安心なさい…スカーレットの名は安くは無いわよ…それにアイツらに与える所か貰えないもの♪」

落ち込む美鈴に言うレミリア

 

「運命ですかぁ?」

 

「そうよ♪そう言う運命()なの♪…だから、深く考えなくても大丈夫よ♪」

 

「考えるとしたらこれから来る客人達に対してのおもてなしかしらね?ほら、美鈴?準備なさいな」

 

「はーい、分かりました」

 

「そういえば…あの子の教育はどんな感じかしら?」

 

「凄いですよー!1回、2回教えただけでほぼ完璧に仕事を覚えていますよー!」

 

「今回の来客の接待は貴女中心であの子は少し控えさせてね?」

 

「ありゃ?そうですか?」

 

「ちょっと今回は癖の強い客人達だと思うから」

 

「分かりました!そうします!」

 

 

そう言いながら二人は部屋のドアに近づき

 

「ねぇ?美鈴?」

 

「はい、なんでしょう?」

 

レミリアは微笑みながら

 

「お茶菓子は美味しいのを沢山お願いね♪」

 

「かしこまりました♪レミリアお嬢様♪」

美鈴も笑顔で答える

 

ドアが閉じられ部屋は静かになる

 

これから少し騒がしくなるのは

 

また別のお話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レミリアに助言を貰った吸血鬼達が向かった場所

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

太陽の畑

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「き、聞いてない!!こんなの聞いてないぞ!!」

 

森の中を走る吸血鬼と妖怪達

 

「知るか!とりあえず!戻るぞ!」

 

必死に来た道を戻って行く

 

「クソが!!あの吸血鬼の話上手いなんかきかっs…ぶぇっ!?」

「おい!どうしsッ!!ぐぎゃぁっ!!」

その数は確実に減っていく

一人また一人と…

 

 

 

 

そうして残ったのは…

 

 

 

「ハァ…ハァ…チクショウ…何が不吉な予感がするから先に潰せだ…最悪の固まりじゃねぇか…あのクソチビ(レミリア)め…」

 

あの吸血鬼だ…レミリアの話に踊らされ、欲に負けた

 

「クソが…ガキの一人が畑にいただけだと思ったのに…なんなんだ…あの(バケモノ)…聞いてた話と全然違うじゃねぇかぁ!!」

 

彼は忠義とか恩をレミリアに持っていたわけでなく自分の欲望…すなわち力を欲した…

 

「あのガキに使えてりゃいつか…交わり…名を奪えたと思ったのによ…」

しかし彼はスカーレット名を餌にされ

 

今ここで

 

 

 

彼の命の運命()が終わる

 

 

 

ガサッ…

 

「っ!?」(ビクッ

物陰から音がし、顔を向けるとそこにはあの(バケモノ)がいた

 

「ふふっ…みぃ〜つけぇたぁ〜♪」

前身返り血で紅く染まり…片手にもつ日傘は真っ赤に染まっている

 

「あぁ…あ…あぁ…」

吸血鬼は動けなかった…いや…絶対的強者を前にして逃げる事を考えられなかった

 

「ふふ…ふふふ♪フフフフフ♪

ゆっくりとゆっくりと距離をつめる(バケモノ)に対して吸血鬼は為す術もない

 

 

ドスゥッ!!

 

「ぐぎゃあぁぁぁぁぁぁ!!」

吸血鬼の腹に日傘が刺さり悲鳴をあげる

 

「直ぐには、殺らないわ…たっぷり遊んであげる♪」

血に染り、狂気に満ちた笑顔で言う(バケモノ)

 

すると吸血鬼が

「い、いの…いのぢだげは!だずげぇてぐれぇ!!…な、なんでぉもぼ!じ、じぃっている事をはなずがら!!」

 

ズボォッ!!

 

「ぐぅあぁあ!!」

日傘が抜かれ悶える吸血鬼

 

「ハァっ!…ハァっ!!コブっ!、お前のどころに差し向けたのはレミリア・スカーレットって言うクソガキだぁ!」

 

「や、奴はこ…この世界に…い…移住する為…に来て…ハァ…ハァ…グフッ…おれは…それに…着いてきただけだぁ…!!」

 

「あ…アイツは…まだガキだ…物あたえりゃ…シッポをふると思ってたのによぉ…!!」

 

「なぁ…アンタ…俺と組まねぇか?その強さがあれば…あんなガキ一発で葬れる…そうすれば…オレは!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「五月蝿い、黙れ」

 

 

 

 

 

 

その瞬間

 

 

 

 

 

ザシュッ!!!

 

 

 

 

 

日傘が横を切り

 

吸血鬼の頭が飛んだ

 

「耳障り…何を言ってるのかしら…私のモノを傷つけた時点で決まってたのよ…」

 

鮮血が吹き出る吸血鬼の身体だった物に日傘の先を向け

 

 

「ゴミの運命()はね…」

 

閃光が日傘の先から放たれる

 

しばらくして光が消え、そこには何も残っていなかった

 

 

「レミリア・スカーレット…ね…」

彼女は先程の吸血鬼が言った名を復唱した

 

「もう少しゴミ掃除がかかりそうね…感謝しなさい…紫、少しお掃除を手伝ってあげるわ…」

 

あらかじめ聞かされていた場所に向かう

 

 

「早く終わらして、帰りなきゃね」

家で待つ愛しい子を思いながら、彼女は歩き出す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

運命()は繋がり、混じり合う

 

 





いやぁ…本編進めたいけどまだだ!
次回はどうやって吸血鬼異変が終わったか書いていきます!


( ̄▽ ̄;)いやぁ…書いてる時が1番大変ですね





ここまで読んでくれてありがとうございます!


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過去編・おさまる異変、かき乱される現状、混じり合う縁


( -∀-)さぁて♪今回の〇〇ェさんはぁ♪

亜麻乃です、最近めっきり寒くなりたしたね
所で私は最近花粉症と一緒に虫歯も悩まされてるんですよ
いやぁ…でも寒くなると痛むって本当辛いですよねぇ?

(*`・ω・´)そんなわけで今回のお話の流れは

1 妖怪の実力者集合

2 あっさり終わる異変

3 目を付けられる一人の少年

の三本です♪

今回も楽しんでくださいね♪


ネタッギレッそうッ!!うふふふふぅ〜♪


※分かる人はそのテンポで読んでみてください



 

 

霧の湖が見渡せる丘の上に立つ女性

口元を扇子で隠しているがその目は険しかった

 

「やっぱり…動き出したわね…」

 

幻想郷の管理人・妖怪の賢者

八雲 紫

 

「紫様…お連れしました…」

背後からスキマから姿を表す九尾の妖狐

 

妖怪の賢者の式

八雲 藍

 

そして他に二人後から続く

 

「全く…地底にわざわざ私を呼びに来るなんてねぇ…良いのかい…?」

一人目は金髪のロングヘアで頭に一本の角が伸び

いかにも人だは無い雰囲気をもつ彼女は

 

妖怪の山の元山の四天王

語られる怪力乱神

 

怪力乱神をもつ程度の能力をもつ鬼

 

 

 

星熊 勇儀である

 

 

 

「ニャハハっ!!そう心配すんなって勇儀〜♪あくまでも地底と地上の関係だろぉ?喧嘩なら場所は関係ないだろぉ♪」

そう笑い飛ばしながら変な理屈を語る人物

 

彼女も同じく人では無い

頭から二本の角が伸びて

その腰には瓢箪をぶら下げている

見た目は幼いが何百年も生きていて

 

勇儀と同じ元妖怪の山の四天王だった実力ある一人

 

 

小さな百鬼夜行

 

 

密と疎を操る程度の能力をもつ鬼

 

 

 

伊吹 萃香である

 

 

「はぁ…全く、萃香…お前も同じ地底にいただろうが…忘れてる訳じゃねぇよな?」

 

呆れながら萃香に言う勇儀

 

「ニャハハ♪私は出たい時に出る!戻る時に戻る!それくらいが性に合ってんのさぁ♪」

そういって瓢箪を空けて呑み始める

 

「ぷはぁっ!かー!うまぁー♪」

呑気に飲兵衛を始める萃香

「やれやれ…所で賢者様よ…私らだけでやるのかい?」

呑んでる萃香を取り敢えず放っておき勇儀は紫に声をかける

ゆっくりと紫は振り返り

「いいえ…一応もう1人声は掛けといたけど、やはり興味が無いのか…後はdッ…(余計なお話は辞めてくれないかしら?)

「あらっ?」

「うっ…」

「へぇ…(ニヤッ」

「うぃ…?」

静かに響く声にそれぞれ反応する

そちらに顔を向けると

既に身体中に返り血がかかり、持っている日傘は先端が紅く染まっている

 

「こんな所でまだ、のうのうと立ち話をしているかしら?」

返り血に染まる髪の間から紅い鋭く光る目が覗く

 

「ふふっ…もう既に始めていたのね…幽香?」

相変わらずきな臭い雰囲気を忘れずに後から来た彼女にそう言う

 

「黙りなさい…私は気に入らないゴミを掃除しただけよ…」

紫に対して殺気を放つ

 

「!?っ」(バッ!!

自分の主を護ろうと前に出る藍

 

「大丈夫よ…藍、ありがとう♪」

藍の前に出る紫

「し…しかし、紫様…」

「ふふっ♪心配性なんだから♪大丈夫よ♪」

藍に対して優しく言う紫

 

「ニャハハ♪喧嘩か♪やるなら私もまぜろぉー♪」

呑み続けていた萃香が幽香の殺気に反応する

 

「あんた、いい殺気だすなぁ…どうだい?私と一発拳を交えないかい?」

勇儀もピリピリした殺気を受けて血が騒ぎ興奮しだす

 

やはり鬼は闘いに燃える種族である

 

「はいはい、それはまた次の機会にしてくださいな…」

そう場を静めさせる紫

「取り敢えず…幽香が言う通り先に片付ける事がありますので…」

そう紫は霧の湖の畔に立つ建物を指し

「あの建物から数は少ないのですが攻撃的な方達がこの世界を侵略する馬鹿げた動きが見えました…まぁ、約一名…既に幾らか片付けてくれた様ですし…後は残りの片付けです」

 

そう説明すると

「なんだい…少ないってそんなにいないのかい?」

勇儀が不満そうに言う

「まぁ…ざっと見積もってコチラで確認した数は外にいる人達だけで200でしょうね…」

と紫は答える

「ふーん…200っかぁ…」

萃香がそう言いながら呑む

「あくまでも確認した数…増えているのは確かよ…」

 

「増えている?」

勇儀が聞く

 

すると…

「確かに元いた奴らも片付けたゴミの中にいたわね…着実にくだらない考え方を持った奴らを引き込んでいる訳でしょうね…」

幽香が静かに言う

 

 

「ニャハハ♪放っとく訳にも行かない訳だなぁ…うぃ〜…さて…じゃ…そろそろ(ギャハハ!!しぬぇっッ…ぐびゃっ!)…とっ…始めるかねぇ〜…♪」

萃香が立ち上がった所に獣の妖怪が襲いかかったが軽くいなし、何事も無かったように振舞っていた

 

「おいおい?開始がそんなんで良いのかい?萃香よ?」

おちょくる勇儀

 

「今のはなーしー、ハエを払っただけだよぉ♪」

肩をグルグル回しながら萃香言う

 

「紫様…」

藍が辺りを警戒し…

「そうねぇ…楽しい立ち話は終わりねぇ…」

すると、二つの影が襲いかかる

「ギャッハァァ!!しぬぇ!!妖怪賢者!!」

「うぇへへ!!喰らい付いてやる!!」

同じく獣の妖怪が襲いかかる…

 

が…

 

「藍?」

静かに名を呼び

 

「はぁぁぁ!!」

藍が飛び出し二匹の妖怪の間を通り抜ける

 

「ギャビっ!?」

「グッビィ!?」

二匹の妖怪は二つに裂かれた

 

「上出来よ♪藍♪」

スキマを使い藍の隣に移動する

「ありがとうございます…紫様…」

 

「でも藍、貴女は神社の方に戻ってあの子の傍にいてあげなさい…」

 

「し、しかし…紫様だけでは…」

紫は微笑み

「大丈夫よ…それに橙だけでは不安でしょ?」

 

「わ、分かりました…紫様も気を付けてください…」

そう言うと藍はスキマに入り、神社へ向かった

 

「さてと…では…行きましょう…」

紫がそう言うと丘のから飛び立つ

 

「よし!私らもひと暴れするかぁ!」

続き勇儀も後に続く

 

「勇儀〜♪どっちが多く倒したか勝負しようー♪」

その後に萃香

 

 

そして幽香は

「あれが…あのゴミが言っていた所ね…何かしら…建物の中から気配はするけど…殺気、覇気が全くない…感じ取られる殺気と行ったら外のゴミ共だけ…」

そう考えていると…

 

\オラー!ヅギダ!/ (断末魔と爆音に混じりながら

 

\ニャハハ!!マトメテキナヨー♪/(以下同文

 

\シュウチャクエキハ…ココヨ…/(電車の音と断末魔

 

「取り敢えず…アイツらと一緒に建物の周りの余計なゴミを片付けましょうか…話はそれからね…」

 

幽香はゆっくりと戦闘音が鳴り響く所に降りていく

 

 

 

 

 

 

 

しばらくすると極太レーザーが戦場を走り

 

ほぼ殲滅が確定した

 

 

 

「「「ちょっ!?おまっ!?」」」

 

\ \ \ピチュチュチューン!!!/ / /

 

あの三人も巻き込んだのは言うまでもない…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場面は変わって

 

紅く染まる建物の門の前に立っている4人の妖怪達

 

激しい戦闘だったのか…一人は返り血まみれで他三人は所々身につけてる服とかが焦げている

 

 

「静かね…」

血まみれの幽香が言う

 

「貴女ね…良く人の事を消し飛ばしておいて、普通にいられるわね…#」

青筋が立っている紫、髪の毛も少しチリヂリしている

 

「いいじゃない…ちまちま倒すより全部まとめて消し飛ばした方が効率がいいでしょ?」

静かに言い返す

 

「せめて私達には!言いなさいな!!」

怒鳴り返す紫

 

「ニャハハ!!いやぁー!凄くいい一撃だった!効いたよ!」

何故か機嫌が良く、テンションが高い萃香

 

「やっぱり、あんた良いもん持ってるじゃないか!やっぱり後で一発殺りあってもらおうかな?」

同じく機嫌が良く、闘争心剥き出しの勇儀

 

「全く…最近性格が丸くなったと思ったら勘違いだったみたいね…」

呆れながら紫は言う

 

「あ?」(ギロッ

幽香が紫を睨みつける

 

「きゃ〜♪睨みつけてくる恐い人がいる〜♪ゆっかりんこわ〜い♪」ぶりっ子する紫

 

「うわっ!?似合わなっ!?(ゴチンッ!!)へぐっ!?」

萃香が紫に殴られ気絶

「ははっ!ざまぁないねぇ」

勇儀は萃香が殴られた事を笑う

 

「貴女は何が言いたいのかしら?」

今までの流れを綺麗にスルー幽香

 

「くぅ…石頭……何が言いたいって…幽香、貴女最近なんか飼ってるわよね?」

片手を摩りながら紫は言う

 

「………」沈黙する幽香

 

「だって…最近頻繁に人里に出向いて、買い物してるそうじゃない…あ、これは私が聴いただけであって見た(監視)訳じゃないから…」

 

「人里の守護者と村の長にウチの藍が言われたのよ…最近、頻繁に人里に現れて食料を買いにくるって…貴女は底まで食料を必要としないから不思議に思ってたらしいわよ?だから、お花以外になんか飼ってるのかって思っただけよ」

 

「別に貴女には関係ない事だわ…」静かに答える

 

「え〜♪そうなのかなぁ〜?」(ニヤニヤ

(あの〜…すみません…)

「何よ…さっきから気持ち悪いわね…」

 

紫をさらに睨む幽香

 

「いいえ〜♪もしかして人間でも拾ったかなぁ〜…なんてね♪」(ニヤッ

 

「…………」

一瞬だけ真顔になる幽香

その一瞬の表情に紫は

 

「あら?図星かしら?」

冗談で言ったのにまさかのヒットに固まる

(すーみーまーせーん?)

紫は幽香に追い討ちをかける

「あらあらあら♪あの大妖怪のフラワーマスターが人間のお世話してるのぉ♪ねぇねぇ♪男?女?歳は幾つ位かしら?あ、聞いて、私にも手のかかる子が出来てねぇ♪でもでもぉ、才能が凄くて、でも何処か素っ気ないのよぉ♪でも、底が良いのよねぇ♪反抗している可愛い我が子に対して親身になって話すって言うのは憧れだったのよ♪ねぇねぇ、そっちはやっpッ(五月蝿い!!(幽香渾身の一撃

 

「あら♪危ない♪」

ひらりと避ける紫

「いてて…何も本気で殴らなくったって、iっグボァッ!!」

意識が戻り起き上がった萃香の顔面にクリィティカルヒット

 

紅い屋敷の壁に吹っ飛びぶつかる

「ぐふぅっ…」(ドサッ

そのまままた気絶する萃香

 

「あ〜あ…後で起こすか…」

呑気な勇儀

 

 

その時…

 

 

「あぁー!!塀にヒビがぁぁぁぁ!!」

メイド服を来た赤髪の女性が頭を抱え叫んでいた

 

「あら?貴女は?」

紫が女性に気づき声をかける

 

「あぁぁあー!お嬢様になんて言えばァァ!」

膝から崩れ落ち_| ̄|○の体勢になる

 

「ちょっと?聞こえてるの?」

再び声をかける

 

「はい…聞こえてます…て言うかコッチから声を掛けてましたよォ!!」バッ!っと顔をあげる女性…涙目である

 

「あ、あら?そうだったの?ごめんなさい、気づいて無かったわ」

申し訳なさそうに言う紫様

 

「で?貴女は何者で、私達に何の用かしら」

幽香は冷静に質問する

 

「うぅ…私の名前は紅 美鈴と言います…この館に仕えるメイド長兼門番を任されています…はい…」

立ち上がり軽く服を整えて姿勢をただし

 

「お客様である皆さんの出迎えとご案内を我が主から仰せ使いました…よろしくお願いします」

綺麗なお辞儀をしながら言う

 

 

「あら…私達は貴女達の侵略行為を止める為に来たの…何故、そんな敵をお客様で通すのかしら?」

紫が目を細め静かに言う

 

「あはは〜…やっぱり、そうなってますかぁ…」

美鈴と名乗った女性は軽く笑い

「あれは我が主の意思ではありませんでした、着いてきた者達の勝手な侵略行為です」

 

しかし、紫は

「そんな言い分を信じろと…?」

 

「いいえ…しかし私から説明するよりも、我が館の主…レミリア・スカーレットお嬢様からの直接の御説明をお聞きになった方が御理解頂けると思います…」

美鈴は静かに言う

 

「私達を敵の砦の中に入れと?身の安否の保証はあるのかしら?」

美鈴を睨む紫

 

「私はレミリアお嬢様に皆様の出迎えと屋敷の中の御案内を仰せつかりました…この意思や命を掛けて…皆様には何も致しません」

美鈴は深々と頭を下げる

 

すると

 

「賢者さんよ、ソイツは嘘は言ってないよ…信じて大丈夫だろ」

気絶した萃香を担いだ勇儀が言う

 

「鬼は嘘を嫌う…ふぅ…わかったわ…信じてあげましょう…但し、警戒はさせてもらうわ…」

鬼である勇儀の言い分を信じて紫は館の中に入る同意をする

 

「はい、構いません」

美鈴は頭を上げて言う

 

すると紫は後ろに目線をやり

「貴女はどうするの?幽香?」

と幽香に声をかける

 

「…私は帰らしてもらうわ…ゴミ掃除は終わったもの…」

幽香がそう言うと美鈴が

 

「恐縮ながら、お嬢様が貴女にもお会いしたいとの事ですので…あの…一目合うだけでもお願いします…」

と幽香を引き止める

 

「私はこれ以上興味は無いわ…後は残った者同士で仲良くすrっ(やっぱり♪貴女もお家で待ってる子が居て心配なんでしょ♪)ギロッ…」

紫が横槍を入れ睨まれる

 

 

すると美鈴が幽香を動かす一言を言う

 

「私はよく分からなかったのですが…貴女にはこう言えと…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(貴女の所の子…欲しくなっちゃう…)と言ってましたが…どんな意味か解ります?」

 

 

 

 

 

幽香の眉間が少し動いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

運命は縁と交わり始める

 

 

 





( ̄▽ ̄;)大変お待たせ致しました!!長くなってもうた…

ので!!
館の中、編は次回に!!

(´・ω・`)最近、矛盾してないか…心配です

ここまで読んでいただきありがとうございます!!


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過去編・新勢力爆誕!!狙われる普通の人間


明けました、おめでとうございました

去年には続きをあげようと頑張っていましたが…

(´・ω・`)いやぁ…社畜ってキツイですね
何とか出来たのであげます

では紅魔館編続きどうぞ!!


 

 

美鈴が言った一言に幽香は反応してしまった

 

 

その瞬間、湧き出る何かが出てきた…

 

しかし、幽香は分からなかった…

 

だか、分からないからこそのムカつきが嫌だった…

 

何故…この館の主が幽鬼の事を知っているのか…

 

いや、それ以前にこんなにも他人の奴らに幽鬼の存在を知って欲しくないという思いが…

 

幽鬼は花々と同じ位置にいる保護対象になっていたが…

 

花々とはなにか違う、花は小さな存在なのに綺麗に咲く健気さと少しでも扱いを間違えると枯れてしまう儚さ…

 

その素晴らしい存在を無下にして欲しくない為に幽香は花々を護り、育ててきた…

 

しかし、幽鬼は…違う…似ているようで…違う思いなのだ…幽香にはそれが理解が出来ないでいた…

 

だからこそ幽香は

 

「いいわ…ひと目会ってあげるわ…」

静かに冷たい声で答えた

 

(あらあら♪うふふ…♪)

その態度を見ていた紫は扇子で口元を隠しながら笑っていた

 

(問答無用で用が終わったら帰るはずの奴が…ふふっ…最近覗きをしていなかったのが裏目に出てたのねぇ…気が向いたら確認しましょう…「その子供」を…)

 

警戒心が強い幽香の探りは時間を掛けてゆっくりする事に決めた

 

 

しかし、そんな事はつゆ知らず美鈴は

 

「ありがとうございます!お嬢様も御喜びになります!」

と深々とお辞儀をした

 

 

「なぁ?お話は終わったかい?いい加減中に入らないかい?」

と、萃香を担いだ勇儀が言う

 

「あ!申し訳ございませんでした!どうぞ!!こちらです!」

美鈴が進行方向に手を伸ばしながら建物の門に進んで行く

 

その後を…紫、勇儀(萃香)、少し距離を空けて幽香で着いて歩く

 

 

館の門から中へ入ると立派な庭が広がっていて、中央に噴水があり、数々の花壇や植木があった

 

管理と手入れが行き届いている綺麗な庭であった

 

「メイドさん…貴女がお世話しているのね…」

 

「えっ!?は、はい!」

唐突に幽香に声を掛けられた返答がうわずる美鈴

 

「あの子達も凄く綺麗に咲けて喜んでるわ…これからも続けてお世話しなさい…」

静かに美鈴に言う

 

「あ、ありがとうございます!もちろん!私がいる限りお世話はしていきます!!」

ニッコリ笑って答える美鈴

 

 

(血まみれなのが凄いアンバランスねぇ…)

二人の会話を聞いていた紫は静かに思った

 

「うー?イタタ…」

 

「お、やっと気づいたか?」

担がれている萃香が目覚めた事に勇儀が気づき

 

「あ〜…えー…あっ…何があったんだっけ?」

意識が朧げで自分の身に何が起きたのか思い出そうと考える

 

「ははっ…不意打ち食らって壁に叩き付けられりゃ、誰でも軽く意識無くなるわな」

勇儀が軽く萃香に説明すると

 

「あぁ…そうだ〜、紫のトバッチリ受けたんだっけ〜…全く…気を抜いてる時はやめて欲しいよ…」

そう言いながら勇儀から降り、瓢箪の中身を飲み始める…

 

「ぷはぁっ!!でも…久々に食らって気失ったなぁ♪」

しかし、何故か嬉しそうになる萃香

 

「あぁ…正直、少し羨ましいよ、いやぁ!喧嘩してみたいねぇ…」

勇儀も美鈴と話している後ろの幽香をチラッと見て言う

 

「ニャハハ♪まぁ、楽しみは取っとくとして」

萃香は建物の方に目をやり

 

「この先のでかい気配を確認するのが先だね〜」

と瓢箪に再び口をつけ、呑み始める

 

 

「あ!度々すみません!こちらです!」

急いで館の入口の扉を開けて向かい入れる

 

「やっとね…」

「うし!」

「ニャハハ♪いい酒あるかな?」

 

「………」

 

 

紫達は紅魔館の中へ入って行った

 

 

 

 

長く続く紅い廊下

中は薄暗く、やはり紅く染まっている

一行は案内されるまま進んでいる

 

「うへぇ…やっぱり中も紅いねぇ…」

辺りを見回しながら萃香は言う

 

「慣れるまで目が大変だな…こらぁ…」

頭を軽く掻きながら勇儀

 

 

ロビーを通り抜け、廊下に入りそのまま薄暗い廊下をしばらく歩いている状況がしばらく続いてる

 

 

「まだ続くのかしら…?」

紫は前を歩く美鈴に聞く

 

すると美鈴が立ち止まって振り返り

 

「ここまで御足労頂きありがとうございます…お待たせ致しました…こちらの扉の奥に我が館の主…レミリア・スカーレット様がいらっしゃいます」

 

そうしてふと前を見ると

 

両開きの大きめの扉が現われていた…

 

「やっと、首謀者とのご対面ね…」

紫の目が鋭くなる…

 

「ニャハハ…いいねぇ…この気配…」

 

「そうだね…ここで肌がピリピリするのは久々だね…」

鬼2人は興奮していた

 

 

「………」

ただ1人幽香は扉の奥にいる存在に対して神経を尖らしていた

 

 

 

 

 

(コンコン…)

美鈴が扉をノックし

 

「誰かしら…?」

扉の向こうから鋭く静かな声が聞こえる

 

「美鈴です、お客様をお連れ致しました…」

答えてしばらくすると

 

「入りなさい…」

と同じトーンで答えがかえってきた

 

「はい、失礼致します…」

美鈴がゆっくりと扉を開き

 

「お客様ではどうぞ中へ…」

扉のわきに立ち紫達にお辞儀をして中に入るよう促す

 

 

 

ゆっくりと紫達は部屋の中に入っていく

 

中は広々としていて同じく紅く染まっている部屋であり、壁にロウソクの灯りが怪しく照らしている

 

その奥の玉座に1人座る幼い少女がいた

 

「ようこそ、紅魔館へ…歓迎するわ…」

「私がこの館の主…レミリア・スカーレットよ」

 

両手を顔の下で重ねてそう答える

 

 

「お招き頂き感謝致しますわ…スカーレット嬢…ご存知かもしれませんが、私はこの幻想郷の管理者…八雲紫でございますわ…」

そう静かに自己紹介をする紫

 

「それと、後ろの者たちは私の協力者であり、先住民の方達ですわ…」

そう言って簡単に勇儀達の事を説明する

 

「フフ…妖怪の賢者…八雲紫…そう畏まらなくても大丈夫よ…むしろ御礼と感謝をするのはこっちなのよ…ありがとう…アイツらを片付けてくれて…」

レミリアは軽く頭を下げる

 

「形はどうであれ…攻撃をしてきたのは貴女方の部下であって何故…御礼を言われるのかしら…」

先程の態度とは別で鋭い目で敵意を向ける

 

「それは説明させて貰うわ…私達の本当の目的は純粋な移住だったの…けど、何処で嗅ぎつけたかのか余計な奴らがついてきたの…奴らは私に使えながら、虎視眈々と私の地位を狙っていたのよ…」

静かに説明し始めるレミリア

 

「でも、ここに住んでいる家族は違うわ…美鈴もその1人よ…だからこそ、そんな考えてる奴らがいる所とは縁を切りたかったのだから奴らが着いてきた時は焦ったわ…」

 

深く息を吐き、しばらく沈黙した…そして

「でも私は運命を見て、奴らの考えてる事を利用させて貰ったの…形はどうであれ…奴らがいなくなればと思ってね…ここまで大事になるのも解っていたわ…ごめんなさい…だから、責任は私1人で取るわ…私の家族は関係ないの…」

レミリアは頭を下げる

 

「お嬢様!?」

美鈴は驚き、慌ててレミリアの傍により

 

「駄目です!!お嬢様だけが責任を取るなんて!!」

必死にうったえる

 

「いいえ…美鈴、家族の為だとは言え…この世界の日常を脅かしたのは…許せないこと…」

静かに答える

「しかし…」

 

「その心配は無用です…レミリア・スカーレット…」

紫が静かに喋り出す

 

「確かに、貴女方のした事は許せないこと…だからこそ、一定期間この館の周りに結界を貼らせてもらうわ…でも、外には出れるから大丈夫よ…館だけが見えなくなるだけのものだから…今回の罰と言うことで…」

 

「どうしてかしら…下手したら、この世界が壊れてしまうかもしれなかったのよ?」

レミリアは疑問に思って質問した

 

「それは簡単…幻想郷は全てを受け入れる、それはとても残酷な事…敵意が無ければ尚更…だから、貴女方を歓迎するわ…レミリア・スカーレット…」

 

敵意を消し、この世界の移住者に歓迎の言葉を言う、管理者の姿があった…

 

「よかったですねぇ!!お嬢様!!」

美鈴は嬉しさの余りレミリアに抱きつく

 

「ちょっ///!!美鈴やめなさいっ///!!」

ビックリしながら赤くなるレミリア

 

「あ!!そうだ!お客様の皆さんにお茶を出さなければ!!」

美鈴は気づき

 

「な…なら準備しなさいな…美鈴…」

 

「かしこまりました!お嬢様に頼まれたお茶菓子も沢山用意したので!!」

美鈴爆弾投下

 

「ちょっ//!?」レミリア真っ赤

 

 

「では!!紅美鈴!!いって準備して参ります!!」

(しゅたたたたっ!

 

 

「……あらあら♪…」 にっこり紫

 

「まぁ…その何だ…」苦笑いの勇儀

 

「あたしは酒がいいなぁ…」呑気な萃香

 

 

「うぅうーー!!」(カリスマブレイク!!)

 

 

 

 

 

 

 

そんな事が起きた後

 

 

「話が終わったのなら…私はここで帰らして貰うわ…」

幽香が背を向けて扉に向かって歩き出す

 

「待ってちょうだい…風見 幽香…」

すると、声がかかる

 

「何か私に用でもあるのかしら?吸血鬼さん?」

後ろを振り向き声の主を睨む

 

「レミリア・スカーレットよ…名前ぐらい覚えて欲しいものだわ…」

呆れながら言うレミリア

 

「別に貴女の名前何かは興味はないわ…これ以上、私を止めるなら…後悔するわよ…

レミリアに対して凄まじい殺気を放つ

 

「ふふ…そう、怒らないでちょうだい…貴女とは仲良くしたいと思ったのよ…気分を害したのなら謝るわ…」

殺気を受け止めながらレミリアは話始める

 

「これだけは言っておくわ…私の運命は…あの子(幽鬼)が繋げたのよ…だから、盗られないようにね?」

 

 

 

「なんの事?」

「さぁ?」

 

「…そう…ふふ…」

鬼2人はなんの事か分からなかったが紫は何となく理解し、自分でも確かめようと考えながら幽香に目線を流す

 

 

 

その言葉に幽香は

 

「私は貴女と仲良く関わって行くのはお断りだわ…」

そう言い残し、扉から出ていく

彼女の耳は興味が無いことは反応せず、頭は記憶もしなかった

 

「貴女が断っても…運命()がそうさせるのよ…ふふ…会えるのが楽しみね…」

 

 

 

レミリアは椅子に座り直しポツリと一言

 

 

 

 

 

 

「私と似た運命()を操れる子…

 

その場にいる他の三人には聞こえない声で呟いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽香は今回の一件で改めて考え直し

 

幽鬼に対して思う愛情

 

そして強く思う、誰にも取られたくないという

 

 

 

独占欲があると言う事を気づいた

 

 

 

 

 

 

幽香が帰った後、残った3人はお茶(酒)と茶菓子を楽しみ

紅魔館は妖怪の賢者 八雲 紫によって結界を貼られ

霧の湖からその姿を消しこの異変…吸血鬼異変は終着した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いずれ来るその運命の日を待ちながら

 

縁が繋がり合う人物達を待ちながら

 

静かに待つのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

運命()は混じり合い…また伸びていく…

 

 

 

 





次回からまた幽鬼の話が進みます
中々の書けないので、しばらくお待ちください





ここまで読んで下さりありがとうございます!


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自分自身の能力…孤独な魔女との出逢い



どうも、亜麻乃です
やっと導入が終わり、本編が始まる

と思います…

タイトルで察していると思いますが…
( -∀-)主人公は一体どんなチートハーレムができるのか…
(ΦωΦ)フフフ・・まぁ、既に1人は…フフ…
欲に素直になりましょう( ゚∀゜)フハハ八八ノヽノヽノヽノ \


(´・ω・`)甘々に書くのが難しい


 

やぁ…俺は幽鬼…今俺は真っ暗な空間にいる

いや…ちょっと待て何かデジャブなんだけど…

………とりあえず、思い出そう

えーと…やっぱりお昼の時間に帰らなかったペナルティで一緒に寝ることになり現在進行形で寝てたはずなのだが…

 

「ふと目が覚めたら真っ黒…なんなんこれ…」

 

「……え…本当に1人?」

 

そう、彼は1人なのだ

真っ暗な世界にポツリと残され…

 

「おい…この流れ…」

 

だが、彼は諦めない!

 

「おい…コラ…」

 

彼はここから立ち上がるのだ!!

俺の冒険はこれからだ!! <~完~>

 

 

「勝手に終わらすな!!このダメ野郎!!」

 

「(・ε・` )ブー…ママに久々に会ったのにそれは酷いよ〜?」

そこには久々の登場、代理人(母)がいた

 

「ちょ…なんで、あんたが母親を名乗るんだよ?」

 

幽鬼は困惑し始める何故、親と名乗って出てきたのか

 

「ん〜?だって幽鬼ちゃん産み落としたの私だもん♪

 

「(゚д゚)ハァ?」

とんだ爆弾発言に幽鬼は固まる

 

「あれ〜?聞いてなかったの〜?」

首を傾げて不思議そうに言う代理人

 

「聞いてない!!初めて知ったわ!!」

ツッコミが響く

 

「ねぇねぇ♪ママって呼んでよぉ♪」

全力のスルーをする

 

「呼ばねぇよ!話聞けよ!!」

全力否定

 

「じゃぁ…幽鬼ちゃんにある能力とか起きている事教えてあ〜げない〜」

さらっと目的を言う

 

「いやいや!それは教えてくれよ!」

聞き捨てならない事を言った代理人にさらにつっ込む

 

「え〜…親の事をお前とか言う悪い子にはママ教えなぁい♪」

と、代理人は背を向ける

 

「ぐっ…」

「あぁ〜あ…どうしよっかなぁ〜…帰っちゃおうかなぁ〜…」

背を向けたまま言い始める代理人

 

「ぐぅっ…………」

 

「ん〜〜?」

 

「わ、わかったよ…でも頼むから母さんで許してください…」

頭を下げる幽鬼

 

「え〜…もぅ…しょうがないなぁ〜…でもぉ♪いつかママって呼んでね♪」

どうやら許されたようでコッチに身体を向けた

 

「勘弁してくれよ……で、さっき…か…母さんが、言ってた俺の能力って何だ?」

幽鬼は先程、代理人が言ってた事に質問をする

 

「とりあえず、もう幽鬼ちゃんが産まれて…15歳位になってるんだけど…もうその(程度の能力)は発揮させてるんだよ」

 

「うん、それが1番聞きたい奴だ…どんなのなん?」

 

「え〜と、縁を操る程度の能力て言うんだ♪」

 

「円?え…お金?」

 

「違うよぉ…縁!!ほら、縁結びとかの縁だよぉ」

 

それを説明されるが余計に幽鬼は頭を悩ませる

「縁って…何か凄いのか…よく分からないんだけど…」

 

「幽鬼ちゃん…例えば貴方の知る子で、運命をどうにか出来る子がいないかしら?後はその物の境界をいじれるとか?空間に永遠を創る」

 

「え…あぁ…うん…大分いるね…」

幽鬼は思い当たる能力持ちが頭に浮かぶ

 

「その子達は繋がりをどうにか出来るからこその強さを持つの…空間に伸びる糸を紡いだり、別けたり、手繰り寄せたり」

 

「縁は人、物、空間に蔓延る、繋がりその物と言ってもいいほどの凄い物なの…分かりやすく言うと…縁結びで繋いだものは運命になる…欲しい物にも縁があれば手に入る事が出来る…行きたい場所に行くのにも何かの縁があれば行くことがある…縁は色んな所にあるの」

 

「今の幽鬼ちゃんも頑張れば視えるかも…ほら、意識を集中してみて?」

 

「えぇ…」

いまいち信じていない幽鬼

 

「…………(スッ」

無言の笑顔で拳を握る代理人

 

「わ…わかったよ…だ、だからその拳収めてくれよ…(汗)」

焦って代理人(母)に言われた通りに意識を集中する

 

しばらくすると…うっすらと線の様な物が見え始める

幽鬼はそれを目で追うと代理人と自分自身に繋がってるのがわかった

 

「あ…これか?」

幽鬼はそう言って代理人に顔を向ける

 

「幽鬼ちゃんの目に見えてるのが縁…として私と貴方を繋ぐ親子の縁だよ♪どの位の濃さだった?ワクワク♪」

わざわざ口で言いながら聞いてきた

 

「えっと…薄い白だった…」

 

「ん?………あはは♪ごめんね♪もう1回言ってくれる?」

 

「薄い白線だった」

 

「…………(꒪д꒪II」

明らかにショックを受けている

 

数分後

 

 

「うん…しょうがない、一緒にいる期間が短かったからね…うん…」

代理人が1人ブツブツと喋り初めて数分がたった

 

「あ、あのさ…母さん…そろそろ他の事を教えてくれないかな?」

話が聞けないので幽鬼が切り出す

 

「うん…私は幽鬼ちゃんのお母さん…大丈夫、大丈夫…ヨシ!」

何とか立ち直ったようだ

 

「ごめんね?ちょっと予想が外れちゃったからショックが大きかったの…大丈夫、私は幽鬼ちゃんのお母さんだから…うん、…あ、えーと能力の説明の途中だったね…とりあえず、幽鬼ちゃんの努力次第でその能力は強くなるよ、後、幽鬼ちゃんが視えた線が人との縁!濃さと太さとかで違いが解るよ…多分…後は幽鬼ちゃん自身でどう使うか気づいていかなきゃなんだよね…」

 

 

「え、それだけしか教えてくれないのか?」

幽鬼は焦る

 

「その能力はあくまでも幽鬼ちゃん自身の事だから、余り干渉しちゃダメなの…私は親だけど、傍観者だから…ごめんね」

申し訳なさそうに言う

 

「いや…わかった、努力して、それで分からないのであれば…そこまでの男だったと言う訳だ…足掻いて見せるよ…」

幽鬼は自分の能力をものにしようと決意する

 

「ふふ♪流石幽鬼ちゃん♪女の子1人攻略しちゃう位だから大丈夫よ♪」

 

「あ…それなんだけど…どうして、人を好んで干渉をしないユウ姉(幽香)が俺に対して態度が変わったのかな?」

幽鬼は幽香のベタ甘態度になったのを不思議に思ってたので聞きたい事であった

 

「多分だよ?幽鬼ちゃんの能力と元々持っていた体質が上手く絡み合ったんだと思うんだよね…」

腕組みしながら頷き

 

「体質?」

首を傾げ

 

「幽鬼ちゃんは懐かれやすい…?好かれやすいかな?まぁ、そんな感じな体質があるんだよ…私にはわかる♪…んで、元々あったそれが幽鬼ちゃんの能力とガッチリハマった感じだと思うよ〜?、幽鬼ちゃんはこれから先、色んな子と縁を結んで行くはずだから頑張ってね♪」

ウィンクして何か意味深な感じに聞こえた

 

「イヤイヤ…言い方…縁を結ぶじゃ…ねぇ?」

困惑しながら幽鬼は言う

 

「え、根本的な縁は恋愛の縁が濃いからね?」

すんなり爆弾投下

 

「ぶっ!?」

 

「お母さん♪孫の顔が早く見たいわ♪ズッコンバッコン頑張ってね♪」

すげぇ事を平然と言う代理人(母)

 

「アホか!!何言ってんだ!!」

 

「おや?そろそろ時間のようだ!!じゃ♪頑張ってね♪」

辺りが明るくなって、代理人が幽鬼を背にして歩き出す

 

「ちょ!?まだ話は終わってないぞ!?おいコラ!?」

走り出し追いかける幽鬼

 

「大丈夫♪貴方の事はちゃんと見守ってるから♪」

「親子の縁は切れないから♪」

先程見た時のより、代理人(母)との縁はハッキリと繋がっているのが視えた

 

「私は代理人…1人の神…のつ…かい……ク…ヒ…ノ神…の」

段々と消えていく声

 

「待ってくれよ!!!」

そう言った瞬間、幽鬼自身も光に包まれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「縁を深く結ぶ子が異性だと、視える縁に何かあるかもね…♪」

最後のアドバイスだけはっきり聞こえた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ま…まって…うぁ?」

目が覚めるといつものベットに寝ていた

窓の外から鳥のさえずりと朝日が差し込んでいた

 

(夢…でも…うーん…)

うっすらと目を開き考えようとするが

 

 

 

 

 

ムニュ

 

 

 

 

 

(ん?)

意識がそちらに向く

 

 

ムニュ…フニュ…

 

先程から右手に柔らかいマシュマロの様な感触が伝わっていることに

 

(…………)

 

幽鬼は1回思考を止めて、ゆっくりとその感触が伝わる方に視線を向ける

 

(大丈夫だ…まだ、慌てるような時間じゃない…)

冷静を装っているが自分がやらかした事実を受け入れたくないが…事実を確認しなければという好奇心が…同時に働き混乱し始める

 

ゆっくり、ゆっくり視線を右手に向けると

 

 

 

 

 

「んぅっ…//華ちゃんっ…//朝から…大胆ね♪」

 

 

 

 

 

顔をほんのり赤に染めている幽香の顔があり

 

 

少し視線を落とすと

 

 

 

幽鬼は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽香の(B:87)を右手で鷲掴みしていたのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝のハプニングから昼過ぎ

 

幽鬼は森に近い花畑(幽香の所有地範囲内)

 

 

「ふぅ…こんなもんかなぁ…」

幽香と(原作キャラの原型が全くない程に甘くなった幽香が幽鬼にアーンをする、しないの攻防あった)お昼を食べた後に

 

午前中からの続きの作業である肥料巻きをしていた

長いこと、この太陽の畑で作業しているがやはり広くて1人で終わらすのは中々の骨である

 

「あぁ〜…腰がァ〜…」

幽鬼は背伸びをして、軽く腰を叩く

 

 

すると

 

 

ガサガサ…ガサガサ…

 

「うん?」

 

森の草むらが不自然に揺れだした

 

「妖怪…か?」

すぐ様、草むらの方に意識を向けて警戒する

 

(う〜ん…ここ最近、何も無かったから…怪しいと思ってたけど…弾幕ごっこで何とかなる相手かなぁ?)

 

太陽の畑は幽香の「華ちゃん安全防衛ライン」と言う幽鬼の知らない所で働く植物達があるのだが、ごく稀におこぼれが突破する事があり、現れるのだ

 

(まぁ…いざとなったらユウ姉が飛んでくるか…)

安心安全ゆうかりんである

 

ガサガサ…ガサガサ…ガサガサ!!

 

こちらに近づいているのか草が激しく揺れる

 

 

ガァサァ!!!

 

草むらから何かが出てきた

 

(さぁ…こい!!)

幽鬼は構える

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シャンハーイ」(ヒョコ

 

 

 

 

 

 

 

「へ?」

 

 

 

 

数分後

 

幽鬼は一体の人形と目があっていた

 

 

「シャンハーイ?」

首を傾げる人形

 

幽鬼はその人形が何なのか分かっていた

 

(しゃ…上海!?あれ!?何で!?)

 

その人形の名前は上海と言う登場キャラの1人が連れている人形の一体なのだ

 

(え…てことは…彼女がいる?)

幽鬼は辺りを見回すが肝心な彼女が居ないのだ

 

(え〜…どうしよう…)

幽鬼はどうしようか考えようとしたら

 

「シャンハーイ…」

急に上海の元気がなくなりその場に、座ってしまった

 

それを見た幽鬼は気づく

「そうか!魔力が少くなっているんだ!?…ど、どうするか…うーん…悩んでても仕方ないか、上海が居ると言うことは彼女も近くで探している…」

上海が現れた草むらの奥に続く森の方に目線を向けて

 

「よし!」

何かを決意し

 

ゆっくりと上海のそばにより、しゃがみ

 

「大丈夫?はぐれたんだよね?」

と話をかけてみた

 

「シャンハーイ…」

小さく頷く

 

「言葉は理解してるね…じゃぁ、君の落とし主を一緒に探して上げるよ」

幽鬼は両手を差し出す

 

「シャンハーイ…♪」

上海人形は幽鬼に飛びつき抱えられる

 

 

「さぁ…て、行くか…」

幽鬼は上海が現れた草むらの方に歩き出した

 

 

 

 

 

所変わって幽香の家

 

「フフ♪今日の夕ご飯は何がいいかしら♪」

ルンルン気分で夕飯の支度をしていた

「朝の事は不可抗力だったのは解ってるけど…フフ♪華ちゃんが…フフ…本能的に私の身体を求めた…フフ…♪」

身を捻りながら、時たま悶えながら支度していた

 

 

 

が…

 

 

 

「ん…?」

さっきまでの雰囲気が切り替わり、鋭い元の幽香に戻る

 

「華ちゃんの…気配が離れた…」

準備をしていた手を止めて、窓の外に目を向ける

 

「……他に気配はない…連れ去られた訳じゃない…」

ゆっくりとドアに近づき、扉を開け外にでる

 

「華ちゃん自身で…離れたのかしら…」

日傘をさし、空を見上げる

 

「フフ♪ダメよ…華ちゃん…ワタシカラ…ハナレチャ…」

ハイライトが消えた目を覗かせ、空に飛び上がる

 

周りの気配を探りながら愛しい子を探し始める

 

 

 

 

 

 

そんな事つゆ知らず

 

 

 

 

幽鬼と上海は森の中を歩き回っていた

 

「あかん…迷ったな…」

「シャ…シャンハーイ」

 

迷っていた

 

「あ〜…考えて見れば…太陽の畑からこの歳になるまで出たことなかった…」

遠い目をして空を見上げる

 

「シャンハーイ…」

 

「ごめんよ…余計なお世話しちゃって」

幽鬼は元気の無い上海に謝る

 

「シャンハーイ!!」(ブンブン

首を横に振り、必死に大丈夫とアピールする

 

しかし、周りは深い森

土地勘のない幽鬼には不味い状況であり、妖怪の格好の的になってしまう

 

「参ったなぁ…」

目線を上海に戻し、考える

 

「シャンハーイ…」

上海はどんどん元気を無くしてしまう

活動力である魔力が少なくなっている証拠だ

 

「魔力を補給しないと…このままだと………ん?補給…」

幽鬼は引っかかった

(補給…は要するにエネルギーを供給する…供給するには…)

 

 

 

 

 

 

(管が必要になる!!)

(管は繋がる…上海は常に繋がれてるのであれば…追える!)

 

幽鬼は自身の能力を教えて貰ったことを思い出し

早速、あの時と同じように意識を集中して上海を見つめた

 

 

 

 

 

「シャンハーイ?」

見つめられて上海は不思議そうな顔をする

 

 

意識を逸らさず見ていると、上海から伸びる縁が視えた

 

(よし!視えた!)

 

伸びる縁を目で追うと一定の方角に伸びていた

 

(これでもう大丈夫かな…ん?)

よく見るとその縁は左右に少しずつ動いていた

 

(多分…彼女も上海を探しているんだろう…早く会わさてあげなくちゃ!)

幽鬼は視える縁を辿り始めた

 

「上海、安心して?もうすぐ会えるから!!」

「シャンハーイ♪♪」

進み始めた方向に何か感じたのか上海は嬉しそうに笑った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽鬼と上海が出会って間もなくの人里

 

「こうして…勇者はお姫様を無事に助け…2人は結婚し幸せに暮らしましたとさ…めでたし、めでたし♪」

と言って人形劇を終わらす

 

金髪ショートの女性…見た目は普通の人に見えるが

 

 

 

彼女はアリス・マーガトロイド

 

こことは別の世界、魔界出身の魔女である

 

フリルの付いた白、青のドレスに腰にリボンのベルト

お人形さんの様な服である

 

魔法を扱う程度の能力、人形を操る程度の能力を扱える

 

今は魔法の森に住んでいて…定期的に人里に来て、人形劇をしに来るのだ

 

「おねーちゃんおもしろかったよー!」

「おひめさま、たすかってよかったー!」

「ぼくもゆうしゃみたいにつよくなりたいなぁ…」

子供達がそれぞれ感想をアリスに言い始める

 

「ありがとう♪」

笑顔で答えるアリス

 

「でも…きょうはおにんぎょうさんとあそべないんでしょ?」

1人の女の子が残念そうに言う

 

「ごめんね…今日はこれから用があるから早く帰らないと行けないの…また、次遊ばせてあげるわ」

しゃがんで女の子に優しく言うアリス

 

すると離れた所で見ていた子供達の親が近づいてきて

 

「ほーら、お姉ちゃんは早く帰らなきゃだからバイバイしなさい…?今日もありがとうございました」

と優しそうなお母さん

 

「また次の機会があるんだ!その時まで楽しみに取っときな!アリスちゃん毎回あんがとな!!」と元気のあるオヤジ

 

 

それぞれアリスに感謝を述べる

 

「いえいえ、それでは」

アリスは軽くお辞儀をして、人里の入口を目指し歩く

 

 

「おねーちゃん!!たのしみにまってるねぇー!」

子供達の声に見送られながら

 

 

 

 

 

 

 

 

人里の入口に着くとアリスの顔に焦りと緊迫した雰囲気が見て取れる

 

「急がなきゃ…蓬莱?」

 

そう名前を呼ぶと

 

「ホウラーイ!!」

アリスの持っていた人形が閉まってある鞄から人形が飛び出してきた

 

「やっぱり時間がかかってしまったわ…さぁ…蓬莱、上海を探しましょう?」

 

「ホウラーイ!!」

 

アリスはそのまま人里に来た時に使った道を飛び始めた

 

彼女は落としてしまった…

大切な、大好きな人から貰った二体の人形の内、一体を人里の来る途中で…

 

(こんな事絶対に起きないのに…)

幻想郷での落し物は拾われて売られるか…壊されるか…

 

前者はまだ何とかなる可能性がある…しかし後者になると話は別だ…

人形の一体二体位どうだと思う人はいるだろうが彼女にとって人形は友達でもあり家族だ

 

異界の自分に深く関わろうとする人物は、この幻想郷に殆どいない…まぁ、人間あがりの魔女とは慣れ浸しいが…それだけである…

 

人里の人たちも結局、魔女と人間と言う壁がある

そんな、アリスの支えが人形だ、特に「上海」と「蓬莱」はアリスの育ての親の贈り物でもある

 

彼女の目指す、「生きている人形」それの完成に近い形が…「上海」と「蓬莱」である…

手塩にかけて出来た、アリスの宝物

 

しかし、「生きている人形」に近いだけである

 

上海も蓬莱も意志の疎通が出来て、表情が出るが…アリスの目指す「生きている人形」には程遠い…

 

この2体には定期的に魔力を与えなければならない…永久機関が存在しないのだ…魔力を与えなければ動かなくなってしまう…その間に壊されてしまえばそれまでなのだ…

 

 

 

「絶対に見つけてなきゃ!!」

アリスは日が落ちても探すことを決心した

 

「ホウラーイ!!」

蓬莱にも伝わったのか、元気よく答えた

 

 

 

 

数十分後

 

 

 

 

地上に降りてからしばらく探していると

 

 

「ホウラーイ!」

蓬莱が声をあげた

 

「どうしたの?蓬莱?」

すると

 

ガサガサ…ガサガサ…

 

草を掻き分ける音が響く

「蓬莱!構えて…!」

「ホウラーイ!」

アリスは戦闘態勢になり、蓬莱も続く

 

ガサガサ、ガサガサガサガサ!!

 

音は大きくなっていく

 

アリスに緊張が走る…つい最近、弾幕ルールと言う物が出来たらしいが未だに根付いている範囲は限られている

 

もしかしたら、本当に戦闘になるかもしれない…

そんな事を考えて、冷汗が垂れる

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間

 

 

 

 

 

ガサっ…

 

「うぉ?」

「シャンハイ?」

 

見知らぬ少年と探していた上海が草むらから顔を出した

 

 

 

 

 

数分間の間

 

 

「あ…ど、どうも…」

見知らぬ少年が声を掛けていた

 

 

「あ…はい…どうも…」

「ホ…ホウラーイ」

お互いに変な接触になった

 

すると

「シャンハーイ♪」

上海がアリスに飛び込んできた

 

「上海!!良かった!無事だったのね!」

「シャンハーイ♪」

上海を抱きしめるアリス

 

 

「あー…良かった…見つかって…」

その声の主の事を思い出し

慌ててそちらに向く

 

「ご、ごめんなさい//!私ったら安心して//!」

改めて少年を見る

 

「いえいえ…自分も迷子のその子をちゃんと届けられて良かったですよ」

笑顔で答える少年

 

見た目は同い年か年下風に見えるがアリスにとって寿命が違うので余り関係ない

 

顔は普通に整っていて、黒髪ショートの普通の少年だった

 

「貴方…人里の人?」

アリスが質問をすると少年が

 

「あー…自分、人里に訳あって住んでないんですよ…」

頬を人差し指で掻きながら、苦笑いで答える

 

「えぇ?じゃぁ…貴方妖怪か何かなの?」

人間が人里以外で住むことはほぼ不可能に近いので自然とそんな質問が出る

 

「あぁ〜…何て説明したら…」

少年は困り始めてしまった

 

「あぁ!!ごめんなさい!変な事を聞いてしまって…野暮っだったわ…」

 

 

 

そして、アリスは不思議に思った

 

(何で…私は、この子に…興味を持ったのかしら…)

 

アリスは人嫌いでは無いが、自分から親しくなろうという行動はしない、寧ろ何か起きた時に巻き込まれないようにするため

極力、一人で行動している(たまに、近所の魔女に絡まれるが)

 

だから、アリスは自分自身が人に対して質問を投げかける行為に何かされたのではと軽く警戒心が出できてしまう

 

 

「いえいえ…お互い初対面ですし…それにとても大切な子との再開でしたので仕方ありません…」

少年は軽く笑いながら言う

 

 

 

「あっ…」

アリスは気づく

 

先程から少年は上海の事を「物」扱いをしていない事に

初対面での人の反応は大抵、「物」扱いするが…

少年は「迷子」と「大切な子」と言って、「物」として扱っていない

 

 

「何で…貴方は、この子を物扱い…しないの?」

自然とそんな言葉が出てしまった…

でも、知りたかった…

 

少年はすんなり答えた

 

 

「え…その子達は生きてるんですよね?…だったら…モノ扱いは失礼ですよね…?

 

アリスは驚いた…

近所の魔女のアイツでさえ最初は上海達を物扱いした…

今は変わって物扱いはしないが…

 

接した時間はどうであれ、アリスは少年に特別な何かを感じ取っていた

 

「そ…そうなの…そういえば…お礼を言ってなかったわね…ありがとう…私の大切な家族を見つけてくれて…」

アリスは改めてお礼を言う

 

「いえいえ、当然の事をしただけです」

少年はそう答えた

 

「自己紹介をしてなかったわね…私はアリス・マーガトロイド、貴方が連れてきた子が(上海)でこっちが(蓬莱)よ」

 

「シャンハーイ!!」

「ホウラーイ!!」

 

それぞれの自己紹介をするアリス

 

 

「あ…そういえば、自分もしてなかったですね」

少年は自分の番だと名を名乗ろうとした

 

「自分は風ばnっ…(ミィツケタァ♪)

 

「えっ…?」

 

その瞬間何かが空から勢いよく降りてきた

 

 

ズドォォオオオン!!!

 

衝撃波が生まれ、辺り一面に砂埃が舞う

 

「キャアァ!!」目を腕で覆う

「シャンハーイ!!」必死にアリスにしがみつく

「ホウラーイ!!」 同じくしがみつく

 

「えっ!?ユゥnっ!!(カエリマショウ♪)

そう声が聞こえた瞬間

 

 

シュダーン!!

 

 

再び地響きが鳴る

 

 

 

「う…くぅ…??」

土埃と地響きが収まり目を開ける

 

少年の姿は無かった

 

その変わり…その場所にはクレーターが出来ていて先程の衝撃の凄さを物語っていた

 

 

「シャ…シャンハーイ…」悲しそうにする上海

「ホ、ホウラーイ!」その上海を慰める蓬莱

 

「何だったの…今のは…でも、あの声は…」

アリスは一瞬何が起きたのか理解出来なかったが、

聞き覚えのある声を聞いた

 

「…風…見……幽香…何で貴女が…彼を…」

アリスは人里にたまに来る彼女とは面識はあった

しかし、自分が知っている限り…

花や植物にしか興味を持たなかったはずだ…

ましてや、自分より弱い人間など眼中に無い

 

「本当に…どうして…」

アリスは見上げる、幽香が彼を連れ去った空を

 

「名前…聴けなかったわね…」

ポツリと見上げたまま、悲しそうに言う

 

「シャンハーイ…」

「ホウラーイ…」

アリスのそばに寄る上海と蓬莱

 

 

静かな風がその場に吹く

 

 

しかし

 

 

 

彼と彼女達はまた会うだろう

 

 

 

 

 

 

 

縁は繋がったのだから

 

 

 

 





こんな感じです…
不安なんですが…ちゃんと話になってますよね?
( ゚д゚)ハッ!変態の考え方になってます


テンションがおかしくなってます
ご了承ください…

ここまで読んでくれてありがとうございます!


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遂に始まる、縁の苦悩


投稿の仕方は1つ出来たのを残して次に書くと言う変な仕方をしています…
投稿するのにあたりズレがないか比べる為の柵です…

( - ̀ω -́ )そんなん気にしないよ!!って言う方は気長に待ってくれると嬉しいです…


 

 

所変わって幽香の家

 

「〜♪」(ギュ〜

 

あれから一瞬と言っていいほどの速さで戻ってきた

 

「〜♪」(ムギュ〜…)

 

今はリビングで2人一緒にいる

 

「〜♪♪」(スリスリ〜…クンクン

 

幽香が幽鬼を膝の上に乗せて抱きしめている

 

花の大妖怪の有るまじき姿である

 

一方、抱きしめられている幽鬼は

 

(俺はアリスと話していたら、空からゆうかりんが現れて気が付いたら家にいた…な…なにを言っているのかわからねーと思うが…おれも何をされたのかわからなかった…頭が(興奮で)どうにかなりそうだ…催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ…もっと恐ろしいもの(胸)の片鱗(感触)を味わっているぜ…)

 

混乱していた

 

 

 

 

数分後

 

 

「ハァ…ハァ…んぅっ…//」

先程より何故か息が荒い幽香

 

「………はぁ…」

いつ解放されるかと幽鬼はため息をつく

 

「ん…?」

ふと天井を見上げると

 

 

 

「「あ…」」

天井に開いたスキマから覗いてる女性と目が合う

 

「ん…?どうか…した…の…」

 

幽香も視線を追いかけ、気づく

 

「オホホ…お邪魔しました〜♪(シュガァン!!ガシィ!!)え…」

 

スキマを閉じようとした瞬間…物凄い速さで胸ぐらを掴まれた

 

 

ナニヲシテイルノカシラ…ヤクモユカリ?

 

次の瞬間、幽香は紫をスキマから引きずり出した

 

「きゃぁ!?」(ドシン!!

引きずり出され尻もちを着く

 

「イタタ…か弱い女性に何するのよ…」

腰を擦りながら言う

 

 

しかし、その目の前に鬼神が立つ

 

モウイチド…キクワ… ナニヲシテイタノカシラ?ユカリ?

 

目は紅く光り、ドス黒いオーラが溢れ出ている

 

「ホオオ…え〜と…少し観察を…ねぇ…」

歯切れの悪い、妖怪賢者

 

 

ソウ…ジャア…キエロ!

いつの間にか持っていた日傘の先から閃光が放たれようとした時

 

 

やめろ!!幽香!!

 

その声にピタリと動きが止まり…

声のする方に顔をゆっくりと向ける

 

ハナチャン…

 

「それはダメ…絶対にダメだ!」

ゆっくりと傍による

 

「それにその人が用があるのは…俺のようだし…」

そうして幽香の前に割り込む

 

「ふぅ…助かったわ、ありがとう」

紫はゆっくりと立ち上がる

 

「そうでも無いですよね…」

紫を軽く睨んで幽鬼は答える

「貴女程の力を持つ方がユウ姉の一撃をどうするかなんて容易いはずです…」

 

「あらあら…フフ…」

紫は先程までの雰囲気ではなく妖艶な態度で幽鬼を見る

 

「今ので確信したわ…貴方は私の事を知っている見たいね…いえ…この世界のその物を…」

 

「…!!」

幽鬼は焦った何故ならこの世界に来てから八雲紫とは今が初対面であり…初接触だ

 

 

「ふざけた事を言ってんじゃないわよ…」

落ち着きを取り戻した幽香が紫に詰め寄る

 

「この世界で、暮らしてだいぶ経つんだからアンタの事くらい自然に耳に入るでしょ!」

 

「幽香?貴女はこの子を外に出した事はあるのかしら?それもこの場所以外に…」

的確な指摘を幽香にぶつける

 

「そうしなかったのは幽香…貴女よね?それに、この子が本当に私を知らなければ固まったまま見ていたわ…」

 

扇子を取り出し幽鬼に向ける

 

「私が妖怪の賢者、八雲紫である事を知っているからこそ止めた…」

 

「貴方は一体何者なのかしら?」

冷静な冷たい声で幽鬼に言う

 

「いい加減にっ!(今は貴女が黙ってなさい…)

 

幽香が紫に殴りかかろうとした瞬間

紫が動き、幽香の首元を扇子でなぞった

 

 

その瞬間

 

ゴトッ!?

 

 

 

 

「!?」幽鬼は驚いた

 

 

幽香の頭が床に落ちたのだ

 

 

 

「く…な、何を…したの…」

しかし幽香は生きていた

 

「今、暴れられると困るから…少し身体と頭の境界をいじっただけよ♪」

 

幽香の残された身体は立ったままマネキンの様に動かなくなっていた

 

「少し底で大人しくしていなさいな?」

そう言うと再び幽鬼に身体を向け、近づく

 

「そう畏まらないで?とって食ったり何かしないわ、貴方を見ていて分かったのは能力の有無ぐらいなの…幽鬼くんと言ったかしら?」

 

幽鬼は黙ったまま頷く

 

「これから私に着いてきなさい…」

 

「え…(カッテナコトヲイウナ!!)

 

幽香が捲し立てる

ハナチャン八ワタシノダ!オマエナンカニ!!

 

 

 

紫は睨み、冷たい声で話し出す

「今の貴女の現状が彼の能力のせいかもしれないのよ…幽香…貴女がこの子に執着するのは別にいいけど…度が過ぎてるのよ…このままだと…貴女は幽鬼くんに何するか分からないのよ…忘れちゃダメよ…貴女は妖怪で幽鬼くんは人間なの…これが人間同士なら何も起きない…けどね…人間と妖怪だと何が起きるか分からないものなの…今の貴女にはその判断もかけてるのよ…実際さっき…幽香…貴女…欲に負けそうになっていたじゃない…だからこそ…私の元…いや…この世界の守護者の所で幽鬼くんを預かって…しばらく様子を観さしてもらうわ…」

 

 

紫の真面目な話に幽香は

 

ハナチャンガ…イナクナル…イヤダ…イヤダ…イヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダ!!

正気を失っているようだった…

 

それを見て、紫はため息を吐く

「ここまでとは…幽鬼くん…貴方はどうしたいの?強制はしないわ…でも、貴方の命も関わってる事と…事によっては貴方を私は…」

紫はそれ以上言わなかった

 

幽鬼は分かっていた、これが自分の能力「縁を操る」力の作用による物だと…しかし、ここまでになるとは思いもしなかった…

 

(母さんと話して決めた事なのに…能力が制御しきれてないんじゃ…意味が無い…)

 

代理人(母)との会話で能力を自分のモノにする、それが目標であった

しかし、現状はスタートにも立っていなかった

 

だからこそ幽鬼は

 

「紫さん…少しユウ姉と二人っきりで話させて下さい…身体の方も戻して貰ってもいいですか?」

 

 

紫に真剣な目を向けて言った

 

「わかったわ…少し待ってなさい…」

そう言うと紫と幽香の頭、身体がスキマに消え、しばらくすると…

 

「………」スキマから元に戻った幽香が出てきた

 

しかし、俯いたまま何も言わない

 

「ユウ姉…俺さ…紫さんに着いて行くよ…」

幽鬼が告げると幽香の肩が少し動く

 

「やっぱりさ…ユウ姉がこうなっちゃったのも俺が原因なんだよ…だからさ…俺は理解したいんだ!!ユウ姉の気持ち嬉しいよ…でも、今の俺にはユウ姉には釣り合わないんだ…だから…だかっ…(ドカァ!!)ぐぁあ!?」(バリーン!!

 

幽鬼は幽香に殴り飛ばされ窓から外に吹き飛ぶ

 

「ゲホッ…ぁぐう…」

幽鬼はモロに食らって意識が朦朧とする

 

 

すると幽香が傍に来た

 

「すきになさい…」

聞こえた幽香の声は、いつもと違う…会ったばかりの頃の声だった

 

「貴方は私の気まぐれで今まで置いてやったのよ…フフ…」

 

「良い暇つぶしが出来て良かったわ…今までの事を本気で捕らえてたの?」

 

「フフ…アハッ…アハハ…アハハハハハハハ!!!…あ〜あ…滑稽ね…まぁ、ここまでの様だから…何処へでも行きなさいな…さようなら…弱い坊ちゃん♪

 

幽香は背中を向けて家の中に入って行った

 

 

「うぐ…ゆ…ユウ…ね…姉…うっ…」

幽鬼はそのまま気を失った

 

 

 

 

 

 

「……」

家の中の扉で立ち竦む幽香

 

 

「あんなお別れ方で良いのかしら?」

紫がスキマから出てくる

 

「……いいから…さっさと連れて行きなさい…」

幽香は静かに言う

 

「はぁ…わかったわ…じゃぁ…失礼するわ…」

紫は姿を消す

 

外で気を失っている幽鬼もスキマに落ちていった

 

 

 

「………」

幽香は1人リビングに戻る

 

(また、前に戻っただけよ…)

 

静かになったリビング

相向かいになって一緒にご飯を食べた場所

 

窓が割れて冷たい風が入る窓

日差しが心地よい時はここで彼がお昼寝をしていた場所

 

夕飯の支度途中の台所

いい匂いと言って嬉しそうな顔を覗かせた場所

 

薄暗い寝室

床に布団を敷いて寝ていて、たまに一緒にベッドで寝ていた場所

 

 

幽香はひと部屋ずつ回って、最後の寝室のベッドに座った

何故かいつもと違って広く感じる

 

「これで…良かったのよ…」

幽香は紫に指摘された欲に負けかけていた

殺して、その肉を食べて一緒になるという…

恐ろしい考えが出ていた

もし、紫があの時天井に現れていなかったら…

 

「私は…華ちゃんの首筋を…あぁ…」

思い返して恐くなった…

それだけ理性が掛けていた事を

 

 

 

「これでまた…1人…フフ…」

 

 

1人寂しく笑う幽香、その頬に伝う…一粒の雫

 

 

 

その日を境に人里に花の妖怪の目撃が減り

 

遂には姿を見せなくなった

 

 

太陽の畑以外、いや…太陽の畑すら目撃回数が減った様だ

 

その時太陽の畑を見た人物の話によると

向日葵も下を向いていたり花々が蕾戻っていたという話だ

 

 

 

しかし、また会える

 

二人を結ぶ縁は繋がってるまま切れる事はない

 

一生の別れではなく…一時の別れなのだから…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽香の家が見えている、木の上に人影

 

 

「ふむふむ…ひとまずここでの暮らしは終わりみたいですね〜」(メモメモ

メモにペンを走らせ見ていた事をまとめて書く

 

「八雲紫さんが絡んでくるとしたら、彼が行く所はだいたい目星は着きます♪…やっとです!やっと取材が出来ます!、あ〜…でも…うーん…面倒臭い人に巻き込まれる……あ、ここに比べたら接触しやすくなるので大丈夫ですね!…1人離れたと思ったらアリスさんに会ってしまうし、すぐ連れ帰られますし…いやぁ…長かったですねぇ…さて!1番先の取材を当たって見ますか!!特ダネよ!待っていて下さい!!」

 

 

黒い羽を羽ばたかせ…飛び立つ人影

 

 

「この射命丸 文が御迎えに行きますよぉぉ!!」

 

 

 

 

 

 

空の彼方に消える

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

縁は再び繋がり始める…切れる事無く…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






何かトントン話が進んでしまったような…

(´・ω・`)いい加減ゆうかりん離れさせないとかなーって感じです…






最後まで読んでくれてありがとうございました!


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苦悩の連続すると思いきや…


凄い書いてます
ただ書いてます
今は書いてます



どれだ?


ヾ(*ΦωΦ)ノ ヒャッホゥ!!


 

 

……まって……………………

 

……1人にしないで………

 

……お願いだから…………

 

……一緒にいて……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……………………………………華ちゃん………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…んぁ…?こ…こは…?……はっ!!ユウ姉!?」(ガバ!!

 

目覚めて起き上がり、辺りを見渡すがそこは知っている場所では無かった

 

畳の部屋で障子に襖、以下にも和室だった

 

「…イテテ…そっか…俺…殴り飛ばされたんだ…」

殴られた所を擦り

 

「………暇つぶし…か…」

幽鬼は意識が朦朧としているの中で聞いた幽香の言葉を思い出していた

 

「ハハッ…面で言われるとショックだな…はぁ…」

深くため息をつく

 

すると廊下側の障子が開き誰が入ってきた

 

「おや…目が覚めたようだな…」

入ってきた人物は式神の「八雲 藍」であった

 

「まぁ…今はとにかく大人しくしている事だ…それと紫様から聞いたんだが…よくあの幽香の拳を受けきったな…手を抜いていたとしても…普通の人間は無事ではすまないはずだからな…」

 

藍は頷きながら語っていた

 

「あの…ここは…」

すると藍は何か納得した顔をした

 

「やはり…紫様が仰っていた通り…名をきかないのだな…」

 

「あ…」

 

すると藍は傍により布団の近くに座る

 

「大丈夫だ…だいたい紫様からは話は聞いてある…まぁ…この幻想郷では何が起きても…おかしくはない…だが、一応自己紹介だけでもしとこう、紫様の式神兼従者の八雲藍だ…よろしく…そして、ここはマヨヒガだ…」

 

「あ…じ、自分は…風華幽鬼です…よろしくお願いいたします…」

幽鬼は軽く頭を下げる

 

「……ふむ…不思議な感覚…だな…

小さい声で藍が言う

 

 

「え?」

 

「あぁ…何でもない…ちょっとこっちの話だ…」

頭を上げた幽鬼に藍は説明を始める

 

「取り敢えず…紫様からの伝言を伝えよう…これから…君には、この幻想郷の守護者がいる…博麗神社に来てもらう、詳しい事は紫様から…御説明されると思うが…ま、まぁ…このマヨヒガ…で…ゴホン!!」

何か言いかけた藍

 

「と、取り敢えず…紫様が戻って来るまで大人しくしているんだ…」

 

「は…はい…すみません…」

幽鬼は何かを引きずっているのか、そのまま下を向いてしまった

 

 

 

「………はっ…ゆ、紫様が戻られたら来るぞ…」

そう言って藍はそそくさに部屋から出ていく

 

 

 

「はぁ…博麗神社か…どうなるんだろ…」

幽鬼は静かに1人呟いた

 

 

 

~部屋を出た廊下~

 

「………」

藍は1人廊下を進んでいた

 

(アレは…何なんだ…)

藍は困惑していた

 

(紫様が連れ帰って来た時に…初めて近くで彼を見た時…橙を世話している時と同じ…感覚が………最初は…気のせいだと思ったが…確信した…とてつもない保護欲…独占欲…かき乱される…)

ふと立ち止まり縁側に広がる庭に視線を向ける

 

(幽香も…これが原因なのか…)

視線を上げ、月明かりに照らされ眩しく目を細める

 

(紫様はこれを…知って…ある意味危険だな…私も…危なかった…はぁ…)

 

「う…何なんだ…この高鳴りは…」

 

「あら?藍…貴女もお熱になっちゃった?」

「ッ!?ゆ、紫様!?」

ひょっこりスキマから紫が現れた

 

「い、いえ!そう言うのではなく!!」

慌てて弁明をしようとする藍

 

「ふふっ、大丈夫よ 藍」

「彼は特質体質持ちの人間みたいな物だから…」

紫はゆっくり廊下に足をつく

 

「紫様…彼は…」

 

「至って普通の人間…と言いたいところだけど…」

 

そう言って紫は難しい顔をした

 

「藍…気づいてる?彼の身体に流れてる力…」

紫は彼の非常識な状態を知って調べていた

 

「流れてる…力…確かに…彼は霊力を宿していますが…」

 

幽鬼から感じとった力を霊力と分析していたが

紫の口から以外な言葉が聞こえた

 

「藍…彼は霊力だけではなく…神力も宿しているわ…」

 

「なっ!?本当ですか!?」

藍は驚いた、しかし彼女が幽鬼から感じとった気配に神力は無かった

 

「えぇ…本当に僅かな物だけどね…それに身体の奥底に深く潜んでいるくらい…でも、普通の人間では有り得ないわ…そして、あの子の持っている能力に関しては…ハッキリ分からなかった…」

 

月の光に照らされて眩しく感じる

ふと目を空に向け紫は藍に言う

 

「けどね…藍…彼は私と何処か似た能力を持っている可能性があるかもしれないわ…」

 

「紫様と…似た…能力!?」

藍は目を見開き驚きの声を上げた

 

「あくまでも、可能性で予測に過ぎないの…確定的な証拠も無いし…だけど…今の彼は能力を発動させたままの暴走事態に近いハズよ…」

紫は藍の横を通り抜け幽鬼がいる部屋へ向かう

 

「彼は気が付いたかしら?」

 

「はい、起きています…」

藍も紫の後に続く

 

「とりあえず、彼に説明と提案しましょう…」

紫は静かに言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……〜と言う訳なの理解出来たかしら?」

幽鬼は紫から現状と提案の話を聞いた

 

まとめるとこうだ

 

(幽鬼の能力は現在発動したまま)

(能力の力は人、または人外にも有効)

(今はまだ大丈夫だが、いずれ暴走する可能性がある)

(暴走の可能性を無くす為に博麗神社かここマヨヒガでの生活)

(対処に当たれる人物が常にいる状態を保つ為)

(監視に近いがそこまで警戒しなくても大丈夫)

(暴走、敵対の可能性が無くなれば太陽の畑に戻れる)

(その間は幽香との接触は控える)

(生活面での補助は安心していい)

 

 

「はい…何とか…」

静かに答える

 

「あら?まだ、痛むのかしら?まぁ…生きている事事態すごいんだけどね…」

 

紫は傍により座る

 

「いえ…痛む云々より…(幽香の事?)…そうです…それが気になって、紫さんが仰っていた事が本当なら…ユウ姉…幽香さんを変えてしまったのは自分のせいになります…」

情けなかった自分が持っていた力のせいで迷惑をかけていると

 

 

「でも、貴方にはチャンスはある…」

紫が問い掛ける

 

「私達から言わしてもらえれば…貴方はまだまだ子供よ…人間にとっては十数年立ってしまったけど…私達妖怪にとっては短い時間よ…その短い時間で人間である貴方はまだ成長して変われるわ…そこで何もしないのであれば貴方は終わりよ…どうする?立ち止まるか…先に進むか…選択肢はあるのよ?」

幽鬼は黙って紫の話を聞いた

 

そして

 

「紫さん…自分はまだ全然未熟者です…幽香さんの影に甘えていただけの野郎に過ぎません…」

幽鬼は正座に座り直し

 

「ですが…立派になって真正面から幽香さんに会いたいです!…紫さん!どうか!進む為に力を貸してください!!」

そう言って頭を下げる

 

 

紫は微笑み

「わかりました…手を貸して上げましょう…そして、ようこそ幻想郷へ…風華 幽鬼…ここは全てを受け入れるわ…それは、とても残酷な事…これからよろしくお願い致しますわ…♪」

時間は経っていたがこれで正式に幻想郷の住人と認知された

 

 

 

そして場所は変わり寝室から居間の方へ

 

「さて、これから幽鬼くんは正式にこの世界の住人として堂々と過ごしていけるわ…」

藍に出して貰ったお茶を啜りながら語る

 

「でも、貴方は今の状況では1人にするのは難しい…となると…人里とかにはまだ住めないのよ…さっき藍から言われたと思うけど…博麗神社という場所で…貴方の身を預かって貰うわ…まぁ…どう言う場所かは説明しなくても…解るわよね?」

 

「はい…大丈夫です」

幽鬼は頷き答える

 

「それにしても…げえむと言うのに出てるとはねぇ…」

幽鬼は紫に大体の事を説明した…

転生者であり、大方のこの世界の事は元いた世界で知識を持つ事を…ただし母親についてはよく分からないので…濁した

 

「あ〜あ〜…何かショックねぇ…幽鬼くんがいた所じゃ、創られた存在だなんて…やっぱり難しい物ね…」

しかし、この事実は紫と藍だけ認知して貰い他には言わないと言う方針で話が決まった

 

「よし、いちいち気にしていたら埒が明かないわ!支度なさい、博麗神社に行くわよ…らーん?」

そう言い立ち上がり、台所に向かった

 

 

「今からですか?紫様?」

割烹着を着た藍が紫と出てくる

 

「善は急げよ♪」

 

「いや…しかし、完全に夜中ですよ?これでは…霊夢が怒ると思うんですが…」

藍が言う通りもう既に夜の11時位だ

 

 

「大丈夫♪大丈夫♪夜はこれからよ♪」

と言いながらスキマを開く

 

「しかし…」

藍はごねる

 

 

「んもー…じゃあ…藍はお留守番してなさい、ほら?幽鬼くん行くわよー!」

紫は幽鬼の腕を引っ張り

 

「え!!ちょっ!!うわっ!!」

 

強引にスキマを通らせる

 

 

「やれやれ…霊夢が機嫌を損ねる時間なのに…」

藍は1人に湯呑みを片付けながら言った

 

 

「はい、着いた」スタッ

「うげっ!?」ドサッ

 

2人は博麗神社の正面鳥居の所に降り立った

 

「イテテ…ゆ、紫さん…酷いですよ…」おデコを擦りながら

 

「あら、ごめんなさい♪張り切り過ぎちゃった♪それじゃぁ♪行きましょう♪」

境内の中に進む紫

「あ、はい!」

後に続く幽鬼

 

本殿の後ろに進むと平屋の家があった

神社の景観に合う結構広い感じだ

 

「さぁて…起きてるかしら?」

「あの…真っ暗ですよ?」

明らかに家の明かりは消えている

 

「やはり…明日の明るいうちが良いのでは?」

幽鬼は紫にそう言うと

 

「大丈夫♪大丈夫♪任せなさい♪」

と言うとスキマを開き、入って行った

 

 

「あ、あれ?紫さん?」

放置される幽鬼…すると…

 

 

 

 

 

「今何時だと思ってんのアンタはァァァァ!!」

 

 

 

「Σ(OωO )」

 

 

家の中から轟く怒鳴り声

 

 

 

 

 

「いや〜ん♪話を聞いてよ〜♪」

障子が開き、紫が飛び出してくる

 

 

「うるさい!!この馬鹿!!アンタは1回退治してやるわ!!」

 

寝間着姿の少女が大幣を持って後から飛び出して来た

 

「いやーん♪幽鬼くん助けて♪」

 

「うぇ!?ちょっ!!」

紫が幽鬼の後ろに隠れる

 

「何よアンタは?見かけない顔ね…でもいいわ…」

 

 

「アンタが眠りの妨げになった原因だと私の勘がそう言ってる…アンタも退治してやるわ!!」

 

少女は相当頭に来ている様だ

矛先が幽鬼に向いた

 

「うぅえ!?ちょっ!!待って!?」

幽鬼は慌てふためく

 

 

 

「待たない!!霊符『夢想封印』!!

 

物理法則を無視した四つの光の玉が幽鬼に迫る

 

「うあわァァ!!??」

幽鬼は咄嗟に両手を前に出す

 

その時

 

(((断縁(だんえん)射線縁切(しゃせんえんぎり))))

 

放たれた四つの光の玉が幽鬼から逸れ当たらず消えた

 

「な…」驚く少女

 

「ふふ♪」笑みを出す紫

 

「( ゚д゚)」両手を出したまま立ち尽くす幽鬼

 

 

 

 

 

 

ひと騒ぎの後、平屋の居間

 

「ふーん…風華幽鬼って言うのね…」

幽鬼はこれまでの経緯と自己紹介をした

 

それを聞いたちゃぶ台を挟んだ向かいの少女が言う

「私の名前は博麗霊夢、この偉大な博麗神社の巫女よ…それにしても、人里であいつ(幽香)が昔っから頻繁に目撃されてた原因が貴方だったのは驚いたわね…まぁ、別に害があったわけじゃないし…買い物してただけみたいだったしね…それもアンタの為か…この世の中、どうなるか分からない物ね…あぁ〜…面倒臭いわね…深夜じゃなきゃ追い返してたわよ…」

格好は先程と同じ白い寝間着だが

ブチ切れからだいぶ大人しく落ち着いて話すようになった

ただジト目で面倒くさそうに

 

所で紫はと言うと

「あの…紫さんは大丈夫なんですか?…大技何発か喰らってましたけど…」

あの後、紫は霊夢に乃されたのだ

 

「大丈夫よ、明日にはケロッと現れるわ」

気絶して伸びた紫を藍が迎えに来て

(あぁ…やっぱりな…)っと表情に出ていた

 

(なんか…ここの藍はゆかりんの扱い雑だった様な……)

気絶している自分の主人を引きずって帰って行ったのだ

 

「さて、色々ゴタゴタ会ったけど今日の朝にしましょう…ふぁあ〜…今から詳しく話を聞くのは嫌だからね…」

霊夢は立ち上がり、欠伸をする

 

「あ、すみません…自分の所為でお休み中の所お邪魔して…」

頭を下げる幽鬼

 

「大丈夫よ…元はと言えばあのバカ()がした事だし…それよりアンタの今日寝る部屋に案内するわ…着いてきなさい」

 

「あ、はい…すみません」

幽鬼も立ち上がり霊夢の後に着いてくる

 

 

居間から出て廊下を進み角を曲がった所の部屋に案内され

 

「ここは今誰も使って無いから、好きに使いなさい…まぁ…詳しい事は今日の朝決めるから…ふぁあ〜、とにかく…私は寝るから…」

そう言って霊夢は自分の部屋に戻って行く

 

「あ、はい!お休みなさい!!」

幽鬼は挨拶すると

 

「……えぇ…お休み…」

霊夢の動きが止まり、変な間が空いてから返してきた

 

霊夢が部屋に戻った後、幽鬼は部屋の中に入った

 

「ふぅ…やっぱり疲れたな…」

 

今日1日で大分濃い出来事があった

幽香の胸を鷲掴み

幽香とお昼ご飯の攻防

上海を保護

アリスに遭遇

幽香に強制帰還

紫登場

自分の能力の暴走疑惑

幽香の家を出る決意

幽香に殴り飛ばされ、貶される

紫の家で目が覚め、藍と遭遇

紫合流後、現状の説明、博麗神社に行く(強引)

博麗神社着、紫が霊夢を怒らし夢想封印

紫だけ乃されて藍が紫を連れて帰り

霊夢と軽く話、部屋に案内される

 

 

「濃いなぁ…めちゃくちゃ濃いなぁ…」

幽鬼は今日1日の出来事を思い出していた

 

「はぁ…疲れた…寝よ…」

押入れを開けて、畳まれていた布団をしき、横になる

元々誰か使っていたのか、不思議な香りがした…

 

「グー…グー…」

幽鬼は疲れていたのか5分も経たずに眠りに着いた

 

 

 

 

一方霊夢は

 

 

「全く、バカ紫ったら面倒な事押し付けやがって…もぉー!」

ブツブツと悪態を吐いていた

 

「はぁ…取り敢えず、朝になったらでいいわもう…」

布団に入り直し、横になる

 

(でも…何か違和感あったわね…うーん…)

(まぁ…私のスペルをどうか出来る時点で違和感だらけだけど)

(それ以外に何かあるわね…アイツ(幽鬼)…)

 

しかし瞼が重たくなり

 

「ふぁ〜ぁ…ねよ…」

 

 

霊夢も眠りに着いた

 

 

 

 

 

 

静かになる博麗神社…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふむふむ…やはりただの人間では無いみたいですね…あの霊夢さんがすんなり受け入れるとは…まぁ…いつも通り面倒くさそうでしたが…彼が持つ何かでしょうかねぇ…」

彼女は月を見上げる

 

「と言う私も…何かあるんでしょう…ここまで1人の人間に興味を持つとは…」

しばらく月を見たまま

 

「……何を言ってるんでしょうかね…とりあえず、朝になったら様子みて突撃取材と行きましょうかね♪」

そうして彼女は黒い羽を広げ夜空に飛び上がる

 

 

 

「朝が楽しみですねぇ♪」

 

 

 

 

 






やっと東方主人公と絡みました
やっぱりあっさり繋がっているんですが…
そして何気に幽鬼のスペルが発動しましたが……
正直考えるのが大変です…はい…
見苦しいかもしれませんがすみません
(´・ω・`)私には高度な文章作成は出来ません

(´・ω・`)物足らずすみませんが
(´・ω・`)暖かい目でご覧下さい



最後まで読んでくれてありがとうございます!!


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ひと騒動、そして異変へ


(ºωº)あー…親知らずを抜いた亜麻乃です
(´・ω・`)いやぁ…なかなか、進まなかったです

お待たせ致しました!
それでは!どうぞ!


 

 

チュン…チュンチュン…

 

朝日が昇り、ある一部屋を照らす

 

「ん…ぅ…ぁぁ…まぶし…」

ショボショボと目が薄く開き、幽鬼は起き上がる

 

「うぅぁ〜…ぁ…もう朝か…」

軽く伸びをして呟く

 

「………目が覚めたら夢でしたなんて…オチはないか…」

ガクッと頭を落とす

 

 

「そうですね!これは現実ですよ!」

 

「はぁ…夢オチが……よかっ…た…」

自分以外の声が聞こえ、固まる幽鬼

 

 

「え…」

声のする方を向くとそこには見慣れない人影が

 

 

「ドモ!初めまして!おはようございます!!朝から失礼致します!!突撃取材!!新鮮な情報を貴方にお届け!!文々。新聞!!清く正しい射命丸 文です!!」

 

「うわぁ!?」

幽鬼は驚いた

 

 

そこには黒髪のボブ。頭には赤い山伏風の帽子(頭襟)

服装は比較的シンプルな黒いフリルの付いたミニスカートと白いフォーマルな半袖シャツを着ている

 

幽鬼がまた知っている人物の1人

 

鴉天狗

 

伝統の幻想ブン屋(捏造新聞記者)

 

風を操る程度の能力を持つ

 

射命丸 文

 

 

 

しかし幽鬼は苦手なタイプでもある…

仮面を被り、自分の事をさらけ出さず、相手の奥まで知ろうとする二つの顔を持つ印象が強い

 

結局妖怪なので人の感性が違うのだろうと思っていたぐらいだ

 

 

「……」

そんな相手が目の前にいる

 

 

「いやぁー、やっとお話が聞けますよぉ〜♪今まで、あの風見幽香さんの傍にいたのでお声掛けづらかったんですよぉ〜♪」

幽鬼はその事を聞き(あぁ…もう目をつけられてたんか…)と警戒する

 

「それで…こんな朝から、その…新聞屋さんがなんの御用で?」

そっと幽鬼は喋る

 

「いやぁー!先程も行ったのですが貴方に取材をしたくてですねぇ〜♪」

ニコニコと以下にもな営業スマイルをむける

 

「……そう…ですか…」

幽鬼は少し警戒をしていた

 

そしてやはりイレギュラーは発生しているのだと…

彼女は確か「風神録」で出てくるはずなのだが既に幻想郷にいる存在、アリス同様に遭遇するのだろうと…

 

(異変はまだだけど、幻想郷に居ればあうか…)

 

「それでですねぇ!取材の話なんですが!」

 

「誰が勝手に他人の家に上がって取材していいなんて言ったかしら?」

 

第三者の声が響く

 

「……」

文の顔が笑顔のまま固まった

そして顔色が青くなっていく

 

文は出入口側に背を向けて座っている

 

「もう一度聞くわ…誰の許可を貰ってここにいるのかしら?

そこには黒笑をしているこの家の主が立っていた

 

「あ、霊夢さん…おはようございます」

幽鬼は軽く頭を下げる

 

 

「えぇ…おはよう…じゃぁ、コイツ借りていくわね?」

霊夢はガシッと文の襟首を掴み

 

「あや!?そ、そんな勘弁を!?」

ジタバタと慌てふためく

 

「そうだ、風華さん…先に居間に行っててちょうだい」

そう言って文を引きずって部屋から出ていく

 

 

 

助けてくださーい!!

最後に文悲鳴が響いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後、幽鬼は居間に先に向かった

 

途中、爆音と断末魔が聞こえたのはスルーした

 

 

 

 

 

 

しばらくして

 

 

霊夢が居間に入ってきた

 

「ふぅ…おまたせ…全くアンタも色んな奴に目をつけられてるのね…」

そう言ってちゃぶ台を挟んで真向かいに座る

 

 

「さて、よく眠れたかしら?」

霊夢は言ってきた

 

「あ、はい…お陰でぐっすり眠れました…」

ぺこりと頭を下げる

 

「そう、なら良かった…それで今後の話だけど…」

霊夢が目を閉じ、静かになる

 

(ゴクリ…(; ・`д・´))

幽鬼は何を言われるのか緊張して喉を鳴らす

 

 

「迷惑な話、朝一でまたあのバカ()が顔を出してきたのよ…んで…言われたのが…」

 

霊夢は面倒くさそうに嫌そうに話し始める

 

「アンタの面倒をここで見てくれ…と言われたわ…はぁ…」

霊夢は深くため息をつく

 

「まぁ…立場的にしょうがないから…面倒臭いけど…色々と紫に条件を飲ましたわ…面倒臭いけど…

 

 

「あの…その紫さんが飲まれた条件とは?」

幽鬼は気になる方を質問した

 

 

「私はそこまでお人好しじゃないからね…色々と言わして貰ったわ…」

 

そうして霊夢が紫に出した最低限の条件が

 

 

1・定期的に幽鬼(自分含め)に多少の補助(金)を出すこと

2・幽鬼をそのまま放置せずに定期的に様子を見に来ること

3・家の事(家事・掃除)を手伝わしてもいいこと

4・居候ではなく給仕役として居させること

5・最低限の条件が増えるようなら増やしても構わないこと

「以上よ…5つ目は紫とお話して許可貰ったから安心なさい」

 

「……(3、4同じじゃね…?何か後デジャブ感じる…)」

幽鬼は黙っていると

 

「なに?文句あるの?私はタダで動くような軽い人間じゃないの」

霊夢は幽鬼を睨む

 

「あ…いや、文句とかは無くて…居さして貰う分何かしなきゃかな〜とは考えていたので…はい…ダイジョウブデス……」

反論したら痛い目を見るなと感じ取ったので幽鬼は首を縦に降った

 

「そう……じゃあ♪今日からアンタは給仕係だからね♪」

霊夢はとてもいい笑顔になる

 

「ふふーん!じゃあ、今日は一通りアンタがやる仕事を教えるわ!」

本当にいい笑顔で話す霊夢に幽鬼は

 

 

「ハイ、オネガイシマス…」

何か諦めて返事をした

 

 

こうして、霊夢は面倒な家事・掃除を幽鬼に任せるのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうしてあっという間に2週間

 

 

 

 

 

 

 

 

「この不審者ヤロー!!覚悟するんだぜ!!霊夢の代わりに私が退治してやるぜ!!」

 

 

魔女姿の金髪少女に6角形の箱の様な物を向けられている幽鬼の姿が境内にあった

 

 

 

遡ること30分前

 

 

「幽鬼ー?ちょっといいー?」

霊夢の声が台所に響く

 

「あ、はい!なんですか?」

割烹着を着て、菜箸を持った幽鬼が顔をだす

 

「ちょっと、出掛けるわね」

大幣を肩にかけながら霊夢は言う

 

「何か妖怪退治の依頼ですか?」

そう聞くと霊夢は面倒くさそうに

 

「まだその方が良かったわよ…ちょっとした勘が働いたのよ…自主的な見回りをして帰ってくるわ」

霊夢の勘はやはり良く当たるのだ(主人公スゲッ)

 

「まぁ、アンタはいつも通りしてなさいな…夕飯ちゃんと作っときなさいね!!」

そう言って霊夢は外に向かう

 

「はーい、気をつけて行ってきてくださーい」

幽鬼は霊夢にそう言って見送る

 

 

 

「ふむ、お昼作ったのどうすっかなぁ…あ、おにぎり位渡せば良かったかも…」

霊夢が行ったのが昼前であり、作り終わる所であった

 

「……お昼を食べずに…うーん…何か良くないことでも起きるんかなぁ…」

今回に関してはお昼を忘れる程の勘が働いたのだろうかと考えてる幽鬼

 

「ま、いいか…取り敢えず…夕飯前の掃除・洗濯とかやっとこ…」

幽鬼は台所に戻り、釜戸の火の始末や片付けをしてから掃除と洗濯をし始めた

 

「ふぅ…だいぶ板に着いて来たな…我ながら凄い適応能力…」

箒を片手に物干し竿に干された布団を見て言う

 

「さて、日が暮れる前に掃除〜♪」

たった二週間で定着している(コイツもスゲッ)

 

 

すると

 

 

 

「れーいーむー!」

 

空から声が響く

 

「ん?」

上を向く

 

「遊びに来たぜぇぇぇ!!!」

物凄いスピードで誰かが境内に突っ込んで来た

 

「どぉわぁ!?」

その風に煽られ倒れる幽鬼

 

「よっ…とぉう!!」(スタッ

綺麗な着地をする

 

「いやぁー!色々と実験してたら来れなかったぜ!!」

黒のとんがり帽子を被った

白黒の正に魔女と言う服を着ている金髪少女

 

「よぅ!!霊夢!!霧雨魔理沙様が来てやったぜ!!」(ビシッ!

 

 

「え?」

幽鬼に指を指して言う

 

 

 

 

 

 

 

「………あ?お前誰だ?」

間が空いてから魔理沙は気づいた、目の前にいる人物が霊夢では無いことに

 

「え…あ、自分はいそっ(不審者かぜ!?)はい?」

説明しようとしたら声が割って入る

 

「おい!お前!ここで何してんだ!」

魔理沙は幽鬼を睨みつける

 

「え…いや…今せんたっ(やっぱり泥棒かぜ!?)違います!?」

幽鬼は否定するが

 

「いいや、悪い奴ほどそうやって否定するんだぜ!!お前!霊夢が居ないこといい事になにしてんだぜ!!こうなったら私が霊夢の変わりに…!!」

 

片手をとんがり帽子の中に突っ込んでゴソゴソする

 

「いや!?話を聞いてくださいよ!?」

幽鬼は慌てふためく

 

「お前を退治してから聞いてやるぜ!!」(バッ!!

帽子に突っ込んでいた片手を勢いよく抜きだす

その手には六角形の箱の様な物が握り締められていた

 

(げぇ!?まずい!?)

幽鬼はそれを見て焦った

 

「さぁ、覚悟するんだぜ!!」

 

幽鬼にソレを向けた

 

魔法を扱う程度の能力を持つ彼女にとってのマジックアイテム

 

八卦炉だった

 

 

 

 

 

 

「不審者ヤロー!!覚悟するんだぜ!!霊夢の変わりに私が退治してやるんだぜ!!」

 

今に至る

 

 

 

 

「いや!?マジで話を聞いてください!?」

幽鬼は焦る、あの技を喰らったら元も子もない

 

「ふふん!!反省は後でしやがれ!!」

すると八卦炉が形を変える

 

「げぇ!?」

幽鬼は発射体勢に入った事に焦る

 

 

「さぁ!!一発で仕留めるぜ!!喰らえ!!」

 

 

 

 

 

「恋符 「マスタースパーク」!!!

 

 

 

 

(あ、終わった\(^ω^)/)

 

幽鬼は考えるのを辞めた

 

 

 

 

 

 

だが

 

 

 

 

 

(縁引(えんび)暴縁飌(ぼうえんふう))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いきなり物凄い風が吹き

 

物干し竿に干してあった敷布団が飛んだ

(※ダジャレが頭に浮かんだ方は正常です)

 

そして、その方向に

 

(バサァ!!「うわぁ!?何だぜ!?」

 

 

魔理沙の上に頭から被さった

 

 

 

そして

 

 

「何だぜ!?くっそ!前が!……あ!マズイぜ!」

 

布団を被さったままだが八卦炉はエネルギーを放出しだす

 

「ぬぁー!!ヤバいぜー!」

 

そして

 

 

 

 

チュドーン!!(アーー!!

 

 

 

 

 

 

布団を被ったまま、放出されたレーザーで爆発を起こした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なーんだー!それならそうと言ってくれだぜ!」

 

あれから魔理沙は爆発に巻き込まれたが、ちょっと服が焦げただけで無傷だった

 

そして、説明を1からするから落ち着けと言う幽鬼の説得を聞き入れて話を聞いた

 

「いや、話そうとしたのに魔理沙さんが聞く耳を持たなかったからですよ…」

 

そっとお茶を出す

 

 

場所を移し居間に2人で座って話している

 

「お、それは悪かったぜ!いやさ、私が言うのも何だが…こんな辺鄙な場所は物好きか妖怪位しか来ないからなぁ!」

そう言って出されたお茶を飲む魔理沙

 

「霊夢さん聞いたら、怒られますよ?」

ジト目で幽鬼は言う

 

「聞かれなきゃ平気だぜ♪」

にししと笑う魔理沙

 

 

「はぁ…全く、良かったですよお互い無事で…」

すると魔理沙が

 

「クンクン…何かいい匂いがするんだが…」

匂いを嗅ぎながら聞いてきた

 

「あぁ…さっきも説明しましたが、霊夢さんお昼食べずに出掛けちゃったので…作ったままなんですよ」

幽鬼がそう答えると

 

「なに!?飯があるのか!?もしかして、幽鬼が作ったのか!?」

魔理沙は驚く

 

「まぁ…住み込みの給仕ですからねぇ…ハハッ…また、夕飯は別で作るんで良かったら食べますか?」

そう言うと

 

「いいのか!?」

魔理沙は目を輝かせる

 

「はい、時間が経ったら美味しくないですし…また霊夢さんには作るので…お口に合うかどうかですが…」

 

「そこまで言われたら、頂きますのぜ!!」

魔理沙は上機嫌に答える

 

「じゃぁ、少し待っててください、暖めて来ますので」

幽鬼はそう言って台所に向かう

 

「いやぁ…驚きだぜ…霊夢の所で飯が喰えるとは…」

魔理沙は明日は槍が降るのかと思いながら待つのであった

 

 

 

 

〈少女食事中 〉

 

 

 

 

「いやぁー、食ったぜ!ご馳走様だぜ!」

お腹を擦りながら魔理沙言う

 

「いえいえ、お粗末さまでした…」

食器を片付けながら幽鬼は言う

 

 

「それにしても霊夢遅くないかぜ?」

寝そべりながら言う

 

「そうですね…見回りにしては…」

カチャカチャと食器を洗いながら幽鬼は言う

 

「何か起きるのか…ん?」

ふと魔理沙は空いていた障子から外を見る

 

 

 

 

 

 

すると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空が紅く染まって行ったのだ

 

 

 

それを見た魔理沙

 

「こりぁ…異変だぜ!!」

 

 

ガバッと身体を起こし帽子を被り、台所に飛んで行く

 

「幽鬼!!行くぞ!!」

 

「へ?どうしました?魔理沙さん?(ガシッ)…へ?…ちょ!?何で!?待って!?なになに!?」

腕を捕まれ連れてかれる幽鬼

 

 

「ほら見ろ!」

魔理沙が幽鬼を外に連れ出し、指を空に指す

 

 

「こ、これは……」

幽鬼は見た、空が紅く染まり、紅い霧が漂っていることを

 

 

 

(紅霧異変!?)

幽鬼は状況を見て確信した

 

 

 

 

 

 

「よし!!幽鬼!!捕まってろよ!!」

固まっていると魔理沙が腕をさらに強く掴む

 

 

「へ?魔理沙さん?」

幽鬼は魔理沙が次に起こす行動が何となく分かってしまった

 

 

 

「多分、霊夢の奴も向かったに違いない!私達も行くぜ!!」

いつの間にか手にある箒に飛び乗り、元凶の元へと飛び出す

 

 

 

拒否権無いのかよぉぉぉぉ!!

 

幽鬼も一緒に空へ消えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜とある地下室〜

 

 

「誰かくる?誰?」

 

薄暗い部屋に1人いる幼き少女

 

「……来る…向かってる…」

 

幼き瞳は一点の方向を見る

 

「…アナタハ…ダレ?」

 

まっすぐと博麗神社のある方をずっと見つめて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハヤク…アソボウ♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(運命)は動き始めた

 

 

 





(`・∀・)ノイェ-イ!
紅霧異変突撃だぜ!!
(゚д゚;)あれ、紅魔異変だっけ?

上手く書けるかわかんないんだぜ!!

暖かい目で見守ってくださいだぜ!!






本当にごめんなさい
最後まで読んでくれてありがとうございました!!


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紅霧異変 前編


∠(゚Д゚)/イェーイ
やっとこさ、異変が始まります!

宣言しときます


投稿ペースがめちゃくちゃ遅れます!
ごめんなさい!!

でも頑張って書きます!!
よろしくお願いします!!

どうぞ!!


 

 

 

魔理沙に腕を掴まれて、そのまま博麗神社を飛び出したが

戸締りをしっかりしたいと言って戻ってもらい

簡単な準備と戸締りをしてから出発した

 

 

 

今は魔理沙の箒の後ろに乗っていて、2人乗り状態だ

「何処に向かってるんですか?」

幽鬼は魔理沙に聞くが

 

「とりあえず、怪しい場所に向かうんだぜ!!」

ニカッっと笑みを見せる

 

「用は決まってないんですね…」

ため息をつく

 

「そう言うなって、霊夢の奴もどうせ動いてるから…痕跡が残ってるだろうぜ!」

辺りを見渡す魔理沙

 

「痕跡??」

 

「あぁ!痕跡だ!こういう風に何か起こると弾幕ごっこの跡みたいなのが残るから、霊夢が放った奴ならすぐ解るぜ!!」

そう言いながら見回り続ける

 

幽鬼は発生源の場所を言おうか迷っていた

 

(でもなぁ…大丈夫なんだろうか…)

(まぁ…俺って言うイレギュラーがいるしなぁ…)

そして視界を下に向けたその時

 

「ん?あれは?」

不自然に森の中に開けた場所が出来ていた

 

「お?何かあったのぜ?」

魔理沙が箒を一旦進めるのを停めて、空中にホバリングする

 

「魔理沙さん、あそこら辺不自然に森が所々開けてませんか?」

幽鬼は指を指して言う

 

「んー?あ、あそこか?」

魔理沙も同じ所に気づき指を指す

 

「はい、何か…不自然に削れてませんか?」

 

「そうだな、よし!降りて確認するぜ!!」

そう言って高度を下げて降りる

 

 

「ほいっ!降りて大丈夫だぜ!」

地面に足が届くぐらいの高さになり降りる

 

「あ、はい!……よっ!」

着地する幽鬼

 

「いよっと!」

魔理沙も横に降りて立つ

 

「あぁ…こりゃ〜、弾幕の跡だな〜」

魔理沙が周りの森の状態を見て確信する

 

「誰かがここで弾幕ごっこをやったんだぜ…」

しゃがみ込んで不自然に削れた地面に手を置く

 

「まぁ…十中八九、霊夢の奴の弾幕だろうな…」

 

「分かるんですか?」

幽鬼が後ろから聞く

 

「霊夢は異変が起きたらすぐ退治し始めるから…第一接触の妖怪だったんだろうぜ…」

そう言ってキョロキョロと辺りを見渡す

 

「幽鬼!私は少しこっち側調べるから、向こうの方少し見てきてくれだぜ!」

辺りを調べながら魔理沙は幽鬼に言う

 

「わ、分かりました…魔理沙気をつけてくださいね?」

そう魔理沙に言うと幽鬼にニカッと笑い

 

「私は大丈夫だぜ!何かあったら声掛けてくれよな!」

そう言って森の少し奥に入っていく

 

「さて、調べよ…」

幽鬼も頼まれた方に身体を向けて、調べ始める

 

「少し跡が増えている…アッチかな?」

跡にそって歩く幽鬼

 

 

数分後

少し離れた所に一際大きいクレーターが出来ていた

 

「す、すごいな…これ本当に弾幕ごっこのやつなのか?」

辺りを見渡しながら近づく

 

「ん?あれは?」

その時、一本の木の根元に人影を見つけ

ゆっくり近づき確認する

 

「あ、この子は…」

 

そこに居たのは

魔理沙と同じ金髪でワンポイントに赤いリボンを付け

黒ワンピースの胸元にも赤いリボン

 

人間で言うと子どもの女の子ではあるが妖怪

 

それも人食い妖怪

 

闇を操る程度の能力を持つ

 

幼き常闇の妖怪

 

 

 

「ルーミア…」

 

ボソッと幽鬼は名前を言う

 

「どうして…あ…そうか!」

ここは幻想郷で異変中であればゲームで起きた状況と同じはずな事を思い出した

 

「霊夢にやられたのか…?」

幽鬼は近くによりしゃがむ

 

「気を失っているだけだよね?」

口元に左手を近づけ、息をしているか確認する

 

ちゃんと一定のリズムで呼吸をしていた

 

「ほっ…良かった…」

 

その時

 

「おーい!幽鬼ー!そっちに何かあったかー?」

魔理沙の声が聞こえ、顔をそちらに向ける

 

「あ!魔理沙さーん!こっちnっ…(ガブッ!)…かぶっ?」

 

幽鬼は視線を前に戻す

 

 

 

「ガジガジ〜」

 

ルーミアに幽鬼の左手を手首まで噛まれている光景が目に入った

 

「……イデェエエエエ!!??

轟く絶叫

 

「どうしたぜ!?幽鬼!?」

直ぐに魔理沙が飛んできた

 

「イテテ!ちょっ!!噛みつかれてぇ!」

ブンブンと噛み付かれた左手をフリ回す幽鬼

 

「ぬぉい!?ルーミア!?辞めるんだぜ!!」

魔理沙が慌てて振り回されても離れないルーミアを押さえる

 

「むぐぐー!!」

何が気に入ったのか中々解こうとしないルーミア

 

「ちぎれる!?手がァァ!?」

「ほら離すんだぜ!ルーミア!」

幽鬼は手を抜こうと引き

魔理沙はルーミアを羽交い締めで引く

 

 

スポーン!!

 

 

何とか抜けた

 

 

 

「あぁ…痛かった……」

左手を見るとヨダレでベタベタなうえに歯型がくっきり

 

「だ、大丈夫かぜ?」

ルーミアを羽交い締めしたまま魔理沙が聞く

 

「な、何とか…」

持っていたハンカチで手を拭き

 

「惜しかったのだ〜…」

残念そうにしているルーミア

 

「おいおい…ルーミア、こいつ(幽鬼)は食べちゃダメな人間だぞ?」

呆れながら魔理沙は羽交い締めしているルーミアに言う

 

「そーなのかー、でもあんなに近くにいい匂いのしたお肉があったら我慢出来ないのだー」

 

「いい匂いって…」

幽鬼は左手を擦りながら、ルーミアを見た

 

「はぁ…幽鬼、コイツはルーミアって言うんだぜ…子供に見えるが、妖怪だぜ…」

魔理沙はルーミアを離し

 

「この前、阿求に頼まれて退治した時にしりあったんだが、ルーミア…お前霊夢にやられたんだろ?」

ルーミアに魔理沙は問いかけ

 

「れーむ?って誰なのだ?」

 

「あ〜…ほら、赤いリボン付けた巫女だ…」

魔理沙は分かりやすく言い直した

 

「あーさっきの人間なのかー、確かにやられたのだー、お腹すいて飛び回ってて、あったのだー」

ルーミアが説明すると

 

「人里に飯食いに言ってるんじゃ無かったのか?この間、そう話をつけたはずだぜ?」

 

ルーミアがシュンとなり

「何処もやって無かったのだ〜…この赤いモヤモヤのせいで…」

 

「あぁ…そういうことか…って事はこの霧は多少人間に影響を与えてるのか…まずいぜ…」

魔理沙はルーミアの話を聞いて何かわかったらしい

 

「何がまずいんですか?」

幽鬼は魔理沙が放った「まずい」っと言う言葉に反応した

 

「ん?あぁ…ルーミアが人里に行って店がやってないって事はそれなりに店を開けられ無い状況になってるって事で、この霧が少なからず人間に無害では無いって事だぜ…店がやってないんじゃ…人の出入りなんて持ってのほかだぜ…人里が機能しなくなっちまうぜ…」

魔理沙は帽子を被り直し

 

「ルーミア!霊夢がどっち行ったかわかるかぜ?」

魔理沙は箒に乗る

 

「正直良く分からないのだ〜……そういえば、湖がなんちゃら言ってたような気がするのだ〜」

そうルーミアに聞くと

 

「湖…あそこか!?幽鬼!!乗るんだぜ!!」

どうやら目的地がわかったようだ

 

「え?何か分かったんですか?」←(知ってる)

幽鬼はまた後ろにまたがる

 

 

「湖って行ったらここら辺じゃ…彼処しか思いつかないぜ!」

 

また、浮き上がり

 

 

「捕まってろよ!!」

出発しようとしたその時

 

「あ!ルーミアちゃんだっけ?」

下にいるルーミアに幽鬼が声をかける

 

「なんなのだー?」

 

「良かったらこれ食べて!」

唐草の布で包まれた物を投げる

 

「なのだー?」

上手く受け取り

 

「それじゃ行くぜ!!」

2人を乗せた箒はあっという間に小さくなった

 

 

1人残されたルーミアは渡された包みを開き中身を見る

「わは〜♪」

中身は大き目のおにぎりが二つ入っていて

簡単な準備の中で用意したおにぎりであった

人食い妖怪と言っても必ず人を食べなければ生きられない訳ではなく普通に食事で空腹は紛れるのだ

 

「おにーさん、ありがとうなのだー」

 

もう底には居ない人物に向かって礼を言うルーミア

おにぎりを頬張りながらその場を離れるのであった

 

 

 

 

また縁が繋がった

 

 

 

 

 

 

ルーミアと別れてから数分後

 

少し離れた場所が今回の目的地だった

 

「霧の湖」

 

「うわぁ…おっきい湖ですね…」

幽鬼はリアルで見る霧の湖の大きさに驚いていた

 

「そうだろぜ、ここは幻想郷の唯一の湖だぜ!ルーミアが言っていた湖はここしか無いのぜ!」

そう言って魔理沙は再び辺りを見渡す

 

「もう霊夢の奴が……ん?」

その時、氷の塊が飛んできた

 

「当たらないぜ!?」

「いぇ!?」←何か変な声をあげる幽鬼

魔理沙が咄嗟に箒を操作し避けた

 

 

 

「コラー!!アタイ達のナワバリに入る悪い奴はだれだー!」

氷の塊が飛んできた方から声が響く

 

「あぁ…この声アイツかぜ…」

魔理沙は知っていた

 

「…ハハッ…」

幽鬼も元から知っていた

 

 

 

 

 

 

「ここを通りたくば!サイキョーのアタイを倒してからだ!」

 

冷気を操る程度の能力

氷の妖精 チルノであった

 

通称「⑨」

 

「ち、チルノちゃん、待って〜…」

その後に着いてきた子がもう1人いた

 

緑の髪色、同じ妖精のようだ

 

チルノの親友と言っても良い

面倒見、お世話良すぎる妖精

 

これでも妖精のトップ(幽鬼だけ知ってる)

 

大妖精である

 

通称「大ちゃん」

 

 

 

「おい、チルノ?私が誰か分からないのかぜ?」

魔理沙は呆れながら質問すると

 

「なに!分かってるぞ!誰だっけお前!」

チルノはドヤ顔で答えた

 

「あ…」

幽鬼は確信した…

ここのチルノは安定の(バカ)だと

 

 

「チ…チルノちゃん…魔理沙さんだよ…ほら、この間森でキノコ狩りしてた…」

オドオドと大妖精改めて大ちゃんがチルノに話す

 

「森の…?キノコ…がり?……あー!!」

チルノは思い出したのか大声をあげる

 

「分かったか?」

魔理沙は確認する

 

 

「そうだ!まりかーだった!!

ビシッと指差し

 

「魔理沙だ!?ま・り・さ!!」

箒からずり落ちそうなのを耐え突っ込む

 

(確かに惜しいがw…別のになったぞw)

幽鬼は小刻みに肩を震わせる

 

「ぁゎゎ…」

大ちゃんはオロオロしだす

 

 

(少女確認中…)

 

 

 

「なーんだ!魔理沙だったのか!アタイったらうっかりしてた!!」

何とか三人でチルノ一人に分かるように説明した

ついでに幽鬼の自己紹介も済ました

 

「たくっ…疲れたぜ…弾幕ごっこより疲れたぜ…」

魔理沙は項垂れて

 

「ははっ…でも、余計な戦闘は避けれて良かったですよ…」

幽鬼は一先ず安心して

 

「ご、ごめんなさい」

大ちゃんは謝る

 

「大妖精が謝る必要はないぜ…もうしょうがない事だ…」

顔を上げて大ちゃんに言う

 

「魔理沙達は何でここにきたんだ?」

そんな事を他所に話を進めてくチルノ

 

「異変解決に向けて動いてんだよ、ほら辺り一面紅い霧で覆われてるだろ?これを起こしてる奴を倒して解決するんだぜ」

そう説明すると

 

「ほへー!そうか!この霧なんか、解る?大ちゃん!」

 

「うぇ!?わ、私?」

いきなり話を振られ大ちゃんは固まるが

 

「あ…えーと…でも、森の子達はこの霧が出てから少し怒りっぽい感じになったよね?」

大ちゃんがそう言うと

 

「あー!そうだ!ここに来るまでアタイ色んな奴と弾幕したぞー!最後の空飛んでた人間は負けたけどな!」

 

「そういえば、チルノちゃん怪我は大丈夫?」

 

「大ちゃん!アタイはサイキョーだからもう大丈夫!」

 

 

「待て待て、おいチルノ?さっき空飛ぶ人間に負けたって言ったかぜ?」

魔理沙がチルノの一言に反応した

 

「アタイったら油断したね!何か赤いリボンと変な棒持った人間にやられたんだ!」

 

「えっと…多分…向こうの神社の人です…」

 

チルノと大ちゃんの意見を聞いて魔理沙は聞く

 

「どっちに向かったぜ!?」

 

チルノと大ちゃんが同時に指を指す

 

「あそこだぞ!(です…)」

 

 

 

指を指す方を見るといつもより霧が薄くなっている湖の麓に

紅い屋敷があった

 

 

 

「見つけたぜ!!」

 

「紅い…館…」

 

魔理沙と幽鬼はそれぞれ館の存在を確認した

 

 

「霊夢の奴はあそこだぜ!!2人ともありがとよ!!行くぜ!!幽鬼!!」

 

「あ、はい!それじゃね!チルノちゃん、大ちゃん!」

そうして、2人はしたの紅い屋敷に向かう

 

 

残った妖精2人は

「行っちゃったね…チルノちゃん…」

 

「そうだね!さて!大ちゃん!遊びの続きしよ!」

と言って飛び去る

 

「あ!待ってよー!チルノちゃんー!」

その後を着いていく大ちゃん

 

 

 

 

また縁は繋がる

 

 

 

 

 

 

妖精2人と別れて紅い屋敷に向かった魔理沙と幽鬼は

半壊した門の前に立っていた

 

 

「……」←頭を抑える魔理沙

 

「……ま、魔理沙さん…これって…」←顔が引き攣る幽鬼

 

 

紅いレンガで積まれていた壁は正面部分が崩れ

大きい鉄門の扉はひしゃげていた

 

 

「十中八九…霊夢の仕業だぜ…しかし…派手にやってるぜ、霊夢の奴」

しかし、何故か楽しそうな魔理沙

 

「…誰かと弾幕したのでしょうかね?」

辺りを見渡す幽鬼

 

「ま!誰も居ないんじゃラッキーだぜ!行くぜ!幽鬼!」

魔理沙は門を潜ろうと足を進める

 

「あ!待って下さいよ!」

幽鬼もその後に続く

 

 

その時

 

「ま、待ってください!」

何処からか声が聞こえ

 

「ん?幽鬼何か言ったか?」

魔理沙が振り返り

 

「え…自分は特に…ん?」

声がした方に顔を向ける

 

「気の所為かぜ?」

また進もうとすると

 

「行かせませんよ!!」(ドガシャン!!

壁の瓦礫の中から誰か飛び出してくる

 

「いよっ!」

宙返りして綺麗に着地する

 

「この先は関係者以外立ち入り禁止です!」

着ているカンフー服からすらっと伸びる足

綺麗に何かの動きをしつつ構える

 

今回は見慣れた服で登場!

「門番!名を紅美鈴!この館には誰一人入れはしません!お客様以外は!」

ビシッと決めて終わる

 

 

 

「でもよ…そんな事言って霊夢に負けたんだろ?」

魔理沙がニヤッと言う

 

「うぐ…」

 

「仮にも門番だとしてもここまで壊されちゃ駄目だぜ…」

辺りの瓦礫を箒で指しながら

 

「うぐぐ…しかし!どうしても入りたければ!私が相手になりましょう!」

真剣な目で戦闘態勢に入る美鈴

 

「うーん…心理戦は失敗だぜ…」

帽子の中をガサゴソして

 

「え…あれ心理戦だったので?」

隣に立つ幽鬼がそう魔理沙に確認する

 

「まぁ…出鼻挫くって感じだぜ…幽鬼…下がっててくれだぜ…」

帽子から八卦炉を取り出し

 

「私がパワーで押し切るぜ!!」

両手で八卦炉を構えたその時

 

 

「ちょ!!ちょっと待ってください!!」

美鈴が慌てて声をかける

 

「なんだ?通す気になったのかぜ?」

魔理沙が構えたまま答える

 

「違います!!……えっと…そちらの男性の方は…幽鬼と言うお名前ですか……?」

 

美鈴が魔理沙に確認する

 

「あぁ…そう言ったぜ?」

魔理沙が答える

 

「あの…すみませんが…フルネームは…後どんな字になります?」

美鈴が幽鬼に顔を向けて確認する

 

「え…えーと…自分は風華 幽鬼(かざばな ゆき)といいます…こう書きます…」

 

幽鬼は名を名乗り地面に名前を漢字で書く

 

するとブツブツと悩んだと思ったら

 

「あっ!!!」

何かに気づいて

美鈴はシャキッと立ち

 

「そ、そちらの方はお客様としてお通ししますね!」

 

 

「え?」

「は?」

 

幽鬼と魔理沙が同時に声をあげる

 

「貴方様の御訪問をお嬢様が待ち望んでいました!風華 幽鬼様、どうぞ扉へお進みください!」

 

魔理沙をそっちのけで話を進める美鈴

 

「ちょっと待つんだぜ!こんな物騒な所に人間の幽鬼一人行かせる訳には行かないぜ!…それに何故、こいつが客人なんだぜ…!」

 

再び八卦炉を美鈴に向ける

 

「申し訳ありませんが、お客様ではない貴女には教える事は出来ないです…ご納得して頂けませんか?」

魔理沙に向き合う美鈴

 

「いいや!納得行かないぜ!それに、霊夢も来てんだから私も中に入らせて貰うぜ!」

魔理沙の気は真っ直ぐだった、それを理解した美鈴は

 

「貴女も先程の巫女さんと同じ目的でしたか…ならば尚更ここを通す訳には行きません!」

拳法の形で体制を構え

 

 

「改めてまして、紅魔館!門番!紅美鈴!御相手させえ頂きます!」

熱く答える美鈴

 

そうして魔理沙もニヤリと笑い

「幽鬼…少し下がってくれだぜ…こいつを片付けてさっさといくぜ…」

魔理沙は一人、箒に跨り

 

「わ、分かりました」

幽鬼は言われた通りに少し離れる

 

「もう一度聞くが…素直に通してはくれないんだよな?」

魔理沙は浮き上がり美鈴に問いかける

 

「笑止千万…同じ事を何回聞いても無駄ですよ…」

美鈴の身体から闘志が湧き出る

 

 

「じゃ!!最初から全力でいくぜぇ!!」

こうして2人の弾幕勝負が始まった

光輝く星の弾幕と七色の弾幕がぶつかり合う

 

「……影に隠れてよ…」

ドンパチ弾幕ごっこを始めた2人を他所に影に隠れる幽鬼であった

 

 

 

 

 

 

こうして決着が着くまで幽鬼は待ちぼうけしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

運命()は常に定まらない






いやぁ…戦闘シーンは苦手なので…

(・ω・`)ごめんなさい

(・ω・`)察してください…すみません…

読んでくれる人達がいるからこそ頑張っています!!
ありがとうございます!!

最後まで読んでくれてありがとうございます!!


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紅霧異変 中編 (引きこもり魔女の陥落)



(゜∀。)ヒャッハー!!
書いたよー!!

(´・ω・`)戦闘面はご了承ください…てか、勘弁お願いします…

その代わり甘々になるよう頑張ります(·∀·)ニヤニヤ


 

ドゴォォ…ドゴゴゴォォン…

 

 

地下の空間まで響く地響き

 

「…また、派手にやってるわね…」

 

彼女は本を読みながら

本日二回目の地響き

 

「静かになったと思ったら…はぁ…今回は静かに終わらなそうね…まぁ…前の騒動も…静かでは無かったけど…」

そっと最近お気に入りの本を閉じ、テーブルに置く

 

「レミィの我儘にも困ったものだわ…ここしばらく静かに過ごしていたのに…いきなり事を起こすなんてね…」

紅茶の入ったティーカップを取り

ゆっくりと飲み、一息つく

 

「ふぅ…ここまで響くなんて…どんだけ派手にやってるのかしら…」

ここは紅魔館の地下にある図書館

そして、ここの管理人兼居候、当主の友人であり相談役

パチュリー・ノーレッジである

 

「今回の騒動は…建前は、あの妖怪賢者の指示…だけど…レミィの思う事があっての騒動…」

椅子に深く座り考え込む

 

(レミィに…言われた事…分からなかったり…気になる所が結構あったわね…)

ふと見上げ思い返し始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

〜遡る事、異変前〜

 

 

 

 

 

「今日、皆に集まって貰ったのは他でもないわ…」

大広間の王座に座る、紅魔館の当主

レミリア・スカーレット

 

「何事かしら…レミィ、今度は皆で何か暇つぶし?」

パチュリーはここ最近のレミリアの遊び相手や話相手をしていた為そんな事を言う

 

「お、いいですね♪たまには皆で遊びましょう♪」

パチュリーの案にノリノリの美鈴

 

「……今日は違うわよ!!」

レミリアが大声をあげる

 

「全く…誰がそんなに遊びたがりなのかしら…!私はそこまで子供じゃないわよ…!」

腕を組んで仁王立ちしているレミリア

 

もう既にカリスマブレイクしているようであり

何故か微笑ましく見えた

 

(先週オセロで負けてウーウー言ってたのに…)

ジト目でパチュリーはレミリアを見て思った

 

「ははっ…失礼しました」

美鈴は軽く笑いながら謝罪した

 

すると

 

「ただいま戻りました、お嬢様」

レミリアの傍にメイド服を着た銀髪の女性が現れた

 

「あら…お帰りなさい…咲夜…」

レミリアは静かに名前を呼ぶ

 

彼女は、完璧で瀟洒な従者

銀色に輝く髪はまさに月の輝きの美しさ

可憐な青のメイド服に身を包み

静かに主であるレミリアの傍に静かに立つ

 

この紅魔館のメイド長

 

時を操る程度の能力」を持つ

 

十六夜 咲夜

 

「遅れて申し訳ございません…お嬢様…」

咲夜は頭を下げ謝る

 

「大丈夫よ、咲夜…まだ、本格的な話はしていないから…それに貴女はちゃんと頼まれた事をしてるから大丈夫よ…」

優しく声をかける

 

「恐れ入ります…」

ゆっくりと姿勢を正し

 

「さて…咲夜も戻ったことだし…あら?パチェ、そういえば小悪魔はどうしたのかしら?」

レミリアは館にいるメンバー全員を招集させたつもりだったが

 

「あの子は本の整理で忙しいから…許してあげて…」

パチュリーは静かに言う

レミリアは(また…なにかやらかしたのかしら?)と思った

そして、深くは聞かないでおこうと悟った

 

「まぁ…パチェから説明しておきなさい…とりあえず…話すわね…約十年前位かしら…ここに来た時、勝手に着いてきた奴等が騒ぎを起こして鎮圧された…同時に私達はこの世界の賢者に移住者として迎えられた…そして、ペナルティはあったものの、そこまでキツい物でもなく…あれから…今まで普通に過ごしていたわ…そして…この間八雲紫が現れ、言われたのよ…この紅魔館の結界を解き…存在を露わにする…そして結界を解く条件が…」

 

 

 

 

 

 

 

今度は私達自身で騒動を起こす事よ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パチュリーはこの時よく理解出来なかった

この世界の管理者が条件として…

なぜ、事件を起こす事なのか…

この世界の人間に脅威が迫る位に…

 

聞いた直後は分からなかったが

詳しい説明をされて

幻想郷の維持に繋がるのが理由だった

ある程度のサイクルを必要とする

 

妖怪が事件を起こし

 

弱い人間に危機がせまる

 

この幻想郷の守護、「博麗の巫女(人間)」による解決

 

このサイクルが上手く回らなければ、維持が出来ないらしい

 

 

妖怪は恐れられ存在を維持する者達が殆どだ…

人を襲わなければ妖怪は…

人から恐れられなくなり存在出来なくなる…

だが…

妖怪に好き勝手に人間を襲わせては、駄目だ…

人間と言う存在もこの世界の維持に関わる…

人間がいなくなってしまえば終わりだ…

 

しかし「弱い人間達」では妖怪に抗えない…

 

 

それを護り、妖怪と同等に戦えるもの…

それが「博麗の巫女」の存在だ…

 

そして、今回の騒動は「現・博麗の巫女」がこの騒動を解決出来るかという、試験の様な物らしい

 

それなりに本気でやってもいいと言う事だ

解決出来なかったらそれまで…

 

 

レミィは全力で潰しにいくと息巻いていたが…

 

妖怪賢者、八雲紫は余裕な雰囲気だったそうだ

 

そして、去り際に八雲紫が一言言ったらしい…

 

「ここの子達は何人無事でいられるかしら?」

これも分からない一つだ…

私はこの言葉をレミィから聞いた時、疑問に思った…

 

受け取り方によっては、今回の事件を起こしたらこちら側に犠牲者が少なからず出ると言う事だ

レミィにとっては1番嫌な事だ…

しかし、レミィは何故か楽しそうだった…

 

その後にレミィは首を傾げている私達にこう言った

 

「準備を始める前に言っておくわ、私の御客も来るから、来たら御客だけ通しなさい」

 

「はい!お嬢様!御客様のお名前はなんですか!!」

門番である美鈴が聞いた

 

「名前は…そうね……」

 

「風に揺れる華は幽閉されたの(私達)の心をゆっくりと癒し掴む…」

「美鈴、咲夜、パチュリー、小悪魔、私と…そして…」

 

 

 

「あの子もね…」

 

 

訳が分からない

名前のはずなのだが、さらに首を傾げてしまった

何故…私達の名が出たのか…

 

そんな事を思い出していたパチュリー

 

 

 

「レミィ達自身だけ…なら何となく解るけど…吸血鬼だし…あの子…もね…」

チラッと視線を図書館の奥に向ける

 

「…そんな事が…出来たら…して欲しい物だわ…」

薄く笑いボヤくパチュリー

 

「にしても…レミィに言われた最後の言葉も…何なのかしら…」

準備を始める為に部屋から出ようとした時に言われた事は

 

「貴女が一番だから…気をつけなさい…って…」

この言葉が一番分からなかった

 

「何の運命を視たのか知らないけど…やめて欲しいわ…とにかく…縁起が良い事が起こることを願うわ…」

 

そして、本を読み直そうとした時

 

「ん…静かになったわね…」

先程まで響いてた地鳴りが止んでいた

 

「……また…美鈴やられた…かしら…」

水晶玉を取り出し、覗き込む

 

「あぁ…やられたわね…でも生きてる見たいね…」

門の内側で気絶した美鈴を水晶玉で確認した

 

「死ぬ事はない…と言われても警戒はするわよ…」

ゆっくりと椅子から立ち上がる

 

「1人目は咲夜の方に行ったけど…2人目はコッチに来るわね…」

すると館中に響き渡り始める破壊音

その破壊音がこちらに近づいてきている

 

「小悪魔ー!ちょっと来なさい!」

軽く声をあげて呼ぶ

 

しばらくすると

 

「はひぃ〜…パチュリ〜さまぁ…今度はなんですか…」

ヨロヨロと赤髪ロングの少女が来る

 

「何をヨロヨロしてるのよ…」

パチュリーがジト目で言うと

 

「えぇー!パチュリー様酷いですよォ!いつもより多めの本の整理を頼んだのはパチュリー様じゃないですかぁ!!」

 

背中にはコウモリ羽根、頭にもぴょこんと生えている

まさに古風の司書の格好した彼女

 

パチュリーの召喚した魔界からの使い魔

司書兼世話役兼雑用兼実験台

 

小悪魔

 

「それは自業自得よ…貴女が全面的に悪いんだから…」

疲れきっている小悪魔に冷たく言う

 

「そりゃないですよ〜…不可抗力ですよ…あんな所にパチュリー様の秘蔵ぼnっ(ボガッ!!)アイタァ!?」

小悪魔の頭を本の角でぶっ叩くパチュリー

 

「それ以上言ったら…本の整理を増やすんじゃなくて…実験台になる回数を増やすわよ?」

 

「ひゃいっ!?ご、ごめんなさい!!」

それ以上言ったら洒落にならない程の恐怖を味わう事になるぞと言われた小悪魔は為す術もない

 

 

「全く…とりあえず、貴女はこれから来るやつの相手をしなさい…」

パチュリーは魔術の準備をし始める

 

「えぇー!私がですか!?」

声をあげる小悪魔

 

「なんか不満でも?」

黒笑パチュリー

 

「イエ、アリマセン…」

小悪魔はそう言うと入口の扉の方へ肩を落とし向かった

 

 

 

「さて…お楽しみの続きは終わってからゆっくり読みましょう…」

そっとテーブルに置いた本をとって、引き出しに入れた瞬間

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」

 

小悪魔の断末魔が聞こえた同時に極太レーザがパチュリーに向かって来た

 

 

「……全く…」

パチュリーは冷静に魔障壁を発動し防ぐ

レーザはパチュリーの発動した魔障壁に当たりしばらくするとレーザが止む

 

衝撃で辺りに埃が舞い辺りが見えにくくなるが

 

「へっへ〜♪やっぱりパワーだぜ!」

聞きなれない声が聞こえる

 

「全く幽鬼の奴も一緒に来れば良かったのに…まぁ、後から来るとは言ってたが…無駄に広くて迷ったぜ…ま、目印つけながら来たから大丈夫だろうな!」

その声はどんどん近くなり姿が確認できた

まさに魔女の格好をした金髪の少女だった

 

「しかし…ここは何処だぜ?ん?」

その声の主はピタリと止まる

こちらに気づいたようだ

 

「よく来たわね…」

パチュリーは声のする方に歩み寄る

 

「まぁ…いきなりのごあいさsっ…「凄いぜ!!これ全部魔導書か!!」……」

大きな声にパチュリーの声が消される

 

 

運がいいぜ!!宝の山だぜ!!早速、()って行っていくぜ!!

声の主は辺りの本を物色しようとしたその時

 

「借りていくのはいいけど…盗っていくな!!後!人の話を聞くのを学びなさい!!」

火符「アグニシャン」

パチュリーを中心に炎の渦巻きが現れ

周りに火球が飛び回る

 

「うわぁっと!!いきなりなんだぜ!!」

ひらりと侵入者は弾幕を躱す

 

「それはコッチの台詞よ!人の話も聞かずに人の本を盗って行こうとする奴程、いきなり何してんのよ!」

パチュリーは大声をあげる

 

「おっと!安心しな!」

 

 

「死ぬまで借りていくだけだぜ!!」

ドヤ顔で言い放つ

 

「結局同じよ!!」

大声で叫ぶパチュリー

 

「ハァ…ハァ…もういいわ…ハァ…あなたを倒して…ゲホッ…ゆっくり本を読み直すわ…とりあえず……ハァ…名乗らせて貰うわ…ゴホッ…私はパチュリー・ノーレッジ…魔女よ…ヒュ〜…ヒュ〜…」

一冊の本を持ち、中に浮き上がり

弾幕の準備をする

 

 

「にしし…そう言う事かぜ!いいぜ、パチュリー!相手になってやるぜ!私は霧雨 魔理沙!!普通の魔法使いだぜ!!」

八卦炉を取り出し、同じ高さ位に飛び上がる

 

「いくぜ!!」

 

「ハァ…ハァ…来なさい!!」

 

パチュリーの様子が少しおかしい事は魔理沙は気づかないまま弾幕勝負が始まる

 

 

一方その頃、幽鬼は紅魔館の廊下にいた

 

 

「な、長いな…」

長く続く紅い廊下をゆっくりと進んでいた

 

「しっかし…こっちでいいんだよな…何か色々と吹き飛ばされてる扉を通って来たけど…魔理沙は破壊魔なのか?」

幽鬼は魔理沙に先に向かっているから目印を辿って来いと言われていた

 

「まさか、目印が物理的な破壊の後だとは…」

幽鬼は紅魔館の皆さんに心の中で手を合わせた

 

「美鈴は安全な所に横にさせといたから大丈夫だとしても…」

「やっぱり妖怪なんだよね…小さいかすり傷程度しか無かったしね…お節介だったかなぁ…」

 

幽鬼は魔理沙に負けて気絶した美鈴を紅魔館の敷地内に運び、美鈴の安全を確保した

 

「まぁ…異変が終わるまで(ドゴォォン!!)

幽鬼は1度固まるが…地震とかではない

 

「この先…か?」

小走りで向かう

するとその先に派手に開け放たれた、一回り大きな入口が

 

「おお…ここは…」

恐る恐る、扉から中の様子を覗くと高く並ぶ本棚が所狭しと並んでいた

 

「もしかして、図書館…」

そして、奥の方から人の声とキラキラと反射する光が見えた

 

「紅魔館で図書館って言ったらあの子だよね…原作でもそうだし…ん?」

静かに図書館の中を進んで行くと人影が倒れてるのを見つける

 

「あれは…」

幽鬼が駆け寄ると気を失って倒れている小悪魔だった

 

「外傷は…上半身は…大丈夫…か…」

傍によってしゃがみ、頭から身体を見て怪我がないか確認していく

 

「脚とか…怪我…あっ…」

上半身の確認から下半身に目を向けた時に幽鬼は固まった

スカートがめくれて、下着(白)がこんにちは!しているのを

 

「………と、とりあえず…直しとこう…」

幽鬼はそーっとスカートを直した

 

「………駄目だ、駄目だ…変な事を考えるな!とりあえず…こんな所じゃアレだし…ちょっと失礼しますよ…」

小悪魔を抱き抱えて、先程から戦闘音の響く方へと向かう

 

奥へ進むと案の定、弾幕ごっこをしていた

 

「ゴホッ…その程度なのかしら…ゴホッ…」

属性の弾幕を出し、形勢しているパチュリー

 

「そんな弾幕で私はやられないぜ!!」

箒を巧みに操り弾幕を避けている魔理沙

 

 

「やっぱりか…とりあえずこっちには気づいていないみたいだし…小悪魔をちょっと影の所に下ろしてこよ…」

幽鬼は流れ玉が来なそうな、本棚の影に小悪魔を寝かした

 

「今はこれで大丈夫だろう…」

幽鬼は小悪魔の傍から離れ、再び弾幕ごっこをしている

2人の元へ戻る

 

「それにしても、生で見るのはすごいな…」

幽鬼は見上げて弾幕対決を見ていた

 

「ん…?」

幽鬼は気づいた

「パチュリー…息苦しそう…」

幽鬼は弾幕を放ち続けるパチュリーの肩が頻繁に上下して呼吸している事に気がついた

 

「…まさか…それに、もし本当にアレなら…」

幽鬼は駆け出す

(この高さからじゃ!危ない!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゼー…ハー…ヒュ〜…ヒュ〜…そ、そろそろ…限界…」

パチュリーは焦っていた、身体が元々弱い分、持病の喘息が起こりかけていた…

 

「大声をあげちゃった…ゴホッ…かしらね…ヒュ〜…」

未だに弾幕を放ち続けるが集中力が続かない

 

「しつこい弾幕だぜ!だけどそろそろ終わりにしようぜ!」

魔理沙がそんなこと露知らず、パチュリーに言い放つ

 

「ゼー…ヒュ〜…いいわ…これで決めてあげるわ!!」

パチュリーは最後のスペルを発動宣言する

 

「火水木金土符…!けんじゃっ…!」

しかしその時

 

「ゲホッ…ゴホッ!ゴホッ!ゴホッ!!ゴホッ!!

 

パチュリーは咳き込み宣言が出来なくなる

そのせいで弾幕が薄くなり、その隙を魔理沙は逃さなかった

 

「そこだぜ!!恋符「マスタースパーク」!!!」

閃光のレーザがパチュリーに向かって放たれる

 

「ゴホッ!ゲホッ!しまっ…」

パチュリーは何も出来ずに呑み込まれてしまった

 

「どうだぜ!!」

閃光が止み魔理沙が声をあげるが

 

「あり?」

返事がなかった

そして、視界がクリアになると同時に

パチュリーが真っ逆さまに落ちて行った

 

「お、おい!!!や、やべぇ!!」

魔理沙は慌てて落ちていくパチュリーを追った

弾幕ごっこに夢中だったのか2人はそれなりの高さにいた

魔女は不死身だが怪我をする、無事ではすまされない

 

「くっそ!!間に合わない!!」

魔理沙は目を閉じた

 

 

 

 

 

 

 

 

(断縁(だんえん)高衝断斬(こうしょうだんは)」)

 

 

 

 

 

ドーン!!

 

 

埃が辺りに舞い、見えなくなる

 

「…うぅ…後味が…悪いぜ…」

魔理沙はゆっくりと降りてくる

 

「治癒魔法…で何とか…ん??」

段々と視界が晴れてきた

すると人影が立っていた

 

「ぐおぉ…間に合ったぁ〜…」

幽鬼の姿が見えた

 

「うぉ!!幽鬼!!」

魔理沙は慌てて傍に降りる

「大丈夫かぜ!?」

 

「な、何とか…彼女も無事ですよ…」

幽鬼の腕の中には受け止められたパチュリーがいた

 

「はぁ〜…焦ったぜ…」

魔理沙はへたり込む

 

「全くですよ…魔理沙さんは加減を覚えてくださいよ…」

 

その時

 

「ぱ、パチュリー様ァ!?」

声が響く

 

「ぜ?」

「ん?」

声がする方に顔を向けるとそこには

気絶していた小悪魔がいた

 

 

「貴方たち!パチュリー様何を!?」

言いよろうとする小悪魔

 

「ちょっと待ってください!!」

「この人、何か持病か何かお持ちですよね!?」

幽鬼は声をあげる

 

「え!あ、はい…お持ちです」

小悪魔が答えると

 

「なら!薬か何か常備薬があったら持ってきてください!発作みたいなのが起きてたんで!」

幽鬼は小悪魔に必死に言う

 

「は!まさか!また!わ、わかりました!持って来ます!」

小悪魔は慌てて奥の方に向かって行った

 

 

 

数分後

 

 

 

「ん…ぁ…ぅ…」

薄らと意識が戻るパチュリー

 

(こ…こは…あ…ぁ…そっか…また…発作が…)

パチュリーは自分自身に起きた事を思い出した

 

(どの…くらい…怪我…したのかしら…)

それなりの高さから落ちた事を気づいたパチュリー

 

(また…不自由に…ん…)

それにしても暖かい感覚に包まれている

 

(小悪魔が…ベットに運んでくれたのかしら…)

パチュリーは薄ら目をあける

 

「遅いですね…あるかな…」

 

(え…)

目の前に見知らぬ男性の顔が見えた

 

「ぁ…」

 

パチュリーは気がついた

(わたし//!?お姫様抱っこされてる//!?)

 

「ぁ…あわ…///」

声が出てしまうパチュリー

 

「ん?……」

声に気づいた男性が顔を向ける

 

 

「あ、気がついたんですね?」(ニコッ

微笑む顔と優しい声にパチュリーは

 

「む…むきゅ…///」

変な声しか出せなかった

 

「こんな形ですみません…立てそうですか?」

見知らぬ男性は声をかけてくるが

 

「ぁ…あぅ…//」

上手く声が出ない

 

「ちょっと…無理そうですね…今、お薬を持って来て貰っているので…もう少しの辛抱ですので…」

 

「……//(コクッ)」頷く事しか出来なかった

 

 

 

「な〜な〜…まだ駄目か〜?」

すると視界の横からひょっこり魔理沙が現れる

 

「魔理沙さん…ここの管理されてる方が倒れてるんですよ?少し待っていてくださいよ…勝手に持って行くのは…ダメですからね?」

どうやら、本は持って行かれてないらしい

パチュリーはホッとして胸を撫で下ろした

 

 

 

が…

 

「じゃぁ…暇つぶしに見てるだけならいいよなぁ!」

魔理沙がいつもパチュリーが座っているテーブルの引き出しを開け始めた

 

「っ!!??(ガバッ!)…やっやめっ…ゲホッ!!ゴホッ!!」

幽鬼の腕から離れ止めようとするが

咳き込んで、膝を着いてしまう

 

「だ、大丈夫ですか!?」

慌てて幽鬼が傍により肩を支える

 

「そ…それより…アイツを…と、とめっ…ゴホッ!ゴホッ!!」

 

しかし上手く喋れない

 

 

「んぁ?なんだぜ?この本?」

一番上の引き出しを開けた魔理沙が本を取り出す

 

「…タイトルは…なになに?…(貴方の傍に…居続けたい)?」

ゴリゴリの恋愛小説である

 

「なんだ?こりゃ?」

魔理沙は分かっていないが

 

(うぅ…おわった…)

パチュリーはガクッとへこんだ

 

しかし、1人は違った

 

「魔理沙さん、いい加減にしてください!!」

幽鬼が大きな声をあげる

 

「うぇっ!?」

魔理沙はビックリする

 

「魔理沙さんは人の部屋を勝手に物色する悪い癖でもお持ちなんですか…?」

パチュリーから離れて魔理沙の方に歩み寄る

 

「え…えっ…」

 

「魔理沙さんは他人に部屋を勝手に漁られても平気なんですか…」

冷たく低い声で言い続ける

 

「あ、あう…」

魔理沙は幽鬼を直視出来なくなる

 

「どうなんですか…答えてください…」

幽鬼は魔理沙の顔を覗き込む

 

「い、いやだ…ぜ…」

魔理沙は少し震えるて答える

 

「なら、やるべき事は?」

幽鬼は諭す様に言うと

 

「ご、ごめんなさい…だぜ…」

魔理沙は答える

 

「自分じゃなくて…彼女に謝ってください…」

魔理沙はそう言われると

 

「ぱ、パチュリーだっけ…悪かったぜ…ごめんなさいだぜ…」

そう言って頭を下げる

 

「はい、よく出来ました…」

幽鬼の声のトーンが元に戻る

 

「いきなり怒っちゃって、すみませんでしたね…」

そう言って、幽鬼は魔理沙の頭を撫でる

 

「い、いや…今のは全面的に私が悪かったぜ…てか//!?撫でるのやめてくれだぜっ///!?」

ばっ!!と離れる魔理沙

 

「あ、すみません!つい!」

そんなやり取りがおわった後

 

 

「お待たせしましたー!お薬でーす!」

小悪魔が戻ってきた

 

「お、やっと戻ってきたぜ…」

ケロッと普段の調子に戻る魔理沙

 

「良かった…これで安心ですね…」

幽鬼は再びパチュリーの傍に寄り

 

「はい!すみませんでした…少し探していたら時間が…パチュリー様?」

小悪魔もパチュリーの傍に行くが

 

「………」(ポー///

 

幽鬼を直視したまま固まっている

 

 

「あ、あの?」

 

「パチュリー様ー?」

心配そうにする幽鬼と小悪魔2人が覗き込むと

 

「はっ!ご…ごめんなさい…」

反応した

 

「あぁ〜良かったですぅ…パチュリー様!お薬お持ちしました!早速飲んでくださいね!」

小悪魔が薬を渡す

 

「お水は…あのボトルのですか?」

幽鬼がテーブルの上のボトルを指さし

 

「あ、そうです!」

 

「じゃあ…持って来ますね」

小悪魔に聞いた幽鬼はテーブルへ向かう

 

 

 

すると…

 

 

 

 

 

「ゴニョ…(パチュリー様…もしかして、あの男性に何かされましたか?)」

小悪魔が囁くと

「!!??」

パチュリーはビックリする

 

「ゴニョゴニョ…(何かされたのであれば、言ってくださいね?)」

小悪魔は主人を心配しているだけであった

 

「大丈夫よ…小悪魔…何もされてないわ…むしろ…」

パチュリーは言葉を呑む

 

「??…寧ろ…どうなさいました?」

小首を傾げる小悪魔

 

「嬉しかった…やっと…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「出逢えた…///」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこには恋する乙女の顔があった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして、薬を飲んで落ち着いた後

 

 

 

「しかし、喘息持ちだったとは…分からなかったぜ…」

両手を頭の後ろで組み話す魔理沙

 

「原因は話を聞くに魔理沙さんがいけないんですが?」

ジト目を向ける幽鬼

 

「う…すまなかったぜ…」

素直に謝る魔理沙

 

「いいわよ…私も感情的になっていたから…勝負には負けた、運も味方…なんて言うじゃない…」

いつもの椅子に座り話をするパチュリー

 

「…私なんか…いきなりです…」

そのすぐ横に小悪魔がシュンとして立っている

 

「まぁ…でも、今は悪者はこっちだし、やるべき事はやったからもういいのよ…それに、もう1人の方がレミィの所に着いたみたいだしね…」

水晶玉を取り出し、そこに映る景色を見せる

そこには見慣れた巫女服とコウモリ羽を生やした少女が向かいあっていた

 

「げげっ!!もしかしてコイツが首謀者か!?」

魔理沙が声をあげ、確認する

 

「えぇ…そうよ、この紅魔館の主…レミリア・スカーレット…彼女がこの騒動の主犯よ…」

パチュリーはそう答えると

 

「こうしちゃ居られないぜ!!私も向かって混ざって来るぜ!」

魔理沙が箒に飛び乗り

 

「あ!魔理沙さん!」

幽鬼が慌てるが

 

「幽鬼はここにいるんだぜ!!終わったら迎えに来るぜぇー!!」

そのまま、図書館から飛び出して行った

 

 

 

静まり変える室内

 

 

 

「…はぁ…いいですか?ここに居ても…?」

申し訳なさそうに幽鬼はパチュリーに声をかける

 

「い、いい…わよ…//ど、どうせ…もう何も…ないし…//」

何故か歯切れが悪いパチュリー

 

「あぁ…迷惑なら、退散しますよ?」

パチュリーの反応が宜しくないと判断した幽鬼は出ていこうとした

 

すると

 

「大丈夫!大丈夫よ!ほ、本でも…よ、読んで…待って…いな…さい…///」

必死に声を絞り出しパチュリーは幽鬼を引き止めた

 

「そうですか…なら少しお邪魔していますね?」

幽鬼はニコッと笑った

 

「ぁ…あぅ…///」

パチュリーは顔を伏せた

 

 

「パチュリー様…パチュリー様…♪」

何故かニヤニヤしながら小悪魔が話しかける

 

「私、お嬢様がパチュリー様に言った一言の意味がわかりました♪」

 

「っ//!?」

ガバッと小悪魔を見るパチュリーに対して

 

「パチュリー様♪私応援しますよ♪良かったじゃないですか♪今読んでる本と展開が同じで♪」

コソコソと幽鬼に聞こえないよう喋った後もニヤニヤし続ける小悪魔

 

「いいから//!!お茶でも入れてきなさい//!!」

小声で叫ぶパチュリー

 

すると…

 

「あの〜?」

 

「ひゃい//!?」

幽鬼に声をかけられびっくりするパチュリー

 

「あ、すみません…普通の人間が読んでも大丈夫な本はどこら辺ですか?さっきから読めない字の表紙しかなくて…」

どうやら読める本を探していたようだ

 

「はーい♪ご案内しますよ〜♪」

小悪魔が元気よく返事をした

 

「ボソッ…(パチュリー様は…この隙に落ち着いて彼と何を話すか考えといてくださいね♪)」

 

「うぅ…//」

パチュリーは俯いてしまう

 

「ふふ♪」

小悪魔は幽鬼の傍により

 

「ささっ!!行きましょう!!こちらです!!」

「おわっと!!」

幽鬼は手を引っ張られ、小悪魔と一緒に奥に行ってしまう

 

「むぅ…きゅぅ…」

パチュリーは1人悩むのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

縁が結び、恋が叶う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それはこの先のお楽しみ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふふっ…♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数十分後

 

 

 

 

 

薄暗く所々破損している部屋に幽鬼はいた

 

「あぁ…くぅ…」

脇腹を手で押さえ、壁に寄りかかり座っている

 

押さえてる手が紅く染まっている

 

「うぅ…ぐぅ…」

痛みで上手く喋れない

 

床を幽鬼から流れる物で紅く染まる

 

 

 

 

 

シャラン…

 

何か音が響く

 

シャラン…

 

ネェ…マダ…コワレチャダメダヨ…

 

シャラン…

 

部屋の暗がりから現れた少女

 

シャラン…

 

綺麗に輝く七色の宝石の様な羽

 

シャラン…

 

幽鬼の目の前で止まる、少女

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モット…アソボウ!!

 






(・ω・`)描きましたお、何かパチュリーは落ちましたよ

(・ω・`)あっさりし過ぎてちょっと心配ですが…

この小説のパチュリーは乙女です( - ̀ω -́ )✧




最後まで読んでくれてありがとうございます!


(´・ω・)ノ一応攻略済みのキャラ載せときます





攻略済み=6人

風見幽香
パチュリー・ノーレッジ
??????????
?????
??????
???????


※?の所は話に出て来てはいるけど、絡みが少ないのでこれから本格的な人物です


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紅霧異変 後編 (寂しがり屋の吸血鬼)


( ºωº )ヌーン←制作中

( ゚∀ ゚)ハッ!←制作完了


ちょっと長いです
以上です

続きどうぞ


 

 

「こちらの棚が幽鬼さんでも普通に読める書籍になってますね…まぁ、数はそこまでありませんが」

小悪魔に連れられ、幽鬼でも読める本のある棚まで案内された幽鬼

 

「いえいえ…充分数ありますよ、これ…」

小悪魔は数は無いと言ったが、普通に読むとしたら生きている内に読み切れない量の本が棚に並んでいる

 

「そうなんですかね…?あ、でも人間さんだとそうかもしれませんね…すみません、感覚がズレていて(汗」

小悪魔が申し訳なさそうに言う

 

「あ!すみません!余計な事を自分が言ったせいですから気にしないでください」

慌ててフォローする幽鬼

 

「ふふ♪大丈夫です♪幽鬼さんて優しいですね♪」

ニコッと笑みを見せる小悪魔

 

「あはは…所で…この棚のジャンル事になってるんですか?なってるのであれば簡単に教えて貰ってもいいですか?」

流石にこの量を1から探すのは時間がかかるため、簡単にジャンルがどのようになっているか分かれば、そこら辺を適当に探すつもりの幽鬼

 

「あ!そうですね!えっとですね、そこっ…きゃっ!?」

説明を始めようと小悪魔が本棚の方に向いた時足が縺れ倒れそうになる

 

 

「っ!?」(ガバッ!!

 

 

「〜っ…ん…あれ?」

いつまで経っても来ない衝撃に疑問に思い目を開けると

 

「大丈夫ですか?」

目の前に幽鬼の顔があった

 

「ひゃっ///!?」

どうやら腰に片手を回し、支えてくれた様だ

その流れて自然と向き合う形になってしまった

 

「あわわっ//」

慌てふためく小悪魔

 

「おっと…すみません、立てますね?」

ゆっくりと小悪魔を立たせる

 

「は、はひ…あ、ありがとうございます…//」

真っ赤な顔になる小悪魔

 

「あれ?顔真っ赤ですけど…大丈夫ですか?」

顔色を見て心配する幽鬼

覗き込むように聞いてくる

 

「ひゃい!?大丈夫れふぅ///!」

小悪魔はドキドキし過ぎて上手く呂律が回らない

 

「ちょっと…じっとしてくださいね…?」

幽鬼の顔が近づく

 

「ぴゃっ!?」

 

その瞬間

小悪魔のおでこに幽鬼のおでこが触れる

どうやら顔が赤いので体温の差を見ているようだ

 

「熱は…少し熱いですね…」

幽鬼は目を閉じて真面目に熱を感じているが

 

「〜っ//〜ッ//!?」

小悪魔は目を見開いたまま固まっている

何故か身体が小刻みに震える

 

すると

 

「だ…だ…大丈夫ですからぁぁぁ///!!」

我慢出来なかったのか小悪魔は逃げてしまった

 

「あ…大丈夫かなぁ…結構暑かった様な…」

この男、無自覚である

 

「でもあれか、人より体温高いのかもしれないしな…パチュリーの使い魔だし…公式に載って無かっただけかもな…さて、本探すか…」

ふっと本棚の方に視線を向けるが

 

「あ…ジャンル教えて貰ってねぇや…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁっ…//はぁっ…//」

少し離れた本棚の影に小悪魔は持たれ掛かっていた

 

「うぅ〜…すごいよぉ…あの人///」

そのまましゃがみこむ

 

「忘れていた感覚が…うぅ…パチュリー様の応援するって決めたのに…//」

小悪魔は何か身体が疼いていた

 

「うぅ…//あの人…天然の魅惑(チャーム)持ちだよぉ…//忘れていた…忘れたはずなのにぃ…//」

 

モジモジと太ももを擦り合わせながら

何かを押さえ込んでいる

 

しかし

 

「…………疼いちゃった…」

顔をあげた小悪魔の目はいつもの穏やかな感じではなく

本物の悪魔の目に…

 

 

それも

 

 

男の精を糧に生きる悪魔

 

サキュバス

 

その者だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こ〜あ〜く〜まぁ〜??

 

その瞬間、ドス低い声が響く

 

 

「ぴゃい!?」

小悪魔はその声にビックリする

 

随分…彼と仲良くなったみたいねぇ〜…

冷たく静かに聞こえるその声の主

 

「あわわ…(ガタガタ)」

先程の雰囲気が無くなり顔が真っ青になる小悪魔

ゆっくりと声がする方に顔を向けると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<●><●>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

瞳孔が開いた小悪魔の主と目が合った

 

 

 

「パパパっ…ぱ、パ…!ち、ちっチュっリーさっま…!?」

恐怖で口がガタガタと震えている

 

言い訳は…必要無いわ…貴方は応援するとか言っといて…裏切ったのだから…何故?どうやったらキスに持ち込んだの…

パチュリーは心配になり様子を見に来てたようだ

しかしそれがいけなかった

 

丁度、目撃したシーンが幽鬼と小悪魔の顔が重なる所でだったのだ(おでこをくっつけただけ)

パチュリーのいた角度と見えた位置がいけなかった

 

恥ずかしいからか…すぐ離れたけど…私は見てたし…現に貴女はここで1人悶えている…

パチュリーは最初は疑ったが、小悪魔の状況で確信に変わったらしい

 

「あわ…あわわわわ…ごっ…誤解ですぅ!!パチュリー様ァ!!私が転びそうになったのを幽鬼さんが支えてくれて、私が顔が赤いと言っておでこで体温を調べただけなんですぅ!!」

小悪魔は必死に訴える

 

 

 

だが…それがいけなかった

 

 

 

 

 

 

 

私より先に…そんなシチュエーションがあったのは間違いないって訳よね??

 

 

 

 

「あ…」

 

小悪魔は忘れていた

 

「えっ…とぉ…」

 

パチュリーが恋愛小説を読みまくっている事を

 

「あの…不可抗力…と言う…」

 

憧れのシーンがある事を

 

「たまたま…なんです…」

 

そのシーンのシチュエーションがまさに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小悪魔がさっきやられた事だった事を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「許してくださぁぁぁぁぁいぃぃぃ!!」

 

 

 

 

 

 

「火水木金土符・賢者の石!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その直後爆発音と断末魔が轟いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぉ!?なんだ?」

小悪魔がいなくなったので自力で本を探している幽鬼は爆発音にビックリした

 

「だ、大丈夫なのかよ…この館…」

まだ誰かが弾幕勝負を始めたのだろうと思った

(パチュリーの圧勝)

 

「それにしても…色々とあるなぁ…うーん…読む前に終わりそう…(汗」

幽鬼は膨大な数の本に圧倒され困惑していた

 

「もっと簡単な本は…んっ?」

その時、視界の端に薄暗い扉が目につく

 

「なんだあれ?」

扉に近づいて、ドアノブを回す

 

「あ、開いてる…なんだろ…階段?」

扉を開き覗き込むと薄暗い階段が現れる

 

「さらに地下があるのか……ちょっと覗いて見るか」

幽鬼は薄暗い階段を気をつけながら降りていった

 

幽鬼はこの時完全に忘れていた

この階段の先になんの空間があるのかを

この館にもう1人「彼女」がいた事を

 

 

 

 

 

「こ…これは…」

しばらく階段を降りていった幽鬼の目の前に現れたのは

大きな扉だった、それも普通の扉ではなく所々、破損していてボロボロの状態である

 

「あぁ…まさか…忘れてたぁ…」

幽鬼は扉から何となくだが、ヤバい気配を感じていた

 

冷たく、黒く、刺さる気配

「と、とり…あえず…ひきかえっ…(そこに…いるのは、ダレ?)っ…!?」

背を向けて引き返そうとした時声が聞こえる

身体全身で感じ取るその気配、頭の中で警告アラームが鳴り響く

 

「ゴクリっ…」

幽鬼はゆっくりと声のした方へ顔を向ける

 

「貴方はダレ?」

扉が開いて、その人物が姿を表していた

 

ナイトキャップ被り、実の姉と似た赤い服を着ている

七色の宝石の様な羽が目を引く

この館の主の妹であり

館の最深部に当たる地下の部屋に住まう吸血鬼

 

「ありとあらゆる物を破壊する程度の能力」

 

狂気を持つ、孤独な吸血鬼

 

フランドール・スカーレット

 

 

彼女の姿がそこにあった…

 

 

「あはは…こ、こんにちは…」

幽鬼はぎこちなく挨拶をする

 

アナタだったんだ…

小さい声で呟く、フランドール

 

「えっ?」

反応をする幽鬼

 

 

「フラン…ここで1人なんだ…誰も来てくれない……」

フランが近づいてくる

 

「お姉様も滅多にフランに会いに来てくれないの…」

幽鬼は動けなかった

 

「いつも…1人ボッチ…でも今日は何か違ったの…」

目の前で止まるフラン

 

「ねぇ…私と一緒に…アソボウ…

幽鬼を見る目は狂気に満ちていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃

 

 

紅魔館時計塔

 

 

「全く…なんの因果か知らないけど…アンタ出した紅い霧のせいで、洗濯物が乾かないはずだわ…」

大幣を目の前の黒幕に向ける

 

「はた迷惑なこの異変さっさと終わらして貰うわよ!」

相対する目の前の黒幕に言う霊夢

 

「フフ…もう少し静かな夜を過ごしましょう…私は日光に弱いから、あまり外に出ないのよ…」

今回の異変の首謀者、レミリア

 

「うっさい!!アイツもアタシも困るだけなのよ!黙って退治されなさい!」

 

 

「フフ…♪こんなに月も紅いから…」

「行くわ…こんなに月も紅いのに…」

 

 

 

 

お互いに構える

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「楽しい夜になりそうね♪」

 

「永い夜になりそうね!!」

 

 

 

 

2人の弾幕勝負が始まる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方魔理沙は

 

 

「なんで…私がこんな事をしなきゃならないんだぜ…」

今まで壊して通った扉の修理をしていた

 

「貴女が壊したのですよ?直して貰うのは当然です…」

傍にはメイド長、咲夜の姿があった

 

「いやいや!壊したのは分かるが、今は異変中だぜ!?霊夢の奴がお前んのとこの主人と戦ってるんだぜ!?せめて、終わってからだよな!?」

扉を直しながら魔理沙はそう叫ぶ

 

「私はお嬢様にこの騒動の中、一度侵入者と相対したら、1回だけ妨害しろとその後は通常業務に戻れと言われましたので…」

黙々と片付けをする咲夜

 

「いやいや!?それもおかしいぜ!?だったら何のための異変だぜ!?弾幕勝負しようぜ!?侵入者目の前にいるぜ!?まだ門番はちゃんと守ってたぜ!?」

魔理沙はツッコミの嵐

 

「美鈴の仕事は当然ですが…私はお嬢様に直に命令されたので、それにお客様を連れて来られた貴女はただの迷惑な住宅破壊者です」

 

 

 

「それを侵入者って言うんだぜぇぇ!?」

 

 

 

その後黙々と咲夜と一緒に片付けをした魔理沙だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場面は地下のフランの部屋に戻り

狂気に呑まれたフランに出会ってしまった幽鬼

あの後どうなったのか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フ)「やったぁ♪またフランが大富豪だよ♪」

 

幽)「うげぇ…フランは強いなぁ…(平民」

 

小)「い、妹様…に…また…革命返し…された…(貧民」

 

パ)「………うぐっ…(富豪」

四人で楽しく大富豪をやっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれ???

 

 

 

 

 

 

こんな時は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時を戻そう!(`・ω・´)キリッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フランと出会った直後

 

 

 

 

アハハ!!マダマダ…イクヨ!!

必死にフランから放たれる弾幕を避け続けていた

 

 

「ぐぉ!?ひぇ!?」

幽鬼は何とか避けきっているが弾幕の密度がどんどん上がっている

 

「マダ!コワレチャダメダヨ!モット…モット!!アソボウ!!」

無茶苦茶な弾幕が展開され幽鬼に迫る

 

 

 

(くっそ!?やべぇ!?何とか!?)

幽香に鍛えられていたとはいえ、実戦はほぼ初めてであり

 

「はぁ…はぁ…くっそ!?」

何より普通の人間、体力が限界に近い

 

 

その時

 

「ぐぉ!?」

ドサッ!!

 

元々あった瓦礫に足をとられ、転んでしまった

 

「しまっ!?」

咄嗟に身体を起こし避けようとするが

 

ドガァーン!!

 

「ぐぁぁあっ!?」

小さな弾幕に被弾してしまう

 

「アハハハハ!!ツカマエ…タァ!!」

隙が出来た所にフランが爪で切り裂く

 

「グハァアア!?」

鋭い痛みが脇腹に走る

 

ドカァァーン!!

 

そのまま部屋の隅に飛ばされ、痛みで動けなくなる

 

「うぐぅ…」

脇腹から血が滲みでる

 

「くぅ…(ここまでか…)」

幽鬼はゆっくりと近づいて来るフランを見て思った

 

 

その時

 

 

(もうイヤ…イヤだァ…壊すのは…)

朦朧とする意識で聞こえた声

 

「うぅ…(この声…フラン…か?)」

幽鬼は何とか意識を保ちフランに目をやる

 

 

モウ…オワリナノ…ツマンナイ…(イヤ!ダメ!)

ゆっくりと近づいて来るフランの声と別に声が聞こえる

 

ツマラナイ…オモチャハ、イラナイ…(もうヤダ!壊したくない!!)

目の前に立つフラン

 

オカタヅケシナクチャ…♪(イヤなの!止まって!!)

 

フランは右掌を広げ、幽鬼に向ける

 

キュット…シテ…(イヤ!イヤァ!!)

右掌が握られるその瞬間

 

 

「ま…待ってくれ!フランドール!!」

幽鬼は大声を上げる

 

ナニ?コワレタオモチャハイラナイヨ?

ピタリと握るのを止めるフラン

 

「最後に壊れた玩具からのお願いがあるんだが…」

幽鬼は痛みに堪えて話続ける

 

「両手の親指と人差し指をくっつけて輪っかを作って見せてくれない?こうやって…」

幽鬼は何とか手本を見せる

 

ソンナノデイイノ?

フランは首を傾げる

 

「そう…そんなのでいいんだ…そしたら…目の前で見せてくれないか?」

 

するとフランは疑いなく言われた通りに目の前で輪っかを作った

 

「あり…がとう…」

幽鬼は意識を集中する

 

 

微かに白と黒の線が手の輪っかを通して一本に繋がっていた

 

「……悪い物とは…縁を切らなきゃ…

静かに言う幽鬼

 

えっ…

 

 

 

 

 

(断縁・エンガチョ)

 

 

 

 

 

幽鬼が片手を振り落とし、フランの手の輪っかを切る

 

 

 

 

「あ……れ……」

するとフランから狂気の雰囲気が消えた

 

「…ふ…フラ…ン…は…」

フランは自分に起きた状況に戸惑っていた

そんなフランを見て幽鬼はふっと笑みをうかべ

フランの頬に手を添えて

 

「こ…これで君は…だい…じょ……う…ぶ…」

ゆっくりと意識を手放した

 

 

 

その直後

 

バーン!!

 

と勢い良く部屋の扉が開かれ

 

 

「ここに居るってしかないわよ!!」

「ひぇ〜ごめんなさい…パチュリー様ぁ…」

パチュリーと煤けた小悪魔がいた

 

「パチュリー!どうしよう!助けて!」

フランは咄嗟に大声を出す

 

「…え…ふ、フラン?」

パチュリーは驚いた

ココ最近、精神の状態が不安定で真面に話が出来なかったはずのフラン

 

だが今の状態は狂気の1つも感じられなかった

 

パチュリー達は幽鬼が図書館から姿を消して、フランの部屋に続く階段の扉の鍵が開けっ放しだったのを発見し急いで降りて来たのだが

 

「一体…な…何が…あったの…」

フランの狂気は何処に…と考え始めたその時

 

「!?っ…パチュリー様!幽鬼さんが!!」

小悪魔がフランの後ろにいることを気づき幽鬼の傍に近寄る

 

「ッ!!!」

パチュリーはすぐ様、幽鬼の傍によりしゃがみこむ

 

「フランが!怪我させちゃったの!」

フランは涙ぐんで訴えた

 

「フラン…貴女…いいえ…一先ず彼の治療を先にしましょう…傷はそこまで深くはないわね…何が布で傷口を押さえて、上に彼を運んで治療魔法をするわ…小悪魔は上の準備をお願い!」

 

「はい!かしこまりました!」

小悪魔は部屋から出て図書館に戻る

 

「私は傷の辺りに簡易的な治療魔法を掛けながら行くから、フラン?貴女は彼を運ぶのをお願いできるかしら?」

パチュリーはフランに頼む

 

すると

 

 

 

「うん!」

すぐ様返事は帰ってきた

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後

 

 

 

 

 

 

「う…ぅ…ん?」

幽鬼が目を覚ます

 

 

「良かったぁ!!目を開けたよ!!パチュリーー!!」

喜び跳ねるフラン

 

「幽鬼さん、大丈夫ですか?起きれます?」

小悪魔が幽鬼に確認する

 

「ぁぁ…だ、大丈夫…です…」

ゆっくりと身体を起こし

 

「あれ…自分は…(ごめんなさい…)ぁ…」

フランが謝ってきた

 

「フランが怪我させちゃったの…それで、パチュリー達に魔法で治してもらったの…あの…えっと…ごめんなさい…」

今度は頭を下げて謝ってきた

 

「大丈夫だよ…それにごめんなさいが出来ればもう十分です…」

幽鬼は優しく声をかける

 

「とりあえず…傷口は治療魔法で治したけど、流れた血は再生してないから激しい運動はしばらく控えた方がいいわね…」

パチュリーが説明する

 

「いえいえ…治して頂きありがとうございます…」

幽鬼はパチュリーに笑顔で感謝する

 

「む…むきゅ…///」

赤くなるパチュリー

 

「ねぇ!ねぇ!そういえば名前何て言うの!!」

フランが元気な声で幽鬼に話しかける

 

 

「あ…そういえば名乗って無かったね…名前は風華 幽鬼…普通の人間です」

幽鬼は自己紹介をする

 

「かざ…ばな、ゆき…うん!改めて、フランも自己紹介するね!フランドール・スカーレット!」

 

お互いに初めて真面に話、自己紹介をした

 

「あのね?お願いがあるの…」

フランはモジモジしだす

 

「お兄様って呼んでもいい?」(バキューン!!)

 

「!?(可愛ええ!!)」

幽鬼はその可愛さに射抜かれた

 

「…ゴホン…ど、どうしてかな?」

高ぶる感情を抑えて幽鬼はフランに聞く

 

 

「フラン…何をしても…すぐに壊れちゃった…壊したくなくても…残したくても…だから逆にすぐ壊れるのなら遊んでから壊すって頭がいっぱいになって…そのまま諦めてたの…でも助けてくれた…だから…あの…」

フランはそのまま黙ってしまった

彼女はずっと狂気に悩まされていた被害者だった

それを知っている幽鬼はフランの頭を優しく手で撫で言った

 

「何も取り柄もない普通の人間だけど…フランちゃんが良ければ自分は良いよ」

そう優しく言う

それを聞いたフランは笑顔になり

 

「ユキお兄様!ありがとう!大好き!!

そう言って抱きつく

 

「(゚Д゚ )へ?」

呆気に取られる幽鬼

 

「……あ…あはは…よ、良かったですね〜妹様〜…」

小悪魔はフランに言う

 

「うん!!フランは!お兄様と一緒にいる!!」

無邪気に喜ぶフラン

 

「あはは…弱ったなぁ」

幽鬼は苦笑いをする←(親戚の子供に懐かれてる感覚)

 

「ね…ねぇ?パチュリー様もそう思い…ひっ!?」

小悪魔がパチュリーの方を向き息を飲む

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「<●><●>」

 

 

 

瞳孔を広げて幽鬼とフランを見つめていた

 

「ん?」

それに気づいたフラン

 

 

 

「ふっ…」

鼻で笑ってドヤ顔した

 

 

 

 

 

 

パチュリーは思った

(こいつ解っててやってやがる…フラン…貴女もそうなのね…なら、貴女もリスト入りよ…負けない!)

密かに恋する乙女達の戦いが始まるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく戯れていて、何故か機嫌の悪いパチュリーと小悪魔とくっついていたフランと一緒に遊ぶ事になった

 

 

(中間の大富豪のセリフ)

 

 

「フランちゃんは強いね…ここぞって所で…」

幽鬼は驚いていた、ここまで平民と貧民を行き来していた

 

「うぅ…何で…やっと…うぅ…」

小悪魔はやっと大富豪になれると思った切り札があっさり跳ねられてへこんでいる

 

「ふふ!何となく予測をつければフランでも簡単だよ!」

ここまで大富豪と富豪を行き来しているが、圧倒的に大富豪になっている時が多かった

 

「……くっ…ここまで、フランが出来るなんて…」

頭の回転と予測を立てる事に自信があったパチュリーは大富豪になる物のすぐにフランに取られている

 

 

「パチュリーは思ったより大富豪取れないんだねぇ〜…フランビックリしたよぉ〜…」

ドヤ顔でパチュリーを煽るフラン

 

「うぐっ!?(こ、こいつ…)」

パチュリーはフランの知らない一面を垣間見た

 

フランは結局の所、吸血鬼…悪魔の子になる

今まで自分の能力と狂気の暴走により、色んな物を壊してきた

でも、壊れず残った幽鬼にフランは執着してしまった

 

(お兄様は例え、お姉様やパチュリーにも渡さない…でも、お兄様が悲しい顔は見たくない…フランももう壊したくない…なら、取られる前にフランのお兄様にする!!)

 

子供の純粋な考え方の結果である

 

 

 

すると…

 

「ん?」

パチュリーが視線をフランから外し天井を見る

 

「どうしましたか?」

小悪魔が聞くと

 

「どうやら…決着が着いた見たいね…」

静かに答えるパチュリー

 

「あ…忘れてましたね…」

「ですね…」

幽鬼と小悪魔

 

「?」

フランはなんの事だろうと首をかしげる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大広間に続く廊下

 

 

「出していた霧の魔力が消えたわ…多分レミィが止めたのよ」

パチュリーは先頭を行く

 

「霊夢さんが解決したと言う事ですね?」

その後ろに幽鬼

 

「ぶー!!お兄様!霊夢って誰!!」

幽鬼におんぶされているフラン

 

「これで表に買い物とか行けるんですかねぇー?」

何故かウキウキ小悪魔を最後に廊下を進む

 

 

 

 

 

 

しばらく歩くと

 

大きな扉が現れ、扉の前に誰か立っていた

 

「お疲れ様です…パチュリー様」

綺麗なお辞儀をして出迎えるメイド長咲夜だった

 

「えぇ…ご苦労さま、咲夜…レミィは中に?」

パチュリーは咲夜にそう聞く

 

「はい、お待ちしております」

静かに答える

 

「やっほ〜♪咲夜〜♪」

ひょこっと幽鬼の影から顔を出すフラン

 

「お久しぶりです…妹様…」

フランにもお辞儀をする

 

パチュリーはそっと咲夜に聞く

「レミィは知っているのかしら?」

 

「はい…私も先程言われましたが…この目で確認するまで信じられませんでした…」

咲夜は静かに答えて目の前で無邪気にはしゃぐフランを見ているとおぶっている男性(お客様)がこちらを見つめていたのに気づき

 

「ようこそお越しくださいました…貴方様をお嬢様は待ち望んでおられました…どうぞ中へお進み下さい」

そう幽鬼に言うと予想外の反応が来た

 

 

 

 

「綺麗…(ボソッ」

 

「え…」

軽く驚く咲夜

 

「「「!?」」」

パチュリー・フラン・小悪魔が声を出した本人を見る

 

「へっ…あっ…」

一気に3人の目線が向かれる幽鬼

 

「オニィ〜サァ〜マァ〜」

ギリギリと力が入るフラン

 

「イダダダァ!!フランちゃん!ギブ!!ギブ!!」

締められる幽鬼

 

やはり…顔なの…かしら…いえ…まだ…ブツブツ

独り言を言い出すパチュリー

 

「……(プクー」

蒸すくれて咲夜を見る小悪魔

 

コホン…//皆様方ここで立ち話もなんですからどうぞ中へ…お嬢様がお待ちしております……」

ふいっと背中を向けてそそくさに中へ進む咲夜

 

「ブツブツ…」

ブツブツ言ったまま中に行くパチュリー

 

「む〜…」

蒸すくれてままその後に続く小悪魔

 

「オニイサマ、アトデ、オハナシアルカラネ?」

耳元でフランに言われ、背中から離れ中に行くフラン

 

 

 

 

 

「……え…俺…なんかした?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中に進むとこの館の構造と合わない広さの大広間が現れた

そんな広い場所で幽鬼の聞き慣れた声が響く

 

「たくっ!魔理沙!アンタ馬鹿なの!?なんでアイツを連れてきたのよ!!」

 

「いやぁ〜…成り行きでそうなっただけだぜ…」

 

「アンタはともかく、アイツはただの人間なのよ!何かあったら紫に何て説明するつもりよ!!」

 

「悪かったって言ってるだろぉ!今は説教は勘弁してくれだぜぇ…ヘトヘトなんだよー!」

霊夢に怒られてる魔理沙だった

 

「霊夢さん!魔理沙さん!」

幽鬼は声を掛けながら傍による

 

「っ!」

 

「おっ…来たかぜ…なぁ、幽鬼からも何か言ってくれよ…私はクタクタなんだぜ…」

項垂れる魔理沙

 

「え?魔理沙さん…どうしたんですか?」

幽鬼は疲れきっている状態の魔理沙を見て聞いた

 

「それが…(その方には、壊した扉を直して貰っていたのです)うぐ…咲夜…」

パっと横に現れる咲夜

 

「うおっ!?」

知っていたが生で見るのは初めてなので驚く

 

「驚くのも無理はないわ…そいつ時間止める事ができるのよ…」

霊夢が素っ気ない態度で言う

 

「ビックリしたぜ…弾幕勝負始まると思ったら、工具持たされて…壊した箇所を直せって言われたぜ…」

 

「いや…壊した魔理沙さんに非がありますね…それ…」

幽鬼が魔理沙に言う

 

「うぐぅ…」

何も言い返せない

 

「まぁ…いいわ…それより、幽鬼…分かってるわよね?」

霊夢が凄んだ顔で幽鬼に近づく

 

「ア、ハイ」

幽鬼は覚悟した

 

(数分後)

 

「とにかく…アンタは金輪際!異変とか事件に関わるのは禁止!」

長い説教(どっかの閻魔より短い)が終わり新しい条件が加わった

 

「わ…分かりました…」

しみじみと自分が何をしでかしたのか思いふける幽鬼であった

 

「終わりましたか?」

咲夜が静かに霊夢に聞く

 

「えぇ…大丈夫よ、待たせたわね…ほら、さっさと行くわよ」

そう言って霊夢は奥に進む

 

「…幽鬼大丈夫かぜ?」

魔理沙が幽鬼の隣にきて聞く

 

「大丈夫です…最初の頃にめちゃくちゃ言われてましたから…でも、自分の身がどれだけ危なかったって説教は初めてでしたよ…」

霊夢が自分を気にかけていてくれたんだと幽鬼はちょっと嬉しかった

 

「まぁ…今更だが…幽鬼、連れ出して悪かったぜ…」

魔理沙が弱々しく言う

 

「いえいえ…魔理沙さんは悪くありませんよ、何より連れ出してくれてありがとうございます、色々と経験出来たので気にしないでください」

幽鬼は魔理沙に優しく答える

 

「ふっ…不思議な奴だぜ…何となく霊夢が気に入ってるのがわかった気がするぜ、これからよろしくな!幽鬼!」

いつもの魔理沙の元気を取り戻しそういう

 

「はい!こちらこそ!」

幽鬼もそう答え魔理沙と共に奥へ進む

 

 

しばらく歩くと玉座が見えてきたが…

 

「「ギャー! ギャー!ワー!ワー!」」

先に奥に進んでいた霊夢達が騒いでいる

 

「何かあったのかぜ?」

「さぁ?なんでしょうね?」

魔理沙と幽鬼はゆっくりと近づく

 

「アンタはどういう了解を得てその話が出るのよ!!アンタは今回の異変の首謀者で!私に負けてそんな事を言える立場では無いはずよ!!」

怒鳴る霊夢

 

「お姉様…色々と話したい事があったけど、それとコレとは全くの別物だよ!フランはそんな勝手な話は許さないからね!!1部に関しては賛成するけどね!」

495年間振りの実姉に強く反論するフラン

 

「フランの言う通りよ、レミィ…今の今まで友人として色々と話を聞いたり、賛同して手伝える事は手を貸して来たけれど…今回のその話には素直にYESとは言えないわ…!」

静かに友人に詰め寄るパチュリー

 

「妹様とパチュリー様のご意見に同意いたします!小悪魔も…その…交ぜて貰えれば何も言いませんが!いきなり独り占めはダメだと思います!」

主人の友人の館の主に詰め寄る小悪魔

 

「……」

「あ…はは…」

玉座の前に静かに立っている咲夜と苦笑いをしている美鈴がいた

 

「おーい?一体何があったのぜ?」

魔理沙が2人に近づき聞くと

 

「あ…どうも、えーと?(魔理沙だぜ!)あ、魔理沙さんですね…私もよく分からないんですが…何やら幽鬼さんに関してだと思いますよ…?」

美鈴が魔理沙にそう説明する

 

「幽鬼が?」

チラッと幽鬼の方を見る魔理沙

 

「?」

首を傾げる幽鬼

 

「レミリアお嬢様のご意見を先に集まっておられた方達にお話になられた…と言う訳でございます…」

咲夜が静かに言う

 

するとレミリアはこちらに気付いたのか座っていた玉座から飛んで離れてる

 

「ちょっと話は終わってないわよ!?」

 

「お姉様!?」

 

「レミィ!何処に!?」

 

「お嬢様〜!?」

 

目で追いかけると幽鬼が来ていた

 

レミリアは幽鬼の目の前に降り立つ

 

「えっ…?」

幽鬼は軽く驚く

 

レミリアが口を開く

「今回の件、貴方には感謝してもしきれないわ…フランを助けてくれてありがとう…正直貴方が来なければ、この騒ぎを起こした意味が無かったわ…私の可愛い妹…いえ…大事な家族を助けてくれて本当にありがとう…」

静かにレミリアは幽鬼に感謝を述べる

 

「お姉様…」

フランはやはり姉は自分の事を思ってくれてたと認識した…

フランは胸が暖かくなった、

 

(そうだ…フランはひとりじゃないんだ…)

フランはレミリアの後に飛び降りる

 

 

 

 

 

「お姉様!!ありがっt…

「御礼に貴方を私のお婿にしてあげるわ」

 

 

 

 

 

 

 

「はっ?」

フランは忘れていた先程聞かされた実姉の戯言

 

 

 

 

 

 

 

 

長い事霊夢達に言っていた戯言

直訳すると

 

 

 

「彼を私の永遠の従者(婿入り)にさせるから紅魔館で引き取る」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……(ブチッ#

フランの堪忍袋の緒が切れる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間、目の前が真っ白になり見えなくなった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

縁結び(運命の出会い)






うわーい!かけました!
これにて異変は終了!、

(;´Д`)ちょっとあっさりし過ぎて物足りないかも?

(´・ω・`)いずれ読んでる皆さんがニヤニヤしながら読める物を書きたいです!


それでは!!
ここまで読んでいただきありがとうございます!


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廻る縁、伝染る縁



さぁて…行くか( - ̀ω -́ )✧
( ¯ω¯ )←制作開始前

(゜∀。)←制作中途中

( 0w0)ウェェイ!!←制作仕上げ

( ºωº )←制作終了


こんな感じです

ではどうぞ!


 

 

「霊夢さーんー!起きてくださーいー!」

幽鬼は起きて来ない霊夢を起こしに部屋に向かう

 

「朝ご飯覚めちゃいますよー!霊夢さーん?」

霊夢の部屋の前に止まり、声をかける

 

紅魔異変から三日目の朝

 

あの後、レミリアの爆弾発言でキレたフランが

久々に会う実の姉を弾幕で叩きのめした

 

(今こうして…神社で朝を迎えられて良かった…)

幽鬼はしみじみと思い出すのだ

 

レミリアがフランにやられた直後

 

「幽鬼兄様…兄様はここに居てくれるよね?」

レミリア(ヤ○チャしやがって)が煙を出して倒れてる前でフランは背を向けながら幽鬼に聞いた

 

「え…いやぁ…それは…」

幽鬼が答えようとした瞬間

 

「貴方はこの館の功労者でもあるわ…その権利はあるのよ…」

パチュリーが後ろから被せて言う

 

「そうです、そうです♪パチュリー様の言う通りですよ幽鬼さん♪それにここにいれば、色んな事を望み放題です♪」

小悪魔は悪魔特有の誘い文句を言う

 

「いやぁ…あの…」

たじろぐ幽鬼

 

「ちょっと待ちなさい…」

低い静かな声が轟く

 

「あんた達…いい加減にしてくれないかしら?コイツの所有権は私なの…給仕係…要はアンタ達の所にいる、そこのメイドって奴と同じな訳…勝手な事は許さないわ…」

そう言いながら幽鬼の前に立つ霊夢

 

「それにコイツの管理も私が任されてるの…コイツはまだ下手な所に送れないの…もし、それが護れないのなら…」

霊夢が幽鬼に大幣を向け

 

「アンタらの前でコイツを…退治するわ

霊夢の目を見た幽鬼は本気だと感じ取った…

 

(そうだ…俺は…)

幽鬼は何故自分が博麗神社に身を置いているのか思い出した

 

現状幽鬼は住人として認められてはいるが…まだ力の安定が確実な状態では無い為、博麗神社に居候している事

自分を鍛え直す為に博麗神社に来た事

幽香にいち早く会いに行く為に

 

「霊夢さん…大丈夫ですから、それを下げてください…自分からフランちゃん達に説明しますので…」

それを聞いた霊夢はゆっくりと大幣を下ろし

 

「じゃぁ、さっさと済まして!帰るわよ!お腹ぺこぺこよ!」

そのままスタスタと大広間の入口に向かう霊夢

 

「な、何かすげぇな…じゃ、先に行ってるぜ〜」

魔理沙も霊夢の後をついて行く

 

「はぁ…霊夢さんが怒るのも無理ないか…」

頭を抑えて落ち込む幽鬼

 

「お兄様?」

フランが心配そうに声をかける

 

「何故…こんな事になるのか…やっぱりまだ抑えられてないみたいだしなぁ…とりあえず…さっき霊夢さんが言ってた通り自分は霊夢さんの元に居ないといけないのが条件なんです…」

話始める幽鬼

 

「兄様…」

フランが悲しそうな声

 

「でも、これだけは言わして…お別れじゃなくて帰るだけだから、何時でも遊びに来てもいいし、自分もここにお邪魔してもいいですかね?」

申し訳なさそうに言う幽鬼

 

「それでいいんじゃないのかしら…?」

 

「「「!?」」」

 

いつの間にか復活しているレミリアが声をかけた

 

「私は貴方の存在を前から知っていたのよ…私達がこの世界に来たばかりの頃…貴方と運命が繋がっていた人物と会ってね…」

先程と雰囲気が違うレミリア

 

「貴方の持つ力…そして私の持つ力…惹かれ合う似た者同士…それを感じた時…ゾクゾクしたわ…」

いきなりの婿入り発言をしたレミリアとは全然違った

 

「貴方は(えん)で私は運命(うんめい)でしょう?」

 

「な…それは…」

幽鬼は困惑する未だに明確に話していない事をレミリアはさも分かっている様に話ていた

 

「ふふ…運命は縁であり…縁は運命でもあるのよ…ならそれを気付かない訳ないじゃない…そして、」

 

「貴方を手に入れるのもうんめっ…(はい!ストップ!お姉様!!)ふぎゃっ!?」

フランが後ろからレミリアを倒し抑える

 

「ちょ!?後ちょっとだったのよ!?フラン!?」

ジタバタと藻掻くレミリア

 

「かと言って誘惑(チャーム)はないよ…お姉様…フランちょっと引いたよ…」

抑えているレミリアにジト目を向ける

 

「え?え?」

困惑する幽鬼

 

「ほら、幽鬼…あの巫女達と帰りなさいな、レミィは私達が抑えとくから…個人的にレミィとオハナシしたいしね…」

そう言うパチュリーの目は座っていた

 

「はいはい!パチュリー様の言う通りです!でも!ちゃんと遊びに来てくださいよ!」

小悪魔が何気にレミリアを踏んずけるのに参加する

 

「何か〜…蚊帳の外ですねぇ…咲夜さん…ん?咲夜さん?」

傍観していた美鈴が隣にいるはずの咲夜に声をかけるが

 

「幽鬼様」

いつの間にか幽鬼の斜め前に

 

「うわっと!?」

驚く幽鬼

 

「先程のレミリアお嬢様の失態をお許しください…こちらはつまらない物ですが…」

そっと小さな包みを渡す

 

「妹様の件の御礼でございます…この度は誠にありがとうございました、幽鬼様で良ければ何時でも、気兼ねなくお寄りください」

綺麗にお辞儀をする咲夜

 

「あ!そうです、そうです!何時でも来てくださいねー!」

美鈴が慌てて、傍により笑って言う

 

「お兄様!!フランは一緒に入れない事は我慢するけど!ちゃんと遊びにきてよー!コラ!お姉様!動くな!」

フランが元気よく幽鬼に言う

足元のレミリアは紐でぐるぐる巻きにされてる

 

「ちょっと!?フラン!?離しなさい!?やめなさい!?彼は私の傍にいさすのー!うー!」

さっきのカリスマはなんだったのであろうか…

 

「あのね?お姉様?仮にも久々にあった妹が目の前にいるのに何をそっちのけにしてんの…?とりあえず…フランとこれから久々にお話するんだから!」

そう言いながら笑ってフランはレミリアを持ち上げる

 

幽鬼はそれを見てふっと笑い

 

「フランちゃん!喧嘩はダメだよ!」

 

「大丈夫だよ!お兄様も気をつけて帰ってね!」

 

 

そう言って笑顔で手を振るフラン

こうして幽鬼は霊夢達の後を追いかけ無事に帰るのであった

 

 

 

〈回想終了 〉

 

 

 

 

「何か…こう、あっさり終わったけど…良かったのか…」

ポツリと思い返して言う幽鬼

 

「終わったからいいのよ…」

「うわぅっ!?」

いつの間にか目の前に寝起きの霊夢が立っていた

 

「ふぁあ〜…アンタさぁ…人の部屋の前でブツブツ、うるさいわよ…全く…」

ボリボリと寝癖だらけの頭をかき

 

「あ!すみません!中々起きてこられないんで…起こしに…」

ぺこぺこと謝る幽鬼

 

「分かってるわよ…仕度するから…先に戻ってて」

部屋に戻ろうとする霊夢

 

「霊夢さん…」

静かに声をかける

 

「あによ?」

振り向く霊夢

 

「修行よろしくお願いいたします!」

深々と頭を下げる幽鬼

 

今日から霊夢の指導の元、修行を始めるのであった(紫には許可取り済み)

 

「……はぁ…ご飯食べてからね…」

 

「はい!」

幽鬼が笑って答える

 

霊夢は襖を閉めて部屋に一旦戻った

 

「さて、暖め直すか…」

幽鬼は居間に戻って行った

 

 

 

 

 

 

とあるスキマ

 

「ふーん…やっぱり底まで危険な子では無さそうねぇ…」

異変開始から今までを覗いていた紫

 

「それにしても…やはり縁ねぇ…」

レミリアが幽鬼に対して放った言葉…フランの狂気を切った力…それを幽鬼だと言った

 

「単純な力に見えて…複雑な力ね…」

そう紫が持つ境界の力にも縁は関わってくる

 

「平を返せば…この世界は危ない…でも、彼はそんな事を企む様な玉ではないわね…」

一瞬鋭い目になるが直ぐに優しい目に戻る

 

 

「何せ彼も幻想郷(この世界)を愛しているのだから…彼の力…縁を操る程度の能力ね…ふふ…これからが楽しみだわ〜♪」

静かにスキマを閉じ

 

「らーん!朝ごはんにしましょー!」

自分の住処に戻るのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あっという間に季節は秋の終わり

 

 

「今日はここまでにしときましょう…」

霊夢が空からゆっくり降りながら言う

 

「ハァ…ハァ…ありがとうございました!」

お辞儀をする幽鬼

 

「四ヶ月間見てきたけど、大分まともになったわね…もう少しで大丈夫なんじゃないかしら?」

霊夢は幽鬼に近づいてくる

 

「本当ですか!?」

幽鬼は喜ぶ

 

「でも!少しの油断がダメだからキチッとこれからも精進する!」

大幣を幽鬼に向ける

 

「はい!」

キリッと返事をする

 

「うん、よろしい♪…さて、幽鬼!夕飯!!」

笑顔で言う霊夢

 

「ふぅ…今日は何にします?」

幽鬼が霊夢に聞いたその時

 

「お邪魔するわよ〜♪」

スキマ登場からゆかりさん

 

「あによ?何のよう?」

邪険霊夢

 

「いやーん…霊夢冷たーい…ゆかりん悲しい…シクシク」

わざとらしく言う紫

 

「…こ、コイツ…」

イライラしだす霊夢

 

「まぁまぁ、霊夢さん…ようこそ紫さん、何か御用で?お茶出しますよ?」

霊夢を抑え、紫に声をかける幽鬼

 

「うーん!幽鬼くん優しい!ゆかりん!大好き!」

凄くわざとらしく

 

「あはは…」

苦笑い幽鬼

 

「で!?なんの用なの!?さっさと要件言いなさい!?」

痺れを切らした霊夢が怒鳴る

 

「焦らない♪焦らない♪…コホン…ちょっと真面目な話なんだけど…これから私は冬眠に入るの、だから春の先までこちらに顔を出す事は無いから…その間、お願いね♪」

紫は冬の間、力を溜めるための冬眠に入る事を伝えに来たらしい

 

「いつもの事でしょ…わかったわよ…」

面倒くさそうに答える霊夢

 

「まぁ、今回は幽鬼くんがいる事だし…寂しくないわね♪」

ウィンクをする紫

 

「うっさい!!要件終わったんならさっさと帰る!」

さらに怒鳴る紫

 

「きゃーこわーい♪それじゃね♪幽鬼くん♪霊夢の事はお願いね♪」

そう言って紫はスキマに消える

 

「たくっ…なんなのアイツ…」

機嫌が悪くなる霊夢

 

「あはは…とりあえず、人里に買い出しに行って来ますね…」

幽鬼は支度をするのに神社に向かう

 

「今日はガッツリ食べたいわ!」

霊夢がリクエストを言いながら後を追った

 

 

 

 

幽鬼は人里に続く道をあるっていた

 

「そーなのかー」

1人メンバーが増えて

 

「何を出待ちしてんだよ…ルーミア…」

幽鬼は後にふよふよ飛んでいるルーミアに声をかける

 

「そーなのかー」

ただそう答える

 

「全く…着いてきても、毎回何か食べ物を持ってる訳じゃないぞ…」

 

「お兄さんでもいいのだー」

 

「お断りだ!まぁ、茶屋で何か奢ってやるよ…」

「そーなのかー♪」

アレから何回も人里に買い出しに行くと高確率で着いてくる様になったルーミア

 

(ま、下手な妖怪より強いから護衛にはもってこいだな…ま、ご飯が目的だろうしな…)

幽鬼はそんな事を思いながら着いてくるのを許している

 

(ご飯にありつけるし、1番はお兄さんといられるのだー♪)

ルーミアがそんな事を思っているのは露知らず

 

 

 

 

 

〜人里正面門〜

 

人里は門を境に囲いがあり人里を一周している

小さな門は所々に設置されてるが大きい門はここだけだ

門番の若いおとこ二人が立っている

 

「おや?風華殿、ご苦労さまです…お買い物ですか?」

若い1人の男性が声をかけてきた

 

「えぇ…ちょっと夕飯の買い出しに、大丈夫ですか?」

幽鬼がそう答えると

 

「いえいえ、大丈夫ですよ…そんな来る度に確認しなくても、貴方だったら顔パスで通れますから、ははっ!」

軽く笑い快く通す

 

「おっと…そちらの君は一応許可書を見せてくれないか?ルールは守らないと行けないので…」

もう片方の門番はルーミアに声をかける

 

「これなのだー」

ルーミアが小さな紙を見せる

 

「うむ…有効期限も大丈夫だね…慧音先生の約束も守る様にお願いするよ…」

門番は渡された紙の内容を見てルーミアに返す

 

一定の条件とルールを守れば、会得できる許可書

ルーミアのように人を糧とする妖怪には必要な処置なのだ

 

「頭突きはもう嫌だ〜…」

ルーミアも以前慧音に頭突きを喰らった事がある

 

「ははっ!そりゃそうだ!」

笑い飛ばす門番

 

「じゃ、失礼します、ほらルーミア茶屋に行くぞー!」

「そーなのかー♪」

 

二人は門番に別れを告げ人里の中に入っていった

 

「いやぁ、しかし…あの博麗さんの所に男がいるとはな…」

二人が去った後喋り出す門番の1人の

 

「なんだ?何をそんなにガッカリしてんだ?まさか…お前…ぷっ…」

ボソッと言った相方に対して笑うもう1人

 

「ちげぇよ!!馬鹿野郎!俺にはもう子供もいんだぞ!?」

声を荒らげる

 

「じょーだん!じょーだんだよ!ごちそうさまですー!」

大笑いしながら談話していると

 

「「…!?…」」(ゾクッ!?

周りの空気が冷たくなる

 

「な、なんだ…急に寒気が…」

身体を摩る門番

 

「お…おい…あ、あれ…」

先程まで自分をからかっていた相方の顔が青くなっていた

 

「な…なんだ…よ…」

恐る恐る、相方が見ている方に顔を向けると…

頭を下に向けたまま…ゆっくりと何かが歩いて向かっている

 

「あわわ!?」

それを見た門番は顔を真っ青にし

 

「ガタガタガタガタ」

相方は震え出す

 

彼ら二人は知っていた…

しばらく、姿を表さなかった…その妖怪を…

 

ズリッ…ヨロ…ズリッ…ヨロ…ズリッ…ヨロ…

足を引きずりながら身体を揺らしゆっくりと確実にソイツは来ていた

 

ズリッ…ヨロ…ズリッ…ヨロ…ズリッ…ピタッ

門の前で止まるそれは普通の人間でも解るぐらいに黒いオーラをだしている

 

前の様に綺麗な緑色したショートヘアはボサボサに伸び、前髪も目が隠れるまでになっていた

 

服装もボロボロ、腕や手から指先は乾いた赤黒く所々汚れていた

 

チャームポイントの傘は持っておらず以前の様な高潔で優雅な風格は無かった

 

 

 

「ねぇ…知らない…?」

腹の底から出てるような低い声が響く

 

「「はひぃっ!?」」

門番二人は脅える

 

「ねぇ…知らない…?知らないの?」

ゆっくりと顔を上がると赤黒く光る目がギョロリと向く

 

「ワタシのハナちゃん何処にいるか知らない!?」

 

「「ぎゃぁあぁぁああぁ!?」」

門番は二人とも驚いて気絶してしまう

 

「……何処に…いる…の…?」

ゆっくりと人里の中に入っていく(

ピタリと門を入って少し進んだ所で止まる

 

「この…匂い…ハナちゃん…だぁ♪」

口が裂けそうな程に三日月の様に笑う

 

 

匂いを辿り歩き始める

 

我が子…いや…愛しい人を求めて進み始める

 

風見幽香の再来である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人里の奥にある茶屋の前

 

「ふぃ〜…お腹いっぱいなのだ〜…♪」

満足そうなルーミア

 

「…やっぱり…容赦ないわ…お前…」

ガックリ肩を落とす幽鬼の姿があった

 

「おばさんがオマケしてくれたから助かった物の…少しは加減してくれよ…ルーミア…」

お腹をさすっているルーミアに幽鬼は言う

 

「ここがとても美味しいのが良くないのだー」

満面の笑みで答えるルーミア

 

「はぁ…じゃあ…そんだけ食ったんだから買い物くらい付き合ってくれよな…」

幽鬼は呆れながら言う

 

「りょーかいなのだー♪」

ルーミアから返事をもらい買い出しをしようと動こうとした時

 

「おや?ルーミアと幽鬼殿じゃないか?」

凛々しい声が聞こえ

 

「うん?」

声がした方に視線を向けると

 

「やぁ…二人とも茶屋の前で何してるんだ?」

 

底にはこの人里の守護者兼人里の寺子屋の先生

青いワンピースに首元には赤い紐を結び、変わった帽子を被った

人間時「歴史を食べる程度の能力」を持つ

 

上白沢 慧音がいた

 

「あ…慧音先生、どうも」

幽鬼がお辞儀をする

 

「けーねせんせい!こんにちわー!」

ルーミアは元気に挨拶する

 

「あぁ、ルーミア…こんにちわ、で何してたんだ?」

慧音はルーミアに挨拶をしてからまた聞く

 

「ちょっと買い出しに行く途中で一緒になったんで、茶屋でご馳走する代わりに博麗神社の行きと帰りの道中を着いてきて貰おうとしたんですよ」

幽鬼は慧音に説明する

 

「ふむ、ルーミアは悪さはしてないんだな?」

慧音はルーミアを見て幽鬼に言う

 

「はい、大丈夫ですよ」

笑って言う幽鬼

 

「なら、安心だな…ルーミア、最後までちゃんと幽鬼殿を神社まで送るんだぞ?」

 

「わかってるのだー」

 

「慧音先生は何かの帰りですか?」

幽鬼が聞くと

「あぁ、ちょっと友人の所にな…その帰りだよ…まぁ、留守だったがな…」

残念そうに言う慧音

 

「そういえば、幽鬼殿は霊夢との修行は大丈夫かい?」

幽鬼に日頃の修行の様子を聞いてくる

 

「はい、毎日精進していますよ!霊夢さんに早く認めて貰うように!」

笑って答える

 

「そうか、もしまた手があったら寺子屋の方も手伝ってはくれないか?皆も喜ぶぞ?」

慧音は人里の幽鬼の評判が良い事を分かっていた

前回も少し霊夢に頼み手伝いの依頼をしたのだが思いの他生徒たちの反応が良かったのだ…良すぎたのだ…

 

「あはは…また、霊夢さんに聞いてみますね」

笑顔で答える幽鬼

 

ふと慧音は思う

(彼の人の良さ以外にある…何か…もしかしたら…)

真剣な表情をしていると

 

「幽鬼様、御機嫌よう」

凛と静かな声が響く

 

「あ、買い出しですか?咲夜さん」

パッと横に現れるメイドに幽鬼は挨拶する

 

「おや?君は?」

慧音は初めて見る咲夜に対して冷静に聞く

 

「お初にお目にかかります…私は紅魔館、レミリア・スカーレットお嬢様にお使いするメイド長、十六夜 咲夜と申します…以後お見知り置きを…」

慧音に綺麗なお辞儀をする

 

「あ、あぁ…以前の異変の…私は上白沢 慧音だ、よろしく」

慧音は少し警戒しながらも自己紹介をする

 

「あはは、慧音先生…警戒しなくても、大丈夫ですよ?自分も度々、紅魔館にお邪魔しているので」

幽鬼は笑って慧音に話す

 

「そうか…それは失礼した」

慧音も話を聞き咲夜に謝る

 

「いいえ、人里の皆様にはご迷惑をお掛けしたのは間違いございませんので…所で幽鬼様…お嬢様からのお茶会のお誘いが…」

咲夜が懐から手紙を出し幽鬼に見せる

 

「ふ、フランからじゃなくて?」

幽鬼は警戒する

 

「はい、お嬢様からですが?」

首を傾げて言う

 

「……」(ガサッ

幽鬼は渡された手紙を広げ、読む

 

内容

御機嫌よう、我が愛しき人間 幽鬼よ

この招待状を見てるという事は興味を持ったって事よね

そうよ、そうに違いないわ、そうだって決めるわ

フランとこの間お茶会をしたそうじゃない

私を差し置いて、まぁ、それは気にしないわ

とりあえず、不公平だから私も貴方を招待するわ

来なさいよ?来ないと酷いわよ?

なんだったら今目の前にいる咲夜もつけるわ

咲夜には、幽鬼が目の前で手紙を呼んだら

貴方の言う事を聞くように伝達してあるわ

要は読んだ瞬間貴方の短期メイドという訳よ

喜びなさい!そして私に感謝しなさい!

私は何時でも貴方を迎える準備が出来ているわ!

フランに何を言われようと!パチェに冷たい目で見られようと!!

 

 

貴方を心から待っているわ

貴方の未来の嫁 レミリア

 

 

 

PS・ちなみに咲夜は何でも言う事を聞くわよ♪

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」

ゆっくりと手紙から目を離すと

 

「ご主人様、何なりと御命令を…」

咲夜が綺麗なお辞儀をする

 

「そーなのかー」

ルーミアは後ろから手紙を見ていた

 

「な、何が起きたんだ?」

慧音は咲夜の態度が変わった事に驚く

 

「咲夜さん…まじですか?」

片手で頭を押さえて幽鬼は咲夜に聞く

 

「はい、ご主人様」

変わらぬ咲夜の態度

 

 

「あはは…参ったな…霊夢さんに何て言えば…」

困惑しだす幽鬼

 

その時

 

「慧音先生!?ここに居たんですね!?」

血相を変えた村人の青年が現れる

 

「ど、どうしたんだ…そんなに慌てて…!」

慧音は青年の様子を見て駄々ごとでは無いことを察する

 

「はぁ…!か…かのじ…ょ…が。はぁ…!」

息を切らし何を言っているのか分からない

 

「落ち着け!息を整えろ!」

青年の肩に手を乗せて言う

 

 

「咲夜さん!お水持ってきて!」

幽鬼が咲夜に頼む

 

「はい、お持ちしました」

すぐ様水の入ったコップを持っていた

 

「慧音さん!」

慧音に渡す

 

「ほら!飲んで落ち着け!」

青年に水を渡し飲ます

 

しばらくして

 

「はぁ、はぁ…ありがとうございます…」

水を飲み少し落ち着いた様子の青年

 

「何があったんだ?」

慧音が再び青年に聞く

 

「それが!今まで姿を余り見せなかったはずの…!?」

青年が発した言葉に誰もが固まった

 

 

 

 

風見幽香が人里に現れたんです!

 

 

 

 

 

 

 

 

「何…しかし、彼女は底まで騒ぐ事では無いはずだか…」

慧音は今まで幽香が人里にただ買い物に来ていた事を知っていた

 

「最初はそうだと思ったんですが!身なりも見た目も変わり果てて…しかも正面門番の二人がやられたんです!!

青年からその言葉を聞いた瞬間

 

「今!風見幽香は何処に!?」

血相を変えた慧音

 

「今は多分中央通りを…ヨロヨロと進んでいます!」

青年は必死に言った

 

「すまん!皆!用事が出来た、皆も早く人里から離れるんだ!!向かおう!」

「はい!!」

青年と慧音は走り出した

 

 

「大丈夫なのかー?」

ルーミアはいつものテンションで

 

「私達はどうしましょう…ご主人様のご自宅に、あ…先に紅魔館の方に荷物も…ご主人様?どうかなさいましたか?」

咲夜は幽鬼が呆然と立ち尽くしている事に気がついた

 

「…ゆ…ゆぅ…ねぇ…ま、まさか!?」

いきなり走り出す幽鬼

 

「あ!?ご主人様!?」

咲夜は時止めで追いかけようとすると

 

「ルーミア!!咲夜さん!霊夢さんにこの事を知らせてください!!」

幽鬼が大声で言う

 

「おにーさんはどーするのだー!!」

ルーミアが聞くと幽鬼は足を止め振り返り言う

 

「彼女の…目的は…多分…俺だ!!」

そう言って再び走り出す

 

 

取り残された二人

 

「そーなのかー…人間さん〜…どーするのだ?」

ルーミアは咲夜に聞くと

 

「私は今のご主人様の命令に従うだけですわ…一度紅魔館の方にも報告を…失礼…(パチンッ!」

指を鳴らすと咲夜の姿が無くなる

 

「と言うことは、おにーさんに私は着いていくのだ〜」

ルーミアは幽鬼の後を追う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜中央通り〜

 

いつもの時間帯は買い物客で賑わう通り

しかし、何処の店もやっておらず静まり返っていた…

 

ただ一人を除いて

 

「こっち…から…する…」

ゆっくりとゆっくりと歩き進める幽香

 

そこへ

 

「止まるんだ!風見幽香!」

目の前に慧音が現れた

 

「何をしに来たが、わからんが!今は大人しく人里から引き返してくれないか!!」

慧音は下手に刺激せずに説得をした

 

先に門番の安否を確認した慧音だったが門番の二人は余りの恐怖に気絶しただけだと言うことが解り、敵対はないと悟っての説得の判断だった

 

(ここで、下手に刺激したら人里は無事ではすまない…)

冷汗を垂らしながら慧音は相対する

 

「……何処に…いる…の?」

 

「なに?」

ボソッと幽香の言った言葉に反応する慧音

 

「匂い…貴女…から…匂い…ハナちゃん…の…」

ゆらぁっと身体が動く幽香

 

「っ!?何っ!?!?」

 

その刹那

 

 

ガシィッ!!!

 

 

一瞬の瞬間に胸ぐらを掴まれる慧音

 

「ぐぅっ…うぐっ…!?」

軽々と持ち上がり足が浮き首が締まる

 

「何処に…やった…ハナちゃんを 何処にやったぁ!?

 

「うぐぁ!?」

ギリギリと首が締まる

 

(だ…ダメだ…正気じゃない…ぐぅ…どうしたら…)

徐々に首を絞める力が強くなる

 

「あがぁ!?がぁっ!?」

慧音の口から泡が吹き出る

 

(もう…い、意識が…だ…め…か…)

慧音が意識を失いかけたその時

 

 

「ユウ姉!やめろ!!」

 

 

 

 

 

幽香は動きを止める

 

あの時と同じように彼女は彼に止められた

 

幽香はゆっくりと振り返る

 

あの時も後ろを向いたら彼はいた

 

彼女はあの時と同じように彼の名を呼ぶ

 

 

「ハナちゃん…」

幽香は慧音を持ち上げていた手を離し幽鬼に近づき始める

 

「ゲホッ!?ゲホッ!?ハァ!ハァ!」

慧音は解放されて、やっとまともに息を吸う

 

「ゆ、幽鬼!?あぶなっ…!?」

慧音が幽香を止めようとした時

 

「慧音先生〜、こっちなのだ〜」

後ろからルーミアに引っ張られ

 

「ルーミア!?何してる幽鬼があぶないんだぞ!?」

引っ張られながらルーミアに言う慧音

 

「今の慧音先生が1番危ないのだ〜、おにーさんは大丈夫なのだ〜」

幽鬼はルーミアに頼んで、慧音を安全な場所まで運ぶよう頼んだのだ

 

(おにーさん、気をつけるのだ〜)

ルーミアはそう思いながら離れるのであった

 

 

 

 

 

「ハナちゃん…ハナちゃん…」

幽香はゆっくりと近づいてくる

 

「やっと…会えた…やっと見つけた」

愛しい人を抱きしめるべく

 

 

「これで…寂しくない…」

目の前の幽鬼に両手を広げを伸ばす

 

 

「これからずっと一緒にいましょう…ワタシノカラダノ…ナカデェェェ!!!

幽鬼のいた場所に両手が空を切る

 

「何処…に…ハナちゃん…?」

辺りを見回す幽香

 

 

すると

 

 

「はぁ…はぁ……」

少し離れた所に彼は尻もちを着いていた

そして、隣に立つ女性

 

「た、助かりました…咲夜さん

 

「いえいえ…間に合って良かったですわ、ご主人様」

紅魔館や博麗神社に向かった咲夜がいた

 

「咲夜さん…霊夢さんは?」

 

「伝えましたわ…最初は何でご主人様をそう呼ぶのか聞かれましたが…こちらに向かって来られています」

にこやかに答える咲夜

 

「あはは…(この人楽しんでない!?)」

ちょっと咲夜が怖かった幽鬼である

 

 

「邪魔…するな…邪魔するなぁぁぁあぁあぁぁ!!

幽香が飛び掛ってくる

 

「咲夜さん!!」

「かしこまりました…」

幽鬼が咲夜に声をかけ、その場から消える

 

「がァあァぁあぁあア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」

幽香は消える幽鬼を求めて辺りを見回す

 

「こっちだ!ユウ姉!!」

声をかけて気づかせる幽鬼

この行動を繰り返す事により人里から外に出ようと言う考えだった

 

(人里でこれ以上騒ぎには出来ない!かと言って放っておけない!!一先ず、暴れられても大丈夫な所まで!!)

幽鬼は一定の距離を保ち、咲夜に時止めで移動したのであった

 

 

 

 

 

「どうやらおにーさん達は上手く行ったみたいなのだー」

中央通りから少し離れた通りにいるルーミアと慧音

 

「しかし…本当に大丈夫なのか…」

慧音がそう言うと

 

「ちょっと!!あんた達!!」

空から声をかけられた

 

「うん?おぉ!!霊夢!!」

慧音が上を向くとそこに霊夢の姿が

 

「挨拶してる暇はないわよ!さっき紅魔館のメイド長が風見幽香が幽鬼目的で現れたって聞いてきたんだけど!!何処に向かったか分かるの!?」

霊夢は慧音とルーミアに聞く

 

「人里から離れたのは確かだが…何処に向かったまでは…」

慧音は申し訳無さそうに言うが

 

「私は分かるのだー」

ルーミアが答える

 

「なに!?ルーミア本当か!?」

「ほら!!早く教えなさい!!」

霊夢と慧音に言われるルーミア

 

「簡単なのだ〜…おにーさんの匂いを辿るのだ〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ…うぁ…」

意識を取り戻す咲夜

 

「こ…ここは…はっ!ご主人様!?」

何が起こったのか思い出す

 

「ぐぉ!?うらぁっ!!」

「アハハ!イイワヨ!!ハナちゃん!!」

取っ組みあっている幽香と幽鬼

弾幕勝負ではなく肉弾戦になっていた

 

 

 

数分前

 

 

 

 

 

「ここまで離れればしばらく大丈夫でございますよ…」

咲夜が静かに答える

 

ここは人里から離れた森の中

 

「……」

押し黙って考え込んでいる幽鬼

 

「どうかなさいましたか?ご主人様?」

不思議そうに覗き込む咲夜

 

「おかしい…上手く行き過ぎてる…こうも簡単に…」

幽鬼は静かに言う

 

「とりあえず、ここまで離れれば人に被害はありませんよ…ここには森で植物だらけで木や花しかないんですから…」

咲夜が言う

 

「……もり…植物…花!?しまった!!っ!?あぶない!!」

幽鬼が声を上げ、咲夜を跳ね飛ばし、自分も飛び降りる

 

「きゃぁ!?」

「くそっ!?」

 

ドガァァアン!!

その瞬間、先程までの場所に何かが落ちてきた

 

「何が…!?(オソイワヨ…)…え…(ドカァ!!)きゃぁ!?」

咲夜は着地をしたが瞬間に吹っ飛ばされる

 

「うぐぁ!?」

勢いよく吹き飛ばされ気を失う咲夜

 

「咲夜さん!!」

幽鬼はやられた咲夜に声をかけるがその隙を与えないのが現れた人物だ

 

「ニガサナイワヨ♪ハナちゃん♪」

 

 

〈場面は戻り 〉

 

 

咲夜が目を覚まし今に至る

 

 

「ぐはぁっ!?」

一撃を喰らう幽鬼、咲夜がいる場所に飛ばされる

 

「ご、ご主人様!?ご無事ですか!?」

咲夜が傍による

 

「はぁ…はぁ、咲夜、気がついたんですね…やっぱり、ユウ姉は強いです…」

片膝をつき息を切らす幽鬼

 

「ご主人様…お聞きしてもよろしいでしょうか…?」

咲夜は今まで気になっていた事を聞く

 

あの方(幽香)とはどういった関係なんでしょうか?」

 

「……」

幽鬼は聞かれ直ぐには答えられなかった

 

(どういった…か…そういえば…深く考えて無かったな…この世界に転生して…最初の出会った東方キャラ…いや…この歳になるまで…一緒に…いた…それが1回の拒絶をされてあんなに…悲しかったのは……)

幽鬼は黙ったまま考えた

 

「それに…どうして、このタイミングなんだ…」

幽鬼はそれと一緒に幽香が何故今になって現れたのか

 

「ハナちゃん…♪」

その時、幽香の目が髪の隙間から見えた

 

赤黒く染まり、正気の無い目を

 

「まさかっ!?」

幽鬼は気づいた

 

幽鬼は前に見た事がある、一人ぼっちで何をしても壊してしまう…館の地下に幽閉されたフランドールが…

 

 

狂気に呑まれていた時同じ目をしていた事に

 

「ご主人様?どうなさいましたか?」

黙ったと思ったらいきなり声をあげた幽鬼に声をかける

 

「咲夜さん…今回の騒動、原因は自分です

幽鬼は悔しそうに歯を食いしばる

 

「ど、どういう事です…」

困惑する咲夜

 

「ユウ姉のあの目の感じ見覚えのあるんです…フランちゃんが狂気に呑まれていた時の感じに!!」

幽鬼は気づいた事を言う

 

「し、しかし!何故…今このタイミングなんでしょうか…あれから四ヶ月位は経っているんですよ…!?」

咲夜が思うのは当然である、紅霧異変から夏が始まる頃であり、今は秋の終わり頃なのだ

 

「……ユウ姉の腕辺りを…見てください…」

幽鬼は答える

 

「腕…ですか?」

咲夜は言われた通りに見る

 

見ると指先は血で染まっている…がよく見ると既に乾いて大分経っていた…そして腕辺りは引っ掻き傷が刻み込まれていた

 

「ユウ姉は…もしかしたら、今日まで狂気に呑まれるのを耐えていたのかもしれません…あの人は…結構寂しいがり屋で負けず嫌いですから…一緒にいたので分かります…」

幽鬼はそう言うと幽香の方に歩き出す

 

「ご主人様!?」

咲夜が止めようとすると

 

「咲夜さん!貴女はもういい!!」

大声を出す幽鬼

 

「!?」

咲夜は動きを止める

 

「すみません、いきなり声を荒あげてでも、これは自分がまいた種です…咲夜さん、貴女はもう普通に業務に戻ってください…すみませんが貴女のご主人様は…終わりです…だから貴女は逃げてください!!」

幽鬼は走り出す

 

 

ユウ姉ぇぇぇえぇえ!!

「ハナちゃぁぁぁぁん!!」

二人の肉弾戦が再び開始した

 

 

しかし、長くは続かない…

 

圧倒的強さに幽鬼は押されていた…

 

(くっそぉ!!やっぱり!普段より強い!!)

普通の人間がここまで戦えるのも凄い事だが攻撃回数より躱す回数の方が増えている

 

「楽しい♪ハナちゃん♪前みたいに♪沢山!!」

やはり大妖怪、圧倒的な強さで押し始める

その時バランスを崩し倒れそうになる幽鬼

 

「しまっ!?」

次の一撃が放たれる

 

 

 

 

 

 

 

 

時が止まる

 

 

 

 

 

 

 

「…うっ…あれ?」

幽鬼はまた幽香の少し離れた所にいた

 

「さ、咲夜さん…なぜ?」

隣には先程逃げろと言った咲夜

 

「貴方を置いて逃げるなんて選択はございません!侮らないでください!」

幽鬼に向かって怒鳴る咲夜

 

「……はぁ…御迷惑おかけします…」

幽鬼は体制を整える

 

「いえ…ご迷惑をお掛けしたのはこちらですから…」

咲夜もゆっくりと構える

 

そうしていると幽香はゆっくりとまたこちらに身体を向ける

 

「今度こそ…止めるよ…ユウ姉!!」

咲夜はナイフを投げて援護し、

幽鬼は幽香に向かって走り出した

 

 

 

 

 

大切な人を狂気の縁から断ち切るべく






( ̄▽ ̄)まさかのゆうかりんの狂気落ちっす

(´・ω・`)いやぁ…あっさりしてたんで少しハードに挑戦しました


(;´Д`)おかしいですかね?


色んな人に読んで貰っているのでこれからも頑張っていきます!


ここまで読んでいただきありがとうございます!!


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番外編 狂気



これは一応番外編で短めです!
幽香が何故狂気に落ちたのか簡単に描きました!!

(´・ω・`)もっと大人なゆうかりん書きたかった


後…一言…


風見幽香ファンの皆様、ごめんなさい!!


とある家の中

 

 

薄暗く窓も締切で、部屋も大分荒れていた

二人で過ごしていた時よりボロボロで何かの植物の破片や土が床の個所ごとに落ちていた…

家の外は怪しげな植物達が家の周りを囲っていた

 

「アハッ…イヒッ…フフ…

部屋の奥の寝室のベットの上に座る人影

 

ハナちゃん…♪イヒッ…♪ズット…ソバニ…

目の焦点が合っておらず、誰も居ない場所に手を伸ばす

 

「あ……いやぁ…いやぁあぁあ!?」

大声をあげ絶叫する風見幽香の姿があった

 

 

 

「もぅ…切れちゃった…いや…まだ、ある…」

彼女はベットの横にあるテーブルに手を伸ばし

液体の入った容器を手に取る

 

「また…会える…♪ハナちゃん♪」

そう言うと彼女は容器の液体を飲み始め

 

「ァァ…がぁ…カグァ…アヒッ♪アヒッ♪

しばらくすると再び目の焦点が合わなくなり

開いた口からはだらしなく舌を垂らし、ヨダレが流れ

身体をビクビクと小刻みに震わしながら

 

 

 

「ハナァヂャン…イッジョォ〜♪」

呂律の上手く回らない口で言うのだ

 

 

あれから、彼女は後悔と孤独の念からどうにかなりそうになり

幻覚作用の植物をありったけ育てあげ、調合のレベルを超えた混ぜに混ぜた液体を作ってそれを飲んでいた

家の周りもその植物で囲い常に作用する花粉が飛び交っている

 

幽香はこの時だけ幽鬼の幻覚と一緒に過ごしていた…

一時の心から安らぐ時間を…

だが、効果が切れると先程ど同じように絶望に落とされる

そんな事を幽鬼が居なくなってから、今日に至るまで繰り返していた

 

 

しかし

 

 

「ァァ…ガァギ…イヤァ…ナンデ…」

彼女の見る幻覚が他に1つ増えていた…

それは彼女の身体を包むような黒い瘴気の様な物であった

 

「ゴレァハ…ジィガゥ…ハナァヂャンジャナイ…!!」

この幻覚の時は幽鬼の幻覚は最後まで見れない

ただ身体の中にその黒い瘴気が侵食していく幻覚である

 

 

「ギェロォ…キエロォ!!」

幽香はその度に自分の身体に纒わり付くソレをはらう

指先に力を入れて掻きむしり、血が溢れ出ていても

 

 

身体に纒わり付く瘴気の幻覚は声が聞こえる

 

 

 

 

(あぁ…どうしてなの…私は…ただ会いたいだけなのに…)

 

アイニ…イケバ…イイジャナイ

 

(黙れ…)

 

コンナトコロデ…ヒトリハ…カワラナイワヨ

 

(黙れ…黙れ!)

 

コワイノネ…デモ…ダイジョウブ…カレモアナタニ…アイタガッテル

 

(……だ…まれ…)

 

ゲンカクデハ…モウムリヨ

 

(………)

 

サァ…ムカエニ…イキマショウ

 

(…私は…絶対に…言いなり…にならない…)

 

ソウ…ザンネンネ …デモ…イズレ …ワカルワ

 

 

そう言って黒い瘴気は消え、終わる

それで終わりなのだ…

 

 

 

 

しかし…数ヶ月後、遂に幽香は完全に絶望に落とされた

 

 

 

 

幻覚でさえ幽鬼を見なくなってしまった

 

 

 

 

 

「アァ…アア…どう…して…イヤァアア!!

絶望し絶叫する幽香

ベットの周りには無数の容器が転がっている

 

「ァァ…ガァギ…ウガゥッ…ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」

その瞬間、幽香の目が赤黒く染まる

 

ダカラ…イッタデショウ…サァ…ムカエニ…イキマショウ

 

ゆっくりとベットから立ち上がり、扉に向かう

 

「ハナちゃん…♪今行くわ…♪」

 

幽香は完全に狂気に呑まれ、動き始めた

 

 

 

 

 

 

愛する彼を求めて

 

 

 

 





本編に書くと凄く長くなる予想がしたんで分けてみました

(´・ω・`)うーん…イチャコラは番外編とかにした方が効率いいんですかねぇ…


(´д⊂)頑張ります

最後まで読んでくれてありがとうございました!


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救援&一時的撤退



(´・ω・`)お待たせしました
今回ちょっと下ネタを含めて見ました…
何処まで大丈夫なのか探りですが…
もしダメそうなら再編集しますね

何処まで許されるのか少し他の方の書き方を勉強しながら気をつけて書いていきたいです

そもそもいつになったらイチャラブ書けんだろう…
それではどうぞ!!


 

 

 

 

あれからどの位たったのだろうか

時間にしてそんなに経ってはいなかった

 

 

「だぁ!?もう!!どうにかしないとまずい!!」

先程から咲夜と一緒に幽香と立ち向かっているが

 

「押されていますね…幽鬼様、大丈夫ですか?」

咲夜が前に立ち、後ろで構えている幽鬼に聞く

 

「正直…弾幕勝負が苦手なもんで…ここまでガチに戦うって事態初めてですよ…」

下手に幽香の一撃を喰らったら、幽鬼は致命傷を負う

 

「しかし…時間の問題ですね…」

咲夜もナイフを回収しながらなので時を止めていても限界がある

 

「どうにか時間が稼げれば…」

この状況はいつまで持つか分からない、他に選択はないのか二人で悩む

 

2人では限界がある…

しかし相手は待ってくれない

 

 

「コナイナラ…コッチカラ…イクワ!!

幽香が突進してくる

 

「くぅ!?」

二手に別れて躱す

しかし…狙いは決まっていた

 

「しまっs…ぐはぁ!?」

咲夜の腹に一撃を入れる

幽香は咲夜を狙っていたのだ

 

「貴女のマジックは正直飽きたの…そこから見てなさい…」

幽香は咲夜を吹き飛ばす

 

「がぁっはぁ!?」

「咲夜!!」

吹き飛ばされ何本かの木々を倒し叩きつけられる

 

「ゆ…ゆき…さ…に…」

咲夜はそのまま意識を失う

 

「咲夜さん!!」

傍に駆け寄ろうとするが

 

ドガァン!!

「くっ!?」

 

幽鬼の目の前に幽香が降り立つ

 

 

「サァ…コレデフタリキッリネ…ハナちゃん…♪」

前髪で隠れているが、それでも分かる程目がギラついてる

 

幽鬼は迫力に負けて動けなかった

 

「コレデ…ワタシノ物!!」

幽香は強力な一撃を幽鬼に放つ

 

 

「…(これまでなのか…)」

幽鬼は迫り来る一撃に対して避けるのを諦めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時

 

 

 

「なに!ボケっと突っ立てんのよ!!」

聞き覚えのある声が聞こえたと思ったら

目の前の一撃が霊夢の手によって防がれた

 

次の瞬間身体が持ち上がった

 

「おにーさん、諦めちゃダメなのだー!」

「る、ルーミア…!」

 

ルーミアが幽鬼を連れ飛んだのだ

 

「あ!さ、咲夜さんが!?」

幽鬼は思い出して声をあげる

 

「大丈夫なのだー」

ルーミアが答えると目の前に咲夜を担いだ慧音が現れた

 

「どうやら、間に合ったようだな…」

慧音が安心した表情で言う

 

「慧音さん、咲夜さんは…」

幽鬼が心配そうに言う

 

「大丈夫だ、気を失っているだけのようだが…外傷は少ない、一応人里で休ませよう…」

 

 

「夢符・二重結界!!」

後ろで霊夢がスペルを発動し飛んできた弾幕を防ぎ続けていた

 

「ぐ!無茶苦茶ね!やっぱり!!通常弾幕でこの威力とか反則だわ!!」

「とにかく、私がアイツを止めるから三人とも人里に戻ってなさい!」

霊夢が大声で言う

 

「ちょっと待ってください!自分も!」

幽鬼は霊夢に残ろうと言おうとするが霊夢は睨んで怒鳴る

 

「今のアンタは足でまといなのよ!さっき見たいに庇いきれないわ、そこのメイドもアンタを守りながら、倒されたのを自覚しなさい!」

 

その中、飛び続けてくる弾幕

 

「くっ!わかったなら、さっさと行きなさい!」

霊夢はそう言って幽香に向かって行く

 

「おにーさん…霊夢の言う通りなのだ…とりあえず、降りて落ち着くのだー…」

ルーミアが声をかけ

 

「そうだ、ここにいると霊夢の邪魔になってしまう…一先ず人里に…戻ろう…」

慧音がそう言うと先に人里に向かって行った

 

「おにーさん…しっかり捕まってるのだー」

ルーミアも幽鬼を連れて、その後に続いて行く

「…うん…頼む…」

ルーミアに静かにそう答えてながら、幽鬼は弾幕がぶつかり合っている光を見ていた

 

 

 

 

 

〜人里門前〜

 

 

「慧音先生!ご無事で!」

人里の門前に降りると門番に声をかけられた

 

「あぁ、所で…お前は大丈夫なのか?」

慧音に声をかけたのは気絶した門番の1人だ

 

「いやぁ…情けねぇ…あの後、嫁に怒られやした…どうやら、お連れさん方と無事に合流出来たみたいで、そちらの女性は大丈夫ですかい?」

 

「気を失っているだけだ…とりあえず阿求の所に行こうと思うんだ、彼処なら軽い手当ても出来るからな…」

慧音が門番に答える

 

「そうした方がいいですな、稗田様も御心配していたんで…とりあえず、なんかあったらまた知らせますんで…中へ…しばらく門は安全が確認出来るまで閉めやすんで…おーい!慧音先生達が戻ってきたぞー!門を閉める準備だー!」

門番はそう言って門の方へ走って行った

 

「幽鬼殿、ルーミア!人里の中に早く入るんだ!」

慧音が2人に声をかける

 

「おにーさん、行くのだー」

「……」

幽鬼はルーミアに声をかけられるが遠くで見える光の点滅を見ていた

 

「ルーミア…先に中に入ってなさい…」

「わかったのだ〜…」

ルーミアは慧音に言われて先に門をくぐっていった

 

 

「幽鬼殿…霊夢の事なら安心するんだ…博麗の巫女は簡単にはやられない…さぁ、行こう…」

静かに声をかける慧音

 

「…情けないですね…」

幽鬼はボソッと言う

 

「何がだ?」

慧音が聞く

 

「大好きな人を…助けられないだなんて…もどかしいです…」

そう言って頭をかかえる

 

「…ふむ…幽鬼殿、とりあえず…阿求の所に行ってから話を聞こう…ここだと待たせてしまうからな…」

幽鬼の肩に手を載せて言う

 

「そ…そうですね…すみません…」

幽鬼は後ろを振り向きながら慧音と一緒に人里に入って行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜稗田邸〜

 

 

「これで大丈夫ですね…」

着物を着た少女が布団で横たわる咲夜の手当を終える

 

「すまないな…阿求、押し掛けてしまって」

慧音が申し訳なさそうに言う

 

「大丈夫です、この位は何も問題はないです!」

ニッコリ微笑む着物少女

 

 

彼女はこの名家 稗田邸の当主

 

九代目 御阿礼の子

「一度見たものを忘れない程度の能力」を持つ

 

幻想郷の記憶

 

稗田 阿求である

 

 

「それにしても…あの風見 幽香さんが…しばらく人里に現れなかったはずですけど……」

阿求は首を傾げながら慧音に聞く

 

「それは…(慧音さん…自分から説明します…)

廊下側の襖が開き、幽鬼が現れる

 

「幽鬼殿…戻られたか、ルーミアは?」

さっきまで一緒に居たルーミアが居ないことを聞く慧音

 

「ルーミアには紅魔館に咲夜さんの事を知らせに行かせました…咲夜さんの心配されてるかも知れないので…」

 

「そうか…」

慧音が頷く

 

「あの…慧音さん?そちらの男性は?」

阿求は現れた幽鬼の事を聞く

 

「あぁ!阿求は初対面だったな…彼は風華 幽鬼殿、前に簡単に話した博麗神社の住込み君だ…」

 

「あ、この間…寺子屋のお手伝いして貰った方ですか?」

阿求は手をポンっとする

 

「うむ、そうだ…」

頷く慧音

 

「どうもこの度はご迷惑をお掛けしてます…先程ご紹介にありました、風華 幽鬼と言います、稗田様の事は慧音先生から耳にしていました…」

幽鬼は正座して頭を下げて挨拶する

 

「うーん…30点…」

阿求が言う

 

「へ…?」

 

「ははっ…幽鬼殿は真面目だな、阿求に対してそんなに律儀にならずとも大丈夫だぞ?」

慧音がにこやかに言う

 

「慧音さんの言う通りです、底までガチガチだとお互いに疲れちゃいますよ?もっと…こう、りらっくす?…した方がいいですし私も話しやすいです…」

阿求もにこやかに言う

 

「は、はぁ…分かりました…えーっと…」

困惑幽鬼

 

「名前で呼んで貰って構いませんよ♪幽鬼さん♪」

 

「わ、分かりました…あ、阿求さん…」

 

「はい!合格です♪」

幽鬼が思っていた阿求像が色々と崩れた

 

「さて、挨拶はこの位で…幽鬼さん…先程、説明出来ると仰っていましたが…」

物静かな声に変わる阿求

 

「うむ、私も聞きたいのだが…?」

慧音もキリッと変わる

 

「そうですね…長くなってしまいますが…大丈夫ですか?」

幽鬼は座り直し2人に言う

 

「はい、構いませんよ」

ニッコリ阿求

 

「うむ、私も大丈夫だ…」

頷き慧音

 

「では…実は…」

 

 

 

 

 

 

〜少年説明中〜

※二人のリアクションをお楽しみください

 

 

 

阿・(・ω・´)

 

 

慧・(・ω・´)

 

 

〜少年説明中〜

 

 

阿・( ºΔº )

 

 

慧・(´°д°`)

 

 

〜少年説明中〜

 

 

阿・( ´◉ω◉` )マジデスカ…

 

 

慧・(  Д ) ⊙ ⊙

 

 

 

〜少年説明終了〜

 

 

「…という訳です…すみません…」

一通り説明して頭を下げる幽鬼

 

 

 

「……ちょっと、外の空気を吸ってこよう…」

慧音は顔が固まったまま廊下に出た

 

「は…へ…」

阿求は固まって動かなくなっていた

 

「あ、阿求さん?阿求さん!?

 

「は!!すみません!」

幽鬼の大声にやっと正気を取り戻す阿求

 

「あれ?慧音さんは?」

 

「外に空気吸いに行きました…すみません…変な話をしてしまって…」

申し訳なさそうに幽鬼は言う

 

「いえいえ!大丈夫です!ちょっと…じゃなくてだいぶ驚きましたけど…友好度…極低の幽香さんが…とりあえず…紫さんが絡んでいるのであれば大丈夫ですね…ふむ…今回の幽香さんの行動が幽鬼さんが目的なのは間違いは無さそうですね…」

考えがまとまったのか阿求は淡々と述べる

 

「ふぅ…すまない…待たせたな…」

慧音が部屋に戻ってきた

 

「大丈夫でした?慧音さん?」

 

「あぁ…大丈夫だ、阿求…うむ、しかし…これで合致した…あの時私に言っていた(はなちゃん)と言う言葉は…幽鬼殿の事だったという事が…」

慧音は深く頷く

 

「しかし…狂気…か…うーむ…」

 

「そこをどうにかしないと…」

阿求と慧音が悩む

 

「今の自分では幽香さんから狂気切り離す事は難しいかも知れません…」

幽鬼は言いながら落ち込む

 

 

 

 

 

 

「「「…」」」

三人は沈黙してしまう

 

 

その時

 

 

 

「人が増えればどうにかなるわよ…」

 

「はい?」

「ん?」

「あっ!」

 

声がした方に全員が顔を向けると、

そこには紅魔館の動かない大図書館

 

パチュリー・ノーレッジが立っていた(小悪魔付き)

 

「貴女方は?」

阿求が現れた、見慣れない二人の少女に聞くが

 

「こあは咲夜の様子を見てちょうだい…」

「はい!パチュリー様!失礼致しまーす!!」

そそくさに行動してしまう

 

小悪魔は咲夜の様子を見に奥に行き

パチュリーは幽鬼の隣に(寄り添って)座る

 

「あ、あの…」

困惑阿求

 

「いきなり…ごめんなさいね、それと自己紹介しなくちゃね…初めまして、私はパチュリー・ノーレッジ…紅魔館の居候よ…金髪の子供の妖怪に話を聞いて来たの…」

軽く頭を下げるパチュリー

 

「そうだったんですね……うーん…まぁ、えーと…」

チラチラと阿求は慧音を見る

 

「うん?…あぁ!そうか!パチュリー殿、初めまして私は上白沢 慧音だ、寺子屋で教師をやっている…そして彼女は稗田 阿求だ…この稗田邸の当主だ…」

慧音は自分と阿求の自己紹介する

 

「えぇ…よろしく…」

パチュリーは返事をしながらより幽鬼にくっつく

 

「……あ、よろしくお願いいたします…うー…慧音さん…そういう事じゃなくて…」

阿求は頭を抱える

 

「む?何がだ?自己紹介は大切だろ?」

キョトンと慧音は言う

 

「パチュリーさん、もしかして無理してますか?先程から身体をこちらに寄りかかってますが…」

すると幽鬼がパチュリーに心配そうに声をかける

 

「(そう!それです!……って!幽鬼さんがそう言うって事は…違うんですね……)」

阿求は不思議に思う

 

 

「えぇ…少しここに来るまでに疲れてしまって…ごめんなさい…」

パチュリーは申し訳なさそうに言う

 

「いえいえ、謝るのはこちらですよ…咲夜さんを怪我させてしまって…ルーミアはどうしたんですか?」

幽鬼はパチュリーにルーミアの事を聞く

 

「ニヤッ…(計画通り!!)コホン…とりあえず…あの妖怪には美鈴を巫女の所に案内させてるわ…少しは戦力にはなるでしょう…」(ニギニギ…

喋りながらさりげなく幽鬼の手を触るパチュリー

 

それを正面から見ている阿求

「(イヤイヤイヤイヤ...絶対、分かってやってる…間違いない…さっき一瞬ニヤって凄い顔したし…てか、幽鬼さん気づいてない!?さっきからパチュリーさんって人…めちゃくちゃ手を触ってるけど…完全に彼を意識して触ってる…)」

 

「所で…聞きたいことがあるんだが…」

すると慧音が真剣な声を出す

 

 

「(慧音さん気づきましたね…流石に教師ですし、今は状況が状況なんですから真面目にっ…)」

 

 

 

「紅魔館の主はどうしたんだ?」

 

そっちですかー!!??

阿求は横に倒れ込む

 

「あ、阿求!大丈夫か!?」

咄嗟に慧音が傍による

 

「だ、大丈夫です…ちょっとバランスを崩しただけです…」

 

「???……とりあえず、何かあるなら…ちゃんと言うんだぞ?」

慧音は首を傾げた後に阿求の心配をする

 

 

「(…あぁ…慧音さんも幽鬼さんも分かってないんですね…)」

身体を起こして座り直し遠い目をする阿求

 

「慧音さん?阿求さん大丈夫ですか?」

 

「うむ…大丈夫だと言っているが…」

 

「所でさっきそちらの慧音…さんだったかしら?レミィの事を聞いて来たわね?」

パチュリーは未だに幽鬼寄り添って慧音に言う

 

「うむ、今回の騒ぎではそちらの身内に被害が出てしまっているのでな、来るのかと思っていたんだが…」

慧音は申し訳なさそうに言う

 

「えぇ…確かに、来ると言っていたけど…来ないわ…」

 

「うむ?それはなぜ?」

慧音は首を傾げた

 

「そういえば、美鈴さんも小悪魔さんもいるって事は館にはレミリアさんとフランちゃんしか…残ってないですね?」

幽鬼がパチュリーに聞く

 

「正直に言うとフランがレミィを止めてるのよ…知らせが来た時に確かにちゃんと行こうってなってたんだけど…咲夜の事を言い訳にしてレミィが貴方を拉致ろうと計画してたのよ…それを気づいたフランが全力で止めて、私達に任したのよ…(咲夜とお兄様をよろしく!)って…」

 

「あぁ…そうですか…」

幽鬼はそう聞いて、縛られ吊るされてるレミリアとそれを見張っているフランの姿が思い浮かんだ

 

「今はよっぽどフランの方がしっかりしてるわよ…」

パチュリーも深く溜息を吐いた

 

「パチュリー様〜!咲夜さんが目を覚ましました〜!」

すると奥から小悪魔が咲夜を連れて現れた

「小悪魔…そこまで声をはらなくても大丈夫よ…」

咲夜は少し大袈裟な小悪魔を注意する

 

「咲夜さん!大丈夫ですか!」

それを見た幽鬼は立ち上がり傍による

 

「むぎゅ!?」

寄り添っていたパチュリーが倒れる

 

「あ!?すみません!?パチュリーさん!」

 

「だ、大丈夫よ…咲夜も大丈夫かしら?」

起き上がりながらパチュリーは聞く

 

「幽鬼様、パチュリー様、御心配おかけ致しました…他の皆様にもご迷惑を…」

咲夜は頭を下げる

 

「いえいえ!!謝るのは自分の方ですよ!!咲夜さんのお掛けで自分はここにいるんですから!!」

幽鬼は咲夜の両手を握る

「ふぇっ!?」

 

「ご無事でよかったです!!」

笑顔で言う幽鬼

 

「あ、あぅ…///」

両手を握られ感謝を述べられる咲夜は赤くなる

 

「うむ…大事に至らなくて良かった…なぁ、阿求………阿求?」

慧音は頷きながら阿求に声をかけるが反応がないので顔を向ける

 

 

「あわわ…」

何故かガタガタと震えていた

 

「む!?どうした!?阿求!?」

驚いて傍による慧音

 

「…け、慧音さん…パチュリーさんが……」

阿求がパチュリーの方を指を指す

 

「む?」

目線を向ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<●><●>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこには瞳孔が開ききって真顔のパチュリーがいた

 

「………」

慧音は静かに目線のを追うと

 

 

「本当に!良かった!」

咲夜の両手を握ったままの幽鬼

 

「…ぁ…い…いぇ…ありがとうございます…///…」

赤い顔して下を俯いている咲夜

 

「……………(ガタガタガタガタ!!)」

笑顔のまま顔が青くなって震えている小悪魔

 

一通りに見た慧音が一言

 

「うむ、とりあえず…落ち着こう」

 

 

 

 

「……(咲夜…貴女もリスト入りよ…)」

パチュリーはそう決めたそうだ

 

 

 

〜数分後〜

 

 

 

 

 

「ふむ…あれから、色々と話を聞いたがやはり霊夢達が心配だな…そろそろ様子を見に行こうと思うのだが…」

一通り落ち着き終わった所で慧音が立ち上がって言う

 

「そうですね…美鈴さんも加勢したとはいえ…気になりますね……」

慧音に続き幽鬼も立ち上がるろうとするが

 

「大丈夫よ…美鈴は伊達に門番やってないわ…」

パチュリーが幽鬼の服の裾を掴み止める

 

「パチュリー様の言う通りですよ…幽鬼様、美鈴は頑丈ですから…もし、様子を見に行くのであれば私が幽鬼様の変わりで行きます…が…」

後ろに立っていた咲夜が静かに言う

 

「その必要は無くなった…見たいです…」

咲夜が襖に近づいてゆっくりと開ける

 

「あはは…流石、咲夜さんバッチリなタイミングです」

「Zzz… 」

そこには美鈴とルーミアがいた、ルーミアは美鈴におんぶされて寝ていた

 

「む?君がパチュリー殿と咲夜殿が言っていた…美鈴殿か?」

「私達がよく此処にいることが分かったな…」

慧音が美鈴に聞く

 

「あ、咲夜さんとパチュリー様の気を辿って来たんでわかったんですよ…お家の方に理由を話したらすんなり入れてくれてびっくりしましたが…お邪魔します」

美鈴は説明する

 

「それで、美鈴何かあったのでしょう?子守りの為に来た訳では無いはずよね?」

咲夜が美鈴に聞く

 

「あ!そうなんです!霊夢さんに呼んでこいと頼まれたんですよ!特に幽鬼さんは必ず来いと…」

 

「どうやら…落ち着いたようだな…」

慧音が頷く

 

「そうね…でも、完全では無いはず…」

パチュリーも同じく反応する

 

「…とりあえず、自分は行きます…呼ばれてる以前に行かなきゃ行けないのは確かです…」

幽鬼は立ち上がる

 

「そうね…なら、私達もついて行くわ…こあ、行くわよ」

「はい、パチュリー様!」

パチュリーと小悪魔も立ち上がる

 

「もちろん、咲夜も美鈴も来るわよね?」

パチュリーが聞く

 

「はい、もちろんでございます」

「大丈夫ですよー!…後…すみません、この子降ろしても良いですか?」

咲夜と美鈴が返事し美鈴はルーミアをゆっくりと降ろし寝かす

 

「うむ、では…私は阿求と居よう…万が一何かあったら大変だからな…」

「そうですね…よろしくお願いいたします、…皆さんもお気を付けて…何かあったら直ぐに知らせてくださいね?」

慧音は阿求と一緒に待つことにした

 

「慧音さん、阿求さん…ありがとうございました…阿求さん…落ち着いたらまたお邪魔してもよろしいですか?」

幽鬼はお礼を言いながら阿求に聞く

 

「えぇ♪構いませんよ♪今度はゆっくりお話を聞かせてくださいね、お待ちしております♪」

笑顔で言う阿求

 

「幽鬼殿も紅魔の皆がいるが気をつけてくれ…」

慧音も一言

 

 

こうして、幽鬼含めた紅魔組は稗田邸を後にし

入口である人里の門に向かった

 

「おぉ、さっきの赤髪の姉ちゃん…すまねぇな、稗田様の屋敷に案内出来なくて…」

先程の門番が声をかけてきた

 

「大丈夫ですよ!ご覧の通りちゃんと行けましたから!」

美鈴は笑顔で答える

 

「そりゃぁ、良かったよ…そっちのお嬢さんも気がついたみたいだしな…何よりだ…さっきまでの激しい音は止んでいるが…まだ分からんからな…もし、行くなら気をつけてくれよ?」

 

門番が静かにそう言って門についている別の小さい扉を開ける

 

「今は厳戒態勢だから申し訳ないがここから出てくれ…」

 

「出たり入ったりすみません…」

幽鬼も謝る

 

「いや、気にすんなよ兄ちゃん!取り敢えず兄ちゃんは自分の身の安全を優先してくれよ?ま!今の兄ちゃんにはお節介な話か!ワハハ!!」

門番は明るく返してくれた

 

 

 

「では、失礼しました」

 

「おうよ!あんたらも気をつけてな!!」

最後に出た咲夜が門番にお辞儀をして言うと門番は返事を返してゆっくりと出てきた扉を閉めた

 

 

「さて…行きましょうか…美鈴?案内よろしく…」

パチュリーが美鈴に道案内を頼む

 

「了解しました!」

美鈴が先頭を歩き始める

 

「咲夜?後ろの警戒お願いね?こあは美鈴の後ろ…つまり2番目を歩きなさい…」

続いて咲夜と小悪魔に指示をだす

 

「了解です!パチュリー様!」

 

「かしこまりました…」

言われた通りに所定の並び方になり

 

「これで…大丈夫だと思うけれど…うぅ…ふぅ…」

パチュリーは少し背を丸める

 

「パチュリー様?大丈夫ですか?」

 

「えぇ…少し、息が上がっただけよ…」

咲夜がパチュリーの状態に気づいた

 

「パチュリーさん、手を貸しましょうか?それでゆっくり歩きましょう…」

すると傍によるいた幽鬼が手を差し出してくる

 

「そう?…悪いわね…お願いしても…い、いい?」

そう言って幽鬼の手を取ろうとするが

 

「あ…」

 

「危ない!」

バランスを崩したパチュリーを幽鬼が抱きとめた

 

「……だ、大丈夫ですか?」

幽鬼は抱きとめたパチュリーに聞く

 

「えへへ…はっ!だ、大丈夫…ありがとう…」

パチュリーは一瞬にやけたと思ったがお礼を言った

 

この時、パチュリー達より前にいる小悪魔と美鈴はこう思った

 

((わざとですね…))

美鈴は単純にそう思っただけだが…

小悪魔の思いは少し苛立ちがあった

そして、密かにこう思った

(今度…全力で幽鬼さんにアピールしてやる…)

 

 

そして、そんなやり取りを見ていて…気持ち良く思っていなかった人物がもう1人いた

 

「………」

最後尾を任されて立って、静かに幽鬼の背中を見つめている咲夜であった。

彼女はモヤモヤしていた…何故、彼が他の人に抱き着かれているのを見ていると変な気持ちが沸いてくるのか…

 

「………」

チラッと見えるパチュリーの幸せそうな顔を見ていると何故こんなにも羨ましく思う反面、ズキズキと痛むのか…

咲夜は分からなかった…ただ今は急がなければならない事を優先し言った

 

「急がなければ行けないのでは?」

 

 

「「「「え?」」」」

 

一瞬空気が固まった

全員が咲夜の方に視線を向けた

 

その時咲夜は自分でも驚いた…

とてつもなく冷たい声を出したことに…

 

「あ!そうですよね!早く行きましょうか!」

美鈴が声を上げて進み始める

 

「そうですよ!ほら!パチュリー様行きますよ!」

小悪魔が何時までも抱き着いているパチュリーを引っ張って歩き始める

 

「ちょっ!こあ!なんでよぉー!」

引っ張られて連れてかれるパチュリー

 

「…あはは…僕も行きましょうか……咲夜さん?」

幽鬼は咲夜に声をかけるが反応がない

 

「どうかしましたか…?」

 

「あ…いえ、申し訳ございません…大丈夫です…」

咲夜は静かに答える…幽鬼の顔を見ずに

 

「……無理しないでくださいね?何かあったら何でも言ってくださいね?」

幽鬼はそう言って歩き出す

 

「…ふぅ…どうしたのかしら…私…いえ、それよりも今の事を終わりにしましょう…」

咲夜は軽く深呼吸してから幽鬼達の後に続く

 

いつも月のように白く美しい頬は少し赤みがかっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

縁に繋がれ、惹かれる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、紅魔館

 

 

 

大広間出口前に少し服が乱れた当主、レミリアの姿があった

 

「フフっ…フランも甘いわね…この私を止めようとしても無駄よ…幾らでも抜け出せる方法はあるの…この思いがある限り…私は止められッ…ふぎゃっ!!」

勢いよく押さえつけられるレミリア

 

「はい、お姉様…捕まえた」

慣れた手つきで一緒にいたメイド妖精達と実の姉を縛り上げていく

 

「ちょっ!フラン!いい加減にして!貴女達も何でフランに手を貸すのよ!私がこの家の当主なのよ!!」

そう喚き散らすレミリア

 

「今のお嬢様には落ち着きが必要かと言う判断でございます…」

「フランお嬢様の方が余程落ち着いていらっしゃるので…」

メイド妖精達は口々に言う

 

「うぅっ!フラン!貴女は彼を必要としないの!?今なら合理的な理由で彼を!」

必死に訴えるレミリア

 

「うーん…お姉様の気持ちは分からない訳ではないよ?」

 

「なら!」

 

「でもね?お姉様の気持ちが分かるからこそ今のお姉様の考えには賛成出来ないの…メイド妖精達!モップと雑巾とお風呂とか着替え用意しといてー」

フランが周りのメイド妖精達に指示をする

 

「ふ、フラン…ま、まさか…」

レミリアは青ざめる

 

「残った子達でお姉様の両手を押さえつけといてー」

 

「「かしこまりました…フランお嬢様」」

指示を受けたメイド妖精が縛り上げたレミリアの両手を両腕をガッチリと押さえる

 

「ふふ!フラン!!やめて!!お願い!大人しくするからぁ!!」

ジタバタと押さえつけられている身体を動かし何とか逃れようとする

 

「うーん…毎回そう言ってダメじゃん…お姉様…」

ガシッとフランはレミリアの両足首を掴み脚を広げる

 

「いや//!やめて//!!フラン//!!」

必死に抵抗をして両脚を閉じようと抵抗する

 

「メイド妖精…」

 

「はい、かしこまりました…」

静かに呼ばれた一人のメイド妖精がレミリア近付いて膝を着き両脚に手を伸ばし

 

「コチョコチョ!!」

膝裏を全力でくすぐった

 

 

「ひぁっ!?やめっ!?くすぐっ!!ヒァハハハ!!やめぇーでぇー!!ヒァハハハ!!」

その瞬間力を抜いたレミリアは脚を広げられてしまった

 

「あひっ……ぁっ…」

擽りが止まって気づいた時には遅かった

 

 

「色ボケ発情お姉様にはコレが一番♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スペル〈お仕置・電気アンマ改〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、紅魔館には幼い少女の断末魔がしばらく響いた…

しかし、その断末魔は嬌声にも聴こえたとか何とか…

大広間のカーペットにはしばらく大きなシミが出来たとか出来なかったとか…

 

 

 

しばらくレミリアは大人しくなった…

何故か目のハイライトが消えていた…

 







どうでしたか?
パチュリーのアピールが少し派手になっています

後はレミリアのお仕置ですね…

(´・ω・`)タグを増やしたりして対策してみますね!

ここまで読んで頂きありがとうございます!


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収まる騒動、素直な気持ち



よいしょ!亜麻乃です!
今回はーー

(´・ω・`)取り敢えず幽鬼は幽香をしとめます
凄い強引かもしれませんが
暖かい目で見てくれますと助かります

幸せ目指します

( -∀-)お願いします

(´・ω・`)多機能が上手く動かない…




 

 

「おっそい!!何してたのよ!?」

仁王立ちして待っていた霊夢、何の表現がなくても怒っているのが分かる

 

「あはは…すみません…お待たせしてしまい…」

先頭の美鈴が謝る

 

「呼びに行かしてから、一時間くらい経つでしょ!?全く!人がコレ(結界)を維持してるってのに!」

霊夢の後ろには四方を光の壁で覆われた結界が貼られていた

 

「疲れんのよこれ!感謝しなさいよ…幽鬼、退治せずに封じたんだから!」

そう言って霊夢が横に避けると結界の中に結界の四方から伸びた何かの拘束印であろう鎖で手足を結ばれて立っている幽香がいた

何重にも鎖が巻かれ、足腰や首や肩…関節の隅々に帯びていた

 

「やっと藻掻くのを止めさせたのよ…信じられない位の馬鹿力ね…相変わらず…」

霊夢は呆れながら説明する

 

「彼女は生きてるの?」

パチュリーが静かに聞く

 

「はぁ…さっきも言ったけど…動きを封じただけだから生きているわよ…まぁ、コレが持つかは時間次第ね…」

霊夢が大幣で結界を軽く叩きながら言う

 

「そう…なら、少しでも強度を上げるわ…こあ!」

「はい!パチュリー様!」

パチュリーは小悪魔を呼ぶ

 

「壊れやすいのかしら?」

霊夢に聞く

 

「そんなヤワなもんじゃないわよ…別の力が混ざったりしても壊れたりしない代物よ…博麗の巫女の結界技術を舐めないで…」

霊夢は軽くパチュリーを睨みながら言う

 

「そう…なら、少し手を加えさせて貰うわね…」

そう言ってパチュリーは小悪魔を連れて何やら結界の周りに準備をし出す

 

「霊夢…」

 

「あら、アンタ…気がついたのね…」

咲夜に声をかけられた霊夢は視線を向ける

 

「貴女に助けられたのを聞いたわ…一先ずお礼を言わして貰うわね…ありがとう…」

軽く頭を下げる咲夜

 

「お礼を言うなら、お礼をしなさい!そんなんじゃお腹は膨れないのよ!今度何か持ってきなさい!」

ビシッと言う霊夢

 

「…えぇ…今度改めて何か持って来るわ…」

そう言って咲夜も結界に視線を向ける

 

「あの〜…あの風見さんって人大丈夫なんですか?さっきよりボロボロですけど…」

美鈴の言う通り、幽香の格好は異性から見るとだいぶ目のやり場に困るほどになっていた

 

「しょうがないじゃない…抵抗するから、あぁなったんだから…」

腕を組んで詫びる様子はない霊夢

 

「………」

幽鬼は見つめた、確かにボロボロだ、以前の幽香には考えられないほどに…

幽香は綺麗好きなのは幽鬼は知っている

 

「ンがァ!!」(ガチャン!!

 

「「「!!」」」

いきなり幽香が意識を取り戻し顔を上げる

不意を付かれたが霊夢以外は警戒する

 

「大丈夫よ…しばらくは何も出来ないから」

結界の中の幽香を見ながら霊夢は言う

 

「…そうね…それに今フランを封印してた時と同じ魔法を貴女の結界に上乗せしたわ…それにしても…」

パチュリーは作業が終わったのか元の場所に戻ってきて、幽香の方を見る

 

「聞いてはいたけど…あの感じは…フランの狂気で間違いなさそうね…長年見ていたから分かるわ…」

パチュリーが言う

 

「正気はもう無いわね…正直…退治する他無いわね…上手く結界に閉じ込めたられたのは奇跡よ…本来の力と判断力が使えてない状態にだからこそね…普段のコイツ(幽香)だったらありえないわ…」

霊夢が幽鬼に近づく

 

「後はアンタの仕事よ…それでもダメなら…分かっているはず…」

そう言って霊夢は離れ、後ろで腕を組んで立って見守る

 

「…何かあったらお願いします…」

幽鬼は結界を挟むが幽香の正面に立つ

 

「ぁあ!ぐぅあ!」

完全に意識が狂気で飲み込まれているが求める物は幽鬼であった…拘束を解こうともがき始める

 

「ユウ姉…いや…幽香…今…元に戻すよ…」

意識を集中し見る…すると、霊夢との修行の成果なのかくっきりとドス黒い縁が見える

 

「え…そんな…」

幽鬼は驚いた、何故ならさっき見えたのは完全に1本の縁なのだ…フランの時は分かれていたはずの物が今回はそうではなかった…

 

「…もしかして…」

幽鬼は仮説を立てた…

幽香自身が望んでいるから…

分かれていないのだと…

フランの時は自分の中で抵抗の思いがあり、それを境に縁が出来ていたので切る事が出来たのだ…

 

「どうしたら…」

幽鬼は悩んだ、しかし幽鬼は思った

(この縁を操る程度なら…境界その物と変わらない…俺自身の意識を幽香に繋げて…狂気を直接分けるしか!)

 

しかし、それはやった事がない…しかも常識的に考えて有り得ない事なのだ…

 

答えは直ぐに出た

 

 

 

 

ここは幻想郷

 

 

常識には囚われてはいけない!!

 

 

「霊夢さん…」

幽鬼は静かに声をかける

 

「ん?なに?諦める?」

腕を解き幽鬼に顔を向ける

 

「少し…無茶しちゃいますね!!」

「は…え?」

幽鬼は微笑んで霊夢に言った、霊夢は呆気に取られ変な反応して遅れた

 

「アンタ!やめなさっ!!」

 

 

 

「少し待っていてください!!」

 

幽鬼は意識を更に集中し

幽香の意識に自分の意識の縁を繋げ深く結び

幽鬼の意識はゆっくりと暗転していった

 

 

 

「幽鬼!!」

霊夢が駆け寄って幽鬼の肩に触れようとするが

 

「やめなさい、霊夢」

咲夜が目の前に現れ伸ばした霊夢腕を掴み止める

 

「何すんのよ!離しなさい!」

「落ち着きなさい!!今の幽鬼様の邪魔はしては行けないわよ!」

霊夢に睨みつけられるが咲夜は離さなかった

 

「……くっ」

霊夢は力を込めるのをやめる

 

「………」

咲夜も霊夢の掴んだ腕を離した

そして、静かに咲夜は言い始めた。

 

「さっき幽鬼様に任せたのは貴女よ…そんな貴女が邪魔してどうするのよ…待ちましょう…彼を…」

 

2人は幽鬼の方を静かに見つめた

 

「ちょっと、2人共…そのままで良いのかしら?」

「そうですよー」

パチュリーと小悪魔が声をかける

 

「今の幽鬼はいい標的よ?私達が守らなきゃ誰が守るのよ?」

「パチュリー様の言う通りですー」

 

「守るのは任せてくださいよ!」

美鈴もヒョコっと顔を出す

 

「そうね…どうかしてたわ…アンタら手を貸しなさい…」

霊夢軽く深呼吸してから咲夜達にそう言って周りを警戒し始める

 

「ふっ…素直じゃないんだから…」

パチュリーはそう言って防護魔法壁を幽鬼にかける

 

「こあ…しっかり魔力の供給よろしくね…」

「はい!パチュリー様!」

 

「さて、私達も周りを警戒しましょう…美鈴?」

「はい!了解です!」

咲夜と美鈴も周りを歩き警戒し始める

 

三人を見送った後パチュリーは幽鬼を見て

 

「…しっかり…戻ってきなさい…」

ゆっくり近付いて、そっと魔法壁に手を触れ

 

伝えたいことが…あるんだから…

 

 

そう小声で言って離れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜幽香の精神世界〜

 

 

 

 

 

 

薄暗く淀む空間に幽鬼は立っていた

 

 

「うまく…入れたのか…うぐ…」

手の平を見ると微かに散り始めていた

 

「時間は無さそうだ…」

そう言って立ち止まってられない事を気づき歩き出す

 

 

ただ真っ直ぐ、周りを見ても何も変わらず淀む空間を歩いていた

 

ただ暗い訳ではなく薄暗く何か黒いモヤが辺りを覆っていた

そのモヤに幽鬼は見覚えがあった

 

「やはり…フランちゃんの狂気か…」

幽鬼は自分の仮説が間違って無かった事…自分のせいで幽香がこうなってしまった事を理解した

 

「助けなきゃ…」

幽鬼は拳を強く握り前に進む

 

 

 

「あれは…!!」

しばらく進んでいると見覚えのある後ろ姿が見えた

彼女はその場でへたり込むで背を丸めていた

 

「ゆう姉!!」

幽鬼が駆け出したその時

 

「ぐわぁ!」

何かに足を取られ転んでしまう

 

「ぐっ!」

起き上がろうとするが何かが足を掴んで立ち上がる事が出来ない

 

「っ!?」

足元に目をやると黒いモヤが足にまとわりついていた

 

「…させない…」

何か声が聞こえた

 

 

幽香の方に視線を戻すとすぐ側に幽香を形どった黒いモヤが立っていた

 

「余計な事はさせない…やっと身体が手に入るのに…前のように邪魔をさせない…」

 

どうやら狂気本体が現れたようだ

 

「君は…何か目的なんだ…」

幽鬼は目の前に現れたモヤに聞く

 

 

「目的?…フフ…そんなの決まってる…私を作った奴に復讐をする…作るだけ作って…ステタ…ワタシヲ!!」

 

どうやら狂気はフランのもう1つの人格と言っても良いほどになっていたようだ

 

「アイツはワタシを作った!寂しくて!憎くて!だから一緒にいた!なのにアイツはワタシは…ワタシヲステタ!!」

幽香の姿からフランの影に変わっていった

 

「恐かった…寂しかった…消えるのが…嫌だった…気づいた時にはこの人の所にいた…同じだった…取り込むには時間がかからなかった…だって…彼女が望んだんだもん…貴方と一緒にさせてくれって…」

フランの形を持ったモヤが不敵な言い方をした瞬間

 

「ぐわっ!?」

身体が持ち上がり、辺りのモヤで縛り上げられた

 

「貴方と彼女を合わせれば…彼女は私にこの身体をくれるって…言ってくれた…」

ゆっくりと背を向けて幽香に近づくフランの影

 

「さぁ…幽香?彼をつれてきたよ…一緒になれるよ…」

幽香にそう言うフランの影

 

「………はな…ちゃん…」

ゆっくりと顔を上げ…こちらに顔を向ける幽香

 

「さぁ…彼も来てくれたんだよ…一緒になるために…ほら…イッショニナロウ…」

そう言って幽香の身体に溶け込むフランの狂気

 

「コレデ…ヤットイッショニナレル…ハナチャン…」

幽香はゆっくりと立ち上がり、歩き近寄ってくる

 

「ユウ姉!目を覚ましてくれ!」

幽鬼は必死に声を上げ、もがく

 

「ムダダヨ…カノジョニハトドカナイ…アナタハワタシタチトイッショニナル…」

辺りからフランの狂気の声がする

すると幽香の手に黒いモヤが集まり、いつも幽香が持っている傘になった…綺麗な幽香に合う傘ではなく…黒くモヤがかかった傘

 

「ゆう姉…ごめん…俺、ゆう姉に嘘着いてた…」

幽鬼は静かに喋り始める

 

「俺は…本当はゆう姉…いや、幽香の元から離れたく無かった…でも、恐かったんだ!!」

 

幽香は歩みを止めない

 

「幽香は俺に特別な感情を抱いていたのは知っていた…愛情を注いで育てて貰ってる事も分かっていたけど…それとは違う愛の気持ちを…でも、俺はそれを自分の能力のせいでそうさせてしまったって…自分が関わってしまったから…抱かせてしまったんじゃないかって…」

 

幽香が目の前に来て止まる

 

「だから…逃げたんだ…怖くて…だから許されないかもしれない…けど…これだけは言わして…」

 

幽香はゆっくりと傘を後ろに引く

 

「あの時…殴られて、拒絶された時に気づいたんだ…幽香の事を育ての親じゃなくて…1人の女性として好きだった事を…

 

 

 

 

幽香はそれを聞いて一瞬目が見開いたが

身体は止まらなかった

 

 

 

 

ドシュッ!!

 

「ぐはぁっ!?」

幽香の傘が幽鬼の腹を貫いた

 

「…………」

幽香は自分がした事に固まっていた

 

 

「ぐっ…ぅう…ゆ…幽…香…」

幽鬼は痛みを堪えながら

 

何とか抜け出した片手を幽香の頬に伸ばし

 

顔を近づけて

 

目が震えている幽香にニッコリ微笑み

 

 

 

 

 

「好きだ…」

 

 

 

 

 

 

 

そう静かに言い

 

幽香に優しく口づけをした

 

 

ゆっくりと離れると黒いモヤが離れ幽鬼は幽香の肩に崩れるように寄りかかった

 

「…………」

幽香は黙ったまま幽鬼を支えた傘を抜かずにその場でしゃがんだ

 

 

(何をしてるの?早くしてよ…約束を守ってよ?願いを叶えたよ?)

周りのモヤから声がする

 

 

「…………」

だが反応は無かった

 

「ちょっと、いい加減にしてよ…早く一緒になって私に身体を…」

 

「黙りなさい…」

幽香は静かに言う

 

(はっ?何言ってるの?貴女が望んだんだもん…それにもう貴女の身体の殆ど私が貰ったもん…なら、そんな口を…)

 

「黙れって言ってんのが聞こえないのか?」

そう言った瞬間幽香の身体から妖気が衝撃波になって辺りのモヤを吹き飛ばす

 

 

(ぎゃぁかぁあぁ!?馬鹿な…こんな…殆ど取り込んだ筈なのに…何で…)

 

 

フランの影が幽香の身体から飛び出る

どうやら先程の妖力の放出した時に一緒に追い出されたようだ

 

「……全く…私も舐められた物ね…まぁ、底まで追い込まれてたって事ね…情けない…全く情けないわ…」

幽香は気を失っている幽鬼を優しく抱きしめる

 

「馬鹿ね…私のこの気持ちは嘘偽り無いわよ…私も怖かったんだから…貴方が離れる事と…感情がコントロール出来なかった事に…何せ初めてだったからね…恥ずかしいけど…他人に興味を…いや…好意を持つなんて…ふふ…」

幽鬼の頭を優しく撫でる

 

「…好き…いえ…違うわね…愛しているわ…ほら、起きなさい…華ちゃん♪」

幽香は優しく言う

 

 

「うぐっ…それ聞けて…安心です…てか、愛してるって…」

幽鬼は目を閉じたまま答える

 

「あら?不満?」

優しく頭を撫でる幽香

 

「いえ…大満足です!」

相向かいになりニコッと笑う幽鬼

 

 

「迎えに来たよ…ゆう姉…」

 

「遅すぎるのよ…お寝坊さん♪」

 

幽香は再び口を重ねようとしたが

 

 

「ごめん…ゆう姉…コレ抜いてくれない?」

幽鬼が申し訳なさそうにお腹に指を指す

まだ幽香の刺したの黒いモヤの傘は刺さっていた

 

「あら…でも大丈夫なのかしら?」

幽香は聞いてくるが

 

「ここはユウ姉の意識の中だからユウ姉が意識すれば大丈夫だよ……たぶん…」

幽鬼がそう答えると

 

「そう…なら平気ね♪」(ズボォッ!!

躊躇無く抜く

 

「うぐぉ!?抜くなら抜くって言ってよね!!?地味に痛いんだからぁ!!」

幽鬼は悶える

 

「ふふ♪ごめんなさい♪でも、お腹は大丈夫でしょ♪」

幽香に言われて、抜いた所を見るが傷は無かった

 

「いや、でも痛かった…うん…」

お腹を擦りながら幽香に言う

 

「ふふ…♪さて、アレをどうにかしないとね…」

幽香の目がいつも通りの鋭い目に変わり目線を後ろに向ける

 

底には先程飛ばされたフランの狂気がモヤで無くクッキリとフランの姿で現れていた

どうやら散っていた狂気を集めたらしい

 

「叶えてあげたのに約束を破るの?また、私を捨てるの…そんな事させない…させるか…コノカラダハイタダク!!

飛びかかるフランの形をした狂気

 

「それは出来ない相談ね…」

手に持っていた黒い傘を軽く降るといつも通りの白い幽香の傘に変わり、狂気を軽くいなし、蹴り飛ばす

 

「ぐわぁっ!?」

 

蹴り飛ばされ吹き飛ぶ狂気

 

 

 

「華ちゃん?先に戻ってて?」

 

「え…ユウ姉は大丈夫なの?」

幽香に言われて心配する

 

「大丈夫よ♪もう迷わないし、恐くないから♪ちょっと子供のお説教をしてちゃんと戻るから…ね♪」

微笑む幽香

 

「わかった…待ってるよ…」

幽鬼はそう言ってゆっくりと意識を離していく

 

その時、狂気が邪魔をしようと襲いかかるが

幽香が片手で頭を掴み止める

 

「駄目よ…貴女は私が遊んであげるんだからね♪」

その幽香の姿を最後に幽香の精神世界から幽鬼は離れた

 

 

 

 

 

「貴女はどれだけ綺麗に咲くのかしら?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜元に戻って幻想郷〜

 

 

「おーい!霊夢ー!」

霊夢が周りを警戒し続けていると空から見知った顔が飛んできた

 

「…何しに来たのよ…魔理沙…」

そう普通の魔法使いで霊夢の腐れ縁、魔理沙が箒に乗ってやって来た

 

「何しにって…人里で慧音に話を聞いたんだぜ、何か凄い事になってんな…あれ、幽鬼何してんだ?」

チラッと後ろの方を見て霊夢に聞く

 

「幽鬼が幽香を助けてんの…邪魔しないでね…」

霊夢が答える

 

「そ、そうか…てか、何で霊夢怒ってんだぜ?」

魔理沙は何故か霊夢の虫の居所が悪い事に気づく

 

「別に…何でも無いわよ…アンタはどうしてここに」

 

「んぁ?さっきも言ったが…聞いたんだよ…まぁ、本当は紅魔館に本を返しに行って借りようとしたんだぜ…でも門番もいなくて中に入ったら……………うん…まぁ…フランから聞いて…人里に向かって慧音に詳しく事情を聞いたってわけだぜ…」

何故か途中で変な間があったが霊夢は気にしなかった

 

「そう…で?どうすんの?」

 

「いやいや…手を貸すぜ!幽香はともかく、幽鬼は友達だぜ!」

いつもの笑顔を見せる魔理沙に霊夢は

 

「勝手にしなさい、邪魔はしない事!」

 

「分かってるぜ!…あ…パチュリー!!この本なんだけどよぉー」

そう言って魔理沙は本来の目的人物の所に向かったのであった

 

「……はぁ…怒ってる…か…全く…かれこれ二時間よ…早くしなさいよ…余り遅いと…承知しないんだから…」

チラッと幽鬼の方を睨む霊夢であった

 

 

 

「で?勝手に持ってきたの?」

パチュリーは魔理沙に本の事を聞く

 

「いやいや!これはまだ返す奴だぜ!?返そうと行ったらいなかったから今取り敢えずその有無をだな!?」

魔理沙は疑われてあたふたする

 

「フフ…冗談よ…読み切らなければ延長していいわよ…取り敢えず…こっちが終わってからね…」

そう言って幽鬼の方を見る

 

「何かすまなかったな…気付かなかったぜ…案外近い場所でこんな事が起きてたってのに…」

魔理沙は申し訳なさそうに言う

 

「そういえばそうね…いち早く気づきそうな貴女がね…」

 

「いやぁ…今日がこの本の返却日だったのを忘れてて…昨日の夜、徹夜で読んでたからだぜ…うん…それはもうグッスリだぜ…」

苦笑いで話す魔理沙は辺りを見渡し

 

「咲夜達も見張ってるのか…何気に幽鬼って人気者なんだな…」

しみじみ思う魔理沙

 

「…ん…もしかして…魔理沙…霊夢と咲夜達を呼んでちょうだい…こあ!防壁の魔力供給やめて回復魔法の準備!」

 

「はーい!!」

パチュリーがこあを呼び幽鬼の魔法壁の所に駆け寄る

 

「何か動きがあったみたいだな…おーい!おまえらぁー!」

魔理沙はパチュリーに頼まれた通りに霊夢達を呼ぶ

 

 

 

魔理沙は気づいていないがコレが幽鬼の縁の力でもある

 

 

 

 

 

「う…ぐぅ…」

幽鬼は膝をつく

(な、何とか無事に意識の縁を切れたみたいだ…きっつぅ…)

力が入らず膝を着いてる状態から倒れそうになる

 

「ご無事で良かったです…」

咲夜に身体を支えられる、時止めで幽鬼の後ろに来たようだ

 

「はいはーい!回復ですですー!」

小悪魔が傍にしゃがみ

 

「パチュリー様ー、お願いしますー!」

「分かってるわよ…少し待ちなさい…」

パチュリーも傍に来てしゃがむ

 

咲夜が後ろでささえ、左右にパチュリーと小悪魔がいて囲われてる状態になる

 

「…ぁ…ぅ…」

幽鬼は喋ろうとするが上手く呂律が回らない

 

「いいの…静かにしなさい…分かっているから」

パチュリーが回復魔法を展開する

 

「取り敢えず…峠は越したみたいね…幽鬼を連れて後ろに下がってなさい…魔理沙、アンタは私と一緒に幽香の方を見るわよ…」

霊夢が幽鬼の無事を確認してからパチュリー達に下がらせ、魔理沙に幽香を一緒に見張るように言う

 

「んぉ?幽鬼の方は大丈夫なのかぜ?て言うか…幽香の方は失敗したのかぜ?」

あらかた事の顛末を聞いた魔理沙は霊夢に聞く

 

「大丈夫よ…私の勘がそう言ってる…」

 

「へいへい…霊夢の勘は当たるから平気だな」

そう言って未だに結界が貼られてる前に立つ

 

「はぁ…ちゃっちゃと終わらせて…帰りたいわ…」

 

「なんだぁ〜?何か余裕の雰囲気出てきたな?もしかして…幽鬼が無事だったのが安心したのかぁ?」

 

「……っうっさいわよ…無駄口は必要ないわ」

魔理沙にからかわれるが軽くあしらう霊夢

 

 

その時

 

ビキビキッ!

「魔理沙…」

「おうよ…」

 

結界に音を立てヒビが入り始めた

 

 

 

ビキビキビキ!!!!

 

 

「………」

「………」

それぞれ構えてその時を待つ

 

 

その瞬間

 

バッリィーーン!!!!

 

けたたましい音をたてながら派手に割れる結界

 

「うげぇ…凄い妖気だぜ…」

険しい顔をする魔理沙

 

「そうね…その衝撃で割れたみたいね…」

霊夢はただ幽香を見る

 

ゆっくりと顔を上げ、目を開く幽香

 

しかし、そこにいる幽香は

 

「はぁ…ここまで縛られてると…嫌になるわね…」

いつもの風見幽香だった

 

「こんな物で封じられていたなんてね…」

すると幽香は拘束している札の鎖を破り始めた

それもいとも簡単に

 

「はぁ…そう易々と破れる代物でもないのよ…」

霊夢がため息をつきながら警戒を解く

 

「ま、それが普段の幽香ってことだぜ…」

魔理沙も苦笑いをしながら同じく警戒を解く

 

「……まぁ、迷惑かけたわね…色々と…」

前髪を手で後ろに上げ、顔を見せる

 

「それで?アンタをそこまで変わらせた原因は結局なんだったの?」

霊夢が幽香に聞く

 

「そうね…恥ずかしながら、他の子の干渉が入ったって説明すればいいかしら?…あ、そうね…コレを渡すわ返してあげて?」

幽香はゆっくりと片手を差し出す、手のひらには黒い何かの種が一つあった

 

「なんだぜ?コレ?種か?」

魔理沙が確認しようと手に取ろうとした時

 

「魔理沙、それは下手に触らないで…」

霊夢が止める

 

「んぇ?」

 

「そうね…それは私達が引き取るわよ…」

幽鬼の傍にいたパチュリーが霊夢達の元に来る

 

「その種の正体は…フランの狂気その物よ…コレに入れて貰えるかしら?」

パチュリーは特殊な形をした小さな容器を取り出す

そして幽香に差し出して手のひらの種をその容器に入れさせる

 

「迷惑かけたわ…」

幽香にパチュリーは言いながら容器の蓋を閉めて何かの魔法をかけ、持っていた魔導書の中にしまう

 

「色々とオハナシしたからしばらくは平気だとは思うけど…その子とちゃんと向き合ってあげなさい…まぁ、呑まれてた私が言うのもなんだけどね…」

幽香はそう言って背を向けて歩き出す

 

「ちょっと!?何処行くのよ!?」

霊夢が慌てて声をかける

 

「何って帰るのよ?」

当たり前でしょ?みたいな目を霊夢に向ける

 

「あんたねぇ…曲がりなりにも異変て呼んでもいい騒動になったのよ!?」

 

「諦めるんだぜ…霊夢、人里とかには被害は出てないみたいだし…大人しく帰らしとけばいいぜ…アイツはそう言う奴だから…」

魔理沙は幽香の性格を知っているようだったみたいで呆れながら言う

 

「そう言う事、私もこんな格好は嫌だからね…迷惑かけた人里にちゃんとお詫びをしたいしね…それも兼ねて貴女の神社にも行くわ…華ちゃんの面倒お願いね♪」

そう言ってあっさり帰って行った

 

 

 

取り残されたメンバーは取り敢えず一旦人里に戻り、慧音と阿求に事の顛末を話、騒動が終着した事を説明した

慧音も阿求も良かったと安心して話を聞いた

 

しかし、明日お詫びしに幽香が再び来ると行ったら二人とも苦笑いで返事をした

 

そうして、各々帰路ついたが

魔理沙は幽鬼を連れて行くのを手伝う為に付き添うことなり一緒に神社に向かった

 

パチュリーと咲夜も付き添うと言ったが紅魔館(レミリア)の事もある為、幽鬼が大丈夫と断り帰した

 

神社に向かっている道中

霊夢1人は納得がいってなかったのかイライラしていたのを見かねた魔理沙が霊夢に言った

 

 

 

 

 

 

 

宴会しようぜ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人脈の縁は再び広がりを始める

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽香はゆっくりと歩いていた

 

「ふふ♪ふふ♪」

嬉しそうに時々足を止め笑っていた

 

「私も落ちぶれた物ね…一人の人間にここまで執着する事になるとは…冷静に考えて見るとありえないわ…」

再び歩み始めて、太陽の畑に近くなった所で幽香は足を止めた

 

「いつまで着いてくるのかしら?」

静かに一人言う

 

「あやや…バレてましたか…(汗」

すると木の影から射命丸 文が現れた

 

「何のよう…と言いたいけど、大体わかるわ…どうせ今回の騒ぎを新聞に載せるつもりなんでしょ?」

 

「はい!御察しが良くて助かります♪と言う訳でしゅざっ…グェ!?」

ニッコリ笑顔で答えていた文の胸ぐらを掴み持ち上げる幽香

 

「新聞にするのは構わないけど…華ちゃんの事は載せちゃダメよ♪今回の騒動はあくまでも1人の妖怪の暴走…解決者…功労者は博麗の巫女と他の子…華ちゃん以外のね?」

ニッコリ笑顔で話続ける

 

「ぐぇ…わ、わがりましだ…わが…りまじだ…ので…ぐ…ぐるじぃ…ばなじぇ…でぇ…」

胸ぐらを掴まれ首が締まる文は何とか答える

 

「そう♪お願いね♪」

幽香は文を離す

 

「ゲホッ!ゲホッ!はぁ〜…酷いですよ…ケホッ…いきなり…分かりました…彼については一切書きません…」

 

「少しでも…載せたらわかってるでしょ…山に住んでるカラスが駆除するわ…」

幽香はそう言って歩き出す

 

一人残された文

 

「あぁ…酷い目にあったわ…ん〜、あそこまでになるとは…まぁ…今回の事は諦めよ…彼はまだまだネタの宝庫ですからね♪これからが楽しみです♪」

そう言って文は自分の住処へ戻って行った

 

 

 

 

 






強引にちょっと片付けてしまいましたが…
(´・ω・`)話が収集つかなくなると言う判断です

( *°∀°* )最近色んな方に呼んでもらっているので嬉しいです

こんな1人の妄想の話を楽しんで貰えるなら嬉しい事です
ほんと…恥ずかしい私です( -ω- ´)フッ



次回から小話(宴会編)挟んでからの妖々夢に入りたいですねー!


キタワァ━━━━━━(n'∀')η━━━━━━ !!!!


お楽しみに!

最後まで読んでいただきありがとうございました!


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それぞれの準備



(`・∀・)ノイェ-イ!
亜麻乃でーす!!
今回は宴会編の準備のそれぞれのお話です!
長くなっちゃったので宴会の本編は次に書きます


(´・ω・`)申し訳ございません


では、お楽しみください!




 

 

 

宴会当日の朝

 

 

 

〜博麗神社〜

 

幽鬼はいつも通り神社の台所に立っていた

 

「〜♪〜♪」

割烹着を着こなし、鼻歌しながらグツグツと鍋を煮込んでいた

幽鬼はパチュリーの回復魔法のおかげかすっかり元気になっていつも通りの役目をやっていた…

昨夜はやはり動けなかったので魔理沙が色々と手を貸してくれたおかげでどうにか過ごし、霊夢も夕飯等作ってくれたり幽鬼抜きで自分で動いてくれた

そんな魔理沙は遅くなってしまったので泊まっている

 

「うん…いい感じ〜♪」

煮込んでいた煮物の具合を見る

今は朝の八時位になる

一通りの朝ご飯の準備は出来ていた

 

「取り敢えず…出来た、後は今日の宴会の食材の買い出しとか…その後の料理の支度もしなきゃかなぁ…んん〜♪いい感じに炊けてる♪」

お釜を開けて、綺麗に炊き上がったご飯を確認する

 

※幽鬼は女子力がムダに高い

 

「さて…お2人に声をかけますかね…起きるかなぁ…」

幽鬼は一通りの朝ごはんを作り終えて、二人の部屋に起こしに向かう

 

「大丈夫かな?」

先に魔理沙が寝ている部屋に向かった

 

部屋に近づいた時、襖が開く

「んぉ〜…ゆきぃ…おっすだぜ…」

寝起きの魔理沙が部屋から顔を出てきた

 

「おはようございます、魔理沙よく眠れましたか?」

 

「おぉ…寝たぜ…んんぁー!はぁ…顔洗ってくるぜ」

魔理沙は軽く背伸びをしてから顔を洗いに行く

 

「落ち着いたら居間にお願いしますね〜…ご飯出来てますから〜」

幽鬼がそう言うと魔理沙は片手をあげて反応し、外の井戸に向かう

 

「うし、霊夢さんだな…」

幽鬼は魔理沙を見送ってから霊夢の部屋に向かう

 

 

霊夢の部屋の前に着いて声をかける

「霊夢さん?起きてますか?」

 

しかし反応はなかった

「……霊夢さーん?開けますねー?」

幽鬼はそっと霊夢の部屋の襖を開ける

 

「ん〜ぅ…起き…たわ…よ…」

ちょうど起き上がった所だった

しかし、寝起きなので少し覇気がない

 

「手を貸しましょうか?」

 

「だい…じょうぶ…だから…先に行ってて…」

ゆっくりと立ち上がる霊夢

 

「んぅー…はぁ…魔理沙は…起きたのかしら?」

背伸びしながら聞いてくる

 

「ついさっき、顔を洗いに井戸の方に…」

いつも通り霊夢が寝ていた布団を畳む幽鬼

 

「そう…私も顔を洗ってくるわ…」

霊夢は廊下に出て向かおうとしたが…

幽鬼の方に視線を向ける

 

「うっいしょ…と…」

霊夢に見られてるとは知らずに布団を畳み続ける

 

「あのさ…」

ふと声を霊夢にかけられる

 

「あり?どうかしましたか?」

一旦手を止めて霊夢の方に向く

 

「……」

 

「……?」

 

黙ったまま見つめ合う二人

 

「私は…アンタをっ(おーい?起きたかー?)っ!?」

霊夢が何かを言いかけた時、魔理沙が現れる

 

「あぁ、魔理沙さんスッキリしましたか?」

 

「おめめパッチリだぜ!ほら、霊夢も早く顔を洗って幽鬼が作った朝飯食べようぜ!」

 

「そうですね、先に待っててください、魔理沙さんのお布団も畳みに行きますから」

幽鬼はそう言って霊夢の布団を端に寄せて、魔理沙が寝ていた部屋に向かった

 

「すまんぜー…頼むぜー…よし、霊夢!早く身支度して飯食べて宴会の買い出しいくぜ!」

魔理沙もスタスタと居間に向かう

 

「はぁ…たくっ…」

頭もかきながら顔を洗いに行く霊夢

この後朝ごはんで魔理沙のおかずが殆ど霊夢に食べられたのであった

 

 

 

 

しばらくして、それぞれ宴会の為の準備に動いた

 

魔理沙と霊夢は人里に買い出しに出かけ

 

幽鬼は神社に残って、掃除と宴会の席のセッティングと料理の下処理などをやろうと思っていたら

 

「仕事早いですね…咲夜さん」

 

「メイドですから」

 

 

いつの間にか咲夜が来て、終わらしていた

 

 

「でも、お掃除が行き届いていましたので直ぐに終わりました…幽鬼様の日頃のお掃除賜物です」

物静かに幽鬼を褒める咲夜

 

「いやぁ…そうでもないですよ…本職の咲夜さんには負けますよ…そういえば身体は大丈夫なんですか?昨日と今日ですから…無理はしないでくださいね?」

咲夜の調子を心配する幽鬼

 

「お気遣いありがとうございます…でも…そうですね…少しお茶休憩致しましょうか…」

お茶の間のちゃぶ台にお茶が一瞬で用意される

 

「そうですね、一息つきましょうか…」

 

咲夜と幽鬼はお茶休憩を始めた

 

 

 

 

 

 

〜その頃、人里の買い出し組は〜

 

 

 

「後は何かあるかしら…」

 

「こんだけありゃ、大丈夫だろ?」

霊夢と魔理沙は一通りの買い物を済まし茶屋で休憩していた

 

「やっぱり、何か重々しいな…」

魔理沙がボソッと言う

 

「何が?」

霊夢が魔理沙に聞くと

キョロキョロと辺りを見回した後にヒソヒソ言う

 

「いや、ほら…幽香が昨日の件で謝りに来るって言ってただろ?」

 

「そういえば…そうね…モグッ…」

霊夢は答えながら団子を食べる

 

「昨日帰る前に慧音達に言ったから、多分村人達にも話がいったんだろうぜ…人の徘徊もいつもより少ないのが分かるんだぜ…ズズッ…」

そう言って魔理沙はお茶をすする

 

 

 

「あら、魔理沙…?」

ふと後ろから横から声をかけられる

 

「おぅ!?」

魔理沙が声がした方に向くとアリスだった

 

「な、なんだぜ…アリスだったか…びっくりさせるなぜ…」

ホッと安心して胸を撫で下ろす

 

「なによ、何か声をかけちゃマズかったかしら?」

 

「いやいや…そう言う事じゃなくてだな…昨日の騒動は知ってるか?」

ジト目を向けるアリスに魔理沙が聞く

 

「えぇ、まぁ…新聞で知ったのだけど、大変だったわね…まさか、幽香が人里で暴れるとはね…そこら辺、どうなのかしら?博麗の巫女さん?」

黙々と団子を食べていた霊夢にアリスは声をかけた

 

「むぐっ…何でこっちに話を振るのよ…魔理沙でいいじゃないの…」

 

「新聞には最初からいたのは貴女って書いてあったわよ?魔理沙は本当に終盤に現れたって…魔理沙、隣りいいかしら?」

アリスはそう言って魔理沙の隣に腰をかける

 

「ぜぜっ…それは言わないでくれよ…少し気にしてんだからよ…」

そう言って軽く不貞腐れる魔理沙

 

「あら、ごめんなさいね♪」

イタズラ笑みを浮かべるアリス

 

「全く…それで?何の様なのよ…居たから声をかけただけじゃ無いはずでしょ?」

霊夢はアリスに声をかけた訳を聞く

 

「……ふーん、分かるの?」

 

「勘よ、勘」

そう言ってお茶を飲む霊夢

 

「勘…ね…間違っては無いわね…二人に聞きたいことがあったのよ…特に幽香の事で…」

 

「お?なんだぜ?」

不貞腐れてたのは何処へやら魔理沙が反応する

霊夢は相変わらずお茶を飲み続けている

 

「……貴女達以外にも…誰かいた?もちろん、あの紅い館の人達とか除いて…」

アリスはジッと二人を見つめる

 

「あぁ〜…」

チラッと霊夢の方を見る魔理沙

 

「あの新聞は根本的な原因が載ってた…って思ったけど…何かがおかしいのよ…もし暴走状態だったら、明確的に人里に来るはずないのよ…ここに来るまで辿って見たけど…通り道は暴れた形跡は無かったのよ…貴女達があの幽香を取り押さえていた場所以外…だとしたら、自然に幽香はココに何かを求めて行動した…と言う事の方が納得行くのよ…」

 

アリスは淡々と自分の立てた仮説を霊夢達に話す

 

「…どうして、そんな事を気にするのかしら…貴女には関係ない事だろうけど…」

 

「そ、そうだぜ?アリスに何か影響を与えた様な騒ぎじゃないぜ?」

霊夢と魔理沙は何故そこまで、幽香の事件を気にするのか分からなかった…アリスに対する実害は無いはずだと

 

「……そうね…そう言われれば…少なくとも人形劇が今日のは中止にした以外ないわね…けどね、私は確認しなきゃいけないの…幽香に目の前で連れ去られた人の事を…」

アリスは鋭く静かに言った

 

「うぇ!?連れ去られた!?誰がだぜ!?」

「…………」

霊夢はお茶を飲む手が止まり、魔理沙は驚いた

 

「名前も聞けなかった…あっという間に、連れてかれちゃった…それに…上海を救ってくれた、御礼も言えてない…」

静かに顔を下に向けて言うアリス

 

「………あ〜…もしかして…あいつか…」

「魔理沙…!」

「あっ…」

魔理沙がボソッと言ったのを霊夢が止めるが

 

「あいつって…やっぱり知ってるの!?」

ズイっと魔理沙の顔を覗き込むアリス

 

「あっ、いやっ!?あれだ!もしかしたら、別人だろうぜ!?人間の男何て、そこら辺沢山いるし!!」

魔理沙は慌てて言うが

 

「はぁ〜…魔理沙、アンタ…」

黙っていた霊夢がため息をつく

 

「やっぱり知ってるのね?」

アリスは確信した

 

「いやいや?何でそうなるんだぜ?」

魔理沙は慌ててアリスに聞くと

 

 

「魔理沙…私は人しか言ってないわ…いつから人間の男の人の話をしたかしら…?」

 

「あっ…いや〜…」

魔理沙は目を逸らす

 

「はぁ…隠す事じゃないから、良いけど…貴女も苦労するわよ…それでも良いの?」

霊夢が軽くため息をつき、アリスに確認する

 

「何が良いのか分からないけど…会えるのなら…」

アリスにそう言われた霊夢は立ち上がり

 

「なら、神社に着いて来なさい…ついでに少し荷物を持ってちょうだい」

片方の荷物を差し出す霊夢

 

「えぇ、わかったわ」

アリスは立ち上がり、荷物を受け取る

 

「よし、帰るわよ…じゃ、魔理沙支払い宜しく〜」

そう言って霊夢は歩き出す

 

「何でだぜ!?」

 

 

 

結局、魔理沙が代金を出す羽目になったそうな

 

 

 

 

霊夢達が人里を離れた後

 

 

白い日傘さしながら人里の中央通りを歩く1人の女性影

片手には袋を持ちとある場所を目指し歩いていた

 

女性が歩いた後は道端の花が綺麗に咲き乱れ

 

その女性を歓迎するかの様に

 

 

 

彼女が目指しているのは稗田邸

 

正面門前で止まると入口の門番が気づき近づいて

 

「む?何か御用で…?」

門番は傘で顔が隠れている正面に立つ女性に声をかける

 

すると女性は

「御用も何も聴いてないかしら?そうね…ここの御当主様にお話があって来たのよ…」

 

「稗田様にですか…申し訳ございませんが…その様なご予定は本日伺っておりませんので…どうぞお引き取りお願い致します…」

何を言ってんだこの女は、と思いながら門番は言う

 

「そう…残念ね…私は用があるのよ、通して貰うわね…」

そう言って横を通り中に入ろうとする

 

「ちょっ!?何してんですか!?駄目です!!」

門番が前に立ちはだかり止める

 

「なら…確認してくれないかしら…風見幽香が来た…と…」

日傘を閉じて、素顔が露わになる

 

「き、貴様!?昨日の妖怪!?尚更通す事などしない!!立ち去るのだ!!稗田様に近づけさせはしない!!」

持っていた槍を向ける門番

 

「…正体分かれば、手のひら返すのね…でも昨日の事を謝罪しに大人しく来たのよ?ほら、お土産も持ってね…」

 

袋を門番に見せる為に前に出したが

 

バシッ!?

袋を差し出した手を槍で弾かれ、袋が飛ぶ

 

「そんなものいらん!!さっさと人里から出ていけ!!」

幽香の顔に槍の先を突き付け門番は言う

 

「……」

幽香はただ静かに門番を見つめる

 

「な、なんだ!!さっさと立ち去れ!!」

よく見ると槍の先が震えている門番

 

「………」

幽香は黙ったまま、門番に近づく

 

「お、おい!来るな!!これ以上近づくのであれば!!」

門番は声を震えながら言う

 

 

「なにしてるのだ?」

ふと幽香の後ろから声がかけられる

 

「あ!?慧音先生!?助けてください!?」

門番は現れた人物に助けを求める

 

「む…風見幽香…来たのか…」

そこに居たのは慧音だった

 

「あら、半獣さん…どうも昨日のお詫びをしに来たのだけど…駄目みたいね…」

幽香は慧音に視線を向ける

 

「い、いや…聞いてはいたのだが…いつ来るか聞いてなかったのでな…今日神社で宴会をすると聞いていたからお昼位に来ると思っていたのだが…少し早かったみたいだな…」

慧音はそう言って幽香に近づく

 

「そうね…それはこっちの不手際ね…ふふっ、今日はもういいわ…勇気のある1人の人間の面子を守ってあげるわ…」

そう言って慧音の横を通りすぎる

 

「待ってくれ!阿求なら中にいるから今からでも!」

慧音が幽香を止める

 

「…いいえ…一つだけ言っといて貰えればいいわよ、これからも人里に買い物をするのに回らせて貰うから、よろしくとだけ言っといてちょうだい…」

そう言って日傘をさし、歩き出す

 

「ふぅ…助かりました…先生」

幽香が離れて安心した門番が座り込む

 

「お前…阿求から聞いてなかったのか?」

慧音は幽香が立ち去った方を見たまま門番に問う

 

「…聞いてなかった訳では…ただ大切なお客様が来るからと…誰も入れるなと…誰か来たら呼べと言われましたが…まさか昨日の騒動の妖怪が来るとは…それに、阿求様に何かあったら大変ですので…ふぅ…なので、阿求様にご報告してきますね…先生は先にいつものお部屋でお待ちください…では!」

門番はそれだけ言って立ち上がり屋敷の中に入っていった

 

「…全く…やはり何かあると妖怪は此処だと肩身が狭くなるな…むっ?」

慧音は振り返ると門の端の所に紙袋が落ちているのを見つけた

 

「これは…」

慧音は広い上げて中身を見る

 

中身は綺麗に包装された箱が入っていた、しかし箱の角が少しひしゃげていた

 

 

静かに箱を見つめる慧音

「まさか…本当に…だとすると…はぁ…(門番)には少し注意しなければ…」

 

箱の状況と袋があった場所でだいたい察しがついた慧音

そして一番の決定打が

 

一緒に箱に着いていた花

 

 

 

 

白いカモミール

 

 

 

 

 

慧音は教師だからこそ花言葉にも少しの知識は持っていた

 

 

(カモミール…この花言葉は…「逆境」や「苦難」の意味で知られているが…他にもある…)

 

慧音は視線を幽香に戻すが、もう既に姿はなかった

すると、屋敷の中から怒鳴り声が響く

 

「あぁ…やはりか、久々に阿求が怒ってるな…一応落ち着かせに行くか…」

慧音は屋敷の中に向かう、身体の弱い阿求を落ち着かせに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「仲直りと親交…か…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜少し時間を巻き戻し紅魔館〜

 

 

「…では、妹様…先に博麗神社に行っております」

 

「うん!お兄様のお手伝いお願いね!咲夜!」

フランは笑顔で答える

 

「はい、お嬢様の事はよろしくお願い致します」

咲夜はお辞儀をしてその場からいなくなる

 

「さてと、お嬢様を叩き起こして身支度させて行く準備しなきゃ!メイド妖精達行くよー!」

 

「はい、妹様ー!」

「突撃ー!お嬢様のお部屋ー!」

フランは駆け足でその後ろをメイド妖精が数名着いてくる

 

その道中、曲がり角で美鈴にぶつかる

 

「わぷっ!?」

「おっと!妹様!大丈夫ですか!?」

すかさず倒れないようにフランを支える

 

「あ、美鈴!ごめんね、大丈夫だった?」

 

「はい、大丈夫ですよ♪…もしかしてお嬢様を起こしに行く所ですか?」

美鈴は後ろに引き連れているメイド妖精達を見ながら

 

「うん!自分であんなに楽しみにして、私に早起きしなさいって言ってたのに起きないお姉様を起こしに行く所!美鈴は?」

楽しそうに答えるフラン

 

「私は先程出かける咲夜さんに持っていく物などメモでわたされたので、それを準備をする所です」

ピラッと1枚のメモを見せる

 

「あ、美鈴も行けるの!良かったじゃん!」

フランはてっきり門番の美鈴はお留守番だと思っていた

 

「いえいえ、妹様のお陰でもあるんですよ?」

 

「え?なんで?」

フランは首を傾げた

 

「妹様がメイド妖精さん達が統一されたお陰か、前よりお仕事をしているので…館の警備も最近ちゃんとしているんですよ!」

笑顔で答える美鈴

 

「あ、そうなんだ〜…ちゃんと仕事してくれるから違和感無かったけど…咲夜はお姉様の物だし、沢山やる事があるから咲夜に頼めなくても、出来る事をメイド妖精達に頼んでるだけだからね〜…後、賑やかで楽しい♪良い子達だよ♪」

そうフランが答えると

 

「そう言って貰える嬉しいー!」

「私達は妹様の手と足になり、お使いし続けます!」

「妹様バンザーイ!!」

後ろにいたメイド妖精達が口々に言う

 

「ね♪賑やかで楽しいでしょ♪」

美鈴にウィンクして言うフラン

 

「はは、そうですね…では!私も負けずに準備して参ります!」

ビシッと敬礼をする美鈴

 

「うん!お願いね!」

真似をしてビシッと敬礼するフラン

 

「「「(`・ω・´)ゞビシッ!!」」」

後ろのメイド妖精達も合わせていた

 

 

「じゃ!皆いくよ!お寝坊お姉様のお部屋に突撃ぃー!!」

そう言って駆け出すフラン

 

「妹様に続けー!!」

 

「「「突撃ー!!」」」

その後を着いて行くメイド妖精達

 

それを見送った1人その場に残る美鈴

 

「とても明るくなられて良かったです、本当に…幽鬼さんには感謝ですねー…さて!私も準備しますかー!!」

気合を入れ準備に取り掛かる美鈴だった

 

 

 

同時刻、地下図書館

 

 

「パチュリー様ー?ご準備は大丈夫ですかー?咲夜さんが先に準備に出掛けましたよー?先越されちゃいましたよー?」

ヒョコっと本棚の影から顔を出す小悪魔

 

先程、咲夜が現れて先に準備に行ってるからパチュリー様達の事はお願いと言われた

 

「むきゅー…むきゅー…」

変な唸り声を出しながら頭を抱えていた

 

「何してんですか…」

変な唸り声を出している自分の主人に気味悪そうに聞く

 

「き、昨日…お風呂に入った…」

パチュリーが喋りだした

 

「入ってましたねー…珍しく…」

小悪魔が単調な返事をする

 

「…その時、体重計という物が視界に入った…」

ただ頭を抱えたまま喋るパチュリー

 

「はいはい、視界に入りましたー」

小悪魔は積み上げられている本を片付け始め返事をする

 

「興味本位で乗った」

ふるふると震え出すパチュリー

 

「はいはい、乗りましたー」

片付けながら返事をする

 

 

 

「絶望的に数字が増えていたのー!むぎゅー!!」

 

 

 

 

「(´・∀・`)ヘーソウナンデスカー」

叫ぶパチュリーに対し反応が軽い小悪魔

 

「ちょっと!何よ!その反応は!一大事よ!?」

バンっと机を叩き立ち上がるパチュリー

 

「ソウデスネー、イチダイジデスネー」

小悪魔は淡々と本を片付ける

 

「どうしよう…いやでも、彼がムチムチ派なのをかけるしか!?むきゅー!?」

一人騒ぐ引きこもり魔女

 

「ダトイイデスネー」

小悪魔は知っていたパチュリーが知らない事を

それは体重が増えたとパチュリーは騒いでいたが実際はそうでは無かった

 

(まだ成長してるんだ〜…宝の持ち腐れ…本人が気づいてないとか一番萎える〜…)

小悪魔はそう思いながら、視線をパチュリーの胸にチラッと向けた

 

そうパチュリーは誤解した考えで

 

体重が増えた=身体に肉が増えた

 

実際は小悪魔が気づいている事が事実

 

体重が増えた=胸が大きくなった

 

 

常日頃からダボッとした寝間着に近い服を来ているためでもあり気づいてないのだ

 

(嫌がらせなのかな?ん?ん?)

 

お互いに幽鬼の存在がいることから

最近、自分の身体に関しての意識が持ち始めた

特にパチュリーは最近とてつもなく乙女を出していて、小悪魔が引くレベルまでだった

 

 

「むきゅー…どうしよう…」

へなへなとまた、机に突っ伏すパチュリー

 

「はぁ…(しょうがない…)」

小悪魔は残念になった主にエンジンをかける為に片付けるのを一旦やめて、不本意だが残念な主に言う

 

とても不本意だが!!

※(大事な事なので2回書きました)

 

「パチュリー様?そう落ち込まない方が良いですよ?気づいてないんですか?」

 

「なにがよ…」

パチュリーは突っ伏したまま答える

 

「幽鬼さん…パチュリー様の事は会う時チラチラと見ていますよ?いい意味で…」

 

「見られてるだけでしょ…いい意味って何よ…」

相変わらず突っ伏したまま答える

 

「私は転職してますが元サキュバスなのはご存知ですよね?」

 

「前に聞いたわよ…」

項垂れてる呼び出した本人

 

「だからこそ!私は分かるんです!幽鬼さんはパチュリー様の身体を異性としての対象で見ていることが!!」

高らかと言う小悪魔

 

「そうなの//!?」

ガバッと顔をあげる

 

「やはり気づいて無かったんですね…パチュリー様の今のスタイルは幽鬼さんにドストライクだと私は思います!えぇ!!私は分かります!パチュリー様が幽鬼さんに幾度が寄りかかったり、触れたりした時の反応は、初心な男性の反応でっす!それはパチュリー様に意識が向いていると言っても過言ではありません!!最近良くお読みになっているアレな本にも載ってはいませんでしたか!?着痩せ女子と言う脱いだら凄い人の事を!!」

ビシッと小悪魔が声を張り上げて言う

 

「た、確かに載っていたわ…でも、何で貴女が今読んでる本の事をしって…(今はそんな事気にしてる場合ではありませんよ!!)…む、むきゅ…!?」

 

突っ込まれそうな所を勢いで押す小悪魔

 

「そんな細かい事より…幽鬼さんに今日こそアタックするんですよ!こんな事言いたくは無いですが他に気のある人(自分含め)は沢山いるんですから!」

小悪魔はパチュリーに詰め寄り

 

「良いですか!!今回がチャンスです!!パチュリー様!!もしかしたら…単独で幽鬼さんと結ばれる可能性は低いとおもうのですが…ボソッ…(まぁ…私は何番目でもいいのですけど…)…パチュリー様はそれは嫌ですか?」

 

小悪魔は私欲も少し入れつつパチュリーに問う

 

「…む…むきゅ…わ、私は…人じゃないし…人と同じ事を行うこと自体叶わない立場よ…我儘はしたくないわ…彼が…私を受け入れてくれるのであれば……傍にいれれば…私は構わないわ…でも…それが、叶うの?」

パチュリーは自信が無さそうに自分の思いを言う

しかし小悪魔は腕を組んで自信ありげな顔をする

 

 

 

 

 

 

 

「確約は出来ません!!」(ドヤァ

 

 

 

 

 

 

 

「日符・ロイヤルフレア!!!」

 

 

 

 

スペルが止み、真っ黒けになった小悪魔

 

パチュリーは呆れて椅子に座り直した

「たくっ…真剣に悩んでたのが馬鹿らしくなったわ…良いわよ、私は魔女らしく手に入れる物は手に入れる…当たって砕けろよ…」

チラッと時計を見る

 

「そろそろ…支度しなくちゃ、1度着替えに戻ろ…こあ、貴女も支度しなさい!置いてかれたくなかったら」

パチュリーはそう言って部屋に向かう

 

 

「うぐっ…イタタ…悪魔でなければやられていた…」

小悪魔は身体を軽く叩きながら起き上がる

 

「さて…エンジンはかけました…これが吉と出るか凶と出るか…まぁ、幽鬼さんは優しいから逆に慌てると思うけど問題はあの花の妖怪さんですよねー…うん…」

小悪魔も準備をする為、自室に向かう

 

「ま♪私も交われればそれでいいんですけど♪フフっ…フフフフフ♪」

その雰囲気は魔性のサキュバスであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、各々は夕方から始まる博麗神社の宴会に向けて準備をしていた…

 

さて、どんな風に始まるのか…はたまた無事に終わりを迎えるのか…






(´・ω・`)ちょっと時間がかかってしまい、すみませんでした

多機能の編集が上手くいかずに四苦八苦してました
不定期更新ですがよろしくお願い致します


次回は頑張って色々と起こる用に書きたいです!


( -∀-)主人公は果たして無事に宴会を終える事が出来るのか!?

( -∀-)お楽しみに!!

ここまで読んで頂き、ありがとうございました!!


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複数の愛(恋)



( -∀-)どうも!亜麻乃です!

今回は宴会の本編です!
書きたいことを突っ込んだら
すごく長くなりました
ご了承ください
(´・ω・`)読みずらかったらごめんなさい!




( -∀-)あ、色々注意です

では、本編です!





 

 

 

やぁ、皆!!

俺は幽鬼!風華幽鬼!!

 

今日は博麗神社で宴会だったんだ!!

 

今回が初の宴会でもあったんだよね!!

 

なぜなら!!

 

前回の紅霧異変の宴会はなかったんだよね!!

 

まぁ、異変の終わり方が俺がいたせいでイレギュラーが発生してるから色々とずれてるんだと思うけどね!!

 

今回の騒ぎがそれだもん!!

二次創作だよこれ!!

 

おっと!謎の電波を拾ったが気にしないでくれ!

 

まぁ、これから起こる異変に対して人数は尋常にならない程増える(特に次の異変終了から主に食料)が楽しみである

 

まぁ、現状の人数でも十分楽しいけどね?

 

え?じゃぁ、なんで一人で語ってんだ?って?

 

いい質問だ!!

 

 

宴会がやっぱり人数上早めに終わったんだ!

紅霧異変の時より少ないから仕方ないんだけど

そんなんで、開始が暗くなってからの筈が少し早めの夕暮れに宴会は始まったんだよね

 

 

いやーもう、ね…言うことなかったね!!

 

男一人に対して周りは女性だらけ!!

 

しかも!可愛い、綺麗、美人だらけ!!

 

転生してきて良かったぁー!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

って思ったんですよ…

宴会が上手く終わったまでは良かった…

 

 

 

 

 

 

そこから後片付けをして大分経っているんだけど…

 

 

 

 

 

 

 

 

……今の俺の現状……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んちゅ…//りゅるっ…//じゅるる…//」

 

「ちよっと、花妖怪//!!そろそろ変わりなさい//!」

 

「ぱ…//パチュリー…さぁまぁ…//次はわたしですぅ…//」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

喰われてます…たすけて…

 

 

 

 

 

 

誰と言いますと…

ゆう姉(幽香)…含め、パチュリー、小悪魔に

絶賛捕食されています

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おっと!間違えないで欲しいのは!

決して〇〇〇(規制しました)をしている訳ではない!

テンション上がった三人からキスの嵐を喰らっているだけなんだ!!

 

なんでこんな事になったかと言うと

最終的に残ったメンバーが飲み直しをするわけで

珍しいメンバーが残ったわけです!!

色々と告白も受けてたしね!!

 

あ、ちなみに霊夢と魔理沙はもうご就寝です!

 

パチュリー以外の紅魔組もご帰宅されました!!

 

霊夢もさっきまで飲んでたんですけどね!!

「疲れた、寝る…」って言って寝ちゃったんですよね!!

 

いやー参った参った!!

 

 

 

……………………

 

 

………………

 

 

…………

 

 

……

 

 

 

いや…もう、かれこれ…長い事キスされてるんで…

正直…口もベチャベチャなんですよ…

オマケに良い香りするわ…

色々当たって柔らかいわ…

で…もうね…あれですよ…うん…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽鬼は考えるのをやめた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽鬼が三人から唇を喰われる前

〜宴会開始前直前〜

 

 

 

「一通りの料理の準備は何とか終わりました…」

「いやぁ…咲夜さん…改めて見るとここまで作ったって凄いです…」

咲夜と幽鬼は調理場で数種類の料理の数々を前にしていた

「初めてですよ、こんなに作ったのは…後は向こうに並べるだけですかね…あと少しです…ちゃちゃっと持って並べましょう!!…ん?…咲夜さん?」

幽鬼が並んでいる料理を手に取り、持っていこうと振り返ると咲夜がジッとこちらを見ていた

 

「咲夜さん?どうかしましたか?」

幽鬼が覗き込むように見る

 

「はっ…すみません…」

やっと反応を返す咲夜

 

「んー?無理してますか?良かったら少し休んでていいですよ?後は持って行って並べるだけですし…」

幽鬼は咲夜がまだ万全ではないと思い、気遣い言う

 

「い、いえ…大丈夫です…それより、私が時間を止めて終わらせます…」

そう言って能力を発動しようと時計を出すが

 

「おっと!ストップ!」

 

「え?」

 

幽鬼が咲夜の時計を取りあげ、止める

 

「それだと結局、咲夜さんが一人でやる事になりますし…さっきも片付けとかセッティングもやってもらってるので…せめてこれ位は時間を止めずにゆっくり運びましょう!二人でやればこれ位あっという間ですよ!!いいですか?」

幽鬼はそう言いながら取りあげた時計を差し出す

 

「分かりました、ありがとうございます」

手を伸ばし取ろうとした時

幽鬼が咲夜の手を握る

 

「良いですか?自分も男ですので頼ってくださいね?それぐらいしか出来ませんから…約束ですよ?」

咲夜を見つめながら幽鬼は笑顔で言う

 

「…は、はい…」

 

「よし、残りを片付けますか!」

握っていた咲夜の手を離し、料理を運び始める

 

 

「…………」

咲夜は静かに目を閉じ、握られていた手を胸に当てる

幽鬼と会話する時、見た時…胸の中が暖かくなる事を…

レミリアや美鈴と違う暖かさを感じられていた

 

(この…暖かさは一体なんなのでしょう…わからない…けど、嫌な気持ちではない…)

咲夜はソレがまだ分からなかった

 

(今日…パチュリー様か、美鈴に聞いてみようかしら…)

 

「今帰ったわよー…」

その時、庭の方から声が聞こえた

 

「あ…霊夢さん、お帰りなさい!……おぉ…結構な量を買ってこれたんですね…」

幽鬼が帰ってきた霊夢達を迎える

 

「この位はないとね…残ったら備蓄にもなるしね…ふふっ…はい、これお願いね」

霊夢は買ってきた物を幽鬼に渡す

 

「ふぅ〜…疲れたぜ…おぉ!すげぇ!これ全部幽鬼が作ったのか!?」

後から入って来た魔理沙が並べられた料理を見て驚く

 

「いえいえ!咲夜さんも手伝ってくれて…これだけ沢山作れたんですよ」

 

「これぐらいなんて事ないですよ…それに幽鬼さんの作った物も、私の料理と比較にならないくらい美味しく出来上がってますよ」

後ろから咲夜が現れる

 

「お、それは知ってるぜ!幽鬼の飯は美味いのはな!!」

ニカッと笑う魔理沙

「……あ、幽鬼!買ってきた物、奥に置いてくるぜ〜!」

魔理沙は奥に荷物を置きに行く

 

「幽鬼さん、私も少し買ってきた物を整理してきますね?何かあったらお呼びくださいね?」

咲夜は軽くお辞儀をして魔理沙の後を追う

 

「あ…幽鬼!忘れてたわ」

霊夢が何かを思い出す

 

「ん?何かありましたか?」

 

「う〜ん…アンタに客人よ、今…外にいるんだけど…鳥居の所に待ってるから会ってきてくれないかしら?残りは私達が準備しとくから…じゃ、よろしくね〜」

霊夢も残りの準備に取り掛かる

 

「んー?お客に会ってきてって…誰だろ…?」

幽鬼は玄関に周り、外に出る

 

「鳥居…って言ってたよね…ゆう姉は中に入ってくるし…他の人も…んっ?……あ、あれは…」

境内に出て鳥居が見え、その近くに女性が立って待っていた

 

それは見た事のある後ろ姿…

 

幽香の次にあったこの世界の登場人物…

 

彼女の迷子をあわせてあげ…

 

互いに自己紹介もろくに出来ずに別れてしまった()

(※原因=幽香の強制送還)

 

「あ…あの?すみません?」

幽鬼はその後ろ姿に声をかける

 

ゆっくりと振り向く女性

顔が見え、綺麗な笑顔を向けて

 

「お久しぶり、やっと会えた」

透き通る声でそう言った

 

 

 

お互いにしばらく見つめあったまま沈黙が続いた

 

「あー…どうも、お久しぶりです…あの時はすみませんでした、いきなりいなくなってしまい…」

沈黙に耐えきれなくなった幽鬼が声をかける

 

「…え、えぇ…あの時は驚いたわ…いきなり、貴方を幽香が連れ去るなんて…色々と霊夢達から聞いたわ…貴方も苦労が絶えなかったのね…」

照れ臭そうにアリスも会話を始める

 

「あはは…そうだ!あの時はちゃんと名乗れなかったですよね?改めて…風華 幽鬼です、お願いします」

軽くお辞儀をする幽鬼

 

「ふふっ…そうね、あの時はこうやってゆっくり話せなかったから…よろしくね…幽鬼くん♪」

笑顔で答えるアリス

 

「あ、そうだ!これから宴会なんですけど、アリスさんも参加しませんか?」

幽鬼はアリスを誘う

 

「うーん…さっきも魔理沙に誘われたんだけど…今回は遠慮するわね…あ、嫌って訳じゃないから、次やる時に誘って貰える?」

アリスは申し訳なさそうに言う

 

「そうですか…でも、そうですよね、いきなりですみませんでした。もちろん、次の宴会はちゃんと声をかけますよ!あ、魔理沙さん経由でも良いですか?」

幽鬼は笑顔で答える

 

「えぇ、もちろん…今日は忙しいそうだから…そうね、お茶は好きかしら?良ければ今度お茶をご馳走したいのだけど…あの時のお礼も兼ねて…」

アリスは横髪を指先でいじりながら言う

 

「えぇ!大丈夫ですよ!約束です!」

笑顔で答える

 

「ふふっ…また、来るわね…その時詳しく決めましょ?それじゃぁ…今日はお暇させてもらうわ…あの子達が家で待ってるから…」

 

「はい、今日はわざわざありがとうございました、お気をつけて」

アリスは嬉しそうに次も来るという約束も取り付け、幽鬼に見送られて階段を降りていった

 

 

「おにーさまー!!」

すれ違う様に元気な声が空から響く

 

「うおっと!?」

その声の主を抱きとめる

 

「危ないぞ?フランちゃん」

「えへへー♪お兄様だったらちゃんと受け止めてくれるって分かってたもん!」

幼い元気な笑顔で答えるフランだった

 

「全く…あれ?フランちゃん?他の人は?」

 

「えっとねー、お姉様と一緒に来たの!多分階段上がってる所だよ、パチュリーも小悪魔も後からちゃんと来るし…美鈴は少し紅魔館の戸締りを確認してから来るよー」

フランがそう説明した時

 

「フゥ…やっと着いたわね…フラン…少しは落ち着きなさい…神社は逃げないわよ…」

凛々しい可憐な声で現れたレミリア

 

「お姉様が寝坊するからよ?」

 

「うぐっ…な、なんのことやら…ゆ、幽鬼、しばらくぶりね…今日は楽しみましょう…」

一瞬目が泳ぐが何とかカリスマを保つレミリア

 

「えぇ、どうも!霊夢さんたちが準備しているのでまだ始まりませんが…後少しで終わると思うので待っていて貰って良いですか?」

 

「えぇ…構わないわ、それに咲夜に紅茶を入れて貰いたいし…ほら、フラン行くわよ…幽鬼から離れなさい?」

そう言って神社の奥に進む

 

「もう、しょうがないなぁ…お姉様もそこは素直になればいいのに…じゃ、また後でね!」

 

フランは幽鬼から飛び降り、レミリアの後を着いて行った

その後ろ姿はとても嬉しそうに見えた

 

「やっぱり…姉妹の絆っていいもんだな…(そうですねぇー…)……って、うわっ!?」

いつの間にか真後ろに射命丸文がいた

 

「どもども!!こんにちは!!清く正しい射命丸文です!!」

 

「はぁ…今回は何の御用ですか?もしかして、何か企んで?」

軽くため息をつく幽鬼

 

「いえいえ!そんな事は無いですよー!…そ・れ・に♪…私は今後とも貴方…幽鬼さんとは仲良くしたいんですよ…個人的にも♪」

そう言いながら文は幽鬼の腕に自分の身体を擦り付ける様にくっついて来た

 

「清く正しいって言う割に今やってる事…矛盾してますよね?」

幽鬼は少し低めの声で文に言う

 

「そうですかねぇ〜♪…これはスキンシップの一つですよ〜♪…貴方に対して特別な♪

そう耳元で小声で言い出す文

 

幽鬼はいい加減振りほどこうとしたその時

 

 

 

 

 

 

 

「じゃぁ…私にもお願いしようかしら?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

文の表情と動きが固まり止まる

 

 

 

「ねぇ?天狗さん♪」

 

 

ガシッ!!!

 

 

 

 

 

固まったままの文の頭を見覚えのある手が後ろから鷲掴みにする

 

 

「あ、あややや〜…いや〜…それは〜…むずっ」

文は何かを言いかけたが、姿が一瞬で消えた

 

 

次の瞬間

 

 

 

ドゥンッ!!

 

 

と何か風を切る低い音が聞こえて、視線を向けると

 

白い日傘をさしたまま、綺麗な投球ホームで何かを投げた後の幽香がいた

 

 

「ふぅ…全く、少しお掃除しなきゃダメかしら…」

ホームを崩しこちらに顔を向ける幽香

 

「お待たせ♪華ちゃん♪」

一緒に暮らしていた頃と同じ笑顔…

久々に見るその笑顔に幽鬼はただ見つめた

 

「ん?どうしたの…あの鴉に何かされたのかしら?」

幽香が近づいて来て不安そうに聞く

そうして…優しく、空いている片手で幽鬼の頭を撫で始める

 

「……ゆ…ゆう姉…」

 

「どうしたの…んっ…?」

幽鬼の目はよく見ると潤んでいた

 

「良かった…本当に…」

声が震えている幽鬼

 

幽香は気がついた、この子は今まで責任を感じていたのだと…

 

幽鬼は形はどうであれ幽香自身の暴走は自分が原因でもある…そして、育ての親であり、大好きな人を危険な目に合わせてしまった事をずっと気にしていた

 

だから幽香の元の姿を見た時、責任と不安が溶けたのだ

 

 

「……もう、情けない…でも…だからこそ放っておけないの…」

幽香は日傘を閉じて、両腕で幽鬼を抱き寄せる

 

「私はもう大丈夫よ…見失わないし、いなくならないわ…絶対に…だから安心なさい…約束するわ……」

愛しい人でもあり、愛しいわが子でもある幽鬼に優しく言う

 

「う、うぅん…だ、大丈夫だよ…うん……(良い香り…柔らかい……あ、ヤベ…)」

幽鬼は幽香の胸に顔を埋めながら話すが、

一部がEXTENDする

 

「あら…?………ふふ…今日は静かになったら…貴方の女として、慰めてあげるから楽しみにしてなさい……」

それに気づいた幽香は耳元で囁いた

 

「う…………うん…(何だろ、ダメになる…)」

幽香の良い香りに包まれ思考回路が上手く回らない幽鬼

 

その時、幽香は後ろに気配を感じ、後ろを向いた

 

「あら…お客さんがいらっしゃったみたいよ…華ちゃん」

幽香が囁いて、幽鬼に教える

「ん〜……う?………あっ…うぇ!?」

シアワセに包まれていた幽鬼はソレを見て正気に戻る

 

 

 

 

<●><●>

 

<●><●>

 

 

ソレとは鳥居の下に立っていた人の鋭い眼孔が4つであった

 

 

後から着いたパチュリーと小悪魔だった

 

 

「お、御二方…ど、どうも…あ、すみまっ…ふぎゅ!?」

二人に気づいた幽鬼が幽香から離れようとしたが再び抱き寄せられさっきよりガッツリ抱きしめられる

 

「ん〜…♪良い子♪華ちゃんは良い子よ〜♪」

幽香はあたかも見せつける様に幽鬼を可愛がる

 

「ぶがっ!?むぐっ!?」

再び胸に顔を押し付けられるが先程より、キツく苦しので藻掻く幽鬼、再び一部がEXTENDする

 

「むぎゅぅぅ!?いい加減にしてちょうだい!!」

痺れをきらしたパチュリーが幽鬼にしがみつき引き剥がそうとする

 

「……〜♪」

幽香はほんの少し力を込める

何処が楽しげだった

 

「フレー!フレー!パチュリーさまー!」

パチュリーの応援をする小悪魔

 

「むぎゅうぅぅぅぁぁぁ!!」

力いっぱいに引くパチュリー

 

「こ、腰が!!腰が!!外れる!!イダダダ!!ぎ、ギブギブギブギブギブ!!!」

悲鳴をあげる幽鬼

 

そこに

 

「あ、あんたらなにしてのよ…」

霊夢が中々戻って来ない幽鬼の様子を見に来ていた

 

 

あれから、状況が掴めなかった霊夢だが

取り敢えず幽鬼が大変な事になっていたので

どうにかパチュリーを止めた

 

止めた後、パチュリーは無理をし過ぎたのか小悪魔に肩を支えられて行った

 

「た、助かりました…霊夢さん…」

幽鬼も肩で息をしながら霊夢に礼を言う

 

「たくっ…いつまで経っても戻ってこないから…見に来れば…はぁ…取り敢えず、少し早いけど宴会が始まるわよ…」

 

「はい…戻りましょう…」

 

「あ、私はコイツ(幽香)と話があるから、先に戻っててちょうだい…」

 

「え…あ、はい…分かりました」

幽鬼は霊夢と幽香を残し先に戻って行った

 

 

 

 

 

 

「それで?何か用なのかしら?」

怪しげに微笑む幽香

 

「そうね…まぁ、確かにあるにはあるわよ…」

軽く睨みながら幽香の方に向く

 

「……もしかして、華ちゃんの事かしら?…ふふっ…」

意味深い笑みを浮かべながら霊夢を見る

何処が空気がピリピリし始め

辺りの音が聞こえなくなり緊張が走る

 

「フフっ…いがみ合ってる場合じゃないわ…大丈夫よ、安心なさいな…華ちゃんは連れ帰ったりしないから、今まで通りのここに居さして構わないわ…貴女が良ければだけどね…」

幽香はそう言って霊夢の横を通って、宴会場に向かおうとする

 

「………アンタはそれでいいの…アイツの周りにはまだ…増えるわよ…それを許すの?…」

霊夢は静かに言う

すると幽香は足を止める

 

「あら…何を心配しているのかしら…それとも…特有の勘って奴が騒ぐの?…だとしたら、それは余計な物よ…何人増えようが…華ちゃんは私のモノなのは変わらない…それに…」

クルッと霊夢の方に振り向き

不敵に笑い

 

「独り占めしても、楽しくないわ…フフっ…」

 

そう言って宴会場に向かった

霊夢は幽香の姿が奥に見えなくなるまで睨みつけていた

赤く染まる夕日が霊夢を照らす

 

「…………何処まで…惑わすの…」

霊夢の放つ言葉の意味は何なのか

それは霊夢本人しか知らない

 

 

 

 

それから数十分後

 

 

 

 

〜博麗神社宴会場内〜

 

 

「おっしゃぁ!!!全員飲みもん持ったか!!」

魔理沙が仁王立ちして大声をあげる

 

「「「おぉーぉ!!」」」

 

「それじゃ!!いくぜぇ!!異変解決を祝って乾杯!!」

魔理沙が持っているグラスを高らかと上げた

 

「「「カンパーイ!!」」」

 

魔理沙の後に続き皆声を上げた

それぞれ乾杯を皮切りに食べ、飲み始める

 

「いやぁ〜…モグモグ…間に合って良かった〜…」

「そーなのかー…モグモグ…」

美鈴とルーミアが一緒になって料理を突っついていた

 

「美鈴、お疲れ様…紅魔館の最後の戸締り、ありがとうね」

咲夜がワインの入ったグラスを差し出しながら言う

 

「あ!ありがとうございます!咲夜さん!…ングング…プハっ!ふむ!今回も完璧に仕上がってますね!!」

 

「少し工程を変えてみた奴なのよ…他にも飲んでもらって更に改良するつもりだけど…」

咲夜はワイン造りにハマっていた…良く出来たワインは人里に卸すほどの出来ばえまでに

 

「ソレ上手いのかー?」

美鈴が飲んでいるワインに興味を持つルーミア

 

「あ…うーん?お酒なんですよね〜…これ…」

美鈴は悩む、妖怪だが子供に与えていいのかと

 

「貴女にはコレをあげるわ…」

咲夜が美鈴の持つワインと同じ色の入ったコップを渡す

 

「おぉー、甘い香りだ〜…ング…ング…はぁ〜♪」

美味しかったのか一気に飲み干したルーミア

 

「さ、咲夜さん?大丈夫なんです?」

美鈴か心配そうに聞く

 

「安心して、アルコールのないタダのジュースよ…その様子だと気に入って貰えたみたいね」

満足そうなルーミアを見て、少し嬉しそうな咲夜であった

 

この後、咲夜は美鈴に幽鬼の事を相談した…しかし、咲夜にとって、元教育係であり、姉の存在の様な美鈴に聞いても結局、確信な答えは聞けなかったが最後に美鈴は笑顔で答えた

「咲夜さんが嫌な気持ちじゃなければ、大丈夫ですよ♪幽鬼さんは良い人ですから♪」

咲夜はもう少し探ろうと決めた、この暖かい感覚が何なのかを…

 

 

 

 

あれから宴会が始まってから三時間位経った

 

 

 

「うぃー!!きりゃめまりゅさぁ!!いっきにいくぅぜぇえー!!」

酔いが周りテンションが上がった魔理沙が一升瓶を片手に叫ぶ

 

「いえーい!!いけいけー!!」

そんな魔理沙を持ち上げている小悪魔

 

「う〜…この私とした事が…巻き込まれるなんて…うぅ…ぐふっ…」

魔理沙に飲まされ、顔が真っ赤のレミリアはダウンした

 

そんな光景を縁側で眺めていた四人組がいた

「だ、大丈夫…なんですか?飲む量すごいんですけど…」

幽鬼が心配そうに隣の霊夢に聞く

 

「大丈夫よ…いつも通りの魔理沙だから…」

霊夢はペースを守り、トックリの中に入ったお酒をゆっくり飲み

 

「それにしても…魔理沙凄いねー…あ、お姉様、潰れてる…」

霊夢の隣でフランが実の姉が魔理沙に巻き込まれて酔いつぶれたのを見ていて

 

「ふふっ…賑やかに飲めればそれでいいじゃないのかしら…華ちゃん」

幽鬼の隣に座る幽香はこの賑やかさを楽しんでいた

 

「うーん…まぁ、賑やかなのはいいんだけど…ちょっと魔理沙さんの身体が気になりますね…」

幽鬼は飲みすぎて倒れてしまうんじゃないかと考えていたが隣に座る幽香がとんでもない事を言い放つ

 

 

「身体が気になるなら、私の触っても大丈夫よ♪」

 

縁側の空気が固まる

 

「何言ってるの…ゆう姉…」

少し驚いたが冷静に話す幽鬼

 

「さっき、あの魔女っ子の身体が気になるのでしょ?華ちゃんにはそろそろ教えなきゃ…フフっ♪」

幽香のいつもと違う雰囲気を感じた幽鬼は思った

 

(あ、珍しく酔ってる…)

 

「ちょっと変な事考えないでよね…ほら、幽鬼!おかわり持ってきてちょうだい!」

霊夢が空になったトックリを差し出す

 

「あ、はい!さっきと同じで?」

 

「それでいいわよ」

 

「はいはい、持ってきますねー…ゆう姉、ちょっと離れるよ…よっこいしょ…」

幽鬼は頼まれた物を取りに縁側から離れた

 

「あら…ヤキモチ妬いたかしら…フフっ♪」

幽香は霊夢を横目で見る

 

「いいえ、色気に惚けた妖怪からアイツを離しただけよ」

同じく霊夢が横目で幽香を見る

 

バチバチと何かがぶつかる

 

「よいしょっと…!じゃぁ、そろそろ私は帰るね!」

フランが縁側から立ち上がる

 

「あら、もう帰るの?」

霊夢が幽香から目線を外しフランに向く

 

「うん!もう沢山楽しめたし…お姉様もあんなんだし…うん…フランもまだ…やることあるから!!だから今日は帰るね!!」

 

実は宴会が始まる前にフランは幽香と話、フランは幽香に謝ったのだ、自分が作り出したモノ(狂気)が幽香に移り迷惑をかけた事を…

 

しかし、幽香は優しく許してくれた…寧ろフランの置かれていた状況を狂気から見て理解していた為、「辛かったわね…」っと優しく抱きしめた…

 

もちろん、幽鬼にも謝った…しかし幽鬼は今回の引きがねを引いたのは自分だから悪くないから大丈夫だ…と笑って撫でてくれた

 

「今度はフランが頑張る番だよ!ゆうお姉ちゃんがしたようにフランが受け入れる番!」

 

フランは幽香の方を見て言う

 

「そうね…フランが前向きに聞いてあげればあの子も再びフランと一緒になれるわ…頑張りなさい」

幽香はフランに優しく微笑み言う

 

「うん!!…だから、終わったらお茶会に誘うね!ゆうお姉ちゃん!!」

フランも笑顔で答える

 

「えぇ…楽しみにしてるわ」

 

「うん!!じゃぁ、またね!!霊夢、お兄様によろしく言っといてね!!……咲夜!美鈴!!」

フランはそう言って従者達の名前を呼び離れた

 

「なんか…あの子、レミリアよりしっかりしていないかしら?」

霊夢はフランが咲夜達に指示をだしている所を見て言った

 

「フフっ…あの子は本当はしっかりしているのよ…あの時…酔いつぶれたアイツ(レミリア)の言っていた事…何となく理解したわ…私も少し子供だったようね…」

静かに語る幽香

 

しばらく見ていると

フランがこちらに向かって手を降ってきた

美鈴は軽くお辞儀をしていて、レミリアを抱っこしていた

霊夢と幽香は軽く手を振り返し、見送った

 

「はい、霊夢さんお待たせしましたー…ってあれ?フランちゃんは?」

その時幽鬼が戻ってきた

 

「ありがと、幽鬼…フランはこれからやる事があるから、酔いつぶれたレミリアと帰ったわよ…門番が連れてね…」

渡されたトックリを受け取る霊夢

 

「あ…あれ?パチュリーさん…どうするんだろ…」

実は宴会開始30分位で飲みすぎて、酔いつぶれたのだ

 

「それは私が残って様子を見ますのでご安心ください…」

幽鬼の後ろに咲夜が現れる

 

「あ、そうなんですか…それじゃぁ、今すぐ帰る感じで?」

 

「いえ、妹様に後片付けの手伝いをするように言われましたので…それに…」

チラッと外に目線を向ける咲夜

 

「ん……あっ…」

幽鬼は咲夜の目線を追って見ると

未だに飲んで騒いでいる魔理沙と小悪魔、巻き込まれているルーミアが視界に入った

 

「あの方達の面倒も見てくれとも頼まれたので…」

咲夜にそう言われ、幽鬼はこの後の悲惨な光景が頭に浮かんだ

 

「すみません、お願いします…」

頭を下げる

 

「いえ…メイドですから…それでは少し洗い物をしてきますね…」

咲夜はその場から消える

 

「うーん…じゃぁ…霊夢さん、自分…ちょっとパチュリーさんにお水持っていきますね…様子見るのも兼ねて…」

 

「はぁ…じゃぁ、私はあの二人を少し落ち着かせるわ…あのままだと本当に倒れるかもしれないし…幽香、アンタも手伝ってちょうだい…あの酔っ払い共を静かにさせるわよ」

飲んでいた器を置き、立ち上がる霊夢

 

「ん〜…まぁ、良いわ…少し手伝ってあげる…華ちゃん?…あの子たちの…お布団敷いといて…一応♪」

幽香は腕を鳴らしながら幽鬼に言う

 

「う、うん…わかった…て、手加減してね…ゆう姉…」

 

「大丈夫よ♪ちゃんと少しは手加減するから♪」

幽香は笑顔で答えるが幽鬼は魔理沙たちに心の中で合掌した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その中で1人、ニヤッと笑った人物がいた

一緒に騒げば彼女と彼が二人きりになる事を祈り

自分の主人の為にその身を犠牲にした悪魔

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(約束…ちゃんと守ってくださいね…パチュリー様)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

取り敢えず酔っ払い方は霊夢と幽香に任せた幽鬼

水の入ったコップを持ってパチュリーの寝ている部屋を目指す

 

「しかし、パチュリーはお酒が弱かったんだな…次は気をつけるように言っとくか…おっと…確か、ここだったな…」

霊夢がパチュリーを寝かしたであろう部屋の前に着いた幽鬼

 

静かに手を障子にかけて、ゆっくりを開ける

「失礼しますね〜…パチュリーさん?起きて…ないですね…」

顔を覗かせて中を見て確認するとパチュリーは敷かれた布団で横になっていた

 

「…スー…スー…」

パチュリーはいつも被ってる帽子や髪飾りを枕元に置かれて、整った寝息を立てていた

 

「よいしょ…失礼しますね…」

静かに部屋の中に入ってから、障子をゆっくり閉め、パチュリーの寝ている側に近寄り座る幽鬼

 

「…スー…スー…」

顔色を見ても悪くは無さそうで具合は大丈夫そうだった

 

「あぁ…どうするかな……寝てるんじゃ…起こすのも…ん?」

その時、幽鬼の目に止まった物があった

 

「え…え…?なんで?下着?…え…?」

先程、枕元には帽子などがあったのをチラッと確認したがよく見ると薄紫色のブラジャーが畳んで置いてあった

 

「……………でかっ…はっ( ゚д゚)!!…ダメだダメだ!!」

見入ってしまい、ボロっと出た本音を消すように頭を振る

 

「あ…あれだ…あの…お酒飲んで、体温上がって、息が荒くなって、息をしやすくするために!霊夢さんが外したんだろう!うん!そう!決まり!!」

自分を誤魔化すように一人結論づける幽鬼

 

「……………」

しかし、幽鬼の目線はチラチラとブラジャーと寝ているパチュリーの胸に向いてしまう

 

「…ダメだ、ダメだ…こんな最低な…寝ている人に対して最悪な事はしちゃダメだ…うん、しっかり布団がかかっているから…うん…大丈夫…うん…よし!戻ろう!」

と、幽鬼はこれ以上いたら毒と判断して

退室しようと立ち上がった時

 

「…んっ…む…きゅぅ……」

パチュリーが幽鬼の方に寝返りをする

 

「…………」

幽鬼は横向きに寝返りをしたパチュリーを見て固まった

 

 

そして思った

 

 

 

(幽香より少しデカい!?)

 

 

横向きになった事でパチュリーの実った果実が支えも無しにムギュっと圧縮されていたのを…

それにより谷間がより強調された所を…

 

「………」

幽鬼はその場に座り直した

 

男としての欲求、そして憧れの東方キャラの実体…

 

着痩せキャラとして通す一人…パチュリー・ノーレッジが生で目の前にいるのだ…

 

ゆっくりとその禁断の場所に手を伸ばす幽鬼

 

前に幽香の胸を鷲掴みにした事はあるがあれは不意の事故でありテンパったのが先だった…

 

今回は己の欲望、意思で触ろうと手を伸ばす

 

「……ゴクリ…」

指先がその禁断の果実に触れそうなるが

 

 

「いや…よくない…」

ピタリと既のところで辞める

 

 

 

 

そして…

 

「ふん!!」

自分の今の強い欲を縁切りし、冷静になる

 

「とりあえず…冷静になるんだ…」

幽鬼は座り直し、パチュリーの寝顔を見る

 

「ゆう姉も大好きだけど…俺はパチュリーも、皆大好きなんだよな…こんな最低な男…嫌だよなぁ…」

ソっと伸ばしていた手をパチュリーの頭の方に移し、優しく撫で始め

 

「こんな男に都合よく両想いなんて…展開は…」

 

 

 

「あるわよ」

 

 

「どわぁっ!?!?(ゴンッ!!)いだぁ!?」

 

いきなりパチュリーの目が開き

驚いた幽鬼が後ろに飛び跳ね

倒れ、後ろの壁の柱に後頭部を思い切っり強打する

 

「ぐわぁぁあ…ぃだでぇ〜…」

倒れたまま、後頭部を手で抑え悶える幽鬼

 

「………」

パチュリーは覆い被さるように幽鬼の上に移動する

 

「んぁあ〜……あっ…えっ…えっ!?」

幽鬼が気づくと正面にパチュリーの顔があった

 

「あ…あの…ぱ…パチュリーさん?」

幽鬼は困惑しながら声をかける

 

「…………むきゅ…」

「……え?…うむっ!?」

パチュリーは何か言ったかと思うと口付けをした

 

しばらく口付けしたまま、数分がたった頃

 

「……はぁ…ど、どう?…私のは…初めて…///」

パチュリーから離れて、顔を赤くして言った

 

「ぱ…パチュリーさん…どうして…」

幽鬼は困惑したままだった

 

「…た…単純よ、私は…幽鬼、貴方の事…好きなのよ…初めて貴方にあった時から…一目惚れってやつね…///」

より顔を赤くして答えるパチュリー

そして、静かに話し出す

 

「私…物心ついた時には私は魔女として産まれていた…もちろん、両親はいたわ…けど、もう思い出せない程の昔の話し…私達魔女は長い事時間を過ごす…寿命は確かにあるけど…ほぼないと同じ…だからこそ、愛や恋って物に惹かれるの…レミィ達は私を家族の一員として家族愛って物をくれた…でも…恋は…永く叶わなかった…だから…」

パチュリーはゆっくり幽鬼の身体に自分の身体を預けるように乗っかり

 

「私は貴方に惹かれ…」

「私は貴方に恋をした…」

 

「貴方の側に居させて…それ以上言わないから…」

真っ直ぐな瞳で言っているが

微かに不安そうな顔になり、目が潤んでいた

 

すると、幽鬼はパチュリーを抱き締め、

再び、頭も優しく撫で始めた

 

「1本取られた感じがしますね…やっぱり、女性の気持ちは分かりにくい物です…本当に大丈夫なんですか?パチュリーさん?こんな変な奴で…」

静かにパチュリーに聞く

 

「貴方は変じゃないわよ…元々おかしな奴だらけなんだから…貴方はまともよ…幽鬼…何度も言わせちゃダメよ…//」

そうして、再びパチュリーは唇を重ねてきた

 

 

 

 

しばらくして、幽鬼とパチュリーは起き上がり

幽鬼はパチュリーに先程ぶつけた後頭部の腫れてるか確認して貰っていた

 

「どうですか?やっぱりタンコブ出来てます?」

 

「そうね…若干腫れてるかもしれないけど…血とかは大丈夫よ…」

ぶつけた箇所の具合を見て答えるパチュリー

 

「そういえば…いつからお目覚めに?」

ふと幽鬼が聞く

 

「あら…知りたい?」

顔が見えなくても声が嬉しそうなパチュリー

 

「…………一応、参考までに…」

幽鬼は覚悟を決めた

 

「えーと…(失礼しますね〜…)辺りからかしら♪」

凄く嬉しそうに答えるパチュリー

 

「…………最初っからって事ですね…?」

幽鬼は苦笑いをする

 

「そうね…貴方の知らない一面も見れたから満足だけど…」

後ろに立っていたパチュリーがよりかかってくる

 

「おぐっ!?」

幽鬼の背中に柔らかい感触が当たる

 

「よく触らなかったわね…魅力なかったかしら?」

耳元で囁くパチュリー

 

「そんなこと無いですけど…」

その証拠に一部がEXTENDし始めた

 

 

その時…

 

パァンっ!!

勢いよく障子が開かれパチュリーの前から幽鬼が消えた

 

「え…」

パチュリーは一瞬驚いたが直ぐに幽鬼の姿を探した

 

すると

 

「んぢゅっ…ちゅっ……ジュルル!」

見慣れた赤い髪色と黒のスカートを着たお尻がフリフリとシッポと一緒に揺れていた

 

「んぐぅっ!ンググゥ〜!!」

よく見ると幽鬼が抱き着かれてる形で唇を吸われていた

 

「こ・あ・く・まぁぁああ!!」

パチュリーの怒号が響いた

 

 

 

 

数分後

 

 

 

 

「…………」

黙ったまま正座させられている小悪魔の姿があった

よく見ると頭にタンコブが出来ている

 

「…………」

その目の前にはパチュリーが仁王立ちして

 

「…全く……困った物ね〜…」

後から部屋に現れた幽香が小悪魔の奇襲(キス)によって窒息しかけ、意識を失い、寝ている幽鬼を膝枕していた

 

あの後、必死にパチュリーが小悪魔を引き剥がそうとしたが

本能に呑まれた小悪魔の力は凄くどうにもならなかった

パチュリーが涙目になっていた所に幽香が現れ

小悪魔の頭に一撃を喰らわして鎮圧したのだ

幽香はパチュリーを責めはしなかったが…

先程、小悪魔が目を覚まし…今に至る

 

「うっ…うぅ?……( ゚д゚)ハッ!」

その時、幽鬼が目を覚ます

 

「あら…おはよう、華ちゃん♪」

幽香が笑顔で目覚めた幽鬼に声をかける

 

「あれ…なんでゆう姉が?」

今置かれている状況に困惑する

 

「そっちの酔っ払い悪魔っ子の姿が見えなくなったから、もしかしてと思って見に来たのよ…そしたら、華ちゃん襲われてたから……助けてあげたの♪」

頭を撫でながら幽香は言う

その時

 

「アンタら、何してんのよー!いい加減、片付け手伝いなさい!」

霊夢の声が廊下奥から聞こえて来た

 

「あ…霊夢さんが怒ってる、戻らなきゃ!」

飛び起きる幽鬼

 

「そうね、縁側に戻りましょう…お2人はどうするの?」

パチュリーと小悪魔に声をかける幽香

 

「先に戻っててちょうだい…ちょっとオハナシをこの子とするから…咲夜にも先に紅魔館に帰っていいわっと伝言お願いね……今日は寝かさないから……」

その時、一瞬パチュリーと幽香の目が何かアイコンタクトをしたように見えたが

 

「…………(汗」

それを見てしまった幽鬼は不安を残し、幽香と共に霊夢元に向かった

 

 

残されたパチュリーと小悪魔

 

「す、すみません…パチュリー様…理性が……」

小悪魔が頭を下げる

 

「…………はぁ…まぁ、いいわ…今回は貴女のおかげでもあるし…許してあげる…約束通り…貴女の気持ちも伝えなさいな……彼は貴女の言う通り大丈夫よ…確約できる…」

枕元に置かれた帽子を取り被り直すパチュリー

 

「……ありがとうございます!!」

小悪魔は頭を下げ、感謝する

 

「そ…それとは別なんだけど…コレ(ブラ)付け直した方がいいの?」

パチュリーは外していたブラジャーを拾いながら聞く

 

「それはもう!!付けた方がいいですよ!!さっきチラッと見えましたが幽鬼さん、(EXTEND(規制しました))してましたし!!」

 

「……むきゅ……やるわよ…小悪魔…」

それを聞いたパチュリーは決意した

 

「はい……私も気持ちを伝え…交ぜて、いただきます……ジュルリ…

小悪魔も涎を垂らしながら決意した

 

そうして、二人は縁側に向かった

 

 

 

 

それから二時間後

 

縁側に座る四つの影

 

「静かになってから呑むのも悪くないわね」

幽香が静かに言う

 

「そうね…余り外に出ないから…新鮮な感じ……」

パチュリーも軽めなお酒(咲夜に用意させた)を飲みながら

 

「そうですね〜♪ワクワクします♪(この後…ジュルリ)」

頭の中は欲望いっぱい小悪魔が言う

 

 

 

 

「アンタら、何時までいんのよ…」

機嫌悪そうに霊夢が睨みながら言う

 

「あら…飲み直すとか言ってたのは貴女よ?霊夢?」

 

「誰も複数と飲むとは言ってないわよ…」

幽香に言われて、皮肉を返す霊夢

 

「私は…少し気分を味わいたいの…早々に潰れちゃったから…良いでしょ?少し位?」

 

「もう大分経ってるわよ…なんで咲夜を帰したのよ…」

パチュリーに対して呆れる霊夢

 

「あの子にはやる事があるからね…私1人の我儘に付き合わせる物でも無いわ…それに、咲夜はレミィの従者だしね…」

ゆっくりと咲夜に作って貰ったお酒を飲むパチュリー

 

「それに♪パチュリー様の従者は私ですし♪なので残ってます♪」

横槍を入れる小悪魔

 

「…………」

黙って三人を睨む霊夢

 

すると

 

 

「霊夢さーん?お布団敷きましたよー?」

幽鬼がひょこっと顔を出して言う

 

「…………えぇ…ありがとう、幽鬼…魔理沙は大丈夫かしら?」

 

「気持ち良さそうに寝ていますよ?……まぁ…明日、二日酔いで大変そうですが…霊夢さんはまだ、起きていますか?」

幽鬼は霊夢の側に近寄り、正座する

 

「…………いいえ…もう、今日は疲れたから寝るわ…悪いけど…残りのコイツらの相手頼むわ…明日は朝ごはんいらないから…幽鬼もゆっくり寝なさいな…」

そう言いながら霊夢は立ち上がる

 

「はい、ありがとうございます…うーん…まぁ、魔理沙さんの事もあるんで少し…軽めには作りますよ?お味噌汁程度ですけど…あったら飲みますよね?」

立ち上がった霊夢に言う

 

「……えぇ…それでいいわ……ソイツらよろしく…泊まるんだったら…広部屋にでも布団を敷いて、そこで寝るようにしてちょうだい…じゃ…」

霊夢はスタスタと自分の部屋に戻って行った

 

 

 

「はぁ……霊夢さん…怒ってる…」

ため息をつく幽鬼

 

「わかるの?私にはいつも通りの霊夢に見えたけど…?」

さりげなく幽鬼の右側に座るパチュリー

 

「地味に長い事いるので機嫌の善し悪しは何となく分かります…」

 

「ふふ…流石、私の華ちゃん♪観察力はお手の物ね♪」

幽香が後ろから抱きついてくる

 

「あのね…ゆう姉には負けるよ…俺はただの人間だし…」

 

「それでも、普通の人間方に比べると違いますよ〜?幽鬼さんはもう少し自身持った方が良いですよ〜?」

幽鬼の左側に座り直す小悪魔

 

「正直…周りの皆さんが凄すぎて…わからないですよ…」

そう答える幽鬼

 

「……んー?やっぱり……」

すると小悪魔がまじまじと幽鬼を見て首を傾げる

 

「どうかしました?」

 

プクッと頬を膨らまし小悪魔は言う

「幽鬼さんは幽香さんだけにはタメ口なんですね」

 

「え……?」

いきなりそんな事を言われ驚く幽鬼

 

「ふふ…それは華ちゃんの育ての親でもある特権なのよ♪」

幽香は嬉しそうに、より後ろから抱きしめる

 

「そう言えばそうね…でも、私はさっき幽鬼の本当の口調が聴けたから別に良いけど……ふっ…」

ボソッとパチュリーが幽香に勝ち誇った顔で言う

 

「………どう言う事…?」

それを聞いた幽香は少し低い声でパチュリーに言う

幽鬼は久々のキレ気味声に固まった

 

「幽鬼は私の身体の事を…男として、感想を言ってくれたの……ふふ…あの感じは…今の幽鬼とは違った…凄く良かった……」

未だに勝ち誇った顔のパチュリー

 

「華ちゃん……?」

 

「はひぃ!?」

案の定、矛先が幽鬼に向く

 

…がその瞬間

 

「うご!?」

いきなり両手で顔を掴まれグイッと強引に動かされ

 

 

「ふぇえぇぇ!!ズルいですぅ〜!!んぢゅぅっ!!」

 

「んぐぅっ!?」

 

視界に涙目の小悪魔が現れたと思ったら唇を奪われ

 

「ンジュ!ジュルルル!!」

小悪魔は満遍なく唇に吸い付き、舐め回す

 

「ちょっと…!こあ!!」

パチュリーが驚き

 

「あら…いい度胸ね…さっきの話は後で……」

何かに火がつく幽香

 

 

こうして小悪魔から始まった

キスが冒頭に繋がるのであった

 

 

 

正にキスのジェットス〇リームアタックである

 

 

 

 

 

 

 

それからしばらく経って…、考えるのを辞めた幽鬼は

 

「はぁ…//はぁ…//」

 

「ふふ…//ふふふふ…///」

 

「まだぁ…ですぅか…//」

 

「…………」

広部屋に連れてかれて、敷布団を敷き

その上で横たわる着崩れた三人の前に立っていた

 

幽鬼の頭の中はグルグルと回っていた

正直混乱もしていた…これは夢なのか…と…

 

この後、幽香の放った一言で決意した

 

「我慢しなくていいの…♪華ちゃん♪おいで♪」

見た事ない幽香の顔と声に誘われ

 

 

 

 

難易度EXTRAの弾幕勝負が始まった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

縁は深く繋がれ、強くする

広がる縁に歯止めはない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

WARNING

 

 

※(弾幕勝負の解説が始まります)

 

※(幽鬼が幽香達に挑んた弾幕ごっこの結果です)

 

※(結果が気になる方のみご覧下さい)

 

※(深い意味はありません、(・∀・)イイデスネ?)

 

 

 

 

 

 

準備運動をして、整えたが甘くなかった

難易度EXTRAだけなあって、何度もピチュられた

しかしコンティニューとEXTENDも何度も繰り返し

弾幕を打ち続けて、点数を地道に稼ぎ

最終的にボムも何発も彼女達にくらわし

やっとの思いで彼女達に勝利したが

素直に喜べる結果ではなかった

多勢に無勢、明らかに彼女たちの方が有利だった

やはり初心の三ステージは彼にとってキツかった

ただ、彼にとってとても経験になったのは変わらない

これを糧に彼はより強くなるだろう

彼には彼の戦い方がある

頑張れ、負けるな、幽鬼!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜幽香達にピチュられた回数〜

 

風見幽香

5回

 

パチュリー・ノーレッジ

3回

 

小悪魔

2回

 

 

〜幽香達をピチュった回数〜

 

風見幽香

3回

 

パチュリー・ノーレッジ

8回

 

小悪魔

13 回

 

 

〜幽香達にくらわしたボムの回数〜

 

風見幽香

8回

 

パチュリー・ノーレッジ

4回

 

小悪魔

4回





いや〜弾幕ごっこ…凄いですね〜
やっぱり戦闘シーンは苦手です……

(゚д゚ )え?…「戦闘シーンじゃないだろう」…?
はて?ナンノコトヤラ…

お待たせしました…

中々モチベーションが上がらず
書き直してばっかりでした

出来るだけ直ぐに上げられるよう
頑張りますんで応援お願い致します

ここまで読んでいただき、ありがとうございます!


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長期冬季



(。-`ω´-)オイッス!亜麻乃です!
ついに次の異変に突入です!
まぁ…また前置きが長くなるかもしれませんが……

(´・ω・`)ご了承ください



では、どうぞ!


 

 

月日は過ぎるのは早い物…

あの宴会から数ヶ月の日が経った

外はすっかり雪景色

幻想郷全体が真っ白に染まっていた

 

博麗神社の居間でコタツに潜る、霊夢と幽鬼

 

「ゆきぃー…みかん〜…むいて〜」

ダラしなくそんな声をあげる博麗の巫女

 

「……それぐらい自分でむいてくださいよ…」

幽鬼は急須からお茶を注ぎ霊夢の前に置く

 

「……わたしは…コタツに負けて力が出ないのよ…」

テーブルに顎を乗せて項垂れる

 

「なんですか…それ…」

幽鬼は呆れながらみかんの皮をむきはじめる

 

そんな時障子が開かれ

「おっす!霊夢!幽鬼!!」

冬でも元気、魔理沙が現れた

 

「ちょっと!!魔理沙!すぐ閉めて!寒いわよ!」

魔理沙に怒鳴る霊夢

いつもの服の上に赤いちゃんちゃんこを着ているが

今の霊夢には寒さが天敵なのだ

 

「あんだよ、少し位…そんなんだと冬があけた後…肥えるぜ?」

そう言いながら、障子を閉める

 

「博麗の巫女は太らないから平気よ…パクっ…ん〜♪」

霊夢は幽鬼にむいてもらったみかんを口に運ぶ

 

「どんな理屈だぜ…」

魔理沙も霊夢の言動に呆れる

 

「最近、こんなんですよ…ささっ、魔理沙さんどうぞ…寒かったでしょう、お茶どうぞ…」

幽鬼が霊夢の向かいに注いだお茶を奥

 

「お、悪いな!…おぉ…やっぱりコタツは凄いな…魔窟だぜ…」

魔理沙は冷えきった身体をコタツに滑り込ませる

 

「きゃぅ!?……ちょっと!!魔理沙!!冷たいじゃない!!」

いきなり霊夢が飛び起き、文句を言う

 

「おぉw悪かったぜw」

謝る魔理沙だが、確信犯である

 

「それで?魔理沙さんはなんの御用で?わざわざこんな吹雪いている中…」

そんなやり取りを見ていた幽鬼が魔理沙に聞く

 

「お!そうだ!忘れてたぜ!…いいか?霊夢、この冬少し長くないかと私は思うんだぜ…いつも通りだと、雪が止んでもおかしくない筈だぜ…スズっ…」

お茶をすする魔理沙

 

「そうかしら…少し長くなってるだけじゃないの?」

霊夢は再びテーブルに突っ伏し答える

 

「なんだよ…なぁ?幽鬼はどう思うぜ?」

まともな返答が聞けないので幽鬼にふる魔理沙

 

「……うーん…そうですね…元々、ゆう姉の所で過ごしてた頃よりは…長い感じはしますけど…ちょっと判断しずらいですね…」

幽鬼は魔理沙に答えた

 

「むぅ…そうか…まぁ、霊夢より何となくしっくりくる意見だぜ…」

 

「どういう事よ…」

霊夢が魔理沙の納得声に反応する

 

「寒い中、コタツに毎日埋もれてる巫女より…身の回りの世話をしてる幽鬼の方がまともだぜー」

 

「魔理沙…アンタねぇ…#」

魔理沙が霊夢をおちょくり霊夢がキレかける

 

「ちょ!ストップ!やめて下さいよ!喧嘩は!」

幽鬼が慌てて止める

 

「ふん…」

 

「けっ…」

幽鬼に止められそれぞれそっぽを向く

 

「はぁ…そろそろ、自分は買い出しに出かけますよ?」

幽鬼は立ち上がる

 

「お?なら、私も途中まで、ついて行くぜ!」

魔理沙もそれを聞いて立ち上がる

 

「別に構いませんが…パチェさんの所に寄ってからになりますよ?」

 

「ふーん…紅魔館にか?…なんかあったか?」

すると幽鬼は一冊の本を取り出して

 

「今日これを返しに行かないといけないんですよ…」

 

「ほーん………うん?あ……そういえば…」

ガサゴソと帽子を探り、一冊取り出す

 

「えーと…あっ…今日だ…これ返すの…」

本のページを開き、契約期間を確認する魔理沙

※契約期間を過ぎると本が開かなくなる魔法がかかっている

 

「何なら一緒に返しに行きましょうよ…ついでにこの冬が異常なのか調べられますし…」

幽鬼が厚着をし始める

 

「うーん…まぁ、調べ物は図書館か…うし!そうと決まれば行くぞ!!幽鬼!!」

目的地を決めた魔理沙は早々と外に出る

 

「だから!!全開にすんな!!」

霊夢がキレる

 

「閉めますから…それじゃ…霊夢さん、いってきますねー」

魔理沙が出ていった後に続き外に出て、障子を閉める

 

「……全く…騒ぎすぎなのよ…スズっ…」

1人居間に残った霊夢は静かにぬるくなったお茶を啜るのであった

 

 

 

 

 

〜紅魔館門前〜

 

 

「うしっ!到着だぜ!」

「やっぱり、早いですね…」

幽鬼は魔理沙の箒の後ろに乗せてもらい

あっという間に紅魔館に着いた

 

「あれ?門番がいないぜ?」

魔理沙は門の前に居るはずの美鈴を探す

 

「あぁ…この時期は流石にずっとはいないですよ…寒いですし…ちょっといいですか?」

 

カーン…カーン…

 

すると幽鬼が門の所に付けられた小さな鐘を鳴らす

 

すると…

 

「はいはい!どなたですか!」

コートを着たメイド妖精が出てくる

 

「あ、美鈴さんか誰かいる?図書館に行きたいんだけど…大丈夫かな?」

 

「あ!ゆき様でしたか!どうぞ中にお入りください!」

そう言って門を開けるメイド妖精

 

「ごめんね?こんな寒い中大変でしょ?」

門を潜り、敷地に入る幽鬼と魔理沙

 

「いえいえ!メイド長にゆき様は来たら入れるように言われているので!」

メイド妖精は門を閉めながら答える

 

「なんだぜ…幽鬼は私より来てるのか?」

箒を肩にかついでニヤニヤ笑う魔理沙

 

「まぁ…暇があれば来てますね…その変わりちゃんとやる事終わらしてからですけどね?」

 

「へ〜…結果、本好きなんだな?」

 

「…本………まぁ……そういう事ですね…とりあえず中に入りましょう?」

正面玄関から中に入りホールで雪をはらっていると

メイド妖精が側に寄ってくる

「ゆき様、お嬢様に報告してもよろしいですか?」

 

「あぁ…そうだね、お願いしてもいいかな?…こっちは二人で図書館に向かうからさ…」

 

「はい、かしこまりました!」

そう言ってメイド妖精は別方向へと走っていった

 

「なんか慣れてんな…次から幽鬼と来ればすんなり入れるかもな〜」

魔理沙が帽子を被り直しながら、話かけてくる

 

「そうですかね…?さて、行きましょうか」

図書館に向かって歩く幽鬼と魔理沙

 

(なーんか…幽鬼の雰囲気変わった様な…気のせいか…)

チラッと幽鬼を見てそう思った魔理沙だった

 

 

 

〜レミリアの部屋〜

 

レミリアとフランがチェスをしていた

 

「よし!チェック!」

フランが元気よく宣言をする

 

「………ぅ〜…」

レミリアは、チェス盤を見つめて唸っている

 

「いくら見つめても無駄よ、お姉様〜♪」

のんびりと紅茶を注ぐフラン

 

その時、部屋の扉がノックされる

 

「なにー?あいてるよー?」

レミリアの変わりにフランが答える

 

すると扉が開き、メイド妖精が入ってくる

「失礼します!妹様もこちらにいらっしゃいましたか!」

 

「なんのよう?お姉様はあの通りなんだけど…」

フランがカップの紅茶を飲もうとした時

 

「ゆき様がお見えしましたので、図書館にお通ししました!」

 

「お兄様がっ!?(ガシャーン!!)<アギャァアァア!!!>…あ……」

 

フランが手に持っていたカップが

レミリアに向かって飛び、中身が全てかかった

 

今日も姉妹は平和であった

 

「しゃくやぁーーー!!」

 

 

 

 

 

 

〜図書館前の扉〜

 

「なんか、前より広くなってないか?」

魔理沙がキョロキョロと見回す

 

「そうですか?」

 

「うーん…廊下が伸びてた様な気がするんだぜ…」

 

「そうですね…ここまで来るのに咲夜さんと美鈴さんにも会わなかったですし…とりあえず中に入りましょう」

 

中にいるパチュリーに会えば分かるだろうと二人は中に入る

 

 

「ん〜…若干、肌寒いぜ…」

魔理沙が身体を擦りながら

 

「そうですね…こあちゃんも奥にいるかな…」

 

「なぁ?幽鬼?」

 

「なんですか?」

奥に進もうと歩き出すと魔理沙に呼び止められる

 

「今更だが…パチュリー達となんかあったのか?」

 

「うん?どういう事で?」

首を傾げる

 

「神社でもさりげなく言ってたが…呼び方が変わってるような気がするんだが…」

 

「あぁ…呼びやすいって話になって…そう呼ぶようにしたんですよ…あれ?魔理沙さんも呼び方で呼びましょうか?」

幽鬼がそう答えると魔理沙は首を横に振り

 

「いや、大丈夫だぜ…何か…あのパチュリーが呼ばせてるのかって以外に思ったんだぜ…すまんな、行こうぜー」

そう言って魔理沙は先に歩き出す

 

 

「………いい加減、出てきたらどうで?」

ふと誰かに声をかける

 

「…やっぱり、分かっちゃいます?」

ひょこっと柱の影から現れる小悪魔

 

「それだけ色濃く見られてたらね…感じ取れたよ…咲夜さんとかは出掛けてるの?」

 

「そうですよ〜♪美鈴さんと人里に買い出しです…今年は冬が長いので備蓄の為です♪」

小悪魔は幽鬼の傍に近寄り、身体を擦り付けるように腕にくっつく

 

「……やっぱり長引いている…パチェさんはどう考えてるか聞いてるの?」

艶かしい雰囲気が消えない小悪魔に幽鬼は冷静に聞く

 

「それもパチュリー様に会えば…分かりますよぉ…//」

耳元で囁くように答える小悪魔

 

「…そうですか…じゃ…向かいますか…」

聞ける事は聞いたのでそそくさに歩き出す

 

「あんっ…//辛辣幽鬼さん//……いい//」

何故か身体をビクビクさせる小悪魔

 

ゆっくりと幽鬼の後を追いかけた

 

 

 

 

「……来たわね…」

 

「何してたんだぜ?」

 

いつもの席で魔導書を見ていたパチュリー

珍しくメガネをかけていた

 

魔理沙は傍に立って待っていた

 

「いやぁ…こあちゃんに絡まれて…」

幽鬼は二人のいる所に近寄る

 

「あれ?アイツいたのかぜ?」

 

「はい、本棚の影からひょこっと顔を出してきて…」

 

「ふーん…まぁ、広いしな…」

魔理沙と会話する幽鬼

 

「所でなんの様なのかしら?」

そんな中、パチュリーが声をかける

 

「ん?あ…そうだぜ、本を返しに来たんだぜ!幽鬼も一緒に返しに来たんだぜ!」

そう言って帽子から魔導書を取り出して、パチュリーに渡す

 

「いつもギリギリの持ってくるわね…幽鬼みたいにこまめに持って来なさいよ……延長するの?」

パチュリーは呆れながら魔理沙に聞く

 

「あぁ!もう少し借りたいぜ!」

ニカッと笑う魔理沙

 

「全く…少し待ってなさい…それ以外あるの?」

魔理沙にパチュリーは聞く

 

「あ、そうだ!ついでにこの冬の長さをどう思うか聞かせてくれだぜ!さっき聞いたが咲夜らが買い出し行く程の長さなんだろ?」

どうやら魔理沙はパチュリーに咲夜達の事を聞いたらしい

 

「……そうね…これは冬が長いだけ…」

魔理沙の持ってきた魔導書に魔法をかけ直しながら答える

 

「なんだ…お前も…(ただし…)ぜ?」

魔理沙の言葉を遮るパチュリー

 

「この冬には…春が無いのは確かよ…はい、コレ…次は早めに持って来る事ね…」

魔理沙に魔導書を渡す

 

「春がない…どういう事だぜ?」

魔導書を受け取り、しまいながらパチュリーに聞く

 

「……これ、分かるかしら?」

引き出しから小さな小瓶を取り出すパチュリー

その小瓶の中にピンク色に輝く花びらが入っていた

 

「おぉ?これは…なんだぜ?」

覗き込みながら聞く魔理沙

 

「……幽鬼?幽香の傍にいた貴方なら見た事…あるでしょ?」

パチュリーは幽鬼を見つめて聞く

 

「……何度か…でも、意図的に無くすって…」

 

「え…なんだ?なんなんだぜ?幽鬼!分かるように教えてくれだぜ!!」

1人会話を置いてかれ困惑し、幽鬼に聞く魔理沙

 

「あ、すみません…魔理沙さん、コレは…この花びらは春そのものです…」

 

「春そのもの…コレがか?こんな小さいのが春なのか?」

再び小瓶を覗き込む魔理沙

 

「小さいけれど…コレが集まればそれだけの力を持つ物になるわ…この世界を春にする力を…これは運良く拾った小さい物だけどね…さて、この意見を聞いて…魔理沙、貴女はどうするの?」

魔理沙の前に出していた小瓶をしまいながら聞く

 

「そんなん決まってるだろ…意図的に誰かが春を止めている…か…この春を集めている…これは…」

ニヤッと笑い、立ち上がり高らかに宣言する

 

 

 

 

「異変だぜ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

増えていく縁の輪

それは異変おも引く縁である

 

 

 





うぉー!!書いたどー!!

導入です!
小悪魔はあれから何があったのでしょうね…


とりあえず、ここから春異変!!
( º дº)<キエェェェエエェェェ!!

頑張って書きます!!

ここまで、読んでいただきありがとうございます!!


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春の失踪原因の追求、恋の欲求の追求


うへぇいヽ(゚∀。)ノ

作者の頭の中は春ですよー!!紳士ですよー!!

すげぇ!沢山書きたいですよー!
あ、注意です

前半パチュリーとイチャコラします

R17.9です

(´・ω・`)これから先ふえるよー?
いいですか?







( -∀-)ほんとに良いですね?












(`・ω・´)貴方たちも紳士だな!!



 

 

「異変だぜ!!」

魔理沙は高らかと宣言する

 

「ただ原因が分からないわね…今の異変をおこして、誰が得するのか…」

パチュリーが静かに言う

 

「二人とも何か思いあたるか?さっきの春をどうかしそうな奴とか…」

それを聞いた魔理沙が二人に心当たりを聞く

 

「春を無くす…うーん…遅らせる事に意味があるのでしょうかね?」

幽鬼は考えながら言う

 

「そうね…まぁ、私みたいに研究の為に採取するって話になると多すぎるわ…ほんの少量で構わないし…」

パチュリーも自分の思ったことを言う

 

「そういや、パチュリー…さっきの花びら拾ったって言ってたが…何処で拾ったんだぜ?」

魔理沙が先程の小瓶の事を聞いてくる

 

「あぁ…それは、外にいた美鈴が見つけて教えてくれたのよ…私はそれを採取しに行っただけなの…でも、そうね…今思えば不自然な落ち方だったわね…」

パチュリーが何か引っかかった言い方になった

 

「不自然な…ですか…どんな感じで?」

幽鬼が聞く

 

「そうね…何か…そう、例えると零れ落ちたみたいになってたのよ…転々と…薄くなってたから、確信はないのだけど…」

顔を上げて魔理沙と幽鬼に話す

 

「零れるって事は…誰か集めて盗んでるって事かぜ…」

魔理沙は肘を組ませて考える

 

「自分はちょっと思う所はあります…」

幽鬼がハッキリと言う

 

「お?なんだぜ?」

「何かしら?」

魔理沙とパチュリーが幽鬼を見る

 

「幻想郷にある春は消せない筈です…そんな事したら嫌でも冬眠中の紫さんが動きますよ…だとすると春は何処かに隠されてるか集められてる可能性が高いんじゃ?」

 

「その考え方は正しいかもしれないぜ…情報あつめるか…」

頷く魔理沙

 

「まぁ…動くとしたら、下調べも肝心よ…当てはあらのかしら?」

パチュリーが魔理沙に聞く

 

「まぁ!そこら辺飛んでれは何かヒントは出るだろうぜ!」

笑顔で答える魔理沙

 

「はぁ…貴女らしいわ…」

ため息をつくパチュリー

 

「魔理沙さんらしくていいですよ…」

幽鬼が答える

 

「さて!前は急げだぜ!!私は異変調査に出るぜ!幽鬼はどうすんだ?」

箒に跨って、幽鬼に聞く

 

「自分はもう少し居ますんで、大丈夫です…ちゃんと人里で買い物して大人しく帰りますよ…そうじゃないと、怒られるんで…」

幽鬼がそう話すと魔理沙が苦笑いをして

 

「あぁー…そうだったな…わかった、気をつけて行けよな?」

 

「はい、魔理沙さんも気をつけてくださいね」

 

「おうよ!じゃ!パチュリーまた来るぜ!」

魔理沙はそのまま箒で飛び出して行ってしまった

 

 

 

 

魔理沙がいなくなり、一気に静かになる図書館

 

「……やっと静かになったわ…」

パチュリーは深く椅子にもたれ掛かる

「でも、不思議と嫌じゃないでしょ?」

パチュリーの座っている椅子の肘置きに右手をつき、しゃがむ

 

「嫌じゃ無いけど…その…」

言い籠もるパチュリー

 

「もしかして…最初の話に置いてけぼりされたのが嫌でしたか?」

幽鬼はあいてる左手を伸ばし、

パチュリーの横髪をサラサラといじる

 

「そ…そんなんじゃ…ただ…魔理沙と来たのが…少し…//」

パチュリーも肘掛に置いてある幽鬼の右手を両手で握り締める

 

「……入口は?」

幽鬼が立ち上がりながら、パチュリーに何か確認する

 

「さっき、こあ…にあったのでしょう…」

パチュリーも椅子から立ち上がり、

幽鬼に近づき、身体に抱きついた

 

「しばらく大丈夫って事ですね…」

「そういう事よ…んっ…」

 

そのまま二人はキスを交わした

あれから、紅魔館に訪れる度に恋人という立場に変わり

パチュリーと小悪魔とは最低限の愛を育んでいるのだ

 

「ん…んっ…はぁ…」

離れたパチュリーの顔がほんのりピンク色に染まっている

薄暗く、今は二人きり…お互いに見つめ合う

 

「こんなことしてるって知れたら大変ね…」

パチュリーがボソッと言う

 

「そう?自分は何とかなると思うけど…」

パチュリーの紫色の綺麗な髪を触る

 

「んっ…未だに実感がわかないのよ…これは孤独な愛に飢えた私の妄想じゃないのかって…」

髪を触っている幽鬼の手を自分の頬に当てる

 

「…まだ、そんな事思ってんだ…ふーん…ま、ゆっくり実感していけばいいんだよ…」

 

「そうね…だ…だったら…あの…またアレして…?」

ギリギリ聞こえそうな声でパチュリーは幽鬼に頼む

 

「…ふふ…パチュさんは、やっぱり可愛いですね…いいですよ…」

そう言うと幽鬼はパチュリーが先程座っていた椅子に座る

 

「はい、どうぞ♪」

 

「……うん…//」

幽鬼が声をかけるとゆっくりとパチュリーが幽鬼の上に座って来て、幽鬼に背中から身体を預ける

パチュリーの柔らかい、いい香りが広がる

 

「…お、重くない…//?」

パチュリーが恐る恐る聞いてくる

 

「毎度聞いてくるね…それ…パチュは重くないよ…!」

 

「きゃっ…//」

パチュリーの腰に腕を回し抱き寄せる

 

「どうですか…お嬢さん♪」

パチュリーの耳元で囁く

 

「んぁっ…いい…//」

パチュリーの顔は惚けていた

 

すると幽鬼はパチュリーに問いただす

「……君は春の元をまだ隠し持っているよね?」

 

「え…そんなはずないわよ…さっきの小瓶だけよ…?」

パチュリーは幽鬼の顔を見る

 

「いいや…ここに実った果実二つにぷっくり芽が両方とも出てるじゃん…」

 

「え…きゃうっ//!!」

パチュリーのたわわな実の芽を二つとも指で弾く

 

「嘘は良くないよ?分かるんだから…異変の犯人は君かな?」

 

「んっ!んきゅっ…//!ンンンー//!!」

幽鬼が摘んだり、弾くと芽はすくすくと大きく成長する

 

「何かの成長魔法かな?両方芽が立ってきたよ?」

 

「はぁ…はぁ…いじわる…//」

息を切らして、涙目で答えるパチュリー

 

「いえいえ、コレは春を隠し持っているかもしれない…容疑者の身体検査だから…」

幽鬼はニコッと笑って答える

 

「へ…変な…疑いかけるの…だったら…勝負よ…私達の弾幕勝負で…」

パチュリーは息を切らしながら勝負宣言をする

 

「いいでしょう…まぁ、あれから鍛えたし…勝ちはまた貰いますよ…?」

意気込みを言う幽鬼は既にEXTENDをしていた

 

「…ふっ…幽香に…鍛えられたか知らないけど…勝つのは私よ…私に全部当てる事が出来るかしら?」

パチュリーも勝利宣言をして、準備をする

 

「何時でも来なさい…」

パチュリーが準備が終わったのを幽鬼に伝える

 

「手加減しないからね…」

 

勝負は始まった…二人の戦い

 

さて、勝負は着くのだろうか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その勝負を本棚の影で見ている小悪魔がいた

 

「うわぁ〜…いいなぁ…」

羨ましそうに二人の勝負を見ていた

 

「小悪魔さん、なにしてるですか?」

 

「うひゃっぁ!?」

後ろから声をかけられ、驚く

振り向くとそこにはメイド妖精がいた

 

「あぁ…ビックリした、なんでしょうか?」

 

「えーと、妹様からの伝言をお伝えにゆき様に会いに来たんです…いらっしゃいますか?」

首を傾げるメイド妖精

 

「あぁ…今取り込み…中…ですね…取り組み…はい…」

チラッと見る小悪魔

 

「ん?……あれ?いらっしゃいますね…?…あれ?パチュリー様もご一緒にいますね…」

メイド妖精が小悪魔の目線を追って気づく

 

「あはは…そうなんですけど…後で伝えときますよ…」

 

「分かりました…でも、何故…一緒の椅子に座っているのでしょうか…それに…パチュリー様がゆき様の上ではねteっ…(妹様に、後ほど幽鬼様はお連れすると言ってきて貰っていいですか!?お願いしますね!!)…あ、はい!そうでした!行ってきます!」

メイド妖精は小悪魔に頼まれて、図書館を後にする

 

「ふぅ…危ない…よかった、メイド妖精さん達が純粋な子供で…」

ホッと胸を撫で下ろす

 

 

「さて…私は…(肉を弾く音)…どうし…(イスが軋む音)よっ…(快楽に悶え苦しむ声)かな…」

 

 

 

「…………」

チラッと幽鬼達の方を見る

 

 

「…………」

視線を元に戻し

 

 

 

 

「さて…私はど(嬌声)ぅし(嬌声)よ…(嬌声)

 

 

 

 

 

 

 

「……(^ω^╬)」

 

 

 

 

 

 

 

小悪魔は黙ったまま、幽鬼達の方に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1時間後

 

 

 

 

 

「さて…フランちゃんの所に挨拶して…人里に向かって買い物しなくちゃ…お茶会もこの吹雪が収まってからだな…じゃ、二人ともまた来るからね…」

幽鬼は図書館を後にして、レミリアの部屋に向かった

 

その時、幽鬼に言葉を返した人物はいなかった…

幽鬼が出て閉まる直前に見えたのは

 

 

パチュリーが幸せそうな顔で椅子に座ったまま…気持ち良さそうに寝息をたてていた…ちゃんと風邪をひかないように幽鬼はブランケットをかけてあげていた

 

しかし、弾幕勝負途中乱入の小悪魔はなぜか自分自身の体液で全身を汚し、まるで獣か何かに襲われた後の様に瞳からハイライトが消え、本物の快楽の余韻に身を震わせている変わり果てた姿でテーブルの上に大の字で仰向けで倒れてるのが見えた

 

 

 

 

 

 

〜紅魔館廊下〜

 

 

 

「あぁ…迷った…さっきの廊下だったかな?」

幽鬼は迷っていた、やはり構造が変わっていたようだ

 

「一応…引き返してみよ…(幽鬼さん、こちらにいらっしゃったのですね…)…あ、良かった…助かったよ…咲夜さん」

後ろに振り返る同時に咲夜が目の前に現れる

 

「はい…買い出しから戻って、お嬢様のお部屋に伺ったら…幽鬼様が来ていると聞きましたので…先程、図書館に伺ったら…おらっしゃらなかったので…もしかしたら迷ってしまったのではと思いまして、お迎えに上がりました…」

咲夜はお辞儀をする

 

「いやいや…ありがとうございます…フランちゃんを待たせてしまってますよね?…案内お願いします」

 

「かしこまりました…こちらへ…」

咲夜が前を歩き出し、幽鬼がその後ろをついて行った

 

 

しばらく歩くと見慣れた扉の前に着く

 

「あぁ…良かった…着いた」

安心する幽鬼

 

「中でお嬢様方がお待ちです…失礼します、お嬢様…」

咲夜が扉を開けて中に入る

 

「おまたせ〜…って何があったの?」

咲夜の後に続いて入ると包帯で頭から顔をぐるぐる巻にされたレミリアが目に入る

 

「待ってたわ♪お兄様♪」

フランが幽鬼に抱きついてくる

 

「ふが、ふががげ…(訳:よく、きたわね…)」

口が塞がれてるので喋れないレミリア

 

「うん…来たけど…何があったの?(2度目)」

するとレミリアがフランをジト目で見る

「あはは〜…フランが持ってたカップを投げちゃって、お姉様に淹れたての熱い紅茶が顔面にかかっちゃって…えへへ…」

フランが説明する

 

「あぁ…でも、なんで投げたの?」

 

「お兄様が来たのを喜んで…投げちゃったの…えへへ…」

少し照れながらフランは言う

 

「ぶっがぐ…ふごぎはおぎぐぎはがいは…」

(訳:まったく…少しは落ち着きなさいよ…)

 

「まぁ…そんなに大事にならなくて良かったよ…傷は残らないんでしょ?」

抱きついているフランを離して、レミリアに近づく

 

「ふがっ…ふがぐいへ…」(訳:なに…近づいて…)

 

「うん、大丈夫だと思うよ?フランも前に火傷したけど…残らなかったよ?」

ヒョコッと幽鬼の後ろから覗き込む

 

「…ふーん…少し失礼…」

グイッとレミリアの口元の包帯をめくる

 

「ふぁっ!?ちょっと!?いきなり何よ!?傷が見えちゃうじゃないの…!?」

咄嗟に手で庇うレミリア

 

「やっぱり気にしてたんですね…でもちゃんとレミリアと話がしたかったので…良いですよね?」

じっとレミリアを見つめる幽鬼

 

「……か、勝手になさい…//」

赤くなるレミリア

 

「そういえば、お兄様は今日は何しに来たの?いつも通り…パチュリーの所に本を返しに?」

フランが幽鬼の背中におぶさる

 

「うん、それも会ったんだけどね…今回は少しお願いしに来たんだよ…この冬のことで…」

幽鬼はフランをちゃんとおんぶする

 

「……そういう事ね…幽鬼…」

レミリアミイラがカリスマを出す

 

「今回の冬は誰かが意図的に長くしているか、次の季節を遅らせてるか…でしょ?」

レミイラがとてもカリスマを出す

 

「流石、レミリア…その通り…今の所、魔理沙さんが動き出しているけど…一人だと心配なので手を貸して欲しいかなって思ったんだけど…」

 

「お兄様の頼みだったら、平気だよ♪ねぇ?お姉様?」

おんぶされているフランがレミイラに言う

 

「そうね…貴方には返しきれない恩があるから…それくらい何時でも頼りなさい…咲夜…聞いてたわね?」

 

「はい、かしこまりました」

扉の前に立っていた咲夜が返事をする

 

「ただし…咲夜に一つだけ言っとくわね…ちゃんと私達の元に帰って来なさい…?」

いつもより違う雰囲気で咲夜に言うレミイラ

 

「…は…はい…かしこまりました…」

何故そのような事言うのか分からない咲夜は少し困惑しながら返事を返す

 

「うー?お姉様?何か見えたの?」

「……」

幽鬼は黙っているがフランがレミイラに聞く

 

「少し…ね…でも、運命は決まる物でもないから…」

レミイラは吹雪く窓の外を見る

 

「大丈夫です…先程図書館に行ったらパチュリー様にコレを渡されました…」

青色の星マークが付いたボールを取り出した

 

「それは?」

 

「弾幕を打ち出せ…ナイフも入れられるマジックボールだそうです」

 

「そう、なら思う存分使いなさい…気をつけてね…」

レミイラが静かに咲夜に言う

 

「はい、行ってまいります…」

咲夜はお辞儀をして、その場からいなくなる

 

「さて、そろそろお暇するよ…」

フランを下ろしながら幽鬼も帰ると言う

 

「えー!もう帰っちゃうのー!遊びたかったー!」

フランがムスッとする

 

「ごめんごめん、また落ち着いたら顔出すよ」

屈んでフランに言う

 

「ぶー…じゃぁ…いつものしてよ…」

フランが両手を広げる

 

「じゃあねのギュー♪」

幽鬼がフランを思いっきり抱きしめる

 

「ギュー♪」

フランも一緒に言う

 

「………」

レミイラは静かに見つめる

 

「うん♪満足♪ちゃんと来てよねお兄様♪」

ぴょんと離れるフラン

 

「あぁ、ちゃんと来るよ」

 

「ふふ♪約束だよ♪じゃねぇ、お兄様♪」

そう言うとフランは部屋から出ていった

 

「……ふぅ…よし…次はレミリアの番だよ?」

幽鬼は振り返る

 

「………」

しかし、レミリアはそっぽを向く

 

「機嫌悪くなっちゃったかな…?」

窓辺の椅子に座るレミリアに近づく幽鬼

 

「………」

相変わらずそっぽ向くレミリア

 

「なら…勝手にしちゃうよ?」

そっと近くにしゃがみ、レミリアの手を取る

 

「…失礼致します…お嬢様…」

幽鬼はレミリアの手の甲にキスをする

すると、包帯が目の前に落ちてくる

 

「それじゃ…満足しないわ…」

顔を上げると綺麗な色白のレミリアの顔があった

 

「じゃぁ…どうしますか?」

 

「こうするの…んっ…」

幽鬼の口にキスをするレミリア

 

「はぁ…また来なさい…幽鬼(運命の人)

満足そうに離れてレミリアは言う

 

「はい…また来ますよ…レミリア(愛しい人)

幽鬼も微笑んで答える

 

 

 

 

そうして、レミリアの部屋を後にした…

 

 

 

正面玄関から外に出ると

 

「おや、幽鬼さんお帰りで?」

コートを着た美鈴が雪かきをしていた

 

「お疲れ様です…買い物帰りだと大変ですよね…」

美鈴の傍に歩み寄る

 

「いえいえ…少しでもしとかないと…外に出られなくなっちゃうんで…よいしょっと…フゥ…」

スコップを雪の山にさして一息入れる美鈴

 

その時、幽鬼が気がついた

「首元、寒そうですね…マフラーとかはしないんですか?」

 

「え?あぁ…!先程、咲夜さんに巻いて渡しちゃったんですよ!…何より、メイド服は冬服になっても寒いですからね…」

遠い目をする美鈴

 

「そうなんですか…じゃぁ…」

幽鬼が自分のマフラーを外し

 

「え…幽鬼さん?なんで外して…?」

 

「これを使ってください♪」

そう言って美鈴の首ににマフラーを巻く

 

「あ…ありがとう…ございます…」

マフラーを巻かれた美鈴はなれない事だったので少し困惑しながらお礼を言う

 

「じゃ、風邪を引かないようにー」

そう言って幽鬼は門をくぐり帰っていった

 

 

1人になった美鈴は

 

「本当に不思議な人ね…お嬢様達が惹かれるのも納得いく…本当に…不思議…」

巻かれたマフラーを触れ、幽鬼が去った門を見つめていた

 

 

 

その後、幽鬼は何事もなく人里に着いた

 

「ふぅ…チルノとかやっぱり元気だったな…霊夢にやられてたっぽいけど…」

人里の門番にすんなり入れてもらい、お店を目指す幽鬼

 

「お鍋かな…どうしよっかな…」

そんな事を考えて進んでいたが

「みょんっ!?」

「うぉっ!?」

曲がり角で人とぶつかってしまう

 

「すみません、大丈夫でしたか…あ…」

幽鬼は咄嗟に声をかけてるが、ぶつかった相手を見て固まる

 

 

「い、いえ…私も前をよく見てなかったので…」

そう答える半人半霊の少女

傍には白い魂のような物がいた

頭には黒いリボンと黒いカチューシャをつけ、

この雪景色でも、銀色に近い白い髪は綺麗に輝き、肌も白い

白いシャツの上に青緑色の左胸に霊魂があしらわらたベストを着ていて、胸元に黒い蝶ネクタイを付けて、スカートも青緑で同じく霊魂をあしらった柄が描かれていた

 

そして、彼女が背負っている二本の刀

 

長刀「楼観剣(ろうかんけん)

短刀「白楼剣(はくろうけん)

 

 

そして、その刀を生かす能力

 

剣術を扱う程度の能力を持つ

 

冥界の庭師兼剣の指南役

魂魄 妖夢

 

しかも、今起こっている異変の首謀者の従者なのだ

 

「…あ、怪我とか大丈夫ですか?」

直ぐに怪我の有無を聞く

 

「大丈夫です、すみませんでした…」

軽く頭を下げる妖夢

 

「いえいえ…こちらこそ…では、失礼しますね…」

幽鬼も軽く頭を下げてからその場を離れる

 

「……」

しかし、その後ろ姿をじっと見つめる妖夢がいた

 

 

「あの人…沢山春を持ってる…」

ボソッと言った妖夢だった

 

その後、幽鬼は買い物を済まし…途中であった慧音の軽い立ち話をして、神社に帰路についた

 

 

「ふぅ…ただいま戻りました…っていないか…」

玄関から声をかけるが、霊夢が既に居ないことは分かっていた

居間に向かい、中に入るとコタツの上に置き手紙があった

 

「えーと…なになに…(面倒臭いけど、ちょっと行ってくる…夕飯作って待ってなさい!)…かっ…」

その時、玄関が叩かれる

 

「ん?誰だ…はーい、どちらまさでー?」

幽鬼が玄関に向かって声をかける

 

「幽鬼?いるかしらー?私、アリスよ」

確かに薄暗く映るシルエットはアリスだった

 

「アリスさん?ちょっと今開けますね」

玄関に降り、扉を開ける

 

「ごめんなさいね、こんな時に…」

少し髪が濡れていたアリスが立っていた

 

「いえいえ、寒かったでしょ中に入ってくださいよ…」

 

「えぇ…お邪魔するわね…」

 

アリスと幽鬼は居間に向かった

 

「これで、髪の毛拭いてください…ちょっとお茶入れますね…」

幽鬼は手ぬぐいをコタツに入ったアリスに渡す

 

「えぇ…ありがとう…」

受け取った手ぬぐいで拭き始める

 

「それで?なんの御用で?」

幽鬼もコタツに入ってから、お茶を入れながらアリスに聞く

 

「霊夢と魔理沙に頼まれたのよ…貴方が異変に首を突っ込まないようにって…でも、魔理沙ったら…少し春を持ってただけで疑って弾幕勝負よ…大変だったわ…」

 

「そ、そうだったんですね…なんかすみません…あ、お茶です…」

謝りながら、アリスにお茶を出す

 

「ありがと……貴方が謝ることでは無いわ…それに霊夢が気になる事を言い残したから…」

アリスは出されたお茶にゆっくり口をつける

 

「気になる事…?」

 

「えぇ…行き際に(幽鬼を一人にしちゃ行けない気がする…)って…言い残したのよ…」

湯呑みを置きながらアリスは言う

 

「一人に…ね…なんかあるんかなぁ…霊夢さんの勘はいつ何でも凄いからなぁ…」

 

「そうね…霊夢は鋭いわ…まぁ、そう言う訳でここに来たのよ…」

 

「そういえば、上海と蓬莱は?」

幽鬼はいつもアリスにくっついていが見当たらないのを聞く

 

「あの子たちはお留守番させたわ…ちょっと…あの…」

「??」

その時、ガタガタ!!と廊下の窓が激しく揺れる音がする

 

「あぁ…雪が強くなってたんで、つれてこなかったんですね?」

幽鬼が言うと

 

「そ、そうなの!ちょっと風で飛ばされたりしたら大変だったから…お留守番…させたの…」

何故かアリスは顔を下に向ける

 

「ん?どうかしました?」

首を傾げる幽鬼

 

「と…隣に移っても…い、いいかしら?」

今アリスは幽鬼の真向かいに入っている

 

「??…別に大丈夫ですよ?」

 

「そ、そう?…じゃぁ…」

アリスは幽鬼の横に移り、入り直す

 

「これから、どうしますかねぇ…」

幽鬼はチラッと時間を見るが夕飯の支度には早かった

 

「そ…そうね…どうしようかしら…」

何故か隣に座った途端、ドギマギしているアリス

 

「うーん…何か暇潰せる物があったか見てきますね…」

幽鬼はコタツから出て立ち上がる

 

「そ、そう…分かったわ…待ってるわね…」

 

「直ぐに戻りますんで」

幽鬼はそう言って居間から出て、押し入れのある部屋に向かう

 

「何かあったっけなぁ…んっ?」

廊下を歩いてると突き当たりに何かが浮いていた

 

「あれは…(御無礼お許しください…)え…うがっ!?」

目を凝らしてよく見ようとした瞬間、幽鬼は後ろから何者かに当て身され気を失う

 

「……おっと…すんなりいけました…」

幽鬼が倒れた音で気づかれないように支える人物

 

「待っていてよかった…半霊、いきましょう…」

その少女は人里から後をついてきて、幽鬼が一人になる所を狙っていたのだ…

 

何故なら、彼女の目的は…

 

 

「この方の溜まった春があれば…充分に足ります、お待ちを…我が主、幽々子様

 

 

幽鬼の身体に溜まった春なのだから…

 

 

 

 

 

「遅いわね…何してるのかしら…」

幽鬼が今を出ていって三十分位経とうとしていた

 

「……少し見てこようかな…」

アリスはコタツから出て、幽鬼が向かった部屋の方に向かう

 

「幽鬼ー?どうしたのー?」

廊下を歩きながら声をかけるアリス

 

しかし、返事は返って来なかった…

 

「………まさか…!?」

アリスは端から部屋を調べるが何処にも幽鬼の姿は無かった

 

「……何処に…あ…玄関!!」

最後に玄関に向かうが、幽鬼の靴とコートは残っていた

 

 

「………」

アリスは顔が青くなる…だが、それが答えなのだ

 

「行かなきゃ!!まだ、霊夢達に追いつけるはず…!!」

アリスは急いで、靴を履き玄関から飛び出していく

 

「…こんな時の為に…魔理沙に人形持たせといてよかったわ…」

アリスは魔法糸を発動し、糸が伸びる方を見る

 

「あっちね…急いで、合流しなきゃ…」

糸が伸びる方にアリスは飛んで向かう

 

 

 

 

「幽鬼…待ってて…必ず…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

吹雪の吹き荒れる中…アリスは目指した

 

人間の友達であり、好意を抱く彼の元へ

 

 





いいぞもっとやれと言う紳士淑女の方はどうか評価お願いします

こんな感じで変態が妄想を書くのが増えてきますので
ご了承ください

( -∀-)書きたいんです

ここまで読んでいただきありがとうございます!


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美しく集まる春



どんどん書いていきます
亜麻乃です

霊夢達にサイドのシーンを書いてから
どんどん異変を深くしていきます!


( -∀-)それではどうぞ!!


 

 

〜とある廃村〜

 

 

「まったく…ここも外れね…」

大幣を振り、肩にかけ服に着いた雪を払う霊夢

 

「でも、霊夢よぉ…ここは外れって言う外れでは無いと思うぜ?」

箒を振り回し、肩にかける

 

「そうね…マヨヒガ…って所らしいし…」

チラッと霊夢が目線をやるとそこには先程、霊夢に負けた

 

ここを住処にしていて、猫の楽園として気づきあげた妖怪

緑色のZUN帽を被った茶髪のショートヘアーにリボンが付いた赤と白の長袖のワンピース服といういでたちで、ピアスの付いた黒い猫耳に同じ色の猫又が特徴

 

妖術を扱う程度の能力を持つ

 

八雲の名を継ぐ、式の式

 

八雲 橙

 

「うにゃ〜…いきなり来て酷いよぉ…」

膝をついて、項垂れる橙

 

「アンタがいきなりふっかけて来たんでしょ…だったら相手をするのが妥当なのよ…」

霊夢と魔理沙は異変調査の為に色んな所を飛び待っていたのだが…いつの間にかマヨヒガに入り込んでしまったらしい

 

「にゃ…こんな所に来る人間なんて…そうそういないから、甘く見てた…藍しゃまが入れば…」

 

「……やっぱり…アンタは藍の式神だったのね…」

納得した霊夢

 

「にゃ?藍しゃまを知ってるの?」

橙は驚く、自分の主を知っていたことに

 

「知ってるも何も…私は博麗霊夢よ?聞いてないの?」

横目で橙を見る霊夢

 

「にゃー!?気づかなかったよー!ごめんなさいー!」

橙はペコペコと謝ってきた

 

「なんだ、あの狐の知り合いなのかぜ…」

話を聞いていた魔理沙が割り込む

 

「そうね…アンタ、今回の事は藍から何か聞いてないの?」

霊夢は橙に聞くが

 

「藍しゃまとは一昨日から会ってないから分からないの…でも、何か調べていたのは確かだよ…ボソッと聞いたけど…紫しゃまを起こすかも…って言ってた…」

橙の表情と言い方を見て霊夢は

 

「そう…なら、藍にあったら言っときなさい…今回の異変は少し厄介かも知れないって…」

静かに言う

 

「お?そうなのか?霊夢?」

魔理沙が横から聞く

 

「あくまで…勘よ……嫌な予感か増したわ…」

空を見上げて霊夢が言う

 

「そうだな…なぁ?マヨヒガの出口あるのか?」

魔理沙が橙に聞く

 

「あるよ?そうだね…猫達に案内させるから…正し!ここの物は持ってっちゃダメだからね!!」

 

 

 

 

その後、橙の指示を受けた猫が先導し、2人はその後をついて行った…

 

「あんがとな、気をつけて戻れよー」

「ニャー…」

魔理沙が案内してくれた猫にお礼と別れを告げていた

 

しかし、霊夢は空に飛び上がり辺りを見ていた

 

「……やっぱり…ね…」

霊夢はボソッとつぶやく

 

「おーい!霊夢ー!何してんだぜー?」

魔理沙が霊夢の所に浮いてくる

 

「……嫌な予感が…当たったのよ…」

霊夢が大幣で前を指す

 

「嫌な予感?……ん…あれ…まさか…」

魔理沙が霊夢の指した方向に目線を向けると

血相を変えて、結構なスピードでこちらに向かって飛んでくる

上海と蓬莱を引き連れたアリスの姿があった

 

「アリスじゃないかぜ!?」

魔理沙もアリスの方に飛ぶ

 

「………」

霊夢もその後を追う

 

 

「アリス!何があったぜ!?幽鬼を見てるんじゃ!?」

いち早く動いた魔理沙がアリスに話しかける

 

「良かった…間に合って…大変なの…幽鬼が神社から居なくなったの…」

かなり急いでいたのか、魔理沙達に会って安心したのか声が震えていた

 

「落ち着けって!とりあえず、深呼吸して落ち着け…」

アリスを落ち着かせる為に傍による

 

「ごめん、私が目を離した隙に…(幽鬼は自分から居なくなったの?)…それは無いわ…」

霊夢に聞かれて、否定するアリス

 

「……靴とか…そのままだったの…だから…(誰かに連れ去られた可能性が高いって訳ね…)…えぇ…」

アリスの話を聞いて霊夢は黙り込んだ

それを見たアリスは申し訳なさそうに話始める

 

「言い訳にしかならないけど…私は何故、幽鬼が連れ去られたのか分からないの…今回の異変は春でしょ?…まったく幽鬼と関係無い筈なのに…」

 

「…えぇ…大丈夫よ…それは分かってる…ただ今回の異変は…簡単に終わりそうに無いわね…」

異変が長期化する事を予想する霊夢

 

「……見つけ出して…連れ帰るわよ…」

その言葉は雪の吹き荒れる音でかき消させる

 

 

 

 

 

 

 

〜雪が積もる森の中〜

 

 

「ふぅ…ふぅ…やはり、男性を1人で運ぶのは大変ですね…」

神社から連れ出した幽鬼を背負い一人歩く妖夢

 

「しかし…この人の中に秘められた春は…一度に集める量を上回る…背中が凄く暖かい…これは集めて知った春の暖かさに間違い無い…」

ゆっくりと歩みを進める妖夢

 

「あともう少しで…入口…そこからは一気に飛んで中に入りますか…」

妖夢はわざと空を飛ばずに途中から歩いてきた

何故なら彼が博麗神社の関係者であるからだ

 

「あの方に…謝罪しなければなりませんね…しかし、だからこそ…今…なんですよね…」

彼女は目指した、彼女の帰るべき場所、主が待っている場所

 

冥界の入口へと

 

 

 

 

 

 

しかし、事は上手くいかなかった…

 

 

 

「その方を何処へお連れするんですか?」

何処からか声が聞こえ、歩みを止める妖夢

空いている片手で背中の刀に手を伸ばす

 

「……もう一度聞きます…その背負っている男性を如何するおつもりで?」

次はハッキリ聞こえ場所を特定し

 

「そこか!!」

妖夢は刀を振り払い、斬撃を飛ばす

 

何本か切れた木が倒れる

木が倒れ、雪が舞い、その舞う雪の中から

立場も同じ…だが、異変調査に乗り出した紅魔館のメイド長

咲夜の姿があった

 

「いきなりのご挨拶ですね…という事は…貴女は異変の首謀者か…関係者ですね……」

咲夜はサクヤボールからナイフを取り出す

 

「…貴女に教える事なのど一切御座いません……」

妖夢は剣先を咲夜に向ける

 

「…図星と言う事ね…なら、尚更…逃がす訳には行きません…そして、その方も返していただきます…」

咲夜が構え、いざ勝負と始まろうとした瞬間

 

「なら…この方がどうなってもよろしいと?」

剣先を咲夜から外し、背負っている幽鬼の首元に刃を近づける

 

「…っ…!どう言うつもりで…」

咲夜は構えたままその場で動きを止める

 

「どうも何も…人質と言うやつです…貴方はこの方の深い知り合いそうなので…近づくと…分かってますね?」

更に幽鬼の首元に近づける

 

「…そんな逃げる為の…(嘘じゃ、ありませんよ?)…っ!?」

妖夢は何の躊躇もなく幽鬼の首に刃を当てる…

当てた所から血が刃を伝い垂れ、落ちた所の雪が赤く染まる

 

「さぁ…どうしますか?大人しくしているか…私がこの方を切って戦うか…」

 

「ぐっ…」

動けなかった…何故なら妖夢の言っている事は本気だと分かったからだ…

 

「貴女も…従者なのね…」

 

「……そうです…主の為なら、私は手を汚します…」

お互いに持つべき主がいる、

主の為なら、自分の命でさえ捧げる覚悟がある事を…

主の為なら、多少の犠牲は仕方ない事を…

主の為なら、自分を邪魔する物を排除する事を…

 

主の命令で動いている咲夜には今の幽鬼は邪魔する物でしかない…多少の犠牲なのだ…

今までの咲夜だったらどうなろうが動いてた

 

 

 

しかし、今の咲夜は

 

 

 

「………分かったわ…手を出さない…から…その方を…幽鬼さんには…何も…しないで…」

幽鬼の為にナイフを手放した

 

 

 

「…貴女も少し、春をお持ちですが…見逃します…この方の春の量に比べたら…少ないので…」

ゆっくりと後ろに下がる妖夢

 

「………」

歯を噛み締めて、拳を握る…爪を立てていたのか…血が垂れる

 

「そうです…直ぐに追いかけられると困るので…」

妖夢がそう言った直後

 

「がっ!?」

咲夜は後ろから何かに殴られ、膝をつく

 

「少し…気絶していて貰います…では…」

そう言って妖夢は幽鬼を連れたまま、飛び去って行った

 

「…ゆ…きっ…さ…」

意識が薄らていく中で咲夜が目にしたのは…

咲夜を後ろから体当たりして殴った半霊が妖夢の後をついて飛び去る光景だった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後

 

 

「まったく、手がかりがないぜ…」

 

「いえ…必ず何処かにある筈よ…」

 

「………」

 

魔理沙、アリス、霊夢が三人で空中から辺りを探していた…

その時…

 

「おい!あれ!!?」

魔理沙が何かを見つける

 

「誰か倒れてるぜ!?」

魔理沙はそう言って下に降りていく

 

「…魔理沙!…たくっ…ほら、アリス行くわよ!!」

「え、えぇ!」

魔理沙の後を追う、霊夢とアリス

 

 

「おい!大丈夫かぜ!!」

魔理沙が地上に降り、倒れている人物に駆け寄る

うつ伏せに倒れ、雪に少し埋もれていた

 

「おい!しっかりしろよ!…っうら!…おい…って…」

魔理沙は仰向けにして、抱き上げ、顔を見て気づく

 

「魔理沙!」

「ちょっと…どういう事よ…」

アリスと霊夢が追いつき、霊夢が見て驚く

「なんで、咲夜がここにいるのよ…」

 

「生きてるの…?」

アリスが魔理沙の向かいにしゃがむ

 

「あぁ…少し身体は冷えてるが…息はしてるぜ…」

魔理沙が咲夜の呼吸を確認する

 

「そう…なら一先ず身体を暖めましょう…何か…あ…」

アリスは咲夜の傍に落ちている、星マークの付いたボールが目に入る

 

「これは…もしかして…」

アリスはボールを拾い上げて、調べ始める

 

「ん?…それ、パチュリーが作ってた奴だな」

ボールを調べているアリスに魔理沙が言う

 

「……前に聞いた、外から来た魔法使いね…なら…」

アリスが何か魔法をかける

 

すると

 

カチッ…プシュー…

と音を立てボールが横に開く

 

「やっぱり…あった…春…」

中を見るとナイフが入っている層の真ん中に動力源があり

その動力は春の欠片だった

 

「魔理沙、それを彼女の首のマフラーと一緒に巻いて!」

アリスはほんの少しだけ春の欠片を取り出し、差し出す

 

「わかったぜ!」

魔理沙はアリスから春の欠片を受け取り

咲夜の巻いているマフラーを一旦外して、春の欠片を挟み、再び咲夜の首にマフラーを巻く

 

すると、直ぐに咲夜の顔色が良くなってくる

 

「流石…春の力ね…小さくても人の身体だったら暖めるのに充分よ…」

アリスは開いたボールを元に戻す

 

「目が覚めたら…話を聞くぜ…」

2人は咲夜が目覚めるのを待った

 

 

「………」

魔理沙とアリスが咲夜を見ていた時

霊夢は辺りを調べていた

 

「………切られてまだ、新しいわね……」

数本の木が切られ、断面を調べると切られたばかりだった

 

「そして…薄くなっているけど…咲夜、以外に伸びる足跡…」

咲夜が倒れていた所から、正面に位置する所に咲夜とは別の足跡が雪で消えかかったが残っていた

 

「……ん…あれは…」

消えかかった足跡の近くをよく見ると雪が赤くなっていた

 

「………これは…」

霊夢は近くにより、確認する

すると

 

「霊夢!咲夜が気が付いたぞ!!」

魔理沙に声をかけられ、

霊夢は一度調査をやめて、傍による

 

 

「……ぁ…ぅ…」

 

「おい、咲夜!何があったんだぜ!?」

薄ら目を開けた咲夜に魔理沙が声をかける

 

「ちょっと…魔理沙、落ち着きなさい…気づいたばかりなんだから…咲夜…だっけ…大丈夫かしら?」

魔理沙に注意をして、アリスが声をかける

 

「魔理沙…と…貴女は…?」

 

「そうね…こんな状況だけど…私はアリス・マーガトロイド…魔法使いよ…」

 

「…そう…貴女が…十六夜…咲夜よ…」

互いに簡単に自己紹介する

 

「挨拶はそこまでにして貰っていいかしら…咲夜…何があったの…」

「そうだぜ!何でこんな所で気失ってたんだぜ!?」

霊夢と魔理沙が咲夜に訳を聞いてくる

 

「…わ…わたしは……そうだ…早く!追わないと!!」

咲夜は思い出した用で慌てて起き上がる

 

「ちょっと!少し、落ち着きなさい!短いかもしれないけど、こんな雪の中で倒れてたのよ!」

アリスが落ち着かせる

 

「止めないでください!!早く…追わないと!!」

 

「……幽鬼を見たのね…」

今にも飛び出しそうな咲夜に霊夢が話しかける

 

「なに…!?」

「えっ…!?」

 

「そうだとすると…この状況とタイミングが合うのよ…アリスが私達と合流した時に…貴女は…幽鬼を連れたソイツとここで対峙した…そして、幽鬼を盾にされて…って感じじゃない…あくまでも、この現状を見ての推測だけどね…」

霊夢がこの場を監察した見解を咲夜に言う

 

「……流石は霊夢ね…そう、お嬢様の指示を受けて…私も異変調査をしていたの…紅魔館で幽鬼様は人里で買い物をされてから神社に戻ると仰っていたので…連れられていた時…何かに巻き込まれたと思って…声をかけた…そしたら…」

 

「あの…切れた木ね…」

霊夢が先程の切れた木を見る

 

「……そう、ただ声をかけただけで、警戒心が凄かった…そして…後は霊夢の言った通りよ…幽鬼さんを…盾にされて……私と同じ…従者だった…主の為なら…人の命でさえ…」

悔しそうに語る咲夜

 

「でも、貴方は…幽鬼の命を守った…それは感謝するわ…」

霊夢がポンッと咲夜の肩に手を乗せ、礼を言う

 

「そうだぜ、命大事だぜ!」

ニカッと笑う魔理沙

 

「幽鬼が無事なら助けられるわ…そいつはどんな奴だったの?」

アリスは咲夜に幽鬼を連れ去った犯人の容姿を聞く

 

「えぇ…私が見た限りの事を教えるわ…」

咲夜は霊夢達に幽鬼を連れていた人物を説明し始める

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜????〜

 

 

「ただいま、戻りました…」

妖夢は縁側に座る風格のある女性に声をかける

 

「遅かったわね…妖夢…もう少しで咲きそうよ…」

女性は空に漂う、春の花弁を見つめる

 

「はい、順調に春が集まっています…あの木が咲くのは時間の問題でしょう…」

妖夢は奥の方にある大きな枯れ木に目線を向ける

 

春の欠片は一定方向に流れていた…

それは大きな枯れ木である…桜の木…

 

その名も

 

西行妖(さいぎょうあやかし)

 

 

「咲いたら綺麗な桜が見れるのが楽しみね…」

嬉しそうに言う女性

 

 

「そうですね…西行寺 幽々子様…」

 

 

彼女が異変の首謀者であり

好奇心によってもたらされた異変

 

 

 

春を取り込み…

 

力を溜め込む…

 

 

 

二人はまだ知らない…

 

これから起きる、惨劇を…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春はまだ、来ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






書くたの!!
書きたいことをかけるうちに書けないと
(´・ω・`)書けなくなっちゃうお…

(`-ω-´)ふふん!騒ぎやって甘デレかくで!


最後まで読んで頂きありがとうございます!!


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咲き始める枯れた桜の木



(。・ω・)ノ ども!亜麻乃です

今回は幽鬼目線から始まって、ちょっこっと霊夢達のシーンが出てきます!












取り敢えず宣言はしときますね?

庭師とその主人は対象に入ってますので


( `∀´)紳士の皆さん!待っていてください!!


 

 

「ん…あれ…?」

幽鬼が目を覚ますと布団に寝かされていた

 

「何処だ…ここ…いてっ…首痛てぇ…」

首を擦りながら、起き上がる

 

「確か…神社にアリスがきて…夕飯作るのは早いから…」

幽鬼は一つ一つ思い出す

 

「あれ?俺誘拐された?」

辺りを見回し確認すると見慣れない部屋だった

 

「これ霊夢さんに怒られるな…」

布団から出て、襖に手をかけて開けると

 

「うぉっ!?」

開けた瞬間、白い霊魂が視界に入った

 

「え…え…?」

霊魂は幽鬼を確認すると

フワフワと廊下を一定の距離を進むと止まってこちらを見た

 

「え…何??」

恐る恐る…廊下に出て、霊魂の近くまで歩く

すると、また一定の距離を進み、止まる

 

「あ、ついて行けばいいんですね…」

理解した幽鬼は霊魂の後をついて行った

 

しばらく霊魂の後をついて行くと…

中庭沿いの縁側に出る

とても広い屋敷でここまで来るのに三分位経った

 

「あれは…全部、春の欠片か…」

縁側から外を見ると空にはピンクの花弁が舞っていた

しかも一定方向に流れていて、目で追うと

 

「……あれが…あの木が…」

そのまま視線を前に戻すと

先程まで案内していた霊魂が止まっていた

 

幽鬼が霊魂に近づくと

 

「案内ご苦労様…貴方は仕事に戻りなさい…」

幽鬼はその声を聞いて動きを止める

案内していた霊魂が屋敷の中に戻っていく

 

霊魂の影で見えて無かった風景が解放される

 

 

「目が覚めたみたいね、春の運び屋君♪」

 

幽鬼の目の前に現れた女性…

ピンク髪のミディアムヘアーに水色と白を基調としたフリフリっぽいロリィタ風の着物にZUN帽といういでたち。帽子の三角の形をした布が何となく幽霊を想起してしまう。靴は青いリボンの着いたパンプス

 

ほんわかした声でマイペースのゆえ

その性格は飄々としておりその真意が掴み辛い

 

死を操る程度の能力と言うチート能力を持つ

 

二つ名 幽冥楼閣の亡霊少女

 

この春雪異変の首謀者

西行寺 幽々子

 

 

 

その人がこちらに話しかけて来た

 

「………」

「あら〜?どうかしたの?」

幽鬼はそのまま反応が返せなかったが

幽々子は首を傾げて心配した

 

「まぁ、立ち話もなんだし、隣に座りなさいな♪」

そして、マイペースな幽々子は隣に座るよう促す

 

「…あ、あの…」

「大丈夫よ〜♪取って食ったりしないから♪」

幽鬼が不安がっていると思い、幽々子は微笑んでくる

 

「それに貴方に色々と説明もしなきゃだからね♪ほら、座って♪」

最終的に幽鬼の腕を掴み、隣に座らせた

その手は細く柔らかく冷たかった

 

「はい♪良くいらっしゃいました♪……まぁ、妖夢が連れて来ちゃったなのだけどね…♪」

未だに微笑みながら話しかけてくる

 

「そうだ♪初めましてだから、自己紹介しなくっちゃね♪」

ポンと手を叩き幽々子は、幽鬼の顔をじっくり見て

 

「改めまして、私はこの冥界の管理者…西行寺幽々子よ♪よろしくね♪…貴方のお名前は?」

幽々子は何処か楽しそうに聞いてきた

 

「……か、風華…ゆ…幽鬼と言います…」

声が裏返る幽鬼

 

「ん〜?風華…幽鬼ちゃん…あぁ♪…紫が言ってた♪幽香のお気に入りの子ね♪そうでしょ?」

嬉しそうに幽々子は幽鬼に聞く

 

「いや…まぁ…その…そうです…」

幽鬼は幽々子に押されっぱなしである

 

「そうなのね〜♪…うん、だから幽鬼ちゃんは春を沢山持ってたのね〜…納得〜♪」

 

「ちゃ……ちゃん?」

幽々子のマイペースにやはり困惑する

 

幽鬼は春が集まっていく西行妖が視線に入った

 

「ねぇ…幽鬼ちゃんはあの木を見てどう思った?」

すると、それに気づいた幽々子が聞いてくる

 

「え…あの木を…見てですか?」

幽鬼が聞くと幽々子は頷き、再び幽鬼は西行妖に目を向ける

 

幽鬼はどう言えばいいのか分からなかった

何せ、西行妖の事はよく知っていた…

 

「歌聖」と呼ばれた人物を父にもち、古い記録には「富士見の娘」と書かれている。

幽々子の父親である歌聖は、己の望み通り、満開になった桜の木の下で永遠の眠りにつく…

 

その後、歌聖を慕っていた者達も後を追うように、満開になったその桜の下で死んでいった…

その桜は死んでいった者達の生気を次々と吸い取っていき、ついに妖力を持つ妖怪桜、「西行妖」となってしまう…

 

そして幽々子もまた自身の「人を死に誘う能力」を疎い、西行妖の下で自らその命を絶つ…

 

その後幽々子の死体によって西行妖は封印され、二度と満開にならないようになった…

 

そして、幽々子は縛られ亡霊となり復活を遂げる

生前の記憶を代償に…

 

 

それが幽鬼の知っている事だった…

しかし…

「大きい…桜の木だなって…あそこまで大きくなるのは凄いですよね…!」

幽鬼は単純な意見を言った

 

「……そう…そうでしょ?…だから…咲かすの

幽々子は一瞬何処か寂しげに言う

 

「あんな大きい桜の木を咲かせたら綺麗じゃない♪」

だがいつも通りマイペースに戻った

 

幽々子は幽鬼に説明をした

ある日、幽々子は書架にあった古い記録から「何者かが西行妖に封印されている」ことを知った…

しかし、西行妖は春になっても絶対に満開にならない…

だが、逆に考えれば、満開になれば封印が解けるのではないか…そう考え、幻想郷の春を集めて咲かせればいいと思い付いたのだ…

妖夢に命じて幻想郷中の春を冥界に集めそれを成そうとし…

妖夢もまた主の指示のもと春を集め、冥界へと送っていったらしい…

その道中に、計り知れない程の春を蓄積している幽鬼に偶然出会い、連れてこられたらしい…

 

「そして、私は仮説を立てたの…何者かは…この家の歴史に関わる…富士見の娘なんじゃないかなって…」

西行妖を見て幽々子は語る

 

「私はその人に聞いてみたいのよ…」

 

どうして貴女は死を望んだのか

 

 

結論づけると興味本位

 

「私は死んだ事がないからね♪亡霊だから♪」

微笑む幽々子

 

「そ…そうなんですね…」

幽鬼は複雑な思いだった

 

ここで止めるべきか…

このまま続けさせるか…

 

 

「迷ってる見たいね♪」

幽々子に言われる

 

「え…」

 

「幽鬼ちゃんは貴方のしたい事をしなさいな…」

幽々子はそう言うと立ち上がり

 

「楽しいお喋りの時間は終わりのようね…」

フワッと空に飛び上がり

 

「そこから見てなさい♪冥界の特別な桜を♪」

そう言って西行妖に向かって行った

 

 

「……」

幽鬼は黙って、その後ろ姿を見ていた

 

 

 

 

 

 

 

〜数分前、幻想郷上空〜

 

 

霊夢達、四人は雪の降る冬空にいた

 

「くそ…手がかりが無さすぎるぜ…」

魔理沙が苦い顔をする

 

「そうね…咲夜が言ってた、幽鬼を連れ去った人物の容姿はわかったけど…魂ね…本当に魂が貴女を殴ったの?」

アリスが咲夜に確認する

 

「えぇ…うっすらだけど見たわ…あれは魂か何かだとおもうのだけど…後はさっき話した通りよ…」

咲夜が答える

 

「それだけしっかり、情報があれば…繋がるわよ…後は場所よ…」

霊夢が周りを見回す

 

「場所か…春を集めてんなら…集まってる場所が分かれば…いいんだけどなぁ…」

魔理沙がボロっと言う

 

「「「それよ!!」」」

霊夢、アリス、咲夜が声をあげる

 

「ずぇぜ!?」

魔理沙がビックリする

 

「なんで根本的な事を忘れてたのかしら…全く…魔理沙に気付かされるんなんて」

霊夢が自分自身に呆れる

 

「はぁ…そうね…異変の本当の理由を忘れてたわね…魔理沙が純粋で助かったわ…」

アリスもため息をつく

 

「魔理沙、貴女はたまにはちゃんとしてるのね…」

咲夜は魔理沙を褒める

 

「お前ら褒めてるのか、それ!?」

魔理沙がツッコミをいれる

 

 

「それなら…話が早いわ…集まる方へ行けばいいのよ…」

咲夜がサクヤボールを開け、先程と同じように春のカケラを取り出して、今度はカケラを手放す

 

咲夜の手から離れたカケラは空に飛んで行った

それも一定方向へ

 

「あっち見たいね…!」

「行きましょうか…!」

「見失わないように…!」

霊夢達、三人が追いかけ始める

 

「なんか…納得行かないんだぜ…」

苦い顔して魔理沙も後を追いかける

 

 

 

飛ばした春を追いかけて、しばらくすると

 

 

「はーるでーすよー!」

元気な声が聞こえてくる

 

「この声は…」

追いかけながら辺りを見ると

 

「春がありましたー!!」

「うぉっ!?」

魔理沙の後ろの方から小さい女の子が飛び出してくる

 

「やっと春を見つけたですよー!!」

涙目の女の子

 

「誰よ?」

 

「その子が春告げ妖精よ…」

霊夢が聞くとアリスが教える

 

 

金髪または明るい茶髪で、赤いラインの入った白いワンピースに揃いのとんがり帽子

春が来たことを伝える程度の能力 を持つ

 

名をリリー・ホワイト

 

どうやら、必死に春を探していたみたいだ

 

「春を感じるのに全然来なくて…やっと感じたんですよー」

必死に着いてくるリリー

 

「ねぇ、貴女は春がどの辺にあるか分かるのかしら?」

咲夜がリリーに聞く

 

「分かりますよー!でも、直接とかじゃなくて何となく感じてるだけなんですよー……何処にあるか…までは…」

 

「方向がわかるの?あっちにあるとか…」

霊夢が聞く

 

「そこの人間さんが持っているボールの中と…あっちの空の方です…でも、春は無かったです…感じたんですが…」

リリーはしょんぼり言った

 

「それだけで十分よ…案内できるかしら?」

 

「良いですよー!春が見つかるのであればー!」

そう言って、リリーは先行して飛び始める

 

「これで動けるわ…」

霊夢がすぐ後ろを追いかける

 

「幽鬼…無事だと良いけど…」

「アイツは大丈夫だぜ!行くぞ!」

アリスと魔理沙がその後に続く

 

「次こそ…助けます…」

咲夜が最後尾で追いかける

 

 

 

リリーの後を追いかけて着いた場所

 

「ここで春が途切れているんですー!でも、そこにあるんですよー!」

リリーは指さして言う

 

「何もないぜ…」

「そうね…周りは変わらず雪景色ね…」

魔理沙と咲夜が辺りを見て言う

 

「霊夢…何かあるのかしら?」

アリスが霊夢に聞くと

 

「そうね…確かに見えないわね…でも…」

霊夢が何かの印を結び札を投げる

 

すると

 

空間にヒビが入り、ガラスが破れるように崩れる

 

 

「こんな結界、私には通用しないわ!」

 

そして、大きな何かの門がそこに現れた

 

 

「これは……」

 

「扉かぜ…?」

咲夜と魔理沙が驚いていると

 

 

「あぁー!あの扉の奥に春がありますよー!!」

 

「やっぱり春は来てましたー!伝えなくてはー!」

 

 

リリーは嬉しそうに飛び跳ねながらどっかに行ってしまった

 

残された四人は

 

「じゃぁ…この先に春が集められて…」

 

「異変の首謀者もそこにいるってわけだぜ!」

 

「そして…幽鬼さんも、そこに…」

アリス、魔理沙、咲夜がそれぞれ門を見つめていると

 

 

「でも、素直に行かしてはくれないみたいね…」

霊夢が大幣を振り、構える

 

 

「凄い!凄い!今日はお客さんが沢山だよ!」

 

「そうね、リリカ…ルナサ姉さん、準備はいい?」

 

「えぇ、大丈夫よ…メルラン、リリカ…」

 

現れた少女達は姉妹のようだ…

演奏隊としての制服なのか、三人ともカラーリング以外は似通った服装をしていた

三角錐状の返しのある帽子を被り…三角錐の頂点に飾り付きである

白いシャツのようなものの上にベスト状の衣装を着たような構造の服を着て、ベストは襟と肩部分にフリル付きで、ボタンは二つ付いていた

スカートだが、それ以外の部分では三人それぞれで、カラーリングを始め細部が異なっている物を着ていた…

彼女達は騒霊のプリズムリバー三姉妹である

 

共通の能力・手足を使わずに楽器を演奏する程度の能力

そして、三姉妹はそれぞれ能力を持つ

 

長女:ルナサ・プリズムリバー

 

能力 鬱の音を演奏する程度の能力

二つ名 騒霊ヴァイオリニスト

担当 弦楽器(ヴァイオリンが得意)

 

次女:メルラン・プリズムリバー

 

能力 躁の音を演奏する程度の能力

二つ名 騒霊トランペッター

担当 管楽器(トランペットが得意)

 

 

 

三女:リリカ・プリズムリバー

 

能力 幻想の音を演奏する程度の能力

二つ名 騒霊キーボーディスト

担当 主に鍵盤楽器とパーカッション(全ての楽器が得意

 

 

 

「あんたら何者…?」

霊夢が構えたまま三姉妹に聞く

 

「人間では無さそうね…」

アリスが霊夢の横に来る

 

「私達は騒霊演奏隊~♪呼ばれてきたの〜♪」

リリカが元気に答える

 

「これからお屋敷でお花見よ〜、私達は音楽で盛り上げるの」

メルランも笑って答える

 

「でも、あなた達は参加も演奏できないの」

ルナサが静かに答える

 

「お前らを倒せば、扉は開くのか?」

魔理沙が構える

 

「そうね、それは私達の演奏を聴いてからにしない?」

リリカはキーボードを取り出し

 

「お代は見てのお帰りで〜♪」

メルランがトランペットを取り出す

 

「邪魔な雑音は無くすのがいい…」

ルナサもヴァイオリンを取り出した

 

「だったら全員かかって…(魔理沙…)おん?」

魔理沙が前に出るがアリスが止める

 

「私がこの子達の相手をする…貴女達は先に行きなさい…」

アリスが前に出る

 

「そう言うなら任せるわ…」

霊夢が答える

 

「でもよ〜…開くのかぜ?あの扉?」

魔理沙が霊夢に聞く

 

「あの程度の結界で私を止められると思ってんの?」

「……ふっ…そうね…霊夢、お願いするわ…」

「だな!!」

霊夢の言葉を笑って返す咲夜と魔理沙

 

 

「そう聞いて黙って通す訳には行かない…」

ルナサがヴァイオリンを引こうとした時

 

「シャンハーイ!!!」

「!?」

上海が槍を持って突撃してきた

 

「させないわよ!」

アリスが複数の人形を出す

 

「さぁ!行って!春と幽鬼を取り返して来なさい!!」

 

操符「乙女文楽」

 

アリスがスペルを発動し目眩しをする

 

 

「霊夢!咲夜!掴まれ!!一気に行くぜ!!」

「えぇ!」

「ぶつかるんじゃないわよ!」

魔理沙に言われ、霊夢と咲夜が箒に掴まる

 

「行くぜ!!魔符「スターダストレヴァリエ」

箒の後ろから星の弾幕を撒き散らしながら突っ切って行く

 

アリスと一緒で弾幕で目眩しをした

 

「頼んだわよ…」

アリスはその後ろ姿を見送った

 

 

「んもー!鬱陶しい星!」

リリカが声をあげる

 

「でも、貴女一人で大丈夫なのかしら?」

メルランがアリスを見る

 

「リリカ、メルラン…集中して…この人強いよ…」

ルナサが静かに二人に激似いれる

 

「早く貴女達との劇を終わらせなきゃね…貴女達の音楽が私の人形達の演技に追いつけるかしら…」

アリスの服の至る所から人形達が飛び出してくる

 

「シャンハーイ!!」

「ホウラーイ!!」

上海と蓬莱もアリスの前に現れる

 

 

 

 

 

「さぁ…人形劇の始まりよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

操る糸は人形達の繋がり()

彼女もまた繋がり()の操り師

 

 






書いたの!!

もう少し続きます!!

※後書きのネタががが!!



ここまで読んでいただきありがとうございました!!


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開花する桜、その代償



もう少し長くなりますね…

(´・ω・`)ど、どうやって終わらそうかなっと考えております

(;´Д`)読みずらくてごめんなさい


 

 

〜幽鬼が目覚める前〜

寝ている幽鬼を側で見ている影があった

 

 

 

「まさか、あれだけの春を溜めていたとは…正直ビックリしました…」

彼をここに連れてきた張本人の魂魄妖夢だった

 

「……この人は、普通の人間の筈なのに…不思議ですね…」

妖夢は幽鬼の顔を覗き込む

 

寝息を立てている顔は、何処と無くあどけなさがあった

妖夢は頭からゆっくりと幽鬼の身体を見る

 

「……私より、見た目は一つ、二つ上か…または年下って感じですね…でも、何でしょう…見ていると…不思議な感じに…」

妖夢は何故か寝ている彼をお世話したいと言う保護欲に近い気持ちがふつふつと出来てきた

 

「…………はっ!何を考えてるんだ!」

妖夢は頭を振り、幽鬼から目を背ける

 

「連れてくる時は底まで、気にしなかったのに…そりゃ…確かに当身して連れ去りましたが…それは幽々子様の為に春をお持ちしただけで…彼が気になったとかそんな事は…」

何故か頬が赤くなってる妖夢

 

「でも…あの洋装の従者の方は…この人とはどんな関係ないなのでしょう…主人と従者では無い事は確かですね…では…友人…?しかし、手が出せない状況に悔しそうな目をしていた…あれは…友人同士と言う形には見えなかった…それよりもっと深い………恋仲……」

その時、妖夢の心がズキッと痛んだ

 

「………いや…考え過ぎでしょう…もし、恋仲だとしたら…必死に……なって…………」

妖夢は思い出していた…彼の首に刃を当て、脅した時の彼女の目を…もし彼を切っていたら…

同じ立場でだけあって感じた、自分自身も大切な人を奪われたり、盾にされたら…

 

「………くっ…」

妖夢は自分がした事を悔いた…

 

主の名に従い春を集めていた

たまたまあった彼は沢山の春を持っていた

それだけだった…

 

根は真面目な妖夢は彼女にあったらどうしようか思った

 

 

同時に彼女が羨ましく感じていた

 

 

 

 

 

妖夢は幽々子に報告する為、縁側に向かった

 

「幽々子様…」

 

「あら、妖夢…お客さんの様子はどうだった?」

妖夢が人里で買ってきた団子を手に幽々子が聞いてきた

 

「身体の方は大丈夫そうです…」

幽々子の側で正座する

 

「そう♪良かった♪……あれだけの量の春を貰っちゃったから少し心配だったの、魂ごと取れちゃったとかあったら大変だからね〜♪んっ♪おいひぃ♪」

幽々子は団子を食べながら答える

 

「……そう…ですね…」

妖夢が静かに答える

 

「ん〜?妖夢どうしたの〜?お腹痛いの?お団子食べる?」

幽々子がそう言って団子を差し出す

 

「いえ、大丈夫です…て言うか…お腹痛かったら、団子も何も食べれませんよ…」

ジト目で幽々子に言う

 

「うふふ〜♪それもそうね〜♪」

そう言ってまた食べ始める幽々子

 

「はぁ…」

妖夢がため息をつく

 

「ん〜♪美味しかった♪………妖夢?」

食べ終わった幽々子が話しかけてくる

 

「なんでしょう…」

「貴女もしかして、あのお客さんを好きになっちゃった?」

ニコッと言う幽々子

 

 

ひと間の静寂

 

 

 

 

「何を言ってございまするか//!!」

妖夢声が屋敷中に響き渡る

 

 

 

「あら?違うの?」

幽々子が首を傾げる

 

「そんな事ある筈無いじゃないですか//!!」

必死に訴える妖夢

 

「その割に顔が赤いし…満更でも無さそうに感じるんだけどぉ〜?」

ニヤニヤと幽々子に言われる

 

「ありえません!!それに彼にはもう恋仲が!!」

「あら?なんで、妖夢が知ってるの?」

口走った妖夢に幽々子が突っ込む

 

「いえ、あの…ここに彼を連れてくる時にあった…洋装の従者の方の…様子を見て…ですが…」

しどろもどろになる妖夢

 

「ふーん…それはメイドって言う子ね…紫から聞いた事があるわ…確かに妖夢と立場が同じ…ふふっ…そう言うこと…」

何かを察した幽々子は妖夢の頭を撫でる

 

「ゆ…幽々子様…」

 

「確かに妖夢…貴女がした事は良くない事だわ…でもそうさせたのは私よ?……妖夢はただ従っただけ…それでも貴女が気になるのであれば…素直な気持ちで謝りなさい…」

微笑む幽々子

 

「わかりました…幽々子様…」

頷く妖夢はやっぱり凄いお方だなっと尊敬し直した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の言葉を聞くまでは

 

 

 

 

 

 

 

 

「ついでに盗っちゃう事も謝りなさい♪」

いい笑顔で言う

 

 

 

 

 

 

「だから!何でそうなるんですかぁ!」

 

 

「え〜お似合いに見えるよね〜♪」

幽々子はニヤニヤして言う

 

「冗談やめてください!本当に!」

さっきの尊敬を返して欲しい妖夢

 

「でもね〜♪彼を最初見た時、初めてあった感じがしないの〜、これも何かの縁なのかしらね〜♪」

一人で納得する幽々子

 

「もう、いいです!仕事に戻ります!さっきも言った通りここにその方が向かってくる可能性があるので、入口を警備しています!それじゃ!お願いしますね!」

そう言ってドタドタと妖夢は行った

 

 

 

「んもぅ♪冗談が通じない子なんだから♪……でも…あながち冗談ですみそうに無さそうね……私は……」

そう言って彼が起きてくるのを…

一人静かに待っていたのだった…

 

 

 

 

 

 

 

〜屋敷に続く長階段の途中〜

 

 

「まったく…幽々子様は本当に何を言ってるのか…」

ブツブツと階段を降りていく妖夢

 

「あぁー!もう!私らしくない!」

降りるのをやめて、叫ぶ妖夢

 

「こんな事してる場合じゃないのに…はぁ…よし、落ち着こう…取り敢えず、今日のお夕飯のおかずは一品減らそ…ん?」

落ち着きを取り戻し、妖夢は気づいた

 

「もう…ここまで辿り着きましたか…一人…では無さそうですね…」

先程の雰囲気はどこえやら、神経を研ぎ澄ます妖夢

 

「仲間を集めましたか…しかし、ここは通す訳には行きません…主の為に…」

妖夢はその場で侵入者を迎え撃つ事に決めた

 

 

 

〜冥界入ってすぐの場所〜

 

「結構すんなり入れたわね…」

「あれがすんなりなのかぜ?」

魔理沙が霊夢にジト目を向ける

 

「入れたんだから問題ないでしょ…それとも置いてかれたかったかしら?」

霊夢が睨み返す

 

「二人ともそこまでよ…進みましょう…」

前に立っていた咲夜が後ろにいる二人に声をかける

 

「…おう…」

「そうね、さっさと行きましょか…」

三人は前に伸びる石階段を上がり始める

 

 

 

 

 

階段を登り始めて暫くたった

 

「長ぇなぁ…何処まで続くんだぜ…」

魔理沙が遠く伸びる階段を見上げて

 

「暫く続く様なら飛んだ方が良さそうね…」

霊夢も同じく足を止めて階段を見ていた

 

「そんな事していたら…いつまで経っても着かないわよ…」

先行して前にいる咲夜が霊夢達に言う

 

 

 

 

「貴女方が辿り着く事はありません」

凛とした声が響く

 

 

 

「おぅ…現れたぜ…」

「2本の刀に…白い魂を連れた奴…」

魔理沙と霊夢はそう言って構える

 

「…………二人とも…ここは私が相手になるわ…だから先に言ってちょうだい…そして、私は貴女に借りを返さなきゃ…納得行かない…」

咲夜がナイフを一本取り出す

 

「そう易々と貴女方を通すことなど…!」

妖夢が三人に飛びかかろうとした瞬間

 

 

幻世「ザ・ワールド」

 

周りの時が止まる

 

 

 

 

 

 

 

 

そして…時が動き出す

 

 

「ないのです!………なに…!?」

妖夢が斬りかかった場所には誰もいなかった

 

「こちらですよ…」

 

「!?」

妖夢の背後から声が聞こえ、振り向く

 

 

「タネのない、手品はお好きかしら?」

咲夜が指の間にナイフを持って立っていた

 

 

 

「私達を運んだのかぜ…」

「そうね、手間は省けたわ…」

咲夜の後ろの階段の先をよく見ると

霊夢と魔理沙が上の段の方にいた

 

妖夢は交互に見るが、目の前にいる咲夜がこちらを見つめたまま、構えている

 

「あの時は何も手が出なかったですが…今回は私が勝ちます…」

咲夜は妖夢に静かに言う

 

「……そうですか…分かりました、お相手致します…」

妖夢も刀を抜き構える

 

「そう言う事だから…貴女達は先に行きなさい…幽鬼さんをお願いします…」

咲夜は霊夢と魔理沙に声をかける

 

「えぇ、お願いね…簡単に負けるんじゃないわよ!」

霊夢が飛び去る

 

「怪我すんなよ!異変解決まで後もう少しだぜ!!」

魔理沙も続いて箒に跨り飛び去る

 

 

 

二人を見送った咲夜は前に向き直る

 

「さぁ…始めましょう…」

静かに妖夢に言う

 

「……その前にお名前を聞いてもよろしいでしょうか…お互いにこれから…名も知らぬ用では…」

 

「……私は紅魔館に使えるメイド長…十六夜 咲夜よ…」

咲夜はすんなり答える

 

「…十六夜咲夜さん…ですね…分かりました…私の名は魂魄 妖夢と言います…この先にある白玉楼で庭師兼剣術指南役をしてます…以後お見知り置きを…」

 

「…魂魄…妖夢…ね…貴女には色々と言いたい事があるのだけど…まず先に…決着をつけましょう…」

咲夜は深く深呼吸して、妖夢を見据える

 

「そうですね…話をする前に…始めましょう…」

ゆっくり目を閉じる妖夢

 

 

 

 

風が吹き、辺りの桜が舞う

 

 

 

 

 

 

風が止み、辺りは静寂につつまれた瞬間

 

 

 

動いた

 

 

 

カヂンッ!!

お互いの持つ刃物の刃がぶつかる音が響き渡る

 

二人の従者による勝負が切って落とされた

 

 

 

 

 

一方先に進んだ二人は……

 

 

「ここね…」

「だな…でけぇ屋敷だな…」

二人は白玉楼の門の前にいた

 

「行くわよ…」

「あぁ!解決と行こうぜ!」

そう言って二人は中に入っていった

 

 

 

 

屋敷の中を進み、中庭に着くと縁側に

見知った顔が座っていた

魔理沙がいち早く駆け出し声をかける

 

 

「幽鬼!」

「あ、魔理沙さん…霊夢さん…」

幽鬼は反応を返すが何処か元気がない

 

「大丈夫かぜ?何されたのかぜ?」

魔理沙が肩に手を乗せて聞く

 

「えぇ、大丈夫です…怪我も無いですが…」

「そう見えないから、魔理沙が聞いてるんでしょ?」

幽鬼の言葉に魔理沙の背後から霊夢が声をかける

 

「…………」

俯く幽鬼

 

「何を知ったか分からないけど…ここで待ってなさい…」

霊夢が背を向けると、西行妖の方を見る

 

「そうだな…幽鬼、ここでアリス達が来るのを待っていろ!」

ニカッといつも通りの笑顔を見せる魔理沙

 

「はい、霊夢さん達も気をつけて…本当に…」

幽鬼の言葉を聞いて霊夢が飛び立つ

 

「あ、おい!霊夢!…なんだんだ…仕方ねぇ!」

魔理沙は幽鬼の言葉に違和感を持つが霊夢が早々に行ってしまった為に魔理沙も後を追った

 

「…………」

幽鬼は二人の背中を黙って見送った

 

 

 

 

 

「やっと突き止めたわ…」

異変の元凶と首謀者の元へ辿り着く霊夢

 

「たくっ…ここは死霊ばっかでうんざりよ…」

霊夢は目の前に浮いている人物に言うように

 

「あらあら…勝手に人の家と庭に乗り込んできて…文句ばっか言ってるなんて…貴女がどうかしてるわよ…」

幽々子が口元を扇子で隠しながら言う

 

「まぁ…ご覧の通り…うちは死霊ばっかだけどね…♪で、用件は何かしら…見事な桜に見とれてたの?」

微笑みを霊夢に向ける

 

「否定はしないわね…ここまで来るのに見事な桜だったもの…綺麗に咲いてたわね…」

霊夢は睨みつけながら言う

 

「あら♪ありがとう♪もしかして、ただのお花見かしら…割と場所は空いてるんだけど…」

幽々子は辺りを見回しながら言う

 

「そう…じゃぁ…お花見でもしていこうかしらね…」

「でも、あなたはお呼びではない」

呑気な事を言う霊夢の言葉を冷たく返す幽々子だが

 

「そうそう…思い出した…私達はうちの神社の桜で花見をする予定なのよ…ねぇ…魔理沙?」

 

「そうだぜ!こんな辛気臭い所で春なんか迎えられるか!」

霊夢がそう声をかけると後ろから魔理沙が現れる

 

「あら…失礼な言い方ね…家の花見は賑やかよ?」

現れた魔理沙に言う幽々子

 

「へ〜…ここに着く前にちょっと賑やかそうな奴らに会ったが…それだけだぜ!」

魔理沙は八卦炉を構える

 

「そんなわけで…集めた春と幽鬼は返して貰うわよ…?」

霊夢も大幣の先を幽々子に向ける

 

「そう…貴女達には冥界の桜は目に毒かもしれないわね…」

残念そうに言う幽々子

 

「でもね…もう少しなの…もう少しで、西行妖(さいぎょうあやかし)が満開になるの」

 

「一体なんなの…その西行妖って…その後ろのバカデカい桜の木の事でしょうけど…」

霊夢が西行妖を睨みつけながら言う

 

「うちの妖怪桜…まぁ…まだ、この程度の春じゃ…この桜の封印が解けないのよ…後もう少し…」

幽々子が静かに答える

 

「わざわざ封印してあるのに…解かない方がいいんじゃないの…なんの封印だか判らんし…」

 

「そうだぜ…霊夢の言う通りだ、と言うか…封印といて何かいい事でもあるのかぜ?」

 

「結界乗り越えてきた貴女達が言う事なのかしら…封印解いたら…すごく満開になるわよ」

 

「「…………」」

 

「ふふ…それと同時に、何者かが復活するらしいの」

幽々子は二人の反応を面白がりながら言う

 

「興味本位で復活させちゃダメだろぜ…」

 

「そうね…何者かわからないし、マズイ奴だったらどうすんのよ…面倒臭い…」

 

「お前の発言もどうかと思うぞ…博麗の巫女…」

魔理沙が霊夢をジト目で見る

 

「私も興味本位で人も妖怪も死に誘えるわよ…試して見ないと判らないわ…それに…お呼ばれしてない貴女達がここにいる時点で死んだも同然…と言うより、ここに居る事自体が死んだと言うことよ…貴女達が持っているなけなしの春があれば本当の桜が見れるわ…」

幽々子が静かな言葉で語る

 

「さっきも言ったが…私らはお断りだぜ!こんな辛気臭い春は初めてだぜ…やれなねぇよ…幻想郷の春は返してもらうぜ、死人嬢!!」

 

「そうね…冗談はそこまでにして、幻想郷の春を返して貰おうかしら、待たせてる奴もいるし…お花見の準備もしなくちゃだしね…」

霊夢と魔理沙はスペルカードを取り出す

 

 

「最初から…そういえば良かったのに…貴女達のなけなしの春をいただくわね…」

 

 

 

「「やれるもんならやってみなさい(みろ!!)」」

霊夢と魔理沙が飛びかかる

 

 

「貴女達の短い生命と共に散りなさい…」

幽々子が弾幕を展開する

 

 

 

「花の下に還るがいいわ、春の亡霊!」

 

「花の下で眠るがいいわ、紅白の蝶!」

 

 

 

 

 

幽々子と霊夢達の弾幕勝負が始まった

 

 

 




書きたくて、書きたくて、書けないよー♪


(´・ω・`)どうやら頭に限界が来たようだ!

もう少し紳士に成長しないとな……( - ̀ω -́ )✧


ここまで読んで頂きありがとうございます!


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望まぬ散る生命



※この作品は戦闘シーンはあまり上手くはありません
※もう少ししたら、戦闘なく終わりにしたいです
※後半会話で(…)が無駄に多いのでご注意ください


なぜなら






私は紳士なのです( - ̀ω -́ )✧



ネタバレ・今回で1回主人公お亡くなりになります


 

 

「始まったか…」

幽鬼は西行妖の方を見て、呟く

幽々子と霊夢と魔理沙による弾幕勝負が始まったのだ

 

「あんだけのガチ弾幕は俺には無理だからなぁ…行っても足でまといになるなだけだし…はぁ…」

そう言って、ため息をつく

 

弾幕が放たれる音、弾幕が何処かに当たって消える音

霊夢と魔理沙のお互いに掛け合う声

それが幽鬼の居る縁側までに届く…

 

「…………どうしたら…」

幽鬼は立ち上がり、少し庭に歩いて前に出る

 

 

 

 

「幽鬼(さん!)!」

 

「え?」

 

その時、後ろから呼ばれて振り向くと

服の端が焦げているアリスと咲夜が飛び降りてきた

よく見ると気を失った妖夢を連れていた

 

「怪我はありませんか(ない!?)!?」

 

「え…うん…大丈夫です…」

二人同時に言われ、少し驚きながら答える

 

「あぁ…良かった…いきなり居なくなるんだもの…」

アリスはホッと胸を撫で下ろす

 

「そうですね…私も幽鬼さんが連れてかれて行くのを黙って見ていた様な物ですから…無事で良かったです…」

咲夜も何処か肩の荷が降りたみたいだ

 

「あの…二人が連れてる…その人は?」

幽鬼が気を失っている妖夢の事を聞く

 

「あぁ…咲夜が弾幕勝負に勝った子よ、とか言う…私も別の子達の相手をしていて…追いついた時に決着がついたみたいでね…そうでしょ?」

アリスが咲夜に確認すると

 

「そうですね…この子も強かったです…主に対する思い…同じ従者として関心しました…だからこそ負けられませんでした…」

そう言うと妖夢を縁側に寝かせる咲夜

 

「幽鬼さん…私はこの子と一戦交えてながら考えていました…なぜ、主でも何でもない…まして、紅魔館の…私の家族でもない…貴方をこんなにも助けたいと言う気持ちになった事を…貴方がこの子に連れていかれた時…凄く悔しかった事を……」

声を震わせながら喋る咲夜

 

「……そして……お嬢様…妹様…パチュリー様…小悪魔と…仲良くいらっしゃる時の…胸の苦しみ…苛立ち…特に…お嬢様やパチュリー様との御関係には…私自身が嫌になる程の苦い気持ちが出てきました…」

咲夜は今まで、幽鬼が紅魔館に顔を出す度に感じていた思いや自分以外に向けられる幽鬼の別の思いの寂しさ

 

「…………」

 

「え…どういう事…?」

幽鬼は黙ったまま聞いていたが

咲夜が言った事にアリスが驚く

 

「…しかし…私は今に気付きました…貴方の側にいる…お嬢様達の笑顔…を見て…嫉妬していたのだと…私にも…貴方の…側にいさして欲しいと…貴方の…その笑顔を…私にも向けて欲しいと……!!……何番目でも…何人目でも…構いません!!…だから…どうか!!私も…いえ…この咲夜を愛してください。

咲夜は言い終わるとゆっくりお辞儀をして、ゆっくり顔をあげた…

 

そして…

 

 

「貴方をお慕いしております…」

 

咲夜は見せた事のない微笑みを向けて言った

 

 

 

「……幽鬼…」

アリスは後ろから声をかけ、様子を見る

 

 

「……すー…はぁー…」

幽鬼は深く深呼吸をする

 

「……咲夜さん…その気持ちはありがとうこざいます…自分も嬉しいです…しかし…それは本当に…自分に向けて出来た好意ですか…?自分は咲夜さんが知っている通り…最悪な…男ですよ…複数の…女性と関係を持っていて…そんな事になっているのに決められない…情けない…男です…」

咲夜の顔を見て幽鬼は言う

 

「今も…この関係に甘えている…クソ野郎です…」

拳を強く握って悔しそうに言う

 

「…幽鬼さん…そんな事を仰らないでください…貴方の能力の事はお嬢様から聞いております…その能力のせいで、私に気持ちが芽生えたと思っていらっしゃるのでしょう…確かにそうかも知れません…しかし、この気持ちは嘘も偽りもない……本物でございます…」

咲夜は幽鬼の側に近づき、そっと手を握る

 

「貴方がこうして…手を握ってくださった時…とても温かく…嬉しかった…貴方と料理を作っていた時の会話もとても楽しかった…そんな貴方だからこそ…私は…惹かれました…」

ゆっくり握っていた手を離し、幽鬼の横を通り過ぎ

 

「いきなり申し訳御座いませんでした…今、伝えなければ…しっかり、この異変を終わらせられなかったと思ったので…返事の方は…全てが片付いたら聞かせてください…では、私も霊夢達の勝負に加わってきます!!」

そう言って咲夜は霊夢達の弾幕勝負に加わる為に向かった

 

 

その場に残る幽鬼、そして後ろで黙って見ていたアリス

 

「…こんな奴なんですよ…アリスさん…」

「え…」

そう言ってアリスの方に振り返る

 

「でも、これだけはアリスさんにも分かって欲しいのは…自分は…関係を持った人達には真面目な想いで向き合わせて貰っています…言い訳にしかなりませんが…その想いに応えたいので…それだけは…聞いていたアリスさんにも…」

申し訳なさそうに言う幽鬼

 

「…………はぁ…貴方も、お人好しの…バカね…貴方が裏切るような性格だったらこの場でぶん殴ってたわよ…でもね…短い時間だけど一緒にいたからこそ…貴方はそんな性格じゃないのは分かってるわよ…」

そう言ってアリスは浮き上がる

 

「私も行くわね…ちゃっちゃと終わらして、貴方に文句の一つや二つ言わなくちゃならなくなったから…ちゃんと待ってなさいね!!」

ビシッと指をさして、霊夢達の方へ飛び去って行った

 

 

「なーんか…色々起こりすぎて…処理が追いつかないや…」

幽鬼はとりあえず、縁側に座り直した

 

「…………」

そこへ妖夢の半霊がふよふよと近づいて来た

 

「はは…待ってよっか…」

幽鬼がそう言うと、半霊が膝の上に乗って来た

 

「何事もなく終わればいいけど…」

半霊を撫でながら、ボソッと幽鬼は言った

 

 

 

 

 

〜西行妖の根元〜

 

 

 

 

 

「あぁ!!くっそ!うっとおしいぜ!!」

魔理沙がギリギリを弾幕を躱していた

 

「魔理沙!下がりなさい!突っ込み過ぎよ!」

霊夢が弾幕を躱しながら、弾幕を撃つ

幽々子の弾幕はより密なレベルであり、避けるのが精一杯だった

 

「魔理沙!横!」

「やべっ!?」

霊夢が声を上げて魔理沙に言うが避けるのが間に合わない

しかし、当たる直前に魔理沙の姿が消える

 

 

「……くっ…あ…さ、咲夜?」

気づくとさっきの場所より後ろに移動していて、魔理沙の目の前に咲夜がいた

 

「無茶しすぎよ…それでやられたら元も子も無いわ…」

咲夜がナイフを構えて魔理沙に言う

 

「助かったぜ…咲夜、幽鬼にあったか?」

帽子を被り直し、咲夜に礼を言う魔理沙

 

「えぇ…ご無事でした…それだけで、十分です…後は、この闘いを終わらして…答えを聞くだけです」

「そうか……って?答えってなんだ?」

魔理沙が聞くが咲夜は目の前から消えて、弾幕勝負を始める

 

「……なんだぜ…」

「約束した女は強いのよ、魔理沙?」

「うわぁっ!?アリス!?」

ポカンとしていた魔理沙の後ろにアリスが現れる

 

「ほら?さっさと終わらせるわよ魔理沙……?上海!蓬莱!」

「シャンハーイ!!」

「ホウラーイ!!」

アリスも弾幕を展開して幽々子に挑み始めた

 

 

「……なんなんだぜ…一体…」

状況が掴めないまま魔理沙も後から追う

 

 

 

 

「多勢に無勢…幾ら集まろうと…桜の開花は止まらないわよ…」

 

亡舞「生者必滅の理 ‐魔境‐」

 

スペルカードを発動し、より弾幕が濃くなる

 

「まだ、貴女達はどこまで足掻くのかしら…ふふ…」

「うっ!まだ、スペルがあるの!?」

霊夢は幽々子のスペルの難易度の高さを改めて実感した

 

「もう少し……わかる…もう少しで…西行妖は咲くわ…」

 

桜符「完全なる墨染の桜 ‐封印‐」

 

 

「!!!……おいっ!?後ろのデカい木が!?」

「なに…あの怪しい光…気味が悪いわね…」

「なんなの…温かい…けど冷たく…恐い…」

魔理沙、咲夜、アリスが弾幕を避けながら西行妖の変化に気づく、それぞれ避けるのが精一杯だった

 

「ふふ…やっとよ…やっと…咲くわ…!!」

幽々子が両手を広げるとより弾幕が濃くなる

 

「さっきと違う!?なんなのよ!!」

夢符「二重結界」

霊夢もスペルを発動し相殺する

 

 

「まだよ…まだ…足りない…」

桜符「完全なる墨染の桜 ‐亡我‐」

また弾幕が濃くなる

 

「いったん離れる…隙を着くわよ!!」

霊夢はギリギリを躱しながら距離をとる

 

「霊夢!!一気に行くしかないぜ!」

魔理沙も突き抜けながら周りを迂回しながら霊夢に叫ぶ

 

「もしくは誰かを懐に潜り込ませて…あの桜の木が咲く前に…片をつけるしかないわね…」

咲夜が霊夢の隣に現れる

 

「魔理沙の言う通り…一気に決めるしか…無いわよ…行けるの?霊夢?」

 

 桜符「完全なる墨染の桜 ‐春眠‐」

遂に西行妖の光が目に眩しく感じる程になる

 

 

「私の勘だとコレで次にあの桜は咲いてしまう…なら…」

霊夢は周りを飛んでいる魔理沙や隣にいるアリスと咲夜の顔をそれぞれ見て、覚悟を決めた

 

 

「貴女達…援護してちょうだい!私がアイツに!ケリをつけてやる!!」

霊夢が飛び出す

 

「無茶しすぎ…でも、嫌じゃないわよ……」

アリスの周りに人形が無数に現れる

 

「そうね…こういう時は感心するわ…!」

咲夜は両手にナイフを持ちその場から消える

 

 

「しゃ!!霊夢達が動いたなら!行くぜぇ!!」

周りを飛んでいた魔理沙も突っ込んで行く

 

 

それを見ていた幽々子は微笑み

「ふふ…抗う生きる者達の生命の輝きは…綺麗ね……でもタダでやられたりはしないわよ……!!」

隙のない弾幕が辺りを包み込む

 

「綺麗な舞台に綺麗な舞の人形劇は以下が?」

 

咒詛「魔彩光の上海人形」

咒詛「首吊り蓬莱人形」

 

アリスが一気に二枚のスペルを発動する

 

霊夢に向かって飛んでくる弾幕の第一波がアリスの弾幕で防がれる

 

「ぐっ!?ちょっと無理し過ぎたかな…後は任せたわ…」

頭を抑えアリスはゆっくりと降りていった

 

 

「まだよ…まだ終わらない……!」

第二波の弾幕が展開される

 

「予兆の人形劇の次はマジックでございます…タネはありますが…知る事は無いでしょう…」

 

時符「パーフェクトスクウェア」

時符「プライベートスクウェア」

咲夜も二枚発動し、第二波の弾幕にぶつける

 

「こ、これはキツい…ですね…しかし…霊夢!!片をつけなさい!!…魔理沙頼んだわよ!!…ぐうっ!?」

咲夜は何とか霊夢の被弾を防いだが残った弾幕に被弾してしまいそのまま下に降りていった

 

 

「なら……これなら…(そいつはどうかな!?)…なにっ……!?」

霊夢に気を取られていて、周りの警戒を疎かにしていた幽々子は魔理沙の存在を失念していた

 

 

「これでも位やがれ!!」

恋符「マスタースパーク」

極太のレーザーを受ける幽々子

 

「くっ……まだ!!」

しかし、幽々子の周りに結界がはられて、直撃を避ける

 

 

 

 

その少しの隙を逃さなかった

 

「しまっ……」

目の前に霊夢がいた

 

「これで…終わりよ!!

 

 

霊符「夢想封印 集」

 

 

四つの不規則な動きをする玉が実現し、

幽々子目掛けて飛んでいった

 

幽々子はその光景を見て笑みを浮かべ

 

「あ〜あ…負けちゃった…残念…」

そっと目を閉じて、弾幕の光に包まれた

 

 

 

 

 

 

それで終われば良かった

 

 

 

 

 

 

 

 

「よっしゃぁ!!当たったぜぇ!!ナイス霊夢!!」

魔理沙が霊夢の側に止まり喜びの声をあげる

 

「…………」

霊夢はじっと警戒を解かずに弾幕の光を見ていた

 

「おい?霊夢?」

 

「まだ…終わってない…」

 

「え?」

霊夢の答えに魔理沙は驚く

 

 

その時、光が消え始める

怪しく光る西行妖

 

その中央に浮かぶ幽々子の姿しかし様子がおかしい

 

 

 

 

 

 

 

 

「願はくは花の下にて春死なむその如月の望月の頃」

 

「仏には桜の花をたてまつれ我が後の世を人とぶらはば」

 

「身の憂さを思ひ知らでややみなまし背く習ひのなき世なりせば」

 

 

静かに響く声

 

 

 

 

 

 

完全なる墨染の桜 ‐開花‐

 

 

西行妖が春色に染まり、輝き始めた

 

 

 

「反魂蝶 ‐一分咲‐」

西行妖の枝に桜の蕾が現れ、花が開き出した

 

 

 

「なんだぜ!?何が起きたんだぜ!?」

動揺する魔理沙

 

その間にも蝶々の形見をした何かが迫ってくる

 

「!?……魔理沙!!絶対に当たるんじゃないわよ!!あの蝶々を全部退けるのよ!!」

霊夢が直感を働かせ魔理沙に叫ぶ

 

「はぁ!?なんでだ!?」

迫り来る弾幕

 

 

「一発でも当たったらヤバいわ!!」

 

「ま、マジかよ!!!」

ギリギリを掠め避け始める霊夢達

 

「魔理沙!!いったん咲夜達の所まで下がるわよ!!」

 

「はぁ!?ここまで来てるのに何も出来ないのか!?」

避けながら魔理沙は霊夢にうったえるが

 

 

 

「マズイから下がるのよ!!」

「!?」

魔理沙は霊夢の顔が真っ青になっているのに気がついた

霊夢自身もこの状況がマズいと直感しているのだ

 

「うっ!?」

「くそ!?」

霊夢と魔理沙は何とか弾幕の薄い所まで下がった

 

「霊夢!魔理沙!」

アリスと咲夜と合流出来た

 

「何が起きたのよ…終わったんじゃないの?」

アリスが霊夢に聞く

 

「私もそう思った…けど、見るからにあの桜の木の封印か溶けかけてる…このままだと…」

 

「このままだと…何かマズイことでも起きるの?」

咲夜が言葉を詰まらせた霊夢に聞く

 

 

 

「あの桜の木が死を振り撒いてしまう…」

霊夢は三人にそう言い切った

 

「…ま、マジか…ぜ…」

「そんな…」

「…………」

その言葉に固まる三人

霊夢は説明を始める

 

「失念してたわ…人柱を用意して封印してるなんて言ってた時にでも気づけば良かったのに…人柱…誰かの生命をかけて封印するなんて…相当な化け物か妖怪よ…そして、あの木は…生きている者達全ての生命を吸い尽くすバケモノだったのよ…」

 

霊夢は冷静に三人に説明をした

 

 

「おい!じゃぁ!あの桜の木を咲かそうとしていた奴は何処に言ったんだぜ!?」

 

 

「……あくまでも、コレは私の推測なんだけどね…あの木に封印されている人間…人柱は…あの亡霊の本体だと思う…封印が解かれ…生き返ったとしても…意思はないと思うわ…」

魔理沙の質問に答え、西行妖を見る霊夢

 

 

 

「……あの亡霊は…消滅するわね……」

そう霊夢が 言うと

 

 

「そ、そんな!?」

聞き覚えのある声が背後から響く

 

「どういう事ですか!!貴女達が!!幽々子様に何かしたんだろぉ!!この!!」

「ぐっ…あ、あんた…なんでここに!?」

妖夢が霊夢の胸倉をつかみ、詰め寄る

 

「妖夢さん!!落ち着いて!!」

後ろから幽鬼が妖夢を引き剥がす

 

「幽鬼!?なんであんたがここにいんのよ!!屋敷で待ってなさいって言ったでしょ!?」

 

「すみません…でも、西行妖の様子がおかしいくなったのが分かったんで…それでさっき目覚めた妖夢さんが見た事説明しろと…」

妖夢がどうなったか幽鬼に聞いたらしい

 

「教えろ!どうすればっ(いい加減にしてちょうだい!!)…っ!? 」

未だに幽鬼に押さえられても噛み付いてくる妖夢に霊夢が怒鳴る

 

「あんた達が始めた事でしょ!!これで、分かったでしょう!?仕出かした事を!!」

「…………うぅ…幽々子様……」

「妖夢さん…」

霊夢に言われ妖夢は改めて自分達がしてきた事を後悔した

 

「じゃぁ…どうする事も出来ないのかぜ?」

魔理沙が霊夢に聞く

 

「運良く…完全には封印は解かれてない…だから、封印し直すの…だからまず…」

 

「反魂蝶 ‐参分咲‐」

一気に西行妖の桜がまた咲き始め、蝶の舞う数が増える

 

「取り込まれた、アイツ自身をどうにか引っ張り出して、弱まった所を私が組み直した封印で封印し直す!!」

妖夢の顔を見て霊夢が言う

 

「……!!…分かりました…貴女達を手伝います…だからどうか主を…幽々子様を助けてください!!」

妖夢は涙目で懇願する

 

「幽鬼…離して大丈夫よ…とりあえずアンタは絶対に近づくんじゃないわよ…アレに当たったら…無事じゃすまないわ…」

霊夢は幽鬼に静かに言う

 

「はい、分かってます…何となく感じました…霊夢さん達も気をつけて…」

幽鬼は笑顔で霊夢達に言う

 

 

 

 

「反魂蝶 ‐伍分咲‐」

また西行妖の桜が咲き乱れた

 

「ヤバいわね!あんた達!やられるんじゃないわよ!!」

霊夢が飛び出す

 

「弾幕ごっこでやられたら化けて出てやるぜ!!」

魔理沙が後に続く

 

「幽々子様…いま、参ります!!」

妖夢も駆け出す

 

「咲夜…私達は霊夢達の援護に回りましょう」

「そうね…さっきの疲れで足でまといにはなりたくないわ…」

アリスと咲夜は遠距離からの攻撃を始めた

 

 

 

 

「これが…最終の弾幕か…後八分咲……それを乗り切れば…」

幽鬼は願った…

 

しかし、ゲームの終わり方と今の現状は同じで違った

 

「なんで…八分咲にならない…それに…反魂蝶の数が…増えてる!?」

幽鬼が下から見ていても分かるが五分咲をしてから、飛ぶ蝶の数だけが異様に増えていた

 

そして、妖夢は必死に反魂蝶を切ったり、避けていたが何処が苦しげな顔をしていた…

明らかに何か様子がおかしかった

 

「まさか…!?」

幽鬼は縁を視る

 

妖夢にだけドス黒い縁が西行妖と結ばれていた…

それも妖夢が反魂蝶を刀で受ける度に色濃くなっていく

 

 

「まずい…あのままじゃっ!!」

幽鬼が妖夢に向かって駆け出す

 

「幽鬼!?」

アリスが声をあげる

 

「幽鬼さん!何処に!!…くっ!」

咲夜が幽鬼の元へ行こうも反魂蝶にはばかれる

 

「はぁ…はぁ…なんで…!?幽々子様の元へ…行かなきゃ行けないのに…」

妖夢はいつも通りの動きが出来なくなっていた、避けられる所で避けられず、刀で切り捨てる

 

「身体が…重い…どうして…!?」

息が上がり、動きが鈍くなっていった

 

「このままじゃぁ…ぐっ!?」

次の瞬間、足に激痛が走る

 

「がぁっ…ぐぅ…油断した…」

足に弾幕が当たり、膝をついてしまった

 

しかし、待ってはくれない…

迫り来る弾幕と反魂蝶

 

「ぐぅ…はあぁぁぁぁ!!」

妖夢は声をあげ、弾幕と反魂蝶を全力で切り捨てる

 

「がぁっ…し、しまっ…」

腕を弾かれ、刀を一本手放してしまった

 

 

その瞬間

 

「反魂蝶 ‐八分咲‐」

 

 

「あっ……」

目の前が春色に包まれる

数倍の反魂蝶と弾幕が飛び始める

 

 

「おい、霊夢!?」

魔理沙が霊夢に声をかけるが

 

「くっ!?ダメ!!!!」

霊夢も避けるのが精一杯だった

 

アリスも咲夜も同様で近づけずにいた

「これじゃぁ!!」

 

「時間を止めても間に合わない…!」

 

 

 

(……幽々子様…申し訳御座いませんでした…)

妖夢は目を閉じて、光に包まれる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドンッ!!

 

 

「え…なっ…」

横に押し出され飛ばされる妖夢

 

全てがゆっくりに見えた、押された方を見ると幽鬼が妖夢を突き飛ばしていたのだ

 

 

「……」

幽鬼は何も言わず笑顔を見せ、一瞬で反魂蝶の弾幕の波にのまれる

 

「あ…あ…あぁ…」

妖夢は倒れたまま、ただ見ていた

 

「「「「幽鬼(さん)っ!!」」」」

その光景を霊夢達全員見て名を叫ぶ

 

弾幕が消え…その場に残ったのは倒れている幽鬼だった

 

「あぁ…あ…」

呆然とする妖夢

 

しかし弾幕は再び飛んでくる

 

「おぅらー!!」

魔理沙が妖夢を掴みその場から飛ぶ

 

「咲夜!!幽鬼を頼む!!」

「わかってる!!」

魔理沙の声に答えると同時に幽鬼を抱き上げる

 

「!!…ぐっ!!」

咲夜はその場から幽鬼を連れ離れる、ただその顔は歪む

 

 

「少し大人しくしてなさい!!」

霊夢が時間稼ぎの結界を張り巡らす

 

「霊夢!!離れるぞ!!」

「わかってるわよ!!」

妖夢を連れた魔理沙が合流して、霊夢と離れる

 

 

 

 

「ここまで離れれば…でも、あの結界でも時間の問題よ…」

「そうだぜ…くそっ…それより…幽鬼は…」

「……………」

霊夢と魔理沙と妖夢は何とか無事に西行妖から距離をとった

 

「霊夢!魔理沙!」

そこへアリスも合流する

 

「幽鬼は!?どうなったの!?無事なの!?」

「お、落ち着け…咲夜に頼んだ…んだぜ…」

魔理沙がアリスに言うが何処か歯切れが悪い

 

「……だったら…咲夜は何処に…」

「…まだ、会ってないわよ……ん……?」

未だに落ち着かないアリスを横目に霊夢が下を見た

 

「…………」

咲夜が幽鬼を抱き上げて歩いていた、俯いたまま

 

「いたわよ、あそこ…咲夜…!」

「魔理沙…その子お願いね!」

霊夢とアリスが歩いている咲夜の元へ向かう

 

「……れ、霊夢!…アリス!…とりあえず私達も行くぜ?」

「…………」

魔理沙は妖夢の手引いて、二人の後を追いかける

 

 

 

 

「……幽鬼さん…先程の御返事を……」

咲夜はそう幽鬼に訪ねながら歩くが幽鬼は何も答えない

 

「つまらない冗談は…やめてください…今なら、怒りませんから…」

震える声で語りかけながら歩く咲夜

それでも、幽鬼は目を閉じたまま動かない

 

 

「咲夜!!」

霊夢が目の前に降り立つ

 

「幽鬼を!応急処置ぐらいしかできないけれど…!」

アリスは駆け寄り、回復魔法の準備をする

しかし、咲夜は幽鬼を抱き上げたまま、立っていた

 

「……咲夜…」

だからこそ、霊夢は咲夜の様子を見て悟った

 

「ちょっと!?咲夜何してるの!?幽鬼を下ろして!!手当をしなくちゃっ!?早く!!」

アリスが咲夜に怒鳴るが動かなかった

 

「アリス…」

「もう!…ほら!…グズグズしないで!…幽鬼!?今治してあげるから!!」

見かねたアリスが幽鬼を咲夜から奪いあげ自分の膝の上に頭をのせて、回復魔法をかけ始める

 

「アリス…」

「大丈夫…大丈夫だから…まだ!!」

霊夢が声をかけるがアリスは魔法を辞めなかった

 

「ほら!しっかりしろよ!立てるだろ!?」

「…………」

そこへ魔理沙が妖夢を連れて追いついた

 

「魔理沙!ちょっとこっちに来て、手を貸してくれるかしら!魔力が足らなくて間に合わないの!!」

魔理沙の声に気づいたアリスが手を貸すように言った

 

「…お、おう…回復魔法は苦手だが…っ…霊夢…?」

「………」

アリスに手を貸そうとした魔理沙を止める霊夢

 

「ちょっと…魔理沙…!早く…!!」

「アリス…良いかしら…?」

霊夢が怒鳴っているアリスに声をかける

 

「何よ!邪魔しないでよ!早く!治さなきゃ…!」

 

「アリス、やめなさい」

冷たく霊夢の声が響く

 

「なに…言ってるのよ…やめたら!幽鬼…が!」

アリスの身体と声が震え出す

 

 

それを見た霊夢が

 

 

 

「これ以上魔力の無駄よ…」

ハッキリとアリスに告げた

 

 

 

 

 

「……ぁぁ…あぁ…」

それを聞いた咲夜は膝から崩れ落ち

 

「……………」

魔理沙は深く帽子をかぶる

 

霊夢が傍によりアリスの肩に手をのせ

「だから…これ以上…魔力を(うるさい!!…だったら!!…枯れるまで掛けるだけよ!!)…っ!!」

 

 

 

バッチーン!!

 

 

霊夢が正面に周り、アリスの頬を叩いた

 

 

 

「誰だって…受け止めたくない現実はあるわ…でもね…これ以上…犠牲を出さない為に動かなきゃならないの!!…幽鬼の犠牲を無駄にすんじゃないわよっ!!!」

アリスの胸倉を掴み、目の前で怒鳴る霊夢

その時アリスは霊夢の顔を見た

 

「…れ…れい…む……」

その目には涙を流し…顔には怒りと悔しさが滲み出ていた

しかし、必死に堪えてアリスを見ていた

彼女は博麗の巫女…悲しむ時間もないのだ…

 

「…落ち着いたら…ちゃっちゃっと手を貸しなさい…咲夜も…魔理沙も…時間がないの…」

アリスの胸倉を離し、立ち上がった霊夢はそう言ってまた、西行妖の方へと向かった

 

魔理沙もグジグジと腕で目を擦り

 

「霊夢の言う通りだ!私らが解決出来なきゃ!!誰が解決すんだ!!」

目を赤くさせて箒に飛び乗り、霊夢の後を追う

 

 

 

「…………」

咲夜も静かに立ち上がるがその顔から表情が消えた

悲しみを消し、感情を押し殺したのだ

 

「……アリス…貴女は…幽鬼さんの側にいてあげて…」

静かな声でアリスに言う

 

「すぐ片付けてくるから…」

そう言って姿を消した

 

一人取り残されたアリス

目線を下げると幽鬼の顔があった

 

「…み…みんな…ひど…いわよね…貴方…が死んだ…なんて…」

震える手で膝の上にある幽鬼の顔を触るアリス

声はしゃくりあげ、震え、涙が込み上げてくる

 

「ねぇ…しゃ…上海…ほ、蓬ら…い…酷いわ…よね…」

「シャンハーイ…」

「ホウラーイ…」

上海と蓬莱は優しくアリスの頭に抱きつく

 

「…わかってる…わかって…た…」

ポタポタと眠る幽鬼の顔に涙が落ちる

 

「だか…ら…受け入れ…たくなか…った…グスッ…」

幽鬼の頭を優しく撫で始める

 

「…言いたい事も…言えな…かった…」

アリスは幽鬼の顔に自分の顔を近づける

 

「……貴方…といっしょに…過ごした日…遊びに行った日…お茶…会をした日…楽しかった…そして…あの時…上海を…見つけてくれて…私と…出会って…くれて…ありがとう…」

涙でグシャグシャになり、幽鬼の顔が見えずらくなる

 

 

「私も…貴方の事が…」

 

 

 

 

 

〜好きよ〜

 

 

 

 

 

そう言って、冷たくなった幽鬼の口に口付けをした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人形使いの少女の泣き声がその場から響き始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あらあら…幽鬼ちゃん、死んじゃったの?

 

ダメよ〜♪お母さん許さないからねぇ〜♪

 

ん?よく見ると…

 

 

 

 

 

あぁ〜♪そう言う事ね〜♪

 

こういう展開…悪くないわね♪

 

……でも、少し心配ね…

 

 

半人半霊の子はともかく…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亡霊って…孕めるのかしら?






〜容疑者・作者のコメント〜
雰囲気ぶち壊して見たかった…
後悔はしてもない!
反省はするはずもない!



やっぱり、戦闘シーンは難しいですね…
(´・ω・`)次の異変は戦闘シーンなしでやってみようか頑張って見ます…


書き方が上手い人はやっぱり凄いと改めて思いますね…
書いてるの難しさが分かります…
愚痴になってすみませんでした!

ここまで読んで頂きありがとうございます!!


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過去の改変、変わる終焉





過去の少しの改変

ベタな展開

異変終了

主人公復活!!

そんな感じです…

こんな時に1番いい言葉

常識に囚われたら負けです!!





(`-ω-´)ただそれだけだ!!


 

 

 

西行妖の攻撃から妖夢を庇った幽鬼

だが、その魂は別の場所にあった…

 

 

(ここは…どこだ…)

幽鬼は見知らぬ集落に立っていた

 

ーさっさと行くぞ!!ー

 

(え、何?)

声が聞こえて、そちらに向くと荷物もまとめた村人達が集団でこちらに走って来る

 

ーさっさとここから離れるぞ!!ー

何かから逃げていく村人たち

 

(なんだ!?なんだ!?)

全ての村人達が通り過ぎていく

幽鬼の姿は見えてないらしい

 

ー呪いの一族から離れるんだ!!ー

 

(呪いの一族…)

幽鬼は村人達が逃げてきた方向を見る

 

ー西行寺の呪いから逃げるんだぁ!!ー

 

(西行寺の呪い…)

その方向には屋敷と大きな満開の桜の木があった

 

 

(これは…記憶…なのか?)

幽鬼は屋敷に向かう

屋敷に近づくにつれて、人の気配が無くなっていく

 

ーお主らも行くのかー

屋敷前に着くと何やら刀を持った老人と何やら話している様だ

 

ーお許しを…しかし…私もまだ…ー

屋敷に仕えていたものだろうか

申し訳なさそうに話していた

 

ー……分かった、世話になったな…ー

老人が言うと、早々に老人と話していた人物は去っていった

 

ー…よもや…私、一人になってしまったな…ー

老人は中に入り門を閉めた

 

(中に入って見るか…)

幽鬼は門に近づき門を動かし中を見る

 

(うぇ…夢にしては…実体感…触れるって…お邪魔します…)

中に入るとそれなりにでかい屋敷だ…

しかも見た事ある景色

 

(…西行寺家の屋敷…しかも冥界の前…ってことは…)

幽鬼は中に入って桜の木のある方に向かう

 

(何の因果か分からないけど!過去に来てる!だとしたら…あの人が…)

記憶を頼りに、この屋敷の構図を思い出す

 

(記憶の構図のままなら…きっと!!)

屋敷の外側を回り込んで中庭に出た

 

広い中庭…大きな風流な池があり、屋敷の縁側にひっそりと座る、何処か寂しげで悲しそうな顔をした女性がいた

 

(……あぁ…やっぱり…あれは…生前の…)

傍に近寄ろうとして、足を踏み出すと

 

ー……ぇ…ー

その女性はこちらに視線を向ける

 

(ぬぉ!?)

咄嗟に屋敷の影に隠れる

 

ー…だれか…いるの…?ー

女性は立ち上がり、こちらにゆっくり近づいて来た

 

(え?なんで?見えてないんだよね?)

幽鬼は焦る、ここまで来るのに誰にも干渉されなかったはず

 

ー…そこに…だれか……ー

幽鬼のいる所と女性の距離が確実に近づく

 

(どうすんだー!!)

最終的に頭を抱える幽鬼

その時…

 

ーお嬢様…如何なされましたか?ー

あの老人の声が聞こえる

 

ー……妖忌…戻ったのね…ー

女性は老人の名前を呼び、顔を向ける

 

(……やっぱり、あの老人が…魂魄妖忌なんだ…良かった見つからなくて…)

幽鬼が安心したのもつかの間

 

ー…そこに何か…気配を感じたの…ー

女性が指をさして幽鬼が隠れている所を示す

 

ーなに!!…何奴だ!!ー

(((^ω^≡^ω<ギャアアアアアアア)

勢いよく飛び出して来て幽鬼の目の前に現れる妖忌

 

ー…………ー

構えたままこちらを見ている妖忌

 

(ガタガタガタガタ)

幽鬼はタ〇シになる

 

しかし妖忌は、構えやめる

 

ー……お嬢様…誰もいませんぞ…ー

どうやら妖忌には見えてないらしい

 

ー……そう…気のせいだったの…そうよね…こんな所誰も近づきたくないし…近づけさせたくないわ……ー

女性は先程と同じ表情で大きな桜の木を見る

 

ー……幽々子お嬢様…やはり、あの桜は…人を惑わす…死に誘う危険な桜です…さぁ…部屋の中へ…お食事の準備を致します…ー

 

ー……えぇ…そうね…ありがとう……ー

そう言って二人は屋敷の中へ入って行く

 

会話を聞いていた幽鬼は、これから起こることを知ってる故に、過去をどうにかして、 幽々子を助けたいと思ってしまった

 

(……でも…ここで彼女を万が一…助けてしまったら…亡霊の西行寺幽々子は…くそっ…取り敢えず…行こう…)

幽鬼は立ち上がり、屋敷に入って行った

 

 

〜西行寺家屋敷・幽々子私室〜

 

ー…この屋敷も…静かになったわ……ー

自室で一人に座っている幽々子

 

ー……お父様が、あの桜の木の元で…死んでから…全ておかしくなってしまった…次々…あの木の元で死んで…さらに、私の周りに来た人達までも…ー

悲しそうに何処か諦めてひとり呟いていた

 

その時、廊下側の襖が叩かれる

 

ー……妖忌?……ー

幽々子はこの屋敷に残った最後の人物を呼ぶ

 

ただし、返事はない

 

ー………誰?……ー

幽々子は反応が返ってこない襖をじっと見つめる

 

ー………入って来ても…かまわないわよ…ー

幽々子がそう言うと襖がゆっくりと開き始める

 

襖が開き、見慣れた廊下と壁…そして…

 

見慣れない格好した半透明の男性が立っていた

 

ー誰なの…貴方は…泥棒さん…?ー

幽々子は座ったまま、変わらず悲しそうな目で見てくる

 

ーそれとも誰かに頼まれて…私を殺しに来たのかしら…ー

半透明の男性にそう聞くが首を横に振り否定する

 

ー…なら…何が目的なの……ー

そう聞くと半透明の男性は部屋の中に入ってくる

ちゃんと襖も閉めて

 

すると文机に近づいて筆を手に持ち

数枚の紙に何かを書き始める

 

しばらくすると

書き終わったのか書いた紙を広げて見せてきた

 

書いてあったのは文字で文章だった

 

(いきなり訪れてしまい、失礼しました…)

1枚めくる

 

(訳あって、ここに迷い込んでしまい…難儀していました)

1枚めくる

 

(先程、外の方で…貴女様は…私の姿が見えていたそうなので…姿を見せました…)

1枚めくる

 

(ご気分を悪くする様であれば…直ぐに出て行きます…)

最後の紙を見せた後、彼は正座し頭を下げた

 

ーじゃぁ…さっきのは…貴方だったのね……ー

 

恐る恐る幽々子が手を伸ばし、触れようとするが通り抜けてしまう

 

ー貴方は物は持てるけど、私達には触れられないみたいね…ねぇ…大丈夫だから…頭を上げて欲しいの…ー

幽々子がそう言うと彼は頭をあげる

 

ー…私にしか見えてないようだから…お話し相手になって貰える?…妖忌も見えてないみたいだったから…ー

幽々子はそう言うと、文机の引き出しから紙を沢山だして

文机の上にのっけると、こちらを向いてくる

 

ー……嫌、かしら…ー

不安そうに言う幽々子

 

しかし…彼は首を横に降った後…紙に書いて渡した

 

(大丈夫です、よろしくお願いします)

と書いてあった

それを見た幽々子は微笑んだ

その時、初めてこの過去の世界で見た表情だった

 

ーよろしく、幽霊さん……ー

 

 

 

 

それから、色々と筆談で幽々子と幽鬼は色んな事を話した

他愛も無い話や

お互いの話(所々隠して)

普通の笑い話までもした…

 

そんな事を続けて、

この過去の世界で1ヶ月経っていた

 

そして、幽々子に珍しく来訪者が現れた

幽鬼は配慮して部屋から出て廊下で話を聞いていた

 

 

しかし、少し雲行きが怪しい

 

 

ー貴女が最近様子がおかしいって妖忌から聞いたのだけど…ー

幽々子の対面に座る女性、過去の八雲 紫だった

 

ー……いきなり来たと思ったら…何を言い出すの…ー

幽々子は少し嫌そうに話す

 

ー…少し部屋を調べさせて貰ったわ…ー

紫は少し悲しそうな顔をすると

 

ー…幽々子、確かに色々起きたけど…しっかりなさい…ー

ー…貴女が…そんな風に逃げ出してはダメよ…逃げちゃ…ー

何かを諭す様に話す紫

 

ー…紫…私は大丈夫よ…ー

幽々子が紫を見つめる

 

じゃぁ!どうして一人で筆談なんかやるのよ!!

泣きそうな震える紫の声が響く

同時にスキマから今までの紙が舞って降ってきた

 

ー…ゆ、紫…何を言ってるの…私は…一人でなんか…!ー

ー…幽霊さんは…ちゃんと居るの!…居るのよ!ー

幽々子も否定をして叫ぶ

 

ー…なら…その幽霊さんを呼んでちょうだいよ…!ー

ー…貴女が嘘をついてるなんて思ってない…だから…ー

ー…妖怪である私にその幽霊ってのと合わせなさい…!ー

ー…ちゃんと、呼べて…筆談出来たなら…信じてあげる…ー

紫は真剣な目を幽々子に向ける

 

ー……ゆ、幽霊さん…部屋に入って来て……ー

幽々子に呼ばれ、幽鬼は部屋の中に入ろうとするが

 

(あれ…なんで、開かない!?)

さっきまで普通に触れて開けられた襖があかなくなった

 

(どうしてだ!?……そうだ!結局通り抜ければ!!)

襖に向かって飛び込むが

 

(うがっ、!?なんでだ!?…入れない…!?)

壁のように硬く、弾かれてしまった

 

ー…ゆ、ゆう…幽霊さん?…ど、どうしたの…ー

 

(くそ!あけ!開けよ!!)

声が聞こえるのに、彼女が呼んでいるのに

 

ー…ねぇ…ゆ…幽霊さん…入ってきて…よ…ー

ー……なんで…来てくれないの…現れてくれないの…ー

ー……お願い…だから…一人にしないで……ー

遂に幽々子の声が泣き声に変わる

 

(あけよ!開いてくれ!頼むからぁ!!)

必死に体当たりをするが叶わなかった

 

 

 

 

 

それからは紫が幽々子を慰めて落ち着かせた後

紫が一晩、情緒不安定な幽々子を見ていた…

妖忌が部屋に入る時を狙ったが…やはり入れず…

 

結局、夜が明けてしまった

 

ー……幽々子……ー

紫は心配そうに声をかける

 

ー……大丈夫よ、紫…ありがと…私がどうかしてたの…ー

幽々子は紫にそう言って微笑む

 

ー…そう…遅くなるかもしれないけど…用事が終わったら…来るわね……ー

紫はそう言ってスキマに入っていった

 

ー…お嬢様…大丈夫でございますか?……ー

後ろにいた妖忌も声をかける

 

ー大丈夫よ…妖忌…もう少し部屋で休むわ……ー

そう言って妖忌の横を通り部屋に向かう

 

 

 

 

 

その途中で足を止める幽々子

 

ー…………………ー

ただ黙って、廊下に居る彼を見つめた

 

幽鬼が近づこうとすると

 

ー……もう、やめて………ー

 

ー……貴方は…私の作り出した…幻影……ー

 

ー……これ以上…私の前に…出てこないで!!…ー

幽々子はそう言って部屋に入って出てこなかった

 

(やっぱり…ダメなのか…干渉できても…決まった未来は…)

幽鬼は幽々子の部屋の前まで行き、襖の前で座った

 

(これが…西行寺幽々子の生前…俺が干渉した所で…変わらないのか…だったら、なんなんだよ…この時間は…ムダになるのか…どうなんだよ…)

幽鬼はそのまま眠り込んでしまった

 

 

 

 

 

辺りが暗くなり、夜が深くなった時間

 

ゆっくりと襖が開き…部屋から幽々子が出てくる

 

ー……幽霊さん……ー

襖の前で寝入ってる幽鬼が視界に入った

 

ー……貴方は…私の…作った幻…なの…でも…ー

幽々子はしゃがみ、幽鬼の顔を見る

 

ー……貴方に…触れられれば…何か変わったかもしれない…ー

ゆっくりと手を伸ばし、幽鬼の頬に触れようとするが

やはり触れなかった…

 

ーだからこそ…私は終わらすの……ー

ー人を死に誘ってしまう…私を……ー

ー今度は…貴方に触れられるのかな……ー

 

そう言って幽々子は立ち上がり、その場から離れていった

 

 

 

 

 

 

 

その背後にはもう誰の姿も無かった…

 

この干渉で何か変わるのか…

 

西行妖に取り込まれた幽々子は助けられるのか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー幽々子自室前・現在ー

 

 

 

 

 

 

『 あれ…ここは…』

幽々子の部屋の前で寝てしまっていた幽鬼

 

『 あ…!やべっ!幽々子!……ん…』

立ち上がるが何か違和感を感じる

 

『 この空は冥界…だとすると…現在か!?』

空を見上げて、冥界の空だと気づく

 

『 だとすると……』

幽鬼は急いで西行妖のある裏手へ目指す

 

妖夢を庇い意識が飛ぶ前の状態と変わらず

無差別に弾幕を展開していて

 

霊夢と魔理沙と咲夜の三人が必死に避けながら西行妖に弾幕を撃っていた

しかし、途中で合流したアリスの姿が見えなかった

 

西行妖の弾幕が飛んでない所まで近寄ると

 

「…ね……を…あけ………なさ……」

すると微かにアリスの声が聞こえてきた

 

 

「…やっぱり…嫌よ…こんなの……」

「…………」

アリスと側で黙ったままの西行妖を見ている妖夢がいた

 

そして…

 

アリスの膝の上に頭を乗せて、横たわる幽鬼の身体があった

その顔色はとても生きている人の顔色ではなかった

 

『 うわぁ…自分の体をこうやって見つけるとは…』

幽鬼がのんびりとそんな事を言う中

 

 

 

「ねぇ…お願いよ…目を開…けて…幽鬼…」

幽鬼の生気のない顔にアリスの涙が落ちる

 

「言いたいことも…ちゃんと言えないなんて…やっぱり…そんなのいやよ!」

アリスは冷たくなった幽鬼の頭を抱きそう。

 

『アリス…さん…どうしたら…』

幽鬼が妖夢の方を見ると

 

「私のせいだ…私のせいだ…私のせいだ…私の…」

膝をついて、瞳から光が無くなってブツブツ言っていた

 

 

『 …………んっ…?』

よく見ると妖夢の刀の一本が何かを帯びていた

 

『 あれは……白楼剣!』

幽鬼は思い出した、白楼剣の持つ力を

 

迷いを断ち切る刀

 

『…やれるのか……いや…やるしかないか… 』

幽鬼は妖夢に近づく

 

「……幽々子様も…消えて…彼も…死なしてしまった…ハハっ…私は…結局…何を……」

妖夢の頬に涙が伝わる

 

 

『 妖夢さん…貴女は悪くない…』

ソッと近くにしゃがむ

 

「………何も…ハハ……」

どうやら妖夢には聞こえてないようだ

 

『 どうしたら……ん…?』

気配を感じて横を見ると妖夢の半霊がこっちを見ていた

 

『 わかる?半霊?』

幽鬼が聞くと半霊は首を立てに振るように動く

 

『 半人半霊の君たちにしか出来ないんだ…西行妖に取り込まれた幽々子さんを助けるには君たちの刀…白楼剣が必要なんだ…繋がりを断ち切る為に…だから…!』

すると半霊が目の前から消える

 

「……え…はんれっ…ぐっ!?……」

妖夢が声を上げ、意識を失う

 

『 妖夢さん!?』

すると…

 

「うっ…あなたの…力…かし…てください…」

途切れ途切れで妖夢が話す

 

『 なにがおきたんだ…』

幽鬼は困惑する

 

「いま…無理やり本体と…一緒になりま…した…ヒトの私は…完全に消沈していて…私…達だけでは…」

ゆっくりと妖夢が手を差し出す

 

「私達と…いっしょになって…貴方のそのちからを貸し…てくだ…さい…人のわた…しに…自信を…」

迷ってる時間はなさそうだった

 

『そんな事…言われなくても…貸しますよ!!』

幽鬼が妖夢の手に触る

 

 

「うぉっ!?……何が…私は…起きてるんだ?」

妖夢に触れたと思ったら声が重なるように聞こえる

 

なんで…彼の声が…え?(なぜ…妖夢の声が…え?)

お互いに意識がはっきりしているのか不思議な現象だった

 

これで…幽々子を助けられる…(これは…半霊がの仕業なの?)

 

ゆっくりと妖夢は立ち上がる

 

「身体が…勝手に…」

(すみません、勝手に動かしてます…妖夢さん…)

「貴方は…まさか…幽鬼…さん…」

妖夢は自分の身体に起きた事を理解し始めた

 

「……半霊…が…そうですか…」

気持ちが通じ合っているのか、説明しなくとも伝わった

 

「貴方には…謝らなけれいけません…」

(いいえ…それよりも幽々子さんを助けましょう)

 

「しかし…私は…」

(やらなきゃ!あの人は帰ってこない!!)

手を強く握りしめる妖夢

 

「やってやりますよ…幽々子様を助け出す!」

妖夢の目に光が戻る

 

「……妖夢…貴女はさっきから何を言ってるのよ…」

幽鬼の身体を抱き寄せたままアリスは聞いてくる

 

「…アリスさん…そこで(わたし)の身体をお願いします」

その時、妖夢の姿が幽鬼と重なって見えた

 

「何を…まさか…だめよ!」

アリスが止めようとするが

 

「行きます!!」

妖夢が西行妖に向かって飛び立つ

 

 

 

 

 

 

西行妖は八分咲きで止まったままだが

蝶や弾幕は放たれたまま続いていた

 

 

 

「キリが無さすぎるぜ!!…どうすんだ霊夢!!」

魔理沙もギリギリの戦いをしていた

 

「流石にこのままだと…まずいわ…!」

咲夜も肩で息をしていた

 

「…………」

霊夢は覚悟していた、このまま自分達がジリ貧のままやられてしまう…やられてしまったら、誰がこの桜を止めるのか…

 

「仕方ないわ…完全にこの桜を封印するしか…」

霊夢はこの手の封印はしたく無かった、この封印をしてしまうと幽々子事封印する事になってしまうからだ…

 

「魔理沙、咲夜…少し時間を稼ぎなさい…これで全てを封じるから…!!」

そう言って封印の式の準備を始める

 

 

その時…

 

「おい!霊夢!あれ!」

魔理沙が指をさして言う

 

「…アイツ…!」

見ると妖夢が西行妖に向かって突っ込んで行っていた

 

「なにしてんだ!妖夢!死ぬぞ!!」

魔理沙が止めようと叫ぶ

 

「……」

妖夢はこっちを見るが何も言わずに突っ込み続ける

 

「くそっ!!血迷ったのかよ!?」

「待ちなさい…!」

魔理沙が妖夢を止めようと行こうとすると咲夜に止められる

 

「よく見なさい…魔理沙、あの子…全ての弾幕を避けてる…」

咲夜に言われ、気づく先程の動きとは全く違った

予測しているのか、見えているのか全ての弾幕や飛んでくる蝶を避けていた

 

「あ…アイツ…あんな動き出来たのか…?」

魔理沙は驚く

 

「霊夢…もしかしたら…!」

「えぇ…私は封印の準備をするから…あのバカをお願いね…」

咲夜が霊夢と何かを察して動き始める

 

「魔理沙っ!私達はあの子に向かってくる弾幕を少しでもバラすわよ!!」

「お…おう!任しとけ!!」

魔理沙は咲夜と共に弾幕の分散をし始める

 

 

西行妖との距離を詰めて行く妖夢

 

「凄い…飛んでくる弾幕の軌道がみえる!」

妖夢は幽鬼の能力で弾幕の軌道の縁を読み取って、その俊敏さを使い全て避けていた

 

(妖夢さん、今なら見えるはず…幽々子と西行妖の結ばれてしまった縁を…!!)

幽鬼に言われ、妖夢は真っ直ぐ見る

 

「見えてます…!幽々子様に強くまとわりつく黒い糸が!」

妖夢の目に見えた、幽々子が西行妖の中で縛られ捕らえられてる姿が…

 

「絶対に!!助け出します!!…っは!!」

横から弾幕が迫ってきた

 

させるかぁ!!

恋符「マスタースパーク」!!

弾幕がビームによって消しさられる

 

「魔理沙さん!!」

「おい!あんま無茶すんなぜ!!幽鬼の為にもっ…」

「だからこそやるんですよ!」

 

「!?……ゆ…幽鬼?」

妖夢の気迫に幽鬼の影が見えた

 

「…仕方ねぇ…分かった…無茶してもいいが!戻ってこいよ!安心して突っ込んでこい!!」

魔理沙はいつも通りの笑顔見せ、妖夢の後ろから迫る弾幕を弾幕で消し去る

 

「分かってますよ!!」

妖夢は止まらずそのまま向かっていた

 

 

しかし、近づくにつれ弾幕も濃くなって行き

近づくのが難しくなっていった

 

「…くっ!!!ここまでとは…!」

後ろで魔理沙が弾幕を減らしているが、やはり数は上だった

 

 

「私も手伝いましょう」

周りの弾幕が一瞬で消える

 

 

「っ!…貴女は…!」

目の前に現れた、後ろ姿

 

「貴女には…色々と言いたいことがあるけど…今は目の前の木を片付けてからよ…」

妖夢を援護に来た咲夜だった

 

「そうですね…終わったら、話を聞きましょう…」

静かに語りかける妖夢

 

「…お互いに…終わったらね…」

咲夜がその場から離れようとした時

 

「咲夜さん…貴女の気持ちは嬉しかったですよ…」

「え……」

妖夢からそんな言葉を聞いて振り向く

 

自分は貴女の気持ちに応えたいですから

そう言って咲夜の横を走り抜ける妖夢

 

「…ゆ…幽鬼さん…」

その姿は一瞬幽鬼の姿に見えた咲夜

 

「………なら、私はもう一度貴方を待っています…!」

そう言って妖夢に飛んでくる弾幕を撃ち落とし始める

 

 

 

 

 

「後!もう少しで!!」

妖夢は楼観剣に手をかけ、狙いを定める

 

(これが最初で最後の一撃です!次はありませんよ!!)

 

「貴方のこの能力…お借りします!!」

最後の抵抗の様に西行妖から弾幕が放たれる

 

「いい加減に終わりにしようぜ!!」

威勢のいい声で魔理沙が八卦炉を最大にチャージして言う

 

「くらいやがれ!!恋符「マスタースパーク」!!」

 

フルチャージされたマスタースパークが直線に伸び妖夢の進む先の弾幕を蹴散らし道を開ける

 

「いけぇ!!さっさと自分のご主人助けてこい!!」

魔理沙から激が飛ぶ

 

 

「たぁぁぁぁぁぁ!!!」

西行妖に向かって飛びかかり楼観剣を抜く

 

(あの時に貴女の心の叫び…寂しさ…感じました…また、楽しく話しましょう…今度は…筆談では無く言葉で!!)

幽鬼も妖夢の中で捕らえられた幽々子に向かって叫ぶ

 

繋がった幽々子と西行妖の縁…

 

それは必然として結ばれた封印の結び

 

生前の幽々子は身を犠牲にして西行妖を封印した

 

亡霊の幽々子は興味で西行妖の封印を解こうとした

 

上手く縁を切らなければ…亡霊の幽々子は帰ってはこない

完全に切ってしまえば西行妖が復活してしまう可能性もある

 

(過去での貴女と話した時のあの時の笑顔をもう一度…今度は面と向かってちゃんと話をしたい!)

 

「貴方の気持ちがわかったからこそ私も分かる気がします!幽々子様とこれからも御一緒いたします!!」

妖夢と幽鬼はそれぞれの想いを共有し力を込める

 

 

人鬼「未来永劫斬」(じんき みらいえいごうざん)

 

 

 

本来まだ妖夢は持つはずのないスペルが発動する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スペルを発動し、全体が光に包まれる

 

 

 

幽鬼は気づくと真っ白な空間にいた

 

ー貴方は…幽霊さん…?ー

声がして後ろを振り向くと

 

ーやっと…会えた…ー

そこには亡霊の幽々子の姿があった

しかし、喋り方がいつもと違った

 

ーバカね…自分で…西行妖の封印を解こうとするなんて…ー

悲しそうに幽々子は自分の手の平を見つめる

 

ー記憶を取り戻して…ずっと見てた…ー

ー貴方はあの時…居ないはずのだったのね…ー

ゆっくりと幽鬼に顔を向ける

 

ーでも、偽りの過去…変わった記憶だったけど…楽しかった…ー

ゆっくりと幽鬼の方へ歩み寄る

 

ー最後に貴方に会えて良かった…ー

幽鬼の目の前に立ち、頬を手で触れる

 

ー私は残らなければならない…この西行妖を止めるため…ー

ーだから…我儘だけど…あの子…妖夢をお願い…ー

ーもう…私は…ー

 

その瞬間、頬を触れている手を掴み引き寄せる

 

ーえっ…ー

幽鬼は幽々子を抱き寄せた

 

(ーなに、勝手に1人で話をすすめてるんですか!ー)

きつく抱きしめながら幽鬼は言う

 

(ー貴女はどうしたいんだ!!今ここで一生縛られているのか!!そんなんじゃないだろ!!ー)

抱きしめたまま怒鳴る

 

ーそれが私の運命なの…なら私は…ー

 

(ーだったら!何故!貴女は亡霊となって記憶を無くし、今まで過ごしていたんですか!?ー)

その言葉に幽々子は身体をビクッとさせる

 

(ーそれが、貴女の心残りであり!貴女が描いた本当の幸せだったから…望んだ事だからじゃないんですか!!ー)

幽々子の肩が震え始める

 

(ーだから…自分…いや、俺はここにいるんですよ…無かった過去に介入し、今の現在の状況を作ったんですから!!ー)

縁を結ぶ程度の能力が力を発揮し

過去との縁を結ぶ事により、その時無かった事を起こして

現実の未来を変えたと言えるだろう

 

縁はこの世に蔓延るモノ…

境界、空間、物質…全てに関わる

それは時間も一緒なのだから

 

 

(ー幽々子さん…いや…幽々子?貴女はこれから何がしたい?何を望んでいるんですか?ー)

幽鬼は優しく語りかける

 

ー私は…私は…!私は!!

幽々子は顔をあげ、涙でグシャグシャになった顔を見せる

 

戻りたい!!この異変を起こす前に!!

幽鬼に大声で叫ぶ幽々子

 

(ー本当に生きてる時ではなくてですか?ー)

幽鬼は幽々子の頭を撫でながら言う

 

ー辛いあの時に戻るなら…今の亡霊で過ごしていた日々がいい…妖忌はいないけど…紫と妖夢…が…そして幽霊さんがいるのなら…一緒に笑って過ごせるなら!!ー

幽々子は強く望んだ…

生きてる時では無く幻想郷で過ごしていた時の方を…

 

 

幽鬼は静かに首を縦に降った

 

 

 

 

 

 

 

(ー戻りましょう…冬が長引き…異変を起こした…あの時に…ー)

 

 

そう言うと幽鬼と幽々子はまた白い光に包まれる

お互いにしっかり抱きしめながら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(母さん…頼む、力を貸して!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イエーイ♪

頼られちゃった〜♪

やっぱり♪スタンバってて良かった〜♪

息子に初めて頼られちゃった〜♪

お安い御用よ!!

 

ま、どの道…幽鬼ちゃんを生き返らせるから言われなくてもやってたけどね!!

 

 

 

ふふ♪お母さん♪張り切っちゃうよ♪

 

あの場にいた子達の記憶は引き継ぎしとくから安心してね♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

辺り一面が何も見えなくなる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー時は戻り出すー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※27話・パチュリー&小悪魔弾幕終了後

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※図書館から出ようとドアに手をかける幽鬼

「さて…フランちゃんの所に挨拶して…人里に向かって買い物しなくちゃ…お茶会もこの吹雪が収まってからだな…じゃ、ふたり…とも…あっ……」

この瞬間、幽鬼の記憶が元に戻り動きを止め、辺りを見渡す

 

「………母さん…上手くいったのかな?」

幽鬼は振り返り、パチュリー達の元へ戻ると

 

そこには、パチュリーが幸せそうな顔で椅子に座ったまま…

気持ち良さそうに寝息をたてていた…

もちろん幽鬼がかけたブランケットがそのままになっていた

そして、小悪魔はテーブルの上に大の字で仰向けに倒れてたままで…もちろん、自分自身の体液で全身を汚したまま、瞳からハイライトが消え、本物の快楽の余韻に身を震わせている変わり果てた姿がそのままだった

 

「うん…どうやら…上手くいったみたいだね…はぁ…疲れた…この身体は何か起きる前だけど…疲れた…一先ず帰ろ…」

そう言って再び、図書館からドアに向かい廊下に出た

 

「えーと…フランちゃん達の所はっ…と…」

キョロキョロと廊下を見回していると

 

「幽鬼さん!!」

後ろからドンと衝撃が走る

 

「うごっ!?…な、何!?」

何事かと慌てるがよく見ると後ろから誰かに抱きつかれていた

 

「良かった…良かったです…」

外から帰ってきたばっかりなのか、冷たくなっている腕

そして、抱きついているその身体も震えていた

 

「さ…咲夜さん…どうしたんですか…?」

幽鬼は抱きついてきた人物の名を呼ぶ

 

「…す、すみません…あの…少しこのままでよろしいでしょうか…お願いします…」

震える声だし、ギュッとより抱きしめてきた

 

「…ま、まぁ…自分何かで良ければ…」

「ありがとうございます…」

そうしてしばらく咲夜は幽鬼に抱きついていた

 

 

 

 

〜数分後〜

 

 

 

 

「いきなり申し訳ございませんでした…」

咲夜は頭を下げて謝罪して来た

 

「いえいえ…でも、いきなりどうしたんで?」

記憶が戻っているのか確認の為に聞く幽鬼

 

「い…いえ…//あの…//信じられないと思うのですが…私…さっきまで買い出しの帰りで美鈴と歩いて…向かっていたら…」

しゅんと顔を下に向ける咲夜

 

「幽鬼さんが…死ぬと言う…変な記憶が……と言うか…さっきまで…あの場所で戦っていたのに…でも…違って…急いで帰ってきたら…幽鬼さんとお嬢様達と合う前に…そう…時間が戻ったような…」

咲夜は少し混乱していた

 

「………そうですか…混乱しますよね…」

記憶が戻ってる事を確認した幽鬼が言う

 

「それじゃぁ…幽鬼さんも…?」

幽鬼の一言で咲夜は気がついたのだ

 

「…ははっ…上手くいくとは思ってませんでしたからね♪」

頭をかきながら笑う幽鬼

 

「…………」

すると、黙ったまま咲夜は涙を流し始める

 

「どぉうぇっ!?咲夜さん!?あっ!?ごめんなさい!?なんか、黙っててごめんなさい!?」

幽鬼は地雷を踏んだのかと平謝りする

 

「…ぐすっ…ふふっ…違うんです…」

涙を拭きながら微笑む咲夜

 

「うぇ…?」

固まる幽鬼

 

「…もちろん…あの時…幽鬼さんが死んでしまったのは変わりませんが…今は…変わっています…貴方が生きていて良かった…」

咲夜はそう言いながら、今度は正面から抱きしめてくる

 

「…す…すみませんでした…ご心配お掛けして…」

幽鬼は咲夜を抱きしめ返す

 

「…いえ…貴方が無事で本当に良かったです…」

咲夜はよりきつく抱きしめながら顔をあげた

 

「…もう一度…お伝えします…十六夜咲夜は…」

 

 

 

 

 

 

 

「貴方の事をお慕いしております…」

そう言って微笑んだ

 

 

 

「ありがとうございます…その気持ち受け止めさせて貰います…これからよろしくお願いいたします…」

幽鬼も咲夜の気持ちに答える

 

 

ロウソクで灯す廊下…

 

 

二人の影が重なった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「第一正妻の位置はもちろん目指しますので…」

 

 

「アッハイ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、春雪異変は幕を閉じた

 

春はその日を境にゆっくりと幻想郷に戻って行った

 

ただ異変終了はしたがこの後、

博麗神社でさらなる騒ぎが幽鬼を待ち望んでいた

 

その話はまた次回…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふふ♪自分の子ながら罪な男ね♪

幽鬼ちゃん頑張ってね♪

 





えー…勢いって大切なんですけど…
途中何書いてるかわからなくなってましたよ私…
(゚ω゚;)。o○(やべ!?)ってなりました…はい…


ベタやなベッタやな!!
長くなってもうた!!

\( 'ω')/イヤアアァァァァアアアァァァァアアア!!!!

ここまで読んで頂きありがとうございました!!


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彼女達の素直な想い


お待たせ

これより、ふざけ回に入る
まぁ、シリアスな所もありますぞえ

紳士はここに降臨する!!( - ̀ω -́ )



そんなこんなで書いてきます!
それではどうぞー!


 

ー紅魔館門前ー

 

 

「雪止みましたね〜…さっきの猛吹雪が嘘のようです…」

美鈴が雪掻きを持って空を見上げていた

 

「それに…何処か暖かくなってきましたし…春の訪れですかね…」

雪雲が薄れ、青空がチラチラと見え始めていた

 

その時、鉄門が開き中から幽鬼と咲夜が出てきた

 

「雪掻きお疲れ様です、美鈴さん」

幽鬼がそう言って声をかける

 

「あぁ、幽鬼さん!もうお帰りで?」

雪掻きを担ぎ答える

 

「レミリアさん達にもご挨拶がすんだので、買い出しにも行かないと怒られるんで…」

苦笑いしながら答える幽鬼

 

「美鈴?雪掻きはもう平気そうね?」

咲夜が辺りを見回して言う

 

「そうなんですよ…さっきまで猛吹雪って言っていいほどに…まぁ、暖かくなるのはいいんですけどね?」

美鈴は疑問に思いながらもう一度辺りを見回す

 

「不思議な所ですよ…幻想郷は… 」

ボソッと幽鬼は言って歩きだす

 

「幽鬼さん、またお待ちしております…!」

咲夜はお辞儀をする

 

「お気をつけて〜♪」

美鈴は手を振って見送った

 

幽鬼の背中が見えなくなり、美鈴は手を降るのをやめて咲夜の方に向く

 

「咲夜さん♪どうやらわかったみたいですね♪」

美鈴が笑顔で話しかけてきた

 

「……えぇ…美鈴…ありがとう…」

お辞儀をやめて、美鈴に礼を言う咲夜

 

「でも幽鬼さん…パチュリー様達とかともですけど…大丈夫なんで?……事によっては…私が…」

そう言って美鈴の顔が凄む

美鈴にとって咲夜は大切な家族であり、小さい頃から世話をして、教育した妹の様な存在だからだ

 

「心配しなくても平気よ…ありがとう…」

そう言って紅魔館の中に入っていく

 

 

 

「第一正妻は目指すから…」

ボソッと言った言葉は誰にも聞かれず、消えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜博麗神社前、階段途中〜

 

 

人里に一応より、目当ての買い出しをすました幽鬼

やはり、妖夢には会わなかった…

慧音と会話したのは変わらなかった

 

「よし…必要な物は買ったと思うんだけど…っと…ん?」

その時…誰かに見られてるような感じがする

足を止めて周りを見るが誰もいない

 

「……気のせいか…?」

幽鬼はまた階段を上がり始めた

 

 

幽鬼が通り過ぎ誰もいなくなった後

立ち止まった所に散っていた靄が一箇所に集まり、形をなしていった

 

「あれが〜…聞いてた幽香の子供って奴か〜…」

腰につけた瓢箪のフタを開け、飲み始める

 

「ぷはぁっ…!中々…面白そうな奴だ…にしし…」

そう言ってまた散り始める

 

「どの位で…気づくか楽しみだぁ〜♪」

その頭に生えた二本のツノを揺らしながら消えていった

 

 

 

 

 

 

ー博麗神社・居間ー

 

「………」

 

「………」

 

「………」

 

霊夢、アリス、魔理沙が横一列に並んで

霊夢とアリスは正座、魔理沙はあぐらで座っていた

 

「………」

 

「………」

 

その正面に幽々子と妖夢も正座で座っていた

 

空気が張り付いている

 

その時…

 

「ただいま戻りました〜…」

玄関から幽鬼の声が響く

幽鬼は居間の現状を知らない

 

「ん…靴がたくさん…霊夢さーん?」

廊下をスタスタと歩く音が近づいて来る

 

「幽鬼…居間にいるから来なさい」

霊夢が幽鬼に声をかける

 

「あ、はい…買ったもの置いて来ますね…お客さん来てるんですか?…お茶だしまっ…」

 

「置いたらさっさと来なさい…!」

静かに怒鳴る霊夢

 

「ア、ハイ…」

幽鬼はそそくさに台所に物を置きに行く

 

 

 

「…たくっ…マイペースな奴よ…本当に…で?あんたらの目的は何だったけ…」

霊夢が呆れながら、目の前の二人に聞く

 

「そうね…衝撃的過ぎて、混乱しているのは確かたけど…もう一度、聞かしてくれないかしら?」

アリスも聞く

 

「そうだぜ…ここに来て、謝りに来たんなら分かるが…あれは私でも衝撃的だったぜ…中々だったぜ…」

魔理沙は遠い目をしながら感想を言う

 

「申し訳ございません…いきなり押し掛け来てしまい…私も謝罪の意味でこちらをお持ちしたんですが…幽々子様…一体どう言う事ですか?」

妖夢は高そうな包みを差し出しながら言うが、事の発端は

主である、幽々子だった様だ

 

「そうね〜…私も色々と起きてるから正直混乱しているのは確かなのよ〜、でも思ったら行動って言うじゃない♪」

フフっと微笑む幽々子

 

「その行動でこっちは参ってんだけど?」

幽々子を睨む霊夢

 

その時廊下側の襖が開く

 

「すみません…お待たせ…しまし…たぁ…?」

入ってくる幽鬼は居間の光景に固まる

 

「待っていたわよ…幽鬼、こっちに座りなさい…」

霊夢が幽鬼を隣に来るように言う

 

「…あ、はい…分かりました〜…」

幽鬼は魔理沙達の後ろを通り、霊夢の隣に座る

 

「え〜…どう言う状況ですか?」

霊夢に聞く幽鬼

 

「そうね…あんた、記憶は?」

霊夢が幽鬼に記憶があるか確認してきた

 

「え…あ、あ…はい…あります…」

何故か霊夢に睨みつけられる幽鬼

 

「そうなら…言いたいことは沢山あるけど、こっちからの話が先になるから後で覚悟しておきなさい」

 

「ア、ハイ」

やはり怒っていた霊夢に頷くしかない幽鬼だった

 

「……では、先程幽鬼さんが来られる前にも…言いましたが…もう一度失礼して言わして貰います…」

すると、妖夢が深々と頭を下げる

 

「この度はご迷惑をおかけ致しました…何の原理かは分かりませんが…時が巻き戻り、早い段階で春を西行妖から解き放つ事が出来ました…感謝とお詫び申し上げます…」

丁寧な言い方で妖夢は言う

 

「まぁ、それはお互い無事だったから良かったぜ…幽鬼も死ぬ前に戻ったんだし…うん…私は平気だぜ?」

チラッとアリスと霊夢を見る魔理沙

 

「……言いたいことは山ほどある…今でも信じられないけど…幽鬼が冷たくなっていた感覚は…嫌ほど覚えてた…いえ…思い出したわ…今、幽鬼が目の前に現れて正直…ホットしたわ…本当に良かったわよ…それで充分よ…」

アリスもそう言って幽鬼を見た

 

「だけど…ね…霊夢と同じで…そちらのお嬢様の意見は少し納得…いや、納得出来てないわ…」

そう言って幽々子に視線を向ける

 

「え…何があったんですか?」

幽鬼が霊夢聞く

 

「……ふふっ…幽鬼君に直接会ってから言おうとしたんだけどね…我慢できなくて言っちゃったの♪」

幽々子がそう言って微笑む

 

 

「白玉楼にお迎えするって♪」

「おびゃっ!?」

いつの間にか幽々子が幽鬼の後ろにいて耳元に囁く

 

「ちょっと!?何してんのよ!?」

霊夢が大幣を払う

 

「いやん♪怖い♪」

ヒョイッと幽鬼から離れる幽々子

 

「幽々子様!その為に今日は伺った訳じゃ無いですからね!!」

妖夢が立ち上がり幽々子に怒鳴る

 

「あら♪妖夢は彼が来るのが嫌なのね♪」

ニコニコ幽々子が言う

 

「そ、そんな事っ…!?」

「そうよね♪身体を合体した仲だもんね♪」

 

ピシッ

空気が固まる

 

 

「にゃに言ってんれすか!?」

妖夢が顔を真っ赤にして言う

 

 

「「幽鬼?どう言う事?」」

その反応を見た霊夢とアリスがギョロと幽鬼を見る

 

 

「ひぃ!?あのっ!?」

幽鬼はとりあえず説明をし始めた

 

 

 

※青年説明中

 

 

 

 

 

※青年説明中

 

 

 

 

 

 

一通りの説明をし終わった幽鬼

 

 

この際だからっと霊夢が幽鬼の身の回りで起きた、変わった事を全部言えと陰陽玉を片手に言われたので全部言った

 

その結果

 

 

 

「チーン…」

 

こってり怒られ真っ白になっていた

幽鬼は正座していて、目の前に霊夢とアリスが立っていた

 

 

「あらあら♪やっぱり幽鬼ちゃんはヤリ手なのね♪」

幽々子は何故か嬉しそうに笑っていた

 

「…ぜぜ…何となく…不思議に思ってたが…ぱ…パチュリー達とも…う…うーん…合意なら大丈夫かぜ?」

話を聞いてた魔理沙は真面目に考えていた

 

「ゆ…幽々子様…は一体何が…しかし、幽鬼さんは…だらしない男の人ではなさそうですし…ブツブツ…」

妖夢も何か悩んでいた

 

 

「霊夢?ちょっといいかしら?」

「何?アリス?」

幽鬼を一緒になって説教したアリスが霊夢の方へ向き直る

 

「今、彼に対して私達は…まぁ…説教してしまったけど…貴女は何故…彼に対して怒ったのかしら?」

「えっ…」

アリスの質問に霊夢は驚く

 

「あ、そういやそうだぜ…なんでアリスと霊夢は幽鬼を怒ったんだぜ?…お前ら人の関係に口出しする様な奴だったかぜ?」

魔理沙が気付いて二人の行動に疑問を持つ

 

「そうね〜♪幽鬼ちゃんが来る前に私が幽鬼ちゃんを欲しいって言った時も二人とも猛反発してたものね〜…不思議だわ〜♪」

幽々子は真っ白になっている幽鬼の頬をツンツンしながら言う

 

「…わ…私は…意志を持ち…彼と一緒になった訳では…いや…でも…そんなに嫌な…気持ちは…ブツブツ…」

妖夢は相変わらずブツブツ一人で悩んでいた

 

「べ、別にいいじゃない!…そ、それに私は幽鬼の面倒を見るように、紫に言われてるから把握が必要でしょ!?」

 

「幽鬼がお前の面倒を見てるんじゃなくてかぜ?」

「魔理沙、五月蝿い!!」

的確なツッコミを入れる魔理沙に怒鳴る霊夢

 

「そ、それじゃぁ!私から聞くけどなんで、あの異変の首謀者であるあんた(幽々子)アイツ(幽鬼)を欲しがるのよ!?…アイツがアンタらに何かしたの!?どうして!?」

霊夢は矛先を爆弾発言した幽々子に向けた

 

「あら?何でって分からないのかしら?」

幽々子はそう言って真っ白になっている幽鬼を

後ろから抱きついていた

 

 

「私は幽鬼ちゃんを気に入ったの♪」

微笑みながら幽々子は霊夢に言った

 

「なっ…なっ…」

フルフルと震える霊夢

 

「それにただ気に入っただけじゃないのよ♪…彼は私を助けてくれたし…約束してくれたから♪…私の我儘を聞いてくれるって…♪」

自分の頬を幽鬼の頬に頬擦りする

 

「それに♪今自分の世界に入ってる妖夢も同じよ♪彼の真っ直ぐな想いを共有したからこそ…ここまで来たの♪二つ返事だったし、妖夢が言い出した事なのよ♪」

 

「あ、そういえば…妖夢がお前に催促しながら連れてきてたな…」

幽々子は妖夢に連れてこられた形で来たのを魔理沙は見ていた

 

「そう♪だから♪…紫の頼みでもあるなら…私の頼みで…いえ…私の意思で彼を…幽鬼ちゃんを連れて帰りたいって思ったの♪」

幽々子の喋り方は相変わらずマイペースだが、その言葉に嘘偽りはなく、真っ直ぐな返答だった

 

「……なら…霊夢?…次は私から言わして貰うけど…どうして、貴女にそんな事聞いたか分かるかしら?」

霊夢の後ろに立つアリスが口を開く

 

「…な、何よ…」

霊夢が振り向く

 

「私はね…貴方が幽鬼をどう思っているのか知りたかったのよ…貴女がただスキマ妖怪に頼まれたから面倒を見ている…身の回りの事をさせている、それだけの存在なの?」

 

「……それが…なに…」

霊夢はアリスを睨む

 

「それだけの存在なら…私が彼を引き取る事も出来るわけでしょ?…スキマ妖怪に頼めば…」

アリスが霊夢の横を通り、幽鬼のそばに近寄る

 

「博麗の巫女としての役割…ってのは納得するわ…でもね…博麗霊夢の考え方…思いはどうなの?…それが無いなら…幽鬼を縛り過ぎてるわよ…」

未だに真っ白に燃え尽きた幽鬼の傍にしゃがむ

 

「……それなら…アリス…あんたは何なのよ…何で、赤の他人のアンタが…幽鬼を怒る必要があったの…」

霊夢がアリスに聞く

 

「…ちょっとした嫉妬…先を越されてた悔しさ…かしら?」

アリスは答える

 

「あら♪」

それを聞いた幽々子は扇子で口元を隠す

 

「…も、もしかして…ぜぜ…あ、アリス…お前もかぜ…」

魔理沙は驚き過ぎて震えている

 

「ブツブツ…ブツブツ…私は…ブツブツ…」

妖夢は相変わらずである

 

「…決心してた…彼が冷たくなっていた感触…もう二度と味わいたくない…彼は私が守る…失いたくない…」

幽鬼の頬に手を添えて、暖かさを感じる

 

 

「幽鬼を愛している…この温もりは無くさせない…」

そう言ってアリスは真っ白になっている幽鬼にキスをする

 

 

 

「あらあら〜♪」

幽々子は楽しそうに微笑む

 

「ぜ…ぜぜ…//」

両手で目を隠す魔理沙、指の隙間から見ていた

(この場で魔理沙が一番純粋な乙女である)

 

「幽々子!?やっぱり私には早いで…す…あれ?」

何か考えがまとまった妖夢置いてけぼりである

 

 

 

 

 

 

数時間後

 

 

 

 

 

 

 

「う〜ん…」

幽鬼は自室で頭を抱えて悩んでいた

外はすっかり暗くなり、静かだった

 

「まさか…紅魔館勢から…咲夜が参戦して…アリス…んでもって白玉楼から…幽々子だとは…」

(妖夢は幽々子と真剣に考えてからと言って断ってきた)

 

「一体、燃え尽きている間に何があったんだ…はぁ…」

幽鬼は自分の身の回りの人達がどんどん巻き込まれていく事に悩んでいた

 

「…やっぱり…能力の影響なのかな…はぁ…」

幽鬼はやはり素直に喜べ無かった、時間をかけて育んでいく気持ちがこうもあっさり実ってしまう事に

 

「…霊夢…やっぱり怒ってたしな…うぐぅ…」

机に突っ伏す幽鬼

 

あの後、すぐに幽鬼が意識を取り戻した瞬間に

霊夢の平手を食らったのだ、霊夢はそのまま部屋に閉じこもり

夕飯の時間も部屋から出てこなかった

 

「…何とか…全員帰って貰ったけど…魔理沙だけやけに霊夢を心配していたからなぁ…悪いことしたよな…」

魔理沙は霊夢の事が気になるから泊まっていくと言ったが

この問題は幽鬼と二人で解決しなければならないとアリスが魔理沙を説得して帰らしたのだ

 

「魔理沙は…凄い純粋で良い子だよ…本当に…」

魔理沙は最後まで、幽鬼と霊夢の関係を心配していた

友達同士でいがみ合っているのが余程嫌なのだろう

最後には幽鬼に「ちゃんと仲直りするんだぜ?」と言って神社を後にしたのだ

 

「にしても…本当に…どう…しよぉ…ふぁ〜ぁ…」

欠伸をして幽鬼はウトウトし始めた

 

「…あや…まる…ぅぁ…ぐぅ…ぐぅ…」

そのまま寝息を立て始めたのだ

 

 

トントン…

その時、部屋の襖が叩かれる

 

「……ねぇ…起きてるの…?」

どうやら霊夢が部屋に来たようだ

 

「ぐぅ…ぐぅ…んぐぁ…ぐぅ…」

しかし幽鬼は寝たまま起きなかった

 

「………ちょっと……寝たの…?……は、入る…わよ…」

返事が返ってこないので痺れを切らして霊夢が静かに部屋の襖を開けてくる

 

「…なによ…布団も敷かずに寝たの…」

そう言って霊夢襖をゆっくり閉め、幽鬼の部屋に入ってくる

いつものリボンや巫女服ではなく、白い浴衣に着替えていた

 

「………たくっ…人が謝りに来たのに…」

霊夢は幽鬼の斜め後ろに腰を降ろす

 

 

 

 

 

 

「……寝て…いるのよね…?」

霊夢は少し不安に駆られ、幽鬼の顔を覗き込む

突っ伏して寝ているが横顔が見え、呼吸もしっかりしていたのが確認できた

 

 

 

「…ふん…大丈夫そうね……まったく…」

霊夢は座り直し、幽鬼の寝顔を見始めた

 

 

 

 

 

その間、霊夢は改めて思い出していた

 

 

 

実際に目の前にいる幽鬼は、西行妖の弾幕を妖夢から庇い食らって死んでしまった事を…

 

 

 

「………」

顔が青白くなり、冷たくなった幽鬼を必死に何とかしようと頑張るアリスの顔を…

 

 

 

 

 

 

 

"博麗霊夢の考え方、思いはどうなの?"

今日アリスに言われた事

 

 

 

 

 

 

 

"幽鬼を愛している、この温もりは無くさせない"

同じ様な事をアリスに聞き、返ってきた言葉

 

 

 

 

「あ……なに…これ…」

霊夢はふと気づくと涙が零れていた

 

 

「…なに…なんで…止まらない…」

どんどん溢れてくる涙、震え出す身体

 

 

「…っうぅ…な…なん…でぇ…」

霊夢は気付きかけていた、涙の理由を

 

 

「……うぅ…ゆ…っゆ…きぃ……」

霊夢は寝ている幽鬼の背中に抱きついた

 

 

 

 

暖かかった、抱きつき身体がくっつく事で気づいた…

 

 

 

 

耳を背中に当て、幽鬼の鼓動を聞いていて気づいた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼を失いたくない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう思うと幽鬼を抱きしめる力が強くなる

この暖かさ、温もりを一度失ってしまっていた

自分の油断と愚かさに悔いていた霊夢

 

「幽鬼…貴方はいつも自分の能力のせいでが…口癖よね…でもね…違うの…貴方は能力の制御はちゃんとしっかり出来てるの…貴方が持つ…優しさと温もりが…私を惹いたのよ…」

霊夢は目を閉じて、幽鬼の鼓動を聞くのに集中する

 

 

「怖かった…恐ろしかった…あの時はそんな思いも棄てて目の前の異変を博麗の巫女として、解決しようとしてた…それを優先した…それが私の役目だから…」

霊夢はピッタリと身体を幽鬼の背中に委ねる

 

「………そんな…私が…貴方に受け入れ…て貰えない…と思って……それが一番…恐かった…言い出せなかった…周りの奴らは…言えてるのに…受け入れて貰っているのに!!」

再び涙で顔を濡らす霊夢

 

「私だけ…私だけが!!貴方に深く受け入れて貰えないと思うと!!…怒りと嫉妬が混じって!!」

霊夢は今まで溜め込んだ物を吐き出すように言う

 

「母さんと一緒で…私の前からいなくなっちゃうかもって思うと…!!また一人でいなくちゃいけないのかと思うと!!」

この時、霊夢は…博麗の巫女ではなく

一人の少女、博麗霊夢として涙を流していた

一番の孤独に呑まれていたのは霊夢だったのだ

 

 

 

「いや…貴方は…お願い…そばに居て…お願いよ…」

霊夢は泣きながら小さい声で言い続けていた

 

 

その時、幽鬼が起き上がり

振り向きざまに霊夢を正面に抱き寄せた

 

「……ふぇ…?」

霊夢は何が起きたのか理解出来なかった

 

「大丈夫ですよ…霊夢さん、自分は貴女の前から居なくなったりしませんし…何より霊夢さんは1人じゃないですよ…」

優しく声をかけ、抱き寄せた霊夢の頭を撫でる

 

「自分もそうですけど…ゆう姉に魔理沙、アリス、咲夜…後にレミリア、フランちゃん…美鈴…こあ…パチュ…そして、幽々子さんに妖夢…紫さん達だって…名前をあげたらキリが無い位に周りにいますよ?」

優しくギュッと抱きしめ直し

 

 

「だから…一人だなんて言わないでください…こんな自分で宜しかったら何時でもこうやって傍にいますから…」

 

「…う…あ……あぁ…」

霊夢の目にまた涙が溢れ出し

 

 

「ゔぁあわぁぁぁん!!ゆぎぃいぃ!!」

 

 

 

霊夢はこの瞬間だけ一人の人間の少女として泣いた

 

 

 

 

 

 

 

 

〜数分後〜

 

 

 

「あの〜?霊夢さん?」

 

「なに…」

 

「そろそろ…ご自分のお部屋で寝た方がよろしいかと…ほら、だいぶ夜も深けて来ましたし…あの…」

 

幽鬼は困っていた、霊夢が幽鬼に抱きついたまま離れなくなったのだ

 

「…いやよ…今日は…このまま一緒にいなさい…」

幽鬼の服の胸元をギュッと握る霊夢

 

「あはは…参ったな…」

(どぁぁ!!ツンデレイムじゃなくなったァ!?)

幽鬼は心の中で葛藤していた

 

「……いいから…一緒にいさして…お願いよ…」

上目遣いで少し涙目野霊夢

 

「…………グフッ…」(可愛ええな!こいつぅ!!)

今まで見た事ない態度の霊夢に幽鬼はダメージを受けた

 

「……ハッ!…いや、布団も引かなきゃいけないので…」

一旦霊夢と離れて、立ち上がろうとするが

 

「……さっき、私が望めばって言ってたじゃない…」

やっぱり服を掴まれ、立てなくなる

 

「じゃぁ…アレですか?霊夢さんの部屋で一緒に寝ますか?」

流石にコレはいくら何でも無理だろう

幽鬼はそんな気持ちで霊夢に言った

 

 

 

「…いいわよ…」

 

(oh...マジか...(´・ω・`))

 

今の霊夢はとんでもなく素直に返事を返してきた

 

 

 

 

 

 

 

〜霊夢の自室〜

 

 

幽鬼と霊夢は一枚の布団に二人で入っていた

 

「…………」

「……すぅ…すぅ…」

幽鬼は既に寝息を立てている霊夢の顔を見ていた

 

(なんか…色々とあり過ぎて、正直混乱してるな…まぁ、コレで何人…何だっけ…えーと……うん…考えるのやめよ…真剣に向き合って、他の皆とも育んで行けばいいんだ…好きでいてくれたその気持ちを…俺は受け入れる…大切にする…それだけだ…)

 

改めて決心した幽鬼は眠りについた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

((・ω・`)これ…ス〇デだったら死んでるな…)

 

 

 

 

気をつけようとも思うのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜白玉楼〜

 

時間は霊夢が部屋に閉じこもって、各々が帰っていき幽々子達も家路に着いた

 

 

「全く…幽々子様…何を考えているのですか…幽鬼さんを困らせに行ったんじゃないですから…」

肩を落とし、疲れきった妖夢

 

「あら?でも妖夢も満更では無かったじゃない♪幽鬼ちゃんに去り際に(考えさしてください!!)って言ったじゃないの♪」

ニコニコと幽々子が言う

 

「あ、あれは!少し混乱していたと言うか!?…あの…!そ…その…//えーと…//」

顔を赤くしてモジモジする妖夢

 

「ほら、妖夢も素直になりなさいな♪幽鬼ちゃんは押しに弱いからイケるわよ〜♪」

 

「何がですか!?…もう!御夕飯の支度してきます!!」

幽々子の一言に妖夢は声を上げて、自分の仕事に戻って行った

 

「あらあら♪妖夢もウブさんね♪」

その後ろ姿をニコニコと見ていた

 

 

 

 

それから数時間後、冥界も夜になっていた

 

 

「ふふ〜…やっぱり、妖夢の作るご飯は美味しかったわ♪」

お腹を擦りながら幽々子は妖夢に言う

 

「ありがとうございます…」

妖夢は軽く会釈をする

 

「やっぱり…コレが…のんびり過ごすのが…幸せなのね〜」

幽々子は春の散った西行妖を見る

 

「幽々子様?もう変な事、考えないでくださいよ?」

妖夢は幽々子の目線の先に気づきクギを刺す

 

「んもぅ♪妖夢は心配性なんだから♪大丈夫よ♪」

妖夢に微笑みを見せる

 

「はぁ…それじゃ、幽々子様…お先に失礼いたします…幽々子様も余り夜更かしされぬよう…」

妖夢はそう言って自室に向かった

 

「はーい♪おやすみなさーい♪明日もよろしくね〜♪」

ヒラヒラと手を降って妖夢の背中を見送った

 

妖夢がいなくなり、一人になる幽々子

 

「………」

手を降るのをやめて、再び西行妖に目をむける

 

「……本当にそのまま戻ってしまったわ…」

幽々子は自分自身の記憶を全て取り戻していた

 

「…ふふ…なんだかおかしな話…こんな元気な性格になってるのは…でも、コレが…私なんだよね…」

そう言って西行妖の方に手を伸ばす

 

「もうしばらく楽しませて過ごさして貰うわ…」

 

 

 

「幽々子…」

その時、後ろから名前を呼ばれる

 

「あら♪今起きたのかしら♪お寝坊さん♪

振り向くと八雲紫の姿があった

 

「えぇ…どっかの誰かさんが春を集めて、冬が長引いたせいで起きるタイミングがズレちゃったわよ」

 

「あらあら♪それはごめんなさいね〜♪」

紫は幽々子の隣に座る

 

「幽々子…」

 

「ん?何かしら?」

 

「どうして…春を集めるのを途中でやめたかしら…?それに、あの桜の木を咲かしてどうしたかったの?」

紫の目は真剣に幽々子を見ていた

 

「ん〜…気が変わったから?」

幽々子はいつも通り答える

 

「それだけ…なの?」

紫は何処か悲しそうだった

 

「それだけかも〜…って前の亡霊のままの私だったら…そう言っていた…かもね…」

 

「え……」

幽々子の雰囲気が変わり驚く紫

 

驚いている紫を横に幽々子は立ち上がり、庭を歩き始める

 

「幽々子…!まって…!貴女…!」

紫も慌てて後を追う

 

 

庭を抜け、幽々子と紫は西行妖の根元に来ていた

幽々子が枯れた西行妖の根元に立ち、正面に紫がいた

 

「…あの時…私はこうやって…刃物を持ってた…」

両手に扇子を持ち、首に当てる

 

「ゆ……幽々子…」

紫はその場から動けず、幽々子を見ていた

 

「私はあの時…後悔は無かった…紫…貴女がずっと気にかけてくれてたから…妖忌もずっと居てくれた…でも、これ以上…私の為に多くの人の命を…捨てさせる訳にはいかなかった…」

幽々子はあの時の自分の行動を再現していた

 

「でも…人間、直前になると恐い物ね…ふふ♪…あの時だけ…西行妖が綺麗に見えた…」

そう言うと両手に持った扇子をスっと首を切る仕草をする

 

「ここで…私は…死んだ…死んで…貴女のおかげで…西行妖が封印出来た…私の犠牲は無駄じゃなかったわ…」

そう言って扇子をしまい紫を見る

 

「ありがとう、紫…私をずっと守ってくれて…」

幽々子は微笑みながら涙を流していた

 

「幽々子ぉぉ!!」

紫は幽々子に抱き着いた

 

「本当よ!!アンタは!馬鹿なんだから!!最初の頃はアナタを見る度に心を折られそうになったか…!!」

紫は今まで誰にも言えなかった心境を話始める

妖怪の賢者たる風格は何処にもなく、ただ心友の為に涙を流す妖怪の姿だった

 

「うん…うん…」

幽々子は優しく紫の言う事を聞いていた

 

「色々と…言いたいこと沢山あるんだから…!ここ1000年分は覚悟してちょうだいよ!!」

「えぇ…話しましょう…時間は沢山あるわ…」

幽々子と紫はしばらく西行妖の根元で話していた

 

「ねぇ…紫…」

 

「何かしら…」

 

「私…幽霊さんにあったのよ…♪」

本当の笑顔で紫に言う幽々子

 

「そう、良かったわ…今度は合わしてちょうだい」

紫も笑顔で答える

 

 

 

 

二人を月明かりが照らしていた…

 

 

 




(`・∀・)ノイェ-イ!書けました

作者は西行寺幽々子に対する思いは半端ないです…

東方キャラでも一番好きなキャラで…こうなったら良いなって言う感じで書きました…

願望丸出しですな!!

ここまで読んでいただきありがとうございました!!


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増える想い、増える恋敵


どうも、亜麻乃です

最近、エ○ゲしながら書いてあります
ので、脳内バカになっております

( -∀-)ご了承ください♪



 

 

 

ー 紅魔館 地下図書館 ー

 

 

「…まったく…幽鬼ったら…そのまま帰っちゃうなんて…」

髪の毛をタオルで拭きながら椅子に座り直していた

どうやらあの後、お風呂に入りにいったらしい

 

「こあは…まだ、あの状態ね…一体何をしたのかしら…」

パチュリーが言う通り、未だに小悪魔はテーブルに仰向けだった

 

「今度はいつ来るのかしらね…」

待ち遠しいく思う、乙女の顔をしていたパチュリー

 

「失礼いたします…」

咲夜が現れる

 

「ひゃっ!?さ、咲夜!?びっくりさせないでよ…」

後ろに現れた咲夜に驚くパチュリー

 

「申し訳こざいません…パチュリー様にお客様がいらしておりますので…お急ぎでお知らせをしに来ました」

頭を下げ、謝りながら要件を言う

 

「…お客様…どちらさん?…もしかして幽鬼?」

少し期待をするパチュリー

 

「いえ…しかし、同業者の方です…お通ししても?」

「……そう…同業者?……まぁ…いいわよ…あ、小悪魔…」

ふと思い出し、小悪魔がいた方を見ると影も形も無かった

 

「一応、片付けて置きましたので…」

咲夜がお辞儀をする

 

「そう、ありがとう…じゃぁ…お願いね…」

「かしこまりました…」

咲夜はその場から姿を消す

 

「一体…誰かしらね…」

 

 

 

 

ー数分後ー

 

 

 

 

「まさか…貴女がここに来るとはね…しかも一人で…」

パチュリーは咲夜に入れてもらった紅茶に口をつける

 

「ふぅ…やっぱり、小悪魔が入れるより美味しいわ…で…一体なんの御用かしら…森に住む…魔女さん?」

カップを置き、正面に座るアリスに声をかける

 

「とりあえず、いきなりの訪問謝るわ…」

そう言ってアリスも出された紅茶を飲む

 

「いいえ…どっかの白黒よりかはマシよ…で目的はなんの用…本でも借りに来たのかしら?」

再び紅茶を口へ近づけた時

 

「今日は貴女に宣戦布告しに来たのよ…」

それを聞いたパチュリーは動きが止まる

 

「……いきなり…喧嘩を売って…何の理由でかしら?」

カチャンとカップを置き、アリスを見る

 

「勢いで宣戦布告と言ってしまったけど…そんな物騒な事では無いわよ…貴女も知ってる人…幽鬼の事よ…」

そう言ってアリスもパチュリーを見る

 

「幽鬼の事…何かしら…私に関係あるの?」

パチュリーはシラを切る

 

「あら…関係ないの…?私の思い違いかしら…なら幽鬼は私が貰ってもいいわね?

その言葉を聞いたパチュリーは目を鋭くする

 

「…アリス……貴女もなの…」

そう聞くとアリスは頷く

 

「……なら…話は早いわ…でも、1歩2歩先に行ってる私に幽鬼を奪えるかしら…?」

ふふんと胸をはるパチュリー

 

「これから分からないわ…でも私は幽鬼の中で一番を目指すわ…正妻の位置を…それに…貴女だけに話をしに来た訳じゃないの……咲夜…聞いてるんでしょ?」

アリスは後ろに目線をやる

 

「………アリス…やっぱりそうなのね…」

咲夜が後ろから現れる

 

「……なんだか…ややこしくなって来たわね…幽鬼ったらどれだけ女ったらしなのよ…」

パチュリーが深く椅子に腰をかける

 

「でも…これだけは言っておくわ…それは私が任されてる事…もし、これから貴女達の周りに増えるのであれば言っておきなさい…」

パチュリーはアリスと咲夜を見据える

 

「幽鬼の育ての親である風見幽香を敵に回すような事は一切しない事と…幽鬼が嫌う事は一切してはならないわ…例えば…私達が幽鬼を巡って殺し合うとかね?」

パチュリーの目は何処か幽香の雰囲気に似ていた

 

「かしこまりました…パチュリー様、正当に幽鬼さんの一番をもぎ取りますので…」

咲夜はお辞儀をしながら言う

 

「あら…それを聞いたら私も負けないわよ…幽鬼は一生かけて護るんだから…」

アリスも負けずと言う

 

「このままだと…幽鬼の周りにはまだ増えそうな気がするわね…対策考えなくちゃ…」

パチュリーも油断ならない()が増えた事に対策を練ろうと考え始めた…

 

しかし、それぞれの顔は殺伐とせずに何処か嬉しそうで楽しそうな顔をしていた…

 

 

"幽鬼の一番は私よ(です)"

 

その場にいる三人は同じ事を思った

 

 

 

 

 

 

 

〖アリス・咲夜がパチュリーのライバルリストに追加されました 〗

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜次の日〜

 

ー博麗神社・霊夢自室ー

 

 

「……んっ…」

障子から光がさし、目が覚める霊夢

 

「……ぁ…んぅ…?」

隣をまさぐるが一緒に寝たはずの彼の姿が無かった

 

「…ゅ…ゆぅ…きぃ…」

霊夢は寝惚け眼で身体を起こし、部屋を見渡す

 

「……んぅ…ど…こぉ…」

部屋は見当たらなかったので立ち上がり、ヨタヨタと霊夢は部屋から廊下に出て、幽鬼を探しに行く

 

 

 

ー博麗神社・台所ー

 

「…んぅ…ぅん…ぅ?…」

ヨタヨタと廊下を進み台所まで来るといつも通りいい香りが漂って来た、霊夢は台所に入って渦中の人物を見つける

 

「〜♪〜♪」(※割烹着装備中)

幽鬼は鼻歌を歌いながら、朝ご飯を作っていた

 

「………」

ヨタヨタと幽鬼に近づく

 

 

そして

 

「ぬぉっ!?…なに!?…って…霊夢さん!?」

「…んぅ……ぅ…」

霊夢が後ろから抱きついた

 

「ど…どうしたんですか?…何かありました?」

動揺する幽鬼

 

「……しばらく…こうさせて…」

ボソッと霊夢は言って、抱きしめる腕に力が入る

 

霊夢が満足するまで幽鬼は黙っていた

 

 

 

 

 

 

〜数時間後〜

 

 

「で?一体なんの用なの?」

朝食を済ませ、霊夢はいつも通りの巫女服に着替え身支度を済まし、いつもの神社の境内の掃除をしていた

 

「あら♪久しぶりのゆかりんに会えたのに〜♪霊夢ったら冷たいんだからァ〜♪」

ある程度掃除が進んでいた所に冬眠から目覚めた紫が顔を出して来たのだ

 

「……退治するわよ?」

霊夢は紫を睨む

 

「いやん♪恐い♪…でも、私が冬眠中に色々とあったみたいね〜?」

紫はある程度、冬眠中の管理を任している藍に話を聞いたらしく状況は把握しているらしい

 

「幽鬼くんったら♪ヤリてよねぇ…♪」

ニヤニヤとしながら霊夢に話す

 

「………ふん…それに何か問題があるのかしら?」

紫は霊夢のその言葉に目を丸くする

 

「…何よ…固まって…おかしな事でも言ったかしら?」

霊夢がそう言うと

 

「はっはぁん〜♪…霊夢、貴女も隅に置けないわねぇ♪」

再びニヤニヤしだした紫

 

 

その直後

 

 

 

ゴギャァッ!!

 

 

 

紫の顔面に陰陽玉がめり込んだ

 

 

 

 

 

 

 

〜数分後〜

 

 

 

 

「……どんな状況…ですか?」

幽鬼が用事から戻って来て鳥居をくぐった直後、目に入ったのは、顔面に陰陽玉がめり込み仰向けに倒れていた紫の姿だった

 

「おかえり、幽鬼」

霊夢がまるでゴミを見るような目線を紫に向けたまま言ってきた

 

「はい、ただいま…です…」

霊夢と紫を交互に見ながら返事をする幽鬼

 

「先に部屋に行ってて、私はこのゴミを運ぶから…ほら、紫!要件は何よ!!」

 

幽鬼はとりあえず先に部屋に向かった

 

 

 

 

 

ー博麗神社・居間ー

 

 

「んもぅ…霊夢ったら、私じゃなきゃ退治されてたわよ?」

陰陽玉が当たった顔面を触りながら、霊夢に言う

 

「アンタが癪に障る事をしたからよ、自業自得よ」

そう言ってお茶をすする霊夢

 

「あの…それで?紫さんは何の御用で?」

いつも通り、幽鬼が紫に要件を聞く

 

「ふふ♪やっぱり幽鬼くんは良い子ねぇ〜♪幽香とは大違いだわ〜♪」

ニコニコと幽鬼に笑顔を振りまく

 

「……チッ…」

霊夢の方から舌打ちが聞こえた様な気がした

 

「えっとね、今日は他でもない幽鬼くんに用があったのよね〜」

「…おぅ?…自分にですか?」

予想外の返答に驚く幽鬼

 

「ふふっ♪そんなに驚く事でもないわ、ちょっと…妖怪の賢者としてではなく、個人的な妖怪としてお礼とお話をしに来ただけなの…だから今日は式を連れてきてないわ…」

いつものきな臭い笑顔とは何処か違う優しい笑顔を幽鬼に向けて紫は話し出した

 

「…お礼?」

幽鬼は首を傾げる

 

「本来…私の様な大妖怪は…負けを認めるか、その権力に屈する時位にしか…こんな事はしないわ…でも…貴方はそれ相応の事をしてくれた…」

そう言うと紫は幽鬼に対して

三つ指をついて深々と頭を下げた

 

「ちょっ…紫!?」

真っ先に驚いたのは霊夢だった

 

「風華幽鬼…貴方には感謝してもしきれない程の恩が出来たわ…貴方を少しでも疑った私をどうか許して欲しい…そして…私の…私の大切な心友を救ってくれて…本当に…本当にありがとうございます…」

その声は震えていた

 

「………」

霊夢は目の前の状況が理解出来なかった

 

「…あ、頭を上げてくださいよ!!自分はそんな対した事なんてしてないですよ!!」

幽鬼は慌てて頭を下げたままの紫の肩に触れ、頭を上げるように促す

 

「確かに…幽鬼の言う通りだわ…紫…そんな姿を他の誰かに見られたら大変だから…さっさと頭を上げてちょうだい…」

霊夢も冷静になり、紫に頭を上げるように言う

 

「……えぇ…ごめんなさい…」

紫は頭を上げる

 

「ふぅ、焦りましたよ…紫さん…」

幽鬼もいきなりの事でまだドキドキしていた

 

「紫?もしかして…心友ってあの亡霊の事?」

霊夢が幽鬼の変わりに紫に聞く

 

「そうよ…幽々子は私の唯一無二の…心友…亡霊になる前からのね…」

そう言いながら何処か遠い目をする紫

 

「…亡霊になる前って…随分大昔の話かしら?」

霊夢が質問を続ける

 

「……そうね…私が幻想郷を作ろうと…いえ、どうすれば私達の様な世界から溢れたもの達が生き残れるのか…躍起になって探してた頃ね…」

紫は静かに語る

 

「大昔所か…幻想郷が出来る前なの…」

驚く霊夢

 

「そんな時に出会ったのが…生前の幽々子よ…今でも思い出すのは寂しそうな顔ね…」

それから、紫は色々と話しを聞かしてくれた

 

生前の幽々子の状況

 

西行妖について

 

どうやって西行妖を封印したか

 

幽鬼が知ってる前提で霊夢に説明するために話してくれた

霊夢がおいてけぼりにされない為の紫の配慮だった

 

「……だからこそ、今回幽々子から話しを聞いて…驚いたわ…一度起きたの顛末を巻き戻すなんて…」

 

「でも…あれは多分、しばらく出来ないですね…てか、余り使いたく無いのが正直思います…」

幽鬼は紫に言った

 

「……そう…分かって言ってる見たいね…」

紫は安心して答えた

 

チート能力し過ぎて幻想郷の均衡が崩れるかもしれないのだ

その様な事になったら…

 

「嫌よ…私は…」

霊夢はそう呟く

 

「………だからこそ…貴方はここにいるべきね…」

紫はそう言って、立ち上がる

 

「私も…恩人の貴方を手にかけたくないわ…だから…その力は…この幻想郷の為になるように使ってちょうだいね?」

紫はそう言って幽鬼に微笑む

 

「はい…頑張ります」

幽鬼は返事を返した

 

 

 

 

 

 

 

 

それで話が終われば良かったのだが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃ♪チャチャッとヤル事やって跡継ぎ作ってちょうだいね♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「はぁっ?」」

紫がとんでも発言をした為、霊夢と幽鬼は固まる

 

 

 

「んもぅ♪何を固まってるのよ♪貴方たちは夫婦と言っても違和感ないし〜♪それなりに歳も近いから平気よ〜♪…あ!!私ったら失言してたわ!!…うーん、霊夢が嫁入りしちゃうと博麗じゃなくなっちゃうから…幽鬼くんに婿入りしてもらうしか無いわよね〜…うん…博麗…幽鬼…よし!違和感ないわ!!」

さっきのシリアス何処へやら、一人暴走を始める妖怪の賢者

 

「………」

霊夢は真顔のまま青筋を立てていた

 

「………」

幽鬼は呆れすぎて、今日の夕飯の献立を考えていた

 

 

 

 

 

その時、紫の周りに見た事ある蝶が飛び回る

 

「あ…」

それを見た紫は動きを止める

 

「ゆ〜か〜り〜聞いてた話と違うんじゃない〜?」

紫の背後の障子から幽々子が通り抜けてきた

射影機を使って悪霊を倒すゲームに出てきそうな雰囲気を出しながら

 

「お…オホホ…ゆ、幽々子?わ、忘れてた訳じゃないのよ?ちょーと話が盛り上がって突発的に出たと言うか…何というかねぇ〜♪」

幽々子の方に向き直り、必死になだめる紫

 

「へぇ〜♪そうなの〜♪…私には早々と幽鬼ちゃんと霊夢をくっつけようとしたようにしか見えなかったんだけどぉ?」

幽々子は笑顔だがその笑顔が恐かった

 

「……オホホホ…」

紫の目が泳ぐ

 

「霊夢さん…」

「えぇ…」

咄嗟の判断で霊夢と幽鬼は部屋から外に飛び出す

 

「ゆ、幽々子…じょ…じょうだ…( 桜符「完全なる墨染の桜 ‐開花‐」)

 

その瞬間、博麗神社は弾幕に包まれた

 

 

 

 

 

 

ー博麗神社・境内へ続く階段ー

 

 

 

「〜♪〜♪」

白い日傘をさして上機嫌に階段を上がって行く、人物がいた

 

「冬が長引いた所為で忙しくて、中々遊びに行けなくなっちゃったけど♪やっと会えるわ♪」

愛しい子との再会を心待ちにしていた彼女は焦る気持ちを抑えて、一段一段確実に階段を上がっていった

 

「後少し〜♪」

鳥居が見えてきて、軽くスキップも混ざりタンタンとリズム良く残りを上がって行った

 

「到着♪……ん?」

階段を上がりきり鳥居の元で境内の中にいる、巫女服の少女と、その愛しい人物の後ろ姿を確認する

 

「ふふ♪はーなちゃーん♪」

愛しい子の名前を呼ぶ

 

呼ばれた人物は振り向いた、ついでに隣の巫女も

 

「久しぶりね〜♪会いに来たわよ〜♪」

彼女は歩み寄る

名前を呼ばれた彼は駆け足で向かって来る

 

「はーなーちゃーん♪」

両手を広げて、向かってくる彼を受け止める準備をする

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゆう姉!!危ない!!」

 

 

「え、なに?…どうしっ…(ドパァァン!!)

横から弾幕が幽香の顔面に直撃する

 

 

「…………」

幽鬼はその場で固まる

 

「…はぁ…」

霊夢が溜息をつく

 

 

幽香に直撃した弾幕は紫と幽々子の弾幕勝負(途中から紫も抵抗し始めて)の流れ弾だったのだ

 

 

「……」(ゴキっ…

ゆっくりと首を鳴らす幽香

 

その顔は笑顔だがそれだけだ…

ゆっくりと幽鬼から視線をずらし、上空で繰り広げられている戦いを視界に捕らえる

 

「ゆ…ゆう姉…?」

恐る恐る声をかける幽鬼

 

「やるなら幽鬼が住んでる此処(幻想郷)を消し飛ばさないようにしてよね?幽鬼も困ってたから丁度良かったけど」

「霊夢さん!?」

霊夢が幽香に焚きつけるように言う

 

「そう…♪華ちゃんが困ってるのならしょうがないわね…♪霊夢の許可も降りた事だし…♪」

ゆっくりと幽香は飛び上がる

 

「…ちゃんと手加減してよー?」

幽鬼はそう声をかけるしか無かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〖ダンマクショウブにユウカがサンセンしました 〗

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

辺りはすっかり夕方

 

「…………」(フラワーマスター・風見幽香

 

「…………」(幻想郷の創設者兼賢者・八雲紫

 

「…………」(冥界の管理者・西行寺幽々子

 

 

神社の居間は凄い圧迫面接状態だった

 

「霊夢さん…お茶を入れてきました…」

静かに後ろから幽鬼が入ってくる

 

「ありがと、アンタは人里に買い物に行ってちょうだい…此処は大丈夫だから」

「あ、はい…んじゃ、行ってきます…」

お茶を置くと幽鬼はそそくさに人里に出かけて行った

 

「あら…幽鬼ちゃんはお話に参加させないの?」

幽々子が不思議そうに言う

 

「アンタらの勝手な言い争いに幽鬼は関係ないわ…」

そう言って幽鬼から受け取ったお盆を置きながら座る

 

「華ちゃんが絡む事なら育ての親である私がいる必要があるのよ…まして色々と聞きたいことがあるしね…」

一部の発言を尊重して他のメンバーに言う幽香

 

「まぁ、私はあくまで幽鬼くんに御礼を言いに来ただけなんだけど…話が拗れちゃった…テヘッ♪…ブベラッ!?」

紫の顔面に陰陽玉がぶつかる

 

「……たくっ…結局の所、紫がややこしくしただけなのよ…でもとりあえず、幽香…アンタに話しとく事があったから状況整理するにはタイミングが良かったわよ…」

紫を放置して、幽香にこの前の出来事を話始めた

 

 

 

 

 

 

〜数分後〜

 

 

 

 

 

 

 

「その桜の木伐採してくるわ…」

全てを聞いた幽香はオーラを身にまとい立ち上がる

 

「落ち着きなさい…確かに幽鬼はあの時死んだかもしれないけど…起こるかもしれない話に今の時点で切り替わっているのよ…それでも…行くと言うなら…私が相手になってからよ…」

立ち上がった幽香を止める霊夢

 

「それなら私の方に責任はあるわ〜…実際に無かった事にはなったけど…幽鬼ちゃんの身に起きた事には変わらないの…消し飛ばすのなら私だけにしてちょうだい?」

幽香の前に立つ幽々子

 

「……そう…貴女を消し飛ばすだけなら簡単だわ…」

そう言って幽々子に日傘の先を向ける

 

しかし、直ぐに日傘の狙いを外す

 

「けどね…そうしたら、はなちゃんのした事が無駄になっちゃうから…しないわ…」

幽々子に背を向け座り直す

 

「申し訳無いって思ってんなら…それ相応の対応をはなちゃんに返してあげてくれるかしら?じゃなきゃ…本当にその桜の木を伐採するからね?」

幽香は幽々子に警告を出す

 

「えぇ…肝に銘じとくわ…」

 

幽々子は返事をする

 

 

 

 

 

「じゃ♪お婿にちょうだい♪」

 

 

 

 

でもやっぱり、幽々子である

 

 

 

 

「それとこれとは話は別よ…私は勝手に決めないし…決めるのは、華ちゃん自信だから余計な口を挟まないわ…」

幽香はあくまでも縛らずに幽鬼の意見を尊重しているのだ

 

「…え〜…?そうなの〜?…でもビックリしたわね〜…独占欲が強そうな貴女がそんな事を言うなんて…」

幽々子が座りながら幽香に言う

 

「……最初はそうだったけどね…結局、華ちゃんは私の大切な子に変わりないからね…」

何処と無く余裕を見せる幽香

 

「育ての親の強みって所かしら?」

陰陽玉が顔面にめり込んだままの紫言う

 

「…紫…流石に取りなさいよ…ソレ…」

幽々子にツッコまれる紫であった

 

「さっきから黙ってるけど…霊夢、貴女も別に華ちゃんとどうしようが…私は口を挟まないから安心なさいな…華ちゃんを傷つけなければね?」

霊夢に怪しく笑いかける幽香

 

「五月蝿い、関係ないわよ…」

霊夢は一言だけ言ってお茶を飲み始めた

 

 

幽鬼が買い物から帰って来るのを待つことにした

 

 

 

 

 

 

ー人里に繋がる道ー

 

 

「(*´・ω・`)=3ふぅ…ヤバい時に…集まったな…」

幽鬼はとてつもなく不安に駆られていて、博麗神社が瓦礫の山になってないか心配になっていた

 

「…でも、タイミング的に少し可笑しいよな…ゆう姉も来るのが唐突だったし…」

疑問に思いながら歩いていると

 

「そーなのかー」

ずしっと肩の上に何か乗っかる

 

「ルーミア…なんの用だよ…」

宵闇の妖怪ルーミアが乗っかって来たのだ

 

「お腹すいたのだー」

肩車をする形になるがルーミアは関係なかった

 

「はぁ…しょうがない…また、お茶屋でいいだろ?」

「いえーいーなのだー♪」

 

ルーミアがなかまになった

 

 

パーティメンバーが一人増えて人里に向かっていると

 

「おーい…!」

空から箒に跨った魔理沙が此方に向かって来た

 

「よっと…おっす!幽鬼!…ルーミアを肩車してどうしたんだぜ?」

目の前に降り立つと幽鬼の現状を聞いてくる

 

「いえ…人里に向かってる途中、先程を乗っかって来たんですよ…何かとビックリしましたが…いつも通りです」

「そーなのだー」

幽鬼の言うことに賛同するかのようにルーミアも言う

 

「あれか?前言っていた人里の護衛代わりって奴か?」

 

「まぁ…それです、魔理沙さんは?どちらへ?」

魔理沙に目的を聞くとちょっと気まずそうな顔をして

 

「あー…その、昨日の霊夢の事が気になってな…ちょっと顔を見に行く所だったんだぜ…ほら、理由付けに買ってきたんだぜ…飲もうぜ!!」

帽子から取り出したのは一升瓶だった

魔理沙なりの気遣いなのだろう、幽鬼は取り出した時の魔理沙の笑顔を見て思った

 

(本当にこの子ええこや…)

ほのぼのしていた

 

「…それで…仲直り…出来たかぜ?」

笑顔をやめて、不安そうに聞いてくる魔理沙

 

「あぁ〜…まぁ、仲直りと言うか…大丈夫ですよ…魔理沙さんと会っても平気ですよ♪」

「そ、そうか!じゃぁ、いつも通り行けるぜ!」

笑顔が戻る魔理沙

 

「よっしゃ!そうと決まれば早速向かうぜ!また、後でな!!」

いつも通りのテンションに戻った魔理沙は、箒に飛び乗り博麗神社に向かって飛んで行った

 

 

「あ…」

幽鬼は思い出した

 

 

 

「神社…とんでもない事になってるのを言うの忘れた…頑張ってください…魔理沙さん…」

幽鬼は飛び去った方角を見ながら合掌した

 

「そーなのかー」

ルーミアも真似をした

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなをして人里に無事に着いた

 

「ん〜…どうすっか…」

「どーするのかー?」

相変わらず、ルーミアを肩にパイルダーオンしている幽鬼

犯罪臭漂うかもしれないが、幽鬼とルーミアは親子同士に見えるのか微笑ましい視線しか感じない

 

そのまま、寺子屋前を通り過ぎた直後

 

「おや…?幽鬼殿ではないか?」

「んっ?」

名前を呼ばれ振り向くと寺子屋の門の入口に慧音がいた

 

「あぁ、どうも慧音さん」

ルーミアが落ちないように軽くお辞儀をする

 

「なーのかー」

同じくルーミアもマネをする

 

「うむ、しばらく雪が酷かったからお互いに大変だっただろう…博麗神社の方は大丈夫なのか?」

 

「まぁ、何とかなってますし…大丈夫ですよ…多分…」

これから帰って無事かどうか不安になる

 

「な、何か曖昧だな…うむ、そうだ…良ければこの先の茶屋でお茶をご馳走させてくれないか?…時間があればなのだが…」

 

「あ…いいですよ、丁度ルーミアにも何か食べさせないのいけなかったので…ルーミアいいだろ?」

ルーミアに確認する幽鬼

「そーなのかー♪」

 

「今日、お前それしか言わないのな…じゃぁ…すみません、ご馳走になりますね」

ルーミアから許可を貰ったので慧音に頼む

 

「うむ、では向かうとするか…」

 

三人は茶屋に向かった

 

 

 

 

 

 

 

ー 人里・茶屋 ー

 

「んま…♪んま♪」

ルーミアは団子を頬張っていた

 

「あんま急ぐと喉詰まるぞー?」

様子を見ていた幽鬼が言う

 

「うーむ…やはり幽鬼殿は面倒見がいいのか…」

その光景を見ていた慧音はボソッと言う

 

「ほら、口の周りベチャベチャだぞ?」

「んがぁー…♪」

幽鬼に口の周りを拭かれるルーミア、何処と無く嬉しそう

 

「うーむ…もしかしたら…よし…」

慧音はその光景を見て慧音は決意する

 

「幽鬼殿…少し頼みがあるのだが…」

 

「はい…?なんでしょう?」

慧音の方に顔を向ける

 

 

「実はな…」

 

 

 

この後、幽鬼は慧音に頼み事をされるのだが

更なる試練と新しい人物の縁が繋がる

 

その内容は一先ずお待ちを!!

 

 






書くこと書いても
納得しなきゃ出せませんな

( -∀-)いつも画面の向こうに行きたいと思ってますお

( ・́∀・̀)ヘヘヘ



ここまで読む貴女方は紳士でございますな!

簡単なアンケートを貼りました
様子を見てアンケートを締め切らして頂きます
御協力お願い致します

最後まで読んでくれてありがとうございます!


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酒呑みの鬼



萃夢想は一先ずまとめて簡単に終わらして

( - ̀ω -́ )永夜抄いくで!!

(´・ω・`)とか言ってて霊夢達の絡みで話長くなるんだけどね……
ごめんなさいm(_ _)m



 

 

ー 博麗神社・鳥居下 ー

 

 

「…どうなってんの……」

「…凄いのだー…」

「なんですかこれ…」

茶屋で慧音と別れ、人里でルーミアと一緒に買い物をしていたら、同じく幽々子に頼まれて買い出しに来ていた妖夢と出会った…

話しを聞くにどうやら博麗神社でお詫びを仕切り直しする為に料理を振る舞う事にしたらしい…

その為…幽々子が先に博麗神社に向かい、妖夢は人里に必要な食糧を調達しに来てたと言う

(※その日の人里の売上は大変上がったと言う話だ)

 

しかし、博麗神社まで一緒に帰って来た幽鬼とルーミアと妖夢の三人の視界に入って来たのは…

 

「たくっ!!鬼ってここまで喧嘩っぱやいのね…!!」

「にゃはは!!鬼は喧嘩好きなのさ!!」

霊夢と初めて見る顔が弾幕勝負をしていた

 

境内の中はボコボコに土が抉られていたり、ひび割れていた

 

「あいつらのテンションがおかしかったのはアンタの所為って事は分かってんのよ!さっさと退治されなさい!」

「にゃはは〜♪」

霊夢の弾幕をことごとく避ける相手

 

 

「あれは…鬼?」

妖夢がボソッと口にでる

 

「そうか……」

「そーなのかー」

幽鬼は思い出した(※ルーミアはのっただけです)

 

時系列で言うと

 

「妖々夢」が終わった後…

 

「永夜抄」の前の異変…

 

 

 

 

「萃夢想」

弾幕勝負とは形が変わり、東方初の格闘ゲーム形式で出た

従来の神主によるものはないが本作の間に起こった出来事と言う位置づけがされていた

本来の流れでは、

宴会を開く度に集まり、不穏な妖気が高まる…だが、高まるだけで何も起きずに毎回終わる宴会…動機も分からず…しかも誰も宴会を終わらそうとしない…終わりのない宴会をを終わらす為に霊夢達が動くと言うのが萃夢想だ

 

 

 

 

今まさに目の前で繰り広げられていた

 

 

 

「にゃははー♪」

 

 

萃夢想の首謀者

 

伊吹萃香

 

種族 「鬼」

二つ名 「萃まる夢、幻、そして百鬼夜行」

「 小さな百鬼夜行」

 

能力 「密と疎を操る程度の能力」

幻想郷に帰って来た鬼。

かなりの大酒飲みでいつも酔っており「酒呑童子」とも呼ばれていた

幻想郷に帰って来る前は地底の旧都に住んでいたが…それ以前は妖怪の山に住んでいて、そこでは鬼の中でも「山の四天王」の1人とされ恐れられていた。

 

見た目は薄い茶色のロングヘアーを先っぽのほうで一つにまとめている

真紅の瞳を持ち、その頭の左右から身長と不釣り合いに長くねじれた角が二本生えていて

服装は白のノースリーブに紫のロングスカートで、頭に赤の大きなリボンをつけ、左の角にも青のリボンを巻いている

呑んべぇなだけにいつも伊吹瓢という紫の瓢箪を持ち歩いており、三角錐(三角)、球(丸)、立方体(四角)の分銅を腰などから鎖で吊るしている

 

幽鬼は脳内で鮮明に思い出していた

 

 

 

 

 

「幽鬼ー!」

名を呼ばれ、視線を向けると縁側に魔理沙が立っていて手を降っていた

 

「…ルーミア、妖夢さん一先ず、行きましょう!!」

「そ、そうですね!状況が知りたいですし!」

「なーのかー」

三人はとりあえず、境内の家の中へ向かった

 

「いやー…大丈夫かぜ?」

家の中に入ると魔理沙が待っていた

 

「魔理沙さん…一体何が?」

「とりあえず、上がって話そうぜ…皆来てるからよ」

何故か疲れきった顔になる魔理沙

 

「「???」」

「そーなのかー」

幽鬼と妖夢は首を傾げる、ルーミアは色んな臭いを感じ取った

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく廊下を歩いて行くが何か違和感を感じた

 

「あれ…こんなに広かったけ?」

幽鬼は違和感に気づいた

 

「間取りがあいませんね…」

妖夢も外装と内装の違いに気づく

 

「行けば分かるぜ、この先の部屋だぜ…」

相変わらず何処か元気のない魔理沙

 

「凄い色んな臭いするのだー」

ルーミアがボソッと言う

 

 

 

しばらく歩くと両開きの襖が現れた

 

「え…こんな所に大広間??」

「…ん〜?……〖 桃ノ間〗って書いてありますね…」

「そういうことかー」

幽鬼と妖夢は首を傾げる、何故かルーミアが頷く

 

「ここだぜ、準備は終わらして置いたんだぜ」

そう言って魔理沙は襖を開ける

 

 

 

「これって…」

「えぇ…私の来た意味…」

「あぁ〜(涎)」

三人が見た光景は

長机に並ぶ複数の種類の料理や飲み物

まさに宴会場だった

 

「お待ちしておりました…幽鬼さん」

三人の目の前に咲夜が現れる

 

「もしかして、咲夜さんが全部?」

「いえ、美鈴にも手伝って貰っています…それに、先程の食糧の方も既に調理場へ運ばせて頂きました…」

咲夜がお辞儀する

 

「…………」

幽鬼は改めて見回すと殆どの主要メンバーが揃っていた

 

レミリアとフランも一緒にいた、フランが此方に気づいて手を降って、その近くに美鈴も会釈をして立っていた

 

「はぁ…幽鬼さん、すみませんが…幽々子様の所に少し行ってきます…」

「あ、はい…」

妖夢の向かった方を見ると既に平らげ、積み重なったお皿の影からピンク色の頭が見えた

 

(ユユコサマ!)

(アラ、ヨウムオソカッタワネ♪)

 

そんな会話が始まったなと見ていたら

 

 

「むきゅ、遅かったわね…」

「そうね、待ちくたびれたわ」

左右から挟まれ、両腕をそれぞれ組まれる

 

「うおっ!?パチェさん、アリスさんいつの間に!?」

 

「むきゅ…貴方のいる所何処でもよ…」

左側にパチュリー

 

「少しでも傍にいたいのよ…ばか……」

右側にアリス

 

「私も忘れちゃ困ります〜♪」

「ぐぉっ!?」

もう1人後ろから腰に抱きついたのは小悪魔だった

 

「おにーさん…人気なのかー」

ルーミアのジト目が突き刺さる

 

「そうなんだぜ…凄いぜ…」

魔理沙のジト目も突き刺さる

 

「でも、なんで……皆集まったんだ…?」

幽鬼は疑問を口に出す(本当は知ってる)

 

「それは私から説明するわ…華ちゃん…」

グラスを持った幽香が現れる

 

「華ちゃんが買い物に出掛けた後、色々と話しを聞いたわよ…また、無茶したらしいわね?ダメよ?…命を無駄にするような事は…」

そう言って頭を撫でてくる

 

「あ、うん…ごめん」

 

「まぁ…その後ね…魔理沙が来たのよ…すれ違ったらしいから知ってるとは思うけど、その後にそこの銀髪メイドちゃんが来てね…」

チラッと幽香が咲夜さんを見る

 

「私は博麗神社でお花見をすると言う、お嬢様のご命令を受けて料理やセッティングを準備致しました…先程言いましたが…美鈴と一緒に…」

 

「そうそう…あの時の赤毛の子も来たのよね…久々に会って、あのヒラヒラを着てなかったから一瞬わからなかったけどね…で、その後…華ちゃんにくっついてる、アリスと寝間着っ子が来たのよね…腰についてる悪魔っ子もそうだけど…」

幽香は思い出すように指で数えながら言った

 

「私は昨日の事もあったから、気になって来てみたのよ…ボソッ…(少しでも近くにいたかったし…

 

「だれが…寝間着っ子よ…パチュリーよ…全く…私はレミィに誘われたのよ…此処で花見やるからパチェもどうって…ボソッ…(少しでも貴方の点数稼がなきゃ…

 

アリスとパチュリーの来た経緯はわかった所で別に変な所は無かった

そのまま話しを聞くと、パチュリーの後にレミリアとフランがやって来て、人数が大分集まって外で準備をしていたらしい

 

「あれ……外?」

幽鬼は気づいた

 

「…そう…華ちゃん、問題はその後だったのよ…気づいた通りに外で準備をしていたのよね…順調に進んでたと思ったら…」

 

「妖精たちのきょーしゅーがあったんだぞ!」

「ち、チルノちゃん…」

幽香の後ろからヒョコっとチルノと大妖精が顔をだした

 

「強襲…??」

幽鬼が首を傾げる

 

「まぁ、この二人は私が誘っていたから良かったんだけど…招かれざる客の大量の妖精が此処を襲って来たのよ…簡単に片付けたけど…」

 

「そ…そのせいでお外の会場が滅茶苦茶に…妖精として謝ります…ごめんなさい」

「アタイも謝る!ごめんな!」

大妖精は頭を下げて、チルノは手を上げて謝る

 

「ふふ…気にしないのよ…あの妖精達は妖気にあてられておかしくなってただけだから…」

幽香は謝ってる二人を撫でる

 

「……ゆう姉…その妖気の正体が…」

 

「今、外で霊夢と弾幕勝負している…鬼の伊吹萃香よ…私の旧友でもあるわ」

スキマから紫が現れる

 

「たくっ…あの時の鬼の一人がはた迷惑な事をするわね…」

幽香は呆れる

 

「まぁ…萃香自身、退屈だったから、人を集めて騒ごうとしたのでしょうね…まだ、異変として可愛い方よ」

紫は萃香を知っているのか微笑む

 

「なーんか…大体分かってきましたよ…外の会場がボロボロになったから、部屋の中になって…この人数じゃ狭いから…紫さんか咲夜さんの能力で広げたって感じですか?」

 

「ご明察♪流石幽鬼くん♪」

ウィンクする紫

 

「ふん…歳考えなさいよ」

「あ゛ぁ゛っ?」

幽香にガンつける紫

 

 

「で…今まさに元凶の退治中…いや…終わったみたいですね…」

チラッと後ろを向く幽鬼

 

「いやー♪負けた♪負けた♪」

ニコニコしながら萃香が入ってくる

 

「やっぱり鬼は無茶苦茶よ…紫!ちゃんと目を付けときなさいよ!!」

霊夢が怒鳴りながら入ってくる

 

「萃香?満足したのかしら?」

「にゃはは!!予兆にゃいい感じだったろ!!さて、宴会だー!」

萃香の返答に紫はやれやれと首をふる

 

「あたしは騒がしいのが好きなんでね!…今年は冬が長かった分、宴会も出来なかった…なら!これからすればいいのさ!三日続けて宴会だー!」

いつの間にか持ってきた一升瓶を上に掲げる萃香

 

 

「なんか本当に鬼って感じですね…」

ボソッと紫に幽鬼が言う

 

「そうね…喧嘩好きだけど、純粋に賑やかなのが好きな鬼ね…幽鬼くん、あんなのだけど仲良くしてくれないかしら?」

 

「えぇ、喜んで」

 

 

幽鬼は両腕の魔女二人に連れられ宴会に加わった

 

 

 

 

宴会が始まってしばらく経った頃

 

部屋の隅で幽香は一人飲んでいた

至る所から引っ張りだこになっている幽鬼の様子を楽しみながら見て、呑んでいた

 

 

 

「幽香…」

そこへ戦いを終えた霊夢が幽香に声をかける

 

「あら?何か御用かしら?」

幽鬼を目で置いながら返事をする

 

 

「アンタが何を言おうがこれだけは言っておくわ…」

霊夢は幽香に指をさして言う

 

 

 

 

 

 

 

「幽鬼は私が貰うから」

 

 

 

 

 

 

 

霊夢は「それだけよ」っと言って宴会の中に戻って行った

 

賑やかに部屋に響き渡る声を聞きながら…

 

愛しい我が子を目で置いながら…

 

 

 

「ふふ…取れるもんなら取ってみなさい…」

 

 

その近くに行った巫女の姿を見ながら…

呟くのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「予兆には…これぐらいがいいだろぅ…♪」

怪しく笑う鬼がいた事は皆気づかなかった




もう少し萃夢想続きます

キリがいいので次回に回しマース


( -∀-)まぁ、人間と鬼の殴り合いっすね

(๑•̀д•́๑)そんなこんなで書いてます!
(´・ω・`)ま、戦闘シーンはあっさり終わらしますね…
( ー̀∀ー́ )もうね!増えたヒロイン回収回ですわ!

ここまで読んでいただきありがとうございました!!


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本当の宴会

ペロッ…コレは!!

嘘だな!!

眼鏡の掛けた少年は言った





(・ω・`)はい、私です



事件解決!!


アンケート御協力ありがとうございました!!

( -∀-)皆さんのご意見分かりました…

( -∀-)やってやります!!



うん、続きどうぞー



あーげんそうきょうにいきたいなーヽ(゚∀。)ノ


 

萃香が先頭になって始めた宴会

久々のどんちゃん騒ぎ

飲めや食えや騒げの三拍子

宴会が始まったばかりの時はやはり萃香を警戒していたが時間が進むに連れて溶け込んでいた

 

各々酒を飲み、飲ませ合い…

それが数時間続いた

 

 

 

そんな中である人物中心で騒ぎが起きていた

 

「んも〜//私がいるぅって言うのにぃ〜//ろんろん、まわりぃに好かれるとかぁ…//じちょうーしらさいよぉ〜//」

酔ったパチュリーが右腕に絡み

 

「あんらぁは、すこしぃ…回りのぉ状況を…//みぃて!!でもぉ!!わたしはいづれもぉ〜♪オケェー!!」

左腕に酔ったアリスが絡んでいた

 

 

「なんか…お酒飲むと人って変わるんですね…魔女も…」

グイグイと両腕に柔らかい感触を味わいながら冷静に言う幽鬼

 

「それは幽鬼があんまり飲まないのが違和感があるだけだぜ?もう少しグイッと飲めば楽しいぜ?」

そう言って自分のグラスに酒をつぐ魔理沙

 

「…魔理沙さんも少し加減してくださいね?」

「大丈夫♪大丈夫だぜ♪…お酒は百薬の長だぜ!」

にししと笑いお酒を飲む魔理沙

 

「「ちょっとぉ//!?聞いてるのぉ//!?」」

魔理沙と話していたら両側の魔女に嫉妬された幽鬼

 

 

 

 

 

 

この後、何とか解放された幽鬼は幽々子達の方に向かった

 

「ん〜♪おいひぃ〜♪」

幸せそうな顔して料理を頬張っている幽々子

 

「あ…幽鬼さん、大丈夫でしたか?」

此方に気づいた妖夢が気遣ってくる

 

「何とかね…そっちは片付けが大変そうですね…」

積み重なった皿の量を見て言う

 

「あはは…いつもよりは少ないので大丈夫ですよ…」

「これで少ないのか…」

いつもはどんな量を食べているのか想像出来なかった

 

「ん〜♪…ん?幽鬼ちゃん〜♪こっちに来て一緒に食べましょ♪…妖夢ー?」

幽鬼に気づいて手招きをする

 

「ささっ…幽鬼さん、此方へ」

妖夢が幽々子の一声で誘導に入った

 

「失礼しますね…よいしょっと…」

誘導されて幽々子の隣に座る

 

「はい♪いらっしゃい♪…妖夢?少し料理を持ってきて〜♪」

「え、まだ…それだけ残っ(早く♪)…はい…」

妖夢は料理を取りに離れる

 

「まだ食べるんですね…」

「んふふ♪今食べて、次の分も確保しとかなくちゃ♪ほらほらー♪幽鬼ちゃんも食べましょ♪…ムグムグ♪」

微笑みながら料理を食べる幽々子

 

「それじゃ、いただきます」

幽々子に差し出された料理を食べ始める幽鬼

 

「ん〜…♪…ん…それに、やっぱり楽しいし…♪そう思うでしょ?幽霊さん♪」

「むぐっ!?…ぅぐ…はぁ…何ですかいきなり…(汗」

吹きそうになる幽鬼それを幽々子は見て楽しいのかニコニコしていた

 

「んふふ♪…あの時はあっという間だったけど…今こうして貴方と話せるのが嬉しくて…筆談ではなく言葉で…」

幽々子は一旦箸を置き、幽鬼に寄りかかる

 

「幽々子さん…?」

 

「私ね…御父様が生きていた頃に縁談が決まってたのよ…会ったことも何度か会ってね…お互いにそれなりに印象は良かったと思ったんだけど…御父様があの木の下で…亡くなってから…すべてがおかしくなったの…」

幽々子は腕にしがみついてくる

 

「……貴方も知ってる通り…西行妖としての末路…西行寺家は呪われた家系と言われ…虐げられた…もちろん縁談は白紙…長い事仕えていた家来達…周りの住人も離れていった……そんなの時に現れたのが…幽霊さん…貴方よ…」

幽々子は尊い目をむける

 

「…たとえ…本来は無かった事実でも…紫と同じく…大切なお友達だったの…だからこうしてゆっくり話してるのがとても嬉しいの…♪」

「そ、ソウデスカ…」

何故か冷たい肌が心地よく感じる位に身体が熱くなる幽鬼

 

「ねぇ…幽鬼ちゃん♪なんで…私が縁談の話しをしたか分かるかしら…?」

「え〜…なんでです?」

 

すると幽々子が耳元で囁き始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「縁談はあっても、アッチの経験は無いのよ♪」

 

 

 

 

 

「ぶっ!?」

幽々子のとんでも発言に吹く

 

 

「身体は生身じゃないけど…永くいるとこうやって実体がある物なのよ…ペロッ…」

「うびゃっ!?」

幽鬼の耳をひと舐めする

 

 

 

「な、何されてるんですかぁ!!」

大声が響く

 

「あら♪」

「あ…」

向くと料理の乗った皿を両手に持っている妖夢だった

 

「幽々子様//!!一体何を//!!」

顔を真っ赤にしてフルフルと震えている妖夢

 

「何って…誘惑?」

ふふっと笑う幽々子

 

「馬鹿な事を言わないでください!!」

ダンっ!と料理を置いて、ズンズンと近づく

 

「んもぅ…妖夢ったら何を怒ってるの?」

くっついたまま妖夢に言う

 

「怒ってなんかいません!幽鬼さんに迷惑かけないで下さいよ!!…ボソッ…(幽々子様ばかり…

 

「…ふーん…幽鬼ちゃんは迷惑?」

ぎゅぅと腕にしがみつく

 

「…えぇ…と…あの…」

幽鬼は困惑した、幽々子が動く度に柔らかいマシュマロが当たっていたのだ

 

ボソッ…(この性格のお陰で大胆な事ができるの♪)

再び耳元で囁く

 

「妖夢も気にしすぎよ?少し自信持ちなさいな…幽鬼ちゃんは…大丈夫よ…♪」

ふっと妖夢に言う

 

「うぅぅ〜…」

フルフルと妖夢は震え始める

 

「ゆ、幽々子さん…それくらいに…」

流石に可哀想になって来たので止める幽鬼

 

「……もう少しね…ふふっ♪…幽鬼ちゃんは他の子の所に行きなさいな♪」

何かを策略している幽々子

その笑顔には何があるのか…幽鬼は聞けずに離れた

 

 

 

 

 

 

「お兄様ー!!」

幽々子の元から離れると、フランが手を振っていた

 

「待たせてごめんよ、フランちゃん」

「大丈夫だよー♪」

抱きついてくるフランを受け止める

 

「私を待たせるなんていい度胸よ…幽鬼?」

カリスマを解き放つレミリア

 

「お姉様、さっきまでソワソワしてたんだよ?お兄様はちゃんとこっちに来るのか不安がってたから…相手してあげてね♪」

 

「フラン!余計な事言わないで!」

早速、かりちゅまになり変わる

 

「仕方ないじゃないの!いつまで経ってもパチェ達の所から離れないで…離れたと思ったら、あの新顔の亡霊の所に行っちゃうし!…なんかいい雰囲気してたし…それだけ待たせた幽鬼が悪いのよ!」

盛大なネタバレをされたレミリアは不満を言うがかりちゅまであった故に迫力がかけた

 

「でも、ちゃんと来てくれたじゃん…お姉様は少し我慢って物を覚えなきゃダメよ♪」

レミリアと違って落ち着きがある言い方のフラン

 

「…全く…フランといい…咲夜といい…パチェといい…貴方はどんだけ私の家族を虜にするつもりなのよ…貴方の運命が分からないわよ…同じなのに…」

何処か不安そうなレミリア

 

「…運命が決まってた方がつまらないですよ…でも、レミリアが嫌であれば…自分は関わるのをやめっ(それは止めてちょうだい…)」

レミリアが言葉を遮る

 

「わ、私が言い過ぎたのよ…貴方には私も充分惹かれているわよ…ただ…その…子供扱いしないで欲しいの…//

顔を赤く染め、人差し指同士でツンツンしていた

 

実の姉の様子を見ていたフランはニヤッとして、幽鬼から離れるとレミリアのそばに寄り

 

笑顔で言い放つ

 

 

 

 

 

「簡単な話だよ♪お兄様がお姉様とフランのバージンを奪ってくれれば良いんだよ!!

 

 

 

 

 

「「ブハぁッ!?」」

幽鬼とレミリアがフランの爆弾発言に吹く

 

 

「ふ、ふふっ!ふらっ!フラン//!なっななっ//!!なっ、何っ言ってんのよぉ//!?」

顔全部を真っ赤に染めるレミリア

 

「ふ、フランちゃん…何処で…覚えたの?」

恐る恐る聞く幽鬼

 

「ちっちっちー♪お兄様もフランを子供だと思っちゃダメだよー?…私、これでも495年生きてるんだからね〜?そりゃぁ…パチュリーの本とか読み漁ってると身につくよ〜…まぁ…見た目は幼いから…パチュリー達とかには負けるけど…お姉様よりはフランの方が成長してるよ♪」

フランはウィンクをして決めポーズをとる

 

「ちょっ!?フラン何言ってんのよ!?…それに!姉である私が貴女より成長が鈍いわけっ(だって最近牛乳を飲んだり…バストアップマッサージしてるじゃん)…ギャアァァァァ///!!?

実の妹の暴露に悲鳴をあげるレミリア

 

 

少し離れた所でやり取りと会話の流れを見ていたもう一つのグループ

 

「なぁなぁ…門番、あいつらさっきから何話してるんだ?」

話の内容が分からないチルノが聞いてくる

 

「あはは〜…えーと…も、もっと仲良くなるお話かな?」

聞かれてそう答える美鈴

 

「そーなのかー」

「……///」

ルーミアは空返事、大妖精は赤くなっていた

 

「じゃぁ!アタイもまざっ(チルノは此処で私達とお話しましょうね…)…むぉ?…いいぞ!!」

咄嗟に美鈴がチルノを止めた

 

 

そんな美鈴の苦労もつゆ知らず、フランの爆弾発言(レミリアの暴露話)は止まらなかった

 

 

一時間話しをされ、恥ずか死んでしまったレミリア(真っ白)にフランはにししっと笑って幽鬼に振り向く

 

「仕返し完了…お兄様も少しはスっとしたでしょ♪」

「よ、容赦ないね…フランちゃん…」

いい笑顔のフランに苦笑いしか返せなかった

 

「そりゃぁ、そうだよ!今まで迷惑かけてた分だもん!…で、でもね…お兄様…あのね?」

フランはモジモジしだす

 

「…フランちゃん?」

 

「……(深呼吸)」

深く息をするフラン

 

 

 

 

 

 

そして…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フランは何時でも大丈夫だから///!!」

顔を赤くして叫ぶフラン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽鬼は静かに思った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

((・ω・`)コレ、アカンやつや…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、レミリアの蘇生をするっと言ってフランは美鈴達の所に行ってしまったので幽鬼はまた別のグループの所に向かった

 

 

そのグループが…

 

「にゃはは〜♪よぉ♪人間♪楽しんでるかぁ♪…ンゴゴ!!」

そう言って一升瓶を一気に飲みする萃香

 

「お酒が幾つ合っても足らないわね…幽鬼くん、ほら…いらっしゃいな♪」

ポンポンと自分の隣に座るよう促す紫

 

「ほら、此処に座りなさいよ…!…ボソッ(幽鬼は此処でいいの…)…酌しなさいよ…」

幽鬼の腕を引っ張り、座らせ、酒をつげと霊夢

 

萃香の周りに何本の空き瓶が転がっていた

 

 

 

「…お酒の備蓄…足りるのか?」

幽鬼は料理でも酒を使う事があるので残るか心配になる

 

「安心なさいな…予想外の出費は此方で出すから…藍?」

「はい、紫様」

藍がスキマから現れる

 

「少し買い出しに行ってきてちょうだい…追加のお酒もね…」

「かしこまりました…」

そう言って藍はスキマに消えた

 

「ん?」

一瞬藍と目が合ったような気がした幽鬼

 

「それで〜?お前さんが噂の人間かい」

口を拭いながら萃香が幽鬼に話しかける

 

「ちょっと…アンタ、幽鬼に酒を進めんじゃないわよ…」

霊夢が萃香を睨む

 

「にゃはは〜♪怖い怖い…またの機会だな…それでだ…」

幽鬼をマジマジと見始める萃香

 

「な…なんですか…?」

たじろぐ幽鬼

 

「幽鬼…か…ふっ…名前に鬼使ってる時点で…何かと思ったけど…アンタ、ただの人間じゃないだろ…

ニヤッと幽鬼を観察して笑う

 

「おっと…下手な嘘はつかない方が身のためだよ?鬼は嘘が嫌いだからね♪」

否定しようとしたのがわかったのか牽制される

 

 

 

 

 

 

「いや…嘘も何も普通のにんげっ…(人間ならこれで死ぬよな♪)…えっ…(ゴキャァッ!!

轟音が響く

 

 

「「えっ…」」

霊夢と紫の前から幽鬼が消える

 

 

ゴガガガガン!!!

幽鬼が吹き飛び部屋を突き破り、外への道が出来た

 

 

「「「「幽鬼(お兄様!?(さん!!)」」」」

部屋にいる全員が声をあげる

 

 

「ふざけな!!このクソ鬼!!」

霊夢がブチギレ、萃香の胸ぐらを掴みあげる

 

「いやぁ〜♪手元が狂ったわぁ〜♪」

ヘラヘラと言う萃香

 

煙が晴れると衝撃波の後となぎ倒された木々の風景が見えた

幽鬼の姿は見えなかった

 

その周りに人形・蝶・魔導書が飛び回る

 

「妖夢?刃の研ぎ具合はどう?」

鋭い目で言う幽々子

 

「はい、完璧に研いでおります…鬼の首も簡単に切れます…」

萃香の後ろから首に刃を当てる

 

「首を切り落とすだけじゃ…ダメよ…死にたいと思うほど痛みをあたえるのよ…」

パチュリーは魔術を込め始める

 

「そうね…外からじわじわ痛みを与えなきゃ気が済まない…」

アリスは人形を漂わせる

 

オネェサマ…あの鬼、キュッとしていいかな?

ユラユラと揺れるフラン

 

「えぇ、良いわよ…私も手加減出来そうに無いから…ねぇ…咲夜?」

目を赤く光らせるレミリア

 

「はい、お嬢様…鬼退治はおまかせを…」

静かにナイフを取り出す咲夜

 

「萃香…今のは弾幕ごっこの力では無いわよね……ルール違反よ…覚悟は出来てるの?」

紫が萃香を冷たい目で見る

 

「あー…」

「やばいぜ…」

「…あ、…アタイ…(ガタガタ」

「……怖…い…」

魔理沙、美鈴は震えるチルノと大妖精の傍にいた

 

「………(ギチギチ)」

宵闇の妖怪は牙を出し、鬼を凝視していた

 

 

 

一人を除いて、皆、萃香に殺気を向けた

 

そう…一人を除いて

 

 

「ふぅ…貴女達少しは落ち着きなさいな…」

グラスをテーブルに置く、幽鬼の育ての親

 

「幽香!アンタこそ何も言わないの!?目の前で幽鬼が吹っ飛ばされたのよ!?死んだかもしれないのよ!!」

萃香の胸ぐらを掴んだまま、涙目をむける霊夢

 

「にゃはは〜♪人間死んだらそれまでだけどね♪」

「人が、決着つけたのに…このクソ鬼…!!」

ガチ陰陽玉をぶつけようと振りかぶる霊夢

 

「誰か…華ちゃんが死んだ事を確認したの?」

幽香の言葉にピタリと止まる

 

「確かに…華ちゃんは1回死んでたのかもしれないけど…それは完全な死の力で抗えない代物だったからよ?…私も食らったら無事かどうかは分からないわよ?」

幽香はゆっくりと霊夢達に近寄る

 

「それにね…忘れてるかもしれないけど、華ちゃんは私が一から面倒を見てたの…それこそ…私が興味を無くしたら捨てられる環境でね…」

それぞれ込めている力を抑えさせるように、ゆっくりと間をぬって霊夢に近づく

 

「私は捨てなかった…それが結果よ♪」

霊夢の陰陽玉を下げさせ、萃香を襟首を掴みあげる

 

「…ど…どんな結果なのよ…」

霊夢達は分からなかった

 

「ん〜…♪見れば分かるわよ♪…華ちゃんに教えてる事があるのよ…」

萃香を連れたまま、突き抜けた所を通り外に出る幽香

 

「なんだよぉ〜?次はお前がやるのか?…まぁ…あの時(吸血鬼異変)は不意打ちだったから不満だったけど今ならいいぞ〜♪」

襟首を掴まれたままたが呑気な萃香

 

「私はやらないわよ…それに神社が壊れちゃうからね…華ちゃんの大切な居場所なんだろうし…」(ポイッ

「うぉっとっ…!?」

幽香は萃香を投げ飛ばす

 

「なんだよぉ〜…私のお門違いか〜?」

ぴょんぴょんと軽く身体を跳ねる萃香

 

「言い忘れてた事が一つあるわ」

 

「なんだい?」

 

「痛いわよ♪」

ニコッと幽香が言う

 

「はぁっ?なにがっゴギャッ…!ハガッ…?グベバァァァァ!!!!

萃香が目の前から吹き飛んだ

 

霊夢達は何が起きたのか分からず固まっていた

 

微笑む幽香と拳を突き出した幽鬼

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「1回は1回で叩き潰せ(潰すの♪)」」

二人で決めた約束事を言った




やべっ…主人公強すぎ…

まぁ…誰も戦闘は苦手とは書いてないので…
(・ω・`)大丈夫だよね?

幽香の戦闘力より劣りますが…幽鬼は強い設定…のはず…


作者が自信なくしてマース!!

と言ってますが冒頭で言った通り、永夜抄編を書いて行くので投稿が遅くなるのでご了承ください!

頑張って!書きます!

輝夜と妹紅か腹〇〇する内容で書ければ書きます!
もしかしたら番外編で出すかも…

ここまで読んでいただきありがとうございます!!


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鬼退治(一方的な展開)



前半・o(`・ω´・+o) ドヤァ…!アッサリ決着!!

後半・昨晩はお楽しみでしたね!!


てな、感じでさぁ…

長いようで詰め込みました

頑張って書いてます…評価くだちぃ…
お願い致します…


 

 

「はぁぁ〜…」

深い息を吐く幽鬼

 

「な、何が起きたの…」

唖然とする霊夢

 

「「……ぇ…ぇ…」」(ザワザワ

困惑する幽鬼を慕うもの達

 

「ふふっ…♪」

満足気な幽香

 

「あぁ〜…久々に殴ってしまった…しかも鬼とは言え…女の人を…ぅあゎ〜…」

その場にしゃがみこむ幽鬼

 

「…っあ!…幽鬼!!」

我に返り、駆け寄る霊夢

それに続くように皆が駆け寄る

 

「あ、貴方大丈夫なの!?怪我は!?」

「むきゅ…回復…回復…えっとぉ〜?」

身体を触り怪我が無いか調べるアリスとテンパっているパチュリー

 

「ますます…欲しくなっちゃった♪」

「幽々子様…(汗)…ボソッ(無事でよかった…

ゾクゾクしている幽々子と安心する妖夢

 

「お兄様〜…強かったんだね〜…ふふっ♪」

何かを企むフラン

 

「べ…別に無事だって分かってたわよ!私は!」

羽をパタパタレミリア

 

「とりあえず、あの鬼はざまぁみろです」

笑顔の咲夜

 

それぞれが幽鬼の無事を確認して安堵していた

 

 

「………幽香…貴方の子はとんでもない子ね…」

静かに紫が話しかける

 

「…何を考えてるか分からないけど…華ちゃんは…貴女が危惧するような力の使い方はしないわよ…それに貴女は知ってる筈だし、見てた筈よ…」

チラッと紫に目線を向け、そのまま幽鬼の方へ行ってしまう

 

「……そうだったわね…彼はこの世界(幻想郷)を愛してくれてる一人だものね…」

紫は幽鬼に対しての警戒を止めた

 

 

 

「私たちどうします?」

「とりあえず、片付けようぜー?」

「アタイはここ!!…誰だアタイ!!」

「チルノちゃーん!?」

美鈴、魔理沙は軽く片付けを始める、大妖精は恐怖でおかしくなったチルノを看病し始めるのだった

 

 

 

 

 

「次はちゃんと貴方の傍に居なくちゃ…」

襖の影から宵闇の妖怪の服を着た女性が一人囁いた

 

 

 

 

 

ー 倒れた木々の下 ー

 

 

……ふふっ…ははっ…ひひひひひひひひ!!!!

 

……つよい…にんげんだ!!……

 

……わたしを殴り飛ばしたぁぁ!!……

 

……いたい、いたかった…久々の人間の…力で!!…

 

……楽しい、楽しい!!うれしい、ウレシイ!!…

 

……もっと!もっと!!もっとぉ!!!

 

 

 

(バキッ

 

 

 

……ヤリアッテモラオウ!!!

 

 

(バキバキ!!…バガーン!!!

自身に乗っかった木を吹き飛ばす

 

 

 

その音を聞いて皆が同じ方角を見る

 

「まだ、来るわね…」

幽香が傍に来る

 

「……相手するしか…」

幽鬼が構え直す

 

「大丈夫よ…アンタは、私達が護るから…」

霊夢がそう言うと幽鬼を中心に周りを他のメンバーが囲む

 

「どうするの?護ってもらう?」

幽香は意味ありげな笑みをしながら

 

「…いいや………霊夢さん達は下がってください…」

そう言って霊夢達の前に出る

 

「ちょっと…!?」

「今回は、弾幕ごっこではなく…鬼と人間の闘いです…それに…少しは皆さんを護らして下さいよ」

ニコッと霊夢達に笑いかける

 

「ふふっ♪…華ちゃん?わかってると思うけど…出すなら、ここまでよ?」

スっと幽香が指を4本立てて言う

 

「うん、分かってるよ…ゆう姉…」

幽鬼は目を閉じて、深呼吸をする

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間

 

 

 

「おうりゃあぁぁぁぁ!!」

勢いよく萃香が拳を振りかぶり飛び出して来た

 

 

「はぁあっ!!」

目を開き、拳を振る

 

 

 

ガチンッ!!

 

お互いの拳がぶつかり、音が鳴り衝撃波が出る

 

 

ギシギシの音を立てるお互いの腕、萃香はその痛みに酔いしれていた

 

「もっと!!私を高ぶらせてくれよぉ!!」

目をランランと輝かせていた

 

「だぁらぁ!!」

幽鬼が萃香をそのまま力で押し、飛ばす

 

 

飛ばされ、距離を置く萃香

「早く!もっと!撃ち合うぞ!殺り合おう!!」

 

「霊夢さん…簡単な…いや、それなりの結界を貼ってください…お願いします」

チラッと霊夢を見て頼む

 

「……わ、わかったわ…でも、大丈夫なの?」

霊夢は心配そうな目を向けてくる

 

「なぁに♪ゆう姉の本気の一撃に比べたら…まだまだですよ…」

笑顔で答える

 

「それに…あの鬼が満足するまでですよ…すぐ終わります…」

そう言って萃香の方へ駆け出す

 

 

「全く…貴方の戦い方…見てあげるわ…」

そう言って霊夢は幽鬼達の周りに結界をはる

 

 

 

 

 

「なんだ?結界?」

周りに現れた壁を見る萃香

 

「……やっぱり…頼るのか?」

残念そうな何処と無く寂しそうな目を幽鬼にむける

 

 

 

しかし…その考えは違った

 

 

 

 

 

「一速…」

 

 

 

目の前から幽鬼の姿が消える

 

 

 

 

 

 

「はっ…(ドムッ!)ぐがはっ…なにっ…が!?」

萃香の腹に幽鬼の一撃が入る

 

「たぁらぁっ!!」

 

「ぐばっ!?」

追撃の回し蹴りが顔面に入り飛ばされる

 

 

何度も地面に身体をぶつけて、倒れるが

 

「ははっ…♪」

ゆっくり立ち上がり幽鬼を見据える

 

「まだ上があるんだろぉ〜♪…だったら…そこまで引き出してあげるよぉ〜♪」

萃香は煙になり姿を消す

 

 

「…っ!!…ぐはっ!」

目の前にいきなり拳が現れた

 

「うらぁっ!!うらぁっ!!」

追撃に二発幽鬼に拳を喰らわす

 

「ぐぅっはっ!?」

膝をつく幽鬼

 

「まだだろ♪…こんなんで…終わらないだろ♪」

萃香の目は期待に満ち溢れていた

 

(私がここまで、滾らす人間!それも…純粋な自身の力で私に痛みを与えた…ははっ♪…足らない!もう少し殺り合おう…♪)

 

「おらぁっ!!!」

萃香が膝をついている幽鬼に一撃を振り下ろす

 

「二、三速…」

耳に聞こえた幽鬼の声

 

 

その瞬間

 

 

 

 

 

メキャッ、ボキィッ!!

 

 

先程よりも鈍い音が鳴り響く

 

 

「はぎっ…?」

萃香は訳が分からなかった

 

 

(あれ?……目の前真っ黒…?)

耳に聞こえるのはミシミシ…と聞こえる

 

 

その瞬間、萃香の身体を痛みの衝撃が流れる

 

 

「ぐがっげ…?」

そのまま萃香は仰向けに倒れる

 

 

「…ごめんなさい…」

辛うじて見えたのが頭を下げた幽鬼の姿だった

 

 

萃香が拳を振り下ろした瞬間、幽鬼がその拳を軽く外に弾いたのだ…腕は外側に曲がり折れた…同時に顔面に拳をいれた、その時、神力を流し萃香の身体に衝撃波を流し込んだのだ

 

 

 

「激流に身を任せるのだ」ってどっかの世紀末な漫画に書いてあったのを真似しただけの幽鬼だった

 

 

 

 

「がはっ…ぐごっ…」

萃香は動こうとするが、その度に痛みが走る

 

 

しかし…萃香の気持ちは高揚していた

 

(アイツ…ホシイ…なんだよぉ…♪これぇ♪…凄い…痛い…痛い…♪…あはぁっ…雌としてカンジテル…♪…腕が折られた…♪何時だ…最後に折ったのは…勇儀と喧嘩した頃か…?覚えてないや…思い出さなくてもいいか…♪今が楽しい…♪勝てない…♪なら…最後の一撃だァァァ♪)

 

萃香は身体に密度集める

 

「まだやるんですね…」

幽鬼が萃香に向き直る

 

 

「ぎひびっ…ひっ…あだりまえだ…まだ、わたじは全力を出して無いがらねぇ…」

鬼としての血が騒ぐのだろう…

片腕は折れたままだが闘志は消えていない…

 

「ぁあ…鬼として…アンタを認めよう…強い人間だと…そして詫びよう…私の行いを!!」

折れてない腕に力が溜まり始める

 

「…ギリギリ…持ってくれるかな? 」

その熱意に火がついた幽鬼

 

「まさか…華ちゃん!…ダメよ!?」

結界の中の幽鬼が何をしようとわかった幽香が叫ぶ

 

 

「ふはっ…応えてくれるのかい?」

萃香がニヤッと笑う

 

「…結界を保つ為に抑えますがね…」

体勢を構えに変える

 

 

「なら、全力を出さしてやるよぉ!!」

萃香が殴りかかる

 

「それは出来ませんねぇ!!」

幽鬼も振りかぶる

 

 

 

 

お互いの拳が再びぶつかり合う直前

 

 

 

「七速!!」

 

 

 

 

 

 

バガーン!!!

 

拳同士がぶつかった瞬間、音と共に衝撃波がうまれ

 

 

バァリィーン!!

結界が割れ、衝撃波が走り抜けた

 

 

「きゃぁっ!?」

「うっぅ!?」

近くで見ていた皆それぞれが衝撃波を受け、身を護る

 

 

「「ウオォァァァァァ!!!」」

 

ギシギシと鈍い音をたてるお互いの腕

 

 

「ぐぅっ!」

幽鬼の腕の節々から血が吹き出す

 

「あはっ!…はははははは!!幽鬼!!アンタは!!私の記憶の中にその名を刻もう!!」

萃香の腕がベキベキと音をたてる

 

 

 

 

 

 

 

そして、勝負は決まる

 

 

拳が離れる、その瞬間

 

幽鬼が動いた

 

「七速・縁断脚」

 

姿勢を低くして萃香の腹部に回し蹴りをいれた

衝撃が萃香の腹を突き抜けた

 

「がっ……ぐがっ……げっぇ……えぇ………」

腹部に蹴りが突き刺さり、萃香の口から胃の中の物が流れ出る

そのまま萃香は気を失った、少し笑ったように見えた

 

萃香をおろし、寝かす幽鬼

 

「ぐぅ…無理しちゃった…うげぅ……」

その次に幽鬼がぶっ倒れる

 

「華ちゃん!!」

幽香が駆け寄り、抱き上げる

 

「根暗魔女!アリス!回復魔法!!」

声を荒らげる幽香

 

「根暗ってなによ!」

「幽鬼っ!!」

アリスとパチュリーが傍により手当が始まった

 

「とりあえず、部屋に布団敷いてくるわよ」

霊夢が部屋に向かった…

落ち着いて見えるが若干早足だった

 

 

 

 

萃香の方は紫が部屋の中に連れていった

「全く…世話の焼ける…はぁ…いい顔しちゃって…」

紫は萃香の顔を見て、怒るに怒れなかった…

旧友であり、お互いの苦労を知っていた為である

 

「…好敵手…ね…貴女の待ちに待った人間だったのね…それにしても、幽鬼くんは凄いわね…」

紫は萃香の両腕を見たが両腕とも折れていた

 

「鬼の腕を折るなんて…まぁ、幽香も出来そうだけどね…少しは大人しくしてなさいよ…」

 

そう言う紫の顔は穏やかだった

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、宴会はお開きになった

 

 

 

 

ー 博麗神社・桃ノ間(深夜) ー

 

 

一人ポツンと酒を飲む鬼の影

 

「はぁっ…きくぅ〜♪」

瓢箪から口を離し、息を吐く

 

「アンタ、何してんのよ…」

後ろから声がした

 

「おん?……おぉ、霊夢…なんだい!」

振り向くと霊夢(寝間着)がいた

 

「こんな時間に何してんのよって聞いてんだけど…」

「ははっ!飲み直しさね!気分が良すぎてな…イテテ…」

両腕とも包帯で固定されているが片手を器用に使い酒を飲む萃香を見て霊夢は呆れる

 

「たくっ…アンタは本当の馬鹿ね…」

横に立つ霊夢

 

「いひひ…いやぁ…♪霊夢が羨ましいなぁ…♪あんないい男を手篭めにしてんだからなぁ♪」

ニヤニヤしながら言う萃香

 

「手篭めになんかしてないわよ…」

ジロっと萃香を見る

 

「お…嘘じゃ無いな〜♪なら、ワンチャンあるな♪」

萃香はそう言ってまた、瓢箪を口につける

 

「……アンタ…」

霊夢はそれ以上言わずに、部屋に戻ろうと背をむける

 

「何かをかけて勝負するのは悪くないだろぉ♪」

その言葉に一瞬動きを止めるが霊夢は部屋に向かった

 

「……へへ…月が綺麗だな!」

一人月見酒を楽しむ姿があった…

 

 

 

 

 

 

ー 同時刻・幽鬼自室 ー

 

「……うっ…う?……!!!( ゚д゚)ハッ!!!!」

気がついた幽鬼

 

「……ど、どの位…気をうしっ…あれ?」

身体を起こそうとするが何か重く動けなかった

 

「……え゛…」

視界だけ動かし見て驚く幽鬼

 

布団で寝ていた幽鬼を中心に

枕元もとい膝枕でアリス

左側、布団に潜ったレミリア

右側、同じく潜ったフラン

足元の壁側に座ったまま寝ている妖夢

身体の上にルーミアが乗って寝ている

 

「う、うぉ……何が?」

身体を動かそうと力を入れるが

 

「あれ?」

身体に力が入らない

一瞬、幽鬼は焦るがすぐに手足の感覚や指先足先が動くか確認した

 

 

「……うん……やらかしたな( - ̀ω -́ )」

 

 

 

 

 

幽鬼は幽香の元で過ごしていた時に会得した力のギア上げ…

力を縁で段階的に結び、力をあげていくのだ

しかし、一気に力を解き放つと人間である幽鬼の体は限界を超えて壊れてしまう可能性があるのだ

 

それで幽香と考えたのがギア上げ

段階的に力の解放をして身体に負荷を減らした

 

しかし、それでも負荷はかかるのだ

幽鬼に許して貰えていたのは最大で五速までだった

それでも五速を使うと疲労感は大変だった

力があっても、それに身体がついて来なかった

 

前の過保護のゆうかりんだったらもっと許さなかっただろう

 

ゆうかりんの手厚い看病は凄かっただけは言っておく…

 

 

まぁ、そんなこんなで…幽香との約束を破ってしまったのだから何かしらペナルティはあるだろうと幽鬼は思った

 

 

 

 

 

 

 

「……身体…動かないな………」

先程から何度も試しているのだが力が入らなかった

 

「……魔法で貴方の筋力を無くしてるのよ…」

「え…?……あっ…(汗)」

ふとっ声がかけられ、見上げるとアリスが起きていた

 

「……ねぇ?なんでそう、無茶ばかりするの貴方は?」

アリスが頭を撫で始める

 

「いやぁ…何か…熱くなっちゃって…ウグッ!」

顔だけ逸らそうとしたがアリスの両手に抑えられた

ついでに頬をギュッとされる

 

「ほら…私の力でも今の幽鬼には敵わないくらい、筋力を抑えてるからね…暫くはそのままね」

アリスの顔が近づく

 

「あ、ありしゅしゃん?……(んちゅ…)んぶ…(ぢゅる…)ぶぶ…」

ヒョットコ見たいな顔になっている幽鬼の唇をアリスが啄み始めた、唇だけを上下別々にだ

 

それはまるでマーキングしてるかの様に長かった

 

「はぁふぅ…どう?一方的な食べられるだけのキスは?…ふふ……♪」

いつもと雰囲気と異なって「アリス・イン・色気」が凄かった

 

(おっといけねぇ( ^ω^))

 

EXTEND

 

奴が起き上がった

 

「んぐっ…んん…ぐー…」

お腹に当たったのか、一瞬ルーミアが苦しそうな寝顔になる

しかし、寝息をまた立てるのだ

 

(悟られるな…平常心…平常心…)

幽鬼は荒ぶるEXTENDを落ち着かせるためにゆっくりと呼吸を続け、賢者モードを目指す

 

しかし、現実は残酷である

 

「……ふ〜…」

「ふぅおっ!?」

右耳に息か吹きかけられる

 

「ん…?あら?フラン…起きたの?」

幽鬼の突然な反応にアリスが気づいた

 

「へへ〜♪…アリスも抜け駆けはズルいよ?ん…レルッ…」

「あっばばば…!!」

フランがそのまま右耳を舐め始める

 

「寝てしまったのは貴女達でしょ…私はうっすら意識を残してたからってだけよ…んはぁ…はぁむ…ンブッ…!ヂュブブ!」

「んぶぶっ!?」

アリスは幽鬼の口に食らいついて、吸い始める

 

「んちゅ…レロッ…ふふ♪…お兄様も何が起きてるか分からないよね♪」

フランが囁き始める

 

「あの後ね、誰が(動けなくした)お兄様の身の回りの面倒(意味深)をやるのか一波乱起きそうになって、皆でクジ引きで決めたの♪…それで今日は、私とお姉様にアリスとそこの寝たフリしてる剣士さん(ギクッ…)と若干腰を振ってるルーミア(ギクッ…)になったの♪」

フランが説明するが目の前はアリスの顔で埋まって見えてなかった

 

「ちょっと…私を忘れないでくれるかしら?」

凛とした声が響く

 

「……んぶっ……」

「あ、霊夢…何処に行ってたの?」

アリスの動きが止まり、フランが名を呼ぶ

 

「ちょっと…風を当たりに外に行ってただけよ…それで?アリスはいつまで幽鬼にそうしてるのかしら?」

「…………んはぁ…少しは良いじゃないのよ…クジ引き免除で幽鬼の面倒見られるんだから…」

アリスは幽鬼の口から離れ、恨めしそうに霊夢を見る

 

「それが皆で決めた事でしょ…幽香からも言われたしね、私は幽鬼の住むこの場所の家主なのだからね…ほら、そこ変わって」

アリスの膝枕を変われと霊夢が言ってきた

 

「はいはい…少し待って…口閉じててね?」

アリスはハンカチを取り出して幽鬼の口を拭く

 

「何してんのよ…代わりなさいよ…」

霊夢が訝しげに聞く

 

「拭かないと私と間接キスする事になるけど?」

アリスが横目で霊夢見ながら

 

「……早くしてね」

霊夢は素直に待つことにした

 

「………(休みたいなぁ…)」

されるがままの幽鬼は遠い目をした

 

「はい、大丈夫よ…さて、ほら…霊夢?」

幽鬼の頭を軽く持ち上げアリスがどく

 

「ん…」

霊夢がゆっくり幽鬼の頭の下に足をしく

 

「ほら、下げなさい…」

下から霊夢の顔を見上げる状態になった

 

「……な、なんか…なれないですね…」

「そうね…何せ初めてだからね…」

霊夢が幽鬼の頭を撫で始める

 

「……こう見ると幽鬼って可愛い顔してるのね…」

普段見れない霊夢の微笑みを見る

 

「……そうでしょ?…こう何か沸き立つのよ…」

アリスが霊夢の横に座る

 

「お兄様って…保護欲沸き立つってゆう姉様が言ってたよ?」

フランが起き上がり覗き込む

そう言って、三人が幽鬼の顔を見つめ始める

 

すると…

 

 

 

「霊夢…布団ってコレ1枚かしら…?」

「押入れの中にもう一組あるわよ…敷く?」

アリスに聞かれ霊夢が押入れの方を示す

 

「敷いちゃおうよ…お姉様が寝ていて邪魔だし…」

フランが布団から出て押入れを開ける

 

「え…なんでですか?」

幽鬼は困惑し始める

 

 

「あら…お日様のいい香り…」

「スゴーイ♪フカフカ♪」

アリスとフランは布団をもう1枚敷き始める

 

「ちょっと…寝たフリ庭師と闇妖怪…あんたらはどうすんの…?」

霊夢が妖夢とルーミアに声をかける

 

「………」

妖夢は無反応だったが

 

「……なーのか…」

ルーミアはもそもそと幽鬼をよじ登ってきた

 

「る…ルーミア… 」

目の前にルーミア顔が現れる

 

「初めてあった時に食べ物を貰ってから、おにーさんには沢山貰ったのだ〜…会う度に嫌な顔をせずに受け入れてくれたのだ〜…貰うだけじゃ…納得しないのだ…」

ギュッとしがみついてルーミアは語る

 

 

 

 

「今度は私から大好きなおにーさんにあげるのだ♪」

ニコッと笑顔を見せるルーミア

 

 

 

「ただの餌付けしてたと想ったら、そう言う策略でもしてたの?」

霊夢がジト目で見てくる

 

「ち、違いますよ…!形で言えば人里までの護衛してもらってたんですよ…それで御礼に…それに、ルーミアはフランちゃんと同じで妹みたいな感じでしたし…」

霊夢に説明する幽鬼

 

「……ふーん…でも確かに似てない事はないわね…それならそう思うわね…」

ルーミアとフランを交互に見る霊夢

 

「……でも、気持ちに嘘はないのだ」

真剣な顔で幽鬼を見る

 

「う、うん…分かってる…けど…」

 

「幽鬼?女の子にそこまで言わして断るのは…」

アリスが手を止めて言う

 

「お兄様、もしかして躊躇してるでしょ?」

フランがニコッと笑って言う

 

「う…」

図星を突かれる

 

「躊躇?…なんで躊躇なんかするのよ…」

霊夢がフランに聞く

 

「お兄様…フランとお姉様と同じ感じだもん♪」

フランがニコッと言う

 

「あぁ…純粋な子供に変な気持ちを植え付けてしまった…自分の能力せいで…でしょ?」

察したアリスが仕方なさそうに言う

 

「せーいかーい♪…お兄様はわかりやすいからねぇ…さっきもちゃんと誘ったのになぁ〜…ボソッ…(お姉様はチャンスを逃しそうだけどね…)

ちらっと呑気に寝ているレミリアを見る

 

「そーなのかー…おにーさんは深く考えすぎなのだ〜」

話を聞いて納得したルーミア

 

「ま、まぁ…そう言う事なんだけど…ルーミアは本当に…」

幽鬼が毎度の如く、真意を確認する

 

 

ルーミアはニコッと笑い

 

 

 

 

 

「今が夜で良かった♪」

 

「え…?」

 

 

 

 

見た目に反して、大人っぽい声で答えるルーミア

 

 

 

 

 

 

周りに闇が集まり出し、ルーミアが闇に包まれる

徐々に覆った闇が大きくなり、重みが増してきた

 

 

そして…

 

 

 

 

パーン!!

「うげっ!?」

破裂音と共に闇がはれ、お腹が何かの重さに圧迫される

 

 

「へぇ〜…なるほど〜♪」

「妖怪なら有り得るわね…」

姿を見て、フランとアリスがそれぞれ納得する

 

「ふーん…それが、貴女の姿なのね…」

正面で見た霊夢が変わった宵闇の妖怪は言う

 

 

「う?……えぇ!?」

幽鬼が見て驚いた

 

「えぇ!?」

同時に足元から声が聞こえた

 

 

 

 

幽鬼の目の前に現れたのは出る所は出ていて…

ショートヘアから腰の辺りまで伸びる髪…

トレードマークの赤いリボンはそのままの…

 

 

 

「これなら安心して子作り出来るでしよ♪

 

 

「EXルーミア」

通称・大人ルーミア

 

ルーミアは頭に着けているリボン(御札)のせいで封印されていると言う話があり、封印が解かれると幻想郷のバランスがひっくり返す程の実力があるのでは無いかと二次創作で囁かれている(公式的な発表が無いため幽鬼の知識も二次創作程度)

 

しかし、そんな事は直ぐに頭から抜けた

 

程よい大きさで綺麗な形をした張りのあるバスト!

 

引き締まって服の上からでも分かる程の綺麗なウエスト!

 

柔らかすぎない、かと言って硬くない感触のヒップ!

 

そんな子供のルーミアとギャップが強すぎて幽鬼は再び

 

 

EXTEND!!

 

「……ふふ♪」

ルーミアは自分の乗ってる場所を理解した上で変わったのだ

 

 

「……いいなぁ…ルーミアちゃん、身体の大きさ変えられて〜…私ももう少し大人になりたいな〜…」

自分の身体を触りながら言うフラン

 

「貴女…下手したら幽香達と比べられる程の強さ持ってるわね……分かってるの?」

霊夢は少し警戒していた…博麗の巫女として

 

「そう警戒しないでよ霊夢…貴女が思うように私は強いかもしれないけど…この姿は闇染る…暗い夜にしか出来ないから…それに♪…ン゛ン゛ッ…おに〜さんの前でしかしないのだ〜♪」

唐突に喋り方が子供ルーミアに変わる

 

「なんか…その喋り方の方がしっくりしてしまうと思うのは私だけかしら?」

アリスが手を止めたまま言う

 

「安心なさい、貴女だけじゃなくて幽鬼と私も思ってるから…でしょ?幽鬼?」

「はい…何か知ってるルーミアだって思っちゃいました…」

何故かホッとした霊夢と幽鬼

 

「そーなのかー?私はどっちでもいいのだー♪……こっちよりもいいのかしら?」

 

「なんだろう…喋り方が違うから表情も変わってるからさ…大人の喋り方ももちろん綺麗でいいけど…知ってるルーミアの喋り方は笑顔が明るくて可愛いからさ…」

幽鬼は見て思ってた事を話す

 

「……そ…そぉ…なの…かぁ〜…///」

滅茶苦茶照れるルーミア

 

「……完全に堕ちたわね…んで…寝たフリ庭師はいい加減したらどうなの…そこで幽鬼の(EXTEND)を薄目開いてガン見して終わりなら、部屋から出た方がいいわよ…?」

霊夢は忘れなかった、ルーミアが変わった時に幽鬼の声と同時に声をあげた妖夢の事を

 

「…………」

しかし妖夢は動かない

 

「ふーん…あくまでも寝てるのね…」

ジト目を向ける霊夢

 

「布団もう1枚敷いたわよ…」

「かんりょー♪」

フランとアリスが近くに戻ってきた

 

「ねぇ…アリス…耳貸して?」

「何かしら?」

そう言って霊夢はアリスに小声で話し始める

 

「霊夢〜?お兄様を新しく敷いた布団に運んでいい?」

「えぇ…お願い…それで…」

フランに言われて霊夢がOKをだす

 

「お兄様〜…向こうの新しい方に運ぶね〜♪…じゃぁ、ルーミアちゃんちょっと手伝って〜♪」

「わかったのだ〜」

 

「……されるがままってこういう事言うんだね…」

幽鬼はそんな事を言いながら、新しく敷かれた布団にルーミアとフランにドナドナされ、そっちに寝かされた

 

 

 

 

 

 

長い夜の始まりだった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

\\ーーーWARNINGーーー//

※注意・R17,89

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※ー『この先、幽鬼がマッサージをされます』ー

 

ー『不愉快に感じる方は控えてください』ー

 

ー『それなりの紳士・淑女の方はお進み下さい』ー

 

ー『幽鬼を大切に思う彼女達のマッサージです』ー

 

ー『彼女達の皆、初めてのマッサージです』ー

 

 

 

ー『最後に1つ』ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー『深い意味はございません!!』ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽鬼はフランとルーミア(大人)に優しく運ばれた

 

「呑気に寝てるお姉様には申し訳ないけど…起きたらその時でいいか♪」

ニコッと笑うフラン

 

「そーなのかー……それで?どっちから?」

ルーミアが聞く

 

「ルーミアちゃん、ちょっと待ってね?……霊夢〜?どうするの〜?」

フランが霊夢に声をかける

 

「…も、もちろん私が……ちょっと待って…アリスお願いね…」

「えぇ♪…まさか霊夢がそんな事を頼むなんて…♪」

何処か楽しそうなアリス

 

「な、何が?」

幽鬼は身体が動かないので不安になる

 

「大丈夫よ…幽鬼じゃないわよ…はぁ…緊張するわ…//」

そう言って霊夢が幽鬼に近づく

 

「ルーミアちゃん、暫く待ってようか…」

「そーなのかー」

フランとルーミアは待つことを決めた

 

 

「…れ、霊夢さん…大丈夫なんですか…巫女である貴女がこんな事……を…」

幽鬼は不安そうに聞く

 

「巫女とか今は関係ないわよ…私の気持ちで動いてんだから……んっしょ…」

「……あぅ…」

霊夢が幽鬼のEXTENDに触れた

 

「全く…こんなに硬くなって…疲れが溜まってるのよ…特に今日なんか無茶したから…服の上からでも解る…」

コリをほぐす為に擦り出す

 

「うっ……うっ……」

苦しそうな幽鬼

 

「……はぁっ…はぁっ……//…ほぐしてるのに…硬くなってきてる…おかしな身体ね…//」

霊夢は一生懸命にマッサージを行う

 

「あぁ…霊夢さん…もうちょっと…優しく…」

少し痛そうにする幽鬼

 

「…全く…わがままなんだから…//…ほら、私のも…ほぐしてよ…」

霊夢は幽鬼の手を自分の身体に当てる(何処とはいいません)

 

「指ぐらい…握ったりできるんでしょ…っあぅ//!?」

ツボを触ったのか変な声が出る霊夢

 

「霊夢さんも…こってますね…優しくほぐしますよ……」

幽鬼はツボ押しを続ける

 

そのままお互いのマッサージを続けていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時、アリスは…

 

 

 

ー ちょっと前 ー

 

 

「アリス…お願いね…」

「えぇ♪…まさか霊夢がそんな事を頼むなんて…♪」

 

そう言ってアリスは(一応)寝ている妖夢に近づいて目の前でしゃがみこむ

 

「……(ジー)」

妖夢をじっと見つめるアリス

 

「………」

しかし妖夢は動かない

 

「………ふぅん……」

1回視線を外すアリス

 

 

 

ガシッ!!(ムニュン!

 

「……ッ!…(ビクッ!!」

アリスがいきなり両手を伸ばし妖夢の胸を鷲掴みにする

 

「あら…見た目によらずあるのね…驚いた…♪」

アリスはそう言ってムニュムニュと揉み始める

 

「……ッ…ふっ…//!」

息が漏れ、寝顔が赤くなる妖夢

 

「ん〜?寝ている割に反応いいわよねぇ?…でも、貴女このまま寝てたなんて言ったらクジ引きで外れたご主人様は許すのかしらね…♪」

アリスは喋りながらだが、手は休めない

 

アリスの言った通りクジ引きで公平を期すために当たったら、文句、交換、変更はしない(幽鬼に好意(恋愛対象)を抱いているのが条件)と決めたのだ

 

「……それで、寝てただけでした〜…なんて報告できるのかしらね…?」

「…ふッ…ふぅッ…ンゥ…//(ビクビク)」

アリスが強めに揉み始めるとよりビクビクする

 

「さてと…これくらいにして…よっと…」

アリスが揉むのを止め、片手をあげる

 

 

すると

 

 

「うわぁっ//!?」

妖夢の両手が上に縛られ、両足が開かれた状態で吊るされる

 

「…にゃに!?なゃにがおきてるぅんですかぁ//!?」

妖夢は声をあげる

 

「あら?起きてたの♪よ・お・む♪」

ニコッと笑うアリス

 

「お…下ろしてくださいよぉ//!!」

どうやらアリスの魔法糸で縛り上げられたみたいだ

 

「あーら…シンプルなパンツ吐いてるのね…♪」

「…え…って!いやぁっ//!!」

両足が広がり、純白の白色が丸見えであった

 

「どっ…どうしてぇっ//!!こんなぁっ//!!」

顔を赤くして涙目になる妖夢

 

「少し黙ってて?」

「むごっ!?」

アリスが妖夢の口を猿轡で塞ぐ

 

 

すると、笑顔が真剣な顔に変わり妖夢に言い始める

 

「私は正直怒ってるのよね…あっ…怒ってるって言っても幽鬼が貴女を助けて死んだ所を怒ってる訳じゃなくてね?…貴女の今の中途半端な思いで幽鬼の傍にいて欲しくないのよ…」

アリスは妖夢の目を見つめる

 

「……貴女は幽鬼が好きだから…くじを引いたんでしょ?」

静かにアリスが言う

 

「……ムグ…」

妖夢は目をそらす

 

「……それよ…覚悟が浅いうちになんで引いたのよ…周りに合わせたの?それとも自分の主人に言われたから?…そうなら…周りに合わせてたら魔理沙だって引いたはず…主人に言われたら美鈴だって引いたはずよ…でも2人は引かなかったのよ…解る?…2人は幽鬼を友人としてっと言ったのよ…いい?…覚えてる?クジ引きでの引くルール…幽鬼に好意を抱いているのが条件だって…」

 

「フグっ…ウグッ…」

妖夢はそのまま話を聞いていた

 

「だから…貴女は半人前なのよ…霊夢と主人に感謝しなさいね…今から素直にしてあげるから…ふふっ♪」

アリスが三体の人形を操りだすが…

人形全員が何か棒を持っている

 

「…ムグッ!?」

「ふふっ…♪分かるかしら♪…この人形達が持っているのは棒の先が程よく振動して身体のコリをほぐす棒なの♪」

アリスがそう言うと三体の持つ棒が音を立て動き出す

 

 

「ムグッ!?ムグッ!?」

妖夢は首を振り、涙目で訴える

 

 

 

 

 

 

「コリが酷い所は何処かしら♪」

 

 

 

 

 

 

 

霊夢と幽鬼の横で妖夢の喘ぎ声が聞こえて来た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー 数時間後 ー

 

 

 

 

 

「あひゅっ…ひぃっ…//」

高揚してだらしなく息をするルーミア

 

「…ぉ…おにっ…しゃまぁ…//♪」

色々とアウトな表情なフラン

 

 

「アヘ…アヘ…はひゅっ…//」

無理やり参加させられた寝ていたレミリア

(※途中で起きて、仲間外れにされてた事に泣きそうになった所を幽鬼が優しくマッサージして堕とした)

 

マッサージを終えた三人は汗まみれと自分の体液だらけになっていた…

 

そんな三人を横目に残りのメンバーは…

 

 

「はぁっ…ゆぅっきしゃんっ…♪もっどぉ〜//♪」

完全に堕ちた妖夢は幽鬼の腰のマッサージを続けていた

 

「んっちゅ…んっ…アリしゅ…やりちゅぎよ…んちゅ…」

霊夢は幽鬼の口を自分の舌を使ってほぐしていた

 

「…ぁぁっん…♪良いじゃ…ない…ぁんっ♪…それにぃん//!!…れいぃっ…んぅむ…ん゛ぅ…がぁ…ぁ゛ぁ゛♪」

アリスは幽鬼に指マッサージを受けていた

 

 

「………ぁ…ぁぁ…」

幽鬼はとうにされるがままだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女達が満足したのは明るくなり始めた頃だった

 

 

 

 

 

 

 

 

\\ー 結果発表 ー//

 

 

ー マッサージをした・された回数 ー

 

 

博麗霊夢

した・6
された・4

 

アリス・マーガトロイド

した・3
された・3

 

魂魄妖夢

した・4
された・13

 

レミリア・スカーレット

した・2
された・9

 

フランドール・スカーレット

した・5
された・4

 

ルーミア

した・4
された・3





ふぅ…マッサージって受けると気持ちがいいですけど…
やりすぎて、ぶり返しがある時はきついですよね…

タダノマッサージ( ˙꒳˙ )デスヨ
ホンドダヨ( ˙꒳˙ )トラエカタデスヨ

次で萃夢想は終わりになります、いよいよ永夜抄かな?
今回ハズレてしまったメンバーは別のタイミングの何処かで書きますね !

新メンバーの加入前か後に…

ここまで読んでいただきありがとうございました!!


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戦場の洗浄と新しき関係




やっと書けたの…お待たせしましたー

今回で萃夢想はひと段落します
永夜抄の準備をして…とりあえず

けーねともこたんは先に落としときますね?

そこから…始めないと


( -∀-)紳士の名が泣きますからね…




 

 

チュンチュン…

 

部屋に朝日が照らされる

 

「ん…んぅ…?」

幽鬼が眩しくてうっすら目を開ける

 

夜、動けない事をいい事に好き放題されていた幽鬼

 

「あのまま…寝たか……うわぁ…(汗」

筋力が戻ったようで身体をおこし、自分の現状を見て唖然する

 

服ははだけたままで、肩と胸に虫刺されの様な赤い斑点が出来ていた

 

「………ん?」

よく見ると部屋のそこらに下着やら服やらが散乱していたり、布団の周りの畳にシミや跡が残っていた

 

「………」

自分の周りを見ると、色々と目のやり場の困る昨日のメンバーが幽鬼を囲うように寝ていた

 

「……部屋…片付けないと…」

幽鬼は今日の戦場を決めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「昨日はお楽しみでしたね♪」

笑顔で紫がお決まりの言葉を言ってきた

 

「妖夢もこれで安泰ね♪」

ニコニコな笑顔で言ってくる幽々子

 

 

あれから、幽鬼があの場にいなかった紫達を呼びに言って部屋で寝ていた霊夢達をそれぞれ別の部屋に連れてって貰った

 

「紫?…ニヤニヤしてないで手を動かしなさいよ…」

腕まくりしている幽香は紫と幽々子に言う

 

「ゆう姉…手伝ってくれてありがとう…助かるよ…」

幽鬼が申し訳なさそうに言う

 

「…気にしないでいいのよ?」

幽香は幽鬼を優しく撫でる

 

「私の華ちゃんだもの…いつでも助けてあげるわよ♪」

微笑む幽香はまるで紫と幽々子に見せつけるように

 

「……紫?」

「何かしら?幽々子?」

微笑む2人の顔に青筋が出ていて

 

「処していい?」

「幽鬼君が見てない所でね♪」

物騒な会話をしていた

 

 

 

 

ー お昼・博麗神社 ー

 

「結局…お昼過ぎたな、ゆう姉はまだ帰らなくて大丈夫なの?」

「華ちゃんがいる所が私の居場所でもあるのよ♪」

幽香は笑顔で幽鬼に言う

 

「にしても…アリスと霊夢起きないぜ…」

魔理沙は呟く

 

縁側に並んで座っている三人

既に、アリス、魔理沙、幽香以外のメンバーは帰宅していた

 

「幽鬼は身体大丈夫なのかぜ?昨日と今日だから無理すんなよ?」

 

「大丈夫ですよ、それより魔理沙さんも巻き込んですみませんね…」

 

「いや、謝る必要なんかないぜ…このままアリスを残すのは……うん…なんか起きそうだから連れて帰るぜ…」

幽鬼は確信した、魔理沙さんは本当にいい人なのだと

 

 

「……ゆきぃ〜…?」

「おっ?」

声がする方を見ると霊夢がのそのそと歩いて来た

 

「……うぅ…ん…」

傍によったと思ったら、ポスンッと音を立てて幽鬼の膝の上に頭を乗せて横になる

 

「ありゃ…霊夢さーん?」

「んっぅ…あと…すこしぃ〜…」

モゾモゾの膝に頭を埋める霊夢

 

「……これが…あの、霊夢…?」

「…何を…拾い食いしたのか…ぜ?」

霊夢の変わり様に困惑する二人

 

「…zzz」

「ありゃ…」

霊夢は幽鬼の膝の上で寝息を立て始める

 

「うーん…ゆう姉と魔理沙さんにお願いしていいかな?」

「何かしら?」

「なんだぜ?」

二人が幽鬼を見る

 

「霊夢さんを布団に運んだ後に買い出ししてくるから…アリスさんと霊夢さんが起きた後の様子を見ていて欲しいんだけど……頼めます?」

 

「おう、別に問題ないぜ!」

「華ちゃんの頼みなら、私は構わないけど…他に何か用事があるんでしょ?買い出し以外に?」

幽香はやはり察しが良かった

 

「あー…ゆう姉には隠せないか…」

「何年、華ちゃんを見ていると思ってるの♪…それで?何かあったのかしら?」

 

「実はね…?」

幽香に聞かれ、幽鬼は話始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー 前日 (慧音とルーミアで茶屋にいた時) ー

 

 

 

 

「あって欲しい人がいる…?」

慧音から言われた言葉を言い直す幽鬼

 

「あぁ…幽鬼殿には人脈があると見える…それを見据えての頼みなのだ…」

慧音は真剣な顔付きで幽鬼話す

 

「……何か訳ありですね…分かりました、少し詳しく聞かせて貰えませんか?…それで判断しますよ?」

 

「あぁ…構わない、話を聞いてくれるだけありがたい…」

その返答を聞くと慧音は安心した顔になる

 

「それで…幽鬼殿にあって欲しいと言う人物の名前なんだが…」

 

この時、幽鬼はもしかしてと思った

慧音が度々、友人と言って会いに行く人物

 

人との関係を疎遠にし…

 

関わりを持たず1人でいようとする人物…

 

永きに渡り、怒りと憎しみだけを糧に生きていると言っても過言ではない…

 

永遠の命を持つ人物…

 

死ぬ事も朽ちることもない身体を持つ永遠ノ蓬莱人…

 

 

 

 

「(藤原 妹紅)…」

慧音の声と被る様に幽鬼も頭に浮かんだ

 

 

 

 

「藤原…妹紅…と言う人にあって欲しいのですか?」

「あぁ…幽鬼殿には少し苦労をかけてしまうかもしれないのだが……私が幽鬼殿を見るに…人問わずに関わって行くその人脈は…その…妹紅にとって悪い物でもないと思ったんだ…」

慧音は自分の持っている湯のみに目線を落とす

 

「……ふむ…その藤原さんが…どんな人かによりますがね……でも、慧音さんが言うからに…普通の人間ではないって事ですよね…?」

幽鬼の言葉に反応し再び、目線を幽鬼に戻す

 

「……幽鬼殿は察しが良くて助かる……妹紅は…人間であり…人間では無く…とある薬によって人間から外れてしまったんだ、その薬の名は「蓬莱の薬」…その薬を飲んだ者は…人の輪廻から外れてしまい…永遠に生きる命を得てしまう物…死ぬ事も朽ちることも出来ない…生きる監獄…それを飲んだ妹紅は…「蓬莱人」と言われている…」

悲しそうな目で慧音は説明した

 

「…人の輪廻から…外れた…人…ふぅ…そうですか…ん?」

幽鬼はふっと横のルーミアを見ると

 

「?…( ・ ∇ ・ )…?」

口を空けてポカンとしていた

 

「……ど、どうした?ルーミア?」

「お兄ーさんと慧音の話は何言ってるのかよく分からないのだ…ほうらい…びと…って美味いのか?」

首を傾げて聞いてくるルーミア

 

「……うーん…食べるのはオススメしないよ…ほら、コレ食べていいから少し待ってて…」

幽鬼は自分のみたらし団子を差し出す

 

「そーなのかー♪待ってるのだ〜♪…ムグムグ…」

ルーミアは食べ始めた

 

「やはり懐かれているな…幽鬼殿は…」

「それはルーミアがいい子だからですよ…こんな自分に話しかけてくれて傍にいてくれるなんて…嬉しいじゃないですか♪」

ニコッと笑顔を慧音に向ける幽鬼

 

「…っ//!?」

それを見て慌てて顔をそらす慧音

 

「??…どうかしましたか?…∑(ºωº`)あ!もしかして何か変な事言いましたか?」

アワアワする幽鬼

 

「い…いや…幽鬼殿…だ、大丈夫…少し咳が出そうになっただけだ//…ンッン…!」

慧音は軽く咳払いをする

 

「そういえば…今更ですけど慧音さん?」

「フゥ…ん?…なんだ?」

落ち着いた慧音は再び幽鬼に顔を向ける

 

「本当に凄い今更ですけど…その…「殿」付けはいらないんで…呼び捨てで良いですよ?」

幽鬼の中で慧音には呼び捨てされるイメージがあるのでそっちの方が気が楽なのだ

 

「む…そうか?…いや、生徒ではない方を呼び捨ては…うむ…」

慧音は少し考え込む

 

「どっちかって言うと、その方が慧音さんとも距離が縮まりそうなんですよね…歳下からすると…」

「そ…そう言う物なのか…うむ…」

幽鬼の意見を聞いて慧音は頷く

 

「それに慧音さんとも仲良くなりたいですしね♪」

やはり笑顔で答える

 

「……う…うむ……よし、わかった…」

慧音はそう言って幽鬼に向き直る

 

「こ、これからは呼び捨てするぞ…?ゆ、幽鬼…!」

「はい!慧音さん!」

「…〜ッ//!?」

幽鬼が笑顔で返事をすると何故かブルっと身震いをした慧音

 

「……?…大丈夫ですか?」

「だ、大丈夫だ//!…問題ないぞ!…ゴホンッ…!」

心配して来た幽鬼に慧音は咳払いをして誤魔化した

 

「そ、それでだ…妹紅に関しては大丈夫なのか?」

「はい、自分は一向に構いませんよ♪」

返事を聞いた慧音は

 

「なら…早い方がいい…明日また、寺子屋に来てくれないか?…そこから合流しよう…!」

「分かりました…時間はどうしますか?」

何より合流するのは大事だと幽鬼は聞く

 

「時間は…うむ…夜遅くならなければ何時でも大丈夫だ…生徒達がいる時間でも構わない…大丈夫そうか?」

「はい、分かりました…それじゃ!明日また寺子屋の方に向かいますね!!」

 

こうして、幽鬼は慧音と約束をしてその場を離れたのだ

 

 

 

 

ー 場面は戻り ー

 

「…と言う事なんだよね…」

「ふ〜ん…あの半妖がね、ならしょうがない…約束は大切だから…行ってきなさい♪」

話を聞いた幽香は答えた

 

「へぇ〜…幽鬼ってやっぱり何かあるんだろうなぁ…付き合いやすいのは確かだし…うん……よし!霊夢達の事は魔理沙様達に任せろぜ!!」

自分の胸をドンっと叩く魔理沙

 

「ありがとうございます…(でもね…華ちゃん…?)…ん?」

ふいに幽香の声が静かになる

 

「昨日の鬼の時みたいに無理しちゃダメよ?」

いい笑顔で言う幽香

 

「………………ウ ン…」

幽鬼はすぐ様頷く

 

「ふふ、約束よ♪…さて、ならお昼過ぎちゃったから行ってきなさい♪…律儀な寺子屋の先生の所に♪」

撫でながら幽鬼に言う

 

「何かあったらすぐ戻ってくるんだぜ!」

魔理沙もニカッと笑って言ってくれた

 

 

 

こうして、幽鬼は幽香達2人に霊夢とアリスの事を頼んで…人里に向かったのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

ー 人里・寺子屋前 ー

 

 

「やっぱりルーミアには会わなかったが大丈夫だろうか…住処でちゃんと休めてるのか…?」

今日の朝フラフラと帰って行ったルーミアには会わなかった幽鬼だが、無事に人里に着いて、寺子屋前までやってきた

 

「賑やかな声が響いてるな〜…とりあえず中に…」

幽鬼が寺子屋の門をくぐろうとした時

 

 

「おい、お前何している?」

 

「え…あっ…」

声に反応し幽鬼が振り向く

 

「お前…見ない顔だな、慧音の寺子屋になんのようだ?…子供って歳には見えないが…?」

警戒し鋭く睨みを向けてくる深紅の目

 

その身なりは銀髪のロングヘアーで髪には白地に赤の入った大きなリボンが一つに、毛先に小さなリボンを複数つけている。

上は白のカッターシャツで、下は赤いもんぺのようなズボンをサスペンダーで吊っており、その各所には護符が貼られている…

 

慧音の友人であり、永遠に生きる蓬莱人

 

二つ名・「蓬莱の人の形」「竹林の道案内人」

 

能力・ 老いる事も死ぬ事も無い程度の能力

 

藤原 妹紅

 

今日、慧音と会いに行く人物が目の前に現れた

 

「あ、いや…自分は…」

幽鬼が説明しようとした瞬間

 

「…お前ただの人間じゃないな…?」

「え…」

その瞬間、火球が向かってきた

 

「うわぁっ!?……な、何するんですか!?」

咄嗟に避けて叫ぶ幽鬼

 

「私を見くびるなよ、こう見えて一昔妖怪退治を生業にしてたからな…お前のような化けても気づかれない奴らを燃やしてきたんだよ…チビ共を狙うクソ野郎共を…」

指先から炎をたぎらして言う妹紅

 

「いや、違いますって!!」

否定をする幽鬼

 

「皆そう言うんだよ…燃やされたく無かったら、さっさと人里から出てけ…!そして、二度とくるな!!」

先程より大きい炎を身体に纏わせてくる妹紅

 

「そっちの炎が危ないでしょ!?…どわっ!?」

しかし、関係なしに炎が飛んでくる

 

「さっさと立ち去りなよ!!」

幽鬼に向かって炎を飛ばし続ける

 

「くっそ…!だから…違うって…!!」

ギリギリをかわしていく幽鬼

一方的に決めつけられ攻撃されているこの状況

 

「…はぁ……大人しくさせるしか…」

小声で幽鬼は言う

 

幽香との約束を守り、やられたら一発を喰らわす

 

「これでさっさと消えな!!」

普通の人に向けるべきでない大きさの火球を手に出していた

 

「貴女が始めた事だ…二速!!

次の瞬間狙いを定めていた目の前の幽鬼が姿を消す

 

「なにっ…何処に…ッ!!!」

気配を感じ咄嗟に片腕で顔を防ぐ

 

その時

 

縁切・「弾速断切り縁」

 

 

ドガァンッ!!

 

「ぐっ!?ぐぁぁ!!」

反動で後ろに吹き飛ばされ、土埃に巻かれる妹紅

すると、寺子屋の門の方からドタドタと足音が聞こえ

 

「なんだ!何のさわぎだ!」

慧音が外に飛び出してくる

 

「ふぅ…あ、慧音さん…すみません、遅れました…」

「あぁ…幽鬼か…何がっ…(慧音!!出てくるな!!隠れてろ!!)…も、妹紅…!?」

土埃が止み妹紅が現れる

 

「ソイツは人間に化けた妖怪だ!!離れてろ!!」

敵意むき出しで妹紅が言う

 

「な…何を言ってるんだ…妹紅…?」

「すみません…何か逆に火をつけちゃったみたいで…」

そして、簡単に幽鬼が慧音に話す

 

「いい加減にしろ!!慧音!!一気に燃やしてやるぞ!!」

幽鬼を睨む妹紅は炎を纏う

 

「……妹紅…よすんだ、幽鬼は妖怪でもなんでもない…人だ…」

状況を理解した慧音が妹紅に話す

 

「人…だとてして…何で人とは違う感じがするんだよ…」

炎が小さくなるが警戒を解かない妹紅

 

「それは…」

「自分から説明しますよ…」

幽鬼が前に出る

 

「……お前の話なんか…」

「でも…その腕の状態でまだやるんですか?」

幽鬼の攻撃を防いだ腕を指差す

 

「こんなの直ぐに治るよ…そんな事はいいんだよ…!」

妹紅は再び炎を出そうとする

 

「妹紅よせ!これ以上は無駄な事だ!!」

慧音が叫ぶ、その顔は真剣な顔を向けていた

 

「………」

黙ったまま見つめる妹紅

 

「…それに…気づかないのか妹紅…」

慧音は妹紅の腕を指差す

 

 

「腕が折れたまま治って無いことを…」

あらぬ方向に向いたまま動かそうとしない腕、慧音は気づいていた…痛みで脂汗をかいている妹紅の苦痛を我慢してる顔に

 

「………くそっ…何で治らない…」

慧音に言われて、自分の腕を見る妹紅

 

「幽鬼…すまない…妹紅に変わって謝る…だから、妹紅の身体を元に戻してくれないか…君の持つ能力なのだろう…?」

そう言って慧音が幽鬼に頼む

 

「……そうですね…実際やってみないと分からなかったのですが…藤原さんが大人しく話を聞いてくれるのであれば自分はこれ以上何もしませんよ…それに今日の目的と全く違うじゃないですか…」

幽鬼は苦笑いして慧音言う

 

「そうだな……少し妹紅と訳を話す…」

「分かりました…あの…生徒達は?」

子供達がザワザワと何人か様子を見ていた

 

「うむ…仕方ない…今日はもう放課にしよう…いいな?お前たち、教室の残ってる皆に行ってくれないか?」

慧音がそう言うと子供達が頷いて教室に戻って行った

 

しばらくすると子供達がゾロゾロと出てきて、慧音や幽鬼に挨拶して言ったりして帰って行った…

 

「……」

妹紅はそれを黙って見ていた、子供達に懐かれ、今日遊べるか、今度いつ寺子屋に顔を出すのか聞かれている幽鬼の姿を…

 

 

 

 

 

 

 

ー 寺子屋・教室 ー

 

子供達が帰った後の静かな教室に慧音、妹紅、幽鬼がそれぞれ対面になり、座っていた

 

「ふぅ…ここまでに至るのに騒ぎになってしまったな…」

軽く息を吐き口を開く

 

「……ですね…何かすみません…」

幽鬼が頭を下げる

 

「いやいや…幽鬼は何も悪くないぞ、私が呼んでいたのだから…妹紅?…お前は何か言うことがあるんじゃないのか?」

チラッと横目で妹紅を見る慧音

 

「…………」

何も言わず黙ったままの妹紅、首から固定された腕をつっている

 

「妹紅…いい加減に…」

「良いんですよ…慧音さん、攻撃されてましたが一撃入れて怪我させたのは自分ですから…」

慧音を静止する幽鬼

 

「はぁ…しかし、言わしてくれ……妹紅、幽鬼が無事で良かったんだぞ…もしこれが大怪我だとかさせたら…大変だったんだぞ?」

そう言って新聞を1枚取り出す

 

「あ…それ…」

幽鬼は見出しを見てわかった

 

「……妹紅…?…この間の新聞の内容は知ってるな…?…あの風見幽香が人里を襲撃した話だ…」

「…………」

妹紅はチラッと新聞を見る

 

「この騒動を終わらした功労者は博麗の巫女と書いてあるが…実際は…ここにいる…幽香の子供の幽鬼がおさめてくれたんだぞ?

「…………え…?」

慧音の言葉に遅れて反応する妹紅

 

「……そして、実の子供である幽鬼が…人里で大怪我なんてさせたら…人里は滅んでしまうぞ…コレを見てみろ…」

慧音はもう一枚新聞を出して広げる

 

「あ、それ…今日のですか?まだ見てなかっ…え゙っ…」

幽鬼もその新聞を見て固まる

 

「……………」

妹紅も目を見開いて、幽鬼と新聞を交互に見る

 

 

新聞の見出しはこう書かれていた

 

『博麗神社で春の大宴会!新勢力!!冥界の亡霊ご令嬢の縁談噂!?思わぬ大乱闘!?』

 

デカデカと一面を飾っていた見出し…

内容は昨日の宴会で起きた事を簡易的に書いていた

冬が長引いたのは、集められていた…しかし、集めたのをやめ、返還したこと…

博麗神社に妖怪の賢者さらに新勢力の冥界の管理者が揃って来ていた事…

鬼が出した妖気に魅入られ、誘われた妖精たちの宴会会場準備中の襲撃に…

鬼を博麗の巫女が弾幕勝負で勝利を納めるが、しばらくたって…普通の人間と鬼の殴り合いで人間が鬼に勝った事…

その後に、人間に相当な権力と実力を持った人物達がこぞって手当をし始めた事…

その人間の看病を誰が何人するか、少し乱闘になりかけてクジで決めた事…

 

などが、今日の新聞に詳しく書いてあった

 

(あの天狗…その内…いや、今は慧音と妹紅だ…うん…)

幽鬼は見た瞬間イラッと来たが今ではないと冷静になった

 

「幽鬼…?大丈夫か?…難しい顔をしていたが?」

「あ、大丈夫ですよ…まさか昨日の事が新聞になるなんてって思っただけですよ…」

そう言うと慧音が申し訳なさそうな顔すると

 

「まぁ…この文々。新聞は勝手に配られてると言っても過言では無いのだが…人里の人達が変に思う所があるのが事実なんだよ…今後、もしそう言う事があったら相談してくれ阿求と一緒にどうにかしよう…」

「分かりました…その時は頼りにしますね」

幽鬼にそう言われ何処と無くホッとする慧音

 

「それで…妹紅は何か言わないのか…?」

再びチラッと妹紅に目線を向ける慧音

 

「…………そ、その…」

ごにょごにょと話始める妹紅

 

「なんだっ…ちゃんと言うんだぞ…!!」

慧音がズバッと言う

 

「わ、私の…勘違いで…怪我をさせそうになって…その…すまなかった…何かお詫びを…」

妹紅はそう言うと軽く頭を下げる

 

「分かってくれれば…それで良いんですよ、勘違いさせた自分もいけなかったんですから…怪我させてすみませんでした」

そう言って幽鬼も頭を下げる

 

「お、おい…お前が頭を下げる必要は…」

幽鬼の行動を見た妹紅は驚きながら言う

 

「……いえ…女性に怪我をさせるのは、自分の中で一番あっちゃいけない事なので…しかも、自分が怪我の原因なので…」

頭を下げたまま幽鬼は言った

 

「……どうだ?…妹紅…まだ、幽鬼を疑うのか?」

見ていた慧音が妹紅に聞く

 

「………いや、そんな事もうしないよ…全面的に私の勘違いだからさ…うん…慧音、ごめん…」

慧音にも頭を下げる妹紅

 

「うむ…よし、遠回りしてしまったが…これで一件落着だな…ふぅ、遅れてしまったが…妹紅、改めて紹介しよう…彼の名は風華 幽鬼だ…さっき話したが、あの風見幽香の息子でもある…」

慧音が説明する

 

「実の親子では無いんですが…育ての親がゆう姉、つまり幽香さんになります…小さい頃に自分を拾って育ててくれた…まぁ、母親には変わりないんですがね…」

愛情のかけ方が凄いことは省き、簡単に付け足す幽鬼

 

「ほら…妹紅、お前の番だぞ?」

「……へ?わ、私もするのか…!?」

慧音に振られて、驚く妹紅

 

「当たり前だ!初対面で挨拶は大切だ!」

慧音が何を言ってるんだと一喝する

 

「わ、私は…前にも言ったが…構わなくていいんだ…私は人間じゃないから…必要ない…」

距離を置こうとする妹紅

 

「……そんな事言っても、自分には関係ないですよ…?自分の周り普通の人…少ないですし、むしろ藤原さんが普通の人間では無い事は慧音さんから聞いてます…『知ってるのだったら尚さら…!』……いいえ!!」

幽鬼は妹紅を見つめて思ってる事を喋り出す

 

「だから、尚さら仲良くしたいんですよ…藤原さんの永い記憶の中に楽しく残る物になれば…だからこそ、今日はココに来たんですよ…とりあえず、藤原さんがどう距離を取ろうが自分はグイグイ行くんで覚悟してくださいよ!」

ニカッと笑う幽鬼

 

「観念するんだ妹紅…私もこの事を押した一人だから、惜しみなく幽鬼にお前の居所に連れて行くからな?」

フッと笑う慧音

 

「……はぁ…わかったよ…だけど1つだけ条件がある…」

諦めた妹紅は幽鬼を見て

 

「…私の事は…な、名前で呼べよ…幽鬼…」

照れ臭そうに言う妹紅

 

「はい、これからよろしくお願いしますね!」

幽鬼は手を差し出す

 

「……な、なんだ…?」

手を差し出され困惑する妹紅

 

「……妹紅?…握手だ、よろしくって言うんだから、握手は基本だぞ?」

珍しくニヤついてる慧音

 

「け、慧音…楽しんでないか?……うぅ…よ、よろしく…な…」

慣れてないのか恐る恐る手を差し出し握手する

 

「はい♪」

「………(プイッ」

笑顔で返事をする幽鬼の顔を直視出来なかった妹紅だった

その時、慧音は妹紅をマジマジと横目で見ていた…それは驚いた様な顔であった

 

(一瞬だが妹紅の髪色が…黒になったような…まさか…な…)

慧音は見たのだ、妹紅が幽鬼の手を握った瞬間のほんの一瞬に髪色が白から黒に変わった様に見えたのだ

 

「……うむ…」

「お、おい?慧音どうした?」

考え込む慧音に妹紅が声をかける

 

「む?…あぁっ!何でもないぞ…少し明日の授業はどうするか考えただけだ…!」

慧音は誤魔化した

 

「それより、妹紅?…腕の方は元に戻して貰わなければ…折れたままだと痛むし、不便だぞ?」

話を逸らす慧音

 

「そうですね…妹紅さんの腕の縁を元に戻しますよ…じゃないと治りが遅いし、痛いだけですから…」

それぞれ手を離して幽鬼が妹紅に言う

 

「…それが幽鬼の能力なのか?」

「そうですね…自分は『縁を操る程度の能力』っと言われました…実際の所、自分自身でも分かっていないんで今回の妹紅さんの腕の事もぶっつけ本番でしたしね…今の妹紅さんの腕の治癒力は多分…普通の人と同じ位ですね…その位の縁の強さにしたんで…でも、今日元に戻さなくとも明日には元に戻りそうです…」

幽鬼は折れてる妹紅の腕を見つめる

 

「明日には元に戻る?」

「と言うと…どういう事だ…」

慧音と妹紅が幽鬼と折れた腕を交互に見る

 

「つまり…妹紅さんの腕の縁も自己回復してるんですよ…先程よりも深く太くなってますから…今日1日だけで折れた所も明日には治ってるでしょう…まぁ、推測ですがね…痛みが酷ければ…直ぐにでも…『いや、大丈夫だ…』…え?」

幽鬼の申し出を断る妹紅

 

「………」

慧音何となく察していた

 

「ど、どうしてですか?痛いだけじゃ?」

幽鬼は思わぬ返事に少しあたふたする

 

すると妹紅は折れた方の腕を優しく触り始めると、幽鬼の方を見て話始めた

 

「…さっき、この腕の部分の縁は人と同じと言ったよな?」

「は、はい…言いましたけど…?」

何故か表情が穏やかな妹紅

 

「幽鬼は縁の濃さは見えてるって訳だよな…普通の人間の身体の縁の濃さは…」

「い、一応…個人に差はありますが…大体……あっ…」

幽鬼も気づいて、思い出した…藤原妹紅と言う人物の事を

 

「……ふっ…そうか…そうだった…人だった時は…こんなに治りが遅いのか…でも、治そうと必死になる…身体から出る…熱い…ねつ…」

 

そう蓬莱人は老いる事も死ぬ事もない…

まして、傷なんて物は直ぐに治ってしまう…

妹紅が蓬莱人になり失った、人間としての普通の生命治癒力…

時間をかけて、ゆっくり元に戻そうとする生命の行動…

 

この時、折れてる腕は普通の人間に戻ってるのだ

 

 

「………」(さりげなく凄いことしてた…)

幽鬼は思い返して、そんな事を思ってた

 

「………」

妹紅は折れた腕を愛おしそうに撫でていた、そして感じていた不死の呪いで治る力では無く、必死に折れた腕を治そうとする身体の生命の熱を…

 

 

 

 

 

ー 一時間後… ー

 

「お邪魔しました、また来ますね」

「慧音…今日はすまなかったな…」

寺子屋の門前に出た幽鬼と妹紅はそれぞれ慧音に言う

 

「あぁ、何時でも顔を出して構わないからな…特に妹紅は…」

「わ、分かってるよ…」

色々とタジタジな妹紅

 

「本当に大丈夫ですか?…片手塞がれるって…」

「なぁに…大丈夫さ、一晩位何のこっちゃないさ…」

結局、折れた腕は固定して首から布で吊った状態のままだった

 

「久々に…一晩だけでも人間の痛みを感じるさ…」

そう言って腕を撫でる妹紅

 

「……日頃から怪我を余りしなければいいのだかな…?」

「うっ…気をつけるよ…」

慧音からジト目を向けられる妹紅

 

「ははっ…じゃぁ、遅くなるとあれなんでお暇させていただきますね…」

「あぁ…霊夢達によろしく言っといてくれ、気をつけてな」

 

「えぇ、それじゃ!失礼します!」

幽鬼はそう言って帰って行った

 

 

「それで…?今晩の奴はどうするんだ?」

幽鬼の姿が見えなくなった所で慧音が妹紅に話しかける

 

「…今日はやめとくよ…一言行って家に帰るさ…」

そう言って妹紅も歩き始める

 

「なぁ、慧音…」

「ん…?なんだ?」

足を止め慧音に話しかける

 

「………ありがとう…アイツを紹介してくれて…」

ボソッとそう言って足早に歩き帰って行った

 

「……ふっ…礼を言う相手が違うだろ…」

慧音はその後ろ姿を微笑んで見送った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー とある開けた場所 ー

 

辺りはすっかり暗くなり月明かりが眩しく照らす…

そこに一つの人影があった…

 

「……全く…何をしてるのかしら…」

誰かを待っているらしいが既に普通の人は出歩く様な時間でも場所でもない

 

「何時もなら…そろそろ来るはずなんだけど…不意打ち狙いかしらね?」

人影は辺りをキョロキョロと見渡す

 

「今日はどうやって殺してやろうかしらね♪」

何処か待ち遠しい様に物騒な事を言う

 

その時…

 

ガサガサ…

草や枝を掻き分ける音が聞こえた

 

「………あら?やっと来たわね…妹紅?」

そう言って振り向く人影

 

「何度目になるか忘れたけど…始めましょう…私たちの死愛を………んっ?」

人影は妹紅に不思議な実を付けた枝を向けるが違和感に気づく

 

「……どうして貴女が、怪我人の真似ごとしてるのかしら?」

目を細めて、片腕を首から布で吊っている妹紅に言う

 

「………今日はお前と死合はしない…」

「はぁっ…?」

間抜けな声が人影から出る

 

「…それじゃな……」

背を向けて歩き出し妹紅

 

「ちょ、ちょっと…!?何よ!?意味わかんないんだけど…!?ちゃんと説明しなさいよ!?」

「……お前には関係ない…今日は人でいたいんだ…」

そう言って妹紅は来た道を戻って行った

 

「な、何よ…何なのよ……」

一人残される人影

 

「………意味が……っ!?」

妹紅が去った後、何かを感じた人影は振り向く

しかし、何も誰もいなかった…

 

「なに……今の……変な感覚……誰っ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私の一瞬を繋げたのは…」

その視線の先はまだ見た事のない、楽園の巫女のいる神社の方角だった…







(゜∀。)書けたよ?
ヽ(゚∀。)ノここから一気に行くぜぇぇ!!

モチベーション上がらなくって遅くなってすみません…

( -∀-)次回は頭から紳士成分増やしています


そうでもしなきゃ!面白くない!!( - ̀ω -́ )✧



ここまで読んで頂きありがとうございました!!


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特別な日は歴史が重要?



(`・∀・)ノイェ-イ!はじまるよぁ〜



ちょっと簡単ですけど慧音堕ちます
後、慧音推しの紳士の皆さんすみません


前回から何ヶ月か経ってると言う形で読んで貰えると助かります

(´・ω・`)下手したら永夜抄だけで、莫大な量を書かないといけなくなるので…それの対策です……ご了承ください


ちょっと描きたいシーン…妹紅、輝夜の…(´∀`*)ウフフ

あ、幽鬼の能力の名前は心の黒歴史を抉る方にはキツいので気をつけてください…
(´・ω・`)漢字並べると本当にイタくなる……

最後に一言

快楽の反応は人それぞれ!!




 

 

ー 寺子屋の教室 ー

 

夕暮れの差し込み紅く染まる部屋…

 

 

先程まで賑やかだった部屋は静まり返り…

 

 

既に誰もいない教室だか…二つの影…

 

 

 

「……あ゛ぁ//…ぁあ゛//…」

「…………」

 

仰向けになった幽鬼に覆い被さるように慧音がいた

 

 

 

慧音が舌を垂らして、目の焦点があっていない…

どうやら、気絶しているようだ…

 

幽鬼は顔に垂れてくる液体を気にせずに固まったままだった

 

 

実を言うと彼も気がついたばかり……

 

 

 

 

 

 

 

なぜ、こうなったのか…

少し時間を戻そう…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー 博麗神社・午前中 ー

 

 

「幽鬼〜?そろそろ時間じゃないの?」

経内の掃除をしている幽鬼に霊夢が話をかける

 

「え…あれ?もうそんな時間ですか?」

振り返り驚く箒を持った幽鬼

 

「全く…せっかくの稼ぎ所を見つけたんだから、しっかりしなさいよね…ほらっ、箒を渡しなさい…」

手を差し出して言う

 

「あはは…すみません、気をつけます…」

そう言って霊夢に箒を渡す

 

実はあの後、慧音に寺子屋の事務員(雑用)を頼まれたのだ…それに手伝いでは無くちゃんとした仕事として給金も出るのだ

2日に1回に寺子屋に行くのが決まっている

 

もうかれこれ数ヶ月行き続けていた…

 

「今日は遅くなる予定なの…幽鬼…?」

何処かソワソワしている霊夢

 

「うーん…今日はどうでしょうね…日によってやっぱりまだ違うんで…」

首を傾げながら答える幽鬼

 

「……そう…なら…………んっ…」

顔を紅くして両手を広げる霊夢

 

「……ふっ…霊夢さんは本当に…甘えん坊ですね…」

「い、いいから…早く…んっ!」

そう言って催促する霊夢

 

「はい…いってきますね(ギュゥ…)」

そう言って霊夢を抱きしめ

 

「ん…ちゃんと帰ってきなさい…(ギュゥ…)」

霊夢も幽鬼を抱き返す

 

これが最近のルーティンになっていた…

しかも霊夢が出掛ける時も…

 

あれから霊夢はだいぶ素直になって幽鬼と過ごすように…

ツンデレな所を残しているが気持ちを素直に向けるようになった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢に見送られて、人里に向かう道端…

 

「幽鬼〜…!」

「ん…?」

歩いていたら上から名前を呼ばれ、視線を向ける

 

「これから人里かしら…?」

「そうですよ、アリスさんもですか?」

空から声をかけたのはアリスだった

 

「そうなの…良かったら…その…一緒にいい?」

モジモジと聞いてくるアリス

 

「えぇ、大丈夫ですよ…今日はまだ誰にもあってなかったので丁度良かったですよ…♪」

「そう言えば…いつも人里に行く時ついて行くルーミア達が居ないわね…会わなかったの?」

そうアリスの言う通り幽鬼が人里や何処か出かける時にルーミアとチルノと大妖精の誰かに鉢合わせるのだ…

(九割方ルーミア)

 

「今日はもしかしたら…寺子屋でテストがあるからですね…」

「あぁ…そうね…幽鬼が行く時って大体その手伝いだものね…」

ルーミア達、三人も寺子屋に通いだしたのだ…そのおかげか最近チルノが少し利口になっていた

ルーミアも話を聞くと真面目に受けてるらしい…

大妖精は言わずもがな優等生だ…

 

「アリスさんは人形劇ですか?」

「そうよ♪今日は新しい物語のお披露目なのよ♪」

「シャンハーイ♪」

「ホウラーイ♪」

そう言って上海と蓬莱が飛び出してくる

 

「おぉう…びっくりした、主役の上海、蓬莱も居なきゃダメですものね…」

幽鬼は上海と蓬莱の頭を撫でる

 

「シャンハーイ♪」

「ホウラーイ♪」

嬉しそうに笑う上海と蓬莱

 

「そ…それでね…あの…今回のお話は恋愛メインの物語なの…」

モジモジと言うアリス

 

「ほぅ…珍しいですね?…人里の子達も随分惹きそうな話ですね…」

幽鬼は今までのアリスの人形劇で恋愛物語はちょこちょこ挟んでいたが…メインになるのは珍しいし初めての事だと思った

 

「あらすじは…森に住む魔女が、一人の人間の男性に恋をして一生懸命アピールする話なんだけど…その男性の周りには複数に女性の友達やら知り合いがいて中々一緒になれなくてすれ違うんだけど…最終的に男性が振り向いてくれるって信じる魔女の切ない恋の物語なの…」

新しい物語の全容を聞かしてくれたアリス

 

「うーん…それは気になりますね…その魔女の恋は実るのでしょうか?」

「さぁ…分からないわよ♪物語を進めて行かなきゃ♪」

幽鬼の質問に笑顔で返すアリス

 

「あはは…そうでしたね、すいませんでした…物語はネタバレはダメですね」

笑いながら謝る幽鬼

 

だいぶ歩いていたのか人里の入口門が見えた

 

「お…見えてきましたね…アリスさっ…えっ…」

振り向くとグイッと胸元を引っ張られる

 

アリスの顔で目の前がいっぱいになり

 

「チュッ…♪」

柔らかい感触が唇に触れる

 

「ふふっ…♪」

そして、イタズラ笑みを浮かべて離れる

 

「あ、アリスさん…」

驚く幽鬼

 

「物語の結末は、分からないわ…だから私は貴方が1番に選んでくれるのを待ってるから…ね♪」

ウィンクをして、そのまま門に向かっていった

 

「ははっ…一本取られたな…」

照れ臭そうにその後に続く幽鬼

 

 

遠目から見てた門番のおっさんに「幸せにしてやれや!」ってニヤニヤして言われた

また、一つ幽鬼の噂が増えた…だが、その噂は悪い方へとは不思議といかなかった…何故なら子供たちが幽鬼とアリスの人柄をよく知っているからだ…人里の大人達もそれを知っていた…

からこそ、祝われたのだ…

(※御祝儀と言ってオマケをしまくられそうになった幽鬼は大変だったのである)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間をたまたま影で見ていた人物がいた

 

ドサドサ…

手に持っていたタケノコが落ちる

 

「いや…何を驚いてんだ……私は……知っていたろ……」

そう言って背を向けて竹林の方へと入って行った…

白く長い髪をなびかせながら…

 

「……関係ない…他人の事だ…ぐっ…じゃぁ…なんだよ…くそっ…気分が悪い…一体なんだってんだよ…」

タケノコを残してフラフラと竹林の中に姿を消した

 

 

 

「…胸が…痛いんだよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー 寺子屋・門前 ー

他の子供たちは既に放課していたのか静かだった……

門前にたむろしているのはチルノと大妖精とルーミアだけだった…

 

「だぁー…テスト終わった〜…結果も終わったよ〜…」

チルノが声を上げながら外にでる

 

「大丈夫だよ…チルノちゃんは今回頑張ったんだから…、ルーミアちゃんはどうだったの?」

傍で項垂れてるチルノを慰める大妖精

 

「……( *¯ ꒳¯*)クンクンスンスン」

ルーミアは何故か鼻をきかしていた

 

「ルーミアちゃん?どうかしたの?」

「お兄ーさんの匂い…ゆきの匂いがするのだ…♪」

ルーミアの表情はうっとりとしていた

 

「そう言えば…今日はテストが終わったから…幽鬼さんが来る日だね…」

大妖精が思い出していた

 

「そうなんだー…」

チルノにいつもの元気がない

すると曲がり角から幽鬼が現れた

 

「おっ?ルーミア達どうしたんだ?午前中で終わりじゃなかったの?」

テストの日は必ず午前で終わる事を知っていた幽鬼は寺子屋前にいるルーミア達に声をかける

 

「なーのかー♪」(抱きつき

「うおっと、ちゃんと終わったの?」

ルーミアが正面から抱きついて来るのを受け止めた

 

「ちょっとお話してたんです…チルノちゃん?幽鬼さんだよ〜?」

「…アタイ、頑張ったぞ…」

大妖精がチルノに話しかけるが萎れてるチルノ

 

「ありゃりゃ…だいぶ精を出したみたいだね…ほら、帰りに茶屋でもよって甘い物でも食べて元気だしてきなよ」

幽鬼はそう言って団子が食べられる程度のお金を差し出す

 

「え、そんな…大丈夫ですよ」

大妖精は遠慮をした

しかし、

 

「アタイ…おうどん食べたい…」

「ち、チルノちゃん…」

チルノが答えて、幽鬼のお金を受け取る

 

「ちゃんと足りる様に食べるんだよ?」

「うん、アタイ…大ちゃんとルーミアと行くから大丈夫…ありがと、幽鬼」

そう言ってチルノは歩き始めた

 

「あ、チルノちゃん!…幽鬼さん、すみません…お金ありがとうございます…」

ペコッとお辞儀をする大妖精

 

「元気が出るまで一緒にいてあげてね?何かだいぶ燃え尽きてるから…」

「はい…!失礼します…!…チルノちゃん、待ってよ〜!」

大妖精もチルノの後を追いかける

 

「で?ルーミアは…さっきから何してるの?…二人とも行っちゃったよ…?」

目線を落とし、抱きついたままのルーミアに声をかける

 

「幽鬼…誰と来たの?」

「( *'ω')ファッ」

凛と響く声を出すルーミア

 

「霊夢の匂いがするのは分かるけど…アリスの匂いがするんだよね…うん、私が一緒に来れない事をいい事にアリスとここまで来たでしょ…?…私の特権なのに…」

ルーミアはたまにこうなります

 

(闇だけに…病み妖怪っ………やめよ…)

くだらない事を考えた幽鬼

 

「うぅー!次こそちゃんと私が一緒にくるのだ!!その次までの幽鬼成分補給なのだー!」

「何その成分…(汗)」

幽鬼のツッコミをスルーして匂いを嗅ぎまくるルーミア

 

「ルーミアー!早く行くぞー!おうどん食べたいー!」

先程より元気のあるチルノの声が響く

 

「ほら、ルーミア呼んでるぞ?」

「クンクンスンスン…ふぅ…わかったのだ、当分大丈夫なのだ…よし、幽鬼!次はちゃんと私が着いてくるのだ!覚悟するのだー!」

そう言ってチルノ達の方へと飛んでいった

 

 

 

「何を覚悟すんの……」

 

三人を見送った後、幽鬼は寺子屋の中に入っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー 寺子屋(教室) ー

 

「ふぅ…こんな位か…相変わらず大妖精は満点だな…む?」

テストの採点を1人でやっていた慧音は廊下の足音に気づく

 

「こんにちは〜、お邪魔します〜」

障子が開き、幽鬼が現れる

 

「おぉ、幽鬼、今日もよろしく頼む…今日は少し量が多いから助かる…」

現れた幽鬼に微笑んで言う慧音

 

「今日はテストの採点だけでも、時間を取られてしまうかもしれんが…」

「大丈夫ですよ♪二人でやれば終わりますよ♪」

申し訳なさそうに言う慧音に幽鬼は答えた

 

「複数のテストをしたのでな…休憩を挟みながら進めていくぞ」

そう言って解答済みのテスト用紙を半分隣の机に置く

 

「よし、やりますか…」

意気込みながら隣に座り、採点を始める

 

「お…早速チルノか…ふむふむ…」

どうやら、まだ文字の読み方のレベルでやっているみたいだった

 

「あぁ…所々文字間違い…ふむ…」

幽鬼は筆を走らせて採点を進めた

 

「チルノにしては頑張ったか…うん…」

36点が付いたチルノの用紙を見て納得した

 

「ふむ…前回より少し点数上がってるな…」

慧音は別の生徒の採点をしていた

 

それぞれ淡々と採点を進めて行った

 

 

 

 

黙々と作業を続ける2人だが……

 

 

 

 

慧音はチラチラと隣で採点する幽鬼を見ていた

真面目な顔をして、筆を走らせて採点を進めていく彼の顔を

一枚一枚丁寧に採点を進めていく彼は、一枚の採点が終わるたびに顔に出る

 

満点の時だと笑顔

 

惜しいと悔しそう

 

点数が低いと残念そうな顔をする

 

彼の表情は沢山見てきた

 

最初は風見幽香の子供で警戒すべき範囲に入っていた

だが、あれから数ヶ月が経っていたが…

慧音の中で幽鬼の印象は変わっていた…

 

しかも、その想いは…妹紅や生徒の子供達に接する時の想いとはまた違った…

 

幽鬼と話していたり、一緒にいたりすると…この上なく保護欲と母性本能をくすぐられるのだ…

 

(何かが…私をそう思わせている…一体なんなんだ…)

そう思いながら…幽鬼を見続けていた

 

(ダメだ、ダメだ…私は仮にも教師だ…変な事を考えるな……)

冷静を保つために慧音は目の前の採点に目線を戻した

汗ばみ火照る身体をそのままに…

 

「あっ…そう言えば、慧音さん…?」

 

「むぉっ!?な、なんだっ!?」

名前を呼ばれ、驚く慧音

 

「今気づいたんですけど、妹紅さんは今日は来ないんですか?…今更でなんですが…(汗」

苦笑いしながら言う幽鬼

 

妹紅も寺子屋に顔を出す回数が増えていて…

特に最近は幽鬼と妹紅で自炊の話で盛り上がっていて、近い内に近くの竹林からタケノコを取ってくると言う約束もしていたのだ

 

「あ……あぁ…そう言えば…今日は妹紅は来てないな、特に声はかけてなかったから、来ないんじゃないか…?」

妹紅と聞いて少しムッとして、素っ気なく返す慧音

 

「え…あ、…すみません」

慧音の返事に幽鬼は一瞬驚いたが、採点途中に聞くものじゃ無かったと申し訳なく思った

 

 

「あ、いや!すまん!…(わ、私は…何を言ってるんだ…どうしたんだ、妹紅と聞いた時に…なぜ…嫉妬など…!?)…今日の採点については事前に言うのを忘れてたから…もしかしたら来るのが遅いのかもしれん!!」

慧音は慌てて幽鬼に説明した

 

「そうだったんですね…まぁ、妹紅さんも毎日は来ないですよね…すみません、変な事聞いて…」

「いや…私も少し採点に気を取られていた…気の悪い返事をしてすまなかった…(汗)」

 

その会話を最後に二人は採点に集中した

 

 

 

 

 

ー 数時間後 ー

 

 

 

 

 

日が傾き、教室が夕陽に照らされる…

 

 

「あ゛ぁ〜…終わりましたねぇ〜…何とか…」

立ち上がり庭の方を向き、背伸びをする幽鬼

 

「幽鬼、本当に助かったぞ…これを1人でやっていたら…暗くなってたかもしれん…」

採点した解答用紙をまとめながら言う慧音

 

「いやいや…流石にこの量は二人でやった方が良いですよ…(汗)……ふぅ…後は何か手伝うことあります?」

振り返り慧音に聞く

 

「そうだな…じゃぁ、この解答用紙を隣の部屋に運ぶのを手伝ってくれないか?…明日は寺子屋休みなのでな…」

まとめた解答用紙を持ちながら立ち上がり、半分幽鬼に渡す為に近寄る

 

「はいはい、お易い御用です♪」

そう言って慧音から用紙を受け取ろうと一歩前に足を出した時

 

(…ガッ!)「あっ…!?」

慧音が脚をつまずかせてしまう

 

「危ない!!」

幽鬼が咄嗟に慧音を支えようと前に出る

 

「きゃっ!?」(ドンッ!

慧音を抱きとめる幽鬼だが…

 

「あっ!?まずっ!?」(ズルっ!

幽鬼も後ろに足を滑らせてしまい後ろに倒れる

 

 

 

「くっ!?」

怪我をさせないよう慧音を胸に抱き締める

 

 

ドサァッ!!

ゴンッ!?)「うごっ!?」

 

倒れる音と共に鈍い音も鳴り響いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宙を舞う解答用紙…

 

 

 

 

「う…ん………あっ……はっ//!!」

慧音が気がつくと幽鬼に抱き締められて倒れていた

 

「ど、ど……どうなって…//…えっ…と//…そ、そうか……私がつまずいて…」

何が起こったか冷静に思い出そうと頑張る慧音

 

「そ、それを…幽鬼が…はっ…幽鬼!?」

顔を上げて身体を起こす慧音

 

「……っ!!…幽鬼!?…だ、大丈夫か!?しっかりしろ!!」

よく見ると目の前に気を失っている幽鬼がいた

 

「ど、どど!?……いや、落ち着け…息は…してる…心臓も…動いている…他は…」

他に怪我をしてないか確認するため、よく見るが…

 

慧音は……

 

「……………」

目の前で幽鬼の顔を見つめていた

 

慧音の状況は幽鬼の上に覆い被さるようにいる状態で、今までじっくりまじかで見る事の出来ない幽鬼の顔がそこにあった。

 

「す…少し…」

慧音はゆっくりと幽鬼の身体に身を預ける

胸に耳を当てると鼓動が聞こえ…心地よくなった

 

(私は…いったい何を…しかし、嫌な気分では…)

そう思いながら慧音はゆっくりと幽鬼の顔に近づく

 

(…やはり…可愛い…顔…ではないか……)

もう一度じっくり幽鬼の顔を見つめる

 

「……はぁ…はぁ…//」

先程まで落ち着いていた、身体の火照りがまた出てきた

慧音は自分自身で分かる位に心臓が脈打っていた

 

「……満…月が…//近いのは…確かだが…//」

モジモジと身体をくねらせる

 

「だ、ダメだ……//…抑えろ…//止まれ…//」

言葉で言うが徐々に幽鬼の顔に近づく

 

「コレを…してしまったら…//私は…//あぁっ…//」

ついに目の前まで、本の数センチ程まで顔があった

 

「……っ…//……っ…//…………す……すまん…//」

声と身体をビクビクと震えさせ、小さく謝る慧音

 

 

 

 

 

 

 

 

 

控えめに唇を重ねた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

縁結・「身体感覚開放」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ゛あ゛ぁ゛ぁぁあぁあ゛ぁぁぁ〜///!!!」

慧音は身体を震わせていた

 

(なっ…なんだぁっ…き゛っ…きもち゛ぃ…ち、ちがぁ…//)

唇が触れた瞬間、身体中に心地よい感覚に包まれた

 

「……ぁ゛ぁ゛あぁ゛…ぁあ〜…//」

慧音は気づいた…

幽鬼に触れている箇所が全て気持ち良く感じる事を…

 

慧音は思った…

先程の様に唇を触れたらどうなるか…

 

「あ゛ぁ゛あぁ゛…//」

再び幽鬼の唇に自分の唇を近づける

 

 

 

 

 

そして…

 

 

 

 

 

 

「んぶっ…ん゛っ……///」

先程の軽い触れ方ではなかった…

しっかりと感触が分かる程に唇をくっつけた

 

 

 

 

 

 

 

 

縁断絶斬交取(えんだんぜっせつこうしゅ)・「理感性度開放(りかんせいど かいほう)

 

 

 

 

 

 

 

ッッッッあ゛ぁっ////!?!?!?!?!?

身体を仰け反らせる慧音

 

何が起こったのか分からなかった…

衝撃と言っていいほどの何かが身体中を駆け巡った…

 

「あ゛ッ…ぁあ゛ッ…ぁ゛がッッ…////」

同時に下半身が暖かくなり始め、畳に水溜まりが広がった

白い解答用紙が数枚濡れて黄色に染まっていった

 

そして、脱力仕切ったのか幽鬼に倒れ込む様に覆いかぶさった

若干身体がビクビクしているが、それ以上動かなかった

 

慧音の表情は目は大きく見開いているが瞳は虚空しか見ておらず、ほぼ白目状態となっていて…

笑みをも含んで大きくゆるんだ口元には舌が覗いていた…

 

 

 

 

 

ー 数分後 ー

 

 

「……どういう…事…これ?」

気がついた幽鬼は困惑していた

 

「な、なんで?……け、慧音さん?」

乗っかってる慧音を軽く揺する幽鬼

 

「……あ゛ぁ…ぁ……」

完全に意識を手放してるみたいだ

 

「……と、とりあえず…起きなきゃ……うぉっ!?」

手を動かして起こそうとした時に何か濡れている事に気がつく

 

「え…え……しかも…この匂い……よいしょっ……げぇ!?」

起き上がり、目に入ったのは自分達を中心に広がる水溜まりだった…

 

「…まさか…えっ…でもなんで?妖夢とレミリアじゃないし…落ち着け…慧音を支えるために…抱きとめた…後ろに倒れた…うん……ナニモワカラナイ…」

幽鬼は冷汗をかき始め、頭の中で考えまくった

二人格で慧音を襲っただとか、無意識に襲っただとか…

もしかしてコレは自分自身が気絶した時に解き放って襲ったのか…

 

 

 

ー幽鬼はとりあえず…開き直って孕ませようと立ち上がり…ー

 

「……………」

 

ー 寝室に抱え込んで、女教師と居残り保険体育を… ー

 

「おいコラ…?」

 

ー 朝までズッポリ勉強をしたんだよ〜♪ー

 

 

「人の行動を捏造すんなよ!バカ親!!

後ろから声が聞こえたと思ったら、代理人(母)が立っていた

 

「なによ〜…お久しぶりのママに会えたんでちゅよ?ほら♪ギューッ♪」

そう言うと後ろから抱きついてきた

 

 

「こんな状況で抱きついてくんな!!」

マイペースな代理人を怒鳴る

 

「イヤン♪コワイ♪反抗期♪」

そそくさに離れる代理人、相変わらず楽しそう

 

「はぁ…母さんがいるって言うことは…何かあったんだろ?」

ため息をついて幽鬼が聞く

 

「はぁっ…!幽鬼ちゃんが母さんって…!呼んでくれたっ…!コレは録音ものっ(んな所で、感動してるんじゃねぇよ!!質問に答えろよ!!)…んもぉ〜♪幽鬼ちゃん怖いぞ〜♪せっかちさん♪」

代理人は幽鬼の鼻先をツンと触る

 

「本当に真面目に教えてくれよ!事によっては霊夢に退治されるかもしれないんだぞ!?…どうせ見てたんだろ!!」

必死になって代理人に聞く、その目は責任を取る覚悟だった

 

「……あぁ〜…そこまで幽鬼ちゃんが真面目なら、お母さんもふざけてる場合じゃないわ…うん…」

そう言って頷く代理人

 

「ふざけてたのかよ(汗)…で…結局なんなんだよ…慧音は何が…俺がやらかしたのか…?」

不安そうに代理人に聞く幽鬼

 

 

「……………………」

押し黙る代理人

 

 

「………………」

幽鬼も黙る

 

 

 

「実はね……」

代理人が口を開く

 

 

 

「実は…?」

幽鬼は覚悟を決めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「幽鬼ちゃんの能力が何処まで、女の子達を喜ばせられるか(意味深)を試すのにちょいっといじったら、やりすぎちゃった♪(๑>؂•̀๑)テヘペロ♪」

 

 

 

 

 

 

「やっぱりおめーの仕業かよ!!」

 

 

 

幽鬼の怒鳴り声が響いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

代理人の説明からすると…

日頃から幽鬼は色んな女の子達から求められているが故に身体が追いつかないのが現状だと悟った代理人が…

少しでも幽鬼との関係を早めにかつ満足させる為に幽鬼の能力を使って身体の感度を通常から少し倍にすればいいんじゃね?っと思った代理人は早速動いた…

加減を見極める為に少しいい感じの慧音の時に試したらしい…

 

1つ疑問に思ったのが何故慧音なのだろうかっと…

ここまでに霊夢やアリスやルーミアからのアプローチと接触があったのであればやれたと思うではないか?

 

代理人曰く…

 

「その子の身体が本能で男を求めてたから、いいんじゃね?って思って♪…それに♪満更でも無かった見たいだしね♪」

 

どうやら代理人は慧音の身体はいじってはおらず…幽鬼の身体の一部、唇にその仕掛けを施した様だった。

 

好意を向いてないとか、幽鬼をその目で見ていない人は絶対に自分から触れようとはしない筈なのだから…

 

もし慧音が触れていなかったら代理人の読み外れで、霊夢達が最初の犠牲者になっていたかもしれない…

 

少し慧音に気の毒だと思ったが…最初に喰らったのが半妖の慧音で良かったと思っている部分もあった

 

「でも、流石長い事生きてる半妖ちゃんね♪…普通の耐久力の低い子だと一回目でトロトロになるのに…まさか調整段階の二発目を発動させるとは…♪」

代理人も予想外の事態だったらしく、ちょっと焦ったらしい

 

「……それで、どうすんの…これ…ヤバいぞ?」

一通りの説明を受けた幽鬼が代理人に現状をどう処理するか言うと、代理人がニヤッと笑い

 

「ふふーん♪幽鬼ちゃん忘れちゃダメよ♪私は代理人♪神様でもあるのよ♪」

自信満々に胸をはる

 

「印象薄くなってるよ…幻想郷にも神様出てくるし…」

ジト目を向ける幽鬼

 

「うっ……いいもん…この世界の神様より偉いもん!」

どこか張り合おうとする代理人

 

「じゃぁ、この惨状をどうにか出来るんでしょ?…俺を産んだ母さんの実力みてみたいなぁ〜♪」

たまに本当に神様なのか、使いなのか分からなくなる代理人に対して幽鬼は持ち上げた

 

「……ふ、ふっふーん♪幽鬼ちゃんに言われたらするしかないよね〜♪お母さんに任せなさい〜♪」

ウッキウキになる代理人

 

「……(ニヤッ)」(※某新世界の神になろうとした高校生の笑み)

 

 

「うん、でも…こんぐらい…あっという間に…(パチンッ)……ねっ♪」

代理人が指を鳴らすとあっという間に綺麗になる

 

濡れていた衣服や畳は何事も無かったように乾き

散らばっていた解答用紙は綺麗に机の上に並んでいた

慧音も安らかな顔になって寝息を立てていた

 

「おぉ…やっぱり、こう言うのを見ると凄いなって思うよ」

そう言って慧音の身体を支えながら起き上がる

 

「でも、黙って何かしら起こすのだけはやめてよね?」

ジロっと代理人を見る

 

「……てへっ♪」

「( #^ω^)……笑顔で誤魔化すな……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー 数時間後 ー

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっ……う?…んんっ?」

慧音は目を覚ますが辺りはすっかり暗くなっていた

 

「わ、私は……あっ…いつの間に布団に…」

身体を起こし、辺りを見渡す

 

「……どうして…うーむ…幽鬼と採点をして…終わって…立ち上がって…もつれ………てっ///!!!???」

慧音は思い出した

 

「ごぉぁわぁわぁわぁ///!!!???まさかァァァァ///!!???」

一気に顔が赤く染まり、大声を出す

 

「あぁぁぁ…満月が近いとはいえ……とんでもない事を……」

頭を抱え込んで唸る慧音

 

「と、とりあえず…反省の前に状況確認だ…」

そう言って慧音は布団から出て立ち上がる

 

「……今、どの位だ…辺りはすっかり暗い…うむぅ…ん?」

慧音は辺りを見て気づいた、寺子屋では無いことに

 

「私は…いつの間に家に…幽鬼が運んでくれたのか?」

どうやら、自室に運ばれていた様だ

見慣れた机に1枚の紙が置いてあった

 

「コレは…置き手紙か?……ん?」

慧音は机に近づき手紙を手に取り、内容を読む

 

内容は採点を終わらしてから、一息ついていたらいつの間にかお互いに眠ってしまったらしく…日が暮れる前に慧音の家を人に教えて貰い、家に連れて帰って寝かした

…っと書いてあった…

 

「……ここに書いてあるのが事実だとしたら…あれは夢なのか…?…こんなにもハッキリ覚えているのに……あんなにも…感覚があったのに……夢だったのか…?」

慧音は分からなくなった

 

「………私は、一体どうしたらいいのだろうか……」

 

慧音は1人幽鬼に対して考えた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー 三日後 ー

 

 

 

 

 

 

「人里に…いや…私の所に来てくれはしないか…//?」

 

その一言で今が凍りつく…

 

「…( ゚д゚)ポカーン……… 」

口が空いたまま固まる幽鬼

 

「…………(ジロッっ)」

霊夢は黙ったまま睨む

 

 

この3日間で何があったのか…

 

慧音の心境にどの様な動きがあったのか…

 

瞳の奥に隠された彼女の本当の想いとは…

 

 

 

 

 

真相はまだ、分からない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「上手く言ったわね…これで全てが思惑通り♪」

 

怪しく微笑む代理人、一体何をしたのか…

 

 

 

代理人は幽鬼の仇なす敵となるのか!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やりたい放題♪かけ放題♪」

 

 

 

……………………

 

………………

 

…………

 

……

 

 

 

 

そうでも無かった様だ…






ゲッタン!!書きたいこと書きたいけどー!!言葉で表すの難しいー!!

(´・ω・`)そんなこんなで慧音は何があったのでしょうね…

次回は3日間の間に慧音に何があったのか…書きたいと思ってます…

人としての理性かはたまた、獣妖怪としての本能か…

( -∀-)まぁ、目覚めたら、目覚めるでしょ?


ここまで読んで頂きありがとうございます!!


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半獣妖怪であるが故に…


(´・ω・`)お待たせしました
亜麻乃です

今回は前回の語られなかった

慧音の真意と何があったのか始めます
その後からハイペースで、進みます
ご了承ください

所々でもこたんシーンも挟んでます

それではどうぞ〜!


 

 

ー 三日前 ー

 

慧音が軽くキャラ崩壊した翌日の朝…

 

 

「…………朝か…結局…分からない…」

あれから一晩考えた慧音は眠らずに朝を迎えた

 

「……ぅっ…少し顔を洗って、来るか…」

ヨロヨロと立ち上がり、水場へと向かった

 

 

 

「あぁ…酷い顔だな…」

井戸から水をすくい上げると桶の中の水鏡に写った自分の顔を見た慧音…

いつも通りの教師と言うキリッとした目ではなく、虚ろになっており、目元はくまが酷かった

 

水を手ですくい上げバシャバシャと顔を洗う慧音

 

「はぁ…はぁ…」

変わらず写る自分の顔は先程と同じだった

 

「……………どうしたら…」

慧音は1人頭を抱えた

 

 

 

 

 

 

 

ー 人里・お昼 ー

 

慧音はいつもの時間帯に人里の見回りをしていた

 

 

「おぉ、慧音先生、こんちわ!」

 

「あぁ…こんにちわ…」

 

慧音の横を通り過ぎる人里の人達に挨拶をされ返す

だが、今日は何処と無く挨拶の返しが元気がなかった

 

 

「はぁ…どうしたら…」

フラフラと巡回を続ける慧音

 

「あらまぁ…慧音先生…こんにちわぁ…」

花屋の店前で声をかけられる

 

「おぉ…どうも、こんにちわ…」

挨拶を返す慧音、相手は花屋の店の店主の老女だった

 

「あらあら…元気ないですねぇ…どうしたの?」

気づいた店主は聞いてきた

 

「あぁ…別に対した事ではないですよ…少し気分が悪くて…」

慧音は苦笑いをして答えた

老女はその顔を見て心配そうな顔をして

 

「そうかい…無理はダメですよ?…先生が元気がなきゃ、人里の皆が心配しちゃうからねぇ…そうだ、お茶でもどうだい?」

そう言ってニッコリ笑う店主

 

「あぁ、すまない…もう少し巡回をして、寺子屋の準備をしなくてはならないから…また、今度ご馳走になろう…」

申し訳なさそうに言う慧音

 

「そうかい…なんかあったら私たち皆に話しなさいね?……先生には皆、お世話になってるんだから…」

 

「あぁ…ではまた…」

慧音が花屋を立ち去ろうとした時…

 

「こんにちわ、おばあちゃん」

聞き覚えのある声が後ろからした

 

「あらあら…こんにちわ、今日もありがとうねぇ…幽香ちゃん…」

「なに…!?」

バッと後ろを振り向く慧音

 

「今日も元気な子達よ…ん?…あら…ふふっ♪…これはこれは…寺子屋の先生じゃないの…」

白い日傘をさし、もう片方には花の入ったカゴを持った幽香の姿があった

 

「な、何しに来たんだ…」

慧音は警戒をする

 

「先生、先生…大丈夫よぉ、彼女にはお花を出して貰ってるのよ…幽香ちゃんのお花は綺麗で元気がいいから人気があるのよぉ…」

ニコニコと答える店の店主

 

「ふふっ…ありがとう、おばあちゃん…でも、おばあちゃんのお世話の良さもあるから…この子達を任せられるのよ♪」

そう言って微笑む幽香

 

「……お茶でもどうだい?幽香ちゃん?」

「ありがとう…おばあちゃん、でも今日はこれから寄るところがあるから…また今度にするわね…はい、この子達よろしくお願いね…♪」

やんわりと断り、花の詰まったカゴを差し出す幽香

 

「残念だねぇ…じゃぁ…また次もお願いねぇ…♪」

カゴを受け取り店の奥に入って行った店主

 

「じゃぁ…失礼するわね、先生…」

そう言って立ち去ろうとする幽香

 

「ま、待ってくれ…風見幽香…」

呼び止める慧音

 

「……何かしら?…貴女から呼び止めるなんて…」

振り向く幽香

 

「…よ、用事がある事を承知で頼むのだが…少し…二人だけで話したい事があるのだ…頼む…」

そう言って頭を下げる慧音

 

「……急ぎの用なのよ…また、今度ね…」

やはり幽香は立ち去ろうとする

 

「……ゆ、幽鬼の…事なのだ…」

「………」

幽香は歩みを止め、慧音の方に目を向ける

 

「………そちらの…タイミングでいい…もし気が向いたら…寺子屋に来てくれ…呼び止めてすまなかった…」

そう言って慧音はそそくさに行ってしまった

 

「……ふぅん…面白そうね…♪」

クスリと笑みを浮かべ幽香もその場から去っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜 その頃・竹林 〜

 

 

 

竹林に囲まれた、少し開けた場所に建つ小さな家…

普通の人が住み込んでいるような場所ではないここに1人の住人がひっそり寝そべっていた

 

「…………」

彼女は目を瞑り、思い出していた

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーー

 

ーーーーーー

 

 

(お父様!!何処にいくの?今日は私とお出かけの予定でしょ??)

 

(おぉ…妹紅、すまない…これから私は少し用事があるんだ、また今度にしておくれ…良いな?)

 

そう言って男は牛車に乗り何処かに向かった

 

 

ーーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーー

 

ーーーーーー

 

ーーーー

 

 

「お父様は…いつも何処に行くの?…」

家来の男に聞く

 

「妹紅様、お父上様は「かぐや姫」と言う方にお会いに行っておりまする…巷で噂の絶世の姫だとか…」

 

「かぐや姫…に…お父様が…」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーー

 

ーーーーーー

 

ーーーー

 

「お父様!!また、かぐや姫と言う奴の所に行くの!!…何度も行っても同じでしょ!!」

彼女は前に立ち塞がる

 

「妹紅…そこをどきなさい…今度こそチャンスが来たのだ…かぐや姫の想いに答えねば…!!」

目が血走って話し飛び出していった

 

 

「お父様!!!」

 

 

ーーーーーー

 

ーーーー

 

ーー

 

「……お父様…が…?」

目の前が真っ白になる

 

「もとより身体は病が蔓延っていました…そのせいでしょう…もう…手の施しようが…」

医者の老人は話す

 

「そんな…お父様…」

布団に横たわる変わり果てた父親の亡骸

 

「…藤原様…結局のかぐや姫も…何処かに姿を消してしまったようです…噂では…利用していたと言う…話も…」

 

 

ーーーーーー

 

ーーーー

 

ーー

 

「……許さない…かぐや姫…お前を見つけて…殺すまで!!…私は……その為なら!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「人をやめてやる!!!」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

「私は…その為に今を生きていたんだ…この生き地獄を…」

ゆっくりと目を開け、身体を起こす

 

「……人とか関係ない…私は…」

ぐっと拳を握る

 

「 藤原さんの永い記憶の中に楽しく残る物になれば…!」

フラッシュバックする言葉

 

「…どうせ1人になるなら…他人なんかに…」

振り払おうとする

 

 

 

「尚さら仲良くしたいんですよ…」

 

 

 

「1人でいた方が…楽なんだよ…」

 

 

 

「 どう距離を取ろうが自分はグイグイ行くんで覚悟してくださいよ!」

 

 

 

 

「じゃぁ…なんでだよ…なんで…」

 

 

昨日不意に見てしまった光景が想い出され、胸が痛くなり表情を歪ませる

 

 

 

「どうして…アイツの事を…考えるんだよ…」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜 次の日 〜

 

 

「先生〜!!さよーならー!!」

元気よく手を振る子供たち

 

「気をつけて帰るんだぞ!!寄り道はするなよ!!」

振り返しながら答える慧音

 

夕方の寺子屋前、生徒たちを見送る教師の姿がそこにあった

 

 

「ふぅ…今日も無事に終わったな…」

慧音は夕日に染まる空を見上げる

 

「妹紅はどうしたのだろうか…最近、全く姿を見せないな…今日にでも様子を…」

そう言って中に戻ろうとした時

 

 

「その前に、私とお話をしましょうよ…先生?」

「…………ッ!?」

驚き後ろを振り向く慧音

 

「こんばんわ…暇になったから来てあげたわよ…」

白い日傘を畳みながら怪しく微笑む幽香の姿があった

 

 

「…………」

慧音の頬に汗が垂れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

茜色に染る寺子屋の一室

 

二つの影が伸びる

 

「…………」

 

「…………」

 

慧音と幽香…

お互いに喋ることなく…黙ったまま…

向かいあわせで正座していた…

 

 

「…………」

慧音どう切り出せばいいか悩んでいた…

相手が相手だけに上手く話を繋げられるか…

凄く不安にかられていた…

 

(どれ位経ったのだろう…いい加減…切り出さねば)

慧音は覚悟を決めて喋り出そうとした

 

 

 

しかし

 

 

 

「そろそろ聞かしてくれない…華ちゃんの事で何かあったのかしら…?」

先に痺れを切らしたのは幽香の方だった

 

「う、ぅぐ…その…少し……」

「……なんなの?…」

幽香は歯切れの悪い慧音を見つめる

 

「なんて…言えばいいのか正直…私自身もわからないんだ…幽香…最初に一言謝っといておく…すまない…」

そう言って頭を下げる慧音

 

「なんで謝るか分からないけど…貴女が何故華ちゃんの話を切り出したのか…理由を聞きたいわね…」

そう言うと慧音は少し震えていた

 

「………は、話そう…しかし…あ、余り…いい…話では…だから、もし…話を聞いて…許せなかったら…私を…」

 

「あのね、何を勘違いしてるのか分からないけど…華ちゃんから貴女がどうのとか聞いてないから…それに、華ちゃんはそんな事望まないし…ね…」

何かを覚悟して話そうとする慧音に呆れて言う

 

 

「…遠回しはもういいでしょ?…いい加減ちゃんと話しましょうよ…」

 

「……わかった…実は…」

 

やっと慧音は幽香に話したかった事を話した…

 

幽鬼に寺子屋の手伝いを頼んだこと…

古い友人の友人になってくれと頼んだこと…

 

経緯を簡単に話していった…

 

 

 

「ふーん…じゃぁ…貴女もそれなりに華ちゃんと一緒にいた時間が長くなった訳ね…」

一区切りついた所で幽香が口を開く

 

「………そうだ…毎日ではないが、私が1人で手が回らない時は手伝いを仕事として依頼していた…後は…細々とした事を…」

俯いたまま喋る慧音

 

 

その様子を見て幽香はニヤッと笑い

 

 

「華ちゃんを見てて、何か変な気持ちになった?」

 

「っ!?」

ビクッと慧音は反応した

 

「図星ね…ふーん…そう、そう言う事ね…」

何かを理解した幽香

 

「これから話す事はあくまで…私が経験した事や、華ちゃんの事を誰よりも見てきた親の推察だけど…いいかしら?」

幽香がそう聞くと慧音は小さく頷く

 

「……ふぅ…まぁ、貴女はまず先に感じた筈よ…華ちゃんから滲み出る…可愛さや尊さ…ふふっ…♪」

うっとりとした顔で喋り出す幽香

 

「…だからこそ…湧き出す物があるのよ…♪貴女もそれに呑まれて…暴走でもしたのでしょ?」

 

「…………」

慧音は震えていた

 

「卑下するものでも無いわよ…当たり前の反応だし…堪らないわよね…あの…可愛さ…ふふっ…♪なんでも守ってあげたくなっちゃう…♪」

幽香が立ち上がり、慧音に近寄る

 

「し…しかし…私は…」

未だに震えている慧音

 

「何を恐れてるのよ……いい?…華ちゃんはとっくに色んな奴らの相手をしてあげてるのよ…♪優しいわよね♪…もちろん1番は私だけど…♪」

慧音の横に座り話す幽香

 

「…い、一時の…感情で…」

顔を逸らす慧音

 

「………何を言ってるのかしら…?一時の感情なら…貴女はそこまで悩んでいない筈よ……そ・れ・に♪」

「ぁぐッ//!?…な、何をするッ//!?」

幽香はいきなり慧音のスカートの下から中に手を突っ込む

 

「あらあら♪…貴女は素直じゃないの♪」

部屋に水の弾く音が響く

 

「っんぉ…//!?…やめッ//!?〜〜ッーーッ!!!」

必死に抵抗をするが力が入らず、身体を震わせ大きな波を超えた慧音

 

 

「んぁぁっ……//」

「ふふっ…」

 

ビクビクと身体を震わせ脱力仕切った慧音を見て、幽香は手を抜いた

 

「ほら、考えただけで身体の本能は素直になるのよ…♪…これは…妖怪としての正常な反応なのよ…私もそうよ…あの子に…華ちゃんに会う度に…疼いてるのよ…まぁ…私は我慢する気ないから…隙を見て食べちゃってるけどね♪」

びちょびちょにぬれた指先を拭きながら言う

 

「堪らないわよね…♪だから食べちゃったのでしょ?…何処まで食べちゃったの…教えてちょうだい…♪」

慧音の耳元で囁く

 

「わ…わたひぃ…//はぁ…まだぁ…//…おしょっ…てない…//」

荒々しく息をしながら答える慧音

 

「あら…?そうなの…本当かしらねぇ…だとしたら身体はこんなに華ちゃんを求めない筈なのだけど…華ちゃん1回位はてないかぎり…」

状態を見てとっくに幽鬼を食べた(意味深)と思っていた幽香

 

「……だとすると…貴女が今の時期に敏感だからかしらね?」

先程まで茜色の空はすっかり薄暗くなっていた

 

 

「…しかっ//……してない…//」

俯いた慧音がボソッと言う

 

「え…?何をしたの?」

よく聞こえなかった幽香は聞き直す

 

 

「せっ…//接吻しかしていない//」

涙目で顔を真っ赤にして幽香に言う

 

「しかし…よく分からない…本当にあったのか…私が見た夢だったのか…しかも、夢だとしても…あんな快楽に呑まれた夢を見てしまう…私は…うぅ…//」

また俯く慧音

 

「……もし、良ければだけど…どんな夢なのか話せるのかしら?…それを聞いて判断するわよ?」

再び慧音の横に座る幽香

 

「……し、しかし…//」

慧音は躊躇う

 

「そうすれば…貴女が華ちゃんをどう思っているか…今後どう接していけばいいのか…簡単なヒントは教えてあげるわよ…?」

幽香にすれば珍しい事を言ったのだった…

しかし、それはあくまでも…面白そうな事が起きそうという幽香の予測から出た言葉だった…

 

「………はぁ…わ、わかった…//」

慧音は幽香の思惑に乗るように話始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー・竹林・ーーーーーーーーーー

 

 

 

開けた場所に1人立つ妹紅の姿があった

 

「そろそろ…満月か、嫌な事を思い出す…」

1人月を見上げて語る妹紅

 

「………あいつと知り合ってまだ…そんなに経ってないんだよな…まぁ…私の感覚が狂ってるだけかもしれないが…」

蓬莱人は永遠を生きるので、経つ時間が永く感じる為に日数の感覚が劣っているのだ

 

「……でも…久しぶりに…時間が経つのが早く感じた…」

すっかり治った腕を見る妹紅

 

「………でも…アイツは、慧音より先に…いなくなる…」

当たり前の事、そう呟く妹紅

 

「……やだな………な、何を言ってんだろ…私は…」

 

「さっきから何一人で喋ってるのよ…?」

 

「!?」

そんな独り言を打ち消すように声が聞こえ、妹紅は振り向く

 

 

 

「輝夜……」

顔つきが憎しみの色に変わる

 

「あ〜あ〜…♪何をしていたと思ったら1人寂しくお喋りね〜♪もこたん、友達いないの〜??」

輝夜と呼ばれた彼女は先程の妹紅の事を煽る

 

「………お前こそいないだろうが…」

睨みながら言い返す

 

「んーー?私は別にいいのよぉー?ひとりじゃないし♪家に帰れば皆がいるしねぇ♪…貴女は、ププッ♪一人ぼっち♪」

わざとらしく煽る彼女は楽しそうだ

 

(さてぇ♪久々にどうやって殺し合おうかしらね♪…さぁ、来なさい…妹紅♪)

 

通常だと、ここでお決まり文句を行って妹紅が飛びかかって来るのだ…

 

 

 

 

しかし、今日も違った

 

 

 

「………そうさな…私は1人だ…」

 

「……あら?」

静かに言葉を返す妹紅に首を傾げる

 

「それで…良かった筈なんだ…1人でずっとお前を憎み、怒り、悔しさをぶつけて来た……ただそれだけを…糧にいた…」

 

「妹紅…アンタ大丈夫?」

静かに語る妹紅に声をかける

 

「ふっ…何となくわかった…お前に言われて気づいたよ…今の私は1人じゃないとね…今は…アイツがいた…今この時はアイツがいるんだ……先にいなくなるかもしれないけど…それでも限りがあるアイツがいる今を…過ごしたい…」

 

「……やだ…妹紅…人間臭いわよ…何があったの…」

1人語る妹紅を引いて見ていた

 

「ふふっ…人間臭いか…褒め言葉だな…じゃぁな…輝夜…しばらく死合はなしだ…お前との時間が勿体ない…」

そう言って背を向けて歩き出し、竹林に姿を消した

 

「……な、なんなのよ…アイツ、前もおじゃんで…今日もダメって…しばらく、死愛はなしって…訳分からない…つまんないの………はぁ…帰ろ…兎達にでも…相手してもらおっと…」

長い髪をなびかせ、歩き出し家路につく

 

 

 

 

「…………妹紅の言ってた…アイツって誰かしら?」

足を止め、ふと思う

 

 

 

 

その時…

 

 

 

「……ッ!?…また、この変な…感じ……」

彼女にしか分からない感覚が起こる

 

 

 

 

 

 

 

「………ふーん…妹紅を通して繋げてる訳ね…この私の今を…」

妹紅が去って行った方を見る彼女は気づいた

 

 

 

彼女にしか分からない縁の繋がりを…

 

 

「繋げれるものなら…紡いでみなさいな…ふふっ…」

笑みを浮かべ、彼女も竹林の中に姿を消した

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

場面は人里に…

 

 

 

ー 慧音家の自室 ー

 

 

 

行灯の光が揺らめく部屋に慧音は1人座っていた

 

「………」

正座して、目をつぶったままじっとしていた

家の外はすっかり暗くなり、外も静寂に包まれていた

 

「………」

慧音は静かにただ正座を続けていた

 

 

 

『 貴女が見た…白昼夢とは言えないわね…実際に起きたことでしょうね…』

幽香に話した後に言われた言葉

 

「………」

眉間にシワが寄り険しくなる顔

 

『 第一…華ちゃんの仕業では無いわよ、確実にそれは言えるわよ…あの子は無理矢理なんて絶対ない…だとすると…貴女が華ちゃんを求めたのは…自分自身よ…』

幽香に言われた事を思い出しながら整理する慧音

 

幽香に去り際に言われた言葉

 

『貴女が華ちゃんを求めるのかは必然なのかもしれないけど…それは、本当に貴女の思いなのかしら? 』

 

「……幽鬼を…求めた……思い…」

ゆっくりと目を開き、ボソッと言う

 

「…………しかし…私は…」

慧音は何処か引っかかっていた

 

 

その時

 

 

(ドンドン…)

家の戸が叩かれる

 

「む…?こんな時間に誰だ…?」

慧音は声をかけ、扉に向かい、開ける

 

 

「む…も、妹紅…どうしたんだ…?」

そこには妹紅が立っていた

 

「よぅ…慧音…こんな時間にごめんよ…」

片手に酒瓶を持って少し顔が赤くなっていた

 

「…酔っているのか?」

慧音が確認するように聞く

 

「………少し、行き付けで飲んで呑み足りないから…慧音の所に来た…ついでに少し話をしたかったから…」

酒瓶を揺らしながら言う

 

「はぁ…わかった、しかし…少しだけだぞ?…明日…私も寺子屋があるのだから…」

そう言って妹紅を部屋の中に招き入れた

 

 

「湯呑だ…これでいいだろ?」

慧音が酒を次ぐための容器を二つ持ってくる

 

「あぁ…ありがと、十分だよ…」

妹紅は湯呑を片方を受け取り酒を注ぎ始め、自分のを注ぎ終わると慧音の湯呑にも注ぎ始め…

 

「それで…話とはなんだ?」

慧音が酒を注がれながら、妹紅に聞く

 

「……あぁ、少しな…」

酒を注ぎ終わり、酒瓶を横におく

そして、軽く酒を飲み始める

 

「…ンッ…はぁ〜…うん…美味しい、慧音も飲んでみろよ」

先程より若干赤くなる妹紅

 

「……妹紅…コレは普通の酒か?」

妹紅の様子を見て慧音は疑問に思った

 

「……………普通の酒だよ…」

 

「今の変な間はなんだ…」

答え方に更に疑問を持つ慧音

 

「大丈夫だよ…行き付けの店で貰ったもんだからさ…少し甘い味がするけど…後味がスッキリするんだ……」

そう言って妹紅は呑み始める

 

「……んっ……ゴクッ…」

慧音は恐る恐る一口飲んだ

少し甘かったが妹紅の言う通り…スっとした後味が続く…

 

 

しかし、

 

 

「…………グッ…がっ///!?」

身体のそこから暑くなる

喉を通り、胃の中に入ったのが分かるぐらいに暑く感じ始め、何故か下腹部が以上に暑く感じた

 

「…ぐぅっ//!?…も、妹紅…コレは…ふつうじゃないだろぉう///!!…がぁぐっ///!?」

思わず湯呑を手放し酒が零れる…

 

しかし慧音はそれ所ではなかった…

息を吸う度に下腹部がキュンキュンと疼き、体温が上がり、声を出そうとするが思考が歪む

 

 

「………普通の酒だよ…?……ふふっ…貴女も…少しは考え方に素直にならなくちゃ…」

妹紅の雰囲気が変わる

 

「……な…なにっ//…き、貴様…//…誰だっ//!?」

妹紅ではなかった目の前の人物に声を必死に出し聞く

 

「ふふっ…大丈夫…心配しないで…?貴女の身体を元の調子に戻してるだけだから…まぁ…少し変な感じはするけど♪」

妹紅の顔した人物はニコッと笑い答える

 

「ふざっ…//…けるなぁっ…//!!…私の身体に…何をしたぁ///!!」

睨みながら叫ぶ慧音

 

「んもぅ…石頭ね…あの子とちゃんとした形でお迎えさせたいから余計な物を祓ってあげてるだけなのに…後は余計な事をした時のオマケを元に戻してあげてるのってさっき言ったじゃないの……貴女にもちゃんと幽鬼ちゃんを見てもらいたいからね…♪」

目の前の妹紅(偽)はマイペースに答える

 

「……なぜっ//…ゆ…ゆぅ…幽鬼を…知ってぇ…//!?」

必死に身体を動かそうともするが動けない慧音

 

「おっと♪…それ以上は♪ひみつぅ♪…でも…(…させんぞ…)…あら?」

何かを喋ろうとした妹紅(偽)に低い声が聞こえる

 

「……貴様が…何者だが…知らないがっ…!!…幽鬼にだけは手は出しせんぞぉっ…!!」

その場に倒れていた慧音から煙が上がる

 

「あら?…あらあら?…思った以上ね…♪」

妹紅(偽)は何処か満足げな顔になる

 

次の瞬間、慧音がゆっくりと立ち上がり始める

 

「…私に何をしたかは…知らないが…幽鬼にだけは…絶対に手は出させない…貴様の歴史はここで私が止める!!」

立ち上がった慧音は姿が変わっていた

 

上白沢 慧音のもう1つの姿…

 

白沢(通称・ワーハクタク)

頭から二本のツノが生え、銀色の髪色に混じった青色が緑色に変わって、着ていた服も合わせて緑色に変わった

 

 

「説教の時間だァァ!!」

目の前の妹紅(偽)に突っ込んで行き頭突きを食らわす

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

衝撃が走る…

 

 

 

 

 

 

 

ただそれだけだった…

 

 

 

 

 

 

 

「…………ふふっ♪」

妹紅(偽)が笑う

 

「な…なにっ…!?」

妹紅(偽)は慧音の頭突きを指先2本で止めた、しかも前にもそれ以上動けなかった

 

「……………合格…♪」

つぶやく妹紅(偽)

 

「……なにっ…(パチンッ)…をっ………」

妹紅(偽)が指を鳴らすと慧音は気を失ってその場に倒れる

慧音の姿は人間の姿に戻っており、そのまま寝息を立てていた…

 

「……予想を遥かに超えてたわね…♪」

妹紅(偽)は慧音を抱き上げ、寝室へ運び寝かせる

 

「まさか…満月でもない時に白沢の力を出すとはね…ふふっ…私がした事は余計な事だったわね…本当に…ごめんなさいね…お詫びに…まぁ、騙すような形になってはしまったけど…身体の調子は元に戻したし…憑き物もとってあげたから…自分の気持ちに安心して素直になりなさいな…」

最後にそう言って微笑む彼女はゆっくりと姿を消した

 

 

 

 

「想いが強すぎて空回りした半獣半人さん♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー翌日ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

部屋に朝日が差し込み明るくなる

 

 

「……んっ…んんっ?」

朝日の眩しさに目が覚める慧音

 

「ん…ん?…寝てしまった…のか…?」

慧音はゆっくりと起き上がる

 

「…………むぅ…何かあった…様な…ん…あっ…そうか…昨日は幽鬼の事を…ゆう…かに……そうだった…」

慧音はゆっくりと思い出した

 

「……はぁ…しかし、考えすぎて寝てしまうとは……ふふっ…いや、悪い気分でもないか…よし…」

慧音は立ち上がり、縁側に出るため障子を開ける

 

「あぁ…いい天気だ…!!」

開け放たれ、気持ちのいい朝日の光が身体を照らす

 

「……よし……もう、迷わないぞ…ウジウジしているなんて私では無いからな…!!」

迷い無い発言、その顔は何処かスッキリしていた

 

「少し早いが支度して向かうか…!」

彼の朝は早いと前に聞いていた事があった、今日は寺子屋のある日なので迎えに行こうと思った

 

 

「……少し…身だしなみを気をつけよう…ふふっ//」

その言葉を放つ彼女の顔は想い人を迎えに行く乙女だった

 

 

 

 

 

 

 

 

「私の歴史に入ってきた責任は取らないとな!」

 

 

 

迷いを捨て…

 

想いを素直に持ち…

 

駄目だったら諦める…

 

 

真っ直ぐな彼女は彼のいる場所に…

 

 

 

 

 

愛しい人を迎えに博麗神社へ向かったのだった…

 





前回の投稿から少し日が空きましたが…
無事に出来ました…

いやー…あっさりと言っても内容が浅いとつまらないですよね…

どれだけ簡単に書いて、深く読めるか…ですよ…


(゜∀。)多分ね!!

私は楽しく書いていきますよぉ↑↑↑

ここまで読んで頂きありがとうございます!!


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受けた思い、新たに繋がる縁



亜麻乃っす!(」・ω・)オッ─( ─ ・ω・)─スッ

今回でとりあえず…慧音は完了です!

波乱万丈!!

少しだけ鈴のあの子との縁を作ります!!



 

 

博麗神社の朝は早い…

 

早いと言うが、ある特定と人物の事をさす

 

 

「〜♪〜♪」

 

鼻歌を口ずさみながら朝食の準備をする割烹着を着る青年

彼はここの居候件給仕係(世話)である

 

こう見えて色んな少女、女性達から好意を持たれ関係を続けている…

そして…

 

 

「………」

ヨロヨロと後ろに近づく人影

 

「〜♪♪」

青年は調理に夢中で気がついていない

 

「…………」

影はゆっくりとその青年の背中に手を伸ばす

 

 

ドンッ!

 

「うわっと!?」

不意をつかれ軽くバランスを崩し、驚く青年…

 

ゆっくりと振り向く青年の目に映ったのは…

この博麗神社の家主、博麗霊夢だった…

 

「……おはよぅ…」

起き抜けの霊夢はそのまま、青年に抱きついた

 

 

彼女は青年に好意を寄せる1人であるのだ…

 

「おはようございます…霊夢さん」

そして、霊夢に笑顔で挨拶する彼は…

 

風華幽鬼と言う青年だった…

 

 

ココ最近、博麗神社は平穏な日々が続いていた…

 

 

 

 

 

ただ幽鬼は知らなかった…

 

 

 

 

これからまた起きる騒動が神社に近づいていることを…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー数時間後(39話目終盤)ーーーーーー

 

 

 

 

朝食が終わり、のんびりした時間に慧音が来たのだ

 

今日の寺子屋の手伝いの時間がズレたのか…

 

何か人里で騒ぎか事件が起きたのか…

 

霊夢も幽鬼も二人はそう思っていた…

 

しかしそうでは無かった、話を聞くために居間に慧音を通して話を聞こうとしたのだが…

 

着席して間もない慧音が言った台詞が爆弾だった

 

「朝早くから来てしまって、すまない…どうしても幽鬼…君に伝えたい事があったのだ…君の周りの人物達の関係とを理解した上で言う…無理を承知もしている……人里に…いや…私の所に来てくれはしないか…//?」

顔を赤く染めてモジモジと言う慧音

 

「…( ゚д゚)ポカーン……… 」

口が空いたまま固まる幽鬼

 

「…………(ジロッっ)」

霊夢は黙ったまま睨む

 

「い…いきなり、すまない!! 」

慧音はいきなり頭を下げ謝ってくる

 

「……はっ!?…け、慧音さん!、頭をあげてください!…とりあえず、どう言う事か説明して貰えますか?」

そう言うと慧音が頭をあげるが

 

「そ、それは…一から説明した方がいいのか//?」

何故かモジモジしながら言う慧音

 

「…えっ…それは…(そうね、ちゃんと説明して欲しいわね…)れ、霊夢さっ………おぅ…」

明らかに睨みつけている霊夢が割り込んで言った

 

「慧音先生?…アンタは別にそこまで幽鬼と関わりがあった訳じゃ無いわよね…?一時の感情じゃないのかしら?」

ズバズバと聞いてくる霊夢

 

「………う…うむ…友人としての付き合いを続けていた…しかし、最初は彼を警戒していた…」

 

「あぁ…(汗)」

幽鬼は警戒していたという言葉で理解した

 

「……幽鬼が風見幽香の子供であるからでしょ?」

霊夢も理解していた

 

「……そうだ…しかし…それを知ったのは風見幽香の人里の襲撃事件の時に彼に直接説明を聞いた時からだがな…」

申し訳なさそうに言う慧音

 

「………ふーん…なら、今回続けていた寺子屋の手伝いも…影では監視する目的の事だったのね…?」

慧音に霊夢が切り込む

 

「そ…それはッ!………その………」

顔を逸らす慧音

 

「……そんな事をしていた相手に…どうしてアンタはそう想いを抱いたのかしら…不思議な話ね…」

何処か不信感を持ちながら霊夢は言う

 

「……れ、霊夢さん…それは…(幽鬼は少し黙ってて…)…アッハイ…」

幽鬼がフォローを入れようとしたら霊夢に一括される

 

どうやら霊夢は機嫌が悪いのか…拗ねているのか…幽鬼に対して少し当たりが強かった…

 

 

そんな中、慧音は少し俯いていた

 

「で…どうなの…黙ってちゃ、わからないじゃない…?」

霊夢が俯いている慧音に再び聞く

 

「………本当に…最初は見定めだった…人の本性は1回や数回ではわからない物…だからこそ、私は確かめたかった…それだけだったのだ……」

静かに語り始める慧音

 

「……じゃぁ…妹紅さんの事は…」

幽鬼がボソッと言う

 

「それは…違う…妹紅とは本当に仲良くして欲しかったのだ…ただ…人の事を気にしすぎて、自分自身の事を疎かにしてしまったようだったのだ…」

真っ直ぐな目を幽鬼に向ける

 

「楽しかったのだ……私は君と一緒にいて…そして、気づいたのだ…私もまた…孤独だったのだと…」

 

「孤独って…アンタは人里にいるから…違うじゃないの…?」

そんな慧音を霊夢が一言返す

 

「霊夢さん…?形の繋がりでは…違うんですよ…?」

そんな霊夢に幽鬼が少し諭すように言う

 

「……言いすぎたわ…ごめんなさい…」

霊夢は幽鬼に言われて素直に謝る

 

「いや…大丈夫だ…確かに霊夢の言う通りだ…人の輪に囲まれている私が孤独と言うのは違うかもしれない…」

何処か寂しそうに話す慧音

 

「…霊夢…私は今の君が羨ましい……」

そう言うと慧音は立ち上がり、障子の近くまで移動し目の前で振り返った

 

 

「いきなり押し掛けてすまなかった…この事は忘れてくれ…今後一切…この様な事は言わないし必要以上に関わらない…だから…」

振り向いたその目には涙が溜まっていた

 

「…嫌わないでくれ…」

そう言って障子を開けて帰ろうと前を向く

 

「っ!!…慧音さんっ…!」

幽鬼が駆け寄り、腕を掴む

 

「離してくれ…」

静かに幽鬼に言う慧音

 

「いいえ…離しませんよ…!まだ終わってないですから…!」

しっかりの腕を掴む幽鬼

 

「話は終わったんだ…今回の事は気にしないで…1人の戯言だと思って…(…ふざけないでよ……)……えっ…」

そう声を出したのは霊夢だった

 

「なにを一方的に終わらそうとしてんのよ…幽鬼は答えも何も言ってないじゃないの…」

そう言いながら霊夢も傍に来る

 

「……だが…私は…」

 

「アンタが…そこまで幽鬼を思ってんなら…ウジウジしてないでさっきの事をもう一度ぶつけなさいよ…少しばかし茶々が入っただけなのに…馬鹿なの…?」

そう言って霊夢は障子を閉めた

 

「……幽鬼…正直言うけど、私はこれ以上…アンタの周りにこう言うの増やしたくないの…アンタは私の物になる予定だからね…誰にも取られたくないのよ…」

 

「霊夢さん…」

 

「……だけどね…後味悪いのはもっと嫌なの…理由はどうであれ、しっかりと勝負して決着つけるのが私なの…慧音…アンタもそうなら、覚悟があるなら…」

霊夢は目を閉じて、深く息を吸う

 

 

 

 

そして、霊夢はゆっくりと目を開けて言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「同じ土俵で競いなさい…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ぁぁ…っ…」

慧音はその場にへたり込む

 

「慧音さん…まだ、返事が出来てませんでしたね…」

幽鬼は膝をつき、慧音を見つめ優しく言う

 

「………」

慧音は黙ったまま幽鬼を見つめ返す

 

 

「こんな自分を想ってくれて…ありがとうございます…慧音さんの気持ちはとても嬉しいです…だから、その想いに答えられるかどうかは分かりませんが…貴女の想いを受け止めます…」

慧音の片手を両手で握る幽鬼

 

「……ぁぁっ……」

慧音は再び目に涙を溜める

 

「………慧音さんが宜しければ…自分の想いも受け止めて貰えますか…?」

微笑んで聞く幽鬼

 

 

 

 

 

 

 

「…こんな…拙い私だが…よろしく頼む…」

慧音は微笑み返しながら答えた…頬に涙を流して…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー数分後ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「………」(楽園の素敵な巫女)

 

「………」(知識と歴史の半獣)

 

「………」(完全で瀟洒な従者)

 

「………」(半人半霊の庭師)

 

「………(汗)」(何処か普通じゃない女ったらしの人間)

 

 

何故か4人の前で正座している幽鬼の姿があった

 

 

 

その場にいる4人とは、先程の霊夢と慧音に加え…

主の名でお茶会に誘いに来たメイド、十六夜咲夜…

それに同じく主の名で夕飯の招待に来た庭師、魂魄妖夢の姿が増えていた…

 

「……それで…貴女は幽鬼さんに受け入れられたと言うわけですね…?」

事の顛末を聞いた咲夜が慧音に聞く

 

「…あ、あぁ…形はどうであれ…私は彼に想いを告げた…そして、受け入れて貰えた…しかし…ここまでだとは予想外だったがな…」

霊夢と幽香だけだと思っていた慧音は咲夜に苦笑いで答える

 

「……幽鬼さんは…どうしてそこまでして、増やすんですか…私じゃ不満なんですか…」

とある部位が今いるメンバーより慎ましい妖夢はその部位を両手で抑えてながら涙目で言う

 

「……1人は何で泣いてるのか分からないけど…とりあえず、同じ土俵にまた1人加わったという事で各々伝えときなさい…」

霊夢はそう言ってチラッと幽鬼を見る

 

「………」

俯いている幽鬼

 

「……どうせまた、変な事を考えてるんでしょ…?…いい加減にしてよね…アンタは悪くないんだから…」

 

「……はぁ…すみません…分かってはいるんですが…中々…うん…とても罪悪感が…良いのかなって…」

幽鬼は少し不安になっていた

 

「……幽鬼…何度も言うけどアンタはシャキッと胸を張りなさい…そして諦めなさい、この先アンタが望まなくとも増えると思うから…正直私は嫌だけど…」

 

「……勘ですか?」

幽鬼は苦笑いで聞く

 

「えぇ…勘よ」

霊夢はにこやかに答える

 

 

「…アッハイ…ワ、ワカリマシタ...(lll-ω-)…」

幽鬼は色々と考えたり悩むのを諦めることにした

 

素直に気持ちに答えようと…なぜなら

 

 

 

 

 

 

楽園の素敵な巫女の勘は当たるから…

 

 

 

 

 

 

 

「さて…私はお暇しよう…寺子屋の時間なのでな…」

そう言って慧音が帰ろうと障子を開ける

 

「あ、慧音さん、だったら一緒に向かいますよ…今日は行く日でしたもんね…?」

幽鬼がそう言って立ち上がる

 

「い、いや…今日は大丈夫だ…とても嬉しいのだが…落ち着いて授業がちゃんと出来るか心配なのでな…そ、その…よ、余韻と言うのか…?…1人で浸らしてくれないか…//」

モジモジと顔を赤らめ答える慧音

 

「わ、分かりました…」(やだ、けーね可愛い…)

そんな事を思いながら言う幽鬼

 

「…う、うむ…//…つ、次はあの…ゆ、ゆっくりと…//ふ、ふたりぃ…で…あ…会ってくれるか…//」

更に人差し指と人差し指でツンツンとしながら言う慧音

 

「とても可愛い…けーね…」(えぇ、もちろん♪)

思ってる事が逆に出る

 

「………んぇっ//!?」

 

「あ………(汗)」

慧音の反応を見て、幽鬼は気づいた

 

「……〜〜〜ッッッ///!!!…し、失礼するッッッ///!!!」

一気に顔が真っ赤になり、慧音は飛び出して行ってしまった

 

 

 

「………やらかしたなぁ…アハハ…(誰が目の前でイチャついて良いと言ったかしら…?)…(゚Д゚;)!!」

幽鬼は某ランドセルの奴のフレーズ見たく、背筋が伸びる

そして、ゆっくりと振り返る

 

 

「……少し早いけど、私達の弾幕勝負をしましょうね…相手はアンタが1人と私ら3人ね…」

獲物を見る目で髪のリボンと胸のリボンを解きながら近づいて来る霊夢…

 

「…こんな形で初めてなのは仕方ありませんが…幽鬼さんには少し分からせないとイケナイみたいですね…」

自分の首元のリボンを緩め胸元のボタンを外し始める咲夜

 

「……幽々子様…申し訳ございません…今日は…少しお夕飯が遅れます…幽鬼さん、お覚悟を…!!」

覚悟した目つきでスカートを脱ぎ捨てる妖夢

 

 

「…………お、落ち着きましょう…皆さん…」

近づいてくる三人に後ずさりしながら言う幽鬼

 

 

 

 

しかし…

 

 

「あっ………」

あっという間に角に追いやられる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ…覚悟しなさい…!!」

 

 

 

幽鬼は霊夢の声と皮切りに考えるのを辞めた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アッー!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男の悲鳴が轟いた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日・人里(昼)

 

 

 

 

 

 

「き、昨日はえらい目にあったな…」

とぼとぼと人里を歩く幽鬼

 

結局あの後、三人にお仕置という搾り取り戦が行われた

 

「三途の川が見えた気がする…」

限界を通り越した幽鬼は1度一瞬意識が神社ではなく川のほとりの土手の上にいた様な気がした

 

「……赤い髪の毛のが船の上に横たわってたような…うーん…まぁ、今はいいか…無事にいるんだし…」

結局、その一瞬だけで次の瞬間には目が覚めた

 

「……夕飯美味かったな…滅茶苦茶スタミナ料理だったけど…ハハッ…」

結局、夕飯は霊夢と妖夢が準備していて、気がついた幽鬼は咲夜に膝枕されていた

気を失った幽鬼を誰が見るか軽く争いが起きかけたらしいが…大人しく三人でジャンケンで決めた結果らしかった…

 

「……そして、夕飯の準備中に幽々子が乱入…妖夢吊し上げてからの結局一緒に夕飯…ハードだよ…本当に…」

いい笑顔の幽々子が現れて、妖夢は血相を変えて謝罪と説明をしたが…「忘れてたのは事実でしょう♪」って一言で終わった

 

「………よく生きてるよ…ハハッ…」

幽鬼は青く広がる空に目を向け、遠い目をする

雲ひとつ無い青い空に少し気分が軽くなった

「よし!…昨日の使ってしまった分買い出しだ!」

軽く頬を叩き再び、目的のお店に向かって歩きだす

その直後に曲がり角から人影が現れ

 

 

ドンッ!

 

「おっと! 」

「きゃっ!?」

 

ドサッ…

ぶつかってしまい、お互いに倒れ尻もちをつく

 

「あいてて…あ、すみません!大丈夫ですか!?」

幽鬼は咄嗟に立ち上がりぶつかった相手に駆け寄る

笠を被っており顔は見えなかったが声からして女性だったので幽鬼は少し慌てた

 

「う〜…いたた…大丈夫です…」

笠を被った女性は問いかけに答えた

 

「良かった…本当にすみません…掴まってください」

安心した幽鬼は手を差し出して言う

 

「……あ…はい…ありがとう…ございます…」

女性は少し躊躇したように見えたが幽鬼の手を取る

 

「よいしょっと…ふぅ…良かった怪我がなくて…」

よく見ると背中に何か大きな箱みたいな物をを背負っていたので下手な転び方をしていたら怪我をしていたかもしれなかった

 

「い、いえ…お気づかいなく…体は丈夫な方なので…」

明らかに顔を見られないように深く笠を被る女性

 

「あはは…そうですか、薬売りの途中すみませんでした…」

 

「え…」

幽鬼のポロッと言った事に女性が驚く

 

「ど…どうして…薬売りだと…?」

何処か警戒した声に変わる女性

 

「あ…すみません…いやぁ…あのなんて言うか…貴女が背負っているものって普通の物売りの人の奴では小さすぎますし…かと言って着飾りとか髪飾りの小物売りにしては大きすぎます…まぁ…薬屋…と言っても乾燥した薬草とかですよね?…自分も身近にその良く似た小さな箱に採った薬草を乾燥させて保存してたので…あ!?…気を悪くしたのであれば謝りますよ!?」

説明して途中で自分の話した内容に気づいて女性に慌てて言う

 

「………いえ…大丈夫です…少し驚いただけです…ただ少し間違っているのしたら…薬は売ってません、ただの様子見程度だったので…」

最後の方はボソッと言ったのでハッキリとは幽鬼には聞こえななかった

 

「そうなんですか…色々大変ですけど…頑張ってくださいね、それでは…失礼します、すみませんでした…」

幽鬼はそう言って頭を軽くまた下げてその場から立ち去ろうとした…

 

 

その時…

 

「……あっ…ちょっと待ってください!」

そう声をかけられる

 

「ほい?何かありましたか?」

足を止めて振り返る幽鬼

 

「あの…手のひらから血が…」

「え?…あ…本当だ…」

女性に言われ確認すると手のひらにかすり傷が出来ていた

 

「あ〜…でもこの位だったら…洗っとけば…(ダメです…!ちゃんと消毒とかしなくちゃ!!)ふぉっ!?」

いきなり大声を出されビックリする

 

「あ…ごめんなさい…声を上げてしまい…でも、それくらいとか言って油断は駄目ですよ!…ちょっと、待ってください…」

そう言って女性は背負っていた箱らしき入れ物を下ろして何か探し出した…

 

「…だ、大丈夫ですよ…?」

「ダメです…!」

断ろうとしたら即答される

 

「…ありました…一応…売るつもりでは無かったのですが…試しで持ち運ぶよう言われた塗り薬です…これを塗れば大丈夫です…差し上げます…」

女性は小さい小箱を差し出してくる

 

「いやいや!?…お薬はタダで貰えるの物では無いですよ!?…せ、せめて…いくらかお渡ししますので!!」

女性の発言にビックリして財布を取り出す幽鬼

 

「先程も言いましたが…これは…売り物でもなんでもないです…なので気にしないで下さいよ」

そう言って女性は幽鬼の怪我をしていない方の手に小箱を持たせた

 

「…では、お大事…(やっぱり駄目です!)…はぁ…だから大丈夫ですって……えっ…」

呆れながら振り向いた女性は少し驚いた

 

「貴女が渡す薬は…作った方がいるはずです…無償で貰うような物では無いはずです…価値があります…例え知れてなくても…払うものです…貴女がどう言うか勝手ですが…これは受け取って貰います…!」

そう言って女性の手にお金を掴ませる

 

「…えっ…えっ…あのっ…!」

慌てて返そうとする女性…しかし…

 

「言っておきますが!返金不可です!!それじゃ!!」

そう言って幽鬼は小箱を持って駆け足で本来の目的の店へ向かった

 

走り去る背中が角で見えなくなり、女性は手に掴まされたお金に目線を落とし軽く息を吐く

 

「……なんなのよ…あの人…はぁ、一応報告しなくちゃ…波長を変えて忍び込んでいたけど…まさか…人にぶつかるなんて…さて、他に見られる前に…退散ね…」

そう言うと笠の下から赤く光る目が見え、次の瞬間には彼女の姿はその場から消えた…

 

ただ、小さく聞こえる足音だけを残して…

 

 

 

 

 

 

 

その頃、幽鬼は目的の店の手前まで来ていた

 

「はぁ…ふぅ…走った〜…まさかの初接触が妖夢と同じになるとはな…変なデジャブを感じた」

チラッと走って来た方を見る

 

「……あの格好…薬売りの行商人の格好…思わず口に出しちゃって焦ったけど…他にいないよね、時期的にもうそろそろだしな…」

歩きながら、ふっと空を見上げる幽鬼

 

幽鬼は先程のぶつかった女性は誰なのか気づいていた 、これから起きる次の異変の道中に現れる人物であり、首謀者の側近の弟子…

 

 

そんな事を考えていながら、ピタリと目的の店の前で止まり

 

「まぁ、もこたんとも接触してるから…どうかと思ったけど…やっぱり交わるか……よし…その時を楽しみにしとくかね…さーて!買い物!買い物!!!」

幽鬼は店の中へ入っていった

 

 

 

これが、幽鬼と竹林に住む月の脱走兎兵との初めての接触だった

 

 

 

 

 

ー 寺子屋 ー

 

 

生徒が帰り、静まり返った教室…

その中央に慧音と妹紅の姿があった…

 

しかし、2人の空気は重かった…

 

「その…なんだ…今話したことが全てだ…うむ…いきなりこんな事を話して巫山戯ていると思うが…事実だ…」

慧音は全て妹紅に話したのだ…

 

「………」

しかし妹紅は黙ったままそっぽ向いていた

 

「だからその…妹紅には…知ってて貰いたくってな…あの…わ、私も初めてな事でな…こ、困惑はしてるんだ…(汗」

どうにも妹紅の反応がよろしくなさそうで焦る慧音

 

「………」

妹紅は手癖をしたまま、一向に慧音の方へは向かない

 

「…ゆ、幽鬼は…あ、後に…ちゃんと話はしとくのだが…も、妹紅の意見というか…な、なんだ…え〜っと…う〜…」

慧音は完全に妹紅が興味が無さそうな態度に言葉を詰まらせ、悩み始めてしまった。

 

「…慧音…」

 

「な、なんだ!?」

今まで反応が無かった妹紅に呼ばれ構える慧音

 

 

「……アイツは…今どこだ…?」

そう静かに言った

 

「ぬぅ?…あ、アイツ…?…す、すまん…妹紅…誰だ?」

慧音が聞くとゆっくりと妹紅が顔を向ける

 

 

 

 

 

「色んな意味で女ったらしで慧音の『規制しました』(女の子が大声で叫んじゃダメ♪)を濡らした、色ボケクソ輝夜男バージョンの幽鬼は何処にいんだよぉ!!!」

 

「だぁぁぁ!!??妹紅ッッ!?しかも何を大声で叫ぶだァァ!!??」

 

炎を撒き散らしながら今にも飛び出しそうな妹紅を必死に抑える慧音

 

「妹紅!!気持ちが分かるが!!落ち着いてくれ!!」

羽交い締めになり妹紅を止める慧音

 

「落ち着いていられるかよ!!なんなんだよ!!訳が分からない!!なんで!慧音はそう納得してるんだよ!!」

妹紅は人里で見かける人形遣いの魔女と幽鬼の関係を見てしまったが、それ以外に関係を持つ女性が幽鬼の周りにいた事を知らされて、更に自分の古い旧友までもが加わったと聞いたら驚かずにはいられなかった…

 

(これじゃぁ…父上の二の舞じゃないか!!)

同時にそう考えていた

 

「も、妹紅!!ひとまず落ち着いてくれ!!幽鬼も策略とかした訳ではないんだぞ!」

その言葉に妹紅は藻掻くのをやめる

 

「ちゃんと…追って説明をする…私が幽鬼と霊夢から聞いた話だがな…」

ゆっくりと妹紅から離れる慧音

 

「……そうだとしても…私は…」

しかし妹紅はやっぱり納得していなそうだった

 

「…確かに納得だろう…状況が似ているのだから…だから、私の話を聞いてもダメなら…明日、博麗神社に行って…幽鬼に直接に妹紅に話すように…た、頼んでくるぞ…?」

慧音がそう言うと妹紅が振り返った

 

「そう、なら…直接アイツから聞きたいね…慧音、私の家に明日連れて来い…私の納得いく理由を聞かせろと…伝えてくれ…」

妹紅はそのまま教室から出て行ってしまった

「はぁ…」

一人残された慧音はガックリと頭を下にたれ、ため息を吐く

 

「……色々とゴタゴタしてしまったな…幽鬼に申し訳ない事をした……うむ…しかし、裏を返せば…幽鬼と妹紅の所まで二人っきりと言う訳だな…………ゴクリッ…///」

慧音の顔は赤くなり、生唾を飲み込む

 

「はっ!何を良からぬ事を!…も、妹紅にちゃんと納得させねば意味が無いんだぞ……冷静にならなくては………フヘヘ…//」

 

何処が抜けてしまった人里の半獣半人教師…

誰もいない、教室で所々で腑抜けた幸せそうな顔をしていた…

 

 

 

 

 

 

 

ー 迷いの竹林 ー

 

 

 

大きな屋敷の門前にフラフラしている人影

 

「ウサ〜…暇ウサ〜…おっ?戻ってきたウサね〜」

垂れたうさ耳をピクっと反応させる

 

「アンタ、何をしてんのよ…お師匠の手伝いはどうしたのよ?」

竹林の中に伸びる道から現れた人物

 

「そんなんとっくに終わってるウサ…それよりも帰って来たなら直ぐに報告するようにって言ってたウサよ〜」

フラフラと屋敷の中に入って行った

 

「はいはい…今行く所よ…よいしょっと…」

笠を取り、現れるうさ耳…

 

「さて…早く報告しなくっちゃ…」

彼女もまた屋敷の中へ入って行ったのだった

 

 

 

 

 

とある座敷部屋

 

 

 

 

「……ついに…あの時と同じ、満月がくるのね…」

障子の空いた窓から空を見上げる女性の姿…

銀髪の長く伸びた三つ編み結び腰近くまであり、独特な赤と青の左右で色の分かれる特殊な配色の服を着ていた

 

「お師しょう〜…戻りました〜」

「えぇ…お帰りなさい、ご苦労さま…優曇華…」

後ろから声が聞こえ、声がした方に振り向きながら入ってきた人物の名を呼ぶ

 

「……はぁ…ししょー…すみません、少し予想外な事が…」

優曇華と呼ばれた彼女は早速、先程の人里の事を報告をするのだった…

 

 

 

 

 

 

〜 少女説明中 〜

 

 

 

 

 

「…………」

 

「……どうしますか…ししょ〜…?」

 

報告を聞いた銀髪の女性は黙ったまま空を見上げ直す

すっかり空は暗くなり、辺りを月明かりが照らしていた

 

「優曇華…この事は誰にも言わないのよ…?落ち着くまでね…もし…姫の居場所がバレたら…」

深刻そうな顔をして言う

 

「…わかりました…それでは外を出歩くのもしばらく辞めると…?」

優曇華が聞くと

 

「…そうしてちょうだい……満月が終わるまでね…さて、優曇華?…そろそろ下がっていいわ、報告ありがと…」

 

「…はい、失礼しました」

優曇華は軽く頭を下げて、部屋から出ていった…

 

 

一人になる銀髪の女性…

 

「……予想外だったわね…永遠の中に関わりを持つ人物がいるなんて……」

 

月を再び見上げる女性、美しく照らす月明かり…

だが彼女は目を細め睨みつけていた

 

「……本格的に…結界を強くはらなきゃね…連れていかれてなるものか…」

 

 

その表情は美しくも、殺気が溢れていた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜・とある部屋・<少女達会話(ガールズトーク)>

 

 

 

 

 

薄暗く灯るランタンを囲っている人物達…

 

 

喘息紫モヤシ魔女・「……状況的に有利なのは霊夢ね…」

 

森の人形遣い・「…それに一人増えたって聞いたけど…本当に?」

 

喘息紫モヤシ魔女・「えぇ…確かな情報…そうでしょ?」

 

瀟洒なメイド・「はい、確かでございます…人里の寺子屋の教師でした…」

 

森の人形遣い・「そう……で?…この状況は説明したの?…結構生真面目な人でしょ?」

 

魔法使いの吸血鬼・「でも〜、お兄様はそういう人だと納得させちゃうんじゃないのかな?…後はそのきょうし?って言う人が折れかけて…お兄様に優しくされて…キャッ//♪っじゃない?」

 

喘息紫モヤシ・「…ありえるわね……」

 

瀟洒なメイド・「妹様の言う通りかもしれません…」

 

森の人形遣い・「幽鬼なら…そうね…」

 

魔法使いの吸血鬼・「でしょ〜?…でもお兄様には沢山優しい事を言われたいな〜♪」

 

喘息紫モヤシ・「純粋ね…でも、悪くないわね…」

 

森の人形遣い・「……囁いて欲しいわね…」

 

瀟洒なメイド・「…ですね…言われたいです…」

 

森の人形遣い・「あら、言われたのじゃないの?…貴女から幽鬼の濃い匂いがするのはそういう事でしょ?」

 

瀟洒なメイド・「……なんの事でしょう…?」

 

森の人形遣い・「…とぼけなくても分かるわよ…」

 

喘息紫モヤシ・「そうよ…分かるわ、幽鬼の匂いよ…特にスカートの辺りから…ね?」

 

瀟洒なメイド・「………しっかりと洗ったはずなのですが…」

 

魔法使いの吸血鬼・「隠さなくても大丈夫だよ〜?…私も含めてここにいる皆そうだしね〜♪」

 

喘息紫モヤシ・「……ここにいる時点でライバルだけど…同じ人を好きになった集まりなのだから……それで…どうだった?」

 

瀟洒なメイド・「……とても愛くるしいお姿を見れました…それでいて…とても優しく、丁寧で…ふふっ♪」

 

森の人形遣い・「……」

 

喘息紫モヤシ・「……」

 

魔法使いの吸血鬼・「2人の目が怖いんだけど…」

 

かりちゅま・「…あんた達…何しているのよ…」

 

 






ヽ(`Д´)ノウワァァァァァン!!ネタギレで遅くなったよォー!!

(´・ω・`)眠気との戦いの中、書いております…

(´・ω・`)1回どこかで…攻略済みの女性陣をだしたいです

すみませんが、待ってて下さい


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竹取愛物語


( ´ ꒳ ` )ノども、亜麻乃です
また凄く時間が掛かってしまいました…
本当にお待たせしました
生きてます!!

( ̄▽ ̄;)自分で納得出来る物語が出来なくて…

今回でもこたんは完了します(๑>؂•̀๑)テヘペロ

※独自解釈の内容が含まれます、苦手な方はご注意ください


 

 

 

「………はぁ…退屈ね…本当に…」

縁側に仰向けになっている少女

 

長く伸びた綺麗な黒髪が広がっているのも関わらず…ただ仰向けになって上を見ていた…

 

 

彼女の名は…

 

 

「蓬莱山 輝夜」

 

あの竹取物語に出てくる、かぐや姫本人と言っても違いはない…

 

服装は上衣がピンクで、大き目の白いリボンが胸元にあしらわれており、服の前を留めるのも複数の小さな白いリボンである。袖は手を隠すほどの長さと幅があり、ピンクの上衣の下にもう一枚白い服を重ね着している

腰から下は、日本事情を連想させる赤い生地のスカートに、その下に白いスカート、更にその下に半透明のスカートを三重に穿いているようである。スカートは非常に長く、地面に付いてなお横に広がるほどだが、服自体はいわゆる着物ではなく、和風仕立ての洋装といった感じで、まるでドレスのような印象を受ける。

 

彼女の持つ能力は…

 

「永遠と須臾を操る程度の能力」

 

説明をすると長くなるのだが…簡単に言うと…

 

永遠は…永遠のその物で穢れや人や時間まで干渉されずに いわゆるチート能力である

 

 

彼女もまた…蓬莱人…

死ぬ事も朽ちる事もない輪廻から外れた人物だ…

 

 

「…今の時間が勿体ないか…言ってみたいわね〜、そんな事……まぁw無理だろうけどねw」

彼女は1人妹紅に言われた事を思い出し笑う

 

「………本当に…つまらない…」

急に静かに呟く輝夜

 

「ひめさまー?いるウサかー?」

そんな時に部屋の入口の方から声が聞こえて

 

「あら…何かしら…入って大丈夫よ〜」

入口に声をかけると襖があく

 

「また、何だらしなく寝そべっているウサか…」

そこにはピンク色のワンピース、首元に人参型のネックレスをぶら下げてるタレうさ耳を生やした黒髪ボブショートの少女の姿があった…

 

「何かあったの?てゐ?

現れた少女に聞く輝夜

 

「最近、姫さんが外にまた出なくなったってお師しょー様が言ってて、少し様子を見て来いって頼まれたウサよ」

てゐと呼ばれた彼女は答えた

 

彼女の名前は因幡てゐ

あの有名な因幡の白兎……とも言われている…

 

能力は「人間を幸運にする程度の能力」

他人に幸運を運ぶ能力なのだが…

 

それとは裏腹に…

 

 

「こう見えても、私も忙しいウサよ〜?」

やれやれと首を振るてゐ

 

「貴女の場合は変な罠とかイタズラでしょ?」

「にしし〜♪大切なお仕事ウサ♪」

輝夜に指摘されるが怪しい笑いを出すてゐ

 

 

「そういえば…姫さん?竹林の宿敵と最近会ってなさそうだけど、なんかあったウサか?…まぁ、ししょーから屋敷から出るなとは言われてるウサけど…守る姫さんじゃないウサよね?」

 

「何よ…その毎回、言うこと聞いてない見たいな言い方…アイツはしばらく相手しないって言われたのよ…行っても見かけないしね〜」

ジト目をてゐ向ける輝夜

 

「……いや、さりげなく屋敷の外を出てるウサね…でも、兎達に聞いたウサけど…最近、宿敵さんのお家に見知らぬ男女が住み込んでるらしいウサよ?」

 

「……何それ…ふっ、てゐ…私が暇だからって変な冗談はやめてちょうだいw?」

輝夜はてゐの軽い冗談だと受け止めた

 

「まぁ、嘘だと思うのであれば…それで良いウサよ〜…実際、少し兎達の間では広まってる話しウサけどね〜、じゃ、失礼するウサ〜♪」

そう言い残し、てゐは部屋から立ち去った

 

「全く、おかしな話ね…はぁ…」

再び空を見上げる輝夜は軽くため息が出る

 

「………ふっ♪…そうね…向こうが来なければ…私から行けば良いだけじゃないの♪…久々に奇襲かけてやるわ♪」

唐突に笑みを浮べ、立ち上がる

 

「よし♪前は急げ♪…どう殺してやろうかしら♪」

輝夜はそう笑みを浮かべたまま、いつもの死愛相手の住処を目指し飛び出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜 竹林・妹紅の家(竹やぶの影) 〜

 

 

「さーて…来ては見たものの…居るか確かめなきゃね〜♪」

ひょこっと竹やぶの影から家の様子を見る輝夜

 

「ん〜…部屋の中は火の灯りがともってるから確実に居るわね……にしても、珍しいわね…」

輝夜の知ってる中で妹紅は既に気配を消して就寝しているはずの時間帯なのだ

 

「…………それに…いい香りが…夕げの支度?」

もう少し近くで様子を見ようと動いた瞬間

 

ガラッ!

 

「…っ!?」(ガサッ!!

唐突に家の戸が開いたので、身を隠す輝夜

 

(あちゃ〜…やらかしたかしら?…でも、気配は消していたはず…いえ、少しの殺気でもアイツは反応するから有り得るかもね…どう先手を……えっ…)

身を隠した輝夜は言葉を飲む程の光景を目にした

 

 

 

 

(……なんで…妹紅…アイツ……)

輝夜は目を見開いてしまった

 

 

 

 

 

 

 

妹紅が着物を身にまとっていた…

 

 

(…な、なんで?…えっ?えっ?…ぇえっ!?)

輝夜は訳が分からなかった

 

(ひ、一先ず落ち着きましょ…うん…よし…えーと?)

輝夜は目線を妹紅の方へ戻す

 

 

「………」(キョロキョロ)

妹紅はソワソワと辺りを見渡して落ち着きが無さそうだった

 

(………あっ…)

輝夜はじっくり妹紅を見たお掛けで気づいた

 

(初めてあった時の…妹紅の格好…)

輝夜は思い出した、1番最初…妹紅と接触した時に見た、着物によく似ていることに…

 

 

(あん時は…牛車の前に飛び出して来て…何かと思ったら…「お父様を返せ!」だ物ね……ふふっ…懐かし…でも…なぜ?)

輝夜は知っている…

 

妹紅は女を捨てている…

 

着物を着ることがもう無いことを…

 

しかし、そんな妹紅が髪を下ろし…

着物を着ていて、よく見ると薄ら化粧もしている

 

(……遂に…諦めた…の…?)

輝夜はどこか寂しそうな顔になった

 

 

 

しかし、輝夜はもっと信じられない光景を目にするのだ…

 

 

 

 

「………あっ…!」

妹紅が何かに気づき、駆け出した

 

(……んっ…誰かきた?)

輝夜もその人物を目でとらえていた

 

 

 

「すみません、妹紅さん…遅くなって…(汗」

輝夜の耳に聞きなれない声が聞こえた

 

(…えっ…えっ?…お、男?……っ!?…こ、この感じ…)

輝夜は驚くと同時にさらに感じた…幾度と妹紅を通して感じた

 

繋がりを…

 

輝夜が困惑している中…

 

 

 

「…ま、また…慧音か…?」

何処か不満そうに聞く妹紅

 

「…あー…なんと言うか…慧音さんは…別で…あれです…霊夢さんが、中々離れなくって…はい…」

少し困った顔をする

 

「……楽園の巫女様も…そんなんで大丈夫なのか……うん…まぁ、しょうがない……なぁ…ほら…さっさと…してくれよ…//」

 

(え…妹紅!?な、何よ!?何すんの!?)

輝夜は妹紅が顔を赤らめ目の前に立つ男に両手を広げて、何かを待っている姿を見て目が離せなくなる

 

 

「妹紅さんもだいぶ素直になりましたね…♪」

 

「う、うるさい//……ゆ、幽鬼が…こうさせたんだぞ……は、早く…//…私を…//」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「人に戻してくれ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

(えっ……?)

輝夜は固まった

 

 

 

幽鬼と呼ばれた青年は笑顔で答えた

 

 

 

 

 

「……分かりました」

 

 

 

 

 

 

 

 

青年は妹紅を抱きしめた

 

 

妹紅の身体が光出し、包まれた

 

 

その瞬間、妹紅の髪色が銀髪から黒髪へ戻っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(……え…え…えぇぇぇぇえぇあぁぁぁ!?!?)

輝夜は心の中で絶叫する

 

 

 

 

 

 

 

「……んっ…終わったの…?」

光が収まり目を開ける妹紅

 

「はい、元に戻ってますよ…」

幽鬼は妹紅に優しく微笑む

 

「……そっか…でも、毎回抱きしめなきゃならないのは…どうにかならないの…//?」

人の肌色になるが、赤くなっている妹紅

 

「……最終的にちゃんと人に戻せるのは…これでしたし…それとも…嫌でしたか?」

 

「そ、そんな事は…な、無い…//」

 

「良かった♪…さらに抱きしめます!!」

妹紅の返答に幽鬼はより抱きしめた

 

「ひゃぅぁっ//!勘弁してくれ//!!」

声とは裏腹に表情はとても嬉しそうだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(そ、そんな…し、信じられない…)

輝夜は震えながらそのやり取りを見ていた

 

 

 

 

 

妹紅が人へと戻ったのだ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜・1週間前・〜

 

(ー・41話の翌日・ー)

 

 

博麗神社にて、霊夢、幽鬼、慧音がいた…

 

「………と言う訳なんだが…」

妹紅の事を説明して、事情をあらかた話した慧音

 

「…まぁ…何となく分かっていたけど、昨日と今日よ…流石に色々とペースが早いわね…そこん所どうなのよ、幽鬼?」

霊夢はお茶を入れている幽鬼に聞く

 

「…そ、そうですね…妹紅さんとは他の人達に比べると知り合った時期は短い…とは思いますが…寺子屋に行ってた時に会えば結構長く話してはいましたよ…あ、慧音さん、お茶どうぞ」

慧音の前にお茶を置く

 

「あぁ…すまない、ありがとう……今回については、私にも責任があるが…やはり幽鬼から直接話を話してはくれないだろうか…?…ズズッ…」

慧音は置かれたお茶を軽く飲む

 

「自分は構いませんが…霊夢さん、行ってもいいですか?」

チラッと霊夢を見る幽鬼

 

「……別に私は…幽鬼が怪我とかしなければね…後は…そうね…なるべく早く帰って来なさいよ?」

 

「分かりました、ありがとうこざいます」

霊夢に笑顔で答える幽鬼

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして幽鬼は慧音と一緒に妹紅の家へ向かうことになった

 

 

 

 

〜 道中 〜

 

 

「それにしても、慧音さんも大胆な事をしますね?」

 

「む?…な、何がだ?」

唐突に言われ驚く慧音

 

「妹紅さんに自分との関係とか…気持ちを打ち明けた事です…」

 

「ま、まさか…おかしかったのか?もしかして、今回の妹紅のへそ曲がりも私が話したからか?」

動揺する慧音

 

「あ、違いますよ!…えーとですね?…自分とかは男女の関係になった事を言うとするとそれなりに日が経ってから話すので…やはり、関係が必ずしも上手く訳ではないので…」

 

「ふ、ふむ…宣言しといて早々に関係が終わってしまっては後味が悪くなる…と言う事だな…?」

 

「はい、そうです…自分もやはり身勝手とはいえ…慧音さんを含め色んな方と関係を持っているので…はい…」

申し訳なさそうに言う幽鬼

 

「……そうか、そうだよな…私は幽鬼を一人想っていても、幽鬼は想われてる数が1つではなかったな…すまない…軽率な行動だったかもしれん…」

軽く頭を下げる慧音

 

「謝らないでください、慧音さん…確かに大変ですが…実は素直に言うと…嬉しいのが殆どなので…」

 

「そうなのか…?」

 

「…はい、やはり…慧音さんみたいな…綺麗で素敵な人とお付き合いできるのは…嬉しいです…」

 

「なっ…//なっ…//うむぅ…//」

赤くなる慧音

 

「…だから、こんな自分を想ってくれた人達の想いを受け止め、大切にしていきたいんです…まぁ、周りに甘えてるだけかもしれませんが…」

 

「そ、そうか…//…だが、幽鬼はそのままでいいかもしれないな……わ、私にも…甘えて…ほ……ほしい…//…ゴホン!!、だが…!!幽鬼1つだけ勘違いをしているぞ!!」

 

「か、勘違いですか?」

声を張り上げる慧音に驚く幽鬼

 

「そうだ!…私が妹紅に話したのは幽鬼との関係はずっと続いて行くものだと……ま、まぁ…は、初めて…で…気持ちがフワついてたのも…だから…こそ、妹紅にも…この気持ちを理解して欲しかった…//」

赤くなる慧音

 

「…分かりました、今回の妹紅の事もちゃんとすまして、慧音さんの想いも受け止めますので…よろしくお願いしますね」

笑顔で答える幽鬼

 

「う、うむ…よろしく頼む…//その…頼みがあるのだが…//」

モジモジしだす慧音

 

「なんでしょ?自分に出来ることであれば?」

 

「………そ、その…だな…て…手を…繋いで…いいか///?」

ごにょごにょと小さい声で話す慧音

 

「…ハハッ…えぇ、その位ならお安い御用ですよ♪」

手を差し出す幽鬼

 

「………す、すまない…//」

慧音は幽鬼の差し出された手を握る

 

握られた手から伝わる慧音の体温はとても暑く感じ、竹林の中でも妹紅の家の近くまで手を繋いだまま、一緒に並んで歩いて行ったのだった

 

その光景を竹林に住む兎達に見られてるとも露知らずに…

 

 

 

 

 

 

 

〜・妹紅宅・〜

 

 

「………」

 

「………」

 

「………」

 

 

妹紅の家の中に入り、幽鬼と慧音は囲炉裏を囲って座って、何も喋らずに黙ったまま数分経っていた

妹紅は慧音と囲炉裏を挟んで向かい合う位置に腰掛けた…

 

「…………」

何も喋らず、ただジーッと幽鬼達2人を交互に見ていた

 

「…も、妹紅…幽鬼をちゃんと連れてきたぞ…?聞きたいことがあるんじゃないのか…?」

耐えかねた慧音が妹紅に話しかける

 

「…………」

チラッと慧音を見る妹紅

 

「その為にここまで連れてこいと…言ったのだろう…いつまでも黙ってたら埒がないぞ…?」

妹紅の目を見て話す慧音

 

「…………」

妹紅は慧音から視線を外し、幽鬼をチラッと見る

 

「…??…(ニコッ」

目があった幽鬼は軽く笑顔を見せた

 

(うーむ…どうしたものか…)

慧音が妹紅の反応を見て長期戦になるかもしれないと思い始めていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、沈黙が破られた

 

 

 

 

 

 

 

 

「……幽鬼、お前は自分の周りに起きている事は…理解しているのか…?」

妹紅が口を開いた

 

「!!」

慧音が驚き、目を向ける

 

「…起きている…ことですか…?」

幽鬼は静かに聞き直す

 

「………お前は…自覚して、色んな奴らと……私の知らない連中と…仲良くしてるのか?

ただ単調に聞く妹紅

 

「……はい…妹紅さんが認知していない方達とも…関係を結ばせて貰っています…」

幽鬼がそう答えると少し妹紅の表情が歪む

 

「……も、妹紅…分かってくれとは言わない…ただ知っていて欲しい…幽鬼は…「慧音は黙ってて…」……うっ…」

慧音がフォローしようとしたら妹紅に静かに威圧された

 

「……死なない私は日数、年数なんて…関係ない…だけどな、お前と知り合った数ヶ月間は…違ったんだ…」

静かに語り出す妹紅

 

「……お前と知り合ってからの今日まで…短く感じた………お前と会って、寺子屋で慧音と一緒に他わいもない話をする…一緒に茶屋に行った時も…その日が終わるのが早く感じた…」

 

「妹紅…」

慧音は静かに聞くことに決めた

 

「……永い時を生きてる…死ぬことも老いることもない…私はおいてけぼりにされる…だから、避けて生きていた……どうせ1人になるのなら…1人のままで生きていけばいいと…」

静かに語り続ける妹紅

 

「……だけどな…お前が現れてから考え方が変わって来てたんだ…けどな…」

じっと幽鬼を見つめる妹紅

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前が他の奴と一緒にいる所を見た時…分からなくなった…」

 

 

 

 

 

 

 

アリスと人里へ歩いていた所を…

 

そこで幽鬼にアリスが接吻をしていた所を…

 

 

 

 

「あの時…から…私の中で何かが壊れて…何かが芽生えたんだ……だけど、その後に慧音が…お前との報告だ……訳が分からなくなったよ…ふざけんなって正直思った…アイツと同じ…人の気持ちを弄ぶクソ野郎だとね…」

幽鬼に殺気の目を向ける妹紅

 

 

「……重なったんだ……!!」

その瞬間、妹紅は手のひらに炎を滾らす

 

「妹紅!!ダメだ!!」

咄嗟に幽鬼を庇う慧音

 

「お前の気持ちは確かに分かる!!だが!ここにいる幽鬼はそんな事を想ってやる奴ではない!!…妹紅!!それは、お前も知っていだろ!!」

必死に説得をする慧音

 

「…………んなこと…分かってるよ!!」

涙を流し始める妹紅

 

「わからないんだよ!!知りたくても!!知りたくないこの感情が!!…それを知ったり、認めたら!…私は!!」

 

「……妹紅!!」

必死に慧音が叫ぶが妹紅の滾る炎は収まらない

 

 

 

すると、静かに幽鬼が語り出した

 

 

 

 

「今は昔、竹取の翁といふものありけり…」

 

「!?」

 

「ゆ、幽鬼…!」

妹紅の動きは止まり、慧音は振り向いた

 

 

「やはり…ですか…妹紅さん…貴女が自分と誰が重なっているのか分かりましたよ…」

東方の知識を頭の中でフル回転させながら、とりあえず妹紅を落ち着かせようと喋り出す

 

「ゆ、幽鬼…お前……まさか…」

 

「…こう見えて外の世界の知識を持ってるんですよ…詳しい事ははぶきますが…この話は一部の人を覗いて知らない事なので……内密に…」

勘づいた慧音に笑顔で答える

そして、真剣な顔で妹紅に向き直る

 

「…秋田なよ竹のかぐや姫………自分を重ねた…人物…ですね?」

 

「………ッッ…!」

じっと幽鬼を睨みつける妹紅

 

「…東ひんがしの海に蓬莱といふ山あなり。それに白銀を根とし、黄金を莖とし、白玉を實としてたてる木あり。それ一枝折りて給はらん…意味は分かりますよね? 」

幽鬼は何か挑発しているように言う

 

「ゆ、幽!?…ッ!?」

慧音が止めようとするが幽鬼に静止される

 

「…………」

妹紅は憎悪に満ちた顔を向け震え出す

 

「………まぁ…無茶な注文を受けたとはいえ…必死になるもんですねぇ…」

 

「だ……まれ…」

 

「あるも分からない…物を持ってくれば結婚か…これを信じた人は馬鹿ですよ…」

 

「だ…まれ…だまれ…!」

 

 

 

 

幽鬼は言い放った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「残された娘の事なんて忘れて…」

 

 

 

 

 

 

 

「ダマレェェェェ!!!!」

 

「ウグッ!?」

妹紅は幽鬼に殴りかかり馬乗りになる

 

 

「お前に!!何が!!わかる!!」

ドガァッ!バギッ!

 

「一人!!残された!!気持ちが!!」

メキッ!ドズッ!

 

「寂しさが!!悲しさが!!悔しさが!!」

ドゴォッ!ガンッ!

 

「妹紅!!やめろ!!」

慧音が羽交い締めにして止める

 

「うるさい!…やっぱりこんな奴…!…!」

殴り続け、血で染まったはずの手の甲に目を向ける

 

 

しかし…

 

 

「な…なに……?」

妹紅は見て驚いた

 

 

 

 

 

 

幽鬼は全くの無傷だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「少し…感覚の縁をいじらしてもらいました…」

幽鬼はゆっくりと起き上がる

 

「ぐっ……「妹紅!落ち着け!」…うるさい!話せ!!!…信用したのは間違いだった!!」

必死に慧音を振りほどこうともがく

 

「…それで信用が無くなっても…自分は構いません…ですが!…自分は…妹紅さんと深く繋ぐ関係でいたいと思っています…貴女が…1人では無いと言うことを…慧音さんもいる…!貴女の事をずっと気にかけてくれてる!……自分と知り合う前から貴女は一人ではないんだ!!」

妹紅に向かって怒鳴る幽鬼

 

「……」

妹紅はそんな幽鬼から目線を外し、険しい顔になったまま黙ってしまった

 

「深い怨みに傷ついた心は自分が傍に居て、どうこう出来る事じゃ無いかもしれません…ですが、…短い人の人生の中で慧音さんと他の皆さんとも大切な時間を過ごしたいと思っています…信用しろとは言いません…でも、出来るなら…」

 

 

 

 

 

 

 

「妹紅さんとも一緒に過ごしたい…」

静かに幽鬼は妹紅に言った

 

 

 

 

 

 

しばらくの沈黙…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妹紅に対して言い放った幽鬼だが…

 

 

 

 

 

 

実は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『(;`Д´)やべぇぇぇ!?焦って何言ってるかわからなく無くなったぞぉぉ!?』

 

 

 

 

内心めちゃめちゃ焦っていた…

 

 

 

 

 

 

 

 

『もこたんの話を少しでも理解してるアピールしようとしたら裏目に出たァァ!?…まさかのマウントとって拳連撃してくるとはぁぁぁっ!?……咄嗟に当たらなくしたけど…不意の一発目は当たった…(´;ω;`)痛かった……取り敢えず弁解を必死にしようとそれっぽい事を言った…言ったはずなんだけど……正直何を言ってんのか自分自身でもわからんわ……あぁ〜…燃やされるかな〜…けーねにも嫌われたかなぁ……うわぁ…なえるぅぅ…………あ、無事に終わったら…誰かに慰めて貰おう…』

 

 

数秒間の事である…

 

 

 

 

 

 

「………」

 

 

「………」

 

幽鬼と妹紅は互いに沈黙が続いた…

 

 

 

 

「……妹紅…いい加減…彼を彼女と重ねるのは辞めないか…?…幽鬼は違うんだ……ぶっきらぼうで…生真面目な私でさえ…彼に魅了されてしまったんだ……確かに、周りから見れば納得の行かない状況かもしれない…」

慧音が諭すように妹紅に言う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう少し彼を…信じてくれ…」

慧音は羽交い締めしていた状態から優しく抱きしめた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

憎悪に染まる心…

 

怒りに任せて動いた身体…

 

復讐を糧に折れずにいた精神…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それだけじゃない…

 

 

 

 

彼女は…

 

 

 

 

 

 

 

孤独(ひとり)だった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一人になるなら…孤独のままでいい…

 

 

 

孤独になるのなら…一人でいた方がいい…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なぜなら…

 

 

 

 

 

 

泣くことはないのだから…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…妹紅…?『……』…ぅわっ…!」(ドサッ

妹紅は力なく倒れるように座ってしまった

バランスを崩した慧音もそのままつられて腰をついた

 

 

「………妹紅さん…」

「………妹紅…」

慧音と幽鬼が声をかける

 

 

 

 

「………もう…どうして良いか分からない……今の今まで…避けてきた…人と繋がる暖かさ……今更…また、感じた所で…私は…私は………」

ゆっくりと静かに喋り出す妹紅はゆっくりと幽鬼を見る

 

 

 

 

 

 

「結局…一人に…なるんだ…」

頬につたう妹紅の本当の

 

「こんな臆病者に…お前と一緒に居る資格なんて無いんだ…だから…だから…私を…」

幽鬼に最後の一言を言おうとした瞬間

 

 

 

「一人にしてくれとか、忘れろなんて言っても無駄ですからね…」

幽鬼の声が遮った

 

 

 

「知り合った時にも言いましたが!妹紅さんが何と言おうと距離を置こうが自分は…自分と妹紅さんの繋がった縁は切りませんし、慧音さんとこれからも関わっていきますよ!…貴女の…友人として!!」

 

 

 

 

 

 

「もう一度言いますよ……貴女は…一人なんかじゃない…!!」

静かに妹紅の手を握り幽鬼は言った

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間、妹紅は涙を流し、静かに泣き始めた…

慧音は両肩を後ろから支えながら、静かに見守っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして…幽鬼は思った…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もこたんこうりゃくかんりょう

ぶち壊しである(某・ちび〇子のナレーション風)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後は、ひとまず落ち着くまで慧音が家に残り、今度は2人で話をすると言って幽鬼を博麗神社に帰らせようとした

(あまり遅くなると霊夢の迎えが「強制的に」来る)

 

幽鬼が戸を開け、外に出ようとした時に不意に妹紅に言われた…

 

 

「………私は……しつこいからな…」

 

 

 

末尾に「…慧音…よりはしつこくないが…」とボソッと聞こえたような気がしたが「どう言う事だ!!」と慧音が声をあげ、2人の話し合い(口論)が始まり、幽鬼は巻き込まれないように静かに戸を閉めて帰路に着いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(道中に霊夢が迎えに来ていた所に出会い、無事に帰路に着いて(強制送還)就寝した(搾り取られた))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜・場面は戻る・〜

 

 

 

 

「…そ、そろそろ…中には…入らない……か//?」

抱きしめられて数分間、妹紅は恥じらいながら切り出した

 

「おっと…すみません、つい…しつこかったですね」

苦笑いしながら、離れた幽鬼

 

「い、いや…だ、大丈夫だ…//そ、それよりも飯は食べたのか?……簡単な物を作ったんだけど…」

妹紅は片手だけはしっかりと繋ぎながら言ってきた

 

「えぇ、大丈夫ですよ…しっかり食べずに来たんで♪」

「クスッ…な、なんだよそれ…//」

幽鬼の返答に軽く笑う妹紅

 

「………慧音は…何か言っていたか…?寄ってから来たんだろ?」

 

「…えぇ、でも特に何も無かったですよ…?とりあえず…今の所は…はは…(汗」

何か苦笑いを浮かべる幽鬼

 

「何かあるなら、隠さずに言ってくれ……」

ギュッと握ってる手に力が入る

 

「……いや〜…あの…自分のスタミナ不足です……」

申し訳なさそうに言う幽鬼

 

「………あっ…//」

ボンッと顔が赤くなる妹紅なり、お互いに少し黙ってしまう

 

 

「……と、とりあえず!中に入って飯にしよう…//!」

気まづくなった妹紅が声をあげる

 

「そ、そうですね!!夏に近いとはいえ、まだ夜は冷えますしね!…お、お邪魔します!」

そう言って2人は家の中へ入って行った…

 

妹紅にとって、永く短い幸せな一夜が始まった…

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

外に一人で様子を見てた彼女を除いて

 

 

 

 

「……………………」

竹の影からずっと覗いていた輝夜は放心していた…

 

 

 

あの妹紅が近くに殺気を出している自分に気づかなかった…

 

 

 

 

あの妹紅が化粧して、綺麗に着飾って、自分の知らない相手と親密にしていた…

 

 

 

 

 

あの妹紅が自分と死愛をしている時、以上に顔に生気が帯びていた…

 

 

 

 

 

考えがまとまらずに…

 

処理も間に合わずに…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

輝夜は一つの想いが出た…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうして妹紅が先に…?

 

 

 

 

 

 

 

 

「……フフ………フフフっ………」

静かに笑みを浮かべ、上を見上げ、夜空を仰ぎ見る

 

 

 

「………良い事思い付いた♪」

輝夜は一つの考えに至った

 

 

輝夜は妹紅に嫉妬したのだ…

 

今の今までお互いの終わる事の無い時をぶつけ合う事で過ごしていた…

 

それしか無かった…

 

しかし、妹紅はそれ以外に見つけた…

 

見出した…

 

自分より先に…

 

 

 

 

 

 

 

違う遊び相手を(暇つぶし)

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆっくりと来た道を歩き出す…

 

何か新しい玩具を見つけた時の無垢な子供の表情……

 

 

 

 

それとはまた別の…

 

 

 

 

 

 

新しい玩具で遊ぶ子の玩具をどうやって自分の物にしようとする…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

企みの表情をしていた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「妹紅だけ遊ぶの(暇つぶし)は駄目よ♪」

 

 

 

 

 

 





生きてます!!(2回目)

大変お待たせしましたm(_ _)m
少しづつ書いていたのですが…自分の中で妹紅と言うキャラをなるべく壊さずに書こうとしていたら遅くなりました…

書いては修正の繰り返しでしたw
結構あっさり主人公に惚れている様に見えるかもしれませんが…作者である自分の出来る限りの表現です

しかーし!!楽しく読めるように頑張ります!!

(・∀・)末尾に皆さんの想像にお任せしますと言う感じを目指した、頭の悪い作者でした!!

とりあえず!!もこたんはハーレム追加って事で!!

ここまで読んで頂きありがとうございました!!


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前夜の騒ぎ(その1)・魔女の目覚め



(・ω・)ノども、亜麻乃です
今回もだいぶ頭が悪い内容になっております

夜中のテンションで…
ウオオオオアアアア\( 'ω')/アアアアアッッッッ!!!!!
って書いてました…

夜になるともう1人の僕がががっ!!??
みなさんもありません?夜中のテンション…(真顔

とりあえず、異変が始まるのはもう少しお待ちを!!
いやー…えーりんとぐーやが結構難易度高くて…

( ^ω^)今回のお話も頭空っぽにして見てください!!



 

 

昼下がりの博麗神社に重々しい雰囲気が流れていた…

 

 

 

鳥居の下に陣取る人影

「……………」

仁王立ち楽園の巫女

 

 

その正面に対するメンバー

 

「……………」

竹の子こさえた(なるべく長くいたい)竹林の案内人

 

「……………」

菓子折りを持った(白玉楼へお誘い)冥界の庭師

 

「……………」

主の名で(と言う名目で襲いに)来た瀟洒なメイド

 

「……………」

メイドに着いてきた(構って貰えてない欲求不満)紫モヤシ

 

「……………」

クッキーを焼いて持ってきた(会話したい)森の人形遣い

 

「……ぜぜ…」(キョロキョロ

たまたま居合わせた(様子を見に来た)普通の魔法使い

 

 

 

一人を除いてここに居る彼女達は幽鬼に会いに来たのだ…

 

 

「……魔理沙…あんたはちゃっちゃと中に入ってなさい…」

霊夢がキョロキョロしている魔理沙に声をかける

 

「……ぜ…だ、大丈夫なのかぜ?…お、怒らないのぜ?」

 

「なんで何もしてないアンタを怒らなきゃならないのよ…ほら、中に入って幽鬼にお茶でも入れさせて、飲んで待ってなさい…私はコイツらとお話してから行くから…」

 

「…じゃ…は、入ってまってるぜ……」

そろそろと静かに横を通って中に入って行った…

 

横目で霊夢を見た魔理沙は気づいた…

霊夢が自分以外の居るメンバーに対しての敵視と盗人相手に向ける視線を…

 

 

(霊夢…変わったぜ………変わりすぎだぜ!?)

しかし、背中に痛いほど視線が突き刺さっているので振り向かずに小走りで向かった

 

 

 

「おい…なんで、あの白黒は良くて私らは駄目なんだよ…」

妹紅が静かに言う

 

「魔理沙は別よ…あの子は幽鬼のただの友人で、私の腐れ縁だしね…アンタらみたいに幽鬼を連れて行こうとなんて考えて無いからね…」

霊夢は仁王立ちしたまま答える

 

「れ、霊夢さんっ!わ、私は幽鬼さんを連れて行こうなんて思って無いですよ!?ただ白玉楼へ夕食(夜の営み)お誘いに…こうして手土産を…!!」

紙袋を差し出す妖夢

 

「そうね…あくまでも私もお嬢様の名(と言う名目)を受けて幽鬼さんを紅魔館(私の部屋)へ招待しに来たの…」

静かに語り出す咲夜

 

「…返却の期間(欲求不満)がとうに来てるの…それを(我慢できないから)催促しに来ただけよ…」

本を読みながら言うパチュリー

 

「なんか色々と篭ってる言い方ね…私はクッキーを焼いて持ってきたの…少し話せれば良いかなって…」

バスケットの中身を見せるアリス

 

「……て、手作り…なのか…やっぱりそう言うのが……わ、私はこの間、幽鬼に渡しそびれた竹の子持ってきただけだ……まぁ…少し話したいってのは同じだな…」

風呂敷に包まれた竹の子を見せる妹紅

 

 

「…………それぞれの言い分はわかった……けどね…全員は無理よ…幽鬼の身体が持たない…これは無茶をしようとする奴を止める博麗の巫女としてでもあり、幽鬼を想う博麗霊夢としてでもあるわ…アンタらも分かってるでしょ?…」

霊夢が静かに問いかけると皆静かになる

 

「……幽鬼は確かに付き合ってくれるかもしれないけど…無茶と無理はさせてはダメでしょ?…そこん所を理解している筈よ…だから今回は事前に幽鬼から聞いていた奴だけ通す…文句あるなら…相手になるわ…」

霊夢は遠回しに黙って聞けと言う

 

そして皆理解したのか沈黙した

 

 

「……物分りがある連中で良かった……それじゃ、通す人物を言うわね…」

 

「「「「………」」」」

皆が固唾をのむ

 

 

「……まずはそこの白髪の…妹紅…って言ったかしら?」

チラッと目線を向ける霊夢

 

「あ…あぁ…そういえば名乗って無かった…慧音の知り合い…藤原妹紅だ…」

名を改めて語る妹紅

 

「そう…アンタが……ね……最近、幽鬼が会いに行っている…」

 

「「「「………(ピクっ」」」」

妹紅以外のメンバーが軽く霊夢の言った事に反応する

 

 

「………そうだ…その…なんだ…慧音共々…幽鬼には世話になってる……よろしく頼む…」

軽く頭を下げる妹紅

 

「ま…ちゃんと今日はアンタが来るのは聞いてたから…中に入ってちょうだい、少しゴタゴタして悪かったわね…」

 

「あぁ…邪魔するよ…長居はしない」

妹紅はそう言って霊夢の横を通る

 

「…別に長居しても構わないわ…アンタには短いかもしれないけど………ゆっくりしなさい…」

そう静かに言った

 

「…………感謝する…」

背を向けたまま礼を言って、中に入って行った

 

「なんか随分訳ありね…」

その様子を見てアリスが言う

 

「訳あり…ね……ま、アンタらも仲良くしなさい…これから嫌って程顔を見るから…さて、次の奴は……」

 

「霊夢?…ちょっといいかしら?」

 

「なに?アリス?」

 

「私は帰るわ…今の見てて何かお邪魔出来る雰囲気では無くなったのよ…だから、このクッキーを幽鬼に渡しといてちょうだい?…後、明後日は人里で待ってて…伝えといてくれるかしら?」

 

「…ふーん…別に構わないけど…明後日って…ナニ??

何故か目付きが鋭くなる霊夢

 

「幽香に幽鬼の服を作る様に頼まれてるのよ…だから、どんなデザインがいいか…とか、サイズとか確かめなきゃいけないの……聞いてないの?」

 

「……服を仕立ててくるとは聞いてたけど…アンタに頼んでるのは知らなかった……わかった…伝えとく…」

 

「えぇ…ありがと…はい、これ中に入ってる物は全部食べちゃって良いわ、もちろん皆で食べてちょうだい?」

そう言ってアリスはバスケットを霊夢に差し出す

 

「はぁ…そんな所を見せられたら私達も居ずらいわね…咲夜…」

パタンと読んでいた本を閉じるパチュリー

 

「えぇ…そうですね、パチュリー様…なので、今回は引くので次の紅魔館への御来館は早めにと幽鬼さんに伝えといてちょうだいね?……貴方の咲夜は待ってますと…」

静かに軽くお辞儀をする

 

「……何、企んでるの…」

アリスのバスケットを受け取りながら睨む霊夢

 

「企んでいないって言ったら嘘になるわね…ちょっとした実験段階の魔具を幽鬼に試して貰いたかった…ってだけ…」

 

「……そんな事聞いて許すとでも?危険なら尚更…」

霊夢の警戒度が上がる

 

「幽鬼の身に危険は無いわ…それは保証する…まぁ、何度か図書館に来て軽く試してたからね…それが形になったからってだけよ……ちょっと待ってて…」

そう言うとパチュリーは別の本を取り出し、何かを詠唱して本の中に閉まってあった魔具を取り出した

 

「ふぅ…傷は大丈夫ね…霊夢、これを幽鬼に渡してちょうだい?…幽鬼に使っても大丈夫な所まで来たから…試してみてって…そこからまた貴方の感想と意見を聞いて改良してくって……言っといてくれるかしら?」

そう言って差し出したのは3つの金のリングだった…

 

「……何それ、装飾品みたいね…ブレスレット?」

アリスがパチュリーに聞く

 

「……まぁ…私がわがまま言って作った奴なのよ…」

「…えっ…??どう言う?」

パチュリーの答えた返答に首を傾げるアリス

 

「パチュリー様…アリスもリンクさせておけばよろしいかと…」

 

「そうね…アリス、コレに少し触れてちょうだい…大丈夫よ、幽鬼もちゃんと触っているから…損はしないわよ…お互いね…」

 

「………触れるだけでいいの…?」

少し考えたアリスは答える

 

「えぇ…手を数秒置いてくれれば大丈夫よ…」

 

「ちょっと、アリス?アンタ大丈夫なの?」

怪しむ霊夢

 

「………アリス?…幽鬼の事…想ってるのでしょ?」

「…………んッ…」

パチュリーに問われたアリスは証明するようにリングに触れた

 

「………はい、ありがと…これで大丈夫よ…言っとくけど、このリングを触れたのは美鈴以外レミィ達全員触れてるわ…」

そう言って霊夢に差し出すパチュリー

 

「………必然的に触れてしまう私はどうなのよ…」

差し出されたリングを凝視する

 

「…損はしないわよ…あと、これだけは確実に言えるわ…私達にとっては……幸せだとね…ぶふっ♪」

そう言って空いてる片手に握らせ、持たせた

 

「よくわかんないけど…幽鬼には渡しとくわよ…」

少し怪しみながらもパチュリーから渡されたリングを見る

 

(……まぁ…良くない物でもなさそうね…何かあったら封印するだけだし…)

そんな事を見て思った

 

「…パチュリー様、そろそろお暇しましょう…遅くなるとお嬢様のご機嫌が…」

 

「そうね…へそ曲げレミィは面倒臭いから、帰りましょう…それじゃ…霊夢、幽鬼によろしく言っといてね…♪」

そう言ってパチュリーは階段に向かって歩き出した

 

「私も帰るわ…霊夢?さっき言った言伝よろしく…」

パチュリーの後を追うようにアリスが続く

 

 

「チョット、パチュリー、セツメイキカシナサイ」

「アルキナガラネ…」

追いついたアリスとパチュリーが話しながら、階段を下って行った

 

 

「…忙しい奴らね…でっ?アンタは行かないの?」

チラッと横にいる咲夜に言う霊夢

 

「えぇ、少し幽鬼さんについて聞きたい事があって残っただけだから…それを聞いたら、私も帰るわよ…お嬢様達のご夕食の用意もしなければならないから…」

 

「そう…で?聞きたい事って何かしら?」

霊夢が聞き返すと咲夜は静かに言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「御奉仕する時、攻め?受け?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し間が空いた後に境内が光に包まれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっ…ちょっと、何が起きたの?」

爆音に気づき、足を止め振り返るアリス

 

「……咲夜が霊夢に聞きたい事があったらしいのだけど……やっぱりまともな質問じゃ無かったみたいね…巻き込まれる前に離れましょう、話なら歩きなら出来るわ」

一瞬足を止め、振り返るがパチュリーはすぐさま階段を降り始めた

 

「………まともな事じゃ無かったのはわかったわ…」

アリスも再び降り始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし…

 

 

 

 

「あ………」

アリスは思い出した…

あの場にもう1人いた事を…

 

 

 

 

 

「妖夢無事かしら…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場面は境内…

 

光が止み、砂埃がはけた所に1人立つ影が…

 

 

「はぁ…はぁ…あの駄メイド…逃げたわね…」

肩を上下に揺らす霊夢だった

 

 

トンデモ質問をぶつけてきた悪魔の従者はその場からいなくなっていた…

 

 

「きゅー……」

冥界の指南役を残して

 

 

「あぁ…忘れてた、妖夢がまだいたわね……ちょっと、起きなさいよ、直撃したわけじゃないでしょ?」

目を回してる妖夢を起こそうと体をゆらすが中々目を覚まさなかった…

 

「……はぁ、全く…しょうがないわね…」

霊夢は気絶した妖夢をそのままに出来ずに幽鬼を呼び、家の中におぶらせて運ばせた

 

実は妖夢もまた事前に来ると幽鬼に聞かされていたのであるが、色んなちゃちゃが入って、影が薄くなっていた

 

 

 

 

 

一方その頃…

 

博麗神社から退散した…

 

魔女2人とメイドは…

 

紅魔館の地下図書館にいた

 

「ふぅ…疲れた、やっぱり歩き回るのは好きじゃないわ…」

いつもの椅子に座るパチュリー

 

「珍しく動くとしたら、幽鬼の為でしょ…」

アリスも腰を下ろす

 

「霊夢に重要な事は聞けなかったのはガッカリです…」

「貴女は一体何を霊夢に聞いたのよ…」

ティーセットを運びながら残念そうに言う咲夜にアリスはジト目を向けた

 

「何をって…幽鬼さんの事で重要な事よ…やはり旦那様の事はなんでも聞いとくのが当たり前よ?」

そんな事当然でしょ?みたいな顔をしながら紅茶を注ぐ咲夜

 

「咲夜、聞く事にも配慮って物があると思うのだけど…幽鬼の事を知りたいって事は分かるけどね…それに1つ間違ってるわよ?」

パチュリーも本を開きながら言う

 

「幽鬼は貴女の夫では無いわよ…」

咲夜を睨むパチュリー

 

「……申し訳ございません」

ゆっくりと入れた紅茶をパチュリーの前に置く咲夜

 

「分かればいいの…気をつけっ『遠くない先の想い人でした、 まだ旦那様では無かったですわ♪』………」

パチュリーの声を露骨な笑みで言いながら遮る

それをパチュリーは更に鋭く睨み返す

 

バチバチと空気が張り詰める

 

「はぁ…2人ともその辺にしなさいよ…同じ場所に住む同士で情けない事しないでよ…お互いに矛を収めて、さっきの魔具について説明してくれないかしら?」

アリスはいつの間にか目の前に置かれたティーカップを手に取り、紅茶の香りを嗅いだ

 

「………そうね、とりあえず先にそっちの説明をしてからね…」

パチュリーは自分を落ち着かせるために咲夜の入れた紅茶に口をつける

 

「…では、パチュリー様…私はお嬢様達の夕食の準備をしてきます…何かありましたらよんでくださいね…それでは失礼致します…アリスもごゆっくり…」

そう言うと軽くお辞儀をして咲夜は姿を消した

 

「全く、最近の咲夜は幽鬼の事になると暴走しがちで大変よ…まぁ…人の事言えないのはわかってるのだけどね…さて、じゃぁ…説明をするわね…あの魔具…カップリングについてね…

パチュリーは説明を始めた

 

「あのリングは、元々別の用途で作ってた物を幽鬼の為に作り直した魔具なのよ…」

 

「別の用途…?」

 

「まぁ、簡単に言うと転送魔法の延長型ね…小物のやり取りをいちいち移動して届けたり、魔法陣使ったりせずに、このリングをを通して送ったり送られたり出来る単純な物だったのよ…レミィメインだったけどね…」

レミリアに頼まれた物を部屋に送っていたとパチュリーは話した

 

「で?その単純な物だった奴を何に作り替えたのよ…」

アリスはティーカップを口に近づける

 

「作り替えたと言うより、出来ちゃったの方が正しいわね…このリングを通してリンクした人物に、直に会わずに本人の直接生身の身体を触れたり見たり出来るようになっちゃったのよ…

しれっとパチュリーは言った

 

「………えっ…」

アリスは固まる

 

「しかも外からではなくて服の内面がメインかしらね…肌を直接ね…♪…まぁ、幽鬼には会えてないから、そうは説明してないんだけどね…♪彼はただそれを通して話せるとしか思ってないの♪…あぁ…//待ちどうしい///」

そう言ってパチュリーは妖艶な顔をしてうっとりする

 

そして、アリスはこの後とてつもないものを見た

 

 

 

「ふふっ…ふひっ//♪…それが出来た本当に偶然だった…最初…あのスキマ妖怪と同じかもしれないと思ったのだけど…それよりかは劣化してる…けどね…大きくなければ…そう、人の手首が入る大きさであれば…個数出来たの…最初は少しでも彼に会える…ように会話目的だった……けどね…もう…会話だけじゃ物足りないの…今の今まで…永い時経験出来なかった…憧れてた…何時でも…何時までも…いや…ずぅっと彼に触れていたい……違う…触られていたいの…!!……地下の頭脳と言われた私をこんなにまでしてしまった責任と取ってもらい…彼と何時までも繋がっていたい想いを忘れず…そして、彼にだけ許せる身体を触って貰いたいって…どう?どうどうどうどうどうどうどう???アリス??すごいでしょ!?…私!?今とても嬉しいくて堪らないの!?彼は察しがいいから少しでも分かれば理解してくれるの…♪この間も…♪少しでも寒いなって思ったら肩を抱いてくれたし…♪届かない場所とかにある物を取ってくれたりしてくれたの♪それに、私しか触れない物が取れない時とかは私の身体を触れる所を気遣って後ろから抱っこされたりした♪…いつものその時は触れてくれる箇所は極力触れようとせずに優しく身体を持ち上げてくれた…♪あの時はもう…堪らなかった//♪…ベットの上では激しく遠慮なしに触ってくれるのに……でもその差が堪らなかった♪…フフ♪こあの言ってる事はバカに出来なかったわ…♪ねぇ、ねぇねぇねぇねぇ♪アリスはどんな事を彼にされた?触られた?私とは違う何かを経験した?」

 

「……パ…パチュリー…貴女…」

アリスはたじろいだ

 

アリスの中でパチュリーは典型的な魔女だ…

知識を求め、研究し、己の知識向上だけを追求する者…

赤の他人には興味を持たず、最低な人脈だけを作り過ごす者…

全ては魔術の探究…生涯かけて追い続ける…

 

そんな典型的な魔女だった…

 

しかし、今の目の前にいるパチュリーは先程までの雰囲気が全く違った…

 

とてつもなく変な薬を打った症状に見えるくらいにトリップ状態だった…

 

顔をほんのり染め、虚無を見ながらうっとりした目、だらしなく開いて笑っている口からは涎が垂れていた…

 

アリスは困惑した、分からなかった…

何故魔具の説明を求めただけなのに…

パチュリーの何のスイッチを押してしまったのか…

 

その時…

 

「……あっ………っ!?!?」

アリスは唐突に思い出した

 

(私もリンクさせられた!?!?)

 

 

その様子を見たパチュリーはニッコリと笑うその顔は…もはや純粋な笑顔では無かったが…

 

「……ふふふっ♪…アリス、思い出したぁ?…そう♪貴女も彼を受け入れたの♪…だから何時でも、何時からどこからでも彼は貴女の身体を触れるし見れるわ…♪…それにね、貴女以外にもう既にリンクさせてるって話したでしょ♪…ここでしていないのは美鈴だけなの…ふふっ♪…レミィ達に話した時は確かに反対されたけど…結局は丸め込ませたの…フランと一緒にね♪もちろん、咲夜もこの話には載ってる…『 身体には自信はありますし、何時いかなる時でも…幽鬼さんを受け入れます』って言ってたの、そこら辺は考え方は一致したもの…でも目指すのは…幽鬼の隣…それは皆同じなのだからこそ同じ土俵に立った…ふふっ…霊夢とかには後日詳しく説明をする予定だけどね…まぁ…勘がいいから気づくと思うけど…でも霊夢はリングを受け取った時に受け入れたって証明されてるのよ……ふふっ♪…争いはしない…けどね、既に競い合いしなければならない程に彼の周りに増えたわ…幽鬼は、優しい…今日霊夢が言ってた事を丸々してるでしょ…だからその負担を少しでも軽くさせてる為でもあるし、私達の点数稼ぎにもなるの…これからも増えるわ…あっ…風見幽香には既に報告済みだから、変な茶々は入らないから安心しなさい……アリス?…さっきから黙ってるけどどうしたの?…もしかして、今の私の状態で困惑してるのでしょ?……ふふっ♪無理もないわ…最近私も気づいたの…でもね…この位が気持ちが軽くなるの、彼を誰よりも愛してるからこそ…彼に誰よりも触れられたいからこそ…アリス?アリスは?我慢してないのかしら?我慢は身体に…毒よ…?ほら、アリスはこうなってないの?」

パチュリーは椅子から立ちあがる

 

そして、徐にパチュリーは自分自身の服をたくしあげた

 

「ちょっと!?何をしてんの!?」

アリスは驚いて立ち上がる

しかし、パチュリーはそのままニッコリ笑い

 

「ねぇ?アリス?私はもう幽鬼の事を考えるだけで…女として…こんなになるの♪」

服がたくし上げられたことによってドロワーズが丸見えだった

しかし、普通では無かった…

 

ドロワーズが濡れていた…

何かを零してしまった時のように濡れていたのだ…

露出された両足の太ももを伝って、垂れる水滴は床を濡らす

 

「……パ、パチュリー…わかったから…落ち着きましょ?…そんな所を幽鬼に見られたりなんかしたら…」

アリスはパチュリーを落ち着かせようとする

 

「もう幽鬼は知ってる…♪…我儘なこの私を受け入れてくれたの…だから、心配もクソもないわ…アリス…なぜ?今日、わざわざ貴女を紅魔館に連れてきたか分かるかしら?…さっきのリングの事は道中に話をすればいいはず…効率の悪い方を選んだのよ…知識の魔女がね…」

そう怪しく微笑むパチュリー

 

次の瞬間

 

ドクンッ!

 

「がっ///!?!?」

アリスの心臓が飛び跳ねる感覚になる

 

鼓動が早くなり、身体の隅々まで血が巡るのが分かる

 

「ぐっ…ぅ//!?」

アリスはそのまま倒れる

 

息が上がる…

 

身体が暑い…

 

「ぅあっ…//ぅぐぁっ///…」

アリスは歯を食いしばり身体を起こそうと試みる…

 

その時、下着が擦れた

 

 

「がっ…………ッッッッ///!?!?!?」

身体中に電撃に近い、衝撃が走る

 

それは一塊に身体中に快楽の波が解き放たれ

 

 

絶頂した

 

 

 

「……ッッ…ッ…ッ…」

アリスは倒れたまま、ピクピクと身体を痙攣させる

 

「アリス、貴女も同じ…意識の何処かで幽鬼に遠慮してたの…今の貴女の状況が物語ってる…貴女の紅茶に入れてある物はね…小悪魔の作った素直にさせる薬よ…心の奥底で溜まってる物を身体の外に出してあげる物…元サキュバスの特注の…ね…」

パチュリーはアリスの傍に来て、かがみ込む

 

「……既に惚れているのに惚れ薬なんて…意味無いでしょ…?…これは分からせる為でもあるの…貴女自身がどれだけ幽鬼の事を思ってるのかと…もう少し素直になりなさい…私の様に…中にため過ぎずに…彼と二人っきりの時は…思いっきりね…むきゅ?」

その瞬間、アリスがパチュリーの足首を掴む

 

「…やる事が…無茶苦茶…ね…貴女達は…」

ゆっくりとアリスはパチュリーに顔を向ける

 

「………そうでもしなくちゃ…幽鬼が不安に押しつぶされるだけなの…そうはしたくない…彼の為に…」

 

「……うっ…くっ…それは…違うわよ…貴女がしてるのは…ただのお節介よ…それにね…幽鬼を支えるのは…私の役目…!」

未だに足腰をガクガクさせながら何とか立ち上がるアリス

 

「……薬のせいで…こんなになったけど…彼がしてくれた方が全然いいわ…私だってね…幽鬼の二人っきりの時は表以上に接してるの…だから…」

パチュリーの胸ぐらを掴みあげる、睨みつける

 

「余計な事はしないでっ…」

アリスのギョロりと向けられた目は笑ってはいなかった、余計な手助け…いや、余計な詮索をされた事に腹をたてていた

 

「ふふっ…そうね、余計な事をしたみたい…謝るわアリス…はい、コレも渡しとくわね…その薬の解毒薬よ…」

目の前に小さい薬袋をぶら下げるパチュリー

 

「………っ!!?……ぐっ…はぁ……今回ので凄く痛感したわ…そして、パチュリー…私も貴女も変わってしまったこと……彼無しでは難しくなっている事…それはこれからも私達と同じ子達が増えていく……火種の彼が…いる限りね…」

アリスはパチュリーから離れた、離れる瞬間に薬袋を取り、距離を開けた

 

「でも、これではっきりしたでしょ?…貴女も…私と同じ事を…」

パチュリーは静かに笑い、元の席に戻り座る

 

「……んぐっ…はぁはぁ…ゆ、幽鬼に渡した物だけの説明を求めたら…余計な事までわかったわ…」

アリスは薬を一気に飲み込み、図書館の出入口まで向かった

そして、扉を開け部屋から出ようとした時…

 

 

 

 

「だされたら、うけいれなさい?」

パチュリーの静かな声が聞こえた

 

「………」

アリスはチラッと見るが、黙ったまま図書館を後にした

 

静かになる図書館、パチュリーは再び魔導書を読み始めようと本に手を伸ばした時…

 

「んくっぁっ…//♪」

胸がムズッとなり、手がとまる

しかし、その1回きり何も起きなかった…

だが、パチュリーの表情は妖艶な微笑みで満足そうだった

 

 

「………何時でも…きて♪」

深く椅子に身体を沈め、両手を天井に掲げ広げるパチュリー

 

 

それは誰かを待つように…

 

 

何時でも受け入れられるように…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや〜…パチュリー様も中々無茶します…私よりサキュバスの素質ありますよ……はぁ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私の出番これだけですか!?!?」

小悪魔の声は図書館を寂しくこだました

 

 

 

 

 

 

 






今回の物語について…




(゜∀。)反省するはずがない!!後悔もあるはずがない!!

とりあえず、今作のパチュリーの幽鬼への想いは…凄いです…
恋愛シュミレーションとかでありそうなゲージはMAX通り越してぶっ壊れてると思ってください…
幽香の次にヤバいと思ってください…
(・ω・)次にヤバい組に入るのは一体だれなんでしょうなー(棒)

次の話は白玉楼での辺りにします

作者の頭は(常識が)空っぽなので大丈夫!!(某物置のCMフレーズ


ここまで読んで頂きありがとうございました!!


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前夜の騒ぎ(その2)・亡霊少女との一夜


(´・ω・`)さて、出来た…
(゜∀。)いつも通り頭空っぽにして呼んでください!!
前夜の二話目ですよ

今回はとりあえずやりたい放題やりましたので勘弁してください!!アレですよ!!アレ!!


 

 

気絶した妖夢を霊夢に頼まれ、空いている寝室に運び終わった幽鬼は居間に向かった

 

 

 

「なんで…霊夢は弾幕打ったんだろ…聞いても教えてくれなかったし…」

幽鬼は霊夢に聞いていたが顔を赤くして、「か、関係ない、気にしないで…//」とスタスタと行ってしまったのだ…

 

「まぁ…気にしてもしょうがないか…その内教えられるだろ、さぁて、妖夢が目を覚ますまで居間で霊夢達と暇つぶししよっと…あ、パチェが持ってきたって言うコレもどんなものか確かめるのもいいかもな…」

霊夢から渡されたパチュリーが持ってきた腕輪の様な物を見ながら居間へ向かった

 

「だから………いいって………でしょ?」

「………やった…………でも………」

居間の前に着く妹紅と霊夢の話し声が聞こえてきた。

 

「霊夢さーん、とりあえず妖夢さん寝かしてきましたよ」

襖を開けながら、幽鬼は言う

 

「ありがと、手間かけたわね」

お茶をすする霊夢

 

「……にしても、実際に見ると全くと言っていいほど…状況が…」

何処か複雑そうに言う妹紅

 

「ま、まぁ…いっぺんに皆さんの御相手を出来れば良いんですが…生憎、普通の人間なので…」

入って来た襖を閉めながら幽鬼は妹紅に言う

 

「だが…幽鬼も大変なのは分かるぜ…その為に今日みたいに誰と会うか決めてんだからさ…」

そう言いながら、ボリボリと煎餅を食べ始める魔理沙

 

「ちょっと!?魔理沙!?アンタそれ!?戸棚に隠しといた奴なんで食べてんのよ!?」

霊夢が叫ぶ

 

「んやぁ〜?煎餅が勝手に口の中に入って来ただけだぜぇ〜♪お茶とバッチリあうぜ!」

呑気にお茶を飲む

 

「んなわけないでしょ!?…いいわ…魔理沙、表に出なさい!!相手してあげるわ!!」

バンとちゃぶ台叩いて、指を指す霊夢

 

「お♪久々にやるか♪ちょうど新しいスペカを思いついた所だったんだぜ♪」

ニヤニヤとスペルカードを取り出しながら言う

実は何かと霊夢と弾幕ごっこをするきっかけを作る魔理沙、お互いに腐れ縁だが、魔理沙にとって霊夢は目標であり、ライバルなのだ…

 

だが、今日はタイミングが悪い…

 

妹紅も遊びに来ている、もしこれで弾幕ごっこを始めたら妹紅と二人っきりなる、更に…妖夢もいつ目を覚ますか分からない、目を覚ましたら白玉楼へ行かなくてはならないのだ…

 

魔理沙と霊夢の弾幕ごっこはいい勝負故に時間がかかるのだ、お互い始まると周りが見えなくなるのは似た者同士…

 

声をかけても聞こえなくなる…

 

以前に紅魔館にお茶会に誘われていて、待っていたら時間に間に合わなくなってしまいそうと判断し、置き手紙をして紅魔館に向かってレミリア達とテラスでお茶会をしていたら、物凄い破壊音、爆発音と美鈴の絶叫系が聞こえ…

 

美鈴は瓦礫に埋もれ、紅魔館の門が半壊していた…

 

魔理沙との弾幕ごっこの後に家にいるはずの幽鬼に声をかけるも反応が無く、家中探し回って、置き手紙を発見、冷静さを失ってた霊夢は内容をよく見ずに「紅魔館に…行きます…」と言う文面を見て、幽鬼が出ていったと勘違いをし、紅魔館を強襲したのだった。

 

誤解が解けた後は明らかにへそを曲げ、機嫌を損ねた霊夢の相手を三日間位して、何とか許して貰えた

 

そして、今弾幕ごっこを始めようとする二人…

 

明らかにタイミングが悪い(大事な事なので)…

 

 

 

ので!

 

 

「いいわ…相手してっきゃっ!?」

幽鬼はグイッと霊夢の腕を引っ張り抱き寄せた

 

「ちょっ…//ゆっ…幽鬼//」

いきなり抱き寄せられ驚く霊夢

 

「霊夢さん、落ち着いてください…煎餅だったら、また買って来てあげますよ…」

優しく抱きしめ、宥めるように言う幽鬼

 

「で、でも…//!…魔理沙が…私の…//!」

「…煎餅なんて食べればなくなりますし…それに美味しい時に食べるのが良いんですよ…魔理沙さんは悪くないですよ…」

優しく頭を撫でる

 

「……えぅ…でも…でもぉ…//」

モジモジとしだす霊夢

 

ここまで来れば次で決まる…

 

「じゃぁ…霊夢さんは自分より煎餅の方が大事なんですか?」

そう耳元で囁く

 

この一言で勝負は決まる…

 

「……んっ……ちがうぅ…ゆきぃ…//」

霊夢自分から腕を伸ばし

スリスリと抱きついて身体を密着させた

 

 

 

 

ーれいむをおちつかせろ!!ー

ーミッションコンプリートー

 

 

「………………」

スペルカードを出したまま固まる魔理沙

 

「………………//」

モジモジとしながらチラチラと羨ましそうに見る妹紅

 

「♪〜〜♪」

ゴロゴロと猫の様に喉を鳴らし甘え続ける霊夢

完全にデレイムスイッチが入った

 

「………ふぅ…」

霊夢の機嫌を取り直し、安堵する幽鬼

 

「魔理沙さん…申し訳ないですが、今回の弾幕ごっこは無しでお願いしますね…?今日は色々とタイミングが悪いので…」

「…お、おぅ…//…だ、大丈夫だぜ…//」

霊夢に抱きつかれながら話す幽鬼に顔を赤くして答え、座り直す魔理沙

 

(…な、なんなんだぜ//!?…鳥居の前でもそうだったが//!霊夢変わり過ぎだぜ//!?…あんな人に甘える霊夢見た事無いぜ//!?…お、男に恋を抱くって…そ、そういうことなのかぜ//!?!?)

頭の中で自問自答を繰り返す魔理沙

 

「………な、なぁっ//…幽鬼//?」

すると妹紅が声をかける

「あ、妹紅さんすみません、放ったらかしにしちゃって…もう少し待っててもらっ…『 私も…い…いいか…//?』……」

その妹紅の一言に幽鬼の理性が暴れる

 

(なに…この可愛い子…めっちゃ可愛いんですけど…もこたんやべ!ギャップやべ!萌える燃える!!…なんなんだこの内からでるパトス!!てかっ、コッチも色々と限界なんだよ!!デレイムがさっきから甘い吐息でスリスリしてくるせいで色々と柔らかい物が!?…うん、ハッキリ言うわ…( ゜∀゜)o彡゜おっぱい!がね!?当たってるんよ!?いやさ、普段、サラシ巻いてるけど霊夢、( ゚∀゚)o彡°乙杯!デカいのよ!!とったらE寄りのDなのよね!!んでもって甘い香りがするし!!さっきから首筋舐められてるし!!この後!俺!白玉楼向かわないと行けないのよ!!あ、でも別の意味で冥界に行けるかも…ってやかましいわ!!…やべ…これで…もこたん誘ったらどうなるんだろ…ちょっと興味出てきた……)

この間1秒にも満たない

 

そんな葛藤の最中…

 

妹紅の一言により…

 

理性にトドメをさす…

 

「…お前なら…何されても大丈夫だ…//」

 

この瞬間…

幽鬼の理性はぶっ壊れた…

 

「……どうぞ、妹紅さんも…」

片手を差し出す幽鬼

すると妹紅は黙ったまま幽鬼の傍に擦り寄って来た

「……//」

幽鬼の手に触れ、見つめる

そして…ゆっくりとその身を委ねた…

そして、幽鬼は心の中で…

 

コロンビアを掲げた

 

まさに両手に花…

霊夢と妹紅に抱きつかれ…

いい香りと柔らかいのに挟まれる…

(…柔らかー…いい香り〜…挟まれてる〜…)

幽鬼は思考が底辺になっていた

 

「……ちょっと…妹紅だっけ?…もう少し遠慮しなさいよ…」

割り込んで来た妹紅に霊夢が言う

 

「…お前さんは、いつも傍に入れるんだろ…なら…こういう時位…いたいんだ…慧音には悪いが、少しでも…」

そう言って更に密着する妹紅

 

「……他の奴とは違うから、許してあげるけど…幽鬼に無茶だけはさせないでよ…後は私の邪魔をしなければね…」

「あぁ…邪魔はしない…だけど、それなりの見返りは貰って置く…」

幽鬼の手を自分の頬へと擦り付ける

霊夢と妹紅はそれぞれ思うがまま、くっついたり、すりついたり続けていた…

 

幽鬼はとりあえず、至福のひとときを堪能するためされるがままになっていた…

 

(いや〜…何回あっても幸せであきないな〜…さて、白玉楼に行くとすると、作り置きは何作っておこうかなぁ…)

そんな事を呑気に考えていた

 

 

 

そんな中…

 

たった1人だけ…

 

どうしたらいいか分からない少女がいた…

 

 

 

「…ぜ…えっ…ぜぜ…//」

霊夢を挑発して弾幕ごっこをやろうとした魔理沙

 

予想外な横槍が飛んできて、霊夢を丸め込んでしまった…

いや…実際に丸め込んだのか分からなかった…

あの…霊夢が…

 

小さい頃からの腐れ縁の霊夢が新しい友人の幽鬼の前でこんなにも変わってしまった事を…

 

…でも、実際に起きているのだ…

 

…幽鬼と知り合ったもの達は殆ど彼に骨抜きにされていた…

 

…彼は魔法使いでも、妖怪でもなく…普通の人間なのだ…

 

…霊夢を含め、周りの皆が幽鬼と言う存在に…

 

…しかし、異変でも…幽鬼が何かした訳ではないのだ…

 

…それは魔理沙も分かっていた…

 

…分かっていた…分かるからこそ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疑わなかった…

 

 

 

 

 

 

 

最近、魔理沙も図書館で魔導書以外にパチュリーの小説(純愛物)を借りて読むようになった…

 

最初はそれと興味が無かった…

 

何せ身近に異性などいない、物心ついた時から親元から出ていき…1人で生きてきた…

 

知り合いに半妖半人の異性がいるが兄の様な存在であり…

 

それといった気持ちも出てこなかった…

 

しかし、パチュリーのオススメを読んでから…

 

なぜか…

 

幽鬼を目で追うようになった…

そして、毎回お腹の下あたりがキュンキュンと疼くのだ

 

(…も、もし…あれが…私だったら…)

幽鬼に甘え続ける霊夢を自分自身に置き換え始めた

 

 

 

 

(どう変わってしまうんだろ…)

 

 

 

 

ピンクの空気漂う居間で黙って三人の様子を見ていた…

 

 

 

 

 

足音が一つ近づいている事に四人とも気づかなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

〜数時間後〜

 

 

 

 

 

「さぁ、あと少しですよ!幽鬼さん!」

元気な声で妖夢が声をかける

 

「相変わらず長いですね…」

幽鬼が後ろに着いてきて、妖夢と幽鬼は冥界の白玉楼に続く長い階段を登っている道中だった…

 

あの後、意識を取り戻した妖夢が居間へ来て多少のゴタゴタをすまし、元々の約束であった白玉楼への一泊二日の旅へ来ていた…

 

(……魔理沙は大丈夫なんだろうか…)

ふと足を止めて、思い出していた

熱がありそうな程、顔を真っ赤にした魔理沙の顔色を…

 

「…幽鬼さん?どうかなされましたか?…」

妖夢が足を止めて、聞いてきた

 

「…あぁ…大丈夫です…少し魔理沙さんが熱がありそうだったのを思い出していて…」

笑顔を向けて言う幽鬼

 

「ん〜…確かにそうですね…でも、本人も大丈夫と言ってましたし…霊夢が大事をとって様子を見ると言ってましたから…」

 

「あっ…すみません…妖夢さん…招待されてるのに余計な事を言ってしまって…野暮でしたね」

申し訳なさそうに答える幽鬼

 

「…はっ!いえいえ!こうして来ていただいているだけで、何も文句はありません!…幽鬼さんが誰にでもお優しいのは分かっていますので!……でも、少しだけ我儘を言うとしたら…よ、呼び捨て…に…ゴチョゴチョ…

 

「ん?妖夢さん?最後らへんなんて? 」

聞き取れなかった幽鬼は妖夢に聞き直す

 

「ッッーー//!!と、とりあえず//!!ゆ、幽々子様がお待ちになっているので急ぎましょう//!!」

そう言って妖夢は再び階段を駆け上がり始める

 

「……丸見えだ…」

幽鬼も後を追うが、その間にスカートが揺れてチラチラと見える花園(白)を見られているのを妖夢は知らなかった…

 

 

 

 

2人はそのまま階段を登りきり、白玉楼の門をくぐると横1列に霊魂達が並んで幽鬼を出迎えていた

 

「改めて、ようこそお越しくださいました…」

妖夢が振り返りお辞儀をする

それに合わせ、並ぶ霊魂達もお辞儀(?)をしていた

 

「…そして、ここは幽鬼さん…いえ…旦那様のお家でもございますので…

 

「ンっ?」

妖夢の言い直した一言に幽鬼が首を傾げる

 

「え…妖夢さん?どういう事で?…だ、旦那…さ…ま?」

目をパチクリしながら幽鬼は妖夢に聞く

 

「…ゆ、幽々子様に…//あの夜の事を告げた…所…//…ゆ、幽鬼さんは…み、未来の…わ、私の…お…おっ…おぉ…//」

顔を赤くしカタカタと身体を揺らしながら言おうとする妖夢

 

 

 

しかし、次の瞬間

 

 

 

「おっそい〜!待ちくたびれたのぁ〜!」

マイペースな声が響く

 

「……ふ、ふぇっ!?…ゆ、幽々子様…!?」

屋敷の壁からするりと幽々子が出てくるのを見て妖夢は驚く

 

「ダメでしょぉ〜、妖夢〜…?早く屋敷にご案内してくれなきゃ〜…?……」

フヨフヨと妖夢の傍に寄りながら言う

 

「も、申し訳ございません…!!」

頭を下げる妖夢

 

「んもぉ…楽しみに待ってたのに〜…仕方ないから〜…妖夢は今から夕飯の支度してちょうだい〜…♪他の子達もね〜?」

妖夢と並んでいる霊魂達に指示を出す

 

「かしこまりました、いつもの広間で幽鬼さんとお待ちください!…貴方たち!準備を始めるからいきますよ!」

そう言って妖夢は霊魂達を引き連れて屋敷の奥に入って行き、幽々子と幽鬼2人だけ残る

 

「……ふぅ…おまたせして、すみませんでした…」

幽鬼は軽く謝罪をする

 

「………」

ただ幽々子は背を向けたまま黙っていた

 

「ゆ、幽々子さん…?」

様子を伺うために傍による幽鬼

 

「………い……がするわ…」

ボソッと幽々子の声が聞こえる

 

「え……えっ!?」

その瞬間周りに蝶が飛び始める

 

「……幽鬼ちゃんから…色んな匂いが混ざってる…妖夢と私を差し置いてナニをしたのかしら♪」

そう言って振り返る幽々子の笑顔はとても黒かった

 

「…ひぇっ…」

冷汗がブワッと湧き出る幽鬼

 

 

 

しかし、その笑顔は元の明るい笑顔になる

 

「なーんてね♪…幽鬼ちゃんはモテるからしょうがないのよね♪…ふふっ♪少し意地悪しちゃった♪」

幽鬼の周りを飛んでいた蝶が幽々子の傍に戻る

 

「……ふ、ふぅ(汗)…でも、幽々子さんが怒るのも無理はありませんよ…すみませんでした…」

頭を下げる幽鬼

 

「……ん〜♪…許してあげるけど〜♪…お願い聞いてくれるかしら♪」

ニコニコしながら幽鬼に言う幽々子

 

「自分が出来る事であれば聞きます…!」

「そう♪」

幽鬼の返答に満足そうな幽々子

 

 

「ん〜?…周りに誰も居ないわよね〜?」

幽々子は辺りを見渡して他に誰かいないか確認する

 

「……??…いなそう…ですけど?」

幽鬼も辺りを見回して確認する

 

「………ん♪…なら、大丈夫ね〜♪……ふぅ…」

そう言って軽く力を抜く幽々子は幽鬼の傍に歩みよる

 

「……??…幽々子さん?」

傍に近寄って来た幽々子に声をかける

 

「…………幽鬼ちゃんの方が少し背が高いのね♪」

目の前でニッコリ微笑む幽々子

 

「……ま、まぁ…自分的にもう少し欲しいですけど…」

ふつふつと幽香に身長で勝とうと影で頑張っている幽鬼

 

「……今のままの方が丁度良いと思うのだけどね〜♪……手も大きい…♪…ふふっ♪」

そう言って幽々子は幽鬼の手を握り始める

 

「……ゆ、幽々子さん?」

冷たい幽々子の手が幽鬼の手を包む

 

「…触れられてる…あの時触れられなかった…貴方に…」

何処か懐かしむ様に言う幽々子

 

「……幽々子さん…」

幽鬼が名を呼ぶと微笑む幽々子

 

「………ふふっ♪…暖かい♪」

幽鬼の手を自分の頬に添える

 

 

 

その間に誰も邪魔する事は無かった…

 

 

 

 

ひっそりと空にスキマがあるくらいで…

 

 

 

〜 数分後 〜

 

 

 

屋敷の中の居間に幽鬼と幽々子は移動していた

 

「…〜♪♪」

「おっふぅ…//」

妖夢の食事の準備が終わるまで2人で待っていたのだ…

 

「……〜♪…ふふっ♪もう少し〜♪」

「ぁ〜……ぁっ…ふぅ…//」

幽鬼は幽々子にされるがまま

 

「…カリカリ〜♪…ここでしょ〜♪」

「あ゛ぁ゛〜…ぃ〜…」

幽々子に膝枕の耳かきをされていた

 

「霊夢とかにして貰ってないの〜?…ここ凄い…♪カリカリ♪こちょこちょ〜♪」

優しく丁寧に耳の中を擦る

 

「あ゛あ゛ぁ゛ぁぁ〜……///」

程よい力加減、更に柔らかい膝と程よいふわふわボイスで完全に脳ミソがヤラレてる幽鬼だった

 

 

それ以外に

 

 

「あ…♪おっきいのぉ♪…動かないでね♪…んしょっ♪」

フニュン♪

 

「(^ω^)オッフゥ…」

幽々子が幽鬼の耳の穴をよく見ようと覗き込む時に柔らかい二つの大きなマシュマロ(ゆゆっぱい)が押し付けられ当たるのだ

 

「カリ…♪カリ…♪…コショ〜♪コショ♪」

フニョン♪フニュン♪ムニュゥ♪

 

「………あ゛ぁ〜…(白目)」

柔らかい感触が押し付けられ続け幽鬼は幸せに包まれていた

 

「……こっちの仕上げ♪…フゥ〜…♪」

「ふおぉぉ…↑↑↑//」

耳に息を吹きかけられゾクゾクする幽鬼

 

「…ん〜?…こっちは大丈夫かなぁ〜?…妖夢の準備はまだ終わらなそうね〜…いい香りが漂って来たからもうそろそろのはずだけどね…」

幽々子はチラッと調理場のある方向を見て確認をし、再び幽鬼の方に視線を落とす

 

「……やっぱり♪幽鬼ちゃんは…可愛い♪…幽香が溺愛する筈よね〜…♪……さて、反対の耳ね♪」

ポンポンと軽く幽鬼の頭を叩く

 

「おふぅ…すみません、お願いします…oh......」

幽鬼が向きを変えると今度は顔が幽々子のお腹の方に向く

 

「ふふ…♪良い子♪良い子♪…ぎゅう〜♪」

幽鬼の頭を抱きしめる幽々子

 

「オッフゥ…」

変な声が出る幽鬼…

亡霊である筈の幽々子の身体を暖かく心地よく感じる…

 

「こうやって…誰かに耳掃除をするなんて、前は考えられ無かったわ…それに、今は色んな人が居てくれるからとても楽しくて幸せ…」

抱きしめたまま幽々子は頭を撫で始める

 

「………ねぇ…幽鬼ちゃん?」

静かに声をかける

 

「なんでしょう…?」

幽鬼は抱き締められたまま返事をする

 

「……本当にありがとう…」

そう言うと幽々子はよりキツく頭を抱きしめた

 

「もう少し…このままで居さして…」

「…はい、大丈夫です…」

その後、しばらく幽々子は幽鬼の頭を抱き寄せていた

 

 

 

 

「……うぐ…」

しかし、幽鬼は少し息苦しくなってきていた

頭をが幸せに包まれているが、呼吸がしずらいのは変わらなかったのだ…どうにか身体をねじって息のしやすい所に向けようと頭を少し浮かした時

 

ぷにゅ…♪

「あんっ…♪」

柔らかいものに少し当たってしまう

 

幽鬼は思い出した…先程まで幽々子の体の外側に向けていたが向きを変えていた事に…

 

そして、頭の上に…幽々子のゆゆっぱいがあると言う事に…

何より…ゆゆっぱいは大きいと言う事に…

 

「……んっふぅ…//…続きを…ふふっ…♪」

幽々子はそう言って抱きしめるのを辞めて、耳かきを再開しようとする

 

「……」

その時、チラッと幽鬼は見ていた

(…大きい…柔らかい…マシュマロが二つ…なーんか…くっきり形がわかるよな〜……やはり、ゆうかりんとパチェを抑えて…歴代最強のデカさ…形も整って…うん…また理性壊れそ…)

そんな事を同時に考えていた

 

そして…

「コショコショ〜♪」

「あぁ〜……」

幽々子の耳かきは再開した

この後はさっきと同じ様に耳かきを進めた…

 

御来光(胸)を拝み(チラ見)ながら…

 

 

 

〜数分後〜

 

 

 

「…はい♪…おしまい♪」

一通りの作業を終えて一息入れる幽々子

幸せの時間は無償にも過ぎだぜ…

 

「…あ…すみません…ありがとうございました…」

幽鬼は膝枕したまま名残惜しそうに幽々子に礼を言う

 

「……あ、一つ忘れてた…幽鬼ちゃん?仰向けになってくれる?」

「え…?…あっ、はい…よいしょっと…」

何か思い出した幽々子に言われ、仰向けになる幽鬼

 

 

 

そして…

 

 

 

「んっ…ちゅっ…♪」

「ッッッ!?!?!?!?」

仰向けになった途端、目の前が幽々子の顔で埋め尽くされ、冷たく柔らかい物が触れた

 

「……ちょっと…不器用かもしれないけど…ね♪貴方との…初めて…ね…♪…妖夢に負けてられないから♪」

目を丸くして固まっている幽鬼に対して柔らかい笑顔を向ける

 

「…もう少し早く…貴方と…」

ゆっくりとまた、包み込む様に幽鬼の頭を抱きしめた

 

「貴方が居たおかげで…貴方が現れたおかげで…私は取り戻せた…少し形は違うけれど…私が望んでいた事が叶った…」

愛おしそうに幽鬼の頭を抱きしめたまま、撫で回す

 

「だから何があっても…貴方に手を貸してあげる…」

何かを決意した幽々子には珍しい真っ直ぐな言葉だった

 

「……そ、それにしても…妖夢さん時間がかかってますね…」

気恥しいからか誤魔化すように幽鬼が言うと

 

「幽鬼ちゃんの感覚だとそうなるけどね〜?…別に私は日常的に待たされてるから…慣れてるの♪」

いつも通りにニッコリ答える幽々子

 

「…あ、あはは…よし、少し自分も…手伝いに行きますね」

起き上がろうと身体を動かす

 

「ダメ〜〜♪」

「うおっ!?」

幽々子が幽鬼を抑えた

 

「幽鬼ちゃんは…お客さんなのよ?…ゆっくり〜…してて良いのよ〜♪」

幽鬼の鼻頭をツンとする幽々子

 

「それに〜♪…今まで出来なかった〜♪ナ・カ・ヨ・シな事をするチャンスなのに〜♪」

鼻先が触れそうな位置にまで顔を近づける幽々子

 

「な、なかよし…とは…」

苦笑いで答える幽鬼

 

「ん〜?幽霊ちゃん♪わかってるんでしょ♪……霊夢や他の子達としてる♪こ〜と♪」

幽々子にニッコリ答えられる

 

(……あかん…コレはヤキモチと嫉妬深くなってる…)

縁を感じ取れる幽鬼は幽々子の渦巻いてるモノを見た

 

「……ゆ、幽々子さん…い、一旦落ち着きましょう…よ、妖夢さんも戻ってきて…夕飯になるかも知れませんし…」

あたふたと幽々子を説得する

 

「ふふ♪落ち着いているわ♪でもね♪元々の目的は…妖夢にも言ってあるから…ほら、見てちょうだい♪」

スっと顔を上げて幽鬼に横を見るように言う

 

「え?何が…?……って…ぇぇぇ…」

幽々子の言われた通り、横を向いて見ると

いつの間にか隣の部屋への襖が開いて降り、そこには大き目な布団が敷かれていた

 

「………」

幽鬼は冷汗が溢れ出た

 

「後回しにされて私も限界なのよね〜♪…何も知らないと思ってるかもしれないけど、私には色んな事を教えてくれるとてもいい友人がいるからね…♪それに…」

幽々子がフッと目を閉じる

 

 

「今の私にはそれが出来る…」

その瞬間、雰囲気ががわりと変わる

 

幽鬼は見たことがあった

 

本当の幽々子の性格だと…

 

「…お、怒ってます?」

幽鬼が恐る恐る聞く

 

「……怒ってる…と言うべきではないわ、少し焦っているのが正しいわね…紫から聞いてると、どんどん貴方の周りに人が増えている事を…別に構わないことだけどね…」

幽々子が話している時に幽鬼は体に違和感がおきた

 

「ん…んっ…あれ…な、なんで手足が…え゛…」

そしてよく見ると白い霊魂達が絡まっていた

 

「…女の子ばっかりって…聞かされてる身にもなってよね…ニヤニヤしながら話す紫を1回、2回のしてるんだから…運んでちょうだい…」

幽鬼の手足に絡まっている霊魂達に幽々子が指示を出すと幽鬼の体が軽く浮き始め、隣の部屋へ運ばれ始める

 

「…や、やっぱり…お、怒ってますよね…」

運ばれながら、横を歩いている幽々子に言う

 

「………そう感じるなら…貴方には責任を取ってもらわないとね…後回しにされた分、妖夢にも先をこされてるし…色々と蓄積してるものがあるのよ…1人の女としてね…」

幽鬼はその横顔が幽香が静かに怒ってる時の顔と重なった

 

そして、ゆっくりと布団の上に下ろされる

 

「……この日を待ち浴びていたのよ…貴方が来ると言うこの日に…まぁ、簡単に来れる場所じゃないし生きてる人にとっては来づらい場所でもあるからしょうがないでしょうけど…」

ゆっくりと幽鬼の上に跨るように座り、手足の霊魂達に離れる様にスっと指示を出す幽々子

 

「恋焦がれる…亡霊になってからやっと亡霊らしい事をしていた気がするわ…さて、妖夢にも一応話してあるから…私達だけでも始めましょう…♪」

幽々子が身につけている着物の腰巻を緩め始めた

 

「ゆ、幽々子さん…ゆ、夕飯は…ど、どうするんで…」

淡々と進める幽々子に幽鬼が言う

 

 

しかし、幽々子はニッコリ笑って答えた

 

 

 

「食べながらでもデキルわよ♪」

 

 

その笑顔を見た幽鬼は思った

 

(あ、逃げられね\(^o^)/)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー・とあるスキマ空間・ーー

 

 

 

「あらあら、幽々子ったら大胆ね…少し幽鬼君には気の毒な事をしたかしらね〜…」

スキマを覗き続けたままの紫がいた

 

「…うーん…あまり会えない幽鬼君の事をこれみよがしに話してあげていたのが裏目に出ちゃったかもね…あら♪立派♪」

この瞬間を作り上げた張本人であり、幽々子の為を思って幽鬼の身の回りにおきている事を話に今まで来ていたのだ

 

「…ある意味…霊夢達に比べると適用能力はずば抜けているのは確かね…よく思っていない魂達も寄せ付けていないし…あぁ〜ら♪幽々子ったら♪もう最初からそんな事を♪」

幽鬼の体質や能力を軽く解説と分析しながら、紫は楽しそうにスキマから見ていた

 

「幽鬼君も罪な男よねぇ…でも…予想外だったのが…霊夢の巫女としての自覚と成長が抜群に伸びた事ね…ついでに跡継ぎの心配は無さそうだしね…あらら…幽々子、加減しないと幽鬼君、別の意味で持たないわよぉ…焦らなくってもちゃんと癒着する様に境界をいじったから…まぁ、半ば説明聞いてなさそうだったけどね…幽鬼君の能力もあるから大丈夫だと思うし…え〜と…煎餅、煎餅…」

別のスキマを開けて、ゴソゴソと探し出す

 

「紫様、此方にいらっしゃいましたか…」

後ろから式の八雲藍が現れる

 

「あら?藍どうしたの?はひかあっふぁ?」

口に煎餅を咥えて答える紫

 

「いえ、夕食の準備が出来たことを呼びにお部屋に向かったらいらっしゃらなかったので…」

 

「あ、そうね…もう晩ご飯の時間なのね…ん〜ちょっと良い所だけど、ご飯食べ終わってからでも大丈夫でしょうね…あのままだったら…」

そう言ってスキマを閉じようと再びスキマに視線を戻す

 

「何か気になる事でもございましたか?」

ちょうど紫が影になり何を見ているのかは分からなかったので、スキマを見ているとしか認識出来なかった藍が聞く

 

「ん?………あっこれ?ちょっとした…(この時紫の頭の中に電流が走る)ふっ…そうね…藍?コレちょっと気になるのだけど…見てくれない?」

 

「??…わ、分かりました…」

一瞬不敵な笑みをした自分の主人に疑問を持ちながらそう答える

 

「ちょっと横にズレるから、覗いてみて感想聞かして」

そう言って紫は少し横にズレて藍を座らせるスペースを作る

 

「…失礼します…それで紫様は一体何…っ…を……」

藍紫が見ていたスキマを見て固まる

 

 

そして紫が予想していたより遥かに顔が真っ赤に染まり

 

 

「一体なんでこんな事をみているんでしょかぁ//!!」

紫に向かって大声で叫んだ

 

「あら?藍?慣れてる筈ではないの?」

すっとぼけた声を出す紫

 

「慣れてる//!慣れていない//!とかの問題じゃ無いですよ//!!な、何故//!ゆ、幽々子様とか、彼の…い、いとな…ぁぁっ/!!信じられませんよ//!!」

腕をブンブン振りまくりながら叫ぶ藍

 

「ん〜…そんなに赤くなるものなの?…貴女だって私の式になる前はヤンチャしててその手で有名だったじゃないの?」

藍の反応を楽しみつつ紫は言う

 

「だぁぁ//!!もう//!!そう言う過去の話は別ですよ//!!それよりも//!!知ってるからこそ//!!こう言うのは良くないんですよ//!!」

テンパりすぎて藍は大声をあげ続ける

 

「あらら、それは失礼しちゃったわね…(向こうに声が聞こえないようにしといて良かった)でも、藍落ち着きなさいな、幽々子が相談してた時に貴女もいたのだから…いずれは起きる事で…変な予想外な事が起きない訳では無いはずなのよ…幽々子のお願いは結構無茶な事だったから…」

少し真剣な表情を出して藍を落ち着かせる

 

「はぁ…はぁ…た、確かにそうですけど…ほ、本当に見ているとは思わなかったので…と、とりあえず…橙も待たせているので先に戻ってます…」

そう肩を落として藍は言った

 

「えぇ、先に食べ始めておいて?…少ししたらちゃんと行くから…」

「はい、分かりました…」

紫がそう言うと藍はスキマから出ていった

 

「…少しからかい過ぎたわね…反省、反省…さてと………あっら〜……目を話した間に凄いことに〜…妖夢も…………」

少しの間で物凄い事になっていた、それを見届け静かにスキマを閉じた…

 

「……しかし…思えば無茶なお願いだったわね…いじってやってみたけど上手くいくかはね、上手くいったらいったで…閻魔様が知ったらどうなる事やら…まさかね…幽々子から…」

ふと立ち上がり紫は思い出していた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「境界をいじって亡霊でも妊娠できるようしてなんて頼まれるとわね…」

静かに紫は言った

 

 

 

 

 





ね?アレだったでしょ?

次のお話で異変を始める話を書こうと思います
また、時間をかけて書いていたんですが…
途中でとある鬼退治の漫画を全巻読んでいました

(´・ω・`)ついに触れてしまった…

(゜∀。)面白かったけどね!!

次回をお楽しみ!!
ここまで読んでいただきありがとうございました


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前夜の騒ぎ(その3)・そして…月の入れ替わりへ



(。・ω・)ノ亜麻乃でーさ!
早めの投稿!!

今回はちょっと短めです!
頭の悪い作者の暴走した妄想が発揮されています!

頭空っぽにして読んで、鼻で笑ってあげてください!!

今回はちょっとグロ注意?




※2021/11/08・最後の輝夜のセリフ修正・変更




 

 

幽鬼が白玉楼で過ごしている頃、博麗神社では…

 

「……ムグムグ…」

霊夢が一人夕飯を食べていた(幽鬼が作り置きした物)

 

妹紅は幽鬼が居なくなった後直ぐに家に帰っていったが、魔理沙は何故か顔が赤かったのでしばらく様子を見るように幽鬼に言われ、素直にしばらく大人しくしていた…

しかし、霊夢がついでに泊まることを話したら、大丈夫だからと言って帰ってしまった

 

「…作り置きも美味しいけど…幽鬼がいなきゃ…」

食べる箸を止め、ふと思う

一晩幽鬼が居なくなるのは増えていたが、最近ますます幽鬼が神社を空ける回数が増えている

 

「……幽鬼が倒れたり、何かに巻き込まれなきゃ良いと思ってるけど……一緒に入れないのは…(嫌かしら?)…っ!!」

襖が開き、声の主が入って来ると霊夢は睨みつけ静かに言う

 

「……こんな時間になんの用よ…幽香…」

現れたのは幽鬼を溺愛している育ての親であり、こよなく幽鬼を愛している風見幽香だった

 

「なんの用って言っても、華ちゃんに会いに来たのだけど…外から華ちゃんの全く気配が無いから確認の為に上がらせて貰ったわ…そしたら、貴女の大きな独り言が聞こえたのよ♪」

平然と霊夢の正面に座る

 

「…何勝手に居座ろうとしてんの…聞こえてたなら、わかったでしょ…幽鬼はいないわよ…」

そう言って再び箸を動かし始める

 

「それはわかったわ…でっ?何処に行ったのかしら?」

幽香はお構い無しに聞いてくる

 

「……なんで聞くの…必要ないでしょ?それにあんたの所に行くのは来週の筈でしょ…」

嫌悪感を抱きながら霊夢は話す

 

「あら、怖い…そんなに機嫌を悪くしないでちょうだい…別に連れ戻そうとか連れ出そうなんて思っちゃいないわよ…」

不敵な笑みを浮かべる幽香

 

「ならなんで…」

 

「簡単な理由よ…♪疼いちゃったから…♪来週までに我慢なんて出来ないから、相手して貰おうと思ってね…居ないなら華ちゃんが行った場所に行って、混ざて貰おうかなって♪」

完全な(別の意味で)捕食者の目をする幽香

 

「……………それを私が許して、居場所を話すとでも思うの?」

更に幽香を睨む霊夢

 

「まぁ、教えてはくれないでしょうねぇ…でも、霊夢…貴女も少しは華ちゃん離れした方がいいわよ?…何時までも貴女の傍にいる訳じゃないんだしね…うん♪華ちゃんの料理♪」

そう言いながら、小皿のオカズをつまんで一口食べる

 

「……誰が食べていいって言った…これは幽鬼が私の為に作ったのよ…第一アンタみたいに人里で暴走する様な事…『置き手紙をよく読まずに紅い館の門を破壊したのに?』……っ!…」

霊夢の反応を見て幽香は更に言い始めた

 

「なんで知ってるか…なんて顔しないでくれる?…私は華ちゃんの母親なの…だから華ちゃんが少しでも思い詰めてる事も分かるものよ…心配だから聞いてみたのよ、そしたら華ちゃんは言ってたわ、「霊夢さんに余計な心配と誤解をさせてしまった」って…まぁ、華ちゃんからはそれ以上何かあったのかは詳しくは聞けなかったから、フランに聞きに行ったのよね…」

 

「……なに…目的が達成できないからって…説教するつもり?」

食べるのに集中出来ない霊夢は一旦また箸を置いた

 

「説教て言うより、警告よ…霊夢、貴女が華ちゃんを想うのは別に口出さないわ…でもね、行き過ぎた行動にこれ以上足を突っ込まない方がいいわよ…貴女は幻想郷の守護者なのだから…

そう言って幽香は立ち上がり入って来た襖の前まで進み、再び霊夢の方へ視線を向ける

 

「…貴女は歯止めか聞くのだからしっかりなさい…だから、自分の箸ぐらいちゃんと使いなさいな…」

そう言って幽香は襖を開けて、帰っていった

 

「……………」

一人黙り込んでいる霊夢

そして、使っていた幽鬼の箸を軽く握りしめ

 

「たくっ、わかってるわよ…そんな事…このままじゃダメな事くらい…」

そう静かに呟くのだった

 

 

しかし、その後…

 

 

霊夢は幽鬼の部屋で幽鬼の布団で眠りについた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜・竹林生い茂る道中・〜

 

 

「黙って1人で抜け駆けするなって…元々約束してたから行っただけなのに…慧音もだいぶ変わったな…」

妹紅は自分の家へ帰路についていた

 

「………まぁ、人の事言えないかもな…逆に慧音が1人で言ってたら同じ事を言いそうな自信があるな…ふっ…」

帰路に着く前に人里で慧音の家に顔を出しに行って、幽鬼と約束していたタケノコを届けに言ったと慧音に話したら、へそを曲げたのだった

 

「悪くないな、こういうのも…」

そう思いふけっていたその時

 

「私に隠れてだいぶ面白い事になってるじゃない…?」

「っ!!」

凛とした聞き覚えのある声が響きを妹紅は声のした方へ警戒する

 

「最近つれないわね〜妹紅〜?私は暇でしょうがないってのに〜…貴女は楽しい事をしているなんて」

「輝夜…」

竹藪の中から現れたのは蓬莱山輝夜だった

 

「でもでも♪色々と信じられないモノを見さして貰ったり、聞かして貰ったから多少の退屈しのぎにはなったけど♪」

ニヤニヤと妹紅を挑発する輝夜

 

「…何を言って…『貴女が異性からこんな贈り物貰ってるなんて♪』…っ!!テメェ!!なんで!!」

輝夜が手に持っていたのは妹紅が幽鬼に貰った髪留めだった

 

「いやぁ♪まさに恋する乙女よねぇ♪貴女がこんなもの貰っガヒュ…!」

火球が輝夜の頭半分を消し飛ばした

 

「てめぇ…いい加減にしろ、何処まで踏みにじるんだよ!!」

手の平を輝夜に向けたまま、炎を滾らせる妹紅

 

「………ぐぐぁ…がぁ…ま゛っだく酷いじゃないのよ…人が話してる時に不意打ちなんて〜♪」

消し飛んだ箇所がみるみる治っていき笑顔を見せる輝夜

 

「お前に酷いなんて言われる筋合いはねぇ!…勝手に他人の家に上がり込んでよくものうのうと私の大切な物を穢れた手で触りやがって!!」

どんどんと炎を大きくさせる妹紅

 

「それだけ大切なら家の戸締りしっかりなさいな♪…あれじゃ盗んでくれなんて言ってる様なもんよ?私は親切にそれを教えようとしただけよ〜?」

プラプラと目の前で妹紅の髪留めを見せつける様に言う

 

「もういい…お前がそこまで私に構うのなら…久々に消し炭にしてやる…」

戦闘態勢に切り替え構える妹紅

 

「そうそう♪貴女はそう来なくっちゃね♪そうそう♪今回の勝負は少し力を入れるわね…貴女が負けたらまた1つ盗ってあげるから…大切なモノを♪

 

「っ!!…輝夜…お前っ!!」

妹紅は輝夜の言った大切なモノの意味を把握した

 

「なら…いっそうお前を殺し続けてやる…いくぞオラァっ!!」

火球を幾つもの放ちながら輝夜に向かって突っ込んで行った

 

「いらっしゃい♪それが貴女の課題よ♪」

輝夜も笑って、弾幕を展開した

 

2人の勝負はきって落とされた…

 

 

 

 

 

 

〜・数時間後の白玉楼・〜

 

 

「はぁ〜…足腰がぁ…お風呂があんなに身に染みて気持ち良く感じるとは…」

用意されてた着物に身を通し、頭から湯気を放ちながら縁側を歩く幽鬼の姿があった

 

「……予想以上な事が起きすぎて、まだ混乱してるなぁ…もう色々とヤバい…んっ…?」

縁側の先を見ると、月夜に照らされた幽々子の姿があった

 

「……ゆ、幽々子さっ…ぶっ//!?」

よく見るといつもの着物を肩から羽織っているだけだった

 

「ん…?あら〜♪幽鬼ちゃん♪お風呂どうだった♪」

此方に気づき、いつもの笑顔を見せる幽々子

 

「あっ…はい…とても丁度いい温度で…さ、サッパリしました…」

「そう♪良かったわ♪ほらほら♪横に座って〜♪」

そう答えると幽々子は隣に座るように促した

 

「し、失礼しますね…」

幽鬼は幽々子の隣に腰を下ろした

 

「……幽鬼ちゃん?…色々とごめんなさいね…」

「え…?」

唐突に幽々子に謝れられ驚く幽鬼

 

「ど、どうしたんですか?」

幽鬼がそう聞くと幽々子は頭も少し下げて

 

「…ちょっと…暴走しちゃった…目の前に貴方がいたら、堪らなくなっちゃって…大人げないけど、妖夢達に私…嫉妬してたから…先をこされて置いてけぼりにされてる感じがして…」

静かに語る幽々子

 

「……こんな私は…嫌になっちゃった?」

 

「いえ…嫌になるわけ無いですよ…寧ろ…まぁ、何ですかね…嬉しかったですよ…はい…」

照れ臭そうに言う幽鬼

 

「本当に?」

 

「……えぇ、それなら…自分も聞きますけど…幽々子さんも自分なんかが相手で良かったんでしょうか…?」

幽鬼が静かに聞くと幽々子は向き直り

 

「なら、私も幽鬼ちゃん以外考えられない…妖夢もそう思っているわ…だから…」

ソっと幽鬼の頬に両手を添える

 

 

 

 

 

 

「貴方の為なら、私達は何だってするわ…」

 

「……ぁっ」

月夜に照らされた幽々子の顔に見惚れてる幽鬼

 

その時、幽鬼の背後に気配がした

 

「あら〜♪妖夢♪お風呂あがったの♪」

幽々子が幽鬼の背後に立つ人物の名を呼ぶ

 

「へっ…あっ…」

咄嗟に振り返ると

 

「……………」

むくれている妖夢がいた

 

「よ、妖夢さん?どうしましたか?」

 

「そうよ〜?妖夢何かあったの〜?」

 

「……………」(スっ…

2人が妖夢に聞くがむくれたまま黙って

 

「え…」

「あら♪あら♪」

 

「……………」(ぎゅう…

幽鬼の背中に抱きついた

 

「えっ…え?」

困惑する幽鬼

 

「んふふ〜♪ヤキモチよ♪妖夢は人一倍ヤキモチがあるんだけど…普段は表に出さないのよ♪だけど、それを貴方に向かって出すって事は完全に心を許してるのよ♪」

ニコニコ答える幽々子

 

「そ、そうなんですか…」

程よい柔らかさの身体と石鹸の良い香りがダブルパンチ

 

「…ん〜…でも、妖夢だけじゃぁ…ズルい〜♪私も〜♪」

幽々子が正面からダイレクトに抱きしめて来た

 

「ふがっ…!?」

フヨン♪

シアワセに包まれた

 

 

その後、三人一緒に床についた…

 

 

素直に眠れなかったのは幽鬼だけだった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜・竹林の中・〜

 

 

 

「うさ〜…姫様ったら、指示だけ出してほっつき歩いてるから準備出来たら呼んでくれって…呼び戻す側の気持ちにもなってうさよね…」

見回しながら目的の人物を探していた因幡てゐの姿があった

 

「にしても、なんでこう人使い…兎使いが激しいうさかね…そら鈴仙も耳がシワクチャになるうさよね…」

ブツブツと愚痴を言いながら探し続ける

 

「後数時間で満月なっちゃううさよ…姫さーん、いい加減出てきてくれうさ〜!」

遂には少し声を出して、呼びかけた

 

すると…

 

「……て〜ゐ……こっ…ちよ〜!」

微かに返事が聞こえた

 

「おっ?…姫さーん!!時間ウサー!!準備も終わったうさよー!!」

声がした方に進みながら、声を張り上げた

 

「…とりあえず〜…!こっちに来てちょうだい〜!面白いから〜…!」

先程より返事がハッキリ聞こえたので近いと予測したてゐは少し駆け足になり

 

「わかったウサから〜!そっち行くまでじっとしてうさよねー!!」

その場に急いで向かった

 

少し走った所で開けた場所に出た

 

「おぉう…一気に開けたうさね…さてと、ウチの姫さんはっと……あ、いた…はぁ、姫さーん?」

出た所から少し離れた所に目的の人物の姿を見つけ歩みよる

 

「ようやく来たわね〜、てゐ♪来たって事は準備は終わったのね?」

振り返りながら答える蓬莱山輝夜

 

「終わったもなにも…姫さんが最後の仕上げをしなくちゃ始まらんうさよ…満月来るうさよ?」

ジト目を向けるてゐ

 

「ふふ♪大丈夫♪大丈夫♪何時でもそっちはいけるから♪…それよりもこの事は何時もより楽しくなりそうなのよ♪」

ニッコニコのいい笑顔の輝夜

 

「……そんなに笑顔になる事だったうさか?お師しょーから聞いたうさけど…下手したら姫さん達が危ないって」

頭の後ろに手を組みながらてゐは聞く

 

「確かに大変だけどね〜?…そこは上手くいくわよ♪…たぶん……それよりも見て見て〜♪」

輝夜は自分の後ろにある何かを指差す

 

「…気の所為であって欲しいうさよ…小さい声でたぶんって言ったこと……で?何うさか?何かあるう……さ……」

てゐは輝夜の背後に視線を向け固まる

 

「いや〜♪久々に殺りあったから張り切り過ぎちゃって〜♪私も何度か殺られたけど♪今回は私の完全な勝ち♪」

いい気分でランランと言う輝夜

 

「……………」

てゐは固まったままだった

 

そこには妹紅が転がっていた…

 

文字通り転がっていたのだ…

 

手足がない状態で…

 

「……ぐ……がっ…がぐぅ…やぁ……」

必死にもがきながら宿敵への憎悪を込めて名を呼ぶ

 

「う…うわぁ…四方に手足が飛んでるうさ…姫さん…今日やることエグいよ…」

引くてゐ

 

「おほほ〜♪最近永琳の研究ノートを暇つぶしで読んでたら面白い事が書いてあって♪『部位の欠落はその部位が存在する限り再生出来ない可能性がある』てね♪ふふっ♪妹紅♪頭の悪い貴女にも分かりやすく教えてあげると…切り落としとか、もげちゃった場合はくっつけないと再生出来ない場合も存在するって事♪一か八かでやってみたけど成功したわ♪後は完全に貴女が息絶えて勝手に復活しない限り…ね!!」

「……がっぅ!?」

ニコニコしながら輝夜は妹紅に近づいき、踏んづけた

 

「は〜い♪お注射しましょうね〜♪」

着物の袖から一本の注射を取り出す輝夜

 

「……がぁ…ぐっ…ぞっぅ!どぎやがっぁ…!」

必死に抵抗する妹紅

 

しかし輝夜はゆっくり妹紅に注射を近づけると…

 

「ん〜…首筋でいいや♪…えい♪」

「……がっ…!…ぁっ!」

首筋に注射を打ち立て、薬を注射した

 

「永琳特性強力な鎮痛薬と止血剤よ♪貴女にはこれから復活されては困るのよ〜♪終わったらちゃんと殺して復活させてあげるから♪待ってて♪」

そう言って輝夜は注射を引き抜いた

 

「……ぁあ…ぁあぁ………」

薬を打たれた妹紅は目の焦点が合わなくなり、大人しくなった

 

「ちょ、姫さん!?何打ったうさか!?」

 

「何ってさっきも言ったけど?永琳の特性の強力な鎮痛剤と鎮静薬を改良した止血剤も何か色々と入ってる人をダメにする薬よ?」

しれっと言う

 

「さっきと言ってることが違ううさよ!?それにヤバい無茶苦茶な薬うさね!?」

とんでも発言にてゐは思わずツッコム

 

「人なら害だらけってだけよ?妹紅は人じゃないから大丈夫よ?てゐ大丈夫?」

何当たり前な事が言ってんの?見たいな顔で返す輝夜

 

「………はぁ…もういいうさよ…けど、私は知らないうさからね!だから、先に戻ってるうさよ!姫さんもさっさと戻って来るうさ!」

てゐはそう言って来た道を戻って行った

 

「んもぅ…これからが楽しいのに…でも、万が一月の奴らに来られても困るから本来の事は始めましょうか…」

輝夜は屋敷へと歩き始める

 

「さぁて♪それが済んだら楽しい暇つぶしを手に入れましょ♪」

輝夜は本来とは別のもう1つの目的の為にも動き出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし…

 

この時は分からなかった…

 

輝夜が行った妹紅に対しての仕打ちが…

 

彼の逆鱗に触れ…

 

予想外の事が起きることを…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひっ゛…ぐ…わ、わだじっ…にっ!なっ…な゛んでぇ゛っそんなっ…ごどぉ゛…い゛ぅ゛のぉ゛ぉ…わ゛ぁぁん゛!!!!」(号泣)





まず初めに…

もこたん推しの紳士淑女の方々に申し訳ございませんでした!!m(_ _)m


そして、次回の永夜抄の話がぶっとんでぶっ壊れる事をここで宣伝させて頂きます!!
永夜抄であり、永夜抄ではない!!

もうね…輝夜と永琳は…( ̄∀ ̄*)フヒヒ…
これしか…ないねって…(´⌒ω⌒`)フヒヒ…


buff・(作者は純粋な気持ちを失った!!)





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止められた夜、月の異変 前編


( 。∀ ゚)ノうぇい!!亜麻乃でーぇす!!
ダンマクカグラに絶賛どハマり中でぇーす!!
幽々子追加キタ━(゚∀゚)━!
イベントやりまくってたらコッチが疎かになったー!!
(´;ω;`)フルコン無理…

今回から異変が始まります!!
永夜抄の終わり方程綺麗ではありません!!
※原作改変始まるお!!

※(作者は前回からbuffがかかっており正常ではございません)


 

「………ん…んんぅっ……」

霊夢は珍しく目を覚ます

 

「………んぅ…ん…」

目を擦りながら、身体を起こす

 

「……まだ…夜……夜中…ん…ぅ…ん…?」

再び寝直そうと横になりかけた時に何かに気づく

 

「………外…何か…いる…?」

霊夢は名残惜しそうに幽鬼の布団から出て、縁側の方へ

 

縁側に出ると、眩しいくらいの月明かりが霊夢を照らす

そして、持ち前の勘が働いた

 

「………月がおかしい…止まってる?…」

夜空に浮かぶ月を見上げる霊夢

 

その時…

 

「こんばんわ♪霊夢♪」

誰も居ないはずの場所から声が聞こえるとスキマが現れた

 

「…こんな時間になんの用よ…紫?」

現れた人物の名を呼ぶ

 

「そうね〜…不粋に夜中に現れて痛い目見たのはあの時以来よね〜…でも、さっきは暗いからこんばんわって言ったけど…今私が夜停めてるから、時間的に言うと朝6時なのよ♪」

しれっと笑顔で言う紫

 

「………じゃ、アンタを退治すれば異変解決ってことね…」

スっと大幣を手に持つ霊夢

 

「ノンノン♪勘違いはダメよ♪朝が来ないようにしているのは別の理由で仕方ない処置なのよ〜、……今空に浮かんでいるあの満月は本物に見えて…偽物の満月よ…それもだいぶ高度な術か何かを使って…本当に本物と言ってもバレない…代物…」

紫の雰囲気が変わり、霊夢も大幣引っ込めた

 

「…………はぁ…そうみたいね…何かを隠しているのは確かね…」

満月をじっくり見た霊夢は納得した

 

「……えぇ、それに危ないのが月が変わった事によって、妖怪達が騒いでるの…月明かりに敏感な妖怪たちがね…このままだと、幻想郷の均衡が崩れかねない事態よ…」

フワリとスキマに座る紫

 

「………わかった…支度するから待ってて…」

すんなり異変解決へ向かうことを承諾した霊夢

 

「あら…素直?何かあった?」

ごねると思ってた紫は軽く驚いて聞いた

 

「うっさい…さっさと終わらせるって今回は思っただけ…どうせアンタが着いてくるんでしょ…」

そう言って部屋の中へ入っていった

 

「………本当にびっくり…面倒くさがりの霊夢があっさり…まぁ、何となくわかるけどね〜♪……にしても今回の異変は少し厄介かもしれないわね…」

偽物の月を見上げながら紫は霊夢を待った

 

霊夢は支度しながら静かに決意した

「今回の異変は直ぐに終わらす…幽鬼が巻き込まれる前に…」

 

『霊夢・紫(式・藍)行動開始』

 

 

 

 

〜・紅魔館・〜

 

「……………」

テラスから黙って月を見上げているレミリアの姿があった

 

「お嬢様…」

スっと後ろに咲夜が現れる

 

「フランの様子はどうかしら…?」

静かな声で咲夜に聞く

 

「はい、パチュリー様の本物の月の魔法でお休みになられました…暫くは大丈夫だと…」

静かに答える

 

「……そう…良かった…まだ、あの子にはこの不愉快な月の光は身体に影響する…例え狂気を克服してても……」

空に浮かぶ偽物の月を睨みつける

 

「……お嬢様…私がまた調査へ出かけます…霊夢も動いている可能性がございますので…お嬢様は妹様のお傍に…」

咲夜がレミリアに言うと

 

「咲夜…今回は私も行くわよ…

レミリアが答えた

 

「しかし…お嬢様…妹様が…」

 

「大丈夫よ…咲夜…フランの事は心配だけど…私の妹だし、パチェも美鈴もいるから…支度なさい、すぐ出るわよ…パチェ達に知らして来てちょうだい…」

 

「かしこまりました、お嬢様…」

咲夜はその場から姿を消す

 

「………」

再びレミリアは月を見上げる

 

 

「私の大切な家族に迷惑をかけたことを後悔させてあげるわ…紛い物の月など…直ぐに消してあげるわ」

紅く目を光らせるレミリア

 

その目に見える、運命を待ちながら…

 

 

(彼を巻き込む前に終わらせてあげましょう…)

咲夜はパチュリーと美鈴に伝えに行きながらそう決意した

 

『レミリア・咲夜 行動開始』

 

 

 

 

 

〜・魔法の森・〜

 

 

「んん〜?な〜んか…今日の星空はおかしいぜ…」

魔理沙は自宅の屋根裏部屋の窓から天体観測をしていた

日課でもあり、スペルカードのヒントを編み出す為にもしているのである

 

しかし、今日は夜空がいつもと違うことに気がついた

 

「二時間後にはここら辺にいるはずの星が動いていないぜ…うーん…そろそろ夜明けで見えなくなる位置でもある筈なんだが…」

いつも書いている天体観測の記録ノートを読み返しながら、今の星空の状況を見る

 

「………もしかして…異変かぜ…?」

そう思い始めたその時

 

ドンドンと家の扉が叩かれる

 

「おっ?…誰だ?……こんな時間に誰だぜ〜?」

窓からひょっこり顔を出して確認する

 

「あ、いた!魔理沙!貴女気づいてるかしら?」

そこにいたのはアリスだった

 

「んぁ?何…あぁ…星空がおかしい事かぜー?」

思い当たる所を答える魔理沙

 

「星空だけじゃないの!夜が止まってて朝が来ないのよ、それに…あの浮かんでいる月は月であって月じゃない偽物に変えられてるわ…」

アリスは月を指さしながら言う

 

「ん〜…明けない夜…そして入れ替わった月…こりゃぁ…決まりだぜ!!…いよっと!うらぁ!!」

壁にかかっている箒を魔法で引き寄せ手に持ち、屋根裏の窓から飛び降りる

 

「相変わらず無茶な事をするわね…怪我でもしたらどうすんのよ」

飛び降りた魔理沙にアリスが近寄る

 

「へへ!!こう言うのは勢いが大事なんだぜ!!」

帽子を被り直し、ニカッと笑いながら答える

 

「はぁ…全く…でもこの異変は誰がどう起こしてるかは予測出来ないわね…」

 

「だが、異変なのは変わらない!いつも通り!元凶を探すだけだぜ!多分だが…霊夢ももう動いてるかもしれんぜ!」

魔理沙は箒に跨る

 

「…そうね…そこから調べるのが異変だ物ね…魔理沙行きましょう」

「おう!!一番乗りで首謀者を片付けてやるぜ!!」

魔理沙とアリスは夜空に飛び立った

 

(彼が何かに巻き込まれる前に片付けなきゃ…)

アリスは静かに決意した

 

『魔理沙・アリス 行動開始』

 

 

 

 

〜・白玉楼・〜

 

 

「………そろそろかと思ってたけど…始まってるみたいだな…」

幽鬼は白玉楼の縁側で夜空を見上げていた

 

「……朝日が登る時間なのに…夜が空けてない…」

彼は常日頃から霊夢の給仕訳(最近は霊夢も早起き)の為、何時に起きるか体内時計が決まっていて、自然に起きれるのだ

 

「………月異変…永夜抄か…まぁ、冥界の時間がズレていて常に夜なら勘違いだけど…(此処も人は居ないけど朝は来るわよ〜♪)…うぉっ!?…」

いきなり後ろから幽々子が首に腕を回して抱きついてきた

 

「ゆ、幽々子さん…!…あ、すみません…起こしてしまいましたか…」

慌てて謝る幽鬼

 

「ん〜ん〜…大丈夫よ♪幽鬼ちゃんのもう1つの一面が見れたから役得よ♪…それに…夜が固定されてるのは問題ないけど、あの月は不味いわね〜…ねぇ?妖夢?」

 

「はい、幽々子様…あの月の光がこれ以上永く続くと…霊魂達に多少なりとも影響が現れるでしょう…」

幽々子の後ろに妖夢が立っていた

 

「……永く眠る人達への影響ですか…?」

 

「はい、幽鬼さんの言う通りです…大変申し訳ございませんが…幽々子様の指示により私は調査に出かけます…」

妖夢は既にメインウエポン装備状態の準備完了だった

 

「多分だけど、今回のは紫自身も動いてそうだから…多少の助っ人の意味も込めてね♪…しかも…紫が動くレベルだと思うと…今回は私達の時より危険よ…だから幽鬼ちゃんは私とお留守番して待ってましょう?」

幽々子は自分達の異変で1回死なしてしまった事を悔やんでいるようだった

 

「はい、幽々子様の言う通り幽鬼さんは安全の為にも待っていてください…」

妖夢も同じようだった

 

しかし…

 

「いえ…幽々子さん、妖夢さん…自分も行きます…!」

何か引っかかっている幽鬼はそう答えた

 

「……ダメ…ダメよ?…貴方の身に何があったら…それでも行くと言うなら…」

抱きついたままの幽々子の腕に力が入り、チラッと妖夢を見る

 

「…そうです…幽鬼さんはここでじっとしてください…」

スっと素早く動き幽鬼の首に手刀を入れる

 

はずだった…

 

「え…?」

 

「ふぇ…?」

2人の目の前から幽鬼が消え、気づけば幽々子は逆に幽鬼の左腕に抱かれ、胸に顔を埋めていた

 

「……はわ…はわわっ…///」

妖夢は腰に右手を腰に回され、正面に幽鬼の顔があった

 

「お二人共お忘れですけど…自分は風見幽香に育てられているので…結構強いんですよ…確かにあの時はあぁなってしまいましたが…『死』その物に抗う事は出来ませんが…それ以外だったら多少抗って見せますよ…」

優しく微笑む幽鬼

 

「………きゅぅ〜///」

妖夢は顔を真っ赤にして逆に気を失った

 

「……ありゃ?よ、妖夢さん?」

気を失った妖夢を見て焦る幽鬼

 

「………それでも…危険なのは…」

抱かれている幽々子は答える

 

「……幽々子さん…さっき自分に言いましたよね?…自分の為だったら何でもするって……なら、自分の為に一緒に着いてきてください♪それなら、幽々子さんも妖夢さんもいて安全ですし♪」

立場が逆転しているので幽鬼が幽々子に囁く

 

「…そうね…そんなこと言っちゃったわね…ふふ♪わかったわ〜♪…妖夢も私も貴方にやれる事は全部してあげる♪」

そう言って幽鬼を抱きしめ返してきた

 

 

2人をせっとくせよ!!・ミッションコンプリート

 

 

 

 

 

 

こうして幽々子、妖夢(気を取り戻し)、幽鬼の三人で動く事が決まった…

 

 

『幽々子・妖夢・幽鬼 行動開始』

 

 

 

 

それぞれのチームが動き出した…

 

 

 

 

 

 

 

 

〜・人里・〜

 

木々の影から現れる人影

 

「……やはり…気分が悪いな…」

空を見上げながら訝しげな表情をする慧音

 

「こう…妖怪の血が入ってる身にもなると…落ち着かない…しかし、人里にいる者に対抗出来る手段はない…」

ゆっくりと月明かりが当たる所へ歩む

 

「月…か…憶測がつくが…私がここから離れる訳にはいかない…この月に魅入られ…狂った妖怪が来ない可能性などないのだからな……」

その姿が完全に月の光に晒される

 

「…察しのいい、霊夢達なら動いているだろうな…妹紅も…夜が停まっているのは些かよく分からんが…うむ…誰か知ってる顔がいたらそれもついでに聞こう…ひとまず…」

慧音は歴史を食う能力を使い、人里の歴史を食って隠した。

 

「よし、これで人里は大丈夫だ…」

本来の人里がある場所を背にして、慧音は再び周りの警戒を再開した…

 

 

 

その時…

 

 

「うぉっ!?人里が無くなってるぜ!?」

聞き覚えのある声が上からした

 

「む?…その声は…」

慧音が空を見上げると

 

「この異変はとんでもない範囲で起こってるのかぜ!?」

「魔理沙、落ち着きなさいよ…慧音がいるじゃない…」

魔理沙とアリスがいた

 

「魔理沙!アリス!説明するから少し降りてきてくれ!」

慧音が声をかけると二人とも、目の前に降りてきた

 

人里の経緯と状況と簡単な情報交換を魔理沙とアリスとした

 

 

「なるほどな…慧音の能力で人里を隠したってわけだぜ…」

納得しながら頷く魔理沙

 

「それで…人里の皆は大丈夫なのかしら?」

アリスは心配そうに言う

 

「あぁ…簡単な説明と夜が明けるまで外には出るなと言ってある…阿求の協力もあるから大丈夫だろう…それに万が一は私がここで人里を守る…」

 

「んで…慧音はこの異変を起こした奴らに心辺りがあるのかぜ?」

魔理沙が慧音に確認すると

 

「……恐らくな…確証ではないが…しかし、君達の月が入れ替わっているという確実な確認をとれたのだから…ほぼ…決めつけても良いほどだ…」

 

「一体…何処の誰が…」

慧音にアリスが聞く

 

「居場所を教えよう…この先の人里外れた場所に…竹林がある…」

慧音は指差しながら教える

 

 

 

「そこは迷いの竹林と呼ばれる所だ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜・迷いの竹林・〜

 

 

 

「はぁ…虫は好みではないわ…」

服の土埃を叩きながら霊夢はため息をつく

 

「きゅー…」

霊夢の前には先程弾幕勝負で負けた人物が倒れていた

 

その人物は、首元にかかるかかからないか位の緑色のショートカットヘア、甲虫の外羽を模していると思われる燕尾状に分かれたマント、白のブラウスに紺のキュロットパンツを着ていて

その顔はボーイッシュな顔つきである…

 

しかし、列記とした女の子

 

蟲を操る程度の能力を持つ

 

二つ名 闇に蠢く光の蟲

 

蛍の妖怪、リグル・ナイトバグ

 

 

「時期的に間違ってない虫だけどね♪」

ふよふよとスキマに腰掛けた紫が現れる

 

「…でも、形はどうあれ、これで目を覚ませば大人しくなったるわよね…」

特有の勘でここが怪しいと割り出して、竹林の中を探索していたら月に魅入られた蟲達と一緒になって襲いかかって来たのだ

 

「まぁ、霊夢と私に喧嘩売った時点で結果は決まってた様なものだけどね…ふふっ…」

紫は笑う

 

「アンタは殆ど見てただけじゃないの…」

ジト目を向ける霊夢

 

「ゆかりん虫嫌い〜♪」

身体をくねくねさせながら言う紫

 

「………」

ジト目霊夢

 

そして、一言…

 

「アンタはゴキ○リと同じよ」

 

「………れ、霊夢?それはひどいんじゃない?」

霊夢の思わぬ一言に動揺する紫

 

「……さっさと先にいくわよ…」

そう言って竹林の中を再び進もうと背を向ける

 

 

しかし、飛び上がろうとした、その時…

 

 

「ん……この…気配…」

霊夢は竹林の中で少し先の所や別の場所に複数の気配を感じた

 

「……他の奴らも異変調査ってわけね…でしゃばっても何もないのに……ん…この感じ………まさか……!?」

その中で1つの気配を感じ取った霊夢は飛ぶことも忘れ、いきなり走り出したのだ

 

「えっ…?ちょっと!?霊夢!?」

いきなり走り出した霊夢を紫も慌てて追いかける

 

「ど、どうしたのよ…霊夢…」

スキマを使って追いついた紫は聞くが

 

「……………」

霊夢は黙ったまま走り続けた

 

 

 

しばらく走り続けると…

 

竹林に囲われた開けた場所に着いた…

 

霊夢は辺りを見回した…

そして…

 

「……あぁ…やっぱり…」

亡霊と半人半霊と一緒にいる

 

彼を…

 

見つけた…

 

「……あんまり関わって欲しくないのに……えっ…?」

しかし、いつもと様子が違う事に気がつく

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………泣いてる…?」

 

 

 

 

「んもぅ、霊夢たら…何かあったの…ってあら?…幽々子と妖夢がいるじゃないの…よく見たら幽鬼くんも…ぶへっ!?」

紫は顔面に土を被った

 

何故なら、霊夢が土を蹴りあげて再び走り出したのだ…

 

笑顔を絶やさない想い人が…

 

涙を流していたのだから…

 

 

 

 

 

 

 

〜・霊夢達がリグルと勝負していた頃・〜

 

 

 

 

「幽鬼さん、大丈夫ですか?目の方は…?」

妖夢が心配そうに聞いてくる

 

「えぇ…すみません…我儘言って来たのに着いた初っ端で…鳥目にされるとは…

妖夢の肩を借りながら歩く幽鬼

 

「元凶をやっつけたから大丈夫よ〜♪…ちょっと惜しいことしたけど〜…

ニコニコとしながら言う幽々子

 

実は今回の異変を起こしている可能性がある人物を知っていると幽鬼は二人に話して妹紅の住む場所まで行こうと竹林に来たのだが…

 

入って暫くはすると、歌声が聞こえ幽鬼が(゚ω゚;)。o○(やべ!?)って思った瞬間に視界が狭くなったのだった

 

歌声を聴かせ…

 

狂わせるたり…

 

鳥目にもする…

 

夜雀…

 

 

「歌で人を狂わせる程度の能力」を持つ

 

ミスティア・ローレライ

 

しかし…彼女は…かけた相手を見誤った…

 

 

背後から見ていた幽々子と妖夢がすぐ様、幽鬼の変化に気づき…

 

目の前に現れ、幽鬼の目を鳥目にしたと言いかけた時に…

 

 

 

 

彼女は蝶と斬撃に包まれた…

 

 

 

 

 

そして…

 

 

 

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何とか幽鬼が2人を説得して、失禁気絶したミスティアを逃がした…

 

 

 

 

幽鬼は後にルーミアやチルノ達に頼んでミスティアを探してもらい、謝ろうと密かに思った

 

 

 

 

 

そして、目的地である妹紅の家へ向かっているのだった

 

 

 

 

 

 

「…とりあえず…先程の妖怪は幽鬼さんに感謝すべきですね…」

相変わらず怒りが収まらない妖夢

 

「いえいえ…妖夢さん、本来の人間は…人里以外は襲われてもしょうがなっ…『幽鬼さんが!!何処に居ようが関係ありません!!何処の誰が貴方の体調を悪くしたり!!怪我をさせたりするのは!誰であろうが!!許しません!!』…っお、おふっ…」

妖夢の声の迫力に押し負ける幽鬼

 

「なので、私が前に行きますので、幽鬼さんは後から進む方向を教えてくださいね!」

妖夢はそう言って幽鬼の前を歩き出した

 

幽々子がそっと幽鬼に近づいて耳打ちする

「…幽鬼ちゃん、分かってあげてちょうだいね?…妖夢は貴方に助けられた事をずっと感謝してるの…そして同時に後悔してるのよ……そして、私も同じ………妖夢?周りの警戒をお願いね?」

 

「はい!幽々子様!」

 

 

幽鬼は2人に手厚い守備をされながら妹紅の家へ向かった

 

 

しかし…

 

妹紅の家に着く前に幽鬼は衝撃を受けた…

 

 

「……おぉ…一気に開けましたね…あんなに生い茂っていたのに…こちらでよろしいんですか?」

 

「えぇ、此処を通って行けば直ぐに着きますよ」

竹藪から開けた空間に出た妖夢と幽鬼

 

「…でも、聞いてると幽鬼ちゃんはその妹紅っていう子とだいぶ仲良くしてるみたいね〜♪」

ふよふよと幽鬼の顔を横から覗き込む幽々子

 

「………あ、いや…あの…すみません…」

幽々子のいい笑顔を向けられて謝る幽鬼

 

「じゃぁ♪次からはちゃんと冥界にも来る回数増やすこと〜♪それで許してあげる♪」

幽々子は幽鬼の首に抱きつきながら言う

 

「……わ、わかりました……」

「なら、よし♪」

幽鬼が承諾し、幽々子は機嫌が良くなる

 

その時…

 

「……むっ!幽々子様!幽鬼さん!…お話中の所、すみません…警戒を……」

妖夢が2人に声をかける

 

「どうかしたの?妖夢?……あら…」

幽々子も何かに気がつく

 

「……幽々子様もお気づきになりましたか…幽鬼さん…私の後ろへ……」

 

「な、何が…『血の匂いです…』え……血って…」

妖夢の問に幽鬼は驚く

 

「……ふぅ〜ん…普通の人間の血の感じてはないわね…

幽々子がそう言う

 

「………普通の…人間の…血ではない…っ!?」

それを聞いた幽鬼は気づく

 

「……あぁ…恐いわ…初めての嫌な…感じね〜…」

幽々子は何処か怯えていた

 

「……っ!…あそこに誰か倒れっ…って!?幽鬼さんっ!?」

妖夢が指を指したと同時に幽鬼は駆け出した

 

「妖夢っ!!」

「はいっ!!」

幽々子と妖夢も直ぐに後を追う

 

 

 

 

 

 

「…くっそ!!なんでだ!!…まだ!!関わらない筈なのに!!」

幽鬼はそう言いながら彼女の元へ急ぐ

 

 

そして…

 

 

「………な、なんて…事…なんで…!妹紅!!」

 

 

辺りの草を赤く染め…

 

あるべき筈の両手足がなく…

 

虚ろな表情のまま仰向けになっていた…

 

変わり果てた妹紅の姿を見つけた…

 

 

「……くそっ!…」

幽鬼は妹紅の傍にしゃがみ抱き上げる

 

自分の服や顔、手に血がつくこともかえりみずに…

 

「なんで…妹紅さん!!…妹紅!!」

必死に大声をあげて呼びかける幽鬼

 

「……ぁ…ぁっ……ぅ…」

しかし妹紅の意識ははっきりしていなかった

 

「幽鬼さん!…てっ!?血がっ!?」

「大丈夫かしら〜?」

妖夢と幽々子が追いついて来た

 

「その方…酷い…怪我って言えるレベルじゃぁ…」

妖夢は現状を見て驚く

 

「………妖夢、貴女は辺りを調べてちょうだい…警戒も含めてね…」

幽々子は冷静に妖夢に指示を出す

 

「…し、しかし…『いいから…何かあったらどうするの?』…わ、分かりました…」

妖夢は指示に従い、辺りを警戒しながら調べ始めた

 

「………さてと…幽鬼ちゃん?…大丈夫?」

そっと幽鬼の傍に座る幽々子

 

「……分かっていても…嫌な光景ですよ…こんな…ちゃんと生きている…人に惨い姿をさせるなんて…」

妹紅が不死である事を知っているが幽鬼の中では普通の人なのだ

 

「……この感じからしてね〜…本当にいるとはね…仙人以外の完璧な不死がね〜…紫は何処まで認知してるのかしら……ほら、幽鬼ちゃん?それ以上抱きしめてたら…汚れちゃうから…」

妹紅を抱き寄せている幽鬼にそっと言う

 

「………ぐぅ…知ってても…分かってても…」

「……幽鬼ちゃん…」

幽々子は涙を流している幽鬼を見て、それ以上言えなかった

 

「ゆ、幽々子様ー!」

慌てて妖夢が戻ってくる

 

「どうかしたの?」

 

「その…お耳を…た、多分…その方の…手、足と思われる…のが…所々に…

そっと伝える妖夢

 

「そう…わかったわ…妖夢?…持ってこれるかしら?」

 

「え…も、持ってくるんですか…?持ってきてどうするんですか…『とりあえず、持ってきてちょうだい…幽鬼ちゃんがこれ以上悲しまないために…』っ!?…は、はい!!」

妖夢は幽々子に言われた通りに見つけた物を取りに向かった

 

「……幽鬼ちゃん…その分だと…1回楽にさせてあげた方が…良いかもしれないのだけど…貴方が良ければ…私の力で…」

幽々子はそう言いながら扇子に蝶を出す

 

「………必要ありません…手足を持ってきてくれれば…後は休ませます…幽々子さんもその為に妖夢さんに指示したのでしょう…死んでリセットなんて…俺の目が届いている時はさせませんよ…!!

さらに涙を流しながら言う幽鬼

 

(…あぁ……その気持ちを向けられてる子には悪いけど…そこを変わって欲しい…もう一度…あの時みたいに…優しく抱きしめて欲しい…溶かして欲しいぃ…)

うっとりした顔で幽々子は思っていた…

 

背を向けている幽鬼には見えていない…

 

 

その時…

 

 

 

 

 

ブワァッァァン!!!

物凄い音と共に風が吹く

 

「きゃっ…!?」

幽々子は顔を腕で庇い

 

「うっ!?」

幽鬼は妹紅を守ろうと強く抱きしめる

 

「幽々子様!?幽鬼さん!?……あっ!!」

少し離れた所にいた妖夢がその正体を見た

 

 

 

「どうして…泣いてるの…?」

幽鬼の背後から聞き覚えのある声が聞こえた

 

 

「………泣きますよ…目の前に大切な人の一人が傷ついているんですから…」

ゆっくりと顔をあげる幽鬼

 

「どうして…此処にいるの?」

再び聞いてくる

 

「……胸騒ぎがしたからです…それに皆さんの手助けをしたかった…

同じく静かに答える

 

「その気持ちだけで充分よ…」

スっと両肩の後ろから手が伸び、抱きしめられる

 

「……………血が着いちゃいますよ…霊夢さん

抱きついてきた人物の名を呼ぶ

 

「気にしない…怪我がないのなら…いいの…けど、暫くこうさせて貰うから…」

ギュッと幽鬼をより抱きしめる霊夢だった

 

 

 

 

 

「……………」

そんな光景を黙って見せつけられている幽々子は少し青筋がたっていた

 

「ゆ、幽々子様!?ご無事でしたか!?…って…霊夢でしたか…てっきり襲撃かと…………あれ?…ゆ、幽々子さっ…ひぇ…」

慌てて戻ってきた妖夢は幽々子を見て青くなる

 

その時…

 

「……んもぉっ!霊夢〜!酷いじゃないのよ!顔に泥かけるなんて!綺麗な顔が台無しになっちゃったじゃないの!!」

後ろから霊夢を追ってきた紫が現れる

 

 

タイミングが悪かった…

 

 

「んね〜?幽々子ぉ、酷いと思わなっ………」

 

 

 

 

 

 

ユカリハチョウチョ二ツツマレテシマッタ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜・数分後・〜

 

 

 

「とりあえず、これでよしっと…上手く繋がればちゃんと再生してくれるでしょうね…」

所々服の端が焦げた紫が妹紅の手足を繋げた所を布で巻いていた

 

「……ありがとうございます…紫さん…」

妹紅を膝の上に抱き寄せたまま答える幽鬼

 

「大丈夫♪大丈夫♪どうって事ないわよ♪…でも、中々エグいことをするのね…今回の相手は普通に終わらないかもね…」

紫は幽鬼から聞いた現状で何か推測がたったらしい

 

「とりあえず…月を入れ替えた元凶をどうにかしないと…紫は夜を動かしそうにないし…タイミングの悪い紫だから…『…に、にしてもそれぞれ別々で起こしていたとは思わなかったです…!紫様が夜を止めて、止めてる間に月の本物を取り戻そうとしていたなんて…!!』………」

妖夢は慌てて、むくれている幽々子の言葉に被せた

 

「最初はそれだけかと思ったけどね…紫から話を聞くまではね……私も勘だけど…今回は厄介に…『その勘…今日は外れさせますよ…霊夢さん…』…幽鬼…?」

黙っていた幽鬼が喋りだす

 

「……ここまでする必要は無いはずなんですよ……本当は…だけど…ここまでしてしまったからには…当然…その報いを受けさせなきゃダメです…だから…」

幽鬼はスっと片手を夜空に伸ばす

 

 

 

「皆さんで協力してください…」

グッと何か紐を掴むように握り、引っ張る様に腕を引いた

 

 

 

すると…

 

 

 

「錚々たるメンツが揃ってるじゃないの…ねぇ?咲夜?」

「はい、お嬢様…」

上空から声が聞こえ、見上げると…

 

レミリア・咲夜の紅魔チームがいた

 

 

そして…

 

「シャンハーイ!!」「ホウラーイ!!」

上海と蓬莱が竹藪から飛び出してきた

 

「ちょっと待って!上海!蓬莱!」

「アリス!!何が起きてんだぜ!!」

その後に続き2人を追いかけるアリスと魔理沙が飛び出した

 

魔理沙・アリスの魔法の森チームも現れた

 

 

「ふふっ♪流石…幽鬼♪私達の運命()に混ざり込むとはね…流石は私のもっ…『幽鬼さん、今、何が起きているのか…状況を教えて頂けませんか?』…さ、しゃくや?…」

最近レミリアは容赦ない咲夜の割り込みに悩まされている

 

「んだよぉ…霊夢達全員揃って何してんだぜ?…まさか!?今回の異変の犯人はっ!?ゆっ…!?『んなわけ無いでしょ…!!ちゃんと周りをしっかり見て判断なさいな!!それに幽鬼がおこす理由も無いし意味も無いわよ!!』…あ…アリス…?…いてっ…いててっ!?」

アリスが魔理沙の推理を全否定する(よく見ると上海と蓬莱が魔理沙の頭をポカポカ叩いている)

 

「今の現状の整理をしましょう…それぞれ知っている情報や…これまでの経緯を…」

紫が集まったメンバーに情報交換を提案した

 

そうして、それぞれの情報を交換した

 

そして…

 

一通り情報の交換が終わったその時…

 

「幽鬼はこれからどうすんだぜ?」

ふと魔理沙が妹紅の傍にいる幽鬼に聞いた

 

「あ…自分は…」

魔理沙に聞かれ答えようとした瞬間

 

 

「「「「幽鬼(さん)は私達と(ご)一緒に決まってるでしょ?(行かれますよね?)」」」」

霊夢・アリス・咲夜・妖夢が同時に答えた

 

「「「「はっ…?」」」」

そして4人同時にガンつけあった

 

(やべ…余計な事を言ってしまったぜ…)

魔理沙は後悔した…

 

しかし…

 

「皆さんにはすみませんが…自分は此処で待ってます…から、先に行ってください…」

幽鬼のその言葉にガンつけあっていた4人が一斉に振り向いた

 

「何言ってんのよ!?こんな所に1人でいたら危ないわよ!!」

アリスがそう叫ぶ

 

「そうです!幽鬼さん!先程言ったように私が全力で貴方を護ります!!」

刀を抜いて叫ぶ妖夢

 

「2人の意見には同意するわ…幽鬼さん…私は身も心も貴方に捧げますので…壁としても私を好きに使って構いませんから…ご一緒に行きましょう…」

さりげなく幽鬼への気持ちがレミリアの忠誠より上回った

幽鬼を取り囲んで必死に言うアリス・妖夢・咲夜の三人は気づいていなかった

 

そう、霊夢だけは…

 

黙って幽鬼を見つめていたのだ…

 

 

「紫…行くわよ…」

「えっ…あ………全く…」

スっと背を向けて霊夢は紫に声をかける

その時紫は何かわかったようだ…

 

「……妖夢〜?私達も行きましょう〜?幽鬼ちゃんは大丈夫そうだから〜」

妖夢の背後に現れる幽々子

 

「幽々子様!?何故ですか!?さっきと言っている事が…『あらあら?分かってないのね〜…そんなんじゃ先をこされちゃうわよ〜?』…先をこされる?…何にっ…てっ!?お待ちください!!幽々子様!!」

霊夢達が向かった方に幽々子は行ってしまい、慌ててその後を追いかける妖夢

 

「……一体どうしたと言うのよ…」

アリスは今の霊夢が黙って幽鬼を置いていく事をしなかったはずだと思っていたので困惑していた

 

「…そうね…けど、これで動きやすくなったわ…ではお嬢様…幽鬼さんを連れて私達も……お嬢様??」

咲夜が後ろにいたはずのレミリアに声をかけるが返答がなく振り返るとレミリアはそこにいなかった

 

「…えっ…えっ?お、お嬢様…?……何処にっ…あっ…」

少し慌て周りを見たら、レミリアはいた

 

幽鬼の傍にしゃがんで何か話していた…

 

「……さない……だか……みな…………先に……そこに…お願い…ま…」

「………なの?……から……よ?………あな……為でも…………よ…」

幽鬼とレミリアの会話はよく聞こえなかったがレミリアが幽鬼の頬にキスをしたのは見えた

 

「お、お嬢様…いかがされ…『咲夜?目的は決まったわ…フランの為…いや…私達の大切な家族の願いを叶えに行くわよ…』…………かしこまりました…お嬢様」

咲夜はレミリアの主としての威厳を身体が思い出し…

すぐ様、綺麗なお辞儀で返す…

 

「幽鬼?少し待ってなさい…終わったら、咲夜を向かわせるから…まぁ…先に行った組が何処まで行ってるかだけど…」

そう言ってレミリアは咲夜を連れて向かった

 

 

「…一体何が…魔理沙、私達も行きましょうよ…魔理沙?」

最後に残ったアリスと魔理沙組…

アリスが向かおうと声をかけるが…

 

「なるほど、そういう事かぜ…んじゃ、手を貸してやるぜ!なんか面白そうだぜ!」

ニシシと笑っている魔理沙と

 

「お願いします、今回は少し…皆さんに我儘を言ってる様になりましたが…」

少し申し訳なさそうな幽鬼

 

「大丈夫だろ!じゃ、咲夜が来るまで待ってるか〜…主役は遅れてやってくるのが1番だぜ!なぁ!アリス!」

 

「へ?…え、えぇ…ど、どういう事よ?魔理沙?」

話についていけないアリス

 

「…おん?なんだ?気づいてなかったのかぜ?…まぁ、私もさっき幽鬼と話すまで何が何だかわからなかったけどな!」

 

「何がよ?幽鬼が何を?」

 

 

「今回の異変の首謀者を説教(物理)するらしいぜ!」

 

 

「えっ…?…ど、どういう事なの…?」

アリスは豆鉄砲を食らった様な顔になった

 






ダンガク面白いですね…



しかし…幽々子実装されて初っ端のミタマが水着…




┏○┓ありがとうございます!!!!!




長くなりそうなんで別けますね!!
次回は先に向かった組サイドから始まります!!(予定!)


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止められた夜、月の異変 中編


(´・ω・`)本当にお待たせ致しました
あっという間に3ヶ月位経ってしまいましたよ

(*・∀・*)ノ 言い訳します!!
その1・勘を取り戻すのに時間かかりました!!
その2・ネタギレで進みませんでした!!
その3・永琳と輝夜をどういう風に絡ませるか瞑想してました!!


その4・真っ白に燃え尽きました…


(o ̄∀ ̄)ノ彼からもマイペースですがよろしくお願いします!
では、中編どうぞ!!


 

「上手く隠してるけど…無意味ね…」

霊夢は静かに夜空を見上げ、月を見る

 

「……今は異変の根本を無くさなきゃね…じゃなきゃ何も出来ないし…」

「ナニが出来ないのかしら♪」

紫がスキマから出てきて言った

 

「アンタには関係ないこと…それより、コッチの方に何かあるのは分かってるんでしょうね?」

霊夢は紫の発言を軽くスルーして聞いた

 

「つれないわね〜…もう少し話を聞いてくれたっていいじゃないのよ…」

ムクれる紫

 

「……………」

霊夢はジト目を返す

そんなやり取りをしていると…

 

「2人だけで抜け駆けはダメよ〜♪」

「やっと追いつきました!!」

幽々子と妖夢が現れる

 

「はぁ…余計に増えた…紫がごちゃごちゃ話すから追いつかれたじゃない…」

霊夢はジロっと幽々子達を見る

 

「そこは関係ないんじゃないのかしら?…ねぇ?幽々子?」

紫は幽々子に聞く

 

「ん〜…でも、霊夢の言ってることは一理あるわよ〜?昔っから紫は所々で空気読めないから、余計タチ悪いのよね〜♪」

笑顔で答える幽々子

 

「………幽々子…まだ貴女怒ってるわね?」

青筋を立てる紫

 

「さぁ♪♪どうかしらねぇ〜♪」

ニコニコと黒笑の幽々子

バチバチと紫と幽々子の間に火花が散る

 

「お、御二方落ち着いてください!!今は言い争ってる場合ではありませんよっ!?」

妖夢が2人の間に割って入り、ケンカを止め始めた

 

「………たくっ……あんたの御主人も困ったもんね…」

呆れながら誰かに声をかける霊夢

 

「…いや…紫様と幽々子様はあれ以来凄く仲宜しくなっておられる…お互いのお戯れなのだろう…」

霊夢の横に八雲藍がいて、自分の主と永年の友人の幽々子を微笑んで見ていた

 

妖夢をはね飛ばし、お互いの頬を指で引っ張り合いしているのを…

 

「……でっ?…私達の向かう目的地の場所は掴めたの?」

静かに霊夢が聞く

「あぁ…ここからさほど遠くなかった…大きな屋敷があったのを確認した…しかし、紫様達が落ち着きなさらないと…」

未だに紫と幽々子はつねりあっていた

 

「……………どうすればいいのだ…」

紫に話しかけるタイミングが掴めない藍

 

「とりあえず、屋敷って何処にあるか…私達に教えてちょうだい…先に行ってるから?咲夜?」

「はい、お嬢様…」

レミリアと咲夜がパッと姿を表す

 

「…はぁ…結局こうなるのね…」

霊夢は呆れる

 

「あら?多ければそれだけ早く終わるんじゃないのかしらね…?…それに霊夢…貴女も理解してるのでしょ?彼が何をしようとしてるのか……まさか、知らなかったとか…?」

レミリアはそう言って霊夢の傍に歩みよる

 

「……うっさい、どうでもいいでしょ…私は異変を解決しないと後が面倒だから…先に片付けとくだけよ…

霊夢はそう答えると

 

レミリアはニヤッと笑い

「そう…♪なら、安心したわ♪…でも…道すがらの障害物は完璧に一掃しましょう?綺麗にしといた方が通りやすいし、来やすいじゃない♪

 

「お嬢様…後の細かい後片付けは私と魔理沙達で仕上げながら向かう予定なので…ご安心を…」

 

「えぇ…♪零れた者はよろしくね、咲夜♪」

 

「お任せ下さい、お嬢様…」

咲夜はお辞儀をして答える

 

「………とりあえず、あの馬鹿二人と目を回してる奴をどうにかしてから動く事にするわよ…藍手伝って…」

「あ、あぁ…」

霊夢はそう言ってレミリアの横を通り、まだケンカしている幽々子と紫の方へ向かう

 

レミリアの横を通りながら

「余計な奴の相手をしないですむから、アンタらを加えるだけだから…」

ボソッと霊夢は言った

 

「素直じゃないのね、相変わらず…私達には…ふふっ…

レミリアそう言って笑った

 

 

このメンバーで今回の異変の本拠地へ向かうのだった…

過去の異変に比べてとんでもない終わり方をしそうな雰囲気を出しながら…

 

そして、その様子を見ていた人物がそこにいた…

 

 

「やべーうさね…少し様子見をしに来たけど…こんなに早いとは思わなかったうさね…」

ひょこっと草陰から頭を出すてゐ

 

「………鈴仙の結界間に合わないうさな……どうすんだろ、姫さんの予測とはるかにズレが来てるうさね…仕方ないうさね…さて先回りして戻るうさ」

隠れるのをやめて草陰から出て、永遠亭の方へ戻ろうと足を一歩前に出した

 

 

 

 

 

 

「なら道案内お願いしますね」

 

「……えっ…」

てゐは気づくと逆さ吊りに縛り上げられていた

 

「な、なにうさ!?な、何が起こったうさ!?」

何が起きたのか状況が掴めないてゐ

 

「丁度良かったです♪何しろこれだけ複雑な場所は初めてなものでお嬢様含め難儀していたものですから♪」

 

先程まで会話のメンバーの1人の銀髪のメイド

 

咲夜がてゐを縛り上げていた

 

「……………嘘うさよね?」

苦笑いのてゐ

 

「冗談だったら縛り上げていませんよ?」

キョトンと不思議そうな顔をする咲夜

 

その時…

ガサガサと草をかき分ける音が聞こえると

 

「咲夜?ちゃんと捕まえた?」

 

「げっ…!?」

現れた霊夢を見て声をあげるてゐ

 

「ご覧の通りよ、やはり貴女の勘は冴えているわ…気味が悪いくらいにね…」

 

「アンタの時間を止める方も気味悪いわよ…」

ジロっと睨む霊夢

 

「あら、お互い様って事ね♪さてと…早くお嬢様達の方へ戻りましょうか…幸運にも目的の人物には会えたようなものですから♪」

 

「…そいつが幽鬼がレミリアに頼んだって言う…異変の関係者?…なんであんたらに…」

何処か機嫌が悪い霊夢

 

「すぐさまいなくなってしまったから、そう言われてもね…ほら急ぎましょうよ…幽鬼さんへ渡す時、手土産は貴女が渡していいから…今は辺りを片付けましょう…」

涼しい笑顔で咲夜は言った

 

「……わかったわよ…言ったこと守んなさいよね!」

そう言って霊夢は再び戻って行った

 

「先が見えてるのか見えてないのか…分からないくらいに幽鬼さんに夢中ね…人の事は言えないけれど♪」

クスリと笑う咲夜

 

「…あの…お姉さん…私はどうなるうさよ?」

縛り吊り上げられているてゐは抵抗を辞めて聞く

 

「抵抗するなら多少は痛い目をうけるかもしれないですが…私の主があの方に言われたお願いで極力怪我をさせずにすませてくれと言われていたので…大人しくしてくれますよね♪」

 

「……わ、わかったうさ…」

向けられた笑顔に圧を感じたてゐは大人しく返事をした

 

「物分りの良い兎さんで良かったです♪では行きましょう♪」

咲夜もてゐ(拘束)を連れて霊夢の後を追った

こうして霊夢達は案内人(拘束)を使い、元凶の屋敷へ向かった

 

 

 

 

 

〜一方その頃〜

怪我した妹紅を見る幽鬼含め、魔理沙、アリスと言うと

 

 

 

 

 

「本当に嫌だったんだぞ…大切なお前が盗られるんじゃないかって…また1人になるんじゃないかって…本当に…!」

 

「大丈夫…大丈夫です…」

 

「それでも、性格はあんなんだけど…見た目はクソほど良いからお前が自分から離れてしまうんじゃないかって…!」

 

「大丈夫…離れませんよ…」

 

「絶対にあの野郎には惚れんなよぉ…!受け入れるなよぉ…!頼むからァぁぁ…!」

 

「ヨシヨシ…落ち着いて落ち着いて…」

 

 

 

意識の戻った妹紅にしがみつかれながら幽鬼はあやしていた

 

 

流れは簡単だ…

幽鬼が妹紅を膝枕して傷の具合などを見ながら、アリスや魔理沙とこの後をどうするかを説明していた時に妹紅のうっすらと意識が戻り、幽鬼がそれに気が付き声をかけた所…

戸惑いながらも手を伸ばし頬を触れて、目の前の幽鬼が本物だと確認した瞬間、一気に覚醒して幽鬼に全力に抱きついたのだ

その時、魔理沙はいきなりの事で驚いたが何となく状況が掴めたので苦笑いを浮かべながらこちらを見ていた

 

「嫌だからなぁ…!!あんな奴と仲良くするお前なんかぁ…!!そんな事をしたら慧音に言うからなぁ…!!」

 

「妹紅さんが思ってる様な事は起きませんから…」

そんな形で今も妹紅を落ち着かせる為にあやしている

 

 

ただ…

 

忘れてはならない…

 

もう1人幽鬼を想う人物が…

 

「幽鬼も大変だな…まぁ、妹紅って奴も負けた相手に相当な因縁があるのは理解したぜ…落ち着くまでもう少し待ってようぜ、アリス………………ん?アリス?」

魔理沙は返答がない隣の相方の方を向く

 

「………………」

黙ったまま真顔で幽鬼達を見つめていた

 

「……あ、アリス?…」

 

「………………」

魔理沙は声をかけるも反応がない、ただ黙って見つめ続けている

 

この時、アリスは頭の中で

 

『いきなり幽鬼に抱きついて…泣き始めて、優しい声をかけられながら頭を撫でられるなんて…まだ私はやられた事無いのに…確かに幽鬼が思い詰めた顔から安心した顔になって嬉しいけど…それと今の事は別なワケであって…今の状況が長すぎるんだけどねぇ?ネェネェネェ?ワタシモイルノニ?………いや、落ち着け私…私欲に呑まれてどうすんの…コレじゃ…パチュリーと同じよ…私はあそこまで堕ちないわ…幽鬼とはゆっくり関係を育みたいの…幽鬼もそれを望んでいるし…誰かが我慢しなくちゃ…ね…………でも…………私にももっと触れて欲しいし…触れたいなぁ……幽鬼に触れると触れた所から…ゆっくり暖かく気持ちがよくなるのよね…ドキドキ…ポカポカ…って……逆に幽鬼に触られたり…弄られたり…すると…もう…タマラナイ………ダメダメ(汗)…こんな所で理性無くしてたりなんかしてたら…本当にパチュリーと(以下同文)…』

そんな自問自答を繰り返していた

 

 

そんな時…

 

 

「幽鬼さん、お待たせ致しました…」

幽鬼のすぐ側に咲夜が現れる

 

「あ、咲夜さん…」

「んぉっと!咲夜…!どうだったんだぜ?」

幽鬼が反応したと同時に魔理沙が近くに駆け寄る

 

「……はっ!…コホンッ…どうやら何か掴めた見たいね…」

自分ワールドから抜け出したアリスもゆっくり近づく

 

「元凶はわかったのか?居場所は?」

魔理沙がそう聞いて見るが

 

「………………」

咲夜は黙ったまま

 

「おい?…咲夜?」

「……………咲夜さん?」

幽鬼と魔理沙が同時に声をかけ直す

 

「……あっ…すみません…少しソコの雌…ゲフンっ!!先程の方は無事に目を覚まされたみたいですね…」

咲夜もあまり幽鬼の状況が好ましく無いみたいだ

 

「あっ…えぇ…さっき意識が戻って、さっきは取り乱してすみませんでした…レミリアさんにも無茶なお願いをしてしまったようで…」

幽鬼は先程の事を謝る

 

「いえいえ、お嬢様も私も貴方の為でしたら……」

軽く頭を下げるが相変わらず離れる気のない妹紅に視線を向け続ける咲夜

 

 

「さて…咲夜さんが来たって事は…色々と整ったという事ですね……?」

 

「はい…お嬢様からのご命令でお迎えに…魔理沙やアリスも来るようにと…」

幽鬼が問いかけると咲夜は迎えに来たことを話す

 

「おぉっ!やっと動けるぜ!今回も異変解決決めてくぜ!」

待ってましたと目を輝かせる魔理沙

 

「……そうね、長い夜も終わらせなきゃね…(幽鬼との2人きりデートが何時まで経っても来ない…)案内してくれるんでしょ?」

アリスも気合いを入れ直す

 

「………幽鬼…もしかしてアイツの所に行くのか?」

妹紅は不安そうに言う

 

「………俺は知ってる…知ってるからこそ…妹紅はあんな目に合う必要はなかった…願わくば平和的に会いたかったけど…今回は今までとは違うやり方で首を挟ませて貰うから…妹紅が思ってるような事は無いよ…」

安心させる為に妹紅の顔を見て話す

そして、頭を撫でながら幽鬼は言った

 

「信じて待ってて…」

 

「……………//」

妹紅はその言葉に黙って頷いた

 

『『言われたい…』です…』

アリスと咲夜は同時に思った

 

「おーい?早く行こうぜ〜!」

相変わらず魔理沙は通常運転

 

「よし!では…行きますか…!咲夜さん!道案内お願いします!!」

幽鬼は立ち上がり咲夜に言う

 

「かしこまりました…♪仰せのままに…♪」

幽鬼に頼られ嬉しさが滲み出ている咲夜

 

「アリスさん、道中巻き込んですみませんが…助太刀お願いします…!魔理沙さんも今回も気をつけてください!」

アリスと魔理沙に言う

 

「おうよ!任せろだぜ!!」

ドンと胸を叩く魔理沙

 

「えぇ…♪任せなさい、最後まで護ってあげる…♪」

同じく頼られ嬉しさが滲みでるアリス

 

「はい!ありがとうございます…!よし!行きまっ…ん?」

幽鬼が出発しようとした時に腕を掴まれ、視線を向けると妹紅も立ち上がって炎を身にまとっていた

 

「幽鬼…情けない所を見せたがやっぱり私もついて行く…じゃねぇと……示しがつかない!!頼む!!」

今さっきまでの乙女妹紅ではなく男前妹紅に切り替わっていた

 

「……無理はしないでくださいよ?…それを約束出来るのなら…行きましょう…!!」

 

「お前の約束なら…いくらでも!!」

いつも通りの妹紅に戻っていた

 

咲夜を先頭に幽鬼達残り組メンバーは歩き出した

 

 

 

 

この異変のラスボスに会うべく…

 

 

 

 

 

一方、先へ進んだ霊夢達は…

 

永遠亭、門入口前

 

 

 

「な…なんて…無茶苦茶なのよ…」

崩れ落ちる様に倒れる優曇華

 

「……無茶苦茶なのは異変起こしてるそっちでしょ…」

フンとツンな態度をとる霊夢

 

「数の暴力と言っても過言ではないですが…急がなくてはならないので…申し訳ないです」

カチンッと音を立て刀を収める妖夢

 

「気にしないのよ〜、妖夢〜?…この子達は私達の至福の時間を無くした張本人(元凶)なんだから〜……忘れちゃダメよ…♪

ニッコリと笑顔で言う幽々子

 

「咲夜が連れてきた兎のおかげですんなり着いて良かったわ…嘘をついていたら咲夜に綺麗に捌いて貰う予定だったしね…♪」

空中に浮かんでるレミリアがグイッと縄を引っ張る

 

「グエッ!?…か、勘弁してウサよ…ちゃ、ちゃんと案内したうさから…助けてウサよ…」

吊り下げられているてゐ

咲夜と霊夢に捕まった後、ここまでの道のりを案内したのだ…

 

(……最初は少しでも遠回り…時間稼ぎを考えたウサ……でもダメうさ…こいつらの目をみたら、無理うさ…イタズラでも冗談通じないレベルのやばい奴らウサ……鈴仙、すまんウサw…反省考えとくウサw)

てゐはうつ伏せに倒れた優曇華に心から謝罪した

 

「それにしても、霊夢…珍しいじゃない…?」

レミリアが霊夢に声をかけた

 

「何がよ…珍しくもなんとも無いわよ…いつも通り仕事をしてるだけよ…」

大幣を肩にかけて言う

 

「…貴女が有無も言わさず、彼女の姿が見えた瞬間に大技をくらわすなんて…」

「……あんな敵意むき出しで待ち構えてるのに話が通じると判断出来るはずないでしょ…なら、先手必勝が確実でしょ」

レミリアの問いに霊夢は平然と答える

 

「それにアンタらもノリノリで仕掛けていたじゃないの…人の事言えないわよ…妖夢なんか張り切り過ぎて屋敷の門事切ってるし…」

目線を屋敷の方へ向けると閉じられていた門が斜めに綺麗に切れていた

 

「…………と、扉を開ける手間を無くしただけですっ!!」

少し恥ずかしそうに言う妖夢

 

「ふふっ♪妖夢ありがとね〜♪……それにしても、少しおかしく無いかしら〜?」

ふよふよと切れた門まで近づく幽々子

 

「何がですか?幽々子様?」

 

「あら?妖夢は気づかないかしら〜?余りにも静か過ぎるのを…」

 

「………静か…ですか?」

首を傾げる妖夢

 

「……………」

「……………」

霊夢とレミリアは黙って屋敷の方を見ていた

「んも〜…妖夢もまだまだねぇ…」

 

「も、申し訳ございません…」

 

「ふふっ♪そこが妖夢の可愛い所なんだけど♪……良い?妖夢?…もしも私のいる白玉楼がこんな風に門が壊されて今にも賊が入り込んで来そうな時…貴女はどうするの〜?」

 

「そんな事!!この妖夢が許すはずありません!!その時は賊を根絶やしに切り捨ててやります!!………………あっ……」

妖夢は気づいた

 

「ふふっ♪わかったかしら♪妖夢?」

ニコニコする幽々子

 

「……屋敷の守備が甘すぎる…ここまで来て出会ったのが今、倒れている(一方的な攻撃によって)…そこの方しか…しかも

屋敷前まで来ていると言うのに中から誰も飛び出して来ない…まさか…罠!?」

妖夢は少し辺りを警戒しだす

 

「罠だったら今頃何かされてるわよ〜♪……それに、既にもう変わっていることがもう1つあるもの〜♪」

 

「し、しかし!幽々子様!!」

 

「ねぇ?……紫?」

幽々子は旧友の名を呼ぶ

 

「…ふぅ〜…全く人遣い荒いんだから…」

スキマが突然開き紫が顔を出す

「ゆ、紫様…?」

はてなが浮かぶ妖夢

 

「……紫?説明は終わった?」

霊夢が紫に声をかける

 

「えぇ…♪とりあえず大間かな説明とお話は済ませてきたわ♪……でも、少し間に合わなかった見たいね…」

チラッと倒れている優曇華を見る紫

 

「ふんっ…そいつが敵意むき出しで待ち構えていたからそうなっただけの話…で?もう大丈夫なんでしょ?」

霊夢は紫に近寄る

 

「えぇ♪理解してくれる利口な代表者の方で良かったですわ……話に移る前に何発かくらいそうになったのだけど…」

 

「八雲紫…今、幽鬼がこちらに向かって来ているが問題はないの?…そこも含め話をしたのでしょうね?」

レミリアはカリスマ

 

「抜かりないわよ…ちゃんと全てを踏まえて説明して理解してくれたから大丈夫よ…全く…この妖怪の賢者を顎で使える人間なんて初めてよ…いっその事私の式にしちゃおうかしら♪」

 

「「「ア゛ッ?」」」

紫の発言に霊夢、レミリア、幽々子が睨む

 

「ふふっ」

妖しく微笑む紫

 

「あのあの!!すみませんが何が起こったのか!紫様が何をしておられたのか説明お願いします!!!!」

まずいと思った妖夢が必死に紫に聞く

 

「そうね、式云々は後にしといて…今この屋敷の代表者に話をしてきたの…まさか、弾幕ごっこで勝負をせずになるとは思わなかったけど…まぁ、この話を出したのは幽鬼君らしいのだけどね…」

 

「えっ…幽鬼さんがですか…?ど、どうして?」

紫の口から幽鬼の名前が出てきて驚く妖夢

 

「それに私は間接的に頼まれた様な物…最初は上手く行くはずがないと思っていたのだけど………ね…」

チラッと霊夢を見る紫

 

「こっち見んな…私も紫の耳に入れとくようにレミリアに頼まれたのよ…そこら辺私も説明して欲しいのだけど…幽鬼が計画した…というか望んでた事って言われたから…」

何処か悔しそうに言う霊夢

 

「何処まで話していいか分からないのだけど…幽鬼はとても怒っていたと言えるわ…それに、そろそろ…あら♪」

レミリアは別の方へ視線を向けた

 

その視線の先を追うと

 

「おーい!お前らー!」

「魔理沙さん!?早い!?早いって!?」

かなりの速度でこちらに箒で飛んでくる魔理沙と一緒に跨っている幽鬼

 

「ちょっと!魔理沙!!スピード落としなさい!」

その後から咲夜

 

「そうよ!!私達が来るまで待っているって咲夜がさっき言ってたでしよぉ!!」

アリスも続いていた

 

 

そして…

 

 

ボーン!!

派手な音がなり、土埃がまう

 

「まったく…」

「派手ねぇ…」

霊夢とレミリアが同時に言う

 

「いつもあんな感じなの?紫?」

「……大人しい時もあるのよ…」

「ゴホッゴホッ!?」

幽々子と紫それぞれ一言、妖夢は土埃で咳き込んだ

 

 

 

 

「おっしゃー!!一番乗りー!!」

土埃が落ち着いて現れた、魔理沙

 

「…………人が後ろに乗ってる事を忘れてませんか?」

少し土埃で汚れたジト目の幽鬼

 

「大丈夫?幽鬼?怪我してない?」

身体に少し触れながら心配そうに聞くアリス

 

「魔理沙?貴女はスピードを落としなさい…?万が一、次に幽鬼さんを吹っ飛ばしていたら……タイヘンヨ?

いつの間にか咲夜も幽鬼の隣に立っていた

 

「張り切りすぎたぜ☆」

ニカッと笑う魔理沙

 

「「自重しなさい!!」」

アリスと咲夜に怒鳴られる魔理沙

 

「あ…アリスさん!咲夜さん!大丈夫ですよ!」

慌てて2人を宥める幽鬼

 

「ふふっ♪相変わらず賑やかね♪幽鬼くんの周りは♪」

そんな状況を見て、楽しそうに笑う紫

 

 

その時…

 

「賑やかなのは良いことだけど…場所考えた方がいい…」

遅れて空から炎を纏いながら妹紅が現れ着地する

 

「……んっ…?アンタ、動いて平気なの?例え不死とか言う奴でもあんな状態だったんだから無理しない方がいいんじゃないないの?」

霊夢が妹紅に言う

 

「ふっ…身体の事は平気だ…やられたら…倍にしてやり返すってのがセオリーなんだよ…今回は色々と違って遅れをとったが…次はそうはならない…輝夜には借りをちゃんと返す…」

そう言って妹紅は炎を滾らせる

 

「大丈夫なら良いわよ…人数が増えれば私が楽が出来るし…さっさと終わらせる事が出来る…さぁ…さっさと行くわよ…」

 

「えっ…わととっ!?」

霊夢は幽鬼の手を掴み屋敷へ向かって歩き出す

 

「ちょっと待ちなさいよ!?霊夢!?」

アリスが進路を塞ぐ

 

「ちょっと…なに?」

 

「なに…?じゃないわよ!!何さりげなく幽鬼を連れてこうとしてるのよ!?幽鬼が危ないじゃない!?幽鬼は私………と魔理沙が傍にいて守るんだから!!」

アリスは幽鬼の反対の腕を掴む

 

「はぁっ!?アリス!?きいてっギロッ……な、なんでもないぜ………」

マリサはアリスのにらむをくらいひるんだ!!

 

「そうね、確かに霊夢…?貴女と幽鬼が行動する理由は不確かよ…最前線に赴くはずの博麗の巫女が守護する人間を連れていくなんて…そこはアリスと同意見…だけど…幽鬼は私達と一緒にいるのが1番安全だわ…ねぇ?咲夜?」

 

「はい、お嬢様…私欲にまみれた危険な魔女にも私達の大切な方をお任せすることは出来かねます…」

すぐ様、レミリアと咲夜が傍に現れる

 

「ちょっと…揉めてる暇無いのよ…?」

霊夢は睨み散らす

 

「そういう訳にも行かないわ〜♪(ムニュッ…♪)」

幽々子が幽鬼を後ろから抱きしめる

 

「……………(HARD!!)」

ユキはげんきになった!!

 

「幽鬼ちゃんは元々、今日の夜は何も起こらなければ白玉楼で貸切だったんですもの〜…そんなちゃんと終わっても無いのに盗られちゃうのは違うでしょ〜?……だから♪ここから幽鬼ちゃんは私達と一緒に動くの〜♪ねぇ♪妖夢〜♪(ムニュッムニュッ)」

 

「はいっ!!その通りでございます!!幽々子っ!!!それに!先程紫様が仰っていた事を踏まえますと!!異変は解決に向かっているのでは無いでしょうか!?なので!!幽鬼さんはこのまま私達の方へ!!(プニュッ)」

妖夢も後ろから腰に抱きつく

 

「………………(EXTRA!!)」

ユキはとてもげんきになった!!

そんなこんなでわちゃわちゃしているメンバー

 

 

「ふふっ♪罪な男ねぇ♪」

やはりそんな状況を見て、楽しむ紫

 

「なぁ、アンタ…」

妹紅が紫に話かける

 

「あら?何かしら?…貴女は参加しないの?幽鬼君、盗られちゃうわよ♪」

 

「私は別にいい…来てくれるのを待つだけさ…幽鬼は私の所にはちゃんと来てくれる…今日だって、私の為に泣いてくれたんだ、だからさ…無理に何かするんじゃなくて信じて待つ方が嬉しいし、楽しいんだよ…永遠を生きる私にとってな…」

静かな笑顔を見せる妹紅

 

「……………最初に謝るわ…不粋な事を言ってごめんなさいね…あの子達に貴女の爪の垢飲ませてやりたいわ…で?なんの御用かしら?」

 

「アンタ…ここの代表者と話したってチラッと聞いたんだが…丸く収まりそうなのか?」

妹紅は少し苦い顔をして聞いた

 

「ふふっ♪…代表者と言っても貴女のライバルさんではありませんわ♪…そこで伸びている兎さんと今の状況に思考が追いつかずに目が点になっている縛りあげられた兎さんの薬学の先生ですわ♪」

紫は微笑む

 

「まさか…そんな簡単に話し合いで終わった物なのか…?」

妹紅は驚いていた

 

「まぁ…少し条件があるけれど…それはが必要なのよ♪」

 

「えっ?」

 

その時…

 

「ふおっ!?」

 

「「「「幽鬼っ!?」さんっ!?」ちゃん!?」」

揉めていたメンバーの声がハモる

紫は囲まれている幽鬼の足元にスキマを作り、落とした

 

 

 

 

 

「ふふっ…♪彼に頑張って貰いましょう♪」

そう言って妹紅に軽く微笑む

 

「………………」

妹紅は苦笑いしながら後ろに下がる

 

「あら?どうしたの?」

 

「……う、後ろ…やべっ!!」

妹紅は竹林に身を隠す

 

「……??…後ろって…な………な…にっ?」

振り返った紫の目の前に

 

陰陽玉・人形(スピア装備)・グンニグル・ナイフ・斬撃(刀による)・蝶(黒死蝶)が1つに固まって飛んで向かっていた

 

「…………あちゃっ♪」

紫はコツンと自分の頭を軽く叩いた瞬間…

 

紫は弾幕の光に包まれた…

 

 

「「「「………………」」」」

ゾロゾロと屋敷の中へ入る猛者達

 

 

そして、残ったのはポカンとした魔理沙、隠れた妹紅、手綱を離されたてゐ(拘束中)、理不尽に打ちのめされた優曇華(気絶)、紫(黒焦げ)だけだった

 

「アンタも苦労してるうさね…」

てゐが縛られたまま魔理沙の横に来て言う

 

「…予測がつかないから大変だぜ…色々とな…」

肩を落として遠い目をして言う魔理沙

 

「……元気出すうさ…後で四葉のクローバーやるうさ……」

魔理沙を不憫に思ったてゐが静かに言った

 

「……………ありがとだぜ…」

疲れた顔の魔理沙

 

その時、ただ1人静かに考えていた

 

「…何をしようとしてるんだ……」

夜空に浮かぶ偽物の満月を見ながらボソッと妹紅は言った

 

 

 

 

 

 

 

 

夜はまだ続く…





((^ω^≡^ω<ギャアアアアアアア
あと少しで永夜抄を終わらせる事ができます

とりあえず、常識的な終わり方はしない予定でございます
それは、それは…ムチャクチャに…(ΦωΦ)フフフ・・

次の更新までお待ちください…

ここまで読んで下さりありがとうございました!!


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止められた夜、月の異変 後編



オイッス!
オラアマノ!!

書いたのでよんでください!!

語彙力が低下してますだ!!


今回の流れ・落とされた先で出会う→闘う?いいえ…北○の拳です…→異変首謀者接敵→主人公ブチギレ→反省の涙→和解(あっさり系)→全員集合→また次回!!




(´・ω・`)最近ほんとにネタ切れ…





 

 

 

「いきなり落とすんだもん…紫さんも人が悪いよ…」

幽鬼は1人広い和室にいた

 

「まぁ…元々こうなるかも…とは踏んでいたから…口を挟んだ普通の人間だからこそね…」

そうして幽鬼はゆっくり振り返る

 

「…貴方があの妖怪の賢者…この世界の管理者が言っていた…地上の人間ね…?」

そこには長い銀髪を三つ編みにして、前髪は真ん中分け。

左右で色の分かれる特殊な配色の服を着ていた…

具体的に言うと、青と赤から成るツートンカラーで上の服は右が赤で左が青、スカートは上の服の左右逆の配色となっている。

袖はフリルの付いた半袖で全体的に色合い以外はやや中華的な装いに近い

頭には、同じくツートンのナース帽ベースで前面中央に赤十字マークが着いたものをを被っている。

 

あらゆる薬を作る程度の能力を持つ

 

月の頭脳の天才

 

八意永琳

 

 

 

( ゚∀゚)o彡゜えーりん!えーりん!

 

 

 

 

( ゚∀゚)o彡゜えーりん!えーりん!

 

 

 

 

 

静かな雰囲気を纏って立っていた

コチラを警戒しているのか、その手には弓を持っている

 

「…警戒しているのは分かります…しかし先程、紫さんから説明があったはずです…それが全てであり…貴女方が起こしている異変は意味が無いもの…すんなりやめていただければお互いに大きな損失や損壊が起こらないんです…」

永琳を説明と説得する幽鬼

 

「………えぇ…あの賢者に聞いた…私達が起こしたこの騒ぎは無意味だと…的確に話してくるから最初は未来が見えてるのかと賢者を疑った…でも…違った…賢者も悟られ、教えられただけ…影の功労者は……普通の人間だった…」

睨むように幽鬼を見る永琳

 

「それなら、自分の今言いたいこと…分かりますよね…?偶然紫さんが送った場所に貴女が偶然、自分の現れる所にいたってならない筈なんですよ…」

永琳に近づき静かに言い放った

 

「結界で護られた部屋に入れて貰えますよね?」

永琳の背後の部屋を指さす幽鬼

 

「……………………」

しかし、永琳の目は鋭くなる

 

「……ダメなんですかね…?」

残念そうに言う幽鬼

 

「…それとこれのは話が別…例え月からの使者が来なくても…あの娘(輝夜)を狙う人物は誰であろうと…合わせる筈がない…」

永琳はゆっくり弓を構え、幽鬼に矢を向ける

 

「………なるべく手荒な真似はしたく無いんです…お願いします…そこをどいて通してください…」

幽鬼は深々と頭を下げる

 

しかし…

 

永琳は…

 

「くどい!誰であろうが通しはしない!」

永琳は頭を下げている幽鬼に矢を放った

 

「………」

頭を下げた幽鬼には見えていない、このまま行けば、幽鬼の脳天に矢が刺さってしまう

 

 

 

 

普通の人間だったら…

 

 

 

 

 

「………はぁ…なら……仕方ないです…」

軽くため息をして顔をあげる

 

 

 

 

 

「…穏便に終われば良かったんですが…」

ゆっくり構える

 

 

 

「少し眠っててください…」

スッとその場から姿を消す

幽鬼目掛けて放った矢は後ろの襖へ突き刺さった

 

「何っ!?…くっ!?どこに!?」

永琳は辺りを見渡す

 

「……すみませんっ!!」

「…っ!…ぐっ!!」

目の前に幽鬼が現れ、永琳は咄嗟に防御姿勢になる

 

「痛くは…ありません!!」

しかし、幽鬼の速さの方が上だった

 

「ぐっ!?う゛ぅっ…!?かふっ…!?」

永琳は首筋、脇腹、下腹部に一撃づつくらう

 

 

「これで…大人しくしててください…」

幽鬼はゆっくり構えをといて言う

そして、向かうべき場所へ歩み出す

 

「…はぁ…んが…はぁ…まだよ…この程度…なんともっ!!」

永琳は行かせまいと振り返りながら弓を取り、矢を撃とうと構える

 

 

 

 

しかし、彼女は選択を間違った…

 

 

月の頭脳と言われた彼女は…

 

 

 

 

予測不能の出来事が身体に起こる…

 

 

ードクンッー

「……ッ…!」(カランッ…!

大きく心臓が脈打ち、ポロッと手から弓を落とす

 

ードクンッドクンッ!!ドドドッッッ!!ー

「……ぁな゛ッ…んぃ゛ッ…!!??

心臓がありえないくらいに脈を打ち身体全体が暑くなる

 

バッボンッ!!!!??

ぁ゛ッギぃ゛ッっ!

聞いた事のないような心臓の音が聞こえ、跳ね上がった

 

 

 

 

「初めて使う技なんで…すみません…」

幽鬼が静かに言う

 

 

 

その瞬間永琳は身体全体が味わったことの無い快楽に包まれる

 

 

 

そして…

 

 

 

 

ハグァガァァギィぃぃぃぃッッッ///!?!?!?!?

奇声を上げ、白目を向いて仰け反った

 

 

 

「二速縁打(えんだ)有情(うじょう)天昇(てんしょう)ツボ押し・三連…」

幽鬼は申し訳なさそうに小さく言った

 

 

ひ…ぎぁ゛…ぁ…

永琳はそのまま仰向けに倒れる

 

 

 

 

 

 

「………威力すごっ…(汗」

幽鬼は静かに呟いた

 

 

 

この技の経緯はいたって簡単…

 

慧音が幽鬼の身体に触れた時に(キスした時)発動した奴の劣化版であり、考案者は代理人()である

 

何故こんな形になったのかと言うと…

 

これから先絡んで来る人物は殆ど女性であり、異性である幽鬼は今後巻き込まれる事を考えて、女性相手(妖怪であっても)には弾幕ごっこ(一部の鬼除く)をするのは余りいい気分では無いので悩んだ幽鬼が代理人に相談して、最終的に頼んで考えて貰ったのだが…

 

 

快楽につき落とせばいいんじゃね?

と言う代理人の練にねった?案が打開策になってしまった

 

そして、幽鬼の縁を操る程度の能力に応じて、代理人のなんか都合のいい神様の神秘の力を使って編み出したのである!!

 

 

なんやかんやあって出来たって訳だよ〜ww(By・代理人

 

 

 

「怪我させない技…初めて使ったけど…」

チラッと永琳の方に視線をやる

 

…ぉ゛う゛ッ…ひぅ゛ァ

全身を痙攣させ、声にならない音が口から漏れていた

 

「………色々とアウトだろ…コレ(汗)…死にたくないから…万が一を含めて、二速の三連でやってみたけど、効きすぎでしょ……やるこっちも色々危ない気がする…」

苦い顔をする幽鬼

 

「………さてと…とりあえず…収穫としては…縁でツボの位置が分かる事…三連でも絶大な効果がある(蓬莱人含め)と…でも、人にやったらどうなる事やら…やめよ…良くない!!」

幽鬼は強い意志を硬め、それ以上考えるのを辞めた

 

 

しかし、この強い意志は近いうちに簡単に崩れ去るのである…

 

 

 

 

 

( ^ω^)素直が1番だよ♪(By・代理人

 

 

 

 

 

 

「……っ…な、なんだ?悪寒が…いや、とりあえず先へ行こう……」

幽鬼は軽く身震いしたが気合いを入れて歩き出す

 

 

 

 

この異変の首謀者のいる…

 

 

 

次の部屋へ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、正面突入メンバーは…

 

 

 

「ここにもいない…」

スっと長い廊下に続く襖を開けて言う霊夢

 

「…いい加減にして欲しいわね…この鬱陶しい程の部屋の数…」

霊夢の開けた部屋を含めてまだ、この長い廊下には部屋が沢山あるのだ

 

「……近づいてるのは間違いない…でもあやふや…鬱陶しい…」

苛立ちを隠せない霊夢

 

その時

 

「せやぁー!!」

響いた声と同時に2つ先の襖が細切りになり吹っ飛ぶ

 

「…んっ!…また別の!…幽々子様!!また!!別の廊下に続いてます!!」

「あらあら、真っ直ぐ来てたと思ったのにいつの間にズレちゃったのかしら?」

現れたのは部屋の襖を片っ端から切り込んでいる妖夢とその後に続く幽々子だった

 

「近づいたと思ったらまた別の廊下…幽々子様…やはり屋敷の大きさと今まで進んで来た長さを重ねるとつり合わないです!」

刀を収めながら幽々子に言う

 

「そうね〜…でも、必ず当たりはあるはずよ?幽鬼ちゃんを落とした紫も怒らなきゃだけど…先に幽鬼ちゃんの安全確保と身柄確保が優先〜♪……それに近づいてるのは確かだからね♪」

チラッと幽々子が霊夢を見る

 

「…えっ…どういうっ?…あっ!霊夢さん!…ご無事でしたか!!」

妖夢は霊夢に駆け寄る

 

「…なに…さも先に幽鬼を見つけたら…自分達の物風な言い方…」

しかし霊夢は幽々子を睨む

 

「あらあら…そんな風に聞こえちゃったのかしら?…別にそんな事思って無いわ〜?…今晩は幽鬼ちゃんは家にいる筈の日なんだからそう言っちゃっただけで、自分達の物なんて〜…思ってもないわよ〜?」

幽々子はいつも通りマイペースな返答をする

 

「……アンタも紫と同じで何考えてるか正直分からない方だと思ってたけど…幽鬼に関しては弱いわね…」

霊夢はそう言って背を向けて歩き出す

 

「あ、霊夢さん!!待ってください!!一緒に幽鬼さんを探しましょうよ!!その方が早いですよーー!!」

妖夢はそんな霊夢の後を追いかける

 

「………それはお互いさまでしょ…♪」

幽々子はそう呟いて、2人の後に着いて行った

 

 

 

 

 

 

 

ーー同時刻ーー

 

真っ直ぐ伸びる別の廊下を歩くふたつの影

 

「ねぇ…咲夜?」

 

「はい…お嬢様…」

互いに歩みを止める

 

「今更なのだけど…貴女は幽鬼の事をどう思っているのかしら?…こんな時にだけど」

チラッと自分の後ろにいる咲夜を見るレミリア

 

「どう…思ってる……それはお嬢様もとっくにお気づきかと思いますが…」

 

「お前の口から聞きたいんだ…お前の主であり…お前を拾った育ての親でもあるのだ……わかるだろ…親は娘の幸せを願うものだ…」

静かに強く言うレミリア

 

「……失礼致しました…お嬢様……」

咲夜はレミリアの言われた事を理解し、頭を下げ謝罪した

 

「……わかったのなら…今一度行くわ…咲夜?貴女は彼の事…幽鬼の事をどう思っているのかしら?」

再びレミリアは咲夜に聞く

 

そして、咲夜はゆっくり深呼吸をして言い放った

 

「……お嬢様、咲夜は幽鬼様の事を心からお慕いしております…この気持ちはお嬢様に対しての忠義に引け劣らぬ物にございます…しかし、お嬢様がやめろと仰るのであれば咲夜は……咲夜は……幽鬼様を……あきらっ…『咲夜っ…』

咲夜の言葉を遮るレミリア

 

「貴女ね…何か勘違いしてないかしら?別に私は咲夜に幽鬼を諦めろなんて一言も言ってないわよ…」

 

「しかし!私は…」

 

「なーに今更怖気てんのよ…つい2日、3日前の貴女は何処へやら…私を丸め込ませて、パチェの作った変な道具と私を繋げたのは何処の誰よ…私は今まで聞きそびれてきた咲夜の本心をちゃんと聞きたかっただけよ…全く…貴女は何処か抜けてるわね…」

やれやれと首を振るレミリア

 

「も、申し訳ございません…少し勘違いを…」

再び頭を下げる咲夜

 

「はぁ…好きなら好きで貫きなさいな…まだまだこれから先、増えるのだろうから…かと言って私も幽鬼を囲おうとしてる1人なんだけどね♪幽鬼との相性は1番なレミリア・スカーレットなのだから!!」

胸を張って宣言するレミリア

 

「そうでございますねー(棒)」

 

「ちょっと…咲夜?なんでそんな感情がこもってないのよ…」

 

「気の所為でございますよー(棒)」

 

「いやいや…受け答えがまるで棒読みなんだけど…」

 

「それよりも、お嬢様、早く幽鬼様を見つけましょう!!」

 

「いや、誤魔化さないでよ」

 

 

 

「誤魔化してません!!もう正直我慢の限界なんです!!グッチョグチョなんでございますから!!!」

 

 

「何処がよ!!…と言いたい所だけど察したわよ!!ふざけていても!そんな事を大きな声で叫ぶんじゃないの!!はしたない!!良い話が台無しよ!!」

 

そんな事を言いながら騒いでいるとスっと襖の一枚が開くと

 

「…大声が聞こえたと思ってきたら、案の定ね…少しは静かに行動出来ないのかしら?」

ゆっくりとアリスが部屋から出てきた

 

「…はぁ…取り乱したわ…貴女は1人なの?霊夢と同じ位の速さで奥に進んで行ったでしょ?」

軽くため息交えて聞くレミリア

 

「途中で別々に進む方を変えただけ…幽鬼を早く見つけだして、こんな異変早めに終わらすためよ…」

アリスは静かに言う

 

「そう、なら…ここで合流したのも何かの縁なのか…はたまた…幽鬼が近くにいるのかもしれないわね…

レミリアがそう言いながら、スっとアリスの横を通る

 

「「えっ…」」

アリスと咲夜が驚く

 

「私は運命を…彼は縁…なら、必然的に紐づくのよ…」

そうレミリアが言った瞬間

 

 

ドォォン!!

衝撃音が前から響く

 

「ほらね、行きましょう…ほら、アリス、咲夜…彼が待ってるわよ♪」

レミリアは進み始める

 

「はい、お嬢様…参ります…」

咲夜も後に続く

 

「…はぁ…なんか出し抜かれた気分だけど…」

アリスもレミリア達の後に着いて行った

 

 

レミリア達が進む部屋は、時を同じくして別の方から霊夢達も向かって行ったのだった

 

 

 

 

しかし何故か…この時…

 

皆、幽鬼が無事な事を確信していた…

 

 

 

レミリアだけが…その理由を気づいている…

 

何故なら…

 

それが…

 

運命だから…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分前…

 

 

最後の部屋へ向かった幽鬼は…

 

ゆっくりとその部屋の襖を開けた…

 

広々とした空間で部屋の奥には…

時代劇で見る偉い人が座る高座があり…

 

そこにはこの異変の首謀者…

 

腰より長いほどのストレートの黒髪なびかし…

そして、手足の先まで隠す衣服は純然たる和風の美をだす…

絶世の美女…

 

二つ名・永遠と須臾の罪人

 

能力ははたまたチート能力

永遠と須臾を操る程度の能力を持つ

 

 

「お待ちしてました…」

綺麗で透き通った声が響く

 

月明かりに照らされて、その姿がハッキリと見える

 

 

「蓬莱山輝夜と申します…以後お見知り置きを…貴方が、次の私の夫婦立候補者かしら♪」

声と見た目が何よりも綺麗なかぐや姫本人が目の前に現れた

 

 

普通の男性だったら、そこで恋に落ちるだろう…

 

金を懸け、彼女を振り向かせようと…

 

命を懸け、彼女に愛をもらおうと…

 

時間を懸け、彼女の傍に長くいようと…

 

まさに…全てを懸けて彼女を物にしようとするだろう…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし幽鬼は一言…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え…君、頭大丈夫?」

ガチな心配した顔で言い放った…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(え…な、なんてっ?)

輝夜は固まった

 

数刻前に部屋に入って来て現れた青年に

 

 

『頭大丈夫?』と割と…いや、本当に心配された顔して言われたのだが…

 

 

(………えっ…なんで?わ、私がっ…えっ?)

輝夜は訳が分からなかった

 

「…ね、ねぇ…貴方は…今さっきなんて?」

輝夜は恐る恐る聞き直した

 

「えっ?…いや、いきなり変な事言うから頭おかしくなってないかって…言ったんだけど?」

目の前の青年は躊躇なく言い直した

 

「…………」

輝夜は再び固まった

 

(え、なんで?今までの男達だったら、なんであろうが求婚してきた筈……え?…私の容姿を一目見て…一言…『頭大丈夫か?』って…本当に心配されたんだけど…か、彼は…な、なんで?…えっ?えっ?)

輝夜は余計に混乱した

 

そんな最中に青年は近づきながら、喋りだした

 

「いやまぁ…さ…色々とおかしい所は多々あるよ?…多分、君が自覚してないだけで…沢山ね…とりあえず抜粋して言うと今の君は…うん…夫婦所か友達にもなりたくない…本音言っちゃうとね?…俺は今君に怒ってるんだよね…うん、なんで怒ってるかってわかるよね?」

少し声のトーンが低くなる青年

 

「…はっ!?…わ、私は君じゃないわよ!!輝夜!!蓬莱山輝夜!!…貴方が怒ってる理由なんて知らないわよ!!とりあえず私は頭おかしくないからね!!…それに!!貴方も名前を名乗りなさい!!」

輝夜は目の前の状況に気づき答える

 

「それは失礼した…俺の名前は風華幽鬼だ…以後よろしく……さて、輝夜は怒ってる理由が分からないと言うの?」

幽鬼は少し手前で腕組みしてその場に立つ

 

「えぇ!分からないわよ!!どっちかって言うと失礼な事を言っている貴方の方が自身の態度を改めなさいよ!改めないんだったら私は聞く耳持たない!!」

そう言って輝夜はそっぽ向く

 

「………そうか、なら遠慮はいらないね?…少し反省していたり…分かっていたのなら…許してあげたんだけど……な゛ぁっ!!

 

ドオォォォン!!!

 

「ッ!?」

輝夜は驚いて、目線を目の前に戻すと幽鬼が畳に拳を突き立ててクレーターを作っていた

 

「……ここからはちょっと…乱暴になります…」

 

「……な、何が…よ…」

輝夜がそう言うと幽鬼は深呼吸をした

 

 

そして…

 

「何がじゃなくてな?…この拳……お前が女じゃなければ…殴り飛ばしていたよ…さっきの威力で…まぁ…お前は死なねぇ身体だから?死ぬこたぁねぇー…痛みも屁でもねぇだろがよ??」

 

「………な、なに…を…」

明らかに雰囲気が違う目の前の幽鬼に動けなくなる輝夜

 

「分ってんだろ!!とぼけてんな!!お前があんな惨い目に合わした女はな!!妹紅はなぁ!!俺の女だって分かってあんな惨い事をしたんだろぉうがよぉぉ!!!

 

「……い…ぁ…あの……」

迫力に負けて上手く声が出せなくなる輝夜

 

「確かによぉ…テメェと妹紅との因縁とかよ…テメェが妹紅の為にその罰を受け止めてんのはわかってんだよ…だがよ?今回のは…話が別だァ!!

 

「…うぐっ!?」

輝夜は幽鬼に胸ぐらを掴まれる

 

「でっ!?俺が部屋に入って一言目があんなふざけた言葉でぇ!?『次の夫婦立候補者?』だと?…んなわけあるかクソがァぁ!!テメェなんか嫁所か知り合いにもいらないわっ!!俺は嫁がテメェじゃなくても沢山いるんだぉよっ!!勘違いお姫様なんかお断りだ馬鹿ぁ!!妹紅の方がとてつもなくテメェより綺麗だし可愛いわぁクソがぁ!!テメェなんか今はそこら辺の石っころと同じなんだよぉっ!!」

 

「……っ…ぅ…ぁっ…」

(どうして?そんな酷い事を言うの?なんで…私の事を褒めてくれないの?なんでっ!?どうしてっ!?…私だって!!妹紅にあんな事しなくてもっ!!アンタ以外に昔は男が擦り寄って来たんだからぁ!!……昔は…むかし……むか…し……)

輝夜は幽鬼が怖くなっていく一方凄く悲しくなっていたが思い返し始めた

 

(………昔…私は見た目とかだけで京の王族やら権力者が求婚を求めてきた…ちやほやと飽きること無く、毎日の求婚の手紙や贈り物多かった…でも誰も私を理解しようとはしなかった…高価な物で釣って権力を振りかざして…ただ見てくれが綺麗ってだけで看板になる私は…そのお飾りになるのは見えていた……唯一…私を育ててくれたお爺様とお祖母様……そして、妹紅の父親…だけが、私の本心を理解してくれた………心のそこから…褒められたい…大切にされたい…そんな事をこの永い間忘れていたのかもしれない…けど…けどね…)

 

「………おいっ?聞いてんのか?石っころ?なんか言ってみろよぉ!!」

胸ぐらを掴んだ幽鬼は輝夜に顔を伏せられ無視されてるのかと声をかけた

 

「………で……もっ…」

ボソッと何か喋る

 

「…あ?なに?…っうぉ!?」

幽鬼が聞き直そうとしたら顔がいきなり振り上げる輝夜

 

 

彼女はまずさけんだ…

 

 

 

 

「ひっ゛…ぐ…わ、わだじっ…にっ!なっ…な゛んでぇ゛っそんなっ…ごどぉ゛…い゛ぅ゛のぉ゛ぉ…わ゛ぁぁん゛!!!わた゛っじだっでぇ!!もぉごぅうみだいにぃ゛ぃぃッ!!」(号泣)

さっきの絶世の美女の顔はそこには無く号泣して鼻水を垂らす女の子がいた…

 

「あのな…先ずはあやまっ…

「あ゛ゃっま゛るがらぁ゛!!もごぅぁう゛にも゛あ゛っなぁだぁにもぉ゛!!う゛あ゛ぁぁぁん!!だっだ…がぁっらぁ…!びぇ゛えぇぇ゛ぇ゛ン!!」

 

「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

ー数分後ー

 

 

 

 

「…ぅぅ゛っ…ヒッグッ…」

肩を揺らししゃくり上げる輝夜

 

「どう?落ち着いた?」

幽鬼は輝夜が落ち着くまで隣で座って待っていた

 

「………グゥ゛…ヒッグッ…も、もぅ…い、言わない…?」

恐る恐る肩を震わせて輝夜は幽鬼に確認する

 

「はぁ…まぁ、妹紅さんに対してした事を謝って欲しかっただけなので…今回の事で反省するのであればもう何も言いません…」

幽鬼は啓す様に輝夜に話す

 

「……ごめんなさい…」

輝夜はぺこりと頭を下げて謝る

 

「自分だけじゃなくて…妹紅さんにも謝って?…貴女方の取っ組み合いは過度じゃなければ戯れなんでしょ?…それで、なんで今回妹紅さんにあんな事を?」

 

「うっ…//」

幽鬼がそう聞くと輝夜は顔を赤らめ言葉を詰まらせる

 

「う、…//…ただ…妹紅が…ぅ…うら…ゴニョゴニョ…//」

輝夜は声が小さくなる

 

「うら……?」

チラチラと何か言っている輝夜に言う

 

「うぅ//だ、だから//!妹紅が羨ましかったのよ!…お互いに殺し愛をしていた仲だし…それに私は見てくれだけで男が求婚して来てて…実際にお互い想って結ばれるなんて…経験した事なくて…出し抜かれた感じがあったし…」

輝夜はチラチラと幽鬼を見る

 

「だから…妹紅に意地悪を含めて……まぁ、私もへそ曲がりしてたって事もあるけど…でも、いきなり出会い頭にあんな事を言われるなんて思いもよらなかったし初めてだった…変わり映えの無い日々を送る私にとっては新鮮ちゃぁ…新鮮だけどね…もう少し優しく言って欲しかった…」

と言って少しため息をつく

 

「何となくだけど…輝夜の言ってることは…うん、まぁ…理解はしたよ…けど…やっぱりやり方は違うと思う…もう少し輝夜は素直に頼んで見るとか…みえをはったりするのをやめたりしてみたらどう?」

 

「素直に言ったら叶うの?」

幽鬼にそう返す輝夜

 

「あぁ〜……人によるし…時と場合やタイミングにもよると思うよ?…」

幽鬼は苦笑いしながら答える

 

「………じゃあ…さ…あの時私に言った言葉が本気じゃないのなら………と、…も…だちっ…に…//」

ゴニョゴニョと再び輝夜は喋りだし幽鬼に

 

「友達か…なっても良いけど…先に妹紅さんに謝ってからだね…後は…」

と幽鬼が言いかけた時

 

「やったぁ!初めてのお友達、第1号ね!これからよろしくね!!」

「うわっ!?ちょっと?」

輝夜が両手で抱きついてきた事に幽鬼は驚く

 

「あ、ごめん…//永琳達以外に誰か知り合いが出来たのは初めてだから…嬉しくて、つい…//」

照れながらサッと離れる輝夜

 

「さっきまで泣きわめいてたのになぁ…切り替え早いよ…」

肩透かしをした幽鬼

 

「切り替えの早さが取り柄なの♪でねでね♪」

「はい、少しストップ!」

輝夜のターンになりそうだったので幽鬼が止める

 

「何よ〜!これから楽しくなるって言うのに〜!」

プクッと頬を膨らます輝夜

 

「楽しんでる所悪いけど…色々と忘れてるし、話が脱線してるって自覚ある?」

ジト目する幽鬼

 

「………あっ……てへっ♪(ノ≧ڡ≦)」

コツンと輝夜は自分を小突く

 

「はぁ…何か自分が情けなくなってきちゃったよ…さて…多分そろそろかな…」

幽鬼は輝夜から視線を外し前を見る

 

「……?何が?」

輝夜も合わせて前を向く

 

 

 

 

 

 

 

 

次の瞬間…

 

 

前方と左側の部屋を隔ててる襖が吹っ飛び…

左側の屋敷の庭に続いてる障子が炎に包まれる…

 

 

三方向ほぼ同時にたどり着いた…

 

 

 

 

 

「……………」

顔がひきつる輝夜

 

「ね?ある意味…俺が最初に来て良かったでしょ?」

その幽鬼の一言に輝夜は全力で首を縦に振り同意した

 

三方向から伝わってくる、異変の解決への気魄(練られた殺気)が輝夜が今まで味わった事のない迫力だったのだ…

 

 

 

 

 

そして、ゾロゾロとこちらに向かってやってくる人影…

輝夜はこの時自分ではなく、自分の隣にいる幽鬼に向かって来ているのだと瞬時に理解した…

 

「…………」

輝夜は黙って、交互を見ていると幽鬼が立ち上がり人影達の前に立つ

 

 

「異変は無事に終わりました…自分は無事なのでもう何もしないでください…片付けして…宴会しましょう♪

幽鬼が笑顔でそう言うと目の前の空気が変わり…

 

 

「幽鬼がそう言うなら…これ以上は追求はしない…」

1番前に立つ博麗の巫女がそう答え、幽鬼に抱きついた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月異変の終演…

 

 

 

 

 

 






( ゚д゚)予告しときますね?


(゚д゚ )ごく普通の予告ですので深く考えないでくださいね?



ー次回予告ー

まさか、こんな形でやられて終わるなんて想像もつかなかった…

予測も付けられないような負け方をしたって思う…

…輝夜も何故か嬉しそうだった…でも、何か肩透かしを喰らったのは間違いないわ…

ふぅ…取り敢えず、私達が起こした『異変』の後は催しをするみたいね…

宴会…ね…いつぶりくらいかしらね…

遠い前の頃だから忘れてしまったわ…でも、輝夜も乗る気みたいだしね…いつも通り姫様のお願いは聞きましょう…

…………まだ身体が落ち着かない…んっ……あの子は来るのかしら…

……だ、ダメよ…何言ってるのよ…

……本当に…どうしちゃったのかしら……私…
……悩んでても仕方ないわね…優曇華とてゐの手当てをしてから準備に取り掛かり始めましょ…

床も増やしとく必要もありそうね……




次回・『The宴会!酒は呑んでも!呑まれるな!』






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前編 The宴会!酒は呑んでも!呑まれるな!



明けました!おめでとうございました!

年明けの一発目です

(´Д`)更新速度がかなり落ちてますが…
続けたいと思ってます!

永夜抄宴会編、暖かい目で読んでください!!






 

 

人間と言う物は脆いもの…

 

 

 

 

 

身体に弱点を幾つも抱えている…

 

 

 

 

人それぞれ耐久値が決まっているのかもしれない…

 

 

 

 

 

 

 

 

アルコールの摂取量…

 

 

 

 

 

 

月異変が終わり、落ち着いた三日目…

いつも通りの宴会を開催したが今回の場所は永遠亭、珍しく博麗神社では無かった…

 

その屋敷へと続く竹林を進む二人…

 

「すっかり、遅くなっちゃったわね…始めてる頃ね…」

「時間的に一時間程度ですから…間に合いますよ?」

アリスと幽鬼が並んで歩いていた

 

何故アリスと一緒にいるかと言うと、アリスの家に赴き、服のデザイン等簡単に決めてから細かな身体の採寸を上半身(20分)下半身(半日)と途中アリスと休憩(吸引・摂取・掃除)を挟みながら完了させた

 

「…………幽鬼?大丈夫?」

ふとアリスが足を止めて言う

 

「…何がです?」

 

「異変の夜からまともに休んでないんじゃないの?…三日経っているとはいえ…無理してない?」

心配そうに言うアリス

 

「大丈夫ですよ!今日の為に昨日は休ませて貰ってましたから…流石に霊夢さんに怒られましたので…(腰がヤバいけど…)」

 

「そう…でも無理しちゃダメだからね?…キツかったら何時でも頼りなさいよね?…何時でも甘えていいから…」

そう言ってアリスは幽鬼に抱きついた

 

「…これはどっちかって言うと今アリスさんが甘えてません?…」

苦笑しながらアリスを抱きしめる

 

「……いつでも…良いわって事…わかってるでしょ?……我慢させる気?」

うっとりとした表情で幽鬼を見上げ

 

「………」

幽鬼は黙ってアリスの顔を引き寄せ、アリスもつま先立ちになる

 

そして……

 

月明かりに浮かぶ2つの人影がゆっくり重なった

 

 

それは深く、濃厚(ディープ)なひととき…

 

 

幽鬼はアリスが満たされ、満足するまで彼女の舌を受け入れた

 

 

離れた瞬間に糸を軽く引くまで……

 

 

 

 

 

30分後…

 

 

 

 

 

 

 

目的地である永遠亭の門が見え、妖夢が異変時に切り倒した門はそのままになっていた

 

しかし、違うとすれば屋敷の中からはドンチャン騒ぎでにぎやかな声が外にまで聞こえていた

 

「どうやらだいぶ出来上がってるみたいね」

 

「そうみたいですね、途中参加は初めてなので新鮮さがありますよ…とりあえず、中に入りますか」

幽鬼とアリスは門を潜り、異変時には入れなかった(落とされて)正面玄関の扉を開けた

 

「おぉ…大分外と中では違いますね」

 

「閉鎖された形の屋敷で逆に良かったんじゃないかしら?…人里でこんな事出来ないはずよ…」

アリスは微笑んで言った

 

「勢揃いか…見慣れた靴が沢山ありますね…居酒屋かな?ここは…フッ……あ、アリスさん…先に行っててください…」

 

「ん?どうかしたの?」

靴を脱ごうと座ったアリスが手を止める

 

「この先の事を考えて…心構えを…」

遠い目をする幽鬼

 

「あ…そ、そうね…わかったわ、なるべく早くね?」

察したアリスは靴を脱ぎ揃えて、奥の賑やかな部屋へ向かっていった

 

「……………ふぅ…よいしょ…」

草履を脱ぎ、玄関に揃える

 

 

その時だった…

 

「……ん…なんだ?」

幽鬼の周りに何か漂う気配があった

 

「……騒ぎに便乗して来ましたか…萃香さん

そう幽鬼がその名を呼ぶと

 

「ニャハハッ!やっぱり気がついたか幽鬼!…お前はやっぱり霊夢と同じだね!」

幽鬼の辺りを漂っていた気配が影をつくり形となり、目の前に伊吹萃香が現れた

 

「今回は楽しくお酒を飲みに来たので?」

幽鬼がふっと笑いながら萃香に聞く

 

「そうさな!賑やかな宴会があれば飛んでくるのは私だ!!ングッ…ングッ!…ブァアッ!!酒が上手い!ニシシッ!」

持ち前の瓢箪の中身を飲む萃香はとてもいい笑顔

 

「中の連中は殆どが出来上がってるぞ〜♪こっそり私の酒の中身を混ぜ込んだから酔いの周りが早いこと、早いこと…ニシシッ♪」

顔を真っ赤にして、幽鬼の首に腕を回し肩を組んでくる萃香

 

「どうだ!幽鬼!気初めに一杯いっとくかっ!」

グイッと幽鬼の口元に瓢箪の先を近づける

 

「ちょ、ちょっと…今は…」

軽く今は断りを入れる幽鬼

 

「おーん?なんだよぉ〜w私の酒が飲めないってかぁ?…まぁ?酒が弱いってんなら無理はいわないけどな!ニャハハッ!」

萃香はそう言いながらもグイグイと瓢箪を押し付ける

 

「あ〜いや…今回がお酒飲もうとするのが初めてなんで…ちゃんとした初めの1杯は飲みたいんですよ」

幽鬼は萃香にそう答える

 

すると…

 

「ほーん…そうかぁ…ふーん…」

と言う反応が帰ってきた

 

「ど、どうかしましたか?」

幽鬼が聞くと萃香はニヤッと笑い

 

「いーや?これから分かるさ♪…ニシシッ♪…それじゃ!さっさと行くぞ〜!」

そう言って宴会場の方へ向かって行った

 

「……?…は、はい……?」

小首を傾げながら幽鬼は後について行ってった

 

「そうか…初めての酒…か…ニシシッ……」

そんな小さな声は聞こえなかった

 

 

 

 

 

 

「ほらほら♪ここだぞぉー♪」

幽鬼は萃香の後について行くと一段と賑やかな声が複数聞こえてくる部屋の前に止まる

 

「凄いですね…相変わらず…」

襖越しでも声の大きさが分かる位のドンチャン騒ぎだった

 

「筆頭はやっぱり魔理沙とかでな♪後は他の奴らも混ざって騒いでるよ♪」

萃香が襖を開けると気化したお酒の匂いが漂って部屋の中に充満していた

 

「まぁ、魔理沙の凄い所は酔ってそうで酔ってないって感じだから酒には充分強いと思うぞ?さて♪もう1回私も混ざって来るか♪じゃっ♪また後でな〜♪」

そうして萃香はうぇーいと言いながら騒ぎの中心へ向かう

 

「…流石…酒呑童子……ここから入ったらもう…『酔いますよー♪』うおっ!?…な、何!?……って妖夢さん!?」

不意だが持たれかかって来た妖夢を支える幽鬼

 

「んもー♪遅いれすよー♪…皆さん…主役の幽鬼さんがいなくて…ヒック…飲みまくちゃったんですから…♪」

妖夢の喋り方や目の焦点から見て完全に酔いが回っていた

 

「よ、妖夢さん…一旦落ち着いた方が…「嫌ですー♪我慢しないですー♪」…よ、妖夢さん…うわぉ…」

幽鬼は気づいた妖夢の服装は乱れに乱れていた

 

「んも…アリスさんからあど…から…すぐーにーぐるぅって……♪ほーら…皆さんお待ちかねー……♪」

「わっととっ!?」

妖夢に背中を押され中にズンズン入って進んで行くと見慣れたメンバーが飲んでいた

 

「……やぁーと…来たわね…幽鬼?」

酔いが回って何処か色っぽい霊夢

 

「あらら…妖夢に見つかったちゃったの?…ほらほら妖夢?幽鬼ちゃんをコッチに座らせてちょうだい♪」

着物が少しはだけている幽々子

 

「………」

幽鬼は思った

 

(絶対強い酒だったんだな…(萃香が混ぜ込んだ酒))

そんな事を思って固まっていると…

 

「大丈夫よ…幽鬼、私も同じ反応したから…」

スっと横にアリス来て、ソコっと耳打ちした

 

「……ですね…あれ?アリスさんは…」

と幽鬼が聞くと

 

「先に魔理沙達の所に行って様子見してきたの…ちなみに紅魔勢はレミリアと咲夜しか来てなかったわ…」

アリスはそう教えてくれた

 

「さっきからー…なーにふたりで、ヒック…話でるんでーすーか?」

虚ろな目の妖夢がひょこっと幽鬼の横に顔を出す

 

「なかまーはーじゅれはー…寂しぃですよー♪」

スリスリと幽鬼に頬擦りする妖夢

 

「はいはい、妖夢さん…じゃぁ、霊夢さん達の所にいきますよ」

「はーい♪ゆきーさん、ごあんなーい♪」

幽鬼は妖夢にくっつかれたまま、霊夢と幽々子の側へ向かった

 

「…今回も幽鬼が苦労しそうね…まぁ…私も遠慮はしないけど♪」

そう言ってその後をついて行ったのだった

 

 

そんな絡みをしていた幽鬼達とは別グループ

今回の永遠亭メンバーと妹紅と慧音が珍しく近くで飲んでいた

 

しかし……

 

「誰の許可貰って幽鬼の友人になっていいって言ったんだよ、バンブー娘!!」

 

「うっさいわよ!私は幽鬼に友達として認められたんだもの!!あんたには関係ないから!焼き鳥女!!」

 

「お前みたいな竹臭い奴なんか幽鬼が傍に置くか!アホっ!そこら辺竹みたいに埋まってろ!!」

 

「暑苦しい汗臭い奴なんかに言われたくないわよーだ!!……あ〜さ・て・はぁ〜♪幽鬼が私の事を呼び捨てにしてタメ口なのが羨ましいんでしょぉ〜?そうよね〜♪恋仲とか言われてるのに未だに敬語っ♪ププッ♪もこたん♪少し距離置かれてるぅ〜♪」

 

「あんだとぉ!!距離なんか置かれてねぇ!!ふん!お前が知らないだけなんだよ!幽鬼はなぁ!!二人っきりの時は誰かれタメ語なんだよ!!場と周りの雰囲気に合わせてんだよ!!お前みたいに雰囲気ぶち壊し野郎なんか一生わかんないだろうけどなぁっ!!引きこもり無職!!」

 

「ぐぬぬっ!」

「うぎぎっ!」

といつも通り喧嘩していた

 

「賑やかウサね〜…何か平和ウサよ〜」

やれやれとてゐが言う

 

「うむ、宴会の場だと言うのに…そろそろ止めなくてはいいのか?」

慧音がそう言うと

 

「ほっといた方が良いですよ…巻き込まれるのが目に映ります……イタタッ…ちょっとてゐ…手を貸しなさいよ…あんたそんなに怪我してないんだからっ!私なんか集中砲火よっ!?えらい目にあってまだ、三日目なのよっ!?」

優曇華が色々と動いていた

 

「宴会前の準備の時に色々と運んだウサよー♪今は休憩中ウサよ〜♪」

笑いながらその場から逃げた

 

「くっ…こういう時に限って逃げ足が早いんだから…はぁ…」

ガックリと肩を落とす優曇華

 

「私で良かったら手伝おう…あの二人は長引きそうだから手が空くからな…」

慧音が優曇華の肩に手を叩いて言った

 

「…ありがとうございます…助かります…それにしても…」

ふと優曇華は言い合いをしている妹紅と輝夜を見る

 

「姫様はともかく…妹紅さんが何か変わった様な気がするんですけど…」

 

「…………変わったか…そうかもしれないな…妹紅は変わった…しかし、それは良い方への変わり方だ……私もその1人だがな…」

フッと笑い慧音は別の方へ視線を向ける

 

「…えっ?…」

優曇華は慧音の視線先を追って見ると視界に入ったのは周りを博麗の巫女達に囲まれている青年だった

 

「…え…え?彼が?」

慧音と青年を交互に見る優曇華

 

「……そう…彼が……今日の主役だ

慧音はうっとりした顔で言い放つ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、宴会が始まり数時間後

 

 

 

 

周りの皆がそれぞれお酒が回って来たのか、見境がなくなって来た

 

 

 

絶対の原因である、伊吹萃香が密かに混ぜ込んだ酒を…

 

 

 

 

その結果…

 

 

 

「と、とりあえず…!皆さん少し水を飲んで落ち着きましょうよ!!やっぱり今回のお酒は少し何か違います…!!」

幽鬼はフラフラしながら、何とかその場から立ち上がろうとする

 

何故かと言うと

 

「なんでよっ!わたひはぁ!アンらの事ォをすっごぉ…く思っろへぇいぅにぃ…わたひぃあ…まら、がまぁんすぅるぅのやぁっらっ!!!」

完全に酔った駄々こね霊夢に涙目でせがまれ

 

「…うきぃさぁーん♪…ちゅーぅしてくーらぁはいっ♪ようむぁはぁ♪頑張っらんれふぅー♪んー♪」

同じく酔いが入りしがみついてキスをせがむ妖夢や

 

「フラフラなぁー幽鬼ぃカワイイ…ワタシガマンデキナイぃー…フルフルと震える姿ァ♪たぁまらぁない…ふふっ♪」

酔いが2人より深く、四つん這いで幽鬼に迫るアリス

 

計3人が幽鬼に絡んでいた

元々そんなに強くない妖夢はともかく、一緒に飲み始めたアリスにアルコールに強い霊夢でさえ、今日は真っ赤になって酔っていた…

同じ物を飲んでいた幽鬼も、真っ直ぐ立てなくなるくらい酔いが回っていたので、魔理沙に助けて貰おうと平行感覚が鈍くなっているのに必死に隣の部屋に通じる襖を開けよう(いつの間にか個室に仕切られていた)と追い詰められながらも必死に動いていた

 

「うぐっ…あ、後…す、少し…でぇ…」

襖に手をかけ開けようとした

 

 

しかし…

 

ガシッと腕を掴まれる

 

「…………」

幽鬼はゆっくりと横を向く

 

「……んふっ♪」

ニコォっと笑みを向けるアリスの顔

 

ズシズシッと両肩と背中を誰かに押さえつけられる

 

もっろぉ…そばにぃいてぇ…?

右側に霊夢が乗っかり

 

ゆぅきしゃん…してくれないんなりゃぁー…わたしぃがしちゃぁいましゅうー♪んちゅ…♪

妖夢は左側の耳元まで来て、耳にキスをし始めた

 

「…………」

幽鬼はデジャブを感じながら悟り

 

夜はこれからなのよ…ゆーきッ…♪

アリスに両足を掴まれ、引きずられて確信した

 

 

 

『オワタ\(^o^)/!!』

幽鬼は逃げられない運命に諦めをつけた

 

 

 

 

 

 

 

アリス達のEXTRAステージが開始されの音声をバックに1枚の障子を隔てた縁側で2つの影が並んで座っていた

 

 

「貴女は参加しないの?幽々子?」

クイッとお猪のお酒を飲む紫

 

「参加も何もあれ以上増えちゃったら幽鬼ちゃんも困っちゃうだろうし、…私には疲れきった幽鬼ちゃんを優しく相手してあげる予定だ・か・ら♪ふふっ♪」

袖元で口を隠しふふっと笑う幽々子

 

「……だいぶ、幽鬼君に夢中見たいね…流石に萃香を呼んだのはやりすぎじゃないかしら?…霊夢達があんなに酔うのは初めて見るわよ?」

ジト目で幽々子を見る紫

どうやら萃香は幽々子に呼ばれて来たらしい…

 

「ん〜?なんの事かわかりませーん♪私は美味しいお酒はあるかしらって〜言っただけよ〜?お酒の勢いっていうシチュエーションを作りたかった訳じゃないわよー♪」

わざとらしく足をプラプラしながら言う幽々子

 

「……はぁ…以外に上手く言ってるのだから…大人しくしてなさいって…『紫も幽鬼ちゃんに相手してもらえば〜?』ぶふぅっ!?」

幽々子の予期せぬ横槍に吹き出す紫

 

「ゲボっ!?ゴッホぉッ!?…な、何言い出すのよ…変な方に入ってむせたじゃないの…」

涙目になりながら訴える紫

 

「??、別におかしな事は言ってないはずよ〜?大丈夫よ♪紫も幽鬼ちゃんに……ふふっ♪」

 

「だーかーらー!幽々子っ!?なんでそうなるのよ!!」

バンバンと縁側を叩きながら怒鳴る紫

 

「……でも、実際…我慢の限界が近いんじゃないの?人喰い妖怪さんッ…♪

幽々子のその言葉にピタリと紫が動きを止める

 

「…はぁ…あのね…幽々子?貴女も知ってるけど…今の私には人を喰う事は出来ないわ…いや、する必要が無いの…喰わなくても全ッ然!!大丈夫だ・か・ら!!

紫はバンッと強く縁側を拳で叩きつける

 

「な〜んでムキになってるのよ〜…私は間違った事は言ってないし、紫の為を思っての事よ?…人を食べる必要がないって言うけど…その為に冬眠して力を蓄えるって不十分な事して無駄じゃないの〜…?」

 

「…ッ…!?…何っ…!?無駄なんか…っ!………えっ…」

幽々子が静かに紫を見つめていた

 

「……紫にはもう少し力を抜いて欲しいの…こんな私をずっと見守ってくれた…大切な友人を…無理している事を分かってて放置なんかしたくないの…もう、何も知らない亡霊じゃないの…た……だから…我慢しないで…?」

ソッと幽々子は紫の手を握りしめ微笑む

 

「……ゆ…幽々子……」

紫は何処か安心し、改めて気づいた…

 

今、目の前にいるのは…何も知らない幽々子じゃない事…

 

今、目の前にいるのは…紫を昔からを知っている幽々子であり、心からの親友である事に…

 

「……幽々子…私は……」

声が震える紫

 

「大丈夫…大丈夫だから…ね?」

微笑む幽々子…その微笑みは紫が見たかった本当の幽々子の微笑みだった…

 

「…で、でも…だからと言って…私には…幽鬼君を食べれないわよ…」

そう紫は顔を俯いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんで幽鬼ちゃんを食べる話になってるの?」

キョトン幽々子

 

「えっ…?」

更に目が点になる紫

 

 

 

「え〜…恐いわ〜…紫〜…幽鬼ちゃんは食べ物じゃないわよ〜?…お腹すいてるからって食べて良い物と悪い物は分かるでしょ〜?何言ってるの〜?そんなにお腹すいた?」

幽々子の目が可哀想なものを見る目に変わる

 

「いや!?ちょっと何そうなってんのよ!?幽々子!?貴女が私に我慢するなってッ…!?幽鬼君を犠牲にしてまでって…!?」

 

「……紫、貴女…疲れてるのよ…」

更に可哀想な目で見る幽々子

 

「だぁかぁらぁぁぁ!?貴女が言い出したことでしょぉァァ!!??」

紫は必死に叫ぶ

 

「……え〜?…あっ…もしかして紫は幽鬼ちゃんを食すとして話が進んでたって訳なの〜?」

ポンっと手を叩きながら紫に確認する幽々子

 

「はぁ…はぁっ…そう言ったのは幽々子でしょ…」

息を切らしながら言う紫

 

「あら〜♪紫の勘違いと私の勘違いだったの〜…なーんだそれなら、もう一度簡潔に話するわね〜♪」

ニコニコしながら幽々子は何が何だか分からない顔をしてる紫そっちのけで話始める

 

「私が紫話してたのは〜…歳の事を気にしすぎても、幽鬼ちゃんは優しく相手してくれるから、身体に自信が無くて、経験のない紫でも幽鬼ちゃんは優しいから受け入れてくれるはずよ♪だから、我慢せずに『EXTRA』(規制よん♪)しちゃいなさい、その後は、自分の立場ばかり気にしててもどうせ幽鬼ちゃんは中毒性が半端ないから(↓経験談↓)、私の目の届かない所で『EXTRA』(見ちゃダ〜メ♪)しちゃっても私は気にしないから大丈夫よ〜♪そんなんで大切な友達をやめたりなんかしないからって話してたの〜…何処をどうして、どう間違ったら幽鬼ちゃんを食す方の話になったの?そんな事したら霊夢達が大変な事になるわ〜…私含め…んふっ♪」

そう言って微笑む幽々子

 

「……………………幽々子……少し…いいかしら?」

紫は肩が少し震えている

 

「ん?何かしら〜?あっ!経験ある私にどんな感じか聞きたいのね!そうよね〜…不安よね〜…大丈夫よ、紫♪ちゃーんと教えてあげるから♪何でも言って♪」

 

「そう…なら…言うわ…私の感動とシリアス空気を返しなさい!!

そう叫びながら、幽々子の胸ぐらを掴み前後にゆする

 

「いやぁ〜♪何するのよぁ〜♪」

何処か楽しげ幽々子

 

「五月蝿い!!こっちは貴女の言ってる言葉と空気で判断してそう感じたのにっ!おかしくない!?貴女やっぱ頭おかしくないっ!?…てかっ!?なんで私は経験ない確定してんのよっ!?歳って何よっ!?身体に自信が無いって何よっ!?なにさりげなく私の悪口言ってんのぉぉぉ!!!」

ゆすりが激しくなる

 

「それは〜紫の勘違いでしょ〜?…それに紫は経験済みなの〜?」

幽々子は揺さぶられながら言うと紫の動きがピタリと止まる

 

「……そ、それは……その…あ、あるわよ…!!」

言葉が詰まる紫

 

「あらあら〜♪どんな〜♪」

ニヤニヤする幽々子

 

「……だ、だから…そのっ!…あれっ…もうっ!忘れたわよっ!!そんな昔にした事なんてっ!!覚えてないって事は対した奴じゃ無かったって事でしょっ!?…こう言っちゃあれだけどっ!幽々子!!貴女は亡霊になってから経験したんだから私より負けてるわよーだ!!婚約破談になってるくせに!!」

必死に口答えする紫…妖怪賢者の風格は何処へやら

 

「…………」

しかし、幽々子から返答はない

 

「…………えっ…ちょっと…あっ…ご、ごめんなさい…幽々子…取り乱したわ…変なこと言って……貴女が悲しんで、苦労してたのを知ってた筈なのに…熱くなりすぎたわ…」

紫はシュンと大人しくなる

 

「…………」

しかし、やはり幽々子から返答はない

と言うより反応が無かった

 

「え…ちょっと?幽々子?どうしたのよ?」

よく見ると表情も先程のニヤ顔から固まって、身体の動きが微塵も無く人形みたいに固まっていた

 

「……え…ゆ、幽々子?…あっ目だけ動いてる?」

よく見ると瞳だけがキョロキョロと忙しなく動いている

 

「…………何がおきたの?目の動きからすると…貴女も何がおきたか理解してないのね?」

紫がそう言うと幽々子の瞳が頷くように上から下に動く

 

「……ま、まさか…い、異変なの?」

そう紫が静かに言うと

 

「大丈夫です…異変じゃ無いです…」

聞き覚えのある声が聞こえた

 

「え…」

紫は声の聞こえた方へ視線を向ける

 

いつの間にか静かになっていた障子の向こうの部屋…

静かにゆっくりと障子が開く…

 

そして、現れたのは…

 

「…やっと満足して寝てくれましたよ…」

 

アリス達のEXTRAステージをクリアした幽鬼だった

 

「とりあえず…幽々子さんが紫さんを困らせていたような会話だったので…幽々子さんには申し訳ないんですが…身体の動作の動きの縁を少しいじらせてもらいました…ゆっくり会話もしたかったですしね?」

幽鬼は乱れた服装を整えながら、紫と固まった幽々子の間に腰掛ける

 

「……ゆ、幽鬼君…き、聞いてたのね…何かみっともない所を見せてごめんなさいね…少し助かったわ…幽々子には少し悪いけど…」

少し戸惑いながらも紫は幽鬼に答える

 

「……いえいえ…こちらこそ何かすみませんでした…さて、少し…隣で飲み直しても?」

そう言って幽々子の傍にある、酒瓶を手に取る

 

「えぇ…構わないわ…やっぱり似てるわね…同じと言ってもいいのかしら…」

境界と縁の何か近しい物を感じる紫

 

「…いえ…似てませんよ…近しい物で繋がってしまえば切るのは難しいモノもあります…それは境界を…根源の生業を切る事は出来ないですから…薄くても繋がったままなんで…くう()をいじる事はできませんから…」

ニコッと幽鬼は答える

 

「…そう…そうね…干渉出来なければ何も出来ないものね…」

紫は静かに呟く

 

「さて…話は変わりますが、実は紫さんに聞きたい事とか話したい事があったんですよ…よろしいですか?」

 

「…え?…えぇ…何かしら?」

真剣な眼差しを向けられて紫も少し身が入る

 

自分は霊夢さん達を好きでいて良いんですか?

 

「え…」

目が点になる紫

 

「困惑するのは分かります…!あ、あのですね?やはりハッキリするとしないとじゃ全然違うんですよ…こんな自分に皆さん好意を寄せて頂いているので…」

少し不安そうに言う幽鬼

 

「……あぁ…そうね…不思議な事に周りの殆どが幽鬼君に意識向けてるもんね…ふふっ…そこは管理者として予測出来なかった唯一の所ね…♪だから…私はこの世界を壊そうとか…害がある様な事をしなければ大丈夫よ…貴方は自由に生きていて良いの…♪」

そう語る紫

 

「…そうですか…ありがとうございます…」

頭を下げる幽鬼

 

「んふふ♪…まぁ、不安になる事はあるけれど…妖怪でもやはり種族によって一夫多妻制になる奴らもいるから大丈夫よ…強い物がその権利…子供を残す事が出来るって言う事でね…♪幽鬼君も目指したら?」

 

「ははっ…一夫多妻ですか、頭の隅に置いときますね…でも、紫さんってやはり凄いですね…」

 

「ふふっ…ありがと、余りに干渉は出来ないけれど…」

 

「いえいえ…少し紫さんと話して楽になりましたよ…自由に生きさせて貰います…」

 

「自由過ぎてもダメよ♪」

ツンと幽鬼の鼻をつつく紫

 

「あははっ…そうですね…じゃぁ…紫さんにも日頃のお礼を…何か…」

笑顔で言う幽鬼

 

「ふふっ…お礼なんて大丈夫よ♪気にしないで?」

 

「ん〜?あ!そうだ!紫さん、少し傍失礼しますね…?」

何か閃いた幽鬼が近づいてくる

 

「なに?幽鬼君?いきなりどうしたのかしら?余りにも私が綺麗で近くで見たくなっちゃったかしら♪ふふ♪」

紫が冗談半分で言う

 

「え…?そうですよ?紫さんの綺麗な顔を近くで見るために近寄ったんですけど…透き通った素敵な顔を…」

紫の目を見て言う幽鬼

 

「はぅ…っ//!?ぐぅっ…ふぇっ…//!?」

その時、紫の胸辺りが暖かく心地よくなる

 

『なにっ…//!?なに今のっ…//攻撃されっ…て…違う…幽鬼はそんな素振り見せてない…//でも、なんか熱く…うっ//』

紫は自分の身体に何がおきてるのかわからなかった…

 

しかし…

 

「紫さん…綺麗ですね…いい香りもするし…」

 

「……ふぇっぅっ…///」

そう言われる度に紫の身体は暖かく心地よくなって幽鬼から目が離せなかった

 

「…ちょっと…失礼…」

 

「……ふぁひぃ//…(コレがァ…//幽鬼君のォ…//)……はぅっ//」

幽鬼が紫の頬に手を差し伸べ、優しく触れると紫は更に心地よくなり、フワフワして頭の中が真っ白になり

 

「…ねぇ…紫さん…んっ…?紫さん?…ありゃ?」

紫の顔が真っ赤になり頭から湯気あがり、惚けた顔をしたまま気を失っていた

 

「……霊夢さん達にもやると喜ぶからやってみたけど…何か間違ったかな?」

そう言って後ろに視線を向ける

 

「…………//」(やっと幽鬼ちゃんに構って貰える〜♪最初は驚いたけど…幽鬼ちゃんだったらねぇ♪)

何も言わず動かない幽々子だが顔は少し赤くなっていた

 

「…さて幽々子さん…動作は塞ぎましたが…自由自在に貴女の身体を動かせるんですよね…これに気づいたゆう姉はやっぱり凄いね…」

幽々子の顔をクイッと自分の方へ向ける

 

(あら〜♪どうされちゃうの〜…♪)

 

「……やっぱり…幽々子さんも綺麗ですね……なんか…やってる事サイコパスだな…ははっ(汗)……」

幽々子の頬に触れる幽鬼

 

「……原寸大のお人形ですね…」

頬に触れた手を身体のラインをなぞるように下に動かす

 

(今は私は幽鬼ちゃんのお人形さん…//紫以上に好きにしていいの…//)

 

「…………さて…」

ゆっくりと幽鬼の手が伸びる

 

(……ふふっ♪…主導権は幽鬼ちゃんね〜♪)

 

 

「いきなりすみませんでした、コレで動けますんでちょっと気絶した紫さんを運ぶの手伝っていただけますか?」

と言うと幽々子の身体は感覚を取り戻した

 

「…………え…?」

不意に出た言葉と同時にポカンと固まる幽々子

 

「……どうかしましたか?何処か変な感覚してますか?」

固まる幽々子に言う幽鬼

 

「……えっ…えっ…あ、…だ、大丈夫よ?…それより幽鬼ちゃん…何もしないの?」

困惑幽々子

 

「……??…何も?…何かありました?」

キョトンとして分からない幽鬼

 

「……ほ、ほら…ゆ、紫にはあんなドキドキさせるような事をしたじゃない〜…わ、私には…無いの〜?」

モジモジと期待してた事を言う

 

「………( ゚д゚)ハッ!…あ〜っ…そ、そう言う事でしたか//…え〜と…あの…何て言えばいいんだろ…」

幽々子の言いたいことを理解するが説明が出来ない幽鬼

 

「……む〜、期待してたのよ?…肉食になった幽鬼ちゃんに何も対抗出来ない私が、この大きな手で襲われちゃう所とか〜…紫みたいに色々とドキドキするような事を言われちゃうとか〜…むぅ…なんでなの〜?」

幽鬼の手を握りしめながら幽々子はむくれて言う

 

「………あはは…考えて無かったです…確かに魅力的でたまらないです…けど……」

 

「けど何よ〜…そりゃぁ…私じゃ…若い妖夢達よりは…うん…負けちゃうかもしれないけどぉ…」

落ち込む幽々子

 

「………ゆ、幽々子さん…貴女は自分の中でゆう姉と同じ…立ち位置でいてもらいたいんです…確かに不満があるかもしれないんですが……あの……えーと…自分……あの……優しく包まれるのが…好きで…ゆう姉と幽々子さんに…そうでいて欲しいって……言うかなんて言うか……」

幽鬼はどうにか説明しようと頑張る

 

「……………………」

幽々子は黙って聞いてきた

 

「す、すみません…こんな変な話して…あ、アハハ!…だ、だいぶ酔ってますよ!お、思った事が口に出ちゃったですよ!!すみません!!忘れてください!!なぁーに話してんだろ!俺っ!!」

誤魔化すように笑いあげて、残っていたお酒をグイッと口に含んで飲み込もうとした

 

その時、幽鬼の胸ぐらが引っ張られてバランスを崩す

 

 

そして…

 

「……ンッ…ンゥッ…ンクッ…チュッ…ルゥ…♪」

気づくと正面に幽々子の顔があった…

 

幽々子はコクコクと喉を鳴らしながら、幽鬼の口の中に含まれた酒を飲んでしまった

 

「………はぁ〜っ…んっ♪おいしぃっ…♪んっ♪」

幽々子は離れると感想を言い、ペロッと幽鬼の唇をひと舐めした

 

「……………」

幽鬼は脳内の処理が追いつかずにフリーズする

 

「……ふふっ♪…幽鬼ちゃんの言うことも一理あるわね…♪…妖夢達にはこんな大胆で大人な事は無理よね〜♪…しかも…こうやって♪」

フリーズしたままの幽鬼の頭を幽々子は優しく抱き寄せ、包み込むように自分の胸の中で抱きしめた

 

「こ〜んな事は♪幽香とか母性溢れる私とかでしかないと出来ないもんね〜♪ぎゅぅ〜♪」

抱きしめながら頭を撫で始める幽々子

 

『あ゛ぁ゛〜いいんじゃぁ〜(^ω^)』

いい香りと柔らかいのに包まれた幽鬼はダメ男になりかけていた

 

しかし、次の瞬間幽々子も幽鬼も想定してなかった予想外の事が起こる…

 

そう、ここまで来てお気づきだろうか…

 

 

 

 

 

 

 

まだ全員では無いことに…

 

 

 

 

 

 

 

それはまた次のお話で…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ザ・ワールド…』






(*`・ω・´)フルオープンだ!

ごめんなさい…調子乗りすぎました…

更新遅いんですけど…
作り過ぎて逆に手直しとか書き直しで出せないんですよ…
読み返して矛盾がないか調べたりするので…

「ι(`ロ´)ノ自分で書いたんなら覚えとるやろ!?」と思う方…

(´;ω;`)すみません…察してください…(泣)


もう少し続きます!!
評価して頂けているのが嬉しく、頑張ろうと言う気力に繋がります!!

また、長く待たせてしまうかもしれませんがよろしくお願いします!!

ここまで読んで頂きありがとうございます!!


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中編 The宴会!酒は呑んでも!呑まれるな!


☆祝☆ 五十話目!!

(。・ω・)ノども!亜麻乃です!
書いている立場からすると実感無いんですが…
( ̄▽ ̄)一話、一話の積み重ねでここまで来ました!
(*`・ω・´)これも作品を読んでくれている読者の皆さんのおかげであります!!

感想と評価等、ここまで本当にありがとうこざいます!

鈍行投稿ですがこれからもよろしくお願いします!!

長々とすみません!!
(∩´。•ω•)⊃色々とぶっ壊れる中編どうぞ!!


(´<_` )下ネタマシマシ、書き込み過ぎて長くなる


 

 

 

まず初めに前回疑問に思った方はいるだろうか…

 

紅魔館勢が二人しか来ていなかった事を…

 

あの幽香を超えるか並ぶかの幽鬼Love勢力の引きこもり大図書館とその使い魔…

 

隙あらばのあの二人が何故宴会に参加しなかったのか…

 

 

 

 

 

 

それはこんな始まり…

 

 

 

 

宴会が始まる前まで遡ること…

 

 

 

 

紅魔館…

 

 

 

 

地下図書館…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………………」

真剣な顔を覗かせながら、パチュリーがふつふつと沸き立つビーカーに入った青の液体を手に持つフラスコに入った以下にも怪しい光を解き放つ液体をゆっくりと注ぎ込んでいた

 

「…………………」

使い魔である小悪魔も一歩後ろのすぐ傍で黙ったまま見つめていた

 

注ぎ込んだビーカーの液体が反応し混ざった瞬間一瞬だけ光がましてピンク色の液体に変わった

 

「…………あはッ♪」

小悪魔はそれを見た瞬間、嬉しそうに声をあげ、ピンク色に薄く光る液体の入ったビーカーを見つめているパチュリーに近づく

 

「流石パチュリー様、お見事です!最初の一発目で作れるなんて♪」

 

 

「………ふぅ…本当にコレでいいのね?…小悪魔…」

パチュリーはビーカーに入った『出来た』と思われる液体から目を離さずに小悪魔に聞く

 

「ふふっ…では確認しますね…♪」

小悪魔はそう言って近くにあるガラス棒を手に取りビーカーの中の液体にほんのちょっと先につく程度でふれ、手の甲に垂らす

 

そして…

 

「…失礼しますね……ンッ…」

手の甲についた液体を舐めた

 

 

 

すると…

 

 

ンはぁっ…♪ごっ…コレですぅ…♪だ…だいじょうぶぅ…でぇ……はぁあん♪みなぎるぅぅ〜♪

ビクビクと仰け反りながら倒れる小悪魔

 

「……ふむ…本当に作れたみたい…」

ビーカーを揺らし中の液体を覗き込むパチュリー

 

 

「淫魔特性活性剤…」

ボソッとつぶやくパチュリー

 

 

「失礼します、パチュリー様」

すると後ろにスっと咲夜が現れる

 

「…ん?もうそんな時間かしら?早くない?」

咲夜の方に振り向く

 

「いえ、まだ出発する時間ではありませんが…お聞きしたいことがございまして…」

「あら、珍しいわね…?何かしら?」

出来たばかりの液体を蓋のできる容器に移しながらパチュリーは聞いていた

 

「………今の幽鬼さんの現状をパチュリー様はどう思っているのか聞いてみたいと…」

咲夜は静かに言う

 

「…どう思っているか…ね…確かにこのままだと幽鬼の隣を狙う子達はこの先も増えるでしょうね…でも、分かりきっているわ…あの風見幽香でさえデレデレしているのなら、普通じゃない私達が惹かれてもしょうがないじゃない?…私は事実一目惚れだけど、その後の幽鬼の良さと言ったら……エヘェ…//彼は…//そう…スイッチが入ると…まるで別人の様に………フヒッ//♪

何を思い出したのかパチュリーの顔がだらしなく笑みを浮かべる

 

「……そうですか…分かりました…それで先程から出来たとおっしゃているそれは…?」

 

「これはね…小悪魔に教えて貰った女性専用の活性剤…少しでも体内に入ると身体の弱い私でも激しく出来る位に耐久と体力が長く続くって言う効果があるらしいのよ…そして副作用もあるらしいのだけど、それが初めて口に含んだ時に身体が多少敏感になるくらい…オマケとして異性に対しての誘いフェロモンが分泌され、それが身体から匂いで出ると言う説明を小悪魔から聞いたわ……まぁ、本人が今ああやってのたうち回っているから、少し濃く作りすぎたのかもしれないけどね…レミィ達にも後で分けてあげるけど……咲夜、貴女には先に渡しとく…」

パチュリーは咲夜に最初に入れたビンより小さめの瓶を渡した

 

「……不思議な色ですね…今飲んどいた方がいいのですか?」

受け取った瓶を見ながら咲夜は聞く

 

「別に構わないけど…摂取量には気をつけなさい…もしかしたら一度の摂取で何かしら影響があるかもしれないのだから……まぁ、私は今飲むけどね…身体を慣れさせなきゃ…少しづつなら…」

パチュリーはそう言って飲もうと口に瓶をつけ傾けた瞬間

 

 

「あ、いたいた!咲夜!パチュリーッ!早く準備しよっー!」

フランが現れて駆け足で2人の傍に近づきパチュリーの背中を叩いた

 

「ムギュっ!?」

そして、同時に…

 

ゴックン…

 

「あ……」

それを見た咲夜が固まる

 

 

 

 

 

数秒の沈黙の瞬間…

 

 

 

 

 

「ムッギャアァッアぁぁッアァァァッッッ///!!??」

 

身体を仰け反りながら痙攣し吹き出したのだ…

 

 

噴水の如く…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鼻血を…

 

 

元々薄暗い真っ赤な地下図書館が鮮血な赤の雨が降り注ぐ

 

「ひゃぁー!?な、なに!?パチュリー!?」

何が起きたのか分からないフラン

 

「妹様!一先ずこちらへ!!」

「う、うん!」

咲夜はフラン連れパチュリーの傍から少し距離をとり、再びパチュリーの方へ視線を向ける

 

「ぱ、パチュリーどうしたの!?小突いたら鼻血吹き出したんだけど!?フランまた…!?」

フランは自分の能力が暴走したのかとパチュリーを見て思っていた

 

「いえッ!妹様の能力のせいではッ!…パチュリー様のあの様な状態の原因はコレでございます…」

咲夜がスっとパチュリーに渡された小瓶を見せる

 

「……こ、コレ…もしかして、…熱心に作ってた……お兄様のメロメロにするって言う薬…?」

 

「…似たような物だと話されてましたが…完成したばかりで副作用が何かしらあるかもしれないと…この液体に詳しい小悪魔もあちらで悶えてますので…」

咲夜は未だに芋虫みたいにウネウネしながら床にのたうち回っている小悪魔を見る

 

「……小悪魔瞳孔開いてない?…咲夜…本当に使うの?やめといた方がいいよ?お兄様はそんな事しなくても大丈夫だよ?」

フランもその様子を見て、咲夜に言う

 

「…………」

咲夜は手に持つ小瓶を見つめた

 

 

 

 

すると…

 

 

 

ガタッ!バタンッ!

 

「あ、パチュリーが完全に倒れた!大丈夫!?パチュリー!?」

フランはパチュリーの傍に駆け寄り、声をかける

 

「…ムぁ…きゅぃっ//…くひィッ//…ヒぃヒッ//」

鼻血を大量に吹き出したせいなのか顔色は悪いが、頬は赤く染まっていて、両目とも開いているが瞳孔が完全に開いており、焦点が全くあっていない…

 

極めつけは身体を未だに痙攣させて、だらしなく口をあけたまま笑っていた

 

「……う〜…コレで大丈夫そうなんて言えないね…下手な人間だったら死んでるよ…小悪魔とパチュリーだから…咲夜…さっきも言ったけど…お兄様もきっと怒るよ?そして心配するよ?」

フランは屈んでからハンカチを取り出し、パチュリーの顔を拭き出した

 

「咲夜なら大丈夫!お兄様結構ガード緩いから!…ほら!咲夜!辺りの掃除とパチュリーを運ぶの手伝って!」

フランは笑顔で咲夜に言う

 

「かしこまりました、妹様…」

辺りの血痕が一瞬で綺麗になり、フランと咲夜でパチュリーを寝室へ連れて行った…

 

図書館からパチュリーを連れていく際に小瓶はこっそりテーブルの上に置いていき、その顔は何処か吹っ切れた表情をしていた

 

(薬に頼らずとも…幽鬼さんを…)

 

 

その後、咲夜とフランの迅速な対応のおかげでパチュリーは大事には至らなかったが、鼻血の量は大量出血と言ってもよいレベルであり、今回の宴会はパチュリーは不参加と決まった

 

一方の小悪魔は相変わらずのたうち回っていたので、咲夜がキツめに縄で縛り上げて(亀甲縛り)地下図書館の天井から吊り下げ、最終的にパチュリーと小悪魔含め、フランと美鈴も今回は参加を見送り、今回は異変参戦者のレミリアと咲夜だけになった…

 

以下にもルンルン気分のレミリアが行く間際にフランに「調子にのって、お兄様を困らせないようにね……分かってるよね?お姉様?」と釘を刺したのはここだけの話…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで場面は戻る…

 

 

 

 

「ギュゥ〜♪」

幽鬼を自分自身の抱擁で離すまいと思いながら続ける幽々子

 

「…………」

いい香りと柔らかい物に包まれていて放心状態の幽鬼

 

(この時が終わるまで離さないわ…誰にも邪魔が入らないこんなチャンス滅多にない…それに…貴方が教えてくれた…私に求めるモノ…貴方が求めるなら…与え続けてあげる♪)

幽々子は隣で気絶している紫の事なんか気にせずに…

 

いつも何かと霊夢を筆頭に自分と幽鬼の間を切り込む輩が全て今いない…

 

(……貴方だけ…貴方だけが…紫とも違う物を与えてくれる…亡霊は…亡霊らしく…奪い取るだけ…優しく…甘く…とろけるように…あの子達が持たない技量で……なら…)

 

「今のうちに連れて帰っちゃおうかしら…♪」

笑みをこぼし幽鬼の頭を撫でる

 

しかし…

 

「でも…それは簡単には行かないと言う事は分かっているのでしょう」

幽々子の背後から響く声

 

「そうね〜、貴女達が見逃してくれたら良いのだけど〜♪」

幽々子はその声に背を向けたまま答える

 

「見逃す筈ないでしょう?…亡霊姫よ…そろそろ彼を…私達に引き渡して貰えるだろうか?…既に霊夢達は堪能したのだし…かと言うお前も好き放題しただろう?」

屋根の影からゆっくりと姿をあらわし、目を紅く光らせた夜の女王が月明かりに照らされる

 

「ここの宴会はとても良い前夜祭にはなったが…これからが我々の本祭が始まるの…このレミリア・スカーレットのね?」

カリスマポーズを決めたレミリアが現れた

 

その一方後ろには咲夜がちゃんといた

 

「あらあら♪やっぱりモテモテねぇ〜……でも貴女に務まるかしら…?彼のさっきの話は聞いてないはずないでしょぉ?…」

 

「……………何がいいたい?」

幽々子の言葉に動きを止めるレミリア

 

「そのままの意味よ〜?」

何処か余裕の笑みを見せる幽々子

 

「ご心配なさらずに…幽鬼様に関する事はこちらでも把握済みな所は沢山ございますので…………では……」

咲夜が丁寧にお辞儀をする

 

 

「旦那様はこちらでお預かり致します」

そう一言残して姿を消したが同時に幽々子の腕の中から幽鬼が居なくなったのだ

 

 

「あら〜…あらあら…強引なのね、いいの?あんな勝手許しちゃって?」

幽々子は驚きはしないがレミリアに黒笑を向ける

 

「…素直に言ったら譲ったかしら?…ある意味勝負なのは分かっているでしょう?」

カリスマはカリスマを解き放っている

「……ふふ♪そうね〜♪誰が1番になるか♪……何て単純で明解な……難儀な勝負よね〜♪」

幽々子は服装を整えて再び月見酒を始める

 

「貴女もどうかしら?」

 

「あいにくだけど遠慮するわ…主人としての仕事があるから…それじゃ、邪魔したわ…」

幽々子の誘いを断りレミリアは去って行った

 

「あらあら…フラれちゃったわ〜…ふふっ♪…いい加減、寝たフリ止めたら〜?紫?」

そう言って月を見上げる

 

「……んもぅっ…気づいてたのね…やっと落ち着いたわ…起き上がるタイミング逃したのもあるけど、助け舟出してくれても良かったんじゃないかしら?」

紫が起き上がりながら言う

 

「幽鬼ちゃんに口説かれて満更でもないどっかの誰かさんに助け舟を出すような事はしないわよ〜」

ぷいっと顔を背ける幽々子

 

「そ、そんな事ないわよ…ちょっと不意をくらっただけで…………暖かったわ…」

否定しようとしたが幽々子にジト目で見られ白状する

 

「ふふっ♪素直が1番よ♪ゆ・か・り♪」

白状した紫をつんつんする幽々子

 

「あれはそうなの?…幽々子がいつも言ってた幽鬼君に言われるとフワフワして熱くなるって奴…」

 

「そうよ〜♪それも相まって幽鬼ちゃんの顔から目が離せなくなるの〜♪そして、可愛がってあげたいって思う同時にココがキュンキュン熱くなるのよ〜♪」

幽々子は紫の下腹部を撫でながら

 

「……話を聞くと経験するとは違うわね……ある意味恐ろしい子ね……でも、幽香がデレデレになる気持ちが少しわかったような気がするわ……」

 

「そ・れ・に♪紫、気が付かない♪」

 

「?……何に?」

紫は飲み直そうとスキマを開け、酒を取り出そうとしていた

 

その時…

 

 

 

 

「紫様ッ!!??」

「うっぴゃぁ!?び、ビックリしたぁ!?」

そのスキマから式神の八雲藍が飛び出してきた

 

「な、なによ!?藍どうしたの!?何でここから出てくるのよ!?貴女自分で開ける様にしてあるでしょ!?」

 

「ご、ご無事?…な、何も起きてないんですか?」

状況を見て困惑する藍

 

「起きるも何も…ただお酒を取るのにスキマを家と繋げただけよ…全く…あぁ…ビックリした…」

再びスキマを開けてお酒を取ろうとする

 

 

「藍しゃま〜!?紫しゃま〜!?」

 

ゴッ!!)「ぶべらっ!?」

飛び出して来た橙の頭が顔面にクリーンヒットして仰け反る

 

「ちぇぇぇんッ!!??」

「…………」(プルプル…

そんな中、幽々子は笑いを堪えていた

 

 

 

数分後…

 

 

 

「で?何で呼んでもないのにスキマから飛び出してきたの?」

両鼻にティッシュを詰めた紫が藍と橙に聞く

 

「ゆ、紫様…本当に何も起きていないんですね?」

 

「さっきも言ったでしょ?ただお酒を取る為にマヨヒガの家と繋げたって…何度も同じ事を聞かないでちょうだい…」

 

「ら、藍しゃま…どう言う事でしょう?」

 

「うーん…」

 

「藍?橙?今は私が聞いて…『紫しゃまが橙に教えてくれた緊急時のスキマの開き方をしたんです』………えっ?」

橙の答えに紫は固まる

 

「申し訳ございません…紫様…あの様な妖力の帯びたスキマが開いて私も勘違いをしてしまった様で…紫様は結界の為に普段から妖力を極限まで抑えてらっしゃるので…緊急時以外ありえないと思ってしまい…申し訳ございません…」

「ごめんなさい…」

藍と橙は同時に頭を下げる

 

「ちょ、ちょっと待って…藍、橙…ひとまず頭をあげなさい…私もよく分かってないのよ…整理するわね、私はいつもの感覚でスキマを開いたの…でも藍達から開いたスキマを見たらいつもの開き方ではなかった… って事よね?」

考え込みながら藍に確認する紫

 

「はい、その証拠に紫様が私に式神として頂いている妖力の容量と私が橙に式神として与えている妖力は大幅に今増えています…正直言いますとスキマを開かれる少し前にいきなり妖力の量が増えた事に驚いていました…」

 

「橙も同じです…ビックリしてたら藍しゃまに呼び出されて何か嫌な事が起きたのかもしれないって教えて貰って…先に藍しゃまが行った後に開いたスキマに飛び込みました…」

 

「……確かに…二人の妖力が増えているわね…わかったわ…」

紫は藍と橙の説明を聞き納得し、静かに振り返る

 

「あぁ〜♪モチモチ〜♪美味しぃ〜♪」

のんびりと団子を頬張る幽々子

 

「幽々子…貴女何を知ってるの?教えてくれないかしら?」

紫は知りたかった自分の身に起きた事を

 

「ムグムグ〜♪」

食べ続ける幽々子

 

「今…冷静になってわかったわ…私の妖力が…完全に…いえ…それを超える位に回復してるなんて…

紫は驚きと困惑で少し震えていた

 

「んふ〜♪美味しかった♪…ケプッ♪」

食べ終わった幽々子はのんびりとするが両肩を掴まれる

 

「幽々子…お願い…何が起きたの?」

紫に懇願される

 

「……別にそんなに驚くことじゃないわよー?本当に簡単な話♪幽鬼ちゃんが相手してくれた紫なら一番理解してるじゃない♪満たされたのを♪」

優しく微笑む幽々子

 

「……相手してくれたって…あれだけで…こんな…」

 

「道理は分からないけれど…幽鬼ちゃんの能力が関係しているのかもしれないし…そうじゃないかもしれない…けど、一回あの暖かさと心地良さを覚えたら堪らないわよ♪

ふふっと笑う幽々子

 

「…………」

未だに紫は困惑していた、今まで冬眠などをして回復したり、限界ギリギリまで力を抑えて妖力を使っていたがいとも簡単に完全回復しているのだ…

 

紫はその瞬間…探り、感じ、考え、予測した…

しかし、自分の体を探りから湧き出す妖力を感じとったが紛れもなく自分自身のであり、何か余計な物が混ざりこんだ形跡は1つも無く、違和感すら感じ取れなかった…

そして、幽鬼が敵になると言う予測や考えは目の前の幽々子が完全に幽鬼を信用しており、疑う様な所は全くない…

 

 

 

しかし、色々と理解した…

 

 

幽々子の言っていた…

 

 

暖かさと心地良さ…

 

 

永年生きていて、存在してきて感じ取ったこ事のない領域レベルであり…

 

既に幽々子や他の霊夢達も既に彼のその領域に触れ惹かれたのだと…

 

 

 

 

もっと傍にいて欲しい…

 

 

もっとその暖かさで包んで欲しい…

 

 

もっと優しく触れて欲しい…

 

 

 

 

 

すると幽々子がソッと耳元で囁いた…

 

 

「考えるとたまらないでしょ…♪」

 

「……ッ!?」

その瞬間紫の頭の中は脳内麻薬の如く一言に埋め尽くされた

 

 

 

 

 

 

 

 

『たまらない…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『たまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらないたまらない』

 

もう…関係ないか…

 

「…………」

紫はゆっくりと俯いてしまう

 

「ゆ、紫様?だ、大丈夫ですか?」

様子を見ていた藍が心配そうに聞く

 

「大丈夫よ〜♪藍ちゃん♪今まで我慢していたモノが溢れて固まってるだけだから〜♪紫ん家から熱燗持ってきてちょうだい♪妖夢が寝ちゃったのよ♪」

 

「し…しかし…」

 

「大丈夫♪私が見てるから♪」

ニッコリ幽々子

 

「……わ、分かりました…少々お待ちください…橙、着いて来て手伝っておくれ」

「は、はい!藍しゃま!!」

藍は少し渋ったが橙を連れてスキマに消えて行った

 

「……………」

笑顔のまま閉じるスキマを見届ける幽々子

 

「…………ねぇ…幽々子?」

静かに喋りかける紫

 

「な〜にかしら〜♪」

 

「貴女…わざと幽鬼君と二人きりにしたわね…こうなる事を見越して…」

 

「ん〜?どうかしらね〜♪」

とぼける幽々子

 

「…………ふっ…ふふッ…霊夢に預けたのが懐かしいわ…随分しっかり霊夢の元で育ってるじゃないの…こんな風になるのね…幽々子…」

 

「……んふふッ♪…わかったかしら、紫♪」

紫の後ろに回り込み抱きしめる幽々子

「…………えぇ…でもね…やっぱり私は妖怪の賢者…この幻想郷の創設者としての看板があり…変なウワサは流したくないの……幽鬼君や霊夢達の前とか特にね…」

そっと幽々子の手に自分の手を重ね、握りしめる

 

「そう…でもそれって…表だって動けないって事でしょう♪それに気に入った何かを手に入れる粘着質は誰にだって負けないものね♪スキマ妖怪さん(神隠し)我慢は身体に毒よ♪だから♪」

そして、幽々子は再び耳元に近づき再び一言呟いた…

 

 

 

「二人で一緒に手に入れましょう♪」

 

 

「…………」

紫は返事はしなかった…

 

 

 

しかし幽々子に分かる程度に小さく頷いていた…

 

 

 

遂に賢者までもが参戦を宣言した瞬間である…

 

 

 

彼女が表だって動く事はないだろう…

 

今までとやり方は変わらない…

 

ひっそりと本人に悟られずに覗くだけ…

 

隙あれば…開いて…繋がればいい…

 

毒を仕込む様にゆっくりと妖怪は妖怪らしく…

 

もう彼の能力が原因だからとか関係ない…

 

「欲しくなったから手に入れればいい…」

妖怪は妖しく舌なめずりをした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、咲夜に連れてかれた幽鬼はと言うと

 

 

 

数分前

 

 

 

 

「………はっ…あれ??」

先程まで幽々子に抱きしめられていた幽鬼は気づくと仰向けに寝そべっていた

 

そして、目の前にこちらを覗き込む形で見ている咲夜の顔がそこにあった

 

「さ、咲夜さん?…えっ…もしかして、時止めて連れてこられた感じですか?」

どうやら膝枕されているらしく、後頭部に咲夜の太腿の感触を感じながらも目の前の本人に聞く

 

「えぇ、そうでございます…旦那様♪…咲夜は待っていましたが…いくら待っていても旦那様が宴会の席で何もしてくれませんでした…」

幽鬼の顔を覗き込む咲夜

 

「今日の咲夜さん…何かいつもと違う感じが…どうしたんで?」

幽鬼がそう言うと少しムッとした顔になる咲夜

 

「旦那様…本当はわかっているのでしょう…咲夜はもっと御一緒したかったのです…今日は紅魔館からの参加はお嬢様と私だけでしたので…何かしら期待はしていました…しかし、遅れてくる所かアリスと一緒に来たあげく…早々に霊夢達の方へ行ってしまわれて…いつの間にか…旦那様達は個室状態で霊夢含め、妖夢、アリスと三人で楽しんでいたじゃないですか…旦那様…咲夜は貴方の従者でもあります…身も心も…レミリアお嬢様と同じ位に自由に使ってください…何だって致します…だから…お願いします…」

ムッとした表情から一変、目に涙が溜まり、声を震わせる咲夜

 

 

「気に食わなければ直します…旦那様が望むことなら何でも致します…だから…『…ごめんね?…一つだけいい?』……はい…」

素直に従う咲夜

 

「咲夜さんは……うぅん…咲夜は俺のメイドでも何でもないよ?」

 

「………………え……」

咲夜は幽鬼の口から出た言葉に固まる

 

 

メイドでも何でもない…その一言に咲夜は目の前が真っ白になりかけた…

 

 

しかし、幽鬼は続けた…

 

「咲夜のご主人様はレミリアだ…俺じゃない…」

スっと咲夜の頬に幽鬼の手が伸び、優しく触れる

 

「けど…咲夜がメイドって事を関係なしに…一人の素敵な女性として…俺が好きになった人として…これからいて欲しいかな?俺はメイドを持つ様な柄じゃないし…それ他堅苦しいのは嫌なんだよね…足りなかったよね?不安にしてごめんね?どうか綺麗な咲夜を泣かしてしまった俺を許して欲しい…こんな俺だけど…いいかな?」

そう言って幽鬼は指先で咲夜の溜まった涙を拭う

 

「………あぁっ…やっぱり…貴方を…離したくないです…離れたくないです…」

咲夜は仰向けの幽鬼の頭を抱きしめた

 

「不安でなりませんでした…どんどん貴女の周りに増える方々の影…どんなに一緒にいた所で物足りなかった…時間を止めて…貴方を愛しても…意味がなかった…だから、メイドであれば、お使いすれば貴方の幸せが私にも感じると思ってました…ですが…私の思い違いでした……」

 

「なら、一つだけお願いしてもいいかな…咲夜の真っ直ぐな想いをもう一度聞かせて欲しい…」

幽鬼は抱きしめられたまま言うとゆっくり咲夜は抱きしめるのをやめて、幽鬼の顔を真っ直ぐ見つめ…

 

 

「幽鬼…貴方が大好き…」

そう一言言って微笑んだ…

 

一回目の告白とは別で…想いを確かめるための確実な告白…

 

メイドと言う立場からではなく…

 

一人の女性の十六夜咲夜として本命の告白だった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月夜に照らされる一部屋

 

 

「…………」

畳に不釣り合いな洋風な椅子に座り、これまた不釣り合いなデーブルに置かれたティーポットに入れられた紅茶をティーカップに注ぎ、一人で飲むレミリアがいた…

 

高貴で高潔な吸血鬼のレミリア・スカーレット…

 

彼女は一人待っていた…

 

「………やっとね…」

ふとティーカップを置き、目の前の襖に視線を向ける…

ゆっくりとその襖が開き、誰か静かに入って来た…

 

「レディーを待たせるなんて少しマナーがかけてるんじゃないのかしら…?しかも高貴で高潔なこの私を…」

目が鋭くなり、紅く光る

 

「しょうがないだろ…咲夜が中々離してくれなかったんだから…まぁ…新鮮で可愛かったけどね…改めてちゃんと他の人達と向き合えてるか考え直す必要があるけど…」

 

「……難儀な物ね…でも、それはしょうがないのよ…私だって…運命何てどうなるか分からないって…貴方を魅入って初めて思ったわ…」

 

「……レミリアどうしたい?…今は二人っきりだぞ?」

 

「……………………フランに調子に乗らないって言われてるの…」

 

「ふーん…何も無いなら、疲れたから寝るよ?( ¯꒳¯ )」

 

「…………別に構わないわよ?私はお茶を楽しんでるから…」

目で見て分かるくらい羽根がしょんぼりする

 

 

 

「たくっ…嘘つけ…変な所で我慢するなって…霊夢さん達もだいぶハッスルしたんだ…(酒の力で)今更一人二人増えた所で気にしっ…『ガバっ!カジッ!』んぐぇ…!?」

言いかけた所でレミリアが飛び込んで来て抱きついてぶちゅっとキスをかまして来た

 

 

「ンっ…チュ…♡ゆ、ゆぃき…っ…しゃくやぇ…ンっ…ずゅるい…ぅぢゅップ…♡」

 

レミリアは容赦なくぶっちゅぶっちゅと幽鬼の口を自分の唾液塗れにする

 

「れ…レミっ…!ちょっ…!んぐっ…!待っ…ぶぇっ…!?」

何とか一旦レミリアを止めようとする幽鬼だが…

 

流石吸血鬼力強い!

 

 

 

「わ、わたしぃッ…ん゛ヂュぅっ…♡まっれたのぉぉ!じゅっとぉぉ♡」

やっとキスをやめ、顔を離すがレミリアの顔は唾液まみれの涙目であげく鼻水でぐちゃぐちゃになっていた

 

「じゅっとぉぉ…♡いいこでぇ…我慢してぇ…さきゅやをしゃきにぃ…♡はァ♡はひぃ♡」

さっきまでのカリスマ溢れる雰囲気は何処やら、完全におあずけくらってた犬である

 

「いや、相変わらず…ビックリするよ…同一人物なのか疑うレベル…一種の狂気じゃないかって…」

幽鬼の知ってるレミリア・スカーレットは二次創作でもここまでぶっ壊れない筈

 

「まぁ…そう言う運命()だったのか…」

「はへぇ…♡」

幽鬼が頭を撫でるとレミリアは幸せそうに笑みを浮かべる…

 

「で?今日のオーダーは?レミリアお嬢様?」

抱きつかれたままだが持っていたハンカチでレミリアの顔を拭きながら幽鬼は聞いた

 

「んっんー…しばらくご無沙汰だったから、パチェとか咲夜達にした事ない事で私を染めてみて?」

顔を拭かれながら答えるレミリア

 

「……した事ない事って…また大雑把な…」

「付け足すとしたら、私が初めてって言う事かしら♪多少ハードでも構わないわ♪」

スリスリと顔を擦り付けながら

 

「はぁ…わかった…」

幽鬼はレミリアの願いを叶える為、半ばヤケクソと酔いの力で行動を始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜『レミリア調教三分cooking』〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜某三分の調理番組のオープニング曲〜

 

 

 

 

 

 

 

十六夜)・皆さん、こんにちは♪今日は季節のレミリアお嬢様を使った、夜のお供にピッタリな調教を風華幽鬼先生とアシスタントの十六夜咲夜が紹介していきたいと思います♪先生どうぞよろしくお願いします♪

 

 

風華)・よろしくお願いします♪今回の調教は少し濃いめに仕上げますので物足りない夜伽のアクセントになりますので飽きずに最後まで気持ちよくなります♪それでは初めていきましょう♪

 

 

十六夜)・今回はどのような感じにお嬢様を調教していくのでございましょうか?

 

 

風華)・御本人からのリクエストで少しハードでも構わないの事ですので…『レミリア嬢の体内精〇漬けプ〇イ』にしたいと思います♪

 

 

十六夜)・それはとても良い響きですね♪お嬢様の体内が先生色に染まると言う事でしょう♪それでは、まず先生以下が致しましょうか?

 

 

風華)・はい、まず初めに下準備をしたいと思います♪このひと手間でレミリアはとてもいい味に仕上がりますので皆さんもお試しくださいね♪そしたら今回の調教のメインのレミリアを用意致します

 

 

十六夜)・はい♪こちらになりますね♪

 

 

「ちょ、ちょっと…!?何よコレ…!?さ、咲夜…何で貴女も!?手足が縛られ…確かにハードって言ったけどぉ!!うぅ!こんな拘束っ…!」

 

 

風華)・この時、忘れてはならないのがしっかりと両手足の拘束をしときましょう♪

 

 

十六夜)・吸血鬼のお嬢様でも外れない拘束具を用意します♪

 

 

「何言って!んっ!…あれ?こ、壊せない!?くっ!?てか何で咲夜がそんなの準備出来るのよ!」

 

 

十六夜)・風華先生?この時お嬢様の着用されているお洋服等は以下が致しましょうか?

 

 

風華)・そこは人それぞれ好みにあった形に捲ったり、脱がしたり、破ったりして頂いて結構です♪どんな形であれ最後には汚れてしまうので大丈夫です♪

 

 

「ザ・ワールド(咲夜の世界)」

 

 

 

十六夜)・では今回はお嬢様のドロワと下着類をコチラに外して置きましょう♪コレで捲ったりしても美味しく頂けます♪

 

「きゃぅ//咲夜ぁっ//!?ふざけないでよォっ//うー!こうなったらずっと喋り続けっtc…」

 

 

風華)・それでも暴れそうで舌を噛みそうな時は猿轡を口にはめましょう♪

 

 

 

『ザ・ワールド(咲夜の世界)』

 

 

 

十六夜)・はい♪お嬢様のちっちゃいお口にピッタリです♪

 

 

「ング!?ふグゥっ!?んんんグゥ!!」

 

 

風華)・そして♪大人しくさせる為に三時間ほど気持ち良くさせて脱力させましょう♪

 

 

 

『ザ・ワールド(咲夜の世界)』

 

 

 

十六夜)・はぁ♡んぅ…♡さ、三時間ぁ…ほどぉ…♡きっ…気持ちぃよく…んぅ♡…させて頂いたのか…っぁ…♡こちらになりましゅぅ♡

 

 

 

「ふギュ…//はヒュっほゅぅ…♡//」

 

 

風華)・具合を見る為に猿轡を取ってみましょう♪はい、口数か全然なく半開きの口から涎と舌が垂れたままになっていますね♪尚更痙攣もしているのでいい感じにデキ上がりましたね♪ここで注意して頂きたいのが、正気を取り戻さないように定期的に気持ち良くさせるのがいいでしょう♪冷めてしまうとよくありません♪

 

 

十六夜)・はい♪レミリアお嬢様のワンポイントは程よい形にツンと立っている乳首がとても弱いですので優しくねっとりとなぶってげてください♪この時時間を止められる方は止めて一気に仕上げて頂くと時間解除した瞬間にお潮をお吹きになる事がございます♪

 

 

 

「ザ・ワールド(咲夜の世界)」

 

 

 

「ひぎぃあぁぁ♡♡///!!??」(プシャァァッ!!)

 

 

風華)・それではデキ上がったレミリアの腸内洗浄を行い、体内の不人物等を綺麗に取り除いてしまいましょう♪レミリア・スカーレットは10代前半の少女に見えますが吸血鬼で満五百年は生きてますので犯罪ではありません♪普通の人の場合はちゃんと成人し同意を取ってから致しましょう♪

 

 

 

※この番組は一切の責任を負いかねます

 

 

 

十六夜)・今回は時間短縮の為に、時を止めて腸内洗浄を行いますので皆さんもお試しください♪そして、準備する物が『医療用ジェル下剤』を五回分、『吸引ポンプ(手動)』と『とろみの着いた液体』…それと『口枷具ver開口』を用意してください♪お嬢様は可愛らしい少女の御身長なのでそこまで時間がかかりませんが万が一がございますので時を止めて致します♪

 

 

「ひィッ…ゆ、ゆるひぃ゛…でぇ//」

 

 

 

「ザ・ワールド(咲夜の世界)」

 

 

 

「お゛ひぃッ…♡…かぁひぃ゛ぁッ♡…//」

 

 

十六夜)・はい♪少し時間がかかってしまいましたが三時間ほど止めて腸内洗浄が完了致しました♪やはり吸血鬼のお嬢様です♪とっても綺麗な状態でございました♪

 

 

風華)・この作業に関しては馴れ等手先が器用な方で多少な差異がありますのでご了承ください♪それでは今回の仕上げに移りたいと思います♪

 

 

十六夜)・しかし、先生?今回はお嬢様の〇子漬けと言う事ですが…先生の身体は大丈夫なのでしょうか?

 

 

風華)・そこの心配はしなくて大丈夫だぜ(イケボ

 

 

十六夜)・キュンキュンです♡

 

 

風華)・最近、十六夜さんの所に住んでいる元サキュバスをイジメまくって耐久値(縁の力でも)を上げてます♪その証拠に今日は既に三人相手しています♪…君も含めて…(イケボ

 

 

十六夜)・んぁ♡そうでした♡失礼しましたァ♡

 

 

風華)・それでは始めましょう、では十六夜さんお願い致します

 

 

十六夜)・かしこまりました♪それでは皆さん少々お待ちください♪

 

 

 

 

「縁切・音」

 

 

 

 

 

ん〜♪我ながら息子とムスコが立派に育ってお母さん嬉しいわぁ〜♪でももう少し頑張らないと癒着しないから〜…神の子って難儀よねぇ…今の所…まだ誰も孕んでないから大変ねぇ…

 

 

ん〜♪もう少し攻め続けてあげてもいいかもしれないけど…また余計な事して怒られたくないし〜…ん〜…暇ねぇ〜

 

 

あ♪吸血鬼の子の声だけ流しちゃいましょう♪

 

 

 

 

 

 

「ゴりュっぅ!コりぅっぅッ!オ゛っナガぁ!よ゛ッ…ぐぅれ゛ッ…りグゥ゛…ぅう♡!!」

 

「っはぁ!がグゥっ…!あ゛っ…!ぁくッが!ち゛ょぉッぅうがぁ゛…!ぎゅぅ゛じゅぅジュるぅぐぅ゛ぅうぅぐぅッ♡!!?」

 

「おぉッ…!ほぉ゛…♡!ん゛あ゛ぁぼぉっ♡!!」

 

「ぐるぅ゛っ…♡!お゛っながぁっ…ぁ゛♡!あがぁっ゛でぇ゛ッぐル゛ぅ゛ぅッ゛♡♡!!」

 

「…ぉ゛っぉ゛ご…♡!…っ゛ぶっ…ぷッグふ゛ぅっ…♡♡!!オ゛ぅ゛っウ…プがぁあ゛ーぁ゛…ぅ゛ぶげェぉー…ぉぉ゛ッ゛ぉ…ーー♡♡♡!!」

 

 

 

 

 

 

おっと♪終わる見たい♪これ以上はバレちゃうからお暇〜♪

 

 

 

 

 

篭った一室、ふざけた茶番は終わりを迎えた

 

 

「幽鬼?大丈夫?」

そっと肩に衣服をかける咲夜

 

「うん…だいじょばない…」

 

「そ、そうよね…結局…妹様に怒られる事は間違いないくらい…お嬢様が幽鬼一色になっちゃった物ね…」

 

「萃香さんの強いお酒って恐い…自分だけど自分じゃなかった感じがする…いやぁ…でも今回はフランちゃんにはレミリアを怒る事はさせない…てか、十割俺が悪いし…」

チラっとレミリアの方を見る幽鬼

 

 

「……ごぷぉ゛ッ…ボふぅ゛…♡」

仰向けになり、ほぼ意識がないレミリアの口からは大量の白濁とろろがあふれている

 

「…すごい光景ね…」

 

「自分でも恐ろしい位だよ…さてと…咲夜に頼みたいんだけど…レミリアに軽くおまじないを施すから直ぐに紅魔館二連れ帰ってくれるかな?」

 

「最初からそのつもりだけど…?おまじないって何?」

 

「それはね…」

 

 

ーーーーーー

 

 

ーーーー

 

 

ーー

 

 

説明を受けた咲夜はレミリアは永遠亭を後にした…

 

 

 

 

 

注ぎ込んだお土産をいち早く分ける為に…

 

 

 

 

 

このお話はまた別で…

 

 

 






(´・ω・`)ボクベツニワルイコトカイテナイヨ?

(`・ω・´)オモシロクッテトマラナクナッタダケダヨ!!


はい…また作者が紳士になりました…
でも理解して欲しいのは…



作者は健全な紳士です(`・ω・´)キリッ

んで、今回は幽々子と紫(覚醒)、レミリア(メイン)と咲夜でした

まぁ、咲夜はレミリアに遠慮していて幽鬼に不安と悩みを持っていたという風に書きたかったんですが…

自分の頭じゃ!無理だぁぁ!という若干…というか投げました…
書けないことはないんですが…

本編が進まなくなってしまうので…

(´・ω・`)余裕が出来そうで書けそうだったら…作りたいです…すみません…m(_ _)m

あ、レミリアがどうなったかは書くんで出します(真顔

もう少し続きます、もこたんとけーねはどうなるのか…

(o ̄∀ ̄)ノ頑張ります


この部分読みずらいかもしれません!


五十話目、読んで頂きありがとうございます!!


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後編 The宴会!酒は呑んでも!呑まれるな!


(´・∀・`)私だ、亜麻乃だ


やっと後編が出来たのであげます

ちょっと無理やり感のある閉め方かもしれませんが…

すみません、こうゆう形で仕上げさせて頂きます…

では、後編お楽しみくださいな!!



 

もう一方…

 

 

「この野郎テメーはお呼びじゃないんだ!」

 

「うっさいわね!呼ばれてなくても居たっていいじゃない!ココは私のお家なの!!」

 

「だったら早々にこっから連れ出してやるよ!会わずに一生引きこもってろ!」

 

「へーん!もこたん!それはもう一生無理な話よー!彼を見つけた時から永久は終わってるの!」

 

宴会の場と関わらず口喧嘩の絶えない妹紅と輝夜…

 

何度が冷めたりして止まるのだが…

 

何故か幽鬼の事が話題に出るとすぐ口喧嘩が始まる

 

燻ってる焚き火にガソリンをぶっかける様に燃え上がる…

 

「あの二人は本当に仲がいいウサね〜」

 

「何でそんな呑気な事言ってるのよ、アレで口喧嘩がいつもの本気の殺し合いになったらどうすんの…」

足を組み直すてゐの一言に優曇華が眉間に皺を寄せ言う

 

「分かってないウサね〜…鈴仙は〜…んっ…」

ヤレヤレと首を横にふり、水を飲む

 

「な、何がよ…」

 

「この宴会が始まってから口喧嘩は何度もしてるウサけど…本気に殺り合う迄はいってないウサね〜…」

パタパタと自分の手で扇ぎながら

 

「そ、それはそうだけど…」

 

「だが…今の所だけだぞ?ほら、お冷を追加で貰ってきたぞ…」

後ろから慧音が声をかけながら水の入った瓶を差し出す

 

「かたじけないウサ〜」

てゐが瓶を受け取る

 

「えっと、上白沢さん、『慧音で大丈夫だ、鈴仙ちゃん』…え!?あ…は、はい…け、慧音さん…そ、それより…今の所ってどう言うことで?(ちゃ、ちゃん…(汗))」

ちゃん付け呼びにビックリ優曇華

 

「……ふっ…w…(プルプル)」

笑いを堪えるてゐ

 

「うむ…まだ、輝夜ちゃんがウチの妹紅に対して言ってはいけない禁句をまだ言ってないからだ…」

 

「い、言っては…w…い、いけない禁句…w?(か、輝夜…ちゃん…な、馴れないw…わ、笑っては駄目よ!鈴仙!)」

慧音が輝夜をちゃん付け呼びに違和感あって笑いそうになるが必死に誤魔化して答える鈴仙

 

「そ、そんなんあるw…う、ウサね…ムグッ…ムグッ…(姫さんもちゃん付け、そういう歳かって思うウサよ…(´^ω^`)ブフォwww)」

てゐも同じくお冷を飲み誤魔化す

 

「しかし、妹紅は宴会の場と言うのに何時まで目の敵にするんだ…」

呆れながら慧音は口喧嘩をし続ける二人を見る

 

「それはウチの輝夜にも言える事…」

慧音が入って来た後から永琳も入ってくる

 

「いや…しかし…」

「しばらく、お宅の子がウチの輝夜の遊び相手から外されて拗ねていた分、構って貰えて嬉しいのよ…同じ理由をつけられて余計にね…」

入って来た襖を締めながら

 

「いや…長々とウチの妹紅かお宅の輝夜ちゃんに色々とちょっかいを出しているから…」

「いえいえ…元々はお宅の娘に原因を作ったウチの輝夜が余計におちょくるから…」

永琳と慧音がお互いにペコペコとする

 

「………(完全に保護者の会話になってるウサね…)」

「………(それもお互いに子供の事で苦労してる奴…)」

優曇華とてゐはアイコンタクトで会話する

 

 

そんな時…

 

恐れていた事が起きてしまった…

 

 

 

 

 

 

「引きこもり娘なんか幽鬼は興味引けるわけ無いだろうが!少しは外出てみろよ!!」

 

「出てるわよ!!アンタと死愛する時とか!!ふんっ!!今に見てなさい!いずれ!!…」

 

 

 

「幽鬼をアンタから取ってやるから!!」

 

 

 

 

「……あ゛っ?」

妹紅の堪忍袋が炸裂した

 

 

「ッ!?妹紅!!落ち着け!!」

その変化にいち早く気がついた慧音が止めに行こうとするが…

 

 

ボガーンッッ!!

妹紅と輝夜の周りに火柱が燃え上がり、近寄れなくなる

 

「ぐぅっ!?妹紅!?やめるんだ!!屋敷ごとぶっ飛ばす気か!!」

慧音が妹紅に大声で叫ぶが

 

「輝夜…お前何て言った?」

 

「な、なに…何を本気にしてんのよ…」

 

 

「何て言ったか…聞いてんだッ!!」

一回りまた火が強くなる

 

「と、取るって言ったのよッ!!言ったけど!!しばらっ『ふざけるなっ!!』グォバッっ!?」

妹紅の拳が輝夜の眉間を突き抜く

 

「ひ、姫様っ!?」

「鈴仙落ち着くウサよ、いつもの事大丈夫ウサ〜」

優曇華が行こうとするのを止めるてゐ

 

「でも!?あのままだと屋敷ごと…!」

「優曇華、てゐの言う通りよ…いい加減慣れなさい…後は万が一に備えておきなさい」

永琳が優曇華に冷静に指示をだす

 

「それに多分大丈夫うさ〜幸運は逃げないうさよ〜」

にししと笑うてゐ

 

 

幸運が逃げない…

 

なぜなら…縁が繋がっているから…

 

 

徐々に大きくなっていく妹紅の不死の火

 

「妹紅!!落ち着くんだ!!ここは室内で他にも霊夢達がいるんだぞ!!」

慧音は必死に火柱に囲まれた妹紅に訴える

 

「輝夜…お前にあいつは…盗らせない…嫌だ…一人はもう…嫌なんだァァァァ!!!!」

慧音の訴えは耳に届かず、不死の火がさらに大きくなり建物に燃え移りかけていた

 

「も゛ぉぇる゛ぐぉ!」

射抜かれたままの輝夜は頭の内側から火に炙られ奇声を上げ、再生出来ずにジタバタしていた

 

「アァ゛ァァァァ!!」

「妹紅!!」

 

 

 

 

 

幸運の縁が叶う…

 

 

 

 

 

「ダメですよ…妹紅さん、そんなに怒っちゃ…」

そう優しい声が横から聞こえたと思ったら、フワッと暖かく心地いい物に頭が包まれた…

 

 

 

 

 

「あ゛…あ゛ぁ…ッ…」

 

「大丈夫…妹紅さんの側からは離れませんから…約束しましたよね?」

「ぁ……ぅ…」

包まれながら聞こえる声に落ち着きを取り戻す妹紅はゆっくりと顔を見上げる

 

「部屋の外からでも見える程の明るさでしたので何かあったのか慌てて来ましたよ…」

優しくその手は妹紅の頭を撫で始めた

 

「……あぁ…ゆ、幽鬼…こ、この野郎が…」

震える妹紅

 

「とりあえず…輝夜の頭から手を抜きましょうね?何時までも痛い思いをさせる訳にはいきませんし…ね?」

幽鬼は輝夜を射抜いている妹紅の腕をゆっくりと引いて抜いた

 

「ごぉっ…はっがぁ…」

眉間に風穴が会いた輝夜はその場に尻もちをつく

そして、眉間の傷口は治っていった…

 

「ぅぐっ…」

グイッと自分の付いた血を拭う輝夜

 

「あんまり挑発的な事を言わないでほしいんだけど…輝夜?」

 

「……私だってそれなりに女として魅力は妹紅よりあるのよ……」

フフンっと鼻で笑う輝夜

 

「このクソ輝夜!!…ん!?」

スっと幽鬼が妹紅の唇に人差し指を押し当て、黙らす

 

「今の輝夜は友人と言う、知り合いでしかないよ…悪いけど今の輝夜は好きにはなれないね…」

「…………」

その一言に輝夜は固まる

 

「それと、くだらない喧嘩をしてこれ以上…輝夜を嫌いにさせないでよ…寂しがり屋の良い子って知ってるんだからね…」

 

「…………ぶぅ…」

輝夜はしょぼんとした

 

「さて…落ち着いた?妹紅さん?」

「……まだッ…//」

妹紅は幽鬼に抱きついた

「匂い…ん〜すぅ…落ち着く…//」

たっぷりと息を吸い込んで幽鬼の匂いをかぐ妹紅

 

「ふぅ…良かった………しかし…妹紅…少しずるいぞ?」

慧音も胸を撫で下ろすが少し不満だった

 

 

 

 

「どうやら治まったみたいね…」

永琳が呟いた

 

「はぁ〜どうなる事かと思いましたよぉ〜…」

ヘナヘナと座り込む優曇華

 

「全く鈴仙は心配性うさね〜…そんなんだから…ふっ…」

「なによ…なんかあんの?」

鼻で笑うてゐを睨む優曇華

 

「べっつに〜もう少し事の流れを読むって事をしないとこの先生きて行けないうさよ〜♪」

「あ、あんたねぇ〜…言わしておけばぁー!!」

てゐの小馬鹿にする言い方に優曇華はキレた

 

「二人とも喧嘩は後にしてちょうだい…てゐは姫様を呼んで来てちょうだい…優曇華は先に別の部屋の様子を見て来るのと片付けやらしておいてちょうだい、ここの部屋は私とてゐがするから…ここが終わったらそっちに向かうからお願いね?」

永琳は追いかけっこをしている二人にそう指示をだした

 

「…わ、分かりました…てゐ!後で覚えておきなさいよ!!」

ズンズンと部屋から出ていく優曇華

 

「覚えてたらうさね〜♪…さて、姫さんー?」

てゐは言われた通りに輝夜を呼びに行った

 

この後、永琳は何か話をして輝夜に部屋に先に戻って休んでる様に言って、てゐと片付けに向かった…

 

てゐが何を話したのか聞くと永琳は「今度詳しく説明するけれど…簡単に言うと先の話しよ」と言ってそれ以上は話さなかったので、てゐもそれ以上聞かずに片付けに専念したのだった

 

 

 

 

 

 

霊夢達やらがいる部屋(事後部屋)優曇華は…

 

 

 

「………………」

部屋の前で障子を開けたまま固まっていたのだ…

 

飲みこぼしや食べこぼし等を想定し雑巾や水バケツを用意していたが…

 

実際に目の前に広がる部屋の惨状は…以上だった…

 

 

 

 

 

 

 

「……っ…♡ぁ゛へ゛…♡」

うつ伏せで腰を突き上げたまま、服が半脱げ(白濁液付)のアヘ巫女

 

「…じョ゛…っごぉー…♡ぁ゛ぁ…ッ゛…♡」

仰向けで白い魂にしがみついたまま、ビクビクと両足(M字)を開いたまま(開脚)お水(黄色)を垂れ続けている半人半霊

 

「…お師匠…知ってて私を…イヤイヤ…疑うな私…とりあえず…片付けを…」

状況を打開する為、優曇華は部屋にゆっくり足を踏み入れた、同時に屋敷に部屋に漂う生臭い匂いを廊下から広がるのを防ぐ為あえて入って来た襖を閉めた

 

「とりあえず…縁側の方を開けて換気ね…」

ゆっくりと優曇華は反対側へ行く為、静かに足を運ぶ

 

「………」

チラッと床に倒れている巫女を見る

 

「…ぁ゛ぁッ♡」

口が開いて舌を垂らし、涎が畳を濡らしていたがその表情はとても幸せそうに蕩けたままだった

 

「…これが…あ…あの時の…巫女…?」

自身に屋敷の門前で殺意増し増しの弾幕を放って来た同一人物とは思えなかった

 

「………それに…あっちの子も…」

少し隣に押し入り強盗並に門を切り刻んだ銀髪の剣士、完全に気を失う前に見たあの一瞬…諦める様に意識を手放した原因を作った人物

 

「……話を慧音さんから聞いてるけど…信じられない…」

優曇華はその場にしゃがみ様子を見た上で、みっともない格好の二人をどうにかしようと判断した

 

「……本当に…一人の人間を…うーん…」

優曇華はブツブツと言いながら手を動かす、仮にも宴会場なのでテーブルに置かれたりしていた、控えて綺麗なおしぼりを濡らして、巫女の顔を拭き始めた

 

それもテキパキと馴れた手つきで進めて行った…

 

巫女と剣士の子を交互に乱れた衣服を着させ直しながら、付着したナニカを拭き取りをしていた…

 

「ふぅ…姫様のお着物を着させ直すより簡単で良いわ…」

一段落した所でグイッと手の甲で鼻下をぬぐう

 

その時…

 

ヌチャァ…

 

「…ん……え…っ…?」

独特なヌメリがそこにはあった

 

「……ふぇ…っ?!?…ッッッッ!?!?」

ぬぐった鼻下に拭き取っていたのと同じ物がべっとり着いた、それを確認した優曇華は声が出なかった

 

「…ふ、拭くっ!?…水っ!?」

半ばパニックになりながらもソレを早く拭き取ろうと必死に立ち上がろうとする

 

しかし…

 

ガクンと足腰に力が入らず上手く立てなかった

 

 

「……ぁ…あ…れ?な、なんで……ッッ…ぅうぐ//!」

脳の処理が追いついたのか理解しだす…

 

身体がとても熱くなっていた…

 

「はぁっ…//ひぃ…//」

何とか落ち着こうと呼吸をするがする度に身体の熱さは増していった

 

「か…換気…//そ、外の…空気…を…//」

優曇華はその原因がわかった

 

部屋に飛び散る体液せいで…

 

独特な匂いで充満した部屋…

 

そして…

 

そんな中で長々と倒れている二人の衣服直し…

 

意識はそうで無くても身体はそうなった…

 

 

 

 

発情

 

 

 

 

 

「ぅぐっぅ…//熱い…ムズムズ…する…//ダメ…冷静…保つの…よ…//鈴仙っ…//」

自分に言い聞かせながら這いつくばって部屋の外を目指す

 

「…こ…呼吸は…//あ…あさくっ…//口で…するぅ//」

優曇華は絶対鼻呼吸をしない事を決めていた

 

(今鼻下に付着した状態なんかでしたら…動けなくなる…絶対…)

発情しているせいなのか嗅覚が以上に敏感になっている状態で部屋に充満している匂いの大元を嗅ぐ事になってしまう

 

「……後…少し//…外…ッ//」

腕をめいいっぱい伸ばし外に続く障子を開けようとする

 

 

が…

 

フサァ…

横毛が鼻にかかる

 

「……はぁ…//ぁッ…//ぁっふぁっくしょん!!??」

思いっきりくしゃみをしてしまう

 

「…あぁ〜//…(ズゥッ…)なんでこんな…(スゥ〜…フゥ〜…)ときにぃ…あっ…//」

くしゃみした後特有、鼻すすりからの軽く鼻呼吸

 

 

 

 

次の瞬間…

 

「ッッッっ//!?!?!?」

身体の疼きと熱さが頂点に登った

 

 

身体の疼きが止まらなくなり、求め始めた…

 

「あ゛っ…う゛っ…//」

歯止めが効かない呼吸をする度に身体は求める

 

(ダメ゛ぇ゛ッ…いやぁッ…おさまってぇぇっ…!?)

意識ではそう訴えるが身体はそうはいかなかった

 

「…ぁ゛ッ…はぁ゛//!」

ゆっくりと優曇華は手を自分の下半身えと誘う

 

(あぁ…ッ…だめぇッ…♡…でも…1回くらいならぁ…スッキリ…しなきゃぁ…♡)

優曇華は身体の火照りと疼きに負けて理性を保つ事ができなくなっていた

 

 

しかし…

 

 

目の前の障子がスゥと開いた…

 

「あぁ〜…♪さっぱりした、やっぱり汗をかいた後のお風呂は最高ね♪」

浴衣を着たアリスが髪をタオルで拭きながら現れた

 

「さてと…霊夢達二人の意識をヘブン状態から普通に戻して…せめてお風呂…に……てっ…あら?」

アリスが足元に目をやるとそこには霊夢に初手で吹っ飛ばされたウサミミっ子がいた

 

「ち、ちょっと!?顔が真っ赤だけど大丈夫!?」

アリスは倒れているのと顔色で判断し慌てて声をかけ、かがみ込む

 

「…はぁッ…//あ゛っ…ばっ…な…//…ごっこぉ゛…//ふ…ッい゛て゛ぇ…゛っ//」

アリスの浴衣にしがみつき、必死に訴える優曇華

 

「……な、何?…何が言いたいの……ん?」

アリスは困惑したが辺りを見回す

 

(…霊夢達の洋服や格好が綺麗になっていてまともに横になっている…この子が整えてくれたのね…そして、口元に着いた…幽鬼の…それに…見た所、扉が私が来るこちら側でさえ、全て閉まっていた…もしかして締切状態で霊夢達の…それも幽鬼の匂い充満するこの部屋で…それならこの状態…なら…)

アリスは憶測を立て、次の行動へ移す

 

「これで少し楽になるならいいけど…」

「ぁ゛…ふく゛っ…」

アリスは先程まで使っていた首元のタオルを優曇華の口と鼻に優しく押し当てて、着いたソレを拭き取りる

 

(あぁ…お風呂の石鹸のいい香り…湯気のほのかな温かさ…)

拭き取られながら、嗅いだ匂いは優曇華の身体の熱さと疼きを段々と落ち着かせていた

 

「大丈夫かしら?動けるそう?」

「はぁ…はぁ…何とか…ありがとう…ございます…//」

アリスが差し出した手に掴まり何とか立ち上がる優曇華

 

「まぁ…こんな馴れない濃い異性の匂いを嗅いだら…普通の妖怪の子はヘロヘロになっちゃうわよね…しかも彼の…」

アリスは換気の為に障子を全開にした

 

「……それなりに…訓練を受けていたんだけど…一応兵士として…」

夜風に当たる為、優曇華は縁側に腰を下ろす

 

「訓練って…異性の性の処理かしら?」

アリスは濁さずドーンと言う

 

「う゛…なんで濁したのにはっきり言うんですか…」

苦い顔で言う優曇華

 

「そりぁ、経験ないわけじゃないから♪…もう彼と何回目もっ…フフ…」

何処か嬉しそうなアリス

 

「彼って風華さんの事ですよね?…あの…こんな事を聞くのは野暮だと思うんですけど…同じ人を好きになるって…複雑じゃないんですか?慧音さん達とか…そうですよね…?」

優曇華は言った

 

「…複雑…ね…まぁ、確かに複雑怪奇でありえないかもしれないけど…私はそうは思わない…

そう言って優曇華の横に座る

 

「…その質問は他の子達や…後ろで寝ている霊夢と妖夢に聞いても答えはきっとほぼ同じよ…それに…貴女も加わるかもしれないわよ…?」

アリスは優曇華の方を見る

 

「え、…ははっ…そんな訳ないじゃないですか…有り得ませんよ〜」

軽く笑い飛ばす優曇華

 

「ふふっ…そうね…有り得ないわ…でもね…」

 

 

 

 

「そんな有り得ない状況に私達はいるの、何が起きるか分からない…」

 

 

「………」

その一言に優曇華は何も返せなかった…

 

「さて、軽く片付けをして早くお互いに休みましょ?」

「…あ…そ、そうですね…」

 

優曇華とアリスは簡単に拭き掃除と片付けを始めた

 

後に永琳達がアリス達用の寝具等を部屋に運び込み、アリス達の宿泊部屋に変わった

 

優曇華は最後までモヤモヤしていたが…

 

てゐのスキあり飛び膝蹴りを喰らい、それ所じゃ無くなったのであった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し遡り…

 

そんな事を露知らず…

 

縁側で妹紅と慧音は幽鬼を真ん中に挟む形で並んで座っていた…

 

部屋の中では永琳達が片付けをする為に一時的に追い出されていた…

 

 

「妹紅さん、落ち着きましたか?」

 

「も、もう大丈夫だ…ありがとう…」

幽鬼の答えにいつもの妹紅

 

「しかし、妹紅…前も言っているが…幽鬼の事になると周りが見えなくなるのは良くないぞ?」

 

「う…わ、分かってるよ…だけど…アイツ(輝夜)だけに独占させられたくないって思うとな…」

色々と気まずい妹紅

 

「気持ちは分かるが………うむ…そうだな…いい機会だ、幽鬼…少し聞きたい事があるのだが…こんな時だが…」

 

「…なんでしょう?」

 

「…と言っても答えづらく…無理な事かもしれん…」

少し真剣な顔になる慧音

 

「……はっ…け、慧音…まさか…その話はまだ先にするって!」

妹紅は慧音が何を聞くか知っているらしく驚く

 

「いや…改めて思い返してみたが…このままズルズルとしていたら聞けないうえに二人とも決意が鈍るかもしれない……お互いに…」

そう言いながらジッと幽鬼を見つめる

 

「………そうですか…分かりました…自分は大丈夫です…それにこれから先の事を含め話さないといけないって自分も思ってましたし…」

幽鬼は慧音と向き合い、正面から答えようと応じた

 

「…………うむ…幽鬼もそう思っているのなら…気兼ねなく聞くぞ…ふぅ……」

慧音はそう言うと少し気持ちの整理をする為にソッと幽鬼の手を握る

 

「私が…いや、私達…二人が聞きたい事だ…幽鬼、答えられるなら答えてくれ…」

ゆっくりと慧音は言葉を続けた

 

 

「今、幽鬼の隣…つまり妻として迎える者は私達の中で決まっているのか?…それと…選ばれなかった者たちは幽鬼はどうするつもりだ?」

少し声を震わせて言う慧音

 

「…………」

妹紅も幽鬼の背中に頭を擦り寄せる様に寄りかかる、同じく少し震えていた

 

二人は覚悟して聞いたのだろう…

 

親しい友同士で同じ者を愛してしまった…

 

いずれ来る幽鬼の選択である…

 

その答えを知ろうと…

 

「……そうですね…ウダウダしているから…2人と同じ様に咲夜さんを不安にしてしまったのかもしれませんね…ここまで自分を想ってくれる人が増えていて…どうするか考えていたんです…けど…そんな人達を裏切るかもしれないことを…言うかもしれませんが…良いですか?」

幽鬼の言葉に慧音は小さくうなずき、妹紅は幽鬼の腰に手を回す

 

「……ふぅ…まだ、霊夢さん達にも言ってないんですが………自分は皆さんが許してくれるのなら…皆さんを好きでいたいです…そして、納得して頂けるのなら…」

幽鬼は少し言葉をつまらせるがギュッと力を込めて言い放つ

 

 

 

 

「好きでいてくれる皆さんを嫁として迎えて夫婦になりたいです…」

 

「……」

「……」

 

『…と思ってます』と幽鬼が言い終わるが慧音と妹紅は黙ったままだった

 

 

しばらくの沈黙…

 

 

 

幽鬼の脳内では…

『((^ω^≡^ω<ギャアアアアアアア!!こんななろう小説の都合の良い主人公みたいな言い訳が通るはずねぇだろぉぉ!!でもさぁ!!わがまま言うともう引ける所は無いんよぉぉ!!てか、推しがいたとしても皆、美人だから僕選べなーい!!霊夢とかアリスとかも含めるともうヤバいのよ!!ゴムなんて都合よくある訳無いから!皆!中にシュート!超エキサイティィィンーグ!!!外にぶっかけ山盛りとろろUDON!!してるからもう引けるわけないだろぉぉぉ!!てか、萃香のやろぉぉ!!どんな酒持ってきてんねん!!あんだけ(うぇ乁( ˙ω˙ )厂ーい)(規制するよ!)したのに未だに収まる気力ないんだけど!!もこたん!!くっつかないでぇぇ!!程よい!おぱーい!柔らかい!当たってる!けーね!手を握ってぅぅぅ!あの堅物、朴念仁キャラけーねがぁぁぁ!!服の谷間が無防備こんにちは♪しているのが見えてるのがたまりまへぇぇん!!……ふぅ…そういえばレミリア大丈夫かな?もうね、調子づいてあんな事したけど…まぁ、合法ロリだから大丈夫しょっw!!…ふふ〜♪1回やってみたかったんだよねー!…後はレミリアがちゃあんと美鈴以外にお土産をあげられればいいんだよねー♪…あぁー……そういえば…?…霊夢達の方大丈夫かな…結局そのままこっちに来ちゃったから…まぁ…比較的酔い冷めしてたアリスがどうにかしてくれる…してくれている事を願う!!…大丈夫かな?…後は…輝夜は件か……………うん、アイツは大丈夫だろ…なんか、いまいち輝夜が妹的ポジションになってしまったのだから…違和感ありあり…まぁ、比較的確かに着痩せしてるみたいだから、もこたん寄りかは胸あるけど…うむ………あ、やべっ…何かクル…イキスギィ!!……さて…うん………(・ω・`)あれ?なんの話してたんだっけ…お出汁の栗と鳥と酢の話だっけ?…てっ…違うわ!!…てか、一人で何考えてんだよ!!まさか自分自身がこんな事をするとは思わなかったわ!!ギャグ漫画でも、一コマで埋め尽くす事をここでやる必要あるのか…よし、戻る!!ここで締めの一言!あぁ〜^^あそことそことどこかがビンビンなんじゃぁ〜^^』

二人が全くの無反応なのでテンパって混乱していた…

 

 

確かに都合が良すぎる話である…

 

 

 

普通だったらとんでもないふざけた言い分である…

 

刺されているレベルである…

 

 

 

 

か〜な〜しみの〜♪が流れている…

 

 

 

 

 

そう…普通(アレ)だったら…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……そうか…なら…一つ不安は無くなったな…」

「……へっ?」

慧音の一言に幽鬼は目が点になる

 

(え…聞き間違いかな?…不安が一つ無くなったって…どこの所が??)

困惑しながら考えている幽鬼

 

すると妹紅がガバッと抱きつくのをやめて膝立ちをして今度は幽鬼の肩に抱きついて

 

「……いや、待ってよ!慧音…やっぱり…肝心な所がはっきりしていない…結局大事な答えが聞けてないんだ!!」

(そうだよね〜^^もこたん!分かってる〜♪結局の所あやふやにして丸め込もうとしている発言をしてしまった俺を燃してくれぇぇ!ヘイ!щ(゚д゚щ)カモーン!)

慧音に反論する妹紅に喜ぶ幽鬼

 

 

「幽鬼…はっきり聞くから…答えてくれ…」

幽鬼の顔を上から見下ろす形で聞いてくる

 

 

 

 

「一番は誰なんだっ!!」

真っ直ぐな目で言う妹紅

 

(……思ってたんとちゃう…)

エセ関西弁で思う幽鬼

 

 

「モヤモヤしてるのは幽鬼がコイツが良いって決めないからだ…びょ、平等にしてくれてるのは分かるけど…いい加減…目安を教えてくれ…」

「……その…妹紅の言う通りだ……もし決まっているのなら…」

2人共、こっちのが本命の聞きたいことだったらしい

 

「あの…お嫁うんぬんは…大丈夫なんで?」

逆にあやふやになってしまったので幽鬼が確認する

 

「……?…幽鬼は私達を捨てずに迎えてくれるのだろう?…先程言った事を無かった事には出来ないぞ?」

「いや…あの…普通…夫婦って…」

慧音の返答が一夫多妻を認めてるようなものなので余計混乱する幽鬼

 

「普通の場合は確かにダメかもしれないが…それはお互いに同意してないか…不倫とかの類だ…私と妹紅はお互いに同意しているし…お前以外、絶対にありえないからな…他の者にも同じに同意は必要だけれども……そうだよな、妹紅?」

 

「輝夜が増えなければ私はいく人増えようが関係ない…私を忘れずにいてくれれば…幽鬼の天命は見届ける…だから、さっき幽鬼が迎えてくれるって言ったから…私はそれでいいよ…とにかく!その嫁になる予定の奴らの中で誰がいま一番か教えてくれ!」

「…い、一番…う、うーん…正直…一番とかないんですよ…皆さんを比べるような事をしてなかったので…(うわーい…もこけーね…ハーレム確定したー…)」

何とかそれなりの返答をする幽鬼

 

「なら!誰が幽鬼の中で存在が大きいのかとか、コイツを超えなればとか!」

さっきと打って変わって妹紅がズンズンくる

 

「……それが分かれば…幽鬼の攻めかっ…ん゛んっ!…幽鬼をより分かるかもしれないからな…」

慧音の本音が少し盛れる

 

「……じゃぁ、先に言いますが…あくまでも普段、皆さんを比べていない…パッと思い浮かんでる人をいいますね?」

 

「「………」」

押し黙って頷く二人

 

「……それは…

ゆう姉……もとい……風見幽香

さん……ですね…はい…」

 

 

 

 

 

 

再び沈黙…

 

 

(ぬぉー!またやっetc)「やっぱりか…」

と思いきや、幽鬼がまたテンパる前に慧音が納得する

 

「……はぁ、慧音の予想あってたな…」

妹紅もどこか残念そうに言う

 

「えっ…えっ?」

自分で言っといて混乱幽鬼

 

「意地悪な質問をしてすまなかった…幽鬼…わかって聞いたような物なんだ…一番長く過ごしていた育ての親である彼女の名が出るのはな…

 

「そ、そうだったんですね…因みにもしもゆう姉以外の名が出たらどうしたんですか…?」

恐る恐る聞く

 

「以外の名前か…うむ…逆に考えてなかった…」

「でも…慧音か私だったら…嬉しいのは確かだよ…」

お互いにウンウンと納得しながら話す

 

 

「そうですか…わかっ…「しかし…もし…妹紅か私以外だったら…」え…?」

 

 

「「この場で1番に返り咲くだけだ…」(だぞ?」

妹紅と慧音は同時に同じ事を言う

 

(うわーい…獲物を狙う目だー…)

背筋が凍る幽鬼であった

 

 

「さて…いつまでもこうして、ただくっついている訳にはいかないな…」

目を光らせる慧音

「そうだ…巫女達やらの後だけど…待ちぼうけくらったのは違いないから…」

腕に力が入る妹紅

 

「( 'ω')ふぁっ」

幽鬼の間抜けな反応した直後

 

「おーい?片付け終わったうさよー?」

部屋からてゐが顔を出し

 

「む…すまないな、片付けも手伝わずに…不躾だが…布団を借りたいんだが…」

 

「……貸すも何もこの部屋がアンタらの寝床うさ…適当に人数分の布団やらなんやら持ってきといたうさから使ううさね〜…じゃ、私はもう1つやる事があるんで行くうさよ」

そう言っててゐは廊下を進んで角に姿を消した

 

「…やっぱり輝夜含めてよく分からない奴らだよ…」

「コラ、妹紅…これだけ良くして貰ってるのにそんな事言うな…幽鬼も何か言ってやってくれ…」

 

「……えっ…えっと…今日は眠いでそろそろ寝たいんですけど…ハハッ…」

軽く冗談を混じって言う

 

「「……………」」

唐突に真顔になる妹紅と慧音

 

「…………あれ?お二人共?」

反応が帰って来ないので焦る

 

「妹紅?このまま部屋に連れていくぞ?」

 

「そうだね、慧音…足の方持ち上げられるか?大丈夫か?」

 

「うむ、大丈夫だ…よし行くぞ?」

 

「あいよっと…」

淡々と事が進み、二人に持ち上げられ、ドナドナされる幽鬼

 

(あれ…?またデジャブ…)

 

「お、お二人共?怖いんですけど?何か言ってください!?」

部屋に運び込まれながら幽鬼が言うと

 

 

「大丈夫だ、天井のシミを数えているだけでいいんだ」

 

「妹紅の言う通りだ、何も考えずに抵抗せずにそのままでいるんだぞ?」

 

 

「「満足するまで相手してもらうからな?」(ぞ?」

 

 

 

 

ゆっくりと入って来た障子が閉まる…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今宵も始まる…一方的な弾幕ごっこ…

 

手慣れ相手に幽鬼は生き残る事が出来るのか!?

 

 

勝負は始まったばかりだっ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

アー!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、ある一匹の因幡兎は見た…

 

屋敷から出ていく皆、肌がツヤツヤで何かに満ち溢れていた…

 

ある一人の人間を除いて…

 

巫女に肩を借りて帰って行った…

 

 

 

 

 

 

 

 

当人は言った…

 

 

 

 

 

「しばらく無理…」

 

 

 

 

宴会はこうして幕を閉じたのだった…






スゴーイほのぼのしたでしょ(適当)


さて、こんな形で終わりました永夜抄宴会編

萃香どこ行ったんだよ…と言う声が聞こえる…
本当に長編になりかけたので入れなかったんですけど…
あの後、紫が参戦確定したので少し面白そうだと高みの見物をしていました…

皆の気分が高いままだったのは萃香の能力のせいでもあると思ってください…
(´・ω・`)言い訳じみてすみません…

さて、次は花映塚を少し挟むか…風神録突入するか…迷っているんですが…

後1回、永遠亭回を挟む予定ではいるんですけどね…

それで?皆さん…中編読んで頂きましたか?

そう…幽鬼がしたお土産「レミリアの沖漬け」がどうなったか…気になりますかね?
短編ではあるんですが…実は書いてあるんです…
書いたのは良いんですけど…内容が内容だけにとてつもなくキャラ崩壊しているので…
あげるかどうか悩んでいるんですよね…





アンケート終了しました
単発挟んで花映塚編始まります!!

御協力ありがとうございました!!



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前編・やっぱり静かに終わらない




色々とありまして、投稿が遅れました

申し訳ございませんでしたm(_ _)m
花映塚編はこのストーリを前編・後編挟んでから開始致します

やっぱり話が纏まらないので、テンションがアレになっている時に書き上げたサブストーリー的な物をあげます

永遠亭メンバー堕ち話です
あげるつもりはなかったんですが、これ以上はマズいと思い上げさせていただきます

滅茶苦茶キャラ崩壊と下のネタです

それでも良ければお楽しみください

前編と後編で始まります


 

 

 

 

〜 一日目 〜

 

 

 

「そんなにへそ曲げないでくださいよ…妹紅さん…」

何かひ

「…………うるせ…」

竹林の中を並んで歩く妹紅と幽鬼

 

しかし、妹紅の様子がおかしい…

 

「まだ、行くの慣れてないんで…申し訳ないんですけど…」

「行くの慣れる慣れないの前に行かなきゃいいんだよ!あんな引きこもり姫の所なんざ!!」

二人が向かっているのは永遠亭

 

「いやいや…そうは言っても診療所の開設をしてくれると言う話で唯一の初コンタクトの人間代表として健康診断を受けてくれって頼まれたら行くしかないので…人里に住む人達の為にもなりますし…永遠亭の皆さんのこれからの為になります…」

 

「それはそうだけど…なんで…」

ピタリと足を止める妹紅

 

「なんで一週間もかかるんだよ!」

 

「……説明されたんですけど…どの具合までの身体の検査をするか調整とか色々必要みたいらしくて…馴れも必要ですし…段取り決めをすれば次から普通に開設したら一日の早くて半日もかからず終わるって聞きました…まぁ、一番最初ですからしょうがないですよ…」

 

「幽鬼は優しすぎるんだよ!確かに前の私にとっちゃ一週間なんて…うぅー//!ちがう//!今はちがう//!今の私にとって一週間のどの日にも好きな時に会えるのが出来ないのが嫌なんだよ!!」

地団駄する妹紅

 

「……いやいや…あの…永遠亭に会いに来てくれれば…『グーヤ野郎が勝ち誇った顔をするからヤダ!!』えぇ…」

駄々をこねる子供みたいに言う妹紅

すると、飛び込んで抱きついた

 

「なぁ!せめて私の家から毎日通うって事にしないのか…?それなら!一週間毎日送って迎えにいってやるからさ!」

そう抱きしめながら必死に訴える

 

「それはとても嬉しいんですけど…検査の後の経過観察をしなきゃ行けないので…いちいち何かあって行くとなると手間になるのでもう居た方がいいかなっと…」

「う゛ぅ゛ーー!!!」

幽鬼を見上げるその顔は完全に駄々をこねる子供

 

「……まぁ…事の場合にとってはさらに三日、四日伸びる可能性が…」

 

「う゛う゛ぅ゛ーーーー!!!???」

 

その後は抱きついたまま駄々をこねる妹紅をそのままにして永遠亭へ向かった

※道を外れたらちゃんと教えてくれたもこたんであった…

 

 

ー永遠亭門前ー

 

 

「ふふっ〜♪まだかしら〜♪まだかしら〜♪」

「お姫さん…少しはじっとしといた方がいいうさよ?」

左右に揺れ動きながら待つ輝夜とジト目を向けるてゐが居た

 

「もう楽しみで夜も眠れたわ!!おめめパッチリ!!絶好調よ!!」

どこかハイテンションな輝夜

 

「そこは…夜も眠れないが普通うさけど…良かったうさね…」

やれやれと呆れるてゐ

 

(今日から一週間、幽鬼が家にいる…この一週間の内に幽鬼に私を魅力的な異性として目の色を変えさせて、友達以上の夫婦確定にしてやるんだから…フフフフ)

 

(こんな姫と一緒にされる私の気持ちも考えるうさよ…あーあー後でこの不安を鈴仙にイタズラでぶつけてやるうさ…ニシシ…)

お互いにそんな事を考えていると…

 

道の影から待ちに待った人物が現れる

 

「あ、来たうさよ…ひっ「幽鬼〜♪」早っ!?」

予測出来ない動きを輝夜は見せた

 

「もう♪待ちくたびれ…あら?」

幽鬼の目の前で止まり、一声かけようとしたが…

 

「おぅ…輝夜…すまないけど…妹紅さんを剥がさないといけないんだ…」

「…………………」

輝夜の視界に入ったのは苦笑いの幽鬼に正面からしがみつく様に抱きついている妹紅の姿だった

 

「どうしたの?妹紅は?」

 

「ここまでの道案内を頼んで途中まで歩いてたんだけど…ゴネ出して…こうなったんだよ…」

 

「……あぁ…そういう事〜…うん…理解したわ…」

幽鬼の簡単な説明で何となくそのシーンが頭に浮かぶ輝夜

 

「ちょっと?妹紅?今日から幽鬼は永琳のお手伝いなのよ?いつまでもくっついてないでいい加減離れだぼげっ!?」

近づいた輝夜に見えてない筈の妹紅がガチ裏拳を直撃させ、輝夜の頭が一回転する

 

「も、妹紅さん!?なにしてるんです!?」

ガシッと妹紅の腕を掴む

 

「嫌だ!!今の私は幽鬼と一体化してるんだ!!どこ行こうとも一緒なんだ!!」

 

「なんか凄いとてつもない事を言ってるうさね…」

 

「あ、こんにちは、てゐさん…」

 

「おう、よく来たうさよ…お師しょーと鈴仙が待ってるうさよ…って言いたい所うさけども…」

そばに来たてゐもその光景に引いていた

 

「いまのわたしはゆきといったいかしてるんだ…ようはからだのいちぶなんだ…だから…いっしょにいなきゃいけないんだ…けいねもしってたならひきとめればよかったのに…あ、でもけいねはむらびとのためもっていうゆきにまるめこまれたんだろうな…しんけんなゆきのかおをしょうめんから…うん…ぜったいそうなったんだ…だからかおがあかかったんだな…どこかかうっとりしてたし…ん?まてよ…このままいったいかしていたらゆきとずっとだから…いままでいっしょじゃないところも…お、おふろとか//…か、かわやとかも…//…い、いや…さすがにそれは…///…いや…でも、ゆきといったいかしたんだ…それくらいはなんでもないんだ!!…おふろのときの…ゆきのはだか…///…かわやのときはどんなかおになるのだろうな……//…な、なんだったらわたしがゆきのかわやにっ!! 『いい加減に離れなさいよォ!!』ブベラッ!?」

治った輝夜が拳骨を妹紅にいれる

 

「何すんだ引きこもり!!」

 

「駄々をこねるのはやめなさいよ!!その姿の貴女を見るのは新鮮で退屈しないけどみっともないわよ!!」

暴走仕掛けた妹紅が輝夜の1発で元に戻った

 

「……これじゃ埒が明かないうさよ…」

睨みあっている二人を見て言うてゐ

 

「輝夜、てゐさん…少し後ろ向いててください…」

幽鬼が二人に声をかける

 

「ちょっと…何っ『いいから…』むぅ…」

「ほら、姫さん少し後ろ向こううさよ?」

てゐと一緒に輝夜は背を向けた

 

 

 

「な、なんだよ…幽鬼…私は…んぐっ!?」

 

 

ー3分後ー

 

 

「んぅ…りょっ…まっれぇ…ッ…ぅむっ//」

 

 

ーさらに3分後ー

 

 

「ぃ゛いぎっ…んぅ…ごめぇっ…//!ちゅぷ…ゆるぃひぇっ…///!!」

 

 

ーさらにさらに3分後ー

 

 

「…っ!…ッ♡!…ぁっ…♡!…ッッッッーーーー♡♡♡♡!!!!!!」

 

 

そして、2分後

 

 

「……あれ?…静かになったうさね?」

「……そ、そうね…//」

 

 

((ーリザレクションー))

 

すると…

 

「御二方お待たせしてすみませんでしたね…それでは向かいましょうか♪」

ポンと後ろから二人の肩に手を乗せる幽鬼

 

「え…幽鬼?妹紅は大丈夫なの…?」

 

「うん?ちゃんと説得説明をしたら離れてくれて、一週間後を目処にもう一度来てくれる様に頼んだから大丈夫、大丈夫♪」

輝夜の問いにニッコリ

 

「………説得…うさねぇ…」

チラッと後ろの妹紅を見るてゐ

 

「…ふ…ッひぃ…ふふッ//♪」

惚けているのか喜んでいるのかよく分からない状態で突っ立っていて

 

「……まぁ…本人が幸せそうなら…良いうさ…」

その様子を見て苦笑いだった

何とか妹紅から別れ、幽鬼は永遠亭に入って行ったのだった…入る道中までチラチラ輝夜がコチラを物欲しそうに見ていたのは気のせいだろうと流した…

 

 

ー診察室ー

 

 

「今日はわざわざ御足労ありがとうね…改めて自己紹介をしとくわ…八意永琳よ、よろしくね」

いつもの服の上に白衣を羽織っていた永琳

 

「か、風華幽鬼です…今日からよろしくお願いします…」

白衣やっぱり似合うなと思いながら幽鬼も自己紹介をする

 

「………本当にあの時の子?」

唐突に顔を覗き込んでくる永琳

 

「えっ、えっ?あの時?」

「あぁ…ごめんなさいね、余りにも対峙した時との雰囲気が全然違ったから…」

困惑している幽鬼にそう言って、聞いた本人は「あぁ…(汗)」と小さく納得した

 

「あの時はすみませんでした…」

「いいえ、お互いになすべきことをする為に起きてしまった事…どちらが悪いとかもうやめましょ?」

謝る幽鬼にそう言って微笑む永琳

 

「…んっ…さて、今回の詳しい事は説明されてるかしら?」

キリッと医者の顔に変わる

 

「はい、説明は紫さんから聞いていますので…検査なりなんなりドンと来いです!!ゲホッ…」

張り切り過ぎてむせる幽鬼

 

「ふふっ…じゃあ、早速始めるけど…何が体に異常が起きたら我慢せずに言ってちょうだいね?それが1番大切な事だから…」

 

「はい、分かりました!」

 

「じゃぁ、まず受診してから身体検査ね…優曇華!」

 

こうして、一日目の検査が始まった…

 

幽鬼も最初はドキドキしていたが丸っきり病院の健康診断みたいな流れだった…

 

この流れなら思ったより一日、二日でで終わりそうだなと思い休憩を挟みながら受けていた…

 

そんな時…事件が起きた…

 

 

「じゃぁ…次は胃のレントゲンを撮りたいから…優曇華?専用の液体持ってきてちょうだい」

 

「はーい、分かりました」

 

「…もしかして…バリュウムって奴で?」

 

「えぇ、そうよ?一先ず今日はそれで終わりにするからお夕飯は食べられるわよ?」

 

「アッハイ…」

そんな会話を聞きながら優曇華は診察室からでて頼まれた物を取りに行った

 

 

ー調合室ー

 

 

「えぇーと…これとこれうさね…すり潰すっと…」

すり鉢でゴリゴリしているてゐ

 

「で…このカップに入れるって言ってたうさよね…」

何か頼まれていたのかすり潰した粉をカップに移した

 

「てゐー?そっちに入れ物余ってないー?」

優曇華が調合室に顔をだす

 

「えー?コレしか無いうさけど?」

先程てゐが使ったのと同じカップの新しいのを差し出す

 

「ん、ありがと…アンタは何してんの?」

カップを受け取りながらバリュウムの粉を入れる優曇華

 

「お師しょーに頼まれた薬うさよ…人の怪我…主に外傷に塗って治りを早くさせる薬らしいうさけど…未調節の主成分たっぷりだから使えないうさ……うわっと!?(ガタンっ!)

少しのよそ見がバランスを崩し別の容器を倒してしまう

 

「ちょっと何してんのよ…んもぅ…」

優曇華は手に持っていたカップを置いて、片付けに手を貸した

 

「いや〜失敬失敬♪」

「少しは悪びれなさいよ…ほら、後は大丈夫でしょ?」

そう言って優曇華は置いてあったカップを手に取る

 

「じゃあ、私は戻るけど…気をつけなさいよね?調合する薬に取り間違いで別の物使ったりとかしない様にね?」

 

「わかったうさよ、早く行くうさよー」

そう言っててゐは残りの片付けをする

 

優曇華がカップを取り違えている事に気付かずに…

 

 

ー数分後ー

 

 

「ふぅ…何とか綺麗になったうさ…」

椅子に座り直すてゐ

 

「さて、続きの工程を続けるうさ…あれっ?…あ、こっちに動かしたうさか…」

てゐは置いてあったカップをとる

 

「ん…?何か量が変わっているうさね?」

手に持った時に軽く感じたてゐはカップの中を覗き込む

 

「……って!?こっち鈴仙のやつうさ!?取り間違えたうさね!?…やばいうさー!!」

バタンと椅子から飛び降りて、走って診察室へ向かう

 

「ぬぉぉー!!鈴仙ー!!お師しょー!!」

ドタドタと目の前に見えた診察室へ駆け込む

 

しかし…

 

「風華くん!?しっかりしなさい!?」

 

「な、なんで!?ば、バリュウム呑んだだけですよね!?」

 

「遅かったうさ…」

てゐが見た光景は…

 

うつ伏せに倒れている幽鬼と必死に声をかける永琳と何が起きたのか分からず慌ててる優曇華だった

 

「お師しょー!!幽鬼が呑んだのはバリュウムじゃないうさよ!」

直ぐに永琳の横に行く

 

「てゐ!?何か知って…それより風華君の気道確保や安静な所に寝かせるのを手伝ってちょうだい!鈴仙!!いつまで慌ててるの!!緊急処置の準備!!てゐもお願いよ!」

「は、はいっ!!」

「がってんうさ!!」

原因追求の前にまず幽鬼の容態を安定させるのが先だった…

 

そして迅速な永琳の判断と指示、てゐから聞いた事をふまえてどうにか緊急処置は落ち着いたのだった…

 

 

だが…とんでもない事がおこったのだった…

 

 

 

ー二時間後ー

 

 

 

夕日が沈み、辺りが暗くなっていた…

 

「それで…鈴仙が持っていった物が本来検査で飲む奴ではなく…調合中の治療薬だったと…」

永琳は鈴仙に幽鬼の看病を任せ、てゐから詳しく聞いていた

 

「……そ、そううさ…言い訳にしかならないと思ううさ、鈴仙も私も気づきてなかったうさ…」

てゐはしょんぼりしながら話していた

 

「はぁ…本来あってはならない事…こう言うのを医療ミスって言うの…幸運だったのは風華くんが呑んだ薬の主成分が細胞に再生力を活性化させる物しか無かったのが良かったのよ…」

永琳は幽鬼の倒れてからの検査結果を見ながら言う

 

「…とりあえず…今は体温が異常に高くなっているのと…血圧が安定しないくらい…今出来ることは体温が高くなって細胞が壊れないように解熱剤を打って、呼吸器を落ち着くまで…(ドタドタドタッ!!)『永琳!!幽鬼が倒れたってっ!!』…か、輝夜…」

お姫様らしからぬ足音を立てながら輝夜が診察室に現れた

 

「なにっ!?どう言う事なの!!教えなさい!!」

更に今まで見せた事ない剣幕で永琳に詰め寄る

 

「……ひ、姫さん…実は…『てゐは黙ってなさい…』……ぅ…」

永琳がてゐを止めた

 

「輝夜、一先ず落ち着いてちょうだい…今の貴女はいつもの貴女らしく無いわ…」

 

「そんなの関係ない!何があったのか教えッ『彼は今私の患者なの…それに貴女は彼の何なのかしら?身内でも親しい血縁関係じゃ無いでしょ!!』…ぅうっ……」

輝夜の剣幕を圧倒する永琳

 

「心配なのは分かるから、一先ず落ち着いてちょうだい…それに彼の容態を知りたいのは……貴女だけじゃない…いるんでしょ?出て来て貰って良いかしら?

てゐの方を見て静かに言う

 

「……えっ?お師しょー?…何かっ…うぐっぇ!?

てゐが振り向くと首を掴まれる

 

「て、てゐっ!……って…まさか…」

輝夜も気がついた

 

てゐの首を掴んでいる手はスキマから伸びていた

 

「……がッ…ぐっ…!」

 

「てゐを離しなさい…八雲紫…

永琳は苦しそうに悶えるてゐを解放するように名を呼んだ

 

「それは貴女方がドジを踏んだと自覚して私に言っているのかしら…?」

ゆっくりとスキマが広がっていき紫が姿を表す

 

その雰囲気はとてつもなく殺意に満ち溢れていた…

 

「……それを分かっているからこそ…離しなさいって言っているの…

永琳は冷静にかつ強めに言う

 

「そう…♪なら、この兎の首を折ってから離してあげる…♪後で向こうの兎も一緒に…♪」

「ガグェェッ!?」

より手に力が入ったのかてゐが苦しみ悶える

 

「てゐっ!?このッ!?てゐをっ!?「その子を離さなければ、風華くんは助からないッ!!」

てゐを助けようとした輝夜を静止して永琳が叫んだ

 

「あら?脅す気?」

 

「違うわ…てゐがいたからこそ…風華くんは今無事でいるの…幸運が続いているからこそ…

 

「………」

 

「幸運を繋げている何かを八雲紫…貴女は知っているのでしょう…?」

黙った紫に永琳は静かに言う

 

「…………」

チラッとてゐを見てから、ゆっくりと首から手を離し解放した

 

「……ぐぇ…ゲホッ…!がっはッ…!ヒュー…!」

「てゐっ!!」

解放されて咳き込むてゐに輝夜が傍による

 

「…………予定通り1週間よ…いつもと変わらずに過ごせる期間でもあり、彼を助ける期限でもある…それをすぎたら…彼を想う全員を引き連れてこの胸の内にある全ての憎悪をこの場所が消し炭になるまで…貴女達が死にたいと思うまでぶつけてあげましょう…

もはや賢者の風格ではなく一人の大妖怪がそこにいた

 

「わかったわ…でも、確実に命は助けるけど…薬の副作用に関しては時間をちょうだい…何らかの副作用がでてリハビリや治療が含まれるかもしれないから…これは医者である立場の判断よ…」

 

「そう…なら、彼が生きている事を確認したら…今回の事は黙認してあげる…だけど…少しでも障害などが残った場合は…幽香と霊夢には報告させて貰うから…」

そう言って紫はスキマに消えていった

 

「ふぅ…」

緊張が解けたのか永琳が一息はく

 

「永琳…さっきはごめんなさい…私…」

 

「いいえ…輝夜、貴女は悪くないの…冷静になってくれただけで充分よ……てゐ?大丈夫?」

 

「ひぃ…な、何とか大丈夫うさ…一瞬走馬灯が見えたうさけどね…」

首を擦りながら苦笑いするてゐ

 

「それで、永琳…幽鬼の容態なんだけど…」

 

「そうね……『お師匠ー!!幽鬼さんが目を覚ましましたー!!』っ!…病室へ急ぎましょう…!」

優曇華の報告に永琳は診察室を足早に出た

 

「姫さん、行くうさよ…!」

 

「えぇ…てゐ無理しないのよ」

 

「この位平気うさ…まぁ、甘い物食べたいうさね♪」

 

「ふふっ…無事に1週間迎えたらいいわよ…」

輝夜とてゐもそう会話しながら後に続いた

 

 

ー病室前ー

 

 

「それで…?優曇華…彼の様子は落ち着いたのかしら?」

中に入る前に優曇華に聞く

 

「…あ、はい…あのっ…落ち着いたのは…落ち着いたんですが…えと…」

何か思い出したのか優曇華の歯切れが悪くなる

 

「優曇華…躊躇わずに言いなさい…」

 

「……薬の…副作用なのかは分かりませんが……ご覧になった方がいいです…」

永琳の前に割り込む形で扉を開けて病室に入って行った

 

「…ちょ、ちょっと…鈴仙……仕方ないわ、永琳中に入って確認しましょう…」

 

「……えぇ…」

 

「さーて…吉と出るか凶とでるかうさね〜…」

三人続いて病室の中に入る

 

見慣れている病室の部屋の中…

 

幽鬼がいるであろうベットはカーテンがされていて、先に部屋に入った優曇華の影が動いていた

 

「もう少しで先生来るから、じっとしててくださいね?」

幽鬼に声をかけている優曇華

 

「良かった…一安心…」

「そううさね〜…はぁ…」

どうやら意識を取り戻して、会話ができるのかと輝夜とてゐは一安心する

 

「…………」

違和感を覚えた永琳は静かに近くによる

 

そして、違和感は…

 

 

確証に変わる…

 

 

「せんせいって?どんなひと?」

 

「え…?」

「うさ…?」

固まる輝夜とてゐ

聞き覚えのある幽鬼の声だが幼過ぎたのだ

 

「……入るわよ、優曇華…」

ゆっくりカーテンを動かし、その姿を確認する

 

 

「せんせい、こんにちは!」

そこには約5歳位の銀髪の男の子が笑顔で答えた

 

「まさか…こうなるとは…ね…」

永琳はそう呟き

 

「……ど、どうなってるの…」

「…………」

輝夜とてゐは唖然とした

 

 

 

〜 二日目 〜

 

 

 

午前中に検査を終えて、幽鬼は優曇華と病室にいた

 

「ぼくはいつまでここにいるの?れいせんおねぇちゃん?」

「おししょ……コホン…先生が退院って言うまでかな?…はい♪林檎皮向けたわよ…♪」

優曇華は一口台に切ったリンゴを皿に載せて差し出す

 

「ありがとう♪おねぇちゃん!!」

 

「えぇ…//どういたしまして…//」

可愛い笑顔に照れる優曇華

 

そんなやり取りを病室前の扉の影から覗く人影があった

 

「………本当に元に戻せるのよね?永琳?」

覗き込んでいる輝夜はチラッと後ろにいる永琳に声をかける

 

「……血圧、熱……脈……正常…人体に何の問題ない…健康そのもの…髪色が変わったのは…薬の主成分が関係している…髪の毛のサンプルで成分確認済み…」

ブツブツと昨日と今日まとめた検査結果を見ている

 

「………はぁ…全く…永琳っ!」

「次は血液以外のっ…ん?どうかしましたか?」

強めに呼んでやっと気づいた

 

「幽鬼…元に戻せるのよね?」

 

「今は無理だけれど…もう少し検査と調査して記録を集めてみないとね…幸い彼が呑んだ薬はあるから…逆効果の薬か身体から薬の効果を消すかどっちか作るか…探っているのよ…」

手元のカルテから目を離さずに輝夜に答える

 

「……記憶も元に戻るのよね…?」

「そこまではもう少し…調べさせて貰わないとかしらね…」

 

幽鬼は子供に戻ってしまった…

 

見た目と頭の中までも戻ってしまい、今までの記憶を全て失っていたのだ…

 

永琳は目覚めたばかりの幽鬼に名前や今まで何をしてたか聞いたが…

 

「目が覚めたらここにいた…」と言うだけだった…

 

その後に不安げな幽鬼に優しく話しかけ、昨日の内にできる範囲の簡単な診察したが身体に異常は見受けられなかった

 

髪の毛が永琳と同じ銀色に変わり、記憶を無くした以外…

 

そして皆で話し合っていた時に優曇華が自ら幽鬼の世話役を名乗り出た…

 

ただ一人だと無理が来てしまうので輝夜とてゐも補助として…子供の幽鬼を不安にさせないように話し相手をする形にまとまった

 

永琳は診察と検査と研究に集中する

 

そして、彼の名前を呼ばずに偽名で呼ぶ…

不意に名前を呼んで、記憶が戻る時に記憶の混載や脳への負担がかかる可能性があるのでそれを防ぐ為(ー偽名・「ボク君」ー)

 

「輝夜…今日の事は優曇華達に任せてるつもりだから、何かあったら研究室まで来てちょうだいね…」

 

「また、籠るの?」

 

「ちょっと気になる事を纏めてくるのよ…お願いね…」

永琳はその場を後にし、研究室へ向かった

 

「全く…まぁ、今日含めても後5日じゃぁね………にしても…」

輝夜は永琳を見送った後、再び病室内の幽鬼を見る

 

 

「こぉれ♪おいぃひぃい〜♪ちぃぅごぉ〜♪」

頬張り過ぎて声がもごもごする

 

「ボク君…食べながら喋っちゃだーめ、口の周りにがベタベタになって…後、リンゴね?…ちは違うからね?」

優曇華はそう言いながら口周りを拭いてあげていた

 

そのやり取りを見て輝夜は…

 

「……可愛い…♡…」

うっとりして言った

 

「……永琳には悪いけど…あのままで良いって思っている所があるのよね〜…案外幽鬼に対しての気持ちが高ぶっただけ…小さくなっても…貴方は貴方なのよね〜…♪懐かれている鈴仙が少し羨ましいわ…でも、妹紅が見れてない子供のころの幽鬼が見れるなんて…ふふ♪、じゃぁ…今日はこれから妹紅の所に様子を見に行こっと…昨日あんなんなったから…ちゃんと元に戻っているか確認だけでもしてこよっと〜…その後にゆーくり♪遊びましょう♪

輝夜はそう言ってその場を離れた

 

「…………行った…かしら……」

優曇華はチラッと後ろにある扉を見る

 

「どうかしたの?」

幽鬼も扉の方を見る

 

「んぇっ!?…だ、大丈夫大丈夫!何も無いの!扉閉め忘れちゃっただけみたいだから…ちょっとごめんね〜」

優曇華はそう言って扉を閉めに立ち上がり近くまで行く

 

「…………うん、誰もいない…」

閉める前にもう一度廊下を確認してから、入口の横に置いてある札を取り、スっと扉に引っ掛け、閉めた

 

カチャン…と内側から施錠もして

 

札にはこう書いてあった

 

ー介助補助中ー

※施錠中「御用の方は扉の前からお声掛けするか作業終了までお待ちください」

 

「さーて…ボク君?今日も昨日みたいに軽く汗を吹こうと思うんだけど…ほら、リンゴも食べてお汁が零れちゃってるし…早いかな?」

優曇華はそう言って傍による

 

「うぅん、ぜんぜんだいじょうぶだよ!おねえちゃんにふいてほしいなー!」

笑顔で答える幽鬼

 

「……ぁあ〜♡……ッぁは!…じゃ、じゃあ〜…準備するね〜♪」

何処かウキウキしながら用意を始める

幽鬼の居る病室は個室で一通りの物が揃っている(昨日の夜の内に揃えた)ので外に出る必要がなかった

 

お湯を沸かして、蒸しタオルを作り、新しいパジャマを用意したりとテキパキと優曇華は準備をした

 

そして…

 

「…一応カーテン閉めるね?…よいしょっと…」

準備が終わりカーテンを引いて周りを囲った

 

「………はぁ…はぁ…♡あ…え〜とぉっボク君、昨日みたいにまず首と肩から拭いていくからぁ…上着少し脱ごっか♡」

 

「うん!わかった!」

曇りなき返事をして幽鬼は上着のボタンを取り、脱いだ

 

「…はぁ〜♡…コホンッ…熱かったら言ってね?」

ベットに腰掛けてから優曇華はタオルを幽鬼の体に触れさせて、肩と首回りら辺からゆっくり優しく拭き始める

 

「どう?熱くない?大丈夫?」

「だいじょうぶ♪あたたかくてきもちがいいよ♪」

優曇華は首筋やら肩やら脇の下とにかく汗が目立つ場所を順番に拭いていった

 

「んーと…上半身は一通り拭けたから、次は脚の方だから…ボク君、ズボンを下ろそっか…こっち向いて座ってくれるかな?」

タオルをゆすぎながら優曇華は言う

 

「んっ…しょっ…こうでいいの?」

幽鬼はベットに腰掛ける体勢になる

 

「そうそう♪それでいいの…じゃ、スボン下ろすから少しお尻持ち上げてくれるかな?」

優曇華が目の前にしゃがみこんでズボンに手をかける

 

「うっしょ…ちょっとたっていい?」

「良いよ♪肩に手を置いて…じゃ、下ろすからね♪はい、せーの♪」

優曇華はそのままズボンを下ろした

 

「……はぁ〜♡…この…臭い…♡」

優曇華はうっとりして惚けた

 

「おねえちゃん?だいじょうぶ?かおまっかっかだよ?」

 

「っは…大丈夫♪少し堪のぅ…ごほんッ…大丈夫よ♪」

声をかけられ我に返る

 

「じゃ、拭いていくからね…♪熱かったら言ってね♪」

「うん…!」

優曇華は爪先と足裏から拭いて言って徐々に太腿の方へと上がっていった

 

『やっと…あぁ…一枚の布越しでも分かる…この臭い…あの時嗅いだ…臭い……こんなに可愛い子がココだけ…大人のまま♡…姫様とお師匠には申し訳ないけど…こんなにもオイシソウな物を見てしまったら我慢できないです…昨日はカーテン越しに姫様とてゐがいたから何も出来なかったけど…今日は…誰もいない…』

優曇華は昨日の幽鬼の姿を見てからずっと我慢していた…そして、最も優曇華を湧き立たせていたのが同じく汗を拭いていた時に不意に彼の巨塔を見てしまったのだ…

 

『この事を…知っているのは…私だけ…♡…あの時…アリスさんの言っていた事が身に染みた…確かに最初はそんな事ないだろうと…ただ臭いに惑わされただけだと……でも、違った…』

 

『子供に戻った彼はドストライクだった!!』

※この作品の優曇華はショタコン性あります

 

「おねえちゃん?だいじょうぶ?」

「…はっ!?」

幽鬼の声に我に返る優曇華

 

「だ、大丈夫♪…ボク君?次はパンツ脱ごっか?」

「??…なんで?おしっこまだへいきだよ?」

流石に首をかしげる幽鬼

 

「…えーとね?…ボク君の(巨塔)(規制中)も綺麗にしなきゃダメなの…綺麗にしないとお姉ちゃん、先生に怒られちゃうかも…」

シュンと落ち込むフリをする優曇華

 

「お、おねえちゃん、なかないで!ちゃんとぬぐからおこられないよ!!……ほら!みてて!!」

そう言って屈んでいる優曇華の前に立ち、脱いだ

 

 

そして…

 

 

今の体格に不釣り合いな大きさの…

 

 

奴が優曇華の目の前にぶら下がる

 

 

 

プチンっ…

 

優曇華の何かが切れた…

 

 

 

〜三日目〜

 

 

 

「もちもち♪おいしぃ♪」

「ふふ〜♪そうでしょ?兎達のつきたてのお餅で作ったお団子だからね〜♪」

縁側で幽鬼と輝夜が一緒に座り、因幡印団子を食べていた

 

「ねぇねぇ?ボク君?」

 

「ん〜なになに?かぐちゃん?(輝夜が呼び方を指定)

 

「あれから身体は痛い所ない?元気?」

 

「うん!だいじょうぶだよ!ちょっとつかれただけだから…でも、れいせんおねえちゃんがしんぱいだよ…」

シュンとする幽鬼

 

「なら、良かった♪鈴仙に関しては得意の永琳の治療(実験)を受けるだけで許してくれるから平気よ♪…………で?鈴仙お姉ちゃんにナニされたのかしら♪教えてくれる?

優しく微笑んでいるが少し陰が出来ている輝夜

 

「ん〜?えーと…よくわかんなかったけど…うみ?だっけ?それがたまってるから、からだからださなきゃだめってなって…うーと…おねえちゃんがくちでうみをすいだしてくれたんだよ!すごくきもちよくて、いたくなかったけど…なんかわかんなくなっちゃったんだ!…ちりょう?だっけ…凄いね!」

嬉しそうに話す幽鬼

 

「ふふっ…良かったわね〜…懲罰少し増やす…で?他にどんな治療を鈴仙お姉ちゃんから受けたの?」

笑顔が引きつってる輝夜

 

「そのあともたいへんだったんだよ!まちがっておねえちゃん、うみのんじゃったの!?…そしたら、おねえちゃん…おもらししちゃって…からださむいのかふるえてて…こわくなったけど…おねえちゃんがここにいれてふさいでって…そんでうみをからだのなかにだしてって…ふるえながらいってて…ボクわかんなくて、こわかったけど…おねえちゃんをたすけたくて…きいたら…おねえちゃんのからだのなかで……えっと…こ、こう…てい?…えぇと…こう…?こう?…『抗体かしら?』っ!そうそれ!!それができるのにひつようだって!!おねえちゃんにボクがんばって、つきさしたの!!」

必死に説明する

 

「……そう…抗体…ねぇ……そう…それで?」

眉間がピクピクしだす輝夜

 

「でも、つきさしたんだけどどうしたらいいかわかんなくて…あたたかくてとろけそうになってたから…かんがえられなかったの…でもね!!ちゃんとうごいたんだよ!!おしえてもらってちゃんと!!いっぱいおねえちゃんのからだのなかにだしたの!!でも、ボクだけきもちよくて…おねえちゃんがくるしそうで…そしたらおねえちゃんがくるしそうにいうばしょをさすったりもんだりしてって!!そうしたらきもちよくてなるってくるしそうにいったから!!…でも…ぼくがたおれたの…ちからぶそくで…だから…ごめんなさい」

シュンと落ち込む幽鬼

 

「あ…大丈夫よ♪ボク君が頑張ってくれたのは解ってるから、かぐちゃんは途中からしか聞いてないから教えて欲しかっただけなの♪ほら落ち込んじゃ駄目よ〜♪」

そう言って輝夜は幽鬼を抱き寄せる

 

「うん…」

甘えるように抱きつく

 

(ムヒョー//!?あのつれない幽鬼がぁー//!私にあまえてるぅぅ//!!…落ち着くのよ…輝夜…ここで暴走したら鈴仙の二の舞になってしまう…うん…落ち着け…ここは慎重に…)

冷静を保つ為に幽鬼の頭を撫でる

 

すると…

 

「姫さーん?ちょっと良いうさか?」

部屋の外からてゐの声が響く

 

「ん…?何かしら?入って来て良いわよ〜」

 

「失礼するうさ…おっとボクも一緒にいたうさか…姫さん、お師しょー様が呼んでるうさ…何かわかったみたいうさよ?」

そう言いながら近くに来る

 

「えぇー…今良いところなのに…直ぐじゃなきゃ駄目?」

 

「急ぎうさよ、何でも…幽鬼の事うさ…

輝夜の耳元で小さく呟いた

 

「……わかった、先に戻ってちょうだい…すぐ向かうから、診察室でいいの?」

 

「そううさ、早めに来るうさよ?姫さん?」

てゐはそう言って部屋から出ていった

 

「………ボク君?ごめんね?かぐちゃんこれから……んっ?」

「……スー…スー…」

輝夜が視線を戻すと幽鬼は寝息をたてていた

 

「………ふふっ…♪」

輝夜はゆっくりとその場に幽鬼を横に寝かせて

 

 

 

ー診察室ー

 

「…………」

 

「…………」

中では永琳とてゐがいて、永琳は検査結果がまとめられた書類に目を通していた

 

そこへ…

 

「二人ともいるの?入るわよー?」

診察室の扉を開けて輝夜が入って来た

 

「あ…来たうさ、お師しょー?姫さんきたうさよ」

てゐが書類と睨めっこしてる永琳に声をかける

 

「えぇ…座ってちょうだい…ここまで分かったことと、これからどうするのか考えを話させて貰うわ…」

書類を手にしたまま、てゐと輝夜の方に向き直す

 

「で?永琳?何が分かったの?」

永琳の前に置いてある患者椅子に座る輝夜

 

「お師しょーでも、その前に…鈴仙どうするうさか?

てゐがチラッと横目を見ると縛り上げられて天井から吊り下がっている

 

「…………」

虚ろな目のまま何も言わない優曇華院

 

「大丈夫よ、優曇華に少し検査しただけだからその内喋り出すわ……それで、話が逸れたのだけど説明するわね…」

永琳は何事もなくカルテに目線を落とす

 

(特に何も言わない時が1番怖いうさ…)

 

(触れると何かありそうだからほっとこう…)

てゐと輝夜は優曇華の事はスルーを決め込んだ

 

そして、永琳の話が始まった…

 

抜粋するとこうだ…

 

 

1・身体の若返りは一時的な物

 

2・薬の成分が完全に抜ければ元に戻る

 

3・身体の代謝の仕組みで徐々に薬の成分は抜けてきている

 

4・記憶に関しても薬の作用なので同じく一時的な物(※記憶だけ元に戻る可能性もある)

 

輝夜とてゐは大人しく説明されながら、その都度永琳に詳しい事を質問して聞いていった

 

しかし…

 

彼女達は驚きの事実を聞いてしまうのだった

 

 

「後は、元に戻る過程で、骨の成長で痛みが出てしまう可能性があるとか…その時になってみないとわからないのだけど…」

ペラペラとカルテに書かれた事を見ながら話す永琳

 

「まぁ…一生そのままとか、何かヤバい事になるとかじゃなくて良かったうさよ…過ごしていれば元に戻るのなら、スキマ妖怪に報復されなくて平和に終わるうさ…」

てゐは首を擦りながら安堵する

 

「…永琳?さっき身体の代謝で薬の成分が抜けていくって言ってたけど…汗をかけばもっと早く抜けるってこと?」

輝夜が考えながら永琳に聞く

 

「えぇ…代謝が上がれば汗で排出されたり効率は上がるわ…それに汗以外により多く排出させる方法がわかったの、現に立証させたのは優曇華のおかげでもあるしね…

 

 

「「ん?」」

永琳の最後の一言に輝夜とてゐは引っかかる

 

 

 

そして、つかの間の無言が起きる…

 

 

「え、永琳、どういう事?」

輝夜が困惑しながら聞く

 

「ん?何がかしら?」

 

「いや、だから…あの…ほら?汗以外の…方法って…」

チラッと輝夜も吊るされている優曇華を見る

 

「……あら、その事?…さっき優曇華の身体からの中から採取した幽鬼の体液を調べたらより濃く薬の成分が含まれてたの…だから、より早く元に戻したければ彼と…」

 

 

 

 

 

 

 

 

親密な関係になるしかないわ…

 

 

その一言で更に静かになったのである…

 

 

 

果たして彼女達の選択は以下に!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鈴仙・堕ち済み

 

 

 

 







大変遅れましたが、アンケートの御協力ありがとうございました

花映塚編は書き進めているのですが納得いかずに書いては消しての繰り返しになっていて半分ちょっと書き上げたくらいです

予定だと後編を挟んでから花映塚編を上げていく形になります、その間また投稿期間が遅れるかも知れませんがご了承ください、読んでいただきありがとうございますm(_ _)m


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後編・やっぱり静かに終わらない




お待たせしました、後編です


ちょっとあっさりと終わらします!!

とりあえずハーレム加えとくんでよろしくです(´・∀・`)
身勝手な作者の妄想話!!永遠亭組ラスト!!


(`・ω・´)めちゃくちゃキャラ崩壊注意です



 

 

 

意識と正気は唐突に元に戻る事がある…

 

それは何気ないショックや行動によって…

 

元の記憶に上書きされるかそのままで残るかある意味運である…

 

同時に殆どの人が混乱する…

 

彼もまたその1人である…

 

 

 

 

ー五日目ー

 

 

 

 

「…………はっ…あれ?…」

幽鬼はパッと意識を取り戻す

 

(な、なんだ…なんか長くて短い何かを見てたような…)

考え込むが思い出せなかった

 

「…はぁ、つかれてるのかな?ん?」

違和感に気づき起き上がる

 

「なんか…からだちいさくね?こえおさなくね?」

何処か懐かしいデジャブを感じながら自分の身体を見て、一回り小さい服を着ている

そして、同時に頭の中を整理しだす

 

「………たしか…えいえんていで…はじめてのけんこうしんだん…うけにきて…ひととおりうけて…さいごにばりうむのんで…そこからきおくないな…」

思い出せたのはそこまでだった

 

「………いーや…もうひとねむりして、あさになったらわかるだろ…ねよ…」

開き直った幽鬼はそのまま、また横になろうと手を後ろにつこうとした時

 

 

ムニュッ…♡

柔らかい物に触れた

 

「…………」

幽鬼は恐る恐る手を伸ばした方を向く

 

「…スー…スー…」

心地良さそうに眠る八意永琳がいた

 

「……………」

静かに手を引っ込めて、冷静を保つことにし…

 

 

素早く布団から出た

 

 

「なんでっ!?なんでだ!?」

小声で慌てる幽鬼

 

よく見れば永琳は幽鬼の寝ていた方に身体を向けて腕を伸ばしていた

 

抱きしめていたのだろうか…

 

「…………いべんとすきっぷしたかんじだなこれ…どことなくデジャブかんじる…」

自分を納得させようと独り言を言う

 

 

その時…

 

「……ん…んんっ……」

永琳が腕を伸ばした方をモゾモゾと動かし何かを探り始め、しばらく探ると動きが止まり…

 

「………んぅ…?…ゆぅ…ちゃんぅ?」

聞き覚えのない名を呼びながら薄ら目を開く

 

「…………えっ…」

余計訳が分からなくなる幽鬼

 

「……ほら…ゆぅちゃん…まだ…寝ていましょ…疲れちゃってるでしょぅ…?」

永琳はゆっくりと起き上がり幽鬼の方を見て声をかける

 

「……………あ…あの…」

幽鬼は何とか声に出してそう言う

 

「……寒くなっちゃったの?…だったら尚更…ママと一緒にお布団にいましょ…」

そう言って布団をめくり、布団に入るよう促してくる

 

(一体何したんだ!!俺は!?)

永琳の変わりように慌てる

 

「………………そう……」

何処かあたふたしている幽鬼の反応を見て永琳が何かに気づき、悲しそうな顔をした

 

「……残念だけれど…親子…ごっこは終わりね……記憶が元に戻った見たいね…幽鬼くん?」

悲しそうな顔をしたまま話を続けた

 

「…………」

なんて答えれば良いのか分からずにいる幽鬼

 

「……混乱するのは仕方ないわ…今まで貴方は…貴方…ではなかったもの…そうね…それが正しいのよ…ごめんなさい…明日詳しく説明するから…もう休んでちょうだい…」

そう言って永琳は立ち上がり部屋から出ようと向かう

 

 

 

その時…

 

カジっと腕を掴まれる永琳

 

「えっ……」

掴まれた腕を見ると幽鬼が小さな手で掴んでいた

 

「ママと一緒に寝たい…」

そう一言呟いた

 

すると啖呵切ったかのように永琳が幽鬼を抱き上げた

 

「…うん…ママもゆぅちゃんと一緒におねんねしたいの…今日まで…一晩…ゆぅちゃんのママでいさして…」

そう言うと永琳はそのまま幽鬼と布団へ戻った

 

本当の母親が我が子を抱きしめる様に…

 

幽鬼は思ったのだ、永琳も幽香の様に自分のせいで追い込んでしまうのでは無いかと…

 

もうひとつの心の支えになるのならと永琳を受け入れなくてはならないと思ったのだ…

 

 

 

 

空間|ω・)チラッ(代理人)

 

 

「…………」

何か見えたが気の所為だと眠りにつくのであった

 

 

空間|ω・`Ⅲ)ガーン(代理人)

 

 

 

 

 

ー六日目ー

 

 

 

お昼前の永遠亭の縁側に幽鬼はいた

 

 

「………………」(ゲッソリ

小さいままの幽鬼は疲れ果てていた…

 

 

どうしてこうなっているかと言うと…

 

 

 

ー午前中(7時頃)ー

 

 

 

起きた2人は、一緒に顔を洗いに洗面所に向かっていた

 

ここ当日から今日までの記憶がほとんどないのは実に大変である

 

寝起きの輝夜とパッタリであった瞬間、永琳が見逃しかけるほどの速さで幽鬼を抱き上げ、きつく抱きしめたのだ

 

「永琳の次はかぐちゃんの番だからねぇ〜♪」

挙句の果てに…

 

「一昨日みたいにお馬さんごっこしよっか♪こんどはかぐちゃんが上で跳ねてあげる♪」

何か意味を含めて頬にキスをしてきた

 

とりあえず、記憶が元に戻ったのは話さず、永琳に支度をすませてこいと言われ、輝夜は渋々部屋へ戻っていった

 

輝夜に一体何をしたのか分からず、永琳に聞いた…

 

「今は気にしないで、貴方は既に皆のお気に入りよ…」

微笑んで永琳は言った

 

お気に入り…永琳に言われたが本当なのか信じられなかった…

 

この後すぐに実感するのであった…

 

永琳に手を引かれ着いたのは少し大きめのちゃぶ台が置かれた居間であった

 

「ここで一昨日から貴方は皆でご飯を一緒に食べてたのよ…少し待っててちょうだい、姫様の様子を見て来るから…」

そう言って幽鬼を残して居間から出ていった

 

すると永琳が向かった反対側から人影が現れた…

 

「はぁ〜あ〜…ぅ…と…ねむ…ん?」

欠伸をしながらてゐが入ってきて目があった

 

「お、おはよう…」

とりあえず挨拶

 

「…………」

返事は帰ってこず、見つめたまま

 

「……え、えーと?…あの?おは…」

聞こえてなかったと思いもう一度声をかけようとした

 

次の瞬間…

 

跳躍

 

「え?」

てゐがちゃぶ台を飛び越えて目の前に来た

 

「…どこかよそよそしいうさね…なんでおはようのギュがないうさ?」

ずいっと顔を覗き込む

 

「え…え?」

やっぱり状況が分からない幽鬼

 

「…ほーん…してくれないうさ?」

そう言って対面したまま幽鬼の膝の上に跨いで座る

 

「兎は寂しいと死んじゃううさよー?それでもいいうさー?」

幽鬼はその一言でわかった、てゐは催促しているのだと

 

「お、おはよぅ〜…」

とりあえず、理解したので挨拶しながら腕をまわす、今はてゐと体格差は余り変わらないのでしっかりと抱きしめられた

 

「んぎゅ〜♪…そうそうぉ…飼い主ペットを大事にしなきゃダメうさぁ〜♪」

 

(ん?今…なんて?)

と固まっているとてゐが抱きしめるのをやめた

 

「…じゃぁ…次はちゃんと寂しさを無くす為に…ご主人のコレで満たして貰ううさぁ♪」

スリスリと腰を動かし始める

 

てゐの表情は明らかに発情していた

 

「だ、だれかきちゃうよ…!」

状況把握が出来てない上に混乱する幽鬼は必死に止める

 

「大丈夫うさよ〜…♪て言うか…今日のご主人…おかしいうさね…昨日も一昨日も…満たしてくれたうさのに……」

 

(その状況が分からないから出来ないって言ってんだろぉお!!)

幽鬼、心の中で悲痛な叫び

 

「ほら!早く出して楽になるうさぁ!!満たすうさぁ!!」

 

「まだだめだぁぁぁ!!」

てゐと攻防戦が始まりかけた瞬間

 

 

ドシュッ!!

「ふげっ!?」

ビクッと身体を跳ねさせ固まるてゐ

 

「え……?」

そして、そのまま白目を向いて横に崩れるように倒れる

 

「……て、てゐ!?……あっ…」

呼びかけた幽鬼はてゐの後ろにいた人物に気づく

 

「………………」

優曇華が立っていた

てゐに対して当て身をしたのか、手が手刀の構えのままだ

 

(元月の軍人の当て身…)

 

(恐ろしく速いね…)

 

(僕じゃなきゃ見逃していたよ…)

などと心の中でふざけていると

 

「…おはよ♪ゆぅちゃん♪大丈夫だった?」

優曇華が声をかけてきた

 

どうやら優曇華も感化されているらしい…

 

「う、うん…だいじょうぶ…」

話を合わす事に徹した

 

(永琳が来るまで持ちこたえられるかな……エプロン姿似合う…)

 

「全く、てゐったら見境なくなったんだから…まだ、イタズラ兎の方がよっぽど良かった…ふぅ…」

ため息を吐きながら、気絶したてゐの方を見て言う

 

(ごめんなさい、もう1人の僕(記憶のない時の自分)のせいですっ!!でも、意外と鈴仙はだいじょっ…)

 

「お姉ちゃんと朝の子作りしよっか♪」

とても良い笑顔の月の兎((ショタ喰い))だった

 

(大丈夫じゃなかったぁぁあ!!??)

再び激ピンチの幽鬼

 

(あぁ…普通に朝ごはん食べたかったなぁ…)

頭の中が処理落ちして意識をフェードアウトさせた幽鬼なのであった…

 

 

 

ー場面は現在へー

 

 

「……あのあと…えいりんがきたからことなきおえたけど…はぁ…つかれた…」

あの後、優曇華に喰われそうに((ショタ喰))なったが既のところで永琳が輝夜の一緒に戻ってきて助けられた

 

そして、直ぐに幽鬼の記憶が戻ったと全員に話したのだ…

ある物は残念そうだが喜び、ある物は恥ずかしさの余りその場から逃げ朝食の用意をしだし、ある物は自分自身の掘った落とし穴に頭から飛び込んだ…

 

一部気まずい雰囲気を残しながら朝食を食べてから、永琳の軽い診断を受けて結果がまとまるまで縁側で項垂れていたのだ…

 

(喋りづらいから元に戻りたいのだけどね…どうすればいいんだろうな…)

幽鬼は全てを永琳達から聞いたのだ…もちろん記憶のない数日間の事も…

 

「…………はぁ…わきまえろよ…こどものおれ…」

更にズーンと肩を落とし、悩む

そして、幽鬼は現状を理解している人物の名を呼ぶ

 

「ゆかりさん、みているのなら…でてきてください…」

そう落ち込みながら静かに言う

 

すると…

 

「呼ばれて見ていて、じゃじゃーん♪紫お姉さんよ♪」

ギュムと抱きしめられる

 

「むぎ…ぅ…!?ゆ、ゆかりしゃん!?」

驚き幽鬼

 

「あら♪ごめんなさい♪可愛い子がいたもんだから♪」

前回の宴会以降、紫は幽鬼に対して前より距離が近くなっていた…

 

「それで?何の用かしら?…………なんでも言ってちょうだい♪」

にこやかに答える紫

 

「こ、このじょうきょうたのしんでます?」

 

「今はね♪…でも幽鬼くんが倒れた時は腸が煮えくり返りそうだったのよ?……それにこんな事知ったら、幽香や霊夢達が黙っている筈ないでしょう?」

 

「…だまっていてくれて…ありがとうございます……それじゃぁ…ゆうねえには…まちがってじぶんでくすりをのんだってことにしてはなしてください…えいりんさんたちにはわるぎはなかったんですから…」

 

「…………えー…お咎め無しなの?」

不服そうな紫

 

「…すみませんが…もうじゅうぶん…ね?」

目を逸らして苦笑いする

 

「……んふふ♪そうね…幽鬼くんに骨抜きにされたのなら…手だし無用ね………じゃぁ♪私も♪」

紫が唐突にグイッと幽鬼の顔を自分の顔の正面にむける

 

「ふぉっ!?え…ゆかっ……ふぐっ!?」

背後から手が伸びて来た

 

「イタダキ♡」

ニッコリ笑う紫

 

 

無数の手が幽鬼をスキマに連れ去ったのだ…

 

 

 

 

 

 

 

 

ー数分後ー

 

 

「さて…じゃぁ♪幽香に知らせて来るわね♪」

スキマを開く紫

 

「…は…い…」

スキマから無事生還した何処かゲッソリのショタ幽鬼

 

「んも〜、元気ないと幽香達に怪しまれちゃうわよ?幽鬼くんの現状を知ったら絶対皆来るんだから…元気よーってアピールしなきゃ!」

スキマから半分身体を出して言う

 

「…はい…(誰のせいだよ!?)」

ガックシと肩を落とす

 

「あ…幽鬼くん?言い忘れてたんだけれど…」

ひょこっと顔を出す紫

 

「なんですか…?」

 

今度はゆっくり三人だけで呑みましょう♪

いつも通りのきな臭い雰囲気を身にまといそう言ってスキマに入って行った

 

 

「幽鬼〜?いる〜?」

すれ違う様に輝夜が部屋に入って来た

 

「…おん?…あぁ……かぐやか…」

 

「……え?何かあったの?大丈夫?」

げっそりしている幽鬼の傍による

 

「ちょっとつかれてるだけ…あさからおおさわぎしてたろ?」

深くため息を吐く

 

「……別に貴方が気にしなくてもいいんじゃない?…私はもう貴方の嫁になるつもりだったし…一人二人増えた所でなーんも問題ないのよ?むー♪」

 

「あのな?なんで…そんなはなしになってんの?…てか、くっつくな!」

いつもの日課だとか言って会う度に抱きついてくる輝夜に文句言いながら聞く

 

「幽鬼?…貴方はこのかぐや姫の難題の答えを見つけた人よ?……結ばれなくっちゃ♪」

 

「………………」

何言ってんだこいつ顔で輝夜を見る

 

「そんな目で見ないでよぉ〜♪…とにかく貴方は私と

『姫様、いつまで待たせるんで?』

輝夜が言い終わる前に割って入ってくる声

 

「……ちょっと、イナバ…邪魔しないでちょうだい…」

静かに目を細めて、いつの間にか横に立っている優曇華を見る

 

「邪魔したつもりはさらさらないです…しかし、お師匠が待ってますので…ゆぅちゃ…コホン…幽鬼さんを早く連れていきましょう…さ、行きましょう」

そう言って優曇華は幽鬼の手を引いて連れて行こうとする

 

「…勝手な事しないの…幽鬼は私が連れて行くの…イナバはそのまま大人しく戻ってなさい…」

 

「お言葉ですが…姫様、お師匠を待たせているので…」

お互いに引けをとらずに睨み合う

 

記憶を取り戻してからこうだ…

何故か皆ギチギチし合っていて嫌になる…

 

なので…

 

「ふたりともすこししおとなしくしてよっか…」

ショタ幽鬼は静かに言った

 

 

(^ω^)両成敗

 

 

全力でマッサージした

 

 

 

 

ー診察室ー

 

 

何度来たか分からないがもう既に常連である…

 

そして…

 

「……であるから、風華くんの体はもう少しで元の大きさに戻ると思うのだけど…髪の色は少しかかりそうなの…」

永琳が淡々と説明する

 

「…………」

幽鬼は黙って聞いている

 

 

少し変わった所があるとすれば…

 

「この先に戻る時に骨の成長で痛みが出るかもしれないし、筋肉痛に似た痛みも来る可能性があるから、その時の運動は控えた方がいい事ね…『あの…えいりんせんせい…』…ん…何かしら?」

 

 

幽鬼が永琳の膝の上に抱き抱えられる形で一緒に座っていた

 

 

「なんで?このじょうたいなんですか?」

 

「対面座位の方が良かったかしら?」

しれっと言う永琳

 

「んなことじゃなくてですね!?」

ばっと永琳の方に顔を向ける

 

「別におかしな所は何処もないわよ…?これが最善の会話スタイルなんだから…母と子の会話なんて…

微笑みを向けてくる永琳

 

「いしゃとかんじゃなのでは?」

苦笑い幽鬼

 

 

「血の繋がりは無くとも親子にはなれるのよ」

 

「いや…そのしんけんなかおされていわれても…あの…」

 

「………あの時ママって呼んでくれたのは嘘だったの?」

悲しそうな顔になる永琳

 

「…………あの…いやではない…で…すけど…『はい、じゃぁ、親子』…はなしをきけっ!?

流石にツッコミする幽鬼

 

「何かダメなの?嫌な所は直すつもりよ?」

 

「いや…そういうことじゃなく…あくまでも…あの…おやというひとは…

『私だけで十分よ』

 

「あっ…(汗」

同時に正面の壁が派手な音とたてて吹っ飛ぶ

 

 

「華ちゃんのママは私だけなの…駄馬はいらないわ…」

 

育ての親の子離れ不可フラワーマスター・風見幽香

 

幽香はそこから中へ入って来て、ゆっくりと幽鬼の元へ近づく

 

「華ちゃんを渡してちょうだい?じゃなければ…消し飛ばす…

幽香は幽鬼に当たらないように永琳に日傘を向ける

 

「まって!まって!ゆうねえ!」

咄嗟に幽鬼が永琳の前に飛び出る

 

「ゆかりさんからきいたかもしれないけど!えいりんさんたちはわるくないから!」

パタパタと腕を振って訴える

 

「………」

しかし、幽香は何も言わずただジッと幽鬼を見つめた

 

「た、たしかにこんなことになってるけど…わ、わるぎがあったわけじゃ……」

止めるべく必死に説得を続ける幽鬼だが…

 

 

 

幽香はとっくに怒るとかそんな感情は無かった…

 

 

次の瞬間…

 

 

脳内に電流が走り、結論を出した

 

 

出逢った時に出来なかった事をしろと…

 

 

そして、早かった…

 

 

「ゆ、ゆぅ…ふぐぇっ!?

幽香は幽鬼を抱き上げ抱きしめた

 

「あの頃の華ちゃん〜♪あった頃の華ちゃん〜♪」

よく分からない鼻歌を口ずさみながら

 

「……ゆ、ゆぅねぇ…く、くるしぃ…」

 

「あら、ごめんなさい♪…でも…本当にあの頃の私は…愚かよ…こんな愛しい子になるのに…愛でる事すらせずに…なーにが…『綺麗に咲くかしら…』よ…我ながらくだらない…こーんな可愛い華ちゃんを迎える事が出来た筈なのに…」

抱っこに変えてまじまじと幽鬼の顔を見ながら言った

 

「だ、だいじょうぶだよ…ゆうねえにきたえられてなかったらどうなってたかわからないし…きにしないでよ…いまさらね?」

少し落ち込んでいた幽香の頭を撫でる幽鬼

 

「じゃぁ♪取り戻したいから、今からもう一度やり直しましょ♪」

 

「それはそれ!!今は今!!」

幽香の意見を幽鬼は止め、駄々をこね始めた幽香をなだめたりしたのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―しばらくして―

 

 

 

場所は大広間に変わり、幽香含め永遠亭メンバーで事情の説明と謝罪などなどが行われていた…

 

説明を聞くにほぼ序盤で優曇華は自分の欲に負けてショタ幽鬼と関係を持ったらしく、輝夜からの逆鱗を買い一時は吊るされていたらしいが解決作が優曇華のおかげで見つかった

 

「あの時の姫様の形相は今でも忘れる事は無いですが…私にもまだチャンスはあるんですよね?…なら…負けません…」

と決意を一言述べた

 

その後、幽鬼の世話係と監視役をてゐと優曇華で交互でして過ごしていたのだとか…

 

輝夜は幽鬼が記憶を無くしたことをいい事に色々と挑んだらしいがマウントを逆に取られていた事を話した

どうやら幽鬼のツボ押しは健在だったらしく、子供の無知と輝夜の反応の面白さから追い詰めまくったらしい

最初の方は謝ろうとした幽鬼だったが…

 

「どんなにイこうかハてようがお構い無しだったの♡//もう頭の中がぐちゃぐちゃだったけどぉ♡幽鬼に求められてるって思ったら…キャー//!!たまらないぃー♡♡//!!て、なってされるがままだったのー♡♡///!!」

 

そう嬉しそうに何回も腹上死をした事を嬉しそうに話す輝夜を見ていたら謝る気がなくなってしまい、たまたま目が合った永琳にも悟られたのか首を横に振られて完全に輝夜を放置する事に決定した

 

てゐは意外な所で堕ちたらしい…

堕ちたと言うか落ちてしまったとか…

ショタ幽鬼と一緒にイタズラで掘った穴に…

てゐはショタ幽鬼に上手く行かなかった事を八つ当たりを含めて怒り、ショタ幽鬼は最初は誤って大人しく聞いていたらしいが、子供の堪忍袋の緒が限界が来たのか、自分のせいにしてくるてゐに不満をぶつけて子供の喧嘩が始まって、どっちか偉いかどっちが言うことを聞くか口論に…

だが、ショタ幽鬼がてゐも輝夜と同じくすれば大人しくなると思い炸裂させたらしい

 

てゐはその後の部分はあやふやに濁したが…

「快楽の地獄だったうさ…もう、味わうと抜け出せないうさ…//」

と発情した目を幽鬼に向けていた

 

何故、朝あった時にペットなどと言っていた事が理解出来た幽鬼は頭が痛くなり、幽香の膝を借りて横になった

 

「華ちゃんは魅力的だからしょうがないの♪」

頭を抱え込む幽鬼に幽香は慰めるようにそう言った

 

だが、あともう1人いるのだ

 

八意永琳

 

(…ちょっと怖い…聞くのが…)

幽鬼は幽香のいい香りのする膝に顔にうめたまま思った

 

「ここまで話を聞いてきたのだけれど…要するに華ちゃんの行いは気にしない方でいいのよね?…まぁ、この原因を作ったのはそっちなのだから…で?そちらの女医さんは?華ちゃんの何処に惹かれたのかしら?」

ヨシヨシと幽鬼の頭を撫でながら言うが圧が凄い

 

「…ぁぁ…」

「………」

「……ふふっ…」

優曇華は目を泳がせ、てゐは黙り込む、輝夜は怪しい笑み

 

とにかく幽香にとっては押し入った時に見てしまった光景が納得いってなかったのだが、幽鬼の可愛さと尊さに負けて逸らしたのだ

 

「………」

しかし、当の本人の永琳は黙ったまま

 

「ゆ、ゆうねぇ…もういいよ…」

顔を上げて止めようと言う幽鬼

 

「んん?ダ〜メ♪確認しなきゃ行けないことがあるから♪なんだって華ちゃんにママって呼ばれてたのか…呼ばしていたのか…確認しなきゃだから♪」

笑顔だけど黒笑の幽香

 

(あ、アカン…これは止めなアカン!!…なら!!)

雰囲気と声のトーンで機嫌が悪いと判断した幽鬼はいつも通り止めようと動こうとした

 

 

しかし

 

「だから、華ちゃんは少し向こうでと待っていてちょうだい♪」

人差し指で幽鬼の口をちょんと触れた、その仕草に少し見惚れた幽鬼だが

 

(………ん?︎︎ ︎︎ ︎︎︎︎ ︎︎ ︎︎"︎︎︎︎私"︎︎??)

幽香の言っていた言葉に冷静になる

 

「ん…ひぇっ!?」

優曇華が背後に気配を感じて後ろを見て驚き声をあげる

 

「…何ウ…さ…」

てゐがつられ後ろを見て固まる

 

「……あら……」

それを見て輝夜はもっと楽しくなると思った

 

「じゃぁ♪華ちゃん行くわよ♪」

そこにはもう1人風見幽香がいた

 

「…(゚д゚)」

ポカンと固まる幽鬼

 

「ふふっ♪華ちゃんの前では初めて見せたかしらね?」

「︎︎ ︎︎"増やす事"なんてしばらくしなかったから、特に華ちゃんが来てからなんて…ね♪」

交互に喋り出す幽香

 

「紫と少しオハナシするのと華ちゃんの元へと急ぐ為に分けたの…そのおかげで華ちゃんの所に早く来れたの♪」

 

「じゃぁ、華ちゃんはコッチに来て先に帰ってましょう♪ココは本体の私に任せて…ね♪」

フワッと手を振りかざす幽香(分身)

すると、辺りに花びらが舞い始めてだんだん量が増えてきた

 

「え…ちょっ!?まっ!?」

幽鬼は抵抗出来ずに包み込まれ、視界が開けた時には姿はなく、有無を言わさず幽香(分身)に連れていていかれたのだ

 

「あぁっっー!!ゆぅちゃんー!!」

いなくなってショックの声をあげる優曇華

 

「落ち着くうさ、しょうがないうさ…」

そう言いつつ耳がしょんぼりてゐ

 

「あらあら…手荒いこと…本命の話を潰されないように…妨害を無くしたのね…」

輝夜は気がついていた

 

幽香は永琳から聞こうとしていた

 

 

 

 

「…ふふっ…さて…止める良い子がいなくなったからたっぷり聞けるわね…」

相変わらず黒笑を永琳にぶつける

 

「姫様…彼女と二人で話をさせていただけませんか……訳が違いますので…」

静かに永琳は言う

 

「お、お師匠…でも…」

優曇華は不安そうに言う

 

「……イナバ、てゐ…ほら、居間で待ってましょう?」

しかし輝夜は声をかけながら、立ち上がり入口へ

 

「ほらほら、鈴仙行くうさよ〜」

「あ、ちょっと…!!てゐ!引っ張らないでよ!!わかったから!!」

そして、グイグイとてゐが優曇華の襟首を掴んで連れていく

 

そうして、部屋に残ったのは、八意永琳と風見幽香だった

 

空気が重くなる…

 

「さて…ここからは真面目な話と洒落こみましょう…」

そう言って幽香は笑みをといてゆっくりと永琳を睨む、真紅に鋭く覗く瞳は小物妖怪では気絶か脅え逃げ惑うだろう

 

「……虫が良すぎるのはわかっているわ…ただ、少し何がおきて私の気持ちの変化について説明させてちょうだい…その後で納得出来なければ…好きになさい…」

永琳は静かに言う

 

「本来だったら問答無用で消し飛ばす所だけれど…華ちゃんが嫌がる事はしたくないから、聞いてあげる…だけれど、チャンスは一回よ?…それを失ったら…ね?」

普段の殺気と妖気を十分の一程度を永琳に放ちながら聞く体勢になった

 

「…………感謝するわ…あれは一昨日…ゆぅちゃ…幽鬼くんとてゐを落とし穴から助けだしたあとね…」

 

 

 

 

 

〜2日前〜

 

 

「擦り傷が所々あるだけで、大きな怪我はないようね…」

永琳は綿に消毒液をつけながら言う

 

「ひりひり…いたい…」

「我慢よ〜ゆうちゃん?…まったく…てゐもイタズラはいいんだけど度がおおきすぎるのよ…」

ショタ幽鬼は涙目で永琳の治療を受けていて、背後から輝夜が抱き締めていた

 

「はい、もういいわよ…後は傷口が膿とかでなければ自然治癒で治るわ…」

 

「せんせい、ありがとうございます!」

ぺこりとお辞儀するショタ幽鬼

 

「余り無理しちゃダメよ?ぼく君はまだ完全に病気から治った訳じゃないんだからね?」

永琳はカルテに経過をまとめながら言う

 

「はい、きをつける…!」

「さて、ゆうちゃん?部屋でカルタとかで遊びましょうね♪…それじゃ、永琳戻るからね〜」

そう言って輝夜は幽鬼を連れて医務室を後にした

 

「ふぅ…やれやれ…気が抜けてるのか知らないけれど…まだ、許された訳じゃないはずなのに輝夜ったら、随分とべっとりとするわね……ふむ…」

永琳は先程まとめたカルテを読み返し始める

 

「原因となる成分は体内からゆっくりと排出されているのは間違いないわね…それとなく、彼の身長も元の状態に少しずつだけれど伸びつつある…今朝測った時より約五センチ辺り伸びていたわね…後少ししたら…そろそろ記憶と自覚が戻るかもね…ふぅ…」

カルテを閉じて、脱力して一息つく永琳

 

その時…

 

がらっと医務室の扉が開き、誰かが入ってきた

 

「……ん…?…あら、どうしたの?」

振り向くとそこにはショタ幽鬼がいた

 

「あ…あの……えと………」

何かを言い出そうとしているがモジモジしてしまう

 

「………ふぅ…立ってるのもなんだから、こっちにいらっしゃい」

診察患者用のイスを動かしながら、手招きする

 

「…………(コクッ)」

ショタ幽鬼は小さく頷いて永琳の目の前にある診察患者用のイスに腰掛けた

 

「さて…ついさっき、ひめッ…輝夜と一緒に部屋に戻った筈だけれど?まだ何かあったかしら?」

カルテを見る仕草をする

 

「まだちょっとあったの…おかしなところ…」

 

「…んっ?…まだ擦りむいたとか痛い場所があったの?」

見落としがあったのかと向き直す永琳

 

「う、うん…かぐちゃんにしんぱいかけたくなかったから…はなさないでいたんだけど…いやだったから…」

 

「我慢しちゃ駄目よ?…後で見せた時に、より悪くなってるかもしれないから…教えてちょうだい?」

永琳は診察モードに切り替わり問いかける

 

「………えーと…あの…お、み、…みみがゴロゴロするの…こえがきこえないの…」

 

「……耳?…鼓膜かしら……そのゴロゴロはどっちの耳か分かる?…こちらに向けて見せてくれる?」

 

「こ、こっちのおみみ……」

左耳を向けて見せる

 

「確認するわね…はい、じっとしててちょうだいね…」

永琳は鼓膜鏡で幽鬼の左耳を覗き込む

 

「ん…そうね……少し…耳の中に土が入り込んでるわね…おそらくだけれど、さっきてゐの落とし穴に落ちた時にでも入ったんでしょうね…それ以外に言うと…耳垢が溜まっているくらいかしらね…だとすると…ちょっとまってて…」

永琳が説明すると、立ち上がって後ろの棚の引出しをあけて何かを探し始め

 

「あっ…あった、コレよ、これで耳の中を掃除すればいいの」

手に持っていたのは耳かき棒だった

 

「……えと…」

「そうよね、今のボク君にはまだ出来ないものね…優曇華か…輝夜に頼んで、耳掃除して貰って…」

「………せんせいにしてもらいたい…」

「……え」

唐突の幽鬼の発言に固まる永琳

 

「な、なんでかな…せんせいにやってもらいたい!!」

まっすぐ目を見て言われる

 

「はぁ…そうね…わざわざ誰かを呼ぶのは二度手間ね…それによくよく考えたら輝夜達には危なかっしいわね、それじゃ、こっちに来てちょうだい」

「…う、うん…」

そう言って簡易ベットの方へと移動する2人

 

そして…

 

 

「……よく見ると結構汚れてるのね…これじゃ、鼓膜も少し危ないかもね…」

「……………」

永琳は幽鬼を膝枕して耳を覗き込んで言う

 

「さて、はじめるわよ?…極力動かないでちょうだいね?刺さるから…」

「……(ゾクッ)」

永琳の声に身震いする幽鬼

 

「馴れてないから、痛かったら言ってちょうだい?」

直ぐに永琳の耳掃除が始まった…

 

しかし、馴れてないと言っていたわりに凄く手馴れていた…

耳のツボを熟知しているであろう、耳かき捌きで、痒い所や気持ちがいい場所を見分けきっていて、先に始めた左耳は結果として大量だった

 

「……んっ…こんな所かしら…これ以上やると余り良くないから…ほら、ボク君?終わったわよ?」

ポンポンと幽鬼の肩を叩く永琳

 

「……んぁ……ぅん…」

気持ちが良すぎて、ウトウトしていた

 

「施術は終わり…ほら、輝夜達の所に…」

そう言って幽鬼の身体を起こそうとした時

 

「ママがいい…」

「え…っ…」

微睡んでいたショタ幽鬼の発言に驚く、そしてそのままショタ幽鬼は微睡んだまま喋り出す

 

「ママに…して…ほしぃ…むにゃ…」

そう言って永琳のスカートの裾を握る

 

「…………」

永琳は黙ったまま、見つめ考えていた…

(不思議…輝夜達がのめり込むのも頷けるわ…更にあの時の妖怪の賢者の反応も…この子…いや、彼は他にも何か特別なモノを持っている…でなければ……でなければ……)

そして、永琳は幽鬼の耳元に囁く

 

 

 

 

 

「このまま反対もしましょう…ゆうちゃん♡」

(狂おしい程愛おしく思えないッッ♡♡!!!)

永琳は母性が爆発した

 

 

「ん…ぅ?…あぁぁ〜…!…ねてた…」

その時、ショタ幽鬼が微睡みから開放され、頭を上げようとした時、グイッと元の膝の上に戻される

 

「ふぇ?…あっ…ごめんなさい…せんせい」

ショタ幽鬼は耳かきをされてる事を思い出し、いきなり動いた事を謝る

 

「大丈夫、丁度耳の中には入れてなかったから…けれど、1つだけ注意するとしたら…私は先生じゃなくて…ゆうちゃんのママよ♪」

「ふぇ?」

永琳の耳元で囁かれた事に心地良さを感じつつショタ幽鬼は驚く

 

「とりあえず、次は右耳を掃除するから…こっちに身体をゴローンしましょうか♪」

「は、はい…」

先程までの永琳の態度に違和感を持ちつつ幽鬼は身体の向きを変える、丁度永琳の腹部に顔を埋める形になる

 

「さぁ…こっちも…キレイキレイしましょうね…♪」

そう言って永琳は今度は右耳を耳かきし始める

 

(どうしたの…私は、なんで唐突にこの子を……訳が分からない…でも、この子に…ママって呼ばれた時、溢れ出た気持ちに負けて…たまらなく保護したくて…甘えさせて……これが…ぼ、母性…なの?…子供を持ったことの無い…私が…なぜ……)

行動と裏腹に思考は一時の言動と考え方に理性を動かす

 

(これが…今輝夜…いえ…あの博麗の巫女達がおちいってる物と同じ現象なの…?…なんで?どうして?訳が分からない…どうしてこうも…心地良いの…)

永琳は頭の中で自問自答しながらも手を止める事はなかった

 

むしろ…

 

「早く終わらせなくちゃ…」((もっとゆっくり永く…))

 

「いつまでもしていたら可笑しくなる…」((いつまでもしていたい、永く終わらず…))

 

「でも離れる必要あるのかしら…」((離れる理由が見当たらない…))

 

「だって私の子になるんだから…」((だって私の息子になるんだから…))

 

永琳の意思と意識が一致した

 

 

その後は無事に耳かきを終わらせて、永琳と幽鬼は輝夜達のいる部屋へと戻って行った

 

違った、変わった事があるとしたら優曇華達と引け劣らない、永琳のショタ幽鬼へ対する世話焼きや態度が皆、最初は固まる程になっていた

 

そして、たまたま初めての永琳の順番の添い寝の夜に幽鬼の記憶と意識が元の状態に覚醒したのだった…

 

 

 

ー場面は元に戻りー

 

 

 

 

 

 

「…………と…言うのが私の…あの子に対して…起こった事…」

そう静かに言って話をしめる永琳

 

「……………………」

目の前で聞いてた幽香はただ黙って永琳を見ていた

 

「……………………」

永琳は話した事に後悔はしていなかったが、もし万が一あるとしたら幽鬼と会えなくなるのでは無いかと…

 

しばらくの沈黙と静寂がえらく長く感じた時だった…

黙り込んでいた幽香が軽くため息して、その沈黙を破った

 

「で?貴女はあの子に何を求めるの?」

「……もとめる…?」

聞かれた意味が分からなかった永琳は聞き返してしまう

 

「…話を聞くに…コッチよりだから、純粋に恋愛やら好意やらの話では無いでしょ?…複雑なモノのはずよ?」

「…………」

幽香に言われ、永琳は黙って考え込む

 

「あ…因みにあのバカ賢者は生意気に捕食対象(性的)とドストレートに言ってきたけれど…まぁ…そんな感じよ…」

幽香的にそこまで深く考えるなと言う遠回しの助言であり、助言を聞いた永琳は答えを出し、聞いた幽香は「他の奴らと似たような違うような…せいぜい頑張んなさいな…」と話を終わらし、去る前に「けど簡単には行かない…あの子は私の子だから…♪」と一言言い残し帰って行った

 

 

 

そして…永琳は輝夜達を呼び集めた…

 

 

 

「あら、無事形を残していたのね♪永琳♪」

部屋に入って来るなりブラックジョークをぶちかます輝夜

 

「ひ、姫様…お戯れは少し控えめにしてください…お師匠も疲れてるんですから…」

耳がシオシオの優曇華院

 

「んで?あの花妖怪とどんな話で治まったうさ?」

座るなり直球に聞くてゐ

 

「皆に聞くのだけど…貴女達はゆぅちゃんに何を求め、どんな想いかしら?」

すると永琳は幽香にされた似た質問を輝夜達に言う

 

 

「結婚を決めた許嫁(旦那様」

当たり前でしょと即答する輝夜

 

 

「もう1人の飼い主(将来の種雄」

足を伝って滴る液を気にせず、デレ雌顔のてゐ、

 

「出逢えた理想の異性(孕みたい」

モジモジと赤面しながら優曇華院(カクカク中

 

三人の意見は違うようで意味は結局同じだった

 

「そんな事を聞く永琳こそ、ちゃんと教えてくれるのよね♪」

ニヤニヤと笑う輝夜

 

「「…………」」

優曇華、てゐも何も言わず聞く体勢に

 

 

 

「…そうね、教えとくわ…私は…ワタシハ…♪

 

 

 

 

愛情を注ぎ込めるだけ注ぎ込み…♪

 

 

求められるのであれば捧げるだけ捧げ…♪

 

 

何でもお世話や面倒を見て行く…♪

 

 

 

 

風見幽香越えの母になるの…♪

 

 

こうして、また1人母神が産まれた!!

 

 

 

 

「「「(º ロ º )……」」」

輝夜達三人が固まったのは言うまでもない

 

 

 

 

 

 

〜一方その頃(幽香ハウス)〜

 

 

「ねぇねぇ…♪華ちゃん〜♪呼んでちょうだい♪ほら、ま〜ま…♪まぁ〜ま♪…って…なんで、あの女医に言えたのに私には言えないの?」

「…い、いや…だから…あの…」

幽香(本体という分身)椅子に座って幽鬼を膝の上に乗せたまま、後ろからだいしゅきホールドされて耳元でずっと囁いて

 

「言い訳は聞かないの♪ほら♪まぁ〜ま♪…私は華ちゃんのまぁ〜まなの♪呼ばないと盗られちゃうかもしれないから、一回くらいママって呼んでちょうだい♪」

「………………」

身体が戻りかけているとは言えまだ子供の身体なので抵抗が出来ないし振りほどく事なんてもってのほか…

 

幽鬼に出来るとしたら心を無にして意識をシャットダウンさせるだけだった…

 

 

しかし…長くは続かない

 

 

「まぁ〜まのご帰宅よ♪」

家のドアが開き、幽香(本体)が帰ってきた

 

「ほら、おかえり♪まぁ〜ま♪って♪」

後ろの幽香からよりギュウと抱き締められる

 

「ただいま♪華ちゃ〜ん♪…ほらほら…まぁ〜ま♪」

「ふぐぅッ…」

そして、正面の幽香(本体)も幽鬼を抱き締めて、まさに幽香によるサンドイッチ状態である

 

幽香(本)「どうなの華ちゃん〜♪まぁ〜ま達〜に挟まれて〜♪」

幽香(分)「お胸にむぎゅむぎゅむぎゅむぎゅ〜♪ほら♪可愛い赤ちゃん〜♪」

(本)「産まれる?」

(分)「産まれちゃうかな?」

前後左右が柔らかさといい匂いに囲まれクラクラする

 

「「素直な良い子はいるかしら〜♪」」

両耳を同時にダブル幽香に囁かれる

 

 

そして…

 

幽鬼は限界を超えた…

 

 

「まぁ…ママァ〜…」

幽鬼、初幽香にオギャル

 

 

 

(本)「…………」

 

(分)「…………」

 

 

 

 

 

 

 

「「華ちゃんがぁぁぁぁ!ママって呼んでくれたぁぁぁぁのぉおぉぉ!!一生離さないぃぃぃぃ!!」」

 

 

 

 

こうして、この晩…

 

 

第一回バブバブ赤ちゃん!オギャリ大会((授乳はいつだ!今でしょ!!))

が開催された…

 

 

大会を覗いていたスキマ妖怪の感想は…

 

「私はまだまともだなと改めて実感した…」

 

その横で見ていたスキマ妖怪の親友の亡霊の感想は…

 

「私もアレくらいしてあげれるのに…」

 

だった…

 

 

 

 

こうして、1週間の永遠亭の健康診断は幕を閉じた…

 

幽鬼の身体はそこから1週間近くで元に戻ったが、永琳が予測していた期間より早期の完治だった…

 

当の本人は…

 

「周りの皆がお姉ちゃんかママになった…別の意味でダメになりそうになった…」

 

とうわ言を言っていた…

 

 

 

 

その事に目をつけた鴉天狗が取材を開始したが新聞にはならなかった…

 

 

 

何があったのかは誰も知らない…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アナタは足元に落ちていた、一枚の紙を拾う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜幽鬼氏、少年期間に姉・妹・母になったリスト〜

 

〜お姉ちゃん(デレ甘)〜

博麗霊夢

アリス・マーガトロイド

パチュリー・ノーレッジ

フランドール・スカーレット

十六夜咲夜

鈴仙・優曇華院・イナバ

藤原妹紅

 

〜お姉ちゃん(しっかり・押しに弱い)〜

魂魄妖夢

上白沢慧音

 

〜お姉ちゃん?(変態・変わり者)〜

蓬莱山輝夜

※(本人が許嫁、愛人、恋人それ以上と異議申し立て=博麗の巫女・藤原妹紅・幽鬼氏により制裁(巫女)炎上(藤原)調教教育(幽鬼&永琳))

 

〜妹(立ち位置固定)〜

ルーミア(出会った時からお兄さん

レミリア・スカーレット

※(本人が異議申立て=フラン嬢により棄却

因幡てゐ

※(本人がペットと異議申し立て=幽鬼氏により棄却

小悪魔

※(本人が姉と異議申し立て=召喚者により制裁

 

〜ママ(バブみ多め)〜

西行寺幽々子

八意永琳

風見幽香(分身

 

〜ママ(本命)〜

風見幽香

 

〜その他(詳細簡略)〜

 

紅美鈴・いつも通り苦労話を聞いてくれた

霧雨魔理沙・霊夢ら他の人達の束縛から解放

バカルテット(ルーミア除く)・湖で遊べた

 

〜本人不在・情報不足の為・独自見解〜

〜親戚、近のオバサン〜

雲紫

 

 

文々。新聞編集件製作者・射命丸

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紙にはそう書かれていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見たわね♪」






皆さん?無事ですか?

私は無事です


(。・ω・)ノども!ちょっと簡単に永琳達を攻略してしまった作者です!
とりあえず、永琳達も普通ではすまされない位キャラ崩壊しましたので、作者的にも…


大丈夫か?これ?

って、思っとります…


まぁ、あくまでも楽しく書くのがモットーなんで申し訳無いですけど…ご了承くださいね?






次回から花映塚編!!




だと思う(`・ω・´)キリッ!!


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前編 別に騒ぐ程じゃない異変


大変お待たせしました…
書いていい物が出来ずに制作途中が十話くらい溜まっておる作者です

花映塚編の話が作者の中で二、三回内容が変わり訳分からなくなってしまいました

そして…



考えるのをやめて開き直りました




もう!ドーン!はい!完成です!



映姫でるよ!!


 

幻想郷が四季折々の花に埋め尽くされる…

 

六十年の節目に起きる「生」と「死」のリセット…

 

綺麗に一気に咲く花々、コレは起こるべくして起こった異変…

 

 

 

 

 

 

 

 

「だから気にするな!!」

高らかに箒をかかげて言い放つ幽鬼、彼は暇つぶしに脳内で簡単なナレーションをして博麗神社の境内の掃除をしていた

 

 

下手したら変人である…

 

 

「うーん…それにしても凄いな〜…高い位置に神社があるとはいえ、ここまで全体を四季折々の植物が幻想郷を覆い尽くすとはねー…」

博麗神社から見渡せる範囲全てが花々だらけ

 

「魔理沙さん辺り騒ぎそう…」

ボソリと言うと突然後ろから両手で両目を覆われて、目の前が真っ暗に

 

「魔理沙が何かしら?」

 

「うわー、くらいよーこわいよー、たすけてー霊夢さーん」

棒読みでわざとらしく言う幽鬼

 

「そうね、助けて欲しかったら手を止めてないでさっさと掃除を進めてくれない?いい?」

 

「了解です」

素直に返事をすると、覆っていた両手が離れる

 

「おぉぅ…まぶしっ」

「はい、じゃぁさっさと終わらしましょ?」

幽鬼が目をしばしばしていると後ろの霊夢が背中を軽くポンポンする

 

「霊夢さんの方は?」

 

「終わったから様子見に来たんでしょ?」

霊夢は幽鬼とは別の境内の反対側の掃除を終わらして来たらしい

 

「ありゃ…随分と早いですね…流石は手馴れですねー」

 

「ボケっと突っ立ってるどっかの誰かさんと違うのよ、ほら、さっさと終わらして一息つきましょ」

霊夢はそう言って掃き掃除を始める

 

「了解でーす、それにしても綺麗ですね」

「えっ……なに…い、いきなり…//」

幽鬼の一言に動きを止める霊夢

 

「いや…身近でこんな素晴らしい…目を奪われますよ…」

「そ、そんなこと…な、無いわよ…//…そ、それに…」

幽鬼の言葉に照れ照れし始める霊夢

 

 

「今のここから見る景色は格別ですね!」

 

 

 

 

 

「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、爆音が境内に轟いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー人里ー

 

 

 

 

 

「いてて…な、なんで?初発の夢想封印?」

服の所々焦げた幽鬼、何故か機嫌を損ねた霊夢に…

 

『今日は帰って来ないで//!!フン//!!』

とお約束の捨て台詞を言われて締め出されてしまったのだ

 

「いや…(なろう系)主人公の感じやったよ…これ絶対…いや~…どうするかなぁ~…」

そう言って幽鬼は人里のお店を散策しながら考えようと歩き始めた、最悪人里の宿を利用すれば良いやと思ってもいた

 

そんな時…

 

「あ、幽鬼!!何してんだ!!」

「ん?」

名前を呼ばれ振り返るとチルノがアイス片手にいた

 

「お、こんにちは」

片手上げて挨拶をする

 

「おっす!…で?何してんの?今日はけーねの所は休みだぞ?」

アイスを食べながらチルノは聞いてくる

 

「あー、それは知ってるんだけどね…実はさ…」

 

 

 

ー青年説明中ー

 

 

 

一通り説明をした幽鬼

 

「ふーん、霊夢を怒らして追い出されたんだな?…て事は家なし!」

ドヤ顔でわかったぞとチルノ

 

「ま、まぁ…家なしでは無いけど…とりあえず今日は何処かここら辺の宿に泊まるよ…」

 

「ん?でも幽鬼は幽香の所に帰れば良いんじゃないのか?住処幽香の所だろ?」

 

「それもあるんだけど…一晩だけだし、何かあったって分かると霊夢さんがゆう姉につつかれそうでね…」

 

「そうか、幽香は怒ると恐いもんな!お菓子美味い!」

チルノ達バカルテットは幽香と親しく、何度が一緒にお茶を共にした事がある

 

「それで、チルノは何やってるんだい?」

「散歩だ!!暇だったから!」

 

「あれ?大ちゃん達は?」

 

「大ちゃんとはこれから会う予定だ!ミスチーとリグルともこの後に会う!!そして、ルーミアとも…」

チルノが幽鬼後ろを見る

 

「んっ?……」

振り向こうとした瞬間

 

ヌオッΣ(¯ᐞ´(幽鬼)(ω•´ )ガブッ(ルーミア)

背後から頭をかじられる

 

「人里で合流をいましたぞ!!」

 

幽鬼の絶叫が里に響いた

 

 

 

〜数分後〜

 

 

 

 

「「…………」」

道端で正座して並ぶ、ルーミアとチルノ

 

「……………」

その前に仁王立ちする慧音の姿があった

 

よく見るとルーミアとチルノはお揃いに頭にタンコブが出来ていた

 

「何かと思って飛んで来ちまったけど、大事じゃ無くて良かったい!」

自警団(門番のおっちゃん)が幽鬼に笑顔で言う

 

「お騒がせしました、いつもだったら慣れてるで大丈夫だったんですけど…不意だったんで(汗」

ペコペコと頭を下げる幽鬼

 

「いや、なにあの嬢ちゃんに頭かじられるんは十八番芸だったんは知ってるからいいんだけどよ、何せ慧音先生がすっ飛んで行ったから慌てただけなんだよ」

おっちゃん曰く、幽鬼がルーミアに頭をかじられるのは人里において周知されているらしい

 

(……初耳なんだけど……)

当の本人は初めて知った

 

「そーれにしてもな〜…あのお堅い慧音先生をねんごろするとは仕事が凄いな兄ちゃんはw(ゴニョニョ」

おっちゃんは小声で幽鬼に言う

 

「俺ら人里の奴らは先生(身体)のおかげで(女を)学んだんだよな…」

昔を懐かしみながらしみじみと語るおっちゃん

 

「そ、そうですか…」

ちょっと困惑する幽鬼

 

「…………実際よ…兄ちゃん…(ゴニョ(どうだった?慧音先生のぼてっ…ボカンっ!!いでぇ!?なにすん…oh(´・ω・`)...」

おっちゃんが振り向くとそこにはいい笑顔の女性が立っていた

 

「アンタァ…なーに変なこと聞いてんの?慧音先生と坊ちゃんの事に口挟んだァいい度胸ねぇ?」

「…………か、かぁちゃん…」

どうやらおっちゃんの奥さんらしい

 

その後、奥さんに軽く挨拶されてから、おっちゃんの耳を引っ張りながら帰って行った

 

他にも自警団の方が数名いたがおっちゃんの連行を境に「じゃ、先生とよろしく」と一言残し解散して言った

 

その後は慧音がルーミアとチルノを説教していた(主にルーミアを中心に)途中に大妖精、ミスチー、リグルが二人を探しに来たらしく現れ、今回は多めに見る事になり何時もよりお説教の時間は短縮されたが…

 

「次やったら頭突きだぞ?」

とルーミアは釘を刺された

 

チルノ達はそのまま湖へ遊ぶ為に飛んで向かっていったのだった…

 

そして…

 

「一息つくのはここだな…」

幽鬼は一人茶屋でお茶を飲んでいた

 

行き付けでもあるお店で人里に来る度に寄る場所だ、経営している店主の老夫婦とはすっかり顔なじみ

「新作が出来たから味見してちょうだい」と出されたお菓子はとてもお茶とあった

 

もちろん、慧音も誘ったのだが妹紅の様子を見に家に行くからと申し訳無さそうに言われ、次回誘うと言う約束をしてその場でわかれたのだ

 

かれこれ、30分くらい経っていた

 

「‎( ꒪⌓꒪)…ぁ…へいわ〜」

とほげていると

 

「そこのお兄さん、ちょいといいかい?」

「んぁ?」

不意に声をかけられ、横を見る

 

 

ボイ〜ン(パイ乙)

目の前に広がる大きいボール2つの谷が広がる

 

「( 'ω')ふぁっ」

ヘンテコな声が出る幽鬼

 

癖のある赤髪をトンボでツインテール…

 

服装は半袖にロングスカートの着物に腰巻…

 

こちらを見る目は髪色同じく赤く、その背に背負う大きな鎌…

 

距離を操る程度の能力

 

二つ名・三途の水先案内人

 

小野塚小町

 

ニカッと笑いそこにいた…

 

 

「な、なんでしょうか?」

初接触はキョドる幽鬼

 

「いきなりごめんさね、隣空いてるかい?」

幽鬼の隣を示して言う

 

「あ、はい…あ、すみません…!陣取った形になっちゃって!」

幽鬼は慌てて横にズレる

 

「いやいや、こちらもいきなり驚かせて悪かったねぇ…じゃ、失礼するよ」

小町は腰を下ろし、鎌も立て掛ける様に横に置く

 

「んぅ〜ッ…あぁ〜ぁ…ふぅ…おばちゃーん!あったかい緑茶といつもの饅頭ちょうだい!…あっ…あと!この兄さんの分の饅頭も!」

そう店内に声をかける

 

「え、あ、あの?」

 

「驚かした詫びだよ、それとも甘い物は苦手だったかい?」

 

「あ、いえ…」

 

「ならよかったよ、ここの饅頭はオススメなのさ…一息つくのに大切な代物さ、ここに来るあたいにとってね」

ニカッと笑う

 

 

こうして唐突なお茶タイムが始まった

 

 

「そういえば自己紹介してなかったね…」

お茶を一口飲み一息つきながら

 

「あ、あぁ、そうでした、自分は…」

 

「風華幽鬼…」

「え…」

名乗ろうとしたら小町に言われ、あっけらかんとする

 

「あはは!すまないねぇ、実はココ(茶屋)のおばちゃんとかによく話を聞いてたんだよ!後は少しばかし有名人でもあるからね、アンタは…モグっ」

そう言って饅頭を一口かじる

 

「ゆ、有名?」

 

「んんっ!饅頭美味いぃ!!……そうさ、お前さんが自覚してるかわからないけど、人里の中で話題がかけない人物と言えばって感じだね…稗田の子もそう言ってたしね」

 

「そ、そうなんですか…」

チラリと茶屋のおばちゃんに視線を見ると苦笑いを返され、隣にいたおじさんには「(* • ω • )b」とされた

 

「おっと誤解が無いように言うと悪い方に話が出来てる訳じゃないからね、あくまでも人里括りでアンタを出来る限り手助けするって言う人が殆どだからさ!たまたま今日は運良く居合わせたから、話をしてみたくってね」

そう言って小町は再度お茶を啜る

 

「話って言っても…そんなに面白い事なんて…」

 

「いいや、アンタは数奇に満ち溢れてるよ…このアタイが言うんだから間違いないね…!永年船頭やってて、アンタ見たいに別々の物が絡み合ってるのは珍しいし、初めてだ」

 

「そ、そうですか…」

 

「おっと、一人喋りすぎたね…アタイは小野塚小町、この先アンタも一度は通る最後の川、三途の川の水先案内人さ」

自己紹介をして、手を差し伸べてくる小町

 

「よ、よろしくお願いします…」

幽鬼は恐る恐る握り返す

 

「なーに握手しただけで寿命は減らないさ!!よろしく!」

小町は元気よく握手し言った

 

そんなんで…

 

茶屋の席で世間話とたわもない会話…

 

幽鬼とその周りがおきた、おこした過去話もそれなりとした…

 

「…そういえば…小野塚さんはご予定とか大丈夫なんですか?」

幽鬼はしばらく聞き役になっていた小町の事を心配した

 

「ん?暇ではないね〜…まぁ!必要な休憩さ!」

サボり前提で答える小町

 

「そ、そうなんですか…?なら…いいんで…「そうね、仕事を放ったらかしに出来るのは貴女らしいわ…けれど、節目ぐらいちゃんと働いたらどうかしら?」

幽鬼の言葉を遮る声

 

「あちゃ…四季様に見つかる前に予想外な御人に見つかるとはね〜…」

先程までの笑顔が苦笑いになる

 

「見つかる見つからない前に色んな子が教えてくれるから嫌でも分かるだけ…特にこの子がいる場所はね♪」

フワッと嗅ぎなれたいい香りが幽鬼を包み込む

 

「気にしようよ…ゆう姉…

いい香りの本人に問いかけた

 

「あら、私は気にしないわ」

スリスリと頬擦りする幽香

 

「……いやぁ…噂程度に耳に入ってたけど…こらぁ…四季様も困惑するね〜…」

 

「そうかしら?華ちゃんを知ってて近づいたんじゃなくて?」

 

「いやいや、そんな探りを入れるような事はしないさ…たまたま居合わせて、もしかしてって思っただけのことだよ…それに彼は話を上手だからつい聴き入っちゃっただけさね、船頭としての癖…てところかね♪」

ニシッと笑う小町

 

「……ふーん…良いけど…所で何時になったら、溜まりに溜まった魂達を送るつもりなのかしら?」

 

「こう見えてもさっきまで送り続けてたんだよ、そしたら四季様が『いっぺんにここまで連れて来るのも普段仕事をサボる貴女よりかは真面でよろしいですが…裁判所をここまで渋滞させろと言ってはいません、送る回数や送る人数を調節して適度に連れてきなさい、このままだと罪を償わせる所か裁判所がパンクします』って言われちゃったからさ♪これは人数が減るまで待てって言われたと同じだから必要なサボっ……ん゛ん!!…休憩さ♪アンタが気にすることじゃないさ…そこまで気にかける性格はしてないだろ?花妖怪さんよ?」

小町が言ういわくサボりでは無いと軽口を言う

 

「なら、これ以上何も言うことは無いわ、ただの気まぐれだから勘ぐらない…ただ騒ぐ奴らは現れるだけだから…ね」

幽鬼の頭を撫でながら幽香は静かに言う

 

「なら、そんな気まぐれさんに一つ質問があるんだけどさ…アンタこそどう言う風の吹き回しだい?

小町は串団子を幽香に差し向ける

 

「なんの事?」

 

「いやなに…ここ数年のアンタの心変わりの決めてがアタイは気になるんだよね…勘ぐらない触れない関与しないが売り文句で一点張りのアンタがさ…」

 

「………聞いて何かあるのかしら?」

幽香が小町を睨む

 

「別に何もないさねー…ただ…気になったから聞いてみた…気まぐれさね♪

何故か勝ち誇った様に小町は笑う

 

「……チッ…そう、気まぐれ…ね…」

舌打ちをした幽香は黙り込む

 

「…………(汗)」

状況が分からず完全に蚊帳の外になった幽鬼

 

しかし、そんな空気に気づいた小町が再び口を開く

 

「なはは、そんな邪険な顔をしないでくれよ♪こう見えてアタイは知らず存ぜぬで聞いただけってことだからね♪話好きの船頭の悪い癖さ♪」

そう言って小町は立ち上がる

 

「さて、休憩は終わりにして残りのやる事を終わらせなきゃねぇ〜♪おばちゃん、ごっそさーん♪また来るよ〜♪それじゃ〜♪」

小町は座っていた場所に銭を置き、手をヒラヒラしながら去って行った

 

「…たくっ…逃げたわね…」

小町が去って行った方を睨む幽香

 

「な、なんか自由奔放というか…何かと射し込んでくる言い方と言うか…不思議な人だね…(まぁ…それがこまっちゃんの性格だろうなんだけどね…しかし、デカかったなぁ…)」

幽鬼は思い返しながら一言もらす

 

「……華ちゃんがそう感じるのならそうかもね…ま、自主的にいなくなってくれたから都合がいいけれどね」

そう言って再び幽鬼に抱きつく

 

「ヾノㅇㅁㅇ;)イヤイヤ…ゆう姉…都合とかじゃなくて場所を考えようよ…」

 

「んもぅ…いつも甘えん坊なのに…あっ…そう言えば周りの子達から聞いたわよ?」

含み笑になる幽香

 

「……な、なにが?」

幽鬼はまさかと思った

 

「今日の夜宿無しになっちゃったんだってね?」

 

(\(^o^)/あ、バレテーラ)

その時幽鬼の図星を着いた事を確信した幽香は

 

「霊夢との間に何があったかはあえて聞かないし、華ちゃんも元気そうだから余計な事は言わない…けれど…もう少し長く一緒に居たいかな〜…なんて…」

幽鬼の髪の毛をサラサラと指を通しながら幽香は言う

 

「でも、今日なんか紫さんと何か話があるって言ってなかったけ?」

幽鬼は元々今日は幽香に予定があることを聞いていた

 

「……それは…まぁ…次に回しても問題無いやつだから…」

 

「すっぽかされるとコッチの予定が狂うから辞めて欲しいんだけれど?」

スキマが開き、紫があらわれる

 

「元々そっちが開けなさいって言った本人がドタキャンするとかありえないんだけれど?」

ゆっくりとスキマから降りてくる

 

「あ、紫さん、こんにちは」

 

「えぇ♪こんにちは♪…見てたわよ?霊夢に追い出されちゃったのね」

やはり紫は最初から見ていたらしい

 

「あはは…まぁ、今回は頭を冷やす感じて…」

苦笑いで答える幽鬼

 

「霊夢も霊夢で少しは幽鬼くん離れをしなきゃだから、ちょうどいいかしらね…それなりにお願いね?」

霊夢の事で思い当たる所があるのか何処か言葉を濁す

 

「それで痺れをきらした空気の読めない賢者様はひとときを邪魔しに来たのかしら?」

横目に幽香が幽鬼の抱きしめる力を強くする

 

「邪魔も何も…貴女が話があるって……はぁ、まったく…改めて、貴女が幽鬼くんが傍にいる時の面倒くささは理解したわ…」

やれやれと紫

 

「ゆう姉、とにかく先約の方が大切だから…いつでも会えるし会いに来れるでしょ?」

 

「…華ちゃんがそこまでいうなら…ふぅ…たくっ、ほら行くわよ紫?」

 

「なんでソッチがそんなに態度でかいのかしら…はぁ…もういいわ、早く行きましょ…」

幽香の態度に呆れるが紫は軽くながして、スキマを開く

 

「また後でね♪華ちゃん♪」

幽香は幽鬼に向かってウィンクをして、開いたスキマの中に入って行った

 

「はぁ…やれやれ、これでどうにかなりそうね…幽鬼くんありがと、助かったわ…また今度ね♪」

そう言ってスキマに入ろうとする

 

「あ、紫さん!ちょっといいですか?」

その時幽鬼が声をかけて傍による

 

「ん…?なにか他にあった?…えっ…きゃ...///!?」

紫が振り返ると同時に腕を引かれ抱きしめられる、一瞬何が起こったのか驚くが直ぐに

 

「…っ…ッ//」

うっとりと目を閉じて、身を預ける

 

「………ふぅ…こ、これで暫くは妖力は平気ですね?」

ゆっくりと離れると照れくさそうに言う幽鬼

 

「………んもぅ…不意打ちね…妖怪の賢者である私にこんな事出来るの…貴方しかいないわよ//?」

そんな幽鬼を見て強く言えない紫

 

「こんな感じで唐突にしないと機会がないので…あ、これは幽々子さんからの情報です」

 

「何よそれ〜…幽々子ったら、余計なお世話なんだから…」

ツンと拗ねる

 

「それはぁ…お、お互い様って事で…」

 

「それで…幽々子の話を出すって事は…白玉楼?」

 

「あ、すみません…遠回しで…最近会ってないのでアレ(ショタ事件)から…」

 

「ん〜…別に構わないけれど…確か今日…」

何かを思い出そうと考える

 

「あ、もしかして都合が合わないとか…?なら、諦めますけど…」

 

「都合が合わないとかじゃないんだけれど…まぁ…もしなんかあっても幽鬼くんだから大丈夫よ♪」

そう言ってスキマ(白玉楼行き)を開く

 

「なんかある…まぁ、どんな所でも何かおきるのは仕方ないですけどね…色々自分が火種になりますから」

苦笑いを浮かべる幽鬼

 

「ふふっ…そうね♪…今度はマヨヒガに招待するわね…ンっ…」

「…ふぉ…っ、!」

紫は頬に軽くキスをして、不意をつかれた幽鬼は驚く

 

「さっきの仕返しよ♪」

そう言って、間もなくスキマに幽鬼をトンっと押して送り出す

 

そして…

 

幽鬼は見慣れた庭園を中心に立っていた

 

 

「…………ぁ、…ハッ!!!!…つ、ついたか…」

気を取り戻し、見回すと白玉楼の裏庭だった

 

「うん…相変わらず、静かだね…うーんと、妖夢辺りに顔見せないと…不法侵入になっちゃうから表回るか…」

屋敷の方へ向かい、屋敷に沿って幽々子達が居るであろう中庭の方へ目指す

 

「でも、ここも影響してんだね…ま、そらそっか…冥界だしね…」

その途中、辺りを彷徨う魂がいつもより多く漂っているのに気づく

 

「…節目…か…こまっちゃんにもあったから…もしかしたらだけど……ん?なんだ?」

ふと立ち止まる、地面に何か落ちているのに気がつく

 

「なんだろ?」

落ちている何かを見つめながら近づく

 

その時、幽鬼は背後の壁から出てくる者に気が付かない

 

「……これは?」

しゃがみこみ落ちているソレを拾い確認する

 

背後の壁から出てきた者はしゃがみこむ幽鬼にゆっくり近づくき、その背に腕を伸ばす

 

 

「う〜ら〜め〜し〜や〜♪」

そう言って覆いかぶさった

 

「ぬぉっ!?」

軽く驚きの声をあげる幽鬼

 

「んふふ♪ダメよ〜?こんなコワーイ場所で無警戒で背を向けちゃ〜♪…じゃないとこうやって〜…」

ピッタリと抱きつく

 

「コワ〜イ亡霊に取り憑かれちゃうわ〜♪」

耳元で囁く

 

「あの取り憑かれると言うか…く、くっついてるの間違いでは?幽々子さん?」

 

「ん〜?…んふふ♪気にしな〜い♪叶うなら幽鬼ちゃんには四六時中ツいていたいのよね♪」

微笑む幽々子

 

「えーと?物理的か心霊的のどっちの意味で?」

「ふふっ♪どっちでしょう♪」

幽々子の方に顔を向けるとツンと頬をつつかれる

 

「…出来れば…今のままみたいにいて欲しいですね…」

 

「なら、もっとギューしてあげる♪」

幽々子はより幽鬼に抱き着いてくっつく

 

そして、つかの間の静寂を挟み…

 

「………ねぇ?幽鬼…?」

ワントーン静かな声が響く

 

「なんですか…幽々子さん…?」

 

「私の部屋にくる…?」

幽鬼の背中に顔を押しつける

 

「………………」

 

 

 

ーーーーーー

 

ーーーー

 

ーー

 

ここは白玉楼の縁側…

 

 

 

「ふぉぉぉ……」

 

 

 

情けない声を上げているのは幽鬼…

 

 

なぜ彼が声を上げているかと言うと…

 

 

「もう幽鬼ちゃんの弱点は知ってるのよ♪」

 

幽々子が幽鬼を膝枕し耳かきしているのだ…

 

「…んぅ〜…ここら辺も汚くなってる〜…前よりやり甲斐があるわ…♪」

小声を出しながら優しく耳かき棒を使う幽々子

 

程よく聞こえる幽々子(ふるゆわボイス)の吐息が更に心地良さを加速させる

 

月2回の感覚で誰かに耳かきをされる幽鬼…

 

初めて耳かきをしたのは幽々子であり、そこから広がり今では

幽香はじめ、幽鬼を想う人達で取り合うのだ

 

しかし、圧倒的に回数は幽々子で、次に多いのが同等に並びんで幽香と霊夢なのだ

 

溺愛・過保護・愛着どれに当てはまるかは分からない…

 

しかし、これからも彼の周りには…増えていく…

 

 

 

 

 

 

 

ー白玉楼門前ー

 

 

「……ふぅ…一先ずこんな感じかな、少しでも手を抜くと直ぐに荒れてしまう…あるべき姿は維持するべし…」

箒片手に1人呟く妖夢、ふと空を見上げる

 

「…………あぁ…暫く、幽鬼さんにお会い出来てないなぁ……最後に出会えたのは…もう…人里での時かな…」

日数を指折り数えて彼の事を想い膨らます

 

「……はっ!?ダメだ!!良からぬ邪念に心を呑まれては!!これから鍛練なのに!今は考えるな…集中…」

目を閉じ、ゆっくり深呼吸をしながら気持ちと頭の中を整理する妖夢

 

彼女にとって鍛練や稽古は半端な気持ちでやっては行けないと幼き頃から決めていた、自分への決まり事である

 

「…………」

風になびく枯れた木々の音を聞き…

 

「……………」

深く深く集中していく妖夢の意識…

 

 

 

 

『妖夢さんはそのままでも充分綺麗ですよ』

 

 

 

「……………」

今の彼女には動じない…

 

 

 

『妖夢さんの作る手料理は美味しいですね』

 

 

 

「………」

今の彼女はどうetc…

 

 

 

『妖夢さんは良いお嫁さんになりますね』

 

 

 

「……」

今の彼じょetc…

 

 

 

『妖夢さん、こんな自分で良ければ…』

 

 

「へえぇ〜///♡♡♡」

正面門の前でクネクネと悶え始める妖夢

 

どうやら雑念が彼女を支配したようだ!!

コノヒトデナシ!!

 

 

しかし、彼女は気が付かなかった…

ゆっくりと階段を上がり、こちらに向かってくる人影に…

 

 

 

「人との関係とやかく言う事ではありませんが…少し話をする必要がありそうですね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー白玉楼・幽々子自室ー

 

「へぇ〜それじゃぁ…今晩は家なき子って事でいいのかしらぁ?」

相変わらず幽鬼を膝枕して頭を撫でていた

一通りの癒し時間を終えた幽々子と幽鬼は場所を幽々子の自室に移していた

 

「そうなんですよ…まぁ、今日の夜はゆう姉の所に帰ろうかなっと…」

微睡みながら答える

 

「このまま居てもいいのに…ダメなの?」

ムニムニと幽鬼の耳たぶを触る幽々子

 

「ぉぅ…ふ……ダメって事は…」

 

「妖夢も喜ぶわよ?久々の妖夢抱き枕確保できるのよ?」

そう言って耳に吐息をかける

 

「ふぉぉ…」

陥落寸前の幽鬼

 

「どうなの〜?…いてくれたら甘えん坊幽鬼ちゃんのだぁーい好きなぁ♪ごほうびあ・げ・る♪」

「(` ºДº´)」

幽々子はそう呟くと胸を強調する様に身体を横に揺らす

 

ボヨンと聞こえそうな弾み方をする服に包まれた幽々子の胸を幽鬼は凝視して喉をならす

 

 

 

しかし…

 

 

「…………ん…?」

幽鬼は何かに気付き廊下の方へ目線を向け

 

「ほら〜♪ぽよぽetcッ…『幽々子さん、ありがたいんですが…どうやらお客さんが来たみたいですね』…ん〜?妖夢が戻って来たのかしら?」

幽鬼の一言により、甘やかし(開花)モードが入りそうだったが同じく幽鬼と廊下へ視線を向ける

 

廊下が軋むのが聞こえる、人数的に

 

「2人…?」

ふと幽々子がボソッと言うがまた黙ってしまう

 

しかし、直ぐに…

 

「………あっ…」

幽々子は何かを思い出して

 

「…ん?…どうしました?」

「お願いがあるんだけれど、幽鬼ちゃんは寝たフリしていてくれるかしら?」

幽鬼が幽々子へ視線を向けると、フワリと幽々子の細く綺麗な手に両目を塞がれる

 

「えっ?えっ?」

「いいから♪寝息たてて♪」

困惑する幽鬼に囁く幽々子は再び優しく頭を撫で始めた

 

(あー心がぴょんぴょんするんじゃぁー)

幽鬼は言う通りに寝たフリを始める

 

その直後、幽々子の部屋前で足音が止まる

 

「幽々子様、いらっしゃいますか?」

ふと聞き覚えのある声が扉前から聞こえる

 

「いるわよ〜」

いつも通り返事をする幽々子、すると静かに襖が開く

 

「おくつろぎの所失礼します…幽々子様、お客様がお見えです、居間の方へお通ししましたので幽々子様も居間の方へお願い致します」

礼儀正しく妖夢言う

 

「…ん〜でも…今手が離せないのよ〜…居留守使って〜?」

背を向けたまま、ゆったり断りを言う

 

「え…!?で、ですが…既に幽々子様はいらっしゃると…!!」

驚き慌てる妖夢

 

妖夢の慌てた声に「ふふっ♪」と笑うが、妖夢の位置では幽々子の表情は見えない

 

「も、申し訳ありませんが…!幽々子様は何に御多忙でいらっしゃるんで…!!」

慌てふためく妖夢には幽々子に膝枕されている幽鬼に気がつかない様だ

 

「ん〜…手と言うか…両足を動かせないのよ〜♪」

幽々子は妖夢に現状を気付かせるために振り向きながら答える

 

「…りょ、両足…?……いったっ……………っ!?!?!?」

妖夢は幽々子の膝元を見て気づく

 

こうなってる幽鬼の姿→(:3_ヽ)_

そんな幽鬼が居ることを教えられ、普段なかなか会えないのがたたって驚いて固まる

 

「ねっ?妖夢…離せないでしょ?」

誘惑する様な笑みを妖夢に向ける幽々子

 

「………どっ…どうして、幽鬼さんが…先ほどまで、入口前で…」

「あらあら、忘れちゃったの?私にはそういうことが出来る古い知り合いが…ふふっ♪」

「……っ…ゆ、紫様…」

幽々子のその問いに妖夢は答えた

 

「まぁ、これで分かったかしら?…妖夢?…私は顔を出したくないと言ってるんじゃなくて…動けないの…」

愛おしく幽鬼(寝たフリ)の頭を撫でる

 

「……ゆ、幽々子様のご意見は…分かりました…しかし、今回のお客様は…あの方ですので…此方に案内してもよろしいでしょうか…せ、せめてお話だけでも…」

 

「そうね、あの方がよろしければ、この部屋に御案内してちょうだい…それに下手な嘘ついたら大変だもの♪」

妖夢に微笑みかける幽々子

 

「は、はい…!かしこまりました…!今すぐお伝えに言って来ますので!」

そう言って妖夢は幽々子の気が変わらない内に再び居間の方へ戻ろうと部屋から出る

 

すると…

 

「……………んっ……あの…………幽々子様…」

襖の影から顔だけひょこっと出す

 

「ん?何かしら?」

 

「……後で、私も幽鬼さんに…その…」

ゴニョゴニョと小さくなる声で上手く聞き取れないが、幽々子は何が言いたいのかわかったので…

 

「ふふっ♪ちゃんと終わったら…彼に奉仕してもいいわよ♪」

幽々子は優しく答える

 

「……で、では!こちらに案内して…きっ…!!」

妖夢は嬉しそうに声を上げ、善は急げと開けた襖をそのままにしてお客様を待たせる居間にトタトタと早足で向かうが

 

 

間に合わない…

 

 

 

「事前にアポを取っておいて、待たされるとは思いもよりませんでしたよ…」

凛と静かな声が妖夢の向かった廊下の先から聞こえてきた

 

「あ、…えと………あの…」

閉め忘れた襖まで妖夢が後ずさりして来てしまった

 

「あらら〜…わざわざ御足労感謝致しますわ〜…♪」

幽々子はそう言って体の向きを廊下側に変える、もちろん幽鬼を膝枕したまま

 

(おっふぅっ…幽々子様のお腹…)

場所移動で自動的に幽鬼の顔が幽々子の下腹部にうずめる形になる

 

「…魂魄妖夢、貴女は他の事でうつつを抜かす事が増えましたね?つい先程も軽く注意と説教をしたばかりだと言うのに…」

凛と響く声

 

「西行寺幽々子…事前に確認をとったはずですよね?節目を迎えた今日に顔を出すと?」

声の主が姿を表す

 

紅白のリボンが伸びる特徴的な帽子を被り、右手に持つソレは誰かを表すと同意…悔悟の棒

 

二つ名・楽園と地獄の最高裁判長

 

白黒はっきりつける程度の能力

 

四季映姫・ヤマザナドゥ

口うるさい有難いお話を出会った人達にする閻魔様だった

 

「あら〜ご無沙汰ですね〜閻魔様〜♪」

幽々子はニコニコ答える

 

「ご無沙汰…先日あったばかりでしょう…貴女は少しばかり周りに意識を向けなさい」

毅然とした態度で言う映姫

 

「あら、閻魔様に言われなくとも私は周りを見てるわ〜」

視線を幽鬼に落とし頭を撫でる

 

「……む…なぜ、冥界に生きている物がいるのですか…現世からこの様な場所に何故…」

映姫の目が鋭くなる

 

「そ、その方は幽々子様のお客様でして!今日にその方とのお約束がありましので!!」

妖夢が映姫の横に立ち、慌てて説明する

 

「……客人…ですか…なら、こう言っては何ですが…今、現状私の目に映っている光景では普通の客人をもてなす様な感じには見えないのですが…この訳を答えられますか?魂魄妖夢?」

チラッと妖夢を見る

 

「ぁっ…えぇ…と……その…ですね…」

妖夢は困惑してしまう

 

「………私には貴女の当主が現世の男士と逢い引きしているように見えるのですが?…どうでしょう?西行寺幽々子?」

そう言って幽々子の傍に歩みよる

 

「……ん〜、妖夢は嘘はついてないわ〜?…お客さんでもあるのよ♪…ただそれがちょっと違うだけのこ〜と♪」

ぎゅうと幽鬼の頭をまた抱き込む

 

(└('ω')┘フォォォ!!)

ヘブン状態突入幽鬼

 

「…………ちょっと違う…ですか…何が違うのでしょうか…貴女は亡霊であり…ここの冥界の管理者として魂の達の眠りを妨げ出ないようにするのが役目でしょう…」

目の前に立ち、厳しくも見定める様な目を幽々子に向ける

 

「……んぅ〜役目かぁ〜…閻魔様は相変わらずお堅いのね〜…私に管理以外事をしちゃダメって事でしょう?」

 

「いいえ、そう言う訳で言ったのではありません…私はハッキリさせたいだけです…貴女の膝の上で寝転ぶ、男性とどう言った関係でいるのか…何事もあやふやでは何も進みません…それとも白黒つけられませんか?」

 

「なら、ハッキリ言うと〜…私一人で独占したいくらいだーい好きなの♪」

映姫の厳しめな問にあっさり返す幽々子だった

 

 

ーーーーー

 

 

ーーー

 

 

ーー

 

 

 

 

 

 

(少し拍子抜けしまたね…ここまであっさり答え出すとは…)

映姫は少し肩の力が抜ける

 

(まだ何処か引っかかる所はありますが…結局は彼女達が決める事ですしね…まぁ、既に…決まってそうですがね…)

映姫の本来ここに来た理由はあくまでも視察であり、深い理由は特になかった…

 

彼女が来た時点で深いお話(説教)にはなる

 

しかも節目の時…終わり始まる日…

 

 

 

 

 

(どの選択をして…繋がっていくのか…)

幽々子に膝枕されている彼を見つめ思う

 

「にしても…いつまでそうしてるつもりで?」

 

「あら?閻魔様も膝枕してあげたいの?」

 

「なんでそうなるんですか…全く…彼からは何も話を聞いていませんよ?」

その一言で空気が少し緊張感がはりつめる

 

「ゆ、幽々子さん…もう起き上がりますよ…流石にちょっと…」

その空気をいち早く察した幽鬼は起き上がる

 

「むぅ〜…しかたないわ〜…」

「…貴女って…人は…」

むくれる幽々子対しその態度に映姫の眉間にシワがよる

 

「と、とりあえず…場所を変えましょう!…映姫様…それでよろしいでしょうか?…ゆ、幽鬼さんも!」

慌てて妖夢が声をあげる

 

「そ、そうですね!妖夢さん、お茶入れて貰っていいですか!?喉乾いちゃったな〜!」

幽鬼もそれに合わせて起き上がり、妖夢の後をついて行く様に部屋の外へ向かおうとした時

 

「や〜ん、幽鬼ダメ〜ここでお茶すればいいの〜!」

後ろから幽々子が背中に飛びつくように腰にしがみついた

 

そして…

 

「うぐっ!?ッ…ゆ、幽々ッ…さっ!?げっあっ!?」

 

ズルッ…!

足が滑りバランスを崩す幽鬼

 

「え…ちょっ…」

体勢を崩した先に映姫の驚く顔

 

 

 

 

全てがスローモーションに見えた

 

 

 

 

 

 

ドッシーンッッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

思いっきりぶつかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「イテテ…い、勢い良すぎて…変なところ…うった…」

幽鬼はうっすら目を開ける

 

「いったーい…幽鬼〜…」

後ろの腰あたりから幽々子の声、まだしがみついているのか柔らかい感触がある

 

「ゆ、幽々子さん?怪我は…ってあれ?」

目の前が真っ暗な事に幽鬼は気づく

 

「え…ど、どうしてっ!?」

少し混乱し始める、目が空いているはずなのに目の前が真っ暗な事にしかし…

 

「………ぉ…うん?」

どうやら目が慣れてきたのか、少しずつ見えてきて一色の色が目の前をうめた

 

「…………し、ろ…白色…?なんでこんな薄暗い所に白?…それに甘くいい匂い…」

まさに目と鼻の先がその白い物があり、どこかで嗅いだ事のある、何かいい香りが鼻から口へ通る

 

「………………んん?」

もう一度よく嗅ごうとした時、鼻息があたる

 

「…っひっん//」

「えっ……」

可愛い声が頭上から聞こえた

 

「きゃー♪幽鬼だいたん〜♪」

幽々子の声が響く

 

「………:( ;´꒳`;)……」

幽鬼は気づく

 

先程の可愛い声は最近聞いた時があると…

 

倒れる時にその人は倒れる先にいた…

 

このような色のスカート着ていた…

 

彼女は白黒ハッキリ色分けを好む方だった…

 

 

 

 

 

 

 

「……………(激冷汗)」

 

「……………//(涙目)」

 

そこから(スカート)出ると顔を真っ赤にし涙目の閻魔様がいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「す、すみま…っetc」

 

 

 

 

 

 

〜断罪「黒」判決「羞恥の一撃」〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

視界が見えなくなったと同時に顔面に衝撃がはしる…

 

その衝撃で幽鬼は意識を失ったのであった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「完璧無垢な純白だったぜ…」





花映塚編は「幽香&幽鬼のデート編(香霖堂)(映姫も来るよ!)」とか「射命丸、幽鬼を利用しようと近づくも分からされる」とか「王様ゲームだ└(゚∀゚└) わっしょい (┘゚∀゚)┘閻魔を脱がせ!!」とか内容的にこんな様なのを書いては詰まりました

特に「原作崩壊!?現れた天界のドM娘!?倒壊博麗神社で幽鬼大怪我!?」は内容的に読み返して「(;´∀`)…うわぁ…」って自分で引いたので抹消されました

まぁ、タイトルは思いつくんですが書いてくとストーリーがあやふやで掴めなくなっていくんですよね…

改めて思う…その時だけのテンションて恐いですね…
次はどの位になるかわかりませんが根気よくお待ちください…

お待たせしてしまいすみませんでした

次は映姫にしてしまった事が知れ渡る話になります
絶対領域って素晴らしいものですね…
覗いた事も触れた事もないですけどね!!


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後編 別に騒ぐ程じゃない異変


後編です…
無理やり丸め込ませました

私にはココが限界です…下ネタ?

そんなもん…

気にしてたら楽しいの書けない!!


アウト?

アウトかな?

投稿じゃぁぁぁぁぁぁ!!!

PS・お待たせしましたm(_ _)m


 

 

 

 

 

 

 

ー永遠亭(病室)ー

 

 

 

 

「……………」

「…………幽鬼さん…」

病室のベットで眠っている幽鬼に妖夢が寄り添っていた

 

「……で?それで一撃をくらったと…はぁ…下着の一枚や二枚見られた所で…後少しズレてたら危なかったわよ…」

診察して軽い脳震盪だと判断した永琳、今はいつも通りだが幽鬼が担ぎ込まれた時少し動転していた

 

「気が動転してたからしょうがないわよ〜…こんな事が起きるなんて滅多に無いし…まぁ、一撃喰らわせた本人は気が気じゃないけれど…」

内心ホッとする幽々子はチラッと視線を寝ている幽鬼へ向ける

 

「心理系はあまり知識はないけれど相当ショック受けて整理ついてないんじゃないかしら…それにしても地上の閻魔ってそんな簡単に手をあげるの?」

「そんなに過剰になるほどの方じゃないんだけど…今回はなんか違った見たいで〜…」

永琳と幽々子は小声で話す

 

「衣服消毒から戻りました、…ふぅ……姫様達はまだ?」

優曇華が病室に入ってきた

 

「えぇ、まだね…後は輝夜とてゐが戻って来るのを待つだけよ…」

永琳は要箇所に伝言を飛ばしたのだ、これは幽香が取り決めた事で幽鬼に何か起こった時の為の対処方の1つなのである

 

優曇華⇒永琳の手伝い

 

輝夜⇒妹紅(喧嘩が始まそうだが、幽鬼の事なので大丈夫)

 

てゐ⇒慧音、一応霊夢に通達

 

「詳しい事を余り聞かずに来るかもね〜…大袈裟になるかも?」

どこか思い当たる言い方の幽々子

 

「……大袈裟…ね…確かに騒ぐことじゃないけど…まぁ、かく言う私もゆぅちゃんだったから少し取り乱したけれど…少し腫れに効く薬を調合してくるわ…優曇華、貴女はゆぅちゃんのそばでこの二人といてちょうだい、何かあったら小さな事でも言ってちょうだい」

「わ、わかりました!」

優曇華の返事を聞くと永琳は「お願いね?」と一言言って、廊下の奥の調合室へ向かっていった

 

「さてさて、じゃぁ少し居さしていただくわね〜♪…ウサギちゃん?お茶って用意して貰えるかしら?」

簡易椅子に腰掛ける幽々子

 

「あ、それなら別のちゃんとした部屋でお茶を出しますよ?ここだと疲れてしまいますし…お師匠様のあの様子だとゆぅちゃんが意識を取り戻すのは時間の問題だとおもうんで…」

 

「そうね〜…幽鬼を担ぎこんだ時の肝が冷えたそうな表情は驚いたわね〜…初めて会った頃の無愛想な態度が懐かしいわ〜」

 

「あ、あはは…と、とりあえず部屋を移動しましょう」

 

「あらあら、ごめんなさいね〜…妖夢〜?一息つきましょう?」

病室から居間へ行こうと妖夢に声をかける

 

「幽々子様、すみませんが先に行っててください…あと暫くしたら…向かいます…」

妖夢はジッと幽鬼を見つめたまま

 

「妖夢?お師匠さまが診た限りだと異状はないから大丈夫よ…万が一何かあっても私やお師匠さまがちゃんと診るから…あと、ゆぅちゃんは以外と丈夫だからすぐ良くなるよ」

優曇華はそう行って妖夢の肩を軽く叩く

 

「すみません…どうか1人にしておいてください…」

「妖夢…」

「ウサギちゃん…少し妖夢1人にしときましょう、決めたから簡単に意見を変えるような子じゃないから…お部屋何処かしら〜?」

そう言って幽々子は立ち上がり病室から出ていく

 

「あ、ちゃんと案内します!…妖夢?貴女の責任でもなんでも無いからね?…ゆぅちゃんが多少な希少な人だから起きた事だからね!…気が落ち着いたら、出て左に向かって角を右に曲がった三つ目の襖の部屋にいるからね!」

優曇華もそう言って幽々子の後を追って病室を出る

 

 

静かになる病室…

 

 

「……………」

ジッと幽鬼を見つめる妖夢

 

彼女は何を追い詰めているのか…

 

なぜそこまでジッと幽鬼を見ているのか…

 

「……スゥ…ハァー…」

目を閉じ、軽く深呼吸

 

妖夢は一体何を思い残ったのか理由がわからッetc

 

 

「やっと2人になれましたぁ♡」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

え……?

 

 

あっ……えーと……

 

 

 

 

訂正します、理由がわかりました

 

 

 

 

「心配してます…けど、こんなチャンス滅多にないです…合法的に幽鬼さんと一緒にいられる…いつも何かと幽々子様や他の方がいましたから…おっと…」

妖夢は立ち上がり、病室の入口の方へ

 

「右よし…左よし…」

病室の扉から状況確認をする

 

「…………よし、誰もいませんね…ふふっ♡」

妖夢は静かに病室の扉を閉め、ルンルンと幽鬼の元へ戻ってくる

 

「最初は驚きましたけど幽鬼さんを正面から見てた私は気づいてましたよ…あ、受け身をとったって…流石です…」

簡易椅子に座り直す妖夢

 

「ですが、辺りどころのが悪かったから気を失ってしまいましたが……」

妖夢は幽鬼との顔の距離を詰める

 

「…………だから、…今が…」

幽鬼の顔を見て

 

「このまま…普段…出来ない事も……」

お互いの唇が触れそうな距離になった時

 

「たくっ、聞いてた話と違うじゃないか…」

「っ!?」

病室の扉が開け放たれた

 

「感謝しなさい…永琳が気を利かしてアンタに教える事になったんだから」

 

「うるせぇっ…!とにかく、幽鬼がいるのはここでいいんだな?」

そう言って2人が部屋へ入ってきた

 

そして、

 

「あら?」

「おん?」

二人は目撃する

 

至近距離に幽鬼の顔をとる妖夢の姿を…

 

「………」

「………」

「………」

見つめ合う三人

 

 

「=͟〇=͟͟͞͞△=͟͟͞͞くぁw背drftgyふじこlp;@:「」=͟͟͞͞=͟͟͞͞ッ=͟͟͞͞=͟͟͞͞=͟͟͞͞!?=͟͟͞͞=͟͟͞͞=͟͟͞͞くぁw背drftgyふじこlp;@:「」=͟͟͞͞?=͟͟͞͞!=͟͟͞͞!?=͟͟͞͞=͟!?!、」

声にならない叫びをあげる妖夢

 

「うぉっ!?」

「きゃっ!?」

余りの悲鳴の大きさに妹紅と輝夜は耳を塞ぐ

 

「ぐっ…、!?お、おいっ!!妖夢!落ちつけ!」

「耳がー!!貴女そんな声だせたのー!?」

妖夢を落ち着かせようと二人が近づく

 

 

 

だが…

 

 

 

錯乱妖夢の耳には届かない

 

 

 

そして…

 

「…はっ…!?妖っ…」

「あら、消えっ……」

妖夢の姿が目の前から消え、同時に二人の間に風が通る

 

「………(チャキン…)」

二人の背後に膝立ちで納刀する妖夢

 

すると…

 

ピラッ…ハラリ…

輝夜と妹紅の服が切れる

しかも胸の所が大胆に切れて、二つヤマがポロリ

 

「………なぁぉっ///!?」

前を隠しながら屈む妹紅

 

「驚きすぎ…」

輝夜は気にすることなくモロみえ放置

「……はっ…すみません!お、お二人でしたか!て、てっきり賊かと!」

驚き過ぎた事を誤魔化す妖夢

 

「……あ、あれはいくらなんでも驚きすぎだろ…!こっちは気配を消していた訳じゃあるまいし…!」

胸もと部分の切れた部分を隠しながら妹紅は言う

 

「す、すみませんっ!(ば、バレてなさそう)」

 

「幽鬼の寝顔に夢中になって周りが見えなくなるのは分かるけどもこたん見たいに目が覚めたユウとおでこ同士でゴツンしないでねぇ〜♪」

クスクスと笑う輝夜(モロだし隠す気なし)

 

「あぁ!?クソニート!!テメェ!?てか、それはお前だろぉがァァァ!!! 」

 

「あぁ!ダメです!幽鬼さんがまだ寝てるんです!妹紅さん落ち着いてください!」

今にも輝夜に飛びかかりそうな妹紅を妖夢が止める

 

「……」

そんな状況を見ていた人物がもう一人いた

 

(起きるタイミング間違ったな…)

騒ぎの根源の本人、幽鬼だ

気づいたのはついさっきで騒がしい的なので目を覚ましたのだ

 

(さーて…どうすっかなぁ…すぐに起きてもいいんだけど…眼福というかラッキーというか…それに…やっぱり妖夢は白か…ん?)

とりあえず、薄目で寝たフリを続行している幽鬼であるが

 

「……♪」

輝夜と目が合ってしまう

しかもその表情が何かをたくらんでいる時の顔である

 

(……変な事考えんなよな〜?…てか、羞恥ないんかい?…身体冷やすから服着替えてこいよ…)

 

(あら♪心配してくれるの♪でも大丈夫♡貴方に見られてるってわかった瞬間から火照ってるから♡……触る?)

 

(こ、こいつ、直接脳内etc…じゃなくて、平気で会話すんなっ!!)

 

(ユウの能力と私の能力の合併♡…あ〜♡早くユウに近づきたいのに〜♡)

 

(脳内でもうるさい…たくっ…妹紅と妖夢にちょっかいだすなよ?)

 

(ふふっ♡…ある意味深く繋がれてるって事の証明だから…下手な事は)…しないから…♡」

シーという人差し指を立ててのジェスチャーを幽鬼に向かってする輝夜

 

「……という事で…幽鬼さんが吹っ飛ばされてしまい…」

「なんだよ、幽鬼悪くないじゃないか……む、寧ろ…羨まっン゛んっ!…下着の一枚や二枚見られた所でな?」

そんな最中に妹紅に妖夢は幽鬼の身に起きた事を説明していた

 

「……妖夢ー?そろそろ落ちついっ…て、姫様戻られ出たんですね…って!?なんで胸が露出してるんでっ!?」

優曇華が様子を見に戻ってきたが輝夜達の現状を見て驚く

 

「あ、イナバ…貴女も脱ぎなさい」

「なんでですぅかっ!?」

「気になるのなら貴女も脱げばいいことじゃない?」

「いや!?訳が分かりません!?」

「なら上が嫌ならパンツでいいのよ?ちょうどスカートで隠れるし…」

「いやいや!?上下関係なく!?」

「えー…イナバ、ノリ悪いわ〜…いつもユウにパンツあげっ…『それとコレは状況も話も別です//!!』

輝夜の頭に何かをかぶせる様なジェスチャーを止める優曇華

 

 

 

(平和だな…)

寝たフリでやり取りを見ていた幽鬼はそう思った

 

 

 

1時間後…

 

 

 

「……はい、こっち見てちょうだい…っ…ん、大丈夫ね…大袈裟になってしまったけど軽い脳震盪だけで特に怪我がなくて良かったわ」

そう言って永琳は診察の記録を書く

 

「…ははっ…ありがとうございました…永琳さんにはいつも助けて貰ってしまって」

ペコペコとお礼を言う

 

「他人行儀はやめてちょうだい?…ゆぅちゃんはココの家の一員でもあるんだから、助けるのが当たり前よ?…それに今は落ち着いてるけれど…私だって気が気ではなくなったのよ?」

そう言って永琳は頭を撫でる

 

「あはは…特に何もしてないですけど…」

 

「そうやって、いつも自分の評価を落とすんだから…さて、ドタバタとしていたけれどお連れさん達がお待ちだから、居間に向かいましょう?」

それから永琳と幽鬼は皆がいる居間へと一緒に向かった

 

 

 

ー居間ー

 

ここは普段輝夜達が食事をしたり団欒する居間、いつもは四人で囲うテーブルが…

 

「心配かけてすみませんでした、幽々子さんに妖夢さんわざわざ運んで頂きありがとうございました」

ペコッと頭を下げる幽鬼

 

「んーん気にしないわ〜…それよりも大丈夫だった〜?」

右横に座り頭を撫でる幽々子

 

「軽い脳震盪を起こしただけで外傷とかはないわよ」

反対側の左横に永琳

 

二大母性が幽鬼を挟む

 

「何よりも幽鬼さんが無事で何よりです…」

幽々子の隣に妖夢

 

「そうだよ…クソぐやから聞かされた時はビビったよ…」

妖夢に並んで妹紅

 

「あら、ご親切に教えてあげたのに…お礼はまだかしら?んっ?んっ?」

永琳の隣に輝夜

 

「ひ、姫様、喧嘩を売らないでくださいよ!…それに、姫様だってユウちゃんが運ばれた時取り乱してたじゃないですか!?」

並んで優曇華が座っていた

 

「誰がどうなんて関係ないですよ、心配かけてた自分が悪いので…無事なのは皆さんのおかげですよ…」

幽鬼は皆を見渡して感謝を述べる

 

感謝を言われた皆の顔は満更でも無かった…

 

しかし幽鬼は気づく

 

「そういえば…てゐは?

その言葉に輝夜達はハッとする

 

「あら、そういえば…子ウサギちゃんが居ないわね?」

幽々子も気づく

 

「…優曇華?てゐにも知らせる様に頼んだのよね?」

永琳が優曇華に確認する

 

「えっ、は、はい!…て言うかユウちゃんが運ばれた時にその場にてゐも一緒に居ましたけど…私はお師しょうの手伝いがあったので…姫様が一緒に屋敷の外まで行ったんじゃ?」

優曇華は輝夜に聞く

 

「確かに一緒に屋敷を出たけど…それだけね…あの子は人里の教師の所に知らせに言ったはずだけど…?」

輝夜は妹紅を見る

 

「………慧音の所か…うーん…なら、此処に慧音も来るはずだけど道中あわなかったからなぁ…それにもう1つ気になってたんだけどさ…風見幽香には知らせたのか?そこにも知らせてないとやばいんじゃ?」

 

「そこは私が紫に知らせて一緒に居た幽香には伝わってる大丈夫よ♪(閻魔には同じ目にあってもらうかしら…)って言ってたらしいけれど…後で幽鬼にどうしたいか聞いてからにするって♪」

ニコッと幽々子

 

「…それ結構重要…なんにせよ、四季様には悪い事をしたのは自分ですから…気にしないでよ!」

上に向かって叫ぶ幽鬼

 

「???……あっ…」

妖夢が視線を追うとそこには小さくスキマが開いていたらしくスっと閉じる所を見た

 

「相変わらずの覗き見ね…でも、ゆぅちゃんが言うならママも気にしないから」

永琳は微笑む

 

「…ぶっ!…え、永琳…それは…流石に…w…え、なに?…ギュベッ!!

吹き出した輝夜の頭を片手で掴み回転させた永琳

 

「何か輝夜を簡単に殺す様になったな…永琳は…大切じゃねぇのか?」

引き気味妹紅

 

「もちろん大切よ?…大切だからこそイケナイ事は叱らなきゃダメなの…私は教育係でもあるのだからね?」

 

「永琳さんは…(ママでしょ?ゆぅちゃん?いつになったら呼んでくれるの…?)…輝夜の調子乗る癖をどうにかしたいだけだからさ…」

お堅い永琳のタガが外れてきてるのか隣でママモードになりかけている

 

「あぁ…お師しょう…」

そんな光景を複雑な気持ちでみながら、三百六十度×逆転四回した輝夜の首を正転していそいそと戻す優曇華

 

「ちょっと話を元に戻しなさいよ…幽鬼は閻魔にやられて怪我したって聞いたんだけど?」

 

「あ、いや…怪我までは大袈裟でちょっと気を失っただけで…」

 

「それでもあんたに手を挙げた事には変わらないんじゃないの…?」

 

「アレは事故だった…それでいいんで…後…一つだけ…霊夢さんいつの間に来てたんで?」

幽鬼から見ると正面の縁側の障子が開いて仁王立ちの霊夢がいた

 

「………(-人- )」

その影に申し訳なさそうなてゐがすみませんとジェスチャーしていた

 

「ついさっきよ、毎回思うけど甘すぎんのよ…」

不貞腐れて答える霊夢

 

「甘くて結構です、それが嫌なら…」

 

「嫌とは言ってないし離すつもりもないかんね?」

幽鬼に冗談でもそれ以上言うなと睨む霊夢

 

「一先ず落ち着いて座りなさい、此処に来たのはその為じゃないでしょ?」

永琳が座るように促す

 

「ちゃっちゃと終わらせるから遠慮する…今日は迎えに来た訳じ…『追い出した手前面子は潰したく無いものね〜♪』………」

幽々子に横から挟まれてしまう

 

「………無事ならそれでいい……けど割に合わないはずよ…2つで割って半分なら何ら問題ない…少しでも損をするのはバカがやること…わかってるでしょ?」

霊夢は背を向けてしまう

 

「…………なら…貴女にだって幽鬼に対してする事あるでしょ?」

幽々子は続けて言う

 

「……うるさい」

霊夢はそれだけ言って出ていってしまった

「まったく素直じゃないんだからぁ…紫の教育が甘いんだから…」

やれやれと幽々子

 

「いえ、今回に関しては霊夢さんを怒らしてっふぎゅっ!?『はい、ゆぅちゃんは少しお口チャック』ふが!?」

幽鬼の悪い癖を止める永琳(胸)

 

「そうやって自分を卑下しちゃダメって毎回言ってるでしょ?自信を無くすだけだから考えちゃダメよ?」

ムギュムギュと抱きしめて、幽鬼の頭を撫でる

 

「むぐふっ…」

柔らかい、いい香りが幸せを呼び出す

 

「ちょっと〜…ずるいわよ〜?私だって幽鬼を抱きしめる〜♪」

幽々子も後ろから抱きしめてく

 

「………」

前と後ろからの圧迫…

しかし、苦しくなく寧ろ心地が良い

 

「「「…………」」」

そんな光景を庭師、月兎、赤もんぺは羨ましそうに見ていた…

 

 

 

その後に白玉楼に泊まる事にして永遠亭を後にした…(一部反発あり)

 

ついでに妹紅も家に帰ると言うことで途中まで一緒に歩く事にした

 

折角の節目の年に起きた、ラッキースケベ…

 

その代償は人によってはご褒美だった

 

 

 

 

 

 

「んはぁ〜っ…疲れたわ〜」

「ゆ、幽々子様、はしたないですよっ!?」

部屋に入るなり寝そべる幽々子に妖夢は言う

 

「んやぁ〜…本当だったら…とっくにご飯食べてる時間よ〜?」

ゴロゴロと転がる幽々子

 

「確かにそうですが…だからと言って…幽鬼さんもいますし…」

チラッと妖夢は幽鬼の方を見る

 

「妖夢さん、ひとまず一息ついてからにしましょう…妖夢さんも疲れてない訳じゃないんですから…」

ソッと隣に立っている幽鬼が妖夢の腰に手を回し、座るように促す

 

「…あっ//…はい…♡///」

素直に従う妖夢

 

「うへぇ〜…それにしても疲れたわぁ〜…」

パタパタと両足を動かす仰向け幽々子

 

「さほど量は作れませんが何か簡単な軽食でも作って来ましょうか?」

幽々子の隣に座る幽鬼

 

「本当〜♪幽鬼の手料理食べられるの〜♪」

 

「構いませんよ、ただ少し待ってて貰いますけど…」

そう言って幽々子の頬をなぞる様に手で触る

 

「んッ...//もうっ…♡…待たせちゃうの?」

幽々子はその手に優しく触れ、握り返す

 

「??…そうですね…簡単でも少しは時間掛かるので…」

「………コッチでも良いの…♡…ンッ...//あ〜…はむっ♡//」

「ふぉっ、!?」

触れていた幽鬼の人さし指と中指を幽々子は口に含んた

 

「ゆ、幽々子…さっ…」

「…ジュルルル♡!!…(レルレル)」

手を引っ込めようとするが凄まじい吸引力と舌の絡みで抜けない

 

「…と、どう…あっ…!」

この状況をどうにかしようともう1人の方を向く

 

「よ、妖夢さっ………むごっ!?」

振り返ると何かを顔に当てられ視界が遮られる

 

「むごごっ!?ふがっ!?、な、何が!?よ、よう…む…ふがっ!?」

視界が真っ暗で状況が掴めない

 

「はぁッ♡はぁっ♡ゆ、幽々子様が…やるなら…♡わ、わたしも♡」

どうやら視界を遮ったのは妖夢が抱きついたからのようだ

 

妖夢淫夢スイッチオン

 

 

この後彼がどうなったかは…

 

 

 

 

誰も知らない…

 

 

 

とは言えない…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

事後現場

 

 

 

「こ、ここまで…絞れば…ぐふっ…」

ヨロヨロと部屋から這い出てくる幽鬼

 

「なんで毎回こんな事になっちゃうん……嬉しいけど…」

這い出て来た事後部屋に振り返る

 

 

 

ァ゛…ァッ♡

ュ゛ッ…き…ザぁ…♡

 

 

「…………」

黙ってその襖を閉めた

 

 

 

 

 

「お勤めご苦労様です」

「どわっ!?だ、誰です!?」

背後からの声に驚き振り向く幽鬼

 

「そこまで驚く事では無いでしょう」

縁側に腰掛けている四季映姫がいた

 

「えっ…ちょっ…四季様が…えっ?!なんで?!」

軽く混乱する

 

状況的にカオスである

 

いたした

↓↓↓

部屋から出る

↓↓↓

外に閻魔いる←今ココ

 

「何をそこまで取り乱す必要があるんですか?…私はここで貴方を待っていただけです…」

いつも通りの畏まった四季

 

「………いつから…ですか?」

禁断の質問

 

「…いつから…ですか…敷地内に入ってから二時間は経ちますね、しかし事前に知らせがいってた訳じゃないので待たせていただきました」

 

「……に、二時間?」

 

「正確にはここに腰掛けたのはその29分位にですが…そうですね…ちょうど貴方が西行寺幽々子を(淫乱亡霊は俺の性笏で白にしてやるよ!!)と言っていた所ですね、貴方は私を舐めてるんですか?」

 

(なんで寄りによってソコからいるんっ!?)

 

熱に熱が入り、幽々子に「※私を裁いて、私の罪なココを貴方の笏で裁いて、貴方の裁判で白に染め上げて」と求められたからである

濁点やその他音は消してあります

 

「あ、あの…き、気分を害されたのであれば謝ります…すみません…」

幽鬼は素直に謝ろうと頭を下げようとすると

 

「……いえ…謝る必要はありません…」

四季がそれを止める

 

「…え…いや、あの…?」

 

「はぁ……っ〜と…つい、いつも通りに…一先ず…私が何故ここに来たか説明させていただきます…なので隣りに腰掛けなさい」

 

「長くなります?」

恐る恐る

 

「……説教がお望みなら、そちらでも構いませんが?」

黙って座って聞けと言いたそうな笑顔

 

「し、失礼します!」

ピシッと返事をして幽鬼は一つ間隔を開けて横に座る(正座

 

「……かしこまらなくてもいいですよ…何度も言いますが説教ではありませんので…」

正座する幽鬼を見て映姫は楽にしろと

 

「……あ、足が痺れたら…解きます…」

ヘタレる幽鬼

 

「…やはり貴方はおかしな人ですね……とりあえず説明します…」

一息ついて映姫は状況について話し始めた

 

幽鬼を殴り飛ばした後、八雲紫がスキマから出てくるや否や問い詰めが始まったらしい…

だが、四季映姫の立場もありそこまで攻撃的ではなかったのが不幸中の幸いで「貴女様が何も考え無しの妖怪だったら…私も何をするか分からなかったですわ…お気をつけを…」と最後に一言言われたらしい…

そして、瞬く間に風見幽香の所へ連れていかれた

今回の非は映姫にある為、それなりに覚悟した…

だが、幽香からは「別に貴女の拳程度で家の華ちゃんが大怪我なんてするはずないじゃないの…あの鬼でさえ認める頑丈さを持ち、私が手潮に育てた子なんだから…全く血相変えて紫が何をしに行ったかと思ったら…はぁ、紫…アンタも華ちゃんを見てるなら分かるでしょ?…まぁ、何かあったらそん時はそん時はだけれどね?」と特に責められると言うより幽香には珍しいフォローが入ったのだ

 

「へぇ…ゆう姉が…でも、四季様が特に何もなくよかっ…」

「責任取る為に明日の朝頃まで私は閻魔ではなく、貴方の慰め人になってますので、一人の女として扱って貰っても構いません」

 

「(・ω・)…えっ…」

とんでも発言に固まる幽鬼

 

 

つかの間の沈黙…

 

 

「それが私が出来る善こっ…『何の判断でっ!?』

映姫の一言に思わず声を荒らげる

 

「なんでそんな事になるんでしゅかっ!?」

 

「だから、あなたに…「皆さんにも言ってますし、言いますけど謝って頂いたのでもうこの話は無しです!ゆう姉に何を吹き込まれたか知りませんが、四季様がこれ以上何かする必要はありません!」

映姫は何か言おうとしたが幽鬼が両肩をガシッと掴み向き合って遮って言った

 

「そ、そんな…必死に…//」

「……あっ、…だぁ!?す、すみません!!」

映姫の戸惑いの声に我に気づき、慌てて掴んでいた両肩の手を離す

 

しかし、一瞬の間だったがこの時初めてお互いにしっかり目と目があったのだ

 

幽鬼は閻魔様相手にとんでもない事を言ってしまったと後悔してドキドキして…

 

映姫は……

 

今まで経験した事の無い何かを感じていた

 

「…た、確かに…風見幽香に貴方の事を誠意を持って相手するようには言われました…」

 

「そ、そうですよね!?…全く…四季様が気にする事じゃなっ…『映姫…』…ん?」

 

「私の事は映姫と名前で呼んでください…」

 

「………( 'ω')ファッ」

映姫の以外な言葉に再び固まる幽鬼

 

その顔は乙女の表情だった

 

「さ、流石に…え、閻魔様である四季さッ『映姫…』…あの四きッ『映姫です』…え、映姫…さん…」

迫力におされる幽鬼

 

「名前で呼び合うのは遠慮する事ではありませんよ?私も幽鬼と呼んでいたではないですか…それに畏まってても先には進みませんし…

「………さ、先?…」

「……此方の話です…さて、話は戻りますが…幽鬼、貴方は何を私に求めますか?

 

「…( ˙▿˙ )」

映姫の話についていけない幽鬼

 

「余り催促しちゃダメよ〜?」

ふと幽鬼の背後から声が聞こえるとフワッと甘い匂いに包まれる

 

「……誰が催促なんてする必要があるんですか…それよりも貴女はちゃんと身だしなみを直してから現れなさい…西行寺幽々子…

幽鬼の背後に現れたのは目が覚めた幽々子だった

 

「ちゃんと着ているわよ〜?…ねぇ?幽鬼?」

幽々子は幽鬼にそのまま抱きつく

 

ムニュッ♡()

この感触で幽鬼は気づく

 

幽々子は着ていると言っているがこの感触は直の感触であり、布で隠れた感触では無いと言う事に…

 

「幽々子さん、今はとりあえずちゃんとお着物を直してください…」

今は無を考えて幽々子に言う

 

「えぇ〜…幽鬼がそんな事言うの〜?脱がした本人が〜?

耳元で囁かれ、さらに押し付けられる

 

「…仕方ありませんね…幽鬼、ここは私が彼女の着物を整えてあげますので…そのまま前を向いていなさい」

映姫は幽々子のお遊びに付き合ってられないのかやれやれと立ち上がった

 

「あ〜ん♪閻魔様も大胆ね♪」

くねくねと幽々子が動く

 

「とりあえず、幽鬼から離れなさい…直してちゃんと三人で話を……えっ?」

映姫が半歩手前で止まる

 

「ん?なに?どうしっ…んっ?……あらっ…?」

幽々子も映姫の動きに気づくと同時に視線を感じ、横を向いた時に風景がひっくり返る

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

ーーーーー

 

 

ーーー

 

 

 

「……とまぁ…そこまで気にしないで良いですよ…」

「…し、しかし…」

幽鬼は改めて映姫と2人並んで話していた

「ーぁー゛ッ…♡゛ッ…゛♡゛!」

 

「あ、だったら…こんなのどうです?…映姫さんがそこまで気にしているのであれば定期的に自分の所に顔を出しに来るって言うのは?」

「……えっ?…それは…どういう?」

幽鬼の提案に首を傾げる映姫

「ー…゛ー♡♡ぁッ♡゛゛っ!」

 

「えーと、言葉が足らなくてすみません…えっとですね?…映姫さんは閻魔様としてとても忙しい身ですのでこんな一般人間の元にわざわざ会いに現世に来る事自体大変ですから…それなりにキツイのになるんじゃないのかなー?って……あの、はい…」

「そ、それだけ?貴方に会いに来るだけって…?」

「あぁ!!もちろん!!業務と言うかお仕事の方を優先でお願いします!!え、映姫さんがお時間がある時とか…えーとっ…お、お休みの日とか…あっ、閻魔様って休みあるので?…と、とにかくあの…えーとっ…ほら、あの…こんな事言うのもアレですけど、わざわざ遠い所まで休みの日に会いに来るなんて…恋人同士とかじゃないんですから、映姫さんにとってキツイかなー?とか…えーとッ…!ま、まぁ!自分は映姫さんと仲良くしたいから出来るだけ会いたいなーなんて思ってたりして…って何言ってんだ…あはは!」

映姫の反応を見て慌てて説明を付け足し話す幽鬼

「ぐ゛っ♡!ー♡…゛!ー゛がぁ…へえ♡!ぇ♡゛っ」

 

「ほんっとにヤバいってなったら来るのやめていいんで!はい!『こんな通い妻みたいな事やってられっかぁ!』ってなったらやめていいんで!!はい!」

「………では、幽鬼の元へ逢いに来て話すか説法するかで良いんですね?」

「はい!その通りで!」

「幽鬼からではなく私が嫌になったり、億劫になったり、私が逢いに来たく無くなったりした時に辞めるという事で?一方的に?

「はい!大丈夫です!」

「そうですか…分かりました…では…」

幽鬼の説明?に納得?したのか映姫は立ち上がる

「が♡ぁっ!ぁ…っ!ぇ♡…っー…♡ー♡゛!ッ…゛っ゛っ」

 

「再確認しますが、今後の貴方の行く末を私が満足する迄は訪問する事でよろしいですね?」

 

「……へっ…えっ…あっ!!…はい!!」

幽鬼は一瞬何か違和感を覚えたが返事をした

 

(やべぇ…下手に霊夢達とイチャコラ出来なくなったなぁ…)

と影で思ってもいた

 

 

「フフッ…ではまた今度、幽鬼…貴方が博麗神社に戻った時に逢いましょう」

「あ、お説教はひ、控えめで…デキマス?」

「貴方のその時迄の行いによります♪」

「ウソダドンドコドーン!!」

映姫は幽鬼のよく分からない叫びを聴きながら白玉楼を後にした…

 

 

「………だぁぁ…緊張したぁ……風呂入って寝よ…明日霊夢に謝らないと行けないし……幽々子さーん?お風呂行ってますから復活したら風邪ひかない格好して寝てくださいね〜?」

そう言って膝の上にいさせた幽々子を縁側に寝かす

 

「ベチャベチャだよ…涎すげぇ…」

突っ込んで喋れないようにしてヌチャヌチャに濡れた右手差し込んだまま動かし続けて濡れた左手をついでに洗う為風呂場へ幽鬼は向かった…

 

 

「ア゛ッヘ♡゛あッ………゛ッっ゛ぇ………」

一人残された幽々子はだらしない顔のまま縁側にカエルがひっくり返った感じに仰向けになっていた…

 

月明かりに幽々子の声と共に水がジョボジョボと地面に流れ滴る音が風水を思わせた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日に博麗神社に帰って霊夢と仲直りしました

 

同日に映姫がやって来ました

 

霊夢と並んで説法を聞きました

 

空き時間を見つけては来る宣言されました

 

霊夢怒りました原因幽鬼に怒りました

 

甘えたら許して貰えました

 

1日遅れでみんなで節目の宴会しました

 

呼べる人全員呼びました

 

目が覚めたら宴会の記憶が無くなってました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隣にシャツ(イチ)の四季映姫・ヤマザナドゥがいました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「逢う理由が他に出来ましたね…♡」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何が起こったか分かりませんでした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花映塚編 終

 

 

 

 

 





お待たせシュタッ!◝( ˙ ꒳ ˙ )◜

何ヶ月振りか忘れました…!!

書いては悩んで消しての繰り返し…
もう嫌ぁぁぁぁ!!って1人なっていました

「あ、もう下ネタやろ…(白目)」になりました
なんか無理やり終わらせた感じになってしまいましたが…すみませんです!!
言い訳にしかなりませんがまたしばらく間が空きますが書いて行きます!!

次回は遂に!風神録!!


書いてます!お楽しみに!!




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