ブラッド・ドール (無名の狩人)
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番外編
コラボ番外編:狩人ローウェンが喫茶鉄血にやって来ました


ブラッド・ドール初のコラボです!

今回のコラボ作品はいろいろ様の喫茶鉄血です。

本当にいろいろな方々がコラボしたり、和んだり、ハチャメチャだったりと、とても面白い作品です。

もし、喫茶鉄血をまだ読んでない方はぜひ、このコラボを気に読んでみてください。


S09地区のとある街。

 

そこにあるメインストリートから少し外れた路地の先、日の当たる公園に面した通りにある、隠れ家のような、小さな喫茶店がある。

 

喫茶店の名前は喫茶鉄血。

 

店主である代理人と従業員のリッパーとイェーガーで切り盛りしている。

 

そんな喫茶鉄血の店内では代理人達が何時もの様に営業を行う為に準備していた時、リッパーが代理人の元にやって来た。

 

「代理人。店の隅でこれが見つかったのですが」

 

「?。それは、鐘・・・ですか?」

 

リッパーが持ってきた物、それは少し錆び付いている古びた手のひらサイズの鐘だった。

 

代理人はリッパーから鐘を受け取ると、鐘を見つめる。

 

「お客様の落とし物でしょうか?」

 

代理人は手に持つ鐘を見つめながら鐘を少し揺らすと、錆びついているが、何処か心地の良い音を出して鳴り響く。

 

「不思議な鐘ですね・・・こんなに錆びているのに音がちゃんと出るなんて・・・」 

 

代理人がそう言った時、代理人の頭の中に響く様に声が聞こえた。

 

【狩人ローウェンがやって来ました】

 

その言葉が終わると、代理人は暫く固まっていると、店の中心が青白く光り、光の中から人が現れた。

 

服装は枯れた羽の様な装飾の帽子と口元を軽く覆えるマスク、古びたコートに服と言ったゴシック系の服装をしていた。

 

「お前が私を呼んだのか?」

 

「貴方は?」

 

「私は狩人のローウェン。ローウェン=アイン=シュヴァイツだ。その異世界渡りの鐘が鳴らされたので参上した。さて・・・何を狩るんだ?」

 

ローウェンの何処か威圧感のある言葉にリッパーとイェーガーは背筋を震わせ、代理人でさえ恐怖を抱いた。

 

「狩るとは何を?」

 

代理人は思いきってそう問うとローウェンは首を傾げながら答える。

 

「何をとは獣だ。獣に苦戦を強いられているから呼んだのではないのか?」

 

「獣?」

 

「いないのか?」

 

「そもそも獣とは何の事ですか?」

 

代理人とローウェンはお互いに首を傾げ、困り果てる事になった。

___________________

___________

_____

 

代理人とは取り敢えず、ローウェンと落ち着いて話し合う為にローウェンをカウンター席に座らせて互いの事を話しあう。 

 

「そうか・・・此処には獣がいない、そんな平和な世界なのか」

 

「はい。最近E.L.I.Dによる被害が出たとは聞いていませんので恐らくはいたとしてもたいした数ではないかと」

 

「私にとっては・・・退屈な世界だな。色々な世界がある事は知っているが、此処まで違う世界があるとはな」

 

ローウェンはそう言って出された紅茶を一口飲む。

 

マスクは何故か外さず、更に溢さずに飲むので代理人達を唖然とさせたのは言うまでもない。

 

「貴方は結局何者なのですか?他の世界がある事を知り、世界の枠を跨いで来れる人なんて・・・迷い混んで来た人達なら知っていますが、制限はあっても自ら来れる術を持つ人はいませんでした」

 

「なに、たいした者ではないさ。単なる狩人・・・それだけだ。さて、少し長居しすぎたようだな。獣がいないのならそろそろ戻るとしよう」

 

ローウェンは何処から取り出したのか懐中時計を見ながら帰ると代理人に伝えた後、動きが止まり硬直した。

 

代理人達が首を傾げていると、ローウェンは懐から数枚の硬貨を取り出してカウンターに置いた。

 

「すまない。この世界の代金は。代金の足しになるかは分からんが・・・この硬貨の材質は一様、金銀の筈だ。質屋に持っていけば紅茶一杯分にはなるだろうからこれで勘弁してくれないか?」

 

「いえ、私達が急に呼び出してしまったのですから構いませんが・・・」

 

「受け取ってくれ。良い味だったからな。・・・本当に、久し振りにな・・・また機会があれば来るとしよう」

 

ローウェンはそう言うと、懷からフレアガンの様な銃を取り出すと、屋根に向けて引き金を引いた。

 

代理人達は驚いていると、それは空砲で音だけで屋根には穴が空いていなかった。

 

空砲が放たれたと同時にローウェンの姿も消え始める。

 

「あぁ、良い忘れていたが代理人。異界から来る者が必ず友好な存在だと思ったりしないようにな。異界から来る者の中には血を求める輩が大勢いるのだからな・・・血に飢えた者達には気を付けるようにな」

 

ローウェンはそれだけを言うと完全に消え去り、代理人達だけが残された。

 

「・・・まるで夢を見ていたみたいですね。代理人」

 

「私達人形は夢を見ませんよイェーガー。ですが、確かにまるで夢を見させられていたみたいですね」

 

代理人はそう言うとカウンターに置かれた硬貨を一枚手にするのだった。




コラボ回終了です。ありがとうございましたm(__)m

下手だと思いましたが最善を尽くして書き上げました。

いろいろ様、ありがとうございました。



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コラボ番外編2:狩人ローウェンが喫茶鉄血にやって来ました(その2)

いろいろ様との再度コラボです!

いろいろ様。今回もコラボありがとうございますm(_ _)m


S09地区のとある街。

 

そこにあるメインストリートから少し外れた路地の先、日の当たる公園に面した通りにある、隠れ家のような、小さな喫茶店がある。

 

喫茶店の名前は喫茶鉄血。

 

店主である代理人と従業員のリッパーとイェーガーで切り盛りしている。

 

人形や人間達と問わず、大変人気のある喫茶店ではあるが、今日は客がおらず、代理人達は暇をもて余していた。

 

喫茶店の看板犬ダイナゲートも暇すぎてあちこちを走り回り始めてしまう始末だ。

 

「今日はお客さん来ませんね」

 

リッパーは退屈そうにしつつも仕事をこなしながら呟く。

 

「そうですね。今日の様に店に誰もいないとローウェンさんの事を思い出しますね」 

 

「そうえばローウェンさんとあった時も店はこんな風に人がいなかったですね」

 

狩人ローウェン。

 

ローウェンが初めて訪れた時は準備前の時で、客は入っていなかった。

 

今までの別世界の住民とは違い、制限付きだが別世界を渡ったり帰ったりする事が出来る初めての存在である。

 

「そうですね・・・まるで人がいない事を見計らっていた様に出会いましたからね。」

 

代理人がそう言った時、聞こえの良い鐘の音が響き、代理人達は発生源を見ると、ダイナゲートが異世界渡りの鐘の置いていた戸棚の近くにおり、その下には異世界渡りの鐘が落ちていた。

 

どうやら

 

「あ、これって・・・」

 

イェーガーがそう呟いた時、代理人の頭に響く様に声が聞こえた。

 

【狩人ローウェンがやって来ました】

 

そう聞こえ終わると、青白い光と共にローウェンが現れた。

 

ローウェンは辺りを見渡した後、念の為か目的を聞いてくる。

 

「何か狩るのか?」

 

「いえ、何も狩りません」

 

「そうか・・・折角、また来たんだから良いか。紅茶を頼む」

 

「はい。何だかすみません」

 

「いや良いさ。丁度、此処の紅茶をまた味わいたくてな」

 

申し訳なさそうにする代理人にローウェンは気遣いながらそう言ってカウンター席に着いた時、代理人とローウェンの頭に響く様に声が聞こえた。

 

【職人アルチゼンがやって来ました】

 

そう聞こえた瞬間、青白い光と共にアルチゼンが倒れる様に現れた。

 

「え?なに?何なのですか!代理人!?何で此処に!?それ以前に何処ですか此処は!!?」

 

アルチゼンはどういう状況で来たのか分からないが酷く戸惑い、大混乱に陥った姿にローウェンは呆れながら話し掛ける。

 

「落ち着け、アルチゼン」

 

「ローウェンさん!」

 

アルチゼンはローウェンの姿を見た瞬間、素早く立ち上がり、ローウェンの近くで縮こまった。。

 

「お知り合い・・・ですか?」

 

アルチゼンの突然の出現に代理人は戸惑っていると、ローウェンは代理人にアルチゼンの事を紹介する。

 

「紹介しよう。あまり詳しくないが私の世界のハイエンドモデルだ。なかなか良い腕をした職人でな。主に武器の整備をしているらしい」

 

「そ、そんなに誉めないでください。照れてしまいます・・・」

 

アルチゼンの先程の混乱は何処へやらと言わんばかりに顔を赤くする。

 

「だが、先程見た通りかなり臆病な性格でな・・・治せとは言わんがいい加減、人と話す時はオドオドして欲しくないが」

 

「うッ・・・すみません・・・」

 

上げて落とす。

 

ローウェンの説教にも似た紹介の後付けに落ち込んだ様子を見せるアルチゼンに代理人達は苦笑いをする。

 

「さて・・・アルチゼンにも飲み物を出してくれるか?」

 

「え?良いんですか!?」

 

アルチゼンは落ち込んだ様子からまた表情を一変さえ、今度は満面の笑みを浮かべる。

 

「此処はそう言う店なんだ。珈琲でも紅茶でも何かしらの料理でも品にあれば頼んで良い」

 

「な、なら!このデザートとか食べてみたいです!前に拾った古い雑誌に載っていて一度、食べてみたかったんです!あとミルクティーも!」

 

「それはケーキか?代理人。ケーキとミルクティーを追加だ」

 

「分かりました」

 

代理人はローウェンからの注文を受け、注文された品の準備を始めた。

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ローウェンとアルチゼンが待っていると、代理人が注文された品を持ってきてカウンターに置いた。

 

「お待たせしました。紅茶とケーキ、ミルクティーです」

 

「わぁ!ありがとうございます代理人!」

 

アルチゼンはお礼を言うと、ケーキを一口を食べる。

 

「美味しいです!甘くてとろけるそうです!」

 

アルチゼンは笑顔でケーキを食べる中、ローウェンは優雅に紅茶を飲む。

 

「やはり旨いな。此処の紅茶は」

 

「マスクはやはり外さないのですね」

 

ローウェンはマスクを外さず、飲む姿に代理人は予想していた事ではあったが敢えて触れなかった。

 

ローウェンとアルチゼンは完食すると、ローウェンは懐から懐中時計を見る。

 

「そろそろ帰ろうと思ったが・・・まだもう少し時間が」

 

「すみません」

 

ローウェンが懐中時計を見て、まだ店内にいようとした矢先、店に修道服を着た黒髪の女性が入ってきた。

 

ローウェンはカウンターの方を向いているが、女の声を聞いて震えあがり、アルチゼンはそんなローウェンに首を傾げていると、代理人が対応する。

 

「はい。何でしょうか?」

 

「いえ、用もなく店に入るのは失礼ですが・・・此処に古い知り合いに似た人がいると聞いて・・・もしかしたらと」

 

「古い知り合い?」

 

代理人は首を傾げる。

 

今いるのは店長の代理人と店員のリッパー、イェーガーの三人。

 

お客のローウェンとアルチゼンの二人。

 

計五人の中に女の知り合いがいると、言うがリッパーとイェーガーは首を傾げ、アルチゼンは首を横に振り、ローウェンは。

 

「あいつじゃないあいつじゃないあいつじゃないあいつじゃないあいつじゃないあいつじゃないあいつじゃないあいつじゃないあいつじゃないあいつじゃないあいつじゃないあいつじゃないあいつじゃないあいつじゃないあいつじゃないあいつじゃないあいつじゃないあいつじゃないあいつじゃない」

 

こんな状態である。

 

「ろ、ローウェンさん・・・!?」

 

アルチゼンが見た物。

 

それは尋常ではない程に震えあがり、鎮静剤を震える手で持って飲もうとするローウェンの怯えきった姿だった。

 

ローウェンはどんなE.L.I.Dを相手にしても怯えず、臆する事もなく容赦のない戦いをするとスプリングフィールドから聞いていたアルチゼンにとって、ローウェンの異常な恐怖に戸惑いしか抱けなかった。

 

やがて女が歩き出しローウェンの後ろまで来ると、ローウェンの両肩に手を乗せて耳元で囁いた。

 

「あぁ・・・やっと見つけました・・・愛しい狩人様・・・」

 

「何故だ・・・何故、此処にいる・・・アデーラ!」

 

ローウェンは震える口調でそう言うと、アデーラは光の無い瞳でローウェンに言う。

 

「気が付いたら此処にいて、今はこの世界の修道女として暮らしてます。ですが・・・狩人様が私と一緒に居てくれるのなら私は」

 

「すまない代理人!今回はツケで頼む!」

 

ローウェンはまるで最後まで聞きたくないとばかりに素早くアデーラから離れて店の外に逃走した。

 

「うふふ・・・逃がしませんよ」

 

アデーラは逃げたローウェンを追って外に出ていき、ローウェンに負けない速さで走り始めた。

 

残された代理人達は依然として状況を呑み込めずにいたが気にしない事にしたのだった。




コラボありがとうございました!

あと、アデーラを勝手に出してすみませんm(_ _)m


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番外編:血に飢えし狩人

大変お待たせしました!

仕事がやっと落ち着いたので執筆をゆっくりながら再開させて頂きます。

勝手ながらまた、よろしくお願いしますm(_ _)m


S14地区の廃墟街から離れた墓地。

 

そこは、世界が経験した多くの悲劇を受けて葬られた死者が多く埋葬される今や誰も訪れず、誰にも祈られる事がない死者達の眠る土地だ。

 

そんな墓地の一角にある枯れ木にもたれる様に眠る黒色の髪を後ろに束ね、枯れた羽の装飾の帽子を被り、マスクで口を覆い、古びた服とコートそして、上から短いマントを着る女がいた。

 

女はまるで眠っている様に動かなかったが、やがて静かに目を開け、顔を上げた。

 

「・・・此処は、何処?」

 

女はそう呟くと、ゆっくりと立ち上がり辺りを見渡した。

 

そこには、無数の墓しかなく、女は途方に暮れつつ自身の手持ちの武器を見る。

 

女の手には一本の斧と一丁の短銃を手にしており、女は二つを見て安堵し、自身の獲物を手に墓地の探索を始める。

 

女は墓地を歩き続けた。

 

女の見る景色や墓は自身のいた場所とはまるで違い、まるで別の場所へと飛ばされた様な感覚だった。

 

「ヤーナムとは違う・・・記憶がないけどまた、アメンドーズの仕業かしらね」

 

アメンドーズ。

 

古い医療の街ヤーナムに存在する上位者の一角で、壁にへばり付き、腕の範囲内に通りかかった狩人を掴んでは握り潰し、別の場所へと飛ばす。

 

また、このアメンドーズは複数体存在し、高い啓蒙の持ち主の視界や赤い月ではその全貌が見れ、探せばいる。

 

特に隠し街ヤハグルでは一体見かければ二、三体いると思った方が良い。

 

話しは戻り、女はアメンドーズの仕業かと頭を捻っていた時、墓地の向こうからゆっくりと何かが迫る人影が写り、女は斧と短銃を強く握る。

 

「誰?こんな夜更けに散歩だなんて酔狂な人ね」

 

女はそう言いながら静かに笑うと、人影が完全に姿を現すとその姿は死人の様な姿をした怪物だった。

 

女はその姿を静かに見つめていると、回りから同じ様な姿をしたが現れた。

 

「成る程ね・・・此処にも獣ね・・・」

 

怪物は女を取り囲み、徐々に迫る中、女は短銃をしまい斧を両手で掴むと勢いよく引っ張り、大斧へと姿を変え、女は大斧へと形を変えた後、回転する様に勢いよく振るう。

 

怪物達は大斧の回転攻撃に巻き込まれ、吹き飛ばされると、女は素早く動き、残った怪物に大斧を振るい、叩きつけ、切り刻み、吹き飛ばし、両断していく。

 

やがて、静かになる頃には回りは怪物の死体で溢れ、女は血塗れた姿となり、マスク越しからでも分かる程に不気味な笑みを浮かべていた。

 

「良い・・・本当、良いわね・・・だから狩りは止められない!この血!今までの獣とは違う!癖になりそうで狂いそうだわ!」

 

女はそう叫びながら狂ったように高笑いを始めた。

 

墓地の全てに届きそうな程の狂った笑い声に他の者が見れば狂人にしか見えないだろう。

 

それ程までに女は無自覚に狂っていた。

 

女は笑っていると、近くの草むらから草が動く音を聞き、草むらに視線を向ける。

 

草むらに人の気配らしき者はなく、女はキョトンとしていたが、やがて不気味に目を光らせて微笑む。

 

「気のせいね・・・」

 

女はそう言いながら歩く素振りを見せた時、女は素早く大斧を大振りに縦に振るい、草むらに目掛けて振り下ろす。

 

大斧が草むらに振り下ろされると同時に飛び出す人影が現れた。

 

「やっぱりいたわね・・・可愛らしい獣が一匹」

 

「この、狂人・・・!」

 

そこにいたのはP38と呼ばれる拳銃を二丁手にする少女で、女は狂った笑みを崩さずゆっくりと大斧を構えて近づく。

 

「随分と人間らしい獣ね・・・大丈夫だからね・・・すぐに楽になって・・・獣の因果から解放されるから・・・だから・・・見せろ!そして寄越せ!お前の血を!!!」

 

「ッ!?」

 

女は大振りに大斧を振るい、少女は間一髪の所で避けた。

 

少女は銃を手にしているが、女が見せる狂気に気が狂いそうな程の恐怖に支配されてまともに応戦出来なかった。

 

「(に、逃げなきゃ・・・兎に角、逃げないと不味い!)」

 

少女は逃げるべく素早く立ち上がり、逃げ出そうとした時、足に痛みが襲い、倒れる。

 

少女は痛みの足を見るとそこには撃たれた痕の傷があり、血が流れていた。

 

「あら?また変わった血ね・・・何処か油の臭いも感じるわ」

 

少女が女の方を見るとそこには先程まで大斧の長さから普通の斧にし、空いた手で硝煙が発っている短銃を持つ女がいた。

 

「まぁ良いわ。さて・・・覚悟は良い?」

 

「い、嫌だ・・・死にたくない・・・!」

 

少女は女の宣告に少女は死の恐怖に駆られ、這って逃げようとするも、女に踏みつけられる。

 

「大丈夫・・・痛いのは・・・一瞬だからね!!!」

 

女はそう言って斧を勢いよく振り下ろし、少女の頭をカチ割った。

 

少女のカチ割られた頭から血が吹き出す光景に、女は不気味に微笑み、背筋を震わせて興奮する。

 

「最高・・・!今までこんなの感じた事がないわ・・・!」

 

女は一通り興奮した後、女は少女の死体を置き去りに歩き出す。

 

「まだ・・・まだ、あんな風な獣は・・・いるかしら・・・辺境で退屈凌ぎせずに済む程に退屈しなくて済みそうね・・・さぁ、楽しませて。この狩人ヴィエナに」

 

女はそう呟きながら不気味に笑い声を出しつつさ迷い、腰に血に濡れた小さな鐘が不気味に鳴り響かせながら消える。

 

 




・オリキャラ

・ヴィエナ

ヤーナムの狩人の一人で、非常に血に酔った危険な狩人狩りの狩人。

元々、ヤーナムの出身ではなく、不治の病の治療の為に噂を聞いてヤーナムを訪れたが今はその目的を忘れ、悪夢の辺境で迷い混む狩人や出会った人、獣を無慈悲にそして、楽しんで狩っている。

腰に血に濡れた小さな鐘を着けているが、本人は気づいておらず、その鐘は腰が揺れると同時に鳴り響き、異世界渡りの鐘の音色を探し回っている。

彼女も狩人の因果に巻き込まれた故に血に酔い、獲物を求めている中、誰が彼女の狩りを終わらせられるのだろうか。

・容姿と服装

狩人装備一式(マント着用)を着ており、黒髪を後ろに束ねている。

・サブ武器

右手 獣狩りの斧 

左手 獣狩りの短銃 


※彼女は敵対者コラボ用のフリー素材です。


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大型コラボ番外編:現れし怪物を狩れ

今回は犬もどき様の作品であるMETAL GEAR DOLLSとのコラボになります。

他の作者様達の作品もコラボする大型となっています


人の気配がなく、E.L.I.Dのみが徘徊するS14地区。

 

そこはもはや人が住める地区ではないが、E.L.I.Dをを獣と見なし冷酷に狩り、葬る狩人達の狩場でもある。

 

その狩場にS14地区に迷い混んだ狩人の一人であるローウェンは一人、得物を片手に狩りと散策を行っていた時、ローウェンの聴覚が小さな足音を捉えた。

 

「(一体・・・いや、五、六体と言った所か?)」

 

ローウェンは自身の得物であるノコギリ鉈と獣狩りの散弾銃を握りしめた時、建物の物陰から青い鱗を持つ人間よりやや大きな生物が現れた。

 

「何だコイツら?」

 

ローウェンは見た事もない存在に首を傾げていると、生物が鳴き声を挙げると同時に生物達は牙と爪を立てて襲い掛かってきた。

 

生物達は群れと素早い動きを生かした連繋を取りつつローウェンを攻撃し、普通なら避けられる様な攻撃ではない。

 

そう・・・"普通の人間だったのなら" 

 

ローウェンは生物の攻撃を読み、ステップで避け、素早く的確に致命傷を与えられると思われる箇所にノコギリ鉈を振るい、散弾銃で撃ち抜いていく。

 

ローウェンの狩りは生物達の狩りを凌駕し、一方的な殺戮が行われる中、生物達は怯み始める。

 

「・・・どうした?獣なら掛かって来るが良いぞ」

 

ローウェンの静かで威圧感のある言葉に生物達は一歩を下がるのと同時に逃げ去っていく。

 

ローウェンはそれを見て今まで相手にしてきた理性なき獣とは違う存在に不思議に思いつつ武器を下ろして見送る中、空に気配を感じ振り向き様に見上げると月をバックに飛ぶ二匹の赤と緑の竜だった。

 

「ドラゴン・・・?」

 

ローウェンは今まで倒してきた獣、ブヨブヨ、上位者、正気を失った狩人や人等に部類しない未知の何かに唖然としていると、二匹の内、赤い竜が火玉を吐いて襲い掛かってきたのだ。

 

ローウェンは咄嗟にステップで避けると、今度は緑の竜が降り立つと同時に突撃を行いローウェンを襲い、ローウェンは避けきれず当たってしまい吹き飛んだ。

 

ローウェンは攻撃を受け、吹き飛んだが地面に叩きつけられる前に空中で立て直し、着地する。 

 

緑の竜は地面に降りたってローウェンを威嚇しており、赤い竜も空でローウェンを警戒している。

 

ローウェンが狩りおいて最も嫌う状況の一つである一対多の戦いを強いられたのだ。

 

「不味いな・・・」

 

狩人は確かに残忍で何処か慈悲深くそして強い・・・が、狩人は基本的に多数には弱い。

 

かつて古都ヤーナムの木製の門の前で盛大に獣を焼いて取り囲むヤーナム民達に迂闊に近付いてリンチされた苦い過去を持つローウェンにとっては強敵、しかも二体いるのはまさに最悪だった。

 

「どうしたものか・・・」

 

ローウェンは二体を相手にどう立ち回るのか模索していると、瓦礫の奥から何かが飛び出し、小さな樽を放り投げた。

 

その樽は緑の竜に飛んで行き、爆発を起こた。

 

その爆発で緑の竜は怯み、後ろに飛んで距離を取ると同時に樽を投げた小さな何かがローウェンの前に立ってガッツポーズを決めた。

 

その何かとは白い猫で二本脚で立っており、どんぐりの様な鎧兜を身に付けていた。

 

「何だお前は?」 

 

ローウェンは唖然としつつもそう聞くと猫は元気いっぱいに体を動かして猫語で話してきた。

 

「にゃ?うにゃー、にぁにぁーうにぁー!」

 

「そうか。アイルーのカルネと言うのか。さっきは助かった礼を言うぞ」

 

啓蒙の高さゆえに猫語を理解して会話するローウェンはアイルーのカルネに助けられた礼を言うとカルネは骨か何かでできたピックを構えた。

 

「にゃにゃ、うにゃにゃー!」

 

「そうか、群れはランポスといって、あのドラゴンはリオレウスとリオレイアと言うのか。お前は仲間達の為に奴等を追って此処まで来たのか。なら、私も手伝おう・・・奴等にさっきの攻撃の借りを返すためにもな」

 

ローウェンはノコギリ鉈と獣狩りの散弾銃を握りしめ戦闘体勢に入ると、リオレウスが急降下してローウェンに襲い掛かり、ローウェンはステップで軽く避け、ノコギリ鉈を振るい、リオレウスの体を鱗ごと削り切り。

 

リオレウスは痛みで雄叫びを挙げるがそんな事お構い無しにローウェンはノコギリ鉈を連続で振るい続ける中、リオレイアが激昂してローウェンに向かって走ってきた。

 

ローウェンはステップで避けると同時にカルネが隙を突いてリオレイアの上に乗ってピックを連続で叩き込む。

 

リオレイアはカルネを振り下ろそうモガクがカルネは器用に乗り続けて攻撃を行う中、ローウェンはその隙を突いてノコギリ鉈を変形させて鉈にするとリオレイアの頭に目掛けて横凪ぎに振るって縦からの強烈な叩き込みを食らわせて怯ませた。

 

ローウェンはその最大の隙を逃さず、リオレイアの胸に飛び込み、右腕を突き刺す様に突っ込んで内臓を引き抜いた。

 

大量の血と共にリオレイアは悲痛な雄叫びを挙げて倒れ、暫く悶えていたがやがて息絶えた。

 

「あと、一体・・・」  

 

ローウェンがそう呟き、リオレウスを見ると足を引き摺りながら逃げていた。

 

リオレウスは明らかに恐怖を感じているのが分かり、今すぐにでも飛んで逃げようとしているのだ。

 

ローウェンはそんなリオレウスの元に向かい、引き摺る足を鉈で攻撃し、リオレウスを歩けなくする。

 

リオレウスは恐怖を露にした鳴き声を挙げる中、ローウェンはリオレウスの顔の前に立つと、散弾銃を突き付けた。

 

「終わりだ。良い目覚めをな」

 

ローウェンはそう言って引き金を引いた。

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リオレウスとリオレイアはローウェンの手で狩られた後、ローウェンは血塗れの状態で近くの瓦礫に腰かけて一息つく。

 

久々の手強い狩りにローウェンは嬉しく思っていると、カルネがやって来た。

 

「にぁ!うにぁうにぁ!」

 

「礼なら良い。狩るべき相手を狩っただけだ」

 

ローウェンはそう言って微笑むと、カルネは更に何かを言う。

 

「にゃにゃ。にゃにゃうにゃ!」

 

「なに?この二体相手以外にもいるのか?そうか・・・なら、狩らねばな・・・少し、この場所を離れる事になるが別に構わんだろう」

 

ローウェンはそう言って立ち上がると、カルネは嬉しそうに手招きをしつつローウェンを道案内する。

 

新たな狩りの相手に導く為に。

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その頃、基地では。

 

「ローウェンさん、襲いですね・・・」

 

「ローウェンさんの事ですから大丈夫ですよ。すぐに帰ってきますから」

 

アルチゼンとスプリングフィールドはローウェンの帰りを待っていた。

 

暫く帰って来ない事を知らずに。




合ってるかな・・・?

ブラボの狩りも入っちゃてますが


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大型コラボ企画番外編:大決戦

ローウェンはエグゼ達と別れ、セヴァストポリ市内に来るとイーオスとガブラスの群れと相対した。

 

イーオスの群れの足音とガブラスの無数の羽音が聞こえる中、ローウェンはメインであるゴグマジオスとの狩りを思い浮かべつつも頭の隅に置いて自身に課せられた狩りを全うする。

 

ノコギリ鉈と狩人の散弾銃でイーオスとガブラスを狩り、凪ぎ払い、要塞から追い返そうとローウェンは奮闘するが数が多く、討ち漏らしが出始めた。

 

「切りがないな・・・」

 

ローウェンが悪態をついた時、イーオスの一体がローウェンの後ろから飛びかかった。

 

ローウェンは散弾銃を向けようとしたがイーオスの方が早く、攻撃を行っており、回避行動が間に合わない。

 

ローウェンは攻撃を受ける覚悟を決めた時、飛び掛かったイーオスが突如、横から振るわれた巨大な何かに当たり、吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる様に落ちた。

 

ローウェンはイーオスを攻撃した者を見ると、そこにはバケツを被った回転ノコギリと呼ばれる武器を手にする男だった。

 

「お前が苦戦とは珍しいな。どれ、手助け次いでに久々に私も狩りをするとしようか」

 

「ヴァルトール。お前も此処に来ていたのか」

 

ローウェンを助けたのは連盟の長であるヴァルトールだった。

 

ヴァルトールは回転ノコギリを豪快に振るってイーオスとガブラスを蹴散らす。

 

「何をしているローウェン?お前も狩りを全うしろ」

 

「言われなくてもするさ」

 

ローウェンはそう言ってノコギリ鉈を巧みに使ってイーオスとガブラスを相手に再び狩りを行う。

 

ローウェンとヴァルトールの二人と狩人による狩りは劣勢から優勢へと変わっていく。

 

「はっはははは!見た事もないこの地、獣、血の浴びる感覚。何れも未知で何とも快感を覚える!いつまでもいられるかわからんのだ。存分に狩り、殺してやろう!」

 

「大物が控えているんだ。早い所、片付けてやる」

 

ローウェンとヴァルトールの二人の顔は隠れていて見えはしない。

 

だが、明らかに不気味に笑い迫ってくる二人にイーオスとガブラスは遂に心が折れ、恐怖を覚えて逃げ出していく。  

 

ローウェンはやっと終わったと悟った時、大きな音が耳に響き、赤い閃光が眩しく見えた。

 

やがて音と光が治まると次に聞こえたのは歓喜の声だ。

 

ローウェンはそこまで来て自身が大きな獲物であるゴグマジオスとの狩りに間に合わなかった事を悟り、少し落ち込んだ。

 

「終わったか・・・」

 

「何だ?珍しく本命を狩れなかったのか?」

 

「こればかりは私自身の過失だ。露払いが出来ただけでも良い方だな」

 

ローウェンがそう呟いて歓喜の声とは反対側、S14地区の方へ行だそうとした時、ローウェンと元にアイルーのカルネがやって来た。

 

「にゃにゃ!」

 

「カルネか?どうした?」

 

「にゃあ!にゃにゃあ!」

 

「礼など良いさ。狩人として狩りを全うしただけだ」

 

ローウェンはそう言うと、カルネは少し考え込んだあと、懐から何かを取り出した。

 

「にゃにゃあ!」

 

「これは称号と言うのか?称号の内容は大討伐の参加者か」

 

「にゃあ!うにゃあにゃあ!」  

 

「・・・ありがとうな。じゃあ、達者でな」

 

ローウェンはそう言って再び歩き出していく中、カルネは手を降り続けた。

 

「・・・あいつ、何時から猫と喋れる様になったんだ?」

 

ヴァルトールはその光景に唖然としてみているのだった。




コラボお疲れ様でした!

またの機会があればやりましょう。


【今回の入手アイテム】

・大討伐の参加者
 
MSFと多くの助っ人達と共にゴグマジオス等と大型モンスターに対応した証。
 
カルネからのお礼品として贈られた。


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設定集(※ネタバレ注意!)

ブラッド・ドールの設定説明欄を単に纏めただけの物です。

ローウェンとスプリングフィールドも追加してます。

まだ途中までしかお読みしていない読者様は出来れば全てお読みになった後で説明欄を読む事をオススメします。


【オリ主設定】

 

 

 

●ローウェン=アイン=シュヴァイツ

 

ヤーナムの狩人の一人で実力は上位者を相手取り、狩る程の腕前で古狩人に匹敵する。

 

過去は謎に満ちており、狩人になる前は不治の病を治す為にヤーナムを訪れるが、ローウェンのそれ以上の過去は語られていない。

 

・容姿と服装

 

赤い瞳と黒髪が特徴的で、狩人装束(マントなし)を着ている。

 

・武器

 

右手 ノコギリ鉈

 

左手 獣狩りの散弾銃

 

※話の内容によって使用武器が変化する。

 

 

【ローウェンの嫌いな物】

 

・豚型E.L.I.D 

 

E.L.I.D化した巨大豚で、ローウェンが見つければその場で滅茶苦茶に狩られる。

 

ローウェンのトラウマの一つに響く姿である為、ローウェンからは意味嫌われている。

 

・ローウェンの豚嫌い

 

過去のトラウマにより普通の豚でも料理でも豚に関する物が兎に角嫌う。

 

下手をすればその場で武器を取り出して振るってしまう事も。

 

 

【オリキャラ】

 

 

●アルチゼン(職人)

 

S14地区の廃墟と化した基地にひっそりと工具を手に作業する鉄血工造のハイエンドモデル。

 

職人の名を関するだけあって手先は器用で、武器のメンテナンスを主に任されている。

 

作ろうと思えば武器は作れるが、仲間内から規格外過ぎたのかとても扱える物ではない物しか作らず、コストもかなり大きかった為、武器開発を禁止された。

 

性格はとても臆病で、人見知りが激しく、混乱すると会話がカミカミになってしまう。

 

仲間内でもそう滅多に会えないレアな存在。

 

アーキテクトの事を姉と慕っている。

 

戦闘面はかなり苦手で、拳銃一丁撃つだけでもへたり込み、そして外す程。

 

・容姿 

 

白色の短髪で黄色い瞳が特徴。大人体型で、胸は大きめにあり、少しだけ歩いても揺れる。

 

・服装

 

黒色のリッパーの服の上から上着を腰巻きに巻いた様な感じ。

 

●ヴィエナ

 

ヤーナムの狩人の一人で、非常に血に酔った危険な狩人狩りの狩人。

 

元々、ヤーナムの出身ではなく、不治の病の治療の為に噂を聞いてヤーナムを訪れたが今はその目的を忘れ、悪夢の辺境で迷い混む狩人や出会った人、獣を無慈悲にそして、楽しんで狩っている。

 

腰に血に濡れた小さな鐘を着けているが、本人は気づいておらず、その鐘は腰が揺れると同時に鳴り響き、異世界渡りの鐘の音色を探し回っている。

 

彼女も狩人の因果に巻き込まれた故に血に酔い、獲物を求めている中、誰が彼女の狩りを終わらせられるのだろうか。

 

・容姿と服装

 

狩人装備一式(マント着用)を着ており、黒髪を後ろに束ねている。

 

・武器

 

右手 獣狩りの斧 

 

左手 獣狩りの短銃

 

※話の内容によって使用武器が変化する。

 

※敵対者用フリー素材

 

【登場キャラ】

 

●スプリングフィールド 

 

元々はグリフィンのライフルタイプの戦術人形だったが、血に酔った狩人の襲撃を受け、自身の半身を失う。

 

だがその後、残された武器として銃剣を使い狩人を倒し、狩人としての才があるとしてローウェンに見出だされる形で狩人の世界へと飛び込んでいった。

 

・使用武器

 

右手 レイテルパラッシュ

 

左手 素手(追加予定)

 

●アーキテクト(建築士)

 

アルチゼンの姉である鉄血工造のハイエンドモデルの一人。

 

鉄血の兵器開発に携わり、アルチゼンを深く溺愛している。

 

その溺愛ぷりは鉄血の指揮官にあたる代理人ですら引く程。

 

●アデーラ※未登場

 

医療協会に所属するブラボ公認ヤンデレで、名前だけ登場。

 

ルート次第で主人公にヤンデレとしての本性を見せ、ある女性(ネタバレになるので名前は伏せてます)が犠牲になる。

 

ヤーナムの狩人達の一部にはもしかしたらアデーラの突然のヤンデレに若干トラウマを抱いているのかもしれない。

 

 

●鳥羽の狩人アイリーン

 

血に酔った狩人を狩る狩人狩りの狩人。

 

嘴の様なペストマスクと烏羽のマントからは判別しづらいが女性である。

 

年齢は声からは判別しづらいが自身の事を時折「ババア」と称する場面もあり、妙齢の域を過ぎた位の年齢ではないかと考えられる。

 

武器は獣狩りの短銃と狩人狩りに代々受け継がれる双刀型仕掛け武器、「慈悲の刃」である。 

 

(随時追加予定)

 

 

【オリ武器】

 

・鉄血砲

 

ヤーナムとは別世界の工房、鉄血工造のアルゼンチンが作り上げた長砲。

 

瓦礫を簡単に破壊し、吹き飛ばす程の強力な威力を持つ長砲だが、長い砲と銃身の大きさ、重さが仇になり、人間の力を簡単に越える戦術人形しかいない鉄血工造でさえ失敗作と言われ、匙を投げられて埋もれていた。

 

普通の人間、人形が使えばとても扱える物ではない。

 

だが、力で捩じ伏せる戦術を使う狩人にとっては軽い物だ。

 

【オリアイテム】

 

・共鳴する異界渡りの小さな鐘

 

異界渡りの鐘を鳴らしたの者の元に参じる為の小さな鐘。

 

無数の世界の中に存在する異界渡りの鐘の音に反応し、異界の主の目的に応じて行動の内容が決まる。

 

異界渡りの鐘は異界同士の交流の為に名も無き古い狩人が狩人呼び鐘と共鳴する小さな鐘を改良した結果、この様な二つの鐘が生まれ、異界のあちこちに配置される様に数を増やした。

 

だが、その鐘の存在は忘れ去られている為、異界渡りの鐘が再び鳴るのかは分からない。

 

~コラボ限定アイテム~

 

・異界渡りの鐘

 

共鳴する異界渡りの小さな鐘に共鳴する者を呼び寄せる鐘、ローウェンのいる世界では既に失われている。

 

無数の世界中に存在する共鳴する異界渡りの小さな鐘を鳴らした者を呼び出し、異界の主として呼び出した者に協力を仰ぐことができる。

 

~協力用コラボ限定アイテム~



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番外編:生まれてくるべきではなかった

ローウェンは産まれて来るべきではなかった(・・・・・・・・・・・・・・)

 

ローウェンの生まれ故郷は貧しく、小さく、目立たない普通の村だった。

 

村の住民は常に生きる為に畑を耕し、家畜を飼い、村で作った作物や品物を市や商人に売りに行くそんな日々だった。

 

そんな村の中でローウェンは異質だった。

 

黒く闇の様に髪と血の様に紅い鋭い瞳を生まれながらに持っていたローウェンは村人や実の両親から気味悪がられ、誰もローウェンと関わりを持とうとしなかった。

 

両親は最初はローウェンを育てはした。

 

しかし、それはローウェンがある程度まで自立するまでの凌ぎで、両親の愛情は後から産まれた妹に奪われる様に注がれる事はなく、遠くに追いやる様に放置される様になった

 

「お前の様な気味の悪い姿をした奴はさっさと消えれば良いんだ」

 

それが常にローウェンに掛けられる実の父からの言葉。

 

「何で私は貴方なんかを産んだのかしら・・・」

 

それが常に吐き捨てる様に呟く母親の口癖。

 

「お兄ちゃんなんか大嫌い!何で私のお兄ちゃんが貴方なのよ!」

 

それが常にローウェンを疎ましく毛嫌いする妹の罵倒。

 

ローウェンは家族の誰一人からも愛情を貰う事はなく、暴力こそ受けたりしないが家族と村人達からのあからさまな影口や罵倒、無視などと差別を受けてきた。

 

ローウェンは何時かは誰かが自分を愛してくれる。

 

そう思っていた・・・だが、現実は常に非情で、ローウェンに愛情などと言う物も言葉すら与えられなかった。

 

ローウェンは何時しか諦め、村の住民達から産まれて来るべきではなかった子と言う認識のみ残った。

 

だから、ローウェンが不治の病を患ったと聞けば皆は笑って祝った。

 

「やっと忌々しい忌み子が死ぬ」

 

ローウェンはそれを聞いて目の前が真っ暗になった。

 

何で人とは少し違うだけそこまで嫌うのか?

 

何で自分が不治の病を患ったのに喜べるのか?

 

何で自分の死がそんなに待ち遠しくできる?  

 

ローウェンが気がついた時、回りは血に染まっていた。

 

村は村人の死体に溢れ、血溜まりが広がり、人の原型を留めない肉塊があった。

 

中には両親の姿もあったが特に何の感情も抱かなかった。

 

ローウェンはそれらを見て、不思議と吐き気を催す所か寧ろ、スッキリとした感覚だった。

 

ローウェンは笑った、笑い続けた。

 

自分の回りに蔓延っていた膿をやっと取り除け、人を死に追いやった事に悔いなどなかった。

 

ローウェンはこれからの事を考えた。

 

もう自分を縛る存在はない。

 

だが、自分を殺す物はまだある。

 

殺す物・・・それは不治の病その物だった。

 

この不治の病を患っている以上、長く生きられないのは間違いなく、どうにか治療できないのかと考え、手始めに自分の住んでいた家を調べた。

 

別に何かあるかと考えて調べた訳ではなく、ほぼ無意味でも興味が沸いたから調べたのだ。

 

ローウェンは何気なく調べていると一つの本に古都ヤーナムと言う名前の特殊(・・)な医療が発展した街と書かれ、不治の病を治す事も出来るそうだ。

 

ローウェンはヤーナムを知って早速、村長の家から身形の良い服を選んだ着込み、黒いフードを深く被った。

 

仮にも街に行くのだ。

 

村人の服では異様に目立つし、村での惨殺が露見すれば自分を追い掛け様とする追っ手が現れるかもしれないから顔を隠す為にフードも被った。

 

ローウェンは準備を整えると、古都ヤーナムへと向かい歩き出した。

__________________

_________

___

 

ローウェンは目を開き、荒い息を吐きながら目を覚ました。

 

辺りを見渡せばそこは壊れた建物が建ち並ぶ廃墟街。

 

何時ものS14地区の見慣れた街並みだった。

 

ローウェンは狩りの休憩に立ち寄った一室の椅子で居眠りをしていたらしく、先程の事は全て単なるだったのだ。

 

「本当に・・・単なる夢だったのか・・・?」 

  

ヤーナムで血の医療を受け、狩人となったローウェンには昔の記憶は無い。

 

記憶は無いが一つ気掛かりなのはあの夢の惨殺した光景の中に自分で認識した妹の姿が何故か何処にもなかった。

 

どさくさ紛れに紛れて逃げたのかそれとも人か判別出来ないあの肉塊の中にあるのかローウェンにも分からないが、ローウェンはもう気にする事は止めにした。

 

何処か懐かしく、忌々しい夢にローウェンは溜め息をつくと、椅子から立ち上がり、ノコギリ鉈と獣狩りの散弾銃を手にして獣を求めてS14地区をさ迷い歩く。



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本編
始まり


S14地区のとある市街。

 

そこでは地獄の惨状が彼方此方に見られた。

 

焼け焦げた様な匂いと血の物と思われる鉄の匂いが充満し、E.L.I.Dと呼ばれる人が異形へと変えた怪物が血を大量に流し、内臓を抜き取られたのか大きな穴がぽっかりと開いて内臓が無造作に地面に捨てられていた。

 

この光景にS14地区の偵察に出てきたPMCのグリフィン&クルーガー・・・通称、グリフィンに所属する人形の小隊は死体など馴れている筈なのに吐き気と寒気を覚える。

 

小隊は今すぐに離れたいのを我慢し、慎重に進む中、人形の一人が市街の広場で人影を一瞬だけ見た。

 

枯れた羽の様な三角帽子、古びた時代誤差どころの話ではない骨董品レベルのコートと服で、肩幅からして男と思われる者がいた。

 

この服装だけでも異様だが、更に異様なのは顔を隠す様に黒いマスクを口元に着け、右手にノコギリの様な物と左手に無骨な大きな銃が握られていたのだ。

 

そして極めつけは・・・男は全身、血塗れだと言う事だ。

 

人形は一瞬であるのにその姿に恐れを抱いた。

 

アレは絶対に関わってはならない相手だと。

 

人形は瞬時に目を逸らそうとした時、人形は広場にいた男と目があった。

 

男は血の様に赤い鋭い瞳で人形を見つめ、人形は男に見つかったと悟ると恐怖に支配され錯乱しながら男に向けて銃を向けた。

_____________________

_____________

______

 

数日後、グリフィンの本部ではS14地区で起きた事件に関してグリフィンの最高責任者であるクルーガーに上級代行官のヘリアンが報告していた。

 

「_______以上が、数日前に起きた偵察に出た小隊の報告です」

 

「そうか・・・錯乱したM14は?」

 

「はい・・・彼女は度重なるメンタルケアにより何とか立ち直りましたがまだ戦線に復帰は出来ないかと。ただ、メンタルケアをしても記憶の初期化しても尚、彼女はS14地区にいたと言う男の事を聞くと激しい発作に襲われる事があります」

 

「M14が見た恐ろしい・・・まるで獣の様な人間と言っていたな?」

 

「定かではありませんが彼女の記憶のメモリーには確かに異様な男がいました。記憶越しであるのに恐ろしい・・・私はそうおもいました」

 

ヘリアンの言葉にクルーガーは深く考える。

 

ヘリアンがそこまで言う程にその男は異様で恐ろしい存在なのだと分かるのだ。

 

「お前がそこまで言うのなら余程、恐れ、警戒しなくてはならない相手なのだろう・・・S14地区には出来る限りの偵察のみ行う。それと404小隊を呼んでくれ」

 

「404小隊を動かすと言う事は・・・」

 

「その男が我々に対して無害なら争う必要はない・・・が、もし無害ではなく有害ならばなんとしても消さなければならないだろう。並みの人形では相手は勤まらん可能性もあるからな」

 

クルーガーはそう言って溜め息をついた。



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一話

S14地区の市街。

 

そこでは男が一心不乱にノコギリと鉈の刃が組み合わされたノコギリ鉈と呼ばれる武器と狩人の散弾銃を片手にE.L.I.Dを狩っていた。

 

男はE.L.I.Dの異形の姿に戸惑わず、無慈悲に冷酷にノコギリ鉈を振るい、攻撃が迫れば散弾銃を撃ち放って怯ませれば素手で体を容易く突き刺し、内臓を無理矢理引き抜く。

 

内臓を引き抜かれたE.L.I.Dは血を吹き出して倒れ、吹き出した血を男は表情も変えずに浴びた後、また獲物を求める。

 

男はかつて、独特の医療方である血の医療を行う古都ヤーナムと呼ばれる場所で狩人と呼ばれる存在だった。

 

ヤーナムでは獣の病と呼ばれる病に掛かり、獣となり、救い様がなくなった人々を介錯し弔う事を意味する狩りを全うするのが役目を持つ。

 

狩人には外から来た者と元からヤーナムにいた狩人に分かれるが男は外からやって来た狩人だ。

 

男がヤーナムに訪れたのは自身の不治の病を治す為に訪れたのだが、そこで血の医療を受けたのを気に悪夢に囚われ、狩人として獣も狩人を狩る狩人も気持ち悪い生物も神に等しい存在である上位者も狩った。

 

男は敵対する存在全てを狩り、元凶を狩ると、三つの道を繰り返した。

 

助言者に介錯されて悪夢から目覚めた。

 

介錯を拒み、助言者を介錯し、魔物に飲まれて助言者の跡を継いだ。

 

助言者も魔物も狩り、自身が上位者となった。

 

だが、男の悪夢は終わらず、繰り返されそして今、彼にとって見たことのないS14地区の光景を見る事になり、E.L.I.Dを獣と認識し、狩りを始めた。

 

「・・・血が滾るな」

 

男は自身の血濡れの姿を見つめ、血の匂いを嗅ぐ。

 

ヤーナムでは見た事がない(E.L.I.D)の血はヤーナムに染まった男にとって異質ながら何処か癖になりそうなのだ。

 

そう、まるで今までワインしか飲まなかった者が急にビールや日本酒を飲んで違う感覚を得て好み始める様なそんな感覚なのだ。

 

「この場所はヤーナムではないが・・・なかなか良い獲物が沢山いそうだ」

 

男はそう言って不適に笑い声を挙げた後、歩き出そうとした時、後ろから巨大な陰が現れたのだ。

___________________

____________

_____

 

男が獲物を求めていた頃、S14地区の市街に四人の少女が現れた。

 

「此処が噂のS14地区なの?。45」

 

「ヘリアンの言っている事が正しいなら間違いないわ。E.L.I.Dがウヨウヨいる不気味でホラーな地区だって言ってたけど・・・」

 

目元に傷のある45と呼ばれた少女は辺りを見渡すがE.L.I.Dが一匹もいないのだ。

 

S14地区が壊滅してからS14地区はE.L.I.Dの縄張りの様な物になってしまっており、当たり前の様に見かけては襲われたりするのだ。

 

だが、そのE.L.I.Dはおらず、代わりに静かな市街のみ残っていた。

 

「ぜんぜんいないね45姉」

 

「そうね9・・・本当に、嫌な雰囲気ね」

 

「ねぇ、帰ろうよ?何だか眠くならないし嫌な予感もするし・・・416もそう思ってるよね?」

 

「馬鹿、帰ってどうするのよG11。何の情報もなく帰れたらとっくに帰ってるわよ。私だってこんな薄気味悪い市街からすぐにでも帰りたいわ」

 

だらけた服装で常に眠そうな顔のG11の発言に気の強そうな少女が咎めた瞬間、市街に響き渡る様に大きな雄叫びが響いた。

 

「なに!?何処からこんな雄叫びが響いたのよ!」

 

「市街の広場辺りからだよ!」

 

「ターゲットがいるかもしれないわ。行くわよ!」

 

45達は雄叫びの挙がった方向に掛けていく。

______________________

____________

_____

 

場所は戻り、男は巨体な獣の様なE.L.I.Dと対峙していた。

 

身体が所々腐食し、巨体な狼の様な姿、鋭い牙と爪。

 

かつて、男がヤーナムで何度か死闘を繰り広げた聖職者が最終的になる巨体で恐ろしい獣に近い姿を持つE.L.I.Dだ。

 

「ふむ・・・此処にも聖職者の獣の様な奴がいたのか。まぁ、どちらにしても狩るだけだ」

 

男はそう言ってノコギリ鉈を変形させてノコギリから鉈へと変えた。

 

 



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VS:腐食の巨獣

イメージ戦闘BGM【聖職者の獣】

何気に狩人の名前がまだ出ない・・・


巨体な獣、所々が腐食している姿・・・さしづめ、腐食の巨獣と呼べた。

 

腐食の巨獣は巨体を生かし、鋭い爪を立てて腕を大きく振るい、男に襲い掛かった。

 

男は素早いステップでそれを避けると、ノコギリ鉈の鉈を大きく振るい、腐食の巨獣に切り掛かる。

 

ノコギリ鉈の鉈状態での攻撃は重く、並みの獣なら簡単に真っ二つに切り裂かれるが、流石は巨獣と名付けられる程に巨大な体格を持つ腐食の巨獣には身体を切り裂くぐらいにしかならなかった。

 

腐食の巨獣は男の攻撃に怯まず腕を振るって攻撃を仕掛け、男は攻撃されればステップし、ステップした後は反撃を繰り返す。

 

「動きはだいたい聖職者の獣だな・・・攻撃が大振りにも程がある」

 

男はそう呟くと、鉈からノコギリに変えて連続で攻撃を加えた後、振るい際にノコギリから鉈えと変えて変形と同時に攻撃した。

 

仕掛け武器の変形を利用した鞭の様な攻撃に腐食の巨獣は少し怯みを見せ、男はそれを見逃さずに鉈を大きく構えて勢いよく振るった。

 

勢いよく振るわれた鉈は腐食の巨獣を怯みあがらせ、体勢を完全に崩すと、男は素早く迫り、右腕を腐食の巨獣の頭に突き刺した。 

 

「ふんッ!」 

 

男は腐食の巨獣の脳を力強く握り締めて無理矢理に引き抜くと、腐食の巨獣は大量の血を吹き出し、巨体に似合わない派手な吹き飛びを見せた。

 

男は腐食の巨獣から吹き出た血を諸に受け、血で真っ赤であった身体が更に赤くなったが気にもせずに身構えると、腐食の巨獣は起き上がり、何事もなかったかの様に雄叫びを挙げて男に襲い掛かる。

 

男はまたステップで避けると、散弾銃を向けた。

_____________________

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_____

 

腐食の巨獣と男の死闘は駆け付けてきた404小隊の面々を驚愕させた。

 

彼女達、ましてやグリフィンのデータにすらない新種とおぼしき腐食の巨獣とターゲットの男による死闘・・・と言うより男が一方的に戦っていると言った方が良い状況を目の当たりにして固まるしかなかった。

 

男は避けては切り裂き、避けては切り裂き、避けては切り裂くと見せ掛けて銃を撃つ。

 

その繰り返しを続け、腐食の巨獣を追い詰め、血塗れになろうが構わず腐食の巨獣を殺しに掛かるその姿に恐ろしさを感じた。

 

「・・・ねぇ、45姉。本当にあの人の所に行くの?」

 

「行くしかないかな・・・」

 

「ちょっと!あんな奴に近づくの!?彼奴が強いわよ・・・私達、戦術人形のスペックを越えた動きをしてる。友好的だとも分からないのに迂闊に行ったら不味いわよ」

 

「うんうん!」

 

G11が激しく首を縦に振るうのは気にしないとして、自分の実力に対して大きな自信を持つ416が激しい危機感を見せたのはそれほどまでに男を危険視したと言う事だった。

 

無理もなかった。

 

恐ろしい姿を持つ腐食の巨獣を相手に大立回りを繰り広げ、一方的に攻撃し、追い詰める男がどれ程までに異常なのか45は嫌でも理解した。

 

だが、404小隊は非公式の部隊であり何時、捨て駒として扱われるか分からない身なのだ。

 

だからこそ、404小隊は信頼を維持し生き残る為に薄汚い汚れ仕事を全うしなくてはならない。

 

例え、どれ程までに本能的な危険信号が体に走ったとしてもだ。

 

「行くしかないわ・・・9はあっちの廃墟。416は彼処の路地。G11は後方から援護をお願い。接触は・・・私がするわ」

 

「ひ、一人で大丈夫なの。45姉?」

 

「大丈夫。私を信じて」

 

45はそう優しく言うと、男が戦う場所を見つめる。

__________________

___________

_____

 

場所は戻り、男は遂に腐食の巨獣を追い込んだ。

 

腐食の巨獣は全身から血を大量に流し、息を切らしているかの様に呼吸が荒かった。

 

「もう終わりか・・・せっかく、手応えのある獣だったのだがな」

 

 

男はそう言って溜め息をついた時、腐食の巨獣はやけくそに腕を振り下ろすと、男はステップで避けると、鉈を頭に叩き付け、再び怯んだ腐食の巨獣の懐に素早く飛び込むと体内に右腕を無理矢理突き刺す。

 

「さよならだ」 

 

男はそう言って力強く右腕を引き抜くと、捕まれていたのは内臓で、内臓を引き抜かれた腐食の巨獣は大量の血を吹き出して崩れ落ちた。

 

腐食の巨獣が死んだ事を確認した男は内臓を投げ捨て、また歩き出そうとしたが、背後に気配を感じとり、振り替えるとそこには目元に目立つ切り傷と、サイドに結んだ茶髪の少女がそこにいた。

 

男は異形の姿でないと見て獣ではないと判断し、警戒を解くと、互いに静かに見つめあう状態となる。

 

暫く、その状態が続いたが少女から男に話しかける。

 

「・・・ねぇ、貴方って話せる?」

 

それが、少女の第一声で、戦術人形で初めて狩人に接触して会話した内容だった。

 

 



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二話

少女の第一声から暫く静かな空間が広がった後、男はマスク越しからでも分かる無表情な表情で答える。

 

「獣ではないんだ・・・答えられるだろ」

 

「そ、そうよね・・・」 

 

45は男の雰囲気にたじろぎながらもどうにか正気を保って対峙する。

 

「ねぇ、貴方はこんな所でE.L.I.D相手に何してるの?」

 

「E.L.I.D?それは何だか知らんが俺は狩人として獣を狩っているだけだ」

 

「E.L.I.Dを知らない?何いってるのよ・・・今、貴方が殺した奴よ」

 

「これか?どう見ても獣だろ?」

 

「いやいや、E.L.I.Dでしょ?」

 

話は平行線になりお互いに首を傾げると、45の元に無線が入り、45は後ろに振り向き様に男に聞こえない様に無線を名一杯に耳元と口元に運ぶ。

 

《ちょっと45!何してんのよ!話が全く噛み合ってなさそうよ!》

 

「しょうがないじゃない・・・!こいつ、E.L.I.Dの事を獣だとか言い出して・・・!」

 

《獣って・・・そいつは馬鹿なの!?普通の動物とか比べられないくらい違うでしょ!》

 

「だから困ってるのよ・・・助けてくれない?」

 

45は本気で困ってるとばかりにそう言うと、いきなり無線を取られ、45は無線を取られた方を見ると、そこには何時から立っていたのか男が45のすぐ近くにおり、無線を片手に珍しい物を見ている目で眺めている。

 

「これは何だ?とても奇妙な機械だな・・・」

 

「ちょっと返しなさい!大事な物なのよ!」

 

45は取り返そうと男に飛び掛かるが、男は動じず、人形としての力を振るに使っても全く歯が立たなかった。

 

男は無線を空に上げて眺め始め、45はどうあっても無線を取り返そうと跳び跳ねて手を伸ばす。

 

だが、悲しいかな・・・男の身長はやたら高く、腕を伸ばせばかなり高い。

 

その為、45のジャンプでは簡単には届かず、男が可愛い女の子を苛めてる様なほんわかな雰囲気の図が完成していた。

 

《ちょっと!あんた、無線を返してやりなさい!》

 

「これは・・・!成る程、これは別の相手と話す為の物か」

 

「そうよ!別に関係ないでしょ!返して!」

 

45はそう言ってやっと無線を取り返すと、416に連絡し直す。

 

「えーと・・・とにかく、目的の接触は完了したわね。取り敢えず・・・貴方、名前は?」

 

「うん?そう言えば名乗っていなかったな・・・私はローウェン。ローウェン=アイン=シュヴァイツ。ヤーナムで獣を狩る狩人をしている。宜しければそちらも名乗って貰っても構わないか?」

 

「45。戦術人形のUMP45よ」

 

「戦術・・・人形?お前は人形なのか・・・ふむ、私の啓蒙はかなり高い様だ。人形が人間の様にイキイキと動くとは・・・もしかして、夢に戻れば新たな表現を身に付けた人形が拝めるチャンスでは・・・?」

 

「何を考えてるのか分からないけど、多分人違い・・・ならぬ、人形違いと何らかの勘違いをしてるわよね」

 

45はそう言ってブツブツと一人言を言い始めたローウェンに呆れつつも無線を手にする。

 

「此方、45。取り敢えず目標と接触。特に害は無いわ。けど、目標は何らかの精神的な不具合を患っている可能性がある。念の為、精神科辺りに見てもらう為に目標の回収に移るわよ」

 

45は目的は取り敢えず達成したと同時に次の目的を告げた時、無線からG11からの無線が入る。

 

《ねぇ、45》

 

「何、G11?珍しいわね、貴方から掛けるなんて」

 

《いないよ。その目標が》

 

45はそう言われてローウェンの方を見ると、見る影も無く、いなくなっていた。

 

「あの・・・野郎!!!!!」

 

突如いなくなったローウェンに対して苦労を掛けられ、無線を取られる等と弄ばれた45の怒りの声は市街に響いた。



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三話

お待たせしました。

今回は、オリキャラとオリ武器(名前未定)が登場します


ローウェンは45から離れ、スタスタと歩きつつ獣を探しながら辺りを散策していた。

 

だが、目的の獣は中々見つからず、ローウェンは暇そうに欠伸をしつつ歩き続けていると、目の前に所々壊れているが大きな建物が現れた。

 

「ほぉ、今までに見た建物よりも大きいな。何かあるのか?」

 

ローウェンは探求心のままに建物に入ると、中もボロボロで、時より人の死体が転がっている。

 

「獣に襲われた?いや・・・傷が獣につけられた物とは違うな。この傷は銃弾か?」

 

ローウェンは傷から何が致命傷で死んだのか把握しようとした時、何処からか鉄が転がる音が響き、ローウェンは静かに立ち上がると音の発信源に向けて歩き出す。

 

ローウェンは発信源と思われる部屋の前に来ると、その部屋は閉ざされており、ローウェンは勢いよく蹴り破り、散弾銃を構えた。

 

「いやあぁぁぁぁぁぁ!敵襲ーーーー!敵襲です!!!助けてアーキテクトお姉ちゃーーーーん!!!!!!」

 

ローウェンの視線の先にはソファーの後ろに隠れて少し顔を出しながら涙目でいる少女だった。  

 

「・・・お前は誰だ?」

 

「わ、わわわわ、わた、わたしゅは!鉄血工造ハイエンドモデル"アルチゼン(職人)"です!ど、どんなててて、敵襲でもよよ、容赦はししし、しましぇんよ!」

 

少女はソファーに隠れながら舌かみかみでローウェンにそう言うと、ローウェンはこの世界の事情を一切知らないので首を傾げるしかなかった。

 

「一体何の事か分からんが取って食おうとする様な事はしない。そもそも鉄血工造とは何だ?新しい工房の名前か?」

 

「へ?鉄血工造を知らないのですか?」

 

「知らん」

 

ローウェンはアルチゼンの問いに即答すると、唖然とするアルチゼンを放置し、回りを見た。

 

回りにはローウェンには見た事も無い工具と狩人の夢で使用した事のある工具とよく似た物が幾つか整頓されて置かれた土台があり、その回りには大小様々な銃や刀剣の様な武器のパーツらしき物が立て掛けられたりして置かれている。

 

「此処は工房なのか?武器らしき物がある・・・見た事もない作りだ。仕掛けこそないが頑丈そうな武器だ」

 

「え、えーと・・・それ、私が仕上げてる武器です・・・」

 

アルチゼンは相変わらず、ソファーの後ろに隠れつつそう言うと、ローウェンは近くにあったローウェンの身の丈を余裕で越え、人なら簡単に落としてしまう程の重さがあると思われる大型の長銃を手にして見ながら喋る。

 

「ほぉ・・・そうなると、お前は武器を作っているのか?仕上がりがなかなか見事な出来だ」

 

「こ、此処の武器は私が作った訳じゃなくて予備も含めてメンテナンスに出された物をあ、アーキテクトお姉ちゃんが持って頼まれてやってるだけです・・・」

 

「なに?これをお前が作ってないだと?そんな馬鹿な・・・!この出来だぞ。他人が作った物に対して此処までの一品に仕上げ直せる物なのか?」

 

ローウェンは信じられないとばかりにそう言ってまじまじと長銃を見つめる。

 

長銃は最初に他人が作った物とは思えない程、パーツの細かい調整がなされており、普通に使えば扱いやすい物だろうとローウェンは考える。

 

「う、うん・・・最初はね、武器を一回だけ作ってみたんだ。でも、アーキテクトお姉ちゃん以外の皆から武器としておかしいとか、扱えないとか言われて・・・それで武器を作る事が禁止にされちゃって・・・もう皆から非難されるのが怖くて時々、此処に運ばれて来る武器のメンテナンスしてるの・・・」

 

アルチゼンの話にローウェンは暫く考むと、アルチゼンに話す。

 

「・・・その武器を見せてみろ」

 

「へぇ?」

 

「良いから見せてみろ」

 

「は、ひゃい!」

 

ローウェンに促されてアルチゼンはやっとソファーの後ろから出ると以外にも体格は大人だ。

 

胸の立派な物を揺らしながら部屋から飛び出して行き、ローウェンは近くの椅子に座って待った。

 

暫くして、アルチゼンは何かを両脇に抱えて戻ってきた。

 

アルチゼンが持ってきた武器はローウェンの持つ大砲よりも砲身が長く、一回り大きくした黒い何かで、それは床に置かれた。

 

「これは?」

 

「大きな大砲を持てたら強いかな~て、考えて作ったのですが・・・重すぎて私以外に誰も持てなくて・・・反動に負けて飛んでしまった人達が多く、しかも携行ミサイルがあるだろってツッコまれてしまった武器です。爆発を主とするミサイルとは違う、貫通能力に特化した物なんですが・・・理解されなくて・・・」

 

アルチゼンは両手の指をツンツンと当ててそう言うと、ローウェンは静かに武器を見つめた後、武器を軽々と片手で持ち上げた。

 

「へぇ!?それ、私でも両手で持たないと大変な物なんですよ!大丈夫なんですか!?」

 

「・・・大砲よりも重いが何とかな。試し撃ちしても良いか?」  

 

「い、良いですが・・・反動で飛んでしまっても知りませんよ・・・?」

 

「構わん」

 

ローウェンはそう言って外に歩き出し、アルチゼンも続いて外へ向かう。




・オリキャラ

アルチゼン(職人)

S14地区の廃墟と化した基地にひっそりと工具を手に作業する鉄血工造のハイエンドモデル。

職人の名を関するだけあって手先は器用で、武器のメンテナンスを主に任されている。

作ろうと思えば武器は作れるが、仲間内から規格外過ぎたのかとても扱える物ではない物しか作らず、コストもかなり大きかった為、武器開発を禁止された。

性格はとても臆病で、人見知りが激しく、混乱すると会話がカミカミになってしまう。

仲間内でもそう滅多に会えないレアな存在。

アーキテクトの事を姉と慕っている。

戦闘面はかなり苦手で、拳銃一丁撃つだけでもへたり込み、そして外す程。

・容姿 

白色の短髪で黄色い瞳が特徴。大人体型で、胸は大きめにあり、少しだけ歩いても揺れる。

・服装

黒色のリッパーの服の上から上着を腰巻きに巻いた様な感じ。


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四話

武器の試し撃ちの為にローウェンとアルチゼンは外に出ると、ローウェンはさっそく的になりそうな手頃な平べったい瓦礫を見つけると、銃口を瓦礫に向けた。

 

ローウェンは武器の重さなど感じてないとばかりにしっかりと構えると、引き金を引いた。

 

引き金の引かれた武器は大きな発砲音ならぬ砲撃音が市街中に響く程の音と共に、弾が飛び、的にされた瓦礫は簡単に吹き飛んで崩壊してしまった。 

 

ローウェンは武器の激しい反動を感じるも、少し後ろに押されただけで大した事でもなく、平然と立っていた。

 

「す、すごい・・・その武器をまともに撃って平気でいる人なんて初めて見た・・・」

 

アルチゼンは武器を使いこなしたローウェンに呆気に取られていると、ローウェンは武器をまじまじと見てマスク越しにニヤける。

 

「・・・素晴らしい武器だ。弾丸の攻撃力だけじゃない、射程も長い。普通の大砲とは大きく違う・・・これがヤーナムにあったならもっと多くの戦術が産み出されていただろうに」

 

「すごいです!その武器が使えるなんて!・・・ローウェンさん?」

 

「いや・・・もし、これを水銀弾で使うとしたら多くの弾を消費するか・・・だとしたら切り札的な立ち位置に置く方が・・・」

 

「ローウェンさん!」

 

アルチゼンの大きく呼び掛ける声にローウェンはビクリッと背筋を伸ばすと、ローウェンはアルチゼンに向き直る。

 

「すまない。考え事をしてしまった」

 

「もう・・・ですが、すごいです!貴方が初めてですよこの武器が扱えた人!何者なんですか!」

 

「只の通りすがりの狩人、ローウェンだ。お前に頼みたい事がある」

 

「何ですか?」

 

「此処に時々、武器の整備をしに来ても良いか?私の武器は特殊だから自分で修理するしかないが・・・生憎、工具がな」

 

「は、はい!もちろん良いですよ!」

 

アルチゼンは笑顔でそう答えると、ローウェンは微笑み人差し指を立ててアルチゼンに見せる。

 

「それと・・・この武器も譲ってくれないか?」

 

「え?」

 

「この武器の価値が分からん奴等に捨て置かれるよりも、使いこなせる私の手に委ねた方が良いだろう。どうだ?」

 

「・・・はい!思う存分使ってください!」

 

アルチゼンはそう笑顔で答えると、ローウェンは新たな武器を手にして笑う。

 

「ありがとう。この武器に名前が無いなら私が名付けよう・・・この武器の名前は、鉄血工造が作られた大砲だから・・・差し詰、鉄血砲とでも名付けよう」

 

ローウェンは武器に鉄血砲と名付けると静かに笑い声を挙げた。

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場所は変わり、とある地区の戦場。

 

そこでは日頃からグリフィンと鉄血の激しい戦闘が繰り広げられる激戦区の一つだが、その地区のある市街で、鉄血兵達が後退しながら発砲していた。

 

「て、撤退!早く、撤退を!」

 

鉄血兵の一人がそう叫んだ時、その鉄血兵の首が人工血液を吹き出しながら飛び散らした。

 

首の飛んだ鉄血兵の近くには、血濡れた茶色ぽい古びた帽子とコートを纏い、紐を前にして結んだマスクを着けた血走った目をした男がいた。

 

手にはノコギリ状の長い刃を持つノコギリ槍と銃口が広めに作られた狩人の短銃を手にしており、男は鉄血兵の一人を仕留めると、素早く他の鉄血兵に詰め寄り、ノコギリ槍を変形させつつ、切り裂き、突き抜き、短銃で頭を吹き飛ばす。

 

男は鉄血兵を全滅させると、息を荒く吐き、血走った目をギラギラとさせながら叫ぶ。

 

「グオォォォォォォォォッ!!!」

 

男の叫びはとても人とは思えない物で、獣の様な叫びだった。

 

男は叫び声を挙げた後、男はゆっくりと歩き出し、立ち去っていく。

 

その姿を遠くから一騎のグリフィンドローンが目撃し、グリフィンで混乱が起きる事となった。

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ドローンから目撃された映像はすぐにヘリアンの元に入り、ヘリアンから直接クルーガーに報告される事になった

 

「それでヘリアン?S14地区に現れたローウェンとは違う、別の者が鉄血の部隊を全滅させたのか?」

 

「はい。偵察用のドローンからの情報によると服装、武器に違いがありますが似ており、行動と言動からして対話はとても出来そうにありません」

 

「・・・本当に、対話は不可能か?」

 

「獣の様に叫び、一方的に虐殺する者と対話は出来ないのは間違いないかと・・・それに、目が・・・目を見た所、とても人には見えませんでした。あのギラついて殺気を出しているあの目・・・まるで、本当に獣の様でした」

 

ヘリアンは少し怯える様に言うと、クルーガーは溜め息をついた。

 

「404小隊と接触した男、ローウェンはすぐに姿を消したが人には無害と言えた。だが、この男は明らかに有害としか言えんか・・・ヘリアン。この男の行方は?」

 

「歩き出した方向から見て、S14地区。ローウェンが最後に目撃された市街付近です」

 

ヘリアンはそう言って画面に写し出された地図を指差してそう答えるのだった。




・鉄血砲

ヤーナムとは別世界の工房、鉄血工造のアルゼンチンが作り上げた長砲。

瓦礫を簡単に破壊し、吹き飛ばす程の強力な威力を持つ長砲だが、長い砲と銃身の大きさ、重さが仇になり、人間の力を簡単に越える戦術人形しかいない鉄血工造でさえ失敗作と言われ、匙を投げられて埋もれていた。

普通の人間、人形が使えばとても扱える物ではない。

だが、力で捩じ伏せる戦術を使う狩人にとっては軽い物だ。



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五話

ローウェンはアルチゼンの元に武器修理の名目で狩りに出るまで狩人の夢の様に居座る様になった。

 

武器の修理を行い、次の狩り備えて施設内にあった空き部屋にある安楽椅子に腰掛け眠りに着いていた。

 

啓蒙の高さ故に賢く、何処かズレた神経と思考を得たローウェンでも流石にアルチゼンの工房で図太く一眠りするのは気が引けたからだ。

 

一眠りしている最中、ローウェンは夢を見た。

 

懐かしい、狩人の夢の世界の光景で、ローウェンは狩人の夢の世界に戻った時の位置に立っていた。

 

「此処は・・・狩人の夢か?また、この夢を見る事が出来るとは・・・」

 

ローウェンは狩人の夢の中を歩き、夢の中にある小さな屋敷の中に入ると、そこには人形が背を向けて立っており、ローウェンは声を掛けようと近づいた時、ローウェンは人形の前に誰かが車椅子に乗ってそこにいるのを察した。

 

「人形」 

 

ローウェンは一先ず、人形に声を掛けると、人形は振り向き少し驚いた様子でローウェンに話し掛ける。

 

「狩人様。何故、この夢に?貴方様は目覚められ、もう二度とこの夢を見る事はない筈ですが・・・」

 

「分からん。何故、此処に戻れたのかな・・・人形。お前の後ろにいるのは誰だ?ゲールマンじゃないな?」

 

ローウェンがそう問うと、人形の後ろにいた車椅子の人物が振り替える。

 

その車椅子に乗る人物は、右足が棒状の義足で、括れが特徴の古狩人のトップハット、煤けた狩装束、古狩人の手袋、煤けたズボン等とバラバラながら服装の見た目と性能のバランスの取られた組み合わせの格好をしていた。

 

「その話は私がしようか」

 

「誰だお前は?」

 

「私は助言者・・・それしか言わん。君は・・・もう、目が覚めた筈だ。なのに何故、狩りを止めない?」

 

「・・・さぁな。俺は狩人と言う事を覚えている以上、俺は狩人にしかなれないだけだ」

 

「狩人としてただ、獣を狩るだけと言う事か・・・実に素晴らしい。君はただ、狩人としてではない・・・例え悪夢が終わろうと獣の狩りの夜の終わりを君は望まない・・・そんな上位者と言う事か?」

 

「上位者?私が?」

 

ローウェンは上位者と呼ばれて首を傾げ、ふと影を見ると、ローウェンの影は人の形ではなく、無数の触手と獣の様な姿が合わさった様な形の影が大きく写っていた。

 

「ッ!?」

 

ローウェンは驚いて少し身を引いた時、ローウェンの首筋に鋭い刃が当てられた。

 

ローウェンは刃の出所を見ると、そこにはいつの間にか立っていたのか助言者がおり、その手には仕掛け武器のマスターピースであり、ゲールマンの得物である鎌状態の葬送の刃だった。

 

「君はもう目覚めると良い・・・この狩人の夢は君の物じゃない・・・さぁ、死を受け入れたまえよ・・・狩人の上位者よ・・・」

 

ローウェンはそう言われた瞬間、ローウェンの首は飛び、ローウェンは辺りが暗転した。

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ローウェンは眠りから覚めると、辺りを見渡した。

 

辺りはボロボロの部屋の景色で、自身は安楽椅子に座った状態で、眠る前以前の姿だった。

 

ローウェンは小さく溜め息をつくと、自身の額に冷や汗が流れているのを感じ取った。

 

「久しぶりだな・・・冷や汗を流すのは・・・」

 

ローウェンはそう呟き、不適に笑った時、アルチゼンが顔を真っ青にして飛び込んできた。

 

「た、たた大変ですローウェンさん!ぐ、グリフィンの部隊が向かって来ています!」

 

「・・・アルチゼン。お前の話はだいたい聞いて把握はしている。今回もグリフィンの偵察隊だろ?たまたま近くを通っているだけだと思うぞ?」

 

ローウェンはアルチゼンから一通りにこの世界の事を聞いている。

 

グリフィンと鉄血の二つの勢力による戦争、コーラプッスと呼ばれる物質が原因で変貌したローウェンが狩りの対象にしているE.L.I.D、この地区が見捨てられて人が寄り付かない事、定期的に両勢力から偵察隊が出される事などアルチゼンが知る限りの事を全てだ。

 

「違うんです!グリフィンの部隊の編成が偵察するにしてはおかしいです!編成にスプリングフィールド、トンプソン、グリズリーを中心とした精鋭の人形達が編成された部隊が三つあるんです!明らかに私が此処にいる事がバレてますよね!バレてますよね!!!」

 

アルチゼンは明らかに動揺しきっており、慌ただしく話す姿にローウェンはアルチゼンの過度な臆病な性格に少し呆れると同時にグリフィン側の動きに確かに疑問を感じた。

 

今まで偵察する為に最小限の戦力しか送り込む動きしか見せなかったグリフィンが何故、急に編成の規模を大きくしてやって来たのか。

 

ローウェンはグリフィンの動く理由に検討がつかず、ローウェンは少し溜め息をついた後、ゆっくりと安楽椅子から立ち上がる。

 

「なら、私が様子を見て来よう。人間相手ならいきなり撃たれるとはおもわんからな」

 

「うぅ・・・お願いします。できればすぐに帰ってきて下さい。一人でいるのは心臓・・・もといコアに悪いので・・・」

 

アルチゼンがそう言うと、ローウェンは辛く笑ってから頷くと、武器を手に様子見に出掛けた。

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その頃、グリフィン所属のスプリングフィールド、トンプソン、グリズリーと言った面々が率いる部隊がS14地区へと侵入していた。

 

「此処がS14地区・・・」

 

「何とも不気味だな・・・人は勿論、E.L.I.Dすらいない。ヘリアンから渡されている情報が正しければローウェンと言う男が殺し回っているからだろうな」

 

「流石に有り得なさすぎる情報じゃないの?人間一人がE.L.I.Dを倒すなんて」

 

人間一人が鉄血の小隊を皆殺しにした事も半信半疑であるのにE.L.I.Dを一人で殺し続ける男がいると言う話に三人は口々に疑問を感じつつ、自分達の任務である鉄血の小隊を皆殺しにした男の行方を追い保護、もしくは話が通じず、襲って来れば射殺を厭わない任務を行う。

 

三部隊は捜索範囲を広げる為に一つの部隊に分けて市街の捜索に入った。

 

部隊が別れ、市街の奥へと進むその姿を鋭く、血走った瞳が見つめていた事に気づかず。



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六話

グリフィンの部隊が三つに分かれた頃、ローウェンはコツコツと足音を鳴り響きかせながら市街を歩いていた。

 

グリフィンの部隊の痕跡が見つからず、原因がはっきりせず、E.L.I.Dすら見つからない状況にローウェンは困惑しつつも市街を探索する。

 

「人形どころか獣もいない・・・普段なら一匹くらいはいるんだがな」

 

ローウェンは不穏な静けさに警戒感を表しつつ歩いていると、市街中に響くように銃声と悲鳴が響き渡ったのだ。

 

「何だ?何が起きているんだ?」

 

ローウェンは困惑しつつ、銃声と悲鳴の発信源に向かっていく。

 

一方、銃声がなった場所では、スプリングフィールドの部隊が一方的な襲撃を受けていた。

 

スプリングフィールドの部隊は男の捜索を行っていたが、中々見つからない事に徐々に不安と警戒感が無意識の内に薄れ、一瞬の油断を許した時、男によるノコギリ槍の攻撃が部隊の人形の一人の首元にいき、切り飛ばされ、他の人形達が動揺している隙をついて男は確実に殲滅していき、スプリングフィールドのみが生き残る状態となった。

 

「あ・・・あぁ・・・そんな・・・」

 

スプリングフィールドは自身の半身であるスプリングフィールドライフルを男のノコギリ槍が自身に向かってきた時に咄嗟にスプリングフィールドライフルで防いでしまい、一撃で真っ二つに破壊された事で精神的ダメージも受けていた。

 

スプリングフィールドは対抗手段を失い、恐怖で腰を抜かして後退りながら血走った目をしてスプリングフィールドを殺そうと迫る男から逃げようとした。

 

「いや・・・死にたくない・・・!」

 

スプリングフィールドは恐怖で泣き出し、壁際に追い詰められた。

 

男はスプリングフィールドにゆっくりと迫ると、血塗られたノコギリ槍を大きく振りかぶる。

 

「何をしている?」

 

男はその問いを聞いて振り返ると、そこには武器を手に静かに立つローウェンがいた。

 

ローウェンは男の回りを見て、何があったのかを察すると、鋭い殺気を出しながら男に再度問う。

 

「貴様・・・狩人か。それも血に酔いしれた質の悪い方か」

 

「グルル・・・」

 

「人の言葉すら忘れたのか?だったらもう、貴様は獣だ・・・だから、獣となる前にせめて人として死なせてやれる様に勤めよう・・・」

 

ローウェンはそう言ってノコギリ鉈をしまうと、夢で見た助言者と名乗った男が使った同じ得物である曲刀状態の葬送の刃を取り出すと、鎌へと変形させて手にする。

 

「ローウェンの狩りを知れ・・・名も知らない狩人よ」

 

ローウェンはそう言って威圧感と殺気を男にぶつけ、男は一瞬怯むも、すぐに怯む事も忘れて身構え、飛び掛かった。

 

「グオォォォォォッ!」

 

男はノコギリ槍を槍に変形させると、ローウェンに突き立て様としたがローウェンは軽くステップし、葬送の刃を振るう。

 

埋葬の刃による一撃を男を襲い、血が吹き荒れるが男は一瞬の怯みを見せただけで戦意は落ちず、ローウェンに対して戦う事を諦めず、ノコギリ槍をノコギリと槍を使い分けて振るう。

 

ローウェンは男の攻撃を避けて、避けて、攻撃し、避けて、力を溜めて葬送の刃を振るって男を吹き飛ばす。

 

ローウェンによる一方的な戦い(狩り)にスプリングフィールドは恐ろしさを感じつつ、何処か快楽に似た楽しさを感じていた。

 

「何で・・・こんなの、楽しいなんて思う筈がないのに・・・快楽なんて感じる筈もないのに・・・」

 

スプリングフィールドは二人の戦いを見ている最中、男から飛び散った血がスプリングフィールドの顔に掛かった。

 

スプリングフィールドはその血を手で拭き取ってその目で見ると、表情が恐怖から笑顔へとなった。

 

「もっと・・・もっと血が見たい・・・!感じたい・・・!

 

スプリングフィールドは笑顔から不気味な微笑みに変わり、腰に差してあった銃剣用の短剣を抜くとゆっくりと歩む。

 

一方、男はローウェンとの戦闘で疲弊しきり、ローウェンは余裕だとばかりに埋葬の刃の刃を撫でる。

 

「どうした?もう終わりにしたいのならトドメを刺すぞ?」

 

ローウェンはそう言うと、堪に触ったのか男は雄叫びを挙げてローウェンに襲い掛かろうとしたが、その前に男の背中に鋭い痛みと熱が襲い掛かる。

 

男は血走った目で背後をゆっくりと見ると、そこには不気味な微笑みを浮かべるスプリングフィールドがおり、その手に持つ短剣が男を突き刺していた。

 

「ふふ・・・血を・・・血をもっと見せて!あっははははははは!」

 

スプリングフィールドはそう狂った様に笑い言うと、短剣を素早く抜いて男を蹴り飛ばす。

 

男は血に酔ったとはいえ狩人だ。

 

単純な力と速さなら人形を勝るが、明らかにスプリングフィールドの方が遥かに速く、力強かった。

 

男は先程まで追い詰めていた筈のスプリングフィールドが急に狩人顔負けの身体能力を見せたのを信じられないと表情が出る中、スプリングフィールドは倒れていた男に短剣を突き刺す、突き刺す、突き刺す、突き刺す!

 

どれだけ血に濡れ様と微笑みを崩さず、淡々と短剣を突き刺し、血を見て、感じ、浴びるその姿にローウェンは初めて自分が狩人となった事を思い出す。

 

ローウェンはヤーナムヨセフカの診療所で血の医療を受けた事を切っ掛けに狩人となり、殺されて狩人の夢に行き、武器を手にし、震えながらヤーナムの街を歩いて獣を狩った。

 

そして、聖職者の獣を何度も死にながらも狩り、血を感じ、浴びて、快感を感じ、初めて狩人としての楽しさと快楽を得て人としての何かを忘れてしまった。 

 

ローウェンはかつての自分をスプリングフィールドと重ねると、ゆっくりとスプリングフィールドに近づき、短剣を振り下ろす腕を掴む。

 

「もう止めておけ。もう狩りは成熟した」

 

「狩り・・・?」

 

「お前は血を見て、浴びて、感じた。何を思う?」

 

「・・・楽しさと快感、達成感・・・それと・・・血をもっと見たい、浴びたい!その感情が私の全てを支配する様に高まってます!あぁ・・・もっと、もっと欲しい・・・ふふふ・・・」

 

スプリングフィールドはそう言うと、短剣をまた突き刺すと男は息絶えて光と共に消え去った。

 

「良い狩人だ。血に酔い、獣の狩りへの欲求に素直・・・お前ならすぐにでも腕の良い狩人になりそうだ」

 

「さっきから狩人とは何ですか?それに男の人が消えましたよ?」

 

「あの男は死に、悪夢から覚めた。狩人を知りたいか?なら、私と共について来い。強制はしないがな」

 

ローウェンはそう言って立ち去る様に歩いて行き、その後ろをスプリングフィールドは血塗られた姿で着いていった。

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その頃、別の場所を捜索していたトンプソンは腹から血を流して虫の息だった。

 

トンプソンはなかなか見つからない捜索対象に困り果てて廃れた教会の中を最後に捜索を打ち切る提案をしようと考えつつ、部隊と共に教会に入ったのは良かった。

 

良かったのだが、中の物を見たのは大きな間違いだった。

 

教会の天井に片手片足を失ったグリズリーと死に絶えたグリズリーの部隊の人形達が首吊りの状態で死んでいた。

 

トンプソンは仲間達の変わり果てた姿に驚きと不安、恐怖と怒りの感情が一気に伝わり、動きを止めて唖然としていた時、トンプソンは後ろから悲鳴が聞こえて振り返ると、いきなり腹を撃たれ、倒れた。

 

気が遠くなる中、最後に見たのは仲間をノコギリ槍で切り裂いて殺していた男の血走った目だった。

 

そして、目が覚めて辺りを見ればトンプソンの部隊の人形達はグリズリー達程ではないが無惨に死んでおり、トンプソンは悔しさを感じた。

 

「くそ・・・あの時、もっと他の仲間達を気に掛けていれば・・・」

 

トンプソンはもう帰らないであろう過去を考え、悲しみ、涙を流していると、教会の外から足音が聞こえた。

 

「奴か・・・?」

 

トンプソンは仲間達を殺した相手なら刺し違えてでも必ず殺してやると考え、自身の半身であるトンプソンを手に足音の主を待っていると、足音は二つに聞こえる様になった。

 

トンプソンは相手は一人である筈なのに二つの足音に困惑していると、足音の持ち主は教会に入ってきた。

 

一人は、巨漢で昔の神父が着る様な黒い服と帽子を着込んだ男ともう一人は、巨漢とは別で先程の男と似た服装だが、茶色ではなく黄色で、帽子に羽が取り付けられている。

 

トンプソンは警戒していると、巨漢の神父が話し掛けてした。

 

「酷い物だな・・・これはお前がやったのか?」

 

「まさか・・・これはある男がやった。そこにいる黄色の奴に似た服装の男だ」

 

トンプソンの言葉に黄色の服装の男が反応する。

 

「狩人か・・・しかも、血に酔った」

 

「狩人?」

 

「狩人を知らないのか?全く・・・訳の分からん場所に放り出されたと思ったら今度は血に酔った狩人。その狩人から生き残った女一人か」

 

「女なんて名前じゃない。私はトンプソンだ・・・」

 

「それは失礼したな。俺はヘンリック。俺の隣にいるのはガスコインだ。さて、自己紹介は終えたんだ。手当てするぞ」

 

これが古狩人で、かつてローウェンによって葬られたガスコインとヘンリックの二人とスプリングフィールドとは違う道で狩人となるトンプソンの出会いだった。



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七話

S14地区の狩人の騒動から暫くして。

 

S14地区に再びE.L.I.Dが溢れ、さ迷う市街へと戻っていた。

 

E.L.I.Dが不気味な唸り声を挙げて歩く中、頭上から突如、杖を持つ人物がE.L.I.Dの頭に向けて突き刺す様に細剣を突き刺し、素早く引き抜くと細剣を振るう。

 

細剣の当たり血が飛ぶ音が何度も響き、返り血が僅かに付着する中、その人物は不気味に笑い獲物を見つければ容赦なく細剣を振るう中、物陰から犬の様なE.L.I.Dが飛び掛かってくると細剣を刃がズレて銃の様な筒が現れ、犬に向かって発砲された。

 

犬は吹き飛び、倒れた所を細剣の刃が突き立てられて絶命する中、ローウェンが血塗られた姿で現れた。

 

「やっているかスプリングフィールド?」

 

「はい、ローウェンさん。狩りは順調です」

 

スプリングフィールドはそう言ってネイテルパラッシュの刃を軽く撫でて血を拭き取る仕草を取る。

 

ローウェンがスプリングフィールドを弟子として迎い入れた時はアルチゼンの動揺と驚きで暫くスプリングフィールドから距離を取る様に隠れていたが、次第に慣れて落ち着き少し話をする仲になっている。

 

スプリングフィールドが狩りを行う為には武器が必要だが、スプリングフィールドの半身の銃は真っ二つにされて壊されてしまった為、代用品として近接も銃撃も可能なレイテルパラッシュをローウェンが送って今に当たる。

 

「そうか。お前に与えたレイテルパラッシュの使い心地は?」

 

「不思議と手に馴染みます・・・ふふ、この武器は本当に」

 

「気に入って貰って何よりだ。さて・・・そろそろ、お前には大物を仕留めて貰うぞ。他の獣とは格の違う奴を見つけた。そいつを一人で狩れ」

 

「一人でですか?」

 

「狩人として自立できるかの試験みたいな物だ。相手はお前にとってはそれなりに苦労する相手になるだろうが、大物一匹を仕留められない奴に狩人と名乗るのは無理だからな」

 

ローウェンはそう言うと、スプリングフィールドと共に大物がいる場所へと歩き出す。

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ローウェン達が目的地に到着すると、大きな建物があり、その建物から不気味な唸り声が聞こえた。

 

「この中に、血に渇いた獣がいる・・・気を付けろよ。奴は早いうえに毒を持つ。長期戦になれば厄介な奴だ」

 

「はい」

 

スプリングフィールドはローウェンにそう返事をして建物内に侵入すると、奥に大きな影が蠢いているのが見え、スプリングフィールドは更に奥に進むと、影がスプリングフィールドを認識し、素早い動きで迫るのだった。



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VS:血に渇いた獣

スプリングフィールドの初の大物(ボス)狩りです。

いつの間にかお気に入り数が100以上突破!

ありがとうございます!


血に渇いた獣は素早い速さでスプリングフィールドに接近すると、鋭い爪を立て、腕を振り回して攻撃を仕掛ける。

 

スプリングフィールドは落ち着いて冷静に攻撃を避けつつ、レイテルパラッシュを血に渇いた獣に突き立て、切り裂いていく。

 

血に渇いた獣に確実にダメージを与える中、血に渇いた獣はまた速い動きで大振りに腕を振り下ろそうとした所をスプリングフィールドはレイテルパラッシュを変形させ、発砲すると血に渇いた獣は怯みあがり、スプリングフィールドはそれを見逃さずに接近すると、右手に渾身の力を入れて血に渇いた獣の胸目掛けて突き刺すと、勢いよく内臓を引き抜いた。

 

「ぐおぉぉぉぉぉッ!」

 

血に渇いた獣の悲痛な叫び声が響くと同時に大量の血を吹き出しながら勢いよく後ろに飛んでいった。

 

その大量の血を受け、返り血を大量に浴びたスプリングフィールドは真っ赤に染まり、普通のスプリングフィールドとは違う、恐ろしい姿となったが、スプリングフィールドは気にせず寧ろ、不気味な笑みを浮かべて狩りを続ける。

 

血に渇いた獣は内臓を引き抜かれてもなおゆっくりと立ち上がると、スプリングフィールドに再び襲い掛かり、狩りは続いた。

 

スプリングフィールドはレイテルパラッシュを巧みに変形を使い分け、血に渇いた獣を追い詰める中、血に渇いた獣が突如、雄叫びを挙げながら体を大きく震わせ、液体の様な物を撒き散らした。

 

「・・・何かしら?」

 

スプリングフィールドは撒き散らされた液体が何なのかと考えていると、血に渇いた獣が液体を撒き散らしながら突っ込んできた。

 

スプリングフィールドは咄嗟に横にステップをして避けた時、右手に液体が少し掛かった。

 

スプリングフィールドはレイテルパラッシュを振るおうとした時、体に少し違和感を覚えた。

 

「なに・・・?体が少し怠い・・・まさか、ローウェンさんが言っていた毒・・・?」

 

スプリングフィールドは違和感を感じながらローウェンの言っていた血に渇いた獣のもう一つの驚異である毒の事を思い出す。

 

血に渇いた獣が毒攻撃を仕掛ける際の行動は二つ。

 

直接攻撃するか、または追い詰められた末に自ら毒を撒き散らすかだ。

 

血に渇いた獣の毒攻撃は直接攻撃された方が影響は出やすいが、撒き散らせる毒は近づいただけでも毒に脅かされる様になり、毒に対する対抗手段が無ければ厳しい局面に強いられる事になる。

 

スプリングフィールドは血に渇いた獣の攻撃を避けてはいくが、撒き散らされる毒の影響を徐々に受け続け、じり貧となり始めた。

 

「厄介な獣ですね・・・ですが、だからと言って勝てない訳ではありませんね」

 

スプリングフィールドがそう呟くと、血に渇いた獣が毒を撒き散らしながら攻撃を仕掛けた時、再びレイテルパラッシュを変形させ、発砲すると、血に渇いた獣が怯み、スプリングフィールドは毒を気にせずに体に腕を突き刺すと、何処かの部位を引き抜いた。

 

血に渇いた獣は再び吹き飛んだ倒れ、暫く暴れまわっていたが次第に動かなくなり、死に絶えた。

 

スプリングフィールドは一息つくと、後ろからリズム良く拍手の音が響き、スプリングフィールドは振り向くとそこにはローウェンがいた。

 

「よくやった。良い狩りだったぞ」

 

「ありがとうございます」

 

スプリングフィールドは嬉しそうに微笑むと、ローウェンも満足そうに笑い

 

「さて、アルチゼンも待っている事だ。帰ると・・・ん?何だアレは?」

 

ローウェンは血に渇いた獣の体内に何かが光に反射しているのが見え、ローウェンは血に渇いた獣の死体に近づくと、何も迷いもせず体内に腕を突っ込み、体内にあった物を取り出すとそれは別世界の狩人達が協力し合う時に使われる道具の一つ、共鳴する小さな鐘の様な代物だった。

 

「何だこれは?共鳴する小さな鐘・・・にしては形が少し異なるな?」

 

「ローウェンさんそれは?」

 

「わからん・・・ん?小さく何か書かれているな。共鳴する異界渡りの小さな鐘?」

 

ローウェンはそう呟いた時、頭の中に共鳴する異界渡りの小さな鐘の用途が頭に入り込む様に記憶された。

 

ローウェンは狩人となってからは武器や防具、道具を手にすると手にした物の説明や使い方が頭に入り、支障なく扱えた。

 

例え、それが上位者の一部だろうが武器としての使い方が頭に入ったのなら武器として振るったりするのがその一例だ。

 

「・・・成る程。この小さな鐘はどうやら別の世界でなった異界渡りの鐘の音に反応して呼び出される様だ」

 

「別の世界?」

 

「簡単に言えばパラレルワールドだ。例としては私がもしも、此処に来なかったら。もしも、私が女だったら。もしも、狩人ではなかったら等と挙げれば切りがない位に無数の世界があり、私の元いたヤーナムではこれに似た道具を使い、別の世界を辿った狩人達と助け合い、敵対しあったりした」

 

ローウェンは懐かしそうにそう言うと、共鳴する異界渡りの小さな鐘を揺らした。

 

チリリーン、チリリーン・・・

 

そうテンポ良く心地の良い音が響くも、特に何も起こらなかった。

 

「どうやら異界渡りの鐘を鳴らしている者はいない様だ。まぁ、鳴らしたのだから何時かは呼ばれるだろう。行くぞ、スプリングフィールド」

 

「はい、ローウェンさん」

 

ローウェンとスプリングフィールドは建物を後にし、アルチゼンの元へと帰っていく最中、小さな鐘の音は時よりまだ鳴り響いていた。




・共鳴する異界渡りの小さな鐘

異界渡りの鐘を鳴らしたの者の元に参じる為の小さな鐘。

無数の世界の中に存在する異界渡りの鐘の音に反応し、異界の主の目的に応じて行動の内容が決まる。

異界渡りの鐘は異界同士の交流の為に名も無き古い狩人が狩人呼び鐘と共鳴する小さな鐘を改良した結果、この様な二つの鐘が生まれ、異界のあちこちに配置される様に数を増やした。

だが、その鐘の存在は忘れ去られている為、異界渡りの鐘が再び鳴るのかは分からない。

~コラボ限定アイテム~


・異界渡りの鐘

共鳴する異界渡りの小さな鐘に共鳴する者を呼び寄せる鐘、ローウェンのいる世界では既に失われている。

無数の世界中に存在する共鳴する異界渡りの小さな鐘を鳴らした者を呼び出し、異界の主として呼び出した者に協力を仰ぐことができる。

~協力用コラボ限定アイテム~


今回のオリジナルアイテムはコラボ用のアイテムです。

コラボと言ってもローウェンがフリー素材として使用できる様にしただけなのですが、コラボも受付たいと思います。
 
匿名なので感想辺りにコラボの要請をお願いしますm(_ _)m


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八話

遅くなりました!


スプリングフィールドが血に渇いた獣を狩った後日、ローウェンは安楽椅子に座って寛いでいた所をアルチゼンがまた慌ててやって来た。

 

「ろ、ろろ、ローウェンさん!い、今すぐ隠れてください!」

 

「どうしたまた急に?」

 

「あ、アーキテクトお姉ちゃんが今日、突然来るって連絡があって!ローウェンさんがお姉ちゃんに見つかったら大変な事になります!」

 

建築士(アーキテクト)とはアルチゼンの姉に当たる人物で、アルチゼン曰く明るく楽観的な所はあるが鉄血の技術者としては優秀だと言う。

 

アルチゼンはアーキテクトの事を姉として慕っており、アーキテクトの造る兵器が好きでそれを真似て武器を造る。

 

そのアーキテクトが今日やって来るのだ。

 

「別に構いはしないだろ?確かに人間とお前達、鉄血は敵だがアーキテクトはそこまで敵意はないのだろ?」

 

「ち、違うんです!アーキテクトお姉ちゃんは何故か私が男の人といると笑顔で一緒にいた男の人を殴るんです!」

 

「殴るのか?」

 

ローウェンら首を傾げていると、奥からトレイに、コーヒー二杯と紅茶一杯が入ったカップを乗せて持ってきたスプリングフィールドがやって来た。

 

「あらあら、それは大変ですね。お姉ちゃんとしての嫉妬ですね」

 

「そんな呑気な事じゃないですよ!アーキテクトお姉ちゃんの本気の拳は男の人を何ヵ月も病院送りにするぐらい強いんです!あと、スプリングフィールドさんも隠れて!一様、グリフィンの人形なんですから!」

 

「獣の爪よりもマシだろ」

 

「そう言う事じゃなくですね!」

 

アルチゼンが必死に二人を特にローウェンを必死に隠そうとしていた矢先、部屋の扉が開かれて凄い勢いでアルチゼンに近づいて抱きつくサイドテールの少女が現れた。

 

「アルチゼン久し振り!元気にしてたかな?」

 

「あ、アーキテクトお姉ちゃん!は、はい!元気にしてました!」

 

「うんうん!よろしい!所で・・・この二人は誰?」

 

アーキテクトは明るい印象から何処か闇を感じる気配と目の光を濁らせてアルチゼンに問う。

 

「え、えーと・・・と、友達!友達です!」

 

「へぇ~・・・グリフィンのスプリングフィールドと男の人が友達なんだ・・・それで?この男の人とはどんな関係なの?」

 

「えーと・・・その・・・」

 

アーキテクトの尋常ではない雰囲気にアルチゼンは戸惑っていると、ローウェンは首を傾げつつ代わりに答える。

 

「アルチゼンとは居候の関係だが?此処の工房を貸して貰っていて大変世話になっている」

 

「居候?居候・・・同棲!?」

 

「何故、そうなるのですか」

 

アーキテクトの居候からの同棲と言う言葉の変換にスプリングフィールドがついツッコミを入れるが、男と女が同じ屋根の下に住んでる時点でありがち間違ってはいない。

 

「アルチゼン!お姉ちゃんは同棲なんて許さないよ!」

 

「同棲なんかじゃありません!!!」

 

アルチゼンは赤面しながらそう否定し、アーキテクトとアルチゼンはお互い言い合う姿にローウェンとスプリングフィールドは立ち尽くすしかなかった。

 

「・・・さて、持ってきてくれた紅茶を頂こうか」

 

「はい」

 

ローウェンの出した答えは二人を放置する事だった。

 

スプリングフィールドの入れた紅茶を受け取って優雅に紅茶を飲む。



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九話

暫くして、一先ず落ち着いたアーキテクトは先程までローウェンがアルチゼンと一緒にいる事を拒絶していた時とうって変わり、興味津々にローウェンは見る。

 

「へぇ、この人がアルチゼンの武器を使いこなしたの?」

 

「は、はい!やっと理解してくれる人が見つかったんです!アーキテクトお姉ちゃんが言ってた通りです!」

 

アルチゼンは目を輝かせながらアーキテクトにそう言うと、アーキテクトは愛しい妹からの言葉がかなり嬉しかったのか胸を張って頷く。

 

「アルチゼンの才能が生かされない訳がないよ!だって私の可愛い妹だもん!」

 

アーキテクトの言葉にアルチゼンは恥ずかしながら嬉しそうに笑う。

 

姉妹の微笑ましい光景にローウェンは微笑む。

 

「ローウェンって凄いんだね!アルチゼンの武器は色々と凄いから扱える人がいて良かったよ!でもアルチゼンはお嫁に渡さないからね!」

 

「だから違う!ろ、ローウェンさんとはそ、そそそ、そんな関係じゃないです!」

 

「本当に!本当なんだよね!」

 

「本当だよ!」

 

アーキテクトのしつこい追及に必死に弁解するアルチゼンは顔を赤くしながらもそう言うと、アーキテクトは一様、信じたのか軽く溜め息をつく。

 

「分かったよ・・・今回は信じるよ」

 

「今回だけですか?」

 

「もしかしたら進展しちゃって・・・ベッドの上でアレやってコレやるんじゃないかなって心配で!」

 

「しません!!!」

 

アルチゼンはアーキテクトに対して本気で赤面しつつツッコみを入れるとアーキテクトはケラケラと笑っている。

 

ローウェンはさっきの発言はからかっただけだなと思った時、一瞬だけアーキテクトの瞳の光が消えて何処か懐かしい雰囲気を感じた時、ローウェンはふと思い出した。

 

「(分かったぞ、この懐かしい雰囲気は・・・アデーラか!)」  

 

ローウェンは赤い月の夜に変貌したアデーラを思い出した。

 

教会の墓場で待ち伏せし、ローウェンの血を抜こうと刃物を手に迫り、動きこそはとろくさく、ステップも使わずに避ける事が出来たが、精神的に恐怖に押し潰されそうになったあの記憶を。

 

ローウェンはアデーラの事を思い出してガタガタと体を震えさせ始める。

 

「ろ、ローウェンさん!どうしたのですか!?」

 

「ローウェンさん。お顔が真っ青になってますよ?」

 

スプリングフィールドとアルチゼンはローウェンの異常に気付いて声を掛けると、ローウェンは震える手で懐から鎮静剤を取り出すと一気に飲み干し、一息つく。

 

「・・・大丈夫だ。少し、嫌な事を思い出しただけだ」

 

ローウェンはそう言って額を押さえながら近くの椅子に座り、二人はローウェンの言動に首を傾げるのだった。




・アーキテクト(建築士)

アルチゼンの姉である鉄血工造のハイエンドモデルの一人。

鉄血の兵器開発に携わり、アルチゼンを深く溺愛している。

その溺愛ぷりは鉄血の指揮官にあたる代理人ですら引く程。


・アデーラ

医療協会に所属するブラボ公認ヤンデレで、名前だけ登場。

ルート次第で主人公にヤンデレとしての本性を見せ、ある女性(ネタバレになるので名前は伏せてます)が犠牲になる。

ヤーナムの狩人達の一部にはもしかしたらアデーラの突然のヤンデレに若干トラウマを抱いているのかもしれない。


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十話

騒動の後、アーキテクトは名残惜しそうにしつつもアルチゼンと別れを告げて帰って行った。

 

アーキテクト騒動の後のローウェンは変わらず、獣狩りに興じようと武器を手に街の地下、下水道の中に入り、蔓延る獣を狩る・・・筈だった。

 

「消え失せろ豚が!!!」

 

ローウェンはそう言ってE.L.I.D化した巨大豚をノコギリ鉈で無惨に切り刻み、回り込んでは強烈な一撃を食らわせ、ケツに手を突っ込んで内臓を引き抜いていく。

 

ローウェンの異常な豚への憎悪は回りの豚を巻き込み、狩られる中、スプリングフィールドらローウェンの奇行に唖然としていた。

 

「ろ、ローウェンさん・・・?」

 

スプリングフィールドはローウェンの奇行を見て、声を掛けるがローウェンは聞こえていないのか豚を夢中で切り刻んでいる。

 

「豚を・・・許しはしない・・・絶対に・・・許しはしない・・・!」

 

ローウェンはそうブツブツと呟きながらノコギリ鉈の鉈で豚の原型を留めない程に切り刻んだ後、一息つく。

 

「・・・ッ!すまない。驚かせたな」

 

「い、いえ・・・豚に何か恨みでも?」

 

スプリングフィールドはそう率直に聞くと、ローウェンは暫く黙った後、答える。

 

「兎に角、嫌なんだ・・・豚を見る度に吐き気がする。豚料理でもつい、武器を振り下ろしてしまう衝動があるくらいだ」

 

「そこまで嫌いなんですか・・・」

 

ローウェンの意外な一面にスプリングフィールドは思わず引き気味になったが、ローウェンが此処まで拒否感を示す程の事があったのだと考える。

 

「それにしても下水道の中にも獣が多いですね。特に豚が」

 

「昔に下水道の一本道に陣取る豚を狩った事があるが・・・豚は必ず下水道があれば道を塞ぐのが決まりなのか?」

 

ローウェンとスプリングフィールドは豚が何故、下水道に集まり道を塞いだりするのか疑問に思うも他の獲物を求めて歩き出す。  

 

ローウェン達は下水道を歩き続け、やがて抜け出した時、黒いフードを深く被った狩装束に身を包んだ男をを二本の短刀で切り裂き、倒したまるでカラスの様な装束を纏った人物がいた。

 

横顔はペストマスクの様な面で見えないが、ローウェンにはその人物が誰なのかすぐに分かった。

 

「貴方も此処に来ていたのか。アイリーン」

 

「おや?もしかしてローウェンかい?久しぶりだね・・・大聖堂前以来かい?」

 

アイリーンと呼ばれた人物はローウェンを見て懐かしそうな仕草を見せた後、スプリングフィールドを見た。

 

「色々も積もる話はしたいが・・・その子は?」

 

「私の弟子のスプリングフィールドだ」

 

「スプリングフィールドです。ローウェンさんの狩人の弟子です」

 

スプリングフィールドはそう丁寧に挨拶すると、アイリーンは意外そうな仕草を見せる。

 

「へぇ、弟子かい。ローウェン、お前さんが弟子を取るなんてね・・・私はアイリーン。あんたと同じ狩人だが、私の獲物は獣じゃない。・・・狩人だ。それも血に酔って自身を見失ったね」  

 

スプリングフィールドは自身が狩人となった切っ掛けを作ったあの名も無き狩人を思い出した。

 

所構わず狩り、血に酔いきったあの姿をスプリングフィールドは未だに忘れていなかった。

 

そして、スプリングフィールド自身も血に酔いしれそうになった事も。

 

アイリーンはスプリングフィールドを見て何かを悟ったのかスプリングフィールドに声を掛ける。

 

「しっかりすんだよ。一度、狩りに酔いしれば元の自分に戻る事はないんだ・・・良いね?」

 

アイリーンはそう言って暗闇に消えていった。




・鳥羽の狩人アイリーン

血に酔った狩人を狩る狩人狩りの狩人。

嘴の様なペストマスクと烏羽のマントからは判別しづらいが女性である。

年齢は声からは判別しづらいが自身の事を時折「ババア」と称する場面もあり、妙齢の域を過ぎた位の年齢ではないかと考えられる。

武器は獣狩りの短銃と狩人狩りに代々受け継がれる双刀型仕掛け武器、「慈悲の刃」である。 

・豚型E.L.I.D 
 
E.L.I.D化した巨大豚で、ローウェンが見つければその場で滅茶苦茶に狩られる。

ローウェンのトラウマの一つに響く姿である為、ローウェンからは意味嫌われている。

・ローウェンの豚嫌い

過去のトラウマにより普通の豚でも料理でも豚に関する物が兎に角嫌う。

下手をすればその場で武器を取り出して振るってしまう事も。


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十一話

ローウェン達は下水道を抜け、地上に出た後で唖然として立ち尽くしていた。

 

ローウェン達の目の前に金のアルデオと呼ばれる金色の大きな被り物でパンツ一丁の男も、髭面でハゲ頭の貴族よドレスを着た男の二人が奇妙なポージングをしていたのだ。

 

「「我らは変態兄弟!どんな獣でもこの拳で粉砕してみせよう!」」

 

「・・・何だこいつら?」

 

何故、こうなったのか時は過去に遡る。

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ローウェンとスプリングフィールドは下水道を抜け、歩くと広場へと踏み出した。

 

そこはE.L.I.Dが多く蔓延り、二人を取り囲む様に迫ってきていた。

 

「やるぞ」

 

「はい」

 

二人は武器を構え、狩りを行おうとした時、獣の一体が突如として血を吹き出し、飛んできた。

 

ローウェンは何事かとその方向を見るとそこには金のアルデオを被ったパンツ一丁の男が素手で素早いステップを行ってE.L.I.Dの背後を取ると、強い一撃を食らわせた後で内臓攻撃を行うと言う変態ぶりを見せていた。

 

「せやぁ!」

 

また近くには貴族のドレスを着た髭面のハゲ頭のおっさんが内臓攻撃して粉砕し、アルデオとおっさんはあっと言う間に全てのE.L.I.Dを蹴散らしてしまった。

 

蹴散らし終えた二人は静かに立ち尽くした後、何を思ったのか奇妙なポーズをやり始めた。

 

「「我らは変態兄弟!どんな獣でもこの拳で粉砕してみせよう!」」

 

「・・・何だこいつら?」

 

そして今に戻る。

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ローウェンとスプリングフィールドは唖然としていると、変態二人はローウェン達の存在に気づき、声を掛けてきた。

 

「おぉ、貴公らも狩人か。すまない、既に獣は狩ってしまったわ」

 

「さよう。我ら二人揃えばどんな獣であろうと短時間でこの拳で粉砕してしまうからな」

 

変態二人はそう言って高笑いする。

 

スプリングフィールドは唖然としている中、ローウェンはこう言う変態的な輩に慣れているのか唖然とした表情から普通の表情に戻っている。

 

「ろ、ローウェンさん?」

 

「言いたい事は分かる。だが、気にするな。狩人のごく一部にはこう言う変態が紛れ込んでいるんだ。・・・懐かしい格好だな」

 

「それはどう言う意味ですか!?あの格好した事があるんですか!?」

 

ローウェンの最後に呟いた言葉にスプリングフィールドがツッコムと、ローウェンは暫く黙った後、視線を反らして。

 

「・・・してない」

 

その一言を伝えた。

 

「ローウェンさん!?」

 

スプリングフィールドは視線を反らして伝えた意味を察してローウェンの名前を叫ぶが、視線を背けるだけで特に何も反ってこない。

 

スプリングフィールドはあの変態二人の格好を一方の方でしたのかはたまた両方していたのかと考えが出る中、アルデオが話し掛けてきた。

 

「済まないな貴公ら。獲物がいなくては狩りにもならんだろう・・・そうだ!奥に大きな獣がいたような兄弟!」

 

アルデオがそう言うと、おっさんは笑顔で答える。

 

「おぉ、いたな兄弟!アレはメインディッシュに取っておいたんだが詫びとなれば話は別だ!さぁ、貴公らよ!奥に狩りがいのある獣がいる!それを狩るが良かろう!」

 

おっさんがそう言うと、アルデオと共に何処かへ消えて行き、二人は何だったんだと思いつつ教えられた方へ歩きだす。

 

「ローウェンさん。あんな格好してませんよね?」

 

「・・・した。後悔しているし恥ずかしいから言うな」

 

ローウェンの自白にスプリングフィールドはローウェンの意外な一面の一つを見たのだった。




・オリキャラ

・アルデオ 

容姿:頭に金のアルデオを被り、パンツ以外何もきていない。

武器:素手

金のアルデオとパンツのみ装備する変態狩人で、変態兄弟の片割れ。

見た目だけでなくステップを駆使して獣を狩る変態戦法を得意とする。

・おっさん

容姿:ハゲ頭で髭をはやし、貴族のドレスを着ている。

武器:素手  

貴族のドレスを着たおっさん。

アルデオと同じでステップを駆使する変態スタイル。

アルデオ以上に変態だ。



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VS:腐敗の聖獣~前編~

ローウェンとスプリングフィールドが教えられた場所へやって来ると、そこは大きな聖堂があった。

 

聖堂の周りは静かで、不気味な雰囲気を醸し出していた。

 

「此処があの二人が言っていた場所ですか?」

 

「分からんがそうだろう・・・」

 

スプリングフィールドの問いにローウェンはそう返す。

 

ローウェンは聖堂を見た時、過去に獣化した教区長エミーリアを狩った場所に何処か似ている事にローウェンは気付き、今まで戦った手強い獣は何処か過去に対峙した獣と似ていた。

 

「(・・・まさかな)」

 

ローウェンはこの世界でも相手が違うだけで同じ道を辿らされているのではと考えるも考え過ぎだと思い直し、聖堂に踏み込む。

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聖堂に踏み込んだローウェン達は奥へ奥へと入っていく。

 

聖堂の壁には信仰していたであろう神の偶像が所々あり、ローウェンはやはり何処か似ていると考えた。

 

やがて大きく広い階段が現れ、二人は階段を登ると広い空間の部屋へと出た。

 

部屋の中央にはローウェン達から後ろ向きに向いている大きな白く所々腐敗した獣がいた。

 

「やるぞ、スプリングフィールド」

 

「はい」

 

ローウェンの言葉をスプリングフィールドが返した事を合図に二人は狩りを始めた。

 

獣は二人に気付き、大きな雄叫びを挙げながら迫り、巨体な腕を振りかぶって攻撃を仕掛けた。

 

二人はステップで避け、ローウェンのノコギリ鉈が振るわれ、スプリングフィールドのレイテルパラッシュの銃が火を噴いた。

 

獣は二人の攻撃を受け、更に激しい攻撃を行うが二人は容易く避け、攻撃を叩き込むと獣は怯んだ。

 

ローウェンはその隙をついて更に攻撃を仕掛けようとしたその時、ローウェンの頭に激しい頭痛が起こり、ローウェンは構える事も忘れて頭を押さえ込んだ。

 

「な、何だ・・・頭が・・・!」

 

「ローウェンさん!」

 

頭を押さえ込んでいたローウェンがスプリングフィールドの叫びを聞いて次に視界に入ったのは獣の巨大な腕が横凪ぎに振るわれていた姿だった。

 

ローウェンは攻撃を避けられず、そのままゲンの攻撃を受けてしまい壁に叩きつけられてしまった。

 

「ぐッ!?」

 

ローウェンは壁に叩きつけられ、身体の全てに痛みを覚える中、獣が迫ってくる。

 

獣は腕を振り上げローウェンを攻撃するが、ローウェンは間一髪の所で避け、身構えるも頭痛は収まらない。

 

スプリングフィールドは必死に獣の注意を剃らそうとするが全く反応せず、ローウェンに向かって行き、再び攻撃を仕掛けるのだった。



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VS:腐敗の聖獣~後編~

獣は腕を振り下ろし、ローウェンに攻撃を仕掛ける中、ローウェンの視界は回りが遅く見えていた。

 

獣の腕がゆっくりと迫る中でスプリングフィールドが駆け寄ろうとする姿もまたゆっくりと見える。

 

ローウェンは息を荒げて攻撃が来るのをただ待っていたその時、ローウェンは急に身体が熱くなる様な感覚を受けると同時に反射的に右に飛んで攻撃を避けた。

 

攻撃を避けると同時にローウェンの視界の早さは戻るが身体の熱さは変わらず、ローウェンは荒い息を吐きながらゆっくりと獣を睨み付けた。

 

「ッ!?。ローウェン・・・さん・・・?」

 

スプリングフィールドは獣を睨むローウェンに恐怖した。

 

今まで獣が近くにおり、戦闘になったとしても温厚な姿勢を崩さなかったローウェンが今では鋭い目付きで獣を睨み付ける姿を見せるまるで獣の様な姿勢だった。

 

ローウェンは暫く無言だったがやがて、何処から途もなくノコギリの様な刃を持った巨大な丸い何かと棍棒を取り出すと、丸い何かと棍棒を合体させると付けられた丸い何かは勢いよく刃を回転させた。

 

この武器は回転ノコギリと呼ばれる連盟の長であるヴァルトールが愛用する仕掛け武器で、高威力と残虐な攻撃性能を持つ。

 

ローウェンはその回転ノコギリを両手に持って獣に迫る中、獣は只ならぬ気配を感じ、ローウェンを攻撃する。

 

だが、それよりも先にローウェンがステップで避けると同時に距離を縮め、回転ノコギリを勢いよく獣の腹に叩きつけた。

 

回転ノコギリは鈍器としても文字通り回転するノコギリとしても機能し、獣に絶大な痛みと傷を与え、獣に悲痛な叫び声を挙げさせ、大量の出血を強いた。

 

「血の・・・良い匂いだ・・・狩りはこうでなくてはならない・・・ふふふ」

 

ローウェンは不気味に笑いながらそう呟くと、回転ノコギリを再び振るう。

 

力強く、素早く振るい、避けて、隙を突いて叩き、ノコギリを勢いよく回転させて叩きつける。

 

もはや一方的な狩りなったこの光景にスプリングフィールドは唖然としていると、獣は倒れ込み、ローウェンは回転ノコギリを頭上に持ち上げて勢いよく振り下ろし、獣の頭を叩き潰した。

 

大量の血が吹き荒れ、ローウェンを赤く染め上げていく中、静かで不気味な雰囲気が支配する。

 

「ローウェンさん・・・」 

 

スプリングフィールドは佇むローウェンに近付いて触れようとした時、ローウェンが急に振り返りスプリングフィールドの腕を素早く掴んだ。

 

スプリングフィールドは驚いて後ろに下がろとしたがローウェンに掴まれた腕のせいで離れられず、スプリングフィールドは固まるしかなかった。

 

ローウェンは暫く動く事はなかったが、やがてローウェンはスプリングフィールドの腕をゆっくりと離した。

 

「・・・すまないスプリングフィールド。私は少し、疲れているようだ」

 

「そ、そうですよね・・・今日のローウェンさんは体調が悪そうでしたし」

 

スプリングフィールドは今のローウェンは正気だと分かり、安堵するがローウェンのあの獣の様な視線が未だに頭から離れずにいた。 

 

スプリングフィールドの記憶にある狩人となった切っ掛けとなった血に酔った狩人もまた獣の様な鋭い目付きをしていた。

 

「(まさかですよね・・・)」

 

スプリングフィールドは不安を抱きつつ、平静を装っているとローウェンは聖堂の奥へと移動しており、ある一点を見つめていた。

 

「これは・・・」

 

ローウェンが見ていた物・・・それは、触手の様な物を何本か生やした狼の様な巨大な獣の偶像だった。



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悪夢の奥へ

不気味な偶像の下にローウェンはいつの間にか歩み出し、目を見開いて静かに偶像を見つめていた。

 

狩人の夢で見た自身の影の姿。

 

聖堂にある偶像。

 

この二つはローウェンの記憶と一致し、一体この獣は何なのかと疑問を覚えたその時、突如、青い球体がローウェンに向かって行き、ローウェンに到達すると勢いよくローウェンが空中に浮いた。

 

「ッ!?」

 

「ローウェンさん!?」

 

スプリングフィールドは叫び、何故ローウェンが空中に浮いているのかと混乱する中、ローウェンには見えていた。

 

目の前に八本の腕を持ち、デコボコした穴が幾つかある頭を持つ巨大な怪物だった。

 

「アメンドーズ・・・!」

 

ローウェンは怪物アメンドーズが突如、現れた事に驚きを隠せない中、ローウェンはアメンドーズに握り潰されると同時に不気味な光に包まれ、消えてしまった。

 

「ローウェンさん!!!」

 

スプリングフィールドは消えてしまったローウェンに叫ぶも虚しく聖堂に響くだけだった。

 

そして、何処からともなく声が聞こえた。

 

悪夢は続く・・・終わらせても終わらせても・・・狩人が望む限り獣狩りの夜は永遠に続くであろう・・・

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その頃、S14地区の市街では404小隊が歩いていた。

 

「何でまた彼奴と接触しなきゃいけないのよ・・・!」

 

「我慢だよ45姉。今回はほら、あれだよ・・・あれ」

 

「あれ・・・て、何よ?」

 

「身長が低くて胸が小さくても大丈夫だよ!」

 

ホローにすらなってないし、訳が分からない事を言う9に45は拳骨を食らわせ、9は痛みが走る頭を擦る。

 

「にしても自棄に静かね?ローウェンの他にも狩人と思われる人物がいるって報告にあったけど。静か過ぎるわ」

 

416は辺りを見渡してE.L.I.Dが一体もいない所か行く道、行く道にと進んでも出くわす事はなかった。

 

S14地区はE.L.I.Dの巣窟。

 

一体も会わないなどまずないのだ。

 

「それもそうね・・・ローウェンがやったにしてもこれは可笑しいわね・・・」

 

45は市街の異常に不安感を覚えた時、空が急に薄暗くなり、45達は上を見ると青白い空となっていた。

 

そして、雲が風に吹かれて見えたのは赤い月だった。

 

45達はその月に嫌な雰囲気を覚えた時、G11はある物に気づく。

 

「ね、ねぇ・・・アレって不味くない?」

 

G11の言われた方を全員が見た時、E.L.I.Dの大群がS14地区の外を目指して行進していたのだ。

 

中には巨大な獣の様な怪物もおり、明らかに外に出しては非常に不味い事になるのは確かだった。

 

「これは最悪ね・・・!誰でも何処でも良いから増援を要請して!何とか食い止めるわよ!」

 

45率いる404小隊は圧倒的不利の中、手当たり次第に増援を呼び、E.L.I.D()達と対峙した。

______________

_________

____

 

ローウェンは目を覚まし、ゆっくりと立ち上がり、辺りを見渡した。

 

目にしたのは要り組んだ古い屋敷の様な建物で、通路や階段が異様に捻り曲がったり、多いそんな場所だ。

 

ローウェンはそんな空間に戸惑いを抱いていた時、頭に響く様に声が聞こえた。

 

『悪夢を始めようとする元凶を探しだし、潰せ。さもなくば覚める事のない悪夢が始まるであろう』

 

異様で、不気味な空間の中で聞こえたローウェンは意を決して歩き出す。

 

悪夢の奥へと。




【緊急コラボ企画!】  
 
・S14地区E.L.I.Dの侵攻・

S14地区においてE.L.I.Dが地区外に向けて侵攻を開始した!

鉢合わせた404小隊のみでは迎撃不可能な戦力差であり、早急に増援が必要とされる。

近くにいる戦闘可能な者の参加を求める。

E.L.I.Dの防衛線の突破は任務失敗とする。

なお、異常気象が発生し、精神に異常をきたす可能性があり、精神的に弱い者は注意が必要であり、更に大型のE.L.I.Dも多数見られるので十分な火力も必要となる。






『悪夢の始めようとする元凶を探しだし、潰せ。さもなくば覚める事のない悪夢が始まるであろう』

・元凶の悪夢・

獣狩りの狩人ローウェンが悪夢の蔓延を阻止すべく引き摺り込まれた異空間をさ迷っている。

大聖堂へ向かい狩人スプリングフィールドと合流し、ローウェンの元へ行く方法を探しだし、ローウェンを探せ。

元凶は異空間の中にいるとされ、ローウェンと共に元凶を叩き潰せ。

なお、異空間では何が起こるか分からない。

その為、非常に困難かつ危険な任務となる。


ブラッド・ドール大型コラボです!

E.L.I.D迎撃と異空間へ赴きローウェンと共闘の二つのルートがあります。


・E.L.I.D迎撃ルート

E.L.I.D迎撃ルートは外部へ出ようと行進するE.L.I.Dを救援要請した404小隊と共に迎撃するルートとなります。

普通のE.L.I.Dは勿論、ローウェンの対峙した腐食の巨獣やブラボの恐ろしい獣、血に渇いた獣等と出てきます。

また、青ざめた血の夜による影響で精神面の弱い者に大きな精神異常を受ける覚悟が必要になり、狂った狩人とも戦う事になります。


・異空間へ赴きローウェンと共闘するルート

大聖堂でローウェンが引き摺り込まれた様にアメンドーズに引き摺り込まれて異空間へ赴き、異空間をさ迷うローウェンを探しだして元凶に対して共闘するルートとなります。

前提条件としてスプリングフィールドの救援要請に応じて大聖堂へ行き、アメンドーズに捕まらなければなりません。

異空間は要り組んだ迷路の様な屋敷で、普通の人間なら即死する様な罠やブラボの獣などが蔓延っています。

手強い敵こそ少ないですが急な不意討ちが多いです。

そこで危険を回避して元凶を探すローウェンと合流し、共に元凶を叩き潰す事ことになります。


以上、が大型コラボの二つをルートとなります。

分からない事や元凶を知りたい方はメールをお願いします。

活動報告にも記載したいと思います
       ↓

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=239037&uid=176151


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悪夢の元凶狩り~大型コラボ編・1~

ブラッド・ドール大型コラボです!

ご参加の皆様、どうかよろしくお願いしますm(_ _)m

・コラボ作品一覧

危険指定存在徘徊中https://syosetu.org/novel/190378/

破壊の嵐を巻き起こせhttps://syosetu.org/novel/180532/


S14地区の大通り、E.L.I.Dの大群が地区外を目指して進行する中、進行を阻止しようと404小隊はE.L.I.Dに向けて発砲し続けていた。

 

「救援はまだなの45!」

 

「まだ反応はないわ!来ると信じて戦うしかないわ!」

 

417に45はそう返答すると、9は自身の無線に反応が出た事を知らせた。

 

「45姉!隣のS13地区が救援に来てくれるって!」

 

「分かったわ!救援の部隊が来るまで持ちこたえるわよ!」

 

45はそう指示し、E.L.I.Dに攻撃を加えていた時、小隊の攻撃を掻い潜った大きな狼の様なE.L.I.Dが鋭い爪をたてながら45に向けて振り下ろそうとしていた。

 

「45姉!!!」

 

9の叫びに反応して45はE.L.I.Dに気付くも既に遅く、45は攻撃を受ける覚悟をした時、E.L.I.Dは一発の銃声と共に怯み、そして何者かが素早い動きで接近し、腕をそのままE.L.I.Dに突き刺すと、何かを勢いよく引き抜いた。

 

何かを引き抜かれたE.L.I.Dは大量の出血を強いられ、暫く悶えていたがやがて絶命した。

 

「・・・今夜は自棄に煩いと思ったらなんだいこの数は?」

 

「あんたは・・・?」

 

「私はアイリーン。狩人をやってるババァだよ。言っても本当なら獣じゃなくて他を狩ってるんだけどね」

 

アイリーンはそう言って単発式の短銃を腰にしまうと、短剣を両手で掴み、勢いよく引っ張ると、短剣は一つから二つへと変わった。

 

慈悲の刃。

 

それは血に酔った狩人を狩る役目を持つ狩人狩りに代々受け継がれる特別な仕掛け武器で、星に由来する稀少な隕鉄を素材として使われている。

 

最も古い工房の仕掛け武器で仕掛けによって一枚から二枚の刃へと変え、狩人の技量次第で素早い身のこなしと驚異的な連続攻撃が行える。  

 

「いつまでもモタモタしてるんだい?他の狩人達はもう狩りを始めているさね。そんなんじゃこの夜は生き残れないよ?」

 

アイリーンの言葉に404小隊は正気に戻ると、再び銃を構えE.L.I.Dと対峙した。

_________________

__________

____

 

その頃、大聖堂では突然、空に飛んだと思ったら消え去ったローウェンに戸惑い、混乱するスプリングフィールドはどうするべきか分からずにいた

 

「本当にどうすれば・・・」

 

スプリングフィールドは混乱する最中、自身の腰に備えられた無線を見た。

 

グリフィンを抜け、狩人となったスプリングフィールドはもはや連絡する事もないので必要としていなかったが、此処に来てもう藁にもすがる気持ちで無線を取った。

 

「誰か・・・誰か聞いてください!」

 

スプリングフィールドは無線に向けてそう叫んだ。 

 

その姿をアメンドーズはただ見ているだけだった。

 




改めてよろしくお願いします


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悪夢の元凶狩り~大型コラボ編・2~

コラボ続きとなります。

今回はローウェンのみの視点です。

・コラボ作品一覧

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破壊の嵐を巻き起こせhttps://syosetu.org/novel/180532/


アメンドーズによって連れ去られたローウェンは異空間の中で悪夢を体現しようとする元凶を探し、そして狩るべくさ迷っていた。

 

薄暗い異空間の中を携帯ランタンを腰に着け、両手の自由を維持した状態で要り組んだ道を進む中、横から一体の鉈を持った獣人がローウェンに向けて振り下ろしてきた。

 

ローウェンはこの手の奇襲には慣れており、少し避けてノコギリ鉈を振るって凪ぎ払った。

 

凪ぎ払ったのは良かった。

 

だが、その際に獣人は切り裂かれると同時に後ろへ飛んで積み重ねて置かれていたオブジェをぶつかって壮大に音を立てて絶命したのだ。

 

それが原因なのかローウェンの後ろから無数の足音がどんどん近づいてくるのが分かった。

 

「私もまだまだだな・・・」

 

ローウェンはそう呟いて走り出す。

 

幾らローウェンが強くとも数の勝負になれば分は悪く、囲まれてリンチなどとされれば一堪りもない。

 

ローウェンは有り余る体力の限りに走り、階段を登り、下り、坂を滑り降りたりと大群から逃げ続けて曲がり角を曲がろうとした瞬間、ローウェンの目の前からギロチンの刃が勢いよく降ってきた。

 

「ちッ!」

 

ローウェンは咄嗟に後ろに飛ぶと、ギロチンの刃は床に深々と突き刺さり、ローウェンはそれを確認して突破すると、次は巨大な丸い岩がゴロゴロと転がる通路の前に立った。

 

後ろから追ってが迫る中で足止めする様に転がる岩のトラップ。

 

「まるで聖杯ダンジョンだな。所々に待ち伏せや罠がある・・・気を抜けば死ぬか」

 

ローウェンはそう呟き、岩が転がってすぐ入り込み、岩を追うように駆け出す。

 

暫く走ると左側に通路があり、ローウェンはそこに飛び込むと、後ろから迫っていた岩は通りすぎていき折っての気配も消えていた。

 

ローウェンは軽く息を整えると、辺りをゆっくりと見渡して今の状況を確認してから再び歩き出す。

 

ローウェンは歩き続ける中、やがて大きな広間へと足を踏み入れると、何処からともなく笑い声が響いた。

 

「ゴースあるいはゴスム。我らの祈りが聞こえぬか?」

 

「貴様は!」

 

ローウェンは笑い声の主を見つけ、目を見開いた。

 

笑い声の主であるその人物は服装こそ古びた物だが一番印象に写るのは頭に檻の様な篭を頭に付けていると言う所だ。

 

「ミコラーシュ!何故貴様が!」

 

「此処にいるのか?答えは分からない・・・だが、私は生かされた。狩人の貴方に介錯され、目覚めを受ける筈だった。だが、私は此処に目覚め、再び上位者と邂逅し、瞳を授かる機会を得た」

 

ミコラーシュはそう言って不適に笑うとローウェンは睨み付ける。

 

ミコラーシュは古き学び舎、ビルゲンワースで研究に従事していた。

 

詳しい経緯は不明だが、ビルゲンワースを去り、現在は、医療教会の上位会派、メンシス学派を立ち上げた。

 

その目的は上位者と邂逅し、瞳を授かることである。

 

そのための儀式によってヤーナムが悪夢に飲みこまれる原因を作り、そして獣の病蔓延の原因を探って乗り込んできたローウェンの介錯によって悪夢から目覚めた筈だった。 

 

そのミコラーシュがローウェンの目の前におり、再び上位者と邂逅し、瞳を得るべく、S14地区いや、世界を巻き込んだ儀式を行おうとしている事は明白だった。

 

「貴様の行いを許しはしないぞミコラーシュ!貴様を必ず狩る!介錯などもはや生ぬるい!楽に行けると思うな!」

 

「それは私に追い付けたらの話になるでしょうね?では、私はまだ儀式を行わなければならないので失礼」

 

ミコラーシュはそう言って狂った様に笑いながら走りだし、ローウェンは追いかけ様とするも何処からともなく操り人形の様な剣を手にした骸骨が現れ、立ち塞がる。

 

「ミコラーシュ!!!」

 

ローウェンはミコラーシュに対して怒りを露にして叫び、必ず仕留めると決意する。




ローウェン、悪夢の主ミコラーシュと対峙しました。



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悪夢の元凶狩り~大型コラボ編・3~

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危険指定存在徘徊中https://syosetu.org/novel/190378/

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ローウェンがミコラーシュと対峙した同時刻、S14地区を歩く一人の女性がいた。

 

女性はローウェンと同じ狩人の装束だが少しの違いとして短いマントを身につけている。

 

女性は変形させれば鞭となる仕込み杖と獣狩りの短銃と呼ばれる単発式のピストルを手にしている事から狩人とされ、コツコツと足音を立てながら歩く中、大聖堂の前へとやって来た。

___________________

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______

 

大聖堂内部ではスプリングフィールドは絶望と困惑の中にいた。

 

救援に応えて来てくれたリホ指揮官がローウェンを拐った現象と同様に消え、更に見た事もないE.L.I.Dが笑顔を浮かべて喜んで同じ様に消えていった。

 

「(私はどうすれば・・・)」

 

スプリングフィールドは三人と同じ様に近づいて消え去ってみるか外にいる大群となったE.L.I.Dを相手にするかを迷っていると、大聖堂の出入口から足音が聞こえ、注目するとそこには狩人の女性が立っていた。

 

「此処にもアメンドーズ・・・ね。此処が元凶へ通じる場所かしら?」

 

「あ、あの・・・貴方は?」

 

「私?私はルーナ。ただの狩人よ。貴方も狩人ね?」

 

「は、はい。まだ見習いですが」

 

「へぇ・・・見習いね・・・」

 

ルーナはそれを聞いてあまり興味を持ってない様な素振りでそう呟くと、コルトが質問する。

 

「ねぇ、貴方。さっき言ったアメンドーズってなに?指揮官達が消えた理由なの?」

 

「アメンドーズならそこにいるわよ。・・・どうやら見えない様ね。無理もないわね。新米と狩人でもない子じゃね」

 

ルーナはそう言って溜め息をつきつつアメンドーズがいる場所の近くまで行こうと歩き出し、それをスプリングフィールドが止めようとしたのを察したのか振り向きもせず問う。

 

「貴方はこの先の悪夢に立ち向かえる勇気はある?あるなら狩人として狩りを全うしなさい。ないなら・・・狩人なんか止めろ。他の狩人の足手まといよ」

 

ルーナはそう冷たく言って再び歩き出した時、アメンドーズの青色に光る腕に掴まれて握りつぶされると消え去った。

 

残されたスプリングフィールドはルーナに言われた言葉を思い起こす。

 

『貴方はこの先の悪夢に立ち向かえる勇気はある?あるなら狩人として狩りを全うしなさい。ないなら・・・狩人なんか止めろ。他の狩人の足手まといよ』

 

その冷たい言葉を思い起こしてスプリングフィールドは拳を握ると、決意を露にする。

 

「コルトさん。私はローウェンさん達を追います」

 

「え!?ちょっと待って!何処へ行くのか分からない所か生きてられるのか分からないのに!」

 

「それでも行きます。私は狩人なんですから」

 

スプリングフィールドはそう言うと歩き出して案の定、アメンドーズに掴まると、握りつぶされると同時に消えた。

 

コルトは迷いに迷った挙げ句、リホ指揮官の事がやはり心配なのは確かなので一か八かとばかりにアメンドーズに掴まり、消された。

__________________

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____

 

その頃、S14地区で戦闘を行う人類人権団体過激派は狂った様に前進して迫って来るE.L.I.Dに善戦していた。

 

『やれるぞ!このまま押しきれ!』

 

『俺、この戦いが終わっ』

 

『よせ!その台詞は死亡フラグだ!』

 

パイロット達のそんな会話が行われる中、E.L.I.Dの大群の奥から黒い毛並みと骨の姿をした何かが近づいてくるのが見えた。

 

『な、何だあの薄気味悪いのは?』

 

『同じ事だ!やれ!』

 

人類人権団体過激派は一斉にその何かに攻撃した瞬間、何かは巨体に似合わない速さで攻撃を避けていき、遂に一機のP.A.C.Sを爪で切り裂いた。

 

『タイラント3!!!』

 

何かの攻撃を受け、P.A.C.Sは火を噴いて倒れると、何かは勝利したとばかりに雄叫びを挙げ、体から電気が放電された。

 

その何かの正体。

 

それはかつて隠し街ヤハグルとヤーナムの旧市街を結ぶ道にいついていた獣、電気を操り素早い動きで幾多の狩人を翻弄した強敵、黒獣パールだった。

 

人類人権団体過激派は正しく運が無かったとしか言いようがない状況へと追い込まれつつあった。




迎撃ルートにて黒獣パール出現しました!

多くの狩人を葬り去った電撃攻撃に注意です。

何だかドンドンカオスになってる様な・・・

あと、コルトちゃんも合流ルートでいきますね。


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悪夢の元凶狩り~大型コラボ編・4~

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危険指定存在徘徊中https://syosetu.org/novel/190378/

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異空間の中、ローウェンはミコラーシュを守る骸骨の操り人形を相手にノコギリ鉈や散弾銃を振るい、見失ったミコラーシュを探す。

 

「ミコラーシュ!何処にいる!」

 

ローウェンは異空間内に響き渡りそうな程にそう叫ぶも、出てくるのは骸骨の操り人形のみでミコラーシュは姿どころか声すら聞こえない。

 

ローウェンは苛立ちを覚えつつミコラーシュに対して追撃し、ローウェンが足元のスイッチを踏みつけ、壁から矢が飛んでこようが、ギロチンが落ちてこようが、細い道に振り子刃が3つ程揺れていようが構わず突破し、ミコラーシュを血眼になって探して再び広間へと出た時、足元に銃弾が当たった。

 

ローウェンは立ち止まって撃たれた方向を見ると、そこにはヤハグルの装束を纏った狩人が獣狩りの斧を片手に、獣狩り短銃をローウェンに向けていた。

 

「貴様・・・何者だ?」

 

ローウェンはそう問うもヤハグルの狩人は無反応で、暫く静かな空気が流れたが、ヤハグルの狩人は獣狩りの斧を変形させて大斧へと変えるとローウェンに向かっていく。

 

「狩人狩りか。良いだろう・・・相手をしてやる」

 

ローウェンはそう言って駆け出すと、ヤハグルの狩人の攻撃と重なる様にローウェンも攻撃を行うのだった。

________________

___________

_____

 

その頃、スプリングフィールドは目を覚まして辺りを見渡すとそこは歪な異空間の中だった。

 

「此処は・・・」

 

「アメンドーズに連れ去られた私達の目的地よ」

 

スプリングフィールドは声のする方を見るとルーナが壁に持たれてスプリングフィールドを見ていた。

 

「やっと目を覚ましたのね。さぁ、此処に来たからには覚悟を見せて貰うわよ。そこにいるおチビさんが目を覚ましたら狩りに行くわよ」

 

ルーナはそう言って未だに気絶しているコルトを見ながらそう言うと、スプリングフィールドは微笑む。

 

「優しいのですね」

 

「気まぐれよ。それにそのまま置いて行って死んだら目覚めが悪いもの」

 

ルーナがそう言ってそっぽを向いた時、何処からともなく声が響き渡った。

 

『ミコラーシュ!何処にいる!』

 

「ローウェンさん!?」

 

その声はローウェン本人の物とスプリングフィールドは悟ると、ルーナは壁から離れてコルトの頬を軽く叩いてお越しに掛かる。

 

「起きなさい。寝坊助」

 

「うーん・・・此処、どこ?」

 

「貴方の飛び込んだ所よ。それよりも予想よりも時間が無いわ。急ぐわよ。用意は良い?」

 

ルーナの問いにスプリングフィールドは頷き、コルトは戸惑いつつも頷くと三人は歩き出した。



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