第十魔法科高校の生徒達の(非)日常 (caose)
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死して何処かへと。

 魔法関連で思いついたお話です。


 ある老人が古びた塔から落ちて行った。

 その老人は灰色のような色合いをしたローブを見に纏い長い白髪の髪と顎鬚を

生やしていた。

 その老人は塔から泣きながらこちらに手を伸ばす青年を見た。

 老人はこう思っていた。

 「(ハリー、お主はこれから多くの犠牲と決断を迫られるであろうがロンや

ハーマイオニー、多くの人間がお主を支えて、勝利を得ることが出来るであろう。)」

 そして彼はこう思っていた。

 「(セブルスよ・・・お主に憎まれ役を押し付けてしまったことには済まぬとしか

言えぬ。)」

 「(ミネルバ、ハグリッド、ルーピン、ホグワーツの教師たちよ。

未来を守ってくれ)」

 「(アバ―フォース、先に逝く儂を許してくれ。)」

 「(わが友、グリンデルバルトよ。冥府出今度こそ友として酒を

酌み交わそうぞ。)」

 「(ニュートよ。儂が知る中で最も優しき魔法使いよ。希望を絶やすでないぞ。)」

 「(グリ―デンス、アリアナ。儂の兄弟達よ。直ぐにそっちへ行くぞ。)」

 そして大地に付く寸前に彼が思った言葉、それは・・・。

 「(ホグワーツよ、相応しき者たちに道を差し占めてくれ。)」

 そして彼、「アルバス・ダンブルドア」はこの世を去った。

 

 

 

 

 「ここは何処じゃ・・・?」

 ダンブルドアはある場所で目を覚ました。

 そこはホグワーツの中庭ではなく幾つもの本と水晶玉が浮かぶ真っ白な世界で

あった。

 ダンブルドアは此れ迄自分が見たことが無い場所に焦りや不安ではなく子供のような好奇心がそこにあった。

 「これは何じゃろうな・・・?」

 「ああそれまだ開かないでくださいね。固定されてないんで。」

 ダンブルドアはすぐそこにあった本を開こうとすると後ろから誰かが声を出してそう言った。

 「誰じゃ!!」

 ダンブルドアは声を荒げて後ろを向くとそこにいたのは東洋人の男であった。

 「お主は一体・・・?」

 「ああそう言えば自己紹介してませんでしたね。」

 そう言うと男はこう言った。

 「初めまして、『アルバス・ダンブルドア』。私はあらやる世界を作り、

管理する・・・『神』でございます。」

 「『神』・・・じゃと?」

 ダンブルドアはそう言う人間に疑いの眼を向けていると男はこう言った。

 「こんな所では何ですので・・・お茶にしません?」

 

 

 

 「ふむ・・・日本茶も中々良い物じゃな。」

 「それはよかった。」

 ダンブルドアは男と一緒にお茶を啜っていた。

 初めは警戒していたがだんだんと世間話をするうちに打ち解けてしまったようだ。

 「それでここはお主が世界を作る場所で儂はお主に何かしてほしい事が

あるんじゃろ?」

 ダンブルドアは子供に質問するような表情でそう言うと男はダンブルドアに

顔を向けるとこう言った。

 「ダンブルドア先生。もう一度教職員になってある人達を救って欲しいのです。」




 依頼内容はナンデショウネ?


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その依頼は受けるべきか?受けざるべきか?

  依頼は事細やかに聞いてから受けろ。


 「ダンブルドア先生。もう一度教職員になってある人達を救って欲しいのです。」

 その言葉を聞いたダンブルドアは思った事を男に聞いた。

 「それはどういう意味なのじゃ?」

 それを聞いた男はダンブルドアに顔を向けるとこう説明した。

 「実は・・・。」

 

 

 

 

 「(・_・D フムフム・・・成程のお。」

 ダンブルドアのその世界についての説明を聞いた後搔い摘みながらもこう纏めた。

 「つまりその世界では魔法はマグルにも浸透しており使える魔法使いは兵器として

使われているのじゃな。」

 「その通りです。」

 「そしてその魔法を使って国力を高めるあまり、非人道的な実験や人工的な出産、

挙句の果てには心を消さすとはなんと怪しからん。」

 「・・・言い返す言葉がございません。」

 男はダンブルドアの言葉に項垂れながら答えるとダンブルドアはこう続けた。

 「いやいやお主に批判をしてるんじゃないのじゃ。」

 「と言うと・・・?」

 男はダンブルドアにそう聞くとダンブルドアはこう続けた。

 「儂が怪しからんと言ったのは人を作るのではなく、人としての尊厳を奪う事

なのじゃ。」

 「儂はな、魔法とは『心』の持ちようでどんなことにも出来るんじゃないかと思っているのじゃ。」

 「力とは只力なだけで本当に必要なのはその人間がそれを理解しているからの違いじゃないのかと思うのじゃ。」

 「どれだけ力があってもそれをコントロールしようと思わなければ只々

傷つけるだけで何も出来ない物なのじゃ。」

 「それは同時に守ったり癒すことも出来る。様は心の持ちようでどうにかなると

思うのじゃ。」

 ま、経験則じゃがなと言い占めると男はダンブルドアに向けて拍手しながらこう

言った。

 「その通りですダンブルドア先生!!力はその人間の意志の持ちようでどうにかなるのです!それなのに国のトップや力を理解しない屑共のせいで・・・。」

 それからもぶつくさと言ってる中ダンブルドアは男にある事を聞いた。

 「それで儂はこれからどうするのじゃ?」

 それを聞くと男は意識を戻してこう言った。

 「それでしたらこれを持って言ってください。」

 すると男は光を出すとある物を出した。

 それは・・・。

 「これは『ニワトコの杖』!」

 それは生前ダンブルドアが嘗ての親友「グリンデルバルト」から決闘で奪った最強の武器であると同時に死の秘宝の一角「ニワトコの杖」であった。

 「それとその恰好は流石にねえ。」

 男はダンブルドアの服装を見て気まずいながらもそう言った。

 何せダンブルドアの服は灰色のローブであるためどう考えても

似つかわしくないのだ。

 「ほい。」 

 すると男が光を出すとダンブルドアの姿形が変わったのだ。

 それはニュートに会った時と同じ嘗てホグワーツで「闇の魔術に対する防衛術」の

教員時代に愛用していた服なのだ。

 そして本人の顔も変わっていた。

 少しやつれていた顔つきが若々しく変わり顎鬚は紙と同じく茶色に戻っていたのだ。

 それは百年近く前の自分自身だったのだ。

 「これは・・・また・・・。」

 ダンブルドアは嘗ての自分を貰った鏡で見て驚愕すると男は更にある物を出した。

 「これも必要だな。」

 すると光が炎になるとそれは鳥となってダンブルドアの肩に止まった。

 「久しぶりだな。ホークス。」

 それは朱く、そして美しい鳥不死鳥の「ホークス」であるのだ。

 そして男は指パッチンするとダンブルドアの前に扉が現われた。

「それを潜った先がその世界です。」

 そして男はある物を渡した。

 「何だね。この球は。」

 それは黒い珠であった。

 それを男はこう答えた。

 「それを使えば貴方の学校とその教師をそちらの世界に現すことが出来ます。」

 「ほうそれは・・・。」

 そしてダンブルドアはそれを懐に収めた後扉の前で男に向けてこう言った。

 「それでは・・・行ってくるよ。」

 そう言ってダンブルドアが消えた後男はひっそりとこう言った。

 「ご武運を・・・最高の教師よ。」

 

 




 そしてダンブルドアはその世界にへと向かう。


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四葉家の村へと。

 雨とは不思議なものだ。
 匂いを消し、音を増幅させるんだからね。


西暦2079年6月

 その日は梅雨時であり日本中雨模様である。

 無論、ダンブルドアが向かう場所も例外ではない。

 

 

 

 「おいおい、出た瞬間に雨に降られるとは付いてないな。私は。」

 そうだろ?ホークスと肩に止まっているホークスにそう聞いた後ダンブルドアは傘を差してバッグからある物を出した。

 「さてと・・・その人間の居場所は確か・・・あそこかな?」

 ダンブルドアが持っていたのは紙製の地図であるが神様によりその周辺の

人間の配置や施設内の設計図、名前などが記載されており現在地は赤い点がでるようになっている。

 「さてと、行くかホークス?」

 ホークスはくるるるるると答えた後ダンブルドアはその場所に向かって歩き出した。

 

 

 

 

 ダンブルドアが辿り着いた場所は和風のお屋敷でありダンブルドアは

興味津々であった。

 「いやこれほどの屋敷は滅多にお目にかかれないものだな。さてと・・・どうやってあの結界から入り込むかだな。」

 そう言いながら地図を屋敷の前で広げると先程では見えなかった膜らしきものが

見えた。

 「屋敷を中心に特殊な結界が張られてる。入れば一発でバレる代物か。・・・ま、『姿現し』なら何とかなるだろうけど入れるかなあ?」

 ダンブルドアは自身の使っていた魔法がこの世界でも通用出来るのか不安であった。

 そして暫くするとある事を考えた。

 「雨で視界は狭く、そして何より上空には何もないのが救いという事。

それなら・・・。」

 ダンブルドアはホークスを見てある事を思いついた。

 「出来ないことはない。」

 

 

 

 

 この日この屋敷の主人でもある四葉家頭首「四葉 真夜」とその妹「四葉 深夜」を中心に四葉家所縁の有力七家「椎葉」、「真柴」、「新発田」、「黒羽」、「武倉」、「津久葉」、「静」の当主全員がそこにいた。

 然し七家の当主たちの顔色は優れておらずどちらかと言えば恐れているのだ。

 それは・・・。

 「何故このような怪物を産んでしまわれたのです!深夜様!!」

 「おい、椎葉の!口が過ぎるぞ!」

 何やら論争が巻き起こっていたようだ。

 議題は・・・。

 「然し新発田の!この子供は我らの罪の証!この世界を破壊し尽くす怪物に

なり果てる前に処分することこそ世界の安寧の為であろう!!」

 「黒羽殿!然しこの子供の力があれば我らの悲願を達成できるのではないか!?」

 「ふざけて居るのか!武倉殿!全てを破壊できる「分解」と再生できる「再構築」の何処に安寧などある!!こんな忌子を残すなど私は反対だ!!」

 それは真夜の腕の中で眠っているこの赤ん坊の能力が上記の能力で

埋め尽くされておりこれ以上の魔法演算が不可能であると同時にその能力が

異質であるからだ。

 これを野放しにしたくないという思いと自分達に弓ひかないか心配なのである。

 暫く論争する中この中で四葉家ではない人間の一人の言葉が場の空気を変えた。

 「深夜。こいつをあの実験の被検体にしたらどうだ?」

 口を出したのは坊さんのように見えるが右目が白く濁っており生臭い匂いが漂いそうな人物である。

 彼の名は「東道 青波」旧第四研究所のオーナーであり今は四葉家のスポンサー

であるが彼は魔法師を兵器としか見れず力を持つことこそ正しいと断言できるほどの

強硬派である。

 そして彼が言った実験と言うのは・・・。

 「あの人工魔法演算領域を作る物ですがあれを使うと感情の情動が消える恐れが。」

 深夜は実験に対するリスクを話すが青波はこう切り捨てた。

 「構わん。むしろそうしたほうがこの国の為になると言う物だ。」

 真夜はどうかねと言うと真夜は青波にこう返した。

 「ええ、それなら私達の目的によっぽどために・・・。」

 「いやいけないなあ。そう言うのは。」

 真夜が言いかけた瞬間何処からか声が聞こえた。

 「「「「「「「「「「!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」

 その部屋にいた全員がその声に驚き、臨戦態勢を整えようとした。

 この村を知っているのは四葉家の関連の者しか知らず然も今回の会合は緊急を要するため誰も喋っていないのだ。

 全員が出入り口辺りを見渡すと・・・。

 「いや少し濡れたなあ。」

 部屋の中心にダンブルドアが傘を持って現われたのだ。

 「貴様何処から!?」

 黒羽の当主が怒鳴りながらそう言うとダンブルドアは普通にこう答えた。

 「ん?普通に『姿現し』をしただけだが上手くいったよ。」

 ダンブルドアはそう言いながら靴を脱いでいた。

 「いやあすまないね。日本は土足厳禁と言うのは知っているが何分初めてなもので

失敬するよ。」

 そして靴を脱いだ後ダンブルドアはこう言った。

 「さてと・・・私の仕事をしますか。」




 そろそろ行きますか。


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東道とダンブルドアの会話。

 題名通りです。


「仕事だと?」

 黒羽の当主がダンブルドアの言葉に対してそう聞いた瞬間ある仮説に身勝手に

行きついた。

 「貴様まさか大東亜連合の!?」

 「いや私はチャイニーズじゃないからね。」

 ダンブルドアは黒羽の当主の言葉を一蹴すると津久葉の当主はこう聞いた。

 「なら何が目的だ?」

 その言葉にダンブルドアは服の雨水を落とすとこう続けた。

 「ああ私はその子を引き取りたいのだが?」

 「何!?」

 ダンブルドアのさらっとした言葉に津久葉の当主は驚愕した。

 ここで子供となると深夜の腕の中にいいる少年しかいないのだが彼は四葉の

大切な戦力である。

 それを失えば四葉の悲願が叶えられなくなる恐れがあるのだ。

 だがどちらかと言えばいなくなればなったで肩の荷が下りるものなのだが

それはそれ、これは此れである。

 すると東道がダンブルドアに向けてこう言い放った。

 「それは出来ない相談だ。この子はこの国を守るために必要な戦力だ。そして

この子の力は彼ら四葉の望みだ。何人にも渡すわけには・・・。」

 「だからって心を消す事が正しいといえるのかい?」

 東道の言葉を遮るような形でダンブルドアがそう言うと東道はふっと鼻息を吹かしてこう言った。

 「勿論だ。」

 その言葉を聞いた後ダンブルドアはある事を東道に聞いた。

 「君は何を恐れているんだい?」

 「・・・何?」

 ダンブルドアの言葉に東道は眉を顰めた。

 「ふっ、私が恐れるだと?どう言う事・・・。」

 「君は恐れてるんだ。魔法師の力を、才能を恐れ、妬んでいる。」

 「・・・・!!」

 東道はその言葉を聞いて驚くような仕草をするとこう続けた。

 「だから君はスポンサーになった。首輪をつけた猛犬を得るためにね。」

 「黙れ・・・。」

 「そしてそうやって自分が魔法師よりも優位に立つことに安心と悦楽を持った。」

 「黙れ・・・。」

 「だが同時にこう思ってるんじゃないのかい?彼らが自分に楯突くことに

恐れと焦りを持っているからこそそう言う考えを・・・。」

 「黙れと言っているだろうが!!」

 ダンブルドアの言葉を遮るように東道は大声を上げると深夜の腕の中にいる

子供が泣き始めた。

 「ふぇえええ。」

 「どうしたの?達也?」

 深夜は少年、達也に向けてそう聞くとダンブルドアは東道に向けてこう言った。

 「ああ君が大声を出すから泣き出してしまったじゃないか。」

 「何だと貴様私を・・・」

 『オスコーシ』

 ダンブルドアは杖を出して唱えると東道の口が・・・消えてしまったのだ。

 「ムムム―!!ムムー!!」

 「東道殿!」

 東道の状態に真夜は飛び起きて向かった。

 「少し黙ってくれないかい?子供がまた泣いてしまう。」

 ダンブルドアは悪びれもなくそう言うと達也に向けてこう言った。

 「さあて坊や・・・良い物を見せてやろう。」

 その時見せたダンブルドアの顔はまるでハリーに見せたような優しい顔つきだった。




 さあて・・・ショータイムだよ。


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真夜とダンブルドア。

 この二人の対話は上手くいくのか?


 「さあ見てごらん。」

 ダンブルドアはそう言いながら杖を振ると・・・。

 「なあ!!」

 「有り得ない・・・。」

 コップに入っていた紅茶が独りでに出てくるとそれが蛇のようになって

出てきたのだ。

 「そら。」

 さらにもう一振りすると蛇から鳥になって優雅に空を舞った。

 「・・・うおおおお。」

 達也はその光景を見ていると・・・。

 「これでどうだい?」

 今度は人魚になって達也の周りを泳いでいた。

 「これは一体・・・。」

 深夜はその光景に驚いているとダンブルドアはレモンを見てある事を思いついた。

 『タラントアレグラ』

 ダンブルドアはレモンに呪文を唱えると・・・。

 「うあああああ。」

 レモンがタップダンスを踊り始めたのだ。

 それを見ていた全員がそれを見て茫然としていた。

 自分達の魔法は「超能力」の延長であり物を動かしたり物質を動かしたりするが

ダンブルドアの魔法は最早御伽噺に出てくる魔法そのものであった。

 ・・・まあ実際そうなのだが。

 「うきゃきゃきゃ。」

 達也はそれを見て喜んでいる所を見てダンブルドアは全員に言い聞かせるようにこう言った。

 「これが魔法だ。」

 「君たちは魔法を兵器と見做しているようだが魔法はこのように人を笑顔にすることが出来る物なんだ。」

 「そしてそれを使う人間に必要なのは『心』だ。」

 「『心』が無い魔法は只の空っぽな物だ。」

 「そして使う人間の『思い』が無ければ守る力も只の暴力になってしまうんだ。」

 「皆もそれをよく考えてほしい物だね。」

 ダンブルドアの言葉が終了するや否や黒羽の当主はダンブルドアに食って掛かった。

 「ふざけるな!貴様みたいな他人に分かってたまるか!!魔法は『心』だと?

くだらない!そんな子供でも持っているのは破壊しか生まない力だ!!我らは

それを有効活用して悲願を・・・。」

 「いい加減にしないと私も怒りたくなるよ。」

 黒羽の当主の言葉にダンブルドアは溜息つけながらそう言うと杖を扉に向けて

こう唱えた。

 『アロホモラ』

 すると突如扉が開いた瞬間さらにこう唱えた。

 『ヴェンタス』

 すると何故か室内なのに風が彼らの前で吹いてきた。

 「な、何だこれは!!」

 真柴の当主がそう言うと全員が扉に引き込まれるように下がって行った。

 そしてそのまま全員が出されると扉は独りでに閉まった。

 そして真夜とダンブルドアだけになった後ダンブルドアは真夜に向けてこう言った。

 「それで・・・答えを聞きたいんだ。君の言葉で。」

 ダンブルドアは真夜に向けてそう聞くと真夜はニヤッと笑ってこう言った。

 「決まってますわ・・・私の悲願を叶えてもらいますわ。」

 「そして・・・貴方は消えなさい。」

 真夜はそう言うと周りが突如夜の星空のようになった。

 「ほう・・・これが君の?」

 ダンブルドアはその状況を楽しみながら聞くと真夜はこう答えた。

 「消えなさい。」

 そして星々が瞬いた瞬間、ダンブルドアは杖を構えてこう唱えた。

 『フィニート』

 それを唱えた瞬間、夜空が・・・消えた。

 「な・・・!!」

 真夜はそれを見て茫然としているとダンブルドアは杖で真夜の腕の中にいる

達也を浮かして自身の腕の中に収めるとダンブルドアは真夜に向けてこう言った。

 「君は何時かその選択が間違いであったことに気づくだろうね。」

 そう言うとダンブルドアは窓を開けると外からホークスが来た。

 「さてと・・・私は此れで失礼するが彼は数分後に解けるから大丈夫だよ。」

 それを言った瞬間扉が蹴破られた音がしたので見ると・・・。

 「貴様よくもやってくれたな!!」

 当主全員がそう言った瞬間魔法を使おうとCADを出そうとした瞬間ダンブルドアはこう言った。

 「それでは皆さん。さよなら。」

 「待って!」

 真夜がダンブルドアに向けてそう言った瞬間彼はホークスと共に炎になって消えた。

 「「「「「「「なあああ!!」」」」」」」

 当主全員はそれを見て驚愕すると同時に辺りを探すように指示を出した。

 その後四葉家は分家の情報力と東道の財力を駆使してダンブルドアと達也を

探そうとするが二人の痕跡を見つけることは・・・叶わなかった。




 あと少しで第一巻に入れる。


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育ててほしい。

 貴方はその命をどうしますか?


 東京の何処かの山中にある集落。

 ここは多少であるが人間がおり学校などがあるがどちらかと言えば田舎であり

昔ながらの面影を残している。

 昨今では出て行く人間が出始めこのままでは廃村になるのではないかと一時は

そう思われた所である。

 然し大戦中に疎開してきた人間がそのまま移り住んでいったためそれは

回避されたのだ。

 そしてその集落の中にある一般的な日本家の近くの林で何かが紅く光った。

 そしてそこからでてきたのは・・・。

 「ふう・・・。何とかなったようだね。」

 それは達也と一緒に姿を消したダンブルドアであった。

 そしてダンブルドアは達也を見て杖を出した。

 「さてと・・・君を隠さなければね、彼らから。」

 そしてダンブルドアは呪文をかけた。

 「これで彼らから見つかる事はまずないだろう。」

 そしてダンブルドアは近くにある先程の家を見るや否や懐から手紙とペンが

出てくると自動で文章を書いていた。

 「これで良し。・・・それと・・・。」

 そしてダンブルドアは笑っている達也に向けて杖を振った。

 そして達也はそのまま眠りについた。

 「術は弱めだから直ぐに目が覚めるよ。」

 そしてダンブルドアはその家に向かった。

 苗字には『藤原』と書かれておりダンブルドアは門に堂々と入った後達也を門の前に置いた後手紙をその中に入れて達也に向けて小さくこう言った。

 「幸運を祈ってるよ。『四葉 達也』君・・・いや『藤原 達也』君。」

 そう言って家から離れると外に出ると杖を振って小石をインターホンに向けて

ぶつけた。

 ピンポーン。と音が鳴った瞬間ダンブルドアはもう一度ホークスと共に焔となって

姿を消した。

 「はーーい。どなたでしょう?」

 すると女性の声がした。

 インターホンが鳴った時に電話の画像を見ると誰もいなかったのだが何事かと思い

外に出た。

 「誰もいない・・・・?」

 女性は外から出ても誰もいないのかと思っていると足元に何かいるような感触が

したので下を見た。

 「ふええええ・・・。」

 「あらあら。滋さん!!」

 女性は達也を見て旦那さんを呼んだ。

 そして暫くすると眼鏡を掛け、顎鬚を生やした男性が現われた。

 その男性は達也を抱きかかえるとある物を見つけた。

 そして滋は手紙の封筒をから紙を出した。

 「今時紙の手紙か。『育てて下さい。名前は達也』か。」

 滋はそれを読み終えた瞬間達也が目を覚ました。

 「ふぁああああ。」

 達也は滋の顔を見ると顔を触り始めた。

 そして滋は女性に向けてこう決めた。

 「育てよう。塔子さん。」

 「え。」

 「俺達には子供がいない。だけどこの子を育てるくらいの金はあるし

この子は訳あってここに来たんなら俺達が育てよう。」

 「・・・滋さん・・・。」

 女性、塔子は達也の顔を見ると達也は喜んでいた。

 この二人には子供がおらず二人暮らしだったのだ。

 そんな彼らからすれば神様からの授かりものと思うと感慨深いものであった。

 そして塔子もこう決めた。

 「ええ育てましょう。私達の子として。」

 そして二人は笑顔で家の中に入っていった。

 これがもしかしたらあったかもしれない達也の姿かもしれない。




 この二人の容姿は「夏目友人帳」に出てくる藤原夫妻そのままである。


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さてと・・・作るか。

 時代が新たに始まる。


 そしてさらに達也がいた集落とは別方向の森にある湖。

 ダンブルドアはそこに向かった。

 「さあてと・・・ここら辺が丁度良さそうだな。」

 周りは木々が生い茂り誰も立ち寄らないような場所であるがダンブルドアは

そこを選んだのだ。

 その理由は・・・。

 「ここなら雰囲気も良いしあそこと同じような場所だから丁度いいな。」

 そう言うとダンブルドアは鞄から神から貰った黒い球体を取り出した。

 そしてそれを杖で浮かして湖の中央に落とすと・・・落としたところからブクブクと泡が噴き出し始めた。

 そして湖が光り輝くと湖から城が現われたのだ。

 それはまるで古いイギリスのような城であった。

 そここそダンブルドアが思い入れのある学校。

 「ホグワーツ」そのものであった。

 そして暫くすると・・・森から人が出てきた。

 彼らは年齢や性別、肌の色も違うがそれよりも奇妙なのは・・・全員服が違うのだ。

 統一感がなくまるで違う時代から来たような服装であった。

 「まさか君たちが来るとはねぇ・・・。『ニュート』」

 「お久しぶりです。ダンブルドア先生。」

 茶髪の癖ッ毛たっぷりの男性は「ニュート・スキャマンダー」

 「久しぶりだな。『ジェームス』、『シリウス』、『リリー』」

 「お久しぶりです。校長先生」

 「少し見ない間に若返りましたなあ。」

 「『ジェームス』、『シリウス』校長先生にも若い時があったのよ。」

 黒い髪をぼさぼさにした男性はハリーの父「ジェームス・ポッター」

 同じく黒い髪で少しやつれているが爛々とした目をした「シリウス・ブラック」

 赤毛の入った長髪の女性はハリーの母親「リリー・ポッター」

 そして・・・。

 「君も来てたんだね。『リタ』」

 「はい先生。」

 少し茶色の入った髪の色をした女性は「リタ・レストレンジ」

 「まさか君達も来るとはね。『ルーピン』、『ニンファドーラ』、

『フレッド』・・・『セブルス』。」

 「いやこんなに早くとは思いもしませんでした。」

 「それでも一緒なので大丈夫です。」

 「ダンブルドア先生!『フレッド・ウイーズリー』ただいま参上しました!!」

 「・・・もうしわけありません。校長。」

 鳶色と白髪の混じった病人のような顔つきをした男性「リーマス・ルーピン」

 長い黒髪を生やした気のよさそうな女性「ニンファドーラ・トンクス」

 赤髪の長身でいたずら小僧のような雰囲気漂わせる男性「フレッド・ウイーズリー」

 そして肩まで掛かる黒髪を左右に分け土色の顔色をした男性「セブルス・スネイプ」が立っていた。

 ダンブルドアは全員を見た後セブルスの方を向いてこう言った。

 「・・・済まなかったね。君に辛い責任を押し付けてしまったことに。」

 それを聞いたセブルスはダンブルドアに向けてこう返した。

 「いえ、・・・吾輩は貴方が考えたことを成し遂げただけです。後は彼らに

託しておきました。」

 そう言って深々と礼をしたセブルスを見た後ダンブルドアは全員に向けてある事を

告げた。

 「皆。蘇って悪いが私はここでも教師をしたいが私だけでは何も出来ない。」

 「だから頼む・・・君たちの力を貸してくれないか?」

 そう言うとダンブルドアは頭を下げようとするとニュートがこう言った。

 「先生。僕たちは貴方がいたから今の自分があるんです。だからその恩返しができるのなら・・・喜んでさせてもらいます。」

 そして全員が頷くのを見てダンブルドアは心の底から喜んでこう言った。

 「皆ありがとう!!・・・それじゃあ・・・始めるか!!」

 この第十魔法科高校でと大声で言った。

 




 さあ・・・舞台は整ったよ。


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入学編
そして16年後


 時間の過ぎ去りは早い。


 西暦2095年。

 とある集落

 朝日が顔を出した。

 周りの人間も起き始めた。

 中には未だ寝ている人間もいるが大半の人間は起床している。

 それはこの家・・・「藤原」家も例外ではない。

 今時珍しく割烹着を着て料理をする女性がそこにいた。

 ご飯の匂いが辺りを包む中ある男性が食卓に姿を現した。

 「おはよう。塔子さん。」

 「おはようございます。滋さん。」

 夫婦の二人がそう言って滋さんは机に向かうと塔子さんに向かってこう聞いた。

 「塔子さん。達也は?」

 すると塔子さんは滋さんにこう答えた。

 「あの子ならさっき起きて走り込みに行きましたよ。もう、今日は大切な日

なのに。」

 塔子さんは呆れた口調でそう言うと滋さんは笑いながらこう返した。

 「大切な日だからこそいつも通りにいたいんだろうさ。・・・今日が達也が

ここにいる最後の日だからな。」

 「・・・そうねえ。」

 滋さんの言葉に塔子さんは少し気落ちすると滋さんはこう続けた。

 「だがだからこそ、達也を出送ってやろうよ。あいつの晴れ舞台なんだからな。」

 「そうですね。」

 滋さんの言葉に塔子さんは少し嬉し顔になると誰かが家に入ってきた。

 「ただいまーー。」

 「あらら、噂をすればね。」

 塔子さんは如何やら噂の人間が来たことを喜んだ。

 「お帰りなさい。達也。着替えてから来るのよー。」

 塔子さんは食卓の扉を開けてそう言うとその声の主はこう言った。

 「ああわかったよ。母さん。」

 彼こそが嘗て四葉家からダンブルドアが保護した子供、「藤原 達也」である。

 

 

 

 

 達也はご飯を食べた後二階の自室に入った。

 既に大きい荷物は学校に郵送されておりあるのは服と僅かな日用品だけが入った

バッグだけであった。

 達也はそれを見た後ある物を見た。

 それは・・・一か月前に来た手紙であった。(今時珍しい)

 その内容はこういう物であった。

 『藤原 達也氏。この度貴官の第十魔法科高等学校の入学をお知らせすることに

喜びを申し渡します。』

 達也は学校の魔法の有無の試験に際して魔法力の力がある事が分かりその力から見て選んだのだ。

 無論、藤原夫妻は此れを聞いたときは驚いていたがそれでもいつも通りに接して

くれたことに対してありがたく思っている。

 そして家から出て駅に向かうとそこには・・・藤原夫妻だけではなく学校の同級生もそこにいた。

 「皆!・・・どうして。」

 「今日はお前の晴れの日だろ!」

 「生徒会長の見送りに行かなくてどうするんだよ?」

 「達也君が東京に行っちゃうから見送りに来たんだよ!」

 「この集落の希望の初陣だ!張り切って行って来いよ!!」

 各々がそう言うと達也は照れくさそうに電車に入ると塔子さんと滋さんが達也に

向かってこう言った。

 「達也・・・気を付けてね。」

 「頑張るんだぞ。達也。」

 そして達也は二人に向かってこう言った。

 「ああ・・・行ってきます。」

 そして達也の乗った電車は発車した。

 全員は手を振りながら見送り、達也もそうして返した。




 等々第一巻に入ったぞお。


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我が学び舎へ。

 ここからは美月とエリカの話。


 達也は電車を乗り継ぎながらある所にへと向かった。

 第十魔法科高等学校は東京の別の山中にあり一度集落から街へ向かい、

無人タクシーでいく必要があるのだ。

 達也は学校からすぐ近くの森でタクシーが止まるのを確認してから出た。

 よく見ると自分以外の生徒も何人かおり自分と同じ目的であろうと思った。

 すると森から誰かが来るのを感じた生徒は・・・何人かはCADや武器を構えた。

 そして少しずつであるが人影らしきものを見た。

 そして全体像が明らかに・・・なった。

 「ようこそ、第十魔法科高等学校へ。私が君たちの道案内を任されている

『リーマス・ルーピン』。教科は『攻撃魔法に対する防衛実習魔法』だから初級は必ず受けてほしいと思っている。」

 ルーピンがそう言うと全員はほっとした様子でCADや武器を置いた瞬間・・・

ルーピンは懐からCADを出した。

 そして魔法式が浮かび上がった瞬間達也が全員に聞こえるようにこう言った。

 「皆足を踏ん張らせろお!!」

 するとルーピンを中心に衝撃を全員が襲われた。

 「「「うわあアアア!!」」」

 そして衝撃が止むとルーピンは全員に聞こえるようにこう言った。

 「はい、今何人か魔法を使って迅速に対応した人間がいたが覚えてほしい。

相手が確実に倒す意思があったら迷わず戦うように準備して欲しい。敵は待って

くれないし常套手段で来るとは思わないようにね。」

 そしてルーピンは後ろを向いてこう言った。

 「それじゃあ・・・行こうか。」

 

 

 

 

 彼らは山の中を歩いていた。

 幾つか舗装されているように見えるが殆ど手つかずでまるで探検隊のような感じであった。

 然し田舎で育った達也はこれくらいへの河童でありすいすいとルーピンに

着いていった。

 「あ、・・・あの~~。」 

 「?」

 達也は後ろから声がしたので後ろを向くと眼鏡を掛けた女性徒がいた。

 「さっきはありがとうございます。私『柴田 美月』って言います。」

 「俺は『藤原 達也』だ。さっきのは別に良いよ。」

 達也はそう言って美月と話していると後ろから更に入ってきた。

 「ねえねえ。何の話してんの?」

 後ろから赤い髪の少女が割って入った。

 「ああ、あんたさっきの。私『千葉 エリカ』。さっきはありがとね。」

 エリカもお礼を言った後美月の目について聞いた。

 「それにしても珍しいわねぇ。今時眼鏡付けてるなんて?」

 エリカは美月の眼鏡についてそう言うと美月はこう返した。

 「私霊子放射光過敏症なの。だからこうやらないときつくて。」

 「そういや父さんも先祖返りでそう言う目持ってるぞ。」

 達也も滋さんの事を言った。

 本来霊子や想子(サイオン)は目に見えない物なのだがこの症例になると見えすぎてしまうのだ。

 それによりコントロールできる人間は未だしもそれが出来ない人間はこのような

伊達眼鏡をつけなければならないのだ。

 そして二三話しているとルーピンが全員に向かってこう言った。

 「そろそろだよ。」

 そう言うと森が開かれ始めてその全貌が明らかになった。

 「あそこが君たちがこれから学ぶ場所。『第十魔法科高等学校』だ。」

 「「「「「おおおおおお」」」」」

 それを見ると全員驚いていた。

 それはまるで中世の城の様であったのだ。

 「さあ・・・ついてきたまえ。」

 ルーピンの言葉に全員また着いていった。




 次は紹介ぐらいになるといいなあ。


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腹が減っては何とやら。

 腹が減ると何も出来なくなりそうですね。


あの後達也たちは城の中に入るとそこには制服が並べられていた。

 「おお・・・。」

 「凄い・・・。」

 全員があっけにとられていた。

 何せ名前が書かれていてその中に制服が入っていたからだ。(因みに制服のイメージは第一魔法科高校の服の色が白ではなく藍色である事以外はそっくり)

 達也たち男性陣とエリカ達女性陣はそれぞれ違う所で着替え終わった後ルーピンが

すぐそこで待っていた。

 「さーー。ここから先が・・・君たちの未来だ。」

 そう言ってルーピンが歩き出すので全員が着いていくとそこにはセブルスが時計を持って待ち構えていた。

 「遅いぞ、『リーマス・ルーピン』。3分遅れているぞ。」

 「おいおい、良いじゃないか?三分くらい」

 「吾輩がここで待つ三分の間にどれだけの魔法実習のプログラムが

出来るだろうなあ?」

 「君みたいに狡猾じゃないけど僕もそれなりに出来るよ。『スネイプ』」

 お互いいがみ合っているのを見ていた達也たちはこう呟いていた。

 「え~~と・・・ナニコレ?」

 「仲が悪すぎだろ?」

 「って言うか・・・俺達何時までここなんだ?腹減っちまったよー。」

 彼らは今午後7時にここに来ていて腹ペコなのだ。

 するとスネイプが全員に向かってこう言った。

 「諸君、吾輩は『セブルス・スネイプ』。ここの教頭を任されている。授業は一年の間は固定されていて時間割通りに進めるが、二年からは選択して受けることが

出来るのでどちらにするかわ・・・諸君次第だ。」

 そう締めた後セブルスは全員に向けてこう言った。

 「それじゃあ・・・間もなく入学式兼歓迎会が開かれるからそこで夕食とする。」

 それを聞いて何人かがよっしゃあと言ったのを聞くのを聞いてスネイプがはあと

溜息ついた後ルーピンが全員に向けてこう言った。

 「さあ・・・君たちの晴れ舞台と行こうじゃないか。」

 そう言って巨大な扉が開くとそこにあったのは・・・。

 「わあああ・・・。」

 「すげえええ。」

 全員がそれを見てまた驚愕していた。

 周りには蝋燭型のライトが色鮮やかに灯されており然もそれが宙を浮いているのだ。

 更に驚くのはそれだけではなかった。

 「天井に空が・・・。」

 「なにこれ?これも魔法なの?」

 天井にはその日の天気を象徴するように鮮やかな水色の空と白い雲が

浮いていたのだ。

 そして一番向こうには教師陣らしき人達がいた。

 全員教師用のスーツを着ているが約一名は全く違う服装であった。

 水色のドレスのようなローブ。

 少し長い髭

 そして何よりも生徒全員の全てを見ているような眼であるがそれをちらっと見た達也はある事を思い出していた。

 「(あれ・・・あの人何処かで・・・?)」

 そう思いながら全員が席に着くのを見て達也も席に着いた後一番中央にいた男性

 「ダンブルドア」が全員に聞こえるようにこう言った。

 「それでは・・・入学式を始めよう。」




 さあ・・・始めるよ。


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自己紹介。

 この作品では他作品の面子が出るよ。


「それでは第十五回第十魔法科高等学校入学式兼歓迎会を始めます。

司会は本校生徒会会長である私『司 甲』が取り仕切ります。」

 美月と同じなのか眼鏡を掛けた青年が壇上に立って自己紹介をした。

 「まず初めに校長である『アルバス・ダンブルドア』先生からお言葉をして

もらいます。」

 すると顎髭を生やした老人が立ち上がった。

 達也が誰かと思った人が校長であったのだ。

 そして壇上に上がった後全員が(特に一年)見つめる中ダンブルドアが発した

言葉は・・・。

 「それでは二言三言・・・や~そ~れ、よっこいどっこいしょ!!」

 「「「「「・・・・・はあ?」」」」」

 「終わりじゃ。」

 「「「「「「だ~~~~~!!!!!!」」」」」」

 ほんとに二言三言、それも阿保らしさ全開であったことから一年全員転げ落ちる程であった。

 「・・・・まあ何時ものことだから一年生は直ぐ慣れるように。」

 甲はダンブルドアからマイクを渡された後冷や汗をハンカチで拭きながら注意すると次に移った。

 「それでは次に教師方の紹介をします。」

 「先ず皆知ってると思うが教頭である『セブルス・スネイプ』先生。」

 「・・・・。」

 軽く会釈しただけ。

 「次に『攻撃魔法に対する防衛実習魔法』の『リーマス・ルーピン』先生。」

 「やあよろしく。」

 手を振って答えた。

 「『精霊魔法学』の『リリー・ポッター』先生。」

 「初めまして。」 

 その笑顔に何人かの生徒がぽ~としていた。

 「お前ら、先生は既婚者で子持ちだぞ。」

 その言葉にマジかよ~~と言っている人間が何人かいた。

 「その旦那さんで『スポーツ学』の『ジェームス・ポッター』先生。」

 「皆よろしく。」

 それに全員はいと答えた。

 「ルーピン先生の奥さんで本名は嫌ってるから愛称で『ドーラ・ルーピン』先生。」

 「皆ーー!・・・よろしくねぇ。」

 にこやかに笑った後家鴨の口に変身して挨拶をしたことに一年生全員が

「おおお。」と拍手を送った。

 「『魔工技師学』の『フレッド・ウイーズリー』先生。」

 「よおし皆!楽しく行こうぜェ!!」

 満面の笑顔でそう言った。

 「『生物学』の『ニュート・スキャマンダー』先生と助手の『リタ・レストレンジ』先生。」

 「よろしく。」 

 「よろしくね。」

 なにやらおどおどしている男の人と少し薄笑いをしている女性。

 「そして寮の管理人であり非常勤教師の『シリウス・ブラック』先生。」

 「よろしくな!あまり問題行動起こさないようにな。」

 最後に釘差しておいた。

 「そして本校生徒会副会長の『市原 鈴音』、書記の『壬生 紗耶香』、

会計の『黒神 くじら』、庶務の『人吉 善吉』。この五名が生徒会だ、皆分からない事があったら躊躇せずに聞いてくれよ。」

 「「「「「は・・・・はあああ。」」」」」

 恐らく会計の人の容貌・・・顔が包帯塗れである事にどうしたらいいのと言いたいのであろう。

 そして自己紹介が終わった後ダンブルドアが全員に向けてこう言った。

 「では宴を・・・始めよう。」

 そして両手を叩いた。




 さあ・・・宴だあ!!


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食事でのひと時

 食べているうちに警戒心は解かれる。


 「では宴を・・・始めよう。」

 ダンブルドアが両手を叩くと目の前にあった大皿から多数の料理が現われた。

 「!!」

 達也はその光景を見て驚いていた。

 先程迄空だった皿には幾つもの料理が積み重なっていた。

 じっくりと焼かれた肉。

 大盛りの野菜。

 大量にあるデザート。

 それらはいい匂いを醸し出しているのにどうやってそれを隠していたのか興味が

湧いたのだ。

 そう、達也は根っからのCAD作りと魔法工式の改造と言ったとんでもない奴であった。

 そしてその魔法を会得したいと心の底から思っていたが今は・・・。

 「さて、食うか。」

 目の前の食べ物に御執心である。

 すると隣で肉を食べていた青年が達也に声を掛けた。

 「よっ!初めましてだな。俺の名は『西城 レオンハルト』。親父がハーフでお袋がクォーターの所為でか外見は日本人、名前は洋風って言うちぐはぐな感じだけど

よろしくな。」

 「ああ、よろしくな。俺の名前は『藤原 達也』。親はどちらも魔法師じゃないから多分先祖返りって感じだからよろしくな。」

 達也とレオンハルトが握手を交わすと後ろから皿を持ちながらエリカがやってきた。

 「よう、達也君。さっきぶりだね。」

 「誰こいつ?」

 エリカを見てレオンハルトが指さしてそう言うとエリカはうわあと顔で表しながら

こう返した。

 「いきなりこいつって失礼な奴ねぇ。あんたモテないでしょ?そう言うタイプだもんねえ。」

 「はあ!誰がモテないって!!少しツラが良いからってよ!?」

 「そうよ、私はルックスが良いもん。あんたみたいにだらしなさとワイルドを足したような旧世紀モデルと一緒にしないでもらいたいわねぇ。今時そんなスラング流行らないわよ。」

 「このアマーーー・・・。」

 達也の上でエリカとレオンハルトが今にも飛び掛かりそうな感じであったのを・・・二人の間に札が割り入ってきた。

 「「??」」

 二人が何だろうと思っていると突然淡い光が二人の目の前で輝いた。

 「うお!」

 「きゃ!」

 レオンハルトとエリカが驚くと達也の前の席に座っていた左目に泣き黒子のある

青年がいた。

 「二人とも止めなよ。初っ端から喧嘩はさ。」

 「ミキ!」

 「僕は幹比古だエリカ!!」

 如何やらエリカとは知り合いの人間であるようだ。

 「エリカちゃん大丈夫って貴方は・・・?」

 「ああ、僕の名前は『吉田 幹比古』。エリカの幼馴染で陰陽師の家系なんだ。」

 よろしくと言うとエリカが割り入ってこう付け加えた。

 「愛称は『ミッキー』ね。」 

 「それはやめてくれ。」

 「じゃあ『ヨッシー』?」

 「僕は黒いネズミでも緑色の恐竜でもないよ!!」

 「えええ。可愛いしミキって苗字が嫌だからさ。」

 「だから幹比古で頼むよ。」

 如何やら幼馴染というより困りものを抱える友人と言ったポジションである事が良く分かる一面であった。

 そしてデザートを食べ終えた後ダンブルドアが全員に向けてこう言った。

 「それでは校歌斉唱じゃが自分のペースで歌ってくれても構わんよ。」

 そしてダンブルドアが指揮者のように手を掲げて歌が奏でられた。




 ホグワーツの校歌って・・・変じゃね?


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案内は誰がするの?

 右も左も分からない。
 そんな時、貴方は如何しますか?


 ダンブルドアの呼びかけにより校歌斉唱するが・・・一年生勢は・・・。

 『『『『『(・・・何この校歌?)』』』』』

 変な校歌なのだ。

 ホグワーツでの歌詞は一部は第十魔法科高等学校であったりその寮の色んな意味での自己紹介は差し替えているが・・・やはり変であった。

 「なあよ達也。『脳みそ腐るまで』ってどう思うよ?」

 「俺に聞くなよレオン。俺だって少し変て思うんだから。」

 お互い小声で話し掛けながらも校歌を歌い終わると・・・。

 「うんうん。歌とはこの上ない魔法の力じゃ。」

 『『『『『(え?この歌のどこに涙流す要素あるの?)』』』』』

 ダンブルドアが校歌を聞いてうれし泣きしているのを見て一年生勢全員が

そう思った。

 そして司が全員に向けてこう言った。

 「これを持ちまして第十五回『第十魔法科高等学校入学式兼歓迎会』を

終了いたします。」

 そう言った後生徒たちはそれぞれ退出するが達也達は如何すれば良いか

分からなかったところをシリウスが達也達に向かってこう言った。

 「それでは新一年生は私に着いて来てくれ。部屋を案内する・・・貴様も来い!

「小野 遥」!!女子寮はお前の管轄だろうがって何時まで隠れている!?」

 シリウスは目の前の扉に目を向けて怒鳴り込むと薄っすらとだが姿を現した。

 「いやあ。毎年ですがこれが楽しみな物でして・・・てへ✨」

 「・・・お前年齢考えてから物言え。紹介する、彼女は保健の在住講師で君たちの

先輩にあたる「小野 遥」君だ。こう言う悪戯好きな側面があるがちゃんとした

医者だから大丈夫だ・・・多分」

 「ちょっと待ってくださいよ。ブラック先生!私の年をからかいに使わないで

ください!!って言うか多分じゃないから!絶対だから!!」

 なにやら地団駄踏みながら抗議するも背丈(一部はデカい)の小ささから子供の

ようにしか見えない。

 「あの~。何時からいたんです?」

 すると新一年生の一人でもある「十七夜 栞」がそう聞いた。

 「ああ私の魔法はBS魔法の気配隠蔽の『隠形魔法』でね。元々は意識だけだったけどこの学校で極めてからは存在迄消せるぐらいになったのよ。ああそれと始まりから

ずっといたわよ?ご飯もみんなから少しずつちょろまかしてたから。」

 「「「「・・・・・はあああ!!最初からあ!!」」」」」

 全員はそんな前からかよと驚くと遥は素知らぬ顔で全員に向けてこう言った。

 「それじゃあ案内するわね。それと皆もここで自分を知り、互いを認め合えば自分を見つめ直し、より高みを目指せるわよ。」

 遥の言葉に全員は自分を意識しなおして顔を真剣にした。

 誰もがネックを持っている。

 それを克服すれば自分はより高みに行けるという意識を高く持ち部屋から出た。




 そして案内される。


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始まりの一歩前

 やっとここまで来たなあ。


 「さてと・・・皆は如何してこの学校が全寮制なのか知ってる?」

 遥が新一年生全員に向けてそう聞くもそう言えばと誰もが疑問に思った事だ。

 「一つはここ以外の学校は全部家や下宿先から通っているけど反魔法師や人間派から君達を守る事。」

 反魔法師や人間派の中には過激派が存在し、魔法師やその家族に暴行や誘拐、

凌辱、殺害をする人間(大体は返り討ちに合う)がおり、そんな人間達から守るためである。

 「もう一つは実力主義や一般的な魔法師の基準から君達をはめ込まない為。

基準は人によって違うし、一定の水準=その魔法師の才能なんて阿保らしいって

ダンブルドア先生がそう言ってたの。私達は私達のやり方で自分を高めれば

良いんだって。」

 要は社会の基準に当てはめてしまうと自分と言う存在に区切りを付けてしまわない

ようにするという事である。

 「最後にこれが重要。それは・・・。」

 そう言いながらある場所に着いた。

 そこは・・・。

 「ここの技術を外部に漏れないようにする為。」

 『『『『『おおおおお。』』』』』

 それを見て全員は驚いていた。

 何せ階段が右に左にと動きまわり、その周辺には丸い円盤みたいのが

浮いていたのだ。

 「ここが第十魔法科高等学校の名物の一つ『動く階段』。学校の解放期間の間は

止めてるけど日中は動きっぱなしだから授業に参加する際には周りを見て時間に余裕を持って行ってね。」

 遥はさらりと注意事項を言うと彼女は階段に向かっていった。

 「さあ、君達も言ったほうが良いよ。見失うからな。」

 一番後ろにいたシリウスが全員にそう言うと全員遥に追いつくように追いかけて

行った。

 「それと階段が使えない時には円盤を使って飛び移るんだけどこれには

あるコツがいるのよ。」

 遥は全員に円盤についての説明をした。

 「見ててね。」

 そう言うと近くにあった円盤に飛び移る瞬間・・・・達也はある物を見た。

 「ん?」

 すると円盤に飛び移った遥が・・・さらに高く飛びあがった。

 『『『『『えええええ!!』』』』』

 全員はあまりの事に驚くも達也はある仮説をシリウスに向けて聞いてみた。

 「シリウス先生。もしかして小野先生は跳躍する際に魔法を使ってませんでした?」

 それを聞いたシリウスはにこやかに答えた。

 「正解だ。あの円盤には魔法を感知してその力に応じて跳躍力を増すように

なっているがその場所までの力の配分量を考えて使わなければ・・・飛び過ぎて

違う所に向かっちゃうから気を付けるように。」

 シリウスがそう注意すると遥が上で大声でこう言った。

 「ちょっとー!早く来なさいよ!!」

 「さてとみんなは階段をなるべく使うようにな。」

 『『『『『はああい。』』』』』

 そして一行は階段で部屋にまで歩いていった。 

 

 

 

 

 

 「それじゃあこの部屋は一年生用の談話室で下の階が女性陣で上が男性陣。

7時半から起床して 朝ごはんは8時から。昼ご飯は12時半。夜ご飯は夜7時半。

お風呂は夜の八時から零時まで使用可能。消灯時間は11時半だから

間違えないようにね?」

 「君たちの荷物は既に部屋に運び込まれてるから間違えないように。」

 『『『『はい!』』』』』

 遥とシリウスの注意事項を聞いた後彼らは部屋から出てそれぞれ見てみると

狭いながらも一人一つずつの小さな自分の名前が入っている部屋があった。

 「それじゃあ達也。風呂場で。」

 「じゃあね。達也。」

 「おお。」

 レオンと幹比古は達也にそう言って一端別れた後達也は自室に入った。

 テレビと机とベッド(本人の希望によっては布団も敷ける)だけの簡単な部屋で

あるが達也は荷物から幾つかの私物を出した。

 専門用語の入ったCADの説明書。

 自分が考えた魔法式。

 自分の私服。

 そして家族の写真。

 それらを整理した後外からレオンの声が聞こえた。

 「おおい、達也!行けるか?」

 「ああ、分かった。」

 そして達也は家族の写真を机に置いた後こう言った。

 「・・・行ってきます。」

 その写真の中にはにこやかに笑う家族の写真があった。 

 




 そして始まりはすぐそこまで。


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部活動。

 部活での仲間は今後大切になるかもな。


「そう言えばさ達也君ってさ何処の部に入るの?」

 エリカはビュッフェ形式で取ったつけ麺を啜りながら達也に聞いた。

 あれから一週間がたち授業の大まかな流れと説明を聞いて受けている。

 そして部活動のパンフレットが学食堂に所狭しと置かれている。

 エリカは何枚か取りながら達也の隣に座って聞いてみたのだ。

 「今は何ともだな。確かここって部活動必須だけどまだ先だしな。」

 どうするかと達也は近くにあるパンフレットを見ながらお握りを食べていた。

 「美月は美術部、レオンは山岳部、ミキはリリーさんが担当している『精霊研究会』だから何処にしようかなって・・・達也君、聞いてる?」

 エリカは達也が何処かに目を向けていたのでそっちの方を見ると・・・ある部活が

目に入った。

 「ええっと・・・『クイディッチ部』?」

 エリカはパンフレットを二枚取ってその説明書を見た。

 「ええっと・・・『新しいスポーツで一汗掻いてみないか?一緒にクイディッチして自分を鍛えませんか?』・・・ちょっと行って見ない?」

 「行って見るか。」

 そう言うと二人は食器を下げて目的地である特殊型アリーナにへと向かった。

 

 

 

 

 第十魔法科高等学校の敷地はとにかく広い。

 湖は海かっていうくらい広く、学校の中にある教室は数十もあり部活や授業、

教師の部屋や実験場、飼育場等があり全ての部屋を調べ尽くすことは不可能じゃない

のかと思うぐらいある。

 そして外も広い。

 森は鬱蒼と茂ってあの中には多数の動物が住んでおりその中に大きな建物がある。

 そここそ特殊アリーナでありスポーツや上級実戦術を学ぶ際に使われる。

 そのアリーナの中で何人かの生徒が棒を持って走り回っていた。

 「へえ、以外にいるねぇ。」

 「見学者も何人かいるしな。」

 エリカと達也は近くの席に座って見学していた。

 何人かが棒を持ってボールを叩いたりそれを持って走り回っていた。

 「何だかアメフトと野球を混ぜた感じだね。」

 エリカがその様子を見てそう言うと達也はある事に気づいた。

 「いや・・・他にもいるぞ。」

 「え?」

 エリカが何かと思ってよく見ると・・・宙に浮いている何かを見つけた。

 「あれって一体・・・?」

 そう言った瞬間そのボールが他の選手目掛けて攻撃し始めた。

 「へ!」

 エリカはそれを見て驚いた。

 そのボールは突進するだけではなく魔法による攻撃も行ったのだ。

 すると相手選手も魔法を使って妨害したりするところを見ると達也はそれに

気づいた。

 「成程そう言う事か。」

 「え、どう言う事?」

 エリカは達也の分かったことに何だと思った。

 「この競技は身体的だけではなく魔法を同時使用することによって自分の魔法量を

見極めたうえで動きながら魔法を使い慣らせることを主目的とする実戦的な

スポーツだ。」

 「ま、今の魔法師は殆どが国防に入っているからそう考えたら中々面白そうね。」

 「それに『十校戦』も視野に入れた奴だろうな。あの大会も動きながらが主だから

そう考えたらな。」

 達也とエリカがお互い意見交換している中達也はこう言った。

 「俺ここにするけどエリカはどうだ?」

 「そりゃあ・・・ヤロウカ。」

 お互いニヤリと笑い入部希望を出した。

 因みに担当は「ジェームス・ポッター」でありスポーツの授業でもよくしてくれる人である。




 さあて・・・どうしようかなあ。


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休暇も楽しめない。

 この小説ではこう言う事も起るよね。


 「いやあ・・・たまの休みに買い物って楽よねぇ。美月。」

 「そう・・・ですね・・・けど。」

 更に一か月近くが経ちエリカと美月は街をぶらついて買い物をしていた。

 学校から街までは距離があるのでそれに備えて学校所有の無人自動車

(何台かはフレッドの手によって魔改造されてしまうという悲しい性に遭って

しまわれているが)を保有しているのだ。

 然しこの二人荷物が無いのだ。

 ではその荷物は何処にあるのかと言うと・・・。

 それこそ美月が言い淀んだ理由であった。

 「君からすればそうだけどさ」

 「俺達からすれば・・・」

 「「面倒くさい事に巻き込まれたって言いたいな。(よ)」」

 達也と幹比古の両手には多数の手提げ袋(本人たち用もあり)を持たされていた。

 達也はエリカから誘われ、幹比古は無理やり連れだされてしまったのだ。

 (因みにレオンは山岳部の歓迎登山会で欠席)

 「イイじゃん。どうせ部屋でゴロゴロするぐらいしかやることないんでしょう?」

 エリカは悪気〇でそう言うが二人はこう返した。

 「俺はCADの調整と今考えてる魔法式の設計図を魔工技学のウィーズリ―先生に

提出しようとしてたんだがな。」

 「僕は精霊の交信についての書物を読みたかったのになあ。」

 達也と幹比古はお互いブータラと文句を垂れていたがエリカは悪気〇でこう返した。

 「そんなの変わんないじゃん。外の空気吸って私達の良い匂いを香ってなさいよ。」

 「「俺達(僕ら)を変態みたいに言うな!!」」

 二人の反対意見に耳を入れることなく別の所行くぞおと言った。

 すると美月は二人に頭を下げてこう言った。

 「ごめんなさいね二人とも。エリカちゃんは二人に外の空気を吸わせようと

していたの。」

 それを聞いた幹比古は笑いながらこう言った。

 「昔からああなんだよなあ。思いついたことは他人のためでも自分の楽しみも

同時進行させようとするあの考え方も変わらないなあ。」

 そう言って幹比古の言葉に達也は少し笑うと・・・気配を感じた。

 「「「「!!!!」」」」

 それは幹比古、エリカ、美月にも感じた。

 「この感じ」

 「何だか嫌な空気を感じるね」

 達也と幹比古はそう感じるとエリカはそれを感じ取ろうとしていた。

 「・・・あっちの方角。」

 それを聞いた達也と幹比古は荷物を一時美月に預けると三人は魔法を使って

走り出した。

 そしてその近くに着くと・・・。

 「うわあ何か酔いそう。」

 「これは・・・何かの阻害か?」

 エリカと幹比古はその感触についてそう述べると達也はこう言った。

 「この頭の頭痛・・・『小野先生』が言ってた『アンティナイト』の症状に

似ているな。」

 「つまりそれって・・・」

 「ああ・・・如何やらここからは体力勝負って事だな。」

 達也の言葉にエリカはバッグから警棒を出すと二人に向けてこう言った。

 「それじゃあ二人とも・・・行くわよ!」

 「「おお!!」」

 そして三人は角の裏道にへと向かった。




 次は恐らく第一魔法科高校のメンバーが登場します。


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颯爽見参!

 達也「エリカって・・・女版『宮本 武蔵』?」
 エリカ「『FATE』じゃ女よ。」
 幹比古「型月って・・・一体何だろうね?」
 美月「それ言っちゃおしまいよ。」


 「おい!大人しくしろ!!」

 「この化け物が!」

 「我々人間の力を思い知れ!!」

 男三人の中に少女三人が頭を抱えて震えていた。

 彼女達は只の女の子ではない。

 魔法師なのだ。

 三人とも本来ならCADを持っているのだがある男の一人が持っている物で魔法が

使えないのだ。

 「・・・どうして・・・『アンティナイト』を?」

 小柄で黒髪の少女がそう言った。

 『アンティナイト』。それは魔法師の魔法式を妨害することのできるジャミング鉱石なのだが希少価値で然も使っている所は軍だけなのだが何故彼らが持っているのかと

言うと・・・。

 「は!?貴様らみたいな化け物に我ら『人間派』がしゃべると思っているのか?」

 馬鹿にしているような口調でそう言うが『人間派』と言うのは最初は非魔法師と

魔法師の平等的立場にしてほしいと立ち上げた組織なのだが反魔法師や政治家などが

介入してからは暴力的組織に挿げ変わってしまったのだ。

 そして彼らもそんな連中なのだ。

 「さてと・・・お前らには体で教えてやるぜ。俺達人間がどれだけ

優秀なのかをよ!」

 周りの男たちが下の服を脱ぎ始めるところを見て三人は自分達が女として最悪な方向に向かっているのを察知して赤毛の少女がCADを取り出そうとすると・・・。

 「何してる!」

 再び『アンティナイト』を発動させて彼女達の動きを阻害させた。

 『アンチィナイト』は魔法力が高ければ高いほどその症状は重く推しかかるのだ。

 「ふざけやがって!こいつから先に犯すぞ!!」

 「俺はあっちの茶髪の方が良いけどな。」

 「まあまずは抵抗しようとする化け物を調教するって言うのも俺達の仕事だよな。」

 三人の男は赤毛の少女に詰め寄りながら下卑じみた笑い声をあげていた。

 「エイミ!!」

 茶髪の少女が赤毛の少女の名前を上げるもどうしようと動けなかった。

 「イヤ!ヤメテ!!」

 エイミは抵抗しようとするも男三人に手足を抑えつけられ身動きが取れなかった。

 そして上着を剥がされ、下着に手を出そうとした瞬間・・・。

 「ちょっと。男の風上にも置けない雑魚三人、何やっているのよ。」

 正義の味方は格好良く現われる。

 

 

 

 

 

 

 「さあてと・・・暴れるわよ!」

 エリカはそれを見てバッグから警棒を出して近場にいる男の一人にターゲットを

絞り込んだ。

 「この女!」

 男の一人も警棒を出して応戦しようとすると・・・それが綺麗にたたっ斬られた。

 「へ?」

 男の一人があほな声を上げた瞬間エリカは警棒を喉に向けて突き刺した。

 「ぎぇ!!」

 男の一人がそう声を出して吹き飛ぶところを見てもう一人が大声でこう言った。

 「こいつら魔法師か!だがそれでもこいつなら!」

 すると最後の一人が『アンティナイト』を向けると達也が両腕に付けている

市販型CADを同時に・・・展開するとある現象が起きた。

 キィイイイ・・・・・と言う音と共に『アンティナイト』の効力が消えたのだ。

 「な!?何で発動しない」

 「よそ見するなあ!!」

 「びぇ!」

 もう一人の男が何でと思っていた刹那にエリカが飛び蹴りで沈黙させた。

 「ひぃい!」

 最後の一人がそれを見てさらに奥に逃げようとすると・・・ある物が見えた。

 「・・・札?」

 すると幹比古が彼にこう言った。

 「バイバ~い。」

 「プギャギャギャギャギャ!!!」

 すると電流が札から現われて最後の一人を焼き焦げにした。

 「殺したのか?」

 「殺してないよ!ちょっと失神させただけだよ。」

 達也の言葉に幹比古はムッとした表情でこう返した。

 「まあ良いじゃない。後は美月に電話して警察呼んでもらおう。」

 それもそうだねと幹比古はエリカの提案に賛成して電話を掛けた。

 ここに強姦未遂時間は幕を閉じた。




 エリカ「じゃあ幹比古は『諸葛亮 孔明』」
 幹比古「僕ってデミ!?」
 エリカ「んで美月が『BB』」
 美月「私声関係!?」
 エリカ「んで達也君が『エミヤシロウ』」
 達也「俺何時か若白髪になるのかよ!?」
 


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魔法紹介。

 達也の説明って初めてだからご容赦のほどを。


 あの後警察に突き出させたのを達也達は見送ると被害に遭った少女達が達也達に

向かってこう言った。

 「あの、ありがとうございました!助けていただいて!!」

 「いや大丈夫よ。困った時は何とやらッて言うじゃない。」

 エリカはお礼を言ってきた茶髪の少女に向けてそう返すとエリカは自己紹介を

始めた。

 「そういえば未だ名乗ってなかったわね。私は『千葉 エリカ』第十魔法科高等学校所属のね。」

 それでこっちはと達也達に向けると達也達はこう返した。

 「私は『柴田 美月』って言います。よろしくね。」

 「僕は『吉田 幹比古』。間違っても『ヨッシー』とか言わないでね。」

 「俺は『藤原 達也』。こいつらとは買い物している最中だったんだ。」

 それぞれ自己紹介(一人は注意も兼ねて)した後少女達も自己紹介をした。

 「私は第一魔法科高校の『光井 ほのか』って言います。」

 それでこっちがと茶髪の少女ほのかが言うとそれぞれこう言った。

 「『北山 雫』」

 「私は『明智 英美』。本名は別にあるけど長ったらしいからこっちで

よろしくね。」

 先程襲われていたとは思えないほど明るい少女と少し口数が少ない少女が

自己紹介すると達也はある事を思い出した。

 「第一魔法科高校って確か三巨頭がいる学校だよな。」

 「ああ、『七草 真由美』、『渡辺 摩利』、『十文字 克人』。十校戦の連覇者がいる学校だよね。」

 達也の言葉に幹比古が補足するもある名前を聞いてエリカは少し気分が悪い顔に

なった。

 「あのさ・・・ちょっと聞きたいんだけど良いかな?」

 「ん?何だ?」

 英美が達也に目を向けてある事を聞いた。

 「『アンティナイト』を使った時・・・どうやって止めたの?」

 「「「「あ」」」」

 そう言えばとエリカ達が達也の方を見ると達也ははあとため息交じりでこう言った。

 「取り敢えずここじゃ何だから何処か誰もいなさそうなところで喋ろう。」

 

 

 

 

 

 達也達が向かったのはとあるカフェなのだが達也は幹比古にある事を聞いた。

 「幹比古。悪いが防音、防諜の術ってあるかな。」

 「あるよ。」

 幹比古はそう言うと何か唱えた後札をテーブルにつけた。

 「これで聞こえないようななったよ。」

 「ありがとう。さてと・・・何で『アンティナイト』が使えなくなったについて

だよな?」

 その言葉に全員が頷くと達也はこう聞いた。

 「皆はCADを二個同時に使ったことってあるか?」

 それを聞くと全員首を横に振った。

 「まあいないわな。『アンティナイト』は魔法式の情報体やエイドスの

働きかけを妨害する奴だってのは知ってるな?」

 それに全員今度は首を縦に振った。

 「俺はそれを二つのCADを使うんだがその理由は二つの魔法式をお互い

相殺し合える出力と術式を展開して態と失敗させるんだ。

そしてその魔法式の失敗したエネルギーを無系統魔法の波を作って放射させるんだ。そうすることで『アンティナイト』の波と同調させてそれを相殺させたんだが・・・何だよその顔。鳩が豆鉄砲を食ったような顔だぞ。」

 「嫌々そんな事普通考えないよ。」

 達也の説明にエリカは苦笑いしていった。

 然し達也が防音防諜の術式をさせるように言ってくれたのは正しかった。

 もし公になれば魔法における国防、治安の社会基盤を崩壊させかねない物で

あったからだ。

 「そんなにすごいのに何で第一に来なかったの?」

 英美がそう聞くと達也は笑ってこう返した。

 「簡単だよ。協会が定めている一定のラインに入っていないからさ。俺は自分の

魔法力を知っているしそこまで魔法師になりたいとは思わないんだ。それに

あの学校は俺に合っているしな。」

 ただそれだけと言ったが少し納得できていなかった。

 それほど凄い実力とポテンシャルを持っていながらそれを魔法師として評価されないことに対して納得できなかったのだ。

 「それじゃあ僕らはここで失礼するけど君たちはどうするんだい?」

 幹比古はそう聞くと彼女達はこう返した。

 「私達は家に帰ろうと思います。警察からの電話で家族が心配しているだろうし。」

 ほのかがそう言うと全員も同じ気持ちであった。

 そして達也達と別れた後雫は二人に向けてこう言った。

 「あの人達凄かったね。」

 「うん確かに。」

 「私達もガンバらないとねえ。」

 それを聞いてほのかと英美も頷いて返した。

 そして彼女達は家路に着いた。

 今日の達也の説明は自分達の心に蓋をして。

 

 

 

 

 

 そして四日後・・・

 第十魔法科高等学校校長室

 ダンブルドアはソファーの上である男性と話をしていた。

 縁なしの伊達眼鏡をかけたインドアな仕事をする服装の男性と。

 「・・・久しぶりじゃな。『司 一』君」

 「はい久しぶりです。ダンブルドア先生。」

 それは原作ならテロリストであった「司 一」であった。




 次回で何で一がいるのかが分かりますよ。


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貴方に出会えてよかった。

 恩師の存在は大切だ。


 「もう13年にもなるのか。歳月を経るのは早いのう。」

 「ははは、先生がそれ言うと自分なんかもうすぐ三十のおっさんですよ。」

 ダンブルドアと卒業生でもある「司 一」が長い間談話をしていた。

 「司 一」はダンブルドアがこの世界に来て丁度三年生が進級してやっと一年から

三年まで揃った時の初めての生徒なのだ。

 「そう言えば「甲」は元気でしょうか?」

 一は義理の弟でもある「甲」に今どうしているのかを聞くとダンブルドアは笑って

こう返した。

 「ああ、甲君なら大丈夫じゃよ。生徒会長になって相変わらず忙しく働いて

おるわい。」

 良い相棒がいるしのうと付け加えた後に紅茶を啜っていた。

 「そうですかあいつが。・・・血は繋がってないとはいえ俺にとっては

家族なんです。だからここに来たらそれを確実に聞こうと思っていたんです。」

 一は紅茶に映る自分を見ながらそう言うと一は眼鏡に手をかけて撫でつけるように

こう言った。

 「・・・俺達みたいな協会の定められたラインに入り切れずに入学できない人間や

魔法が他よりも下手な連中を先生は温かく出迎えてくれただけではなく俺達に自信を

与えてくれた。それだけで皆自分の劣等感に悩まずに鍛錬と研鑽を積んで色んな所で

成果を上げることが出来ました。」

 そして一は立ち上がってこう言った。

 「俺達卒業生は先生のおかげで自分を卑下することなく強くなれました!」

 「先生・・・ありがとうございます!!」

 そう言って一はダンブルドアに頭を下げるとダンブルドアはある事を聞いた。

 「・・・一体何があったのか分からんが『一』。何か儂にしてもらいたいことが

あるのではないのかい?」

 ダンブルドアはそう言って「一」の目をじっと見つめるも一はこう返した。

 「いえ、ただ単にここに来たかっただけですので・・・失礼いたしました。」

 そう言って一が部屋から出るのを確認した後ダンブルドアは机から携帯電話を出すとある所に電話を掛けた。

 「ああ・・・ちょっと頼みたいことがあるのじゃが。」

 

 

 

 

 

 東京の何処かにある廃工場。

 そこには多くの人間が何かをしていた。

 それは機関銃や爆弾と言った兵器を整備していたのだ。

 そしてその人間を見てある人間はこう言った。

 「首尾はどうだ?」

 そう聞くと一人がこう言った。

 「大丈夫ですよ一さん!これであの化け物を一網打尽に出来ますよ!」

 「ああ。俺達の正義を見せつけるんだ!」

 「化け物に死を!」

 口々にそう言う中・・・先程迄ダンブルドアと喋っていた「司 一」はそうかと

言いながら彼らの中に入るとある人間が現われた。

 それは彼とは違い太っちょで不健康そうな顔をした男性である。

 「おお代表!何故にここへ!?」

 男性の一人がそう聞くと代表と言われた男性はこう答えた。

 「いやいや諸君に言わなければならないことがあってな。」

 「「「「「?????」」」」」

 全員は何事かと思って立ち上がった。

 一は一歩ずつ下がりながら聞いてみた。

 「この中に・・・裏切り者がいる。」

 「「「「「!!!!!」」」」」

 全員はそれを聞いて目をぎょっとした。

 自分達を裏切っている人間が誰なのかを問いただしたかったのだ。

 「それは儂らの崇高な目的にケチをつける警察の犬で儂らをずっと監視して

いたのだ。そして儂が来る日を今か今か待っていたのであろう。」

 「『司 一』警視庁第二科『テロ対策潜入部隊』巡査長。」

 「!!・・・ちぃい!!」

 それを聞いて全員が一に目を向けた瞬間一は懐から銃を出してきた。

 そして・・・

 ターーーンと言う銃声が響いた。




 果たして一の運命は如何に?


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その力を何のために使うか。

 この話で第十魔法科高等学校の全寮制の本当の理由が分かります。


ターーーンと言う銃声と同時に一は走っていった。

 然しチラッとだけ後ろを見るが・・・当たっていなかったのだ。

 「追えー!あ奴を逃がすと我々の計画がバレるぞ!!」

 代表はそう言って全員に武器を使うように命じた。

 そして一は扉に隠れて銃撃すると他の人間がそこを囲うように応戦した。

 「ああくそ!数はあっちが有利ってかよ!?」

 一はそう言いながらも懐に入れておいた通信機を出した。

 「本部!本部!!聞こえるかこちら潜入隊所属『司 一』。日本支部の総司令官

「手草 日字目」を発見!近場に待機させている部隊に出動要請を請う!」

 『了解。直ちに部隊を送る。10分後に到着予定。』

 「ふざけるな!こっちは銃一丁でやり合ってんだぞ!!3分以内に来させろ!!」

 一は向こうで待機させている部隊のCPに対して怒鳴り散らしながら救援を請うた。

 すると足音が遠くから聞こえてきた。

 「ああくそ!前を向いても後ろを向いても敵ばかりって何処のRPGだよ!」

 一はそう言うと後ろに向かってくる人間相手に持っていたCADを使ってこう唱えた。

 『エクスパルソ』

 すると傍にあった水がたっぷり入ったガソリン入りのポリタンクが破裂した。

 何故ダンブルドアの魔法が使えるのかと言うと・・・これが第十魔法科高等学校が

全寮制でもある技術の漏洩防止の理由の一つである。

 ダンブルドアはあらゆる生徒たちに自分達の呪文(三大禁呪を除いて)を教えて

それを自分の魔法と一緒に会得させようと考えたのだ。

 「うわ!なんだこれ!?」

 「ガソリン!?」

 向こうにまで届いたのを確認した一はさらにこう唱えた。

 『ラカーナム・インフラマーレ』

 すると一の目の前に小さな火が出てくるとそれはガソリン目掛けて突進して・・・

燃えた。

 「「「「「ウワアアアアアアア!!」」」」」

 如何やら燃え始めたのであることを確認した後一は前を向くと・・・。

 「おいおい、だんだんと増えてきたなあ。」

 こりゃおれもヤバいなと確信すると懐から携帯電話を出すとある写真が出た。

 それは家族で撮った写真であった。

 「悪いな一。如何やらここ迄の様だ。」

 そう言うとマガジンを取り換えるもこう呟いた。

 「元々あと一回分が精々だったからなあ。ま、後はどうにでもなれだな。」

 一は自嘲気味にそう言って銃を向けた。

 「さあ来いよ。お前らを一人でも多く道連れにする準備は出来てるぜ。」

 一はそう言って突撃しようとすると・・・後ろから声が聞こえた。

 「それはいかんぞ、一。」

 

 

 

 

 「ええい!まだ殺せんのか?たった一人だぞ!」

 「恐らくこうなる事を見越してトラップを幾つか仕込んでいるのだと思われます。

現に奇襲班も全滅した様です。」

 日字目は部下の言葉にそうかと言って答えるも心の中では穏やかではなかった。

 「(もし私のパトロンの正体がわかれば私はこの国にいられなくなる。

さっさと殺さなければ!!)」

 そう思う中周りの人間が突撃準備を完了したというと日字目はこう答えた。

 「さあ同志たちよ!!裏切り者に死を与えよ!!」

 『『『『『オオオオオオ!!!!!』』』』』

 そう言って突撃すると・・・。

 『コンフリンゴ』

 老人の声と同時に扉如全員が吹き飛んだ。

 『『『『『『ウワアアアアア!!!!!』』』』』

 「な、何事だ!?」

 日字目はその光景を見て何事だと思うと・・・

 「ほう・・・お前さんが黒幕か。」

 「!!」

 それを聞いて日字目は爆発の煙の中を見ると・・・ある老人がそこにいた。

 背俗離れした・・・青いドレスのような服を着た老人が・・・。

 「さて、儂の教え子に何をしようとしたんじゃろうなア?」

 アルバス・ダンブルドアがそこに立っていた。




 あと少しで第一巻が終わりそうだ。


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魔法の違い

 やっと第一巻も終われたぞお。


 数分前・・・。

「それはいかんぞ、一。」

 「え・・・?ダンブルドア先生!?」

 一は自分の目の前にいる人間、ダンブルドアを見て慌てていた。

 「どうして先生が!」

 「あの時儂はお前さんの表情を見て何かあると考えてな。気になってお前さんを

これで追ったのじゃ。」

 するとダンブルドア懐からある物を出した。

 それは鏡のような物であった。

 「これは『追い嗅ぎ鏡』と言ってな。儂が作った物じゃ。これで何か盗られても

追いかけられるという物じゃ。」

 それを聞いた一はマジかよと言う顔をしていた。

 するとダンブルドアは一にある事を言った。

 「一や。儂はお前さんを守るがこれだけは覚えておいてくれ。お前さんの命は

お前だけのものではない。お前が死ねば悲しむ者たちがおるという事を

覚えておいてくれ。」

 それを聞いた一ははいと少しトーンが落ちるがそう答えた。

 「さてと・・・少しあ奴らを懲らしめなければいかんのう。」

 そう言って杖を出した。

 

 

 

 

 

 そして前の話の終わりにつながる。

 「さて、儂の教え子に何をしようとしたんじゃろうなア?」

 そう言ったダンブルドアの顔は心の中で怒り心頭であった。

 何せ卒業生とはいえ殺されそうになったからだ。

 然し日字目はニヤッと下衆な笑いをして全員にこう指示を出した。

 「はっ!誰かと思えば爺か。こやつも敵だ!殺せ!!」

 そう言うと全員銃を構えて・・・

 「撃てーーー!!」

 そう言った瞬間に発射された。

 然し驚く現象が起きた。

 銃弾が全て寸前の所で止まっていたからだ。

 「なあ!!」

 日字目はそれを見て驚くと・・・。

 「ふん。」

 ダンブルドアが杖を振った瞬間四方八方に銃弾が飛んで行ったのだ。

 「ではこちらの番じゃ。」

 ダンブルドアがそう言った瞬間全員はその後のことに驚いていた。

 「あ・・・有り得ない。」

 銃を持った一人がそう言った。

 何せ扉の向こうで燃えていた炎が・・・鳥に姿を変えて現われたのだ。

 ピュオオオオオオンと鳴き声のような物を挙げたそれは無数の鳥になって男たちに

襲い掛かった。

 『『『『『グワアアアア!!』』』』』

 そして男たちの目の前で爆発して全員吹き飛んで倒れて行った。

 「ひ・・・ヒイイイイ!!」

 日字目は後ろを向かずに逃げて行った。

 「な、何だあの爺は?本物の化け物かよ!!」

 そう言いながら日字目は外に向かって走って行くと・・・突如光が日字目を襲った。

 「ぐうう!!」

 日字目はいきなりのことで目を瞑るもそれを見た。

 よく見ると・・・警察が周りに重武装で囲んでいた。

 「『ブランシュ』日本支部リーダー『手草 日字目』!!貴様を『国家転覆』、

『武器の違法所持』、『銃刀法違反』、『殺人教唆』の現行犯で逮捕する!!」

 警官一人の言葉に日字目はフラフラと座り込んでいった。

 

 

 

 

 「如何やら全て終わったようじゃな。」

 ダンブルドアはそう言うと一はダンブルドアにこう告げた。

 「ダンブルドア先生!俺・・・」

 「もっと強くなります!そして何時か先生と肩を並べれるくらいに精進して

見せます!!今日はありがとうございました!!!」

 そう言って頭を下げた一を見たダンブルドアは一を見て笑顔でこう言った。

 「またいつでも遊びに来るがよい。今度はレモンキャンデーを持ってな。」

 そう言って姿を消した。

 そして一はこう言った。

 「先生。ありがとうございました。」

 そう言うと下に戻っていった。

 

 

 

 

 「へええ。『ブランシュ』リーダー逮捕ねえ。」

 翌朝達也が読んでいる新聞を見てエリカがそう言っていた。

 「バックにはウクライナ・ベラルーシ再分離独立派と大亜連合が関与してるんじゃ

ないかって話だそうだ。」

 達也はそう言いながらコーヒーを飲んでいた。

 「全く国内の問題を増長させて戦力を減らせるってみみっちぃいわね、本当に」

 エリカがそう言ったあとある事を達也に聞いた。

 「ねえ達也君。そう言えばさ、休みの日に魔工技科の教室で何やってるの?」

 エリカがそう言うと達也はこう返した。

 「ああ、ちょっとした魔法を作っていてな、もしかしたら例の大会に間に合えると

思うんだ。無論ポッター先生やウイーズリ―先生の許可も貰ってな。」

 「例の大会って・・・『十校戦』?」

 十校戦とはその名の通り魔法科高校全十校で行われる学生大会であり運が良ければ

プロにだってなれるほどのものである。

 「ああそれだ。・・・これならいけるかもな。」

 達也はそう言って食器を片付けるとエリカはこう聞いた。

 「いけるって?」

 そして達也はこう返した。

 「・・・優勝にさ。」




 当面の間休載します。


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十校戦編
飛行魔法実験


 2年ぶりに執筆を再開します。
 (考えたら原作終わってたな。)


 十校戦。

 それは10にもなる魔法高校が互いに競い合い、高め合うと言う大会だ。

 スポンサーも多く存在し、内容次第では軍や企業からのスカウトなんかもある。

 そんな中第十魔法科高校では・・・とある実験をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「システム異常なし。」

 「重力制御魔法術式問題なし。」

 「各セクション問題なし。」

 「医療班準備良し。」

 「命綱のセッティング完了。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 「達也、良いな?」

 「はい、宜しくお願いします。ウィーズリ―先生。」

 達也はフレッドに向けてお辞儀してそう言った。

 ここは魔法訓練室の一部屋。

 今日は休みなのだが今回は違った。

 よく見たら壬生やエリカ等の女性陣と何人かの生徒がそれを見守っていた。

 無論・・・先生たちも。

 そんな中で達也は中にいる人・・・市原に向けてこう言った。

 「先輩、何か体調に問題があったら直ぐに言ってくださいね。」

 「・・・・」コクン

 市原は達也の言葉を聞いて首を縦に振って答えた。

 そして暫くすると・・・観測室にいる生徒たちが一斉に作業を開始した。

 全員フレッドが所属する「CAD研究部」部員であり魔工技師になるために

勉強しているのだ。

 すると生徒の一人が指示を出した。

 「それでは実験を開始するので各員準備」

 そう言うと全員遠くに離れて退避すると市原は万が一の為にバイザー付きの

ヘルメットを付けて・・・始めた。

 市原は先ずCADのスイッチをオンにして離床した。

 「離床確認。」

 「反動における床面接地圧の上昇は・・・確認した限り0!」

 それを聞いて全員がォォォォと声を出すが達也はこう呟いた。

 「・・・まだまだ、ここからだ。」

 そう言う中で生徒の一人がこう言った。

 「上昇加速度の誤差を確認。加速度0.15%から0,2%まで確認。

許容範囲内です!!」

 「CAD動作正常値をキープ!!」

 ゆっくりと・・・だが確実に床から離れていた。

 然もそれは弛んだケーブルから分かる通り吊り上げなどではないことが

分かる程に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 『『『『『・・・・・』』』』』

 その光景を見て全員が何も言わずにその光景をじっと・・・見つめていた。

 『これより上方への加速度を減少・・・今0になりました。』

 そんな中においても市原は淡々とそう言ったが内心は・・・凄く恐怖していた。

 万が一があったらと思うと・・・腕が震えてしまうからだ。

 然しそんな中においても今感じることはただ一つ・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 知的欲求を優先している事であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「上昇加速度、マイナスに変更。上昇速度を0に。・・・停止します。」

 市原は観測室に向けてそう言うと停止した。

 そしてここからが・・・本番なのである。

 「これより・・・水平方向への加速テストを開始。」

 それを聞いた瞬間に誰もが・・・息を呑んだ。

 『加速停止を確認。水平移動を毎秒1m。』

 観測室からの通信を聞いて市原は・・・原作においても一度も

出したことがない・・・年頃の少女の様な声でこう報告した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「観測室にメッセージを送る・・・私は今・・・宙を・・・

世界を飛んでいます!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ィよっしゃあああアアアアアアアア!!」

 達也はそれを聞いて大声でそう叫んだ瞬間に全員がポカーン( ゚д゚)としている表情を見てアハハと言って・・・頭を掻いた瞬間に・・・全員が雄たけびを

上げた。

 『『『『『ィよっしゃあああアアアアアアアア!‼!!‼』

 全員が両手を上げてそう叫んだ瞬間い達也の周りに集まって

もみくちゃにするくらいに労った。

 「やったな達也!」

 「おめでとう達也君!!」

 「成功したんだ!俺達!!」

 そう言いながらも中には嬉し涙を浮かばせたり・・・

ウキウキとしている者達もいた。

 そんな中の一人でもあるエリカが達也に向けてこう聞いた。

 「ねえ達也君。一つ良い?」

 「?」

 「あれって・・・今からでも使える?」

 ニヤリと・・・獲物を見つけた猫の様な笑みを浮かべると達也はこう答えた。

 「そうだな・・・先ずは今回の粗を見つけておかなきゃあいけないしそれに

そっちのCADの調整も含めるから・・・5日待ってくれ。休み迄には完成させる。」

 「言質取ったからね。」

 エリカは達也に向けて指さしてそう言うと壬生がこう言った。 

 「私達・・・等々ここまで来れたんだね。」

 そう言うと壬生はこう続けた。

 「・・・リベンジよ。渡辺さん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「それでは!『CAD研究部』における成功を祝して・・・乾杯!」

 『乾杯~~!』

 達也の号令と共に全員が・・・バタービールで乾杯した。

 そして全員がそれをがぶっと飲んでいると達也は市原に向けてこう聞いた。

 「市原先輩、宜しいですか?」

 「何でしょう?」

 「今回の魔法は常駐型に分類されるんですが先輩なら兎も角他の連中に

やらすとなるとどの様に調整したら宜しいでしょう?」

 達也がそう聞くと市原はジョッキを置いてこう答えた。

 「そうですね、それならCADのサイオンの自動吸引スキームを効率化したほうが宜しいでしょね?後はハードの処理速度を上げるかタイムレコーダーに専用回路を付けたほうが宜しいでしょうがそれは企業がやる場所なので私達が

出来ることとなると今回のデータをベースに来る『十校戦』に備えてCADの調整と例の武器を完成させることです。」

 そう言うと市原は近くに置かれているミートパイを食べた。

 そして達也も近くにある野菜スティックを食べながらこう言った。

 「・・・全く、あれやこれやらで大変だぜ。」

 そう言っている達也の目は・・・ギラギラと輝いていた。




 次回は・・・十校戦に備えて。


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十師族について。

 説明があるよ。


そして暫くすると・・・ポッター先生から通知が来た。

 「俺がエンジニアにですか?」

 「うん。君の今回の開発によって研究部が推薦したんだよ。」

 「ですけど良いんですか?俺が・・・十校戦に出場しても?」

 「ああ良いよ。新人戦とかもあるんだしそれにうちの内部事情・・・

分かるでしょ?」

 「ああ・・・そう言えば?」

 ポッター先生の言葉を聞いて達也は確かにとそう思った。

 この学校は協会が定めた魔法科高校の入学基準をクリアできない者又は

「数字落ち(エクストラ)」が多くいる。

 エクストラの前に説明しよう

十師族と言うこの国の魔法士を纏める一族の総称でありその名の如く

十の一族から成り立っている。

 ①一条

 ②二木

 ③三矢 

 ④四葉

 ⑤五輪

 ⑥六塚

 ⑦七草

 ⑧八代

 ⑨九島

 ⑩十文字のこの家で成り立っている。

 無論交代などもあるが大体がこう言う風である。

 そんな中でエクストラとはその家が保有する魔法を使えない又は使いこなせない

人間たちがその家から別の家の子供として引き取らせる事が多々とあり

そう言う人間の事を指す。

 達也の学校の同級生でもある「十七夜 栞」もそれである。

 そんな為か家から出て行かされたことから自分に自信が持てない人間が

数多くいたが・・・第十魔法科高校・・・いや、ダンブルドア先生達や他にもいる

生徒たちの支えもあってか劣等感が払しょくされたり中には・・・本家よりも高い実力を持って見返すことも出来たりしてるがそう言う人間たちは・・・

本家には戻らずに自分の実力を更に向上させるために色んなことに

チャレンジする者達もいた。

 現に司の兄でもある一も自分の能力を最大限に使用できる場所を選んで

今に至るのだから。

 そんな中で達也はこうも聞いた。

 「ちなみに聞きますけど・・・新人戦も参加しなければいけないの

でしょうか?」

 そう聞くとポッター先生はこう答えた。

 「まあね・・・実力と言うか各プログラムの相性が良い人間から

選んでいるからね。達也君にもその通知が届いているはずだよ?」

 そう答えた。

 確かに希望は書いたが・・・まさか通るとは思ってもいなかったからだ。

 それに全員はその試合に備えて準備しているのだ。

 幹比古とレオンは男子専門の戦闘系

 エリカは女子専門の飛行系

 美月は整備部門と各々はそれに合わせていた。

 無論達也も戦闘系である。

 そして達也はこう答えた。

 「まあ、人手不足って言うならやりますけど」

 「本当にごめんね。ああ、この大会が終わったらゆっくり休ませるように

しているから。」

 「・・・まあ、良いですけどね。」

 そう言って達也は・・・部屋から出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「と言う訳で整備部門においても俺は出席すると言う羽目になった。」

 「それはまた・・・ご愁傷様。」

 「エリカお前、本当はどう思ってんだ?」 

 「・・・( ´艸`)」

 「良しお前後でブラっジャー。」

 達也とエリカはお互いにだべりながら・・・クイディッチをやっていた。

 無論ちょっとだが・・・達也は殺意を込めてやっているがエリカも

負けずであった。

 それを登山部でもあるレオンは遠くで見てこう言った。

 「あいつらやっぱ・・・仲いいな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 美月はと言うと作品の仕上げが終わったため一足早く部屋に

戻ろうとしている中で・・・あるものが目に入った。

 ぼんやりとであるが・・・波動のようなナニカを感じた。

 「何だろ・・・?」

 美月はそう言いながら・・・眼鏡を取ろうとしていた。

 彼女の目はサイオンを確実に見ることが出来る程の力でありその力は

甲以上である。

 然しそれだけのエネルギーともなると普通の人間ならば・・・

それを処理しようとするあまり視神経と脳が悲鳴を上げてよくても発狂、

最悪死ぬか植物人間である。

 然し美月の場合は生まれた時から見えて何年も付き合っている・・・

この世界とは違う「もう一つの世界」そのものなのだ。

 今美月が見ているのは普通の魔法師が見ているものの何十倍ともなるサイオンと並みの魔法師では見分けることすら困難とも言われるブシオンが見えるのだ。

 美月は眼鏡をケースに仕舞い込んで先ほど感じたサイオンを探した。

 そして暫くすると・・・それが見えた。

 呼吸音の様に揺らぎを持った規則的なブシオンのシグナルだ。

「(さっきのはこれかな?)」

 そうお思いながら美月はついて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「確かここって・・・」

 美月はそう言って実験棟の一つとされている部屋・・・精霊研究会が使っている部屋の前に着いた。

 精霊研究会とは、ポッター先生(女性の方)が受け持っているもので

主に精霊とのコンタクトにおける魔法との関係性と術者が扱う事によって伴う

魔法の変化などを題材としてあげて使用している。

 そして美月は・・・こんこんとノックすると・・・声が聞こえた。

 「「どうぞ~~。」

 そう言って入るとそこには・・・綺麗な光景が広がっていた。

 「うわ~~。」

 綺麗と言って見えたのは・・・青や水色や藍色の光が周りを漂っていた。

 普通の・・・自然界のエネルギーはついたり消えたりが多いのだがこれには

それがなく・・・まるで意志を感じる何かを感じた。

 するとポッター先生はこう聞いた。

 「どうしたのかしら?柴田さん??」

 そう聞くと美月は・・・こう答えた。

 「あああの、もしかして今・・・精霊を扱ってます?」

 「ええそうよ、それにしても良く分かるわねえって確かあなたって

霊子放射過敏症だったわねってそれでも見えるって凄い事ヨ。」

 そう言うと美月はこうも言った。

 「は、それにしても凄いですねえ・・・青とか水色とか藍色の光が綺麗。」

 『『『『『・・・・・・え?』』』』』』

 それを聞いて全員目を見開くと・・・幹比古がこう聞いた。

 「柴田さん・・・一つ良い?」

 「?」

 「もしかして・・・色が見える?」

 「あ、はい。けど色だけですよ?形は見えませんけど?」

 そう言うと暫くして・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『『『『『『ェエエエエエエエエエエエエ!‼!!!!』』』』』

 全員が驚いてしまった。




 次回は精霊の色が見えることの重要性について。


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美月の眼について。

 美月の能力について説明です。


美月の言葉を聞いて幹比古は目を大きく見開かせて顔を強張らせて・・・

こう聞いた。

 「色が・・・色の違いが・・・見えた?」

 「あの・・・えっと・・・はい。」

 美月は幹比古の言葉を聞いて少しびくびくしながらそう答えると美月は

こう続けた。

 「あの・・・青とか水色とか藍色とか・・・!!」

 美月はそう答えた瞬間に・・・驚いてしまった。

 何せ幹比古が突然に・・・美月の手を掴んだのだから。

 「あ・・・あの・・・」

 美月は当惑と焦りで言葉が出なくなっていた。 

何せ幹比古が・・・美月の手を握りしめてキスを迫るように顔を寄せて・・・

美月の目を覗き込んでいたのだ。

 そんなのが数瞬していると・・・リリーが幹比古に向けて術を放った。

 『ヴェンタス』

 そう言った瞬間に・・・幹比古の前に風が吹いた。

 「へ?」

 それを見た美月はこう呟いた。

 「緑の・・・精霊?」

 すると幹比古が美月の手を離して・・・そのまま離れていくとリリーは

こう言った。

 「吉田君。合意の上であったなら先生も実力行使しないけどね・・・

時と場所は弁えてから行動しなさい。」

 「え?・・・・!!!」

 幹比古はリリーの言葉を聞いて思い出すと・・・幹比古は美月に向けて頭を下げて謝った。

 「ごごごゴメンナサイ柴田さん!!」

 「いいえ・・・こちらこそ。」

 それを聞いた美月も本来ならば突き飛ばしても良いのに何故謝るんだと全員が

そう思っている中でリリーは幹比古に向けてこう聞いた。

 「所でどうしたの吉田君。急にあんな行動をとるなんて?」

 一目惚れかしら?と聞くと幹比古は顔を真っ赤にして慌ててこう返した。 

 「ちちちち違いますよ!そりゃあ柴田さんは可愛いし大人しいし優しくて何だかいてくれるとホッとするような人ですけどそう言う理由ではなくて」

 「いや、お前。今の完全に告白っぽいぞ?」

 幹比古の言葉を聞いて甲がそう呟くと・・・。

 「へ・・・・////////」

 幹比古は先ほどの台詞を思い出して・・・顔を更に真っ赤にした。

 それを見て殆どの生徒達が少しであるが含み笑いしていた。

 そしてそれを聞いていた美月はと言うと・・・。

 「///////」

 同じであった。

 それを見たリリーも少し甘いなあと思いながら美月に向けてこう聞いた。

 「柴田さん、一つ良いかしら?」

 「あ・・・!!ハイ!何でしょう!?」

 美月はリリーの言葉を聞いて慌てふためきながらそう聞くとリリーは

こう聞いた。

 「貴方は精霊の色が見えるのよね?」

 「あ、はい。先ほどは緑色ですし今でも黄緑色の光が見えます。」

 美月の答えを聞いてリリーはこう答えた。

 「良い、柴田さん。今後眼鏡を外したとしても色について言わない様に。

言って良いのは私達十校の生徒又は先生だけよ。」

 「え・・・何でです?」

 美月はリリーの言葉を聞いて何でと聞くと幹比古がこう答えた。

 「それは柴田さんが・・・『水晶眼』を持っているからだよ。」

 「『水晶眼』?」

 美月は聞きなれない言葉を聞いて何だと聞くと幹比古は全員に

顔を向けた後に・・・こう説明した。

 「精霊には色があって僕たち術者は色で精霊を見分けてるんだけど・・・本当はそうじゃないんだ。」

 「?」

 それを聞いて美月は首を傾げると幹比古はこう続けた。

 「実は僕たちが見える精霊の色は術者の扱う術の系統、流派における

波動を介して見ているに過ぎなくて僕から見れば例えば水の精霊は青だけど

欧州じゃあ紫、大陸系だと黒に近い紺色と認識の違いでこうまで違うんだ。」

 「ですけど私はちゃんと見えますよ?」

 色とかがと美月はそう言うと幹比古はこう続けた。

 「そう、柴田さんにはそれが見えたんだ。間違いなく精霊の区別が出来る程に

明確なね。」

 「そう言う眼の事を僕たちの流派じゃあ『水晶眼』と呼称されて

『神』を見ることの出来る眼と呼ばれてるんだ。精霊を見れることつまり、

精霊の源でもあり自然現象そのものと言っていい存在『神霊』を認識して

そのシステムに介入するための鍵を見つけることが出来る『巫女』と

言っても良い。」

 「もしそれが他の古式魔術・・・それも強硬な奴らが柴田さんの事を

嗅ぎ付けたら誘拐するか家族を人質にしたりして・・・言う事を聞かせようと

するかもしれない。」

 「!!!!」

 美月はそれを聞いて驚いた。

 自分の目がそこまで危険なものだとは・・・考えが付かなかったのだ。

 するとリリーが美月に向けてこう言った。

 「大丈夫よ。そうなったとしても私が貴方の家族を助けるわ。」

 そう言うとそれを皮切りに・・・他の生徒達もこう言った。

 「俺も賛同します先生!」

 「あたし達仲間だもんね。」

 「うんうん。そんなクソったれ連中を見過ごせないわよ!」

 「女の子を助けるのに男としちゃあ理由ねえもんな!!」

 「確かに。」

 それぞれ思い思いの言葉を口にすると幹比古が・・・こう言った。

 「柴田さん。」

 「は、ハイ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「僕が柴田さんを絶対に守ってみせるよ。家族も、皆も」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう言うと甲がまたこう言った。

 「お前本当に告白みたいだぜ。」

 「「/////////////」」

 それを聞いて美月と幹比古がお互いに顔を真っ赤にして顔を逸らした。

 すると生徒達全員が燥いで・・・冷やかした。

 それを見たリリーも・・・にこやかであった。




 次回は・・・あれ登場?


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バス?・・・普通じゃねえよ。

 皆さんも知っているあのバス登場!


 八月一日の・・・と言うよりも深夜である。

 そう、今日の深夜である。

 遠方から来る魔法科高校は一足早く現地入りしているが東京都内の田舎にある

達也達十校は例年ギリギリに宿泊入りしているのだが何故彼らがこんなに早いのかと言うと・・・訳があるのだ。

 それは・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 「ふぁ~~あ、それにしても4時出発って未だ夜中じゃないか?」

 達也は欠伸交じりでそう言った。

 無論それは・・・1年生全員も同じ気持であった。

 試合に参加する予定の全選手が外に・・・集合させられているのだ。

 そして二年生以上はと言うと・・・。

 

 

 

 

 

 

 「遂に来てしまった・・・。」

 「またあの悪夢が・・・・」

 「甲。エチケット袋の準備完了です。」

 「ありがとう鈴音。今年もあの悲鳴を聞く羽目になるとはな・・・。」

 上級生全員何故か・・・死んだ目のような顔をしていた。

 それを見ていた達也達はと言うと・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 「先輩たち何だか疲れてるよな表情だよな?」

 「何かあるのかな?」

 「この早起きと何か関係ありそうだな。」

 「もしかしてとんでもない方法でアタシたち試合会場に連れて

いかれたりしてね?」

 「エリカちゃん。それフラグだよ?」

 各々がそう言っている中で・・・車のライトが見えた。

 「バスか?」

 レオンはそう言って光が少しずつ近づいて来たが・・・。

 

 

 

 

 

 

 確かにバスはバスであるが・・・只のバスではなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それは・・・。

 

 

 

 

 

 

 「は?」

 「何・・・これ?」

 「初めて見たぞ?こんなバス?」

 「アタシもよ。何階建てよこれ?」

 「多分・・・3階建て?」

 

 

 

 

 

 

 そう・・・3階建てのバスが来たのだ。

 すると後ろから・・・声が聞こえた。

 

 

 

 

 

 「毎度ありがとうございま~~す!我が第十魔法科高校名物バス

『3階建てバス』にようこそ!!私フレッドが皆さんを目的地まで

送り届けま~~す!!」

 「ウイーズリー先生!!」

 達也はフレッドを見つけて驚くように言っているとフレッドはこう答えた。

 「よう、達也。毎年なんだけど俺が皆を試合会場まで送り届けているんだ!!」

 そう言うと急かすよにこう言った。

 「さあ皆早く荷物を中に置いて!2年生は二階、三年生が三階な。」

 そう言うと達也達は少し急いで中に入ると・・・中を見て驚いたのだ。

 内装は・・・これだ。

 

 

 

 

 

 

 「バスの中に・・・」

 「ベッド?」

 レオンの言葉に続くかのように幹比古がそう言った。

 バスの中にベッドが敷き詰められておりそれは上の階においてもそうであった。

 然もよく見たら何故か分からないがシャンデリアも取り付けられていた。

 一年生勢はそれを見ておおおと言っているが・・・他の生徒はそれどころでは

なかった。

 「鈴音先輩。エチケット袋下さい。」

 「私にも。」

 「俺にも。」

 「はい、全員一人一枚ずつありますので。」

 鈴音はそう言って全員に袋を配っていた。

 それを見た達也達は何故だとそう思っていると・・・フレッドが全員に向けて

こう言った。

 「それじゃあ皆出発するけど今回は・・・新装備もあるから試すぜ♪」

 『『『『『ウソダドンドコドーン‼!!!!』』』』』

 全員ムンク宜しくになってそう言うが達也はこう聞いた。

 「ウイーズリー先生、一つ宜しいでしょうか?」

 「?」

 「その新装備ってどんなものなんでしょうか?」

 達也がそう聞くとフレッドは・・・こう答えた。

 「内緒だよ。予め言ってたら楽しみが減るじゃん。」

 フレッドはウインクしてそう言うと・・・美月がこう聞いた。

 「あのうウイーズリー先生、私からも一つ・・・宜しいでしょうか?」

 「おう?何だ??」

 「それって・・・ちゃんと実験しています?」

 『『『『『『『『『『!‼!!!!!!!!!』』』』』』』』』』』』

 それを聞いて達也も含めて全員フレッドの視線を向けた。

 幾ら何でもとそう思っているとフレッドはと言うと・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「・・・・・・・・・・・」

 「・・・・・・・・・・」

 「・・・じゃあ行こうか?」

 『『『『『『『『『『オイ‼!!!!!!!!!』』』』』』』』』』』』』

 そっぽ向いて言ったのでそれを聞いて全員が抗議の目を向けるが・・・フレッドはバスを操作して扉を・・・無情にも閉めた。

 「あ、閉めやがった!!」

 「開かない!!」

 生徒全員で何とかして開けようとするが開かず・・・そして等々・・・・。

 

 

 

 

 

 

 「それじゃあ第十魔法科高校バス・・・発車いたしま~~す!!」

 『『『『『『『『ヤメテーーーーー!!』』』』』』』』』』』

 それを聞いて全員大声でそう言うがバスは・・・発進してしまった。

 然も走っている先には・・・道がなかった。

 「ちょっと待って!あれ崖!?」

 壬生がそう言って向こうの光景を見て言うがバスは尚も・・・止まらずに

向かって行ってた。

 「ウイーズリー先生止めてーーーーー!!」

 「去年みたいに制限速度真っ向無視走行でも良いから普通の道を

お願いします!!」

 上級生からの嘆願も・・・聞いてもらえなかった。

 「ああ・・・俺の一生短かったなあ。」

 「達也諦めんじゃねえよ!!」

 「いや、もう諦めよう。」

 「幹比古!お前もかよーーーーー!!」

 「エリカちゃん今までありがとうございました。」

 「良いのよ美月。・・・一緒に逝きましょ。」

 「お前らもかよーーーーー!!」

 レオンは周りの諦め口調を見てそう言っている間に等々・・・

崖から飛んでしまった。

 『『『『『『『『ウワアアアアアアアアアアアアアアアアア!‼!!!!!!!!』』』』』』』』』

 全員悲鳴を上げたその時・・・奇跡?が起きた。

 そう・・・バスが・・・浮いているのだ。

 「バスが・・・。」

 「浮いてる・・・?」

 全員何でと思っているとフレッドはこう答えた。

 「どうだ凄いだろ!?この間作った飛行魔法を応用して作った

飛行システム何だけどそれを自動車に転用させてんだよ。これで交通渋滞も

楽楽って・・・ありゃ?皆寝てる?」

 フレッドが説明しながら後ろを振り向くと全員・・・ベッドの上で

失神していた。

 恐怖からの安心感で気が途切れてしまったようだ。

 するとフレッドはこう言った。

 「それじゃ、透明エンジン点火っと。」

 そう言うとバスが・・・闇の中に消えた。




 この後全員フレッド目掛けて術を発動させたが当の本人は・・・
掠りもしなかった。


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着いて・・・喧嘩。

 空を飛ぶ車・・・売れるな!


 そして朝方。

 「皆~~、着いたよ~~。」

 フレッドの大声を上げると全員・・・一年生以外は全員起きた。

 2,3年生は如何やら慣れている(それもどうかと思われるが)ので何も

感じることなくと言うよりもエチケット袋を鈴音に返しながら出て行くと甲が

達也達に向けてこう言った。

 「お前ら早く口から出ている魂入れとけ、もう着いたぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

 「・・・・・はっ!ここはもしや天国か?それとも賽の河原か!?」

 「何言ってんだお前・・・まあ、言いたい気持ちは良く分かるが他にも

失神している連中がいるから起こしてやれ。」

 初めに起きた達也の言葉を聞いて甲もまあ、自分も最初はこうだったなあと

思い出しつつも全員を起こすように言った。

 それを聞いて達也は言う事を聞いて全員起こした後に取敢えず降りると

最後にフレッドが全員に向けてこう言った。

 「それじゃあ皆快眠だったな?明後日から行われる本戦に向けて

皆頑張ろうぜ!」

 

 

 

 

 

 

 

 『ちょっと待てーーーーー!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 フレッドの良い笑顔を見て一年生勢が総出で大声を上げるとレオンが

こう言った。

 「ってか激励の前に言う事あるだろうが!?」

 「え・・・何だっけ?」

 こてんとフレッドが可愛らしく首を傾けるので今度は幹比古がこう言った。

 「実験をまともにしていないシステムをぶっつけ本番にしたことに

対してですよ!!」

 そう言うと・・・フレッドはこう返した。

 「良いじゃねえか?結果的には成功したんだし万が一に備えての準備も

万全なんだぜ(まあ、万が一があったら『姿消し』を使って皆を送れば

良いしな)」

 そう思っているが心の中の声なのでそんな事聞こえることなく今度は

エリカがこう言った。

 「って言うかその前に先輩たち・・・知っていましたよね?こう言う事が

起きるって。」

 『!』

 全員はそれを聞いて壬生達に目を向けると・・・こう答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「え?知ってたに決まってるじゃない?」

 「寧ろ毎年の事らしいから慣れれば良いってよく言われたな。」

 「まあ、今回の飛行については初めてですが延長戦と思えばと思いますし。」

 壬生、甲、鈴音の順番でそう言うと・・・達也達は大声でこう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『そういう事は最初に言えーーーーー!!』

 『『言えるかソンナ事ーーーーー!!』』

 達也達の言葉に対して2,3年生勢がそう言うとこう続けた。

 「アンタらに分かるか!夜中に100キロなんて当たり前で何時ぶつかるか

分からない恐怖と隣り合わせで然も3階がいつの間にか下に下がったり

体が縦長くなったりするあの変な感じがアンタらに分かるかーーーーー!!」

 「って言うかお前らは飛んだだけだから寧ろ安全運転じゃねえかよ!!」

 壬生と人吉が去年の事を思い出してそう言うが達也達はこう続けた。

 「はあ!寧ろ飛ぶまでに崖から転落しなきゃいけないなんつう恐怖を

味わったんだぞこっちは!!」

 「それに私達本気で走馬灯見たかもしれないんですよ!?私なんて

ちょっとちびっちゃったんですよーーーーー!!」

 達也の美月はあの時の恐怖をそう語るがフレッドは・・・全員に向けて

こう言った。

 「まあ、皆落ち着いて。」

 『『『(誰のせいだと思ってんだ!!)』』』

 「どうせ帰りは普通に地上走行何だからどっちが良いなんて

言わない方が良いよ?」

 『『ウソダドンドコドーンーーーーー!!』』

 2,3年生勢はそれを聞いてムンクになってしまった。

 因みに1年生勢はと言うと・・・。

 『・・・・・( ゚Д゚)』

 最早声も出せないほどの顔になっていた。

 そして全員の肩がガクンと落ちると・・・諸悪の根源でもあるフレッドが

全員に向けてこう言った。

 「はいはいはい、早く荷物を部屋に置いて練習するなり対策会議するなり

するようにね。」

 それを聞いて全員・・・無言で移動することとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして数時間後・・・ある情報を達也は休憩中に聞いた。

 

 

 

 

 

 

 「おい、大変だぞ!」

 「どうした?」

 「第一魔法科高校の選手団が乗っているバスに車が突っ込んだらしいぞ!!」

 「な!それってつまり!?」

 「馬鹿声が大きいぞ!!幸い怪我人はいないしぶつかる直前にバスがスピードを速めてくれたおかげで何とかなったらしいが今代わりのバスがそっちに

向かっているらしい。」

 「それなら良かったな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「・・・一校が?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして達也はそれをチームメイトでもある幹比古とレオン、そして遅れてきたジェームスに報告するとジェームスはこう答えた。

 「う~~む、それにしてもこの時期にそう言うのは・・・何かありそうだな。」

 「何かってなんすか?先生」

 レオンがそう聞くとジェームスはこう答えた。

 「いやね、ここって軍の関係施設って言うよりも・・・

軍が運営しているよね?」

 「はい、聞いたことがあリます。ここで軍が優秀な魔法師を

青田買いをしているって噂ならって・・・まさか!?」

 「どうしたんだ?幹比古?」

 幹比古の声を聴いて達也がそう聞くと幹比古はこう答えた。

 「良いかい、これは学生同士の試合だけど実際は他国に対する牽制も

兼ねているんだ。」

 「理由は『こっちには優秀な魔法師を何人も保有しているって』暗に各国に

伝えることで侵略させないようにね。」

 「その中でも今年の一校は十師族で然も3連覇を掲げている生徒が3人も

いるもんだから排除したいって言う思惑があっても不思議じゃないね。」

 幹比古がそう説明すると達也もこう続けた。

 「そうやって国内の力を削るって・・・まあ、『ブランシュ』と同じ連中が

世の中にいるもんだな。」

 「確かにね、幸運かどうかは分からないけど僕たちはノーマークされているから良いとしても・・・気を付けないとね。」

 「明日は我が身ってか。」

 レオンの言葉を聞いて全員黙りこくった。




 次回はパーティーです。


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立食パーティーは上品に。

 立ち食い・・・ラーメンの方が良いな。


十校戦の前々日にはパーティーが行われるようであった。

 立食パーティーでアルコールは無し。(まあ、高校生だからそれは当たり前で

あるが)

 然も裏方のメンバー迄参加しなければならない為に・・・緊張感が強く正直な所

食べている気がしないなと思ってしまうのだ。

 そんな中で達也達に向かう一団が現れた。

 その人間達はと言うと・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 「藤原さん!吉田さん!千葉さん!柴田さん!」

 「「「「?」」」」

 呼ばれた全員が誰かと思って見てみるとそこにいたのは・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あの子は確か・・・」

 「ああ、この間反魔法師団体の一団に襲われてた。」

 達也とエリカはその少女達を見て・・・そう言った。

 いたのは、光井、北山、明智の3人であった。

 よく見たら恐らく上級生であろう生徒たちがいたがその一人を見た

エリカはと言うと・・・。

 「げ」

 嫌な顔をしていた。

 そんな中に置いても光井達が達也達の方に現れてこう言った。

 「お久しぶりです!皆さん!!」

 「・・・久しぶり。」

 「おっひさー。」

 3人がそう言うとレオンがこう聞いた。

 「誰だこいつら?」

 達也に向けてそう聞くと達也は簡単に説明した後にこう言った。

 「おおそうか、俺は『西城・レオンハルト』だ。宜しくな。」

 そう言うと美月がこう聞いた。

 「あの後大丈夫でしたか?」

 そう聞くと光井がこう答えた。

 「あ、はい。エイミーの方は学校のお医者さんからカウンセリングを

受けるように言われましたけど。」

 「大丈夫なのにね~~。」

 「油断しない方が良いよ。ストレスで魔法が使えなくなったって人たちだって

いるから。」

 光井の言葉を聞いて明智がそう言うが北山がそう反論した。

 すると後ろから・・・上級生達がやってきた。

 一人はウェーブの掛った黒の長髪の女性。

 一人は黒髪短髪でボーイッシュな女性。

 そしてもう一人は・・・完全に場違いかと言う位に大柄で鍛え上げた

巌の様な男性。

 すると男性が達也達を見ると光井達に向けてこう聞いた。

 「この人たちか?お前たちを助けてくれたのは?」

 「「「ハイ。」」」

 男性の言葉を聞いて光井達がそう答えるが達也達が身構えるのを見て

長髪の女性がこう言った。

 「ああ、大丈夫よ。十文字君って見た目は怖いけどちゃんと良い人だから。」

 「七草、それは俺が暗に同い年に見えなくて怖い人だと思われてるって

言いたいのか?」

 「(*´σー`)エヘヘ・・・。」

 十文字と言う男性の言葉を聞いて七草と言う女性が頬を掻いていた。

 恐らくは十中八九そうであろうなとそう思っていると短髪の女性が笑いながら

こう言った。

 「( ̄∇ ̄;)ハッハッハ、確かにお前の図体から見れば初めて見た生徒の大半が勘違いするのは間違いないからな。」

 「渡辺、お前もか。」

 渡辺と言う女性の言葉を聞いて男性がはああと溜息交じりでそう言った。

 「あのう・・・貴方達は確か一校の。」

 達也がその光景を見て取敢えずそう聞くと男性がこう言った。

 「ああ、すまない。君たちの事を忘れていたわけではないんだが

こいつらがな。」

 男性がそう言って2人の女性を見ると長髪の女性は舌を出して、

短髪の女性は素知らぬ顔で別の方向に目を向けると男性が自己紹介した。

 「改めて自己紹介したい。俺は一校の3年『十文字 克人』。」

 そして女性達も自己紹介した。

 「同じく一校の生徒会会長『七草 真由美』よ。」

 「私は風紀委員長の『渡辺 摩利』。千葉とは同じ道場の一門だ。」

 「・・・アタシの方が上なんだけどね。」

 エリカは摩利の言葉を聞いてボソッとそう呟いた。

 「?」

 達也はどうしたんだろうなとそう思っていると・・・七草と言う女性が

こう言った。

 「この度は我が校の生徒達の危機を救ってくれたことに対して直接お礼が

言いたくて。」

 そう言うと達也はこう返した。

 「いえ、助けるのに理由は要りませんし魔法を持っている俺達からすれば

助けれる力があるのに何もしないことこそ悪だとそう思っています。」

 そう言うと十文字はほおと少し感心したような声を上げると達也はこう続けた。

 「それに・・・。」

 「「「?」」」

 「女の子が助けてって言われたら男としては格好つけたいじゃないですか?」

 そう言うと十文字は確かになと少し笑いながらそう言った。

 すると幹比古は北山に向けて耳打ちでこう聞いた。

 「そういえば達也のあの魔法・・・言ってないよね?」

 防諜魔法をやってまで説明してくれたからねとそう聞くと北山はこう答えた。

 「大丈夫だよ、藤原さんの魔法は会長達には一言も説明していないし相手が

アンティナイト使った事も喋ってないから。」

 それを聞いて幹比古はホッとした。

 何せ達也が造る魔法は正直な所・・・今の魔法社会に

喧嘩吹っ掛けるような物ばかりであり今回の十校戦に於いても使用されるため

なるべく手札と言うよりも・・・ヤバい情報を公開させたくないと言う

気持ちの方が強かったりする。

 そんな中で達也は幹比古に向けてこう聞いた。

 「なあ、聞いて良いか幹比古?」

 「?」

 「エリカの気分が悪いが何があったんだ?」

 そう聞くと幹比古は笑いながらこう言った。

 「それはねえ」

 「お、始まるらしいぞ?」

 幹比古が言いかけた瞬間に辺りが真っ暗になった。

 ここからが・・・始まりのようだと達也はそう思っていた。




 そして・・・始まりが鳴ろうとしていた。


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偉い人の挨拶は暇で仕方がない。

 何で偉い人の言葉って・・・眠くなるんだろう?


まず初めは魔法界の名士達と来賓の挨拶等があるがこれはまあ、顔を見るだけで

良いと思う人たちが大半である。

 大抵の人間は食事したり談笑したりしており幹部クラスとなると

他校のクラスに向けて挨拶しなければならず既に甲達生徒会は出張っている。

 そんな中である一人の人間の名前を聞いて全員・・・動きを止めた。

 その人間の名が・・・・このお方である。

 

 

 

 

 

 

 

 『それではお次に《九島 烈》老師のお言葉です。』

 『『『『『!‼!!!』』』』』』

 

 

 

 

 

 

 

 そう・・・九島 烈である。

 老師と呼ばれており今の日本の十師族と言う序列を確立させ、何と20年前から

世界最強の魔法師の一角に数えられておりその実力も折り紙付きである。 

 然し彼は数年前に年齢を理由に最強と呼ばれながらも第一線を退いて以来

この十校戦以外には殆どのレベルで人前に出ることがなくなった。

 達也達若い世代は映像か教科書でしか見たことがない。

 それに出会えるのなら喜ばしい事であるのだが達也はこうも思っていた。

 「・・・確か老師って90近かったはずだが大丈夫なのか?」

 そう言ったのだ。

 かなりのご高齢でもあるある為残った魔法力がどの位なのか、それだけの体力が残っているのか、それが気がかりであった。

 若しなければもうご隠居したほうが良いんじゃないかとそう思うほどに。

 そんな中で全員が息を呑んで・・・その方向を見た。

 そして現れたのは・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 パーティードレスを身に纏い髪を金色に染めた若い女性がそこにいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『『『『『『へ?』』』』』』

 全員がそれを見てそう言った。

 そして囁いているが声が聞こえた。

 「え?九島閣下じゃなかったっけ?」

 「何であんなに若い女性が?」

 「閣下の・・・そう言う」

 「いや、何言ってんだお前は!?」

 「何かトラブルにでもあったのかな?」

 そう言う声が聞こえるが達也達は・・・そうではなかった。

 達也は成程と言いエリカと幹比古も確信を得たかのように笑顔になった。 

 するとレオンがこう聞いた。

 「え、何?お前ら分かったみてえな顔してんだけど?」

 慌ててそう聞くと達也は分かったと言って美月に向けてこう言った。

 「美月、悪いが眼鏡を外してくれないか?司生徒会長も外しているようだし多分大丈夫だと思うが。」

 「え、うん・・・分かった。」

 美月はそう言って眼鏡を外して・・・何回か瞬きするとこう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「これって・・・この施設一帯が魔術で覆われてます。」

 そう言うと達也はレオンに向けてこう言った。

 「良いかレオン。こいつは只のマジックだ。」

 「マジック?」

 「ああ、九島閣下は俺達に魔術を使って自分の位置を悟らせない様に

しているんだ。」

 するとエリカが達也に続けてこう言った。

 「然もこの感じ大分簡単な術式でしょうね。」

 すると幹比古もこう続けた。

 「ああ、だけどここまでの大規模な場所でやっている割には使う術式は

低いタイプだと思うよ。それをここまで制御するとなると流石としか

言いようがないね。」

 そう言うとレオンはこう呟いた。

 「けどそれってそれくらいしかもう魔力が無いって事だろ?」

 そう言うと後ろから生徒会庶務でもある人吉がこう言った。

 「馬鹿言うなよ、ここまでの大規模な術式をたった一人でやるって事は

精密な技術と膨大な経験がなけりゃあ使えねえんだよ。一辺見て簡単そうに

見えるが魔力コントロールが上手くなけりゃあ失敗しちまうそんだけ高度な

技術って事だ。」

 そう言うと人吉を見て達也はこう聞いた。

 「もしかして先輩も美月と同じ?」

 そう聞くと人吉はこう返した。

 「いや、俺はそう過敏でもないし精々がサイオンの流れを

読むくらいしかねえよ。」

 そう言っていると・・・女性が動いた。

 「始まるな。」

 達也がそう言うと・・・九島閣下が現れた。

 他の生徒からすれば本人が突然現れたかのように見えるが真相を

知っている人達からすればここからが本番なんだと覚悟していると九島閣下が・・こう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 「先ずは私の悪ふざけに付き合ってくれたことに対して謝罪したい。」

 「今のはちょっとした余興でね、魔法と言うよりも手品の類だがさっきのを見て気づいたのは・・・15人って所か。」

 「もし私が君たち全員を皆殺しにするテロリストだとしたら止められるのは

それだけの人数、然も過半数が十校の者達だね。」

 それを聞いて近くにいる十校生を見た。

 そして達也達はその感じに対して何だか・・・落ち着きがなさそうに

感じる程だ。

 すると九島閣下はこう続けた。

 「魔法を学ぶ若人諸君、魔法とは手段であって目的ではない。」

 「君たちにはそれを思い出してほしくてこのような余興を思いついたのだよ。」

 「私が用いた魔法は大規模であるが低ランクの魔法だが先ほど言った15人以外はその魔法に惑わされ、私を認識できなくなっていた事に・・・不甲斐ないと

感じてしまう。」

 『『『『『・・・・・』』』』』

 それを聞いて全生徒たちが黙りこくってしまった。

 それはつまり君たちは未だ半人前だと言わんばかりの思いであった。

 然し九島閣下はこう続けた。

 「若人達よ、自らの魔法を磨くのはもちろんの事それを向上させるための努力も怠ってはいけない。使い方を誤った大魔法相手に時には創意工夫を施した

魔法が勝る事もある。」

 「明後日から行われる大会は魔法を競い合うと同時に使い方を競うという物だ。若人諸君、君たちの創意工夫に期待し、そして今回の失態をばねに

頑張ってくれたまえ。」

 それを言って九島閣下は去って行くのを見て生徒たちは・・・まばらであるが

拍手するしかなかったのだ。

 そしてそれを聞いた達也達はと言うと・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 「負けるわけにはいいかないな。」

 「ええ、」

 「おお。」

 「うん。」

 「頑張りましょ。」

 そう言って己を鼓舞した。




 次回は・・・お風呂かな?


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お風呂の雑談

 風呂は心の洗濯だ。


懇親会が終わった後は技術スタッフにとって最大の山場である。

 それは、CADの最終調整や達也が開発した例の魔法の起動式の最終チェックや

作戦会議などで休む暇(特に達也)などありはしないのだ。

 然もそれは深夜遅くに迄なるとの事なので疲れを残さないように次の日は

休息日としている。

 だが1年生の場合試合に出れるのは4日目からなので緊張よりも興奮と高揚が

勝っていた。 

 そんな中でエリカと美月が今回の試合は誰が名を上げれるのかを考えていると・・扉からノックする音が聞こえた。

 「?誰だろう」

 エリカはそう言って扉を開けると目の前にいたのは・・・。

 

 

 

 

 

 「こんばんはー。」

 「あれエイミーじゃないの?どうしたのこんな夜遅くに??」

 

 

 

 

 

 

 

 

 エイミーが目の前に現れるとエイミーはこう言った。

 「うん、あのね、ここって温泉があるのよ。」

 「・・・ええと・・・それで?」

 エリカはそれを聞いて何言ってんのと思っていると美月がこう答えた。

 「もしかして・・・一緒にお風呂と言う事でしょうか?」

 「そうそうそれ!美月って頭が良いねえ!!」

 「・・・何でしょう・・・褒められた気がしないんですけど。」

 「大丈夫よ美月、あたしもそう思っているから。」

 美月の言葉を聞いてエリカがそう答えるがエリカはこうも聞いた。

 「そう言えばここって軍の施設って聞いているけど・・・入れるの此処?」

 そう聞いたのだ。

 ここは国防軍の演習場に付属されている場所の為予め使用の許可が

下りていない限り使う事すら出来ないのに何でと聞くとエイミーはこう返した。

 「うん、そうなんだけどさ。試しに頼んでみたら11時迄だったら使って良いって許可が下りたからさ。」

 「へえ・・・よく降りたわねここ。」

 大丈夫なのかしらとそう思っている中でエリカはエイミーに向けてこう言った。

 「けどさ、ここのお風呂って確か水着が必要だったはずなんだけどさ

アタシら全員持ってきてないじゃん?どうするの??」 

 そう聞くとエイミーはこう返した。

 「そっちも大丈夫よ。タオルと一緒に湯着を貸してくれるって

言ってたからさ。」

 そう答えるとエリカは成程とそう思っていた。

 ここ迄お膳立てしているのにも関わらずに拒むのは相手に対して失礼だなと

そう思っている中で美月がこう聞いた。

 「けど良いのですか?私達他校の生徒ですよ?

 怪しまれませんかとそう聞くがエイミーはこう返した。

 「大丈夫よ。もう皆には言っているしそれにあの時のお礼もしていない

からさ。」

 エイミーはそう言って2人を見渡すとエリカは根負けしたかのように

こう言った。

 「しょうがないわね、ここまでお膳立てされて拒否したらそれでこそ

相手に失礼だもんね。」

 そう言うとエリカはエイミーに向けてこう言った。

 「それじゃあ着替えとか持ってくるから・・・ありがとうね。」

 「良いよ、恩があるしそれにあたし達って気が合いそうだしね♪」

 「ふふ・・・確かに。」

 エリカはエイミーの言葉を聞いて笑って返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 地下には大浴場があるのだがここは元々高級軍人(中年以降の将校)が

療養目的で利用する事が多い事からお湯に浸かる事を第一条件としており

体を洗う時にはシャワーブース、中は水着か湯着着用となっており

その湯着も女性用のは純白のミニ丈甚平、半ズボン無しである。

 そんな中でエイミーはお風呂に入った一校女子とエリカ、美月が入るのを

見た後に美月の胸を見て・・・にこやかにこう言った。

 

 

 

 

 

 

 「美月って胸目の前で見ると結構大きいよね~~。」

 「!!」

 美月はそれを聞いて慌てて腕で隠そうとするが隠し切れも出来ずに

はみ出てしまうがためにそれを見てこう言った。

 「剥いても良い?」

 「良くありません!って言うかエリカちゃんも助けてくださいよ!!」

 美月はエリカに向けてそう言うがエリカはこう返した。

 「まあまあ良いじゃないの?減るもんじゃあるまいし。」

 「減りますよ!恥じらいとか!!」

 そう言うがエイミーは美月に向けて・・・こう言った。

 「それじゃあ早速!」

 「ちょ・・・ヤメテ下さいーーーーー!!」

 そう言う大声の後にキャッキャッと声が聞こえる中でエリカは

ほのか達の方に行くと自己紹介した後に打ち解けてしまいお喋りとなった。

 「でさ、ドリンクバーのバーテンさんが素敵な小父様だったのよ。」

 「うわ・・・あの人って明らかに40は超えてるわよ。中年趣味ってアンタ

その人が結婚していたらどうすんのよ?」

 「ソレハモチロン・・・。」

 「ああ、言わないで良いわ。」

 そう言う声が聞こえる中でほのかはエリカに向けてこう聞いた。

 「あのう、一つ宜しいですか?」

 「?」

 「藤原さんって・・・どういう人なんですか?」

 ほのかはエリカに向けてそう聞いたのでエリカはまさかなとそう思いながら

こう続けた。

 「そうね・・・年相応に興味ある所はあるかもしれないけど

どっちかと言えば魔法馬鹿でいろんな術式を作ったりするわね。」

 「ああ・・・確かに。」

 ほのかはエリカの言葉を聞いてそう言えばと思った。

 キャストジャミングを人為的に作ったあの術式を達也が造ったのなら猶更だなとそう思っているとエリカはこう続けた。

 「それとアタシと達也君って同じ部活ダカラネ。よくお互いに

フォーメーションの確認したり対戦形式の時はお互いに容赦しないからね。」

 「部活って何部なんですか?」

 ほのかはエリカに向けてそう聞くとエリカはこう答えた。

 「うん?『クイディッチ』部。」

 「?『クイディッチ』??」

 ほのかは聞いたことがないなとそう言うとエリカはこう答えた。

 「ああ、そう言えば知らなかったわね。クイディッチって言うのはね・・・」

 そう言って説明した。

 その後に生徒達は面白そうだなとそう言ってどんな形式でどんなスポーツなのか夢中で聞いた。




 次回は・・・先生達サイド。


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幹比古の悩み。

 予告とは違ってスミマセン。


「それでは今後についての話し合いはここまでといこう。」

 スネイプ先生がそう言って先生たちに退出を促した。

 今回の話し合いは達也が造った魔法がどれだけの社会現象を引き起こすのかの

想定と正体を隠すことに伴う工作等についてである。

 生徒を預けている以上は何があっても良いように対応しているのだ。

 そんな中でスネイプは何かを感じてこう言った。

 「済まないが吾輩は少し急用を思い出した。」

 そう言うとスネイプは・・・杖を持って出で行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「この感じは・・・イヤな気配だな。」

 そう言っているのは外で修業をしている幹比古であった。

 幹比古は前に美月から言われたことを思い出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 数日前。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「え?僕の魔法式に斑がある。」

 「ああ、はい。けど藤原君もそう言っていました。」

 「・・・どういう意味だい?」

 幹比古は少し冷ややかな表情を浮かべてそう聞くのに対して美月は慌てて

こう言った。

 「ああ、勘違いしないで下さいね!藤原君が言っているのは魔法を使う際に

何だか無駄が多いって言うかその・・・何だか隠すみたいに使っているからって」

 そう言うともしかしてと言って幹比古はこう言った。

 「この前使った雷撃魔法は『雷童子』って言ってランク表には載っていない

技なんだ。」

 「ええええ!!」

 「ああ、勘違いしないで。載っていないって言うのは、発動条件であって

威力に関してはCランク程度で僕が使うとD以下になってしまうんだ。」

 美月の慌てようを見て幹比古が慌ててそう言うと美月に向けてこう聞いた

 「ねえ、柴田さん。一つ良いかな?」

 「?」

 「達也のいる部活って何処だい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「それで俺に聞きに来たのか?」

 「御免ね達也。練習しているのに。」

 「いや良いよ。このチームとは結構試合しているから癖とかも把握済みだ。」

 「それ完全にスパイと何ら変わんないよね?」

 幹比古は達也の言葉を聞いて呆れながらにそう答えた。

 現在2人はクイディッチ用のスタジアムの観客席に座っていた。

 すると幹比古は咳払いしてこう聞いた。

 「短刀直入に聞くよ。僕の魔法スピード何だけど何が問題なんだい?」

 幹比古がそう聞くと達也は少しして・・・こう言った。

 「幹比古が使っているのは確か古式魔法だよな?」

 「ああ、吉田家の魔法ダカラネ。」

 「あれって一度見たが術の正体が分かりにくいように偽装されているよな?」

 達也がそう聞くと幹比古は驚きながらこう答えた。

 「凄いね達也は!一度見ただけでそこまで分かるなんて!!」

 「確かにあの時使った魔法は偽装されているけど・・・もしかして!!」

 「ああ、それが原因だな。」

 達也がそう言うとこう続けた。

 「古式魔法が盛んな時だったら必要だったと思うがCADで高速化された

現代においては術式固有の弱点に付け込まれると言う対抗手段は

意味が無いんだ。」

 「対抗手段を講じている間位に術が発動されたら元も子もないだろ?」

 「本当に厄介なものは只一つ。」

 「アンティナイトやあらゆる術式の効力を打ち消せれるものだけだ。」

 そう言うと幹比古は自嘲しながらこう言った。

 「成程ね、それじゃあ威力がある古式魔法が現代魔法には敵わない訳」

 「いや、そうでもないぞ?」

 「へ?」

 幹比古は何故と聞くと達也はこう答えた。

 「確かに現代魔法はスピードはあるがその分威力がない。」

 「古式魔法はその逆、まさにコインと裏表だ。」

 「詰まる話どうするかはお前の力量次第って所だな。」

 そう言うと幹比古はこう聞いた。

 「・・・どうすれば良いと思う?」 

 そう聞くと達也はこう答えた。

 「先ずは無駄になっているデータの洗い出しだな。そこからは・・・

お前次第だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「(そう言って時間のある時にはデータの調整をしてくれたおかげで

魔法スピードが前よりも速くなっていた。そして僕は今ここにいる。)」

 ここに来て良かったと幹比古はそう思っていると・・・何かに気づいた。

 「(数は3人・・・武器持ち!!)」

 幹比古は精霊からその情報を聞くと否や素早く行動に移した。

 すると生垣から・・・3人の武器を持った人間が幹比古目掛けて銃を構えるが

幹比古は術を展開して電撃を浴びさせた。

 「!!!!!」

 3人の人間たちはその電撃を浴びて倒れるが・・・その内の一人が爆弾を

幹比古目掛けて投げた。

 「!!」

 間に合わないと思った幹比古は自分に自己加重の魔法で爆発から

遠ざけようとしたその時に・・・声が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『エバネスコ!』

 その言葉と同時に爆弾が・・・消えた。

 「!!」

 幹比古はどうしてとそう思っていると・・・後ろから声が聞こえた。

 「よく無事であったな、吉田 幹比古。」

 「スネイプ先生!!」

 幹比古は現れた男性スネイプを見るとスネイプは倒れた連中を見てこう言った。

 「こやつらは吾輩が軍に伝えて連行させてもらおう。お前は直ぐに其方は直ぐに帰って寝ておけ。明日は十校戦だ。疲れを残すのは得策ではない。」

 「はい、失礼いたしました。」

 幹比古はそう言って出て行ってスネイプはそれを見送った後に・・・

近くの壁にいる人間に向けてこう言った。

 「何が目的かは定かではないが吾輩たちの生徒に危害を加えようものなら・・・容赦せぬぞ。」

 スネイプはそう言って殺気を放つが・・・何も応答がないのでスネイプは

襲撃者達毎姿消しで連れて行った。

 そして暫くすると・・・とある男性が現れた。

 日焼けか又は火薬焼けしたのかどうか分からないがなめし皮の顔をした

男性が現れた。

 服の上から出も分かるくらいに鍛えられているのが分かるが冷や汗を

掻いていた。

 そして倒れていた襲撃者達がいた場所を見てこう言った。

 「やれやれ・・・まさかあそこまでの殺気を出す人間がいるとは驚きだな。」

 そう言うとそこから・・・姿を消した。




 次回は十校戦開幕。


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十校戦開始

 まず初めはスピード・シューティング。


『それでは2095年度《十校戦》を開幕いたします!!』

 アナウンスの言葉と同時に十校戦が始まった。

 直接来る観客だけで10日間で延べ10万人。

 交通の便が悪いにも関わらずに毎日1万人規模もの人間が来ることから

この十校戦がどれだけ評判があるのかが伺える。

 然も有線放送も加えればこの数百倍ともいわれる延べ1億人以上。

 然もプロの試合とまではいかなくともこれだけの人間が注目しているとなると

この前の騒動にも関わらず可笑しいと思われるがそれは・・・大人の事情とも

言われるであろう。

 開会式はセレモニー等なく各校の校歌

(十校の校歌の場合は他校の新入生は皆首を傾げている)と同時に試合が

行われる。

 

 

 

 

 

 

 

 一日目は本戦のスピード・シューティングが男女ともに決勝までと

バトル・ボードの予選だ。

 スピード・シューティングとは30m先の空中に投射されるクレーの標的を魔法で

破壊すると言う競技で如何に素早く正確に魔法を発射出来るかを競うものでこれには魔法の展開速度を重要視している物であり十校にとっては殆どが嫌な顔をする物だ。

 続いてバトル・ボードであるがこれは長さ165㎝、幅51㎝の紡錘形のボードを

全長3㌔の人工の水路を3周回ってその速さを競うものである。

 元々は軍の練習として使われていたものであるのである為あらゆるコースが

造られている。

 予選では1レース4人で6レース。

 準決勝では1レース3人で2レース。

 三位決定戦では4人。

 決勝ではさしとなっている。

 そんな中で達也達も応援として先ずはスピード・シューティングに

向かったのだが・・・最前列には観客が詰め寄っていた。

 本来この試合は最前列から試合を見るためには選手と同等の視力を

持っていないと試合を見ることも出来ずに訳が分からないので達也達は後方にある観客席(客先は階段構造)に座るが何故全員が前に座りたがるのかと言うと・・・理由がともかくと言っていい程の・・・欲望なのだ。

 「それにしても馬鹿な男どもが多いわね。よく見たらうちの学校もいるし。」

 「いや、馬鹿は男だけじゃ内容だぞ。」

 エリカがそう言うと達也は少しであるが・・・女性もいる事に気づいて

そう言うと美月がこう続けた。

 「ア、本当ですね。」

 「『お姉さま~~!!』って奴ね。」

 同じ女として嘆かわしいわあとエリカはそう呟いた。

 すると幹比古がこう言った。

 「まず初めに登場するのが一校の『七草』3年だからね。

『エルフィン・スナイパー』って言う異名持ちだから特にだろうね。」

 そう言っている間にも・・・真由美が現れた。

 それを見て殆ど全員が喝采が巻き起こった。

 そしてもう一人が肩身が狭そうな感じで現れた。

 そして両者が揃ったところで・・・試合が始まった。

 内容は・・・一方的であった。

 クレーが発射されるや否や一個も取りこぼしもなく打ち砕いた。

 「パーフェクトってそれアンタ。」

 エリカはそれを見て呆然としながらそう呟くと達也はこう言った。

 「あれは恐らくドライアイスの亜音速弾だな。」

 そう言うと幹比古がこう続けた。

 「うん、然も驚くのは命中率よりも精度だよ。知覚系の魔法を

併用しているとしても情報処理能力が尋常じゃないよ。」

 「あれは多分だが『マルチスコープ』って言う遠隔視系の魔法だ。実体物を

マルチアングルで知覚する魔法だがその反面情報体には反応しない。」

 達也がそう説明するとレオンはドライアイスの事でこう聞いた。

 「でもよ、空気分子を減速してドライアイスを作ってそれを亜音速して

射出するのって幾ら魔法がエネルギー保存則の埒外だからって

そんだけの事象改変を伴っていてよく持っていられるよな?」

 そう言うとエリカはこう続けた。

 「おまけにさっきの魔法+減速、加速魔法まで使っているから

正に化け物よね。」

 そう言うが達也はこう返した。

 「確かにそう言う風に見えるが実際は違う。」

 「ドライアイスを作ってそれを加速させるって言うのはドライアイスを

形成する際に奪い取った分子運動エネルギーを固体運動エネルギーに変換させて

スキームを使い、エントロピーを逆転させているがこれは至って物理法則に

逆らってはいない。」

 「「「「????」」」」

 それを聞いてエリカ達は首を傾げるが達也はこう説明した。

 「良いか、確かに魔法はエネルギー保存則に縛られてはいないが対象物は

そうではない。」

 「物理法則があってそれによってエネルギー保存則を無視して作ったものが

自然に作られたと復元されるんだ。だが逆にエネルギー保存則を無視しない程度に魔法を作れば少ない干渉力で魔法は実行可能なんだ。」

 それを聞いてエリカ達は( ゚д゚)ポカーンとしている中で達也は

全員に向けてこう言った。

 「良いか、閣下も言っていた言葉だが魔法は所詮は道具だ。魔法を使うって事は俺達は世界を騙せるほどの力を持っているって事だ。だからこそ俺達は

その力を正しく学ばなければならないんだ。」

 そう言うとエリカは達也に向けてこう言った。

 「つまりアタシたちは世界を相手取った詐欺師って事ね?」

 「そうだ、今後の俺達の実力次第じゃ世界にだって相手どれるってことさ。」 

 そう言って達也達は試合に集中した。

 そして無論勝利したのは・・・真由美であった。

 そして十校は6位であった。

 勝負はまだまだこれからである。




 次回はバトル・ボード。


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ボードレースは波乗り

 ボードレースについては壬生が出ます。


「あ~あ、今度はあの女か。」

 エリカは嫌な顔をしてある女性・・・摩利を見ていた。

 全員が片膝立ちしている中で本人だけが真っすぐ立っていた。

 まさに女王様の様な佇まいである。

 それを見てエリカはこう呟いた。

 「うわ、相変わらず偉そうな女。」

 そう言うと美月が慌てて口を塞ごうとするが周りはそうではなかった。

 飛行船に吊るされている大型ディスプレイに映った彼女が手を振ると・・・

観客席から多くの・・・女性の絶叫が響いた。

 「どうもあの人は女性方に人気のようだな。」

 「まあ、見た目は宝塚だしね。」

 達也と幹比古がその光景を見てそう呟いた。

 確かに中性的なタイプでそう言う感じに見えなくもない。

 『用意』

 突如スピーカーから合図の声が流れた。

 そして空砲が鳴って・・・始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「四校は後ろの水面を爆発させたな。」

 「あれって何?自爆戦術??」

 「どちらかと云やあジェットエンジンだな。」

 達也、エリカ、レオンが揃ってそう呟いた。

 突如の事なので殆どの選手が混乱し始めたが摩利の方は落ち着いていた。

 「ち、ムカつく。」

 「お前本当にあの人の事嫌いなんだな。」

 達也はエリカのつまらなさそうな表情をしているのを見てそう呟いた。

 本来ならば四校はそのエネルギーを生かして初速を速めようと

思っていたようであったが・・・自分も巻き込まれると言うアホナ展開に

なっていた。

 そして摩利はその状況を生かして独走した。

 「あれは多分硬化魔法と移動魔法のマルチキャストだな。」

 達也がそう呟くとレオンがこう聞いた。

 「硬化魔法って何を硬化したんだ?」

 そう聞くと達也はこう説明した。

 「先ずはボードを自分と離れないよに硬化しているんだ。」

 「ふんふん。」

 「あの人は自分とボードがセットとして扱っているんだがそれは常駐じゃない。距離や速さ、コースの変化を計算してやっているんだ。」

 「どうしてか分かるか?」

 「いや?」

 レオンが達也に向けてそう言うと達也はこう答えた。

 「簡単だ。相手が接近された際に魔法を使い分けて勝利するためだ。」

 「敵によっては戦略を変えて対応する。あの人はまさしく戦略家と言っても

良いくらいだ。」

 「はん!性格が悪いだけよ!!」

 エリカは達也の言葉に対してそう言うと達也は幹比古に向けて耳打ちして

こう聞いた。

 「何でエリカの奴あんなにあの人を敵視しているんだ?」

 達也は幼馴染でもあるエリカに向けてそう聞くと幹比古は同じ様に耳打ちして

こう返した。

 「ああ・・・エリカがいないときに話すよ。」

 そう言って試合に集中した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 昼食後、達也達は壬生が参加する試合を見に来た。

 どちらも強豪と言っても良いくらいのメンツであるのだが壬生は

一度深呼吸して・・・スタートの準備に入った。

 そしてスタートすると全員追い付け追い越せと言わんばかりに鬩ぎ合っていたが壬生はそんな中に置いて少し後ろに下がっていた。

 誰もが魔法力の不足なんじゃないかと笑う声が聞こえていたが達也達の方は

違っていた。

 「壬生先輩、如何やら先ずは様子見って所だな。」

 「そう言えば壬生先輩って『クイディッチ』部の方によく来ていたよね?」

 達也の言葉と同時にエリカがそう聞くと達也はこう答えた。

 「あれは相手の距離に応じて空いた場所を確実に攻める特訓だったからな。

先輩たちもそれを知っているから協力していたんだよ。」

 すると幹比古がこう言った。

 「それにあの人簡単だけど精霊についても学んでいたしね。」

 「そうなのか?俺ら登山部にも顔を見せていたぜ?」

 「魔法力の無さを体力でカバーしようとしているんでしょうね?

先輩らしいですね。」

 そしてレオン、美月がそう言った。

 すると壬生に・・・動きが見えた。

 「始まるぞ。」

 達也がそう言ったと同時に前方に見える・・・選手達の隙間を見るや否や即座にその中を斬り裂くかのように割り込んだ。

 『!‼』

 それを見た他の選手はショックを受けるかのように目を見開くが

壬生はスイスイと水の抵抗を受けていないかの様に進んでいった。

 「すげえな壬生先輩。」

 レオンがそう呟くと達也はこう答えた。

 「ああ、あれは簡単だ。ボートに軽量魔法をかけて自分には加重魔法を

かけているんだ。」

 「はあ!?2種類の魔法をドウヤッテよ!!」

 エリカがそう言うと達也はこう説明した。

 「先輩には2種類のCADを持たせてる。本来ならば別の魔法を使えば

相殺しちまうがそれは魔法を同時に使った時だ。俺はそれを何時でも消せるように半分常駐型に作り替えて対応させるって言う作戦を思いついたんだ。

それに相殺する無系統魔法で放出させれたら尚もよしってな。」

 達也の説明を聞いたエリカは呆れ顔でこう言った。

 「ここにも意地の悪い戦略家がいるわね。」

 「「「(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪」」」

 エリカの言葉を聞いてレオン達が揃って頷いた。

 「心外だなおい!」

 達也はその光景を見て抗議するが・・・聞くものは誰もいない。

 其の儘相手を突き放した壬生は・・・1位で予選を通過することに成功した。

 




 次回はスピード・シューティング決勝です。


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テニスはチラリズム?

 テニスの服装って見ようによっては・・・見えそうだよな?


その夜。

 「はあ!?兄貴の婚約者!!」

 達也が部屋の中で大声でそう言うと幹比古がしー!と言って達也の口を塞ぐと

こう続けた。

 「エリカ本人は納得していなんだけどエリカのお兄さんの『修次』さんって

人なんだけどエリカにとって大切なお兄さんなんだ。凄く強い人で国内でも

十指に入る程の剣術家で今は確か防衛大学に在籍していると聞いているんだけどね、どうもエリカは『小手先』の技が大嫌いなんだ。」

 「あいつ『クイディッチ』でも思ったけど結構なパワープレイヤーで

猪突猛進を地で言っているような奴だったな。」

 「そう。エリカもだけどエリカの家の道場も大体が大技オンリーの家系なんだ。」

 「大雑把は遺伝っていう訳か。」

 成程と達也は本人がいない事を良い事に酷いこと言っているような事を

言っている感じであるが幹比古自身もまあそうだよねと言うとこう続けた。

 「まあ、本人がいないから言えることだけどそうなんだよね。『小手先』の技が嫌いなエリカにとってその技を使う渡辺さんは最も嫌う存在なんだ。そんな人と

付き合ってしまった『修次』さんが弱くなったのは渡辺さんが惑わしたんだって

頭からそう思ってて本人は絶対に反対しているんだよね。家族みんなは

賛成しているのに。」

 そう言って幹比古は肩をすかすが達也はこう続けた。

 「まあ、こればかりは俺達外部が何言っても無理だろうな。」

 「そうだね、こればかりはエリカが解決しなきゃあならないんだからね。」

 幹比古も達也に向けてそう言うと達也はこう言った。

 「それじゃあ寝るか。明日は確か『クラウド・ボール』だったな。」

 「ああ、そうだね。明日に備えて寝よう。」

 幹比古はそう言って部屋から出て言った後達也はさてとと言ってある

図面と共に床に置いている武器を見た。

 どう見ても斬撃系、つまり剣みたいに見えるが達也はそれをパソコンに繋げると

作業を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 クラウド・ボールとはまあ、見た感じテニスと同じであるがルールが違う。

 テニスであればボールを最後に当てた選手の球が相手の陣地に入って取り損なう又は取れなかった又はミスって取りこぼしたのなら得点になるが

この試合ではそうではない。

 クラウド・ボールは圧縮空気を用いたシューターから放たれる

直径6センチの低反発ボールをラケット又は魔法を使って弾き、制限時間以内に

どれだけ・・・相手のコート内に球を落としたのかを競う競技で1セット3分を

女性は3セット分、男性は5セットとして行うのだがそれだけではない。

 20秒ごとに・・・ボールは追加射出され最終的には9つのボールを弾いて

得点を導くと言ったものであるのだが・・・見ている人間からすれば

大道芸みたいに楽しそうに見えるが打つ方から見ればそうとも言えない。

 然もこれは動きが激しく危険も伴う為全員の服装は統一されており半袖に

ショートパンツ、転倒しても問題ないように膝・肘にはプロテクターを

装備している。

 魔法で使うんだら転倒の危険はないだろうと思われるだろがそうではない。

 これはボールが直撃しない様にと言う配慮である。

 だが七草は・・・そんな常識などないのかと言う位の服装であった。

 「・・・ナニ考えてんのあの人?」

 「普通じゃあ・・・考えられられませんよね?」

 エリカと美月がそう言うと達也達もこう続けた。

 「あの服装・・・見ように寄っちゃあ見えちまうよな?」

 「ファンの期待に応えるためじゃねえのか?」

 「それにしてもあの服装は・・・ね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「「「「「目に毒だわ~~~。」」」」」

 そう言うしかない服装なのだ。

 テニスウエアにしか見えないポロシャツにスコート姿で競技用ではなく明らかにファッション重視だと言わんばかりの軽装。

 少し体を動かしたら見えるだろうと言わんばかりでファンの連中は・・・

明らかに見たいと思わんがために前に押し込んでいる。

 然もそれが全員男性であるがため・・・性としか言いようがない。

 「男って・・・。」

 「「「何も言い返せねえ。」」」

 エリカのジト目を見られて達也達もそう言うしかなかった。

 そして七草が持ってるのも・・・ラケットではなかった。

 「へえ、特化型のCAD然も『ショートタイプ』とは確かにこの試合には

ちょうど良いだろうな。」

 「司波君、それってどういう意味でしょう?」

 後ろから声が聞こえたので振り向くとそこにいたのは・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 「あれ?『しおりん』じゃない?どうしたの?」

 「その渾名は止めてください。」

 「『十七夜』か?そう言えばお前は『スピード・シューティング』に出るから

説明しとくぞ。」

 そう、前に登場した十七夜であった。

 そして達也はこう説明した。

 「銃型のCADは銃身が長ければ長い程照準補助が重視されるだろ?」

 「はい、『スピード・シューティング』でもそうですし。」

 「だがこの試合に求められるのは起動速度だ。球が多ければ多い程魔法の

起動速度が重要視される。それに軽量だから持ち運びに便利だし使いやすいと

言う長所も持っているんだが・・・これは見といて損はないかもな。」

 「ええ、そうですね。」

 十七夜はそう言って試合が始まると同時にそれを見たが・・・圧倒的であった。

 相手が棄権するまでの2セット、1点も取られることなく・・・

試合は七草の勝利で終わった。




 次回はアイス・ピラーズ・ブレイクです。


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氷柱戦開始!

 ピラーズ・ブレイクで彼女登場。


氷柱倒し『アイス・ピラーズ・ブレイク』

 縦十二m、横二十四mにもなる屋外フィールドで行われ、更にそれぞれの面に

縦横共に一m、高さ二mの巨大な氷の柱12個が設置されており

それをお互いにある敵の氷柱を全て倒した方の勝利である。

 詰る所棒倒しの氷版であるがこれは滅茶苦茶時間が掛るのだ。

 先ずは氷である。

 この真夏にそれだけの氷をセッティングするには幾ら軍の協力があったとしても

足らずにその製氷能力を考慮して男女ともに二面ずつ合計4面が精一杯であり

一日に出来るのは一回戦十二試合分と第二試合の計六試合分合わせて

十八試合*2*12なので合計したら432本と馬鹿にならない数値である為

予算も正直な所厳しいのだがそれだけではない。

 もう一つは選手の魔法力である。

 このプログラムは魔法力の消耗が早く、且つ体力にも問題が出る。

 その為最終的には気力・・・詰る所根性での勝負となる。

 そんな中で達也達はこれに出てくる選手を応援するために来たのだ。

 これまでは三巨頭と呼ばれる面々がどれだけの実力を持っているのかを図り、

その術式を模倣できないかと探るためであるが達也はこう説明した。

 「例え出来ても後はその人の実力次第である為真似程度では

あそこ迄の成果は出ない。」

 そう言うのを聞いて確かにとそう思っていた。

 あれは最早一つの技だ。

 それを真似するとなると並大抵の努力では無理であると悟らされたのだ。

 その為ダウングレードであるがそれに似た魔法式程度ならばなんとか

なるかもしれないと言う希望を片手に未だに明け暮れていた。

 そんな事を考えている達也であったが十校戦に出てくる・・・

彼女を見て思考をやめた。

 出てきたのは・・・生徒会メンバーの一人『黒神 くじら』である。

 彼女が来ているのは白衣を上着とし下には何時も通りの制服であった。

 相も変わらず胸に腕を添えて唯我独尊と言わんばかりの状況であった。

 すると対戦相手でもある『千代田 花音』がくじらに向けてこう言った。

 「久しぶりね、前にあった時はここだったわ。」

 そう言うとこう続けた。

 「あの時の私は自惚れていたわ。いや・・・自分に満足していたし

貴方を下に見ていたわ。貴方程度には負ける訳がないって一体何処から

そんな自信がでたのかしらね?そんな事をしたから私は貴方に負けた。」

 それを聞いて一校側がガヤガヤと声が聞こえるが花音はこう続けた。

 「だけど今年は・・・いえ、今の私は違うわ!貴方の事を見くびらないし

自分を尊大に何て考えないわ!!正々堂々貴方のそのグルグル巻き包帯を

引っぺがしてやるから覚悟なさい!」

 そう言うとくじらは頭をガシガシと掻いてこう言った。

 「ああ!こう言う熱血漢な奴はアイツだけで十分なのに

何でまたアンタなんだかねえ!!」

 そう言うとくじらはじろりと花音を見てこう言った。

 「良いぜ・・・もう一度地面の味覚えさせてやるぜ。」

 「やれるものならやってみなさいよ!!」

 お互いにやる気十分と言った感じで・・・・試合が開始された。

 それと同時にくじらの氷柱が・・・二本同時に壊された。

 「あれが千代田家の特有魔法『地雷原』!」

 エリカがそれを見てそう言うと達也がこう聞いた。

 「エリカ、特有魔法って」

 「ああ、知らなかったっけってまあ良いか。」

 するとエリカがこう説明した。

 「魔法って言うのはね、有力な一族によっては二つ名とか与えれるんだ。例えばウチなら『剣の魔法師』って言うまあどっちかと言えば技能で得られた名前だけど三校にいる一条家なら『爆裂』、十文字家なら『鉄壁』って言った感じで

その家にとって特有の魔法を鍛えた先にある頂きに上りつめた証が二つ名ね。

そんで『地雷原』って言うのは、あの家はどんな場所においても地面があれば

どんな場所においても地面を振動させることが出来て地面と言う概念であれば

どんな固体であろうとも対応できる。それが『地雷原』の所以ヨ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「だけどそんなもんはくじらちゃんの前じゃあ意味がねえ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「「「「「人吉先輩!」」」」」

 達也達は善吉を見て驚くと善吉がこう挨拶した。

 「ようお前ら。試合見に来たのか?」

 「ええ、まあ。」

 それを聞いて達也が代表でそう言うとエリカがこう聞いた。

 「ええとさ、人吉先輩。今のは一体」

 「この試合を見れば分かるぜ。」

 善吉はそう言って試合に目を向けた。

 すると先ほど爆発した氷柱が・・・一瞬で水に変わった。

 「あれは!?」

 「まあ見てみなって。」

 善吉はそう言って達也を静止させるとその水は一瞬で・・・

花音の氷柱に当たった。

 しかし何もないように感じるがそれを見た花音はしまったという

感じの表情をしたその時に・・・それが起こった。

 先ほどの水の当たった場所から・・・少しだが亀裂が走った。

 「あれア一体!」

 達也がそれを見て驚くと善吉はこう説明した。

 「くじらちゃんの魔法は『四元素』の操作だ。元々サイオン量が

常人よりも多かったけど扱いきれずにいたから実家じゃあ役立たず扱いだった

そうだぜ。」

 兄貴は別だがなと言うと善吉はこう続けた。

 「だからこそ十校の門を叩いたんだ。自分は出来損ないって

言われない為にな。」

 そう言って善吉はもう一度試合の方に目を向けるが達也達は

そう言う感じではなかった。

 家からも見放され一人孤独だったと言う痛みがどれ程のモノなのか

予測できないからだ。

 予測できると言えば・・・約2人。

 「あの人もそうだったんだ・・・」

 「家から・・・家族から。」

 エリカと栞であった。




 次回に続く。


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氷柱戦の続き

 くじらの魔法はオリジナルです。


「く!やっぱ簡単にはいかないか!!」

 千代田は自身の氷柱を見てそう呟いた。

 前回はこれで・・・負けてしまったのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 去年

 「勝者第十魔法科高校!!」

 審判の言葉を聞いて当時の千代田は呆然と立ち尽くしてしまっていた。

 何せ相手は十校、負けるはずがないと言うよりも自身の得意分野でもある

この競技で負けるはずがないと自負していたのに負けてしまったのだ。

 然も相手の氷は後1本を残すのみであったのにいつの間に

ここ迄のと思っている中でくじらが千代田に向けてこう言った。

 「手前はアタシらが下だと見縊っていた。それが敗因だ。」

 「!!」

 「こんなのが今年の新入生だって言うんだから三巨頭がいなくなったら

第一なんて高が知れているな。」

 「ぐう!!」

 千代田はそれを聞いて怒り心頭であったがくじらはこう続けた。

 「まあ、そう言われたくなけりゃあ自分の価値観を

もう一度見つめ直す事だな。」

 無理だと思うけどなと徹底的にプライドをズタズタにされ、屈辱と

土の味という物を覚えさせられ尚且つ現一年生の価値を見くびられた。

 然も他の試合においても新人戦、本戦問わずに十校が視界に入り始め何とか

総合的には勝てたものの新人戦においては屈辱の2位であった。

 十校は総合6位であったが新人戦においては4位と厄介であったが

当時の一校の新人たちにすれば・・・屈辱でしかなかった。

 本来の3冠とは全くかけ離れていただけではなく幾つか敗北してしまった。

 然もそれが十校からだとすれば最低の一言に尽きていたようだ。 

 だからこそ彼らはトレーニングを積み、今日ここに立ったのだ。

 今度こそはと言う思いを、失ったプライドを取り戻すためにと

プライドの高い現2年生はそう思っていたが・・・千代田だけは違っていた。

 あの時の言葉を激励だと解釈すれば今よりも自分が強くなるにはと

工夫を施した。

 自分の魔法が『地雷原』と言われるならそれに多彩な状況を作れないかと

そう考えたのだ。

 無論そんなのが一朝一夕ではうまくいくはずもなくだがそれでもとがむしゃらに研鑽を積み直した。

 全ては・・・あの時失ったプライドを取り戻して今度こそはと言う思いで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして現在。

 「(あの時失ったものを取り戻す為にはまず貴方に勝つ)!」

 千代田はそう心の中で呟きながら魔法を繰り出そうとしたその時に・・・氷柱が破壊された。

 「そんな!まだそんなに・・・!!」

 千代田はまさかと思いくじらに目を向けるとくじらはこう説明した。

 「そうだ、手前が努力しているって言うならこっちはそれ以上に研鑽を

積めばいいだけの事だ。あの時手前が壊した氷柱を水に変えて放った時

俺は予め熱で熱していた水をぶつけた。その後にその水を内部に溶かして

凝結した氷の中に同化させた後に水素と酸素に戻した。そうしたら中に入っている酸素が熱で膨張して内部爆発したって事だ。」

 「つまりあなたは」

 「そう、アンタが壊せば壊すほど自分の首を絞めるって事だ。」

 それを聞いてクソっと思っている千代田であったがくじらはこう続けた。

 「だが・・・何時までもアンタの攻撃を待っているほど暇じゃねえ。」

 そう言った瞬間にくじらは更に風を噴き荒らしてそれを使って・・・

氷柱を移動させた。

 「?」

 いったい何故とそう思ったその時に・・・それが理解した。

 先ほど砕いた氷がすぐ近くにありそれらが氷柱に合わさった次の瞬間・・・

氷柱が砕かれた。

 「まさか!!」

 千代田はまさかとそう思っているとくじらがこう説明した。

 「ご名答だ。ぶっ壊した氷にはアタシが魔法で溶かした水が未だ残っているからそれを利用すれば浸食してさっきの通りってな。」

 それを聞いて千代田は遂に進退窮まったと確信した。

 今までの魔法を繋ぎ合わせて戦略を広げている。

 相手も前とは比べ物にならない程強くなっていると確信してしまったのだ。

 それを感じてくじらが千代田に向けてこう言った。

 「悪い事は言わねえからリタイアしな。もうアンタに勝ち目なんてねえだろ?」

 そう言うと千代田は俯いていた顔を上げると・・・ニヤリと笑ってこう言った。

 「ああ、もうやめだやめだ。考えるなんて私らしくないから・・・

いつも通りに!!」

 千代田は何か吹っ切れた感じで魔法を発動して今度は・・・

くじらの氷柱その物に『地雷原』を発動させた。

 するとくじらの氷柱が破壊されたのに畜生と思いながら顔を庇うと欠片の一つがくじらの頭を掠って・・・包帯の一部が落ちた。

 「!!」

 「どうよ!あたしだってこの位はやれるわ!!

これで私の反則負けになるかもしれないけどそんなの知った事じゃないわ!!

アンタのその包帯をぶんどって正体明かしてやるわ!!」

 千代田がくじらに向けて指さしてそう言った。

 千代田の言ったとおりに何やら審判が連絡しているようであるがくじらが

こう言った。

 「審判、結界は言わなくて良いから続けるぞ。それにしてもアタシの顔が

見たいだけでここまでするんだ・・・それ相応には答えねえとはな。」

 そう言うとくじらが顔の包帯を取り始めた。

 客席にいる全員(善吉は除く)が固唾を飲んでみていた。

 すると達也がこう聞いた。

 「そういえばくじら先輩の顔ってどんなんだ?」

 そう言うとレオンがこう答えた。

 「凄いブス?」

 幹比古

 「それとも絶世の美人?」

 エリカ

 「顔に傷があるとか?」

 美月

 「意外に普通でしょうか?」

 栞

 「まさか・・・顔が機械?」

 「いや、それはねえよ。」

 栞の言葉を聞いて善吉がそう答えた次の瞬間に・・・

カメラがくじらの顔を映した。

 『『『『『!!』』』』』

 全員がカメラを注視すると出てきたのは・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『『『『『え・・・美人じゃん。』』』』』

 絶世とまではいかないが目つきが鋭いクール系な美少女がそこに立っていた。

 すると善吉がこう説明した。

 「くじらちゃん、昔からあの顔でいろんな男性から声をかけられていたから

嫌で嫌でしょうがなかったからあの包帯を巻いていたんだけど・・・

ちょっとな。」

 「「「「「「?」」」」」」

 達也達は善吉の言葉を聞いて何だろうと思っていると千代田がこう言った。

 「へえ・・・結構美人じゃないの!さあ!!勝負再会・・・・?」

 千代田は何やらくじらの状況が変だなとそう思っているとこう聞いた。

 「ねえ、どうしたの?・・・何か言ったら??」

 そう言ってカメラを見てみるとくじらの表情が見て取れた。

 何せ今の彼女は・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「/////////////////」

 顔が真っ赤だからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「くじらちゃんって俺以外の人前に出ると上がっちまうんだ。だからああやって包帯で隠してたんだって。」

 視覚を狭まらせるためでと言って達也達は揃ってこう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「「「「「「え、それじゃあ今魔法使うの無理じゃね?」」」」」」

 そう言う言葉であった。




 次回はくじらの状態と包帯を使っているもう一つの理由。


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氷柱戦終了。

 この戦いもこれでお終い。


「え、ちょっと待ってよアンタもしかして上がり症なの!?」

 「・・・・・」こくん

 花音はくじらに向けてそう聞くとくじらは静かに赤面しながら頷いた。

 マジでと思っているが取敢えずこれじゃあ勝負にはならないかもしれないと

思いながらもう一つ気になる事を聞いた。

 「それじゃあもう一つあるけど良い?」

 「」こくん

 「あんたさあ、何時も胸を押し上げているんだけど・・・ナンデカシラ?」

 花音はくじらに向けて最後にドスノ効いた声を出すとくじらは暫くして

こう答えた。

 「ええとね・・・。」

 「うん?」

 「アタシ・・・締め付けられるの嫌いで・・・それに可愛いのも・・・ないし・・それに・・・善吉に何時でもそういう事・・・出来るようにその・・・何時も・・・晒でやってるの//////」

 『『『『『『え?』』』』』』

 くじらの独白を聞いて会場の空気が一瞬であるが・・・ピシッと音が鳴ると

達也達は善吉を見てこう呟いた。

 「うわあ、最低だな。」

 「先輩そう言う趣味なんすか?」

 「外道だね。」

 「スケベ。」

 「最低の屑野郎ですね。」

 「お前ら何だか俺に対して恨みあるのって言うか俺頼んでないし

くじらちゃんが勝手にやっていることだからって最後に柴田お前笑顔で

とんでもない事ぶっちゃけているな!!」

 達也、レオン、幹比古、エリカ、美月の順で善吉に向けて白い目で見ているのに

対して善吉がもう反論しているが突如携帯電話が鳴った。

 「え?壬生??」

 善吉は壬生からメールが来ているのを見て・・・顔を引きつった。

 内容はこうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『アンタそう言う趣味なんだって言うか彼女なんだから責任取って

後で部屋で何回戦かシテ来い。まあ子供が出来てもアタシは知らないけどね

( ´艸`)。』

 「アイツ馬鹿か!?」

 とんでもない事口走っているなあとそう言うと花音はくじらの胸を見て・・・

自身の胸を見て・・・こう聞いた。

 「ねえさ・・・アンタって普段どんな色の奴使っているの?」

 「・・・紫///////」

 「へえそうか・・・そう言う色ってアタシはそんなの無いわねえ。・・・

ヨシコロソウ。」

 「何言ってんの花音!?」

 花音はくじらの胸を見て自分との圧倒的な差に目が死んでしまって・・・不穏な言葉を述べたので何やら一校の技術スタッフであろう青年がそう言うが

花音は審判に向けて大声でこう言った。

 「審判!試合再開よ!!」 

 「え?」

 「速く!!」

 「アアアハイーー!!」

 審判は花音の鬼気迫った表情を見て恐怖してそう言ってしまうと

花音は魔法を発動した。

 『地雷原』を完全に本領発揮しているためにくじらの氷柱が

次々と壊され始めている中でくじらも遅ればせながら熱と水の操作をして

攻撃すると着いた瞬間に・・・氷柱が爆発した。

 「えええ!ナニコレ!?」

 花音はそれを見て驚いたのだがそれだけではなかった。

 何と蒸発した水が霧に変わって周りを包み始めると今度はそれを風で

花音の周りを覆っていた。

 『地雷原』は発生させるには地面と接しているのかどうかを

視界で見なければ発動できないと言う欠点がある為花音は取敢えずと思って

思い出すかの様に発動しようとすると・・・今度は揺れ始めたのだ。

 「えええ、今度は何ヨーー!!」

 花音はどうなっているのと思っていると・・・善吉がこう言った。

 「ヤバい!くじらちゃんがマジでヤバい!!」

 そう言うと善吉は客席から魔法を使って降りてくじらの下に行こうとすると

運営委員会の人達が善吉の前に立ってこう言った。

 「止まりなさい!まだ試合は終わっていないぞ!!」

 「ふざけんじゃねえ!もう試合は一校のルール違反で

決着着いてるんじゃねえのかよ!?」

 「だが審判からの結果が言い渡されていない!!」

 「ざけんな!このままにしたら!!」

 善吉はそう言って加重魔法を使って跳躍して飛んだ後くじらのいる場所に

向かうとくじらが何やら・・・震えていた。

 「くじらちゃん!!」

 善吉はそう言ってくじらを自分の方に向かわせようとするも・・・

一足遅かった。

 「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 くじらの眼が見開かれた瞬間氷柱が全て溶けたり砕かれたりして消えると

それらが・・・形を造っていった。

 そして現れたのは・・・沸騰する水で出来た竜がそこにあった。

 「ヤバい!くじらちゃんが暴走している!!」

 善吉はそう言ってくじらの立っている櫓に入って自分の上着を脱いでそれを・・くじらを頭から覆い隠すと大声でこう言った。

 「大丈夫だよくじらちゃん!もう氷柱はなくなったから試合も終わっているから魔法を解除して良いんだよ!!」

 善吉が大声でそう言うがくじらは何も耳に入っていない様子で

魔法を使い続けようとしていた。

 「やっと霧が晴れたって・・・何あれーー!!」

 花音はそう言って竜を見るや否や竜は花音に向かって突進してきた。

 間に合わないと花音はそう思って魔法で防御しようとしたその時に!!・・・

奇跡が起こった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 水の竜が一瞬で・・・ダイヤモンドダストに変わったのだ。

 「え?」

 花音はそれを見て何が起こったんだと言う風に周りを見ているとくじらが善吉に向けてこう言った。

 「あれ?・・・試合は??」

 「くじらちゃん~~。」

 善吉はそれを聞いて溜息交じりで座り込んだ。

 そして善吉が見た先にいたのは・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 札を展開していた幹比古と銃型のCADを構えている達也の姿がそこにあった。




 次回は点数と達也が開発した新兵器について。


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点数で全てが決まる

 戦え!勝利するために!!


くじらが三回戦進出を決めた後鈴音はダンブルドア先生とスネイプ先生と共に

今回の試合結果のポイントを見ていた。

 十校戦においては各競技においてポイントが課せられており

その合計で勝敗が決まる。

 一位が50ポイント

 二位が30ポイント

 三位が20ポイント

 そして四位以下であるがスピード・シューティング、バトル・ボード、

ミラージ・バットは10ポイント。

 クラウド・ボールとピラーズ・ブレイクにおいては三回戦敗退三チームに

各五ポイントが与えられモノリス・コードにおいては一位が100ポイント、

二位が60ポイント、讃井が40ポイントと決まっており新人戦では全競技において

この半分のポイントで争われ内容次第に置いてだが優勝校よりも多い得点を

手に入れられ来年度に於いては優位に立てるのだ。

 「男子クラウド・ボールに於いてですが善吉君が準決勝に駒を進めており

司もピラーズ・ブレイクに向けて準備されております。それと依頼された

藤原君の魔法ですが万が一に備えてダミー映像を流しておりますので

万が一バレたとしても問題ないようにしております。」

 「それと放送している者達についてですが忘却呪文をかけておる故に

対応は十分かと。」

 「後は九島公じゃが儂の方で何とかしよう。」

 「あのう・・・一つ宜しいでしょか?」

 「何じゃ?」

 「何故藤原君の魔法発動に細工を?」

 鈴音が2人に向けてそう聞くとダンブルドアはこう答えた。

 「済まぬがこれは・・・秘密じゃ♪」

 「はあ・・・。」

 鈴音はこの茶目っ気な表情をするダンブルドアに対して

何だろうと思いながらも点数確認をしていた。

 「このままいけば本戦は何とか上位ランクには組み込めそうです。

それと例のあれの実装も。」

 「それならば既にウィーズリーから聞いておられる。達也が造った

例の魔法と武器は新人戦に於いて調整を行い、すべからずして

件の本戦に投入する予定であり一校との決戦には十分に対応できるそうだ。」

 「じゃが何かあったらたまらないからのう。油断せずに調整するのじゃ。」

 「「ハイ!」」

 鈴音とスネイプ先生がダンブルドアに向けて返事した後に

部屋を退出した後にこう考えていた。

 「間違いなくあの魔法は今後の世界を塗り替えることは間違いなかろう。

万が一に備えて対応を考えておかなくてはのう。」

 そう考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、一校では。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「まさかと思ったが千代田を負かしたあのくじらって女

とんでもない魔力量だぞ?下手したらお前の防御魔法ですら

対応できないかもしれないな。」

 「確かにな、あの魔法は4元素全てのコントロールと考えたとしてももし十全にコントロールされたら対応が難しいし七草の魔法もやばいな。」

 「本当にヤバいわね、十校は魔法協会の定めたルールの中で選んだ

生徒以外を受け入れてたった一年足らずでばける子達が多いわよ!

これなら協会の決められた水準以下の子も受け入れるように考えないと

いけないわね~~。」

 七草は机に頭を突っ伏す感じでそう言っているがそれは無理だろうと

残りの2人はそう思っていた。

 協会が定めた基準以下の人間の受け入れなど一校の理事長以下教員達が

許せるはずもないのだ。

 只でさえ教員が少ないのにそこまで人材が回せるはずがないのだが

それでもとそう思っていた。

 然もそれだけではなかった。

 今回の出場選手の生徒に中で男子クラウド・ボールの戦績を思い出していた。

 「まさか全員が準決勝間で行けなかったとはねえ、それに半蔵君なんて

十校の生徒に負けて意気消沈状態だったわ。」

 「やっぱり魔法力の多さが物を言うと思っていたようだしな。ま、今回の負けはアイツにとってはいい薬になると思いたいな。」

 七草の言葉を聞いて渡辺がそう返すと十文字がこう続けた。

 「だが事は重要だ。この敗因が新人たちにどう影響を及ぼすかだが。」

 「そうね・・・そう言えば一年の北山さん達って十校の生徒達と

知り合いだったわね。」

 「ああ、助けてくれたからお礼を伝えたんだろ?」

 「ええ、あの子達経由でヘッドハンティング出来ないかしら?」

 「それは無理だろ?明智も聞いたら藤原だっけ?アイツが

今の学校を気に入っているから無理だろう?」

 「そんなにスパッと簡単に言わないでよ~~。」

 七草がそう言ってどんより状態で在った。

 如何やら前途多難な様子であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして夜。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「こいつが試作品か?」

 「ああ、ウィーズリー先生の許可も貰っているし早速始めるぞ。」

 達也とレオンは屋外格闘戦用訓練場でそれのテストを行った。

 見た目は剣であるがこれもCAD・・・武器一体型である。

 達也が設計したのを自動工機で製造したそれは見た目は大型剣であるが

実はそうではない。

 「それじゃあ始めてくれ。」 

 「おお。」

 レオンはそう答えてグリップ上部にあるトリガーを押して魔法を使うと剣が・・浮いた。

 「おおお!」

 レオンは驚きながら操作して暫くすると・・・自動で戻ったのだ。

 「よし、成功だな。」 

 「然しよくこんなの思いついたな達也。」

 レオンがそう聞くと達也はこう説明した。

 「ああ、硬化魔法は相対位置の固定だからな。それを取っ払ってしまえば

接触しなくても大丈夫だが気を付けておけよ。魔法を解いた状態で

強い衝撃を受けるとポキット折れてしまうからな。大切に扱えよ。」

 「分かった。使わねえときは鞘に収めておくぜ。」

 「それじゃあもう少し練習するか。」

 「おおよ!どんとこいだぜ!!」

 レオンは達也に向けてそう言って練習を再開した。




 次回は・・・あの事故。


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事故が起きた。

 事故を起こすことはしてはいけない事だ。


3日目。

 男女ピラーズ・ブレイクとバトル・ボードの決勝戦が行われることとなった。

 第十魔法科高校では男子はいないがくじらがいる女子ピラーズ・ブレイクと壬生が参加するバトル・ボードがあった。

 まあ、大体とはいえ主力は全員集結していると思えば中々の功績である。

 そんな中で達也達は壬生が参加する準決勝を見に行っていた。

 ピラーズ・ブレイクの方は善吉辺りに押し付けよと酷い事を考えている。

 そんな中でエリカはある選手を見つけてしまった。

 その相手とは・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「げ、アイツじゃん。」

 摩利であった。

 既に準備しており壬生の隣であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「久しぶりね、渡辺さん。」

 「ああ、2年ぶりと言った処だな。」

 如何やら壬生と渡辺とは顔なじみの様であった。

 「そう言えば昔ですけど貴方は何故私と稽古するのをやめたんです。」

 「ああ・・・それはな。」

 「まあどうせですが剣の使い方が完全に違うから稽古をしなかったんでしょ?」

 「・・・そうだ、私の剣術は魔法と身体の組み合わせだから

純粋な剣道を極めているお前に敵わないと分かっているからな。」

 「だからって理由もなしに断るのもどうかと思いますけどね。あの時私貴方から下に見られたんだって思っていたんですから。」

 「な!それは違うぞ私は!」

 「まあ、もう良いんですけどね。けど・・・

私からしたら貴方と同じ土俵で戦えるんですから白黒はっきり付けましょ?」

 「・・・ああ、そうだな。」

 壬生と渡辺はお互いに言いあった後に準備した。

 そして暫くして・・・スタートが告げられた。

 

 

 

 

 

 

 戦闘に躍り出たのは摩利だがその後ろには七校、そして壬生であった。

 「流石『海の七校』だな。」

 「正に『水を得た魚』ね。」

 その光景を見て達也とエリカがお互いにそう述べた。

 七校は海に面しており主に水系の魔法に秀でている。

 だからかもしれない、かなりの速度である。

 然しそんな相手にも関わらず壬生は相手の隙を伺い渡辺に近づこうと虎視眈々と狙っていた。

 「壬生先輩、相手の隙を伺っているな。」

 「あの女に勝とうって考えているからそれくらいしないと困るわよ。」

 「エリカって本当にあの人の事嫌いだよねえ。」

 幹比古がエリカに向けて苦笑いでそう言っているとレオンが

大型ディスプレイに映っている光景を見てある事に気づいた。

 「おい、あれってあのスピードだとぶつかるぞ!?」

 「「「「!!!!」」」」

 それを聞いて達也達が映像の方を見てみると達也が大声でこう言った。

 「オーバースピード!」

 「あのままではフェンスに!!」

 「それだけじゃないわよ!!」

 エリカがそう言って七校の選手の進路方向にいる・・・渡辺を見つけた。

 如何やら減速を終えて次の加速を始めようとしていたのであろう

止まっていたのだ。

 すると渡辺はフェンスを背にしながらそれを見てすぐさまに行動に移した。

 前方への加速をキャンセルして水平方向の回転加速+水路壁から反射してくる

波をも利用して魔法と体裁きを生かしてボードを反転させた。

 そしてそこから渡辺は更に二つの魔法を使用した。

 突っ込んでくるボードを弾き飛ばすための移動魔法と相手を受け止めた際に

その衝撃で自分がフェンスへと飛ばされない様にするために

加重系・慣性中和魔法を使用した。

 これならばと曹思っていると・・・ある変化が起こった。

 不意に水面が沈み込んだのだ。

 ただでさえ180度ターンと言う高等技術を駆使した後なのだ。

 その優れた魔法・体術複合能力によって無理やり体勢変更したために

突然浮力が失われ、大きく崩れてしまったのだ。

 その所為で魔法の発動が狂ってしまったのだ。

 ボードは弾き飛ばせたが足場を失った七校の選手が慣性中和魔法を

発動するよりも早く 衝突したのだ。

 『『『『『キャアアアアアアアア!‼!!!』』』』』

 フェンスから弾き飛ばされた2人を見て観客席から悲鳴が響き渡った。

 それと同時にレース中断の旗が振られると壬生が渡辺向けて走り出した。

 「渡辺さん!渡辺さん!!しっかりして!?渡辺さん!渡辺さん!!」

 壬生は涙目で渡辺に向けて大声でそう聞いていた。

 然し応答がなくモシカシテとそう思っていると医療班が駆けつけてきた。

 その日の試合は・・・十校の不戦勝となったが本人の意志と

先生たちの配慮に伴い棄権となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「後で聞いたんだけど渡辺さん、未だ意識が戻らないって。戻るのは

多分今夜くらいじゃないかって先生が。」

 「そうか。」

 とある一室で善吉とくじらが壬生の話を聞いていた。

 3人は同じ生徒会メンバーとも相まって話しやすい相手なのだ。

 しんとした様子で壬生が暗い顔をしていると・・・くじらがこう呟いた。

 「あれって・・・事故なのか?」

 「「??」」

 「だってよ、この試合に来る・・・然も準決勝に進むほどの奴が

そんなミスするのかよ?」

 「くじらさん・・・まさか貴方!!」

 「ああ・・・この十校戦を邪魔しているナニカがいるって所だな。」

 「となると一校だけじゃなくて他の生徒達にも警告」

 「したとしてもそれは仮定だ。聞いてくれはしねえだろ。」

 くじらは善吉の言葉を聞いて否定しこう続けた。

 「兎に角アタシらも気を付けておくようにしねえとな。技術スタッフには

上級生が護衛するって事で。」

 「なら俺は先生たちに報告を。」

 「私はあの試合の映像から何が起こったのかを見極めるわ。」

 生徒会年生組はそう言って善吉の言葉で・・・動き出した。

 「それじゃあ第十魔法科高校生徒会執行部・・・行動開始だ!!」

 「「おおお!」」




次回は映像を見ている達也達のサイドです。


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事故の説明

 今回は摩利の事故についてです。


「それでは先ほどの事故について説明いたします。」

 とある部屋の一室に於いて達也は新人戦出場選手や先輩方の前に立って

説明を行う事となった。

 本来ならば鈴音辺りがやるべきだと思うが検証をしていたのは達也であり

また、これには美月達も関係しているのだ。

 「今回の事故についてですが皆様はどう思われますか?」

 達也が全員に向けてそう聞くと先ずは壬生がこう答えた。

 「どう考えてもミスって問題じゃないわね。準決勝迄いく相手で然も海の七校よ。どう考えてもあんな初歩的なミスをするわけないわね。」

 「そうです。ですので映像を多角的身見渡すこととなりました。」

 「多角的?」

 「そうです。現代魔法と・・・古式魔法両方から見てのです。」

 達也はそう言って幹比古と美月を見るとこう続けた。

 「では映像を見てください。」

 達也はそう言って試合の映像を画面に表示させ、二分割表示となっている。

 すると達也はこう説明した。

 「一つは普通、もう一つは先ずシュミレーションシステムで割り出された

データと共に見て貰います。」

 ではと言って予め入力しておいたシュミレーション映像と同時進行で始めた。

 シュミレーション映像では水面の変化における選手の影響を

数式化して現されており事故の瞬間の映像ら辺で『unknown』と出た。

 「これが原因か。だがそれが何かなのかだな。」

 その映像を見て司が唸っていた。

 何せ十校戦の間外部からの魔法干渉における不正防止の為、

対抗魔法に優れた魔法師を大会委員として配置するとともに監視装置が

大量に設置されているのにも関わらずに事故が起こってしまったため

この映像から考えられる可能性ともなれば水中に工作員を配置していると考えた方が妥当だと思うが古式魔法の幹比古目線を含めた上で考えを言おうと思った司は

達也に向けてこう言った。

 「続けてくれ。」

 「はい、ですから次は幹比古が説明します。」

 そう言って達也は離れて代わりに幹比古が前に立った。

 「えー、皆さんも知っていると思われますが古式魔法においてですが

精霊魔法を使う事が多々にあります。もしこれがそうであるとするなら

可能性は0ではありません。数時間単位で特定の条件を精霊に覚えさせ、

水面を陥没させることなど造作もありません。」

 「この場合でしたら条件は2つ。一つ目の条件は水面上に人間が接近する事、

二つ目は精霊に波、又は渦を発生させるように指示を与える。

たったそれだけです。」

 「それはどんだけで可能なんだ。」

 「ああ、準備期間だが半月位あれば良いかな。何度か忍び込んで

手筈を整えれば式神で可能なんだけどこの軍の演習場で

そんなに何回も忍び込めれる?」

 「そりゃあ無理だな。」

 レオンの問いに幹比古は自嘲気味にそう答えた。

 何せ軍の演習場に忍び込むなんて自殺行為も良い程だからだ。

 そして幹比古はこう続けた。

 「まあ正直こんなことやっても無駄なんだけどね。」

 「どういう意味だ?」

 「こういう意味だよ達也。そんなに時間をかけても無駄なんだ。

精霊は術者のその時の思念の強さに応じて力を発揮するから精々が猫騙し程度。

七校の事が重ならなければ子供の悪戯程度になるけど・・・違うんでしょ?」

 幹比古は達也に向けてそう聞くと達也はこう答えた。

 「ああ、壬生先輩の話とお前の話を統合するともう一つの可能性が見えた。」

 「何?」

 「・・・七校の選手のCADに細工する事だ。」

 『『『『『!‼!!!』』』』』

 それを聞いて全員驚いた。

 何せ何故そんな事をするんだとそう思っていると達也はこう続けた。

 「この2人は決勝においてはタイムはほぼ同じだったんだ。

となると減速させる起動式を逆の加速にすり替えれば良いだけだ。」

 一気に優勝候補を2人も潰せれるんだからなとそう言うと善吉がこう聞いた。

 「となると七校の技術スタッフに裏切り者がいるって事か?」

 「いや善吉。もう一つあるじゃねえか。」

 「?」

 「・・・あ!」

 鈴音はくじらの言葉を聞いてある事を思い出してこう呟いた。

 「・・・大会委員に工作員がいる。」

 『『『『『!‼!!!』』』』』』

 「大会前に必ず検査があります。もしかしたらその時に・・・!!」

 「もしそれが本当ならば七校もその煽りを受けて・・・!!」

 クソと壬生は片手を拳で殴るかのように叩くと達也は立ち上がってこう言った。

 「これを運営委員に言うのは簡単だが証拠もなく、

然も大会委員が犯人ならば一人だけだとは限らなく何人いるかわからないので

皆さんも気を付けて対応しましょう。」

 『おお。』

 達也の言葉を聞いて全員が静かにそう答えた。

 いったい誰が犯人か分からないが壬生先輩の試合に泥を塗った責任はきっちりと代償を支払ってやると意気込んでいる面々であった。




 次回は第4巻からです。


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新人戦開始

 最初はスピード・シューティング。


大会4日目となり本戦は一端休息となり新人戦が執り行われることと相成った。

 現在の成績であるが十校が190ポイントで今のところ3位である。

 なんとまあここ迄成長出来たなと思いたいところであるがここからは逆転だと

息巻いていた。

 今日の本戦はスピード・シューティングがフルでありバトル・ボードの予選が

執り行われることとなったが警戒してた。

 その理由は本戦が開会式後直ぐに行われたためにそう言う風にしたのだ。

 そして達也はこう呟いた。

 「それじゃあ俺はスピード・シューティング。」

 「俺はピラーズ・ブレイク。」

 「僕はクラウド・ボール」

 「私はバトル・ボードとミラージ・バット」

 「私はスピード・シューティングとピラーズ・ブレイク」

 「最後にレオンと俺と幹比古でモノリス・コード」

 達也に続いてレオン、幹比古、エリカ、栞と自分の試合出場内容を言って

こう続けた。

 「今日が俺達の晴れ舞台だ。・・・景気よく戦ってキッチリと

悔いのないように戦うぞ!!」

 「「「「オオォォォォ!!!!」」」」

 「皆さん!頑張って下さいね!!」

 その光景を見て美月が大声でエールを送った。

 するとエリカは栞を見てこう言った。

 「アタシのレースは終盤だからしおりんの試合は見れるね。」

 「いい加減にその呼び名は本気でやめて欲しいのだけど。」

 栞はエリカから言われた渾名に対して本気で勘弁してほしいと思っているようだ。

 現在栞はエリカと達也と共に試合会場前の通路にいた。

 達也はエンジニアとしてここにいるのだがエリカは何故いるのかと聞くとエリカはいたずらっ子な表情で達也達に向けてこう言った。

 「秘密♪」

 要ははぐらかされたのである。

 そして達也は栞にスピード・シューティング用の小銃CADを渡すと

エリカが栞に向けてこう言った。

 「しおりん!頑張ってよ!!」

 「だからその渾名は止めてください!!」

 そう言いながらも栞は笑顔でそう答えたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 試合開始のランプが照り始めたと同時に始まった。

 すると・・・それは直ぐに訪れた。

 「・・・・シュート。」

 栞の言葉と同時に有効射程エリア内にあるクレーが全て破壊されたのだ。

 それを見て隣の選手は呆然としつつも攻撃するが矢張り見劣りしてしまう。

 すると達也が栞の魔法についてこう説明した。

 「アイツは高い空間認識能力と演算能力を持っていてな、

魔法師じゃなくてもそれなりの研究員と為を張れるほどあるんだ。

だから俺はアイツの特性にある魔法を取り入れたんだ。」

 「ある魔法?」

 エリカはそれは何と聞くと達也はこう答えた。

 「スピード・シューティングの有効距離は15メートルの立方体形式。

それを利用してあの中には10メートルの立方体を作ってその中に巨大な力と

その周りに小さな力があるんだ。その力はクレーの場所によって変貌し

放たれた魔法は先ずは大きな魔法の力、つまり必ず放たれた魔法は

①の大きな円の様な陣に入ってそこから②~⑨の小さな力に

吸い寄せられるかのようにばらける。それは魔法師によってはランダムに

決められるから場所次第ではどんな命中率の悪い奴でも

それなりの結果が出せるって奴さ。名付けて

『能動空中自動砲台(アクティブ・エアー・ビット)』。」

 俺の自信作だと胸を張ってそう言うのを見て幹比古はこう聞いた。

 「ええとそれはつまり・・・達也のオリジナルって事?」

 「当たり前だろ?誰かが作っていたら発表されているだろ?」

 「ああ・・・そう。」

 幹比古は達也のその言葉を聞いて只々・・・そう言うしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「何だか拍子抜けしました。あの程度だったのかと思うほどです。」

 「相手は新人だ。未だそこまで実力に差が出ているわけじゃない。

それに俺の魔法がそう簡単にやられたらそれでこそだ。」

 達也はそう言って肩を浮かすとこう続けた。

 「準々決勝からは対戦形式だ。気合い入れてぶち込んで来い!」

 「ええ、そのつもりです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 栞と達也がお互いにそう言って別れた後スピード・シューティングの準々決勝が行われようとしていた。

 内容は4つのシューティングレンジを使用して行われる。

 その点数で勝敗が決まるのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「さてと、今度はどんな工夫をするんだろうね?」

 「そうだな・・・意外と考えないような奴かな?」

 「それって分からないんじゃないの?」

 そうとも言えるなと幹比古はレオンに向けてツッコミを入れた。

 「ですけど本当に凄いですよね達也君。まるでびっくり箱みたいに

あんなに閃くなんて。」

 「その果てがあれだろ?」

 「そうですね。」

 美月はレオンのあれと言う言葉を聞いて確かにとそう思っていると

栞が出てきたが・・・幹比古はある事に気づいた。

 「え?あれって??」

 「どうしたんだよ幹比古?」

 「あのCADって・・・?」

 そう言って幹比古は栞の持っているCADを見た。

 ストラップが付いているように見えるがそれ以外は先ほどとは

変わらない様に見えるがそれを見て幹比古はこう言った。

 「もしかしてあれって・・・汎用型!?」

 「「「「ハアアアアアアアアア!!!!」」」」

 それを聞いてレオン達は驚いたのであった。




 何故それなのかが・・・分かります。


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クレー撃ち落とし対決。

 栞対雫戦開始!


「イヤ待てよ幹比古!幾ら何でもまさか達也がそんなことするか!?」

 「そうよ幹比古!あの『三度の飯よりも魔法改造』を地で行くような

達也君がそんな面白くない事するわけないでしょう!!」

 「エリカ・・・幾ら何でもそれは無いと思うよ。」

 幹比古はエリカの言葉を酷いと言うがエリカは何の事かしらと

知らんぷりであった。

 「けど確かにあれは汎用型のだよ!小銃形態なのが気になるけど

そんなホウキあったかな」

 「あるぞ。」

 「くじら先輩!!」

 「よ。」

 何時からいたんだよと言わんばかりに何時もの服装でもあるくじらが顔を

包帯グルグル巻きにして座っていた。

 「俺もいるんだけどな・・・。」

 無論善吉も一緒である。

 そんな中でくじらはこう説明した。

 「あの技術は既にドイツが公開した技術だ。最新技術でもあるが

達也はそれを使っているようだな。」

 「ドイツって、達也君よくそんな奴を知っていますよね?」

 「そうか?当時の最新技術として各国は研究しているようだぞ。

専門雑誌でも掲載されていたしな。」

 「そう言えば対戦相手って一校よね?」

 エリカがそう言えばとそう聞いて対戦相手を見るとそこにいたのは・・・

彼女であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「雫ちゃんか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな中雫はと言うと・・・。

 「相手は彼女・・・然も藤原さんのお手製。」

 そう言いながら厄介だなと考えていた。

 何せ相手はアンティナイト無しで同様の魔法を発現することが出来る程の

頭脳を持っている。

 然も使う相手はパーフェクトを何度も出している。

 恐らくは何度も何度もトライ&エラーをしながら導き出された魔法であろう。

 間違いなく今大会に於いて雫が注意しなければならない相手なのだ。

 そんな中でオレンジ色の髪を持つ・・・雫と同程度の身長の少女

『中条あずさ』が栞の持つCADを見てこう呟いた。

 「あれって・・・汎用型?」

 「え?」

 あずさの言葉を聞いてまさかと思ってよく見てみると・・・

確かにそうであったがそれが更に雫の心を乱した。

 「(あんなのを使って何をって・・・もしあれが藤原さんが作った奴だとしたら警戒しすぎる位が丁度いいかも!)」

 そう思っている中でテントの中で嘲笑が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 「何だあのCAD?失敗作か?」

 「大方どっかの馬鹿が作った奴なんじゃねえの?」

 「これならうちの勝利は確実って言うか消化試合だな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう聞こえるが雫はそんな言葉など意味がないと分かっているため

其の儘試合会場に向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「どうも。」

 「うん。」

 栞は雫に対してそう言うと雫もそう返した。

 お互いに大体が無口なのであろう、言葉など無用と言った感じである。

 そして試合が開始された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここからは紅白のクレーを撃ち落とすと言ったものであり栞が落とすのは

白である。

 そして栞が白を砕くと同時に雫が落とす紅のクレーが・・・1枚だけであるが

有効射程エリアから離れていった。

 「!!」

 雫は何事だと思ってもう一度放つとまた同じ感じとなっていた。

 「どうして・・・まさか!!」

 雫はまさかと言って栞・・・いや、天幕にいるであろう達也の方向に

目を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな中十校の天幕内では鈴音と司が達也と共に試合映像を見ている中で達也はこう呟いた。

 「やっぱり気づいたな北山さんは。」

 「そう言えばあのクレー、どんどんと離れていく数が増えていくが

あれは一体何なんだ?」

 「そもそもあのCADは何なんですか?」

 司と鈴音がそう聞くと達也はこう答えた。

 「あのCADは車載用汎用型CADをベースにして外部の入力機器に繋いで

それをグリップと照準装置にぶち込んでいます。」

 「然も今栞が使っている魔法は予選で使った魔法に色を加えて

放った魔法の威力を衝撃波として自分のクレーを破壊して

その破壊して砕けたクレーをチャフ代わりにしてばら撒かせて付着した魔法が

その魔法のタイミングを遅らせたり衝撃波で飛ばしたりとしているのです。」

 それを聞いた司と鈴音はこう言った。

 「ようは魔法を使えば使うほど相手はクレーを攻撃しにくくすることが

出来るって事だな。」

 「然し確かに妨害行為は認められておりますがまさか

この様な方法を使うとは相手が哀れとしか言いようがありませんね。」

 「何言ってんですか?勝つのが目的なんですから手段は選んでないし・・・

反則じゃないんですし♪」

 達也は親指上げてグッジョブみたいなサインを出すがそれを見た2人は・・・

顔を引きつらせてこう答えた。

 「俺・・・アイツ怒らせない様にする。」

 「私もよ・・・」

 「「・・・・はああ~~~。」」

 その言葉と同時に自分たちが出て言った後の生徒会役員の事を考えて

ため息を吐くしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「駄目・・・!!」

 雫はどんどん点数が離れていくのを見て焦りを感じるが栞はお構いなしと

言わんばかりに点数を稼いでいった。

 そして最後のクレーを見た栞は雫をチラリと見てこう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「パーフェクト。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして一校の天幕。

 「嘘だろ・・・。」

 「北山さんが・・・負けた。」

 「何だよあれ・・・本当に汎用型なのかよ?」

 呆然とした様子でその光景を見ているエンジニアに対してあずさは

こう考えていた。

 「(間違いない・・・あのCADのタイプはドイツで昨年発表されたタイプ。

ですけど其れよりもさらに進化している!今回の新人戦一体誰が整備を!?)」

 そう思いながらあずさは出場者の中にいるエンジニアを探していると・・・

ある人間を見つけた。

 

 

 

 

 

 

 「『藤原 達也』・・・確か北山さん達と懇親会の時に一緒で会長さん達が

挨拶していた・・・これは直ぐに報告しないと!!)」

 そう思いながらあずさは七草達の下に向かって行くがこれが・・・

更に一校の三連覇を阻害される相手になるとは考えてもいなかったのだ。




 次回は・・・達也の特殊性が暴かれる・・・かも?


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警戒すべき人間

 警戒されれば行動がやばい。


そして正午。

 「ありがとうございます藤原君。おかげで勝つことが出来ました。」

 「イヤ何他人行儀に言ってんだよ!俺達は仲間なんだ、仲間が勝つための

準備をする事は当然の事だろう?それに今回勝ったのはお前なんだ。

だからお前が胸を張って堂々としていればいいんだ。」

 「分かったわ・・・ありがとう藤原君。」

 「どういたしまして。」

 達也と栞はお互いにそう言っている中で鈴音が2人に向けてこう言った。

 「さっき連絡が入ったわ。十七夜さんの魔法が『インデックス』に

正式登録されるって!」

 鈴音の・・・嬉しがるような声を聴いて全員がおお!と声を荒げた。

 インデックスとは正式には『国立魔法大学編纂・魔法大全・

固有名称インデックス』と言う長ったらしいと言うよりも最後だけで

統一したほうが良くないと思うほどである。

 これはその名の通り国立魔法大学が作成している魔法百科事典に収録された魔法の固有名称の一覧表であり、ここに採用されると言う事は既存魔法の亜種ではなく

正式に認められた新種魔法として独立した見出しが付けられこれは魔法開発に携わる国内の研究者にとっては非常に名誉な事であるのだ。

 すると達也は栞を見た後に鈴音に向けてこう言った。

 「それじゃあ俺達の連名でお願いします。」

 『『『『『・・・・・・ハアアアアアアアアア‼!!!!』』』』』

 それを聞いて天幕にいる全員が驚くとエンジニアのメンバーが口々に達也に

近寄って説得した。

 「お前何言ってんだ!あれはお前のオリジナルだろ!!」

 「そうよそうよ!新魔法の発表はまず最初に作った奴の名がつけられるのは

普通なのに何で!!?」

 そう言うと達也はこう答えた。

 「あの魔法は十七夜専用の魔法ですしそれにあの魔法は俺が使うとなると

時間が掛る奴なんですよ!『使えません』何て言えるわけないだろう!?

だから設計は俺で使用者は十七夜の連名と言う事にした方が楽なんですよ!!」

 そう言うが司はこう聞いた。

 「お前はそれで良いかもしれないがそれは十七夜にとっては失礼な方だぞ?

連名にしたとしてもだ、禍根を残すわけにはいかないしここはお前が最初に

使ったっという事にしておいて要約として十七夜が中心で使うと言う

触れ込みとするのはどうだ?」

 「ですがこの魔法は」

 「達也、こう言う時に大人しく好意を受け取るのも大切だぞ?」

 司は達也に向けてそう言うと達也は暫くして・・・こう答えた。

 「分かりました、ですが連名は譲る事は出来ませんのであしからず。」

 「全くお前も頑固だなあ。」

 司はそれを聞いてまあ良いかと思って登録は連名となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてそんな中に於いて他校の一つ、第三魔法科高校では。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「じゃあ、『将輝』。十校のあれは彼女の個人技能だけではないと?」

 「ああ、そう思っている。彼女の正確無比な射撃に加えてあの魔法だが

彼女が独自に作ったとは思えない。あの魔法は恐らく・・・

エンジニアにおけるものだろうな。」

 「となると僕らは間違いなく2人以上を相手にしているって事になるね。」

 「それも間違いなくお前と互角の可能性も視野に入れないといけないな・・・『ジョージ』。」

 互いにそう言っているのは三校の生徒であり一人は十師族である。

 高身長でイケメンの青年が『一条 将輝』

 もう一人は小学高学年くらいの身長の少年『吉祥寺 真紅郎』

 すると真紅郎は将輝に向けてこう言った。

 「あの技術はドイツで発表されていた技術らしいけど1年前で

ほぼ新作だけどあそこ迄性能が良いっていう訳じゃないんだ。」

 「どういう意味だ?」

 「あれはただ繋げただけの技術的実験品で動作は鈍いし反応は遅くて使い物には絶対なれないんだったけど今回彼女が使っていたのは間違いなく完成品だ。

それで調べてみたんだけど一人選手としてもヒットした人間がいたんだ。」

 「誰だそいつは?」

 将輝がそう聞くと真紅郎はこう答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「『藤原 達也』。今年の新入生で僕らと同じ一年生が怪しいと

僕は睨んでいるよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして一校。

 「成程、つまり中条は彼こそが今回のダークホースと

睨んでいるという訳だな。」

 「はい・・・未だ仮定の段階ですけど。」

 中条はそう言って目の前にいる男性・・・十文字に向けて説明していた。

 あの魔法は恐らく新種のタイプであろうことも説明して。

 「となるとやはりこいつが出る試合とエンジニアとして受け持つ試合の

出場選手には警戒するように伝えないといかんな。」

 「・・・多分それは無駄でしょね。」

 十文字の言葉に対して七草が拒否すると十文字はこう聞いた。

 「何故だ七草?」

 「今の1年生も去年と同じように十校を下に見ている生徒たちが多いのよ。

だから聞いてくれるかどうかねえ。」

 「ふむ。」

 それを聞いて十文字は考えていると中条がこう言った。

 「あの!彼と話し合える機会ってありますでしょか!!」

 「あーちゃん?」

 「彼のCAD技術は素晴らしいものです!私ですら考えつかないような魔法を

生み出しているあたり間違いなく上です!彼を短期的にも我が校に転入するようにとり図れないでしょうか!?」

 そう聞くも十文字はこう答えた。

 「駄目だ。試合の内容に関わらずだが彼が来たところで間違いなく

いじめに発展しかねんぞ。魔力が低いと言うだけで協会からは下と見られているしあの馬鹿どもにあるエリート意識を根本的から変えない限りその話が来る

可能性はない!」

 「そんな・・・。」

 あずさはそれを聞いて落ち込むが七草がこう言った。

 「ねえあーちゃん。だったらさ、この十校戦が終わったら

ゆっくりと話すって無理?」

 「無理ですよ~~!男の人と何話せばいいんですか~!!」

 「・・・確かにねえ。」

 それを聞いて七草も確かにとそう思っていた。

 何とかしたいと言う思いがあるが障害は大きかった。




 次回はバトル・ボード。


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それぞれの戦い

 今回は達也の魔法が出ます。


 バトル・ボードにおいて既にエリカがスタート位置で準備していた。

 そんな中で少し遠くにいたほのかを見て・・・空笑いしていた。

 「ありゃあ・・・完全に固まってる。」

 そう言ってほのかを見るが・・・顔が真っ青になっていた。

 正直な所ちゃんと試合に集中できるのかと思いながらも準備して・・・

スタートした。

 

 

 

 

 

 

 「良し!エリカがトップだ!!」

 「頑張ってーー!!エリカちゃーん!!」

 達也と美月が応援していた。

 そして暫くして・・・決定した。

 「良し!エリカが1位だ!」

 「良かったー。あ、達也さん。そろそろ。」

 「あ、じゃあな。」

 そう言って達也は試合会場に向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「はん!雑草がよく来たな!!」

 「・・・何だこの雑魚キャラ丸出し人間?」

 達也はそう言って目の前の人間を見ていた。

 何せであって早々これなのだ。

 今達也がいるのは準決勝。

 これで勝てれば決勝に行けれるのだ。

 すると相手選手・・・一校の森崎が達也に向けてこう言った。

 「女子では負けたが俺がお前を完封勝利して見せる!!」

 「(・・・面倒くせー)」

 達也は森崎の言葉を聞いて聞く気にもなれんとそう思いながら構えていると

森崎が絡みついた。

 「おい貴様!話を聞いているのか!!」

 「ハイハイ。」

 「貴様雑魚の癖に!!」

 そう言われながらも達也は準備した。

 そして・・・開始のベルが鳴った。

 達也は黙々とクレーを破壊している中で森崎は早打ちでクレーを

破壊しながら達也に向けてこう言った。

 「どうだ雑草!これがエリートの力だ!!」

 そう言いながら点差を広げられていくがそれが・・・遅くなり始めたのだ。

 「な!何で!!」

 森崎が放った魔法が何故か・・・外しまくっているのだ。

 いや、それどころか魔法が当たらなくなっているのだ。

 何故とそう思っているが其の儘・・・達也と互角の点数となった。

 「くそがーー!!」

 森崎は暴れる様にならばと思って達也の魔法を妨害しようとしても・・・

全然効かなかった。

 そして点数を達也が逆転したと同時に・・・試合が終了した。

 「な・・・何で。」

 「ほい終わり。」

 達也は森崎を見てそう言った後にそこから出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして本日の試合が終わり。

 「栞とエリカが1位か。」

 「エリカの方は予選だけどこの分なら。」

 達也と幹比古はお互いに点数の方を見ていた。

 「達也の方は惜しかったね。まさかあそこで

三校の『カーディナル・ジョージ』とぶつかるなんて。」

 「あっちも新人なんだ。こうなる事くらい予想していたが

あれが散布し終える前にあそこ迄点差が広がるとな。」

 「其れでも凄いよ!最後は10点差まで追い詰めたんだしそれに準優勝だよ!!

他の皆なんて本戦を第一と第二を落としてるんだから。」

 そう言えばと幹比古はあの試合の事を思い出してこう聞いた。

 「そう言えば何で一校の生徒は途中から魔法が使えなくなり始めていたの?」

 いったい何したのと聞くと達也はこう答えた。

 「ああ、あれか。十七夜が使っていた魔法を俺用に調整した奴だ。

あの魔法は前にほのか達を助けるために使った『アンチナイト』を

ジャミング粒子みたいに飛ばして魔法の効果範囲を狭めさせたんだ。それで魔法が当たらなくなるように見えてたんだ。」

 「えええ・・・何その魔法チートじゃん。」

 幹比古はそれを聞いて流石に相手には同情するなと思ってしまっていると

意識を変えてこう言った。

 「明日はピラーズ・ブレイク。男子はレオンが女子は十七夜さんが出るか。」

 対策はどうするのかだねと言うと達也はこう答えた。

 「取敢えずの所レオンの方は攻撃よりも防御重視だ。その防御を如何やって

攻撃に転換させるかだが。」

 そこだなとそう言うと幹比古はこれに出る2人の事を考えてこう言った。

 「まるで矛と盾だね。タッグならこの2人は間違いなく最強になれるのに。」

 「たらればなんて今更言っても仕方ないよ。今あいつらが完ぺきな

パフォーマンスが出来るように俺達が精いっぱい頑張らなきゃな。」

 「そうだね。」

 幹比古は達也の言葉を聞いて自分の仕事を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして一校では。

 「・・・まさかここ迄酷いとはな。」

 「確かに、これはちょっと頂けないわね。」

 十文字と七草はそう言って今日の試合結果を見ていた。

 男子のスピード・シューティングではあの後森崎は力が発揮しづらく

なってしまい4位。

 後は予選敗退である。

 そして女子に於いても同じく雫は4位。

 バトル・ボードでは男子は一名予選通過するも後は予選落ちし

エリカが1位に対してほのかは3位であった。

 「光井や北山は今回の敗北に対して反省会をして対応しているが森崎の方はな」

 「あの子エリート意識が強すぎていたから今回の負けで今後の試合に

響かなければ良いんだけど。」

 七草はそう言って森崎の心配をしていると十文字がこう呟いた。

 「ここら辺で誰かが優勝するくらいの衝撃を与えないと

来年からの試合に響くぞ。」

 「負け癖・・・最悪な展開って言うか前に花音ちゃんが戦った

くじらさんの言葉が本当になってしまうわね。」

 「だが今更どうするべきか・・・。」

 「そうね・・・。」

 最早八方塞がりと言わんばかりの状況となっている。

 既にメンバーを決めていて入れ替えなんて出来ないし今入院している

渡辺の事もある。

 ぶっちゃけた話が後は天に委ねるしか道はないのだ。




 次回はアイス・ピラーズ・ブレイク。


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栞対エイミィ

 ここからもオリジナル魔法です。


「今度の栞の相手はエイミィか。何だか俺らって一校とは縁があるよな。」

 「そうですかね・・・と言いたいところですがここ迄連戦で

然も重要な時にですから何やら作為を感じます。」

 栞も達也の言葉を聞いてそう答えた。

 現在彼女の試合は準決勝。

 またもやこんな感じだが決勝の相手もまたそうなのだ。

 「・・・北山 雫。また彼女と戦う事も考えないといけませんね。」

 「ああ、向こうからすればリターンマッチ。雪辱戦だ。何が何でもと

考えそうだが。」

 「一度戦った相手に負けるなど私のプライドが許せません。」

 「・・・勝ちにこだわるって言うよりも誇りがあってか。」

 何か女のってそう言うの強いよなあと思っていると栞は立ち上がって

こう言った。

 「それではそろそろ。」

 「ああ・・・勝って来いよ。」

 「勿論です。」

 そう言うと栞は・・・ローブを身に纏って出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「十校、今度は私かァ。何だかあたし達って本当に縁があるよねえ。」

 エイミィはそう呟くが内心は冷や汗で体に自分の現在の服装でもある乗馬服がべっとりと染みつくほどである。

 アイス・ピラーズ・ブレイクは服装に関しては公序良俗に違反していなければ

何でもよいと言う言わばファッションショーみたいな感じとなっているのだ。

 然しそんな中に於いてエイミィはヤバいとそう感じているのだ。

 相手は間違いなく藤原がメンテした確率が高い選手で雫を完膚なきまでに

叩きのめした相手。

 そして何よりも七草が試合前に告げたあの言葉。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「え?確実に勝たなければいけないのですか!?」

 「そうよ、正直な所今の状態だと間違いなく来年度の生徒達に

負け癖が付く可能性が大なのよ。」

 七草の言葉を聞いてエイミィはマジって思ってしまっていた。

 何せ一校は強豪校の一つと言っても良いくらいにこの十校戦を

勝ち進んでいるのだからとそう思っていると七草はこう続けた。

 「正直な所私達がいなくなると間違いなく戦力ダウンは免れないわ。

それに十校の特徴を考えたら間違いなく彼らが次の強豪校になる可能性が高いわ」

 「ですが相手は協会から基準となっている魔法力が無い奴らですよ。そんなのに敵わないなんて。」

 そんなとメンテナンスメンバーの一人がそういうと七草は目を鋭くさせて

こう言った。

 「その基準以下の人達に悉くやられているからこそ

私達はここ迄追い詰められているんじゃないの?」

 「!!」

 それを聞いてそのメンバーが黙りこくってしまった。

 そして七草は全員に向けてこう言った。

 「皆正直言うけどそんなエリート意識は今すぐ捨てなさい。

そんなものがあっても勝てない事くらいもう十分に理解しているんじゃないの?」

 『!‼』

 それを聞いて間違いなく殆ど全員が目を逸らしてしまった。

 矢張りねとそう言うと七草はエイミィに向けてこう言った。

 「明智さん、正直な所貴方や北山さんに重石を背負わせてしまう事に

後ろめたさはちゃんとあるわ。こんな事になるのなら

もっと早くそうしなければならなければならなかった私達の不甲斐なさなの。

本当なら『何も考えずに楽しんでらっしゃい』って言うべきかもしれないけど

そんな悠長な事言っていられる程私達は頭の中がお花畑じゃないわ。

この試合だけは絶対に優勝して欲しいの!」

 「・・・会長。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「私達が負けたら一校は間違いなく敗北する・・・頑張らなきゃ!!」

 そう言って自分を鼓舞していると相手が現れた。

 栞の格好はローブの下にはクイディッチ選手の服装と同じであるのだ。

 これはダンブルドアがデザインした奴で意外とだがセンスが良いなあと

栞はそう思っていた。

 すると栞はエイミィの表情を見てこう考えていた。

 「(あれは間違いなく追い込まれているわね。あの子の性格を分析すると

そう言うのに対して耐性が無いと見るわ。)」

 そう思って栞はスピード・シューティングで使っていたライフル型のCADを

構えるとエイミィも同じ物を出した。

 間違いなくこれは早撃ち対決の様な状況であると推測する感じである。

 そして試合開始の信号が灯ったと同時にお互いに攻撃が始まった。

 「行けーー!!」

 エイミィはそう言って氷を操作して・・・真っすぐにぶつける勢いで氷柱を

動かした。

 このスピードならとそうお思っていると・・・氷柱がいきなり動きを止めた。

 「え!どうして!!」

 エイミィは何でとそう言ってもう一度動かそうとすると栞がこう言った。

 「今度はこっちの番ヨ。」

 そう言うと同時にエイミィの氷柱が・・・後ろにある氷柱目掛けて突進して

お互いに破壊された。

 「何で!どうして!?」

 エイミィは何が何だかとそう思っているが本人は関係なく行動した。

 今度は氷柱が破壊されたのだ。

 「こっちだって!!」

 エイミィはそう言ってその魔法を無効にさせるがすると別の氷柱が

破壊されてしまった。

 「どうなってんのよーー!!」

 エイミィは最早泣き顔一歩手前の表情となってしまっているがそれでも関係なく氷柱が破壊されていっていた。

 それを見ていた達也はぼそりとこう言った。

 「いやあ・・・ここ迄酷いとは俺も考えなかったな。」

 次の奴考える前にこいつの改良だなこりゃあとそう呟きながら

試合を眺めていた。




 次回は説明。


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竜の暗躍。

 あの組織が出ます。


「ねえ達也。あの魔法は一体何だい?」

 幹比古は少し瘦せたかのような気持ちでそう聞いた。

 何せ終盤エイミィ完全に泣いていたよねと責めるかのような目線なのだ。

 前に助けて縁が出来たのにそれが完全にぶっ壊すかのようなあの魔法は何と聞くと達也はしれッとこう答えた。

 「ああ、あれは相手の魔法をスキャンして無効化した後に騙し討ち宜しくデ相手に返す魔法。」

 「最低も大概ものだったよ!!」

 幹比古はそれを聞いて酷いの一言に事尽きる奴だったよと断言した。

 然し達也はこう続けた。

 「あの魔法は相手の魔法をスキャンした後にサイオンを操作して無効化するように見せかけて実際は魔法が自分で停止するように命令を書き換えさせたんだ。」

 「書き換えるってその前に喰らった人にはご愁傷様ッて言うしかないじゃないの

これって!?」

 「そしてスキャンした魔法は再利用されて相手にぶつけると言う考える前に

感じろを魔法で再現したその名も『鏡の再変換(ミラー・イリュージョン)‼』

 「直ぐに謝った方が良いよ達也。いや本気で。」

 幹比古は達也の説明を聞いてもう悪役だよ僕らと言うしかなかったのであった。

 「まあこの魔法は改良すべき点がすぐに見つかったからバージョンアップして

今後に生かそうと思ってるんだ。」

 「相手が泣くよ絶対。」

                   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「一体何なんのよあの魔法は!!」

 七草はエイミィの試合を見て頭を悩ませていた。

 まさかあそこ迄とは思いもよらなかったどころか相手の良いように

扱われたかのようなそう言う感じであった。

 すると隣にいるあずさが達也の説明(少しニュアンスを濁したり

恐らくを固辞させて)を聞くと目を見開いてこう言った。

 「それって何!こっちが強い魔法を使えば使うほどあっちはそれを使い放題って意味じゃないの!?」

 最悪だーー!!と机に体を突っ伏すがあずさはこう続けた。

 「それは多分大丈夫かと・・・。」

 「・・・何で?」

 「向こうも同じ威力を出せるではなくあくまでも相手の魔法を模倣する

程度ですので威力はそうはないかと思いますが相手からしたらその・・・。」

 「同じ魔法を使われるから使いづらくなってしまうってそんな感じ?」

 「そうです。」

 「・・・それが分かっても対応できる選手って何人にいるの?」

 「・・・ですよねえ。」

 あずさは七草の言葉を聞いて溜息を吐いた。

 「・・・前途多難よねえ・・・。」

 七草はそう呟くしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その夜の横浜の中華街。

 満漢全席とまではいかないが高級食材をふんだんに使われた

中華料理フルコースを本来ならば楽しむべきであろうが当人たちは

そうではなかった。

 まあ、一人二人は笑顔であるがそれは置いといてと言わんばかりに陰鬱で

苛立たしさを十分に出している男たちが座っていた。

 赤と金を主調とした豪華な色彩の内装が男達の顔色の悪さを物語っていた。

 すると一人がこう言った。

 「新人戦は第三高校が有利だと聞いたが?」

 「全体では未だ何とも言えんが数人の新人は十校の者だそうだ。」

 「あの連中か。世界中において最も協会の規定を知らんぷりでやった挙句に

トンでもない程の実績を上げているまず間違いなくダークホース。」

 「まあそれは置いといてだ。全体的に見れば第三高校が優勝するのは

決定づけられているじゃないか?」

 それで良いじゃないか?と言うがそれに対して男の一人はこう答えた。

 「貴様は良いよな!がっちりと大穴と思っていた十校に大枚出して

ちゃんと損害どころか利益を出している!!」

 「ま、勝負は時の運だ。まだまだ落ち着いて行こうではないか。」

 「貴様」

 「よさないか。今はまだ利益が出ているしそれに新人戦では第一高校が

敗退しまくっているおかげで我々胴元は負けるなどと言った状況は少なくとも

存在せん。」

 「だが万が一に第一高校が息を吹き返したら。」

 「そうなったらもう一度アクションを起こすさ。今回のカジノは

特に大口の客を集めているからな。中にはどっかの誰かさんみたいに大穴に賭けて成功してたんまりと稼いでいるよだしな。」

 アハハとそれを聞いて乾いた笑みを浮かべる男性を見た。

 彼らは十校戦を賭けの対象としており各試合の内容次第では

大金が手に入るだけとあって賭ける人間の金額は相当なものとなるであろう。

 視聴率が高いものとなると比例してこの様な裏での非合法の賭博が

横行するものなのだ。

 「だが先ほどの言葉にも一理はある。万が一に備えて皆準備しておけよ。

もし我々が負けるような事になれば良くても・・・いや、どっちに転んでも

死ぬなど屁でもないくらいの恐怖を味わう事となるだろう。」

 「我ら『無頭竜(ノーヘッド・ドラゴン)』の名の下に」

 『『『『『力を持って。』』』』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「くそ!くそ!!」

 とある部屋に於いて達也が戦った相手森崎は怒り狂っていた。

 枕は羽が出ておりそこらかしこに物が散乱していた。

 ここは軍の所有物なのだがそれでもいきり立っていた。

 何も出来ずに敗北、然も自分が見下していた十校にだ。

 更に言えば他の面々も大体が十校に痛い目を見たのだ。

 「この屈辱・・・絶対忘れないぞ『藤原 達也』!!」

 その時見せた森崎の顔は・・・怒りで顔が真っ赤になっていた。




 次回はアイス・ピラーズ・ブレイク決勝。


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再戦

 あの時の借りを返す。


達也は栞のいる部屋に向かっているとその前に2人の第三高校生徒が見えたので

何だと思っていると2人は立ち止まってこう聞いた。

 「君が『藤原 達也』か?」

 そう聞いたのは高いルックスを持つ青年がそう聞くと達也はこう答えた。

 「ああ、アンタは確か三高の」

 「ああ済まない!自己紹介が遅れてたよ。俺の名前は『一条 将輝』だ。」

 「そして僕が『吉祥寺 真紅郎』って決勝で会ったから分かると思うけど

久しぶりだね。」

 そう言うのは小柄だが弱弱しい印象を感じない嘗て決勝で達也に勝った

青年であった。

 すると達也は真紅郎に向けてこう言った。

 「ああ、久しぶりだなってそれを言う為に来たのか?」

 達也がそう聞くと将輝がこう聞いた。

 「いや、十校がここ迄快進撃を成し遂げている原因がエンジニアだと感じて

彼女たちのセッティングを担当している一覧に君の名前があったからジョージ・・・ああ、真紅郎の渾名なんだけどちょっと聞きたいことがあってな。」

 「?」

 そう聞いて達也歯何だと思っていると真紅郎はこう聞いた。

 「藤原君、君は術式が見えるのかい?」

 「・・・そうだとしたら?」

 「認めるんだねっていや何もないさ。全ての知識と技術を用いて戦うのが

十校戦だからねってもう一つ聞きたいことがあるんだけど良いかい?」

 「・・・・・手短にな。」

 「一校の渡辺三年の事故をどう思っている?」

 「それを聞くとなるとお互い似たり寄ったりだろ?」

 「ああ、エンジニアなら猶更だね。僕も将輝に注意したけどお互いにね。」

 「ああ、それじゃあ失礼するぞ。クラスメイトのセッティングするんだ。」

 「うん、御免ねってああそうそう将輝も君に聞きたいことがあるって。」

 「何だ??」

 達也がそう聞くと将輝はこう答えた。

 「・・・俺達は明日からのモノリス・コードに出場するけどお前は?」

 そう聞くと達也はこう答えた。

 「ああ、俺も出場者だ。」

 「そうか・・・試合が待ち遠しいな。」

 「俺からしたら怖い限りだよ。」

 お互いにそう言って将輝達が離れると部屋から栞が現れてこう聞いた。

 「何ですか彼らは?」

 「ああ・・・何だろうな。」

 達也は少し歯切れが悪い感じでそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「決勝は栞対雫ちゃん。この戦いの内容次第じゃあ2人がどうなるかですね。」

 「うん、エリカは今決勝に行っているから僕たちが頑張って応援しなきゃね。」

 美月と幹比古がお互いにそう言っている間に・・・2人がステージに立った。

 すると雫が栞に向けてこう言った。

 「久しぶり。」

 「ええ。」

 「・・・今度は負けない。」

 「望むところです。」

 そう言ってスタートの合図が鳴った瞬間に・・・お互いに攻撃した。

 栞は先ずは様子見と言わんばかりに氷柱を攻撃しようとすると雫の魔法によって妨害された。

 すると雫も攻撃を開始して振動で氷柱を破壊しようとした。

 すると今度は栞もそれを防御した瞬間にある物を出した。

 「・・・銃。」

 そう、銃型のCADであった。

 よく見たらスピード・シューティングで使われていた奴と同じ物が

付属されていた。

 「(また!?)」

 雫はそれを見てヤバいと感じるがそれが・・・間違いであった。

 栞が攻撃したと同時に氷柱の一本が破壊された。

 「(マズイ!あれが来る!)」

 雫はそう考えていた。

 何せスピード・シューティング出のあの魔法がまたかと思っていたが

雫は考えもしなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 達也が魔法を作る事に関してトンでもない程の・・・魔法馬鹿だと言う事を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「もう一度!」

 今度は振動をかけて自身は2本破壊した。

 「(ヤッタ・・・違う!)」

 雫は一瞬勝ったかと思うがある事を見て違う事に気づいてしまったのだ。

 雫側の氷柱が付着した栞側の氷柱によって固まったかとも思いきや

再びジャミングが起きたのだ。

 「(またあの魔法!)」

 雫はそれを見て慌ててしまうともうここからは栞の独壇場となった。

 魔法の機能が低下されると待ってましたと言わんばかりに攻撃が苛烈して

防御しようとするとその防御魔法によって氷柱が・・・破壊されてしまったのだ。

 「何で」

 「それが分かる事はもうないでしょ。」

 栞の言葉と同時に試合が・・・終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「何よあれ・・・。」

 それを見ていた七草はそう呟くとあずさがこう言った。

 「恐らくですけどエイドスに干渉すると同時に防御の際に

自分の魔力を氷柱に送って破壊されると同時に付着して北山さんが防御を

発動すると魔法が発動して破壊されると言う感じだと思います。」

 「ええと・・・あーちゃん。それってつまりどういう事?」

 「つまりですね・・・あの魔法は相手が氷柱を破壊すればするほど

付着量が増えて余計に自分の首を絞めることとなる術かと・・・。」

 たぶんですけどとそう言うと七草は更に頭を抱えてこう呟いた。

 「それって完全にうちの詰みって事じゃいの~~。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「つまりあの魔法は・・・。」

 「そう、完全に魔法の速さを中心にしなければ突破できない奴だけど

それだけとは限らないよ。」

 「そうか・・・まあバトル・ボードはこっちが勝ったけど紙一重、

こっからさらに点差を広げない様にしないと」

 「うん、確実にうちが負けるかもね。」

 将輝と真紅郎はそう言って試合を見守った。




 次回はミラージ・バット


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ミラージ・バット。

 今回はミラージ・バットとモノリス・コードについてです。


ミラージ・バット。

 四人一組で予選6試合を行い、各試合で勝利した6人で決勝戦を行う。

 十校戦の中で最も試合数が少ないのだがそれで楽が出来る訳ではない。

 試合時間は15分を3セットしなければならず合計で45分と言う十校戦最長と

言われているほどである。

 更に言えばそれにピリオド間の休憩時間5分の三回分合計15分合わせて1時間と言う時間制限がないアイス・ピラーズ・ブレイクやモノリス・コードに

比べたとしても格段に違う。

 然も試合中は選手全員絶え間なく空中を跳躍魔法と重加魔法を使って空中に

飛び上がって移動したりしながら魔法を使う為その負担はフルマラソン並とも

言われている。

 スタミナ面に於いてはクラウド・ボールやモノリス・コード以上とも

言われているためインターバルと試合回数の少なさが良く分かる。

 第一試合の開始時刻は午前8時で予選は正午に終わる。

 決勝戦は午後7時で十校戦唯一のナイター試合である。

 それなら2日に分ければ良いんじゃないかと思われがちに聞こえるが

実はそうはいかなかった。

 ミラージ・バットは投影しているホログラム(立体映像)の球体を

スティックで打つ競技なのだが十メートル上空のホログラム球体を地上から

見分けなければならないため真夏の明るい陽射しで昼日中で行うことが出来ない為に朝と夜に分けたのだ。

 無論曇りだと良いのだがそれで試合をするのかを決めると言うのは

ちょっと不可能なので昼近い第三試合からは日除けとして上空にスクリーンを

搭載している飛行船が通るようにしている。

 その為この試合は確実に夜の方が都合が良いのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「先ずは私か。」

 エリカはそう言ってコスチュームを着ていた。

 薄手の服で体の線が際立つのだが何故か生々しさを感じないと評判な為

男性ファンが多いと言うのがこの試合の特徴である。

 そんな中でエリカはもう一人の相棒でもある選手で第三試合に出場する

『嵐城 皐月』と同じ部屋にいる。

 彼女の魔法は先祖返りで能力はレオンと同じ硬化魔法であるが

レオンは防御重視で使うのとは違い攻撃時に発動するタイプでよくお互いに

そのことについて話し合うなど仲が良い。

 そんな皐月はピンク色の髪をサイドテールにした頭をまるでお嬢様の如く触ってこう言った。

 「お~ほっほっほ!この私の活躍に恐れうやみなさい下民が!!」

 そう言ってまたお~ほっほっほ!と笑っているがエリカは馬鹿の相手は

無理だと思って部屋から出ていき試合に臨もうと考えた。

 そして試合が・・・始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「エリカちゃん大丈夫でしょうか?」

 「大丈夫だよ柴田さん。エリカはああ見えて努力家だしまさか初っ端から

あれを使おうとかは考えていないはずだよ。」

 そう言う間にエリカが飛んだ瞬間に・・・素早く得点が入った。

 「達也の奴、序盤だからって理由でソフト面を徹底的に軽量化して起動式を

少なめにしているようだけどそのおかげでエリカの魔法は他の皆よりも

速く仕上げているね。」

 「となるとあれが使われるのは」

 「うん。決勝戦だろうね。」

 幹比古と美月の会話が終わった頃には試合はエリカが余裕で勝ち抜いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 第一試合が終わると達也、レオン、幹比古はモノリス・コードの

準備をしていた。

 モノリス・コードとは一校4試合を予選として行い勝利数が多かった

上位4チームが決勝トーナメントに進出出来ると言う変則リーグを採用している。

 勝数が並んだ場合は不戦勝における失点や相手チームによる失格が無ければ

同じチームによる直接対決で決まるがあればそれらを差し引いて決める。

 直接対決が無い場合は試合時間の合計が短いほうから決勝トーナメントに

いけれるのだ。

 そして試合についてであるがフィールドと呼ばれる試合会場は

ランダムな場所となっており森林、岩場、平原、渓谷、市街地の5か所に

分けられており始まるまでお互いに何処かは分からないのだ。

 そして敵味方3人一組で魔法(遠距離オンリー)で戦いあい全滅するか

それぞれのチームが持つモノリスと呼ばれる巨大な黒い板を専用の無系統魔法で

2つに割る事で出てくる512文字の暗号を試合の担当者に転送して

答えが満点であれば試合が終了となる。

 この試合では攻撃、防御、遊撃の3人で構成されているため

モノリスを割る攻撃、モノリスを守る防御、全体の経過から

戦闘または囮もする遊撃となっており達也が攻撃、レオンが防御、

幹比古が遊撃となっている。

 「相手は一校、然も場所は岩場となると隠れる所は多いが移動の時間も

考えないとな。」

 「そうだな、こう言う時も考えて俺らって『登山部』で

山の稽古していたもんな。」

 「まあ・・・約一名体力がな」

 「悪かったねもやしで!」

 達也の言葉を聞いて幹比古が少しキレ口調でそう言うが体力のなさは

このメンバー一なので仕方がない。

 「そういや相手の中にお前がスピード・シューティングで戦った奴がいたな。」

 「ああ、だが関係ないさ。俺は俺のやれることをやるだけだ。」

 「そうだね、折角出場したんだから予選突破ぐらいは成し遂げよう!」

 「「おお!!」」

 幹比古の言葉を聞いて達也達は勢いよくそう言って・・・試合会場に向かった。




 『嵐城 皐月』は「聖剣使いの禁呪詠唱」に出てくる本人です。


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以外に相手って・・・。 

 一校対十校


「モノリス・コードの初戦は一校か。チョット厄介だな。」

 「ああ、幾ら嘗て買った相手だとしてもだ。気を抜くととんでもないしっぺ返しを喰らう事になるからな。」

 善吉とくじらがそう言って試合が始まる会場の映像を見ていた。

 岩場が多くある会場で達也達は既にモノリスに集まっていた。

 そして達也は作戦を告げた。

 「それじゃあ俺は幹比古の遊撃で相手の方向感覚が狂った隙に攻撃するな。」

 「ああ、任せてよ。古式魔法と現代魔法を組み合わせた新しい戦術で

アイツらを追い込むよ。」

 「それで俺はこいつでってか。」

 レオンはそう言って達也が作った試作武器一体型CADを見せつけた。

 そして達也は全員に向けてこう言った。

 「それじゃあ・・・行くか!」

 「「おお!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 試合開始のブザーが鳴ったと同時に全員が行動した。

 一校は全員総力を結集するような感じで突撃していくのに対し先ずは幹比古が

周りに精霊魔法で霧を発生させて周りを覆った。

 「これは!?」

 「気を緩めるな!ここで負けたら本当に俺達はピンチだぞ!!」

 森崎はそう言って慌てているメンバーを注意した。

 先の敗北で名誉挽回したいと言う思いで必死で耐えているのだが

霧が多い為に迂闊に動くことが出来なくなってしまっているのだ。

 すると・・・目の前で何かが光った瞬間に吐き気が襲われた。

 「うぐ・・・!」

 「何が・・・!」

 「吐き気が・・・!!」

 全員そう呟いて倒れるが森崎は何とか耐えようとするも足の膝が笑って

立っているのがやっとの状況であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『こちら『山』。足止め成功。』

 『了解山、『木凝り』は現在敵領土にあるモノリスを発見。開示する。』

 『『猫』も了解って何だこのコードネーム。俺達何かっこつけてんだ?』

 『良いじゃないかカッコよくて。』

 『そういう問題じゃないと思うんだけどね。こうやって精霊魔法を応用した

通信システムが無ければこう言うこと出来ないと思うって言うのは分かるけど何でコードネーム?』

 『こう言うタイプはコードネーム付けたほうがカッコいいんだよ。』

 『そんなものかねえ?』

 レオンはそう言って札から流れる通信を聞いていた。

 これは幹比古の魔法に応用して達也が作った魔法式を幹比古が

調整して作った通信システムなのだ。

 これにより媒体は札であるが間違いなく通信できるのだ。

 これは精霊における相互通信をベースにしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「勝っちまったって言うか一校ってあんなに弱かったか?」

 「十文字がいるアイツらが異常なだけだろうな。早く別の試合見に行こうぜ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「さてと、俺達は取敢えず勝ったが最大の相手が今回の試合にいる。」

 「ああ、『爆裂』の魔法を使う『一条 将輝』。

通称『クリムゾン・プリンス』。彼は3年前の沖縄侵攻に合わせて新ソ連

(新ソビエト連邦)の佐渡侵攻作戦の時に若干13歳で防衛戦に義勇兵として

参加して新ソ連を破った実戦経験済み(コンバット・プローブン)。」

 「それに確か『吉祥寺 真紅郎』って言う同じ13歳で仮説だったつう

『基本コード』の一つを発見して『カーディナル・ジョージ』っつう渾名を

貰っているよなってこれって達也が言ったほうが早い気がするんだが?」

 レオンはそう言って達也を見ると達也はこう答えた。

 「阿保言うな、あいつについて言うんなら俺は2時間ぶっ通しで言えるぞ。」

 「それは勘弁だぜ。」

 意味わからない言葉地獄は遠慮するぜとレオンは両手を上げて

降伏するかのようにしていた。

 何せ魔法式について達也が彼を知らないはずないのだから。

 「この試合で助かると言えば一条が『爆裂』を使えないっていう事だが」

 「そう簡単にはいかないだろうね。相手は十師族で然も経験者。

手札が其れだけなんてあり得ないよ。」

 「相手どっちまうことがあったらどう対処するんだ達也?」

 レオンがそう言って達也を見るが達也は・・・う~~んと唸りながら

頭を抱えていた。

 「何も無しかよ。」

 「しょうがないって言えばそこまでだけど何とか情報を集めなきゃね。」

 幹比古はそう言って今後の事をレオンと話し合っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一校では・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「また負け・・・もう何よこれ~~!!」

 七草はもういやあと言わんばかりに項垂れているがそれだけではなかった。

 「女子アイス・ピラーズ・ブレイクに男子スピード・シューティングは十校、

他の試合じゃあ三校が揃い踏みって何よこれ~~!!」

 うちいないじゃないのと頭を掻いているが確かにそうであろう。

 一校にも無論粒ぞろいの面々がいるが三校の実戦主義の風潮と

十校のとんでもない魔法の前になすすべもなく倒されているからだ。

 「三校は一条って言う経験者を中心に四十九院、一色家、

『カーディナル・ジョージ』がいるし十校は魔法式に関しては

天才と言わんばかりの『藤原 達也』を筆頭にまず間違いなく上位者ばかりが

軒を連ねているから対応が~~。」

 疲れたと言わんばかりに眠りたいと言っているが泣き言は言っていられないのが現状だ。

 このままでは三連覇という偉業など霞の如く消えてしまうと思っているからだ。

 「はあああ・・・何とかできないかしらねエ・・・。」

 そう言う七草の弱音は・・・誰も聞いていない。




 またもやミラージ・バット。


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ミラージ・バット②

 前回の続きです。


その夜。

 ミラージ・バットの新人戦決勝が行われた。

 陽はすっかりと落ちて空には星が輝き始めていた。

 それとは反面に湖からは照明の光で輝いていた。

 そしてもう一つ写っているのは・・・6人の少女達が空を舞っていた。

 そんな中である選手が・・・慌てていた。

 「あわわわ。」

 ・・・ほのかである。

 彼女は光井、つまり光のエレメントの家系である為光波から出てくる

僅かなエイドスを感知できるため予選等ではこれで勝ち進めていたのだが・・・

相手が悪かった。

 「ほい、こっちね。」

 「ええ!何で分かるんですかァ!?」

 「自分で考えてねえ。」

 「そんなーー!!」

 エリカがほのかよりも先に光球を取っているために一足遅くなっているのだ。

 何で反応したのは自分なのに先に取れるのかと考え乍ら次に向かおうと考えるが

種は・・・これだ。

 「(甘いねえ、アンタの戦い方はチェック済みで如何言う能力なのかを

把握しているのよ。)」

 簡単な話、予選の試合での映像を基に達也達が対策を講じたのだ。

 それにエリカは反射神経に問題は無い事と獲物を持ったエリカの強さは

既に知っていることから対応はエリカに任せているのだ。

 そんな中、各校のエンジニアや観戦している選手たちが

歯や唇を嚙みしめていた。

 上限ギリギリと言う間違いなく自分たちと同じ土俵なのになぜ勝てないんだと

感じているからだ。

 そんな中一人のエンジニアがこう言った。

 「あれって空を・・・まさか飛行魔法を!?」

 それを聞いて他のエンジニア達もこう言った。

 「馬鹿な!あれは失敗した魔法だぞ!」

 「じゃあれって何なんだよ!あれは間違いなく飛んでいるぞ!!」

 「一体何がどうなっているんだよ!!?」

 「それよりも何であんな小さい起動式であそこ迄複雑な運動が出来るんだよ!」

 それを聞いて同じように見ている真紅郎がこう呟いた。

 「やっぱりあれは飛行魔法・・・これは間違いなく荒れるぞって

それどころか魔法社会にとんでもない嵐を引き起こしているね。」

 「ああ、恐らくは・・・アイツだな。」

 「モノリス・コードでも使うかな?」

 「多分な・・・その時の対策を考えなきゃな。」

 「うん、今回の事で分かったけど彼は恐らく既存のCADを2~3世代先の進化を

今行っていると思う。」

 「だったら俺達は・・・その先を行くしかないな。」

 「そうだな。」

 真紅郎と将輝はそう呟いて試合を見ていると・・・将輝がこう呟いた。

 「『千葉』か・・・凄いな。」

 「あれ?もしかして将輝ってああいう子が?」

 「余計なお世話だって何でそうなるんだジョージ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あーちゃん、あれって間違いない?」

 「はい、会長。あれは間違いなく飛行魔法の可能性が」

 「・・・・・。」

 七草はあずさの言葉を聞いて呆然自失となっていた。

 何せ未だ成功例が上げられていない魔法が成功している光景を目撃したからだ。

 するとあずさが名簿を見てこう言った。

 「それとやはり彼が担当でした。一応バックアップと書かれていますが

恐らく彼が。」

 「もう最悪よ~。どんだけこの子頭が良いの~~・・・・。」

 魔法理論に関しては確かに自分もそれなりと思っていたが上には上・・・

然も間違いなく頭3つ分超えているほどの天才が今目の前で壁となって

立ちふさがっている。

 その光景はまさに想像通りであろう。

 すると同じく同席している・・・十文字がこう言った。

 「然しこの男の知識は最早一生徒程度では測れないぞ。森崎にも勝てた男だ。

このままいけば十師族も黙ってはいないだろうな。」

 「・・・そう思う?」

 「何だ七草?その言い含みは?」

 十文字は何だと聞くと七草はこう答えた。

 「今までね、十師族とか師補とか千家とかにはね十校の出身が結構いるんだけどその人たちの殆どが・・・自分たちの上層部とかや下手したら当主ですら

倒せた人たちがいるって知っているわよね?」

 「・・・ああ、俺の家にも同じ人間がいて当主を倒した奴がいたが。」

 「その人たちが勝った時後を継いだ?」

 「・・いや、こう言っていたな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『俺は当主になるために強くなった訳じゃない。

俺が俺として強くなったのを見せつけたかっただけだ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「他の家も同じようでねえ・・・一般会社に就職したり研究員になったり

軍や警察に行ったり中には国家の内部や独立して

会社を運営していたりする人たちがいるのよねえ。」

 「そう言えば『十神』の家・・・さっき言っていた奴だが

仲間と共同で会社を作る計画をしているんだ。」

 「へえ・・・どんな計画?」

 「詳しくは聞いていないが彼曰く『俺みたいに魔法力が少ないとかって理由で

弾かれている奴らが世界中に何万人もいるんだ。だからそう言う奴らを

少しでも救いあげて自分に自信を付けさせたいんだ!‼』っと言っていたな。」

 今は資金集めと言って仲間達とバイトしているようだがなとそう言うと

七草はこう呟いた。

 「凄いのねえ・・・その人たちって。」

 「ああ・・・俺達みたいに協会が認定しただけで選ばれた人間だと

言っている馬鹿どもに聞かせてやりたいほどだ。」

 十文字はそう言うがこう続けた。

 「だが今はそれどころじゃない。今後の対策を考えて」

 「失礼します!」

 「何だ。」

 十文字は突如現れた生徒に向けてそう聞くと生徒は息も絶え絶えであったが

こう答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「「森崎達が・・・負傷しました!!」 

 「何だと!!」




 事故の後。


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事故の情報

 一校又もや事故る。


「一校が全員負傷って一体何があったんですか会長!」

 「ああ!俺達も今報告が入ったところなんだがどうも事故って話なんだが

映像を見る限りそうじゃないって話だそうだ。」

 「映像?」

 「取敢えずこれを見てくれ!!」

 達也は司から映像で事故の時に何があったのかを見せるとそれは・・・

酷いものであった。

 如何やら一校は四校相手に戦う予定だったのだがどうも試合が始まると同時に・・天井が壊されてビルが崩壊してしまったようだ。

 それを見て達也は口元を片手で覆うような感じでこう聞いた。

 「これって相手は大丈夫何ですか・・?」

 そう聞くと近くにいるくじらがこう答えた。

 「ああ、重症で然も市街地フィールドだったからな。軍用の防護服を

着ていたとしても分厚いコンクリートに押しつぶされるような感じで

落ちて云ったからな。立会人の加重軽減魔法で何とかなったらしいがそれでも一校は間違いなくここで終わりだな。」

 四校もだけどなと呟いたが達也はこう思っていた。

 「(まただ、一校ばかりにそれもよく考えてみたら配点が

多い奴ばかりじゃないか?バトル・ボードじゃあ渡辺選手が七校の選手に激突して

今度は四校に??これは只の偶然にしちゃあ・・・)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「出来すぎだと思ってんだろ達也?」

 「!?」

 達也はそれを聞いて驚くがくじらはこう続けた。

 「正直な所渡辺さんの時は魔法の不発動って言うのが他の連中の反応らしいが

お前の意見と今回の事故を照合させるとどう考えても運営側にこれを仕掛けた奴が混じっていることになるな。」

 「・・・通報したほうが良いでしょうか?」

 「いや、やめとけ。もし言ったとしても信じないだろうし信じたと言って

通報されて逃げてもしたらそれでこそ取り返しがつかねえからな。

確実な時を狙うんだ。先生たちにはアタシが報告しておくぜ。」

 「・・・宜しくお願いいたします。」

 達也はそう言って部屋から出て行ったのを見てくじらはこう呟いた。

 「さてと・・・報告するか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「以上です、先生方は何か意見とかはありますか?」

 くじらはダンブルドア先生たちに向けてそう聞くも先生たちは

只々黙って聞いた後にリリーがこう言った。

 「成程ね、それならこの事件の裏に何かあるのかを突き止めるべきね。」

 「ああ、このままじゃあ生徒たちにも危険が及ぶ可能性があるからね。

なんとかしないと。」

 リリーの言葉を聞いてジェームスもそう答えるがルーピンがこう言った。

 「だけどどうやって見つけるんだ?実行犯はどうやって魔法を

操作しているのか、そして一体誰なのか??」

 「となれば検査室の誰かと言う事にもなるがあれは交代制で誰もが

出入りできる。」

 ルーピンの言葉に続いてスネイプもそう言うと・・・

ニュートが自分の考えを口にした。

 「それだったらあの子を使って見るのは如何でしょう?

あの子なら鼻が利きますから。」

 「それは駄目よニュート。あの子達を外に出せば十校が危険になるわ。」

 ニュートの言葉を理解してかリタが止めに入った。

 そして先生たちが討論する中でダンブルドア先生がこう言った。

 「兎にも角にも今大事なのは生徒たちを守ることじゃ。今回の事故で

モノリス・コードそのものが中止されてしまうと言う話じゃが黒神君は

どう思うんじゃ?」

 ダンブルドア先生がそう聞くとくじらはこう答えた。

 「今回使われた魔法は『破城槌』と言う破壊魔法です。スタート地点が

丁度廃ビル内部であったこととフライングを防止できなかったことに

運営委員は戸惑っているという話ですがこの流れですと市街地以外のフィールドで行う事があるかもしれません。」

 「ちょっと待ってよ!下手したら死者が出てたはずなのに

何でそこまでして!?」

 ニンファドーラがその言葉を聞いて驚くがフレッドがこう答えた。

 「そう言えばこの大会って色々とバックに企業が絡んでいるんだったよな。」

 それによるものだなとそう言うのを聞いてニンファドーラは頭を抱えているが

取敢えずとダンブルドア先生は全員に向けてこう言った。

 「当面の間は選手一同及びエンジニアは職員による点検が終わったら

すぐ様にエンジニアにデータの洗い出しをするように徹底させておくのじゃ。」

 良いなと言って全員取敢えずは返事をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃の一校。

 「済まなかった。一応は事故調査委員会を発足させるべきだと運営委員会に

報告したのだが。」

 「仕方ないわよ十文字君。こればかりはどうしようもなかったし

それにこれでうちの三連覇どころか3位以内なんて夢で終わったも同然よ。」

 七草は十文字に向けて慰めるが本人は矢張り悔しかったようだ。

 そして七草はこう続けた。

 「森崎君達が入院する代わりに摩利の退院が決まったけど其れでも無理は禁物で当面は応援に専念ね。・・・これって偶然だと思う?」

 七草がそう呟くと十文字はこう答えた。

 「ああ、どう考えても不自然すぎる。まるで俺達が勝つことに

邪魔立てするようにな。」

 「そうなるといったい誰が。」

 「分からないが犯人が分かり次第・・・制裁するのみだ。」

 十文字はそう呟いて拳を握りしめた。

 未だ見ぬ犯人の顔を思いながら。




 次回も頑張るぜ!


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十校対八高

 森の中でバトル!


横浜にあるホテルの最上階。

 「首尾はドウダ?」

 「予定通りだ。第一高校はモノリス・コードを棄権した。」

 「あの種目はポイントが高い競技だからな。これで一校は消えたも同然であるが

問題は十校か。」

 「そっちはもしもに備えて見張っている。何かあればアクションを取れば良いが

今は三校が有利であるから心配はないさ。総合優勝で優勝させればいいからな。」

 そう言って会議を閉めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてその頃の達也達はと言うと・・・。

 八高相手に森林でバトルこととなってしまった。

 八高は他校の中に於いて最も野外実習に力を入れており相手に

こっちが不利であると・・・十校はそう思っているであろうと思っている

人間は直ぐに帰ったほうが良いと思う。

 そんな中で達也は自己加速魔法をかけてディフェンスの右側面に向かっていると

すぐ様に相手が銃型のCADの銃口を向けるが・・・

達也はスピード・シューティングで使ったCADを背中からからった状態で

放つと・・・信じられない事が起きてしまった。

 何と相手が放った魔法が・・・其の儘達也ではなく自分自身に当たったのだ。

 

 

 

 

 

 

 「何だアレハ!」

 「術式をミスった?」

 将輝と真紅郎が互いの意見を述べるが弾き飛ばされた選手を一瞥すると

達也はモノリス・コード割った後直ぐ様に離脱した。

 

 

 

 

 

 

 「また離脱した。」

 「何でだろう?」

 「あそこなら直ぐに打ち込めるはずなのにね。」

 それを見てほのか達がそう言っていると隣から・・・声が聞こえた。

 「多分だけどあれはワザと開けたのよ。」

 「「「会長!!」」」

 「ああ、大丈夫よ。気にしないで。」

 七草がほのか達に向けてそう言うとこう続けた。

 「さっきの事なんだけど恐らく彼は陽動ね。」

 「陽動って・・・けどどうやってモノリス・コードを?」

 ほのかがそう聞くと・・・雫がこう呟いた。

 「そう言えば幹比古さんって吉田家・・・陰陽師の家系。」

 「それって・・・精霊経由でモノリス・コードの情報を読み解くって事!?

それって可能なの!?」

 雫の言葉を聞いてエイミィが驚きながらそう言うが七草がこう返した。

 「理論上は出来るわよ。精霊の力を使って隠密行動する魔法師も

いるんだから。」

 忍者が良い例えねとそう言うが七草はこう続けた。

 「それにしても本当に理想的な組み合わせね。他の試合でも見ていたけど

陰陽道に通じていて精霊の扱いに長けた吉田家、アイス・ピラーズ・ブレイクではその硬化能力を生かして氷柱を守り切っただけじゃなくてそれを生かして

氷柱をぶつけて破壊した西城君、そして無名でありながらも幾つもの

新魔法を作ってその半分近くが≪インデックス≫に記載されることを許された

藤原君、彼が攻撃を担当して相手を翻弄し、西城君がその防御能力で守備、

精霊魔法を巧みに使う吉田君が遊撃ともなるとうちが負けるのも無理ないわね。」

 それは向こうもだけどねとそう呟くとこう続けた。

 「本気でうちもこう言う実力者を魔法の実力に限らずにゲットしたいものね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ふー、相手の魔法が弱い奴で助かった。」

 達也は走りながらそう呟いて例の魔法の感触を思い出していた。

 「完成して速攻で実践投入したけどうまくいったぜ

≪術式変換(グラムチェンジ)≫。」

 そう、今の相手の魔法のミスは・・・達也がやったのだ。

 達也は子供の頃から魔法式が見えていたためそれを最大限に活用しつつ

相手の魔法を乱せないかで開発した魔法なのだ。

 内容はシンプルだ。

 相手が魔法を発動すると達也の持つ特殊魔法によって魔法式その物を

バラバラにしてその後無理やりその魔法式を滅茶苦茶のまま再構成させることで

相手の魔法が酷い状態となってしまう為先ほどのようになってしまうのだ。

 「さてと・・・向こうはどうかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 達也がそう呟くとその頃の十校のモノリス・コード付近でも戦闘になった。

 オフェンスの一人がレオンの前に立つや否やレオンは腰に差してある

達也特性新型CAD命名「小通連」を構えると木陰から新手が現れた。

 オフェンス2人掛かりでレオンを叩こうとする考えなのだが・・・

そうは問屋が下ろさなかった。

 「があ!?」

 「何!?」

 木陰に隠れていた一人が突如雷の様な魔法に当たって失神するとレオンが

もう一人に向けてこう言った。

 「よそ見厳禁だぜ!!」

 「しま・・・ウワアアアアアア!」

 もう一人はレオンが放った「小通連」の刀身が放たれたのを見て驚くが

其の儘倒された。

 そして・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「勝ったわね。それにしてもあんなCADを使うなんて一体誰が

作ったのかしら?」

 七草はそう呟いてそこから出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「さてと将輝、十校の選手はどう見る?」

 真紅郎がそう聞くと将輝はこう答えた。

 「正直なところ小手技の多さとバランスの良さがアイツらの強みだろうな。

見た感じは地味だけどそういうのが意外と危険だからな。」

 将輝がそう答えると真紅郎もこう続けた。

 「そうだね、地味に見えて意外と攻撃的。将輝も同じタイプだけど

パワータイプだからね。」

 「だからこそ・・・頼むぞ。ジョージ。」

 「分かってるよ将輝。僕たちは必ず勝つさ。」

 「そうだな。」

 そう言いながら今後の作戦会議をする一行であった。




 次回も同じです。


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病院にて。 

 試合は短かった。


十校が次に戦っているのは二校。

 場所は平原の為お互いに見えやすい場所なのだが・・・そんなのお構いなしと

言わんばかりに今回は幹比古が主体で攻撃した。

 幹比古は精霊魔法を中心にして草結びを作らせて相手を転ばせたりして動きを

封じると同時に達也が魔法を使って酔わせたりレオンが「小通連」で叩き潰して

失神させた後にヘルメットを脱がしていた。

 これにより試合出場が出来なくなると言うルールがあるのだ。

 そして達也がディフェンダーに向かって行くと相手が魔法を使おうとしたその時に達也は懐から・・・お札を出してきた。

 そしてそれを空高く飛ばすと相手がそれに目を向けたその時に・・・

雷が落ちてきた。

 「うおわ!?」

 相手はいきなりの攻撃で避けた次の瞬間に・・・レオンの「小通連」が

相手の意識を奪った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あらもう終わったわ。」

 「ここ迄行きますと・・・相手が可愛そうですね。」

 七草とあずさはそう呟いて試合を見ていた。

 暇になったので見ているのだが拍子抜けも良い所であった。

 あそこ迄コンビネーションが良すぎると逆に速く終わってしまうからだ。

 「本当に相性が良いのね。ここ迄行くと優勝とかが見えてきそうだねど・・・」

 「このままいけば決勝で三校相手となりますが相手は十師族。勝てるかどうか」

 「おまけに従軍経験あり。どっからどう見ても三校の勝ちは決まりよねえ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「何だミキったら。昔通りジャナイノ。」

 「え?何が昔通りなんですエリカちゃん?」

 思わず漏らしたエリカの独り言を聞いて美月は何が何ですと聞くとエリカは

こう答えた。

 「別に~~。」

 「もう!エリカちゃん!!」

 「そうよ!私にも説明してよ!!」

 それを聞いて皐月もそう聞くがエリカは知らん顔で幹比古を見ていた。

 これまでずっと幹比古を見ていたエリカから見て大丈夫だなと

考えているからだ。

 「(ミキったらあの時無意識に見えたけど実際は意識して《視覚同調》を

やっていたわ。《天才少年》だって呼ばれたあの時に戻っているように見えるけどあの時よりもスムーズに魔法が使えるじゃない。・・・もう、心の傷が

癒えているんだね。)」

 嘗て幹比古は天才少年であったが故に天狗のようになっており一族は

その力を使って強力な精霊の声を聴いて自らの手駒にしよと考えていたのだが

あまりにも巨大すぎた力であったが故に幹比古はその力に飲まれてしまい

その反動でうまく魔法が使用出来にくくなってしまったのだ。

 そして時を経て十校に入学して・・・全てが変わった。

 自身ですら体験したことすらない精霊魔法。

 自分を自身としてちゃんと見てくれている教師に生徒。

 新しく出来た・・・本当に大切な友達。

 それらが合わさったお陰で幹比古の心に強く刻みつけられた傷を・・・

癒してくれていたのだ。

 「(ミキったら多分無意識ねあの表情は。未だ気づいていないようだけど

それに気づいて今後どうするのかを決めて・・・去っても皆

何も言わないわよ。)}

 寧ろ笑って送ってくれるはずよとそう思いながら幹比古を見続けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「さてと、トーナメントの組み合わせだが準決勝前半が三校対八高。

後半が俺達と九校って具合だが・・・等々ここ迄来てしまったな。」

 「だな、ここ迄くりゃあ後は優勝までぶっちぎってやるぜ!」

 「そう簡単にはいかないと思うけど・・・それでも出来ることは

やっておきたいね。」

 達也はそう言いながら昼食を達也の自室で摂っていた。

 ここなら作戦会議に丁度良いしスタッフの誰かが犯人となると

作戦を聞かれないで済むからだ。

 そして昼食が終わってランチボックスを持っていると・・・エリカを見かけた。

 何やらそわそわしている様子であったが何だろうと思って幹比古に

耳打ちして・・・隠密用の精霊を使って尾行しようぜと提案して

其の儘向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ここって確か・・・病院だよな。」

 「となると一校の渡辺さんのお見舞いか?」

 「エリカに限ってそれは0だね。」

 隠密用の精霊を使って尾行・・・基出歯亀根性丸出しで達也達がエリカに

着いて行った先は病院であったため可能性を言うが幹比古によって却下された。

 そしてそのままこそこそした様子で向かって行くと病院の向こうで

ある人影がチラリと見えた。

 それは男性で身長的に言えば達也よりもちょっと上程度。

 然し細身で在りながらも鍛え上げられた肉体を見るに恐らくは

何かしらの武術経験者じゃないかと思う肉体を持つ美青年であった。

 すると幹比古がその青年を見てこう言った。

 「あれってもしかして修次さん?」

 「誰だその人?」

 レオンが幹比古に向けてそう聞くと幹比古はこう答えた。

 「うん。修次さんだよ。《千葉の麒麟児》って呼ばれていてね。剣術に関しては千葉の中で最も強い人なんだけど同時に異端児って呼ばれていてね。

色んな技を会得しているんだ。」

 それを聞いてへーと言うと修次と言う男性がエリカに向けて

何か言っていると・・・エリカがこっちを見て何やら手招きしているが・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あれって・・・怒っているよな。」

 「ああ、怒ってるな。」

 「達也のせいだからね。」

 そう・・・完全に怒っているのだ。

 頭に怒りマーク出ているような感じで

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「それで・・・何か言う事は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「「全部達也の提案です!!」」

 「ア、こら手前ら!?」

 「アンタらどっちも全員ギルティじゃーーーーーー!!」

 「「「ごめんなさーーーーーーい!!!」」」




 この時病院に於いて3つの打撃音が聞こえた。


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病院に於いては静かに

 病院では静かに活動してください。


「なあエリカ。お前もいい加減に納得してくれ。俺は摩利と真剣に」

 「へえ、そう言えば兄上は確か来週までタイで剣術指南の為の

ご出張だったはずですけど何ででしょね~~?」

 「いや・・・それはエリカの言う通りなんだが無断で帰国した訳では」

 「そうですかそうですか~~。日本とタイとの外交にも深くふか~~く関わる程の大事なお勤めを中断しなければならない程の重要なご用件の為に

態々高校生の競技会の会場などにおられるのでしょうか~~?」

 「いや、外交ってそんな、大袈裟な。・・・任官前の士官候補生同士の親善交流で大学生の部活の一環」

 「兄上!士官候補生とはいえそれでも国から直接命令された重要任務を放棄して

怪我したあの女に逢う等昔の兄上でしたら」

 「摩利は俺にとって大切な女性だ!それに俺を堕落したとか

言う奴がいるかもしれないが俺はそうとも思わない。新しい剣術を取り入れることで今まで見たことがない景色や可能性が見えてくるんだ。常に剣術とは己を磨くために必要な物は取り入れるからこそ今に至るんだ。それに今回の事だって摩利が

怪我をしたと聞いていてもたってもいられなかっただけ。」

 「それでもこの外交は千葉家の今後を左右するほどですよ!これで我が家に

不祥事が起きましたらどう責任を取るのです!!」

 「家は関係ないだろう!!」

 「関係あります!《千葉家の麒麟児》とも呼ばれた貴方が私用で帰るなど

軍にも顔が利く我らなら未だしも他の人間でしたらどの様な処分になるか

考えたことがありますか!?」

 「だから家は関係ないって」

 「大ありです!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ここ病院だよな?」

 「ああ、こんなに大声出されると迷惑だよな。」

 「ああもう・・・お医者さん達が来てるよあれ。」

 達也達はそう呟いてエリカと修次の喧嘩を見物していると何やら医者が来たので達也ははあと溜息付きながら・・・CADをエリカ達に向けて放射した。

 すると・・・エリカ達はそれを諸に浴びて倒れた。

 「あれ・・・?」

 「何だ・・・気持ち悪い。」

 エリカと修次が互いに倒れてしまうと達也は2人に向けてこう言った。

 「ハイハイ、取敢えずここは病院だから静かにしておけよ。

医者も来ているんだから大人しくしろ。喧嘩は外でゆっくりやれば良いしな。」

 それを聞いて2人は何やら目元を伏せながら俯くが達也はこう続けた。

 「そんじゃあ早く部屋に入れ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「大丈夫か摩利!?」

 「シュウ!?何でここに?タイに行ってたはずなんじゃ!?」

 「君が怪我したって心配になって来たんだ。」

 「そんな・・・済まないな。こんな風になって。」

 「いや良いさ。君が無事なら。」

 「シュウ・・・///////」

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あのアマ。」

 「落ち着けエリカ。折角のいい雰囲気を乱そうとするなよな?」

 「そうそう、エリカ修次さんが摩利さんに盗られたからって

目の敵にしなくても。」

 「へえ、こいつもしかしてブラコ」

 「レオン・・・それ以上言ったら・・・分かるわよね?」

 「・・・おう。」

 レオンが言いかけた瞬間にエリカからの凄みに押されて言葉を言わなかったが

もし言えば・・・三途の川は決まったようなものだからだ。

 すると摩利はエリカに向けてこう言った。

 「そう言えばお前《ミラージ・バット》の試合を見たが凄いじゃないか。

優勝おめでとうな。」

 「はん!アンタに言われなくてもあの程度どうってことないわよ!」

 「いやお前凄い事だぞ。それと・・・藤原君だったな。

準優勝とはおめでとうな。それに西城だったな、三校の一条相手に

あそこまで粘ったのはお前が初めてだぞ。」

 「いやあ、それほどでもって言うか。」

 「鼻の下伸ばすなレオン。」

 エリカがそう言ってレオンの腹を肘で強打させた。

 「それに久しぶりだな吉田君。君の活躍は中々だったぞ。

特に《クラウド・ボール》であの立ち回りもだが《モノリス・コード》では

大活躍じゃないか。」

 「いやあ、僕がここまで来れたのは皆のおかげですよ。十校に行かなかったら

今のようにはいきませんでした。」

 「そうか・・・本当に変わったな。」

 摩利はそう言って幹比古に笑みを浮かべていた。

 道場の関連で昔来ていたのか多少なりとも縁があったので心配していたのだが

それは杞憂であったなとそう思っていると摩利はこう言った。

 「そう言えばもうすぐ三校の試合が始まるからここで見ておけ。

暇つぶしにはなるしアドバイスできるならしておきたいしな。」

 「良いんですか?そんな事をして?」

 幹比古がそう聞くと摩利はこう答えた。

 「ああ、もうこっちの試合はないしな。それに暇つぶしの話し相手が

欲しいしな。」 

 そう言うと達也がこう言った。

 「それじゃあお話しするのでしたら俺から。」

 「?」

 「・・・あの事故についてです。」

 「・・・何?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 数分後。

 「以上が俺の考察になりますけど何か質問は?」

 「いや、寧ろ確かにと感じた処だ。そう言う絡繰りとなると

今回の森崎達も!?」

 「可能性は高いですね。取敢えず他の選手に対して警告を。

何せあなたの言葉でしたら皆納得がいきそうですから。」

 他人よりはと言うと摩利はこう返した。

 「ああ分かった、真由美に言っておこう。あいつならば説得力があるからな。」

 「然し一体誰が・・・!」

 修次はそう言って手を握りしめていた。

 もし相手が分かったら直ぐにでもと・・・そう思っているようであった。

 すると達也がこう続けた。

 「取敢えずは今の話は信用できる選手以外は喋らない様にして下さい。

進展があったら話しますので。」

 それではと言って達也達は出て行った。




 次回は対九校


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十校対九校・・・試合は短かった。

 試合が短く終わるって・・・九校って弱いの?


 第9校との試合は「渓谷ステージ」

 そこはくの字に曲がった池と川の様な場所で水が流れているため場所と魔法次第では不利な状況に陥られることもあれば有利な状況にする事も可能なのだ。

 そしてそれは最も精霊とコンタクトが取れる幹比古にとっては独壇場とも

言っても良い場所でもある。

 そして幹比古は魔法を使って霧をフィールド全体に張り巡らさせた。

 最初試合状況が分からないとブーイングを垂れ込む観客が何人かいたが

殆どの選手たちは苦い顔をしてその光景を見ていた。

 何せあそこ迄霧を発生させるだけでなく長時間の間維持させるとなると

難易度が高い事も知っているからだ。

 然もこの霧は達也達には目視で確認できるくらいに薄めにしているが敵型の場合は厚くそれでこそ目視であっても確認できない程の厚さを与えており見える事も

出来ないのだ。

 霧を吹き飛ばそうと風を使ったり気温を上げて飽和点を上げたりと

色々としているようであるがそれでは無理だ。

 吹き飛ばそうとしても代わりに流れ込んでくる空気までが

霧にしてしまってしまう為余計に厚くなり飽和点を上げたとしても

湖からの蒸発を促進させて不快指数を上昇させる程度にしかならない。

 この霧を発生させているのは『結界』によって引き起こされた現象に過ぎない。

 古式魔法によって発動されている霧は飽和水蒸気量にも支配されずに

空気中の水分をも併せ持って作られているために彼らが行っているのは

ただ単なる労力の無駄である。

 おまけに十校にいたことによるものなのかどうかは定かではないが

厚い方には時には草木を操作させて転がせたり音を出させたりしたり

不快指数を上げてくれたおかげで相手の水分消失を速めさせたりも出来るのだ。

 その為か相手選手の中にはへとへとになって樹に背を預けるような感じで倒れたり視界が効かずにその分聴覚や嗅覚が発達してしまったがために

恐怖心の為か動きが制限されると言った事が度々と起こっているが

達也達はそんなの知らんと言わんばかりにするすると誰にも会うことなく

ディフェンダーの背後に回ってモノリスを割った。

 するとそれに気づいたディフェンダーは何事だと思いながら周りを見るも

霧のせいで放った達也の居所が分からないため慌てながらも敵がいないか

確認しているのだが既に放たれている幹比古の精霊がモノリスのコードを見て

それを視覚共有で見ている幹比古に送信されているため第9校は十校の姿形も

見れずに戦闘もないままに負けてしまったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 モノリス・コードの決勝は三位決定戦が終わってからの午後三時半に

開始されることが決まったためそれぞれ一時間間に集合することと引き換えに

自由時間となった。

 達也は他のエンジニアと共に選手のCADをチェック。

 レオンは少し食堂で腹ごなししてバスの中にあるベッドで

ひと眠りしてくると言った。

 最初にここに来た時に乗ったバスにはベッドがあったため小休止の際にはここで寛げる様になっているのだ。

 そして幹比古は屋上に行って風に当たってくると言って

ホテルの展望台にへと向かって行った。

 霊峰富士は魔法的な巨大な力が集積されているためその息吹を感じたいのだ。

 序にだが幹比古の家吉田家は神祇魔法は神道で細かく分類すると

地祇(国津神を祀るタイプ)に属しているため霊峰富士との相性が良いのだ。

 そして展望台に着くと既に先客がそこに立っていた。

 それは・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あれ?壬生先輩?」

 「君は確か吉田君よね?」

 壬生が木刀を振っていた。

 どうしたのと聞くと幹比古はこう答えた。

 「僕は霊峰富士を見に・・・先輩は?」

 どうしたんですかと聞くと壬生はこう返した。

 「私はミラージ・バットに備えて精神集中も兼ねての特訓。」

 そう言って壬生が素振りを再開すると幹比古がこう聞いた。

 「もう直ぐですね。」

 「ええ・・・本当に心残りなんだけどね。」

 「?」

 何でですかと聞くと壬生はこう答えた。

 「本当なら渡辺さんと一戦交えたかったわ。正々堂々とこの大観衆の前で

競い合いたかったんだけど其れもパア。おかげでバトル・ボードは

棄権しちゃったからこの試合だけは・・・ちゃんと優勝したいの。」

 最初の我儘聞いてくれたからねとそう呟くと壬生は木刀を下してこう言った。

 「貴方はさ・・・私みたいに後悔しちゃあ駄目だよ。」

 後が辛いからねとそう言って展望台から出ようとすると幹比古が

壬生に向けてこう言った。

 「あの!・・・こんな事言うのは何なのかもしれないけど僕は壬生先輩があの時勝っていたって分かっています!!だってあんなに必死になって練習しているの

僕たち知っているんですから!!」

 そう言うと壬生は頬を掻いてこう呟いた。

 「ありがとう・・・決勝の相手は一条と吉祥寺の最強タッグ。間違いなく

優勝候補だから・・・怪我しないでちゃんと帰ってくるのよ、勝って大怪我なんて

それでこそ皆心配するからね。」

 「・・・分かりました。先輩も頑張って下さい。」

 それを聞いて壬生はじゃあねと言って出て行った。

 そして残った幹比古は霊峰富士の息吹を感じながら決勝を頑張ろうと決心を

新たに誓った。




 絶対勝つと言う気持ちこそ大切だから。


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試合に向けて

 作戦会議は重要。


あの後幹比古は霊峰富士を見てからテントに戻ると既にレオンが入っていた。

 「よう、幹比古。遅かったな。」

 「あれ?レオンって確かバスに戻ってたんだよね?」

 「まあな、けどよ。折角の決勝ともなっちまったら寝れなくてな、こうやって暇を持て余す序に三校の連中の戦闘データを見ようと思ってな。お前も見るだろ?」

 「うん、そうする。」

 作戦立てなきゃねとそう言って幹比古もレオンと共に作戦会議がてら映像を

見ていた。

 そして暫くすると・・・達也も入ってきた。

 ・・・何やらバッグを持って。

 「あれ?俺が最初じゃなかったんだなってお前ら次の試合に向けて

作戦会議していたのか?」

 「まあな、お前が何時も作戦を決めていたからな。俺らも少しはなと思ってな。」

 「それに見るだけでも良い気晴らしになるからね。」

 レオン達がそう言って映像に集中している中で達也はそうかと言いながらも

映像を見た。

 「やっぱ強いな一条は。」

 「それに吉祥寺もね。見えない攻撃と爆裂魔法、後者は対人に関しては

ルール違反だけど水辺とか地面なら有効だから渓谷ステージとかだったら

正に独壇場だね。」

 「そうなると市街地エリアが除外されたことが痛いな。

あそこなら一条の魔法が最も制限されるからな。」

 「ああ、確かにな。建物の中に入っちまえば爆裂が使えねえからな。」

 「それでも手札を一つ削った程度だよ。準決勝を見たけど彼防御魔法も

一流だったしね。」

 「そうなると総出でとかは無理そうだな。」

 「ああ、だから奇策を使う。」

 「「奇策?」」

 レオンと幹比古は一体何だと聞くと達也は持っていたバッグからある物を

取り出した。

 それは・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「達也、それってもしかして・・・マントとローブ?」

 幹比古がそう言って目の前にある・・・二着を見てそう聞いた。

 マントは黒色。

 ローブは灰色で然もフード付きであった。

 すると達也がこう説明した。

 「こいつには魔法陣が織り込まれていてな。精霊魔法研究会と女生徒達協力の元編まれた服でな。刻印魔法と同じ原理で発動することが出来るんだ。いやあ、

間に合ってよかったぜ。こいつには着用した人間の魔法をスムーズに行う事が

出来るんだよ。」

 「へえそれって補助効果がちゃんとあるんだなって達也、

それってルール違反に抵触してねえよな?」

 レオンがそう聞いてきたのだ。

 ルールによれば徒手格闘戦禁止と違反魔法禁止、過剰魔法禁止と書かれているがこれはどうなんだと聞くと達也はこう答えた。

 「大丈夫だ!試合前のデバイスチェック時には提出するし

それに魔法陣を織り込まれた衣類の着用不可なんて書かれていないしな!!」

 「・・・もうこいつのグレーゾーンに両脚突っ込むこの感じには慣れたぜ。」

 「・・・僕もだよ。」

 レオンと幹比古はそう言って達也を見ている中で達也はこう続けた。

 「まあ、駄目だと言われたら言われたで靴にぶち込んだり

手袋にそれとない感じで付けて誤魔化せたりも出来るように準備万端だ。」

 「服が駄目なら靴も手袋も駄目だろうがってそっちも用意してんのかよ!?」

 「もう嫌だこの人何考えて生きてんのか分からないよ!!」

 レオンと幹比古はもうこいつ末期だと言わんばかりに達也に向けて言うが

それでもしれっとしているのが達也クオリティーであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 三位決定戦が終わり決勝戦の使用ステージが草原だと分かって準備している中で三校の方は一条と吉祥寺がお互いにこう言っていた。

 「お前の言う通りだなジョージ。」

 「何言ってんのさ、僕がやったのはせいぜいこれまでの試合から統計学的に

判断した迄の事だよ。AIによる結果とは言えこれなら僕らの優位性は

揺るがなくなったね。」

 そう言っていると一条がこう聞いた。

 「なあ、遊撃を任されている吉田ってあの吉田家って事は分かるけど

藤原は聞いたことがないんだよなあ・・・間違いなくあの強さは十師族って

言われても俺は信じちまうぞ。」

 「うん、そう思って《藤》だから《二》の家系かなって思って

データバンクを使ったりして探していたんだけどそういうのはいなかったんだ。」

 「となるとエクストラって線はないと言って良いな。となると後は

本当に一般家系って事になる・・・のか?」

 「そうなるね、それであれ程の実力なんだからね。僕だって試合終盤になって

魔法が何故か使いづらくなったことに驚いたよ。あそこで点差を

広げていなかったら負けていたしそれに今回の試合の内の幾つかは

彼がエンジニアとして参加している競技が上位又は優勝しているから

彼は正に今回の十校戦のダークホースって言われても納得してしまうね。」

 「そいつが今俺達の目の前に立ち塞がっている・・・ここで勝たないと

総合優勝は出来るが新人戦優勝は間違いなく厳しくなるぞ。」

 「其れに彼もこの会場の何処かに一校を陥れたい人間がいるって

分かっているようだしこれが終わったら個人的に話してみたいな。

CADとか魔法関係とかで」

 「ああ・・・その前にこの試合は絶対に勝つぜ・・・期待しているぞ相棒!」

 「ああ、それは僕の台詞だよ!!」

 そう言ってお互いに拳骨をぶつけ合った。




 次回は試合開始なるか!?


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試合に向けて

 遂に・・・決勝戦が始まろうとしている。


そして決勝戦。

 本来ならば選手たちの登場に湧きだつはずなのだが十校が出てきた瞬間に・・・

何やら戸惑う人たちが続出したのだ。

 その理由はレオンと幹比古の・・・服装であった。

 「なあさ・・・やっぱおかしくねえかこの格好?」

 「何で僕たちだけ?」

 レオンと幹比古が達也に向けてジト目でそう聞くと達也は・・・

笑ってこう答えた。

 「何言ってんだよ?俺は前衛で攻撃役だぞ?そんなの邪魔なだけだしって言うか

お前ら本当に似合ってねえなwwwwww。」

 「手前これが終わったら覚えとけよ!」

 「絶対に変な服着させてやる!!」

 レオンと幹比古は達也に向けて怒り心頭でそう言うがレオンは溜息交じりで

こう続けた。

 「って言うかあいつの事だから絶対笑ってるぜ。」

 「ああ・・・笑うだろうね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「「エリカは絶対に爆笑しているぜ(よ)。」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「アハ( ̄∇ ̄;)ハッハッハハッハはハッハ!可笑し~~!!何あれ何あれ

ぶひひゃひゃひゃひゃはやひゃひゃwwwwwwww!!!」

 「エリカちゃん笑いすぎッて言うか皆さん見てますから。」 

 レオンと幹比古の予想通り・・・いや、大爆笑をしているエリカと

それを何とか止めようとする美月の姿がそこにあった。

 何とか止めようとするもエリカの大爆笑は更にエスカレートしているので栞達が代打みたいな感じでこう言った。

 「それにしてもあのローブとマントは恐らくですが藤原君の物で

間違いないでしょうね。」

 「だけど何だろうなあの服装。達也の事だから何か作でもあると思うけど

そこんとこ如何お思う善吉?」

 くじらがそう聞くと善吉は目を凝らしてこう答えた。

 「なあさ、あの服なんだけど幹比古の周りに精励みたいなのが

チカチカしてねえか?」

 『『『!?』』』

 それを聞いて霊子過敏症の面々が力を使うと司たちはこう答えた。

 「確かにな。幹比古の周りに精励が群がっているぞ。」

 「其れも相当量ですよ。一体何ででしょうね?」

 美月もそう言っていると鈴音がこう答えた。

 「そう言えば達也君。演劇部の先輩方に頼んで何か見繕っていましたけど

もしかしてあれですかね?」

 「・・・となると秘策有りと言った処か?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「なあジョージ。あれって一体何なんだ?」

 将輝が真紅郎に向けてそう聞くと真紅郎はこう答えた。

 「う~~ん。何だろうね??藤原君は僕の魔法がどの様な物か知っているから

その対策かもしれないけど今までのデータから推測すると彼が所持してくるのは

どちらもグレーゾーンど真ん中が多いって感じがするからあれも間違いなく

同じだと思うけどどうなんだろうね?」

 真紅郎はそう言ってレオンと幹比古の服装について考えていた。

 自身が得意とする魔法《不可視の弾丸(インビジブル・ブリット)》ならば

布一枚程度ぐらいどうって事もないがあれが其れだけとは間違いなく考えづらい。

 となれば間違いなくあれも何か細工が施されているかもしれないと睨んだ

真紅郎は取敢えず作戦を説明した。

 「まあ取敢えずは要注意だね。最初の作戦通りに将輝が藤原君、

僕が君の対決を守る取敢えずはガードマン役で遊撃役の吉田選手を抑える。

後は随時臨機応変に対応だね。」

 「ああ、何があるかどうか分からないが取敢えずはやる事は一つ・・・

優勝これ一本だ!!」

 「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 真紅郎と将輝が互いに健闘を祈ると達也達は円陣を組んでお互いにこう言った。

 「そんじゃま、ここ迄来てしまったがここで負けてもうちの新人戦3位以内は

間違いなしだ。それに総合的に見ても4位は間違いない。」

 「だけどよ、ここ迄来たら優勝っていうのには手を伸ばしたいよな。」

 「そうだね・・・ここ迄来たらそこまで欲張っちゃいそうだしね。」

 達也の言葉を聞いてレオンと幹比古がそう答えると達也は少しだが笑みを

浮かべて・・・大声でこう言った。

 「そうだな・・・やっぱり優勝しなきゃ始まらねえよな!!」

 「おお!」

 「うん!!」

 「手前ら!!勝つぞこの試合!!」

 「「目指せ優勝!十校に栄えあれ!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてそんな光景の中に・・・もう一つ驚きが本部席スタンドであった。

 「九島先生!この様な所へ如何なされましたか!!」

 本部席にいたスタッフがいつもならばVIPルームでモニター観戦している

九島老人が態々来賓席にやって来たのだ。

 いきなりの事で驚いている大会委員達が直立不動で立っていると九島は

こう答えた。

 「偶にはここで見るのも悪くないと思ってな。ああ、椅子とかは普通の物で

構わないよ。何も言わずに来た私に非があるのだからいつも通りにしてくれ。」

 『『『『『(無理だよそんな事ってそれも言えねえ!!』』』』』

 大会委員は全員内心そう思っているが言えばどうなるか考えたくないなと思い

口を噤んでいる中で九島は席に座ってこう思っていた。

 「(さてとあの時に私の悪戯に気づいてくれた子達が5人・・・

殆ど全員が戦うのだ。これはモニターではなく自分の目で見たいしそれにしても

十校は毎年ながらだが確実に進歩しているな。このままいけば

今年はもしかするかもな。)」

 今年は最後の日に優勝トロフィーを渡すこととなるかもしれないなと思いながら藤達也を見て更にこう思っていた。

 「(あの技術力と飽くなき探求心、そしてなによりもあの実力。内容次第では

彼もこちら側になるかもしれないが果たしてどうするのかねえ?)」




 次回!決勝戦開始!!


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十校対三校

 遂に始まった決勝戦。


試合開始の笛と共に両陣営が動き出した。

 将輝は達也。

 真紅郎は幹比古とそれぞれ自分と同じポジションの人間とガチ会った瞬間に戦闘が始まった。

 達也はCADをスピード・シューティングの時の奴と同時に通常型の汎用CADを

使っているのに対し将輝のは特化型CADを使用していた。

 達也の場合はスピード・シューティング用のCADを『グラム・チェンジ』に使って魔法の威力を削ぎつつ汎用型で攻撃しているのだが将輝の場合は一つのCADに

攻撃力その物を当てているために一撃一撃が決定的な打撃力となってしまう為

どうしても攻撃力に差が出てしまうだけでは・・・なかった。

 「(俺の魔法が無効、又は弱体化されている?・・・然も方向迄となると・・・

成程そう言う絡繰りか!)」

 すると将輝は達也に向けて攻撃しながらこう聞いた。

 「お前!もしかして魔法式が見えているんだよな!?」

 「ああ!今手が離せねえからこれが終わってから喋るさ!!」

 「なら無理やりでも聞き出す!!」

 そう言って更に攻撃が続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方そんな状況の中で真紅郎と幹比古も一騎打ち同然となっていた。

 だが幹比古だけではなくレオンも加わっていた。

 すると真紅郎がそれを見てこう言った。

 「僕に対して2人掛かりって結構厭らしいね!」

 そう言いながら自身の十八番でもある魔法『不可視の弾丸』を放った

その時に・・・放った先にいたレオンの前に黒い壁が立ち塞がって

『不可視の弾丸』を弾き返した。

 「な!?マントを使って防御した!!」

 あまりの光景に真紅郎は一時頭が真っ白になったが本能がそうさせたのか

どうか分からないがレオンの武器『小通連』の分離した刃を

ギリギリのところで躱しながらこう考えた。

 「(そう言えば彼はアイス・ピラーズ・ブレイクじゃあ硬化魔法を

使っていたっけ・・・いや待てよ!?)」

 ヤバいと感じたのかどうか分からないが真紅郎は加重魔法を使って

自身の体にかかる慣性を減らした瞬間に・・・風の塊が真紅郎に襲い掛かった。

 「(ああもう!そう言えば吉田家の彼もいたって事忘れていたよって

このコンビは早めに潰さないと!!)」

 そう思って幹比古に照準を合わせた。

 『不可視の弾丸』は相手に視線を合わせないと発動できないと言う難点を

抱えているためにそうしたのだがそれこそ間違いであった。

 すると幹比古の来ている灰色のローブを見た瞬間に照準が定まらなくなった。

 まるで視界が陽炎のど真ん中にいるかのようにぼやき始めたのでまさかと

思っていた。

 「(まさか幻術!一体どんだけ手札があるんだよ!!)」

 いい加減にしろと毒づきながらだがある事に気づいた。

 「(こいつ!タイミング良く!?)」

 レオンの『小通連』が目の前にあったのだ。

 ヤバいと感じた真紅郎はターゲットをレオンの『小通連』に合わせて放ち

弾いた。

 「(ヤバかった!この2人・・・強い!)」

 そうお思いながら攻撃を再開した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「凄いなお前!ここ迄粘るなんてお前本当に十師族じゃねえよな!?」

 「はあ!?俺は只のパンピーだよ!!」

 「そうかそうか!それなら俺も負ける訳にはいかねえな!!」

 将輝はそう言いながら今度は16もの魔法陣を展開した。

 その内の半分が地面に狙いを定めていた。

 「(地面・・・まさか!?)」

 こいつマジかよと思いながら達也は離れた瞬間に・・・地面が爆裂した。

 「これを避けるか!だけどこれで!!)」

 フィニッシュだと言いながら将輝は残った8つの魔法陣を達也に向けた

その瞬間に・・・魔法が発動しなかった。

 「な・・・んだこれ!?」

 将輝は何故だと思っている中で真紅郎ノあの言葉を思い出した。

 『試合終盤になって魔法が何故か使いづらくなったことに驚いたよ。』

 「こいつが其れかよ・・・そんな奥の手があるのかよ!!」

 けどそれならと将輝は彼も使えないはずだと思っていると何故か・・・

達也の姿が見えなかった。

 「ど・・何処って・・・・!!」

 将輝はどっちだと思って探していると上空に影が映ったのでまさかと思って

上を向くとそこで目に映ったのは・・・上空で狙いを定めていた

達也の姿であった。

 「よう・・・チェックメイトだ。」

 そう言った瞬間に巨大な・・・音波が将輝の頭上に諸に当たった。

 「あ・・・が・・・・!!」

 将輝はマジかと思ってぐらつくがそれでも・・・地面に膝をつけなかったが

達也は悪いなと言って降りてこう言った。

 「悪いな。ルール違反じゃあねえから使わせてもらったけどなかったら

負けてたわ。」

 そんじゃなと言って離れていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「将輝が・・・嘘だろ!!」

 真紅郎はそう言って将輝を見ていたが其れが仇となった。

 その間に術式を使って草原の草で真紅郎の足元に絡みついた瞬間に雷鳴が

真紅郎に襲い掛かった。

 「グああああああ!!」

 「今だレオン!ディフェンダーは僕がやる!」

 「サンキュー!おらああああ!!」

 レオンはそう言いながら『小通連』で真紅郎にぶち当てた瞬間に

レオンはディフェンダーを見ると・・・ニヤリと笑ってこう言った。

 「けどやっぱ俺も活躍しねえとなア!!」

 そう言いながらレオンは『小通連』を振って真紅郎に当てたまま・・・

相手のディフェンダー目掛けて返した。

 「嘘だろ!!」

 そう言いながら相手のディフェンダーは受け止めた瞬間に・・・吐き気が

襲い掛かった。

 「ア、悪い。一網打尽だなって思って。」

 達也がそう言って例の魔法で動きを止めさせた瞬間に達也がモノリスを開けると達也はまさかと思っての方に戻って行った。

 すると立ち上がりそうになっていた将輝を見てCADを構えてこう言った。

 「悪いな。俺達の勝ちで良いよな?」

 「・・・ああ、如何やらその様だぜ。」

 将輝はそう言って・・・座り込んで自らヘルメットを取った。

 そして幹比古が送信した瞬間に・・・勝負が決まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「勝者!第十魔法科高校!!」




 そして試合が終わり。


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試合が終わって

 強豪相手に勝つ!
 それがどれだけ大変かは・・・貴方方なら知っていますよね!?


「・・・勝ったのか?」

 「・・・勝ちました・・・よね?」

 司と鈴音はお互いにそう呟きながら試合映像を見ていた。

 そして・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「達也達が勝ったぞー!!」

 『『『『『よっしゃー!!‼!‼』』』』』

 誰かがそう言った瞬間に全員が歓声を上げた。

 一年生勢はお互いに勝った勝ったと言って燥ぎ、二年生勢は互いに

隣の席同士で抱き合い、三年勢の内司と鈴音は涙を流し、

それ以外は嬉し泣きをしていた。

 そして近くにいた三校勢は呆然としていたが十校勢の歓声を聞いて項垂れたり

頭を抱えたりしている中で誰かがこう言った。

 「まさか一条が負けるなんて・・・十師族のアイツがだぞ!」

 「だけど対戦相手も中々の実力揃いだった。これは勝負なんだ。勝つこともあれば負ける事だってある。俺達だって精進すれば一条とだって互角に渡り合えるって

証明されたようなもんだろう?」

 「そうだね・・・私達だってもしかしたらッて。」

 「ああ・・・けど今はこの戦いの勝者に対してエールを送るのも大切だな。」

 そう言って三校は拍手で彼らを称えた。

 それを見た十校生徒は自分ではないのだが何だかむず痒い状況になった事に

顔を赤くして間違いなく今回のMVPでもある達也達を笑顔で映像から見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな事とは露知らずに達也は将輝の前で座り込んで大の字になって

寝転がっていた。

 「ああーー、疲れたーーー!!」

 「其れ今言うのかよって俺もそうなんだよなあ。」

 そう言って将輝も寝転がるとこう聞いた。

 「なあ聞いて良いか?」

 「何だ?」

 「お前やっぱり見えてるだろう?術式」

 「ノーコメントで。」

 「ま、そうだよな。そう簡単には教えてくれないよなあって

もう分かった様なもんだけどな。」

 将輝はそう言って空を見上げていると更にこうも聞いた。

 「なあさ、お前ウチ来ないか?」

 「は?」

 「俺から先生達を説得してみたいんだ。お前みたいな奴だったら三校は

大歓迎なんだ。ウチは実践主義が多いからな。才能あるやつを引き抜くって

結構あるぞ?」

 「生憎だが断るわ。」

 「おいおい即答かよ?何でだよ??」

 「俺は協会の設定した基準をクリアしてねえしな。前に一校のほのか達にも

言ったが俺はあの学校が好きなんだ。友達も良い奴ばかりだし先生達も

俺達の意見を反映して指導してくれるしそれにな。」

 「?」

 「俺は魔法馬鹿だ。色んな奴の魔法を知って見聞きして更に良い魔法を

作りたいんだ。誰もが相手の魔法を使えるようにするって言う夢の為にな。」

 「随分壮大な夢だあ。」

 「ああ、だけど夢はでっかいほうが面白そうだろ?」

 「確かにな。」

 将輝はそう言って達也の言葉を聞いているとこうも聞いた。

 「それじゃあさ・・・友達になるなら良いか?」

 そう聞くと達也はこう答えた。

 「・・・ま、それなら良いぜ。」

 「そうか、ならジョージ共々だな。」

 「おいマテ、一人増えて・・・ま、良いか。」

 達也はそう言って起きるとこう言った。

 「そんじゃあ俺は行くわ。仲間の迎えに行かないといけないからな。」

 「ああ、そんじゃあ俺もジョージ達を助けないとな。あいつらお前の魔法で

何か分からないけど酔ってたしな。」

 そう言って達也と将輝はお互いのメンバーのいる所に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「御免将輝。一対一には出来たけど負けて」

 「良いさジョージ。これは逆に俺らにとってはチャンスじゃないかなあって

思ってるんだ。」

 「チャンス?」

 「ああ、俺達は負けた。それは俺達が現状で満足していたってところが

内心あったんじゃないかなあって思っているかもしれないからさ。

広い世界を見れたって思ったら何だかワクワクしないか!?」

 将輝はまるで子供の様な笑顔でそう言っているのを聞いて真紅郎は

こう思っていた。

 「(広い世界・・・ワクワクか・・・そうだね、僕たちは負けたって事は

僕らは未だ強くなれるし何にでもなれるって思えば確かにワクワクしている自分がいるようだ!!)」

 そう思っていると真紅郎は将輝の目を見てこう言った。

 「来年はリベンジしよう将輝!今度は僕たちがチャレンジャーだよ!」

 「ああ、頼みに・・・いや、一緒にやろうぜ!相棒!!」 

 「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「勝ったんだよね僕ら。」

 「ああ、勝ったぜ俺達。」

 「そうだな・・・本当に勝っちまったよ。」

 幹比古とレオンと達也がお互いにそう確認している中で達也はこう聞いた。

 「それにしても本当にギリギリだったな。飛行魔法完成していなかったら

ヤバかったぜ。」

 「俺なんてお前とこの『小通連』が無かったら間違いなく負けてたぜ!」

 「そうだね、本当にギリギリ・・・いや、僕たち全員がいなかったら間違いなくここまで来れなかったよ。」

 ここに来てよかったよと幹比古が笑顔でそう言っている中で達也とレオンは

頬を掻いてこう言った。

 「それじゃあ帰るか。未だ試合全体が終わった訳じゃないからな。」

 「そうだな、次は何処だっけ?」

 「確か壬生先輩の『ミラージ・バット』だったよ。応援しなきゃね。」

 確かになと達也が言った後に全員は立ち去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「はっ、はっ、はっ。今年は中々面白い子達がいるようじゃないか。」

 そう言う九島老人は達也と将輝を見てこう思っていた。

 「(一条の息子が負けたのは驚いたが私の言葉をこんな所で

有言実行する子がいるのには感心だな。

確かあの子は十校の『藤原 達也』君だったな、

私の軽い幻術を見破った子の一人。来年からの十師族会議は荒れそうだな。)」

 だがそれも楽しみだなとこれから訪れる嵐を楽しそうに想像している

九島老人であったがこうも思っていた。

 「(それにしてもこれで十師族の当主たちは何かしらの命令を与えるだろうな。やれやれ、子供の試合に大人が介入するわけにはいかせないように

しないとな。)」

 大変だなとそう思いながら九島老人は電話の受話器を取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ああ、もしもし。私だ」




 次回は現状について。


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試合が終わってその2

 試合が終わって多方面では。


 新人戦に於いて達也達の活躍も相まって点数は三校とは目と鼻の先にあった。

 その差はあと12ポイント。

 内容次第では逆転優勝も出来ると言っても過言ではなかったのだが・・・

どうも三校の上級生達はあの試合を見て鼻息荒らしていた。

 達也はあの後も仕事としてCADの調整をしており終わったの時には

達也は疲れも相まって死んだように部屋に戻るのが面倒くさいと言う理由で

十校のバスで寝たがその際にはちゃんと鍵をかけて寝た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてこちらはと言うと・・・。

 先ず一校

 「まさか・・・一条の彼に勝つとはね。」

 「ああ、正に大番狂わせと言っても過言ではないな。」

 七草と十文字が互いに今回の決勝戦の結果について意見を交わしていた。

 何せ一条の後継者は先の新ソ連軍戦に於いて二つ名である

『クリムゾン・プリンス』とも異名を持っているにも関わらわずにだ。

 「ねえ十文字君、一つ聞いても良いかしら?」

 「ああ、俺も同じことを考えていた。」

 「・・・藤原 達也君ってもしかして」

 「そう思って二が付く家を聞いてみたがそんな奴はいないそうだ。

分家にもな。」

 「はあ~~、とんでもない子が敵側になったわねえ。」

 「確かにな、然も奴が最後に使ったのは中条も驚いていたが

あれは『飛行魔法』じゃないかと言っていた。」

 「あれって確かミラージ・バットの新人戦でも使われていたわよ。

あの魔法をよく完成させたわよねえ。つい何年か前に発表されたばかり

だってのに。」

 「しかしあの時に魔法は未だ実験段階と言っても過言ではなかった。

発表されたのは研究に伴う魔法式だけだったはずだが奴はそれだけで

あの魔法の完成まで漕ぎ付けたとなると奴は本当の天才ともいうべき存在

かもしれないな。」

 「天才ねえ・・・あの子十師族の養子になると思う?」

 「それどころかされると言った可能性が出てくるな。

あいつの実力も考えたらどの家でも欲しがるだろうがあいつは十校の人間・・・

自らに強い信念を持っていると仮定したら首を立てに振らないだろうな。」

 「十校卒業の十師族又は師補はどんな場合に於いても例を漏らさずに

自己を尊重し仲間意識が強い言わば十師族と肩を並べていると

言っても良い勢力ってあの狸親父がそう言っていたわ。」

 「弦一さんがか・・・そうなると一筋縄にはいかんな。」 

 「若しくはこの試合に十師族が指示を出すかって所かしらね。」

 「・・・実は最初親父からそう言われたんだ。」

 「やっぱり。」

 「だがすぐ後になって却下されたがな。」

 「・・・?」

 七草は何故だと聞くと十文字はこう返した。

 「どうも九島閣下から直々に苦情と言った感じで言われたそうだ。

『これは只の勝負、子供たちが己の力で切磋琢磨しているのに

大人の事情に合わせて彼らを巻き込むのはやぶさかではないかね?』と

言われたそうだ。」

 「・・・閣下。」

 「そう言われて俺も肩の荷が下りたと言っても良いがだが

俺達の最後の試合を最後まで敗北と言った感じで終わらせたくはない。」

 「そうね・・・色々とあったけど今うちの順位は6位。入賞ギリギリって

言った処だけどもしここで何かあったら間違いなく最悪8,9位は確定ね。」

 「今の順位を最低でも一つは上に上げたいところだ。

残るはミラージ・バットとモノリス・コードの本戦、ここで勝てれば

5,又は4位に上がれる可能性だってあるし他の連中の内容次第では

優勝台に辛うじて登れると言う理想がある。」

 「それでも滑り込みが最大ね。来年度のあの子達の精神状況を考えると

悩ましいわ。」

 「そう言えばだがお前これが終わったら生徒会長引退のようだが

後任はいるのか?」

 十文字が話を変えてそう聞くが七草は更に表情を暗くしてこう答えた。

 「それがねえ・・・あーちゃんにやって貰おうと思っていたんだけ

あの子が嫌がるものだからねえ。どうしたものか。」

 「まあ、地道に考えるしかないだろうな。」

 十文字は七草のコロコロと変わる表情を見ながらこうも思っていた。

 「(生徒会は良いが問題は今の現状だ。一年生から見れば今の状況から

負けに慣れると言う事は絶対にさせてはならない。

その為には今残っている試合を全て勝利しなければならない。

十校にこう負け続けと言うのもな。)」

 そう思いながら今後の事を考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして横浜。

 「まさかモノリス・コードで十校に負けるとはな。」

 「いやだが未だ分からないぞ。このまま逃げ切れる可能性だってある。」

 「だが若し負けでもしたらどう責任を取ると言うのだ!!」

 「協力者に頼んで十校の連中にも対象とするか?」

 「いや、今のまま十校が勝ったとしても我々の負け金はステイツドルで300万。大穴であったがその分賭ける人間が少なかった。一校が勝つよりも

リスクは少なかったしそれに幾ら何でもそろそろバレる頃合いだし協力者には

蜥蜴の尻尾になってもらう。負けたとしても我々の資産を幾つか削れば

何とでもなる。」

 「・・・この際は我らの身を切って何とかするしかないとして

今待機している17号はどうする?」

 「帰還させろ。折を見てこっちに帰ってもらう。」

 「ではそれで宜しいな。」

 『『『『『異論無し。』』』』』

 そう言って会議はお開きとなった。




 次回はミラージ・バットです。


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原因を突き止める為に

 彼は走る・・・これ以上犠牲者が増えない様にするために


大会九日目。

 前日までの好天から一転して暗雲漂う天気となったがミラージ・バットをする

メンバーからすればこれは絶好の試合日和なのだ。

 「壬生先輩の試合は第二試合だが万が一何かあったらいけない様にしないとな。」

 「そうだね、一校は第一試合・・・どう思う達也?」

 「ああ、間違いなく何か起きると思った方が良いな。何も起こらなければ

それで良しなんだが。」

 「・・・ミラージ・バットはモノリス・コード同様配点数が高いから万が一も

考えないとね。」

 「それに備えて壬生先輩のCADにウイルス探知機用のOSをぶち込んでいるから

何かあったら俺のCADに連絡が行く様になっているから大丈夫だ!」

 「・・・その自信は何処から来るのかさっぱりだけど

こっちも何かしらの対策しておくよ。」

 「ああ・・・だが意外だな。柴田さんが今回眼鏡を外して

見ようとするなんて。」

 「彼女なりに気を付けているんだと思うよ。何かあったとしても

大丈夫なように。」

 それじゃあ行くねと幹比古が達也と別れるとさてとと言って準備を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「始まったか。一校は今回モノリス・コードで優勝した場合とこれで優勝したら

入賞だがそれでも上半分には入るから必死だな。」

 達也はそう呟いて試合を見ていると・・・それは起きた。

 「・・・!!落ちた!?」

 一校の選手が落ちたのだ。

何故とは分からないが突如落下していく一校生徒が映った。

 湖面とは言え十メートル程の高さだ、間違いなく致命傷となるであろうが

予め待機していたスタッフが減速魔法を放った後にもう一人のスタッフが

彼女を受け止めた。

 湖面迄後半分の所であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「幹比古!今の見たか!?」

 『ああ、柴田さんが何か見えたって言ってるから変わるね!‼』

 そう言って幹比古は電話の向こうにいる柴田に変わらせた後に

彼女はこう続けた。

 『達也さん柴田です!先ほどの一校の右腕・・・多分CADがあった場所で光・・『精霊』がパチッと弾けて散ったんです!‼』

 「精霊が・・・?・・・どんな風にだ!!」

 『ええと・・・古い電化製品がパチッと火花を散らして止まったって言う・・

そんな感じです。』

 それを聞いてどんなウイルス何だと思っていると達也は急ぎながらこう言った。

 「柴田さんありがとう!もう眼鏡をかけてくれ!良いな!!」

 達也はそう言ってテントから出て行った。

 そして向かったのは・・・三校のテントである。

 「あれ?あいつ・・・一条を倒した!」

 「ああ、ちょっと聞きたいんですけど?」

 「何だ?」

 「吉祥寺さんと面会したいんですが!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「で?・・・態々ここに来た理由って何だい?」

 真紅郎はそう言って達也と話していた。

 万が一に備えて将輝が後ろに立っているが少し苦笑いである。

 何せあの試合で負けてしまった相手が今目の前にいるからだ。

 すると達也はこう切り出した。

 「単刀直入に聞くがCADの動作を一定時間妨害できるウイルスってあるか?」

 「CADを・・・CADにウイルスを送るとなるとそれでこそ・・・成程、

そう言う絡繰りか。それでウイルスだったよね?」

 「ああ、うちに重度の霊子放射光過敏症の奴がいてな。そいつ曰くCADが

『パチッと火花が散った』って言ってるんだが心当たりはあるか?」

 そう聞くと真紅郎は少し考えて・・・こう答えた。

 「いや、そういうのは知らないな・・・だけど一校の試合はあと・・・

第三試合にもう一つあるよ!!」

 「今行けばCADの受付に間に合うか?」

 「今から行けば間違いなくだよ!!」

 将輝も行くよと言って三人はテントから出て行くと・・・達也は

人とぶつかってしまった。

 「「うわ!」」

 「ああ!悪い!!」

 「気を付けてって・・・貴方は一条 将輝を倒した!!」

 「ああ、一色か。」

 将輝はそう言ってぶつかった少女を見ていた。

 腰まで金髪の長い髪に紫の瞳。

 どっからどう見ても日本人じゃない様に見えるが達也は済まないと言って

自己紹介した。

 「ああ、悪い。俺は」

 「十校の『藤原 達也』。これまでエンジニアとして整備したCADにおける

全ての選手を優勝又は準優勝か、三位に喰いこませる頭脳派かと思いましたが

吉祥寺と同様にモノリス・コードとスピード・シューティングに於いて

好成績を収め、既にインデックス認定の魔法を持つ・・・十師族を一人倒した故に『革命者(リベレイト)』とも呼ばれている今や飛ぶ鳥を落とす勢いの人間を

知らない者は今や日本に於いて存在するか否かです。」

 「それ私は三校の『一色 愛梨』。次のミラージ・バットに出場しますわ。」

 宜しくとそう言って手を出してお互い握手すると愛梨がこう聞いた。

 「所で貴方は何処の家の出で?」

 「いや、俺は一般の家系だけど。」

 「あれで一般・・・嘘つくにしてもあれはどうかと」

 「イヤ本当だ。大方他の連中も調べてるだろ?」

 「ああ、うん。僕も調べたけど間違いないよ。

 吉祥寺がそう言っていると将輝がこう切り出した。

 「イヤに詳しくね?」

 「いやいや、今の君の戦歴から見ても大体がそうだよ?」

 吉祥寺が達也に向けてそう言うと将輝がこう切り出した。

 「お前ら一校に行かないのか?」

 「「あ、そうだった!!」」

 「?どうしたのですの??」

 愛梨がそう聞くと達也がこう答えた。

 「ああ、ちょっと事故防止にな。」

 「これで今まで一校に起こって来た事故の正体が分かるんだ!」

 「!・・・それなら私も付き合わせてください。」

 「「「?」」」

 達也達は何故だと聞くと愛梨はこう答えた。

 「私は今回の試合に納得しておりません。もしこれが人為的であるとするならば止めるのが十師族に属する人間の務めです。」

 「いや十師族って俺だよな?」

 将輝が愛梨に向けてそう言った後に達也は時計を見てこう言った。

 「時間がない!今すぐ行きたいから勝手に付いてこい!」

 「無論です。」

 そう言って愛梨も含めて向かって行った。




 次回は原因が分かるまで・・・かな?


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ぶんどりは犯罪

 ぶんどりも誘拐も犯罪です。


「ええっと・・・一校一校!」

 「何処だあ・・・!!」

 「凄い執念だなあの2人。」

 「当然じゃないかしら。事故と偽って色々と悪事をしている事、

それもCADにナニカを仕掛けるなど彼ら技術者からすれば

それでこそ万死に値するものなのよ。」

 たぶんねと愛梨はそう呟いきながらも探していると・・・将輝がある人影を

見つけた。

 それは・・・。

 

 

 

 

 「あ、いた。」

 「「何処!?」」

 達也と真紅郎が目の色を変えてその地点を見るとそこにいたのは・・・

真紅郎よりも背が低くオレンジ色の髪を持つ小学生みたいな低身長の少女が

そこにいた。

 「・・・コスプレか?」

 「藤原君、君は他の人間のエンジニアとか見ないの?」

 「正直なところ全然だ。」

 「偉そうに言わないでよ!」

 どや顔する達也に向けて真紅郎がじろりとジト目で注意している中、将輝は

それを見てこう呟いた。

 「あいつ等って・・・仲が良いのか?」

 「似た物同士なのでしょうね。」

 愛梨がそう言って2人を見ていると達也と真紅郎が同時に・・・彼女目掛けて

走り出した。

 「「そのCAD寄越せーーー!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「また事故が・・・一体何が。」

 少女、あずさはそう呟きながらCADを持っていた。

 これは第三試合に使う選手用のCADでありあずさはエンジニアとして

持ち込んでいるのだが先ほどの事故も相まって落ち込んでいた。

 「第一試合は途中棄権で一校の三位は消えてしまって入賞するしかありませんがこのままではそれ以下になる事も・・・。」

 はあとため息交じりで戻っていると何やら・・・地鳴りの音が聞こえた。

 ーーそのーー

 「?何でしょう今の声??」

 ーーCADーー

 「何か・・・こっちに来ている様な気が・・・」

 そう言ってあずさは地鳴りの響く音に目を向けると目に映ったのは・・・。

 「「寄越せーーー!!」」

 目の色というよりも目が血走っている達也と真紅郎があずさに向かって

走ってきたのだ。

 「ぴゃああアアアアアアアア!!」

 あずさはそれを見て奇妙な悲鳴を上げて加重魔法を使って即座に走り出したが

達也と真紅郎は互いに目線で何か訴えかけると真紅郎は軽減魔法を使った瞬間に

達也は真紅郎の足を掴むと振り回しながら達也はこう言った。

 「行って来いやーーー!!」

 大声でそう言いながら真紅郎を・・・投げ飛ばした。

 そしてその儘真紅郎はあずさ目掛けて吹き飛び其の儘・・・あずさを掴むと

加重魔法を使って急停止した後にこう言った。

 「ちょっとそのCAD良いかな!!?」

 「へ?へ??へ???」

 あずさは一体何事だと思っていると達也も来た瞬間にあずさはある事を

思い出した。

 「(あれ、この人って確か十校の・・・!!)」

 すると目の色を変えて色々と聞こうとした瞬間に達也はあずさをよいしょと

担ぐと真紅郎と揃ってこう言った。

 「「良し行くぞ!!」」

 「えええ・・・えええええええええ!!」

 あずさは其の儘担がれたまま連行されるのを見て将輝はこう思っていた。

 「(あれって完全に・・・拉致じゃん。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あのう・・・それで一体これは?」

 「スミマセンスミマセン本当にすみませんでした!理由は後でちゃんと話すのでお菓子をどうぞ!!」

 「うちの生徒も本当にごめんなさい!!」

 司と恐らくは三校の生徒会長であろう、頭にバンダナみたいな髪留めを

付けている女性が揃ってあずさに向けて謝っているが達也と真紅郎は

パソコンに集中していた。

 「・・・俺、後で生徒会長に菓子折り送っとくわ。」

 「私も連名でするわ。」

 「俺達も司先輩に送ろうぜ。」

 「そうだなくじらちゃん。」

 「って言うか諸悪の根源ともいうべきあの2人は何しているのかしら?」

 将輝達が揃って生徒会長達にお菓子を送ろうと話している中で達也と真紅郎は

パソコンを使って何かしているがそこに幹比古と美月も入ってきた。

 「達也、来たよ。」

 「現物はどちらに?」

 「ああ、あれだ。」

 達也は美月に向けてそう言うと美月は眼鏡を取り外した瞬間にあるものが

見えた。

 「柴田さん、何か見える?」

 「はい、何だか小さな虫の様なのがCADを這っていますね。」

 「CADがですか!!」

 そんなと言ってあずさは立ち上がって達也と真紅郎の使っている

パソコンを見るとそこに映っていたのは・・・ある真実であった。

 「やっぱりウイルス・・・然も旧式か。」

 「使われたのは大東亜連合戦時に向こうが使った奴。データバンクに

保存されているタイプで間違いないね。」

 「そんな・・・一体如何やって・・・」

 あずさはどうしてと思っていると達也がこう呟いた。

 「そんなのが出来るとしたらあそこしかないでしょう。」

 外部でなと付け加えるとまさかとあずさは心当たりがあったのか

顔を青白くした。

 そして真紅郎がこう続けた。

 「・・・大会委員のテントにあるCADの検査機。あれなら確かに使えるし

委員なら誰もが使えるよ。」

 「ですが・・・どうして」

 「内容は分からない。後は本人に問いただして」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「何をしているのかね?」

 『『『!‼!』』』

 突如声が聞こえたので振り向いて見てみるとそこにいたのは・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『『『九島・・・閣下』』』

 「どうしたのかねこれは?」

 九島老人であった。




 次回はウイルスの正体です。


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九島老人との会話

 閣下との会話は色んな意味で命がけ


「何やら相談事かと見て取れるが一校に三校、十校。学校の垣根を

超える程となると相当厄介な事だと見て取れるが一体何事かね?」

 九島老人は全員に向けてそう聞くと達也が言おうとした瞬間に将輝がこう言った。

 「待て、ここは十師族の俺が言ったほうが対応が早いし閣下なら話を

聞いてくれるはずだ。」

 そう言って達也は分かったと言うと将輝が代表に立ってこう説明した。

 「実は・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 数分後

 「成程な、これまでの事故・・・ふむ、そのCADを見せてくれないかね?」

 九島老人がそう聞くと達也はそのCADを渡すと九島老人はそれを手に取った瞬間にこう言った。

 「これは見覚えがあるぞ。私が未だ現役時代に東シナ海諸島部戦域で広東軍が

使っておった『電子金蚕』だな。」

 「『電子金蚕』ですか・・・初めて聞きました。」

 「僕もだよ。」

 達也と真紅郎が九島老人の言葉を聞いて互いにそう言うと九島老人はこう答えた。

 「まあ知らない事だ、何せ半世紀近く前の事だからね。

こいつは有線回線を通して電子機器に侵入して高度技術兵器を無効化させる

SB魔法だ。」

 「SB・・・だから精霊が見える柴田さんに見えたのか!」

 「ほう、精霊が見えるとは本当かね?」

 九島老人は美月に向けてそう聞くと美月は慌ててこう答えた。

 「ああ、はい!私重度の方なのでこのメガネがないと見え過ぎて・・・。」

 「それはそれは、精進したまえよ。その力はこれから多くの古式魔法師に

狙われる可能性が高いから護身術も鍛えておきなさい。」

 「ハイ。」

 「うむ、分かってくれたなら宜しい。話の続きだがこいつの厄介な所は

プログラムではなく出力される電気信号に干渉して改竄するからOSの種類や

アンチウィルスプログラムに関係なく電子機器の動作を狂わせる遅延式発動術式。我が軍も正体が分かるまでこいつには苦渋を舐めさせられたものだが

これは誰の時にやったのか覚えているかい?」

 「ええと・・・順番でしたら覚えています。」

 「ならば着いてきてくれたまえ。正体が分からなければ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「其れなら吾輩も同行してもらいたいのだが?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「スネイプ教頭先生!」

 達也はスネイプを見て驚いていると後ろから・・・七草と十文字も現れた。

 「会長!十文字先輩!!」

 あずさは2人を見て驚くと七草がこう切り出した。

 「はあい、あーちゃん。」

 「あーちゃんは止めてくださいって!!」

 「あらあら御免なさいね。さっき近くを通りかかった生徒がね、

あーちゃんが十校と三校の人達に連れて行かれたって聞いて駆けつけていると

三校の生徒会長が大急ぎでこっちに来ているのを見て追いかけてきたら

このお方が隣のテントに案内してくれて一連のことを聞いたの。」

 「・・・すみません会長。」

 「え!?・・・何であーちゃんが謝る」

 「私が・・・本来なら私が・・・気づかなくちゃ・・・いけないのに・・・

気づかなかった・・・から・・・渡辺・・・先輩が・・・森崎・・・君・・・

小早川・・・さんに・・・それに・・・三冠・・・出来なきゅって・・・・。」

 あずさはそう呟きながら涙を流して泣き始めていると七草はこう答えた。

 「そうじゃないわ。ここ迄連続で起きているとなると

本来なら私が委員会に調査を願わなければいけなかったのに

摩利の事もあって色々とギリギリで考えていなかった私にも非があるわ、

本当にごめんなさい。」

 「七草だけじゃない。俺にも・・・いや、俺達実行選手全員にも責任がある。

スキャンする係員の中にそんな事考えた奴がいるなんて

考えも付かなかったからな。お前が責任を感じる事など一つもない。」

 そう言うがそれでもあずさは責任を感じていると九島老人がこう言った。

 「責任と言うなら我々にも責任がある。委員会に不正を行うものがいるなど

これまで考えていなかったのだ、謝るならこちらだ。本当に申し訳ない。」

 そう言いながら九島老人が頭を下げるや否や十師族の関係者全員がこう言った。

 「頭を上げて下さい閣下!」

 「今回の件は私達がもう少し真剣に考えなければいけなかった事です!」

 「それにこれは人の集まり、邪な人間が入る事も考えておかなければ

いけなかった我々の不備です!貴方が頭を下げる必要は」

 「いや、ある。この大会は若い君たちがどれだけ魔法に真剣に取り組み

己を鍛え上げそして多くの人間に魔法の素晴らしさと危険性を教えさせることで

後世の若者たちが魔法と言う存在について考える場所なのだ。

それを大人の汚いやり方で怪我してしまった事に対して我々大人が責任を

取るべきだと思っているのだ。これはその一環だ」

 将輝達の制止を振り切って九島老人が頭を下げるのを見てどうしたものかと

思っていると達也がこう聞いた。

 「閣下、一つ宜しいでしょうか?」

 「・・・何だね?」

 「今回使用された『電子金蚕』と言う術式ですが

これは誰でも使えるものなのですか?」

 それを聞いて九島老人は頭を上げるや否やこう答えた。

 「いや、これが出来るのはSB魔法使いで精霊に精通していなければ

使えないはずだが」

 「ですが使える奴がいてそれを使った。然も製造元が広東となると

今回の出来事は正直なところ個人ではない気がします。」

 「・・・まさか!?」

 九島老人はそれを聞いて目を見開くと達也はこう答えた。

 「ええ・・・恐らくは大東亜連合かその関係がバックにいる可能性が

あります。」




 次回は達也の考察から。


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テントで小休止

 ここからはお菓子が出ます。


「大東亜連合・・・成程な、今回の連中の目的は優秀な我が国の魔法師を

潰す為か・・・この間の『ブランシュ』も然り全くこの国の対外能力は

どれだけなんだろうね?」

 九島老人はそう言って相手の目的と自国の能力の無さを疑っているが

達也は首を横に振ってこう返した。

 「いえ、確かに大東亜連合かもしれませんが其れでしたら妙な事が一つ。」

 「?」

 「何故一条達もターゲットにしていないのか?それに一校の三巨頭の内2人は

未だ健在でそれにターゲットは一校だけで他は怪我一つ無し。まあ、

この『電子金蚕』のせいで他校にも色々と不都合がありましたが其れでしたら

何故名を上げ始めた俺達も無傷なのかが気になります。」

 「ふむ、確かにな。・・・先ずは下手人を問いただしてから行動を起こそう。」

 九島老人はそう言ってあずさに確認の為に共に来るように言った後、

スネイプが他の生徒達に向けてこう言った。

 「それでは君たちはここで試合を見学しておいてくれ。ああ、CADと機材には手を触れない様に。」

 「分かりました。」

 スネイプの言葉に対して一条がそう答えた後にスネイプが出て行くのを

見届けた後に司が全員に向けてこう言った。

 「それじゃあ取敢えずはテレビつけるし菓子持ってくるけど何が良い?」

 そう言って出したのは以下の通り

 ①百味ビーンズ(耳クソ、鼻くそ、目くそ味は抜き)

 ②大鍋ケーキ

 ③炭酸味のペロペロキャンデー

 ④爆発ポンポン(見た目はポン菓子だが中には炭酸や唐辛子が入っている。)

 ⑤ショック・オー・チョック 

 以上であるが最後のは間違いなく駄目であろうと思われるがじゃあ取敢えずと

言って三校の生徒会長が恐る恐る百味ビーンズを口に入れるとあれと思って

こう聞いた。

 「ねえさ、これって何のビーンズ?」

 そう聞くと司はええとと言って取説呼んでこう答えた。

 「さっきのは色的に見て・・・臓物味だと。」

 「ウげええええええ!!」

 「・・・では私はこれを。」

 そう言って一色は恐る恐るビーンズを口に入れるとこう答えた。

 「この味・・・海老ね?」

 「あたりだ。正確には『エビのバターソース和え』って書かれているぞ。」

 「良かったーーー!!」

 「羨ましい・・・!!」

 一色が喜んでいる様子を見て三校の生徒会長は憎たらしい表情を浮かべているとそれを見ていた将輝はこう呟いた。

 「アイツも意外にあれなんだな。」

 「そうだねって将輝、それは?」

 「ああ、見た目は鍋みたいだけどコレッテ食えるのかな?」

 そう聞くと達也はこう答えた。はこう答えた。

 「大丈夫だ、鍋迄食えるし味はミントやイチゴ等色々あるが

食えない奴はない。」

 「・・・あのビーンズは?」

 「あれは大体がロシアンルーレット用の奴だ。」

 「「・・・ああね。」」

 将輝と真紅郎が揃ってそう答えると真紅郎はペロペロキャンデーを取り出して

一緒に食べて感想を述べた。

 「おお、これって旨いな。」

 「これ炭酸だ!へえ、これなら研究室で片手でやれるね。」 

 目が覚めるよコレッテそう言いながら舐めていると

十文字はポンポンを食べてこう言った。

 「ほお、辛い奴もあったが中々癖になりそうだな。渡辺に土産として

出してやりたいが構わないか?」

 「取敢えず先生たちに聞いてみるけど駄目だって言われたら済まないけど。」

 「分かってる。無理は言わないがこれは面白いな。親父たちが聞いたら

商品化に向けて十校に特許とかも話が出そうだな。」

 十文字はそう言いながらポンポン菓子を食べていると・・・絶叫が聞こえた。

 「!!!!!!!!!」

 「大丈夫か七草!」

 十文字はどうしたんだと聞いて七草に近づくと近くに来た達也がそれを見て

こう答えた。

 「ああ、これって『ショック・オー・チョック』を食べたんだな。

これって確かハバネロの数十倍辛い唐辛子をふんだんに使っているけど

大体が酒の肴とかってレベルで生徒はあんまり食べないんですけど司先輩、どこにあったんですか?」

 「荷物の中に入っていたぞ。」

 「・・・誰だよ入れたの。」

 はあと溜息交じりでそう呟く達也であったが近くにある水を七草に渡すと七草は勢いよく飲んでいた。

 「はあ!・・・はあ!!・・・ちにゅきゃとおみょっちゃ

(死ぬかと思った。)」

 七草は舌足らずみたいな口調でそう言うと達也は取敢えずと言って大鍋ケーキを渡すと七草は一目散にそれを食べて・・・こう言った。

 「あみゃ~~い(甘~い)」

 そう言って無心に食べている七草を見て達也はこう思っていた。

 「(何だかハムスターみたいだなこの人。)」

 そう思いながらもさてとと言って達也は立ち上がってパソコンを使うと真紅郎がこう聞いた。

 「どうしたんだい?」

 「いや、『電子金蚕』のワクチンソフトを作ろうと思っているんだ。幸いにもデータはあるからな。今後もないとは言えないしそれにこんな事は二度と

御免だからな。」

 「確かにね、第二第三が起きてからじゃあ遅いからね。僕も手伝うけど

何かある?」

 「それじゃあ術式の方を頼む。俺はデータログからバグの特徴を洗い出す。」

 「OK」

 真紅郎はそう答えて達也と仕事を始めた。

 そんなこんなでテントの中は賑やかとなっていた。




 次回は尋問。


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犯人はお前か!!

 遂に犯人御用。


九島老人はあずさとスネイプ先生を連れてテントに向かうとスタッフの人が

驚いた表情を見せてこう言った。

 「九島閣下!一体どうしてこんな所に!?」

 慌てていたスタッフを見てそこにいた生徒たちも九島老人を見て驚いていると

九島老人はあずさに向けてこう聞いた。

 「それで君、CADは誰に?」

 「ええと・・・あの人です!」

 「!!」

 あずさが指さしたスタッフが突然の事で目を丸くして驚いていると九島老人はそのスタッフに近寄るとこう聞いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「短刀直入に聞くが君が『電子金蚕』を植え付けたのかね?」

 

 

 

 

 

 

 「ヒィイイイイイイイイイ!!」

 それを聞いてスタッフが突然として悲鳴を上げながら逃げようとした

次の瞬間にスネイプが懐から杖を出すと詠唱した。

 「『アレスト・モメンタム』!!」

 それと同時に逃げようとしたスタッフの動きが止まった。

 「な!何が!?」

 突然の事で訳が分からない様に必死に逃げようとするが九島老人は

彼の前に立つと再度こう聞いた。

 「もう一度聞くが君が『電子金蚕』を植え付けたのかね・・・?」

 「アアア・・・アアアアアアアアアア!!」

 スタッフは九島老人から滲み出る怒気に最早恐怖して言葉も出ない

様子であったがスネイプは動けない彼にとある薬が入った薬瓶を持って中身を

そのスタッフに飲ませるとスネイプがこう聞いた。

 「三度目の正直だ・・・『電子金蚕』を植え付けたのは貴様かね?」

 そう聞くとスタッフはこう答えた。

 「ししし、知らない!知らないアジア系の女にステイツドルで

100万ドル渡されたなんて誰が喋る」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『『『『『『ア』』』』』』

 

 

 

 

 

 

 「へ・・・ア」

 スタッフは自分と言った言葉を聞いて何でと思っているとスネイプが

薬瓶を見せつけてこう説明した。

 「これは『真実薬』と言う薬品でな。飲めばどんなに口が堅いものであっても

軽く喋ってしまう自白剤の一種であるが酩酊状態にもならず、たった一滴でも

喋れるほどでおまけに依存性も後遺症もあげておらぬ吾輩の特性薬品だ。」

 味は如何だったかなと煽るようにそう聞くとスタッフはそれを聞いて

顔を青くすると九島老人は更にこう続けた。

 「では薬の効き目が残っている間に問いただすが自殺などするなよ。・・・

君にはこれ以上とも言わんほどの生き地獄を存分に味合わさなければ

いかんからな。」

 「ア・・・アアアアアアアアアア・・・・。」

 九島老人のその言葉を聞いて最早打つ手なしと言わんばかりにスタッフは

其の儘話した。

 ①何故こんな事をした?

 A金が欲しかった。借金があって返済金に充てた。

 ②『電子金蚕』は誰に教わった?

 Aアジア系の女性に渡されたがあれは電子チップ状であった為自分は

只インストールしただけ。

 ③何故一校を狙った?

 Aそうするように指示されたから。

 ④女とはどこで知り合った。

 A横浜にあるバーで借金で愚痴っていた時に知り合った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ふむ、成程な。後は運営の保安部に引き渡すが・・・後で覚えとくが良いぞ。私は他の人間よりも・・・厳しいぞ。」

 「・・・・・」

 もう終わったと言わんばかりに項垂れるとスネイプが術を解除した後に

保安部の人達に連れて行かれた。

 そしてもう暫くしてこの事を聞いて駆けつけてきた運営委員会の重鎮であろう、老人・・・と言っても九島老人よりも一回り若い恰幅の良い男性が入ってくると

九島老人が彼を見てこう言った。

 「さてと、あずささんだったかな?今すぐに他のCADを使いなさい。

使う人には後で私が説明しておくから。」

 「ハイ!」

 「それで良いかな?大会委員長。」

 「は・・・ハイ!」

 「然し運営委員会の中に不正工作を行うものを紛れ込ませるなど嘗てない

不祥事で非道窮まれない。後で人事整理する際にはどのようにやっていたのかをゆっくりと聞くが・・・分かっているよな?」

 「ハ・・・・ハイ・・・・。」

 それを聞いた大会委員長は今にも卒倒しそうな位の顔色でそう答えると

九島老人はスネイプと持っていた薬瓶を見てこう聞いた。

 「それにしても良い薬だね。調合方法とかを後で教えて欲しいのだが良いかね?無論特許料分支払うし内容次第では専用の工房を持たせるように尽力するが?」

 九島老人の言葉を聞いて周りの生徒や委員会の人間たちは驚いていた。

 何せ九島老人自らが取引話を持ち掛けてきたのだ。

 恐らく内容次第ではもっと上の要求が出来るはずだと思いながら十師族の中でも権威がある彼に見初められるなど魔法師にとっては名誉ある行為なのだ。

 無論賛成するだろうと思っているとスネイプが発したのは・・・

意外な答えであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「すみませぬが吾輩はその様な物に興味がありませぬ。」

 

 

 

 

 

 

 

 「ほお・・・理由は?」

 九島老人がそう聞くとスネイプはこう答えた。

 「吾輩はダンブルドア校長に一生掛かっても返しきれぬ恩があります。

それを返しておらぬのに他者に鞍替えなど許されなきこと。それに・・・。」

 「それに?」

 「吾輩は薬学者である前に一教員です。生徒と共に吾輩も学びたいので。」

 ではと言って立ち去るのを見て九島老人はこう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ほお・・・これまでいろんな人間を見てきたがあそこ迄芯の強い人間は

久方ぶりに見るな。それにしてもアルバス・ダンブルドア・・・

興味が湧いてきたな。」

 そう言って九島老人はにこやかにして他の生徒に向けてこう言った。

 「さてと、他のCAD検査については私も立ち会うから皆気にせずに

作業しなさい。」

 それを聞いた瞬間に全員が作業を再開した。




 爺が爺に興味を抱く・・・ナニコレ?


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テントの中に於いて

 スネイプが尋問している頃。


夜明け前から暗かった空は未だ暗いままであったが達也は良いぞと言って

こう続けた。

 「この天候ならミラージ・バットにうってつけだな。本当なら夜まで続いて

欲しいんだけどなあ。」

 「其れはないらしいわ。何せ夕方には晴れるって聞くし。」

 「雨じゃないなら良いんですけど・・・何時までいるんですか

一校の生徒会長さん?」

 「あら?酷いわあ達也君。除け者だなんて?」

 「誰が達也君ですか誰が?って言うか貴方十校の関係者じゃないでしょうが!

三校の皆も帰ったんですから貴方も帰って下さい!」

 「良いじゃないの別に!今こっちは殆ど暇なんだから!!」

 「だったら他の所って言うか渡辺さんのお見舞いに行ったらどうですか!?」

 「今摩利の所には修次さんがいるのよ!あんな甘酸っぱい所に独り身の

私を押し込むだなんてなんて残忍なんでしょう!!?」

 「知るか!だったらアンタも相手見つけろ!」

 「いたら苦労しないわよ!!」

 何やら大声で喧嘩している達也と七草を見て十文字と司が互いにこう言った。

 「済まないな。七草が奴と話ししたいと言ってな。」

 「ああ良いですよ。それくらいならってそう言えば先生からですけど『下手人はひっ捕らえておいたから後は思う存分暴れてこい』って言われまして

今壬生が頑張っていますよって・・・もう試合の決着が着きそうですね。」 

 司はそう言ってテレビ画面を見ていると確かに壬生が勝っているのを見て十文字はこう呟いた。

 「・・・今回の一連の騒動で中条だけではなく俺達のエンジニア班も

それなりに落ち込んでいた。今回の事で自分たちの実力を疑い最悪辞める者が

出るかもしれないな。」

 「そう言う時に備えて矢張り精神的治療が不可欠ですな。」

 「ああ、だがこう言うのは想定されていないからどうするえば良いか・・・」

 十文字はそう言って呟いているのを見て司はこう言う時は自分で考えないと

纏まらないよなあと思いながら見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「矢張り十校もとなると我々もヤバいな。」

 「だがこの位の損益ぐらいならば我々のポケットマネーで足りるさ。

十七号を呼び戻して我々は今のうちに。」

 「うむ、我々は今回を持って当面の間は行動自粛するものとし、来年度に向けて金と体力を回復させよう。」

 『『『『『異議なし!』』』』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな事が裏で行われている中で壬生先輩達が帰った後にこの後どうしようかと思いながら・・・このお邪魔虫どうやって追い出そうかと達也は考えていた。

 「へえ、これが彼女の・・・もしかしてこれが例の魔法ってちょっと!

良く見せてよ!!」

 「メンテ中に他人のCAD覗くな!!」

 何やってんだこの人はと思いながら達也は今回使われたCADの

データ取りをしていると突如運営委員会の人達が現れるといきなりこう言った。

 「貴官らが保有している飛行魔法のCADを検査させろ!!」

 「何言っているんですか?こいつは既に検査を終えていますけど

何か不都合でも?」

 「良いから早くしろ!我々には時間が」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あら?なんの時間なんでしょうか?」

 

 

 

 

 

 

 「君は確か一校の・・・!!」

 運営委員会の一人が七草を見てぎくりとしていると運営委員会の一人が

こう言った。

 「当委員会はこの魔法を直ぐに公表することで各校との差別を最小限に」

 「嘘つかないで欲しいわね。貴方方は今回の一連の事件の責任を取ることに伴い大方他校に飛行魔法を直ちに準備するなど虚偽を申したのでしょう?」

 「・・・何だと!!」

 達也はそれを聞いてじろりと睨みつけると運営委員会の面々はいぎと

苦虫潰したような顔をしていると達也はこう続けた。

 「この魔法は俺達十校生徒がどれだけの月日をかけて作ったのか

アンタら分かってんのか!!それを自分の保身の為に使おうだなんて

アンタらどういう脳みそしてるんだ!!」

 「貴様あ!委員会に認定された魔力を持ってもいない劣等」

 

 

 

 

 

 

 

 「そこまで言うとなると十師族として貴方方に抗議するわよ。」

 『『!!』』

 七草の底冷えする声を聴いて委員会がびくりとすると達也もつられて

びくりとするが七草は達也に向けてこう言った。

 「ああ大丈夫よ達也君。私が注意したのは彼らであって

彼らじゃあないんだから。」

 七草は慌ててそう言うと七草はこう続けた。

 「劣等生だと言おうと思っているのでしたらこれは教育委員会と同時に

九島閣下にもお伝えしなければなりませんがそうなれば貴方方の今の地位どころか今後が危うくなりませんか・・・?」

 「・・・・・・」

 「この魔法は彼らが作った魔法であり彼らの努力と血と涙の集合体です・・・

生徒達一人一人がこの大会の為に心血を注いだもの。其れを貴方方の保身と

汚らしい思惑の為に使う事がこの十校戦の本質であり義務なのですか!!」

 「・・・・・ぐう・・・・・」

 委員会のメンバーの一人が悔しがっていると・・・後ろからスネイプの声が

聞こえた。

 「一体何事かね。」

 そう言うと司が説明するとスネイプが委員会の一人に向けてこう言った。

 「それならばこのことを期に正式に抗議しよう。『委員会のメンバーは

差別主義者が殆どで己の保身しか考えん愚か者の集まり』とな。」

 「貴様・・・!!」

 「・・・この事が閣下のお耳に入れば其方たちを社会的に抹殺することぐらい

造作もないであろうな。」

 

 

 

 『ヒィイイイイイイイイイ!‼』

 それを聞いて委員会のメンバーが恐怖すると周りにいる冷ややかで

まるでゴミを見るような目で見ている生徒達を見て委員会のメンバーはすごすごと帰るしかなかった。

 そして達也が七草に向けてこう言った。

 「スミマセン七草生徒会長。お手間を」

 「良いのよ。それに私もああいう人たちが嫌いだしね。

それにこんなに頑張った・・・貴方の苦労を汚くしたくなかったしね。」

 「!!・・・果て何のことやら」 

 「(´∀`*)ウフフ、今はそういう事にしておいてあげるけど分かる人には

分かっちゃうんだからね♪」

 それじゃあねえと言って立ち去る七草を見てスネイプがこう呟いた。

 「貴様も大変の人間に目を付けられたな。」 

 「ええ・・・そうですね。」

 それを聞いた達也はそう答えるしかなかった。




 次回はミラージ・バット決勝戦


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それぞれの視点

 ミラージ・バット決勝戦です。


決勝戦は満天の星空が見える夜空。

 正直なところ幾らアドバンテージがあってもこれでは光球を見分けることが

出来ないのだ。

 そんな中で待機している壬生が全員に向けてこう言った。

 「それじゃあ皆・・・行ってきます。」

 「幸運を祈っています。三校の『エクレール』がいますからこっちは最初から

全力で行かないと負けますよ。」

 「分かっているわよ達也君。・・・勝たないとね。」

 そう言うと壬生は飛び去った。

 

 

 

 

 

 

 「それにしても今回は全校一人ずつね。」

 「ああ、間違いなく結果次第では十校が三位以内は確実であろうな。」

 病院で試合を見ている七草と渡辺がそう言うとこう続けた。

 「それにしても委員会は酷い事するな。自分たちの失態の責任に対して

他校が制作した魔法をリークさせようとするとはな。」

 「ええ、本当に。あの後九島閣下に報告したらすぐ様に彼らを呼びつけて

今後の話し合いをしようか?って睨まれたらしいわよ。」

 「それはそうだな、この国であの方に歯向かう人間はいない。」

 渡辺がそう言うとこう続けた。

 「それにしても敵の背後に大東亜連合とはな・・・全くこの国の体制は

どうなっているのやら?」

 「そうね、今回の事も考えてエンジニアの育成を重点に

置かなければいけないわね。」

 「それならば藤原だっけ?奴に講師としてこっちに迎え入れると言うのは?」

 「其れも考えたけどあちらがどういうのかよね?只でさえ彼らの事を

『劣等生』って言って下に見る子達が多いからどうしようかと

思ってるのよねえ。」

 「だからって熟練の人間を呼べるほど業界は甘くないか。」

 「そう・・・だから何とかしないと。」

 そう言って今後の事を話し合っている両名であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして試合会場では、既に壬生対愛梨と言う構図で決勝が彩られていた。

 「速い!」

 「立て直しが早いわね!!」

 愛梨と壬生は互いにそう言いながら光球を弾いていた。

 だが点数的には既に十校が有利に立っていた。

 これは間違いなく飛行魔法における彼女の特訓と実力によるものであろう。

 だが愛梨も負けてはいなかった。

 愛梨が得意とするのは移動魔法。

 跳躍をしながら攻撃するためこの魔法に於いては俊敏性の高い彼女が

うってつけなのだ。

 互いに一進一退で点数が並んだりばらついたりと色々と遭ったが数分して・・・全てが終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 『勝者!第十魔法科高校!‼』

 レフェリーの言葉で全てが終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「終わっちまったな。」

 「うん、明日はモノリス・コードの決勝トーナメント。内容次第では

僕たちの勝ちかそれとも・・・。」

 「確かにな。先輩たちからすればここが勝負時だって言ってもう寝てるし。」

 「・・・来年こそは僕たちが。」

 「ああ、リベンジだぜ相棒!」

 将輝の言葉を聞いて真紅郎もそうだねと答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして某所。

 「どうぞお入りください閣下。」

 そう言われて九島老人が入るとそこにいたのは軍人であった。

 「久しぶりだな風間。」

 「はい。」

 彼の名前は『風間 玄信』

 日本軍魔法戦闘部隊陸軍101旅団・独立魔装大隊隊長の少佐である。

 そして部下が九島老人に対して飲み物を置いた後に部屋から離れると九島老人がこう言った。

 「済まないな。何せこの様な案件に君を使いたくなかったのだが。」

 「いえ、閣下の指令ならば向かうのが当たり前です・・・

それで要件と言うのは?」

 そう聞くと九島老人がこう言った。

 「ああ、横浜にいる今回の十校戦にちゃちゃ入れてきた輩どもを少し懲らしめておきたくてね。」

 「矢張りあれは。」

 「ああ、委員会に妨害する人間を派遣させるとはこちらも我慢の限界でね。

『忍術使い』でもある君の手を借りたいのだが宜しいかね?」

 「・・・・。」

 「人材、武器、その他諸々は私が九島の名で用意させよう。」

 「閣下、一つ宜しいでしょうか?」

 「何だね?」

 「閣下はどうしてそこ迄十校戦に肩を持つので?」

 所詮は遊びの延長にしか思えないのですがとそう聞くと九島老人はこう答えた。

 「確かに軍人でもある君がそう言うほど彼らは中途半端ではない、今回の試合を思い出したまえ。今まで成し遂げれなかった『飛行魔法』を十校が成功し、

インデックスにも記載されるほどの魔法を作る事に成功した。若者には我々老人や戦場を選んだ君たち今の世界を作った大人では考えようもしなかったやり方で

未来を作り、切り開いてゆくものだ。だがそれを邪な事で邪魔をしただけでは

飽き足らず若い魔法師達の芽を潰している。私にはそれが我慢ならないのだよ。」

 そう語る九島老人を見て風間は震えあがった。

 嘗て戦争を生き残った男性から放たれる殺気が風間の本能を恐怖で

塗り固められたのだから。

 オットと言って九島老人が殺気を収めるとこう続けた。

 「引き受けてくれないかね?勿論嫌なら私の直属を使うが」

 「いいえ、受けましょう。閣下からの任務でしたら喜んで向かう

部下が多いので。」

 そうかと言うと九島老人は風間に向けてこう聞いた。

 「そう言えば今回の試合だが十校の藤原と言う青年はどう見る?」

 そう聞くと風間はニヤリと笑ってこう答えた。

 「それでは私見ながら私の感想を言いますがお気を悪くするのでしたら

聞かなくても。」

 構わないさと九島老人がそう答えると笑顔でこう答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「『ざまあみろ十師族』と心の中で彼に拍手を送りましたよ。」




 次回は最終日。


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勝つしか道がない

 等々ここまで来れた。


そして次の日。

 「いよいよ決勝トーナメントか、一校と当たるのは決勝戦。その間に俺達は

向こうさんの魔法の情報収集だ。」

 「それにしても一校の応援が凄まじいね。」

 「当たり前だろう?委員会の人間がインチキでやった事が自分たちの現状に

なっちまっているからな。三連覇っつう偉業が水の泡になっちまった以上

ここで巻き返さないと下になるのが目に見えているからな。」

 「おまけに委員会の口約束が適わなかったから猶更ぶつけているのよ。」

 「ここで三校が勝てば余裕で一位ですが負ければ私達の評価次第で逆転。」

 「そうなったら総得点では私達は二位に浮上出来ますし一位は九校ですが

それはそれ。新人戦はこちらの優勝です。」

 達也君がそう言いながら試合を見ていた。 

 そして一校が戦っているのが九校なのだがこれがどうも・・・九校が哀れで

ならなかった。

 何せ最初っから十文字が全力で防御魔法を使って突進してきただけではなく

服部と言う選手も敵陣に猛スピードで突っ込んできたのだ。

 そしてその儘服部は魔法を使用した。

 魔法は七草が使った魔法の原型『ドライ・ブリザード』

 然し九校も只ではやられないぞと言わんばかりに仮想障壁を展開して防ぐが・・・それだけではなかった。

 立ちこまれた霧を九校が吹き飛ばそうとしたその時に八高の新人選手が使った技を精度よく使用したのだ。

 それにより霧の水分が核となってまるで蛇のようにのたうち回りながら九校選手を襲った。

 コンビネーション魔法『這い寄る雷蛇(スリザリン・サンダース)』

 コンビネーション魔法とは複数の魔法が生み出す現象を組み合わせることで

その威力を2,3倍に跳ね上げさせる方法である。

 九校は何とか対応しようとするも服部の複合魔法と十文字の防御魔法に

成すすべなく敗北した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「おいおい、圧倒的だなおい。」

 達也はそう呟きながらデータを見ていた。

 「攻撃するあの服部っていう男性は多分完全対応型だと思うよ。

あれ程の複合技を難なく出来るって事は相当の知識が無ければできないと

思うよ。」

 「っつうか十文字だっけ?あの防御魔法はやばいぞ?幾ら何でも

装甲車相手に自転車で立ち向かえって言ってるようなもんだぜ?」

 レオンがそう言って試合の感想を述べていると達也がこう言った。

 「それでも情報は手に入れられたんだ。これで対策を練るしかない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「成程な、前のデータよりも速度が速くなっていると仮定して戦ったほうが

良いな。」

 そう言うのはリーダーの司であった。

 メンバーは善吉ともう一人が・・・そこにいた。

 寝暗そうに見え、髪を後ろで一纏めにした男性『宗像 形』である。

 今年三年で卒業するのだがあまりにも魔法師からぬ戦闘能力から軍に就職するために防衛大学を受けると言っているので恐らく通常部隊に入るのが間違いないと

自分でもそう言っていた。

 「相手は防御・攻撃のエキスパート。だったらどうやって倒すか・・・」

 何やらそう呟きながら『小通連』をからって作戦を立案していた。

 善吉もCADと一緒に服の調整やレオン達が使っていたローブをベースにくじらが制作した奴をチェックしていた。

 今全員はこれまで新人戦で達也が使っていた魔法用CADに加えて

自分たちの獲物も調整して考えていた。

 すると司が札を持ってこう言った。

 「兎に角、ここ迄来てしまった以上は・・・楽しんで来るさ。」

 司はそう言って作戦に向けたフォーメーションの指示を出していた。

 すると達也は映像に映っている砂嵐を見てこう呟いた。

 「多分これも魔法だな。最初っから・・・いや、その場に応じて魔法を

変えるとなると内容次第では」

 「へえ・・・もう幾つか考えているよこの子。」

 壬生は達也を見てそう呟いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、一校では。

 「場所は『渓谷ステージ』か。相手は十校、最早相手を軽視すると言う

愚行を犯すものなどここにはいるか?」 

 「「・・・・」」

 それを聞いて服部達は黙って顔を下に俯かせた。

 「特に服部は今回の相手に自分が負けた相手がいる。ここでまた負けたら

最悪の展開だ。来年苦労する。」

 「はい。」

 「うむ、それでは昼飯を終え次第ここに集合。最終チェックを怠らない様に。」

 「「ハイ!」」

 そう言って2人が部屋から出て行くと入れ違いに・・・七草が入ってきて

こう言った。

 「ねえ十文字君。良いかしら今?」

 「・・・ああ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「最終相手が十校。まさにここが正念場ね」

 「ああ、ここで俺迄負けたら間違いなく来年度が厳しくなる。」

 「十師族は大慌てよ。藤原君が何処の家の生まれであったのかどうか

何度も調べているんだって。」

 「だが見つけられなかった。・・・実は九島閣下が昨日俺の前に現れたんだ。」

 「・・・何て?」

 「『十師族であろうがなかろうがあれが彼の本当の強さだとするなら

最早魔法師は血縁程度で強さが決まる時代ではなくなったのだよ』と

俺が藤原が十師族の一員であったならと言ってそう言われたよ。」

 「閣下が。」

 「結局魔法は俺達の持ちよう一つで変われるって事だ。十校はそれを

分かっているからこそ全寮制にして結束力を高めているようだと

俺はそう思っている。」

 ま、俺の予測だがなとそう呟くと七草がこう返した。

 「ねえ、十文字君・・・勝てると思う?」

 そう聞くと十文字はこう返した。

 「勝てるか否かではない・・・勝つしかないのだ。」




 次回は一校対十校。


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十校対一校

 因縁に決着を。


 モノリス・コード決勝戦が始まった。

 相手は十校対一校。

 十校はここで勝っても負けても三位以内は確実なのに対して一校は

最早後が無いのだ。

 もしここで負けでもしたら来年度の試合に支障をきたす可能性が出ているうえに

相手も少々ながら厄介な相手。

 最早勝てると言う思考は捨てると言うほど追い付められているのだ。

 そんな中で試合が始まったが初っ端から十文字が前に出て自身の防御魔法で

進軍していると宗像が突出して『小通連』を十文字目掛けて放つが矢張り

効かなかった。

 それどころか刀身が弾かれて跳んでしまったが宗像は小言でこう言った。

 「あれの防御は矢張り強い。なら・・・これだ。」

 そう言いながらローブの中から銃型CADを取り出すとそれを放った。

 無系統である為効かない様に見えるが突如・・・十文字が片膝をついた。

 「・・・うぐ。」

 「十文字会頭!」

 服部が十文字に向かって行こうとすると眼前に司が立ち塞がってこう言った。

 「悪いがここからは通せんぼだ。」

 「ええい!」

 服部は畜生と思いながらも前の試合と同じように氷の礫を放つが

司はそれを・・・ローブで防いだ。

 「硬化魔法!だがこの程度!」

 そう言いながら今度は砂を巻き上げながら電流捜査を企てると・・・

霧がどんどんと濃くなり始めた。

 「!!何故これ程の・・・!!」

 服部はまさかと思った瞬間に司が霧の向こうに消えていった。

 「何処だ!!」

 服部はそう言いながら探すと・・・藪からガサガサと音がした。

 「そこか!!」

 そう言って電撃を放つが・・・何も反応がなかった。

 「くそ!一体何処に隠れたんだ!?」

 服部はそう言いながら渓谷ステージにある水上に向かった。

 服部は水辺の縁を進んでいると・・・そこに司がいたように見えた。

 「そこか!!」

 そう言って電流を放つその瞬間に、水が突如爆発した。

 「!!」

 服部は何故と思いながらも水を被ってしまうと又もや姿を晦ました。

 「いい加減に姿を見せろ!!」

 そう言いながらさらに上流に進んでいくと渓谷ステージの端に着くや否や

司が姿を現した。

 「よく現れたな・・・お前が本物だろ!!」

 「・・・・」

 「言わないなら・・・言わすまで!!」

 そう言って今度こそと言わんばかりに今度は焔を出そうとしたその時に・・・

足元が光り輝いた。

 「!!」

 「俺が只逃げているだけと思うなら・・・出直してこい。」

 司が服部に向けてそう言った瞬間に・・・雷が服部に襲い掛かった。

 『雷童子』。

 幹比古が使った魔法の一つで精霊魔法である為先祖返りしている司が得意とする魔法である。

 無論本家でもある吉田家に比べれば威力はそうないように見えるが・・・相手はそうはいかない。

 「がアアアアアアアア!!」

 服部はそれを諸に浴びてしまったのだ。

 然も水を浴びているためそれすら気が付けずに・・・自分の策が

相手も使うと言う思考が足りなかったのだ。

 そして服部が倒れるのを確認して司は服部のヘルメットを取ってこう言った。

 「来年頑張れや。」

 そう言って司は宗像の方に向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「まさか服部が負けるとはな。」

 「精霊魔法と現代魔法の融合、成程ね。確かに厄介ね」

 「場所次第では間違いなく最悪な相手だからな。」

 七草と渡辺はそう言って試合を見届けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「宗像!」

 「すみません会長・・・時間稼ぎがやっとでした。」

 司が目にしたのは倒れていた宗像であった。

 「いや、宗像はよくやった。後は任せろ」

 司はそう言って十文字を見た。

 まるでフルマラソンをやったかのような疲労が目立っている。

 「どうやら・・・服部は・・・倒れた・・・ようだな。」

 「ああ、後はアンタとディフェンサーだけだ。」

 そう言って札を構えると十文字は立ち上がってこう言った。

 「悪いが・・・俺も負ける訳・・・には・・・いかないのだ。」

 そう言うと魔力を感じて司は準備したその時に・・・耳元で声が聞こえた。

 

 『ぶつけてくるぞ先輩‼』

 「!」

 司はそれを聞いて躱すと十文字はそれを見て驚きながらこう言った。

 「まさかこれを!?・・・成程、精霊での通信は違反じゃないからな。」

 「そういう事で良く分かるな。」

 「当たり前だ、三年もいるとそう言うのが良く分かるものでな。」

 そう言ってもう一度構えた。

 十文字がやったのは至ってシンプル。

 防御魔法を飛ばしたのだ。

 速い話が楯を滑り込むかのような感じでぶつけているのだが

こう言うのをするのが彼なのだ。

 自分の持ち味を攻撃にも防御にも変換できる技こそが三巨頭とまで言われた

十文字の実力である。

 然しそれでもと思いながら司は札の魔術を発動した。

 使ったのは砂嵐だがそこに司は十校の魔術を併合させることにも成功した。

 その一つがこれである。

 砂嵐+インカ―セラス(縛れ)からなる魔法、砂止め(サンド・トラップ)

 これにより相手の身動きを止めているのだが十文字はそれを防御魔法を

全体に展開して受け止めており暫くして・・・砂嵐が止まった。

 「くそ・・・。」

 司はそう言って倒れそうになると十文字は魔法を飛ばす前にこう言った。

 「良い試合だった。」

 そう言って飛ばした瞬間に・・・それが発動した。

 「があ!!?」

 十文字は魔法が司に当たったと同時に自身も何かにやられて痺れて

動けなくなっていた。

 これこそが『砂止め(サンド・トラップ)』の神髄。

 砂を目くらましとして使用することで本命でもある札における攻撃を

誘発させると言うコンボ攻撃であった。

 「一体・・・何・・・g」

 十文字は何が起きたと言わんばかりに・・・其の儘倒れた。

 そして意識を失う前に司が目にしたのは・・・この映像であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 善吉が相手のディフェンサーと相打ちとなった瞬間である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『試合終了!十校対一校戦・・・両者戦闘不能により引き分けとする!‼』




 そして・・・裏では?


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後始末。

 無頭竜の粛清です。


 そして試合が全て終了して閉会式の準備をしている中で十校ではスネイプが何やら準備をしていた。

 「それでは校長。吾輩は少し留守にするが故に」

 「うむ、後の事は儂らでうまくやろう。・・・済まぬな」

 「いえ、これは吾輩がやりたいからこそやる故に。それに壬生の無念も

ありますので。」

 それではと言ってスネイプは『姿消し』をして何処かへ消えていった。

 「・・・幸運を。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして場所は飛んで横浜。

 「等々終わってしまったか。」

 「まあ、取敢えずは三校が優勝したのだから良かったではありませんか。」

 「だが新人戦は十校か。」

 「取り分は一校に比べたら少ないほうだ。我々のポケットマネーで

命が拾えれるならそれで良しとしよう。」

 そうだなと言って取敢えずどうするかを話していると・・・声が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「その命は吾輩が効率よく使わせてもらおう。」

 『『『『『!!』』』』』

 「誰だ!?」

 当然その声を聴いて驚いた彼らの目の前に・・・スネイプが現れた。

 「な、何者だ貴様!『16号』!『37号』!!こいつを殺せ」

 「『ステュ―ビファイ』。」

 スネイプの攻撃が攻撃しようとする大柄の男性たちに命中すると

彼らは部屋の外まで動けなくなってしまった。

 「な」

 「ふむ、これで邪魔者はいないな。」

 スネイプはそう呟くと扉を魔法で閉めると全員に向けてこう言った。

 「さて、吾輩は貴様らに聞かなければならぬことがあるのだが」

 「な・・・ナンダキサマハ?」

 「吾輩は十校の一教師だ。ああ、貴様らが試合前に強襲した連中の記憶から

貴様らの所在は知っておったがCADの絡繰りが分かるまでは手を出さなかった。

吾輩たちの方には被害がなかったからな。・・・・だがお前たちは

手を出してはならぬ事をした。」

 「手を・・・我々は貴様らに一切手を出していないぞ!むしろ感謝して

欲しいぐらいだ!我々の介入が無かったら十校が三位以内に入る事など」

 「『オスコーシ』。」

 何か言いかけた幹部の一人をスネイプは文字通り口を閉ざさせると全員に向けてこう言った。

 「貴様らの手柄ではあるまい。彼らの実力ならば三位は

間違いなかったからな。」

 そう言うとスネイプはこう続けた。

 「貴様らは吾輩たちの生徒を」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 少し前、幹比古が霊峰富士にいた後。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『畜生・・・勝ちたかったなあ・・・!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 屋上から出て行った壬生が悔しそうに涙を流しているのを見たからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「お前たちは吾輩たちの生徒を苦しめた!それで十分だ!!」

 スネイプがそう言った瞬間にスネイプはある術を発動した。

 この世界に来てからも禁術として扱われ、前の世界では監獄に

永久投獄されることが確定されると言う・・・三大禁術の一つを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「『クルーシオ』!!」

 『『『『『『ぎゃあああアアアアアアアア!‼!!!』』』』』』

 拷問の術・・・全身の痛覚神経を強制的に出力を変え乍ら襲ってくる術を

この世界で初めて使用したのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 そして閉会式後のパーティー中に風間の部隊が隠密裏に横浜に突入して

彼らの基地に突入した時には既に彼らのボディーガードは全員何者かによって

無力化され幹部全員が白髪の状態で尿臭を部屋全体に醸しながら倒れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして時間は閉会式中に。

 『それではこれより閉会式を執り行います。』

 司会者からの言葉を聞いて生徒全員が聞いていた。

 順位は以下のとおりである。(4位まで)

 総合 ⑩四校

    ⑨七校

    ⑧八高

    ⑦五校

    ⑥一校

    ⑤六校

    ④二校

 『総合優勝第三位 十校‼』

 それを聞いて司が壇上に上がると委員会から少し大きな板状のトロフィーを

貰った。

 『第二位 九校』

 『そして栄えある第一位は・・・三校!‼』

 それを聞いて三校の生徒会長が大きな旗を・・・優勝旗を高らかに見せつけた。

 それを見て三校の面々はいやったといわんばかりに大声で喜んでいた。

 そして次に新人戦が発表された。

 新人戦順位(4位まで)

     ⑩四校

     ⑨八高  

     ⑧一校

     ⑦七校

     ⑥五校

     ⑤六校

     ④二校

 『新人戦第三位  九校‼』

 『第二位  三校!‼』

 それを聞いて三校からは代表として将輝が壇上に立つこととなった。

 『そして栄えある第一位は』

 「ああ、それなら私が言おう。」

 「閣下!?」

 司会者の言葉を遮って九島老人がそう言うと司会者は恐々とマイクを手渡すと

九島老人がこう言った。

 『新人戦優勝は・・・十校だ。』

 それを聞くとレオンが達也に向けてこう言った。

 「ほら行けよ達也。」

 「俺かよ!!」

 達也はそれを聞いて驚くが隣にいる幹比古がこう言った。

 「そうだよ。今回のMVPは達也なんだよ、君以外にこれを受け取る人間は

僕たちにはいないよ。」

 「だったらエリカにすればいいだろう!?俺は只の裏方。」

 「あんた何言ってんの?あの一条に勝ったんだよ?胸張んなよ胸を。」

 「其れだったらお前だって。」

 

 

 

 

 

 「行け、達也。」

 「会長。」

 司の言葉を聞いて達也は何故と思っていると鈴音がこう続けた。

 「吉田君の言う通り今回は貴方の活躍が無ければ私達は

ここ迄いけませんでした。行ってください。」

 「市原副会長。」

 「ほら行けよ達也。」

 「閣下が待ってるぞ。」

 「人吉先輩、黒神先輩。」

 「サッサと行きなさいよ。」

 「壬生先輩。」

 そして全員が行けと言わんばかりの目を見ていると達也は分かりましたと

言わんばかりに壇上に向かって行くと達也にトロフィーを渡す九島老人が

達也に向けてこう言った。

 「君は今回我々魔法師に大きな変革の機会を与えてくれた。

そして一条君もよく頑張った。・・・君たちの未来に輝しき未来が

あらんことを。」

 九島老人は達也と将輝に向けてそう言うと将輝は達也に手を出してこう言った。

 「来年は俺達が勝つぜ。」

 「・・・それはこっちの台詞だ。」

 達也も鼻を鳴らして同じくその手を握ると互いに悪手を交わした。握手

 この日をもって十校戦は幕を下ろした。




 次回はやっとこの戦いも終わりだ。


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後夜祭

 やっと終わった。


十校戦が終われば生徒たちに待っているのは後夜祭だ。

 12日前とは打って変わってホール全体で和やかな空気に包まれていた。

 この数日間の間に起きたギスギスとした緊張に曝され続けたがそれも終わり

解放されたのかどうか分からないが生徒たちの殆どはフレンドリーであったが・・・一部の生徒はまさに明暗と言っていい程である。

 明が十校に対して暗は・・・一校であった。

 そんな彼らをちょっと見てみよう。

 

 

 

 

 

 

 

 一校の場合。

 正直なところ散々と言っても良い状況であった。

 何せ新人戦では8位、総合で6位と言う散々な結果であったのだ。

 然も新人戦では十校や三校に負け続け本戦に至っては運営委員会に

紛れ込まれていた邪魔者によって妨害されて最悪なものであった。

 そんな中に於いて十文字は全員に向けてこう言った。

 「今回俺達は負けた。ああ、これでもかと言う位にな」

 打ちのめされたなと言って全員が顔を俯くが十文字はこう続けた。

 「だが今回の事は俺達にとっても勉強になった。魔法力が=強さになると

考えるのはお門違いであった。俺達に足りなかったのは相手を探求し

常に新しい戦術を考えそれを実践する探究心と強烈な拘りだ。勝利と言うな」

 と言うと十文字はこう続けた。

 「今回の敗北は来年の雪辱戦として忘れず、己を鍛え上げて欲しい。

今日は皆よく頑張った。ダンスでもして気を晴らしてこい。」

 そう言って締めくくった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 十校の場合。

 十校では全員ダンブルドアが持ってきてくれた《バタービール》の瓶を

片手に司を見て準備していた。

 当の本人は・・・泣いていた。

 「皆・・・ありがとう・・・俺達は・・・やっと・・・ごごまで」

 「ハイハイ司君。ハンカチですどうぞ。」

 「ありがどう。」

 司は鈴音が渡したハンカチを手に取って涙を拭きながらこう続けた。

 「今回俺達は新人戦で一位と言うとんでもない成果が俺達の手に入ったが

だが俺達は目的でもある《総合優勝》と言う野望があるんだ!それを重々に

分かった上で今後も精進してくれ・・・今回は無礼講!さあ皆今日は

お疲れ様でしたーー!!」

 『『『お疲れ様でしたーー!!』』』

 それを聞いて全員がバタービールの瓶を隣にいる面々とカチンと叩きながら

乾杯して飲もうとすると司が慌ててこう続けた。

 「ああ、そうだ!皆に先に言わないといけないから今すぐに言う。」

 『『『?』』』

 「俺達三年生はこれを持って引退とし、新たにスタートすることとなったため

新生徒会長をここで発表する!!」

 「あのう・・・生徒会長って選挙じゃないんですか?」

 司の言葉を聞いて達也がそう聞くと司はこう答えた。

 「ああ、藤原達一年生は知らないだろうから話すが俺達生徒会は今年一年の

学業や態度、そして十校戦における成績で決定するんだ。

無論俺達三年生生徒会役員も加わってな。」

 『へ~~。』

 それを聞いて一年生勢全員がそう何だと思っていると司はさてとと言って

発表した。

 「それでは新生徒会長だが・・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「『壬生 沙耶香』に決定となった!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「へ・・・ハアアアアアアアアア!?」

 「ア、おめでとう沙耶香。」

 「ああ、壬生なら大丈夫だわ。」

 「頑張って下さい生徒会長。」

 

 

 

 

 

 

 「イヤイヤ待ってよあたしそんなに活躍」

 壬生は反論しようとすると司がこう言った。

 「あのなあ、お前は今回『ミラージ・バット』で優勝したし

それにお前のリーダーシップは俺が織り込み済みだ。選ばれた以上は

成し遂げることも大切だぞ。」

 「うぐ・・・分かりましたよ。やれば良いでしょう!やれば!!」

 そう言って壬生が生徒会長となると司は更にこう続けた。

 「後は次期委員だがこの中から新生徒会長が決めて良い事となっているが部活が重複している奴は含まれないから良かったな達也、お前は選ばれん。」

 「良かった~~。」

 達也はそれを聞いてほっとしていた。

 CAD研究会にクイヂィッチ部と2つも入っているためこれ以上は正に

過労死しかねないと冷や冷やしていたのだ。

 そして壬生が選んだのは・・・この2人。

 「それじゃあ庶務の善吉君が書記で良いとして会計は幹比古君、

庶務は栞ちゃんではい決定。」

 「「スミマセン拒否権は?」」

 「そんなのアタシがなった時点で分かってるでしょう?」

 「「・・・ですよねえ・・・・」」

 そしてやっと事でパーティーが始まった。

 そして暫くすると・・・達也にとある女性がやって来た。

 「こんばんは達也君。」

 「・・・何でまた来てるんですか七草さん。」

 七草が現れたのだが彼女が来た理由はと言うと・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 「一曲如何かしら?」

 「生憎ですが俺は盆踊りしかないんですが」

 「エスコートしてあげるからほら早く早く!」

 「ちょっと!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 なし崩し的に踊ることとなってしまったが達也はこう聞いた。

 「で?何が目的なんですか??」

 そう聞くと七草はにこやかに笑いながらこう聞いた。

 「短刀直入に聞くわ達也君。君は十師族?」

 「違いますよ。俺は一般家系です。」

 「・・・そう、気を付けてね。これからは貴方の周りががらりと

変わるはずヨ。」

 「そんなバカな。」

 「本当よ。貴方に対して十師族が養子にさせようと色々と手を打つはずだから

もしもの時は私か十文字君を頼ってみて?一条君ももしかしたら力に

なってくれるはずよ。」

 そう言って一条の方を見ると・・・エリカと踊っていた。

 「・・・頭の隅に置いておきます。」

 「あら?嫌な子ね♪」

 そう言いながらも踊っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後もほのか達などもダンスを楽しんで暫くして・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ああ・・・疲れた~~。」

 そう言いながら噴水の近くで項垂れていると・・・もう一人が来た。

 「あら?こんな所で何しているのかしら?」

 「アンタは確か一色さんだったよな?」

 ええそう良いって愛梨が隣良いかしらと言って座ると愛梨はこう聞いた。

 「そう言えば貴方の作った魔法はこれからどうするの?」

 「ああ、飛行魔法は然るべき時に発表するけどインデックスの方は

何とかするだろうな。」

 「最後はいい加減ね。」

 愛梨がそう言うと愛梨は達也に向けてこう言った。

 「今回私達は負けたけど次は私達が勝つわ。」

 「そいつはどうも。」

 達也はそう言いながら肩を透かすと音楽を聴いてこう聞いた。

 「ねえ、踊らない?」

 「ラストダンスが俺で良いのかよ?」

 「ええ、今から相手見つけるのは面倒だし。」

 「俺は数合わせかよ。」

 「それで・・・受けるかしら?」

 愛梨がそう聞くと達也は諦め口調でこう答えた。

 「・・・やってやるしかなさそうだな。」

 そう言って立ち上がって2人はダンスを踊った。

 月夜と星々が2人を優しく照らし・・・ダンスを美しくさせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 因みに帰りも三階建てバスで空の旅だった。




 次回は一気に飛んで横浜!


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騒乱編。
夜闇の海


 横浜騒乱編の開始です。


2095年十月

 現在の港湾諸施設は24時間のコンビニ並に稼働させるために

自動化され始めていた。

 その為通関は人間が日中、夜間は船舶の入港・荷揚げ・積み込み・出港迄が

機械によって行われるため僅かな人件費で賄えれる様になったがその反面密入国者が増大してしまったがために港湾全域の再開発に伴い保税地域と市街地の遮断の

一環として船員全員は朝になるまで船舶からの外出禁止が義務付けられ

真夜中ともなれば人通りが消え、正に闇の世界とも言わんばかりの場所に・・・

息を殺した大勢の人影が見えた。

 『五号物揚場に接岸されている小型貨物船より不法入国者が上陸、総員直ちに

五号物揚場に急行してください。』

 短距離通信と思われる通信機から流れる声を聴いて2人の・・・私服警官がそれを聞いていた。

 一人は真面目な感じで服装もちゃんとした男性

 もう一人は着崩しており何やらダルそうな感じの男性がそこにいた。

 するとダルそうな表情をした男性がこう呟いた。

 「やれやれ、やはりあそこか。」

 そう呟くと生真面目そうな男性がこう言った。

 「ぼやいている場合じゃありませんよ、警部!」

 「然しね『稲垣』君。」

 「つべこべ言わずに走る!」

 「俺は君の上司」

 「歳は自分の方が上ですし上司の不真面目なところを指摘するのは

部下の役目です!!」

 「不真面目ってそれ本人の前で」

 「じゃあ直してください大至急!!」

 「・・・やれやれ。」

 酷いこと言う部下だなあとそう思いながらも不真面目そうな男性

『千葉 寿和』警部と真面目そうな男性『稲垣』警部補は軽口言いながら

七百mもあるであろう三号岸壁から五号物揚場まで常人ならば2分は掛るであろう

距離を彼らは・・・魔法を使って30秒で現場に到着したのだ。

 魔法師である彼らは現場が見えると『千葉 寿和』警部が

『稲垣』警部補に向けてこう呟いた。

 「やっぱり人数不足だよなあ。」

 「仕方ないでしょう。魔法犯に対処できるのは

我々魔法師の刑事だけなんですから。」

 「他所から人員割けなかったの?」

 「無理でしょう、何せ適材適所と言われてますから戦闘に重視した我らと

そうではない魔法師とはやり方が違いますよ。」

 「だけどさー、それでも役立つじゃないの?ほらこの間の潜入捜査から

帰って来た確か名前は」

 「『司 甲』ですか?彼の本文は潜入捜査。戦闘には向いていません。」

 「けどさあ、彼って確か十校出身でしょう?十分に戦力になると

思うんだけどねえ。」

 「そう言えばこの間そちらの」

 「そろそろ見えるよ。」

 『千葉 寿和』警部がそう言って船を見つけた瞬間に・・・

下からサプレッサーのついたサブマシンガンで攻撃してくる密入国者を見つけて『千葉 寿和』警部はそれを木刀で軽々と躱しながら攻撃した。

 無論遠距離魔法を使った人間もいたが難なく十人もいた密入国者全員を

たった2人で倒してしまったのだ。

 すると『稲垣』警部補が『千葉 寿和』警部に向けてこう提案した。

 「警部!船を抑えましょう!!」

 「え?俺が??」

 「つべこべ言わずに早くしてください!!」

 『千葉 寿和』警部に向けて『稲垣』警部補がそう言うが『千葉 寿和』警部は『稲垣』警部補に向けてこう言った。

 「分かった分かったよ、じゃあ稲垣君。やっちゃって頂戴。」

 「はあ!?何言ってんですか!!自分がやったら止めるどころか

撃沈してしまいますよ!!」

 「大丈夫大丈夫。責任は課長に全面的に取らせるから。」

 「そこは『責任は全て俺が取る』とか言わないんですか!?」

 「だって俺そう言うの嫌だし偶には課長にも仕事させようヨ。」

 「そういう事言っているから最近課長髪が少なったり胃薬を買って

飲んでるんですよ。」

 『稲垣』警部補は呆れながらもケースレス弾をリボルバー拳銃型CADに装填して魔法式を作動させると作動させた移動・加重系複合魔法によって貫通力が

爆発的に上がったケースレス弾を放ち、全弾スクリューのギアボックスに命中して行動を無力化させると『千葉 寿和』警部はぱちんと木刀についてあった留め金を外してそこから・・・日本刀を抜いたのだ。

 そう、これは仕込み杖だったのだ。

 そして『千葉 寿和』警部は其の儘船に着底するとともに剣を振り下ろして

こう言った。

 

 

 

 

 

 

 「千葉家秘術『斬鉄』。」

 そう言うと船室の扉が・・・バターの様に斬り裂かれたのだ。

 この技は刀を鉄の塊ではなく刀と言う一概念の存在として定義して

魔法式によって設定した斬撃線に沿って動かす移動魔法なのだ。

 そして『千葉 寿和』警部は其の儘船内に侵入した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「結局骨折り損のくたびれ儲けだったよ。」

 「矢張り犯人は既に。」

 『稲垣』警部補の言葉を聞いて『千葉 寿和』警部は沈んでいく船を見つめて

そう言った。

 突入した時には既にもぬけの殻であり開け放たれたハッチからは大量の海水が

溢れ返っていた。

 すると『稲垣』警部補はとある場所を見てこう言った。

 「となると犯人たちが向かって行ったのは・・・。」

 「ああ・・・多分あそこだよ。」

 『千葉 寿和』警部はそう言って同じ場所を見た。

 西に視線を向けたその先にあるのは・・・横浜。




 次回は達也達サイド。


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コンペに向けて

 コンペは忙しい。


第十魔法科高校はCAD研究部総出である事の為に資料とデータ作成の為に時間に

追われていた。

 「ねえさ!ここのあった資料データは何処行ったの!?」 

 「はあ!?それはお前が持ってたはずだぞ!!」

 「ここに置いておいたのよ!」

 「あ、悪い。ここあるわ。」

 「「何やってんだお前は!!」」

 「ちょっとここにあった資料データ内容が間違ってるぞ!」

 「これ昨日じゃねえか!?今日のデータは何処行ったんだよ!!」

 「明日の実験についての打ち合わせ今日中にウィーズリー先生に

内容提出しておけよ!!」

 「ポッター先生の外部実験許可についてなんだけど!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「やっぱ忙しいなおい。」

 「仕方ないよって言うか猫の手も借りたいからって生徒会である僕と十七夜さん迄駆り出される?普通」

 「って言うか何でアタシ迄駆り出されるのよ!!」

 達也、幹比古、エリカの順でそう言って周りを見ていた。

 まさに混沌とした状況下であるが其れには理由があるのだ。

 それは・・・。

 

 

 

 

 

 

 「まあ確かに発表はするって言ってたけどまさかこんなに速くとはな。」

 「まあ丁度良かったんじゃないの?論文コンペの内容が決まってさ。」

 達也の言葉を聞いて幹比古がそう続けた。

 魔法協会主催における論文コンペ。

 これは各学校の生徒たちが自分たちの日頃の研究成果を魔法装置を使った実演で十校戦において成果が上がらなかった学校から見れば雪辱戦であり

絶好の機会なのだ。

 これに伴い十校は十校戦で披露した飛行魔法を実演して競う事となったが

何故エリカもいるのかと言うと・・・理由がこれだからだ。

 「何でアタシ迄加わるのよ!」

 「仕方ないだろう?お前使用者だからな。」

 「嵐城と壬生生徒会長は!?」

 「嵐城は感覚派で報告書を纏めれるほど頭良くないし壬生生徒会長は

生徒会の仕事で忙しいから参加できないって理由だ。」

 「アタシも一応感覚派」

 「お前はちゃんと報告書まとめてくれたからな。」

 「畜生が!!」

 それを聞いてアタシの馬鹿とそう思っていると栞はこう聞いた。

 「そう言えばこれって3人一組ですけど達也さんと誰なんです?」

 それを聞いて達也はこう答えた。

 「ああ、俺とくじら先輩と同じ一年の『杉並 斑鳩』だったな。」

 「ああ、十校戦の時には達也君と一緒にいたねえ。」

 「ああ、今はだるいって言いながら資料整理を仕上げて」

 

 

 

 

 

 

 

 

 「誰がだるいデスッテ~~?」

 「おお、いたか?」

 達也はそう言って後ろから声をかけた人間対してこう答えた。

 黒い長髪。

 美月と同じくらいの胸部

 そしていつも口に加えているキャンディー。

 彼女がこのCAD研究部の一人でもある『杉並 斑鳩』である。

 魔法は精霊魔法で『杉並』は古式魔法の名家の一つでもあるが陰行の魔法中心で『蟲毒』と言う呪術魔法を得意としている本家に対して異常ともいえる

『四獣』と言う大陸由来の防御魔法をベースに『蟲毒』と混ぜ合わせた魔法

『獣極』と言う対象を精神魔法で発狂させて自殺させると言う魔法を作れるほどの鬼才なのだが本人はCADの開発に興味を示し、家には興味なしと言って本来ならば四校に入れるほどなのにそれを蹴ってここの入った変わり者である。

 「全くさあ、速く終わって静かに研究したいわ~~。論文のコンペなんて

そんなもんやりたい奴がネットで流せば済む話じゃん?」

 「・・・とんでもないこと言うね。」

 幹比古は『杉並 斑鳩』の言葉を聞いてちょっと引いているが『杉並 斑鳩』はこう続けた。

 「それにアタシがここに入ったのはここなら好きな研究が一年中出来るって

思ってたのよ~?泊まり込みで出来るしおまけに口うるさい家族からは解放されて滅茶苦茶ハッピーだなあって思ってたのに十校戦が終わったと思ったら

今度はこれよ。アンタがまいた種なんだからちゃんと刈っておきなさいよねえ。」

 さてと仕事仕事と言って立ち去るのを見て達也はこう呟いた。

 「アイツが思いっきり充実してるよな?」

 「確かにね。」

 幹比古はそれを聞いて笑うしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして一校では雪辱戦としているがどうもうまくいかなかった。

 「どうあーちゃん?コンペ迄には間に合いそう??」

 七草がそう聞くとあずさは泣きながらこう答えた。

 「無理ですよ~~!『重力制御魔法式熱核融合炉の技術的可能性』は未だ進展が無いんですよ――!!」

 あずさはそう言いながらデータ入力しているがどうにも時間が無いようで

あった。

 それは問題があったからだ。

 それは・・・これだ。

 「平川さん、突然辞めるって言いだして退学届け迄出してましたし・・・。」

 「そう言えば妹さんって十校だったわよね?」

 「はい、気晴らしに十校に来ないかって妹さんが聞いてみたら

こう答えてしまって鬱状態だそうです。」

 「何を言ったの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『アンタの所の一年は直ぐに気付けたのにそれにも気づけなかった

私が入った所で迷惑だし今まで下だと思っていたアンタに迄気にかけられる

私をこれ以上哀れないで!‼』

 

 「と言ってしまって今は休学として病院に通院しているそうです。」

 「そう・・・深刻ね。」

 それを聞いて七草は精神状態が最悪な事だなと感じた。

 十校戦で彼女が担当して落下した選手も夏休み中に辞めてしまい心が壊れかけていたのであろう。

 今はそっとしてやろうと考えるしかなかった七草であった。




 『杉並 斑鳩』は対魔導学園35試験小隊』に出てくるキャラクターです。


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とある話

 早いと思われますが6巻が終わっちまった。


「クラックですか?」

 ウィーズリー先生の言葉を聞いて達也がそう聞くとウィーズリー先生は

こう返した。

 「ああ、どうも最近魔法理論に関する文書ファイルを狙っているっていう話が

他校からあちらこちらからあるそうだぜ。」

 「それってさー、うちは大丈夫何ですか~?」

 それを聞いて斑鳩がそう聞くとウィーズリー先生はこう返した。

 「ああ、大丈夫だ。うちのネットワークは独立した奴で大抵の文書ファイルは

そっちに転送するようにしているし万が一侵入して奪ったとしても大抵が

文字化け?に出来るように改造してあるから盗った奴からしたらそれの解析で

一苦労じゃねえの?それにそう言う奴に対しては囮用のファイルにウイルスが

入った奴が同封されてるからそっちの対応にも追われるだろうな!」

 アハハ!と大笑いしているウィーズリー先生を見て達也と斑鳩は互いに

こう思っていた。

 「「(やべえ・・・うちってやべえ・・・。)」」

 最早酷いの一言に事尽きると思っているとまあとウィーズリー先生は

こう締めた。

 「重要な奴は大体が本にして纏めてるけどな。」

 そう言って確かにと2人はそう思っていた。

 この学園の図書室には紙媒体の本が大量数保管されている。

 その中には今までの魔法理論も含まれているため生徒は

ここから読むようになっているが外には出させない様に監視されているため

図書室から出すことが出来ないしやれたとしても魔法で戻ってくるように

なっているためどうしようもないのだ。

 「そう言えば平川、ああ二年なんだけどなあいつの姉貴がミラージ・バットで

落ちたろ?」

 「ええ、確か第一試合の時に。」

 「その後その姉貴が鬱状態になっちまって学校ヤメテさ。平川がウチに

来ないかって言ったら酷い事って言うか姉貴に見下されていたって事が分かって

夏休み中にだったけど学校に戻ってきて小野の精神的カウンセリングをして

今は立ち直って今回のコンペは絶対一校に勝ってって息巻いているぜ。」

 「そう・・・だったんですか。」

 それを聞いて達也は少し表情を暗くした。

 何せこっちの影響はないという事と向こうがこっちの忠告を聞いてくれるのか

どうか定かではなかったからだ。

 するとウィーズリー先生が達也の表情を見てこう言った。

 「あれはお前のせいじゃねえさ。最終的に決めたのは俺らなんだ。だからお前は何も悪くねえって言うか俺なんてお前に比べたら酷い事ばっかしてたんだぜ?

学生の時には管理人に黒板消しぶつけて怒られたりこっそりと学校から逃げ出して近くの町でバタービール飲んだり商売して色々と先生たちに睨まれたりと散々な事ばっかしてたんだぜ!」

 それに比べたらまだ大丈夫だってと言うが其れのどこがと

思いたいところであるのを心の中に仕舞い込んだ達也と斑鳩であった。

 「さてと、横浜についてなんだけど夜中にアレで行くから。」

 「・・・アレ・・・まさか・・・。」

 達也と斑鳩はそれを聞いて顔を暗くするとウィーズリー先生は笑いながら

こう言った。

 「そう・・・あれだよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして横浜出発日。

 『『『やっぱこーなるんかーい!!』』』

 「( ̄∇ ̄;)ハッハッハ、楽しもうぜーー!!」

 例の暴走バスで横浜直行であった。




 次回は七巻。


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コンペ開始

 コンペが始まったよー。


 「あら十校はもう着いているのね。相変わらず早いわねえ。」

 「確かにな、だが今回は速めに来ないといけないかもな。」

 七草と渡辺が互いにそう言って十校の三階建てバスを眺めていた。

 渡辺はあの後退院したものの未だ怪我が残っているため

頭とかに未だ包帯が残っている。

 そんな中で渡辺は七草に向けてこう聞いた。

 「そう言えばだがあいつら十校戦で飛行魔法使ってたから恐らく

あれを発表するだろうな。」

 「多分って言うよりも間違いなさそうよね。よく見たら各企業の

ヘッドハンティンガーも近くのホテルから映像で中継されているらしいわ。」

 七草は少し離れたホテルに駐車されている車の数を見てそう答えた。

 何しろ今まで見たことすらない自動車の数がぎっしりとあるからだ。

 するとそれを見ていたあずさがあわあわと震えているのを見て七草がこう言った。

 「あーちゃん大丈夫?今なら控室で休めれるわよ。」

 そう言うがあずさはそれを聞いてびくりとしながらこう答えた。

 「やっぱり私・・・無理ですよ~~!まだ資料に不手際があるかもしれないし

飛行魔法以上の功績なんて出来ませんよーー!!」

 「まあ確かにね。けどこれは学校からの指示だから仕方無いわ。」

 「そんな~~!!」

 あずさは既に泣き顔であった。

 何せ十校戦では大敗、ここでまた負けたら立ち直れないだろうと一校の職員は

そう危惧してコンペは何が何でも優勝してもらいたいとそう言われたのだ。

 だが正直なところインパクトの足りない結果になりそうだと思いながら

あずさはこうも思っていた。

 「(けど飛行魔法が見れるのなら良いかも。)」

 そうも思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時刻は8時45分。

 客席が埋まりかけて始まる時に達也は機材をチェックしていた。

 今回使うのは普通のCADであるが飛行魔法がインストール済みであり

何時でも使えるのだがもう一つの機材を見ていた。

 何だか仰々しい何かが包まれていた。

 それにと言って外の方も見ていた。

 左腕に《警備員》という腕章が付けられているがこれは万が一に備えて

十師族である十文字家の克人が中心となって活動している

十校共同会場警備員がいるのだがこれらは全て各校から志願したメンバーであり

そこには善吉や形、レオンは《小通連》を持って待機していた。

 他にも一条もそこにおり何やらエリカと話し込んでいた。

 話している様子を見る限りフレンドリーな感じであるがまあ良いだろうと達也は機材の方に目を向けなおすと斑鳩が何やら暇そうな表情を浮かべているが

まあ良いだろうとそう思ってチェックを再開した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 午前9時。

 遂にコンペが始まった。

 ここでのプレゼンテーション次第では将来の就職先(達也に至っては間違いなく国内外問わずに色んな企業からオファーが来るのは間違いない。)が

決まるのだから全員意気込んでいた。

 まず初めは二校の《収束魔法によるダークマターの計測と利用》から始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「へえ、今年も中々面白そうね。」

 そう言いながら客席に座っている女性は《藤林 響子》

 一校卒業生であると同時に国防軍所属で電子戦に於いては

プロフェッショナルである。

 何故彼女がここにいるのかというとそれは2つの目的があるからだ。

 一つはここ最近起こっているクラッキングの対象がこのコンペに出場する

学生ばかりであり何か起こるかもしれないとそう上司でもある風間から指示されて向かったのだがもう一つ目的があるのだ。

 それは・・・。

 

 

 

 「そう言えば十校の未だ一年生が飛行魔法を成功させたんだから

ここは軍としては唾を付けておかないとねエ。」

 そういう目的であった。

 自身の学び舎に勝った十校も気になるが飛行魔法だけではなくインデックスにも登録された魔法を作った達也に対しては個人的な興味もあるのだ。

 「さてと、どんな発表するのか興味深々だわあ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな中に於いて克人は何だか奇妙な空気が漂うなとそう思っていると

近づいてくる形を見てどうしたんだと聞くと形はこう答えた。

 「何だか嫌な予感がするんです。この会場と言うよりも・・・外に。」

 「そうか、俺も同じことを考えていた。ここからは2人一組で行動させた方が

得策だと思うがどう思う?」

 「それに+して精霊魔法が使える奴に頼んで精霊で監視網を敷くというのも

一つの手かと思われますがどうでしょう?」

 形がそう聞くと少し考えて克人はこう聞いた。

 「そちらには確か吉田家の息子さんがいらっしゃったはずだな?」

 「ああ、だが今日は一般生徒として応援にいるはずだ。」

 「呼んでくれないか?それと他にも精霊魔法が使える奴を呼んでもらおう。

各校にだって何人かはいるはずだしな。」

 そう言って克人は全員を呼ぶことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 午後のプレゼンテーションは一時、つまる話昼食が終わった後から再開した。

 十校は三時に始まるのでその間に最終打ち合わせを行っていた。

 すると鈴音が達也に向けてこう聞いた。

 「達也君、例のあれらはどうです?」

 「何時でも行けます。それにデータも準備良好です。」

 「斑鳩さんは?」

 「こっちも同じく~~。さっさと始めちゃいましょうよ。」

 そう言いながら斑鳩はニヤリと笑っていた。

 本人はやる気十分のようだ。

 それを見た鈴音はではと言って2人に向けてこう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「皆様・・・観客の度肝を抜きに行きましょう。」

 「「おお!!」」




 次回は十校のターン!


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達也の講演

 ここからは殆どが説明です。


午後三時、第十高校代表チームのプレゼンテーションが始まった。

 因みにだが今回論文コンペで注目されている内容は2つ。

 一つは三校の吉祥寺 真紅郎の《基本コード(カーディナル・コード)》。

 もう一つは達也が考案して実装に成功した飛行魔法。

 その飛行魔法の内容が知れる事も相まって他国の技術者や魔法大学関係者、

民間の研究機関の研究者と言った面々がホテルからも見ていた。

 そんな中で先ずは鈴音がマイクを使って説明した。

 斑鳩はデモンストレーション用に調整したCADを見せて達也は内容の

確認をしていた。

 「皆様、今回はこの藤原 達也が作った飛行魔法についてご説明を致します。私は初めの挨拶だけでして後は彼に丸投げしますので。」

 「イヤちょっと待って下さいよ先輩!まだ心の準備が」

 「そんなのはやりながら整えてくださいって言うか今すぐ整えなさい。」

 「最悪だ!この人最悪だよ!!」

 最早漫才みたいな感じで周りからもアハハと笑い声が響いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「何やってだ?彼らは??」

 「まあまあジョージ。あれくらいなら寧ろ後からの真剣さが際立つから

良いんじゃないか?」

 吉祥寺の間抜け面を見るような表情に対して一条が落ち着かせるように言いながらこう続けた。

 「それにしても色んな連中が来ているよな。企業からもだし。」

 「まあ、ムカつくけど彼の作った魔法は中々だからね。僕自身も彼の飛行魔法が

どういう風に使われているのか確かめたいしそれに」

 「それに?」

 「君も分かっているだろう将輝、軍の人もいる事を。」

 「ああ、確かにな。」

 「目的は軍事利用。然も来年の十校戦で使用する前に

軍部が使う可能性が大だ。」

 「そうなると俺みたいな従軍経験者は間違いなくか。」

 「これからは魔法師も戦闘機の様に戦う時代なのかもね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「始まるわよ摩利。」

 「ああ分かっている、然し朝よりも多くなったな。」

 「当然だろうな、この発表次第では奴の名は世界に轟くことは

間違いないだろうな。」

 「あーちゃんには悪いけどこれは・・・私は今回のコンペは十校が

掠め取りそうよねえ。」

 「所でその新生徒会長殿はどうしたんだ?」

 摩利がそう聞くと七草は笑ってこう答えた。

 「ああ、あーちゃんなら少し離れた所でこの説明を目を食い入るように

見ているわ。」

 そう言いながら七草は電子手帳を持ってメモを取る体勢を取っている

あずさを見つけた。

 「頑張り屋だな。」

 「そうな。」

 「ああ。」

 それを見て三巨頭も同じようにその状況を見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ええと・・・それでは始めるとしますが皆様は飛行魔法に於けることで

重要な事って何だか知っていますか?」

 達也の言葉を聞いて全員が何だっけと言わんばかりに話し合っていて暫くすると達也がこう答えた。

 「大体がですが皆さんは《落ちないようにする為の制動》、《方向転換・加速・減速する》、が殆どだと思われますが知っての通り飛行魔法は幾つもの

合わせ掛けをすることで魔法式が相殺、または破壊されるために古式魔法者のみが扱えるとそう考えていませんか?」

 大体は確かになとそう言うと達也はニヤリと笑ってこう答えた。

 「ですから私はその内《重力魔法で使う魔法式》をCAD内部に装備させた

タイムレコーダー機能を取り付けることで使用者の魔法の持続時間等を

インプットさせて所有者のタイミングで発動することに成功いたしました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「そうか!使う所を機械が調整することで本人のタイミングを同期させることが出来るんだ!」

 「成程な、だからミラージ・バットの時に確実にあの光の球に

行けたって訳か。」

 「それに機械が自動的に必要な魔法式を選択するなら態々新たに魔法式を作る

必要はなしだね。」

 「全くアイツの頭って一体何なんだよ。」

 将輝と真紅郎は達也の能力の高さについて互いにそう言っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「成程な、絡繰りを暴けば何のそのと言いたいところだが

それを実践しようとする辺りあっちは中々度胸があるな。」

 「それに人間が出来ない所は機械で補填しようって普通は考えるけど

まさか魔法にも応用するとはね。」

 「これならあらゆるところで応用が出来そうだな。」

 三巨頭はそう言ってその講演を眺めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「然し機械でやるだけでは限界があります。万が一に備えてあらゆる魔法を

構築しなければならないときがあります。

その時に私は新たに《ループ・キャスト》という技術を投入しました。」

 「通常ですと新たに魔法式を作る際に古いのはその都度消去されるため

同じ術式を使う際にもまた一からやらなければなりませんが

このシステムを使う事で同じ起動式を魔法演算領域内に保存させることで諸略して発動することが出来ます。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「嘘だろ!あれはまだ未完成の技術・・・彼はそれを完成させたのか!?」

 「ジョージ、あいつの言っている事ってもうヤバいの次元を超えているぞ!!」

 「その通りだよ将輝!彼の技術は既に僕たちを軽く超える程の次元なんだ!!」

 「こいつは・・・軍が黙ってないぞ。」

 将輝はそう言って頭を悩ませていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その軍はというと。

 「凄い・・・本当に凄いわ彼。」

 藤林はそう言ってその講演を聞いていた。

 これは最早ダイヤの原石などという次元ではないのだ。

 「これはダイヤモンドどころかあらゆる宝石の集合体って言っても

過言じゃないわ・・・!!これは直ぐに風間指令に報告ね!!」

 そう言ってすぐに連絡できるように準備をしていた。




 次回はもう一つ。


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もう一つの発表。

 ここで更にもう一つ。


 「では私からはここ迄とさせて貰いますが皆様にはもう一つ我々からの

サプライズと言う意味で鈴音先輩から発表がありますのでどうぞ。」

 そう言って達也は鈴音にマイクを手渡すと斑鳩は舞台袖から

とある大型の機械を台車で持ってくるとマイクを持った鈴音がこう説明した。

 「私が個人的に発表致しますのは『重力制御型熱核融合炉』についてです。」

 それを聞くと観客瀬にいる全員が話し込んでいた。

 飛行魔法に続いてこれなので一体どういう内容なのか考えているのだ。

 そんな中で鈴音はこう説明した。

 「熱核融合炉の実用化において何が必要なのかは前世紀から

明らかにされていますようにその一つは燃料となる重水素をプラズマ化して

反応に必要な時間、その状態を保つという意味においては既に放出系魔法によって

解決されています。また、核融合発電を阻む主たる問題はプラズマ化された原子核の電気的斥力に逆らって融合反応が起こる時間、原子核同士を接触させるのですが

先人たちはそれを非魔法で実用化させようと強い圧力を加える事で電気的斥力に

打ち勝とうという研究も行われましたがその結果は皆さんが知っての通りと

思います。」

 鈴音はそう言いながらスクリーンに移った実験映像とシュミレーション動画を

分割表示してこう続けた。

 「然し、超高温による気体圧力の増大、表面物質の気化を利用した爆縮の圧力、

どちらを使っても安定できませんでした。理由は幾つもあり例えば耐久性、

燃料の補充、エネルギーの大きさに実用化が追い付かないなどとありますが根本的な原因はただ一つ、取り出そうとするエネルギーに対して融合可能距離に於ける

電気的斥力の大きさに原因があるというのが一番だとそう思っております。」

 そして鈴音はスクリーンでそのエネルギーの総量と電気的斥力についての問題点を提示してこう続けた。

 「電気的斥力は相互の距離が近すぎると幾何級数的に増大し、

強い同極のクーロン力を持つ物体は接近することでその斥力を増大させ

衝突するという事は無いのです。然し・・・それを我々は先ほどの飛行魔法に

使われた連続魔法によってクーロン力を限定的な空間ではありますが

十万分の一に迄低下させることに成功致しました!」

 『『『『『『!‼!!!』』』』』

 それを聞いて観客席の人間たちの眠気眼が一瞬で醒めた。

 何せ限定的とはいえそこ迄下げられることに成功したのだ、上手くいけば

核融合炉の建造に大きく前進することが出来ると踏んだからだ。

 そして鈴音は更にこう続けた。

 「今ここに先ほど達也君が置いてくれたこれこそがそれです、見た目的に言えば巨大なピストンエンジンですが中から見えるこの円筒は鏡面加工されたピストンを下から差し込んでいましてクランクと弾み車と繋がっております。

そして円筒の上にありますこの2つのバルブですが透明な管の先にある

この水を湛えた水槽を突っ切っております。この装置によって中性子線の有害性を考慮し、水素ガスを使用しております。円筒内に充填されたガスを

放出系魔法によってプラズマに変え、重力及びクーロン力制御魔法を同時発動し

斥力が低下したのを見計らって水素プラズマは円筒中央に集められ、核融合反応が発生します。この装置で必要な時間はたったの0,1秒。然し核融合反応は自律的に継続しません、外部から反応を生じさせる作用を加えなければすぐに停止しますが水素ガスを振動魔法で容器が耐えられる温度まで冷却することで

内部にあった熱量を回収し、先ほどの重力及びクーロン制御魔法に充当させ、

発生した重力場に引き寄せられたピストンは慣性で上昇を続け、適温に冷却された水素ガスを熱交換用の水槽へ送り込むというこの手順を延々と繰り返すことで

電力を作ることが出来ますがですがここで更に問題点が発覚しました。」

 『『『『『?????』』』』』

 全員はそれは一体何なんだと思っていると鈴音は重い口を開いてこう答えた。

 「これを動かし続けるには高ランクの魔法師が必要となる事です。」

 成程なあと全員はそう思っていた。

 幾ら良いものであっても高ランクの魔法師をそんな事で使うなど国からすれば

ふざけるな国防が優先だろうと喚くこと間違いないからだ。

 然し鈴音はそれに対してニヤリとこう答えた。

 「ですので我々はそれに伴いとある方法でその問題点を克服することに

成功致しました。」

 「「「「「!!!!」」」」

 全員はそれを聞いてマジかよとそう思っていると鈴音は大型の機材を

操作して・・・あるカートリッジらしきものを見せてこう説明した。

 「これには魔術刻印が刻まれておりこのカートリッジを差し込むことで

低ランクの魔法師数名でこれを動かすことが出来ました、更にこれは

半永久的に使える為アルバイトや副業の一環として使っても良しと言った

現在の低ランク魔法師も国家の役に立てるという意識を持つことが出来る

私はこのカートリッジにある無限の可能性に新しい社会が出来上がると

確信しております!」

 それではと言ってマイクを下して礼をした瞬間に・・・3人に向けて

溢れんばかりの拍手が巻き起こった。

 それはまさに彼らに対する・・・評価の表れでもあった。




 次回は襲撃。


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襲撃

 襲撃者は秒で終わり。


拍手が巻き起こってやっと終わったと思った次の瞬間に・・・轟音と振動が会場が文字通り揺れた。

 「何だ!?」

 達也は驚いて何があったんだとそう思っていると斑鳩がパソコンを操作して・・・ある映像を見てこう言った。

 「ヤバいわね、武装勢力に襲われているわ此処。」

 「「!!」」

 達也と鈴音がそれを聞いて驚いていると斑鳩はこう続けた。

 「然も使っている武器は『ハイパワー・ライフル』。これをテロリストが

使えるはずはないわ、高値で売られているとなると犯人は」

 「国家という事ですね。」

 鈴音が斑鳩の言葉を聞いてそう答えると達也はそれを聞いてマジかよと

そう思っていた。

 これは最早戦争だと言っても仕方ないともいえるのだ。

 そんな中で達也は鈴音に向けてこう聞いた。

 「どうします!?」

 「兎に角カートリッジは持ち帰り、機材とデータは物理的データ的に処分。

データは学校にオリジナルがあるので容赦なく」

 「おりゃあ!」

 「壊してくださいってもう遅かったですね。」

 鈴音はそう言って蹴り壊している達也を見てそう言うと鈴音は今いる

十校生徒全員に向けてこう言った。

 「全員は扉を封鎖!万が一に備えてCADは何時でも使えるように準備!」

 『『『『『おう!!!!!』』』』

 それを聞いて全員が扉の前に立って周りにある席を魔法で壊して

壁代わりにしていると鈴音は懐からCADを出して呪文を唱えた。

 「『コロポータス』。」

 そう言った瞬間に扉の開閉部分が・・・無くなった。

 『『『『『!‼!!!』』』』』

 それを見て他の生徒たちが驚いていると鈴音はこう続けた。

 「皆さん!今は落ち着いてCADの準備を!!我々魔法師の腕の見せ所ですよ。」

 そう言うと達也も落ち着いてCADを出すと鈴音は近くにいた七草に向けて

こう聞いた。

 「お聞きしたいのですが宜しいでしょうか?」

 「え・・・ナニ?」

 「ここには確か地下通路で駅のシェルターと繋がっていますよね?」

 「ええ・・・確かにそうだけど。」

 「ですが万が一相手も魔法師がいたら対応が難しいです。」

 ですからと鈴音はこう続けた。

 「万が一に備えて半分と民間人をシェルターに、もう一方は強硬突破してバスに向かいます。」

 「ちょっと待って!確かにそれは考えられるけどけど後者が危険よ!」

 「ですがどちらも危険です。ですので皆さんは・・・あまりお勧めできませんが我々が保有するバスに搭乗してください。」

 「我々のって・・・あの3階建ての?」

 「はい、あれなら追っ手を振り切る事くらい訳ありませんし人数についてですが荷物も含めて応援は少数となっていましたので何とか乗れるかと。」

 「だがあれは目立つぞ、どう考えても追われる。」

 「大丈夫でしょう、あれはそう簡単に壊されない様に

工夫がされていますから。」

 「だが」

 

 

 

 

 

 

 

 

 「・・・分かったわ。」

 「真由美!?」

 渡辺は七草の言葉を聞いて驚くが七草はこう続けた。

 「今はああだこうだ言っている時じゃないわ。確かにあれは目立つそうだけど

逆にあれなら観客の人達を安全に避難できそうだと思わない?」

 「確かにそうだが・・・なあ。」

 渡辺はそれを聞いて少し嫌な顔をしているが仕方ないと思ってこう答えた。

 「分かった、だが編成はどうする?」

 「近接型の桐原君と万が一に備えて十文字君と摩利がシェルターに服部君と私がバスに乗るわ、他の方は?」

 そう聞くと一条はこう答えた。

 「俺もそれで良い、一色がシェルターで俺とジョージがバスだ。」

 そう言うとまあ取敢えずと言ってこう続けた。

 「お互いに生き残ろうぜ。」

 「そうね。」

 そう言ってお互いに話し合いが終わると鈴音がこう言った。

 「それでは向こうから来た彼らを止めてからですね。」

 そう言った瞬間に扉が・・・攻撃されていたがそれはレオンの硬化魔法で防ぎ

他の面々もそれをしていた。

 そして暫くして・・・何だかどたどたと音がした時に・・・

扉が元に戻って突如開いた。

 「「「「「!!!!」」」」

 まさかと思ってCADを構えた瞬間に・・・聞き慣れた声が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「おいおいおい、俺を撃つ気かお前ら?」

 『『『『『ウィーズリー先生‼!』』』』』

 それを聞いて十校の生徒たちがそう言うとウィーズリーはこう答えた。

 「正面の方は俺が片したから皆はバスに」

 「其れについてですが数人程追加ですけど。」

 「・・・ああ、分かった分かった。取敢えずはだが空きがネエゾこんなに一杯は乗れねえぜ?」

 「ですので他校の生徒の半数と民間人はシェルターに入ります」

 「いや駄目だ、地下だと敵とガチ遭った時が厄介だから上のバスに乗らせて避難だ、民間人はそのバスに乗らせるから生徒たちの半数がこっちだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 半数がウィーズリーに続いて十校のバスに搭乗すると

(一条と十文字は義勇軍参加の為いない。)七草はそれを見て

ぽけーっとしていた。

 「ええとさ・・・バスってシャンデリラつけるものだったっけ?」

 「それ言うならベッドもあるぞこれって座席もこれなのか!?」

 「よく見たらカラオケに冷蔵庫もありますよ!!」

 七草、渡辺、あずさの順番でそういうが恐らく全員同じ思いであろうと

そう思っていると突如十校の生徒たちが窓を開けるので何でと聞くと鈴音は

こう答えた。

 「耐久性は保証されていますがそれでも万が一がありますし戦闘に

備えてです。」

 そう言うと全員がCADを持つと鈴音はあるものを全員に手渡していた。

 それは・・・。

 「エチケット袋です、万が一に備えてどうぞ。」

 そう言うと・・・放送が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『ア、アー。マイクのテスト中マイクのテスト中。ようこそ十校の名物乗り物『三階建てバス』にご搭乗ありがとうございまーす!

私『フレッド・ウィーズリー』が運転するバスの乗り心地に心行くまで

お楽しみ下さーい!』

 そう言うとフレッドが運転席で操作して・・・こう言った。

 「さあてと・・・バスを出すぜ!いやっはーーーーーー!!」 




 暴走三階建てバス無双!!


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バスは危ない

 三階建てバス・・・最早悪夢。


一高生徒の証言(声は変えております)

 「あ、はい。信じられませんでした。まさかあのバスが

あんなじゃじゃ馬なんて屁でもないくらいのバケモノだったとは

露ともしれなかったですが正直に言います・・・もう乗りたくないです

あんなバス。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「いやっはーーーーーー!!」

 フレッドの大声と同時にバスが動いた瞬間に座席兼ベッドが後ろに勢いよく

動き出したのだ。

 『『『『『ウワアアアアアアアアアアアアアアアアア!‼!!!』』』』』

 それと同時に十校の2,3年生以外の生徒たちが悲鳴を上げた。

 然しそんなのなんのそのと言わんばかりに爆走する三階建てバスは縦横無尽に

障害物を避け乍ら走り去って行った。

 因みにカメラで映ったその時速は・・・200㌔あったと記録されている。

 途中途中でゲリラ兵が立ち向かおうとするも大体が通り過ぎて行ってしまうか例え待ち構えていたとしても魔法で防御又は攻撃されるがおちである。

 然もミサイルやマシンガンの弾丸に当たっているはずなのに

何故かびくともしないとゲリラからすれば泣いて良い程の硬さでもある。

 「ねえ藤原君!このバスって速過ぎじゃないの!?」

 「俺に聞かないで下さいよ!俺だって地上走るの初めてなんですから!!」

 「じゃあどうやっていたのよ!?」

 「飛んで来たに決まっているでしょ!?飛行魔法使って。」

 「普通そんなのしないわよーー!!」

 七草は達也に向けて悲鳴交じりで抗議するがその間にもバスは真っすぐ

突っ切っていくが目の前にあるものが見えた。

 それは・・・。

 「おいおいおい連中ヘンテコ兵器迄持っているぜ!」

 フレッドがそう言った目の前にあるのは全校三メートル、肩高三メートル、横幅二メートル半、長さ二メートル半の人型移動砲台がそこにあった。

 まるで自走車両にこれでもかと言わんばかりの武器が両腕に多彩に

敷き詰められておりどちらかと言えば某人型機動兵器のなりそこないに見える。

 それらが二機ほどあったがフレッドは杖を懐から出すと窓を開けて術を唱えた。

 「《ウィンガーディアム・レビオーサ》」

 すると人型の移動砲台の片割れが突如・・・浮かび上がったのだ。

 それを二階から見ていた桐原がこう呟いた。

 「嘘だろ?」

 どんな魔法を使っているんだと思いながらその光景を見ていると壬生が

こう答えた。

 「あれがウチの魔法ヨ。」

 「ウチの・・・マサカお前もか!?」

 「まあ、あんなの初歩魔法だし大体は皆使えるはずよ?」

 「マジかよ。」

 それを聞いて嘘だろうとそう思いながらその光景を見て更に上に上がり

大体10m位になって・・・人型移動砲台は突如もう一機目掛けて落ちていった。

 突然の事で慌てていた人型移動砲台のもう片方は其の儘片割れの重さを

諸に受けてしまい2機とも爆発した。

 「よっしゃー!」

 一気に行くぜと言ってその場を通り過ぎて行った。

 然し同じ時に他の場所から・・・更に敵が増えている場所があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 国際会議場から防衛として向かっていた魔法協会支部のある

横浜ベイヒルズタワーまでの道のりに於いて戦闘が起きていた。

 「クソが!一体どんだけいるんだ!?」

 「今は無駄口叩く余裕はないぞ。」

 将輝の言葉を聞いて克人がそう答え乍ら攻撃しているが正直なところ

鬱陶しいとしか言いようがなかった。

 人型移動砲台はさらに増えるは重武装化した兵士がいるわで大苦戦を

強いられていた。

 そんな中それを無人偵察機で監視していた近くに停泊している司令官は

こう思っていた。

 「(良し、今の所は順調だな。後は先に潜入していた彼らがあれを手に入れれば任務完了だが・・・今に見ていろ日帝共、我々が勝利した暁には貴様らも

我らの先祖が受けた屈辱を倍で返してやる。)」

 ククククと笑いながら司令官は今後訪れるであろう戦いを予感して

にやけていると・・・偵察機を操作していた兵士の一人がこう言った。

 「司令官、先ほど一機反応が消えました。」

 「?構うな、幾ら数に限りがあるとはいえ未だ余裕が」

 「いえ待って下さい・・・更に一機・・・いや二機、五機同時!

やられています!!」

 「何だと!?」

 「更に被害甚大!駄目ですこのままでは戦闘を観測できません!!」

 「一体何が起きているんだ!?」

 「分かりません!!」

 「一体・・・ナニが起きているのだ?」

 司令官は訳が分からないと思いながら次々と信号が消失していく偵察機の映像を見るしか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「これで終わりかのう?」

 そう言いながら屋上にて・・・ダンブルドアが杖を振るって文字通り

偵察機を消滅させていた。

 「先生!」

 「おお、一か?どうしてここに?」

 ダンブルドアはそう言って姿現しで背後に現れた司 一に目を向けていると一はこう答えた。

 「いえ、戦闘が起きていると聞いていてもたってもいられなくなって

来てしまいました。」

 「そうか、お主だけではあるまい?」

 「ハイ!近くに用がある俺みたいな十校の元生徒達も義勇軍として

別方向から奇襲をかけています。連中なんですがここを襲撃したともなると

目的は矢張り」

 「うむ、協会にある情報データかもしれぬ。」

 「序に優秀な技術者と魔法師の拉致も加えられていますってか?

《二兎を追う者は一兎をも得ず》って知らないんですかねえ?」

 一が冗談交じりでそう言うとダンブルドアはこう答えた。

 「他の先生方も各戦線に姿現しで向かっておる。協会には・・・ポッター先生とスネイプ先生を送っておくかのう。」

 「あの2人ですか~?仲が悪いんでしょう?強いですけど」

 「まあ、あの2人もまさかここで喧嘩するわけあるまい。」

 そうだと良いですけどねと一はそう言って姿消しを使って何処かにへと

向かって行った。

 そしてダンブルドア先生はさてとと言ってホークスが肩に乗るのと同時に

こう言った。

 「それじゃあ儂らは生徒を見つけるとするかのう?」

 そう言ってダンブルドア先生はホークスと共に焔と化して姿を消した。




 次回はさらに続きます。


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未知の魔法

 この出会いは・・・運命だ。


 そんな状況の中においても三階建てバスは今も・・・無双状態で走っていた。

 「もう嫌ーー!!降りたいーー!!」

 「無理言わないでよ!今降りたら死んじゃうわよ!!」

 「ここにいても同じよーー!!」

 「そりゃあそうだけどーー!!」

 阿鼻叫喚の悲鳴が聞こえる中に於いてもバスは問答無用で進んでいたが

更に前を見てフレッドは全員に向けてこう言った。

 「おい皆!また増えたぞ今度は三機!!」

 『『『『『!‼!!!』』』』』

 それを聞いて全員がまたかよと思っていると壬生が十校生徒全員に向けて

こう言った。

 「皆!二機はウィーズリー先生に任せて私達は残りの奴をどかすわよ!!」

 『『ハイ‼!』』

 それを聞いて全員がCADを構えた次の瞬間に・・・とんでもないことが起こった。

 それは・・・。

 「え?あの人たちいつの間にいたの!?」

 七草は達也に向けて人型の移動砲台の上にいる人間たちを見て

そう聞くが達也はこう答えた。

 「いや、俺も初めて見る魔法ですよ!一体どうやってあんなところに!?」

 そう言って七草は達也に向けてこう続けた。

 「えええ!貴方の所の魔法じゃないの!?」

 「多分そうですけど見たことないですよ!!」

 達也はそう反論すると・・・上にいる鈴音がこう答えた。

 「あれは『姿現し』です。」

 「「『姿現し』??」」

 それを聞いて七草と達也が鸚鵡返しでそう聞くと愛梨がこう聞いた。

 「一体どういう魔法なんですか?」

 そう聞くと鈴音はこう答えた。

 「あれは行きたい場所に瞬時に行けるまああり大抵に言えば

『テレポート』と言えば分かりますか?その一種です。」

 「そんなバカな!テレポート何て今の魔法技術でも不可能と言われる

超常現象じゃないか!?」

 それを聞いて横で聞いていた真紅郎が大声でそういうと二階にいる

あずさがこう続けた。

 「それによしんば成功していたとするなら既に発表されても

可笑しくないはずなのにどうしてですか?!」

 それを聞いて鈴音はこう答えた。

 「簡単です、あれを扱えれるのは十校生徒の中でも三年の終わりに

触り程度で出るので後は個人個人で出来るかどうかを適正で測って授業をしますが中には大学に入った後でも学校に来て特別に学ぶ人たちも大勢いるので

大体卒業生は全員扱えますがナニカ?」

 「「「「「・・・エエエエ・・・・・。」」」」」

 それを聞いて聞いた全員が目を丸くしていた。

 何せそんな超常現象をいとも簡単に使えるなんてどんな場所なんだと

思っている面々(達也は俺もやれるかなあと考えている)であった。

 そしてバスは其の儘立ち去って行くのを見て一応リーダーになってしまった一が全員に向けてこう言った。

 「それじゃあ俺達は他の皆と協力して敵を止めておくぞ!」

 散と言った瞬間に全員が『姿消し』で姿を消してさてとと言って後ろにいる

人間に向けてこう聞いた。

 「覗きが趣味とは同じ警官として関心しませんな・・・寿和警部?」

 「それを言われたらって言うか僕こっち向きじゃないんだよね?一巡査長?」

 そう言いながら車の陰から・・・寿和が出てくると一に向けてこう聞いた。

 「今のって十校の卒業生でしょう?一体如何やったらあんなすぐに消えたり

現れたり出来るのか教えて欲しいなあ?」

 「言っても分からないと思いますしそれに教えても碌な事に

使われなさそうなんで言いません。」

 「ええ。ケチだなあもう。」

 そう言いながら寿和は人型の移動砲台の装甲を剣で斬り裂いて中を見分すると

三十㎝四方の立方体の箱を取り出すと一がこう聞いた。

 「それは・・・まさか『ブースター』ですか?」

 そう聞くとまあねと寿和は笑いながらこう続けた。

 「接続も操作も全部呪術的回路で行われているから機械的な端子はないが

その分魔法の威力を跳ね上げさせることが出来る。」

 「正に魔法師のなれの果てって奴ですな?おおこわ。」

 そう言いながらわざとらしく両手を体にしがみ付けるが寿和は一に向けて

こう言った。

 「これで敵さんが誰なのかはっきりしたな。」

 「大体みんな予測していたでしょう?」

 そう言うと寿和は一に向けてこう言った。

 「お前さんはこれからどうするんだ?」

 「私はこれから他の戦線にいる皆の援護と・・・先生たちの見回りです。」

 後は避難に遅れた民間人の救出もありますねと言うと寿和は一に向けて

指示を出した。

 「だったら頼む、港湾にいる恐らく今回の首謀国家『大亜連合』の

偽装戦艦があるはずだけどそいつの発進阻止、又は制圧を頼みたいんだけど?」

 「他に味方は?」

 「いると思う?」

 「でしょうね~~・・・まあ、取敢えず手の空いた人間を使いますけど

あまり期待しないで下さいよ?」

 「ハハハ、期待しているよ。」

 「肩が重いなあ。」

 そう言いながら一は姿消しで瞬時に消えるとそれを間近で見た寿和は

こう呟いた。

 「・・・本当に消えたよ、良いなああれならいつでもどこでも

現場直行じゃん。」

 時間が省けそうだよなあとブツくさ文句たらしながら加重魔法で

他の場所に向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それは他の戦線でも同じであった。

 「一体彼らは一体?」

 「分からないが味方というのは間違いない・・・突破するぞ!」

 『『『『『オオォォォォ!‼!!!』』』』』

 一条と十文字は十校生徒卒業生の攻撃を見てそう言いながら義勇軍兵士達と共に掃討戦を開始した。




 そして未だ戦闘は続く。


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戦闘中

 未だ戦闘は終わらず


 バスでの走行は最早近づくだけで自殺レベルだ。

 それを感じたテロリスト達は車を使って前方を塞ぐようにしてトラックや自動車を道路に通せんぼするかのように置いていたので七草がフレッドに向けて

こう意見を出した。

 「前に車があんなに!?この車って聞いたけど飛べますよね!!?」

 「ああ、飛べるよ!」

 「だったらそれで」

 「駄目だ!対空砲が来るかもしれない中でそんな危険は冒せない!」

 「もうしてるじゃないってもう間に合わない!」

 そう言って魔法を発動しようとした次の瞬間にフレッドは上にある

アームを引っ張ると全員に向けてこう言った。

 「それでは皆様!少し面白い現象が起きるってあれ皆様?・・・

顔が細くなりましたね!!」

 フレッドが笑いながらそういった瞬間にバスがの中にいる全員が・・・

体が細くなってしまったのだ。

 それは生徒だけではなく・・・バスにも例外なくそうなっていた。

 バスが細くなって隙間に入ったと思いきやそのまま・・・突破したのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『『『『『『『ええええええええええええ!‼!!!』』』』』

 「「「「「ええええええええええ!!!!!」」」」」

 テロリストと生徒たちは同時に悲鳴をあげると一色がこう聞いた。

 「ちょちょっと今バスが細く!」

 「ああなったな。」

 「どうやったんですか!?」

 「其れはな・・・このアームを下したら出来るぜ?」

 「普通出来ないって言うかどういう魔法なんですかこれーー!!」

 「凄いなこれ、その気になれば船だって小さく出来そう。」

 「藤原君は黙っててくださいって言うか吉祥寺さんはどういう」

 一色は吉祥寺に聞くが当の本人は頭を抱えて・・・こう呟いた。

 「一体どうやって・・・質量保存どころかあらゆる現象を飛び越えて・・・一体どういう術式って言うか人体に影響はない・・・なら一体」

 「ああ駄目ですわ、完全に研究者になってる。」

 誰も意見してくれるような人間がいない事にため息をする一色であったが

尚もバスは爆走を続けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方敵の主力部隊であるが既に・・・死に体同然の状況となっていた。

 大陸系の古式魔法を中心にした戦力で構成されており化成体と

人型移動砲台がいたのだが化成体の方は数人の私服を着た恐らく義勇軍であろう、杖を取り出してこう言った瞬間に化成体が・・・全て消滅したのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『『『『『『エクスペクト・パトローナム!!!!!』』』』』

 その呪文であろう、それを聞いた瞬間に杖から白い光が溢れんばかりに出たと

思えば自分たちが使っていた化成体と同じような化成体らしき生き物が

出てきたのだが・・・まるっきり性能が違っていたのだ。

 犬に似た焔の塊の化成体『禍斗』に対して狼や鮫の様な化成体が

それらを食い破ったどころか自分たちを弾き飛ばし、

一本足の鶴に似た『畢方』と呼ばれる化成体は鳥やトラなどの化成体によって

蹂躙されてしまい人型移動砲台に関しては突如消えては現れる人間によって

破壊されたり突然爆発したり足元から植物が生えてきて兵士は何とか

抗おうとするが其の儘体を捻りつぶされて絶命して植物の栄養にされたりした。

 「退避!退避ーー!!」

 隊長らしき男が命令して全員横浜にある中華街に逃げ込もうとして

あと少しの所で・・・当然謎の外国人たちが眼前に現れて杖を振ったと思えば

全員・・・吹き飛ばされて倒れてしまった。

 街では幾つもの光の閃光や軌跡が見える中で兵士の一人はこう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「我々は・・・怒らせてはいけない連中を怒らしたのか?」

 そう呟いた瞬間に全員の目の前で光が覆われて全員・・・意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その報告は偽装揚陸艦にいる司令官が聞いて我が耳を疑った。

 「別動隊が・・・本隊も・・・壊滅?」

 「報告によればその通りです。敵は我々以上に強力な魔法師を既に・・・

数よりも質を重視している連中に壊滅し残存兵は大半が討伐され僅かな生き残りは捕虜になっている可能性が」

 「ふざけんな!」

 「!!」

 「敵が我々よりも強力な魔法をだと!?笑わせるな!敵がどうであれ所詮は

人間だ!!包囲して殲滅すれば済む話」

 「ですが既に投入された兵力の8割が通信拒絶されております!!」

 「ありえない!ジャミングされているに」

 「因みにこれは他の部隊からの通信もありますがそれは?」

 「・・・何としてでも時間を稼げ!先に潜入した陳と呂から連絡は!?」

 「それが未だ連絡が来ず・・・ですが時間的には既に協会に潜入している

頃合いかと。」

 「急がせろ、もし1時間経っても連絡が来なかったその時は・・・

置いて行く。」

 「了解。」

 それを聞いて参謀長が退くのを見て司令官はこう思っていた。

 「(くぞ!何でこんな事に!!こうなれば本部に繋いで侵攻作戦を速める様に

打電するべきか!?)」

 そう思っているがそれは無駄と言った物であろう。

 もしここで撤退すれば・・・より最悪な結果を聞かずに済みそうなのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「隊長!味方が後退を始めました!」

 「そうか。」

 部下の報告を聞いて平坦な口調で『陳 祥山』はこう言った

 「それではこれより我々の作戦を始める、呂上尉は私と来い。」

 「分かりました。」

 そう言って部下と共に協会に入るのを・・・ローブを着た2人の男性は

静かに見つめた後で・・・一瞬で姿を消した。




 次回はスネイプ、ジェームス対陳、呂戦です。


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魔法を甘く見るな

 陳と呂、死亡フラグです。


 陳と呂は普通に歩きながら魔法協会の階段を上っていた。

 警備員は全員外にいる部隊の鎮圧にかかっているが恐らくは

そう長くはいられないだろうと確信しているが2人は其の儘目的のデータを

奪取するためにパソコンに手を伸ばそうとすると・・・声が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 「それが貴様らの目的かね?」

 「全く、火事場泥棒太々しいはこの事だね。」

 「!誰だ!?」

 陳はそう言って辺りを見渡すと・・・目の前にローブを着た2人の男性が目に

映った。

 「誰だ!」

 「それを聞いて貴様は吾輩たちをどうするかなど分かり切っておろう。」

 「確かに、時間の無駄だね。」

 陳と呂に向けてそう言うのはスネイプとジェームスであった。

 それを聞いた陳は確かにと思ってこう言った。

 「それでは・・・死んでもらおう、呂!」

 「了解。」

 大柄の男性呂はそう言って体を前かがみにして・・・突進するかのように弱そうなスネイプに狙いを定めてその手で殴り殺そうとした次の瞬間に

セブルスは杖を出してこう唱えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「『アレスト・モメンタム』」

 そういった瞬間に呂が突如・・・動かなくなった。

 『何!?」

 「!!」

 陳と呂はそれを見て驚いた、特にそれを喰らった呂は何故動かなくなったんだと思っていると更に・・・ジェームスが呪文を唱えた。

 「『エクスパルソ』」

 そういった瞬間に呂が突如・・・爆発して体が四散した。

 「・・・何だそれは・・・!?」

 陳は振り絞るかのように2人に向けてそう聞くがスネイプとジェームスは

こう答えた。

 「聞いた何とする?」

 「もう逃げられないって分かっているよね?」

 そういうと陳は自分の術を発動した。

 「『鬼門遁甲』」

 この術は相手の方向を乱れさせる術であり本来ならば囮がいて

初めて成しえるのだが今使って出来れば一人ぐらいはとそう思って攻撃しようと

構えた次の瞬間に・・・信じられないことが起きたのだ。

 何せ彼らが・・・姿を晦ましたのだ。

 「!!」

 一体何処にとそう思って周りを見渡したその時に・・・スネイプが自身の

目の前に現れそして・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「『セクタムセンブラ』」

 スネイプが嘗て作った魔法によって体が殆ど真っ二つ同然に切り裂かれそこから溢れんばかりの血が噴き出したのが・・・陳が最後に見た光景であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「終わったようだな。」

 「ああそうだな、吾輩は貴様からすぐに離れたいからバスの方に向かおう。

貴様は港に行って一達の援軍として向かっておれ。」

 それではと言って姿消しで消えたスネイプを見てジェームスはこう呟いた。

 「やれやれ、あの野郎また何時か樹に括りつけてやろうか。」

 そう言いながら港に向けて姿消しをして消え去った。

 後に残ったのは・・・四散した呂と真っ二つに切り裂かれた陳の姿であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして港に於いてだが・・・一達を中心とした十高卒業生で構成された

メンバーによって攻略されつつある中で一人が一に向けてこう言った。

 「大変だ一!あいつら仲間を置いて逃げる気だ!!」

 「畜生が!警察と軍は何時になったら来るんだよ!!」

 そう言いながらもロケットランチャー(指向性気化爆弾内蔵)と

貫通力増幅ライフルを持っている敵をあと少しで全員倒せそうであった。

 何せ姿現しで内部に入って乱戦にさせれば良いのだから。

 そんな中で逃げようとするので自分たちも姿消しで

あっちに現わそうとすると・・・突如通信が聞こえた。

 『ようやく繋がりました。』

 「どちらさん?」

 『私は《独立魔装大隊所属》の藤林です。貴方方は今港にいる事は

分かっております。』

 「序にあの船を何とかしようと思っていますがね。」

 『でしたらあの船に対する直接攻撃は慎んでほしいのですが。』

 「何で?」

 『あの船には恐らく《ヒドラジン燃料電池》を使用していると思われます。もし何かあれば流出して当たりの海洋に被害が。』

 「ちぃ!向こうはそれを承知でやっている事か・・・分かった、攻撃はしない。皆にもそう伝えておく。」

 『ご協力して下さってなんですが・・・スミマセン。』

 「良いさ、アンタは仕事を成し遂げたんだから。」

 そういった瞬間に攻撃が終わり今のを伝えると・・・ジェームスが現れた。

 「どうしたんだい?」

 そう聞いて一は事情を説明すると・・・ジェームスがこう言った。

 「分かった、あの船は僕らで何とかしよう。君達は街に行ってくれ。」

 『ハイ。』

 全員はそれを聞いて姿消しで消えていくと全員消えたのを確認してジェームスはこう呟いた。

 「さてと・・・仕事と行くか。」

 そう言って自身も姿消しで消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「日本軍は攻撃してきませんね。」

 「フン・・・奴らにそんな度胸があるものか。」

 「ヒドラジンを恐れてですか?」

 「同じことだ、今更環境保護などという偽善にとらわれているから見す見す敵の撤退を許すことになるのだ(覚えておけよ、この屈辱は倍にして)」

 返したやると思った瞬間に船の中央に・・・誰かがいるのが見えた。

 「侵入者!」

 「何時の間に!!」

 指揮官はそう言って兵を送れと指揮した次の瞬間にジェームスは杖を

船に差し込むかのような感じで置くとジェームスはこう唱えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「『スクラペール』」

 そう唱えた瞬間に船が・・・軋み始めて・・・錆び始めた。

 この呪文は鉄ならば何でもかんでも錆びさせることが出来る呪文で

使えるのは教師陣だけである。

 無論これは流布したら厄介な事になる為卒業生は存在すら知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 「一体奴は何を」

 『誰か助けてくれ!船底から浸水‼』

 「何!?」

 『こちら動力室!パイプが全部腐り始めて船が持たない‼』

 「システムに異常!このままでは沈没します!」

 「何だと!?ありえない!!そんなのが」

 ある訳と言おうとしたが・・・指揮官は言い終える前に床が崩れ落ちて・・・

海に向かって落ちて云った。




 スクラペール
 鉄を錆びつかせる呪文でどんなものにも作用が聞くため現代殺しと言う
あだ名が付いている。


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我に考えがある

 戦いは・・・敵を滅ぼすだけが勝ちではない。


 『『『『『何時まで乗っているんだーー!!』』』』』

 生徒たちの悲鳴と共にバスは未だ走り回っていた。

 既に十高生徒の内の2,3年以外は全員顔が青くなっていた。

 「もう嫌あ!家に帰りたいよーー!!」

 「ほのか・・・私も同じ気もt・・・うぷ。」

 「雫さんここで吐かないで・・・うぷ。」

 「栞あんたもなのーー!?」

 既に涙目のほのか、吐き掛けている雫、栞、其れにツッコミを入れるエリカ。

 「私・・・帰ったらお父さんに優しくしようかしら」ガタガタ

 「もう二度と高飛車な事は言いませんから家に帰してください

神様お願いします。」ブルブル

 恐怖のあまり逃避行したり神に頼る十師族。

 「おいアンタら現実逃避するんなら何かに捕まってろ!!」

 そしてそんな2人に向けて大声でそういう達也。

 ・・・完全にカオスな状況となっていた。

 そんな中でウィーズリーがアナウンスでこう言った。

 『ええと・・・ご乗車ありがとうございました。間もなく避難場所となっている

横浜の縁外部に着きますので・・・シートベルトはないから何かに

捕まっておけよーー!!』

 『『『『ウソダドンドコドーン‼!!!!』』』』』

 それを聞いて全員が近くにいる人や物に捕まると・・・バスはあんなに

速かったのにすっと停まるが中は・・・そうではなかった。

 『『『『『ふぎゃ――――――!!!!』』』』

 全員がベッドから転げ落ちたりぶつかったりした。

 そんな状況の一部が・・・これ。

 

 

 

 

 

 

 

 「あいたたたた・・・大丈夫柴田さん?」

 「ええ・・・アアハイ・・・・!!!」

 美月はすぐ後ろで自身を抱きかかえていた幹比古の手が・・・自身の胸を

鷲掴みしているのを見て赤面していくと幹比古はそれを・・・揉みながら

後ろから見て慌てて離れた。

 「ごごごご御免柴田さん!」

 「ええいいえ・・・その・・・お恥ずかしいものを触らせてしまって」

 「いやいや凄く柔らかったよって」

 「「・・・・え」」

 それを聞いて2人は・・・更に赤面すると近くにいたレオンとエリカは

こう呟いた。

 「なあさ・・・ここちょっと甘くないか?」

 「後でコーヒー飲みましょう、ブラック。」

 そして達也はと言うと・・・。

 「いたたたた・・・大丈夫か?」

 「ええ・・・ありがとう。」

 「こっちも平気よ。」

 あの時近くにいた七草と一色の手を掴んで抱き寄せたのだ。

 だがそういうのに免疫がない彼女たちは・・・内心慌てていた。

 どの位と言うと・・・脳内で数百人の小さな自分が暴動するかのように

暴れまわっていた。

 そんな中でウィーズリーは全員に向けてこう言った。

 『それでは皆様降りて大丈夫ですよー。』

 そう言って扉が開くや否や・・・殆ど全員が出て行くとエチケット袋をとったり最悪その場で吐いたりしていた(無論達也達もだが)。

 そんな中でウィーズリーは電話が鳴ったので取り出して聞いてみると・・・

こう答えた。

 「分かりました、姿現しで取りに行ってきます。」

 そう言って運転席から姿消しで消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 数分前。

 ダンブルドア先生達と卒業生達は義勇軍と国軍がいる目の前に立っていた。

 すると代表として十文字がこう言った。

 「今回の件について礼を言いたい、十師族として感謝したい。」

 「いやいや、当然のことをした迄じゃ。」

 それを聞いてダンブルドア先生がそう答えると同時に・・・姿現しで現れたジェームスの姿を見かけた。

 何やら巨大な水の塊をもってだ。

 そしてジェームスが降り立つと風間が前に出てこう聞いた。

 「あれには何が?」

 「ああ、ヒドラジン燃料を積んだメインエンジンとその船員ですよ。」

 「・・・何?」

 それを聞いて風間は眉を顰めるとジェームスは術を解除させた瞬間に・・・

水の塊がばしゃーんと飛び散って周りを水浸しにした。

 因みに卒業生達は魔法で乾燥した。

 そして風間は船員の中で間違いなく司令官であろう男性に向けてこう聞いた。

 「大人しくしてもらおう、それと・・・貴様らの仲間は全員我々が捕虜にした。魔法協会に潜り込んでいた恐らく隊長であろう2人の・・・遺体はこれだ。」

 そう言って風間は司令官に向けてそう聞くが司令官は風間を見てふんと

鼻息荒らしてそっぽを向いた。

 それを見てなんとまあと風間は予想の範囲内であると思っていると・・・

スネイプが司令官に向けて術を唱えた。

 

 

 

 

 

 「『インぺディメンタ』」

 そう唱えた瞬間に司令官の顔が・・・

何だかほにゃーんとした表情になったがスネイプがこう聞いた。

 「答えろ、貴様らの目的は何だ?」

 そう聞くと司令官はこう答えた。

 「・・・我々の目的は・・・協会にある・・・十師族の・・・情報の取得と・・本隊の・・・時間稼ぎ」

 「司令官!?」

 参謀長は突如ペラペラと話し始める司令官を見て驚くと参謀長は

まさかとスネイプに向けてこう言った。

 「貴様・・・まさか精神感応の魔法師か!?」

 そう聞くがスネイプは・・・こう返した。

 「まさか・・・吾輩は只の教師だ。」

 「嘘つくな!貴様それは」

 

 

 

 

 

 「『シレンシオ』」

 参謀が良いかけた瞬間にルーピンが魔法で黙らせると突如声が

出なくなったことに驚いて何か抗議しているようであるが聞こえないので

縄を出して雁字搦めにして放置した。

 そしてスネイプはこう聞いた。

 「本隊とは?」

 「今から・・・1時間半後に・・・本隊が・・・九州周辺に・・・

上陸する為に・・・部隊を・・・出動させる・・・準備を・・・している・・・

それが・・・本隊だ。」

 それを聞いてスネイプはダンブルドアに目を向けていると風間が

兵士に向けてこう言った。

 「急ぎ部隊を整え迎撃準備!九州一帯に非常警戒警報を発令!!

市民の避難を最優先にするように伝達!!」

 「了解!」

 それを聞いて兵士が立ち去ろうとするとダンブルドアが風間に向けて

こう言った。

 「風間殿・・・ここは儂に一任してくれんかのう?」

 「・・・何ですって?」

 「儂に一計がある。もし成功すれば誰も傷つけることなく戦が終わると

思うのじゃが。」

 「そんな事が」

 「出来る・・・儂らならな。」

 風間に向けてダンブルドアがそう答えると風間は暫く考え・・・

藤林に向けてこう聞いた。

 「藤林、早急に衛星データから何処の基地から敵が準備しているのか

分かるか?」

 「それでしたらすぐに・・・ですが隊長」

 「責任は私が取ろう・・・ダンブルドア殿・・・秘策がおありで?」

 「うむ。」

 それを聞いてダンブルドアがそう答えるとダンブルドアは携帯を取り出して・・こう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「フレッドか?ちょっと良いか?」




 次回・・・敵はまあ・・・がんば。


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悪魔の薬

 やっと七巻まで終わった。


 そして12分後。

 「成程ねえ、まあ確かにこいつらでしたら何とかなるかもしれないですね!」

 フレッドは姿現しした後にダンブルドアからの事情を聞いてそう答え乍ら・・・

トランクに入ってある奇妙な液体が入った容器を見ていると風間がこう聞いた。

 「済まないがそれは・・・何かね?」

 「ああ、こいつですか?こいつは俺が作った『悪戯薬』シリーズですよ!」

 「『悪戯薬』・・・一体どんなものなんですか?」

 風間は恐る恐るそう聞くとフレッドは幾つか説明した。

 「こいつは俺が学生時代に開発した奴なんですよ、

授業が面倒くさい時があってさ、そういう時に便利なんですよー。例えば

この泥の様な色をしているのが『ゲーゲー薬』、吸うだけで嘔吐しちゃって・・・

まあ、数分で治まりますけど結構効きますよ?それとこの『鼻血薬』、飲むとすぐに鼻血が出る奴でこいつが『発熱薬』、効果は抜群。速攻で40℃近い高熱を

引き起こしますよ?そんで最後に『気絶薬』、飲むとすぐに気絶しちまって

まあこいつも数分で治まりますよ、それに『天然痘擬き薬』、

『風邪引きマスク』、『コロナブースター』、『インブル便薬』それと」

 「ああ・・・もう良い。」

 風間はどんどんと出てくる薬やグッズを見て・・・顔を青くして中止させて

こう思っていた。

 「(これ全部彼が学生時代に・・・こんなの軍からしても間違いなく

押収物って言うか最悪彼一人で世界を牛耳れるんじゃないのか?)」

 そう思いながらも風間はこれをどうするのかと思っているとダンブルドアは

フレッドに向けてこう言った。

 「フレッド、このエンジンの中にある『ヒドラジン燃料』をその薬と

そっくり入れ替えてくれ。」

 「分かりました。」

 「いや待てーー!!」

 風間はマジかよとそう思ってダンブルドアに向けてこう聞いた。

 「いや貴方何やらす気なんですか!?」

 「うむ、作戦はこうじゃ。儂がフレッドの薬が入ったエンジンを持って

奴らの基地にこれをばら撒き、そして兵器をちょっとした方法で

使えなくさせるだけじゃが?」

 「いや貴方その作戦聞いたら無理だろうって普通思いますけど貴方方ならばッて思ってしまう自分がいるって貴方のやろうとする事テロと何ら変わらないって

これ完全にバイオテロじゃないですか!?」

 風間は既にキャラが崩壊しているにも拘らずそういうがフレッドは

そんなの聞いていないのか薬の入れ替え作業を始めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「さてと、儂は向かうでな。ああ、基地は何処じゃ?」

 ダンブルドアは風間に向けてそう聞くと風間は・・・力なく藤林に

それを聞いて答えるとダンブルドアは映像を見てこう言った。

 「それでは行ってくる。」

 そういうと空から・・・フォークスが舞い降りた。

 「何だアレハ?」

 「紅い鳥・・・?」

 初めて見た風間達はそれが何なのか分からなかったがフォークスが

ダンブルドアの上で制止するとダンブルドアはフォークスを掴んでこう言った。

 「さて・・・最後と行こうかの。」

 そういって焔と共に・・・姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 大東亜連合は港で兵士達に準備させ終え最後の訓示を伝えている所であった。

 そんな中ではるか上空に於いてダンブルドアはフォークスに摑まっている状態でフレッド特性『悪戯薬』の入ったエンジンを浮かせていると

ダンブルドアはこう呟いた。

 「すまぬが攻められるわけにはいかないのでな。当面の間は

来ないでもらおう。」

 そう呟いたと思えばエンジンが・・・突如破壊して中に詰まっていた薬が

上空から・・・ばら撒かれ虹が出来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「?何だこれ??」

 「雨か?だけど今日は予報じゃあ。」

 突如の事で外に出ていた兵士たちがそう言った次の瞬間に・・・

全員が異変に襲われた。

 「うぶ・・・おいぇえええええええ!!」

 「な!?鼻血がって俺もおいぇえええええええ!!」

 「うわあ」

 「あれ・・・頭が痛いって言うか身体がおかしI」

 突然兵士が全員吐いたり鼻血出したり気絶したり高熱を出して魘されたりと最早何が何やら分からない状況の中でダンブルドアは更に呪文は発動した。

 「『スクラペール』」

 そういった瞬間に基地にあった給水タンクや給油タンクが腐ってしまい

中に入っていた大量の水や油がぶち巻かれて兵士達を海に押し流されて云った。

 『『『『『『ウワアアアアアアアアアアアアアアアアア!‼!!!』』』』』

 突然のことで兵士たちは成すすべなく落ちていくと今度は船も錆びつき始めて

全ての船や潜水艦が・・・朽ち果ててしまった。

 そして最後に基地そのものまでもが腐食し始めて・・・基地の中にいた

全員が外に退去した瞬間に彼らも海に落ちてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 後のこの事件を『厄災のハロウィン』と呼ばれ後世の歴史家はこう語った。

 『これはこれまでの戦略の中に於いて最も奇妙で死者が思ったよりも少ない

事件でもある』と語られると同時に十高が他校とは違う魔法を

会得しているという事に恐怖し、憧れ、嫉妬され、あらゆる意味で魔法師達の

転換期のきっかけを作りそして・・・これより少し先に於いて巻き起こる・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『魔法師の解放運動』と呼ばれる日本を中心として巻き起こる戦乱の序章とも

呼ばれている。




 次回は人物紹介を挟んで・・・休載とします。


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人物紹介

 人物紹介です。


 十高生徒及び教師・関係者編

 アルバス・ダンブルドア

 十高の校長にして最高の魔法使い。

 神によって転生させられた後四葉から未だ赤ん坊であった達也を攫い

(依頼であった為営利目的ではない)藤原家に引き取らせた男性。

 神によって死亡した人間を教師陣として復活させ学校を作り上げた。

 比較的原作と変わらないが魔法があらゆるものから外れている物が多い為

他校から見れば間違いなくあらゆる意味で注目されている。

 教師として最高なだけではなく魔法師としても一流である。

 卒業生とも面識が広くあり卒業生から近況報告を聞くことも屡々。

 横浜に於いてはフレッドお手製の『悪戯薬』が入ったエンジンを破壊して

散布させて大東亜連合軍兵士全員を恐怖させた。

 

 

 セブルス・スネイプ

 教頭で薬学の教師を兼任している。

 ジェームスとは犬猿の仲で良く喧嘩をしている。

 対外的は彼が担当である。

 また闇の魔術にも精通しているため十高戦でのマフィアグループを一掃させた。

 

 

 

 ジェームス、リリー・ポッター

 ジェームスは体育教師、リリーは精霊と妖精魔法の教師で精霊研究会の顧問

 ジェームスの方はクィディッチの顧問も担当しており闇祓いであった経験から

戦闘能力は高い。

 

 

 

 シリウス・ブラック

 寮の管理人で非常勤教師。

 犬に変身できる能力は失われていないため偶にそれで学園を巡回している。

 

 

 

 

 

 リーマス、ドーラ・ルーピン

 リーマスは攻撃魔法に対する防衛実習魔法、ドーラは変身学。

 

 

 

 

 フレッド・ウィーズリー

 魔工技師学の教師であると同時にCAD研究部の顧問

 嘗て父親が改造した車や三階建てバスなどを作っており『悪戯薬』も

開発するというマッドサイエンティスト的な要素が強くある。

 車の運転も出来るのだが・・・滅茶苦茶ヤバいとしか言いようがない。

 

 

 

 

 

 ニュート・スキャマンダー、リタ・レストレンジ

 生物学担当であまり人前には出ないが次章からは色々と出るよう予定である。

 

 

 

 

 

 小野 遥

 保健師で医者。

 原作では公安であるが今作ではちゃんとした講師である。

 BS魔法を使うがその力は更に高まり存在を消すことも出来る。

 

 

 

 

 

 

 藤原 達也

 今作の主人公。

 本来ならば色々と改造されて感情が殆ど無くなるのだが今作では他家に

育てられた為感情はちゃんと残っている。

 スポーツ万能で成績優秀であると同時に魔法開発に関しては断トツである。

 また自身だけの魔法がありそれらを利用した『術式変換』を主だって

使用している。

 十高戦に於いて一条を倒したことから『革命者』と呼ばれるようになった。

 エンジニアとして選手としても高い知名度を上げただけではなく横浜に於いては新たな魔法『ループ・キャスト』をも完成させた。

 性格的には穏やかであるが・・・CAD馬鹿である(ここ重要)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 千葉 エリカ

 十高の生徒で千葉の家の人間。

 剣術を主だってやっておりミラージ・バットでは新人戦優勝を果たしている。

 

 

 

 

 

 吉田 幹比古

 吉田家の出であるが諸事情で十高に入学した。

 だが入学以降更に実力を伸ばして十高戦では吉祥寺を破った。

 

 

 

 

 

 西城 レオンハルト

 通称レオン、硬化魔法を得意としているがそれだけではなく格闘技も

お手の物である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 十七夜 栞

 原作では三校であったが今作では達也達と同じ学校に通っている。

 家から追い出され同然に他家に引き取られた後に十高に入学した。

 然し達也達と過ごすうちにそんな考えが小さい事に気づいて実力に

磨きをかけた。

 元からスパコン並の演算能力を駆使して戦うタイプでありそれらをベースに

達也が作った魔法で勝利して以降はその魔法を愛用している。

 

 

 

 

 

 

 嵐城 皐月

 「聖剣使いの禁呪詠唱」に出てくる少女。

 実力はそう高い程ではないが努力家で真面目。

 だが口が悪いのが難点でありよく誤解されがち

 

 

 

 

 

 杉並 斑鳩

 「対魔導学園35試験小隊」に出てくる少女

 家は「蟲毒」を主にする一族であるが彼女はそれらを発展させるほどの才能を

保有しているのだが不真面目を地にしている。

 十高を選んだのは研究が出来るからという理由である。

 因みに頭は良い為筆記では達也に次いで次席

 

 

 

 

 

 

 壬生 沙耶香

 十高生徒会書記→生徒会長

 原作とは違ってテロリストになっていない。

 また、近接戦に高い才能を持っている。

 

 

 

 

 

 

 人吉 善吉

 「めだかボックス」に出てくる少年

 近接格闘のタイプで主に喧嘩殺法。

 生徒会では庶務

 

 

 

 

 

 

 黒神 くじら

 「めだかボックス」に出てくる少女

 開発タイプであると同時に巨乳。

 ノーブラ派で何時も晒である

 また善吉に恋している。

 魔法は四属性の操作。

 顔に包帯をグルグル巻きにしているがそれは自身があがり症である為その予防で着けているのだが着けていないと暴走してしまう。

 生徒会では会計

 

 

 

 

 

 

 司 甲

 生徒会長(元)

 十高戦に於いては十師族の十文字相手に善戦した。

 

 

 

 

 

 

 市原 鈴音

 生徒会副会長(元)

 常温核融合炉の研究をしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 司 一

 十高卒業生

 警察にテ主に潜入捜査を主立っている。

 ブランシュ壊滅に一役買っており横浜に於いては卒業生のリーダーとして戦闘に参加した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 他校生徒

 一条 将輝

 三校の生徒で十師族

 実力は高く従軍経験者であったが達也に敗北した。

 

 

 

 

 

 吉祥寺 真紅郎

 三校の生徒で『カーディナル』という別名を持っている。

 

 

 

 

 

 一色 愛梨

 三校の生徒で十師族

 ミラージ・バットに於いてエリカに敗北した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 十文字 克人

 十師族で一校の生徒

 防壁魔法を得意としている。

 その風貌からよく保護者と間違えられる。

 

 

 

 

 渡辺 摩利

 一校生徒。

 三巨頭であったがバトル・ボードで妨害にあってリタイアしてしまった。

 

 

 

 

 七草 真由美

 一校の生徒で十師族

 三巨頭であり今の社会に納得がいっていない。

 達也をマークしており、よく来る。

 

 

 

 

 

 

 光井 ほのか、明智 エィミィ、北山 雫

 達也達に助けられた少女達で一校の生徒

 十高戦に於いては幾つか大敗を喫するも親友としての立ち位置は

崩れてはいない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 中条 あずさ

 一校の生徒でエンジニア。

 十高戦に於いて達也の技術力を注視していた。

 また横浜に於いてはその技術力に感心している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 十師族

 四葉 真夜

 四葉家の当主で達也の実に母親だが魔法における感情の消去を

目論んでいたところをダンブルドアによって白紙に戻された。

 

 

 

 

 

 

 九島老人

 元陸軍のエースにして司令官。

 その権威は日本において絶対。

 達也の才能に新たな魔法師の可能性を見出している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 軍人

 風間 玄信 

 魔法師だけの戦闘部隊の隊長

 忍者の家系で隠密系が得意。

 十高の魔法に興味を示している。

 

 




 また休載します。


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閑話 四葉の悲劇

 閑話ですのでまた休載します。


『今から三年前の今日、沖縄にテ悲惨な侵略がありました。

そして多くの死者を出しながらも辛くも大東亜連合を退けた今日この日、

遺族の方々は無くなった方々に黙とうをささげる為にこの沖縄に足を』

 「もうそんな時期か、早い物だな。」

 達也がそう呟きながらあんかけラーメンを食べているとそうだねえとエリカは

イチゴパフェをパクパクと食べながら学園にあるテレビを見ていた。

 「考えたら俺アン時この国どうなるんだって思って見てたな。」

 「ああ、ウチの場合は何時呼ばれても良いように道場の大人たちが準備してたの

覚えてるよ?」

 互いにそう言いながらそろそろだねと言って立ち上がると懐から・・・

黒い布を取り出してそれを左手に巻き付けると・・・サイレンが鳴って

テレビからこの声が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『黙とう。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてこの国のどっかにある四葉家の屋敷。

 この家の一角にある部屋にて真夜は窓の空を見上げていた。

 すると執事が真夜に向けてこう言った。

 「奥様、お時間でございます。」

 「そうですか・・・あの子は?」

 「未だ見つかっておらず・・・もう16年ですか。」

 時が経つのは速い物ですねとそう呟いているとそうねと言って真夜は

こう続けた。

 「もしあの子が私達の所にいれば・・・あの子達は死なずに

済んだのでしょか?」

 そう言いながら・・・ぎりと歯軋り鳴らしてあの時のことを思い出した。

 生まれたばかりのその子を誰とも知らなく見たこともない魔法で何処かへと

消えていったあの男だけは殺したいほど憎く憎く仕方がない中でその執事はこう思っていた。

 「(奥様、私事ですがあの子がいない方が・・・この家の為だったと私はそう思っております。)」

 あの様な摂理を捻じ曲げる力を持っている子を戦闘兵器として使うのは

間違っていると、知らずに普通に育ってくれればそれで良かったのではないのかと思いながら今はこの世にいない少女のことを思い出していた。

 「(『深雪』様、深夜様。貴方方が逝去されて早三年・・・

お早い物ですね。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 三年前

 当時四葉家にはとある少女がいた。

 黒髪のそれはこの世で最も美しい・・・可憐な美少女が近くの噴水を

一瞬にて凍らせたのだ。

 周りの大人たちは次期党首だと言ってそれはそれは可愛がっていたが

それによって彼女は天狗になっていたのだ。

 当時から負けなしの彼女にとって敵なしだと思ってそんな中で沖縄に行って・・最悪の日が訪れたのは言うまでもなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 始まりは些細な電話であった。

 「何?突然魚雷が??」

 『はい、如何やら目的は私達じゃないかと思われますが何とか魔法で

魚雷を止めた後深雪お嬢様が海を凍らせたことで難を逃れましたが・・・ナニカが可笑しいと思ってこうやって電話を取った次第です。』

 「奥様と深雪様は?」

 『お二方は無事です、今は部屋で就寝中でございます。』

 「そうか、取敢えずの所何かあったら困るな・・・万が一に備えて

飛行機の手配を準備する。プライベートジェットでなら明日の朝には出せるはずだから昼前にはそちらに着くだろうから荷物の準備をしておいてくれ。」

 『分かりました。』

 ではと言って電話の主であった女性が切れると同時に真夜に報告すると

真夜はこう答えた。

 「分かりました、ですが万が一は無いでしょう。幾ら敵国が来たとしても

深雪さんなら何とかできるでしょ?」

 「は、ですが」

 「万が一の備えてでしょ?直ぐの手配させましょう。そう言えば向こうには

黒羽の者達もいる事ですから彼らの家に向かう様に手筈を整えて下さいな。」

 「それではその様に。」

 執事がそう言って出て行って・・・後々それが誤算だったと気づいた時には

全てが・・・失った後であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして次の日の未明

 その日が起きてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『臨時ニュースです!たった今沖縄にテ大東亜連合が宣戦布告を発表!!

現在沖縄に避難指示と共に航空機船舶の渡航禁止命令が政府から発布されました!また各地に厳重警戒態勢を敷くことを政府が』

 「何だと!?」

 執事がそれを聞いてすぐ様に真夜の部屋に行くと真夜はこう答えた。

 「『葉山』さん!飛行機の方は!?」

 「それですが先ほど政府から禁止措置が取られまして全飛行機は滑走路から

出られないと」

 「私が言います!電話を!!」

 速くと言って電話を繋げるも矢張り・・・ダメであった。

 「私はまた・・・また。」

 「奥様、大丈夫でしょう。深雪様たちでしたら絶対に」

 『葉山』はそう言って真夜を落ち着かせようとしたが・・・

数日後悲劇が襲った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「深夜・・・深雪さん・・・。」

 真夜はそう呟きながら・・・遺体となって柩と共に帰って来た2人を見て

呆然としていた。

 どうも軍に裏切り者がいたらしく彼らの手引きで殺されたと分かったが

その当人たちも軍が捕まえた後に反逆罪で死刑に処されて

この世にはいなかったが・・・真夜はこう呟いた。

 「大東亜連合・・・又私から・・・奪って・・・ユルセナイ・・・・!!」

 絶対にとそう言って真夜は四葉家の特殊部隊を使って大東亜連合の基地4つと

高官195人を惨殺させ兵士達は特殊な爆弾で全員が自爆した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして3年後。

 現在でも真夜はこう思っていた。

 「(もしあの時達也がいてくれたらあの力で2人は未だ生きてたはず・・・

あの男が殺したも同然だ・・・!!)」

 真夜はそう思いながら空を睨みつけるかのように眺めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして・・・ダンブルドアを送った天界ではとある事件が起きていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「アイツが逃げただ!何やってんだ阿保神!!」

 「御免御免本当にごめんって!!」

 「御免で済むと思ってんのか!?あのカリスマと差別主義の塊を

逃がすなんてって言うか俺が小休憩している間に俺の部屋に入ったと思いきや

消えたって何処の世界に行ったんだあいつは!!」

 クソと言いながら本を探して・・・ある本が一冊落ちていることに気づいて

まさかと思って取って・・・最悪だと言ってこう続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「やばいやばいやばいぞ・・・こいつは一大事だ!あの男が!!・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・『グリンデルバルト』がダンブルドアのいる世界に行っちまった!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてアメリカの研究所(跡地)

 「ここが未来の魔法世界か・・・何と穢れた世界だ、我々魔法使いを

まるで物としか思っていない連中がはびこるとはなんともまあ・・・薄汚れた

野蛮な連中だ、やはり世界はマグルではなく我々魔法が使えるものが

正しく管理しないといけなかったか。」

 その男・・・オッドアイの男性はそう呟きながら炎が立ち込める研究所から

数十人もの・・・病院用の衣服を着た男女を引き連れていてこう言った。

 「君達はこれで良いのか?我々魔法使いはマグル・・・

いや、魔法が使えない者達によってこれからも支配されなければいかんと

言うのか?・・・良いや違う!断じて違う!!私達は物ではなく人間だ!?

意志を持ち奴らよりも優れた力を持つ優良な人類だ!奴らは恐れているだけだ、

私達が何時牙をむくんじゃないかと言う哀れな思考に囚われている・・・

そんな奴らに我々の自由を奪う権利が何処にあると言うのだ!良いやない!!

断じてだ!?魔法の使えない・・・『ノーマジ』共に見せつけてやろうでは

ないか!我々魔法使いこそが次の!この世界を統べそして自由に魔法を使って

我々の自由を脅かす者達からこの世界から追放し!!我々だけの理想郷を

作り上げるのだ・・・ここに居る皆で!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「自由を。」

 「自由を」

 「自由を」

 「自由を」

 「「自由を」」

 「「「自由を」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「自由をーーーーー!!」

 「グリンデルバルトについて行くぞ!!」

 「俺達の理想郷を造るんだ!!」

 「クソッタレナ魔法の使えない旧人類をぶっ殺せーーーーー!!」

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()<()b()r()>()()()()()()()()()()()()》》》

 実験体とされた魔法師達はその男・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『グリンデルバルト』こそが希望だと言わんばかりに大声と歓声を上げて彼を

称えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これこそが後にUSNA(北アメリカ大陸合衆国始まって以来の悲劇の日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『ヘルフレイム・クリスマス』の一か月前であった。 




 それではまた何処かで。


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