ハイスクールD×D~時空の神龍《クロノスドラゴン》~ (ダークネスムーン)
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第1章傍観編
プロローグ
時と空間を合わせ持つ時空を司る神と称されるドラゴン
しかし彼は突如として姿を消した。
金髪に金色の瞳をした少年は駒王学園と呼ばれる所に通う生徒。彼の名は
「女子剣道部。覗きがいるぞ」
『え?』
その声を聞くと間抜けな声をあげた三人組だったが直後剣道部が凄い剣幕で出て来て慌てていた。
「また貴方達!」
「今日という今日は許さないわ!」
三人組は慌てて逃げていったがどれを剣道部が追いかけていった。あの三人組は坊主頭の生徒は松田。眼鏡をかけたのが元浜。もう一人は志遠の友人でもある茶髪の少年兵藤一誠。
一人の剣道部部員が志遠に近づいてくると
「いつも教えてくれてありがとう川崎君」
「いや別に良いよ。イッセー達に俺からもきつく言っとくがまたしてたら言ってくれ」
志遠が剣道部部員のお礼の言葉に何てことはない事を伝えると剣道部部員は顔を赤く染めて言った。
「ありがとう・・・川崎君優しいね。じゃ、じゃあ私もいくね」
「後、部活も頑張れよ」
顔を赤くしている剣道部部員が行こうとするが志遠は呼び止めて応援していることを伝えるとお礼を言って慌てたように走って行った。因みにこの後三人組はボコボコされた後にこの剣道部部員も酷い目にあったとか合わないとか。
「ボコボコされてんな」
ボコボコにされた三人を見て言うとイッセー達が声を揃えて不満を言ってきた。
『お前のせいだ!』
「いや、お前らが覗くなよ・・・あまり女子を困らせんなよ?大会がある部活だってあるんだからよ」
志遠は注意をするがイッセー達は首ふるかのように
『無理だ』
「よし、皆楽しい説教の時間かな。確かお前らこれから暇だったな?俺の家にこいよ」
『す、すいませんでした!!!』
志遠が目が笑っていない目で言うと三人は土下座していた。彼の説教はかなり効く。つまり顔は笑顔なのに目が笑っていない状況での説教が早くて一時間長ければ半日近く解放されない。三人は冷や汗を流していた。
「はぁ、少しは隠す努力しろよな。そうすればモテるかも知れないぜ」
「マジか!だったらお姉さんとかがいいな」
「俺はロリ系が」
「おっぱいがデカイ人が」
「あ、ごめん。言った俺が馬鹿だった」
結局いつものエロトークに入っていってしまった。志遠がため息をついていると
「兵藤達じゃない?川崎君もよく言ってるのに聞かないのよね」
「そうそう。あ、もしかして川崎君ってあの三人の誰かが」
「あるかもしれないわね!」
(いやねーよ!?・・・しばらくほっとくか)
心の中で腐女子の会話に突っ込みを入れた。志遠はイッセー達をしばらくほっておいた方がいいと考える。
イッセーのところから離れると後ろから声をかけられた。
「川崎君じゃないですか。どうしたんですか?少し疲れが見られますが」
「支取生徒会長。まぁ友人の覗き行為を注意したりしてましてね」
彼女は
疲れている原因は腐女子の会話でのダメージ方が大きいがそれを行っても仕方ないのであの三人と答えた。
「兵藤君達でしたね。おかげ数が減っているので感謝の言葉しかありません。ありがとうございます。なにかお礼させてくれませんか?先日も荷物運びも手伝って貰いましたし」
「自主的にやっていることですから」
蒼那がお礼をしたいと言ったが断るように言うと蒼那は引き下がらずに言うと
「そういわずに」
「たまにチェスとかやりに行っていいですか?」
「そんなことでいいんですか?でしたら紅茶の用意もしときますね。来日は連絡してください。こちらが私の連絡先です」
引きそうにもなかったので適当に答えると蒼那から連絡先を交換する流れになった。
「はい分かりました」
因みに学校では生徒会長と志遠が付き合ってるという噂がある。
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第1話義父
志遠が登校している途中に声をかけられた。
「志遠。聞いてくれよ!」
「どうした?空から女でも降ってきたか?」
「いやラピュタじゃねーよ」
イッセーであったが志遠が適当に言うとイッセーはツッコミをいれてきた。イッセーの隣には妙な気配がしら少女がいた。
「実は俺・・・この子と付き合うことになったんだ」
「そうか・・・1日何万だ?」
素でイッセーに聞いた。心配するかのようにイッセーに言った。イッセーは慌てて否定した。
「いやレンタル彼女とかじゃないからな」
「大丈夫だ。そんなのに頼らなくたって・・・えーと後何十年後かに婚カツ出来るって」
「どういう意味だ!?」
慰めるように言った言葉がイッセーを傷つけていた。それを見て志遠は
「本当にこいつの彼女か?」
「はい。天野夕麻です。貴方は川崎さんですよね。いけすかないイケメンっと聞いています」
イッセーが夕麻に志遠についてどう語ているか聞くとイッセーの頭を掴んで笑顔で言った。
「イッセー・・・後で少し時間いいか?」
「あ、いや、それは
イッセーの顔色が真っ青になるが夕麻の次の言葉で
「でもいい人だと聞いています」
「今回は許してやる」
志遠は手を離して言うとほっと撫で下ろしたようすだった。
「俺達先いくから」
後ろ姿を見送ると
「下級から中級堕天使か」
呟いていた。
川崎志遠に親はいない。一応義父と義姉はいる。義姉と義父の間に血の繋がりどころか種族が違う。義姉と志遠は悪魔と人間のハーフで義父はというと
「志遠。お前さん大丈夫か?酒でも飲め」
「いや、義理とはいえ未成年の息子にキャバクラに連れて来るか?阿呆総統」
彼の義父は【
「別にいいじゃねぇか。俺の奢りだ」
「ここでお前の奢りじゃなかったら禁手を使ってたわ」
アザゼルに突っ込みを入れて志遠はため息をついた。アザゼルは酒を飲みながら聞いてきた。
「どうだよ。魔王様の妹君達は?」
「学校に通わせたいのは分かるが何でわざわざ魔王の妹がいる所なんだよ・・・」
「あー、いや、それは俺の手配ミスだ」
頭をかきながら言うアザゼルに
周りにいるキャバ嬢達には暗示にかけているため問題はなかった。
「ぶっとばしていいよな・・・まぁ楽しいよ」
「で、セラフォルーの妹といい感じか?」
「何故生徒会長が出てくる?」
実際楽しんでいるのは確かだった。四大魔王の一人セラフォルー・レヴィアタンの妹と言えば支取蒼那と名乗って通っている元七十二柱の一柱シトリー家次期当主ソーナ・シトリーの事だろう。
「話題に出すやつなかで楽しそうに語るからよ」
「赤龍帝だっているだろう?覚醒前だが」
「あれは悪友って感じだろ?」
赤龍帝とはかつて起きた悪魔、堕天使、天使の三つ巴の戦争に割り込んで引っ掻き回した後に三大勢力が協力して神器に封印した二天龍の一角
「実際そうだがな・・・お前とは相性良さそうだな」
「そうか?だったら」
「やめとけ。グレモリーは眷属思いだろ?余計な火種を起こしたら・・・楽しそうだな」
志遠が考えると少し笑っていた。彼は平和に今染まっているが本来は戦闘狂で戦いの中での痛みや危険すら楽しく感じてしまう。アザゼルは慌てたように言う。
「おいおいやめてくれよ?コカビエルの奴を押さえ込むだけで精一杯なんだからよ」
「戦争マニアか?俺は別に高みへ行ければいいよ」
冗談だというかのようにアザゼルに返すと立ち上がり立ち去ろうとすると
「あ、それと下級堕天使が何人か駒王町に来ているがお前の指示か?」
「いや。知らん。もし問題を起こすようなら対応は任せる」
「分かった。ならせいぜい利用させてもらう」
ニヤリと悪巧みをしたように笑うとアザゼルが言った。
「まさかお前・・・赤龍帝を悪魔に転生させる気か?」
「ほっといてもなるだろうが・・・死なれたら困るからな」
ここで死なれたら赤龍帝とも戦えずそれに悪友とはいえ友人はあまり失いたくないからである
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第2話下級堕天使の動向を探る
志遠は下級堕天使達の動向を探っていた。夕麻と名乗った堕天使レイナーレを筆頭に堕天使ミッテルト、堕天使カラワーナ、堕天使ドーナシーク
「全くアザゼルの愛がそこまで欲しいかね?問題起こせば戦争になりかないってのに」
ため息を付きながら部屋で纏めた情報見ていた。レイナーレ達の目的はかつて聖女と呼ばた少女アーシア・アルジェントの
「あの真実を隠したい天界側からすれば当然か・・・ん?」
レイナーレに仕掛けた発信器とイッセーに仕掛けた発信器が同じ場所に集まった。
「一応後をつけるか」
イッセーがいる近くの場所に転移することにした。
イッセーとレイナーレのデートをバレない程度の範囲で見ていた。夕方になったときにレイナーレは誰もいない公園に誘導した。
「夕麻ちゃん話って何かな?」
「あのね・・・死んでくれないかな?」
「は?・・・えっとごめん夕麻ちゃん。もう一度いってくれないかな。俺の耳可笑しくなちゃったみたいなんだけど」
何を言われたのか分からないイッセーはレイナーレに聞き返すとレイナーレは黒い鳥のような翼を広げてもう一度言った。
「死んでくれないかな」
イッセーが次の反応すりよりも前に光の槍でイッセーは貫かれた。
「ごめんね一誠君。恨むならその
レイナーレはそう言うと空へ飛んで行った。しばらくすると魔方陣が現れた。
「あれはグレモリー家の魔方陣・・・グレモリー家次期当主様か。それが彼らにとって吉とでるか凶とでるか。楽しみだな」
イッセーが四大魔王の一人にして超越者の一人サーゼクス・ルシファーの妹リアス・グレモリーの
「これでようやくヴァーリと対等に戦える可能性が出てきたな。少なくとも今では瞬殺だろうけどね」
義姉のヴァーリは今代白龍皇。イッセーのライバルだ。ヴァーリは志遠以上の戦闘狂である。勿論禁手は使える。
「未来視で見たのは彼で間違いないはずだから上手く行くことを願おう。強くなってくれよ。最高の赤龍帝となる者イッセーよ」
「祝え!時と空間を超越する神龍。
突如として現れた青年が本を開きながら言った。
最後に登場した人物は分かる人は分かると思います。
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第3話ソーナ・シトリーの恋心
駒王学園高等部の生徒会長支取蒼那は偽名本当の名前はソーナ・シトリー。ソーナには気になる人物がいる川崎志遠。視線で追ってしまうことが度々ある。少し前に連絡先を交換してからメールを打つが直ぐに打ち直したりしている。
「私は・・・どうしてしまったんでしょう」
「恋じゃない?」
ソーナは友人のリアスに相談するとそんな答えが帰って来た。恋と聞いた瞬間顔が熱くなるのを感じた。
「川崎志遠君ね。少し興味が湧いたわ」
「え!?」
「心配しなくても取ったりしないわよ」
リアスの言葉に慌てるソーナであったがリアスは心配しないように 言った。リアスは単純に興味が湧いただけソーナが好きになる人物がどんな人物なのか。
「デートに誘ったらどうかしら?」
「え?で、デートですか!?いや、あのまだ早いと思います」
珍しく慌てるソーナにリアスは笑ってしまったがソーナと志遠のこれからどうなるのか興味はある。自由な恋愛をし、好きな人と結婚することが夢であるリアスがこういった話は興味津々である。
「連絡先は交換しているんでしょ?」
「はい。チェスをやると約束はしていますが・・・日程はまだ」
「ならこっちから誘ったらどうかしら」
ソーナはリアスの提案に乗ることにした。頷いて言った。
「・・・それくらいなら迷惑でもないでしょう。相談に乗って貰い助かりました」
「いいのよ。また相談に乗るわよ」
今回の相談はこれまでとなった。ソーナは悩んだ末にメールを送った。
志遠が部屋の整理等を行っていた。あの青年が志遠に声をかけてきた。
「我が王。メールが届いています」
「ありがとうウォズ」
「礼には及びません」
青年の名前はウォズ。かつて時空を司る神龍『
知らせるとウォズは部屋の整理に戻った。
志遠はメールを確認した。志遠は思い出したように
「そう言えばそんな約束したな。明後日か・・・まだ動かないだろうから行くか」
ソーナから誘いのメールだった。チェスを明後日やりませんか?という内容だった。ウォズに志遠は声をかけた。
「ウォズ。レイナーレ達の監視を頼めるか?」
「勿論可能です我が王。どうかされましたか?」
「その日は都合ができただけさ」
そう伝えるとウォズははっとして聞きいてきた。
「あのメールですか?」
「これは祝わねば。我が王の妃が」
「違うからな!」
ウォズはソーナの事を妃だと勘違いしたらしい。その誤解をとくために一時間を費やした。
「失礼します」
志遠は明後日の放課後に生徒会室を訪れた。ノックして入ると珍しい事にソーナしかいなかった。生徒会室にはソーナと副生徒会長の
「よく来てくれましたね。どうぞ座ってください。あ、お菓子をどうぞ。紅茶をいれますね」
「ありがとうございます。このお菓子は会長が?」
ソーナは座るようにうながし、お菓子のクッキーを進めるとお茶の準備をしだした。志遠はソーナに質問する。
「ええ。結構自身あるんですよ」
「いただきます・・・んぐ・・・個性的な味ですね」
(くそまず!?食えない事はないが・・・不味い。だがせっかく用意してくれたのだから食わねば)
笑顔を崩さないまま食べていた。ソーナはお菓子作りにおいてのみ壊滅的なのである。志遠も不味いとは言えず食べていた。
「そうですか?お茶が入りました」
「ありがとうございます!」
ソーナの入れた紅茶を直ぐに飲見始めた。ソーナはチェス盤をもって反対側に座った。
「会長。他の人にお菓子はあげたことは?」
「お姉様やお父様、お母様とリアスにあげた事があったんですけどそのあとからお菓子を作ることを反対されてしまって」
(そりゃそうだろ・・・)
ソーナに他にあげた人がいるかと聞いたら家族と親友でもあるリアスだけだとか。止められるのは当然だ。
「それがどうかしましたか?」
「い、いえ。チェスをやりましょう」
ソーナが首をかしげて聞いてきたが話題を変えることにした。二人はチェスをやり始めた。
チェスの結果は四戦中二勝二敗だった。五分五分の勝負だった。
「会長。将棋とチェスってどっちが好きですか?」
「よくやるのはチェスですけど・・・どっちが好きとかはないですね」
唐突な質問だったがソーナは特に将棋とチェスでどちらかが好きとかはないと答えるとそうですかっと言ってから志遠は言った。
「俺は将棋の方が好きですよ。将棋は取った駒を使う事が出来ますよね?取った駒を無駄にしないところとか好きなんですよ」
「確かにチェスと違って取った駒を再び使う事が出来るので戦略も広がりますね。今度は将棋とかやりません?」
「いいですよ」
志遠の考えに少し感心し、そしてまた遊ぶ約束をできたことに内心喜んでいるソーナ。志遠は次はお菓子無ければいいなっと思うのであった。
ソーナ会長は俺ガイルの由比ヶ浜さんよりは壊滅的ではないです
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第4話動き出す堕天使と接触する魔王の妹
イッセーが悪魔になって数日間で問題が起きていた。悪魔になった翌日に堕天使に襲われ、次の日に違う堕天使に襲われ神器が発現し、また次の日の朝にシスターと出会い教会まで行ってしまう。一回目、二回目はたまたまだったが三回目の方は不注意であった。
「ははは。全く面白い奴だ。普通は悪魔になったら教会にはいかないと思うのだがな・・・それにしても引き寄せるな。これも赤龍帝を宿した宿命か。今夜も何かあるかな?」
夜に何かがある予感がした。その予感は的中することになる。
因みに何故そこまで知っているかというとイッセーに盗聴器と監視魔法をかけているからだ。
その日の放課後帰りの支度をし廊下を歩いていると突然声がかけられた。
「ちょっと時間いいかしら川崎志遠君」
「俺?」
急にリアス・グレモリーに呼び止められた。周りは大騒ぎになった。
「リアスお姉様が川崎君を呼び止めたわよ!」
「二人一緒にいるところに始めてみたわ。まさかリアスお姉様」
「川崎・・・やはりイケメン死するべし」
二人とも美形で美男美女なので一緒にいると絵になっていた。周りの言葉を無視してリアスに聞いた。
「初めてですよね」
「ええそうよ。初めまして三年のリアス・グレモリーよ。よろしくお願いするわ。貴方が川崎志遠君で間違いないわよね?」
「そうですね。二年の川崎志遠です。よろしくお願いします・・・なにかようですか?」
確認するように志遠が言うとリアスは頷いて答えた。軽く互いに自己紹介をした。
「特にようってわけじゃないのだけどソーナのお気に入りの子がいるって聞いたから気になっただけよ」
「会長ですか・・・確かグレモリー先輩と会長は親友でしたよね?」
「ええそうよ。昔からの親友でライバルってところかしら」
ソーナが気に入っているというか好意を抱いている彼に興味が湧いたわけだがそこを伝えるのはあくまでもソーナであるためリアスはあえて言わなかった。
「・・・会長のクッキー食べた事あります?」
「・・・はぁ。ソーナったら出したのね。あるわよ。他の料理は美味しいのに何故かお菓子だけは壊滅的・・・問題は本人に自覚がないところよ」
志遠の質問を聞きリアスはため息をつき頭を手で押さえながら言うと頷き志遠は答えた。
「はい。自覚無さそうですね。何とか食べきりましたけど。流石に本人に言えなくて」
「言わないほうがいいのかしらね・・・時間を取ってごめんなさいね。私は部活があるからいくわ」
「気にしないでください」
リアスが部活があるため別れようとお礼を行って立ち去った。志遠は気にしないように言った。
リアスは独り言を言ったが志遠は聞いていない。
「他の子とはどこか違うのよね」
その日の夜にイッセーが悪魔の契約の為にとある一軒家に行きフリード・ゼルゼンと交戦し、リアスとその眷属の助力もありフリードを気絶させて一旦引くことにしたがそこにはイッセーが今朝出会ったシスター。アーシア・アルジェントがいた。
「そろそろ
今志遠の正体をばらしてもいいがそれだと動きづらくなる。
「これが原因で戦争にはならんが・・・問題は少しあるな」
もし始末をリアスかソーナにされる前に何らかの手を打たないと
志遠はもう少し様子を見てから行動に起こすことにした。
志遠の予想通りレイナーレ達はアーシアから
「今夜だな」
志遠は服装を変え、仮面をかぶり準備をした。
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第5話レイナーレの最後
「弱い」
志遠は仮面をつけたまま呟いた。レイナーレの援軍である下級堕天使十数名いたが生憎志遠と堕天使は相性が悪い。カラワーナ達が呼ぼうとした援軍なのだが壊滅状態になっていた。
「ば、バカな。何故効かない!!これだけの数から攻撃されて避けもせずに何故傷を負わない」
怯えながら言う最後に残った下級堕天使だが志遠は神器である
「
下級堕天使がその神器を見た途端に怯えたが志遠は躊躇なく切り裂いた。志遠が切り裂いた場所は空間も切り裂かれていた。時と空間を操る力を持つ
「はぁ思ったよりいたな。残りは教会だが・・・どうやら終わったみたいだな」
教会の前に転移した。教会に入るとレイナーレが
「私に協力する堕天使が私を・・・!?」
レイナーレが言ってる途中で足音が聞こえた。全員が教会の入口を見ると仮面をつけたもぼ
『!?』
「元ソロモン七十二柱の一柱グレモリー家次期当主リアス・グレモリー殿私は
「その剣!
志遠はリアスに丁寧に言うとレイナーレが期待を込めたように言うが志遠はレイナーレに冷たい視線を向けて
「下級堕天使レイナーレ少しやりすぎたな。聖女アーシア・アルジェントからの神器を奪ったらしいな。よりにもよってこの駒王町でな。アザゼルからお前らの処分は俺に一任されている。よって堕天使レイナーレお前を
「なっ!?お、お待ちください!私はただアザゼル様やシェムハザ様の愛を」
志遠の言葉に誰もが驚いたがレイナーレは焦りながら弁明余地をもらおうとしたが志遠の次の言葉で絶望に落とされる。
「因みにだがなカラワーナ、ドーナシーク、ミッテルトの他十数名の堕天使はもはや粛清済みだ」
「そ、そんな」
リアスは三人の堕天使を殺そうとしたがすでに殺されたあとだった。リアスは少し納得していた。
「リアス・グレモリー殿。我々の配下が大変失礼をしました。この者なら好きにして構いません。貴女方はアーシア・アルジェントを救う為に来たようですね。ならお詫びとして彼女を蘇らせましょう」
『!?』
志遠は頭を下げて言った。神器を抜き取られて死んだアーシアを蘇らせるという言葉に驚いた。
「彼女の
「あ、ああ。・・・本当にアーシアは蘇るのか?」
イッセーは志遠にアーシアの神器を渡すと詰め寄るように言った。
「蘇りますよ」
志遠はそう言うとアーシアに神器を戻すと剣で軽くアーシアを刺すと
志遠はアーシアが神器を抜き取られる前の段階に肉体の時間を戻すとアーシアはゆっくり目を開けた。
「あ、れ私・・・」
「アーシア!あんたありがとうな!」
アーシアは自分が生きていることに戸惑っていたがイッセーがアーシアを抱きしめて志遠にお礼を言った。志遠は空間移動する前に挨拶をした。
「いえいえ。ではリアス・グレモリー殿何れまた」
「お、お待ち下さい!」
レイナーレ呼び止めたがもうすでにいなかった。
「何か言い残すことがあるかしら?」
「い、イッセー君助けて」
「部長・・・やってください」
レイナーレは夕麻の時の声で言ったがイッセーはリアスに言った。
「私の下僕に言い寄るな!」
レイナーレはリアスによって消滅させられた。
「まぁこのぐらいか・・・全く」
帰って来るとため息をつきソファーに座った。本来リアスを倒すのは簡単だ。リアスとソーナの眷属が束になってかかってきても余裕で殺せる。しかし問題起こすのは不味いため下手に出た。
「・・・誰だ?」
「・・・我、
仮面をはずした志遠の後ろには黒髪の幼女の姿をしたドラゴン。最強と言われるドラゴンの一体
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第6話幼女(体型)の二人
志遠はオーフィスと出会って数日たった。オーフィスは勧誘に来たのだった。
志遠の答えは―――――――――――――――――――
あれ以降たまに家に来ている。オーフィスは味に関しても無関心であったため適当にお菓子を食べさせた所気に入ったらしく食べに来る。志遠は自覚はないが料理が上手く、お菓子ならプロ級までの腕を持つ。
「こんなもんか?」
志遠はアイスケーキを作っていた魔法等も使用している為早く出来る。アイスケーキの味をショコラ風に作ってみた。作り終えたケーキを亜空間に保存した。ケーキを作り終えた志遠は悩むように
「さてとどうしようかな?特に予定もないが・・・出掛けて見るか」
特に予定がなかったので出掛けることにした。
志遠は有名な高級アイスを買った。因みにこれはオーフィスがいつ来てもいいように買ったのであった。この辺りじゃ有名らしくならんで買った。買った後少し歩いていると誰かにぶつかった。
「あ、すまん」
「・・・アイス・・・いえ別に」
ぶつかった相手は駒王学園高等部一年の塔城小猫。マスコットとか呼ばれている。志遠が直ぐに謝ると小猫は落ち込んでいたので仕方ないと思いながら小猫に
「・・・不注意だったなすまん。代わりにこれをやるから元気だせ」
「!?・・・こ、これいいんですか?」
小猫は驚いていた。高級アイスでも1日数量限定のアイスであるため早めにいかないと買えないものだった。
「いいよ。俺もぶつかっちゃったし」
「・・・それは私も不注意でした」
小猫も不注意であったため遠慮しようとしたが志遠は笑顔で言った。
「なら今度ケーキバイキングでも付き合ってくれよ・・・それにお前が一年じゃ有名な塔城小猫だろ?俺は二年の川崎志遠。だから後輩が遠慮するなよ」
「・・・分かりました。あと川崎先輩も有名ですよ」
「そうかね?」
「そうですよ」
互いに笑っていた。小猫は志遠に言った。
「ついてきてください」
近くに合った屋根やテーブルがおいてあるベンチまで来ると小猫は座ると志遠も座った。
数量限定のアイスが2つ入っていたので小猫は一つ志遠に渡すと
「・・・一緒に食べましょう」
「ははは、断れなさそうだな」
志遠は小猫が断っても無駄な雰囲気をだしていたため諦めて小猫と一緒にアイスを食べることにした。
幸せそうに食べる小猫を見て志遠は聞いた。
「塔城はお菓子とかスイーツとか好きなのか?」
「はい好きです」
「なら、今度作ってきてやるよ。結構得意だぜ?」
小猫は志遠の質問を即答した。小猫としては珍しい。口数が少ない小猫がすぐに答える事は珍しい。
「・・・いいんですか?」
「ああいいよ。結構気分転換にもなるしな」
「よろしくお願いいたします」
小猫が遠慮がちに聞くと志遠は何でもないように言った。小猫はお願いした。二人は食べ終わると小猫が
「ご馳走さまでした。川崎先輩も結構お菓子とか好きなんですか?」
「好きだぜ。意外か?」
「・・・はい」
志遠がお菓子好きであることは小猫にとっては意外だったらしい。それを聞いて志遠は笑っていた。
「ははは。別に気にしなくていいぞ。さてと俺はもうそろそろ帰るか。じゃあな塔城」
「さよなら川崎先輩」
こうして二人は別れて帰った。
志遠が家に帰ると中に何故かオーフィスがいた。オーフィスはこちらを見ると
「我、今日のお菓子貰いに来た」
「あ、うん。分かった」
オーフィスが何故入ってるかは聞かないことにした。昨日も何故か入っていたからである。
「今日はアイスケーキだ」
オーフィスにアイスケーキをだすと黙々と食べ始めていた。
「冷たく、美味しい」
いつもは無表情だが今は若干嬉しそうにしていた。しばらくするとアイスケーキを食べ終わっていた。
「シオン、美味しかった。また明日来る」
「分かったよ」
オーフィスは食べ終わると志遠に感想を言って再び消えた。志遠はため息混じりに答えていた。
「というか今日は幼女にしか合っていないな」
幼女体型の二人としか会っていない事に気がついたのだが小猫が聞いたら殴るだろう。
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第7話転校生アーシア・アルジェント
アーシア・アルジェントが留学生という名目でてんにゅうしてきた。アーシアからは悪魔の気配を感じた恐らくイッセーと共に居たい一心で悪魔に転生したのだろうと志遠は考えた。
「アーシア、こいつが川崎志遠。俺の友達だ」
「アーシア・アルジェントです。よろしくお願いします川崎さん」
アーシアはイッセーの紹介で志遠の席に来ていた。志遠はと言うと
「川崎志遠。こいつらのお目付け役、指導係を担任から押し付けられている者だ。なんかあったら話は聞くよ。よろしくアーシア。後、気軽に志遠で構わない。友人なんだから」
「分かりました志遠さん」
志遠はまだ教室にいた担任に嫌味を込めて言った。一年の時にイッセー達の注意などをしていたら三学期には勝手にお目付け役や指導係にさせられてしまった。
「アーシアはイッセーの家にホームステイしてるらしいな」
「はい。イッセーさんのお家でお世話になっています」
『なにぃぃ!?』
志遠がそんな話を振ると教室にいた男子特に元浜と松田が大声で叫んだ。女子は心配するようにアーシアを見て近づいてきた。
「どういう事だイッセー!」
「説明しろ!」
「アーシアちゃん大丈夫?」
「川崎君に相談した方がいいわ」
(ちょっと待て!何故俺?先生じゃない普通?)
松田と元浜はイッセーにつめより、アーシアのところに来た女子は心配そうに言う。志遠は心の中で突っ込みを入れた。先生より志遠の方がイッセー達変態3人組の対処が早く、静止したりお仕置きしたりしてくれるからである。イッセー関係のほかにも相談に来る女子が多い。男子からはどうしたらモテますかと聞かれる。志遠は適当に「優しくしたらいいんじゃない?」って適当にアドバイスしたら一週間後恋人ができていた。その男子からお礼に高いお菓子をプレゼントされた。志遠はいや早くねって突っ込みそうだった。
「志遠助けてくれ~」
「知らん」
「見捨てられた!?」
志遠はイッセーが男子たちに詰め寄られていたが志遠に助けをも止めると顔を背けてイッセーに言うとイッセーはガーンっというように言った。
志遠は昼休みに一年のところに来ていた。一年の女子に話しかけた。
「すまんちょっといいか?」
「川崎先輩!?ど、どうしたんですか?」
話しかけられた女子は驚いていた。志遠に話しかけられて顔を紅くする女子に志遠は
「塔城小猫がどこにいるか分かるか?」
「きょ、教室にいます。あ、案内しましましょうか」
「ははは、しましまって俺はシマウマじゃないぞ?・・・・案内頼んでも大丈夫なのか?」
女子はテンパった様子で言うと志遠は笑って緊張をほぐそうとからかうように言った。女子は顔を更に赤くしてしまった。
「だ、大丈夫です」
「じゃあ頼む」
しばらく歩くと教室につくと女子が小猫の所を指差して言った。
「あそこにいます」
「ありがとう。お礼にほらこれやるよ」
「これは?」
小さい袋を志遠から渡されて志遠に聞いた。志遠はすぐに答えた。
「手作りクッキーだ」
「いいいいんですか?」
志遠の手作りクッキーを貰ったって言えば羨む女子が多い。実際教室にいた女子がこっちを羨むように見ていた。
「いが多いな。いいぜ。本当に助かったよありがとう」
「いえいえいえ」
志遠は別れを告げ小猫の所まで行くと
「・・・ナンパしてたんですか?」
「違うよ。これ約束のお菓子を渡しに来ただけだからじゃあな。あ、そうだ。塔城確かお前、オカルト研究部だったな?」
「・・・はいそうですがそれがどうしたんですか?」
志遠にナンパしてたのか聞くと志遠否定した後にさっきのよりも大きめの袋を渡した。帰ろうとする志遠は何か思い出したかのように言うと小猫が首をかしげながら答えた。
「兵藤一誠知ってるだろ?」
「・・・スケベな先輩ですか?」
「ああ。そのスケベだ。あいつスケベだけど根はいいやつだからスケベだけど仲良くしてやってくれスケベだけど」
「・・・分かりました考えときます」
志遠はイッセーを一応気遣うように言った。(ただしスケベと連呼していた)小猫は少し考えて答えた。
次回はソーナとの将棋イベントの予定です。
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第8話ソーナと将棋をする
将棋をやると約束していた志遠とソーナは金曜日にやることになった。
リアスはそれを聞いてソーナにお菓子を作らせない方法で思い悩んでいた。
「どうしたものかしらね」
「どうしたんですか部長?」
リアスの呟きにイッセーが聞くとリアスは答えた。
「友人の恋愛で少しね・・・あら小猫誰かから貰ったの?」
「・・・はい。川崎先輩から手作りのクッキーを」
「なに!?」
小猫が珍しく誰かから貰ったであろうクッキーをとりだし食べているのを見てリアスが聞くと小猫が志遠の名前を出すとイッセーが驚いていたようだった。
「それの手があったわ!」
『え?』
リアスは何かを思い付いたように言った。部員は全員何のことかわからないようだった。
「川崎君」
「グレモリー先輩どうしたんですか?」
志遠の元に次の日訪れた。丁度帰ると頃だった志遠にリアスが声をかけると首をかしげながら志遠が聞くとリアスは答えた。
「少し話せないかしら?」
「予定はないのでいいですよ」
志遠は内心正体がバレたのかと思ったが動揺せずに答えた。怪しまれない行動をしようっと思ったのだった。
「ソーナと金曜日に将棋をするそうね」
「はい。しますが」
「そのときに貴方にお菓子を作ってきて欲しいのだけど」
「え?・・・何故グレモリー先輩がそのようなお願いを?」
志遠は普通の疑問になったことを聞くとリアスは頭を押さえながら言った。
「・・・そうしなかったらソーナが作ってきそうなのよ。次は私の所まで来そうなのよね」
「分かりました。グレモリー先輩に今度お礼させてくださいね」
「別に気にしなくてもいいのよ?」
志遠はその事でお礼させてくれるように言うとリアスは気にしないように言うが
「させてもらいます。クッキーでいいですかね。イッセーに渡しと来ますけどよかったら部員全員で食べてください」
「ええ。意外に譲らないのね」
志遠が譲らない所が意外だったようにリアスが言う。そのあとソーナにも話をつけられた。
金曜日に生徒会室に行くとソーナがいた。ソーナは前のようにお茶を用意した。
「どうぞ」
「ありがとうございます。あと作ってきたクッキーです。前回のお返しにと思いまして。こちらは生徒会メンバーの皆さんで食べてください」
志遠は2つの入れ物の大きい方を生徒会メンバーに小さい方を食べるように促した。ソーナは驚いたようすで
「わざわざ生徒会メンバーの物まで。ありがとうございます」
「別にいいですよ。食べてみてください」
ソーナは生徒会メンバーにまで作ってきてくれたことに感謝した。志遠は気にしないように言って食べるように促した。
「美味しいですね」
「そうですか喜んでもらえて良かったです」
クッキーを誉められて嬉しそうに志遠が言った。二人は将棋をしながら戦略を巡らせながらやった。途中休憩も挟んだ。結果は志遠がが2勝1敗で志遠の勝利になった。
「すごいですね。今回は負けましたが次は私が勝ちますよ」
「次も俺が勝ちますよ」
素直に負けを認めたソーナだったが次は勝つと言ってきたが志遠も負ける気はないようだ。
「それにしてもクッキー美味しかったですよ。私も精進しなくては」
(せめてまともな味を出してくれ・・・)
意気込むソーナに内心突っ込むを入れた志遠はソーナのお茶について言った。
「紅茶美味しかったですよ。入れるの上手いですね」
「そうですか?」
「恋人にするならそう言う人がいいですね」
紅茶美味しかったので志遠は思った通りに言うとソーナが照れていた。志遠は思わず言った言葉で
「こ、こ、恋人!?」
「え?どうしたんですか会長?顔赤いですよ」
ソーナが珍しいく動揺していた。志遠は声をかけてみるとショートしているようだった。それからしばらく雑談しているとソーナは時計をみて少し名残惜しそうに言った。
「とりあえずお開きにしましょうか」
「そうですね」
志遠も同意すると片付けが終わると帰っていった。。
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第9話リアスの婚約
後1話の前書きにも書きましたがヴァーリの性別を女に変更しました。
志遠はたまに見かけるリアスが思い詰めたような表情をしているのを何度か目撃していた。
「グレモリー先輩どうしたんですか?思い詰めたような顔して」
「!?・・・川崎君。家のことでね少し悩んでいただけよ」
リアスは志遠が近づいていたことにすら気がついていなかったようだった。志遠は流石に気になったがリアスは悪魔であり、貴族である。その事を踏まえて恐らく家同士で決めた婚約についてだろう志遠は予想した。
「家ですか。ならあまり立ち入らない方がいいですね」
「そうしてくれると助かるわ」
リアスと志遠はすれ違えば挨拶や話する程度。特別仲がいい訳でもない。志遠はあまり立ち入ないように言った。リアスも一般人(だと思っている)に対してそんなことは話せないのでそれが最適だった。
それから数日後オカルト研究部の部員が全員10日間休みをとるらしい。性格には土日があるため8日だが。志遠が探りをいれてみるとどうやら婚約をかけて婚約者ライザー・フェニックスとリアスがレーティングゲームをやるらしい。元ソロモン七十二柱フェニックス家の特性は不死性と炎に長けている。不死とは言っても対処法はある。魔王又は神クラス以上の攻撃なら流石のフェニックスも消滅してしまう。もう一つは瞬時に回復するのは肉体のみ。精神は不死ではない。その為殺し続けるか精神に影響する魔法等で対処できる。
「だけど、リアス・グレモリーとその眷属じゃあ無理そうだな。まぁ可能性は赤龍帝であるイッセーかな。10日もあれば代償を払って
志遠は予想を口にする。志遠が手を貸す事はない。そんなことをすればばれてしまう。志遠は立ち上がって呟いた。
「いずれにせよ。イッセーの成長次第だな」
そもそも代償を払うまで行けなければ話にならない。ライザーの眷属は倒せてもライザーは無理だろう。
レーティングゲームの結果はリアスの敗北だった。リアスがリタイアしたのだ。ライザーはしぶとく立ち上がってくるイッセーを殺そうとしたのだがそれを見てリタイアしてしまった。
「だが、諦めの悪いあいつの事だ何かするかもな」
志遠はあれから既に数日経過していた。今日がリアスの結婚式。レーティングゲームが終わってからずっと眠っているイッセーの時間を志遠は操作し起きる少し前まで戻し志遠は転移した
「頑張れよイッセー。お前が成長しないと面白味がないからな」
イッセーは現赤龍帝である。神器は純粋な思いに答える。イッセーは単純であるため引き出すことができるかもしれない。後々イッセーがある程度成長してから戦ってみたいと思っていた志遠は手を貸した。
そのあと結婚式場乗り込んでライザーと戦闘をした。右腕を代償に10秒間限定で禁手を発動させて更には十字架と聖水を使いライザーを倒した。悪魔となったイッセーは例え神器を使おうと手にするだけでダメージを受けるが悪魔の弱点も龍になった腕には関係ない。無事リアスを取り戻した。
「順調だな。簡単に死なないでくれよイッセー」
志遠はそのようすを見ながら言った。
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第10話小猫は恋心に気付き始める
志遠はあれからほぼ毎日お菓子を渡しに言っていた。ある日志遠がいつものように渡しに行くと
「・・・川崎先輩。ケーキバイキングいついきますか?」
「ケーキバイキング?・・・ああ」
小猫がケーキバイキングについてあれからなにも言わないので聞いてきた。志遠はすっかり忘れていた。思い出すような声を出すと小猫はジト目で見ながら言った。
「・・・・・・忘れてましたね」
「そ、そんなことはないぞ。そうだ次の土曜にしよう!」
「・・・次は忘れないでくださいね」
誤魔化すように言うと小猫はジト目のまま忠告するように言った。
「あ、今日はマフィンですか。美味しそうです」
「ああ。こっちは部活の時用のチョコレートだ。疲れたときは甘いものがいいと言うからね」
そう言って渡すと目が輝いていた。表情が柔らかくなってる感じもした。しかし場所は中庭であるため色々な学年の人が見ている。
「塔城さん羨ましいわ」
「ええ。もしかして付き合ってるのかしら?」
「でも川崎先輩は支取会長と付き合ってるって噂を聞いたわ」
「リアスお姉様と付き合ってるって噂も聞いたわよ」
「エロ兵藤とはどうなの」
女子たちは盛り上がっていたが志遠は小猫に顔を向けながら内心ひきつってないか心配になりなりながら思った。
(付き合ってねーよ!友人として接するだけならいいが付き合ったら色々面倒だろうが!・・・・・・戦いの時間が減るとか
ヴァーリは志遠が女と話すと何故か追いかけてきて問い詰めてくる。志遠は好意に鈍感らしい。小猫はそれを聞いて胸の辺りがチクっとした。小猫に志遠は腕を強く捕まれた。
(痛!?・・・塔城の奴悪魔の力使ってない!?)
志遠の小猫に捕まれた腕がミシミシいっている。志遠は身体能力を一般人にまで落としている。その為小猫の力も普段なら聞かないが今は滅茶苦茶ダメージが入る。
「先輩どういうことですか?」
「な、何が(放せ!折れる!)」
怖い笑顔でこちらを見てくる小猫だが志遠はそれどころではなかった。一般人レベルにまで落とした身体では悪魔の力はきつく顔が引きつっていた。
「部長と会長のことですが」
(あ、最後のスルーしてくれてありがとう!・・・それと放してお願い!)
リアスとソーナのことで最後のはスルーしてくれたみたいだった。志遠は心中でお礼を言った。
「付き合っているんですか?」
「付き合っていないよ・・・だから放してくれる?」
「本当ですか?」
疑うかのような顔で聞いてきたため事実をのべた。
「本当だから」
「分かりました・・・あ!すいません!」
小猫はどうやら悪魔の力を使っていたことに気がついたらしく慌てて謝ってきた。小猫にしては珍しく取り乱しているようだった。
「大丈夫だから」
志遠は優しくそういった。
小猫は志遠の腕を強くつかんでしまったしかも悪魔の力を使って。その事はで小猫は反省したが不思議に思った。
(・・・何故かあの時不快感があった。私を見て欲しいっと思ってしまった・・・何故だろう)
小猫は志遠のことを考えると心が暖かくなったりする。小猫は何故か考えると志遠とは話しやすかったっと思った。
(ドキドキだってする・・・これって・・・まさか・・・でも)
小猫は頭をフルで使って考えるとある答えがでてきたが否定しながら顔を真っ赤にしていた。それでも志遠が誰か一人のものになるのは嫌だと小猫は思った。
(川崎先輩は・・・会長と仲が良い。もし会長だけのものになるのは嫌)
「これってもしかして恋?」
小猫は悩みながらその答えにたどりついた。
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第11話約束のケーキバイキング
小猫とケーキバイキングを約束したその日の待ち合わせ時間は十時であったため志遠は九時五十分には既についていたのだが既に小猫がいた。
「おはよう待たせて悪いな。塔城は早いな」
「・・・おはようございます。そんなに待っていませんよ」
「そうか。あ、それとその服似合ってるよ」
小猫は似合ってると誉められて照れていた。志遠は気にしたようすが無かった。二人はケーキバイキングの店まで来るとまだ混んでいなかった。志遠は五つ位のケーキを持っていくと小猫は軽く20個を越すケーキを持ってきていた。
「・・・・・・」
「?どうかしました?」
志遠が絶句していると小猫は不思議そうに首をかしげていた。
「い、いや何でもないよ」
志遠はできるだけ笑顔で言った。すると小猫が志遠にケーキを指しながら聞いてきた。
「・・・それだけで足りるんですか?」
「・・・足りなかったら持ってくるから」
「そうですね。これだけでは足りませんね」
「・・・・・・・・・」
志遠本日二度目の絶句だった。小猫のからだのどこにそんだけ入っていくのか不思議に思った。志遠が持ってきたケーキはショートケーキ、チーズケーキを2つにチョコレートケーキを2つである。志遠はチーズケーキが一番好きである。志遠は紅茶を少し飲みんだ後にケーキを食べながら小猫をみると結構なペースで食べていた。
「・・・可愛いな」
「え?」
志遠は小猫がケーキを食べる姿に思わず口に出すと小猫は食べるのをやめて志遠の方に視線を向けた。小猫は少し頬を赤らめていた。
(え?え?・・・何って言ったんですか?・・・か、かわ、可愛い!!)
小猫が言葉を理解すると顔が真っ赤になっていた。恥ずかしさと嬉しさによってである。口の中には既にケーキはないのにパクパクしていた。
「あー、いや。食べる姿が可愛いなって思っただけだ」
「そ、そうですか」
志遠も聞かれた事の気恥ずかしさがあり少し赤くなっていた。小猫は今さっきまでとは違い細々とケーキを食べるのを再開した。
ケーキバイキングを一時間したあとで志遠は小猫に聞いた。
「塔城。お前結構スイーツ巡りとかしてるのか?」
「・・・はい。めぼしい所は回ったりします。隣町にいくこともあります」
志遠はケーキのあの量を思い出し言うと小猫は頷きながら答えた。志遠は少し笑いながら
「余程好きなんだな。そうだ。家にケーキを作ってあるが取りに来るか?アイスケーキだが」
「貰います!」
即答であった。志遠のクッキーやらシフォンケーキなど貰ったりするがそこらのスイーツ店より美味しいのである。小猫はお金払っても買いたい位である。
ちなみにリアス達に上げたお菓子をオカルト研究部の部員は大変気に入った様子でリアスが直接来たり、イッセーにお願いされたりしている。材料費はリアスから渡されるがあらぬ噂が立っているがその話は別の機会に話そう。
「お邪魔します」
「ああ。適当に座っていてくれ・・・・・・また来てたのな」
「・・・また来た。シオンのお菓子美味しい。我の楽しみ。それにいつでも来いっと言った」
志遠は小猫を家にあげてリビングに行くとオーフィスがいた。力を押さえているため小猫は正体に気がついていない。オーフィスは志遠の反応に不服らしく不機嫌そうな顔をした。
「・・・・・・誰ですか先輩?」
小猫は静かに志遠に聞くとオーフィスが
「我シオンの友オー――――」
「親戚の子で名前はオーフィだ」
オーフィスが素直に答えようとするので志遠は慌ててフォローした。オーフィスは首をかしげていた。
「この子は学校の後輩の塔城小猫」
「よろしくお願いいたします」
「よろしく・・・シオン。我のお菓子早くする」
オーフィスは紹介が終わるとオーフィスは急かした。志遠はため息をつくと小猫に聞いた。
「分かったよ。小猫もどうだ食べていくか?」
「良いんですか?なら貰います」
「むぅ」
志遠と小猫が仲良くしているとオーフィスは嫉妬していた。
「おや我が王帰っていたのだね。客人か。ここは私が準備します。我が王はお席へ」
「じゃあ頼んだよ・・・彼はウォズ。親戚さ」
ウォズが入って来て言うと直ぐに準備し出した。志遠は席に座るとその上にオーフィスが座ってきた。
「・・・オーフィs・・・オーフィ何故俺の上に?」
「前来た時どこでも座って良い言った」
「・・・言ったけどね・・・まぁ良いさ」
志遠はオーフィスが上に座ったことに驚いていてオーフィス言おうとして直ぐに言い直した。小猫はオーフィスが上に座っているのを羨ましそうに見ていたが何も言わなかった。
「我が王と客人紅茶が入った。そしてこちらがアイスケーキです。客人よどうぞごゆっくりとくつろいでくれたまえ」
紅茶を人数分とアイスケーキ(ホール)を五つおいていくと直ぐに消えた。小猫はふと思った
(我が王?川崎先輩はどこかの王様?・・・今度聞いてみましょう)
不思議そうに首をかしげた。志遠が少しの間オーフィスをどかしケーキをお皿にのせて置くと小猫とオーフィスは食べ出した。
(・・・小猫まだはいるのか・・・?)
まだ余裕と言う顔で食べる小猫に驚いていた。オーフィスはゆっくり食べていた。
「決めた・・・ここ我の特等席」
だれにも聞こえないようにオーフィスは言った。
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第12話突然のタブルデート(待ち時間)
志遠はアザゼルからとある報告を受けた。
「アイツも面倒なことをしてくる・・・」
志遠はため息をついて言った。相手が相手なだけに志遠自身が出るしかなさそうだった。今のリアスとソーナ達では万に一つの勝ち目がない。
「仕方ない・・・ソーナ達との関係は好きだったんだけどな・・・」
志遠は情報を集めてから行動に移そうと考えていると電話がかかってきた。知らない番号だったがとりあえず出ると
「もしもし」
「川崎君よね?私、リアスよ」
「えーと教えましたっけ?」
リアスから電話であったためドキッとした。バレたか?と思いながら志遠は気にしないように勤めていた。
「良いじゃない細かいことは」
(細かくないよな・・・)
一般人のとっては細かくないが悪魔や堕天使などのとっては簡単だろう。それを防ぐ為に対処する方法はあるがあえて志遠はなにもしていない。逆に疑わしいからである。
「それよりデートしましょ?」
「は?」
志遠は突然の言葉に思わず素で答えた。
次の日、志遠とイッセーは二人で時計の近くで待っていた。リアスのデートのお誘いはダブルデートをしようと言ういきた意味だったのだ。
「部長とソーナ会長とお出かけ・・・いやこれはダブルデートって奴か!」
「・・・そうだな」
ちなみにイッセーにはお出かけという名目で連れ出したようだった。鈍感なイッセーだから気がつかない。志遠も言われなければ気がつかなかっただろう。
リアスの狙いはイッセーである。志遠は自分とソーナはそのサポートだろうと思っているが実際は違う。互いをサポートするという事である。
(まぁ、こうやって過ごせるのは今回だけだろうから・・・存分に楽しむのは悪くないか・・・俺も随分とこの生活を気に入っていたようだな)
志遠が自分に呆れているとイッセーが声をかけてきた。
「志遠どうしたんだ?もしかして緊張でもしてんのか?」
「馬鹿か。お前とは違うんだよ」
「なっ!?べ、別に部長達と出掛けるからってそわそわしてねーし」
「ツンデレか?」
志遠を茶化そうとするイッセーを逆に茶化したりしていると回りから
「え!?あれって川崎君とエロ兵藤じゃない?」
「も、もしかしてデート!!」
「二人は密かに付き合っていたのね!じゃあ見つかったらダメなわけだから・・・別の場所に行きましょう」
「そ、そうね。見たい気もするけど邪魔したら悪いわよね」
クラスの腐女子の三人が見ていた。そして絶大に勘違いをしていた。
「「付き合ってないぞ!?」」
「私達わかってるから!」
「大丈夫。私達の秘密にしとくから!」
「だから」
『お幸せに!』
「「何もわかってないよな!?」」
腐女子三人組の言葉に志遠とイッセーは慌てて誤解を解こうとしたが三人はあっという間に走って消えていた。
「「っていうか早っ!?」」
志遠と下級とはいえ悪魔のイッセーより早いんじゃないかってほどだった。
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第13話突然のタブルデート(遊園地)
ソーナはリアスにとある事を持ちかけられた。
「ソーナダブルデートしましょ」
「はい?」
「川崎君にはもう言ってあるわ」
「は!?」
突然リアスがいきなりダブルデートをすると言ってきてソーナはびっくりしていると更に既に志遠には言ってあるというのでソーナも驚き過ぎて頭が追い付かなかった。
「ま、待ってくださいリアス。川崎君に既に言ってあるってどういうことですか!?私と相談してからでしょ!」
「ごめんねソーナ。でもね私も好きな人ができたのよ。一人だと不安だったからお互いサポートできるダブルデートが良いと思ったら直ぐ行動に移したわ」
ソーナも流石にリアスに一言言いたくなったのだがリアスの気持ちも分からなくはない。しかしだ。突然過ぎるのではないか?っとソーナは思った。
「で、いつなのですか?」
「明日よ」
「だから突然すぎじゃない!?」
何でもないかの言うリアスにソーナいつもの口調すら忘れて突っ込みを入れた。ソーナは人生で一番ってぐらい取り乱した日ではないかと思ったのであった。
「いきなり過ぎですよ」
「ごめんなさいソーナ」
落ち着いて考えて見たら確かに勝手すぎたと反省している様子のリアスを見てソーナはため息をついてから言った。
「次からは気をつけて下さいね」
「分かったわ」
そのやり取りを終えるとソーナとリアスは共に待ち合わせ場所についていた。そして疲れているようすの二人を見つけた。
「ふ、二人とも」
「ど、どうしたのですか?」
リアスとソーナが聞くと志遠とイッセーが取り乱したようにそして何故か声揃えて言った。
「「何でもないから!付き合ってないから!」」
「「本当になにがあったの(ですか)!?」」
リアスとソーナは志遠達の取り乱しように言う二人に驚き言った。
しばらくすると少し落ち着いたが志遠とイッセーは決して話さなかったが無理に追求して嫌われたくはない二人はその質問をやめた。
「どこ行きましょうか?」
「無難なところで良いとは思うが・・・遊園地なんてどうだろう?」
ソーナが聞くと志遠は提案したすると全員賛成だった見たいで
「良いわね」
「ええ」
「そこにしようぜ」
デートというよりは友人感覚だなと志遠は苦笑しながら向かった。
「会長・・・・いや。ここは学校ではないので支取先輩と呼びますね」
「え、ええ。いいですよ」
「支取先輩とグレモリー先輩は友人ですよね。タイプが違うと思うのですがどうして友人に?」
志遠は気になる質問だった。戦闘のタイプで言うならリアスはパワータイプでソーナはテクニックタイプ。性格もまるで違う二人が友人になったきっかけが気になった。
「私の姉とリアスの兄が仲が良かったのでその繋がりです」
「そうだったんですか?・・・あのもしかして部長のお兄さんは魔王でしたよね?ソーナ会長のお姉さんって」
「ええ。四大魔王の一人セラフォルー・レヴィアタン様よ。主に外交を担当しているけど詳しい話はまた今度ね」
「は、はい。すいません」
イッセーふと思ったをリアスに確認したがリアスは志遠が一般人だと思っているのであまり言わせないように言うとイッセーは直ぐに謝った。
そんな話をしているうちに近くの遊園地まで着いていた。志遠は全員に
「じゃあ俺が買ってくるんで待っててください」
返事してから聞く前に行ってしまう。あっという間にいってしまった。しばらくすると戻ってきた。1日フリーパスだった。
「川崎君いくらでした?」
「いいですよ。おごらせてください。勿論グレモリー先輩も、あとついでにイッセーも」
「俺はついでかよ!?」
払うと言おうとしたが志遠が笑顔でそういうと何も言えなかった。イッセーはついでといわれて突っ込んだ。
四人はそのあとジェットコースターやコーヒーカップやメリーゴーランドなどに乗って1日遊びつくした。
最後に観覧車に乗った。既に回りは夕方。
「綺麗ね」
「そうっすね」
「そういう時はグレモリー先輩の方が綺麗っていってやるんだぞ?」
リアスが夕焼けを見ながら言うとイッセーは同意したが志遠は指摘するとイッセーはっとしていた。それを志遠は笑っていた。
「え?あ、すいません」
「・・・川崎君は慣れているのですか?」
「え?」
「川崎君はモテますからね」
ソーナは少し嫌味のように言うが志遠は苦笑していた。
「まぁ、はじめてって訳じゃないですよ。義姉と来たことがありましてね」
「姉?お姉さんがいるのか?」
義姉ことヴァーリと何回か来たことがあるというだけの話ではある。イッセーが聞いてくると志遠は少し遠くを見て言った。
「義理だけどね」
「義理?」
「俺の両親は・・・随分前に死んだのさ・・・ある人に拾われた。義姉も同じ境遇だったからな」
義理という言葉にソーナが反応すると志遠は説明した。
「あ、すいません」
「いや、いいですよ。それに気にいってるんですよ。だから気にしないでください」
「・・・分かりました」
気にしないように全員に言った。他の二人も頷いていた。
「今日は楽しかったですね」
「そうね」
イッセーとリアスが仲良く話していて志遠とソーナは
「支取先輩・・・貴方とは
「・・・これからもよろしくお願いいたしますね」
友人という言葉に少し不機嫌になったが志遠にそう言った。志遠はただ笑っているだけだった。
「ここで別れですね」
「ええまた学校でお会いしましょう」
「そうですね・・・
そう言って最後に別れた。三人はまた学校であえると思ったがこの日を境に学校から川崎志遠という男が消えた。
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第14話堕天使側のシオン
川崎志遠とはあくまでみ偽名である。シオンが本来の名だがあまり変わらない。名字は適当につけた。シオンは半分人間、半分悪魔にハーフ悪魔である。両親は幼いときに殺された。アザゼルに拾われ【
シオンは仮面を被り全身を覆うフード。魔女や魔術師がよく羽織っている物である。
「我が王行かれるのですか?」
「ああ。しっかり伝えてあるのだろう?」
膝を付き頭を下げるウォズともう一人のフードを被った女。彼女も膝をついている。彼女とであったのは少しまえのことだ。しかしその話は別の機会にしよう。
「はい。我が王の指示の通りに」
シオンはウォズ達に四大魔王の妹である元ソロモン七十二柱のグレモリー家次期当主リアス・グレモリーとその眷属、シトリー家次期当主ソーナ・シトリーとその眷属そして聖剣を奪還に来ている協会側の人間に駒王学園で話し合いをする場を繋げた。協会側が本来何か言ってきたため聖剣を送り付けると素直に応じてくれた。
「そうか・・・今回の件でお前は動くなよ」
「心得ています」
シオンは最後に女に指示だけした。今回の件にて彼女が出てくるのは不味い。悪魔側にしられるのは不味いのだ。
「では、行こうか・・・
シオンはそう呟いた。
シオンが消えたことで小猫とソーナそしてイッセーと言ったシオンに関わりがあった者達はあわてて探したりしていたが見つからなかった。家は無くなっていた。生徒や教師の記憶にすら残っていなかった。
オカルト研究部の部室にリアスとその眷属とソーナとその眷属が集まっていた。堕天使側から話し合いの場をもうけたいと言い魔槍を渡された為無下にできなかった為引き受けた。教会側からの人間も少ししたら来るはずである。
「いい。この場では発言や行動に注意しなさい。そのせいで戦争になる可能性があるわ」
「リアスの言う通りです。慎んだ行動をしてください」
リアスとソーナは念のために言った。魔王の妹とその眷属が問題を起こすわけにはいかない。ドアをノックして入って来たのは教会側の二人だった。
「失礼する」
「失礼します」
青い髪の短髪の美少女ゼノヴィアと茶髪のツインテールの美少女紫藤イリナ。イリナはイッセーとは幼馴染である。その為昨日にはイッセーの母親に挨拶をしにきたさいイッセーとは会っていた。
またノックをすると黒いフード被ったシオンとウォズが入ってきた。それを見て小猫は驚いた様子だった。
「っ!?」
「また、お会いしますねリアス・グレモリー殿。ソーナ・シトリー殿
「!・・・どうやら既に調べは着いていたか。それで何故貴様らがこのような場をもうけようとした?」
ゼノヴィアとイリナは警戒を高めた。
「その前にこれからの話を信じてもらいたい。その約束ができるのでしたらこの仮面とフードを取って正体を明かしましょう」
『!?』
シオンの言葉に誰もが驚き隠せない。正体を明かさず今までいた者が対価として明かすと言った。どのような話かは分からないがそこまでするのなら本当の事であり、そしてそこまでしなければ信じてもらえないと思った行動なのだろう。
「悪魔側の皆さんもよろしいですか?」
「分かったわ」
「了承します」
シオンは視線を向けるとリアスとソーナは頷きながら答えた。イッセーとアーシアとソーナの眷属で眷属になって間もない匙元士朗以外緊張したようすだった。
「分かった信じよう」
「ゼノヴィア!」
「あそこまでして嘘な訳がないだろう?」
「・・・分かったわよ」
イリナはゼノヴィアに抗議したが時空の神龍の正体が分かるというのは十分な報酬だ。
「では、話が纏まった様子ですね我が王」
「そうだな」
ウォズが辺り見て言うとシオンも同意して仮面とフードを取ると
「堕天使側の
『!!?』
シオンの姿にソーナ、小猫、リアス、イッセー、アーシアは驚き言葉すらでなかった
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第15話話合いその1
絶句している悪魔達を見てシオンは
「川崎君・・・何故」
「何故も何も俺は元々こちら側だったからな。貴方と同じだよソーナ・シトリー。偽名さ」
ソーナは驚きながらシオンに聞くがシオンは何でもないかのように言った。ソーナは少し睨み付けるように言った。
「・・・騙していたんですか?」
「別に騙した覚えはないがな・・・・俺はお前達を悪魔と思って接した覚えはない。追々話すとするよ。それよりも本題に入りたい」
シオンは本心で答えた。ソーナには薄々だがシオンが本心でいってることが分かった。リアスはまだ信じていないみたいだった。イッセーと小猫は迷っていた。
「分かりました」
「・・・いいわよ。それで本題とは何かしら?」
リアスとソーナは頷きシオンを見るとシオンは言った。
「堕天使コカビエルとその仲間が教会側が保管する6本の聖剣エクスカリバーのうち2本を盗みこの地・・・駒王町に潜んでいる」
『!?』
「教会側の二人はその奪取の為に来たのだろう?」
驚いている悪魔達。シオンは確認のために教会からきたゼノヴィア達を見ると警戒しながらだが頷いた。
「ああ」
「そうよ」
「今回のコカビエル件だがコカビエルの独断の行動であることを理解して欲しい」
「何っ?」
「どういうことよ!」
コカビエルの独断の行動ということばにゼノヴィア達は反応した。疑うように見るゼノヴィアに驚くイリナ。ゼノヴィアは少し考えて言った。
「・・・分かった。しかし説明はあるのだろうな?」
「ちょ、ゼノヴィア!そんな簡単に信じてもいいの」
「信じる理由は既にあるはずだ。教会側に送られてきた聖剣ジュワユーズ。あの聖剣はエクスカリバーとも並ぶ聖剣だ。わざわざそんなことをする理由がないだろう?」
聖剣ジュワユーズはシャルルマーニュもしくはカール皇帝の武器。聖剣デュランダルと同じ素材で作られているという聖剣。
エクスカリバーを盗んでおいてわざわざ同等の聖剣を送る理由がない。エクスカリバーと同等とはいうが7本に折れる前の状態ではの条件がつく。二本とではジュワユーズの方が上である。それを聞いてイリナは納得せざる終えなかった。
「分かったわよ」
「詳しく説明させてもらう。コカビエルの目的から話そう」
「聖剣を手に入れることではないのか?」
ゼノヴィアがシオンに質問をする。ゼノヴィア達はどうやら聖剣を奪い取って戦力を削ぐ事が目的だと思っていたようだった。
「違う。奴の目的は・・・三つ巴の天使、堕天使、悪魔の戦争の再戦だ」
『なっ!?』
ゼノヴィア達は勿論リアス達も同様に驚きを隠せなかった。シオンは続けて説明した。
「コカビエルはアザゼルに戦争の再開を求めたがアザゼルはそれに乗り気ではなかった。どうにか押さえていたが我慢のできなったコカビエルは行動に移した」
「それが聖剣とこの地だと?」
「ああその通りだ。エクスカリバーを取れば天使長ミカエルが戦争を仕掛けてくると思ったらしいが残念だがきたのは教会側の人間が数名だった」
コカビエルの行動についてシオンは説明していた。本気で戦争を起こそうとしていることが分かった。
「失敗したのかしら?」
「確かに天界の方は失敗に終わったが・・・まだ手立てはあったんだよ。この地には魔王の妹が二人いる。それに魔王二人は妹を可愛がっている。もしもコカビエルが殺しでもしたら・・・どうなると思う?」
「どうなるって・・・まさか!」
失敗したかと思ったがそれだとシオンがわざわざ来る理由は無かった。コカビエルはこの地にて戦争を開始するきっかけを作ろうとしていた。もし二種族が争えば天使が介入してきてどの道三つ巴に戦争になる。
リアス達もそれに気が付いた。シオンはリアスとソーナを指を指し言った。
「そう。奴の狙いは貴方達二人だよ」
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第16話話合いその2
「なっ部長が!」
「会長が!」
イッセーともう一人匙が反応した。リアスは納得したようすだった。この地に来たのは偶然ではなく狙った物だと。
「・・・成る程ね確かに戦争を起こすのに最も確実な方法ね」
「そうですね。もし私達に何かあった場合はお姉様達が動いてしまいますね」
ソーナも同じであった。悪魔と戦争を起こすなら狙うのは悪魔の王である魔王の親族を狙うのが一番。
「そう言うことだ。加担しているメンバーは二人。聖剣計画の首謀者バルパーガリレイと元教会の天才と言われた
「ああ」
「っ!バルパー・ガリレイだと」
シオンは加担しているメンバーについて言った。シオンは知っていることを確認するように視線を向けるとゼノヴィアが答えた。バルパーの名を聞いたリアスの
彼はバルパーの起こした聖剣計画の被験者であり失敗作として殺されかけたが他の被験者達が祐斗を逃げる手助けをしたため生き残りリアスの眷属となった。
「で、私達にどうしろと?」
「悪魔側の二人に関しては俺らの方で安全を確保したいが・・・そうもいかないだろう?」
「ええ。私の領土で好きにはさせないわ」
シオンのこの意見は拒否されると思いながら言った。プライドが高いリアスが拒否した。
「はぁ、ならこうしよう。敵と接触した場合は連絡をして欲しい。勝手に死なれても困るしな。その時だけの共闘としよう。君達もそれでいいか?」
「・・・分かったわよ」
「私の方も構わない。たまたま共闘になってしまえば仕方がないことだからな」
シオンは妥協点を見つけ言うとどちらも納得したようだった。シオンは立ち上がると
「こちらの要件は言った。バルパーが協力している理由だがエクスカリバーで何かしようとしている。君ら教会側はそちらを追うといい。では失礼を」
シオンがドアの方へ向かい始めるとウォズも後ろについてきた。シオンはアーシアを見て立ち止まると言った。
「アーシア・アルジェント、一つ聞いておきたい事がある。君は人間に戻ったのに何故悪魔に転生したのだ?」
「そ、それは・・・イッセーさんと一緒にいたいからです!」
「・・・成る程。いい考えだ」
シオンの質問にアーシアは正直に答えるとシオンはどうやら納得したようだった。そして二人は去っていった。
シオンはリアス達に仕込んである発信器が正常に動いてるか確認をした。シオン達はコカビエルについて調べを続るのと同時に出方を伺った。
「あえて利用させて貰うか」
シオンは不敵に笑った。シオンはこれを利用した三種族会談を起こさせようと考えていた。コカビエルに負けるとは微塵にも思っていないようだった。
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第17話決戦前
ウォズが調べた結果分かったのはコカビエルはエクスカリバーを融合させた結果生じる力を利用して駒王町を吹き飛ばす気でいるらしいと言うことだ。コカビエルを倒すもしくはエクスカリバーの融合を防げば阻止できる。簡単なのはエクスカリバーの融合を防ぐことだが
「それではあいつらが成長しない。極限状態や追い込まれた状態でこそ人は成長する。コカビエルは無理としてもエクスカリバーぐらい破壊してくれなければな」
「報告です我が王。コカビエルがエクスカリバーを融合させるようです。恐らく場所は駒王学園です」
ウォズは報告をしに戻って来ていた。シオンは確認のためウォズに問いかける。
「死人はいないな?」
「はい。茶髪の聖職者はギリギリのところで保護しました」
「紫藤イリナ・・・イッセーの幼馴染か」
ウォズのよこに傷だらけのイリナがいた。シオンはと神器を出してイリナの時間を戻した。あくまでも傷の時間のみであって疲労までは戻していない。
「ウォズ、イッセー達のところへ送ってきてくれ」
「分かりたよ我が王」
ウォズはイリナを抱えると直ぐに消えていった。シオンは駒王学園に向かい始めた。
リアス達も駒王学園にて準備を開始していた。イッセーの家の前でコカビエルが宣戦布告していきそのあとにイッセーの幼馴染であるイリナを抱えたウォズが現れイッセーに渡すと直ぐに消えていった。
「リアス・グレモリーとソーナ・シトリー数日ぶりだな」
魔方陣からシオンが現れた。シオンに気付いたリアスとソーナはシオンの元へ行った。
「誰が中で戦い、誰が結界維持なんだ?」
「私達の眷属が結界維持です」
「私達がコカビエルと戦うわ」
「分かった。俺も中で戦う。じゃあソーナ・シトリー結界の方は任せたよ。リアス・グレモリー、死なないように気を付けろよ?」
戦力面でいうなら当然だった。リアスの眷属の方が実戦を積んでいる。赤龍帝がいることも関係しているだろう。シオンは勿論結界の中で戦う。
「言われるまでもないわ。貴方こそ死なないようにしてちょうだい。戦力が削がれるのは困るわ」
「・・・・結界の方は任せてください。コカビエルを頼みましたよ」
リアスは挑戦的に言い、ソーナは結界の事は心配せずに戦うように促す。リアスの眷属は祐斗がいないが中に入り、ソーナの眷属は結界をはる。コカビエル達との決戦に向けて歩きだした。
コカビエルは上空からシオン達を見下ろしていた。バルパーは最初に盗んだ聖剣とイリナやゼノヴィアから奪った聖剣ともう一人の教会側の人間から奪った聖剣を合わせて5つのエクスカリバーを融合させようとしていた。
「・・・やはり貴様が来ていたかシオン!」
「久しぶりだなコカビエル。一応言うが投降する気はあるか?」
コカビエルはシオンに向けて言う。コカビエルはシオンの投降するかという提案を蹴った。
「あるわけないだろ!お前こそ俺らと手を組め。そうすればお前の好きな戦いが続けられるぞ!」
「魅力的ではあるな」
『!?』
コカビエルが逆に提案するとシオンは案外乗り気のような言葉に悪魔達は全員が驚いた。もし、シオンが敵となれば敗けは確実となってしまう。コカビエルも以外だったようだ。
「が、
シオンは意味深く言うがそれに気にした様子がないコカビエルは殺気を放ち
「そうか。ならば魔王の妹共々殺してくる!」
「はっ、図にのるなカラスが!」
シオンも同様に殺気を放ち
コカビエルとの決戦が始まった。
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第18話禁手の前兆
コカビエルとシオンの戦いはリアス達とは次元が違っていた。シオンは余裕そうにしていた。それは当然だシオンには
「す、すげぇ」
イッセーが思わず感心した。シオンはバルパーに目を向け言った。
「エクスカリバーの融合か。お前達はそっちを止めていろ・・・いるだけ邪魔だ・・・まぁ止められたらだが」
「っく!・・・わかったわ」
リアスは悔しそうにしていたがリアス達だけでは倒すことはできない。ならばせめて聖剣の融合位は止めなければならなかった。
「コカビエル、完成までは五分もかからん」
「・・・そうか、頼んだぞ。貴様らはこいつらの相手でもしていろ」
コカビエルがそういうと3つの犬の顔を持つ地獄の番犬と呼ばれるケルベロスを複数召喚した。エクスカリバーの融合の邪魔はさせないようにだ。これもシオンの計算通りだった。
「っ!ケルベロス」
「たかが犬っころか。しかし人間界に連れてきていいものじゃないだろ?」
「はっ、知ったことか」
「そうかい」
ケルベロスが出てきたことでリアス達は驚いたがケルベロス程度ならリアス達でも対処できる。シオンにとっては雑魚に過ぎない。
リアスは滅びの魔力を、朱乃は電撃で攻撃を始めていた。小猫は
コカビエルは光の槍でシオンに攻撃するが特にあわてた様子も無く全て切り裂いていた。勿論空間ごとではあるが。
だがイッセーが隙をつかれケルベロスにやられそうになった。シオンは一瞬助けにいこうかと思ったがゼノヴィアの気配がしたためやめた。
「加勢させてもらうよ」
「きゃー!」
ゼノヴィアが現れケルベロスの首一つはねそのあとに真っ二つに切り裂いた。ゼノヴィアが手にしていた剣は聖剣ジュワユーズ。シオンが送った聖剣であった。イッセー達に対して言った後に悲鳴が聞こえた。ケルベロスの一体がアーシアを狙ってきたがケルベロスの下から生えるように魔剣が出てきて串刺しにした。
「遅くなってすまない」
祐斗であった。ゼノヴィアの今持つ聖剣ジュワユーズは陽気という特性を持つ。動きの補助のほかにも聖なる力を発揮しやすい聖剣。天使との相性はいい。
「破壊力等を重視するゼノヴィアとの相性は悪いが無いよりはましと言ったところか」
シオンは冷静にゼノヴィアを分析していた。イッセーはそのあと朱乃とリアスに力を壌土し、朱乃は雷で最後のケルベロスを殺した。リアスはコカビエルに攻撃を仕掛けるが軽く打ち返されてしまった。朱乃があわてて庇うように防御用の魔方陣を張った。
「ち!」
シオンは舌打ちをするとシオンはリアスと朱乃を守る防御結界を瞬時に張った。返された滅びの魔力に結界はびくともしなかった。
「「!?」」
驚いてこっちを見る二人だがシオンは特に気にした様子も無くコカビエルに魔法を放った。コカビエルは素早く避けた。リアスと朱乃はシオンにお礼を言った。
「助かったわ・・・ありがとう」
「感謝しますわ」
「気を付けるように頼むよ」
シオンは言った後に気がついた。リアス達も流石に気が付いた。一ヶ所光っていた。聖剣が一つとなった証拠だった。
「完成だ!五本のエクスカリバーが一つとなる」
エクスカリバーの神々しい光が学園全体に広がり収まった。
「エクスカリバーが一本になった光で、下の術式も完成した!あと二十分もしないうちにこの街は崩壊する。解除するにはコカビエルを倒すしかないがコカビエルは俺がどうにかしてやるよ」
シオンが任せるように言うとまた魔方陣で上空まで移動した。
「フリード!」
「はいな、ボス」
「陣のエクスカリバーを使え。最後の余興だ。四本の力を得たエクスカリバーで戦ってみせろ」
「ヘイヘイ。まーたく、俺のボスは人使いが荒くてさぁ。でもでも!チョー素敵仕様になったエクスカリバーちゃんを使えるなんて光栄の極み、みたいな?ちょっくら悪魔でもチョッパーしますかね!」
バルパーはフリードを呼びエクスカリバーを使うように言った。フリードはイカれたように笑っていた。
「くくく……」
バルパーも狂った笑っていたが祐斗はバルパーに言った。
「バルパー・ガリレイ。僕は『聖剣計画』の生き残り……いや、正確にはあなたに殺された身だ。悪魔に転生したことで生き永らえている」
「ほう、あの計画の生き残りか……被験者が一人脱走したままだと聞いていたが……卑しくも悪魔に堕ちてるとは」
その言葉に祐斗は憎しみ込めた目でバルパーをみていた。
「だが君らには感謝している。お蔭で計画は完成したのだからな」
「完成・・・?」
バルパーの言葉に意味がわからないかのように呟く。バルパーは続けて
「君たち適正者の持つ因子は聖剣を扱えるまでの数値を示さなかった。そこで一つの結論に至った。被験者から因子だけを抜き出せば良い、とな」
「なっ!?」
祐斗は絶句していた。教会側でもやっているものである。聖剣使いは基本的に因子の結晶を取り込むことでエクスカリバーを使える。天然であるゼノヴィアはその必要はなかったがイリナは因子を取り込んで聖剣使いになった。
「そして結晶化する事に成功した。これがあの時の因子を結晶化した物だ。最後の一つになってしまったがね!……冥土の土産だ。フリードに切られる前に渡しておこう」
そう言って、バルパーは木場に何かを投げた。それをキャッチする祐斗。
「それはあの計画の時に抜いた『因子』だ。三つほどフリードに使ってしまった。それが最後の因子だ」
……なら、僕らを殺す必要は、なかったはずだ……! どうして……!?」
衝撃の事実を聞いた祐斗は必死に立とうとしながらも殺気が篭っていた。だがバルパーは大して気にせずに理由を話そうとする。
「お前らは極秘計画の実験材料にすぎん。用済みになれば廃棄するしかなかろう」
「そんな・・・僕たちは、主の為と信じて、ずっと耐えてきた・・・それを、それを、実験材料・・・?廃棄・・・?」
祐斗は手の中にある結晶見ていた。因子の結晶が光り輝きだした。
「僕は・・・ずっと・・・ずっと思っていたんだ。僕が、僕だけが生きていて良いのかって。僕よりも夢を持った子がいた。・・・僕よりも生きたかった子がいた。僕だけが、平和な暮らしを過ごして良いのかって・・・」
祐斗の回りには何人かの人いるのが分かった因子の中の魂が人形になっているのが分かった。
『大丈夫――』
『みんな集まれば――』
『受け入れて。僕たちを――』
『怖くない――』
『たとえ神がいなくても――』
『神さまが見てなくても――』
『僕たちの心はいつだって――』
「――ひとつ」
祐斗の中に因子が消えていった。この時祐斗は至った。祐斗は受け入れた聖剣を。聖剣にもう憎しみを抱かない
「
それを見たシオンはそう呟いた。
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