Take me to・・・ (ENDLICHERI)
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Season 1
第1話 OVERTURE


 暗闇の中、灯りは街を照らす。だが、その景色は真っ白な世界だった。だが、1ヶ所だけ、白以外の彩りがその街にはあった。

 

 

 

「・・・・・・ん?おねえちゃん?」

 

「おはよう。よるだけどね。」

 

 

 

まだ幼い少年と少女が、背丈にあった荷物でいっぱいのカバンを背負って、手には背丈に似合わない大きなケースを持っていた。

 

 

 

「あるける?」

 

「・・・・・・うん。はやくいかないと、だよね?」

 

「うん・・・。じゃあ、いこ。」

 

 

 

少女の言葉で少年はカバンを背負い、ケースを持って歩き出した。少女もカバンを既に背負っていて、少年と同じケースを持って歩き出した。

 

 まだ10歳にも満たないであろう子供が、雪が降り続ける夜の街を・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 少年と少女はひたすら歩いていた。でも、2人はまだ10歳にもなっていない。もちろん、何も食べていなければ空腹にもなる。

 

 

 

「はい、ごはんだよ。」

 

「ありがとう、おねえちゃん。」

 

 

 

少年は少女から1つのおにぎりを貰う。それは、コンビニのおにぎりなのだが。

 

 

 

「・・・・・・おねえちゃんはたべないの?」

 

「おねえちゃんはだいじょうぶ!」

 

 

 

でも、少年は知っていた。自分がご飯を食べている間、少女は何も食べていなかったことを。それも、来る日来る日も・・・・・・。

 

 

 

「・・・・・・はい。」

 

「?・・・・・・ダメだよ、ちゃんとたべないと。」

 

「おねえちゃんもでしょ?それに、1りでたべててもおいしくないもん・・・。」

 

「・・・・・・わかった。これからは、いっしょにたべるね。」

 

「うん!」

 

 

 

2人は1つのおにぎりを半分こにして、仲良く食べていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2人が目的地まで歩いている時にあった出来事だ。とある商店街を通っていた時、少年の目にあるものが飛び込んできた。

 

 

 

「うわぁ~!」

 

「?・・・・・・どうしたの?」

 

「おねえちゃん!あれみて!」

 

 

 

少女が見た先には家電屋のテレビだった。2人はテレビを見ることは何日ぶりだろうか。でも、2人が釘付けだったのはテレビに映っているアーティストだった。

 

 2人のアーティストがアコースティックギターを弾きながら歌っていた。

 

 

 

「ぼくもできるかな~?」

 

「・・・・・・いっしょにれんしゅうする?」

 

「・・・・・・うん!」

 

 

 

それから、2人は目的地まで歩きつつ、休憩がてらにずっと持っているケースからアコースティックギターを取り出し、『テレビで見たアーティストみたいに弾きたい』と思い、練習をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれから数日が経ち、2人はとある公園で休憩を取っていた。休憩するスペースを確保したと同時にギターを取り出し練習し始めた。幸い、あの時テレビで見たアーティストの楽譜が1冊とギターの教本が1冊、ゴミステーションに捨てられていたため、こっそり持ち去り、それを見て練習していた。

 

 

 

「・・・・・・できた!」

 

「あたしも!」

 

「じゃあさ、いっしょにひかない?」

 

「あたし、1ばんまでならうたえるから、1ばんまででいい?」

 

「ふっふ~ん!じつは、ぼくもうたえるんだ!」

 

 

 

そうして、歌うパートと弾くパートを決めて、2人による2人だけのライブが始まった。

 

 

 

「しんぱいしょうすぎなあなたは~~~♪」

 

 

 

お客さんは誰もいない。でも、少年は少女に、少女は少年に、自分の練習の成果を見せるために演奏する。

 

 

 

「あなたとおなじこうすいを~~~♪」

 

 

 

2人の顔には笑顔が溢れる。

 

 そんな光景を1人の女性が見て、興味を持ち近くに向かう。

 

 

 

「「おもいきりだきよせられるとこころ~~~♪」

 

 

 

2人は演奏に集中し過ぎて、その女性のことを気にしてなかった。

 

 

 

「「クリスマスなんていらないくらいひびがあいのかたまり~~~♪」」

 

 

 

そして、演奏が終わる。2人は顔を見つめ合わせ、笑い出す。

 

 

 

「アハハ・・・!ぼくなんかしょかまちがえちゃった!」

 

「あたしも!たのしくなっちゃって・・・!」

 

\パチパチパチパチ/

 

「「ん?・・・・・・わっ!?」」

 

 

 

聞こえてきた拍手の音で通りすがりの女性に気付いた。

 

 

 

「あなたたち、良い演奏だったわよ!」

 

「あ、ありがとうございます・・・。」

 

 

 

2人に緊張感が走る。2人は見ず知らずの大人をあまり信用出来ずにいた。

 

 

 

「?・・・・・・そんなに緊張しなくていいよ。お姉さん、感動しちゃった。」

 

 

 

その女性は、さらに言葉を続ける。

 

 

 

「最近ね、嫌なことが沢山あって、悲しい曲くらいしか聞いてなかったの。でも、あなたたちの演奏を聞いて、『音楽ってやっぱりいいな』って思ったの!悲しい曲ならそのまま悲しくなるし、明るい曲なら気持ちまで明るくなる。あなたたちみたいに音楽を楽しんで楽器を演奏して歌っているのを見ると、周りの人たちも楽しくなる。」

 

 

 

2人からすれば、詳しくは分からないけど、なんとなくこの女性が言ってることを理解していた。

 

 

 

「2人は路上ライブは初めて?」

 

「「・・・?」」

 

「あら、『路上ライブ』も知らないんだ。」

 

 

 

女性はカバンから何かを取り出しつつ、会話を始める。

 

 

 

「『路上ライブ』ってね、道路や公園とかの外で音楽を演奏することよ。そして、お客さんが来て、『この人の演奏は良かった!』って思われると、こうやって・・・・・・」

 

 

 

女性が取り出したのは財布だった。そして、そこから千円札を取り出し、

 

 

 

「お金をもらえるの。」

 

「え!?」

 

「だ、ダメです!おかねはもらえません!!」

 

 

 

2人は驚いてしまった。少年は驚きの声をあげてから黙ってしまい、少女はそのお金は受け取ろうとしなかった。

 

 

 

「おかねはせいかつのなかでたいせつなものです!!そんなたいせつなもの、もらえません!!」

 

「・・・・・・はっ!うんうん!!」

 

 

 

2人は知っていた。何日も外で、しかも限られたお金で生活してきたから。働かないとお金は手に入らないことも知った2人にとって、今回の演奏は『路上ライブ』ではなく、ただの練習だった。だから、幼いながらにも『自分たちは働いていないからお金はもらえない』と考えていた。

 

 

 

「ふふっ、2人ともお姉さんより大人かもね。」

 

 

 

女性は少し考えて、

 

 

 

「じゃあ、お姉さんに音楽の素晴らしさを改めて教えてくれたお礼として、受け取って。」

 

「で、でも・・・・・・。」

 

「いいから!・・・・・・それに、2人も何かありそうだしね。」

 

「「・・・!?」」

 

「お金は少ないのは我慢してね。じゃあ、頑張ってね。」

 

 

 

女性はそれだけ言って、去っていった。

 

 

 

「・・・・・・わるい人だけじゃないんだね。」

 

「・・・・・・うん。これからも、ギターひく?」

 

「うん、みんなをえがおにできるなら!」

 

 

 

それから2人は、また目的地まで歩き出した。

 

 

 

 

 

 でも、2人の行く先はとても険しく・・・・・・心を壊していくものだった・・・・・・。




このタイミングですが、初めまして!ENDLICHERIです!そうでない方はお久しぶりです。

この作品は、『双子の姉弟がバンドリキャラと触れて閉ざした心を開いていく』ってお話・・・・・・の予定です。・・・・・・アタシの作品をほとんど見たことある方、『どっかで見たことあるような設定』って思うだろうが、その辺は言わないで!!

今回の作品のタイトル『Take me to・・・』は『私を~~~へ連れてって』という意味です。このタイトルの意味は、いずれ分かります。

そして、第1話のタイトルの意味は・・・・・・知ってる方が多いと思いますが、ライブとかである『序曲』です。まぁ、『始まり』と解釈していただければと思います。


ってことで次回から本編です!!では、また次回!!


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第2話 Million Secret of Siblings

 あれから数年が経ち、

 

 

 

「こら~、そろそろ起きなよ~?」

 

「・・・ん、朝か・・・・・・。」

 

 

 

僕は今年から高校2年生となった。

 

 

 

映司(えいじ)~、早く出てこないとお姉ちゃん突撃しちゃうぞ~?」

 

「今着替えてるから入ってくんなよ。」

 

「もう~、釣れないな~。」

 

 

 

僕は着替え終えて、リビングに向かう。

 

 

 

「おはよ!映司、良く寝れた?」

 

「ウィズは俺の母親かよ?・・・・・・良く寝れたけど。」

 

「そっか~!お姉ちゃんが添い寝してても無視するほどに眠れていたのか~!」

 

「さらっと言うんだな。ウィズの部屋あるだろ。」

 

「そりゃもちろんあるけど、大好きな弟と寝るのはダメなの?」

 

「うん、姉弟でそれはダメだよ。」

 

「でも、アタシたち姉弟でも「分かった分かった。はいもう飯食うよ。」・・・・・・お姉ちゃん複雑。」

 

 

 

あんたの心境なんか知らん。それと、添い寝してて、時間になっても起きないから朝支度を始めたワケか。

 

 僕は朝食を食べ終え、身支度をする。今日から新学期が始まる。・・・・・・だからといって学年が1つ上がるだけだから特に気を引き締めることはない。

 

 

 

「映司、ちゃんと髪型決めなよ。()()を隠すためにも。」

 

「っ!?・・・・・・それは言わないでくれよ。しかも、急に言われるとさ・・・。」

 

「あ!ごめん・・・・・・。でも、映司が心配だから・・・。」

 

「ハァ・・・、まぁいいよ。」

 

「っ!それじゃあ・・・!!」

 

「ただし!自分で出来るから。」

 

「ブーブー!」

 

 

 

文句言いつつ出てくんだな。・・・・・・よし、髪型も上手く出来た。流石に10年くらいこの髪型にしてたら慣れるよな。

 

 

 

「お待たせ。」

 

「ううん、大丈夫だよ。おかげで弁当も作り終えたから。」

 

「どうも。」

 

「それじゃあ、アタシも準備してくるから、先に出掛けないでよ!!」

 

「はいはい・・・。」

 

 

 

・・・・・・10年くらい前からウィズの態度は変わらないけど、僕以外の人への対応は変わってるだろう。

 

 僕に至っては性格すら変わっている。自分でも随分大人しくなったと思う。()()()以降起きたことが原因なのは知ってる。

 

 

 

「おっ待たせ~!!どお~、似合ってる?」

 

「うん、いつも通り似合ってる。」

 

「わー、相変わらずの棒読み嬉しいわー。」

 

「じゃ、行くぞ。」

 

 

 

僕たちは家を出て、それぞれの学校に行く・・・・・・予定。

 

 

 

「あ、映司!鍵持った?」

 

「うん、持ったよ。先に下に行くね。」

 

「は~い!」

 

 

 

僕たちは今、マンションの3階の部屋で生活している。・・・・・・なんとなく察すると思うけど、姉のウィズと一緒に。

 

 

 

「お待たせ~。それじゃ、花咲川までよろしく~!」

 

「はいね。」

 

 

 

僕は自転車に乗り、ウィズを後ろに乗せて登校する。

 

 

 

「・・・・・・そろそろ交通費を請求「ダメ。」・・・・・・ハァ・・・。」




いかがでしたか?タイトルの意味は『百万の姉弟の秘密』です。・・・・・・アタシとしては、『いくつもの秘密を抱えた姉弟』にしたかったんですけど、今回のタイトルの設定上、出来なかったです・・・。

気を取り直して、この作品は今まで書いた作品とは別の書き方で書いております。アタシの今まで書いた作品を見ていただいた方は分かると思いますが、セリフの最初にキャラの名前の1文字目が無いんです。・・・・・・これが好評ならこれから書く新しい作品にも影響します。

次回からはちゃんとバンドリキャラを出す・・・・・・はずです!

あ、それと。今回の姉弟も仮面ライダーの名前を参考にしました。・・・・・・弟の方だけ。見ての通り、『オーズ』からです。『ウィズ』はアタシがハマっている『黒ウィズ』のキャラから取りました。・・・・・・どうせ『ウィズ』ってキャラいっぱいいるから良いんちゃうん?


では、また次回!


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第3話 The mAsque

僕はウィズを自転車に乗せて、花咲川女子学園にたどり着いた。

 

 

 

「ふぅ~。映司、ありがとね。」

 

「いいえ。それじゃ、また後で。」

 

「うん!学校終わったら、ラブメール送るね!」

 

「いらん。普通のメールをよこせ。」

 

「ブー!」

 

 

 

僕は自転車を漕ぎ始める。自分の通う学校に向かうために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 全く・・・、映司も性格変わってしまったな~。昔は『おねえちゃん!おねえちゃん!』って言ってたのにな~。

 

 

 

「さてと、クラスは・・・・・・B組かぁ~。・・・・・・ん?」

 

 

 

なんだろう。『氷川紗夜』って名前がある。・・・・・・確か、風紀にうるさい人だったような~?ま、下手なことしなければ関わらないからいっか。

 

 それから、退屈な始業式が終わり教室に移動した。・・・・・・なかなかこういうのもめんどいね。

 

 

 

「さて、クラスも新しくなったことだから・・・・・・それぞれ自己紹介してもらおうか?」

 

 

 

えー・・・。凄く面倒くさい。女子校の教師なのに、若干暑苦しいかも・・・。

 

 

 

「次!え~・・・、葛城さん!」

 

 

 

これ、立たないといけない、よね・・・。仕方ない、簡単に済ませますか。

 

 

 

「はい、・・・・・・葛城(かつらぎ)ウィズです。去年も言ったことはありますけど、日本人の父とロシア人の母から生まれたハーフです。よろしくお願いします。」

 

 

 

あ~!恥ずかしかった~!!人前で話すのなんて大っ嫌いなんだよな~。・・・・・・仕事の時は大丈夫なんだけど。にしても、親のこと言ったけど、アタシの親はね~・・・・・・。

 

 さて、とっとと終わんないかな~?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 相変わらず、始業式は長い。おかげで軽く仮眠は取れるけど・・・・・・。

 

 

 

「それでは、それぞれのクラスに戻ってください。」

 

 

 

この後、書類を沢山配って、『クラスのメンバーと仲良くしてくださいね~』ってなって解散するのが定番だろう。

 

 

 

「それでは、クラスも変わったことで・・・・・・改めて自己紹介をお願いします!」

 

 

 

・・・・・・マジか・・・。その展開は考えてなかった・・・。

 

 

 

「続いて、葛城君。」

 

「はい・・・。葛城(かつらぎ)映司です。1年間、よろしくお願いします。」

 

 

 

これといって言うことも無いから、これでお終いだ。・・・・・・クラスの他の人から何を言われようが僕には関係ない。

 

 

 

「それでは、みんな気を付けて帰るように!」

 

 

 

ハァ・・・、やっと終わった・・・・・・。これで帰れ・・・・・・ないわ。ウィズ迎えに行かないと。

 

 

 

「葛城映司君、で合ってるよね?」

 

「・・・・・・そうですが。」

 

「僕は黒崎(くろさき)晴斗(はると)。これから1年間、よろしくね。」

 

「・・・・・・よろしく。」

 

 

 

そんな会話をしてた瞬間、教室の前の方から騒がしい声が聞こえてきた。

 

 

 

「なぁなぁ、この後カラオケ行かね?」

 

「チョーイイネ!」

 

「その後には、やっぱり・・・・・・、」

 

「「「焼き肉っしょーーー!!」」」

 

 

 

 

 

「・・・・・・僕は、ああいうのは嫌いです。」

 

「騒がしいのは苦手なんだね?」

 

「それもそうですが、上っ面で会話してるのが嫌なんですよ。」

 

 

 

僕はカバンに荷物をしまい、席を立つ。

 

 

 

「もちろん、あなたが今上っ面かどうかは分かりませんが、僕の中であなたの今の行動が本意かどうか決まるまで信用する気はありません。」

 

「・・・・・・。」

 

「・・・・・・では、僕はこれで。」

 

 

 

そもそも、姉以外簡単に信用する気はないけど。

 

 僕は席を離れ、帰ろうとする。僕の席は一番後ろの一番窓側だから、前の集団に絡まれる心配はない。

 

 

 

「・・・・・・僕も、信用しないんだ。」

 

「・・・・・・?」

 

「上っ面で接してくる人。・・・・・・って言うか、ほとんどの人を。」

 

「・・・・・・。」

 

 

 

僕には、この黒崎晴斗の言ってることが分かる気がする。・・・・・・何があったかは知らないけど、心に傷を負っているような気がする・・・。

 

 

 

「僕たちは、何か似ている気がするな。・・・・・・そうだ!記念に1枚撮らせて。」

 

「え?」

 

 

 

黒崎晴斗は慣れた手つきで首から提げていた二眼レフカメラを使って僕を撮る。

 

 

 

「・・・・・・仲良くなるための脅し道具として使うんですか?」

 

「それでも構わないよ。・・・・・・現像したらちゃんと渡すから。」

 

「・・・・・・それでは。」

 

 

 

僕は教室を後にした。・・・・・・あの黒崎晴斗、確か席隣だった気がするな・・・。それに、関係ない人間に喋りすぎた気がする・・・・・・。

 

 それはそうと、急いでウィズの下に向かわないと・・・!

 

 

 

 

 

「遅い!!」

 

「無茶言うな。そっちの方が早く終わったのに。」

 

「でも!遅くなったとしても汗だくで急いで来ない!?」

 

「僕にそんなキャラ設定は無い。ほら、行くよ。」

 

「ブー!・・・・・・そうだね、早く()()()に行かないと!」

 

「ん?・・・・・・バイト?」

 

「そーだよ!・・・・・・まさか・・・!?」

 

「・・・・・・忘れてた。急いで行くぞ!」

 

 

 

なんでバイトあるって言ってくれなかったんだよ!?




いかがでしたか?タイトルの意味は『仮面劇』ですが、これは『クラスでは仮面を被る2人の生活』と解釈していただければと思います。

それと、いかがです?クラス内では陰キャのようなキャラを演じる2人は。姉のウィズは、映司の前では厄介なブラコンお姉ちゃんになりますけど。・・・・・・世間的にはこんな姉って普通?

ただ、皆さんの脳に疑問が浮かんだでしょ?『映司とウィズは本当に姉弟なのか』と。・・・・・・名前の時点で違和感感じてるか。でも、そのことはいずれ話すさ!



さて!まぁね・・・、今までENDLICHERI作品を見てきた方は分かると思います。そして、思ったでしょう。『また別作品のキャラ出しやがって!?」と。そんな風に苛立っている方、言葉は酷いですけど、嫌なら見るな!それでも見たいならなんか案をリクエストボックスに書け!・・・・・・採用しますよ、タイミング良ければ。

・・・・・・さてと、姉弟の苗字がようやく判明しましたね。まさかの男の子の名前が『ビルド』+『オーズ』っていうね。

バンドリキャラ出したよ!・・・・・・名前だけでホントすみませんでした!!その代わり、ミラクルチケットでロりんりんゲットしてピュアの星4Roseliaが揃ったこと教えるから!


では、また次回!


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第4話 シンジルとウラギル

 僕はいつもより自転車を漕ぐスピードが早かった。何故なら、

 

 

 

「ほら映司ー、早く早くー!」

 

 

 

今日バイトのシフトが入っていることを忘れてて、予定時刻までにたどり着くためである。

 

 

 

「はぁ・・・、はぁ・・・、ってか、たまにはあんたが漕げよ!!」

 

「アタシ女の子よ!男子を自転車の後ろに乗せる女子なんて、世の中いないでしょう?」

 

 

 

こいつ・・・!そろそろ本当に交通費請求してやろうか・・・!!

 

そして、ようやくバイト先『CiRCLE』に到着した。

 

 

 

「はぁ・・・、はぁ・・・、はぁ・・・、」

 

「いや~、スピードが早いのもありだね~!風が気持ち良かったよ~!」

 

「お前・・・!やっぱり交通費払え・・・!」

 

「い~や~だ~!ほら、行くよ~!あ、口調も直しなよ~。」

 

 

 

チッ!・・・・・・あんヤロー!!

 

と、ここで取り乱しても仕方ない。後で交通費を支払ってもらおう。

 

 

 

「いらっしゃいませー!・・・・・・あ、2人とも時間ギリギリだね。」

 

「ごめんなさい、弟が遅くて・・・。」

 

チッ!(こいつ・・・!)すみません、すぐに準備してきます。」

 

「ん?・・・・・・何かあったの?」

 

「い、いえ・・・。アタシもすぐに準備しますね!」

(絶対今舌打ちしたよね!?もう・・・・・・可愛いんだから!)

 

 

 

受付に立っていた女性、月島(つきしま)まりなからすれば、仲の良い姉弟と思われるだろうが、僕たちの内心なんて誰も知らない。

もちろん、僕たちが彼女(月島まりな)のことをほとんど()()()()()()()ことも。

 

 

 

「・・・・・・で、なんで同じ場所で支度するわけ?」

 

 

 

この姉は、女性の着替え部屋があるにも関わらず、僕がいつも支度する楽器置き場で支度していた。・・・・・・もちろん、互いに見えないようにはしているけど。

 

 

 

「今さら~?前にも言ったでしょ。『映司が心配』って。」

 

「まさか、わざわざ支度した後で『身だしなみチェックする』とか言わないだろうな・・・?」

 

「さっすが我が弟よ!」

 

「言う気だったんだ・・・。」

 

 

 

僕は支度を済ませ、部屋を出ようとする。

 

 

 

「映司!」

 

「ん?」

 

「・・・・・・うん、良し!」

 

「わざわざ前髪を気にしてくれてありがとう。」(棒)

 

「棒読みで言われても、お姉ちゃんキュンと来ないな~!」

 

「姉弟でそんなことは起きないから、行くよ。」

 

 

 

僕とウィズの仕事は、スタジオの準備と片付けだ。・・・・・・まりなさんいわく、『流石姉弟!息ピッタリだね!』ってことをここのバイトを始めてすぐに言われた。

だから、受付はまりなさんに任せ、スタジオの準備を僕たちがすることになった。

 

 

 

「映司~。」

 

「何?」

 

「今日スタジオ使うの、何組だと思う~?」

 

「そんな予想している暇があるなら掃除して。」

 

「アタシはね~、5組!」

 

「人の話を聞いてくださる?・・・・・・今日は1組。」

 

「よ~し!3組だったら引き分け。2組以下なら映司の勝ちね!」

 

「4組以上は?」

 

「それはもちろんアタシの勝ち!」

 

「6組以上も?」

 

「もちろん!」

 

 

 

それってさ、明らかにそっちが有利だよな・・・。

 

 

 

「・・・・・・なら、4組から6組だったらウィズの勝ちで、3組と7組以上は引き分け。これでどうだ?」

 

「・・・・・・いいよ!負けた方は勝った方にジュース奢りね!」

 

 

 

こうして、くだらない賭け引きが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「負けた~~~!!」

 

「残念、2組だったね。」

 

 

 

・・・・・・コンビニでジュースを買ってもらおうかな~?




いかがでしたか?今回のタイトルは日本語なので分かるっしょ!・・・・・・まぁ、賭け事なんて『シンジル』と『ウラギル』のかたまりだからね。

それと、今回は前回に比べてちょっとコメディでしょ?ただ、書いてて『CiRCLEこれでいいのか?』と思っちゃった!

そして!バンドリキャラ出したよ!喋らせたよ!・・・・・・ホント、期待させてごめんなさい。

あとどうでもいいお話ですけど、午前中バンドリの映画を見て、午後・・・・・・というか夜には田原市の花火大会を見ました。わざわざ休みを取っての1日ですけど。有意義な1日でしたよ!・・・・・・仕事にはこんな内容で休みを取ったとは言えないな~。


では、また次回!


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第5話 the EDGE of the WORD

 僕たちは、姉弟揃ってバイトをしている。今住んでるマンションの家賃を払うためと、生活費を稼ぐためだ。そのために家賃代や生活費の計算を・・・・・・僕がしている。ウィズはそういうのが苦手だ。僕が管理してるから、私生活で使えるお金もそれぞれの懐に分配している。

 

 

 

「映司~!」(泣)

 

「何?」

 

「アタシね、今月厳しいの~!」(泣)

 

「うん。」

 

「だからね~、ジュース2()()は勘弁して~!!」(泣)

 

 

 

僕は片手にカフェオレを2本持ってレジに向かおうとしていた。でも、ウィズがそれを遮る。

 

 

 

「あのね、『負けたら勝った方にジュース奢り』って言ったのはウィズだよ。」

 

「普通1本でしょ!?その辺は常識でしょ!?」(怒)

 

 

 

なんで僕が『非常識人』扱いされないといけないの?それと、泣きながら怒るな、忙しい。

 

 

 

「ウィズ、考え方を変えてみたら?」

 

「ふぇ?」

 

 

 

なんで本当に涙目になってるの?

 

 

 

「1本はさっきの賭け分で、もう1本は今年入ってから今日までの交通費。こう考えればもう1本のジュース代は安いでしょ?」

 

「・・・・・・確かに。」

 

 

 

まぁ、ただ2本買いたかっただけなんだけど。

 

 

 

「それじゃ()()()()()、お会計よろしく。」

 

「・・・!仕方ないな~!」ニヤニヤ

 

 

 

最近のウィズは『お姉ちゃん』って言えばほとんどOKする。・・・・・・多分、僕のせいでこうなったんだろうけど。

 

 

 

「お待たせ~!」

 

「ありがとう。・・・・・・って、なんで自分のも買ってるんだよ?」

 

「自分へのご褒美~!」

 

「あっそ。」

 

 

 

コンビニから出て、自転車に乗って待ってた僕はウィズに買わせたカフェオレを自転車のかごに乗せて帰ろうとした時、

 

 

 

「葛城さん?」

 

「「ん?」」

 

 

 

誰かに声をかけられた。しかも、『葛城』と言われたら、どっちも葛城だから両方反応するに決まってる。

 

 

 

「あなた・・・・・・確か、氷川さんでしたっけ?」

 

「はい。クラスメイトなので、名前くらいは覚えてください。」

 

「ごめんなさい。・・・・・・それで、何か用があるんですか?アタシに。」

 

 

 

僕は最近、ウィズが他の人と会話してるところを見てないから分からなかったけど、僕と話す時より声のトーンが低い。

 

 

 

「い、いえ・・・。ただ、こんな遅い時間まで何をしていたのかと思って・・・。」

 

「だったら、それはアナタにも言えることですよ。こんな遅くまで何してたのかって。それとも、自分は正しいことしてるから怒られないと?」

 

「それは・・・・・・。」

 

 

 

正直、僕は蚊帳の外だ。さっさと帰りたい。

 

 

 

「・・・・・・ま、アタシにはどうでもいいことですけど。映司、行こ。」

 

「・・・・・・了解。」

 

 

 

僕は自転車を漕ぎ始める。自宅を目指して。

 

 

 

「・・・・・・さっきの、アタシのクラスメイトなの。」

 

「会話を聞いてたから知ってる。それに、・・・・・・あの人の背負ってたのは、」

 

「うん。・・・・・・ギターケースだったね。」

 

 

 

いつもならウィズから会話がマシンガンのように来るのに、今日は静かだった。

 

 

 

「そうだ!久しぶりにセッションしない?」

 

「唐突だな。」

 

「いいじゃん!たまにはセッションしようよ!」

 

「ウィズはしばらく弾いてないみたいだけど、腕が鈍っていなければちゃんと1曲セッションするよ。」

 

「・・・・・・映司、」

 

「何?」

 

「言葉ってね、時には刃になるんだよ。」

 

「まさか、さっきその刃を放ったウィズの口からそんな言葉が聞けるとは・・・。」

 

「何よ!?」

 

「なんでもない・・・・・・。」

 

 

 

その後、夕食後に圧をかけられながらセッションしたのは・・・・・・あまり話したくない。




いかがでしたか?今回のタイトルは『言葉の刃』って意味です。内容的に分かると思いますが。

そして、主要バンドリキャラがようやく喋りました!・・・・・・ホントこんなタイミングですんません!


では、また次回!


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第6話 DISTANCE

高校生活2年目が始まり数日。僕は他の人たちと広く浅く・・・・・・どころか、全く接していない。たかが1年、それを過ぎれば誰も連絡なんて取り合わない。これが今の世の中だからだ。

 

 

 

「これで、どうよ!!」

 

「残念でーした!!」

 

「お前エグイな!!」

 

 

 

男共は前の方ではスマホゲームで明け暮れていてはしゃいでいるだけだから、絡む気にもならないが。

 

 

 

「1人で昼食?」

 

「・・・?」

 

 

 

ただ、この人は違う。『黒崎晴斗』は席が隣なだけでずっと僕に絡んでくる。この前あんな事を言ったのに。

 

 

 

「1人で食べるより、大勢で食べた方が美味しいよ?」

 

「・・・・・・そんな事は知っています。ですが、僕に『あそこで食え』と言っているのですか?」

 

「ん?・・・・・・あ、いや、そういう訳ではないけど。」

 

 

 

僕が一瞬目線を送った先はゲーム三昧の男たちだ。彼はすぐに察したのか否定した。

 

 

 

「でしたら、あなたにも一緒に昼食を食べる人がいるはずです。その人と食べてください。」

 

「僕たちは似ていると思うんだけど・・・、ってどこ行くの!?」

 

「付いてこないでください。」

 

 

 

僕は教室を離れて、屋上に向かう。この学校は屋上が開放されているため、誰が入ってもいいようになっている。でも、ここに来る人は少ない。だから、僕にとっては一番落ち着く場所だ。

 

 

 

「ふぅ~。・・・・・・ん?」

 

 

 

昼食を食べ終え、授業時間までのんびりくつろいでいると、屋上の扉が開いた。

 

 

 

「・・・・・・あ、初めまして・・・。」

 

「・・・・・・。」コクリ

 

 

 

僕が通っている学校は男子はネクタイ、女子はリボンの色が学年によって違う。去年1年間見た色だから、今屋上に来た男子生徒は1年生だ。

 

 

 

「あ、あの・・・。」

 

「ん?」

 

 

 

1年生が僕に話しかけてきた。

 

 

 

「ここって、入っても大丈夫です・・・・・・よね?」

 

「?・・・・・・えぇ。人気は無いけど、入って問題は無いよ。」

 

「そうなんですね。・・・・・・先輩、ですよね?」

 

「はい、そうですが・・・。」

 

 

 

あまり絡まれたくないんだけどな・・・。そこそこの対応して、立ち去ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

始業式からしばらく経って、なんとか新しい環境に慣れてきたけど、

 

 

 

(お昼、教室で食べるのはな~・・・。)

 

 

 

かといって、中庭で食べるのも嫌だし・・・。

 

 

 

(あ!屋上行こっと!)

 

 

 

アタシは弁当箱を持って教室を出ようとすると、

 

 

 

「葛城さん。」

 

「っ!・・・・・・なんですか?氷川さん。」

 

 

 

また氷川さんが絡んできた。

 

 

 

「どちらに行かれるのですか?」

 

「・・・・・・アナタには関係ないですよね?」

 

「そ、それは・・・。」

 

 

 

その隙にアタシは屋上に行く。

 

 

 

(誰もいない。しばらくここで弁当食べよ♪)

 

 

 

この時のアタシは知らなかった。氷川さんの他に・・・・・・もう1人、別の人物に気にされていたことを。




いかがでしたか?今回のタイトルの意味は『距離』や『隔たり』って意味です。

ちなみに、弁当・・・・・・っていうか、家事はウィズが担当しています。なので、映司の弁当箱はナレーションでも触れられないほど他人に見せたくない弁当となっています。・・・・・・ご想像におまかせします。

それと、双方に新たに絡もうとしてるキャラたち、誰でしょうね~?ヒントは、映司の方は晴斗の一個下の生徒、ウィズの方は紗夜と同じクラスの生徒です。


では、また次回!


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第7話 灰色の花

今日は僕1人だけバイトが入っていて、受付をしていた。

 

 

 

「・・・・・・今日も客、来ないな・・・。」

 

 

 

まるで店が潰れる勢いで客が来ない。・・・・・・まりなさん、店閉めたら?

 

 

 

「こんにちは。」

 

「いらっしゃいませ。」

 

「スタジオ、空いてるかしら?」

 

 

 

空いてるどころか空きっぱなしだよ。

 

 

 

「はい。今でしたら大丈夫ですよ。」

 

「そう。・・・・・・2時間は使えるかしら?」

 

「構いませんよ。」

 

「では、それで。」

 

「分かりました。スタジオの準備をしてきますので、少々お待ちください。」

 

 

 

まりなさんは・・・・・・どこにいるんだ?まぁいい、ある程度スタジオの準備は出来るから。

 

 

 

「お待たせしました。スタジオの準備は完了しました。何か必要な機材があれば、スタジオ内の受話器から頼めますので、ご利用ください。」

 

「ありがとう。」

 

 

 

・・・・・・銀髪でクールな性格、か。あまり人と関わらなさそうな人だったな。

 

 

 

「ホント、クールだよね~。」

 

「うん。・・・・・・ん?え?」

 

「なんか、銀色の花って感じ?」

 

「ウィズ、なんでいるの?」

 

 

 

知らぬ間にウィズが受付にいた。

 

 

 

「あ、ヤッホ~!」

 

「いやいや、『ヤッホ~』じゃないよ。なんでいるの?」

 

「だって、映司もうバイト終わる時間でしょ?だからお迎えに。」

 

「いやいや、自転車渡したんだからそのまま帰って、なんか家事してなよ。」

 

「だって家事でやる事終わったんだも~ん!」

 

「ハァ・・・。」

 

 

 

()()()()は一流なんだよな~。それを家計の方にも向けてくれればありがたいんだが。

 

 

 

「そういえばさ、アレ買うお金、もうすぐ溜まりそうなの?」

 

「うん。今月の給料次第では、だけど。」

 

「そうなの~!アタシ()のために頑張って稼いでね!」

 

「・・・・・・花、ね・・・。」

 

「何よ?」

 

「花は花でも、色合いとしては灰色なんだろうな。」

 

「あっはっは~!どういう意味よ、それ~!?」

 

 

 

カウンター飛び越えてヘッドロックしてくるウィズ。

 

 

 

「う、ウィズ・・・!苦しい・・・!!」

 

 

 

ウィズは意外とスタイルが良いから、顔に当たっている。・・・・・・だからといって僕自身がどうという訳ではない。

 

 

 

「映司く~ん、そろそろ上がっていいよ~。」

 

「は、はーい・・・!ウィズ、そろそろ離せって・・・!」

 

「え?あぁ、早く戻ってきてね!」

 

 

 

やっと離してくれた・・・。とりあえず、着替えてこよう。

 

 

 

「映司くん、仲良いね?」

 

「・・・・・・姉弟ですから。」

 

 

 

正直、今のコメントはどう対応しようか悩んだ。ちょっと苦し紛れの返答だったな・・・。

 

 

 

「ウィズ、お待たせ。」

 

「も~、遅いよ~!」

 

「・・・・・・自転車は?」

 

「忘れてきちゃった♪」

 

「おい。」

 

「たまには良いじゃん!歩いて帰ろ!」

 

「ハァ・・・。」

 

 

 

それから僕たちは歩いて帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アタシが家事をほとんど終えたし、暇だし映司に会いたいって思ったのは事実。でも、

 

 

 

「映司~、手繋ご?」

 

「嫌。・・・・・・恥ずかしいし。」

 

 

 

可愛い~な~、コイツ~!!

 

アタシたちは人を信じることを出来ない。でも、

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

「・・・・・・。」

 

「っ!・・・・・・映司?」

 

「・・・・・・今日は、良いかなって。」

 

「ふ~ん、優しいね~!お姉ちゃん嬉しいぞ~!」

 

「うっさい。」

 

 

 

アタシは、こんな映司に・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()んだろうな~・・・・・・。




いかがでしたか?今回のタイトルの意味は本編で触れたのと同じ意味ですけど。

今回CiRCLEに来たお客さん、銀髪でクールな人ってなんとなく分かるんじゃないですか?

それと、ちょっと危険な恋愛事情発覚!!さぁどうなるのやら!・・・・・・あ、この2人はその辺モヤモヤしてるから・・・・・・知ーらね。


では、また次回!


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第8話 ボーダーライン

今日は学校もバイトも休みで、僕はある場所に来ていた。

 

 

 

「葛城さん、こちらになります。」

 

「はい。」

 

 

 

今まで頑張ってきた分が結果として目に見え、手に触れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ~あ、暇だな~。」

 

 

 

映司は前々から溜めていたお金を持って、ある場所に行っている。映司が帰ってくるまではお留守番。アタシのお相手は誰1人としていなかった。

 

 

 

\ピンポーン/

 

「・・・!」(誰、こんな時に・・・!?)

 

 

 

最近は家に誰かが来ることなんてなかったから、少し身構えてしまう。恐る恐る扉に近づき、ドアスコープから外を覗く。

 

 

 

(あれ?錘さんだ・・・。)

 

 

 

アタシは見知った顔の人物だったからドアを開けた。

 

 

 

「おぉ、ウィズちゃん。久しぶりだね。」

 

「錘さん、お久しぶりです。今日は何か予定があって?」

 

「いや、たまたま近くを通りかかったので様子を見に来たのだよ。悪いかい?」

 

「いえ、錘さんなら大丈夫ですよ。良かったら上がってください。」

 

「それじゃあ、お邪魔します。」

 

 

 

桐生錘(きりゅうすい)さん。アタシたちが幼い頃、この街に来た時、寝泊まりできる場所を提供してくれた人。・・・・・・寝泊まりできる場所が孤児院だったんだけど。

 

 

 

「映司君は・・・。」

 

「今日はアレを買いに行ってますよ。はい、お茶です。」

 

「おお、ありがとう。・・・・・・そっか、今日だったか。彼は、大丈夫なのかね?」

 

「大丈夫です。アタシは映司を信じているので。」

 

「そっか・・・。2人とも、元気そうで何よりだ。」

 

 

 

そう言って静かにお茶を飲む錘さん。・・・・・・あの事、聞いておかないと。

 

 

 

「錘さん。」

 

「何かね?」

 

「アタシたちの通帳に、お金を振り込んでいますよね?」

 

「・・・・・・。」

 

「・・・・・・。」

 

 

 

しばし沈黙が続いた。でも、その沈黙を錘さんが破った。

 

 

 

「確かに、君たちの通帳にお金を振り込んでいるのは私だ。」

 

「・・・!何考えてるんですか!?こんなどこの誰かも分からない人間にお金を渡すなんて!!アタシたちはアナタを騙してるのかもしれないんですよ!!」

 

 

 

錘さんの言葉は、アタシの気持ちを爆発させた。

 

 

 

「それに映司も言ってました!『またお金振り込んでる』って、少し悲しそうに!アナタはどれだけアタシたちを苦しめれば気が済むんですか!?これから、アタシたちに何をさせようとしてるんですか!?」

 

「・・・・・・。」

 

「ハァ・・・、ハァ・・・、」

 

 

 

アタシは、他人(だれ)から親切にされるのは、もう嫌なんです。親切にされて、「信じていいよ」と言われて、信じていたら裏切られて信じた代償が心や気持ちだけならまだ可愛かった。でも、その代償が『もの』だった時は凄く辛かった。生活にも、心にも・・・・・・。

 

そんなことを言えるほど息がまだ整ってなく、だからといって続けて言う気力も無かった。

 

 

 

「・・・・・・すまない。」

 

「・・・っ!」

 

「私は君たちのことを理解しているつもりだ。でも、私の想像をはるかに超えているようだね。申し訳ない。」

 

「だったら、アタシたちをこれ以上の親切にしないでください・・・。」

 

「そういうわけにはいかない!」

 

「っ!?」

 

「君たちはもう高校生だ。でも、まだ私からすれば子供も同然。そんな子にずっと大人の力を借りずに生活なんて、私が許さない。」

 

「っ!・・・・・・。」

 

 

 

何も言えなかった。いや、錘さんの気迫のせいで何も言うことが出来なかった。大人として、アタシたちを保護した者としての務めを果たすために。

 

 

 

「・・・・・・すまない。でも、君たちが職に就くまでは私から君たちへお金を振り込ませてもらうよ。」

 

「・・・・・・はい。」

 

「私はね・・・、君たちにはちゃんとした生活をしてほしいんだ。それに、私は君たちがちゃんと職に就いても何も要求しないよ。君たちから来ない限り、私は君たちと関わらない・・・・・・と思う。」

 

 

 

悲しそうな苦笑いをして、アタシたちの家を後にした。

 

 

 

「っ!・・・・・・人が良すぎるよ・・・。」

 

 

 

知らぬ間に机の上に置いてあった、そこそこの金額が入った封筒を手に取り・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕は帰り道に自宅近くで錘さんと会った。

 

 

 

「おや、映司くん。久しぶりだね~。」

 

「どうも。・・・・・・家に寄ったんですか?」

 

「・・・・・・あぁ。ウィズちゃんに怒られちゃったよ、『これ以上お金を振り込まないで』って。」

 

「でしょうね。・・・・・・正直、僕もあまり嬉しくないんですよ。」

 

「だろうね・・・。ウィズちゃんに散々言われてしまったからな~・・・。」

 

「・・・・・・でも、僕は錘さんに頼りますよ。・・・・・・今は。」

 

「・・・?」

 

「その後、職に就いたら錘さんに借りた分をきっちり返しますよ。」

 

「・・・!」

 

 

 

僕は錘さんの横を通りすぎ、一言言い忘れていたことを言う。

 

 

 

「それと、ちゃんと自分で買ったんで。」

 

「・・・!そうか・・・。」

 

「結構頑張ったんでね。」

 

「そうかい、それは良かった。」

 

「・・・・・・それでは。」

 

 

 

僕は手で押してきた()()()をマンションの駐輪場に置き、自宅に向かう。

 

僕は、錘さんのことなら信じれる気がする・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま~。」

 

「おかえり映司!アタシの自転車は?」

 

「買ってきたよ。・・・・・・ほら、これが鍵。」

 

「ワオ!じゃあ、今日は映司の好きなもの食べよ!」

 

「・・・・・・錘さんから貰った金を少し使って寿司食いに行くか。」

 

「え!?なんで分かったの!?」

 

 

 

錘さんが家に来たのと、帰って早々に封筒を隠したんだから分かるよ。




いかがでしたか?今回のタイトルは『2人の心のボーダーライン』って感じで付けました。

2人の心のボーダーラインは少し違うようですね。でも、2人の仲でそのボーダーラインはどうなるのやら・・・?


では、また次回!


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第9話 足音

今日は突然、ウィズが妙なことを言い出した。

 

 

 

「路上ライブしに行こ!」

 

 

 

・・・・・・どっか頭ぶつけておかしくなったか?

 

 

 

「おかしくなってません!!」

 

 

 

うっ、バレてる・・・・・・。

 

 

 

「それはそうと、なんで急に『路上ライブ』するんだよ?」

 

「う~ん・・・、なんとなく?」

 

「あっそ。」

 

「アタシも自転車ゲット出来たし!」

 

「そうだね。これで花咲川まで毎日送り迎えする必要はなくなる訳だ。」

 

「え?」

 

「え?」

 

 

 

まさか・・・!?

 

 

 

「送り迎えしてもらう気でいるのか?」

 

「うん、そうだけど。」

 

 

 

今から殴ってやろうか・・・!

 

 

 

「とりあえず、学校終わったら家に帰ってきて、その後路上ライブしに行こ!」

 

「ハァ・・・。」

 

 

 

溜息しか出なかった・・・。

 

そして、学校から帰ってきて、それぞれのギターを持って、()()()()の自転車に乗って公園に向かう。

 

 

 

「それで、どこの公園に行くの?」

 

「う~ん・・・。なんとなく良い場所で。」

 

 

 

ほぉ~、つまりノープランだと?

 

 

 

「・・・・・・あ、ここにしよ!」

 

「・・・・・・ここね。」

 

 

 

人の通りがそこそこの公園に自転車を止めて、楽器の準備をする。

 

 

 

「それで、何弾くの?」

 

「う~ん・・・、」

 

 

 

そこまでノープランだったか・・・。

 

 

 

「そうだ!『愛のかたまり』でどう?」

 

「・・・・・・まぁ良いけど。」

 

「決まりだね!じゃあ、映司は今までと同じ下のパートね。」

 

「了解。」

 

 

 

こうして、姉弟による路上ライブが始まった。

 

 

 

「心配性すぎなあなたは」♪

 

 

 

昔と変わらない演奏パートに歌唱パート。

 

 

 

「あなたと同じ香水を」♪

 

 

 

だけど、あれから10年も経っているから、歌い方やギターの技術は違う。

 

 

 

「「教えたいもの 見せたいもの たくさんありすぎるのよ」」♪

 

 

 

でも、僕たちの間には昔と変わらない時間が流れていた。

 

 

 

「「X'masなんていらないくらい日々が愛のかたまり」」♪

 

 

 

そして、1番を歌い終わると同時に演奏を終了した。

 

 

 

「・・・・・・なんだろうな。」

 

「?・・・・・・映司、何かあった?」

 

「いや。・・・・・・昔と変わらないパートを演奏して、技術もそれなりに上がったはずなのに、流れてた時間が昔と変わらないって思ってさ・・・。」

 

「・・・・・・確かに。初めて弾いた時と同じ時間が流れてた気がする・・・。」

 

\パチパチパチパチ/

 

「「・・・ん?」」

 

 

 

演奏に集中し過ぎて周りが見えなくなるのは僕たちの悪いクセだ。でも、この場所だと路上ライブしても足を止める人がいなさそうな場所だとはなんとなく分かってた。

 

 

 

「凄く良かったです!」

 

「あ、ありがとう~・・・。」

 

 

 

姉よ、若干苦笑いは止めなさい。

 

でも、この黒髪ロングの人はいつからいたんだ?

 

 

 

「前奏は聞けなかったですけど、こんなに素敵な演奏が出来るなんて・・・!」

 

 

 

あ、Aメロから聞いてたんだ・・・。

 

 

 

「普段からライブしてるんですか?」

 

「いや、たまにだけど・・・。」

 

「どこでライブしてたんですか?お客さんは多くて何人ですか?」

 

 

 

グイグイ来るな・・・。

 

 

 

「えっと・・・、アタシたち、もうおしまいだから。」

 

「え~!?・・・・・・そうですか・・・。」

 

 

 

面倒くさいな~。ウィズ、ナイスプレー。

 

僕たちはそれぞれギターをしまった時、この女性は急に僕の顔を覗きこんできた。

 

 

 

「な、何か・・・?」

 

「目の色、()()違う。」

 

 

 

僕はこの瞬間から、記憶が無かった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「目の色、()()違う。」

 

「っ!?」

 

「っ!映司!?」

 

 

 

アタシも油断していた。この人はちょっと危ない感じだったけど、まさか映司の目のことを言うとは思わなかった。

 

とりあえず、映司を落ち着かせないと!

 

 

 

「ゴメンね、映司疲れてるみたいだから。・・・・・・それと、」

 

 

 

アタシは映司のギターも持って、映司の腕をアタシの肩に回して映司を連れていくようにする。

 

 

 

「この事は・・・全部忘れて。」

 

「は、はい・・・。」

 

 

 

アタシは彼女にそれだけ言って映司を連れてどこか休む所に連れていく。

ちらっと彼女を振り返って見たら、動揺しつつも申し訳なさそうにこっちを見ていた。・・・・・・この事、誰にも言わないでほしいけど。

 

 

 

 

 

アタシは公園内で人通りの少ない所のベンチに映司を座らせた。

 

 

 

「映司?」

 

「ハァ・・・、ハァ・・・、お姉、ちゃん・・・?」

 

「そうだよ、お姉ちゃんだよ。」

 

「ハァ・・・、ハァ・・・、ゴメン、取り乱しちゃって・・・。」

 

「大丈夫、映司は悪くないよ。映司は何も悪くない。」

 

 

 

アタシはいまだに震えている映司を抱きしめる。

 

 

 

「大丈夫、大丈夫。お姉ちゃんがずっと一緒にいるから。」

 

 

 

映司が落ち着くまで、周りの目を気にせずずっと抱きしめ、落ち着いたら、一緒に帰った。・・・・・・もちろん、映司の心配をしながら。




いかがでしたか?今回のタイトル『足音』はどんな意味だと思っていたでしょうか。・・・・・・まぁ、映司に関係することなんですけど。

それと、『黒髪ロングの女性』は一応バンドリキャラです。突拍子の無い発言や行動をする感じを頑張って出してみたんですが・・・。

そして、映司に一体何があるのか!?あったのか!?


では、また次回!


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第10話 消えない悲しみ 消せない記憶

アタシと映司は自宅に帰って、それぞれの荷物を自室に・・・・・・アタシが置いた。映司はリビングのソファーに座らせて落ち着かせている。

 

 

 

「映司、ご飯食べれる?何が食べたい?」

 

「・・・・・・そばにいて・・・。」

 

「・・・・・・分かった・・・。」

 

 

 

か細い声でそう言った映司の側にいることにした。明日は学校は休みだから、映司の要望に応えることにした。

 

 

 

「大丈夫。お姉ちゃんがずっと側にいるよ。」

 

「・・・・・・うん・・・。」

 

 

 

映司は落ち着いてきたのか、アタシにもたれかかって眠りについた。

 

映司はいつも目のことを赤の他人から言われるとこんな風に精神不安定な状態になって、アタシ以外のものに怯えるようになってしまう。こうなってしまったのは、今から10年前に遡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アタシたちは、実の姉弟ではない。だから、1話2話で言ってた『双子』ってのも嘘。アタシの父と映司の母が結婚して、当時物心付く前に出会ったから、互いに姉弟だと思っていた。しかも、同い年だから双子とも思っていた。

 

その頃からだった、映司の左目の色が右目と違ったのは。後から知ったけど、映司の目の色が左右違うのは生まれつきらしい。そのせいで、映司は友達がいなかった。

 

 

 

アタシからすれば、映司の目はとても綺麗だと思って、それを映司に伝えた。・・・・・・映司からすればコンプレックスなのに、その事に触れるなんてデリカシーが無かったと今は思う。

 

でも、映司は・・・、

 

 

 

「・・・・・・ほんとうに、ぼくのめってきれい?」

 

「うん!あたし、えいじのめ、だいすきだよ!もちろん、えいじもだいすき!」

 

「・・・・・・ありがとう、おねえちゃん!」

 

 

 

嬉しそうに、笑顔で答えた。・・・・・・あ、誕生日はアタシの方が早いから、アタシが姉ってことになっていた。

 

それから、映司は他の誰かと友達になれず、代わりにアタシと仲良くしていた。本当の双子くらい・・・・・・いえ、それ以上に。

 

 

 

 

 

でも、映司の・・・・・・いや、アタシたちの生活を変えるイベントがあった。

 

それは、アタシが偶然聞いてしまったアタシと映司の親の会話だった。

 

 

 

「映司君、なかなか友達が出来ないみたいだね。」

 

「仕方ないわよ。()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

 

「・・・!?」

 

 

「ちょっと、あの子にだって幸せになれる権利はあるんだよ。」

 

「あんな子なんて、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()わよ。」

 

「コラ!なんて事を言ってるんだ!」

 

 

「・・・・・・!」

 

 

 

映司の母の言葉を理解したアタシは、すぐに映司の下に向かって、

 

 

 

「えいじ、おかあさんがえいじをすてようとしてるよ!」

 

「・・・・・・しってるよ。」

 

「え?・・・・・・つらくないの?」

 

「うん、つらいよ・・・。」

 

「そう、なんだ・・・。ねぇ、ていあんなんだけど、」

 

「・・・?」

 

「いっしょに、いえをでない?」

 

 

 

・・・・・・改めて振り返ると、とんでもない事を言ったな~。でも、映司の口から出たのは、

 

 

 

「・・・・・・うん、ただ・・・おねえちゃんといっしょがいい。」

 

「っ!・・・・・・うん、わかった!」

 

 

 

映司は幼いながら知ってたんだと思う。自分の目のせいで、母から愛情を注がれていないことを。だから、幼いながらの無茶な提案に乗ってくれたんだと思う。

 

でも、ただ家出するだけではすぐにこの家に帰ってきてしまうと思い、映司と一緒に家出するために計画していた。そんな時だった。

 

 

 

「ウィズ、映司君、ちょっといい?」

 

 

 

突然、アタシと話がしたいと言い出したお父さんは映司の母の耳には届かないアタシたちの部屋に来た。

 

 

 

「・・・・・・2人とも、家出しようとしてるでしょ?」

 

「「・・・!」」

 

「・・・・・・やっぱりか。僕たちのお話を聞いちゃったんだね。」

 

「ごめんなさい!えいじはわるくないの!あたしがきいたのがわるいの!」

 

「ウィズ、落ち着いて。僕はね、怒りに来たんじゃないんだ。」

 

「え・・・?」

 

「2人に協力したいんだ。僕はお母さんをなんとかするから。」

 

「でも・・・、いいの?」

 

「僕はね、2人の味方だから。」

 

「うん・・・。ありがとう、お父さん。」

 

「・・・・・・。」

 

 

 

お父さんの提案を受けて、アタシたちの家出は実行される。そして、家を出る時に、お父さんから、

 

 

 

「2人にプレゼントがあるんだ。・・・・・・これ、持っていって。」

 

 

 

お父さんが持っていたアコースティックギターをアタシたちにくれた。

 

そして、1話のような出来事が起きて、その後には・・・、

 

 

 

「お前ら、気味悪いんだよ!!」

 

 

 

映司の目を見て、突き放す人や、

 

 

 

「君たち、うちで働かない?」

 

 

 

そう言って、アタシたちに近付いては利用して、アタシたちはお金を騙し取られたりした。

 

そうして、アタシたちは他の人を信じられなくなり、アタシにだけ携帯をくれたお父さんからは何も連絡は無かったから、父さえも信じられなくなっていた。

 

ただ、父に言われた通り、東京に来たアタシたちは公園で寝泊まりしてるうちに、錘さんに拾われて、住む場所とかを提供してくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

過去のことを思い出していると、気付けば朝の日射しの眩しさに、目を開けた。・・・・・・寝てたみたい。

 

 

 

「ん~、ふぁ~・・・。」

 

すぅ・・・、すぅ・・・、」

 

「ん?・・・・・・ふふっ、まだ寝てる。」

 

 

 

アタシは、膝の上で寝ている映司の頭を優しく撫でる。

 

今日は、良い1日を過ごせそうかも♪




いかがでしたか?今回のタイトルは、ウィズ視点でお送りする2人の過去でした。・・・・・・薄々気付いていたと思うけど、こんな感じです。

映司は自身の左目のせいで周りからいじめられ(?)、ウィズは映司を守るために大人たちから散々な目に合う。そして、そんな2人の親は知らぬ間に空気と化したとさ。チャンチャン!


では、また次回!・・・・・・アンケート取らせて!15話までやります。


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第11話 Fallen Angel

アタシは映司を起こさないようにずっと動かずにいた。・・・・・・お風呂入ってないけど、臭いとか大丈夫かな?

 

 

 

「ん、ん~・・・。」

 

「お!起きたかな?」

 

「・・・・・・?」

 

「おはよう、映司。よく眠れた?」

 

「なんで、ウィズがここに・・・?」

 

 

 

膝枕のことは言わないんだ・・・。でも、今回も記憶が無いんだろうな~。

 

 

 

「・・・・・・そうだ、あの人に目のこと言われて・・・。ウィズ、迷惑かけてごめん。」

 

「ハァ・・・、こんな時に他人の心配?今は、自分の心配をしなさい。朝ご飯食べる?それともお風呂入る?」

 

「・・・・・・風呂にする。」

 

「分かった、お風呂準備するからちょっと待ってて。」

 

「うん・・・。」

 

 

 

まだちょっと寝ぼけてるんだよね~。可愛いから良いんだけど。

 

映司は、目のことを言われると毎回こんな感じ。言われた後はアタシ以外の全てのものに怯えるようになってしまう。

 

 

 

「う~ん、アレはどう頑張っても直らないかもね~。」

 

 

 

アタシとしては、映司を合法的に抱けるで良いんだけど、映司のことを考えるとそんなこと言えないな・・・。

 

 

 

「・・・・・・よし!後は・・・。」

 

 

 

昨日掃除をしてなかったお風呂を掃除して、お湯を入れ始めて、映司がいるリビングに戻る。

 

 

 

「映司~、お湯が入るまでちょっと待ってて。」

 

「うん・・・。」

 

「・・・・・・。」

 

 

 

映司があの状態になると、寝るまで怯えていて、起きたら半ば放心状態になる。だから、たまに学校を休むこともある。

 

 

 

「・・・・・・!映司、お風呂沸いたよ。」

 

「うん・・・。」

 

 

 

・・・・・・中学の時は一緒に行って体を流してたんだけど、映司から『もう止めろ、恥ずかしい』って言われてからあの状態の映司の体を流すのは止めた。

 

 

 

「今日、どうしようかな~?・・・・・・ん?」

 

「・・・・・・ん?どうしたの?」

 

「映司、袖ほつれてるよ。」

 

「え?・・・・・・本当だ。」

 

「他に服ってある?」

 

「・・・・・・確か無かった。」

 

 

 

うろ覚えなのね・・・。そうだ!

 

 

 

「映司、今月って厳しい?」

 

「ちょっと待って、家計簿見るから。・・・・・・厳しくは、ないね。」

 

「よし!お風呂入ってご飯食べたら、お出かけしよ!」

 

「え?」

 

「決定ね!」

 

 

 

たまにはお姉ちゃんっぽく映司を引っ張らないとね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから、アタシもお風呂に入り、時間帯的には昼食を済ませ、身支度を済ませた。

 

 

 

「映司、用意出来た~?」

 

「・・・・・・出来たよ。」

 

「ちょっと~、なんでテンション低いのよ~!?」

 

「・・・・・・なんでウィズの誘いに乗ってしまったのかと凄く反省してるだけだよ。」

 

「さらっと失礼ね!ほら、行くよ!」

 

 

 

アタシは映司の手を握り、外へ連れ出す。アタシ()()の堕ちてしまった映司(天使)を、深淵から引っ張りだすために・・・。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?今回は『堕天使』って意味ですけど、ウィズの中では映司は天使だったんでしょうね。でも、あんな事があったから・・・。

さてさて、次回はこの姉弟のお出かけ回となります。・・・・・・イチャイチャさせます。


では、また次回!


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第12話 naked mind

アタシは映司の手を握り、目的地のショッピングモールに向かっている。まだ12時だから、道中の人は少ない。

 

 

 

「それにしても、なんで徒歩なんだよ。」

 

「たまには良いじゃん!のんびり景色を見ながら、もさ!」

 

「ハァ・・・、まぁ良いけど。」

 

 

 

自転車だと映司の手を握れないからね~。

 

 

 

「・・・・・・いつまで握ってんの?」

 

「ん~?アタシが満足するまで~!」

 

「それっていつだよ?」

 

「さぁね~?」

 

 

 

そんなの、帰るまでに決まってんじゃん!

 

そして、目的地のショッピングモールに到着!

 

 

 

「で、何しに来たんだっけ?」

 

「映司の服買いに来たの!ほつれてたし、他の服もヨレヨレだし。」

 

「着れないことはない。」

 

「そんな服で一緒に歩くこっちのことも考えて!ほら、行くよ!」

 

 

 

映司を引っ張って男性用の服を扱うお店に向かう。

 

 

 

「あ!このアクセサリー可愛い!!」

 

「おい・・・。」

 

「いーじゃん!ほらほら、楽しも!」

 

 

 

・・・・・・まぁ、買い物に寄り道は付き物だよね~。

 

 

 

「開き直るな。」

 

「ギクッ!・・・・・・そ、それじゃあ・・・ショッピングを楽しも~!」

 

 

 

誤魔化すのって難しいね・・・。

 

 

 

「映司、欲しい服ってある?」

 

「無い。・・・・・・強いて言えば、シンプルな柄の服。」

 

「・・・・・・もうちょっとオシャレを冒険したら?」

 

「余計なお世話だ。」

 

「分かった。今日はアタシが映司の服を選ぶ!」

 

「は?」

 

 

 

こうして、アタシは映司の服をコーディネートするのだった!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「映司~、着れた~?」

 

「着れたけど・・・・・・、」

 

「ん?・・・・・・どうしたの?」

 

「出ないとダメ?」

 

「ダメ。」

 

「ハァ・・・、はい、出ますよ・・・。」

 

 

 

諦めた映司が着替え終えて、・・・・・・着替える場所が無かったから買った服をトイレで着替えさせて、お披露目ターイム!

 

 

 

「これ、僕に合うの?」

 

「・・・・・・。」

 

「・・・・・・ん?ウィズ?」

 

「え?・・・・・・あ、あぁごめん・・・。」

 

「あの、選んだ立場からして似合ってる?」

 

「うん!スッッッッッゴく似合ってる!!思わず見とれちゃったしね♪」

 

「・・・・・・そう。」

 

 

 

相変わらず、反応うっす~い。

 

白い五分丈でカッコいい感じの絵柄が書かれたシャツにダメージジーンズ、上着にロング丈のシャツ(生地が薄めだから夏でも着れるよ♪)を羽織らせたスタイル。映司はどんな服装でも似合うな~!

 

 

 

「あ、映司にプレゼントがあるの!」

 

「僕がウィズの人形にされて疲れてる時に何してたんだよ?」

 

「・・・・・・あ、ちょっと目を瞑って。」

 

「え?何する気だよ・・・?」

 

「良いから!!目を瞑って!」

 

「ハァ・・・・・・。」

 

 

 

目を瞑ったらすぐに映司へのプレゼントを取り出して、映司の()()()()()

 

 

 

「・・・・・・はい、目開けて良いよ。」

 

「・・・・・・っ。」

 

「帽子とネックレス。映司の好きそうな感じでしょ?」

 

「・・・・・・ありがとう。」

 

「っ!・・・・・・どういたしまして!!」

 

 

 

映司へのプレゼントで渡した帽子は、髪の毛で隠してる左目を周りから見えなくするために買ったの。

 

最近表情変えることがだいぶ減ったけど、ちょっと笑ってくれたのはとても嬉しかった。・・・・・・その笑顔にときめいたのは内緒ね。

 

 

 

「それじゃ、帰るか?」

 

「え?」

 

「え?」

 

 

 

何言ってらっしゃるのかしら?映司は。

 

 

 

「まさか、まだ見て回る気か?」

 

「うん。映司も付き合ってもらうからね!意見は求めん!」

 

 

 

アタシは映司の手を握り、ショッピングを再開する。

 

すると、

 

 

 

「あ、あの・・・・・・!」

 

「ん?・・・・・・ん?」

 

「葛城さん、ですよね・・・・・・?」

 

「アナタ・・・。」

 

「ん?」

 

 

 

アタシの目の前には黒髪ロングで、・・・・・・アタシより大きい胸を持つ大人しそうな女性が立ちはだかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この人・・・・・・誰だっけ?

 

 

 

 

 




いかがでしたか?今回は『裸の心』という意味合いで、ウィズが映司にのみ見せる心をお送りしました。・・・・・・まぁ、恋人っぽい姉の心かな?

さてと、この姉弟に接触してきた人物は誰でしょうね~?見た目の説明で分かるかと。


では、また次回!


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第13話 Slowly

「葛城さん、ですよね・・・・・・?」

 

 

 

突然、僕たちに話しかけてきた黒髪ロングの女性。・・・・・・どっちも『葛城』だからどっちに用があるのか、今は分からない。

 

 

 

「・・・・・・はい、そうですが。」

 

 

 

ウィズが先程の問いに答える。

 

 

 

「あ、良かった・・・・・・。学校にいる時の・・・・・・イメージと・・・・・・違うので・・・・・・。」

 

 

 

どうやら、ウィズの知り合いみたいだ。

 

 

 

「そちらの・・・・・・男性の方の服は・・・・・・葛城さんが、選んだのですか・・・・・・?」

 

「はい・・・。」

 

 

 

あ、この微妙な返事。ウィズは多分この人が知り合いなのかまだ 分かってないな。・・・・・・この前の緑髪の人と同じクラスメイトなんでしょ?

 

 

 

「凄く、似合っているんですけど・・・・・・中のシャツは絵柄のあるものより・・・・・・字が無くて・・・・・・別の色が入ったシャツが・・・・・・良いと思います・・・・・・。」

 

「え・・・?」

 

 

 

なんとなくイメージ出来た。つまり、『ナルシストで自意識過剰な天才物理学者』みたいな服の柄のことを言ってるんだろう。

 

 

 

「・・・・・・あ、ごめんなさい・・・・・・!急に声をかけて、変なこと言って・・・・・・!ごめんなさい・・・・・・失礼します・・・・・・!」

 

 

 

あ、行っちゃった。

 

 

 

「・・・・・・ウィズ、知り合いでしょ?」

 

「思い出した!・・・・・・確か、『白金』って名字の人!」

 

「ハァ・・・、ダメだこりゃ・・・。」

 

「それにしても・・・・・・。」

 

「・・・・・・ん?」

 

「うん、良いかも。」

 

「おい。」

 

 

 

その後、さらにもう2着買うことになり、色んな店に付き合わされ、帰ることになった。

 

 

 

「楽しかったね~!」

 

「・・・・・・ウン、タノシカッタネ・・・。」

 

「なんで放心状態なのかしら~?」

 

「そりゃ、あんだけ付き合わされたらこうなるって。」

 

「もう・・・。そのわりには、気に入ってるんだね?」

 

「ん?何が?」

 

「服と帽子にネックレス。」

 

「あぁ~。うん、こういうのも有りかなって。」

 

「そっかそっか~!」

 

 

 

ずいぶんとご機嫌だな。・・・・・・そろそろ、左目の事と真剣に向き合わないと。もう、()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

話してしまった・・・・・・。葛城さんと・・・・・・!迷惑、だったよね・・・・・・?偶然見つけてしまって、後を付けてしまったけど・・・・・・。

 

でも、あの男の人・・・・・・、

 

 

 

「どこかで見たことあるような・・・・・・?」

 

 

 

・・・・・・気のせい、だよね・・・・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さっきショッピングモールにいた姉弟、もしかして、()()()の姉弟かな・・・?雰囲気がそんな感じだったし・・・。

 

 

 

「また、聞きたいな~。」

 

 

 

そんな私の独り言は誰にも聞こえない・・・・・・。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?今回は『ゆっくり』や『徐々に』って意味で、登場した白金だったり、少しずつ変化を見せる映司だったりと、色々あるのでね。

それと、最後の人はバンドリキャラです。これだけだと分からないと思いますが、いずれ分かるようにします。


では、また次回!


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第14話 Message

今日も今日とて、僕は学校の屋上で昼食を取っている。と言っても、最近は雨が多くて屋上の入口で食べているんだが。

 

 

 

「葛城映司君、で合ってるよね?」

 

「・・・・・・?」

 

 

 

最初は『なんでこんな所に生徒が・・・?』と思ったが次第に『なんでこいつはこんな事を言うんだ?』と思った。

 

 

 

「黒崎晴斗さん。・・・・・・今年度同じクラスになってから散々僕に話しかけてきた人間のセリフとは思えないですね・・・。」

 

「アハハ・・・、()()()()()()から、()()()()()時のことは何も覚えてないんだ。」

 

「・・・・・・?」

 

 

 

今、『記憶が戻った』って・・・!?まさか、こいつ会った時から記憶喪失だったのか・・・!?

 

 

 

「君のことはなんとなく聞いてきた。『誰とも関わらない変わり者』って。」

 

 

 

余計なお世話だよ・・・。

 

 

 

「せっかくだから、()()()()()()()()()。」

 

「っ!・・・・・・。」

 

「・・・ん?」

 

 

 

その優しい顔・・・、差し出した手・・・、今言った言葉・・・、

 

 

 

「・・・・・・え?ちょっと、葛城君?」

 

「友達が欲しいなら、他を当たってくれ。」

 

 

 

僕は全てを拒絶して立ち去った。無論、小休憩は寝たふりをしてやり過ごす。

 

 

 

「それではみんな、気をつけて帰るように!」

 

 

「葛城君・・・・・・って、あれ?」

 

「おーい晴斗ー!一緒に帰ろーぜー!・・・・・・?どした?」

 

「・・・・・・いや、なんでも・・・。バカな浩輔は先に帰ってくれ。」

 

 

 

帰りも彼に話しかけられないようにさっさと帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「遅い!」

 

「贅沢言うなよ・・・。」

 

 

 

自転車を手に入れたはずのウィズを迎えに今日も学校終わりに花咲川に立ち寄り、ウィズを拾う事となったのに怒られた。

 

 

 

「あ、あの・・・!」

 

「ん?」

 

 

 

声のする方を向けば水色頭の花女生がこっちを向いていた。多分声をかけたのは彼女だろう。

 

 

 

「前に、路上ライブをしてましたよね・・・?」

 

「・・・・・・どっちに言ってるんですか?」

 

「りょ、両方・・・です・・・・・・。」

 

「それで、『してた』って言ったらどうするんですか?」

 

 

 

ウィズさん、若干圧をかけないでいただけます?ちょっと怯えてんだよ、相手が・・・・・・。

 

 

 

「あの時の演奏を見て以来、また見たいと思ってました・・・・・・。」

 

「・・・・・・それで?」

 

「映司、そんな圧のお強い言い方はしないでね?」

 

 

 

あなたが言うなよ・・・・・・。

 

 

 

「あの・・・、」

 

「「・・・あっ。」」

 

 

 

忘れてた・・・。

 

 

 

「それで、なんでしょうか?」

 

「あ・・・、あの・・・・・・、路上ライブをしてくれませんか?」

 

 

 

 

 

「「・・・・・・え?」」

 

 

 

 

 




いかがでしたか?今回のタイトルは・・・・・・まぁ見たまんまですよ。この水色頭のメッセージがって感じです。ここから新展開が始まる・・・・・・はずです。


では、また次回!


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第15話 好きになってく 愛してく

 前回、あの水色頭に言われた後はそこそこの返事をして帰ったが、

 

 

 

「映司、また路上ライブしない?」

 

 

 

あれからずっと言っているのだ・・・。帰宅中、夕食準備中、夕食中、そして今、夕食後も・・・。

 

 

 

「・・・・・・あのね、あの人が言ったことを信じるの?」

 

「う~ん・・・、あまり信じてはないかな~?」

 

 

 

なんで疑問系なの?

 

 

 

「でもさ、覚えてる?初めて路上ライブっぽい事した時のこと。」

 

「・・・・・・覚えてるけど。」

 

 

 

忘れたことは無かった。初めてウィズと演奏して、僕たちの演奏を聞いて心が救われたと言ってくれた女性がいたことを。

 

 

 

「最近ね、考え方を変えてみようと思ったの。」

 

「・・・・・・ウィズの話は長いからあんまり聞きたくないけど、今回は聞いてみるよ。」

 

「一言余計!・・・・・・アタシは多分、この先誰かを信じることはできないと思う。でも、音楽で聴いてくれる人を幸せにしていきたい。・・・・・・こんなのどう?」

 

 

 

・・・・・・確かに、僕たちはあの時見たテレビでギターを弾くことになった。

 

ギターを弾いて、音楽の楽しさを知った。

 

僕たちの演奏で、誰かを笑顔に出来る。

 

 

 

「・・・・・・うん、悪くないね。」

 

「でしょ~?」

 

「ドヤ顔しないの。」

 

「ブー!・・・・・・そうだ!ユニット名どうしようか?」

 

「そんなのはいらない。」

 

「良いじゃん!雰囲気雰囲気~!」

 

「じゃあ、ウィズが決めなよ。」

 

「ホント!?ヤッター!えっとね~、『KinKi Kids』は?」

 

「却下。」

 

「・・・・・・なんでよ!?アタシが決めてもいいって言ったじゃん!」

 

「僕たち『近畿』じゃないの。『東北』だよ?」

 

「じゃあ・・・、『Touhoku Kids』?」

 

「そのネーミングセンスから離れろ。」

 

「だったら映司も考えてよ!」

 

 

 

マジか・・・、面倒だな・・・。

 

 

 

「は・や・く!は・や・く!」

 

「ハァ・・・。」

 

 

 

仕方ない、テスト以外では回さない頭を回転させますか。

 

 

 

「・・・・・・『Quartzer(クォーツァー)』は?」

 

「どういう意味?」

 

「どっかのネットで見たけど、なんの意味だったかな?」

 

「えっと、『Quartzer』・・・・・・あった!水晶?あ、造語ね。・・・・・・うん、良いんじゃない?」

 

 

 

おお、賛同した・・・!

 

 

 

「アタシたちは、水晶のように綺麗な心の色を音楽にして色んな思いを伝えていく2人組・・・・・・って感じで!」

 

「・・・・・・解釈は任せる。」

 

「よし、それじゃあ明日、路上ライブしよ!」

 

「うん。・・・・・・ん?」

 

 

 

今、なんと・・・・・・!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから十数時間。・・・・・・ようは次の日の放課後だ。僕たちは花咲川の近くの公園で、路上ライブが・・・・・・『Quartzer』の最初のライブが始まろうとしていた。

 

 

 

「映司、行くよ?」

 

「あぁ。」

 

 

 

・・・・・・水色頭以外にも、なんか猫耳とか金髪ツインテールとか、来るとは思ってなかった客が多いんだけど?

 

 

 

「それでは聞いてください。」

 

「「好きになってく 愛してく」」

 

 

 

 2人でギターを弾き始める。数秒の前奏の後、僕から歌い始める。

 

 

 

「許し合えば 話し合えば 必ずやさしくなれるのサ」♪

 

 

 

今の生活で覚えることが出来ない感覚がこの歌詞にはある。

 

 

 

「こわくはないサ それでいいのサ」♪

 

 

 

他人を好きになれない相手に送る歌を、好きになるどころか信じることすら出来ない僕たちが歌う。

 

 

 

「「今も 今日も 生きているからネ

  僕らは人を好きになってく 君も笑顔も涙も」」♪

 

 

 

でも、僕たちの演奏を見に来ている人たちは、そんな事は知らない。だから、何事もないかのようにこの歌を歌う。

 

 他人を信じられない人に『必ず誰かあなたの側にいるよ』と思わせれるように・・・。

 

 

 

「「今日も明日も唄いながら」」♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 演奏が終わり、周りからは拍手が巻き起こった。そして、演奏中は気付かなかったが・・・・・・、お客さんの数が増えていた。

 

 

 

「あ、ありがと~・・・!」

 

 

 

この前の水色頭がこっちに来た。・・・・・・泣きながら。

 

 

 

「本当に、また・・・、2人の演奏が聞けて良かった・・・!」

 

「ど、どうも・・・。」

 

 

 

みんなからの視線が嫌なんだが、この後ある人物に視線がさらに集中することになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところで、昨日から思ってたけど・・・・・・あなた、誰?」

 

「・・・ふぇ?」

 

 

 

・・・・・・今更発言もいいとこだよ・・・。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?今回のタイトルは内容とは一切関係ありません!ただの本編で出した楽曲のタイトルです。・・・・・・『まさかあの姉弟が!?』と引っかかった方は何人かしら?

アンケートは本日23時59分までとします。


では、また次回!


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第16話 BRAND NEW DAY

 あれから数日が過ぎ、僕たちは毎日自宅である作業をしていた。

 

 

 

「映司~、歌詞書けた~?」

 

「ウィズが必死に作曲している間にとっくに終わったよ。」

 

「も~!なんでそんなにサラサラと書けるのよ~!?」

 

 

 

自分たちで曲を作って、それを路上ライブで披露しようという理由で、僕が詞を、ウィズが曲を書くことになった。スマホから曲の作り方を学び・・・。

 

 これでも僕は既に2曲分書き終えた。それに比べてウィズはまだ1曲目だ。

 

 

 

「でも、映司は良い歌詞書くよね~。」

 

「・・・・・・口を動かす暇があればペンを動かしなさい。」

 

「うえ~ん!映司がいじめる~!!」

 

「うるさい。」

 

 

 

・・・・・・仕方ない、何か飲み物でも用意するか。

 

 

 

「う~ん・・・、映司の歌詞・・・・・・あ!良いのが思いついた!」

 

 

 

ひらめいた時は凄い勢いで曲を書くんだけどね・・・・・・。

 

 

 

「はい、ウィズ。・・・・・・少しは良い曲が書けた?」

 

「ありがとね、映司。・・・・・・うん、美味しい。」

 

「で、曲は?」

 

「それがね、今ちょうど一曲完成したの!」

 

「へ~、・・・・・・今、新しい歌詞のイメージが浮かんだ。」

 

「そうなんだ~。・・・・・・え?今!?」

 

 

 

僕は偶然、窓の外で飛んでいる鳥を見て、ひらめいた歌詞を紙に書き出す。

 

 

 

「・・・・・・ねぇ映司。」

 

「何?」

 

「アタシの学校がね、もうすぐ文化祭なの。」

 

 

 

文化祭って、普通夏休み明けじゃなかったっけ?

 

 

 

「普通はね~。でも、うちの学校は夏休み前なのよ。」

 

 

 

なんで考えてたことがバレてる訳?

 

 

 

「そりゃあ映司の姉だからよ!」

 

 

 

答えになってない。

 

 

 

「それで、『クラスメイトと仲良く文化祭を楽しんでるアタシを見に来て』って言いたいの?」

 

「ううん、文化祭のステージに一緒に出ない?」

 

 

 

・・・・・・ウィズはこの数年で頭のネジを色んな所にばらまいてきたようだ。

 

 

 

「良いでしょ?『Quartzer』の活動として!」

 

「・・・・・・ウィズの気持ちは置いといて、学校が許可するのか?」

 

「・・・・・・あ!」

 

 

 

今から頭のネジを取りに行かせようかな?

 

 

 

 

「・・・・・・と、とにかく!出れるなら出ようね?」

 

「・・・・・・なんとなく答えは目に見えてるけど。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、次の日の夜・・・。

 

 

 

「出れるって!」

 

「何が?」

 

「ステージ!」

 

「・・・・・・マジか・・・。」

 

 

 

予想とは逆の答えが帰ってきたのだ・・・。

 

 

 

「しかも、2曲演奏出来るって!」

 

「マジか・・・。」

 

 

 

今、凄く頭が痛い・・・。

 

 

 

「頭痛薬は品切れだよ。」

 

「・・・・・・ウィズ、一緒に病院行こ。僕の頭痛を治すために。」

 

「おやおや~?いつもは1人で行くのに、今回はお姉ちゃんと一緒が良いだなんて~!嬉しいぞ、このこの~!」

 

「そうか、嬉しいのか・・・。じゃあ、明日行くか。僕の頭痛の原因の・・・・・・ウィズの頭を治しに。」

 

「・・・・・・え?」

 

「まずは精神科に行って「ちょっと待った!!」・・・・・・何?今病院を探してるんだけど。」

 

「お姉ちゃんに何する気よ!?」

 

 

 

変なとこを隠すように押さえるな、恥ずかしい。

 

 

 

「お姉ちゃんのどこに問題があるって言うのよ!?」

 

「・・・・・・頭。」

 

「一文字で分かりやす~い!・・・・・・じゃない!!お姉ちゃん正常よ?」

 

「いや、末期よ。」

 

「だったら、映司に診てもらう!」

 

「は?」

 

「アタシの体を見れば正常かどうか分かる「よっ!」ぐふっ!?・・・・・・な、何する・・・のよ・・・・・・!?」ガクッ

 

 

 

何って・・・。弟の前で服を脱ごうとする頭のイカれた姉の頭を蹴っただけだけど。

 

 

 

「・・・・・・さ、風呂入ろっと。」

 

 

 

・・・・・・一応、服を脱ぎかけのウィズに毛布はかけておいた。姉の体見てどうこうなるってことは無いけど、目に毒だから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「誰が毒よ!?」

 

「次回投稿まで時間あるから気絶してなさいよ、まだ。」

 

 

 

 

 




いかがでしたか?今回は『新しい1日』って意味で、今までとは少し違う2人の生活をお送りしました。・・・・・・R-18には、まだ足を入れてませんからね!


では、また次回!


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第17話 きみとぼくのなかで

「映司、行ってくるね!・・・・・・あ、ちゃんと来なよ!?」

 

「分かった分かった、いってらっしゃい。」

 

「いってきまーす!」

 

 

 

今日はウィズだけが学校だ。・・・・・・と言っても、文化祭なのだが。

 

 

 

「・・・・・・しばらくしたら出るか。」

 

 

 

特にやることも無く、一応やらされるであろう楽曲の歌詞を確認して、・・・・・・あと何もすることなくのんびりだらだらと歌詞を見ていた。

 

 

 

「・・・・・・さて、そろそろ行くかな・・・。」

 

 

 

ウィズからは何も持ってこなくていいと言われたが、一応財布と携帯だけを持って、・・・・・・ウィズが買ってくれた帽子を被って自転車に乗って花咲川に向かう。

 

 そして、その間何も起きることもなく・・・・・・花咲川に着いた。

 

 

 

「さて・・・・・・何しよう?」

 

 

 

何も予定がない・・・・・・。仕方ない、ウィズがいるクラスに向かうか。

 

 

 

「ウィズは・・・・・・ここか。・・・・・・『メイド喫茶』?」

 

 

 

これこそ目に毒なのでは・・・・・・。

 

 

 

「お帰りなさいませ、ご主人様♪」

 

「・・・・・・。」

 

 

 

・・・・・・実際にこんなとこ来ることないから、どう反応したら良いか分からない。とりあえず、席に案内された。

 

 

 

「お帰りなさいませ、ご主人様。」

 

 

 

あ、ウィズだ。

 

 

 

「こちら、メニュー表となります。」

 

 

 

・・・・・・こいつ、顔を見ないな。

 

 

 

「・・・・・・カフェオレをください。」

 

「かしこまりま・・・・・・ん?・・・・・・。」

 

 

 

あ、こっち見た。

 

 

 

「え!?映司!?な、なんでいるの!?」

 

「いや、『来い』って言ったのはそっちだろ?」

 

「だからって、ここに来ないでよ!!」

 

「とりあえず、カフェオレください。」

 

「客みたいに振る舞うな!!」

 

 

 

・・・・・・良いネタゲット。

 

 それから、事は起きずに体育館でのライブステージの時間が来ていた。・・・・・・出来ることなら、出番直前までに『やっぱりキャンセル』って状況にならないかなと思っているけど・・・、

 

 

 

「映司、説明するね。」

 

 

 

世の中そう上手くいかないんだな。

 

 

 

「色々説明を聞いて、ライブのことは分かった。・・・・・・ただ、この服はなんだ?」

 

 

 

黒いチノパンっぽいのを履かされ、白を基調としたT-シャツと赤色のロングカーディガンを着せられていた。

 

 

 

「まぁ、ライブ衣装ってやつよ!」

 

「へー・・・・・・。」

 

 

 

そんなウィズの服はショートパンツに白を基調としたT-シャツに青色のロングカーディガンを着ていた。・・・・・・色は違うけど、ほぼ服が一緒だった。

 

 

 

「どこから金を出した?」

 

「(ギクッ)・・・・・・とりあえず、時間だから行こ?」

 

「ハァ・・・、今回は黙っておくよ。」

 

 

 

 

 そして、僕たちの出番が迫ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『Poppin'Partyありがとー!続きまして、最近出来た2人組ユニット・・・・・・『Quartzer』です!』

 

 

 

紹介された瞬間、体育館内は真っ暗になり、メロディーが流れる。そして、ステージに立つウィズにのみライトが照らされる。

 

 

 

「ひらひらと舞い散った 色鮮やかな思い」♪

 

 

 

1人で堂々と歌うウィズ。その姿に観客は虜になっていた。

 

 

 

「逢いたい 逢えない 思いだけ残して Oh~

 

 零れ落ちる涙は 行く場所あてもなく

 どこへ向かうかなんて 今は分かりやしない」♪

 

 

 

静かに相手に対する想いや、

 

 

 

「傷付け合う為じゃなく futariですごした日々は

 やがて花を咲かすだろう 僕を導いてくれる」♪

 

 

 

自分が思う相手との日々など、『二人なら』を強調した歌詞となった。

 

 唄い終わると、ウィズへのライトが消えて、体育館内には青色の小さなライトがあちこちに照らしている。

 

 

 

「ゆらゆらと彷徨って 抑えきれない思い

 あの頃の笑顔は いつまでも 焼き付いて」♪

 

 

 

僕が唄い始めると、スポットライトが僕を照らす。ただし、場所はステージではなく、()()()()()()()()で唄っている。

 

 

 

「傷ついたその羽根を 癒せるのは僕じゃない

 優しく見つめる先に 何が映っている?」♪

 

 

 

僕も、別の視点からの『二人なら』を唄う。

 

 僕が唄い終わるとまた暗い中に青色のライトをあちこちに照らされる。そして、

 

 

 

「ひらひらと舞い散った 色鮮やかな思い

 あの頃の日々は 帰らない 戻らない」♪

 

 

 

1番のAメロで唄った歌詞をウィズがまた唄い、

 

 

 

「零れ落ちる涙は 行く場所もあてもなく

 どこへ向かうかなんて 今は分かりやしない」♪

 

 

 

いきなりサビになる。・・・・・・ここは僕が唄っているんだけど。

 

 

 

「やがて花を咲かすだろう 僕を導いて」♪

 

 

 

そして、・・・・・・2人をライトが明るく照らす。

 

 

 

「「思い出は記憶になり 変われる時が来るだろう」」♪

 

 

 

互いが互いを見ながら『相手を想って・・・』の歌詞に想いを乗せて唄う。・・・・・・実際には僕はウィズの上の方を見ているけど。

 

 

 

「「どんなに辛くたって futariがすごした日々が

  僕を支えてくれる 明日が輝くように Oh Oh~」」♪

 

 

 

唄い終わると、アウトロと共に僕たちを照らしつつ、周りに青色のライトを散りばめる。曲:『futari』が終わると共に僕たちを照らすライトが消える。

 

 拍手が起きた瞬間、先程とは違うアップテンポな曲が流れる。

 

 

 

「一瞬で掴み取るのさ Are You Ready?」♪

「Are You lazy?」♪

 

「新しい歴史はそこに Feel it! Feel it!」♪

「Crazy baby!」♪

 

 

 

僕がメインで唄い、ウィズが合いの手を入れる。2人共、マイク片手に唄うが・・・・・・、

 

 

 

「「Now,Over "Quartzer" 時の雨 擦り抜けて 共に」」♪

 

 

 

サビが始まると共に、僕たちが踊り始める。・・・・・・互いに鏡になるように。

 

 

 

「「Now,Over ″Quartzer″ 目映い世界 魅せて」」♪

 

 

 

サビが終わると、僕はステージに向かって歩き出す。2番は歌わないから、ショートバージョンでいいのかな?

 

 

 

「「Now, Over "Quartzer" 時の雨 擦り抜けて 共に」」♪

 

 

 

ラスサビが始まると共にステージを盛大にライトアップされる。そこでは2人で・・・・・・また鏡になるように踊る。

 

 

 

「「Now Over "Quartzer" 目映い世界 魅せて」」♪

 

 

 

・・・・・・本来はここからDメロが始まるが、ここもカットしてラスサビが終わると同時に曲が終了する。

 

 

 

『キャアアア!!』

\パチパチ・・・・・・!/

 

 

 

曲の余韻に浸る時間はコンマ数秒で、客席からは歓声と拍手が巻き起こる。

 

 

 

『以上、『Quartzer』のステージでしたー!』

 

 

 

僕たちは一礼してステージから立ち去る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや~、楽しかったね、映司!」

 

「うん、ライブは楽しかった。けど・・・、」

 

「・・・・・・もしかして、また誰かに!?」

 

「ちょっと、恥ずかしかった・・・。」

 

「・・・・・・ぷっ、ふふふっ、あの映司が・・・、『恥ずかしい』って・・・!」

 

 

 

・・・・・・うるさいな、笑うなよ・・・。

 

 

 

「でも、良い経験になったでしょ?」

 

「・・・・・・うん。」

 

「良かった!映司のために勇気出してステージに参加するって言って正解だった!」

 

「それなら、良い曲を書いたウィズのために頑張って歌詞を書いた甲斐があったな。」

 

 

 

・・・・・・まるで、『futari』の歌詞と同じような状況が僕とウィズの間に流れていた。

 

 

 

「あ、あの・・・!」

 

 

 

声をかけられる展開はしばらくいらないな。声をかけてきた人物は、僕たちの前にライブをしていた・・・・・・確か『Poppin'Party』だった。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?今回は『互いを想って』という意味を込めたタイトルとなっています。・・・・・・今回出てきた楽曲は『2人のオリジナル曲』って設定になっています。


では、また次回!


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第18話 No more

花咲川の文化祭から数日・・・・・・を通り越して、今は夏休み。夏休み中はほとんどバイトを入れて稼ぐことにした。

 

 

 

「ねぇ映司、何書いてるの?」

 

「詞と曲。」

 

「ふ~ん。・・・・・・ん?曲?」

 

 

 

おかげさまでバイトのシフトはウィズと同じ。最近はバイトの新人スタッフを入れたらしいから、僕たちが一緒の休みでも問題ないとか・・・。

 

 

 

「映司・・・・・・。」

 

「ん?」

 

「お姉ちゃんはもういらないの?」(泣)

 

 

 

・・・・・・訂正。今この瞬間、問題が発生した。

 

 

 

「お姉ちゃん、頑張って作曲してるのに・・・・・・!」(泣)

 

 

 

とりあえずこのイカれたお嬢さんを落ち着かせないといけなくなった。

 

 

 

「あのな、ウィズ。これは、ちょっとした体験なんだ。」

 

「・・・え?」

 

「今までは、僕の書いた歌詞にウィズの素敵なメロディーを合わせていたけど、1曲自分の歌詞とメロディーだけで作ってみようかなって。」

 

「・・・・・・そっか。そっか~!それじゃあ、アタシもやってみよ!」

 

 

 

ふぅ~、なんとかなった。

 

 文化祭ライブの後、Poppin'Partyが話しかけてきた。特に話すことも無いからいつも通り適当に会話して終わった。これから先、Quartzerとして会うことは無いからだ。・・・・・・会うならウィズを迎えに行く時にほんの少し会うだけだろうけど・・・・・・、

 

 

 

「あ!今日はQuartzerの2人がいるよ!」

 

「こら香澄!ここでその呼び方するな!」

 

 

 

最近入った新人スタッフのせいでPoppin'Partyと出会う回数が増えてしまった。

 

 

 

「・・・・・・。」

 

「?・・・おたえ?」

 

「あ、あの・・・!」

 

「「ん?」」

 

 

 

声をかけられたからスタッフとして対応しなければと思ったが、話しかけてきた人物の顔を見て、『客とスタッフ』ではなく『僕たちと彼女』という立場の会話が起きるだろうと思った。

 

 

 

「あの、お2人に話が「ねぇ!」・・・っ!」

 

 

 

ウィズが何かを察したのか、彼女の言葉を遮る。

 

 

 

「『客とスタッフ』ではない会話をご要望なら、ちょっと一緒に来てくれる?」

 

「・・・・・・はい・・・。」

 

 

 

ウィズは僕に『一緒に来い』とアイコンタクトをして、3人でしばらく使う予定のないスタジオに入った。

 

Poppin'Partyは彼女:『花園たえ』の話が終わるまで外で待っているらしい。

 

 

 

「それで、『お話』って?」

 

「・・・・・・。」

 

 

 

ウィズは優しく話しかけるが、内心は穏やかではないだろう。僕もなんとなく分かるが、話の内容は『映司()の左目』についてだろう。

 

 

 

「・・・・・・この前の、彼の目についてです・・・。」

 

 

 

すると、花園たえは僕の方を見て、

 

 

 

「あの時は、ごめんなさい。すぐに謝りたかったんですけど、なかなか会えなくて、言い出せなくて・・・・・・。」

 

 

 

あの時天然感が滲み出ていた彼女がこんなに落ち込むなんてな・・・。

 

 

 

「ウィズから聞いたと思うけど、僕の目のことは誰にも話してないよね?」

 

「はい!また、あなたたちを傷つけないために!」

 

「そっか・・・。」

 

 

 

意外と、他人のことを考えていたんだな・・・。

 

 

 

「・・・・・・なら、僕は許すよ。」

 

「・・・え?」

 

「元々、僕がこんなのだから起きた事だし、君が悪意を込めて言ってないことも分かったから。・・・・・・ウィズもそれでいい?」

 

「・・・・・・ハァ・・・。当事者がそう言うなら良しとしますよ。」

 

「・・・!ありがとうございます。それと、本当にごめんなさい!」

 

 

 

これで、彼女との問題は解決した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「いらっしゃいませ。」」

 

「あの。」

 

 

 

・・・・・・第一印象、『赤のメッシュを入れた不良とその仲間』。あの新人スタッフが招いたバンドの1つだな。

 

 

 

「あなたたち、『Quartzer』にお願いがあるんですけど。」

 

「「・・・え?」」

 

 

 

一難去ってまた一難。

 

こんな面倒な展開はもういらないんだが?




いかがでしたか?今回のタイトルは・・・・・・なんとなく察する通りです。

次回はAfterglowと絡みます。


では、また次回!


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第19話 I

受付で仕事をしていると、赤メッシュ率いる5人組が話しかけてきた。

 

 

 

「あたしたち、『Quartzer』にお願いがあるんですけど。」

 

 

 

さっき、花園たえとの問題を解決したのにまた厄介事に巻き込まれている感じがする・・・。

 

 

 

「・・・・・・なんで、アタシたちに?それと、『Quartzer』じゃなかったらどうするんですか?」

 

「あなたたちが『Quartzer』なのは知ってます。」

 

「ジャジャーン!これです!」

 

 

 

ピンクっぽい髪のメンバーがスマホの画面を見せてくる。

 

 

 

「あなたたちが、花咲川付近の公園で路上ライブした時の動画が上がってましたー!」

 

「「・・・・・・。」」

 

 

 

これにはもう黙るしかない。・・・・・・いつ撮られてた?

 

 

 

「ハァ・・・。で、そんな脅し材料使って、アタシたちに何させる気なの?」

 

「お、脅し・・・?」

 

「アタシたちは、あなたたちに1曲演奏して欲しいんです!」

 

 

 

普通っぽい感じの子がウィズの発した『脅し』に反応したけど、気にしないでおこう。それはそれと赤髪の・・・・・・男?新人やまりなさんが『ガールズバンド』って言ってたから女子なんだろうな。

 

 

 

「・・・・・・君たちの前で1曲歌えば満足するのか?」

 

「・・・・・・多分。」

 

 

 

おい。

 

 

 

「蘭を満足させるためにお願いしますよ~。」

 

 

 

パーカーさん、そこの赤メッシュが犯人なんだな。

 

 

 

「悪いけど、アタシたち今仕事「いいですよ。」中・・・・・・え?」

 

「ただし、1曲だけですよ。」

 

「・・・・・・分かった。」

 

「では、1時間後にあなたたちの予約しているスタジオで。」

 

 

 

僕は彼女たちにそれだけ言って、スタッフらしく受付した。

 

 

 

「映司、いいの?」

 

「逆に断ったら後々面倒になるでしょ?」

 

「・・・・・・確かに。」

 

 

 

このバカ姉が・・・・・・。

 

 

 

「それで、ウィズに頼みがあるんだけど。」

 

「アタシは映司の頼みならオールオッケーだよ!」

 

「そうか。・・・・・・じゃあ、これ演奏するから1時間後までに覚えて。」

 

「え?う、うん・・・。何、この曲?」

 

「今さっき完成した曲。」

 

「・・・・・・え!?」

 

 

 

さてと、こっちも色々覚えますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、1時間後・・・・・・、

 

 

 

「それじゃ、『Quartzer』で今さっき完成したオリジナル曲『I(アイ)』です。」

 

 

 

その合図で、キーボードをウィズが演奏する。

 

 

 

「Oh~・・・、Uh~」♪

 

 

 

ピアノの音で奏でた後、電子ピアノ音と僕のアコースティックギターで奏で始める。

 

 

 

「伝えたいことほど 言葉にならなくて

分かってはいるけど I can't take it」♪

 

 

 

この曲は、さっきまで僕が書いていた新曲だ。僕が詞と曲を1人で初めて書いた曲。

 

 

 

「I I can't say」♪ 「『愛』だなんて」♪

「I I'll be on your side」♪ 「ウソでもいいから」♪

「I I can't cry」♪ 「真実(ほんとう)の涙 見破って いつも違う私 あなただけに見せてあげる」♪

 

 

 

ウィズにも少し手伝ってもらい、Bメロの英語部分を唄ってもらう。

 

 

 

「Oh~、Oh~~」♪

「抱いて抱いてよ 壊れるほどに もう1人にしないで」♪

 

 

 

・・・・・・まさか歌詞に書いてない所まで歌詞っぽいのを入れるとは思わなかったけど。

 

 この歌は女性目線で書いた、『相手を自分のものにしたい』という感じの曲にした。・・・・・・僕が作った歌だから基本は僕が1人で唄うんだけど。

 

 

 

「ねぇお願い 私だけ見て 2人きりでいてよ

 言葉はいらない 甘いKissで Speechless love」♪

 

 

 

サビが終わり、間奏に入ると・・・・・・、

 

 

 

「Ta la s ta・・・・・・」♪

 

 

 

キーボード弾きながらずっとウィズが唄っていた。・・・・・・そこまでしなくていいのに。

 

 

 

「抱いて抱いてよ 壊れるほどに もう1人にしないで

 夢ならもうこのままでいい I'll take a chance」♪

 

 

 

この後、ラスサビだけど・・・・・・正直サビの歌詞は全て同じだ。ここまで来ると自然と歌詞が出てくる。

 

 ちょいちょいウィズが合いの手っぽいのを入れるが、今はそれがこの曲をさらに良くしている気がする。

 

 

 

「ねぇお願い 私だけ見て 2人きりでいてよ

 言葉いらない 甘いKissで Speechless love」♪

 

 

 

ここでサビが終わり、アウトロに入る。僕はこれ以上唄うことは無いため、ギターの演奏に集中する。

 

 

 

「もう1人にしないで ねぇお願い私だけ見て 言葉いらない

 いらない いらない 甘いKissで」♪

 

 

 

ウィズは僕が唄った歌詞から一部をここで唄っている。

 

 

 

「Oh、Oh~ 何度も聞かせてよ 真実(ほんとう)のアナタ 見破れない

 いつもと変わらない態度 いたくて 痛くて 切なく愛おしい」♪

 

 

 

最後にピアノだけでこの曲を締める。それが僕の作った曲のラストだ。

 

 

 

「Oh~ Uh~ Uh~・・・・・・。」♪

 

 

 

・・・・・・ここまでウィズが言葉を乗せるとは思わなかったけど、まぁ悪くない。

 

 

 

「・・・・・・ありがとうございました。」

 

 

 

閉めの言葉を言うと、赤メッシュ以外が拍手をしてくれた。

 

 

 

「凄かったです~!!」

 

「なんか、胸に来るなー、この曲!」

 

「うん、キーボードで2つの音を出しつつ、ボーカルの邪魔をしないで歌をさらに良くする技術も勉強になります!」

 

「凄いツグってた~!」

 

「・・・・・・。」

 

 

 

赤メッシュを満足させるのが今回のライブの目的だが、これは失敗だな。彼女が僕たちに何を求めていたかは知らないけど、今さっき出来た曲ならこの辺が限界だ。

 

 

 

「・・・・・・あの、この曲は『今さっき完成した』って言ってましたよね?」

 

「?・・・・・・はい。」

 

「1時間前に完成した映司の曲なんかじゃ満足出来ないとでも?」

 

 

 

こら、怒らせるようなこと言わないの。

 

 

 

「いえ。・・・・・・正直、悔しいです。」

 

「「???」」

 

「あたしたちは、頑張って作った曲を何度も何度も練習して完成させるのに・・・・・・あなたたちは完成させてから1時間でそれを完璧に演奏する。2人の信頼関係があってこそ出来る技だと思います。」

 

(いや~、アタシ所々ミスったんだけど・・・。歌詞に集中しすぎて・・・・・・。)

 

(本番一発勝負で演奏するもんじゃないな。コードそこそこ間違えてたから。・・・・・・ってこいつ気付いてない?)

 

 

 

この演奏は録音していて、後で確認したら揃いも揃って結構間違えていた。

 

 

 

「・・・・・・決めました。あたしたちは、あなたたちの信頼関係をも超えるほどの曲を、パフォーマンスをします!あなたたち、『Quartzer』に負けないほど!」

 

 

 

それだけを言って彼女たちAfterglowは去っていった。ちょうど終了の時間だったし。

 

 

 

「・・・・・・映司、アテが外れたね?」

 

「僕はしばらく『ガールズバンド』に絡みたくない・・・・・・。」

 

 

 

赤メッシュ:『美竹蘭』に色々と音楽技術を聞かれる話は・・・・・・話したくないから話さない。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?今回のタイトルは本編に出てきた曲のタイトルです。・・・・・・なかなかタイトルが決まらないのよ、毎回。本編書き終えてからタイトル考えてるから。


では、また次回!


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第20話 太陽の扉

 今日も今日とてCiRCLEでバイト中。・・・・・・だが、今非常に恐ろしい出来事に僕は直面している。

 

 

 

「映司~、手伝って~!!」(泣)

 

 

 

・・・・・・ウィズが夏休みの課題を一切手をつけてなかったことだ。

 

 僕たちは基本、8月の上旬・・・・・・最悪10日までには終わらせてきた。学校に通っている間は。だけど、最近自分たちで曲を作り始めてからウィズの課題をやるスピードが遅くなっていた。

 

 

 

「ウィズ、いくらなんでも『課題』と『曲作り』の時間の区別は付けなよ。」

 

「だったら映司は終わってるの!?」(怒)

 

「うん、一昨日終わった。」

 

「うえ~ん!映司のイジワルーーー!!」(泣)

 

 

 

泣いたり怒ったり、忙しいな。

 

 今は8月9日。僕たちの今までの課題の最終日時まではあと1日。

 

 

 

「まりなさんに頼んで客がいない間はこうやって課題が出来るんだ。ほぼ毎日バイトを入れてあまり時間が無いんだから、この時間を有効活用しなよ。」

 

「・・・・・・は~い・・・。」

 

 

 

ふてくされるなよ、面倒くさい・・・・・・。

 

 

 

「とりあえず受付行ってくる。もしもお客さんが多くくるなら連絡する。」

 

「分かった・・・・・・。」

 

 

 

ひとまずスタッフ用の控え室から出て、僕は受付業務を始める。ここに来ている以上、仕事をしないといけないし。給料も貰ってるんだから。

 

 

 

「と言っても・・・・・・誰も来ない・・・。」

 

 

 

予定表を見る限り、最近よく見る名前しかない。しかも、その内の4つは新人が誘ったガールズバンドなんだよな。

 

 

 

\バーン!/

 

「さぁみんな!練習するわよ!」

 

 

 

はい、厄介なのが来た。

 

金髪の元気な子に、・・・・・・あれ?男混じってない?身長高いし。

 

 

 

「あら?初めて見る人ね!」

 

 

 

これは・・・・・・あれだ。花園たえと同じパターンだ。いや、それ以上かもしれない。

 

 

 

「どうも、予約した『ハロー、ハッピーワールド!』です。」

 

「はい、確認しますね。」

 

 

 

この危険な感じがする人たちの中に混じってしまった(であろう)常識人が受付しにきた。

 

 

 

「では、こちらのスタジオで2時間ですね。」

 

「はい、ありがとうございます。ほら、行くよー。」

 

「「はーい!」」

 

「ふふっ、儚い・・・。」

 

 

 

・・・・・・僕の目に気付きそうなメンツだけど、帰るまで警戒した方がいいな。

 

 

 

「あれ?あなた・・・・・・『Quartzer』の?」

 

「?」

 

 

 

最近、『Quartzer』と聞くと厄介事を持ってきた客としか思えないけど、目の前にいる人は昨日厄介事を持ってきた人だった。

 

 

 

「久しぶりだね。」

 

「どうも。」

 

「あら?花音、この新しい受付の人と知り合いだったの?」

 

 

 

『新しい』のは君たちをCiRCLEに招いた方なんだけど。

 

 

 

「うん。彼ね、路上ライブをしている人なの。音楽も凄く上手で・・・。」

 

「そうなの!・・・・・・ハッ!それじゃあ!」

 

 

 

こういうのって嫌な予感がして仕方がないんだよ・・・・・・。

 

 

 

「あなた!私たちと一緒にライブしない?」

 

「しない。」

 

「え~!?みんなを笑顔にしたいから音楽をしてるんでしょ?」

 

「君たちはそうかもしれないけど、僕たちは違う。・・・・・・僕たちは君たちとライブをすることは出来ない。」

 

 

 

他人を信じれない僕たちは君たちみたいな明るく楽しいバンドと一緒に音を奏でることは出来ない。そんな資格は・・・・・・無い。

 

 

 

「出来ないことは無いわ!」

 

「?」

 

「私たちは『ハロー、ハッピーワールド!』、みんなを笑顔にするバンドよ!不可能なことなんて無いわ!」

 

「・・・・・・なら、1つ言わせてもらう。」

 

「何かしら?」

 

 

 

僕は今の状況を説明する。

 

 

 

「僕、今()()()なんだけど。」

 

「・・・・・・あ!」

 

「はい、こころー、早くスタジオ行こうねー。」

 

「あら、ミッシェル!来てたのね!」

 

「あはは・・・。それじゃまたね、映司君。」

 

 

 

・・・・・・嵐みたいだった。そうじゃなくて!なんで・・・・・・花音、だっけ?彼女が僕の名前を知って・・・・・・って、名札あった。

 

それはそうと、あの金髪の勢いは凄かったな。・・・・・・あの太陽の扉は、この先僕自身何か変化でも無い限り開けないんだろうな・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ!!アタシの出番少なくない!?」(怒)

 

「だったら次回はウィズだけ出れば?僕は休むから。」

 

「なんで!?」

 

 

 

 

 




いかがでしたか?今回のタイトルは『弦巻こころ(太陽)への扉』という解釈でお願いします。

ハロハピは黙ってQuartzerの音楽が聞けないと思うから、しばらくハロハピの出番はないかもね~?


では、また次回!・・・・・・前回のアンケート、Roseliaダントツすぎでしょ・・・。


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第21話 Breath

今さらながら・・・・・・約50件ほどのお気に入り、そして評価してくださった『ぽん吉』様、本当にありがとうございます。

欲を言えば、低くてもいいから評価してーーー!!あと、感想も。

それでは、本編どうぞ!







夏休みの課題もなんとか終わって、今日は路上ライブをする日だ。

 

 

 

「・・・・・・今日はここにしようか?」

 

「今日は本当に路上なんだな。」

 

「まぁね♪さぁさぁ、ギター出して!」

 

 

 

さすがにアタシも真夏に日向で演奏する気はない。頑張って日陰を選んだのよ。

 

 

 

「さて、映司君。何か弾きたい曲はあるかい?」

 

「なんで社長みたいな言い方?ってか、言い出しっぺはノープランで『路上ライブしたい』って言ったの?」

 

「え?・・・・・・だって、ようやく演奏出来るんだもん!」

 

「たかが3日間、課題を終わらせるために禁止しただけなのに・・・・・・。」

 

「3日でも辛いの!」

 

 

 

8~10日まで課題三昧だったんだから・・・・・・。ようやく音楽が出来るんだよ!?はしゃぐに決まってるでしょ!?

 

 

 

「・・・・・・とりあえず、『路上ライブしたい』と言い出した方が演奏する曲決めてよ。」

 

「う~ん・・・、じゃあ、『愛のかたまり』のアコースティックバージョンで!」

 

「はいね。」

 

 

 

最近は作曲も出来るようになったから、あの時からカバーしている曲『愛のかたまり』をアレンジして、ちょっとオリジナル感を出してみた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・ふぅ~。うん、良い感じだね?」

 

「まぁ、原曲よりは少し明るい感じがして良いかもな。」

 

「凄くるん♪って来たーーー!!」

 

「ん?」

 

「・・・?」

 

 

 

辺りを見ると、街中を歩く人たち以外に女子5人組がいた。多分、『るん♪』とか言ったのはこの水色(?)の髪の子だろうな~・・・。ん?・・・・・・どっかで見たことある顔だな~?

 

 

 

「日菜ちゃん、急に話しかけない方が良いんじゃない?」

 

「そうだよ、日菜ちゃん!」

 

「え~!?だってるん♪って来たんだもん!!」

 

 

 

・・・・・・あ、なんとなく氷川さんに似てる!

 

 

 

「それにしても、あまり聞かないメロディーでしたけど曲名ってなんですか?」

 

「・・・・・・愛のかたまり。」

 

「え!?それって、この前活動休止になった『ENDRECHERI』の曲ですよね!?」

 

「「エンドリケリー?」」

 

「マヤさん、知ってるんですか?」

 

「はい!『ENDRECHERI』は相当の実力を持った高校生の男女5人組のバンドです!その楽曲は全てオリジナル曲で、耳だけでなくいつも目でも楽しめるバンドです!最近では大きな会場で2~3時間のライブをしてたみたいですよ!?」

 

 

 

この人、熱入ってるな~。しかも、結構物知りだし。

 

 

 

「ま、麻弥ちゃん・・・、凄い勢いで喋るね・・・。」

 

 

 

頭ピンクの子、若干引いてるじゃん・・・。

 

 

 

「・・・・・・じゃあ、僕たちはこれで。行くよ、ウィズ。」

 

「あ、うん・・・。」

 

 

 

映司の一言のおかげでオタクっぽいのを連れた集団から解放された。

 

 

 

「・・・・・・ウィズ。」

 

「何?・・・・・・もしかして、手繋いでほしいの?」

 

「違う。」

 

 

 

まぁ、自転車漕ぎながらは無理なことくらい知ってるけど、今の低いトーンでの一言は効くな~。

 

 

 

「あの人が言ってたことだけど・・・・・・。」

 

「『愛のかたまり』のこと?」

 

「うん・・・。僕たちは昔偶然目にしたあの曲を弾いてるけど、」

 

「・・・・・・確かに。アタシたちが聴いた時のが原曲なのか、今別の人が弾いてるのが原曲なのか・・・・・・?」

 

 

 

アタシたちの中に、1つの疑問が生じた・・・・・・。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?麻弥さん、『息をするように』姉弟にとってとんでもないこと言いましたね。・・・・・・あ、今回は『息』って意味です。

あ、昨日『フィルムライブ』を見に行って、色紙貰ったんだけど、あこでした。・・・・・・正直に言えば、紗夜か燐子が良かった・・・。


では、また次回!


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第22話 ONE DAY

僕たちは今日も・・・・・・バイトをしている。ウィズの課題も終わって、心配事も無くなったから思う存分働いて稼げるしね。

 

 

 

「・・・・・・。」

 

 

 

ただ、ウィズが仕事をせずにずっとスマホとにらめっこ・・・・・・。スタジオの掃除をせずに。

 

 

 

「ウィズ。」

 

「・・・・・・。」

 

「・・・・・・ウィズ!」

 

「はっ!え、映司?どうしたの?」

 

「それはこっちのセリフだよ。ずっとスマホ見て・・・。」

 

「・・・・・・。」

 

 

 

・・・・・・まぁ、理由はなんとなく分かるけど。

 

 

 

「どうせ、『愛のかたまり』のことでしょ?」

 

「っ!なんで分かったの!?」

 

「・・・・・・僕もそれなりには気になってるから。」

 

「映司・・・・・・。」

 

「僕はあの曲で音楽の素晴らしさを知った。あの曲のおかげで僕はこうして音楽を続けられている。だから、昔聞いた方か『ENDRECHERI』の方、どっちがオリジナルの曲なのか知りたい。」

 

「・・・・・・そうだね。そうだよね!」

 

「だから!」

 

「・・・・・・ん?」

 

 

 

ウィズの両手には掃除道具がたくさん。・・・・・・この後のセリフは決まっている。

 

 

 

「スマホ見てサボってた分、頑張ってくれ。」

 

「・・・え!?ちょっと、映司は!?」

 

「受付してくるー。」

 

「薄情もーーーん!!」

 

 

 

サボってた奴に言われたくない。

 

 

 

「ふぅ~。さて、次の予約は・・・・・・、」

 

「あら?あなたは・・・。」

 

「・・・?」

 

 

 

受付に座って予約リスト見てると、なんとなく声をかけられた気がした。顔を上げると、水色の髪の女性(?)がいた。

 

 

 

「この前、葛城さんと一緒にいた方ですよね?」

 

「?・・・・・・僕も葛城ですが。」

 

「そ、そうだったんですね。すみません・・・。」

 

 

 

この顔・・・、数日前にあった『るん♪』とかいう奴に似ている。その時にも思った、『どこかで会ったことがある』と。

 

 

 

「それで、予約されてる『Roselia』の方でよろしかったですか?」

 

「え、えぇ・・・。」

 

 

 

いつも通り受付を済ませ、スタジオへ向かわせようとすると、

 

 

 

「あれ?紗夜~、早いじゃ~ん!」

 

 

 

銀髪の女性と見た目からしてギャルが揃って入店してきた。・・・・・・僕は関わりたくないな、ギャルなんて。

 

 

 

「こんにちはー!あ!友希那さんに紗夜さん!リサ姉もー!」

 

「こ、こんにちは・・・・・・。」

 

「お~!あこに燐子も~!」

 

 

 

・・・・・・これが噂のRoseliaか・・・。私服だと『至高の音楽』って感じはしないな。・・・・・・ネットとまりなさんたちの情報だが。

 

 

 

「ちなみに、蒼空兄も来てるよ!」

 

 

 

・・・・・・あれ?あの人・・・、どっかで・・・・・・?

 

 

 

「ったく、お前ら夏休み中ずっと連れてくる気だろ!?」

 

 

 

・・・・・・思い出した!錘さんの孤児院にいた時、たまに見かけた人だ。

 

 大人しい雰囲気に似合わない男口調。他の男性より少し長い髪。そして、『蒼空』って名前。

 

 間違いない、彼は・・・・・・『朝倉蒼空』だ。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?今回のタイトルは見ての通りですが、これには深い訳があるんです。・・・・・・今回の内容に合うタイトルが思い付かなかったんです。

はい、またまた登場。アタシが書いた別作品の主人公~。


・・・・・・さ、それではまた次回!


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第23話 10 years

「それではあちらのスタジオになります。」

 

「ありがとう。」

 

 

 

Roselia内に見たことある人物が2人いたことに驚いたが、何より1番驚いたのは『朝倉蒼空』が一緒にいたことだ。

 

 

 

「・・・・・・映司、見つけたよ~。」

 

「何を?」

 

 

 

何か忘れてたっけ?

 

 

 

「『ENDRECHERI』が唄っている『愛のかたまり』の動画~。」

 

「・・・・・・仕事中だよ?」

 

「うん、仕事中だよ。」

 

「だったら仕事しなよ・・・・・・。」

 

 

 

見せてくるからその動画を見てしまう。

 

 

 

「・・・・・・この5人が『ENDRECHERI』?」

 

「うん。・・・・・・見たことある人がいるよね?」

 

「うん、ボーカルとベース・・・・・・。あの時、たまに孤児院に来ていた兄妹だね。」

 

「まさかあの人たちが他の人とバンド組んで唄ってるなんてね~。」

 

「・・・・・・ウィズ、このボーカルなら今そこのスタジオ使ってるよ。」

 

「・・・え!?」

 

 

 

うわぁ・・・、鳩が豆鉄砲を食ったような顔してんな・・・・・・。

 

 

 

「あの、少し良いかしら?」

 

「「ん?」」

 

 

 

・・・・・・あれ?いつの間にRoseliaの銀髪がここに?

 

 

 

「あなたたち、『Quartzer』でしょ?」

 

「「っ!?」」

 

 

 

・・・・・・そんなに僕たち目立ってたの?

 

 

 

「あの歌は誰のカバー曲なのかしら?」

 

「?・・・・・・アタシたちで作ったんだけど?」

 

「っ!・・・・・・そうなの?歌詞は・・・?」

 

「僕だけど・・・。」

 

 

 

これで、何が起きるのかしら?・・・・・・ナレーション僕なんだけどね。いつからこんな口調になったんだ?

 

 

 

「・・・・・・そう。」

 

 

 

・・・・・・あれ?帰っていった。

 

 

 

「なぁウィズ。」

 

「ん?」

 

「僕たちって、思ってるより周りに知られてる?」

 

「う~ん・・・、それは無いんじゃない?」

 

「・・・・・・だと良いけど。」

 

 

 

あんまり目立ちすぎるのも嫌だからな・・・。

 

 

 

「なぁ、ちょっといいか?」

 

 

 

今度は何?・・・・・・って、朝倉蒼空かよ・・・。

 

 

 

「君たち、錐さんの孤児院にいたよね?」

 

「っ!なんで「ウィズ。」・・・?」

 

 

 

僕はウィズの言葉を遮って、朝倉蒼空と話す。

 

 

 

「先に言っておきます。今は『スタッフの葛城映司』ではなく、『ただの葛城映司』として話しますけど、いいですか?」

 

「うん、その方が話しやすいから助かる。じゃ、俺から。」

 

「どうぞ。」

 

「改めて聞くけど、君たちは錐さんの孤児院にいたよね?」

 

「はい、いましたよ。あなたは妹さんと一緒にたまに来てましたよね?」

 

「あぁ。まさか、あの場所にいた人とこんなとこで会うとは思わなかったけどな。」

 

「それで、聞きたいことは以上ですか?」

 

「・・・・・・まぁ、そうだな。確認したかっただけだし。」

 

「僕も1つ聞きたいことがあります。」

 

「どうぞ。」

 

 

 

僕は、僕が・・・・・・いや、僕たちがずっと気にしてることを聞いた。

 

 

 

「あなたの・・・・・・あなたたち『ENDRECHERI』の曲に『愛のかたまり』って曲がありますよね?」

 

「あ、あぁ・・・。」

 

「実は僕たち、それと全く同じ曲を約10年前に聞いてるんです。」

 

「っ・・・・・・。」

 

 

 

僕たちにとっては凄く真剣なことだった。彼にとってはそんなに大きなことでは無いかもしれないが。

 

 

 

「・・・・・・君たちは、その曲の真実を知りたいと?」

 

「はい。」

 

「・・・・・・あまり公開したくないけど、あれは俺たちのオリジナルではない。」

 

 

 

彼は静かに語り出した。気付けばコーヒー片手に持ってるし。

 

 

 

「あれは俺の家にあった詞と曲をそのまま『ENDRECHERI』の曲として出しただけだ。・・・・・・多分、君たちの聴いた『愛のかたまり』は、俺の親が唄っていた時のだと思う。」

 

「え・・・?」

 

「アナタの親が!?」

 

「本当かどうか知らないけど。・・・・・・俺の家にあったし、作った人の名前には『朝倉』って名前があった。」

 

「・・・・・・分かりました。僕たちは、『ENDRECHERI』の曲をカバーしてるってことにします。」

 

「え!?ちょっ、映司!?」

 

「僕たちは、あなたの親の曲で音楽の素晴らしさを知りました。そして、今その息子がバンドを組みその曲を演奏してる。だったら、僕たちはあなたたち親子の曲をカバーするだけです。」

 

「・・・・・・そっか。」

 

「ウィズもそれでいいでしょ?」

 

「・・・・・・映司がそれでいいなら、いいよ。」

 

 

 

僕たちの中で、疑問が1つ解消された。真実を知って、少し心が軽くなった・・・・・・。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?今回のタイトルは『10年』って意味ですが、姉弟の中にあった約10年前の曲の真実を知るって意味でとりあえずそこの中から『10年』を抜粋しました。

とりあえず、今日までで今のアンケートは終わりですが、一応次回分から他のバンドも一応聞くね。


では、また次回!


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第24話 Black Joke

後書きでアンケートのことと、ちょっぴり悲しいお知らせがあります。


まずは、本編どうぞ!


そろそろ夏休みも終盤に差し掛かってきた頃、バイト先のCiRCLEでは・・・、

 

 

 

「お願いします!」

 

 

 

猫耳(?)ヘアーがライブ演出の提案書を渡してきた。

 

 

 

「それはいいけど、何故僕に?」

 

「ここのスタッフだから!」

 

 

 

・・・・・・至ってシンプルな答えだった・・・。

 

 

 

「でも、まりなさんにも見せるから・・・・・・事前チェック?」

 

 

 

花園たえさん、僕は受付か何かですか?・・・・・・受付してるけど。

 

 

 

「えっと・・・・・・、何これ?」

 

「ライブ演出の提案書です!」

 

「うん、それは知ってる。これをどこでしようとしてるの?」

 

「ここです!」

 

やっぱりそうなるよな・・・。

 

 

 

おい金髪ツインテ。止めろよ、この案を提出する前に。

 

 

 

「映司~?って、どうしたの?」

 

「あ、ウィズさん!」

 

(なんで名前バレてるー・・・?)

 

 

 

名札付いてるからだよ。

 

 

 

「ウィズさんも見てください!」

 

「な、何を・・・?」

 

「これ。」

 

「どれどれ~?・・・・・・ん?」

 

 

 

正確な反応だ。

 

 

 

「え、えっと・・・・・・、『ワイヤーで吊って空を飛ぶ』、『三刀流ドラム』、『歯ギター』・・・・・・?」

 

 

 

ウィズが読み上げた『ワイヤー』以外は勝手にしてくれって思う。だけど、

 

 

 

「え~、『チョココロネを客席に投げる』、『うさぎとライブ』、『星になる』?」

 

「え?死ぬってこと?」

 

「違います!!」

 

「・・・・・・えっと『ライブ中に火を吹く』?」

 

「はい!海外のバンドがやってて迫力あったんです!」

 

 

 

満面の笑みで言うなよ・・・。

 

 

 

「ってか『漫才』に『人体切断マジック』って何よ?」

 

「お客さんと盛り上がればと思って・・・。」

 

「うんうん。」

 

 

 

・・・・・・ウィズが低いトーンで聞いた理由が分かる・・・。

 

 

 

「それと、『花火を使って流れ星っぽくする』って何?」

 

「そのまんまの意味です!」

 

 

 

どこからそんな自信が・・・・・・。

 

 

 

「どうですか?」

 

「この際全部却下。」

 

「え!?」

 

「右に同じく。」

 

「なんで!?」

 

「私たち、お客さんと盛り上がれるライブにしたいんです!」

 

「「そうそう!!」」

 

 

 

『三刀流ドラム』と『歯ギター』は勝手にしろって思ったよ。でも、これをOKすると大変なことになると思って、全て却下にした。

 

 

 

「ちゃんと真面目に書いた提案書を持ってきてね。」

 

 

 

僕は持っていた提案書を猫耳に返した。

 

 

 

「むぅー・・・・・・。ん?はっ!スタッフさーん!」

 

 

 

こら、新人の方に行くな。

 

 

 

「あ、提出したよ、映司。」

 

「だな。・・・・・・悩んでるな。」

 

「そりゃ悩むでしょ。・・・・・・あれ?書類持ってどっか行った。」

 

「まりなさんの所とか?・・・・・・帰って来た、」

 

 

「ヤッター!」

 

「「OKしたの!?」」

 

 

 

誰だ!?あんなふざけた内容をOKしたスタッフは!?

 

 

 

「オッケーだって!」

 

「「「ヤッター!」」」

 

「「「マジか・・・。」」」

 

 

 

・・・・・・ふと気付いたけど、よくこいつらと普通に漫才出来たな。

 

とにかく、主犯と共犯者は喜び、それ以外は悲しみに浸っていた・・・・・・。

 

 

 

「映司、彼女たちのライブの日・・・・・・、」

 

「分かってる。休もう。」

 

 

 

まりなさんたちに(偽りの理由を伝え)休ませてもらおう。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?『タブーとか悪い方のの冗談』ってタイトルですが、バンドリーマーならこの展開分かるよね~?結果は次回分かります。


さてと、まずはアンケートについて。そこそこ前のアンケートで、Roseliaが1位になりましたが、作者の気分により、他バンドから1名ずつくらい深く関わらせようってことになりました。1番関わらせるのは紗夜ですけど。

ってことで、まずは2位のハロハピから!ご協力お願いします!





そして、ちょっぴり悲しいお知らせです。

毎日更新していたこの作品、『毎週火曜日と木曜日』の更新に変更します!理由は・・・・・・投稿のスピードに対して書くスピードが間に合わないと悟ったからです。勝手ですみません。

そういうことで、次回は『10月7日』ではなく、『10月8日』となります。



長々とすいません。では、また次回!


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第25話 hesitated

皆様今日も学校とかお仕事でしょ?アタシ、これでも今日・・・・・・というか、昨日と今日で会社の慰安旅行なんです。関西地方に。気が重いよねー、旅行中も仕事の人たちと一緒なんて。
副店長の差し金で『硝子の少年』歌わされるし。


そんなことは置いといて、本編どうぞー。







夏休み終了まであと数日。そんな中、僕たちのバイト先のCiRCLEは何故か大忙し・・・・・・っぽい雰囲気を醸し出してた。

 

 

「あ!映司君、ウィズちゃん、手伝って!」

「・・・・・・一応聞きます。何を手伝えばいいのですか?」

 

 

前回、凄く行きたくなかったPoppin'Partyのライブの準備を無理やり手伝わされ、気分は下がっていた。

 

 

「元から高くないくせに。」

「うるさい。」

 

 

僕の心の声を読まないでほしいよ・・・。

 

 

「えっとね、Roseliaのセットの準備だよ!」

「Roseliaの?」

 

 

あのクールの感じのバンドか。・・・・・・メンバーの一部を除いて。

 

 

「・・・・・・分かりました。で、何を手伝えばいいんですか?」

「助かるよ~!それじゃあ、ドラムセット持ってきて!」

 

 

とりあえず作業に取り掛かる。

 

 

「ねぇ映司。」

「うん?」

「大丈夫だと思う?」

「何が?」

「いくらRoseliaでも、さっき巨大な黒布持っていってる人がいたんだけど・・・?」

「・・・・・・ま、一応ここで働いてるんだ。愚痴なら後でまりなさんに言ってやろう。」

「・・・・・・そだねー。」

 

 

給料を貰っている以上、働かなければいけない。だから、嫌な予感がしつつもRoseliaのセットを作る。

 

 そして・・・・・・、

 

 

「2人共ありがとー!」

「「・・・・・・・・・・・・。」」

「ん?どうしたの?」

 

 

僕たちは絶句してしまった。手伝ったセットがなんかおかしいほどに大きかったことに。

 

 

「なぁまりなさん。今日ここに小林○子でも来るの?」

「こらこら。映司、小林幸○なんて言っても字幕だと隠されるから無駄だよ。」

「2人共、答えが出てるよ~。」

 

 

・・・・・・とにかく!

 

 

「こんなセット、誰が使うんですか?」

「Roseliaだよ。」

「・・・は?」

「Roseliaって、クール系じゃなかったの・・・・・・?」

 

 

全くだよ・・・・・・。この前のあの銀髪がこんなセットを考えた、とか言わないだろうな・・・?

 

 

「このセットの提案書を持ってきたのは友希那ちゃんだよ~。」

「ん?友希那って?」

「あ、そっか。名前知らないんだ。友希那ちゃんは、銀髪の子だよ。」

 

 

あいつか・・・。

 

 

「こんにちは。」

「うん?・・・・・・あ、映司。噂をすれば、だね。」

「・・・・・・・・・・・・。」

「おお~!結構イケてんじゃん~!」

「ライブが楽しみだね!りんりん?」

「うん・・・・・・。(蒼空君も、ビックリするかな・・・・・・?)」

 

 

こんなセットで演奏してたら、きっとファン減るだろうな・・・・・・。

 

 

映司、どうする?

どうする?って決まってるでしょ。適当な理由付けて早退する。

 

 

こうして、僕たちは片付けをせずに今日のバイトを終えた。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?今回のタイトルの意味は『躊躇った』ですが、まぁ、躊躇いがね・・・・・・酷そうよね。それはそうと、夏休み内のネタはこれでお終いです。

そして、タグ欄にはバンド名は書かずに深く関わらせるメンバー名書きますね。色々事情があるのよ~。

それと、薫とはぐみの票の数www。なんか、凄いなぁ~。ある意味。


では、また次回。


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第26話 2nd Movement

 今日から2学期が始まり、また・・・・・・、

 

 

「サンキュー、映司~!」

 

 

・・・・・・姉を学校に送りつける日々が再開した。

 

 

 

「送りつけるとか言わないの。」

「人の心読むなよ。・・・・・・じゃあ、後で。」

「うん、後でね。」

 

 

僕は少し急ぎめに学校に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映司を見送って、アタシは教室の席に座る。・・・・・・夏休み前は分からなかったけど、アタシのクラスに夏休み中に会った人が何人もいる・・・。

 

 

「あ、いた!ウィズさーん!!」

「っ!?」

 

 

ちょっと誰よ!?引きこもりキャラを頑張って演じてるアタシの名前呼ぶ奴!・・・・・・うわ~、見たことある猫耳!

 

 

「ウィズさんって、先輩だったんですね!」

「おい、香澄!・・・・・・ホント、すみません!すぐ連れて帰るので!」

「ウィズさんたち、次いつライブするんですか?」

「あはは・・・、まだ予定決まってないから・・・。」

「そうですか・・・・・・。」

「ほら香澄、用は済んだろ?行くぞ!」

「だったら、ライブする日が決まったら教えてくださいね!」

 

 

・・・・・・嵐のように去っていったな・・・。なんだろう・・・、あの子には教えたくないんだけど・・・・・・。

 

 

「ライブ、してるんですね?」

「・・・・・・だったら、なんですか?」

 

 

何よ、風紀委員?文句あるのかしら?

 

 

「いえ・・・。ただ、文化祭以外でもライブしてるんですねと思いまして・・・・・・。」

「あなたたちだって、ライブしてるじゃないですか。この前だって、バカデカいセット使ってね~?」

「そ、それは・・・・・・。」

「ほら、授業始まりますよ。」

「っ・・・・・・。」

 

 

・・・・・・ふぅ、戻っていった。って、映司の服のアドバイスしてくれた人も同じクラスだったな~。・・・・・・なんかこっち見てるし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さてと、昼食はいつもの場所で決まりだな。

 

 

「葛城君。」

「・・・・・・なんですか?今から昼食なんですけど。」

「あ、ごめん・・・。じゃなくて、この前花咲川の文化祭に出て歌ったんだって?」

「っ!・・・・・・隠すつもりはないけど、どこで知ったの?」

「知り合いが花咲川にいてね。・・・・・・だから、そんな怖い顔しないでって・・・。」

 

 

え?・・・・・・そんな顔してたのか・・・・・・?

 

 

「それでさ、今度ライブする時言ってくれる?僕も見たいから。」

「・・・・・・記憶してたら。」

「約束だよ、()()()。」

「・・・!」

「・・・・・・あ、ごめん。名前で呼んじゃった・・・。」

「・・・・・・呼び方はご自由に。」

 

 

最近、黒崎晴斗(隣の席)に対する壁が甘くなってる気がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、今まで通りウィズを迎えに行って、今日はウィズだけがバイトだからCiRCLEに送りつける。

 

 

「ちょっと!また『送りつける』なんて言って!」

 

 

・・・・・・ここまでは良かった。「無視!?」だけど、この後に面倒くさいことが起こる。

 

 

「2人とも、歌って!」

「「・・・は?」」

 

 

まりなさんはなんて事を言い出すんだ・・・・・・。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?今回のタイトル、『Movement』は『動き』とかの意味もありますが、『楽章』って意味もあるので、『第2楽章』って意味で付けました。・・・・・・まぁ、『2学期』だしね。

さてさて、またまたお歌の回になりますよ。


では、また次回!


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第27話 ビロードの闇

「2人とも、歌って!」

 

 

唐突に言われた言葉。今日はウィズだけがバイトだから、CiRCLEに置き去りにして『勝手に帰ってこい』って言うつもりだったのに「ちょっとちょっと!前回言ってたのより酷いんですけど!?」うるさいなぁ、ナレーションに口を挟まないでくれる?

 

 

「・・・・・・で、なんで僕たちに『歌って』と言ったんですか?」

「だって、2人の歌聴いたことないから。」

 

 

聴かせる訳ないでしょ。・・・・・・なんて言ったら後が面倒だから止めておくか。

 

 

「いきなりは厳しいので、少し時間をいただけます?」

(え!?映司さん、やるの!?)

(やらないと、『歌って』ってまとわりつかれるぞ。)

(それもそっか!)

「2人とも、目で会話しないの。」

 

 

そういうことで、僕たちは2時間後にライブをすることになった。会場はCiRCLEのライブステージ。

 

 

「ま、ここは覚悟決めますか。映司、何歌うの?」

「考え中。」

「ですよね~!」

 

 

急に『歌う曲を何にしようか』とか、考えるのは厳しいんだけど。

 

 

 

 

 

とりあえず、歌う曲も決まり、ステージ横でスタンバイをすると、

 

 

\ガヤガヤガヤガヤ・・・・・・/

 

「ねぇ映司。」

「なんでしょう。」

「あれ、全員スタッフかな?」

「そんな訳ないでしょ。明らかにお客さんでしょ?」

「アタシてっきりまりなさんが満足するがために仕方なく歌うと思ってた。」

「同感だ。」

 

 

客席、全部埋まってるんじゃない?

 

 

「2人とも、準備出来たよ!」

「あの、客席にいるお客さんって?」

「え?・・・・・・ああ!看板で『バイトの有名姉弟スタッフ《Quartzer》がライブします!』って書いたらいっぱい来たの!」

「「・・・・・・ハァー。」」

 

 

もう溜息しか出ないよ・・・。

 

 

「仕方ない、やるか。」

「だね。文化祭以来のこのライブスタイルで行きますか!」

 

 

僕たちはステージに立った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

湊さんの誘いで、Roseliaの5人で『Quartzer』のライブに来ていました。葛城さんのライブを見るのは、夏休み前の文化祭と今回の2回だけですが、今回は『楽曲は彼らが作った』ってことを頭に入れて聴くことにしました。

 

 

\キャアアア!!/

「紗夜、始まったよ!」

「っ!は、はい・・・。」

 

 

普段とは違う姿のクラスメイトを見るのに、緊張しているのでしょうか?ステージが暗くなり、ライブが始まる瞬間を忘れていました。

 

そして、メロウなようで、アップテンポな感じの曲が流れ始め・・・・・・、

 

 

「痛いくらいの不安を一人で抱え 眠れぬ夜に打ちひしがれる」♪

 

 

葛城・・・・・・君にしましょう。彼が唄い始めました。文化祭の時も聞きましたけど、歌が上手ですね。

 

だけど、この後少し・・・・・・と言えるか分からない事件が起きました。

 

 

「こんな時代じゃ 退屈な夢も 僕らは()()()()()()()()()()()()()」♪

 

 

後で知りましたが、傍点部分の本当の歌詞は『見ることさえ許されないだろう』だそうです。・・・・・・若干、弟さん笑ってますけど?

 

 

「砂漠のように()()()() ()www・・・・・・()()()()()()

 

 

なんて!?笑ってましたし、最後何言ってるか分かりませんでしたよ!?・・・・・・その割には音程はほとんど外していない・・・・・・。なんか、逆に凄いですね・・・。

 

 

「「ビロードの闇に()け出す ()き出しになった愛情」」♪

 

 

先程のことが無かったかのように事が進んでいますけど、流石は姉弟と言ったところでしょうか。息が合い過ぎて・・・・・・。

 

 私と日菜とは大違いですね・・・・・・。

 

 

「「幸せの光が 射す場所へと目指す 刹那(せつな)()きながら...Oh!」」♪

 

 

この『ビロードの闇』が終わった後、噂によるとAfterglowにしか聴かせたことのない『I(アイ)』という曲も披露しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ライブを終えたアタシたち。一度楽屋に戻るなり、アタシは映司に言いたいことを速攻で言った。

 

 

「映司!なんで2回も『打ちひしがれる』の!?」

「仕方ないでしょ、浮かんだのがそっちだったんだから。」

「いやいや!仕方なくないからね!たかが2曲分の歌詞くらい覚えなさいよ!」

 

 

これが後に、『Quartzer 打ちひしがれ事件』と語り継がれることとなるのだった。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?今回は、作中に出た曲のタイトルです。・・・・・・この事件、実話ですよ。嘘だと思うなら『ビロードの闇』か『打ちひしがれ事件』で検索してください。

それと、今回確か初かな?姉弟以外のキャラの視点でこんなに書いたのは。・・・・・・でも、初めてでは無かったですね。書きながら思い出しました。

それと、遂にこのサイトに歌詞が正式に使えるようになりましたね。・・・・・・今までドキドキしながら書いてましたけど、今もちょっと不安です。タイトル、大丈夫かな・・・・・・。


では、また次回!


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第28話 フラワー

祝え!!白金燐子の誕生日を!!

・・・・・・いきなりすいません。別の方ではウォズ並みに祝っているので、よろしければ・・・・・・。


では、本編どうぞ~。







 今日は休日だが、ウィズだけがバイトだ。だから、たまには静かにと思い、公園を散歩している。

 

 

「あれ?映司君?」

「・・・?」

 

 

声をかけられたと思い周りを見渡すと、約1名知ってる人物がいた。黒崎晴斗だ。

 

 

「こんなところで会うなんて、初めてだね。」

「・・・・・・そうですね。」

「なんで逃げようとしてる?」

「休日までクラスメイトと会いたくない、と言えば分かります?」

「うん、答えをバッサリ言ってるから凄い分かりやすい。」

 

 

ここで逃げると、後々学校生活に支障が出るから無理に逃げずにさらっとこの場から離れるようにしよう。

 

それと、この人には1つ聞きたいことが今浮かんだから聞いておこう。

 

 

「・・・・・・1つ、聞いて良いですか?」

「珍しいね。どうぞ、答えれる限り答えるよ。」

 

 

僕は軽く深呼吸して、

 

 

「なんで、僕に近寄ってくるんですか?」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

 

自然が奏でる音以外、何も聞こえなかった。彼が黙っているからだ。

 

 

「・・・・・・なんでだろうな~?」

「?」

 

 

僕は予想していなかった答えに疑問が浮かぶ。

 

 

「表向きには、『クラスメイトだから』かな~。いつも1人でいるから。」

「裏向き・・・・・・というか本音は?」

「君をほっておけないから。」

「は?」

「自分の感情を殺して、誰とでも硬い心の壁を作って遠ざかる。『もう人を信じない』ってくらいに。」

「・・・っ!」

 

 

彼は多分、なんとなくで言ってるんだろうけど、ほとんど正解してる・・・・・・。

 

 

「君の心がそのままでも構わない。でも、それでも僕は・・・・・・君の味方でいたい。あ、『友達』って方が良いのかな?」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

 

だったら・・・・・・、

 

 

「・・・・・・だったら他人(ひと)と違った、気味の悪いところを。」

 

 

僕は帽子を取って、左目を隠してる髪をずらし、左目を見せた。

 

この前のように、不意に左目のことを言われると記憶は飛び、全てに怯えるようになってしまう。でも、『こいつは左目のことを言いそう』とか、『自分から話そう』って時には少し心拍数が上がる程度だから問題ない。

 

 

「ん?・・・・・・っ!その目・・・。」

「この目は生まれた時からそうだった。おかげで僕は化け物扱い。今まで出会った人間は全員僕のことを忌み嫌った。『人間じゃない』って。そして、・・・・・・親までも。」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

 

僕は心の壁の理由を話した。・・・・・・簡単に、ではあるけど。

 

 

「・・・・・・こんな僕を、あなたは友達になりたいと思いますか?」

「うん、思うよ。」

「・・・・・・え?」

「僕は君の目を綺麗だなって思ってる。」

 

 

彼の言葉に驚いてしまった。こんなことを言われたのはウィズ以外だと初めてだから。

 

 

「あ、ちょっと一緒に来てくれる?」

「・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・映司君?」

「っ!な、なんですか?」

「ちょっと一緒に来てくれる?君に見せたいものがあるんだ。」

「わ、分かった・・・・・・。」

 

 

僕は黒崎晴斗についていった。そして、たどり着いたのは公園内にある小さな花畑だった。

 

 

「綺麗・・・!」

「そうでしょ?今は青色の花が咲く時期で、ちょうど映司君の左目と同じ・・・・・・綺麗な色をしてる。」

「・・・!」

「こんな僕とは、友達になれないかな?」

 

 

彼は右手を差し出した。

 

僕は、どうすればいいんだろう?

 

 

左目を見られれば嫌われてきた僕は。

 

 

左目を見られないように壁を作ってきた僕は。

 

 

誰も信じられなくなった僕は。

 

 

 

 

 

・・・・・・でも、彼なら信じられる気がする。そう思った瞬間、

 

 

「・・・・・・・・・・・・。」

「・・・っ!本当に!?」

 

 

彼の手と握手していた。

 

 

「ありがとう、映司君!」

「・・・!」

 

 

その満面の笑みを見せられて、僕は少し戸惑ったのは、黙っておこう。

 

 

「自分で言うのもなんだけど、僕は繊細だ。丁重に扱ってよ。」

「分かった。僕はずっと君の味方だから!」

 

 

この時、(バイト中のウィズのことを忘れて)僕にとって初めてに近い友達が出来た。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?今回のタイトルは、作中に出た『花畑』からなんとなく取りました。

良かったね~、友達出来て!・・・・・・バンドリキャラじゃなくてすんませんでした!!


それと、今回から2話分でアンケートします。・・・・・・ストーリーがなかなか書けないのよ~。


では、また次回!


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第29話 SHOCK!

昨日の朝、なんとなくお気に入りしてくれてるユーザー一覧を見たら、11人もいた。最近の『SHOCK!』はそれだね。・・・・・・ありがたいことだけど。

あ、後もう1つ。リサ姉の弟問題。アタシ、リサに弟いても問題ないと思うけど。そんなにいたらマズイ?アタシからすれば『弟の面倒も見れる家事が得意なギャル』って印象に変わるだけだよ。・・・・・・そんなにリサに弟がいるのダメなの?世間は。


さ、本編どうぞ~。







 晴斗・・・・・・君と友達になってから、数時間・・・・・・。

 

 

「・・・・・・なんか、忘れてるような・・・?」

 

 

晴斗君・・・・・・なかなか慣れないな。まぁいいけど。晴斗君とは『また今度、学校で。』と言って別れた。けど、なんか忘れてる気がして、公園の駐輪場で自転車に乗ってずっと考えてた。

 

 

\ピンコン♪/

「ん?・・・・・・あ、ウィズ。」

 

 

思い出した、ウィズが今バイト中だった。

 

 ちなみに、ウィズからのメールの内容は『終わったよ~!早く愛しのお姉ちゃんを迎えに来て~!』だ。・・・・・・これは既読スルーだな。

 

 さて、迎えに行くか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お・そ・い!!」

 

 

案の定、説教タイムが早々に始まった。

 

 

「悪かったって何回か言ってるだろ?」

「だからってカフェのケーキまで差し出して・・・、アタシが食べ物で釣れると思ってるの!?」

「うん。」

「思ったよりここのケーキって美味しいんだね!ありがとう、映司!」

 

 

ほら、釣れた。

 

 

「・・・・・・で、今日は何してたの?」

「公園で静かに散歩してた。・・・・・・静かに散歩してた。」

「ねぇ、なんで今2回も言った?」

 

 

あなたが『うるさい』の元凶ってことを伝えるために。・・・・・・黙っておこう。

 

 

「あ、後・・・・・・クラスメイトに会った。」

「そうなんだ。・・・・・・ちなみに、どんな感じの人?」

「大人しくて、色んな人に手をさしのべる、僕の・・・・・・友達。」

「ふ~ん。・・・・・・ん?え?今、なんて?」

「だから、・・・・・・僕の目を見て『綺麗』って言ってくれた、クラスメイトで、今日出来た僕の友達。」

「・・・え~~!!?

 

 

恥ずかしいけど・・・・・・そりゃ驚くよな・・・。

 

 

「どこの馬の骨よ!?「こら。」今すぐ会わせなさい!お姉ちゃんが見極めてやる!!「こら!」・・・・・・何よ?」

「ウィズは僕の親か?」

「お姉ちゃんよ!」

 

 

いやいや、言ってることが『子供の結婚に反対する親』とほぼ同じだったよ。

 

 

「ウィズには悪いけど、晴斗君は誰かを騙すような人には思えない。」

「映司はそう思っていても、内心はそうなのか分からないし、やっぱりお姉ちゃんが「彼の言ってることは本当よ。」って、え!?」

「・・・!」

 

 

僕たちの会話に割り込んできた人物は、以前『愛のかたまり』と『ENDRECHERI』について教えてくれた人と一緒にいた人だった。

 

 

「あなた、晴斗に会ったの?」

「は、はい・・・。」

「今日、友達になったってのは事実?」

「・・・・・・そうですけど、晴斗君を知ってるんですか?」

「えぇ。・・・・・・晴斗は優しい人間よ。『人が良すぎる』ほどに。」

 

 

警戒心が高まっている僕たちに何事もないかのように話し続ける。

 

 

「あなたたちに晴斗がどういう風に見えているかは知らないけど、せめて、私の前で晴斗の悪口を言わないでくれる?」

「・・・っ!」

「悪かった。」

 

 

この人の威圧感に圧倒されているウィズに変わって謝る。

 

 

「悪気があって言った訳じゃない。でも、僕たちにも色々と他人との関わり方があってね。だから謝る。ごめん。」

「・・・・・・なら良いわ。」

 

 

そう言って、彼女は去っていった。

 

 

「・・・・・・ウィズ。」

「っ!な、何・・・?」

「バカ姉感を出すのは家だけにしてくれるか?一緒にいる僕が恥ずかしい。」

「なっ!?」

「さ、帰るぞ。」

「ちょっ、映司~!?」

 

 

家に着いたら、ウィズにものすごく質問攻めされた・・・・・・。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?今回のタイトルの意味はご存知の通りですが、ウィズの心境から付けました。

それと、アンケートなんですけど・・・・・・イヴが票数に対して、千聖の票数って何!?浮気しろってこと!?もしくは『晴斗と一緒に』っていう優しいアドバイス!?・・・・・・ちょっと理由聞きたい。


では、また次回!


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第30話 VANISH

「・・・・・・え?」モグモグ

「だから、文化祭来る?」

「いふにひまってるへひょ!!」モグモグ

「口の中の物を無くしてから言いなさい、はしたない・・・。」

「・・・・・・・・・・・・。」モグモグモグモグ

 

 

どんだけ入れてるんだよ・・・?

 

 

「・・・・・・ふぅ、行くに決まってるでしょ!!」

「はい、よく言えました。」

 

 

何故こんな話をしているのか?それは、僕の通う学校がもうすぐ文化祭だからだ。ウィズは誘ってくれたのに僕が誘わないのはちょっとな・・・と思って。

 

まぁ、答えは目に見えてたけど。

 

 

「映司のクラスは何するの?」

「カフェだよ、ごく普通の。」

「なるほど~、映司君の接客姿が見れるんだね!」ワクワク

「・・・・・・別の誰かに接客してもらおう。」

「え!?」

「ご馳走さま。さ、早く支度しろよー。」

「ちょっ、待ってよー!」

 

 

いつも通り学校に行く準備をして、自宅を出る。僕はさっき言い忘れていた事を、自転車を漕いでいる時に思い出した。

 

 

「・・・・・・なぁウィズ。」

「交通費は払わないよ。」

「まだ何も言ってない。・・・・・・文化祭のことだけど、」

「ああ!そっちね!」

「普通はそっちでしょ?・・・・・・文化祭の時に、晴斗君と会わせるよ。」

「え?」

「前に言ってただろ?『会わせろ』って。」

「っ!・・・・・・うん、言った。半ば勢いで。」

 

 

でしょうね。

 

 

「だから、晴斗君とも話して会わせるから。」

「ふ~ん。・・・・・・分かった。姉として見極めるからね!」

「はいはい・・・。」

 

 

それから、ウィズを学校に置き去りにして、「ちょいちょい!!」・・・・・・自分の学校に向かう。「無視!?」

 

 

「映司君、おはよう。」

「お、おはよう・・・。」

「あはは・・・。まだ慣れないか。」

「ご、ごめん・・・。」

「気にしなくていいよ。ゆっくりでいいから。」

 

 

最近は晴斗君がずっと話しかけてくれる。周りの目を気にせずに。

 

 

「僕たちは調理場担当だから、人目は気にしなくていいよ。」

「ごめん、それは分かってる。」

「映司君ってコーヒー淹れれるの?」

「うん、たまに自分で淹れてるよ。」

 

 

そんな会話をしてると、

 

 

「葛城さんってコーヒー淹れるの上手いの?」

 

 

その一言から何故か僕が淹れることになった。晴斗君は『試しに淹れてみたら?』と言ってきた。・・・・・・諦めて淹れることにした。

 

淹れたコーヒーを調理班のリーダーに飲ませると、

 

 

「・・・・・・うん、葛城さん。君がメインで淹れて!」

 

 

おい。

 

 

「本当だ!上手い!」

「手際も良いし!」

「女子として複雑~・・・。美味しい。」

 

 

マジか・・・。

 

 

「ちゃんと休憩は取れるように考えるから。」

「・・・・・・よろしく。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最近は晴斗君も屋上に来て一緒に昼食を取っている。

 

 

「・・・・・・晴斗君。」

「うん?」

「なんか、無理してない?」

「どうしたの、急に?」

 

 

僕はたまに思っていたことを口にした。

 

 

「君だって、他の人と昼食を取りたいって思うことあるよね?友達になってくれたあの日以来ずっとここで昼食を取ってるから・・・・・・。」

「・・・・・・確かに、あの日以来ずっとここでお昼御飯を食べてる。」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

 

今、なんであんな事を言ったのだろうと、少し後悔した。せっかく友達になってくれたのに・・・・・・。

 

 

「でも、これでも僕は昼食1人で食べてるんだよね。」

「・・・・・・え?」

「仲の良い人は別のクラス。だから、思う存分ここで食べれる。」

「・・・・・・・・・・・・。」

「君こそ、無理してない?」

「え?」

「僕の呼び方。」

「・・・っ!」

 

 

ウィズ相手なら考えてる事は互いにバレてる程なのに、彼相手だと、調子が狂う。

 

 

「良かったら、映司君の呼びやすい呼び方で言ってくれる?・・・・・・僕はこの呼び方が癖になってるからどうしようもないけど。」

 

 

僕の呼びやすい呼び方・・・・・・。

 

 

「・・・・・・晴斗。」

「っ!・・・・・・うん、なんかしっくり来る。」

「っ・・・・・・じゃあ、『晴斗』って呼ぶよ。」

「うん、僕は変えれないから我慢してね。」

「そこは気にしない。」

 

 

僕は、もう少し彼相手なら寄り添えるかもしれない・・・。

 

 

 

 

 




いかがでしたか? 今回は『消える』って意味のタイトルです。晴斗への心の壁のこと・・・・・・にしましょう!

それと、今回からアンケートは新しくなりますけど、前回のパスパレのアンケートどうすればいいのさ?日菜と千聖が同じ票数って・・・。


では、また次回!


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第31話 仮病をつかおう

Twitterを見てない方には伝えれてなかったのですが、投稿時間を変更しました。午前6時から午前0時に、です。


それでは、本編どうぞ!







季節の変わり目。それは次の季節を迎える準備期間でもあり、体調を崩しやすい時期でもある。

 

 

「ハァ・・・。」

「うぅ・・・、映司・・・。」

 

 

無論、僕たちも例外ではなく、・・・・・・ウィズがその餌食となっていた。

 

 

「38度・・・。学校は休み確定だな。」

「そうだね・・・・・・。映司、気をつけて行ってきてね。」

「は?」

「・・・・・・え?」

 

 

このバカ姉は何言ってるんだ。

 

 

「ウィズさん、あなた・・・・・・目を離した隙に色々と家事をするでしょ?」

「ギクッ!・・・・・・そ、そんな事無いよ・・・ゴホッゴホッ!」

「ほら、咳まで出るくらいだから。今日は寝てな。」

 

 

僕はウィズの部屋を出て、まずは花咲川に電話した。そして、僕の学校にも連絡を入れる。

 

電話が終わると、まだ寝間着だった事を思い出し私服に着替える。

 

 

「ウィズ、入るよ。」

「うん・・・。」

 

 

一応許可を得てから部屋に入る。いくら姉弟でも血は繋がってない。それに相手は女だ。世間的に言う『ラッキーハプニング』なんて望まない僕はその辺冷静に対応する。

 

 

「ほら、スポーツドリンク。」

「ありがとう・・・。あれ?学校は・・・?」

「自分の心配をしてなさい。・・・・・・学校なら休んだ。いわゆる仮病だ。」

「ダメだよ・・・!そんなの」

「良いから!・・・・・・ウィズを看病出来る人間は、僕しかいないんだから。」

「・・・・・・ありがとう。」

「何か食べるか?」

「うーん・・・・・・、今は入る気がしない・・・・・・。」

「分かった。氷枕持ってくるよ。」

 

 

僕は一度部屋を出て、冷凍庫に入れてある氷枕を取り出し、タオルを巻いてウィズの枕の上に置いて、そこに頭を置かせた。

 

・・・・・・作者の家だとこれか、デコに貼る冷たいやつらしい。

 

 

「・・・・・・寝たか。」

 

 

ウィズはこう見えて、体が弱い。それなのに、僕を守ろうとする。幼い頃は風邪を引きながら僕の世話をしてくれた程だ。

 

さてと、とりあえず家事しないとな。

 

 

「・・・・・・あれ?冷蔵庫の中無いし。・・・・・・仕方ない。」

 

 

とりあえず、ウィズの部屋からは寝息がほんの少しばかり聞こえてくるから・・・・・・まだ寝てるか。

 

 

「・・・・・・とりあえず、僕の分も含めて買いに行くか。」

 

 

・・・・・・すぐに起きてしまうとアレだから、今すぐ必要な分だけ買うためにコンビニに行って、すぐに帰ってきた。

 

 

ただいま・・・・・・。」

 

 

しかし、何も返事が返ってこなかった。・・・・・・起きてないか。

 

 

「・・・・・・ウィズ?起きてるか?」

 

 

まだ寝てるか・・・。

 

 

「失礼するぞ・・・。」

 

 

扉を開けると、部屋の物の配置は全然変わってなかった。

 

 

「・・・・・・ここまでぐっすり寝れるのね・・・。」

 

 

逆にピクリとも動かない事に関心するよ・・・・・・。でも、もう12時だからそろそろ一度起こすか。

 

 

「ウィズ、そろそろ一度起きてくれ。」

「う、う~ん・・・、映司?」

「おはよう。気分はどうだ?」

「う~ん・・・、ちょっとは良いかな?」

「そっか。どう、ご飯は食べれそう?」

「物に、よるかな~・・・・・・?」

「分かった。リビングまで来れるようなら来てくれ。無理なら後で持って行くよ。」

「分かった・・・。」(全く、映司は・・・。)

 

 

雑煮を作っていると、ウィズが部屋から出てきた。

 

 

「良い匂い~・・・。」

「部屋から出れる程まで治ったか。」

「でも、部屋からここまでが限界・・・・・・。」

「あまり無理しないでよ?・・・・・・はい、おまたせ。」

 

 

蟹風味のものが入った雑煮を差し出す。・・・・・・ちょっと多めに作ったから僕もそれを食べる。

 

 

「ごちそうさま。」

「お粗末様でした。この後どうする?」

「・・・・・・こっちで休んでていい?」

「どうぞ。」

 

 

こうして、家事をしつつウィズの看病をしていた。

 

 のんびりした静かな空間に、1本の着信が入る。・・・・・・僕の携帯からだけど。

 

 

「うん?・・・・・・もしもし?」

『映司君、大丈夫?』

「・・・・・・晴斗?あれ?僕、携帯番号教えたっけ?」

『あれ?教えてくれなかったっけ?』

「・・・・・・記憶抜けてるっぽい。あ、でも・・・ちょっと謝らないといけない事がある。」

 

 

僕は事情を話す。

 

 

『そうだったんだ。でも、映司君が元気そうで良かったよ。』

「姉はアレだけど。」

『最悪、君の家に行こうと考えてたけど・・・・・・いる?』

「いらない。」

『アハハ・・・、即答か・・・。』

「悪いけど、学校には『治ったら行く』とは言ってあるから。」

『分かった。お姉さんには『治ったら会いたい』って言ってたって言っといて。それじゃ、お大事に。』

 

 

電話を切って、『何話してたの?』と言わんばかりに見てくるウィズに話さなければいけなくなった。

 

 

「友達からだよ、この前言った。」

「なるほど。」

「・・・・・・あ、ウィズ。ちょっと出かけてくる。」

「どこに?」

「スーパーだよ。食材とか、色々ね。」

「・・・・・・分かった。」

「その代わり、大人しくしてなよ。」

「うっ!?・・・・・・は~い。」

 

 

さて、釘も刺したから・・・・・・安心して買い物に行ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 自転車のかごに買った物を乗せて帰ろうとした時、

 

 

「葛城さん?」

「ん?・・・・・・あなたは・・・、ウィズのクラスメイトの・・・・・・?」

「氷川紗夜です。その・・・・・・、」

「ウィズなら少しずつ回復しているので、2日程したら登校出来るようになりますよ。」

「そうですか。・・・・・・あの、」

 

 

何?まだ何かあるの?

 

 

「・・・・・・あなたたちと話したいことがあります。」

「っ・・・・・・。」

「いつ、よろしいでしょうか?」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

 

目を隠していれば、なんとかなるか。覚悟していれば、言われてもなんとかなるし。

 

 それに、・・・・・・・・・・・・そろそろ色んな人と関わっていかないとな。

 

 

「僕と・・・・・・姉のウィズが同時にCiRCLEのバイトが入っている時なら、良いですよ。」

「そ、そうですか・・・・・・。私も、CiRCLEにはよく行くので、その時にお願いします。それでは。」

 

 

そう言って、氷川紗夜はこの場を去っていった。

 

 

「・・・・・・帰るか。」

 

 

ウィズに帰ったらなんて説明しようか。・・・・・・風邪が治ったらでいいか。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
今回のタイトルは映司のことですね。ウィズはちゃんとした病気なんでね。

次からは、バンドリキャラと深く関わっていきますよ。・・・・・・多分。


では、また次回!


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第32話 It's All Right

 今日は土曜日。世間的には学校は休みだけど、

 

 

「それじゃ、行ってきます。」

「行ってらっしゃい。気をつけてね。」

 

 

僕は文化祭のせいで制服を着て学校に行かなければならなかった。

 

でも、今嫌な予感が僕の脳裏に浮かんだ。・・・・・・ウィズが大人しかった。これは絶対、後で何かある・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は映司の学校の文化祭。朝から機嫌を損ねるとアレかな~?って思ってあまりイチャイチャ出来なかったけど、・・・・・・この前のお返しをしないとね!!(※第17話参照)

 

 

「・・・・・・お、そろそろかな?」

 

 

映司に買ってもらった自転車に乗って、映司の学校に向かう。・・・・・・思ったより距離あるね~!

 

 

「ふぅ~、着いた・・・・・・。」

 

 

とりあえず、冷たい飲み物が欲しい!

 

まぁ、そこは映司の所でいただかとしますか♪

 

 

「それにしても、」

 

「へい、らっしゃいらっしゃい!」

「お兄さん、たこ焼き美味しいよ~!」

 

「・・・・・・賑やかだね。」

 

 

なんか、夏祭りとかの屋台の通りと変わらない。

 

 

「えっと・・・・・・あ、あった!映司のクラス!」

「いらっしゃいませ。」

 

 

受付じゃないんだね。

 

 

「お嬢様、こちらへ。」

「は、はぁ・・・。」

 

 

とりあえず、席に案内されて座った。・・・・・・映司ってホールスタッフじゃないんだ・・・。

 

 

「このコーヒー美味しい!」

「インスタントって聞いたけど、これがホントにインスタントの味なのか!?」

 

 

・・・・・・インスタントのコーヒーの味がインスタントより美味しいって、どゆこと?

 

 

「お待たせしました。こちらが当店おすすめのコーヒーとなります。」

「あ、ありがとうございま・・・・・・って映司!?」

 

 

なんと!アタシの注文したコーヒーを愛しの映司が持ってきたのだ!

 

 

「な!?え!?厨房じゃないの!?」

「本当なら。ウィズの姿が見えたし、もうすぐ交代の時間だから持ってきたんだよ。」

「そ、そう~・・・。あ、美味しい!」

「そうか。CiRCLEのカフェで勉強して正解だな。」

「え?・・・・・・もしかして、コーヒーって映司が淹れてるの?」

「そうだけど。」

「・・・・・・羨ましい。」

「何がだよ?・・・・・・ちょっとしたら教室の外にいてくれ。僕もすぐに向かうから。」

「は~い!」

 

 

そうして、コーヒーを飲み終えて教室の外で待ってると、映司と・・・・・・見たことない人に出て来た。

 

 

「え、映司?その人は?」

「・・・・・・僕の友達、黒崎晴斗だよ。」

「へ、へぇ~・・・。」

「初めまして。クラスメイトの黒崎晴斗です。映司君の・・・・・・お姉さん、ですよね?」

「はい・・・・・・。」

 

 

なんだろう、全然裏が見えない・・・。

 

 

「お体の方はもう大丈夫なんですか?」

「へ?」

「あ、ごめんなさい!前に映司君から『お姉さんが風邪を引いた』と聞いて心配してて・・・。」

 

 

なるほど。だから映司は・・・・・・。

 

 

「えっと・・・・・・晴斗君?でいいよね?」

「はい。」

「映司のこと、よろしくね!」

「っ・・・・・・はい!」

「それじゃ、映司借りるね!」

「え?・・・・・・ちょっと、ウィズ!?」

 

 

アタシは映司の腕を引っ張って映司のクラスを後にした。

 

 

「・・・・・・映司。」

「ん?」

「いい友達だね。」

「・・・・・・うん。」

「お姉ちゃんは、あの子なら許せる。」

「・・・・・・そう。」

「それじゃ、色々案内してね!」

 

 

今日の文化祭は、心の底から楽しめる気がする!

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
今回は『大丈夫』って意味ですが、まぁ見ての通り、ウィズの心境のことです。

どうでもいい事だけど、11/30と12/1の『ラウクレ』、行けない・・・。休み取ろうと思ったら『君は売り場の担当を持ってるから月末は休んじゃダメ』って。そんなんだったら12/1も休む気無くすよ・・・・・・。弟と行きたかったのに・・・。


さ、こんな悲しいのはほっといて・・・・・・では、また次回!


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第33話 この恋眠ろう

 文化祭も終わり・・・・・・翌日にはいじめかのようにバイトのシフトが入っている今日この頃。

 

 

「2人共、歌わない?」

「「歌わない(よ)。」」

 

 

日曜日に揃ってバイト。ここまでは良かった。・・・・・・だけど、最近まりなさんがやけに僕たちにライブをさせようとする。あの事件が起きたライブ以降、2人共シフトが入っている日は特に。

 

 

「あの・・・。」

「はい?・・・・・・あの時の。」

 

 

声をかけてきたのは、ウィズが風邪を引いた時に会った氷川紗夜だった。

 

 

「氷川さん、なんの用ですか?」

「えっと・・・、私はあなたたちと話がしたくて・・・・・・。」

 

 

あ、ヤバ。ウィズに話すの忘れてた・・・・・・。

 

 

「氷川さん、ちょっとすみません。ウィズ、ちょっと来て。

「え?ちょっ、映司!?」

 

 

今からウィズを機材倉庫に連れ込んで、状況説明しまーす。

 

 

「え!?そんな事があったの!?なんで言ってくれなかったの~。」

「あなた風邪だったから。」

「気を使ったの?」

「うん。・・・・・・ただ、その後忘れてたけど。」

「・・・・・・ハァ・・・。でも、ちょっとは相談してほしかったな~。」

「・・・・・・ごめん。」

「なんで氷川さんの誘いを受けたの?」

「・・・・・・僕たちも、変わらなければいけないって思って。」

「っ!?」

 

 

僕は氷川紗夜の誘いを受けた理由を話す。

 

 

「今まで散々な目に遭ったけど・・・・・・でも、僕は全ての人を信じないなんて出来ない。だから、晴斗と友達になった。自分を変えるって意味も含めて。」

「・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・ウィズも、変わるために友達の1人くらい、作ってみたら?」

「っ・・・。」

「ダメだったら、僕がずっとウィズのことを守るから。」

「・・・・・・分かった、映司を信じるよ。」

 

 

話も終わり、受付に戻る。

 

 

「・・・・・・ん?」

「あれ?氷川さんは・・・・・・どこ?」

「あ、2人共~。」

 

 

まりなさんが何故かやって来た。

 

 

「2人共、早くステージに行って。お客さん待ってるから。」

 

 

またこの人は・・・!!

 

 

 

 

 

ってことで、結局ライブとなりました。

 

 

「・・・・・・映司。」

「ん?」

「今日さ、映司の作った曲と・・・・・・これ、やらない?」

 

 

見せてきた楽譜には『作詞曲:葛城ウィズ』と書かれた楽曲、『この恋眠ろう』だった。

 

 

「・・・・・・うん、温めただけあって良い曲だな。」

「でしょ~?」

「それじゃ、行きますか?」

「・・・っ!」

「ん?」

「う、ううん!なんでもない!さ、行こ!」(映司の笑顔、久しぶりに見た気がする・・・。ドキッとしちゃった・・・!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まりなさんの誘いで、葛城さんたちのライブを最前列で見ることとなりましたが・・・・・・今回は湊さんや今井さんたち、知り合いが周りにいないので黙って見ることになりますね。

 

 

『キャアアア!!』

 

 

あ、葛城さんたちが・・・・・・ってなんで弟さんだけアコースティックギターを?それに、お姉さんの方はキーボードの所にいますし。

 

私はこれから起きる演奏がどういう形なのか、正直分かっていません。

 

すると、お姉さんがキーボードを弾き始める。綺麗なピアノの音を・・・。

 

 

「Oh~・・・」♪

 

 

すると、音源からドラム音を出して、ギターとキーボードで音を奏でる。

 

この曲『I(アイ)』は2回目ですが、何か心に来る曲だと思っています。

 

 

「抱いて抱いてよ 壊れるほどに もう1人にしないで

夢ならもう このままでいい I'll take chance」♪

 

 

・・・・・・まるで、弟さんが女性視点で『恋』という思いを伝えているようで。

 

 

「ねぇお願い 私だけ見て 2人きりでいてよ

言葉はいらない 甘いKissで Speechless love」♪

 

「もう1人にしないで

ねぇお願い 私だけ見て

言葉はいらない いらない いらない 甘いKissで」♪

 

 

私はこの時、何かを感じていた。前に聴いた時より、お姉さんの歌声が心に響いてくることを。

 

 

「何度も聞かせてよ

真実(ほんとう)のアナタ 見破れない

いつもと変わらない態度

いたくて 痛くて 切なく愛おしい」♪

 

 

そして、『I』が終わる。

 

すると、ステージに明かりが灯され、2人がMCを始める。

 

 

「皆さんこんにちは、『Quartzer』です。」

 

『キャアアア!!』

 

「普段は路上ライブをしていますけど、最近はここでライブをすることが多くなっていますので、こっちがメインのライブ場所となると思います。」

 

 

・・・・・・そういえば、花咲川の前の公園で路上ライブがありましたね。もしかして、葛城さんたちが・・・?

 

 

「そんな僕たちの・・・・・・新曲を今から披露します。先程の曲は僕が作詞作曲しましたけど、新曲は・・・・・・ウィズの作詞作曲となります。」

 

 

え?2人共、曲を作れるの?

 

 

「それじゃ、ウィズ。」

「うん。・・・・・・聴いてください。」

 

「「この恋眠ろう」」

 

 

曲のタイトルを言うと、弟さんがギターを弾き始める。途中、お姉さんがキーボードで音を奏でつつ、

 

 

「君が勝手な 視線で見つめたとしても 見つめ返す」♪

 

 

お姉さんがメインで唄う。

 

 

「問い責めるより 耳を傾けることが 光だろうから」♪

 

 

なんでしょう。この曲も、『誰かを愛しているのに報われない』・・・・・・そんな気持ちが綴られた歌詞だった。

 

 

あーいしてーるー(愛してる)

 だーいじょーうぶー(大丈夫)

 あーいしてーるー(愛してる)

 今はこの恋 眠ろう~」♪

 

「Fu~Fu~Fu~」♪

 

 

弟さんはまるでコーラスのようにハミングを入れる。そして、Cメロも終わり、大サビに入ると、

 

 

「あーいしてーるー」♪

  「愛してーるー Ha~ah~」♪

 

「だーいじょーうぶー」♪

 「だいじょーうぶー Ha~ah~」♪

 

「あーいしてーるー」♪

  「愛してーるー Ha~ah~」♪

 

「今はこの恋 眠ろう~」♪

      「眠ろう~ Fu~Fu~Fu~」♪

 

 

弟さんのハモリが綺麗にお姉さんの歌声と重なり、綺麗な音色で奏でるバラード曲がさらに綺麗に聞こえていた。

 

 客席からは歓声ではなく、ただただ拍手が送られていた・・・・・・。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
今回は作中に曲名をタイトルにしただけです。


では、また次回!・・・・・・次回こそ紗夜さんと仲良くさせます!


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第34話 FRIENDS

どうでもいいお知らせ:今回からしばらくの間、月曜日~金曜日に1本ずつ投稿します。







 ライブの後、客席の最前列で見てた氷川さんを捕まえて、ロビーでウィズを交えて会話する事に成功した。

 

 

「まさか、僕たちのライブを最前列で見てたとは・・・。」

「すみません、まりなさんに言われて・・・。」

「でしょうね~。」

「それで、僕たちと話がしたいってことでしたけど?」

「それは・・・・・・その・・・・・・。」

 

 

なんでさらっと言えないの?・・・・・・恥ずかしがり屋さん?

 

 

「あ、あなたたちの曲について、色々聞きたくて・・・・・・。」

「曲?」

「アタシたちの?」

「はい・・・。」

 

 

氷川さんは言葉を続ける。

 

 

「あなたたちの曲は、全て自分たちで作ったオリジナルだと聞きました。素敵な・・・・・・恋の歌です。それで、」

「「・・・・・・それで?」」

「あなたたち・・・・・・()()()()()()()()()()()()()!?」

「「・・・は?」」

 

 

え?何?この人何言い出すの?

 

 

「まりなさんから姉弟だというのは聞きました。でも、姉弟だとしても近すぎませんか!?」

「あの・・・・・・なんの事ですか?」

「・・・・・・あ、もしかして・・・・・・こういう事、とか?」

「なっ・・・!?」

 

 

ウィズが人の腕に抱きつく。そんなの見せられた氷川さんが顔を真っ赤にして驚いていた。

 

 

「・・・・・・ハァ。ウィズ、離れて。」

「そうです!離れてください!」

 

 

なんで氷川さんがムキになるの?

 

 

「え~?アタシにとって映司はこういう「うるさい。」イテッ!?」

「・・・・・・あのね、ウィズとは確かに姉弟だけど、恋愛どうこうの相手ではない。姉弟で恋愛なんて、アニメや小説じゃあるまいし。」

「そ、そうですよね!」

 

 

すっごいホッとしてる・・・・・・。

 

 

「あの氷川さん。」

「は、はい?」

「よければ、僕たちと友達になっていただけませんか?」

「え?」

「うぅ・・・・・・って、え!?映司さん!?」

 

 

僕の発言で2人が驚く。

 

 

「ウィズの教室での態度を見れば分かる通り、僕たちは自ら友人を作ることはしません。・・・・・・いえ、出来なくなってます。」

「・・・?」

「でも、こんなウィズに何度も話しかけてくれるあなたを《信じて》、僕からお願いします。」

「・・・・・・。」

「せめて、ウィズとだけでも良いので。」

「ちょっと、映司・・・・・・。」

 

 

僕は氷川さんに頭を下げる。

 

 

「映司、もう「葛城さん。」・・・っ!」

「・・・・・・映司さん、でよろしいですか?」

「は、はい・・・。」

「私で良ければ、お2人と・・・。」

 

 

僕は頭を一度上げ、氷川さんから差し出された手を見る。その意味が『OK』って意味だと知っていた。

 

 

「ありがとうございます。」

「いえ。・・・・・・それと、ウィズさんでよろしいですか?」

「・・・・・・映司も同じ名字だから、それでいいです。」

「分かりました。では、ウィズさん。私と友達になってください。」

「・・・・・・・・・・・・。」

「ん?・・・・・・ウィズ?」

「その前に1つ。」

 

 

ウィズが珍しく、真剣な感じで話し始めた。

 

 

「アタシたちの過去を知って、それでも尚、友達になる気があるか、それで決めさせてもらうよ。」

「っ!」

「・・・・・・過去?」

 

 

まさか、ウィズが昔の話を持ち出してくるとは・・・・・・。

 

 ウィズは僕たちの事を話し始めた。僕の目で他人から嫌われてきた事、親からも見捨てられた事、どうしてここに来たのかって事を、全て話した。

 

 

「・・・・・・これが、アタシたちの過去。」

「・・・・・・・・・・・・。」

「こんな過去持った人間と仲良くなったとしても、アナタはほぼずっと、心から信頼される事は無い。」

「・・・・・・ごめんなさい!」

 

「「・・・え?」」

 

 

僕たちは、また彼女の発言に驚いてしまった。・・・・・・あ、僕も一応左目は見せた。

 

 

「まさか、あなたたちにそんな事があったとも知らずに簡単に『友達になりたい』なんて思ってしまって・・・・・・。」

 

 

・・・・・・なんだろう、若干デジャヴを感じてる僕がいる・・・。

 

 

「ですが、それでも私はあなた《たち》と仲良くなりたいんです。」

「・・・・・・だってさ、ウィズ。どうする?」

「・・・・・・分かった。出来る限り、裏切らないでよ?」

「っ!・・・・・・はい!」

 

 

・・・・・・これさ、絶対僕と晴斗の展開を流用しただけでしょ!?

 

 

「・・・・・・さてと、そんな姉弟の過去を盗み聞きしてた方。」

「ギクッ!?」

「この話、大人相手だと高いよ?・・・・・・ま・り・な・さ・ん?」

「え!?ちょっ、映司さん!?」

 

 

これで、次回の給料は少し高くなったかな?

 

これでウィズも、1歩歩み出した訳だ。昔みたいに・・・・・・いや、昔以上に明るい生活が送れるといいな。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
今回のタイトルはご存知の通りです。・・・・・・まぁ、『紗夜から見たら』だけどね。『S』が付いてるし。


では、また次回!


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第35話 僕だけの椅子

 あれから数日。

 

 

「映司さん、ここなんですがどうやって・・・・・・」

 

 

よく氷川さんが話しかけてくるようになった。・・・・・・バイト中に。

 

 

「・・・・・・あの、氷川さん。僕こう見えてバイト中なの。受付って仕事してるの。分かる?」

「分かってますよ。ですが、お客さんが来ない以上、話し相手が必要と思いまして。」

 

 

あっそ。まるで僕がこんな暇な時間に話す相手がいないとでも言ってるようだ。・・・・・・事実だけどさ。

 

 

「そういえば、今日はウィズさんはお休みですか?」

「はい。今頃、作曲作りに必死になってるかと・・・・・・。」

 

 

 

 

 

「もー!映司、歌詞書きすぎーーー!!」

 

 

 

 

 

「ウィズさんは作曲がメインなのですか?」

「はい、基本はウィズが曲、僕が詞をメインで書きますね。」

 

 

誰か叫んでるシーンがあったけど、気にしないでおこう。

 

 

「それはそうと、今日Roseliaのスタジオ予約は無いんですけど?」

「それは分かっていますよ。・・・・・・ただ、あなたの歌が聴けるかなと思いまして・・・・・・。」///

 

 

・・・・・・なるほど、歌を聴きたいと?

 

 

「悪いけど、ウィズと一緒のバイトの日・・・・・・で気分が乗る時しかライブはしないんだ。今日は諦めてくれ。」

「そう、ですか・・・・・・。」

 

 

どんだけテンション下がるんだよ・・・。

 

 

「こんにちはー。」

「いらっしゃいませ。」

「あれ?紗夜さん、どうしたの?こんな所で。」

 

 

知り合いか・・・。他人のふり

 

 

「こんにちは。お、映司・・・・・・だったか?」

 

 

・・・・・・出来ないか。まさかの蒼空さんがご来店だよ・・・。

 

 

「ガッカリすんな。予約してた『ENDRECHERI』なんだけど?」

「はい、少々お待ちください。・・・・・・はい、それでは手前のスタジオとなります。」

「ありがとう。」

 

 

・・・・・・蒼空さん、その妹さん。あとは初めて見る人ばかりだな。

 

 

「・・・・・・あ、そうだ!」

「どうしたの、蒼空兄?」

「あのさ、『Quartzer』に提案なんだけど・・・・・・この曲、カバーしてみない?」

 

 

差し出した1つの音楽プレーヤー。

まりなさんが給料を上げてくれたおかげで、僕たち姉弟はそこそこのイヤホンを1つずつ購入出来た。

それを使って、音楽プレーヤー内の曲を聴く。

 

 

「・・・・・・・・・・・・。」

「どうだ?2人でも歌える曲なんだけど。」

 

 

曲名は、『陽炎 ~Kagiroi(かぎろい)』。サビでそれぞれ違う歌詞を歌う曲。

 

 

「・・・・・・悪くないですね。」

「ホントか!?良かった~!なんか、『Quartzerなら上手く歌える』って思ってさ。」

「そうですか。」

「それじゃ、後で歌詞とか渡すよ。」

 

 

それだけ言って、ENDRECHERIはスタジオに入った。

 

 

「・・・・・・その曲、かなり歌うのに苦労する曲だと思いますけど?」

「なんとかなる気がします、ウィズとなら。でも、自分たちで作った(イス)じゃないから、慣れるかどうか分かりませんけど。」

「イス、ですか・・・?」

 

 

僕は歌の事を『イス』と言ったのに疑問を思ったらしい。

 

 

「ええ。座り心地の良いイスより、座り慣れたイスの方が落ち着いたりするでしょ?それと一緒だよ。どれだけ良い歌より、自分が歌い慣れたり弾き慣れたりした曲の方が安心したりするんですよ。」

「なるほど・・・。」

 

 

あ、理解してくれた。

 

 

「・・・・・・それはそうと、知り合いだったんですね。」

「それは・・・・・・色々と・・・。」

「説明しにくいんですね。」

「いえ、色々ありすぎて説明しずらいんです・・・。」

「なるほど、面倒くさいんですね。」

 

 

なんだろ・・・、ちょっとドキッとしたよ・・・・・・。

 

 この椅子()、僕だけの椅子()に近いほどに慣れるかなぁ・・・?

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
今回のタイトルは本編に出た通りです。最初『なんぞや!?』って思ったでしょ?つまり・・・・・・そういうことさ。

Roseliaさんの『Soweit』見ながらも最新話書いてるよ!・・・・・・ただ、この回を書いたのは10月なんだ(11/7に追記)。それとさ、志崎樺音さんのバースデーイベント行きたい。多分、てか、ほぼ行けないけど。・・・・・・ハマってんな~、アタシ。可哀想なほどに。


では、また次回!


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第36話 Destination

「・・・・・・ふぅ、終わった。」

 

 

下校時間も過ぎたのに、こんな日誌みたいなのを書かされる。日直なんて一番やりたくない事だ。

 

 

「さて、ウィズを迎えに行かないと。」

 

 

・・・・・・なんで一人言言ってるんだろうな・・・。とにかく、ウィズには『日直だから遅れる』とは連絡してあるから問題はない・・・・・・はず。

 

 

「・・・・・・ん?」

 

 

学校を出て、自転車を漕ぐ前に携帯を開くと、ウィズからメールが来ていた。内容は、

 

『先にCiRCLE行ってるね♪』

 

まさか歩いて行ったのか・・・・・・。普段からそうしてほしいけど、そんなに時間は経ってないはずだ。

 

 とりあえず僕は、自転車で花咲川からCiRCLEに行くルートに合流して、ウィズがいるか気にしつつ目的地に向かう。ただ、

 

 

「・・・・・・いない・・・。もう着いたのか?」

 

 

そんなに足が早い訳でもないはず。

 

 そんな事を考えつつ、CiRCLEに着いた。ここに来るまでウィズには会わなかった。

 

 

「あ、映司君いらっしゃ~い!ウィズちゃんは・・・・・・一緒じゃないの?」

「え?ウィズ来てないんですか?」

 

 

そんな時、僕の携帯に着信が入る。画面を見ると、ウィズからだった。

 

 

「・・・・・・もしもし?」

 

 

僕は慎重に電話に出た。

 

 

『葛城映司だな?』

「・・・・・・誰だ?」

 

 

僕はまりなさんに聞かれないように外で電話する。

 

 

『葛城ウィズを助けてほしかったら、今から連絡する場所に来い。さもなくば、この女の命は無いぞ。』

「・・・・・・ウィズに手を出したら許さないぞ。」

『それは()()()の態度次第だ。』

『映司!こんな奴の話なんか聞かないで!アタシは大丈夫だから!』

『うるさい黙ってろ!』

『ウッ・・・!』

「ウィズ!!」

『じゃあ、待ってるよ。葛城映司君。』

 

 

電話が切れた。そして、すぐに場所の住所が送られてきた。

 

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

 

僕はCiRCLEのドアを開けて、

 

 

「まりなさん、ごめんなさい!今日僕たち休みます!説教ならまた今度受けるので!」

 

 

それだけ言って、CiRCLEを後にする。

 

 

「映司君。・・・・・・どうしたの?」

「なんでもない。じゃあ、また。」

 

 

氷川さんに声をかけられても、簡単に返事してすぐに立ち去った。

 

 

 

 

 

 家に帰ってからの僕は至って冷静だった。着替えたり等してたけど、スピードは早かったがスムーズに出来た。

 

 支度が終わり、目的地に向かう前に錘さんの家に向かう。

 

 

「おぉ映司君。・・・・・・そんなに慌ててどうした?」

「錘さん、バイク借りるね。」

「構わないが・・・・・・バイクは高校卒業したら乗るって」

「私生活ではね。それじゃあ。」

 

 

それだけの会話にして、僕は今度こそ奴らが指定する場所に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 湾岸沿いの倉庫が並ぶ場所。映司が呼ばれた場所だ。そこでは、ウィズを誘拐した組織の手下たちが、映司を待ち構えている。

 

 

「・・・・・・ん?」

「どうした?」

「葛城映司、来ました!」

「よし。・・・・・・手筈通り、奴をそこそこに痛めつけて、ボスに差し出すんだ!」

 

『おー!』

 

「・・・・・・あの!」

「あ?どうした?」

 

 

見張りの男が、この場所のリーダー格の男に声をかける。

 

 

「多分、葛城映司だと思うのですが・・・・・・。」

「なんだ?言いたい事があるなら早く言え!」

「こっちに向かっているのが、自転車じゃなくて、()()()なんです・・・。」

「・・・何!?」

 

 

彼らの情報では、映司は自転車で出かけるとしかなく、『バイクで来る』なんて情報は一切無かった。

 

 そして、映司は集団の前でバイクを止める。

 

 

「・・・・・・来たぞ。」

「ふっふっふ・・・!本当に来るとはなぁ・・・!お前をボスの所に連れてってやるよ!」

 

 

リーダー格の男は手下の1人に映司を捕まえるよう指示したが、

 

 

「へっへっへ・・・・・・グフッ!?」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

 

映司は近付いてきた男の腹部に拳を打ち込み、男はその場に倒れた。

 

 

「・・・・・・ウィズに手を出した罪、全員で償ってもらうよ。」

『ひっ!?』

「ひ、怯むな!相手は高校生だぞ!」

「安心して。最悪、殴られたりした場所が骨折するくらいで済むから。」

 

 

映司は、錘の知り合いの武道家から護身術等を習っていた。・・・・・・後は独学で力を付けたのだが。

 

 

「さて・・・・・・君たち、倒すけどいい?」

「だ、ダメって言ったら・・・?」

「お、おい!?」

 

 

映司の問いに少へっぴり腰になった男が答えたが、映司にとって、その答えは()()()()()()()だった。

 

 

 

 

 

「答えは聞かないけど。」

 

 

 

 

 

大切な家族(ウィズ)を助けるため、映司は力をふるう。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
今回のタイトルは『先』って意味ですが、Google翻訳で調べたら『行き先』とかあったので・・・・・・タイトルを付けた理由は察してください。

なんか、広告のとこにガルパ出てたよ!泣いてる友希那さんが出てたよ!・・・・・・迷子かな?


では、また次回!


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第37話 Pani9 disorder man

 映司君、慌ててどこかに行ってしまったけど、何かあったのかしら?

 

 

「紗夜~?」

「・・・・・・・・・・・・。」

「紗夜さん?」

「お~い、紗夜~?」

「っ!な、なんでしょうか?」

「何か悩みでもあるの?休憩も終わるのにずーっとボーッとしてたけど?」

「良かったら・・・・・・相談に乗りますよ・・・・・・。」

「いえ、大丈夫です・・・・・・。」

「ならいいのだけど。」

 

 

私としたことが・・・。映司君の事を意識し過ぎて時間をおろそかにしてしまうなんて・・・・・・。

 

 

「あれ?氷川さん?」

「え?・・・・・・校長先生!」

「こんにちは。・・・・・・悪いけど、氷川さんと少し話していいかしら?大丈夫、すぐに終わるから。」

「・・・・・・紗夜、先に行ってるわよ。」

「紗夜さん、後でね~!」

 

 

カフェスペースで休憩を終え、私以外はスタジオに戻りました。

 

 

「あの・・・・・・、お話とは?」

「今日は、2人ともいないのね。」

「『2人』とは・・・?」

「『葛城姉弟』のこと。」

「っ!?」

 

 

まさか、校長から『葛城』ってワードが出るとは思わなかった。

 

 

「氷川さん、何か知ってる?」

「・・・・・・弟さんなら先程こちらにいましたけど、すぐにどこかへ行きました。」

「どこに行ったの?」

「え?・・・・・・分かりません。彼は何も言わずに行ってしまったので・・・。」

「そう・・・。」

 

 

なんでしょう?この人はなぜこのような事を聞くのでしょうか?

 

 

「ありがとう、足止めして悪かったね。」

 

 

それだけ言って、誰かに連絡しながらどこかに行ってしまった。

 

 校長と葛城さんたちの関係はなんなのだろうか?

 

そんな疑問が私の中を覆い尽くしていた・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アタシは学校が終わって、たまには運動しなきゃと思い、映司に『先に行く』と連絡した。

 でも、その直後に見知らぬ男共に連れ去られ、どこか見知らぬ場所で手足をロープで縛られ椅子に座らされていた。

 

 

「・・・・・・。」(映司・・・。)

「安心しな。もうすぐ大好きな葛城映司もここに来るさ。」

 

 

今のアタシには、何も言えなかった。少しでも強気に出れば暴力をふるうコイツらに、既にお腹と右腕、それに左足を思いっきり痛めつけられていた。多分、青あざになってると思う・・・・・・。

 

 

「・・・・・・お!来た来た!」

 

 

扉が開いて、そこには手下が立っていたけど、何か様子がおかしかった。

 

 

「・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・ん?葛城映司はどうした?」

「・・・・・・。」バタッ

「僕なら、ここにいるよ・・・。」

 

 

手下は既に気を失っていた。その後ろにいたのは、コイツらがアタシの下に連れてこようとしてた映司だった。

 

 

「映司!」

「なっ!?・・・・・・貴様、他の奴らはどうした!?」

「はぁ・・・、はぁ・・・、全員倒したよ・・・。多分、骨折程度で済んでると思うけど・・・?」

 

 

映司の言葉は本当だと思う。服の至るところが破れていて、そこから見える肌は赤くなってた。

 

 

「・・・・・・ふっ、ハッハッハッハッハ!見事だよ、まさか彼らを倒すとはな~。でも、ここで大人しくしてもらうよ?」

「上等だよ・・・、負ける気がしない・・・!」

「言ってろ!!」

 

 

男が映司に襲いかかった。映司も殴りに行くけど、相手が大人だから何発か拳を受けてしまう。

 

 

「映司!?」

「はぁ・・・、はぁ・・・。ウィズ・・・、ちょっと待ってて・・・、すぐに終わらせるから・・・・・・。」

「そんな事言っていいのか?」

 

 

男がまた殴りに行くけど、映司は上手くかわし、腹に拳を打ち込む。

 

 

「グフッ!?」

「寝てろ。」

 

 

追い討ちのように映司は男の顔を膝に近付け、膝蹴りをした。

 

 

「グッ!?・・・・・・。」バタッ

「はぁ・・・、はぁ・・・、」

 

 

映司が大人相手に勝ったのだ。

 

 

「・・・・・・ウィズ、大丈夫・・・?」

 

 

ふらふらになりながらアタシの下に来てロープをほどいた。

 

 

「アタシは大丈夫。でも、映司の方が・・・!」

「・・・・・・女の子の体に傷がある方が問題でしょ?」

「・・・!もう・・・、どっちがボロボロなのか考えてよ・・・・・・。」///

「とにかく、ここを出よう・・・。ウィズは僕の後ろにいて。ちゃんと守るから。」

「でも、その体じゃ・・・。警察呼んだ方がいいよ。」

「警察が来る前に他の奴らが来るかもしれない・・・。だったら、早く出た方がいい・・・。」

「・・・・・・分かった。」

 

 

こういう時の映司は本当に頑固なんだから・・・。でも、格好いいよ、映司。

 

 

 映司は多分、来たルートと別のルートを使って外に向かっているんだろう。・・・・・・たまにキョロキョロしてるから。

 

 

「映司、大丈夫?」

「うん・・・、大丈夫だと、思う・・・。この先に行けば、出れると思う・・・。」

 

 

・・・・・・うん、そっちもそうだけど・・・・・・アタシは映司の事が心配だよ。よく見たら、口の端が切れてるし、服の破れて肌が見えてる場所のいくつかの場所から出血もしてるんだよ。

 

 

「ここを抜ければ・・・・・・っ!」

「映司?・・・・・・!」

 

 

アタシたちの前に現れたのは・・・・・・強そうな、スーツを着た男性2人と、約10年前に見て以来一切見てこなかった・・・・・・いや、見たくなかった顔がいた。

 

 

「久しぶりね、ウィズちゃん。それと・・・・・・私の映司(汚点)。」

 

 

映司の母親が、そこにいた・・・・・・。

 

 

 

 




いかがでしたか?
今回のタイトルの意味、分かんないですよね?これは、最初のは『Pani9(Panic) 』って読みまして、『パニック障害の男』って意味になります。・・・・・・そんな奴はいないけど、めっちゃパニクってる奴がいるからね~。

それとさ、アンケート取るね。後書きを読んでる人がいるかどうかを。


では、また次回!


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第38話 破滅的Passion

 アタシたちの前に現れた、映司のお母さん。・・・・・・アタシからすればお義母さんって言うべきだけど。

 

 

「映司、ウィズ、お母さんの所に来なさい。」

「・・・・・・っ!映司・・・?」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

 

本人からすれば優しく微笑んでいるのだろうけど、アタシからすればその微笑みは怖かった。

 

 それを察したのか、映司がアタシを守るようにアタシの前に立った。

 

 

「・・・・・・映司、なんのつもり?」

「あなたこそ、何が目的?」

「決まってるでしょ。あなたたちを家に連れて帰るのよ。」

「・・・・・・嘘だ。」

「はい?」

「え、映司・・・?」

 

 

なんで映司がそんな事を言ったのか、アタシには分からなかった。でも、すぐに映司が答えてくれた。

 

 

「あなたは人生の汚点である僕を牢屋にでも入れて閉じ込める気でしょ?・・・・・・もしくは、今ここで僕を()()()()()か?」

「え・・・!?」

 

 

映司が答えを言っても、アタシにはすぐに理解出来なかった。・・・・・・いえ、()()()()()()()()()だった。

 

 

「・・・・・・ふふふっ、ハハハハハッ!!正解だよ、出来損ない!でも・・・・・・なんでそんな風に思ったのかしら?」

「あなたの下を離れた後、色々調べたんだ。そしたら、あなたが大手企業の社長だって事を知った。だったら、僕を閉じ込めたり、無き者にしようとするのは当然だ。こんな化け物の目を持った子供なんて・・・・・・。」

「へぇ~、あんたでも成長出来たんだ~。ま、ここで()()()しまえば、関係無いんだけど。」

 

 

その言葉が合図だったのか、横のスーツを着た男たちが映司に仕掛ける。

 

 

「ウィズ、下がってろ!」

「う、うん・・・!」

 

 

アタシは少し下がり、映司はこの広い部屋を存分に使い反撃に出ようとする。

 

 

「フッ!」

「グッ!?・・・・・・この!」

「遅い。」

「ガフッ!グハッ!」

 

 

でも、2vs1の勝負に映司が優勢になるはずが無かった。

 

 

「これで、終わりだ。」

 

 

男が映司の後頭部を掴んでそのまま映司の顔を壁に打ち付けようとする。

 

 

「くっ!」

「何っ!?」

「あんたが食らえ!」

「ガッ!?」

 

 

上手く男から逃げつつ、男の顔面を壁に打ち付けた映司。さらに、肩で息をしながらもう1人に向かって走り出し、

 

 

「・・・・・・このっ!」

「グッ!?」

 

 

高くジャンプして飛び膝蹴りをかまし、男を倒す。

 

 

「じゃ、寝てろ!」

「グハッ!?」

 

 

トドメとして、腹部に重たいパンチを打ち込んだ。男たちは気を失っていた。

 

 

「そんな・・・!」

「お母さん。僕はあなたに感謝してる事がある。」

「・・・・・・何よ?」

「1つは、僕を産んでくれたこと。もう1つは、あなたが再婚してウィズに会わせてくれたこと。」

「だったら、「でも!」・・・っ!」

 

 

映司の言葉はまだ終わってなかった。

 

 

「それ以外、あなたに感謝することは無い。だから、」

 

 

映司は真っ直ぐお義母さんを見て、決別の言葉を言い放った。

 

 

()()()のことが嫌いだ、()()()()()。」

「ちょっ、映司!?」

 

 

普段聞き慣れない映司のセリフに困惑しちゃったけど、それよりも『クソババァ』って言われた方は・・・・・・、

 

 

「・・・・・・上等じゃない!あんたなんかもう息子でもなんでもないわ!ここで消してやる!!」

 

 

めちゃくちゃキレてました・・・・・・。

 

 怒りに身を任せたお義母さん・・・・・・いや、もうおばさんでいいや。おばさんの拳を、映司は普通にかわしたけど、

 

 

「っ!映司!」

「っ!イッテ・・・!」

 

 

振り返った映司が後退りして、右腕を押さえた。

 

 そして、おばさんの右手には『サバイバルナイフ』があった。

 

 

「くっ・・・、ホントに性根が腐ってんだな。」

「これが、大人の世界の生き方よ!」

「あっそ。」

 

 

ナイフを映司に向けて走り出すおばさんに、映司はずっと忍ばせていた『エアガン』を取り出し、見事におばさんの右手に命中させた。

 

 

「イタッ!?」

「・・・フッ!」

「イッ!?・・・・・・グッ!?」

 

 

ナイフが落ちた隙におばさんの頭に映司が蹴りを打ち込み、おばさんは壁に体を打ち付けて倒れた。

 

 

「はぁ・・・、はぁ・・・、ウィズ、大丈夫か・・・?」

 

 

アタシを心配して映司がこっちに来る。だけど、アタシは映司の後ろにいる人影を見つけてしまった。

 

 

「・・・っ!映司、後ろ!」

「・・・・・・っ!」

 

 

その瞬間、アタシの見える世界が遅くなった。

 

 

 

まるでドラマとかで聞く体に刃物が刺さった音が聞こえた。

 

 

 

アタシに背中を向ける映司。アタシの位置からギリギリ映司の腹部が見えた。

 

 

 

そこに、あの女が()()()()()()()()()()()()、映司のお腹から()()()()()()()()()()()()瞬間を。

 

 

「・・・・・・グフッ!?」

 

 

 

「・・・・・・映司ーーー!!

 

 

アタシはただ、大好きな映司の名前を叫ぶ事しか、出来なかった・・・・・・。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
今回のタイトル、英語部分は知ってる人もいると思いますが『情熱』です。『破滅的な情熱』・・・・・・破滅的なのがいたからね。


では、また次回!


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第39話 キラメキニシス

 アタシは、ただ叫ぶしかなかった。あの女にサバイバルナイフで刺された映司の名前を・・・。

 

 

「・・・・・・映司ーーー!!

 

「・・・・・・グフッ!?」

 

 

映司は口から血を吐き出し、刺されたお腹からも大量の血が流れていた。

 

 

「ふふふ・・・、アハハ・・・!終わりよ、出来損ない(映司)・・・・・・。」

「・・・・・・ま、だだ・・・!」

「はぁ?・・・・・・っ!?」

「え、映司・・・?」

 

 

映司は、女がサバイバルナイフを持つ腕を左手で掴んでいた。

 

 

「なんのつもり・・・!?」

「これで・・・・・・思う存分、殴れる・・・!」

「なんですって・・・!グフッ!?」

 

 

右の拳で女の腹を殴った。

 

 

「心の火・・・・・・心火だ・・・・・・!」

「な、何よ・・・!?」

「心火を燃やして・・・・・・ぶっ潰す・・・・・・!!」

 

 

映司は追い打ちをかけるように女の腹を殴る。心の中にある、怒りの炎を燃やして・・・・・・。

 

 

「グホッ!?・・・・・・貴様ァ・・・!!」

「まだ、まだ・・・!!」

 

 

さらに追い打ちをかけて、互いに距離を取った。サバイバルナイフは、女の手からも映司の腹からも離れ、下に落ちた。

 

女は殴られた腹部に手を当てる。

 

 映司も左手をお腹に当ててるけど、止まらない血を出来る限り抑えるためだと思う。出来る事ならこれ以上動かないでほしいけど・・・・・・。

 

 

「はぁ・・・、はぁ・・・、最後行くけど、いい・・・?」

「や、止めなさい・・・!」

「答えは聞かないけど・・・・・・。」

 

 

映司は女の前に立ち、何発か女の顔を殴り、トドメに1発女の顔に膝を打ち付けた。

 

 

「ガッ!?・・・・・・。」

「はぁ・・・、はぁ・・・、」

 

 

映司は女を気絶させた後、アタシの下に来た。

 

 

「ウィズ・・・、大丈、夫・・・・・・。」

「っ!映司!」

 

 

アタシの近くまで来たら、限界が来たのだろう。気絶してしまった。

 

 

「映司!・・・・・・映司!!」

 

 

どうしよう・・・!このままじゃ映司が・・・!?

 

 

「・・・・・・くっ・・・、映司、貴様・・・!!」

 

 

なんで・・・!あの女、気絶したんじゃなかったの・・・・・・!?

 

 

「映司にはもう触れさせない!!」

「ウィズ・・・、あなたまで私の前に立つのね・・・!なら、あんたも消すだけよ!!」

「キャッ!?」

 

 

アタシはあの女に左腕を蹴られ、地面に倒される。ダメージが思ったより強く気が遠くなってしまう。

 

 

「これで、ようやく汚点を消せる・・・!」

「え、映司・・・・・・!」

 

「ちょっと待ちなよ。」

「あん・・・!?あっ!?・・・・・・誰!?」

 

 

気を失いかけつつあるアタシの目には、気を失っている映司を狙う女。その女の前に、映司を守るように立ちはだかる。

 

 

「あたしの『 』になんのようかしら?」

 

「だ、誰・・・・・・?」

 

 

アタシはその瞬間、意識を保つのに限界を迎え、意識を失った。聞こえなかった肝心なワードが何なのかと心に思いながら・・・・・・。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
タイトルは・・・・・・なんかそんな感じのタイトルにしました。シんではないけど!

前回から続き、バンドリキャラが一切出てません。すんません。

アンケート今日が最後ね~。・・・・・・さらっと言うけど。


では、また次回!


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第40話 Dead or Alive

 ・・・・・・なんだろう。アタシ、確か・・・・・・そうだ。あの女に蹴られて・・・・・・で、どうなったんだろう?

 

 目が開かない。・・・・・・映司、どうなったんだろう?そうだ!映司を早く手当てしないと!

 

 

「んっ・・・・・・。」

「あ、起きましたね。大丈夫ですか?ウィズさん。」

 

 

・・・・・・なんで目を開けたら映司じゃなくて氷川紗夜がいる訳?

 

 

「・・・・・・なんでいんの?」

「あなたが病院に運ばれたと聞いてきたんですよ。3日も寝てたんですから。」

 

 

3日も病院で寝てたんだ。・・・・・・ん?病院?3日寝てた?・・・・・・病院は、なんとなく分かった。

 

 

「・・・・・・え!?アタシ3日も寝てたの!?」

「え!?・・・・・・は、はい・・・、そうですけど・・・。」

 

 

マジか~!?・・・・・・なんで3日も寝てたの?

 

 

「気絶してたところを運ばれてきたんですよ。」

「気絶。・・・・・・そうだ!映司は!?」

「え、映司さん・・・ですが・・・・・・。」

 

 

全部思い出したけど、映司に何かあったの?

 

 

「・・・・・・映司さんの事、あまり驚かないで聞いて・・・・・・見ていただけますか?」

「ん?・・・・・・はい。」

 

 

紗夜さんがアタシのベッド横の椅子から立ち、アタシの奥のベッドのカーテンを開ける。

 

 

「・・・・・・え、映司・・・?」

「はい・・・、あなたの弟の、葛城映司さんです。」

 

 

そこには映司が呼吸器を付けて、点滴をされている状態で眠っていた。

 

 

「ど、どういう事・・・?」

「落ち着いて、聞いてくださいね。・・・・・・私も聞いた話ですが。」

 

 

紗夜さんが、アタシが気絶した後の話をしてきた。

 

 

「この話は、花咲川女子学園の校長の話ですが・・・・・・あなたが気絶した後、校長先生が今回の件の首謀者を捕らえ、警察に差し出しました。」

「え!?校長が助けてくれたの!?」

 

 

確かに、アタシが気絶する時に何か言っていたけど・・・・・・、

 

 

「・・・・・・なんで校長が?」

「それは私にも分かりません。・・・・・・話の続きをしますね。校長先生が首謀者を警察に差し出した後、あなたたちを救急車でこの病院に搬送しました。ウィズさんは左腕の骨折、他の怪我の場所は打撲という結果でした。」

 

 

・・・・・・だから左腕が固定されている訳だ。『他の怪我の場所』って言うと・・・・・・右腕と腹部、左足でしょうね・・・。

 

 

「・・・・・・じゃあ、映司は?」

「・・・・・・彼はかなり出血をしていて、他の部分のダメージもあったので手術をしました。」

 

 

え!?手術したの!?・・・・・・刺されたからそりゃそうか・・・。

 

 

「それで、映司は大丈夫なの?」

「はい、一命は取り留めました。ですが、まだ意識が回復しない状態ですので、あまり油断は出来ない状態だそうです。」

「・・・・・・そう・・・。」

 

 

とりあえず、命は取り留めたんだ。そこは良しとしよう。

 

 

\コンコンコン/

 

「どうぞ。」

 

 

なんでアナタが言うの?

 

 

「紗夜~、起きた~?あ、ウィズさん起きたんだ。」

「・・・・・・あ、Roseliaのギャル。」

「アハハ・・・、ちょっと失礼な覚え方じゃない?」

「今井さん、あなた朝倉さんにもそう思われてたでしょ?」

 

 

朝倉って・・・・・・蒼空さんのことか。あの人にも『ギャル』って思われてたんだ。

 

 

「あ、お客さん来てるから入れていい?」

「構いませんが。」

 

 

だから、なんでアナタが答えるのさ?

 

 

「こんにちは、葛城さん。」

「校長先生!?」

「・・・・・・・・・・・・。」

「2人共、ちょっと彼女と2人で話させてくれる?」

「?・・・・・・構いませんが。」

 

 

あの・・・、『2人で』って言ったけど奥に映司がいるよ?

 

 

「・・・・・・さて、ちょっとお話をしましょうか?」

「・・・・・・そうですね。なんでアタシたちの場所が分かったんですか?それと、なんでアタシたちを助けたんですか?」

「う~ん、桐生錘さんに頼んで場所を見つけた。でも、助けた理由は・・・・・・、」

 

 

・・・・・・ん?なんで映司の方を見るの?

 

 

「彼が起きてからでも良いかしら?」

「・・・・・・まぁ、いいですけど。」

 

 

それと、看護師さんからアタシたちの状態の説明を受けて、しばらくの間映司と同じ病室で過ごすことを知った。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
今回のタイトルは知っての通り、映司がその状態だからです。

それと、ちょっと花咲川の校長と絡ませていきますよ!


では、また次回!


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第41話 walk on...

アタシが意識を取り戻して一夜が明けた。隣を見ると、映司はまだ目を覚まさない。

 

 

「・・・・・・映司・・・。」

 

 

ボソッと呟く声も、今の映司には届かない。すると、病室の扉を誰かがノックした。

 

 

「?・・・・・・どうぞ。」

 

「失礼しまーす。」

「し、失礼します・・・。」

 

 

黒髪の人は分からないけど、水色髪の方・・・・・・確か、松原さんは見覚えがあった。

 

 

「ウィズちゃん、もう起きても大丈夫なの?」

「え?・・・・・・あぁ。はい、この部屋だけならまだなんとか・・・。」

 

 

ウィズちゃんって・・・、アタシそんなに仲が良かったっけ?

 

 

「これ、差し入れです。良かったら食べてください。」

 

 

渡されたのはフルーツではなく、何故かお菓子だった。

 

 

「・・・・・・あの、なんでお菓子?」

「あはは・・・、うちのこころとはぐみが犯人でして・・・。」

 

 

こころ?はぐみ?・・・・・・思い出した!『ハロー、ハッピーワールド!』だ!・・・・・・ん?じゃあこの黒髪の人は、あのクマの中の人?

 

 

「弟さん、まだ意識戻らないの?」

「はい。・・・・・・ん?あれ?アタシ松原さんに『映司がアタシの弟』って教えましたっけ?」

「ううん、紗夜ちゃんから聞いたの。」

 

 

あの人か・・・!?

 

 

「紗夜ちゃんから聞いて、お見舞いに来たの。」

「・・・・・・それはいいですけど、なんでお2人で?」

「花音さんが方向音痴なので、あたしが一緒に来たんです。・・・・・・他のメンバーだと病院に迷惑だと思って・・・。」

 

 

あはは・・・。アナタたちのライブを一度見たことあるけど、鳩出すほどのパフォーマンスしてるバンドだからね~。

 

 

「それでは花音さん、そろそろ行きますか?」

「え?これだけ?」

「うん・・・。2人の様子を見に行きたいって理由で美咲ちゃんに一緒に来てもらっただけだから。また来るね。」

 

 

そう、なんだ・・・。

 

 

(ウィズも、変わるために友達の1人くらい、作ってみたら?)

 

 

・・・・・・もう!なんでこんな時に映司のあの言葉が浮かぶのかな!?・・・・・・でも、

 

 

「・・・・・・あの!」

「?・・・・・・はい?」

「どうしたの?」

「その・・・・・・もう少し、いてくれる?」

「・・・・・・え?」

「映司が目を覚ますのがいつか分からないし、・・・・・・その、1人でいるのもアレだし・・・。」

「・・・・・・美咲ちゃん、いい?」

「ええ、いいですよ。」

 

 

2人が扉から離れ、アタシの方にやって来た。

 

アタシも変わるために、まずはこの2人と仲良くなってみよう。・・・・・・思ったより話が弾んでる。

 

 

「ウィズさんって、裁縫とか出来るんですか?」

「まぁ・・・、人並みには。」

「美咲ちゃんね、羊毛フェルトが出来るんだよ。」

「羊毛フェルト?」

「はい。・・・・・・こんなのです。」

 

 

え!?こんなの作れるの!?・・・・・・ピンクの、クマ?

 

 

「もしかして、ウィズさんも出来るんじゃないですか?」

「分からない。・・・・・・やり方知らないし。」

「良かったら、教えますよ。病院にいる間の時間潰し程度にはなると思うので。」

 

 

って事で美咲先生による羊毛フェルト講座がスタート!・・・・・・なんで花音さんも参加してるの?

 

あ!いらない情報を言うと、固定されてる左手に右手を近付けて作業してまーす。

 

 

「ウィズさん上手ですね。」

「え?そうなの?」

「はい。筋が良いって言えばいいのかな・・・?」

 

 

意外と裁縫向いてるのかな?

 

 

「それはそうと、花音さんは何を?」

「クラゲだよ。」

 

 

・・・は?

 

 

「花音さん、クラゲが好きで羊毛フェルトで作るんだって。」

 

 

いやいや、『クラゲが好き』までなら別にいいけど、それを羊毛フェルトで!?

 

 

「なかなか難しいんだよ。あのカーブの部分が・・・。」

 

ほら、なかなか話に入りにくいでしょ?

入りにくいけど、花音さんってそんなキャラだった?

あたしも、最初は違うと思ってたんですけど、最近クラゲに触るほどのことをやってるので、かなりキャラが崩壊してるかと。

 

 

いやいやいやいや、クラゲ触るのはダメだよ!?この人何考えてるのさ!?

 

 

「・・・・・・あ、もうこんな時間。」

「え?・・・・・・あ、本当だ。」

 

 

空も既に夕焼けで赤いし。

 

 

「2人共ごめんなさい。長々と付き合わせちゃって・・・。」

「ううん、私も楽しかったから。」

「あたしも。今度は映司さんとも色々話したいので。それでは、また。」

「ありがとう。・・・・・・あの!」

「はい?」

えっと・・・・・・、アタシと、友達になってくれますか・・・?」

「うん、いいよ。よろしくねウィズちゃん。」

「あたしも、よろしくお願いします。」

 

 

こうして、アタシの友達が・・・・・・映司の知らぬ間に増えた。

 

まずは、CiRCLEによく来るバンドの人たちと仲良くなってみようかな?

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
今回は『歩く』って意味ですが、これはウィズが人を信じるために歩きだしたって意味って感じで捉えてください。

それと、前回のアンケートですが、『見てない』に票を入れた人がいて『正直者ね~・・・。』と思ってました。・・・・・・オチはありません。


では、また次回!そろそろ誰か評価してー!バーに色を付けたいのー!


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第42話 Heart Disc

 あれから一夜明けて、アタシはもうすぐ退院出来る状態へとなりつつあった。美咲さんに教えてもらった羊毛フェルトも一晩で完成しちゃったし。

 

 

「ハァ・・・、暇だな~・・・・・・。」

 

 

羊毛フェルトしよ!って思っても作れるだけの糸も無いからな~。

 

と、ここでまたまた扉がノックされました。

 

 

「どうぞ。」

 

「失礼します。」

「失礼しまーす。」

「あれ?紗夜さん?」

「え!?おねーちゃん知ってるの!?」

 

 

いやいや、この人何言って

 

 

「えっと・・・、ウィズちゃん。彼女は『氷川日菜』ちゃん、紗夜ちゃんの双子の妹よ。」

「イエーイ♪」

 

 

・・・・・・マジっすか!?

 

色々自己紹介して、来た理由のお話から。

 

 

「じゃあ、2人もお見舞いって訳ですね。」

「えぇ。私たちと、交流が深い5バンドから2人ずつ順番にお見舞いに行く話にはなっているのよ。」

「そうなんですね。・・・・・・でも、なんでお見舞いに?」

「CiRCLEでいつもお世話になってるからね。そのお礼も兼ねてよ。」

 

 

そうなの?・・・・・・あんまりPastel*Palettesは見ないけど。

 

 

「彼が映司君?」

 

 

・・・・・・そちらのお嬢さんなんか、印象強過ぎて逆に忘れないって。

 

 

「いつになったら目を覚ますの?」

「ちょっと日菜ちゃん、静かにね。」

「はーい・・・。」

「でも、私たちは2人の状態を知らないから、少し気になるわね。」

 

 

・・・・・・昨日もそうだったけど、紗夜さんはアタシたちの状態を話してないの?

 

 

「アタシはもうそろそろ退院できる状態です。でも、映司はまだ意識が戻らないので・・・・・・。」

「そう・・・。ごめんなさいね、変なことを聞いて。」

「いえ。・・・・・・でも、紗夜さんは何も話してないのですか?」

「何も話してないよ。だって!『千聖ちゃんと行くから、2人の状態教えて!!』って言っても『行けば分かるわ。(モノマネ)』しか言わないんだもん!」

 

 

へー。・・・・・・ごめん、なんでモノマネしたの?

 

 

「でも、日菜さんって真剣な顔すると紗夜さんに似てますね。」

「ホント!?聞いた千聖ちゃん!?おねーちゃんと似てるって!ヤッター!!」

「・・・・・・日菜さんは、紗夜さんのことが好きなの?」

「うん!だーい好き!」

 

 

・・・・・・妹とかってこういうものなのかな?映司は最近感情を出さないから・・・・・・いや、出してた。あの時、

 

 

『心火を燃やして・・・・・・ぶっ潰す・・・・・・!!』

 

『最後行くけど、いい・・・?』『答えは聞かないけど・・・・・・。』

 

 

あの時、映司は感情を顕わにしていた。・・・・・・怒りの感情だけど。

 

 

「ウィズちゃんって、お姉ちゃんなの?それとも妹?」

「え?・・・・・・お義姉ちゃん(おねえちゃん)だけど。」

 

 

何?なんでそんな事を聞くのかしら?

 

 

「映司君ってウィズちゃんの事好きなの?」

「・・・・・・うーん、どうなんだろう?」

「え?分からないの?」

「映司、基本感情を出さないからね~。」

「そうなのね。・・・・・・確かに、私が会った時もほとんど顔に感情が出てなかった気がするわね・・・。」

「でも、・・・・・・多分好きだと思うよ。ある意味。」

 

 

2人共不思議そうに見てるけど、アタシは映司が好きだよ。・・・・・・恋愛対象として、ね。

 

 この事は、アタシの胸の中だけにしておこう。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
今回は読めるタイトルとなっています。ウィズの心の中のディスクにはどんな思い出が入っているのでしょうか?・・・・・・捏造してそうだけどね。(作者が言うな!)


では、また次回!


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第43話 命のキセキ

 アタシは退院をした。・・・・・・まだ左腕にはギプスを装着してるけどね。でも、映司はまだ目を覚まさない。病院の都合上、映司は1人用の病室へ移動された。アタシはそろそろ学校へ行こうと考えてたけど、退院する日に校長が来て、『しばらく学校を休みなさい。』と言われた。・・・・・・校長がそんなのでいいのだろうか?

 

 

「失礼します。」

 

 

部屋の中には映司しかいないけど、一応礼儀としてね。

 

 

「・・・・・・まだ、起きないか・・・。」

 

 

病室は変わったけど、映司の様子は変わらない。・・・・・・なんか、逆に不安に思えてくる。

 

 

「失礼します。・・・・・・葛城さん、いらしてたんですね?」

「どうも。どうしても映司が気になって・・・。」

 

 

映司の担当の看護士が入ってきた。

 

 

「先程、左腕の検査をされたんですね。先生から、結果の検査の結果を渡されたので。」

「そうでしたか。それで、結果の方は・・・?」

「思ってたより、早くギプスが外れると思うよ。それも、後2,3日でね。」

「そうですか。」

 

 

思ったより、アタシの骨折の回復が早かったそうだ。・・・・・・体弱いのにね。

 

 

「・・・・・・っ・・・。」

「ん?・・・・・・映司?」

 

 

どこかからマスク越しの声が聞こえてきた。ここでマスクをしているのは、呼吸器を付けてる映司だけだった。

 

アタシは映司の横に行き、映司の顔を覗いてみる。

 

 

「・・・・・・映司?」

「・・・・・・ウィ、ズ・・・。」

「葛城さん!先生を呼んでくるね!」

「はい!・・・・・・映司、分かる?ウィズだよ?」

「・・・・・・残念ながら、記憶は失ってないよ。久しぶり、ウィズ。」

「っ・・・、うん、久しぶり!映司!」

 

 

看護士は担当の先生を呼びに行って、アタシは映司と会話が出来たことを嬉しく思い、涙が溢れてきた。

この時にアタシは、このありふれた生活が送れる幸せを感じた。アタシ2人の命があることのキセキも・・・・・・。

 

 

 

 

 

その後、映司は色々検査を受けて、約1時間後にようやく2人っきりになれた。

 

 

「お疲れ様。」

「ホントだよ。怪我人なんだから、もうちょっと落ち着いて出来ないのかね?」

「そうだね。」

「・・・・・・何?ウィズ、凄い笑顔だけど?」

「え?・・・・・・まぁ、愛しの映司がようやく目を覚ましてくれたからね!」

「『愛しの』になんか引っかかるけど、・・・・・・腕、大丈夫なのか?」

「え?これ?・・・・・・大丈夫。もうちょっとしたらギプスは取れるって。」

「・・・・・・そうか・・・。」

 

 

・・・・・・やっぱりか・・・。

 

 

「映司、今『僕のせいでウィズが傷付いた』って思ってるでしょ?」

「っ!・・・・・・悪い?」

「うん。だって、あの女は最終的にアタシたちを殺そうとしたんだよ?だったら、アタシも映司も体に傷があって当然だよ。」

「でも!・・・・・・っつ・・・!」

「ああもう!まだお腹の傷口が塞がってないんだから、大人しくしてなさいよ~。」

 

 

とりあえず、今日は映司が寝てた時の話は止めておこうかな?傷口広げないために。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
タイトルは・・・・・・言わなくてもいいか。

悲しいこと言うとさ、ウィズ視点疲れる。だって、アタシ男の子だもん!・・・・・・21のおっさんが何言ってんのやら・・・?


では、また次回!


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第44話 WELCOME

先に言わせてください。

前回、ウィズが『体が弱いのに・・・・・・』って部分、本編には出す予定のないキャラの仕業で治っています。ヒントは『蒼空』です。分かる人には分かります。

最後にどうでもいい事。

コラボの燐子、ゲットーーー!!







僕が目を覚まして2日後、ウィズが病室に来た。・・・・・・色々検査があって、ウィズは必然的に来れない状況となっていたからだ。

 

 

「ギプス、取れたんだな。」

「うん、まだ過度な運動は出来ないけど。」

「傷痕は無いか?」

「うん、綺麗に無くなってるよ。・・・・・・見たい?」

「消えてるならいいよ。それに、若干色っぽく言うな、気持ち悪い。」

「ヒドイ!?」

 

 

・・・・・・正直に言うと、傷痕が無いか確かめたいが、犯罪に発展するかもしれないから止めた。・・・・・・僕がやられると思って。

 

 

「映司は立てるの?」

「歩けるけど、思ったより足の傷が痛んでなかなか・・・・・・。部屋の中ならなんとかなるけど、部屋の外には松葉杖か車イスを使ってる。」

「そう・・・なんだ・・・・・・。」

 

 

ウィズのことだから、一緒に外に出たかったのだろう。

 

 

「・・・・・・映司、ちょっと外に出ない?」

「・・・・・・聞いてた?僕は部屋の外に出る時は松葉杖か車イスでって「だから!」・・・・・・ん?」

「アタシが車イスを押すから。」

「・・・・・・でも、腕は・・・?」

「そこは大丈夫!先生にも相談してOK貰ってるから!」

 

 

用意周到だな・・・。

 

 

 

 

 

 

こうして、僕はウィズに車イスを押してもらいながら病院の中庭に来ていた。

 

 

「綺麗だね~。」

「あぁ。・・・・・・ウィズ、大丈夫か?」

「もう、映司は自分の心配をしてなさいって!」

 

 

しばらく歩いて、屋根にベンチがあるちょっとした休憩スペースに着いた。

 

 

「ちょっとここでのんびりしよ?」

「うん。」

 

 

でも、珍しくウィズが静かだった。

 

 

「・・・・・・ねぇ、映司。歌わない?」

「それが目的でここに来たのか?」

「うん・・・。なんか、『生きる』をテーマに書いた歌詞が何個かあって、そのうちの1つを完成手前まで作ったの。」

「・・・・・・『完成手前』ってことは?」

「アタシたちが歌って完成。」

「・・・・・・分かった。本調子じゃないけど我慢してくれ。」

「ありがと。」

 

 

まるでこうなる事を想定してたかのように、楽譜を渡してきた。

 

 

「映司は◆、アタシは●ね。「「」」は2人、それと、マークが無くて『』だけならコーラスね。」

「分かった。」

「それじゃ、流すよ。」

 

 

スマホを操作し、メロディーが流れる。タイトルは『WELCOME』。

 

 

『Welcome to the wonderful world

  Welcome to the wonderful world』

 

◆「またひとつの命が」

●「生まれるたびにひとつ」

◆「新しい世界にぼくらは進んでく

つないでくれたすべての人へと

感謝しているんだ」     

 

 

歌詞を書いてる時は普通だったけど、こうして歌となると1人では歌えないなと思える曲だと思う。1つ言い終わる寸前に次が入るからね。

 

 

●「どれだけの出会いがぼくを変えて」

◆「今日のこの景色をみせてくれたの?」

●「計算なんかじゃ追い付かない」

◆「なんて素敵なストーリーだろう」  

 

 

ここからはサビだ。気合を引き締めないと。

 

 

「「I can't wait to see you.Come on new friend

君にはどう見えるだろう?

愛しきれないくらい

あふれてる 夢に 気づいて」」

 

◆「生まれてくる君へと         

胸を張って「ようこそ」と言えるように

さあ、ぼくらは今日を生きるよ」   

 

 

思った以上にサビからCメロの間が早かったよ。・・・・・・なんとか歌い続けてるけど。

 

 

       ●「君だけの」

 

『Welcome to the wonderful world』

 

◆「その声を」        

 

『Welcome to the wonderful world』♪

 

       ●「聞かせてよ」
◆「Uh~Uh~~」       

 

『Welcome to the wonderful world』

 

◆「待ってるよ」        

 

 

ここからはしばらくウィズのパートだ。今のうちに息を整えておこう。

 

 

●「君が出会う世界は

  美しいだけじゃない

  だけど君が望めば

  なんでも起こる世界だ」

 

 

相変わらず、綺麗な歌声だこと。

 

 

「「I can't wait to see you.Come on new friend

君にはどう見えるだろう?

隠しきれない 笑顔

こぼれる未来へ つながれ」」

 

 

最後はCメロの途中を唄うだけだ。

 

 

       ●「君だけの」

 

『Welcome to the wonderful world』

 

◆「その声を」       

 

『Welcome to the wonderful world』

 

       ●「聞かせてよ」

 

『Welcome to the wonderful world』

 

◆「待ってるよ」       

 

『Welcome to the wonderful world』

 

 

 

 

 

「・・・・・・ふぅ、イイ感じじゃない?」

「さぁ、どうだろうね?・・・・・・サビからCメロまでの間無かったよね?」

「あぁ~。なんか書いてたら、そうなっちゃった。」テヘッ

 

 

世間でいう『てへぺろ』をするな、気持ち悪い。

 

 

「とにかく!後はこっちで編集するよ。」

「うん、よろしくね。」

「・・・・・・そろそろ戻ろっか?」

 

 

僕はウィズの言葉で、病室に戻ることにした。

 

 前みたいに歌ったせいか、少し傷口が痛んだのは、言うまでもない。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?今回は作中の曲のタイトルをタイトルにしました。

初挑戦の歌詞の書き方でした。◆とか●なら、カラオケ感覚で読んでくれるかな~?って思いまして・・・・・・。


では、また次回!


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第45話 Be with me

 今日も今日とて、ウィズが病室に来ている。・・・・・・それも平日の午前10時から。

 

 

「・・・・・・ずっと疑問に思ってたけど、」

「うん?どうしたの、急に?」

「ウィズ、学校はいいのか?」

「うん、校長直々の許可を貰ってるから!」

 

 

サムズアップすんな。

 

それにしても、校長直々ってどういう状況だったんだ?そんな事を考えてると、誰かが扉をノックした。

 

 

「どうぞ~。」

 

 

・・・・・・ねぇ、(一応現在)部屋の主が答えるものだよね、それ?

 

 

「失礼します。・・・・・・映司君、目が覚めたんだね!」

「はい。・・・・・・えっと・・・?」

 

 

この人、誰?

 

 

「?・・・・・・そっか、映司君とはこうして顔を会わせるのは初めてだったね。」

 

 

あ、察してくれた。

 

 

「花咲川女子学園校長の『十六夜楓(いざよいかえで)』です。よろしくね、葛城映司君。」

「よろしくお願いします。・・・・・・早速、質問いいですか?」

「構わないよ。」

「なんで、僕のお見舞いに来るのですか?普通なら、花咲川の生徒であるウィズの方を心配するはずです。たとえ、その場に僕が一緒にいたとしても、()()が退院したら、ここに来る予定は無いと思いますが?」

「え、映司・・・!?そんな、()()だなんて~!」ニヤニヤ

 

 

コイツ、後でしばかないといけないな・・・!

 

 

「そうね、確かに校長直々に一生徒のお見舞いに来るのは疑問に思うはずです。でも、あたしは校長である前に、1人の()()()として、あなたたちのお見舞いに来てるの。」

「え?」

「うふふ~♪・・・・・・ん?え!?」

 

 

1人の・・・・・・『ファン』!?え!?この人の言い方だと『校長になる前からファンです』って感じだけど!?

 

 

「覚えてない?あなたたちが始めて路上ライブをしたあの日。」

「それは、覚えてます・・・・・・。」

「うん、アタシたちにとって音楽の素晴らしさを知った時ですし。」

「その時、あなたたちに『路上ライブ』を教えたのが、あたしなの。」

 

「「・・・え~!?

 

「ふふっ、隠していてごめんなさい。でも、この事はこういう他者がいない時に話したかったの。」

「それじゃあ、アタシたちを助ける時に錘さんに頼ったのって!?」

「あなたたちが錘さんに保護された、そしてあの人の顔が広いって理由で、ね♪」

 

 

なるほど。・・・・・・いつの間にウィズはその事を知ってたんだ?・・・・・・あ、僕が寝てる時か。

 

 

「・・・・・・でも、あなたと会ったのって東北の時でしたよね?」

「うん、あの時から教師をしてたんだ。そして、あなたたちと別れた後、2人の子供の捜索依頼が出てたの。それが、あなたたち。」

 

 

僕たちの捜索依頼・・・・・・。意地でも()の中に入れたかったんだな。

 

 

「あたしは、『ワケアリなんだろうな』と思って、あなたたちの事は言わなかった。そして、関東地方の教師に色々してなったの。」

 

(色々って、この人何したんだろう・・・?)コソコソ

(多分、僕たちは知らない方がいいと思う・・・・・・。)コソコソ

 

「そして、頑張って結果、去年花咲川の校長になったのよ。」

 

(映司!やっぱりこの人賄賂かなんかやってるって!!)コソコソ

(バカ!そんな事言わなくていいって!世の中知らない方がいい事だってある!!だから黙っておけ!!)コソコソ

 

「2人共、コソコソ話さないの。」

 

 

さて、気を取り直して話の続きを。

 

 

「ちゃんと『通常検索』の小説として見られても問題ない内容だから安心して。」

 

 

あ、そこ気にしてたんだ・・・・・・。ってか、聞かれてたんだ・・・・・・。

 

 

「そして、ようやくあなたたちに会えた・・・・・・。」

 

 

すると、校長の目には涙が見えた。

 

 

「あ、あの・・・・・・?」

「やっと、やっとあなたたちに恩返しが出来る・・・・・・!」

「恩返し・・・?」

「あの時、アタシたちはあなたからお金を・・・・・・。」

「ううん、あなたたちにはあの後ずっと助けられてたの・・・!辛くなった時に、あなたたちの事を思い出して、『2人も頑張ってるから頑張ろう!』って・・・・・・!」

「「・・・・・・・・・・・・。」」

 

 

まさか、あの時のたかが1回の下手な演奏で、ここまで頑張って来れたなんて・・・・・・。

僕たちはあの出来事があったから音楽を続けてここまで来れた。それは、この人も同じだったんだ・・・・・・。

 

 

「・・・・・・ごめんなさい、恥ずかしいところを見せちゃって。改めて、あたしはあなたたちに何かお礼がしたいの。なんでもいいわ!」

「なんでもいいって・・・・・・?」

 

 

この人、最悪犯罪に発展しかねない・・・・・・。

 

 

「じゃあ・・・・・・、」

 

 

ウィズさん、優しいやつでお願いします。この人ちょっと危なそうだから!

 

 

「アタシたちのお母さんになってください。」

「・・・・・・は?」

「え?」

 

 

うわ~、優しくないよ・・・・・・。それ、明らかに重たいやつだよ・・・・・・。

 

 

「アタシたち、もうお母さんがいないの。だから、出来ればで構わないから。」

「ウィズ・・・・・・。」

「・・・・・・いいわ。あたし、独身だから問題ないよ。それに、あなたたちは必ず守るわ。」

「よろしくお願いします、校長!」

「楓でいいわ。よろしくね、ウィズちゃん。それに、映司君も。」

「・・・・・・ハァ・・・、姉の命令に従いますよ。よろしくお願いします、楓さん。」

 

 

こんな人生もあったりするのかな・・・?

それはそうと、ウィズもなんか変わったな~。他人(ひと)との接し方が特に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「楓さん、もしかして花咲川の文化祭の時のライブって・・・・・・、」

「もちろん!あたしが2人の成長した姿が見たかったから!」

「マジか・・・。」

 

 

 

 

 




いかがでしたか?今回は『私と一緒にいる』って意味らしい(Google翻訳で調べた)ですが、まぁ校長なりなんなりって感じで。


では、また次回!


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第46話 Shiny

※◆[●]「[~~~]・・・・・・」の場合は映司がメインで全てを歌っていて、ウィズが[]の部分をハモっています。●[◆]「[~~~]・・・・・・」の場合は先程の逆です。







最近は普通に歩けるまでになった。お腹の傷はあと少しで治る・・・・・・らしい。油断をすると傷口が開くとか言われたな・・・。

 

 

「それでさ、ここでこの音出したいんだけど・・・・・・大丈夫かな?」

 

 

今は病院内でもWi-Fiが通っていて、パソコンが使える広いカフェスペースでウィズと楽曲の話をしている。

 

 

「う~ん・・・・・・、やっぱりカバーは難しいね。原曲を何度も聞いてると特に。」

「だね。でも、この曲はほぼ完成してるんだ。・・・・・・あ、ここのメロディーだけど、」

 

 

最近では他の曲をカバーしてみようって事になった僕たち『Quartzer』。実際に、『愛のかたまり』はカバーしてるからね。

 

 

「失礼しまーす・・・・・・。」

「しゃーしやーす。」

 

 

・・・・・・まともな挨拶をしない奴とちょっとたどたどしい奴が来たなぁ・・・。感じからして、誰かのお見舞いだろうな。・・・・・・どっかで見たような・・・?

 

 

「・・・・・・あ。つぐ、いたよ~。」

「え?・・・・・・あ!本当だ!」

 

 

え?もしかしてこっち目的?

 

 

「Quartzerのお2人にお見舞いを、と思って来たのですが・・・・・・。」

「つぐ、どんまい。」

 

 

・・・・・・思い出した。Afterglowの内の2人だ。

 

 

「ごめんね。アタシはもう退院しちゃったし、映司はこの通り・・・・・・後はお腹のとこの傷だけだから。」

「い、いえ・・・!こちらこそ、こんなタイミングで来てしまってすみません!」

「何してたんですかー?」

 

 

サラっとパソコンを覗くだね、君は。

 

 

「今、別のアーティストが作った曲をカバーするために、ちょっと編曲をね。」

「おおー!?そんな事出来るんですかー!?」

 

 

なんだろう。・・・・・・このパーカーの言葉に感情を感じられないのは僕だけだろうか?

 

 

「何の曲ですか?」

「この曲だよ。」

「あ、見せるのね。」

これも、()()()()()が変わるためよ。

 

 

へ~。だから、ウィズから心の壁が感じられなかったのか。

 

 

「これ、Roseliaさんが歌ってなかった?」

「え?紗夜さんたちが?」

「そう言えば歌ってたね~。負けじと蘭もそれと近い曲をカバーしよう、とか言い出したし。」

「へ、へー・・・・・・。」

 

 

あの赤メッシュ、Roseliaのボーカルに対抗心でもあったりして?(正解)

 

 

「・・・・・・あの!」

「「ん?」」

 

 

あ・・・・・・。ヤッベ、ハモった。

 

 

「この曲、完成してるんですか?」

「う~ん・・・・・・、ある程度完成してるけど、細かい部分がね・・・・・・。」

「聞きたいです!」

「「え!?」」

 

 

この『The・普通』感満載の彼女は何を言ってるんだ?歌えたとしても、歌うスペースなんて、

 

 

「2人共歌うの!?あそこにカラオケスペースあるから!」

「本当ですか!?」

 

 

看護師さん、急に話に入るなりそういう事教えなくていいの!

 

 

「わたし、実はQuartzerのファンなのよ~。あの恋に焦がれる歌詞がとても胸に突き刺さって・・・・・・!」

「分かります!そんな歌詞にあの歌声・・・。最高の組み合わせですよね!」

「そうよね!」

 

 

・・・・・・今名前聞きました。つぐみさんね、覚えておこう。『入院してた病院の看護師さんと意気投合した人』って感じで。

 

 

「・・・・・・だけど、僕はあまり歌う事が「映司、2番抜いた状態に編集出来たよ!」・・・・・・ハァ・・・。」

 

 

この際、もうどうとでもなれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私の要望で、カフェスペースが急にちょっとしたライブ会場に変わった。

 

 

「つぐ~、大胆だね~。」

「・・・・・・私、大変なこと言っちゃった?」

「なかなかね~。」

 

 

ですよね~・・・・・・。

 

 あ、準備が出来たみたい。

 

 

「それでは、聞いてください。」

 

「「キミの記憶」」

 

 

そして、ピアノの音が流れてきました。・・・・・・Roseliaさんたちも最初はピアノから始まったような気が・・・。

 

 

   ●「風の声 光の粒

     まどろむキミにそそぐ」

◆「忘れない 優しい微笑み   

哀しさ隠した瞳を」     

 

●「願うこと」         

        ◆「辛くても」

●[◆]「[立ち向かう勇気キミにもたったよ だから行くね]」

 

●「夢の中」          

         ◆「目覚めたら」

◆[●]「[また逢えるよ]」

 

 

 

 

 

私、この曲は凄く歌いにくそうだなぁ・・・・・・って思ってたけど、まさかこういった形で唄うとは・・・・・・。

 

 

「湊さんに伝える~?」

「い、いや・・・・・・、これ言っても友希那先輩が動くかどうか・・・・・・。」

「だよねー・・・・・・。」

 

 

 

 

 

●「遠い記憶」         

           ◆「胸に秘め うたう」

 

 

こういう感じで歌ってきたって事は、この後のサビは・・・・・・。

 

 

   ●「はかなく たゆたう 世界を

     キミの手で 守ったから」

◆「今はただ 翼を たたんで   

ゆっくり 眠りさない」    

●「永遠の」          

            ◆「安らぎに 包まれて」

◆[●]「[love through all entreaty]」

 

 

歌い分けするだろうとは察したけど、まさかハモリまでここで入れるなんて・・・。

 

 

◆「優しく 見守る わたしの   

この手で 眠りなさい」    

   ●「笑ってた 泣いていた 怒ってた

     キミのこと 覚えている」

        ◆「忘れない」

●「いつまでも 決して until」  

●[◆]「[my life is exhausted]」

 

 

 

 

 

凄い・・・!今はそれしか考えれない・・・!腹部に力を入れすぎると傷口が開く人が、痛みがあったとしてもそれを見せずに、まるであの時の数時間前に完成した曲を私たちだけに披露した時と同じ声量で歌っている・・・。

 

 

「エモーい・・・・・・。」(蘭も連れてこれば良かったかな・・・?)

 

 

 

 

 

   ●「はかなく たゆたう 世界を

     キミの手で 守ったから」

◆「今はただ 翼を たたんで   

ゆっくり 眠りなさい」    

●「永遠の」          

◆「安らぎに 包まれてlove through all entreaty」

 

◆「優しく 見守る わたしの   

この手で 眠りなさい」   

   ●「笑ってた 泣いていた 怒っていた

     キミのこと 覚えている」

        ◆「忘れない」

●「いつまでも 決して until my life is exhausted」

 

 

ここからは、ラスサビかな?・・・・・・確かラスサビだったはず!

 

 

◆「眩く 輝く ひととき   

みんなと 一緒だった」  

   ●「かけがえの ないときと 知らずに

     わたしは 過ごしていた」

        ◆「今はただ」

●「大切に 偲ぶよう」      

●[◆]「[I fill unblessed feeling]」

 

   ●「きみはね 確かに あのとき

     わたしの 傍にいた」

◆「いつだって いつだって いつだって   

すぐ横で 笑っていた」         

●「無くしても」        

              ◆「取り戻す きみを I've」

◆[●]「[never leave you]」●「Uh~」

 

 

そして、アウトロに入りメロディーが織りなす世界に私たちは浸っていた・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 歌い終わって、ちょっと歓声が続いたけど、落ち着いてつぐみさんとモカさんと話せるようになった。

 

 

「す、凄かったです・・・!」

「とってもエモかったよ~。」

「エモい?」

「ウィズ・・・・・・、気にしなくていいよ。」

 

 

しばらく曲について話した。・・・・・・もう3000字近いからここでおしまい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっとお腹が痛い・・・・・・。」

「映司、ちょっと本気出したでしょ?」

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
今回は、多分なっていたであろうつぐみさんの瞳の事かな?・・・・・・そういう事にしましょう!


では、また次回!・・・・・・次ポピパ出すから。


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第47話 Back Fire

 今日はようやく退院の日だ。・・・・・・入院中に傷口が広がりかけたのが何回かあったせいでちょっと入院が伸びた・・・。

 

 

「は~い!」

「映司、来たよ~。」

 

 

・・・・・・ウィズは許すさ、姉弟だから。問題は楓さんだよ。何ノックせずに入って来てるんだよ?

 

 

「映司君、今日こそは退院出来るんだって?」

「はい。」

「いいな~!あたしも2人の歌聞きたかったよ~!」

「そのおかげで、映司の退院日が延びたんだけどね。」

 

 

・・・・・・自業自得かもしれないけど、言い出しっぺのウィズが赤の他人感を出してるのがちょっと腹立つ。

 

 

「そうだ!・・・・・・はい。」

「え?・・・・・・なんですか、これ?」

 

 

渡されたのは少し大きめな紙袋だった。

 

 

「ウィズちゃんに聞いて、映司君に合う服をプレゼントー!退院祝いとして受け取って!」

「あはは・・・、ありがとうございます。」ギロッ

「っ!?」

 

 

ウィズ、後で覚えておけ・・・!

 

 

(映司の目が怖い・・・!)

「?・・・・・・とにかく、着てみて。」

「分かりました。その代わり、しばらく病室の外にいてくれます?」

「「え?なんで?」」

 

 

揃いも揃って・・・!

 

 

「いいから一旦出てけ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 全く、あの人たちは・・・・・・。それにしても、この服、本当に僕用なの?濃い青色のジーパンに、黒っぽい長袖のシャツ。その上に黒色のロングカーディガン。・・・・・・手が指しか見えないほど長く、丈が膝辺りまであるよ・・・。

 

 とりあえず、(一応)待たせているから荷物も持って病室を出ることにした。

 

 

「お待たせ。・・・・・・って、」

 

 

病室を出ると、ウィズと楓さんだけじゃない。Poppin'Partyの・・・・・・確か、山吹沙綾と市ヶ谷有咲だっけ?その2人もいるし・・・・・・。

 

 

「あ、映司さんこんにちは。」

「・・・・・・どうも。」

 

 

君の人見知りはまた復活したのかい?

 

 

「こんにちは。・・・・・・それで、どうしてここに?前にもお見舞いには来てたはずだけど?」

「あぁ・・・・・・それはそうなんですけど、」

「偶然2人に会って、成り行きで・・・・・・。」

「へ~。」

 

「「・・・っ!?」」ギクッ

 

 

揃いも揃って・・・・・・、あんたらもう親子だろ!?

 ちなみにだが、入院してる間にCiRCLEによく来る5バンドの全員がお見舞いに来てくれた。

 

 

「・・・・・・映司さん、」

「ん?」

「映司さんって、『萌え袖』みたいな服も着るんですね。」

「あぁ・・・・・・。確かに、映司さんの服って萌え袖みたいなの無かったな~。」

 

 

確かに、こんな袖の服は初めて着るな・・・。

 

 

「もしかして、似合わない?」

「いえ!その逆ですよ!似合い過ぎて・・・!」///

 

 

・・・・・・え?顔赤いけど?

 

 

「・・・・・・お?もしかして沙綾、照れてる?」ニヤニヤ

「あ、有咲~!」

 

「仲睦まじいね~。」

「ウィズ、言葉が年寄りくさい。」

「失敬ね!」

 

 

ここで立ち話をし続けると、他の方に迷惑だからロビーに向かった。

 

 

「さてと、会計しないとね。」

「あ、それなんだけど・・・・・・。」

「うん?」

「誰かがもう全額会計済みなんだって。」

 

 

全額って・・・。

 

 

「・・・・・・・・・・・・。」ジー

「・・・・・・ん?あたしじゃないよ!」

「今、一番疑える人間があなたなので。」

「色々失礼よ!それに!・・・・・・あなたたちのどちらかしか医療費が払えない状態なんです・・・・・・。」

 

 

落ち込まないでよ・・・。

 

 

「それじゃあ、一体誰が・・・?」

 

「僕だよ!」

 

「「っ!」」

 

 

僕とウィズは、その声が聞こえた方を見た。そこには、過去を思い出してしまう()()1()()()()()がそこにはいた。

 

 

「お、お父さん・・・・・・!?」

「・・・・・・っ!?」

「久しぶりだね。映司、ウィズ。」

 

 

・・・・・・今年は、思っているより厄年だったのかもしれない。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
今回は『裏目』とか『逆効果』って意味ですけど、Google様で調べたら、動詞で『跳ね返る』とあったので、・・・・・・そんな感じです!過去の事が今になって色々返ってくるっていうね。


では、また次回!


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第48話 Re:birth day

 沙綾さんと有咲さん、それから楓さんには少し離れていただいて、僕たちは前回最後に現れた人物と話を始める。

 

 

「久しぶりだね。元気にしてたかい?」

「・・・・・・はい。お久しぶりです、お義父さん。」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

 

横にいるウィズは、ずっと黙っている。怒りのようなオーラを感じるのは、僕だけじゃないはずだ。

 

 

「やっぱり、嫌われてるよな~。」

当然でしょ・・・。『連絡する』って言ったアンタが、一切連絡しなかったからね!

 

 

ウィズが心に溜めていたであろう言葉を口にし始めた。

 

 

携帯の使い方を知らなかったアタシたちに渡すだけ渡して、連絡しなかった!そんな人間が平気な顔してアタシたちに会いに来たんだから!

「ウィズ・・・・・・。」

 

 

ウィズは体が弱い方だ。でも、あの頃はウィズがずっと僕を守ってくれた。そんなウィズも、この人から連絡から来ることを信じていた。

 

 

「・・・・・・ごめん。」

「・・・っ!そんな言葉で済むんだったら・・・・・・アタシは怒ってないわよ!

 

 

ウィズの怒りは、収まらない。

 

 

だったらあの女の目を盗んで連絡しなさいよ!・・・・・・どれだけアタシたちが苦労したと思ってるの・・・。」

「本当に申し訳なく思っている。でも、連絡をしなかったのは、()()()()()()()()だったんだ。」

「・・・・・・え?」

「どういう事ですか?」

「・・・・・・彼女は、君たちがいなくなった後にすぐ僕を疑った。そして、1日に3回くらい僕の携帯の着信・発信履歴を確認していた。だから、連絡も出来ずにいたんだ。・・・・・・ごめん。」

 

 

あの人は、そこまで僕を・・・・・・。ってか、ただの縛りの強い女の行動じゃない、それ?

 

 

「分かりました、許しますよ。あの人の監視下にいたのなら仕方ないですね。」

「・・・っ!ありがとう、映司君。」

 

 

残念ながら、僕はこの人に悪い印象はあまり持っていない。連絡が無かったのも、あの人の近くにいたからと思っていたしね。

 

 

「それで、僕たちの医療費はどこから払ったんですか?」

「君のお母さんが社長を務める場所から。」

 

 

おいおい・・・・・・。

 それより、ウィズ(こっち)をなんとかしないとな・・・。

 

「ウィズ。」

「・・・・・・え、いじ・・・?」

「僕たちの辛い人生は、今日で終わりだ。だから、ウィズもお父さんの事を許して、ね?」

「・・・・・・うん・・・。」

「ほら、ハンカチ。綺麗な顔が台無しだよ?」

 

 

ウィズは首を縦に振って、ハンカチを受け取り、涙を拭う。

 

 

「映司君、本当にありがとう。」

「いえ。・・・・・・ウィズにはこれまで守られっぱなしだったので。このくらいはしますよ。」

「そうか・・・。君なら、ウィズの隣に相応しいね。」

 

 

・・・うん?

 

 

「あの・・・、今なんて?」

「うん?・・・・・・『君ならウィズの婚約者に相応しい』って言ったんだが?」

 

 

・・・は?

 

 

「いやいや!確かに僕たちは義理の姉弟だけど、「~~~!!」・・・・・・ん?」

 

 

なかなか表現のしにくい音が後ろから聞こえてくると思って、後ろを向くと、ウィズが僕のハンカチで鼻をかんでいた。

 

 

「・・・・・・僕、こんなお嬢さんと婚約はちょっと遠慮したいですね。」

「・・・・・・ウィズ、もうちょっとデリカシーを覚えようか?」

「・・・・・・ふぇ?」

 

 

その間抜けな返事に、僕は限界を迎えたんだろう。

 

 

「ウィズ、覚悟はいいか?」『Are You Ready?』

「え?映司さん、バキバキ拳を鳴らさないで!そんな覚悟したくありません!」

「うっさい。今どつくから・・・・・・そこ動くなよ!」『オーバーフロー!』

「ちょままー!」『ヤベーイ!』

 

「くしゅん!誰か噂して・・・・・・何してんだ?」

「退院してすぐがこれなの?」

「あはは・・・・・・。」

 

 

今日、僕は母親の呪縛から解放され、新しい人生を迎えた。

 

 綺麗に締まらないけどね・・・。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
今回のタイトル、見覚えありますよね~。無かったらYouたちは何を見ているのかしら?
映司がある意味『生まれ変わった日』ってことでね、このタイトルを付けました。
これでも、この作品のサブタイを付ける時のルールには当てはまっているんです。・・・・・・これで察したんじゃない?今までのタイトルがどこから来たのか?

それと・・・・・・知らない人は気にしなくていいですが、別作品ネタぶちこんですんません!考えながら書いてたら書いちゃったのよ~。


では、また次回!


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第49話 HELLO

 退院して、次の日には学校に登校した。・・・・・・安全のため、激しい運動は避けるように言われたけど。

 

 

「葛城君、退院おめでとう!」

「なんで入院してたの!?」

「そんな事どうでもいいよ!この後は・・・・・・」

 

「「「焼き肉っしょーーー!!」」」

 

 

・・・・・・勝手に行ってなさい。

 

 

「映司君、久しぶりだね。」

「晴斗。・・・・・・ごめん、迷惑かけて。」

「大丈夫。千聖からその辺の事情は聞いてるから。」

 

 

そういえばこの人、千聖さんと繋がりあったね。

 

 

「おーい、葛城くーん!」

「ん?」

「1年生が来てるぞー?」

「え?映司君、1年の子と関わりあったの?」

「・・・・・・そんなのは、確かなかったけど・・・?」

 

 

とりあえず、入口に行ってみると、どこかで見たことあるような人物が1人と全く知らない人がいた。

 

 

「葛城さん、お久しぶりです。」

「えっと・・・・・・。あ、前に何回か屋上であった・・・。」

「はい、改めて自己紹介させていただきます。『葛葉昂汰(かずらばこうた)』です。退院、おめでとうございます。」

「ありがとう。それと、君は・・・・・・?」

「あ!初めまして、『宝生唯兎(ほうじょうゆいと)です。」

 

 

・・・・・・知らなくて当然だね。

 

 

「えっと・・・、君たちは学校からの噂を聞いたのかい?」

「いえ、俺は蘭からですが・・・・・・。」

「俺はおたえ・・・・・・じゃない、花園たえから。」

 

 

ここでそこに繋がるのか・・・・・・。しかも、よりにもよってAfterglowのボーカルとPoppin'Partyのリードギターか・・・。

 

 

「なるほど。・・・・・・そうだ。よろしければだけど・・・・・・。」

「「はい・・・?」」

 

 

自分で言うのもアレだけど、珍しく良い事を思い付いた。

 

 

 

 

 

「2人共、Quartzerの・・・・・・僕たちのライブに来ない?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この日はCiRCLEでバイトがあった。・・・・・・まりなさんに『軽めな仕事にしてくれ』と頼んでいるが。

 

 

「それにしても、やっと退院出来て良かったね~!」

「えぇ、おかげさまで。」

「映司ったら、入院中にそれなりに本気出して歌って傷口を広げてたりして、ねー?」

 

 

提案したのはあなただよ。

 

 

「・・・・・・それはそうと、まりなさん。12月24日と1月1日、ライブしても大丈夫ですか?」

「え?・・・・・・1月1日は大丈夫だけど、12月24日はPoppin'Partyがライブを入れてて・・・・・・。」

「なるほど。・・・・・・24日、僕たちも彼女たちと一緒にライブしますか。」

「・・・・・・え?映司、ライブするの?」

「うん。24日と1日にね。」

「へ~。」

 

(1日か・・・。だったら、()()をしないとね!)

(よし。・・・・・・これで、()()が出来る。)

 

 

とりあえず、セットリストを考えないとな・・・。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
今回のタイトルは・・・・・・なんとなく付けました。


では、また次回!


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第50話 Funky Party

リゼロコラボ全部揃った!!・・・・・・お金の力を使って







 僕たちの新たなライブの日時が決まった。後はセットリストと演出を考えるだけだが・・・。

 

 

「映司さん!ウィズさん!」

 

 

受付業務をしていると、店の扉の方から呼ばれた。そこには、男子2人と女子2人が・・・・・・。

 

 

「お久しぶりです!映司さん、ウィズさん!」

「え?」

 

(映司、知り合い?)コソコソ

(逆にウィズに聞きたいよ。僕も記憶にないんだけど。)コソコソ

 

「覚えてませんか?お2人をずっと慕っていた・・・・・・。」

「「・・・。」」

 

 

分かんな~い・・・・・・。

 

 

「分かんないっすよね・・・。錘さんのところにいた、『小野寺光一(おのでらこういち)』と、」

「僕は『屋良剛(やらつよし)』です。」

 

 

真面目そうなのが屋良さんで、ちょっとラフな感じの人が小野寺さんか。

 

 

「そして、私が『宮崎吏佐(みやざきりさ)』と!」

「吏沙、うるさい。・・・・・・『谷口彩紗(たにぐちあやさ)』です。全員あなたたちの1つ年下です。」

 

 

テンションが高いのが宮崎さんで、大人しいのが谷口さんか。

 

 

「・・・・・・思い出した!!映司、アタシたちにずっとついてきていた男女4人組、覚えてる!?」

「え?・・・・・・そういや、いたような・・・?」

「それが俺たちです!」

「・・・・・・あ、そんな4人組いた。歌おうと思ったらすぐに駆けつけてきた・・・。」

「それが俺たちッスよ!」

「そうか。・・・・・・ずいぶんと成長したな。」

 

 

 錘さんに助けられて孤児院にいた頃、何か理由を付けては僕たちに近付こうとしてた人たちがいた。それが彼らってことだ。

 

 

「当然ですよ。お2人は中学生の時にあそこを出ていかれたんですから。」

「その後も、きちんと会ったことも無かったですし。」

 

 

確かに、谷口さんの言う通りだ。会おうともしなかったしね。

 

 

「でも、お2人のライブはその後も何度か見てるんですよ!」

「「え!?」」

「アタシたちの事をどこで知ったの!?」

「「「「錘さんから。(!)」」」」

 

 

あの人か・・・・・・。

 

 

「それで、お願いなんですが・・・・・・。」

「私たちを、お2人のバックバンドにしてください!」

 

 

屋良さんが何か言うのかと思ったら、宮崎さんが全員が思っているであろう提案を口に出した。

 

 

「バックバンド・・・?」

「はい!私がギターで!」

「あたしがキーボード。」

「俺がドラム担当で!」

「僕がベースです。」

 

 

そんな紹介をされても・・・・・・。

 

 

「錘さんの知り合いの音楽に詳しいに人に教わって、それなりに実力も付けたッスよ!」

「私たちの実力を舐めないでくださいね!」

 

 

目は真剣だな・・・。

 

 

「・・・・・・どうする?映司。」

「・・・・・・ノアシスな。」

「「「「・・・?」」」」

「『NOASIS(ノアシス)だよ、君たちの名前。」

「・・・っ!それじゃあ!」

「明日、ここに来てくれ。おかげで、ライブでやりたい事が見つかった。」

 

 

こうして、頼もしい(かどうかまだ分からない)後輩が出来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうだ、君たち踊れる?」

「「「「・・・はい?」」」」

「映司さ~ん?」

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
『Funky』は『ド派手』や『独創的な』って意味があります。・・・・・・『独創的なパーティ』って感じで捉えていただければ。

新キャラですが、男共はなんとなく決めました。でも、屋良剛は考えました。
女子たちは・・・・・・見たことある名前でしょ?その人たちが『ありふれた職業で世界最強』に出てたから、そのキャラの苗字に変えてますけど。


後書き長くなってしまってすみません。では、また次回!


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第51話 Another Christmas

セットリスト

1.Over "Quartzer"
2.好きになってく 愛してく
3.陽炎 ~kagiroi
4.MC
5.愛のかたまり


今回紗夜視点です。







 12月24日、クリスマスイブ。映司さんたちはPoppin'Partyたちと一緒にCiRCLEでライブをしていて、今はQuartzerの番です。

 今回はダンサーとして『NOASIS』も出演しています。・・・・・・どうやら映司さんが「MCも出るか?」と聞いたらしいですが、約2名が「恥ずかしいから出ません!」と言って、基本はQuartzerだけでMCをするそうです。

 

 

「最近ね、・・・・・・見える人は見えると思うけど、僕カラコンを入れるようにしたんですよ。」

 

「え!?・・・・・・あ、すみません・・・。」

 

 

自己紹介を終えてすぐに映司さんが今まで隠してきた左目を見せました。

 自分のコンプレックスをまさかの『カラコン』として見せるとは思わず、私は声をあげてしまった。

 

 

「ホント、本物みたいだね~。」

 

 

いやいや!ウィズさん、それ本物ですよね!?

 

 

「でもさ、みんなこのクリスマスイブの日によく来たよね~。」

「本当に。こんな日に僕たちのライブに来てくれるなんてね、」

「アタシたちとしても本当にありが「皆さん暇人ですね。」ちょっと!」

 

 

映司さん・・・・・・。

 

 

「アタシが『ありがたい』って言おうとしてたのに、被せる形で『暇人ですね』って・・・・・・。」

「いやいや。でも、客席の奥まで入ってるの?」

「みたい・・・・・・だね?・・・・・・あ、満員なんだ!?」

「満員!?・・・・・・凄いね!でも、奥の方々は見えないけどね。」

「www・・・・・・映司、どこでそんなMC覚えたの?」

「え?いや、前にENDRECHERIの蒼空さんに聞いたの。『MCでどんな事話せばいいですか?」って。そしたら色々説明してくれて、その参考にライブ映像を見せてくれたんだけど、こんなMCしてたからね。」

「そんなMC参考にしちゃダメだよ!」

 

 

全くですよ!朝倉さんは何教えてるんでしょうか・・・?

 

 

「でも、沸いてるよ?」

「確かに・・・。いや、皆こんなMCで沸いちゃダメだよ!」

 

 

なんでしょう・・・、2人共、こんなに明るく変わって・・・。

 あの事件以降、悪い方向に走ってしまわないか心配でしたが、それどころか今までより明るくなって・・・。

 

 

「・・・・・・あ、そうだ。ウィズに渡したいものがあるんだ。」

「え?何?」

 

 

映司さんがステージから出ていきましたね。すぐにNOASISの4人がステージに上がり、キーボードの方が()()()()()()()を弾き始めました。

 

 

「え?え、何々!?」

 

「ハッピーバースデートゥユー

 ハッピーバースデートゥユー

 ハッピーバースデーディアウィズ~

 ハッピーバースデートゥユー♪」

 

 

メロディに合わせて持ってきたのは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()でした。・・・・・・危ないですよ!?

 

 

「え!?嘘・・・!?」(泣)

 

 

え?・・・・・・泣いてる?

 

 

「ウィズ、泣いてないで早く火を消して!!熱いから早く消して!!」

 

 

客席からは笑いが起きていますが、現実優先の人からすると今すぐ止めたいんですけど・・・・・・。

 

 

「・・・・・・うん、消すね・・・!」

「うん、早く消して!」

 

 

そして、火を消しました。

 

 

「おめでとう、ウィズ!」

 

 

NOASISや客席からも『おめでとう』という言葉が飛び交っています。

 

 

「ちょっとウィズ、なんで泣いちゃうの?」

「だって・・・、映司が今までアタシの誕生日何もしなかったじゃない・・・・・・。だから嬉しくて・・・!」

 

 

涙目でそう言うウィズさん。よほど嬉しかったんでしょうね。

 

 

「まぁでもさ、これだと申し訳ないから・・・・・・、はい、男共集合~。」

 

 

今度は男性陣が一度ステージ袖に行き、

 

 

「・・・・・・はい、これがちゃんとしたケーキね。」

 

 

ホール型のケーキを持ってきました。

 

 

「え!?こっちは!?」

「こっちが本当の誕生日ケーキ。あれはふざけて用意したやつだから。」

 

 

そうですよね・・・・・・。

 

 

「‥・・・・さて、涙も止まったから・・・・・・あ、でもこのケーキ美味しそう~!」

 

 

そう言いながら、乗っているイチゴを食べ始めました。

 

 

「食べてもいいけど、次の歌『愛のかたまり』だから支障出ないほどにね。」

 

 

今さらっと次の曲のネタバレしましたね!?

 

 

「・・・・・・いっふぁんやめほふ。」(※一旦止めとく)

「ちょっと待って。いくつ食べた?」

「・・・・・・6個だね。」

「結構食べたね。その辺もう何も乗ってないしね。」

「いや~本当にありがとう!」

「いえいえ、喜んでくれて嬉しいです。・・・・・・嬉しいですけど、」

「・・・・・・ん?」

 

 

また映司さんが袖に行って、

 

 

「はい、プレゼント。」

「え!?アタシに!?」

「うん、開けてみて。」

「・・・・・・え!?本当に!?

「あの、喋るならマイク通してもらっていいですか?僕らは聞こえるけど、お客さん誰も聞こえないから。」

「ごめんごめん。・・・・・・これ、本当に!?」

「はい、本当ですよ。」

「結構良い()()()だよね!?」

「うん、だってこの前僕がエレキを買ってきたじゃない?」

「うん、勝手にね。」

「その時に欲しそうに見てたじゃない?」

「・・・・・・うん、やりたいな~とは思ってた。」

「だから。」

「え!?本当にいいの!?」

 

 

取り出したのは見た目からしても分かる高価なエレキギターでした。

 

 

「いいよ。その代わり、使わなかったらそれ売るからね。」

「使う使う!次のライブこれ使う!」

「次かよ・・・。」

 

 

ほぼ2人の世界(音楽も含めて)がステージに広がっていました。

 

 これ、ステージで行う内容ですか?

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
今回は『ガルパには無かった(勝手に作った)クリスマスライブ』って意味合いを(頑張って)込めて、このタイトルを付けました。

最近さ、職場の上司がさ、アタシを『いない人扱い』するの。・・・・・・アタシも知らん顔してるけどさ。
そんなキレやすい上司の対処法を知っている方はいらっしゃいますか~!?


では、また次回!


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第52話 陽炎 ~kagiroi

 クリスマスライブを終えた僕たちは次の日、何故かRoseliaに捕まっていた。

 

 

「なんで2人が蒼空たちの歌を歌っていたの!?」

「・・・・・・ちなみに、歌の名前は?」

「『陽炎(かぎろい)』だよ!」

 

 

陽炎ね。・・・・・・正式な書き方は『陽炎 ~kagiroi』なんだけど。

 

 

「それは、蒼空君から直々に『カバーしてくれないか?』って来たから。」

「え?そうなの?」

 

 

うわー、ギャル・・・・・・じゃない、今井さんの目が丸くなった・・・。アニメとかならありそうな感じだけど、実際になるんだ・・・・・・。

 

 

「私はその時、その場にいましたから。映司さんの発言は本当ですよ。」

「え!?紗夜、それホントなの!?」

「本当も何も、私の目の前でその会話をしてましたから。」

「いやいや、そっちじゃなくて!なんで紗夜が映司と一緒にいたの!?」

 

 

え?そっち?

 

 

「い、いいじゃないですか!そんな事は!」

「それより映司さん!」

 

 

紗夜さんと今井さんをスルーして、確か宇田川さん(?)がやって来た。

 

 

「あこ、Quartzerの歌う陽炎が聞きたいです!」

「昨日聞いたでしょ?」

「あこ、私たちは昨日のライブで聞いたでしょ。」

 

 

良かった・・・。向こうで紗夜さんと今井さんがガヤガヤやってるから、ストッパーがいないと思ったけど・・・・・・流石は湊さん。ちゃんと止めてくれた。

 

 

「だから、歌いなさい。」

「ちょっと湊さん、待ちなさい。」

「?・・・・・・何かしら?友希那は耳が良いから、ENDRECHERIとの違いも分かるわよ。」

「ゆ、友希那さん・・・・・・?」

 

 

さっきのちょっとした感動を返してほしい。・・・・・・ってか、どこかのコーナーで聞いたセリフが出てきたよ・・・。

 

 

「私も・・・・・・改めて、聞きたいです・・・・・・。」

「散々Afterglowには歌っているのに、ランキング1位の私たちだけへのライブが無いのはおかしいんじゃないかしら?」

「そーだそーだ!」

 

 

宇田川さん、『そーだそーだ!』じゃないよ。

 

 

「そーだそーだ!友希那の言う通りだー!」

「ちょっと今井さん!?」

 

 

あなたも便乗して言わないの。

 

 

「・・・・・・分かりましたよ。その代わり、ウィズの昼休憩が終わってからでいいですか?」

 

「「「「「・・・そういえば、いない・・・・・・。」」」」」

 

 

このポンコツ共が・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから約30分。ウィズさんの休憩も終わり、まりなさんの許可も得て、Quartzerの『Roseliaに向けてのライブ』が始まりました。・・・・・・私も改めて聞きたかったので、嬉しいのですが・・・。

 

 

「それでは、聞いてください。」

 

「「陽炎 ~kagiroi」」

 

 

そして、音源が流れ始めました。・・・・・・私たちも、ENDRECHERIの方はリハーサルでしか聞いた事はありませんでしたね。

 

 

◆「未来」

   ●「へと伸びている道標(ライン)のうえを

     (ひし)めき合った言葉と想いは」

 

●「時代」

◆「があげるスピードに       

カラダを捨てた 日づけを綴る…」

 

◆「もらい」

●「鳴きするよな」        

●「眩暈」

        ◆「起こしたよな」

◆「異例」

●「な息吹の風と(まわ)る地球から」   

 

 

これ、最低2人で歌わないと歌えない歌ですね・・・。早口になりつつ、素早く息継ぎをすれば歌えるのでしょうか・・・?

 

 

◆「新しい 愛しているを 見上げて 探す」

『哀…』

 

●「ぼくら色彩(いろ)をもつ」

        ◆「いつか」

●「命をもつkagiroi」

        ◆「愛は」

●「煌めき舞う闇の」

        ◆「なくな」

●「した揺れる kagiroi」

        ◆「るかな」

●「崩れ出す胸の」

        ◆「いずれ」

●「耳を塞ぐ手のひ」

        ◆「ぼくら」

●「らに流れた熱の」

        ◆「消える」

●「赤い脈の美を」

        ◆「のかな」

●「知ってるのに…」

 

●(◆)「[忘れて kagiroi…]」

 

 

確か、歌詞カードではそれぞれのパートの歌詞は別々に書かれていますが、こうして歌う順番に並べると、・・・・・・若干歌詞が分かりにくいですね。

 

 ですが、ここで『陽炎 ~kagiroi』が終了してしまいました。

 

 

「え?終わり?」

「まさかの・・・!?」

 

 

宇田川さんと今井さんが動揺している中、Quartzerのお2人は・・・・・・まだ何かする感じを漂わせていました。

 

 

●「答えのない毎日が ただ過ぎていく時間が

これから先どうなるのだろう?

わからない…」

 

●[◆]「[闇よりも深い夜の 孤独に 惑わされてた]

だれかに今気づいてほしい…

[ここから逃げ出し]たいから」

 

 

まさかの私たちが1度カバーした、『ツキアカリのミチシルベ』を歌い始めました。

 

 

●「窓から見える朝焼け 部屋に鳴り響く音」

◆「アラームに起こされて 薄暗い中 家飛び出すよ」

 

●「カバンの中には」        

        ◆「何も変わらない」

●「平凡詰め込んで」        

          ◆「そしていつもの場所へ」

 

 

そして、サビに入りました。・・・・・・一瞬だけ他のメンバーを見ると、2人に釘付けでした。

 

 

「「だれかが言った言葉が 気になって 惑わされて」」

●「争いたくなんてないから 何も」

「「言えない 夢や理想はあるけれど 気持ちばかり」」

◆「先に行って 現実がずっと」

◆(●)「[後ろから ボクを]見てる」

 

 

そして、ピアノの音が、私たちに曲の余韻を残していく・・・・・・。

 

 

 

 

 

「すっごくかっこよかったーーー!!」

「ホント、サイコーだったよ!!」

「えぇ、悪くないわ。」

「お2人の歌も・・・・・・私は、好きです・・・・・・。」

 

 

終わると同時に、宇田川さんは大きな拍手をしながら立ち上がり、他のメンバーも、座りながらも拍手をして、感想を述べていた。

 

 

「・・・・・・紗夜さん。」

「・・・・・・は、はい!なんでしょうか、ウィズさん?」

「紗夜さんから感想を聞いてないな~と思って。」

「っ!・・・・・・とても、良かったです・・・。」

「そっか。なら良かった!」

 

 

この時の彼女の笑顔はとても眩しくて、本当に私たちとの心の壁がなくなったのだなぁ、と思いました。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
今回は本編に出た曲のタイトルをタイトルにしました。最近、浮かばないのよ~。

そして、皆さんの知っている曲が出ましたね。これで3つ目です。・・・・・・Over“Quartzer”を知っている人がどれくらいなのかは知りませんが。
それにしても、ガルパ内でRoseliaのカバーした曲ばかりが出るのか?・・・・・・作者の好みです。
そして、カバー枠を『シャルル』にしようと思ったのですが、著作権等の問題で無くなりました。すんません!


では、また次回!


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第53話 Anniversary

セットリスト

1.愛のかたまり
2.Shiny
3.きみとぼくのなかで
4.MC
5.好きになってく 愛してく
6.I
7.この恋 眠ろう
8.Million Secret of love
9.MC
10.陽炎 ~kagiroi
11.なんねんたっても


今回は晴斗視点です。







 年も明け、僕は昂汰君と唯兎君、それにAfterglowとPoppin'PartyでCiRCLEで開催されるQuartzerのライブに来ている。折角映司君が誘ってくれたライブだから、楽しまないとね。

 

 

「あの・・・晴斗先輩、自分たちもここにいていいんですか?」

「そもそも、君たちが最初に誘われたんでしょ?僕の方が後に誘われた人間なんだ。僕の方が恐縮する場面なんだけど?」

「そういう事だから、楽しもうぜ、唯兎。」

「・・・・・・はい!」

 

 

すると、会場が暗くなり、ステージ上にうっすらと人影が見えた。

 

 

「「思いきり抱き寄せられると心  

あなたでよかったと歌うの

X'masなんていらないくらい

日々が愛のかたまり

  明日の朝も愛し合うよね」」

 

 

アカペラで歌い始め、そこから楽器隊がライブに参戦してきた。・・・・・・確かNOASISって言ったっけ?クリスマスイブのライブの時にはダンサー(?)だったのに、楽器も出来るんだ・・・・・・。凄いね~。

 

 それから、いくつもの曲を演奏していき、今はMCとなった。

 

 

「でも昨日のカウントダウンの時にね、僕大変だったの。」

「え?何かあったの?」

 

 

え!?昨日どこでカウントダウンライブをしたの!?

・・・・・・後で知りましたが、同年代の『ENDRECHERI』というバンドも参加した、多くのバンド・アーティストが参加する合同ライブからオファーがあったらしく、そこに参加したそうですよ。

 

 

「昨日、『アンダルシアに憧れて』を踊ったんだけど・・・・・・」

 

 

長くなりそうなので、ここはカットします。・・・・・・簡単に言うと、リハと少し先輩の立ち位置が違って、踊りが大変だったと。

 

 

「でも、アタシその『アンダルシア』で1個気になった事があってね。」

「え?何かあった?」

「あの曲、カウントダウンで何回も歌ってるって言ってたでしょ?」

「うん。」

「それで、歌詞の中に『トニーの奴がしくじった』とか『第三倉庫に八時半』ってあるでしょ?」

「うん、あるね。」

「ってことはさ、何年もトニーはしくじってるって事でしょ?」

「www(笑)・・・・・・確かにね!」

「でしょ!?」

「どれだけ失敗するんだろうね?」

「多分スマホとかじゃなくて紙の地図でこう・・・・・・『こっちかな・・・?』って感じで。」

「だからしくじるんじゃない?」

 

 

・・・・・・明るくなったのは嬉しいけど、まさかここまでになるとは・・・。

 

 

「・・・・・・あ、そうだ!お祝いしないと!」

「え?」

「今日映司の誕生日なのよ。」

「・・・・・・そういえば。」

 

 

ここでウィズさんがステージを離れ、

 

 

「・・・・・・っ!ちょっと、ウィズさん!?」

「なんでしょうか?」

 

 

ケーキみたいなデザインをしたピンク色の帽子を被って出てきました。

 

 

「それ・・・、君が被るのね?主役より目立ってるんだけど!?」

「いえいえ、そんな事ありませんよ!アタシは引き立て役なのでね。」

「あ、そうなの。」

「えぇ。『ハッピーウィズ』としてね、ここは別ギャラで頂くのでね。」

 

 

さらっと『ギャラ』なんてワードを出さないで。

 

 

「それでは、皆でね・・・・・・『ハッピーバースデー』歌いませんか?」

 

 

ウィズさんの言葉に、客席からは拍手という形で答えた。

 

 

「それでは、アタシのこの、帽子からメロディが流れるので、それに合わせて、映司をお祝いしましょう。行きますよ。」

 

 

すると、ウィズさんは帽子のボタンを押す。すると、『サウンドバースデーハット』って言うらしいけど、帽子の先端が《縦》に振り始めた。

 

 

\www(笑)/

 

「はははwww」(笑)

 

 

その光景に会場全体が笑いに包まれて、音が一切聞こえなかった。

 

 

「・・・・・・終わったよ!」

「ちょっと、衝撃的過ぎたかな?」

 

 

衝撃的・・・・・・て言うより笑撃的だったよ!

 

 

「それではもう1回ね。」

 

 

そして、皆で小さいハッピーバースデーの音に合わせて皆で歌った。

 

 

「いや~、こういうのも良いね!」

「うん、いいけどさ・・・・・・帽子(それ)、必ず前で止まるんだね?」

「そうそう!・・・・・・それじゃあ、この帽子は映司にあげるよ。」

「いらんよ。」

「え?なんでよ!?これ、必ず前で止まるんだよ!」

 

 

そして、嫌々帽子を被る映司君。

 

 そして、何事も無いかのようにボタンを押して、帽子を《横》に振らせている映司君。

 

 

「はい、ケーキ持ってきて!気をつけてよ!」

「ねぇウィズ、あなた被る向き間違えたでしょ?」

「・・・え?」

「いや、あのさ・・・・・・ここが帽子でいう後ろなのよ。」

「・・・・・・はいはい。」

「これを後ろにしたらさ、横に動いたのよ。」

「まぁ・・・・・・あれだよね、殿様方式だよね?」

 

 

・・・・・・締まらないね~。

 

 その後、歌の方では真面目にカッコよく、美しく歌っていた。・・・・・・このMC、1つ目のMCなんだよね・・・。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
今回のタイトルは分かりやすいでしょ?・・・・・・つまり、そういう事さ。

とりあえず、どうでもいい事を今回言うね。
Kin〇i 〇ids new single『光の気配』本日発売!みんな買って聞いてみて!・・・・・・聞かないだろうけど。


では、また次回!


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第54話 Father

 ライブも終わり、冬休みも明けて、バイトのない日の放課後。

 

 

「さ、寒い・・・!映司、もうちょっとスピード落として!風が冷たすぎるよ!」

「無茶言うなよ。これ以上落としたら歩くのと変わらないよ?」

「でも・・・!」

「それに、早く行かないと間に合わないかもよ?」

「・・・・・・映司のイジワル!」

「イジワルで結構。・・・・・・僕のマフラーでも使う?」

「え?でも、寒くならない?」

「自転車漕いでるからだいぶ暖まってきたんだ。」

「・・・・・・ありがと。」///

 

 

そう、僕たちは学校終わりに自宅ではなく、()()()()に向かっていた。

 

 

 

 

 

「・・・・・・ほら、着いたよ。」

「ありがと。はい、マフラー。」

「どうも。」

 

 

やって来たのは空港。

 

 

「・・・・・・お、ウィズ。それに映司君も。見送りに来てくれたのかい?」

「はい。・・・・・・あなたには、助けられたので。」

「・・・・・・そうか。」

 

 

ウィズのお父さんの見送りに来た。はるばる北の方から飛んできて、僕たちの医療費を出してくれたんだ。これくらいの事はしないとね。

 

 

「・・・・・・・・・・・・。」

「?・・・・・・ウィズ、何か言ったら?」

「っ・・・・・・。」

 

 

・・・・・・仕方ない。

 

 

「僕、ちょっと飲み物買ってくるね。」

 

 

僕は席を外して、親子だけの空間にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 全く・・・、本当に映司はイジワルになったよ・・・!

 

 

「ウィズ?」

「・・・・・・ごめんなさい・・・。」

「え?」

「その・・・・・・色々誤解してたから・・・。」

「なんだ、そんな事ね。・・・・・・むしろ、謝るのは僕の方だよ。ウィズだけじゃない、映司君にも迷惑をかけてしまったからね。」

「でもそれは「分かってる!」・・・っ!」

「・・・・・・彼女の近くにいたからね。」

「お父さん・・・。」

「・・・・・・久しぶりにウィズの口から『お父さん』って言葉が聞けた。」

「なっ!?いきなり何よ・・・!」///

「父親として、嬉しくてね。・・・・・・あの人にも、良い土産話が出来そうだ。」

「『あの人』って、もしかして・・・・・・。」

「・・・・・・それじゃあね。」

「・・・・・・うん、()()()()()()()!」

 

 

落ち着いていて明るい笑顔に、アタシは最大限の笑顔で返した。そして、お父さんは受付に向かった。

 

 

「・・・・・・ん?」

 

 

そんなお父さんに声をかけたのは、飲み物を買いに行ったはずの映司だった。

 

 

(・・・・・・何話してるんだろう?)

 

 

500mlのペットボトルジュースは渡したのは分かったけど、何を話してるのかは分からなかった。

 そして、しばらくしたら映司がアタシの方にやって来た。

 

 

「お待たせ。はい、カフェオレ。」

「ありがと。・・・・・・お父さんと何話してたの?」

「さぁ。・・・・・・男同士のなれそめだよ。」

「何それ?・・・・・・まぁいいや。帰ろ?」

「うん。」

 

 

話の内容は、後で聞けばいいか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さすがに、ウィズには教えれない内容なんだよね。

 

 

「・・・・・・ん?映司君。」

「どうも。よろしければ?」

「良いのかい?・・・・・・ありがとう。・・・・・・ん?」

「その紙に、僕の今の携帯番号が書いてあります。」

「映司君の?・・・・・・なんで?」

「ウィズにいきなり電話するのは、ちょっと恥ずかしいかと思いまして。」

「・・・・・・確かに。」

「だから、代わりに僕に電話番号を。近況なら報告しますので。」

「・・・・・・ありがとう。ウィズの事、頼むね。」

「えぇ。()()として、ですが。」

「今はそれでも良いよ。またね。」

「はい。・・・・・・また。」

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
タイトルの理由は言わなくても分かるでしょ?


では、また次回!


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第55話 イノセント・ウォーズ

 今日は普通にバイトだけの日なのだが、

 

 

「なんで1日映司を譲らなきゃいけないの!?」

「1日だけ一緒にお出かけしたいと言っているのに、それすらもダメなのですか!?」

 

 

休日のバイトは平日より多くお客さんが来るのに、ロビーでウィズと紗夜さんが口喧嘩をしている。・・・・・・僕はそれの関係者だから恥ずかしい。

 

 

「ダメに決まってるでしょ!!そのまま隣のホテルで朝まで語り明かす気でしょ!?」

 

 

ウィズ?ここ、『R-15』よ?

 

 

「そ、そんな事はしません!第一、1年中映司さんと一緒にいたいと言っているウィズさんの方が異常なのでは!?」

「いいじゃない!姉弟なんだから!それとも、こんなブラコンが異常って言いたいの!?」

 

 

うん。

 

 

「えぇ!姉弟でずっと一緒なんて異常・・・・・・えぇ、異常です!!」

 

 

紗夜さん、今の間は何?・・・・・・まさか日菜さんの事じゃないよね?(※正解です)

 

 

「だいたい、私は映司さんにお願いしているのになんでウィズさんが出てくるのですか!?」

「姉だからに決まってるでしょ!!映司に何かあったらアタシが困るから!!」

 

 

ウィズ、君は僕の親か?

 

 

「映司さん!!」

「あ、はい。」

 

 

ヤバい、凄い気を抜いてた・・・。

 

 

「映司さんも何か言ってください!あなたの姉なんですよ!」

 

 

まぁ、そうなんですけど・・・。

 

 

「映司!こんな提案に乗っちゃダメ!そのまま隣のホテルで朝まで語り明かされるだけだから!」

 

 

ウィズ、とりあえず東映さんに謝ってきて。

 

 

「だから!私はそういう事はしません!!」

 

 

紗夜さん、その言い方だとウィズのセリフの意味合いを知ってるって事だよ?

 

 

「映司さん!!」

「映司!!」

 

 

これじゃ、静かにナレーションも出来ない。

 

 

「「はっきり答えて!!」」

 

「・・・・・・分かった。」

 

 

とりあえず僕は、バケツに大量の冷水を汲んで、

 

 

「「きゃ!?」」

 

 

2人にその冷水をかけてやった、

 

 

「これが僕の答え。頭冷やして外でしばらく反省してなさい。」

「でも・・・!」「ですが・・・!」

「分かった?」(圧)

 

「「は、はい・・・。」」

 

 

 それから約1時間、2人は仲良く外で突っ立っていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれから約1時間後、

 

 

「くしゅん!」

 

 

2人を店内に戻し、暖めている。ウィズはしばらく空いているスタジオで暖まっているが、紗夜さんは僕のいるロビーにいた。

 

 

「全く、紗夜さんもスタジオに入ればいいのに・・・。」

「そういう訳には行きません・・・!ちゃんと、答えを聞きたいので・・・!」

「何を?」

「その・・・、次のお休みの日に一緒に出かけたいので、その返事を聞きたくて。」

 

 

あぁ、やっぱりそれね。

 

 

「それなら別に構わないよ。『うん』って言おうと思っていましたから。」

「・・・!ありがとうございます!」

「その代わり、・・・・・・僕が言う事じゃないけど、風邪引かないでね。」

 

 

この『お出かけ』、紗夜さんの事だから音楽系の店を何件も寄るものだろう。静かについていくだけでなんとかなる。

 

 こんな風に考えている僕の思考は末期だろうか?(※元々末期です)

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
これを書いている時に調べたんですが、『イノセント』って『無邪気な、純粋な』って意味があるんですって。・・・・・・大半の方は知ってますよね?ってことで、・・・・・・純粋かどうかはさておき、こんなタイトルを付けました。


では、また次回!


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第56話 Pure Soul

 学校もバイトも休みなこの日、僕は紗夜さんの付き添いとして外出してるけど、

 

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

 

待ち合わせ場所に来ない提案者(紗夜さん)

 

 

「お待たせしました・・・!」

「それほど待ってないけど、・・・・・・そんなに急いだの?」

「ま、まぁ・・・・・・待ち合わせしたので・・・。」(言えない、映司君と早く会って色んな所に行きたいだなんて・・・!)

 

 

何を考えているかは知らないけど、まぁいいや。

 

 

「とりあえず行こうか?」

「はい。」

 

 

なんとなく、紗夜さんが楽しそうに見えるのは僕だけだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いや~、紗夜に言われてそれらしいコーディネートをしたけど、

 

 

「紗夜さん、嬉しそうですね~!」

「嬉しそうだけど、ちょ~っと心配なんだよね~。」

「だからって私たちまで呼ぶなんて・・・。こういうのは、リサだけで行きなさいよ。」

「友希那さん・・・・・・その割には、服装が・・・・・・。」

「何かしら?」

 

 

なんか可愛げに言ったけど、そこそこの変装してるのはなんでかな~?

 

 

「なるほど~!あれが葛城映司君か~。・・・・・・確か、蒼空が通っていた孤児院にいたって言う・・・。」

 

 

これ言っていい?・・・・・・良いの?・・・・・・オッケー。今喋ったのは、『ENDRECHERI』のキーボード担当の『鳥羽紫音』。もうすぐRoseliaとENDRECHERIの合同ライブがあるってだけじゃないけど、アタシたち仲良いんだよね~!

 

 

「あれ?この前会ってなかったんですか?」

「・・・・・・会ってたね。でも、アタシはそのままスタジオ入っちゃったから、あんまり覚えてないんだ。」

「そんな紫音様、お2人の関係はどう感じますか?」

 

 

あこ~、そんなに質問しちゃって・・・。

 

 

「う~ん、映司君の方は友達だろうけど、紗夜ちゃんの方は・・・・・・アレね!」

「やっぱり~?アタシも思ってたんだ。紗夜がね、『映司さんと少し買い物に行くのですが、どのような服が良いのか分からなくて・・・・・・。』って顔を赤らめて言ってきたから・・・・・・アレだね!」

 

「・・・・・・燐子、私、2人の言っている『アレ』が分からないのだけど。」

「りんりーん、あこも分からないんだけど。」

「失礼ですが・・・・・・友希那さんたちは、()()()()()を見ているのに・・・・・・分からないのですか・・・・・・?」

「「・・・?」」

 

 

・・・・・・あれ?友希那とあこ、分からないの?散々燐子と蒼空を見てきたのに?

 

 

「それにしても、映司君って・・・・・・中々イイ感じの人だね?」

「それじゃ、みんなで尾行だー!」

「おー!」

「仕方ないわね・・・。」

(氷川さん・・・・・・こんな気持ちで、見ていたのでしょうか・・・・・・?皆さんを見ていると・・・・・・凄く、色々不安になります・・・・・・。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まずは、どこに行くんですか?」

「そうですね・・・・・・、まずはショッピングモールに行きませんか?そこに行ってから、詳しく決めましょうか?」

「・・・・・・ほぼ、ノープランだったんですね。」

「し、仕方ないじゃないですか!?」

 

 

開き直らないの。

 

 

「その・・・、異性と出かけるのは初めてですし・・・・・・。」

「・・・・・・分かりました。僕もこういうのは初めてなので、その時その時で行きましょうか?」

「・・・・・・はい。」

 

 

てっきり、音楽系の店ばっかりかと思ってたけど・・・・・・思ったよりラフな感じなのかな?

 

 

「・・・・・・あの!」

「はい?」

「その・・・・・・敬語を止めていただけませんか?」

「え?」

「私たち、友達ですし・・・・・・今は()()()()()()()()ではありません。だから、敬語と、『さん』呼びも止めていただけませんか?」

 

 

あれ?さらっと1つ要求を増やしてるんだけど?

 

 

「・・・・・・分かった。」

「・・・!」

「それじゃあ行こっか?()()。」

「・・・・・・・・・・・・。」///

「・・・・・・ん?紗夜?」

「な、なんでもありません!行きましょう!」

(なんでしょう、顔が熱い・・・。)

 

 

・・・・・・紗夜さんの方は、敬語は消えそうにないね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お~!思いきって行ったね~!」

「それにしても、映司君もなかなかの策士かもしれないね~!お姉さんの中でも、ポイントが上がったよ~!」

 

「・・・・・・燐子、しばらく通訳をお願いできるかしら?」

 

 

わたし、この中にいて大丈夫なのでしょうか?・・・・・・蒼空君、助けてー!

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
今回のタイトルの意味は分かるでしょ?紗夜さんの心の事と思ってください。


では、また次回!


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第57話 Time

 ひとまずショッピングモールに来た僕たち。

 

 

「それじゃあ、どうする?」

「そうですね・・・・・・ここに行きますか?」

 

 

ショッピングモールのマップで指差した場所は、案の定楽器店だった。

 

 

「・・・・・・あ。」

「やっぱり、音楽系ですよね?」

「ごめんなさい。・・・・・・ん?映司さん。」

「はい?」

「敬語に戻ってますよ?」

「・・・・・・あ。ごめん・・・。」

「ふふっ。・・・・・・ひとまず、そこに行きましょうか。」

「そうだね。」

 

 

・・・・・・本当に紗夜さん、敬語を戻す気はなさそうだね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、到着した楽器店。

 

 

「そういえば、ウィズさんには今日の事を伝えたのですか?」

「うん、伝えたけど、『行かせない』って暴れるから、そこそこ溜めていた詞と曲を渡して、『歌を完成させろ』って言ってきた。」

 

 

 

 

 

もー!映司、溜めすぎーーー!!

 

 

 

 

 

「そ、そうですか・・・。」

「僕からも1つ質問だけど、紗夜さ・・・・・・紗夜は敬語を止めないの?」

「え?・・・・・・ずっと敬語で話してきたので、多分抜けないかと・・・。」

「あはは・・・、ですよねー。」

 

 

ダメか・・・。

 しばらく別行動で楽器店の中を見ていたけど、楽譜や教本コーナーで僕は立ち止まってしまった。

 

 

「・・・・・・懐かしいな。」

「映司さん?・・・・・・何か見つけましたか?」

「・・・・・・・・・・・・。」

「?・・・・・・教本?」

「え?・・・・・・あ、ごめん、気づかなくて。」

「いえ。その教本、かなり古そうな教本ですが・・・?」

「うん、昔ウィズと一緒にギターの弾き方を学んだ教本が、これなんだ。」

 

 

紗夜は僕たちの過去の事は知っている。だから、紗夜も察してくれるだろう・・・。この本が、僕たちにとってどういう本なのか・・・。

 

 

「・・・・・・そうなんですね。」

「・・・・・・さて、しんみり話はこの辺にして、紗夜は何か気になる物でもあった?」

「そうですね・・・・・・強いて言うなら。」

 

 

案内されたのはちょっと高価な楽器が並ぶコーナー。

 

 

「このギターですかね。」

「うわ・・・、高ーい・・・。」

「そんな棒読みで言われても・・・。」

 

「あれ?もしかして、Quartzerの映司さん?」

「ん?・・・・・・はい、そうですが。」

「本当に!?俺、ファンなんです!!」

 

 

まさかの『ファンです』発言。この先は・・・・・・

 

 

「1曲、歌ってくれませんか!?」

 

 

はい、キター。(棒)

 

 

映司さん、どうするんです?

・・・・・・紗夜、1曲だけ・・・・・・『軌跡』弾ける?

 

 

ってことで、この後Roseliaさんの『軌跡』を歌って店を後にしました。・・・・・・前に聞いたから、なんとなく覚えていたんだけど。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
今回のタイトルの意味は分かりやすいですが、キンキさんのこのタイトルの歌詞に『あの時から・・・』って歌詞があるので、・・・・・・後は書くの面倒くさいから察して。


では、また次回!


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第58話 to Heart

 楽器店を出た僕たちは、意外と時間が経っていた事に気付き、今から昼食を取ることになった。場所は、フードコートだ。

 

 

「ちょうど良いタイミングで席が空いて良かったよ。」

「そうですね。」

「紗夜は何か食べたい物はある?良かったら買ってくるけど。」

「いえ!そんな事はさせれません!・・・・・・それぞれ別のタイミングで買いに行くのはどうでしょう?」

「・・・・・・仕方ない。それにするよ。」

「決定ですね。では、まずは映司さんから。」

「いやいや、そこはレディーファーストで紗夜から。」

 

 

順番を決めるのに、2分くらいかかったのは・・・・・・察して。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 映司さんと氷川さんがフードコートで昼食を取っている時、わたしたちも少し離れた所で昼食を取っています。

 

 

「う~ん・・・。」

「紫音さん、どうかしたんですか?」

「映司君、ちょっと引き過ぎない?」

「・・・・・・確かに。アタシもそれは思った。」

「全て紗夜の行きたいところだものね。彼、自分の行きたいところが無いのかしら?」

 

 

わたしも、それは思いました。・・・・・・蒼空君も、そんな感じだったような・・・。

 

 

「ここは男子が引っ張っていかないと、女子はキュンとしないよ!ね、燐子?」

「え・・・・・・?」

 

 

今井さん・・・・・・何故こっちに答えを求めるんですか?

 

 

「確かに。ここは恋愛では先輩の燐子様に伺いましょう!」

 

 

紫音さんまで・・・・・・。

 

 蒼空君、助けてーーー!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 昼食を終えた私たちは、今はショッピングモールを見て回っています。

 

 

「映司さん、どこか気になるところはありましたか?」

「う~ん・・・・・・これと言って、かなぁ。」

 

 

私もこういうのは初めてで、正直何をすれば良いのか分かりません。それでも、映司さんが先程から全く自分の意見を主張しないのです。

 

 

「・・・・・・紗夜、どこか行きたい場所はある?」

「・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・ん?紗夜?」

「すみませんが、映司さん。」

「はい・・・。」

「映司さんは自分の意見が無いのですか?」

 

 

私は彼の前に立ち、真っ直ぐに彼の目を見ました。

 

 

「・・・・・・無い、ことは無い。」

「でしたら、何故言わないのですか?」

「・・・・・・否定されるのが、怖いから・・・。」

「・・・っ!」

 

 

忘れていました。彼は、普通とは言えない生活を過ごしてきたことを。・・・・・・だから、他人に自分の意見が言えない。

 

 

「・・・・・・私が、映司さんの意見を否定すると思いますか?」

「っ・・・・・・。」

 

 

何も言わないってことは、その可能性が少しあるのかもしれませんね。()()()()()

 

 

「私は、あなたの全てを否定しません。絶対に。」

 

 

私は彼の両頬に手を当て、

 

 

「だから、あなたのやりたい事を教えてください。ね?」

 

 

私の目を見るようにした。私は、彼を安心させるように、出来る限りの微笑みを見せました。

 

 

「・・・・・・分かった。ありがとう、紗夜。」

「いえ、それほどでも。」

 

 

彼が笑ってくれたのが嬉しくて、頬が緩んでしまった。

 

 

「それにしても、紗夜がここまで大胆だったとはね~。」

「・・・っ!こ、これは・・・・・・その・・・・・・忘れてください!!」

 

 

少しからかわれたのは、ちょっと悔しいと思いましたけど・・・・・・。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
今回は『心に』って意味ですが、紗夜が映司の心に・・・・・・って感じですよ。


では、また次回!


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第59話 こたえ

 映司さんのやりたい事を探していますが、なかなか見つからずに店内を歩き回る私たち。

 

「映司さん、何か気になるものはありましたか?」

「・・・・・・それが・・・。」

「まだ見つからない、ですか・・・・・・。」

「うん、ごめん・・・・・・。」

「あ、謝らないでください!こういうのはゆっくり見つければ良いのですから。」

「・・・・・・そう、だね。」

 

こんな映司さんを見ると、なんだか守ってあげたくなったり、正しい方向に導いてあげないと、って思いますね。ウィズさんがべったりくっついているのも分からなくはないですね。

 

「よろしければ、別の場所に行きますか?今までやったことないものがあるかもしれませんし。」

「やったことないもの・・・・・・あ。」

「?・・・・・・何かありましたか?」

「・・・・・・紗夜、この後の予定は?」

「特に細かい時間はありませんよ。暗くなる頃には帰ろうかと思っているだけですが。」

「それじゃあ・・・・・・これ、なんてどうかな?」

 

映司さんがショッピングモールのマップで見つけて、私に教えてくれたのは、モール内にある映画館でした。

 

 そして、映画館スペースに来た私たちは・・・・・・

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

・・・・・・いえ、映司さんは入口で固まってしまいました。

 

「映司さん?ここで感動していたら、後が持ちませんよ?」

「・・・・・・ッ!ご、ごめん!」

 

まさかそこまで気を取られていましたか・・・・・・。私もそんなに映画館には来ませんが、ある程度は分かるので。

 

「それで、映司さんはなんの映画で見たいのですか?」

「え?・・・・・・これ、かな?」

 

指を差したのは黄色い文字でタイトルが書かれた、昔放送されたドラマの20年後の物語を映画にしたものでした。

 

「紗夜はこの映画知ってる?」

「あらすじを少しくらいは・・・・・・ですね。」

「そっか・・・・・・これで良い?」

「はい。構いませんよ。」

 

そして、映司さんはSサイズのポップコーンとドリンクを、私も()()()()()()()とドリンクを持って、スクリーンに向かいました。

 

「・・・・・・紗夜、ポテト多くない?」

「そんな事はありません。」

「いやだって・・・・・・、それ一番大きいサ「そんな事はありません!」はい、そうですね!」

 

そして、()()()()()()()()()()()()()()()で、映画が始まりました。

 

『えっと・・・・・・どちら様でしたっけ?』

『・・・・・・ヤマト。』

『え?トマト?』

『ヤ・マ・ト!』

 

主人公の2人の再開のシーン、これは20年前のドラマの出会いのシーンとほぼ同じだとか・・・。

 

 この映画は、20年前のドラマ内であった大人だけを殺すウイルスが再び発生して、それに20年前関わった主人公2人が再び関わっていくというお話です。

 

 私たちは静かに見ていました。・・・・・・と言っても、私は時々映司さんを見ていました。彼がどんな風にこの映画を楽しんでいるのか、それが少し気になって・・・・・・。

 

『謎は全て解けました。』

 

・・・・・・あ、気づけば早くも終わりのようですね。

 

『お二人の幸せは、このわたくしが保証します。・・・・・・じっちゃんの名にかけて!』

 

・・・・・・これ、言っていいんですか?

 

『・・・・・・俺に不可能はない!』

 

・・・・・・これも、別作品の決め台詞ですっけ?

 

 

 

 半分以上映司さんの顔を見ていた気がしつつ、映画は終わり、私たちはスクリーンを出ました。

 

「映司さん、初映画はどうでしたか?」

「・・・・・・うん、悪くなかったね。」

「そうですか。」

「・・・・・・あのキャストさんたちが、20年前にも同じような作品のキャストだったんだよね?」

「えぇ。ポスター等を見るかぎり、そう書いてありますね。」

「・・・・・・つまらない(あいつら)みたいな大人にはならない、か。

「何か言いましたか?」

「ううん、なんでもない。それじゃあ行こっか?」

(僕も・・・・・・つまらない大人にはならないように、悔いのないように生きよう・・・・・・。)

 

何を言ったのか分かりませんでしたが、私たちは再びショッピングモールを歩き始めました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところでさ、ずっとポテト食べながら僕を見るの止めてもらっていいです?凄く気まずかったんだけど?」

「す、すみません・・・。でも、そんなに見てましたか!?」

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
今回のタイトルは、映司が何か・・・・・・『こたえ』を見つけたから、付けました。

それと、作中に出てきた『映画』・・・・・・分かる人います?・・・・・・だいたいの人が分からないと思うけど。


では、また次回!


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第60話 ひとりじゃない

気付けばもう60話・・・・・・。







 映画を見終えて、僕たちは結局ショッピングモール内をうろついていた。

 

「これからどうする?」

「そうですね・・・・・・私もこれといって見たいところもありませんし・・・。」

「そうだねー。・・・・・・あ、もう1個やってみたい事があるんだけど。」

「構いませんよ。どんなものですか?」

 

口で説明するのが難しいから、記憶を頼りに『やってみたい事』がある場所に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私たちは氷川さんたちが出てくるのを映画館スペースの出入口付近でずっと・・・・・・は、いませんでしたが、交代で見張っていました。・・・・・・私は半ば強制的にやらされましたが。

 

「・・・・・・ふぅ~。バレてない、よね?」

「あったり前でしょ~!この紫音様に任せとけって!」

 

キャラ、崩壊してません?

 

「それにしても、アタシ気に入ったかも。」

「え?紫音さんどうしたの?」

「何か気になる物でもあった?」

「うん。『物』というより、『者』かな~?」

「何よ、ハッキリ言いなさい。」

 

友希那さん、出てますよ?

 

「映司君、アタシ気に入っちゃった♪」

『・・・えぇ~!?』

 

わたしも驚きましたけど、皆さん声大きすぎです。

 

「紗夜~、強力なライバルがここにいるよ~!」

「大丈夫大丈夫!()()狙わないから。」

 

『まだ』ってなんですか?

 

「映司君に、楽曲提供しよ~っと!」

『・・・え!?』

 

ここでまた、まさかの発言をしてわたし以外の動きが止まりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 映司さんの『やってみたい事』をしに、私たちは再びフードコートにやってきました。

 

「それで、『やってみたい事』とは一体・・・・・・?」

「うん、最近人気みたいな・・・・・・これ。」

「タピオカ・・・・・・ですか?」

 

最近、若者に人気(らしい)タピオカを売っているスイーツ店。他にもクレープ等も売っていますが。

 

「紗夜は飲んだことあるの?」

「私も無いですね。映司さんは・・・・・・無いですよね。」

「勝手に納得しないでよ。・・・・・・もちろん無いけど。」

「それにしても、味の種類もたくさんあるのですね。」

「僕は・・・・・・よし、決めた。」

「私も決めました。」

 

そして、それぞれ欲しい味のタピオカジュースを買い、近くの席に座りました。

 

「・・・・・・うん、美味しい。」

「そうですね。・・・・・・映司さん、ちょっとリアクションが薄くないですか?」

「そう?・・・・・・今までこんな感じだったからね。」

「そう、でしたね・・・。でも、これから失くしてしまった感情を取り戻していきましょう。」

 

私は彼の手に自分の手を置いて、安心させるようにする。

 

「私も、一緒に手伝いますから。」

「・・・・・・うん、ありがとう。」

 

何故でしょう?今・・・・・・()()()()()()()()()()()()()()()と、思ってしまった・・・・・・。

 この、不思議な感情は一体・・・・・・。

 

見つけたーーー!!

「うん?」

「今のって・・・?」

 

恐る恐る声のした方を見ると、ウィズさんが息を切らしてこっちを見ていました。

 

「帰りが遅いと思ったら・・・!」

「・・・・・・紗夜、楽しかったよ。」

「えぇ、私もです。」

 

この後、騒がしくなったのは・・・・・・言うまでもありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アタシにもタピオカ(それ)を飲ませろー!」

「そっちかよ・・・。」

「あはは・・・。」

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
タイトルは・・・・・・もう察するでしょ?日本語なんだし。

紗夜さんに、一体どんな感情が芽生えたでしょうね~?ニヤニヤ

ではここでどうでもいい事を。
一昨日の『FNS歌謡祭』見ました?・・・・・・特に、最後の方のFUNKのやつ。これ、ちょっとアンケートするね。・・・・・・なんでって?そりゃあ、あんな感じの歌をそのうち出すからさ!まだ書いてないけど。


では、また次回。


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第61話 PURPLE FIRE

 今日も学校が終わってCiRCLEでバイトをしている。・・・・・・ここまでは普通。

 今回違うのは・・・・・・、

 

「こんにちは、映司さん。」

「こんにちは。今日は個人練習だね?」

「はい。ですが・・・・・・あれは、一体・・・?」

「僕もあれには頭を抱えてるんだ。・・・・・・今は。」

 

そう、僕たちの視線の先には、ロビー内の休憩スペースでウィズを筆頭に、

『Poppin'Party』の山吹沙綾さん、

『Afterglow』の上原ひまりさんと羽沢つぐみさん、

『Roselia』の今井リサさん、

そして何故か『NOASIS』の宮崎吏佐と谷口彩紗が占拠している。

 

「それでは、『どうやったら映司が感情豊かになるか』について、考えるよ!」

 

「・・・・・・っ!」

「紗夜さん、練習は?」

「そ、そうでしたね・・・・・・。」(一体、どんな会話をするのでしょう・・・・・・。)

 

・・・・・・きっと、紗夜も気になってるんだろうな・・・。

 それはそうと、なんで僕が話題になるのさ?ってか、ウィズはどこまで友好の輪を広げてるんだよ?

 

「でも最近の映司さんってかなり感情が豊かになったと思いますよ。・・・・・・初めて会った頃に比べたら。」

「確かに!あの頃は『え?心ある?』って感じだったし~!」

 

吏佐、彩紗、うるさい。余計なお世話だ。

 

「そういえばさ、日菜から聞いたんだけど、映司と紗夜がお出かけした日の夜、紗夜がほぼ放心状態だったって!」

「そうなんですか~!?あの紗夜先輩がね・・・・・・。つぐ、ライバル多いね?」

「なんで私に言うの!?」

 

・・・・・・女子だね。恋愛話にすぐに食いつく所が。

 

「それで、『どうやったら映司さんが感情豊かになるか』は話さなくていいんですか?」

『・・・・・・あ。』

 

忘れてたんかい?・・・・・・沙綾さんって、姉なのかな?

 

「ウィズ先輩、最近の映司さんは何か趣味とかあるんですか?」

 

沙綾さん、受付に本人()がいるのに何故ウィズ(そっち)に聞く?

 

「最近の映司の趣味ね~。・・・・・・なんだろう?」

 

知らないんかい?・・・・・・確かに、僕の趣味ってなんだろう?音楽は昔からずっと続けてきたから、趣味って言えるのかな?

 

「映司、ずっと音楽だけは続けてきたから、趣味は『音楽』かな~?」

「そんな事言ったら、ウィズさんもそうですよね?」

「え?アタシも?」

「確かに!昔からずっと映司さんと音楽の話してたよね~?」

 

・・・・・・そっか。僕たちは、音楽とは切っても切れない関係になってたんだ。・・・・・・悪くないね。

 

「そんな事より2人共、映司とウィズって昔どんな子だったの?」

「あ、リサさん聞きたいんですか~?」ニヤニヤ

「ちょっと吏佐、あまり言わない方がいいと思うけど?」

「私も聞きたーい!」

「私も、聞きたいな・・・・・・。」

 

ひまりさんは性格上ともかく、沙綾さんまで!?

 

「それでは始めましょう!あの頃の映司さんとウィズさんは」

「止めなさい!」

 

\ヒュン!/

 

『っ・・・・・・。』

「楽しそうだね~?」

「え、映司・・・・・・?」

「なんだろう、映司さんの後ろに紫の炎が見える・・・・・・!」

 

ちょっと騒がしくなったから、()()近くにあったカッターナイフを投げつけた。それがまぁ~上手いことに机に刺さったんだよね~。

 

『ひぃ・・・!』ガクガクブルブル

「お静かに、ね?」

『は、はい・・・・・・。』ガクガクブルブル

 

それからしばらく、僕が受付仕事をする時はロビーが静かだった。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
今回のタイトルは本編にも出てきたワードから取りました。

机?・・・・・・錘さんに頼んで新しくしたよ。


では、また次回!


アンケートだけどさ、物凄い偏見言うね。
 このサイトにいる人間は声優とか出ないかぎり、FNSとか見ねぇもんな!
・・・・・・口悪くてすみません。


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第62話 Hey!みんな元気かい?

 桜のつぼみが膨らむ頃。僕たちは今日、終業式を迎えた。

 

「今日で僕たちが会うのは最後かな?」

「それならそれで、僕は構わないけど。」

「いやいや!もうちょっと『ううん、来年また会えるさ。』とかじゃないの!?」

「どうせ来年同じクラスじゃなくても会うでしょ?僕たちの知り合いにはどっちも知ってる人がいるんだし。」

 

Pastel*Palettesとか・・・・・・。

 

「ふふっ、確かにね。」

 

「お~い、晴斗~!」

 

「ん?・・・・・・げ!マジかよ・・・・・・。」

「うん?どうしたの?」

「今こっちに来てる人、あまり映司君に会わせたくない人なんだよね・・・・・・。」

 

『会わせたくない』って、どんな人なんだよ・・・・・・。

 

「おい、なんの話してるんだ?」

「君が会うと僕の評価がガタ落ちする相手がいるってこと。」

「そっか~。・・・・・・って、酷すぎるだろ!?」

「紹介したくなかったけど、紹介するよ。こいつは『赤城浩輔(あかぎこうすけ)』、僕の幼馴染だよ。」

 

失礼かもしれないけど・・・・・・確かに率先して絡みたくない、熱そうな人だ。

 

「ん?・・・・・・ごめんなさい、そのカバンって・・・?」

「お?・・・・・・これか。こん中には『カメラ』が入ってるんだ。」

「え?カメラ?」

「僕と浩輔は、写真部なんだ。」

「へぇー、そうなんだ。」

「お?お前も興味あるのか?」

「いえ、全然。」

「ありゃ?」

「・・・・・・ん?」

 

ふと、晴斗の携帯が鳴りだした。

 

「晴斗、誰からだ?」

「・・・・・・千聖からだ。」

「またかよ・・・・・・。行ってら~。」

「早いって。・・・・・・じゃあ、映司君。また今度!」

 

そう言って、彼はバイクに乗って帰っていった。

 

「アイツ、千聖の迎えに行ったんだよ。」

「え?・・・・・・千聖って『Pastel*Pallets』のですか?」

「あぁ。俺も、アイツらと幼馴染だからなんとなく分かるんだ。」

「そうなんですね。」

「ちなみに、ハロハピの瀬田薫も幼馴染の1人なんだぜ?」

「そ、そうなんですね・・・・・・。」

 

最後の情報はいらないな・・・。

 

「では、僕もこれで。」

「おう、気を付けてな!」

 

・・・・・・案外、優しい人だな。晴斗の幼馴染だけのことはある。

 僕はそんな事を思いつつ、花咲川に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、着く頃には・・・・・・、

 

「あ!映司先輩!今度はいつライブするんですか!?」

 

速攻で猫耳少女に絡まれてた・・・・・・。

 

「映司~、助けて~・・・・・・。」

 

ボロボロだなぁ。

 

「あのね、僕たちも何度もライブが出来る訳じゃないから。気が向いたらやるくらいだしね。」

「だってさ。諦めろよ、香澄。」

「・・・・・・分かった。」

 

あ、分かってくれたか・・・。

 

「まりなさんに頼んでくる!」

 

分かってなかった・・・。

 

「それか校長!」

 

止めて!?・・・・・・うん?校長?

 

「あの、香澄さん。なんで今『校長』が出てきたの?」

「え?だって、お昼休みに校長先生がウィズ先輩と一緒にお昼ご飯食べてるんですよ!」

 

あの人は・・・!

 それから、香澄さんを大人しくさせるのにだいぶ時間がかかったのは、言うまでもない。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
タイトルは・・・・・・なんとなく付けた。以上!・・・・・・半分嘘です。元気なキャラがいっぱいでたから付けました。


では、また次回!


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第63話 White afternoon

 春休みも、だいたいバイトを入れている。・・・・・・ある程度貯金するために。

 

「映司さん!ウィズさん!」

 

機材の準備や片付けをしていると、急にひまりさんが話しかけてきた。

 

「うん?」

「お2人が一緒の休みって、次はいつですか?」

 

なんでしょう・・・・・・嫌な予感がするのは僕だけでしょうか?

 

「次は・・・・・・2日後だって。」

 

言わなくていいのに・・・・・・。

 

「でしたら、その日みんなで遊びに行きましょうよ!」

「・・・・・・申し訳ないけど、僕には──イッテ!?」

「うん、アタシたちも空いてるから大丈夫だよ。」

 

この・・・!思いっきり足踏まれたんだけど・・・!?

 

「ホントですか!?ヤッター!!」

 

あの・・・・・・僕が痛がってるのが見えないのか?

 

「それじゃあ、2日後にCiRCLEのテラス席で!」

 

それだけ言って練習に戻るひまりさん。

 

「・・・・・・変わったね。」

「そぉ?」

「うん。『今時の女子高生』って感じだよ。」

「そりゃあ、アタシだって『今時の女子高生』ですから!」

「・・・・・・そうだね。とりあえず、」

「うん?・・・・・・うん!?」

「片付けよろしく。」

「え!?」

「僕、足痛いから。」

「えー!?ちょっ、映司~!?」

 

思ったより踏まれた痛みが消えなくて、しばらく休憩していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今井さんに誘われて、CiRCLEに来ましたが・・・・・・時間と場所しか聞いていないので、何をするのか全く知らないのですが・・・。

 

「・・・・・・それにしても、集合時間5分前なのに誰も来ませんね。」

 

「ほ~ら!諦めなよ~!」

「嫌だよ!そのメンバーだと絶対嫌な感じしかしないんだって!」

 

・・・・・・え?この聞き慣れた声は・・・?

 

「あ、紗夜さん!紗夜さんも誘われたの?」

「え、えぇ。そちらは・・・・・・姉弟揃って、ですか?」

「はい!」

「良かった・・・、紗夜がいるなら一安心だ・・・・・・。」

 

映司さん、あなたは一体何を知っているの?

 

「・・・・・・映司。」

「分かったから、もう諦めるから。」

「いつから紗夜さんとそんなに仲良くなったの?」

 

「「・・・・・・え?そっち(ですか)?」」

 

そういえば、この3人での会話はあれ以来ありませんでしたね。

 

「いつ仲良くなったの!?どんな手口で映司を脅したの!?」

 

なんで私が悪いみたいになっているんですか!?

 

「おっ待たせ~!・・・・・・どうしたの?」

「い、いえ!なんでもありません!」

 

タイミングが良いのか悪いのか分かりませんが、今井さんと上原さん、それから羽沢さんがやって来ました。

 

「それじゃあ、みんな行こー!」

「おー!」

「どこに行くのか、僕はそれが一番知りたい・・・。」

「私もです・・・。」

 

そして、来たのが、生クリームを専門に色んなスイーツが味わえるお店です。

 

「ここ、ここ!私、ここに来たかったんですー!」

「アタシもここ来てみたかったんだ~!」

「アタシ、知らなかった・・・・・・。」

 

上原さんと今井さんは知っていたみたいですね。

 

「羽沢さんは知っていたのですか?」

「ひまりちゃんに聞くまでは知りませんでした・・・・・・。でも、聞いたら行ってみたいって思って。」

「そうだったんですね。映司さんは・・・・・・知らないですよね?」

「当たり前だよ。」

 

そして、店内に入ると上原さんが全員で食べてみたい物を注文してくれました。

 

「お待たせしました。」

 

「わぁ~、来た~!」

「おぉ~、これね~!」

 

ドリンクを入れる容器にフロートのようにクリームが乗っている飲み物(?)が全員分来ました。

 

「えっと・・・・・・、ひまりさん、これは?」

「これは飲み物ですよ!」

「え?これで!?」

 

ウィズさんの気持ちも分かります。これが『ソフトクリームです』と言われたら納得するするくらい、生クリームが・・・・・・。

 

「え?本当に?」ゴクッ

『あっ!?』

 

まさかの映司さん、このドリンクをみんなで飲む前に飲んでしまいました。

 

「ちょっと、映司さ~ん!」

「あはは・・・、自由だね~・・・・・・。」

「とりあえず、気を取り直して、これ飲み物な──「へっくしょん!」おい。」

 

ウィズさんが話している最中に、これまた映司さんがくしゃみという形で割り込みました。これにはさすがのウィズさんも、

 

「ちょっとアンタ表に出ろ!」

 

・・・・・・怒りますよね?

 

「一回シバかんといけないな!?」

「いやいや・・・・・・!」

「もう、本当に一回表出ろ!シバかんといけないな!?」

 

せっかくウィズさんが気になっているドリンクの説明を聞けないのが相当来たんでしょうね。彼女、立って怒ってますから。

 それにしても、映司さんは気が緩みすぎです。

 

「でもね、ドリンク(これ)好きな人は本当に好きだと思う!」

「いや、アタシたちまだ飲んでないから!!」

 

そうですよ、このドリンク飲んだのはあなただけですよ・・・。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
今回のタイトルは、知ってる方は知ってるでしょう!・・・・・・知らなかったら、バンドリの公式Twitter見たら?

それと、カバーコレクションフラゲしたぜ!・・・・・・これが、アタシの他のアニメの勉強法です。

バンドリで他の音楽を学んで何が悪い!?
・・・・・・ごめんなさい。最近カバーで追加された曲の原曲を聞きに『ようつべ』で見ると、・・・・・・そんな感じのコメントを見るからさ。


では、また次回!


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第64話 軌跡

 皆様、『君、明日1日オフでいいよ』と急に言われたらどうしますか?

 人によっては『ありがとうございます!』って思う人もいれば、『あ、自分はもういらないんだ・・・・・・。』って思う人もいるでしょう。

 僕の場合は、

 

「あなた、働きすぎ!明日は休みにするからちゃんと休むように!」

 

と、まりなさんに言われたからだ。・・・・・・シフト上休みでも、暇だったらこそっとCiRCLEに行って働いているから、だろう。

 

「仕方ないわよ。映司君、まともに休んでないんだから、たまにはゆっくり休みなさい。」

 

・・・・・・さらっと主婦業してるんだよね、楓さん。

 

「でも、家で家事を楓さんに取られたら、僕本当に暇なんですけど?」

「それでいいじゃない。あたしだってたまには『母親』っぽいことしたいから。」

「・・・・・・結婚したら?」

「余計なお世話!」

 

僕たちの『母親』はいいけど・・・・・・この人、独身なんだよな・・・。

 

「あたしは、独身でも構わない。あなたたちを養えればそれでいいの。」

「そんな事言って、ご両親泣かない?」

「・・・・・・もう、いないんだよね。」

「え・・・?」

 

今、なんて・・・?

 

「あたしの両親、3年ほど前に事故で亡くなってるの。」

「・・・・・・ごめんなさい。」

 

ちょっと、デリカシーが無かったな・・・・・・。

 

「気にしないで。両親も、あたしが今の生活をしたいって言ったら、大喜びだったから。」

 

おい、あなたたちの家系はおかしくないか!?子供が『養子で良い』って人間、そうそういないぞ!?

 

「・・・・・・あ!だったら、何か曲でも作ったら?」

「それこそ、仕事してるのと変わらないけど?」

「それもそっか・・・。だったら、何か1曲弾いて!『気分転換』って理由で!」

「・・・・・・カバー曲でもいい?」

「もっちろ~ん!」

 

この人がただ聞きたいだけだろうけど・・・・・・まぁいい。

 僕は自室からギターを持ってきて、弾き語りで演奏を始める。曲は、Roseliaさんの『軌跡』だ。

 

「靴紐が解ければ 結びなおすように

 別れても途切れても

 また繋がるために出逢うべく

 人は歩んでゆく」

 

本来はピアノソロだが、家には無いから、なんとか単音でそれっぽく出している。

 

「哀しみで 胸の中溺れそうならば

 瞼閉じ迎えよう いつも変わらず

 笑う貴方の瞳が ほらね…ただ綺麗で

 

 ″ありがとう″

 巡り逢うよう 命は繰り返してく

 始まりという名の道

 振り向かず前を見つめ

 ″ありがとう″

 廻る地球 貴方と私は進む

 握る手離れても

 終わらない絆がある」

 

この曲、友希那さんが書いた曲だから、一人称が『私』なんだよな・・・。でも、楓さんと会えた事が奇跡って事を伝えたかったからか、この曲がすっと出てきた。・・・・・・携帯で歌詞は見ているけど。

 

「ふと蘇る あの姿

 心はさざめき出す

 辛くないのは 嘘だけど

 きっと覚束(おぼつか)ない言葉でも伝えたい…」

 

盛り上がる部分はコード弾きでギターを奏でる。・・・・・・1番からCメロは意外とメリハリが急だよね。

 

「″ありがとう″

 此処で逢えた 貴方と私の軌跡

 一つだって忘れないわ いつまでも熱いままで

 

 ″ありがとう″

 廻る地球 貴方と私は進む

 握る手離れても

 終わらない絆がある

 

 幾千も 永遠(とわ)を重ね」

 

・・・・・・本来なら最後に盛り上げて締めるけど、今回は無くしてみた。逆に余韻が残るかなと思って。

 

「・・・・・・いかがでしたか?楓さん。」

「うん、凄く良かったよ・・・・・・。」

 

わぁ、泣いてる・・・・・・。

 

「なんか、ごめん。ちょっと、昔の事を思い出しちゃって・・・・・・。」

「我慢しなくてもいいですよ。ここには、僕しかいませんので。」

「・・・・・・うん、ありがと。」

 

思ったより、効いてたみたいだった・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところで、歌詞は覚えてないんだ?」

「はい・・・。最近は自分で書いた歌詞も曖昧に・・・・・・。」

「・・・・・・書きすぎだからじゃない?」

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
なんで『またRoseliaの曲じゃ!?』って思ったでしょ?・・・・・・携帯に入ってる曲(キンキ&バンドリ曲しかないけど)探してたら、『あ、これでいいじゃん!』ってなったのよ。・・・・・・別にRoselia推しだからって意味じゃないよ!・・・・・・7割くらいは。

それとさ、カバコレ3をナビとパソコン(そこからスマホへ)に入れたけど、通信でタイトルとか入れたら、アーティスト名に声優名まで入るんですけど、Roseliaのとこに『遠藤ゆりか』と『明坂聡美』が入ってたんですよ。・・・・・・ゲーム実装は、確かその辺だった気がするけど、ね~?


では、また次回!


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第65話 Tu FUNK

 結局、僕と楓さんは暇なのでCiRCLEにやって来た。・・・・・・決して!働くためではなく、ウィズの様子を見に、だ。

 

「こんにちは。」

「いらっしゃ~い!・・・・・・って映司君!?」

「大丈夫です、働きには来てません。ウィズの様子を見に来ただけです。」

「そう、それなら良いけど。・・・・・・あ、そうだ。良かったらステージに行ってみる?」

「え?・・・・・・今日、誰かライブしますっけ?」

「う~ん・・・・・・『急遽』決まったかな~?」

 

・・・・・・この人の事だから、ウィズかPoppin'Partyがライブをするんだろうな・・・・・・。

 

「・・・・・・楓さん、どうする?」

「行ってみよう!!」

「・・・・・・はい。」

 

見てはいけなかった。・・・・・・すっごい目がキラキラしてた。

 とりあえずライブ会場に行くと、そこはお客さんが溢れかえるほどいた。

 

「もしかして、ウィズちゃんがライブするの!?」

「それは分からないけど・・・・・・あ、始まるみたい。」

 

ステージに現れたのは、『まさかの』というか『やっぱり』というか、ウィズだった。

 

「気分転換に聞いた曲で、ハマってしまったジャンルの曲を披露します。」

 

え?・・・・・・どんなジャンルなの?

 ってか、さらっと『NOASIS』も楽器構えているし。

 

「では、ラフな感じで聞いてください。

 『FUNKがしたいんだ どしても』。」

 

・・・・・・言っていいのか分からないけど、言うね。したいならすればいいじゃない。

 演奏が始まると共に、ポップな感じのメロディーを奏で始めた。

 

「FUNKがしたいんだ どしても FUNKがしたいんだ どしても

 FUNKがしたいんだ どしても FUNKがしたいんだ どしても」

 

・・・・・・これ、一行で収まるよね?歌詞通り書いてるけど。

 

「さぁLet's groovin'FUNKな一手間………(×2)

 

 FUNKがしたいんだ どしても(×4)

 

 さぁLet's groovin'FUNKな一手間………(×4)

 

 ひとびとが機械を愛する現代(いま)を悩め

 さぁLet's(いにしえ)groovin'FUNKな一手間………(×4)」

 

歌は独特だけど、歌詞はちょっと・・・・・・考えさせられるような歌詞だな。

 

「生きていたい ひとむかしを 生きていたい 古い希望

 忘れずに 連れ去りたい 未来へと 古い希望

 生きていたい そのむかしを 生きていたい 古い希望

 忘れずに 連れ去りたい 未来へと 古い希望」

 

 

ウィズが今まで歌ったことのないジャンルで歌っている姿を見て、呆気を取られる僕たち。

 

「ウィズちゃんって、こんな歌を歌って・・・・・・無かったよね?」

「えぇ。・・・・・・でも、楽しそうだな。」

「うん、なんか・・・・・・音楽と1つになってるって感じ?」

 

楓さんの言いたいことは分かる。ウィズは今、この音楽の世界の一部となって、音楽の世界に漂っている感じだ。

 

「・・・・・・ウィズのソロには、あまり口は出さないでおこう。」

「なんで?」

「僕たちはQuartzerです。・・・・・・でも、その前に1人の人間です。」

「・・・・・・そっか。映司君は、ウィズちゃんの意志を尊重する訳ね。」

「はい。」

 

曲が終わるまでの間、僕たちも、この音楽の波に漂ってみることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ~!・・・・・・え!?映司、見てたの!?」

「お疲れ、ウィズ。・・・・・・距離的に遠くて聞こえないけど。」

「楓さんまでいる~!?」

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
今回は、ウィズがソロとして新ジャンルの音楽を演奏するのがメインの回です。・・・・・・これでも、バンドリの2期が始まる前の時間ですけどね。

そして、曲もタイトルの通り、『FUNK』です。・・・・・・でも、僕の知るFUNKはENDRECHERI(キンキの剛)さんの曲だけですけどね。


では、また次回!


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第66話 永遠のBLOODS

 今日は日菜と一緒にCiRCLEに来ていましたが、偶然『ウィズさんがライブをする』と聞き、日菜が『見たい!!』というので見ていますが・・・・・・。

 

「・・・・・・え!?映司、見てたの!?」

\ザワザワ・・・・・・/

 

ウィズさんの一言で、会場がざわつき始めました。

 

「映司~、上がる?」

\キャー!/

「いやいや、『え?僕?』じゃないよ。もうYou上がっちゃいなよ!

 

・・・・・・誰のモノマネしたんですか?

 

「ね~、ちょっと待っててね。今ね、映司がステージに移動して・・・・・・る?してるのね?・・・・・・うん、してるから。ちょっと待っててね~。」

 

さらっとMCになってますね。・・・・・・凄い、緩い感じで。私たちとは大違いですね。

 

「おねーちゃんおねーちゃん!映司君も歌うの!?」

「さぁ・・・・・・どうなのかしらね?」

 

私も、この流れは分からないから何も答えれないわよ。

 

「でもさ、どうだった?ファンク。\パチパチパチパチ・・・・・・!/・・・・・・そうですか、それは良かったです。ただね、これなんとなく書いたから、聞いての通りに緩いのよ。」

 

そうですね。・・・・・・半分くらい同じ歌詞を続けていましたね。

 

「歌詞はね、出来る限りイイ感じに書いたんですよ。・・・・・・あ、来た。」

 

このタイミングで、映司さんがステージに登壇しました。・・・・・・私、休みだと聞いてたんですけど。

 

「あのさ、僕今日ライブ(これ)する予定無かったんですよ。」

「・・・・・・まぁ、そうでしょうね。」

「だって、今日は僕バイト入ってなかったのよ。休みで、たまたまウィズの様子を見に来ただけなんですよ。」

「だよね~?」

 

そうでしょうね・・・・・・。ただ、これをライブステージでマイクを通して話す内容ですか?

 

「で、僕上がったけどどうするの?」

「そうね~・・・・・・しばらくトークする?」

「する?僕はそれでもいいけど、その代わりに多分・・・・・・終わる頃にはお客さんの心がズタボロかもしれないけどね。」

 

・・・・・・え?

 

「え?アナタは何を話す気なの?」

「それはもちろん、『あんな事』や『こんな事』を・・・・・・冗談だよ。」

 

いやいや、冗談でも『ある意味』私たちの心はズタボロかもしれないわね・・・・・・。

 『NOASIS』の方々も止めに入りましたけど?

 

「じゃあ・・・・・・何か歌う?」

「歌う?・・・・・・あ、一昨日完成した曲歌おっか?」

「あ、『永遠のBLOODS』?」

 

言うんですね・・・・・・。まるで、朝倉蒼空さんみたいですね。・・・・・・その人からMC術を学んでいましたね。

 

「歌うのはいいけど、その代わりね・・・・・・一切練習してないから、音程外れても気にしないでね。みんな、弾ける?・・・・・・弾けるのね。優秀だね。」

 

そのまま、演奏が始まりました。

 

「ひとり空を見上げた朝は 薄い月寂しく見える

  灼けた壁が続く未来が 明日(あした)を追い越そうとしてる」↘

 

今 僕らの前に立ちはだかる(正:もう ゆずれない夢に背を向けずに)

孤独さえ吹き飛ばせそうさ(抱えて行こうとそう思うんだ)

 

・・・・・・何故か、にやけていますね。また間違えたのですかね?(※正解)

 

「「追い風にふくらんだシャツのボタンをひとつ外して  

地図を破り捨てて 自由を探しに行くよ

 

あの飛行機雲と(こぼ)れ出した想いが

  ガラス色の胸に浮かんでいるよ いざ此処に」」

 

サビが終わってすぐさま後ろを向く映司さん。・・・・・・NOASISの方も笑ってるって事は、やっぱり間違えましたか。

 

「ねぇおねーちゃん、なんで映司君笑ってるの?」

「おそらく、歌詞を間違えたからでしょう。」

「え?」

 

あなたからすれば、分からない理由でしょうね。

 

「今 僕らの前に立ちはだかる」

 

映司さん、ウィズさんに肩を軽く叩かれているのが、一番の証拠となりましたね。

 

「孤独さえ吹き飛ばせそうさ

  追い風に」↘

 

「「ふくらんだシャツのボタンをひとつ外して  

地図を破り捨てて 自由を探しに行くよ

 

あの飛行機雲と零れだした想いが

  ガラス色の胸に今でも伝っているよ」」

 

ここでラスサビ終わりかと思いまいたが、音程からして、まだありそうですね。

 

「「やがて季節変わって もう一度この場所に立って  

懐かしむ時には 君に笑っていて欲しい」」

 

そして、無視することの出来ない失敗をしながら・・・・・・1ライブを終えましたとさ。

 

 

 

 

 




・・・・・・タイトルの理由は言わないよ。

さて、映司君が歌詞を間違えた理由ですが、64話の最後にこそっと言ってますよ。・・・・・・言い方を変えれば、『自分で見てこい』って意味ですよ。・・・・・・本当に言葉悪いね。


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第67話 Tell me

 ライブも終わり、ロビーのソファーで僕は休憩していた。

 

「お疲れ。間違えちゃったね?」

「楓さん・・・・・・。えぇ、すぐに歌詞は全部出てきませんよ。」

「はい、コーヒーで良かった?」

「はい、大丈夫ですよ。」

 

僕は楓さんから缶コーヒーを貰った。

 

「映司さ~ん!」

「ん?」

 

僕の名前を呼ぶ声が聞こえた方を見ると、『NOASIS』の4人とウィズがこっちに向かってきていた。

 

「映司さん!俺たち、かなり映司さんたちのライブに貢献出来てますよね!?」

「・・・・・・光一は『少しでも失敗したらクビにされる』とでも思っているの?」

「「当たり前です!」」

 

おー、吏佐までも・・・・・・。それから、2人共顔が近い。

 

「そこまで人が悪かったら、僕は既に4人とは縁を切ってるよ。」

「「え?」」

「僕は4人が努力家で、才能もあることを僕は知ってる。逆に、僕が『他の場所に取られるのではないか?』と心配するくらいだよ。」

「「映司さ~ん・・・・・・!!」」

「ごめん、抱きつくのは無しで。」

「「今の感動を返せーーー!!」」

 

彼らといると、『なんでもっと早く仲良くならなかったのだろう?』と思ってしまう・・・・・・。過去のことを今言っても、どうしようもないけど。

 

「ほら2人共、片付け手伝ってよ。」

「むぅ・・・・・・。」

「イイじゃん!ようやく映司さんと仲良くなれたんだから!・・・・・・うん?え?」

 

あれ?彩紗?

 

「はい、行くよー。」

「にゃ~。・・・・・・って、私は猫じゃな~い!」

「ほら、光一も。」

「俺まで襟を掴むなよ!」

 

・・・・・・まるで、光一と吏佐が猫みたいだ・・・。

 

「・・・・・・映司、何か言わないの?」

「何かって?」

「アタシがあんなジャンルの曲を歌ったのに・・・。」

「ウィズがやりたいんでしょ?だったら、僕は何も言わないよ。ウィズがやりたい事に口は出さない。・・・・・・応援はするけど。」

「・・・・・・そっか。そうなのね、ありがとう。いや~、持つべきは頼りになる弟だね~♪」

「どういう意味だよ・・・?あ、でも()()()押し付けないでよ。」

「アタシを押し付け常習犯みたいに言わないで!」

 

「ちょっと失礼。」

 

僕たちに声をかけてきたのは、帽子を被った1人の男性だった。

 

「君たちが、先程ライブをしていた『Quartzer』でいいのかな?」

「・・・・・・はい。」

 

僕たちはこの人を知らない。だからか、少しばかりの警戒心が出ている。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

それは多分、ウィズも同じだ。

 

「心配しなくてもいい。君たちをスカウトしに来ただけだよ。」

「スカウト・・・・・・?」

 

「建さん、そんな悪徳な雰囲気でスカウトしたら、怪しいって。」

「ん?・・・・・・蒼空君、こんなとこにいたのかい?」

 

どうやら、蒼空さんの知り合いのようだ。・・・・・・ってか、蒼空さんいつの間に?

 

「自分から言いそうにないから紹介するよ。この人は『武田建(たけだけん)』さん。俺たちを支えてくれたサポートバンドのリーダーだ。」

「怪しい雰囲気でごめんね。」

 

あ、自覚あったんだ・・・・・・。

 

「でも、『スカウト』っていうのは本当なんだ。」

「え?」

「どういう事ですか?」

「僕たちが4月から作る新しい事務所のアーティストにならないか?」

 

・・・・・・それって、『芸能人にならないか?』って意味だよな?

 

「それって、『芸能人にならないか?』って意味ですか?」

 

楓さん、僕が思ってたことをそのまま言ったよ・・・・・・。

 

「そうだよ、僕は君たちの音楽を気に入ってね。・・・・・・どうかな?」

 

・・・・・・いつもなら騒がしいウィズが大人しい。やっぱり、まだ警戒してるよな・・・。

 

「・・・・・・一晩考えさせてください。」

「大丈夫だよ、一晩じゃなくても。・・・・・・無理なら無理で構わない。それじゃあ、気持ちが決まったらこの電話番号に連絡して。」

 

それだけ言って、建さんは去っていった。

 

「・・・・・・蒼空さん、聞きたいことがあります。」

「建さんたちのことか?」

「はい。」

 

僕たちは、蒼空さんから色々と知りたいことを聞き出していた。

 

 

 

 

 




今回のタイトルの意味、『教えてください』ですって。

・・・・・・最近、面倒になったので、いつもの台詞書きません。


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第68話 Take me to...

前回出た『武田建』は、アタシの別の作品『閉ざされた蒼空の下に咲く白薔薇』の第37話に初登場してます。







 僕たちは蒼空さんから色々聞いて、今は家に戻っていた。

 

「映司、あの人の誘い、どうするつもり?」

「・・・・・・『手に職がある方がいい』とは言うけど・・・。」

「大丈夫!何かあったらあたしが──」

「楓さん、ちょっと静かにしてくれる?」

「はい!」ビシッ

 

大人からのアドバイスも聞きたいが、楓さんはずっと『あたしが養うよ!』って言うから、あまり参考にならない。

 

「でも、『事務所のアーティスト』ってことは『芸能人』になるって意味だよね?」

「うん、一番良い例えとして、『Pastel*Palettes』がいるけど。」

「芸能人ってことは、何かやらかしたら一発でおしまいだよね~。」

「大丈夫よ!いざとなったらあたしが──」

「「楓さん、ちょっと黙って!」」

「すみません!」ビシッ

 

・・・・・・いちいち敬礼しないの。

 

「・・・・・・僕は、やってみたい、かな・・・。」

「映司?」

「今まで、色んな事があった。でも、なんとか乗り越えられた。だから、もしもこのまま芸能人になったとしても、なんとかやっていける気がする・・・・・・。」

 

僕は今思っていることをそのまま話した。

 

「CiRCLEで働いて、色んな人と会って、そんな人たちが、僕を今いるこの世界に連れてってくれた。だから・・・・・・。」

「・・・・・・分かった。だったら、一緒になろ?」

「ウィズ・・・?」

「映司が無理しないように見張るのも、お姉ちゃんの務めだからね!」

 

・・・・・・たまには姉らしいことを言うんだね。

 

「う゛~!」(泣)

「うん?・・・・・・え、映司・・・?」

「え?・・・・・・え゛!?」

 

変な声がする方を見ると、楓さんがなんか号泣してた。・・・・・・さすがに引くわー。

 

「2人共、立派に成長したんだね~!」(泣)

「あなたは僕たちの母親か?・・・・・・一応母親か。」

 

この人の家での設定を忘れてたよ・・・。

 

「それじゃあ、明日連絡しようか?」

「あ、その前にさ、吏佐たちにも聞いてみない?」

「あの4人に?」

 

またなんで?・・・・・・あ。

 

「もしかして、『僕たちが芸能人デビューしてもいいか?』って相談するの?」

「ううん。『NOASISも一緒に事務所に入らない?』って。」

「また唐突だな・・・・・・。」

「でも、アタシたちのバックバンドはあの4人が一番最適でしょ?」

「・・・・・・確かに。今現状だと、彼らが一番適任だ。」

「決まりだね♪」

 

こうして、『NOASIS』に交渉してから建さんに連絡することになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「喜んで!」」

「「ずっとついていきます。」」

「即答かよ・・・・・・。」

 

案外早く決まってしまった・・・・・・。

 

 

 

 

 




タイトル回収。・・・・・・ちなみに、『私を~~~へ連れてって』意味です。・・・・・・1話で書いたけどね。

それとさ、ガルパの協力ライブで『AtoZ』を選ぶ人ってどういう理由で選ぶの?・・・・・・あの曲、協力ライブでプレイしすぎてちょっと飽きてるの。


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第69話 君がくれたもの

さらっと言います。

12月30日~1月5日(1月1日以外)は、一時活動を停止します。

それと、
祝え!!アイドルとして、バンドとして、夢を追い続けるバンド:『Pastel*Palettes』!そのボーカルにしてトチる担当:『丸山彩』の生誕の日を!!







 『NOASIS』からの許可も得たから、僕たち6人は建さんに連絡して待ち合わせ場所に来ていた。

 

「うわぁ・・・・・・。」

「大きい・・・・・・。」

「うん・・・・・・。」

 

僕たちはある意味、今から就職面接に行くのだが・・・・・・4月から始まる芸能事務所の割にはそれなりに大きな建物だった。

 

「やぁ!久しぶりだね、『Quartzer』。」

 

建物からスカウトした張本人:『武田建』さんが現れた。

 

「そちらのお2人は?」

「僕たちのバックバンドとして活動してくれてる『NOASIS』です。」

「あと、踊れます!」キリッ

 

ウィズ・・・・・・最後の『キリッ』はいる?

 

「そうなんだね、一緒に来て。」

 

さらっとOKだした?

 とりあえず、建さんについていくことにした。

 

「ここには音楽スタジオもあってね、蒼空君たち『ENDRECHERI』も、たまに練習してるんだ。」

「そうなんですね。・・・・・・もしかして、蒼空さんたちが大きな会場でライブしているのって・・・・・・?」

「そ、建さんたちがサポートしてくれるからだ。」

 

僕の質問に、(いつからいたのか分からないけど、)蒼空さんが答えた。

 

「蒼空さん・・・・・・。」

「そういえば、もうすぐ打ち合わせだったね。」

「打ち合わせ?」

「あぁ、次の年末年始にライブするからな。その打ち合わせに。」

「もう年末年始のライブの準備を?」

「あぁ。・・・・・・色々許可を貰うためにな。」

「?」

 

僕には、彼の言葉の意味が分からなかった。

 

 

 

 

 

 それから、お偉いさんの集まっている場所に来た。

 

「建さん、その人たちが?」

「うん、僕がCiRCLEで見つけたアーティストだよ。」

「2人って話ですが・・・・・・?」

「彼らが言うんだ。『この4人が、自分たちのサポートに一番適している』と。」

 

そこまで言ったっけ?

 

「・・・・・・分かりました。演奏してください。」

『え!?』

「『物は試し』です。ではでは。」

「いや、でも・・・・・・楽器が・・・。」

「楽器ならそこにあるよ。」

 

用意周到だな・・・。

 

 

 

 

 

 とりあえず、演奏準備は出来たけど・・・・・・。

 

「何弾く?」

「アタシもまだ決めてない。」

「はい!『secret base』はいかがでしょうか?」

「珍しい。吏佐がアップテンポの曲をリクエストしないなんて。」

「ちょっと彩紗、どういう意味!?」

「お前ら、演奏前にもめんなよ!」

「ほら、行くよ。」

「「「「はい。」」」」

 

・・・・・・慕ってくれるのはありがたいけど、なんか僕が権力を振りかざしてるみたいだ。

 

「では、始めます。」

 

光一(ドラム)のカウントで、『NOASIS』はメロディを奏で始めた。『Quartzer』は歌に集中することにした。

 

「君と夏の終わり 将来の夢 大きな希望 忘れない

  10年後の8月 また出会えるのを 信じて 

  最高の思い出を…」

 

出だしは順調だ。ここからもミスが無ければこの事務所に合格できる。・・・・・・あれ?これって入社テストだっけ?

 

「出会いは ふっとした 瞬間 帰り道の交差点で

  声をかけてくれたね 『一緒に帰ろう』」↘

「僕は 照れくさそうに カバンで顔を隠しながら

  本当は とても とても 嬉しかったよ」↙

()()() ()()()()()() ()()()()()()()() ちょっとセツナク

()() ()()()()()()()()() ()()()()

「嬉しくって」↘         

        E「楽しくって」

「冒険も いろいろしたね」↘        

        E「二人の 秘密の 基地の中」

 

今回は2番無しのバージョンで歌うから、このサビ終わったらすぐCメロなんだよな・・・。息が持つだろうか?

 

「君と夏の終わり 将来の夢 大きな希望 忘れない

  10年後の8月 また出会えるのを 信じて」↘

「君が最後まで 心から 「ありがとう」 叫んでたこと 知ってたよ

  涙をこらえて 笑顔でさようなら せつないよね」↙

「最高の」↘        

        E「思い出を…」

 

           W「突撃の」

()()()()

「どうしようもなく」↙        

「手紙 書くよ」↘        

         E「電話もするよ」

「忘れないでね」↘        

        E「僕のことを」

「いつまでも」↘         

          E「二人の 基地の中」

 

後はサビを2回歌うだけだ。

 

「君と夏の終わり ずっと話して 夕日を見てから星を眺め

君の頬を 流れた涙は ずっと忘れない」↙

「君が最後まで 大きく手を振ってくれたこと きっと忘れない

  だから こうして 夢の中で ずっと永遠に…」↘

 

「君と夏の終わり 将来の夢 大きな希望 忘れない」

「10年後の8月 また出会えるのを 信じて」

「君が最後まで 心から 「ありがとう」 叫んでたこと 知ってたよ

涙をこらえて 笑顔でさようなら せつないよね」

 

「最高の」↘        

        E「思い出を…」

 

「最高の思い出を…」 

 

後は、メロディがこの余韻を広めてくれる。そして、静かに曲が終わった・・・・・・。

 

 

 

 

 

「素晴らしい!!」

「うん!」

「Youたち全員採用だよ!」

 

・・・・・・あ、やっぱり試験だったんだ。

 

 

 

 

 




まぁね、この作品は各回のタイトルを曲名にしているのですが、『こんな歌あったか!?』って思った方。正解は、『secret base~君がくれたもの~』でした。
歌の中にあった傍点は、ハモり部分です。


それと、前書きで書きましたが、12月30日~1月5日(1月1日は別)は、一時活動を停止します。理由は、『正月休みだから!』です。・・・・・・正月ネタはちゃんと投稿します。

あと1つ、なんでここで彩の誕生日を祝ったのか?・・・・・・エピソードが浮かばなかったんです。(一応知らない人のために。アタシ、別作品で散々バンドリキャラを祝ってるんです。こんな感じに。)
彩のアナザーエピソードは書いてしまったし・・・・・・今回無くしました、すんません!


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Season 2
第70話 Welcome to shamanippon


ID:66296886

これ、アタシのガルパIDです。・・・・・・『今更かよ!?』って思うでしょ?なんでか分かんないけど、今出した。







 今日から4月。新たな気持ちでこの日を迎えた者もいるだろう。それは僕たちも同じだ。

 4月1日早々に制服を着て、今日から始動した新しい芸能事務所:『shamanippon』のビルに来ていた。

 

「まさか、始業式より先に制服を着るなんてね~。」

「仕方ないでしょ。僕たちはスーツとか持ってないし、そもそも学生だから。」

「まぁね~。」

 

そんな雑談を終えて、僕たちは建物の中に入った。

 

「・・・・・・ん?来たね。」

「建さん、おはようございます。」

「おはようございます。」

「おはよう。・・・・・・『NOASIS』は?」

「それが、今日バイトを入れてたらしくて・・・・・・。」

「それなら仕方ないね。・・・・・・そういえば僕、君たちの名前知らなかったな。」

「え?・・・・・・あ、そういえばですね。」

 

入社手続きで名前は書いたけど、言葉で言ったことはなかったな。

 

「僕は『葛城映司』です。」

「アタシは『葛城ウィズ』です。・・・・・・一応、ハーフですけど、育ちはほとんど日本ですよ。」

「葛城?・・・・・・うちにも『葛城巧』って人がいるけど、関係──」

「ありません。」キッパリ

「即答だね・・・・・・。」

 

誰だよ、『葛城巧』って・・・・・・。

 

「申し訳ありませんが、『葛城巧』さんとは全くの無縁です。世の中、多かれ少なかれ同じ名字の人はいます。作者だって、中学の時に自分と同じ『山下』が他に2人いたことに驚いていましたしね。」

 

〈要らんこと言わんでええねん!!〉

 

「とにかく、式が始まるんですよね?行きましょう。」

「うん。・・・・・・ウィズさん、でいいかな?」

「はい。」

「どっちが上?」

「上?・・・・・・あぁ!アタシが姉です!」エッヘン

「僕には逆に見えるんだけど・・・・・・。」

 

気を取り直して、入社?・・・・・・それとも・・・・・・分からないから、式が始まる会場に来ていた。

 

『それでは、『株式会社 shamanippon』の入社式を開始します。』

 

あ、『入社式』でいいんだ。

 

『・・・・・・と言っても、ここにいる者全員が『新入社員』なのですが。』

「「そらそうだ。」」

 

司会者の発言に、僕とウィズが反応してしまう。

 

『それでは社長、お言葉をお願いします。』

 

・・・・・・あ、あの人が社長なんだ。

 

『Youたち、これから色んな困難があると思うよ。でも、Youたちならどんな困難だって乗り越えられるはずだよ。』

 

・・・・・・ちょいちょい言う『You』が気になるけど、良い事言うね~。

 

「社長、ちょっと面白いかも。」

「僕もそう思うよ。」

『それではここで、我が社の初めてのアーティストを紹介します。『Quartzer』のお2人です。』

 

とりあえず、立って周りの人たちにお辞儀する。

 

『あ、登壇して。』

「「え?」」

 

いやいや、行きたくないよ?

 

「Youたち上がっちゃいなよ!」

「嫌です。」

 

結局、登壇させられました・・・・・・。

 

 

 

 

 




真面目にこういう曲のタイトルあるのよ!・・・・・・検索したら?

それと、1月から投稿時間が変わってます!

それと、タグ詐欺疑惑があるので・・・・・・色々変えました。推すのはアンケートで1位になった人たちだけど。・・・・・・多分。

それと、今日は『BanG Dream! ~Be the one~』の次の日曜日分を頑張って書きます!・・・・・・ストックが1話しかないの。


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第71話 たよりにしてまっせ

 まさか、登壇させられるとは・・・・・・。

 

「なんか、ドッと疲れたね。」

「ホントだよ・・・・・・。」

「君たち仲良いね?」

「え?・・・・・・あ、建さん。」

「そりゃそうですよ!だってアタシたち、姉弟ですから!」

「・・・・・・最近の姉弟は恋人のように腕を組むのかい?」

 

ま、こんなウィズを見たらそう思われてもおかしくはない。

 

「残念ながら、この()()()()は例外です。」

「うんうん。・・・・・・ん?映司!?」

「さぁ、残念なウィズさん。そろそろ行きましょうか?」

「さっきから『残念』『残念』言うな!」

「どこか行くのかい?」

「あぁ~・・・・・・実は、僕たちも午後からバイト入れてまして・・・・・・。」

「そうだったんだ。すまないね、こんな日に呼んじゃって。」

「いえ、今日から僕たちもこの会社の人間ですから。では、また。」

「それでは、失礼します。」

「ほら行くよ、残念ウィズ。」

「変な名前つけるなー!」

 

それから、残念ウィズを自転車の後ろに乗せて、CiRCLEに向かった。

 

「こんにちは。」

「映司君、そろそろ謝ってくれないかしら!?散々人に『残念』って言った事を!」

「うるさいうるさい、残念なのは事実だ、ろ・・・・・・?」

「ん?映司?・・・・・・え?」

 

僕たちの視線の先には()()()()4()()がバイトの恰好をしていた。

 

「あ、映司さん。お疲れ様です。」

「いやいや、何普通に『お疲れ様です。』って・・・・・・。」

「なんでYouたちそんな恰好してるの?」

 

なんでウィズは社長の喋り方をしてる訳?

 

「今日から俺たち、ここで働くことになりました!」

「「・・・はい?」」

「よろしくお願いします、()()!」

「「・・・はい???」」

「あの、このバカ2人は無視してください。でも、あたしたちがCiRCLE(ここ)で働くのは事実です。」

 

マジか・・・・・・。

 

「それはそうと、またなんでここで?」

『お二方がいるからです。(!)』

 

またそのノリか・・・・・・。

 

 

 

 

 

 それから、僕とウィズは4人にバイトのやり方を教えてきた。

 

「これが基本的なやり方だよ。」

「なるほど。全て覚えました。」

 

さすがは剛だ。物覚えが早くて助かる。

 

「う~ん・・・・・・とりあえず物の場所は覚えました!」

 

・・・・・・光一は、なんとなく頭の良さが察するが、そんな物だろうと思ったよ。

 

「う~ん・・・・・・、剛は基本受付で、光一は機材運搬ね。」

「え?俺それでいいの?」

「そうですね、光一はその方が良いですね。」

 

 

 

 

 

 映司は男共を教えている。アタシは吏佐と彩紗を教えている。

 

「これで基本的な事は全てだよ。」

「・・・・・・・・・・・・。」シュー

「ウィズさん、吏佐はフリーズしているので、カフェで働かせては?」

「そうだね。カフェで調理してくれてる方が良いかも?」

「では、あたしは会計とかでサポートしますね。」

「うん、よろしくね。」

「はい、期待には必ず応えます。」

 

ちょっと大袈裟なんだよね~、この子たち。

 

 

 

 

 




タイトル探してたら、合いそうなのがこれしかなかった・・・・・・。

それとさ、イニシャルフラゲして、3rd Seasonの1話も見たよ!弟と一緒に。
オモロかった!めっちゃツッコんだ!・・・・・・以上。


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第72話 Pure soul

 4月に入って2日が過ぎた。飲み込みが早い4人は既に担当業務をほぼマスターしていた。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

「剛、そろそろ休憩にしないの?」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

剛は仕事熱心なんだが、集中し過ぎると周りの音が聞こえなくなるようだ。

 

「剛、ちょっといいか?」トントン

「?・・・・・・あ、映司さん。すみません、気付かなくて。」

「気にしなくていいよ。それだけ集中してたんだから。それより、そろそろ休憩の時間だよ?」

「え?・・・・・・あ、本当ですね。あとちょっとでこれが終わるので、少し待ってください。」

「ん?」

 

剛がパソコンに向かって何かしている。まりなさんからの指示らしいけど、僕はその内容を知らない。少し覗いてみると、どこかのサイトのページだった。

 

「剛、これは?」

「CiRCLEのスタッフブログのページです。僕がこれを担当することになりまして・・・・・・。あ、でも名前は伏せてありますよ。」

「またなんでそんな事を始めたんだろう?」

「まりなさん曰く、『最近ガールズバンドが増えて、うちを利用するお客さんも増えたから、色々宣伝しないと!』だそうです。」

 

あ、そうですか。でも、最近お客さんが増えている理由はなんとなく分かる。常連の『Poppin'Party』ら5バンドが合同ライブが成功したからな。・・・・・・温泉にはならなかったけど。

 

「あとはアップするだけなんですけど・・・・・・。」

「それ、あたしがやりますよ。」

「彩紗、いたのか。」

 

いつの間に・・・・・・。しかも、話も聞いてたのか?

 

「大丈夫だよ、すぐ終わるから。」

「アップするだけならあたしでも出来る。ほら、行った行った。」

「だけど・・・・・・。」

 

真面目だね~。

 

「剛、行ってこい。これは先輩からの命令だ。」

「・・・・・・ズルいですよ、その言い方。」

「そんな先輩も休憩行ってくださいね。」

「え?」

「ジー・・・・・・。」

「あ、はい。」

 

彩紗もあんなジト目するんだ。・・・・・・やっぱり女子には逆らえないものなのかね~?

 

 そんなこんなで、一緒に休憩に入ったのだが・・・・・・。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

剛との会話は一切無かった。

 

「・・・・・・気持ちが休まないなら、僕は別場所で休憩するけど?」

「・・・・・・え?あ!そんな必要はないですよ!・・・・・・ただ、」

「ただ?」

「・・・・・・たまに羨ましく思うんです、光一と吏佐が。」

 

またなんでその2人だよ・・・・・・?黙って聞いておこう。

 

「2人はあんな性格だから映司さんとも会話が続く。でも、僕の性格上長話が出来なくて、何を話したらいいか分からなくて・・・・・・。」

「それで、黙っていた訳?」

「・・・・・・。」コクリ

 

真面目も度を超えると厄介だな・・・。

 

「剛は考えすぎだよ。」

「え?」

「僕だってウィズや光一、吏佐が羨ましく思うさ。『なんであんなに上手く人と接することが出来るんだろう?』ってね。でも、ライブのMC中もそうだけど、最近は自分のペースで会話するようにしてるんだ。」

「自分のペースで?」

「そう。剛ってさ、相手に合わせようとしてるでしょ?」

「っ・・・!?」

 

あ、図星だね?

 

「確かに、僕だって今もまだ相手に合わせようとしてるよ。でも、基本は自分のペースで話すようにしてるんだ。仲のいい相手なら、自分がどういう人間かも知ってるでしょ?」

「・・・・・・確かに。映司さんはあまり喋らないのに、ウィズさんとのMC中は長話になってる。」

 

さらっと失敬だね、君。

 

「だからさ、剛は剛のペースを軸に話せばいいんだよ。だったら試しに、僕で練習してみる?」

「え、映司さんで?」

「うん、僕も救われた身だから、誰かの手助けをしたくてね。」

「・・・・・・では、お願いしてもいいですか?」

「もちろん。」

 

それからの休憩時間は、ずっと剛と話していた。

 

 

 

 

 




今回は剛をメインとしたお話でした。・・・・・・特に書くことないねん、後書きが。


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第73話 電

イラスト書ける人が羨ましく思う今日この頃・・・・・・。







 明日から新学期が始まる。でも、その前に仕事があって・・・・・・今は事務所に来ている。

 

「お、2人共よく来たね~。」

 

呼び出しておいて、よく言うよ・・・・・・。

 

「それで、『話がある』って?」

「それについては俺から説明させてもらうよ。」

 

そう言って僕たちに近付いてきた1人の男性。

 

「2人とは初めましてだね。彼は『葛城巧(かつらぎたくみ)』。偉い人だよ。」

「初めまして、君たちが『Quartzer』の葛城姉弟か。よろしくね。」

「「よろしくお願いします。」」

 

この人が、この会社で僕たちと名字が同じっていう人か・・・・・・。

 

「それじゃあ、会議室で話そうか?」

「はい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、話が終わって、今は自宅へ向かっていた。

 

「それにしても、ライブか・・・・・・。」

「しかも、いきなりドームって・・・・・・。アタシたち、まだ何もしてないのにね。」

 

ウィズの言うとおりだ。CDデビューしてから『ライブです』ならまだしも・・・・・・CDどころか、まだ何も『事務所のアーティスト』として活動してないからだ。

 

「それに、『演出のベースは考えるけど、細かい部分は任せるね』って、ほぼ丸投げじゃないの?」

 

ウィズ様、その通りです。

 

「・・・・・・演出どころか、曲も含めてだからね。」

「ど~しよ~!?」

 

「どうかしたんですか~?」

 

「・・・・・・ん?」

「あ、モカちゃん。」

「どうも~。相変わらず仲睦まじいですね~?」

「でっしょ~?」

離れなさいよ。モカさんは何してたの?」

「やまぶきベーカリーにいつもの用事で~す。」

 

あ、パン買ってたのね。

 

「モカちゃん的には、お2人が何してたのか気になるな~?」

「いや、ただ考え事を──」

「あんな事やこんな事の相談をね♪」

 

ちょっとシバかないといけないな。

 

「そうなんですね。具体的には~?」

「それはもう規制音入るくら──」

「ライブの相談だよ。」

「ぐ、ぐるじぃ・・・・・・!」

「そうなんですね~。・・・・・・とりあえず、ヘッドロック(それ)を解いた方が・・・?」

 

仕方ない、止めるか。事情を知らない人からすれば『いじめてる』感じだからさ。

 

「・・・・・・Afterglowは『ゲスト出演してください』って言われたら断る?最悪蘭さんだけでいいけど。」

「う~ん、オッケーだと思いますよ。あたしたちは『いつも通り』ライブが出来れば問題ないので。」

「・・・・・・そっか。」

「映司?」

「ウィズ、ライブのイメージが浮かんだ。」

「・・・・・・そう。だったら、お姉ちゃんも付き合うよ~!」

「がんばれー。」

 

僕たちは自宅に帰るとすぐに、ライブの案を考え、それを一枚の提出プリントにした。

 

 

 

 

 




タイトル、『いなずま』って読みます。

誰かこの作品のイラスト書かな~い?


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第74話 CONTINUE

 ライブの提案をまとめた書類を提出して、それをある程度お偉いさんたちが上手いことステージや演出を決めてくれるらしい。細かい部分は、後で考える。

 

 そして、今日はまた別の始まりを迎える。

 

「映司~!早く~!」

「はいはい。朝から騒がしいな・・・・・・。」

「何か言った?」

「何も。」

 

学生としては、学校の始業式だ。新しい環境でワクワクする人もいれば、『また学校か・・・。』と憂鬱になる者もいる。

 僕はどちらかと言えば、後者である。・・・・・・学校ってやかましい人多いじゃん・・・。

 

「ほら、そんな悲しいナレーションしてないで行くよ!」

「・・・・・・自分の自転車使いなさいよ。」

「嫌。こっちが落ち着くのよ。」

「知らないよ。」

 

この人は変わらないな~・・・・・・。

 

「それより、行くよ!」

「へ~い。」

 

仕方なくウィズを花咲川へ送りつけた。

 

「ちょいちょい!?」

 

うるさい、黙って学校へ行きなさいよ。

 それから、僕もそそくさと学校に向かった。

 

 

 

 

 

「・・・・・・あ、クラス表。」

 

そういえば、クラスが変わったんだった。

 

「お、映司君!」

「うん?・・・・・・晴斗か。」

「その言い方はなんだい?」

 

久しぶりに出てきたね、って言いたいけど・・・・・・会話量が増えそうだから止めておこう。

 

「映司さーん!」

「うん?・・・・・・え?」

 

またまた呼ばれて、その声の方を見ると・・・・・・見慣れた4人がいた。

 

「なんで、ここに・・・?」

「そりゃあ俺たち、ここの生徒ですから!」

「これで映司さんともっと仲良く出来るー!」

「もう、吏佐うるさい。」

「それと、映司さんのクラスも分かったので、いつでも行けますね。」

「来なくていいよ。」

 

まさか、光一、剛、吏佐、彩紗がこの学校にいたとは・・・・・・。

 

「映司君、この人たちはこの前のライブで演奏してた人たちだよね?」

「うん、そうなんだけど・・・・・・。」

 

こんな会話をしてる時に気付いた。周りの視線がこっちに向いてることを。

 

「・・・・・・とりあえず、教室へ行こう。」

「そうだね。・・・・・・あ、また1年間よろしくね。」

 

また同じクラスか・・・・・・。

 

 

 

 

 

 それから、始業式特有の色んなことをして、教室ではまた『自己紹介』が始まっていた。

 

はぁ・・・。葛城映司です。趣味は音楽鑑賞です。よろしくお願いします。」

「え~、知ってる人もいると思うが・・・・・・、葛城映司君は今年から芸能活動をすることになった。」

 

・・・・・・え!?なんで知ってるの!?

 

「もしも出席してなくても、察してくれ。」

 

え~・・・・・・。

 

「人気者なんだね。」

「嬉しくないよ。」

 

それから、教師から僕の(芸能人としての)事情説明があり、普段通りの生活が送れるようにはしてくれた。

 

 

 

 

 

 そして、ホームルームが終わると・・・・・・、

 

「映司さ~ん!帰りますよ~!」

 

お節介な4人が迎えに来るのだった。・・・・・・大声で呼ばないでくれるかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「映司~!周りの視線が~!?」

「ウィズもかよ・・・・・・。」

「大変でしたよ、朝・・・・・・。」

「紗夜さん、お疲れ様です。」

 

 

 

 

 




タイトルの意味は、皆分かるっしょ!?

ってことで、悩んでた『NOASIS』の4人の学校事情はこれで解決!


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第75話 勇敢な君に

『約束』買ったよ!ブルーレイとハイレゾを。・・・・・・そして、2話と3話をフライングで見たよ!







 高校生活3年目が始まり数日。

 

「なんでアタシだけ別の学校なのよ・・・・・・。」

 

偶然にも光一たち4人もバイトが入っていて、『6人で行きましょう!』ってなったけど・・・・・・今まで、『やかましくなるから』って理由で隠していた『光一たちがどこの学校に通っているのか』がバレて、お嬢様(ウィズ)が拗ねている。

 

「わ、私はウィズさんと同じ学校が良かったんですけど~・・・!!」

「吏佐、そのセリフはちょっと・・・・・・。」

「仕方ありませんよ。僕たち、錘さんに『あの学校へ行きなさい』って言われてあの学校にいるんですから。」

「う゛っ!?」

 

おいおい、現実突き付けてるよ・・・・・・。

 

「だから・・・・・・諦めてください。」

「ぐはっ!?」

「おい、剛!?」

 

会心の一発~!

 

「とにかく、早く行くぞ。バイトに遅れる。」

「映司~、アタシを慰めて~・・・!」

「帰って覚えていたらね。」

「今じゃないの!?」

 

現実を見せられたウィズを引っ張りながらバイト先のCiRCLEに到着した。

 

「それじゃあ、いつものように始めますか。」

『はい!』

「りょーかい!」

 

僕と剛で受付を始め、光一と吏佐は機材運び、彩紗とウィズは外のカフェで仕事をしている。

 

「お~い、次の予約の分の機材は運び終えたぞ~。」

「分かった。映司さん──」

「聞こえてる。」

「・・・・・・ですよね。」

 

光一の声、思ったより大きいんだよ・・・。

 

「こんにちはー!・・・・・・あ!映司さん!」

「いらっしゃいませ。・・・・・・今日は揃って来店なんだ。」

「えぇ。・・・・・・それはそうと映司。あなた、アーティストデビューするそうね?」

 

一体どこからその情報が回ってるんだ・・・・・・。

 

「それはね~、これ!」

 

さすがギャル。スマホ見せてきたよ。

 

「これ、エンタメニュースですよね?」

「そそ!そこに、こんな記事があったから!」

「うん?・・・・・・うわ・・・。」

「僕たち、全員載ってますね・・・・・・。」

 

そう。剛の言うとおり、僕たち6人の写真が大きく載っていたのだ。

 

「それも、4月1日にね~!」

「最初、嘘かと思いましたよ。ですが、『デマ』という情報が無かったので、この記事が本当だということになりました。」

 

4月1日?・・・・・・あ、エイプリルフールね。

 

「それで、ここはどうするの?」

「え?『どうする』って・・・・・・何が?」

「だから、ここのバイトだよ!」

「あぁ。・・・・・・剛、何か聞いてる?」

「僕が聞いた時は、『バイト?無茶しない程度ならいいよ!』って、社長に言われました。」

 

あの社長、制限緩いんじゃないのか?

 

「・・・・・・あ、映司君!剛君!」

「「はい?」」

 

まりなさんがこっちに来た。

 

「えっとね、・・・・・・2人はCiRCLEではなく、『shamanippon』の仕事に専念していただくので、」

「「は、はい・・・?」」

「・・・・・・CiRCLEでのバイトを辞めていただきます!」

「「・・・え!?」」

 

まさかのクビ宣告!?

 

「・・・・・・正直、映司君とウィズちゃんは特になんだけど、ここでずっと働いてほしい。・・・・・・凄く楽出来るから。」

「今すぐ辞めていいですか?」

「ちょっと待って!話を聞いて!」

 

いや、そんな本音(理由)言われて『辞めます』って言わない人いる?

 

「でもね、君たちがアーティスト活動するって聞いて、『負担をかけたくない』って思ってね。」

 

散々かけといてよく言うよ。・・・・・・黙っておこう。

 

「だから、『Quartzer』と『NOASIS』の6人には、『shamanippon』のアーティストとして頑張ってもらいたくて!君たち、思ってた以上に勇敢だから!」

 

そういう理由か・・・。

 

「ますます、アーティスト活動をしっかりやらないといけなくなったな。」

「そうですね。」

 

僕たちは、アーティスト活動への気持ちを固め、CiRCLEのバイトを辞めることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ!でも、いつでもライブとかバイトは歓迎するよ!儲かるし!」

「「今すぐ辞めますね。」」

 

 

 

 

 




なんで4人にバイトさせてしまったのだろうか・・・?


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第76話 -so young blues-

Roseliaの『約束』と『“UNIONS”Road』、めっちゃ良い曲!なんかね、本当に胸に刺さる曲だよ!・・・・・・運転中に聞いてて、うるってしたもん!







 新年度早々、色々な事があったが、今は落ち着いてきた。そんな日に、僕は・・・・・・いや、僕たちは、ある人たちと会議をしていた。その中には、

 

Poppin'Partyから戸山香澄と市ヶ谷有咲、

Afterglowから美竹蘭と羽沢つぐみ、

Pastel*Palettesから丸山彩と白鷺千聖、

Roseliaから湊友希那と今井リサ、

ハロー、ハッピーワールド!から弦巻こころと奥沢美咲、

 

この10人が、『shamanippon』のスタッフに混じって参加している。

 

「え、え~・・・・・・それでは、今からライブの打ち合わせ第1回を始めます・・・・・・。」

 

そして、何故か僕が司会を務めさせられている・・・・・・。

 

「あの~?」

「は、はい、奥沢さん。」

「なんであたしたちがいるのでしょうか・・・?」

「ん?美咲はどうして不安に思うの?」

「いやいや!不安だし疑問に思うのは当然でしょ!?」

「確かに、私も疑問に思うわ。」

「あたしも、つぐみから『今日この場所に来て』と言われたから来たけど・・・・・・。」

 

まぁ、パスパレならまだしも・・・・・・他の4バンドは疑問に思えて当然だな。

 

「え~、まずは疑問について答えようと思います。他の5バンドの方々には、僕たちのライブのゲストに出演していただきます。」

『え?』

 

まぁ~、当然だよね~。

 

「・・・・・・あ、私言われたんだった・・・。」

「え!?さーやに来てたの!?」

「ごめんね、蘭ちゃん・・・。」

「知ってたんだ・・・・・・。」

「私たちは事務所を通してきました。」

「ごめん友希那~、黙ってた♪」テヘッ

「リサ・・・・・・。」

「美咲は知ってたの?」

「知ってたけど・・・・・・まさか本当になるなんて思わなかったんだよ・・・・・・。」

 

それが、5バンドの事情だった。・・・・・・僕たち、他のバンドメンバーに伝えそうで、そういうのを計画してくれる人物に頼んだんだけど?

 

「・・・・・・納得していただけましたか?」

「はい!」

「楽しそうな事ね!喜んで受けるわ!」

「もう受けてるんだけどね・・・・・・。」

 

話進まな~い・・・・・・。

 

「改めて、ライブの打ち合わせ第1回を始めます。お配りしている冊子を1ページめくってください。ライブの日にち、そして会場が記載されています。」

 

と、こんな感じで進める。・・・・・・うるさいメンツにはストッパー役が抑えてくれた。

 

「そして、次のページがライブのセットリストとなります。」

 

全員が次のページに行く。

 

「このページ内の、ゲスト枠の楽曲ですが、各バンド毎に詳しく決めていきます。」

「あの・・・。」

 

ここで蘭さんですか・・・・・・。

 

「このゲスト枠は、Afterglow(あたしたちだけ)が出るんですか?」

「それは、『AfterglowはAfterglowだけで演奏するのか』と言うことかしら?」

「・・・・・・湊さんも、それは知りたいんじゃないですか?」

「確かに、それは知りたいわね。」

来ると思ってましたよ。ここの枠は、僕かウィズが各バンドに入り、一緒に演奏する事を予定しています。」

「わぁ~!それ楽しそう~!」

「私は賛成よ!みんなでお客さんを笑顔に出来るんでしょ?」

 

はい、このお金持ちは多分理解してない。

 

「Roseliaとして、この企画は積極的にやらせてもらうわ。」

「湊さん?」

「Roseliaとして高みを目指すには、色んな事にチャレンジしなければならない。・・・・・・クセはあるけど、それぞれ技術としては申し分ないQuartzerとNOASISと演奏が出来るなら、いい勉強になるわ。」

「・・・・・・だったら、Afterglowも賛同します。」

 

面倒くさいな~。

 

「それでは、各バンドの曲についてはまた後日話し合います。」

 

そして、第1回のライブの打ち合わせは終了した。

 緊張した~・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと!なんでアタシのセリフが無いの!?」

「僕視点で、他バンドのメンバーが多いからね。しかも、あなた途中で寝てなかった!?」

「ギクリ!?」

 

 

 

 

 




タイトルは、なんとなく察して。『young(ヤング)』とか『blues(ブルース)』とか。


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第77話 COMIC PANIC!!!

 今日はAfterglowとライブについての打ち合わせだ。一応全員に来てもらい、僕とAfterglow5人で話し合う。スタッフたちもいるが、

 

『君たちがメインで決めて。機材の用意とかの手順はこっちで考えるから。』

 

・・・・・・と言われた。スタッフはただ聞くだけだ。

 

 だが・・・・・・。

 

「最後で炎をバーって上げるのはどうだ!?」

「いやいや!ここは盛大に花火でしょ!?」

「ライブといえば銀テープでしょ~?」

 

やかましいのが3人程いるんだよね・・・・・・。

 

「・・・・・・なんか、すみません。」

「気にしなくていいよ。とりあえず、この3人(※僕・蘭・つぐみ)でセットリストから考えようか?」

 

やかましい3人は無視して、改めて打ち合わせを始める。

 

「あたしたちの前の曲が『I』なんですよね?」

「うん。MCが終わって、それを歌ったら・・・・・・だから、ちょっと曲が絞られる?」

「う~ん・・・・・・。」

「『I』って最後、ピアノで終わるんでしたよね?」

「えぇ。でも、アウトロを長くして機材を準備する段取りにはなってるよ。」

 

元々『I』は自分で作詞作曲したから、アレンジするのに誰かに許可を取る必要がない。

 

「・・・・・・それじゃあ、この3曲はどうですか?」

 

蘭さんが提案してきたのは、『ロストワンの号哭』『Scarlet Sky』『Y.O.L.O!!!!!』だ。

 

「・・・・・・曲は昨日頑張って聞いたから、なんとなく繋げるイメージは出来た。」

「す、凄いですね・・・・・・!」

「まずは、『ロストワン』を歌って、最後をアレンジしながら『Scarlet Sky』を歌う。そして、ここで一度MCを挟んで、『Y.O.L.O!!!!!』を歌う。・・・・・・こんな感じでどうかな?」

「・・・・・・うん、悪くないですね。」

「それじゃあ、機材の部分はこっちでなんとかする。曲のアレンジは任せていい?」

「はい。」

「任せてください!」

「お~、つぐがツグってる~!」

 

つ、ツグってる・・・?何それ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アタシはハロハピのメンバーとセットリストを考えている。だけど・・・・・・。

 

「・・・・・・4人程いないけど?」

「ちょっと席を外させてます。気にしないでください。」

 

いやいや!気にするわよ、美咲さん!?

 

「・・・・・・まぁいいや。セットリストだけど、『恋愛裁判』『わちゃ・もちゃ・ぺったん行進曲』で、MC挟んで『せかいのっびのびトレジャー!』でどう?」

「う~ん・・・・・・これなら、悪くないですね。」

 

意外とさらっと決まった。ハロハピの曲を聞いて、なんとなくで決めたセットリストだけど・・・・・・言わないでおこう。

 

「なかなか難しかったですよね?セットリストを考えるの。」

「え?・・・・・・あぁ!うん、上手く繋げるにはどうしたらいいか?とか悩んだよ・・・・・・。」

 

うわ~、本人自覚あるんかーい?

 

「美咲ー!終わったわよー!」

 

ヤバいのキター!

 

「あぁ・・・、とても儚かったよ・・・・・・!」

「スタッフの人たちにもコロッケあげてきたよ!」

「ふぇ~・・・!?」

 

アナタたち何してきたの!?

 

 

 

 

 




なんか『困る感じの曲のタイトル無いかな~?』って探してたらあった。


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第78話 Determination Symphony

 本日は、パスパレと打ち合わせをするアタシ。・・・・・・ハロハピはあの後色々大変だった・・・。

 

「私たちの演奏曲は、(こちらの)スタッフさんと打ち合わせして決めてきたけど、どうかしら?」

 

見せてきた資料の中には、『世界は恋に落ちている』『ゆら・ゆらRing-Dong-Dance』『ワクワクmeetsトリップ』の3曲と、演出方法が書かれてた。・・・・・・真面目だね~、予想通りの。

 

「・・・・・・うん、これで大丈夫。頭の中でイメージも出来たしね。」

「そう。」

「良かったね~、彩ちゃん!」

「へ!?」

「彩さん、必死に考えてましたもんね?ジブンたちに何度も聞きながら。」

「ちょっと、麻弥ちゃんまで!?」

 

彩ちゃんが考えてくれたんだ。・・・・・・でも、日菜ちゃんと麻弥ちゃんにからかわれてるし。

 

「それから、また今度でいいのだけど、そちらのスタッフさんたちとも話をさせてくれるかしら?」

「いいけど・・・・・・なんで?」

「演出の打ち合わせをしたいから。」

 

あ、そういう事ね。

 

「うん、いいよ。」

 

ハロハピに比べると、かなり楽に進めれるな~。

・・・・・・映司は大丈夫かな・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「友希那さーん!なんであの曲入れてないんですか!?」

「仕方ないわよ、3曲しか歌えないのだから。」

 

開幕数分であこちゃんが文句を言い出す。・・・・・・うるさい。

 

「映司さん、本当にすみません。」

「いや、いいけど・・・・・・僕よりあっちを心配したら?」

 

Roseliaが提案してくれた曲のリストは『This game』『BRAVE JEWEL』『Determination Symphony』の3曲だ。・・・・・・順番もこの順だ。

 

「それでも!なんで『オネネス』入ってないんですか!?」

「『ONENESS』でしょ?あなた、これ以上文句を言うと、シメるわよ!」

「ひっ!?」

「ちょっと友希那~、あこが怯えてるから止めなよ。」

 

「・・・・・・紗夜さん、あの人(友希那さん)ってああいうキャラだっけ?」

「記憶が確かなら・・・・・・ああいうキャラではなかったはずです。」

「わたしも・・・・・・同意見です・・・・・・。」

 

『シメるわよ』なんて、圧が強い人がよく言うセリフだよ?・・・・・・別に誰とは言ってないさ。

 

「あの・・・・・・映司さん、少し・・・・・・いいですか・・・・・・?」

「え?・・・・・・うん、いいけど。」

 

燐子さんに連れられて、人の少ない休憩場所に来た。

 

「どうしたんですか?」

「・・・・・・あの!」

「は、はい・・・・・・?」

「無茶・・・・・・してませんか・・・・・・?」

 

無茶って、どういう事?

 

「・・・・・・蒼空君は、ライブの準備で働き過ぎて・・・・・・『突発性難聴(とっぱつせいなんちょう)』になりました・・・・・・。」

 

え?あの人、難聴なの?・・・・・・にしても、あまり聞かない症状だな。

 

「左耳が難聴になった蒼空君は・・・・・・大きい音が聞こえる環境内での生活が出来なくなりました・・・・・・。」

「・・・・・・蒼空さんは、これからライブはどうするんですか?」

「それは・・・・・・」

 

「り~んこ!」

 

「っ!」

「蒼空さん・・・・・・。」

 

建さんと知り合いだからか、蒼空さんがこの場所に平然と入ってきた。

 

「俺は次の年末年始のライブで『ENDRECHERI』はおしまいだ。」

「・・・・・・蒼空さんはそれでいいんですか?」

「・・・・・・正直、嫌だよ。」

「だったら──」

「だから!」

 

僕が言おうと思ったら、蒼空さんが遮った。

 

「俺たちの・・・・・・俺の思いを受け取って、お前が思う存分ライブ活動をしてくれ。」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

彼の音楽への思いの重さは全く知らない訳ではない。

 

「・・・・・・分かりました。」

 

出来る限り、蒼空さんの気持ちに応えようと思った・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、俺たちの曲も提供するよ。」

 

まさかの衝撃発言にビックリよ・・・・・・。

 

 

 

 

 




決意って意味を込めてね。

あ、今日でアンケート期間終了で~す。


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第79話 What's the POPIPA!?

 日々ライブの準備を進めつつ、学校生活を送る毎日。だが・・・・・・。

 

「映司さーん!」

「香澄うるせぇー!」

 

・・・・・・楽しいけど、騒がしいのはイヤよ。・・・・・・なんで僕ちょっとオカマ口調になったの?

 

「本当すみません・・・。」

「気にしなくていいよ。映司も楽しそうだし、ね?」

 

『ね?』じゃないよ。そんな事あたしに聞かないでよ。・・・・・・作者よ、何故僕は女性口調なのかしら?

 

「あの・・・・・・。」

「うん?牛込さん、どうしたの?」

「りみは周りの人たちに緊張してるんじゃねぇか?」

「「え?・・・あぁ。」」

 

葛城姉弟納得したわ~。・・・・・・男でも『──わ。』って言うっけ?

 

「お、お2人には緊張してませんよ!・・・・・・ただ・・・。」

「周りのスタッフさんたちでしょ?気にしなくていいよ。あっちはちゃんと仕事するだけだから。」

 

これで『2人と話すのに緊張してます』なんて言われたらちょっとショックよ?

 

「さてと、そろそろ話を進めますか?」

「そうですね。有咲~、香澄はよろしくね~。」

「はーい!」

「ちょまま!?」

 

・・・・・・続けよう。

 

「私たちは、5曲も歌うんですか?」

「うん、主人公バンドだしね。」

「・・・・・・沙綾ちゃん、今のどういう意味?」

「う~ん・・・・・・りみりんは気にしなくていいよ。」

「最初の2曲は映司と、真ん中の1曲はアタシも追加の7人、最後2曲はアタシと歌うってこと!」

「そこから、次のバンドに繋げるんですね?」

「そ!そゆ事~!」

 

ウィズのノリが軽~い。

 

「一応、候補は考えてきたから、Poppin'Partyの意見を聞きたくてね。」

 

僕が考えたセットリストを見せる。1曲目は『光るなら』。その後は『Light Delight』、『二重の虹(ダブルレインボウ)』、『君じゃなきゃダメみたい』、『ガールズコード』の順だ。

 イメージとしては、

前半は僕が入るから『大人しい』や『クール系』の曲を。

二重の虹(ダブルレインボウ)』は『皆でお客さんを感動させたい』って意味を込めて。

後半はウィズが入るから、『楽しい』や『明るい』曲を。

 

「・・・・・・うん、いいと──」

「いいと思います!!」

 

おっと、猫耳乱入。

 

「確かに、これならポピパの色んなイメージを伝えられる。・・・・・・映司さん、天才?」

「はい?」

「映司さん、気にしなくていいですよ。」

「いつもの事ですから~。」

「お前が言うな!!」

 

さすが有咲さん。たえさんのボケにもきちんとツッコミを入れるなんて・・・・・・。

 

「りみさんも、何かリクエストがあったら言ってください。」

「はい。・・・・・・曲の流れを一緒に考えてもいいですか?」

「?・・・・・・構いませんよ。」

「ありがとうございます!」

 

確か、りみさんは作曲メインだったっけ?・・・・・・楽しそうにしてくれてるならいいか。

 

 

 

 

 




読者の方々、ポピパと言えば?

・・・・・・色んなイメージがありそう。感想とかで言ってくださいね。・・・・・・最近他の方の感想(少)ないから。


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第80話 ね、がんばるよ。

RASの新曲、アガるけど・・・・・・2曲のみでリピートしてると、3週目から疲れてくる。このテンションについていけない・・・・・・。年かな?

ヘルヘルのワンちゃんのくだりはいつも笑っちゃうけど。







 学校が終わればスタジオに行き、ライブの準備を進めている。セットリストもステージの形も決まり、本格的に練習を始める。

 

「あ、2人共。基本的には君たちメインで考えてね。」

「「え?あ、はい・・・・・・。」」

 

この企画が始まってすぐにそう言われたから、スタッフに交じって話し合っている。

 

「この曲の時に、僕たちがこの辺(花道)行くのは?」

「いいかもだけど、この後のダンスは?」

「最初はここで、2番でメインステージに戻って、最後はここで終わるって感じは?」

「あ~、そういう感じね。」

 

基本、僕はステージ演出側で話していて、

 

「う~ん・・・・・・ここのサビ前の音を2回鳴らすのはどう?」

「ここの部分?」

「うん、『ジャッジャジャジャジャン♪』を2回やって、音を一瞬無い状態にして、ドラムとかで盛り上げながら『恋はミステリー♪』って感じ。」

「あ~、なるほどね~。」

 

ウィズはバックバンドのメンバーたちと話している。

 

 最近、ウィズがソロ曲として作詞作曲しているせいか、その技術がかなり上がっている。しかも、アコースティックギターとエレキギターの技術も上がっている。

 

「う~ん・・・・・・ちょっと考えるね。」

「そうですか・・・・・・。分かりました。」

 

おかげさまで、毎回スタッフさんたちを少々困らせてしまっている。

 

「はぁ・・・。」

「どうしたの映司?溜息なんかついちゃって?」

「うん?・・・・・・ちょっとね。」

 

今は休憩時間で、事務所の休憩スペースで休んでいる。

 

「お姉ちゃんが相談に乗るよ~!」

「・・・・・・ウィズはさ、『スタッフさんたちを困らせて申し訳ないな』って、思ったことある?」

「え?う、う~ん~・・・・・・。」

 

なんでか分からないけど、そこそこのスペースがあるこの場所で横に座るウィズ。

 

「・・・・・・うん、あるよ。」

「やっぱり・・・・・・。建さんに言われて、色々考えを言ってるけど、迷惑なんじゃないのかな・・・?」

 

「そんなのだったら、皆もう辞めてるよ。」

 

「え?・・・・・・建さん。」

 

突然、僕の意見を否定しながら建さんがやって来た。手には財布があるから、何か買いに来たのだろう。

 

「君たちは、ライブの演出方法とかは誰かに学んだのかい?」

「・・・・・・いえ。今まで自分で考えて発言してきました。」

「アタシも。・・・・・・映司のMCの技術なら、蒼空さんから学んだそうですけどね~?」

「蒼空君が?・・・・・・なるほどね。」

ウィズ、うるさい。蒼空さんがどうかしたんですか?」

「彼もね、君たちと同じようにライブの演出を考えていたんだよ。・・・・・・他の『ENDRECHERI』メンバーと一緒にね。」

「そうだったんですか・・・・・・。」

「蒼空さんならしそうだね?」

「それに、皆嫌だとは思ってないよ。・・・・・・少なくとも、君たちとよく話している人たちはね。」

「え?」

 

さらっと缶コーヒーを僕たちに渡しながら、話し続ける。

 

「皆、『ENDRECHERI』と一緒にライブをやっていて、次のライブで解散するんだよ。」

「え!?そうなの!?」

 

もう、ウィズ黙って。

 

「皆悲しんでた。そしたら君たちが彼らのように積極的に演出を考えてくれるから、やる気が溢れて、今は『2人を満足させる演出にするにはどうしたらいいのか?』って必死になってるよ。」

「そうだったんですね。」

「だから、思う存分発言してね。・・・・・・あ、コーヒーはプレゼントね。」

 

それだけ言って、彼はスタジオに戻っていった。

 

「・・・・・・ねぇ映司。」

「うん?」

「蒼空さんも、こうやって建さんに相談してたのかな?」

「・・・・・・さぁね。でも、期待には応えないとな。」

 

僕たちも、コーヒーを飲み終えてからスタジオに戻った。

 

 そして、帰る頃にスタッフの1人が『今日は徹夜だー!!』って言ってたから、さすがにそれは止めた。・・・・・・頑張ってくれるのは嬉しいけどね。

 

 

 

 

 




・・・・・・あ、バンドリキャラ出てない。



それと、明日投稿する分は、作者が色々考えて、別作品内で投稿することにしました。詳しくは、活動報告へ。


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第81話 No Control

リクエスト貰ったので・・・・・・。

後、次回から不定期になります。理由は、後書きで。







 人には休息が必要だ。・・・・・・僕にとって休息は、自宅でのんびりと寝ていることだ。最近は疲れているせいか、学校も仕事もない日は寝ていることが多くなった。

 

「ほらほら映司~?いい加減起きなさーい!」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

この寝たフリ、いつまでもつかな・・・?

 起きて時間見て、もう少し寝ようと思って目をつぶったらこのありさま。

 

「早く起きないと・・・・・・キスしちゃうぞ?」

「っ!」

「・・・・・・ちょっと!?そんなにお姉ちゃんのキスが嫌!?」

 

はい。・・・・・・そんな(義理とはいえ)姉弟でキスとか嫌だよ!

 

「・・・・・・それで、今日は何するの?休みなんだから寝かせてよ。」

「いいよ。」

 

あ、いいんだ。では早速──

 

「その代わり、映司が『ファッションセンス』を身に付けてくれるなら、だけど?」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

言い返せない時は、黙るだけだ。だって、ファッションなんて分かんないもん。

 

「黙るってことは、ファッションセンスを身に付ける気はないんだね?」

「あんなの分かる訳ないじゃないか。」

「開き直らないの!早く着替えて!ショッピングモール行くよ!」

「何しに?」

「アンタの服見に行くの!!」

「あ、はい・・・・・・。」

 

ってことで、シーンカットして、今はショッピングモールまでの道中。

 

「なぁウィズ。」

「なぁ~に?」

 

その言い方は何?

 

「いくら僕にファッションセンスを叩き込むとは言っても、なんでショッピングモールに行くのさ?」

「そりゃあ、『Quartzer Style』で着る服を探すために決まってるでしょ。」

「なんかあったら衣装さんが用意してくれるよね?」

「私服でもいいって言われてるけどね。・・・・・・ってか、『基本私服』って書いてなかった?」

 

・・・・・・あれ?書いてあったっけ?

 

「・・・・・・はぁ、ほら行くよ!」

「ちょっ、腕を巻きつくな!こんなとこ知り合いに見られたら──」

 

「あれ?映司先輩にウィズ先輩!」

 

「・・・・・・ほら~、見られちゃったじゃない・・・・・・。」

 

少し離れたところから香澄さんと沙綾さんがこっちに向かって来ちゃった。

 

「あ、アツアツですね・・・・・・。」

「どこかへお出かけですか?」

「うん、2人で()()()だよ!」

「え・・・?2人で・・・?」

「そうなんですね!」

「違うよ、察しなさい。」

 

僕はバカ姉の頭を鷲掴みにしてショッピングモールに向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・香澄、こっそりついていこう。」

「え?」

「あの2人・・・・・・色々怪しそう。」

「いや~、それはないと思うよ、さーや?」

 

「どうしたんですか?」

「あ!紗夜先輩にリサ先輩!」

「お願いです!お2人に協力してほしいんです!」

「「・・・はい?」」

 

 

 

 

 




まぁ・・・・・・タイトル通り、『止まらない』や、『暴走』が溢れかえります。

それから、悲しいお知らせです。明日以降、不定期に更新します。・・・・・・内容が思い浮かばなくなってきまして・・・・・・。


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第82話 FuFuFu

なんとか間に合った・・・・・・。







 さて、道中色々あって、ようやくショッピングモールにやって来たけど・・・・・・。

 

「さぁ~て!どこから行こうか?」

 

・・・・・・楽しそう。

 

「『どこから』って、服を見に来たんじゃないの?」

「ある意味正解!いい加減、映司の新しい服を買わないといけないでしょ?」

「・・・・・・人の事を言えるの?」

「アタシ、これでもリサやひまりちゃんとショッピングしたりして服買ってるから!」

 

あ、そうですか。・・・・・・いつの間に?

 

「それにしても、変わったね。」

「ん?」

「前は『映司を守る』って言って、人を避けていたのにさ。今はちゃん呼びや呼び捨てするまで仲の良い人たちがいて・・・・・・。」

「映司にもいるでしょ?同じクラスの晴斗君が。」

「・・・・・・確かに。」

 

そんな会話をしながら、服屋に向かっているけど・・・・・・。

 

「あ!映司見て!可愛くない?」

「うん?」

 

「映司、この帽子はどう?」

「今のでいいよ・・・・・・。」

 

「映司、ネックレスは?」

「付け外しが面倒だからいらない。」

 

服屋に行くまでに3~4件くらい寄り道させられた。

 

「ふんふふ~ん♪映司・・・・・・疲れてる?」

「えぇ、予想以上に・・・・・・。」

 

これで疲れない男性はいないでしょ・・・・・・。

 

「それにしても、女子っていつもこうなの?」

「さぁね~?でも、リサたちと行った時はこんな感じだったよ。」

「そうですか・・・・・・。」

 

途端に女子と買い物に行きたくなくなったんですけど・・・・・・。

 

「・・・・・・そういや、服屋はまだなのか?」

「とっとと用事済ませて帰ろうとしてる?」

「え?はい、まぁ・・・・・・。」

 

何かマズイ事言ったかな・・・・・・?

 

「映司、知ってる?女の子の会話って長いんだよ・・・・・・。」

 

ちょっと待った。なんで怪談風に言うの?

 

「それじゃあ今日は、映司にたっっっっっぷりと女の子の買い物を教えてア・ゲ・ル♪」

「え?・・・・・・ちょっ、待って・・・!?」

 

それから、服屋に行くまでに5~6件の寄り道、服屋に20~30分、その後5~6件別の店見て、ショッピングという地獄から解放されました・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いや~、ウィズ怖いね・・・・・・。アタシ、何回か一緒にウィズとショッピングしてたけど、客観的に見たら、あんな感じだったんだ・・・・・・。

 

「それで沙綾、あの2人のこと、どう思った?本当に付き合ってると思う?」

「・・・・・・無い気がしてきました。」

「私も、そう思います・・・・・・。」

 

沙綾の『映司とウィズが付き合ってる』って言葉に紗夜が反応して、今2人を尾行してるんだ~。

 あ、香澄は『私はついていけません!』って言って有咲のとこ行ったよ。・・・・・・多分、『この展開に』ってことだろうけど。

 

「さて、そろそろ帰ろっか?・・・・・・痛い思いしたくないし。」

「そうですね。」

「あの、『痛い思い』って?」

 

「それは、俺のことか?」

 

「ひっ!?」

「この声は・・・・・・!?」

 

アタシの耳が反応してしまった、この声に。

 

「そ、蒼空~・・・・・・なんでここにいるの?」

「燐子とショッピングに来てたら、お前たちを見つけたんだ。何してるんだろうな~、て見てたら、あっちの小説の反省が出来てないじゃないかな?って行動してるから・・・・・・。」パキパキ

 

ヤバいヤバい!蒼空の拳が音上げてるよ!?

 

「紗夜、沙綾、逃げよう!」

「えぇ!」

「え!?どういう──」

「逃がすか!!」

 

 

 

 

 




この後、3人は頭を押さえながら帰りました。

タイトル?・・・・・・フザケテナイヨ。

ってことで、前半は『ドレガイザードファブニル』様リクエストの『ウィズが映司を色々連れ回す』を採用しました。

後半はね、アタシの別作品の『閉ざされた蒼空の下に咲く白薔薇』内であった『デートに尾行してくるRoselia』を採用しました。・・・・・・常習犯が2名いるけどね。


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第83話 Hey!和

えー、咲野 皐月様。申し訳ございません。リクエスト、頭の中でいつ頃か考えました。・・・・・・しばらく先になりそうです。

それとさ、昨日一昨日とあった『Rausch』と『放課後デイズ』、そのうちネタとして出しますね。







 今日は放課後に事務所に行ってライブの打ち合わせだ。ちなみに、シングルとアルバムの曲は土曜日に録っている。・・・・・・ほぼ終わっているが。

 

「・・・・・・Roseliaの打ち合わせはしばらく先なんですけど?」

「それは分かっているわ。」

 

最近、色んな仕事をしているから、スタッフさんたちもスケジュールを凄く考えていて、『学校メインの放課後は話し合い』になっている。

 

「今日は2つ、あなたたちにお願いをしにきたの。」

「なんで2つよ?」

 

ウィズ、ナイスツッコミ。

 

「まぁまぁ、これも『Roseliaのため』って思ってさ、ね?」

 

ギャル、シャラップ。

 

「1つ目は、『ライブのアイディアを参考に聞きたいから打ち合わせの場所にいさせてほしい』よ。」

「・・・・・・なぜ?」

 

理由聞いとかないとさ、アイディア泥棒されるかもしれないでしょ?・・・・・・約1名、家族絡みで芸能人がいるんだし。

 

「・・・!な、なんですか!?」

「い、いや・・・・・・。」

 

「私たち、少ししたら『主催ライブ』をするの。」

「主催ライブ?・・・・・・あぁ、あれか。」

 

僕たちも何回かCiRCLEで手伝ったことがある。『主催ライブ』について知りたかったら、『BanG Dream! 2nd season 第2話』を見なさい。

 

「そう、その件について、あなたたちがどうやってライブを作り上げているのか、参考にしたくて。」

「だったら、多分いいと思うよ。」

「だよね~?で、2つ目は?」

「2つ目は、『主催ライブに出てほしい』よ。」

 

それはさすがにダメだろ・・・・・・。

 

「Youたちどうしたの?」

「あ、社長。実は──って事でして・・・・・・。」

「良いじゃない!」

 

え!?

 

「Youたち出ちゃいなよ!」

 

うわ~、社長軽いわ~・・・・・・。

 

「・・・・・・決まりね。」

 

決めないで。

 

 

 

 

 

 と、まぁこんな感じでRoseliaの主催ライブにQuartzerとNOASISが出演することになったが・・・・・・

 

「ドーナツいる人ー?」

「アタシ欲しいー!」

「私も欲しいでーす!」

「吏佐、あたしの取ってきて。」

「あ、僕も。」

「じゃあついでに俺もー。」

「ちょい待て!」

「まぁまぁ。吏佐、僕のも取ってきて。」

「映司さんまで!?」

 

こんな打ち合わせをRoseliaに見せていいのだろうか・・・?

 

ふぁ()ふぉふぉ(ここ)ふふん(部分)なんふぁふぇふぉ(だけど)?」

「ウィズ、行儀悪い。」

 

「・・・・・・湊さん、この打ち合わせ、参考にしますか?」

「そう、ね・・・・・・。」

「あ、アタシたちもクッキーとか食べたりしてるけど、さすがにここまでは・・・?」

「あこ、話の内容が入ってきません・・・・・・。」

 

まぁ・・・・・・当然の反応ですよね?

 

 

 

 

 




タイトル?・・・・・・フザケテナイヨ。

そしてさ、(多分前にも書いたけど、)アタシこれでも車関係のピットスタッフしてるんです。だけどさ、人が少な過ぎて、店長から『6連勤と7連勤、どっちがいい?』って聞かれる始末よ・・・・・・。おかげさまで小説に費やす時間が減りつつあるのよ。
とりあえず、出来る限りの投稿はしますよ。


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第84話 コ・ハ・ル・ビ・ヨ・リ

先に言います。今回長いです。







 さてと、日付は経って、Roselia主催ライブ当日。

 

「あ!ウィズ先輩!」

「ん?・・・・・・あ!香澄ちゃん!」

「ってか、ポピパ全員なんだ・・・・・・。」

 

騒がしくなるな・・・。

 

 とにかく、ポピパも主催ライブに参加するようだから一緒に行って、楽屋に入った。・・・・・・入ったけど。

 

「・・・。」チーン

「ちょっ、紗夜先輩!?」

 

死んでる・・・?

 

「密室。事件は控え室で起きてる・・・・・・。」

「アホか。早く起こすぞ。」

 

僕はボケを潰して全員を起こす。

 

 

 

 

 

「ぷはー!意識失ってたわ~!」

「そうだね、見事に死んでるほど。」

「アタシもビックリよ・・・。紗夜さんはダイイングメッセージでも書こうとしてたの?」

「なんの話ですか?」

 

あんたの話よ。

 

 

 

 それから、Roseliaがメインでライブ準備してる。

そして、QuartzerとNOASISの出番がやって来た。

 

「・・・・・・友希那さん、リハって通ししたとしても時間はある?」

「あるわよ。」

「はーい。・・・・・・ちょっと通しでやるか。」

「了解っす!」

 

僕は客席に降りて、照明を見ていた。

ウィズはステージ上で音を集中して聞いてた。

 

「・・・・・・これさ、ある程度リクエスト言ってもいいの?」

「いいわよ。」

「じゃあさ、1曲目の『硝子の少年』がさ、ちょっと雑かな?」

 

僕はマイクを通して意見を言う。

 

「サビのさ、『♪Stay with me・・・』のとこをさ、『右、左、正面』って感じに順に照らすことって出来ます?」

『全部の照明ですか?』

「うーん・・・・・・右と左は半分ずつで、正面は、Quartzerが立ってる所辺りまでで。」

 

「Cメロのさ、『♪僕の心は・・・』ってさ、周りもう少し暗くできる?」

『出来ますよ。』

「4人。NOASISの4人さん。」

「はいはい。」「なんでしょうか?」

「今からさ、ラスサビ前のCメロ部分の、みんなの照明を暗くするからさ、誰か手元とか見えなくなった瞬間に声出して。」

 

「あとさ、2曲目の──」

 

・・・・・・こう、ダイジェスト風に見ると、相当言ってたなぁ・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 映司、結構言ってるね~。

 

「あのさ、間奏の部分だけど、ちょっと変えてみない?」

「どんな風にしますか?」

「そうね~・・・・・・『♪ジャンジャンジャジャジャンジャン・・・』でさ、(吏佐)段々音程上げれる?」

「彩紗(キーボード)と同じ感じに?」

「そうそう!一緒に。出来る?」

「・・・・・・・・・・・・。」(演奏中)

「そうそう!そんな感じ!」

 

これだけしか出さないけど・・・・・・アタシも結構言った気がするな~。

 

「お疲れ様です!」

「え?・・・・・・あぁ、お疲れ様。」

「2人共、すごい言ってましたね。」

「「え?そうなの?」」

「息ピッタリだな~・・・。」

 

有咲ちゃん、呆れないの。この後にポピパなんだって。

 

「皆さん、しばらく時間がありますので、ゆっくりしててください。」

「は~い。・・・・・・紗夜はやっぱり、そういう役回りなのね?」

「そうですが・・・・・・何かおかしいところがありましたか?」

「ううん、しっくり来るから大丈夫。」

「・・・・・・どういう意味ですか?」

「さぁね~♪」

 

ちょっと紗夜の顔が怖かったから、アタシはとっとと逃げた。

 

「あ!ウィズさん、ババ抜きしましょうよ!」

「うん、なぜ?」

「だって、出番まで長いでしょ?」

「それに、映司さんもやりますよ。」

「映司も!?やる!」

 

・・・・・・あ、嵌められた。剛のやつ~!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・あれ?次、アタシたちじゃない?」

「え?・・・・・・あ!本当だ!」

 

思ったより盛り上がっちゃって、気付けば今はアタシたちの前のバンドが演奏中。

 

「いや~、衣装着てて良かったね~?」

「ほんとっすよ~!」

 

「QuartzerさんとNOASISさん・・・・・・何してたんですか?」

「ごめんなさ~い!ちょっとババ抜きがね~。」

「はぁ・・・。スタンバイをお願いします。」

「は~い。」

 

そして、前のバンドがステージから立ち去り、アタシたちは演奏準備をする。

 

 そして、彩紗がピアノ音で奏で始める。

 

「みなさんこんばんはー!今日は最高のライブにしましょう、最後までよろしくー!」

「よろしくー!」

 

映司の発言にアタシが一言言った後、剛たちも参加して、演奏する。アタシたちは、今回は歌うだけなのよ。

 

(ウィズ)雨が踊るバス・ストップ 君は誰かに抱かれ

  立ちすくむぼくのこと見ない振りした

(映司)指に光る指輪 そんな小さな宝石(いし)

  未来ごと売り渡す君が(かな)しい

 

(映司・ウィズ)ぼくの心はひび割れたビー玉さ

  のぞき込めば君が 逆さまに映る

 

そして、今回はあまり尺を使うわけにもいかないから、ショートでやることにしたの。

 

2「Stay with me 硝子の少年時代の 想い出たちだけ横切るよ

  痛みがあるから輝く 蒼い日々がきらり

  Stay with me 硝子の少年時代の 破片が胸へと突き刺さる

  何かが終わってはじまる 雲が切れてぼくを 照らし出す

 

これで歌詞が終わらないのがこの歌。

 

2「君だけを

 

2「愛してた

 

これにて、新曲『硝子の少年』はおしまい。そのまま、

 

『♪~~~』(Kissからはじまるミステリー)

 

見事に明るい曲が流れ始める。

 

W「君の向こうに海が青く透き通るよ 不思議

  黙りこくった時がほらしゃがみこむよ ねぇ

E「優しさの意味 教えてよ

  君の涙に酔っちまう前に 君の瞳に溺れちまう前に

 

2「不器用な天使 キスしたあと 突然つれないポーズだね

  ぼくは夢遊病 さまよう難破船だよ

 

2「恋はミステリー 人は胸に 悲しい謎を隠して生きている

  恋はミステリー 誰かぼくの 胸のナイフを静かに抜いてくれ

 

本来ならこの後に2番が始まるけど、ここは省略して、最後の方まで飛びますよ~。

 

2「君が欲しい 君が欲しい 他には(なん)にもいらないよ

  君が欲しい 君が欲しい 失うものなど何も無い

  君が欲しい 君が欲しい

 

ちなみにこれも提供曲。恋愛経験がないアタシからすれば、言われたいよ『君が欲しい、他には何もいらない』なんて。・・・・・・なんとでも言えばいいさ、読者共!

 

 さてと、流れとしては、ここでMCなんだけど、さっき紗夜に・・・・・・

 

「長話し過ぎないようにしてくださいね。」

 

って、圧かけられたんだけど・・・・・・。台本ないから、そん時の内容によるかな~。

 

「改めまして、こんばんは。Quartzerです!」

「こんばんは~。」

「そして、バックバンドとしてNOASISの4人です。」

 

映司の紹介で、アタシたちに向けて、客席から拍手が起きた。

 

「え~、QuartzerとNOASISは今年の4月から芸能事務所に所属して、今は芸能人となっています。」

「そうなんですよね~。」

 

アタシ、基本相づち打っときゃいいかな?

 

「一応ね、事務所から許可は得てますので、ここにいるんですよ。」

「社長軽かったけどね。」

「軽かった~。」

「うん。『良いじゃない!Youたち出ちゃいなよ!』ってね。」

「でもね、その社長がさ、昨日だったかな?社長だから忙しいらしくてね、電話してたの。そしたら、『うん!うん!』って言って電話切ったら、『(受話器置いて横見て)もしもし!』って。」

「え~!?」(笑)

「ビックリでしょ!?僕もその時『社長どこに向かって『もしもし』言った!?』って、言っちゃったもん・・・。」

「アタシもなんか起きないかな~?」

「社長と?」

「うん。なんか面白いエピソード置いてくれないかな~?」

「あの人はね~・・・。さて、ちょっと楽曲とかについてお話するんですけど、そもそも、僕たち知ってる人っています?」

 

\『はーい!』/

 

「あ、意外といるのね?」

「ありがとうございます。僕たち、デビューシングルで両A面のを出すんですけど、その1曲ですね。最初の曲がね。」

「そうなんですよ。『硝子の少年』ね。」

「それと、2曲目が『Kissからはじまるミステリー』って曲でして、こちらはまだ(どのCDに入るかは)未定ですけど、気に入っていただければと思っています。」

「はい。」

 

「ただですよ、みなさん。」

 

ん?なんで急に吏佐が喋りだすの?

 

「私たちの出番が始まる5分くらい前にね、みんなでババ抜きしてたの!」

「www・・・!(笑)そうね・・・。」

「私ね、お2人が『トランプの経験がほぼ無い』って言うから『勝てる!』って思ってたの!」

「ボロ負けだったね。」

「そうなんですよー!」

「3回くらいしたのかな?1回目が光一が負けて、」

「あと全部吏佐ですよ。」

「2人共ポーカーフェイスが上手すぎでしてね!」

「まぁね~♪」

「でもね、2回目の時にウィズさんが途中で『どうしよう!?どうしよう!?』みたいな顔してたよ。」

「えぇ!?」

 

なんで彩紗言っちゃうのよ~?

 

「確かに。ほんの少しだけ動揺してたな。」

 

映司まで~!?・・・・・・あ。

 

「ねぇみんな。アッチ・・・・・・。」

『え?』

「あ、紗夜先輩じゃないですか。」

「『早く次の歌に進め!』って言ってるね~。」

「じゃ、歌うか。」

 

というわけで、怒られる前に歌いまーす。

 

「え~、次の曲ですけど、これも新曲ですね。『Roseliaへ』って感じも込めながら、この時期(作品内)にピッタリな感じの曲を選びました。。」

「そうですね。」

「それでは聴いてください。『コ・ハ・ル・ビ・ヨ・リ』です。」

 

一部音源使ってるけど、他は全て自分たちで音を鳴らす。この曲、『和』の要素を含んだ曲なんだよね~。

 

W「春の海を眺めながら キミの肩を抱き寄せた

  耳に響く波の音が いつもよりも暖かい

E「いつのまに眠ったのだろう 陽だまりに包まれ

  そっと目を開けば 何も 変わらない春の日

 

2「胸の中に咲き誇った 桜のように穏やかな

  愛する気持ちを ふたりで いつまででも 大切にしよう

 

アタシとしてはなんで『Roseliaへ』って意味があるのか分かんないんだよね・・・・・・。

 

W「楽しいことや悲しいことを ボクは重ねてきたけど

  キミに逢えて良かったねと 素直に 今、そう思う

E「“愛してる”その一言が キミを守るための

  勇気へと姿を変える 大切な愛だから

 

2「胸の中に咲き誇った 桜のような切なさと

  優しさを消さないように いつまででも キミを愛したい

  胸の中に咲き誇った 桜のように穏やかな

  愛する気持ちを ふたりで いつまででも 大切にしよう

 

アタシたちは演奏が終わった直後にステージから退場した。・・・・・・紗夜に『MC長過ぎ』って怒られたのは、察するでしょ?

 

 

 

 

 




え~、最後に出した『コ・ハ・ル・ビ・ヨ・リ』ですけど、仕事中に浮かんで、『あ!Roselia・・・・・・に合うかな?』って出しました。
ただ、漢字が違ったりするけど。
『《春》の海を』→『工藤《晴》香』
『波の《音》が』→『志崎樺《音》』
『胸の《中》に』→『《中》島由貴』
『《桜》のように』→『《櫻》川めぐ』
『《愛》する気持ち』→『《相》羽《あい》な』

・・・・・・3Dなんですけどね。あと、『陽だまり』ってこともかな~。

─追記

楽曲情報を入れ忘れてました。運営に怒られる!


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第85話 Love is...~いつもそこに君がいたから~

不定期なら更新日はいつでもあり!・・・・・・って思ってるアタシはアウト?

あ、目次にあるURLの作品も更新されてます。







 ライブも終わり、アタシたちはRoseliaがステージから戻ってくるのを、ポピパと待ってた。

 

「お疲れさま、今日は助かったわ。」

「Roseliaのライブは参考になりましたか?」

 

そう言いながら入ってきたけど、さっきポピパのテンションが低かったのは主催ライブ絡みみたいだね~。

 

「でも、いつかRoseliaのみなさんみたいなライブをして見せます!」

「・・・・・・そのライブに、意味はあるの?」

「え・・・?」

「Poppin'Party、あなたたちは主催ライブをする覚悟が足りたない。」

「・・・・・・・・・・・・。」

「ちょっと、友希那さん。今の言い方は無いでしょ!?」

「おい、ウィズ。」

「止めないで。いくらなんでも、アタシは今回の件は引き下がる気はないよ・・・!」

「ウィズ、帰るぞ。みんなも。」

「ちょっ、映司!?」

 

アタシは映司に連れられて、QuartzerとNOASISはライブハウスから立ち去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アタシは映司に力ずくで連れられて、ライブハウスを後にした。途中で4人とは別れたけど、映司はずっとアタシの腕を掴み、引っ張っていた。

 

「映司!いつまで腕掴んでるのよ!?」

「そうでもしないと、戻るだろ?」

「当たり前でしょ!いくらなんでも、あの言い方は無いでしょ!?」

「・・・・・・ちょっと落ち着けって!!

「っ!」

「・・・・・・ごめん、大声出しちゃって・・・。」

「う、ううん・・・・・・、こっちこそゴメン・・・・・・。」

 

映司が大声出すなんて・・・。ライブでもそんなことないのに、いつ以来なんだろう・・・・・・?

 確か、映司のお母さんの事件以来かな・・・?

 

「・・・・・・ちょっと、そこの公園で一息つこう。」

「うん・・・・・・。」

 

アタシはそうして、夜の小さな公園で缶コーヒー片手に話し合う。

 

「・・・・・・ねぇ、なんで止めたの?」

「止める理由が無いと止めちゃいけなかったのか?」

「そういうワケじゃ・・・・・・。映司はなんとも思わなかったの?」

「・・・・・・確かに、友希那さんの言葉には少しイラッと来たよ。」

「だったら──」

「でも、友希那さんの言葉の意味はすぐに分かった。」

「・・・・・・どういう事?」

「あの時、『Roseliaと同じ事』って、香澄さんが言ったでしょ?」

「うん。」

「もしも、この前Roseliaが打ち合わせに来た時に『私もQuartzerと同じ事が出来るように』って言われたらどう思う?」

 

友希那さんたちがそんな事を言うとは思えないけど・・・・・・。

 

「・・・・・・自分たちで考えてライブを作れって言う。」

「そう、そういう事。」

「・・・・・・あ!そっか!」

 

納得だよ~!

 

「はぁ・・・。だから、言葉のチョイスは悪かっただろうけど、友希那さんなりのアドバイスとして捉えればいいんだよ。」

「・・・・・・そう、だね。」

 

さすが、映司だね・・・・・・。

 

「・・・・・・映司。」

「うん?」

「いつも、ありがとう。」

「・・・・・・どうしたの、急に改まって?」

「昔は、『アタシが映司を守る』って思ってたけど・・・・・・ホントは、あの頃から映司に助けられてたな~ってさ。」

「・・・・・・あの時の僕は、完全に他人を信用してなかったな。」

「でも、映司が側にいてくれたから、アタシは映司を守る勇気が湧き出ていた。だから、ありがとね。」

「・・・・・・なんだよ、気持ち悪い・・・。」

「ちょっと~!?そんな言い方は無いんじゃない!?」

「・・・・・・僕も、ちょっと真面目な話をしていい?」

 

・・・・・・珍しいね、映司がそんな事聞くなんて・・・。

 

「・・・・・・いいよ。お姉ちゃんがドーンと受け止めてあげる!」

「・・・・・・正直、4月からの生活が不安だった。」

「っ・・・・・・。」

 

あー・・・、これは・・・・・・しばらくボケちゃいけない流れだね・・・・・・。

 

「芸能事務所に入ったけど、『大人たちに迷惑かかってたらどうしよう?』とか、『売れなかったらどうしよう?』とか、思ってた。でも、ウィズの話を聞いてて思ったんだ。」

 

映司も、そんな悩みを抱えてたんだね・・・・・・。

 

「それで、映司の見つけた答えは?」

「・・・・・・やっぱり言うの止めた。」

「・・・・・・え!?」

「この答えは、1stライブで言う。」

「ちょっと!アタシまでお預け!?」

「気が変わったんだよ。諦めてくれ。」

「はぁ~!?」

「帰るぞー。」

「あ!ちょっと待ちなさい、この気分屋ー!」

 

・・・・・・仕方ない、我慢してやるか。

 

 

 

 

 




ちなみに作者も、最初は映司君には真面目な事を言わせようと思ってましたが、書いてて気分が変わりました。・・・・・・アタシ、B型だからさ!


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第86話 EXIT

やっぱり、KinKi Kidsのファンでバンドリ(Roselia推し)のファンっておかしいかな・・・?







 Roseliaの主催ライブからそこそこ経った。ウィズは素直に友希那に謝ったそうだ。だけど、僕たちにとって大きなイベントは、すぐに起きた。

 

「文化祭?」

「あれ?映司さん、聞いてないんですか!?」

「聞いてないけど、吏佐は知ってるの?」

「当然ですよ!ウィズさんが通う花女の文化祭、今回は特別なんですよ!」

「へー・・・・・・。」

「ありゃ?思ったより反応薄くない?」

 

いや、元々反応は薄いけど・・・・・・だからって驚くほどのことでもない。なんせ、去年にその文化祭に巻き込まれたしね。

 

「お待たせ。」

「大丈夫だよ~!・・・・・・って、あれ?剛と光一は?」

「今日は珍しくクラスの人たちと食べるんだって。」

「何かあったのか?」

「クラスメイトが、『Quartzerの人たちってどういう感じの人なの?』ってしつこく聞いてくるから──」

「生け贄として置いてきた、と?」

「はい!」

 

うわっ、すっごい笑顔。

 

「それで、今回の文化祭は何が特別なの?」

「それがですね~、今年は・・・・・・羽丘と合同で行われるんですよ!!」

「・・・なんで?」

「さぁ~?」

 

知らないんかい。・・・・・・最近、事務所のスタッフのせいか、関西弁が移ったかな・・・?

 

「それで、行くんですか!?」

「行きたくない・・・・・・って言っても行かされるだけだ。行くよ。」

「Yeah~!」

「誰か言うんですか?そんな事を。」

「ウィズと光一と吏佐と──」

「私も!?」

「あと・・・・・・誰だっけかな?」

「そんなにいますか・・・・・・。」

 

うん、とりあえずうるさい人たち全員かな?

 

「それに、今回はライブしなくて済むしね。」

「「え・・・?」」

「去年、ウィズの提案で花女の文化祭でライブしたんだよ。」

「それ!私見たかったんですよ~!」

「え?そうなの?」

「そうですよ!!2人が初めて踊ったライブですよ!!私たちの中では有名なライブなんですよ!!」

「あたしも、気になっています。」

 

へー。4人にとってはそんなに貴重だったのか・・・・・・。(いるかどうか知らないけど)ファンにとってもあれは貴重なライブになるのか?

 

「・・・・・・そろそろ時間だ。戻るよ。」

「はい。」「は~い!」

 

予鈴が聞こえたから、僕たちは屋上を後にして、それぞれの教室に戻る。

 

「映司さん、また後でね~!」

「また帰る時に。」

「うん、後でね。」

 

彼らのおかげで、最近は学生らしい生活を送れている。友達と雑談して、一緒にご飯食べて・・・・・・とか。彼らとは、最近心を開いて接することが出来るまでになったからね。

 

 

 

 

 

「あ、映司君。」

「どうも。」

 

久しぶりにこっちに登場した晴斗。彼の席は、嫌味のように僕の隣だ。

 

「映司君は、花女と羽丘の文化祭行くの?」

「多分、行かされる。」

「ウィズさんに?」

「ウィズもだけど、他の人たちにも。」

「あはは・・・。」

「・・・・・・誘おうとしてたの?」

「ま、まぁね・・・・・・。まぁ僕は、浩輔と行くよ。」

「そうしてくれると助かる。」

 

案の定、帰る時に光一から『俺たちと一緒に花女と羽丘の文化祭行きましょうよ!』って言われたから、予定はやはり埋まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「映司~、今度の花咲川の文化祭なんだけどさ~、」

「来いって言うんでしょ?ちゃんと予定は空けてあるから。」

 

ウィズまで・・・・・・。

 そんなに僕が言わないと行かない人間だと思っているのか?(※正解)

 

 

 

 

 




彩紗がSっぽかったな・・・。まぁいいか。
そして、映司に出口(逃げ口)は無かったってことでこのタイトルで~す。

ってことで、これからしばらく原作2nd seasonの文化祭編だよ~。


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第87話 One more XXX...

アタシのTwitter見てない人のために。

今回のイベントの星4友希那が1度の10連で2枚出ました!あと、星3燐子が1枚。イベント報酬も含めて、後は紗夜だけ。







 アタシも友達は増えたけど、授業は暇なんだよね~。まぁ、単位取らないといけないから受けるんだけどさ。

 

「今回は、文化祭についてです。」

 

あれ?先生、文化祭って?・・・・・・あ!そういや、もう文化祭じゃん!映司誘わないと!

 

「何か良い意見ある人~?」

 

・・・・・・と言っても、何をやったら良いのか分かんないんだよね~・・・。

 

「はい!私、喫茶店!」

 

うわ、ベタだね・・・・・・。

 

「『この街の歴史について』はどうでしょうか?」

 

・・・・・・誰よ!?そんなクソマジメな事言った奴は!?

 

※女の子としてはとても不適切な発言があったので、一部修正させていただきました。

 

・・・・・・なんか変なのあったけど、とりあえず結果は、『この街の歴史について』になっちゃったのよ・・・。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

「何しているのですか?」

「うん?」

「こんな屋上で何しているのかと聞いているのです。」

 

そう、最近の昼休みはこうして、屋上で寝ている。・・・・・・別に昼休みに一緒に過ごす友達がいないわけじゃない。香澄たちに捕まりたくないの。察して。

 

「・・・・・・芸能人が人目を気にしちゃいけないのかしら?」

「そういう訳ではありませんが・・・・・・。」

「だから、こうやって羽根を伸ばしてるってハナシ。」

「・・・・・・はぁ。」

 

ため息つかないの。

 

「それで、アタシに何か用があるの?」

「っ!そうでした。」

 

忘れてたのかい。

 

「文化祭の事ですが、あなたは来るのですか?」

「へ?」

「あなた、芸能人ですから、来れなかったりするのでは・・・・・・と思いまして。」

 

あ・・・、そういう事ね~。

 

「一応、事務所に聞いたのよ。『文化祭なんだけど?』って。そしたらさ、『いいよ!休みにするよ!ボクたちも遊びに行くから!』って言われた・・・。」

「そうなんですね。・・・・・・一応、聞いていいか分からないのですが、誰に聞いたのですか?」

「社長。」

「えー・・・。」

 

紗夜さん、大丈夫よ。アタシも口開けてポカーンってしてたから。

 

「だから、クラスの企画に乗り気ではないけど文化祭には出るよ。」

「そうですか。・・・・・・なぜ乗り気ではないのですか?」

「いやいや、あの企画に乗り気なのは真面目なアナタと千聖さんだけよ?」

 

そんなキョトン顔されてもさぁ・・・。

 え~、読者の方々。紗夜さんのキョトン顔は勝手に想像してね~。

 

「それで、いつまでアタシを見張る気?」

「べ、別に見張っている訳では・・・。」

「あ、ウィズ先輩いたー!」

 

はい、残り半分の昼休みが終わったー。

 

 

 

 

 




タイトルね、『XXX』なんて見ると『キス』とかその辺想像する方が大半だろうけど・・・・・・このタイトルの曲なら、それが正解です。


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第88話 Heki

昨日、約1名から(感想内で)殺されかけましたが、アタシ悪くないもん!出ちゃったんだもん、しょうがないじゃん!

・・・・・・で、昨日紗夜星4が出た。これで、今回のイベントキャラはコンプリートだぜ!







「映司~、行ってくるね~!」

「う・・・?うん・・・・・・。」

 

眠い・・・・・・。こんな朝からウィズはどこ行ったんだ?今日は完全オフなのに・・・・・・。

 

「・・・・・・あー!やっぱり寝てるー!」

 

吏佐、うるさいよ・・・・・・。ん?吏佐?

 

「本当だ!映司さん、もう朝っすよ!」

 

光一の声も?

 

・・・・・・ちょっと待って。僕たちの家になんで吏佐と光一の声が聞こえるわけ?

 

「う、うーん・・・・・・。」

「あ、起きたよ。」

「映司さん、おはようございます!」

「おはよう。・・・・・・なんでいんの?」

「ウィズさんに鍵を借りました。『起こしてきて』と、言われまして。」

 

あいつ・・・!

 

「とりあえず、うるさい奴らが騒がしくなる前に支度をしてください。」

「支度?」

「はい。・・・・・・今日、文化祭ですよ?」

「・・・・・・忘れてた。すぐ支度する。」

 

そういや昨日からだったね。

 

 支度も終え、勝手に入ってきた4人と共に花女に向かうことになった僕は、はしゃぎながら先を歩く2人をよそに、彩紗と剛と話しながら歩いていた。

 

「机の上に楽譜がありましたけど、新しい曲ですか?」

「うん。最近、提供曲が多いでしょ?だから、堂島(どうじま)浩平(こうへい)さん(事務所の方)にアドバイスを貰いながら書いてるんだ。」

「どんなイメージの曲ですか?」

「う~ん・・・・・・一応、『疾走感があってキラキラしてるけど、その中に少し切なさがある』ってイメージかな?」

「へぇ~。あたし、早く聞きたいです!」

「ただ、ウィズに詞を書いてもらおうと思ってるんだけど、いつ聞かせようかなぁ・・・って。」

「何かインパクトのある詞にしたいんですね?」

「・・・・・・例えば、『ライブ中に聴かせる』のは?」

 

剛君、とんでもない事言うわね・・・。

 

「・・・・・・考えとく。」

 

僕はそれだけ言った。その案、ちょっと面白そうだから。

 そして、僕たちは花咲川女子学園に着いた。

 

「さぁて、楽しむぞー!」

「おー!」

「うるさいうるさい。」

 

「ウィズさんって、どちらのクラスなんですか?」

「確か、A組って言ってたね。」

「でしたら・・・・・・ここ、ですね・・・・・・?」

 

・・・・・・あれ?場所間違えたか?もしくは聞き間違えたか?

 

「え、映司さん・・・、ここ?」

「このクラス、真面目過ぎない?」

「何、『この街の歴史』って?」

 

この企画を文化祭でやるって、どういう神経した人なんだ・・・?

 

「・・・・・・他のとこ行くか?」

『賛成です。』

 

はい、おしまい。

 

 

 

 

 




『Heki』・・・・・・本来は『癖』ですが、今回は『壁』です。


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第89話 危険な関係

「ど~しよ~!?」

「帰って早々何?」

 

帰ってすぐにウィズが悩み出す。・・・・・・正直うるさい。

 

「一応聞くけど、何かあったの?あのつまらない企画の評判が酷くて怒られたの?」

「確かにアレはつまらなかったけどさ・・・・・・って、そっちじゃないの!!」

 

あ、違うのね。

 

「ポピパの事なんだけどさ──」

「じゃあ僕は何も出来ない。風呂入ってくる。」

「ちょい待てーい!」

 

・・・・・・ノリ良いな。うるさいくらい。

 

 一応話は聞いた。Poppin'Partyの花園たえが、『武者修行』って感じで最近出来たバンド『RAISE A SUILEN』のサポートバンドになったらしい。だけど、文化祭ライブと『RAISE A SUILEN』のライブが重なり、・・・・・・長いから『RAS』でいいや。『RAS』のライブを先にした結果、文化祭ライブに間に合わなかったんだと。

 その結果、ポピパは少々ギクシャクしているらしい。

 

「映司~、何か良い方法ない~?」

「当人に任せる。以上。」

「・・・・・・ノリ悪いね。」

「その件に部外者は立ち入れないでしょ?」

「・・・・・・それもそっか・・・。」

 

それだけ言って、僕は風呂に行き、そのまま就寝コースに入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『部外者は立ち入れない』って映司は言われてから数日経ったけど・・・・・・大丈夫なのかな~?

 

「あの、ウィズ先輩。」

「うん?・・・・・・有咲ちゃん。」

「QuartzerとNOASISが全員集まれる日っていつですか?」

「え?・・・・・・ちょっと聞いてみる。」

 

昼休み入ってすぐだから、アタシは映司に電話する。今ならきっと、4人もいるはずだから。

 

《もしもし?》

「もしもし、映司?今いい?」

《大丈夫だけど、どうした?》

「有咲ちゃんが、みんなと話したいって言うんだけど?」

《みんなって、光一たちも?》

「うん。」

《・・・・・・帰りに花女行くから、その時でいいか?》

「ちょっと聞いてみる。・・・・・・今日の放課後に来るけど、それでいい?」

「はい、大丈夫です。」

「映司?」

《はいはい?》

「じゃあ、帰りに来て。」

《分かった。》

 

そして、電話を切った。

 

「じゃあ、それでよろしくね。」

「はい。」

 

・・・・・・アタシたち、何かしたっけ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、肝心の有咲さんは?」

「それが・・・・・・あ、来たよ。」

「遅れてすみませーん!」

 

おいおい、ポピパ全員なの・・・。僕は『有咲さん』しか聞いてないんだけど?

 

「あの・・・・・・主催ライブ、出てくれませんか?」

「「・・・・・・そんな事か。」」

「え?」

「てっきり、何か悪いことしたのかな、って思ってたよ、アタシは。」

「・・・・・・ちょっと事務所に聞いてみる。」

「今!?」

 

そして、一番大きな権利を持ってる人に連絡する。

 

《もしもし?》

「お疲れ様です。葛城映司ですけど。」

《どうしたの?》

「あの、Poppin'Partyから『主催ライブに出てほしい』って言われてるんだけど、出ていい?」

《良いじゃない!Youたち出ちゃいなよ!》

「じゃあ、後で日時と場所教えるね。」

 

はい、電話おしまい。

 

「え、映司さん・・・?」

「うん?」

「事務所に、連絡したんですよね・・・?」

「そうだけど。」

 

え?何かまずかった?

 

「誰に連絡したんですか?」

「社長。」

「はい!?」

 

有咲さん、驚きすぎ。

 

「社長にタメ口なの!?」

「ウチの社長、ノリが軽いんだよ。アタシも雑談する時、半分タメ口だしね。」

 

ってことで、ポピパの主催ライブに出演する事が決定しました。

 

 

 

 

 




ちなみにこの社長、ジャニー社長がモデルです。・・・・・・言っても分からないでしょうけど。


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第90話 君のためのうた

 

 

 Poppin'Partyの主催ライブから数日が経った。僕たちの1stシングルも発売された。

 

「う~ん、ちょっと照明が雑じゃない?」

 

学校としてはもうすぐ夏休みだけど、僕としては夏休み入ってすぐにライブがあるから、少し忙しくなってきた。

 

「さっきのBメロ部分が特にひどいかな?」

 

・・・・・・このセリフを見るだけで分かる通り、絶賛リクエストを言いまくっている。

 

「ちょっと休憩しますか?」

「う~ん、そうだね。ちなみに頭が・・・・・・。」

「分かりました。それでは、しばらく休憩入りまーす!」

 

今はライブ会場でリハをしている。僕はステージに上がったり降りたりを繰り返して、ステージ演出にかなり口を出している。

 

「お疲れ。いつも通りだね?」

「ウィズも、いつも通り音にこだわってるようだね?」

「アタシはライブするなら音にこだわる派だからね~。」

 

ウィズも、ステージが完成してから細かい部分の音楽による演出で口を出している。

 

「そうだ!午後からはポピパたちも来るんだよね?」

「うん、各バンドのステージを使った段取りをするんだって。」

「あ!それで思い出したんだけど、AfterglowとRoseliaを入れ換えたんだって?」

「そうだよ。ちょっと演出上、そうした方がいいかなって。スタッフたちや本人たちにも話は済んでいるから、今は深く気にすることではないけど。」

「そうなのねー・・・・・・。」

 

何、その疑いの目は?

 ただ、この変更には少し理由がある。

 

 

 

 

 

「私たちの順番を変える?」

「あたしたちの方が先って話だったのに、どういう事ですか?」

 

それは、今から4日ほど前。スタッフのお偉いさんと、2バンドとの話し合って決めた時のこと。

 

「僕の思い付きなんですけど、Roseliaさんに僕が書いてる曲を演奏してほしいんです。」

「私たちに・・・?」

「理由を教えてください。Afterglowではなく、Roseliaを選んだ理由を。」

「・・・・・・最近、ウィズが蒼空さんのところによく行っていると聞きました。」

「え、えぇ。燐子もそう言ってたわ。」

「多分、蒼空さんの『突発性難聴』について、知ろうとしてるんじゃないか、と思っています。そんなウィズに詞を書いてもらおうと思っています。」

「難聴の蒼空と絡みの多い私たちに、蒼空とウィズさんに届けたい。そして、ウィズさんに詞を書いてもらおうとしてる。」

「はい。」

 

最近、仕事がない日にウィズはよく蒼空さんのところに行っているらしい。理由は、僕以外の人の心の痛みを理解できるようになりたい、だそうだ。そこで、『突発性難聴』になった蒼空さんの話を聞いているそうだ。

 そんな理由から、今回の案が思い浮かんだ。

 

「そういう理由なら、承諾しますよ。あたしは。」

「そうね。蒼空には世話になってるから、恩返しも兼ねて、Roseliaもその意見に賛成するわ。」

「・・・・・・っ!ありがとう。」

 

 

 

 

 

 ちなみに、新曲の件については、まだウィズに話してない。サプライズにする予定だ。

 

「そろそろ休憩終わりまーす!」

「は~い!さ、行こっか?」

「うん。」

 

その後、各バンドのリハでも、僕たちはかなり口を出して、一部のメンバーから白い目で見られたのは、言うまでもない。

 

 

 

 

 




え~、ポピパの主催ライブはカットしました。理由?『面倒くさい』に決まってるでしょ!!・・・・・・アタシは何人に裁かれるんだろうか?

それから、次回からライブ編となります。予定としては、4話くらい使う予定です。そして、全て書き終えたら更新します。


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第91話 -1- Over“Quartzer”

はい、お待たせしました。

長すぎるので、一度に投稿するのを止めました。・・・・・・アタシ、気分屋だからね。

では、スタッフ視点からお送りします。







 

 

 ライブが始まる5分前、我々スタッフと出演者が全員、ステージの後ろで円となっていた。・・・・・・スタッフで集まれる人間は、だが。

 

「え~、今日が、Quartzerの1stライブとなります。皆さん、悔いのないように全力で楽しみましょう!」

『はい!』

 

ウィズさんのコメントが終わった後、映司君のコメントが始まる。

 

「今日、わりと多くのお客さんが来ていますけど、気にせずに、このライブを楽しみましょう!」

 

そのコメントには少し笑いが起きる。

 

「それでは皆さん、スタンバイお願いします!!」

 

全員がそれぞれの持ち場に着き、ライブが始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 会場が暗くなり、武田建率いるサポートバンドの演奏が始まる。約4分間、観客全員をQuartzerの世界へ引きずり込もうと、会場にその音たちを蔓延させる。

 そして、音が止むと同時に、『Over“Quartzer”』が始まる。

 

(映司・ウィズ)Now,Over“Quartzer” 時の雨 擦り抜けて 共に

  You,Over“Quartzer” 未来を超えよう

  過去の意志は嘘では欺けない 感じろ そうNexus Future

  NowOver“Quartzer” 目映い世界 魅せて

 

ステージから登場ではなく、会場中央付近からクレーンで上に上がり、照明で照らされて歌いだす。ちょっとしたサプライズ演出だ。

 

(映司)一瞬で掴み取るのさ Are you ready?

(ウィズ)Are you lazy?

E「新しい歴史はそこに Feel it! Feel it!

W「Crazy baby!

 

E「(ひかり)を糧に加速して このまま Shout it out! Shout it out!

  現在(いま)を進めよう

 

W「惑う日も 幾度となく 明日の扉叩け

  見つめたその先に 飛び込んでみたら Believe yourself!!

 

2「Now,Over“Quartzer” 時の雨 擦り抜けて 共に

  You,Over“Quartzer” 未来を超えよう

  過去の意志は嘘では欺けない 感じろ そうNexus Future

  NowOver“Quartzer” 目映い世界 魅せて

 

E「最後の1秒までも

W「Now,Over“Quartzer”

E「最大の加速で駆けろ

W「Over“Quartzer”

E「遮るすべてを超えて

2「Yes My Lord!Yes My Lord!

  Yes My Lord!Yes My Lord!

W「You're my KING!

 

曲が終わると同時に、それぞれのクレーンはステージに到着。客席から歓声と拍手。

 鳴り止むのを待たずに、次の曲(硝子の少年)が始まる。

 

「皆さん、こんばんは!今日は最高のライブにしましょう、最後までよろしく!」

「よろしくー!」

 

映司君の言葉とウィズさんの挨拶に、客席からの熱気はさらに上がった。

 そして、クレーンから降りた2人は、『NOASIS』と『女性ダンサー』たちと共に、踊り始める。

 

W「雨が踊るバス・ストップ 君は誰かに抱かれ

  立ちすくむぼくのこと見ない振りした

E「指に光る指環 そんな小さな宝石(いし)

  未来ごと売り渡す君が哀しい

 

2「ぼくの心はひび割れたビー玉さ

  のぞに込めば 君が逆さまに映る

 

2「Stay with me

  硝子の少年時代の 破片が胸へと突き刺さる

  舗道(ほどう)の空き缶蹴飛ばし バスの窓の君に 背を向ける

 

蹴飛ばす振りなどをしつつ、観客を魅了し、間奏に入った。そして、ラスサビ前のDメロに入るためにバンドが盛り上げると、途端に静かになる。

 

W「ぼくの心はひび割れたビー玉さ

 

そして、静かに歌うウィズさん。

 

E「のぞき込めば君が 逆さまに

2「映る

 

そして、この曲のラスサビに入る。

 

2「Stay with me

  硝子の少年時代の 想い出たちだけ横切るよ

  痛みがあるから輝く 蒼い日々がきらり

 

  Stay with me 硝子の少年時代の 破片が胸へと突き刺さる

  何かが終わってはじまる 雲が切れてぼくを

  照らし出す

 

  君だけを

  愛してた

 

最後1回転して、この曲を締めた。

 すぐにバイオリン等のストリングスが演奏を始め、公の場で初めて披露する新曲(愛されるより 愛したい)をが始まる。

 

「皆さんこんばんは!」

 

その前に、ストリングスだけの音が会場に鳴り響くタイミングで、ウィズさんが観客に声をかける。

 

「今日はQuartzerの1stライブ、最高に愛し合おうね!Foo!」

 

ウィズさんの言葉でさらに会場が熱くなった。

 

W「“どうだっていいじゃんそんなこと なんだっていいじゃんそんなこと”

  おきまりのつよがりを…言っても

E「道で拾ったチラシで 紙ヒコーキ飛ばした

  気持ちとは反対へ 飛んでく

 

中央から左右にそれぞれ移動して、ダンスをする。

 

2「ギリギリのオトナたちが 積み重ねてるすべてのもの

  壊さなきゃ新しい明日は来ない

 

  愛されるよりも 愛したい真剣(マジ)

  いいかげんで頼りなくて そんな僕だけど

  悲しみの天使 まだ迷うけれど

  青い風に吹かれながら 走りつづけたい

 

そして、間奏では交互にライトが照らされ、それぞれのパフォーマンスをする。・・・・・・映司君が彩紗さんの腰を掴んでフォークダンスみたいにしたり、ウィズさんが光一君にビンタをする振りをしたりと、コアなファンにウケる・・・・・・であろう振りを入れていた。

 

W「扉の向こうに 光る空はあるの?

E「分からなくてつかめなくて そんな僕だけど

2「悲しみの天使 まだ迷うけれど

  青い風に吹かれながら 走りつづけたい

 

  愛されるよりも愛したい真剣で

  傷ついて立ち止まって そんな僕だけど

  泣き顔の天使 あの空の下へ

  つよい風に向かいながら 走りつづけたい

 

最後の振りも終え、3曲目を終えた。そして、まだMCに入らず、次の曲(Kissからはじまるミステリー)を披露する。

 

W「君の向こうに海が青く透き通るよ 不思議

  黙りこくった時が ほらしゃがみこむよ ねえ

E「優しさの意味 教えてよ

  君の涙に酔っちまう前に 君の瞳に溺れちまう前に

 

2「不器用な天使 キスしたあと 突然つれないポーズだね

  ぼくは夢遊病 さまよう難破船だよ

 

A・Bメロの時は踊らなかったが、サビでようやく踊る2人。

 

2「恋はミステリー 人は胸に 悲しい謎をかくして生きている

  恋はミステリー 誰かぼくの胸のナイフを静かに抜いてくれ

 

  君が欲しい 君が欲しい 他には何にもいらないよ

  君が欲しい 君が欲しい 失うものなど何も無い

 

今回のライブで披露する曲は多すぎるがために、全てショートサイズで披露している。

 

2「横断歩道を渡る途中 も一度キスをしようよ

  世界中敵にまわして愛してもいい

  So,Please!

 

  恋はミステリー 心覗く 望遠鏡があったら素敵だね

  恋はミステリー 髪を少し 切りすぎたのは揺れてる証拠だね

  恋はミステリー 夏の風は 心騒ぎを奏でるクレッシェンド

  恋はミステリー 電車に乗る 君の背中を密かに尾行した

 

  君が欲しい 君が欲しい 時間は若さの味方だよ

  君が欲しい 君が欲しい 両手に時代を抱きしめて

 

最後の『君が欲しい』で、客席を指差す2人。・・・・・・思ったより、客受けが良さそうだった。

 

2「君が欲しい 君が欲しい 他には何にもいらないよ

  君が欲しい 君が欲しい 失うものなど何も無い

  君が欲しい 君が欲しい

 

そして、最後に・・・・・・、

 

2「君が欲しい 君が欲しい

 

正面を指差して、曲を終える。

 

 

 

 

 

「改めましてこんばんは、Quartzerです!」

「こんばんは~。」

 

映司さんが挨拶をすると、客席からは拍手や『こんばんは』と返すなど、色々なものが客席から返ってきた。

 

「え~、Quartzerが『アーティスト』として単独ライブをするのは今回が初めてとなります。皆様大変お待たせしました!」

「お待たせしました。」

「『単独』は初めてですけど、別のバンドの主催ライブでライブをさせていただいて─」

「そうね。あの・・・Roseliaさんと、Poppin'Partyさんの主催ライブにね。」

「そう。Poppin'Partyの方はね、色々あって1曲だけだったけど、Roseliaの方では3曲披露したんですよ。」

「そうそう!でもね、Roseliaの時にギターの氷川紗夜さんにね、『MCが長すぎ!』って怒られたのよ。」

 

またあんたたちは・・・・・・。

 

「そうだね。・・・・・・なんの話してたんだっけ?」

「確かね~、ババ抜きの話してなかったっけ?」

「あ、そうだ!」

「それで、アタシがこの角度(映司の方を見て)で話すから、その舞台袖に紗夜さんがいて、『MC長い!』って──」

「なんかジェスチャーしてたね。」

「それで、袖に戻ったらなんかピリピリしてたね。」

「その割には僕たちは『すんませ~ん。』ってね。」

「軽い雰囲気でね、『さ~せ~ん。』って行ったからね。」

 

テメェら・・・!

 

「・・・・・・あ、そうだ!僕たちのライブを初めて来た方。申し訳ないけど、僕たちのMC酷いので。」

「そうそう。スタッフに怒られるくらいにね。」

 

あ、自己申告した。

 

「ただ、あなたのMCの態度、MCする態度ではないよね?」

 

確かに、腕組んでるし・・・・・・。

 

「ってか、アナタがそれ言う?」

 

・・・・・・確かに。映司君は手を腰に当てたりポケットに手を入れてるし。

 

「・・・・・・さて、プロンプ(歌詞を出す機械)でね、『早くライブのコンセプトを話せ』って出たから話しま~す。」

「まぁ・・・・・・言うよね~。」

 

言っちゃうよね・・・・・・。

 

「今回のコンセプトは、なんか初めてなので、色々やれるだけやってみようって感じにしました。」

「そうそう!今までライブハウスでしかやらなかったからね。」

「それで、今回のライブでは、この前リリースした1stアルバムの曲は『Kissからはじまるミステリー』しかないです!」

 

「えぇ!!?」

 

「え?みんなは10何曲あるのに3・4日で覚えれるの?」

「アタシは無理よ。・・・・・・今でさえアルバムの曲を全てカンペキに歌えないのに。」

 

※Quartzerの1stアルバムは4日前に発売されました。

 

「うん、僕もレコーディングしたけど『すぐに歌え』って言われたら『無理。』って言うよ。」

「そうよ~。」

「ただね、12月発売の2枚目のシングルに入る・・・・・・予定の『愛されるより 愛したい』はね、披露しました。」

「そうそう、ダンスナンバーでね。」

「その(ほか)にもオリジナルの曲を披露しましたので、気に入っていただけたら・・・・・・物販で売ってるので買ってください。」

「お願いします!」

「さて、それでは次の曲の準備のために、ちょっと着替えてきますね。」

「オッケー。」

 

そう言って、ステージ奥の階段からステージ裏に行く映司君。

 

「さて、映司が後ろに──「ハァクション!!」──ちょっと・・・!(笑)」

「ごめんごめん!」

「今話そうとしてたのに・・・!!」

「ごめん、マイクを外そうとしたんだけど・・・・・・こう・・・!」

「『マイクを外さない』ってプロ意識が?」

「そうそう!それで外せなかったの!」

「しっかりしてくださいよ~!」

「・・・・・・ごめん、くしゃみ出なかった。」

「うふふ・・・!(笑)期待はしてないけどね。」

 

ようやく舞台裏に行きました。

 

「そうね~・・・・・・これでも最初、こんなに長く喋れなかったんですよ。

 ライブハウスでライブしてた時にね、初めてMCをすることになって、その時に映司の持ってたマイクがちょっとおかしくなって、『場を繋いで』って言われたんですよ。そしたら、もう緊張しちゃって・・・!『映司早くー!』って言っちゃったの。

 でもね、なんかそれが悔しくて、色々面白いMCする人たちを調べてたんだけど、そしたらね・・・・・・もう見てください。今となっては普通に散歩してるだけよ。」

 

確かに、腕組みながらステージをうろうろしてる。

 

「まぁ・・・・・・良い意味でも悪い意味でも、リラックスしているって事ですけど。アタシね、最初は凄く緊張してたけど、その・・・・・・この会場の雰囲気が、なんか緊張感を消してくれて、いつも通りみたいなテンションでこう・・・・・・歌えているんですよ。もうね、本当にありがとうございます。」

 

さらっとステージに戻ってきた映司君。

 

「この後ね、映司がライブをしますので。『ズボンの向き、間違ってない?』とかね、『ズボンのチャックも開いてない?』ね、『大丈夫?』、そんな風に心配することなく、次の映司の素敵なステージ、楽しんでください!」

 

・・・・・・さらっとズボンを見ないの、映司君!

 

「それでは映司よろしく~!」

「ちょっと待て!」

「え、何?」

「そんな前振りないでしょ?」

「今上手い感じにまとめてたじゃない。」

「そんな前振り、歌番組だったらアウトだよ。」

「www・・・。1回あったもんね?」

「あったあった。・・・・・・光一がね。」

 

光一君かい!?

 

「そうそう!踊る度にチャックがパクパクしてね。」

「意識し出したら面白くなっちゃって・・・。」

「うん、面白かった。」

 

ほら、ウィズさんも裏行きなよ。

 

「じゃあ、アタシも裏行くよ。」

「あ、ちょっと待って!」

「え、何?噛んでないよ?」

「あの、『I』の後に作ってる曲1つ歌うから、それ見て歌詞書いて。」

「はい!!?」

「うん、よろしく。」

「あの、凄い突発で言うわね~。」

「うん、言った。よろしく~。」

 

ようやく、ウィズさんが裏に行きました。

 

「・・・・・・さて、さらっとネタバレしましたけど、次の歌う曲は『I』という曲です。僕が初めて1人で作った曲です。その後に、今製作中の曲を、歌詞が無いので『ラララ』で歌いますね。」

 

そして、ステージには映司君とバンドメンバーのみで、『I』を披露する。

 

伝えたいことほど言葉にならなくて わかってはいるけどI can't take it

 悩んだり悩ませたり もういい加減にして! 心で叫んでるGive me a break

 

I(I) can't say

「愛」だなんて

I(I)'ll be on your side

ウソでもいいから

I(I)can't cry

真実(ほんとう)の涙見破って いつもと違う私

 あなただけに見せてあげる

 

 抱いて抱いてよ 壊れるほどに もう一人にしないで

 夢ならもうこのままでいい I'll take a chance

 ねぇお願い 私だけ見て 二人きりでいてよ

 言葉はいらない 甘いKissで Speechless love

 

この後、同じサビしか唄わないので、カットしま~す。

 

 

 

 

 




この作品史上、今現在一番文字数多いわ・・・。5700字よ?


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第91話 -2- 未完成の歌

はい、2本目で~す。今回はRoseliaとAfterglowとPoppin'Partyが出ますよ~。

歌振りは、『アタシだったら、こう歌い分けるな~』って感じでやってます。







 

 

 『I』を歌い終えると、ステージは一度暗転し、ピアノ音が鳴り、ステージが光に包まれる。そして、映司君しかいなかった場所に、Roseliaの5人が加わっている。

 

(映司)ラ~ララ ラ~ララ~ ラッラ ラ~ラ~ラ~

  ラ~ララ~ラ~ララ ラ~ララ ラ~ララ~

  ララララ~ラ~ラ ララ~ラ~ラ~

  ラ~ララ~ラッラッラ ラ~ララ~ラ~ラ~ラ

 

  ラ~ララ~ラ ラ~ララ~ラ ラララ~ラ~ラ~ラ~

  ララララ~ラ~ラ~ ラ~ララ~ララ~

  ラ~ララ~ララ ラッラ~

 

  ラ~ラ~ラ~

  ラ~ラララ~ララ ラ~ララ~ララ ラ~ラ~

  ラ~ララ~ララ ララ~ララ ラッラ~

  ラ~ラ~ラ~

  ラ~ララ~ラ~ララ ラ~ララ~ラ ラッラッラ~

  ラ~ララ~ララ~ララ~ ラララ~ラ~

 

横には友希那さんもいるが、今は映司君だけが唄っている。

 

E「ラ~ラ~ラ~

  ラ~ラララ~ララ ラ~ララ~ララ ラ~ラ~

  ラ~ララ~ララ ララ~ララ ラッラ~

  ラ~ラ~ラ~

  ラ~ララ~ラ~ララ ラ~ララ~ラ ラッラッラ~

  ラ~ララ~ララ~ララ~ ラララ~ラ~

               (友希那)ラッラ ラ~ラ~ラ~ラララ

E「ラ~ラ~ラ~

 Y「ラッラ ラ~ラ~ラ~ラララ

E「ラ~ラ~ラ~ラ~

 Y「ラッラララ ラ~ラ~ラ~ラ

 

(友希那・映司)ラ~ラ~ラ~

 

E「ラ~ラ~ラ~

 Y「ラッラ ラ~ラ~ラ~ラララ

E「ラ~ラ~ラ~

 Y「ラッラ ラ~ラ~ラ~ラララ

E「ラ~ラ~ ラ~ラ~ ラ~ラ~ラ~

 Y「ラッラララ~ラ~ラ~ラ ラッラッラ

 

2「ララ~ラ~

 

最後のDメロ(予定部分)だけ、友希那さんは唄った。このメロディーは、最後の一言だけ(音程は違えど)一緒に唄うことになっている。

 そして、演奏が終わると、燐子さんのみが音を奏でる。

 ここから、本格的に各バンドとのコラボが始まる。まずは、Roseliaとの『This game』からだ。

 

Y「回り続ける 歯車には成り下がらない

E「平均演じる 誕生から始まった地獄

 

()遊び半分で(遊び半分で) 神が導いた(神が導いた) 盤上の世界(万丈の世界)

  no no no game no life(no no no game no life)

  ぬるい平穏を(ぬるい平穏を) ばっさり切り捨てて(ばっさり切り捨てて) 栄光への階段に(栄光への階段に) 存在(存在)刻むんだ

 

基本は、各バンドのボーカルがメインで唄い、映司君たちはハモリを多めにしている。各バンドと共に唄うが、各バンドの特徴に合わせている。

 

Y「目に映るのは 完全勝利の運命

E「何もかも 計算どおり 変えてやる 染まらない空白で

 

2「We are maverick 救済なんていらない

()どんな理不尽 襲おうとも 勝てばいいだけの話だろう(勝てばいいだけの話だろう)

2「駆け引きと 才能が 無敗誘う

E「生まれ直した命で 楽しむさ この世界 手にして 笑うんだ

2「We are maverick 最強のmaverick gamers 空白ならば 何者にもなれる

  二人(じぶん)だけは 二人(じぶん)信じてる

 

ここで曲は終了。・・・・・・分かりやすく言えば、ガルパサイズ+ラスサビ最後って感じ。

 だが(This game)が終わっても、音は止まらない。紗夜さんがギターを奏で、

 

()自分を責めないで(自分を責めないで) 抱きしめなさい(抱きしめなさい)

  弱さを知る者は(弱さを知る者は) 強さを宿す(強さを宿す)

  貴方は手にしてるから(手にしてるから)

 

新たな曲(BRAVE JEWEL)を演奏し始める。

 

Y「光に点滅した闇 誘われず追いかけないで 仲間の眼 離さないこと

()高みを目指すからこそ(高みを目指すからこそ) 出逢う壁(出逢う壁) 心が半開きのまま(心が半開きのまま) 受け止めないで(受け止めないで)

 

()傷口庇えば(庇えば) 本物は遠ざかるだけ(本物は遠ざかるだけ)

E「平和に

Y「もたれず

E「埋もれず

2「Every day,Let's do the best! Get in,Get in,Your heart

 

途中、映司君が『某天才物理学者で正義のヒーロー』みたいに指三本で数式みたいなポーズをしていたりしたが、無視しておこう。

 

2「純度高い想いは宝石となり 涙も汗も皆 自分を照らす

  無限が綴る可能性 握って 諦めないと叫んでみて

Y「揺るがない地平線のよう

2「果てしない存在となれ Ready go now!

 

最後に、友希那さんが手で払う動きをしている横で、また『某天才物理学者で正義のヒーロー』のポーズをしている映司君。そして、曲が終わってMCが始まる。

 

「ということで、Roseliaのみなさんに来ていただきました!」

「よろしく。」

「よっろしく~☆」

 

各々挨拶をする。・・・・・・酷くはっちゃける人はいないのね。

 

「私たちがカバーさせていただいてる『This game』、それから『BRAVE JEWEL』を聞いていただきました。」

「いや~それにしても、アタシたちも演奏したあの未完成の曲、良かったね~♪」

「そうね・・・。あの曲は、何か楽しくも切ない気持ちにさせてくれたわね。」

「えぇ。演奏していてもそれを感じました。」

「あこも!でも、未完成なのにこんなにカッコイイ曲なんて、完成したらちゃんと聞かせてくださいね!」

「うん、分かったよ。」

「ただ、本当にあなたが書いた曲なのかしら?」

 

おっと、まさかの友希那さんが!?

 

「え?」

「疾走感や、何かキラキラした感じは伝わってきたわ。ただ、最近のあなたからとは思えない曲だから・・・・・・。」

「確かにね~!映司、この曲歌う時さ、会場入ってくる時にもうちょっと顔上げてさ、『おはようございます。』くらい行かない?」

「え・・・?」

「そう、ですね・・・・・・。」

「私たち、偶然会場入りがあなたのすぐ後でしたけど、ずっと床を見ていましたね。」

 

・・・・・・確かに。

 

「そうね。もうちょっと元気よく入っても良かったんじゃないかしら?」

「あのね、朝眠かったの。」

 

ほんと、朝弱いね。

 

「さて、次行こ!」

「あ、逃げた!」

「・・・・・・そうね。次の曲は、私たちのライブへの決意を乗せて、歌うわ。・・・・・・『Detemination Symphony』。」

 

次の曲の歌振りをすると、紗夜さんが再びギターをかき鳴らす。この曲にちなんで、照明も雨っぽく、後ろの映像も雨っぽくしている。

 

Y「潤んだ予感はbye now 滴る痛みの中 雨色に染まって

()大きく開いたdistance(大きく開いたdistance) いつの間にか落ちてゆくわ...冷たさに(いつの間にか落ちてゆくわ...冷たさに)

 

Y「滲んだ

4「スコア」(紗夜・リサ・あこ・燐子)

E「探す

4「答え」

 

E「降り止まない苦しみに差し出された

 

()微笑みの(微笑みの)

4「微笑みの」

()umbrella(umbrella)

4「umbrella」

 

Y「us...包み込んで 合わさる

E4「Wh(映司+4人)ere there is a will,there is a way」

Y「precious

E4「Where there is a will...」

 

Y「思う

  2「ままBring it on Down 決意の調べ

4「hang in there」

Y「勇気の祈りを音色に載せて

4「get over」

 

2「約束繋ぐ指先で(はじ)くの

E「いつしか

4「響け」

E「貴方の横で

Y「今はまだ無理でも

E4「向き合う定めよ」

Y「ワタシハ ヤメナイ

 

本来なら、この後に良いシーンがたくさん用意できるが、文字数の都合上カットします。

 

「以上、Roseliaの皆さんでした!」

「ありがとうございました。」

 

曲が終わると同時に、映司君が挨拶をして、Roseliaがステージから去っていった。

 ここからは、少し機材のセットをするため、映司君がMCで繋ぐことになっている。

 

「Roseliaの歌、格好いいんですけど・・・・・・早いんだよね。」

 

言わんでやって。

 

「1回Roseliaの曲は全て聞いたんだけど、『LOUDER』だっけ?凄い早くて、「あ、これは歌えない」って思ったからね。でも、それを『歌える・弾ける』Roseliaって、凄いよな~。なんか、「化け物なのでは?」って思うよ。平気な顔して弾いてるからさ。」

 

・・・・・・一応言っておく。映司君も、喋りながらステージの上をうろちょろ歩いてる。

 

「・・・・・・あ、次の準備出来たって。じゃあ、次のバンドはこちらです。」

 

そのセリフの後、ステージは一度暗くなり、ギター音が鳴り響く。曲は、『ロストワンの号哭』。一緒に奏でるのは、『Afterglow』。

 ただ、セットリストの事だけを考えて選んでしまったこちらの曲、『歌詞は書かないでください』って、運営(ハーメルン)のルールで書けません。すみません。

 

 改めて、その次の曲(Scarlet Sky)です。

 

()当たり前のように こんなにも近くでつながってて 欠けるなんて思わないよ

E「決めつけられた狭い箱 ジタバタぶつかっても どうにもなんないことは 分かり始めたし…

 

R「頭ん中巡らせた 悲しませたくないから ただ笑う顔が見たい

4「とても」(モカ・ひまり・巴・つぐみ)

E「戦うための制服を着て 勇み足で教室へ進む

R「開け放つドアを信じ、進め!

 

2「あの日見た黄昏の空 照らす光は燃えるスカーレット

R「繋がるからこの空で 離れてもいつでも

2「あたしたちだけの居場所で どんなときも共に集まろう

R「叫ぶ想いは 赤い夕焼けに…

 

『王道ロック』という割には優しい感じのメロディーのこの曲。曲が終わると、映司とAfterglowのMCが始まる。

 

「ってことで、2組目は『Afterglow』です!」

「よろしく。」

「よっろしく~!」

「よろしくなぁ!」

「いや~、歌いやすかった。」

 

唐突に何よ?

 

「Roseliaの曲、早いでしょ?」

「確かにRoseliaさんの曲、早いのが多いですね。」

「もう、歌うの大変だった・・・。」

 

おつでーす。

 

「それって、『あたしたちの方が楽出来る』って意味ですか?」

「違う違う。あの、どっちも格好いいとかはあるの。でも、Afterglowは『一緒に歌って楽しめる曲』なんだけど、Roseliaは『出来れば聞いていたい曲』って感じ。」

 

あ~。

 

「あ!そういやアタシ、Roseliaの演奏のマネ出来るんだ!」

「トモちん、どしたの~?」

「と、巴ちゃん・・・?」

「誰?ここに日〇さん連れてきたのは?」

「〇笠さんって、誰?」

「いやいや、アタシは巴だって!〇日笠さんじゃねぇよ!」

「いやいやいやいや!その発想はどう考えても日笠〇さんでしょ!?」

 

※このような小説サイトでは出してはいけない名前が出たので伏せさせていただきました。

 

「まずは、燐子さん。」

「・・・・・・。」

「次に、あこ。」

 

と、まぁ5人分をやりきるんだけど、会場がほぼ無反応。時折微笑が聞こえてきたり・・・・・・。

 

「どうだった~?」

「あの・・・・・・1回Roseliaに怒られてきたら?」

「えぇ!!?」

 

当たり前じゃ!半ばdisってたわ!!

 

「じゃあこの流れで美竹選手。」

「いや、やんないし。」

 

映司君?何を無茶振りしてんの?

 

「いやだって、佐〇さんはやってたよ。パスパレのマネ。」

「いや、〇倉さんはやってただろうけど、あたしはやんないよ!」

 

※このような小説サイトでは出してはいけない名前が出たので伏せさせていただきました。

 

「え~それでは、次の曲に行きましょう。では、次の曲はAfterglowに言ってもらおうかな?」

「うん。・・・・・・それでは聞いてください。」

 

「「「「「Y.O.L.O!!!!!」」」」」

 

Afterglowの5人が曲のタイトルを言うと、照明もそれに合わせる。

 

R「考えたことなかった 外の景色の姿を

(モカ)あたしたちだけの

(ひまり)世界しか知らなくて

E「触れた大きさから ちっぽけさは目立つけれど

To()それは

Ts(つぐみ)それだ!

To「サイズで

Tu「図るな

wT(巴+つぐみ)己の人生!

 

・・・・・・歌詞書くの大変。

 

MH「いつもの夕焼け空に

R「新しく彩る 紺碧のカーテン鮮やかで

H「後悔はしないように

To「向き合う 熱いこの気持ち

Ts「君という名の

M「空の色が

E「教えてくれた

 

R「Hey,“Y.O.L.O!!!!!”

(蘭+映司)壁の高さなんて関係ないよ 乗り越えたジジツが大事さ

()この場所に5人がいること かけがえないことで(かけがえないことで)

R「Hey,“Y.O.L.O!!!!!”

2「自分を貫き らしく光れ! 輝きは何よりも綺麗...

E「絶対 大丈夫だよ やれるさ

4「Yes,sir!」

E「絶対 大丈夫だよ やれるさ

4「Yes,sir!」

R「美しき夜空の

2「一番星 探しにゆこう

 

「以上、Afterglowでした!ありがとうございました!」

「悪くなかったよ!」

「ありがとな~!」

 

曲が終わると同時に挨拶をして、ステージは一度真っ暗になる。

 流れ的にMCかと思われたが、バックバンドが演奏を始める。映司君がいるステージにはライトを当てていない。そして、ステージに照明が照らされた時、映司君とPoppin'Partyがいた。

 ギターが音楽を奏で始めると、『光るなら』が始まったと分かる。

 

(香澄)雨上がりの虹も 凛と咲いた花も 色づき溢れだ出す

  茜色の空 仰ぐ君に あの日 恋に落ちた

 

E「瞬間のドラマチック フィルムの中の1コマも

  消えないよ 心に刻むから

 

(映司+香澄)君だよ 君なんだよ 教えてくれた 暗闇も光るなら 星空になる

  悲しみを笑顔に もう隠さないで 煌めくどんな星も 君を照らすから

 

E「答えはいつでも 偶然?必然? いつか選んだ道こそ 運命になる

()握りしめたその希望も不安も きっと2人を動かす(きっと2人を動かす) 光になるから(光になるから)

 

2人の歌声が綺麗に合わさり、3組目のゲストの曲が1つ終了した。明るく終えた後、次に始まるのは、切なくクールな(Light Delight)だ。

 

K「ため息色 染まる天井 一人ぼっちのベッドから見上げ

E「声をだせず 前を向けず ふがいのない 涙がこぼれる

 

()何も聞こえないほど(何も聞こえないほど) 耳ふさいだ

4「だけど」(たえ・りみ・沙綾・有咲)

()明日になればすべてが(明日になればすべてが)なかったように 笑顔で唄うよ(笑顔で唄うよ) だから…

 

K「泣いて泣いて泣いて泣いて

4「自分を」

E「抱いて抱いて抱いて抱いて

4「抱きしめ」

2「Search for the liget delight! 取り戻そうとした

4「声が」

2「Song for the light delight!

4「叫ぶよ」

2「Song for the light delight! ひとつだけ

4「キミと」

2「約束をしたいんだ まずは私が信じる この世界は

K「一人じゃないよーー

 

2「一人じゃないよーー

 

普段は明るい曲が多いPoppin'Partyだが、この曲は少し暗いが、暗いながらも背中を押してくれる曲だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




1曲目、なんの曲か分かんないでしょ?これ、アタシのオリジナルではないんです。とある方の作品で・・・・・・(言葉悪いけど)バカみたいに出していたので、知ってる方は知ってると思います。ヒントは・・・・・・最後の掛け合い部分。

次は、いつ出せるかな~?


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第91話 -3- 二重の虹

今回は、Poppin'PartyとのMCからで~す。

一応、Pastel*Palettesとハロー、ハッピーワールド!も出しますよ。

それと、後書きでちょっとした報告があります。







 

 

 先程のLight Delightが終わると、静かに照明が照らされ、いつもの明るいPoppin'Partyがステージに立っていた。

 

「3組目はPoppin'Partyのみなさんです。」

『よろしくお願いしまーす!』

 

映司君の言葉で5人が挨拶をする。

 

「あの、自己紹介はまた今度やってね。」

「えぇ~!?」

「あの、後ろの画面に名前出たから、知らない人はそれで覚えてください。」

「あはは・・・。」

「だろうな・・・。」

「でも、香澄さん凄いよね?」

「え?何々~?」

「あの、明るいの曲での声からさっきみたいなクールというか、暗い感じの曲で聴く声まで出せるから、凄いな~って思って。」

「いや~、それほどでも~!」

「ね。そろそろ怒られる前に次行きましょう。」

「言うんだ・・・。」

 

言うのが映司君です!

 

「次の曲は、7()()で披露しますので、」

「おお~~~!?」

「・・・・・・そういうの好きね?」

 

作者の好きなアーティストは、ライブで『期待の歓声』をあげられると、「うっせぇな~!」って返します。

 

「じゃあ、ウィズに出てきてもらいましょう!」

「どうも~。」

「ウィズ先輩!」

 

ウィズさんがステージに上がった。

 

「いや~大変でしたよ、歌詞!」

「まぁ、そうだよね~。」

「でもね、書けたよ。」

「えぇ!?」

 

マジか!?

 

「思ったよりね、スラスラ書けちゃったのよ~!」

「凄~い!」

「さすが、ウィズ先輩だ~!」

「映司、唄う?」

「う~ん・・・・・・アンコールの最後に唄うか。」

 

まさかの!?

 

「じゃあ、唄いましょう!ってことで、映司後でスタッフと打ち合わせしといて~。」

「は~い。ただね、アンコールがなければ唄わないけどね。」

「あ、それはそうよ!」

 

キツイな~、この2人。

 

「じゃ、次の曲歌いましょう。」

「はい!聴いてください、『二重の虹(ダブルレインボウ)』!」

 

そして、香澄ちゃんが唄い始める。

 

(香澄)雨上がり 傘を捨てて 羽ばたく夢を

4「見たんだ」(たえ・りみ・沙綾・有咲)

K「虹の先の未来へ!

 

映司君はずっとマイクだけ持っているが、ウィズさんはエレキギターを持って弾いている。

 

K「あの日のキラキラ 覚えてますか?

W「(ウィズ)それは もう思い出ですか?

(映司)タイムマシンで行く場所は ひとつ

K「現在(いま)”しかないんだ!

 

2「新(映司・ウィズ)しい」

(たえ)私たちに

2「少しだけ」

(沙綾)戸惑ったら

(有咲)まずは

    (りみ)ドキドキ

         K「集めよう

 

(香澄・映司・ウィズ)天気雨 通り抜けて 二重(ふたえ)にかかる

4「七色」

K「奇跡みたい

4「Double Rainbow」

3「手をつなぎ 目と目あわせ 感じ続ける

4「この気持ち」

3「この瞬間

4「この思い」

3「“今”を生きてる

 

K「蒼い空に

     W「手を伸ばして

            E「耳を澄ませば

3「始まりの音がしたーー。

 

アウトロが終わると、一度ステージが暗くなり、ギター音が鳴り始めた。始まるのは、『君じゃなきゃダメみたい』で、ステージには映司君がいなかった。・・・・・・出番的に、映司君がステージ裏に行ったのだ。

 

「Foo!」

 

カバー曲だけど、まるで原曲のようにウィズさんが声を上げる。

 

K「あの子が昨日 なんかすごく優しくて

4「君じゃなきゃダメみたい」

W「こちらとしては そんなつもりないけど

4「君じゃなきゃダメみたい」

K「いや バレてんじゃん ってか聞こえてんじゃん それ

4「君じゃなきゃダメみたい」

W「頭の中 お花畑だとか少女漫画だとか もう なんだってどうだっていい

  そう

 

(ウィズ・香澄)今すぐ君に会いたい 君に会って

K「確かめてみたい

()世界のことわり 愛の定義 幸せのカテゴリー(幸せのカテゴリー)

2「まだまだ君を知りたい こんなセリフ

W「柄でもないけど

K「どんなに恰好つけたって始まりゃしない 君じゃなきゃダメみたい

 

2「君じゃなきゃダメみたい

「Foo! Oh~!」

 

ウィズさんもテンションがノってきたのか、よく声を上げる・・・・・・。

 とりあえず歌が終わり、次の曲(ガールズコード)を始める。

 

K「明日みんな なに着て行くの? 真夜中メッセージおくったのに 既読はゼロ(^^;)

()久しぶり(久しぶり) フツーの日曜日(フツーの日曜日) 女の子のコード(女の子のコード) 思い出して(思い出して)

 

()買い物して 映画見て 王道で泣く?(王道で泣く?)

()お誕生日 近い人特別な席に座って(特別な席に座って) 別腹リクエストする?(別腹リクエストする?)

 

ハモりハモられて・・・・・・って歌詞が2番にあったな~。

 

()ガールズコード♪(コード♪) 季節の変わり目(季節の変わり目) 暗黙の了解(暗黙の了解)

K「寂しいことも

W「泣いちゃうことも言わない約束なのに

()わたしは もしかしてみんなと(もしかしてみんなと) 出会うため(出会うため) ギターを好きになったの?(ギターを好きになったの?) そんなことを真顔で(そんなことを真顔で) 言わないでよ

 

書いてて思った。ハモり多すぎ!!

 

「では、Poppin'Partyでした~!」

 

その言葉と同時に、歌は終わった。

 そしてまた、ステージが暗くなり、ウィズにのみ照明が照らされる。そこで、ギターソロを披露している。前の誕生日の時に貰ったエレキギターを必死に練習した結果、独学で魅了出来る技術を身に着けていた。FANKを元に。

 

 そして、バックバンド側からピアノ音が聞こえてきて、ハロー、ハッピーワールド!との(恋愛裁判)が始まる。

ですが、ご存知の通りボカロ曲のため、歌詞が出せませんでした、すみません。

 

 では、次の曲:『わちゃ・もちゃ・ぺったん行進曲』から本格的にスタートです。

 

(こころ)ぺたぺたっ ぺったんと 7回転んで

(ウィズ)ぺたぺたっ ぱったんと 8回倒れた

K「何もかもぜんぶ 上手くいかなくて

W「たんこぶだらけ ココロもカラダも ばいばい

 

本来、こころちゃんと花音ちゃんのデュエット曲だが、花音はドラムに専念して、代わりにウィズさんが歌うことになった。

 

W「世界は巨大で ボクらは小びとみたい

K「うっひゃ~どうしよう…!つぶされそう…

W「それでもやらなきゃ誰がやるの?Don't give up!

K「イエッサー!が・む・しゃ・ら 勇気のスイッチ☆オーーーン!!

 

(ウィズ・こころ)い・ざ・ゆ・こ! わちゃ!もちゃ!わちゃ!もちゃ! ふ~ら~ふ~る~り~ん

  ほら わちゃ!もちゃ!して バテちゃっても

K「キミが笑うだけで 全回復だもん!

4「わーーーーーい!」(薫・はぐみ・花音・ミッシェル)

2「一・生・懸・命! やりたいこと 掴みにゆこう! ほら 吸って!はいて!大きく

HOP!STEP!JUMP!SHOUT!!!

W「チャレンジの行進曲(マーチング)~♪

 

こころちゃんはずっと『行進曲』らしく足踏みしている。ウィズさんは歌いながらずっとギターを弾いてる。

 そして、歌が終わって危険な匂いのするMCが始まる。

 

「4組目のゲスト、ハロー、ハッピーワールド!で~す!」

「みんなー!ハロー、ハッピーワールドよ!それじゃあ、次の曲行くわよ!」

「ちょっと待って、こころ!もう!?」

「ええ!も~っとみんなを笑顔にするためよ!」

「ふぇ~・・・・・・。」

 

嫌な予想が・・・・・・。

 

「ウィズさんも何か言ってよ!」

「良いんじゃない?」

「えぇ~!?」

「それじゃあ行くわよ!『せかいのっびのびトレジャー!』」

 

・・・・・・ミッシェル、頑張れー。

 

(ハロハピ)YO!YO!YO!YO!YO!YO!

  HEY!YO!MEN!!!

  YO!YO!YO!YO!YO!YO!

  HEY!YO!MEN!!!

 

なんやかんや言いながら演奏するクマさん。ウィズさんに至ってはずっとギター弾いてるし。

 

K「オーノー! いっぱい決めつけちゃう やってもいない『YO!』見てもいないのに『YO!』」

W「ユーノー? 全然わからないの?! まって!まって! それもったいない!ナイ!ナイ!

K「大チャンス! だんぜん!大歓迎じゃん♪ ふれちゃって?『YO!』いっそう見つめちゃって?『YO!』」

W「診・断 判断味わっちゃって おっと?おっと? なんか感じちゃっ・チャッ・た!?

 

K「だけどね…変わるとね しんどいね すんごいチカラが いるよ!いるよ! あたふた くじけちゃいそう 泣いちゃいそう!

  よしよし…あと もうちょっと!『YO!』もうちょっと!『YO!』」

 

4「がんばろぉ~~~!ハイヤッ!!!

けん・けん・ぱっ!ふぉ~!!!」

 

(こころ・ウィズ)世界は ひろいんだ! もっとも~っと のっびのびゆこぉー!

W「知らなかったワクワクとか うれしさたっくさん!!!

4「みつかるぅ~↑↑↑」

2「だから もっとキミの新・発・見!を おっかけにゆこぉー!

K「はぴはぴはっぴーわーるど!

4「ゆけゆけハロハピ!」

K「いっちゃうモンモン!

 

()キミの世界をひろげたい!(キミの世界をひろげたい!)

K「ハ・ロ・ハッ・ピー・タ・イ・ム☆ いえい!!!

 

「以上、ハロー、ハッピーワールド!でしたー!」

「え?もう終わりなの?」

「だから言ったじゃん・・・。」

 

え~、混沌(カオス)の時間が終了しました・・・・・・。

 

「はぁ~うるさかった。」

 

おい。

 

「あのさ、唄うの苦労したわ・・・。」

 

書くのも苦労したよ。精神的に・・・・・・。

 

「たださ、明るいのは良いんだけど・・・・・・明るすぎるんだよね。嫌いじゃないよ!嫌いじゃないけど、『歌う』っていうより、『聴いていたい』アーティストだよね。・・・・・・ボーカルがアレだから、ただ聴いている事は出来ないだろうけど。」

 

確かに・・・・・・。

 

「あ、そうそう。こうやってさ、MCでつないでいるけど、この時にね、ステージのリフト使って機材を入れ替えてるの。」

 

言うな!!

 

「今ね、このステージの5ヶ所ぐらい開いてんのよ。」

 

もう、この人は・・・・・・。

 

「じゃ、次が最後ですけど・・・・・・5組目のゲストです。」

 

気持ちを切り替えて、次のゲスト(Pastel*Palettes)のボーカルが静かに唄い始める。

 

()世界は恋に落ちている 光の矢胸を射す

  君をわかりたいんだよ 「ねぇ、教えて」

 

カラフルな照明と共に、パスパレが演奏を始める。

 

A「すれ違う言葉にちょっとだけの後悔涙零れて

W「忙しい感情 鼓動にリンクする

()チューニング確かめたいんだ《チューニング確かめたいんだ》

 

()目的ばっかにとらわれて(目的ばっかにとらわれて) 大事なものが霞んで逃げて(大事なものが霞んで逃げて) 今日もリスタート

 

AメロとBメロで、ハモりが変わる。

 

2「世界は恋に落ちている 光の矢胸を射す 全部わかりたいんだよ 「ねぇ、

A「聞かせて」

()たった1ミリが遠くて 駆け抜けた青春(ひび)に(駆け抜けた青春(ひび)に)

()忘れない忘れられない輝く1ページ(輝く1ページ)

 

・・・・・・読者内ではこの先にお気に入りの歌詞がある人がいると思いますが、諦めてください。

 じゃあ、次の曲でーす。

 

A「ゆら・ゆら・ゆら・ゆら Ring-Dong...

W「ゆら・ゆら・ゆら・ゆら Ring-Dong...

4「ゆら・ゆら・(日菜・千聖・麻弥・イヴ)ゆら・ゆら Ring-Dong...」

 

A「きみを映した きれいな姿は “わたし”で見てた まぼろしだったの

W「ため息泳ぐ くもり空見上げ 与えられたレールを ひとり歩く

 

A「がんばれの言葉も
W「ねじれて届かなくて

A「さなぎのまま 閉じこめた羽根

W「素直に

A「なれずに miss you...
W「miss you...

4「miss you...」

(全員)ちぐはぐlonely heart

 

本来、ウィズさんが歌っているパートは、千聖さんのパートだが、『今回はウィズさんにパートをお譲りします。』ということで、こうなりました。

 

(彩・ウィズ)こころ」「揺らし」「幕が」「ひらく」「きみの声で

A「ひらり 生まれ

W「ひらり 飛んだ

A「おんなじ」 W「世界」 A「つよく」 W「」 2「息をして

W「真実にふれて」 W「溶けた」 2「かたいヴェールも
4「ひかりとなって」

A「わたしたち」 W「ひとつに

6「美しく包んだ

 

A「ゆら・ゆら・ゆら・ゆら Ring-Dong...

W「ゆら・ゆら・ゆら・ゆら Ring-Dong...

4「ゆら・ゆら・ゆら・ゆら Ring-Dong...」

 

・・・・・・メタいこと言います。歌詞をどう書こうか苦労した・・・。

 それでは、ここからはMCです。

 

「では、最後のゲストのPastel*Palettesでーす。」

「よろしくお願いします!」

「スゴ~イ、アイドルと同じステージに立ってる~!」

「そこっすか・・・?」

「あなたもある意味アイドルよ?」

「でもね、さっきそんなアイドルの彩ちゃんが泣いてたよ~!」

「ちょっと日菜ちゃん!?」

 

そうなの?

 

「さっきの映司君が歌った歌詞が無いのを聞いて泣いてたよ~!」

「はい!あのタイミングで泣いてましたね、アヤさん。」

「ごめんなさいね、なんで?」

「あの・・・、歌が生まれる瞬間に出会うのが初めてで・・・!」

 

・・・・・・あらそう~。

 

「・・・・・・はい、次行きましょう!」

「え!?」

「次の曲ですが、最新の曲ですね。」

「では、聴いてください!『ワクワクmeetsトリップ』!」

 

Pastel*Palettesでは珍しい曲調で始まるこの曲。意外と作者に人気です。

 そして、まだCD発売前なので、歌詞が分からず、載せるのを諦めました。

 

「以上、Pastel*Palettesでした~!」

 

すると、ステージは暗くなり、バックバンドが演奏を始める。それが5分ほど、終わると同時に、ウィズさんとNOASISが、バンドスタイルで楽器を構えていた。そして、奏で始める。

 

新しい世界への どうのこうの 眩しい僕らを信じましょう

 荘厳美麗なムードの上昇の頂きで抱こう 御来光を

 

ウィズ流のファンクミュージックで奏でる曲の名は、『愛の祝詞(のりと)』だ。・・・・・・ウィズさんが作詞作曲している。歌っているのも、ウィズさん1人だ。

 

流る歴史に 流る僕らを 眩しい 景色を信じましょう

 新しい世界への どうのこうのを 眩しい 僕らを 信じましょう

 

 高鳴る涙から 架かった虹 渡っていく

 ありがとう さようならが 背中 よぎる その全てへ

 

 愛の祝詞 愛の祝詞 愛の祝詞 愛の祝詞愛の祝詞をあげよう

 

・・・・・・最後の1行が、サビだそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ってことで、今回はここまでです。・・・・・・歌詞書くのしんどいね。『やる』って言っておいてアレだけど。

では、こちらでも・・・・・・。

この作品、もうそろそろ終わりにします。一度完結させて、気が向いたらまた更新するかもって感じにします。・・・・・・ネタがもうないの。


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第91話 -4- 約束

ここからしばらく、バンドリキャラ出ません。・・・・・・1話で済ませますけど。

読者にとっては見た覚えのあるタイトルが何個かでますよ。・・・・・・きっと。







 

 

 ウィズが唄い終わると、ステージに突然映司君が登場。・・・・・・ギターは持ってないけど、これが今回のバンドスタイルらしい。

 そして、彩紗さんがキーボードでピアノ音を鳴らす。

 

(映司)誰にも譲れない居場所があるんだと

  逃げる言い訳を燃やすたび 強くなれた

 

(NOASIS)「flower of life」

E「陽だまりの中で満ちる

4「flower of life」

E「シロツメクサはやがて生まれ変わり

(ウィズ)確かなものへ

 

今歌っているのは、Roseliaの『約束』だ。ここからはカバー曲を披露していく。

 

E「進む道は幸せよりも 辛い事が多いかもね

  それでも

4「Oh」

E「いいんだよ

4「Oh」

E「貴方の隣にいる

  約束の景色を 胸に強く息づかせて

  未来へ

W「続く

(映司・ウィズ)道を歩こう

4「麗しい」

W「玉座に輝く

4「偉大な」

E「その日まで 終わらせない

 

サビが終わるとすぐに映司君はマイクをすぐに構え直して、唄いながらウィズさんの方に向かう。

 

E「甘い思い出… きらびやかに今

  こぼれ落ちる幸せと

W「愛しい貴方… 笑顔あふれる 優しい風景

 

E「目覚めてゆく 私をそっと

W「信じていて 最後まで

 

「「…約束だよ。」」

 

向き合って、一緒に歌う。客席からは悲鳴に近い歓声が上がる。

 

E「進む道は幸せよりも 辛い事が多いかもね

  それでもいい

4「Oh」

E「何度だって

4「Oh」

E「運命を共にするよ

  約束の景色を 胸に強く息づかせて

  未来へ

W「続く

2「道を歩こう

4「麗しい」

W「玉座で花開く

4「偉大な」

E「その日まで 終わらせない Oh~Oh~!」

 

映司君が唄い終え、曲が終わる。だがすぐに、光一君がドラムを激しく叩き始める。

 

4「Initial」

W「ホンキの自分譲れなくて

4「衝動」

()指先から Emotion!(Emotion!)

 

始まったのは、Poppin'Partyの『イニシャル』。先程の『約束』は映司君がメインで唄っていたが、今回はウィズさんがメインで唄う。

 

W「あの日わたしは 少女でも大人でもなく

  混じりけのない眼差しで 夢だけ見てた

()めらめらゆらゆらり(めらめらゆらゆらり) 燃え滾[たぎ]る夜

  勇気を噛み締めて(勇気を噛み締めて) 冒険[たび]に出たんだ

 

4「Initial」

W「初めて沸き上がったものは

4「震え」

W「体中から Emotion

4「何故に」

()果てなき夜空に向かって(果てなき夜空に向かって) 何度も同じ言葉を 叫び続けるのか?(叫び続けるのか?)

 

2「ときに曖昧で見失う

W「戸惑いがちな自分でも “手にしたもの”は

4「今でもここに」

2「イニシャルのその先へ

W「星の鼓動 感じて

E「キミは

    W「強く掻き鳴らしている

E「今も

   W「心奮わせて

2「ア・イ・シ・テ・イ・ル!

 

ここから、イントロと同じ音を奏で、吏佐さんのギターソロに入る。そして・・・・・・。

 

E「誰かが人の夢を笑った

W「誰かが人の夢に泣く

E「誰かは人の夢に 思いを重ねている

W「連続する

    E「日常と

W「断続する非日常が 触れ合って

E「絡まって

()Halation《Halation》

 

2「地球は誰のものかって? そんなことよりも I love you

W「涙がひとつ 落ちて……

 

2「まるで不確かで頼りなく

W「拠り所のない自分に 「キミはキミだ」と

E「教えてくれた

2「イニシャルはいつまでも

W「星の鼓動に抱かれ

E「キミは

    W「強く掻き鳴らしている

E「今も

  W「心奮わせて

2「ア・イ・シ・テ・イ・ル!

 

そこから、照明は6人を照らさずに、ライトの演出のみで『イニシャル』を伝えていた。レーザーなどを使って。

 終わると、メインステージに1人・・・・・・ギターを置いたウィズさんを照らした。バックバンドが奏でる音に合わせて踊っている。

 次には映司君も照らされ、踊る。最後にNOASISも照らされて、

 

4「Oh~~~ Fight!」

 

盛大にライトアップされたステージで『激動』を踊り歌う6人。

 

()研ぎ澄ます eyes(eyes) 聞き飽きたフレーズや 誰かのコピーじゃ満たされないんだよ(満たされないんだよ)

  Spark 消えてくれ また虎の威を借りて 吹いてくんだろ OhOh~Oh~!(4「Oh~~~ Fight!」)

 

W「末期のドス黒のベストプレイ インザハウス 第一線のステージでこれっぽっちも負ける気がしねーな

  27h 7d come on,fight it out.

 

E「所詮 青の世界に閉じ込められて笑う 太陽失って 僕は月のありかを探す

 

()見えていた(見えていた)物まで 見失って僕らは 思い出の海の中(海の中) 溺れていくのに

W「どうして

   E「どうして

W「誓いあったことまで 無かったことにして 次のpassport   (4「Oh~~~Fight!」)

 

4「Oh~~~Fight!」

W「G9 一桁で魅せる 激動の脳内革命

4「Oh~~~Fight!」

W「Oh~ base ability mind

 

W「Round 1 ダッセー位置から吠えてな

  喰らった挫折プラス本気の瞬間だ G9ヘビーのパンチ

  魅せる激動 1ケタで脳内革命

 

E「Rebel one」 4「Rebel one」

W「shake violently again コマク飛ばす

E「Rebel one」 4「Rebel one」

W「shake violently again

 

見事に客席に向かって煽りながら歌うウィズさん。・・・・・・客席からは盛り上がりの声が上がる。

 

E「太陽失ってしまった僕の瞳は 月を映し輝くことはないよ

W「尽きない欲と願望にあてられて きっと何処にも無いものを探して歩くよ

 

()見えていた(見えていた)物まで 見失って僕らは

()思い出の海の中(海の中) 溺れていくのに

W「どうして

   E「どうして

W「誓いあったことまで 無かったことにして 次のpassport

2「大切な思い出も 少し置いて行こう 全て背負ったままじゃ 渡るには重くて

W「そうして

   E「そうして

W「また出逢った時には

E「少し色濃く暖めてくれ   (4「Oh~~~Fight!」)

 

E「上手く置いていけたら 溺れないで
W「捨てないで また逢えるから

E「Rebel one

W「Rebel one

E「永久の声 again 心にいつ届く Rebel one

W「Rebel one turning point

 

踊りながら歌いきった6人。

 だが、次のダンスナンバーが始まった。曲は、『Daydream Warrior』だ。

 

4「Hey!

 

Quartzerの2人はハンドマイクで歌っているが、NOASISはヘッドマイクを着けている。

 

W「気配が消えた…?私の呼吸が荒く激しく 辿るてがかり

E「探しながらも見つけたくない 見つけたら すぐ攻撃しなきゃ

 

W「どうしてあなたが敵なのか
4「きっと誰にもわからない」

E「こんなに惹かれた訳さえも
4「本当のことはわからない」

 

E「悪い夢なんだ

2「光と闇のDaydream
4「Daydreamer」

  黒いとびらの向こう 待ち受けるのは
4「運命に」

  抱かれた私の Lost Love

  あの日知った優しさだけ忘れないと 額伝う汗をぬぐい

  自らの手で終わりにしよう

 

この曲は1番だけ披露して、終わった。・・・・・・ちょっと期待した方、すみません。本当なら、ラスサビも歌わせる予定でした。作者の都合で無くなりました。

 そして、すぐに次の歌が始まる。曲名は『Break Beat Bark!』。

 

W「警報が響いて 包囲網でガンジガラメ Checkmate 寸前 Countdown が嫌らしいな

E「勝手な欲望で踏みつけられたって 僕のセオリーじゃ 答えは “No!Are you kidding me?”

 

W「僕の刻んだ記憶(メモリー)を

E「君と創り上げてきた現実(リアル)を

W「イレギュラーになんて奪わせるな

 

2「Break Beat Bark!まだ見えない

W「未来って単純じゃないダンジョンみたい Can't see…

2「だけど Head up!すぐそこさ

E「Never give up パスワードはそれで十分なんだ

W「君と僕の純粋(ピュア)すぎる理想

E「捨てられないね?Heartbeat

2「叫び出せ 願いの限り

 

この曲中に、左右に用意されていた花道からトロッコに乗ったQuartzerの2人。トロッコで会場を周り、合流地点で止まった。それと同時に、曲も終わる。・・・・・・本当なら、こちらもこの後にラスサビを歌ってるんです。作者の気分の問題で1番だけです。

 そして、曲が終わると鳴る客席からの拍手。それさえも鳴り止み、会場が静かになると、

 

2「思いきり抱き寄せられると心 あなたでよかったと歌うの

  X'masなんていらないくらい 日々が愛のかたまり

  明日の朝も愛し合うよね

 

2人が人生で初めて一緒に歌った『愛のかたまり』をバラード風にアレンジして、披露する。

 

E「心配性すぎなあなたは 電車に乗せるのを嫌がる

  まるでかよわい女の子みたいで なんだか嬉しいの

W「あなたと同じ香水を 街の中で感じるとね

  一瞬で体温蘇るから ついて行きたくなっちゃうの

 

()教えたいもの(教えたいもの) 見せたいもの(見せたいもの) たくさんありすぎるのよ(たくさんありすぎるのよ)

  言葉や仕草は(言葉や仕草は) あなただけの為にあるから(あなただけの為にあるから)

 

E「思いきり抱き寄せられると心 あなたでよかったと歌うの

()X'masなんていらないくらい(X'masなんていらないくらい) 日々が愛のかたまり

2「明日の朝も愛し合うよね

 

ここから、曲のテンポが少し上がり、原曲と同じテンポに変わる。

 

E「どんなにケンカをしても 価値観のずれが生じても

  1秒で笑顔つくれる 武器がある あたしたちには

 

()変わっていく あなたの姿 どんな形よりも愛しい

  この冬も越えて(この冬も越えて) もっと素敵になってね(もっと素敵になってね)

 

2「あまりに愛が大きすぎると 失うことを思ってしまうの

  自分がもどかしい 今だけを見て生きていけばいいのにね

  ねl 雪が落ちてきたよ

 

2番を歌いだすと同時に、トロッコを乗り換えた2人はメインステージに戻るように、移動する。

 

2「子供みたいにあまえる顔も 急に男らしくなる顔も

  あたしにはすべてが宝物 幾度となく見させて

 

  思いきり抱きしめられると心 あなたでよかったと歌うの

  X'masなんていらないくらい 日々が愛のかたまり

  最後の人に出逢えたよね

 

歌い終わる頃にはトロッコも花道に到着し、2人はトロッコを下りた。そして、曲も終わりを迎えた。・・・・・・メインステージにはNOASISと『Daydream Warrior』からいる女性ダンサー、更に『愛のかたまり』の2番からいるゲスト5バンドもいる。

 この後、静かにピアノが鳴りだし・・・・・・ウィズさんが挨拶をする。

 

「本日は、アタシたちの1stライブに来てくださり、ありがとうございました。今日、みなさんとこうやって、愛にあふれたライブをすることが出来たこと、ホントに嬉しく思います。

 このライブで、色々学ぶことも出来たので、次のライブでは、さらに進化したアタシたち、そして、ライブをみなさんにお届けいたします。そして、また一緒に楽しい時間を過ごしましょう。

 本日は誠にありがとうございました!」

 

客席からは大きな拍手が贈られる。ウィズさんは深々と頭を下げ、上げる時には、映司君が挨拶を始めていた。

 

「え~、こうやって皆さんと楽しいライブを過ごせれた事は本当に嬉しく思います。

 デビュー前にしていたライブに比べると、随分大きなライブ会場ですし、随分と長く、ライブもしました。ですが、楽しい時間というのはあっという間に過ぎるものなんだなと、実感することが出来ました。これは、皆さんのおかげです。

 先程もウィズが言いましたが、僕たちはこのライブで色々学ぶことが出来たので、次のライブでは、歌や演出、色んなものを進化させて、皆さんにお届け出来るように努力していきます。そのためには、皆さんの声援というのも必要になります。

 どうか、少しの声でも構いません。Quartzer、それにNOASISも、ゲストとして来てくれた5バンドの皆も温かく見守っていただければと思います。

 今日は本当に、ありがとうございました!」

 

そして映司君も深々と頭を下げる。もちろん、客席からは大きな拍手が贈られてきた。

 

「それでは、本日のライブを盛り上げてくれた素敵な方々を紹介します。まずは、ダンサーの皆さん、ありがとうございました!」

 

映司君が紹介したダンサーたちがお辞儀をして、ステージを去っていく。

 

「そして、素敵な音楽を奏でてくれたバンドの方々、ストリングスの方々、ありがとうございました!」

 

お辞儀が出来るメンバーはお辞儀をする。今はBGMを演奏しているため、ステージから去ることはなかった。

 

「そして、僕たちと一緒に素敵な音楽を披露してくれた、『Poppin'Party』・『Afterglow』・『Pastel*Palettes』・『Roselia』・『ハロー、ハッピーワールド!』、ありがとうございました!」

 

5バンド全員もお辞儀をして、ステージを去っていった。

 

「そして、僕たちを支えてくれた『NOASIS』の4人、ありがとうございました!」

 

そして、NOASISの4人も・・・・・・。

 

「そして僕たちが──」

「「Quartzerでしたー!」」

 

改めてお辞儀をして、花道からメインステージに歩いていく。そして、中央に着くと、

 

「どうもありがとう!」

「ありがとうございました!」

 

挨拶をして、ステージから去っていった。・・・・・・そして、BGMも鳴り止んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アンコール!」
「アンコール!」

「アンコール!」
「アンコール!」

 

会場は、アンコールの声に包まれ──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ごめんなさい。どうしても『愛のかたまり』だけはフルで書きたかったの。

そして、今回披露した曲の中にはバンドリと全く無関係なのがちらほらありましたが、アタシが今までみた作品内で、『あ、これええやん!』って選んだ曲です。・・・・・・今までそんな作品を見てたんですのよ、アタシ。

それと、おふざけなくて、つまらなかったよね?


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第91話 -5- BEAUTIFUL≒SENTENCE

はい、ライブ編最後です。・・・・・・疲れた。

それよりも!何?『担当楽器:バイオリン』って?モニカ気になってしゃーないわ~!

それとさ、昨日発売された『ワクワクmeetsトリップ』、フラゲしようと思ったらド忘れしてて、発売日に買いました・・・・・・。でも、ちゃんとアニメは先に見たよ!ネタバレも出来るよ!







 

 

 アンコールの声が鳴りやまない中、ある声が聞こえてきた

 

『You can choose your destination』
『It decide the fate of this world』

 

『You can choose your destination』
『It decide the fate of this world』

 

同じ言葉を、バックバンドのコーラス隊が歌っている。それもずっと。

 すると、ステージ後方からQuartzerの2人が現れ、歌い出す。曲は『BEAUTIFUL≒SENTENCE』。

 

(ウィズ)目に見えている世界がもしも嘘だとしたら

(映司)壊せるかしら?偽りの優しい現実を

W「そうね、プログラムされてる

E「未来に抗うなんて

(映司・ウィズ)アナタしか選ぶこと出来ない選択肢

 

W「ねぇ聞かせてWhat you want?取り戻すため何を失うの?

E「難しいのね、テーマは千差万別 But you can only choose one!

W「その願いの代償

E「崩壊の序章

W「魂のHIVE

E「衝動のVIBES

2「Yeah CONNECT TO ARCHIVE.“MEGUS MODE”

  But you can only choose one!

 

W「重なってくその想い

E「同調(シンクロ)する MY HEART

W「どんな瞬間も

E「忘れないで

2「側にいること

E「コントロールされたみたい

W「同調(シンクロする) MY HEART

2「奇跡だってYou can choose.

 

2「It's A Beautiful World 巡り逢った意味 只の偶然もいつか運命になっていくこと

W「不確定な

     E「可能性も

2「そう叶わないなんて考えないで 変えていくの

  きっとBeautiful World、創りだす いま開いたページ、その一行のセンテンスにさえ

W「鍵はあって

      E「開くのよ

2「さぁ、扉の向こうへと

 

『You can choose your destination』
『It decide the fate of this world』

『You can choose your destination』
『It decide the fate of this world』

 

サビが終わると、再びコーラスが歌い出す。このタイミングで、NOASISやダンサー、ゲストの5バンドも出てきた。

 

2「今、選んだ言葉…その、響きに乗って コードは紡がれてく、それは確かなYour Wish

  その記憶に書き込んで強い意志を纏うの 消え去った時間さえも…Your hands reach what you want!

 

5バンドは手拍子を、ダンサーとNOASISはQuartzerの後ろで踊っている。

 

2「It's A Beautiful World,Is it A Beautiful World

  You can choose only one,but don't worry,you are not alone!

  繋いでよ、その心(アーカイブ)に

  そう、あり得ないような奇跡にさえ手の届く“MODE”

  It's A Beautiful World巡りあった意味 只の偶然もいつか運命になっていくこと

  不確定な可能性も そう、叶わないなんて考えないで変えていくの

  きっとBeautiful World、創りだす いま開いたページその一行のセンテンスにさえ

  鍵はあって、開くのよ さぁ、扉の向こうへと

 

曲が終わると、エレキギターやベースの音が聴こえてくる。

 

「行くよ~!Foo!」

 

ウィズさんも盛り上げる。曲名は、『99%LIBERTY』だ。・・・・・・設定上、Quartzerのオリジナル曲だ。

 

E「愛を信じないで今日までは生きて来た 裏切られても傷つかなくていいように

  欲しいモンは言葉じゃなくて ココロかい?

W「ドアを蹴破る時は冷静な顔で 後ろ髪引く声に譲歩しないで

  エゴイズムってアジトに潜んでいたのに

 

W「サイアクだ あなたは 僕のセキュリティーをかいくぐって

E「100分の1の 不自由に純愛と言う罠をそっと仕掛けた

 

2「愛を喰らった99%LIBERTY

E「せつないマシンガンでもうズタズタ

2「甘い毒を飲み干したように

W「不自由は自由で

2「どうしようもなくなっている

 

Quartzerの歌らしく、2人が歌っていたが・・・・・・。

 

()好キダ好キダ好キダなんて言い倒して 手も足も出なくなった自分を笑った

(友希那)気がついたんだ足りなかったのはコレだって

 

別バンドのボーカルが歌い始めた。

 

Ko(こころ)サイコーだ あなたは 沈黙したその目に ヤラれそう

()もう見つめないで 縛られたみたいな僕に OH キスをして」チュッ

 

さらっと投げキッスする彩さん。

 

2「あなたのせいだ99%LIBERTY

Ka(香澄)胸の傷に永遠も誓う

2「こんな愛を知らずにいたら

(5バンドボーカル)僕はクールに

2「キメた道化者

 

ステージや花道に、出演者が歩き回る。そして、メインステージでは、

 

E「サイアクだ──え?ちょっ、あああぁぁぁ!!」

「キャアアア!!」

「Foo~!」

 

なんとウィズさんが映司君のほっぺにキスをした。

 

「もぉ~!」

W「100分の1の 不自由を今シアワセと言う痛みに変える… 美味しかった♪」

 

7「トドメを刺して 一途な瞳で もう何処にも逃げないように

  純愛と言う運命の闇に ユメもアシタも捨てたっていい

  愛を喰らった99%LIBERTY 楽園に落ちたような衝撃

  あなただけに抱かれた僕は 100%自由の愛と言う籠の中

 

最後に、ドラムがかき回して終わった。

 

「ありがとうございます。」

「ありがとね~。いや~美味しかったわ~、映司のほっぺ。」

「あの・・・・・・なんでやった!?」

「何って、『ご褒美のチュー』だよ?」

「さっきスタッフと話したけど、これ映像に残るんだよ?」

「それが何よ?減るものじゃないでしょ?」

「・・・・・・僕のHPは減るよ・・・。」

「そしたら、またチューするよ?」

「いらんいらんいらんいらん!」

「なんでよ!?」

「だって、好きな女の子からチューされたいもん!」

「ちょっと!アタシとはお遊びだったの!?」

「やかましいわ。」

「ちょっと見て。ひまりちゃんが凄いニヤニヤしてる。」

 

後で蘭さんがシバくそうです。

 

「さて、最後に歌う曲ですが、先程も話した通り、未完成の曲を歌おうと思います。」

「はい。もうね、スタッフも用意周到でね、ここ(ステージドリンク置き場)にさっき歌詞を書いたスケッチブックがあるのよ。」

 

スケッチブックを取って、

 

「はい、これ映司分ね。」

「はいはい。・・・・・・これ、ウィズ言う?」

「言っていい?」

「良いよ。」

「はい、タイトルは・・・・・・『突発ラブ』です。」

 

客席からは笑い声が・・・・・・。

 

「もうね、このタイトルの意味はシンプルです!相方に突発で言われたから!」

「・・・・・・うん。そういえばさ、どっかのアーティストで『復活ラブ』ってあったよね?」

「・・・あぁ~そっか~!タイトルはまた考え直すよ!」

「うん。でも、歌詞は良いね。」

「でしょ?カメラさん抜いてね。・・・・・・まずAメロね。

 『離れた夜空(そら)に咲く花』──」

「あ!これで『そら』なの?」

「そうそう。で、『故意に落ちた稲妻みたいで ぬめった風も泣いている 歌ってるすべてが切ないの』ここまでがAメロね。」

「うん。」

「それで、『諦めのキスはまだしないよ いつかそっと叶うよと胸は弧を描く』これがBメロね。」

 

黙っているけど、映司君の頭の中ではどう歌おうか考えているそうです。

 

「こっからサビね。『突発ラブ 言葉にないこのメロディも 聴こえないそのメロディも』で、この後もう一回『ラ~ラ~ラ~♪』ってあったよね?」

「あった。・・・・・・うん、あるよ。」

 

映司君?あなた書いた曲よ?

 

「そう。そこでもう一回『突発ラブ』って入れて『虹打つ愛のネオンがキレイ 大好きよ…』これでおしまい。ただね、その後のDメロはすぐに浮かばなかった。」

「・・・・・・オッケー大丈夫。」

「もう歌う?」

「うん、歌うけど・・・・・・覚えてる?」

「アタシは無理よ。」

「でしょ?だから・・・・・・友希那さんもう一回歌って。」

 

戸惑いながらステージ中央へ行く友希那さん。

 

「それでは、聴いてください。『突発ラブ』。」

 

そして、バックバンドが未完成の歌のメロディーを奏でる。

 

E「離れた夜空(そら)に咲く花 故意に落ちた稲妻みたいで

  ぬめった風も泣いている 歌ってるすべてが切ないの

 

  諦めのキスはまだしないよ

  いつかそっと叶うよと胸は弧を描く

 

  突発ラブ

  言葉にないこのメロディも

  聴こえないそのメロディも

  突発ラブ

  虹打つ愛のネオンがキレイ 泣き見惚れてる

  大好きよ…

 

サビの最後の方でキョロキョロしてた映司君。ウィズさんもそこを聴いただけで分かっただろう。『歌詞が足りてない』と。

 ウィズさんはすぐさまスタッフにペンを求め、書き足そうとする。映司君はそのまま歌い続ける。

 

E「突発ラブ

  言葉にないこのメロディも

  聴こえないそのメロディも

  突発ラブ

  虹打つ愛のネオンがキレイ 泣き見惚れてる

  大好きよ…

    (友希那)ラッラ ラ~ラ~ラ~ラララ

E「ラ~ラ~ラ~

 Y「ラッラ ラ~ラ~ラ~ラララ

E「ラ~ラ~ラ~ラ~

 Y「ラッラララ ラ~ラ~ラ~ラ

 

(友希那・映司)ラ~ラ~ラ~

 

E「ラ~ラ~ラ~

 Y「ラッラ ラ~ラ~ラ~ラララ

E「ラ~ラ~ラ~

 Y「ラッラ ラ~ラ~ラ~ラララ

E「ラ~ラ~ ラ~ラ~ ラ~ラ~ラ~

 Y「ラッラララ~ラ~ラ~ラ ラッラッラ

 

2「ララ~ラ~

 

ちょっとしたハプニングがあったが、そんな事がなかったかのように歌いきった。

 

「映司、ごめん。ちょっと足りなかったね。」

「え?・・・・・・あ、最後の方の?」

「そうそう。」

「うん、『とりあえず何か歌わないと』って思って、『泣き見惚れてる』って言っちゃった。」

「あ!アタシは『君に惚れてる』なのよ。」

 

あら~、息ピッタリね~!

 

「・・・・・・あのさ、後ろでコソコソうるさいよ!」

 

あ~、ひまりさんとかね・・・。

 

「え~、では改めて、今回のライブを盛り上げてくれたメンバーを紹介します。まずはダンサーの皆さんありがとうございました!」

 

ダンサーさんがお辞儀をしてステージを降りた。

 

「そして、バンドの皆さん、ストリングスの皆さん、ありがとうございました!」

 

今回は、ステージから降りていくバックバンドとストリングス隊。

 

「そして、『Poppin'Party』・『Afterglow』・『Pastel*Palettes』・『Roselia』・『ハロー、ハッピーワールド!』の皆さんありがとうございました!」

 

そして、同じようにお辞儀をしてステージから降りていく5バンド。

 

「そして、『NOASIS』の皆さんありがとうございました!」

 

『NOASIS』もお辞儀をしてステージから降りていった。

 

「はい、うるさかった。」

 

おい。

 

「ここでですね、ちょっと僕から話させてください。」

 

え?打ち合わせで聞いてないけど。

 

「・・・・・・そうですね。まず先に、今から事務所からNGと言われている事を言います。広めるか止めるかはおまかせします。」

 

ちょっと待って!?

 

「僕は、このライブでこんなにお客さんが来るとは思っていませんでした。多くても半分くらいかな、と。正直、皆さんを100%信用はしていません。知ってる人もいると思いますが、僕の左目は、生まれつきの病気で色が違います。そのせいで、周りの他人(ひと)から虐められ、母親からは虐待を受けていました。そんな中、ウィズが義理の姉となって、守ってくれましたけど・・・・・・幼いながらに『迷惑をかけている』って思って、迷惑をかけないために自殺とかも考えました。

 

 でも、なんとか粘って今まで生きてきました。最近では、スタッフや先程の別のバンドとも仲良くなりました。そして、最近『自分らしさ』と言うのを考えた時もありました。そこで、『自分のこれから』と言うのも考えました。

 答えとしては、『周りの声を気にせず、自分のやりたい事をやる。』ですかね、当たり前かもしれないけど。自分のやりたい事は、周りにどう言われようがやるっていう感じですね。

 この中でも、今回のライブの悪口みたいなの書く人いるでしょ?前はそれで『あ、じゃな直さなきゃ』って思ってましたけど、今は『あっそ』って思うようになりましたね。たとえ『もう芸能人辞めろ』って言われようが、『お前にそんな権利があるのか?』って言い返すくらいにね。

 

 それに、最初は『事務所に迷惑をかけてないだろうか?』とか、『CD売れなかったら・・・・・・』とか、『ライブで人が来なかったら・・・・・・』とか、思ってました。でも、今となっては、『売れなくてもいいし、来なくてもいい。来てくれた人のために、聴いてくれる人のために歌うだけだ』って思ってます。

 

 だから・・・・・・これからは多分自分のやりたいライブをすると思います。『他人(ひと)に魅せたい、自分の今できる、やりたいライブ』というのを。誰がどんだけ酷く言おうが、自分が出来る・やりたい事をやっていくだけです。お客さんにもですげど、スタッフたちにも、僕から同じことを言います。迷惑かけると思いますけど、それでもいいならこれからもこの事務所でやっていきますし、無理ならクビにしていただければと思います。」

 

それだけ言って、ウィズさんに『何かある?』って振った映司君。

 

「・・・・・・そうね~。さっきの映司の気持ちは初めて聞いたけど、別に映司から離れるつもりはないですよ、アタシは。他の人が何を言おうが、アタシは映司の意見を尊重するだけ。周りが理解できなくても、アタシは映司を理解するだけだし。・・・・・・それだけかな~。」

 

ちょっと、明るい雰囲気の内容ではないから、会場が静かなんだよな・・・。

 

「とにかく、簡単に辞めるつもりは無いです、僕たちは。だからこれからも、こんな僕たちについてこれる方だけついていただければと思います。」

「そうね。まぁとにかく・・・・・・みなさん、()()()()()()()()()()()です。」

 

・・・って、おい!?

 

「そうだね。」

「あの、この会場内は、まだ夢の空間です。でもね、一歩外に出ればめっちゃ現実が待ってます。」

「そうだね~。僕たちも、帰って洗濯します。」

「そうそう。アタシたちもね、帰ったらすぐ洗濯するから!」

「ね。ってことで、『Quartzer』でしたー!」

「ありがとうございましたー!」

 

最後にさらっと笑いを取るんだね~。

 

「おやすみなさーい!」

 

ウィズさん、別に『さようなら』でいいんだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『本日のライブは終了しました。これより──』

 

「アンコール!」「アンコール!」

「アンコール!」「アンコール!」

 

こちらとしては、アンコール1回だけの予定だけど、客席からは再びアンコールの声が聞こえてきた。

 

スタッフたちも止めようとしてるけど・・・・・・。

 

「キャー!」

「フゥー!」

 

お客さんの声に答えるように、Quartzerの2人が出てきた。

 

「・・・・・・ちょっと待って!」

「はい?」

「なんで()()被って来てるの!?」

 

『それ』とは、前の映司君の誕生日にウィズさんが渡したピンク色の誕生日パーティーの時にある帽子です。・・・・・・スタッフ一同、初めてそれを被った映司君を見たけど・・・・・・。

 

「あの・・・・・・ライブ用のカバンの中に入ってたの。」

「いやいや!誰も誕生日いないよ!?」

「あのね、面白くするために被ったのよ。」ポチッ ウィンウィン・・・

 

突然、帽子のボタンを押した映司君。すると、とんがり帽子の先の部分が左右に振り始めた。

 

「これ、どう収集すんのよ・・・。」

「まぁね、とにもかくにも皆さん、そろそろ()()退()()()()()です。」ウィンウィン・・・

 

「えぇー!?」

 

君たちがすんの!?

 

「はい、まずはAブロックの方ー?」ウィンウィン・・・

「えぇーーー!!?」

「早く帰れよー。」ウィンウィン・・・ ピタッ

「そうよ。これでも予定時間よりオーバーしてんのよ。」

 

まぁ、予定より2週間くらい?(投稿の方です)

 

「まぁでもね、やっぱり・・・・・・1stライブですし、もっと熱く、楽しく、盛り上がれればと思いますけど、」

「フゥー!」

 

映司君の発言で、客席からは歓声が聞こえてくる。

 

「Youもそう思わな~い?」

「でしょ~?アタシもそれ賛成よ~。」

「・・・・・・何このノリ?」

「分かんないけど・・・・・・。」

 

なんでちょっとオカマ感入ったんやろ?

 

「Youたちもそう思わな~い?」

「思ーう!」

「でしょ~?アタシもそれ賛成よ~。」

「あらそう~。」

「・・・・・・ちょっと待って!それ、事務所の食堂のおばちゃんだよね?」

「そうそう。『あらそう~。』ってね。」

 

ほとんどの人が分からんネタ出してすんません!

 

「とにかく、バンドの方々にもう一回出てきていただいてね。」

「そうね。・・・・・・えっと、『君が代』を歌うんだっけ?」

「そうです。」

 

歌わん歌わん。

 

「バンドの方たちも準備出来たという事で、最後は皆さん、歌って、踊って、飛んで、『ピコピコ』していってください!本日はありがとうございましたー!」ポチッ ウィンウィン・・・

 

一応言っておきます。映司君の頭にはまだ誕生日パーティーで出てきそうな帽子を被ってます。

 そして始まるのは・・・・・・、

 

ピ・ピ・ピッ・コーン!

ピッ・コーン!ピッ・コーン! ガ~ル~パッ!パッ!

ピッ・コーン!ピッ・コーン!

 

5バンドも交えて唄う、『ピコっと!パピっと!!ガルパ☆ピコ!!!』。

 

Ka(香澄)はじめのはじめのジャンプで

()君との距離を縮めて

(映司・ウィズ)照れくさいお顔へグッと接近戦♪ ハグっとギュっとしちゃうよ!」ウィンウィン・・・

()年中無休の絆で

(友希那)心配事はサヨナラ

2「史上最強の笑顔で開幕だ!始めよう

Ko(こころ)あんびりぃ~ばぼ~!

 

ピ・ピ ガルパ・ピコ・ピ  ピ・ピ ガルパ・ピコ(・ピ?)

ピ・ピ ガルパ・ピコ・ピ  ピ・ピコ・ピコ・ピコ・ピコ・ピ・ピ

 

※『』内に書いてある歌詞は、ボーカル以外のメンバーが歌ってます。

 そして、映司君の頭上では誕生日パーティーでよく見る帽子が振り振りしてます。

 

(ボーカル)ガルパ・ピ・ピ・ピコだ!合言葉
はいはーい!

  「世界共通だよ?覚えて
はいはーい!

  「楽しさ食べちゃえーっ! がぶり!
がぶっ!

  「むしゃりっ!
むしゃっ!

  「ごくりっっ!
ごくんっ!ぷっはー!!

  「ガルパピ・ピ・ピコ的!つとめ
はいはーい!

  「スリル満点だよっ!果たそう
はいはーい!

  「ノー!ミュージック☆ノー!ライフ 君も!
ベスティ!

  「歌もっ!
シンギング!

  「夢もっっ!
ドリーム!カ・モーン!

 

Ka「胸キュンとワクワクは(『ピッ・コーン!ピッ・コーン!』)

R「肌身離さないよ(『ピッ・コーン!ガ・ル・パ!』)

A「寝ても覚めちゃっても(『ピッ・コーン!ピッ・コーン!』)

Y「包み隠せない  (『ワ・ク・テ・カ』)

Ko「宇宙へひとっとび(『ピッ・コーン!ピッ・コーン!』)

2「お披露目タイムだよ!(『ピッ・コーン!ガ・ル・パ!』)

7「あふれちゃう気持ちは(『ピッ・コーン!ピッ・コーン!』) 好き!好き!大好き~!!!!!

 

※予定では、この後3番を歌いますが、思ったより書くのに苦労するので、1番だけにします。

 

 はい、飛んで・・・・・・曲終わりました!

 

「改めて、ダンサーの皆さん、バンドの皆さん、ストリングスの皆さん、ゲストの皆さん、ありがとうございました!NOASISも、ありがとうございました!」

 

はい、再び2人だけになりました。

 

「いや~、楽しいけど・・・・・・あの歌はしばらく歌いたくないな~。」

「本当だよ。『ピコピコ』言い過ぎて分からなかったもん、途中。」

「ホントさ~、あの曲作った人誰よ!?どういう頭してんの!?」

 

ウィズさん、『Elements Garden』さんですよ。作者が死んじゃうから止めて!

 

「でもね、さっきの言葉の続きだけど、映司には映司の意見がある。」
ポチッ ウィンウィン・・・

 

止まっていた帽子が動いた・・・・・・。

 

「みなさんにはみなさんの意見があるから──ちょっと待って!!w」

「何よ?」ウィンウィン・・・

「さっき帽子止まってたよね!?w」

「いや、おでこかゆいな~って思ってたら動いちゃって・・・。」ウィンウィン・・・

「こっちはマジメな話してんの!!w」

「いやいや、そこはビシッと!」ウィンウィン・・・

「・・・・・・あのさw、アンタの頭だけがビシッとしてないの!w」

「(キリッ)・・・・・・・・・・・・。」ウィンウィン・・・

「いやいや!顔はしてても頭がビシッとしてないのw!ぐにゃんぐにゃんよ!?w」

「・・・・・・・・・・・・。」ウィンウィン・・・ ピタッ

「止まった・・・!w」

「止まったな・・・。w」

「動かすなよ!・・・・・・ね、あの・・・アタシにも自分の意見があるように、みんなにもそれぞれ意見があるから、だから、誰かを蹴落とすとかじゃなくて──」
ペチッペチッ ポチッ ウィンウィン・・・

 

おでこを叩いてる映司君。見事に帽子が始動・・・・・・。

 

「蹴落とすのじゃなくて、みんなで一緒に、温かい世の──ちょっと待って!?w」

 

そりゃ気になるよね~・・・・・・。

 

「何よ?」ウィンウィン・・・

「さっき止まったよね!?w」

「いや、ビシッとビシッと!」ウィンウィン・・・

「だから!頭がビシッとなってないの!!w」

「(キリッ)・・・・・・・・・・・・。」ウィンウィン・・・

「アンタの頭がぐにゃんぐにゃんなんだよ!!wマジメにしてるけど、その帽子を被ってる時点でふざけてんのよ!w」

・・・・・・・・・・・・。(頭も追加)」ウィンウィン・・・

「頭も追加すんな!w」

 

勝手にやってろ・・・・・・。

 

「・・・・・・止まった!w」

「止まったな・・・!w」

「え~・・・・・・って事です!」

「えぇ~!?」

「・・・・・・何!?」

 

こうなった犯人はお前じゃ!!

 

「いや!アンタの頭がぐにゃんぐにゃんしてるからよ!w」

「いやいや!そこはビシッと決めなよ!」

「決めたいけどさ、とりあえずその帽子を取りなよ!!w」

「いや、もうね、髪がぺったんなってるからもう取れないよ。」

「それは仕方ないかも知んないけど、そこ()が決まってないんだって!!w」

「(キリッ)・・・・・・・・・・・・。」

「腹立つわ~、あの顔!w」

 

あの・・・・・・そろそろ時間です。

 

「えっとね、もう時間だって。」

「えぇ~!?」

「もうね、音出すの限界なんだって。」

「・・・・・・みたいだね。」

「じゃあね、気を付けて帰ってね~!」

「では皆さん、また会いましょう!」

「じゃあね~!」

「どうもありがとー!」ウィンウィン・・・

「お・や・す・み・な・さ・い!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




え~、キンキのライブでは、こんな事があります。パーティーセットを身に着けて最後の挨拶をする、決める時は決めるけどふざける時は酷い程ふざけるジャニーズです。

にしても、ようやく終わった~!・・・・・・1ライブ書くと、こんなに長いのか・・・・・・。今回、約10000字です。

そして、今回ガルパ以外でカバー曲として出した曲の作品(ラブライブ!サンシャイン!!・ソードアートオンライン・トリニティセブン)は、ある程度見て、曲聴いて、『あ、いいな!』って思った曲でしたー。
それと、『突発ラブ』はアニメ『タイムボカン』の最近のやつのEDとなってました『Topaz Love』の元となる歌です。・・・・・・キンキを知ってる人しか知らんだろうけど。



それと、途中あった映司君のクソ長いセリフ。最近のアタシの気持ちでもあります。他人にどう思われようが、別に気にしません。
・・・・・・最近、職場でアタシを『存在しない人扱い』する人がいるんやけど、最初は『何様やねん!?』って思ってたけど、今は『あっそ。別にいいよ。』って、他人へ無関心になりましたね~。・・・・・・大丈夫、この小説ではそうではないから。
だから、評価はどうでもよくなったんだよね~。ただ、感想くれたらちゃんと答えるし、アンケートもしますよ!ちゃんと読んでくれる読者様と話したりしたいから。

次回から、話数がカウントアップされまして、92話となります。


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第92話 HELL! or HELL?

 

 

 この前のライブの後、出演者全員で打ち上げに行った。・・・・・・焼肉だったけど。ライブ後に行ったのもあるせいか、次の日は全然起きれなかった・・・・・・。

 

「それが言い訳ですか?」

「は、はい・・・・・・。」

「まぁまぁ~、紗夜も許してあげなよ?映司だって頑張ってたんだから~。」

「今井さんは甘過ぎます。これで反省してなかったら、どうするんですか?」

 

・・・・・・実は、打ち上げの場で『Quartzer2人を混ぜて各バンド打ち上げをしたい!』って言われた・・・。僕の方には、『Roselia』と『Pastel*Palettes』と『NOASIS』が、ウィズの方には『Poppin'Party』と『Afterglow』と『ハロー、ハッピーワールド!』が。

 

 で、朝起きれなかった僕は集合場所でこのように、紗夜さんに()()させられて怒られている。

 

「まぁアタシだって、この後も同じように遅刻されたらすごい怒るよ。今回()許すけど。」

 

味方じゃないの?

 

「紗夜、その辺にしておきなさい。」

「湊さん?」

「そうですよ紗夜さん!映司さんだって悪気があって遅刻した訳じゃないんですから!」

 

あこさん、その優しさはちょっと胸に痛むから・・・・・・。

 

「氷川さん・・・・・・その程度で怒ってたら・・・・・・運命の人が、現れませんよ・・・・・・?」

「うっ!?」

「りんりん!?」

 

あの人はなんて事を言うんだ?紗夜さんには大ダメージだけど。

 

「紗夜、長々と説教をしても効果がないことがあるわ。だから、シメるわよ。」

 

おい!?

 

「では湊さん、お手本を。」

 

待て待て待て待て!おかしいよ、流れが!?

 

「えぇ、任せなさい。」ポキポキ

「え!?あ、ちょっ──」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※現在、映司がシメられています。

しばらくお待ちくださいませ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ、行くわよ。」

「ちょっと待って友希那!」

「何かしら?」

「どこ行くの?」

「そういえば・・・・・・わたしも、知りたいです・・・・・・。」

「あこも知らないんですけど?」

 

そういや、『打ち上げに行く』しか聞いてないな・・・。

 

「それは、こちらです。」

 

なんで紗夜さんが・・・・・・って、うん?

 

「ここって・・・・・・?」

「犬と猫とふれあえる動物園ですよね?」

「もしかして、ここに行くの?」

「「えぇ、そう(です)よ。」」

 

息合わせて言うな。

 

「でも、あなたたちが楽しみたいだけでしょ?それは2人で勝手に──」

「「・・・!」」ギロッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※現在、紗夜も加わって映司をシメています。

しばらくお待ちください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう、嫌・・・・・・。」

「映司さん!」

「そんな・・・・・・!」

「あこ、燐子、映司はもう・・・・・・手遅れなの。」

「そんな~!?」

 

生きてるよ!!

 

「早く行きましょう!」

 

 

 

 

 

 そんなこんなで・・・・・・着きました。

 

「映司さんって、こういうとこにも来たことないんですか?」

「無いね。前は、金を使うのが惜しかったから。」

「今はウッハウハだもんね~?」

「そうでもないよ。入って1年目の給料なんて、たかが知れてる。」

「あの・・・・・・お2人を、どうしますか・・・・・・?」

「確かに・・・・・・どうする?」

「アタシは友希那の方に行くよ。」

「う~ん・・・・・・じゃあ、あこも友希那さんの方に行きます!」

「じゃあ、残り者は・・・・・・。」

「氷川さんの・・・・・・方ですね・・・・・・。」

「じゃあ、どっちかすぐに電話を使えるようにしておいて。」

「はい。」

「じゃあ、行きますか!」

 

行くか、冷めた目で紗夜さんを見るために。

 

 

 

 

 

「あ・・・・・・いました・・・・・・。」

「え?・・・・・・あ、いた。」

 

移動中、ほとんど話さなかったけど、とりあえず1つ目の目的は達成だ。

 

「・・・・・・僕たちは、この辺で座ってますか?」

「そう、ですね・・・・・・。」

 

近くのベンチに座って、紗夜さんを見守ってま~す。

 

「燐子さん、蒼空さんには今日の事は伝えてあるんですか?」

「はい・・・・・・『一緒に映司さんも行く』と言ったら・・・・・・『だったら安心だ』って・・・・・・。」

 

あの人は・・・!

 

「こんなところを蒼空さんに見られたら、浮気疑惑がかけられますよ?」

「でも・・・・・・ちょっと怒ってくれる方が、いいかも・・・・・・。」

「・・・Mですか?」

「ち、違いますよ・・・・・・!蒼空君、最近怒らなくて・・・・・・。」

「ちょっと、嫉妬してほしいと?」

「はい・・・・・・。」

「へぇ~。だったら、止めませんけど。」

 

 

 

 

 

 それから、僕も適度に動物とふれあったけど・・・・・・行きたがっていた2人の気が済むのに、夕方までかかった・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、こころちゃんの家凄かった・・・!」

「あ、そう。」

「あの娘、何者?」

「何を今さら・・・・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




キャラ崩壊が酷いね~。・・・・・・行ったことないねん、『わんにゃん動物園』って。

タイトルの意味?『映司が地獄を見た』ってことと、『犬か猫っぽい歌詞ないかな~?』って考えて、これになった。


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第93話 ギラ☆ギラ

先に謝る事が2つ。

1つ目は、前回の投稿した分がまさかの別の枠に入ってました。今はちゃんと数字通りに並んでますよ。

2つ目は、ドレガイザードファブニル様へ。詳しくはネタバレなんで言えませんが、すみません。







 

 

 さて、今日はパスパレに混じっての打ち上げなんだけど・・・・・・。

 

「なんでプールなの?」

「ウチアゲですよ!」

「いや、打ち上げは分かってるんだけど、『なんで疲れるプールなの?』って聞いてるの。」

 

嫌な予感はしてた。昨日、晴斗経由で連絡先を知った千聖さんから『水着を持ってきて』と言われたからだ。

 

「え?だって、ここならみんなで楽しめるでしょ?」

「そうだろうけど、なんで打ち上げで・・・・・・すみません、なんでもないです。」

「どーしたのー?」

「いや、ちょっと嫌な記憶がよみがえって・・・・・・。」

 

まぁ・・・・・・昨日、友希那さんと紗夜さんの企画に文句言ったら酷い目にあったからな・・・。

 

「早く行きましょう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 はい、着替え終わりました。僕は上着も着て、極力肌を外に出さないような格好にした。・・・・・・今年、ウィズが『プールに行こ!』って言うから買ったけど、最初がパスパレとの打ち上げで使うなんて・・・・・・。

 

「お待たせ。」

「うん?」

「・・・・・・・・・・・・。」

「どう?変じゃない?」

「うん、格好は変じゃない。」

「はい?」

 

中身は変人なんだから仕方ないだろ?

 にしても・・・・・・さすがはアイドルって言ったところか。スタイルが良いし。

 

「ウィズちゃんに怒られるよ?」

「ち、千聖さん!?・・・・・・な、なんの事ですか・・・?」

「い~え、別に。」

 

この人分かって言ってるな・・・・・・。

 

「さぁさぁ!早く行こーよー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 30分後・・・・・・。

 

「あれ?エイジさんはどこでしょうか?」

「そういえばいないね?」

「・・・・・・あ、あっちにいるっすよ!」

「あれって・・・・・・浸かってるだけ?」

 

温泉のように浅い部分で浸かってますけど、何か?

 

「あなたは、もう少し楽しめないの?」

「楽しみ方は人それぞれですよー。」

「感情がこもってないわよ?」

「元からこんな感じでーす。」

 

さて、そろそろ僕が今さっき思った疑問をぶつけるか。

 

「それより、なんで僕をプールに連れてきたんですか?」

「それは・・・・・・ボディーガードよ。」

 

おいこら。

 

「晴斗呼べばいいでしょ?」

「無理だったわ。」

「何故?」

「部活の合宿中なんだって。」

 

写真部の合宿って何すんの?

 

「彩さんだって、紫閻さんがいるでしょ?」

「他の作者の作品だから出れないって。」

 

わー、メターい。

※ドレガイザードファブニル様、勝手に出してしまってすみません。

 

「もう~、諦めなよ~?」

「浸かってるだけで良ければ。」

「う~ん、分かった!」

 

あ、良かった・・・。

 

「引っ張っていこー!」

「「おー!」」

 

おいゴラ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんで映司だけ先にプール行くのよ!?」

「そんな事を僕に言うな。」

「どうせパスパレのみんなの水着姿を鼻の下伸ばしながら見てたでしょ!?」

「見てないって。・・・・・・一応。

「ほ~ら!やっぱり見てたじゃない!」

「もう寝る。」

「あ、逃げんな!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




え~、前書きで書いた2つ目の謝罪理由。分からない人は、その作者さんの作品調べてください!


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第94話 The Red Light

 

 

 2話に渡って、僕の各バンド交えての打ち上げを見てもらったけど・・・・・・今回がラストです。今日は『NOASIS』の4人との打ち上げなんだけど・・・・・・。

 

「それではみなさん、かんぱーい!」

『かんぱーい!』

 

なんで、ウィズとAfterglowまでいるの?

 

「いや~、私たちだけだと思い浮かばなくて・・・・・・。」

「って訳で、こっち(Afterglow)と共に打ち上げしようってなったんすよ!」

 

あーそー。

 

「こんにちは~──って、あれ?」

「うん?・・・・・・リサさんと紗夜さん?」

「どうしたの?」

「ちょっと寄ってみただけなんですけど・・・・・・。」

「ここで打ち上げしてたか~。」

「せっかくだから、お2人も一緒に打ち上げしましょうよ!」

 

混ぜんな混ぜんな。

 

「じゃあ、お言葉に甘えて~♪」

「では、私も。」

 

紗夜さんもか・・・。

 

 

 

 

 

 そんな訳で、羽沢珈琲店を貸し切りにして、沢山の料理を囲んで打ち上げしてるんだけど、色々話していると、話題は『喧嘩について』に変わった。

 

「Afterglowもそんなことがね~。」

「Roseliaに比べれば、大したことはないですよ。」

「いやいや!そっちもなかなかだよ?」

「映司さんとウィズさんは無いんですか?」

 

ひまりさん、よく臆面なく言えるね・・・。

 

「アタシたちは・・・・・・無いね。」

「うん、無いな~。」

「痴話喧嘩みたいなのはいっぱいあるけどね。」

「その時はだいたい笑ってるけど。」

「仲が良いんですね。」

「何かないんですか?『意見が別れてぶつかったり』とか。」

 

・・・・・・無いな。

 

「まぁそもそも、アタシが平和主義だからね。『映司を守る』ってずっと思ってたし。」

 

・・・・・・あ、そういえば。

 

「1回、喧嘩・・・・・・っぽいことはあったかな。」

「どんな感じっすか?」

「お2人の喧嘩って?」

「あの・・・・・・中学の時、2人で──────────したことある。」

「ぶふっ!?」

「ケホッ、ケホッ、・・・・・・ちょっと!?」

 

 

 

 

 

※映司が言ってはいけない事を言ったので文字を隠しました。

 

 

 

 

 

「え?」

「もう映司!なんて事言うのよ!?」

 

なんか、皆顔真っ赤だな。飲み物吹き出すし。

 

「でも、そういう時あるでしょ?色々興味持ってた時期が。」

「・・・・・・確かに。」

「そうそう!そうい──」

「──────────。」(※映司)

「──────────。」(※映司)

「ちょっと!?」

 

え、何よ?

 

「今アタシが修正してるんだから!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※映司のテンションが上がっていますので、落ち着くまでしばらくお待ちください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この話、使える?」

「使えなかったらピー(『───』)入れればいいじゃん。」

「いや、ピーの尺が長いかもね。」

「ほ、他はないんですか?えっと・・・・・・謝りたいこととか」

 

(彩紗、ナイスフォロー!)

(これで映司さんも規制音が入ることは言わないはず!)

 

「う~ん・・・・・・あ、これもピーかな~?」

「映司さん、話考えてくださいね!」

「中学の時なんだけど・・・・・・路上ライブって終わったらお客さんからお金をいただくみたいなのあるでしょ?」

「そうなんだ・・・・・・。」

「で、その中に──────────が入ってたの。」

「ゲホッ!ゲホッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※映司が再び暴走したため、この回を強制終了します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




えっと・・・・・・隠された部分は、ご想像におまかせします。作者の脳内では、何にするか決まっているんですけどね。言いませんけど。


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第95話 R・I・O・T

ようやく評価バーに色が付いた!・・・・・・もうすぐ終わろうとしてんのに・・・・・・。







 

 

 それは、事務所に入る時の事だった。

 

「なんで夏休みなのに仕事があるのよ~・・・?」

「そういう職に就いたんだ。その辺は諦めなよ。」

「はぁ~。」

 

「Excuse me?」

 

「「・・・はい?」」

 

発音の良いのが聞こえてきた。僕たちは阿吽の呼吸で返事をした。

 

「Quartzerの『Eiji Katsuragi(葛城映司)』と『Wiz Katsuragi(葛城ウィズ)』ね?」

「・・・・・・何、これ?」

「アナタ、お家はどこですか?」

「あたしを子供扱いしないで!」

「代わりにすみません。」

 

え?この子の親?

 

「いえ、和奏(わかな)レイと申します。あなたたちの1つ年下です。」

「あ、年下なのね。」

「アタシてっきりこの子の親かと?」

「子供扱いしないでって!!」

 

ウィズさん、さらっとこの『レイ』って人、僕の心の声に答えてたよ。

 それに、後ろに身長の高い2人がいるし・・・。

 

「それより、僕たちに何か用ですか?この後仕事がありまして・・・・・・。」

「あ、すみません。ただ、1つ聞きたいことがあるんです。」

「「聞きたいこと?」」

「は、はい・・・。」

 

え、なんで戸惑ってる?・・・・・・あ、息が合いすぎるからか。

 

「なんで、あのライブでRoseliaを誘ったんですか?」

「・・・・・・それって・・・?」

「夏のライブの事だね。」

「Roseliaに聞いたんです。『なんであのライブのオファーを了承したんですか?』・・・・・・『なんで、完璧を求めるRoseliaが《未完成の歌》を歌ったんですか?』って。そしたら、『彼らだから』って言われた・・・・・・そうです。」

 

はい?なんでそんな言い方?

 

「・・・・・・!」

 

・・・・・・あぁ、このチビッ子か~。

 

「教えなさい、あなたたちの音楽を!」

「この子、ちょっとナマイキね。」

「なっ!?」

「ちょっとウィズ!・・・・・・ごめんなさい。」

「いえ~、チュチュ様はパレオが止めておきますので~。」

 

まぁ、僕たちの音楽への向き合い方くらい、話しても問題ないか。

 

「僕たちは──僕は、ただ自分の奏でたくて人に聴かせたい音楽を、音楽で魅せたい景色を、ただ実行させるだけ。」

「え・・・?」

「僕はただ、その想いだけで音楽と向き合っている。自分勝手で・・・・・・人に聴かせたい・魅せたい音楽を奏でるために。」

「映司さん・・・・・・。」

 

「アタシは、自分の奏でたい音楽を奏でつつ、映司のやりたい事を手助けするだけ。」

「ウィズさん・・・・・・。」

 

「何よ・・・。そんな気持ちが、あの湊友希那が承諾したの・・・!?」

「チュチュ、私は分かったよ。」

「レイ・・・?」

「この人たち、自分勝手だけど・・・・・・その音楽が、聴く人の心を動かす。私も、良いなって思ったから。」

「レイヤ・・・・・・。」

「時間を取ってしまって、すみませんでした。さ、帰るよ。」

 

そういって、4人は帰っていった。

 

「・・・・・・あ!」

「何よ?」

「あの人たち、『RAISE A SUILEN』だよ!」

「え?・・・・・・あぁ。」

 

今気付いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




タイトル?・・・・・・RASが出たから。

にしても、なんとか書けたわ~!書けないと思ってたのに。


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第96話 ノー・チューンド

最近、ガルパで『3周年カウントダウンムービー』ってあるでしょ?アタシ今6連勤で、次の休みが16日なの。この『3周年カウントダウンムービー』が『アタシの次の休みまでのカウントダウン』にさらっとなってんの。・・・・・・みんなは『知らんわ!!』でしょ、どうせ!!







 

 

 今日は久しぶりにさーくる・・・・・・じゃない、CiRCLEに来ていた。理由は・・・・・・、

 

「RASと対バンしなさい!」

 

こういう事です。

 

「嫌です。」キッパリ

「なんでよ!?」

 

『なんでよ!?』って言われましても・・・・・・ねぇ?

 

「まさか、RASに負けるのが怖いの~?」

「いや、ただ面倒くさいだけ。」

「ちょっ!?・・・・・・ウィズは、どうかしら?」

「いや、アタシも面倒だから、今日はやりたくない。」

「えっ!?」ガクッ

 

だって今日、休みだからさ~。

 

「・・・・・・これでも、あなた方の事務所からは許可を得ているのですよ?」

「でも、『やるかどうかは本人に任せる』って言われてませんか?」

「ぐっ!?・・・・・・確かに・・・!」

 

ほらね、あの事務所はなんでもOK出すけど、基本は本人の意見を尊重するからさ。

 

「じゃ、そういう──」

 

「QuartzerとRASが対バンするの?」

「え、マジで!?」

 

「・・・・・・?」

「さぁ、逃げ場はありませんよ?」

 

うっわ、悪い笑み。

 

「うっわ、悪い笑み!」

「なっ!?」

ちょっ、ウィズ!

「ぐぬぬ・・・!さぁ、今すぐ準備しなさい!!」

「ちょっと待てって。」

 

僕はすぐさま光一たちも入ってるグループトークに『さーくるに集合』って送った。・・・・・・5分で全員揃った。あっちは15分以上かかってたけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは、演奏する順番ですけど──」

「こっちが先でいいよ。」

「え?」

「異義はおありですか?」

「な、ないわよ・・・!」

 

映司、何か作戦があるんだよね?

 

「映司さん、何か作戦があるんですか?」

「無いよ。」

 

だよね~!

 

「休みに人前に出る気がない人間なんだよ?」

「「「「知ってます。」」」」

 

お~!さすが4人、息ピッタリね!

 

「それはそうと、何演奏するの?」

「う~ん・・・・・・この前紫音さんが提供してくれた曲は?」

「ちょうど今さっき、その曲の練習してましたから──」

「こっちは準備オッケーっすよ!」

「じゃあ、それで。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 千聖に呼ばれてCiRCLEに来たけど・・・・・・。

 

「晴斗くーん!千聖ちゃーん!こっちこっちー!」

「え、日菜ちゃん?」

「私も、日菜ちゃんに呼ばれたのよ。」

 

ライブ会場に入ると、

 

「お!ちょうど今から始まるみたい!」

「え?・・・・・・映司君?」

「日菜ちゃん、何が始まるの?」

「え?・・・・・・あ、言ってなかった!」

 

でしょうね。

 

「RASとQuartzerの対バンライブだよ!」

 

はい!?

 

 事情を聞くと、RASのプロデューサーがQuartzerに宣戦布告をしたんだと。

 

 そして、MCも無しでQuartzerたちが演奏を始めた。・・・・・・彼らの歌は、この前のドームライブ以来だな。映司君とウィズさんはアコギで、他の4人はいつも通りの楽器で演奏している。

 

「お!この曲はアタシが提供した曲じゃない!」

「え!?・・・・・・どちら様?」

「紫音さん、お久しぶりです。」

「ヤッホー!」

 

 

 

W「閉まったシャッターにもたれて 僕らはとりあえず始発を待った

  しゃがんだ足元の砂がざらついた

()とりとめない話に笑い飽きて ふと街を眺めてみたけど

  肝心なもの(肝心なもの)だけがいつもぼんやりして見えない

 

()明日のことなんて(明日のことなんて) うまくやれるよって口に出すだけで

  何かが変わるなんて(何かが変わるなんて) そんなはずないんだ

 

2「僕らだってやれるよって そう チューニングの合わないギターみたいに

E「調子はずれでいいさ 行くんだ

2「答えなんてどこにだって 何通りもきっとあるはずだから

W「それぞれに手探りでもいい 生きて行け()()()()()

 

 

 

この歌、随分とゆっくりだね。ミディアムぐらいのスピードって言った方が分かりやすいかな?

 

 

 

E「街は次第に白んでく 洗いざらしたみたいな色になる

  少しずつリンカクを取り戻していく

()足早に急ぐ早起きの人をみると なんかやましくなって

  隙間埋める(隙間埋める)ように妙に口数が増えた

 

()やりたいことなんて(やりたいことなんて) いつか見つかるよって

  焦ってないフリで言った(焦ってないフリで言った) 言葉に背中押された

 

2「僕らだって飛べるよって 手を伸ばした青すぎるあの空へと

W「届かなくてもいいさ 行くんだ

2「痛みなんて涙だってきっと僕らが生きる証だから

E「何度でも迷ったっていい 生きて行け()()()()()

 

 

 

・・・・・・さっきからずっと気になってる事があるから、千聖に聞いてみよう。

 

「ねぇ千聖。」

「何かしら?」

「さっきからさ、サビの最後が『生きて行け()()()()()』って聴こえるのは僕だけ?」

「残念ながら、私もそう聞こえているわ。」

「あたしもー!」

 

ってことは、この会場にいる人全員聞こえているのかな?

 

「全く、あの2人は・・・・・・。」

「え?」

「紫音ちゃん、何か知ってるの?」

「あの2人、そこの部分が歌いずらいって言ってて、終いには『生きて行けバインダーの方が歌いやすい』って言いだしたのよ・・・・・・。」

「えぇ・・・。」

 

あの2人、発想が・・・。

 

 

 

W「明日のことなんて うまくやれるよって口に出すだけで

E「何かが変わるなんて そんなはずないんだ

 

2「僕らだってやれるよって そう チューニングの合わないギターみたいに

E「調子はずれでいいさ 行くんだ

2「答えなんてどこにだって 何通りもきっとあるはずだから

W「それぞれに手探りでもいい 生きて行け()()()()()

2「手探りでもいい 生きて行け()()()()()

 

 

 

どうしよう、全部『生きて行けバインダー』って聴こえちゃう・・・・・・。

 

 その後、RASが派手に演奏して、結果発表となった。

 

「さぁ!結果が出たようね!・・・・・・Quartzer、何か言い残した事はあるかしら?」

「とりあえず、ここで死ぬイベントは起きない。」

「・・・・・・とにかく!結果は、こうだ!!」

 

CiRCLEのホームページを使って投票した結果、どちらも同じ投票数だった。

 

「なっ・・・!?」

「マジかよ・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・・。」

「チュチュ様しっかり!」

 

「・・・・・・ま、いっか。」

「そうっすね。」

「とりあえず、この後焼き肉行きませんか?」

 

RASは驚いているけど、あっちはこの後の事を話してるし・・・。

 

「くっ・・・、ちゃんと審査したんで──」

「この勝負!・・・・・・彼らの勝ちです。」

「っ!レイヤ、何を言ってるの!?」

「彼らは、自分の奏でたい音楽を奏でてる、どんな形であれ。私はそんな彼らに惹かれたから、彼らに1票入れるわ。」

 

そう言って、彼女は映司君の前に立った。

 

「次は負けません!」

「出来れば、対バン以外で一緒に演奏したいんだけど?」

 

そう言いつつも、レイヤが差し出した手を、映司君は握った。

 

 こうして、『RAS vs Quartzer』の対バンライブは終了した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




時系列上、六花はRASにいないので、出してません。

それとこの曲、最近久しぶりに聴いてハマったキンキの曲です。



あ、後どうでもいいことだけど、3月16日に新作出します。


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第97話 ふわふわ時間

来週のバンドリ3期、温泉だよ!あのさ友希那が──だったり、リサとレイヤが──してたり、おたえが──してるんだよ!・・・・・・まだなんも内容は言ってねぇぞ?







 

 

 今日も今日とて、1日フリーな日。だけど、今日は事務所に来ている。理由は・・・・・・、

 

「・・・・・・この部分、ウィズってどういう感じで歌ってる?」

 

曲のレコーディングに来ている。本来は今日じゃなかったけど、一昨日ウィズが『歌詞出来たー!』って言ったのがきっかけだった。

 そして、昨日からレコーディングに入っている。

 

「──って感じで歌ってるよ。」

「ふ~ん。・・・・・・もう一回いい?」

 

なかなか思い通りにいかずに、何度か取り直している。

 

「映司君、そろそろお昼だけどどうする?」

「・・・・・・もう一回歌ってからで。」

「はいね。行くよ?」

「お願いします。」

 

これが、普段のレコーディング。・・・・・・でも、普段と違うのが1つある。

 

「こうやってレコーディングしてるんだ~!」

「わたしたちは・・・・・・レコーディング、しないからね・・・・・・。」

「それにしても、映司って意外とストイックだよね~?」

「それだけ、音楽にかける想いが強いのよ。」

「確かに、()()()()()()に負けてないかも?」

「なぜこっちを見るんですか?」

 

そう、何故かRoseliaがいる・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ、休憩にしよっか?」

「そうですね。」

「・・・・・・あ、Roseliaのみんなはお昼ご飯持ってきてる?」

「え?・・・・・・あぁ!忘れました・・・。」

「実は、アタシも・・・。」

 

どうやら、皆午後からここに来る予定だったらしく、昼食を持ってきてないんだと。

 

「じゃあ仕方ない。映司君!」

 

なんで勢いよく言うのさ。

 

「Roseliaを食堂に連れていって。」ニヤニヤ

 

何を企んでるんだ?

 

「・・・・・・はぁ・・・。じゃ、行くよー。」

「はーい!」

 

ってな訳で、向かったのは事務所の食堂。

 

「私たち、ここに来ても大丈夫なんでしょうか?」

「まぁいいんじゃない?ここ、ちゃんとする時はちゃんとするけど、緩い時は酷いくらい緩いから。」

 

社長がそんなんだから、そうなったんだけどね。

 

「じゃあ、あこはこの定食にしよーっと!」

「じゃあ、アタシはこれ♪」

 

それぞれ食べたいものを頼んで、空いてる席に座った。

 

「そういえば、日菜から聞きましたけど・・・・・・RAISE A SUILENと対バンライブをしたんですか?」

「そうですよ。」

「そうなのね。・・・・・・何か言われたの?」

「うん?・・・・・・いや、特に何も。」

「え、そうなの?」

「うん。でも、基本ボーカルのレイヤ?レイ?と話してたんだけどね。」

「そうなのね・・・・・・。」

 

何かあったのか?・・・・・・そういや、あっちから『Roselia』のワードが出てたな。

 

「とりあえず、僕に被害がなければ勝手にしてくれ。」

「ホント、映司って勝手だよね~?」

「そうね。ONとOFFの差が激しいわね。」

「OFFの時の緩さは異常ですけど。」

「異常で結構ー。」(棒)

「感情が・・・・・・込もってませんよ・・・・・・?」

 

元から感情はない方でーす。

 

「・・・・・・そういえば、ここに来た理由は?」

「ウィズから『あの時の曲が出来たよ!』って言われて──」

「レコーディング風景を見せてくれるかしらって言ったらこうなったの。」

 

ほんと、ここは緩いな・・・・・・。

 

「でも、映司って音楽のこととなるとストイックだよね~。誰かさんたちみたいに?」

「だから、なぜ私たちを見るんですか?」

 

あんたたちがストイックだからだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




あれ?ウィズが名前しか出てない。・・・・・・まぁ、いいか。

タイトルは・・・・・・なんか、所々ふわふわしてるから。


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第98話 ONE DAY -reprise-

日付変わって引いたガチャ。
星4は、『コミュ力MAX』のリサ、モルフォニカのギター(名前がすぐに浮かばない)、つくし、今回のドリフェスの蘭でした。
そして、チケット使って百人一首の時の紗夜をゲット。・・・・・・これが有償分の結果。

無償で商店街メンバー大集合の時の沙綾が出た。







 

 

 あれから日にちは経ち、夏休みも終盤となった。今日は本当のフリーな日だから、今日はたまには散歩しようと思い、準備をしていた。

 

「映司、どこ行くの?」

「散歩。・・・・・・途中、さーくるに寄ろうかなって。」

「あ、じゃあアタシも行く!()()()を披露したいから、その準備もね。」

「はいね。」

 

・・・・・・散歩メンバーが1人増えて、出かけることとなった。

 

 

 

 

 

 そして、CiRCLEにやって来た。

 

「いや~、対バンした時以来だね~?」

「だね。」

 

「あれ?葛城先輩?」

 

「「うん?」」

「あ、唯兎君・・・・・・で、合ってるよね?」

「はい、合ってますよ。」

 

久しぶりに出たね、花園たえの恋人。

 

「葛城先輩・・・・・・って、どちらも『葛城』でしたね。」

「うん・・・。だから、名前でいいよ。」

「では・・・・・・映司先輩。先輩は、どうしてここに?」

「ちょっと、CiRCLEでまたライブをしたいから、その打ち合わせに。」

「そうなんですね。」

「そっちは?・・・・・・と言うか、そちらは?」

 

ちょっと後ろに下がっているけど、もう1人、唯兎君と同い年くらいの人がいた。

 

「は、はい!『深海(ふかみ)(たける)』です!」

「いや、緊張しなくていいよ・・・。」

「そうだよ尊。この人、無関心の無感情に見えるけど──」

 

おいこら。

 

「──凄く他人思いの優しい人だから。」

 

「うわ~、凄い言われたね~?」

「うるさい。」

「あ!こっちの用は、ここのカフェに昂汰が犬と猫と一緒にいるので、遊びに。」

「へぇ~、昂汰君って動物飼ってるんだ・・・。」

「映司、早く行こ!」キラキラ

 

勝手に行ってこい。

 

「え、それは無理。」

 

人の(ナレーション)を読むなー。

 

「だってアタシ、昂汰くんとちゃんと話したことないもん。」

「・・・・・・確かに。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ってことで、CiRCLEのカフェエリアに来た僕たち。

 

「お、唯兎~!尊~!・・・・・・って、葛城先輩!?」

「久しぶり。・・・・・・でも、今は『葛城』が2人もいるから、下の名前で呼んでくれる?」

「あ、はい・・・・・・。」

「カッワイイ~!ねぇ、触っていい!?」

「い、いいですよ・・・・・・。」

 

ウィズ、昂汰君が引いてるじゃん・・・・・・。

 

「映司さん?」

「うん?・・・・・・って、なんでAfterglowとRoseliaがいるのよ?」

「ライブの打ち合わせよ。」

「へぇ~。・・・・・・あ、今度ここでライブするから、君たち絶対来てね。じゃ。」

「え、ちょっと!?」

 

それだけ言って、僕は昂汰君の飼っている(パン)(ソラ)と遊んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読者の中で、『知らん奴でた~!』って思った方。アタシの作品の『花園に住む兎』と『フィルムに写るは綺麗な夕焼け』と『Bonnie Butterfly』を見てください!


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第99話 Topaz Love

今回、ちょっと長いよ~。







 

 

 今日は、映司君たちがライブをするCiRCLEにRoseliaの皆さんで来ています。

 

 

「おねーちゃーん!」

「日菜!?」

「あ!友希那さん!」

「戸山さんたちも。」

 

「うわ~、なんかバンドしてない僕たちが場違いみたいだね~?」

「俺、ここにいていいのかな~?」

「晴斗さんも昂汰も、呼ばれたんだから堂々としなよ。」

「ヒューヒュー、蘭カッコいい~!」

「モカ・・・!」

 

「ほら~、みんな足取りが遅いよ~?」

「こっちは筋トレし過ぎで筋肉痛なんだよ・・・。」

「こっちは寝不足・・・。」

「筋肉バカが・・・・・・。」

「あぁ!?なんか言ったか蒼空ぁ!?」

「うっさい。」

 

「なんで俺まで?」

「あ、おたえの彼氏だ!」

「おや、こんな所で会うなんて・・・・・・儚いね。」

「儚くないし、その呼び方は止めろ。」

 

 

どうやら、この前のドームライブに呼んだゲストと、『ENDRECHERI』さん、そしてご友人は呼んでいるようですね。

 

 

「氷川さん・・・・・・これって・・・・・・?」

「さぁ・・・。」

 

 

こっちが聞きたいですよ。

 

 とりあえずライブ会場に入ると、『Quartzer』のライブステージが既にセットされていました。私たち含め、お客さんで満員となっています。

 そして、会場全体が暗くなり・・・・・・。

 

 

 

(映司・ウィズ)思いきり抱き寄せられると心 あなたでよかったと歌うの

  X'masなんていらないくらい 日々が愛のかたまり

  明日の朝も愛し合うよね

 

 

 

突然のアカペラで、『愛のかたまり』を歌う2人。

 

 

 

E「心配性すぎなあなたは 電車に乗せるのを嫌がる

  まるでかよわい女の子みたいで なんだか嬉しいの

W「あなたと同じ香水を 街の中で感じるとね

  一瞬で体温蘇るから ついて行きたくなっちゃうの

 

()教えたいもの(教えたいもの) 見せたいもの(見せたいもの) たくさんありすぎるのよ(たくさんありすぎるのよ)

  言葉や仕草は(言葉や仕草は) あなただけの為にあるから(あなただけの為にあるから)

 

E「思いきり抱き寄せられると心 あなたでよかったと歌うの

()X'masなんていらないくらい(X'masなんていらないくらい) 日々が愛のかたまり

2「明日の朝も愛し合うよね

 

 

 

ここは、前回のドームライブと同じバージョンのようですね。1番はバラード風で、後半からは原曲風に。

 

 

 

E「どんなにケンカをしても 価値観のずれが生じても

  1秒で笑顔つくれる 武器がある あたしたちには

 

()変わっていく あなたの姿 どんな形よりも愛しい

  この冬も越えて(この冬も越えて) もっと素敵になってね(もっと素敵になってね)

 

2「あまりに愛が大きすぎると 失うことを思ってしまうの

  自分がもどかしい 今だけを見て生きていけばいいのにね

  ねえ 雪が落ちてきたよ

 

 

 

彼らの後ろには『NOASIS』の4人が各楽器を演奏していますが、メインの『Quartzer』は、この少し狭いステージで踊っています。

 

 

 

2「子供みたいにあまえる顔も 急に男らしくなる顔も

  あたしにはすべてが宝物 幾度となく見させて

 

  思いきり抱きしめられると心 あなたでよかったと歌うの

  X'masなんていらないくらい 日々が愛のかたまり

  最後の人に出逢えたよね

 

 

 

相変わらず、ONとOFFの切り替えが激しい人たちですね。こういう時は格好よく決めるんですから。

 そう思っている矢先に、次の曲が始まりました。

 

 

 

E「未来

  W「へと伸びている道標(ライン)の上を 犇(ひし)めき合った言葉と想いは 時代

E「が上げるスピードに カラダを捨てた 日づけを綴る… もらい

W「鳴きするよな 眩暈

E「起こしたよな 異例

W「な息吹の風と廻(まわ)る地球から

 

E「新しい 愛しているを 見上げて 探す

 

『哀…』

 

W「ぼくら色彩(いろ)をもつ

           E「いつか

W「命をもつKagiroi

        E「愛は

W「煌めき舞う闇の

       E「なくな

W「した揺れるKagiroi

         E「るかな

W「崩れ出す胸の

      E「いずれ

W「耳を塞ぐ手のひ

       E「ぼくら

W「らに流れた熱の

       E「消える

W「赤い脈の美を

      E「のかな

()知ってるのに… 忘れて(忘れて)Kagiroi…(Kagiroi…)

 

 

 

『陽炎 ~Kagiroi』は、元々『ENDRECHERI』の楽曲ですが、歌っている蒼空さんから『カバーしてほしい』と言われた曲です。

 

 そして、2番からは映司君がドラムとキーボードの間に立ち、踊っています。ウィズさんは前で歌うだけ・・・・・・。

 

 

 

W「加害

  E「者にされるキミ・ボクがいるから 街は今日も眠らない気でいる 世界

W「は次元を失くす旅へ巻き込む 戻れなくとも 狭い

E「はずの路地を飛来

W「する1秒に 未体

E「験な未知の入り口 築いてく

 

W「霧曝(きりざら)し 愛しているを 庇(かば)って 咽(むせ)ぶ…

 

『哀…』

 

E「ぼくら色彩(いろ)をもつ

           W「いつか

E「命をもつKagiroi

        W「愛は

E「鳴らないピアノから

         W「なくな

E「音色 結(ゆ)うKagiroi

           W「るから

E「崩れ出す胸の

      W「いずれ

E「耳を塞ぐ手のひ

       W「ぼくら

E「らに流れた熱の

       W「泣いて

E「赤い脈の美を

      W「るから

()知ってたのに… 忘れた(忘れた)Kagiroi…(Kagiroi…)

 

 

 

このCiRCLEでも、照明の当て方によってこんなに魅せれるライブになるんですね。サビの時に、映司君には普通の照明を、ウィズさんには青色の照明を当てて、それぞれが別の歌詞を歌っていることを目でも示しています。

 

 

 

()separate(separate) 外したぼくらは(外したぼくらは) 何時(いつ)へ行こうとしてるんだろう(何時(いつ)へ行こうとしてるんだろう)

  このparade(このparade) 続けるぼくらは(続けるぼくらは) なにに(なにに) 生まれ変わりたいんだろう…(生まれ変わりたいんだろう…)

 

『愛…』

 

W「ぼくら色彩(いろ)をもつ

           E「いつか

W「命をもつKagiroi

        E「愛は

W「煌めき舞う闇の

       E「なくな

W「した揺れるKagiroi

         E「るかな

W「崩れ出す胸の

      E「いずれ

W「耳を塞ぐ手のひ

       E「ぼくら

W「らに流れた熱の

       E「消える

W「赤い脈の美を

      E「のかな

()知ってるのに… 忘れて(忘れて)Kagiroi…(Kagiroi…)

 

 

 

3番ではウィズさんに普通の照明、映司君には赤い照明で照らされ、目でも音楽を楽しめるような世界を作り出していた。

 そして・・・・・・RAISE A SUILENとの対バンライブで披露した曲を演奏し始めました。

 

 

 

W「閉まったシャッターにもたれて 僕らはとりあえず始発を待った

  しゃがんだ足元の砂がざらついた

()とりとめない話に笑い飽きて ふと街を眺めてみたけど

  肝心なもの(肝心なもの)だけがいつもぼんやりして見えない

 

()明日のことなんて(明日のことなんて) うまくやれるよって口に出すだけで

  何かが変わるなんて(何かが変わるなんて) そんなはずないんだ

 

2「僕らだってやれるよって そう チューニングの合わないギターみたいに

E「調子はずれでいいさ 行くんだ

2「答えなんてどこにだって 何通りもきっとあるはずだから

W「それぞれに手探りでもいい 生きて行けばいいんだ

 

 

 

・・・・・・確かに、日菜の言う通り、『生きて行けバインダー』と聴こえますね・・・。

 

 

 

E「街は次第に白んでく 洗いざらしたみたいな色になる

  少しずつリンカクを取り戻していく

()足早に急ぐ早起きの人をみると なんかやましくなって

  隙間埋める(隙間埋める)ように妙に口数が増えた

 

()やりたいことなんて(やりたいことなんて) いつか見つかるよって

  焦ってないフリで言った(焦ってないフリで言った) 言葉に背中押された

 

2「僕らだって飛べるよって 手を伸ばした青すぎるあの空へと

W「届かなくてもいいさ 行くんだ

2「痛みなんて涙だってきっと僕らが生きる証だから

E「何度でも迷ったっていい 生きて行けばいいんだ

 

 

 

話によれば、前はアコースティックギターを弾きながら歌ったそうですが、今回は何も弾かずに歌っています。・・・・・・演出によるせいでしょうか?

 

 

 

W「明日のことなんて うまくやれるよって口に出すだけで

E「何かが変わるなんて そんなはずないんだ

 

2「僕らだってやれるよって そう チューニングの合わないギターみたいに

E「調子はずれでいいさ 行くんだ

2「答えなんてどこにだって 何通りもきっとあるはずだから

W「それぞれに手探りでもいい 生きて行けばいいんだ

2「手探りでもいい 生きて行けばいいんだ

 

 

 

曲が終わると、2人はマイクを構え、MCを始めました。

 

 

「こんにちは、Quartzerです。」

「どうも~。」

 

 

ウィズさんの挨拶が緩すぎる・・・。

 

 

「今回、このCiRCLEでライブなんですけど・・・・・・このライブハウスは、僕たちがこういうステージで初めてライブをした場所なんですよ。」

「そうなのよね。まぁ、ここのスタッフに半ば無理やり出させられたんだけど・・・・・・ね?」

 

 

それは、まりなさんに向けての『ね?』ですか?

 

 

「あの人そっぽ向いてるし・・・。」

「いかにも『わたし関係ないわ!』って感じの・・・・・・。」

「後でお仕置きをしなきゃいけないようね~?・・・・・・ね~???」

 

 

まりなさん、ご愁傷様です。

 

 

「まぁとりあえずね、今回のライブで、いくつか新曲を演奏します。」

「と言っても、あと2曲だけどね。」

 

 

またバラす・・・・・・。

 

 

「そう、その1曲はこの前のドームライブで歌ったあの『未完成の曲』なんですけど。」

「そうよ。あの曲が完成したのよ。」

「そうです。・・・・・・それと、いつ発売するか一切未定の曲をね、披露します。」

 

 

そう言って、ステージが暗くなり、ピアノの音が鳴り始めて・・・・・・あの時(ドームの時)のメロディーが流れました。

 

 

 

E「夜空 弾く 華の灯が 弧を描いてそっと黙る

W「聴こえなくなった続きへ 耳を澄ます寂しい世界

 

2「気づかれ始めて高鳴る胸

E「辿り着きそう…

       W「愛のひと…

2「どうか Oh 待っていて

 

2「Topaz Love…(突発ラブ)

  輝き暴れた宝石 恋の色彩(いろ)の宝石よ

  Topaz Love…(突発ラブ)

  あなた目掛けるネオンが綺麗

  泣き見惚(みほ)れてる… 大好きよ…

 

 

 

随分と歌詞が変わってますね。歌詞としては『Topaz Love…』と表記しているのに、発音は『突発ラブ』と聴こえますが・・・・・・気のせいではないはず。

 

 

 

()水の中(水の中) 潜ったような(潜ったような) 静寂へと難破したあたし(静寂へと難破したあたし)

2「どこまでも続く孤独の 青い色に赤らむ唇

 

2「探し求めてた物語りに

E「辿り着きそう…

       W「愛のひと…

2「そこで Oh 待っていて

 

2「Topaz Love…(突発ラブ)

  希望が滲んだ宝石 火の虹打つ宝石よ

  Topaz Love…(突発ラブ)

  誰か愛するネオンは綺麗

  泣き見惚(みほ)れてる… 大好きよ…

 

 

 

この歌詞・・・・・・話には聞いてますが、蒼空さんの難聴の事を綴ってます、よね?ウィズさんがよく蒼空さんの所に行って『他人の気持ちを理解する』結果が、この歌ということでしょうか?

 

 

 

2「Topaz Love…(突発ラブ)

  輝き暴れ宝石 恋の色彩(いろ)の宝石よ

  Topaz Love…(突発ラブ)

  あなた目掛けるネオンが綺麗

  泣き見惚(みほ)れては… サイレント…

 

E「誰を

 W「結ばれることを

E「好きに

 W「どこかで恐がり

E「なっても

 W「嘘ついて恋して

        ()いいの(いいの)

 

E「いちど

 W「廻り逢ったくせに

E「きりの

 W「結ばれず夢の

E「あなたを

 W「途中 覚めない

 

E「 好きで ()()()()

W「あなたが ()()()

 

 

 

清書書きした歌詞ともなれば、最後の掛け合いの歌詞も完成していてもおかしくありませんよね?・・・・・・この前、レコーディングで聞いた曲ですけど。

 映司君が前向きな恋の詞、ウィズさんが後ろ向きな恋の詞を歌う。真逆の詞でも、最後には合うとは・・・・・・彼ら、曲作りは独学でしたっけ?

 

 そして、『Topaz Love』が終わると、再びピアノ音が静かにに鳴り始めました。すぐさま、2人がバラバラにハミングをして・・・・・・、

 

 

 

W「この坂道の向こうに 朝焼けが待っているって

  さっきラジオで聴いたんだ たぶん昔の歌だろう

 

E「今日まで僕が手に入れたものを数える 犠牲にしたもの 奪ったものはいくつ

 

W「どこまで行けば僕は満たされるだろう 彷徨いながら あきらめ方も知らない

E「ただ かすかな光の気配が 歌声のように 僕を捉えて

2「離さないんだ

 

 

 

新曲『光の気配』だそうです。こちらは提供曲だそうで、バラード調の曲です。

 

 

 

E「まだ叶えてない夢 出会えてない人たちを

W「なりたかった自分を 思いがけない何かを 迎えに行こう もし間に合うなら

 

E「選ばなかった道はもう振り返らない

W「この先どこかで繋がるはずさ

 

E「飛び立った鳥がもう見えなくなってく 翼ひろげて 冷たい風に抱かれて

W「ただ かすかな光の気配を追いかけながら 僕も一緒に

2「連れ出していく

 

 

()橋をくぐりぬ() 境界を越えて(越えて)

  本能のまま(本能のまま) さあ飛んでいけ(さあ飛んでいけ)

 

W「どこまで行けば僕は満たされるだろう

E「問いかけながら 答えはないと知っている

2「ただ かすかな光の気配が

E「歌声のように

          W「あの鳥のように

2「僕を捉えて離さないんだ

 

 

 

2番から3番までの間が凄く短かったですが、何か考えさせられるような歌詞だと思いました。そして、最後に・・・・・・

 

 

 

2「飛んでいけ

 

 

 

静かに歌い終わると同時に曲が終わり・・・・・・ライブが終了しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最後の『光の気配』ですが、リアルでは声優の坂本真綾さんが作詞したんですよ。


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第100話 愛のかたまり

さらっと言います、本日最終回です。

では、どうぞ~。







 

 

 披露したかった『Topaz Love』を披露したライブから数日、僕たちは学校と仕事のありふれた生活を送っていた。・・・・・・特にこれといったイベントも起きていない。なぜなら、作者が『100話でこの作品を一度終わらせる』と言っていたからだ。

 

「これで、ハーメルン内でアタシたちのイチャイチャトークが更新されなくなるワケか~。」

「そうでもないかもしれないよ。」

「え?」

「作者、オリキャラの誕生日に誕生日回を投稿するくらいだから、多分また出るんじゃない?」

「・・・・・・そっか。」

「それに、最新作の『Bonnie Butterfly』に遊びに行けばいいんだし。」

「そっか!この前、そっちの主役出てきたから──」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※開幕早々メタ発言が多すぎました。

現在、葛城姉弟を説教中ですので、

しばらくお待ちください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・さて、これからどうする?」

「どうしよっか?・・・・・・でも、これまでと変わらない気がするけどね~?」

「そういえば、楓さんは?最近出番なかったけど。」

「そんなもん、作者がド忘れしてるからに決まってるでしょ?設定上、『校長の仕事が忙しい』って感じらし──」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※再びメタ発言が多くなったため、一度止めます。

現在、再びシバいているため、

しばらくお待ちください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ・・・。とりあえず、ウィズはこれからどうしたいの?」

「う~ん、妄想全開で言えば──」

「じゃあ止めて。」

「ちょい待てぇい!」

 

おぉ、ツッコミが関西寄りになってきたー。スタッフに関西の人がいるからね~。

 

「ゴホン!」

 

おいおい、女子がそんな咳払いをしないの。

 

「アタシはね~、映司と付き合って~、そのまま結婚して~──」

「それは無理だね。」

「やっぱり断る~!!」

 

いやだって、人のハンカチで鼻をかむ人と付き合うなんて嫌だよ。(第48話参照)

 

「だよね・・・。」

「ウィズ、原作なら無理だけど、創作物なら至るところに男はいるんだよ?その辺探して付き合えばいいじゃない・・・・・・。」

「でも、映司だって恋人が作れるの?」

「え?う~ん・・・・・・。」

「ほら~!」

 

でも、紗夜さんなら別のとこで恋人になったから可能性は・・・・・・怪しいな・・・。

 

「・・・・・・ま、アタシたちは独身で過ごすしかなさそうね~?」

「だね。・・・・・・ウィズ。」

「うん?」ジャーン

 

いつの間にギターを?・・・・・・まぁいいか。

 

「恋人になるか?」

「うん。・・・・・・うん!?」

「いや、僕たちどうせどれだけ頑張っても相手が多分出来ないし、ウィズとなら安心した生活送れるかな~って。」

「へ、へぇー。・・・・・・し、仕方ないな~!」ニヤニヤ

 

ニヤニヤするな。

 

「無表情でさらっと告白する映司に免じて、アタシが正式に付き合ってしんぜよう!」

「ははぁー。」(棒)

 

・・・・・・まぁ、ウィズとならきっと飽きない生活が送れそうだし、血も繋がってないから、きっとセーフでしょ?

 

「あ、でも周りには隠したい。」

「それは・・・・・・アタシも同じ・・・。」

 

 

 

 

 

これから、読者の知らない所で何が起きるのか?それは、僕たちも知らない。

 

 でも、これからの日々が、愛のかたまりのような素敵日々だと良いな・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回で(話数で言えば)100話になりましたので、区切りをつけるため、この作品に一度ピリオドを打つことにしました。
約半年間、読んでくださった読者の方々、本当にありがとうございました。

これからは、ガルパ3周年の日に出した『Bonnie Butterfly』をベースに活動していきます。・・・・・・あと、『Be the one』も。


改めて、半年間読んでくださりありがとうございました。


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番外編
シンデレラ・クリスマス


今回は、ちょっとした番外編として、51話の後のお話です。

ちょっと『聖なる夜』感を出して・・・・・・出せたかな?







 クリスマスライブを終えた後、僕たちはPoppin'Partyや他のバンドの人たちと一緒にクリスマスパーティーをしていた。

 

「ふぅ~、満足満足~♪」

「ずいぶん話して食べてたみたいだね?」

「クリスマスだよ?楽しまないと、ね?」

「・・・・・・僕がそこに入り込むのは、もう少し先かもね。」

「映司・・・・・・。」

 

そう、僕は部屋の端で静かにパーティーを楽しんでいた。・・・・・・いや、『眺めていた』が正しいかな・・・。

 途中、紗夜さんや友希那さんといった、静かな感じの人たちが順番でも作ったかのように1人ずつ話しかけてきた。

 

「・・・・・・映司、ちょっとおいで。」

「ウィズ?」

「いいから!」

「・・・・・・?」

 

僕は訳が分からず、ウィズにただついていくことにした。

 

 

 

 

 

 そして、来た場所は・・・・・・。

 

「ここ・・・?」

 

ごく普通の公園だった。

 

「うん。・・・・・・覚えてる、この場所?」

「・・・・・・うん、忘れるはずないよ。」

 

この公園は、ただの公園だけど・・・・・・僕たちからすれば、この街で生活するきっかけとなった場所だった。

 

「ここで野宿してる時に、錘さんに拾われたんだよね?」

「そう。そこから、孤児院に入って、今のアパートに住み始めて・・・・・・。」

「こうして今、ここにいる。」

 

多分、錘さんに拾われなかったら、さらに南へ歩いていたかもしれない。

 昨日、たまたまウィズのお父さんに会って、『君たちを、錘さんのところに誘導したかった。』と聞かされた。ウィズの心は傷付いたけど、彼にとっては、それで良かったようだ。

 

「・・・・・・ん?」

「映司?・・・・・・雪だ・・・。」

「そういや、拾われた時も、雪が降ってたっけ?」

「・・・・・・確か。」

 

覚えてないのかよ・・・・・・。

 

「でも、あんなに可愛かった幼い映司君が、今ではこんなに大人びてしまって・・・・・・お姉ちゃん嬉しい!」

「大人びて、可愛げのない弟で悪かったね。」

「いやいや!毎回惚れそうになるもの!ロングコートがよく似合う!」

「それは『褒めてる』に入るのか?」

 

僕はなんとなく、公園のベンチに座った。ウィズも、何も言わずに横に座った。

 

「・・・・・・今年のクリスマスは、楽しかったな・・・。」

「・・・・・・そうね。」

「来年は、どうなるのかな?」

「そんな事、誰にも分かりません!・・・・・・でも、今を真剣に生きていけば、きっと来年のクリスマスも楽しくなるって!」

「・・・・・・かもね。」

 

僕たちは、静かに空を見上げた。

 

「・・・・・・寒っ!」

「そうだね、そろそろ戻るか。」

「・・・・・・映司。」

「うん?」

 

立ち上がって、帰ろうとしたら・・・・・・座ったまま、『手を繋げ』と言わんばかりの行動を取るウィズ。

 

「今日のアタシ、()()なんですけど?」

「・・・・・・はぁ、そうでしたね。では、参りましょう、()()()()()。」

「ふふっ♪分かればよろしい♪」

 

仕方なく、手を繋いでCiRCLEに戻ることにした。

 

 

 

 

 




これ、端から見たらただのカップルだな。・・・・・・ま、いっか。ウィズの誕生日だしね。

・・・・・・正月もやりますよ。


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Alright!

正月スペシャルです。・・・・・・そんなにスペシャルじゃないけど。

まぁ、正月っぽいこと言うと、新年のドリフェスで燐子ゲットした。・・・・・・あ、あとイベントのあこも。

さて!内容は、53話のMC部分です。・・・・・・書きたくて書けなかったやつを書きました。







 3曲ほど歌った蒼空君たち。ステージが明るくなって、マイクを持ちながら現れた。

 

「改めまして皆さん、新年あけましておめでとうございます!」

\おめでとうございまーす!/

「1つ歳を取りました、葛城映司です。よろしくお願いします。」

\(拍手)/

 

その補足(?)はいるかい?

 

「皆さん、あけましておめでとうございます。」

\おめでとうございまーす!/

「新年、明けちゃいましたね。」

 

うん、明けたね。・・・・・・会場も微妙な笑いだよ。

 

「まぁ、2019年になっても・・・・・・いつも通りやります。葛城ウィズです、よろしくお願いしま~す。」

\(拍手)/

 

緩~い。

 

「2019年が、やってまいりました。」

「いや~、やって来たね~。やって来ないと思ってたんだけど・・・・・・。」

「・・・・・・なんでそう思ったの?」

「いや、なんか(ちまた)では『2019年が来る/来ない』とかで色々とね?」

「・・・・・・よく分からないけど、まぁいいや。」

 

いやいや、よくはない――事はないか。ほかっとこ。

 

「それはそうと!皆さん、お正月・・・・・・っていうか、今日の夕方まではいかが過ごされましたか?」

 

う~ん・・・・・・千聖と近くの神社で初詣に行って、のんびり家で過ごしてたな~。

 

「僕たちはね、あの・・・・・・初詣に、行きまして――」

「あ!アタシそれで1個言わないといけない事があるの!」

 

何かあったのかな?・・・・・・っていうか、そもそもこのステージで言う事?

 

「アナタ、財布忘れたでしょ!?」

\えー!?/

「・・・・・・うん、忘れた。」

「でしょ!?でね、その場でRoseliaの氷川紗夜さんと偶然会って、でね、お参りしたんですよ。それで、『アタシ・映司・紗夜さん』の並びでお参りの順番待ってました。そんなアタシの横で、()()()()()()()してたでしょ?」

「ハハハッ(笑)、・・・・・・よく見てるね~。」

「いやいや!アナタ、()()()()()()やりとりしてたからね!」

「うん、あの~・・・・・・紗夜さんに『5円玉』を借りてね、それでお参りした。」

「・・・・・・あのさ、今の言い方だと『貸してって言ったら、なんか5円玉貰ったからそれでお参りした』みたいな感じだけど?」

「あの、紗夜さんに『後で返すから、申し訳ないけどちょっと貸してくれない?』って言ったら、『お返しはいいですから5円玉どうぞ。』って言われたんだよ。」

「だから!それを言ってんの!」(笑)

 

これ、ちょいちょい笑い声が聞こえるけど・・・・・・この『可愛い兄妹喧嘩』を見せられてるお客さんはどういう心境なんだろう?

 

「まぁね、アタシたちもそれぞれお金を持ち始めてからはあまりお金を借りないように・・・・・・とは言ったけど。」

「言ったでしょ?」

「でもさ!・・・・・・まさかのアタシの反対側(紗夜さん)に頼む?」

「いや、近くにいたからさ――」

「いやいや!アタシも近くにいたよ!?」

 

このMC、いつまで続くの?

 

 

 

 

 




※このトーク後に53話のトークをしまして、さらにトークをして、合計で2時間以上喋りました。

さて・・・・・・これ、新年早々書く必要あったかな~?でも、ある意味映司君の生誕祭の回だしね。こんくらい良いっしょ!


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Daydream café(羽沢つぐみ生誕祭2020)

祝え!!羽沢つぐみの生誕の日を!!







 今日は何故か助っ人として働いている。

 

「映司さん、コーヒー2つお願いしまーす!」

「はーい。」

 

店内に響く看板娘(羽沢つぐみ)の声。

 そう、今日は半ば成り行きで羽沢珈琲店で1日限定のバイトスタッフとして働いている。他には、

 

「モカ、あっちのお客さんの分。」

「ほ~い、任せて~。」

「巴、持ってって~!」

「はいよー!」

 

Afterglowのメンバーも手伝っている。・・・・・・彼女たちはいつもここにいるようだから、やり方が分かるようだが?

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

ちょくちょく分からない事があって動きが止まるけど、

 

「映司さん、そこにお皿がありますよ。」

「え?・・・・・・あ、あった。ありがとう。」

「い、いえ!分からない事があったら、いつでも言ってくださいね!」

 

その度につぐみさんが教えてくれた。

 

 

 

 

 

 そもそも、何故僕がここで働いているのか。・・・・・・それは、年末にまで遡る。

 

「つぐみさんの誕生日?」

「そうなんですよ!」

「1月7日がつぐの誕生日なので、一緒に店の手伝いをして、その後お祝いしたいんです。」

 

ひまりさんと巴さんが事情を説明してくれるけど・・・・・・。

 

「・・・・・・それはいいけど、それをなんで僕に言うの?」

「そりゃあ映司さんにも手伝ってもらいたいからですよ!」

 

この姉御()さん、素直に言ったよ・・・・・・。

 

「でも、いつもメンバー内でやってるのに、僕が行って邪魔にならないか?」

「そこはアレですよ~。」

「あれ?」

「映司さんが歌ってくれれば~。」

「うん、それでいい。」

 

いやいや、よくないよ。

 

「その方がつぐ喜ぶと思いますよ~?」

「うん、ギターならあたしもやるから。」

「僕は歌う前提なんだね・・・?」

 

って感じで幼馴染に押されて、今ここにいる。

 

 

 

 

 

 何事も不安に思われることも(多分)なく、店は閉店時間となった。

 

「お疲れ様です、映司さん。」

「お疲れ様。・・・・・・よく働くね?」

「それは・・・・・・もう慣れちゃいました。ずっとこんな生活をしてきたからかな?」

「ずっと、ね・・・・・・。」

 

もしかしたら、僕も母親の言いつけで会社で働かされていたかもしれないな。・・・・・・多分、嫌々と。

 

「?・・・・・・どうかしましたか?」

「・・・・・・いや、なんでもないよ。それより、」

「うん?」

 

僕は荷物置き場からアコギを持ってきて、椅子に座り、奏で始める。

 

「Happy birthday to you~♪」

「え?・・・・・・え!?」

「Happy birthday to you~♪」

 

歌い始めると同時に、4人がケーキを持ってきた。

 

「Happy birthday dear つぐみ~♪

 Happy birthday to you~♪」

つぐみ(つぐ)、誕生日おめでとう!』

「え!?ありがとう~!」

 

嬉しすぎるのか泣いちゃったよ・・・。

 

「もしかして、映司さんが手伝いに来たのって・・・!?」

「そ!つぐの誕生日を祝ってもらうため!」

「ありがとうございます!」

「い、いえ・・・・・・。」

 

どうしよう、このムードについていけない・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「って、夢を見たの!」

「なんでウィズさんがそんな夢見るの?」

「蘭さんに同じく。なんで僕が手伝いに行ってるの?」

「分っかんな~い。でも、正夢になりそう。」

「・・・!?」ギクッ

「蘭さん?」

 

 

 

 

 




ってことで、正夢になりました。

誕生日回をここで出した理由は・・・・・・もう察して!ずっと見てくださってる方はなんとなく分かるでしょ?

それと、活動報告にこの作品のリクエストボックスを昨日用意しました。すると、もう送ってきた方がいんのよ。ありがたいわ~。
そもそも、『なんでリクエストボックスを用意したのか?』それは、次の金曜日に分かります。


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ビターショコラ

今回は、バレンタインっぽい特別回です。







 今日の学校は、ちょっとやかましいし、騒がしい。

 

「おはよう、映司君。」

「おはよう。・・・・・・今日って何かあるの?」

「今日はバレンタインデーだからじゃない?」

「あぁ・・・。面倒くさいな・・・・・・。」

「何か嫌な思い出でもあるのかい?」

「無いけど、うるさいのが面倒だなって。」

「うん、僕もその気持ちは分かるよ。」

 

バレンタインなんて、『今まで何人から貰いました?』って聞かれたら『ウィズ1人だけです。』しか答えれないほど、記憶が薄い日だ。

 

「晴斗は、山積みになるまで貰うのか?」

「いや、貰っても浩輔に渡すさ。あっちは義理すら無いから。」

「へぇ・・・。」

 

可哀想だな。

 

「映司君こそ、いっぱい貰えるんじゃない?」

「事務所の方針で、『食べ物をプレゼントとして送らないでください』って決まってるから、多分・・・・・・多くて3つかな?」

「誰なの、その3つは?」

「ウィズと吏佐と彩紗。」

「納得。」

 

そして、何事もなく1日を過ごし、その日の帰り道。NOASISの4人と一緒にウィズを迎えに行って、CiRCLEに行く事になっている。

 

「・・・・・・あ!映司さ~ん!」

「うん?」

「はい!ハッピーバレンタイン!」

「あ、あたしも。」

「あ、ありがとう・・・。」

 

予想的中。

 

「もうちょっと驚かないかな~?」

「残念ながら、予想していた人からだからね。」

「これであたしたちからのが無かったら、どうしてたんですか?」

「いや、どうもしないけど。」

「ですよね~。」

「それより、僕より一緒にいる2人(光一・剛)にあげなくていいのか?」

「僕たちなら既に貰ってます。」

「朝一に貰いましたよ!・・・・・・雑な感じで。」

 

予想出来るー。

 

 

 

 

 

 そして、ウィズと共にCiRCLEに着くと、よく会う5バンド25人が集まっていた。

 

「・・・・・・何これ?」

「さぁ・・・。」

「俺にも分かんないっす。」

 

女子全員がキャッキャしてんのよ。男共はカフェスペースの端でのんびりコーヒーを飲んでおります。

 

「・・・・・・男共はのんびりここにいますか。」

「「はーい。」」

「映司さん。」

「はい?」

「こ、これを・・・・・・。」

 

氷川(あね)さん、どういう事?

 

「ば、バレンタインなので・・・・・・。」

「どうも・・・。」

「では・・・!」

「映司さ~ん?」ニヤニヤ

 

光一、気持ち悪い。

 

「いや~、紗夜も頑張ったね~♪」

「リサさん、何故こっちに?」

「アタシも、はいバレンタイ~ン!」

「どうもー。」

「この後も頑張ってね~♪」

 

さすがギャル・・・。

 

 この後、各バンドから1つずつと、個人的に来たのが数個、15個ほど貰った・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 帰ってくるなり、カバンにいっぱい入っていたチョコを机の上に置いた。

 

「・・・・・・今年はモテモテだね~。」

「ほとんど義理だけどね。」

「ふーん・・・。」

 

どうしよう、ウィズの考えてることがなんとなく分かってしまった。

 

「ウィズ。」

「うん?・・・・・・何、その手は?」

「ブラコンのお姉さんからのバレンタインチョコはないのか?」

「・・・・・・そんなにチョコが欲しいの?」

 

拗ねんなよ・・・。

 

「今年は吏佐と彩紗から貰うのかな、とは思っていた。」

「・・・・・・・・・・・・。」

「だから、最初に食べるのは・・・・・・毎年弟のために凝った物を用意してくれる姉のから食べるって決めてたんだ。」

「・・・・・・ふーん~。しょーがないな~♪」

 

チョロい。

 そして、ウィズからチョコを貰って、それを食べる事にした。

 

「あんまり詳しくないけど、今回はどこのチョコ?」パクッ

「・・・・・・手作り。」///

「へぇ~。・・・・・・え!?手作りなの!?」

「ま、不味かった・・・?」

「いや、凄く美味しい!」

「ほ、ホントに・・・?無理しなくても・・・。」

「いやいや、手作りの方が渡す相手の味の好みとかが分かってるせいか、今までで一番美味しいチョコだよ。」

「・・・・・・!良かった~!」

 

それから、ウィズのチョコを完食して、みんなから貰ったチョコを一緒に食べた。

 

 

 

 

 




アタシもこんなイベント欲しーい!!

ってことで、今日はアニメイトで予約開始するバンドリの指輪を予約します!・・・・・・予約投稿してるから、きっと予約してるはず。


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雨のMelody(さよひな誕生日2020)

この前、最終回って言ってたのにね。・・・・・・出しちゃった☆テヘッ

ってことで、誕生日回でーす。







 

 

 今日は3月20日。・・・・・・氷川姉妹の誕生日なんだと。双子だから、誕生日が同じなのは察するけど、またなんで年度末なんだよ?

 

「それより映司。」

「何?」

「もう出番なの?」

「作者の頭の中では、『燐子小説で出すか、Take me to・・・で出すか』で、結構格闘したらしいよ?」

「へぇ~。・・・・・・ちなみに、どれくらい?」

「ざっと3分以内。」

「うわ~、ウルトラマンぐらいで決めたんだ~!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※今回も早速メタ発言を出しすぎました。

現在、作者のテンションを正常に戻してますので、

しばらくお待ちください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、CiRCLEでまとめて祝うから来いと?」

「だ、そうだ。」

「へぇー。アタシ、プレゼントとか一切用意してないよ?」

 

バカに同じく──じゃない、姉に同じく。・・・・・・『姉』って言うのもおかしいか、今は。

 

「・・・・・・あ、リサさんからだ。」

「何々~?」

 

顔が近いな・・・。ドキドキはしないけど。

 

「えっと・・・・・・『誕生日会は18時からだよ~☆』だって。」

「・・・・・・このタイミングでメールを寄越すって、エスパー?」

「じゃなかったら、こんな事しないだろ?」

「ですよね~。・・・・・・買いに行く?」

「・・・・・・行くか。」

 

葛城姉弟からのプレゼントってことで、昼前からプレゼント探しをし始めることとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おねーちゃん、早くー!」

「慌てないの。でも、なんでここに?」

 

あ!来たみたいだ。

 

「今日はあたしたちの誕生日だよ!

誕生日パーティーするために決まってるじゃん!」

 

・・・・・・もうバレてるから、解散する?

 あ、ドアが開いた。よし・・・!

 

「おっ邪魔しま~す♪」

 

『紗夜(さん)!日菜(さん・ちゃん)!お誕生日おめでとう!!』

 

僕たちはクラッカーを鳴らすと同時に、誕生日によく言うあの言葉でお祝いした。

 

「ありがとー!」

「ありがとうございます・・・!」

 

ちなみに、ここにはパスパレとRoselia、葛城姉弟だけだ。・・・・・・CiRCLEのスタジオを借りて。

 

「さぁさぁお2人さん、どうぞこちらへ~!」

「なんでしょう・・・・・・か?」

「おっきい~!」

「アタシがいつも頼むケーキ屋さんに頼んで、誕生日ケーキをご用意させていただきました~!」

「大きすぎませんか・・・?」

「あ、アタシもそう思ったんだよ?」

 

さらっとウィズはケーキを頼んでいたらしい。僕だけが知らなかったんだよ・・・・・・。

 

「それじゃあみんな、ロウソクに火を付けて~。」

「これ、何本あるのかしら?」

「えっとね、紗夜さんが18歳の日菜さんが18歳だから・・・・・・36本!」

「多すぎだよ~!」

「文句言わずに、火を付けるッスよ。」

 

なかなかシュールな状況。双子を置いて、他全員で蝋燭に火を付けるシーンは。

 

「ちょっと待って。これ、何?」

「え?何かしら?」

「えっと・・・・・・あっ、そういう事か!」ボスッ

「え!?ちょっと、ウィズさん!?」

 

普段あり得ない、ケーキから『ボスッ』って音がしたんだけど?

 

「ゴメンゴメン、このロウソクを含めて各18本だった。」

「凄い『双子』感漂う蝋燭だけど、凄い音したよ?」

「はい、じゃあ火を消して!」

 

そこそこ大きいケーキだから多分良いんだろうけど、36本も蝋燭立てると、煙が・・・。

 

「行くよ、おねーちゃん!」

「仕方ないわね・・・。」

「せーの!ふぅ~!」

    「ふぅ~!」

「おめでと~!」

「おめでとう・・・・・・ございます・・・・・・。」

「おめでとうございます、ヒナさん!!」

 

煙が・・・!

 

「すごい、なんかお香みたいに・・・・・・。」

「36本って多いね~。」

 

 

 

 

 

 この後、みんなでケーキを(頑張って)食べて、プレゼントも渡して、誕生日パーティーは終わった。・・・・・・まりなさんの顔が深刻そうだったのは、言うまでもないが、気にしない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




本編書いた時間は、30分くらいかな~?・・・・・・確か、30分だったはず。

ライブハウスのスタジオって、言ったことないけど飲食禁止だよね?


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After Story
After Story 1


なんかさ、頭に浮かんだんだよ。ましろの小説は、全然浮かばないんだけどね。







 

 

 

 

 

 最近知ったことが1つある。

 

ドン引きされるほどアイシテル!から 日々鮮明にキミのレプリカを飼育中 Uh』~♪

「いや~、まさかアタシの曲が食堂で流れるなんてね~♪」

「・・・・・・なぁウィズ。」

「うん?」

「いつCDなんか発売したんだよ?」

「え?・・・・・・この前。」

「いつだよ?」

「その辺にポスター貼ってあるから見てよ、そんくらい。」

「ってか、いつCD出す話が来てたんだよ?」

「えっとね、4月だったかな?」

 

まさかのウィズがさらっとソロでデビューしていた。しかも、QuartzerのCDデビューからほんの数日後に出したんだと。

 

「映司も出したら?」

「悪いけど、僕に持ち歌はないんだけど?」

「作ればいいじゃん!作詞も作曲も出来るんだし!」

「う~ん・・・・・・。」

 

だからといって、最近はそんなに書いてないんだよな・・・・・・。提供曲が最近多いし。

 

「・・・・・・映司って、午後はなんか予定あるの?」

「うん?・・・・・・確か、ギターのレッスンがあったような・・・?」

「そっか~。」

「・・・・・・そんなウィズは?」

「アタシ?どんちゃん(堂島浩平)と曲作ってくるの~。」

「どんちゃんって・・・・・・。」

 

あの人、僕たちより年上だよ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 レッスン場に向かって歩いていると、社長が声をかけてきた。

 

「お、You!」

「はい?」

「You、CDとか出さないの?」

「・・・・・・ソロとして色んな曲は作りたいとは思ってますよ。」

「なんでYou敬語なのよ!?」

「え?・・・・・・あ、すいません・・・。」

 

うちの社長、何故か僕たちに敬語を使わせようとしないんだよ・・・。

 

「Youは曲作ってliveしないの?」

「うん・・・・・・したいよ。」

「じゃあ、Youやっちゃいなよ!」

 

うわ、出た。

 

「1月末にlive出来るアリーナ用意しとくから!」

「はい。・・・・・・うん?」

「またね。」

「・・・え!?ちょっと!?」

 

マジか・・・・・・。年末年始にはQuartzerとしてのライブがあるのに、その合間を縫って曲を用意しろ、か・・・。

 社長の考えは素晴らしいけど、たまに『頭おかしいんじゃない?』ってこと言うんだよな・・・・・・。

 

「どうしよっかな~?」

「どうしたんすか、映司さん?」

「社長から『ソロライブを1月末にやれ』って言われた。」

「はい?」

「それはまた突拍子のないことを・・・・・・。」

 

剛よ、分かってくれるか・・・!

 

「それで、曲はどうするんですか?」

「カバーだけにするんすか?」

「いや、曲を作ろうと思ってる。」

「「お~!」」

「ただな、最近『自分以外の詞』に曲をつけることが楽しみなんだよね。・・・・・・ちょっと変わった路線の作詞が出来る人知ってる?」

「知らないっすよ。」

「残念ながら、僕も・・・・・・。」

「だよね~。・・・・・・あ、そうだ。」

 

1人候補が思いついたから、仕事終わりにCiRCLEに向かった。今日もそこに来ていると信じて。

 

「・・・・・・あ、いた。」

「あれ?映司さ~ん!」

「ホントだ、珍し~い!」

「ちょっと紗夜さんに頼みたいことがあって・・・・・・。」

「私に、ですか?」

「あ!それじゃあ・・・!」

 

はい、気付けば僕と紗夜さんが同じテーブルでコーヒー飲みながら会話する形になりました。

 

「では、ごゆっくり~♪」

 

あのギャル・・・!

 

「・・・・・・それで、私に何か用ですか?」

「あ、そうだ。・・・・・・紗夜さん、作詞しない?」

「はい?」

「実は・・・・・・」

 

僕は経緯を紗夜さんに話した。まだ公表出来ない内容だけど。

 

「事情は分かりました。ですが、私は作詞なんかしたことありませんよ。湊さんか今井さんに──」

「それは分かってる。・・・・・・なんとなく、でいいです。物は試しにやってみませんか?」

「・・・・・・わ、分かりました・・・。ですが、やり方は分からなくて・・・・・・。」

「とりあえず、前に作曲したのがあるので、それに詞をつけてください。時間はあるので、厳しければ途中で投げ出してくれて構いません。」

「・・・・・・いえ、ちゃんと書きます!あなたに納得される詞を書いてきます!」

 

あ、ヤッバ。変な火を付けちゃった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「出来ました・・・!」

「もう出来たんだ・・・・・・。」

「映司君がくれた3曲分です。」

「ありがとうございます。」

「ただ、ちょっと自信がないので・・・・・・こちらが保険の詞です。」

 

保険って・・・・・・。

 

「1曲は、日菜っぽく書いちゃいましたけど・・・・・・。」

「・・・・・・良いな、これ全部。」

「え・・・?」

「全部使いますね。」

「えぇ~!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




さて、どんな詞なんでしょうね~?

バンドリ絡みの事を全部調べたり、把握している人はなんとなくイメージ出来るかと・・・。


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After Story 2

どうしよう、誰かさんみたいに終わった作品の方しか内容が浮かんでない・・・・・・。別にdisってる訳じゃないっすよ。

さて、今回は2&3期のサントラに入ってる3期の12話の内容から閃いてしまった内容で~す。なので、さらっとちょっとネタバレがございます。そういうのが嫌な方はとっとと去れ!・・・・・・言葉悪くてすんませ~ん。







 

 

 

 

 

「やっほ~、久しぶり~。」

「あ、ウィズさんだー!」

「久しぶりって、少し前に会ってるでしょ?」

「あはは~、そうだっけ?まぁいいじゃん!」

 

 

なんか、気分的にCiRCLEに行きたくなってきたけど・・・・・・Roseliaが練習してるって聞いてスタジオ入っちゃった♪

 

 

「何やってんの~?」

「新曲の・・・・・・練習です・・・・・・。」

「新曲?」

「えぇ。紗夜が作った曲を、ね?」

「え、えぇ・・・・・・。」///

「へぇ~。・・・・・・うん?紗夜さんが!?」

「そうなんだよ~!ビックリでしょ?」

 

 

ビックリよ~!・・・・・・『私には、ギターしかないの!』って感じの人がね・・・。

 

 

「失礼なことを考えてますよね?」

「ウウン、ベツニ。・・・・・・で、どんな曲?」

「『BanG Dream!』の決勝で歌うんだけど、だいぶ変わっちゃったんだよね~。」

「あの歌詞は、ウィズさんに見せなくても──」

「これのこと?」

「大じょ──って、ちょっと!?」

「見して~!」

 

 

・・・・・・なんか、良い歌詞じゃん。って、

 

 

「『39』?・・・・・・あ、『サンキュー(39)』って意味?」

「違いますよ。39度の熱が出た時に書いた曲なので・・・・・・。」

「ふ~ん。・・・・・・この歌詞の雰囲気、使っていい?」

「雰囲気、ですか?」

「うん、『ありがとう』って感じの歌詞とこのタイトルを。あ、メロディーはアタシ独自にするから。」

「それなら・・・・・・一応。」

「構わないわ。」

「39~。」

「バカにしてます?」

「シテナイヨー。」

 

 

さて、紗夜さんの許可も得たから・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「書けたよ~。」

「えぇ!?」

「早くない!?」

「早い・・・・・・ですよね・・・・・・?」

 

 

いや、なんか書けちゃったのよ~。

 

 

「・・・・・・ねぇ、息抜きに弾いてみない?」

「え?今からですか?」

「楽しそうね。・・・・・・紗夜、あなたも参加してみたらどうかしら?」

「えぇ・・・。」

 

 

なんて言いながら、さらっと曲のギターパートを覚える紗夜さん。・・・・・・マジメだよね~。

 

 

「じゃあ友希那、ラフな感じで聞いてね。」

「えぇ。」

「それじゃあ行くよ・・・・・・『SUNQ(サンキュー)』。」

 

 

雑だけど、許してね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ものの数分で完成したウィズさんの歌。私以外のRoseliaメンバーがその歌を演奏し始める。

 

 

サンキュー アナタの気持ちに…

 

 

ファンクミュージックだからか、随分とラフな感じの曲ね。ウィズさんのその一言から演奏が始まるなんて、私たちの歌とは随分違うのが嫌というほど理解できるわ。

 

 

サンキュー 39(サンキュー) SUNQ(サンキュー) アナタの気持ちに

 サンキュー 39 SUNQ 感謝の気持ちを

 

 

彼女のファンクミュージックの歌詞、言葉が少ないのが特徴的ね・・・。

 

 

周りを見ずに 誰にも聞かずに 誰にも知れず ひとりで奏でる

 周りは見れず 誰もが聞けずに 誰もが知らぬ ひとりの叫びを

 

 サンキュー 39 SUNQ アナタの優しさに

 サンキュー 39 SUNQ アナタの想いやりに

 

 

えっと・・・・・・どこにBメロがあったのかしら?私にはAメロからサビに入ったように聞こえるのだけれど?

 

 

失ってからキヅク アナタの気持ちに

 失ってからキヅク ミンナの気持ちに

 アナタのココロに………

 ミンナのココロに……

 アタシのココロを… 想い届けよう…

 

 

・・・・・・この前の紗夜のことかしら?1人でずっとギターの技術を無理をしてでも上げていて、そんな紗夜に気付けなかった私たち。そして、そんな紗夜に気持ちを伝えなかった私。そんなすれ違いから紗夜は倒れてしまった。

 私は、紗夜が倒れたことでその失敗を思い知らされた。

 紗夜は熱を出して、私たちや応援してくれる人たちの気持ちを知ったはず。

 そんな気持ちを、彼女は歌詞にしたのかしら・・・・・・?

 

 

サンキュー Your HEART

 39 Your HEART

 SUNQ Your HEART

 想い届けよう…

 

 サンキュー 39 SUNQ アナタの優しさに

 サンキュー 39 SUNQ アナタの想いやりに

 サンキュー 39 SUNQ アナタの気持ちに

 サンキュー 39 SUNQ 感謝の気持ちを

 

 

・・・・・・同じ歌詞の繰り返しだけど、全く同じという訳ではないのね。少し、楽しく思えるわね。

 

 

「・・・・・・ふぅ、おしまい。」

「楽しかったよ~♪みんなは?」

「あこも楽しかった~!」

「わたしも・・・・・・。」

「・・・・・・えぇ。私も、ちょっとした息抜きが出来ました。」

「なら、アタシもさらっと書いたかいがあったわ~。」

 

 

これなら、異様に緊張することはなさそうね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




・・・・・・え~、今回の歌詞は、現実に存在しません。アタシが勝手に考えたオリジナルの歌詞です。書き始めて10分くらいで書いた駄作です。メロディーとしては、堂〇剛さんみたいなファンクミュージックをイメージしてます。最近ので言えば、『KANZAI BOYA』を調べてくだせぇ。


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After Story 3

 
 
 久しぶりの投稿だね。おっひさ~。

 なんでこれを更新したのか?・・・・・・それは、前々からやりたい事があったのよ。もちろん、今回は歌詞を書いてます。しかも英語ばっかで長い、フルバージョン。ただね、読みにくいかもしんないから、スマホで読んでるYouたちは歌詞のとこだけ横向きにした方がいいかもよ?

 んじゃ、本編どーぞ。







 

 

 

 

 

 年末年始のQuartzerのライブも終え、僕は本格的にソロライブのレッスンに取り組むことになった。

 

 

「おはようございます・・・。」

 

「おはようございます。・・・・・・また随分と眠そうですね?」

 

「その通り~。」

 

 

この場には、スタッフさんたちの他にNOASISの4人と女性バックダンサーが8人、そして、バンドメンバーとして紗夜さん、リサさん、パレオさん、ますきさん、チュチュさんの5人で編成した。・・・・・・僕が頼んだんだけどね。

 

 

「今日は何からするんだっけ?」

 

「えっと・・・・・・なんだっけ?」

 

「映司さん!?」

 

「Why!?なんで覚えてないの!?」

 

「確か、『Naughty Girl』だったよな?」

 

「はい。今日はそれを最初に演奏するんですよ。」

 

 

あ~!そうだ、それを最初にフルでやるんだった。

 

 

「皆さん大丈夫ですか~?行きますよ~!」

 

『はい。(は~い!)』

 

 

それでは、スタッフさんに視点を変えて、どうぞ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ギター音のみから始まるこの曲は、別のアーティストの曲をカバーしたものだ。そして、

 

 

「She's naughty naughty Uh...」♪

 

 

すぐに映司君が歌う。本来は5人で歌いながら踊る曲だが、踊ってる中で歌えるのは映司君1人。だから、

 

 

「Sh(チュチュ)e's naughty,naughty」♪

 

 

メイン以外はチュチュさんや他のバンドメンバーが歌うことになった。みんな、コーラスとか出来るからね。

 

 

「Why you gonna do this? 勝手だよ Baby I want you to stay

 気まぐれMy girl こっち向いて からかわないで!

 きっとWeekendにはまた“I miss you” アマノジャク極み Tonight

 愛のワナ 迷宮 解ってるのに 去れそうにないんだ」♪

 

 

ここからは映司君が端に行き、NOASISの4人が順番に踊っていく。

 

 

「You playing game いつも
「You(紗夜・リサ)'re pretty bad,lady」♪

 試してる I know
「You're(パレオ・チュチュ) pretty bad,lady」♪

 好きになるほどに キミは You break my heart

 でも Just can't get enough No I just can't get enough!」♪

 

「She's so naughty,naughty,naughty,naughty girl

 なんで?! わからない… 気になってキリない!

 She's so naughty,naughty,naughty,naughty girl

 抱き寄せてもね すり抜けていくね」♪
(紗夜)She's naughty,naughty」♪

 

 

サビの振りでは、服を捲り上げてお腹をチラ見せしたり、ちょっと子供には見せにくいような振り付けが入っている。原曲通りの振り付けをしているから。

 

 

「幸せにしたいだけなのに どうして?
(リサ)She's naughty,naughty」

 不安なら 脱がせてあげるから」♪
「S(パレオ)he's so naughty」♪

 

 

サビが終わると、すぐさま2番に入る。しかも、ラップのパートだ。

 

 

「She said“キミはWon't understand No doubt”

 Give me Give meばっかで I'm fed up!

 What to do? 気持ちがCrazy chasing かなり無理的さ

 未体験なEmotions 錯乱する思想

 Don't know how to let go 愛しさ Overdose

 It's kind stupid 挑戦 I'm so sure baby,I want you bad」♪
(リサ)I want you bad」♪

 

 

ここからのBメロの振り付けは、映司君が端に行って、NOASISの4人が四角になるように立って順番に踊っていくスタイルだ。

 

 

「No lies もう充分
「You're(パレオ・チュチュ) pretty bad,lady」♪

 本心 Give me more」♪
「You(紗夜・リサ)'re pretty bad,lady」♪

 翻弄されていくほどに You're always in my heart

 気づいてしまったよ Yeah I just can't get enough!」♪

 

 

ここで再びサビに入る。ちょっと息切れしてきている気がする・・・・・・映司君が。さすがに踊りながらラップはね~?

 

 

「She's so naughty,naughty,naughty girl
「S(パレオ)he's so naughty girl」♪

 言葉で言うより 現実はBittersweet

 Cuz you're naughty,naughty,naughty,naughty girl
「Sh(チュチュ)e's so naughty girl」♪

 近づきたいのに 会えないIrony
(紗夜)She's naughty,naughty」♪

 幸せにしたいだけなのに どうして?
「Sh(チュチュ)e's naughty,naughty」♪

 不安も 脱がせてあげるのに
(紗夜)She's naughty,naughty」♪

 握れそうで握れないね 恋のリード
(リサ)She's nauhgty,naughty」♪

 キミの理想 越えてみせるから」♪
「S(パレオ)he's so naughty」♪

 

 

ここで2番のサビがようやく終わりを迎えた。だが、3秒ほどすると今度はDメロが始まる。間奏部分はほぼ無い。・・・・・・それどころか、歌ってない部分がほぼ無いのが、この曲の特徴だ。そして、踊りがハード・・・。

 

 

「すれちがって イラだってもそう

 許しちゃう 不思議なLove

 覗いてみたい 奥深いYour mind

 もう戻れそうにない Oh yeah...Come on!」♪

 

 

ここからはもうラスサビ、最後の山場だ。最初の2行分は踊らないけど。

 

 

「She's so naughty,naughty,naughty,naughty girl

 なんで?! わからない… 気になってキリない!

 She's so naughty,naughty,naughty,naughty girl
「Sh(チュチュ)e's so naughty girl baby」♪

 抱き寄せてもね すり抜けていくね
(紗夜)She's so naughty,naughty」♪

 幸せにしたいだけなのに どうして?
「S(パレオ)he's so naughty,naughty」♪

 不安も 脱がせてあげるのに
(リサ)She's so naughty,naughty」♪

 握れそうで握れないね 恋のリード
(紗夜)She's so naughty,naughty」♪

 君の理想 越えてみせたいんだ She's so naughty yeah」♪

 

 

ここで曲が終わり、アウトロはない。そして、肩で息をする映司君とNOASISの4人。お疲れ様。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 思ったより、疲れた・・・!こんなにしんどかったっけ?振り付けを教わってる時はそうでもなかったけど・・・?

 

 

「映司くん、どうする?このまま次の『海色』やる?」

 

「いや・・・・・・ちょっと、休憩・・・・・・。」

 

「は~い。ちょっと休憩入りま~す!」

 

 

そのまま言うなよ。

 

 その後、『海色』とかダンスナンバーにした曲を通しでやったけど、しんどかった・・・。だが、問題が1つ。

 

 

「お疲れ様~。」

 

『お疲れ様です。』

 

「Youたちカレーうどん食べる?」

 

「社長、熱いのはいらん!」

 

 

踊りすぎて冷たいものを欲してる僕たちに向かってカレーうどんを差し出してくる社長がいた・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 
 
 はい、今日はここまで!まさかのね、本編が3000字越え。しゃーないよな?だって、歌詞の半分以上が英語だもん。

 ちなみに、今回書いた曲は『King&Prince』の『Naughty Girl』という曲です。・・・・・・このアーティストのこの曲は好きなのよ。

 んじゃ、またいつか~。


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