紅茶提督で宇宙戦艦の世界に転生したのですが… (名無之助)
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紅茶提督で宇宙戦艦の世界に転生したのですが…

紅茶提督に転生したと思ったらガンダムじゃなく宇宙戦艦の世界だった。

 

自分でもよく分からないこの状況…ただ…よく分からない状況だったかま、それでも、宇宙戦艦の世界がガンダム世界以上にヤバいのは分かっていたので、色々やってみた。

 

おっと…まず私の自己紹介をしなければならないな。

 

私は前世では宇宙戦艦とガンダムをこよなく愛した社畜だ。

 

社畜やってたから死んだ訳だが…そして西暦2199年1月現在…

 

 

地球連邦防衛宇宙軍 欧州管区宇宙艦隊司令 グリーン・ワイアット少将として私は生きている。

 

 

しかも…メ号作戦に駆り出されている。

 

沖田よ、なぜ私の艦隊を連合艦隊に組み込んだ!?

 

いや、わかっている。

 

動かせる艦隊を総動員しての総反攻作戦…と見せかけての陽動だと言う事は…そして、私が欧州管区宇宙艦隊の総指揮官として沖田の地球連合艦隊に参加させられているのも私に原因がある事もわかっている。

 

ガミラス艦隊に対し、第一次火星沖海戦では潰乱し、蹂躙されていく味方の艦隊を何とか纏め上げ、包囲されつつある状況から辛うじて撤退を成功させたり、第二次では沖田提督の艦隊と一緒に戦って……敵艦隊に対してある程度の打撃を与えたり、遊星爆弾をサーチアンドデストロイしたりしてたけども……。

 

マゼラン級とサラミス級が出来て良かったですはい。

 

じゃなかったら原作みたいに簡単に蹂躙されて終わるところだったわ…。

 

いやー私頑張った。(真田さんが頑張った)

 

私の説明でミノフスキー粒子とかその他諸々何とかした真田さんすげーわ。

 

おっと…そろそろ作戦空域に着くな…

 

この世界に転生して50年近くたちやっと原作開始に辿り着いたのだが…実感は薄い。

 

その理由は解る。

 

既にこの世界こそが私にとっての現実であり、かつて…前世では捨てられなかったものを捨て父となれたこの世界こそが今、私の守らねば成らぬ世界だからだろう。

 

さて、原作をぶっ壊そうか…

 

 

西暦2199年1月

 

メ号作戦発動

 

作戦投入戦力(連合艦隊構成

 

極東管区宇宙艦隊 司令 沖田 十三中将 (作戦総指揮官)

 

金剛型宇宙戦艦 霧島

 

マゼラン級宇宙戦艦 三笠 敷島

 

村雨型巡洋艦 8

 

磯風型駆逐艦 12

 

欧州管区宇宙艦隊 司令 グリーン・ワイアット少将(作戦次席指揮官)

 

改マゼラン級宇宙戦艦 キング・ジョージ5世

 

マゼラン級宇宙戦艦 レナウン レバレス

 

サラミス級巡洋艦 サラミス

 

磯風型駆逐艦 6

 

北米管区宇宙艦隊 司令(臨時) ブライト・ノア 大佐

 

改マゼラン級 ワシントン

 

サラミス級巡洋艦 ウィチタ

 

村雨型巡洋艦 ハワイ

 

磯風型駆逐艦 7

 

 

冥王星宙域にて、合計43隻の地球聯合艦隊と、ガミラス帝国銀河方面軍太陽系制圧艦隊との戦いの火蓋が切って落とされた。

 

 

「敵艦隊確認…超弩級宇宙戦艦1、戦艦7、巡洋艦22、駆逐艦 多数 高速で接近中」

 

「作戦総旗艦より入電、全艦隊戦闘準備のうえ作戦行動に入れとの事」

「ふむ…時間にぴったりだな…やはり、紳士は時間に正確でなくてはな……全艦戦闘準備、極東艦隊が戦闘開始と同時に敵艦隊へ仕掛ける!北米艦隊の動きに注意し、行動せよ!」

 

かくして冥王星海戦と呼ばれる戦いが始まる。

 

 

「司令!極東艦隊の損耗率80%を超えます!我が艦隊も既に半数が壊滅!北米艦隊にも被害甚大!」

 

「北米艦隊と極東艦隊の支援に入る!全艦敵艦隊に向かって突入せよ!」

 

「司令!?」

 

「これも紳士の嗜みだよ、奴らは既に勝った気でいるだろう…この期に奴らの出鼻を挫き、撤退する。敵が勝った気になったその時が一番良いタイミングなのだよ」

 

その言葉通り、ワイアット率いる欧州管区宇宙艦隊の突撃により、既に勝利を確信していたガミラス艦隊は狼狽し、同士討ちなども頻発し被害を増加させた。

 

さらに、その激戦の最中に太陽系内に侵入してきた未確認物体を北米艦隊が予定通り(・・・)回収し、地球聯合艦隊は欧州艦隊がしんがりを務め、欧州艦隊は散々にガミラス艦隊を引っ掻き回して撤退に成功……途中で北米艦隊が失敗した時のために火星に待機していた要員を回収し、地球へと帰還した。

 

 

この時のガミラス艦隊は約3分の1の戦力を喪失していたのだが、その損害を与えた本人に自覚が無い。

 

 

そしてこの時点で、太陽系にいるガミラス軍は、ワイアット(名前までは知らないが)の抹殺をより真剣に考えるようになっていた。

 

本人は知らない方が幸せであろう…。

 

 

地球聯合艦隊 残存艦艇

 

極東管区宇宙艦隊

 

旗艦 霧島

 

駆逐艦 雪風

 

 

欧州管区宇宙艦隊

 

旗艦 キング・ジョージ5世

 

マゼラン級戦艦 レナウン

 

駆逐艦 レーベレヒト・マース 、マックス・シュルツ

 

北米管区宇宙艦隊

 

旗艦 ワシントン

 

駆逐艦 ジョンポール・ジョーンズ、シャイロー

 

 

 

そして、その後、ワイアットは、宇宙戦艦ヤマトが飛び立ち、冥王星基地を壊滅させ、イスカンダルへ向かい、さらに帰還するまでの間…やけくそになった残存ガミラス艦隊との死闘を演じる羽目になるのだが……彼はそれでも紅茶があれば大丈夫だろうと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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ヤマト出港後の話、紅茶欠乏につき魔神降臨

宇宙戦艦ヤマトが無事に飛び立ったとの報告を副官から聞いた私は、やっとか…という思いに駆られていた。

 

そして、ヤマト出港後にやるつもりでたてていた計画を実行に移すべく行動に出た。

 

いや、出るつもりだった。

 

いざ計画を実行しようととある場所へ電話(盗聴対策済み)しようとして、受話器に手を伸ばすが、副官が続けた次の言葉にその手は硬直した。

 

「か、閣下…もう一つ報告が…閣下の紅茶の茶葉の在庫があと数ヶ月分を切り、閣下の自家栽培の茶葉も…その…浄水器の故障が原因で全滅しました」

 

目の前が真っ暗になったような気がした。

 

世界一メシの不味い欧州管区イギリス州において、その世界一不味いメシがガミラスの侵攻を受けてから更に不味くなって来ているのに、そこに来て唯一の私の救いであった紅茶が欠乏する?

 

 

 

そんな…許せんなそれは

 

 

私から家族を除き唯一の救いであった紅茶を奪うなど…その原因たる戦争の原因を作った愚か者共(軍上層部)…そして……イズモ計画派なる大いなる能無し共に、紳士的にとても満足してもらえる贈り物をしなければならないな?(ガタガタ震えて膝を抱えて涙を流しながら白眼を剥く位に喜ぶだろう)

 

 

そして私は気を取り直して受話器を取る。副官には退室を促し、既に此処には居ない…何故か退室する時に真っ青を通り越して灰色な顔色になって居たが…どうしたのだろうね、大丈夫か聞いたら裏返った声で大丈夫だと言ってそそくさと行ってしまったが…。

 

まあ、それは置いていて、さて、電話が繋がったようだ。

 

「…私だ……ああ、それについては計画を少し変えてくれ、何人かは見逃す手筈だったが、根こそぎで構わん…地位などに構わずに全員を社会的に再起不能まで破滅させて構わん……混乱?藤堂が何とかするだろうから大丈夫だ。念のため無関係な連中やその家族は退避させておけ……連中に関しては……紳士的に対応してくれ…紳士は何事にも拘るのだよ……連中も泣いて喜ぶだろう」

 

 

 

その数日後、地球防衛軍にとって最大のタブーとされていた情報が証拠付きで暴露された挙句に、地球脱出計画(イズモ計画)なるものがあった事や、それに関わる一部上層部の汚職や、汚職どころかそれ以上のやらかしまでマスコミやネット情報媒体などにリークされ、数百人規模の佐官以上の階級の軍人が破滅した。

 

極東管区の芹沢とか言う参謀に関しては、色々汚い事をやっていたようだし、イズモ計画派の筆頭であった事、戦争の直接の原因を作った張本人だと暴露された事もあったためか、まあ、私が親切心で一番過激な善良なる市民団体に芹沢のその日の行動予定を教えてあげたからか……

 

芹沢とか言う参謀は、真っ赤な段ボールになって見つかったらしい。

 

 

正直、やりすぎたかも知れんが…だって仕方ないじゃないか…私から紅茶を奪うような原因を作る方が悪いのだから

 

 

 

この日、地球のイズモ派は政治的な影響力を喪失し、イズモ派の指導者達は、政治的に、そして物理的にも破滅した。

 

私はちょっとした後悔と、そこまですると思ってたけど、実際見たら市民の恐ろしさに恐怖した。

 

 

この時、私は多分民主主義とは、国の指導者の市民への恐怖から生まれたのではないかなと思った。

 

……民主主義は実に紳士的だ。

 

 

ワイアットは遠い目をしながらそう呟いた。

 

多分、欧州管区の食料生産プラントが何故か英国面に堕ちている事も原因かも知れない。

 

欧州管区のメシマズは、食料プラントのせいで更に悪化していた…。

 

極東管区は食料プラントもメシウマだった。




紳士って何だっけ?


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ガミラス戦役時における地球連邦防衛宇宙軍艦艇大全集

宇宙戦艦

金剛型宇宙戦艦 前期型

 

全長 ・205m

 

兵装 ・36cm艦首陽電子衝撃砲・36㎝三連装高圧増幅光線砲4基・VLSミサイル発射管16門・艦首魚雷発射管8基・機銃多数

 

主機・核融合推進式機関×1

 

解説

 

西暦2160年代後半に第一次地球連邦防衛力整備計画に基づき極東管区にて計画、設計され、地球連邦防衛宇宙軍に正式に主力戦闘艦として採用された。

 

西暦2171年に一番艦金剛が進宙、同年中に就役している。

 

なお、前期型と後期型に分けられ、後に前期型も全て改修され後期型に統一された。

 

ーーー

 

金剛型宇宙戦艦 後期型

 

全長 205m

 

武装 ・36㎝艦首陽電子衝撃砲・36㎝三連装メガ粒子砲4基・VLSミサイル発射管16門・艦首魚雷発射管6基・機銃多数・艦首対エネルギー弾撹乱膜散布装置(ガ軍エネルギー弾に対し、若干の効果を発揮)

 

主機 ミノフスキー複合核融合推進機関

 

解説

金剛型に極東管区と欧州管区の開発部が共同で研究していた新型機関を搭載したタイプで、後期型と呼ばれる。

 

後に前期型も改装を受け全ての金剛型が後期型に統一された。

 

また、この機関に必要不可欠なミノフスキー粒子の名称はこれを発見した欧州管区技術部のトレノフ・Y・ミノフスキー博士(技術部少将)の名前から取っている。

 

更に、このミノフスキー粒子を核融合炉を組み合わせ、艦船の機関として実用化させた極東管区技術部の真田博士(技術部大佐)の功績もあり、この新型機関はミノフスキー真田機関と呼ぶ者もいる。

 

前期、後期型を含め代表的なのは、本型のネームシップである金剛、そして、かの宇宙戦艦ヤマトの艦長を勤め、地球を救った英雄沖田十三元帥が座乗し艦隊指揮を執った武勲艦霧島、そして、その沖田元帥と双璧を成す名将、守護神との異名を持つグリーン・ワイアット中将(開戦時少将)がガミラス戦役初頭まで座乗し、始めてガミラス軍艦艇の撃沈に成功した艦として有名な幸運艦 ロドニー であり、ロドニーはメ号の作戦時はドックにて修理中であり、その後もボロボロになっても必ず帰還するその姿は前線の将兵に勇気を与え続けたと言われ、現在は戦艦霧島と共に記念艦として余生を送っている。

 

ーーー

 

マゼラン級宇宙戦艦

 

全長 327m

 

全幅 94.5m

 

全高 72m

 

武装・40cm連装メガ粒子砲2基・36cm連装メガ粒子副砲5基・12.7cm連装防空砲2基・7.6cm連装防空砲12基・対艦ミサイル発射管4基・多目的ミサイル発射管2基・対エネルギー弾撹乱膜散布装置

 

主機 ミノフスキー複合核融合推進機関4基

 

解説

 

西暦2180年代後半に発表された第二次地球連邦防衛力に基づき欧州管区にて計画、設計された。

 

計画では新型機関を採用していたため、建造にはその完成を待たなければならなかった。

 

ガミラス戦役初頭の西暦2192年前半に一番艦が就役、その後も多数の同型艦が建造された。

 

特徴は、火力もさる事ながら、その防御性能である。

 

ガミラス戦役中、ガミラス艦の攻撃で金剛型宇宙戦艦が十数発で撃沈される中、あるマゼラン級は数十発以上の直撃を受けながらそれに耐え、敵戦艦と相討ちしたというエピソードも公式に存在するほどである。

 

また、本級には武装を減らして艦隊指揮能力を強化し艦載機搭載能力を付け足した旗艦タイプが存在する。

 

そちらは改マゼラン級と呼ばれており、搭載能力は艦載機12機とされている。

 

本級の代表的な艦艇は、第一次、第二次火星沖海戦にて、前述の守護神グリーン・ワイアット中将(当時少将)が座乗し、ガミラス戦役終戦まで生き残った地球連邦防衛宇宙軍の最大の武勲艦キング・ジョージ5世が最も有名だろう。

 

キング・ジョージ5世の最大の戦果と言われるのが、第一次火星沖海戦にて殿を務めた際にガ軍戦艦2隻を撃沈し、1隻を大破、更にガミラス艦隊の旗艦と思われる超弩級戦艦にも損害を与えた上に、その他艦船4隻を撃沈、3隻を中破、又は大破させ、その他多数の敵艦船に損傷を与えるという当時としては途轍も無い偉業を成し遂げた事だろう。

 

又、キング・ジョージ5世はその後もガミラス軍に対し奮闘、メ号作戦にも投入され、ワイアット中将指揮下において、ガミラス戦役中30隻以上を撃沈又は撃破している。

 

ーーー

 

宇宙巡洋艦

 

村雨型宇宙巡洋艦

 

全長 152m

 

武装・20㎝艦首陽電子衝撃砲・20㎝連装高圧増幅光線砲3基・魚雷発射管4基・機銃4基

 

主機 核融合推進式機関

 

解説

 

金剛型宇宙戦艦と同様に第一次地球連邦防衛力整備計画に基づき、金剛型と同じく極東管区が設計、開発した艦艇。

 

内惑星戦争ではその性能を発揮して戦果を挙げた。

 

ただし、ガミラス戦役が始まると序盤から只の的としか言えないような悲惨な状況となる。

 

当時は後述の磯風型駆逐艦と並び宇宙の棺桶、未亡人製造工場、動く死刑台などと不名誉な呼び名で揶揄された。

 

開戦の切掛となった事件でも有名、既に亡くなっていたが、戦後に戦犯指名された極東管区の芹沢元参謀長(階級は中将)の独断での命令(越権行為、脅迫、一部上層部と結託しての公文書偽造の上での)を受け、同級の一番艦村雨がガミラス軍艦艇に攻撃を仕掛けたことが開戦に繋がったと公式に発表されている。(後にその時のガミラス艦艇には外交使節が登場していたことが判明.、記録から芹沢元参謀長が自己判断で現場からのガミラスからの対話の可能性についての報告を遮断、逆に現場を恫喝し攻撃を指示していた事が確認された)

 

ーー

 

村雨型宇宙巡洋艦 後期型

 

全長 152m

 

武装 ・20㎝艦首陽電子衝撃砲・20㎝連装メガ粒子砲3基・魚雷発射管2基・機銃6基・対エネルギー弾撹乱膜散布装置

 

主機 ミノフスキー複合核融合推進式機関

 

解説

 

村雨型宇宙巡洋艦に、金剛型宇宙戦艦と同じ改装を受けたタイプ。

 

前期型の不名誉な呼び名を払拭するには至らなかったが、それでもそれなりの戦果を挙げている。

 

最大の戦果として有名なのが、第一次火星沖海戦での北上、大井の活躍だろう、前述のキング・ジョージ5世と共に殿を務め、最期はキング・ジョージ5世の撤退命令を無視して、その撤退を援護、2隻合わせて戦艦1隻、巡洋艦2隻、空母1隻を撃沈、その他艦船4隻に損害を与えた上でキング・ジョージ5の撤退成功を確認した後、ガミラス艦隊からの集中放火を浴びこの2隻は壮絶な最期を遂げている。

 

本級はその後、北上、大井以上の功績をあげた艦船は存在していない。

 

ーーー

 

サラミス級宇宙巡洋艦

 

全長 220m

全幅 62.2m

 

武装・20㎝単装メガ粒子砲6基・6連装ミサイルランチャー2基・連装大型ミサイル発射管6基・対エネルギー弾撹乱膜散布装置

主機 ミノフスキー複合核融合推進式機関

 

解説

 

マゼラン級と同じく第二次地球連邦防衛力整備計画にて欧州管区が主体となり設計、開発された。

 

全ての性能面で村雨型を上回る。

 

本級の一番艦サラミスはメ号作戦にて撃沈されたが、その一番艦サラミスが本級で最も敵を撃沈した艦であった。

 

就役し、撃沈されるまでの6から7年の間に24隻の敵艦を撃沈又は撃破している。

 

ーーー

 

宇宙駆逐艦

 

磯風型宇宙駆逐艦

 

全長 80m

 

武装 12.7㎝艦首対艦砲2基・12.7㎝三連装高圧増幅光線砲2基・魚雷発射管3門・ミサイル発射管8門

 

主機 核融合推進式機関

 

解説

 

第一次地球連邦防衛力整備計画にて極東管区が主体となり設計、建造された。

 

内惑星戦争ではその艦艇としては驚異的な機動力を発揮し多大な戦果を挙げたが、ガミラス戦役では、当初から戦果も上げてはいたが、損害も尋常じゃない程多く、前述の村雨型宇宙巡洋艦と同様に、宇宙の棺桶、未亡人製造工場と呼ばれる事となる。

 

後に全ての磯風型駆逐艦は、前述の艦艇と同様の改装を受ける事となる。

 

ただし、艦体のサイズの問題から、前述の艦艇と同じには行かずに、機関と主砲の交換のみとなり、当初計画された対エネルギー弾撹乱膜散布装置は装備されなかった。

 

結果、思うように生存性の向上は出来なかったが、機関出力が向上したため機動力が強化され、従来に比べてある程度の生存性の向上には成功した。

 

本級ではガミラス戦役序盤から終戦まで最前線に居続け、一発の被弾も無かった雪風が幸運の女神に愛された艦として有名。

 

なお、雪風の所属した艦隊はもれなく生存率が上がったため、どの艦隊も雪風を欲しがっていたとの関係者の話もあった。

 

ーーー

 

「おじいちゃん守護神?」

 

「……やめて…そんな澄んだ目でおじいちゃんを見ないで…おじいちゃん守護神なんて知らない…」

 

孫娘が何故か家にあったガミラス戦役時における地球連邦防衛宇宙軍艦艇大全集なる本を見ながら、私を見つめてくる。

 

 

守護神て何のこと?

 

英雄?

 

あ、電話会社の「おじいちゃん?」

 

とりあえず私は紅茶を飲みながら小学生の孫娘の話をどうすれば反らせるかを考えるのだった…。

 

 

だって、私の知らないところで変な二つ名とか、紳士としてもなんか…もう、なんか…恥ずかしいし……

 

 

何年か後の光景であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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愛娘、イスカンダルに行ったってよ…ファッ!?

 拝啓、我が愛する妻クレアへ……我が愛する娘、アリスがヤマトに乗り込んでイスカンダルへ旅立ったと先日の君からの手紙を読みました。

 

 君に問いたい、何故…何故もっと早く教えてくれなかったのだ!?

 

 いや、理由は書いてあったけどね!?

 

 ”出発前に貴方に報告すると、せっかくアリスが希望したヤマト乗組を白紙にしかねないので、報告しませんでした。確かにリスクは有りますが、アリスは想い人もヤマトに乗り込むそうで、その意思は固く、それを尊重しました”

 

 うん、分かるがね!

 

 その後に報告が数ヶ月経ってからとか遅いと思うのだが!?

 

 思えば君は昔から冷静でクールで頭が良く色々気付きもあるが天然も入っていて、たまにこちらが“ん?“となる時もあったが、こればかりはちゃんと早めに教えて欲しかった。

 

 お陰で、新型機関を装備した新鋭艦隊を急いで準備しなくてはならなくなってしまって…全く、もっと早く教えてくれたらその分準備も急がせた物を…

 

 

 は?何かおかしな事を言っているかね?

 

 ヤマトはイスカンダルへもう少しで着くそうだ。

 

 ヤマトは定期的にタキオン通信で航路のデータを送ってくれているから凄くたすかる。

 

 私が出撃できるのはまだ少し先、合流はヤマトの帰路の途中になるだろうが、帰路が一番警戒が緩みやすいのだよ、だからこそ帰路のヤマトに合流し守るのだ。

 

 必要ないだと?それで娘に何かあったら……紳士的にピーーしてピーをピーーにするが宜しいかね?

 

 出撃の許可に関しては問題ない。

 

 ガミラスの残党を片付けたらすぐに出撃出来るように許可は受けた。

 

 「地球を救うために遥かな星へ旅に出た英雄を、その帰路で失う訳にはいかない!出来る力が今はあるのだから、万全を期すために帰路だけでも援軍を送るべきだ!」

 

と熱弁し、更に食い下がると何故か泣いて感動しながら許可をくれた。

 

 

 あとはガミラス残党の排除だが…私の艦隊を執拗に狙ってきたので、紳士的に容赦なくお相手してあげたのだが。

 

 

 ガミラス残党(被害者)の蹂躙

 

 『例のテロン艦隊だ!絶対逃さんぞ!……そんなまさか!誘い込まれ!?…ウワァーー!!!』

 

『辺境の蛮族風情が調子に乗るなぁ!!!バカな全線が突破され…バカなぁ!?』

 

『こんな場所に居られるか!我が艦隊は撤退を……っ!?』

 

『別に、あの艦隊を倒してしまっても構わんのだろう?ーーバカな我が艦隊が!?』

 

 

以上ワイアット被害者の方々でした。

 

 

 そして、ガミラス残党を壊滅させたワイアットは、新型機関を搭載した新鋭艦隊を率いて、出撃していくのだった。

 

 

 因みに上層部含め一般の地球連邦防衛軍の将兵のワイアットへの認識は、地球の為に無茶を押し通し不可能を可能にする正に英雄的提督と言う認識であり、誰も彼の内面に気付く者はいない…奥方以外は…。

 

 

 

 ワイアットの新鋭艦隊

 

 旗艦 ヴァンガード級1番艦ヴァンガード (どう見てもバーミンガム級)

 

 改二型マゼラン級 コロラド ナガト 

 

 最上型巡洋艦 モガミ (どう見てもクラップ級)

 

 改サラミス級 サンプソン アラスカ 

 

の6隻からなる新型機関搭載艦が艦隊を組み、出撃して行った…。

 

 ワイアットは紅茶をしっかりと闇市で仕入れるのを忘れなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 因みに、この世界の地球の被害ですが、原作よりマシで、原作の被害を10としたらこの世界は7位です。

 ワイアット(と主にその他の方々が)頑張りました。


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特集・ガミラス戦役後期の傑作艦、傑作兵器解説

 「お爺ちゃん!この本にお爺ちゃん載ってる!かっこいい!!!」

 

今年小学校を卒業する孫娘がそんな事を言いながらとある本を持って私の元へ駆け寄ってくる。

 

 私は孫娘が差し出したそれを受け取り、孫娘と一緒に目を通していく。

 

 

 孫娘と触れ合う貴重な時間…紅茶を飲みながらゆっくり過ごすのは悪くない。

 

 

 明日からまた艦隊を率いてまたDQN異星人を片付けに行かないとならないので、今は私はこの時間を噛み締める…。

 

 

 本の題名は【特集・ガミラス戦役後期の傑作艦、傑作兵器解説】

 

 

 ーーー

 

本誌では、ガミラス戦役後期に登場した傑作艦を紹介して行こうと思います。

 

 まずは宇宙戦艦から。

 

 ヤマト型宇宙戦艦 

 

 全長 333.00 m

 

 全幅 43.60 m

 

 艦載機 36機+α

 

機関 次元波動エンジン×1 補助 ミノフスキー複合核融合推進機関×2

 

武装 艦首次元波動爆縮投射機(波動砲)×1、48cm三連装衝撃砲×3 、20cm三連装衝撃砲×2、煙突型VLSミサイル発射機8セル、艦首ミサイル発射管2門×2、舷側ミサイル発射管×2、連装対空パルスレーザー砲多数、3連装対空パルスレーザー砲小数、4連装対空パルスレーザー砲多数、側面機雷投射機

波動爆雷投射機、艦底部垂直投下爆雷、艦首対エネルギー弾撹乱膜散布装置

 

 補足

 

 建造開始当初は極東管区主体の地球脱出計画、通称イズモ計画で設計された艦であったが、後にイスカンダル星の技術供与を経て、脱出計画からイスカンダル星へ放射能除去装置を取りに行き地球を救うと言うヤマト計画に引き継がれ完成した艦で、かの沖田十三元帥が指揮をとり、見事に任務を完遂した。

 

 恒星間航行を地球で初めて成功させた艦の一隻であり、初の波動エンジン搭載艦でもある。

 

 ガミラス戦役後は改装を受けて外周艦隊旗艦となり、現在は記念艦となり、日本州呉市のミュージアム大和にて余生を過ごしている。

 

 ーー

 

 ヴァンガード級宇宙戦艦

 

 全長398m

 

 全幅171m

 

 機関 次元波動エンジン×1 、ミノフスキー複合核融合推進機関×6

 

 武装 51cm連装衝撃砲×5、20cm単装衝撃砲×8基 、艦底部格納型波動砲×1、12連装ミサイルランチャー×2基、4連装パルスレーザー砲×12機 、連装パルスレーザー砲多数、対エネルギー弾撹乱膜散布装置

 

 艦載機 4〜6(偵察機又は救命艇)

 

補足

 

 ワイアット少将(当時)の働きかけにより、イズモ計画派に対抗して欧州管区が独自にガミラスに対抗できる艦をと計画したのがこの艦である。

 

 イズモ計画がヤマト計画に変更された際にはすでに艦体は完成していた。しかし波動エンジンの搭載は出来たが、補助となるミノフスキー複合核融合推進機関の生産が間に合っておらず、乗員は地上で訓練を積むしかなかった。

 

 ヤマト発進後にやっと完成したが、その後は試験航海=実戦と言うヤマトと同じ運命を辿る。

 

 ガミラス戦役に置いて、本艦の主砲がガミラス軍のセルグート級の正面装甲を数発で撃ち抜いたとの記録が残る。

 

宇宙戦艦ヤマトに遅れる事約数ヶ月で、単艦でイスカンダルへ向かうヤマトを援護するために英雄と呼ばれるワイアット少将自ら指揮をとり、艦隊を編成してヤマトの後を追い出航し、ヤマトと共に帰還している。

 

 現在では大改装を受け、ワイアット中将の座乗艦として地球連邦防衛宇宙軍航宙艦隊総隊旗艦となっている。

 

 

 

 ーー

 

 改二型マゼラン級宇宙戦艦

 

 

 全長 327m

 

 全幅 94.5m

 

 全高 72m

 

 武装・40cm連装衝撃砲×2、20cm単装衝撃砲×3、4連装パルスレーザー砲×2、連装パルスレーザー砲×16、対艦ミサイル発射管×4、多目的ミサイル発射管×2、対エネルギー弾撹乱膜散布装置

 

 艦載機 16機+α

 

 機関 次元波動エンジン×1、ミノフスキー複合核融合推進機関×2

 

 補足

 

 西暦2180年代後半に発表された第二次地球連邦防衛力整備計画に基づき欧州管区にて計画、設計されたマゼラン級を改装した改マゼラン級に更に次元波動エンジンを搭載した艦であり、更に後部の砲塔を完全に無くす替わりに、艦載機搭載能力と指揮通信設備が強化されている。

 

 ヴァンガードを旗艦とする艦隊に同級のコロラド、ナガトの2隻が参加し、任務の完遂に貢献した。

 

 ーー

 

 巡洋艦である。

 

 モガミ型宇宙巡洋艦

 

 全長 292m

 

 全幅 133m

 

 武装 20cm連装衝撃砲×2 、ミサイルランチャー×6、側方ミサイルランチャー×6、後方ミサイルランチャー×4、4連装パルスレーザー砲×2、連装パルスレーザー砲×12 、対エネルギー弾撹乱膜散布装置、展開格納型波動砲×1

 

機関 次元波動エンジン×1(噴射ノズルは2つ)、ミノフスキー複合核融合推進機関×4

 

補足

 

 ヴァンガード級と同時期に就航、次元波動エンジンを初めから搭載予定で建造された最初の艦であり、ヴァンガード麾下の艦隊に配備され、イスカンダルへの往復を成し遂げた。

 

 なお、巡洋艦でありながら戦艦並みのサイズを誇り、諸外国、特にガミラス帝国は本級を地球軍の戦艦であると認識しているとの事である。(ガミラスの地球の情報収集時に金剛型宇宙戦艦が全長205mであったとの情報をガミラスが入手していたことからこの認識となったと思われる。サイズについて、ガミラス側が300m以上と誤認したとの説も一部にある)

 

 ーー

 

 改サラミス級宇宙巡洋艦

 

 全長 220m

 

 全幅 62.2m

 

 武装・20㎝衝撃砲×6 連装ミサイルランチャー×2、連装大型ミサイル発射管×6、対エネルギー弾撹乱膜散布装置 連装パルスレーザー砲×8

 

 艦載機 2〜3(偵察機又は救命艇)

 

 機関 次元波動エンジン×1、 ミノフスキー複合核融合推進機関×1

 

 補足

 

 サラミス級に次元波動エンジンを搭載し、偵察機などの運用能力と、メインエンジン以外の補助機関を装備した艦である。

 

 補助機関はメインエンジンの両サイドに噴射ノズルが設置されている。

 

 イスカンダルへ向かうヤマトを援護するため追いかけるワイアット少将の艦隊に同級のサンプソン、アラスカの2隻が参加、サンプソンが地球への帰路での所属不明艦隊との戦闘で撃沈されている。

 

 ーー

 

 読み終わり、私は本を閉じる…孫娘は私の膝で眠ってしまった。

 

 寝顔かわいい!!!

 

 明日退役願い書こう!もう10回くらい破かれてるけど書こう!いや書く!そして退役出来たら孫と紅茶畑でのんびりするんだ!

 

 

 

 

 

 

 

 



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