目が覚めたら世界規模で強制ハーレムルートだった。 (赤いUFO)
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プロローグ

作品消したばっかりのくせに書いちまった。なにしてんだよ赤いUFOォおおおおっ!?

登場するキャラは原作より年齢が多少前後する可能性があります。


「気合いで治せませんか?」

 

「無理です」

 

「今度大事なタイトルマッチが、ですね……」

 

「残念ですが」

 

「………………ダメですか?」

 

「ダメです!!」

 

 しつこく確認してくる患者に業を煮やし、強い口調で否定する。

 それに患者の男はこのヤブがと舌打ちするが、医師は敢えて聞こえてないフリをした。

 

「とにかく! 検査その他諸々を終えたら細胞硬化症の治療のためにコールドスリープに入ってもらいますからね!」

 

 バンッと机を叩いて医師は決定を告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソッ! あのヤブ医者! 簡単に言いやがって! こっちがランキング1位になるのにどれだけ苦労したと思ってんだ!」

 

 入院着に着替えた男性は苛立ちを隠そうともせずに屋上の柵を蹴りつけた。

 

「数年も寝てられるかってんだ! どうにかならねぇのかよ」

 

 屋上に座りだすと反対側から男女の言い合う声が聞こえてきた。

 

「もういいっ!」

 

 痴話喧嘩か泣き顔のまま屋上を降りてく女性。

 相手だった男性は屋上の地面に拳を叩きつける。

 

「どうしろってんだよ!」

 

「追っかけなくていいのか? 彼女さん、泣いてたぞ」

 

 その姿が気になったことと男女の会話から気になる単語があったため、話しかける。

 白衣を着た男性は放って置いてくれと言わんばかりに俯いていた。

 

「細胞硬化症なんだってな。アンタ……」

 

 続く言葉に白衣の男性は顔を上げた。

 

「俺もだ」

 

 手を差し出すと白衣の男性はその手を取った。

 

「俺、朝比奈徹雄。アンタは?」

 

「水原、怜人、です……」

 

 それから2人は互いのことを話し始める。

 最初は敬語だった怜人も徹雄が同い年と知ると自然とタメ口になった。

 

「じゃあ、徹雄はプロのボクサーなんだ」

 

「これからウェルター級の王者に挑むところだったんだけどな。この病気のせいで白紙だよ」

 

 忌々しげに吐き捨てるが徹雄はすぐに笑みを作った。

 

「ま、病気が治ったらすぐに復帰して、また王者(チャンピオン)に挑むけどな、俺は」

 

 軽くシャドーボクシングをする徹雄に怜人は強いんだな、と笑った。

 

「それよりも、ホントに彼女さん、放っておいていいのか?」

 

「細胞硬化症が治るのに5年もかかるかもしれないって言うんだ。無責任に待っててくれなんて言えないよ」

 

「でも、それでも待っててくれたら、一生頭があがんねぇだろ?」

 

 子供のように笑う徹雄に怜人は何も言えなかった。

 そのまま歩きだす徹雄。

 

「じゃ、先に寝てっから。びょーきが治ったらまた会おうぜ、怜人」

 

「うん。また」

 

 そう言って互いに手を振って別れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「伯父さん、ごめん。こんな大事な時期に……」

 

「そんなことは気にするな。お前は病気を治すことだけ考えていればいい。もっとも、コールドスリープに入ったらすぐだろうけどな、お前にとっては」

 

 徹雄は伯父であり、所属するジムの会長である彼に曖昧な笑みを向けた。

 両親を亡くしてから引き取り、育て、ボクシングという生き甲斐を教えてくれた伯父に今回の件で迷惑をかけるのは周りから傍若無人と思われている徹雄にしても心苦しかった。

 しかし伯父はそんな徹雄の心境を吹き飛ばす。

 

「お前は、うちの看板ボクサーだ。数年寝ていたくらいじゃあ、降ろさせんさ。目が覚めたら覚悟しておけ! ビシビシきたえてやるからな!」

 

「はい!!」

 

 それから看護師に呼ばれて冷凍カプセルの中に入る。

 

(こんな病気、さっさと治して、ゼッテェ返り咲いてやっからな)

 

 その決意が思わぬ形で叶わぬことを彼はこのとき、夢にも思わなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 朝比奈徹雄が数年ぶりに目を覚ますと冷凍カプセルの中ではなく、ベッドの上だった。

 

(ホントに寝てすぐだよ)

 

 病気が治った安堵など何もない。

 徹雄が起き上がるより早く、見知らぬ女から声をかけられた。

 

「おはようございます、朝比奈様」

 

「えーと……おはようございます……?」

 

 気のない返事を返しながら徹雄は女をまじまじと見た。

 年齢はおそらく十代後半ほど。水色のやや外跳ねしたショートカットの髪に赤い瞳。内心を見せない笑みでこちらを見ており、広げた扇子には治療完了などと書かれている。

 

 とりあえず1番、気になっていることを尋ねる。

 

「今は、何年っすか?」

 

「今は西暦2045年。朝比奈様がコールドスリープに入って5年が経過してますね」

 

(やっぱ、そんなにかかっちまったか)

 

 覚悟していたとはいえ、直接聞くとそれなりにショックだった。それから女に指示されるままにシャワーを浴びて身体検査を受けた。

 診てくれている女性医師がやたらと熱っぽい視線を向けているのが気になったが、若そうな医師なため、男の鍛えられた筋肉が珍しかったのかもしれないと考えた。

 

 それより今は検査の結果で頭がいっぱいだ。

 検査の結果。朝比奈徹雄の細胞硬化症は完全に完治しているとのこと。

 ガッツポーズを取る徹雄はすぐに伯父へと連絡を取ろうとした。

 しかし、先程の女がまた現れ、今度は外の見えない車に乗せられた。

 すると女が自己紹介を始めた。

 

「申し遅れました。私、朝比奈様の担当官を務める更識楯無と申します。これから朝比奈様の身の回りの世話を任されておりますのでよろしくお願いします」

 

 訳のわからない説明に徹雄は首を傾げた。

 

「担当官? 俺の病気、もう治ったんだろ? さっさと家に帰りたいんだけど」

 

 相手が年下と思しき女であることと連れ回されている苛立ちから口調が少しずつ荒っぽく戻っていく。

 しかし、楯無は動じた様子もなく、話を続けた。

 

「まずは現在。この世界の状況を説明させてもらいます」

 

 楯無の口から語られたのは徹雄にとって信じられないものだった。

 

 徹雄がコールドスリープに入って1年後、新種のウィルスに侵され、世界の人口は半減。食料生産や科学技術の維持すら難しい状況なこと。

 未だに治療法が確立されておらず、世界は衰退の一途を辿っていること。

 

「なにを、バカなことを……冗談にしちゃあ、質が……」

 

「残念ながら事実です」

 

 痛ましそうに閉じた扇子を口元に当て、目を閉じる楯無。

 その事実が信じられなかった徹雄は、左右に居るボディガードを押し退け、車の中から飛び出した。

 

「朝比奈様っ!?」

 

 楯無の呼び止める声を無視してそのまま走り去る。

 幸いと言うべきか、徹雄が走ってるその場所には見覚えがあった。

 

(ずいぶん廃れてるけどこの道! 俺が、うちのジムの人間がロードワークでいつも走ってる道だ!)

 

 橋を渡り、少ししたところに徹雄が所属するジムがある筈だ。

 

 コールドスリープで鈍った肉体にむち打ち、ひたすらに徹雄の感覚でついこの間まで走っていた道を突き進む。

 

(それにしても……)

 

 走りながら行き交う人々を見ていると皆、フード付きの外套で顔と体を隠している。まるで難民だ。

 しかし、その光景にも違和感があった。

 

(なにか……何かが足りないような……)

 

 思えば、目が覚めてからこれまでに人口が半減したとしても、自分以外の居るべき存在が確認出来ない。

 

 目的のジムに着くと、鍵のかかってないドアを全力で開く。

 

「伯父さん! ダン! カズ! トシ! 俺だ! 徹雄だ!! 病気を治して帰ってきたぞ! 居るんだろ!」

 

 中には吊るされたままのサンドバッグを始め、トレーニングに使う道具が放り出されたまま放置されていた。

 どこ行ったんだと焦る徹雄に、ジムの二階から降りてくる足音が聞こえた。

 

「伯父さん! なんだ居るんじゃ────」

 

 安心したのも束の間。降りてきたのは見知らぬ、三十代の女性だった。

 その女性は徹雄を見ると一瞬驚いた様子だった。

 

「男……」

 

「誰だ、アンタは……なんでここに……」

 

 問い詰めようとしたが、相手は急に盛った動物のように表情が急変し、徹雄の腕を掴んできた。

 

「男っ!! 本物のっ!?」

 

「なっ!?」

 

 その変化に驚いて拳を握ってしまったがプロのボクサーとしての理性でなんとか振るうのを押し止める。

 しかし、先程の、左右に居たボディガードの女が、徹雄に詰め寄ってきた女を取り押さえた。

 

「流石元プロボクサー。目的地を予想できなかったら見失うところでしたわ」

 

 冗談目かした口調で話す楯無。

 堪えきれずに徹雄は叫んだ。

 

「なんだよ……なんなんだよこの世界は!? なん────」

 

「男性がいないのか、ですか?」

 

 楯無の言葉に徹雄は勢いが止まる。

 

「先程説明したウィルス。それにはある特徴がありました。それは、男性しか感染しないこと。それを例外は、当時、細胞硬化症でコールドスリープに入っていた男性のみが免疫を獲得していたこと。つまり、朝比奈様を含めて6人だけが、この世界で人としての種を残しうる貴重な資源ということです」

 

 楯無は徹雄に跪づく。

 

「どうか人類を救うために、残された女性たちと子作りしていただきたいのです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こうして、朝比奈徹雄の強制ハーレムが始まった。

 




エロは次回から。でもぶっちゃけ何も考えてない。

楯無が最初に出てきたのは作者が好きなのと立場が噛み合いやすそうだったから。
口調が原作と違うのは初対面で猫被ってるだけです。


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更識楯無(IS)その1

まだエロ回でもなかったのにたくさんの方がお気に入り登録してくれてビックリしました。
エロ話を投稿して1日したらまたいつも通りお気に入りユーザー限定にしようと思ってたのですがどうするか悩み中です。
とりあえずもう1、2話投稿して様子見て決めます。


『それで。朝比奈徹雄はどうしています?』

 

「現在、トレーニングルームで日課をこなしています」

 

「……」

 

 楯無の報告にモニター越しの女性は明らかに渋い顔をした。

 

「今は世界の現状を聞いて混乱しております。少し受け止める時間が必要かと」

 

『何を悠長なことを言っているのですか!!』

 

 バンッと机を叩く音が聞こえた。

 

『朝比奈徹雄は貴重な資源なのよ! 遊ばせている余裕はないのが判らないの!?』

 

 貴重な資源。本人が聞いたら青筋を立てそうな言葉を楯無は笑みを張り付かせて聞いていた。

 最初に目覚めた男性。そしてこれから目覚める4人の男性。それらより多くの子を為すことでモニター越しにいる女性の今後の発言力も変わるので必死である。1人目の男性が既に女性との子を一足先に宿しているとなれば尚更だ。

 ヒステリックに騒ぐ女性の言葉を聞き流しつつ不快にさせないように受け答えをし、最後にお任せあれとだけ答えてモニターを切った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 説明の続きを聞き終えた、徹雄は顔を隠したままテーブルに肘をついた。

 男性殺しのウイルスによる人類の半減。

 ウイルスに感染していなかった男性は今も冷凍カプセルの中に保護されているがウイルスの存在がある以上、目覚めさせる訳にもいかず、研究する余裕もないため、今後彼らが目覚める可能性は絶望的であること。

 故にウイルスの免疫を獲得している徹雄を含めた6人の男性には残された女性たちと子作り(メイティング)してほしいという要望。

 

「安いエロマンガみたいな現状ですね」

 

「それが今の世界です」

 

 楯無がファイルを徹雄の前に差し出す。

 

「この施設に居るメイティング可能な女性たちです。もしもご希望があれば出来る限り好みの女性を見つけて連れて来ましょう」

 

 楯無の説明に徹雄は種馬になった気分だとファイルを捲りながら思った。

 

「好みの女性はいらっしゃいましたか?」

 

 からかうような笑みで訊いてくる楯無に若干イラッときた徹雄はいきなり座っていたソファーにふんぞり返りキリッとした顔でとんでもないことを口にした。

 

「よし。それじゃあ5歳から10歳くらいの可愛い幼女たちをたくさん連れて来てくれないか? 今日中に全員俺が大人の遊びを教えてやるから」

 

「…………」

 

「冗談に決まってるだろ。一歩下がって人を犯罪者みたいな眼で見るのをやめろ!」

 

 手をヒラヒラさせる徹雄に楯無は小さく息を吐く。

 

「解っていないようですが、バカらしく見えてもこれは人類存続を賭けた計画(プロジェクト)ですので。度を越えたおふざけはしない方が身の為ですよ?」

 

「ちっ」

 

 苛立たしげに舌打ちすると、徹雄は立ち上がって部屋を出ていこうとした。

 

「何処へ?」

 

「体、動かしてくる。そっちの言いたいことは解るけど、いきなりそんなことは説明されて全部納得出来るほど聞き分けが良い方じゃねぇんだよ。一度、頭を空っぽにしてぇ」

 

「……畏まりました。ですが、最後に質問を宜しいですか?」

 

「なんだよ?」

 

「本当に幼女愛好家(ロリコン)ではないんですよね?」

 

「今すぐお前を押し倒して確かめさせてやろうか?」

 

「朝比奈様が望むなら」

 

 ニコリと受け入れるような笑顔。しかし、どうにも胡散臭さが先立ち、徹雄は乱暴に部屋の扉を閉めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ジムから運んだサンドバッグを雑念を払おうと叩いていた。

 周りには男性である徹雄をガラス越しから大勢の女たちが見ているが意識的に無視して、ひたすらに叩く。しかし、その音は徹雄が満足するモノではなかった。

 

(集中が、乱れてるな)

 

 色々とありすぎたせいで集中できていないことを自覚しながらも、徹雄は日課になっている時間までひたすらに体を動かし続けた。

 集中が乱れている理由は1つ。彼の伯父だった。

 ウイルスによって多くの男性が死んでしまった。

 その中には徹雄の伯父も含まれていたのだ。

 

(初めて約束破るにしても、こんなことを破らなくても良いだろうがっ!?)

 

 まだ、感情が追い付いていないためにショックが小さいが、これを自覚してしまえばこの場で暴れだしてしまうかもしれない。

 そうならないために徹雄は自分の肉体を虐め抜いていた。

 

 決められた時間まで体を動かすと、徹雄は与えられた部屋まで戻る。

 扉を開けるとそこには思いも寄らない光景があった。

 

「朝比奈様! おかえりなさいませ! これからどうします? 私にします? 私にします? 私にします?」

 

「……」

 

 いきなり裸エプロンで出迎える楯無。

 当然中に水着を着ているとかそんなこともない。

 そして選択肢も一択しかないのはどういうことか。

 とりあえず徹雄は肩に下げていたタオルを楯無に投げつけるとシャワー室に移動する。

 

「4、シャワー浴びて寝る」

 

 それだけ言って汗でベト付いた衣類を籠に放り入れ、シャワーで汗を流していると後ろにある扉が開いた。

 

「いくらなんでもこの対応はヒドイと思うんですけど……据え膳食わぬは男の恥って言葉知ってます?」

 

「……」

 

 無視してシャワーを浴び続ける徹雄に楯無は近づき、その肉体に触れ始める。

 

「検査の時も思いましたけど、すごい筋肉ですね。でも残念ですわ。こんなに男らしい身体つきをした殿方が、まさか幼女愛好家(ロリコン)だなんて……」

 

「……まだ引っ張るのかよ、それ」

 

「だって、私がここまでして何もしてくださらないでしょう。こう見えても女としては自信がありますのに」

 

 妖艶な笑みでまるで違うなら襲って見せろとでも言うように挑発する楯無。

 確かに括れた腰のラインやら胸や尻など、出るところは確りと出ている。

 何かスポーツでもしているのか女性として鍛えられたしなやかな手足。

 顔だって悪くない。むしろ、こんな時代でなければ雑誌社などでスカウトされていただろうほどに美しい。

 徹雄とてこんな状況でなければ舞い上がっていたかもしれない。

 徹雄の指が楯無の顎に触れる。

 

「本当に、いいんだな……」

 

「必ず、朝比奈様を満足させて見せますわ」

 

 自信満々に宣言する楯無。

 その言葉に徹雄は楯無唇に自分のを重ねた。

 

「ん……」

 

 唇が重なると楯無も目を閉じて受け入れた。

 シャワー室の壁に楯無は背を預けてシャワーを浴びながら唇を絡ませる。

 徹雄も、楯無の乳房を揉みながら貪っていたが、身体を離すと同時に指示を出した。

 

「おれのをしゃぶって勃たせろ。それくらいサービスしてくれんだろ」

 

「朝比奈様が望むままに」

 

 跪まづき、目の前にあるペニスに指で触れた。

 

「すぐに気持ちよくしますね」

 

 先ずは竿から亀頭を何度も往復するように舐め続ける。

 それからある程度の大きさになってから亀頭から口の奥へと包み込む。

 上目遣いで口内で艶やかに舌を動かし奉仕する楯無。視界に映るその光景に徹雄は楯無の頭を押さえて前後に腰を振るった。

 

「ん!? んんっ!」

 

 若干苦しそうに顔をしかめたが、目を閉じ、その行為を受け入れる。

 物の扱いながらペニスで口内を犯していると、そのまま1回目の射精で精液が楯無の口に飛び出す。

 

「ごほっ……|

 

 受け止め切れずに溢してしまったが、すぐに顔を上げて笑みを作った。

 

「ふふ。たくさん射精()しましたね……ですが、どうせならこちらの穴に射精していただきませんと」

 

 立ち上がり、自分の専用機に陰口を広げる。

 まだ射精せますよね? と言うように。

 

 それに徹雄は答えるわけではなく、楯無の片足を上げさせて抱え、ペニスを穴へと狙いを定めた。

 

「いくぞ」

 

 返事を聞かずに楯無の膣内へとペニスを押し上げる。

 やけに狭い膣内。痛そうに唇を噛む楯無。そして何より、ペニスに当たる壁のような感触。

 

「おい、お前まさか!!」

 

 本人に確認するまでもなく、楯無は処女(はじめて)だったのだ。

 

「問題、ありません。今日のために、充分な訓練は、受けてきましたから……」

 

 こんな状況で処女を散らされるにも関わらず泣かずにいる楯無に徹雄は視線を僅かに逸らした。

 ここで下手な気遣いはこの女に対する侮辱だと感じ、そのまま押し進む。

 

 最初は壁だけを支えにしていた楯無も、次第に徹雄の太い腕を掴み、それが這い上がって首に腕を回した。

 

 少しずつ開拓するように押し広げられた膣内。唇を噛んで耐える楯無は、奥のある一点を突かれると声を漏らし、ただでさえ狭い膣内が、一瞬だけより強く締まる。

 

 その刺激に徹雄は2回目の射精を楯無の膣内に吐き出した。

 乱れた呼吸が調い始めると、徹雄が告げる。

 

「わりいけど、まだ、これじゃあ満足できてねぇんだわ。まだ、付き合ってもらうぜ」

 

「頼もしいですわね。貴方の子種。たくさんの娘に与えてくださいね?」

 

 契約を交わすように囁く楯無。

 答えとばかりに徹雄は抜かぬままのペニスを少しだけ慣れた膣内に突いた。

 

「アンッ!? まだまだ、元気、ですわね!」

 

 首に腕を回したまま、舌を出して徹雄の唇をねだる。

 何度も、先程処女を散らした女には乱暴とさえ思える腰使いで楯無の膣中を蹂躙する。

 段々と一突き一突きで意識が霞んできた楯無だが、貪っている唇の感触でどうにか意識を飛ばすのを堪えていた。

 3回目。そして2回目の腟内射精を終えて、楯無はなんとか余裕を相手に感じさせる笑みを作る。

 

「とても、素敵でしたわ。今日はありがとう────」

 

 ございます、と言おうとしたが、徹雄から信じられない言葉が出た。

 

「じゃあ、ウォーミングアップはこれくらいにして、本番にベッドへ行くか」

 

「へ?」

 

 ────ホンバンッテナンデスカ?

 

 その場に座り込む楯無に徹雄が告げる。

 

「俺を満足させてくれんだろ? まだ満足できてねぇから。これから本番な!」

 

 やっぱり本番はベッドだろ、と言う徹雄に楯無は戦慄した。

 

「とりあえず、最低あと4回な」

 

「よっ!?」

 

 手を掴まれながらの宣言に楯無はそんなにヤられたら壊れてしまうかもしれないと戦慄する。

 

「べ、別の女性を連れて来ますので少々お待ちを」

 

「お前が満足させるって言ってんだ。自分の言葉には責任を持て」

 

 立とうとしない楯無を肩で担ぐ。

 これ以上犯されたらマズイと素が出て抵抗感し始めた。

 

「ちょっと! いくらなんでも今日初めての女の子に無理させないでよ!! っていうか、貴方どうしてそんなに平然としてるの!?」

 

「そういや、日本チャンピオンのベルト巻いた時に先輩がお祝いでセックス出来る店に連れていってもらったことがあったな。なんでか店を出るときにオーナーからもう来ないでくれと頭下げられたが」

 

 あん時は6人抜きだったか、とボソリと呟いたのを楯無は聞き逃さなかった。

 

「え!? うそ!! そんな情報(こと)聞いてな────キャッ!?」

 

 べッドに投げ落とされ、詰め寄られ、両腕を掴まれる楯無。

 

 

「さて、やろうか」

 

「ほ、ホントにまっ────んおあっ!?」

 

 待ったを聞かずに挿入されるが、早くも馴染んだか、それとも肉体的な相性か。

 痛みはさきほどより感じず、むしろ強く快感をぶつけてきた。

 

「おっ? やっぱりお前の身体気持ちいいな。病み付きになりそう」

 

「ひょ、ひょれは嬉しいけどぉ……!!」

 

「それと、さっきからその喋り方。そっちが素だろ。今度からそっちで喋れよ。あの胡散臭い敬語だと警戒しちまうだろうが!」

 

「そ、それはぁ……わたしにもたちばがあり、あぁっ!?」

 

 指摘されて気付いたのか、話し方を戻そうとする楯無に掴んでいた腕を引っ張って子宮口まで肉棒を押す。

 突かれる度に声を上げる楯無は観念したように叫んだ。

 

「わかったぁ! わかったからぁ!! もう敬語やめるからぁ!!」

 

 そう叫ぶ楯無に徹雄は少しだけ優しい笑みを浮かべて目を細める。

 

「あぁ。その方が、話しやすいし、何より────更識はそっちの方がずっと、かわいいぞ」

 

「ふえ? きゃっ!?」

 

 何を言われたのか一瞬わからずに呆けてしまったが、徹雄が射精して背中を仰け反らせた。

 

 顔には涙いっぱいで、くしゃくしゃに歪んでいる。

 数回の呼吸を待った後に、楯無の上半身を起き上がらせ、座っている徹雄に跨がらせた。

 今度は下から中を突き上げられる感触に舌をだらしなく突き出して声を上げた。

 

「け、けいごやめたらおわってくれるんじゃ」

 

「それはそれ。これはこれだろ。何言ってんだ?」

 

「ばかばかっ! 壊れる!! ホントに死んじゃうでしょっ!?」

 

 ポカポカと徹雄を叩いたり、背中を引っ掻いたり、果ては肩を噛み始める楯無を離さず、むしろ尻肉を鷲掴みにしてより、強く肉棒を突き上げた。

 

「あ────」

 

 その声を最後に急に楯無の身体から力が抜けたのを感じて徹雄はん? と相手の顔を見ると、白目を剥いて意識が飛んでいる様子だった。

 そのままベッドに落ちる楯無。

 仕方ねぇなと思いながらも中途半端に終わってしまい、昂った性欲が収まらないままにペニスを引き抜くと、最後の射精を手淫で済ませ、射精した精液を楯無の顔にぶっかけるとそのままにして徹雄はシャワーを浴び直した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日、腰の痛みで立てない楯無に反して徹雄は早朝から余裕で走り込みをしていると秘書の女性から聞いて「あいつ化物だわ……」と、呟き、今後のメイティングをどうするか真剣に考え始めたという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




こんな感じで作者が好きなキャラを出します。
一応、あと3人は出すキャラ確定してます。
ちなみに簪が出るかは不明。

終末のハーレム二次が増えることを願って。


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紺野木綿季(SAO)その1

今回のは本当に大目に見てください(震え)。

一応、この作品では、木綿季の病気は治ってます。年齢も原作より1つか2つ上です。

ちなみに楯無も20歳という設定です。


 朝比奈徹雄の担当官である更識楯無は頭を悩ませていた。

 それは、先日処女を捧げた男、朝比奈徹雄の絶倫具合についてだ。

 

「うーどうしよう。あんな化物にそこら辺の女性を送るわけには行かないしー」

 

 監視カメラで映された徹雄の姿を見ながら頭を抱えていた。

 すると、彼女の秘書である女性が淹れた紅茶を机に置く。

 

「お困りのようですね、お嬢様」

 

「虚ちゃん……」

 

 幼馴染みであり、秘書である布仏虚ご出してくれた紅茶と焼き菓子に手をつけながら楯無は愚痴を言う。

 

「まあね。まさか、あんなに性欲が強いなんて思わなかったもの。大抵の相手じゃすぐにダメにされてしまうでしょうね」

 

「……彼は魔王かなにかですか?」

 

「立場的には勇者に通常モンスターを送り込む気持ちかしら? とにかく、そこらの女性じゃあ、ダメなのよ!」

 

「朝比奈様が目覚めた時は、自分の女としての魅力でメロメロにするわ! と豪語していたじゃないですか」

 

「あの時の自分の軽率さに眩暈がするわ……あの時間に戻って自分の頬を張ってやりたい」

 

 むしろ、そんなことになった日には楯無が壊されるかもしれないと身震いする。

 渋い表情で紅茶を飲む。

 監視カメラに映された映像では、腹筋をとてつもない速さで繰り返している徹雄がいた。

 

「とにかく、あの体力バカについていけるだけの女性が必要なのよ!」

 

「それもですが、例の件も早急に考えなくては」

 

「あぁ、護衛ね。だーいじょうぶよ! そっちは目星付けてるから! むしろ彼に護衛なんて居るのかしら? 別にいなくても問題ないと思うの。むしろ、敵対した相手を自分で殺しちゃいそう」

 

「お嬢様?」

 

「冗談よ」

 

 疑惑的な視線を向ける虚に楯無は肩を竦める。

 例え本当に必要なくても、建前上必要な者だ。それに相手が武器を持って襲いかかってくる可能性もあるだろう。

 それにしてもと、楯無はとてつもない速度でスクワットをしている。

 

「彼がロリコンじゃなくて本当によかったわぁ……」

 

 本人が聞いたら問答無用で叩かれそうなことを呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一通り朝のトレーニングを終えた徹雄は肩に下げたタオルで汗を吹きながら部屋に戻ろうとしていた。

 すると、女の子の声が耳に届く。

 

「返してよ!」

 

 体格からしてたぶん中学生。

 楯無と同じくらいの長さをした髪にヘアバンドをした女の子がガラの悪そうな女と揉めていた。

 会話からしておそらく女の子の物と思しきバッグを取り上げられていた。

 女の子が必死に逃がさないように抱きついている。

 

 徹雄ははあー、と長い息を吐いた。

 

「返してったら! それ、本当に大切なんだよ!」

 

「しつこいね! いい加減離しな!」

 

「お前がな。よっと!」

 

 高く上げていたバッグを徹雄は手を外させて取る。

 

「ちょっと、誰だ────男っ!?」

 

 徹雄の顔を見て女が距離を取る。

 

「こんな子供の物なんて盗ってんじゃねぇよ」

 

「~~~~っ!?」

 

 女は何か言おうとしていたが、徹雄が睨み付けるとその場から走って逃げたけど

 そして徹雄は女の子の手にバッグを落とす。

 

「事情は知らねぇけど、これお前のなんだろ? 災難だったな」

 

「あ。ありがとう……」

 

 バッグを受け取ると不思議そう、というよりは珍しいモノを見たような顔でジロジロと徹雄を見る。

 無理もないかもしれないが。

 

「お兄さんって、男の人、だよね……」

 

「俺が女に見えるなら眼科行けよ」

 

 久々に異性を見るのか自信なさげに聞く女の子に徹雄はからかうように返した。

 女の子は気を悪くした様子はなく、え~と、え~と、と次に訊く質問を考えているようだった。

 

「お兄さん! その……汗臭いね!」

 

「……俺、一応お前を助けたんだよな?」

 

 さすがに今のはないと思ったのか女の子もゴメンと軽く謝る。

 

「じゃあ、お兄さん、ありがとう! ボク、紺野木綿季!」

 

「朝比奈徹雄だ。なんか用事があんなら、ロードワークの帰りに毎日ここ通るから、話しかけるなら好きにしろ」

 

「うん!」

 

 そのまま早歩きで去っていく木綿季。

 それからここで彼女と会うのは半ば日課になっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや、読めねぇから。漢字で木・綿・季って書いてユウキなんて」

 

「え~」

 

 木綿季が自分の名前の漢字を読めないと言われて不満そうな顔をする。

 一応、木と綿でユウというのは正式な読みらしく、キラキラネームの類いではないらしい。

 たが、絶対名付け親は読ませる気ねぇだろとは思った。

 

「お兄さんはテツオって漢字どう書くの? たくさんあるよね?」

 

「あぁ。徹底の徹に雄って書いて徹雄」

 

「……名は体を表すって言葉あるよねー」

 

「それ、色んな奴に言われたわー。主に記者とか」

 

 率直な感想に徹雄は苦笑する。

 木綿季と話をしていて単純に楽しいと徹雄は感じていた。

 喜と楽の感情を中心にコロコロと表情が変わる少女。徹雄自身、精神年齢が近いこともあり、異性の年下だったが気の合う友人と言えた。

 話を聞くと、家族は全員亡くなっており、今は年齢が近い子たちと寄り添って暮らしているらしい。

 今の一般市民は主に配給制で生活しているようで、中々に厳しい環境。

 そんな中で男だというだけで食事その他が優先されている状況に後ろめたさを覚えない訳もない。

 そんな徹雄の顔を木綿季が覗き込むようにみた。

 

「ダメだよ。そんな風に考えちゃ。今の世界のことはお兄さんのせいじゃないんだから」

 

 こちらの心を見透かすような言葉に徹雄は居たたまれなさを感じた。

 

「ありがとな」

 

 多少の恨み辛みを口にしても良いと思うのだが、木綿季はこちらを気づかってくる。

 その日は互いにそれで別れた。

 1日たった30分の交友。

 何もかもが変わった世界で徹雄は確かな安らぎを感じていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 気がついたら、握り込んでいた拳を目の前の女に目掛けて振るっていた。本当に最後の理性で寸止めしたが。

 その拳が怖かったのか、ヘナヘナと尻餅をつく。

 

 今日も早朝のトレーニングを終えて帰る途中で木綿季がいつもいる場所に向かうと、そこには彼女と初めて会ったときに絡んでいた女が仲間を引き連れて木綿季を囲っていた。

 ゆっくり近づいて勝手に喋る理由を聞いているとどうやら、男である徹雄と仲良くしているのが気に食わないとかそんな理由らしい。ついでに木綿季のせいで徹雄への印象が悪くなっただの。好き勝手言っていた。

 それにまともに相手にする価値無しと判断して女たちを押し退けて遅くなったとだけ告げて木綿季の手を引いた。

 

 最初は驚いていたが女たちが媚びへつらうようにすり寄ってきても無視を決め込もうとした。

 それすらも相手へ全て木綿季が悪いと思ったらしく、女が木綿季の頬を張った。

 パシンと頬を張る音。木綿季の頬が赤くなっているのを見て一気な頭に血が上り、拳を出したのだ。

 寸止めに驚いて尻餅をついた女を見下ろして吐き捨てるように告げる。

 

「二度とこいつに絡むような真似すんな。次見かけたら、止めねぇぞ」

 

 それだけ告げると徹雄は木綿季の手を引いて自分の部屋まで戻った。

 というか、なんでここまで連れてきたのか。

 

「悪い。家まで送るわ」

 

 そのまま送り返せば良かったのだが、あの女たちからとにかく引き剥がしたかった。

 いくらなんでも考えなさすぎると自己嫌悪に陥っていると、木綿季が首を振った。

 

「ううん。助けてくれてありがとう。それと、ゴメンね……」

 

「お前が何か気にする必要はないだろ。何も悪くねぇんだから」

 

「そうじゃなくて!」

 

 木綿季が少しだけ声を荒らげた。

 

「本当は、本当は……ちょっとだけ期待してたんだ、ボク……」

 

 ここら辺でメイティングのことへ徹雄を保護してる団体から説明されている。

 もしも彼の寵愛を受けられれば、相応の見返りも得られることも。

 だから、ただ純粋な気持ちで一緒に

 

「お兄さんと一緒に居るのは楽しかったけど、ボクもあの人たちと────っ!?」

 

 突然、徹雄が木綿季の唇をキスで塞いだ。

 舌を入れようとした瞬間に木綿季が徹雄の体を押し退ける。

 

「いきなりなにするのさ!?」

 

「何って。こういうことするために近づいたんだろ? やるぞ。遠慮すんな」

 

「え、え~……」

 

 急展開に顔を赤くして呆気をとられる木綿季。

 

「お前は俺に抱かれて見返りも得る。俺もお前のことは嫌いじゃない。なら、問題ないだろ」

 

 同情がないと言えば嘘になる。

 男だというだけで優先されている自分を誤魔化したいという理由も否定しない。

 だからこれは木綿季だけが得する話じゃないんだと。

 木綿季の小柄な身体を抱き寄せる。

 すると彼女は。

 

「やっぱり、汗臭い……」

 

「分かった。シャワー浴びるから待ってろ。逃げたら更識に言って無理矢理連れ戻すからな!」

 

 それだけ告げてシャワー室に入る徹雄。

 

 ベッドに座って状況整理が追い付かないままに赤くなった頬に触れる。

 

「男の人にあんなこと初めてされた……」

 

 恥ずかしさを誤魔化すように木綿季は自分の胸に触れる。

 

「本当にいいのかな……?」

 

 女性らしいとは言えない身体。

 ここに来る途中に徹雄に話しかけてきた水色の髪をした女性は同性の自分から見ても羨ましい肢体をしていた。

 

「それに、逃げても連れ戻すって。丸っきり悪役のセリフだよね」

 

 あたふたしていると、持ち歩いていたバッグに目がいく。

 木綿季は意を決してそのファスナーを開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 徹雄が上半身裸の状態でシャワー室から出ると、そこには、先程までとはまったく違う格好の木綿季がいた。

 短かった髪はおそらくは(ウィッグ)で長く伸ばされ、ヘアバンドをつけている。

 服装もコレまでと違い、アニメやゲームで在りそうな格好をしている。

 

「はは……驚いた?」

 

 不安そうな笑みで両手を小さく上げる木綿季。

 

「どうしたんだ、それ?」

 

「これね。昔やってたオンラインゲームで使ってたアバターの格好なんだ。ちょっと前に皆で作ったんだ」

 

 結構、有名なゲームなんだよ、と頬を掻く。

 

「それで、どうかな……?」

 

「あぁ。似合ってるよ、すごく」

 

 そのまま木綿季をベッドに押し倒した。

 持ち歩くくらい、大事な衣装だってんだろう。それをここで披露するということは。

 

「今度は、抵抗するなよ」

 

「うん……」

 

 覆い被さり、木綿季に口付けをして口内に舌を入れた。

 震えるままにベッドのシーツを握る。

 

「んん……んんっ!」

 

 少しずつ。少しずつ受け入れるように肩の力が抜けていくのを感じて徹雄は一旦体を離した。

 

「負担が減るように、じっくりやるからな」

 

 インナーをずらして露出した乳首を吸い始め、片手はスカートの中をまさぐり、陰口に指でなぞる。

 

「つぁ……」

 

 誰にも触れられたことのない場所を舐められ、触れられているという羞恥心に木綿季は顔を背ける。

 陰口をなぞっていた指が移動し、今度は陰核に触れ始めた。

 

「はぁ……お兄さん、それ……!」

 

「痛かったら言えよ?」

 

「そうじゃ、ないけど」

 

 徹雄は割れ物にでも触るように丁重に木綿季の身体を扱う。

 唇も肩や首筋などにキスを降らせる。

 時間をかけて愛撫していくと、木綿季の股間が湿ってきた。

 

「濡れてきたな」

 

「そういうこと、言わないでよぉ!」

 

 言われると木綿季はこれまでで1番顔が真っ赤になる。

 しかしまだ足りないと思った徹雄は木綿季の下半身まで顔を移動して直接彼女の陰口を舐め始めた。

 

「ちょっ!? そ、そんなとこ、ヤメテよ!」

 

 恥ずかしさから徹雄の顔を離そうとするが、脚をガッチリと掴まれているためにそれも出来ない。

 直接唾液で陰口やその中を舌で濡らし終えると徹雄は自分のぺニスを取り出した。初めて見る男の性器に木綿季は手で顔を覆った。

 

「気を付けるが、ホントにダメそうだったら言え。それと、できるだけ足は開いて」

 

 スカートを捲り、広げさせた足。その中心に存在する木綿季の陰口に徹雄は上から少しずつ体重をかけて押し進んだ。

 

「う、ん……くぅ……!?」

 

 自分の膣内に異物を受け入れ、広げられる痛みに目尻に涙を浮かべながら指を噛んで耐える。

 その姿を見て徹雄は素直な感想を述べた。

 

「木綿季、お前さ。すごくかわいいな」

 

「ふえ……」

 

 何を言われたのか理解していない木綿季に額から頬。あらゆる箇所に唇を押し付ける。

 

「かわいい……すごく、いい。もっと繋がりたい……」

 

 うわ言のように繰り返されるその言葉に木綿季は首を何度も振る。

 それでも誰かを求めるように徹雄の背に腕を回して離そうとはしなかった。

 ぺニスの進行を阻む膜。それをゆっくりと突破すると繋がっている箇所から赤い液体が落ちる。

 

「よく、頑張ったな」

 

「うん」

 

 頭を撫でてやるとくすぐったそうに辛そうな表情が少しだけ緩和された。

 それから恋人のように手を繋いでゆっくりと腰を前後させて木綿季の膣内を動く。

 元々、小柄な上に初めてだ。まだ快感などは薄く、痛みに耐えるのがやっとなのだろう。

 それでも、最後までやろうとするその姿がいじらしく、愛らしいと思った。

 射精する瞬間にぺニスを引き抜いて、季綿季の着ている衣装のお腹の部分に白濁液をかけた。

 

「あ……」

 

 それで終わったことを察したのか。木綿季は安堵したように大きく息を吐き、閉じた目から一筋の涙が落ちる。

 そんな少女に徹雄は唇だけを重ねるキスをしてから、その頬を愛おし気に撫でた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後。

 

 

「ちょっとぉ!? ヒドイじゃない! 私の時はそんな風に優しくなんてしてくれなかった癖に! 贔屓よ贔屓!!」

 

「うるさい。白目向いて意識飛ばしたお前にダブルピースさせて写真撮らなかっただけでも優しくしてやったと思え!」

 

「Zzz……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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神宮司まりも(Muv-Luv)その1

あいとゆうきのおとぎばなし最大のトラウマメイカー、神宮司まりももこの作品ではヒロイン枠です。
作者は好きですよ、まりもちゃん。



最近、五等分の花嫁を買って現在読み中。面白い。
もしかしたら何人かこの作品に出演するかも。


 朝比奈徹雄は脚立に乗って金槌を振るっていた。

 トンッと最期の釘を打ち終わると額から流れる汗をタオルで拭く。

 

「とりあえずは、ここはこれで大丈夫だろ」

 

 やや形は悪いが、木の板を留め終えて、徹雄は息を吐く。

 

「あの~……修理は終わりましたか?」

 

 躊躇いがちに訊いてきた長い栗色の髪の女性に徹雄はあぁ、と頷いた。

 

「何とか居間だけは。これでこの天井から雨水が落ちたり、腐った床が抜けるなんてことはねぇと思う。つっても、所詮は素人の日曜大工だからな。あまり過信はしないでくれ」

 

「いえ! 本当に助かりました! やっぱり、男の人が居ると違いますね」

 

 ペコペコと頭を下げてくる女性に徹雄は苦笑した。

 

「いや、こっちも任せろなんて大口叩いといて。結局まだ居間しか直せてなくて悪いな、柊さん」

 

「そんなこと言わないでください! 本当に困っていたので! それに、トイレの水回りも直してくれたじゃないですか! 木綿季ちゃんが貴方を連れてきた時はビックリしましたけど」

 

「はは……」

 

 柊赤緒。今徹雄がいる日本屋敷。そして表の神社の管理をしている楯無と同じくらいの女性だ。

 管理、と言っても元々はこの屋敷の居候に過ぎなかったのだが、4年前に蔓延したMKウイルスによって本来の家主であり、神主だった男性が亡くなり、なし崩しにここの管理をすることになったらしい。

 

 徹雄がコールドスリープに入る前は、人間は労働から解放され、職に就くのは使命感や仕事を生き甲斐にしている者たちだけだったのだが、それでも例外は存在する。

 例えば葬儀とか。

 経を録音再生で流して機械に木魚を叩かせて終わる葬儀など、どう考えてもアウトである。

 故に、葬儀関係は人の手によって行われてきた。

 今ではこの神社の住人として赤緒が亡くなった人の葬儀を執り行うこともあるのだとか。

 最も、赤緒自身そうした教育を正式に受けたわけではなく、結局は多少知識のある人間がやっている紛い物、らしいが。

 そしてこの広い屋敷もかつては立派だったのだろうが、ここ数年でだいぶ傷んだりと劣化しており、困っていたらしい。

 ここに1人残された赤緒は木綿季のように家族のいない、もしくは捨てられた子供をここに住まわせているらしい。

 

 そしてこの家のボロ具合を愚痴っていた木綿季の話を聞いた徹雄がじゃあ直すか、とやって来たのである。

 

 細胞硬化症から目を覚まし、一応は今の環境に慣れようとはしているのだが、やることはトレーニングと食って寝て、楯無が連れてきた女を抱く毎日。

 ぶっちゃけ、ヒモである。

 楯無が言ったように、この計画が人類存続を賭けた計画である以上、協力することを今更とやかく言うつもりはない。

 それでも、20年以上養ってきた価値観が現状に何も感じないほど徹雄は今の世界に馴染んでいなかった。

 つまりは労働意欲に飢えているのだ。

 それで楯無に相談したところ、彼女は素で。しかしおそらくは理解していながら。

 

『貴方のお仕事は子作り(メイティング)でしょ?』と首を傾げて不思議そうな表情で返された。

 

 ついでにその晩、八つ当たりでメイティング相手3人を気絶させるまでヤッた。

 だが、考えて見れば殴り愛を仕事にしていた徹雄に出来る仕事とは何かと問われれば口をつぐむ他ない。

 頭はお世辞にも良いとは言えず、誰かの護衛をしようにも徹雄自身が守られる立場なのだ。

 そこで今回の木綿季の愚痴に繋がるのである。

 今回はボランティアだが、素直に感謝の1つもされれば嬉しくなり充実感も得られるものである。

 そこで木綿季がひょっこりやって来た。

 

「お兄さん、終わった?」

 

「おうよ。居間だけはな。流石に今日これ以上は無理だ。ちょくちょくやって来て直すしかねぇわ」

 

 金槌で肩を軽くトントンと叩く徹雄。

 木綿季も新しくなった天井部分を見ておー! と手をパチパチする。

 

「これでご飯の時に毎回水が落ちてくることは無くなるね!」

 

「木綿季ちゃん!」

 

 木綿季の言葉に赤緒が恥ずかしそうに口に人差し指を当ててしーしーとジェスチャーする。

 

「えーと、朝比奈さん。直してくれるのは嬉しいんですけど、これ以上お世話になるわけには。お礼も出来ませんし」

 

「気にすんな。別に礼が目当てって訳じゃねぇ。俺の精神の充実。もとい、一度見た以上は気になるからな。それに────」

 

 そこで徹雄は言葉を止める。

 

(木綿季に手を出した礼も兼ねてますとか流石に言えねぇ)

 

 そんなこと言ったら即警戒対象だろう。せっかく受け入れられてるのに軽蔑されるのは遠慮したい。

 しかし何を勘違いしたのか赤緒は感激した様子で涙目で口を押さえていた。

 

「朝比奈さん……ありがとうございます!」

 

「あ、うん。出来る限りはやってみるわ」

 

「でもスゴいね。昔、ボクの周りでこういうこと出来る人って居なかったなぁ」

 

「5年前は機械でやってくれるのが大半だったからな。俺はうちのジムがボロくて、会長が自分で出来ることは自分でって人だったからな。それで手伝ってたら自然とだ」

 

 工具を片付け始める徹雄。そこで木綿季が思い出したのか手を叩く。

 

「そうだ。赤緒さん、先生来てるよ」

 

「えぇ!? も、もうそんな時間でしたか! あ、朝比奈さん! 今日はありがとうございました! お礼は後日に!」

 

 一礼して慌てて出ていく赤緒。

 

「先生?」

 

「うん! ここの子たちに勉強を教えてくれてるんだ。ここには小さな子も多いしね」

 

「勉強か。俺、計算は四則算しかできねぇな」

 

「あはは。それじゃあついでに勉強見てもらう?」

 

「……ガキに混じってか?」

 

「どっちかって言うと授業参観みたいな絵になりそうだね」

 

 違いないと笑い帰ろうとする。すると屋敷の外で赤緒とその先生が話しているのが見えた。

 

 そこで徹雄はん? と眼を細める。

 ウェーブのかかった栗色の髪。

 記憶より少し歳が上だが、徹雄はその顔に見覚えがあった。

 早歩きで近づいて思わずその女性の手を取った。

 

「まりも……?」

 

 向こうもこちらに気づいたのか、驚いたよう眼を見開く。

 

「徹雄、くん?」

 

 しばらく驚きから固まっていると、木綿季が質問した。

 

「あれ? 知り合い?」

 

「え……と……」

 

 訊かれてまりもが戸惑ったままにだが、どうにか返答する。

 

「お、幼馴染みなの! 家が近かったから!」

 

 と、まりもの返答に被せる形で徹雄も答えた。

 

「正確には交際期間2ヶ月で終わった彼氏彼女の関係だな。別れてから連絡も取ってなかったが」

 

「えーっ!?」

 

 徹雄の言葉に木綿季が驚きの声を上げ、赤緒も口を押さえて驚いている様子だった。

 

「ちょっと……何でそうあなたは明け透けに……」

 

「特に隠すようなことじゃないだろ? 事実なんだし」

 

「別れた原因があなただって忘れてるのかしら?」

 

「忘れてねぇけど? それがどうした?」

 

「こいつは……」

 

 怒りを抑えるように眉間を指で触れる。

 とにかく、と徹雄がまりもの肩に手を置いた。

 

「勉強、教え終わったらちょい付き合え。聞きたいこともあるしな」

 

 それだけ告げると手をひらひらさせて帰って行った。

 

「本当に、もう!」

 

 徹雄の勝手に怒りながらもどこか嬉しそうに小さく微笑んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当に来たのね」

 

「自分から一方的に約束しておいてやぶんねぇよ。行くぞ」

 

 まりもの手を引くとちょっと! と抗議される。

 

「飲みながら話そう。俺の部屋なら防犯もバッチリだから」

 

 強引な徹雄にまりもは怒るような仕草をしながらも払い除けることはしなかった。

 

「広いわね」

 

「不相応なのは自覚してる」

 

 徹雄の部屋は複数の女を連れ込むことも想定されているため、かなりの広さがあった。

 

「それにしても別れた女を部屋に連れ込む? 普通」

 

「……あのときは悪かったと思ってるよ」

 

 苦いことを思い出して徹雄は冷蔵庫の中のビールを取り出す。

 徹雄とまりもが別れた原因。それは徹雄がいかがわしい店に行ったからだ。

 日本チャンピオンに無敗の一直線で勝ち取った。

 その後、先輩の口車に乗ってそういう店に行き、6人抜きとかやらかしたわけだ。

 しかもその時のことが先輩自身が触れ回り、当然まりもの耳にもその話が伝わる。

 それを当時交際2ヶ月のまりもが許す筈もなく喧嘩別れ。正確にはまりもが一方的に怒鳴り散らして別れたわけだ。それからは自然と疎遠になってしまった。

 それが今ではより多くの女と性交することが勧められる立場に置かれているのが皮肉である。

 

 コップにビールを注ぎ、軽く再開を祝した乾杯をすると、思出話の雑談をそこそこにしながら徹雄が質問する。

 

「そういや、香月のやつは元気でやってるのか?」

 

「夕呼? 夕呼とはここ2年くらい連絡が取れないわ。彼女のことだから元気にやってると思うけど」

 

「だよな。あいつなら、宇宙人が攻めてきて、本当に人類が滅亡仕掛けても、偉そうなポストに座って俺ら凡人には及びもつかないことをやってそうだ」

 

「なによそれ」

 

 徹雄の言い分にまりもが苦笑する。しかし、否定しないのはその姿が何故かまりも自身想像できるからだ。

 彼女ならやりかねないと。

 

 香月夕呼。まりもの親友で腐れ縁の女。まりもを学生時代にこれでもかと言うほどに振り回した行動力溢れる女性である。

 しかも頭の出来もシャレにならないほど良かったため、口で勝てた覚えがない。

 

 それなりに酒が進むとまりもが徹雄の肩に頭を乗せてきた。

 

「本当に大変だったのよ? ウイルスのせいで男の人が亡くなって、お世話になった人もたくさん居なくなって。世界はこんな風になっちゃうし。なのに貴方は1人冷凍カプセルで寝てたなんて」

 

 まりもが話す世界の荒廃の流れとその恐怖は直接見ていない徹雄には理解共感しにくいことだろう。

 だが、そんな世界で少しでもどうにかしようと彼女は子供たちに勉強を教えるという方法で良くしようとしているのだろう。

 

「悪かったよ。でもそのお陰でこうして生き残ったんだからとやかく────」

 

 そこで徹雄は酒の減り具合に気づく。

 

「……お前飲み過ぎじゃね? 何で俺が3でお前が7なんだよ。つか、何瓶空けた?」

 

「うっさいわねー! こんな時くらい飲まないとやってられないのよー!!」

 

 新しく瓶ビールを空けてコップに注ぐと一気に煽るまりも。完全に目が据わっていた。

 

「こっちは色々と苦労してるのにアンタはこんなところで良い生活してぇ! 少しくらい羽目外させてくれてもいいでしょー!!」

 

「それはいいんだけどよ」

 

「私はあと数年で三十路になるのに徹雄は、コールドスリープでグースカ寝てて若いままとかなに!? 喧嘩売ってるの!?」

 

 グチグチとどんどん酒を煽るまりもその姿を見ながら徹雄はアレーと首を傾げた。

 

(コイツってこんなに酒癖悪かったか?)

 

 記憶を掘り返すが一緒に酒を飲んだ記憶がない。

 

(あ。そういや前に香月が)

 

 まりもが酒飲んで暴れてるから迎えに来いと連絡を貰ったことがあった。相当切羽詰まった声で。

 当時はもう破局しており、試合が近く減量中だったことから携帯の電源を切って無視したのだが。夕呼のやらせだと思ったこともある。

 

(あれって実はマジの救援要請だったのか?)

 

 そんなことを思っているとまりもが急に徹雄の首に腕を回してキスをしてきた。そしてそのまま抱きついて臭いを嗅いでくる。

 

「てつおのにおい~!」

 

 顔がどんどんズレ落ちてファスナーを下ろしてきた。

 

「おいっ!」

 

「どうせ~。ここの女の人とエッチなことしてるんでしょー! だったら、私にしてくれてもいいじゃない! 元カノなんだし~!!」

 

 言って肉棒を取り出して咥え始める。

 

「まりも! おーいまりもちゃん!! お前、酒癖悪すぎ!」

 

 これ以上されたら徹雄自身、酒が入っているため、抑えが利かなくなる。

 離そうとするが、肉棒を咥えた口を放そうとせずにフェラを続ける。

 積極的に動く舌の感触がぺニスを刺激する。

 程よく酒が入っていたせいで敏感になっていた肉棒は、すぐに射精される。

 喉を鳴らして飲み干すまりもに、少しは正気に戻ったかと期待したが。

 

「じゃあ、早く本番、やりましょ~!」

 

 火照った顔で履いていたスカートを下ろして抱きついてくるまりもに徹雄の理性が焼き切れる。

 

「だぁ、もう! 後悔しても知らねぇからな!」

 

 そのまま酒が全部悪いとまりもを押し倒した。

 徹雄も割りと酒乱の気があり、飲みすぎると色々と抑えが利かなくなるときがある。

 要するに酒乱に関しては似た者同士なのだ。

 

 上に着ていた服を捲り、ブラを取り払って豊満な胸を強く揉む。

 最初は唇を舐めていた舌が次第に口内へと侵入し、歯形を舐め始めた。

 

「チュ……ん……」

 

 唾液と舌が混ざり合い、口を離すと唾液で糸が伝う。

 最期の理性で確認するように告げる。

 

「挿れるぞ」

 

 まりもは酔っている。酔っている筈だったが、一瞬だけ素面に戻ったように呟いた。

 それはまるで夢を見ているような囁き。そして一筋だけ伝う涙。

 

「ずっと……ずっと待ってたのよ……」

 

 それは何に対してだったのか。

 コールドスリープから起きることか。

 それとも、こうして肌を重ねることか。

 判らなかったが、もう躊躇する理由はなかった。

 

 肉棒をまりもの膣内の奥へと一気に突きいれる。

 楯無や木綿季とは違う、大人の女として熟れた肢体が徹雄の肉棒を包み、刺激した。

 うねるようにあらゆる角度から絡み付いてくる肉壁。それが、しっかりと徹雄を射精へと導いていく。

 

「ふ、はぁ……いい……すごく激しい!」

 

「お前も、締め付け、すげっ……!」

 

 互いの肉体を貪っていると、徹雄が射精し、まりもの膣内に精液が注がれる。

 

「あん……あっ!?」

 

 それを全て受け入れると抜かないままに体を少し浮かせる。

 だが、まりもが首に腕を回した。

 

「何勝手に離れようとしてるのよー。まだ、出来るでしょー」

 

 ねだってくるまりもに徹雄は一度ぺニスを突く。

 まりもからあん、と声が漏れる。

 

「当たり前だろ。お前が満足するまで、何度でも付き合ってやるよ!」

 

 再び徹雄はまりもの膣内を貪り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どれだけの時間をまぐわったのか。

 何度も何度も膣内に射精し、胸や口を犯す。

 まりもももっと、もっと、と繰り返し徹雄を求めた。

 一度引き抜いたペニスから、精液がゴボリと床に落ちる。

 今は、壁に手をつかせて後背位で交わっている。

 パンパンと肉の擦れる音と突かれる度にまりもの喘ぎ声と徹雄の息づかいが室内の音を支配する。

 背中から覆い被さり、乳房を揉み、長い髪を掻き分けて背中や後ろ首にキスをして舌を這わせた。

 

「まりも! 悪い、また!」

 

「きてぇ!! もっともっと徹雄で、私を充たしてぇ!!」

 

 もう何回目なのか分からない射精。

 しかし2人は止めることをせずに次の体位に切り替える。

 

 今度は仰向けになった徹雄の上をまりもが股がった。

 いつまでも萎えない肉棒をまりもは悦楽に染まった表情で腰を上下左右に動かして貪る。

 

「スッゴい!! まだ固くて……ひゃんっ!?」

 

 尻を掴まれて肉棒を突き上げられるとまりもが可愛い声を漏らす。

 

「お前も、ここまでヤッて、全然緩くならねぇな! ずっと、繋がっていてぇ!」

 

 上半身を起こしてまりもの身体を強く抱き締めたまま子宮口突く。

 

「うん! うん! このまま、ずっとぉ、あぁああああっ!!」

 

 もはや意味不明な要領を得ない言葉になりながら、また精子を受け止めた。

 たが、それで体力を使いきったのか、まりもは口をだらしなく半開きにしたままに目蓋が落ちる。そして徹雄に身を委ねるように体を預けた。

 眠るまりもを見て、体力の限界だった徹雄は荒くなった呼吸を調えるように大きく息を吐いた。

 

「勝った……」

 

 そのまま睡魔に抗わずに意識を落としていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ちなみに、徹雄の部屋には監視と防犯の意味でカメラが仕掛けられているのだが、当然このときのセックス映像も映されており、それを観ていた女性陣。特にメイティング経験のある女たちは徹雄の絶倫っぷりに戦慄し、それを受け止め続けたまりもに対して畏怖と羨望のまなざしを向けるのだが。

 満足そうに抱き合って眠る今の2人には関係のない話である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




あと1人書いたら誰かのその2を書こうと思ってます。


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周防天音・風見一姫(グリザイアの果実)その1

最近グリザイアの果実・楽園のブルーレイを買ったので。

この作品ではマイクロバス転落事故は起きましたが、天音と一姫2人で脱出しました。


「んー!! くんくんっ! 汗くさ~い! でもこの男の人の臭い、嫌いじゃないかも!!」

 

 1週間に1回行う健康診断から部屋に戻ると知らない女が自分のベッドに体預け、ご満悦な様子で枕の臭いを嗅いでる場面に遭遇したらどうすればいいのか。本気で教えてほしかった。

 徹雄は後ろに居る最近護衛として楯無に紹介された女に話しかけた。

 

「こういう場合、どうすれば良いと思う? マドラックスさん」

 

「さぁ?」

 

 徹雄の言葉に肩を竦めてまったく参考にならない答えが帰ってきた。他人事のような笑みが今は無性に憎らしい。

 マドラックス。

 おそらくは偽名だろうが、楯無から護衛として雇われた凄腕らしい。

 故郷で傭兵だかエージェントだかをしており、楯無がコネを総動員させて呼んだとのこと。

 曰く、彼女を越える銃使いを楯無は知らず、彼女に護衛できないのなら誰が護衛についても無駄というくらい信頼しているらしい。

 年齢は木綿季よりは上でおそらく楯無よりは下。長く、光の加減で金にも見える。薄茶色の髪。

 どこか気品を思わせる顔立ちと仕草の少女で、よく町へ繰り出している徹雄の護衛として雇われている。

 だが、そんなことは今はどうでも良いのだ。

 

「あんっ! はぁ、はぁ……こんなこと、だめぇ!」

 

「……なんか胸だして俺の枕を股に擦り付けてオナり始めたんだけど」

 

 後で枕は替えてもらおうと心に決める徹雄。

 さすがに精神的に入り難く、どうするか悩んでいるとマドラックスが提案してきた。

 

「隣が私の部屋だから、終わるまで待ってる?」

 

「いいのか?」

 

「私は貴方の護衛だもの」

 

「それじゃあ、お言葉に甘えて────」

 

 失礼しますと頭を下げようとすると、後ろから声をかけられた。

 

「ちょっと。そこ、退いてくださる?」

 

 話しかけてきたのは中学生くらいの少女だった。

 銀髪にやや眠そうな赤い目を瞳。

 その少女は徹雄の部屋の扉を指さして質問する。

 

「さっきからその大きな図体で立たれたら通れないわ。というか、そこは貴方の部屋だと記憶しているのだけれど?」

 

 なんで入らないの? と言いたげな相手の質問に徹雄は答える。

 

「あぁ、悪いな。邪魔して、なんか、部屋で勝手にオナってる女がいてどうすればいいのか考えてたんだ」

 

 徹雄が自分の部屋を指さすと少女が目を細めて開いている隙間から覗く。

 中では、段々声が大きくなってオナニーを続ける痴女。

 徹雄は相手の顔を見て結構な美人さんなのに勿体ねぇなと思った。

 

「……」

 

 中を覗いていた少女が息を吐いて顔を覆っていた。

 この年の女の子にはちょっと刺激が強かったか? と思っていると少女が音を立てて扉を開ける。

 

 それにビックリして痴女のオナニーが止まる。その顔は当然ながら引きつっていた。

 

「か、一姫? それに……」

 

「天音……貴女、何やってるのよ」

 

 呆れを交えた声音に絶対零度の視線を向ける一姫た呼ばれた少女。そして痴女は天音と言うらしい。

 

「い、いつからそこに?」

 

「つい今しがたよ。私の親友が粗相をしているようだから止めに入ろうと思って」

 

 だらだらと脂汗を滲ませる天音はそっちは? とでも言うように視線を向けてきた。

 

「お前さんが俺のベッドにダイブしたところからだな」

 

「それほとんど最初からじゃない!!」

 

「最初っからだったのかよ」

 

 その時点で止めときゃ良かったと頭を掻く。

 冷たい視線に曝された天音は涙ぐむ。

 

「も、もう……お嫁にいけへん……」

 

「今は男女比が50億分の6だからな。大抵無理じゃね?」

 

「そういうことじゃないわよ!」

 

 枕を投げつけられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 マドラックスには席を外してもらい、徹雄は一姫と2人で天音の話を聞いていた。

 

「それで? 真っ昼間からいったい何をしているのかしら?」

 

 一姫の問いかけに正座した天音が両の人差し指をちょんちょんとつつき合いながら答える。

 

「その……先日の、ですね。朝比奈さんと元カノのエッチを見まして」

 

「あぁ、アレか」

 

 先日、まりもを連れてきて酒飲んだ勢いで暴走気味にセックスしまくった。

 ついでにこの部屋に監視カメラが付けられていることをまりもに話したところ顔を真っ赤にさせてビンタされた上に話もしてくれなくなった。

 

「あれから、色々と性欲が高まってムラムラして、抑えられなくなりまして……」

 

「それで俺の部屋でオナってましたと?」

 

「……実は朝比奈さんがいたらちょっと下半身の物を借りようと思ってました、はい」

 

「……」

 

 いつの間にか逆レイプされかけていたことに徹雄は顔をしかめた。それに一姫が息を吐く。

 

「ごめんなさいね、朝比奈さん。この子、基本的にちょっと性欲が高いドMだから」

 

「そうかよ。それより、親友つってたけど、中坊と大学生くらい年離れてそうなのに対等な関係って珍しいな」

 

 徹雄の言葉に天音は口元を押さえて笑いを堪えており、一姫は威圧感のある笑みを向けてくる。

 

「一応、言っておくけど、私と天音は同い年ですからね? 年齢(とし)は────」

 

「え!? ウソ! つか俺とも(冷凍時間を抜いて)タメかよ!」

 

 そこで徹雄は2人のとある部位に視線を向けてから天井を仰ぐ。

 というか、2人の体格の違いからより一姫が幼く見える。

 

「まぁ、なんだ。人間同じ体型ばっかだとつまらないよな」

 

「その台詞、どこを見て言ったのかしら? 是非お聞きしたいわ」

 

 一姫から思いっきり脛蹴りを喰らわされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まったく。貴女も何をやっているのよ」

 

「あはは……ゴメン。でも、何にも考え無しでやったことじゃないんだよ?」

 

「どんな考えがあったのかしら?」

 

「雄二君のこと。近々、エネルギー節約のために、冷凍カプセルに入ってる人を間引きしようって噂、知ってるでしょ?」

 

「……ただの噂よ。実際、更識さんは否定しているわ」

 

 それは馬鹿馬鹿しいと頭から否定するより、そう自分自身で思い込もうとしている様だった。

 だが、今はまだ噂に過ぎなくとも、いずれは起きるかもしれないことでもあった。

 

「言いたくないけどさ。一姫たちの研究も、あまり、上手く進んでないんでしょ? だから……」

 

 この施設では、とある人物を中心に世界中の男を死に到らしめたMKウィルスへの抗体薬の開発研究をしている。頻繁に徹雄の検査をしているのもそのためだ。

 もっとも、その成果は芳しくないが。

 

「だからさ。あの人とメイティングすれば、少しはそのリストから外れるかもって思ったの」

 

「天音……」

 

「昔、一姫が教えてくれたんだよ? 出来ることがあったのに、ていう後悔が1番悔しいってさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その晩、やってきたのは天音と一姫だった。

 

「どうもー。夜のご奉仕に参りました!」

 

「……今日の昼にあんなことがあったのに顔出すとかすげぇな。そっちの風見だっけ? こういうことに参加するようには見えなかったが」

 

「一姫でいいわ。そうね。貴方と肉体関係を結ぶことには俄然興味は無いのだけど。少しばかり事情が変わったのよ」

 

「一姫!」

 

 明け透け過ぎ、と言う天音。

 それに徹雄は首を傾げる。

 

「事情?」

 

「それは、しながら話しましょう。時間は有限だし」

 

 言うと、下着姿だった一姫がブラを外す。中から慎ましい膨らみ胸が晒された。

 天音も続き、ベッドに腰かける。

 

「とりあえず、こちらへ来て下さる? 上を脱いで」

 

 ここで拒否しても仕方ないため、徹雄は着ていたシャツを脱ぎ捨てて天音に被さるように倒した。

 

「で? 事情って?」

 

「まぁまぁ。少し、楽しんでから、ね?」

 

 天音は徹雄の首に腕を回して口付けてくる。

 口内に舌が侵入して貪ってきた。

 その間に徹雄も天音の胸を掴んで揉むと、ビクッと肩が小さく跳ねる。

 

「せっかくだから、こちらも構ってほしいのだけれど」

 

 一姫が背中の筋肉を指でなぞりながら、肩にキスをする。

 一度天音とのキスを終えてから体を起こす。

 

「それで、さ? 早く事情ってやつを教えてくれ。このままじゃ気になって集中できねぇんだけど」

 

「と言いつつ天音の胸から手が外れてないのだけど」

 

「気持ちいいからな」

 

 当たり前だろ、と言う徹雄。それに一姫は小さく息を吐いて説明を始める。

 

「私には、弟が居るのよ。もっとも、今はカプセルの中で眠ってるけどね」

 

「それが、何かコレと関係あんのか?」

 

「もしかしたら、近々エネルギー削減の為に何人かカプセルが停められてしまうかもしれないの」

 

「なっ!?」

 

 一姫の言葉に徹雄は言葉を失くす。

 つまりそれは、中にいる男の死に繋がるからだ。

 

「もちろん、ただの噂よ。でも可能性としてはゼロじゃないわ。少なくとも、このままMKウィルスへの対処方が生み出されないなら」

 

 文字通り、無駄なものとして処理されてしまうだろう。その時、少しでもそのリストから弟が外れるように。こうしてメイティングに参加することを決めたらしい。

 

「どう? 利用されるのは不満かしら?」

 

「別に。むしろ、理由が分かりやすくていい。でも良いのか? ほら、子供ができる可能性とか」

 

「それを理解できてないほど馬鹿だと思う? それに、そうなれば、それはそれで発言力を得られるかも知れないでしょう?」

 

 どちらでも構わないのだと言う一姫。

 その言葉に徹雄は分かったと頷く。

 1度立ち上がって履いている物を下ろし、男性の象徴が露になる。

 それを見た天音がわ、おっきいと唇を動かし、一姫がギョッとした顔になる。

 徹雄のぺニスを指さす。

 

「え? なにそれ?」

 

「なにそれって。男性器だろ。見れば分かるだろ」

 

「いいえ違います。私が知ってるなおちんちんは皮を被ったもっと可愛らしいおちんちんです。そんな凶器みたいな形はしてません」

 

「それ、ガキのじゃね?」

 

「えぇ。弟が小さいときはあの子のおちんちんを手で弄ったり足やお尻で抜いたりして可愛がってあげてたけど……」

 

 一姫の言葉に徹雄は言葉を失う。

 

(どう解釈しても弟を性的虐待してましたとしか聞こえねぇ)

 

 一姫の弟に同情しながらもその思考をすぐに頭から追い出す。

 

「とにかく、続き、するからな。先ずは一姫を濡らさねぇとな!」

 

 一姫を膝立ちにさせて徹雄は後ろから抱き、胸を愛撫し始めた。

 

「そ、そんな大きなモノ、私の膣内(なか)にはいら……ひゃん!?」

 

「お? 結構敏感だな。それとしっかりと濡らせば大丈夫だろ。この間、お前と同じくらいの体型をした女とヤッたし」

 

「それなんの保証にもっ!?」

 

 乳房を揉んでいた指で乳首を弾くと背中を反らして口をきつく結ぶ。

 他にも後ろから見える肌を舐めたりしていると強張っていた体の力が抜けていく。

 

 それを見ていた天音がぷー、と頬を膨らませた。

 

「ちょっとぉ! 私を除け者にしないで!」

 

 言うなり、膝立ちで開いた一姫の股から徹雄のぺニスを引き寄せる。

 すると、徹雄のぺニスをフェラしながら一姫の陰口を上唇でキスするように顔を動かす。

 

「あ、天音! 貴女!」

 

「へへ! こーふゅへは、ふゅはりほもひもひいいへひょ?」

 

 ついでに玉袋も優しく揉み始める。

 徹雄が腰を動かすと一姫の陰口に擦れて胸への愛撫と重なり呼吸が荒くなる。

 

「ちよっ、と! あなたたち、いい加減にっ!?」

 

 何か言おうとした一姫の尻肉を痛くない程度に揉むと言葉が途切れる。

 徹雄にではなく、一姫に前後で男女が奉仕しているような光景。

 最後に、天音がぺニスから口を外して陰口から膣内に舌を伸ばす。

 

「くぅ……んっ!?」

 

 すると一姫が強く目蓋を閉じて天音の顔に愛液をかける。

 

「はは。かずきのおつゆだぁ」

 

「天音、貴女同性愛(そっち)の趣味まであったのかしら!」

 

「そうかな? でもそれはきっと一姫だからだよ?」

 

 言うと、一姫の腕を引っ張って自分の上へと倒す。

 背中に腕を回して一姫をホールドした。

 

「ねぇ、徹雄くん。好きな方から犯していいよ」

 

 ちょうど陰口ご重なって見えるような体勢を作る。

 小柄な少女と大柄で豊満な少女が艶かしい体勢で誘ってくる。

 これで硬くならないほど徹雄はフェミニストではなかった。

 

「まだ1回も射精してねぇからな。そろそろ限界だわ」

 

 先ずは天音の膣内へと狙いを定めて一気に押し通る。

 

「っ!?」

 

 処女膜が破れ、苦しそうだったのは一瞬。数回奥へと出し入れを繰り返しているとすぐにその顔は快楽へと染まって行った。

 

「やだ! もっと辛いかと思ったら、むしろ……」

 

 処女を失くしたばかりで痛みを感じているはずだがそれ以上に気持ち良さそうに目元と口元を緩めている。

 

(へ? もしかして、膜を破った痛みでも感じてんのか?)

 

 一姫が天音をドMと言った意味を理解する。

 

「もっとぉ! 奥まで、はげしく突いてぇっ!? はうぅぅ!!」

 

 突き入れれば突き入れるほどに反応し、肉壁もどんどん徹雄に適した膣内に変わるように動いていく。

 

「おっ! そろそろ!」

 

「うん、わかる! だしてぇ! わたしの膣内にだしてよぉ!」

 

 まるでぺニスを放さないとばかりにこれまでで1番強く肉壁が締め付けてくる。

 

「あ、あ、あぁ! きたぁ! わたしも……っ!? あぁあああああっ!?」

 

 奥に精子を送り込むと天音は声を上げて自らも達する。

 射精し終えた肉棒を引き抜き、今度は一姫のモノへと動かす。

 

「行くぞ」

 

「ず、随分とせっかちなのね。少しは間を置いたらどうかしら」

 

「待たせたら悪いだろ。それにお前ら見てると、こっちは発情しっぱなしなんだよ」

 

 一姫の腰を掴んで相手の了承も無しに膣内へと侵入する。

 小柄なだけあって、天音の時ほどは手早く進まず、少し押し入るだけでも一姫の痛みに耐える声が聞こえる。

 それを見た天音が一姫の首に下から腕を回した。

 

「一姫が少しでも気持ちよくなれるように手伝って上げるね」

 

 何かが目覚めたようなその顔はまるで淫魔のようだった。

 頭に手を回した天音が一姫に口付けし、舌を音を立てて絡ませあう。

 

「んー! んんっ! うー!」

 

 抵抗するがガッチリと頭を押さえられて為すがままに口内を弄ばれる一姫。

 その間にも膣内の奥へと肉棒は進み、膜の奥へと開通される。

 それからもゆっくりと一姫の中で動く。

 白い肌の肢体が徹雄が腰を動かす度に動く。その動きが徹雄を興奮させた。

 身を乗りだし、腰のラインから再び胸を弄り始めた。

 すると一姫の体が跳ねる。

 

「やっぱり、感度がいいな。触れたらすぐに反応する」

 

「んっんー!!」

 

 何か文句を言っているようだが、天音の熱烈なキスは今も続いており話せない。

 乳首を念入りに弄る。

 

 爪を立て、指で挟んで擦る。そして、引っ張るようにして摘まむと膣内も一緒に圧迫された。

 その締まりに堪えきれず、徹雄はドピュッと音を立てて一姫の膣内に精子を送り込んだ。

 ぺニスが動きを止めると天音が一姫から顔を離して徹雄にお願いする。

 

「ねぇ、徹雄くん。そのまま。さっきと同じ姿勢になって」

 

「さっき? こうか?」

 

 徹雄は抜かないままに一姫の上半身を起こす。それに天音はそうそうと頷いた。

 

「天音……?」

 

 そして陰口から垂れるドロリとした粘液を舐めとり始めた。

 

「貴女、本当に……!?」

 

 言い終える前に徹雄がぺニスを突き上げる。すると甘い声が混じった声が漏れた。

 

「一姫も、もっと気持ちよくなろ。私、一姫の感じてる顔がもっと見たいな」

 

 すると2人がシックスナインの体勢になり、天音がぺニスと陰口の両方に舌を伸ばす。

 

「あんっ! つうっ! ふぅっ!!」

 

 再び、徹雄に突かれだし、一姫は声を出す。しかし、今度ははっきりと蕩けた顔だった。

 

「一姫の声、聞いてると、それだけで私も感じちゃう!」

 

「ば、バカなこと言わないで……!」

 

 そうしている内に抜かないままの射精が来る。

 目を閉じてそれを受け止める一姫。

 今度は引き抜くと精液と愛液をの混じった粘液が天音の顔に落ちる。

 それを舐めとると、嬉しそうに微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




何故か出したいキャラをピックアップすると姉妹系が多くなる。


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リンディ・ハラオウン(リリカルなのは)

リリなのはinnocentに近い感じです。

リンディさんのエロ回は今回だけ。


 ジャージ姿でいつものロードワークに使っている道を走る。

 本来ならば用意された施設からは出ないのが原則らしいが徹雄は特例として自由を許されていた。

 息は乱れていないものの汗ばんできた体。

 少し後ろから付いてきているマドラックスを見る。

 

(それなりの距離は走ったし、こっちはペースを遅らせてないんだが)

 

 疲れた様子1つ見せない彼女に小さな驚きを感じる。

 荷物のない自分と違い護衛である彼女は武装も所持しているだろうに。

 すると向こうの方から声をかけてきた。

 

「どうしたの?」

 

「いや。何でも」

 

 かつては整備された綺麗な大衆公園だったろう道は荒れており。走る箇所には切られたり抜かれている草花が散りばめられている。

 細い道を抜けて大きな広場に近づくと良い匂いが鼻腔擽る。

 見ると広場では炊き出しが行われていた。

 徹雄から離れているがよく見える位置で行われている炊き出し。

 こういうのを見ると世界の現状を実感させられる。

 だが、あんな大勢の前で姿を見せると面倒そうだと思い、フードを被って顔を隠し、早々に立ち去ろうとした。

 しかし、遠目から見える配給をしている女性の姿に見覚えがあったからだ。

 

「リンディ、さん……?」

 

 それは徹雄にとって顔見知りの相手だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 リンディ・ハラオウンは緊張した表情のまま全自動の車に乗せられていた。

 女性による国際連盟であるUW。

 その組織がリンディを強制的に移送している。

 何故自分を態々力ずくで連行しようとしたのか。まったく状況が理解できていないリンディは向かいに座るUWに所属する女性に質問する。

 

「あの……私は何処へ連れていかれるのでしょうか?」

 

「すぐ着きますので」

 

 感情の籠らない素っ気ない態度。

 重たい沈黙の中で車は進み、UWの施設に入り、淀みなく案内される。

 そして、とある部屋の前まで案内された。

 

「リンディ・ハラオウンを連れて参りました」

 

 中の人物から応答があった。

 

『入れてくれ』

 

 その声にリンディはその声に、ん? と過去の記憶を掘り返す。聞いた声に覚えがあったからだ。

 ドアが開き、中へと促されるとそこに居たのは彼女の見知った青年だった。

 

 直接会うのはもう7、8年程前か。

 今はコールドスリープで眠り続けている息子と同い年だった男の子。

 

「お久しぶりです。こんな強引な手を使ってすみません」

 

 彼は申し訳なさそうに笑って頭を下げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 久々に間近で見たリンディは記憶と寸分も違わずにその美貌を保っていた。

 リンディとは彼女が店長をしていたホビーショップの常連であったことと息子のクロノが徹雄と同い年であり、それなりに知った仲でもある。

 

 徹雄はコーヒー。リンディは抹茶にミルクと砂糖をふんだんに入れた謎の飲み物を出されてテーブル越しに向かい合っている。

 

(それにしても本当に見た目が変わってねぇな)

 

 もうそれなりの歳の筈だが、まりもと同い年と言われても信じてしまいそうだ。

 そこでふとある考えが頭に過る。

 

「実はリンディさんって身体が半分機械だったりしません?」

 

「いきなり何を言ってるの?」

 

 突然馬バカなことを訊いてくる徹雄にリンディが呆れて目を細めた。

 違ったかと次の予想を口にする。

 

「じゃあ本当は千年以上生きる手練れの死神だったり」

 

「更におかしなことを言うのね」

 

「うーん。なら、見た目を骨格レベルで変えられる身体操作技術を体得してたり」

 

「そんなこと出来たらいいわね。有り得ないけど」

 

 これも違ったらしい。

 ならばと、取って置きの推論を口にする。

 

「ド○ゴンボ○ルで○龍(シ○ンロン)に頼んで数年置きに5歳くらい若返ってたりしてません?」

 

「そんなものが実在するならMKウイルスの方をどうにかしてるわよ」

 

「デスヨネー」

 

 バカな質問を続ける徹雄にリンディが口元を押さえて笑った。

 正直に言えば、リンディとしては心情的に会いづらい相手だったのだが、この僅かなやり取りで肩の血からが抜けてしまう。

 

「変わってないのね。徹雄君は」

 

「リンディさんも本当に変わってなくてビックリしましたよ。今もお美しいっすよ」

 

「あらありがとう。若い子にそう言って貰えると自信が付くわ」

 

 軽い口調で受け答えを続けた後に僅かな沈黙。

 再び口を開いたのはリンディからだった。

 

「その……伯父様のことは……?」

 

「……更識。ここで俺の担当官をしている女性から聞きました。ウイルスが蔓延したときに、俺の保護者として冷凍カプセルに入れる権利を有しながら、それをクロノに譲ったと」

 

 それが、リンディが徹雄に会いづらい理由だった。

 MKウイルスが猛威を振るった時に徹雄の伯父がクロノに冷凍カプセルに入る権利を譲られた。

 眠り続けているとはいえ息子の命が助かったことに対する安堵と申し訳なさ。

 徹雄に謝罪をしようとすると彼は手で制して首を横に振った。

 

「気にしないでください。伯父さんらしい選択だったと思います」

 

 自分よりも若い命を。そして甥の友人を。

 それは彼が知る伯父の選択だった。

 だから、目の前の女性に恨み事を言う気はないのだ。

 そこで徹雄は話題を変える。

 

「他の知り合い。一緒に店を切り盛りしてたプレシアさんやエイミイとかは?」

 

「今はアリサさんって覚えているかしら? 彼女を中心にお友達と今の世界を少しでも良くしようと頑張ってるわ」

 

「アリサ……あぁ、あの金髪の」

 

 リンディが昔経営してたホビーショップの常連客の1人で、よく友人たちと店で屯っていた。

 今は徹雄と同い年か1つ下くらいだろう。

 

 当時は彼女やその友人たちと低レベルな言い争いをしたりからかったりしていた記憶を思い起こした。

 何だかんだで年不相応に大人びた子供の集まりだったため、成長した今では強かに生きているだろう。

 

 そこでリンディが話を戻す。

 

「クロノと伯父様のことは本当に……」

 

「その事は本当に良いんです。クロノが生きていてくれて俺も嬉しいですから」

 

 徹雄にとっても誇らしい選択。

 それを出来たあの人を尊敬している。

 恨む理由など1つもないのだ。

 

 ただ──── 。

 

「あれ?」

 

 何故か視界がブさぶれ、目から熱い液体が溢れる。

 

「あ、これは……ちがくて……」

 

 涙を拭って無理矢理笑う。その姿がリンディには余計に痛々しく思える。

 気が付けは、彼の頭を胸に抱き寄せていた。

 

「いいのよ、存分に泣いて。それを全部私が受け止めるから。いえ、受け止めさせてほしい」

 

 それに、徹雄はこれまで塞き止めていたモノを吐き出すようにポツリポツリと言葉にする。

 

「ほん、とーは、おじさん、には……誰かを、押し退けてでも、生きていて欲しかった」

 

「えぇ……」

 

 師であり、親代わりだった彼に世界チャンピオンのベルトを巻いた自分を見て、流石は俺の子だと言っているか欲しかった。

 

 それも、もう────。

 

 止まらなくなった涙。

 母親に縋る子供のように。徹雄は泣き止むまでリンディの胸で声をあげて泣き続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ベッドに移動したのはどちらからだったのか。

 

 徹雄からだったのかもしれないし、リンディが手を引いたのかもしれない。

 だが今はどうでもよくて。

 

「綺麗っすね。ほんと」

 

「あまり、見られると恥ずかしいのだけど……」

 

 リンディの肢体は本当に若々しく。自分と同い年の子供が居るのが信じられなかった。

 両手を重ねながら、上にいた徹雄がリンディの乳房に口づける。

 それにリンディが目を閉じてん、と声が漏れた。

 大きな胸にあらゆる箇所にチュ、チュとキスの音を立てて降らせ、途中で歯を立てて形を付ける。

 それを終えると重ねていた手を外し、リンディの乳房を揉んで乳首を吸い始めた。

 口の中で舌を転がし軽く歯を立てると段々とリンディの呼吸が乱れていくのを感じる。

 指を動かし、張りのある柔らかな乳房が形を変えるのを楽しんでいた。

 

「……上手いのね」

 

「そうですかね?」

 

 自分じゃ分かりませんよと答える徹雄。

 

「でも、してもらってばかりじゃ悪いわ」

 

 そこで上下を入れ替え、リンディが既に固くそり勃った肉棒に細く形の整った指が触れる。

 

「もうこんなに大きくして。若い子のモノをこんなにさせられるんなら私もまだまだ捨てたものじゃないわね」

 

 冗談めかしてそういうと、リンディは徹雄のぺニスを口に含んだ。

 

「うおっ!?」

 

 思わずそう声が漏れるほど、巧みな舌使い。

 アイスクリームを舐めるように肉棒を舐め回しながら喉の奥まで導き、先走り汁を飲んだ時の振動で亀頭を刺激する。

 それを繰り返されて徹雄はリンディの口の中に射精する。それでもぺニスを放そうとせずにそのまま飲み干した。

 飲み終え、唇を舌ずりする姿がなんとも妖艶だった。

 

「たくさん射精したわね。思ったより多かったから飲みきれないかと思ったわ」

 

 親子ほど離れた女性に言われて照れるように徹雄が顔を赤くする。

 結んでいた髪をほどき、徹雄の陰部を見せつけるように立つ。

 

「もうこんなに濡れてきたわ。徹雄君も、まだ全然萎えてない」

 

 言うと、上からリンディはぺニスに触れて導くように膣内へと腰を落とす。

 

「つっ!」

 

 リンディの膣内はビックリするほどに気持ち良かった。

 男から精液を搾り取るように開発された肉の壁がうねり、あらゆる角度から不規則に肉棒を締め付けてくる。

 リンディも腰を動かし、まるで舞うように激しく快楽を貪り始めた。

 

「んんっ! 久々、だから……余計にっ!」

 

 徹雄の上で腰を振られ、耐えかねた徹雄はリンディの膣内へと射精する。

 目を瞑り、口を強く閉ざして受け入れるリンディ。

 

 受け止め終えると母性的な笑みを浮かべて見下ろす。

 

「気持ち良かった?」

 

「はい……すごく……」

 

 恥ずかしそうにくちを覆って答えると袴っていたリンディが退く。

 すると徹雄がお願いしてきた。

 

「それじゃあ、次は尻をこっちに向けてもらって良いですか?」

 

「え?」

 

 これで終わりだと思っていたリンディが呆けた顔になった。

 

「俺、まだしたいし。それにリンディさんの方はまだイッてないでしょう?」

 

「それは……」

 

 リンディの方はまだ1回も達しておらず確かに物足りなさを感じていた。

 でも、とここにきて躊躇い始めたリンディに、徹雄は後ろから押し倒した。

 ついでに自分のシャツで手首を拘束する。

 

「ちょ、ちょっと!?」

 

「こっから先は俺がムリヤリってことで」

 

 少しだけ腰を掴んで一気に奥まで突っ込む。

 

「お、あぁっ!?」

 

 リンディがリードしていた時とは違い、暴力的なまでに強く腰を打ち付けてくる。

 それは、リンディの性感を呼び起こすのに充分な激しさだった。

 

「リンディ、さん! こっち、向いて……」

 

 腰を動かしながら覆い被さり、こっちに振り向かせるとそこには明らかに快感に蕩けたリンディの顔があった。

 

「俺で感じてくれて、嬉しいっす。それにその表情も、すごくいい。そそる……!」

 

「そういうこと、言わな────つぁ、あ、あっ!?」

 

 勢いをつけて肉棒で子宮口を突くとリンディがアクメに達して声を上げた。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……」

 

 荒い呼吸を聞きながら手の拘束を解き、抜かないままに徹雄はリンディに自分の方に向かせて起き上がらせる。

 

「んっ」

 

 今度は腰から背中に腕を回して肉棒を突き上げてきた。

 

「そ、んな!? まだっ!」

 

「リンディさんの膣、マジ良い! もっとこうして……!」

 

 胸に顔を埋め、腰を回したり突き上げたりして攻める。

 次第に尻肉を鷲掴みにしてその感触を楽しみ始めた。まるで、リンディの全てを貪るように。

 いつの間にかリンディも強く徹雄の頭を抱きしめ、乳房を押し付けていた。

 

「あんっ! 激しいっ!! わたし、もう!」

 

「イッて、ください! 俺も、射精()る!!」

 

 徹雄が一際リンディを強く抱き、腰を突き上げて白濁液を子宮口へと撒き散らした。

 

「あ、あぁ! ああああああああっ!?」

 

 叫び声のようなリンディの矯声が室内に響いた。

 

 射精の際に膨張した肉棒が元の大きさに戻る。

 腕の拘束を緩めて視線が重なるった。

 見つめあっていた2人は自然と互いの唇を重ねていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後。

 

 楯無が無節操と書かれた扇子を広げて徹雄に話しかける。

 

幼女愛好家(ロリコン)かと思ったら熟女もいけるなんて性癖がフリーダムなのね!」

 

「メイティングする上で頼もしいだろ?」

 

 などと皮肉を言い合っていたとかなんとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




リリカルなのはのキャラは多めに出す予定。


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更識楯無(IS)その2

楯無さん2回目。


『んんっ! ああんっ!?』

 

 世界でもっとも重要な資源である男性の1人、朝比奈徹雄の部屋に仕掛けられたカメラから映されている生中継の性交を観ながら更識楯無は息を吐いた。

 楯無が担当する世界でMKウイルスへの抗体を持つ6人の男性の1人。朝比奈徹雄。

 彼と多くの女性をメイティングさせ、子供を。特に男子を誕生させるのが楯無の仕事だ。

 今、徹雄が抱いている女性も楯無が斡旋して送った女性だ。こうして彼の性交を見るのも仕事である。

 

『いいっ!? こんなの、しったらぁ!!』

 

 大きな声を上げる女性。

 最近は女を扱うことに慣れたらしく、気絶するまで犯すことはなくなった。

 今では相手が満足すればそこで切り上げている。

 

「まったく……相手なんて誰でもいいんだから……」

 

 映像を観ながら沸き上がる僅かな。しかし確かな苛立ち。

 処女を奪われたあの日から楯無はメイティングに呼ばれていない。

 基本徹雄が来るもの拒まずで自分から動くことが少ないからだ。

 それなら、自分から誘えばいいだけなのだが、それはそれでなんとなく面白くない。

 

「きっと、毎日こんなものを見てるのが悪いのよ……」

 

 ふくれっ面をしていても仕事はしっかりとする。

 2度目の射精で女は荒い呼吸のまま目を瞑る。

 それを見て限界を察した徹雄が体を離した。

 事後に優しく頭を撫でる徹雄にイラッときた。

 

「私のときはあんな風に優しくしてくれなかった癖に……」

 

 確かにちょっと挑発し過ぎた気はするが、それにしてもとぶつくさ文句を言う。

 それにあれから再び呼ばれないのも女としてのプライドを傷つけられていた。

 

 要するに、構ってもらえずふて腐れているのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「肉じゃがが食べたい……筑前煮でも可」

 

「急にどうしたの?」

 

 朝食を食べながらいきなりそんなことを言う徹雄に楯無が呆れで目を細める。

 

「いや、俺もさ。ここで世話になってて、女と寝るだけで飯食わせて貰ってるし。意外と自由に過ごさせてもらってるから食事のことまで小姑みたいにネチネチする気はなかったんだよ」

 

「ならいいじゃない」

 

「おまっ! 俺が毎朝出されてる飯を見てみろ!」

 

 徹雄が指差した食事。

 

「朝っぱらから特大のガーリックステーキっておかしいだろ! お前ら俺を横綱にするつもりか! ここに来てから焼肉屋とかで出そうなメニューばっかじゃねぇか!」

 

「嫌いじゃないでしょう? それに貴方あんなに動いて太るの?」

 

「太るよ! 確かに肉類は好きだけどな! こんな毎日食えるか!」

 

「もう食べてるじゃない。でもそういうことなら、もっと早く言って欲しいわね。一応、そういう要望を聞くのも私の仕事だし」

 

「出されたモン残すなんてできるか! 第一、こんなヒモみたいな生活してて食うもんにまでケチつけたくなかったんだ!」

 

「変なところで律儀ねぇ」

 

 徹雄の変な律儀さに苦笑する楯無。そこである考えが浮かぶ。

 

「作ってあげましょうか? 肉じゃが」

 

「誰が?」

 

「私が」

 

 閉じた扇子で自分を差す楯無。

 その言葉に徹雄は疑いの眼を向ける。

 

「料理できんの?」

 

「しっつれいねー! こう見えて家事全般は子供の頃から仕込まれてます!」

 

 まぁ、こんな見栄で嘘は吐かないだろうが。

 軽く頭を下げる。

 

「なら、昼に頼んでいいか?」

 

「お任せあれ。他に何かリクエストはある?」

 

「豆腐の味噌汁。あとは焼き魚とかあると嬉しい」

 

「はいはい。それじゃあ、楽しみに待ってなさい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 朝の運動を終えて昼近くに戻って来る。久々の和食が食べられることに上機嫌でいると見慣れた水色の髪が見えた。

 

「お~い更識~! もう昼飯出来たのかぁ!」

 

 早歩きで近づき、肩を掴むとキャッと声が聞こえた。

 相手が振り向くとそれが楯無とは別人だと気付く。

 楯無はつり目気味だが目の前の少女はたれ目で眼鏡をかけており、身体もやや小柄に見える。

 

 それに正面から見ると纏う雰囲気とでもいうのか。それが全然別人に感じた。

 

「男……朝比奈、徹雄……?」

 

「あぁ。悪い。こっちは人違い────」

 

 手を離すとそこで、目の前の少女が視線を鋭く、こちらを睨んでいることに気付いた。

 怒りと嫌悪の混じった表情。

 次の瞬間、楯無似の少女が、パシンと自分の頬を張ったのに気付くのが一瞬遅れた。

 

「あ?」

 

「────っ!!」

 

 徹雄の声にむこうもあ、と声が漏れ、一目散に駆けて逃げる少女。

 叩かれて痛くもなかった頬を擦る。

 

「なんなんだ、いったい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さ! お待ちかねの楯無さん特別和食よー」

 

 出されたのは白米と味噌汁。鯖の塩焼きとお新香。そしてリクエストしていた肉じゃがだ。

 

「あぁ。美味そうだな」

 

 淡白な反応に楯無が眉間を寄せて頬を膨らませる。

 

「な~にぃ。せっかく作ったのにその態度ぉ?」

 

「悪い。それより更識。聞きたいことがあんだけど、いいか?」

 

「どうしたの、改まって」

 

「お前さん、もしかして姉妹とかっているのか?」

 

「えぇ。妹が1人。それがどうかしたの?」

 

 いただきますと手を合わせて箸を持つと先程の話をする。

 

「ついさっき。お前に良く似た女に会ってな。間違えて声をかけたら睨まれてビンタされた」

 

「はぁ?」

 

 訳が分からないと顔を歪める楯無。

 

「簪ちゃんはそんなことする子じゃないんですけど。貴方が何かしたんじゃないでしょうね」

 

 そうだったら許さないわよ、見つめてくる。

 そしてどうやら妹の名前は簪と言うらしい。

 

「何かするもなにも、さっき初めて会ったんだぞ? むしろそっちが俺のことで悪印象持つように伝えてたんじゃないだろうな」

 

「そもそも最近、お互いに忙しくて会ってないのよね。後で虚ちゃんに聞いてみようかしら?」

 

 んー、考え始める楯無。

 徹雄は今考えても仕方ないと出された昼食に手をつけた。

 肉じゃがのジャガイモを食べるとうまっ、と感嘆の声が漏れた。

 それから鯖の塩焼きや味噌汁を美味い美味いと口に運ぶ。

 その様子に気を良くした楯無が腰に手を当てて胸を張る。

 

「どう、見直した?」

 

「おう。美味い。ホント美味い」

 

 子供のように美味い美味いと繰り返す徹雄。だがだからこそ他意のない感想なのだと分かる。

 そこで楯無があることに気付いてクスッと笑った。

 

「ほら。ご飯粒が口元に付いてるわよ。本当に子供みたいね」

 

 これじゃ、どっちが年上だがと取ったご飯粒を食べる。

 楯無としてはここまで喜ばれれば悪い気はしない。

 

 食べ終わると徹雄がごちそうさまと手を合わせ、お粗末様と楯無が食器を下げた。

 そこで楯無が思い出した様子で話を変える。

 

「先日、3人目の男性が目を覚ましたそうよ。名前は水原玲人さん。徹雄と同い年の」

 

「玲人? アイツも目を覚ましたのか」

 

「知り合いだったの?」

 

 驚いたように目を開く楯無。

 

「コールドスリープに入る少し前にな。アイツも同じ病気っつうから声かけた。その内玲人も目を覚ますと思ってたけど。そっか……」

 

 交流は僅かに数十分だったがそれでも以前の知り合いが目を覚ました事実に徹雄は喜びに頬を緩める。

 

「あっち担当に話を付けて会えるように取り計らいましょうか?」

 

「いいのか」

 

「今後、目覚めた男性たちの顔合わせは行う予定だったしね。最初に目を覚ました火野恭司とも、だけど」

 

「あぁ。そっちも会って見たかったしな。頼む」

 

「はいはい」

 

 端末にメモを取っていると、ニヤリと笑う。

 

「それより、ご飯を作ってあげたり、こうして他の男性とのセッティングをしてあげてるんだから。ちょっとくらい見返りが有ってもいいんじゃないかしら?」

 

「……俺に出来ることなら」

 

 言うと、楯無がカラダをすり寄らせてくる。

 

「分かってるでしょ?」

 

「いいのか?」

 

「むしろ、何でダメだと思ってたのよ?」

 

「だって、なぁ……」

 

 徹雄からすれば、最初の日に気絶するまで犯された自分とこういうことはもうしたくないだろうと思っていた。

 

「それとも、一晩抱いただけで飽きられちゃったかしら?」

 

「それこそまさかだな。出来ればもっと抱きたいと思ってたぞ」

 

「なら……ね?」

 

 胸を当てられて男性の象徴が否応なしに反応する。

 それでいいならと徹雄は楯無を自室に連れ込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん、もぅん……っ! こんどは、こんな、焦らすみたいに……」

 

 挿入した肉棒をゆっくりと出し入れして楯無が達しないように小さな快感を送り続ける。

 最初の時のように自分を征服するような刺激ではなく、少しずつ徹雄が楯無の膣内を自分の男性器専用に変えていくような。

 腰を掴まれて繰り返される小突くような子宮口へのノック。

 その遅い動きに満足出来ず、文句を言う。

 

「ちょっとぉ……そんなに、焦らさなくても……」

 

「時間はまだあるし、今回はゆっくりとお前の身体を楽しみたいんだよ。前にも言ったろ? お前の身体、やみつきになりそうだって!」

 

 突然勢い良く突かれて楯無の嬌声が聞こえた。

 腰の掴んでいた手を放し、乳房をつ揉み、人差し指で乳首を弄る。

 すると熱い吐息。性感を刺激されて上気した頬に小さく開かれた唇。

 

「お前、かわいいな……」

 

「ふぇ!」

 

 突然かわいいなどと言われて動揺すると同時に膣内が強く肉棒を締め付けた。

 

「い、いきなりそういうこと言わないで……!」

 

「思ったことを言っただけだろ。それよりお前の中、ホント具合が良いよな。何かスポーツとかしてるだろ?」

 

「ご、護身術に色々と格闘技を……」

 

「だからか。さっきのは少し危なかったぞ」

 

 身体を倒し、楯無の肩に舐める。肌が甘いと思った。

 肩から胸まで顔を動かすと徹雄は乳房を軽く歯を立てながら鼻を鳴らして楯無の匂いを嗅ぐ。

 

「ちょっ! 貴方……!」

 

「いいな……お前のにおい、好きだ……」

 

「……ん!?」

 

 強く噛まれて楯無が身動ぎする。

 その動きにぺニスを刺激されて徹雄は最初の限界を迎えた。

 

「更識、もう射精る……膣と外、どっちに射精して欲しい?」

 

「イジワル、しないの……膣内にきまってる、でしょう……」

 

 甘い声で極上の美女に精子を注がれることを求められて拒否できるほど、徹雄は男を捨ててなかった。

 

「んんぅ!?」

 

 注ぐと唇を噛んだ楯無が目を瞑る。

 一度治まった射精。しかし徹雄が一度だけで満足する筈もなく。

 

「まだやるぞ」

 

「わかってるわよ……! でも次は私が上になるわ……攻められてばかりじゃ悔しいし……」

 

 体を起こし、徹雄に体を倒させる。

 

「次は、私が徹雄をなかして上げる……!」

 

 挑発的に舌を舐めずり、腰を動かし始める。

 円を描くように動き、時折腰を浮かせて一気に下ろす。

 

「こうして攻めてみると、気持ち良くなってくれてる貴方の顔がよく見えるわね」

 

 体を倒し、徹雄の顔に近づくと頬に何度かキスをしてから唇を重ねた。

 

「んむっ! チュッ、チュッ……」

 

 互いに舌を絡ませ、鼻息を荒くして唾液を交換する。

 その間に徹雄は楯無の尻に手を伸ばし、肉の感触を手の平で味わっていた。

 楯無はその間にも腰を動かしていたが、ある部分に肉棒が当たると突然キスしていた顔を外して背中を反らした。

 

「な、なにいまの!?」

 

「お? やっぱ今のがお前の感じる箇所か。この態勢からだとちょっと当たりにくいけど」

 

 言って、もう一度同じ所を肉棒で刺激する。

 

「ま、まって!? いまは、私が……!」

 

「してもらうのも良いけどな。でもやっぱり、お前の感じてる顔、好きだわ」

 

「い、いまおっぱい吸わないでよっ!? 刺激が、強すぎて────」

 

 楯無の抗議を無視して、ひたすら突き、胸への愛撫を続けた。

 次第に楯無も徹雄の頭に腕を回して胸を押し付ける。

 

「い、イク! あ、い、いぃっ!? もう、ダメェ!! おあぁぁああああああっ!?」

 

 精子が楯無の膣から子宮まで飛び散って犯し、身体を痙攣させた。

 だらしなく舌を垂らしていた楯無は、精子を全て受け入れると徹雄の胸に顔を倒し、恨めしそうに視線を向ける。

 

「……今度は私が気持ちよくさせようと思ってたのに」

 

「前よりずっと良かったよ。拗ねんなって」

 

 その言葉を聞いて安心したようにうん、と頷く。

 セックスを終えた後のこの余韻は好きになれそうだった。

 

 徹雄の厚い胸板に顎を乗せ、楯無は微睡みに抗うことをせずに目蓋をおとす。

 ただ、最後まで姓でしか呼ばれないことを残念に思いながら、

 鈍くなる思考の中で思う。

 

(うん……でも、どうせ呼ばれるなら、わたしの、本当の名前がいいなぁ……)

 

 ぼんやりと思いながら眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次にもう1人別の人物出したら、原作主人公との再会予定。



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雪村千鶴(薄桜鬼)その1

この作品に入れていいのか大分迷いましたけど欲望を優先させることにしました。




「とりあえず、風呂場も直し終わったぞ、柊さん」

 

「本当にありがとうございます……お礼も出来ないのに」

 

「気にすんな。茶ぐらいは出して貰ってるし、子供(ガキ)がたくさん住んでんなら、なるべく安全面は考慮しときたいだろ?」

 

「はい……五郎さんも、きっと感謝してると思います」

 

「五郎さん?」

 

「あ! この神社本来の責任者なんですけど。その、4年前に……」

 

 MKウイルスで亡くなったのだろう。徹雄は細かなことは訊かずにそうか、とだけ返す。

 

「それに五郎さん、朝比奈さんとも会わせてあげたかったです。きっと喜んだでしょうし」

 

「よっぽど律儀な人だったんだな」

 

「それもありますけど。五郎さんは男の人が好きだったんです。朝比奈さんみたいな」

 

「ん?」

 

 なんだろう。いますごく不穏な言葉が出たような気がした。

 念のため確認する。

 

「もしかして、その五郎って女の人だったのか?」

 

「え? 男の人ですよ。五郎は男の人の名前じゃないですか」

 

「デスヨネー」

 

 なに当たり前のことを言ってるんですかと心底不思議そうに首を傾げる赤緒。

 

「残念だなぁ……」

 

「ウン。オレモイチドアッテミタカッタヨ」

 

「はい! きっと仲良くなれたと思うんです!」

 

 心ない返しに気づかず、嬉しそうに手を握ってくる赤緒。

 徹雄が少しだけMKウイルスに感謝した瞬間だった。

 

 直したばかりの風呂場から出ると外で待っていたマドラックスと木綿季に出くわす。

 

「あ、お風呂の修理終わったの?」

 

「まぁな。錆びてた水道管とかも換えといたから、水が止まることはねぇはずだ」

 

「スゴいね! ドンドン新しくなってくよ」

 

「材料を潰れたホームセンターとかから盗っ(パチッ)て来てるからな」

 

 なんてことのないように言う徹雄に赤緒は頬を引きつらせる。

 この屋敷の修繕に使っている潰れたホームセンターや材木屋から勝手に持ってきた物だ。

 徹雄の「もう、4年間誰も手ぇ、付けてないんだからよくね?」という言葉に押されて渋々納得した。そして材料を取った店の前で赤緒が謝っていたりする。

 

「そ、そういえば先ほど、将来の展望とか言ってましたけど、どういうことですか?」

 

「ん? あぁ。せっかくだし。これを期に本格的に家を直す勉強をして。リフォーム店って言うのか? そういう会社でも興して見ようかなって」

 

 今の徹雄の立場から難しいかもしれないが、それでもずっと今のまま流されるつもりはなかった。

 可能かどうかはともかく、だが。

 徹雄の言葉に赤緒と木綿季が反応する。

 

「いいですね! きっと繁盛しますよ! 今は劣化してる家も多くなってますし」

 

「ボクも良いと思う! あ、それなら会社始めたらボクも手伝わせてよ!」

 

「いいぞ! それじゃあ、次からはこの屋敷直すの手伝うか? やり方は教えっから」

 

「うん!」

 

 木綿季の頭を撫でる徹雄。

 こうしていると本当に兄妹みたいだ。

 そうしていると外から声がした。

 

「ごめんくださーい! 赤緒さん居ますかー!」

 

 元気な女の子の声が屋敷内まで響く。

 赤緒も特に警戒することなくはーい、と返事をして応対しようとしていることから知り合いなのかもしれない。

 

「どうしましたか? ギンガちゃん。スバルちゃん」

 

 現れたのは顔立ちが良く似た、2人の少女だった。

 パッと見、大きな違いは髪の長さだろうか?

 

 ギンガと呼ばれた少女はロングヘアー。スバルと呼ばれた少女はショートヘアーに纏められている。

 赤緒が質問するとギンガが少し言い辛そうに口を開いた。

 

「はい。実は、先日米田のお婆さんが亡くなっているのが見つかりまして。それで……」

 

「あ。御葬式のお手伝いですね」

 

 話が進んでいくと後ろから徹雄が出てきた。

 

「柊さん。俺ら、そろそろ帰るわ」

 

「はい。今日もありがとうございました!」

 

 お礼を言う赤緒に徹雄はおう、と返事を返す。

 すると、2人の少女の内、髪の長い方。ギンガがわなわなと徹雄を指差す。

 それに徹雄はあ、やべ、と首を押さえた。

 

(そういや、更識にあんまり周りに姿見せんなって言われてたな)

 

 男がいることに驚いているのかと思ったが、ギンガから発せられた言葉は意外な台詞だった。

 

「も、もしかして……朝比奈徹雄選手、ですか? ボクシングの……」

 

「そっち? あぁ、まぁな」

 

「ギン姉知ってる人?」

 

 妹のスバルの言葉にギンガが捲し立てる。

 

「知ってるも何も! ウェルター級世界ランキング1位でチャンピオンベルト確実と言われてた選手よ! 新人王戦まで試合は全て1RKO! その後の試合も全てKO勝ちを飾った! 世界タイトルマッチ直前に病気療養で挑戦を辞退した筈だけど!」

 

 興奮止まぬ様子のギンガ。その説明に木綿季がヘェーと感心する。

 

「おにーさんって、ホントにスゴい選手だったんだね」

 

「おうよ。ベルトを奪い取れなかったのが唯一の心残りだよ」

 

「で、でもどうして! 男の人はウイルスで……」

 

「それは────」

 

 軽く説明しようとする徹雄に今まで黙っていたマドラックスが声をかける。

 

「徹雄、そろそろ。また楯無にガミガミ言われるわよ」

 

「分かってるよ。というか、アイツの場合グチグチだろ。ったく! 更識は俺の嫁さんかっての」

 

「お似合いじゃない?」

 

 マドラックスのからかうような言葉に徹雄は舌打ちする。

 

「わりいけど、もう行くわ」

 

 帰ろうとする徹雄にギンガが緊張した様子で訊く。

 

「あ、あの! また会えますか?」

 

「おう。不定期だけど、頻繁にここに来てるから、また会えんだろ」

 

 嬉しそうな顔をするギンガに、照れたように後ろを向かずに徹雄は走った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(肩や腰が重いな……)

 

 ゴキゴキと首や腰を動かして固くなった身体を確認する。

 ここ最近、日頃のトレーニングや夜の運動やら。それに柊神社にある屋敷を直したりで肉体を酷使してたがメンテナンスは疎かだったことに気付く。

 うーん、考えた末に出来そうな人に頼むことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんなわけでさ。雪村ってマッサージ出来る?」

 

「はぁ。それはまぁ、出来ますけど……」

 

 小柄で童顔な顔立ちの女性、雪村千鶴。

 徹雄の専属看護師(ナース)だ。

 徹雄が目を覚ましてから彼女が彼の健康管理をしている。

 もっとも何らかの原因で大きな怪我や病気にかかった場合は別の担当医がおり、最初に診断したのもその人である。

 突然呼びつけてマッサージしてくれと言う徹雄に苦笑いする千鶴。

 

「それじゃあ、服を脱いで診察台にうつ伏せになってください」

 

「あぁ。ありがとな」

 

 服を脱いでベッドにうつ伏せになる徹雄。

 その背に指が直に触れて指圧する。

 すると、んっ、と徹雄の口から声が漏れる。

 

「どうですか?」

 

「うん……場所も力加減も丁度いいな」

 

 グリグリと固くなった肩がほぐされていく。

 マッサージしながら千鶴が話しかけてくる

 

「それにしても、朝比奈さん、本当にスゴい身体ですね」

 

 徹雄の身体の筋肉の鎧とも言える身体を指圧しながらその感触に驚く。

 固く、柔軟性のあるゴムのような筋肉。

 天性の素質だけでなく彼がどれだけ努力してこの肉体を作り上げたのか。

 

「ガキのころからボクシング漬けだったからな。あ! そこそこ!」

 

 腰回りを押すと気持ち良さそうに表情がふやける。

 その子供みたいな反応が少しだけ可笑しかった。

 マッサージを続けながら話が変わる。

 

「それにしても、朝比奈さんが目覚めてから皆さんに様付けは止めてくれって言ったのにはかれてましたよね」

 

「確かに俺は希少価値はあるかも知れねぇけど、別に王様な訳でなし。初対面の奴らにそんな呼び方されてもバカにされてるようにしか感じないっての」

 

 ここが、この男のひねくれたところだった。

 まぁ、実際今の徹雄はUWの管理下にあるので彼個人が偉い、という訳ではないが。

 1時間程のマッサージを終えると軽く肩や腰を動かす。

 

「スゲェ体が楽になった。ありがと、雪村!」

 

 屈託のない笑みで感謝され、照れたように千鶴は小さく笑みを浮かべた。

 

「いえ、これくらいならいつでも。それにこういうのも私の役目ですから!」

 

 慎ましくそう言ってくれる千鶴。

 ただ、その時浮かべた微笑がいいな、と徹雄は思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その晩、部屋のインターフォンが鳴った。

 あぁ、そういえばもうメイティングの時間かと観ていた昔の洋画を消す。

 扉を開けるとそこには髪を下ろした雪村千鶴が立っていた。

 

「あ、あの今夜は私が……」

 

 赤くなった顔を俯かせてメイティングに来た千鶴に僅かな驚きが浮かぶ。

 千鶴が自分からメイティングに立候補するようには見えないためだ。

 

(更識だな。たぶん、今日マッサージ受けてた映像とか見て決めたんだろ)

 

 とにかく、部屋に入ってもらう。ついでにカメラのある方向を睨んでおいた。

 寝間着用の浴衣を着ている千鶴をベッドに座らせる。

 今まで徹雄の部屋に訪れた女性は良くも悪くも性に対して旺盛というか、むしろ襲って下さいと言わんばかりの相手だった。

 しかし千鶴は緊張した様子で不安げな瞳のまま此方を見ている。

 本音を言えばヤり辛い相手。

 

「えっと、その……もし更識に言われて仕方なく来たんだったら、断ってもいいんだぞ? アイツには俺から」

 

「い、いえ!! 大丈夫です! ここに居る以上、こういうことをする覚悟はありますから!」

 

 手をブンブン振って大丈夫、と繰り返す千鶴。

 確かにここで千鶴を追い返すのは簡単だが、その後の彼女の立場も悪くなるかもしれない。

 何もせずにやり過ごすにしてもこの部屋にカメラが置かれている以上、それもできない。

 結局、抱く以外に選択肢が乏しいのだ。

 

(だけど、それも言い訳かもな……)

 

 こうして緊張しながらも恥じらう様子を見せる千鶴に徹雄の男の部分はしっかりと反応している。

 抱いてみたいと正直に。

 頬に触れて軽く口づけすると、ベッドに押し倒した。

 

 見上げたその表情に怯えが混じっていることに気付く。

 自分より大柄な男に押し倒されているのだから当然だろう。

 

「事が終わった後、もし思うことがあるんなら、俺のことを嫌いになってもいいからな」

 

 その言葉が意外だったのか、呆けた顔の後に唇をキツく結んで首を横に振る。これは自分で選んだことだと言うように。

 

「ありがとな。なるべく、優しくする」

 

 巻かれていた帯を緩め、千鶴の肌が少しだけ露になった。

 浴衣の中に手を伸ばし、はだけた胸を揉み始める。

 

「んっ……!」

 

 膨らみの乏しい胸を揉むと返ってくる反応。

 その声を抑える反応が情欲をそそらせる。

 胸からあばらの部分に撫でるように移動していくと露出した乳首を吸い始めた。

 

「んんっ、あぁ!」

 

 敏感なのだろう。ちょっと触れる部分を動かすだけで反応が返ってきて、肌も赤みを帯びていく。

 千鶴の顔を見て、蕩けるような、恥じらうような顔が堪らなかった。

 浴衣の帯を完全に解き、履いているショーツに手を伸ばす。

 すると顔を手で覆い隠した。

 膝まで下ろされたショーツ。外気に触れた陰部を指で口の部分をなぞるように触れる。

 

「っ!?」

 

 まだ濡れていないそこに小指を入れると千鶴が痛そうに顔を歪めた。

 だから、愛撫に専念することにする。

 あばらから尻に手を移動し、胸を弄っていた口はクチャクチャと 音を立ててヘソまで舌を這わ、また胸まで往復した。

 尻を揉んでいた手が太腿まで辿り着く。

 そこで徹雄は、ん? と手を止める。

 

(なんか、太腿の感触、気持ちいいな)

 

 女らしい柔らかさの極致のような感触にちょっと夢中になる。

 これで、膝枕とかしてもらったらすぐに寝れそうだとこの場では関係のないことを考えた。

 膝を曲げた脚から太腿の内側を舐める。

 

 そうして、色々な箇所を舐めたり揉んだりしていると、千鶴の陰口から水気が出てきたのを確認した。

 徹雄は着ていたシャツを脱ぐ。

 

「雪村。これこら挿れるから、なるべく力抜け」

 

「はい……」

 

 返事はするが、難しいだろうなと思いながら、履いているものを脱いで千鶴の大事なところにペニスを合わせる。

 怯えるようにキツく目と口を閉ざす千鶴。

 それに徹雄はゆっくりとペニスを千鶴の膣内に落としていく。

 すると千鶴の顔が苦痛に歪んだ。

 

「声、抑えなくていい!」

 

 許可を貰ったことで気が緩んだのか、閉じていた口を開いて声を出し始めた。

 

「はっ! あ、あ! んあっ! んん!! あ、さひな、さんっ! あう! あ、あさ、ひなさん!」

 

 ペニスを押し進める度に千鶴の表情が変化する。

 支えを求めるように徹雄の背に腕を回して何度も徹雄を呼んだ。

 膜を破り奥へと押し進める。狭い肉壁が開通していくと千鶴が背を反らして体を密着させてきた。

 膣内でもその狭い肉壁がペニス全体に当たってくる。

 

「ゆき、村! 俺、もお!」

 

 膣内への精子を待つように千鶴はより徹雄と肌を密着させた。もしかしたら、自分でも訳もわからない行動だったのかもしれないが。

 膣内のペニスが膨張し、大量の精子が注ぎ込まれた。

 

 射精を終えると徹雄はペニスを抜き、千鶴の横に倒れる。

 これで限界という訳ではないが、千鶴に無理はさせたくなかった。

 だけど、1回だけじゃ物足りないな、とも思う。

 

(また、雪村としてぇな)

 

 最初の気づかいは何処へ行ったのか。そんなことを思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 セックスを終えて千鶴は眠る徹雄の横顔を見ていた。

 

「本当に、子供みたい……」

 

 無防備に眠るその顔は大きな少年という表現が良く似合う。本人に言ったら俺は年齢と図体以外大人になった覚えはないと返すだろう。

 千鶴はここに来るまでこれまで徹雄とメイティングをした女性たちの話を聞いて正直恐かった。

 こちらが気絶するまで止めてくれない。

 壊れるんじゃないかと思うほど激しくされる。

 等々、他の女性たちに散々煽られてきたからだ。

 しかし蓋を開ければそんな乱暴なイメージは覆され、丁寧に、此方を気づかいながら抱いてくれた。

 それでも、処女だった千鶴にとって、快感よりも痛みの方が勝っていたが。

 最後の射精を終えて自分を見下ろす優しい顔を覚えている。

 徹雄のチクチクとした髪に触れた。

 

「気持ちよかったですか? 朝比奈さん……」

 

 眠っていて答えはないと知りながら質問する。

 今回は全て徹雄に任せっきりだった。

 次があるかは分からないが、もしその時がきたら、少しは自分から気持ち良くなってもらおう。

 徹雄の髪と身体の感触を確かめながら、千鶴は安堵したように微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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幕間1

※今回、オリ主による女性に対する暴行、強姦シーンがありますが、この作品はそれらを推奨、助長させる為の作品ではありません。(当たり前)


「No.2も着々と多くの女性たちとメイティングに励んでますが、未だに受胎した報告はありません。それと、難民区域へと頻繁に赴いているようです。あの区域では、既に朝比奈徹雄の存在は多くの人間に見られています」

 

「担当官である更識の意見は?」

 

「No.2は下手に締め付けを強くするとこちらへの反発を強める可能性大。自衛能力も高く、難民地区の女性とメイティングを行うことも有るため、当面は自由にさせて信頼関係を構築すべきとの判断だそうです」

 

 報告を受けた5人の内の1人がバンッと机を叩いた。

 

「何を暢気なことを言っているの!! 現状、No.3がメイティングを拒否している以上、この2名が実質現在、子を成せる資源なのよ!」

 

「ったく。大人しく腰振ってりゃあ良いってのに。回す頭もない癖に警戒心だけは動物並ってか? この筋肉馬鹿はよぉ!」

 

「でも、今のところは問題が起きてる訳じゃないし。もう少しだけ様子を見るってのも有りかしら?」

 

 3人がそれぞれ好き勝手に主張していると年長の女性が締め括った。

 

「とにかく、一度No.2には顔を合わせる必要があるだろうな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 急遽UW日本支部の上層部に会うことになった徹雄は担当官の楯無。専属看護師の千鶴。そして護衛のマドラックスと共に車に乗せられていた。

 

「しっかし。これからお偉いさんに会うなんて緊張するな!」

 

「……それが緊張してる人の態度かしら?」

 

 欠伸を噛み殺している徹雄に楯無が呆れた視線を向ける。

 それを敢えて無視して窓の外の様子を見る。

 

「難民地区と違って、こっちは何か豊かだな。俺がコールドスリープする前と変わんねぇように見えるけどな」

 

「こっちは、コールドスリープで眠っている男性たちの家族が主に生活しているわね。もっとも、貴方の知り合いのリンディ・ハラオウンさんみたいに敢えて外で生活して難民たちの支援をしている人もいるけど」

 

 そこから楯無が難民地区の事情を説明する。MKウイルスの発生当初、情報の錯綜により無法者による各地の暴動。その時に夥しい死体が出来、ウイルスの拡散を防ぐために男性の死体を焼いたこと。

 その付近が現在の難民地区に当たるらしい。

 

 ふーん、と返事をしながら再び外を眺める。

 難民地区では子供たちが古着などを着ていたがこちらでは新品の服を着てオープンカフェで飲食している。

 徹雄自身、その事を糾弾できる立場ではないが、その貧富の差を見て何も思わないほど薄情でもない。

 柊神社に通い、子供たちを見れば多少の情も移る。

 そこで徹雄は視界を閉じた。

 

(何にせよ、俺がどうこう非難できることじゃねぇな)

 

 UWの日本支部に着き、中に入ると先ずは技術長官との面接が有るらしい。

 

「面接なんてプロ試験以来だよ。失敗したら難民地区に追い出されたりしてな」

 

「まさか」

 

 徹雄の冗談に千鶴が苦笑する。

 もし本当にそうなったら柊神社かまりものところにでも身を寄せようと考える。まぁ、流石に無いと思うが。

 

 徹雄が奥へと通されると後ろにいた楯無たちはSPらしき女性にストップがかけられる。

 

「お前たちはここで待て」

 

「どういうことかしら? 私は朝比奈徹雄の担当官なのだけれど」

 

 楯無の疑問にSPは長官の指示としか返さない。

 ここまで露骨に通せんぼすれば警戒するなと言う方がおかしい。

 

「なるべくすぐに戻るわ」

 

 それだけ告げると案内役の女性の後ろに続く。

 楯無はマドラックスに目配りすると小さく頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 技術長官の看板がかかったドアの前に進み、案内役の女性が開けると中へと指示を出される。

 

「失礼しまーす。朝比奈っす」

 

 元より礼儀作法などとは無縁な生活をしていた徹雄は出来得る限り失礼の無いように入室する。

 すると室内には椅子の背を向けて体が隠れており、長い黒髪くらいしか見えない。おそらく彼女が技術長官なのだろう。

 技術長官は指で扉を指す。

 

「後ろを向いてみろ」

 

 そう指示を出されて何だよと思いながら、言われた通りに後ろを向く。

 すると、バチッという音と、発電の光が見えた。

 驚く間もなく徹雄の首に当てられた。

 そのまま倒れそうになったが、壁に手をつけ、膝を床につけて耐えた。

 

「テメ、な、に……しやがる……!?」

 

 痺れて鈍くなった体。

 座っている女を睨むと相手は立ち上がり、その顔を見せる。

 その目をまるで面白いモルモットでも見つけたような表情だった。

 

「アレを喰らってまだ動けんのか。さすがは体力バカだ。粋が良いじゃねぇか」

 

 乱暴な言葉使いの女。

 長い黒髪に切れ目のある眼。

 容姿は美人と言っても差し支えないが、あの実験動物でも見るような視線を受けて好意を懐く男が居るならそいつは余程のドMだろう。

 

「どういう、つもりだって、訊いてんだよ……!」

 

 すると女が徹雄の髪を掴む。

 

「いつまでもおのぼりさんやってる暢気なお前さんにチョイと現実を教えてやろうと思ってなぁ。別にNo.3でも良かったんだが、テメェが1番粋が良いし、多少手荒に扱っても壊れねぇだろ。肉バイブ2号ちゃん?」

 

「あ?」

 

 女は案内役からスタンガンを受け取る。

 

「いくらテメェでも2回もこいつを受けりゃあ大人しくなんだろ?」

 

 もう一度、スタンガンを浴びせられようとしたその時、その腕を案内役とは別の者が掴んだ。

 

「ごめんなさい、遅くなって」

 

「マド、ラックス……」

 

 いつの間にかこの部屋に進入したマドラックスが案内役を気絶させていた。

 技術長官がマドラックスを睨む。

 

「何だテメェ! 誰の許可を得てここに入ってやがる!!」

 

「私は、彼の護衛だもの。楯無から朝比奈徹雄の身の安全の確保。そして脅威の排除が私の仕事」

 

 ホルダーにある銃を抜かないのは楯無の立場を考えてのことだろう。だが、これ以上徹雄に危害を加えるならそれも辞さないと銃に手が伸びている。

 涼しい顔で睨む技術長官を流しているマドラックス。

 掴んでいる手を外させ、後ろに下がった。

 

「ざけんな! なんの権限が有ってあのクソアマ!」

 

 そこで膝をついていた徹雄が動く。

 

「クソアマは、テメェだオラァ!!」

 

 爆発的な突っ込んだ徹雄が前に出ていたスタンガンを持つ腕と首を掴んで床に押し倒した。

 その際に持っていたスタンガンも落とす。

 

「マドラックスが時間を稼いでくれたおかげで痺れが取れたぜ!」

 

「どういう身体してやがるっ!? 放しやがれこの筋肉ゴリラ!!」

 

「ここまで嘗めた真似されてお優しく無罪放免にしてやるほど、こちとら大人じゃねぇんだよ!」

 

 開いたジャケットの中に着ているシャツを破き、ブラジャーを取り払う。

 

「テメッ! 私を誰だと……!」

 

「知るか! 今会ったばっかだろうがよ!!」

 

 胸を潰さんばかりに揉むと胸板を殴り付けてきた技術長官に頬を張った。その際に口の中を切ったのか、血が流れた。

 

「このヤロッ!」

 

 睨み付ける視線を無視して下に履いている物も力ずくで下ろさせる。

 技術長官の胸や性器を見て興奮し徹雄は勃起した、という訳ではなく、怒りのあまり興奮状態になってぺニスが反り勃っただけである。

 しかし、原因など徹雄には今、どうでも良かった。

 暴力的な衝動に従って濡れていない秘部に肉棒を捩じ込む。

 痛みで歯を食い縛る技術長官。

 その間にも徹雄の肉体を殴り付けるが大したダメージもない。

 とにかく今は、この女を痛め付けて────。

 

「そこまでだ」

 

 技術長官の部屋に楯無と千鶴。そして中年の女性と技術長官と同じくらいの歳の女性が入ってきた。

 この状況を見て中年女性は溜め息を吐き、他の女性は引いた表情や蔑む視線を向けている。

 その視線に耐えられなくなり徹雄は技術長官から身体を離した。

 

「状況は大体察したがそこまでにしてもらおう。彼女に非が有るのは判るが流石に看過できん」

 

 徹雄が身体を離すと中年女性は技術長官に近づく。

 

「焦ったな。何でも自分の思い通りになると思うな」

 

 舌打ちして部屋を出ていく技術長官。

 そうして徹雄の方に近づいた3人は────。

 

「朝比奈さん……」

 

 哀しそうな表情の千鶴。

 

「それ、早く仕舞ったら?」

 

 蔑む視線を向けて扇子で露出したぺニスを指す楯無。

 最期にマドラックスが無表情で肩に手を置く。

 

「貴方のこと、少し見損なったわ」

 

「だろうな!」

 

 視線を逸らしてぺニスをズボンの中に仕舞った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「彼女が申し訳ないことをした。国務長官の鬼原だ。ここにいる4人と先程の技術長官でこの国を回している」

 

 ここには他に三十路前後の女性2人と老婆が1人。そして鬼原と名乗った中年女性と向かい合っていた。

 

「……」

 

 徹雄が返事もせずに不機嫌そうに上半身を後ろに向けていると楯無が足を踏んでくる。

 

「怒っているようだな。無理もない。彼女は優秀な人物だが少々常識に欠けるところがあってな。今回のような勝手は今後させるつもりはないので安心してくれ」

 

「そりゃ結構、アレを容認するなら夜逃げを検討してたところですよ」

 

「ちょっと!」

 

 嫌味ったらしい口調の徹雄に楯無が小声で諌めるが完全にヘソを曲げているようすだ。

 しかし、いつまでもそれでは話が進まないので仕方無しに鬼原と視線を合わせる。

 

「俺に何の用で?」

 

「なに。ちょっとした面談だ。現在、何か不満はないか? 例えば担当官とか。随分と気安く接しているようだが」

 

 鬼原が楯無に視線を向ける。

 気安く、のところで張り付かせていた笑みが綻んだのを本人だけが気付く。

 

「更識には不満は無いですよ。普段から俺の要望は出来る限りの叶えてくれてますし、さっきだって自分の立場が不利になる可能性があったのにマドラックスさんを寄越してくれたんだ。感謝こそすれ、不満に思うことはねーです」

 

 それは、徹雄の本心だった。

 ただ世界に残った数名の男だからという理由だけで敬うような態度を取られるのは不愉快だし。今くらいの距離感が接しやすい。

 メイティングや難民地区に行くことにも文句は言うが、こっちの主張を出来る限り尊重してくれる。

 総じて付き合いやすいのだ。

 

「それに、更識の身体は気持ちいいからな。変に遠ざけられても困る。こいつ以上に俺を管理できる人材を探すのは面倒だと思いますよ」

 

 徹雄は敢えて管理、という言葉を使った。つまり、他の奴を理由なく充てたら今より面倒になるぞと念を押しているのだ。

 

「こんな状況だからな。メイティングにはこれからも協力するし。今回みたいなことがなけりゃ、変に逆らったりもしねぇよ、俺は。ただ、やりたいことはそれなりにやらせてもらいますが」

 

「……出来れば、難民地区への行き来も控えてほしいところだが」

 

「悪いっすけど。出来る限りの大勢に見られないようにするんで。その為の護衛だし?」

 

 マドラックスを指で差す。

 徹雄の言葉に鬼原は息を吐いた。

 

「まぁ、当面はそのままで良いだろう。君のメイティングの成果を期待している」

 

 そう言って立ち上がると思い出したように告げる。

 

「帰りにNo.1と3に会っていくと良いだろう。2人と違って君の住む場所は少し離れた位置に在るからな。気軽に会える訳ではない」

 

 リスク回避のために徹雄は他の男性とは少し離れた場所で暮らしている。

 そういえば水原玲人も目覚めてるんだったなと思い出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よっ! 久しぶり、でいいのか? 俺のこと覚えてるよな」

 

「朝比奈、徹雄……」

 

「おう!」

 

 玲人が座っていたベンチの横に体を大きく広げて座る。

 あ~、とオッサン臭い声を出すと晴天の空を見上げて話す。

 

「なんつうか、世界が変わりすぎてビックリだよな」

 

「うん。コールドスリープから覚めたら、こんなことになるなんて思わなかったよ」

 

「玲人はメイティング、拒否してんだってな。彼女さんへの義理立てか?」

 

「義理立てって言うか。俺が嫌なんだ。そういうことをするなら、好きな人とがいいって。こんな時にこんなこと言うのってやっぱりワガママかな?」

 

 思い悩む玲人に徹雄はそうだな、と答える。

 MKウイルスの免疫を持つ男は6人しか居らず、この中で好きな人としかやりたくないなどとワガママ以外何物でも無いだろう。

 コールドスリープで眠っている者たちも、後1年ほどでウイルスが侵食すると聞く。

 その問題が解決しない以上は。

 

「でも、そういう考えは嫌いじゃない」

 

「へ?」

 

「むしろ俺は、この状況になって自分のクズっぷりが表に出て落ち込んでるくらいだし」

 

「クズ?」

 

「あぁ。ついさっき、襲ってきた女を押し倒してレイプした」

 

 頭を掻いて言う徹雄に玲人は顔をひきつらせる。

 

「この間、友人の母親にも手を出す始末だぞ? どんどん自分の倫理観が崩れて怖い────おいコラ! ゆっくりと距離取ろうとするな!」

 

 だって、と引いている玲人に徹雄は話を切り替える。

 

「とにかくだ! 1番最初に目を覚ました奴も、色んな女とヤッてるっていうし。1人くらいそういう奴が居てもいいだろって話!」

 

 徹雄の言葉に玲人はそれでも浮かない表情が晴れないでいる。

 真面目に何かしないといけないと思っているのだろう。

 

「俺は────」

 

 何か口にしようとした時、最初の男性が現れた。

 

 

「やぁ。もしかしなくても君が2人目?」

 

「あぁ。今まで顔、会わせられなかったな。朝比奈徹雄だ」

 

「俺は火野恭司。一応、センパイって奴かな」

 

 照れたように握手を求められてそれに応じる。

 玲人は既に面識があるため、軽く挨拶をした。

 

「キミのことも色々聞いてるよ! どうよ、この世界は!」

 

「まだ戸惑うことは多いけど、なんとかってところだな。それなりに楽しくヤれてるよ」

 

 徹雄の言葉にそうだろう、そうだろう、と背中をバシバシ叩く。

 徹雄の体格を見ても物怖じしないのは生来の社交性かそれともこの状況にハイになっているのか。

 

「色んな女を好きなときに抱いても文句どころか推奨される! 最高だよこの世界は!」

 

「否定はしねぇけどさ……」

 

 ここまで欲望駄々漏れに生きられるのも珍しい。ジブンタチヨリ早く目覚めた影響だろうか? 

 

 俺はこれからも子作りに励むぜ! と豪語し、担当官と一緒に去っていく。

 

「あそこまで割り切れると、人生楽しいだろうなぁ。人のこと言えねぇけど……」

 

 恭司の背中が見えなくなると玲人が決心したように手の平を見つめた。

 

「俺は、MKウイルスの特効薬を開発しようと思う」

 

「は?」

 

「コンピュータでも開発できなかったウイルスの特効薬を俺が作ろうなんて思い上がりかも知れないけど。コールドスリープには兄さんも眠ってるから」

 

 だから俺が助けないと、と手を握った。

 その決意に徹雄は笑みを浮かべる。

 

「それが出来たら、玲人はガチの救世主だな」

 

 言って、手を差し出した。

 

「がんばれ! 俺に出来ることなら協力する。ま! 頭の方は期待すんなよ?」

 

「うん!」

 

 手を握り返し、照れたように玲人も笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 オマケ

 

 

「そういえば、女性をレイプした感想はどうだったかしら?」

 

「思った以上につまらなかったな。ぶっちゃけめんどい。もうやりたくない」

 

「それは結構。今回の件でレイプにハマッたとか言い出したらどうしようかと思ったわ!」

 

「ハハハ! 俺をどういう眼で見てんだお前! 言っとくが、普通に喘がせるのは好きだからな、俺!」

 

「コイツは……」

 




原作の水原君へのスタンガンがこのおかげで無くなりました。

次回からまだいつも通りのエロ回に戻ります。


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紺野木綿季(SAO)その2・柊赤緒(ジンキ)その1

今回からなるべくヒロイン2人か3人のエロを入れるつもりです。


「よーし、後は床板をくっ付けて畳を敷くだけだな! 今日中に終わらせるぞ!」

 

「う、う~……白蟻気持ち悪かった~……」

 

 屋敷の1番奥にある部屋。そこの床板を外した際に出てきた白蟻の群れを思い出して身震いする木綿季。それを徹雄は鼻で笑い飛ばす。

 

「バッカ、オメェ! 俺がプロデビューする前に使ってたジムなんて叔父さんが安くて広いからって理由で買い取った建物が元々は事故物件で床下から白骨死体が出てきてビックリしたんだからな! それに比べりゃ白蟻くらい全然マシだろ?」

 

「それ、比較対象が絶対おかしいよっ!?」

 

 ちなみにその後は流石に気味悪くなってジムは別の小ぢんまりとした建物に移った。

 先日の言葉通りに、徹雄は木綿季に大工作業を教えている。元から要領がいいのか、教えることに然して苦労せずに作業も着々と進んでいた。

 

「ねぇ、おにーさん。なんで釘舐めてるの?」

 

「こうすると釘が錆びやすくなって抜けにくくなるんだよ。よく大工が釘を口に入れてる画ってあるだろ? あれは釘を舐めて錆びさせる理に敵った方法なんだ」

 

「へ~」

 

 説明に感心して木綿季が徹雄の行動を真似る。

 床板を付け終わり、後は畳を敷くだけになると楯無と赤緒が現れた。

 

「おぉ! 床が綺麗になったわね!」

 

「そっちはもう終わったのか?」

 

「私たちに手伝える事はね。後は千鶴ちゃんの仕事よ」

 

「何から何まで本当にありがとうございます……」

 

 今日から楯無もついてくることになったので、ついでに千鶴も連れてきてこの屋敷に住んでいる住人。特に子供たちの健康診断を頼んでいた。

 楯無と赤緒はその手伝いをしていた。

 ちなみにマドラックスは検査の終わった子供たちと遊ぶついでに外で警戒している。

 

「それにしても、更識がついてくるなんて珍しいな。突然なんでだ?」

 

「いけない?」

 

「勘繰るなよ。純粋な疑問だ」

 

「……貴方を好きにさせ過ぎて上から怒られたのよ」

 

 護衛はマドラックスに任せて徹雄が外へと出歩いているときは別の仕事を片付けていた。

 そのせいで担当官なのに対象者の目を離している時間が長いと叱責された。だからこれからはなるべく一緒にいなければならない。

 

「大変だな」

 

「他人事みたいに言わないでくれるかしら?」

 

 そこで赤緒が話に入ってきた。

 

「あの……もし良かったら今晩夕飯を御馳走させてくれませんか。簡単な物しか出せませんけど……」

 

 ここまで世話になりすぎてお礼ができていないことをずっと気にしていたのだろう。せめて夕飯だけでもと赤緒が提案する。

 

「えーと、それは……」

 

 徹雄が楯無の方を見る。

 丁重に断るのかと思っていたが、意外にも許可が出た。

 

「なんで今更私のお伺い立ててくるのよ。良いんじゃないかしら? 向こうには私から連絡しとくから御馳走になりましょう」

 

 本当はあまり良くないのだが、彼女たちとの親交を深めるのもプラスになりそうだと楯無は考える。

 楯無の許可が出て、徹雄はそれじゃあ、御馳走になりますと頭を下げる。

 

「それと、先ずはお風呂をどうぞ。汗や汚れがちょっと……」

 

「あ~、そうだな。着替えもあるし貰うわ。あ、でもそれなら木綿季の方が先の方が良いんじゃないか?」

 

 同じ作業をしていた木綿季も汚れているため訊くと、あははと笑う。

 

「僕は後でいいよ。お客さん優先で」

 

「そうか? 悪いな。柊さんも夕飯(メシ)、楽しみにしてるから」

 

「はい! 期待しててください!」

 

 張り切った様子で握り拳を作る赤緒。

 

「お風呂、こっちだよー」

 

 木綿季が手招きして案内して行った。

 その場を動く途中で赤緒の顔が朱に染まっていることに気付いたのは、木綿季だけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ~。ようやく汗が落とせた」

 

 シャワーで汗を流していく。

 ベトついて気持ち悪かった身体をスッキリさせた。

 濡れた髪を掻き上げる。

 

 すると浴室のとびらが開く。

 入ってきたのは、木綿季だった。

 

「あ、その……えーとね……」

 

「悪い長かったか?」

 

 自分ではそこまで長く使ってないつもりだったが、汗や埃を落とすのに時間が経ってたのかもしれない。

 木綿季も早く汚れを落としたかったろうに。

 配慮が欠けてたな、と思うも、木綿季は首を横に振る。

 そして抱きついてきた。

 

「そのさ……今日ここでおにーさんとしたいなぁって……」

 

 したい。その言葉の意味が分からないほど徹雄は鈍感ではない。

 

「ここでってお前……」

 

「い、今はおにーさんが入ってるから誰も来ないと思うんだ。だからさ……ね?」

 

 お願いしてくる木綿季。

 なら大丈夫かと考えてしまうのはメイティングなどでそこら辺の感覚が麻痺してきたからか。

 徹雄は木綿季を座り台に座らせる。

 

「先ずは身体を洗ってからだ。いいな」

 

「うん!」

 

 シャワーで頭を濡らすとシャンプーで木綿季は自分の髪を洗う。

 そうしている間に徹雄がタオルを泡立たせて木綿季の胸の洗い始めた。

 

「ふえっ!? お、おにーさん! 身体くらい自分で洗えるって!」

 

「あんま長々と居座る訳にもいかねぇだろ」

 

「そ、そうだけど……なんか、手つきがイヤらしくない?」

 

「悪いな。女をの身体触ってると自然とそうなるんだ」

 

 胸をタオルで擦る動き。異性に身体を洗われている状況に木綿季はシャワーの湯とは別に熱くなる。

 全身に付いた泡を落とすと徹雄の胸板に頭を預けてこちらを見てきた。

 

 互いに何も言わずにそのまま唇を重ねる。

 徹雄は後ろから前に手を回して木綿季の薄い胸を揉み始める。

 何度も執拗に乳房を指で押してくるのに木綿季が質問する。

 

「ボクの胸ってそんなに、大きくないのに触ってて楽しい? 男の人って大きいのが好きなんじゃないの?」

 

 

「デカいのが好きなのは否定はしないが、小さいからどうこうってのはないな。それに」

 

「はひゃっ!?」

 

 突然乳首を指で抓ると木綿季の口から高い声が出た。

 

「木綿季は結構敏感で、こうして反応してくれるしな」

 

 イタズラっ子のように笑う徹雄にむーと頬を膨らませる。

 それから互いに向き合った状態になる。

 

「あんまり、長くする訳にもいかないもんね」

 

 言って、既に勃起している肉棒に指で触れた。

 

「もういいのか? もう少し愛撫して」

 

「うん、大丈夫だよ。あ、でも膣内に挿れたら抱きしめて支えて欲しいかな」

 

 浮かせた腰から肉棒を自分の膣内へと導いていく。

 陰口に当たったところで、んっ、と声が漏れる。まだ1度しかしていない肉壺は狭く、スムーズに入るほど出来上がっていなかった。

 それでもゆっくりと腰を落として入るところまで受け入れていく。

 

「はぁ……前よりは、スムーズに入ったね 」

 

 詰まった息を吐き出すように呼吸し、徹雄の首に腕を回して腰を少しずつ動かす。

 

「ほん、とーは……おにーさんがここに来るたびに、抱いてくれるんじゃないかって、期待してたんだ。でも、ちっともそんな素振り見せないから、1回で飽きられちゃったのかと思ったよ」

 

「……ここでするわけにはいかねぇだろ」

 

 徹雄の答えに木綿季もそうだね、と答える。

 木綿季を気遣いながらスローで腰を動かしていると、ん、ん、と反応が帰ってくる。

 軽く口付けすると、木綿季が嬉しそうに微笑む。

 

「前は、初めてで、よく分からなかったけど……今はおにーさんが、スゴく優しくしてくれてるって思えるんだ」

 

「……」

 

 言葉を返さずに、高まってきた射精感を我慢せずに木綿季の膣内へと精子を注ぐ。

 

「ん、あぁ……!」

 

 視点を天上に向けて受け止めると荒い息のままに徹雄の胸板に額を預けた。

 この時間を惜しむように呟く。

 

「おにーさんが、ずっとここに居てくれればいいのにね……」

 

 そんな、今は叶うはずのないことを口にしながら、浴室を覗いていた人影と視線が重なった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夕食に出すカレーをかき混ぜている赤緒に、木綿季がサラダ用にキャベツを切りながら話しかける。

 

「ねぇ、赤緒さん」

 

「んー? 話ながら包丁を使うと危ないよ」

 

「赤緒さんは、おにーさんのこと、好き?」

 

 木綿季の何気ないようにいう言葉に赤緒は咄嗟に鍋をひっくり返しそうになった。

 

「な、な、な、な!?」

 

 赤緒の反応を見ながらあーやっぱりかー、と心の中で苦笑する。

 

「そ、それは確かに好きだけど、そういう意味じゃなくて良くしてくれる親愛的な意味で────」

 

「赤緒さん! 赤緒さん! そんなに速く掻き回したら中が飛ぶよ!」

 

 物凄いスピードでカレーを掻き回す赤緒に木綿季がストップをかけた。

 動きが止まった赤緒に木綿季が本題に入る。

 

「さっき、お風呂場を覗いてたでしょ?」

 

 言われて今度は手が止まる。

 しかし木綿季は反応を待つことなく言いたいことだけを口にした。

 

「もう男の人はおにーさんしか居ないんだよね。もしかしたら居るのかも知れないけど。でも、それでもスゴく少ないから、どんなに好きでも1人占めって出来ないんだよね。その為の楯無さんたちなんだろうし」

 

 だからさ、と一拍置く。

 そうして真っ直ぐと赤緒を見た。

 

「想いを伝えることはきっと無駄じゃない。おにーさんは、きっと受け止めてくれるよ」

 

 木綿季も、できることなら独占したいという気持ちはある。けどそれが出来ないなら一緒に寄り添える仲間を求めた。

 

 赤緒は外で子供たちにせがまれるままに肩車をしている徹雄を見た。

 屋敷を直してくれたりと頼り甲斐のある人かと思えば、子供っぽい言動も目立つ人。

 それでも気兼ねなく接して色々と助けてくれたその姿は────。

 

「ありがとう木綿季ちゃん。でも……」

 

「でも?」

 

 ニコリと笑って木綿季の頬を引っ張る。

 

「もうお風呂場であんなことしちゃダメだよ? 子供たちが見たらどうするの?」

 

はーい(ふぁい)

 

 木綿季の答えに息を吐いてコンロの火を止めた。

 

「皆さーん! ご飯出来ましたよー!」

 

 赤緒の作ったカレーは大変好評だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結局、その日はもう遅いからと泊まることになった。

 楯無たちは隣の客間に居る。

 今日替えたばかりの畳の上で寝転がる徹雄。

 これまで、畳に縁がなかったので新鮮な気持ちでゴロンゴロンと転がる。

 

「いいな、コレ。更識に言って俺の部屋も畳にしてもらおっかな~」

 

 そんなことを呟きながら畳の床を満喫していると戸付きの襖の外から赤緒と木綿季の声が聞こえた。

 

「すみません、朝比奈さん。お布団を持ってきました」

 

「おにーさん、入れてー」

 

「あぁ、分かった」

 

 立って襖を開けと、敷き布団と掛け布団に枕を持った2人がいた。

 

「わざわざ、ありがとな」

 

「いえ。これくらいは……」

 

 何故か気まずそうに視線を逸らす赤緒。

 食事中もチラチラとこちらを見ていた気がする。

 逆に木綿季はせっせと布団を敷いていく。

 モジモジと身動ぎしている赤緒を流石に無視するのもどうかと思い、訊くことにした。

 

「えと……なにかあるのか? それより、顔赤いぞ。風邪か?」

 

「いえ! そうではなくて! ですね……」

 

 うー、と呻き始めた赤緒にどうしたものかと頭を掻く。

 すると見かねた木綿季がはぁー、と徹雄の耳元で話す。

 

「あのね。赤緒さんとエッチしてほしいんだ」

 

「はぁ?」

 

 なんでそんな話になるの? と眉をへの字に動かした。

 そこから先は私が言うからと赤緒が深呼吸した後に切り出した。

 

「朝比奈さん。私は、貴方のことが、好きです。ですからその……木綿季ちゃんにしたみたいに、私を抱いてください……」

 

「木綿季にしたみたいに?」

 

「あ、ゴメン。さっきお風呂場でのこと、見られてた」

 

 木綿季に言われて徹雄は顔から汗をダラダラと流した。

 その様子に赤緒が慌てて両手を振る。

 

「お、怒ってる訳じゃないんです! 合意の上だとは聞いてますし! ま、まぁ、ここのお風呂場でするのはどうかと思いましてたけど……」

 

「……性欲に正直なダメ雄ですみません」

 

 視線を下に向けて項垂れる徹雄。

 

「それで、更識さんから色々と聞いて。朝比奈さんが沢山の女性と関係を持って、その……子供を作ろうとしてることも」

 

「あんのアマ……」

 

 帰ったらどうしてくれようかと隣の部屋を睨み付けた。

 赤緒が徹雄の手を握る。

 

「で、ですから、私も……その1人にしてください」

 

 言って、赤緒は自ら上のパジャマを落とす。

 そこにはブラは付けておらず、きめ細かな肌が露出される。

 畳に膝をつく。その動作だけで大きな乳房が揺れ、男の性欲を刺激するには充分だった。

 木綿季も後ろから抱きついてきた。

 

「ボクたち、おにーさんが大好きなんだよ。だから、赤緒さんのこともさ」

 

 前後から近づく対照的でありながら魅力的な肢体。

 それらに抗えるほどの理性というブレーキを、徹雄は持っていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わぁ……ほんとうに、大きい。それに熱い」

 

「ん、んぐ! まだ、大きくなるよ。だから、もっと感じてもらわないとね。んっ!」

 

 露出されるした肉棒を、赤緒がその豊かな乳房で竿を挟み、木綿季が亀頭を舐めている。

 躊躇いがち動きでパイズリをする赤緒と積極的に亀頭を舐める木綿季の舌使い。

 その奉仕を受けながら徹雄はちょっとした感動を味わっていた。

 2人の美女が積極的に自分の肉棒を奉仕する。その姿に興奮しない男が居るだろうか。

 

「柊さん。パイズリはもういいから、こっち来てくれ。直接、触れたい」

 

「は、はい!」

 

 このまま奉仕を受け続けるのも良いが、赤緒の胸を弄りたかった。

 膝立ちで胸を差し出すような体勢になった赤緒の胸に手を伸ばす。柔らいが弾力のある乳房を揉むと、赤緒はビクッと肩を跳ね、表情も堅いモノから少しずつ軟化する。

 その変化を楽しんでいると木綿季も赤緒の胸を後ろから揉み始める。

 

「ゆ、木綿季ちゃんっ!?」

 

「ん~。赤緒さんのおっぱい、やっぱり大きいね。羨ましいなぁ」

 

 慎ましい胸の木綿季はやはり赤緒のような体型に憧れるらしい。

 グニグニと赤緒のような胸を揉む木綿季。徹雄は赤緒の肩を掴んでキスをした。

 最初は歯に邪魔されて通れなかった舌も、段々と受け入れられていく。

 口内を犯す傍らで下の方に手を伸ばす。

 陰核に軽く触れると身体をくねらせて逃れようと動くが、後ろは木綿季に押さえられ、徹雄にも肩を掴まれているため当然身動きが取れない。

 陰核から指をゆっくりと動かして陰口から千鶴ちゃんの内に人差し指を入れると湿気っているのを確かめた。

 指を抜くと愛液が糸を引く。

 それを見た赤緒がカァッと顔を赤くする。

 

「柊さん。そろそろ良さそうだし、良いか」

 

「は、はい。でも、その……」

 

 何かを言いたそうな赤緒に徹雄が首を傾げていると察した木綿季が耳打ちする。

 すると、成程と合点がいった。

 

「赤緒……で、いいのか?」

 

「はい……!」

 

 嬉しそうにはにかむ赤緒。

 名前で呼ばれるだけでこんなに上機嫌になるのかと学習。

 赤緒を仰向けに寝かせて脚を大きく開かせる。

 いくぞ、とだけ告げて肉棒を赤緒の膣内へと侵入させた。

 赤緒の方も最初こそ痛みに顔を歪めていたが、奥へ奥へと進む内に表情が大分緩和された。

 子宮まで届くと赤緒は大きく息を吐く。

 女として確りと肉が付いた太腿を掴んでペニスを出し入れする。

 

「ん、は、はぁ……!」

 

 呼吸を荒くして目尻から涙を流し、徹雄を受け入れる赤緒。

 何度も奥へと突くたびに肉壁は慣らされ、キツかっただけの膣内は男の肉棒を受け入れるモノへと変化していく。

 手を太腿から外すと赤緒の手に自分の手を重ねる。

 

「徹雄、さん……?」

 

 いつの間にか赤緒も徹雄を名前で呼んでいたが本人は気づいていない。彼女自身の願いが思わず口に出たのかもしれない。

 両手を繋いだまま腰を動かす。

 既に赤緒の方も痛みはなく、感じて声が出ていた。

 

「んんっ!? んぃっ!? あんっ! あ!!」

 

 声が理性を溶かし、徹雄は既に赤緒に気遣うことなく腰を打ち付けていた。

 パンパンと腰を打ち付ける音と互いの液が擦れる音が室内の音を支配する。

 

「赤緒、そろそろ……!」

 

「ん! はい! 来て! 膣内に射精を────!」

 

 言い終わる前にペニスが膨張し、赤緒の膣内へと精子が注がれる。

 

「あ、あ、あん! あぁああああああっ!?」

 

 精子を注がれている最中も腰を前後されて赤緒は目を閉じて喘ぎ声を上げた。

 ペニスを引き抜くとそれまで蚊帳の外だった木綿季が熱っぽい表情で腕を絡めてくる。

 

「ねぇ、おにーさん……ボクにも……」

 

「ボクもって。お前さっき風呂で……」

 

「そう、なんだけどさ。2人を見てたら、疼いてきちゃって」

 

 見ると擦っている股から愛液が伝っていた。

 それを見て徹雄がクビを撫でて提案する。

 

「分かった。尻をこっちに向けろ。その方が手っ取り早い」

 

「う、うん……」

 

 言われた通りに木綿季が四つん這いになって尻を向ける。

 腰を掴んでもう濡れている秘部に遠慮なくペニスを挿入する。

 

「んんっ! あはぁ……!」

 

 徹雄の肉棒を感じて木綿季は無意識に腰を振りつつも、すぐに腕か体重を支えきれなくなって畳に顎を乗せて尻を高く上げた。

 それに徹雄は仕方ねぇな、と上半身を抱き上げ、後ろ向きのままに自分の膝に座らせた。

 

「顔、こっち向けろ」

 

 返事を聞く前に手で顔を後ろに向けさせ、唇を奪う。舌の交じり合うクチャクチャという音が聞こえた。

 

 それを見ていた赤緒が顔を真っ赤にしながらも肉棒を出し入れされた陰口に目を向ける。

 

 そして突かれるたびに、陶酔した表情の木綿季。

 赤緒は木綿季の胸に吸い始めた。

 

赤緒さん(あはほひゃん)!?」

 

「さっきのお返しだよ、木綿季ちゃん」

 

 赤緒に胸を吸われ、激しく下から上へと突かれる。

 その行為に木綿季の理性飛び、絶頂へと到達させるには充分だった。

 

「やだ……こんな、いろんなトコ、いっぱいいじられて────」

 

「イクんならイケ! 俺も、すぐに射精してやる!」

 

「うん! うん!」

 

 溜めた後に一気に木綿季の子宮へとペニスの亀頭を突き上げ、グリグリと動かした。

 それに木綿季はヨダレを垂らして絶頂を迎えた。

 

「ん、あああぁあっ!?」

 

 絶頂が収まり、ペニスを抜くとドロリと精液が落ちる。

 後ろを向いて照れ臭そうに木綿季は微笑んだ。

 

「ありがとう、おにーさん。ううん。徹雄……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「夕べはお楽しみでしたね」

 

「……よく知ってんな、そんなネタ台詞」

 

 隣に居たし、どうせバレてるだろうと思っていたので今更恥ずかしがることも別段怒ることもない。

 ただ、本能忠実と書かれた扇子て口元を隠して笑ってる楯無の顔にイラッときただけだ。

 あれからほぼ日が昇るまでヤッてたので否定は出来ないのだが。

 

 ちなみに木綿季と赤緒は顔を真っ赤にしながら千鶴から妊娠した時はすぐに連絡するようになどの話をしている。

 

 話が終わって赤緒が近づいてきた。

 

「あの……また、来てくれますか?」

 

 不安そうな顔の彼女に徹雄はニッと笑って頭を撫でた。

 

「またな、赤緒」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回は簪&楯無予定です。


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更識簪(IS)その1・更識楯無(IS)その3

『や……も、……む、り……!』

 

 聞いたことのない姉の弱りきった声と苦しげな表情。

 覆い被さっている男が腰を打ち付けるたびに姉から艶と苦痛の混じった声と耳に届く。

 目から涙が流し、何度も止めてと懇願する姉の言葉は無視され、性の捌け口にされている。

 何度も犯された姉の顔に最後、白濁液をかけて興味を失ったとばかりにシャワー室に戻る男。

 気を失った姉の姿を観て、更識簪はギッと机に爪を立てて歯を食いしばり、映像を睨み付けた。

 ここにいる以上、性交を行うことは覚悟していた筈たが、あんな力付くで押さえられて犯されるなんて酷すぎる。

 

 そう。姉である更識刀奈は朝比奈徹雄に強姦(レイプ)されたのだ────!!

 

「絶対に、許さない……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハックションッ!?」

 

「あらやだ風邪……な訳ないわね」

 

「何で断言するんだよ! いやまぁ、違うけどな。誰か、俺の悪口でも言ってんだろ」

 

「そんな迷信が在ったわね。連続1回だと批判されてて2回目だと物笑いの種。3回目は惚れられて4回目だと風邪だったかしら?」

 

「1回だけだったから批判されてるって訳ですよ」

 

 食事を摂りながら雑談を交わす2人。

 次第に話は3人目の男性である水原玲人に移った。

 

「そういえば、水原様。今日UWの支社に招待されてるらしいわよ。彼、MKウイルスの特効薬開発に研究施設を借りる交渉もするみたい」

 

「アイツもスタンガン喰らわねぇだろうな……」

 

「その可能性を考慮して、技術長官は席を外させるそうよ」

 

「それは結構。ま、なんにせよ特効薬の研究は良いことだな。玲人には頑張って欲しいもんだ」

 

 スズッと味噌汁を飲みながら頷く徹雄。

 そんな様子の彼に楯無が目を細める。

 

「まるで他人事ね」

 

「そうじゃねぇけど。そもそも、その分野で俺に手伝えることが無いからな。どうしたって応援しか出来ないって話だよ」

 

 自他共々認める脳筋である徹雄に薬の開発など出来る筈もない。

 彼に出来ることは精々肉体労働くらいなのだ。

 ま、そうよね、と相槌を打ってから楯無は雑談を続ける。

 

「そろそろ、貴方に子供が出来るんじゃ────ってすごく嫌そうね」

 

「別に。ただ、自分が父親になるってのが想像出来ないだけだ」

 

「安心なさい! 貴方が認知しなくてもこっちでちゃんと育ててあげるから!」

 

「いくらなんでもそこまで無責任じゃねぇよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、お姉ちゃん……」

 

「あ、簪ちゃん久しぶり~! おっきくなった?」

 

 などと言いながらいきなり胸にボディタッチしてくる姉。

 即座に離れて胸を腕で隠すようにすると手をワキワキと動かす姉を白い目で見る。

 本人はそんなことを気にした様子もなく簪の胸を揉んだ感想を述べた。

 

「うん! やっぱりちょっと大きくなってるわね! お姉ちゃん嬉しいわ~」

 

「……そんなに大きいのが好きなら自分のを触れば良いと思う」

 

「こういうのは人のを触るから楽しいのよ!」

 

 変わらない姉の態度に嬉しく思うと同時にだからこそ心配になる。

 簪は本題に入ることにした。

 

「お姉ちゃん。あの人に何か酷いことされてない?」

 

「あの人? あぁ、もしかして徹雄のこと? 大丈夫よ。ちょっと好き勝手行動するところはあるけど。話していて楽しいわよ。異性の友達が出来たみたいで」

 

 姉の回答をどう受け取ったのか、簪は納得していないように視線が鋭い。

 なぜ簪がそんな顔をするのか分からずに楯無は首を傾げる。

 

「徹雄に何かされたの? 簪ちゃん」

 

「そうじゃないけど……」

 

 そもそも、何かされる程の接点もないのだが。

 だが、もしも最愛の妹に何かしていたのなら許さないと視線を鋭くさせる。

 そんな内心に気づかずに普段通りの姉に違和感を持ちながら簪は聞いた徹雄の噂を口にする。

 

「その……前に支社に行った時に技術長官に襲いかかったって聞いて……」

 

「あぁ……その事。それはあちらから攻撃してきた結果だし。喜怒哀楽がはっきりしてるから」

 

「で、でも……暴力も振るったんでしょ?」

 

「う~ん。やられたらやり返すタイプだしね、彼。でも滅多なことじゃ手は出さないし、自分からも襲うなんて事もしないわよ」

 

「……」

 

 楯無の言葉をどう受け取ったのか。簪の表情は晴れない。

 そんな妹の様子に疑問に思いながらも深く考えることはしなかった。

 

「ま! 私は問題ないから。簪ちゃんもお仕事、頑張ってね!」

 

 パンパンと軽く背中を叩き、移動する楯無。

 その後ろ姿に簪は手を握った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 施設の屋上に出た徹雄は大工関係の本を読みながらポッ○ーをポリポリと食べていた。

 菓子類なら食堂で頼めば作ってくれるがこうした箱の菓子が好きなのだ。

 

「この安っぽさがいいんだよな~」

 

 味覚が根っからの庶民なだけだが。

 ポッ○ーを消費しているとジーッと視線が向いているのに気付く。

 

 本から視線を外すと見知らぬ少女がこっちを、というよりも徹雄が食べているポッ○ーを見ていた。

 徹雄が1本取り出し、少女に向けた。

 

「食うか?」

 

「食べるー」

 

 と、差し出したポッ○ーを高速で食べた。

 

(シュレッダーにかけられた紙みてぇ)

 

 そう思いながら、箱に入っていた2袋の内まだ開けてない方を差し出す。

 

「いいのー?」

 

「俺は1袋食えば充分だ。やるよ」

 

 嬉しそうに菓子袋を貰い、徹雄の横に座って食べ始める。

 

「この安っぽさがクセになるー」

 

 先程の徹雄と同じことを口走る少女に苦笑していると、こちらを見てくる。

 

「ねぇねぇ、訊いてもいいー?」

 

「なんだよ?」

 

「お嬢様の処女(初めて)強姦(レイプ)して奪ったってほんとー?」

 

 少女の言葉に口に挟んで遊んでいたポッ○ーを驚いてぷっ、と飛ばす。

 

「なんでだよ! ていうか、お嬢様って誰よ!?」

 

「楯無お嬢様だよー」

 

 楯無。その名前を聞いて徹雄ははぁ!? と怪訝な表情をした。

 

「違ぇよ! あん時は向こうから誘って来たんだからな!!」

 

「でもぉ。ベッドに倒して嫌がるお嬢様と何度もしてる映像残ってるしー」

 

「アレはアイツから挑発してきただけだからな! 本人に確認しろ! いや、それとも更識が言いふらしてんのか?」

 

「ちがうよー。でもかんちゃんがそう信じ込んでるみたいだからー」

 

「かんちゃん?」

 

 それが誰か聞こうとすると、切羽詰まった声が届く。

 

「本音!?」

 

「あ、かんちゃん」

 

 おーい、と手を振ると簪は本音と呼ばれた少女の手を掴んで徹雄から引き離した。

 そのまま親の仇でも見るように徹雄を睨むと本音の手を引いて屋上から消える。

 

「あ……簪だからかんちゃんか」

 

 そんなことをポンと手を置いて気付く。

 

「え? っていうか俺って更識を強姦(レイプ)したと思われてんの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「と、いうことなんだよ。どうにかしろ。お前の妹だろ」

 

「あ~通りで徹雄に敵愾心満載だと思ったわー。そういうことだったのね」

 

 お茶を飲みながら呑気な様子の楯無。

 しかしそこで疑問が浮かぶ。

 

「貴方、そういうのは気にしない質だと思ってたけど」

 

「アホか! こんな女所帯で強姦魔なんて噂が立ってみろ! 居づらくて確実に夜逃げルートだからな!」

 

「そんなことを堂々と断言されても……でもそうね~」

 

 お茶請けのクッキーを齧りながら思考する。

 しかし、う~んと目を細めて唸るばかり。

 

「正直難しいかも。簪ちゃんって、被害妄想というか、思い込みが激しいタイプだし。一度こうだって思うと中々修正利かないのよね」

 

 何か思い当たる思い出でもあるのか、疲れたように息を吐く。

 実際、実妹がNO.2に敵意がある状況はあまり好ましくないため、楯無としてもその誤解を解きたいのだが、本人が言ってもすんなり信じるとは思えない。

 職務を全うするために平然を装っている姉として映っている可能性がある。

 少し考えてあ、迷案が閃く。

 

「もしかしたらかなり強引な手ならなんとかなるかも。協力してもらってもいい?」

 

「俺の問題でもあるからな。当然協力するぞ」

 

「なら────」

 

 耳打ちして聞かされた案に徹雄は眉を八の字にした。

 

「……本気(マジ)か?」

 

「悪いイメージを払拭するにはこれくらいのインパクトが必要だと思うのよねー」

 

 絶対面白がってるだけだろこいつ、と思いながら他に案がなく、大人しく従うことにした。

 しかし、自分も大概この環境に毒されてんなとも思いながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜中に指定した時間に屋上へと呼び出された簪は疑うことなく昇っていた。

 理由は知らないが、きっとそこでしか話せない内容なのだろう、と。

 

「え?」

 

 屋上に近づくと何か籠った声が耳に届く。

 

「この声、お姉ちゃん……?」

 

 聞き間違える筈のない家族の声。

 緊張をしながら歩く足が重くなりつつも上へと進む。

 僅かに開かれた屋上の扉。その隙間から覗くと簪にとって思わぬ光景が広がっていた。

 

「あ、イイッ!! 熱くて、硬いのが! 子宮の奥まで届いてっ!!」

 

 壁に手を付け、片足を上げて開かれた脚。

 その中心の割れ目に朝比奈徹雄のペニスか突き刺さっているのが見えた。

 上げている片足を支えながら腰を振る徹雄は呆れたように呟く。

 

「しかし、外でヤりたいとか、とうとう露出趣味にでも目覚めたか?」

 

「だってぇ! いつも部屋の中だからちょっとマンネリ気味で……それに、こうして外でして、貴方もいつもより興奮してるでしょ?」

 

「否定はしねぇけどな……」

 

 勢いよく奥まで突くと楯無が上気した顔でだらしなく涎を垂らしてあんっと声が漏れる。

 挿入されたまま体位を変えて徹雄と向き合う形になると、首に腕を回す。

 

「ねぇ」

 

「あ?」

 

「すき……大好き……」

 

 言いながら楯無が頬や首筋にキスをしてくる。

 唇を離すと徹雄は楯無の服を捲り、乳房を揉みくだす。

 一瞬、肩がビクッと跳ねたがすぐに力を抜き、抵抗せずにその行為を受け入れる。

 熱のある息づかい。決して拒絶様子のない姉の姿に覗いていた簪は顔を真っ赤にして手で覆っていた。

 しかし、視界を完全に閉ざす事も出来ず。また聞こえてくる嬌声が脳を刺激する。

 何よりも驚いているのは、姉がまるで自分から望んで朝比奈徹雄に体を預けているように見えることだ。

 

 訳が分からずに混乱していると、2人に変化が起きる。

 

「ん、あ……くる……! あ、あ、あぁああああっ!?」

 

 射精したのか、繋がっている膣から白濁の液体が地面に落ちた。

 一度引き抜き膣内に収まっていたペニスが晒される。

 

「もう……3回も射精してまだ全然萎えないなんて、どういう持久力してるのかしら?」

 

 笑みを浮かべたまま跪づき、ペニスを舐め始める。

 精液と愛液の混ざって濡れたペニスを愛しそうに綺麗にする。

 

「でも、それがステキね。まだまだ射精してくれるんでしょう?」

 

「最初はヒィヒィ言ってたくせに。随分と慣れたよな」

 

「おかげさまでね。今じゃ、毎晩抱いて欲しいって思ってるんだから」

 

「そりゃ、光栄だな」

 

 そのまま楯無の顔に精液をかける。

 

 妖艶に微笑むと、そこで視線が覗いていた簪へと移される。

 

「で、いつまでそこで見物しているのかしら? 簪ちゃんは」

 

 呼ばれて体がビクリと跳ねたが、頭が上手く働いてないのだろう。ただ呼ばれたから出てきたという感じだ。

 

「お姉ちゃん……どうして……」

 

 何に対してどうして、なのか。それは簪本人にも理解できていないのかもしれない。

 戸惑いを隠せない簪に楯無はクスクスと笑う。

 楯無が出した迷案は単純にどれだけ自分達の仲が良いか直接見てもらおうというものだ。

 徹雄の部屋だと来ない可能性があるため、こうして屋上を指定した。設置されているカメラを切りやすいという理由もある。

 多少過剰に愛情表現をしながら簪がこちらを見ているのを確認した。ここまでインパクトのある場面を見せればあの勘違いもすぐに訂正されるだろう。

 固まっている簪に楯無が近づくと後ろに回って衣服の中をまさぐり始める。

 そこでようやく簪の頭が回り始めた。

 

「お姉ちゃん、やっ!?」

 

 胸を揉まれ、スカートの中にも手を突っ込む。

 股間に触れると確かに湿っているのを確認した。

 

「ビミョーに物欲しそうな顔をしてるから、もしかしたらと思ったけど。簪ちゃん、私たちのエッチを見て興奮してたのねー」

 

 からかうように告げる楯無に簪は首を横に振る。

 

「ちがっ……そんなこと……」

 

「あら。恥ずかしがらなくてもいいのよ? むしろ見ただけでこんなになるくらい魅力的に映ってたわけだしねー?」

 

 スカートの中から手を抜くとそこには糸を粘液が楯無の指に付いていた。

 

「簪ちゃんって意外とむっつりだから、私たちのエッチを見て、自分ならどうしてほしいか想像してたんじゃない?」

 

 楯無の言葉攻めに簪は涙目になって首を横に振るだけだった。

 

「あら。強情。メイティングは互いの合意がないとダメだし。簪ちゃんにはちょっと素直になってもらおうかしら」

 

 そうして始まる姉妹でのレズプレイ。

 服の中から手を入れて胸を揉み、耳を甘噛みする。

 それだけで力が抜け、ゾクゾクとしていた。

 

「徹雄も手伝ってよー。愛撫とかしてあげて。あ! 簪ちゃんが自分から頷くまで本番は禁止ね?」

 

「……お前の妹なんだよな?」

 

「そうよ。だから姉として辛そうにしてる妹を放っておけないんじゃない」

 

 本心なのかそれとも何か思惑があるのか。

 間違いなく後者だろうがその考えまでは徹雄には読み取れない。

 

「どうなってもしらねぇからな……」

 

 楯無の膝を枕にして簪を寝かせると、着ている服を肘の部分まで脱がして下着姿を露にさせる。

 先ずは腹を舐めると簪からんっ、と声が漏れる。

 その間に楯無が簪のブラを外すと、徹雄が胸を愛撫し始めた。

 しかし、それもすぐに終えて体を横にずらすと、腋に舌を伸ばしてきた。

 

「な、なんでそんなところをっ!?」

 

 予想外だった場所を舐められて声を上げる簪。楯無も身を乗りだし、スカートを下着ごと下ろすと、秘部に指を入れた。

 

「ひぅっ!? お姉ちゃん……なんで、こんなことするの……!」

 

「簪ちゃんが早く素直になってくれると私も嬉しいんだけどね」

 

 陰部の入口の辺りを指でほぐすように動かすと、ドッと愛液が楯無の指を濡らす。

 楯無が反対側の手で胸を揉む。

 

「どう? 色んなところを触られたり舐められたりして、切ないんじゃない? お股もこんなにもじもじさせて」

 

 先程から動いている股。それが簪が性的欲求に飢え始めていることの証だった。

 あらゆる箇所を愛撫され、達しようとするが、直前で楯無が動きを止める。

 

「な、んで……?」

 

「なんでばかりね。でも、イきたいなら指じゃなくて、もっと良いモノがあるでしょう?」

 

 言われて、簪は視線を移す。そこにはついさっき姉を犯していたペニスがあった。

 

「あ、う……それ……それが……」

 

 そこまで言ってまだ羞恥が捨てられずに口を閉ざす。

 しかし、楯無からすればそれだけで充分だった。

 

「ねぇ、もう簪ちゃんを楽にしてあげて」

 

「いいのか? まだ完全に承諾してる訳じゃねぇだろ」

 

「もう合意みたいなモノよ。だーい丈夫! フォローはちゃんとするから」

 

「ひでぇ姉貴も居たもんだ……」

 

「失礼ね。こんなに妹想いの姉に向かって」

 

 頬を膨らませて文句をいう楯無。

 位置を移動して脚を開かせる。抵抗はしなかった。

 腰を掴んでもう充分に濡れた膣内に向けてペニスを押し込む。

 最初から充分に濡れていたからなのか、思った以上に抵抗はなく進んでいく。

 

「ん、あ、お、あ……!」

 

 それでも痛みはあるのか、涙目で頬を押さえる簪。

 子宮の辺りまで届くとゆっくりと腰を引き、もう一度奥へと進む。

 

「簪ちゃんの具合はどう?」

 

「お前の初めての時より、キツいな。更識は自分から射精させようとする感じだけど、妹さんはただひたすらに締め付けてくる感じがする」

 

「ふーん」

 

 徹雄の評をどう受け取ったのかは知らないが、楯無はそこから簪の胸を弄り始める。

 

「んあっ!」

 

「乳首が勃起しててかわいい。それに、簪ちゃんの喘ぐ姿もステキよ?」

 

 姉に胸を弄られながら男に犯されている状況。

 それが簪の理性を削っていくには充分だった。

 

「ん、あ、くぅ……ハ、ハ!!」

 

 何度も奥へと打ち付けていったことで肉壁が僅かながらにもほぐれ、簪の膣内がペニスに順応していく。

 

 そろそろイきそうだな、と感じて強く奥までペニスを突き入れた。

 

「お、あぁああああぁああっ!?」

 

 初めて男にイかされる感触に戸惑いつつも嬌声を上げた。

 身体の震えが治まると、ペニスを引き抜く。

 大きく息を吐くと楯無が互いの陰部を重ねるようにして簪の上に乗った。

 

「おい」

 

「貴方、さきに簪ちゃんが達したから膣内に射精せなかったでしょ? 代わりに私が受け止めて上げる」

 

 来て、と尻を振る楯無。

 確かに不完全燃焼なところがあったため、その好意に甘えることにした。

 

 既に遠慮することのない肉壺にペニスを挿入し、遠慮なく腰を動かす。

 

「ん! さっきより、激しっ!?」

 

 膣内で動くペニスの感触に酔っていると下にいた簪が突如反撃に楯無の胸に吸い付いてきた。

 

「か、簪ちゃん!?」

 

「さっきまでの、お返し……」

 

 おっぱいを吸い、歯を立ててくる妹。それに突いてくることですぐにでも絶頂を迎えそうだった。

 しかし、そこで徹雄はペニスを引き抜く。

 そして簪の方へと再び挿入した。

 

「ふんあっ!?」

 

「へ!? どうして!?」

 

「今回は妹さんがメインだからな。お前、姉貴だろ。ちょっとは我慢しろ」

 

 言いながら簪の膣内を先程よりスムーズに進める。

 

「う、あ……!? なに、これ!? さっきよりも……!!」

 

「射精すぞ!」

 

「んんっ!? あつっ!? ああああんっ!?」

 

 精液を注がれ、さっきよりも高い声が屋上に響いた。

 余韻を残しつつペニスを引き抜くと、楯無が恨めしそうにこちらを見ていた。

 それをスルーしつつ気になっていたことを質問する。

 

「なんでわざわざ妹さんを抱かせたんだ。俺たちがセックスしてるのを見せるだけで今回は充分だったと思うが」

 

「ん~。簪ちゃんが貴方に敵意を向けてるのは広まってたし。このままだと他所に飛ばされそうだったからねー」

 

 つまり、仲直りした手っ取り早い証拠として抱かせたらしい。

 やられる方は迷惑だろうに。いや、実際便乗した徹雄の言えることではないが。

 他にも理由はあるかも知れないが、聞きたくなかった。

 

「それより、今度は私の疼きも止めて欲しいなーって」

 

「……はいはい。仰せのままに」

 

 頼まれるままに徹雄は再び楯無に抱き締めてキスをした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えーと、色々と勘違いしてたみたいでごめんなさい」

 

「いや、まぁ、俺も昨夜は悪かったな」

 

 翌日食堂の朝食で簪が昨夜の余韻がまだ覚めないのか、顔を真っ赤にして俯いたまま謝罪した。

 主犯の楯無がしたり顔で一件落着と書かれた扇子を広げたのにはイラッときたが、無視する

 それから劇的に会話が出来る筈もなく、沈黙のまま朝食を平らげていると朝のニュースが流れた。

 それは、UW主導のニュースだった。

 

「玲人?」

 

 画面に映っているのはNO.3の水原玲人だった。

 彼は画面の中で話し始める。

 

 自分が少し前にコールドスリープから目覚めたこと。

 MKウイルスの抗体を持っていること。

 そして、今も眠り続ける男性達が同じように抗体を持って目覚める可能性。

 そして玲人自身、MKウイルスの研究をするつもりなこと。

 

『どうか皆さんのご協力をお願いします』

 

 そう締め括り、頭を下げてそのニュースは終わった。

 

 世界は、善くも悪くも動こうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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クロエ・マンスフィールド(終末のハーレム)その1・雪村千鶴(薄桜鬼)その2

25日に投稿しようとしたけど間に合わなかった。無念。


 フードで顔を隠し、護衛のマドラックスと一緒に朝、日課のランニングをしている。

 何だかんだでサボることなく毎日続けているトレーニングのお陰で以前よりも速く、そして長く走ることが出来るようになり、サンドバッグを叩く感触もコールドスリープ前より強い手応えを感じているが、徹雄の顔は不満気だった。

 

(結局、どれだけ強くなっても試せる相手がいないんじゃな……)

 

 意地になって続けているトレーニングも競える相手もいない現状にいい加減、虚しさを覚える。

 

(ましてや、コールドスリープ前は世界チャンプとの試合を控えてたから尚更に)

 

 世界WBCウェルター級チャンピオン、エドガー・アンダーソン。齢40を越えながら無敗を誇った伝説のボクサー。

 日本は徹雄の快進撃からベルト確実なとど記事にされていたが、そんなことはないと思っている。

 一度足を止めて雲1つ見えない空を見上げる。

 

「闘ってみたかってなぁ」

 

 ベルトを手に入れることも大事だが、それ以上に伝説のチャンプと拳を交えたかった、というのが本音であり、その不満は未だに徹雄の中で燻っている。

 そういう意味では、宙ぶらりんな自分と違い、MKウイルスの特効薬の開発という明確な目的に真っ直ぐ進める玲人が羨ましいのかもしれない。

 例えそれが、どれだけ低い可能性でも。

 

「ダメだな。雑念が多い」

 

 軽く柔軟してから再び走ろうとすると、マドラックスが手で制した。

 

「どうした?」

 

 マドラックスが質問に答える前に前後を難民の格好をして顔を隠した者たちに挟まれる。

 前の方にいた人物が1歩前に出た。

 

「朝比奈徹雄だね? 一緒に来てくれないかな?」

 

 若い女の声だ。

 それだけでは判断出来ないが、もしかしたら20歳を越えてないかもしれない。

 

「……知らない人に着いて行っちゃいけませんって教わってるんでな。諦めてくれ」

 

 マドラックスの方は人気が無いとはいえ、早朝の開いた道で銃を使うのはマズイらしく、ホルダーに納めたナイフに手をかける。

 

「もしかして、イザナミ?」

 

「あんなのと一緒にしてほしくないんだけどなぁ……」

 

 マドラックスの質問に女が嫌悪感の混じった声で否定する。

 緊迫した空気がこの場を支配する。

 

 動いたのは、後ろの女たちだった。

 鉄雄が後ろを振り返ると女が持っている武器にギョッとする。

 

「スタンガン……! 嫌なこと思い出させんじゃねぇよ」

 

 スタンガンを持っている手首を捻り上げて落とさせると、背後を取って背中を思いっきり押して倒す。

 前方を相手にしていたマドラックスが事も無げに問う。

 

「貴方、ボクサーじゃなかったかしら?」

 

「だからできるだけ拳を使わねぇんだろうが」

 

 反射的に拳を握って撃退してしまいそうだったが、どうにか堪えた。

 下手に殴ったら殺してしまう。

 

「うん。良い動き」

 

 呑気な様子でマドラックスが呟く。

 そしてナイフを腕の腱を狙って切る。

 その間に鉄雄も相手を投げ飛ばした。

 

「っ!?」

 

 マドラックスがナイフを突くと相徹雄に一緒に来いと告げた相手のフードが切れ、顔が露になる。

 栗色の髪にモミアゲを三つ編みにした少女。

 顔を晒した少女は即座に隠し直し、視線だけは鉄雄へと向ける。

 

「あまり、UWを信用しない方がいいよ」

 

 それだけ告げるとジェスチャーで指示を出し、その場から退いた。

 

「追わねぇのか?」

 

「私の仕事は貴方の護衛だもの」

 

「際ですか」

 

 マドラックスが端末から楯無に連絡を入れる。

 そういうのは楯無の仕事、ということらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ~クソ……」

 

 湯船に浸かりながら徹雄は忌々しげに天井を見上げた。

 今回の襲撃を受けてしばらく外出は控えるようにと楯無から頼まれた。

 当然の理由なので渋々承諾。

 

「……次に外出るときは護衛とかも増えそうだよな」

 

 うんざりした様子で呟く。

 贅沢かもしれないが、大勢を連れ歩くのは趣味ではないのだ。

 

 口の部分まで湯に浸かっていると大浴場の扉が開いた。

 

「は……?」

 

 一応、この施設の大浴場は混浴である。男が徹雄1人しかいないし、彼がここにいる理由を思えば男女別にする理由はない。

 しかし、それで本人が納得するかは別であり、不用意に誰かが入ってきて騒ぎになっても面倒なため、入浴の際には男性入浴中の札をかけていた。

 

 入ってきたのは腰まで届いた長い金髪を姫カットにした美しい女だった。

 外国人であるその女は、徹雄の姿を見ると嬉しそうに目を大きく開ける。

 

爆拳(ナックル・ボム)?」

 

 それは、現役時代に徹雄に付けられていた異名だった。

 久々に聞いた懐かしい名に感慨深く感じる間もなく入ってきた女は徹雄の側に寄って、その整った指が徹雄に触れる。

 

「oh~。わたくし、貴方のこと知ってますことよ」

 

 少しだけ不自然な日本語で話す外国人女性。

 その柔らかな肉体が触れてくる。

 

「朝比奈徹雄。貴方の試合は映像データで観ました。チャンピオンとの対決が観れなくてとても残念な思いですことよ」

 

 笑みを浮かべたその態度が素なのか。それとも演技なのかは徹雄には判断できない。しかし────。

 

「そうか。それよりオネェさんさ……」

 

「?」

 

「さっきから俺のチン◯弄りながら話すの止めね?」

 

 徹雄の言うとおり、女性は肉棒を握って上下に手を動かしている。

 女は妖艶に笑いながら問いかける。

 

「ふふ……こういうのは嫌いですか?」

 

「まさか。でも、アンタみたいな美人にこういうことされると襲いたくなるだろうが」

 

 既に硬く反り勃った肉棒。それを目の前の女にぶちこみたいと主張している。

 女は美人と言われたことが嬉しいのか、笑みを深めて徹雄の胸板に舌を這わせてくる。

 

「構いませんよー。わたくしも貴方みたいな強い(オス)に激しく抱かれてみたいですことよ」

 

「……名前も知らない女とセックスするほど無粋じゃねぇよ」

 

 技術長官? アレはセックスじゃなくて仕置きですが何か? 

 

 徹雄の言葉に一瞬キョトンとした金髪の女は何が面白かったのか口を押さえて笑う。

 

「失礼しました。わたくし、アメリカからの留学生で、今日この施設の見学に訪れたクロエ・マンスフィールドと言いますことよ」

 

 クロエ、と名乗った女に徹雄も自己紹介する。

 

「知ってるみたいだけど、朝比奈徹雄だ。それよりウェルター級王者(チャンピオン)のエドガーは良いのか? 自国だろ?」

 

 元来、こういう場合、自国のボクサーのファンなのではないだろうか? それも、エドガーは王者な訳だし。

 

「エドガーも好きデスが、徹雄さんの試合は見応えがあって魅了されますことよ」

 

 徹雄は全てKO勝ちしているため、彼の試合は若い観衆に人気があった。

 一度肩を掴んで体を離させると、キスをする。

 

「チュ……じゅるる……ごくっ」

 

 特に抵抗なく侵入を許した舌で送られる。そのまま口内に舌が届く限り乱暴に貪り、互いの舌肉の感触を確かめ合う。

 唾液が混ざり合い、喉を鳴らして飲み込む。

 唇を離すと舌が唾液で糸を引いた。

 紅潮した頬。艶かしく僅かに出た舌をクロエが余韻に浸るように触れる。

 

「とても、情熱的でした……」

 

「そうか。でもまだ始めたばかりだろ?」

 

 縁に座る徹雄は湯船に立っているクロエの腰から腕を後ろに回しながら尻肉を揉み、胸を吸う。

 

 大きく、形の良いクロエの胸と尻を愛撫する。

 

「ん……ア……ッ」

 

 クロエの方も徹雄の頭を片手で押さえながら顔を胸に押し付けさせ、反対の手は肉棒を愛撫していた。

 徹雄が乳首を舌で転がし、軽く歯を立てるとお返しとばかりにクロエは竿を強く擦る。

 尻肉を持ち上げるように揉むとエラの玉袋を揉んでくる。

 

 そうして競うように互いが愛撫を続けていると亀頭の割れ目を軽く指を入れられ、うっ、と小さく呻き、白濁液が射精される。

 クロエが手に付いた精液を舐める。

 

「oh。わたくしの勝ちですことよ?」

 

「そうだな……」

 

 いったい何時から勝負になったのかは不明だが、先にイったの事実なため、大人しく認める。

 

「それでは勝者の権利でそこに寝てくださいまし。わたくしが上になりますことよ」

 

「そうかい……」

 

 言われたとおり、浴場の床に仰向けに寝ると、クロエも湯船から出て徹雄の体に跨がる。

 

「こうして徹雄さんを見下ろしてると、なんだか支配してるみたいですことよ」

 

 先程までの愛撫と浴場の温度で既に男を受け入れる準備を終えた肉壺に、肉棒を招き入れる。

 亀頭を入れるまではゆっくりと焦らすように腰を動かしていたが、竿の部分までいくと、一気に奥まで落とした。

 

「っ!?」

 

「oh~。硬くなった貴方の顔、とっても素敵ですことよ」

 

「そりゃ、どうも……」

 

 膣内がきつく暖かい。そして不規則に締め付けてくる箇所が変わる。

 円を描くように動いていた腰が突然浮いたりと動きを常に変化させていた。

 クロエが体を倒してピッタリとくっついてくる。

 顎や首筋を舐める。

 胸板にキスをしながら自分を刻み付けるように歯を立て、痕を付ける。

 徹雄も夢中になって腰を突き上げ、肉棒で子宮を押していた。

 

「ハ、ハ、ハッ!! 良いですことよ! 徹雄さんのチン◯がわたくしの膣内で暴れて……ッ!」

 

 何度も何度も突き上げる。その度にクロエの甘ったるい嬌声が脳を痺れさせた。

 

「徹雄さん! わたくし、もう────!」

 

「あぁ! 俺も! だから、一緒に……っ!!」

 

 最後に強く突き上げるとこれまでで1番強く膣内がしまった。

 

「あう!? これ、スゴい……!? わたくし、こんなに、乱れて……お、あ、あぁあああぁあああっ!?」

 

 徹雄さんが射精すると同時にクロエめ達して膣内からドロリとした液体が溢れる。

 精液を受け止め終えると、徹雄の肉体に体を預けていたクロエが浮く。

 

「とても、素敵ですことね……1回では勿体ないくらいですことよ」

 

「だったら、もうちょい遊んで────」

 

 そこで、再び浴場の扉が開いた。

 

「え?」

 

 中に入ってきたのは雪村千鶴。

 彼女は、繋がっている2人を視認するとフリーズして固まり、頭が理解するとゆでダコのように顔を真っ赤になる

 

「キャアアアアアアァアアッ!?」

 

 タオルで体を隠して壁に後退した。

 

「おーウブな反応」

 

 何分この施設の大半は女で、徹雄とメイティングすることを前提で集められている側面がある。

 だから、とにかくセックスアピールに躊躇わない者が殆どを占めている。

 実際、少し前に周防天音と風見一姫と3人で風呂に入ったが、天音が盛大にセックスを誘ってきて、一姫は徹雄を居ない者のように振る舞っていた。

 

 要するに、ここでは千鶴の反応の方が珍しい。

 ましてや一度メイティングを行った仲なら尚更だ。

 

(他に似たような反応しそうなのは赤緒くらいか? 2人には、ずっとそのままでいてほしいもんだ)

 

 などと目の前の問題から現実逃避していると千鶴が動揺したままに質問する。

 

「なななななんでっ!?」

 

「なんでって入浴中の札、かけておいただろ?」

 

「ありません!! ありませんでしたよ!?」

 

「あれ?」

 

 かけ忘れた筈はないのだが、と首を傾げていると、体を離したクロエが臆面もなく言う。

 

「札ならここに入る時に外しましたことよ。こんなに広いお風呂を1人占めなんてズルいでしょう?」

 

「……言ってることはわかるけど」

 

 立ち上がったクロエが、千鶴に近づく。

 千鶴を挟んで壁に手を付けるクロエ。その様子はまるで、小動物を追い詰める肉食動物のようだった。

 

「かわいらしいお嬢さんですことね。貴女、徹雄さんとメイティングは?」

 

「い、1回だけ……」

 

 質問されるままに答える千鶴。その顔の赤みはさらに増していた。

 クロエが手が千鶴の顔に触れる。

 

「なら、恥ずかしがることはありませんことよ? なんなら、一緒に楽しみましよう。ヤマトナデシコさん」

 

 同性すら見惚れそうな笑みでクロエは這いずるように千鶴の背後に回る。

 千鶴が手にしていたタオルが落ちた。

 

「ひゃん!」

 

 クロエが千鶴の乳首を触れ、指で弾くと小さく声が出た。

 

「可愛らしい声ですことよ?」

 

 太腿や撫でられ、甘い声で囁かれる。

 同性からの愛撫を受けて千鶴は次第に足腰から力が抜け、尻が下がっていき、脚を広げる。

 まだ、湯に浸かっていない筈の股が湿り、惚けるような息を吐く。

 その姿が扇情的で、徹雄の肉棒はすぐに固さを取り戻した

 

「oh。見てください。徹雄さん蕩ける貴女を見て、また大きくしてますことよ。貴女も、ここに入れて欲しそうですことね」

 

「ふや……!」

 

 軽く指を膣内に入れて反応を確かめる。引き抜いた指には確かに粘液の糸が伝っていた。

 

「徹雄さん。彼女も準備OKですことよ。楽にしてあげましょう」

 

 誘われるままに移動し、開かれた脚を持ち、千鶴の陰部に肉棒を合わせる。

 

「あ、朝比奈さん……」

 

「悪いな、欲望優先な男で」

 

 まだ2回目で馴染みきっていない膣内へグリグリと少しずつ押し進む。

 

「つっ……あぁ……っ」

 

 痛みは小さく、以前よりも受け入れやすくなった肉壺。懸命に締めてくるクロエと違い未発達なそれは肉棒に痛みすら与える程に狭かった。

 

「締め付け……すげっ……」

 

 ポツリと呟き、腰を前後に動かして奥へ奥へと進んでいく。

 

「わたくしも構ってください」

 

 舌を出すクロエに徹雄は再び舌を絡ませあう。

 

 じゅるじゅると音が響く。

 千鶴も、徹雄の腕を掴んで膣内の肉棒を口を結んで受け入れていた。

 

「あん……ハァ……んんっ!!」

 

 奥を突かれるたびに千鶴から声が漏れ、吐息には甘い色が混じる。

 膣内がほぐれていき、徹雄の肉棒を受け入れる形へと馴染んでいく。

 肉棒が膨張し、射精のタイミングになった。

 

 

「あ……んあぁあああぁああっ!?」

 

 射精された精子を受け入れ、膣内に収めると肉棒を引き抜く。

 上から千鶴の顔をみてクロエが笑った。

 

「とってもエッチな顔ですことね。わたくしも、またして欲しくなしました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 湯船に移動した3人。

 クロエと千鶴は縁に手を着けて尻を差し出す姿勢を取っている。

 黒と金の髪を持つ美女2人の淫靡な姿に徹雄は喉を鳴らした。

 

「どうですか? 興奮する眺めでしょう?」

 

 挑発するように尻を振ってくるクロエ。千鶴もこちらをチラチラと見ながらも期待するような視線を向けてくる。

 先ずはクロエの腰を掴んだ。

 

「今度は俺の方から攻めてやるよ」

 

「楽しみですことよ?」

 

 そのまま、クロエの肉壺に肉棒を押し入れる。

 

「ひやっ!?」

 

 手で腰を固定し、前後左右に腰を動かしてクロエの膣内を犯す。

 騎乗位の時とは違う激しい攻めに息を忘れて肺から声を搾り出す。

 徹雄が腰を動かすたびにバシャバシャとお湯が跳ねる音とパンパンと腰を打ち付ける音が響いた。

 

「さっ、きとは……まるで……!」

 

「やっぱ俺、受け身になるよりこうして責めてる方が好きみたいだ!」

 

 覆い被さる姿勢になり、腰から手を伸ばしてクロエの胸を揉む。

 こねるように弄ばれる乳房。強く子宮口を亀頭でノックされる度に絶頂へと促された。

 

「あっ! もう、何度も! イってますことよ!!」

 

「まだ俺はイってねぇだろ。もう少しだから、付き合え」

 

 髪を掻き分け、後ろ首にキスの雨を降らせる。

 

「あ、や! スゴく、激し……っ!!」

 

「良いな。お前の膣内。まだまだ射精出来そうだ!」

 

 言って、クロエの中に2回目の射精をする。

 肉棒を引き抜き、小さく動いて誘ってくる千鶴の尻を掴む。

 

「待たせたな」

 

「────っ!?」

 

 恥ずかしいのかこちらを見ようとしないが徹雄は構わず千鶴の膣内へと挿入する。

 

「んあっ!?」

 

 徹雄用に開発され始めた肉壺が彼の肉棒はどうすれば子種を吐き出すか確かめるように締め付ける。

 しかも、先程と違い、激しく突いてくる腰の動きは千鶴の理性をから余裕を奪うには充分な役割を果たしていた。

 

「んっ! ハ、ハ、ハ、ハ! あぁ……」

 

 ただ受け入れて身を委ねる千鶴。そんな彼女に徹雄が問いかけた。

 

「雪村。そろそろ射精しそうだけど、どうする? 膣内に射精すか? それとも。外に?」

 

「~~~~っ!? そ、そんな、こと────言えまっ!?」

 

 恥ずかしさから回答を拒否する千鶴。

 その態度をどう思ってのか、徹雄は射精する前に肉棒を引き抜き、クロエの方へと入れ直した。

 

「oh!!」

 

「ま、まだ……」

 

 2人にとって徹雄の行動は予想外で驚きの声を出す。

 

「どうしてほしいのか言ったら、最後までしてやるっ!」

 

「あっ!?」

 

 射精したのだろう。ぶるぶるとクロエが痙攣していた。しかし今度は抜かないまま継続している。

 

「ふふ。このままだと、わたくしがぜ~んぶ徹雄さんの子種をいただいてしまいますことよ?」

 

 良いんですか? と視線を送るクロエその顔は徹雄と繋がって淫行に耽っている。

 その顔が羨ましいと思い、物欲しそうに見る。

 

「欲しかったら分かるだろ?」

 

 言われて、我慢の限界を迎えた。

 

「わ、私にも、朝比奈さんので膣内に欲しい、です……」

 

 羞恥から顔を真っ赤にして顔を隠す千鶴。

 それに徹雄は頭を撫でてからかうように。

 

「よく言えました」

 

 後背位ではなく、千鶴は縁に座り、徹雄の首に腕を回す。

 

「あぁ、また……」

 

「雪村、口開けて」

 

 向き合う体勢で繋がり、徹雄は言われるままに口を開いた千鶴にディープキスをする。

 口内と膣内の両方を貪り、太腿や尻肉の感触を楽しむ。

 

「んんっ! ふぅ……」

 

 これまでで1番激しく求められ、自然と千鶴は気持ちよくなろうと腰を動かして快楽を得ようとする。

 それに伴い徹雄にも快楽を送り込んでいた。

 

 何度も子宮口を亀頭で押し付けられる。

 連続で叩かれたかと思えばさらに奥へと抉るように動いてくる。

 肉棒が膨張し、今度こそ、逃がさないようにと脚を絡ませてきた。

 

「別に、逃げやしねぇ、よ!!」

 

「ん、くぅうううっ!?」

 

 射精により波打つ肉棒の感触。吐き出される白濁液を全て受け入れて千鶴は荒い息のままに力を抜いた。

 肉棒を抜くとクロエが触れてくる。

 

「まだ元気になりますか?」

 

 肉棒を口で奉仕を始めた。

 徹雄の肉棒が大きくなると驚くも、すぐに笑みを作る。

 

「もっともっと、わたくしを満足させてください」

 

「しょうがねぇなぁ……トコトン付き合ってやるよ」

 

 言って、徹雄はクロエを押し倒した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「oh……まさか、お尻の方も使われるとは思いませんでした……」

 

「メチャクチャ乱れてたじゃん」

 

 脱衣所で休んでいる3人。

 千鶴はのぼせたようなので、体を横にして徹雄がうちわを扇いでいる。

 

「こんなに激しくて抱かれたのは初めてですことよ。もう、他の男で満足できないかもしれませんことよ?」

 

「そりゃ光栄だな」

 

 話半分に聞いている徹雄。

 クロエは立ち上がる。

 

「そろそろ行きますことね」

 

「そっか。またな」

 

 その言葉をどう受け取ったのか。一瞬驚いた様子だったがすぐに笑みに戻る。

 そして徹雄の頬に軽くキスをした。

 

「また会いましょう。朝比奈徹雄さん」

 

 まるで風のようにクロエは去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『まだアイツには接触するなって行ったでしょうが、このバカ!!』

 

「ゴメンって。もしかしたらって思ってさ」

 

 予想していたとはいえ、想像以上におかんむりな通信相手に少女はたじろぐ。

 

『勝手に動いて! 無事だったから良かったものの、もし鈴羽に何かあったらアンタの両親に顔向けできないじゃない!』

 

「あはは。返す言葉も無いです」

 

 鈴羽と呼ばれた少女は相手の沸点が下がるまでひたすら低姿勢を維持する。

 ある程度説教をして気が済んだのか、向こうは深呼吸をした。

 

『とにかく、アタシの方でも色々と動いてるから、指示があるまで待機! 良いわね!』

 

「うん。分かったよ、アリサさん……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




クロエ登場。話し方は原作主人公と初めて会った時の口調を意識しましたけど難しい。まぁ、この喋り方は今回だけだけど。

終末のハーレム原作では彼女がヒロインかも?


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更識楯無(IS)その4・紺野木綿季(SOA)その3・柊赤緒(ジンキ)その2

あまりにも書きづらいためマドラックスはこの話からリストラしました。


「と、いうわけで。少しの間匿ってくれね?」

 

「いや、全然説明してないじゃん」

 

 突然柊神社にやって来た徹雄に木綿季は呆れて返す。縁側に腰を下ろし、息を吐く。

 すると、柊神社で暮らしている子供たちが近寄ってきた。それを適当に相手しながら赤緒と木綿季に愚痴り始める。

 

「いやー。マドラックスさんが故郷に帰ったせいか最近、警護とかギュウギュウでな。隙見て逃げて来たんだわ」

 

 マドラックスは故郷の国で問題が発生したらしく、そっちに戻されてしまった。

 それに伴い、本格的な護衛の人間が来るまで数で護衛していたのだが、窮屈さに嫌気が差した徹雄が逃げ出したのだ。

 

「それ、いいんですか?」

 

「さぁなー? 本当はまりもんとこ行こうとしたんだけど今は何処に住んでんのか知らねぇから。ここに来たら会えると思ってな。アイツが来るまで匿ってくれ」

 

「それは構いませんけど。無駄だと思いますよ?」

 

「なんでだよ。更識とか来たら適当に誤魔化してくれるだけでい────」

 

 徹雄の口が途中で止まる。

 見ると、木綿季と赤緒がそれぞれ奥の方へと視線を向ける。

 すると奥から子供のではない足音がスタスタと鼓膜に届く。

 現れた更識楯無は処罰確定と書かれた扇子を広げ、額に青筋を立てて笑っていた。

 

「ちっ……いやー、更識さん! 今日は一段とお美しいですね!」

 

「あらありがとう。で? そんなお世辞だけで許してもらえると本気で思ってるのかしら? それと、舌打ちは聞こえないようにしたら?」

 

 楯無の指摘に徹雄はガックリと肩を落とす。そのまま楯無は近づくと鉄雄の耳を引っ張った。

 

「おい、千切れんだろうが」

 

「だったらもう少し大人しくこっちの言うことを聞いてくれない? 子供じゃないでしょ」

 

「バカを言うな。俺の精神年齢はいつまでも十代前半を保ってんぞ。見た目は大人。頭脳は子供をナチュラルに体現してるからな!」

 

「ほほほ。いい加減子供の国(ネバーランド)から卒業してくれないかしら?」

 

「そしたらピーターパンが俺を殺しに来るんだよ。知ってるか? アイツ、大人になった子供を殺して追い出すんだぞ」

 

「貴方なら余裕で返り討ちでしょう!」

 

 じゃれあいを終えると徹雄が眉間に皺を寄せて質問する。

 

「つか、何でここに来るって判ったんだよ? ピンポイントで当てねぇと俺より早く着かねぇだろ」

 

「貴方の行く宛が他にあるの?」

 

 その言葉にそれもそうかと納得する。

 目が覚めてからはほぼ今住んでいる場所とここ、柊神社しか主に行き来していない。

 楯無が真っ先にここを訪れるのも必然というものだ。

 

「ほら。帰るわよ」

 

「首んとこ引っ張るなよ伸びんだろ! それとあんな重罪人みたいに囲まれんの勘弁してくれよ。息が詰まりそうなんですけど!」

 

「狙われたばかりなんだからしょうがないでしょ! 我慢なさい! これ以上駄々こねると足をへし折るわよ!」

 

「わりい子はってか! ナマハゲかてめぇはっ!?」

 

 徹雄の我が儘にいい加減我慢の限界なのか過激なことを口にする楯無。

 それを聞いていた子供の1人が赤緒に質問する。

 

「ナマハゲってなぁに?」

 

「サンタクロースの日本バージョンのことだよ」

 

「いたいけな子供になんてうそを教えるのさ!」

 

 間髪入れず適当なことを言う徹雄に木綿季がぺしぺしと鉄雄を叩く。

 

 そこから連れ戻そうとする楯無と木に引っ付いて離れようとしない徹雄に、あはは……と困った様子で苦笑いする赤緒。

 

「えーと……今晩泊まっていきますか?」

 

「申し出は嬉しいんだけど、あまりうちの子を甘やかさないでもらえる?」

 

 笑顔を浮かべているが言葉の節々にトゲがあり、早々に帰りたがっているのが聞いて取れる。

 しかし、そこで徹雄に味方したのが柊神社に暮らしている子供たちだった。

 

「なぁなぁ! 徹にいちゃん。あそぼうよー」

 

「あれ教えて! 正拳突き!」

 

「いや。それはボクシングじゃなくて空手な。違うからな?」

 

 などと小さな女の子たちが遊んでとせがんでくる。それを機に徹雄が子供たちの後ろに回る。

 

「ほら更識! お前はこの子たちの期待を裏切るのか!!」

 

「貴方本当に自分の立場解ってるの?」

 

 ヒクヒクと頬を動かす楯無。それに1人の女の子が裾を掴む。

 

「ダメ?」

 

 その純真な瞳に楯無が怯む。

 じー、と見つめてくる瞳に楯無が折れた。

 

「…………1晩だけよ?」

 

「イエーイ!」

 

 許可が降りたことで近くの子とパシンとタッチした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今更確認するまでも無いが、朝比奈徹雄は精神的に子供である。

 だからか、意外にも子供には好かれやすい。

 

「まったくもう! ワガママばかりなんだから!」

 

 庭で木綿季を含めた子供たちと遊んでいる徹雄を眺めながら愚痴っている。

 それを横で座っている赤緒があははと苦笑いを浮かべていた。

 

「でも。徹雄さんが来てくれるとあの子たちも喜んでくれるんですよ」

 

「精神年齢が近いからでしょ」

 

 不貞腐れるような楯無の台詞に赤緒はそうですねと答える。

 そんな仲良く並んでいると、楯無が意地の悪い悪い笑みを浮かべながら扇子で口元を隠した。

 

「それで? 今晩はどうするの?」

 

「え? 何がですか?」

 

「もう。惚けなくてもいいのよ。決まってるでしょ?」

 

 ────エッチに決まってるでしょ。

 

 子供たちに聞こえないように耳打ちする。すると、時間をかけて理解し、顔を真っ赤にさせた。

 

「なななななななっ!?」

 

「あら。恥ずかしがらなくてもいいじゃない? 前はあんなに乱れてたんだから!」

 

 ここぞとばかりにからかう楯無。

 これが彼女なりのストレス発散方法なのである。からかわれる本人は堪ったモノではないだろうが。

 容赦なく猥談を吹っ掛けている楯無に赤緒が前に抱かれた時のことを思い出したのか、うーうーと耳を塞いでいる。

 そんな2人に木綿季が近づいてきた。

 

「あ! それならボク、やってみたいことがあるんだ!」

 

 元気に手を挙げる木綿季に楯無と赤緒は瞬きを繰り返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、その格好か?」

 

「えへへ。似合う?」

 

 白袖に緋袴。俗に言う巫女服を着た3人。

 特に木綿季は以前付けていた長髪のウィッグを付けていた。

 

「似合う似合う。それにその髪型は久しぶりだよな」

 

「この衣装なら長い方がいいかなって」

 

 などと談笑している2人に後ろにいた赤緒は後ろめたさにモジモジと体をくねらせている。

 

「こういうことに巫女服(これ)を使うなんて……」

 

 残っていた巫女服を貸し出した手前言い辛いが、やはり罪悪感がある。

 しかし木綿季と楯無はそんな赤緒の気持ちなど余所へと置いて畳に座っている徹雄に引っ付いていた。

 

「ほれほれー。どう? 私の巫女姿は」

 

「似合ってるって。やっぱ、美人はなに着ても大抵似合うよな」

 

「そういうことを素面で言うのね……あん!」

 

 呆れた様子だったが僅かに頬が紅潮していることから照れているのかもしれない。

 巫女服の上から乳房を揉み始め、首筋にキスを始めた。

 

「こっちはボクがするね」

 

 下に穿いている物を下ろして晒された肉棒をフェラを始める。

 

「んぐ……ん、ん……」

 

 出来る限り奥の方まで肉棒を咥えながら舌を動かして刺激する。

 勃起をすると口から出して亀頭を指で弄り、竿に舌を滑らせる。

 

 それを見ている赤緒は顔を赤くして顔を隠しながら見ていた。

 こういった行為にまだ気持ちの切り替えができていない彼女は前へと踏み出すのに二の足を踏んでいるのだ。

 いつまでも動こうとしない赤緒に楯無が近づいてくる。

 

「ほら。貴女もこっちに来なさいな」

 

「わ! ちょっと!」

 

 背中を押して赤緒を徹雄の近くまで行くと後ろからポロンと胸を露にする。

 

「ほー。予想以上に大きいわねー。そりゃ!」

 

「ひゃっ!? 更識さんやめてください!」

 

「よいではないかー。よいではないかー」

 

 後ろから赤緒の胸を揉み始める楯無。

 最初は身動ぎをして抵抗していたが、次第に身体の力が抜けていっている。

 

「つ、あ……いやぁ……」

 

 抵抗しながらも少しずつ乱れていく赤緒の姿が妙に色っぽい。

 ある程度熱が入ったのを見計らって徹雄の側まで移動させると木綿季の隣に腰を下ろさせる。

 目の前にぶら下がっている勃起した肉棒。それを見て赤緒はゴクリと喉を鳴らした。

 顔を近づけて木綿季と一緒に肉棒をしゃぶる。

 

(あつい……)

 

 肉棒をしゃぶりながら赤緒は唇と舌から伝わるその熱さに余計な思考を切って奉仕に集中する。

 2人の舌で肉棒を刺激されて徹雄は気持ち良さそうに体を震わせた。

 その間に晒された楯無の胸に顔を埋めて乳房を舐める。

 

 部屋の中で唾液が塗られる音が響く。

 少しの間、そのままの位置で密着していたが、いつの間にか楯無が肉棒をフェラする側に替わり、木綿季に愛撫する。または、赤緒へ袴を捲って陰部に指を入れたりと態勢を替えていった。

 今は、徹雄が寝そべり、赤緒と楯無が肉棒を胸で挟んで亀頭を舐めあい、顔の上に乗った木綿季の太腿を掴んで陰部を舐めている。

 そうして肌を重ねていると徹雄が射精して赤緒と楯無の顔に精液がかかった。

 

「っ!! もういいよな。そろそろ入れてぇ……」

 

 まったく萎えない肉棒。

 それを女達は発情した眼で見ながら頷く。

 

 横に並んで仰向けになる3人。鉄雄は真ん中にいる赤緒に手を伸ばした。

 

「あ……」

 

 始めに自分を選んでくれた嬉しさと緊張から赤緒は顔を逸らす。

 その初々しい反応がおかしくて、苦笑した後に乳房に手を伸ばした。

 

「んっ!」

 

 徹雄の手に収まり切らない乳房をこねながら反対の手で袴を捲り、赤緒の陰部に肉棒を当てる。

 

 自分の陰部に亀頭が当たって、期待感と羞恥心が入り雑じった顔をしていた。

 既に濡れた陰部に徹雄は躊躇いなく奥まで挿入した。

 

「ア……か……っ!?」

 

 挿入された肉棒に赤緒の膣内は即座に反応して肉壁が締め付けてくる。

 

「やぁ……はぁっ!?」

 

 一度引き、もう一度奥まで突く。そして子宮口をグリグリと亀頭で擦るとそれだけで息を大きく吐き、反応する。

 

 絡み合っている2人を見て我慢できなくなったのか、木綿季が這うようにしてすり寄ってきた。

 

「徹雄……ボクにキスして……」

 

 甘えるような声。それを拒否する理由はなく、顔を横に向けて木綿季と唇を重ねる。

 自然と互いに舌を絡ませ、唾液を交換し合う。

 その間にも赤緒を突くのを忘れない。

 肉壁を態と当てるように動かす徹雄に赤緒も腰をくねらせて少しでも気持ち良くなろうとし、また徹雄に感じてもらおうとする。

 

(膣内の色んなところに当たって……それに徹雄さんのが膣内で大きく……っ!?)

 

 突くたびに徹雄の肉棒が大きくなるのを感じて赤緒も達しようとしていた。

 

「てつお、さん……わたし、もう……!」

 

「あぁ! 俺も、赤緒の膣内に……!」

 

 射精が近づくのを感じて徹雄は腰の動きを速くする。

 

射精()すぞ、赤緒っ!!」

 

「はい! 私ももう、イキます!! 膣内に! だから膣内に注いで────っ!?」

 

 言われるまでもなく、徹雄は肉棒を外へ抜かず、射精が続く限り、精子を送り込んだ。

 

「う、あ……」

 

 惚けるような赤緒の顔を見届け、徹雄は肉棒を引き抜く。

 

「次、木綿季。いいよな?」

 

「うん……あ、でもどうせならさ……」

 

 言って、木綿季が徹雄の上に乗る。

 

「今度はボクが上になるね」

 

 肉棒に触れて自分の陰部に導いていく。

 

「あ、んん……」

 

 半分ほど入ると腰を止めて木綿季は手を合わせるように繋いできた。

 

「えへへ。こういう風に手を繋ぐと安心するんだよね」

 

「そんなもんか、つっ!?」

 

 喋っている最中に木綿季が腰を落とす。

 それから体を倒して徹雄の胸板を舐め始めた。

 

「男の人のにおい……」

 

 発情した様子で鼻を鳴らし、臭いを嗅いでくる。

 元より狭い木綿季の膣内、それが徹雄の肉棒を肉壁がこれでもかと言うほどに狭く締め付ける。

 すぐに射精したい感覚を堪えて木綿季の奥へと腰を動かす。

 

「あぁ……ボクの膣内を徹雄のがギチギチに犯してきて、あたま、変に、なりそう……!」

 

 思考が乱れて性欲を発散させることしか考えられなくなる。

 

「んあっ!? ちょっ……!」

 

 繋がっていた片手を外して白袖の中に忍び込んで木綿季の胸を弄る。

 

「木綿季って、胸小さいけど敏感だよな。こうしてやると!」

 

「あつっ!?」

 

 少し乳首を摘まむとそれだけで声が上がり背中を反らす。その反応がおかしくて面白くて巫女服の中に隠れている胸を弄くり回した。

 

「ちょっ! ダメ、だったらぁ! そんなに触られたら、すぐに……!?」

 

 まだ肉棒を独占していたい木綿季が手を外させようとするが、元より腕力の違いで敵わない。

 

「別にいいだろ。1回で終わるわけでなしってな!」

 

「あわ!?」

 

 不意に強く腰を突き上げられて木綿季が声をあげた。

 

「ま、まって! そんなに激しく突かれたら……!?」

 

「すぐにまた気持ち良くしてやるよ。だから存分に、いけ!」

 

「おあぁああぁああんっ!?」

 

 何度も突かれて木綿季は声を上げて達した。

 そのまま体を預けてくる木綿季を徹雄は横に寝かせる形で置く。

 そして3人目に向く。

 

「お待たせ」

 

「全然萎えてない。本当に性欲オバケね……」

 

 呆れながらも嬉しそうに徹雄に尻を向けて自分から袴を捲る。

 

「待ってる間、ずっともどかしかったの。一気に、お願い……」

 

「あいよ」

 

 楯無の尻を掴み、期待通り一気に奥まで挿入する。

 

「んんっ!?」

 

 畳に体を倒してより尻を高く上げる姿勢になった楯無により強く体重をかける形で突く。

 赤緒や木綿季とは違う、鍛えている女の肉感。

 何より1番肌を重ねて自分用に開発された膣内の感触は徹雄の肉棒に馴染んですぐにでも射精しそうだった。

 

(でも、もうちょっと別の刺激が欲しいな)

 

 そんな事を漠然と考えていると手が届くところにある戸に眼が行く。

 これだ、と思った徹雄は障子の戸を開けた。

 

「な、何やって──―あん!?」

 

「部屋の中でばかりだとアレだから。少し開放的な気分でも味わおうと思ってな」

 

 挿入したまま楯無を抱えて庭まで出る。

 

「あなた、本当に────んぐっ!」

 

「大きな声出すなよ。ガキどもの部屋が離れてるっつっても、起きて見られるかもだぞ」

 

 楯無の口を塞いで激しく腰を前後させる。

 

「ん、んんっ!?」

 

 くぐもった声で成すがままにされる楯無。

 部屋の中に居る2人も、もしかして次は自分たち? と手を繋いで震えていた。

 

「おい、出すぞ!」

 

 宣言通りに射精する徹雄。

 しかし直前に抜き、そのまま尻肉に精液をぶっかける。

 

「尻に精液をかけるとエロく見えるよな」

 

 恨めしげに徹雄を見る楯無だが、当然無視して中の2人にとても良い笑顔を向ける。

 

「それじゃあ、第2ラウンドいくかー。(ここ)で」

 

 そうして徹雄は2人の腕を引っ張った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「徹雄さん、こんな態勢でなんて……」

 

「大丈夫大丈夫! ちゃんと支えてっから」

 

 木を背にした赤緒の両足を持ち上げて挿入する。徹雄は元気に何度も赤緒の膣内に溢れるまで射精した。

 

 

 

 

 

 

 

「徹雄、ちょっと! これ、外してったら!」

 

「却下。目が見えないとそれはそれで興奮すんだろ?」

 

「そんなわけ……ひゃ!?」

 

 目隠しと手を後ろに服で拘束されながら挿入され、尻の穴を指で弄られる木綿季。

 

 

 そんな感じに3人は朝方まで部屋の中と外で徹雄の相手をすることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふあ~。ねみー」

 

 大きく欠伸をして頭を掻く徹雄に女3人が睨みつける。が、本人はどこ吹く風といった感じだ。

 

 そんな中で子供たちの中で特に小さな女の子が顔を青くしているのに気づく。

 

「どした? 風邪か?」

 

 徹雄が訊くと女の子はブンブンと首を振る。

 

「でたの」

 

「は?」

 

「オバケが! き、きのう、外からずっとだれかのひめいがきこえて!」

 

 ブルブルと震える小さな女の子。

 しかしその声の原因を知っている徹雄はあー、と視線を逸らす。

 

 それに木綿季が脛を蹴り。赤緒が頬をつねる。そして楯無が背中を叩いた。

 それで徹雄が反省したかは本人のみぞ知るところである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




あと何話か投稿したら日本から脱出して海外に出る予定。タイトルも世界規模ですし。


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幕間2

今回は日常編。


「ちょっと……2人とも、やめなひゃっ!?」

 

 小柄な銀の髪の女性を前後から男女が弄くり回している。

 

「いやー。一姫の肌ってスベスベだからずっと触っていたくて」

 

「同感。最近は感度も上がってるよな」

 

「バカ言わないで! 大体、こういうのはドMの天音の役わ────つあ!?」

 

 乳首を吸うと天井見上げて声を出した。

 その上げた顔を上から天音が唇を塞ぐ。

 

 口を塞がれたままに腰を浮かせられて挿入すると、ビクッと体が跳ねた。

 身動ぎをして抜け出そうとするが、背中に回された腕にガッチリ固定されていてどうにもならない。

 

「最初はメチャクチャキツかったけど、今はかなり良いよな」

 

 抱き締めている一姫を下から突き上げると、膣内の肉壁がぺニスから精液を吐き出させようとうねりを上げる。

 

 そこで一姫から顔を離した天音が尻肉を下から持ち上げるようにして揉み出した。

 

「ちょっと、天音!」

 

「こっち気にしてる余裕無いと思うよ、一姫」

 

 天音が言うように、徹雄は容赦なく一姫の膣内を蹂躙し、子宮口を押してくる。

 

 痛みとそれを上回る快感に翻弄されながら目尻に涙を浮かべた。

 

「ヤバ……その表情(かお)、スゴくそそる。マジかわいいな、一姫は」

 

「ばっ! こんなときに……っ!」

 

 膣内でぺニスが大きく、さらに大きくして硬くなるのを感じて一姫の目蓋が大きく開いた。

 

「つ、あ……あぁああああっ!?」

 

 精液を注がれるとそのまま疲労した様子で徹雄に体を預けてくる。それを受け止めると天音のほうが顔を近づけてきた。

 

「次はぁ、こっちの番でしょ?」

 

 実った胸を後頭部に押し付けてくる天音。

 

 徹雄は後ろを向いてその乳房を噛んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「初めまして、朝比奈徹雄さん。新しい護衛としてやって来ました。風林寺美羽と、申しますわ」

 

「あ、あぁ……うん……」

 

 ピッチリとしたボディスーツにジャケットを羽織った金髪の女性に挨拶されて徹雄は気のない返事で返してしまう。

 

「どうしたの? まさか、美人が護衛で驚いてるとか?」

 

「いや。護衛っつーからマドラックスさんみたいな銃で武装してる奴を想像してたのに丸腰だから驚いただけだ」

 

「彼女は武術の達人なのよ。それに日本で銃器はマズイでしょ?」

 

「え? 今更そこを気にするのか?」

 

 徹雄と楯無の会話を聞いて美羽がクスクスと笑う。

 

「ご心配なく。武器は持っていませんが、腕にはそれなりに自信がありますわ」

 

「更識が見つけてきた人材だしな。そこは疑ってねぇよ。よろしく頼むわ」

 

「はいですわ!」

 

 握手する2人。

 

「んで、早速悪いんだけど、今から出かけるから、護衛頼む」

 

 聞いていなかったのか、美羽は瞬きした。

 

「どちらに出掛けられるのですか?」

 

「他の野郎んとこ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ! 頼むよ、怜人君!」

 

 2人のいるテラスに着た徹雄は何か言い合っている怜人と恭司。

 言い争いと言うより、恭司の頼み事を聞いて怜人が困ってる感じだった。

 

「どうした、2人ともー」

 

 片手にサンドイッチを持ちながら現れ、話しかける徹雄に2人が驚いた様子を見せる。

 

「いや、それが……」

 

 何やら、恭司が怜人の妹に会いたがっているらしい。一目惚れだとかで。

 恭司の担当官を通して会うように話したが、本人は会うつもりがなく、突っぱねていてらしく、説得してくれないかと怜人に頼んでいるところのようだ。

 

「なに? お前妹さんいたの?」

 

「うん、まぁ……」

 

「笑顔が素敵な娘なんだ!」

 

 困ったように頬を掻く怜人と、興奮気味に怜人の妹のことを語る恭司。

 それを聞いた徹雄は少し考えた後に。

 

「なぁ、怜人。お前の妹さん、俺も会いにいっちゃダメか? 一度会ってみたい」

 

「え?」

 

「ま、まさかアンタもまひるちゃんに興味を!」

 

「少なくとも性的な興味はねぇよ。なんなら、俺の方からも恭司に会うように説得しても良いぞ」

 

「ほ、本当か!?」

 

 徹雄の申し出に2人は目を見開く。

 

「もちろん、成功は保証出来ねぇけどな。つか、俺に説得とか向かないしな」

 

「あ、あぁ!! ありがとう!」

 

「あれ? 会うのは確定なの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんでそんな話になってるの怜にぃっ!?」

 

「いや、俺に言われてなぁ……」

 

 恭司のお断りの話に行った筈なのにもう1人を連れてくる怜人に妹であるまひるが声を上げる。

 警戒して怜人の後ろに隠れるまひる。

 取り敢えず約束通りまひるの説得に入る徹雄。

 

「まぁ、なんだ。恭司。あいつとは通信で何度かやり取りしてるけど悪くない相手だと思うぞ。ちょい下半身に正直過ぎるところはあるけど、女には優しくする奴だし。俺と違って」

 

 徹雄は別にフェミニストではない。

 ちなみに徹雄の恭司に対する評価はどう転んでも悪人にはなれないタイプ、である。

 

「真面目な話。男なんて今確実に目覚めさせられるのは俺たちを含めて6人だけ。怜人がMKウイルスをなんとかしようとしてるけど、色々と厳しいのも事実だろ?」

 

 徹雄としても、眠っている多くの男性たちが生きていてくれる未来を望んでいるが、そうならない未来も考えておくべきだろう。

 そんな中で、自分に目をかけてくれる相手がいるのは運が良いと見るべきだ。

 

「……」

 

 徹雄の言葉に不服そうにしながらも聞いているまひる。

 

「俺だって別に、会ってそのままベッドインしろとは言わねぇよ。ただ、会う前から嫌ってやるなって話」

 

 いくら身近な相手とはいえ、さすがに近親相姦までは承諾しないだろう。

 というか、まひるがやけに(怜人)にベッタリで不安になる。

 

「こんな時代だ。女として意識されてる内が華だよ華。まぁ、もしもアイツが迫って来ても、逆に考えとけ。処女くらい、あげちゃってもいいさってな」

 

 最後の言葉に後ろにいた楯無があちゃーと顔を覆い、美羽も引いている。

 それを聞いたまひるはカッとなって手を挙げた。

 パシンと徹雄の頬が張られた。

 

「サイッテェ!! 信じられない!!」

 

 そのまま部屋を出ていくまひる。

 

「あー、ごめん。まひるが……」

 

「別にいきなりスタンガンを喰らわされるのに比べりゃ大したことねぇし。お前の妹さん、元気だな」

 

 はは! とヒラヒラと手を振る徹雄。

 しかし、簪といい。自分は妹系に叩かれる星の下に生まれてのだろうか? 

 後ろに控えていた楯無が頭を下げる。

 

「申し訳ありません、水原様。うちのは基本的に考えなしのアホですから」

 

「うっさいよ。俺は初めて店に言ったときは先輩にこう言われて踏ん切りがついたんだぞ!」

 

「そんなの貴方だけよ。というか、男と女の子の初めてを同列扱いしないの!」

 

「朝比奈さん。流石に今の発言はどうかと思いますわ」

 

 2人から責められるように視線と言葉に徹雄はふん! と拗ねるように鼻を鳴らす。

 

「取り敢えず怜人の妹さんの顔見て満足したし、今日は帰るわ。今度は恭司を交えて野郎同士のバカな会話をしようぜ。そういうのに飢えてんだよ、俺」

 

 この後、まひるは会う前から嫌ってやるな、という言葉には一応の正しさを感じて恭司と会うことになる。

 

 もっとも、結果は彼の思うようにはならなかった様だが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、ユウキの方は問題ないんだ」

 

「アスナは気にしすぎだよ。赤緒さんはいい人だし。あそこにいる子たちもいい子だよ。娯楽品が手に入りにくいのがちょっと不便だけど。まぁ、それは仕方ないかな」

 

「……」

 

 木綿季の言葉にアスナと呼ばれた女性────結城明日奈は少しだけ表情を曇らせた。

 それに気づいて木綿季も気にしないでと肩に手を置く。

 

「だから気にしないでってば! 別にアスナが負い目を持つ必要はないんだから」

 

「それは、分かってるけど……」

 

 木綿季と明日奈は以前、とあるオンラインゲームで知り合い、意気投合した親友同士だった。

 その際、当時木綿季が患っていた病気が原因で一時は生存を絶望視されていたが奇跡的に助かる。

 

 ただ、身寄りもなく、今まで病人であったからこそ受けられた庇護も退院と同時に失い、スラム同然の町に放り出されて柊神社に辿り着いた。

 だから友人として明日奈は時々木綿季と会っているのだ。

 それは今もMKウイルスが猛威を振るう前の生活が変わらず出来ている後ろめたさもあるのかもしれない。

 

「最近はさ、DIYっていうの? 日曜大工とか始めてるんだから。こっちは、それなりに楽しくやってるよ。それに────」

 

 顔の前で両手を合わせて僅かに頬を染めて微笑む。

 

「好きな人が、出来たんだ……」

 

「え?」

 

 木綿季の表情に明日奈は戸惑う。

 現在、世界中に男性はいない。いや、先日公表された水原怜人はいるが、どこに接点があるのか想像できない。考えられるのは────。

 

(同性ってことかな。私の周りにも増えてきてるけど……)

 

 男性が世界から消えて4年。同性同士のカップルというのも増え始めている。

 幸せそうに微笑む親友を見て祝福すべきか。それとも一言口にすべきか迷っていると、木綿季を呼ぶ声がした。

 

「おーい、木綿季ー!」

 

「あ! おにーさん!」

 

 木綿季が手を振ると底には金髪の女性と体格の良い男の人がいた。

 

「これから、柊神社に行くとこだったんだけど。なにしてんの?」

 

「そっちこそ。後ろの人は?」

 

「あぁ。俺の新しい護衛だよ」

 

「風林寺美羽と申しますわ。よろしくお願いしますわ」

 

 柔らかな態度で挨拶する美羽に木綿季は一瞬むむ、と険しい表情になったが、すぐにいつもの快活な顔に戻る。

 

「お前も、そっちの人は?」

 

「うん。結城明日奈! ボクの友達だよ!」

 

 明日奈の腕を組む木綿季。

 ふーんと納得した後に徹雄は明日奈に手を差し出した。

 

「初めまして。木綿季の大工の師匠ってか。まぁ、友達の朝比奈徹雄だ。よろしく」

 

「は、はぁ……」

 

 頭がフリーズしたままに握手に応じる明日奈。

 

「それで? おにーさんは今日はどうしたの?」

 

「あぁ。前にやった健康診断。結果が纏まったから、届けにな。ってのが口実で外の空気吸いにな」

 

「前に千鶴さんがやってくれたやつだね」

 

「そうそう。今日は楯無も色々とあるらしくてな。護衛の風林寺だけで移動だ。これから行っても大丈夫だよな」

 

「うん! おにーさんならいつでも大歓迎だと思うよ」

 

 明日奈に付いていた手を離して徹雄の手を取る。

 

「それじゃあアスナ! またね!」

 

 元気に手を振る木綿季。

 そうして並んでいるとまるで兄妹のようで。

 

「え? え、ええっ!? えええええっ!?」

 

 生きている男性を見てようやく動いた思考で明日奈は声をあげた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




明日奈にエロが入るかは未定。


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鴇羽舞衣・美袋命(舞HIME)その1

自分が舞HIMEで1番好きなのは遥です。
あれはカッコいい。

舞衣と命は一姫と天音同様にセット扱いで。


「じー」

 

 誰もいない道で携帯していたチョコバーを齧っていると出くわした見知らぬ少女がこっちを見てくる。

 

「食うか?」

 

「いいのか!?」

 

 もう1つ持っていたチョコバーをやるとそれを受け取って女らしさの欠片もない動きで平らげる。

 

「お前、いい奴だな!」

 

「そうか?」

 

「ふむ!」

 

 どこか野生児っぽい感じがする少女のチョロさに不安を覚えながらもそう真っ直ぐ言われれば機嫌も良くなるというもの。

 基本、徹雄も単純なのだ。

 

「お前、名前は? いや、言いたくねぇならいいけど」

 

「何故だ? 私は命。美袋命だ!」

 

「そっか。俺は朝比奈徹雄。よろしくな、命」

 

「うむ!」

 

 頭を撫でてやると目を細めて気持ち良さそうにしている。

 

(なんだろ。なんか猫とかが懐いたみてぇ)

 

 さすがにそれは失礼すぎるか? とも思ったが、目の前の少女に異性としての興味よりこう、ペット的な感じで愛でたくなる。

 

 そんなことを思っているとどこからか命を呼ぶ声がした。

 

「命ー! どこー!」

 

「舞衣!」

 

 誰かが命を呼ぶと嬉しそうに立ち上がる。

 その声で向こう側も気付いたのか、こっちに近づいてきた。

 

「いたいた! もう! あんまり離れないでっていった……」

 

 じゃない、と続けようとしたのだろうが、隣にいた徹雄を見ると目を丸くする。

 本人もそろそろ行くか、と逃げるように立ち上がる。

 

「じゃあな、命」

 

「うむ! また会おう、徹雄」

 

 互いに手を振って別れると同時に舞衣と呼ばれた少女は声を上げた。

 

「はいぃっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今日、どうしても1人で行動していたのは、伯父の墓参りに訪れたかったからだ。

 と言っても、少し離れたところで楯無や美羽が車で待機しているが。

 墓と言っても個人のソレデハなく、MKウイルスが蔓延して亡くなった人たちを纏めた墓だが。

 そういうのがあると赤緒から聞いて今日訪れることにしたのだ。

 用意された花を手にして目的の場所まで移動すると先客、というか、さっき会った少女2人がいた。

 命がこちらに気付く。

 

「おー! 徹雄!」

 

 ブンブンと手を振る命に軽く手を振り返す。

 舞衣、と呼ばれていた少女も、驚いた顔をしながらも、戸惑うように頭を下げる。

 

 墓に花を添えて手を合わせる。

 そんな徹雄に命が訊ねた。

 

「お前も、大切な人を亡くしたのか?」

 

「伯父をな。両親を亡くしてから面倒見てくれてた人を。お前たちもなんだろ?」

 

 先に口を開いたのは舞衣の方からだった。

 

「はい。あたしは、弟を。命は、お兄さんを」

 

「そっか。辛いよな」

 

 おそらくは身内を目の前で亡くした少女たち。

 看取ることすら出来なかった徹雄。

 どちらが辛いかなどは論じることではないだろう。

 

「ここも、数年前までは沢山の人が訪れてたんですけど。今は皆、自分のことで精一杯だから。ここに来る人も少なくなっちゃって」

 

 淋しそうに笑う舞衣に徹雄はそうか、と空を見上げた。

 

「偉いな、お前ら」

 

 笑う徹雄に舞衣が質問する。

 

「あの、朝比奈さんはどうして……」

 

 命から名前を聞いたのか、名前を呼ぶ舞衣。

 それに徹雄は答えられることだけ答えた。

 

「この間、ニュースに出てた水原玲人。俺もアイツと同じだよ。こっちはまだ世間に公表されてないけど。あんまり詳しくは言えねぇんだわ。悪いな」

 

「いえ、それは……」

 

 もしかしたら、男性が生きていることに思うところもあるのだろう。

 自分の弟は亡くなったのに、という感情。

 それが理不尽な八つ当たりだと理解しているから舞衣は口をつぐむし、徹雄は察しながらも何も言わない。

 そんな2人の空気に意を介さず、命が胸を張った。

 

「私は徹雄が生きてくれて嬉しいぞ! お菓子くれたからな!」

 

 そんな命に2人の間に有った微妙な空気が緩和される。

 

「そっか、そっか! なら、俺も生きてて良かったよ」

 

「もう! 命ったら!」

 

 墓の前とは思えない、明るい笑い声が空に響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何か最近俺の扱い雑だと思わね?」

 

「どうしたんですか、朝比奈さん?」

 

 マッサージを受けながら徹雄は千鶴に愚痴る。

 

「最近、更識の奴は俺の頭をパシパシ叩くし。妹の方も口調に遠慮が無くなったよな。柊神社に行ったら、ガキどもが間接技喰らわせてくるんだけど。それにこの間も玲人の妹さんには初対面で叩かれるし」

 

 別にゴマを擦ってほしい訳ではないのだが、どうにも嘗められてる感がある。

 その事に千鶴は苦笑しながらも答えた。

 

「朝比奈さん、親しみやすい人ですから」

 

「そうなのかねぇ……」

 

 実際、徹雄はパッと見て怖い容姿をしているが、話してみると親しみやすい人柄であることが分かる。

 良い意味で子供がそのまま大人になったような。

 

 気にする必要はないですよ、と言う千鶴に徹雄も本気で悩んでる訳ではないため、話を切った。

 

「そういや、先生の方はどうなんだ?」

 

「相変わらず研究室に籠ってるみたいです」

 

「俺、あの人に1回しか会ってないよな? 一応俺の専属医じゃねぇの、あの人? 健康診断すら雪村に丸投げじゃねぇか」

 

「専門は薬学ですからね……」

 

 ここでMKウイルスに関する研究をしている女性。

 以前紹介されてから一度も顔を会わせていない。

 

 こちらの身体のデータを取ってそれを参考にMKウイルスに関する特効薬を開発しようとしてるらしい。

 一姫は、その助手をしている。

 

 マッサージを終えて、起き上がる徹雄。

 

「今日も、ありがとな」

 

「いえ。このくらいならいつでも言ってくださいね」

 

 少しだけ顔を赤らめて千鶴は微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「会いに来たぞ、徹雄!」

 

「ホワット?」

 

「あはは……」

 

 メイティングの時間に突然現れた舞と命に徹雄は首を傾げた。

 そんな徹雄に舞衣が説明する。

 

「その、更識さんという方に……」

 

「あ、うん。大体分かった」

 

「すごいな! 今ので分かったのか!」

 

 墓参りで2人と話しているのを見て勧誘したのだろう。

 最近、ちょっと見境がなくなってきてると思う。

 

「……悪いな、アイツが。後で〆とくから」

 

 モニター越しに楯無がちょっとぉ! と文句を言ってる気がするが、そんなことは気にしない。

 

 舞衣が苦笑する。

 

「驚きはしましたけど……」

 

「楯無が言っていたぞ。徹雄と子を成せば、ういるすに負けない強い子が産めるかもしれないと」

 

「まだ、確定じゃねぇけどな」

 

 さて、どうしたもんかと腕を組む。

 すると、舞衣の方から話を持ってきた。

 

「こんな時代ですからね。その……ちゃんと考えて答えを出してます。あたしも命も」

 

 体を寄せてくる舞。

 

 あぁ、クソ! とこれも全部更識のせいだ! と内心で罵りながら舞衣の服に手を伸ばした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん……くすぐったいぞ、徹雄……」

 

「我慢しろ。お前くらい小柄だと、ちゃんと準備しねぇと……」

 

 木綿季よりも小柄な命の体を丁重に愛撫しながら濡らそうとする。

 後ろから腕を回して凹凸のない胸を揉み、反対の手で太腿から股に移す。

 陰核に触れると命が身を捩った。

 

「そ、そんなところも触るのか!?」

 

「むしろ、こっちが本命だろうが」

 

 首の後ろを舐めて軽く歯を立てると、ビクリと跳ねた。

 

「い、色々なところを触られて……へんな、きぶんだ……」

 

 ちゃんと濡れるまで丁重に愛撫を重ねると命から熱い吐息が漏れる。

 

「ひっ!?」

 

 少しずつ慣らしていくように指を陰口の奥へと通す。

 最初は痛みで声を出していた命も、次第に強張っていた体の力が抜ける。

 

「ここまで慣らせばいけるか? 初めてだし、仰向けでな」

 

 命を仰向けに寝かせて、ぺニスを脚を広げさせて陰口に添える。

 

「それじゃあ、いくぞ」

 

「う、うむ……」

 

 緊張した様子で頷く命に徹雄は腰を進ませた。

 

「つっ!」

 

 思った以上に狭い肉壁にぺニスを奥へ奥へと進ませる。

 

「うー! うー! うっ!」

 

「ちょっ!? 大丈夫! 命!」

 

 歯を食い縛り、痛みに耐えている命の手を舞衣が握る。

 半分ほど入ったところで進めなくなり、これ以上は時間をかけて慣らしていくしかないと判断する。

 

 ぺニスの出し入れを遅い動きで続け、なるべく早く終わらせようと努めた。

 

「命。1回、射精()すな」

 

「だすって、なにを……つぁ!」

 

 命が理解するより早く膣内で射精する命。

 さすがにここまで体格差があり、初めてだった命は感じる余裕はなかっただろう。

 

 命の手を握っていた舞衣の腕を掴む。

 

「このまま、するからな」

 

 コクリと舞衣が頷く。

 しっかりと実った乳房を両手で鷲掴みにして揉む。そして、搾るようにして突き出た乳首を吸い始めた。

 

「んっ! んんっ!?」

 

 羞恥から声を出さないように指を噛んで堪える舞衣。

 膝立ちだった舞衣を押し倒してずっと胸を弄り続ける。

 

「そんな……胸ばっかり……!」

 

「でも、感じてんのな」

 

 命よりも多くの愛液が股から太腿まで伝っているのが見える。

 それでも、命のときと同じように指で膣内を広げる。

 だがやはり、舞衣の方は若干余裕がありそうだった。

 

 広げる愛撫を終えると、命のときと違い、舞衣を四つん這いにする。

 

 向けられた尻を掴んで子宮口を叩こうとぺニスが押し入っていく。

 

「ん、あぁ!?」

 

 四つん這いにだった舞衣の体を上から覆って片手を重ねながらぺニスの出し入れを繰り返す。

 命のときと違い、ある程度スムーズに中が解れていき、何度も注挿を続けていく内にぺニスを受け入れていった。

 

「ハァ! ハ、ハッ!」

 

 舞衣も、次第に自分から腰を動かし始めて自分の中へと進ませる。

 

「いいぞ、舞衣! きついけど、包み込むみたいで……!」

 

 徹雄はまだ余裕があったが、初めての相手にあまり負担をかけたくなかったために、早々に射精することにした。

 

「射精すぞ! お前も、膣内で受け止めろっ!」

 

「は、はいっ!!」

 

 最後の一突きと共に精液を舞衣の膣内へと注ぎこんだ。

 

 ぺニスを引き抜くと、舞衣が、どっさりとベッドに倒れる。

 

「……あつい」

 

 そう呟いて目を閉じていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どう? 気が利くでしょ?」

 

 得意気な顔の楯無に取り敢えず徹雄はコブラツイストをかけることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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結城明日奈(SAO)その1・紺野木綿季(SAO)その4・更識簪(IS)その2

これ、前話の舞HIMEより先に書き始めたのにやっと完成しましたよ。


「なに? 更識姉(あいつ)風邪なの?」

 

「う、うん。だから、今日明日までは私が代わりに……」

 

 楯無が風邪と聞いて徹雄はふーん、と味噌汁を飲み干す。

 

「なら、ちょいと見舞いに行くか。アイツには何だかんだで世話になってるし」

 

「えっ!?」

 

 徹雄の提案に簪は驚きの表情をするが、すぐに持ち直す。

 

「お、お姉ちゃん。弱ってる姿を朝比奈さんに見られたくないんじゃないかな?」

 

「別に俺は気にしないけどな。そうだ! せっかくだから伏せってる更識に歌でも歌ってやるか! クソやかましいシャウトを聴かせてやろう!」

 

「そういうことばかり言ってるから来てほしくないのですわ」

 

 徹雄の言葉に美羽が冷たい視線で告げる。

 普通に考えて寝込んでる時にシャウトなんて聴きたくないだろうに。

 要するに嫌がらせなのだろうが。

 ここ最近、美羽も徹雄の人間性を理解してきたのか遠慮がなくなってきた。

 そんな中で、美羽が告げた。

 

「それより、今日は私も護衛に付けませんわ。確か、お出かけになるのでしたわね」

 

「あぁ、気にすんな。ついでだから、アンタも風邪ってことにすりゃいいだろ。どうせ何も起きねぇよ」

 

「襲われたばかりですよ?」

 

「でぇじょうぶだぁ。いざとなったらドラ◯ンボ◯ルがある」

 

『……』

 

 徹雄のふざけた返しにその場にいた簪、美羽、千鶴は白い目を向けてきた。

 盛大に滑り、居たたまれなくなった徹雄は視線を逸らして焼き鮭をかじる。

 

「と、とにかく……! お姉ちゃんのお見舞いは遠慮して欲しい」

 

「へーい。早く治せよって、伝えといてくれ」

 

「うん……」

 

 徹雄の適当な返事に簪はホッとした様子で頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほーら! たかい、たっかーい!!」

 

「会っていきなり何すんのさ!」

 

「ぐへっ!?」

 

 持ち上げた木綿季が顎に膝蹴りを食らわせて手を放させる。

 それを見て隣にいた明日奈が顔を青くした。

 

「ちょっ!? ユウキ!!」

 

「ん? 大丈夫だよ、アスナ。おにーさん、これくらいじゃ怒らないし」

 

「……そうだけどな。顎はやめろい」

 

 イテテ、と顎を押さえる徹雄。

 そこで木綿季が1歩離れた位置にいる簪を見る。

 

「そっちの人は?」

 

「あぁ。更識簪。更識の妹さん。姉の方が今風邪引いたから代わりに」

 

「楯無さん風邪なの!」

 

「みたいだな」

 

「おにーさんは風邪引かなそうだよねー」

 

「いや、俺だって風邪くらい引くからな? ただ昔、39度ちょいの熱を出してもまったく気付かなかったけど」

 

「……気付くよね、普通」

 

「馬鹿は風邪を引かないんじゃない。風邪を引いても気付かないんだよ」

 

 流れるような会話をする2人に置いてきぼりを食らう明日奈と簪。

 そこで徹雄が明日奈を見る。

 

「いやーしかし、美人がいると目の保養になるわー」

 

「はぁ、どうも……」

 

 ハッハッハッ! と笑いながら褒めてくる徹雄に明日奈は生返事を返す。

 そこで木綿季が徹雄の袖を引っ張る。

 

「ねーねー、ボクはー?」

 

「オメェはカワイイ系だろ。目の保養にはなるけどな」

 

 美人、と言われたかった木綿季は不満そうにしているが、カワイイ、目の保養になる、という発言には素直に嬉しいらしく、複雑な顔になる。

 

「んじゃ、行くか」

 

 徹雄の合図に木綿季と明日奈がそれぞれ返事を返す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 明日奈の家からまだ使えるが不要になった物品を柊神社に運び出すのが今日の目的だった。

 

「おにーさんって、車の運転出来たんだね」

 

「まぁな。2輪でも4輪でも動かせるぞ。昔は、試合が決まってないときなんかは、適当にバイク転がしてあっちこっち行ってたし」

 

「へぇ」

 

 徹雄の言葉に木綿季が感心したように頷く。

 ちなみに運転してるワゴン車自体は借り物である。

 

「まぁ、適当に走りすぎて見知らぬ樹海で遭難した挙げ句、飢え死にしかけたけどな。ギリギリのところで捜索隊に保護されたから助かったけど。4回くらい」

 

『…………』

 

 笑いながら話す徹雄に3人は無言になる。

 

「木綿季。いつか、一緒に旅するか?」

 

「絶っ対、ヤダからねっ!」

 

 話が一区切り着いたところで明日奈が話題を変える。

 

「ありがとうございます。今日は」

 

「気にすんなよ、明日奈さん。俺も久々に車を運転できて楽しいし、柊神社のガキどもも喜ぶしで、誰も損して無いからな」

 

「はい……」

 

 徹雄が明日奈を名前で呼ぶのは姓名が木綿季と被っているためである。

 明日奈がよそよそしいのはまだ徹雄と交流が少ないからだろう。

 

「ま、荷物を柊神社の階段登って運ぶのは面倒そうだけどな」

 

「頑張ってね!」

 

「へいへい」

 

 じゃれ合っている徹雄と木綿季。

 それを見ていた明日奈は、どこか羨ましそうだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んじゃ、荷物運ぶか……」

 

 着ているジャージの袖を捲って段ボールに詰められた箱を取り出す。

 

「お前らも、軽いやつでいいから運べよ」

 

「分かってるって!」

 

 簪や木綿季も、自分に持てそうな段ボールを持ち上げる。

 明日奈も手伝いながら、木綿季に話しかける。

 

「あのさ……」

 

「んー?」

 

「ユウキの、前に聞いた好きな人って朝比奈さん?」

 

「うん!」

 

 少し恥ずかしそうに笑い、はっきりと首肯する。

 そこで逆に木綿季から質問された。

 

「アスナは、まだ彼の事を引きずってる?」

 

 木綿季の質問に明日奈はなにも返さない。

 その態度こそが答えだった。

 

 かつて交際関係にあった少年。

 ウイルスでこの世を去った大切な────。

 

「そっか」

 

 そんな明日奈の様子に木綿季は何も言わずに段ボールを運び始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夕陽で空が赤くなった頃に荷物を全て柊神社に運び込むと、赤緒が出てくる。

 

「どうもありがとう、明日奈ちゃん」

 

「ううん。私も、いらない物が処分出来て助かったから」

 

 同い年の2人は親しげに話す。

 徹雄は麦茶を飲んでいる。

 

「泡が出る麦が飲みたい……」

 

「置いてないよ、そんなの」

 

「言ってみただけだ。本気にすんな」

 

 苦笑して飲み終わった麦茶のコップを置く。

 

「徹雄さん。今日はどうしますか?」

 

「そっちが良ければ泊まっていっていいか? 疲れた。運転したくない」

 

「私は構いませんけど……」

 

「うっし! 更識妹! お前も泊まってけ」

 

「え? い、いいのかな?」

 

 それば立場的なものか。それとも自分が泊まっていっていいのかという気遣いか。

 しかし、そんな疑問を木綿季が近づく。

 

「いいよー。楯無さんの妹さんなら安心だし。ね! 赤緒さん」

 

「えぇ。楯無さんにはお世話になってますから」

 

「は、はぁ……」

 

 2人に押される形で簪は承諾する。

 それを見た徹雄は姉より扱いやすいな、内心でガッツポーズをする。

 

「アスナも泊まっていきなよ。もうすぐ暗くなるし。危ないよ」

 

「うん。じゃあ、お言葉に甘えようかな……」

 

 頬を掻いて明日奈は承諾した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 既に日付が変わった深夜。

 目が覚めると隣で眠っていた筈の木綿季が居らず、トイレかとも思ったが、時間を置いても戻って来ない木綿季を心配して明日奈は屋敷の中を歩いていた。

 

「どこ行ったのよ、ユウキ……」

 

 何となく音を立てないように移動していると、変な声が聞こえた。

 

や……ん……

 

「ん?」

 

 小さく聞こえてきた艶のある声。

 その方向に足を動かす。

 

「朝比奈さんの……」

 

 声が聞こえてくる部屋の襖を少しだけ開く。

 

(え!?)

 

 部屋の中では信じられない事が行われていた。

 

 

「ふ……うあぁ……! おにーさん……そんなに、膣内をグリグリ突かないでぇ……っ! すぐにイっちゃうじゃんかぁ……うあっ!?」

 

「我慢しろ。それにどうせ、1回じゃ終わんねぇんだろ?」

 

「そう、だけどぉ……!」

 

「こっちも、構って」

 

「あー、はいはい」

 

 木綿季と繋がりながら簪と唇を重ねて胸を揉む。すると、ん、と簪は甘い声を漏らす。

 

「楯無さんも大きかったけど、簪さんも、大きいよね」

 

「む……私はお姉ちゃん程ない」

 

 姉とのスタイルの違いに若干のコンプレックスを持つ簪が少しだけ不機嫌になる。

 その不貞腐れるような仕草が可愛いと思った。

 だから念入りに簪の胸を揉んでやる。

 その間も腰を動かして木綿季の肉壺を味わっていると、うっ、と声を漏らして射精する。

 射精を終えると肉棒を抜くと木綿季の膣内からドロリと白濁液が溢れた。

 

「えへへ……いっぱい射精()たね」

 

 体を起こして四つん這いになると、愛液と精液の混ざった肉棒を舐めて綺麗にし始めた。

 その様子を覗いていた明日奈は顔を真っ赤にして声を抑えていた。

 最近、妙に木綿季が色っぽくなったと思ったが、それは好きな人が出来たからだと思っていた。

 まさかここまで進んでるとは思わなかった。

 それも3人でだなんて。

 1歩後ろに下がると、ギシッと床がなった。それに気づいた木綿季が視線を動かす。

 

アスナ(アヒュハ)……?」

 

「いや。俺の息子を咥えながら喋んな。気持ち良くてまたすぐ射精しちまうだろうが」

 

 言われて木綿季が徹雄のペニスを口から離して部屋の外にいる明日奈を見る。

 狼狽えている明日奈に木綿季は困ったように徹雄に視線を送る。

 

(どうしよっか?)

 

(見なかった事にしてもらう事、できねぇか?)

 

(流石に難しいんじゃないかなぁ……)

 

 などとアイコンタクトで互いの意思疎通を測っていると、明日奈の方から口を動かす。

 

「ユ、ユウキ……その、ここでなんて……赤緒が……」

 

「赤緒さんは知ってるよ。というか、仲間だし?」

 

「仲間って……」

 

 大丈夫なの、それ? と口元を隠す。

 しかしそこで、木綿季があることに気付いて再びアイコンタクトを送る。

 

(アスナはボクの方でなんとかしてみるから。それまで簪さんと遊んでてくれる?)

 

(OK。頼む)

 

 それで意思疎通を終えて木綿季は明日奈の腕を引っ張って中へと連れ込む。

 

「ユ、ユウキ!?」

 

 明日奈が着ている浴衣の股に手を入れてショーツの中に触れた。

 

「あー。さっきから足をもじもじさせてたから、もしかしたらって思ったけど。ボクたちを見て、アスナ興奮してたんだ」

 

 湿っている指を見せる。

 

「ユウキ!?」

 

「ごめんね、アスナ。こうなったら、こっちに引き込もうと思って。ほら見てよ」

 

 ユウキが視線で簪の指す。

 そこには、徹雄に座る形で下から犯されてだらしない表情をしている簪がいた。

 

「ハッ……ハッ……や……んっ!」

 

「おにーさんのオ○ンチ○、子宮が潰されるくらい奥まで入ってきて。頭が痺れて真っ白になるんだよ」

 

 簪の乱れる声を聴きながら明日奈の浴衣をはだけさせ、胸を揉み始めた。

 

「ちょっと……ユウキ、やめ……」

 

「子供を作るおしっこだって何回も射精()してきてさ。この間なんて、抜いたらドロッと外へ出たんだ」

 

 耳を甘咬みしながら囁いてくる誘惑に明日奈の理性が少しずつ焼き付いてくる。

 簪の方の甘い声もその効果を上乗せしてくる。

 

「あ、ううっ!?」

 

 堪えても漏れる声は獣の呻きに似て、簪は射精を受け止める。

 それから体を浮かして回り、再び挿入してから徹雄の首に腕を回してしがみついてキスをしてきた。

 腰を上下に動かしながらペニスを味わい、押し潰すように密着している胸が擦れる。

 

「随分と、積極的だな、更識妹」

 

「うん……慣れてきたし。それに、前は成すがままだったから。それと、前から思ってたけど。更識妹って呼ぶのやめて。ちゃんと名前で呼んで」

 

「簪?」

 

「うん……」

 

 簪の大胆な行為に木綿季が声を上げる。

 

「わぁ。簪さん大胆。アスナもそろそろほしくなってきた?」

 

「だ、誰が……これ以上はほんとうに……!」

 

「えー? でも膝立ちで、さっきから自分で慰めてるのに?」

 

「っ!?」

 

 指摘された通り、明日奈は自らの股に指で弄り、自慰を行っていた。

 それに気付いて明日奈はカァッと更に顔を真っ赤にさせる。

 

「素直になっていいんだよ、アスナ」

 

「……」

 

 悔しそうに無言になる明日奈。

 そこで簪との性交を終えてペニスを肉壺から抜くと、木綿季が明日奈から離れた。

 

「まだ、大きいね」

 

「それに硬い」

 

 左右から木綿季と簪が徹雄のペニスを舐める。

 その光景に明日奈は生唾を飲んだ。

 チュッチュッと音を鳴らしながら奉仕する2人を見て物欲しそうな視線へと既に変わっていた。

 それを確認して木綿季が手を差し伸べる。

 

「おいで、アスナ」

 

 それは物理的な距離ではなく精神的な意味で。

 明日奈は、今度こそ拒絶せずにその手を取った。

 

 

 既に大量の愛液が分泌された肉壺。仰向けになる明日奈に覆い被さって徹雄は肉棒を陰口に当てる。

 

「入れるぞ」

 

 それだけを告げて肉棒を明日奈の膣内へと侵入させる。

 

「ん、あぁ……!?」

 

 明日奈からそんな声が漏れて、狭いが処女膜のような遮る物を感じないことから初めてじゃないことを確信する。

 

(美人だし。昔、彼氏くらい居ても不思議じゃねぇか)

 

 初めてじゃなくて残念────という気持ちは沸き起こらず、ただ思ったより気を使わずに済むな、と思っただけ。

 

 それでも久々なようで狭いのは変わらず、腰を掴んで馴らすように膣内への出し入れを繰り返す。

 その度に明日奈の口から矯声が漏れた。

 

「ごめんね、────くん……」

 

 途中、そんな知らない名前が口に出て、涙を流す。

 徹雄はその涙を舐めとり、他の男の事を考えられないように腰の動きを速くする。

 亀頭で子宮を押し、腰から手を離して明日奈の乳房に揉み始めた。

 

「あ、やっ……そこ!」

 

 乳房を揉みながら人差し指でコリコリと乳首を弄る。

 何度も子宮口をノックして押し潰すと明日奈が戸惑うような声を出す。

 

「なにこれぇ……!? こんなの、しらな────」

 

 甘く、怖れるような声音に木綿季が反対から明日奈を見下ろす。

 

「大丈夫だよ、明日奈。もっと気持ちよくなって」

 

 言って、明日奈と唇を重ねる。

 舌を押し付けて口内を犯す。

 

「ん、んんっ!?」

 

 口内を蹂躙されるも抵抗しない明日奈。

 そうしている内に明日奈の膣内に精液が射精された。

 

「う、あ、あ……!」

 

 恍惚と後ろめたさが混じった表情。

 木綿季は体勢を変えて明日奈に覆い被さり、自分の陰口と明日奈の陰口を重ねた。

 

「まだ、時間あるよね。ボクを……ううん、ボクたちをもっと可愛がってよ、徹雄」

 

「分かってる」

 

 木綿季の尻を掴んで再び肉壺に肉棒を貫かせた。

 

「んひぃ!? あ、あ!? いいっ! いいよぉ!? 奥まで、突かれるぅ!?」

 

 ペニスが膣内を蹂躙するが、すぐに引き抜き、明日奈の膣内へと入れ直す。

 

「あ、あん!?」

 

「ズルい! ボクの番だったじゃんかっ!?」

 

 また、不規則に入れられて木綿季は大きな声を出した。

 

「このまま、どっちに射精すんだろうな!」

 

「ボク! ボクに射精して!」

 

「あ……私、にも……」

 

 躊躇いがちにだが、自分からねだってくる明日奈。

 徹雄は腰を激しく打ち付けて2人の膣内を犯し尽くす。その度に喘ぎ声が響く。

 

『あ、あ、あぁ、あああぁああぁああああっ!?』

 

 性感が高まった2人は同時に達する。

 その時どちらに肉棒が入っていたのか。それはどうでもよい事だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本日は彼女への連絡を繋いでくれて、ありがとうございます。リンディ・ハラオウンさん」

 

「別にそれは構わないのだけれど……」

 

 MKウイルスの発生前と変わらぬ生活が約束された町の高級料理店。そこの個室で楯無は護衛の美羽を連れて訪れていた。

 間もなくして待ち合わせ相手が訪れる。

 

「初めまして、アリサ・バニングスさん。朝比奈徹雄様の担当官を務めている、更識楯無と申します」

 

 待ち合わせの相手に頭を下げるとアリサはへぇ、と目を細めた。

 

「アイツの相手なんて同情するわ。疲れるでしょ、アレ」

 

 徹雄をアレ呼ばわりに楯無は苦笑する。

 

「いえいえ。楽しませてもらってますわ」

 

「ま、退屈はしないでしょうね。アイツは」

 

 幾つかの料理が並べられてアリサが口を開いた。

 

「まさか、そっちから接触してくるとは思わなかったわ。で? 本当にいいの? 下手すれば裏切り行為なんじゃない?」

 

「その件については私の上司と話がついております。こちらも余裕のない状況ですので」

 

「だから、UWと関係ないアタシ達を使おうって訳ね」

 

「そちらも好都合でしょう? 以前は彼を拉致しようとした訳ですし。だから以前から更識家への接触も行ってた」

 

 先日、5人目がイザナミによって拉致され、4人目の動向も怪しく。何より、本部の方もこの国で動き始めた。

 これ以上彼を国内に留めて置くのは危険だと判断せざる得ない。

 

「本当に、いいのね?」

 

「はい。朝比奈徹雄。彼を国外へ送り出す手伝いをお願いします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回は日本脱出。、


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アリサ・バニングス(リリカルなのは)その1

お待たせしました。
ようやく完成に漕ぎ着けました。



「ムグッ!? ムグムグッ!!」

 

「なに? ちょっと今忙しいんだけど? 文句なら後にしてちょーだい」

 

 楯無の言葉に車に詰め込まれた徹雄の動きが更に激しくなる。しかし、不自由な状態では身動ぎするのが精一杯だった。

 徹雄は今、手首足首に手錠をかけられ、おまけとばかりに太いワイヤーで体を縛られている。

 さっきからバッタンバッタンと体をくねらせて海老のような体勢になっていた。

 事情も分からないまま猿轡までされて拘束されている徹雄は車の中で声が出せないまま、移動させられている。

 しばらく車が走っていると海の匂いが鼻を刺激した。

 車が停止すると先に楯無が出て、簪と美羽が徹雄の拘束を外し始めた。

 

「朝比奈徹雄をお届けに参りました」

 

「御苦労様。大変だったでしょ?」

 

「いえいえ」

 

 待ち合わせの相手であるアリサ・バニングスと軽い挨拶を交わしながら話をしていると、車の中から拘束を解かれた徹雄が鬼の形相で楯無の下まで走る。

 

「ファッ○ユーッ!!」

 

 容赦なく楯無の顔を掴んで額に頭突きを叩き込んだ。

 

「いったー!? なにするのよ!」

 

「こっちの台詞だ、テンメェ!! いきなり部屋に押し入って3人がかりで簀巻きにして車に押し込めやがってっ!? ぶっ飛ばされてぇのか! あぁん!?」

 

 鼻息を荒くして抗議する徹雄に楯無はもう手を出してるじゃない、と額を擦る。

 

「だって時間がなかったし。あーだこーだ質問されるより一段落してからの方が説明しやすいと思ったんだもの」

 

「ふっざけんなぁ!?」

 

 余程ご立腹なのか、地団駄を踏み始める徹雄にアリサが近づく。

 

「変わってないわね、アンタは」

 

 呆れるように。馬鹿を見るような目で徹雄を見ていると、本人は首を傾げた。

 

「いや、誰だよ……?」

 

 こんな知り合い居たっけ? と顎を撫でている徹雄にアリサの隣にいたリンディが苦笑混じりに答える。

 

「アリサさんよ。アリサ・バニングスさん。覚えてるでしょ?」

 

「アリサ……?」

 

 記憶の倉庫からその名前を取り出す。

 かつて友人であるクロノとの関係から知り合ったやたらと突っかかってきた金髪少女が確か──―。

 

「あー! あんのくそ生意気な!」

 

「生意気ってアンタにだけは言われたくないわ」

 

 うげぇ、と口をへの字にして不快感を露にするアリサ。

 リンディは楯無にそっとフォローを入れた。

 

「あの2人。あれで仲は良いのよ。喧嘩するほどってやつね」

 

「はぁ……」

 

 リンディの説明に楯無は気のない返事を返した。

 その間にも2人の言い合いは続く。

 

「いや気づかねぇよ! 最後に会ったのはお前が中2か中3くらいの時じゃねぇか。髪もバッサリ切ってるし」

 

「うっさいわね。アンタがぐうすか寝てる間に色々あったのよ。それより早く船に乗りなさい」

 

 無駄に豪華そうな船を親指で差すアリサ。

 

「いや、だから何がどうなってんの!? この船でどこ行くんだよ! 事情(わけ)を説明しろ!!」

 

「はいはい。それは船旅中に説明してあげるから。しばらく海外に行くだけよ、あ、千鶴ちゃんと先生は先に乗ってるから」

 

「海外ぃ!? 何でだよ? つーかそれなら俺にだって挨拶したい奴くらいは────」

 

「それなら問題ないわ。ほら」

 

 後追いからやって来た車。

 その車から見知った4人が降りてくる。

 

「木綿季、赤緒、明日奈にまりも……」

 

「彼女たちもこの旅に同行してもらうことになったから」

 

「なんでぇ!?」

 

 本当に訳が分からず頭を抱える徹雄。

 

「いやホントなんでだよ!? 何が起こってんの!?」

 

「もしもの時の為に一緒に付いて来てくれ、と言われまして。何でも、最悪監禁される恐れがあるからとか……」

 

 赤緒もよく分かってないのか、曖昧な説明をする。

 

「アリサさん。中の準備整ったよ」

 

「ありがと、鈴羽」

 

 船の中から出てきた少女に見覚えがあり、徹雄が指差す。

 

「あーっ!? お前この間の!?」

 

「あはは。あの時はごめん」

 

 少し前に徹雄を拐おうとした少女。

 本人は謝る気が本気であるのか分からない感じで頬を掻いている。

 頭を抱えている徹雄にまりもが近づいて耳打ちしてくる。

 

「徹雄、ちょっといい? 後で話があるんだけど……」

 

「ん? あぁ、いいけど。ここじゃダメなのか?」

 

 真剣な顔をして頷くまりもに徹雄は茶化したりせずに分かった、とだけ答えた。

 ここで駄々をこねても仕方ない、と船に乗ろうと動く。

 すると、多数の車が集まってきた。

 へぇ、まだ乗る奴いるんだ、と思っていると楯無が舌打ちする。

 

「意外と早かったわね……!」

 

「んあ?」

 

 呆けた表情をする徹雄に苛立ちながら車の中から現れた人物を見た。

 

「ハーイ爆拳(ナックル・ボム)。お久しぶりデース」

 

「クロエ……?」

 

 先頭に立って現れたのは以前浴場で抱いたクロエ・マンスフィールドだった。

 後ろには銃で武装した人間が十数名いる。

 クロエはあの時と変わらない笑みだが、その視線は鋭利なままに楯無を見る。

 

「大胆な事をしてくれましたね。これは、リストラだけでは済みませんことよ?」

 

 絶対的優位から余裕を崩さずにクロエが告げる。

 

「投降なさい。爆拳の身柄は此方が預りマース」

 

 クロエの呼び掛けに楯無は悔しそうに唇を噛む。

 すぐに美羽へと視線を向けると彼女も小さく首肯した。

 徹雄は木綿季たちを隠すように立っている。

 しかし、楯無が徹雄の後ろから小声で話す。

 

「貴方はなんとかして船に乗って。そうじゃなきゃ意味がないわ」

 

「バカか。乗んのは木綿季たちが先だろ。付き合わせた以上、あいつらの安全が最優先────」

 

 パンッと空をめがけてクロエが発砲する。

 

「あまり、時間を取らせないで欲しいデース。こっちも暇ではありませんので」

 

 どうするかな? と徹雄は考える。

 ハッキリ言って銃を向けて脅してくる相手の言うことを聞く気など更々ない。

 しかし、徹雄1人ならともかく後ろの安全を確保しながら銃を相手にするとなると。

 そんな悩みを吹き飛ばすように美羽が動いた。

 

「殿は此方で務めますわ!」

 

「あ、バカ!?」

 

 バッと飛び出した美羽。

 徹雄が止めようとするが、人間の脚力かと疑う程の速さで銃を持った集団の中に飛び込んで行く。

 

「ハッ!!」

 

 向けられる銃を避けながら蹴りを繰り出し、クロエたちを引っ掻き回している。

 それを見て楯無が徹雄を引っ張る。

 

「早く!」

 

 しかし、徹雄は動かない。

 ギリッと歯を鳴らし、握り拳を作る。

 その少しの硬直で撃っていた銃弾がこちらの近くに足場に当たり、跳弾した。

 

「わっ!?」

 

 その音に驚いて木綿季たちが思わず頭を押さえた。

 

「更識姉妹。お前らは先に木綿季たちを船に乗せろ。俺と風林寺さんもすぐ乗る」

 

「え? ちょっと!?」

 

 楯無が止める前に走り出す徹雄。

 これまた美羽と比較してもかなり接戦しそうな速度で走る。

 1番近くにいた敵に近づくと拳を握り、顔全体を覆った防護用のヘルメットに向けた。

 

 ウェルター級世界1位、朝比奈徹雄。

 彼はとある世界ランキング戦で見せたその圧倒的な強打で爆拳(ナックル・ボム)という異名が浸透する。

 試合開始から僅か20秒。

 たったの一撃で相手選手を沈めた強打。

 その時、会場に響いた打撃音がまるで爆弾の爆発音の様だったと会場に来ていた観客のコメントから付いた名前。

 そしてコールドスリープの5年間を除き、彼は1日たりともその拳を鍛えることを怠っていない。

 

 銃を持った相手に殴る徹雄を見ていた面々は後にこう述べている。

 

「ひ、人が殴られて飛ぶなんてマンガの話だけかと思ってたよ」

 

「3回……3回もバウンドしてピクピク痙攣してました」

 

「相変わらずバケモノね……」

 

「へ、ヘルメットがへっこんでるように見えるんだけど……」

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁー」

 

 一息吐き、相手集団が動きを止めている隙を突いて、徹雄はクロエの下へと走ると、彼女の腕を後ろに回させ首に手をかけて敵に警告する。

 

「動くなよ。動いたらお前らのリーダーの首をへし折るぞ」

 

「……oh。爆拳、貴方はもっと紳士的(ジェントルマン)だと思ってましたが?」

 

「この状況でそんな余裕あるか! それに俺がホントに紳士的な人間に見えんならその眼が節穴過ぎんぞ。おい動くなよ! こっちには人質が居るんだからな!」

 

 そのまま、クロエを担ぐと大声で叫ぶ。

 

「総員退避ーっ!」

 

 徹雄の声にハッと楯無達が一斉に船に乗る。

 撃とうとする敵に向かって徹雄が叫んだ。

 

「ホントに撃つなよ! こっちには人質が居るっつってんだろ!」

 

「悪役ですわね」

 

 うっさいよ! とぼやき、最後に船に乗る。

 そのまま人質のクロエを見せながら船を動かした。

 指示する人間が居ないからか、向こうも右往左往して見送るだけなのが幸運だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「銃の前に飛び出すわ人質を取るわ。アンタ馬鹿じゃないの! 馬鹿じゃないの! 馬鹿じゃないの!! っていうか馬鹿だったわねっ!!」

 

「馬鹿馬鹿言うんじゃねぇ! しょうがねぇだろ! 他に思い付かなかったんだから! 風林寺さんも置いてく訳にいかねぇし!」

 

 クロエを適当な部屋に押し込めて徹雄とアリサ、楯無とリンディが1つの部屋に集まっていた。

 そこでアリサと徹雄が言い合いをしている。

 一通り怒鳴り合うとリンディが割って入った。

 

「まぁ、皆無事だっただけでもよしとしましょう。アリサさん。今は何処に向かってるのかしら?」

 

「昔アタシのパパが別荘として買い取った孤島です。今はそこが1番近い拠点ですので。そこで、徹雄に会って欲しい人がいますので」

 

「あ? 俺に?」

 

「そ。UWが保護している以外の男性で独自に細胞硬化症を乗りきった男よ」

 

 アリサのとんでも発言に楯無が驚く。

 

「そんな人が居るわけ────」

 

「そう? アイツは自分で保有していた冷凍カプセルを使って細胞硬化症を乗りきったのよ。性格はともかく、頭脳の方は一級品だしね。今は、MKウイルスの研究をしてるわ。それと同じくらい頭脳明晰な女性(ひと)も居るし」

 

 否定する楯無の言葉遮ってアリサが答える。

 

「へー。本物の天才っているもんだなぁ」

 

「細かな説明はそこでしましょう。もう疲れたから、今日は休んでちょうだい」

 

 手をパンと叩いて解散となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっといいか?」

 

「なによ。アタシもう休みたいんだけど……」

 

「しばらくぶりの再開だろ? ちょっと付き合えよ」

 

 片手に調理場でチョロまかしたワインとグラスを2つ持っている。

 その図々しさに呆れながらも部屋の中へ通す。

 グラスにワインを注ぐと徹雄が質問した。

 

「その拠点にお前と仲の良かった友達連中も居んの?」

 

「えぇ。すずかもなのはもアリシアもフェイトもはやても居るわよ。皆、アタシについてきてくれて、色々と手伝ってくれてたわ」

 

 連ねた名前を聞いて徹雄の顔が若干ひきつる。

 

「フェイトか……そういや昔俺、あいつをからかいまくって泣かしたよな?」

 

「覚えてたの? それでアリシアやなのは。プレシアさんの逆鱗に触れて、アタシらとも疎遠になったわよね」

 

「店の方に行きづらくなったし、俺もジムに新入りが入ったりで忙しくなったからな。あ、そういや後でクロノの奴にもシメられたわ」

 

「へぇ。クロノさんにも?」

 

「お前らの兄貴分だったからな。それよりクロノやまりもには敬語なのになんで俺にはタメ口?」

 

「だってアンタ、年上って感じがしないもの。精神年齢むしろ下に見えるし」

 

「もういい……」

 

 などと軽口と言い合っていると、話をこの数年間に移す。

 

「MKウイルスが出てからどうしてた?」

 

「色々とよ。最初はウイルスで亡くなったパパの遺産で特効薬の研究に投資したり。色々理由を付けて以前の生活から溢れてしまった人たちを支援したり。幸い、手伝ってくれる人手はそれなりだったしね」

 

 グラスに3杯目のワインを注ぐ。

 眠るほど酔いが回る訳ではないが、多少口が軽くなってくる。

 

「俺が寝てる間に、やっぱ色々あったんだなぁ」

 

「そーよ。大変だったんだから。アンタが気楽に寝てる間に……」

 

 冗談っぽく恨めしそうな声を出すと、ベッドに座っていた徹雄の背にアリサは自分の背中をくっつけた。

 

「親父さんも亡くなったのか。てっきりカプセルに入ってるもんだと思ってたが」

 

「……運悪く初期に感染したのよ。どうしようもなかったし、出来なかった」

 

 口で言うほど納得していないのだろう。その口調には無理に自分を納得させるような響きがある。

 きっとMKウイルスが出て来て、徹雄が想像出来ない苦労がたくさんあったのだろう。

 頑張ったな、とか。大変だったんだな、と言うのは簡単だが、それは安易に口にしてはいけない気がした。

 今はただ、酒に力に任せて愚痴を吐くアリサの言葉を黙って聞いてやるだけ。

 黙っている徹雄にアリサが不服そうにする。

 

「なによー。自分から訊いてきてだんまりって」

 

「あ、わるい。ま、なんだ。俺をどうするのか知らねぇけど、ここまできたら出来る限りは力になるぞ」

 

「……安請け合いするわね」

 

「あくまでも出来ることだからな? いきなりモルモットになれとか言われたらこの船占拠するからな?」

 

 徹雄の冗談混じりの言葉にアリサは肩の力を抜いて笑った。

 そして小悪魔的な笑みを浮かべる。

 

「そういえば、メイティングだっけ? どれだけの相手を手出したわけ?」

 

「知らね。もう日常過ぎて考えるの止めてた」

 

「最低ね」

 

「俺もそう思うわ」

 

 軽口を言い合いながら徹雄は瓶に残っている中身を全てグラスに注ぐ。

 そこで、アリサが徹雄の背中に額をくっ付ける。

 

「あれから、本当に世界が変わったわ。仲の良かった男の人が死んだり、冷凍カプセルに入ったり。それでおかしくなった奴や現実を見ないで以前と変わらない生活を享受してる奴も。男がいなくなって、世界が平和になった、なんて言うのもいる。アタシは女しか居ない今の世界がつまらなくて。皆と何とかしようって動いたけど、結局大した事は出来なかった」

 

 自嘲気味に話すアリサ。そこから徹雄の顔をこっちに向けさせる。

 

「アンタとはケンカばかりだったけど、こうして生きて居てくれて嬉しいわ」

 

「アリサ、お前……」

 

「アンタみたいなのでも、死なれれば淋しいって思うのよ」

 

「俺みたいなの、てのは余計だろが」

 

 徹雄の受け答えにアリサがクスクスと笑う。

 アリサの腕が首に回る。

 

「おい」

 

「いいじゃない。少しくらい労ってくれても」

 

「労うって、お前なぁ」

 

 こうまで体を密着させる意味を察して徹雄は頭を掻く。

 

「不安なのよ、これでも。このままMKウイルスを克服出来なかったらどうしようって。少しくらい安心させなさいよ」

 

「どいつもこいつも」

 

 徹雄はアリサをベッドに倒す。

 飲み干したグラスが床に落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと……! 胸ばかり弄って……んっ」

 

「じゃあ、こっちな」

 

 徹雄の指が陰口をなぞるように触れる。

 陰核も軽く撫でるとアリサの口から、んっ、と声が漏れる。

 

(思ったより、身体つき、スゴ……)

 

「どうした?」

 

「別に。ただ、筋肉あるなって、思っただけよ。アタシの周りって細い人が多かったから」

 

 徹雄の腹筋や胸板をペタペタと触れるアリサ。

 

「職業柄な。お前も、胸でかくなったよな。ガキの頃に比べて」

 

「何年前の話してるのよ。それに、それを言うならすずかやフェイトなんてスゴいわよ」

 

「そりゃ楽しみだ、なっ!」

 

 アリサの乳首を吸いながら膣内に指を入れる。

 大きく息を吐いて受け入れるアリサ。

 ゆっくりと膣内に指を侵入させる徹雄。

 

「つっ……あ……!」

 

 そんな中でアリサの手が徹雄の肉棒に伸びる。

 

「おい……」

 

「ア、アンタにばかりさせて終わりなんて冗談じゃないわ!」

 

「何の対抗心だよ……」

 

 アリサの手が徹雄の竿を扱き始める。

 その真面目な様子に苦笑しながらも徹雄は愛撫を続けた。

 膣の肉壁をほぐしながら指を少しずつ奥へと動かし、胸や肩、首筋にキスをする。

 

(こいつの、熱くて大きい……それに、指もごつごつしてて……)

 

 少しずつ余裕を削られていくと、徹雄はアリサの上半身を起き上がらせ、後ろから抱き締めながら陰部と胸の愛撫を続けた。

 たまに胸を弄っている手で下腹部を撫でてくる。

 

「あ、あっ! ちょ、ちょっとぉ……!」

 

 アリサの声に甘い色が漏れる。

 丁重に陰部をほぐし続け、愛液が垂れて徹雄の指を濡らす。

 後ろから抱き締められて背中に当たっている肉棒が自己主張する。

 

「徹雄、そろそろ……」

 

「そうだな……」

 

 手を一旦離すと、上半身を倒すアリサに徹雄は尻肉を掴んで陰口に亀頭を当てた。

 

 良いのか? なんて今更訊かない。

 ここまで来て意思確認なんて相手を軽んじる言葉だと思うから。

 

「入れるぞ」

 

 アリサの息を飲む音が聞こえた。

 肉棒をアリサの膣内へと挿入する。

 

 

「あぁ……っ! んっ、つあ……!?」

 

 苦痛に耐えるアリサの息づかい。しかし腰の方は徹雄の肉棒を少しでも奥へと進ませようと動いてくる。

 

「はぁ……はぁ……」

 

「全部、入ったぞ……」

 

「そ、う……っ!」

 

 そこから徹雄はアリサの腕を掴んでパンパンと腰を動かし始めた。

 チュパチュパと水音が響き、亀頭が子宮に到達する度にアリサの表情が痛みより蕩けるように弛む。

 

「これっ……ウソッ!? こんなにはやく……!」

 

「体勢変えるぞ」

 

 アリサの体を回して向き合う形にすると、挿入したままアリサの体を持ち上げた、

 

「えっ!? ちょっと!」

 

「しっかり捕まってろよ」

 

 アリサを抱き締めたままベッドから降りて立ち上がる。

 挿入されたまま落ちないようにアリサが腕と脚を絡まらせる。

 

「分かるか? 腰動かすたびにお前の膣内(なか)が締め付けて来るぞ!」

 

「いちいち、言葉に、んっ……!」

 

 アリサの位置を調整してキスで唇を塞いだ。

 徹雄の太く、逞しい腕に抱かれながらアリサは地に足を着けずに下から押し上げられる。

 亀頭が子宮を突く度に逃がすまいと膣内を締め付けているのを理解する。

 

「あ……もう……っ!?」

 

「合わせる! 射精すぞ!」

 

 徹雄が射精すると同時にアリサは自分が達するのを感じた。

 

「イ、イクッ!? あ、ああぁああぁあああっ!?」

 

 徹雄の精子を受け止めると、アリサは呼吸の荒いままに再びベッドに倒された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『16歳ナメんなよ、こんガキャアッ!』

 

『だったらちょっとは歳上らしいことしなさいよ!』

 

 こんなくだらないケンカは日常茶飯事だった。

 徹雄はまるっきり子供で。アリサも今よりまだ気が長くなくて。

 そんな2人を周りはまたか、と苦笑する。

 そんな日々は確かに在ったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

「でも、思った以上にアタシも変わってないのかもね」

 

 やれることは増えたが、心の方は大して成長してないのかもしれない。

 

「そんなもんだろ。年齢が上がるだけで大人になれんなら苦労しねぇっての」

 

「そうね」

 

 そこでアリサが徹雄の背中を叩く。

 

「ま、頑張んなさいね。これから遠慮なくコキ使うから!」

 

「いや、何させられんの、俺!?」

 

 子供の頃に戻ったような笑顔をアリサは浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

 




翌々考えてみると自分、この作品で出せそうな外国人系のキャラってロボット系か型月が大半だわ。
どうしよう。


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神宮司まりも(Muv-Luv)その2・香月夕呼(Muv-Luv)

久々過ぎてかなり手間取りました。連休中に終わらなかった。


「わ、わんもあぷりーず?」

 

「だから、私のお腹の中に赤ちゃんが居るのよ! その……徹雄の……」

 

 お腹をさすりながら、最後は恥ずかしそうに顔を赤らめて告げるまりもに徹雄は冷や汗を流す。

 

「そそそそそそそそそうか! それはめでたいな! うん!」

 

「なんで目を泳がせてそんなに動揺してるのさ。おめでとう、先生」

 

「ありがとう、紺野さん」

 

 他にも赤緒や美羽などがお祝いの言葉を贈る中、固まっている徹雄に楯無が肘で小突いてくる。

 

「固まってないで、気の聞いた一言くらい言ったら?」

 

「さ、魚……」

 

「はぁ?」

 

「海から魚を捕ってくるでござる」

 

「ござる!?」

 

 動揺しすぎて意味不明な事を口走り始める徹雄にアリサがツッコミを入れる。

 

「食料ならたんまり積んであるわよ。それに釣り道具なんて置いてないんだけど」

 

「す、素潜りで……」

 

「死ぬわ! こんな海上のど真ん中で素潜りとか溺死するだけじゃない! いや、アンタなら普通に戻って来そうだけど!」

 

 中々に酷い言いようだが徹雄に今は律儀に反応する余裕はない。

 混乱している徹雄にまりもがジト目で顔を覗き込んでくる。

 

「もしかして、嫌なの?」

 

「違うわ! いや……でも突然の事で頭が追いつかないって言うか……」

 

「あれだけ盛っておいて何を言ってるのかしら?」

 

 呆れたように声を出すのは赤みのある茶髪の女性。

 本来、徹雄の主治医を担当してた女性だ。まぁ、その仕事を殆んど千鶴に丸投げしてたが。

 

「み、宮野先生……」

 

 宮野志保。

 本職は薬学らしいのだが、医者としての腕も持ち合わせてはいるものの、普段は研究室に引き込もっていた為に徹雄も滅多に会わなかった人。

 志穂はまりもに近づく。

 

「取りあえず、診察をしますからこっちに。雪村さんも手伝って」

 

「は、はい!」

 

「よ、よろしくお願いします……」

 

 志保の後を付いていくまりも。

 楯無が閉じた扇子を顎に当てる。

 

「もしこれで男の子が産まれてMKウイルスへの免疫を持っていたら。貴方たちの価値が証明される事になるわね」

 

「……更識。お前もしかしてまりもの妊娠知ったからクロエたちに何かされる前に日本を出るなんて話になったのか?」

 

「それだけが理由って訳じゃねぇないけどね~。どう? ちょっとは見直した?」

 

 もしもクロエたちがこの事を知っていたら、まりもは捕まっていたかもしれない。

 いや、朝比奈徹雄の知り合いというだけでそうなる可能性は有ったのだが。

 

「ありがとな、更識」

 

 素直に礼をいう徹雄に楯無は瞬きした。

 

「そう素直にお礼を言われると、こう気味が悪いわね」

 

「よしテメェ。その内ちょっと話し合う必要があるな」

 

 馬鹿なじゃれあいをしている2人にアリサが手を叩く。

 

「後2時間くらいで到着する筈だから。そこであたしらと一緒に活動してる男性と会ってもらうわね」

 

「どんな人なんだ?」

 

「アンタも知ってる人よ」

 

 少しばかりげんなりした口調のアリサに徹雄は首を傾げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「つー訳で、お前を解放するのはもうしばらく待ってくれ。出来る限り安全に解放するつもりだから。わるいな」

 

「それはそれは。ご丁寧、ドーモデース」

 

 徹雄はクロエと話していた。

 状況的に仕方がなかったとはいえ人質にして無理矢理連れてきた事には多少思うところがある。

 もちろん、銃を向けてこちらの人権を無視しようとしたことを許す気はないが。

 

 クロエは居場所が察知されそうな物を全て没収されて破棄されている。

 この部屋も数人で監視しているのだ。

 

「また来るよ」

 

 話は短くに徹雄はクロエを閉じ込めている部屋から去って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目的の島に到着して降り始める。

 

「まりも。手、貸すか?」

 

「まだそこまで体に影響があるわけじゃないから大丈夫よ。でも、ありがとう」

 

「そっか」

 

 船から降りるのに手を貸そうとする徹雄にまりもは苦笑しながらも断る。

 

「こっちよ」

 

 整備された島の中を車で案内されていると、そこにはドラマなんかで出てきそうな洋館がある。

 それを見上げているとアリサに中へと入るように促される。

 

 すると────。

 

「ハァイ! 久しぶりねぇ! まりもと朝比奈!」

 

「夕呼!?」

 

「ゲェッ! 香月!?」

 

 純粋に驚いているまりもと口を限界までヘの字に変えて嫌そうな顔をする徹雄。

 その態度に夕呼は目を細めて近づく。

 

「私がここに居ることに文句でも有るのかしら?」

 

「さぁな……」

 

 視線を明後日の方向に向けて適当な返しをする。

 そこで、そういえばと夕呼がにんまりと笑って2人に言う。

 

「そういえば、まりも。妊娠おめでとう。お祝いは何が良いかしら?」

 

「ちょっと!? 何で夕呼がもうその事をもう知ってるのよ!」

 

 徹雄が視線でアリサにお前喋った? と視線を向けるが、アリサはブンブンと首を横に振る。

 その反応に夕呼はやっぱりねとにやにや笑う。

 

「アンタたちが再会したんなら、そういう事にもなってるんじゃないかと思って。分っかり易いわね~! どうせ酒を飲んだ勢いで作ったんでしょ?」

 

 声を出して笑い始める夕呼に2人は何とも言えない顔になる。

 というか、そこまで当てるとかこいつは超能力者何じゃないかと本気で勘繰りそうだ。

 そこで木綿季が徹雄の裾を引っ張る。

 

「ねぇ、おにーさん。この人は?」

 

「ん? あぁ。こいつは俺とまりもの同級で香月夕呼。気を付けろよ。油断してると利用されるだけ利用されてポイッと捨てられるぞ」

 

 徹雄の説明に夕呼が心外そうに失礼ね、とジト目呟く。

 話が進まない中でアリサが前に出る。

 

「香月博士。あの人は?」

 

「地下よ。案内するから。朝比奈とアンタたち、来なさい。他は先に休んでれば?」

 

 楯無と志穂を指名する夕呼

 すると、館の奥から金髪の女性が現れた。

 

「お帰りなさい、アリサ」

 

「フェイト、他の皆は?」

 

「すずかは忍さんの応援にドイツ。なのはとはやてはフランス。アリシアは母さんの手伝いでイタリアに飛んだよ。私は居残り」

 

「そう。なら、フェイトはこの人たちを案内してあげて。アタシたちは地下に行くから」

 

「分かったよ、アリサ」

 

 まりもたちがフェイトに案内される中、鉄雄たちはアリサと夕呼にエレベーターで地下へと案内される。

 この奥

 

 地下にいる徹雄も知っているらしいアリサたちに協力している男性。

 降下していたエレベーターが停止し、扉が開くとそこに妙にニヒルな笑みを浮かべた40前後の男性が居た。

 

「やぁ! 久しぶりだねぇ朝比奈徹雄君!」

 

「……よりによってアンタかよ、ジェイルさん」

 

 顔を覆って嘆息する徹雄。

 

「知り合いなの?」

 

「近所に住んでた発明家のおっさんだよ。昔、色々と面白いオモチャとか迷惑な品を開発して押し付けられてた時期があって。まぁ、それはおいおいな……」

 

 ざっくりと楯無に説明する徹雄。

 ジェイル・スカリエッティは徹雄に近づきオーバーな動作で両手を広げる。

 

「まさか私を含む、世界に残る7人の男の中に君が混じっているとはね! まったくもって面白い!」

 

「御託はいいよ。それで? 俺をここに呼んだのはどうしてだよ? 生き残り同士、友好を温めたいなんて理由でもないんだろ?」

 

「ははは! それも悪くないが、それは別の機会に取っておこう。私たちは今、MKウイルスの特効薬。もしくはウイルスその物の除去する研究を進めている。それも火急的速やかに、ね」

 

「それは、冷凍カプセルに眠ってる奴らも徐々にウイルスに侵されてるからだよな?」

 

「その通り! この部屋の更に地下にもそれなりの数の男性たちが眠っているが、それもいつまで持つか。だから、君の体に有るMKウイルスへの免疫を調べさせてほしい。もちろん、命に関わるような真似はしないと約束しよう」

 

「そりゃかまわねぇけど。ジェイルさんも免疫持ってるんだろ?」

 

「当然調べているさ。だが、サンプルは多い方が良いだろう」

 

 ジェイルの返答にまぁそうか、と納得する。

 それとだ、と追加を出す。

 

「君には、各国との人脈作りに奔走してもらいたい」

 

「はぁ?」

 

 その点についてはまったく意味が分からなかった。

 

「簡単な話。我々の研究もアリサ・バニングス君の援助で行っているが、それだけだと色々と足りない。資金だけではなくね。そのパイプ作りに君の力を貸してほしい」

 

 何となく察しがついて目を細める徹雄

 

「……具体的には?」

 

「どこの国も今は子孫を残す術がないんだよ」

 

 後は分かるだろう? と悪役顔でジェイルが笑う。

 

(アリサが言ってたのはそういうことかよ……)

 

 種馬扱いされていることにアリサを睨むが向こうは苦笑して肩を竦めるだけだった。

 夕呼が徹雄の背中をバシッと叩く。

 

「良いじゃない。こんな状況でもない限り、アンタが女に囲まれるなんてあり得ないんだから」

 

「言ってくれるじゃねぇか。否定はしねぇが……」

 

 実際、こんな世界的な危機でもない限り、こんな女に囲まれるなんて妄想でしかないだろう。

 

「細かなことは後日伝えるので今日のところはゆっくりと休みたまえ」

 

 解散とばかりにジェイルが手を叩いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あいつら好き勝手言って」

 

 部屋に案内された徹雄はベッドに座って天井を仰いでいた。

 宮野志穂はMKウイルスの研究データに興味があるらしく地下に残っている。

 既に部屋に数少ない徹雄の荷物は運び入れられており、後は荷解きするだけの状態だった。

 

「そうだ。まりもの様子を見に行かないと」

 

 妊娠したと言われると無性に気にかかる。

 軽く荷物を出したら様子を見に行こうかと考えているとドアが勝手に開いた。

 

「朝比奈~。ちょっとお願いがあるの」

 

「香月か……どうした? っていうか俺、鍵閉めたはずなんだが」

 

「男が細かいこと気にしないの。それより、ちょっと研究の為に手伝ってほしい事があるの」

 

「なんだよ。俺に頭を使う作業をやれって言われても足手まといだと思うぞ」

 

「その方面でアンタをアテにするほど落ちぶれてないわよ。あたしが協力してほしいって言うのはね」

 

 ポケットから試験管を取り出す。

 

「ちょっと射精してこれに精液入れなさい」

 

 とそのまま試験管を押し付けられた。

 

「後で血とか色々と貰うつもりだけど、先ずはこれから調べてみたいの。というわけでお願いね?」

 

 笑って頼まれた事に徹雄が大きく息を吐く。

 

「それは研究に必要なんだな?」

 

「だからそう言ってるじゃない」

 

「分かった。取り敢えず部屋から出ろ。俺も自慰を他人に見られて喜ぶ趣味はねぇ。すぐ終わらせるから」

 

 試験管を受け取り、夕呼を追い出そうとする。

 しかし、彼女は着ている白衣を床に落とすと、徹雄に体を密着させてくる。

 

「おい……」

 

「この方がアンタも嬉しいし、たくさん射精るでしょ?」

 

 言うと、徹雄のジッパーを下ろして自分も私服の前を開けると実った乳房がさらけ出される。

 その行動に徹雄が渋い顔をした。

 

「お前なぁ……!」

 

「気にしなくていいわよ。あたし、年下は守備範囲外だから」

 

「同い年だろうが……」

 

「だった、でしょう。あ、射精す時はちゃんと教えなさいね」

 

 膝を折って徹雄の肉棒を乳房で挟み込む。

 性格はともかく、女としては間違いなく美女に該当する夕呼のパイズリに徹雄の肉棒はすぐに、反応する。

 単純ねぇ、などとこちらを小バカにするような笑いが聞こえたが、そこで再びドアが開かれた。

 

「徹雄。ちょっと聞きたいことが────」

 

「あ……」

 

 まりもが入ってきて、徹雄の思考がフリーズした、

 まりも本人も、失望したように目を細めて開けたドアを閉めようとする。

 

「ちょっと待ちなさい」

 

 夕呼が極めて冷静にまりもを引き留める。

 さすがに鋭い視線を向けるまりもだが、夕呼は見当違いも甚だしいとばかりに話し始める。

 

「ちょっと研究に精液を採取しようとしただけよ。まりもが心配するような事は何もないわよ」

 

「へぇ……」

 

 如何にも疑わしげに見てくるまりもに夕呼は良いこと? と前置きして説明を始める。

 

「あたしたちは眠っている男性を起こすために朝比奈の体を安全に調べる必要があるの。そもそも今でも女に囲まれてる状況でこんなことくらいで怒ってどうするの?」

 

 まるでまりもの方がだだっ子のような感じにドンドン話を逸らし始める。

 

(あ、これ前にも見たことある)

 

 あぁなると、大抵夕呼の思惑通りに話が丸く収まる。

 現に、まりもはなにも言い返せずにだんだんとそうかもしれないいう感じに表情が変化していく。

 話を終えたのか、夕呼がまりもの手を引く。

 

「というわけで、あんたも手伝いなさい」

 

「えぇ!? ちょっと夕呼!!」

 

 まさかの巻き込みにまりもが声を上げる。

 

「いいじゃない。どうせやることもないんだし。働かざる者食うべからず、でしょ?」

 

「それはそうかもしれないけど……」

 

「つべこべ言わずにさっさとする! 時間は有限なのよ!」

 

 勢いに押し切られるままにまりもは着ているシャツの胸の上まで捲られる。

 ベッドに座ってい徹雄雄にまりもと夕呼が左右から挟む。

 

「どう? こんな美女2人におっぱいで奉仕される気分は?」

 

「あ、あぁ……気持ちいいな……」

 

 それぞれ感触の違う2人の乳房に挟まれて徹雄は息を吐く。

 美女2人が自分の逸物を胸で扱いている光景はそれだけで昂るには充分だった。

 

「欲情するのは勝手だけど。ちゃんと精子を試験管の中に容れなさいよ」

 

「わ、わかってるよ……!」

 

 2人の乳房に圧迫され続けると次第に先走り汁が出るようになり、徐々に射精に近づいていく。

 夕呼がエラの部分を弄った事で我慢の限界に達した。

 

「うっ!?」

 

 徹雄は射精しる寸前に手にしていた試験管の容器口を亀頭の割れ目に当てて中に自分の精液を入れる。

 射精を終えると徹雄は精液の入った試験管を夕呼に渡した。

 

「ほら、これでいいんだろ……」

 

「そうね。じゃあ、次お願いね」

 

 そう言って受け取った試験管に栓をすると次のを渡してきた。

 

「サンプルは多い方が助かるのよ」

 

 そう告げて次を促す夕呼。

 ベッドに上がってまりもの背後から押さえてその陰部を広げる。

 

「ほら。まりもなんて胸で扱いただけでこんなになってるのよ。早く入れてあげなさい」

 

「ちょっと夕呼!」

 

 傍若無人に振る舞いながらもまりもを使って誘ってくる夕呼に徹雄は息を吐く。

 

「大体これはお前の要求だろうが。だったら責任持ってお前が相手しろや!」

 

 まりもから手を離させて夕呼をベッドの端の壁に押さえつけると、穿いているズボンの中に手を突っ込んで指で弄り、胸にしゃぶりつく。

 

「ちょっ!? 朝比奈っ!!」

 

「やかましい! キッチリアイテシテもらうからな!」

 

 ヤケになって壁に押し付けていた夕呼のズボンを少しずつ下ろさせてから座らせる。

 そのまま黒い下着をずらして既に濡れ始めていた陰口に亀頭を当てる。

 

「いくぞ」

 

「んっ!?」

 

 一気に夕呼の奥まで貫き、腰の前後運動を繰り返す。

 何度か行ったところで、勢いを緩めると、夕呼が鋭い視線を向けてきた。

 

「あんた、後で覚え────ハァンッ!?」

 

 最後まで言う前に再び勢いを取り戻し、膣内を掻き回すように肉棒を動かす。

 夕呼の息に熱が篭っている事からからかうように囁く。

 

「結局お前も感じてるよな……」

 

「バカ言わないの……あんたみたいなガキにっ!?」

 

 不規則に子宮突く度に夕呼から声が漏れる。

 

(あ、そろそろ……!)

 

 夕呼の膣内が思ったよりも気持ち良くて再び射精しそうになる。

 直前で夕呼から2本目の試験管を取り、射精する寸前に引き抜いて流し込んだ。

 目を閉じて荒く呼吸する夕呼。

 徹雄はさっきから顔を赤くして見ていたまりもの手を引っ張り、夕呼の上に重ねる。

 

「て、徹雄! あなたっ!?」

 

「お前も、少し付き合え。火が点いて、収まらないんだよ!」

 

 四つん這いになっているまりもの腰を掴んでもう濡れていたまりもの膣内に挿入する。

 

「んっ……あぁ!?」

 

 腕を伸ばし、まりもの胸を揉む。

 

「まりもとするの久しぶりだけど、前より具合が良いような気がする……!」

 

「バカなこと、言ってないで、正気にもどりっ!?」

 

 陰核を軽く弾くとまりもの声が上がる。

 何度も何度もまりもの膣内を味わい、一度だけ彼女の中に射精した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日、世界中の電波がジャックされ、映像にはUWが保護していた5人目の男性が映されていた。

 その映像で徹雄は話している女性に見覚えがあった。

 

(怜人の彼女さん?)

 

 冷凍冬眠する前に見た怜人の彼女が画面に映っている。

 その一団はUWから世界を解放するイザナミを名乗り、UWがこの世界で活動可能な男性の存在を隠している事を公表した。

 そして、多数の人工衛星の残骸を映し、その衛星から高濃度のMKウイルスが検出されたこと。

 その人工衛星の製造元がUWのトップに名を連ねていること。

 これらの事かUWがMKウイルスを世界にばら撒き、男性を廃した女性だけの世界を作ろうとしていると述べている。

 放送は途中で中断され、テロリストの言い分に惑わされないようにとの放送に切り替わる。

 

 世界が確実に動こうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 




夕呼は以前リクエストがあったので書いてみました。


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リーリン・マーフェスその1(レギオス)サーシャその1(聖闘士星矢LC)

現在、活動報告にてアンケート実施中。今月までの予定ですので、御気軽にご意見ください。


「しっかし、フェイトも立派になったなぁ。中学で俺が泣かしてやった時とは大違いだ」

 

「ねぇ……昔の事を持ち出すのは止めてくれないかな?」

 

 食事中にジト目を向けるフェイトに徹雄はくつくつと笑って肩を竦める。

 その話題に木綿季が食いついてきた。

 

「おにーさん何したの? いじめはだめだよ?」

 

「お前は俺をどんな風に見てんだよ。ただ単に泣くまで褒めちぎってやっただけだっつの!」

 

「何ですか、それ?」

 

 泣くまで褒めちぎるとはいったい? 

 疑問に思っているとアリサが説明をする。

 

「あたしたちが通ってた学園の中等部の時に、劇をすることになってね。あたしが王子役でフェイトがお姫様」

 

「んで、その時の衣装が中坊の舞台にしちゃ良くできたドレスの衣装で。それを見る機会があったからめちゃくちゃ大声で手を叩いて褒めまくってやった。泣くまで」

 

「朝比奈さん……」

 

 徹雄の告白に千鶴が目を細めた。

 

「その後が大変だったなぁ。こいつの親友や姉貴。特にお袋さんには金属バットで襲われて」

 

「アンタ楽々と避けてたじゃない」

 

「当時俺は日本チャンプよ? ド素人の素振りなんて当たらねぇよ。その所為であの店行きづらくなったけど」

 

「自業自得でしょ。こっちも大変だったわよ。フェイトがお姫様役を降りるって言い始めて」

 

「アリサ!」

 

 アリサのカミングアウトにフェイトが顔を赤くして立ち上がる。

 楯無がじー、と徹雄を見る。

 

「貴方、昔からろくなことしてなかったのね……」

 

「悪餓鬼なもんで」

 

 特に反省している様子も見せずにいると施設内に放送がかかる。

 

『朝比奈。ちょっと地下まで来なさい。至急に!』

 

「なんだよ、うっせぇな……」

 

「何をやらかしたの? おにーさん」

 

「やってねぇよ」

 

 適当に朝食を胃に入れると立ち上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「イタリア~?」

 

「そ。ちょっと行ってきなさい」

 

「気軽に言うなよ。つーか俺、イタリアどころか、何処の外国語も話せねぇぞ?」

 

「そんな事をアンタに期待するほど耄碌してないわよ。そこら辺は考えてあるから」

 

「なら。良いんだけどよ……」

 

 ボリボリと首を掻く徹雄に、アリサが続ける。

 

「今、うちと繋がりのあるイタリアの企業が世界で数人の男性であるアンタに接触したいって言ってきてるのよ。向こうにはアリシアとプレシアさんが話をまとめてるから」

 

「今回は朝比奈とバニングス。それとあの更識って子と、護衛を数人連れて行ってきなさい」

 

「随分と大人数だな……」

 

「アンタ、自分の価値理解してる? これでも少ないくらいなのよ」

 

 世界に数人しか居ない男性。

 良からぬ事を企む輩は多いと言う事だろう。

 

「ま、頑張んなさい」

 

 そんな本音とも思えない夕呼のエールを聞いて徹雄は肩を落とした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「と、いうわけで、やって来ましたイタリアへ」

 

「誰に言ってるのよ?」

 

 車の中で明後日の方角を見つめながら説明口調をしだした徹雄にアリサが馬鹿を見る目で指摘する。

 

「スピード展開過ぎてついてけねぇんだよ!」

 

 徹雄は今、高級そうなスーツを着せられて今回の面談相手の会社まで完全に外から姿を隠されて移動していた。

 多少不安になる思いを抱えているとアリサが説明する。

 

「今回会う方は、イタリアでもかなり大きな会社で、以前からそれなりにあたしらの活動を支援してくれてたのよ。良い? 大まかな話し合いはあたしがするから、あんたは適当に相づちだけしてればいいわ。分かった?」

 

「分かった分かった。何度も聞いたっての。俺も、そんな話し合いに口挟みたくないしな」

 

「考えが行事にやる気のない中学生ね」

 

 徹雄の言葉に呆れる楯無。

 そこでアリサの隣に座って居た鈴羽が発言する。

 

「私達も警戒するけど、気をつけてね」

 

 以前襲われたことがあるが、今は向こうからの謝罪を受け取り、遺恨はない。

 それはそうと、以前から気になる事があり、鈴羽をまじまじと見つめる。

 

「な、なに? いきなりじーっと見てきて」

 

「いや、阿万音鈴羽だっけ? お前の声がなのはの奴にそっくりだなーって思って」

 

「あー。それ、よく言われるよ。そんなに似てるかなー」

 

 うーん、と頭の後ろに手を置く鈴羽。

 楯無が、誰? と首をかしげる。

 それに気づいた徹雄が説明する。

 

「フェイトの同性の恋人だ。その内、会うこともあるだろ」

 

「アンタ、またそういう嘘を言ってるとフェイトに泣かれてなのはに叩かれるわよ?」

 

「実際、アイツらの仲の良さはそう見えてもおかしくないだろ」

 

「そこは否定しないけど……」

 

 苦笑するアリサ。

 しばらく車での移動が続くと、どこかのビルの中へと入っていき、人目の無い道を案内される。

 

(UWの日本支社に行った時のことを思い出すな)

 

 あの時はスタンガンを掠めたが、今回はそんな事がないと願いたい。

 先ずは先に交渉していた身内がいる部屋を通された。

 

「アリサ!」

 

 するとそこには、フェイトをやや小柄にしたような女性と黒髪の女性が居た。

 

「アリシア! プレシアさんも、久し振り!」

 

 再会を懐かしむアリサ。

 その様子を見て説明を求める楯無に徹雄が答えた。

 

「2人はフェイトのお袋さんと”妹”のアリシアだ」

 

 その説明にアリシアがムッと口をへの字に曲げる。

 

「ちょっと徹雄! あたしがフェイトのお姉ちゃん! あたしのほうがお姉ちゃんなんだからね!」

 

 プンプン、という描写が似合いそうな怒りかたに徹雄が鼻で笑っている。

 その表情からわざとだな、と楯無は判断した。

 

「いやー! ちっこいから勘違いしてたわ。ゴメンなー」

 

「昔、会うたびに訂正してたでしょ! この! この!」

 

 徹雄に脛蹴りをするアリシアだが、徹雄の方は効いた様子もなくニヤニヤ笑っている。

 そんな徹雄にプレシアが近づく。

 

「アリシアが小さい事に何か文句があるのかしら?」

 

「いえー。小柄な女性は可愛いくて魅力的ですねって口にしてるだけですよ?」

 

 笑顔で威圧感を出すプレシアに徹雄は肩を竦めて笑う。

 以前、フェイトを泣かした時に金属バットで襲われた為、なるべく逆鱗に触れないようにする。

 

「プレシアさん。今回の交渉役、ありがとうございます」

 

「いいのよ。これくらいは。それより、リンディもそっちに来たんですって? 元気そうかしら?」

 

「えぇ。相変わらず綺麗で、お変わりないですよ」

 

 プレシアとアリサが談笑を交えて情報を交換していると、このビルの職員がやって来た。

 

「準備が整いましたので、テスタロッサ様とバニングス様。そしてアサヒナ様のみ、お連れするようにと」

 

「そう。分かったわ徹雄」

 

「あいよ」

 

 着ているスーツの首もとに触れて部屋を出ようとする。

 すると楯無が不安そうに手を掴んできた。

 もしかしたら、楯無もUWの日本支社での事を思い出しているのかもしれない。

 

 楯無の額をこつん、と軽く手の甲でノックする。

 

「大丈夫だ。ちょっと話をしたらすぐ戻るから、大人しく待ってろや」

 

「……えぇ」

 

 そのまま振り返る事なくアリサとプレシアの後に続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 案内されたのはビルの最上階。

 円状のテーブルに五十代くらいの身なりが良い女性と、ボディーガードと思わしき女性が2人。

 開いたドアの前に立っていると、女性が微笑む。

 

「ようこそ。さ、お掛けくださいな。数年ぶりの男性との会話ですもの。楽しみですわ」

 

 期待するような相手の視線に居心地が悪い思いをしながらも、プレシア、アリサに続いて席に座る。

 飲み物が渡った後に女性が自己紹介をしてきた。

 

「初めまして。テツオ・アサヒナ。私はノマ・グローリィと言います。貴方のことはテスタロッサから聞いているわ。それから私、貴方の現役ボクサー時代の試合映像を観たの。とても痛快で判りやすい試合だったわ!」

 

「はぁ……どうも……」

 

 自己紹介ついでにベタ褒めしてくるノマに徹雄は笑みを張り付かせながら相槌を打つ。

 

(それにしても、この道具、ホント便利だな)

 

 周りには注意して見ないと分かりづらいが、徹雄の耳には補聴器のような機具と、Yシャツに隠れて見えないが、首にはチョーカーのような物がつけられていた。

 この2つの機械が外国語と縁のない徹雄にも翻訳機として機能し、会話を可能にしていた。

 

(スカリエッティのおっさん……人としてはアレだけど、技術者や科学者としてはマジで人外レベルだわ。今回は助かったけど……)

 

 心の内で感謝していると、相手との会話が変化する。

 

「それで、グローリィさん。そろそろ此方にお呼びした理由をお訊ねしても?」

 

 アリサがそう言うとノマは、そうですわね、と本題に入る。

 

「男性がいない今の世界。遠からず人類は滅びることになるでしょう。しかし、人工受精では男性が産まれたとしてもMKウィルスへの抗体を持たない男子はすぐに死んでしまう」

 

「こちらでは彼の赤子を宿した女性が1人おります。まだ、男女どちらかは判りませんが」

 

 アリサの言葉にノマが嬉しそうに手を合わせた。

 

「それは素晴らしいですわね。ですが、その子供が男の子だとしても、ウィルスに対する抗体を持っているかは分からないでしょう?」

 

「はい……その通りですね」

 

 ノマの言い分を認めるアリサ。

 ここからが本当の本題。

 

「こちらとしては、MKウィルスに対する何らかの治療方が見つかればコールドスリープされている男性たちが目を覚まして1番良いのですが。それが間に合わなかった場合」

 

「ウィルスに対する抗体のある男性の遺伝子……」

 

 プレシアの呟きにノマが頷く。

 

「でも、そんな実験紛いの手段に賛成する者も少数です」

 

 もしも産まれてくる子供が男の子ですぐに死んでしまったら。

 そんなことになれば、身籠った女性の悲しみは相当な物となるだろう。

 

「必ず、ではなくとも、10人に1人でもその抗体が受け継がれれば、取り敢えず希望は繋ぐことができる。ですからその為に、相応の相手を用意しました。もしも子供が産まれて死産したとしても問題のない……ね」

 

 笑みを張り付かせた表情で、眼だけは笑っていない。

 

「あぁ。もちろん、貴方のやる気がでるように、容姿には気を使いましたわ。引き受けて、くれますよね?」

 

 徹雄がOKする前にアリサがもちろん、と頷く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(結局、日本の時とやること変わらねぇ……)

 

 そう思いながら、案内されるままに部屋へと入る。

 

「あ……」

 

 中に居たのは、バスローブを着た十代半ば程の少女2人。

 亜麻色の髪をし、頭に布を巻いた少女に紫色の髪を持つ少女。

 徹雄が入ると一瞬怯えるような表情になったが、すぐに笑みを浮かべて亜麻色の髪のを持つ少女が近づいてきた。

 

「初め、まして……今晩お相手を務めさせていただく、リーリンと申します」

 

「サーシャ、です……」

 

 リーリンと名乗った少女の少し後ろから表情を曇らせたままにサーシャも挨拶した。

 

「あー、うん。俺はアサヒ……いや、この場合テツオ・アサヒナの方がいいのか? とにかく、よろしく」

 

 こちらが自己紹介するが、やはりぎこちない笑みが返ってくるだけだった。

 ザッと部屋を見渡すと、やはり監視カメラが仕込まれている。

 

「取り敢えず、このままだとアレだから、先にシャワーを浴びさせてくれ」

 

 親指でシャワー室を指差し、答えを聞く前に早歩きで入る。

 

「木綿季と同じくらいのガキじゃねぇか……」

 

 別に、だから抱けないとかそんな話ではなく、本人たちが明らかに無理をしている。

 

「特に紫色髪の子は……同意ではあるんだろうが……」

 

 了承はしているのだろうが、あんな怯えた女の子に手を出すとかぶっちゃけ萎える。

 そんなことを考えているとシャワー室の扉の外から声がした。

 

「あの……少しいいですか?」

 

「おう……もうすぐ出るぞ」

 

「そうじゃなくて……少し、お願いが……」

 

「あ?」

 

 シャワーを止めて備え付けられているタオルで体を拭く。

 緊張した声で扉越しにリーリンからお願いが伝えられる。

 

「今日、アサヒナ様に抱かれるのは、その……私だけじゃだめですか?」

 

「……」

 

 リーリンの言葉に徹雄は無言になる。

 

「あ、あの子……サーシャはまだ、心の準備が……だから……その、お願いします。今回は私だけで」

 

「……俺も、怯えてる女の子を抱くのは後味が悪いから、構わねぇけど……大丈夫なのか?」

 

 ノマはそういうことをさせるために用意した相手なら、生娘のまま終わりはなにかと不都合なのではないか、と思った。

 

「大丈夫、な筈です……」

 

 歯切れが悪い言い方におそらくは良くは無いのだろう。

 それでも、精一杯相方の少女を庇おうとしている。

 

「まるでお姉ちゃんだな」

 

「姉妹みたいなものって言ったらそうですね。同じ孤児院で育った」

 

「あぁ、そういう」

 

 話を聞きながらまるで赤緒と木綿季みたいだと思った。

 

「分かった。俺はあの子には手を出さない。それで良いな?」

 

「はい。ありがとう、ございます」

 

 扉越しに安堵して恭しく頭を下げる少女に徹雄は息苦しさを感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 バスローブを脱がすと、リーリンの健康的な肌が露になる。

 まだ成長途中の少女らしい肌。

 徹雄は緊張をほぐすさせようと首筋からキスをしたりする。

 胸を揉むと体が強ばったが、太腿も撫で続けると次第に固さが取れてくる。

 

「ん……あ、やっ……」

 

 リーリンが小さく声を出すが、構わず愛撫を続ける。

 何度も丹念に肉と緊張をほぐす。

 サーシャは、部屋を出るわけにもいかずにそれを顔を赤くして手で覆いながらも見ていた。

 

「つっ……あっ!?」

 

 乳首を舐めながら陰口に軽く触れるとリーリンは羞恥から指を噛んだ。

 まだ僅かだが陰部から滴りが出来ている。

 感じ始めていることに安堵しつつ、愛撫を続ける。

 リーリンの方も近くにいるサーシャに気を取られてチラチラと見ていて、集中が途切れているので接吻をして口を塞いだ。

 

「ん、んんっ!!」

 

 唇を押し付けるだけのキスを細かく続ける。

 次第に舌を通させ、口内を犯す。

 顔を離すと唾液で糸を引いた。

 胸を揉み、腰を太腿を撫でて、性交に意識を向かせる。

 何度もそれをらを繰り返してる内に、リーリンは惚けたような表情になり、陰部も濡れてきた。

 

「そろそろ、入れるぞ。脚開いて、なるべく力抜け」

 

「は、い……」

 

 キツく目を閉じてリーリンはゆっくりと脚を開く。

 なるべく早く終わらせようと徹雄は仰向けになっているリーリンの腰を掴んで陰部にペニスを当てた。

 そこから膣内の様子をペニスの感触とこれまでの経験からなるべく痛みを与えないように押し進む。

 進めるところまで進むと一度腰を引いてまた奥へと続く。

 

「あんっ!? あぁ、んっ……!」

 

 そんな風にゆっくりとピストンを続けていくと、リーリンの声に段々と艶っぽくなっていったこともあり、射精感が高まって一気に精液を注ぎ込んだ。

 

「んっ!?」

 

 白濁液を注ぎ終えてペニスを引き抜く、呼吸で胸が動いていた。

 最後まで2人の性交を見ていたサーシャは、顔を赤くしたままに座り込んでいる。

 

「サーシャだっけ? リーリンから、今回抱くのは彼女だけにしてくれって言われてるから、お前は────」

 

 言い終わる前に、サーシャは徹雄の腕を掴んでふるふると首を横に振る。

 

「ちょっとサーシャ!」

 

「リーリンだけ辛い思いをさせる訳にはいきませんから」

 

 掴んでいる手は震えていた。

 

「……わかった」

 

 心の内でリーリンに詫びながら、サーシャを膝に座らせて、バスローブを解くと後ろから胸を揉む。

 年齢よりも豊満な胸に触れると顔を林檎のように赤くなるが、構わずに後ろから愛撫を続けた。

 股の部分に触れると既に濡れているのが分かる。

 

「あっちの娘とヤッてるのを見て興奮したのか?」

 

 徹雄がそう問うと、あわあわと口を動かして泣きそうな顔になる。

 あまりからかうのもかわいそうなのでそれ以上追求せずに耳を甘噛みする。

 

「んっ……!」

 

 そんな透き通った少女らしい声が漏れた。

 しばらく愛撫を続けて、濡らすことに専念する。

 

「あっ……つぅ、ん……っ!」

 

 膣内を慣らすために少しずつ指を挿入する。

 サーシャの肉壁は固く閉じていて、中々に苦労したが、どうにか中指を入るくらいまで馴染ませる。

 

(大丈夫、か?)

 

 リーリンよりも些か狭い膣穴。

 指に付いた愛液を舐めて僅かな不安を覚えるも、このまま挿入することにした。

 

「そのまま脚を広げて腰を浮かせろ。後は、こっちでどうにかする」

 

「は、はい……っ!?」

 

 僅かに浮いた腰から手で肉棒の狙いをサーシャの陰口に定めながら掴んでいる腰をゆっくりと落とす。

 緊張と恐怖からか、亀頭と陰口が触れ合うと、震えていたサーシャの目から涙が一筋だけ流れるのが見えた。

 

「……────」

 

 謝罪の言葉を口にしようとして止める。

 それは勇気を振り絞った少女への侮辱だから。

 下からサーシャの膣中へと突き立てる。

 

「い……あ……っ」

 

「辛かったら声出せ。ちっとは楽になるだろ」

 

 徹雄の指示に、サーシャは小さく首を横に振る。

 

「強い子だ」

 

 サーシャを気遣いながら奥へと肉棒を進ませる。

 破瓜の血が竿に伝い落ちるが、構わず最後まで貫いた。

 後ろから抱き締める体勢で少しずつ動きながら射精を自ら促す。

 

「いっ……あつっ……!?」

 

 終始痛そうな様子のサーシャ。

 徹雄は向きを変えて、サーシャの上半身をリーリンの体に落とした。

 

「きゃっ!」

 

 小さな声を出してサーシャを受け止めるリーリン。

 倒れたサーシャの尻を掴んで先程より少しだけ荒々しくピストンを繰り返す。

 きつく目蓋を閉じたまま、サーシャがリーリンの手を握った。

 

「だい、丈夫、だから……私も、リーリンと一緒に……!」

 

 健気にそんなことを言うサーシャ。

 

(これ、どう見ても俺が悪者じゃね? いや、知ってたけど……)

 

 リーリンもその手をぎゅっと握っている。

 その間に動いていた腰。痛いくらいに締め付けていた肉壁の刺激から再び射精しそうになる。

 

「おい、射精すからな……っ!」

 

「っ~~~~!?」

 

 結局彼女は最後まで声を上げることはないままに、飛び出した白濁液を全て受け止めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 眠っている2人の少女を残して、徹雄はボーッとした顔で歩いていると、アリサと出会した。

 

「なんて間抜けな表情(かお)してるのよ……」

 

「賢者タイム」

 

 天井に向かって大きく息を吐く徹雄にアリサが2人の今後を説明する。

 

「あの2人も準備が出来次第こっちに来て貰うわ。今夜だけじゃ妊娠したか分からないし、アンタを一ヶ所に留めておくのは危険だから」

 

「まぁ、そうなるよなー」

 

 大して回らない頭を動かして何とかそう返事する。

 というか、何も考えたくない。

 そんな徹雄の背中をバンバン叩く。

 

「ほら! シャキッとしなさい! 少し休んだらノマさんのところに挨拶に行くんだから!」

 

「うん……」

 

 このまま種馬生活を続けて本当に大丈夫なのか。そんな漠然とした不安を抱えながらも首をゴキゴキと鳴らす。

 

未来(さき)の事なんて考えても分からねぇんだ。とにかく今は、自分にやれる事を、てな)

 

 とにかく今は今後の事を先程抱いた少女2人に話そうと、来た道を戻った。

 

 

 

 




本当はお気に入り3000人突破記念のつもりだったけど、話数ご丁度20話の上に一周年記念も重ねて10月10日までに次話を投稿出来たらと思ってます。


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フェイト・テスタロッサ(リリカルなのは)その1・風林寺美羽(ケンイチ)その1

はい、遅れてすみませんでした。どうにか土日にも投稿できず今更やっと出せました。

待っててくれた方がいらしたら本当にお待たせしました。


「もう暗いし、家に帰れよ、危ねぇなぁ」

 

 もう、夕暮れの空に駄菓子屋の前に置いてあるガチャポンの前で未練がましそうに突っ立っている小学生の女の子に、中学生くらいのジャージ姿の男の子が話しかけた。

 女の子の手にはお手乗りサイズながら、精巧に作られた熊のフィギュアがある。

 

「なけなしのおこづかいでしたのにー」

 

 どうやら、最後のお金で回したガチャは欲しい物ではなかったらしい。

 

「何が欲しかったんだ? お嬢ちゃん」

 

 女の子が猫のフィギュアを指差した。

 すると、男の子がポケットから小銭を取り出し、ガチャを回した。

 コロンと丸いカプセルが落ちた。

 カプセルの中に入ったままでもフィギュアの確認は出来、中には猫のフィギュアが入っていた。

 

「あ……」

 

 羨ましそうに見る女の子。

 男の子はカプセルを手に取ると、女の子の手に落とした。

 

「え?」

 

「やるよ。俺の欲しいもんじゃなかったから」

 

「で、でも!」

 

 カプセルを渡されて戸惑う女の子に男の子はそれじゃあ、と女の子が当てた熊のフィギュアを取る。

 

「交換な。俺、熊好きなんだよ。デカくて強いから!」

 

 小学生みたいに、ニッと笑う男の子に、女の子は猫のカプセルを大事そうに抱えた。

 

「あ、ありがとうございます!」

 

 頭を下げる女の子に、男の子はおう、と立ち上がった。

 

「もう帰れよ。親が心配すっからなっ!」

 

 そう言って手をヒラヒラさせて去っていく。

 

 女の子はただ大事そうにそのカプセルを小さな手で包んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーい、こっちの荷物はここでいいのかー?」

 

 アリサが所有する孤島に移動して住み始めた頃。運び込まれた荷物を移動させている朝比奈徹雄。

 次々と荷物を運んでいく徹雄にアリサが頷く。

 

「やっぱり、男手があると良いわね。博士はあんまり体力ないし」

 

「だろ? 世話になるんだ、力仕事は任せろ。つーか、それしか出来ねぇ」

 

「えぇ。でも! 謙遜することはないわよ? アンタには、色々と期待してるから」

 

「……その色々が不安なんだがなぁ」

 

 何か企んでそうなアリサの笑みに背筋が寒くなりそうな感覚を覚えたが、無視する事にした。

 

「でも、よくそんなに重い物が楽々と持てるわね。それ、片方30㎏以上有るんだけど」

 

「鍛え方が違ぇよ」

 

 ふふんと自慢気に笑みを浮かべる徹雄にアリサは、鬱陶しげに目を細める。

 

「それにしても、建ってる家は高級マンションみたいなのに住む奴は少ないな」

 

「大まかには機械に管理を任せてるのよ。多分、住む人間はこれから増えると思うわ。すずかたちも戻って来るだろうし」

 

「なるほど?」

 

「理解してないでしょう、アンタ……」

 

「さ! 荷物運ばねぇとなー!」

 

「せめて答えなさいよ!」

 

 せっせと荷物を運ぶ徹雄をアリサが脛を蹴った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 荷物を運び終えて適当な椅子に腰を下ろしていると、フェイトが、冷たい麦茶を差し出してくれた。

 

「お疲れ様」

 

「サンキュー」

 

 出された麦茶を一息で飲む干す。

 

「次は泡が出る方の麦茶よろしく」

 

「まだお昼だよ。おかわりいる?」

 

「貰う」

 

 麦茶の入った容器からコップに注がれると、今度は半分だけ飲んだ。

 すると、ジーッとフェイトの方を見た。

 

「なに? おかわり?」

 

「いや、違う。アリサもそうだけど、美人になったよなって思ってな。他のなのはとかも、やっぱり綺麗になってるのか?」

 

 なのは、と名前を呼ぶと、フェイトの表情がパァと明るくなる。

 

「うん! 昔からなのはは可愛かったけど高校生になった辺りからドンドン美人になっていってね!」

 

 なのはの事だけを聞いたわけではないのだが、フェイトは訊いてもない幼馴染みである高町なのはのエピソードまで話し始めた。

 

(そういや昔、フェイトとなのはが同性愛者だって噂があったが……こういうところで誤解されるんだろうなぁ……)

 

 よく2人一緒に居てベタベタしてたのを思い出して話し半分に聞いている。

 話がある一区切り付いた頃に、フェイトが話題を変えた。

 

「ねぇ徹雄、覚えてる?」

 

「せめてなんの事か言ってくんね?」

 

「ほら昔、皆で未成年の皆だけでキャンプに行った時の事」

 

 フェイトの言葉から記憶を検索し、思い出して口から声が漏れた。

 

「昔、クロノとエイミイに誘われて行ったアレか。人手が足りないからって誘われたやつか」

 

 確か、フェイト達が中学に上がり、未成年だけで冬休みにキャンプへ行ったのだ。

 その時に、運転手兼肉体労働役として誘われた。

 

「うん。それで、急な斜面に転げ落ちそうになったのを覚えてる?」

 

「そうだったか?」

 

「もう!」

 

 覚えてないと言う徹雄にフェイトは拗ねたように軽くつねる。

 髪を結っていたリボンが解けてしまい、風で流されたのを掴もうとして足を滑らせたのだ。

 

「すぐに助けてくれたよね、徹雄は。リボンも取ってくれたし」

 

「流石にちょっと驚いたけどな、あの時は」

 

 咄嗟に体が動いてフェイトの体を支えた。

 

「クロノも徹雄も、何だかんだで私達が危なくないように見ててくれてたね」

 

「年上なんてそんなもんだろ」

 

 上の人間が下の人間の面倒を見るのは当然。徹雄の場合は、ふざけすぎて自分からトラブルの種になることもしばしばだが。

 

 何か口を開きかけたフェイトだが、そこで美羽が呼びに来る。

 

「すみません、朝比奈さん、更識さんが呼んでいますわ」

 

「更識が? まだなんか運ぶもんあんのか?」

 

「さぁ? そこまでは……」

 

「ま、行きゃあ分かるか。フェイト、麦茶、ごちそうさん」

 

「あ、うん」

 

 移動する徹雄の後を美羽がついてくる。

 

「フェイトさんと、どんなお話を?」

 

「ただの昔話」

 

 簡潔に答える徹雄だが、昔話、と言われて美羽がコクコクと首を動かす。

 

「あの、朝比奈さん。これを覚えていますか?」

 

 美羽が取り出したの、猫のフィギュアが入ったカプセルガチャだった。

 徹雄は首を傾げた。

 

「落とし物か? 生憎と俺のじゃないぞ」

 

「そう、ですか……」

 

 そう言い放つ徹雄に美羽は残念そうにカプセルを引っ込めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「更識の奴、遠慮無さすぎだろ。香月までついでにコキ使いやがって、ったく……」

 

 雑用を片付けた徹雄は大浴場の脱衣室で服を脱いでいた。

 肉体労働で動き回って掻いた汗を流すために大浴場に来ていた。

 

 拠点に使ってるこの施設は、大浴場が1つだけ存在する。

 基本誰が使ってもよく、徹雄も今初めて入った。

 ここに居るのは基本女性ばかりで、男性は朝比奈徹雄とジェイル・スカリエッティのみだ。

 スカリエッティは自室にあるシャワーで済ませるので、これまで男が大浴場を使うことはなかった。

 つまりは、というと、大浴場が男女で顔合わせする事態が起こるわけで。

 

「……」

 

 大浴場の扉を開けるとそこには金髪のナイスバディな美女が2人。

 フェイト・テスタロッサと風林寺美羽である。

 2人は入ってきた徹雄に固まりつつも、胸を腕で隠す。

 

 

 Q:次の行動を選択しなさい。

 

 1:間違えましたと謝罪して速やかに出ていく。

 

 2:汗で気持ち悪いので女2人を追い出してから汗を流す。

 

 3:何食わぬ顔で平然と混ざり、大浴場を使用する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 A:3の何食わぬ顔で平然と混ざり、大浴場を使用する。

 

「ふー」

 

「って、なんで普通に入ってきますの!?」

 

 端っ子にあるシャワーを使用し始める徹雄に美羽が驚きから声を上げた。

 

「汗掻いてんだよ。俺のことは物置の銅像とでも思って、お前達も普通に入浴を楽しめ」

 

「言ってること無茶苦茶だよ!?」

 

 フェイトの言葉など耳を貸さずに徹雄はあー、キモチいい、と言いながらシャワーを浴びる徹雄に別の意味でショックを受ける。

 

「……ねぇ。裸とか見られてそんな風に平然とされるとそれはそれで傷付くんだけど」

 

「人を不能みたいに言うんじゃねぇよ。ちゃんと勃起してるっての。見るか?」

 

「セクハラですわ!?」

 

 徹雄が2人の美女の裸を見て平然としてるのは、単に慣れである。

 目が覚めてから毎日のように女の裸を見てセックスしていた。

 その影響で女の裸を見たくらいなら今更表情に出すことはない。

 

 簡単に体を洗うと浴槽の端を陣取って腕を広げて力を抜くように声を出して天井を視線を向けた。

 

「いつまで固まってんだよ? 風邪引くぞ」

 

「それを朝比奈さんが言います!?」

 

 出るかどうするか迷っている2人に徹雄は小さく息を吐いて浴槽から出る。

 あぁ、上がるのかと2人がホッとしていると、早足で近づき、フェイトと美羽を脇と肩に抱えだした。

 

「ちょっ!? 徹雄!?」

 

「朝比奈さんっ!?」

 

 そのまま2人を浴槽に投げ込む(※危険ですので絶対に真似しないでください)と、再び自分も浸かり直した。

 

「何しますの!?」

 

「あのまま出ていかれたら俺が追い出したみてぇだろうが」

 

 縁に背を預けながらオッサン臭い声を出して寛ぐ徹雄に、フェイトが眉間に皺を寄せた。

 

「そういう遠慮が皆無なところ、本当に変わってないよね……!」

 

「人間、そう簡単に変わらねっての」

 

 悪びれる様子のない徹雄に2人はジト目を向けるがどこ吹く風、よりも質の悪い事を言い始める。

 

「なんだよ? そんな熱い視線を向けてきて。こっち来たいなら来ても良いんだぞ?」

 

「どうしてそうなるんですの……」

 

「遠慮すんな」

 

「してないよ……」

 

 呆れて言葉もない2人に徹雄は少し考えた後に近づいてくる

 

「な、何でこっちくる────ん?」

 

 驚くと同時に美羽は鼻を刺激する臭いに、んっ? と目を見開く。

 

「朝比奈さん、もしかしてお酒飲んでます?」

 

「え!?」

 

「んー? のんでねぇよ?」

 

 驚くフェイトに、徹雄は首をかしげている。

 ちなみに今は夕方で、酒を飲むには少し早い。

 そういえば、ここに入ってきた時も顔が少し赤かった気がする。

 実はここにくる前に、香月夕呼から酒を渡されて飲んでいた。

 量自体は大した事がないのだが、風呂に入ったことで一気にアルコールが回り始めたらしい。

 

「細かいことは気にすんなよ」

 

「え? ちょっと、ですわ!」

 -

 美羽の腰に手を回してきた。

 

「なんか、金髪美女2人見てムラムラしてきた……やらして?」

 

「最低な誘い文句ですわ!?」

 

 にへらー、と笑い縁の上に美羽を押し倒し始める。

 本気、と問う前に、徹雄がその唇を塞いだ。

 

「んー! んー!」

 

 強張っている身体。

 押さえている片腕を外して胸を揉み始める。

 恥ずかしそうに美羽は身を捩るが、徹雄は逃がさない。

 男性器が女性器に当たり、擦れたいることも羞恥を煽っている原因だろう。

 弾力のある巨乳を楽しみつつ、口を離すと湯に浸かったのとは違う熱が顔に浮かんでいた。

 

「朝ひな、さん……これ以上は……ひゃう!?」

 

 胸を弄っていた手を下に移動させて陰部の膣内に指を入れる。

 

「狭いな……」

 

「いい加減に────んっ!?」

 

 首筋に舌を這わせ、美羽を翻弄する。そこで、先程から顔を赤くして固まっているフェイトの方を見る。

 

「なにボケッとしてんだ。お前もこっち来いよ」

 

「えぇっ!?」

 

 手招きされて後退るが徹雄が手を引っ張ってフェイトの体をくるりと回すと、後ろから左右の胸を揉む。

 

「ちょっと! やめてよ! それに、お尻に徹雄のが、当たって……!」

 

「ははは! 当ててんだよ。つーか、フェイトの胸、気持ち良いなぁ」

 

「しみじみと言わな────んんっ! 耳舐めないで!?」

 

「お、これ弱い? 力抜けてんぞ」

 

 執拗にフェイトの耳を胸と共に責める。

 少し力を入れるだけで包むように指が埋まるのに、すぐに元の形に戻る乳房。徹雄の愛撫でツンと勃つ乳首。

 フェイト自身敏感なのか、感じているのは明白だった。

 

 美羽の体にも触れていた所為で、既に限界まで肉棒が猛っている。

 

「わり、フェイト。そろそろ……」

 

「ほ、本気! こんな状況で!」

 

「大丈夫。最近は処女(はじめて)の女を結構相手にしてたし、出来るだけ痛くないようにするから」

 

「最低だね……!」

 

 ジト目を向けてくるフェイトだが、今の徹雄がそんな事を気にする訳もなく、位置を変え、正面から向き直る。

 左手でがっしりとフェイトを抱き締めて、右腕で片足を上げさせると、そのまま肉棒をフェイトの膣内にゆっくりと挿入する。

 

「んっ……!」

 

 目を閉じながら首を左右に振るが、フェイトは倒れない為に徹雄の首に腕を回して密着している。

 胸板に乳房が当たり、動くたびに柔らかな肉が擦れてくる感触が心地いい。

 膣内の肉壁は肉棒をうねるように絡み付き、あらゆる角度から締め付けてくる。

 それはとても初めてとは────。

 

「もしかして、お前、彼氏とか、いたか?」

 

「……別に。昔の事だよ。ウイルス件が起こる前に別れたし」

 

「あ、そ」

 

 思い出したくないと言わんばかりの態度に徹雄はそれ以上聞くのを止めた。

 それより、今はもっと楽しまないと、だ。

 

「んあ! いきなり、激しく動かないでよ!」

 

「いいからいいからお前も、楽しめ」

 

「楽しんでるのは、徹雄だけ、でしょ……!」

 

 背中に回した腕を動かして尻の肉を揉みながら。不意に、フェイトの膣内がキツく締まり、肉棒の良い部分を刺激してきた。

 

「おっ」

 

 小さな声を出すと同時に白濁液をフェイトの膣内へと放つ。

 繋がっている性器を抜くと、膣内から2人の体液が落ちた。

 フェイトをゆっくりと座らせると、美羽の方に近づく。

 

「それじゃあ、さっきの続きしようぜー」

 

「え、え、えぇ!?」

 

 今フェイトとやったばかりなのに、こっちも手を出そうとする徹雄に美羽は頭がついてこない。

 

「まだ足んねぇ」

 

 再びそのまま美羽の陰部を指で弄りながら胸を吸う。

 乳首を舌で転がし、陰核を優しく擦ると、明らかに感じる反応が帰ってきた。

 それを確認して徹雄は美羽の陰口に亀頭を当てる。

 

「あ……」

 

「いくぞ。力、出来るだけ抜いて」

 

 縁の上に寝かせて互いの手の平を重ねると、徹雄は肉棒を美羽の膣内へと押し進める。

 

「い、あ……」

 

 鍛えているだけあり、美羽の膣内は思った以上に狭かった。

 暴力的なまでに締め付けてくる肉から与えられる快感は凄まじく、気を抜けばすぐに射精しそうだった。

 子宮を目指して少しずつ進む肉棒。その間、徹雄は執拗に乳房に顔を埋めて愛撫する。

 腰を小刻みに動かして肉棒が全て受け入れられると美羽が吐息を漏らした。

 

「あ、ん……」

 

 膣内を肉棒で撫でるようなペースで動かし、少しずつ慣らしていく。

 

「朝、ひな……さん……!」

 

 掠れた声で自分を呼ぶ美羽に興奮してつい強腰を打ち付けると美羽の背が跳ねた。

 

「あんっ! あ、あぁ……!?」

 

 段々と艶のある声で鳴く美羽。

 スローペースで動き、自分で焦らす形になっていた徹雄は高まった性欲をぶつけるように突くと同時に精液を膣内へと注入した。

 

「ふぅ! あ、あぁあああっ!?」

 

 最後まで精液を受け止めて呆けた表情をする美羽。

 徹雄が褒めるように優しい顔で撫でられた頭。

 その感触は思ったよりも温かかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「広いお風呂って良いよね!」

 

「そうだね、木綿季ちゃん」

 

「簪ちゃ~ん。久々に背中流してあげようか?」

 

「……いい。何かされそうで怖いから」

 

 木綿季、赤緒、楯無、簪が浴場に訪れていた。

 戸を開けるとそこには奇妙な光景が目に入る。

 

「いや、なんか酔ってたみたいで。こんな強姦(レイプ)みたいな真似してすみません。腰を振るしか脳のない猿で申し訳ない」

 

 こしにバスタオルを巻いた徹雄が正座されており、着替え終えているフェイトと美羽に青筋を立てた笑みを浮かべて見下ろされている。

 

 その光景に4人はただただ頭に? を浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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更識楯無(IS)その5

 初めて彼と会って話をした時に思ったのは、扱いやすそうな単純な男、だった。

 実際接してみると単純ではあるが、扱いやすいなんて思った事を後悔する。

 私が担当になった男は、とにかくワガママで体が大きな子供だった。

 彼に振り回されて何度上から怒られたことか。

 その上いじめっ子的な性格で、事ある事にいじられた。

 でも、そんな彼の気安さにだんだんと肩肘張るのが馬鹿馬鹿しくなって素で話すようになっていた。

 毎日接している内に気を使ってくれてる時とかが分かったり。

 抱かれてるときに、変に遠慮しないのはそれだけ心を許してくれてるのだと感じると嬉しいと思ってしまう。

 それに、何だかんだで最後には優しい顔を見ると多少激しくされても許してしまうのだ

 ボクシングに関してはひたすらにストイックで、もうボクサーでも無いのに練習は欠かさない生真面目さとかが、格好いいと思ったり。

 それから。

 それから────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい。検査が終わりましたよ、朝比奈さん」

 

「うーい……」

 

 千鶴に言われて徹雄は検査台から起き上がる。

 適当な返事を返して伸びをすると軽く体を動かす。

 ボキボキと首を鳴らすと宮野志保が出てきたデータを見ながら眉をしかめる。

 

「相変わらず身体機能がバカみたいな数値を叩き出すわね。ねぇ、貴方本当に普通の人間? 実は何か弄られた改造人間とかじゃないの?」

 

「失礼だな、宮野先生は。日頃のトレーニングの賜物だよ」

 

「……スポーツ医学を無視してるのよ、貴方は」

 

 出されたデータを眺めながら徹雄をエイリアンでも見るような視線を向ける。

 肩を竦めると着替え室に行き、私服に着替えると適当に歩く。

 この島、元はレジャー施設として手を加えられていただけあり、歩いててもそれなりに楽しい。

 

 ブラブラとホテルを改装した室内を歩いていると、扉が解放されたちょっと広めのレクリエーションルームでは、数日前からここで暮らしている外国人の少女2人、リーリンとサーシャ。それと、風見一姫だった。

 

「何してんだ?」

 

 気になって話しかけると、何故か女性用のスーツに眼鏡をかけた一姫がこちらを向いて話す。

 

「日本語の勉強よ。ほら、ここって基本日本人ばかりじゃない? 例の翻訳機も全員分有る訳じゃないし。だからこうして、教師役をしているの。彼女達から申し出もあってね。意志疎通がままならないとストレスも溜まるでしょ?」

 

「へ~なるほど」

 

 感心した様子で鉄雄は顎を撫でる。

 するといきなり一姫の両脇を掴んで持ち上げる。

 

「えらいなー。感心感心」

 

「フンッ!」

 

 それに一姫は脇腹に蹴りを入れたが効いたようすはなく、舌打ちをする。

 何事も無かったように一姫を下ろすとリーリンとサーシャが唖然としている。

 翻訳機のスイッチを入れて2人に手を振る。

 

「じゃ、がんばれよ~」

 

 これ以上邪魔になるのも悪いので早々に退散する事にした。

 それから島を適当に散策し、会う相手を冷やかしながらあっちこっちに現れる。

 最終的に大きな木陰の下でごろんと寝転がる。

 

「あ~いい天気~」

 

 大きく口を開けてうたた寝していると、影に覆われた。

 

「ずいぶんとのびのびしてるわね~」

 

 閉じた扇子を口元に当てながら寝ている徹雄を上から見下ろしてくる。

 その眼は明らかに不機嫌そうだ。

 

「……何だよ。別にいいだろ? ここ、いい感じに暑さを避けられて寝やすいんだよ」

 

 ごろんと横向けになる徹雄。

 その姿に呆れながらも送られてきた報告を聞かせる。

 

「水原玲人様が日本を脱出したらしいわ?」

 

「……そっか、玲人が」

 

 安心したように徹雄は体を起こして息を吐く。

 

「周防さん。玲人の担当だったあの人も一緒か?」

 

「彼女は日本に残ったらしいわ」

 

「そっか……」

 

 どのような経緯で玲人が日本を出たのかは知らないが、彼の望む物が手に入れば良いと思う。

 

(もしかして、彼女さんと連絡が取れたのか?)

 

 どちらにせよ、その内連絡が取れて情報を共有したいなと思う。

 楯無の方も同意見なのか、動向を調べているらしい。

 

「……」

 

「何?」

 

「いや。俺の担当が更識で良かったなーって思ってな」

 

「はぁ?」

 

 突然の褒め言葉に楯無は目を丸くした。

 

「本心だぞ。お前と一緒だと気が楽だし。色々と融通してくれたし。話すのも楽しいしな」

 

「……こっちは、色々と大変だったわよ。貴方のせいで何度上から怒られたか」

 

「悪かったな……」

 

 苦笑して肩を竦める徹雄。

 楯無はでも、と続ける。

 

「少なくとも、退屈はしなかったわ」

 

 そう、笑った。

 手のかかる男だが、それでもその気安さが心地好いといつの間にか感じていた。

 仕事とは別の感情で目を追い、一緒の時間を大切にしていた。

 だから────。

 

「えぇ。私も、貴方の担当で良かった」

 

 嘘偽りなく告げた。

 そこから笑みが変わる。

 

「と・こ・ろ・で。最近構ってくれなくて淋しいんだけど?」

 

「なんだよ。溜まってんか? 今晩ヤるか?」

 

「あはは。もうちょっとオブラートに包みなさいよね?」

 

「そんなもん俺に期待すんな」

 

 そう。こんな会話も楽しいのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「つっ! ちょっと、痛いわよ」

 

「あ、悪い。久しぶりだから、ちょっと加減が分からなかった。それにしても相変わらずいい身体してんなぁ」

 

「それセクハラ……ん!」

 

「この状況でセクハラもクソもあるか」

 

 胸を揉んでいた力を緩めて舌を這わせる。

 

「んっ……!」

 

 程好く鍛えられた女の肢体が身動ぎする。

 上気する頬、潤んだ瞳。汗の匂い。

 それらを気の許した美女からの反応なら、興奮しない男がいるだろうか? 

 腕がまだ濡れてない股の方に移動し、陰核に触れる。

 ビクン、と足の指が曲がり、楯無の手が徹雄の脇から背中に回される。

 

(あ……この感触、何か安心する……)

 

 闘うために鍛えられた筋肉。

 剛と柔を合わせた肉体。

 彼なら自分を傷つけないという信頼もあって、安心して身体を預けることができる。

 

(と、言っても、このままされっぱなしなのも性に合わないのよね)

 

「おい」

 

 自分の身体をまさぐり、愛撫していた徹雄の手から逃れるように動き、ベッドの中で上半身と下半身の位置を入れ換える。

 下から徹雄の肉棒を咥えてフェラを始めた。

 

「ん! んぐっ……」

 

 咥えた肉棒の先を唇で挟み、割れ目に舌を入れるように舐める。

 

「ほれ、しゅきへほー?」

 

 咥えたまま話すとその口内の動きで刺激が伝わってきた。

 

「やろっ」

 

 徹雄も楯無の陰口に指を入れ、太腿を舐める。

 その愛撫に楯無が一瞬硬くなったが、すぐに力を抜いて身を委ねた。

 

 互いに愛し合うための行為の筈なのに勝負しているような感覚が少し可笑しかった。

 

「んんっ……レロ……んーっ!」

 

 手と口で肉棒を愛撫されている間、徹雄も楯無の陰部を弄る。

 膣内を指で弄りつつ陰核を撫でると、先に達したのは楯無の方だった。

 

「あ、ん……っ!?」

 

 膣内からボコッと愛液が垂れる。

 それを見て我慢できなくなった徹雄は再び向き合う体勢に戻る。

 

「更識。もういいよな? 入れるぞ」

 

 自分の肉棒を持って楯無の膣内へと入れようとするが、楯無の方は股を拒絶するように閉ざしている。

 その行動に徹雄は苛立たしげな声を出す

 

「おい」

 

「かたな……」

 

「あん?」

 

 いきなり訳の分からない事を呟く楯無に徹雄は訝しむ。

 

「刀奈は私の本当の名前。楯無は更識の当主としての名前なの。だから、今はそっちで呼んで」

 

 なにかにすがるように見つめてくる。

 

「刀奈……入れて良いか?」

 

「うん……きて……」

 

 首に手を回す刀奈に合わせて徹雄も楯無の膣内へと肉棒を押し込む。

 

「ふっ……あぁ……っ!?」

 

 甘い喘ぎ声が耳元から聞こえる。

 

「やっぱ、お前の膣内いいな……刀奈。キュッと締まって、俺のを気持ち良くさせてさせようと動いてくれる」

 

「褒めたって、なんにも出ないわよ……はぁっ!?」

 

 奥まで突かれて大きな声が出る。

 抱き合ったまま刀奈な体を起こし、繋がったまま膝に乗せて突き上げる。

 

「前から思ってたけど、お前、本当に良い女だな……っ!」

 

「ちょ! なによいきなり……」

 

「別に。ただ、お前の本当の名前も教えて貰ったし? 俺の方もなんか言わねぇと不公平だろ、刀奈」

 

「────」

 

 互いに抱き合い、腰を動かしてひたすら快楽に没頭する。

 徹雄は何度も刀奈の名を呼び、その度に膣内が締まり、肉棒を色んな角度から刺激し続ける。

 

「刀奈、射精するぞ……!」

 

「はい……」

 

 何故かしおらしい返事で目を閉じる刀奈。

 ドク、ドク、と肉棒が脈打ち、大量の精液が刀奈の子宮を目指して射精し、膣内から溢れる。

 疲れたように息を吐いて徹雄の胸板に顔を預ける。

 

「どうせまだシ足りないんでしょう? うん。私も、これくらいじゃ満足出来ない身体にされちゃったし。責任取ってもらわなくちゃ」

 

「分かってるじゃねぇか」

 

 体位を変えて徹雄は刀奈の体を再び貪り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日。

 楯無は妹の簪と話していると通路の向こうから徹雄がやって来た。

 

「おーい、刀奈。更識妹も」

 

 呼ばれて簪は驚いたように目を見開き、楯無は早足で徹雄の元まで移動すると思いっきり頬をつねってきた。

 

「にゃひふんやよ」

 

 手を放させると楯無が青筋を立てた笑みを向ける。

 

「その名前で呼ばないでくれる? 呼んでいいのは────」

 

「セックスの時だけか? 面倒くせぇ。妹の方もいんだし。別にいいだろ」

 

 そんな言い合いをしていると目を丸くした簪が質問してきた。

 

「お姉ちゃん、朝比奈さんに真名を教えたの?」

 

「え、えぇ。そうよ。ほら、色々と、ね……」

 

「ふーん」

 

 視線を反らして弁明する楯無に、簪が意味ありげな顔で返事をする。

 

「ねぇ、簪ちゃん。その分かった分かったみたいな顔やめて! と、特に意味とか無いから!」

 

「うんうん。そういう事にしておくね、お姉ちゃん」

 

「簪ちゃんってば! 話を聞いて!?」

 

 去っていく簪を追いかける楯無。

 追いつく前にあっかんべ、と舌を出す。

 徹雄は欠伸をして頭を掻いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回から楯無のサブタイトルは刀奈に変更します。


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結城明日奈(SAO)その2

 アリサ・バニングスが所有しているこの島は中途半端に手が加えられており、自然の多い土地だ。

 うっかり整備していない場所に踏み込もう物なら遭難する危険もある。

 

 つまり────。

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは、昨日の夜から行方不明な朝比奈徹雄(バカ)の捜索協力をお願いします。あの愚者(バカ)みたいに遭難しないようにくれぐれも注意事項を守ってください。目的の迷子(バカ)を見つけたら専用の連絡機でお知らせ願います」

 

 笑顔でバカと連呼する楯無。

 額に青筋が浮いている事から相当ご立腹らしい。

 学校のレクリエーションのようなノリだがわりと洒落にならない事態である。

 徹雄が行方不明になったのは、香月夕呼。宮野志保。ジェイル・スカリエッティの3人が怪しげな実験を行おうとしたのを察して逃げたのだ。

 最初は隠れていてもすぐ出てくるだろうと予測されたが、それはあっさりと裏切られ、森の方に入って行ったのをカメラで確認したのが1時間程前だ。

 気が緩んでいた上に、まさか迷いやすい森の中へと入っていくとは思わず、遭難していると気付くのに遅れた。

 その他にもやらなければならない事があったのも事実だ。

 楯無が持っている拡声器を夕呼が取る。

 

「アレは害虫《ゴキブリ》もドン引きするくらいしぶといから、自分の安全を最優先でいいわよ~。危険のない範囲で捜索よろしく」

 

 まったく心配している様子の無い夕呼に集まった面々はどう反応したら良いのか分からない様子。

 とにかく突然朝比奈徹雄の捜索が開始された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 明日奈は森の中を1人で散策していた。

 迷っても大丈夫なように、居残り組が位置を把握出来るように発信器と島の中でのみ使える連絡機が持たされている。

 

「何処に行ったのかなぁ、朝比奈さん……」

 

 夕呼などは大して心配していないようだが、やはり行方不明と聞けば不安になる。

 

「ユウキ達も心配してたし……」

 

 そんな事を思いながらちかくの川に近づく。

 

「水、綺麗……魚がいるのね」

 

 そこそこの深さがある川を泳いでいる魚を眺めながら明日奈は今の自分の状況を思う。

 何か不満があるとか、嫌な思いをしているとかいう話ではない。

 自分がどうして木綿季に連れられてここに居るのか、ということに不安があるのだ。

 そして、朝比奈徹雄に関してもどう思っているのか。

 嫌いな訳ではない。話していて面白い人だと思うし、悪い人でもない。

 ただあの時、なし崩しに身体を重ねたことにかつての想い人に対して後ろめたさが付きまとうのだ。

 

「今の私を見たら、どう思うかな? ────君」

 

 昔隣に居た誰かの名前を呼ぶ明日奈。

 そんな風に1人考え事をしていると、泳いでいる魚を何かが掴む。

 

「え?」

 

 すると、何かが水の音を鳴らして川から出てきた。

 

「キャッ!?」

 

 小さい声で尻餅をつくと、起き上がった何か────全裸の朝比奈徹雄は明日奈のいる地面の反対側に上がる。

 

「うっし! 昼飯ゲットォッ!」

 

 そう言って両手に持っている魚を手造りの小さな池へ放り込んだ。

 ふー、と息を吐いて岩に座っている何かしている徹雄に明日奈は恐る恐る話しかけた。

 

「あ、朝比奈さん……」

 

 その声にようやく明日奈の存在に気付いたのか、髪を掻き上げながら振り向いてくる。

 

「あ? 結城さん? どした、こんなところで? 釣り? なら別のところ行った方が良いぞ。ここら辺は俺が暴れたから釣れないぞ」

 

 見当違いの事を言ってくる徹雄に明日奈は立ち上がって反論する。というか、よく見ると向こう側に徹雄の衣服が脱ぎ散らかされていた。

 

「違います! 朝比奈さんを探しに来たんです! っていうか何してるんですか!?」

 

「何って、昼飯の準備」

 

 集めておいた枝や落ち葉などにライターで火を点けている徹雄。

 

「魚焼くけど、食うか?」

 

「そ、そうじゃなくてっ!? それより服着てくださいっ!」

 

「体が乾いたらなー」

 

 焚き火の準備を始める徹雄に明日奈を川に入って渡り始める。

 太腿の深さまである川を渡るのは思った以上に難しく、滑りやすい川石に滑らせてしまい。

 

「っと危ね」

 

 転ぶ前に徹雄が明日奈の手を掴んで引っ張った。

 

「あ、ありがとうございます」

 

 徹雄の裸。主に一部分に目がいってしまい、顔を背けた状態での礼になってしまう。

 

「あの、やっぱり早く服を着てくれませんか?」

 

「だから乾いたらだよ。それにあんまり恥ずかしがる必要もないだろ。前に互いに生まれたままの姿を見せあった仲だろうに」

 

 徹雄の発言に明日奈は顔をしかめる。

 それを気にした様子もなく、徹雄は魚の腹をかっ捌き、内蔵を取り出す。そして適当に削った長い枝を口から突き刺すと、起こした火の回りに立てていった。

 

「慣れてますね……」

 

「まぁ、昔は色んなとこに行って、山やら森やらで迷ってサバイバルした事も何度かあるからな。バイクで北海道旅行した時は、鹿を跳ねて近くの農家に捌き方を教わった事もあったなぁ」

 

 懐かしそうに話す徹雄。

 しかし、全裸で話している姿にイマイチ没頭できない。

 

(この人本当に文明人なのかな)

 

 実は山で育った野生児なんじゃないだろうかと疑いたくなる。

 魚が焼けている間に体が乾き、服を着ると、焼いた3匹の内の1匹を差し出してきた。

 

「食うか?」

 

「いりません」

 

 即答すると、ちょっと残念そうに魚を戻す。

 息を吐いてから明日奈は本題に入った。

 

「あの、朝比奈さん。そろそろ戻りませんか? ユウキや皆さんも心配してますし」

 

「んー? 後2、3日逃げ回れば香月達の実験もうやむやになる気がするんだよなー」

 

 苦い表情で魚の1匹目を食べ終える徹雄。

 しかし、若干怒った様子で見てくる明日奈に根負けする形で帰ると約束する。

 2匹目の魚を食べ始めると、徹雄は明日奈に話しかける。

 

「今更だけど、悪かったな。急にこっちの都合でこんな島まで付き合わせちまって」

 

「……いえ。自分で決めた事ですし、ユウキ達と一緒で楽しいですから」

 

 こんな風に謝罪されるとは思わなかったので、明日奈は苦笑いを浮かべて答えるが、嘘偽りのない本音だ。

 

「そうか。でも────」

 

 そこまでにして徹雄は口にするのを止めた。

 今出そうとした言葉は明日奈の内面に深く踏み込み過ぎだと思ったからだ。

 不思議そうに目を丸くしている明日奈に徹雄は首を横に振る。

 

「何でもない。ありがとな」

 

 だから、木綿季達を気遣ってくれている事への感謝を口にした。

 

「えっと……よく分かりませんけど、どういたしまして?」

 

 焼き魚も食べ終わり、火の後始末を終えると、げんなりとした表情で首をボキボキと鳴らす。

 

「んじゃ。更識に怒られて、香月に手荒なことされないように話をつけるか」

 

 は~っと息を吐くと、明日奈は安心して微笑む。

 

「よかった。ユウキ達も心配してましたし。それじゃあ戻りましょうか」

 

 その笑みがただ綺麗だと思った。

 心臓が少しだけ鼓動を速くする。

 もしかしたら、短い森での生活が性に関して解放的になっているのかもしれない。

 

「朝比奈、さん……」

 

 突然、手を握ってきた徹雄に明日奈は瞬きをした。

 

「今晩、付き合って貰っていいか?」

 

 結局は目の前の女を抱きたいという欲求に正直になった。

 理由なんてきっと、それだけである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ……最近おにーさんって、こう、頭が悪すぎじゃない?」

 

「……作者のせいだよ」

 

 戻って近づいてきた木綿季の言葉に徹雄は適当に返す。

 その後ろには楯無が笑顔で怒っていた。

 

「お帰りなさい。楽しかったかしら?」

 

「おう、とっても。いやーやっぱり、たまには1人になるって必要だわ~」

 

 ちょっとだけ嫌味っぽく言ってやると、横で聞いていたアリサが足を踏んづけてきた。大して痛くもないが。

 

「明日奈ちゃん、お疲れさま」

 

「うん。すぐに見つかってよかった」

 

「ねーねー、明日奈! 天音さん達がご飯作ってくれたから、お風呂の後に皆で食べよう!」

 

「そうだね、ユウキ」

 

 女同士で仲良く話しているのを眺めていると、明日奈と目が合った。

 すると明日奈が顔を赤くして反対方向を向くのに徹雄は苦笑した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 部屋に来た明日奈の固い様子に徹雄は話しかけた。

 

「緊張してるのか?」

 

「……はい。こうして2人っきりになるのは今日が初めてですから」

 

「そっか。そうだな。前は木綿季と更識の妹が一緒だったか……」

 

 柊神社での時の事を思い出して顔を赤くする明日奈。

 

「グダグダするのも症に合わねぇし、さっそく、な?」

 

「つっ!?」

 

 ベッドに座っていた徹雄は手を引いて明日奈を抱き寄せる。

 

(あ……胸板、厚い……)

 

 抱き締められて思ったのそんな事。

 しっかりと鍛えられた身体。

 前は目の前の事に頭が追い付かず何かを考えている余裕は無かったが、今ははっきりと朝比奈徹雄の存在を認識する。

 戸惑っている明日奈を置いてきぼりに徹雄はパジャマのボタンを外して露になった大きな胸を揉み始める。

 

「ん、ふ……」

 

 目を閉じて揉まれている感触に耐えていると、腰に腕を回してベッドに押し倒す形になる。

 混乱したように目を見開く明日奈。

 徹雄は明日奈の胸に吸い付き、手をズボンの中へと滑り込ませた。

 

「あ、やっ……!?」

 

 陰部に触れた徹雄の指はクリトリスを撫でるように擦る。

 その大きな手に反しての優しい指使いに明日奈の股間は愛液を分泌する。

 そこからお腹から腰。そして太腿までをマッサージするように愛撫する。

 吸っていた胸の乳首も弄りると勃った。

 ただ、キスをしようとすると顔を背けて拒否する。

 

「あっ!? そんなところ……!」

 

 だから徹雄は明日奈の陰部に顔を近づけて股間を舐める。

 クリトリスを舌でつつき、膣内を指で広げられて舌が這わせてくる。

 未知の感覚に明日奈は頭を押し返そうと抵抗するが、まったく離れない。

 しかし、舌が明日奈の膣内を這う場所を変えるたびに声が漏れている。

 

「こんなもんか……」

 

 膣内まで濡らしたのを確認して顔を離すと、起き上がって自分の肉棒取り出す。

 

「いくぞ」

 

 簡潔な問いかけだが、明日奈は顔の赤いまま小さく頷くだけ。

 肉棒を明日奈の陰口に合わせて、遠慮無く入れる。

 

「アンッ……んんっ、は、はぁ……」

 

 肉棒が明日奈の膣内へと沈んでいく程に声が漏れて腰をくねらせて無意識に繋がりを進める。

 

「入ったな……それじゃ、動くな」

 

 一度奥まで捩じ込むと、徹雄は腰を振って膣内を味わう。

 まだ馴れていない膣内を自分の肉棒で開発していくのは正直快感だ。

 それが明日奈程の美人ならなおのこと。

 

「ハァ……っ! あふっ……や!」

 

 そんな艶のある声を聞けば理性が剥がされてしまう。

 片足を上げさせてより深く繋がると明日奈の声も大きくなり、それを恥ずかしがって口を手で覆うが、無理矢理外させる。

 

「いや……聞かな……アンッ!?」

 

 締め付けも良く、膣内にある肉棒を離すまいとしてくる。

 再び足を下ろすと、明日奈は正面から徹雄を見るが、どこか虚ろな瞳ですがり付くように腕を背中に回してくる。

 密着したまま腰を動かし、何度も明日奈の子宮をノックした。

 

「────っ!?」

 

 すると、明日奈の膣が急に締め付けがt強くなり、それに反応して徹雄も射精すう為に肉棒が膨らむ。

 

「あ、あう、あぁ……あああああああああああっ!?」

 

 吐き出された精液を受け止めて明日奈は絶叫した。

 生暖かい精液が膣内を満たしていく。

 肉棒を引き抜くと徹雄は明日奈に口づけするために顔を近づけた。

 疲労からか、それとも別の理由からか、今度は拒否をされなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




たぶん次回は原作キャラ。


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アナスタシア(終末のハーレム)その1・上

本人は下で出ます。今回はエロ無し。幕間とでも思ってください。


「なぁ、おかしくね? 俺、どっかの国の王族に会うから身嗜みを整えるって聞いてこの椅子に座ったんだぞ?」

 

「だから無精髭剃ってあげたじゃない」

 

「……そうか。俺は今、眉毛を全剃りされた上に新しく描かれてるように見えるんだが」

 

「そうね」

 

 だから何? とでも言わんばかりの態度に徹雄は渋い顔をする。

 椅子に座って先ず髭を剃られた。これは良い。

 髪に洗髪料を使われたり顔にクリームやらを顔に塗られた。これも問題ない。

 目を瞑って任せていたら何故か眉毛を剃られた。

 整えるとかではなく全剃りで。何で? 

 そこからもどう考えてもおかしい方向に進んでいた。

 

「おい。俺が大人しくしてる内に正直に答えろ。今被せたこのクソ長いカツラは何だよ。何でコルセットで締められてんだよ。というか、その服どう見ても男物じゃないだろ、誰が着んだよぉおおおおっ!」

 

 目から光線でも出しそうな視線を徹雄の顔に化粧を施している刀奈に問う。

 体を離した後に刀奈は面倒そうに説明する。

 

「これからお忍びでロスアニア王国に行くのよ? でも、男性が来てるとバレたら騒ぎになるじゃない。だからこうして女装させてるんでしょ?」

 

 刀奈の説明に徹雄はカツラを被せられた自分が映ってる鏡を指差した

 

「あ? 女装? 今女装っつったか? もはやこれ女装じゃなくて、出来の悪い貞子のコスプレじゃねぇかっ!!」

 

 長い髪で顔の殆んどが隠れており、今Tシャツ半ズボンという事もあり、見た目がムキムキマッチョになった貞子である。

 噛み付かんばかりの徹雄にアリサが口元を手で隠しつつも話を続ける。その顔は完全に笑っていた。

 

「とにかく、これはアンタの安全の為に必要な事なのよ。我慢しなさい」

 

「貴方も、水原様みたいに中性的な顔立ちだったら良かったのにね~」

 

「さりげなく俺の顔をディスってんのかテメェ……! 大体それならジェイルさんが居るだろうが!」

 

「は、は、は! そう言ってくれるのは嬉しいがね。今回のお相手は16のお嬢さんだ。年が近い方が好まれるだろう」

 

「……あぁ。加齢臭で嫌われるから俺にお鉢が回ってきたのか」

 

「……次の検査を楽しみにしておいてくれたまえ。1番の理由は私の生存はなるべく伏せておきたいのでね」

 

 笑みを崩さずにそう告げるジェイル。

 別方向から噛み殺した笑いが聴こえてくる。

 そちらの方を向くと見物していた女達が物凄く笑いを堪えている。

 

「ゴメン、おにーさん……いま、こっち、見ないで……プッ……」

 

「あ、朝比奈さん……だいじょうぶ……似合ってます、よ?」

 

「後で覚えとけよ、木綿季。それと雪村も出来ないフォローをしなくていいんだぞ?」

 

 ちくしょう、と項垂れる徹雄

 

「そもそも何処だよロス()ニアって。聞いた事ねぇよ」

 

「ロス()ニアね。どうせアンタの事だから、日本以外の国なんてアメリカか中国くらいしか名前なんて出てこないでしょう?」

 

「……ちっ」

 

 アリサの言葉が図星だったのか、舌打ちして顔を背ける。

 

「カツラのせいで前が見えねぇ……つーかさ、お前ら本当に俺をどうしたいの?」

 

 鏡に映る自分を見ると切なくなって肩を震わせる徹雄。

 それに自分を見て笑っている女達にも地味に傷つく。

 

「お前ら、帰ってきたら全員白目剥くまで()ってやるからな?」

 

 負け惜しみのような言葉を吐くのが精一杯だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……船の次に車の中で移動するんなら変装する必要なかっただろ」

 

「だから念のためって何度も言ってるでしょう?」

 

「もう脱いでいいか?」

 

「いい訳ないでしょう」

 

 アリサの返答に苛立たしげに歯軋りする。

 

「ロスアニアの王女であるアナスタシア様に失礼のないようにしなさいよ」

 

「へいへい。精々気を付けますよ~」

 

 不貞腐れた徹雄にアリサは肩を竦めると同時に、絶対に何かやらかすな、と確信する。

 

 しばらく進んでいた車が停止した。

 するとアリサが顔を出す。

 

「はやて~! リインさん! こっちこっち~!」

 

「アリサちゃん!」

 

 待ち合わせしていたのだろう。

 彼女の友人である八神はやてとその家族であるリインフォース・アインスがこっちの車に早歩きで駆け寄ってきた。

 

「今回の交渉、ご苦労様ね。はやて」

 

「いやいや。アリサちゃんほどやないで? えーっと徹さ────」

 

「よお……」

 

 不機嫌な声にこっちを見たはやての目が点になる。

 

「うわ……バケモンがおる」

 

「……」

 

 いきなり失礼な言葉だが、今の姿に自覚はある為に眉だけピクッと動かして黙っている事にする。

 アリサが簡単に説明すると、口とお腹を押さえてプフーッと吹き出した。

 

「ホントに徹さん!? ア、アリサちゃん、最高や! ヤバッ……こっち見んといて……!!」

 

 大きな声を出さないように必死で笑いを噛み殺すはやて。

 後ろにいるリインがフォローする。

 

「まぁ、なんだ。誰も朝比奈徹雄(お前)だとは気付かないと思うぞ?」

 

「……ありがとう。それよりもそこのチビ狸。俺を殺人犯にしたくなかったらいい加減笑うのやめろ。絞めて鍋にすんぞ」

 

「やめてぇ……! その姿で凄まれると余計に堪えられんわ!」

 

 くはははは、と笑い続けるはやてにアリサが手を叩いた。

 

「ほら、2人も早く乗って。はやても移動しながら報告してちょーだい」

 

「はーい」

 

 子供のような返事をして車に乗るはやてとそれに続くリインフォース。

 助手席に座るはやてが報告を始めた。

 

「交渉事態は思ったよりも簡単に進んだんよ。ただ、向こうの条件としてはちょう意外なのが出されてな」

 

 困った、というように微妙な表情をするはやて。

 

「実はその王女様が徹さんとの結婚を望んでるんよ」

 

「ん?」

 

 何か聞き流せない事が耳に入ったが、アリサは納得したように頷く。

 

「あぁ。今のところ男性が目覚める可能性は絶望的だものね。だけど、王族として血筋だけは残したい。でも、王族である以上、正式な結婚をしてないと、てトコかしら?」

 

 冷凍睡眠で眠っている男性が生存出来る期間は凡そ1年と言われている。

 最悪の可能性として、早急に婿が欲しいと言ったところか。

 

「ちなみに俺に拒否権は?」

 

「ある訳ないでしょ」

 

「本物の王女様やで、徹さん。男の人は好きやろ?」

 

「遠巻きに眺めるだけならな! というよりも、その王女様と会う前にこの貞子はやめていいんだよな?」

 

「あーうん。流石にそれは王女様には見せられないわ」

 

「直接会うのは明日やしな」

 

 それだけがせめてもの救いだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 既に陽が落ちた頃にはやてが取ったホテルに案内される。

 

「早く、コルセット外さねぇと、死ぬ……」

 

 軽く上半身を曲げるのにも痛みを感じる為、車から出るのにも一苦労だった。

 

「大袈裟ねー」

 

「バカかテメェは! どんだけきつく締めてると思ってんだ! 動く度にミチミチ肋骨から音が鳴るんだぞ!」

 

 それに内蔵も圧迫されてこうして声を出すのも苦しかったりする。

 もう路上でも良いから脱いでしまおうかと考えていると、小さな女の子が数名に路地裏に連れてかれるのが見えた。

 

「……」

 

 数分後、先に入っていたアリサとはやてが戻ってくる。

 

 徹さん。荷物持って────アレ? 徹さんは?」

 

「先程向こうの路地裏に」

 

 指差すリインフォース。

 

「気付いとったなら止めんかい!!」

 

 はやてはリインの頭にチョップを喰らわせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほら。早くだしなって。また痛い目遭いたくないでしょ?」

 

「あ、あ……」

 

 気の弱そうな小柄な女の子がガラの悪そうな少女2人に絡まれていた。

 片方は刃物を持っており、刃が服を切れない程度に撫でてくる。

 

「アタシらもさ~。こんなことしたくないんだよ? でもお金欲しいじゃん? だからさ。今日もお願いね? トモダチでしょ?」

 

 彼女達3人は同じ学校に通っているクラスメイトだった。

 このような要求も1回や2回ではない。

 気が弱く、言いなりになることに慣れた女の子は震えながらいつも通り財布の中身を渡そうと────。

 

「刃物チラつかせてんじゃねぇよバカが」

 

 2人の少女の後ろから伸びた手が、スッと刃物を奪い取った。

 いきなりの事に驚いた少女2人が振り返る。

 

「なにすん────ヒッ!?」

 

 振り向いた不良少女2人は引きつった声を出した。

 顔が全て隠れる程長い髪。

 着ているのがワンピースなのに分かる筋肉質な体格。

 

「ただの口喧嘩なら放っておこうと思ったんだが。こういう事するのって何処の国にも居るのな」

 

 言うとナイフの刃を半分くらいのところで板チョコでも割るように容易く折って捨てる。

 

「な、なんだよお前っ!?」

 

「あ? 見て分かんだろ貞子だよ。呪い殺すぞ」

 

 どちらかと謂えば殴り殺してきそうな外見だが。

 目の前の存在にただ恐怖が襲ってくる。

 

「俺は今あんまり動きたくねぇんだよ。あんまり手を煩わせるとなぁ」

 

 手が届くコンクリートの壁を殴り付けると拳大の穴が出来た。

 

「俺の呪いでこんな風になるぞ」

 

 髪の隙間から見える危険な光を宿した眼に、三日月のようにつり上がった口元。

 ボキボキと鳴らされる指に2人の恐怖の限度が超えたのか、その場で座り込んでしまった。

 刃物を持っていた方は失禁までしている。

 

「大丈夫、か……」

 

「アホかー!?」

 

 後ろからアリサが怒って背中を蹴りを入れてきた。

 

「アンタどこまで馬鹿なの!? 問題起こすなって言ったでしょうがっ!?」

 

「人助けだよ人助け」

 

 鬱陶し気に答える徹雄。

 

「うわー。この子ら気ぃ失っとるで? よっぽど恐かったんやな」

 

「俺の覇王色に当てられたんだよ」

 

「さっきは呪い云々とか言ってたやん。設定は統一しようや」

 

 気絶した2人の少女を撮ると、はやてはそのデータをポカンとしている女の子に渡す。

 

「これ。次絡んできたらこれをバラ蒔くとか言っとき。そうすればもう絡んでこないとおもうで? リイン。この子送ってあげてな」

 

「分かりました、主」

 

「あるじやめーい!」

 

「早くホテルに入るわよ! 今のアンタ、不審者なんてもんじゃないんだから!」

 

「これはお前と更識姉の作品だからな!」

 

 コントのように騒がしく去っていく一同。

 目を丸くした女の子がポツリと呟く。

 

「男の人……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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