葬儀者の配達人 (ねこねこさん)
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葬儀者の配達人
第1話 葬儀者と呼ばれる配達人


ある時、”デス・ストランディング”が発生し、人々の繋がりは分断された。

 

 

 

多くの人材と文明が失われ、生き残った一部の人間は”都市”を作り、地下で生活をする事を余儀なくされた。

 

 

 

あの悪夢のような・・・

 

いや、悪夢そのものだったあの現象は、多くの物を失わせた。

 

人の繋がり、意志の繋がり、技術の繋がり、歴史の繋がり、

 

ありとあらゆる繋がりは分断され、起源を遡れなくなった。

 

そして、人々は、”遺志”の繋がりも失った。

 

元々生と死は、手のように

 

”右手とその鏡像である左手は互いに重ね合わせられない”もので不可逆だった。

 

”あの日”以来、

 

人の死は曖昧になり、”身体”が”ビーチ”に座礁し閉じ込められ、

 

”特定の条件”では、死は可逆性を持つ物となる。

 

人が”死”を迎えると、

 

ネクローシス限界時間である48時間以内に適切な処理を行わないと壊死し、BTとなり、ヴォイドアウトを起こす。

事実、死体処理の不備により、セントラルノットシティは消滅した。

 

人は生きていればいつか死ぬ。それは”都市”でも同じ事。

 

だから、死体を運ぶ配達人は必要不可欠な存在となっている。

 

 

私の名前はフェネラル、葬儀者の配達人と呼ばれている。

 

”あの日”以来、人の命に価値は無くなってしまった。

 

”都市”の住人は24時間、健康状態をモニタリングされていて、月に1回の健康診断が義務付けられている。

死亡者が出たらすぐさま蘇生処置が行われ、それでもダメなら”死亡待ち”にするか、更に処理をして死体の配達を行う事になっている。

 

例え知人だろうと家族だろうと、

大統領であっても、

死を悔やみ、悲しみ、声をかける余裕すら与えられず、それらは遂行される。

私の仕事は主に2つ

 

突発的な事故や災害によって早急に運ぶ必要のある”死体”を遠い山頂にあるカイラル火葬場へ配達する仕事

もう1つは、死にかけている人間の”脳と心臓”を培養液に入れてカイラル火葬場へ配達する仕事

 

この仕事は正直言って激務だ。

 

肉体的にも、精神的にも。

 

”死亡待ち”の人間は多い。”都市”の更に下は拡張されて、”死亡待ち”の脳と心臓が培養液に浸されて運ばれるのを待っている。

 

地下には月に数人の死亡待ちが運ばれて来る。

 

理由は様々だ。

 

老衰やらガンやら。もう命が長くない人間は適切な処理を行い、培養液に浸される。

 

適切な処理というのは聞こえはいいが、やっていることは解体作業だ。

 

心臓と脳を取り出して生命維持装置に繋ぎ、身体から血、内蔵、排泄物を処理してケースに詰める。

死亡後48時間でヴォイドアウトが発生してしまう。

 

だから、生命維持装置でかろうじて脳と心臓を生かしておいて火葬場まで持っていく。そこで初めてやっと死を迎えることが許される。

 

基本的に”死亡待ち”にする作業は専門の解体者が行う事になっているが、私は死亡待ちの処理も行っている。

 

”あの日”が起きるまでは、命は尊いものだった。

 

人が死んだら家族や友人は悲しみ、そしてその遺志を次の世代が継いで、これまで私達は生きてきた。だが、今はどうだろう。

 

勝手に死ぬことも許されなければ、その死を悲しむ事さえ許されなくなり、体は勝手に引き裂かれ、脳と心臓だけにされて生かされる。

 

人の命に価値は無くなった。

 

人々は遺志を受け継がなくなり地下で隠れるように生活を始め、プライベートの無い生活を受け入れている。

 

 

私は、葬儀者の配達人。

 

私の仕事は”命”を運び、見届ける事だ。

 

 



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サムから見た彼女の話

俺の名はサム。配達人だ。

 

巷では伝説の配達人なんて言われているが、俺はちっともそうは思っちゃいない。

子供だった頃、この世界で生きていくためには配達の道しか無かった。

少しBTを感じれる力と帰還者であったから今も生きているだけだ。

偶然、偶々生きているだけで、

10年前から俺の時は止まったまま歳だけを取っている。

 

あー、フェネラルの話だったか?

 

 

 

彼女の事は配達人なら誰もが知っているだろう。

かといって俺自身、そして周りの人間も彼女の事をそこまで詳しく知ってるわけでもない。

 

知ってるのは、

他者とあまり関わり合おうとしない。

俺よりもBTがはっきりと視認でき、時雨の影響を受けない。

そして、彼女は双子の妹と繋がっていると言うことだ。

 

どういう理屈かは分からないが、

死亡した妹と繋がっていて、彼女自身のメンタルによってシンクロの度合いも左右されるらしい。

 

彼女が喜べば妹も喜ぶし、悲しめば悲しむ。

遺伝子レベルで近い為か?

 

科学では説明不可能な意志の力か?

まあ、現在ですらBTのことBBのこと、DS自体ほとんど解明されていない。

分からないから、分からない。

とにかく彼女は特異体質と言うことは分かったか?

 

 

配達人としてもかなり特殊な部類にいる。

俺たちは配達人は、

救急キット、ワクチン、対bt兵器、遺伝情報、ありとあらゆるものを運ぶ。

死体も例外では無く、荷物の1つだ。

人は死ぬと48時間後にヴォイドアウトしてしまう。

かといって荒野で燃やしても

タイムフォールを引き起こす時雨を降らせるカイラルスモークが発生し、都市を通過してしまう恐れがある。

 

 

だから2つか3つの山の向こうの山頂にカイラル火葬場が存在する。

 

基本的には雲より高い位置においてあるそれは、時雨によって劣化するのを防ぐとともに、カイラルスモークを都市から遠ざける役割もしている。

 

一部例外もある・・・

よほどのことでない限り行われない危険行為だが、BTの座礁地帯へ死体を持っていくこともある。あらたな座礁地帯を増やさないための措置だが、都市がなくなる危険性もあるので、非常に危険だ。

 

彼女は、死体を運ぶ配達人をしている。

俺がBBを運ぶと同じように彼女は脳と心臓を胸に抱えて運ぶ。

処理も自分でわざわざするし、配達まで一貫して行う。

昔は埋葬や葬儀なんて風習があったが今じゃそんなことは不可能だ。

 

 

 

彼女の時もまた止まっているというか、彼女だけは、ds以前の”死の風習”を今でも大切にしている。

彼女は都市から離れられない。

ママーのように物理的というわけではなく、葬儀者の担い手が他に居ないのが問題だ。

 

時雨に当たる危険性や、遭難、他者からの攻撃等、極限状態の中で俺たちは配達を行っている。もし道中で死ねば地表でヴォイドアウトが発生してしまう。

そんな中でバラした人間の身体とまだ生きている脳と心臓を運ぶなんざ続けていたら確実に狂うだろう。

 

それをもう10年も続けられている彼女は、頭の方も特異体質と言える。

平然と人を解体し、それを配達し、昔の風習を未だに実行し、俺と同じように人とつながろうとしない。

 

 

 

変わった人間、それがフェネラルを説明するのに一番簡単な言葉だろう。



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Documents[フェネラルについて]

Documents[フェネラルについて]

 

タイトル:フェネラルについて

人物:ハートマン

日時:3年前

場所:ブリッジス本部の研究室

 

 

デス・ストランディング以前の文化について知っているかい?

以前、古代エジプトの死生観について話したと思うけど、私は、”死”にまつわる事はDS解明のために調査しているんだ。

フェネラルは昔からの死の作法である"葬儀"というものを大切にしている。

 

”葬儀”とは、死者を弔い、そして葬る。儀式の一種だったそうだ。

 

エンバーミングと呼ばれる死体保存処理(フェネラルが行っていることもこれだ)を行った後、一連の儀式を行い、埋葬するという流れらしい。

国によっては葬儀後の埋葬手順も多くある。

一般的には,我々がまさに行っている焼却

いわゆる"火葬"が行われていたらしい。

アメリカでは土葬と呼ばれる埋葬方法が主流だったようだ。

だからか、DS以前の映画と呼ばれる作品には、墓から死者が蘇るリビングデット、ゾンビと呼ばれるBTに似た化物が出る物が多かったらしい。

死した人間の遺志を継ぎ、そして残った者たちが前に進む。

そのようにして私達は240万年前から今まで進化してきた。

 

 

そもそも彼女は妹と繋がっているんだけれど、遺伝子的にもかなり近いためか、なぜかフェネラル自身の時も止まったままなんだ。

彼女はDS発生後から年を取っていない。だから今も若いままで居られるし、貴重なDS以前の歴史を知る資料でもある。

 

肉体は約48時間でネクローシスを起こし、ビーチに行った魂が戻ってくることを拒む。

基本、BTはネクローシスする前に遺体を焼却すれば、魂は還る場所がなくなった事を悟り、あの世へ行く。

しかし、遺体がネクローシスしてしまうと、魂は、いつまでも自分の肉体を探し回るようになる。

 

それがBTの正体

という話を以前しただろう?

 

 

では、”自分の肉体が見つかった”この場合はどうなるのか?

これに関しては私は盲点だったし、ありえないと思っていた。

 

一卵性双生児だったフェネラルとその妹は、妹が死んだ後、”肉体がBTと適合できた”

つまり彼女は、人間でありながらBTでもあるのではないんだろうか?

”ビーチ”の入り口は人それぞれ違う。

フラジャイルはビーチを介して移動し、テレポートのような事ができる(ビーチ内で泳いで移動しているだろうが、現実世界では時が止まっている)

自分自身が”ビーチ”と認識している限り、現実世界でも細胞劣化などの時間は止められるのだろう。

実際、ママーと双子のロックネは、お互いがいくら離れていようと双子通信によってお互いの声が聞こえる現象や、ママーがお腹の中にいた赤ちゃんのBTとだけ繋がっていられるケースも現にあるし、否定はできない。

 



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第2話 緊急配達の依頼その1

私は以前、エッジノットシティを拠点として死体処理と死体配達の仕事をしていた。

しかし、分離過激派ヒッグス率いるテロリストによって占拠されてしまい、ポートノットシティを活動拠点に余儀なくされた。

 

ブリッジスに所属しているわけではなくフリーのポーターとして働いている。

今ではサムの繋いだカイラル通信によって都市間の死亡状況がリアルタイムに簡単に分かるようになったが、

 

通信が繋がる前は、フラジャイルエクスプレスと契約を結んでいた。

フラジャイルは瞬間移動が行えるので、都市間の死亡者の状況を把握するのが目的だった。

  

昔のことを思い出していると、

唐突にプライベートルームにメールの着信音が鳴り響いた。

カイラル通信によって広範囲になったメール通信だ。

沢山の人と話せるようになって皆テンションが高いのだろう。

多くの人々がメールに顔文字や絵文字を多用する。

それが緊急性の高いものでもシリアスな話でも使うのだから、いつも拍子抜けしてしまう。

 

メールを確認しよう。

まあ、他者とあまり繋がろうとしない私に来るメールの内容は決まって仕事なのだけれど。

 

 

差出人

マウンテン・ノットシティ[K7]

アーロン・ヒル

件名

死体の緊急配達の依頼

 

このマウンテン・ノットシティもサムのお陰でUCAに加盟できて皆喜んでいた矢先に、悲しい出来事が起きた(;_:)

山へ水分の備蓄の為に出ていた住民の1人が、山から落ちてきた岩石に当たって死んでしまったんだ。

即死で蘇生は不可能だった・・・_| ̄|○

岩石が重く、地面の起伏が激しいせいで救出用の設備を持って行くのにも時間がかかってしまった。何とか拠点まで死体を持ち帰る事は出来たが、既に10時間を経過しているんだ。

以前、スーパーセルが発生してカイラル濃度が高上昇した。

あれがまた起きる可能性もある。

ネクローシスまではあと30時間以上はあるが、今すぐなってもおかしくない状況だ。

おまけにカイラル火葬場はテロリストに占拠されていて使えなくなっている・・・

すまないが、至急マウンテン・ノットシティに来て、配送端末で依頼を受注してほしい。

m(_ _)mm(_ _)mm(_ _)mm(_ _)mm(_ _)mm(_ _)mm(_ _)m

 

 

 

予報通り、

メールの内容は緊急の死体配送依頼。

 

マウンテンノットシティ周辺のカイラル火葬場は、テロリストに占拠されている為、使えない。そうなると、BT座礁地帯か高い山の上へ配達ということになる・・・

 

マウンテンノットシティは起伏が激しい。

座礁地帯か高い山の上となると、雪山に行くことになる。

雪山はあまり好きではない。

体力も普段より更に奪われる。

時雪だけで無く、不定期的に起こるホワイトアウトによってマップをしっかり見ていないとすぐに方向を見失ってしまう。

 

しかし、どんなに困難な配送であろうとも私は行こう。

歩むのを止めるのは進化をやめる事。絶滅から遠ざから為に歩かなければならない。

 

「フラジャイル、来てくれないかな?」

こういうと、フラジャイルすぐさま現れる。電話を取るよりも早く現れるから、どこからか監視しているのかと疑うくらいだ。

 

「元気そうね。フェネラル。」

案の定、一呼吸置く前にフラジャイルが現れた。

「いつも思うけど、現れるのが早すぎると思う」

やっぱり手錠端末で逐一見られてるのだろうか?

「偶々よ。こっちにも緊急配達のメールが来たし、呼ばれるだろうと思ってたのよ。」

フラジャイルはいつも黒い服で頭から下を覆っている。

とある事件でフラジャイルは首から下が壊れものになってしまった。それを隠している事も、知る者も少ない。彼女の父が死んだ時、彼女は泣きもせず、父の亡骸を自ら配達した。彼女はとても強い人間だと私は思っている。

 

「早速で悪いけど、マウンテンノットシティまでお願いできる?」

 

「話したい事もあったけど、緊急配達ならしょうがないわね。私と手を繋いで。行きたい場所を強く願って。」

フラジャイルはそう言いながら両手をこちらに差し出す。

 

「あのさ・・いつも言ってるけど、その肩のトゲトゲは何とかならないの?集中したいけど、それがブワってなるのに笑っちゃうんだけど」

 

トゲトゲ

 

 

かつてデススト ランディングが発生する前はテレビというものがあり、その中では、コミカルな人々によって番組というものが作られ、娯楽の1つとして存在していた。

 

ブリッジスのメンバーがオドラデグを付けるように、フラジャイルエクスプレスの人間は、肩にBTやカイラル濃度によって反応してトゲトゲする変な服を着ている。それが、私が昔見ていたテレビ番組に出てくる’’ボール’’に似ており、かつ、ブワっとなるのがシュールで笑いが堪えられないのだ。

 

「そんなこと言ったってしょうがないじゃない。テレビですっけ?そんなの見た事ないから分からないけど、そんなに似ているの?」

フラジャイルは困り顔でそう聞いてきた。

「私たちみたいにオドラデグを付けたりはできないの?」

そうだ、彼女達もオドラデグを使えばいいと思う。それで解決だろう。

「邪魔すぎてイヤ。そんなことより、雑念が入ったら、もしかしたら時空の狭間に落ちて一生無限ループする事になるかも知れないから集中してね」

 

なんとも恐ろしいことを言う・・・

気を取り直し、私はマウンテン・ノットシティを強く思いながらフラジャイルの手を握った。

 

 

 

 



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プレッパーズ"配信者"

"配信者"の話は、基本、地の文少ないです。


サムによってカイラル通信が都市間に繋がった。

また、各地のプレッパーズ達にも繋がったことで、多種多様な現在過去未来の情報が共有化されていった。

 

そんな中、カイラルネットワークを通じて過去に存在した娯楽のコンテンツに憧れ、人々が欲するようになるのは必然的だったと言えるだろう。

この話は、必然的に生まれた文化の再起。

 

 

 

-------------------------------------

"プレッパーズ「配信者」"

 

 

 

カイラル通信によってリアルタイムに情景を映し出せるようになり、

まるでその場にいるような体験をすることが可能となった。

そんな中で流行り始めたのが"配信"だ。

たくさんの"視聴者"がホログラムで出力され、リアルタイムで配信者を見る。

 

"配信"はデスストランディングが発生する前のインターネット社会においてメジャーなジャンルの1つだった。

誰もが気軽に配信ができて、評価のアウトプットも素早く可視化しやすい。

だから、夢中になる人は多かったがそれ故に縛られる人間も多かった・・・

 

 

 

 

「えー、みなさん見てますか?どうも!DOOMSで帰還者のネイリンです!」

「早速ですが、今日の企画は・・・ハンターに捕まってみた!です」

 

 

 

配信者の1人、ネイリン。

[人類の反撃!]サムの血をパワーグラブに染み込ませてBTを成敗してみた

 

の"配信"で一躍有名になり、シティの人々の希望の象徴となったプレッパーズだ。

元はシティに住んでいた住人だったが、その危険で過激すぎる行動により,

"分離過激派の連中は自分たちの行動を自覚して行っているが、ネイリンは自覚していない分タチが悪い"

と、ストランド大統領にシティから強制退去させられてしまったという経由がある。

 

ちなみに、ハートマンがネイリンの大ファンでパトロンもしているらしい

(曰く、企画内容がBTの研究に大いに役立つ)

サムやフェネラルも"配送依頼"として無理やり配信に参加させられているとか何とか。

 

 

 

 

 

「皆さん、BTに捕まってヴォイドアウトのおこる経由は知ってますよね?」

 

「まず、ゲイザーと呼ばれる浮いている人型のBTに見つかると、ハンターと呼ばれる無数の手を呼び、地面に引き込まれてキャッチャーのところに連れて行かれます。そこでキャッチャーによって体内に取り込まれてヴォイドアウトが起こります」

 

 

では、

ハンターに引き込まれなかったらどうなるか?

例えば、振り解いて一定の範囲を超えるとハンターは諦めて地面に還ります

 

「というわけで今回はこちら!」

「超特製カイラルワイヤーロープとフルハーネス安全帯を準備しました!

ハートマンさんありがとう!ブリッジスをよろしく!」

 

 

「手順は簡単です」

「ゲイザーが湧く範囲外、約50メートル離れた東西にポールを立てます」

「ワイヤーロープをつけます」

「それに僕が安全帯を付けます」

「座礁地帯で雨が降るまで待ちます」

 

「さて、早速やっていきましょう!天気予報では間もなく雨が降り始めます!」

 

 

・・・

 

・・・・

 

・・・・・

 

 

「雨が降り始めました!」

「おーい!ここだよー!ここだよー!」

「おぉ、オドラデグが反応し始めました!」

 

「近い!BTに近づけば近づくほど寒気が増すのは恐怖かと思ったんですが、どうやらあの世?水の中を想起させているかもしれないらしいですね」

 

 

 

「あっ!ハンターが出てきました!」

「おっと・・・・!」

 

 

「ハンター氏、地面に僕を引き込めない!」

「みなさん見えます?今、10人くらいのハンターが群がって引き込もうとしてるんですが全く引き込めていません!」

 

 

「頑張れ!頑張れハンター!」

「お前の力はそんなもんかよ!」

「皆さんも応援してあげてください!あといいね下さい!」

「うおーっ!がんばれっー!」

 

・・・

・・・・

・・・・・

 

 

「数分経過しましたが、ハンターは依然として僕を引き込もうとしています」

 

「今回のこの企画ですが、ハートマン氏はBTに意思があるかどうかを検証したいらしいです。もし意思や思考能力があるとすれば、ハンターは増援を呼んだり、キャッチャーを逆に連れてくるはずです。」

 

「しかしながら今のところその兆候は見えません」

「上位個体のキャッチャーに関しては、攻撃をしてくること、ダメージを受けたら一時撤退する事などから知能があることはわかっています」

「ゲイザーとハンターは知能や思考するだけの能力が無いのかもしれません。

もう少し待ってみましょう。」

 

 

・・・

・・・・

・・・・・

 

 

「30分経過しました・・・まだハンターは僕を引き込もうと頑張っています」

 

「そろそろ僕も疲れてきたなぁ・・・あまりにもつまらなさすぎて視聴者さんすげー減ってるし、、雨もそろそろ止む・・・」

「ハートマンさんも十分にデータが取れたとのことなので、今日の配信はこの辺で終わりですかね?」

「じゃあ、最後に次回予告!」

 

「次回は・・・」

「トラックの荷物を全部ダミーケースにして、ミュールの基地に突っ込んでみた!」



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