故郷に帰ったらおっぱいデカい幼馴染みとエッチする事になった (緋枝路 オシエ)
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再会~1

〝おさななじみ〟って、存在は二次元的な趣向を好む人種からすれば、憧れる言葉であり関係。

 

 悲しいかな、家が隣同士だから幼稚園~小学校~中学校はともかくとして、進路が分かれ、義務教育では無い高校生でも幼馴染みと一緒の学校に通っていたケースは殆どないであろう。

 

 仮に同じ高校に通っていても、今までよりは話をしなかったり声を掛けづらかったり……顔を合わせること自体が皆無でもそれが普通。

 

 新しい友達を作り、先輩かまたは別のクラスの人気者か、恋愛感情を知らぬ間に持ち部活に勉強に趣味に……あれだけ一緒に遊んでいた幼馴染みと関わりが無くなってしまう。自分だって同じような事をしているのだから、幼馴染みよりも別の友達や恋人と過ごす方が遥かに楽しい。

 

小学生の頃に「おとなになったら、けっこんしようね!」と、指切りゲンマンしたってそんな約束どちらも忘れてしまっている。子供だから気軽に言えたのであり、本気で捉えられる事もない。そもそも子供なのだからお互いに「よくわかってない」

 

 小学生までは純粋に約束事を覚えていたとしよう、思春期まっただ中の中学生からは、男女という性別を意識し始めて異性問わず泥だらけで遊び終わっても、一緒に着替えられないお風呂にも入れずピタリと沈黙しお泊まりなんてもっての外だ。

 

 恥ずかしい、ダサい、かっこわるい。

 

 理由は各々あるけれど知識が広がり価値観も異なり始め、何時までも子供のままではないのだと無意識の内に外面も内面も、大人を形成し始めていく。

 

 幼馴染みなんて言葉は、サブカルチャーの属性として愛されているだけだ。

 

 リアル世界の幼馴染みはこんなモノ、幼馴染みだから……なに?

 

 結婚? 恋人? 

 

 ないッ、精々がすれ違ったら挨拶する友達で留まってしまう、ロマンチックな展開などありはしない――――

 

 

 

 

 生まれ故郷である田舎、運河沿いの港町【白波町(しらなみちょう)】は民宿や海産物加工場、造船所がまばらに建てられる。

 

 コンビニが一軒も見当たらないってくらいド田舎ではないけど調理師免許取得の為、二年間ネオンが眠らぬ都会に滞在していた彼からすれば利便性では劣る。

 

 電車が来る感覚が早すぎて戸惑うくらいだったし、深夜営業のお店に囲まれていたし。なんら不自由の無い二年間だった。

 

 そのまま都会への在住も少し頭を過ったけど、彼は二年間離れただけで故郷への愛着心は失っていない。

 

 彼を応援してくれる家族も居る、町並みは若干変化しているけど彼が好きな故郷、戻るべき場所、何も考えず楽しいことをしていた思い出。

 

 路地裏散歩しただけでノスタルジーな気持ちになってしまう白波町……

 

 たかが二年間離れただけなのに、もの凄く懐かしい。都会に憧れ引っ越した友達も居るけど...

 

 

 

「俺は自販機で瓶コーラ売ってて、空き地で子供達が球技したり、丘へ上がれば海を見下ろせ、年中通して農作物が豊富に獲れるこの場所が――――好きだなぁ……ッ!」

 

 

 

 時は止まっていないけど、何時だってこの町は待っていてくれている、受け入れてくれる、飽きない。

 

 何件か就職先である洋食屋を紹介されたけど、故郷の個人経営する料理店で働きたいと決めていた。

 

 白波町は漁業が盛んであり、年中通して気温は常に涼しげ。真夏は相応に暑くなるけど四月、新たな始まりを期待し洋食店通勤となった彼は、スマートフォンで気温を確認する。

 

 都会よりも10℃は低い、一枚多めに着るのが当たり前。だからと言って冬場は猛烈な雪が積もる訳でも、寒波で漁が困難になる事もなく一定水準を保つので逆に都会よりも過ごしやすいと実感した。

 

 

 

勇魚太洋(いさなたいよう)

 

 

 

 国家資格を見事に獲得し、21歳になったばかりの若者。

 

 服装はグレーをベースに全体の2/3にホワイトのストライプを走らせたボーダー柄のパーカー、古着屋で見つけたデニム生地のテーラードジャケットを重ね着し、この町の気候に順応。

 

 錨を模した刺繍は最初から付いており、少し子供っぽいかもしれないけど名字に〝魚〟と付いて、港に産まれ港に生きる男になるだろうと太平洋から授けられた名には誇りがある。争いごとは嫌いだけど、その名を馬鹿にされた中学時代、

 

 怒りまくって相手の首を引っつかんで……名前を侮辱するのは絶対止めようと、上級生までも恐れる豹変であった。

 

 くるぶしが隠れる丈に合わせた黒いジーンズは、閉店だからと8割引で購入した。刺繍と同じの錨デザインネックレスも都会の露天で一万もしなかった様な。

 

 何かと安上がりと言うか、節約上手のコーデと言うか、衣装センスはあまりない自覚はあるが明るく前向きな性格。

 

 あか抜けきれず少々頼りなさげな顔立ちだが、ノーセットでも問題の無い癖っ毛ショートヘアは色々セットしてみると逆にグシャグシャになるので弄れないが本音。

 

 料理人なので当たり前だが清潔第一のビジュアルには孫を欲しがるおば様や、ショタ好きのお姉様方からわりと人気が高い。先輩と呼ばれるよりも先輩と呼ぶのが似合いそう、可愛いや弟系とまで極端なパラメーターではなく、派手さや存在感には欠けるも決して空気にはならない。

 

「潮の香り、風情のある民家、市場の活気、都会で暮らしてたら味わえないよな! 俺はこの町が好きだから都会に居たって片時も忘れた隙間は無いぜ。歩いてるだけで昔の思い出が走馬灯のように……」

 

 本日はお店の公休日、軽く朝食を取ってから身支度し6時前だから四肢を凍り刺す冷気に、打たれる久々の感覚。

 

 マゾじゃないけど戻ってきたんだなぁ……鼻水をかみながら、海沿い周辺を気分良く散歩する太洋。

 

 休みの日だからこそ早く起きて、明日に備え早めに寝る。幼少の頃から作り続けてきた料理、見よう見まねで祖母にヘタクソな物体を作って食べて食べてと無邪気に催促。

 

 食べられた味でも見た目でも無いのに、美味しい美味しいって……その笑顔が心に浸透して将来のビジョンを描いて、夢に向かってまっしぐら。第一の夢である「料理人になる!」は叶ったけど第二の夢「沢山の人を笑顔にする!」が叶うには、途方も無い数の料理を作って誰よりも修行して知識を蓄えて、何十年後かに気がつく物なのだろう。

 

 

 

 まだまだ21歳、料理には自信あるけどプロとなって一ヶ月、皿洗いに皮むきなどの雑用から、戦場に立ち指導されながら自ら包丁を握りお客様へ食事を提供。

 

 朝から晩まで働き終わっても習った事を復習したり料理の本で勉強したり、フライパンを只管振るってたら朝になっていた事も……太洋は良くも悪くも一直線、少なくとも専門学校に通っていた時は料理に関する事しか頭に無かった。

 

 年頃の一般男子のように恋愛などしたいとは思わない、モテる・モテないの話ではない、太洋は過去に……

 

 

 

 (あの釣りしてる人、紫色の髪って珍しいなぁ、紫は都会でも見かけな……あっ、あっ……?)

 

 

 

 ――仕事前に一釣り行こうぜ! 行くか~! 行っちゃうか~!――

 

 

 

 記憶の引き出しに仕舞い込んでいた、微かに灯るセピア色。

 

 幼馴染みの父親が自分とその子を夜明け前に防波堤へと、連れて行ってくれた。

 

 釣りは全然分からない、初めてだったけどその子に教わってルアーの種類から仕掛けの準備、スポーツみたいな物だよ、楽しいよって優しく微笑まれ学校に遅刻寸前まで楽しんでいた。

 

 その時の防波堤とは違う場所だけど、あの女性……自分は憶えている、変わったけど〝何も変わっていない〟のだから。

 

「えい……り……榮浬だ、オーーイ!榮浬ーー!!」

 

 長く潮風を受ける娯楽なので、芸能人に匹敵するケアを欠かさない藤色のロングヘア、三つ編みに結い毛先は鋭く、まるでオニイトマキエイの尾を連想させる。

 

 だが彼女の性格は毒素が無く、ハリセンボンのような刺々しさも無い。

 

 表情変化はやや薄く、言葉数も多くないけど、落ち着いた物腰と温和な雰囲気、誰かを不快にさせない心配り、ずっと見てきた太洋だけでなく老若男女が「いい女」と賞賛するだけの価値がある女性。

 

「……?たい……ようっ……太洋……だよね……!わっ、ああ……!」

 

 無言、無表情で水面と寡黙な戦いを繰り広げていた、藤色髪を持つ女性。

 

 クーラーボックスなどは見当たらないので、キャッチ&リリースを何匹にも実行済みか、それとも未だに収穫が無いのか、多分前者だと太洋は推測する。昔っからそうだから。

 

「太洋だ……二年ぶり……だねっ……!戻ってきたんだぁ……!」

 

 愛用するベイトリールを落としかねない、名を叫ばれた拍子に直感した。

 

 そうでなくとも聞き慣れている声のトーンを逃さない、嬉しい出来事と直面した時の声色だ……それって再会を喜ばしく想っているに他ならない。

 

 

 【糸巻榮浬(いとまきえいり)

 

 

 太洋とは家が隣同士の幼馴染み。家族同士も仲が良く高校卒業までは何をするにも隣に、傍に、思春期でもそれだけの距離と関係を持ち続け、友達で居られる男女とは珍しい。

 

 卒業後の進路は実家の系列店である釣具屋のスタッフとして働き、道具の修理や講習のアドバイザー、大会などの催し物の広報活動が主体。

 

 餌よりもルアーを好むが、円滑なコミュニケーションを取るためにも蔑ろにせず充分な腕と知識を持ちながらも、日々が実践と練習の繰り返し。これは太洋も榮浬も変わらない。

 

「別の町にあるお店の臨時研修会に一ヶ月参加しちゃってて……太洋が帰ってきた時期と丁度重なったのかな、父さんや母さんからも太洋が帰って来たって情報が送られて来なかったし……だからすれ違っちゃってたけど……ん、おかえり……!」

 

 研修会も終わったので本来の通勤先と本来の住まいに戻った榮浬は、家族誰よりも早起きして趣味であり仕事への応用も利くルアーフィッシングを楽しんでいた。

 

 魚の気配しか感じられない防波堤、釣っては逃がしてを繰り返し後2匹釣ったら帰ろうと目標に達する前に太洋が現れ、急いで中断し大事なロッドをアスファルトに置き去りにしてでも、幼馴染みで〝友達〟の帰還を歓迎する。

 

 彼女の両親が太洋に関するメールを送信しなかったのは確信犯の趣向、まだ帰ってきてないと思わせこっそりと、太洋を呼び出し庭でバーベキューでも開こうと画策しておりそこで鉢合わせる計画だったらしい。両親のイキな計らいだ。

 

(すっげぇ美人だ……元々美人だけどさ、二年間でこんなに……俺よか全然大人になってるなぁ、色々と……)

 

 ダーク調のインナーシャツ、アウターは白波町では欠かせないアイテム。白いジャケットはオールシーズンで活用でき、ボリュームを抑えたシルエットが彼女のラインを映し出す。

 

 ボトムは髪と同じく藤色のショートパンツと太ももの半分を覆う、オーバーニーソックス。色は王道にして最良の黒、細身だが肉を付けるべき場所のみ盛ったボディ……挑戦的とも捉えられるコーディネートには太洋も藤と黒にサンドイッチされた「汚れしらずの絶対領域」に、視線を奪われてしまうのだが……?

 

(なんでそんなトコにベルト付けてんだよ……!)

 

 腰回りのウエストポーチには、恐らく釣り具を収納しているのだろう。これも子供の頃から変わっていないけど、太ももにポーチを追加しており巻かれているベルトで妙にいやらしい……

 

 それだけでなく胸部の下側に謎のベルトを通しているのだ。中学時代で既にDカップをお持ちだった榮浬を、歳のわりにデカいなぁと365日観察していた太洋は、まごうこと無く健全で健康な男子児童であるが、21歳に成長した榮浬の胸部装甲は……

 

 

 

 (そのっ、言いにくいんですが……もの凄くおっぱいがおっきい!)

 

 

 

 何の意味があるのか全くもって不明の、ベルトでおっきいおっぱいを強調している?

 

 そんなファッションもあるのかもしれないけど、女子の服装に疎い太洋には分からない。そうでなくともエッチなのは明白で、脚の次は上半身に視線を奪われてしまった。

 

「……?たいよー?」

 

 女性としては高めの身長は、162cm。だが172cmと平均以上の身長を持つ、太洋と比べれば下から覗き込めるだけの差がある。

 

「゛お゛っ!?」

 

真下から生えてきた幼馴染みに、リアクションすらワンテンポズレた。自分自身が高画質に投影された瞳も、神秘の紫水晶を思わせる高貴な色だ。

 

 覗き込まれるのは小さい頃から、何度もされたけど今の榮浬は……面識を残しながら魅力的すぎるッ、美しくなりすぎだッ、そして胸が大きすぎだッ!

 

「そ、そのマフラー似合ってるなと……思ってたんだ」

 

 見破られそうだけど赤紫をベースに淡いグラデーション加工のマフラーは、彼女が飼っていた熱帯魚のベタを思い起こさせ榮浬こそ当時のベタの生まれ変わりや、擬人化なのではとまさかの疑惑が浮かぶくらい、切っても切り離せぬ防寒具としての後付け感は著しく低く自然と全身に溶け込んで、色彩も調和が取れて下のベルトと上のマフラーに挟まれたおっぱいは、ミサイルやらロケットやらの発射準備中。

 

 ダメだ、成長した幼馴染みのおっぱいがエロすぎて、おっぱいしか考えられなくなってる……

 

 性交経験が無い童貞として、接吻すら未経験の太洋に魅せつけていいブツではない。例えヤリチンだとしても、避雷針の如く吸い寄せられてしまうのも仕方ない、つまり逃げ場が無い。男なんて単純だ。

 

「そ? ありがと……一番気に入って大事にしてるマフラーなんだ、オーダーメイド品で高校の時に飼っていたベタをイメージした物なんだ……! 気がついてくれたんだね」

 

「そのブローチも闘魚だろ? 熱帯魚好きだもんなぁ榮浬は! 部屋ん中アクアリウムに特化してた時期もあったじゃん、二人で協力して動画としてアップして、結構な再生数になって……なつかしィ~~!」

 

「ふふっ、熱帯魚綺麗だよ、可愛いよって広めたくって……世界中の人達から反応があって、愛好家の方達からも意見頂いたり嬉しかったなぁ……!白波町の〝ベタ愛護会〟の重役だからねエッヘン……!」

 

 淡水魚じゃなくて、ベタってくくり限定なの? 細やかな疑問だ。

 

 クールな大人のお姉さん成分が鳴りを潜め、得意気に腰に両手を当てて胸を張る。こんな榮浬を知ってるのは家族と自分だけ? 

 

 勝負事で榮浬が勝ったり自慢したくなる出来事があれば、こんな感じのポーズになる。こちらから褒めたりすれば逆に恥ずかしいのか「そんなに褒めないで……」「ど、どうも……」としか言わなくなってしまうけど。遊び心を擽られるあどけない、気質も備えてある、外観からは想像も出来ないけど。

 

(胸が……突き出されて張り出されて……やっべ……何カップくらいあるんだろ? F? もしかしてGくらい……?)

 

 間違いなく高学歴高収入なイケメン彼氏が居る。

 

 居ないのはありえないレベルで榮浬は美しくも異性問わず同性までも誘い、羨ましがられる理想の「ボンッキュッボンッ」を手にしていた。これで性格も良くて頭も良くて、榮浬がアクションしなくとも男をゲット出来るだろう、放っておく訳が無い。シャツが窮屈そうに留まって。

 

(ボタンが今にも射出されそうなミッチミチ……あのおっぱいでチンポを挟まれ、精液搾られる彼氏は幸せモンだろーなぁ)

 

「ね、太洋?私の提案なんだけどさ……」

 

 帰宅して早々に毛布に包まり安眠していた家族へと、太洋が白波町に戻ってきたと報告すれば既に知っており歓迎会の計画も立てていたし、榮浬には秘密にしていたドッキリ企画をくらったような、歯痒さを憶えジト眼で睨んでしまったけど、夕方に互いの家族を集めて即急なバーベキューを実施する事に決定した。

 

 子供の頃はハイキングだったり旅行だったり、親睦を深める交流企画(両親が遊びたかった理由もあるが)は頻繁に行われていた物だ。海外にも連れて行って貰った……

 

 実家である釣具屋にはバーベキュー器具や素材の販売、サバイバル用品のレンタルも取り扱っているので、必要な物は最初から揃っているに等しく休日な都合もあって実に丁度良かったのだ。

 

 料理人なので作って貰うよりも、作りたがってしまう性分。

 

 まぁ、偶には料理が出来るのを待つ立場になる必要もある。手ぶらでバーベキュー会場、榮浬の自宅庭だけど子供数人が駆けっこするには、不自由ない広さ。白波町では裕福層に位置するだけあって、トコトンまでに恵まれた要素をつぎ込まれた幼馴染みだ。料理しか能が無い童貞とは対になるであろう、リア充っぷりに未来は眩しい。結婚だってそう遠く無いのでは?

 

 その辺りの事情聴取や近況報告は、別の機会に設けるとしよう。

 

 実はメールアドレスは変わっていないし、削除してないしされてないのだが、料理に打ち込み過ぎて都会に滞在し数ヶ月後、大変失礼ながら家族以外との連絡は忘れてしまっていたのだ……

 

 実質的に殆ど家族と言ってしまえる榮浬も、無理に送ることは無く太洋の返信待ちだったが先述の通り。かなりの間榮浬との会話は途絶えていたので、話したいことは沢山ある。

 

 これからは白波町で暮らせるから、焦らなくたっていいだろう。

 

 特に胸部装甲を中心として素晴らしい成長を遂げた榮浬。

 

 変化に乏しい表情とは何だったのか、太洋ですら見たことが無い綻びを携え出迎えてくれた。その笑顔は単身赴任していた夫、または戦争から無事に戻ってきた恋人を待っていた、とでも捉えようが……

 

 自分らは友達だ、友達よりも距離が近い幼馴染みだ、幼馴染みだけど恋愛関係ではない。

 

 そのような噂……沸き立ったりからかわれた事はあるけど「そんなんじゃないよ」だとか「違うよ」だとか、二人して息がピッタリだったから余計に怪しまれたシーンもあったけど勘違いだ、誤解だ。

 

 榮浬の事は好きだ。好きだけど恋愛的な意味合いじゃなく、ずっと友達で居て欲しいの〝好き〟

 

 それは今後も変わらぬであろう想い、おっぱいが大きくなろうが、理想のワガママエロボディを得ようが、それ以上を抱く事は無い。そもそもとっくに彼氏作っているだろうし、恋愛なんて自分には縁が無いんだって思い知らされたから……




作中でもありましたが、榮浬の名前は「オニイトマキエイ」から。髪型もエイの尾をイメージしてます。

最近の自作品と比べて、ちょっと長ったらしいなぁ。


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再会~2

エッチなムードになります


(あのバーベキューから、もう一ヶ月経過したんだなぁ)

 

 刺激的なイベントも大事だが、普通の日常がどれだけ大切かは離れたり失ってから気がつく物。

 

 都会に比べたら不便な田舎町で、働いて勉強して、時々息抜きとして農作業を手伝ったり、勉強も兼ねて図書館に一日入り浸ったり。

 

 

(つまらなさそう? そうでもないんだなコレが)

 

 

 都会に居た二年間は毎日が忙しなく、未知の発見や体験に心を震わせたけど故郷に戻って実感したのは疲れていたんだと。

 

 正規スタッフとして働き始めた今こそ、頑張るのは承知しているが特有の〝のんびり〟した雰囲気をかみ締めながら頑張りすぎない、詰め込みすぎない、急いで10を得ようとせず1ずつでも確実に、欲張って取り入れようとしていた都会暮らしから、緩めたっていいんだと職場で働きながら思った。

 

 勿論お仕事なので気は抜かず全力を持って、取り込むけど公休日くらい適度にはまったりする。

 

 休日でも娯楽とは無縁で料理の修業漬けだった毎日も楽しかったけど、心身を衰退させずボーーッとする日も悪くない。

 

 太洋は充実感で満たされながら、これからも同じ日々を送りたいと願い、初となる連休日はどうしよう、何も予定を立てていないから……榮浬と遊びに行こうかと思い悩む。

 

 時刻は午前10時も間近。遅めの起床だが業務終了後も先輩に付き合って貰い、料理の試食や自分でも甘いと客観的に評価を下す。

 

 包丁捌きを教わってから帰宅後も、納得いくまで地道に練習を重ねて午前の4時……だから許して欲しい。分からないままスルーは出来ないから頑張りすぎないって決めたのにコレだ。

 

(予定無かったら昼飯に行かないか……送信っと、アイツも今日は休みだったハズ、山奥に釣りに行ってるとかじゃない限り付き合ってくれると思うんだけど)

 

 寝癖なのか癖っ毛なのか、判断に難しい頭髪を水で濡らし乾かしながら、テーブルに置いてあるガムを口に入れて空腹を誤魔化す。

 

 家族が住まう実家から少々離れた土地の1棟のアパートこそ太洋が、借りている住まい。自立の意味を持ちながら遠くへ行かず、高台に位置するので実家や隣合う榮浬の家はここからでも見渡せる安心感。

 

 需要があるので順番待ちと聞いたが、数名の利用者が退去したので滑り込み、都会に続いての一人暮らしは再開された!

 

 ボロとまでは呼べず階段の上り下りが結構面倒だけど、一人暮らしには困らぬスペースで日当たりも良好。IHはないけどガスコンロのが、扱い慣れてるし自分だけの城、都!

 

 職場と実家の中間地点だし海辺への散歩や、商店街や駅までのアクセスは縮まったくらいだ。

 

 都会ではまずお目に掛かれない海の蒼と森の緑をベランダから眺めながら、スマフォで購入した音楽を堪能……すごく楽しめている。

 

「返信来たか、電波が届かないくらい田舎じゃないからな? パソコンだって使えるんだからな?」

 

 メールの内容は……「いいよ」の三文字。

 

 素っ気ないのではなく榮浬とのメールは大体がこんな感じ、気を遣わない仲だから必要がなければ、無駄に長文を打つ必要は無い。会ってから話せば良い。

 

 商店街の洋食屋で太洋が、自ら奢りを申し出て正午に落ち合うと決定。

 

 選択したお店は気になる新製品として、リストアップした場所で味を分析し舌鼓を打ちながらも技術を盗み、これに負けない料理を作るぞ! と奮起させてくれるだろう。

 

 美人な彼女とのデート……じゃないけど、幼馴染みと何気ない会話を交わしながら、修行の一環にもなってしまう。真っ直ぐすぎる料理馬鹿、学生時代の友に言われたけど否定しない……料理しか出来ないんだから馬鹿で結構だ。

 

 洋食店に通勤しているが、和食も人並み以上に作れるのが太洋。榮浬が釣った魚を調理して家族に振る舞った事もあったっけ。

 

「またそういうの、したいかも……」

 

 ウザがられては無い。

 

 けどあんだけ美人でおっぱい大きくて、男が魅了される要素しか持ち合わせてない榮浬は、間違いなく恋愛的な意味で〝付き合っている〟男性が居るハズだ。伺った訳じゃ無いけどそうに違いない。

 

「もう出来ないのかもなぁ……俺も榮浬も子供じゃない、昔と同じようにってのは難しいよな 」

 

 とりあえずそれとなく言ってみるつもり。ついでに恋人との馴れ初めやらも聞いてしまおうか?

 

 いや、気を遣う関係じゃないけど、一線を越えてる相手との領域に踏み入れるのは不味い?

 

「わっかんねぇなぁ……だって俺、マトモな恋愛したことねーもん」

 

 彼にはトラウマがある。

 

 高校二年生、とある女生徒に告白しOKを貰ったのだが……

 

 

 

「急に尋ねちゃってゴメンね」

 

「いやっ、全然いいんだけど……」

 

 昼食後にマフラーを着け直し、店を出た直後に榮浬からの提案。

 

 

 ――太洋のアパートにお邪魔していいかな?――

 

 

 ……時刻は15時を少し回ったおやつ時、一人では問題の無かった空間でも二人が入り込めばやや狭さを感じる。

 

 それが野郎ならばどうでも良かったが、幼馴染みと言えども神の造形美、数多の男性の理想が現実となった容姿の美女。

 

 並んで歩くのが申し訳なかったくらい、別次元のレベルに達していた榮浬。癖っ毛くらいしか特徴が無い風貌の自分はゲームで例えるならばモブとか「町の住人:その3」とか、そんな感じか。美人な女性が隣に居ると、空気では無いからモブへと転落する。それだけ榮浬はメインキャラの風格があった。

 

 さしずめ榮浬はイケメン主人公の相方となるヒロイン、サブにもなれないモブの自分と比べメインとしての輝きを備えていたので、見慣れているであろう商店街の人々だって、男女問わず榮浬は視線で追われていた。

 

 都会に進出したら今以上の視線を一挙に捉えて大変だろう。太洋も帰還し挨拶回りの時に老婆やマダムからは「いい男になったのぉ」だとか「一皮剥けたのぉ」だとか、それなりに可愛がられたけど、残念ながらアッチの方は皮が剥けてない。ペニスのサイズは平均だが仮性包茎であるのがコンプレックスで、修学旅行でも隠すので必死だった。

 

 包茎の男子なんていっぱい居たし、ズル剥けよりも皮被りのが多いのが日本男児。悩みを持つ同僚は居たんだけどやっぱり恥ずかしい、隠したいってのが日本男児でもある。

 

「料理の本……道具も沢山あるんだね」

 

「あっ、あぁ、ご想像通りって感じだろ?俺は料理以外なんの取り柄もないからさ、料理だけは真剣になりたいんだ。念の為言っとくけど布団の下や本棚にはエロ本無いぜ? 料理関連しか買ってないんでな!」

 

 折りたたみ式のちゃぶ台に買ってきた和菓子を、100円均一で購入した二枚セットの座布団で、脚を崩さず正座する幼馴染みへ牽制しておく。

 

 エッチな本何処かなぁ~と、物色されるのがテンプレなので実際は巨乳グラビアや、巨乳を題材にしたエロい単行本は購入しているが、全てキッチンの上棚に突っ込んだのでまず見つからない。

 

「そ、そんなことしないよ……失礼だし……男の人がそういうのって、普通だと思うし……」

 

 マフラーを口元まで引き上げ、羞恥に照れる仕草もあの時と同じ。なんだか劣情を催されてしまう、本人には絶対に言えないけど榮浬と再会した夜は彼女をオカズにして、手淫を施してしまった。

 

 ロッドを揺らしただけで胸も揺れ、歩いているだけでもゆさっ、ゆさっ……細身なのに重量感たっぷりおっぱい、我慢ならないと速攻オナってしまい背徳感はあったけど実は……榮浬をオカズにしたのは初めてではない。

 

 小学生はそんな感情は浮き出なかったけど、多感な中学生からはひっそりと脳裏に思い浮かべながら、14歳なのに立派なおっぱいを好き放題する妄想でお世話になっていた。

 

 体操服のネームが歪んだり、水泳の授業では同級生の誰もを圧倒していた双山の胸ポチや、ポロリを男子全員が(あるいは女子の大半も)期待していたり、相当数の生徒や教師までもがオカズにしたのでは?

 

 幼馴染みの榮浬でこんな事を……

 

 だがムクムクと膨れる性欲には勝てず、高校に進学してからも胸を、脚を、日常ビジョンを焼き付けオナネタにしてたが、本番セックスをする妄想だけはしなかった。

 

 知らぬ間にストッパーでも掛けていたのか、幼馴染みとしてそれだけはありえないと。

 

(……? パソコンデスクの下、何か落ちてる……?)

 

 都会で仕入れてきたお茶を煎れる為に、一時的にキッチン方面へ向かっていった太洋。

 

 正座のまま首は左右へ50度から60度、異性の部屋に入り込んだのは久しぶりであり、その異性が太洋しか存在しない榮浬は、表には出してないけど相当に緊張していた。

 

 何か、話題になる物は……パッと思いつかず、ネタを探しに部屋を見回していたら、この位置からでしか目視出来ない暗がり、都会で購入した新型デスクトップを配備する専用のデスクとチェアは奮発した物だろう。

 

 ……落ちている物が気になる。

 

 拾ってあげるべきか、そのままにしておくべきか。

 

 拾うのが人として当たり前だが、そのままにしておいた方がいい場合もある。

 

 過去にもあった、太洋の部屋へ遊びに行った時……許可を得て漫画を読もうと、カラーボックスから取り出そうとした拍子、ボックスとボックスの隙間に雑誌が挟まっていた。

 

 (落としちゃったのかな? 拾ってあげよう……!)

 

 無償の善意からだったがコレが間違えだった、ディープな物を隠す事で手一杯でライトな和姦物を隠す場所が無い。

 

 やむを得ずココに入れたけど……まぁ大丈夫だろう。

 

 榮浬だからとある種の信頼か、こんなトコまで見るわけ無いと決めつけていたのが敗因。

 

(゛っ゛っ!!??こっ、コレ……男の人と女の人が……えっ、えっ……ナニ……してるの……?? おっぱい……触って……チューってして……??)

 

 後日それが性行為であると保健の授業で習い、太洋はアレを見ながら練習? したり、一人でシテるのかなぁ、大人になったんだなぁと……若干ズレてるが、とてもエッチな事だと判明した。

 

「……………」

 

 エッチな話題は自分から振らず、振られても涼しい顔で回避してきたけれど……

 

(まさか……あの時と同じで……やっ……!? やっぱりだ……『むにゅむにゅ☆ミルキーパイ』だって……)

 

 許可無く無断で本を読む。

 

 これが人生で二度目、普通だったら絶対にしない行為。

 

 なのに自分は適当にページを捲る度に男性器を母性や包容力を感じさせる、巨大に発育した胸と胸、その間にギュッ~~と挟み込んで刺激を与える『パイズリ』

 

 瞳孔を開きっぱなし据わった目つきのまま、二人だけの空間に生唾を飲み込んだ音が、反響するまで無我夢中で読み耽っている。

 

 パイズリに特化した成人向けの単行本、あの時も大きいおっぱいばかり集めた本だったから、やっぱり太洋は巨乳が好きなんだって。それ以外にも実証する案件はあるし……

 

(本当に……気持ちいいのかな……)

 

 姿勢が体育座りに変わっていたが、榮浬は全くの無自覚。

 

 ショートパンツでなくミニスカートであったならば、大胆にパンチラしていたが生憎、スカート類は所持していない。学生時代の制服くらいしか着用した記憶は無い。釣りをするのでズボンのが何かと都合がいいのだ。

 

 拾ってから無言で別の場所へ仕舞うなり、そのままの位置へ戻したり、やり様はあったがパイズリから目が離せなくなった榮浬は緑茶を運んできた太洋にも気がつかず……

 

「えっ……ちょっ……ま゛っ……!!?」

 

 頭も身体もフリーズ、電子信号をシャットダウンさせるだけの理由としては、充分すぎる光景だ。

 

 幼馴染みが都会で手に入れた新作のエロ本、購入から一年はお世話になり続けていた。

 

 パイズリ欲を満たしてくれるバイブルを、荒ぶった息継ぎをしながら怖いくらいの表情で見入ってしまっている……

 

 どう考えても終わった。数日前にオナニーしてからすぐに寝てしまい、そのまま本の在処を忘れていただの、言い訳できる状態ではない。

 

 俺の本を勝手に見るんじゃねぇ! と、怒る気力すら起きない、弱みを握られ奴隷として扱われるなどの主導権や優位性どうこうにはならないと思うけど、寄りによってパイズリ物を見られてしまうとは……フツーに正常位で合体するだけの本だったならば、どれだけマシであったか。

 

「ごめん……そんな事しないって……言ったのに……見つけちゃって……気になっちゃって……読んじゃってた……」

 

 昔に比べたら浸透したけど、未だにパイズリはマニアック路線に片足入れてる自覚はある。仮に太洋に彼女が居たとしても「胸で挟んで」なぁんてリクエストする度胸はない。だって変態っぽいし……断られるに決まっている。

 

「あ、ハイッ……ど、どうだった……?」

 

 ナニを感想求めているんだ自分は。

 

 油が切れたブリキ人形みたいに、カタカタとした動きでお茶をテーブルに置けたがその瞬間にヘナヘナと力無く、脱力しながら1メートル離れた場所へ座り込む。

 

 恥ずかしすぎて逆に冷静になって来た……多分榮浬ならば水に流してくれるハズ、当分の間は形容し難い空気になるだろうけど、絶交してしまう可能性は著しく……いや、無いと言い切れる。

 

 今だけちょっと恥ずかしいだけ、男なら誰でもエロ本持ってるし。

 

 (うん、イケる、分かってくれるハズ!)

 

 本を取り戻しゴミ箱に捨てて(後で回収するけど)煎れたてのお茶とミニサイズで食べやすい、太洋が帰ってきた記念として半額にしてくれた和菓子の力でゴリ押そう! 甘いの好きだからっ!

 

 

「……試して……みるっ……?」

 

 

 瞬時に策を練る太洋の想いと裏腹に、律儀にも尋ねられた本の感想を答えてしまう幼馴染みは登場キャラに負けず、劣らずのワガママボディHカップ。

 

 胸を大きくする努力は特別していないが、発育が良い身体として産まれたらしく体型を維持する苦労は一生物だろう。

 

 ここまでの大きさは望んでは無かったけれど……

 

 太洋が、これくらいの大きさが好きであるならば

 

「私の胸、きゅっ……94の……Hだから……太洋の……あっ、あのっ……アレを挟めるっ!……かもよ……///」

 

 ――この大きさで……良かったなって……❤――




次からパイズリパイズリパイズリ!!!


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初パイズリ

「ハッ……えっ……? まてっ、待てよ榮浬ッ!? おかしいだろっ! おかしいって!?」

 

 ジャケットを恐る恐る脱いだ後には、シャツの中央部ボタンをプツッ、プツッ、片手で外すその指は震えていた。

 

 

 

 巨乳の幼馴染みから「パイズリしてあげよっか?」

 

 

 

 世界中の童貞やパイズラーが、憧れながらもリアルでは到底叶えられず、二次元に託しながら主人公を自分と重ね投影する。

 

 それが普通、パイズリ抜きをしてくれる都合のいい巨乳な幼馴染みは妄想か、二次元世界の中でしかありえないのだから。

 

「いいよっ……私は……パイ、ズリッ……してあげるよ? 太洋にならっ……」

 

 3つめのボタンを外せば支えを失い自動的に左右へと解放された、内包せし94のHカップ。

 

 Fか、もしかしたらGどころか、エッチだからHカップ、なんて洒落を押し黙らせる圧倒的な破壊力……手を伸ばせば届く距離のリアル乳。

 

「ブラジャー……なるべく可愛いの選んだの……どうっ……かなっ……?」

 

 グイグイと急接近するおっぱい。

 

 彼女のイメージカラーである紫、補色となるパステルイエロー下着は幼馴染みであるが故に、その気が無くとも屈んだ瞬間にチラッ、見下ろせばチラッ、事あるごとにラッキーなイベントが発生し白やらグレーやら、ちょっとエッチな類似色である赤だとか……

 

 家族を除けば最も榮浬の下着を見てきた人間である太洋も、快活で鮮やかさを放つ黄色は拝見した記憶が無い。みずみずしい彩色に、熟れまくり食べ頃の挑発ボディ……

 

「選んだのって……どういう意味だよっ……」

 

 二の腕でおっぱいを弛ませながら、女豹のポーズで〝とある部位〟を視姦。太洋がHカップに捕らわれているのならば、榮浬は性的興奮を覚え生理現象、男性としては当然の欲求として硬化してしまう男性器に囚われてしまっている。

 

 二人の呼吸間隔が急速に早まる。

 

 ハッ、ハッ、ハッ……まるで発情した動物、盛ってしまったつがい。

 

「男の人の家に……女が入って……二人きり……これ以上無いシチュエーションだなって……着替えたんだよ? た、太洋に……襲われてもいいようにって……」

 

 

 わけが わからない

 

 

 上下のベルトは取らずに、肉が上乗せされブラから零れそうなおっぱいは、温和な性格とは正反対に生意気に尖る国宝級ロケットは垂れ予防のエクササイズを欠かさず、クーパー靭帯を鍛えているからなのか重力に反発。

 

 あまりにもナニかを挟むのに最適なおっぱいと称せよう……榮浬と付き合っている彼氏の……彼氏?

 

「いやっ、お前……彼氏居るんだろっ? 俺に襲われてもとかさ、冗談は言うモンじゃ」

 

「いないよっ」

 

「……へいっ?」

 

「彼氏……居ないってば……恋人作った事一度も無いっ……太洋は知ってるでしょ? 太洋が白波町から離れている間も……誰とも付き合ってないよ……」

 

 

 カァァッーー……

 

 

 おっぱいまで紅くなった榮浬は、急いで座布団横に置いていた闘魚マフラーを首に巻いて顔の下半分を覆わせる。

 

 おっぱいよりも口元を隠す方を優先、恥じらう箇所が違う気はするけ、完成されたルックスと嫌みのない性格、誰からも高評価を与えら、男ならば放っておく理由が無い麗しい女性。

 

 何年かに一人、それだけ際だった存在となっていた榮浬が、交際経験が御座いません??

 

 確かに太洋は知っている。高校生までは50と表しても大げさでは無い数の告白やらラブレターやらを受け取ってきたが、その都度丁重に断りを入れていると遊んでいる時にそれとなく話題を振り、それとなく教えてくれたから。

 

「なんで~? 勿体ないなー」

 

 太洋には理解が出来なかった、選び放題の立場なんだからお試しでもいい、付き合ってみればいいじゃんと。

 

 その理由は明かしてくれなかったけど、一つの過程に当て嵌めてしまえば合点がいく……

 

「なんで……勿体ないなぁ……」

 

 あの時と全く同じ。

 

 軽い口調での質問を心も、身長も、おっぱいも成長した幼馴染みへと投げるも、おちゃらけた表情には可変出来ず迫力抜群のHカップが織りなす谷間、耽美な香りを放流させながら潤み出す紫水晶に縛り付けられ、ある種の恐怖感で強ばったまま幼馴染みの返答を待つ。

 

 時間が異様に長く感じるも実際は10秒、あったか無かったか。

 

(どうしてこんな俺達はドキドキしてんだよっ……榮浬の心音が聞こえちまってるんだよ……俺のも聞こえられちまって)

 

「んっ、しょっ……とっ、こ、こうして……男の人の前で……下着を取るのだって……初めてだよっ……信じて……くれるかな太洋……?」

 

 昼食は腹八分目に留め、おやつとして食べようと購入した白波町のお土産としてオススメされている、和菓子屋の水饅頭。

 

 ソレを思わせる。後ろに手を回したかと思えば、ホックは直ちに外れてブラジャーは落下、榮浬のHカップが……太洋も榮浬の生乳を拝見したのは、一緒にお風呂に入っていた小学校低学年以来。

 

 あの頃は色気とか異性とか、そんな感情は全く持ち合わせずに、榮浬の胸だって太洋とそう変わらず平面だった。

 

 中学から覚醒したのか、同級生より頭一つ抜けていたD、高校でもFに近いEはあっただろう。だが下着はチラしてもそれ以上は、薄紅色の乳首が見える事は一度たりとも無かった……のに

 

「おっぱい……大きすぎるかなぁ……? 変じゃないかなぁ……」

 

 あってはならない現象が次々と。

 

 幼馴染みの榮浬が巨乳を晒しながら、同性ですら「エロい」と頬が熱くなる育ちきった、Hカップへの感想を求めてくる。

 

 とんでもない事をしているが、恥じらいの表情で怯えたような声色でセリフを発する。太洋の言葉へは今のところ無返答。

 

 恐らくだが、あまりにもラージサイズなので気色悪いやらだらしないやら、思われていたらどうしようと。

 

 太洋が巨乳好きなのはエロ本の件やら、学生時代からちょくちょく視線を感じていたので、知っては居るけど服越しと下着越し、そして覆う物が無い生では印象がかなり違う。

 

 誤魔化せるカーテンが無い、自分では過多な発育だと。

 

 それでも太洋が好いてくれるのならば……

 

「……エロ……っ……おっ!俺は好きだぞっ! 榮浬のおっぱい!!」

 

 

 

 『好き』

 

 

 

 と言われたのは自分の胸。「榮浬が好き」とは言われていない。

 

 だけど嬉しい……胸がキュウッと締まる感覚は、太洋が白波町から離れている寂しさとは異なり、自分で自分を……していた行為時と似ている。

 

「よかっ……たぁ………♡ 自信持っていいかなっ……いいんだよね……?」

 

「いっ、いんじゃね? ……そっ、そろそろ服を着てくれって、ヤバイ……からっ……」

 

「ナニがヤバいの……?」

 

「お前なっ……言えるかよンな事っ……」

 

 ズズイッ、Hカップが突進してきた。

 

 咄嗟に後ずさるも狭い部屋だ、壁とHカップに挟まれ逃げ場を失った太洋の胸に、温かみを保持するおっぱいを切ない表情でのし当てる。

 

 これが本物のおっぱい、Hカップ……地層に応じて変形する柔らかさと、芯のある仄かな硬さ、肩こりの原因である重量感、この上に物が置けてしまいそうだ。

 

「おちんちん……勃起してる……私がパイ……ズリしてあげるからっ……隠さなくたっていいよ……ううん、パイズリ……させて欲しいな」

 

 そっと、左手が馴染んでしまうジーンズ中心部には、著しく高くなってしまった建築物。

 

 エッチな話題が苦手だった榮浬でも陰茎は通常時は萎んで収納され、興奮時は血液が集結し重力に抗い急角度に変貌する伸縮性の二面性、だとは存じている。そんな物は保健の授業でも習うし……

 

「おちんちん辛そうだよ? 私のおっぱい使わせて欲しいな……太洋が好きって言ってくれたおっぱいだよ……? パイ……ズリも初めてだけど……頑張るからさ……」

 

 ソレ系の話題になってもスルーしていたが、どうしても言わざるを得ない場合は「アレ」とか「ソレ」とかで、極力ボカしていたのが榮浬。

 

 まさかその榮浬から「おちんちん」なる単語が発せられるとは……

 

 イケナイ事をしてしまう、ずっと昔から一緒だったけど恋人でも彼女でも無い成長した幼馴染みと。

 

 二人と居ない美人さんなのに付き合った事が無い?

 

 榮浬の眼を見れば嘘じゃ無いと主張するも、未だに馬鹿なと勘ぐって混乱している。

 

 榮浬の初パイズリ相手が自分になる……もの凄く興奮する文体、ダメだと心の自分が警告してきたがもう一つの心の自分、悪魔の羽が生えた"闇"の自分は「刹那の快楽に身を委ねろ、またとないチャンスだぞ!」

 

 ……確かにそうだ、トラウマがある太洋は異性と交際する、気力はもう湧き出て来ないけどパイズリされたい? と、おっぱいが大きい美人にお誘いされたら、されたいのが本心だ。

 

 まぁ、現実なのでパイズリ抜きしてくれる女性など、居るはずが無く手淫で収めるしかなかったのだがこのシチュエーション、幼馴染みがパイズリで抜いてくれると、抜いてあげたいと逆に頼まれてしまっているじゃないか!?

 

「…………いいのかっ……俺も無いっ……んだけどパイズリされた事……」

 

 

 ……負けた、負けた負けた。おっぱいの魔力に屈した。

 

 

 後先考えずパイズられたい、あのおっぱいに射精したい、向こうさんから頼んできたんだから……いいでしょう?

 

 大量の言い訳、幼馴染みとこんな事をされた後はどうする。

 

 選択肢を厳選する暇は無い、榮浬だって「まだかな、まだかな」と珍しく返答を急がせている。

 

 だからもう本能に任せた、太洋はパイズリされたいっ!! 榮浬でパイズリ童貞を卒業する! 例え性交は一生できなくとも、乳交はしたいっ!! おっぱい大好きっ!!

 

「いいんだよっ……太洋ならっ……♡」

 

「……くっ! お願いシマス……!!」

 

 Hカップ表面に乗り上がったマフラー。

 

 (すげぇ大きい……マフラーの端を挟んで、くにゅくにゅ擦るデモンストレーション……榮浬ってこんなエロい子だっけ?)

 

 諦めた太洋は、ファスナーを下ろすのではなくジーンズを、部屋の隅っこまで投げ捨てた。

 

 下半身を覆う物は無い、合意でなけでば性犯罪だが合意の上でパイズリをするっ。

 

「っ゛っ!!? わッ!? たい……ようの……うわわぁ……おっ、思ってたより……」

 

 物の怪と鉢合わせた衝撃、今度は榮浬が後ずさった。無論、マフラーで口元を隠しながら。

 

 マフラーだけじゃ飽きたらず、右手でも目隠しの要領で視線をブロック……怖い物みたさか、興味心を刺激されたのか、隙間から覗いてる。

 

 太洋はコンプレックスを抱えている、先述したが男性が抱く悩みの種である包茎。

 

(チンコを見せるだけでも死にそうなのに、包茎ってのがバレたし……笑われる、絶対笑われる……大人になった榮浬とは違って、チンコは子供のままだって……)

 

 サイズは平均、硬度は平均を上回るが、包皮で亀頭を露出できないが故に自信が持てない。

 

 正確には仮性なので、先走りやローションで滑りが良くなれば比較的容易に剥けはするけど、包茎は恥ずかしいの概念は減らない。

 

 これでも剥けるように努力をした。

 

 真性に近かったけど「コレはヤバい」って、彼女出来たら馬鹿にされて別れちゃうと矯正リングを買ったりトイレの度に皮を弄ったり、人知れず、言えず、実ったのが仮性。

 

 手術も考えたけど、学生でそんな発言を親に言うのは……

 

「わ、笑ったりしないのかよ……自分で言うのもだけど包茎だぜ……?」

 

「なんで? 太洋のおちんちん……だもん、私はイイ……と思うし……変には見えないよ……?」

 

 焦点が竿の切っ先に定められ、何度目かのツバを飲み込みながらハァハァと酸素を脳へ送り込む。

 

 多少整いつつあったのにメスを誘い込むウツボカズラ、猥りがわしい芳香を吸い込んでしまい、舌がベロッ。

 

 下顎にもつれる長さとは幼少時に、かき氷を食べて舌を「ベー!」と伸ばし、色を見せ合いっこしたから存じていた。

 

 あの時はエロスなどない、ガキとガキの良くある一面。だが成長した榮浬が舌を垂らせば、状況がブーストを点火させている件も含めナニかを待ち望んでいる、または発情しているようにしか見えないのだ。

 

「……じゃ! じゃあ、挟むね!太洋のおちんちん……私のおっぱいで……♡」

 

 ただ唸って皮を被るペニスと、陥没などは見当たらない巨乳を順繰りに、無言で時計の秒針が進んでいたが、意を決して榮浬がさらに身体を押し込む。

 

 エロ本から受け取った盗んだ映像を頼りに、太洋は仰向けに寝て貰うされるがまま、榮浬は律儀に座布団へ座ってから正座に直し……

 

 皮を被った男性が多いのは知っている。女性からすればよっぽど不潔でなければ、大して気にしない要素だが男性からすれば、デカくて太くて硬くて自らの分身なのだから自信を持たせたい。

 

 太洋の事だ、料理人だし清潔感には人一倍気を遣っている。おちんちんだって……そうに違いない、初めて拝見する生のペニスが太洋のって、念願叶ってしまい大きい胸が、バクバク音で勝手に揺れている。

 

(こうして……膝の上に太洋を乗せて……うぅ……本の人達はこの姿勢で……パイズリ専用の姿勢だよぉ……)

 

 

 

 幼馴染みの膝上

 

 

 

 多くの者が連想するのは、耳かきか膝枕か。

 

 膝の上に腰を乗っけられ、玉状の先走り液を分泌しながら、ガチガチに勃起したペニスを乳で挟む。スタンダードかつ第一歩、女性主導の膝上パイズリを連想出来るのは、高ランクの重病パイズラーだけだ。

 

「うア゛ア゛アアッ゛ッ~~!!?」

 

 基礎とは言えどパイズリ初体験、挿乳する興奮と緊張で力加減に配慮が届かず、かなりの勢いでHカップを側面へギュムッ!

 

 パイズリ童貞を奪われた、奪ってしまった!同時にパイズリ処女を太洋に捧げる事ができた!

 

「ひっ……いぃ……これがパイズリ、榮浬のHカップ……!うぉッ!? おおおお……やわっけ……ぇ……くあッ、はァァァ……」

 

(うわッ!? うわうわうわッ!! わわッ……)

 

 正しく言い換えれば、挟み込んだだけでは〝パイズリ〟ではない。

 

 文字通りズリが無ければ、どれだけ気持ちよくても射精を催せない。

 

 だが……

 

「太洋の暴れてるっ……私のおっぱいの間で!さっ、先走り……私知ってるよ? エッチな気分とか……性的な興奮を得れば出てくるって……」

 

「ああッ、あああッ!!? ふぐッ! はっ……アアァっ!!」

 

 隣の部屋も人が借りている。こんな男の喘ぎを漏らして……

 

 ……昨日だか一昨日だかに「暫く漁でいません」と挨拶されておいてよかった。

 

 (……なんでもいい、居ないんなら我慢しなくて……)

 

 憧れていたパイズリ、トラウマが消えず女性と付き合う気はないので、虚無のビジョンだったパイズリ。 

 

「た、太洋~~、そんなにビクンビクンさせないで……おっぱいから抜け落ちそう……♡」

 

「ンな……こと言ってもなァ……ハァ、ハァッ……榮浬のおっぱい良すぎて……ガッツリ挟まれてイクかと……」

 

 腰から飛び上がってしまいそう、膝上を支点にブリッジし挟み込んでいた榮浬のまつ毛に、液体が付着した超接近。

 

 怯むよりも反射的に舌を伸ばしてしまった自分は、いつからこんな身体も頭もエッチになってしまったのか。

 

 残念ながらフェラチオは行えなかったけど、バイブのように小刻みに振動する包茎ペニスを捕まえておくのに手いっぱいならぬ、胸いっぱいだ。

 

 下準備をせずに勢いよく挟まれたが痛みよりも、感動のパーセンテージが遥かに突出。

 

 

 混じりっけ無しの成人済み幼馴染み、Hカップにパイズリ童貞を奪われたッ!

 

 

 恋愛はしたくないけどパイズリはされてみたい……最終手段として都会の風俗店を活用するプランすら練り上げていたが幼馴染みが「パイズリさせて欲しい」と、藤色の瞳をハート型にして志願してきたのだ。

 

 まるで妄想を一挙に引き受け具現化したリアル、今日死ぬ?

 

 榮浬は死ぬ前に一つだけ願いを叶える夢魔だった?

 

「くちゅっ……くっ……れろぉぉ……本の人達はこうやって……おちんちんに唾液を……あっ、こうやって潤滑させてたんだぁ! なるほど……」

 

 むにゅむにゅ☆ミルキーパイでの、パイズリ役の大半が唾液を口内に集めてペニスへ垂らしていたが疑問が晴れた。

 

 ラブローションの代わりにし視覚的にもエロい効果がある。

 

 興奮で粘り気を増した榮浬の唾液と太洋の先端が繋がって、中々途切れない、凄くエッチ! 太洋と離れたくないって身体でアピールしちゃってる。

 

「……゛ッゥ……!!」

 

 エロい、エロすぎる。

 

 昨日ヌイたばかりだから、溜まってなかったのに榮浬と、この雰囲気に突乳……じゃなくて、突入してから血液が凝固するばかりで、乳内に入り込んでしまい尚更だ。

 

 ピチョッ――チョッ――

 

 締め方が緩かったのか、蛇口から水がシンクに落ちた音が反響。一人の時はやけに目立つが二人、それも喘ぎか唾液を含ませたパイズリ交差による、水音がピチッピチッ、と弾けているのだから二人の意識はペニスとおっぱいと互いの顔にしか注目を注ぐに値しない。

 

「ハッ……ハッ……痛くない? パイズリ、これでいいんだよね……」

 

 挟射しなければ、榮浬の満タンおっぱいにチンポを、ぬっぷり包まれてズリュズリュ!粘液飛び散らし最後は精液も飛び散らすッ!

 

「あっ……ついよぉ……おちんちん……とってもエッチで……とってもあつぃぃ……♡ あっ、また先走りが出てきた……♡ お漏らしみたい……くんっ、すんっ……」

 

 

 

 ――バレーボールと同じくらいデカいよなっw榮浬のおっぱいw

 

 

 

 体育の授業でクラスの男子達が股間を膨らませながらひっそり鑑賞していた。

 

 バレーボールの比喩は大げさ過ぎたけど、21歳に成長した榮浬のHカップはあの時の発言は未来予知だったのだろうと回想する。

 

 たぷっ、ズシッ、ニチャッ、ズリュッ

 

 柔らかくも質量を持ち、挟むというよりかはのし掛かる。

 

 自慢は出来ないが卑下もしない、太洋の平均サイズは鈴口以外はおっぱいの砦に守護されている。絶対防御おっぱい!

 

(榮浬がチンコの匂い嗅いでる……すげっ! すげぇッ!! Hカップパイズリ!! 妄想よりもオナニーよりも全然ッ!! きっ……もちぃ……イイッ!!)

 

 おっぱいに窒息するっ、溺れるっ、埋まるっ、吸いこまれるっ!

 

 サーブすれば勢いよくネットを跨ぐだろう、悪い意味では無く〝重い〟のだ、榮浬のおっぱいは!

 

 A、B、C、D,E、F、G、さらに次のH。

 

 マフラーに口元を埋めるように隠しながら、控えめな動作で上下へスライドさせる榮浬。

 

 Hって何番目だっけ? 興奮を通り越してしまったのか冷静な思考時間が僅かに与えられた太洋は、8番目だったのかと数えて気がつく。

 

 Fですら中々居ないのにHっ……卒業すればFくらいになるのかなって、密かに期待してたのにHって……

 

「音っ……やらしい……やぁぁ……んっ……こんな音響いたら……はぁ、はっ、はぁ……」

 

 胸を中心に想定の範囲外まで、大きく美しく、二次元世界の住民のような身体になっていた幼馴染み。

 

 可愛い、けどそれよりもエロい。ベルトでおっぱいが固定されている理由は、もしかしたら揺れを最小限に抑える為なのかもしれない。 

 

 今し方ズラれつつ予想するが、見た目がエッチなので何だっていい。

 

 榮浬のおっぱいの成長過程は、殆ど脳内の記録ノートに入っている。

 

 そう考えたらとってもスケベだ、極みの域に達したおっぱいを太洋が独り占めしてるッ!?

 

「ドクドクッて血管が……ふぁ、あっ? おちんちんの皮……剥けてるね……♡」

 

「はぁ……ふぅ……ふー、ふー……! えっ……? ほ、ホントだ……仮性だからさ、剥けはするんだよっ……ツルンって剥けてたっぽいな……」

 

 パイズリ処女な榮浬はおっぱいでペニスを刺激しながら、涎を床マットに零しながら悶絶する幼馴染みの顔と淫猥な香りに酔いしれ、ボッ~~としていた。

 

 卵の皮むきと一緒で、ツルンッ! と綺麗にペニスが、本来の姿を取り戻す!

 

「さっきよりも……いい香りだね……ふっ、ふぅぅ~~! スンスンッ……エッチな気持ちを促進させられるっ……」

 

「止めろぉ……! チンコの匂い嗅ぐなよぉ……う゛ァ゛ッ!? おっぱいで引き寄せるなって! もうヤバいからさぁぁ……」

 

 ただでさえ乳圧調整が出来ず、ズシリズシリと圧縮されていたのにあろう事か両胸を鼻に近付けるために、背筋を倒すのでは無くペニスをおっぱいでひっぱる!

 

 唾液ローション+泡立つ先走りのコラボで痛みは皆無、だがおっぱいの根元から支えられたので、急速に搾られる屈折した快感。

 

 床を右手で叩きながら、プロレスのギブアップサイン。プロレスごっこしたのは小学生まで……あの頃は互いの身体とか異性とか、全然関係なくくっつけていたのに。

 

「ごめん太洋っ! おちんちん……痛かったよね? ごめんなさいっ……」

 

「いやっ、大丈夫だよ……痛くは無いから……射精しそうでヤバイって意味で……」

 

 男の人の大事な器官を、乱暴に扱ってしまった。

 

 シチュエーションや初めてのペニスやパイズリにドキドキして勢い任せに乳奉仕していた。乳奉仕したいと申し出たのは自分なのに……

 

「今度は……最後までパイズリ……するからねっ……好きな時に出してっ……顔でもおっぱいでも……ね……?」

 

 生殺しのまま挟まれっぱなしの、太洋の剥けきったペニス。肩で呼吸しており寸止め食らって、出したかったのに出せない。

 

 フィーリングや相手の表情で、射精感を察せられる経験はないから、相当な快感になっていたのに中断させた。

 

 なんて申し訳ない、自分だって太洋に手マンされていたのに、途中でお預け食らえば同じ感情を覚えるだろうに。

 

 勿論、処女な榮浬は手マンされた経験も無いけど……妄想オナニーではずっと〝太洋に〟されてる。

 

「ハァ、ハァッ、ハッ、ハンッ、ハァァ……ッ♡♡」

 

「あっ! このまま……イキそう……チンコの先が痺れて……腰に浮遊感が……! 精子がまたアガって来た! あっ、あっ、榮浬っ!榮浬っ!射精でるッ!!」

 

「うっ、うんっ! 出して! 出して! 出してっ♡ 太洋の精液いっぱい射精して♡ 私を太洋に染めて♡」

 

 締め付けの強さに動かすリズム、配慮する余裕は無いがどちらも初めてなので、問題になっておらず非日常な行為に身を委ねてしまう。

 

 榮浬があんなに過激でAV女優みたいなセリフをっ……演技なんて出来る子じゃない、初々しくたどたどしいパイズリのまま、頑張ってご奉仕しているのだと長年の交友を持つ太洋は理解している。

 

 ずっと一緒の幼馴染みにパイズリされる、間もなく射精するっ!

 

 脱いでも脱がなくてもエロいHカップ、ズラれながら視線が合ってしまい目を背ければ彼女のデカすぎるブラジャー。

 

 まさかこの日にこうしてパイズリ体験する事に、しかも榮浬にされるだなんてっ。

 

 ふっくらしながら弾力があり、ペニスが反発するも側面からホールドされ、エッチな拘束具からの脱出は不可。乳内射精(なかだし)しなければ脱出できない! 

 

 気持ちよすぎて脱出したくない! されど遅漏であっても必ず終わりは訪れる……

 

「きゃふッ!? ンッ! はあああっ……! あったかい……♡ せーえきってこんなにネバネバしてるんだァ……♡ わっ、まだ出てるっ……」

 

 

 

 ――初めてのパイズリでイカせちゃった♡♡

 

 

 

 口に含めば歯ごたえがありそうな、リアルの硬さが食感となるもっちもちのHカップ。

 

 そう我慢など出来る代物ではない、ましてやパイズリ童貞だ。絶頂間近から一旦は推移が下落気味になったが再び、パイ圧に食い込まれ経過時間は短かった、敢えなく撃沈大爆発。

 

 (昨日ヌイた……んだよな?)

 

 一ヶ月間溜めに溜め、チャージショットした記憶が蘇る。全く、いやそれ以上の射精量とネバっこさ。

 

 射出されたのは榮浬のマフラー、顔、衣服、そしておっぱい。身体の大半に欲望の欠片が拡散し糊でくっついたように滑り落ちないのだ。

 

 粘質が高すぎて固形に近い、カルピスゼリーを食べていた大昔、アレと似たような物体が。

 

「はっーー、はっーーはっーー……こういうさ、ゼリー……母さんに作って貰ったよね……見た目……同じなのに……こっちはとってもエッチ……♡ 太洋から作られた物だからだね……」

 

「あぁーー、はーー……ぐっーー、ううぁーー……ぶっかけ、ちまった……榮浬に……幼馴染みなのにっ……ハァハァ……」

 

 射精後の余韻に浸る間も、挟むのを止めずに居てくれる榮浬。

 

 正しくは榮浬も放心状態なので、動けないだけなのだが。

 

 おかしい、射精すればしなりと萎んでしまうハズ。

 

 挟まれ続けているからなのか、すぐに硬度を取り戻し新たなる先走りが分泌し、残りの精液が押し出されてきた。

 

「…………おさななじみ、っ――」

 

「…………えいっ、りっ……?」

 

 このキーワードが嬉しくもあり、妨げにもなっているのか。

 

 敏感ペニスと太洋に負けず、劣らず、勃起してしまっている乳首を白磁と白濁の肌へ重ねて誘導するのは、この町で収穫されるイチジクやライチ、柘榴よりも紅くピンクな乳首へズリズリッ。

 

 

「んんッ!! さっ、さっきの返事……今させてっ、太洋……? 私はね……太洋が好きッ! 大好きだよッ!! 太洋ッ!!」

 

 

 友達として

 

 

 違うっ

 

 

「一人の男性として……ずっと、ずっ~~~と! 想ってたの……太洋にトラウマがあるの知ってるけど……やった、やっと伝えられた……えっ、へへっ……10年以上経って告白しちゃったぁ……♡」

 

 漁船のエンジン音、アパート住民の笑い声、獲れたばかりの野菜の移動販売、威勢と活気のいい兄ちゃんの呼び込み、疾走する船を追いかけるウミネコ達の鳴き声。

 

 そんなの聞こえない、ペニスから伝わる左胸、紫水晶を潤ませながら見下ろす、榮浬の心臓音しか聴覚器官に伝達しない。

 

「でもねっ、無理に応えなくったって良いの……太洋は私を好きにならなくてもいいの……好きにならなくても……エッチ、して欲しい……/// 私の身体使って欲しい……太洋が居ない日はずっと……寂しかったの……」

 

 おっぱいにペニスを挟まれたまま、抱いていた恋心を伝えられた。

 

 頭がフリーズする、榮浬は俺の事好きなのかなって、そんなの一度だって考えた事もない。だって太洋達は幼馴染みで

 

「私はっ、幼馴染み以上になりたい! 恋人未満でいいから……幼馴染みよりも深い関係になりたい……太洋と……」

 

 こんな情けない体勢で告白されるなど、世界見渡しても早々居ないだろう。パイズリしてからの告白って順序が明らかにおかしい。

 

 

 

 

 太洋が高校二年生、恋愛に一番興味を持つであろうお年頃。

 

 進学しても仲良しで浮ついた噂も、勝手に広がった二人。雲払いし終わり気になっていたアイドル系の同級生に勇気を出して初めての告白。

 

 なんとっ! 玉砕覚悟の自爆上等だったのに、OKされてしまった!

 

 太洋は良い奴だけどその少女が惚れる要因は無かったはず。だがOKされた太洋は夢見、有頂天、友達から「どんな手を使ったんだ??」と聞かれたけど決まって「俺もわかんない!」と返答した。

 

「ホント、なんでだろう……別にいいんだけど!」

 

 榮浬もおめでとうって、帰宅路で祝福してくれた。

 

 太洋はサンキュー! って、全く榮浬の表情も心層も伺わず、あの子でいっぱいだったので適当に感謝の意を表していたが、今思い返せばきっと複雑な感情でごちゃごちゃになっていたのかもしれない。

 

 

 その彼女と付き合ってから2ヶ月……突然別れを告げられた。

 

 

 

 理由は酷い物で「ごめんね! 本命が居るんだ!」

 

 

 

 (えっ、年上の彼氏……居たんだ……じゃあなんでOKしたの? 本命って、俺は何だったの?)

 

 

 ……退屈だった少女はグループの女子の提案に乗り、次に告白されたらOKし少しの間は付き合う「フリ」をする。

 

 そういう遊びがネットの出会い系で流行っていたが、彼女もノッてみたのだ。太洋はその他大勢、退屈しのぎの道具でしかなかった。

 

 急転直下、偶々太洋が「次に告白してきた男子」だったに過ぎない。

 

 少女からすれば相手は誰でも良かった。本命のイケメン彼氏はキープしてるから、どう足掻いても告白側の恋心は実らない、理解されない。

 

 少女は暇つぶし、ちょっとの悪戯心だったかもしれないが太洋は全ての女性が信じられなくなってしまう程、落ち込んでしまい恋愛なんて懲り懲りだ……一生独り身で生きていくと決めた。

 

 そっか、勘違いしてごめんねと、少女に謝罪し誰も居なくなった教室で、悔しいのか情けないのか、純粋なる怒りなのか、やっぱり俺なんて……自尊心が粉砕していく。

 

 

 

 

「フラれちまったよ、俺。本命の彼氏が居たんだとさ~~!」

 

「……うん」

 

「身分を弁えなかった俺が馬鹿だったんだな~~! 恋愛なんて10年は早かったなぁ~~!」

 

「…………」

 

 もう、女性は信じられない。ただ一人を除いて。

 

 彼女と帰る予定だった太洋が、猛ダッシュしながら自宅に入り込んでいた。

 

 家が隣の榮浬は窓からの光景に、もしかして彼女さんと喧嘩でもしてしまったと気にはなった。

 

 相談に乗ってあげたいけど……手が震えてポケットから鍵を落とし、血走った眼と酷い歯ぎしりで口内から血が伝い玄関口が……いや、よく見れば道しるべとしてパンを落としたグレーテルのように、血が道しるべ代わりとなっていた太洋。

 

 (ただの喧嘩じゃなさそう……メールしたいけど逆効果だろう。自分には何が出来るんだろうか……?)

 

 

 

 ピンポーン! ピンポーン!

 

 

 

 聞き慣れたインターホンなのに、身を竦めよろめく。

 

 スマフォ片手に送信ボタンを押すか否か、悩める榮浬には来客が誰だか直感できた。この場所からでも悲しみか、絶望か、未来を打ち砕かれた幼馴染みのオーラが漂ってきたから。

 

「よー榮浬ー! ちょっと俺の話聞いて貰っていいかなー?」

 

 太洋を招き入れるのは珍しいイベントじゃない。少なくとも3日に1回は何らかの用事、榮浬の家族への用事を含めて上がっているから。

 

 17歳の少女らしいぬいぐるみや、ファンシーなアイテムは置かれていない、整理整頓が成されたシンプルな私室。

 

 女の子の部屋は榮浬のしか知らない。だがクラスの女の子の部屋には、釣り竿やルアーなどは置かれていないだろう。ジュニア大会で入賞した証の小さいトロフィー、互いの家族同士で国外旅行した時の、写真を貼ったコルクボード、太洋があげたとあるゲームを題材にした、4コマアンソロジーを数冊収納した手作りの棚。

 

(うん、見慣れたもう一つの俺の部屋だ)

 

 フラれた衝撃でテンションが非常に不安定になっていた太洋は、全ての事情を一方的に榮浬へと話す。息継ぎせず言葉を途絶えずペラペラの英会話講師の如く、人生で最もお喋りになった数分。

 

 太洋が……弱音を見られる事を嫌い、泣くとしても誰にも居ないところで泣く太洋が、表情こそ窺えなくとも泣いている。声色で分かる、幼馴染みだから……

 

「わりーな榮浬、くだらねぇ話に付き合わせてさ……まっ! そーいうのがあったのよ! 明日っから学校中の笑い者かなっ! アアーハハハッ!! じゃあ俺……帰るわ、ありがとう……!」

 

「……また明日……ね」

 

 否定もしない、肯定もしない。

 

 太洋の心を弄んだ少女に対して、明確なまでの殺意すらグワッと浮かんだまでだったが、太洋は望んでいないだろう。

 

 その子を恨まないで欲しいって……優しすぎるから。  

 

 言うだけ言って姿を消した太洋。彼が確実に居なくなったのを確認次第、部屋に戻った自分も……涙目であった。

 



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処女喪失

 太洋が榮浬だけを信用していた理由は幼馴染みだからであり、告白する事もされる事も絶対にありえないと思い込んでいたからだ。 

 

 大人になっても朽ちぬ心の友、大人になっても仲が良い幼馴染み、彼女とならこの先何十年もずっと〝幼馴染み〟として――

 

「気持ちの流動が止まらないの……太洋っ、太洋! 幼馴染みのままじゃイヤだよっ……心地の良い距離だけどそれじゃ……私はヤなの………」

 

 幼馴染みのまま、距離を維持しているだけで満足だった。太洋がフラれてしまうまでは。

 

 何時から好きになっていたのかは分からない。友達として、お兄ちゃんであり弟である太洋はあまりにも他の男性より接する機会が多い。

 

 好き、だけどこのままでいい。

 

 遊んでお話しして、学校でも授業を共にして、修学旅行でも同じ班で行動して。

 

 いいじゃないこれで。この先高校生になって卒業して、社会人になっても太洋は近くに居てくれるハズだから。

 

 例え彼女が出来ても結婚しても……長年の幼馴染みって唯一無二の、肩書きを持っていれば……

 

「我慢できなくなっちゃった……太洋が彼女を作りたくないって、逆に私は太洋への想いが強くなって……幼馴染みの枠を壊してもっと近寄りたい……怖くて中々行動に移せなかったけど……!」

 

(榮浬……俺をそんなにも想っていたのか……)

 

 榮浬が自分を好き?

 

 そんなの考えた事も無かった。

 

 『幼馴染み』って理由だけで充分だから。

 

 

 

 (幼馴染みが恋人ぉ? 結婚ぅ? ナイナイ! 漫画だけだって!)

 

 

 

 ……勝手に除外していた、幼馴染みの枠に固定した故の灯台もと暗し。

 

「太洋……好きだよっ……♡ 恋人になれなくたっていいから……エッ、チ……して欲しいな? 太洋との距離を縮めたいな……わがまま、だけど……お願い……しますっ……」

 

 客観的に見れば他の男には触られてすらない、極上のHカップを筆頭に男が狂い出す要素しか所持していない極上の処女。

 

 恋愛はしたくないけど性的欲求は人並み以上にある太洋からすれば、利益は計り知れない。Hカップの幼馴染みとエッチが出来るのだからっ!

 

 でもそれって、セックスフレンド……なのでは?

 

 幼馴染みと不健全な関係に……漫画であればソソるシチュかもしれないが、実際身に降りかかるとエッチは……したいっ! が、榮浬の身体を味わうと戻れない気がして……

 

「俺……も、榮浬とエッチな事したいっ……え、榮浬はシタ事……」

 

「ないっ……よ、パイズリもセッ、セック……スも……キスだって……全部した事ないっ!! た、太洋以外とそういうの……ヤだ……」

 

 交際経験も皆無であるのは真だったらしい。

 

 短い間に何度も発したからパイズリには多少慣れた様子だが、セックスの単語で頭と三つ編みを左右へ揺さぶらせ、遂には顔全体をマフラーで隠してしまう。

 

 恥ずかしくって堪らない、セックスなんて直接言葉で表したのは多分……初めてかもしれない。

 

 男性器の話題と同じく、クラスの女子に催されてもスルーしたし、やむを得ない場合は「性行為」やら「性愛」などでクールに誤魔化してきた。

 

「……♡ しよッ♡ 私の初めていっぱい貰って♡」

 

「~~~~~~~゛ッ゛ッ!! なんつーチンコに悪いセリフを!」

 

 榮浬がやぁっとパイズリ姿勢を崩した……筆舌に尽くしがたい表情をしたり、こぽっと精液池となっていた谷間からは液状ではなく固形なので張り付いていたり……あるが、ショートパンツのベルトを置きポケットに人差し指を引っかければ、ルリと落下。

 

「コレは……太洋が脱がして? パンツ脱がされるの……これも初めてだからね……♡」

 

 ヒップ部を覆わずT字にカットされた、ソングタイプ。

 

 男性である太洋には正式名称は不明であるが、ブラと同じレモンイエローのTバック、エッチ下着を榮浬が着けていた興奮で脱がせ方が結構力任せにサイドを持ち破らん勢いで、扱ってしまった。

 

「毎日……こーいうの着てるの……?」

 

 右脚だけ曲げて、左脚へショーツを引っかけたまま………

 

 これはっ!? エロ属性の一つである片脚パンツ!?

 

「そんな訳無いでしょっ……」

 

 無自覚に繰り出した榮浬は、実はエロの塊で素質があるのかもしれない。さっきから太洋が悦ぶ行為ばかりだ。

 

 パンツの内側、クロッチには無色の液体が榮浬の股間と繋がっている。やたらと粘度が濃いようで鼻を荒く鳴らしながら視認すれば、いくばくか白い濁りを含んでいた。

 

 (あぁ、コレが愛液か、先走りと同じで性的興奮を覚えたら本能で分泌させちゃうって言う……榮浬でも濡れるんだ……)

 

 変な事を思ってしまった。

 

 再会して「コイツ彼氏居るんだろうな~~」と、勝手に思い込んでいた時も端的に表せば「セックスしたんだろうなぁ」に、他ならない。

 

「やっ……あ……♡ 太洋が……太洋に私の……いつもよりビシャビシャ……やああっ♡」

 

 濡れて、突っ込まれて、ギシギシ……とはならず、太洋を一途に想い続けていくらでも、男を選べる立場なのに選ばなかった。

 

 彼女は太洋しか見えないのだ、太洋以外とエッチするのは嫌、結婚するなんて嫌、じゃあずっと処女でいい、ずっと独身でいいと!

 

「いつもよりって……??」

 

「……言わせるの? 私だってね……オナ……くらいするよ……♡ 太洋が都会に行ってる最中は、頻度高くなっちゃって……あああううう!! もも、も! もういいでしょぉ……バカぁ」

 

(そっか、そうだよな。オナニーの一つや二つ、やってない女は居ないよな……)

 

 男性はどうしたって女性を聖なる存在として崇拝してしまうけど、性別が違うだけなんだ。男と一緒で自慰くらいしない方がヘンだ。

 

 榮浬だってこっそりオナニーを……オカズになっていた自分とここまで来たんだから、内緒にする必要も無い!

 

 自暴自棄とも取れる榮浬の暴露。相変わらず口元は隠しておっぱいは隠さず、仰向けでだってモチモチブルンッ、乳輪を大きく持ちいやらしい乳首は勃起済みなのでプリップリ。

 

 グミなのか、柔らかさ一番の白波町の甘エビなのか、しゃぶり尽くしたい欲がギンギンになればペニスも連動しギンギンな垂直に改装される。

 

「いーよ……いっぱい濡れ……ちゃってるから……挿入して? 一緒に初めて……卒業しよっ♡ 太洋……」

 

 返答はしない、その声を聞いてるだけでゾワゾワするっ……

 

 彼が知っていた榮浬ではないっ、榮浬はどんな女よりもエッチだった。

 

 髪と同じ藤色のアンダーヘア。太洋が都会暮らしをしていた時は、ちょっと怠気味になっていたけど帰還次第大急ぎで整えパイパンから少し生やした、そんな表現が的を射るIライン。

 

 チクチクしない、滑らかな手触り。塗料で塗られたかのようで違和感がまるで無い。永久脱毛していたら逆に違和感があっただろう。

 

 榮浬の女性器、おまんこを見るなんて……小学生の低学年以来?

 

 

 

 ――へー、チンチン生えてないんだなー、女の子は。

 

 

 

 程度にしか思えなかった縦筋が、十数年の時を経て現れた。このおまんこに自分のを……

 

(入らないっ、狙いは定まってるのにっ! あーーカッコワリーよ俺ぇ……)

 

 どちらも余裕は無いけど、入るハズの竿が入らない。

 

 前戯はしてないけど、性器は準備万端になっている……もっと濡らさなきゃダメだった?

 

「……も、もう少し下……かな? あっ……んッ♡ そのままっ……」

 

 位置が微妙にズレていたらしい。お尻の穴と大分隣接した位置こそ、狙うべき膣穴。

 

 初エッチで早くも失敗に近い、かっこ悪い面を見せてしまったが笑いもせず、戸惑いと恥じらいを忘れぬまま、誘導してくれた幼馴染み。

 

 土壇場では女の方が度胸がある、それは本当かもしれない。

 

(ここっ……ァ……先だけ入って行く……もっと、進むぞっ……)

 

(本当にっ、私達っ……セックスしちゃう❤幼馴染み以上になれちゃう❤)

 

 異物器官の混入、壁に到達しない間は剥けた亀頭で、浅く膣肉の感触を捉え腰を落とすも、ここからだ。

 

 

 

 それ以上先に入るなっ!

 

 

 

 膣口への進入を拒むカーテンはブ厚くも薄いデリケートな粘膜。

 

 丁重に縫い合わされたヒダは持ち主がどれだけ男を慕っていても、意志と無関係に異物を追い出そうとしている。男を知らないこの神域に突入するには……

 

(あうっ!? 指でも入れない場所っ♡ 太洋のおちんちんが♡ 来るっ、来るっ! 色が変わってる部分がぁ……はっ! はぁぁっ!? 皮の部分がぁぁ♡)

 

 

 

 グジュッ……グッ、ググぅ……ズヂュッ

 

 

 

「あああああ゛あ゛あ゛ッッ!! うァ゛ッ!?ああぁあ゛っ! いぅ……いっ……はァぅ゛ぅ~~!!」

 

 腰に力を込めるしかないっ、処女喪失。

 

 自分の器官の一つが切り刻まれた。ブチリッ、21年もの間共にあった部位が、好きな人が内臓しているペニスで破壊した。

 

 初めては痛いと聞いた。

 

 覚悟してたけど麻酔も無く股間から全神経に直結する激痛。

 

 お気に入りのマフラーに歯を立て、噛み千切らんとする剣幕も信じられない。

 

 瞼がせり上がり眉もしおらしかった、逆ハの字から反転。親の敵を見つけたような凄まじい形相で太洋を睨んでしまっているが、怒りの感情などこれっぽっちも抱いてない。

 

「あっ゛っ!! つっぅ~~!!? 榮浬のおまんこ煮立ちすぎっ……チンコが火の中に入ったみ……うおぉ!? 蠢くッ!?」

 

 熱湯なんてモンじゃない、罪人を戒める煉獄の火炎。

 

 気を抜けば一瞬で、太洋の分身が浄化されてしまうっ、溶解液でも放たれた感覚に陥り処女膜を破壊しそのまま進行。

 

 ゴンッと接触した最深部へ到達したが、未体験の快楽と動けばこれ以上の……ある種の恐怖感、童貞をおっぱいが大きい美女で失った達成感、幼馴染みと後戻り出来ない行為をしてしまった罪悪感……など、本日三度目のフリーズで身動きが取れない。そんな最中でも、膣の鮮明なる情報はペニスから、伝わってしまうのであり……

 

「やっぱり……痛いんだねっ……はっーはっー……♡」

 

 榮浬はオンナに、太洋はオトコへ。

 

 あの頃の自分らは幼馴染みと身体を重ねてしまうなんて、この惨状を見せたって信じなかった。

 

「ん~~……でもねっ、痛ければ痛いだけ……想いが成就した幸福で身体が……中から満たされていくのっ、太洋っ、太洋……私、嬉しいよぉ……♡」

 

「榮浬ッ……」

 

 アソコからは血が流れている、自身のペニスでブチ破った処女の証。

 

 鮮血とは呼べずに黒色混じりの生々しく痛々しい、血が睾丸にも付着していた。

 

 見るのが辛い、太洋では決して味わう事の無い最初で最後、たった一度だけの開封の儀。買ったばかりのカーペットに血を始めとした体液が染みこむが今更だ。

 

 本来ならば恋人同士であるならば、好きだよと愛を呟きながら抱きしめてやればいいんだろうか。

 

 冗談でも「好き」と言えないトラウマを抱えている。榮浬の痛みを分かち合うことも出来ず、ペニスをヒク付かせながら表情の硬い幼馴染みの笑顔は本当に、幸せそうで……

 

「ふっーー、はぁぁ……ちょっと落ち着いた……太洋のおちんちん……ピクリピクリって、血管の動きまで分かっちゃいそう♡ いーよ……? 私も動いて欲しいな……気持ちよくなろ?ねっ……♡」

 

 榮浬からすれば「セックスして貰っている」

 

 簡単には拭えない過去を知っているから、幼馴染み以上になりたいけど恋人未満、無理難題に応じてくれたのだから気を遣わずに好きなようにして欲しい。

 

 (でも太洋は待っていてくれた♡)

 

 ……動かなかったのは未貫通極小おまんこに瞬殺させられると察して、腰を埋めたまま動けなかっただけなのだが余計な事は言うまい。

 

 応じて貰っているのだからおっぱいを鷲づかみにされ、乳首を引っ張られ、乱暴なまでにペニスを抽出されても、耐えるつもりであった。

 

「榮浬――ッ゛ッ!!」

 

「あンッ! 大丈夫っ♡ もっと! きゅう゛う! 私も気持ちいいからぁ♡ はァ♡ はァ♡ んぐッ!? おちんちん擦れる! 抉れるっ! あっ……あ、はーっ、んん♡」

 

 榮浬の腰を掴んで目つきが変わる。狭苦しいのに驚くほど軽いストローク、先端が半分ほど露出した瞬間にバヂュッ! ジュブッ!

 

 例え隣人が居てもおかまいなし、喘ぎ、ヨガリ、オスとメスの本能むき出しセックス!

 

 エロ漫画ではフォントで各作家の力量や好みが問われるパンパン音。

 

 肌と肌が粘液と粘液が接触し、劣情を刺激され耳が犯されるとはまさにこの事だろう。

 

「止まらないッ! チンコ止められないっ!!? 榮浬のおっぱい凄くやらしく揺れてるっ!!」

 

「あぁア! うァ!あっ、ひぅ゛ぅ゛ッ♡ 太洋の為にねっ! おっぱい大きくなったの♡ いろんなところが成長したの♡ ヒャうっ! あんんんぅぅ~~♡」

 

 叶うかも分からない夢を抱き、一途に保って誰にも身体を許さず、人類の中で唯一選ばれたのが……太洋っ!!

 

 元はと言えば中学生の榮浬が歳に不釣り合いな発育だったから、おっぱい好きになった気がしなくも無い。注目されていると判明してから、さらに大きくなる努力を?

 

「はぁ、んぁ、一番恥ずかしい場所で繋がってる♡ ハッ! ゛ィ゛ィ~~♡ そこっ、もっと押して欲しいっ……♡」

 

 エッチは予想外の事ばかり。イメージトレーニングなんて意味なかった。

 

 相手が誰かは知らないけど童貞卒業エッチではこうして、ああして、膣壁の感触さえ何百とイメージし男らしくキメてやろう……目論見は1ピストンで消え去った。

 

 腰が勝手に動き出す、子宮口を押して、カリ首で纏わり付くヒダ肉を掻っ捌き、榮浬を引き寄せる形で打ち下ろす。

 

「ヒッ!? グッ♡」

 

 両思いの恋人同士じゃないが、相手は性交経験の無い女の子。大事に扱うのが礼儀なのに、思いっきり無視して重力に逆らいバウンドするおっぱい、激しいプッシュを食らっても破顔する幼馴染み、言い訳するなら「だって好きなようにしろって!」……最低だっ。

 

「ハッ……っんっ、あっん♡ 太洋の生おちんちん~~♡ ずっと一つになりたかったのっ♡ 切なかったよぉ♡ んふっ、ッぅ♡」

 

 (なま……? そういえばゴムしてないっ)

 

 そんなの常備してないし、あってもする間が無かった。

 

 榮浬の言葉に甘えて童貞を失ったけど、妊娠させる気は無い。膣内射精せずとも生挿入だけで危険なのだがこのままでは膣内でイッてしまう、幼馴染みを妊娠させてしまうっ!?

 

「たいよぉー! わたしっ! わたし゛ぃ゛ぃーー♡ はじめてのせっくすでイッちゃうの♡ たいよーにイカされちゃうよ゛ぉ゛ぉ~~~~♡♡」

 

「俺も゛っ! 榮浬のおまんこにイカされるっ! さっき射精したばかりなのにまたっ! アッ……アッ、アアアッ!! クアアアアアッ!!!」

 

 微妙に噛み合ってない、榮浬にイカされるのではなく「榮浬のおまんこ」の表現は身体は許せても心は許せない、まるで女の子みたいだけど、深く刻まれた失恋痕は重症、癒えない。

 

 種を発射する器官に従いがむしゃらに膣内を刺激し刺激され、ペニス表面が膨れ上がってきた。榮浬も膣感で膨張を捉えて身を捩らす。

 

 長年の幼馴染みと正常位セックス、何処か寂しそうに両手は空を泳いでいるが、今の太洋にその意味は分からない。

 

 手のホールドが無い分を両脚を腰に回して補う形……だいしゅきホールド……愛情表現であり、受精表現。男としてこれ以上ないエロティックな妊娠願望だが――

 

「もっ……ダメぇ♡ はっあああんっ~~♡ えっ……? んぶ゛っ!? あっ♡ あああああ゛っ゛っ~~――♡♡」

 

 絶対に抜け出せないだけの力。

 

 榮浬は無意識であったが成人男性を遥かに上回る脚力だったのに、火事場の馬鹿力だったのか残り1秒でペニスの線を抜いた太洋は、膣内射精を待ち望んでいた榮浬の顔へぶっかける。

 

 欲しかったのは膣内。だけど勢いと雰囲気に榮浬の思考回路は極端にグレードダウンしていたので、それが失礼だったと顔とおっぱいに衰えぬカルピスゼリーを、振りかけられ終わってからハッとした。

 

太洋の種子で妊娠……したかったけど、子作りセックスではなくお情けを貰っている立場なのに……1テンポ遅れたけどイケて気持ちよかったけど……オナニーでも中々しない潮吹きで、太洋の身体を汚してしまった。

 

(ハァッー、ハァァ……ハッー、うっ、すげぇ……引くほど出た……セックスしちまった……)

 

 ドロォッ……

 

 膣内からは破瓜の血を、口元からは泡立たせた唾液を、身体中の毛穴から疲労と興奮の汗を、紫水晶の瞳からは涙。

 

 へそ辺りから零れた精液が破瓜の血と混ざって絵の具のように変色、ピンク色だ……榮浬が来る事になって大急ぎで掃除したけど、カーペットにちゃぶ台まで体液でグシャグシャだ。

 

「ふーーー~~っ♡ はぁ、はーーー♡ ありがとう……太洋……」

 

 余韻、というよりも疲れて動けないだけ。

 

 なし崩し的に始まってしまった一連のエッチ。パイズリされて正常位して、童貞仲間に自慢したくなる素晴らしい女性が相手。なのに釈然としないのは……

 

 寝そべったまま呼吸を整え心臓の鼓動を鎮めているが、まだ時間は掛かりそうだ。

 

 榮浬の右手と自身の左手、多分薬指かと思うが感覚が希薄、恋人ならこのシチュで何をするか?

 

(……あっ……)

 

 彼らはエッチしたけど恋人じゃない。

 

 ソレの願望がある榮浬も、ぶつかった瞬間に引っ込めてしまった。

 

 そうなる事を恐れている太洋も同じ、無言で半身を反らし意志を表す。

 

「…………」

 

「…………」

 

 今になって初めて、学校から楽しそうに帰宅途中の児童達の声が聞こえた。

 

 互いの心音は聞こえない。

 

 

 

 

 オレンジに染まる残光は夕日の現し身。空色のスケッチブックが上書きされる時間帯。

 

「おうちに帰りましょう」と、人型のシルエットが枝分かれする力を備えたアナウンス。

 

 遊ぶのに熱中しすぎて、気がついてたけど二人で無視して……帰ってきたのが19時過ぎになって二人してゲンコツされて……

 

 

(あぁ、戻れない。何時までも二人は子供じゃ無い、こうやって大人しか出来ない事しちゃった訳だし)

 

 

「んっ、ドライヤーありがとね……」

 

 シャワーで体液を落とし誤魔化しようが無い衣服は責任を持って、太洋が洗濯・乾燥し後日返却。

 

 適当な太洋の私服を借りたが当然、女物の下着が持ち合わせてないからノーブラでノーパン。

 

 長袖に英数字の入ったVネック、寝間着として使用できるダボッとしたスウェット。組み合わせなんて言ってられない。

 

 榮浬はチャリンコがアシ代わりの自分と違って、家族から借りてるステーションワゴンで職場から遠出から秘密の釣りスポットまで、釣り具を運びながら走り回ってるが裸で車を運転する訳にはいかない。

 

 (榮浬はこの町の中ではお金持ちの部類、それは分かってるが男がチャリってカッコわるぃ……幼馴染みって縁がなければ、まず相手にされなかったよな)

 

「お茶をこぼしちゃったとか……父さん達には適当に言っておくよ……じゃあ帰るね……無理矢理エッチさせて……ゴメンね、ゴメンね太洋……またねっ……」

 

 マフラーも精液まみれなので、榮浬の姿はかなり見慣れないファッションになっている。なるったけ綺麗に洗った藤色の髪も三つ編みにせず中心のみ一回り長い変則ロングヘアのまま、謝罪しながらアパートを後にした。

 

 

「……あぁ、お茶とお菓子あったんだっけ……」

 

 くせっ毛をドライヤーで渇かす瞳は、焦点があまり定まらず。

 

 榮浬の言葉でおやつを用意していた、辿ればソレがキッカケでエッチを……

 

「喉が渇いてしょうがねぇや……」

 

 行為中も水分が抜け落ちて相当喉が渇いていたハズなのに全くもって、飲みたい気持ちが湧かなかった。それだけ榮浬とのエッチにのめり込んでいたのだろう。脱水しなくて良かった。

 

「……うまっ、けど榮浬のおっぱいのが弾力あるな……ハーー……」

 

 榮浬は太洋を好きって言ってくれて、処女も太洋の為に取っておいて。

 

(自分なんかじゃ勿体ないくらい、自分なんて不適切、自分も好きだって応えるのが男だろうに。サイテーだわ………明日からどーしよう……顔合わせずらっ……思い出しちゃうよ……洗濯終わったから渇かさねーと……」

 

 ダラりとしている身体に活を入れ、徒歩数秒圏内のコインランドリーへ向かおうと、バッグに榮浬の服を入れていくが――

 

 

「……やっぱデカっ……Hだもんなぁ、帽子みたいだ……」

 

 

 洗濯しても落ちないのは彼女の香り。後片付けが面倒だったくらいに射精したのに、空であるハズの玉袋に精子が充填されていた。

 

 



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一週間後

「榮浬とエッチ……した? んだよな? 未だに実感薄いわ……はーー……」

 

 童貞卒業すれば全てにおいて自信がつき『オトコ』になれる!

 

 高校時代にヤリチンとも言えるほど、経験豊富だったチャラ髪の先輩に突然「お前まだ童貞なんか?」と聞かれた。

 

 

 (はぁぁ!?なんだよこの人は!)

 

 

 人数は少ないけどいきなりそんな質問するとは、公序良俗もなければ無礼侮辱、先輩だからと何を言っていい訳じゃない。

 

「余裕なさすぎんだよ太洋は。早いとこセックスすりゃあ、少しは女の扱いとか女に対する余裕が生まれるんじゃね? だってあの子への言動とか態度とか、童貞まるだしだもんよ」

 

 太洋の心を弄んだアイドル系の人気女子。元カノと言えばそうであったが……この段階では向こうも太洋を好きで居てくれると勘違いしており、彼女もボロを出さなかった。

 

 

「そんなに気を遣わなくてもいいのに」

 

「好きな子だからさ! 男として当然だよ」

 

 

 率先して彼女が喜びそうな事、為になりそうな事を行うも一部の生徒からすれば恋人じゃなく召使い、その様にしか捉えられなかった。

 

 彼女も分かっていて止めなかった。太洋も初めての彼女が出来たあまりの陶酔で「絶対逃がさないぞ!」この気持ちが強すぎてパシリ具合は今思い返せば、嫌われたくないから必要以上に纏わりつく勘違い系の童貞男子丸出しであった。

 

 実はチャラ髪の先輩は彼女が年上のイケメンと付き合っており、ラブホへ入り込む瞬間を目撃していた。自分も女とヨロシクする場所と同じだったので、偶然だが本性を知ってしまった。

 

 真実を告げても幸せ絶頂な太洋は信じない。それか「俺の彼女はそんな事するハズない!」と名前を蔑まされた時と同等かそれ以上の暴れっぷりで、先輩を血祭りに上げるだろう。

 

 「とにかく一度ヤッちまえ~! ヤりゃあ世界が違って見えるぜ? 俺も童貞ん時はわりと根暗だったが、ヤればヤる程自信が湧き出てくるモンだ」

 

 チャラ髪先輩からすれば別れる前にヤリ逃げしちまえの、ニュアンスも込められていたのだろう。女経験豊富な彼の〝勘〟だが告白され二か月近く経過、もう少しで本性を出すかもしれないのでせめて合体して清算が取れるようにと。

 

 今後の為になるアドバイス、勿論彼女との初エッチは初々しく……そんな妄想も数日後に打ち砕かれたのだが。

 

 (自信なんて付かないッスよぉ……俺は榮浬にパイズリして貰って、正常位で初めて同士を散らせて夢じゃないんだけど現実とも思えない……)

 

 十七時四十九分、お仕事帰りの社員さん達がお気に入りのお店で自分へのご褒美を振る舞う金曜日。

 

 昼時も相当数の利用客だが、夜の客足だって半端ない。最初に味わった時なんて思わず「うえぇぇ……」と心の中でゲンナリしてしまった。

 

 スタッフ一同が総力を上げてもそれだけの人数は店からすれば嬉しいが大変だ。

 

 少しは慣れたが金曜日、そして日曜の夕食から閉店時間までが最も恐ろしい。

 

 実戦でしか学べない事もあるとチーフは仰っていたが、まだ入職して一か月なので指示通り動く事すら命がけ。

 

 童貞を喪失してから一週間、太洋の日常は何ら今までと変わらない。 

 

 店裏の狭い休憩スペースで自作したオニオンスープを飲みながら十五分の貴重な休憩時間に、エッチしたあの時の映像がフラッシュバック。もう一週間も顔合わせしてなければ連絡も取っていない。

 

 エッチした幼馴染へと、今後どういう対応をすればいいのかわからない。

 

 例え顔を合わせても気まずくなってしまうだろうが。

 

(間違っても『またやろーぜ!』とは言えないし……いや、やりたいけどさ……気持ち良さは忘れられないよ……)

 

 榮浬の裸体を、おっぱいを、膣内と直結した感覚を。

 

 仕事中に思い出しかかってもお客さんのオーダーや弁当の電話注文、買い出しなど、騒がしさや繁忙さが味方してくれるけど、自宅アパートに戻れば静寂そのものなので途端に、榮浬との初セックスを思い浮かべて勃起させてしまう。

 

 復習として料理を作ったりノートに書き込んだりしていても、股間がムズムズする……でもオナニーする気にもなれなかった。

 

 

 ――俺たち一生童貞だよな!

 

 

 太洋が例の女性徒と別れ、トラウマを植え込まれたのを知っているに関わらず、敢えて明るく振る舞ってくれた野郎友達。

 

 二か月でも付き合えただけ凄いじゃん、俺らはそんな勇気も無いからさと、朝までカラオケルームで騒ぎまくってくれた優しい奴ら。

 

「……も、裏切った形になる? のか? ゴメン、童貞じゃなくなったよ俺……」

 

 本来なら喜ばしい出来事、自慢のメールを送ったりする物かもしれない。

 

 まぁ、信じて貰えるかは微妙だしソープと思われそうだが。

 

「ッ〝ッ〝ゥ!? メール!? 榮浬からだッ!!」

 

 残り時間は三分、スープを飲み干してからスマフォ片手に目を瞑るとそうはさせないと言わんばかりのタイミング。

 

 

 

 『明日、お邪魔していいかな?』

 

 

 

 太洋が勤める洋食店の定休日を把握している。まさか定休日まで待っていたのか、キョドってしまいスマフォを落としそうになった。

 

 名詞が記入されてないがメールでのやり取りでは良くあること。 

 

それだけ言葉が少なくとも互いを知っており、伝わってしまうだけの距離を持った幼馴染。エッチしたけど恋人じゃない、彼女は幼馴染以上、恋人未満を望みパイズリして処女を捧げて十数年も一途に想いを寄せてくれていた美女。

 

 ドラマであるならあのタイミングで「俺も好きだ!」って、カップルになるのが当たり前。

 

 例え男にその感情が無かったとしても、雰囲気に押され了承するのがある種の礼儀。

 

 太洋は寸でのところで流されなかった、理性を失わなかった。

 

 ゴムをしてないから、付き合ってもないのに妊娠はさせたくないから、膣内射精はせず身体全体に精液をブチ撒けた。彼女はソレを望んでは無かったのは分かるけど……

 

「やっべ、戻らないと!」

 

 スマフォのスイッチを切りメールの内容を考えながらここから数時間、まともに座る時間も与えられない。だからこそ短いながら休める時間を設けてくれる、オーナーの配慮は頭が下がるばかりだ。ここはブラックとは呼べない優良なお店なのだろう。

 

 本当はメールの内容なんてとっくに考えている。

 

考えてる時間を作っている〝フリ〟だ。コチラから言い出せず乾いた榮浬の服やマフラーを届ける事も出来なかった自分より先にアクションするとは、やはり女の方が度胸ある……てか、彼がヘタれてるだけかもしれない。

 

 

 

 

 翌日――――

 

 

 

「ハイッ、お菓子とお茶!」

 

「ど、どうも……」

 

 結局食べられず飲めずだったこの前と全く同じ店で購入した和菓子、都会で購入したお茶をちゃぶ台に置く。

 

 対面する榮浬と太洋は、傍から見ればお見合い中か。土曜日の午後15時過ぎあの時とほぼ同一の時間帯。

 

 赤紫のグラデーションマフラーを返して貰い次第、首に巻きベタを模したブローチを付ければ私が戻ってきた、そう言いたげに薄く笑みを作ったけど太洋と視線が合えば忽ちマフラーで口元を隠して黙り込む。

 

 ナニから切り出せばイイんだろうか。

 

「…………」

 

「…………」

 

 もう5分も経過してる、ずっとこのまま数時間も流す訳にはいかない、誤魔化すように榮浬はやっと小皿から和菓子を手に取った。

 

 生地に練りこまれた蓬の香りがこしあんを引き立て、笹に染み込ませた塩がアクセント、より甘く美味しくなる工程のおまんじゅう。

 

 このお店は小さい頃から良く利用していた。太洋となけなしのお小遣いを合わせて、両親に買ってあげた時は凄く喜ばれた物だ。

 

 不変な魅力を持つ伝統の和菓子、舌は完全に味を隅々まで覚えたけど飽きない美味しさ。美味しい物はどれだけ食べても美味しいのだ! 

 

(やっぱこれうめぇ!……けど、榮浬のおっぱいのが……って、どうしてもそっちに思考が行って……)

 

 初めての記念エッチ日にも、同じ事を思った。

 

 どんな和菓子よりもモッチモチで、みずみずしくて、食べ応えある重量おっぱい。男という魚を誘ってしまうルアーで餌。

 

 

 あの胸にパイしてズリされた。

 

 

 てっきり彼氏のブツを挟んでいたと勘違いしていたが、彼女はパイズリ処女でありHカップを初めて飲み込んだペニスが太洋のブツであった。

 

 宝くじの一等賞、おっぱいもおまんこも処女を貰ってしまった太洋は、少なくとも白波町で一番の幸せ者だ。

 

「……あのねっ、この前はゴメンね、ゴメンね……」

 

 硬い面持ちで湯気が控えめとなった、茶碗を見つめていた榮浬が言葉を出す。

 

「好きでもない女とエッチ……してくれてありがとう……ゴムなしでスルのは危ないのに……分かってたけど……」

 

 太ももに巻かれたポーチには釣り道具しか入れてないが一週間前、太洋の部屋を訪れる前に予め榮浬は薄型のコンドームを購入し収納していたのだ。

 

 榮浬からすれば生きるか死ぬか、男女二人きりの狭い空間、絶対想いを伝えてソレカラ……を見据えていた。

 

 太洋にその気がある……だったら言う事なしだけど、癒えないトラウマを抱えてしまっているので、汚らわしいと拒否されるか、お情けとして〝エッチして貰う〟か、準備するに越したことはなかった。

 

「ゴム……持ってたのか……」

 

「うん……つけ方とか分からないけど……買うの恥ずかしかったから隣町で買ったんだ……♡」

 

 

 ――なんかもう、ヤル気満々だったらしい。

 



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オナ見せ合い&縦パイズリ

タイトルがド直球


 避妊の為にゴムをするのは女性としては身を守れるのでダメという理由はないはずだが、榮浬は初めてのエッチは生が良かった。

 

 例え危険だと承知していても太洋との初めてはゴム越しではなく、生で彼のペニスを咥え込みたかったそうだ。

 

「無責任だったよね、出来てはないと思うけどリスク……増やしちゃって……太洋にも責任被っちゃうのに……ゴメンね……」

 

 男がゴムを拒否って無理やり中出しはエロ同人では親の顔より見た描写。これでは立場が逆だ、女の子の方がゴムが嫌だって生セックスさせたんだから。

 

 薄型でもゴムはゴム、安全になるけど代償として繋がっている感覚が鈍かったり快感度合いが薄れたり。

 

 もちろんお互いに妊娠を望むならゴムなんざいらないが、望まぬなら快感が薄れるのはやむを得ない。

 

「謝るなよ……俺は気持ちよかったし……」

 

「えっ……❤ わっ、私も……なまえっち……気持ちよかったよ……❤ そうじゃない……?」

 

 太洋は望んでない。

 

 恋人なんて、彼女なんて、恋愛なんて……深々と刻まれた痕は埋める事が出来ないので、子供なんてそれ以前の問題。 

 

 美人なHカップの幼馴染とセックスしても、簡単に修復できる傷痕ではない。

 

 確かに榮浬との生セックスは予期せぬ出来事だったが、長年の手淫で得た快楽を束にしたって叶わぬ至高にして最上無二、エクスタシーの行きつく先を知れた。あの感覚を一度知ってしまえばヤリチン先輩の気持ちが嫌でも分かる。

 

 麻薬だ、榮浬の口からからエッチな単語が出る度、おっぱいもぶるぶる動いて恥じらっているポーズも二の腕がおっぱいに沈んで……

 

「ねっ、太洋……」

 

「は、はい、なんすか……?」

 

 されたい、パイズリされたい欲が芯から湧き出てくる。

 

 勃起してもオナる気になれなかったのは、また榮浬がパイズリしてくれると予感していたから? その時の為に貯め込んでおけと。

 

 「今日もエッチ……しちゃおっか……? 私はして貰っている立場だけど、太洋がしたいなら……私の身体使わせて? えっと……ちょっと……♡」

 

 心情を察したのか、それともおっぱいばかりに視線が行っていたからなのか。

 

 ずっと一緒の幼馴染なのだから、視線の変化には敏感だ。

 

「あっ、今おっぱい見られてるんだな」って、彼が隠していたって榮浬にはわかる。

 

「実はね、太洋から洋服借りたでしょ? 畳んでる時に凄く……昂っちゃって……しちゃったんだ……」

 

 ナニを? 聞くまでもなく……

 

「俺の服をオカズにした……んだよな?」

 

「……そ……/// 匂い嗅いだり……抱きしめたり……一週間ずっとしちゃって……あっ! よ、汚してはないからねっ!!」

 

この前オナニーくらいするよって、話題は避けるも女性ならば当然の行いをしてると教えて貰ったけど、自分が着ていた服でオナられていたとは。

 

 しかもオナる気になれなかった太洋と正反対、一週間しまくっていたんだと!

 

 いつからこんなにエッチな女になったんだろう。

 

 誰かに開発された訳じゃない、強いて言うならば自分自身でエッチな改装を施してしまったのだろう、太洋への想いだけで。

 

「あのさ榮浬っ、この際だから見せ合いしてみない? 俺は榮浬がオナってるの見てみたい……」

 

 何がこの際なのか。

 

 自分の私物で発情する榮浬に異常な興奮を覚える。どうやってオナニーしていたのか、自分も普段どうやってするのか見せる代わりに、榮浬のも見せて欲しいと普通であれ、頭が春模様な駄提案。

 

 セクハラかもしれないが自慰行為してましたって告白されたんだから、何を今更……榮浬のオナニーが気になってしょうがない太洋は既にズボンごと卸し剥けきれてない、ペニスを魅惑の幼馴染へ射そうとしている。

 

「わァ゛ッ!!? おちんちんやっぱり勃起してたんだぁ……♡」

 

「そりゃな……榮浬に誘うセリフ言われちゃあ勃起しない男は居ないと思うぜ……?」

 

「……太洋以外は勃起……しなくてもイイんだけど……んっ♡ いーよ、オナ……ニー、見せ合いっこしよっ♡」

 

 大分貯蔵がなされた陰嚢を手で確認、ズッシリした重さは榮浬のおっぱいにも劣らない。ここまで貯めたのは数年を通して自分は知らない。三日に一回はパイズリ本でヌイていたから。

 

「私……太洋の部屋に行くんだなって意識してから……濡れて来ちゃってたの……絶対、エッチな事するからって……期待しちゃってた……♡」

 

「結構エッチなんだな……榮浬……うっ、ハァハァ……俺はこーやって……何時もオナってるよ……はぁはぁ!」

 

 右手で握り、先走り液は円を描くように表面に浸透させていく。

 

 ストロークを多くとり速度は最初から速め。摩擦の痛さは多少あるものの、暫く扱けば汁でヌルヌルになるので皮は剥ける。

 

 〝いつもしてるオナニー〟を見せればいいだけ、カッコつける必要はない。どうせ下半身露出してるだけでも恥ずかしいんだから、開き直ってしまえばいい。

 

「私はねっ、こうやって……あっ、んっ……♡ 脚を広げて、二本の指で……ん゛クッ♡」

 

 榮浬も太洋と同じ、ショートパンツは脱がずにファスナーを全開に――脱ぐよりもいやらしいかも――しM字開脚姿勢で人差し指、中指を既に濡れぼそっている膣口へ、第一関節までぬちゃっ……粘度の高い音が飲み込んでいく。

 

 小陰唇辺りから徐々にせめて膣口へ、その様なオナニー法があると聞き伺っていたので、榮浬もそうであるかと思えば違う。

 

「こうやってぇ……ふぅ、ふぅ……緩くかき混ぜるようにぃ……!はァァッ……んッ、ふッ……太洋にされてる……想いながらァ……♡」

 

 座布団から離れ壁に背を預けている両者。なんと榮浬は目の前で自慰行為をしてる太洋をオカズに、愛撫される妄想を取り入れているのだが〝何時もやってるオナニー〟を、見せると合意したのでつまり……

 

「太洋のおちんちん……エッチな形してるのぉ……/// あぅ、ふッ、あ……♡ 優しくされたり……激しくされたり……いろんな太洋で……いつもシテたの……」

 

 見せ合っているのに、太洋だけが猛烈に羞恥心を抱く形になっている!

 

 榮浬はエッチして貰ったんだから、もうスケベだと思われていいやと、吹っ切れた様に魅せつけている。

 

 比べて太洋側は戸惑いが混入している。初エッチの時は女性器をマトモに見る暇など無かったが、目を開いてるだけで鮮明に捉えられる距離に生のおまんこ、微小に藤色の陰毛を整えている榮浬のおまんこから先走りに相当する無色、透明の液体がチロチロ流れ落ちているのだから!

 

 今日のパンツは黒いフラワーレース。恐らくTの字にカットされているのだろう。

 

 女をセクシーに魅せるのが黒色、下着の件を抜きにしても榮浬は大変魅力的だが、底上げか上乗せかコレでいいと留まらず自らの長所を磨く。

 

 ……のではなく、太洋の為に新しく買っただけである。オナニーすらしてなかった太洋、なにもしてないと思わせ着々と次のエッチに向けて準備していた榮浬。

 

「どーお……?」

 

「エッチ……だぞ榮浬!」

 

「そっか、へへっ、やった……♡」

 

 エッチと言われて喜ぶ女になってしまった。

 

 心の距離は……だが、身体の距離は大幅に縮まった。

 

 もっと太洋に悦んで貰いたい、恋人にはなれなくても幼馴染以上にはなれる。太洋が好みそうな下着を穿いて大股開きでオナニー、太洋がこの町に帰還してから彼とエッチしたい願望がどうしたって抑えられない。

 

 「ハァッ、ハァ、ハァ……榮浬っ、ハァハァッ……」

 

(私の名前……もっと呼んでほしい……おちんちん扱きながら……榮浬って呼んで……♡)

 

 単純に垂直へ生える棒ではなく、微妙な曲線となり根本からさらに下には、精液が生産される袋。

 

 榮浬も初体験時はマトモに男性器を視認出来ずじまいだったが、二回目の今は少しだけだが気持ちの余裕がある。

 

 おちんちんを私のココに……彼は包茎を気にしていたが、榮浬は別に気にしていない。寧ろ剥ける前と剥けた後、エロさが異なる二面性が好きだったり。

 

「んッ、ん……ゃ……きもちぃ……///」

 

(ニーソもエロッ……気にしてなかったのに視線を変えたら、全部がエロく思えてきちまう……堪んねぇよ!)

 

 ちゅくっ、ちゅくっ、くちっ、くちゃっ、シュッシュッ

 

 オナニーで意思疎通を図っている男女。女性に対して積極性を持てなくなってしまった太洋は、性欲を失った訳ではない。トラウマを抱えているからこそ人一倍は性欲旺盛だ。

 

 実物の女と関わればまた裏切られる、だからエロ本で処理する他なかった。だが彼は榮浬と言う絶世の美女の身体を知ってしまった。

 

 

 

 『榮浬とならエッチ出来る』事も判明してしまった……

 

 

 

 彼女の心理や行為を逆手に取って利用している。榮浬も「エッチして貰っている」立場なので、気が付いていても何も言わないだろう。 

 

 太洋への明確な行為を持っていると、あの時告白されたのだから。

 

 応じる勇気も無ければ恋愛する気力も舞い戻らない。こんな素晴らしくておっぱい大きい美女が相手だとしても……

 

「なっ!なぁ榮浬、パイズリしてくれないかっ!?」

 

「ふァァ、ハー、ハーッ♡ んんぅぅ~~……えっ、え? パイッ……ズリッ……? い、いいよ……」

 

 あともう少しだったのに、誰かに中断され気持ちいい物ではなかったが、そのダレかは十年以上想いを寄せていた太洋。

 

 そんな事にも気が付かぬ程オナニーに没頭し、脳の処理能力も著しく低下していたらしい。

 

 自分は情けを貰っているのだから、太洋がそう望むのならばできるだけはしてあげたい。トラウマは覆せなくても、太洋との距離をもっと縮めたい。

 

 健気過ぎる榮浬はいい様に扱われても、口には決して出さない。

 

 性欲処理の道具として見られても(太洋はそんな事しないと信じているが)彼と身体を重ねられるならいいやって。パイズリが嫌な訳ではないし……♡

 

「ボタンだけ外してくれたら、そう、そのまま……チンコ挿入するね……ア゛ッ!? ズブズブ埋まってくッ!!」

 

(この前のパイズリと違う……た、縦に入れるのもあるんだぁ……♡)

 

 

 

 あなたは〝縦パイズリ〟をご存知だろうか?

 

 

 

 字の如く縦方向へペニスを挿入、横から挟むよりも大きなサイズが必要になるので、巨乳の中の巨乳しか到底実現はできない。

 

 が、榮浬のHカップはまるでパイズリする為に肥大化した。

 

 この胸を持て余していたが使い道が出来た! 太洋とのエッチだ。

 

 着替え、太洋が乾かした服は用意されてるからとインナーシャツとジャケット、ブラジャーはそのまま。

 

 エイの尾を連想させる尖った三つ編みを弄りながら、脱がないんだと多少迷わせたが結局は了承してしまった。

 

「太洋ってさ、本当に大きいおっぱい好きだよね……昔っから私の見てたし……本も大きい人ばっかりだったし……」

 

「しょ、しょーがねーだろっ! 男だもんよ……大きい胸に惹かれる生き物なんだよっ……腰っ、動かすぞ!」

 

 正座のまま挿乳されジト目気味に太洋を見上げる。男性が大きい胸を好きだなんて理解しているが、正面からペニスを突っ込まれるとは思わなかった。

 

 パイズリにも様々な趣向がある、一つのやり方しか知らなかった榮浬は乳内でピストンするカリ首に乳肉を抉られながら、探求心も刺激されたらしくパイズリを筆頭に想いと比例してなかった性知識を強めてみようと、この場に似つかわしくない決心を固めていた。

 

「これも気持ちいいんだ、おちんちんの脈動が心臓で捉えられそう……急所を預けてるような物なんだね、お互い♡ へぇぇ、パイズリって奥が深いなぁ……」

 

 止まらない、愛液がまたしてもカーペットを汚してしまっている。

 

 おっぱいにおちんちん突っ込まれて慣れてないから動作はぎこちないけど、両肩に手をやりながら腰を反復運動させている幼馴染。

 

(でも普通の幼馴染は……パイズリ、しないよねっ……)

 

 太洋は榮浬に『身体を貸している』

 

 自分を好いてくれる幼馴染、なんとドラマチック、ここを逃せばそれこそ一生の後悔、男が廃る、外面も内面も非の打ち所がない相手なのだから。

 

 ……心の傷痕は簡単には癒えない。榮浬はそんな事しないと分かっていてもだ、あの出来事はあまりにも太洋に闇を落としてしまった。

 

 

 ――恋人にはできない、だけどエッチはしたい。そうだ、俺は身体を〝貸している〟って事にしてしまおう!

 

 

 太洋らしからぬ外道な発想だが、幼馴染以上になりたい、でも恋人にはなれない……絶妙な距離感を捨ててまでも榮浬は「幼馴染以上」を望んだ。

 

 結果がエッチはする・して貰う。身体は許しても心までは、太洋は許してくれない。

 

 榮浬だって太洋と同じ事をされてしまったら、男なんて……恋愛なんて……誰かにとっては「それくらい乗り越えろ!」かもしれないが、当の本人へのダメージは周りが思っているよりも深刻。

 

 女々しいだなんて思えるハズがない、ずっと近くで見ていた男性なんだから。

 

(榮浬の縦パイズリ! オナホールみたいだ! この質量こそ生のおっぱいなのかっ! おおおおっ!)

 

 胸板に亀頭がぶつかり軽い衝撃が走るも、先走り液の恩恵なのか痛くはない。

 

 腰を動かすのが難しい、ヘタすればペニスがスポッと抜け落ちてしまう。縦パイズリの知識が無くても何となく察した榮浬は、ベルトで固定されたおっぱいをさらに二の腕で挟み文字通り〝鋭利〟な形状のおっぱいを作成した。

 

「ちょぉ゛ッ!? チンコが窒息死するッ!? なっ、なんで榮浬はそんなトコにベルト付けてるんだよっ! 余計気になるだろっ!」

 

「そ、それはそのっ……あっ♡ 服の中でも乳首がァ……んふッ! おちんちんで擦られて……!」

 

 ベルトの真意は不明のままだが、縦パイズリの為に最小限の穴を開いていたインナーシャツ。いつの間にやらボタンが一つ外れてややホールドが緩んでいたが、榮浬はおっぱいを寄せる事でカバーしてくれた。タイミングは偶然だけど、彼女にはパイズリの才能がやっぱりあるのだろうか。

 

 それにしても……ボタンが飛んでしまうなど漫画だけの表現じゃなかったのか、肉厚Hカップはどんな物だってぶっ壊せるのだろう、射精欲の我慢とか。

 

「ヤッ……もっ、出そう……くふっ……乳内射精したいっ……いいかなっ……?」

 

 速度こそ早くないが寸前まで引きぬいて、根本までズリュズリュッ。エラの張りが震えている、見えないけど鈴口もくぱっくぱっ……出したいよーと訴えかけているに違いない。



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セカンドパイズリ&ゴムセックス

 上も下も脱いではないが穴を開けて卑猥な事を……

 

 両親達だって幼馴染とオナニー見せ合いっこからのパイズリしてるとは、万が一にも考えが及んでないはず。彼氏作らないのだって「釣りに夢中なんだな!」と、いい勘違いをしてくれている。

 

 「あぁ……んっ……♡ 出た出たっ……! 一週間分のせーえき……重いんだね♡ はァ……まだビクって……おちんちん苦しかったんだねっ……すっきりした……?」

 

 胸の間で射精の勢い、ペニスの鼓動を受け止めながらオナニー出来なかったのは、自分が原因だと心苦しく思う。

 

 太洋に告白し〝やり遂げた〟感を一人で勝手に作ってしまっていた。恋愛を断絶している太洋に「好き」と伝えても、返されないと分かっていたのに我慢が出来なくなって。

 

「ァ゛ァ゛ァ゛ッ! ぐッ……ハッ、ハーハッー……まだ出し切れてない……残尿感に似て……ハーハー……も、もう一回パイズリして貰っていいか……?」

 

「えっ……いいよ……♡」

 

 乳内射精からペニスを抜くことなく、精液ローションだらけの谷間で今一度射精したい。ダメ元で要望したが藤色の瞳をハートに形作りながら、おっぱいを下から両手で支えるアシストの姿勢。

 

(うぉっ……掌いっぱいに広げてんのに零れるのか……どんだけデカいんだよHカップ……)

 

 榮浬の身体の適正値を超えてしまっている巨乳。指がやや反発しながら食い込もうとする矛盾を、達成してしまうエロ乳を太洋は好きなように犯す事が許されている。

 

 先ほどの要望を拒まず寧ろ待ってましたと言わんばかりの反応速度、確信したッ! 榮浬は何だって言うことを聞いてくれるんだとッ!

 

「ハァッ! ハッ! ハッァァ!! おっぱい! おっぱい最高ッ!」

 

「あっンッ!? た、たいよー!ちょっと痛いかもっ……ふんッ!んんぅ! あぅ……♡ おちんちんとおっぱいっ……くっつく……♡」

 

 今度は両胸を引っ掴んで正真正銘、パイズリオナホール!

 

 固定しているのにぶるんぶるんッ、隣人が戻らぬ事は分かっているので欲望をそのままにした声は抑えない。

 

 ドシュッ ドシュッ! ジュボッ ジュボッ!

 

 乱暴極まりない、水音の大きさが物語っている性具と化したHカップ。

 

 榮浬には幼馴染以上を求めてしまい、尚且つ恋愛恐怖症の太洋に告白してしまった、独りよがりで自己中心的な行いに達成感と、それ以上に多大な罪悪感を持っている。

 

 太洋が榮浬を好きにならなくてもいい、榮浬だけが太洋を好きでいさせて欲しい、この身体を使っていいからそれだけは許してと……彼女は太洋が逆上し、慰み者にされる事すら視野に入れて行動に移したのだ。

 

 交際経験がなく好きになったのは二十一年の人生で太洋ただ一人、他の事は器用にこなせても恋愛関連にはトコトン不器用なのかもしれない。

 

(おっぱいとおちんちんが正面衝突してるよぉ……♡ やぁ、声が高くなってる……太洋以外にこんな声……聞かせないんだからね……あっ! あうぅ! はァ♡ おっぱい取れちゃう……ッ)

 

  まぁ、榮浬からすれば「太洋とエッチ出来るから別にいい」

 

 オナホール扱いされようが、パイズリデリバリーとなろうが、好きな人に求められるのに嬉しさを覚えるんだ。例え身体しか求められなくても……俺の過去分かってて言ってるのか? と幼馴染の関係すら絶たれるよりずっといい。

 

「榮浬ッ! おっぱいにまた射精するっ!」

 

 先走りと精液でヌチャヌチャの乳筒。榮浬は膝立ちでおっぱいを固定し、太洋は我武者羅におっぱいを乱れ突く。

 

 なんという精奴隷、乳奴隷、優しい太洋が憑りつかれたような豹変ぶり、その原因は全て自分にアリ。

 

「はァッ! あっ! う゛ッ~~♡ おっぱいぃ……グシャグシャ……♡ 精液のプール……♡」

 

 最奥部での乳内射精だったので、シャツ越しに関わらずブビュッ……生地を貫通して来た白い噴水。

 

 おっぱいを横に持ちながら乳内射精の快感に身を委ね顎は天井へ向けた、情けない表情の太洋すら愛おしく。

 

 射精の度にアソコから噴出してる、本当にエッチな身体になってしまった。

 

太洋が居ない間毎日のようにオナニーしていたから、当然と言えば当然か。

 

「ハッー……フーッ……フッー……」

 

 

 ――幼馴染の俺を拒まない! 拒めない! 

 

 

 サイテーな男、答えを永遠に保留に出来る立場であり、トラウマをほじくり返された代償として身体を要求してる。

 

 憧れていた、しかし恋愛なんてしたくない、性欲は増すばかりの太洋は〝ちょうどいい〟モノを手にしてしまった。

 

 幼馴染、この関係からドンドン捩れていってしまっている……?

 

 自分でも男として最底辺だと自覚はあるが、パイズリの、セックスの、榮浬の魅力を知ってしまったから……戻れないんだ。

 

「わわっ、精液がネトネトで……おっぱい同士繋いでる……見てッ、太洋……太洋が射精した量、ペットボトル一本くらいはあるんじゃない♡」

 

 短時間で二度も射精したツケか、ペニスを開放したら足元がおぼつかない、心なしか眩暈もしてきた。

 

 落ち着くまで……を、許されず頼まれてもないのに榮浬がAV女優並みのザーメンブリッジを魅せてきた!

 

 彼女にそんなつもりがなくとも肌色だったおっぱいが精液と、ペニスで擦られた跡で谷間が赤く変色している。精液溜まりからぶっとく糸引いた精液ネバァ~~。

 

 おっぱいから妊娠してしまうかもしれない、男は本能的に子を身ごもって貰いたい願望はあるが、今の太洋にそれはない。だから妊娠はちょっとどころかかなり困る。

 

「もっ!? もう復活しちゃったのっ!? えっ、ええぇ……♡」

 

 二回もの連続射精でも持続力は相当な物。それだけ榮浬のおっぱいとパイズリが気持ちよかったのか、萎える様子が無く勃ちっぱなしだ。

 

 おっきいおっぱいで、ペニスを抱きしめられるパイズリ。

 

 男のロマンであり太洋も散々オナネタにしている大好物。少なくともF以上の大きさが無ければ実行不可能な縦パイズリを、立て続けに(縦パイズリだけに)太洋主導の元行ったが飽きない物だ。

 

 枯れるまでパイズリして貰おう! 

 

 あまりに利己的な想いが浮かんできたが、榮浬を見ればニーソックスを穿いたままの太ももをスリスリと、ナニかに当てがう風に擦っていた。

 

(次は榮浬の番だよな……)

 

 また「パイズリして」と要求すれば、榮浬は嫌がらず応えてくれるだろうが外道になりきれない太洋だ、エッチして貰いたい願望をお持ちなのは承知しているから、自分も榮浬も一緒に果てる方法。

 

「榮浬の膣内に挿入したい……いいか?」

 

「うっ、うん……私も……欲しかった……/// 太洋のちょーだい……えっ、と……コレ、使うよね……?」

 

 右側のポーチから取り出したのはタバコの箱と似ているが「驚異の0.0一ミリ」の煽り文句が人気を博しているコンドーム。

 

 太洋もコンドームを買ったことは無い。正確には例の女子と別れる数日前に「そろそろ俺にも必要かなぁ~!」夢見心地で、初体験のイメトレしつつも恥ずかしくって手が出せず仕舞いだった。

 

 もう自分には必要のない物。コンビニの棚にあっても気がつかない、当然装着経験も無いが、これからは榮浬がアパートに来る度に付ける事となる。

 

(榮浬がコンドーム渡してくるとか……なるべく薄いの選んだんだろうな……)

 

 幸い説明書が付属していたので、真っ赤になりながらコンドームを持っていた襟浬から受け取り、剥けたペニスへサラサラとしたパウダーの内蔵された、体液とはベツモノの透明膜をフィットさせる。

 

 

 ――これでいいのかなぁ? 途中で外れないかなぁ?

 

 

 不安は否めないがコンドーム付ける=ソレしかヤル事はない訳で、雰囲気作りにはゴムもいいんだなと、少しずつ場数を踏んでいく男としておまんこへ切っ先を沈ませていく。

 

「は……ァァッ……ン、グッ!! コン……ドーム付けたおちんちん……こんな感じなんだぁ……♡」

 

 神経を壊すような、破るような、裂ける体感は二度と来ない。

 

 貫通済みだが交わったのはたったの一回、キツさは初めてと何ら変わらず肉汁でペニスをジュージューと、溶解される粘膜の激烈な活気。コンドームは溶けてしまったんじゃ……ズレても外れてもないが、精神をペニスのみに集中すれば、崖際で待ったされていると気がつけた。

 

「全部ッ……入ったぁ……ハッー、ハッー……コンドームしてるのか……分からないくらい……薄型って凄いんだねぇ……!」

 

「う゛っ……そっ、うだな……締め付け……すぎじゃね……? 初めての時とそう……変わらない気が……ァ!? く゛ッ!」

 

 コンドームしようが膣肉で抑え付けられる反り返ったペニスを、粘膜で潤わせ往復し易くしてしまう。女の本能と膣肉を往復すれば刺激となり、射精へと催す結合感覚に二人は慣れていない。

 

 生が十と例えれば薄型は九。あの時と比べ僅かにペニスから受け取れる情報、膣から受け取れる情報が寂しいのだが慣れてない件がプラス要素へ働き〝装着してるんだけど生と変わりない〝

 

 ゴム時のセックスとしては極めて理想に近しい状況だろう。避妊出来るのにこれだけお互いを堪能しているのだから!

 

「ァン゛ッ~~♡ フッぅぅ~~! ハゥゥ゛ッ! フッー♡ フーーッ! や゛ッ!? あァ゛ッ~~♡」

 

 ムチムチするニーソックス、正しくは太ももを掴みピストン開始。

 

 腰の動かし方も慣れてないので抜け落ちそうだったり、小刻み過ぎてしまったりとリズムなど知ったことでは無いギクシャクでバラバラ。

 

 熟練者からすれば見た目は美しくないが、不規則な太洋の動きは榮浬が腰を揺する動作とは反転しており、その気が無くとも中身は上昇気流に乗っていた。

 

「あ゛ぅッッ~~! はふぅぅ~~♡ ぐうう゛ッ゛ッ……! ふふっ……!フッ! ゥウ゛ウ゛ッ゛~~……♡」

 

「声っ……我慢すんなよ榮浬……!人いねぇんだから……ああ、ンおお゛っ!亀頭から根元まで平等に包まれるッーー!」

 

 パチュリッ、パチュリッ。一週間前と似ている淫靡なサウンドを演奏する結合部。子供では無くなり毛が生え揃い、見られた時に恥ずかしくないようにと整えた生殖器。

 

 

 両手で口を塞ぐも盛大に漏れ出すので、首に巻いてからそう時間の経っていないベタの尾びれを模した、マフラーを力任せに口に突っ込んで音量を抑えている。

 

 おっぱいをぐにんぐにん重力に逆らわせながら、性的な話題を避けながらも興味津々、太洋とのエッチシチュを妄想しオナニー漬けの毎日を送っていた、隠れスケベのヨガり姿を暴露するのが身体の奥から炎が吹き上がるくらい恥ずかしいからだ。

 

 あの時も見せて聞かせてしまったのに余裕は作り出せなくとも感覚は覚えてるし、あの時はトリップしていたので羞恥心などあって無い物であった。

 

 ある意味太洋よりもスケベなのに「私はエッチな子じゃありません」と苦し紛れの言い訳は、好きな人を前にした女性なのだから多めに見て欲しい。

 

「…………~~♡(ふるふるっ)」

 

 声をかみ殺す榮浬もまたエロい、大股開きした中に太洋が入り込んで繋がっているのだから、声なんて些細な問題であるのに。

 

 恥骨と淫核を擦り付ければ床に倒れた上半身が、弓なりとなったり捻りこんだりトビウオみたいに跳ね回る。視線もマトモに合わせられないくらい恥ずかしいのか、涙目で性感を得ながらも太洋の喘ぎにかき消されそうな雌艶響。

 

(俺だって我慢してないんだから、抑えなくていいのにっ……ハァ、ハァ……ん……っ?)

 

 グングンと射精までの数値が減っていく。早漏だとは思ってないけど薄型コンドームと、榮浬の身体が良すぎるのが悪い。

 

 榮浬も確実に絶頂への道のりを進むも相変わらずマフラー咥え込みを止めようとしない。このままでも良いと言えば良いが……

 

 そして彼は気がついた、初めてのセックスでも榮浬は両手を落ち着き無く彷徨わせていたが、単に気持ちが良くて無意識に振り回していたのではないのだと。

 

(もしかして……)

 

 榮浬はお情けを頂いてる立場、もっとこうしてあげたいは別として、もっとこうして貰いたいとは非常に伝え辛い。それこそ彼に察して貰うしかないのだが、

 

「゛ッ゛ッぅ!? ……ッ……♡ たい……よぉ……♡」

 

「あぁ……分かってる……こうすりゃイイんだよな……」

 

「あ……ァッ……うれしぃ……♡ くヒッ!! ゛ィ゛ィ゛ィ~~♡♡ あぁぁ~~♡ ダメ゛ェ゛ェ! 太洋のあったかさ♡ おまんこも感じてる゛ぅぅ~~♡ ァァッ! ヒャウアア゛ア゛ッ~~♡」

 

 

 

  彼女は太洋に手を繋いで欲しかった

 

 

 

 初々しいカップルの様に手と手が触れ合い~~な、妄想はいっぱいした。どんなに距離の近い関係でも手を繋いだのは……中学一年生が最後だった。

 

  榮浬の身体を好き放題してる罪悪感からか、勘違いでなければ彼女はコレを望んでいる? 

 

 両手を落ち着かせる為に握ってからもの凄いヨガり声、必要なくなったとばかりにマフラーを口から落としトロけ眼と歪な形を作る唇、中枢神経を強打する喜悦な旋律。

 

 むっつりの本領発揮、普段真面目でその様な事とは無縁(に思われてる)からこそ、スイッチ入ればエロレベルは極限を突破する。太洋を興奮させてしまうパーツの集合体は、遺憾なく心も身体も高揚を加速させるっ。

 

「あァ゛ァ゛ッ♡ んっ、んっ、太洋っーー♡ もっと、もっとぉ……♡ ぎゅっーーって! してっ!」

 

「!!?゛ッ、こうかッ!?」

 

「うん♡ ありがとう太洋ぉ……♡ ハヒッ! ハフゥゥ! ハヒャ゛ァ゛ァ゛ッ~~♡♡」 

 

  藤色、紫は交感神経と副交感神経を刺激し性的衝動を引き起こすとされるが……そう考えたら産まれながら髪が藤色の榮浬はドエッチなのだろう。

 

 おっぱいとか、太ももとか、そうじゃない。

 

 ぜんぶだッ! 瞳も髪もその声も体液も下着も、おまんこもッ!

 

 全部が太洋に適合したドスケベドエッチな塊だッ! 太洋を興奮させる為だけに今の〝糸巻 榮浬〟を作り上げた、過言では無いッ。

 

 両手指を一本ずつ絡め合う恋人繋ぎ。

 

 握って欲しそうだったから「これくらいは」と、応じてしまったがハッと気づけばなんて握り方だ……本当の恋人みたいじゃないか。

 

 離してしまおうか、腰を打ち付けながらも脳空間に隙間が生じ、微かながら冷静でいるおかしな自分。

 

 現状に気がつき白けてしまった? 間違ってもないかもしれない。

 

「太洋っ! 太洋~~っ♡ ゴメンッ! 私イッちゃっ♡ イッちゃう♡」

 

「榮浬……俺もイクから……一緒にイクか……?」

 

「うんっ! うん♡ 太洋と一緒に気持ちよくなりたい♡ はぁあっ……はあああ!! 太洋ーーッ♡」

 

 結合部から散る水音と、二人の喘ぎが調和しながら両手も深く一つに融する。

 

 精巣から扱き上がるっ、この衝動の果ては二人をギリギリで断絶するコンドーム。妊娠させる事はなく安心してセックス出来る……のにっ、何故物足りなさを感じてしまうのだろう。

 

 膣だけでなく手でも太洋が痛いくらいの圧で握ってくる。ペニスも手も離したくないっ……彼女の心境に流されたのか、応じたのかも分からなくなる。

 

「んハ゛ァ! イグぁぁーー♡ はァァァ!! イクッ!? イク゛あ゛あああ゛っーー♡~~゛ッ♡」

 

 

 

  せいえき ほしい

 

 

 

 子宮が訴えている膣内射精。表記するのは何度目か、太洋のペニスはコンドームを装着しているので、膣内射精でも決して子宮に精液を浴びせられない。

 

 膣内で精液が溜まっていく感覚、するけど直にぶっかけられていない……好きな人とする気持ちが良いセックス、今回は手も握って貰えてしまった。

 

「はふっ……はぁぁ……♡ ア♡ またセックス……しちゃったね……ハッ、ン……」

 

 出し尽くしたエアバッグのように展開しているHカップに、太洋が倒れ込むと優しく受け止める幼馴染み。しっとりおっぱいも汗でべっしょり、ゴムをしているから当たり前だが白で彩られず肌とのコントラストは無い。

 

「そんなにっ……ハァ……ハーッ、良かったのかっ……手、握るのっ……」

 

  女性は肉体的快楽よりも、精神的快楽を重視する生き物とされる。

 

 パイズリしたりセックスして、ハイ終わり~ではなく耳元で甘く呟かれたり撫でられたり、今みたいにギュッと手を握ってあげたり。

 

 例えセックスが下手でもそういった気遣いの一つでカバーは可能だ。逆に男性はどうしたって肉体的快楽を優先させてしまいがち、射精すれば一気に熱が冷めてしまいアフターを忘れてしまう者も多い。

 

「…………(コクッ、コク♡)」

 

 その気は無かったが、手を離さなかった太洋は合格点を与えてもいいかもしれない。罪悪からの行為だったが結果的に、榮浬に応じてしまったラブ握り。

 

 違うっ、俺達は恋人なんかじゃない、それだけは冷淡に分離するものの、表情の硬い榮浬がトロけたり歯を食いしばっていたり、自分にしか見せない破顔一笑、家族だってこんな榮浬知らない。

 

「たーいよう……♪」

 

「ああ、え、な、なんだよっ……」

 

「……へっへ~~♡」

 

(はぁ、なんだよマジで……)

 

 握る握力を緩めたり強めたり、彼の感触をここぞとばかりに楽しむ榮浬とは裏腹、顔から背け特盛りおっぱいに視線を移したまま、しどろもどろ。〝恋人まがい〟をしてしまい恥ずかしいったら。

 

 

 

 エッチな言うことを聞いてくれる、幼馴染みが手に入った

 

 

 

 彼女は太洋とのエッチを望み、太洋もおっぱい大きい極上ボディとのエッチがしたい。恋愛は……したくない。

 

 (Win-Winの関係じゃん?) 

 

 下劣な意向だ、自分でもサイテーだと理解してる。

 

 でもこうやって毎日が続くのならば悪くない、太洋が催せばおっぱいで抜いて貰えるし、正常位だけじゃなくあんな体位も、こんな体位も思いのまま。榮浬は拒まない、拒めない。

 

「ンアッ!? アンッ♡……明日も……しちゃおっか? ううん、明日じゃなくっても……太洋がエッチしたくなったらでいい、メールして? ゴムは何時でも用意しておくから……♡」

 

 幼馴染みがエロすぎる。

 

 引き抜いたペニスは精液が溜まって、水風船のように膨れて子宮へ一滴も零さず妊娠を防いでくれた。

 

 外した感覚がくすぐったい、精液の重みを人差し指と親指で透けている表面から色と粘度を確認したが、ゴムが無ければ間違いなく種付けとなっていた。

 

 ゴムがあるならそれはそれでエロい。精液風船を見上げて切ない声を榮浬は発したが、流石にエロ漫画みたいにゴムを裏返して精飲したいとまでは申さなかった。そんなのあったら太洋も若干引きかねない。

 

(専用のシーツかタオルか、買っておこ……エッチ専用のが必要になるなんて、思いもしなかったなぁ……)

 

 床がぐっしゃり、服もべっしゃり。二度あることは……三度目は無くしましょう。

 

 つまり太洋はこのアパートの一室で、榮浬とのエッチを今後も望んでいる。このまま平行線を保てるのならそれでいい、どっちも満たされるのだから。

 

「あのさっ、どうやって父さん達に言い訳しよっか……一緒に考えてくれる?」

 

「あっ…………」

 

 お茶を溢した! は、この前と同じ手だから疑われる。とすればどうしよう……

 

 漁船の汽笛が今更になって聞こえてきた夕暮れ時、先程までラブ握りの本番セックスしていた二人とは思えない。二人して悪戯した時もこうやって、どうすれば許して貰えるか話合った……

 

 



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榮浬のお仕事

エロなくてごめん


愛菜ちゃんもかわええなぁ


『初心者さん大歓迎! 親子で一緒に釣り教室』

 

 

 

 榮浬のお仕事は実家系列の釣具屋での、販売スタッフやイベントのインストラクター。

 

 竿も餌もバケツもいらない、釣り方が分からなくたって大丈夫、親切丁重なスタッフ達が楽しいチャレンジを、安全にお助けする。

 

 自動膨張救命具を着用しどのスタッフやお母様方よりもおっぱいが大きい、藤色三つ編みヘアーの榮浬は休憩室やトイレまで完備され、船上での調理実演も行われている巨大な屋形船……のような、店が所有しているボートに乗って大はしゃぎしている小学三~四年生くらいと思われる少女を支えながら、小気味良い引きを捉えて八匹目となるキスをフィッシング。

 

「やったね愛奈ちゃん! 釣れたてを天ぷらにすると本当に美味しいよ、お腹いっぱいになるね!」

 

「いえっー! えいりおねーちゃんの教え方、学校のせんせーよりもずっ~~と分かりやすいのーー!」

 

 美人で包容力あるインストラクターさんとお昼ご飯をゲットしていく。

 

 昼食を取りやすい加工が成されており、横へ長くフラットなテーブルが置かれ同じ教室に参加している初めて竿を持った子から、慣れている子まで自分達が釣り上げたお魚さん達を囲んでワイワイ騒ぎ賞味する!

 

 お味噌汁と御飯も用意しているので、専属調理師がキスは天ぷらとして揚げ、良い香りが漂い参加者のお腹を刺激したかと思えば、呼吸する間も無くイサキは塩焼きにカンパチは刺身へと変貌させるのだから堪らない!

 

 ドンドン釣って、ドンドン運ばれてくるけど親御さん達も含んでいるので、食器が空っぽになるのは文字通り数秒だ。

 

 テーブルに向き合って会話が弾めば、箸も弾む。

 

 調理師さんは一人だけなので大忙しだが、この道ウン十年なので「これだコレだっ! やり甲斐あるねぇ!」と鉢巻きを締め直す表情は荒波に揉まれた船長よりも漢気があり、旦那を連れてこなかったお母様の一部は不覚にもトキメク。

 

「おいしーね! えいりおねーちゃんにもあげる~、あ~~ん!」

 

 ピンク髪の幼女が手皿を作ってサクッサクのキスの素揚げを、榮浬の口元へ持って行く。

 

 釣り初体験の愛菜は何も分からない自分でもかっこよく釣り上げられるか、不安な気持ちが強かったのか俯き気味でネガな顔つきであったが、面白可笑しく指導してくれるお姉ちゃんと一匹、また一匹と海に潜んでいたスーパーで見かけるお魚さん達とは全然違う姿でも、怖がらず触れたのは榮浬のおかげ。

 

 何処に隠れているんだろうと、探し当てて釣り上げた時の快感で本来の明るい笑顔を取り戻していった。

 

「うむんっ! 揚げたてが一番栄養あるんだよ、軽く塩振ったり麺汁を掛けても美味しいんだよ! 野菜も食べれて凄いね愛菜ちゃん!」

 

 白波町は魚だけじゃなく野菜も新鮮だ。付け合わせとしてピーマンやナスも運ばれるけど、魚と比べたらどうしても子供達の手は鈍くなる。

 

 主に親御さん達が召し上がっているのだが、愛菜は負けじとパクパクと平らげて口の周りが衣だらけだ。

 

 この子は野菜嫌いだったのに……母親も敢えて制止させなかったが驚いた、野菜嫌いは嘘なのではってくらいおかわりもしちゃっている。

 

 肌に纏わり付く気持ち悪い感覚が一切無く、晴れ渡る六月のベタナギ。環境も味方して大嫌いが大好きになったのかもしれない。

 

 他の参加者達誰よりも楽しんでいる愛菜を、ほっこりした笑顔で見守る榮浬は自分のお仕事としての役割を果たしながら、釣りの楽しさを伝える個人が抱く願望のような想いが満たされていく。

 

 おっぱい大きい榮浬は男の子達からも絶大な人気を持ち、別のイベントではしょっちゅうパイタッチされたり口説かれたりしてるけど、子供のやる事だからその辺りは傷つけないようにクールに対応している。

 

 時折、お父さんもその気にさせてしまう無自覚魔性の女。おっぱいへの視線は中学時代からずっーーと、注目を浴びているので慣れきってしまったが。

 

 

 

「おねーちゃんも、こいびとに「あーん」してるの?」

 

(んンッ!? なっ、恋人……?)

 

(うん、おねーちゃんすっごく美人、お胸もボイーンのバイーン、わたしもおねーちゃんみたいな素敵なオトナになりたーい!)

 

 

 

 天ぷらが喉へ垂直に刺さりそうになった。

 

 コホッと、咳払いして恋人はいないと耳元で呟くが愛菜は信じられなーい! と、野菜を食べる手を止めず、器用にぼそぼそ声で返答する。

 

(……今はそういう人、いないよ。釣りのお仕事が楽しいから、かな?)

 

 

 

 〝今は〟とか自分で発したセリフなのに「かな?」と妙に弱気、愛菜に尋ねる形となり「そうだよね」とでも言って欲しかったのかもしれない。

 

 太洋が白波町に戻ってきて二ヶ月、初めてのセックスを終えて一ヶ月が経過した。

 

 ふとした瞬間に太洋を思い出してしまい股間がムズムズしたり、おっぱいが切なくなってしまう現象は少なくない。

 

 仕事を終えたらオナニーか、太洋へメールを送ってエッチして貰うか、この二択しか受け付けない身体になってしまった。

 

 メールをすれば絶対必中でエッチを了承してくれる太洋も、榮浬の身体を味わって性欲を満たせているWin-Winの関係。

 

 二人は近い距離で年月を重ねた幼馴染み。

 

 単純なお隣さんとはレベルが違うほど、互いの凄いところも恥ずかしいところも知っている。

 

(そーなんだぁ、すきな人もいないの?)

 

(いっ、ないよ。その内にお付き合いしたくなるかもね)

 

 子供相手とはいえど嘘を付いてしまい罪悪感で、忙しない動作で次々と料理を完成させる調理師や、大物を狙い釣りを再開させる子供達の声量も薄まっていく。

 

 好きな人、ずっと前から榮浬は幼馴染みの太洋を慕っている。

 

 その気持ちは隠したまま、幼馴染みの距離感が心地よく何時までも続けば幸せだと思っていたのだが、とある事件をキッカケに恋心を抑えられなくなり、遂には告白。

 

 否定も肯定もない。セックスフレンドのような、他者には知られてならない名状できぬ秘密の関係。

 

(じゃあじゃあ~! お魚さんいっぱい食べたら、おねーちゃんみたいにお胸、おっきくなるかなぁ?)

 

 波の立たない海面よりも静まりかえった、胸を寄せてみる仕草で頑張っても無い物は無い。

 

 この手の質問もされ慣れているので、対応案は一瞬で浮かぶ便利な頭になった物だ。

 

(なれるよ~! 私も愛菜ちゃんくらいの時からお魚いっぱい食べていたからね! あっ、野菜も食べないと効果が無いんだよ?)

 

 と、野菜嫌いの子が相手ならば自然な形で催すのも大人のお仕事かもしれない。両手で引っつかんで人参や玉葱を食べる、愛菜にはそんな心配もいらないかもしれないが。フライ効果凄し……

 

 



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初フェラチオ

 同日。

 

 太洋は業務が終了しても、殆ど毎日先輩に付き合って貰い料理関連のお勉強。

 

 

 帰宅すれば22時を超えており、今日の纏めとして洋食を手がけて冷静なレビューを書き込むのが遅い夕食となる。

 

 食休みしてからは自主練習、都会に居た頃は夜明けまで淡々とキャベツを切ったり、フライパンでオムレツをひっくり返したり、調味料を一滴一滴味の変動を確認したり……

 

 やり過ぎだろうとオーナーからは笑われたが、その無謀とも受け取れる若さとやる気、これを買われて面接に合格し雇わせて貰っている。

 

 勤務となり2ヶ月、今のところ上手くやれている。オーナーの期待を裏切りたくない、先輩方の足手まといになりたくない、お客さんを笑顔にしたい、もっと認められるコックになりたい……!

 

 でも焦らない、白波町に戻ってきてからは〝のんびり〟すると決めたので、明日に支障が無い一時を回ったくらいで留めておく。

 

 まぁそれでも「気がついたら5時近くになってたー!」はご愛敬か。

 

 

 

「くっ、またかよ……また榮浬とのエッチ思い出して……」

 

 

 

 寝巻きに着替えて歯も磨き終わった。あまり食材でのレシピをノートに記入中、まだ就寝する時間は訪れていないけど、手を止める理由としては十分な訴え。

 

 榮浬と秘密の関係となり1ヶ月、毎日ではないけどかなりの頻度で榮浬からメールを貰いその都度エッチ。

 

 3回戦めに突入し、コンドームが品切れとなり中断せざるを得なくなったシチュもあった。

 

 初々しく、たどたどしかった榮浬もすっかり順応し中イキしまくり。一昨日はおっぱいを掴みながら高速で突いた太洋も、童貞だった過去は跡形も無く消えて、何時ぞやのヤリチン先輩よりもヤリチンになっていた。

 

 二人は複雑な想いは省いて純粋に、セックスするのを楽しんでいる面がある。

 

 

「榮浬とのエッチもだけど、榮浬と会うのを楽しみにしてる俺が居る……?? 榮浬は友達だし、幼馴染みだし、一緒に居て楽しくない訳ないんだけどさ」

 

 

 身体の繋がりがある関係になってしまった。

 

 

 彼女がアパートに来る=エッチ

 

 

 数年前の関係から変わりなかったならば、アパートに来てもエッチしたいだなんて気にはならなかっただろう。

 

 Hカップのドスケベボディは、オカズとして世話になったけどリアルで押し倒そうとしたり、ましてや告白したいとも太洋は全く考えを過らせなかった。

 

 

 

 ――幼馴染みだから――

 

 

 

 その永遠に仲良しであると信じている、幼馴染みとセックスした、パイズリもした、親は勿論知らない。

 

 

「……あっ~~……今からじゃ迷惑かな? 明日送ってみよっ」

 

 

 パイズリ抜きしてくれる女性が居るのだから、自慰で鎮めるのは勿体ない。ここは我慢して……

 

 

 

 

「太洋から呼び出してくれたの……ンッ、初めてだねっ」

 

 

 愛菜が気になるボーイフレンドの夢を見ている、翌日の22時。

 

 業務終了次第に早々帰宅。お店を出る前に予めメールしておき丁度チャリンコに乗った太洋と、親から借りているステーションワゴンから降りて来た榮浬がエンカウント。

 

 

「偶にはなっ、俺からお誘いしてもいいんじゃないかって」

 

 

「そっか、嬉しい……! 私はいつだって……太洋とえっち、したいと思ってるし……昨日も子供達に釣りを教えてる時にね、太洋のおちんちん……おっぱいで挟んでる光景が頭に流れちゃって……途中でトイレに駆け込んで……♡」

 

 

「ハッ!? ハァッ!? 榮浬お前っ、ちょっとエロすぎなんじゃ……いやまぁ、俺もソーセージ炒めてたらっ……何言わすんだよっ……」

 

 

 エッチ専用として購入した、汚れたらその都度捨ててしまえる安物のシートへ腰を下ろし真後ろからドが付く迫力、男子小学生を性に目覚めさせてしまった罪深きHは〝エッチ〟のHであり、94ものむっちん、たゆんっ、ベルトで矯正されしパイズリ向けに育てられた山巓。

 

 

 今この時間、この空間だけは太洋が独り占め! 揉んでも摘まんでも挟んでもっ! 榮浬は全てを許してくれるのだからっ!!

 

 

 もうエッチ初心者とは言い辛い、休みの日は3時間もセックスしていた事もあったし、日付を跨ぐ10分前だけ榮浬が現れ、パイズリ抜きしてすぐに帰る事もあった。

 

 

 パイズリとセックスデリバリーガールになりつつある。いずれにしても太洋から呼び出したのは今回が初で、榮浬から積極的に「今日どう?」だの「今から大丈夫かな?」とか、ベストなタイミングでメールが来るので太洋から直々に頼み込む必要も無かった。

 

 

 仕事中にオナニーしてしまう、そんなエッチな女になってしまった幼馴染み。

 

 

 愛用のベタグラデーションマフラーに、顔を埋めながらミッチミチに膨れ上がるダーク調のシャツの胸部は、ボタンが解放され重力を無視する神の造形物。

 

 

 ラベンダー色のお椀は片側に、太洋の両拳を入れてもまだ空白が出来る。フロントホックという榮浬の気遣い(?)もあるが、ブラ外しもお手の物になってきた。服を着たまま背に手を回してブラだけ抜き取るエロゲーの主人公並の特技を習得した。

 

 

「た、太洋さっ、おっぱいが大好きなのは、嬉しいんだけど……」

 

 

 持て余していた、というより使いドコロが無かったHカップ。

 

 

 好きな人に愛撫され、ペニスを挟み込む役割を与えられてやっとドスケベダイナマイトボディに成長してしまった、自分に光明の兆しが差し込んだ。

 

 

 ……のだが

 

 

「そういえば私さ、まだフェ、フェラチ……オ、してないっ、からっ、させて欲しいかなっ……」

 

 

「フェ……ラ゛ッ゛ッ!?」

 

 

 好きな人とエッチな事が出来ている、エッチする許可を与えられているが「パイズリ&正常位」だけしか彼は実行してくれてない。

 

 

 情けを頂いてる自分がアレやコレやとオーダー出来る立場では無い、太洋の望みは答えられるだけ答えてあげたい、その覚悟はあるのだけど……

 

 

「だって、太洋ったらおっぱい可愛がってくれるし、向かい合いながらのせっくす……あっ、あっ、下手とかじゃないからねっ!? とっても私は幸せなんだけどさ……その二つだけでいいのかなって……」

 

 

(思い返せば……俺ってパイズリに夢中で、セックスも慣れたからって正常位体勢ばっかで……物足りなくなったのかな?)

 

 

 太洋からすればおっぱい弄ってるだけで飽きが来ない。

 

 

 大きい、おっぱい、ってだけで男は満足する生き物。

 

 

 しかし女性からすればどうだろう? 

 

 いくら好きな人が愛撫してくれるからって、ずっと一箇所だけでは欲求不満を覚えるだろう。

 

 

「抗議してるみたいでゴメンね……もっと色々なエッチ、させたっていいんだよ? おちんちん……おっぱいで挟むだけじゃなくて、お口で咥えたり後ろからとか押さえつけたりとか……そーいう姿勢でせっくす……したって私はいいんだよっ……♡」

 

 

 エッチな実験台として身体を捧げるまで、スケベだが一途に自分を想ってくれる幼馴染み。

 

 

 自分が満足する事ばかり考えていたが、あの時榮浬に応じて恋人じゃないけど深く手を繋いだラブ握りしてから、いっちょまえかもしれないけど「榮浬も気持ちよくなって欲しい」と密かに考えを改め直していた。

 

 

 まぁ結果はこの通り、おっぱいの絶大な魔力に負けてしまい気持ちよくはさせていたけど、榮浬からすれば日に日に物足りなさを積もらせてしまっていた。

 

 

「分かった、俺の方こそおっぱいばっかり弄ってごめんな。 じゃ、じゃあフェラチオ……お口でエッチして欲しいなっ!」

 

 

 もう少し伝えたい言葉はあったけど、一旦おっぱいからも視線を外して俯く。

 

 

 榮浬が求めている事を察する、デキる男としての能力が磨かれていなかった。

 

 何でも言うことを聞いてくれる彼女……じゃないけど、女性だから逆に「コレでいいんだ」と固定観念に囚われてしまったのかもしれない。男としては格好悪い限り……榮浬じゃなければ許されなかったかも。

 

 

 エッチに対する余裕が生まれている太洋は、焦らすような速度でジーンズと下着を脱ぎ、半剥け状態で先走りの玉を先端に膨らます仮性包茎ペニスで頬を軽く擦る。

 

 

 榮浬も太洋と身体を重ね、パイズリ挟射させたのはかなりの回数になっているからペニスを見たって怯まなくはなったけど、恥じらいは何時までも付きまとうのが年頃女性。

 

 

「キャッ!! ハッ、ん……この匂い、私をもっとエッチにさせちゃうんだ……はぁ、はっ、太洋のおちんちん、カッコイイ……♡」

 

 

 もう太洋の為にと言い切れる、本来の美しさを維持させるスキンケアが施された、いやらしい程の玉肌は汚れの方から肌を避ける。

 

 

 髪も肌もトラブルが多くなってしまうお仕事なのに、痛みやあかぎれも見当たらない。

 

 

 手を触れてはならない精巧なるマネキン。この肌へ先走りを塗りたくるとは神をも恐れぬ行為だろう。

 

 

 榮浬の意見にも一理ある、どころか論破されてしまった。

 

 

 確かにパイズリ&セックスデリバリーに例えたが、リクエストすればそれ以外にも「何だって」してくれるのだから、随分と勿体ない事をしてきたと心の中で、自分で自分を殴る。

 

 

 おっぱいに夢中だったが今回はパイズリをお休みして、昔っからの妄想を反映させてみても良いだろう。

 

 

 多分嫌がらないと開き直り、化粧水よりも粘性ある雄汁を頬に留まらず、額にも浸透させていくが全くの無抵抗だった。

 

 

「ハァッ、ハァッ、先っぽ……舐めてみるね? やり方は一通り覚えてきたけど……間違っていたり痛かったら遠慮無く言って? んっ……れ、ろぉ……ペロッ、ペロッ、ぺろれろ……♡」

 

 

 

 ――口よりも先に胸で射精させた関係って変なのかな?

 

 

 

 エッチの知識不足を取り戻そうと、寝る前の一時間は性的な書物やサイトを回覧し自然とおまんこが濡れて、自然と自慰に浸り、絶頂を迎えてから横になるのが日課になってしまった。

 

 

 体験談が掲載されているサイトを覗いても、パイズリ→フェラの順はとても珍しい、ってか榮浬が確認した範囲内では居なかった。

 

 

 結構な割合が愛を呟きながら抱きしめて、キスをして、フェラかクンニ、手マンを行い最後は……である。

 

 

「あッ!? おまんことは違ったヌル暖かさ……あっ、ちょっと、ちょっと待って榮浬!」

 

 

 皮を剥いて大人になりきれていない、愛しの人の分身を成長させてあげようと、すっかり手に馴染むようになってしまったペニス。

 

 

 舌先でペロペロしながら細長い指を駆使して優しく扱く、事前にフェラ技巧を養うために自らの指や、それっぽい太さと長さの棒で疑似練習もしてきた榮浬は、本番フェラが初めてと思えぬ堂々とした動きを披露。

 

 

 ……するが同じく初フェラの快感に身を捩らせる太洋は気がついてない、何時もよりも身体が強ばっている事に。

 

 練習してきたけど好きな人のペニスを、口内で粘膜接触させるのだ。緊張が無い方が逆に可笑しいだろう――

 

 

 

「ペロペロ、皮の中しょっぱい……れるぅ~~んっ? ちゅっ、ぷぁ、ど、どうしたの? 痛かった……?」

 

「いや、そーじゃないんだけどさ……生でいいの?」

 

 

「えっ? 私は構わないけれど……」

 

 

 セックスもそうだが、ゴムを使用しない粘膜接触行為は性病に感染する危険性が大きく上がってしまう。気持ち良さを取るか、安全を取るか……

 

 

 処女喪失時はゴムを隠し持っていたに関わらず、生でしたいと榮浬からは着用を促す発言はせず、結果的に中出しや性感染は免れたけど太洋が力尽くで引っこ抜かなければ……素人の綱渡りサーカス状態だった。

 

 

「最近は味とか香りがついたコンドームもあるらしいぞ?? そ、それでもいいの……?」

 

 

 スナップを利かせた最小限の動作と、最低限の入力で皮が剥けてカリ首の全貌がコンニチハ。

 

 

 大人ペニスはおっぱい美人の上達しまくっている手コキに、大変機嫌が良いお礼として先走り汁をトクッ、トクッと、シーツへの垂れ溢しを持続させている。

 

 

 

本日の課題はフェラチオ。

 

 

 

 らしく飲みたいのだけれど、太洋がゴムの話題を振ってきたので、舌を伸ばしたままお預けされてしまう。

 

 

 

「……私はっ、ゴムを舐めたり咥えたりしたいんじゃないのっ、太洋のおちんちんを、太洋のおちんちんだから……フェ……ラチオしたいの……初めていっぱい貰ってって……言ったし……♡」

 

 

 分かってる、した方がどちらの為にもなるのは分かっている。

 

 

 本当ならセックスだってペニスの感覚が極力希薄にならない品質管理をされた、新型コンドームであろうと付けて欲しくは無い!

 

 

 コンドームとセックスしているみたいで嫌だから、自分勝手ながら初エッチはどうしても生挿入をして貰いたかった。

 

 

 それはフェラチオでも同じ、ゴムを愛する為にフェラチオしたいと申し出た訳じゃ無いっ、本人には言えないけど相性が良いと思いたい、太洋のペニスを愛したいからフェラチオしたい、ゴムなど装着したら意味がないっ!

 

 

「そそ、そうか! 一応気にならないのかなって言っただけだから。俺もゴムフェラは何か嫌だし……」

 

 

「んっ……♪ 再開するね! れるっ、れるぅ……んんっ」

 

 

 流石に生挿入を許してはくれないが、お口でのエッチは互いに望んでないと判明したので、阻む物が何も無い生ペニスを精液の匂いと浮き出てきた血管に興奮し、唾液が熱くなっている舌でいっぱい気持ちよくしてあげられる。

 

 

「はァァ、ァァァッ……カリ溝、弱いかもっ……! ふッ、あうっ……!」

 

 

「ひもひいーんらね? くわえへみるね、じゅっ、るるずっ、ぞっ……」

 

 

 都合良くエッチする事の出来る相手、太洋は罪悪感との狭間に悩みながら、結局は榮浬を求めてしまっているがそのような状況を作り上げてしまってたのは榮浬の方。

 

 

 時間帯やスケジュールなど配慮はしているが、好きな人が断らないからとメールでエッチのお誘いを催し、精液を搾り取る彼女は淫乱なのかもしれない。太洋専属のサキュバス。

 

 

「ちゅぅ、ぢゅるっ……ハフッ、ぢゅぱっ、ちゅるるッ♡」

 

 

 ガン反りペニスを口内に初のお迎え。

 

 

 シミュレーションとほぼ同一の直径、ではあるがこの肉々しい質感と持ち主の心臓とシンクロする温度、むしゃぶりたくなり嗅覚を刺激する淫香〝おいしい〟心理的要因で舌触りすれば、ペニスも応えて我慢汁で口内が埋まり兼ねない。

 

 

「ずずぅ~~……じゅふっ、じゅふっ……れるぅ、ちゅぷ、ちゅぱッ……♡」

 

 

「…………ッ゛ッ!?」

 

 

 

【大好きな彼を音で昂揚させちゃおう★】

 

 

 

 

 来たるべき刻に備えフェラテクを学んだサイトに、書き記されていたのは実体験を元にしたフェラチオ講座。

 

 

 フェラチオは普通に行えば案外音が鳴らない、アダルトビデオでの「ジュパジュパッ!」とした水音は女優の技量が問われ視聴者を惹きつける、一種のエンターテイメント。

 

 

 というのを頭に入れつつ視線は上目遣い、ちょっと大げさに舌を絡ませて溜まった唾液はなるべく下品な音を立てて飲み込む、時々口を離して吐息を漏らす……など、実用的なアドバイスが山のようにあった。

 

 

(うっ、その気がなくても口に唾液と、太洋のエッチなお汁でいっぱい……キスも未経験なのにフェラチオしちゃってる……やっぱり私って変だ、ファーストキスの相手が好きな人のおちんちんなんだもん……♡)

 

 

(キッ、キスした事無いんだよな榮浬ッ……? なのにチンポ咥えてるっ!? ヤベッ、意識したらこみ上げてくるッ、つーかフェラの仕方エロすぎだろぉぉ!! 本当に初めてなのかよ榮浬ぃ!!?)

 

 

 

 ファーストキスは太洋の唇と。

 

 

 その願いは叶わないって、一ヶ月前から諦めはついていたがこんな形で太洋(の一部)としちゃうなんて。

 

 

 蕎麦やラーメンだって音を立てず食べる榮浬なのに、口内で分泌され続ける二種類の体液を飲み込もうとする嚥下音がなんと卑猥な……

 

 

 品行を著しく失った親父でも、胸に汁を垂れ溢すまではしないだろう。

 

 

 今の榮浬はその親父よりも下品。上からは膨らんだペニスをしゃぶりながら、体液を胃に流し込むが全ては到底収まらず食べこぼしをHカップな受け皿に落とし、下の口からは第三勢力である性的昂ぶりの証拠である愛液でシーツへ落書きを描く。

 

 

「ずくっ、じゅりゅ、ぐぷっ、ぐちゅっ……ぷはッ、はーっ、はーっ……はむっ! ぐぱッ! グチョ! ふッ、ふふッ♡」

 

 

 釣りは趣味でありお仕事。

 

 

 榮浬が何種類の獲物をゲットし、太洋が料理して両親への誕生日パーティーを開いた事もあった。

 

 それだけ人生で釣りと関わりが深く、収入を得る生業でもあるので毎日釣り竿に触っている。

 

 

 

 ……くだらない洒落のようだが、榮浬は【肉竿の扱いも上手い】のかもしれない。あらゆる手段で悦ばせ、射精へと導く全身エッチな子なんだ。

 

 

 

「榮浬ーー゛ッ! 射精でるる゛ッ! 頭ン中ボーッとするっ! ゛お゛お゛お! ぐ゛ッ゛ッ――」

 

 

「ぐっぷ、ぐっぷ! ずじゅ、ふむッ、いひひょぉ♡ いっーはいらひへね♡ レロレロレロ! ちゅちゅぅ~~、ちゅぅぅ~~!!♡」

 

 

 

 トドメだ、と榮浬はそんな事言わないが初めてのフェラチオなのでゆっくりと動こうと、当初のプランはあっさりと彼方へ葬り、太洋の感じている顔にトキメイてしまって榮浬は半分暴走状態。

 

 

 深いストロークでペニスをストローに見立て、思いっきり吸い上げれば頬が凹み先走りどころか玉の奥まで吸引されそうな感覚に、太洋は恐怖心を覚えたがそれ以上に射精欲がぶっちぎりそうだった。

 

 

 イクっ、おちんちん震わせてビュッビュッするんだと、表情やご奉仕しているペニスの状態を捉えれば、かなり察せられるエッチな洞察力と観察眼もこしらえてしまった。

 

 

 練習時の参考にしたエッチな動画を思い出しながら小刻みに、鈴口を叩くようにして攻めて仕上げとしてもう一度バキュームすれば、口内は膣よりも強く締め上げられ抜きたくても我慢していたコッテリ精液を味わいながらも、大半は勢いに任せて胃に叩きつけられる。

 

 

「゛んっっ!! ゛んぶっ……ゲボッ、ホッ! ゲホッ! コホッ♡ ハ~~ッ、ハッ~~……んあっ、はぁ……お口で射精させちゃったぁ……コクッ、じゅるるるッ、飲め、た……あっ、あ~~ん♡」

 

 

 溢した精液も多いが、飲み込んだ精液も多い。

 

 

 パイズリ挟射で飛び散った精液を、軽く飲んだ事があるくらいで喉奥への全開精飲は初めてだ。

 

 

 射精しても硬度は萎えず、一旦口元から待避するペニスはまだ咥えたりないと言葉無く語る姿、口と亀頭を精液アーチで結ぶ。

 

 

「あっ……♡ 太洋のおちんちん……私の口と精液で繋がってる……♡ いっぱい気持ちよく出来たんだね私っ、えへへっ! 私も精液いっぱい飲んじゃったぁ♡ 太洋の味、苦い……! 中々飲み込めなかった……けど飲んじゃったぁ……♡」

 

 

(エッチする度にエロくなってる……あの長い舌に俺のチンポを包んで、絡んで、精液受け止めて……うわぁぁ……)

 

 

 そのエロさ、留まることを知らない。

 

 

 

 榮浬の舌が標準より長めと判明したのは、幼少期だ。

 

 

 

 夏祭りでかき氷を食べてお互いに変色したベロを見せる、子供が良くやる戯れ。

 

 

 

 下顎まで届くそれは。あの時はカメレオンだのカエルだの心ない事が考えるよりも先に出てしまい、ちょっと榮浬をプンプンさせちゃってお小遣いを崩してもう一個かき氷を購入し、榮浬のご機嫌を取って仲直りした……遠い日のメモリアルも明瞭にフィルムを回せる。

 

 

 

 その長~いベロ、とてつもない武器として十年以上の時を超え、射精されるに至ったのだから人生は裏切りと未知の連続だ。

 

 

 榮浬だってそう。

 

 舌が長くても何の意味も無い、太洋以外には親しか知られていないけど肝心の太洋に「そーいう妖怪いたよな」と、指さされながら笑われてしまった。

 

 

 あの頃は明確な〝好き〟って気持ちは分からなかったけど、面白くない、穏やかな榮浬にしては珍しくカチンッとした。

 

 

 

『太洋……きらいっ! ツーーンだっ!』

 

『わっ、悪かった! デリカシー無かったごめん! かき氷奢るからさぁ~、許して!』

 

『うーん、許すっ! あの紫色のお願いね?』 

 

 

 

 太洋に対して本心でなくとも〝嫌い〟発言したのは最初で最後。

 

 

 

 言ってて自分が心臓付近をゲンコされた、痛みを感じて急いでかき氷を買ってくる太洋の浴衣を着た背中を眺めていたのだから。



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背面座位

「ふっ、ふっ、どーだ……! 参ったか、太洋!」

 

 

「まっ、まいってる……笑ったりしてすんませんでしたっ……」

 

 

 唐突に精液が零れたままの巨乳を前方へ突き出し、得意気な顔になりながらエッヘン。唇に精液の残りがこびり付いているので、ちょっと場にそぐわないし間抜けな榮浬もまたレアな姿。

 

 

 二人して同じアルバムを捲っていたから、突拍子無い「参ったか!」の意味も理解している。

 

 十年越しの復讐? は大成功のようだ。

 

 

 (なんか、楽しい……こういうの)

 

 

 マフラーで口元を隠しながら笑う、榮浬に引っ張られる形で太洋も癖っ毛をかきながら少し笑った。

 

 

 時には妹のように、時にはお姉さんのように振る舞う事もあった。

 

 

 (今日はお姉ちゃんだから、私が遊ぶ場所決める。今日は妹の気分だから太洋が決めて?)

 

 

 本人の気まぐれやらごっこ遊びの範囲だったけど、振り返ってみれば非常にオイシイ想いを自分はしてきた。

 

 

 榮浬の両親がお出かけして寂しくなって抱きついてきた榮浬は妹っぽくて、体育で転んでしまいクラスの足を引っ張ってしまった時は、お姉ちゃんっぽく慰めてくれて。

 

 

「ねっ、もう一回お口で……いいかな? 痛くなかったなら少し……激しい感じにやってみたいなぁ……♡」

 

 

 今は……互いが互いに『甘ったれている』

 

 

 スイッチが入った榮浬は、太洋より性に物を言わせて非理性的になってしまう。

 

 

 わざわざ止める必要性も無い、榮浬が満足すれば太洋だって充実感でいっぱいになるだろう。

 

 

 そうでなくとも今回は榮浬の意見を、極力飲むと決めたのだ。

 

 

「へへっ、それじゃ……二度目の『参った』させちゃうからね? れろぉ、くぷっ! ちゅばッ、ぢゅぼッ! ヂュボ、ボブッ♡」

 

 

「ア゛ア゛ア゛ア゛ッ~~!!? アア゛ッ! マジかぁぁ!!?」

 

 

 どうでもいい事でも勝負しまくった、子供の頃と似ている不可視な物が互換を包む。

 

 

 一番身近なライバルは榮浬だった。

 

 

 水泳でどっちが早いかとか、ゲームクリアするのどっちが先とか、擽りあって先にギブアップさせるのはどっちとか。

 

 

 だってその気さえあれば榮浬の家まで到達は五秒、彼女の両親も何時だって歓迎してくれたから本当にもう一つの家族だった。

 

 

 逆もまたしかり。流石に中学生になれば何時でもお邪魔するってのは、迷惑になると気を遣うけどクラスの誰よりもすぐに会えるのも二人の利点であった。

 

 

「ジュブッ! ジュブッ! ジュブッ! ず、ずズッーー! ぬヂュヂュ、ブハァッ♡ ハァー、ハグッ! ずゅぅ~~!!♡」

 

 

 激しくしたいと嘆願しながらおっぱいをユサッ、ばいんっ。

 

 

 揉みまくってそりゃあ、肩が凝る重さだと同情してしまった。Hカップってマジで重量感たっぷんなのだから。

 

 

 そんなのが二つもぶら下がってれば身体の軸がズレたり運動がし辛くなったり、ここまで大きくなくてもって、バストダウンするブラを試したけど全く効果無し。

 

 

 つくづく巨乳の星に産まれて来てしまった榮浬。太洋がもの凄く喜んでくれるってだけで、不便だった過去は清算されているのだが。

 

 

「ぐぢゅ、ぐじっ! んぶっ! ぢぅぅぅ、ぢううぅう~~! ゛んグ、ずじょるっ! ぢゅぎゅぎゅぐぅぅ~~♡」

 

 

 

 口内粘膜が剥がれてしまうのでは、それだけの勢いで亀頭が喉奥にブチ当たっている。

 

 榮浬式の「激しい」に血の気が引くほどの快楽で、聞くに堪えない喘ぎを狭い和室に響かせてしまい、思わずフェラチオから逃れようとするが腰に両手を回してきた!

 

 

「はフッ! スぅ~~、フッー! ヌボッ、ヌボッ! ごぼっ! ふぐぅ、゛に゛が゛は゛な゛い♡ ぐじゅぶッ! ずるじゅずずっ♡」

 

 

 白波町は肌寒いから先程のフェラチオは炬燵のように抜け出したくない、暖かさでペニスはヌクヌクだった。

 

 

(ヒッ! ヤベッ! チンコヌメり溶かされるっ! 焼きごてだァ! 榮浬の舌の形が俺のチンコにくっついちまう゛よぉ! く゛ぅ゛ぅ!! ハッ、アッ、アッハアアアッ……)

 

 

 舌が長いから玉袋まで届いてしまう! 

 

 

 咥え込みながらベロベロされて、本当にフェラチオしているのが自分が知る幼馴染み「糸巻 榮浬」なのか、あやふやになってくるドスケベフェラテク。

 

 

 首を揺さぶる反動で、おっぱいは首と正反対の方向へぶつかるアメリカンクラッカー。

 

 

 セックスする日々になってから榮浬の服の予備は複数セット完備されているので、帰れなくなる心配は無い。体液で汚し放題。

 

 

 ペニスの形に口を合わせてもお気に入りのマフラーは唾液が零れてビチャビチャ。

 

 

 厚手のショートパンツも内側から溶解されていると見紛う、中心部に縦筋ラインがあぶり出されラベンダー色のショーツなどあって無いような物だ。

 

 

「じゅぶッ、じゅぶッ! ゛ッ! ぢゅるぅぅ~~ヂュズズズぅ~~ぢゅごぢゅごッ、ぬびっ、ぬぼッ、ぢゅッ♡」

 

 

「゛も゛っ! 無理だッて!! 無理矢理イカさっ!? ぐがッ! は゛あ゛あ゛あ~~ヲ゛ァ…………グッ……」

 

 

 来たっ、二回目だけどさっきよりも濃くてネバネバしてる、太洋の子種が拡散せずに一点に集中され喉を、胃袋に直下する。

 

 

 口から孕める仕組みなら榮浬は妊娠していただろう。もし胃カメラを突っ込まれても、底なし沼のように纏わる精子が雪景色を作るので検査は不可能だ。

 

 

 ザーメン大好きの淫乱援交娘ですら、こんな精液は飲み込めずペニスを放り出してから、太洋に文句の一つか二つはぶつけながら怒るだろうが……

 

 

 

「ズッ……ズズ゛ぅ……♡ ズッ、じゅじゅ……ふっ、ふぅぅ~~……ゴクッ……ちゅ゛ぅぅ、ヂュズズ……ズズズ……♡」

 

 

 

 全部、飲んでる……

 

 

 

 太洋を絶対に逃がさないよう、腰に両手で硬く拘束しながらの高速フェラチオ。

 

 

 

 一般女性では届けぬ場所まで舌が迫り来る恐怖と快楽の紙一重、陰嚢をねぶりながら喉の筋肉でシゴいてくる口内に長くは持たず、強制搾取されてしまった。

 

 

 

「もう止めて」の意味で榮浬の頭頂部に手を置いて引き離そうとしたが、膣よりも熱い口内をペニスの形状に圧縮させハイライトの消えた瞳でただひたすら、ペニスをしゃぶり尽くす口元は泡だらけ。

 

 

 榮浬は「太洋が頭を撫でてくれた」と勘違いしてしまったのだ。

 

 

 唾液と我慢汁と精液と、エロまみれに抜かれたお口エッチ。

 

 

 互いの体液を混ぜ合わせる卑猥さ。

 

 咥えたままブレンド液を飲み込むから嚥下の度に喉が伸縮してイッたばかりのペニスを刺激、もう半分勃起している太洋の性欲もかなりの物だが、短期間でエロフェラを修得して短期間で射精させてしまった榮浬はもっとエッチだ!

 

 

 

「ちゅ~~……ん、チュッ……にゅぶぅ、ぷぁ……♡ どっ……だ……まいったかぁ……! ハーッ、ンッ♡」

 

 

 

 雄の匂いが体内に充満してフェラチオしたい本能の赴くまま、秘所は弄ってないのに関係なく、胃に熱いモノをぶちまけられた瞬間に榮浬もイッしまう。

 

 

 ピクピク痙攣する太洋を、両腕とお口で支えながらやっとペニスを離せば、白塗りされた喉奥まで「あぁ~~ん♡」と大口広げて魅せつける。

 

 

 出されたモノ、全部飲み込めた二回目のお口チェック。酸素の行き場が失う苦しさだったけど、精液を拒絶したくはなかった。

 

 

(ルアーに引っかかった魚になっちゃってた……私……♡)

 

 

 文字通り〝竿〟が〝竿〟であり、餌としての役割も担っていた。

 

 

 

 誘う香りと咥えたくなる形状に見事に引っかかりフィッシング。 抗わずに食らい付く、太洋でしか釣ることの出来ない大物。

 

 

 もう仕事で「竿」って言葉する度に、太洋のおちんちんが脳裏に出現してしまうかもしれない、仮にそうなったら榮浬はホンモノのヘンタイだ。

 

 

「ハァッ、ハァァ……残ってる精液……飲んじゃうね、バクッ! ジュルぅぅ~~! ジュッ、ちゅぶぶっ、ヂュッ! ぢゅぅぅぅ♡♡」

 

 

 イキ殺されてしまい口パクと、萎えきったペニスを見て察っした。数年ぶりの幼馴染み対決、敗因は連続ノックダウン高速フェラチオ。

 

 

 一往復の度に口淫練度が磨かれ、男性器官や他者の粘膜を何も受け入れなかった処女口は、後れを取り戻さん驚異の学習力で太洋好みのエッチな口に変化していた。

 

 

 正直、二度目のフェラを所望されて悪寒がした。

 

 

 白波町独特の肌寒さに涼しさ、そうだと言い聞かせていたが違う、強制搾取フェラをされてしまうと種を植え付ける力を持った雄が本能的に、植えるべき相手である雌に恐怖したんだ。

 

 

「ヂュッ、ちゅちゅちゅっ……ちゅー、ちゅー♡ ぷッ……ぽふっ……白いの、無くなったね……♡」

 

 

(゛あッ、あああっ……榮浬ちょっと……がっつきすぎ……ハーッ、ハァ……)

 

 

 単純にイッた回数=勝利ならば、太洋のが少なく見積もっても三~四倍は敗北数を重ねていたりする。

 

 

 またしても「ちょっと休ませて」の意を示し、頭を抑えるが身体に行き渡る酸素が枯渇し言葉は出ないわ、抑えたハズの手は弱々しいわ。

 

 

 榮浬が都合のいいように「上手く出来たから、また撫でてくれたのかなぁ……♡」と解釈してしまっている。

 

 

 拘束されたまま二連続射精させられ、やっと終わったと息つく間も与えさせずにお掃除フェラ。

 

 

 あれだけもっとして欲しい、男なら誰だって蕩けてしまうフェラチオが怖くなるだなんて。

 

 

 尻尾を振るようにお尻を高々と持ち上げたまま、根元を人差し指と親指でホールドし軽く扱きながら先端からはリップ音を弾けさせている。幼馴染みの髪が腹部や脚、時には股間にくっついてこそばゆい。

 

 

「エロすぎっ……!」

 

 

「へっ、へっ、へっ……! 別にいーよ、エッチな事してるんだし!」

 

 

イッた直後で非常に敏感股間は、髪一本の刺激でもセンシティブに反応する。

 

 

 そしてやっと捻り出せたセリフは榮浬を恥ずかしがらせる仕返しも兼ねて、言ってやったがまるで効果は無し。

 

 

 どーせ太洋しかこんな私は知らないんだと、開き直り太洋と二人きりの空間では徹底してエッチになってやろうと首を預けたのかもしれない。

 

 

 ……それでもペニスを頬で転がしながら、左手で自慰してると気がつかされたら一転して動きを止めてしまった。

 

 

 真実の鏡を突きつけられ恥じらいをかなぐり捨ててペニスをむしゃぶり、ペニスとじゃれ合う不埒の極み。

 

 

「あっ……ううっ…………♡ わたし……とんでもないっ……♡」

 

 

「俺が止めてって言っても聞こえないくらい夢中だったぜ榮浬? 凄かったわ~あのままチンコ一生離さないってくらい、一本釣りされた魚――」

 

 

「あーーあーーあーー!! 言わないで言わないでッ!! 覚えてるから! 自覚あるからッ♡~~♡ いますぐ忘れてッ……!」

 

 

「忘れらんねーよ! 玉袋までベロンベロンッて、あの時は心にも無い事言って傷つけたけど、スゲー……エロくて……うん、榮浬の舌、俺は好きだっ! フェラしてる姿思い出して、オカズにしちまうかも……」

 

 

「……ど、どうも……///(好き、好きっ……だってさ……♡ カメレオンから値上がりしすぎだよっ♡)」

 

 

 軽口たたけるくらい回復した太洋は、ありのまま評価しつつも羞恥心を取り戻しマフラーでついに、顔全域を覆うまでに至った榮浬をちょいS思考。

 

 

 お掃除フェラを能動的に実施する、スケベを拝ませあっけらかんとしていたのに不意の一言で初心な榮浬に逆戻り。

 

 

 太洋は「エッチだけど恥じらいを残す」子がエロ漫画で一番ビビッと股間に来たので、榮浬の反応はドストライクだったらしい。

 

 

 証拠として愛撫されても半勃起から不動だったのに、お好み属性と重なった瞬間にグングン育つ。

 

 

「キャッ、アッ……♡ こっ、このまま本番っ、しちゃう? しちゃう……? どーするどーする♡ フ~~ッ、フ~~ッ♪」

 

 

 最初から本番セックスしなければ帰らない、何がどうあっても絶対する予定なクセに……

 

 

 巨大化したペニスを両手で握り息を吹きかけながら、気温とは異なった人為的な寒気にゾクゾクッ、背筋から震えればペニスも震えて鈴口から今日だけで何ml分泌させたのか、我慢汁がジワジワ生まれて愛おしく舐め取った。

 

 

「ど、ぁぁ゛ぁ……ッ! 俺のチンコで遊ぶなよ榮浬っ……!」

 

 

「えへへっ、参ったかぁ♡」

 

 

「ハイハイ、それはもういいって!」

 

 

 楽しい。

 

 エッチを重ねて余裕が作れている要因もあるが、この一ヶ月で一番楽しくエッチしているかもしれない。

 

 

 太洋と一緒の時限定に妙に幼く妹成分多量な姿は、例によって異性を意識しだす中学生からご無沙汰だ。

 

 

 お姉ちゃんっぽく振る舞うのは、以降も度々あったが妹っぽく言動や行動が退化するのは、本当に久しぶりってモンじゃない。

 

 

 同級生で、妹みたいで、姉みたいで、全部ひっくるめた総合体が『幼馴染み』として自分は扱っていた。

 

 

 そういう意味でも榮浬は特別な女の子。こうやってペニスと戯れながらあの頃と同レベル帯のやり取りをするなんて、ノスタルジックな心境に……

 

 

「するに決まってんだろっ……してみたい体位とかあるか?」

 

 

 太洋に任せたらパイズリか正常位かの二択だったが、今回は榮浬が自由にセックス体位を決めてイイらしい!

 

 

「こっ! コレ! コレッ……やってみたいなぁ……太洋と……はぅ……♡」

 

 

 待ってましたと(?)テーブルに置いていたスマホを、スリもびっくりな瞬発力でかすめ取ってブックマークを開きフリック、フリック。

 

 

 ブックマークにそんなの入れてるのか、突っ込みも追い抜く速度で「性交体位の図解一覧」の中から背面座位を見せてきた榮浬は、口元をマフラーで隠す羞恥フォルム。ここ一ヶ月で頻度が上がりすぎて珍しくも何とも無くなったが。

 

 

「後ろからかのエッチかぁ! 俺の股間付近に榮浬が座る……ので良いんだな……」

 

 

「私がスマホ持つから……図を参考にやってみよ……!」

 

 

 正面向きのまま、手をラブラブに握って突かれる。

 

 

 のも良かったけど、色々なセックスを太洋としてみたい。サイトに載っているエッチを全部試すのだって……太洋は許してくれそうな気がしてきた。

 

 

「うっひょ! 榮浬っぱい! ぽにょんぽにょん~~!」

 

 

「あンッッ!!? コラッ、はっ、入るまでは集中させてよっ……おちんちんの位置を私がこうっ……んッ♡ 先端がココだからっ……♡」

 

 

 パソコン専用チェアの下に安物シーツを引き直し深く腰掛け、寝そべり気味に背もたれを活用する太洋。

 

 

 榮浬の顔が見えないっ、巨乳になってしまったから劣化させないよう、エクササイズを怠らない背中は筋肉質とは無縁な美しいリバース・トライアングル。

 

 

 細すぎない、太くも無い、メリハリを付けた振り向かずでも美人だって確信させ男性の眼を惹く部分だけ、適度にお肉を盛る反則Hカップ。

 

 

(ホンッット、外見偏差値高すぎて横並びもつり合わねぇよな俺ら……)

 

 

 だが榮浬を独り占めして、背面座位で挿入出来るのは

 

 

「やっ、こっ、これぇ……うアッ! アアアアアッ!! うああっ、゛ん゛んっ~~♡  ふぅぅッ……!」

 

 

 ――太洋だけなんだっ

 

 

 

 背面からHカップを鷲づかみする心底おっぱいスキー。原因は多分榮浬なのだが。

 

 

 大好きな太洋の顔が見えない中でのエッチ。

 

 

 すぐ後ろでおっぱいを揉まれて「太洋は居てくれる」と再認識したけど、緊張でペニスを支える手が震えている。片手でスマホで背面座位の図を見ているから尚更だ。

 

 

 遊んでる場合じゃないと、太洋が自分でペニスを支えて榮浬の心の中では、エッチ好感度ポイントが増加された。

 

 

 ちなみに下がる事は無いしとっくに好感度は上限を突破している。 好きな感情は上限無く伸び続けているだけだ。

 

 

「ゴメッ、すべって……♡」

 

 

「゛イ……だ、俺は大丈夫……榮浬は?」

 

 

 

 爪先立ちでゆっくり腰を沈める、つもりだった。

 

 

 無理な姿勢が祟って若干、しかし現状では致命的、上体バランスが崩れお尻から打ち付ける形に挿入となったハプニング。

 

 

 太洋もスマホを慎重に確認しながら、ペニスを飲み込むには困らない湿り気を持つおまんこへと狙いを定め……ズブッ!

 

 

「はぁぁ~……はぁぁ~……しきゅう……おくまでおちんちん……はいっちゃった……♡ イッ、ちゃいそ……だった……♪」

 

 

 キュルキュルと、膣が回転したと錯乱した膣波打ち。

 

 

 膣奥まで一気に到達してしまうとは全くの想定外、スマホも振動で落としてしまい拾おうと背を屈めても届かず、ただ結合部をペニスに型取りしただけで終わる。

 

 

「ふひゅっ……う……脚付くから動いて……みるね……んっ! ハッ!? ああんッ! きゃうッ! ああう~~っ!!」

 

 

「お、俺も動くぞ! オオオッ! 榮浬っ! 榮浬~~゛っ! おまんこスライド気持ちいい……ッ!!」

 

 

 両者共に大股開きでくぱぁ。なんてはしたない格好か。

 

 

 スマホが回覧不可になっちゃったから、ここからはフィーリングと勘でなんとかするっきゃない!

 

 

 上下に動くかと思えば、腰を浮かさずに左右へペニスを膣内で揺さぶるエロスライド。

 

 

 中々負担の大きい体位なので、飛び跳ねるようにパンッ、パンッとピストンするよりも、奥まで刺さったペニスを堪能しながら気持ちいい部位を探れるので変じゃない、大当たりだ。

 

 

「んっ~~……んっ! ハァ~~……ああっ……ハァ、ひゃぁ、ぁぁ~~……じんわり……たいよーがおまんこに……うめこまれりゅっ……!」

 

 

「舌ぁ……回ってないぞ榮浬っ、後ろからもイイな! 今度から色々な体位試してみよーぜ! もみもみっ! おっぱい揉み揉みっ!」

 

 

「ややっ!? はぁぁッ~~!! うひょ、うひろからっ! うひろせっくすしながりゃ、おっぱいしゃわられっ……♡ だめっ、ひゃっ、……゛っ、゛は゛ぁぁ゛~~♡」

 

 

 今日は精神的にも余裕がある! 理由はよく分からない。

 

 

 榮浬が前に振れば太洋は後ろ、相対なる動きで攻めて攻められ互いを感じながら正常位と打って変わり、少なめの動作で交わう。

 

 

 小さい頃、榮浬を膝上に乗せたり逆に脚の間に入り込んだり、記憶が無い訳でも無い。

 

 

 白波町に帰ってきてから昔の出来事が再現されたり、想起させる出来事が異常に多くなった。故郷だからもあるが尤もたるは、榮浬との再会だろう。

 

 

「ヒダ肉でっ、グニグニされて子宮いっぱいに膨らんじまうよぉ!!」

 

 

「いいよぉ♡ いっぱひ、きもちよくなってぇぇ! わらひでぇ、かんじてくれへ……うれひィよぉ~~♡ おまんひょされにゃがらァァ~~♡ おっぱいもみゃれるのォ! ひゅきィィ~~♡♡」

 

 

 榮浬のお尻の肉! ぷるぷる震えて、椅子と化した太洋に埋まり込む!

 

 

 顔は見えないからこそ想像力をかき立てられるし、エイの尾ビレチックに纏めたポニテがマフラーと一緒に縦横無尽に動き回る!

 

 

 軽い気持ちでHカップをお触り。男たるもの後ろからでも忘れずに両手にゲット、気持ちいい部分を発掘してしまい呂律が回らず太洋を貪る榮浬は背を仰け反らせれば、太洋の吐息が耳に掛かって下から後ろからの三点責めに歯をカチカチと鳴らし始めた。

 

 

 余裕を持ち得る太洋と裏腹に、榮浬のヨガりっぷりは特に酷い。

 

 

 正常位に慣れてしまったから新鮮な体位と余裕ある彼の悪戯にドキドキして、穴という穴を充血させてしまっている。

 

 

「たいよっ、りゃめッ! キヒゃっ! キひゃうぅぅう~~!!」

 

 

「キちゃえ! キちゃえ! 俺も一緒にイクからっ! ハァハァハァ! しめ゛っ、つけがッ、ぁぁ~~!」

 

 

 こんなエラソーなセリフを吐きながら、女の子を受け止めるだけ経験を積んでしまった、元童貞。

 

 

 初の体位でもリラックスして、活き活きとしながら榮浬とのセックスを楽しんでいる。

 

 

 (ちゃんとイカせられるかな、下手とか思われたくない)

 

 

 経験が浅い内はそんな考えが邪魔し、不安も滞在していたが惑わされない! 

 

 

 

 俺は榮浬を気持ちよくさせられる、イカせる事が出来る。余計な思考回路は焼き尽くし、快感中枢を刺激してドパーミンでぐっちゃぐちゃにすればイイッ!

 

 

 

「イッひゃ゛っ……♡ あっー! ゛あ゛あ゛あーっ! もっひょひてぇ♡ んグ゛あ゛あ゛あっ!! ハア゛ア゛ッ!!? ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ~~♡♡」

 

 

 

 溜まってる……ゴムの中に精液の流動を感じる。

 

 

 

 薄型だから膣粘膜のヌメり、体内の熱さも生とほぼ変わらないから超キモチイイ……!

 

 

 

 それでいて妊娠させないのだから、本能赴くまま膣内射精し放題だ。

 

 

 

「あっ…………♡ ごむ……いっぱいになってる……♡ かたいの……やわらかく……だしきってるんだ……ぁ……♡」

 

 

 

 イク間際、そういえばと思い出し左手をフリーに。

 

 

 

 おっぱいから手を離しちゃうんだ……胸から伝う感覚が半分になって、寂しそうな榮浬が彼には〝視えた〟

 

 

 

 滑らかな毛質の藤色の陰毛、結合部の上辺に主張するクリトリスを強めにつねり、そのまま引っ張る。

 

 

 榮浬は短時間で二回、中イキした。クリを虐められたのが一回、太洋の射精に連動し二回。

 

 

「もっ……あんまり……イジメないで……♡」

 

 

 

「ああ、ちょいと強くしちゃったかな……ゴメンな」

 

 

 

 ホントは全然怒ってないけど、声色で怒ってる風にアピール。

 

 

 

 繋がりは解かぬまま、おっぱいを掴む事も解かず。

 

 

 

(どれだけ好きなの、もうっ!♡)

 

 

 

 ニギニギされて小さく喘いじゃう榮浬も榮浬だが。

 

 

 

 パイズリへの執着心が半分を占めるおっぱい好きは、二人だけのエッチ空間を構成したなら可能な限り触っていたいのだ。

 

 

 

「……う~~ん、許すっ!」

 

 

 

 これもまた なつかしい セリフ だった

 

 

 

 

 エッチ終了時間も概ね予定通り。

 

 マイカーが釣り道具一式を苦も無く収納できる、ステーションワゴンで本当に良かったと榮浬は思う。

 

 

 

 太洋とエッチしてます……なんて言えっこないから、いろんな場所で釣りしてますって誤魔化す。道具を載せないと怪しまれるしそれっぽく痕跡を作るのも予め行ってきたので、何食わぬ顔で帰宅すればいいだけだ。

 

 

 

「んっ、じゃあまたねっ、明日もエッチする?」

 

 

 

 予備の衣服と下着を着用して、汚れた分は太洋が責任を持って洗濯して乾燥させる。これも決まり事。

 

 

 

 マフラーはオーダーメイド品なので、二つしか予備は持ってないがアレを二つ持ってるって結構凄い……

 

 

「多分……呼んじゃうだろうなぁ~! やってみたい体位考えとくよ!」

 

 

「……えっ、えっち……!」

 

 

「なんでそーなるっ!? 榮浬のがエッチなクセに……」

 

 

 玄関口でベタを模したブローチを付けて、謎のおっぱいベルトを装着、これでヨシ。

 

 

 後ろから異常が無いか太洋に確認してもらい、上機嫌な榮浬はあからさまに年下っぽい。普段のクールで表情が硬めな美人は何処へ。

 

 

 

「なぁ、榮浬」

 

 

 

「……? ふやッ!?」

 

 

 

 名を呼ばれて振り向けばおよそ2、3㎝ばかりの距離まで詰め寄っていた太洋がポニテが硬直するくらい思わぬ、しかし心がふやけてしまうくらい嬉しいプレゼント。

 

 

 

「たっ、たっ太洋…………なんでぇ……いいの、こんなことして……♡」

 

 

 

「べっ、別にいいじゃん! さっきは後ろから抱きしめてたようなモンだし。それが前からってだけじゃん??」

 

 

 

「やっ、やゅ、よょ……ひゃっ……さぁ、さよならーー!!」

 

 

 

 女の子が憧れ好き合う物同士の愛情表現、ハグ。

 

 

 

 榮浬は情けを貰う立場なので偉そうな事は言えず、ラブ握りだけで相当な儲けもの。背面座位リクエストやフェラチオの促しも運が良かったと安堵していた。

 

 

 

 ハグとキスは恋人のシンボライズ。これをせずして何が恋人か。

 

 

 

 太洋とそんなことが出来たら……榮浬も年頃の女の子。

 

 好きな人に思いっきり、男の力で壊れるくらい、ギュッ~~とされたいと思っては、太洋に失礼だと、叶わぬ夢だと諦めていた。

 

 

 

(エッチな時間は終わったのに! やったやったやった!! 太洋が抱きしめてくれた! 抱きしめてくれた~~!! 大好き大好き太洋~~♡)

 

 

 

 見せられない、知られてはならない、セックスしている時より締まりが無くだらしのない。

 

 糸巻榮浬の印象を根底から覆してしまう、ハートが漂うステーションワゴンを運転する表情、初見であればお花畑でランランしてる危ない女性である。

 

 

 

 そういうつもりではない、サービスのような物だって分かってる、けどッ!

 

 

 

(嬉しい! 嬉しい嬉しい! またギュッてされたい! わわわ、私も今度はギュッて……しちゃお……へへぇ……♡)

 

 

 

 事故らないように気をつけて欲しい、としか言えない。

 

 いや、誰も現れるなとしか言えない帰宅路。

 

 

 (明日も抱きしめてくれるかな、それとも明後日にしてくれるかな♡)

 

 

 

 微量ながら可能性が授けられ、微量な可能性を信じて動悸が五月蠅いHカップ。

 

 

 

 正面からされたら、自分も胸を押しつけて……など、妄想しながら帰宅したから、駆け込んだお風呂場で一人エッチしてしまう……布団の中でもラブラブハグのシチュでイメージトレーニングして……初めて職場に遅刻しそうになったけど、未だに彼の腕の感覚は残り続けている。

 



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憤懣

太洋お前のせいだぞっ


「榮浬さん、何か良いことありました?」

 

 

 実家である白波町で両親が経営する釣具屋。

 

 

 交通の便が都会よりも少ないが、ド田舎みたいに一時間に一本しか電車がないだとか、船に乗らなければ隣町へ移動できないって程の不便はない。

 

 

 歩いてだと少し辛いけど自転車さえあれば十分、でも車があるには越したことはない。

 

 彼女の愛車は後部座席で身体を丸めず横になれる。釣り道具一式、特にロッドはそのまま載せられ巨大なクーラーボックスも工夫無く収納可。唯一の難点であった「車内が魚臭くなる」問題には空気を清浄に保つ消臭シートが全域に貼られ、漏洩は皆無であり自分以外を乗せても指摘される事はほぼ無い。

 

 

 ハッチを開き、ラゲッジスペースに腰を下ろしながらのんびり釣り糸を垂らすのもまた一興。

 

 

 移動時には勿論のこと、釣りを楽しむ手助けをしてくれるマストアイテムとして存分に活用している。両親からの借り物ステーションワゴン。

 

 

「そっ、そう見えますか! 大物の雷魚を釣れたのが嬉しくってですね!」

 

 

 数少ない先輩女性スタッフが数日前に榮浬がフォトに収めて来た一メートルを超え重量は何と十㎏近く。

 

 

 魚界の力士とタイトルを付け店内の至る所へディスプレイされているのは、釣果を自慢しようという企画でプランナーは榮浬。

 

 今企画は初心者よりもベテラン寄り、「これはデッカイ!」と思うようなビッグバスを釣り上げたらフォトを撮ってデータ提供、リクエスト通りにスタッフが無料加工。

 

 

 こんな凄いバスが釣れましたと、製品の宣伝になるし闘争心を刺激されたバサー達は「俺はもっと凄いの釣ってやる!!」と躍起になり、相対的に業界のレベルが上昇する効果があるとの目論見も含まれている。 

 

 

 正に池の主、超ド級クラスとの遭遇に備えて頑丈なベイトリールを用意していたが、ブチ折られてもおかしくはなかった……抵抗はあまりされなかったが非常識なまでの大きさだったのに、助けを求めず女性一人の力でどうやって引きずり出したのか……榮浬も覚えていないらしい。

 

「実績ある頑丈なロッドとラインでしたけど、真っ二つにされるかと思いましたよ……このお店で扱う製品スペックを証明できた形になれて光栄です!」

 

 

(私は十㎏近くある雷魚を怯まずにファイトして釣り上げちゃった、榮浬ちゃんのが凄いと思うケド……)

 

 

 スタッフユニフォームを纏った、女性は榮浬の胸部と比べてみる。

 

 

 彼女だって世間的には巨乳カテゴリーに属する、Eカップ……だけど小細工なんて必要無い、だけど私服では謎ベルトを巻いて上からも下からも横からも。 

 

 

 不発弾でも取り込んだのかってくらい、ツンツンロケットはHとの事(あまりに気になったので教えて貰った……)なので、おっぱいが身体を地に埋め込まん重り代わりとなっていたから、ド級雷魚にも負けなかったのかもしれない。

 

 

(でも榮浬ちゃん、本当に笑顔が絶えなくなってるわねぇ。雷魚以外にもそうさせる出来事があったのね、男の人と仲良しになった?)

 

 

 女性スタッフの推測は五割的中している。

 

 

 彼氏じゃないが男性……勇魚太洋と毎日身体を重ねて、釣りの世界でもエッチの世界でも一線級に育ってしまった。

 

 

 社交性が高く愛想もいいけど、生まれつき顔面の筋肉がやや硬く感情変化はあっても表情変化はあまり見られない、クール系おっぱい美人。

 

 

「♪~~~~♪~~~~」

 

 

そんな榮浬がニッコニッコしながら、選りすぐりのルアーやウキを陳列していく。常連さん達だって女性スタッフと同じ質問をして、雷魚の件を返されるのはここ数日のテンプレート。

 

 

 ド級雷魚をフィッシュしたのは確かに嬉しい……けど、それ以上に太洋が近頃抱きしめてくれるようになったのが嬉しい!

 

 

 対面座位や正常位でキメる時、最初はどさくさに紛れて太洋を引き寄せていたけどオズオズしなくたって太洋側から自然とハグ、腰に手を回したりおっぱいベルトに沿わせたり。

 

 

 ちょっと笑顔になりすぎだろうと、分かっているけど表情筋が勝手に緩んでしまう! 

 

(だってだって、恋人みたいなんだもの! あっ……車の中でえっち……それもしたいかも……❤)

 

 

 恋愛以外は器用にこなせてしまう榮浬は、エッチの知識も貪欲に吸収しており太洋よりも詳しくなってしまった自覚アリ。

 

 

 太洋と二人きりなら本能的に恥じらうも、アレしてみたいコレ試してみたい……積極的にお誘いしても彼は拒まないと判明したので、カーセックスだって「バレたらどーすんだよ!」とか一手目は遠慮されちゃうけど押せばイケちゃいそうだ。

 

 

 座席を倒しまくれるし、匂いも目立たない工夫が施されてるし、車中泊も行えるカーテンも装着してあるし……おやおや?

 

 

 考えれば考えるだけ、太洋とセックスする為のカスタマイズとしか思えなくなってきた……

 

 

 期待でおっぱいをたゆんっ、させながらお客さんの誘導を任された彼女の笑顔につられ、お店の雰囲気も評価も右肩上がりだ。

 

 

 

 

 

 梅雨の季節も僅かで終了する、六月の終盤戦。

 

 

 

 意気揚々に働く榮浬とは正反対を往く、世界各国を渡り歩いて二十年者修行を重ねた老オーナーが一つの夢の終着点として営業している、個人経営の洋食屋で太洋は――――

 

 

「なぁ太洋、お前はまだ若い、この店で一番若いがよく頑張っている。それは私だけでなく皆も認めている……が」

 

 

 ピークであるお昼時を乗り切って、少々のんびりムードが漂う十四時二十五分。

 

 

「同じミスを二回、それも昨日と全く同じお客様相手だ。体調でも悪いのか……? それともこの仕事が嫌になったか?」

 

 

 オーナーに魅せられたコック達が腕を振るうキッチンとは別口、チーフと奥さんの寝室に繋がるであろう階段近くのスペースに、太洋は呼び出しされたが理由は分かっている……

 

 

「あの人達はね、ウチのチキンカツとクリームコロッケ弁当が心から好きだって感想をくださった常連さんだ。昔っからのね……」

 

 

 感情に任せた怒りではなく、窘めるような、泣きわめく子供をあやすような、トゲの無い口調だがその瞳は料理の鬼。

 

 

 命と引き換えにでも美味しい料理が作りたい、彼の心意気と培ってきた調理技術は正直白波町で収まってしまう器では無い。

 

 

 じゃあなんでこの町にわざわざ、五つ星レストランからのオファーを貰いながらも、個人経営の小さな洋食店を建てたのか?

 

 

 そんなの単純解明、自分のふるさとだから。

 

 

「太洋、お前が弁当を注文してとっても楽しみに蓋を開けた昼食の時間、何時もと同じ商品を頼んだのに違う内容だったら……どう思うか?」

 

 

「ハイ…………なんだよコレって……思い……ますっ……」

 

 

「そうだな、私だって同じ気持ちを抱くだろうね。そんな気持ちに二日連続でさせらられてしまい大切なお昼時間に不快な思いをさせてしまったんだよ……太洋、お前は見習いだけどキッチンで働くプロなんだぞ? 自覚が薄れてやないか……?」

 

 

「申し訳ありません……オーナー、申し訳ありませんっ……」

 

 

 太洋はあまりにも大きなミスを、二連続でしでかしてしまった。

 

 

 〝注文した弁当と中身が違う 〟

 

 

 とある業者さんが殆ど毎日購入していくチキンカツ&カニクリームコロッケ弁当を十個。

 

 

 製作から盛り付けまでを太洋が自ら行った。

 

 

 「俺にやらせてください!」と、偉そうな事を言い出した結果がコレ。

 

 

 チキンカツにカニクリーム、子供の頃から作ってきた得意料理。

 

 

 

 オーナーが手塩に掛けて生みだしたレシピ通りに作り、レイアウトや彩色などを試行錯誤した末に商品として売りに出せると厳しく判定した自慢の弁当は、ボリューミーで副菜と野菜もバランスよく盛り込んで、見た目も味も大満足。

 

 

 オーナーも今の太洋になら任せても大丈夫だと、彼の修行にも付き合っているし他のスタッフ達と比べたらヒヨコちゃんだけど、将来ビジョンを見据えている姿に感銘を受けている。

 

 

 

 ……だが太洋はミスった、十個の弁当の全てにチキンカツとカニクリームをバラバラに投入してしまった。

 

 

 

 弁当のレイアウトなら全て把握している、少しでも早く出来上がって皆に褒めて貰いたかったのかもしれない、普段は記憶していても必ず行うレイアウト図の確認を今回ばかりは省いてしまった。

 

 

 

 約十分後「どうなってやがるんだッ!!」お怒りの電話を貰いオーナー自ら直接謝罪に出向いた。

 

 

 ある者はカニクリームが二つ、ある者はチキンカツが二つ、それぞれ一つずつが本来の姿であるのに。

 

 

 食べ慣れているからこそ腹が立つのだ、端から見れば些細な出来事かもしれないが当事者は堪った物では無い。

 

 

 太洋がやらかしてしまった件だけは隠し、私の失態ですとオーナーに余計な手間と恥をかかせてしまった太洋は、次は絶対に同じミスは犯さないと強く宣言していた……のに

 

 

(てめぇ太洋っ!! ふざけんじゃねぇぞ!! タルタルソースとミートソースは何処行ったんだッ! てめぇで確認もしてねぇのかよ、そんなのをお客様に提供するつもりだったのかオラッ! オーナーがどれだけてめぇを助けてると思ってんだよ馬鹿!!)

 

 

 

 信頼を取り戻そうと、また太洋が十個の弁当製作を申し出た。

 

 

 次失敗したら後がないぞ~って、先輩達は笑っていたが……

 

 

 

「本当に間違えてしまったのか……いいか太洋? この弁当はソースがかかっていて〝完成〟なんだ。ソースが無ければ他が優れていても未完成なんだよ……お前は未完成品を食べて貰うつもりだったのかい?…………」

 

 

 

 オーナー秘伝の二つのソース。何故かけ忘れてしまったのか、冷静に自己分析したが焦っていたのかもしれない、認められたいと、もう迷惑掛けたくないと。

 

 

 昨日と何ら変わらない時間で弁当は作られたが、万が一を予測し一人のコックが中身を確認したら……

 

 大急ぎでオーナーが再度作り上げるも、予定時刻を五分近く過ぎてしまいお相手はカンカン、もはや何も言わずにオーナーを睨み付けてから店を後にした。

 

 

 中身を確認した先輩コックがブチギレた。こんなくだらないミスはボンクラだってしない、オーナーが生みだしたメニューを自己判断で変えてしまった恩知らずだと、散々怒鳴りつけられたがご尤もだったので、太洋はひたすら謝ることしか出来なかった……

 

 

「ホントなんで……ソースは絶対欠かせないのに……馬鹿でも一目で分かるのに……」

 

 

 今日は帰りなさいと戦力外通報、おやつ前なのにアパートに戻らざるを得なくなった太洋は先輩達の怒りの顔とオーナーの哀しい顔が、頭の中でフラッシュバックして精神が狂いそうだった。

 

 

「なんでだ……なんでだ……なんでこうなった……」

 

 

 もうミスらない、心から誓ったのにあっさりと。

 

 

 フラッシュバックを決死に払いながら、その原因を突き止めるためにベッドに蹲る瞳は、この世の終わりを垣間見て来た絶望の色。

 

 

 クビになるかもしれない……新人だからってカバーして貰える問題じゃ無い、この数ヶ月間でオーナーや皆にどれだけ助けて貰っているのか。

 

 

 順風満帆な道のりを歩んでいたのに何故こんな……

 

 

「…………えい、り……だ……」

 

 

 誰も居ない、電気も付けない一室でその名を発せば、勃つ物も勃たなかったペニスが戦闘状態に激変。

 

 昨日は珍しく榮浬にメールをしなかったし、榮浬からも誘いのメールは来なかった。

 

 

 太洋はミスが響いてそんな気分じゃ無く、榮浬は彼のメールを待っていたので顔を合わせることも性器を合わせることもしなかった。

 

 

「クソッ……!」

 

 

 放り投げていたスマホを起動させ、昨日の分を取り返す為にもそれとも別のナニかをぶつけたいが為に、高速でメールを送りつけた。

 

 『二十時』とだけ打ち込んだ、たったの三文字メールを。

 

 

 

「くそああああ!!」

 

 

 

 布団に思い切りスマホをブン投げたら、ケースにヒビが入り画面もフリーズしたが知った事じゃない。

 

 

 癖っ毛まで覆い被せたタオルケットで身を隠し、好ましからぬ想いを抑制出来ない太洋は眠れる訳が無いのに、榮浬がインターホンを鳴らす時間帯まで震えながら頭を抱え込んでは時折、壁に額を打ち付けては痛みに堪えまた打ち付けて……

 

 

 情緒不安定な行為を繰り返し切れてしまった額から零れ、光を失っている鉄色の血が付着した壁には間を置いて、とても澄み切ったとは言えない不純が浮き彫りとなった出所不明の液体も転々と散らばっていった……

 

 




つぎは

パイズリ


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強制馬乗りパイズリ

榮浬は天使


 予定時刻ピッタリ、ステーションワゴンの気配とマフラー音が聞こえてきた。

 

「太洋? 私だけど……」

 

 インターホンを数度押しても出てこない。何時もなら玄関先で待ち構えて、軽く談笑しながら使い捨てシートの引かれたリビングやら私室に案内してくれるのに。

 

 

「太洋……たいよ……ど、どうしたのその傷……っ」

 

 

 間違いなく太洋は居る、取っ手を回したら鍵は掛かっていない……悪いけど待てども待てども開かないので入らせて貰った榮浬。

 

 

「よぉ………………」

 

 

 止血しているが額を中心に点々と傷が……眉がハの字を描く榮浬が久しく見なかった幼馴染みの大破した姿。

 

 

 壁の血痕と額のカサブタ、推測は簡単であった。理由は分からないけど額を打ち付ける自傷行為をしていたのだと。

 

 

「太洋! 何があっ」

 

 

「うるさいなっ……! 早くパイズリしろよッ!」

 

 

「えッ!?」

 

 

 彼女の言葉など最初から聞くつもりは無い。

 

 

 お前は俺に性的な奉仕をしに来たのだからさっさと奉仕しろ! ……と人を人とも思わない、そのままの意味で心は落ち込んでも性欲だけは昂ぶって、発散させる為だけに呼び寄せたパイズリデリバリー。

 

 

「ホラッ、チンポ出してるんだからさぁ! 早くしてくんない?? そのおっぱいでさぁ、チンポ挟むの得意になったろ?」

 

 

「えっ、えっ……わっ、分かった、パイズリするからっ……んっ、しょ……(おちんちん、ガチガチだけど……我慢汁が出てない……)」

 

 

 凄まじく上から目線で利己的な思いを隠そうともしない。

 

 

 仁王立ち姿勢のまま勃起したペニスを露出させたが、榮浬とエッチが出来る興奮で多かれ少なかれ滲み出していた我慢汁が今回は分泌されていない。

 

 

 となればローションは所持していないから、自らの唾液をクチュクチュ……口内で溜めながら太洋のペニスの味だけを覚えた純然たるドスケベ、全てのおっぱいを過去にするダイナマイトバストを辛うじて包む、黒レースの装飾を施したスケスケブラを上にズラす。

 

 

 太洋が喜んでくれるかなと、もっとペニスを硬くしてくれるかなって、隣町のエッチな下着屋さんでわざわざ変装して購入した代物だ。

 

 

 が……彼は一言も感想を漏らす事も無く、示唆どころか邪魔だと瞳で文句を投げつけて強引にブン取った物だからホックが壊れてしまった。

 

 

「ひゃっん!? た、太洋っ……どうしたの? 私でよければ話を」

 

 

「うるせぇ! パイズリしろっ!!」

 

 

「ひぅッ……! わ、分かったから、怒らないで……私のおっぱいでおちんちん気持ちよくするから……れろ、んッ……う……おっぱいで唾液……馴染ませて……シコシコする、ね……?」

 

 

「さっさとやれよ」

 

 

「……………………」

 

 

 まるで弱みを握られた女学生、上司である立場を悪用し部下に言葉の暴力を振るうパワーハラスメントの被害者。

 

 

 太洋は気に入らないことがあっても、榮浬や他の友達に当たり散らすことは無かったから余計にギャップがある。

 

 

 ショックな出来事があったのだろう、恐らくは職場である洋食店で。

 

 

 詳しく伺いたい物だが、パイズリで挟射させなくては次のステージに辿り着けない。

 

 

 エッチを強要されても断れない立場だけど、ここまで奴隷に吐き捨てる口調でパイズリ奉仕を命じられたのは初めてだ。それだけショックな出来事があり自分は八つ当たりされているのだと察するが、今の太洋に言葉は届かない……から、この胸を使って届かせる!

 

 

「う……ァ……もっと強く挟め! ……゛ッ! そうだ、そのまま搾り込むように下からおっぱいを……フッ、くく……戻すときは勢いよく……だぱんッ……て、音が鳴るくらいに……! おお、我慢汁出て来たぁ……お前も唾液を追加して混ぜ合わせろっ」

 

 

「はぁー……はぁ、ぁぁ……ん❤……トロォ……(皮も剥けて大人のおちんちんになったぁ……❤ でもあんまり嬉しそうじゃない……)」

 

 

 何も反論せずに太洋の言いなりになってパイズリする、太洋が落ち着くまでの最適解として胸中はお喋りになる榮浬。

 

 

「……っとに、でけぇおっぱいだな! テーブルに乗っかっちまうもんなぁ! 何㎝の何カップだ、言ってみろ」

 

 

「…………きゅ、94㎝のHカップですっ……」

 

 

 絶対パイズリ奴隷を手にした太洋は、辱めを与えるために谷間から一旦ペニスを引っこ抜いて濡れぼそった亀頭で下乳をペチペチ叩く。

 

 

 榮浬はフツーに座っているだけなのに、ご立派なHカップはテーブルに乗りかかってしまって隣に置かれているお菓子よりずっと美味しそうな生どら焼きか……それとも桜餅か。

 

 

 お菓子を食べてからエッチの予定だったが、何時ぞやと同じく最胸に最強のもちもちおっぱいで沢山射精してラブ握りしながら正常位でゴム内射精。

 

 

(またやっちゃったね! エッチした後に食べるお菓子も……美味しいけどね……♡)

 

 

 コクのあるおっぱいと、溶けるような味わいのおまんこ。

 

 

 結局榮浬自身が最高のおやつであったオチ。冷めてしまったほうじ茶を飲みながらマフラーを少しせり上げ頬を隠そうとする、幼馴染みの姿は素直に「可愛い」と感じた。

 

 

「そうだっ、お前はパイズリで俺のチンポを気持ちよくすりゃいいんだ! お前のせいでっ……!」

 

 

(私!? 私が原因で太洋は怖くなっちゃったの? 気分を害すること……気がつかない内にしちゃってたのかな……?)

 

 

 引き金を引いてしまった、逆鱗に触れてしまったのがさも榮浬であるような憎しみがこもった声色で凄まれたが、仕事のミスを榮浬にぶつけているだけなので榮浬側になんら落ち度は無い。

 

 

 真実を知ってしまえば榮浬以外の女性は情けないと冷笑するだろう、憤怒して平手を食らわせるだろう、女に責任を擦り付ける最低のクソ男であると。

 

 

 ぬっぷん、ぬぷっん、ムチュッ、ずちゅっ、たぷたぷっ❤

 

 

「~~~~ク゛ッ! おっぱいに乳内射精(なかだし)するからなっ! 俺が射精するまで扱き続けろっ!」

 

 

「……うんっ、あんっ……はっ、はっ……♡ い、よぉ……♡」

 

 

 好きな人のペニスを挟んでいる榮浬も、扱く度に彼の匂いが強まっていき相当興奮しているのだと、谷間に追加している唾液の粘質から見て取れる。

 

 

 今は耐え忍ぶ、豹変した理由は詳しく分からないけど、きっとパイズリで気持ちよくなれば元に戻ると信じているから。

 

 

(ああっ♡ でたっ! 私のおっぱいが精液……食べちゃってる……んッ……♡ イッた時の太洋……可愛い顔するんだよね……♡)

 

 

 

 合図もせず膣内射精されたが、ペニスの膨らみと鈴口が開閉しっぱなしだったので、かなり明確な射精タイミングを捉える事が出来るような身体になってしまった。

 

 

 ペニスが痛いんじゃないかって勢いで、高速に乳ピストンを繰り出したけどクレームは無く、歯を食いしばりながら隙間からは涎を溢していたので杞憂だった。

 

 

 射精間際に亀頭をおっぱいに埋め込んで密閉。

 

 

 精液の受け皿、または精液を逃さない蓋。

 

 

 このまま射精している彼の表情を眺め、乳内の脈動を感じるのが堪らない…………♡ 一気に自分まで色欲の海に落とされる。

 

 

「ハッ……ハッ……太洋ぉ……♡ 見て……♡…………キャッ!?」

 

 

 一度目の性解放を終えたペニス、まだまだ硬度を失わずパイズられる気満々なのも想定の範囲内。

 

 彼がもっと……自分もだけど……興奮するリアクションとして、蜘蛛の巣を彷彿とさせる谷間に広がりおっぱいとおっぱいの内側を繋ぐ、やたらと妊娠に直結し易い総精子量。

 

 

 こんなの……生で膣内に出されたら……♡

 

 

 それは残念ながら叶うことはないが、おっぱいになら躊躇無く乳内射精してくれる。もしおっぱいから妊娠できる仕組みなら、完全にお母さんの身体に組み替えられていただろう……

 

 

 ザーメンブリッジを見せようとしたが、肩を持たれ力任せに床に押し倒されてしまう。

 

 

 軽くそれこそコツッ……と、押し倒され(まがい)な事はされたけど、今のはオスの力でメスを組み伏せるようなれっきとした暴力行為だ。

 

 

「このおっぱいが! このおっぱいがぁ! 榮浬のおっぱいが全部悪いんだよっ!」

 

 

「ちょっとまっ……! 太洋落ち着いて! 痛いッ! 痛いよ太洋…………〝っうう――〟ッ!」

 

 

「うるさいうるさいッ!! お前のっ! 榮浬のっ! このおっぱいのせいで俺はぁぁぁ!! クソッ! クソクソクソ〝ッ〝ッ!!」

 

 

 幼馴染みの悲痛な叫びなど聞こえている……が、聞こえていない!

 

 

 挟射のマウントを取る馬乗りパイズリ。女性側にアレコレして貰うのではなく、それこそ女性を血の気通う性具扱いし自分勝手にペニスを挿入、巨大なロケットを鷲づかんでセックス! おっぱいをレイプする!

 

 

「やんッ! ああっ! いたッ……♡ ん♡……きゅふっ……う……ッ……たいよ……♡」

 

 

 

 合意の下で行われていた今までのエッチ。

 

 

 

 太洋は言わずもがな、榮浬としても自身で臨んでいたのであり謝って太洋が痛みを与えてしまうアクションをしてしまったら、直ぐに中断され「ごめんな」って。

 

 

 その言葉を聞けばもう少し我慢してみるとか、次からはもっと優しくしてみるとか、もしくは別のエッチをやってみようとか……

 

 

 何かしら改善されていたのに、あの世を一周してきて閻魔大王すら討ち取ったかの如し幼馴染みの眼力。

 

 

 問答無用でメスを黙らせ、オスの言いなりにさせられるっ、逆らったらどうなるか……弾力性あるバレーボールを掴んでいる圧が強まれば着々とペニスへの刺激も高まっていくけど、十つもの爪痕を刻まれてしまえば痛みが先行する。

 

 

 パイズリは太洋も榮浬も気持ちよくなる行為。だが今のパイズリに榮浬の意思は無い。

 

 

「クソクソクソクソクソッ!!」

 

 

 心優しい太洋は外道になりきれない、榮浬は自分に逆らえずエッチを催せば必ず応えてくれる。

 

 

 榮浬の身体を好きに使わせて貰っている、最初は施して貰ってばかりだったがここ最近は、太洋の心情にも変化があり榮浬が遠慮する素振りを見せても、察する力が磨かれてきてギュッ……としてあげたり、労いの言葉を掛けたり。

 

 

 

 ちょっとずつ、恋人っぽい事してる。

 

 

 

 彼には決してそのセリフが吐けないのは残念だけど……でも、お互いにエッチするのがもっと好きになり、ギクシャクした面もあるが試行錯誤するのも楽しめていた。

 

 

 

(おっぱい千切れちゃうよ太洋ぉ……♡ そんなに険しい顔で腰をおっぱいにバチュバチュッ……怖いよ……痛いから止めて欲しい……けどッ……私逃げないからっ……! ギュッ! ゥ……♡)

 

 

 

 それでも無理矢理パイズリされ、皮を被り直してムケてを繰り返し、パラパラ漫画のように高速で姿を変えるのは好きな人の情欲棒。

 

 

 

 痛いっ、それでも膣壁からペニスお迎え汁を分泌しちゃうのは、メスの本能からだ。

 

 

 

 レイプされている状況に陥ってしまえば、本人は絶対に嫌な相手でも不思議と股間が疼くのは恐怖心によって膣は防衛システムを作動させて、少しでも膣が傷つかないように湿らせざるを得ない。

 

 

 

 現状の榮浬も似たような物で、片手で中心部に寄せられた乳首を引っ張り上げられ、ペニスをホールドする力を強めながら精液ローションがありながらも、摩擦熱で谷間は内出血を引き起こしたように紫に変色される。

 

 マーキングであり所有物の証として我慢汁を髪や額まで飛び散らかされても、膣からは勝手に愛液が流れ落ちる。

 

 

「グッ……~~!? アア"ア〝ア〝ッ~~!!」

 

 

 初セックス時とは逆転し、今度は榮浬の方が理性を残せていた。

 

 

 こんな状況になってしまったが、どうすれば太洋を気持ちよくしてあげられるだろう? 

 

 

 何らかの出来事があり太洋は我を失って見境無く腰を振り、怒りの感情をおっぱいを使うことにより発散させようとしている。

 

 

 ならば……投網で捕まえるように、太洋がもしも貧乳好きなら妬みの対象として、乳房縮小整形すら辞さなかったHカップを二の腕で挟んでペニスへのホールド感を強化圧迫。

 

 

 ペニスだけでなく太洋をも抱きしめるように……馬乗りパイズリレイプで嫌な気持ちだとか、怒りの感情を発散出来るのなら、いくらでも使っていいからと、気持ちよくイッてくれたら戻る……願いを込めておっぱいハグ。

 

 

「はっ! ゛ん゛ん〝んッッ!? あ゛ッ……ああ♡ はぁう♡ ゛ン! ぷっ……♡ はっ…………」

 

 

 ペニスの膨らみと堪えるような一瞬の表情変化から、絶頂タイミングをかなり予測出来るようになった榮浬。

 

 

 下顎まで届き産まれ持って家族と太洋しか知る手段の無かった、数少ないコンプレックス。

 

 

 なるべく精子を体内にお迎えする準備として、果肉質なベリーを彷彿とさせよく喋るとは別の意味で長い舌が鈴口の動きと連動し、ピクピクッ……そのエロい動きも太洋の視界には入っていないが。

 

 

 口頭での合図無く挟射。空しいことに舌を障害物と捉えたのか、放物線を描き額と瞼周辺まで伸びるような射精であった。

 

 

「はーっ……はーっ……太洋…………」

 

 

「クソッ……クソォ……なんで榮浬は……そんなやさし……俺、榮浬にヤバい感情ぶつけてたのにっ……怒らないのかよ……嫌わないのかよっ……榮浬……っ」

 

 

 今回ばかりは顔射された余韻に浸っている暇は無い。

 

 

 あの太洋が。

 

 

 弱みを極力見せようとせず、泣きたくなったら誰も居ない場所に隠れながら泣く。例え家族でも幼馴染みの榮浬の前でも、自分以外が空間を共有していたら絶対に涙は見せない太洋が……泣いてる。

 

 

 

 昨日は珍しくエッチしなかった。

 

 

 

 そういう事もあるだろう、彼だって一人で夜を過ごしたい時はある、逆に考えれば一日分精子が貯蔵されるから……次のエッチではいっぱい精液出して貰いたい!

 

 

 

 一日で太洋があれ程までに豹変、二重人格のように自分の性欲を押しつける事だけしかインプットされず、榮浬が痛みを訴えようがおっぱいを、乳首を、引き剥がしてやらんばかりにレイプ紛いの馬乗りパイズリ。

 

 

 

「ごめんな榮浬……俺……サイテーすぎる…………お前に仕事でのミス……ぶつけた……お前は何も悪くないのに罪や責任を……なすりつけようと……」

 

 

 

 答え合わせしてしまえば……【太洋はのぼせていた】  

 

 

 

 可愛くて美人で巨乳の幼馴染みと、パイズリもセックスも成人男性が生涯で行うであろう性経験を楽に突破し、無意識の内に優越感を抱いて道で男性とすれ違う度に

 

 

 

(俺は毎日エッチしてるんだぜ? いーだろ!)

 

 

 

(モテなさそうな奴だなぁ、まっ、生きてりゃ一回くらいエッチ出来るんじゃないか!)

 

 

 

 性交の快楽と悦びを知りお仕事中でもお客が入れ替わる度に、誰彼構わず見下していた。数ヶ月前の自分が聞いたら卒倒するだろう……エッチをいっぱいしてるからお前より偉いんだ、品性どころか人間としてのアウトカースト思考。

 

 

 

 上昇気流に乗っているから全てが上手く行く、調子に乗っていた太洋は絶対にしなかったミスを二度も連続でやらかしてしまった。

 

 

 

「俺……榮浬の事凄く大事だと思ってるのにっ……榮浬とのエッチを「自分の価値を上げる為」って、どっかで思うようになってたんだ……榮浬は俺と〝エッチしてくれている〟のに……一気に〝オトコ〟になったからって……浮かれて……仕事中も榮浬とエッチする事しか頭に無くて……ミスったら榮浬が悪いんだって……えっ、榮浬ッ!! 俺をブン殴ってくれっ! 警察にレイプされたって通報したって俺は構わな」

 

 

 

「ヤダっ……殴らないし通報しないっ……」

 

 

 

 目は瞑ったままだけど分かる、頬に落ちて来て口の中に入っていけばしょっぱいから……かっこ悪いだの男としてのプライドだの、大事な幼馴染みを傷つけてしまった咎に比べたら、ゴミみたいな物だ。

 

 

 

 初めて見たけど、目を瞑っているから見ていない。

 

 

 

 彼を抱き寄せて身体の中心線が交わる、おっぱいとおっぱいの間に顔を埋め俗に言う「パフパフ」姿勢のまま、されるがまま胸をくっつけ合う太洋の背を撫でる、母性と胸の大きさが見事に直結するHカップで包み込んだまま撫でる……

 

 

 

「そっか……お仕事で失敗しちゃったんだね……怒られちゃったんだね……」

 

 

 

「あっ……………………」

 

 

 

「私もね、太洋が都会に住んでる最中にね、なんでこんなミスしちゃったんだろう、間違える訳無いのにっ……て、店長にすっごく、怒られた……「実家の系列店だからって失敗しても、助けてくれると思ってないよな?」って……慣れて来たから適当になってる、気が抜けた、そんな事は無かったけど、そう思われるくらいに……失敗しちゃったの……あったよ……」

 

 

「…………………………」

 

 

 慌ただしい都会生活と修行着けの毎日にも、めげずに夜食に近い夕食を作っていた二十三時。太洋がまだ榮浬とのメールを忘れていなかった頃。

 

 

 

 控えめな文体、職場でやってしまったと榮浬はメールを送って来た。これが都会滞在中の最後のやり取りであった。

 

 

(榮浬でも失敗すんのか)

 

 

 太洋は反骨精神が高い青年で、喧嘩は好まないけど何かを競って敗れたら落ち込むよりも、悔しさが力を与えて「次こそは!」と前向きに考えられる思考を持っていた。

 

 

 洋食店でも緊張が原因で、細かなミスは何度もあった。その都度「次は気をつけよう!」「絶対言われないようにする!」と、自己を奮いたたせて気が病む事は無かった。

 

 

「太洋に心配掛けたくないから……それ以上は何もしなかった……明るい話題ならいいかなと思ったけど……国家資格の為に頑張ってるんだもん……邪魔をしたくないなぁって……白波町に帰ってきたらいっぱい話せば良いかなって……」

 

 

「榮……浬……」

 

 

「誰だって失敗するよ、人間だもん……今は何時でも会えるから……私で良ければ身体使っていいよ? そうじゃなくっても……少しでも太洋の暗い気持ちが晴れるなら……パイズリもセックスも……してあげるっ……/// 痛いのも我慢するっ、私が太洋を嫌いになる訳無いっ! 確かにちょっと乱暴だったけど……それで嫌いになる程、私の気持ちは年期重ねてないよ……ぎゅッ……♡」

 

 



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涙とパイズリフェラとバック

 おっぱいが丁度良く口を塞いでくれるから、声を殺す形で嗚咽する……榮浬は目を瞑ったまま、見て見ぬ振りな黙認状態。

 

 

 友達や両親に愚痴ってしまおうか? 働かぬ頭で少しだけ案は浮かんだが泣き言は漏らさぬように生きてきた太洋だ。

 

 

 ここまで来たらやっぱり見せたくない、知られたくない、成人済みの男がワンワン泣くなど……

 

 

「榮浬っ…………えいりうわッ……う゛あ゛あッ……お゛れ……ゴメッ……えいりぃ……! フッ……グッ……ふ゛ッ……ふ゛ッ……」

 

 

 おっぱいと両腕で挟み込まれた彼を癒やす。肩や背を擦られたら負の感情が消失していく。  

 

 

 二十一経ってやっと知れた太洋の涙。榮浬はそれ以上言葉を発する事はせず、彼が落ち着くまで、涙と汗と精液と……床マットに彼を構築していた物質が染みこんでいく。

 

 

 精神的な在り処、意地を張らず涙を見せたってイイ相手……こんな近くに居た。

 

 

 泣きたかった時でも我慢していた涙の数、まとめてツケ払いする勢いで止められぬ彼を離したくない、両腕に力を込めたら彼も弱々しい力で確実に榮浬を抱きしめ返してくれた。

 

 

 頭をヨシヨシしながら涙を受け止め続けた榮浬は、おっぱいから浮かんでくる大洋と視線が合わさった。

 

 

 合意を無視して強制パイズリしていた、不安定な心と自らを憎悪するオーラを纏わせていた表情は一変。

 

 

「榮浬……ありが……とう……落ち着いた……」

 

 

「そっか……良かった……!」

 

 

 かっこ悪い姿を見せてしまったとは思わない、榮浬はあるがままを受け入れ悪感情の矛先を向けられたのに、逃げずに本当の自分に呼びかけてくれた。

 

 

「よく考えたらさ、榮浬に慰めて貰うの初めてじゃないんだな……自分で自分が大嫌いになる感情背負って……もう恋愛なんてしないって……あの子にフラれた……あの時もお前にぶつけちまってたんだよな……ごめん……」

 

 

 真っ先に事情を伝えたのは野郎友達ではなく、歩いて五秒の位置に住まいが横並びしているお隣さん、幼馴染みの糸巻榮浬。 

 

 

 一方的に早口でまくし立てとにかく真実を認めるのが辛かった太洋に、返答も頷きも無く傾聴のみで否定も肯定もしなかった。

 

 

 それは彼が望んでいる事では無い、聞いてあげるだけこそ彼が最も望んでいる事、どうすればいいかの回答を知りたいのではない、甘え下手で弱みを見せる事を嫌う太洋の自尊心を傷つけてしまうから。

 

 

「こんな事言うの気持ち悪いかもしれないけど……もっと榮浬に甘えるっつーか……榮浬には格好悪い俺をもっと見せたって……良かったんじゃないかなって……今更……」

 

 

「ん~~? おちんちんは私に甘えて来てるじゃない!」

 

 

「おまっ!? 今エロい事言うなよぉ……!」

 

 

 確かにペニスだけはベッタベタに彼女のおっぱいやら、おまんこやらに甘えまくって出しまくっているけど……

 

 

「気持ち悪く何てないっ、太洋が私を〝涙を見せていい相手〟って認識してくれたの……嬉しいよ! 私だってさぁ、舌が凄い長い件……バレちゃってるの太洋だけだし……あああの頃から太洋は特別だった……えと……♡ わっ、私も太洋の〝特別〟になれちゃった……と解釈しちゃっていいかなぁ……」

 

 

 他の誰もが知らないことを、この二人だけは知っている。

 

 

 楽しいことも恥ずかしいことも、昔っから共有してきた幼馴染み。

 

 

 歳を重ねて大人になって、プライドだけは余計いっちょまえになってしまって、大人になったからこそ甘えづらく伝えづらい。

 

 

 心が折れる出来事を引き起こしてしまっても、涙を流すのだけは嫌だった、認めたくなかった。

 

 

 榮浬が頭を過ってしまう、なら榮浬が悪い……もうこれが最後のエッチになってもいい、自暴自棄のままパイズリしてブチ犯してしまった……

 

 

「…………ああっ、榮浬は特別だ! 榮浬以外ならやっぱ見せたくないけどさ、榮浬になら…………今後はめっちゃ泣きつくかもしれねぇ! そん時は許せ!」

 

 

 出来なかった。

 

 

 何をされたって榮浬は自分を嫌わない、彼女の好意は上限知らずに伸びるばかりだが、その好意をスルーし続けている愚かで解消の無い馬鹿な男の為に、彼女は身体を捧げている。

 

 

 健気で自己犠牲的な姿も、第三者からすれば「さっさと別の男を見つけろ」だの「初恋に拘る必要は無い」だの……色々批判されるかもしれないけど、榮浬には太洋しか居ない、簡単に諦めるほど幼馴染みしてないんだ。

 

 

「…………♡ さっきさ、私の事〝大事〟ってい、言ってくれた……よね……流れ的に漏れただけかもしれないけど……ドキドキ……しちゃって……えっ、えっ、あっ……ぅ……」

 

 

「なんで……今度は榮浬が泣いてるんだよっ……!」

 

 

 コロンッ、榮浬を抱え込むように身体を半回転させ、今度は太洋の胸に榮浬は顔を預ける形を取るポジションチェンジ。

 

 

 只単に真似をしただけなのか、それとも

 

 

 エイの尾を連想させる昔からの三つ編み、床に落とされているので後頭部に回し直してあげ、体液が付着していても小さな粒が集まったようなサラリとする質感。

 

 

 ヨシヨシ、ついでに頭も撫でて感謝の意を伝えながら、Hカップが乗り上がって必然的に距離の空いてしまう顔を埋め込んでいく。

 

 

 帰り際やセックス中にハグをするようになったけど、密着具合は今が一番だ。

 

 

「え~~……わかんない…………もっと慰めて太洋……♡ もっとギュッ~~てしてくれたら泣き止むから…………」

 

 

(可愛い……すげぇ可愛いよ榮浬……)

 

 

 ベタマフラーで口元は隠さない。

 

 

 太洋は自分のコンプレックス、目に余る大きさの胸や長すぎる舌を全部好きって言ってくれる。

 

 

 両想いになることは叶わなくたって、こうして抱きしめて抱きしめ返されて、モドキでも恋人っぽく日々を過ごせるのなら幸せだ。

 

 

 他でもない太洋が相手だから……

 

 

 男女の嗚咽が交互に聞こえていた二十一時過ぎ。

 

 

 二人合わせて四十分以上も泣きながら、抱きしめ合っていたらしい…………時間の概念がどうでも良くなる心地よさだったから。

 

 

「榮浬は涙目でも綺麗なんだな」

 

 

「へぇっ!? なっ、なにいきなり…………♡」

 

 

「嘘言ってねーから、あるがままを伝えただけ。榮浬には感謝しきれないよ……元気出た!」

 

 

 無意識のままキザなセリフを口走る、急いで口元をマフラーで隠しながら目元は晒したままなので……ニヤニヤニヤ、静かになっていた心拍数が再度跳ね上がってしまった。

 

 

 完全復活した太洋は小っ恥ずかしかったから表せなくて、胸の内に留めっぱなしだった表現を素直に伝えられる。

 

 

「偶には褒めたっていいだろ、自慢したいくらいの幼馴染みなんだから!」

 

 

「そっ……自慢したいくらいかぁ…………♡ あっ、元気でたのはコッチの方もなんだねっ……! 涙の次はコッチ……出したくなっちゃった……?」

 

 

 

 不意打ちベタ褒めしてくるので顔面が緩みっぱなしだ。

 

 そろそろ榮浬には「表情が硬め」の言葉がいらなくなってしまうかもしれない。日常でもエッチする時でも、笑顔になる割合が大幅に増えているのだから。

 

 膝で軽くツンツンされ榮浬の香りや身体の感触、気持ちを受け止め堪能し、いつの間にやらペニスだけで榮浬を持ち上げかねない硬度になっていた。

 

 

 榮浬とは真逆、榮浬が笑顔になればなる程太洋のペニスは硬くなってしまうのかもしれない……それだけ榮浬は可愛い!

 

 

「…………榮浬のおっぱいでチンポ挟まれたい……パイズリして欲しいっ……!」

 

 

「いいよ……♡ 仕切り直しだね、いっぱい出して気持ちよくなっちゃおう♡ んっ……おいでおいで……♡」

 

 

 喧嘩してた訳じゃ無いけど、体裁としては仲直りに近く一件落着。だからと言ってお別れするのは惜しい、射精したけど寸止めだ。

 

 

 乱暴パイズリレイプの件は深く反省しているし、榮浬も傷物になったとは思っていないので大好きなパイズリを再開するっ! 今度は合意の下、一緒に気持ちよくなってしまえばいいのだ!

 

 

 膝上に下半身を誘い込み、踊るように血管を散らしているペニスへと愛しさを覚えてキス。

 

 

 そのまま前屈みとなりつつ、空き缶くらいなら粉砕できそうな乳圧のミサイルバスト。

 

 

「えいっ♡」

 

 

 優し~くずる剥けになったペニスを挟み込んだら、満を持して繰り出されるパイズリ、そしてお口との合わせ業! パイズリフェラ!

 

 

「な゛ァッ! ついに来たァッ!? パイズリフェラぁぁ!! うおお゛お゛お゛お゛ッ゛ッ!!」

 

 

 

 片一方だけでも満足するには十分なのに、榮浬のフェラチオとパイズリ練度はエッチの度に上昇し、ドスケベボディに相応しいだけの技術を炸裂させるまでに至った。             

 

 

 最強のフェラ、最強のパイズリ。

 

 

 単純に考えて百が二百になる、これぞ男の夢の到達点……唯一逃げ場を作れていた亀頭すらも、唾液の滝を切っ先に受けながら何処までも沈んでいく熱湯風呂っ、もう自分から飛び込んでいけッ!

 

 

「そっ、そんにゃにうれひぃ? ちゅぅ~~、はぷはぷっ……♡ んむっ……おひんひん……ヒクヒク……おっふぁいとおくひ、むずかひぃけど……♡ ちゅぷちゅぷっ……れちゅっ、ぴちっ、ぴちゃっ♡」

 

 

「て゛ぇッ~~手加減して榮浬~~゛ッ! もうイクッ! すぐイッちゃうって!!」

 

 

 陰鬱な雰囲気だった一室から、ピンク色の嵐が吹き起こる。

 

 

 どちらの視点からでも良い眺めだ……かたや、ペニスを咥えながら胸で擦ってくれる女、かたや喘ぎながら腰を仰け反らせる男。

 

 

 男の象徴と女の象徴、接触させたくなってしまうのは生物として当たり前の願望なのかもしれない。

 

 

 パイズリは何も可笑しい事では無い、なぜマニアックのカテゴリーに属されてしまっているのか、熟慮したって基本的に女性からは賛同を得られないが榮浬ならば……

 

 

「にゅちゅにゅちゅっ……グニグニッ……♡ おちんちんが目の前にあると舐めたくなっちゃう……レロ♡ レロ♡ おっぱいでおちんちん……コネコネ~~♡」

 

 

 この巨乳幼馴染み、男性よりもノリノリである。

 

 

 自分だけ街中で全裸になってるんじゃと、朱塗りされた頬から頭が変になりそうな羞恥があると窺える。

 

 

 恥ずかしい……けどっ、パイズリフェラしたい♡

 

 

 行為中は恥ずかしさよりもエッチを優先し、終われば逆になる。

 

 

 しっかりと弾力感があるのに自分の手の甲も沈んでいく。それだけの乳圧を与えているコネコネパイズリ!

 

 

 左右交互に乳を動かしてペニスを扱く、根元から榮浬の思うがままに変形させながら、鈴口が開きっぱなしでダダ漏れ我慢汁を口内に集め、ある程度溜まったらいやらしく混合された卑猥な蜜をペニスに溢しながら全面コーティング。

 

 

 扱けば扱くだけ滑らかにパイズリ出来る。根元はキュッ、カリはそっ……異なる乳圧がタマラナイ! パイズリは沢山されてきたけど未体験ゾーンだ!

 

 

「ひィ……ひィ……!  ダメだッ! おっぱいと口にチンポ食われてるッ…………゛アッ! ゛ア゛ア゛ッ! 出る゛っ!!」

 

 

 妖怪だのカメレオンだの、あの時は冗談交じりに貶した長い伸ばせる舌はもしかしたら太洋のペニスに絡み、捕縛し、捕食する為に与えられたスケベウェポンなのかもしれない。

 

 

「ぢュ……ッ……むぢュ……るッ……♡ はぁ……はぁ……♡ ンちゅッ……ちュ……♡ ぺろッ……♪ その日何を食べたとか……体調によって微妙に味が違うんだって……せーえき♡ 今日のは苦味が強い……けど〝良薬は口に苦し〟だもんねっ、んふふぅ~♡」

 

 

 

 【パイズリの擬人化】

 

 

 

 出せば出すほど苦味を増すが、繰り返し摂取すれば顔をしかめずに飲み干せるようになる。

 

 

 長い舌の表面が白濁に塗り替えられ、非常に敏感な亀頭を舌先でチョンチョン……根元から搾るようにおっぱいを押しつけ、さらなる搾精を狙う榮浬から身を捩っている太洋が咄嗟に思いついた肩書き。

 

 

「三回もパイズリで……♡ 太洋から精液貰っちゃった……♡」

 

 

 Hカップにおしくらまんじゅうされ、やっと萎え込んだペニスを谷間ホールドから解除。

 

 

 ニチュァァ…………

 

 

 おっぱいの間に溜まった精液は、麺棒で引き延ばされたコシのある生地を連想させる……小麦粉色ではなくやけにゼラチン質だ。

 

 

「榮浬っ……お前パイズリの資質……あるぜ……っ!」

 

 

「えっ、えっ……ど、どうも…………♡」

 

 

 喜んでいいのか微妙な褒め言葉だが……

 

 

 今までパイズリする機会が無かっただけ、二回りも発育過多で持て余していた爆乳を大好きな幼馴染みにだけ存分にその隠されていた、資質を発揮して男の夢を叶えてあげられる。 

 

 

「…………ねぇ太洋……もう一回射精……できそう? 大丈夫そうだったら……あのっ……セック……ス、したいなっ……///……精液の匂いとか……おちんちんの体温感じ続けて……ふぅ……ふぅ……この部屋すっごい蒸れて……」

 

 

 このまま立ち去ることになったら、確実に車の中でオナニーを何回かしてしまう。

 

 

 家まで我慢など出来やしない、胸をすく汐の香りなど根絶させてしまっており、それこそ「セックスしなければ出られない部屋」

 

 

 猥りがわしい雰囲気でセックスまでの事前準備は終えており、藤色の陰毛が微かに生えているおまんこを二指でくぱぁさせ、後ろ向き+マフラーで表情は全く視線に入らないのだが、お尻を突き上げてフリフリ……彼女の表情推測は実に簡単だ。

 

 

「そんなカッコされて……しないって言う賢者でも仏でもねぇよ俺……セックスしよう! 後ろからがいい……のか榮浬?」

 

 

「うん……♡ けっ、結構強めに……勢いよく……されたい……かなぁ……♡」

 

 

「分かった! バックから俺のチンポ挿入いれるな! 榮浬のトロマンに俺のチンポも入りたがってる……ほらなっ、硬くなって来た!」

 

 

 初めてハグして貰った日から榮浬はそれとなく誘導しなくても、自分がやりたい事やってみたい事を伝えさえすれば、太洋も勇躍と受容してくれるようになった。

 

 

「……ァ、♡ンああああッ♡ おちんちん硬いぃ~~♡」

 

 

 四つん這い姿勢になった榮浬を見る機会は――何度かあったけど後ろを向いたまま尻尾を振ってオスに媚びるような……性愛よりも種を植えられる事を望み、子孫を増やしたいメスとして当たり前、生殖行為のつがいとして星の数ほど居るオス群から、たった一人選ばれたのが――――

 

 

「カリが入ればするぅ~~て、溶け込む榮浬のトロトロおまんこォ! あっちぃぃ……! チンポだけ亜空間だぜっ! 榮浬ッ! かなりズコバコしちゃうけど」

 

 

「いっ! いいよぉ……!! 乱暴されたい♡ 力の限りおちんちんで子宮をグリグリして欲しいな……♡」

 

 

 雄槍でイカされてしまうのだと想像しただけで、じゅわりじゅわりっ…………膣壁が分泌液を滲出させながらお尻を左右へまたは、旋回させたり……

 

 

 肉厚なヒップは山が高く、おっぱいと同じでオスを興奮させるには充分な殺傷力を持つ。おっぱいに視線が突っ掛かるのは毎日の事だが、お尻へのエロ目線だって負けず劣らず……歩く榮浬とすれ違っただけで、ヌキたくなってしまった男の数は計り知れない。

 

 

「はァン! ああッ~~♡ 太洋のですり潰されるぅ♡ ハウッ♡ あっ♡  あ゛あ゛っ!?~~~~゛っ♡ ふふぅ!? グッ~~♡」

 

 

「榮浬から激しくして欲しいって言われて良かったよ! 止められないよチンポがさッ! お尻持ち上げて俺が動きやすいようにしてくれる榮浬をグチャグチャにするからなッ!」

 

 

「ん゛っ♡ ふっ♡ は゛っ゛っ!! クッ~~♡ あ、あっ♡ んぅ~~♡ んあひゃあああッ♡」

 

 

 突いて、揺らして、突いては揺らし。

 

 

 人間の部屋にケモノが二匹。膣への刺激や榮浬の反応を変えるために、メリハリを付けたり強弱の入力を意識したり。

 

 

 今のセックス、いや交尾にそんな配慮も理性も無い。

 

 

「ハッ♡ ハッ♡ ハッ♡ ふぁぁぁ――♡」

 

 

「あッ――!? 膣道と俺のチンポの向きが逆だから゛ぁ゛ぁ~~く゛゛ぅッ!!」

 

 

 膣形状や膣位置は個人差がある。榮浬は上付きおまんこで仰向けのまま脚を広げれば、膣が上向きになるので正常位がし易いとされているタイプ。

 

 

 逆にバックは痛みが走ったり挿入し辛いとされるが……パイズリフェラと同じで未調査だった新天地。

 

 

 根元まで飲み込ませた瞬間「あれ、カリが引っかかりすぎる……」違和感と動いたら本当に膣壁を削り取ってしまいかねない、角度の異なった締め付けに躊躇う気持ちは浮かんだけども、榮浬が自分からお尻を斜め上へ持ち上げ腹筋に力を入れながら下ろすから…………

 

 

「けものしぇっくすぅ♡ しゅごぃぃ♡♡ ましたにえぐりゃれてぇ♡ おなかひゃらしきゅうがれちゃうよォ~~♡ んアッ! はああああ♡」

 

 

 仲直りパイズリされたばかりなのに、表情の見えないメスを後ろから全力ピストン…………このギャップにヤられてしまう!

 

 

 バジュッ! バジュッ! ぶちゅッ! ぶちゅッ! ぶちゅンッ!

 

 

 オスの力で掴むのはニーソックスとポーチベルトの中間。これだって絶対領域! 太洋以外は触れる事すら許されない!

 

 

 力強いを通り越した力任せ、乱暴にパイズリされた時は怖かったけど、乱暴に後ろから突かれるのはキモチイイ!

 

 

 心境や雰囲気がフォローしているかもしれないが、後背位は気遣いや優しさよりもオスの純然たる性欲を容赦なくぶつけ犯す、痛いくらいピストンされ刺激的な淫音をベースに、喘ぎ声を乗せたデュエットする流儀に悦びを感じる。 

 

 

 愛液はたっぷり出ているから、摩擦による肉体的な痛みが伴っても丁度良く〝痛気持ちよさ〝 に改変されるから止めて欲しくない。

 

 

 受精の準備を終えた卵管は、妊娠の確率が大幅に上がり子宮口を亀頭でガシガシッ、ヒダ肉をそぎ落とすカリ首の威力は、ルアーでのバス釣りを好む榮浬はよぉ~く知っている! 

 

 

 カエシがあるからヒダに接触すれば簡単に外れない! 愛液がゴボゴボ泡立つスムーズ&ハイスピードピストンを実現させ、抜け落ちそうになっても踏みとどまってくれる!

 

 

「――――゛あ゛あああッ~~~~♡ たいよぉぉ~~♡ ハッ♡ はっ♡ あああッ♡ なかにだして゛っ♡ わたしをにんしんさせてぇぇ~~~~゛ッ♡♡」

 

 

「ハアーッ! ハアアアッ! 榮浬! 榮浬! ハァハァハァ!」

 

 

 膣内でペニスが強く脈動する……凄い精液を出して榮浬を妊娠させたい…………!

 

 

 口元の隙間から唾液が垂れて、榮浬のお尻に滴れば不可視の粘液を感じ取り括約筋が驚き肛門を締め、完全に突っ伏していた上半身をビクリッ! 背筋ラインが歪に歪む。

 

 

 …………そこで太洋は榮浬の藤色三つ編み、正に榮浬の尾っぽを習字を行う際の筆の持ち方に近い形で、手に取って背中になぞらせた。

 

 

「あッッ!?♡ ゛はッ~~~~ッ♡ ひィ!? きゅ゛う゛う゛う゛う゛う~~~~!!~~~~゛っ…………♡」

 

 

 今までの射精が水鉄砲ならば、この射精はバズーカ砲。

 

 

 一つ一つの精子が束に重なっていたのならば、一つの巨大な砲弾を撃ち込んだ。

 

 

「へぁぁぁぁ…………♡ おなかのなひゃっ…………おもひゃいよぉ…………゛♡ あふっ……ハァ……ハァ……ねもとみゃで……びゅるびゅるおひんひん…………しゅきらんにゃ…………♡」

 

 

 …………太洋もオスの本能から、榮浬という素晴らしいつがいを妊娠させる気満々だったが……

 

 

(うっ…………あっ……身体……踏みつけられたみたいに……うごかね……)

 

 

 ズルッ、クチュッ……まだ硬さは保っているがもう射精は無理だ。

 

 

 薄型コンドームが膣口に残ったまま、置き去りにしてペニスが引っこ抜かれた。

 

 

(そっか…………ゴムしちゃってたのか…………)

 

 

 生ハメは色々と都合が悪いので、エッチする時は必ずゴムを装備する。別に今までと変わりない、これで避妊は

 

 

(なんで…………俺は残念に想ってるんだッ…………)

 

 

 免れた。のにっ…………ペニスの仕事を引き継いだのか、さっきから心臓がバクンバクンッ跳ねているじゃないか。

 

 

 おっぱいも身体もドロドロのまま、長い舌を垂らしたままイキ顔を晒す榮浬を、力いっぱい抱きしめれば彼女も非理性的ながらも、素早いレスポンスで応じてくれた。

 

 

 榮浬の左胸の鼓動も…………やけに弾んでいた。自分と同じように…………

 

 

 

 

 涙を見せられる相手が居てくれる。その安心感が彼を復調させた。

 

 

 改めてオーナー含めた洋食店のスタッフ全員に太洋は誠心誠意に謝罪し「お前には皆期待している、だから頑張れ」と、オーナーから有り難い言葉を受け取りこの店で働きたい意気込みを面接時よりもずっと男らしくなった瞳で、今一度語る。

 

 

 沢山のお客さんの笑顔を見たい……昔から不変の夢だから。

 

 

 異物混入を防ぐコック帽、エプロンとコックコートを羽織り、ワインレッドのギンガムチェックスカーフで、お洒落にきめる。

 

 

 このユニフォームを着させて頂いている責任感と自覚が足り無かった、未熟だけどこの場に立っている自分はプロ。

 

 

「チキンカツとカニクリームコロッケ弁当あがりました~!」

 

 

 三度目の正直、次こそ失敗は許されない緊張感の中で、製作された十個の弁当。

 

 

「あの弁当はオーナーが作ったのですか?」

 

 

「いえ……ウチの太洋が作りました」

 

 

 何処か誇らしげに微笑むオーナーは、厨房でじゃがいもの皮を剥きながらも例の常連さんとの、やり取りが気になって仕方なかったが少しだけ目を潤ませて深々と頭を下げた。

 

 

 太洋が作った弁当、オーナーが製作した物と味が一緒で常連ですら判断が出来なかったので、思わず聞きにきてしまったらしい。 

 

 

 レシピはあるが長年修行を重ねてきたオーナーの味を、寸分違わず再現するのは他のスタッフですら不可能。それだけシンプルでありながら奥深い味が詰まっているメニューなのに。

 

 

「私も太洋に負けてられないな。もしも私の身に何かあったら、太洋にこの店を継いで…………ふふっ、冗談だ、まだ私は死ぬ気は無い、死んでも料理を作ってお客様を幸せにしたいからな……皮むきは終わったか?」

 

 

「ハイッ! 全部終わっております!」

 

 

 ――後で俺達にも食わせろっ! 

 

 

 スタッフ達に頭を小突かれ、どれだけ恵まれているのかも改めて理解が出来た。今度こそ過ちは犯さない、自分は料理人、怒りを生む存在では無い。笑顔と幸せをもたらす者。

 

 

 

 

 

(太洋へ これで今日も頑張ってね♡)

 

 

 

「…………うぉぉ! 榮浬ぃぃ~~~!!」

 

 

 

 そんな彼の活力は、毎朝送られてくる幼馴染みのエッチな自撮り。

 

 

 

 朝シャンし終わった後なのだろう、髪が下ろされたまま目線を隠して、黒のインナーシャツだけ急いで着込んでパシャッ!

 

 

 

 ご丁重に胸部中心のボタンを外しパイズリ穴を形成しており二枚目の自撮りは、歯ブラシやらテレビのリモコンやら近くで見つけた棒を挟み込んでおり、未成年の少年にも見せられるギリギリの領域であった。

 

 

 性欲を活力に変換してバリバリ働く。夜は活力を性欲へと戻し榮浬とパイズリ! セックス!!

 

 

「扱きてぇ! 扱きてぇけど今は我慢っ! 今日はどういうパイズリで…………」

 

 

 三枚目、ベタマフラーで乳首を隠していたが……チラッ、乳輪がはみ出ており修正が必要な成人向け。

 

 

 ニヘッとした口元から判断するに、ズレているのは意図的なのだろう…………流石はパイズリの擬人化、榮浬も滾らせて夜の秘密エッチを第二の目標に定めたから、表のお仕事も頑張れる。

 

 

 皮がひとりでに剥けるまで反ってしまい着替えづらい下半身を宥めながら太洋は想う、あの膣内射精が失敗してしまい、安堵よりも悔しさの方が勝っていたのは――――

 

 

 肌を重ねる度に、少しずつ、確実に一つの想いを形作る。

 

 

 

 このままでいい から このままでいいのかな へ

 

 




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体操服パイズリ

「どうかな? 太洋…………///」

 

 

 仕事のミスを榮浬に押しつけて、乱暴してしまったあの日。

 

 

 最低な男が最低な言動と行為をしたって、おっぱいの様に大きな包容力と愛情でペニスだけでなく心まで受け止めてくれた幼馴染みとの秘密な関係は、二ヶ月も経過していた。

 

 

 白波町の夏場は、海外からの観光客や、日頃のストレスから抜け出したくなる旅人が一番増える季節。勿論新婚さんやらマセている学生カップルもチラホラ。

 

 

「今だから言うけどな、体育の授業とかずっ~~と……榮浬のおっぱいしか見てなかった……」

 

 

「やっぱり……♡ 気がついていたけどね! あの頃でもFとかあったし……男の子は見ちゃうよね……オ、オカズに……したことある……?」

 

 

 つまりは榮浬と太洋の職場がより繁盛してしまうのは確定な訳で、忙しくなるのも間違いなしな訳で。

 

 

「してたっ! そのゼッケンの糸巻って漢字がさ……短距離走や高飛びにバスケする度に、めっちゃ歪んでクラス中のオカズになってたと思う……」

 

 

「うっ、うーん……そうなんだぁ……(太洋以外は別にって感じだけど……私でその頃から興奮しておちんちんシュコシュコさせてたんだぁ……♡)」

 

 

 ヌク暇も無いくらいの心地よい疲労。普通の男性であればベッドに入り、朝まで絶対に起きないであろう。

 

 

 しかし太洋は向上心溢れる若者なので、時間が無いや疲れているを言い訳にしない。

 

 

 時間も暇も、何とかして作り上げるのがプロ。

 

 

 あの事件を境にプロ意識と責任感は鍛えられて、弁当作成を任せられる事が多くなった。太洋に無関心であったお客さんですら「中々やるんですね」「期待できるな、頑張れよ」と、少しずつだが努力を認められてきている。

 

 

 キッチンに立っているだけでも『気迫』が異なっている、調理師免許を取得しただけで一つのゴールをくぐり抜けた気でいたのかもしれない。

 

 

 寧ろまだ! 太洋は始まってすらいないのだっ!

 

 

「結構高かったんだ、この衣装上下セットで二万六千円もした……なんでこんなに高いんだろうね……」

 

 

「えぇッ゛!? そんなのわざわざ買ってきて……エッチの為に……!」

 

 

 榮浬が居なかったら本当に挫けてしまっていたが、また立ち直ることが出来た。

 

 

 オーナーはこう申していた「挫折してもいいが、そこから立ち上がれるかが重要」だと。

 

 

 太洋からすれば神に近しい存在であるオーナーだって何度も料理なんて……そう思った事はあるのだとか。

 

 

 でもやっぱり諦められず、定年近くの歳になってやっと自分だけの店を作ってしまうだけ、料理に捧げて入れ込んでいるのは好きだからなんだ。

 

 

 美味しい料理を作ってお客さんに提供する事が出来れば、他には何もいらないとも申していた。

 

 

 太洋も志なら負けていないと思っていたけど、まだまだ。

 

 

 従業員の皆やお得意様に「これからもご指導お願いします」としっかり謝罪し許して貰えた。気にされているから怒られる、アレコレ指摘されていた料理人以前に社会人としての生き方が、やっと少しは理解出来た。

 

 

「……あの頃は出来なかった体操服のエッチ……しよっ?」

 

 

 ……全力で働き自宅アパートに戻れば、予め連絡を入れておいた榮浬もカーセックスの予約場にしたい愛車と共に、時刻ぴったりに訪れて来てくれる。

 

 

 目的は言うまでも無い、以前とも変わりない、疲れているからこそ勃起してしまう〝疲れマラ〟を、その巨乳でどうにかしてくれる幼馴染み。

 

 

 榮浬も太洋が望むのであればどれだけ疲れていても喜んで来てくれるし、エッチする事が明日への活力へと繋がっていくのでしない理由が無いっ!

 

 

「ベッドに横になる? それとも立ったまま? …………んっ! じゃあこのまま……くにくにっ♡……ジュブッ、ジュブゥゥ! ジュブブブッ!」

 

 

 ――体操着の榮浬とエッチしてぇ!

 

 

 クラスの男子が満場一致で「昨日オカズにした女子」として投票していた、真面目に授業しているだけなのにその胸が、胸が……カスタネットしてしまい、汗でブラジャーが透けてしまい、妻子持ちの教師ですら教員トイレでオナッていた逸話もある。

 

 

 男子学生はブラ紐が浮き出ているだけでも相当に興奮してしまうが、榮浬の場合デカすぎて生地とピッタリくっついてしまうので、他の女生徒では相手にならない土星並(現在は木星並)の体積を誇るおっぱいは、乳首すら浮き出しかねなかった。もう合法的なエロ画像である。

 

 

「じゅぽっ! じゅぽっ! ぬぢゅぬぢゅっ♡ はふっ! はーはー! ぢゅふっ! ぢゅぷぷっ! ぢゅるずずっ~~♡」

 

 

「飛ばしてるな榮浬ッ!? この格好でしたいって言い出したの榮浬からだもんな! おっ、俺も……うはっ、アッ! この格好懐かしくて変な気分だよっ……!」

 

 

 隣町のブルセラショップに売っていた、母校で指定されていた体操服とそっくりなアイテム。

 

 

 先述の通り決して安くなかったが衣装変更しただけでも雰囲気は変わる物で、特に男性側からすればネクタイある・なしだけでも非常に重要なパーツで、時にはたった一つパーツが付属していないだけで勃起から冷めてしまう事例もある。

 

 

 太洋には内緒で購入したけど、数日前のエッチで匂わせる発言をしていたので「ついに来た」と、待ちわびていたらしい。

 

 

 サイズはあの頃と同じ、だがおっぱいが二つか三つもカップが大きくなったので……ゼッケンの「糸巻」が立体的どころか突き出しすぎて、漢字が霞んでしまい読めなくなっている!

 

 

 高校時代の最大サイズなんてHにまで成長した現在の榮浬にはキツすぎる。ぱっつんぱっつん! 胸と体操服が一体化してしまっている!

 

 

「んへっ……? まらイッひゃらぁめ♡ んれるぅ……よほからも……うりゃがわなめりゅ……ン゛ぅ……びくんびくんひてりゅ……♡」

 

 

 片手を床に付きペニスの横側から裏筋に沿っておっぱいに並ぶ性具にもなった、頬の下まで届いてしまう舌でバッキバキにお疲れペニスを、唾液でいっぱいにしてこの後のプレイへ繋げる。

 

 

 横からのフェラ主観が、太洋にとってかなりツボ。

 

 

 そこから斜め上へ藤色の瞳と視線が合えば、どちらからともなく伏せこんでしまうが、直ぐに向き合わせて微かに笑い合うのだ。

 

 

 見慣れている光景なのにキュンとした太洋は前髪をズラし、もっと良く榮浬の顔が拝見できるようにするが彼女は恥ずかしいらしく眼を瞑ってしまったが、そのまま太洋に撫でられるのは大層気に入っており、三つ編みまで梳かれるのが最近のテンプレートだ。

 

 

「じゅるるっ、じゅずずっ!…………ぷっ……おっぱいでスル?」

 

 

「するっ……! お願い!」

 

 

「いいよっ♡ 体操服でパイズリしちゃうね! ローションも買ってきたけど……太洋の我慢汁と私の唾液でベチャベチャだからいらないか……♡」

 

 

 

 ペニスと舌でブリッジしていた粘液は、舌を巻きながらお口に収納、その動きもまたエロい! 大抵の男なら口元だけで勃起する。

 

 

 そして今回のハメ乳パイズリは、コスプレしているのだから脱がすのは愚かしい! 着衣のまま挿乳~~♪ マフラーはいつも通り譲れない、そのまんまだ。

 

 

「へっへっ~! 挟み抜いちゃうからね! あっ♡ 凄い♡ ゼッケンがおちんちんで貫かれてる♡ 我慢汁でインクが滲んでる! 太洋のおちんちんも……あの頃よりおっきいのかな……♡」

 

 

 ムッチムチのドスケベエロボディに、はち切れそうな体操服のコラボは二次元では当たり前の様に行われるが、リアルでは引かれがちで理解を得られずに諦めざるを得ないケースも致し方ない。

 

 

 だ・け・ど! このおっぱい大きい幼馴染みは、太洋がお願いすればナースでもメイドでもスク水でも掌握してしまえる!

 

 

 ……今回は榮浬が誰に言われるまでも無く、眼鏡やマスクまで掛けて変装しながら決死の購入だったのだけど。ちなみに定員にはバレている。

 

 

「たっぱん、たっぱん! この我慢汁が谷間から湧き出てくるの好きなんだぁ……♡ 痛くない?」

 

 

「全然ッ! この布地の微妙のチクッとするのがさ……あっ! 亀頭刺激されて良い感じだよ!」

 

 

 男はおっぱいには無力。富も名声も金も尊厳も、おっぱいには無力なのだッッ!!

 

 

 チンポには勝てなかったとならぬ「おっぱいには勝てなかったよ……」

 

 

 幼馴染みの着衣パイズリ、しかもコスプレバージョン!

 

 

 世界のパイズリ好きの希望を一挙に背負っている太洋は、榮浬のおっぱいを見たら挟まずにはいられない!  

 

 

 剛直のあまり勝手に剥けた勃起ペニスをHカップでぎゅむぎゅむに挟まれ、思いっきり挟射……何て気持ちいいんだろう!

 

 

「よいしょっ! よいしょっ! どぉどぉ? 新しく覚えてきたパイズリだよ~♡ もっと太洋を気持ちよくしたいなぁって! 私もいっぱい興奮しちゃってるんだけどね……♡ 胸からおちんちんの熱が頭の中まで運ばれて痺れてきちゃうんだ♡」

 

 

 て、いうか……パイズリされる側よりもパイズリする側がとにかくノリに乗っている!

 

 

 乳ご奉仕の悦びを知り、榮浬も太洋とエッチをするならばパイズリは欠かせない。必須項目であると自覚している。

 

 

 おっぱい星人の太洋はエッチなビデオを見ていた時に、胸だけで支えず手で押さえつけている〝パイズリもどき〟が許せず一気にペニスが萎んで抜くに抜けなかった。

 

 

 榮浬はそんな小細工せずとも、ズッポリガッシリ太洋の全てを挟み込んでくれるので、真のパイズリを毎日味わえているのだ! 

 

 

 そうっ! これなんだよと。パイズリとはこうあるべきなのだ。

 

 

 太洋からのリクエストもあるが、榮浬から進んで「こんなパイズリしてみたい」要望に太洋が応えている形になっている。

 

 

 胸だけでなく身体ごと左右斜めに倒すノーハンド! 女神がこの世界に落としてしまった二つの秘宝とは、榮浬に取り付けられているおっぱいなのではないか……ッ!?

 

 

「アッ゛! 出る! 一発目がッ……!!」

 

 

「いいよ~! 出しちゃえ♡ 遠慮無く精液で汚して♡ 好評っぽくて良かったぁ……♡ おちんちんがそうやって感想くれてるもん♡」

 

 

 かなり激しい動き、互いの粘液ローションが潤いを与えているから、痛みは入力されず透け透け体操服となり、膨らんだ乳首が徐々にあぶり出されて行く。

 

 

 本当にエロい幼馴染みだ、今回は一切脱がさないと決めているので体操服の中で暴発させる!

 

 

 ――あぁ……一日の疲労が精液と共に……

 

 

「んんぁッ! はッ……はッ……♡ すごいすごい! 体操服パワーかな? 染みこんだ精液が袖まで浸蝕してるんだけど♡ 使い捨てになっちゃいそうだよもう~~♡ エッチ……♡」

 

 

 

 クラス中の男性が憧れていた、体操服榮浬のパイズリ射精。

 

 

 何物にも代えがたい優越感は抱くつもりがなくてもHカップ、そして榮浬というブランドの乳力によって強引に抱かされてしまう。

 

 

「はっ~~はっ~~はっ~~…………」

 

 

「無理しないでね? 私が支えてあげるから♡」

 

 

 

 両肩を抑えながらやや前屈みとなった太洋は射精後の余韻と、様々な不純物が混入していた「疲れの素」を取り除かれ、身体が重量がもの凄い勢いで減少している感覚に陥っている。

 

 

 噴水射精しても挟むのは止めず、腕は太洋の腰に回しながらペニスはおっぱいで固定したまま、太洋が落ち着くまで脈動を感じ自身もふっ……と、達してしまいそうなくらい快感が走る。

 

 

「うあッ……も、大丈夫……ハァー……ハァ……本当に学生時代の榮浬にパイズリされてるみたいで……」

 

 

「私も懐かしい気持ち……あの頃の太洋にもパイズリしてあげたかったなぁ……♡ あの頃の分もいっぱいしてあげるからねっ!……もっかいだよね? おちんちん見ただけで分かる様になったよ……♡」

 

 

 

 榮浬のパイズリをたったの一回出しただけで、終わらせてしまうのは愚の骨頂である。

 

 

無理矢理「二回目しろ!」という要求は間違っているけど、太洋よりも榮浬の方が「おかわりパイズリ」を待ち構え、じっ~~と体操服に覆われているけど透け透けとなり、全く隠されていないペニスを見つめているのだから。

 

 

 

「精液が混ざってオイルみたいになってるよ♡ ぬりゅぬりゅ~~♡ あはっ! 私が太洋のおちんちん犯しちゃってるね! んふッ♡ んぅッ♡ はぁ……パイズリ……たのしい……♡」

 

 

 

(エロすぎィ゛ィ゛!! 俺より遥かにエロいぞ榮浬ぃ!? 俺の影響もあるけど過去の話を聞くに素からエロい子だったんだよな……それにしてもこんなにパイズリ気に入るとはッ……!)

 

 

 

「アンッ! んっ! あうぅッ♡ 太洋ったら優しいけど激しい……♡ 私のおっぱいでズポズポしてっ、私でこんなに硬くしてくれて嬉しい♡ はむっ! チュバッ! チュブッ♡」

 

 

 

 ワンモアパイズリは太洋主導の下に行われる! 

 

 

 二つのおっぱいが体操服下で合成され、なんと一つの巨大なボールになっている!

 

 

(クラスの奴らがバレーボールみたいだなって……言ってたけどさぁ……! マジでそうなっちまってるじゃねぇかッ!!)

 

 

 膝立ちとなった榮浬――おまんこが疼いてやや不安定となってしまっている――が、左右へ広がるおっぱいを「ギュッ♡」と中心へと二の腕で集め、両サイドを手に取った太洋がズコバコッ!

 

 

 この間のパイズリレイプと同等な握力ではあるが、これは合意の上で……というより榮浬が「強く握って」と懇願してきて、太洋がしどろもどろだった……

 

 

 下から突き上げてくるペニスへ布越しだがフェラチオまで加わって、短期でイカせる気満々である!

 

 

 腰が蕩ける……ペニスに血液が集まり過ぎて脳へ向かわせる血が足りない……朦朧としてくる……

 

 

「じゅぢゅぢゅっ~~! ちゅっ♡ れろっ、れろぉ……沢山搾っちゃうぞ♡ どぉどぉ太洋? 着衣パイズリフェラ……気持ちいい?」

 

 

「ッッッ~~~~!!(コクコクコクッ!)」

 

 

 いちいち感想を尋ねてくる榮浬は可愛いけど、フェラアシストされてから喘ぎすら出なくなってしまった。

 

 

 変わりにペニスがビクンッ、ビクッ! 

 

 

 コッチの反応で十分。太洋は至福に満ちながらも、さらに上質なる快楽を求めおっぱいとセックスしている! 

 

 

 犯しているのか、犯されているのか曖昧になっているが、自分もコンプレックスで大きくなりすぎた胸を有効活用しながら、大好きな幼馴染みの射精欲を促進しフニャりと眉が垂れ下がるまでの恍惚を得ている!

 

 

 むぎゅぅぅ……ぐにゅんぐにゅんっ、パンッパンッ! グチュッ!

 

 

 ……このわざとらしいパイズリ音っ、おっぱいだけでなく五感総動員して疲れマラを鎮めてくれる!

 

 

「ん゛ぷッ゛ッ゛!! あ゛あ゛ッ――♡ しゅご……ひぃ……♡ ここからでも精液……口に入ったよぉ……噴水パイズリだね♡」

 

 

 

 肉(棒)食系幼馴染み、パイズリ系幼馴染み……太洋が教え込んだよりも榮浬が自主的にエッチな技術を学んで、太洋へ披露する方が圧倒的に多い。

 

 

 体操服の上半分は、もはや精液一色となり袖や首回りの色など分からない。ゼッケンも完全に精液で塗りつぶされている……もう使えないかもしれない。

 



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咥えゴムエッチ

「身体の中に精液塗りたくられてるみたい♡ ねぇねぇ太洋~! 次は……さ、膣内にも……なぁんて! ちゃんとゴム付けてからだよね! お口でシテあげる♪」

 

 

「おっ…………おうっ……」

 

 

 妊娠させる為のセックスじゃない。ならコンドームをして当たり前。

 

 

 ポーチからおなじみの薄型を取り出し口で封を切ってそのまま咥え、フェラチオと同じ動きで口内へ含めば外界と隔離した透明の非妊娠ペニスが生み出される。

 

 

 口でゴムを付ける技も、いつの間にやら身につけてしまっていた。

 

 

 太洋の股間に蹲る体勢で、代では死滅しているサブカルチャーの代表格の一つ! ブルマを穿いたお尻をフリフリさせながら!

 

 

 学校ではショートパンツだったのだが、こちらの方が需要があるし太洋の情欲を助長させる目的があったので、別売りのを購入してわざわざ選ばせてくれたのだ。

 

 

 しかもニーソックスはそのままっ! 面積の隠し所を間違えたムチムチ太ももは、おっぱいを抜きにしても十分オカズとして働いてくれる。

 

 

「挿れていいよ♡ ん゛っ!? はぁぁッ……! アン゛ッ゛~~♡」

 

 

 亀頭が子宮口へと一気に突き進む。

 

 

 

 脱がして? いいえ、ズラし挿入です!

 

 

 

 使い捨てシートの敷かれた床へ横たわっても、おっぱいだけは上向き。パイズリにもセックスにも適している誘惑ボディ。

 

 

 右脚を盛大に押っ広げたまま、脚と股間を交差させる形となる松葉崩し。

 

 

「あぅンッ! はァァァ~~!! ふぁハァァ~~♡ クリトリスが根元に当たるよォォ~~♡♡」

 

 

「俺もこの体位好きッ! 榮浬が頑張ってくれたから俺の番だよな! くあッ! ハッ゛! あ゛あ゛ッぐ~~!! キツいけどチンポすっぽ抜けそうなくらいヌルヌルだぁッ!」

 

 

「ダメェッ……♡ おちんちん抜かないでッ♡」

 

 

「分かった! 抜けないように頑張る! ハァ! ハァ! ハァ……!!」

 

 

 子宮口に取り憑いた亀頭を、引いては押して。

 

 

 ピストンストロークを縮めることによって、ズリ落ちてしまう危険性を大幅に低減させる。

 

 

 榮浬に対する配慮や気遣いなど一昔前の太洋は行う必要がなかったのに、中々立派な男に成長した様だ。

 

 

 ――それは太洋がエッチをする度、とある心理的な変化が見られる様になったからなのだが――

 

 

 一緒に気持ちよくなりたい、思いやりの精神は例えゴムを付けていてもセックスフレンドの様な関係だとしても大事だ。

 

 

 自分だけの性欲を満たすだけなら、オナホールでも何でも使えばいいだけなのだから。

 

 

 榮浬の身体を知ってしまいパイズリしてくれる恩返し……とは違うけど、一方的に施しを受けてばかりで「それじゃ嫌だ」と思える様になったのだ。

 

 

「んんぅ゛! んん゛~~っ゛♡ あんッ゛♡ あったかいよぉぉ~~♡ おまんこのおくツンツンされてぇ~~♡ このままイッひゃふぅぅ~~ッ゛!!」

 

 

 体操服、しかもブルマ着用の巨乳美女とセックス。ブルマにマフラーという奇怪な組み合わせでエッチ! 絶対この二人だけだ。

 

 

 なんか……アダルトビデオの撮影みたいである。そして太洋が男優。

 

 

 セックス期間は二ヶ月だが殆ど毎日の様にエッチしているので、AV男優顔負けの「イカせテク」を自然に獲得していた。

 

 

 ただし、そのテクが振る舞われるのは榮浬だけだし、榮浬しかイカせる事が出来ない。他の女生と仮にセックスしてもお相手さんは中々満足してはくれないだろう……が

 

 

「恥骨同士が当たってるぅぅ~~♡ んはぁぁッ♡ ふッ~~♡ も゛ッ! らッ゛……ああッ~~~~ッ゛ ♡~~♡」

 

 

 

 別に問題は無い。榮浬だけを気持ちよく出来ればそれで。

 

 

 この先榮浬以外の女生徒はセックスなど出来ないし、するつもりも無いのだから。彼は恋愛に積極的になれない、弄ばれた過去は拭えない……

 

 

(…………あ、ゴムしてるんだった……ああ、まただ、最近こんなのばっかりだ……)

 

 

 派手に身体を揺さぶっていた榮浬が、爪先までまっしぐらに硬直。

 

 

 ピーンと伸ばされた右脚を抱きしめながら、太洋も膣内で射精をして……

 

 

(…………ゴムするのは……普通だろっ……俺は妊娠させたくないし榮浬だって……??)

 

 

 生と大差ないまでの感覚をテーマにして、開発された最新式のコンドーム。

 

 

 残り汁の一滴まで膣に搾られて、ペニスを入れ込んだまま痙攣して余韻に浸るのはさいっっこうに気持ちが良い。

 

 

 のに……

 

 

(セックスの度に、何か違うって……何がだよっ、何も違うことはしてないだろ俺達……??)

 

 

 パイズリはどれだけおっぱいに射精しても妊娠させる事は無いから、ゴム無しで思いっきり放出が出来る。

 

 

 膣内での射精はそうはいかない、妊娠しない可能性もあるけどハイリスクハイリターンすぎる。

 

 

 遊びで中出しして望まぬ命を作ってしまい、無責任な旦那が逃亡し大変な思いをしている、同年代の子を太洋は知っているから、女の子とセックスする機会が無かったとしても、避妊には肯定的であった。

 

 

「は~~っ……は~~っ…………♡ 今日も……良かったね……♡」

 

 

「おうっ……! またコスプレして欲しいな! 今度はメイドさんとか? ギュッ……!」

 

 

「わっ! わっ……ギュッ~~~~♡ メイドさんかぁ……可愛いよね、着たいかも……♡(太洋がいっぱい抱きしめてくれる……! 幸せだなぁ私! エッチ出来る関係になれて良かったぁ……♡)」

 

 

 ご奉仕はもう沢山しているけど、衣装が異なれば……だ。

 

 

 休日を全部使ってやって貰いたいかもしれない! 爆乳メイドのパイズリ起床……ぶっちゃけ榮浬もその気だったりする。

 

 

 帰宅してから一時間ばかりしか経過していないが、お仕事で溜まった疲労が綺麗さっぱり除去され、互いにイキまくったのに辛そうな素振りは見当たらない。もう今からでも働けちゃうくらい活き活きとした瞳だ!

 

 

「じゃあね太洋~! 明日も……ねっ!」

 

 

「ありがとう榮浬! ぎゅっ…………気をつけてな」

 

 

 帰り際に抱きしめ合って、最後のおっぱいの感触を楽しむ。

 

 

 ブレーキランプの光が遠のくまで、二階から車の姿を追って、完全に見えなくなったら扉を閉める。

 

 

「……榮浬は満足してくれている。俺も気持ちいいんだけど……」

 

 

 

 〝この先に行けるのに〟

 

 

 

 相棒たるペニスは皮を被った包茎に逆戻りし、朝の自撮りまでオトナの姿に変化する事は無くなった。

 

 

 あのゴムが、有り難いハズのコンドームが、邪魔をしている……?

 

 

「邪魔って……妊娠を防いでくれてるんだから……あっ、あっ……?」

 

 

 ――俺は榮浬をどうしたいんだ?

 

 

 コンドームが邪魔なセックスって、息つく果ては――――しかないじゃないか。

 

 

 でもそんな事すれば――

 

 

 

「…………んっ? メール、おおっ、都会に住んでた頃にダチになった奴からだ! 俺の事忘れてたんじゃね~だろ~なぁ!」

 

 

 エッチを重ねる度にナニかが引っかかってくる。

 

 

 脳内に浮かんだのは榮浬との初エッチ、ゴム無しで挿入してしまい危なく膣内で射精する間際――引き抜いて身体に精液を振りかけた二ヶ月前。

 

 

「ふんふん、付き合ってた彼女と……あの背が高かった子か、と結婚する事になった! ほぉ~~おめでとう! って返信しとくか!」

 

 

 あんまり話さなかった奴だったけど、一緒に頑張ろうぜって過酷な試験や実習を乗り越えた二つ年上の男性。

 

 

 どうやら彼女を紹介された時から、中出しをキメていたらしく、子供はもうすぐ産まれてくるらしい。将来も既に定まっていたのだろう、お幸せにして頂きたい。

 

 

「結婚かぁ……俺の両親は恋愛嫌いの事情を知らないからなぁ……三十までに結婚すればいいとは思われてるらしいけど……」

 

 

 トラウマを知っているのは榮浬だけ。

 

 

 その榮浬の両親もバーベキューの時に「結婚は急がせない」と、一人娘を持つ親にしては珍しい意見を述べていた。

 

 

「まぁ急いで変なのと結婚しても、その場凌ぎだしなぁ。周りから急かされても本人の気持ちが一番大事だろ」

 

 

 太洋だって中学生の頃は「俺は二十歳までに結婚する~!」とかイキっていたのに。

 

 

 二十どころか三十でも結婚する事は……

 

 

「またメール? ……榮浬からか、えっ」

 

 

 このアパートから遠く無いけど、もう家に着いてしまったらしい。玄関口でうんうん悩んだり、メールを確認したりして、時計を見たらそんな時間であった。

 

 

『もうすぐ連休だよね? 初日にさ……良かったらなんだけどキャンプ……しない? 二人……だけで……』

 

 

 エッチが出来ればそれでいいと思っていた毎日。

 

 

 トラウマは絶対に乗り越えられないと思っていたから。

 

 

(……俺は今後榮浬をどうしたい、セフレみたいな関係で一生……?)

 

 

 中出しの時、無意識のまま何かを口走りそうだった。

 

 

 太洋は何を伝えたかったんだろう、このキャンプで違和感の正体が掴めるかもしれな――――

 



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野外エッチ

 数日後……家族同士がバーベキューのノリで提案したと思いきや、完全に榮浬だけからの持ちかけであった。

 

 榮浬のステーションワゴンだけでは必要物品を全て載せることは流石に出来ず、何度も往復するのは効率が悪いので数日間レンタルの予約を入れておいた白い軽トラックを太洋が運転。

 

 

 ハンドルを握るのは久しぶり……車は持っていないし都会で酒を飲んだ友達の代わりに数回程度だ。

 

 

「キャンプ前に事故っちゃダメだよ?」

 

 

「馬鹿にすんな~~気をつけるけど」

 

 

 白波町は道路幅が広く平日の昼間となれば人気が少なく、交通ルールに対する意識調査が日本全国で最も高いと、ニュースで取り上げられ話題になっただけある。

 

 

 ギリギリで白波町内に収まっている山奥、昔は人が住んでいたららしいが今となっては住民が誰一人居らず人工的な音は一切聞こえない。

 

 

 川のせせらぎ、虫や自然動物の鳴き声、緑のざわめき。

 

 

「すっげぇ穴場じゃねぇかよ! 良く見つけたな」

 

 

 紛れ込んでいた人工的なエンジン音が停止、車から降りてきた太洋は久しぶりの運転に神経を使ったから、少しお疲れ気味だったが秘境としか言葉にする事が出来ない、隠された聖域の地を踏みしめて興奮気味。

 

 

 ゲームで例えれば隠し面を発見し装備を整えて侵入中。

 

 

 この秘境に辿り着いた理由はモンスターを退治する訳でも、お宝を発見する訳でも無いのはお察しの通りだが。

 

 

「ちゃんと地方自治体には許可を取ってきたよ。その変わりゴミが捨ててあったり川を汚したら責任取って貰うらしいから、気をつけないとね」

 

 

「ンな事しねーよ! こういう場所は白波町だけじゃなく世界遺産みたいなモンだからな。使わせて貰うけど今以上に綺麗にして帰る! それが礼儀でしょ」

 

 

「うん♪」

 

 

 しばし見事な非日常情景を目頭が熱くなるまで眺めていたのだが、ここからは楽しいけど不便の連続する一泊二日。

 

 

 まず宿を確保しなければどうにもならない。食料の確保も必須だし火も焚かなくては。

 

 

 キャンプ用品に関しては何も心配はいらない、榮浬の実家で全てが揃うのだから!

 

 

「友達六人でするって、嘘ついちゃったけど……♡」

 

 

 この二ヶ月だか三ヶ月だかで、平然と嘘をつける女になってしまった榮浬。

 

 

 太洋と二人きりでキャンプ。それはいくら何でも不味い……幼馴染みだろうが年頃男女なので、両親達には怪しまれてしまう。

 

 

 

 ――とっくにセックス済みの関係であるが、それは内緒なので――

 

 

 

 他の四名も道具を持ってくるから自分達は二人分+αを持っていけばいい。上手い理由を考えて最小限に減らしたが、それでも榮浬の車だけでは少しだけ入りきらなかったので最小限とは言っても念には念を押すのが野営での生活、万一を考えて準備するのは昔も今も何ら変わりない。

 

 

「高地になってるここに張ろう。…………ソッチのテントはまだ張らないでね……」

 

 

 天候変化によって水位が急激に上昇するかもしれないので、川の近くでキャンプをする時には安全対策を施さなければ危険である。

 

 

 天気予報では荒れ模様の欠片も無い絶好のレジャー日和……だが油断せず、多少手間ではあるが寝て起きたら浸水、最悪口の中に水が入って起きる……なんて事態を避ける様にする。

 

 

「何言ってるの榮浬……てか〝まだ〟って……そういう……」

 

 

「っっ!! そっ、そっちの二隅もペグでしっかり固定させてね! インナーが立ち上がったらアウターシートを……たっ、勃たせるのは今じゃ無くて」

 

 

「分かったよ! もういいってばっ! 性を知ったばかりの男子中学生レベルだぞ榮浬!?」

 

 

「あああゴメンッ……♡ 純粋にキャンプを楽しまなきゃ……!」

 

 

 まぁ、若い男女が二人きりでのキャンプ、テントの中に入ったらソレが起こっても仕方の無い訳でも。

 

 

 榮浬も榮浬で、太洋と二人だけで行きたいとおっぱいを弾ませながら、マフラーも三つ編みが地面に付いてしまう間際ま、頭を下げて懇願してきたのだから!

 

 

 下向きになったおっぱいを見つつ、そこまでお願いされたら……断るつもりは全く無かったけど……二人で一晩過ごす決意をして、準備を進めていたのだ。

 

 

 運の良いことに二人の連休日は重なっていた。他の従業員が忙しい時に山奥で美女と二人きり……夜になったら「そういう事」をするのは確定してる様な物だし、どちらも大自然エッチに期待しちゃっている。連休明けたら頑張って働かないと。

 

 

(こういうの、もう出来ないと思っていたから……応じてくれて嬉しいな! 言ってみるものだね)

 

 

 家族に連れられて、白波町や別の場所でキャンプを楽しみ、帰りの車の中では「また行こうね!」と約束していた物だ。

 

 

 それも高校生になってからと言う物、一度だけしかキャンプをする機会が設けられなかったが、成長すれば羞恥心も高まりまたは生まれていくので中々言い出せず、ここまで引っ張ってしまっていた。

 

 

 再会していっぱいエッチした後にやぁっと言い出せる様になって、太洋も快く引き受けてくれたので、この連休は山々に囲まれながら何年かぶりのお外でお泊まり生活を楽しむ。

 

 

「ん、魚釣りに行こ?」

 

 

「だな! 釣れないと俺達何も食えなくなるけど……その心配はねぇよな! 榮浬だもん!」

 

 

「へっへぇ……まっかせて!」

 

 

 泳いでいるのが透けて見える、鏡面の様な渓流。あまり激しくは無いが、垂直に流れ落ちる滝と向き合う形で滝壺に近づき糸を垂らす。

 

 

 防水の長靴とズボンが一体化した物へ履き替える。コケなどを踏んでも滑りにくいフェルト底であり、気温は熱くとも水の中に身体を入れたら冷えてしまうので、保温性も考慮されている。

 

 

 長ズボン姿の榮浬は珍しいっ、太洋もサイズ違いを穿いて虫刺されや日焼け対策の長袖とベストも羽織別のポイントで昼飯捕獲に出る。

 

 

「榮浬と一緒に釣りしたかったけど、同じポイントでしても効率悪いしな。まだ川釣りとか渓流釣りのやり方は覚えてるし!」

 

 

 手を振ってくれる榮浬を純粋に可愛いと思いながら何年かぶりの釣りに勤しむ。何とかして魚を釣らないと昼飯は無くなってしまうので、大物じゃなくていいから片っ端からヒットして欲しい……

 

 

「えっ!? もう来たかぁ!? あんま抵抗も強くない……よォッと! アマゴか! 串唐揚げにしちまおーかなぁ!」

 

 

 赤い斑点が規則正しく並んでいるサケの仲間。中々の大きさで三十㎝近くはあるだろうに、一発目で五分かからず手に入れてしまった。

 

 

 ボックスへ丁重に保管しながら、どうやって料理しようか考えるのも釣りの楽しみだ。

 

 

「まっ、魚料理だけは榮浬に適わないけど!」

 

 

 太洋は洋食だけでなく和食にもかなり自信を持っているが、お魚と釣りが物心つく前から大好きでベタ愛護会ってよくワカラン組合の重役になっている彼女は、魚をメインで扱うならどんな料理でも作れてしまう。

 

 

 その変わり、魚以外は味噌汁くらいしか作れなかったりするのだが……目玉焼きや単純な野菜炒めすら焦がしてしまうのは、どういうことやら。

 

 

「榮浬が魚担当で俺が他を作れば良い感じに……あっ、ナニが良い感じなんだよ……って! またキタァ!」

 

 

 これはアメマス、ソテーにされる姿を浮かばせながらボックスへ収納。

 

 

「時間までに結構釣れるんじゃねぇの!?」

 

 

 夜の分、明日の朝の分などは鮮度の関係でその都度含釣るしかない。なので昼食分は釣れるだけ釣っておきたい。秘境だから簡単に釣れてしまうのか? 

 

 

 もしかしたら、榮浬よりも多く釣れてしまうかも!

 

 

 勝負するなど一言も約束してないのに、勝手に盛り上がるのは昔と変わりない、榮浬とは大体こうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……結局、調子よかったのは最初だけかぁ……三匹だけでも上等なのかなぁ……もうちょい釣りたかったなぁ……」

 

 

 それなりに重くなったクーラーボックス両手に、二人分となれば役不足の魚類達は下味を付けるなり、火起こしの時間を考慮すれば十三時は過ぎてしまうので、切り上げる時間は今くらいがギリギリ。

 

 

 漫画の様に焼いただけでバクバク食べれるってのはまず出来ない。 病気に繋がる物、臭みに繋がる物を全て取り除かなくてはならない。

 

 

 太洋は素人ではないので魚の捌き方などは忘れていない。榮浬も居ることなのだし。

 

 

「お~い! 太洋~! おそ~い!」

 

 

 何時ものショーパンニーソ姿に戻った榮浬は、テントのある居住地付近に簡易キッチンを作り終えて、既に塩でヌメりを取り除いていた。焚き火台もオレンジ色に光っており、少々冷え込んだ身体に優しく浸透する。

 

 

「釣り過ぎちゃったかな? なるべくキャッチ&リリースしたいから、合計で……十一匹かぁ! 殆どが小魚だから……食べれそう? 私はイケちゃう気がするけど!」

 

 

 別に勝負などではなかったけど、ここまでの準備を終えているとなれば、太洋よりもずっと早く戻ってきたという事で……

 

 

 八匹も釣り上げてちょっとだけニヤ顔、そして胸を張り上げてふふ~ん♪ 

 

 

(悔しい……なんか悔しい……!)

 

 

 魚に関しては榮浬に適うわけが無い。でもそこまで高々とおっぱいを主張させられたら「後でパイズリして貰いたい」欲が刺激されてしまう。

 

 

「今はそういうの置いておいて……俺も手伝うぜ! 腹減ってるし多分食えるわ! アユは野菜と一緒にホイル焼きにしようか、こっちのニジマスはえらから串をぶっ刺していいか?」

 

 

 後で榮浬にもチンポをぶっ刺……など、小学生レベルの発言は心に留めたが、榮浬も反射的に「ソレ」が頭に浮かんでいたり。

 

 

「あっ、あ、そうだね……! 焼くだけだからお願い!」

 

 

 ワイルドな直火塩焼きは数日前にインストラクターを努めた釣り教室で作ったばかり。夜は化粧塩にして周りを囲うように並べたいかもしれない。

 

 

「こっちはソテーにしちゃう?」

 

 

「うん! 二人で分けよっか?」

 

 

「……おうっ! そうすりゃ色々食べれるしな!」

 

 

 強火でこんがり仕上がったら、少し弱くすれば中まで火が通りホクホク。

 

 

 堪らない香りが腹の虫を鳴らそうとしてくる……もうすぐ食べれるので我慢!

 

 

「パセリ振って……うおお! レモン汁は欠かせないよなぁ!」

 

 

「付け合わせのほうれん草に、トマトも……焦らない焦らない! 太洋とこうやって共同料理するの何時ぶりだろうね? へへへっ……楽しい♪」

 

 

 

(榮浬…………)

 

 

 

 片足で地団駄しながら涎を垂らす太洋を、窘める榮浬もピークに達してつまみ食いしたい願望を鎮めるのに大変だ。

 

 

 釣り上げた魚じゃなくても昔はこうして家族の記念日や催し物が行われる度に、太洋がメインで榮浬は補佐、魚が中心であったら逆転する光景は珍しくなかった。

 

 

 歳を重ねる度に頻度は減り、一ヶ月ごとの開催から三ヶ月、六ヶ月とスパンが伸びて。

 

 

 思春期ってそういう物だ、喧嘩した訳じゃ無いのにどことなく気まずい雰囲気に陥ることが多くなってしまう。

 

 

 それでも太洋達は家が隣同士でひょんな事でも、部屋に上がり遊んでいた仲であったので何だかんだ一般的な「幼馴染み」枠よりはずっと距離は近いのだが。

 

 

「出来たーーッ! 食べよう!」

 

 

 串焼きを両手に持って、豪快に背中から齧り付く! 

 

 

 身が柔らかい、あくまでも塩は素材の味を引き立てる為だ、自然に感謝しながら作った分は残さずに!  

 

 

 キャンプらしく飯盒で炊いた白米との相性が最高だ……両親が居たとすればビールのおつまみにしていただろう!

 

 

「ッ~~! っ! っ! っ~~♪」

 

 

 蟹を食べたら無言になる人間ならぬ、焼き魚を食べて無言になる女。

 

 

 ポン酢に尻尾をちょいと付けてほそぼそと飲み込んでいく度に、店で働く姿しか知らない者は驚くだろう、笑顔で頬まで緩ませながら咀嚼している。

 

 

 焦げ目すら美しい、彫刻にしたいくらいに綺麗な出来映えだが食べなくてはならない。何て罪深いのだろうか。

 

 

「た~いよう! ポン酢食べる?」

 

 

 塩だけでも全然イケてしまうが、他の調味料も使ってみよう!

 

 

 催された通りに、太洋は瓶を取って貰おうとしたが

 

 

「はい! あ~~ん!」

 

 

「ちょっ…………ええっ!」

 

 

「いいじゃん♪ 瓶取るの手間でしょ? 変わりに太洋のも食べさせて!」

 

 

(他に人は居ないけど恥ずかしい……恋人みたいなって意識しちまうじゃねぇかよぉ……)

 

 

 大好きなお魚さんを最高の環境で食べているから、テンション高い榮浬は全くそのつもりはなくトントン拍子に、無自覚のまま、手皿を作って箸を寄せてきている。

 

 

 流されるまま、口を付けてホックホクの身を味わおうとするも、対面から隣へ移動して胸までズイズイ寄せてきた榮浬に目が奪われてしまった。

 

 

 もう胸を受け皿に出来る……チラッと下を見たら、謎ベルトに挟まれた黒シャツの中心部が開きそうになり、谷間ホールが形成されつつある。

 

 

 折角キャンプに来たのにソッチ系の事を考えさせられてしまう機会に恵まれすぎている。榮浬が居る時点でもう確定なのだけど。

 

 

「あ~~~~んっ! むもっ~~♪ オイヒィ……!」

 

 

 本当に人が変わった様に喜んでいる。

 

 

 クールだけど途端に太洋よりも子供っぽい、妹チックな姿になってしまうのも変わっていない。

 

 

「もっかいもっかい!」

 

 

(自分で食えよお前~~!!)

 

 

 思いつつも、食べさせあいっこしながら完食してしまった。

 

 

 無邪気に無防備に伸ばされた舌の表面にチョンッと、身を乗せてやる……もう介護に近い。

 

 

 やや横側からだと、榮浬の舌の長さが良く分かる。コンプレックスをこうも簡単に晒せる相手、家族と太洋しか存在しない。

 

 

 

 

 

 

 

 食事が終わり洗える物は洗った後、背もたれが倒れ込むコンパクトチェアに座りながら目を瞑る。

 

 

 鳥たちの鳴き声が眠気を誘う。このまま五時間睡眠も余裕だが、すぐ隣に座る幼馴染みの右手が二の腕に触れてきたので目を瞑ったままだが眠気は、すっかり覚めてしまう。

 

 

「…………太洋あのっ、ありがとね……一緒にキャンプしてくれて……」

 

 

 次の言葉を待つ間、今度は太洋から榮浬の左手に触れる。

 

 

 軽く接触させただけでも小っ恥ずかしさはある。何回もセックスしてパイズリしている関係なのに……

 

 

「私達二十一歳になったけど、あの時と同じでこういう事出来るんだなぁって……また出来たんだって……」

 

 

 近頃の榮浬は過去の再現、または過去にしたかった理想の映像に拘っている。

 

 

 体側服でのエッチも昔に太洋としたかった願望があったからであり……このキャンプだって、昔っから太洋と二人だけでテントを作って、魚を釣って、自給自足のプチサバイバルをしたかったのだ。

 

 

 妥協と表したら失礼だが、家族ぐるみでキャンプは出来ていたので願望は収まっていたが、都会に出ていた幼馴染みとの距離が再び縮まって嫌われてしまう事を覚悟の上で告白。

 

 

 結果は……永遠の保留でいい。自分の想いを押しつけてしまっているのだから、太洋に身体を捧げてエッチをして貰っている。

 

 

 榮浬は好きな人とのエッチを、太洋は主に性欲を処理しながらも憧れていたプレイの数々を、榮浬を実験台に試しまくる。

 

 

 それで良かった、今まではそうしていたから。

 

 

 

 だけど――――

 

 

 

「ねぇ、太洋……エッチ、したくなった……?」

 

 

「…………少しだけ…………」

 

 

 エッチは満足する事が出来なければ、射精しても空しいだけである。

 

 

 太もものポーチから――忌々しいと感じるようになった――薄型のゴムを取り出し、口に咥えて求愛行動のアピールをするメス。

 

 

「折角だから外でしよっ♡ 野外プレイ……誰も居なければしたいなぁって……♡」

 

 

「そ、外でかぁ……そんな気はしてたがやっぱ恥ずかしいな……いや、一回だけなら俺もしたいかな……そっから先はテントの中でな?」

 

 

 オスは承諾するも、どちらに主導権があるのか曖昧になる。

 

 

 太洋が抱きしめてくれる様になってから、榮浬は積極さが上がっている。

 

 

 おずおずだった一昔前から、絶対断れないとある種の自信を持ってあらゆる提案をしてくるのだ。

 

 

「ぴちゃっ、チュプッ……♡ 太洋の硬い♡ 半勃起状態だね! んぢゅっ……んじゅっ……本気のおちんちんにしちゃうよ……? ずっ、じゅずずず……」

 

 

「んっ……!? 榮浬……お前凄い格好でチンポしゃぶってるぞ……」

 

 

 太洋は椅子に座ったまま、腰を屈めた榮浬はお目当てのブツをジッパーから出現させて、蹲踞のままぱっくんちょ。

 

 

 ショートパンツは半脱ぎしており、薄い赤色の下着を曝け出しながらのおしゃぶりは痴女スタイル。

 

 

「れろんっ……ニュルッ、ニュルルッ……ヂュッ♡ ヂュルッ……ンッ……♡」

 

 

 出た出たっ、榮浬の得意技の一つが!

 

 

 真っ正面からペニスを頬張りながら、長い舌を最大まで伸ばして陰嚢をも同時に舐め上げる!

 

 

「んん゛ッ゛~~!? チュブッ! チュブッ! ンプァッ!」

 

 

「ちょっと動いただけでおっぱい揺れる……榮浬はおっぱいで感情表現してるんだもんな……っ! 気持ちいい……」

 

 

 手を伸ばして乳揉み。洋服の脱がし方をマスターした太洋はベルトだけ残してシャツやジャケット、ブラジャーは律儀に畳んでから、遅くなった食後のデザートを撫でる。

 

 

 重量感たっぷりおっぱい、巨乳好きの太洋は主食としても食べてしまえるがなるべく一発目の射精を我慢しながら、下乳を五本の指で弄くりながら「やって欲しいこと」を思案中。

 

 

「ジュコッ……ジュコッ……♡ ジュッ、チュップ、んぶっ……ぬぶぅ……ッ……」

 

 

 お次は舌を折りたたんで収納、口内で亀頭を擽りながら口を窄めてエロホールド。

 

 

 この時の榮浬の表情はかなりだらしない。

 

 

 そんな物意に介さずペニスを串焼きに見立てているのか、我慢汁を塩扱いしているのか、美人が地に落ちた様な顔つきで、ウットリじっくり、好きな人の大事な部分を味わっていく。

 

 

「あっ! 榮浬……パイズリして貰いたい……」

 

 

「ちゅぷっ……ぷぁっ……ん、いいよ……♡ 私にもデザート頂戴……どっさり頂戴……♡」

 

 

 下ごしらえを終えたら、太洋と榮浬からすれば本番でもある乳挟!

 

 

 ロケット型のおっぱいなので、縦から挟む方法がとてもやりやすい。

 

 

 こうすれば太洋の亀頭がピョコッと谷間から顔を出すのが面白い、太洋を楽しませる為にHカップとなり――最近測り直したら散々揉んで、扱いて、挟んだ結果なのかIに限りなく近くなっていた――本日も川の流れを遮る勢いで激しくペニスを愛撫する。

 

 

「これ見られたらさ……俺ら捕まっちゃうかな? 猥褻だの露出なんたらって法律で……」

 

 

「補導はされちゃうだろうね……両親にもバレて……そ、それは困る……けど、誰も居ないから大丈夫でしょ♡ 今更だよ♡ えいえいっ!」

 

 

「ッ゛ ッ゛ ~~~~!!? そのパイズリッ!」

 

 

 縦に挟んだまま、おっぱいをさらに寄せて上下に扱く! 

 

 

 真上からの上下扱きには慣れた(それでもめっちゃ気持ちいい)物だったが、縦と縦の圧力が組み合わさるのは想定していなかった。

 

 

 フェラチオを我慢していた反動もあり、腰が浮かんだ太洋を見て非公式の釣り勝負で勝ち誇った時と同じ、フフーンなドヤ顔になってパンツの中心部に染みが広がっていく。

 

 

 

 ……釣りよりも悔しい、気持ちいいけど悔しい……!

 

 

 

「アンッ゛!? ンアアッ~~くっ♡ ひんッ゛♡ たいよ止めてあふぁぁッ♡」

 

 

 特別乳首は弱くなかったけど、太洋に開発されてしまい感じる身体となってしまっていた。

 

 

 ショートケーキのイチゴは最後に食べる太洋は、おっぱいの頂点に乗っかる乳首も最後まで取っておく!

 

 

「おちんちん反りすぎて逃げちゃいそう……! イッちゃいそうなんだねっ! わっ……たしも……ォ……! 乳首クリクリされるの弱くってぇ……はぁはぁ♡」

 

 

 子宮が熱を持っていく、太洋のチンポ欲しいと叫んでいる。

 

 

 上からも下からも涎が溢れて止まらない。 

 

 

 温厚な性格だがおっぱいと乳首だけはツンツン! 

 

 

 右はプッシュされ左は摘ままれる、性感が高まっていき背筋にまで電撃が打たれていく……

 

 

「ンッ……あっ、あっ……♡ お外で射精……しちゃったね……♡」

 

 

 その射精を導かせたのは自らの胸。

 

 

 自分自身を辱めて興奮を煽る顔は精液が噴水の様に発射され、縦に塞がれていた物だから周囲にまで被害が被った。

 

 

「はーっ、はーっ! 後で……掃除しなきゃな……今はそのっ……」

 

 

「うん! 太洋は座ってていいよ♡ 私が上に……ああッ!! うあは゛あ゛あ゛あ゛ッ゛~~んッ゛♡」

 

 

 しがみつきながらインターバルを挟まない、対面座位。

 

 

 お口でコンドームをハメてくれるが、やはり太洋の表情はスッキリしていない。榮浬は気がついてないが……

 

 

「はァン! はァン゛~~! このエッチ好きぃ! 太洋といっぱい抱き合えるからぁぁ~~♡」

 

 

「榮浬……! じゅるぅ! じゅるるるっ!」

 

 

「ヒぃッ! ヒィィ~~♡ 乳首吸わないでぇぇ~~♡」

 

 

 

 グミみたいな乳首しやがって……声を押し殺さずに大音量で結合部からのにちゃり音と、ペニス並におっ勃った乳首を可愛がられて、正確に状況を実況している榮浬。

 

 

 あんまりにも榮浬が乱れるからチェアが不安定になって倒れかかるが、際どい所で耐えてくれたので横転は無かった。

 

 

 得意気に張っていた胸っ、乳首もぶるっと弾けていたに違いないっ。ダメだの嫌だの、口ではなんとやら……太洋の口を近付けて乳首を吸いやすく誘導してくれているのに、説得力はまるで無い。

 

 

 おまんこへ垂直にチンポ突っ込まれて、最も親しい人に性欲を向けられる快感は通りすがりに注がれるエロ目線では絶対に味わえない物だ。

 

 

 嵐の如く荒れ狂い、波打つ膣内は太洋だけのオナホール。

 

 

 そうであった、のに――

 

 

「あッ! はッ! あああッ! 太洋大好きぃ♡ 奥で射精されたいよぉぉ~~♡ 私を妊娠させてッ~~ジャーと」

 

 

 

 大好きって言葉にも太洋は返答しなくていい。榮浬が一方的に気持ちを発する変わりに、太洋の性欲を一挙に引き受けるのが望んだ役割だから。

 

 

 どれだけ妊娠を求めようがあと一歩で頑強な膜が邪魔をしているので、破かなければ受精は適わない。本能で言葉にしているだけだ――――

 

 

「くっ……! 榮浬イクッ!」

 

 

「はああああああああ~~♡ッ゛ッ゛~~♡」

 

 

 ぎゅぅぅ……ハグをしながら同時に絶頂。 おっぱいに顔を預けながら胸骨を舐めると、膣イキして二度目の絶頂に誘われかねない。

 

 

(あっ……あっ……)

 

 

 自分らのセックスにはナニか重大な物が欠けている。

 

 

 気持ちよくなるだけなら間違っていない、今まではそれでお互いに満足していたから問題は無かった。

 

 

 が……太洋は変わってきている、どれだけ――――をしようとしても、今の自分達では出来ない。

 

 

「はぁ~~はぁ~~♡ ねっ、ねっ、次はテントで……♡」

 

 

「ああっ……」

 

 

 足りない物……簡単に分かるハズなんだけど。

 

 

 お腹が空くまでテント内でセックスしまくった。

 

 

 何の為にテントを作ったのって、エッチする場を確保する為だと思いかねない。コンドームが品切れとなり、最後のエッチは榮浬の上から押しつける様に犯すも忌々しいとすら感じる、コンドームのせいで種付けプレスとはならなかった。

 

 

「あは……っ♪ たいよう……♡」

 

 

 抱きしめながら温め合う。もう抱き合うのは普通に出来るようになったけど――はまだしていない。

 

 

 不思議な事に今まではやりたいとすら思わなかった。だって自分らは恋人ではないから。

 

 

 身体のみを求め合う関係、何時だって美女とエッチ出来る立場なのにそれでは物足りなくなってしまった……贅沢な話しだ。

 

 

「……………………」

 

 

 このキャンプで確信できた、自分がどうしたいのかを。

 

 

 背を向けていても時間は過ぎていく、時間と共に変わっていく。

 

 

 だけど変わらない物だってある、おっぱいとかペニスとか、あの頃とは違う物は数あれど同じように関われるのだと分かったのだから。



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一週間ぶりのパイズリフェラ

 勇魚太洋にとって糸巻榮浬はどんな存在なのだろう。

 

 

 調理師免許取得の為に二年間離れていた故郷である白波町。

 

 

 無事に国家試験に受かってプロだけど見習い、そんな立場の下に同じ白波町を故郷とする老オーナーが個人で立ち上げた、洋食店に通勤する事となる。

 

 

 緊張から生み出してしまう細かなミスは、他の先輩コック達でどうとでも助けてやれる範囲。

 

 

 二回り近く歳が離れて話難いであろうに料理を教えてくださいと頭を下げて、業務終了後に包丁の使い方、具材の揚げ方、フライパンの振り方返し方、盛り付けに僅かな調味料の差違。

 

 

 何百回も自己練習したもの、学校では教えてくれなかったもの、太洋が納得の行くまで先輩達は付き合ってくれた。

 

 

 太洋はまだ21歳と若い。先輩達からすればヒヨッコ。

 

 

 だがやる気は新人であった頃の自分らよりもずっと高い。

 

 

 もっと美味しく作りたい、お客様に喜んで頂きたい……場慣れ不足で接客もぎこちないけれど、そこで見限られる薄い男じゃない。

 

 

 しっかり面倒を見られ途中許されないミスを二度も繰り返してしまい、自信を失ってしまった時もあったけれど再び波に乗ることが出来た。

 

 

 賄い料理は太洋を除き従業員が交代で作っているのだが、オーナーの意向で太洋に暫く任せてみる事となった。

 

 

 包丁を握る前に深く呼吸する……テーブルに座る皆に見守られる中で、緊張を解して具材と向き合う。

 

 フリッタータ、ペスカトーレ、ラタトゥイユ、テルミドール、フレンチとイタリアンを自己課題としてやれるだけの事をやってみた。

 

 

 昨日は肉がメインだったので野菜をなるべく摂れる様にと、太洋の思いやりは皆へ伝わったらしくそれが料理に最も必要な〝素材〟であると只でさえ癖のある髪を、さらにクシャクシャにされながらオーナー共々頑張ろうぜと褒めてくれた。

 

 

 帰宅してから太洋は泣いた。

 

 

 彼は絶対に人前で涙を見せない男、本当は泣きたかったけど、本当は涙ぐんでいたけど……隠し通せたつもり。

 

 

 認められて来ている、でも安心してはいられない。

 

 

 夢の達成はまだまだ死ぬまで叶えられない。喜びすぎず、図に乗らずあくまでもストイックに、まずは第一段階クリア……真摯に受け止めながら仕事の方は非常に充実した毎日を送れている。

 

 

「…………榮浬…………」

 

 

 仕事場以外では、彼女の事で頭がいっぱいだ。

 

 

 これまでも榮浬を想う事自体はあれどおっぱいだとか、セックスの体位だとか、性的な意味を必ず含んでいたのだが……

 

 

「榮浬…………」

 

 

 二人だけのキャンプを終えてから、一週間彼女とは会っていない。

 

 

 榮浬は何時だってメールさえすれば、駆け付けてエッチしてくれるけど予め「仕事が終わってから一週間は先輩達に教わりたい事があって……」と彼女へ連絡をしておいた。

 

 

「嘘、ついた……0時を回るまでって……そんな事する訳ないじゃん、明日に支障が出るだけだし」

 

 

 普段よりも長くなるから一週間エッチはお預け。その代わり一週間後の休日は、朝からエッチしよう。

 

 

(そっか! 勉強頑張ってね! ……待ってるからね……コンドームいっぱい買っておくから❤)

 

 

 とっくにバレている、分からないフリをしてくれている幼馴染み。 愛撫も無い、手を繋ぐ事も無い、声を交わす事も無い一週間。

 

 

 帰宅してから朝まで時計の進みが遅く感じてしまう、榮浬の身体を知ってからは殆ど毎日パイズリしてセックスして、日課が崩れてしまったから寝付きも遅くなってしまった。

 

 

 もしも榮浬とエッチしなければ、これが普通の生活サイクルになっていた。

 

 

 でも知ってしまったから一週間がとても辛い。

 

 

 早く榮浬に会いたい、身体目当てじゃなく純粋に彼女を抱きしめたい……肌と肌で温もりを交換したい……彼女の声を聞いているだけでもいい。

 

 

 一時期の太洋は酷い物であった。エロ漫画に出てくる「女は俺の為にある」と設定された、下半身が意思を持っているキャラと何ら変わりない思考で、榮浬はパイズリデリバリーのセックスガール。

 

 

 何時でも、好きな時に、どんな事だって!…………やりたい放題彼女を汚して来た。

 

 

 21年の人生オナニーの回数など憶えていないけど、榮浬とのエッチだけで過去の半分に迫るくらいには、精液を吐き出していると思う。

 

 

 彼女は逃げないから「明日はこれをして貰おう」が叶ってしまう、抜群の安定感があるのだ。

 

 

 パイズリ未経験だった榮浬も、今やすっかりおっぱいでザーメンヌキヌキサキュバス。

 

 

 太洋が何も言わずとも、自ら乳奉仕のお勉強をしてその日の内に実演。

 

 

 と、言うのも彼女は太洋に頭を撫でられたり褒められる事がとっても嬉しく、その光景を思い出しただけでお股をチンポお迎え汁でじゅくじゅくにして、仕事中にトイレへと駆け込む回数が増えてしまったドスケベになっている。

 

 

 子共の頃にお兄ちゃんぶられて「いいこいいこ」された時の、感触が蘇ってくる。

 

 

 パイズリを上手くすれば褒めてくれる、セックスが終われば頭を撫でてくれる、帰り際には抱きしめてくれる。

 

 

「会いたい……榮浬に会いたいっ……っ」

 

 

 恋心は実らなくたって、毎日の様に彼のアパートへ訪れる理由は沢山ある。

 

 

 ありがとう、お疲れ、労いの言葉を掛けてくれる様になった太洋を、もっと好きになってしまう。

 

 

 自分こそ「太洋にエッチして貰っている」のに……

 

 

(太洋が朝ご飯作ってくれるの? じゃあ遠慮無く……! 一週間溜まった精液をドバッて……♡ いっぱいエッチしようね♡)

 

 

 明日の八時には榮浬が到着する。朝食を一緒に食べようと太洋が誘い、三十秒もしないで返信が超速度で帰ってきた……

 

 

 疑似パイズリの自撮りも送ってくれたけど明日への性感を高める目的があるので、抜く事は許されない。それでも勃起するのは榮浬がエロすぎるのでしょうがない。

 

 

 榮浬の方がエッチしたくて堪らないのだと、メールの文面からでも把捉してしまえる。 太洋もしたいっ、間違ってはいないけど。

 

 

 

 だが自分達は停滞しているっ、それもこれも全部太洋に責任があるからで……

 

 

 

〝進んでいるけど進んでない〟

 

 

 

 榮浬を巻き添えにしてしまっていたけど、彼は腹をくくった。キャンプと一週間のインターバルで確信して新しい〝何か〟を得る為に彼女の手を握り、幻影の袋小路を脱出しようと決めたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 約束時刻丁度、夏だというのにベタの尻尾がヒラヒラ、淡いグラデーションマフラーで口元を隠しながら、戸を開ければおっぱいも弾む。

 

 

 他の地域よりも涼しくはあるけど、夏本番に入ったら蒸る事が約束されている苺大福おっぱい二つ。

 

 

 パイズリ穴を開ければヒートシンク機構になるかもしれない。見られるのは太洋へ縦パイズリする時だけだが。

 

 

 太洋が出迎えてきて早々にパイズリしたくってトップレスになりたい衝動を抑え、手を洗ってから朝食を食べた。

 

 

 生地に細長くカットしたパプリカ、ハム、スプラウト、チーズソースにアボガドを巻いた野菜クレープ。

 

 

 これは《榮浬の為だけに》この一週間、練習を重ねたお洒落なメニュー。

 

 

 フランスではデザートだけでなく食事代わりにも愛されているクレープ。ヘルシーな具材で優雅な休日の始まりにはぴったり。

 

 

 太洋の香りとは違う、ブルターニュ流儀なほんのり甘く花束の様な彩りのお菓子とは非なる、白波町で収穫された自然栽培の野菜を包み込んだ不思議な一品。

 

 

 太洋が創作料理を作っては、まず最初に榮浬がお試しで食べていた。

 

 

 でもこれは榮浬にしか食べさせないメニュー。

 

 

 食べ方はお上品に藤色の髪を耳へ引っかけながら、Hカップをズッシリテーブルへ乗せている姿は、男としての情欲をそそられてしまうけど大変お気に召してくれた。

 

 

 アパートの一室が喫茶店に普段は飲まない紅茶まで用意してくれて、彼女の喜ぶ顔を見ながら会話をする……

 

 

 取り留めの無い話題、なのに広がって朝食を食べ終わっても暫くはお互いに言葉が止まらなかった。

 

 

 榮浬と同じ空間で、同じ時間を共有する。

 

 

 改めてこの一週間、榮浬と会わなかった事で有り難みを理解した。

 

 

「もう九時だっ……! 楽しくって時計見てなかった……! そっ、そろそろ……する……?」

 

 

 時間はまだたっぷり残っている。

 

 

 夕食も「太洋と食べに行く」と捏造メールを両親に送っているので、日付が回るまでにさえ家に戻れば良い。

 

 

 

 それまでずっとエッチな事が出来る♡

 

 

 

 お皿を流し台に置いてから、座布団に座っている太洋の元へと小走り気味に戻ってきたらむにゅっ……

 

 

 二つのおっぱいが肘に押し当てられ、嫌が応にもエッチな気分にお誘いされる。

 

 

「……乳内射精? 口内射精? それとも……膣内射精……/// どれでもいいよ……♡」

 

 

 ご飯か風呂か、それとも私? フィクションでは定番のセリフを榮浬なりのアレンジ。

 

 

 全くニュアンスが異なって最初から成人モード全開、それっぽく匂わせ妄想力を働かせるそんな回りくどいことはせずに、明け透けなまでに射精箇所を選ばせてくれている。

 

 

 幼馴染みはおっぱいと共に、あまりにもエロい方面にパラメーターを振られ、発達してしまった。

 

 

「…………膣内射精が、いい……」

 

 

「…………えッ゛!!?」

 

 

 多分太洋の大好きな、パイズリからの乳内で射精始めとなるだろう。

 

 

 一週間分のこってり精液で谷間を……想い描いていたビジョンはパリンッと、ガラスの様に割れていった。

 

 

「おっ、おまんこに出すの? 意外……絶対におっぱいだろうな~って思っていたから……」

 

 

(俺はどんだけおっぱい星人に思われてんだ……確かに、パイズリでヌイてからセックスが大体の流れだったけどさ……)

 

 

 膣内射精が四だとすれば、乳内射精は六。

 

 

 それだけの比率で彼は榮浬のおっぱいに挟まれて射精へと導かれている。時にはバックから貫いている最中でも、やっぱりシメは……とわざわざパイズリして貰ったり。

 

 

 使いどころが無いのに同性からも異性からも視線を一挙引き受けていたHカップ。それを太洋の為に思う存分振るえるのが嬉しいのだ。

 

 

 やっとこの胸が必要にされていたのだと、実感できるから。

 

 

「あっ、えっと……最初にある程度パイズリされてから、膣内で~~……はいいかな?」

 

 

「? いいよ……♡ イカない様に乳圧調整するね♡」

 

 

 〝乳圧調整〝なんて言葉を、実際に使っている女性がこの世にどれくらい居るだろうか?

 

 

 (そのまま一度出しちゃってもいいのに。太洋には何か思惑があるらしいけど、よく分からないかな?)

 

 

 けどまぁ、太洋がそうしたいと要望するのならば、可能な限り応えたいのが榮浬。

 

 

「わぁぁ……ッ♡ 一週間は長かったよぉ……♡ 太洋のおちんちん挟みたくて……オナニーも我慢してたからぁ……♡ ハァーハァーハァー~~♡」

 

 

「ッ゛~~ァ゛!? グッ――あ~~〝ぁああッ゛!! 俺もパイズリィィ! されたかったっ!!」

 

 

 ……榮浬の下着が偶然初パイズリの初エッチ日と同じ、パステルイエローなのは今日が締め切り、今日で決着を付けろと下着が怒声を浴びせる為、無意識の内に着用させたのかもしれない。

 

 

「太洋のおちんちんさぁ、皮が剥けっぱなしになって来たよね♡ 二面性のあるおちんちんも、括れで威嚇するおちんちんも……どっちも好きだよ♡」

 

 

 

 嗚呼……ペニスが帰るべき場所へ、榮浬のおっぱいこそ輪廻論の発祥の地(乳)

 

 

 

 射精(殺して)と勃起(蘇って)を司る神格化されたおっぱい。

 

 

 この二ヶ月と少しで榮浬はあらゆるパイズリを網羅してしまった。

 

 

 縦から横から、下から、寝転がった榮浬の上からペニスを下向きに挿乳したり、肥大化した乳首だけで挟んでみたり、掌をグーにしたり捻る様に左右非対称にズッたり、ペニスを型取りする様にじっくりジワジワ、根元から二の腕で抱きしめたり。

 

 

「れりょぉ♪ ペロッ、ペチャッ♡ ちゅぢゅぅ~~んぱっ、んぷっ♡ 塩味の利いたおちんちん……♡ ずるるっ、ジュプジュプッ――」

 

 

「あっ! あ゛っ! ちょ…………ぉ゛~~!! う゛ァグ!! ぁ゛ぁ゛~~~ぁ゛ッ゛ッ゛!?」

 

 

 パイズリフェラだってお手の物、寝起きで朦朧とする頭でも太洋がペニスを差し出してしまえば、目を瞑りながらだって口淫乳射が出来る自信ある!

 

 

「レロレロレロレロッ~~♡ れちゅちゅちゅっ~~♡ あひゃらひぃらめひゃたぁ♡ んちゅちゅっ~~♡」

 

 

「ぅ゛ ぅう゛ ぅッ゛~~~!!」

 

 

 太洋が榮浬の為だけに新しい料理を覚えたのと同じく、榮浬も太洋の為だけに新しいフェラチオを覚えていた。

 

 

 鈴口を中心とし舌先を回転させ、男を無抵抗のまま射精させる恐ろしい性技、ローリングフェラ。

 

 

 おっぱいスタンドでペニスを固定し、通常の二倍はある舌を使って彼をメロメロにしてしまうのだ。

 

 

 エッチに〝ひねり〟はとても重要で、快楽を激増させるには欠かせない項目だ。

 

 

 腰の動きをちょっと捻って、回すだけでも膣壁で捉える感触は変化する。

 

 

 女の子が甘ダルい反応を示せば、挿入中の膣だけでなく五感でも興奮して絶頂までの過程を濃密に出来る。

 

 

「え゛ェッ! 榮浬ちょっと待ってッ!!」

 

 

「れっろれろぉ~~♡ チュッ、チュチュッ~♡ んぷっ……? ぷハァ……飛ばしすぎちゃった♡ 結構危なかったでしょ? 尿道筋が太くなってた♡ えへへっ、今日は膣内で一回ヌクんだよね♡ ゴム付けてあげるから――――」

 

 

 歯医者で「痛い時に手を上げてください」ならぬ、「射精しそうになったら手を上げてください」

 

 

 パイフェラしていた榮浬も要望通りイカせるつもりは無く、中断するつもりだったけど太洋からすれば絶対忘れていたとしか思えぬ、ガッツリ具合であった。

 

 

 誤射はせず、太ももポーチからお馴染みの薄型ゴムを取り出そうと――――

 

 

「…………なぁ榮浬、今日からゴム無しでいいかな……?」

 

 

 

 !?

 

 




ゴムの使用はおわり


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中出し

「えぇええっ~~♡ い、いい……けどぉ……♡ あぶあぶなっ……いよぉ……? 赤ちゃんでき……ちゃったら……太洋は……♡ ちょちょちょ! 直前でおちんちん抜けば大丈夫大丈夫!! だよねあははっ!」

 

 

 ノースキンで挿入した段階で、妊娠する確率はググンッと上がってしまうのだが。

 

 

 安全で避妊確実のエッチを繰り返していた太洋から、完全に予想外の言葉が左胸内側まで邪魔する物なくスッーーと運ばれてきた。

 

 

「…………………………」

 

 

 太洋は頷きもせずポーチを取り外しテーブルへ置いた榮浬へと、ペニスの切っ先を向ける。

 

 

 おまんこの毛が透けている、パステルイエローの下着が色落ちして内側が丸見え……役割を果たせなくなっても脱がす事はせず、横へとズラしネト付いた愛液をペニスでプツプツと真上から両断する。

 

 

「ハァ、ハァ……♡ 欲しいな、太洋のおちんちん♡ 我慢してた分私もすぐイッちゃいそ……♡ アウん゛ん゛っ♡」

 

 

 皮が剥けてせり上がったカリ溝を、敏感ポイントであるクリトリスと擦らせる。

 

 

 休日の朝を楽しめる喫茶店の二階から夜景の見えぬ都会のラブホテルへ移り変わる、それだけの変貌を榮浬はしていた。

 

 

 クールながら硬い印象の抜けきった正常時、瞳を常にハートマークにして吐息をも桃色にする性常時。

 

 

 太洋のペニスから譲り受けるまでもなく美人でカッコイイ女から、エッチに溺れる二面性を使い分けている……

 

 

「んっ…………っ゛!? ぅ゛ァ……!」

 

 

「ああぁあああっ!!♡ 太洋のおちんちん♡ 生で来ちゃったぁぁ~~~っ♡ ゴムよりもこっちの方が全然……♡ 太洋をいっぱい……感じられるよぉぉ~~♡」

 

 

 ――――おっぱいと違った第二の故郷。 恋人達が好み二人が向かい合う体勢の正常位挿入。これも初エッチと同じだ……

 

 

 郷愁感が先端から枝分かれした血管、全てを辿り巡って散々挿入した汗かきおまんこ。でも生セックスには慣れていない、慎み深い生膣! 脳神経が麻痺する圧倒的な快楽を注がれ、既にトンでしまいそうな榮浬。

 

 

 谷間にだけ汗を溜めていたけど挿入してからは眼を離す隙もなく、砂漠へ放り投げられた様に汗だく肌。

 

 

 体温調節機能が破損、カンッと子宮口に鈴口をぶつければ顎を反らしながら、ワンテンポ遅れて腰も反らす。

 

 

 快楽伝達があまりに多く循環が遅れているのか、足先もピーンと伸ばすまでに、太洋が声を掛けた事に気がつくまでラグがあった。

 

 

「ハァ! ハァ! えいっ……榮浬っ!」

 

 

「はひゃぅぅ…………♡ なましぇっ……くしゅっ……しひゃっへるんりゃぁぁ……♡ んぁ、なぁ……なぁにぃ……たいよ……♡」

 

 

 何としてでも初セックスはゴム無しがいいと不誠実に結合を催したのは、女性の方。

 

 

 今だから暴露出来る事だが万が一中出しされ妊娠しても、榮浬はその子を大切に育てるシングルマザーになる気であった。

 

 

 太洋は何も悪くない、その様に誘ってしまった自分が悪いのだと。

 

 

 どんな理由かは不明だけど、太洋からノースキンでセックスしたいと要請された!

 

 

 ――途中で引っこ抜けばいいでしょ?

 

 

 太洋はそんな無責任な言葉をする男では無いのは知っている。太洋が一番嫌いな人種と変わりなくなってしまうから。

 

 

 であるのに太洋が「ゴム無し」で結合した、その意味は――

 

 

 

「榮浬っ! 好きだぞっ! 好きだああぁぁぁぁぁぁぁ~~~~!!」

 

 

 

「!? ひ゛ゃ! ヒッ!!?? え……ぁ……♡ たた、たいよぉ……しょ、それって……ぇ……♡」

 

 

「ゴメンなさい榮浬! やっっっと俺! 正直な気持ちでお前に伝えられる! この一週間とキャンプで整理したんだっ、俺はずっと昔から榮浬が大好きなんだぁぁぁぁ~~~!!…………ってさ!」

 

 

 彼女が最も熱望していた言葉。だが太洋に想いを打ち明けてからは諦めてしまっていた言葉。

 

 

 太洋は榮浬からの告白に応じなくても良い、永遠に保留に出来る立場だった。

 

 

 初恋の女の子に弄ばれてから、恋愛に酷く臆病になってしまった太洋。

 

 

 どれだけ悔しいのか、哀しいのか、自分の部屋で彼の発狂ぶりを目の当たりにしたから気持ちを押し隠してトラウマを刺激しない様に、恋愛や恋人は禁句として脳内に登録していた。

 

 

「……なのに……なんでぇ……私に好きって……♡ 私……幼馴染みだよっ……♡」

 

 

「あぁ! そうだっ、俺と榮浬は産まれた時から一緒でもう一つの家族っても嘘じゃない!」

 

 

 奥まで竿が突き刺さったまま榮浬の髪を撫でながら人生の岐路へと、覚悟を抱いて一本の未来を選び抜いた男の逞しい表情。

 

 

 どことなく気弱そうだった彼は榮浬へ積年の気持ちを包み隠さず、そのまま伝える選択肢を取った。

 

 

 

 榮浬は〝幼馴染み〟 の関係から抜け出そうと、勇気を出して初セックスのあの日……告白をした。

 

 

(好きにならなくていい、でも嫌いにもならないで)

 

 

 返答から逃げていたのは、実は太洋だけではなかった。

 

 

 身体の所有権を譲渡し欲望を叶えると同時に榮浬も、好きな人とエッチが出来るのでどちら側にもメリットしかなかった。

 

 

『太洋は自分を好きにならない』

 

 

 あれだけ諦めきれないから告白したのに、告白だけで悲願果たしてしまった満足感にかられて、エッチ出来るから別にいいやと告白の先を棄権。ずっとこのままの関係でいたい……前へと進んだが、その一歩だけで満足してしまいこの二ヶ月間は閉じこもっていた。

 

 

 悩殺Hカップボディとパイズリが、セックスが、エッチな事なら何だってして貰える!

 

 

 仕事のミスを榮浬にぶつけてしまうまでは、兎に角性的な意味で榮浬に夢中だった太洋。

 

 

 学生時代から夢抱き憧れていたあんな事……漫画でしか再現できないこんな事……榮浬さえ居れば、エッチに関して何も困らない!

 

 

 保留に出来る立場を散々利用して来たが、乱暴パイズリされても嫌わずに、あるがまま太洋を受け止めてくれた一件から、彼の心は疑問を持ってしまう。

 

 

 

 このままでいい から 〝このままでいいのかな?〟

 

 

 

 太洋よりもエッチに溺れて、幼馴染みを求める様になってしまった榮浬。そんな彼女にしてしまったのは……

 

 

「ん゛っ!!? ン゛ン゛ン゛ッ~~~!!? んっ――はぁっ……ちゅっ……太洋とキス……しちゃった……の……?」

 

 

「ちゅぷっ……はぁ、榮浬とキス……したぞっ……俺は……」

 

 

 この二ヶ月で性器を交わせ絶頂した回数は百を超えている。

 

 

 だけど生セックスはこれが二回目、キスは初めて。

 

 

 誰よりも榮浬に近い存在なのに、キスだけは絶対にしなかった。

 

 

 初期は榮浬から唇を突き出す行為が見受けられたが、身体は許すも心はトラウマを抱えたままの太洋は、顔を背けてスルー。

 

 

 榮浬を狙っていたクラスメイトが知ったら、袋だたきに遭うだろう……勿体なさ過ぎる、そこを応えるのが男だろと。

 

 

 ……榮浬も キス  という行為が頭から抜け落ちて、パイズリを筆頭に太洋向けの性技を無数に備え、幸せの毎日を送ることが出来ていた。

 

 

 一度掴んだ幸運は失いたくないと想うのが人間。

 

 

 太洋といくらでもエッチ出来る空間に閉じ込められた、でもいいやってドアを開こうとする努力も素振りもなく、与えられた条件だけで一生を堪能しようとしていた。気持ちの良い想いが出来るから、脱出する必要性も――――

 

 

「責任いっぱい取らせて! 多分榮浬が俺を好きになるよりも、俺は榮浬の事が好きだったんだと思う! あの子にフラれて優しくされた時……そっからはどうしようも無くお前が大好きになってた!」

 

 

「…………♡」

 

 

 ピストンしていないのに膣が痙攣している。小刻みに淫振動を与えられ、大好きなパイズリを中断させてまでも膣内を望んだペニスは、分泌されている液体が雪の様に白くなりつつある。

 

 

 マフラーで口元は既に隠されているのに、その上から両手で口を覆っている榮浬の手を退けて、再びマフラーをも退けてキス。

 

 

 唇を付けるだけでおまんこが跳ねる、心打たれた女性のおっぱいへ胸板をくっつけて、密着を深くする。

 

 

「ちゅっ~~~♡ ちゅっ、ちゅぅ……んっ♡ んむむ~~♡ ぅん……ちゅパッ♡ ぁ♡ チュプッ……チュチュ……ッ♡ やっとぉ……キス……♡ 出来た……♡ 一番……したかった……忘れ……ちゃ……て、た……♡」

 

 

 停滞してしまった榮浬を連れ出せるのは、太洋しか居ない。

 

 

 裏切られた時のショックが大きいから、榮浬とすらも「幼馴染みだから」と言い訳して一線を越えなかった。

 

 

 怖かったのだ……榮浬はそんな事する女性じゃないけれど、逃げると決めた男はトコトン臆病になってしまう。

 

 

「俺は……あの時の榮浬よりも!《幼馴染み以上》を望んでるよっ! 他の女の子は未だに怖ぇえよ、でも榮浬だけは特別だ! やっぱり俺にとってはどんな子よりも大切なんだ! 言い訳しない! 逃げない! 俺は榮浬が好き! 幼馴染みだけど大好き! 一人の男として榮浬が大好きなんだ……今までの自分を壊したい!」

 

 

 思えば 〝昔にやりたかった事〟 に拘っていた。

 

 

 体操服でのエッチしかり、二人だけのキャンプしかり。

 

 

 全て榮浬が過去に想い描いていた太洋とやりたかった事、それを実現させていた。

 

 

 思い出に縋っているだけだ、榮浬も気がついていたけどあまりにも心地が良くて……

 

 

「出来るんだって分かった! あの頃の俺達はもう居ないけどっ、今の俺達も榮浬と昔以上に仲良く出来るんだって!」

 

 

「太洋…………♡」

 

 

「……三日くらい前にさ、小さな男の子と女の子、手を繋いでた……穢れをしならい子達だった……」

 

 

 昔の太洋と榮浬も、その子達と同じ様に手を繋いでいた。

 

 

 子供は単純だ、明日の事なんて考えなくたって良い、大人が全部やってくれるから。

 

 

 今は自分達が大人になってしまった。

 

 

 身体も、心も、成長して、何だってあの頃のまま、そんな都合良くいかなくなった。

 

 

「エッチによる依存じゃない、立ち止まった時間が長すぎた分だけ愛させて!」

 

 

「…………ズル……いよ……♡ セックスしてる最中に……キ、ス、までされて……♡ 返事なんて最初っから……♡ はッ゛ッ゛~~~~♡!!? ン゛ッ! くゥぁぁ゛!? ん――♡ くァァァァ――――ハッ♡ ァ゛ ァ゛ ァ゛ ァ゛ ァ゛~~~♡゛~~♡゛」

 

 

 身体のみを求める交わりから、愛の確かめ合い。

 

 

 榮浬の返答は最初から分かっていたから、そのつもりで生挿入を試みた。

 

 

 ペニスが子宮口のさらに奥へと、吸引されている感覚。

 

 

 内側の縮小、膣が戦慄き事態を警告するも太洋は膣内射精を決めていた。

 

 

「わらひもぉ! らいしゅきらよぉぉ~~! たいよぉ! たいよ゛ぉ゛ぉ♡」

 

 

「榮浬ぃ……ありがとう……これからは一緒に進んでいこうな……!俺は迷ったりしないから、昔も全部ひっくるめてお前を愛する! 結婚して欲しい! 榮浬との子供欲しい!! 俺がお前を養う! 一緒の家に住むんだ!!」

 

 

「~~~~っ♡ あっ♡ りゃめりゃめぇ! みないへぇ……♡ わらひのかお……だらしなぁ……ぁ♡」

 

 

 ぐぽっぐぽっ、空気音が声をかき消さんばかりに漏れながら膣内射精しても動きを止めない、このセックスで確実に受精するまで何発でも子宮に出す!

 

 

 

「んくぅぅぅ~~~ッ♡ ふぁッ♡ んぐぁぁぁ~~♡ はぁーはぁー♡ もっ……ひょ……♡ 太洋をちょうだイ゛ッ!? ちゅぅ♡ ちゅるぅ、ちゅっ、ふはぁぁ♡ ふーっ♡ んっ……んっ……♡ ちゅぷるっ♡ ちゅむっ ちゅぷっ――――~~♡」

 

 

 キスされながら膣内射精、精液が漏れ出してもピストンは止めない。

 

 

「もっひょしてぇ♡ そうひなきゃゆるひゃなぃぃ……♡ んッ……ふぅ……♡ ハッ、あぁ……♡ あッ♡ ちゅぐるっ! んっ、んっ~~♡ はっ……はっ、ぁ……♡」

 

 

 ペニスに取られたファーストキスはノーカンだ。太洋のペニス……も好きだけど、太洋のだから好きなのであって。

 

 

「あ゛ッ♡ ッッ♡ ハァァァァッ~~~♡」

 

 

「またイッたか榮浬っ! 俺も出すっ! 榮浬を孕ませるまで膣内射精を止めないッ! はーはーっ! ぐぁ! ぁぁぁぁッ~~!!」

 

 

 やっぱりゴムを付けたセックスなど嘘っぱっちだ。

 

 

 好きな人とのセックスは生でやるべき、中出し以外禁止だ。

 

 

 互いのヌルヌルを絡め合って、引っこ抜こうにもカリを押さえ込まれている、だからもう一戦! その繰り返し!

 

 

「もっとォ! もっと私をエッチな女にしてッ! 太洋だけの女にして欲しいよぉぉ~~ッ♡」

 

 

 ネバつく精液を注ぎ込んでも、硬さも太さも落ちないペニス。

 

 

待ち構えている受精卵へ泳がせて、細胞分裂が始まっている。

 

 

 積年の想いを打ち明けた太洋の射精を、ダイレクトに飲み込んで閉ざされていた《お母さん》への回廊を凄まじい勢いで、白で塗り込んでいく。

 

 

 

 ――中出しって……こんなに気持ちが良かったんだ……♡

 

 

 

 想いが通じ合った人の精液を、子宮で受け止めるのってとっても素敵だ。

 

 

 これからの太洋は逃げない、いっぱいハグしてキスして中出しして、逃げ回っていたツケを全部支払って貰う!

 

 

 (長かった、ぁあ……長かった……)

 

 

 諦めた時もあったけれど、一途に彼を想って十年以上。

 

 

 自分でも他の男性を良く好きにならなかったなぁと、不思議に思うけれどそれだけ太洋は特別な存在だから、最初から他の男性は眼に映らないし心にも残らない。

 

 

 自分は太洋が居なければダメなのだ、仕事で大きいミスをしたのだって、太洋が白波町を出て行ったからそんな気さえ起こってしまう。

 

 

「はーーっ……はーーっ……えり……りぃ……顔が……トロトロになってんぞ……はーはー……」

 

 

「…………にゃ……ぁ……♡ しょうが……な……♡ でしょ……♡ お父さん……♡」

 

 

 正午のサイレンが耳に入るまで一度も膣口からペニスを引き抜かずに射精しまくった、膣内から濁流が起こっても構わず、中出しをして一緒に本当のセックスを味わえた。

 

 

 1週間分を優に超えた量は洗濯したって落としきれない愛液、汗、精液、二人が分泌できる液と言う液を、支えきれずフロアまで湧き水の様に流れてしまっている。

 

 

 ラブ握りもしっぱなし、真上から杭を打ち込む形でのピストン、種付けプレスでの着床。

 

 

「はぁ……ふぅ……♡ えへへっ♡ 赤ちゃん♡ 絶対に根付いた……♡ 産まれる時は処女喪失よりも痛いらしいから……その時も手を握ってくれたら嬉し……あっ……♡」

 

 

「チュッ……なぁ榮浬、俺達は将来結婚する。けどそれまでの間は恋人として過ごさないか? 夫婦になったら恋人には戻せないからさ、恋人として榮浬と楽しみたいこと……いっぱいある……勿論、家族に話したり準備もするけどさ……!」

 

 

 脚腰に異常を来すまでセックスしていた二人は、お腹が空いているけど動ける気配がしない。

 

 

 回復するまで手を繋いで、遠く無い未来への要望をする榮浬にキス。榮浬任せにはしない、パートナーと一緒に乗り越えてこその夫だ。

 

 

「えへへぇ……♡ セックスフレンドみたいな関係から、夫婦って……♡ 隙間が開いちゃってるからね! うん……赤ちゃん産まれるまでは恋人……♡ いっぱいイチャイチャしたいなぁ……ちゅっ、ん、それとさ、太洋……」

 

 

 

 

 ――膣内射精、だけじゃないでしょ? 乳内射精も……忘れないでね♡

 

 

 

 ……こんなエロすぎるお嫁さんは幼馴染み。

 

 

 過去は変えられないけど、未来はいくらでも差し替えられる。

 

 

 幼馴染みという概念に収まらず恋人、そして夫婦にまで昇華した榮浬。

 

 

 自分だけの人生じゃなくなり二人の人生になったんだ。

 

 

 念押しの中出しエッチを誘ってくる幼馴染みを、鎮める事が出来るのも太洋だけ。

 

 

 とっくに一週間分を放っていたのに夕暮れ時までラブ繋ぎをしながらエッチ。全て膣内へと届かせた。

 

 

 ビフォーアフター、グチャグチャになって外まで愛欲の香りが漂う部屋を、太洋と一緒にお掃除するのだって、愛する者同士の共同作業。 

 

 

 長い年月が過ぎて向かい合え、結ばれた二人の初デート、それは―――― 

 

 



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水着

 反応は真っ二つ、榮浬の家族は「やっぱりだったか!」

 

 

 〝幼馴染み〟の楔を誰に打ち込まれるでもない、自分で『榮浬とはそういう関係にはならない』と決めつけてしまっていた太洋は、その榮浬よりもずっと昔から恋心を抱いていたのに恋愛対象からは除外してしまっていた。

 

 

 それでも榮浬の両親はとっくにお見通しだったらしく「両想いになれたのか! おめでとう!」と、二人の報告を聞いて驚く事もせず、慌てることもせず、予定調和であったと親としての貫禄を魅せつけてくれた。

 

 

「というよりもねぇ、太洋君が白波町に戻ってきてから榮浬ったら太洋君の話しかしないんだもの。私達との話とは顔が全然違うのよっ! 私達は知らない振りをしていただけ、そこまで鈍い親じゃないよ私達?」

 

 

「……………………///」

 

 

 榮浬の両親が、一人娘の結婚をまるで急がせていなかった理由……絶対に太洋と結ばれると予感していたから?

 

 

 10年以上昔から知らない振りをしてくれていた、恥ずかしすぎる……と同時に、10年以上も待たせてしまって本当に申し訳ない事をした。

 

 

 逆に太洋の両親は「え゛ぇ゛ッ!? マジ゛ぃ!?」

 

 

〝幼馴染み〟だから仲良しだけど、正直榮浬ちゃんは素晴らし過ぎて太洋が相手でいいの? だとか、榮浬ちゃんに相応しい男になるよう徹底改造してやるだの、まさかウチの子に恋人が出来るとは……後半はただの悪口になっていて、少~しムカついたけど実家暮らしの時にそうやって振る舞っていたから両親には『榮浬とはそういう関係にならない』と思われてしまっていたのだろう。

 

 

 恋人になりましたと報告を貰った夜は、久しぶりに(と言っていたが実際は一ヶ月前にもしたばかり……)徹夜飲みを四人で行ったらしい。

 

 

「あんたは榮浬ちゃんとイチャ付きたいでしょ? 私らと一緒に飲む意時間すら惜しいって! 分かってるって! いっぱいキスして抱きしめてあげなーさい!」

 

 

「母ちゃん…………おうっ! そうさせて貰うよ!」

 

 

「ちょっ……たいよっ……///」

 

 

 肩を抱かれながら退散、告白してから日は経ってないけれど太洋が一気に頼もしくなっている。償いとはまた違う、大好きだと包み隠さず自信を持ち露呈出来る榮浬を積極的に引っ張ってくれている。

 

 恋人になってから最初のデートは海にしよう! 誘ってくれたのも太洋だ。

 

 

『何処で榮浬ちゃんに告白したの?』

 

 

 

 母親から問われた質問には「二人で釣りしてる時に、良い雰囲気になって俺から」と、予め用意しておいた答えをそのまま。

 

 

(だって『生挿入しながら想いを伝えた』…………は、流石に言えないって……)

 

 

(その前にパイズリとかフェラチオとか……ずっとしてました……とも言えないよね……///)

 

 

 一般的な恋人と真逆の順路を創り上げてしまっていた、こればっかりは榮浬との秘密として内緒の内緒!

 

 

 まぁ、太洋を話題にしている時の榮浬は、明らかに惚気た表情だった――榮浬は気がつかない――ので、年頃の男女だしエッチしていても、それが普通であると納得してくれそうな感じもするが。

 

 

 ちなみに、やっぱり?

 

 

 ほぼ毎日太洋のアパートに出かけている榮浬は、夜釣りを楽しみたいなどそれっぽい言い訳をしながら外出していた訳だが、両親からすれば「ウソ下手すぎ」だったらしい……どれだけ釣りが好きでも、毎日あんな顔して帰ってくる訳がない。

 

 

 間違いなく彼氏=太洋と逢い引きしてる。隠せていた気になっていたのだから榮浬はもう何も言えないっ、身体を丸くして異常加熱が落ち着くのを待つしかなかった。アパートに戻ったらいっぱいキスされて、さっきより身体が熱くなったけど。

 

 

 

 八月、白波町に戻ってきてからの数ヶ月間は、波濤の如く勢いで押し寄せ、一日一日を鮮明に回想出来るだけの色濃さ。

 

 

 その七割も榮浬とエッチな事をしていたってのも……

 

 

 海水浴場として開放された、白波町の南西に位置している海はシーズンだけあり利用客が多いの何の。

 

 

 平日を狙ったけど微々たる差、学生カップル達が最後の夏の思い出作りを、男達数人で乗り込んで可愛い子ちゃんゲットの奮闘を、有給を突き出してきた家族連れが最も多い印象。

 

 

 サラサラの白砂、ダントツの美味しさを誇る魚達が暮らす海鏡、波はそこまで高くないのでサーフィンには向かないけど恋人や家族で楽しむのなら打って付け。

 

 

「行こうぜ榮浬! 恥ずかしがってんのか?」

 

 

 ポリエステル素材のサーフパンツは、膝よりも少し上丈で黒地をベースとしながら、色彩を抑えたピンク・モスグリーン・イエローの英語ロゴが刻まれている。

 

 

 水着を着るのは学校の授業以来、榮浬とのデートの為だけに購入した新品だ!

 

 

「だって……水着姿になるの高校生以来だから……」

 

 

 魚と戯れる職業だけど水着に着替えたことはない。

 

 

 学園指定のスク水で授業を受けていた時も、男子全員勃起させその日の夜のオカズを提供してしまい、女子勢からも切望の眼差しで自らの足りない胸元を持ち上げていた。妬ましいと思われる事が無かったのは、榮浬の人望が成せるからだろう。

 

 

 なにせ高校時代でもE~Fカップ。21歳となった今は……H。

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 大量精液無駄撃ち投影機、おっぱいダイナマイトの持ち主も大好きな恋人、両想いになれた太洋との初デートで気合い入れた水着を購入してきた!

 

 

 些か男心を擽ってしまい、性欲も昂ぶらせてしまうフロントジッパーは、セパレートタイプでボトムスもセクシ~!

 

 

 布面積を悉く消去した、ローライズのショートパンツ。

 

 

 ニーソックスを脱いでもムッチリ、Vの字に強調されたお尻はお手入れをサボるとはみ出しかねない際どいデザインで、マイクロミニの名称で売られていた。

 

 

 これだけで大半の男性は公開オナニーしたくなってしまうが、フロントジッパー――Lサイズなのにジッパーが全然閉められなかった――なので、谷間ハッチが大解放状態なのだ!

 

 

 おへそのラインと縦に繋がっているのが丸見え! 左上にはベタの代わりに海ガメさんのブローチを付けているが、そんなのおっぱいのインパクトの前では目に入らない!

 

 

「マフラーだけは欠かせないのな……」

 

 

「これ巻いてなかったら、更衣室から出れなかったよ……」

 

 

 グラデーションマフラーもお留守番、透明感のあるベージュは本人曰く「耐水加工された海用」らしい……?

 

 

 年がら年中マフラーを巻いてるのはちょっと変わっているかもしれないけど、榮浬は美人でおっぱいが大きいので殆どの物が、違和感よりも彼女を引き立てる素材として受け取っている。指摘してくれるのは太洋くらいだろう……

 

 

 スタイリッシュでカッコイイデザインだったから、通販でポチッたと教えてくれたが本当だろうか? 本当に別の目的があったりしないのだろうか??

 

 

「……………………」

 

 

「…………あっ!? おっ、おっぱいばかり見てたらダメ、だよっ……? 折角来たんだから海を楽しまないと……ね?」

 

 

 ――あとでシテあげるから……♡

 

 

 エッチ盛りの恋人同士、帰宅してしまえば堂々と中出しを出来てしまえる訳で。

 

 

 将来的には結婚する子共も欲しい。

 

 

 今まで出来なかった分を取り戻すかの様に、榮浬は膣内射精を催す行為や言動を連発させ、太洋もコンドームを処分しながら昨日は体面座位で二発キメてしまった。

 

 

 パイズリ? それは別腹なので三発! 太洋のおっぱい馬鹿っぷりに付き合えるのは、榮浬だけだ!

 

 

(帰ったらその水着でエッチ、いいかな?)

 

 

(帰ったら! だよっ!? うっ、うん…………/// 赤ちゃん出来たらエッチ出来なくなるから、今のうちにいっぱいしようね♡)

 

 

 ほっそい二の腕を寄せてあげて、大きくて太いおっぱいをむぎゅっ♡

 

 

 そんなことしたら、只でさえ閉められず開けっぱなしになったジッパーが壊れるのでは……! 歩く一八禁はおっぱい馬鹿よりも、パイズリに夢中になってしまった。

 

 

 

 あの人羨ましいぃ~~!

 

 俺もあんな巨乳の彼女ほし~~!

 

 何時もパイズリされてんだろうなぁ~~!

 

 

 

 高校生の男子達からの、やっかみで背中が痛い……速攻口説こうと思ったら、彼氏がお手々繋いで現れたのだからチンコ硬くさせながらブーイングでもしたくなる。

 

 

 オニイトマキエイ……糸巻榮浬だけあって、釣りと同格なくらい海は独壇場! 他カップルですら榮浬に視線が移っては、彼女さんにブン殴られている。

 

 

「行こうぜ! どっちがあのブイまで早く辿り着けるか競争だ! おあッと、準備運動しなきゃな!」

 

 

 こんな水着で来たから覚悟してたけど、ギンギラ情欲の眼差しはHカップに注がれているから慣れたのに、格好が異なるから胸元を隠したくなってくる。

 

 

 尻尾エイだけにを巻いて逃げたくなった榮浬を、率先してくれる太洋は榮浬にとって〝太陽〟

 

 今までの彼よりも一歩男らしい、榮浬を養い子を育てると決意した男の顔か何かあれば全部追い払うと頬にキスされ、マフラーでぐいぐい口元を隠しながら再び、今は恋人、将来旦那の手を繋ぎ直す。

 

 

 

 

 

 

 

 一体全体、あのスピードは人間業ではない、やはりエイの擬人化なのだろうか。

 

 

 

 土地柄水泳が得意という生徒が多かった、白波高校卒業生。

 

 

 

 何名か現役で活動しているオリンピック選手も送り出している。

 

 

 英才教育などはされてないけど泳ぐのは好きでブランクあれど、そこら辺の輩とはフォームからペース配分まで、比べものにならない技術を身体に浸透させている太洋が全く歯が立たない。

 

 

「やったねっ! 私の勝ち~♪ 」

 

 

「えぇっ…………何秒くらい差があったんだろ……俺は全力だったぞ……」

 

 

 最初からぶっ飛ばしてくるとは思わなかった、序盤を温存させるのが賢い水泳なのに、その身体に疲労は無い。

 

 

 あんだけ大きなおっぱいが抵抗となっているのに……軟骨魚類な幼馴染みは、ホームグランドに戻ってきてしまったので、人間が叶うわけなかった。

 

 

「…………負けたからナニかするとか、そういう約束はしてないけど……」

 

 

 定番なのが「負けた方は勝った方の言う事を聞く」

 

 

 冷静に考えたら太洋はそんな約束をしなくても毎日パイズリエッチして貰えるし、膣内射精は必ず二発はすると榮浬と誓い合っているので、今更言う事を聞いて貰う必要性が無い。

 

 

 トラウマを乗り越えた男は、榮浬を先導すると約束したのに早くも崩れ去ってしまった。まぁ水泳なのでノーカン……

 

 

「…………かっ、考えとくね! どうしよっかなぁ~!」

 

 

「痛いのはちょっと……」

 

 

 お前がルアーの代わりになれっ! 釣り針付けられて海へ投げ落とされる……されません。

 

 

 恐らくお昼ご飯を奢ったり、食べさせ合いっこしたりとか、叶わず仕舞いであった行為を思いっきり命じてくるのかもしれない?

 

 

 大容量のトートバッグから取り出したのは、レバーを前後にスライドすれば6メートルもの噴射飛距離になるアクアバズーカであった! サバゲーのルールとして、安全面を守る為にゴーグルも着用。榮浬の実家に夏限定で扱う品の一つ、バッグが丁度ソレ二つ入りそうなサイズなので予想は出来ていたが……

 

 

「そォ……れっ!」

 

 

「!!? あぶっ! 当たったら痛くないかこれ!」

 

 

「顔に向けなければ大丈夫だよ、傷になったりしないから。弓矢タイプの方が良かった? 二丁拳銃もあったけど?」

 

 

 ビッショリ、ビショビショ、されどおっぱいは水圧に抗い、水を吸ったフロントジッパーの重さにもめげない。

 

 

 望んでいなかったがしっかりと育てられたHカップは、今となっては恋人へご奉仕する自慢の器官となった。

 

 

 ウォーターガンを掛け合うなど中学生振りだ、あの頃は無邪気にお胸をターゲッティングしていたけど……

 

 

「あンッ♡ こらっ、たいよぉ……♡ おっぱい狙わないでよぉ……♡」

 

 

「顔以外はOKって言ったの榮浬じゃん!?」

 

 

「だからって……もっと脚とかあるのにっ……」

 

 

 一時中断のポーズで太洋の耳元へ近づいていく。そうしなければ子供達の教育に悪い話題だから……

 

 

(おっ、おまんこ狙って良いとも言ってないけど……さっきから乳首……勃って来ちゃった……♡ 太洋が悪いんだよ?)

 

 

 おかしい、自分が狙ったのは彼女の腕だったのに何故だか命中したのは胸の頂点だったり、ギュウギュウ詰めにされた谷間であったり。

 

 

(水着に浮かび上がっちゃうかもっ……いっ、一回鎮めて欲しい……かもっ……///)

 

 

 …………最初から仕組んでいたのかもしれない、この海で太洋とエッチする方法を! 

 

 

 不測の事態(榮浬が発情して抑えきれなくなった時の)に備え、近辺のラブホテルは検索済みだけど今の榮浬なら「岩場に移動すればバレない」とか言い出しかねない。エロ漫画じゃないんだから、絶対バレる……結婚の前に事情聴取か、下手すれば逮捕か……

 

 

 こんなに早く榮浬がキテしまうのは予想外だけど、太洋も興奮してないと言えばウソになるので丁度良いと考え直す。

 

 

 それにしても、男が発情し女へ性行為の要求するなら兎も角、この二人は逆なのだから面白い。

 

 

 身体を太洋好みにされ嗜好に思考まで太洋とのエッチで浸蝕された榮浬は、太洋が鎮めてあげなければ……

 

 

「おーー! 上玉発見~♪ ちょいとナヨ男は退いてくんない? あっ、もしや彼氏ってヤツ??」

 

 

「うっわっ! エロい身体してる姉ちゃんだなぁ~~! 特にその胸ぇ! チンポ挟むのに特化した形状だねぇ!」

 

 

 遠くからボソボソと、だったのが来たよ来た、接近戦。

 

 

 初々しいカップルの最初の壁、海のお約束とも呼べるチーマー男子の二人組。

 

 

 一人は汚らしい金髪にサロンで焼いた黒肌、センスの悪いアクセサリを両手両脚に装着しても、お腹周りがぽっこりしているので台無し。

 

 

 もう片一方は脱色液が強すぎて、茶髪にするつもりが白くなってしまった長髪。グラサン付けて只ならぬ雰囲気を演出させようとしているが、ダボ付いた三段腹で見事にスベる。しかもチン毛がはみ出している!?

 

 

 お笑い芸人か何か? 太洋は恐怖心よりも笑いを堪えるために険しい顔つきになっているが、二人は都合良く勘違いして「もう少し怖がらせたら、男が女を置いて逃げるだろう!」とでも思っている!

 

 

 ちなみに榮浬は黙ってしまっているが、あまりにもチャラ男二人の外観が酷すぎるため、呆然としているだけである。

 

 

 それに「榮浬を守る」と誓ってくれた恋人が手を握ってくれているので、不安感など抱く方が難しいのだ。

 

 

 仮にどれだけイケメンが榮浬を口説こうとしても揺るがない。初恋がそのまま最後の恋となり、家庭を築き上げる! なんとロマンチック! 榮浬も女の子なので体験談よりもずっと創作に近しいストーリーに、恋い焦がれる物はあった。

 

 

 一時期は諦めていたけど、もう大丈夫、大好きな人と人生を共有するのだから邪魔は許さない。

 

 

「チュッ……!」

 

 

「んむっ!?…………んっ……フッ、チュグッ……♡」

 

 

「はっ…………??」

 

 

「…………こっ、こんな大勢の前でチッ、チッス……すかっ……?」

 

 

 その子はお前に相応しくない。

 

 

 二人同時に放って太洋を泣かせてやろうと裏打ちしたセリフは、喉の奥に引っ込められてしまった。

 

 

「グッ、んっ……榮浬はっ! 俺の恋人だ! あっち行けよっ!」

 

 

 もう絶対にナンパされない方法、自分らのラブラブっぷりを魅せ付けてやる事。

 

 



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水着でエッチ

 公共の場を弁えたかったけど致し方なし……一緒に逃げても追ってくるし、他にも榮浬を狙っていた発情雄どもが居たので。

 

 

 真っ向から張り合おうとせず、榮浬だけでも逃がす方法を考えて自ら囮になっていたかもしれない一昔前。

 

 

 賢いとは言えない選択肢だけど、破壊力は何物にも勝るキス。

 

 

 親愛の証を魅せられた愚男は「海のど真ん中でキスするなんて頭可笑しい!」と紅潮させながらスタコラサッサしてしまった。一理あるけど力尽くで退散させられさぞや悔しいのだろう。他の子を横取りしようとした男達は少なくとも夏の内はナンパする気力も湧かないだろう。

 

 

「あ~~! えいりおねーちゃんだ! こいびとできたんだね~! オメデトー! ラブラブチュッチュッ~! わたしもしたいなぁ~……!」

 

 

 茹で蛸状態の榮浬がマフラーで口元を覆いながら、ビクッ!?

 

 

 聞き覚えのある声……それもそのハズ、太洋は知らないけれどあの子は『親子で一緒に釣り教室』に参加していたピンク髪ロリの愛菜ちゃんであった!!

 

 

「ま゛っ! 愛菜ちゃん…………偶然……だねっ……アハハッ!」

 

 

 当たり前だけど親御さんも後ろに居る。触発されたのか肩に頭を乗せるお母さん、髪を撫でながら「もう一人欲しいね」と今夜は頑張らなくてはいけないお父さん。

 

 

「おにーちゃんのおなまえおしえて~!」

 

 

「俺は勇魚太洋だよ~!…………榮浬、この子は知り合いかな?」

 

 

 ――結婚式には呼んで~! 赤ちゃん私が抱きたい~!

 

 

 赤ん坊の作り方も知らない無邪気な幼女は、榮浬の恋人である太洋へ早くも懐いている。

 

 

 ロリ趣味は無いけど(正反対のおっぱいだし)両手を握々してきたり、ジャンプしてお腹に張り付いてきたり、超積極的に好意アピールしてくるから困りものだ。一部の民衆は羨ましいと苦言を漏らすが。 

 

 

 愛菜どころか何名かは太洋のお店の常連さんだったり、榮浬にご教授して貰った方々が紛れている。

 

 

 遠くの海へ行くのでは無く、白波町を選んだ理由は「皆に知って貰いたかったから」

 

 

 コソコソしたってしょうがない、こんな自分をずっと慕ってくれていた榮浬と結ばれましたと、顔見知りにエンカウントするのは承知の上だ。

 

 

「たいよーおにいちゃん! いっしょにあそぶ…………のはダメだよねぇ! えいりおねえちゃんとラブラブするんだもんねぇ! まなはくうきがよめるこなのだー!」

 

 

 また今度遊んでね! 将来はきっと美人になるだろう愛菜は、両親の手を引っ張りながら笑顔でその場から離れていった。

 

 

「察しの良い子だったな……」

 

 

「そっ……だねっ…………ねぇ太洋……私…………」

 

 

(この辺のラブホ、一応見つけてきたけど……)

 

 

(我慢出来ない……♡ 岩場でしちゃお? 二回目の野外エッチ♡)

 

 

 念の為伺ってみたが、やっぱりこうなってしまった。  

 

 

 ハイリスクハイリターン、夜の公園ならいざ知らずシーズンまっただ中の海で……顔見知りがチラホラな海で……

 

 

 キャンプでのセックスとは難易度が全然違う、太洋も男だから可愛い恋人に青姦のお誘いされたら、エロ漫画みたいに「どうせバレない」思考の下でズッコンバッコンしたさ……あるけど。

 

 

(…………あんまり長居は出来ないからね?)

 

 

 本当、どっちが主導権を握っているやら……

 

 

 

 子共が産まれるまではエッチな恋人の性欲を鎮める為に、太洋が危険を承知で奮闘しなくてはならないのかもしれない。

 

 

 やっぱ立場逆だよなぁ……そう思いながら榮浬の手を引き、小走りで賑わいが静まりかえっている海岸部へ移動する――――

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ、ハァ……♡ ちゅぷっ! んっ、チュパッ! チュパッ! んはっ……ぁぁ…………♡ 嬉しかった……私を恋人だって……ハッキリ言ってくれて……!」

 

 

 我慢出来るハズだった。海で遊び終わってからいっぱいスルつもりだった。けど……

 

 

「出来なくなっちゃって…………♡ 後でシテあげるって……最初に言ったの私なのにぃ…………」

 

 

 ちょっとしたロッククライミング大会が、開催されてもおかしくない左右に張り出した岸壁。

 

 

 子供達が遊ぶのは危険な場所なので立ち入りを禁止されているけど、近辺への立ち入りは許可されているので……

 

 

「声……聞こえる……まだセックスも知らない年齢の子達だよぉ…………♡」

 

 

「す、砂浜で貝殻集めでもしてるのかな…………もしも、もしもだぞ? 看板は立てかけられているけど、そう遠く無いこの岩場に入り込まれたら……俺らの声が聞こえてアウトだろうな……」

 

 

 なるべく複雑に入り込んだ中心部まで移動してからキス、太洋の首根っこを引っこ抜く勢いで抱き寄せながら舌を伸ばしてきた榮浬も、どれだけ自分達が常識に反する行為をスルのか分かってはいる。

 

 

 喘ぎ声を我慢出来る自信はない、汗が消滅するだけの日差しが降り注がれている野外、脱水症状も大げさな表現じゃ無いだろう。

 

 

「ごめんね……エッチな恋人で……♡」

 

 

「…………いいよっ! 俺も腹括ったし! ここまで来たら突っ走っちまうか! お、俺だってまた外でエッチ出来るとか…………チャンスだし……!」

 

 

 一度は渡れた危ない橋。再び渡る時が来ようとは!

 

 

 紛れもない爆乳美人な恋人が発情してしまった、やっぱり止めようはあまりにも酷。根拠はないけど「大丈夫!」と思い込む。

 

 

「はぁ…………♡ おちんちん、しゃぶらせて欲しいな♡」

 

 

 コンプレックスは過去の話、長ベロをダラ~~ンと顎まで伸ばしながら、シコシコジェスチャー。もう片腕では水着をズラし勃起した乳首を魅せる…………

 

 

 こんな誘惑に抗える彼氏は居ないだろう、例え彼女がイケナイ事をおっ始め様として止めに入ったところで コレ をされたら理性での行動は無力化される。

 

 

 何だかんだ太洋も岩場への移動中でサーフパンツをせり上げてしまっているので、中断させたら人前に姿を現せない。

 

 

「はっ、ぁぁぁ~~~~むんっ♡ んぷっ♡ クブヂュッ♡ ヂュルズズッ~~♡」

 

 

「~~~~ッッ゛ッ!!? すっげ……美味そうにフェラ……するなっ、榮浬…………!」

 

 

 粘っ濃い唾液を岩肌に溢しながら、太洋の剥けマラを一気飲み。

 

 

 しゃがみ込んだ榮浬は磨かれたフェラテクで我慢汁から本気汁へ、喉奥まで使いながら毎晩膣内で暴れる恋人チンポへご奉仕。

 

 

「ぐぼっ! ぐぼっ! おぐぅ!? ふっ…………♡ んっ! ぐぼっ! ぐぶっ! ぐぢゅッ♡」

 

 

 ムセ込んでも一瞬で復帰、フェラ向けに改装されてしまったお口はねじ曲がる恋人チンポで呼吸困難に陥りながらも、快感を得てしまう変態なフェラホール。

 

 

(うっ……! 子供達の声がさっきよりも……!)

 

 

「ふむっ! ヂュブフッ! ちゅぶる、ずっ~~♡」

 

 

 

 ――もっとフェラ音を抑えて!

 

 

 

 それで榮浬が首を縦に振ってもペニスへの刺激になるし、この唾液量じゃ言うだけ無駄だ。

 

 

 チュパチュパしすぎているから、榮浬には聞こえていないのかもしれない。

 

 

「んんふぅぅ~~♡ ぐりゅっ……ぐりゅぅ~~♡ ずぽぅ! ずぽっ♡」

 

 

「首ィ~~~~! そんな回しながら~~゛ぁ~~!」

 

 

 健全な童貞クンをその身体で誘惑して連れ去り、手頃な場所で逆レイプ……そんな状況と瓜二つ。

 

 

「そんなにっ…………嬉しかったのかっ……?」

 

 

「ぢゅっ…………んっ……ぱぁ……っ……♡ 嬉しいよ♡ 私がずっと夢に描いて……一度は諦めたけど……こうして太洋の恋人になれたんだもん♡ もっ……絶対離さない! 太洋は私の物ッ!! はっー……はっー……♡」

 

 

 ――――セミの鳴き声が、さざなみの音色が、砂のお城を作ろうとしている、子供達の遊び声が――――

 

 

 バレたらどうしようって、不安感は残っていたけど――

 

 

「ずっと、待たせて俺こそごめんね、榮浬……大切にさせて貰う、他の誰にも渡さない、榮浬は俺の幼馴染みで…………恋人で…………結婚する嫁だから!」

 

 

 今この瞬間の快楽を優先させるって、矛盾している。

 

 

 でも……思いきり楽しみたい、彼女と何回もイキたいって思ったが最後、抑制者である太洋も性に正直となってしまった。

 

 

 こうなったら止める物は何も無い! ウミカモメが上空から覗き見しているとか、親子連れの数が増え始めているとか、関係なく交わってしまいたくなる。

 

 

「…………♡ じゃじゃ~ん! 海と言ったらの必需品……サンオイルだよっ……♡ ちょっと熱いかもしれないけど、そこの岩に腰下ろして欲しいな♡」

 

 

 マフラーの内側に隠し持っていた、赤外線によるダメージを軽減させ綺麗にお肌を焼く為の化粧品。

 

 

 男なら一度は妄想するだろう、ビキニを着たおっぱい美人の背中をついっ~~と、オイルでトロットロにしながら「あっ! 滑った!」と、胸へ手を伸ばしたり……

 

 

 …………榮浬なので、そういうお誘いは逆にされそう。

 

 

「むっふふっ~! 一旦水着は脱ぐけど…………♡ ローション代わりにして……おちんちんへ塗り塗り~♡」

 

 

 ……塗られるのは自分だった! しかもチンポに!? ここは日焼けする場所じゃないけど、普通の使い方を知らない榮浬は――

 

 

「私のおっぱいにも掛けちゃお♪ クチュクチュッ~~♪ あはぁ...糸引いてる~はぁ……精液みたいになってきたぁ♡」

 

 

(やる事成す事エロすぎだろぉ…………最初っから俺に拒否権は無かったんだな……くっ、ぅ……!)

 

 

 ローション手コキの要領から、お互いに大好きなパイズリへ!

 

 

 おっぱいで挟みながら透明なサンオイルを伸ばして、捏ねて、隙間無く付着させたら射精欲がガンガン上がってくる。

 

 

 もっとおっぱいでズリュズリュしたい……けど、改めて今回の目玉であるフロントジッパーを着用、この一手間掛けた理由は……

 

 

「ハイッ♡ ヌルヌル縦パイズリだよっ~♡ 太洋さぁ、コレ……♡ されたいと思ってたでしょ…………♡」

 

 

「……思ってた! だってそのデザイン、どう考えてもパイズリ……ぉぉっ……ッ゛……! 正面からチンポ突っ込めるじゃん!」

 

 

 光沢を放つラバー素材が大胆に前開きされた競泳水着とは名ばかりの、スケベ用途としてご使用下さいと送り出されたエロ衣装。

 

 

 おっぱいの部分だけ都合良く解放出来るなんて……こんなの着てたら「パイズリしてください」って宣っているのと同じだ!

 

 

 榮浬の国宝ロケットおっぱいを覆いきれるだけのサイズが用意されて無かったのが真意、最も大きい物を選択したがどう頑張っても半分閉めてはすぐに落ちてしまうジッパー。

 

 

「私は最初からしてあげるつもりだったよ♡ 〝パイズリが好きな彼氏へはこの水着でご奉仕してあげよう〟って、レビューが何件もあったんだよ……♡」

 

 

 身体付きはエロかったけどその手の話題を自分からせず避けていた榮浬が、太洋よりもノッており……野外でのエッチもして貰う算段だったのかもしれない。

 

 

 ぷっくりした乳輪は飛び出ていないけど、無理矢理縦長形状が縮こまるおっぱい。

 

 

(腕じゃなくて上体ごと動かして……! 水着ん中にズリュズリュ入って……飲まれていく……)

 

 

 こんな淫乱でドスケベで発情しやすい体質になってしまった幼馴染み。

 

 

 太洋がパイズリを知ったのは中学生の時だ。

 

 

 友達数人と捨てられていたエロ本を見て、大きいおっぱいでチンポを挟み込む技があるのだと、そのシーンが寝ても覚めても離れず何時か挟まれてみたいと憧れを抱いて居ていた。

 

 

 パイズリシーンをオカズにしながらオナニー、対象となる女子の顔が……

 

 

「ねぇねぇ太洋♡ バレちゃったら何て言い訳すればいっかなぁ♡」

 

 

「そっ……そんなのっ……思いつかないって……! お、くっ……中で亀頭と乳首が擦れるっ……! 榮浬のおっぱい精液オイルでベタベタにしちゃうっ……!」

 

 

 クラスで最も発育が宜しかったこの子。

 

 

 いやいやっ、アイツは幼馴染みだからそんな関係には成らないと、勝手に決めつけていたけどその頃から榮浬が好きだったのかもしれない。

 

 

 自分の気持ちを誤魔化し続けてしまって、榮浬には悪いことをした。諦めたり別の恋を見つける事も出来たけど、榮浬はそれをしなかった。

 

 

 もしも太洋が別の女の子と結婚しても、榮浬はずっと太洋が好きだから一生独り身で暮らしていくつもりだった。

 

 

 そんなのおかしい、新手のヤンデレ?

 

 

 と思われようが、捨てきれない想い。忘れよう、別のことを考えよう……思えば思うだけ太洋の顔が浮かぶ。

 

 

「我慢汁とオイルが混ざって……熱い……♡ おちんちんの脈動でおっぱいが……揺らされてる……♡」

 

 

 太洋のオナニーを妄想しながら自分でもオナニー。

 

 

 その手の話題は苦手だったけど、大きい胸が好きであると男子友達との会話中に横を通り過ぎてから発覚。

 

 

 発育著しい胸、視線が集まるし動きづらいし長い舌と合わせて自分のコンプレックス、はっきり言えば嫌いだった。

 

 

「榮浬のパイズリ……何時されても気持ちいいや……! ハァハァ……う、ぉぉ……精液落ちた岩……ジュッ……って音が……」

 

 

 ステーキの鉄板を彷彿とさせる熱々な太陽光を吸収している岩面。

 

 

 肉汁代わりに我慢汁と精液と、こぼれ落ちる度にジュージュー音が鳴って煙も僅かばかりに立ち登る。

 

 

 乳内射精された前開き、おまんこへの中出し時と同等な逆流が起こり、ムレムレになっている彼女の胸は兵器だ。

 

 

「びゅっびゅっ……♡ したね……! 中学校の時くらいかなぁ……太洋にパイズリしてあげたないなぁって……♡ ずっと思ってたからパイズリ欲は強いのかも♡」

 

 

 辛うじて繋ぎ止めていたジッパーを分離、弾けるようにして二分割されたHカップ。

 

 

 谷間で精泉を作り出していたがガムのように纏わり付いているので、落下速度までねっとりしている……

 

 

「へへっ……♡ まだ精液出したがってるよ? 太洋のおちんちん……ハメちゃう? ハメちゃう……♡」

 

 

 もう岩場まで来た段階で、太洋も中出ししなければ出られなくなっている訳で。

 

 

 性知識に疎いと思っていた幼馴染みはショートパンツを半分脱ぐフェチズムを忘れず、お尻を振りながら『ハメる』だなんてビッチ紛いな淫語を……!

 

 

 やっぱり妊娠するまでは、幸せを性欲に変換させている榮浬に付き合う形になるかもしれない。贅沢な悩みだ……

 

 

「ちょっと……いいか榮浬?」

 

 

「ふぇっ……♡ もっかいパイズリのがい~い?」

 

 

「え゛っ!? さっ、されたさあるけど……そうじゃなくて……」

 

 

 自分からおっぱいを締め付けて、乳挟みを催すなど色情魔である。 

 

 

 もしも……? 榮浬が他の男とくっついていたら、ここまでド淫乱になっていただろうか?

 

 

 頼まれることは毎日だろうが、榮浬からの積極的すぎる誘惑はあまり想像出来ない。

 

 

「…………『チンポ』って、言って貰っていいか……?」

 

 

 太洋が相手だから一番エロエロになってしまうのだろう!

 

 

 大好きな幼馴染みと恋人に。将来は結婚……

 

 

 愉楽の衝動が止められず、愛液の様に流れっぱ。もう手を繋いだだけで発情してしまう。

 

 

「えぇっ……♡ おち……んちんじゃ……ダメなのっ……♡」

 

 

「やっ、ダメじゃないんだけどチンポって、今の榮浬に言って欲しいなぁって……」

 

 

 パイズリしておまんこくぱぁしていたのに、今更どうして海ガメマフラーで口元を隠しながら、ヘタりこんでしまうのか。

 

 

 謎の羞恥心ポイントを持つ榮浬、おちんちん呼びも――というか榮浬が男性器の名称を口にするだけでも――滾るモノはあったけど、男は女の子に恥ずかしい言葉を喋って貰いたくなる欲求を持つ生き物。 

 

 

 それが恋人だと尚更だ。虐めるのとは別だけど、榮浬にはどれだけエロくとも恥じらいの心は一欠片でも忘れないで欲しい。

 

 

「……………………チンポ…………♡ 太洋のチンポ……私のおまんこに挿入して欲しいな……♡」

 

 

 (そこまでは言ってないんだけど……!)

 

 

 言い出したい願望が心の奥底で眠っていたけど、太洋が引き出してしまったのか。

 

 

「チンポ♡ 太洋の♡ 大好きな人のチンポだから欲しいんだよ♡ もう私のおまんこ太洋のしか受け入れられ無いよ♡ 太洋を気持ち良くする為だけの形になってるよ♡ ねっ……チンポハメ……してっ……♡」

 

 

「……………………ア゛! アアアア゛ア゛ッッ~~~~! 榮浬ィ! お前ってヤツはぁ゛ぁ゛っ~~!」

 

 

「ヒャ゛ッ う゛ う゛ う゛う ぅ゛ う~~♡」

 

 

 あの日見たエロ漫画みたいに! そんなセリフでチンポ受け入れポーズされたらっっ!!

 

 

 岩肌よりも熱い榮浬のおまんこ! 動くのを躊躇してしまったがホンの数秒で愛液に包まれ摩擦力を軽減させ、恋人が極めてピストンし易い膣内から肉と蜜をかき出したくなってしまう!

 

 

「ふああぁ あああ゛っ♡  チンポって言い始めてからおまんこォ~~♡ 今までと違うのぉぉ♡」

 

 

「違うのはァァ~~!! 体位もだろがァ゛!?」

 

 

 体面でのセックスは、榮浬からのオネダリも含めて30回はしている。

 

 

 けど榮浬が逆向きになっただけで刺激が全然……チンポ呼び効果もあるだろうが、懐かしの背面座位! あの日以降してなかったのが信じられないくらい気持ちが良い! 

 

 

 決して広くない空間でおっぱいを可愛がられながら、もう片一方の手ではクリ弄り。結合部が丸見えで腰が疲れたとしても愛撫休憩を挟める! 

 

 

 膣内とチンポの向きが逆転しているので、こじ開けている感覚に寒気がするッ! 真夏だと言うのにっ!

 

 

「チンポ独り占め♡ 太洋とチンポ渡さない♡ んっぐァ! ああッ、ひひァ~~♡ はっ! はっ! チンポドクドクッ~~♡ ぁああ……っ……はぁ゛ぁ~~♡ あ゛ああ゛あッーー♡」

 

 

「榮浬ぃぃ……! このワガママおっぱいで俺を惑わしてっ!! 海で遊ぼうって言ったのにエッチする気満々だったんでしょっ!?」

 

 

「そうなのォ♡ 野外エッチする気だったのぉぉ~~♡ バレてもイイからしたかったのぉ♡」

 

 

 性欲絶倫……なのは太洋もだけど、榮浬のが上回っている。

 

 

 腰を動かすのが止まらないのは榮浬、子宮口にチンポが押し込まれたままグラインドで左右へおっ広げようとする力業。

 

 

「イッ゛~~ッ♡ コレすごっ♡ 凄い゛ぃ゛ぃ♡ 赤ちゃん産まれるところ♡ お父さんが挨拶してッ~~♡」

 

 

「例えがいちいちエロいんだよぉぉ!! エッチに夢中な榮浬も可愛いけどなっ! ぢゅんッ!」

 

 

 ムラ滾る、一日一回は必ず中に射精する約束をしたけど、午前中にソレを達成させてしまいそう。

 

 

「んみゅッ!? んん゛む♡ ぢゅぱッ! れろれろォ! ぢゅぱッ♡ はぁあぁあ~~ッ♡ たいよぉ! たいようーー♡」

 

 

 体勢の都合で捻るのはツライはずだが、一旦キスし始めたら舌を引っ張って来る。

 

 

 肉感たっぷりなのはおっぱいも、おまんこも、お口も。

 

 

 充血したチンポを取り込みながら、太洋の舌を全て覆い隠されてしまう長舌。膣内に見立てて絡みつく……!

 

 

 気持ちの良い締め付けを覚えたのは、上も下も同じ。

 

 

 キスだけでもイケる様になった幼馴染みは、随分とフライングしてイキ回数が増え続けている。

 

 

「フぅぅぅ゛ッ゛ッ♡ ふッ♡ ぅ゛ぅ゛ぅ~~ッ♡」

 

 

「ッ゛ゥ゛ !~~!? ぁ゛…………! 榮浬ぃ゛ッ!?」

 

 

 背筋で三日月を描けるのなら彼女はいや、彼女達は百点満点だった。

 

 

 二つ……イッた榮浬が真後ろで密着ピストンしている太洋を、下腹部から引っ張り上げるまでの膣圧縮、M字開脚にも受け取れるポーズのまま硬直。

 

 

 もう僅か余裕があったつもりだが強制的に恋人にイカせられてしまい、殆ど同一のポーズのまま膣内へ射精。

 

 

 セックスは数え切れないくらいしたけど、膣内射精はまだ……思い出せる範囲でなら……少なすぎるッ!

 

 

「ン゛ッ……♡ あ……ィ……ァ……こい……ひろ……♡ チンポれ……にんひん…………♡ ハァー♡ ハァー…………♡ させられっ……ひゃっ……♡」

 

 

「あぁ……ッ゛……吸い込まれてる……精液……届いたな……もう絶対に……! しぃ……締めすぎだよ榮浬……!」

 

 

 …………チンポが外れない。

 

 

 首後ろを太洋の方に預けながら、ペタン座りで痙攣している榮浬。

 

 

 ゴボッ、ゴボッ……粘る音はおまんこが妊娠を確実なモノにする為に、飲みきれないであろう量も取り込んでしまう。

 

 

 精液がこぼれ落ちてこないのだっ!

 

 

「たぶん…………♡ 中で凝固してるのかも……ほらぁ……♡ 何時かみたいにカルピスゼリー……な……♡」

 

 

 太洋の「榮浬との子共が欲しい」純なる想いが反映され、精液自体で蓋をしてしまった。密閉パック。

 

 

 名残惜しいけど……ニュッ、るるるぅ……

 

 

 ペニスが抜け落ちた感触で、また榮浬は達しそうになって太洋も道連れになりそうだった。

 

 

「ねっ……たっ、立ち上がっても……精液……落ちてこないよ♡ 一滴も残らず……出したままの量……私の膣内に入ってるんだね……♡」

 

 

「かっ、、身体に悪影響が出なきゃいいけど……気持ち悪いとか無いか?」

 

 

「ぜ~んぜん……♡ 太洋でいっぱい……中出しって気持ちいいね…………♡ 幸せっ……♡」

 

 

 強い日差しの下での本番行為。

 

 

 おっぱいに挟射した精液は、すっかり蒸発してしまったけど、匂いは残っている……というか岩場一帯がオスとメスの匂いで充満、自分らが去っても誰かが入らなければいいのだが……

 

 

「はぁ……はぁ……もう少しさ、休んだらご飯食べに行こうね……! セックスしたからお腹空いた……♡」

 

 

「昼飯も忘れてたもんな……おうっ! 魚料理があったらそれ食べたいな~♪ ところで、その状態で歩いても大丈夫なのか?」

 

 

「落ちてくる気配ないから……大丈夫でしょ♡」

 

 

 仮にショーパンから白濁りした液が落ちても……その時はその時で思考。 

 

 

 寧ろ落ちるのか、落ちないのか、ハラハラしてるけど楽しんでしまっている……

 

 

(…………もしかしてマゾっ気あるのかな榮浬? 野外癖も……?)

 

 

 付き合うようになって発覚した性癖。それでも恋人以外なら「顔つきが柔らかくなった」としか思わないだろう。それが恋人効果だとしても開放感と羞恥心を刺激しては、快楽にしてしまうドエッチな女になっているとは思うまい。

 

 

「食べ終わったら遊ぼーね♡ 赤ちゃん産まれたら出来なくなる事いっぱいあるから、今のうちに……ね♡」

 

 

「ああ、今までの分も含めてお前と一緒に居るよ。 デッカイ浮き輪持ってきたけどさ、榮浬は……入らなくない?」

 

 

 胸が突っ掛かってしまう的な意味で……

 

 

「し、下からくぐればイケるもん……! 太洋と一緒に誰にも邪魔されない海の端っこまで漂いたいなぁ……!」

 

 

 エッチしたから疲労感はあるけど、まだ午前が少し過ぎた時間帯。

 

 

 恋人期間を満喫する為に1分1秒でも無駄にしたくない。

 

 

 くったくたになるまで遊び倒してしまおう!

 

 

「あっ……♡ 帰るときにさ、もう一回……ここに来てしちゃわない……♡」

 

 

「…………マジ? うっ、う~ん…………するっ!」

 

 

 彼女の勢いには勝てそうにない。太洋よりも激しく動いていたのに全く疲れを見せず爛々とした瞳で、恋人の手を握って海の家を目指しているのだから。

 

 

(俺が先導する……ハズなんだけどなぁ! エッチが絡んだら榮浬のがつえぇわ!)

 

 

 太洋と恋人になれたキッカケが、エッチだったから?

 

 

 日焼けした榮浬がおっぱいを押しつけて誘惑するから、結局予告通りに岩場でパイズリ抜きからの本番……を二回してしまった。

 

 

 おっぱいまで日焼けした榮浬は薄らと挟みこんでいたモノの跡が刻まれてしまい、帰りの車の中でやっと「私達とんでもない事を……///」と恥ずかしがる……

 

 

 そして思い出したかの様に別れ際にちょんちょん、肩を叩き――

 

 

「車の中でセックス……♡ まだヤッてなかったよね♡」

 

 

(俺よりずっと、榮浬のが性欲魔獣だっ……)




次で最後なんだ


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幼馴染みは――

終わりです!


『好きな人と一緒に食べたら、料理はずっと美味しくなる』

 

 

 女子が好きそうな恋愛系の雑誌を――――榮浬を好きだと自覚しながらも幼馴染みだからありえない――――自ら楔を打っていた、高校時代。

 

 

 男がこんな雑誌を手に取るなんて、キモいとか思われないかな? 思春期の少年らしい感情を胸に一分だけチラッ……と回覧。

 

 

 そこで開いたページにコラムとして掲載されていた、文章をたった今――――

 

 

「~~♪ 太洋が作ってくれたご飯~♪ 変わらない美味しさ、だけどいっぱい変わってる……!」

 

 

 同じテーブルの横隣で一緒に夕食を食べている、榮浬を眺めていたら過ったのだ。

 

 

 実家暮らしの榮浬は、一ヶ月前から太洋のアパートで同棲を開始させた。

 

 

 近い内に結婚すると誓った二人、ずっと昔からお互い両想いであった、セックスフレンドに近しい関係から一気に永遠の伴侶・パートナーへワープしてしまったので、恋人期間を設け妊娠中期までは存分にイチャラブしたいと太洋からの提案だ。

 

 

 気分は恋人! で、ありながらお嫁さん!

 

 

 今はこんな狭いアパートだけども出産し榮浬と赤ちゃんが落ち着いたら、新しい拠点を借りるか……購入するか。

 

 

 休日は必ずデートに出かけている。

 

 

 白波町で、遠く離れた都会で、もっと田舎の温泉宿に泊まった事もある。当然二人っきりで。

 

 既に着床を終え妊娠が確定している榮浬。腹部に変化は無いけれど時折お腹を愛おしく撫でるのは幼馴染みから、母親になっても変わらない慈愛の表情。

 

 …………と言うのも毎日毎日毎日、太洋からエッチを誘うまでも無く榮浬から求めてきてくれるのだ。

 

 デートが終わった帰り道……いや、デート中だとかデート開始五分しか経っていないのに、ラブホテルに入っていた事もあった。

 

 太洋だって晴れて恋人となった榮浬といっぱいエッチしたい気持ちはあるのだが、流石に展開早すぎる。夜の分を今に移したのと問えば――――

 

 

「…………夜もして、今もする……ダ、ダメ…………?」

 

「…………ダメ、じゃ、ない、ですっ…………!」

 

 

 二の腕でおっぱいを寄せまくって、その谷間にナニかを突っ込んで欲しそうな涙目で懇願してくるんだから卑怯だ。

 

 

「ギュッ~~♪ おちん…………チ、ンポ……の先っぽおっぱいで抱きしめちゃう♡ それとも~赤ちゃんを抱くようにフワッて、これくらいの乳圧のがいいかな♡ 太洋チンポの戻るべき場所だよ~~お♡」

 

 

「じゅぷ、じゅぷっ、んじゅっ~~っ♡ ふふっ……んぐんっ……ずじょっ、ぞっ……グプンッ、グブッ……グジュ……ジュッ……♡」

 

 

「゛ア ア ア゙ ッ~~♡ しゅきなひろのヒンほォォ~~♡ にんひんっ♡ もっろわらひをはらましぇへほヒィんらぁぁ~~♡ ああっ! ンゥゥッ♡ たいよォしゅきィィッ♡」

 

 

(てな事を、毎回してりゃ妊娠しない方がおかしいって)

 

 

 夕食後、太洋が食器を洗っている最中、洗濯物を畳んでくれている榮浬へ振り向いたら眼が合ってしまう。

 

 

 そこで軽く笑ってあげるだけで家事の手が止まってしまい脳内は、恋人であり旦那様にもなった彼の事だけで埋没する。

 

 

 早くも瞳がトロンとしかかっている、今夜もおねだり間違いなし!

 

 

(一人で作って、一人で食べて、一人で家事してたけど、これからは榮浬と協力するのが当たり前になっていく…………)

 

 

 二人分の食器を洗い終わったけど、遠く無い内に何個か増えるのだ。

 

 

 もう太洋の身体は、存在は、自分だけの物ではなくなっている――――

 

 

 産休を取って出産しても家の中で出来そうな仕事をしたいと榮浬は言っていた。無理はしないとキスされ、前腕を――――母乳が出るまでのカウントダウンしている――――Hカップに挟まれながら。

 

 

 職場である洋食屋のオーナー含めた従業員へ、恋人が出来て入籍すると誓い合っていますと業務終了後、片付けを行っている店内で前触れ無く発表した。

 

 

「オーナー、先輩達にもご報告があるんですけど」

 

 

「なァんだ、太洋? 料理を俺達に見て貰いたいのか? それとも何か教わりたい事でもあるんか?」

 

 

「トガさんは最近マジで太洋をもう一人の息子だと思ってるから、頼られたら喜ぶぞ~!」

 

 

「あ! オイッ! それバラすんじゃねぇよっ!!」

 

 

 ……良好な関係を築き上げられている、助けられる事の方が多いけど太洋が助けることもあった。

 

 図々しい真似をしてしまった、怒られるだろうか?

 

 休憩時間に謝罪したけど逆に感謝され毎日フライパンを握っているのに、父親以上に貫禄と料理に命を賭けている職人の指の太さは、雇われた当初の握手よりも温かみがあった。

 

 

「――――俺、彼女出来ました! けっ、結婚もしますっ! もう決めているんですっ!」

 

 

「…………やっぱりか、おめでとうだな、太洋!」

 

 

 榮浬の両親と同じく、オーナーはとっくにお見通しであったらしい。

 

 

 恋人が出来た、結婚した、心境と環境が変化し愛情の深まり度合いは料理にも出るし仕事での立ち振る舞いにも滲み出ると、かつての自分を思い出しながら祝福してくれたオーナー。

 

 

 他の従業員もそれほど驚きはせず、多分そうであろうと半分は予感していてくれていた。

 

 

「知らないフリしてやんのもオシマイだなっ! その恋人さんを養っていくンだろっ? 俺らに迷惑だとかくだらねぇ考えはしなくていい、迷惑かけろっ! そんときゃ助けてやるからよ!」

 

 

「そうだな私らでもいい、家族さんでもいい、太洋と恋人さんだけで解決しようとするな? 助けを求めなさい、育児はね、旦那と嫁が全力を出したって難しいのだよ……」

 

 

 経験者は語ってくれる。一つの命となり産み出された赤ん坊。

 

 

 自分と榮浬だけじゃない、色々な人の助けがあるから育てられる。

 

 

 …………太洋だって、榮浬だって、そうやって育てられ五体満足な大人になれたんだ。

 

 

 拍手の中、太洋は皆の気持ちが嬉しくて泣きたくなった……けど! 榮浬以外の前では絶対に泣きたくない意地を張りながら、顔をフロアしか見えないまでに下げることで隠せた……つもりだ。 

 

 

「ねっ、太洋…………」

 

 

「んっ…………?」

 

 

 全ての家事が終了し残すは入浴、それと…………

 

 

 家の中でもマフラーだけは外さない、例えブラジャーを外しても!

 

 

 自分のベタマフラーの予備を畳み、太洋が使用しているクローゼットの横側に置いたらお茶――――初めて榮浬を招いた時と同一ブランド――――を飲みながら、手を繋ぎ座り合っていた。

 

 

 

「育児って……すっごく大変なんだって……父さんも母さんも……そんな様子全然見せてなかったけど……本当は苦労していたんだなって……今になって改めて……」

 

 

「…………したい事とか、趣味とかを犠牲にしてまで、俺らの面倒みてくれていたんだよな……凄いよな……今度は俺達の番になったんだね」

 

 

「…………このアパートの階段……多分お腹が膨れたら上り下りが辛くなっちゃうと思う……ごめんね、あんまりここに住める日数なくて……」

 

 

「そんなの気にすんなよ、榮浬と赤ちゃんが最優先事項なんだから。暫くは実家に戻って暮らそう、落ち着いたら別の家で……」

 

 

「ありがとう…………エッチな事も……出来なくなっちゃうね……ごめんね……」

 

 

「だから榮浬のお腹膨らむまでは、毎日してるんじゃん! 我慢するさ、俺だけが満足したって嫌なんだ、産まれてから……赤ちゃん寝付いたらすればいいよ」

 

 

「……………………~♡」

 

 

「…………てかさっ、俺は我慢出来るけど、榮浬は大丈夫かの方が心配なんだけど…………」

 

 

「…………出来る…………もんっ! 人をそんなにスケベ魔神みたいな言い方してっ……」

 

 

 

 クラスメイト達にはまだ伝えてないけど、ビックリされるだろうか。

 

 

 それとも「やっぱり」と言われてしまうだろうか。

 

 

 二人は記憶の中にある最も古い思い出を、脳裏に浮かべていたが手を繋いでいるからなのか―――

 

 

 幼稚園時代は案外、お転婆だった榮浬に引っ張られていた太洋。

 

 

 この頃から好きーとか、結婚するーとか、幼少期にありがちなその場だけの約束を交わした事…………覚えている。

 

 

 小学生の林間学校ではまだ男女共同で寝室を使えた頃だった。

 

 

 性へ目覚めてないのでエッチな欲望は無かったけど、一緒の布団でお話していたらドキドキしていた事……覚えている。

 

 

 中学生から榮浬は変わった、おっぱいが急速に育ってDかEか、性へ目覚めたエロ男子の中にも太洋はいた。

 

 

 あのおっぱい揉みたいとか、早く童貞卒業したいとか、自分も榮浬とはボカして似たような話をしていた。

 

どんどん素敵になる幼馴染みと最も近い太洋は、明確な想いを秘めながらも誤魔化し続けていた事……覚えている。

 

 高校の男子学生で榮浬で抜いてない者は居なかった。先輩も、教師ですらいやらしい目線で――特に体育の授業時――の彼女を追って股間を疼かせていた。太洋も似たような物だったけど……自分は棚に置いて怒りの様な感情を纏わせていた。相変わらず好きの想いを隠しながら……幼馴染みなんだろってからかわれても「そうだけど恋人じゃないし」と、断言したわりに後から後悔した事……覚えている。

 

 

「お風呂、入ろうか……」

 

 

「んっ、そうだね……! 私が洗ってあげるね……♡」

 

 

 榮浬がマフラーを外すタイミングは二回、入浴と就寝の時のみである。

 

 

 それも自分で外すことはせず未来の旦那様がしゅるっ~と、片手で解きながらもう片方の手ではインナーシャツのボタンをプチッ、プチッ……そしてボンッ!

 

 

「…………いいコト、教えてあげよっか?」

 

 

「イ、イイコト…………?」

 

 

 中~高でオカズにし続けていた幼馴染みのHカップ。

 

 

 パートナーになった太洋は、このおっぱいを好きなようにしてしまえる権利を得た! 

 

 

 ――榮浬にも彼氏出来るんだろうなぁ、あのおっぱいもソイツの物に……ヤダなぁ――

 

 

 恋人にはなり得ないと誤魔化していても、榮浬に彼氏が出来る妄想しただけで腹が立っていた。

 

 

 それは嫉妬に近い感情、想いを伝えられない自分に怒っていた。……だから先に恋人を作ってしまおうと奮闘し始めた瞬間、例の女子生徒に告白してOKされまたと無いチャンスだと無理矢理自分を榮浬から引き離そうとしていたんだ。

 

 

 あの女生徒に感謝はしたくないけど、あの事件があったから自分はもっと榮浬が好きになれたんだろう。

 

 

 励まされても説教されるでもない、傾聴。それが凄く嬉しくて――幼馴染みである自分の扱いを分かっていた。

 

 

「私ね……妊娠した影響だからだろうけど……おっぱい、HからIカップになってたんだよ♡」

 

 

「……………………あ゛ア゛ィ゛ィ!? あい、アイカップ~~!? えっ、何番目のアルファベット……? A……B……C……D……ハァハァ……E、F、G、H…………I……きゅ、九番目…………」

 

 

 漫画のキャラでもIカップはそんなに見かけない。そこまで大きいと全く想像の外領域だ、Hですらバカデカかったのに……さらに育乳してしまったのか。

 

 

「何だか重さが変わったって、違和感覚えて測り直したの! そしたらっ…………♡ デートの途中でブラジャー新しいの買わないと、だね♡」

 

 

「…………ゴクッ、うっ、売ってる物なのか? Iカップのブラ……」

 

 

 なんとっ、シャツの下はノーブラであった! 

 

 

 ……本当は太洋が帰ってくる直前で取っておいたのだけど、徹底的にその気にさせてしまおう。

 

 

 恋人が同棲して狭い浴場へ一緒に、そうなるのは当たり前の現象であり毎日中出ししてしまっている。

 

 

 榮浬は生理が来なくなっても不安定にあるだとか体調を崩したりだとか、今のところそういった症状は見られない、けど――――

 

 

「Iカップのパイズリ♡ 太洋もチンポ大きくなってきたね♡ シゴき抜いてあげるからね♡」

 

 

「おっ……おう……!」

 

 

 日常では太洋がリードしているけど、妊娠してから只でさえ強かった性欲が増強されてしまいナイトタイムに突入すればあらゆる手段で太洋を、その気にさせて精液を搾り取るサキュバスは覚醒進化を遂げている。

 

 

(榮浬の口から『チンポ』だの『シゴき抜く』だの……前者は俺が言わせたんだけど、すっげぇ背徳感……でもっ、興奮しちまってるよ俺……! Iカップにチンポ挟まれたいっ!!)

 

 

(んっふっふっ~♪ 今の内に溜めておかないとね♡ 残り何ヶ月かで出来なくなっちゃうし。んっ、でもセックスは無理でも縦ズリならしてあげられそう…………♡ まっ、いっか♡ パイズリでもセックスでもいっぱい気持ち良くなろっ♡)

 

 

 勃起したチンポを晒しかたや汁気のような物が太ももを伝うおまんこを晒し、第一のエッチ会場へ向かうのである――――

 

 

 童貞時代の太洋ならば榮浬のおっぱいスポンジで全身ウォッシュされているだけで、風呂桶一杯分の精液を飛び散らせていだだろう。

 

 

「ハァ、ハァ……焦らすような、洗い方だったね……」

 

 

「えぇ~~? そうかなぁ……♡ じゃっ、次はお待ちかねの……パイズリ♡ だねっ!」

 

 

 一人用の設計なのでそれだけで厳しいのに、太っているからとは非なる面積の狭さはおっぱいがプレス機の様に迫るのでは無く、身体を動かさなくたってぶつかり続けていた!

 

 

 学生時代のスケベ男子と全く同じ視線で、榮浬を見てしまっていた。

 

 

(キタ、Iカップ……俺は気がつかなかったけど確実に大きくなってるって……ハァハァ……)

 

 

 事実を知れば……縦に包まれた時の胸感が違うっ、斜め方向からの圧が、密閉感がより上がっている。

 

 

「~~~~ッ、ああああぁああ――゛ッ!!」

 

 

 女の子みたいな声を出してしまっている、男女の区別すら曖昧となる幼少時を早くも二度の回想。

 

 

「ぜぇっ~~たい、Hよりも気持ちいいパイズリになってると思うよ♡ お風呂場だから太洋の声が響いちゃう♡ それだけで私結構ヤバいよ……♡」

 

 

 ピチッ、ズズニュ、ウゥ……

 

 

 ぬるんっ、ずぐちゅ、ずりゅぅ、ずりゅぅぅ……

 

 

「チンポ破裂しそっ? これからはH じゃなくて Iのパイズリだからね~♡ んっー、我慢汁だけで精液噴射したみたいに白いの♡ 谷間から飛び出てるよ♡」

 

 

 亀頭が胸板に接触し弾かれるように後退しても、パイ包みからは逃れられない。

 

 

 カリ首ごと引っ張られ規定位置からまたパイズリを再開してくれる。昨晩は旦那様のチンポをお宝のように扱う繊細パイズリだったが、今晩はパワータイプの様なパイズリである。

 

 

 ぎゅっ~~!

 

 

 にぢゅっ、にぢゅっ、にゅぶっ、もぢゅっ、ぎにゅッ

 

 

「我慢しないでいいよ♡ 私もパイズリしたくってしょうがなかった♡ 太洋もパイズリされたかったでしょ? 『Iカップになった』って聞いたときの顔……♡ 男の人のソレだったもん♡」

 

「そんな顔……ッ、してた……のかお、れぇ……! されたかった! 榮浬のIカップでパイズリッ! されたかった! あっあ……あ、ぅ……!」

 

 

 Iカップの言葉に瞳孔を開かせていた太洋もだが、何よりも榮浬が太洋のチンポをIカップにまで成長した豊乳で、叶わぬと思っていたロマンチックストーリーを成立させた榮浬側の方が、パイズリを始めとしたエッチにハマってしまっている。

 

 

「イッ……クッ! 一発目出るッ!」

 

 

 榮浬の性欲があまりに強くてストッパーである太洋がもしも、お誘いを断る自体が起これば精気の抜けた様な人型になってしまうかもしれない。

 

 

 ……断るなどする訳ないが。

 

 

「…………♡ 毎日三回、四回は射精してるのに……こんなに出ちゃうのって凄いよねっ♡」

 

 

「お前がエロいからだっての……っ、ふぅぅ……なっ? もうチンポ勃ち上がってるだろ?」

 

 

 ある意味太洋を勃起させ続ける裏技、おっぱいから解放しなければいい。

 

 

 乳内で射精して一瞬は萎え込むも、ムクムク本来の硬さと大きさを取り戻すペニス。

 

 

 直見するのもいいけど最も心臓が近い位置でプロセスを堪能するのも乙なのだ。

 

 

「こ、今度はさ……浸かりながらっ、しよっ♡」

 

 

 エッチ我慢期間は着々と近づいているから、その間に蓄積させて凌ごうとする。

 

 

 パイズリは分からないけど膣内への挿入は赤ちゃんにどんな影響を及ぼすか……そんなリスクの高い行為はしたくないので、ヤレる時にヤッておく!

 

 

「っ――ん゛あぁあ゛んっーー♡ ギュッーてしてっ! 私が太洋の物だって誇示してっ♡ ふゃっ、はぁあああっ!!」

 

 

 一人暮らしでは節約や時間の面もあり、殆どシャワーで入浴を済ませていた太洋は同棲してから毎日お湯を溜める様になった。

 

 

「ふわふわするっ! お風呂セックス好きぃ♡ 太洋に後ろから抱きしめられながらァ♡ あぁ、はぅ♡ やひゃぁぁぁぁ♡」

 

 

 上も下も開きっぱなしで液体がヌラリと、妖しく浴槽内からでも一際輝ける。

 

 

 入浴剤など入れてないから愛液とおっぱいの間に付着した、精液の広がりが丸わかりだ。

 

 

 浴槽を埋め尽くしかねない、窮屈なIカップを後ろから!

 

 

 浮力を味方にした腰運動で負担は軽減されているので、お風呂場セックスだけで五回戦までしたこともある……特に休日は仕事疲れなども回復しているので、朝から理由を付けてはエッチのお誘いを榮浬はしてくる。

 

 

「キスッ、キスして太洋~~♡ んぢゅぅ! はんっ、ぢゅぅ……だいっ、すきぃ……♡ ゆさゆさしてぇ! ちゅ~しながらしてっ♡」

 

 

「ッ~~~~゛ッ゛ッ!! やっぱり我慢できなさそうじゃん榮浬の方がっ! エッチなお母さんだなぁ! ちゅっ、ちゅ……はぁ……んっ……俺も……エッチだけどさっ!」

 

 

 お腹が膨らんでも榮浬の方から「手コキしてあげようか」とか「フェラさせて」とか、オネダリする光景…………異常なまでに簡単に想像出来てしまえる。

 

 

 太洋が大好きですぐ発情しちゃうのは榮浬だけど、それに応えるのは恋人の役割だからじゃない。この二人にセックスレスなんて言葉が付くことはないだろう。

 

 

 赤ちゃんが宿った場所と一番近い場所が締まる、閉じる、吸い込まれる。

 

 

 これだけセックスしても膣内で巻き付く圧は変わりないのは恐ろしい。絶頂間際になると壁から愛液を生み出しながら、ヒク付かせていくのも――――

 

 

「~~~~ッ~~♡~~たいよッ…………アッ…………♡ んっ…………♡ たいよぉ…………♡」

 

 

 全部榮浬の中へ注入したつもりでも名前を呼ばれる度に追加でドッ、ドビュッ……

 

 

 精力が付く料理は作っていないのに、まるでお休み期間中の精液を「前借り」する様な勢いで精液は作られ、飛び出していく。

 

 

「ふっーふっーふっー…………次はさっ、布団でしよっか……?」

 

 

「…………うんっ♡ ずっと抱きしめてくれたんだね、それも好きだよっ♡ ありがとう……」

 

 

 さっき洗ったばかりなのにまたしても洗体しなければ。何とも非効率な行為だと二人して笑ってしまうけど……

 

 

(あっ♡ 勃起してきたぁ! おっぱい好き過ぎるでしょ♡)

 

 

(わざとおっぱいで洗うからだろぉぉ~~!!)

 

 

 同棲してからは「勃起を止める方が難しい」

 

 

 男性は一回、二回射精したら概ね満足してしまうのだがその満足度を100から200へ、200から300へ超過させている。

 

 

 ……男性とは反対に一度イッてからが本番なのが女性。

 

 

 榮浬の場合最初から本番な勢いだけど……再び泡と体液を流し終えたら手を握って、浴槽からゆっくりと――――

 

 

 ドライヤーで髪を乾かしタオルで身体を拭き終わるまでは無言。

 

 

 イチャラブっぷりが嘘みたいに視線も合わせていない……が

 

 

「榮浬っ! んちゅっ、ちゅるちゅるっ!」

 

 

「あぁ♡ 太洋っ! ちゅぴっ、ちゅっ! んぅー、ふぅー♡ んぢゅっ、くぅ……あ、ンッ……♡ はぁーはぁー……♡」

 

 

 毎日洗濯しているけど追いつかず、予備を三セット購入した安物の折りたたみベッド。

 

 

 全裸のまま抱きしめ合い女性の器官と男性の器官、肌と肌、唇と唇をくっつけあう。

 

 

 暗転のような刻、入浴を済ませて交わってまた入ってを繰り返す。

 

 

 休日はトコトンまでにエッチ特化させている。

 

 

「パイズリ……いいか? 俺が乗る姿勢で……」

 

 

「いいよ♡ 亀頭舐めさせてね♡ ……むぎゅ! おっぱいでも太洋を抱きしめてるよ♡」

 

 

 手を添える必要は無い、彼女が左右からIカップを押し込んでくれる馬乗りパイズリ。

 

 

(あっ、太洋優しい……♡ お腹に手を置いてくれてるっ…………♡ 嬉しいなぁ、そういう気遣い……太洋はずっと優しいよ……♡ ちゅるっ、れろっ、ずっ、つぅ……レロッ♡)

 

 

 その気になれば膝で締め付ける事さえできる、Iカップの巨大さは緩いピストンでも派手に弛む。

 

 

 男性主位のパイズリでも激しく「パンッパンッ!」だなんて動きはもうしない。

 

 

 榮浬を押し倒して八つ当たりパイズリしてしまった時と同じ馬乗り、だが何から何まで違うのだ。

 

 

「これくらいでっ……痛くないか? あっ、俺は凄く気持ちいいからなっ! おぉ……玉まで埋まるぅ……! ハッ、ハッー」

 

 

 右腕は額や髪を撫で左腕は産まれる刻を静かに待つ、赤ちゃんの揺り籠を優しく撫でる。

 

 

 激しくなければイケないとか、そんな感情でも体質でも無くなっている。

 

 

 榮浬は恋人だけど――その身体は自分だけの物じゃないから

 

 

「名前……どうしよっかな!」

 

 

「ねっ♡ 産まれる直前まで考えようね♡ 太洋と付き合ったらって妄想……何回もしてたけど、赤ちゃんの名前までは決めて無かったからさっ……♡ ぢゅむっ、ちゅりゅっ……すりすりっ♡」

 

 

「俺も誰かと結婚するなんて……そう思ってたからどうやって決めていいやら。これだけは俺達二人で考えたいよなっ!」

 

 

 パイフェラしながら未来図を組み立てていく。エッチはコミュニケーション、日常会話しながらだってこの二人の間では珍しくない。

 

 

 産休になれば大好きな趣味である釣りだって榮浬は出来なくなってしまう。今まで当たり前で簡単に行えていた事すら難しい曲面となる。

 

 

 その来たるべき気持ちを太洋は理解したいと、可能な限り居られる時は傍で手を握っていたいし出産の不安を取り除いてあげたい、自分の身体以上に愛おしい。

 

 

「ん゛ッ!?――――ッ~~♡ ぷっ、ァァ……♡ 硬いの擦れるの……好き……♡ ふやぁぁ……太洋の精液ソムリエになれちゃいそ……♡」

 

 

「ぁ、ぉぉ……榮浬っ……じゃあ俺が一級資格をあげるよっ……!」

 

 

「へへっ……ぇ……♡ ありがと、太洋……好き……」

 

 

 ずるっ、ヌチュ、ネバッ、ァァァ……

 

 

 ズリボディから一際突起させているIカップ。挟み込まれていたペニスは甘えたがりで、中々ザーメンブリッヂを途切れさせようとしない。

 

 

「大好きって言われたから、さっきよりも濃くなってる気がする……! 出したら普通薄まるのになぁ、今日は何時もより寝るの遅くなりそうだよ……?」

 

 

「♡……………………♡ そーなっちゃうね♡ えっ、えっとっ、また抱きしめられながらセックス……したいなぁ♡」

 

 

 様々な体位を試してきたけど

 

 

「……っ♡ あ゛ あ゛ あ゛っ~~~~♡ うっ♡ ぅ……♡ っはあああぁん~~ッ♡ たいよぉ! たいよぉ♡ あふっ!? ぅ……♡ もっとギュッてして! 私もギュッてするからぁ♡」

 

 

「するっ! するからっ! ずっと榮浬をギュッ~~~~てするからなっ! スキ、榮浬好き! 俺を好きで居てくれてありがとう! 俺もずっと榮浬が好きだよっ!」

 

 

 ゆさっ、ゆさ、ゆさ、ゆさっ……ぬぷっ

 

 

 結合部から卑猥なネト音が立つも、子宮へ強い刺激を与える高速ピストンに非ず。

 

 

 腰を軽く揺する対面座位、切っ先が到達したまま前後ではなく横振動。

 

「離れたくないよぉ♡ ずっとこのままでいたいのぉ! ぁんぐ♡ あ、あ、ラブラブエッチぃ……♡ 夢みたいだよぉ……ひっ、ん、ふ……♡」

 

 

「夢じゃない! 俺と榮浬は恋人セックスしてる! そしてこれからは夫婦になるんだぞっ! 離すもんかっ! 迷ったりもしない! 榮浬の人生は俺の人生だっ!」

 

 

 卵管にまでくっつく、彼の先走りが一足早くぴゅるっ、ぴゅるるっ……出ているのが分かる。

 

 

 産まれた時から一緒で、誰よりも距離の近い幼馴染みで――

 

 

 一度は諦めそうになったり、随分長いこといい訳していたり――

 

 

 それがこうやって命の芽吹きを感じ取りながら、互いの命をも共有していける関係になれた。

 

 

 運命とか、奇跡とか、大層な物じゃないけど――

 

 

(わたしね、おとなになったら、たいようとけっこんするー!)

 

 

(えぇ、はずかしいよえいり……お、おれも、えいりとけっこんしよーかなー……!)

 

 

 

 冗談半分ですらなかった、それが嘘か本当かなど判別する要素も知性も無い。

 

 

 毎日榮浬と太洋と遊べたらって、それだけを考えていれば良かった幼稚園の砂場での一コマ。

 

 

 言いたくなったから言った、愛情か友情か、分からないけど何だか恥ずかしいあの時の発言が――

 

 

(叶っちゃった……♡ けっこん、もうすぐ……するよ……大好きな幼馴染みと……あの頃の……わたし……………………)

 

 

 初恋の人は幼馴染みで、好きになった幼馴染みと一緒に籍を入れて、名字も糸巻から「勇魚」に変わって――――

 

 

 本当の意味で〝生ある悦び〟を、実感している。人生まだ21年、死ぬまで、死んでも、好きな人とずっと隣り合える――――

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいまーっ! あっ~~靴靴……よしっ! ただいまただいまー! 赤ちゃん~~!!」

 

 

「おかえり太洋! 私にはただいまーって、言ってくれないんだぁ……? よしよし! パパが帰って来たよ~!」

 

 

 無事に出産した榮浬は、実家で産休を取っている。

 

 

 二人の両親は協力を惜しまず、例えお母さんである榮浬が無理な場面でも、四人の内誰かが必ず赤ちゃんを見てくれる。

 

 

 紫髪は少しだけ短く切ったけどエイの尾ビレを模した三つ編みスタイルは変わらず、おっぱいの大きさも変わりなく……

 

 

 夫である太洋はまだ不確定ながらも自分が考えた料理がメニューに乗るかもしれないと、珍しく反応を楽しむ様にニヤニヤしていたオーナーに「榮浬さんと赤ちゃんを支えるんだぞ、頑張れ、お父さん」と言われてまたもや泣きたくなってしまった……やっぱり我慢したけど! もう特技でもあるので。

 

 

「…………いいっ?」

 

 

 赤ちゃんへの授乳中、マタニティワンピースを着用する片乳付近は、穴のような物を開ける仕組みになっており…………

 

 

「……………………♡ もうっ、エッチなお父さんだねぇ? いーよっ…………♡ ホラッ」

 

 

 互いの家族が居るから、あまり長くは出来ないけれど――――

 

 

 もう片方の乳を露出させ、何千も見せたハズなのに赤面するIカップの持ち主。

 

 

 目を瞑っていた赤ちゃんがボロンッと零れ出たおっぱいの振動で目を開けてしまうも、すぐにチュウチュウ母乳を吸いながら、目を瞑ってくれた。

 

 

「ちゅっ…………チュパッ……」

 

 

「太洋さ…………♡ 私のおっぱい好き過ぎるでしょ……♡」

 

 

 この質問も何回したのか、赤ちゃんと平行になって五秒間だけ乳首を口内に入れて柔らかく吸い込まれる。

 

 

「…………チュッ、好きに決まってるだろっ! 嫁のおっぱいなんだからさっ!」

 

 

「…………♡ おっきい赤ちゃんだ! 困った困った! ねっ?」

 

 

「誘ってきたの榮浬からのくせに…………!」

 

 

 

 ――口を離した瞬間に家族達が……これも何度目なのか、記念撮影しようと殺菌消毒し撮影器具一式を持ち込んできたら、赤ちゃんも無垢な笑みを皆へ振る舞ってくれた。

 

 

 これでアルバム三冊目らしい。榮浬の家族用、太洋の家族用、そして夫婦となった二人用! 

 

 

 上手く行かない事だってあるだろう、喧嘩してしまう事もあるかもしれない。

 

 

 でも夫婦なのだから喧嘩したって、必ず仲直りしてもっと愛を深める事が出来る。

 

 

 恋の始まりを告げたあの刻から、ずっと澄み渡り続けるこの想い。

 

 

 幼馴染みから――夫婦へ、未来を彩る新しい命を育てあげる運命共同体。

 

 

「…………! チュッ!」

 

 

「「「おぉ~~! 榮浬ったらカメラの前で大胆ねぇ~!」」」

 

 

 シャッターの前に大好きな太洋へキスしてやった

 

 

 その次は太洋がキスをして来た。

 

 

 最後の一枚は赤ちゃんを抱えながら。

 

 

 毎日見返しているけど、どんどん増えていく写真。

 

 

 どれも、全部、忘れるわけがない。

 

 

「ところでさ、太洋? さっきアンタ榮浬ちゃんにナニしてたのぉ~~?」

 

 

「…………ちょッ!? 見てたのかよォかーちゃんんんんッッ!?」

 

 

「…………………………///」

 

 

 

 ――全部思い返せる、旦那……いや、太洋との軌跡を

 

 

 今の私達を形作ってくれている、大切なぜんぶ――――

 

 

 

 幼馴染みは旦那さまで

 

 

 

 旦那様は…………幼馴染み




ありがとうございました!


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