セックス次元の女決闘者たち (ポンコツロボッツ)
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エロデュエル! 明日香VSゴブリン小島!

 

『さあ! お楽しみの時間がやって来た! 今宵、我々を興奮させるデュエルを見せてくれるのは、この2人だ!!』

 

 観客を盛り上げるようにアナウンスを行う男性の声と共に、私を照らすスポットライトが点灯する。困惑と動揺を抱えながらもそれを表情に出さぬようにしながら、私は心を落ち着かせるように深呼吸をした。

 

『機械天使を操る麗しき女決闘者(デュエリスト)、天上院明日香! 美しい彼女は、いったい我々にどんなデュエルを見せてくれるのか!? 乞うご期待!』

 

 男の紹介を聞き、スポットライトに照らし出された私の姿を見た観客たちの歓声が響く。やや狭めの闘技場だが、観客たちの数はゆうに100を超えているだろう。プロリーグには遠く及ばないものの、結構な人数に見守られながらデュエルを行うという緊張感が、私の体を硬くした。

 

 何故、私はこんな場所にいるのか? その理由は単純明快で、何者かに誘拐されて連れて来られたからだ。

 

 誘拐される前、自分が何をしていたかがうろ覚えの状態で、いまいち思い出せない。ただ、人生をかけて打ち込んできたデュエルモンスターズのことだけははっきりと覚えていたし、命の次に大事にしていると言っても過言ではない愛用のデッキもしっかりと所持したままだ。

 

 そんな私だから、謎の誘拐者たちが出した条件である『衆人環視の下で特殊なデュエルを行ってくれたら、勝敗に関わらず解放する』という条件を訝し気に思いながらも承諾した。そのためのデュエルディスクも貸し出されたし、デッキにも妙な細工をされた様子はない。

 

 これを仕組んだ存在は、私にデュエルをさせるための協力は惜しまないという感じで、私にとってはそれが逆に不気味に思えて仕方がなかったが、デュエルを行う以外の選択肢がない以上、どれだけ不気味でもその条件を承諾するしかないと覚悟を決めて、私は今、こうして闘技場に立っている。

 

 ただ、やはり気になるのは、彼らが言う『特殊なデュエル』という部分だ。どう特殊なのか、どんなルールなのかは、今現在に至るまで彼らの口からは明言されていない。それは本番でのお楽しみだとばかりに、私には何の説明してくれなかった。

 

 だから、正直言って不安だ。もしかしたら、大金が動いていたり、命を賭けるような非合法なデュエルに参加させられている可能性だってある。敗北したら最期、生きては帰れないデュエルかもしれないし、そもそも男たちの約束が無事に履行される保証だってない。不安要素だらけの現状で、ポジティブに物事を考えろというのが無理な話だろう。

 

 しかし……私は、そんな不安を払い飛ばすようにデッキに触れ、自分の心を滾らせた。どんなルールであれ、どんな条件であれ、私がやることは変わらない。勝利を目指し、自分自身の全てを懸けて、この決闘の勝利を目指すだけだ。

 

 そう、覚悟を決めた私の前方で、スポットライトが点灯する。その光に映し出されたのは、まるで小鬼のような醜悪な外見をした小柄な男だった。

 

『そんな明日香に対するのは、この闘技場の名物デュエリストの1人であるゴブリン小島だ! 小島の手練手管のプレイングに明日香は対応出来るのか!? このデュエルからは、目が離せな~いっ!!』

 

「ギヒヒヒヒっ! よろしくな、明日香ちゃん。いいデュエルにしようぜ」 

「……ええ、よろしくお願いするわ」

 

 私は、馴れ馴れしく名前を呼ぶ醜い男に嫌悪感を抱きながらも、彼からの挨拶に一応といった感じで返事をした。本名ではないと思うが、ゴブリン小島というリングネームは非情に彼に見合っている。名物デュエリスト、と呼ばれるのも納得出来るような、一度見たら忘れられなくなるようなインパクトがあった。

 

 ……ただ、真の強者でなくては、この闘技場の観客たちがここまで熱狂することもないだろう。自分でいうのもなんだが、美少女である私の登場時よりも、ゴブリン小島が姿を現した時の方が、観客たちの歓声が大きくなっているということは、彼の熱心なファンは非常に多いということだ。

 

 見た目で油断して負けただなんて、言い訳にもならない。誰に対しても全力でぶつかってこそ、真の決闘者というものだ。

 

 改めて闘志を燃やし、神経を張り詰めさせた私は、デッキからカードを5枚引いた。手札を確認し、顔を上げ、対戦相手であるゴブリン小島と視線をぶつからせたことを合図に、実況の男と観客たち、そして私たちの口から、大きな声で戦いの始まりを合図する言葉が発せられる。

 

「「デュエル!!」」

 

『さあ、デュエル開始だ! 先攻は挑戦者である明日香から! 大事な大事な立ち上がり、彼女はどう動く!?』

 

 先攻を与えられた私は5枚の手札から1枚のカードを選び、それを発動させた。

 

「私は手札から【サイバー・プチ・エンジェル】を召喚! その効果で、デッキから儀式魔法【機械天使の儀式】を手札に加え、そのまま発動! 手札の【サイバー・エンジェル―弁天―】をリリースし、【サイバー・エンジェル―韋駄天―】を儀式召喚!」

 

 儀式召喚……儀式魔法と呼ばれる専用のカードを使い、レベル合計が召喚したいモンスターの持つレベル以上になるように手札か場のモンスターをリリースすることで強力なモンスターを呼び出す。私が使う【サイバー・エンジェル】デッキは、この儀式召喚によって呼び出すモンスターが主力を占めていた。

 

 その中の1体である【サイバー・エンジェル―韋駄天―】を最初のターンで呼び出した私は、その効果と、召喚の際にリリースした【サイバー・エンジェル―弁天―】の効果を発動する。

 

「【サイバー・エンジェル―韋駄天―】は、儀式召喚が成功した際にデッキか墓地から儀式魔法カードを手札に加えられる。それと同様に、弁天にはリリースされた際にデッキから天使族・光属性モンスターを手札に加える効果があるわ。その両方の効果を使い、【機械天使の儀式】と【サイバー・プチ・エンジェル】を手札に加える!」

「なるほど、モンスターを展開しつつ、手札も補充したか。次のターンの攻めの準備も万全ってわけだな」

 

 ゴブリン小島の誉め言葉にも顔色一つ変えず、私は彼へとターンを回した。

 

「これで私はターンを終了するわ。次は、あなたのターンよ」

「へへへ……それじゃあ、ありがたく……俺のターン!」

 

 ゴブリン小島の手札は、今ドローしたカードを含めて6枚。あの手札の中に、攻撃力1600である【サイバー・エンジェル―韋駄天―】を突破出来るカードはあるのか?

 

 この闘技場で名物デュエリストとして名を馳せているゴブリン小島は、そんな風に注意深く彼のプレイングを観察する私の視線も気にせず、モンスターを召喚した。

 

「俺は【先兵ゴブリン】を攻撃表示で召喚! 更に手札から魔法カード【ゴブリンの強姦準備】を発動! その効果によって、対戦相手である天上院明日香の着ている服を、全て剥ぎ取る!」

「え……っ!?」

 

 見たことも、聞いたこともないそのカードに戸惑ったのも束の間、私の耳は信じられない言葉を聞き取った。対戦相手の服を脱がすなどという、あまりにも馬鹿げたカードの効果。そんなことはあり得ないと、ただただ私は茫然としていたのだが――

 

「えっ!? きゃぁぁっ!?」

 

 何処からか出現した数体のゴブリンが、私へと飛び掛かりながら手にした石ナイフをびゅんびゅんと振るう。そうすれば、私の着ていたオベリスク・ブルーの制服は瞬く間にただの布切れとなり、私は全裸を大観衆の前に曝け出すことになってしまった。

 

「な、なんで!? そんな、馬鹿な!?」

『おおっと! 早くも明日香のヌードが大公開だーっ! 流石はゴブリン小島、仕事が早い!』

「み、見ないでっ! お願いだから、見ないでっ!!」

 

 闘技場に集まった人々が、全裸の私を見ている……その羞恥に悶え、目を逸らすように懇願する私であったが、そんな言葉が聞き届けられるはずもない。

 

 むしろ、これこそがこのデュエルの醍醐味であるとばかりに設置されたモニターに私の全裸が映し出され、観客席の至る所に現在の私の状態を映し出す立体映像までもが出現する始末だ。

 

「ひ、卑怯よ! こんな卑猥な戦法で集中力を乱すなんて……!」

「ん? 何を言ってるんだ? こんなの、エロデュエルでは当たり前の行為だろう?」

「え、エロデュエル……!? あいつらが言ってた特殊なルールって、これのこと!?」

 

 観客たちの前で女を裸に剥いたというのに、ゴブリン小島からは罪悪感が欠片も感じられない。それどころか、裸の美少女を前にしても興奮や嗜虐心といった男ならば当然抱くであろう劣情すら感じていないようだ。

 

 それはまるで、これが自分の仕事だからと割り切っているような、もう何度もこんなことをしたから慣れ切ってるというような、ある種のプロフェッショナルとしての矜持と経験を感じさせる。完全に犯罪となる行為だが、このエロデュエルはこの闘技場では当たり前に行われるものであることを、彼のその態度を見た私は理解した。

 

(どうりで彼の使うカードに見覚えがないはずよ。あのカードは、エロデュエル用に開発された、言わば違法カード! 通常のデュエルでは使い物にならないから、表のデュエル界で見るわけないわ)

 

 ようやく、様々なことに合点がいったと思いながらも、私の顔は羞恥で真っ赤に染まっていた。こんな観客たちの前で、裸を存分に見世物にされているだなんて、考えただけでも恥ずかしくて死にそうになる。

 

 だが、同時に私の心の中では怒りの炎が轟々と燃え上がり始めていた。こんなふざけた行為、神聖なデュエルを汚すような行いに手を染めている男たちも、観客たちも、私をこんなことに参加させた誘拐犯たちに対する怒りが、感じている羞恥を上回り始める。

 

 絶対に、負けてなるものか……! やがて、私の怒りの炎は羞恥すらも燃料として激しく燃え上がっていった。このまま羞恥に負け、決闘に負け、無様な姿を晒して終わりだなんて末路を迎えてなるものかと、私は怒りに歯を食いしばりながらキッと鋭い視線を浮かべる。

 

 そして、再びデュエルに集中し始めた私は、まずは情報収集をすべく、ゴブリン小島が召喚した【先兵ゴブリン】の効果を確認した。

 

―――――

 

【先兵ゴブリン】 ATK800 DFE800

 

(1)このカードは相手に直接攻撃することが出来る。

(2)このカードが相手のLPにダメージを与えた時、このカードのプレイヤーはデッキから1枚ドロー出来る。

(3)このカードの直接攻撃を受けた相手が絶頂した場合、このカードのプレイヤーはデッキからカードを1枚ドロー出来る。

(4)フィールド上のこのカードが墓地に送られた場合、デッキから【先兵ゴブリン】以外のゴブリンと名の付いたカードを手札に加えることが出来る。

 

―――――

 

(なんなのよ、この効果は!? 3つ目の効果だけ、完全におかしいでしょう!)

 

 やはりというべきか、このカードにも卑猥な効果が付与されているようだ。1、2、4、に関しては普通のカードにもある効果ではあるが、3番目の効果のせいで全てが卑猥な意味を持っているように思えてしまう。

 

 というより、私のその想像は間違っていないのだろう。このカードもまた、対戦相手に卑猥な行為を働くためのものであることを確信した私に向け、【先兵ゴブリン】が攻撃を仕掛けてくる。

 

「【先兵ゴブリン】で天上院明日香にダイレクトアタック! ゴブリン愛撫!!」

「ああっ!? ひゃぁあぁあぅっ♡♡♡」

 

 人間の子供程度の背丈しかないゴブリンは、大きく跳躍をすると共に私の胸へと飛び込んできた。露になった乳房に手を伸ばし、その先端にある桃色の突起を弄りながら、丹念に丁寧に両方の乳房を刺激してくる。

 

「うっ♡♡♡ くううっ♡♡♡ こ、これはっ♡♡♡ ソリッド・ビジョンの衝撃を、こえてっ♡♡♡ はぁあぁあっっ♡♡♡」

 

 デュエルにおいて、立体映像が起こしたダメージが衝撃となることは周知の事実だ。しかし、今、私が味わっているのは、そのような慣れ親しんだ感覚ではない。

 

 骨ばったゴブリンの手が胸を揉み、乳首を抓り、弄り回す度に、私は今まで味わったことのない甘美な快感を感じてしまっている。胸をじっくりと揉まれると、ぬるま湯に浸かっているような心地よさに襲われ、そこから敏感な乳首を弄られると鋭く脳までを駆け抜けるような激しい快感に襲われてしまうのだ。

 

 その緩急をつけた愛撫によって、私は徐々に追い詰められている。胸への愛撫だけで絶頂することなど考えられなかった私は、初めて他者に乳房を弄られて官能の高みへと押し上げられていた。

 

 絶頂してはいけない。ここで達してしまえば、ゴブリン小島にもう1枚のドローを許してしまうことになる。それに、こんな大観衆の前で絶頂してしまう屈辱を味わうだなんて、真っ平御免だ。

 

 頭ではそう考え、必死に込み上げる快感を抑えようと理性が働いているのだが……体の方がいうことを聞いてくれない。快感を堪えるどころか、むしろもっと弄ってくれとばかりに【先兵ゴブリン】へと胸を突き出し、乳房を揺らす始末だ。

 

 熟練の手付きで愛撫を行う【先兵ゴブリン】によって、既に私の体は堕とされてしまった。そうなれば、なけなしの理性で繋ぎ止めている忍耐など、何の役にも立たなくなってしまう。

 

「んぐっ♡♡♡ うっ♡♡♡ んんんっっ♡♡♡ だ、だめぇえぇぇぇぇっっ♡♡♡」

 

――天上院明日香LP4000→3200

 

 そして……私は、呆気なく絶頂を迎えた。その瞬間、全身に電撃が駆け抜けたかのような甘い衝撃が走り、腰がびくびくと震える。叫び声も悲痛さではなく甘ったるさが目立っていて、私が快楽に屈したのは誰の眼にも明らかであった。

 

「ん、はぁ……♡ そ、んな……っ♡♡♡」

「クククっ! イったな? 【先兵ゴブリン】が相手プレイヤーにダメージを与えたことで1ドロー、ついでに明日香がイったことでもう1ドローだ」

「くっ、うぅ……っ♡」

 

 ゴブリン小島の静かな呟きが、それとは対照的な観客からの大歓声が、私の羞恥に煽りをかけた。先ほどあげてしまった甘ったるい嬌声は、何度も何度もリピート再生されていることがわかる。

 

 恐らく、それには映像もついているのだろう。スポーツのファインプレーを振り返るように、私の無様な絶頂シーンもまた、観客たちの目に何度も晒され続けているのだ。

 

「カードを1枚セットして、ターンエンドだ。明日香、お前のターンだぜ」

「くっ……!!」

 

 快感のあまりに腰が抜け、地べたにへたり込んでいた私は、ターンが回ってきたことで懸命に自分を叱咤して立ち上がった。しかし、顔を前に上げた途端、闘技場内の巨大モニターに映し出される私の無様な絶頂シーンが目に飛び込み、思考が停止してしまう。

 

 ゴブリンに胸を揉まれ、絶頂した私の姿は、完全に官能に支配されている雌のものだった。男性との関わりも持たず、恋よりもデュエルの勉強を優先してきた私に初めて性的な快感を与えたのが、デュエルモンスターズのカードである醜いゴブリンであることに屈辱を感じ、その光景を繰り返し観客たちに見られていることに、途方もない羞恥を感じてしまう。

 

 それでも、ここで逃げ出すことなんて出来はしない。恥ずかしさに負けを認め、サレンダーするだなんて真似だけはしたくはなかった。

 

「私の、ターン……ッッ!! 手札から【サイバー・プチ・エンジェル】を召喚! その効果で【サイバー・エンジェル―荼吉尼(だきに)―】を手札へ! 更に、【機械天使の儀式】を発動し、【サイバー・プチ・エンジェル】と【サイバー・エンジェル―韋駄天―】をリリースすることで、【サイバー・エンジェル―荼吉尼―】を儀式召喚するわ!」

 

 私の切り札、【サイバー・エンジェル―荼吉尼―】……体のラインが出る青色のボディスーツと、胸部を守る橙色の装甲を纏った4つ腕の女戦士がフィールドに姿を現す。勇ましいその姿を目にした実況の男は、興奮した様子で観客たちへと大声で語り掛けた。

 

『おおっと! 明日香、裸に剥かれ、ゴブリンにイかされたとしてもまだサレンダーしな~い! 思ったよりもガッツのあるデュエリストのようだ!!』

 

 けたたましい実況の声に、当たり前だと心の中で返事をする。屈辱を味わったから、裸に剥かれて恥ずかしいから、だから、逃げる。そんな選択肢を取るほど、私は弱い女ではない。味わった屈辱と羞恥は、何倍にも大きくして返してやる。そんな反骨精神を有した、女デュエリストなのだ。

 

 何より、どんなルールであれ、デュエルでの敗北をすんなりと認めるのは、デュエリストとしての矜持に反する。まだ十分に勝機がある現状で、羞恥に負けてサレンダーなどしてたまるものか。

 

「墓地に送られた【サイバー・エンジェル―韋駄天―】の効果発動! フィールド上の儀式モンスターは攻撃力と守備力を1000ポイントアップ! これにより、【サイバー・エンジェル―荼吉尼―】の攻撃力は3700になるわ! 更に【サイバー・エンジェル―荼吉尼―】が儀式召喚に成功した時、相手は自分のモンスターを1体選んで墓地に送らなければならない! あなたのフィールドの【先兵ゴブリン】を墓地に送ってもらいましょうか!」 

「くっ、やるな……!」

 

 モンスターの強化と敵モンスターの除去を同時に行い、有利な状況を築く。今、ゴブリン小島のフィールドにはモンスターが存在していない。ダイレクトアタックが可能な状態だ。

 

 問題は、相手が伏せている魔法・罠カードであるが……ここで臆していては、勝負に勝つことなど出来はしない。恐怖に怯えてこの好機を逃すことだけは、絶対にしてはならない。自分にそう強く言い聞かせた私は、はっきりとした声で対戦相手への直接攻撃を告げた。

 

「バトル! 【サイバー・エンジェル―荼吉尼―】でプレイヤーにダイレクトアタック!」

「ぐぅっ!! ぐはぁあぁっ!!」

 

――ゴブリン小島LP4000→300

 

 伏せられているカードは、攻撃を防ぐ効果を持つものではなかった。LPを一気に10分の1以下にまで削る強烈な攻撃を受けたゴブリン小島は、その衝撃に呻き声を上げる。

 

 勝てる……! 盤面も、LPも全てが私に有利だ。次のターン、ゴブリン小島が3700もの攻撃力を持つ【サイバー・エンジェル―荼吉尼―】を突破出来るとは思えない。300なんてLPは、ちょっとした機会さえあればすぐに削れる数値であり、仮に何かのカードの効果で荼吉尼を除去出来たとしても、何か一つのきっかけで彼のLPを0に出来る可能性は十分にある。

 

 エースカードを場に出し、圧倒的な優位を握った私は、バトルフェイズを終了すると手札からリバースカードをセット――

 

「あひんっ♡♡♡ ふあぁああぁあっっ♡♡♡」

 

 ――しようとしたところで、股間に走った快感に甘い悲鳴をあげた。

 

 何者かが、私の尻を叩きながら、膣に指を突っ込んでいる。激しく巧みな指使いで膣内をかき回す指の動きに嬌声をあげる私は、それに紛れて発せられたニタリと笑うゴブリン小島の声を耳にした。

 

「リバースカード【ゴブリンの不意打ち】を発動。俺が戦闘ダメージを受けた時、その数値の半分以下の攻撃力を持つモンスターをデッキから特殊召喚し、そのカードの攻撃力の半分の数値を相手LPに与える。俺は【ゴブリンレイパー】を特殊召喚! 攻撃力1600の半分、800ポイントのダメージを受けてもらおうか!」

「あぁあぁああああああぁあああぁっっ♡♡♡」

 

――天上院明日香LP3200→2600

 

 完全に意識の外から与えられた快感は、先の絶頂で敏感になっている私の体には強すぎた。指が膣内を弄り回し、掌が尻肉を叩く感覚が官能を燃え上がらせ、再び肉欲の炎が燃え上がり始めてしまう。

 

 先ほどの乳房への愛撫とは真逆、ほんの数秒の出来事だった。たったそれだけの時間で2度目の絶頂を迎えてしまった私は、膣から勢いよく本気汁を噴き出しながらその場にガクリと膝をつく。自分が放った愛液の水溜まりの中へと崩れ落ちた私だが、直後に聞こえてきた悲鳴を耳にして、はっとした表情を浮かべ、顔を上げた。

 

「【ゴブリンの不意打ち】の2つ目の効果を発動。相手フィールド上のモンスター1体を選択し、そのカードの効果を全て無効とし、攻撃力、守備力0の【ゴブリンの肉便器】として自分フィールド上に特殊召喚する!」

「そ、そんなっ!?」

 

 私のエースモンスター【サイバー・エンジェル―荼吉尼―】が、【ゴブリンレイパー】に武器を奪われ、体を拘束されている。鎧も衣服も全て剥ぎ取られた彼女は、完全に身動きを封じられた哀れな雌奴隷となって、ゴブリン小島のフィールド上へと奪われてしまった。

 

 再び、逆転。完全に優位だと思っていた状況を即座にひっくり返されたことに、私の心は多大なショックを受けていた。私は、返しのターンにゴブリン小島がどうこの盤面を突破するかと考えていたが、彼はこのターン中に逆転の一手を打ってみせたのだ。

 

 LPの優位こそあるが、私のフィールド上にモンスターはいない。モンスターの召喚権も使ってしまったし、儀式召喚出来るモンスターも手札に無い。

 

 私が出来るのは、元々伏せようとしていたカードをセットすることだけだ。悔しさを超えた、絶望にも近しい感情を抱きながら、私はカードを伏せ、ターンの終了を宣言した。

 

「これで、私はターンエンド……」

「俺のターン、ドロー! この瞬間、【ゴブリンレイパー】の効果が発動する!」

 

 ゴブリン小島の意気揚々とした叫びを聞いた私は、体をびくっと震わせた。次はどんな辱めが襲い掛かるのかと、自分自身が恐怖を抱いていることを自覚すると共に、私の心は再び衝撃を受ける。

 

 なぜなら、私はその恐怖の中に期待のような感情も芽生えさせていたからだ。生まれて初めて味わう、雌としての快感の虜になりつつあることを感じ取った私は、ごくりと息を呑み、その思いを否定する。

 

 こんなのは違う。何も嬉しくなんかない。気持ち良くもない。神聖なデュエルを馬鹿にした行為を、私が望んでいるわけがない。

 

 そう信じて、心を強く持って、私は【ゴブリンレイパー】が与えるであろう快感に抗おうとした。しかし、彼が性の吐け口に選んだのは私ではなく、先のターンでゴブリンたちの肉便器へと堕とされた【サイバー・エンジェル―荼吉尼―】であった。

 

「んぐぅううぅううぅううっ♡♡♡ んんんんんん~~~~っっ♡♡♡」

「なっ……!?」

 

 唐突に、何の前触れもなく……【ゴブリンレイパー】が【サイバー・エンジェル―荼吉尼―】を犯し始める。身動き出来ない彼女の、使いこまれていない性器を開いて、グロテスクな異形の肉棒をその内部へと叩き込み、腰を振り始めた。

 

 ぐちゅっ、ぐちょっ、と卑猥でくぐもった音が響き、猿轡を噛まされている荼吉尼の口から苦し気な声が漏れる。自分のエースモンスターが醜い怪物に犯されている光景を目の当たりにした私は、まるで悪夢を見る子供のように蒼白になった表情で惚けていることしか出来ない。

 

「驚いたか、明日香? 【ゴブリンレイパー】は、自分の場に【ゴブリンの肉便器】が存在している時、自分のスタンバイフェイズ毎に【ゴブリントークン】を生み出させることが出来る。その方法が、これだ」

「んっっ♡♡♡ んぉおぉおぉぉおぉおぉおおぉおおおっ♡♡♡」

 

 ドクンッ、と大きな音が鳴った気がした。【ゴブリンレイパー】のピストンを受け入れた【サイバー・エンジェル―荼吉尼―】の体が海老のように仰け反り、その表情がだらしなく歪む。そんな光景を数秒見続けた後、私は彼女が膣内射精をされたのだな、ということを茫然としたまま理解した。

 

 だが、そこで荼吉尼の地獄が終わったわけではない。むしろ、ここからが彼女にとっての地獄の始まりなのだ。

 

「んんっ♡♡♡ んおぉおぉおおぉっ♡♡♡ おおぉおおおおっっ♡♡♡」

 

 苦しそうに、辛そうに、精液を膣内に注がれた荼吉尼が声を漏らす。だが、私は彼女が痛みや屈辱に悶えているのではなく、あまりにも強い快感を堪え切れなくなっているということを感じ取っていた。なぜなら、私もつい先ほどまで同じ感覚を味わっていたから。彼女が私同様に、ゴブリンたちの手で雌にされてしまったということが痛いほどに理解出来てしまっていた。

 

 そんな【サイバー・エンジェル―荼吉尼―】のお腹が、みるみる内に膨れ上がっていく。もう考えるまでもない。彼女は、ゴブリンの子を子宮に宿したのだ。そして、子を孕んだ女が辿る運命なんてものは、たった1つしか存在していない。

 

「んおおぉおおぉおおぉおおぉおおぉおぉおおっっ♡♡♡♡♡」

 

 その予想通りに……【サイバー・エンジェル―荼吉尼―】が壮絶な絶頂を迎えながら、性器の割れ目から光を迸らせる。ねっとりとした愛液を噴き出させ、召喚時に浮かべていた精悍な女戦士の表情とは程遠い無様な表情を見せながら、彼女は【ゴブリントークン】を出産したのである。

 

 私は自分のエースモンスターが犯され、孕まされ、異形の子を産まされる光景をただ茫然と見つめるしかなかった。ぞわぞわと湧き立つ恐怖と興奮が入り混じった感覚に身を委ね、ここからのタクティクスを考えることも出来ずにただ固まることしか出来なかった。

 

「【サイバー・エンジェル―荼吉尼―】のレベルは8。出産する【ゴブリントークン】の数は2体となる。良い母体をありがとうな、明日香」

「あ、あ……」

 

 笑いながら、出産を終えてもまだ絶頂の余韻から抜け出せない荼吉尼をそう評しながら、ゴブリン小島は、着々と勝利へのタクティクスを実行し続ける。彼の眼にはもう、私に勝った時のビジョンが見えているようだ。

 

 私もまた、自分が追い込まれつつあることを自覚していた。今、産み出された【ゴブリントークン】の攻撃力は500。【ゴブリンレイパー】の攻撃力は1600。その合計値は2600、私の残りLPと丁度ぴったりの数値だ。

 

 このまま3体のモンスターによる直接攻撃を受ければ、私の敗北が決まってしまう。だが、まだ私には伏せカードがある。これさえあれば、このターンは何とか凌げる……はずだった。

 

「その伏せカードを割らせてもらおうか! 魔法カード【ゴブリン特攻指令】を発動! 自分フィールド上のゴブリンと名の付いたモンスターを好きな数リリースし、それと同じだけ相手フィールド上のカードを破壊する! 俺は、【ゴブリンの肉便器】をリリースし、明日香の伏せカードを破壊!」

「なっ……!?」

 

 私に残された一縷の望みさえも、ゴブリン小島は奪い去っていく。彼が魔法カードを発動した途端、配下のゴブリンたちは群がるようにして出産直後の【サイバー・エンジェル―荼吉尼―】へと手を伸ばした。

 

 自分を犯した、自分が産み落とした魔物に襲われる荼吉尼。その表情は恐怖に歪み、完全に心が折れていることがわかる。ゴブリンたちがそんな彼女の胸を乱暴に揉みしだき、尻を叩き、膣を適当に弄れば、あっという間に泣き顔に変わった荼吉尼は恐怖のあまり失禁してしまう始末だ。

 

 もう止めてくれと、何度心の中で叫んだだろう。苦楽を共にしてきた私の大切なモンスターが魔物たちの玩具として扱われる光景に、心が張り裂けそうなくらいの悲しみを感じる。自由を奪われ、徹底的に尊厳を奪われ、泣きじゃくり、失禁する【サイバー・エンジェル―荼吉尼―】に何も出来ない自分自身の無力さが歯痒く、そして苦しい。

 

 やがて……ゴブリンたちは、小便をまき散らしながら泣き喚く肉便器を、3匹がかりでポイと私の方へと投げ捨てた。闘技場のモニターには【サイバー・エンジェル―荼吉尼―】の無様な姿が大写しになり、それを見た観客たちの笑い声が響く。

 

 ズシャッ、と音がして、彼女は私の伏せたカードの真上に落下した。壊れたカードの残骸を下敷きに、股間から尿と愛液と射精された精液の混合液をぐちゃぐちゃと垂れ流す【サイバー・エンジェル―荼吉尼―】は、情けない泣き顔を曝け出し、暫しビクビクと弱々しく身動きすらままならない体を痙攣させた後、光の結晶となって散っていった。

 

「……伏せていたのは、【聖なるバリア ミラーフォース】だったか。何も考えずに攻撃していたら、こちらのモンスターは全滅だったな。だが、これでもう明日香を守るカードは何もない。覚悟はいいか?」

「あ、あぁ……! い、いや、いやぁぁ……っ!!」

 

 2体の【ゴブリントークン】と【ゴブリンレイパー】が、私の体を押し倒し、拘束する。両脇に座す【ゴブリントークン】たちが私の胸を弄り、私の両脚を掴んだ【ゴブリンレイパー】がいきり立つ肉棒を股間の割れ目へとあてがう。

 

 【サイバー・エンジェル―荼吉尼―】を犯した凶悪な男性器が、今度は私の中に叩き込まれようとしている。首を振り、泣き叫び、必死に抵抗を試みても、押さえつけられている私の体はビクとも動かない。

 

 犯される。乙女の純潔をこんな醜いモンスターに奪われてしまう。大切なモンスターを肉便器にされ、乱雑に扱われた上に出産までさせられた姿を見てしまった私の心には、もう恐怖以外の感情は存在していない。デュエルに勝つだとか、そんな気概すらなくなって、ただ乱暴をしないでくれと願う思いだけで一杯だ。

 

 だが……そんな私の願いは、誰にも届かなかった。無慈悲に、ただあるがままに、ゴブリン小島の攻撃宣言が闘技場内に響き渡る。

 

「3体のモンスターで天上院明日香にダイレクトアタック! ゴブリン・レイプパーティー!!」

「あぁあああああああああぁああああああああああああああああぁああああああぁっっ♡♡♡」

 

 ズンっ、と勢いよく私の内部へと異物が侵入してくる感覚に、私は大声で叫んだ。自分では悲鳴をあげたつもりだったのだが、口から飛び出したそれは間違いなく快楽に媚びた嬌声となっている。

 

 両方の胸を愛撫されながら、ゴブリンの肉棒で膣を穿られる。初めての性交、そこで味わわされる快感に、私の体は抗いようもなく降伏してしまっていた。

 

「なんっ、でぇっ♡♡♡ 私、はじめてなのにぃっ♡♡♡ き、きもちいぃいいぃいいぃいいっ♡♡♡ ああぁっ♡♡♡ そこはダメっ♡♡♡ きもちよすぎて、すぐイっちゃうぅっ♡♡♡」

 

 初めてのセックスは痛みを伴うものだと聞いていた。当然、破瓜の痛みだって感じるはずだと思っていた。なのに、私が今、味わっているのは純粋混じり気無い快感だけだ。異形の怪物に襲われる屈辱も、輪姦されている恐怖さえ、今の私には快感として感じられているように思える。

 

「ぐぅうっ♡♡♡ あっっ♡♡♡ あぁあっ♡♡♡ あぁぁああああぁああああぁぁっっ♡♡♡」

「そろそろ限界のようだな。これでトドメだ! ゴブリンども、いけっ!! 小鬼射精乱舞(ゴブリンザーメンスプラッシュ)っっ!!」

「あぁあああああああぁあああああぁあっっ♡♡♡ あっ、あぁあああああああああああぁあっっ♡♡♡」

 

 私の顔に、胸に、子宮に……熱い精液の迸りが注ぎ込まれた。その感触に眼を見開き、口から大きな叫びを発し、全身を魚のようにのたうち回らせる私は、体中を駆け巡る快感に意識を塗り潰され、そして……

 

「ダメぇえぇえええええぇえっっ♡♡♡ いぐうぅううぅうううぅううぅううぅううぅうぅうっっ♡♡♡」

 

 盛大に、無様に、本気の絶頂を迎え、小鬼たちに屈服するのであった。

 

――天上院明日香LP2600→0 

――WINNER ゴブリン小島

 

『決まったーーっ! ゴブリンたちによる輪姦攻撃が、LPを削り切る! これには堪らず明日香もアクメエンドだーっ!!』

「あ、あぁ……♡♡♡ 負け、た……♡♡♡ あぁっ♡♡♡」

 

 ふわふわとした絶頂感と多幸感、そして全身を痺れさせる強烈な快感に身悶えしていた私は、デュエルの終了を意味するブザーの音を耳にした。自らの敗北を悟りながらも、体中を支配する様々な感覚に思考と行動を阻害されている私の体を、ゴブリンたちが抱え上げる。

 

 絶頂直後のだらしなく緩んだ私の体を観客たちに見せつけるように掲げるゴブリンたちの動きに、私ははっきりとした恐怖を感じていた。【サイバー・エンジェル―荼吉尼―】が嬲り者にされたように、ここから私も徹底的な凌辱を受けるのではないかと怯えていたのだが、事態は私の想像を良い意味で裏切る方向へと進んでいく。

 

『しかし、敗北したとはいえ、明日香も十分よくやりました。初めてのエロデュエルでも相手に屈さず、一時はゴブリン小島を追い詰めるプレイングを見せ、このデュエルを大々的に盛り上げてくれた彼女にも、惜しみの無い拍手を送ってあげてください!』

「えっ!? きゃっ……!」

 

 実況のそんな声が闘技場内に響き、それと同時にゴブリンたちがより高くまで私の体を持ち上げる。その行動が私の健闘を称え、観客たちからのエールを受けやすくするためのものだと悟ったのは、会場いっぱいに響く明日香コールを耳にした時だった。

 

「「「明・日・香! 明・日・香! 明・日・香!」」」

 

 沢山の観客たちが、私を見ている。敗北した私のことを認め、声援を送ってくれている。全裸であることも、小鬼たちの精液を膣から溢れさせていることも、全てをひっくるめて私を受け入れ、応援してくれている。

 

 よく、わからない……喜ぶべきなのか、悲しむべきなのか、判断がつかない。こんな辱めを受け、見世物にされて、途轍もない屈辱を味わったはずだ。普通なら、何を調子の良いことをと怒鳴り散らしたっていいはずだ。

 

 ……なのに――っ♡

 

(嬉しい……? どうして? こんな、酷い目に遭わされたのに、胸が、ときめいて……♡)

 

 私は、確かに感じてしまった。自分が今、喜びの感情を胸にしていることを。この声援を、この決闘を、この状況を、楽しんでいることを。

 

 そんな私の元へと、対戦相手であったゴブリン小島がやって来る。配下のモンスターたちに指示を出し、私の体を解放した彼は、笑みを浮かべながら右手を差し出し、私の健闘を讃えてくれた。

 

「ナイスファイトだ。また、機会があればエロデュエルをしよう」

「え、ええ……ありが、とう。あなたも、とても強かったわ……」

 

 自分を辱めた相手と互いを称え合いながらの握手。全裸を間近で男性に見られていることも忘れ、私がぼんやりとこのデュエルで得られた謎の幸福感に身を委ねたその瞬間、不意に視界がブラックアウトし、私の意識は抗えぬ眠気に押し流されたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ、ん……? ここは……?」

 

 次に目を覚ました時、私は謎の機械の中で横たわっていた。まるでSF映画に登場するコールドスリープ用の機械のようなそれから起き上がり、外に出た私は、そこに立つ1人の男と視線をぶつける。

 

 でっぷりと太った、中年の男性。いかにもな富裕層の人間であるといった高級そうなスーツに身を包んだ彼は、私を見つめながら静かに拍手を繰り返していた。

 

「素晴らしい、期待以上だ。君こそ、わしが求めていた素質を持つデュエリストに違いない」

「あなたは何者? 私をここに連れてきたのは、あなたなの?」

「まあ、待ちたまえ。明日香くんの知りたい事は全て答えよう。だがしかし、その前にシャワーを浴び、着替えた方がいいのではないかね?」

「え……? あっ!?」

 

 男にそう言われて初めて気が付いたのだが、今の私は全裸の上に股間から大量の愛液を滴らせているという淫らにも程がある姿を曝け出しているのだ。確かに彼の言う通りにした方がいいとは思いつつも、一連の事件の黒幕と思わしき男性への警戒心を捨て切れない私は、ただ黙って睨みつけるような視線を彼へと向けていた。

 

「……気持ちはわかる。君には悪いことをした。だが、もしかしたら君は、わしとの出会いによって救われることになるかもしれん。質問には何でも答えるし、望むならば君を解放することも約束しよう。無論、先のエロデュエルのファイトマネーも贈らせてもらった上でだ」

「やっぱり、さっきのデュエルは夢じゃなかったのね。一体、何がどうなってるのよ?」

「落ち着き給え、明日香くん。まずはシャワーと着替えだ。それが終わったら、わしと話をしよう。その上で、君がどうするかを決めてほしい」

「………」

 

 落ち着き払った男性の様子に一度口を噤み、深呼吸をした私は、彼へと頷いてみせた。男性もまた、そんな私の様子に小さく頷くと、失念していたとばかりに自分の名を私へと告げる。

 

「自己紹介が遅れたね。わしの名前は青羽琉(あおばりゅう)。このセックス次元にある大企業の代表取締役を務めている者だ」

 

 




次回予告

謎の男、青羽琉から話を聞いた私は、ここが自分の居た世界とは別の次元であることを知る。セックスとデュエルを融合させたエロデュエルが大流行しているこの世界の名は『セックス次元』。ホント、聞いてて呆れちゃうわね。

……え? 私にこの次元に残ってほしい? しかも、エロデュエルに参加する女決闘者になってほしいですって!?

この世界で生きていくってことは、元の世界での生活を捨てるということになる。そんな大それた決断、すぐに出来るわけないじゃない! ……でも、元の世界に戻ったところで、私には……

次回「セックス女決闘者 明日香誕生!!」 どうしても、エロデュエルで味わった高揚感が忘れられない……!!
 

 

 
最強カード紹介

【ゴブリンレイパー】ATK1600 DFE1400 ☆4 獣戦士族 地属性

スタンバイフェイズ時、自分フィールド上にこのカードと【ゴブリンの肉便器】が存在している場合、自分フィールド上にATK・DFE500の【ゴブリントークン】を特殊召喚することが出来る。
産み出される【ゴブリントークン】の数は、母体となる【ゴブリンの肉便器】のレベルに依存する。(レベル1~4なら1体。5~8なら2体。それ以上なら3体)
【ゴブリントークン】をリリースする場合、ゴブリンと名の付いたモンスターのアドバンス召喚にしか使えない。
――――――――――

今日の最強カードは、【ゴブリンレイパー】。ゴブリンデッキの中核を担うカードよ。

条件を満たしていれば、ターンの開始時に【ゴブリントークン】を特殊召喚出来るわ。このトークンを攻撃要員にするもよし、上級ゴブリンモンスターを召喚するために使ってもいいわね。

必殺技はゴブリンらしい旺盛な精力で相手を犯し尽くす【ゴブリンレイプ】! 他のゴブリンと一緒に攻撃を行うと【ゴブリン・レイプパーティ】になるわ。激しいピストンで子宮を虐められた私も、呆気なくイかされちゃったわね。

ゴブリンデッキは大量展開と手札補充が特徴の扱い易いデッキよ。みんなもこのデッキを使って、エロデュエルでガンガン女を犯してやりましょう! 私なら、いつでもお相手するわよ♡



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セックス女決闘者 明日香誕生!!

 謎の男性、青羽琉の話を聞いた私は、話を聞く前よりも事態が把握出来なくなり、頭を抱えた。彼の話は荒唐無稽なもので、易々と信じることなんて不可能に思える。だが、そんな話を彼は大真面目に話しているのだ。

 

(セックス次元にエロデュエル、おまけに別次元の存在だなんて……どうなってるのよ、これは?)

 

 彼の話を総括するとこうだ。私が今、居る世界は、私が元々住んでいた世界とは別の世界。別次元の世界ということである。それも平行世界(パラレルワールド)のような生温い変化の世界ではなく、その世界の根本から違うという、正に別次元というべきものらしい。

 

 別次元であるこの世界には、私も知らない数々の召喚方法やそれに適したルールが制定されている。デュエルの技術は私たちの世界の数段先を行っており、それを扱うデュエリストたちのタクティクスも折り紙付きだ。私のような別次元のデュエリストがあそこまで善戦出来たのは、極稀な出来事と言っても過言ではないらしい。

 

 そんなデュエリストたちの技術の進歩が著しいこの世界の名は『セックス次元』。名前の通り、性に開放的な世界だ。少年少女に対する性的規制も存在しておらず、猟奇的な行為や相手との合意の無い性行為でなければ、大体のことが許されるというあけっぴろげな世界である。

 

 そんな世界において、一大娯楽であるデュエルがセックスと結びつかないはずがない。そうして生まれたのが、先に私が体験したエロデュエルということだ。

 

 エロデュエルは決闘者の肉体を精密に再現したVRモデルを使用して行われる。体形は自由に変えられるが、基本的には素のままの状態でデュエルするのが望ましい。現実世界の肉体と電脳世界の肉体に乖離があり過ぎると、ファンが萎えてしまうからだ。

 

 デュエルをする際の肉体がVRモデルである以上、衣服の破壊や変更は自由自在であるし、同じ電脳モデルで表現されるモンスターたちとセックスを行うことも出来る。それにより生み出される快感も出来得る限り増幅させており、破瓜の痛みなどは極力排除されたものに設定されている。私が初めてのセックスで快感を味わい尽くせたのも、この設定のお陰ということだ。

 

 基本的には女性対男性、時折女性対女性(男性対男性もあるにはあるらしい)のマッチアップで行われるこの試合は、如何にデュエルの中で女性を辱められるかという部分に注目が集まっている。

 

 男性決闘者は各々の趣向を凝らしたデッキと戦術で対戦相手を辱め、女性決闘者はそれに抗えるだけ抗った後に徹底的に蹂躙される。そういうマッチポンプの元に開催されるエロデュエルは大好評で、男も女もこの狂っているとしか思えない決闘に夢中というわけだ。

 

 この青羽という男もエロデュエルのプロリーグ設立や運営に関わっており、なおかつこの世界のデュエリスト教育機関の代表者の1人でもあるらしい。そんな彼は、今現在、エロデュエルについてある懸念を抱いているそうだ。

 

 曰く、「このまま女決闘者が敗北するだけの存在でいいのか?」……女性たちが痴態を晒し、それを見た観客たちが興奮するのは良い。問題は、その間にあるデュエルという過程を楽しむことが出来なくなっているのではないか? ということだった。

 

 今のエロデュエル界には、女性決闘者は必ず負けるものだという無意識の刷り込みがある。現にプロリーグの女性選手たちは所属事務所から勝利よりもどれだけエロく負けられるかの指導を受けているらしく、彼女たちにとってはデュエルの勝敗などどうでもいいことだという認識なのだそうだ。

 

 私たちの世界では考えられないことだが……この世界では、それが許されるのだろう。プロのデュエリストに必要なのは人気だ。勝利とは、そのデュエリストの強さを誇示するためのステータスであり、強いデュエリストには自ずと人気が集まっていく。人気のあるデュエリストの試合には観戦者が多く訪れるだろうし、グッズの売り上げも大きくなる。そうすれば、そのデュエリストを抱える企業も潤うことになる。

 

 別に勝たなくてもいいのだ、人気さえ得られれば。極端な話だが、確実に勝利を収めはするがその戦法が姑息で卑怯な決闘者と、勝率こそ高くないもののロマン溢れるデッキで懸命に勝利を狙う決闘者のどちらを応援するか? と聞かれたら、恐らくは全員が後者を選ぶだろう。勝ったとしても名声を得られるわけではないし、負けたとしても失うばかりでもない。プロデュエリストにとって勝利とは、人気を得るための手っ取り早い方法の1つであるというだけだ。

 

 それに合わせて考えるのなら、このセックス次元の女性デュエリストにとっては、敗北しても人気を得られればそれでいいということになる。その人気を得る方法こそが自身の痴態を曝け出すことであり、それに興奮する人々がファンになってくれればそれでいいのだ。

 

 だが……私は、それを聞いた時に違和感を覚えてしまった。率直に言って、それならばAVでも見ていればいいではないかという思い。それをデュエルでやる意味は何処にあるのだと、そう思ってしまった。

 

 確かに、技術を生かしたとんでもないプレイを見ることが出来るのはエロデュエルの利点だろう。人外の生物と人間とのセックスを見られるのもあるかもしれない。だが、それならばデュエルである必要は無い。それらを踏まえたAVでいいではないか。

 

 そう考えている人間は、何も別次元の住人である私だけではなかった。このセックス次元の人間の中にも同じ考えの人間は存在しており、青羽琉もまたその考えに至った人物なのである。

 

 デュエルである以上、そこには血湧き肉躍る戦いがあるべきだ。その結果として、男の力が及ばずに女性を犯せぬことがあっても良い。そうやって強さを見せつけた女が敗れ去り、快楽の底に沈められる姿こそが、観客が真に欲しているものなのだ、と彼は言う。私の意見とはずれているような気がしなくもないが、言いたいことは何となくわかった。

 

 今のエロデュエル界は、エロを重視しすぎるあまり、デュエルの部分を蔑ろにしている。女たちは進んで敗北を選ぶため、男性たちの強さには進歩が無い。手練手管を用いても、得られるのは強さではなく小手先の技術だ。このままでは、このセックス次元のデュエルの成長がストップしてしまう。青羽はそれを恐れているのだ。

 

 そして、そんな状況を打破するために彼が取った手段こそが、別次元からの女決闘者の徴集であった。

 

 セックス次元の女性たちには、もうエロデュエルにおいては女性が敗北するものだという認識が刷り込まれてしまっている。彼女たちを教育し直すのは、非常に骨が折れるだろう。ならば、そんな認識のない、普通のデュエリストを別の次元から呼び寄せるしかない。そう考えた青羽は持てる資金と技術を総動員して、別次元へと渡れる装置を作り出した。それを用いて数々の次元から女性デュエリストを連れてきたそうだが……結果は、芳しくなかったそうだ。

 

 当然だ。エロデュエルなどという訳の分からないルールのデュエルに放り出され、見世物にされた女性が、まともなデュエルを行えるはずがない。大半の女性が服を破られたり、愛撫による攻撃を受けた時点でサレンダーを選び、場を白けさせてしまったそうだ。

 

 エロデュエリストに必要なもの、それは辱めを受けても折れない強い意志と、自らの痴態を見られることを楽しめる淫乱さだ。一定以上の実力を持つ女デュエリストたちの中からそんな存在を見つけ出すのは、砂漠で砂金を見つけ出すような困難な作業であろう。

 

 これまで、青羽は100名近いデュエリストを探し集め、その悉くが不適格であるとして元の世界へと帰して……という作業を繰り返していた。そんな中、初めてエロデュエルに適応し、観客を大いに沸かせた少女(つまり私だ)と出会うことが出来た。

 

 上記の適性に加え、私には優れたルックスと十分なデュエルの腕前がある。青羽が求めていた人材として、私はこれ以上ないほどの存在なのだ。

 

 青羽は言った、私にこの世界に残ってくれと……自分が望む、強いエロ女決闘者となって、この世界のエロデュエル概念をぶち壊して欲しいと。生活に必要なものは全て用意する。エロデュエルに慣れるための支援も行い続ける。だから、どうか、この世界で生きてくれないかと、頼み込んできた。

 

 そんな勝手な申し出を受ける人間など、普通ならば存在しない。ふざけるなと一喝して、元の世界に戻って、こんな悪夢みたいな出来事を忘れようと努めるだろう。

 

 ……そう、()()()()()()()()、だ。

 

 私、天上院明日香には……元の世界に対する未練なんか何もない。私のこれまでの人生は、酷く重苦しいものだった。

 

 私には兄がいる。聡明で人当たりもよく、誰からも好かれる優秀な兄だ。勿論、デュエルの腕前も素晴らしく、プロデュエリスト育成の名門であるデュエル・アカデミアでもトップクラスの成績を収めていた。

 

 私もまた、そんな兄と同じ才能を持つ者として、大いに期待を寄せられていた。その期待に応えようと私は努力したし、その努力に見合った優秀な成績をマークしている。

 

 だが……それでも、私を認めてくれる人は誰一人としていなかった。兄と私の間には、埋めようもない才能の差があったのである。

 

 勉強の成績も、デュエルの腕前も、人を惹きつける魅力も、何一つとして兄には敵わなかった。どれだけ頑張って、足掻いて、自分の時間を犠牲にしても、兄に追いつくどころか、その差がじりじりと広まるばかりだった。

 

 決して、私は落ちこぼれなんかじゃない。デュエル・アカデミアでもエリートであるオベリスク・ブルーに所属しているし、そこでも一目置かれる存在だ。だが、兄と比べられると、私は途端に弱々しい輝きしか放てない存在と化してしまう。

 

 兄ならば、もっと華麗なプレイングを見せてくれた。兄は、もっと優秀な成績を収めていた。兄の周りには、常に人だかりが出来ていた……何をしても、どう頑張っても、私を認めてくれる人はいない。親しい友人もいない。心を休められる時もない。私には、何も無い。

 

 天賦の才を持つ兄の存在という名の呪いに苦しめられる人生。それこそが、天上院明日香という少女の送ってきた道のりだった。

 

 有名過ぎる兄のせいで、私は常にその妹としてしか見られなかった。天上院明日香という人間ではなく、天上院吹雪の妹という立ち位置でしか、私を見る者はいなかった。

 

 何度も思った。私のことを誰も知らない、どこか遠くの世界に行きたいと……私のことを、天上院明日香として見てくれる人に出会いたいと、そう思って生きてきた。

 

 今、その願いが叶う絶好の機会がやってきた。この世界には、天上院吹雪は存在していない。私のことを、彼の妹として見る者は誰もいない。これから私がどうなるかは、私自身の実力にかかっている。

 

 願ってもないチャンスのはずだ。自分の力を試し、兄の呪縛から解放される最高の機会。だが、やはり恐怖は残る。ここで生きることを選べば、もう元の世界には私の居場所はなくなってしまう。家族にも会えなくなるし、兄にも心配をかけ続けることになるのだろう。

 

 もう、心の大半はこの世界で生きることを決めている。だが、最後の一歩が踏み出せない……そんな、踏ん切りのつかない私の背を押すようにして、心の中である感情が首をもたげた。

 

(気持ち、よかったな……エロデュエルで味わった快感。終わった後に受けた拍手と歓声が、忘れられない……)

 

 エロデュエルで得た、数々の初めての経験。性行為の快感は甘く痺れる魅惑の味であり、この世界の女デュエリストたちが敗北を苦にしない理由がよくわかる。あの快感を味わえるのならば、敗北なんてどうだっていいと思えるだろう。

 

 それに、あの明日香コール……観客たちに自分の努力を認められたあの瞬間こそが、私が今までの人生で最も求めていたものだった。

 

 誰だっていい、何だっていい、私を見て欲しい、褒めて欲しい……そう願い続け、生き続けた私の願望が叶ったあの瞬間の喜びが、幸福が、私の心を満たしていく。

 

 ……ああ、そうだ。私は兄の存在を重苦しく思いながら、それに甘えていた。天上院吹雪の妹という立場には、責任と共に恩恵も得られる。誰もが一目置き、羨望の眼で見てもらえる立場が、元の世界には残っている。

 

 だが、もうその甘えは捨てよう。生まれ変わろう。あの世界に残ろうと思うのは、きっと私が自分に自信を持てていないからだ。私のことを天上院吹雪の妹として見ていたのは、他でもない自分自身だった。私こそが、兄の陰に隠れたままでいる弱い少女だった。

 

 栄光を掴みたいのなら、その甘えを捨てるのだ。どれだけ苦しくとも、どれだけ辱めを受けようとも、戦い続ける……そのための、最高の機会が、今、目の前にある。ならば、答えは一つだ。

 

(父さん、母さん、兄さん……さようなら。私は、この世界で生きて行くわ……)

 

 心の中で家族への別れの言葉を口にして、顔を上げる。もう覚悟は決まった。私は、元の次元には戻らない。

 

 このセックス次元で、エロデュエリストとして生きていくのだ。

 

 その決意を青羽社長に伝えると、彼は大喜びして様々な面倒を見てくれた。当面の住処と生活費、それに加えてファイトマネーとして多額のお金をくれた彼は、今後、私がエロデュエルで使用するためのデッキとカードを作ることも確約してくれた。

 

 かくして、天上院明日香はこのセックス次元にて生きていくこととなった。この世界の常識、エロデュエルの概念、それをぶち壊す強いエロ女決闘者となるべく努力を重ねる日々が、こうして始まったのである。

 

 




次回予告

セックス次元で生きていくことを決めた私だけど、いきなりプロデビューとはいかないみたい。まずはエロデュエルについて勉強して、実力を磨かないとね。

ということで青羽社長の口利きで、この世界の決闘者教育機関であるデュエロ・アカデミアに入学したんだけど……特別クラス所属って、どういうこと? おまけに入学早々、エロデュエルを申し込まれるし、前途多難な学園生活ね。

いいわ、かかってきなさい! 覚悟を決めた以上、私も本気でエロデュエルに挑んでみせるわ!

次回『初陣! S・HERO(スケベ・ヒーロー)アスカ!』
これが私の新しいデッキよ!!






この小説の天上院明日香について

この明日香はGXの世界の明日香でも、ARCVの明日香でもありません。我々も知らない、とある次元の天上院明日香です。

デュエルの腕前は立ちますが、十代をはじめとした人間にも出会えず、親しい友人も作れずに必死に努力を重ね続けたとしても兄と比べられ続け、周囲から失望されるという悲惨な人生を送ってきた明日香です。

独自設定で申し訳ありませんが、ご容赦ください。



エロデュエルのルールについて

アニメ準拠で、リンクモンスターはいますが、特殊召喚についての煩わしい制限はありません。好きなだけ融合・シンクロ・エクシーズ・リンクモンスターを並べることが出来ます。ペンデュラム召喚も可能で、専用のゾーンもあります。

作者がルールを網羅しているわけではないので結構ガバがあると思いますが、寛大な御心で許していただけると幸いです。


おまけ エロデッキについて

本作において、明日香が使うデッキは決めてありますが、対戦相手の男性や他の女性デュエリストの使用デッキについてはそこまで考えておりません。

なんか、こんなのいいんじゃない? って感じの案がございましたら、活動報告の方に送っていただけると幸いです。



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初陣! S・HERO(スケベ・ヒーロー)アスカ!

5/6日 追記

以前、アキのプロレス回の絵を描いてくださったKATUUさんから、またまた支援絵を頂いちゃいました!

こちらも素晴らしい出来となっていますので、是非ともご覧になってください!

KAYUUさん! 毎回、本当にありがとうございます!!


「ここが、デュエロ・アカデミア……! なんか、名前の割にはまともな建物ね……」

 

 視線の先にある巨大な建物を見つめ、そんな感想を漏らした私は、若干気圧されながらも敷地内へと入っていく。入場の許可をもらう際、守衛の人が訝し気な顔をしていたことが気になるが、それよりもこの世界における決闘者教育機関であるデュエロ・アカデミアに対する興味が上回っていたため、そんなことはすぐに頭の中から消え去ってしまった。

 

 外観もそうだが、内部も比較的まともな感じになっている。見た目としては普通の学校とは変わりない。私の住んでいた世界のデュエル・アカデミアは本島から離れた島に建造されていたが、こちらは普通に街の中にある分、より一層普通の学校感が強まっているようにも思える。

 

 今日からここが私の新しい母校になるのだと考えると、少し感慨深いような、そうでもないような気がするが……とにかく、新生活の第一歩を踏み出した以上、努力を重ねる以外の道はない。元の世界での人生を捨てた私は、このセックス次元で生きていくと決めたのだから。

 

 とにかく、青羽社長に言われた通り、学園長への挨拶を済ませてしまおうと考え、廊下を歩んでいた私であったが、行く道を塞ぐ者が現れた。

 

「誰だ、お前? このデュエロ・アカデミアに何の用だ?」

 

 複数名の男たちが、私の前に立ちはだかる。彼らが着ているのは、私もよく知っているデザインの服だ。具体的に言ってしまえば、ラー・イエローの学生服にそっくりである。

 

 その中で最も立場が高そうな男子生徒が、ニタニタと笑いながら私へと声をかけてきた。取り巻きたちも含め、彼ら全員が私へと不躾な視線を向けている。

 

「今日からこの学校に入学することになった天上院明日香よ。学園長に挨拶がしたいから、そこをどいてくれないかしら?」

「入学? お前が? ……なるほど、お前が特別クラス入りするって噂の新入生か。だがまさか、お前みたいなのが来るなんてな」

「特別クラス……? まあ、いいわ。さっきも言った通り、入学の手続きをしなきゃいけないの。急いでるから、そこをどいてちょうだい」

 

 彼らの視線と、その言葉に引っかかりを感じた私であったが、それも学園長から話を聞けば全て理解出来ることだと思い直し、先へと進もうとする。しかし、男子生徒たちはずらっと私を取り囲むようにして道を塞ぐと、不快な笑みを浮かべたまま、こう口にした。

 

「ちょっと待てよ。このデュエロ・アカデミアで特別扱いされるなんて、どんな方法を使ったんだ? まさか、学園長に抱かれたんじゃあないよな?」

「あり得るぜ! こいつ、牛みたいにデカい乳してるもんな! きっとエロエロなことして、不当に入学の権利を得たんだろ!!」

 

 彼らの言葉に、私は反論……出来なかった。私がこの学園に入学出来たのは青羽社長の口添えのお陰であり、彼がそこまでしてくれたのはゴブリン小島とのエロデュエルにおける私のポテンシャルを認めてのことだ。つまり、男子生徒たちが言っている、エロエロなことをしたお陰で入学の権利を得られたというのは、あながち間違いではないのである。

 

 しかして、このまま否定をしなくては、何の罪もないデュエロ・アカデミアの学園長に悪評が立ってしまうだろう。取り敢えず、言葉ではなく態度で抗議の意を示してみれば、男たちはその反応を待っていたとばかりに私へと挑戦状を叩きつけてきた。

 

「なんだ? なんか文句があるのか? なら、俺たちに自分の実力を示してみろよ」

「……一応聞くけど、学園長への挨拶を終えてからじゃあ駄目なのかしら?」

「はっ! 逃げるための言い訳かぁ? まあ、自分がいい体してるだけの雑魚だって認めたら見逃してやらなくもないけどよぉ!」

「はぁ……わかったわ。そこまで言われて引き下がるほど、私も弱気じゃあない。挑発に乗ってあげるわよ」

「へっ、そうこなくっちゃなぁ……!」

 

 不敵な笑みを浮かべた男子生徒が腕のデュエルディスクを起動する。私もまた、持っていた荷物からセックス次元製のデュエルディスクを取り出すと、それを腕に装着した。

 

 このデュエルディスクには、起動と同時に装着者の肉体を設定されているアバターへと変化させる効果がある。2基のデュエルディスクさえあれば、どこでもエロデュエルが可能になっている代物というわけだ。

 

 私も男子生徒も、アバターは現実世界の姿とはなんら変わりがない。騒ぎを聞きつけた他の生徒たちが見守る中、私は男子生徒とのデュエルを開始した。

 

「「デュエル!!」」

 

――医野ドクタVS天上院明日香 LP4000 1マッチ

 

「先攻は俺がもらうぜ! まずは手札より、【ヘルドクター ショック】を召喚! 更に魔法カード、【衣類除去】を発動するぜ!」

 

 先攻を取った男子生徒……ドクタは、手術着を身に纏い、心臓マッサージ機を手にした人型のモンスターを召喚した。そして、不気味なその外見に気圧されることもなく彼のプレイングを観察する私に対して、お決まりの服を剥ぎ取るためのカードを使用する。

 

「ギャラリーたちにサービスしてやれよ! 天上院明日香ちゃんっ!!」

「くっ……!!」

 

 パァン、と音がして、私の着ていた服が全て弾け飛んだ。数十名の男子生徒たちの前で裸にされた私は、羞恥に顔を染めながらもデュエルを続ける。

 

「おおっ! やっぱデカい乳してんなぁ! 乳首の色も薄くて、エロ可愛いぜ!」

「尻も良い形してるよな。プリっとしてて、たっぷり揉んでやりたくなるぜ……!」

「へへへ……! あの女がこっから医野の奴にどう料理されんのかが楽しみだな!」

 

 裸になった私を嘲笑う男たちの言葉責め。卑猥な言葉を次々と浴びせられながらも、私は屈したりしない。闘志を燃やし、むしろこの状況を楽しむようにして、エロデュエルへとのめり込んでいった。

 

「うひひっ! たっぷり可愛がってやるからな。俺はこれで、ターンエンドだ」

「私のターン! ドロー!」

「ひひっ! この瞬間、【ヘルドクター ショック】のモンスター効果発動! 相手プレイヤーがカードをドローした時、LPに400のダメージを与える!」

 

 待ってましたとばかりにモンスターの効果発動を宣言したドクタ。彼の言葉を合図にして、医師のモンスターが手にしている電気ショック機を擦り合わせ、電力を強めていく。

 

 バチバチと電撃が弾けるようになったそれを勢いよく私へと向ければ、青色の電撃が私の胸へと飛来し、そこに着弾すると共に激しい快感の信号が一気に体を貫いた。

 

――天上院明日香LP 4000→3600

 

「あぁあぁあああぁっっ♡♡♡」

「はははっ! いい声で鳴くじゃねえか! 電気ショックでの愛撫は気に入ったかよ?」

「んっ♡ まあまあ、ね……♡♡♡ まだ少し、物足りないかしら?」

「……言うじゃねえか。なら、次のターンにはもっと強烈なモンをくれてやる。泣き喚いてイキ狂っても知らねえからな」

 

 あくまで強気な姿勢を崩さない私のことを、ドクタは嗜虐的な目で見つめていた。どうやって私を嬲り、辱めるのかを考えているであろうその表情を見つめ返しながら、自分の態度が間違っていないことを確信する。

 

 これでいい。あくまで私は、強き女決闘者として振舞うべきだ。並程度の男を蹴散らし、簡単にその手に堕ちることなど許さない。そんな強い女が真に強い男に敗北する瞬間にこそ、観客たちはカタルシスを感じるのだと青羽社長は言う。それを信じるなら、私は快感に一喜一憂することなく、ただ自分のプレイングを以てエロデュエルを行うべきなのだ。

 

「いくわよ! 私は手札から【S・HERO(スケベヒーロー) アスカ】を召喚するわ!」

 

 高らかな宣言を行いながら、デュエルディスクへとモンスターをセットした私の眼の前に、もう1人の私が姿を現した。顔も、スタイルも、何もかもが私と瓜二つであるそのモンスターは、今の私同様の全裸の状態で観客たちの前に姿を現す。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「【S・HERO アスカ】だと……!? HEROカテゴリーのカードは知っているが、そんなカード見たことないぞ!?」

「そもそも、【S・HERO】は男性エロデュエリスト向けのデッキ。どうして女であるお前がそんなデッキを……!?」

 

 自分たちの知らないカードが登場したことにざわつく男たちを手で制した私は、突き刺さる無数の視線を感じながら、彼らへと解説を行った。

 

「この【S・HERO アスカ】は、私の分身体。彼女が受けた快感は、私にもフィードバックされるわ。彼女が愛撫されれば同じように私も喘ぎ、彼女が犯されれば私も同じように快感に悶える。逆に、私が裸になれば彼女も裸に変わる。私と彼女は同じ状態を共有するという、モンスターの効果に表記されていない、欄外の能力があることを覚えていてちょうだい」

「へえ、なるほどな。こいつの存在が、お前をこのデュエロ・アカデミアに入学させることを認めさせたってことか」

「では、ここからはモンスターとしての【S・HERO アスカ】の効果をプレイングを通して説明するわ。アスカ第一の効果! このカードは相手のカードの効果では場から離れず、戦闘破壊もされない!」

 

 【S・HERO アスカ】が持つ完全耐性。一度フィールドに出れば、かなりの確率でデュエルの終わりまで残り続けてくれるであろうこのカードの効果は、通常のデュエルならばかなり有用だろう。しかし、先の私との感覚共有を合わせて考えると、このエロデュエルでは話が違ってくる。

 

 アスカへの攻撃は、即ち私への攻撃となる。モンスターの攻撃や魔法・罠カードによる快楽責めは、アスカだけでなく私自身にも伝わるのだ。

 

 つまり、わざわざダイレクトアタックをせずとも、アスカを攻撃すれば、私に性的快感を与えることが出来るということだ。加えて、私そっくりのアスカが犯される様は、私自身がモンスターに犯されるのと何ら変わりは無い。観客たちも大いに喜ぶことだろう。

 

「【S・HERO アスカ】の第二の効果! このモンスターを召喚した時、私は手札・デッキ・墓地のいずれかから、レベル4以下のS・HEROを特殊召喚することが出来る! さあ、私の淫らな色香に誘われて姿を現しなさい! 【S・HERO 中年男】!!」

「ふぅぅぅんっ!!」

 

 フィールド上のアスカが卑猥に体を揺らし、おっぱいやお尻をぷるぷると震わせる。彼女の全身から溢れるフェロモンに誘われ、私のデッキからブリーフ一丁のメタボリックな体型をした男性モンスターが姿を現した。

 

「モンスターのリクルート効果か。しかし、そのモンスターでは俺の【ヘルドクター ショック】を突破することは出来ないぞ!」

「ふふふっ! 慌てないの。ここからが【S・HERO アスカ】の真骨頂よ! アスカ第三の効果発動! たった今、召喚した【S・HERO 中年男】に【S・HERO アスカ】を性交装備(セックスドッキング)するっ!」

「なっ!? 性交装備だと!?」

 

 蠱惑的な動きでブリーフ一丁の怪しい男に近づいていったアスカは、愛おし気な表情を浮かべながら彼と熱烈なキスをした。そのまま、唯一の衣類であるブリーフを脱ぎ捨てた中年男の腕に飛び込んだアスカは、大きく股を開いて彼のいきり立つ怒張を膣内へと迎え入れる。

 

「あはぁあぁあぁあんっっ♡♡♡ ぶ、ぶっとぃぃ……っ♡♡♡ おまんこの奥までずっぽりちんぽハマって、気持ちいいのぉっ♡♡♡」

 

 アスカを通じて感じられる快感を正直に口にした私に対して、男たちは先ほどとは意味合いの違う視線を送っていた。

 

 彼らは今、デュエルの中でただ嬲られるだけの存在だと思っていた少女が、自分たちの想像を凌駕するプレイングを見せていることに驚き、次に何を見せてくれるのかと期待している。私の卑猥な姿と、エロデュエルの腕前に魅了されつつあるのだ。

 

 これこそが、青羽社長が望んでいた強き女エロデュエリストの姿……淫らさと強さを両立させ、デュエルとセックスで観客を夢中にさせる。成すがままに敗れる、マッチポンプの試合ではない。本当の勝負の果てに犯されるかどうかが決まるエロデュエルこそが、観客が真に望んでいることなのだ。

 

 私は、その興奮と躍動を身を以て体験していた。ゴブリン小島とのエロデュエルとはまた違う、勝敗とプレイングにも期待が高まっていることを感じ取った私は、彼らをもっと夢中にすべく、デュエルへと意識を集中させる。

 

「んんっ♡ 【S・HERO アスカ】を性交装備した【S・HERO 中年男】は、秘められていた能力を解放させて攻撃力を500上昇させる♡ これにより、中年男の攻撃力は2000♡ あなたのモンスターの攻撃力を上回ったわね♡」

「くっ! まさか、犯されることを力に変える戦術を使用するなんて……!」

「ふふふっ♡ あなたたちの度肝を抜けたかしら? それじゃあ、バトルよ♡ 【S・HERO 中年男】で【ヘルドクター ショック】を攻撃♡ メタボリック・プレッシャー!!」

 

 びょいーん! と音が鳴るくらいに大きく跳躍した【S・HERO 中年男】の自らの体重を活かしたボディプレスが炸裂した。彼の体に押し潰され、ぺしゃんこにされた【ヘルドクター ショック】は、薄っぺらな紙のような姿になった後、何処か遠くへと吹き飛んでいってしまう。

 

――医野ドクタLP4000→3700

 

「ぐぅぅぅっ!? この、汚らしい、雑魚モンスターがっ!!」

「どう? なかなか効いたでしょう? 私はカードを1枚セットして、ターンエンド。エンドフェイズ時、【S・HERO アスカ】と他のS・HEROモンスターがフィールド上に存在しているならば、アスカは膣内射精を受けて、ザーメンカウンターを1つ得るわ」

『あっっ♡♡♡ あはんっ♡♡♡ あぁあぁんっっ♡♡♡』

 

 ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ、と激しく腰と腰がぶつかり合う音が響き、その度に私の子宮がちんぽに押し潰されてしまう。じんじんと奥に響くような快感に腰をくねらせていた私は、膣内へと大量に吐き出された精液の感触に大声で叫んだ。

 

「「あはぁああああああぁああぁあぁあぁ~~~~~っ♡♡♡」」

 

 私と【S・HERO アスカ】の嬌声が二重になって校内に響く。ぶしっ、と激しい潮噴きをした私へと向けられる男子生徒たちの視線は、獣欲の滾った男らしいものだった。

 

「くっ! 訳の分からないことをしやがって……! こうなったら、こっちも本気でやってやる! フィールド魔法【狂気の実験室】を発動! これにより、俺はLPを支払うことによって、手札の上級ドクターモンスターをアドバンス召喚扱いで場に出せる! その効果を使って召喚! オペの時間だ! 【ヘルドクター マッドネス】!!」

『ヒ~ッハッハッハッハ!!』

 

――医野ドクタLP3700→2700

 

 突如として、デュエロ・アカデミア内の景色が歪む。ドクタが発動したフィールド魔法のせいだ。

 

 自分の場全体に効果を発揮するフィールド魔法の効果によって、私たちの周囲は消毒液の臭いが漂う薄暗い実験室へと変貌した。そこで不気味な笑い声を上げる白衣の男性モンスターが、懲罰棒を手にしながらのっしのっしと私たちの元へと近づいて来る。

 

「【ヘルドクター マッドネス】のモンスター効果! このカードがアドバンス召喚に成功した時、相手フィールド上のモンスター1体を破壊する! 【S・HERO 中年男】には、あの世に行ってもらおうか!」

 

 ドクタの宣言と共に、巨大な医師が懲罰棒を振り上げ、それをアスカとセックスを行う中年男へと振り下ろした。しかし、私はそんな状況にも焦らず、伏せてあったカードを発動する。

 

「リバースカードオープン! 【スワッピングセックス】! 【S・HERO アスカ】と性交装備状態にあるモンスターをリリースして、デッキから代わりのモンスターを特殊召喚! その後、アスカと性交装備させる! 私が召喚するのは【S・HERO 痴漢男】よ!」

『ふひっ! ひひっ!!』

 

 最期の瞬間まで熱烈なキスを行い、アスカの膣内へと射精を行った中年男は、満足そうな笑みを浮かべるとそのまま消滅した。代わりに出現した、くたびれたスーツ姿の細身の男性へと近づいたアスカは、立ちバックの体位で彼の肉棒を受け入れる。

 

「んんっっ♡♡♡ は~っ♡♡♡ はぁあ……っ♡♡♡ 【S・HERO アスカ】は、性交装備を解除された時にザーメンカウンターを1つ得る♡ また、【ヘルドクター マッドネス】の効果は、対象となったモンスターが消滅したことで不発となったわ♡」

「く、くそっ! 小癪な手を……!!」

「……おい、ドクタの奴、ヤバいんじゃないか? なんかあの女の方が押してるように見えるぜ?」

「っていうか……あいつ、普通に強いぞ。次にどんな戦法を繰り出してくるか、まるで予想がつかない。こんなエロデュエルが有りだってのか?」

 

 完全にアウェーであった空気が、徐々に変化し始めた。私のことを油断ならない相手だと認め、その腕前に注目し、プレイングに期待を向ける男子生徒が、ちらほらと現れ始めたのだ。

 

 他の男たちも全裸で平然と戦う私のことを興奮と共に見つめ続けている。自分が求めていた快感と状況に胸をときめかせる中、劣勢に追い込まれつつあるドクタはやけっぱちになったような表情で攻撃を宣言した。

 

「バトルだ! 攻撃力2500の【ヘルドクター マッドネス】で、攻撃力800の【S・HERO 痴漢男】を攻撃!」

「【S・HERO アスカ】を性交装備状態の【S・HERO 痴漢男】の効果発動! 痴漢によって培われた隠密テクニックによって、自身に対する相手モンスターの攻撃を1ターンに1度だけ無効に出来る!!」

『んっ♡ ふっ♡ も、っとぉ……♡♡♡』

 

 攻撃対象にされた『S・HERO 痴漢男』は、突如出現した人混みに紛れて姿を消してしまった。アスカの甘い声が響く中、完全に標的を見失った【ヘルドクター マッドネス】は、成すがままに人の流れに押されて自陣へと戻っていく。

 

 やがて、人混みが消えていくと共に、ねっとりとした音の出ない腰使いでアスカを責めながら、彼女のたわわなおっぱいと乳首をねちっこく責める愛撫を行っていた痴漢男が姿を現す。相手の攻撃を無効にした上で、こんなふざけた行為を働いていたと知ったドクタは、怒り心頭といった様子で叫び声を上げた。

 

「ふざ、けるなよ……! この俺をコケにしやがって、もう許さねえ! そのモンスターごと、お前をアヘらせてやるよ!! 速攻魔法【禁忌の自己改造手術】を発動! LPを500支払い、【ヘルドクター マッドネス】をリリースすることで、手札から【デッドエンドドクター マッドネス】を特殊召喚する!!」

『ウボアァアァァァァァッッ!!』

 

――医野ドクタLP2700→2200

 

 フィールド上に響く、けたたましい音。肉体を切り裂き、機械を埋め込み、新たな生命体として作り変えていく、狂気の行いが観客たちの前で繰り広げられる。その光景と音を耳にした男子生徒たちは、顔面を蒼白にし、言葉を失ったように黙りこくってしまっていた。

 

―――――

 

【デッドエンドドクター マッドネス】ATK3000 DFE2700

 

このモンスターが相手モンスターを戦闘破壊した時、相手は1000ポイントのダメージを受ける。

 

―――――

 

(マズいわ! さっきよりも攻撃力が上がってる! それに、バトルフェイズ中の召喚だから、こいつにも攻撃権は残ってる!)

 

 攻撃を凌がれた後、新たなるモンスターを登場させることで再び攻撃を仕掛ける。デュエルのタクティクスとしては見事で、これには私も舌を巻くしかない。

 

 だがしかし、たった1つだけ、このプレイングにも許せないことがあった。そんな私の胸中など気にはせず、ドクタは呼び出した【デッドエンドドクター マッドネス】で攻撃を繰り出す。

 

「再びバトル! マッドネスで痴漢男を攻撃だ! 明日香! お前には2200の戦闘ダメージと1000ポイントの効果ダメージを受けてもらうぜ!」

「くっ! あぁあぁあああああぁあああぁっっ♡♡♡」

 

――天上院明日香LP3600→400

 

 2つに増えた懲罰棒から放たれる電撃が、私のおっぱいとまんこを襲う。3点同時攻撃によって刺激的な快感を味わわされた私は、先のセックスによる快感で敏感になっていた体を大きく跳ね上げて絶頂を迎えてしまった。

 

「んあぁあぁぁっ♡♡♡ しびれるぅっ♡♡♡ おまんこと、おっぱいが、びりびりジンジン、するぅ……っ♡♡♡」

「ギャハハハハッ! どうだ? お前のライフは残り僅か。俺の場には超強力なモンスターが存在している。この状況をひっくり返すなんてことが、お前に出来るのか!?」

「……【S・HERO アスカ】の効果発動。痴漢男との性交装備が解除されたことで、ザーメンカウンターを1つ乗せるわ」

 

 モンスターを破壊されながらも、そこで生まれた処理を淡々と行う私に対して、ドクタは露骨に不機嫌な表情を向けた。しかし、状況が自分に圧倒的に有利であることで気分を良くしたのか、調子に乗った様子で私へとターンを回す。

 

「さあ、お前のターンだぜ! せいぜい努力しろよ!」

「………」

 

 ぎゃはぎゃはという不愉快な笑い声がフィールドに響き、それを耳にした誰もが鬱陶しそうな顔をしていた。私も頑張ったが、結局、このままドクタが勝つのかと観客たちは試合への関心を失い、嫌な奴であるドクタが勝利することをを残念がる素振りを見せている。

 

 そんな男子生徒たちの様子を見ていた私は、先ほどから抱えていた怒りを爆発させた。山札からカードを引き、手札に加えた後、私は静かな怒りを込めた口調で、ドクタへと話しかける。

 

「……あなた、プロのエロデュエリストになりたいのよね? そのためにこのデュエロ・アカデミアに入学したのよね?」

「あぁ? そうに決まってるだろ。急に何を言い出して……」

「だったら! どうして観客たちのことを思いやれないの!? フィールドを不気味なものに変えたり、気持ちの悪い召喚で場を盛り下げたりして、それでこのデュエルを見てる人たちが喜ぶと思う!? そんな自分本位のプレイングしか出来ないあなたに使われるカードが可哀想よ!」

「な、なんだと!? やられることしか能が無い、女デュエリストの癖しやがって、生意気な……!」

 

 ギリギリと歯軋りして、私に吐きかけられた罵声を悔しがるドクタ。彼は今にも飛び掛かってきそうなくらいに怒りを募らせていたのだが、直後に予想外の言葉が観客たちから湧き上がり始める。

 

「確かに、そうだよな……俺、明日香ちゃんのデュエルを見てる時はワクワクしてたんだ。こんなに可愛い女の子のエロい姿が見れた上に、予想も出来ないプレイングで楽しませてくれるなんて凄いな、って思ってさ……でも、ドクタの奴が気持ち悪いカード使うせいで、その気持ちも萎えちまったよ」

「んなっ!? お前、何言って……?」

「ドクタ、明日香ちゃんは正しいことを言ってるよ。お前のエロデュエル、女の子を痛めつけてるみたいで見ててつまんねぇや。俺たちがこのデュエルをここまで楽しめたのも、全部明日香ちゃんのお陰だと思うぜ」

「な、な、な……!?」

 

 場の雰囲気が、観客たちが、私の味方をし始める。今、私は、自分の方向へと勝利の風が吹いていることを感じ取っていた。

 

「医野ドクタ! あなたに見せてあげるわ! 私が作り出す、誰もが夢中になるエロデュエルを! そして、そのデュエルで私はあなたに勝つ!! みんなも見ていて! これが、天上院明日香が魅せるエロデュエルよっ♡♡♡」

「ぐっ……!?」

 

 決意を込めた、勝利宣言。私の剣幕に押されたドクタは顔を青ざめさせ、観客たちは大いに盛り上がっている。

 

 一度は零下まで沈んだテンションを、再び押し上げることが出来た。フィールドに響き渡る明日香コールを耳にしながら、私は勝利に向けてのプレイングを開始する。

 

「まずはフィールドを変えましょう♡ 淫乱(ビッチ)にはそれに相応しい、淫らな舞台ってものがあるのよ♡ フィールド魔法【ホテル街♡ピンクスクレイパー】を発動っ♡」

「うおおぉぉぉぉぉっ!? すげーーーっ!!」

 

 薄暗く気味の悪い実験室から一変、周囲の光景はネオン輝くピンク街へと変化していく。その明かりに照らされながら、次々と卑猥なポーズを披露していく【S・HERO アスカ】の姿に、観客たちは大熱狂していた。

 

「た、たかがフィールドを変えたぐらいで、この状況がひっくり返るものか! こんなの、ただのこけおどしだ!」

「確かにそうね。でも、これならどうかしら? フィールド上に存在する【S・HERO アスカ】をリリースすることで、このモンスターは手札から特殊召喚することが出来る! 現れなさい、私のエースモンスター!!」

 

 瞳を閉じ、小さく屈んだ【S・HERO アスカ】が、天高く飛び上がる。まるでその背に羽が生えているかのような軽やかな飛翔で立ち並ぶビル街の上空へと消えた彼女を、誰もが目で追っていた。

 

「精の力纏いし淫らなる少女よ。その力を高め、全てを魅了する淫姫と化せ! 降臨せよっ! 【S・HERO ビッチガール♡アスカ】!!」

「うおぉぉぉぉぉっ!!」

 

 桃色の光を纏いながらビルの屋上へと降下してきたアスカは、その姿をより性的なものへと変化させていた。膨らみを増した乳と尻は柔らかそうに震え、肌もつやつやと淫らな光沢を放っている。下腹部には淫紋を思わせる卑猥なタトゥーが彫られており、桃色の妖し気な光を帯びているその紋様が、彼女の淫乱さをより引き立てていた。

 

 美しい裸体を惜しげもなく晒し、堂々と仁王立ちする彼女の姿に、誰もが魅了され、視線を奪われている。熱狂の渦が湧き上がるホテル街の中で、私は新たに生まれ変わったアスカの効果を発動した。

 

「【S・HERO ビッチガール♡アスカ】は、召喚の際にリリースしたアスカに乗っていたザーメンカウンターの数×700の攻撃力、守備力を得る! 【S・HERO アスカ】のザーメンカウンターは3つ! 合計値は2100よ!!」

「はっ! そんなんじゃあ俺の【デッドエンドドクター マッドネス】は倒せないぜ!」

「いいえ、そんなことはないわ。【ホテル街♡ピンクスクレイパー】には、アスカと名の付いたモンスターか、それを性交装備しているモンスターがバトルする際、攻撃力を1000ポイント上昇させる効果がある! これを合わせれば、【S・HERO ビッチガール♡アスカ】の攻撃力は3100! あなたのモンスターのステータスを上回るわ!!」

「なっ、なにぃぃっ!?」

 

 アスカを包む桃色の光が、一段と大きく輝く。その光を纏いながら、【デッドエンドドクター マッドネス】へと飛び掛かる【S・HERO ビッチガール♡アスカ】。今、このエロデュエルに終止符が打たれようとしていた。

 

「バトル! 【S・HERO ビッチガール♡アスカ】で【デッドエンドドクター マッドネス】に攻撃! ピンクスクレイパー・ヒップアタックっ!!」

『やぁぁぁぁぁっっ!!』

 

 白桃のような、形のいい桃尻を相手へと向け、凄い勢いで降下して行った【S・HERO ビッチガール♡アスカ】のヒップドロップが見事に相手モンスターを捉えた。攻撃されたというのにも関わらず、何処か幸せそうな悲鳴を上げながら、【デッドエンドドクター マッドネス】は吹き飛んで消滅していく。

 

「ぐっ! ま、まだだ! エースモンスターは倒されたが、まだデュエルの決着は……」

「いいえ、終わりよ。【S・HERO ビッチガール♡アスカ】の効果発動! このモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時、その攻撃力分のダメージを相手ライフに与える! 合計3100ポイントのダメージを食らいなさい! ラブハート・ビッチフラッシュ!!」

「そ、そんなぁぁぁぁ……っっ!!」

 

 ドクタの目の前に着地したアスカが両手と乳房でおっぱいハートを作ると、そこから桃色の光線が発射された。その光線に飲み込まれ、LPを一気に消滅させたドクタは、情けない悲鳴を上げてその場に崩れ落ちてしまう。

 

 勝敗が決まり、デュエルフィールドが消滅していく中、床に膝をつくドクタへと近づいた私は、満面の笑みを浮かべながら彼へとこう言った。

 

「ガッチャ♡ 気持ちいいエロデュエルだったわよ♡」

 

――医野ドクタLP2200→0

――WINNER 天上院明日香

 

 

 

 

 

 

 

 

「……すいません。約束していた時間を大きくオーバーしてしまって……」

「いいんですよ。話は聞いています。エロデュエルのお陰で、生徒たちも天上院くんのことをよく知れたでしょう。結果オーライというやつですな」

「そう言っていただけると嬉しいです。改めて、これから3年間、このデュエロ・アカデミアでお世話になります」

 

 丁寧にお辞儀をしながら、このデュエロ・アカデミアの学園長へと挨拶をする私であったが、内心では気が気でなかった。実は、先ほどのエロデュエルのせいで下着とスカートが愛液でぐちょぬれになっており、自分でもわかるくらいに雌の臭いがぷんぷんと漂っているのである。

 

 VR世界のアバターでデュエルをするが、その際に感じた快感は肉体へとフィードバックされることを失念していた。学園長からもらった肉体への干渉を防ぐアプリをデュエルディスクにインストールしたから今後は問題無いが、今は一刻も早くこの場を離れ、シャワーを浴びて着替えてしまいたいという気持ちで一杯だ。

 

「あ、あの……申し訳ないんですが、女子寮は何処でしょうか? その、色々あって臭いでしょうし、まずは着替えをしたいなって思ってるんですけど……」

 

 むんむんと臭う自分の雌臭に我慢が出来なくなった私は、失礼を承知で学園長へとそう尋ねる。すると、人の好さそうな容姿をした老人である彼は、少し困ったように首を傾げてから、こう答えた。

 

「女子寮、ですか? そんなもの、我が校にはありませんよ」

「え……? 女子寮が、ない? でも私、今日からこの学園の寮に住むよう言われてるんですけど……?」

「まさか、青羽くんから聞いてないんですか? デュエロ・アカデミアは男子校なんですよ。女子寮どころか、女子のための設備は何一つとしてありません。全校生徒千名近くの中で、女子は明日香くんだけなんです。女子である君を受け入れるために作り出したのが、明日香くんが所属する特別クラスなんですよ」

「だ、男子校? 女子寮は、無い? この学園で、女の子は私、だけ……?」

 

 学園長から聞かされた驚愕の真実に唖然とした私は、こんな重要な情報を伝えなかった青羽社長に対する怒りの炎を燃やすも、彼が目の前にいない今現在はどうしようもない。数百名単位の男子生徒の中にたった一人で放り出されたという現状に頭を抱えたくなるような感覚に襲われながら、自分の学園生活が思っているよりも大変なものになりそうだなと、心の中でそう思ったのであった。

 

 




次回予告

色々あったけど、男子だらけのデュエロ・アカデミアに無事入学出来てよかったわ。青羽社長には、次に会った時にキツくおしおきしないとね。

入学したばかりの私は、アカデミアの中で最も立場の低い寮であるウリア・レッドに配属されることが決まったみたい。最底辺からの出発っていうのは燃えるけど、この風呂もトイレも共用の寮生活は何とかならないかしら?

……え? 私とエロデュエルがしたい? 自分の実力を確かめてみたいの? わかったわ。同じ寮の仲間同士、互いを高め合うために協力しましょう!

次回『筆おろしデュエル 進撃のオークデッキ!』

パワフルなのは素敵だけど、それだけじゃ私は堕とせないわよ♡




最強カード紹介

【S・HERO ビッチガール♡アスカ】ATK??? DFE??? ☆7 戦士族 淫属性

(1)このカードは、自分フィールド上の【S・HERO アスカ】をリリースすることで特殊召喚出来る。それ以外の方法では場に出せない。
(2)このカードの攻撃力・守備力は、召喚のためにリリースした【S・HERO アスカ】に乗っていたザーメンカウンターの数×700となる。
(3)このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した場合、そのカードの攻撃力分のダメージを相手LPに与える。

――――――――――

今日の最強カードは、私の新しい切り札【S・HERO ビッチガール♡アスカ】よ。性交装備を繰り返した【S・HERO アスカ】をリリースすることで、最大3500の攻撃力・守備力を得ることが出来るわ。

本来は対女性用に作られた【S・HERO】デッキだけど、このカードをはじめとした【アスカ】カードを投入することによって、私自身のエロスを武器にした新たな戦術を見出すことに成功したわ。【S・HERO アスカ】の性交装備によって他のS・HEROたちを強化し、最後はこのカードでトドメ! っていうのが理想的な試合展開ね。

必殺技は、大きなお尻を思いっきりぶつける【アスカ・ヒップアタック】。この攻撃を食らった相手は、ちょっと嬉しそうな顔をして消滅するわ。あと、実は私もちょぴり気持ちいいのよね……♡

まだまだ、私の【S・HERO】デッキにはみんなに見せていないカードが山ほどあるわ! そのカードたちの活躍と、私のえっちなデュエルを楽しみにしていてね♡



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筆おろしデュエル 進撃のオークデッキ!

活動報告で言い忘れましたが、今の所タッグフォースのキャラを登場させるつもりはないですね。

レイン恵ちゃんとか好きなんですけど、あのゲームのキャラって基本的な顔のパーツが一緒だしなあ……とか言ってますが、あっさり翻して登場させるかもしれません。


 

「くっ……! また、下着が盗まれてる……!」

 

 共用スペースに干していたはずのパンティとブラが無くなっていることに気が付いた私は、苦虫を嚙み潰したような表情でそう呟いた。

 

 デュエロ・アカデミアに入学して今日で5日。その間、既に3度の盗難被害に遭っている。犯人はこのウリア・レッドの誰かなのであろうが、その数が膨大過ぎて個人まで特定することは困難であった。

 

 総勢千名近いデュエロ・アカデミアの学生たちの中で、女子は私一人。女子との共同生活を想定していなかった男子が色めき立つ気持ちもわからなくはないが、それにしたってこれはやり過ぎだ。

 

 そもそも、女子専用の風呂も無ければ女子トイレすら存在していないこの学園において、私がどれだけ苦労しているかなんてことは彼らにはわかっていない。それに加えて下着の盗難事件まで相次ぐとなっては、流石の私もストレスが溜まるというものだ。

 

 そのストレスを発散出来そうな初めての休日の朝から、こんな嫌なことがあっては気が滅入る。イライラとした感情を必死に堪え、それでも滲み出す怒りに表情を歪めていた私は、背後から肩を叩かれると共に、その行動の主へと苛立ちをぶつけるようにして反応を返した。

 

「なにかしら!? 今、凄く嫌なことがあって、虫の居所が悪いのだけれど!」

「す、すまねえ。でも、どうしてもこれを渡して、話がしたくって……」

「え……? これって……!!」

 

 そう言って、なまりの強い特徴的な話し方をする男子が、私へと手を差し出す。でっぷりと太った体型に似つかわしい大きな手の中には、盗まれたと思っていた私の下着たちが収められていた。

 

「あ、あなたが盗んだの!?」

「ち、ちげえよぉ! 実は、後輩から相談を受けてなぁ。つい出来心で明日香さんの下着を盗んじまったが、段々罪悪感のが強くなって、困っちまってるって……今は顔を見せられる気分じゃないから、俺に下着を返して、反省してることを伝えて欲しいって頼まれたんだよ」

「……そう。あなたも大変ね。じゃあ、その子にこう伝えておいて。謝るんなら、他人を頼りにしないで自分で会いに来なさいって。そうしたら、今回は許してあげるわ」

「すまねえ、明日香さんの言う通りだ。後輩にはきちっと言い聞かしとくから、今回は俺に免じて勘弁してくんろ」

「……別に、下着が戻ってきたから大事にするつもりはないわよ。こういうこと、初めてじゃないし。だから、近いうちにその後輩にも私に謝りに来させなさい。それで、この一件はお終いにしてあげるから」

「ありがとう……! んじゃ、俺は後輩に今の話を伝えて来るだ」

 

 そう言って、大柄なその男子はのしのしと共有スペースから去っていった。その背中を見送りながら、今しがた返ってきたこの下着が、男子たちにどういう扱いをされていたかを想像した私は、背筋に走った悪寒のままにそれを近くのゴミ箱へとダンクして、大きく溜息をつくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここで少し、私のデュエロ・アカデミアに入学した境遇について話しておこう。

 

 アカデミアに入学した生徒たちは、自身の成績に応じて3つの寮の内、どれかに配属される。成績上位のエリートは『ラビエル・ブルー』、中堅の優等生は『ハモン・イエロー』、そのどちらでもない落ちこぼれたちは『ウリア・レッド』というように分かれ、それに見合った待遇を受けていた。

 

 新入生である私は、ハモン・イエローに所属している医野ドクタを倒したという実績から、彼と同じ寮に所属することを検討されたが、それは私自身が断った。私はまだ、エロデュエルの全てを理解しているわけではない。基礎を学び、順当なステップアップで実力をつけていくには、最底辺からの出発が妥当だと考えたからだ。

 

 という訳で、特注された女子生徒用の制服(オベリスク・ブルーの制服を赤く染め直しただけの代物だ)に着替え、ウリア・レッドの寮での生活を始めたはいいものの、やはりそこは最低の境遇の学生寮。オシリス・レッド同様のおんぼろ木造建築の建物に数百名もの生徒たちが詰め込まれているのだから堪らない。しかも、個室にトイレもシャワーもついておらず、全てが共用となっていた。

 

 まあ、そんなこんなでこの5日間この寮で生活している間、女に飢えている男子生徒たちからのセクハラや犯罪行為は、止まることなく続いている。下着の盗難事件然り、トイレや風呂場での盗撮も然り、偶然を装ったボディタッチなんてものは可愛いもので、狼の群れの中に放り込まれた羊の如く、私は彼らに可愛がられているのだ。

 

 今はまだ、レイプのような直接的な被害には遭ってはいないが……このまま彼らがエスカレートしていけば、そう遠くない未来に手籠めにされてしまう可能性はある。それまでに対策を練りたい気持ちと、取り敢えずはここでの生活に慣れなければという気持ちが同居している私の心は、あまり晴れやかとはいえない気分であった。

 

(デュエルに関しても、ドクタとの一件以来、誰も挑んで来ないのよね……やっぱり、多少警戒されてるのかしら?)

 

 アカデミアで中堅以上の実力を持つ医野ドクタを倒したせいか、男子生徒たちは私へ手を出すことを恐れているように見える。もしくは、あの戦いで魅了された男たちは、自分が手を出すのではなく、他の誰かとエロデュエルを行う私の姿を見たいから、敢えて手を出していないのかもしれない。

 

 なんにせよ、私は退屈していた。勉強に打ち込めるのは良いことだが、折角、エロデュエリストを育成する学校に入ったのだから、自分の腕を磨く意味でもエロデュエルを行いたいと思うのはおかしな話ではないだろう。……あんな辱めを自ら望む時点で多少はおかしいと突っ込まれる気もするが、そこには触れないでもらいたい。

 

 とまあ、そういった感じで入学直後の1週間を無為に過ごした私は、本日初めての休日を迎えていた。とはいっても、私には出かける予定もなければ、一緒に遊びに行く友人もいない。無理に予定を詰め込むとしても、アカデミアの図書室で勉強をすることくらいしか思いつかない。

 

 それでも、一日でも早くエロデュエルに慣れようとした私は、早速その目的地に向かおうとして、そういえば昨日の夜に干しておいた洗濯物は乾いているかなと、それを共有スペースで確認したところ、先ほどのやり取りになったという訳である。

 

 結局、その日の夜に私の部屋を訪れた1年生の男子が、ぺこぺこと謝罪を繰り返したことでこの事件は解決を見たが……ウリア・レッドの男子生徒たちの間に、入浴中の私の盗撮写真が出回っていることを知っていた私は、終わらぬセクハラ被害にうんざりとしながら、ベッドの中で眠りについたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日の日曜日、再び図書室へと向かおうとした私の前に、来訪者が現れた。昨日、下着泥棒の後輩からの言伝を私に伝えに来た、あの大柄な男子生徒だ。

 

 真剣な顔で頼みがあると言われ、その剣幕に押された私は、彼の話を聞くことにした。寮の食堂で向かい合った彼は、早速といった感じで自己紹介と用件を伝える。

 

「俺の名前は、原田大久(はらだおおく)っていうんだ。もう3年生だが、ずっとウリア・レッドから抜け出せてねえ。多分、このまま卒業を迎えるだろうよぉ」

「昨日の会話から、たぶん上級生だとは思っていたけど、3年生だったのね。それで、私へのお願いっていうのは、何かしら?」

「恥を承知で頼む……天上院明日香さん、(オデ)を男にしてくれぇ!! 俺、俺、実は……3年生だってのに、まだ一度もエロデュエルを経験してねんだぁ!」

 

 涙目になりながら大久先輩が話した内容を纏めると、こうだ。

 

 男子校であるデュエロ・アカデミアは、女性エロデュエリストを育成している学校と対外試合を行うことによって、自校の生徒たちにエロデュエルの経験を積ませている。

 

 無論、そこで出場できるのは一部の優秀な生徒たちだけだが、そうやって外部の生徒たちと交流を持つことによって、学校主導でなくとも練習試合を組む生徒たちもいるらしい。

 

 だが、そういった女性との交流に慣れていなかった大久先輩は、エロデュエルの機会を何度も逃し続け……気が付けば、そのまま3年生にまで進級してしまったらしい。

 

「3年生にもなってウリア・レッドに所属してるのは、ほんの10人そこそこの奴らだけだぁ。んでも、そいつらでもエロデュエルの一度や二度は経験してる。シュミレーターでのエロデュエルしか経験してない素人童貞は、もう俺だけなんだよぉ~!」

「それは……可哀想、ね。自業自得な部分もあると思うけど、たった1人だけのエロデュエル未経験者っていうのは確かに同情したくなるわ」

 

 大久先輩にも努力を怠ったり、仲間たちと同調することが出来なかったという悪い部分もある。だが、それでも多少はこの純朴そうな青年に憐憫の情を抱いてしまうのも確かだ。

 

 あと1年で先輩は卒業し、社会に出て行く。その際、一度もエロデュエルを経験したことのない人間がプロの世界にスカウトされるとは考えにくい。そう考えると、このままエロデュエル未経験であることが、彼の人生において大きなネックになってしまうのではないだろうか。

 

 先輩にとってのラスト1年……ここで大きな飛躍を見せるためには、何かきっかけが必要だ。私とのエロデュエルがそのきっかけになったとしたら、彼にだってまだ逆転の眼はある。

 

 別に、挑まれたデュエルを拒む理由もない。私も退屈していたし、レッド寮の生徒たちの実力がどれほどのものかを知るいい機会にもなる。机に頭を擦り付けて懇願する大久先輩に対して、私は何でもないことのように了承の意を告げた。

 

「わかったわ。同じ寮の仲間同士、協力して互いの実力を高めあいましょう。大久先輩とのエロデュエル、受けさせてもらいます」

「ほ、ホントかぁ!? あ、ありがとう、明日香さん!!」

「大袈裟ですよ、先輩。デュエリストたるもの、挑まれたデュエルは受けるものでしょう? 私にも益がある話なんですから、断る理由はありませんしね」

 

 オークのような不細工顔を涙でぐちゃぐちゃにする大久先輩にそう言って、私は笑みを見せた。地獄に仏とばかりに感謝の言葉を口にし続ける彼が落ち着きを見せ始めた頃、私たちは連れ立って寮内のデュエルスペースへと向かい、エロデュエルの準備を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先輩、準備はいいですか?」

「お、俺は大丈夫だぁ」

「了解です。それじゃあ、始めましょうか」

 

 エロデュエル用のアプリを起動。周囲と自分の肉体をVR映像へと変化させる。次いで提案された現実の肉体への快感シャットアウト機能を、ちょっと考えた後でオフにした私は、5枚の手札をデッキから引き終えた大久先輩と視線をぶつけさせ、互いにデュエルの開始を宣誓する。

 

「「デュエル!!」」

 

――天上院明日香VS原田大久 LP4000 1マッチ

 

「私は後攻で構いません。先輩、お先にどうぞ」

「そ、そんじゃあ、お言葉に甘えて……! 俺は、手札より【野蛮なオーク】を召喚するだ! そのまま効果を発動! 明日香さんを全裸にするだよ!」

『ブヒィィィィィッ!!』

 

―――――

 

野蛮なオーク 

ATK1600 DFE1000 レベル4 獣戦士族 地属性

 

このカードが場に出た時、相手プレイヤーの衣服を破壊しても良い。

 

―――――

 

(まずは脱衣効果から入る。流石に3年生だけあって、基本は出来てるみたいね)

 

 3メートルは超えていそうな体躯のオークが私に近づき、真新しいウリア・レッドの制服を引き裂く。これがデータなのはわかっているが、ついつい少し勿体無いと感じてしまった私は、いつの間にやら集まっていたギャラリーたちの前で、いつも通りに全裸を晒すことになった。

 

 恥ずかしさは残るが、最初の頃に比べると慣れたものだ。それでも顔を赤くして、大久先輩の次のプレイングを待っていた私だが、意外なことに彼は私を裸に剥いた後、何もせずにターンを終了してしまった。

 

「お、俺はこれでターンエンド。次は明日香さんのターンだよ」

「え、ええ……私のターン、ドロー」

 

 能力値がそう高くはないモンスターだけを場に出し、伏せカードは1枚も無し。随分と警戒心の無いプレイングをするのだなと思いながらも、もしかしたら手札誘発のカードがあるのかもしれないと考えなおした私は、気を引き締め直し全力で自分のデュエルへと集中しながらカードをプレイする。

 

「手札より【S・HERO アスカ】を召喚!」

『はぁぁぁ……っ! はぁっ!!』

 

―――――

 

S・HERO(スケベヒーロー) アスカ

ATK1000 DFE1000 レベル3 戦士族 淫属性

 

(1)このカードが場に出た時、デッキ・手札・墓地から、レベル4以下の【S・HERO】モンスターを1体特殊召喚出来る。

(2)1ターンに1度、フィールド上のこのカードを他の【S・HERO】モンスターに性交装備しても良い。

(3)このカードが射精された時、もしくは性交装備が解除された時、ザーメンカウンターを1つ乗せる。(最大5つまで)

(4)このカードは相手カードの効果では自分フィールドから離れない。

 

―――――

 

「召喚されたアスカの効果によって、デッキから【S・HERO 中年男】を特殊召喚するわ!」

 

―――――

 

S・HERO 中年男

ATK1500 DFE1200 レベル4 戦士族 闇属性

 

(1)このカードが性交装備状態の時、攻撃力が500ポイントアップする。

 

『脂ぎった体型のメタボ男性。極太ちんぽと中年ならではの底なしの性欲を活かしたセックスでスケベ女を撃退して平和を守る』

 

―――――

 

「アスカを中年男に性交装備! これにより、【S・HERO 中年男】の攻撃力は500ポイントアップ!!」

『あはぁあぁんっ♡♡♡』

 

 アスカを召喚出来た際の安定的なムーブを見せた私は、攻撃力2000となった中年男に攻撃を命じた。

 

「【S・HERO 中年男】で【野蛮なオーク】を攻撃! メタボリックプレッシャー!!」

『うっひょひょ~い!!』

 

 ちんぽを膣内に受け入れ、四肢を絡ませて抱き着くアスカの尻をがっしりと掴んだまま跳躍する中年男。飛びあがりの瞬間に彼のちんぽが子宮をぐりっと押し込み、その快感をアスカと共有している私は、軽い潮噴きを行いながら絶頂を迎えた。

 

 そして、ずしんと音を立てるような落下と共に、引き抜かれていたおちんぽが再び最奥へと辿り着く。落下の勢いと自重を活かした強烈なピストンによって、私とアスカは同時に中年男にイかされてしまった。

 

――原田大久LP4000→3600

 

「んひぃいいいぃっ♡♡♡ は、ぁぁ……っ♡♡♡」

「くっ、俺のモンスターが……」

「ば、バトルフェイズを終了……♡ カードを2枚伏せて、ターンエンド……♡ んきゅぅうううぅっ♡♡♡」

 

 ターンエンド時、中年男の膣内射精を受けたアスカの快感を共に味わう私は、そのこってりとしたザーメンの感触にうっとりとした表情を浮かべた。快感と共にザーメンカウンターを得た私たちは、エロデュエル的には万全の状態で大久先輩へとターンを回す。

 

「お、俺のターン! よしっ! 俺は【剛腕オーク】を通常召喚! 更に永続魔法【オークの発情期】を発動!!」

 

―――――

 

剛腕オーク

ATK1800 DFE100 レベル4 獣戦士族 地属性

 

このカードが守備表示のモンスターを攻撃した際、その数値を上回っていれば、その分のダメージを相手に与える。

 

―――――

 

―――――

 

オークの発情期 永続魔法

 

(1)このカードがフィールド上にある限り、【オーク】と名の付いたモンスターの攻撃力は500上昇する。

(2)1ターンに1度、【オーク】と名の付いたモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時、手札を1枚捨てることで、そのモンスターはもう1度攻撃を行うことが出来る。

 

―――――

 

「これで【剛腕オーク】の攻撃力は【S・HERO 中年男】を上回った! 【剛腕オーク】で攻撃だ!!」

『ブヒィィイィイッ!!』

『あんぎゃぁぁぁっ!?!?』

 

――天上院明日香LP4000→3700

 

 その名前の通り、腕力に自信があるオークの鉄拳が中年男を捉える。アスカを抱えたまま吹き飛んだ中年男は、地面へと体を投げ出すと、最期に彼女の膣内へどぴゅどぴゅと精液を吐き出した後、消滅した。

 

「まだまだ行くだよ! 【オークの発情期】の効果によって、俺は手札を1枚捨てることでもう1度【剛腕オーク】で攻撃することが出来るだ! 【剛腕オーク】で【S・HERO アスカ】攻撃! オーク・パワフルピストン!!」

『あぁあっっ♡♡♡ あぁああああああぁあああぁぁあっっ♡♡♡』

 

 褐色の肌をした豚人(オーク)に捕まったアスカは、彼の凶悪な肉棒を最奥まで一気にねじ込まれた。VR技術ならではの無茶なセックスは、オークの巨根をすんなりと女体に受け入れさせ、快感だけを与える。

 

「おおんっ♡♡♡ おぉおおぉおんっ♡♡♡ すご、ひぃっ♡♡♡ オークちんぽっ♡♡♡ 人間のよりもぶっとくて硬いのぉっ♡♡♡ おまんこ広がっちゃうっ♡♡♡ ピストン激し過ぎて、おまんこバカになりゅぅううぅっ♡♡♡」

 

 巨大な怪物に犯される快感が、人間やゴブリンとのセックスとは比べ物にならない激しさを以て私を責め立てる。みっちり広がったおまんこがちんぽを咥え込み、内臓全てをかき回すような激しいピストンに、私の意識は混濁しっぱなしだ。

 

 やがて、アスカの極上の膣によって肉棒を満足させたのか、【剛腕オーク】は一際大きな叫び声を上げると、彼女の子宮へと己の遺伝子情報が詰まった精液を大量にぶちまけ、果てる。

 

『ンブモォオオォオオォオオオッッ!!』

「あぁああああぁっっ♡♡♡ あついぃいいぃいいぃいいっ♡♡♡ これだめっ♡♡♡ おまんこと子宮が、ヤケドしちゃうぅぅっ♡♡♡」

 

――天上院明日香LP3700→2400

 

 子宮へと吐き出される大量の精液。先ほど感じた、中年男の射精とは違う激しく熱い精の奔流に飲み込まれた私は、腰をガクガクと震わせながら嬌声を上げた。

 

 オークによる膣内射精を受けた【S・HERO アスカ】の胎は、まるで妊娠しているかのようにぽっこりと膨らんでしまっている。強烈な快感を与えてきたオークとのセックスが終わり、体を解放されてなお、彼女の膝は震え続け、立っているのがやっとという有様だ。

 

「あ、う……♡ 【S・HERO アスカ】の効果、発動……♡ 性交装備が解除されたことで1つ、【剛腕オーク】からの射精を受けた事でもう1つ、合計2つのザーメンカウンターを入手する……♡」

「や、やっただ! 明日香さんにダメージを与えただよ!!」

 

 LPを半分近く削り、私自身にも決して少なくない精神的ダメージを与えた大久先輩は、初めての経験に大喜びしている。観客たちもまた、並のサイズではないちんぽで私そっくりのモンスターを犯すオークの大迫力のセックスに熱狂し、歓声を上げていた。

 

 少しずつ、空気が大久先輩へと傾いている予感がある。だが、私もこのままやられっぱなしというわけにはいかない。講じていた策を実行すべく、気合を入れ直してから大声でカードの発動を叫んだ。

 

「リバースカードオープン! 【ヘンタイ♡シグナル】!! このカードは、アスカと名の付いたモンスターが攻撃を受け、プレイヤーがダメージを受けた時に発動出来るカードよ」

 

―――――

 

ヘンタイ♡シグナル 通常罠カード

 

自分フィールド上の【アスカ】と名の付いたモンスターが攻撃を受け、LPにダメージを受けた場合に発動出来る。ザーメンカウンターを1つ取り除き、残っているカウンターの数だけ、デッキから【S・HERO】と名の付いたモンスターを特殊召喚する。

 

―――――

 

『S・HEROのみんな、私の声に応えてっ♡♡♡ みんなのおちんぽとザーメンが必要なのっ♡♡♡』

 

 卑猥なセリフを口にしたアスカがふりふりとお尻を振れば、膣から精液が噴き出す下品な音と共に甘ったるい雌の臭いが漂い始めた。彼女が尻文字で『HELP♡』と空に描き、最後の締めとして投げキッスを行えば、その呼び出しに応じて2つの影が彼女の元へと参上する。

 

『待たせたな、アスカ!』

『俺たちが来たからには、もう安心だぜ!』

『ふふっ♡ あ・り・が・とっ♡♡♡ おちんぽもバッキバキで、とっても頼りがいがあるわね……♡』

 

 デッキから呼び出された【S・HERO 中年男】と【S・HERO 痴漢男】に寄り添ったアスカは、うっとりとした表情で彼らの勃起ちんぽを見つめている。ほぼ完全に消去したはずのモンスターたちが再び私の盤面に舞い戻って来たことに動揺した大久先輩は、先ほどまでの勢いを失った様子でターンの終了を告げた。

 

「お、俺はこれでターンエンドだ。くそぅ、またあいつらを倒さなぎゃならね……!」

「……いいえ、その必要はないわ。だって、このターンでデュエルは終わりだもの!」

「!?!?!?」

 

 またしても、大久先輩は伏せカードをセットしなかった。手札誘発のカードも用意していなさそうな点を見ると、彼のデッキは攻撃一辺倒のビートダウンに特化した戦術を得意としているようだ。

 

 オークによる激しい攻め、見る者を熱狂させるダイナミックなセックスを売りとするのはまあいい。問題は、相手からの反撃に対する手段が無いこと。これでは、幾ら勝利が決まっている女性とのエロデュエルだとしても……いや、だからこそ、守る際の不信感が際立ってしまうだろう。

 

 デュエルには、正攻法の押しだけではなく、様々な形で勝利へとアプローチ出来る技術も必要だ。大久先輩にそれを教えるため、私は見えている勝利へのビジョンに従い、カードをプレイする。

 

「手札より、魔法カードを発動! 【精液の代償】! このカードの効果により、【S・HERO アスカ】のザーメンカウンターを2つ取り除いて、2枚ドロー!」

 

―――――

 

精液の代償 通常魔法カード

 

フィールド上に存在するザーメンカウンターを2つ取り除き、デッキから2枚カードを引く。

 

―――――

 

「おい、これで明日香ちゃんの場にあるザーメンカウンターは0になっちまったぜ。これじゃあ、切り札の【S・HERO ビッチガール♡アスカ】が使えないじゃねえか」

「ザーメンカウンターよりも手札補充を取るなんて、そんなに持ってるカードが悪いのか?」

 

 私のプレイングに対して疑問を抱いた男子生徒たちのざわつきがギャラリーたちの間に広がる。確かに彼らの言う通り、このままでは私は切り札を使うことが出来ない。フィールド上のカードも大久先輩の【剛腕オーク】の攻撃力を超えられてはいないし、私のタクティクスは、一見すると自分の首を絞める行為のように見えるだろう。

 

 しかし、私が行っているのは勝利のためのプレイングだ。それを証明するために、私は次々とカードを発動していった。

 

「【S・HERO ドS男】を通常召喚!」

『フハハハハハ! 俺様にひれ伏せ、雌豚ども!!』

 

―――――

 

S・HERO ドS男

ATK 2000 DEF100 レベル4 戦士族 闇属性

 

(1)このカードが場に存在している時、スタンバイフェイズ毎に女性プレイヤーは100ポイントのダメージを受ける。

(2)このカードは、200のLPを支払わないと攻撃が出来ない。

(3)このカードが性交装備状態の場合、このカードの効果を全て無効にする。

(4)このカードがフィールド上に存在している時にザーメンカウンターが増加した時、その増加量を倍にする。

 

―――――

 

「更に、ここでリバースカードを発動! 【欲しがりアスカのセックスパーティー♡♡♡】!!」

 

―――――

 

欲しがりアスカのセックスパーティー♡♡♡ 通常罠

 

このカードは、自分の場に【S・HERO アスカ】が存在していて、ザーメンカウンターが1つもない状況でしか発動出来ない。

このカードの発動時、自分の場にいる【S・HERO アスカ】に他の【S・HERO】の数だけザーメンカウンターを置く。また、このターン中【アスカ】と名の付いたモンスターの攻撃力は、自分の場の【S・HERO】と名の付いたモンスターの数×300アップする。

 

―――――

 

『みんな、きてぇ♡♡♡ アスカのとろとろおまんこに、みんなの勃起ちんぽずぼずぼして欲しいのぉ♡♡♡ ナカダシも種付けも大歓迎だから、私といっぱいセックスしましょ♡♡♡』

『ぐひひひひっ! そういうことならっ!』

『据え膳食わぬは男の恥だぜっ!!』

『んぶぅううっ♡♡♡ んおおぉおおおぉおおおん……♡♡♡』

 

 自分の手で性器を左右に開き、あふれ出る愛液を見せつけるようにして腰を振るアスカの挑発に乗った中年男と痴漢男は、欲望のままに彼女を犯し始めた。膣と喉奥を犯す2人の傍では乗馬用の鞭を持ったドS男がそれを彼女の尻へと打ち付け、痛みと罵声による嗜虐的な責めを行っている。

 

『アスカ! お前はとんでもない淫乱女だな! 自分より一回りも二回りも年上の男たちの肉棒を咥え込んで、豚みたいに喘ぎやがって! 何がヒーローだ! お前なんざ、スケベな雌豚で十分だろうが!』

『んぐぅううぅうううっ♡♡♡ んっ♡ んっ♡♡♡ んはぁあぁっっ♡♡♡』

『オラッ! 鳴けっ! 豚のように鳴きながら、ちんぽ様に感謝しろっ!!』

『ぶひぃいいぃいっ♡♡♡ め、雌豚のアスカにちんぽぶち込んでくれて、ありがとうございますぶひっ♡♡♡ 私の雌豚まんこと雌豚口まんこで一生懸命ご奉仕させていただきますから、もっともっと激しく犯してくださいぶひぃいいっ♡♡♡』

『はんっ! 本当に豚みたいな奴だ。オークのデカチンにも媚びてたみたいだし、ちんぽなら何でも良いんだろう? 俺たちとのセックス止めて、豚らしくオークたちの肉便器にでもなったらどうだ?』

『そ、そんなのダメですぶひっ♡♡♡ S・HEROのアスカを一番気持ち良く出来るのは、同じS・HEROの皆様のちんぽなんですぶひっ♡♡♡ なんでも言うこと聞きますから、アスカの雌豚まんこ犯してくださいぶひぃ♡♡♡ 豚の真似も一生懸命やりますから♡♡♡ ぶひぶひっ♡♡♡ ぶひぃぃぃ~~っ♡♡♡』

 

 四つん這いになって尻を振り、同じヒーローのちんぽを上と下の口で相手しながら、豚の真似をするアスカ。彼女の無様な姿に興奮しているのは、セックスの相手をしている中年男たちだけではない。この試合を見守る観客たち全員が、人間としての尊厳を投げ捨てたかのような彼女の痴態に大興奮している。

 

 その中でも、デュエルの展開について考えを巡らせていた一部の生徒たちは、先ほどまでの私のプレイングを振り返りながら、納得したような声を漏らしていた。

 

「そうか、明日香ちゃんがわざわざザーメンカウンターを減らしたのは、このカードを使うためだったのか! 【欲しがりアスカのセックスパーティー♡♡♡】と【S・HERO ドS男】の効果を合わせれば、ザーメンカウンターは一気に最大値の5つまで溜まる! そうすれば……!」

『ぶっひぃいいぃいいんっ♡♡♡ でるでるでるっ♡♡♡ ドロドロザーメン、雌豚まんこにどっぴゅんされてるうぅうっ♡♡♡ あぁっ♡♡♡ お口でもザーメンいただきますっ♡♡♡ 雌豚アスカの主食は、皆さんのこってり精液ですぶひっ♡♡♡ 今日も美味しいザーメンをご馳走してくれて、ありがとうございますっ♡♡♡ ぶひっっ♡♡♡』

 

 子宮で精液を受け止め、食道に精液を流し込まれ、とても嬉しそうに微笑むアスカの体に桃色の闘気が満ちる。腹部に浮かび上がる♂マークの紋様も5つ並び、彼女の力が最大限にまで高まったことが見て取れた。

 

 私もまた、喉にへばりつく濃い精液の感触と、子宮にたっぷりと溜まっている熱いザーメンによる快感に愛液を垂れ流しながら、全ての準備を終えたことで登場させられるエースモンスターを召喚すべく声を張る。

 

「ざ、ザーメンカウンターが5つ乗った【S・HERO アスカ】をリリースっ♡♡♡ 手札から【S・HERO ビッチガール♡アスカ】を特殊召喚っ♡♡♡ ぶひっ♡♡♡」

『あっはぁあん……っっ♡♡♡ 凄く、いい気持ち……♡♡♡』

 

 全身を精液で汚したアスカの体が光り、その肉体がより性的に変わる。下腹部に淫紋を浮かべ、全身からフェロモンを放つ彼女の姿に目を奪われた男子たちの前で、快感に悶える私は小便をまき散らしながらデュエルを続けた。

 

「【欲しがりアスカのセックスパーティー♡♡♡】の効果によって、アスカと名の付くモンスターの攻撃力は自分の場の【S・HERO】の数×300アップする♡ つ、つまりっ♡ おひんっ♡ 【S・HERO ビッチガール♡アスカ】の攻撃力は合計して4400になるぶひっ♡♡♡」

『お~う、アスカちゃ~ん! まだまだセックスしたいよな~? ん~?』

『とっとと決着つけて、楽しくセックスパーティーしようや。アスカちゃんならやれんだろ?』

『ぶひぃ……♡♡♡ 私ももっとセックスしたいぶひっ♡♡♡ 頑張って、オークやっつけるぶひっ♡♡♡』

 

 豚語が抜けないアスカと、彼女と感覚を共有しているためにその語尾が移ってしまった私。股間から大量の愛液を滴らせている2匹の雌豚は、快楽に蕩けた表情で倒すべき敵を見据えた。

 

 私の垂らす愛液と、アスカの漏らす本気汁。私たちの放つ雌の香りがデュエルフィールド全体に充満し、男たちの煩悩を刺激して、天上院明日香という女の淫らさを知らしめている。その状態で、私は、このデュエルに決着をつける一撃を繰り出すべく、【S・HERO ビッチガール♡アスカ】へと叫んだ。

 

「バトル! 【S・HERO ビッチガール♡アスカ】で【剛腕オーク】を攻撃! アスカ・ヒップアタック!!」

『うふふふふふ……♡♡♡ ぶひぶひ~っ♡♡♡』

『プギィィィィッ!?』

 

――原田大久LP3600→1500

 

 ふわりと飛翔したアスカのお尻が、醜い豚人間を押し潰す。顔面に騎乗され、もごもごと苦しそうに呻いていた【剛腕オーク】であったが、最終的には幸せそうにちんぽを勃起させた状態で天に召されていった。

 

「お、俺の【剛腕オーク】が……!」

「更に、【S・HERO ビッチガール♡アスカ】が相手モンスターを戦闘で破壊したことで効果発動! 破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える! ラブハート・ビッチフラッシュ!!」

「ぐ、ぐおぉぉぉぉぉっ!?!?」

 

 上昇していた500ポイント分の攻撃力を除いたとしても、【剛腕オーク】の攻撃力は大久先輩のLPを上回っていた。アスカの作り出したおっぱいハートから放たれた光線によってダメージを受け、デュエルの続行が不可能になった大久先輩へと近づいた私は、彼へとウインクを送りながら健闘を讃える言葉を口にする。

 

「ガッチャ♡ 気持ちいいエロデュエルだったわよ♡ ……ぶひっ♡」

 

――原田大久LP1500→0

――WINNER 天上院明日香

 

 

 

 

「くぅぅぅ……! やっぱ、明日香さんは強いだなぁ。まるで歯が立たなかっただよ」

「そうですね……大久先輩は、攻撃に比重を傾け過ぎています。このエロデュエルの中で、先輩はリバースカードを1枚もセットしませんでした。そのお陰で、私は思い切って攻撃を仕掛けることが出来たんです」

「そうだなぁ。言われてみりゃ、俺は攻撃ばっか考えてただよ。女の人とのエロデュエルでは、相手を思いっきり犯せた方が人気出ると思ってっからなぁ」

「それはそうかもしれませんが、相手からの攻撃を受け止める頑健さも男性エロデュエリストには必要なんじゃないでしょうか? 大久先輩の場合、攻める時は巨大ちんぽによる激しいセックスで相手を嬲り、守る際にはオークの強靭な肉体で相手の攻撃にビクともしない力強さを見せれば、きっと人気が出ますよ」

「ははぁ、なるほどなぁ……! まだエロデュエルを始めて間もないってのに、明日香さんはすげえなぁ。それに比べて俺は、何年も落ちこぼれのまんまで、なっさけねぇ……」

 

 大久先輩の問題点を指摘し、改善方法を提案してあげた私だったが、それが彼のプライドを傷つけてしまったようだ。エロデュエルでの敗戦も含め、色んなことでショックを受けた大久先輩はがっくりと肩を落として項垂れてしまっている。

 

 ……本当、快感断絶機能を切っておいてよかった。絶対にこうなる気がしていたのよね。

 

 予想通りの展開が目の前で繰り広げられていることに苦笑しつつ、私は大久先輩を慰め、励ますために、とある行動を取り始めた。

 

「……そんなことはないです。大久先輩はまだ経験不足なだけで、光るものはありますよ。ほら、これを見てください」

「んぉ? おっ、おおおっ!?」

 

 ぐっちょりと愛液で濡れたスカートとパンティを脱ぎ捨て、エロデュエルで味わった快感で濡れそぼっている性器を大久先輩へと見せつけた私は、その内部までを彼にしっかりと確認させながら、励ましの言葉を口にした。

 

「私のおまんこがこんなに濡れてるのは、大久先輩とのエロデュエルのせいです♡ ぶっといオークちんぽの激しいピストンでおまんこがぐちゃぐちゃになって、射精の量も勢いも人間とは桁外れの気持ち良さでした♡ 自信を持ってください、大久先輩♡ 私は先輩のプレイングでこんなに感じちゃったんですよ♡」

「お、おお……俺が、明日香さんのまんこを、こんなに……!?」

「ふふふっ♡ 残りの1年間で腕前を磨けば、きっと先輩は凄いエロデュエリストになれますっ♡♡♡ これは、初めてのエロデュエルを経験した先輩へのお祝いです♡ あげたものですから、返しに来なくていいですよ♡」

 

 そう言いながら、私は……今の今まで履いていた下着を大久先輩の顔に被せるようにして差し出す。愛液の滑りと人肌の温もりを感じて顔を真っ赤にした大久先輩に微笑みかけた後、デュエルスペースを去ろうとした私は、ふと足を止めると、下半身丸出しの状態でここまでのやり取りを見ていた観客たちへと振り向いて……

 

「あなたたちも、もう下着泥棒なんてしないでよね♡ このままじゃ、私と気持ちいいエロデュエルをしてくれた人にあげるおパンツトロフィーが足りなくなっちゃうから♡」

 

 そう、悪戯っぽく口にした後、その場を立ち去った。私の背後では何かが爆発したかのような大歓声が響いており、その声を聞きながら部屋へと戻る私は、生徒たちにおまんことお尻を見られることも気にせず、上機嫌でアカデミア内を下半身裸の状態で歩き回ってから、楽しい休日の終わりを迎える。

 

 翌日から、私の下着が盗まれることは無くなった。代わりに、匿名で私へのパンティのプレゼントが大量に送られてくるという事態になり、男たちの欲望の馬鹿らしさについつい私は噴き出してしまうのであった。

 

 






次回予告

「ここがデュエロ・アカデミア……私たち、今日からここで生活するのね」

「思ったよりも綺麗なとこじゃん! よっしゃ! 心機一転、この世界で頑張るぜ!」

「どうでもいい。私は、私自身の力を証明するためにここにいる。このアカデミアを制圧して、私の強さをみせつけてやろう!」

「……本当、どうでもいいわ。今の私には、何もかもがどうだっていい。ただ、こんな私でもデュエルで誰かを楽しませることが出来るのなら、きっと……」

……ちょっと待って、あなたたち、何者!?

次回『集結せし女決闘者たち! 特別クラス、本格始動!』

オレたちが誰かって? それは……次回を楽しみにしてな!



最強カード紹介

S・HERO(スケベヒーロー) アスカ】
ATK1000 DFE1000 レベル3 戦士族 淫属性

(1)このカードが場に出た時、デッキ・手札・墓地から、レベル4以下の【S・HERO】モンスターを1体特殊召喚出来る。
(2)1ターンに1度、フィールド上のこのカードを他の【S・HERO】モンスターに性交装備しても良い。
(3)このカードが射精された時、もしくは性交装備が解除された時、ザーメンカウンターを1つ乗せる。(最大5つまで)
(4)このカードがは相手カードの効果では自分フィールドから離れない。

――――――――――

今日の最強カードは、私の【S・HERO】デッキの主軸にして、私自身の分身体でもある【S・HERO アスカ】!

様々な効果を持っているけど、その中でも特徴的なのは、やっぱりザーメンカウンターの蓄積よね。上級モンスターである【S・HERO ビッチガール♡アスカ】の召喚の他にも、様々なカードの発動条件にも関わっているのよ。

アスカを性交装備することで、S・HEROたちは真の力を解放することが出来る。デュエルを盛り上げながら、女の子の痴態を曝け出すことが出来るこのカードは、私のエロデュエルの象徴となるモンスターになってくれるはずよ♡



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集結せし女決闘者たち! 特別クラス、本格始動!

前回、記載し忘れてしまったのですが、【原田大久】のキャラクター案はボルボロックスさんから頂きました。ご応募、ありがとうございます。

それと、次のお話の前に説明回を入れたいと思います。頭の中にある設定を文にするだけの回ですので、興味が無ければ読み飛ばして頂いて結構です。

あと、今回はエロはありません。沢山新レギュラーが出ます。

以上、報告でした。


 

 

「……も、もうそろそろね。ふぅ、緊張するわ……」

 

 デュエロ・アカデミアの使われていない教室の中をぐるぐるとせわしなく歩き回りながら、私はそう呟く。現在時刻は午前11時55分、普通ならば私も他の生徒たちと共に授業を受けている時間帯だ。

 

 何故、そうしていないのかと聞かれたら、ここで人を待っているからだと答えよう。では誰を待っているのかと聞かれたら……私と境遇を同じくする、女決闘者たちをだと答える。

 

 凄く、物凄く、緊張する。先に入学したばっかりに、こんな役目を担わされることになるとは思いもしなかった。入学して2週間、ようやくここでの生活にも慣れ始めたというのに、何の前触れもなく新たな変化が訪れるなんておかしいではないか。

 

 そもそも青羽社長も学園長もそういう大事なことはもっと前もって教えるべきだろう。今朝方、学園長室にいきなり呼び出されたかと思えば、「今日から特別クラスに新しいお友達が増えます。それも沢山。明日香くんは先輩として、色々なことを教えてあげてください」とはどういうことなのだろうか?

 

 もう、本当に急すぎる。せっかく仲間が増えるというのに、これじゃ全く嬉しくない。というより、自分で言うのもなんだが、こんな狂った世界に残ることを選択した女子たちがまともな神経をしているはずがない。そんな人たちの面倒をたった1人で見るのって、もしかしなくても罰ゲームなんじゃないかしら?

 

(いえ、落ち着くのよ明日香。もしかしたらただ純粋にエロデュエルに魅せられただけの女の子かもしれないじゃない。そうだったとしたら相当な淫乱(ビッチ)ってことになるでしょうけど、それは私も同じことでしょう!?)

 

 学園長曰く、既に彼女たちはエロデュエルを経験済みで、私同様に青羽社長に才能を見出されてスカウトを受けたらしい。つまり、全員の境遇は同じなはずだ。根底が同じなら、仲良くなれる可能性だって十分にある。

 

 なんにせよ、彼女たちは敵ではない。どんな娘が、何人来るのかもわからないが、仲間として良好な関係を築けるように努力すべきだ。

 

 私がそう考え、心を落ち着かせていると……

 

「……失礼するわ。青羽社長が言ってた、案内役の女子生徒ってあなたのこと?」

「えっ!? え、ええ、そうよ。あなたたちが、今日からデュエロ・アカデミアに入学する子たちね?」

 

 ガラリと音を立てて開いた扉の向こう側から、数名の女の子たちが姿を現した。連れ立って室内に入って来た彼女たちは、全員が系統こそ違うものの美少女であるということは共通している。

 

 人数は、4人。服装や年齢に差がありそうな彼女たちのことを1人ずつ観察しながら、私は彼女たちと自己紹介をし合う。

 

「私は天上院明日香。このデュエロ・アカデミアには2週間前に入ったばかりだから、そこまでは詳しく案内は出来ないけど……今後の生活について、ある程度のことは教えられるわ。同じ特別クラスの仲間として、これからよろしくね」

 

 人当たりの良い笑みを浮かべ、接しやすい雰囲気を出して挨拶をしてみたつもりなのだが……彼女たちは、全員が表情を変えることも反応を見せることもしてくれなかった。やはり、この世界に残るだけあって、常人とは違う感性をお持ちのようだ。

 

 こうなっては仕方がない。こちらからのアプローチは諦めて、向こうの出方を見よう。そう考えた私は、この教室に入る際、先頭に立っていた大人びた雰囲気の少女へと視線を向ける。

 

 この集団の中では一番大人びている彼女は、恐らく私と同じくらいの年齢だろう。背丈も高く、すらりとした長い脚とグラマラスなボディを強調するような服装をしている彼女は、私の視線に気が付くと静かな口調で自己紹介を始めた。

 

「名前は、十六夜アキ。歳は16歳よ」

「えっと……他には、何かない? どんなデッキを使うとか、どうしてこの世界で生きていくことにしたかとか……」

「……デッキは植物族を使うわ。この次元に残った理由は……元の世界に居場所がなかったし、治療に協力してくれるっていうから」

「治療? あなた、病気なの?」

「……答える義理はないわ」

 

 冷たい雰囲気を纏うアキは、これ以上踏み込むなとばかりに鋭い視線を私へと向ける。彼女の眼差しにゾクリとした寒気を感じた私は、知らず知らずのうちに息を飲んでいた。

 

 赤と黒を基調とした彼女のコーディネートや、真紅の色をした髪と瞳。そしてなにより、美しくも他者を拒むアキの態度を見た私は、彼女が真っ赤に咲く一輪のバラのように思えた。近づく者を傷つける棘を持つ、美しき花のような彼女は、必要以上の対話を好まない性格のようだ。

 

 今はこれ以上、彼女と話すことは無理だろう。そう考えた私は、次の女子生徒へと視線を向け、彼女を観察する。

 

 女子にしては高めの身長を持つアキから、がくんと背丈を落としたその容姿。まだあどけなさの残るその顔立ちから考えるに、この子は中学生くらいの年齢だろう。

 

 しかし、その、なんというか……それにしては、体の一部が桁外れに育ち過ぎている。背丈に反して大きく膨らんだ胸部は、身長的に10cmは差があるであろう私やアキにも負けないレベルのサイズだ。

 

 ピンク色を基調とした活動的な服装をしている彼女は、そんな恰好では隠せない巨乳とぴっちりとしたスパッツで強調されている臀部を揺らしながら、アキとは真逆の明朗快活とした挨拶をしてくれた。

 

「うっす! オレ、神月アンナ! 歳は13歳だから、アキよりは年下だな! デッキは……とにかくズドーン! って、一気に決める感じのデッキだぜ!」

「アンナ、アンナね……うん、元気一杯で羨ましいわ。これからよろしくね」

「こちらこそよろしくな! 明日香!!」

 

 体育会系のアンナは、非常にわかりやすい性格をしている。彼女とは上手くコミュニケーションを取れそうだなと思いながらも、同時に13歳という年齢であの超弩級のおっぱいを所持している彼女のポテンシャルには恐ろしさを禁じ得ない。

 

 ……まあ、そのことは置いておこう。今は他の女の子たちと挨拶をすることが大事だと考えていると、3人目の女の子が鼻息を荒くして私へと話しかけてきた。

 

「おい! 私とデュエルしろ! お前に勝って、私がこの中で一番強いと証明してやる!」

「ええっ!? ど、どうしてそうなるのよ? 今は自己紹介の最中で、決闘はまだ後ですることでしょ?」

「黙れ! 私は自分の力を証明するためにこの次元に残ることにしたんだ! この学園を制圧することがその近道だと聞いたから、私はこのデュエロ・アカデミアに入学することにしたんだぞ!!」

 

 バンッ、と近くにあった机を叩く彼女の姿は、まるで我儘を言い続ける子供のようだ。というより、凄く失礼な気がするが……ゴリラのようにも見えなくもない。

 

 アンナと背丈が同じくらいなことを考えると、年齢自体もそう変わらないのだろう。彼女も凄く可愛いし、スタイルだってアンナが規格外過ぎるだけで同世代としては十分に育っているはずなのに、ジタバタとデュエルすることを求めて暴れまわるせいで、それが全て台無しだ。

 

「いいからデュエルだ! デュエルしろ! 融合次元のセレナが、お前を倒す!」

「はいはい、あなたはセレナっていうのね。デュエルは後でしてあげるから、ちょっと待ってなさい」

「本当か!? 約束だぞ! 逃げたら承知しないからな!」

 

 私の言葉にあっさりと納得したセレナの姿に、やっぱり彼女はゴリラなんじゃないかという疑念が強まる。凄く面倒くさい感じだが、根は真っ直ぐないい子なのかもしれない。彼女の扱い方を学ぶ必要がありそうだなと思いながら、私は最後の1人へと声をかける。

 

「最後はあなたよ。名前は?」

「……財前葵。歳は16。元の世界では、高校生でした。デュエルに関しては……すいません、あまり話したくないです」

「そ、そう……まあ、初対面だしね。仲良くなったら、あなたのことを聞かせてちょうだい」

「……はい」

 

 栗色のショートヘアに可愛らしい学生服を纏った少女。その容姿からは普通の高校生にしか見えない葵だが、彼女の纏っている雰囲気はとても暗い。人生の終わりを予感させるような、自殺志願者のようなオーラが出ていると言えばわかってもらえるだろうか? それくらい、彼女からは生気が感じられないのだ。

 

 アキとは違う意味で人を寄せ付けない葵のことが、どうしても気になってしまう。彼女がこの世界に残ったのは、自暴自棄の境地に達してしまったからなのではないかという不安を抱えつつも、アキの時のように深く心に踏み込んで拒絶されては意味が無いと判断した私は、敢えてこの場では彼女に触れないようにした。

 

「……取り敢えず、この5人がデュエロ・アカデミアの特別クラスのメンバーになるのね。男子校に女子が5人だけ、危ない感じがするわ」

「構うもんか! 妙なことをしてくる奴は、全員ぶっ飛ばしてやる!」

「それよりもデュエルだ! 私と戦えっ!!」

「……はぁ」

 

 ……混沌(カオス)だ、混沌が過ぎる。この4人の手綱を、私がたった1人で握らなければならないというのか? 他者を寄せ付けないクールビューティーと、見るからに暴走しそうな爆乳少女と、デュエルのことしか考えていなさそうなゴリラと、陰鬱が過ぎる雰囲気の女子高生を私1人で面倒を見ろと、そう学園長たちは仰りたいわけだ。そんなの無理に決まっているではないか!

 

(ちょっと待って、この時点でもう頭が痛い……ど、どうすればいいのよ……?)

 

 こんなの、この次元に来て2週間の女子に課す任務ではない。仲間は増えたが、それ以上に頭痛の種が増える始末だなんて、手に負えない。

 

 私は引き攣った表情を浮かべ、やいのやいのと騒ぐ4名の女子をどうすべきかと必死に考えていたのだが……そこに、新たなる来客が姿を現した。

 

「ふむ、顔合わせは済んだようだね。ここからは、私が話を引き継ごう」

「が、学園長!」

 

 禿げ頭を光らせながら空き教室に入って来たのは、デュエロ・アカデミアの学園長こと鰐島一郎だ。私たち一人一人の顔を見回した後、彼は特別クラスの存在意義について話し始める。

 

「知っての通り、我がデュエロ・アカデミアは男子校だ。そんな我が校に特待生として入学して来た君たちには、他の生徒たちと同じ授業を受けてもらうと共に、彼らの成長の手助けをしてほしい」

「身近にエロデュエルの相手となってくれる女子を配置することで生徒全体のデュエルの腕前の向上を目指す、私たちはうってつけの練習台ってわけね」

「大変かもしれないが、君たちのプレイングの上達にも繋がるはずだ。男子と女子、双方に益のあることだと私は思っているよ」

 

 私も鰐島学園長の言う通り、これはいい案だと思う。大久先輩のような、磨けば光るものがあるが自身の実力を研鑽する機会が見つけられない生徒たちにとって、私たちの存在はかなりありがたいものになるだろう。

 

 特に、対外試合に参加出来ない落ちこぼれが集まるウリア・レッドの生徒たちは、同じ寮で生活する女性エロデュエリストである私たちに勝負を挑みやすい。実力が低い分、伸びしろも大きいはずの彼らの成長を手助けすると共に、私たちも適正な相手と戦って経験値を得られるということで、双方の実力の向上に繋がる良案なのではないだろうか。

 

「デュエロ・アカデミア全体の成績アップを狙うと共に、新たな風を運び入れる。それが君たち特別クラスの生徒たちに期待する第一の目的。そしてもう一つに、エロデュエル界に蔓延している停滞した空気を破壊するというものがある。君たちも、青羽社長の話は聞いただろう? 現在、エロデュエル界の男性決闘者たちは、実力の研鑽を忘れてしまっている。プロのエロデュエリストがそうなのだから、若手もまたそれ以上に伸びる可能性は低いだろう。その全ての元凶は、エロデュエルにおいて、女性は必ず敗北するという無意識下の刷り込みだ」

「私たちがエロデュエルに勝利することで、女性たちもただ嬲られるだけの存在ではないことを証明する。そうすれば、男性たちも私たちを倒すためのタクティクスを練り始める。それはつまり、エロデュエル界の技術の向上、新たなるステージへの進出に繋がる。そういうことですね?」

「うむ、その通りだ。そのためには、デュエロ・アカデミア内でエロデュエルをしていても意味がない。君たちには、他の教育機関やエロデュエル塾との対外試合を積極的にこなしてもらう予定だ」

「デュエル塾? それは、アカデミアとは違うものなのか?」

「ん? う~む、そうだな……このデュエロ・アカデミアをはじめとした学校の形をとっている教育機関は、エロデュエリストとしての必要な技術を全般的に教えることを目標としたものなんだよ。言い方を変えれば、エロデュエル育成専門学校。ここを卒業すれば、それだけでプロとしての資格を手に入れることが出来る。対して、エロデュエル塾とは、その名の通りあくまで塾でしかない。普通の学校に通う少年たちが、学業の合間を縫ってエロデュエルの腕前を磨くための場さ。この辺の話に関しては、おいおい話していこう」

 

 私の住んでいた世界では考えられないことだが、セックス次元にはエロデュエルを教えるための塾もあるらしい。この世界におけるエロデュエルの需要を改めて認識した私は、新たな情報であるそれに興味をそそられるも、鰐島学園長はそれ以上のことを話すつもりは無さそうだ。

 

 とにかく、これで私たちの目的がはっきりしてきた。このデュエロ・アカデミアにて学園生活を送りながら、外部のエロデュエリストとも対戦していくことで、セックス次元とエロデュエル界に新風を巻き起こす。大変だが、なかなかやり甲斐がありそうなプロジェクトだ。

 

 俄然、燃えてきた。私がどうなるかは、自分の腕前にかかっている。昇るも堕ちるも自分次第というひりひりとした緊張感が私の闘争心に火を付け、やってやろうという思いを強めてくれた、のだが……。

 

「その、なんだ……そのためにはまず、明日香くん以外の4人には、エロデュエル用のデッキを構築してもらわないといけないな」

「……はい? エロデュエル用のデッキを、構築……? まさかあなたたち、普通のデュエルで使うデッキで戦うつもり!?」

「……なに? 問題があるの?」

「オレはそのつもりだぜ! この前は負けちまったけど、あれは油断してたからだ!」

「同じく、私は自分のデッキで勝負する!」

「………」

 

 アキも、アンナも、セレナも、葵も……全員が、エロデュエル用のデッキを作るつもりはないという意志をばっちり見せている。その無謀さに呆れ返る私は、口の端をひくひくと引き攣らせた奇妙な笑みを浮かべつつ、鰐島学園長に視線を向けると、彼はとても残念そうな顔で首を振ってみせた。

 

 これはもう、本当に大問題だ。通常のデュエルとエロデュエルとは、似ているようで実は全くの別物である。別物である以上、それに見合った道具を用意するのは当然のことで、彼女たちが行っているのは怠慢であると同時に自分たちの首を絞める自殺行為に他ならない。

 

 同じボールを打つスポーツだからといって、野球のバットでゴルフに挑む馬鹿はいない。物事には、それに見合った道具を使う必要性がある。それに真剣に打ち込むのならば尚更のことで、私たちはエロデュエルに本気で取り組もうとしている以上、まずは必要な道具を揃えるというのは当然の義務だ。

 

 だがしかし、彼女たちにはエロデュエル用のデッキを作る意志が見受けられない。何度かエロデュエルに敗北して、カモにされれば気が変わるかもしれないが、下手をすると今のデッキで躍起になって勝利しようと考える可能性も無きにしも非ずだ。

 

「問題児だらけじゃない……! これが、特別クラスのメンバーだっていうの!?」

 

 まともなエロデュエルをしようとしているのが私しかいない。この世界の変革を目指そうというメンバーがそれでいいのかという事態に頭を抱えながら、ふと私は思った。

 

(……私、2週間でこっちの世界に染まり過ぎじゃない? 普通の世界の基準でいえば、問題児は私の方なんじゃ……!?)

 

「……話は終わりかしら? なら、休みたいのだけれど」

「どこで暮らせばいいんだ!? 飯は用意されてるのか!?」

「いいからデュエルだ、デュエル!!」

「……うるさい人たちばっかり。嫌になるわ」

 

 唐突に思い浮かんだ自分への不信感に言葉を失った私には、この問題児4人を止めることは不可能だ。ただ1人、混沌を極める教室の中で、鰐島学園長だけがおろおろとした様子で私たち全員のことを不安気に見つめているのであった。

 

 

 

 

 

 

デュエロ・アカデミア創設33年 エロデュエル教育協会議長である青羽琉氏の提言により、有望な女子生徒たちを集めた特別クラスを設立。

 

第1期生

 

天上院明日香

十六夜アキ

神月アンナ

セレナ

財前葵

 

女性たちによるエロデュエル界の変革を目指し、活動を開始。

 

 






次回予告

活動方針が決まって、メンバーも集まった特別クラスだけど、まだまだ前途は多難ね。せめて、基本的な部分だけはしっかりしないと……

……って、思ってた矢先に、セレナがラビエル・ブルーの生徒たちとトラブルを起こしたですって? しかも、エロデュエルをしようとしてる? デッキも組めてないのに、まともな勝負が出来るわけないでしょ!

まったく……ここは先輩として、彼女たちにエロデュエルの何たるかを教えてあげるしかないみたいね!

次回『明日香危うし!? 恐怖の催眠デッキ!!』

相手はこの学園のエリート、今までのようにいくとは限らないわ。私も本気を出すわよ!


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『大久先輩と明日香による、なぜなにエロデュエル教室』その1

登場人物

原田大久

キモデブオタクな見た目をしているデュエロ・アカデミアの3年生。ウリア・レッド所属。この教室の解説役を務める。

勤勉で真面目な性格をしているが、壊滅的な見た目と女性への免疫のなさ、田舎なまりの喋り方により他者とのコミュニケーションが上手く取れず、エロデュエルの機会を得られぬまま3年生になってしまった。実戦経験がないが故に試験で失敗を繰り返し、現在でも最下層のウリア・レッド所属のままである。
ただ、デュエルタクティクスに関しては光るものがあるため、明日香とのエロデュエルにて童貞を卒業し、一皮剥けた彼の今後の飛躍には期待出来る。

セックス次元の住人であり、名門デュエロ・アカデミアの3年生でもあるため、知識はそれなりにある。同じウリア・レッド寮の寮生であり、明日香と話しやすい姦計を気付けている数少ない男子生徒であることから、解説役に就任した。


天上院明日香

この小説の主人公。ただし、我々の知っている天上院明日香ではない。他のキャラクターたちも、異なる生い立ちや経緯を辿った上でこのセックス次元を訪れ、生きていくことを決めた我々の知る彼女たちとは同一人物の別個体である。

優秀過ぎる兄、天上院吹雪を持つが故の周囲からのプレッシャーに耐え切れずにいたところをセックス次元に誘拐され、自分を天上院吹雪の妹ではなく天上院明日香として見てもらえる喜びを感じたことでセックス次元で生きていくことを決意した。現在では色々とはっちゃけ、エロデュエルにもどっぷりハマっている。

本編では解説しきれない(解説しようとすると異様に長くなる)部分の補完のため、大久に依頼してこのような教室を開催することにした。



 

「普段から私たち特別クラスの活躍を応援してくれたり、支援してくれている皆さん。はじめまして、天上院明日香よ。今回は本編では解説しきれない様々な要素についての説明を、大久先輩と一緒にやっていくわ」

 

「よ、よろしく頼むだよ。俺、一生懸命頑張るだ」

 

「第一回目は、デュエロ・アカデミア等の教育機関とエロデュエル塾との違いについての説明、及びプロエロデュエリストになるまでの道のりについての解説。そして、これまでに登場したデッキについて、簡単ながら説明をさせてもらうわ。ちょっと長い話だけど、興味がある人はついてきてね」

 

 

 

――学校型教育機関とエロデュエル塾との違い

 

「じゃあ、まずはこの説明からお願い。鰐島学園長の説明で大まかな違いについては理解出来たけど、詳細にはどんな違いがあるのかしら?」

 

「じゃあ、別々に分けて説明するだね。俺たちが通うデュエロ・アカデミアのような学校形式の教育機関は、プロエロデュエリストになるために必要な、国から指定されたカリキュラムを全て講習するためのものなんだぁ。基礎からみっちりエロデュエルの技術を叩き込み、学生生活中にその全てを完全に履修することで、卒業後に即プロとして活躍出来る人材を育成することを目的とした教育機関なんだよ」

 

「卒業後にプロになれるって言うけど、資格を得ることが出来れば、誰でもプロエロデュエリストになれるってことかしら?」

 

「そうだねぇ。ただ、デュエロ・アカデミアのような教育機関を卒業することで得られるのは、プロライセンスだけなんだぁよ。ライセンスがあればプロを名乗ることは出来るけど、1年ごとに行われる審査で規定を満たしていないと、それを剥奪されてしまうことになるだ」

 

「それじゃあやっぱり、プロとして活動するには、企業やチームとの契約が必要になるってことね」

 

「明日香さんの言う通りだ。デュエロ・アカデミアでは、卒業後の進路についても企業やプロチームを紹介してくれるというサポートを行ってくれるだよ。また、学校間で行われる交流試合や、大規模な大会によって名前を売りやすく、スカウトにも注目されやすいという利点もあるだ。優秀な生徒は、エスカレーター式で成功の道を駆けあがって行ける。落ちこぼれにも救済措置があるから安心感もあるというのが、学校に通うメリットだねぇ」

 

「なるほどね……逆に、デメリットは?」

 

「エロデュエリストは人気の職業だ。その専門学校に通うのにも相当の実力が必要になるだよ。それに、学校によってはかなりの授業料を支払うことになるから、裕福じゃない家庭の人間には厳しい道かもしれないだね」

 

「入るまでは困難だけど、卒業さえ出来れば一定の成功は収められる。それが学校型教育機関のメリットなのね」

 

「んだ。プロになった後も、芽さえ出れば幅広い知識と立ち回りで一躍トップスターになれる。全般的な教育を受けてきた優等生だからこそ辿れる道だぁね」

 

「それじゃあ、次はデュエル塾について教えてちょうだい」

 

「塾に関しては、あくまで習い事という形でエロデュエルを教える場だぁよ。ただ、小学校高学年から通うデュエル塾は、基礎的な知識は知っているという前提で通うものになるだ。そこでは、各塾の理念や戦法に特化した授業が行われるだ。学校がエロデュエルを知る場だとすれば、塾は強くなるための教育を受ける場所だと言えるだね」

 

「それだけ聞くと塾の方が手っ取り早く強くなれる気がするけど……そんな単純な話じゃあないのよね?」

 

「勿論だ。デュエル塾で学べるのは、あくまでその戦法についてのみ。わかりやすく言っちまえば、強い剣を1本だけ貰えるって感じだ。そこからそれを発展させていくのは至難の業だし、そもそもその戦法が通用するかどうかも環境によって変わってくる。時代における影響を受けやすい、不安定な学び場でもあるだ」

 

「対して、学校の場合は、そこそこの強さの武器を多種多様に貰える。その中で自分に合っていてかつ、強みのある武器を選択することで、安定した活躍を見込めるってことね」

 

「んだんだ。こう言っちまうとデュエル塾が学校の下位互換のように聞こえちまうだろうが、実際はそでもねぇ。名門塾でも学校に比べてかかるお金はぐっと減るし、勉強する内容もそこまで多くないことが多いだから、頭がパンクすることもねえ。誰でも簡単に一定以上の強さを手に入れられるのは、大きな魅力だなぁ」

 

「……ちなみに、デュエル塾に通う人たちがプロになるにはどうすればいいの?」

 

「デュエル塾に関しては、スポンサーとして企業やデュエルチームが運営資金を提供していることが多いだ。大会や試合で優秀な成績を収めれば、そこからスカウトが来る。それ以外の人たちにも、ある程度の成績さえあればセミプロとプロのライセンス試験を獲得出来る試験に挑む機会があるだよ」

 

「でも、そのチャンスを得られるのは、極一部の人たちだけ……デュエル塾は、完全実力主義の世界になるってことね」

 

「そだねぇ。ただ、そういった低くない基準を満たしたデュエリストは、実力も折り紙付きだ。企業のサポートを受けているから安定はするし、プレイング自体は同じチームの先輩たちと似通っているから、プレイ内容が好まれている時点で一定のファンも見込める。反面、その先輩がやったことでは受けを取りにくいから、自分なりのオリジナリティを作る必要があるだね」

 

「でも、それは学校型の卒業生でも同じことでしょ? そして今、その為の研究が止まっていることが問題になっているからこそ、私たち特別クラスが設立されたんだもの」

 

「そだなぁ。確実に勝てて、一定以上の収益を見込めるエロデュエルに対して、努力をするってのは無駄に思えちまうかもしんないだね。というより、実際にそうなってるのが問題なんだなぁ……」

 

――デュエル塾のランクについて

 

「言い忘れてただけど、デュエル塾には所属する生徒の活躍やエロデュエル界への貢献度に応じて、1~10のランクが設定されてるだ。数字が低ければ低いほど、高いランクの塾になるだね」

 

「そのランクが高いとどうなるの?」

 

「塾同士の大会に参加するには、一定以上のランクが必要になる場合が多いだ。強いデュエル塾になればなるほど、名前を売れるチャンスが増える。そうやって有名になって、プロデュエリストを輩出して、それがまた活躍してくれれば塾生が増えて活動資金も潤沢になり……と、いいことずくめだ」

 

「そのランクによって、塾自体の強さにもある程度の予想が立てられるってことね……」

 

「ちなみにだが、明日香さんたち特別クラスも特例でデュエル塾としての申請が通ったらしいだよ。学校同士の大会だけじゃなく、塾同士の大会にも参加出来るみたいだから、頑張ってランクを上げてほしいだ」

 

「それに加えて学校内でのデュエルもあるんだから、思っているよりも多忙な毎日を送ることになりそうね。でも、それでこそやってみる価値があるわ!」

 

「その意気だよ、明日香さん!!」

 

「……さて、先輩のお陰で知りたいことはわかったし、教育機関の違いについての解説はここまでにしましょうか。ここからは、これまでのお話に登場したエロデュエル用デッキの解説に入るわね」

 

 

 

 

 

――――――――――

 

【ゴブリンデッキ】使用者 ゴブリン小島(プロ)

 

【ゴブリン】名称で括られたカテゴリ。低級モンスターを対象に展開してからアドバンス召喚で上級モンスターを場に出したり、エクシーズ召喚を狙う基本に忠実なプレイングが特徴。(融合、シンクロ、ペンデュラム、リンク召喚にも対応しているが、主流はエクシーズ)

 

相手の動きを妨害する戦法にも長けており、柔軟性は非常に高い。ゴブリンという古今東西エロには欠かせないモンスターを使用していることからも人気が高く、使用者が多い反面、そのせいで埋もれてしまう使い手も多い。

 

――――――――――

 

「明日香さんの記念すべき初のエロデュエルの相手、ゴブリン小島さんの【ゴブリンデッキ】だ! いきなりプロの舞台でデュエルをするだなんて、やっぱり明日香さんは凄いだなぁ……!!」

 

「でも、相手は全然本気を出してなかったと思うわ。上級モンスターも使われなかったし、エクシーズ? という戦法も使われなかった。普通のデュエルとエロデュエルとの違いを明確に突き付けられた試合だったわね」

 

「んだども、この試合のお陰で明日香さんはエロデュエルに興味を持ってくれたんだろぉ? んなら、何にも問題なか。プロの仕事は、観客を楽しませ、対戦相手にもデュエルを楽しんでもらうことだ。そういう点では、ゴブリン小島さんはやっぱりプロデュエリストだね!」

 

「……そうね。いつか、強くなった私ともう一度エロデュエルをしてもらいたいわね。その時は、私が勝つわ!」

 

 

 

 

――――――――――

 

【ドクターデッキ】使用者 医野ドクタ(デュエロ・アカデミア2年 ハモン・イエロー所属)

 

【ドクター】の名称、及び医術関連のカードで纏められたカテゴリ。使用召喚法はアドバンス召喚のみ。

 

相手の行動に反応してのバーンダメージで着実にLPを削っていく戦法が特徴。また、ドクタは使用出来ないが、対戦相手や女性モンスターの肉体を改造し、超乳やふたなりにするなどのパフォーマンスも見せる。

 

ただ、所属しているモンスターが不気味であることや、改造自体がややマニアックな性癖であること、更にはデュエル中の演出がグロテスクな割には地味であることが災いして、不人気なデッキとなっている。

 

――――――――――

 

「お次は医野くんが使ってた【ドクターデッキ】だな。大病院の院長の息子である彼らしいデッキだよ」

 

「でも、あんまりエロ映えしない戦法ばっかり使ってたわね。戦った感想としては、あんまり楽しいとは思えなかったわ」

 

「う~ん……使い手によっては面白いことになるだが、医野くんじゃあ完全には扱いきれなかっただか……」

 

「普通のデュエルでもエロデュエルでも、観客を盛り上げるのは当たり前のことよ。それすらも出来ない彼は、エロデュエリストとしてはまだまだ未熟ね」

 

「おおぅ。経歴が圧倒的に短い明日香さんだが、プロ根性は既に立派だな……実際、あのデュエルも明日香さんのお陰で盛り上がったようなものだし、医野くんも努力を重ねる必要があるだねぇ……」

 

 

 

――――――――――

 

【オークデッキ】使用者 原田大久(デュエロ・アカデミア3年 ウリア・レッド所属)

 

【ゴブリンデッキ】と同じく大人気である【オーク】のカテゴリ。全召喚法に対応しているが、主流はゴブリンとは違ってアドバンス召喚軸。

 

【ゴブリンデッキ】と違って展開力こそないが、単体でのカードパワーが強力なのが特徴。適当なモンスターを場に出して殴っているだけで勝てることも多い。

 

パフォーマンスとしても、巨根のオークが女性を犯す様は圧巻の一言で、見る者を興奮させるのは間違いない。【オークデッキ】の使用者のみで構成されたプロチームが存在している程の人気テーマであり、その扱い易さから初心者に最適なデッキでもある。

 

――――――――――

 

「お次は俺も使ってるオークデッキだ。といっても、俺の腕前は大したもんでもねけどなぁ」

 

「でも、私はドクタよりも、大久先輩とのエロデュエルの方が気持ちが良かったし、楽しかったわ。オークのぶっといちんぽで犯されるの、結構癖になるわよ?」

 

「そう言ってもらえると励みになるだよ。もっともっと頑張って、卒業までに強いエロデュエリストになるだ!」

 

「ふふふっ♡ 頑張ってくださいね♡ またエロデュエルした時に、おパンツトロフィー差し上げますから♡」

 

――――――――――

 

S・HERO(スケベヒーロー)デッキ】使用者 天上院明日香

 

SUKEBEでHなERO集団。それがS・HEROだ。ヒーローとは名ばかりの犯罪集団、もとい変態の集まりである。

 

本来は男性向けのエロデュエル用カテゴリであったが、低ステータス&使い勝手の悪いカード能力のお陰で使い手が皆無となっていた。しかし、【S・HERO アスカ】の加入に伴い、新たな能力である『性交装備(セックスドッキング)』を得てカムバック。明日香の使用デッキとなる。

 

明日香のデッキは、性交装備とザーメンカウンターを活かした【S・HERO アスカ】主軸のデッキであり、自身と瓜二つで感覚を共有しているアスカを他のS・HEROに犯させることによって観客を楽しませつつ戦術を組み上げるという、エロさと強さを合成させた革新的な女性用デッキに仕上がっている。

 

本家HEROカテゴリとは違い、人気の無さから制作されたカード自体が少ないため、現状は青羽主導の下で懸命に新カードが作られている。ただ今現在でも切り札となるカードは複数枚存在しているようで、新カードが無くてもアスカの効果と明日香のプレイングによって十二分に戦えるだけの力を発揮している。

 

―――――――――――

 

「最後はお待ちかね、私の【S・HEROデッキ】ね。デッキを組む時、なんだかこのカードたちを使ってみたくなったから選んだの。理由はわからないけど、凄くしっくり来るデッキに仕上がってると思うわ」

 

「【S・HERO アスカ】は、名実ともに明日香さんのフェイバリットカードだね! 自分そっくりのモンスターを使って、観客を盛り上げた後で勝利する。凄く痺れるだよ!」

 

「ありがと♡ でも、まだ見せてない戦術やカードは沢山あるわ。その全部を引き出して、もっとエロい私の姿を見せられるようになるのが今から楽しみね♡」

 

「よし、これでデッキ紹介も終わっただね。本編とはそこまで関係ないだし、エロも無いのにここまで読んでくれたみんな、本当にありがとうだ」

 

「仲間も増えたことだし、私ももっと頑張ってエロデュエルに臨まないとね! みんなに満足してもらえるよう、私たちは頑張るわ! これからも応援よろしくね♡」

 



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明日香危うし!? 恐怖の催眠デッキ!!

今回も応募していただいたキャラクターを採用し、登場させてみました。
皆さんに感謝、感謝です。


 

 

「はぁ~~……」

 

 頭が痛い。物理的だとか体調的な意味合いではなく、精神的な意味で頭痛がする。この次元に連れてこられて、エロデュエルに参加させられた時でさえここまでの疲弊は感じなかったというのに、今は溜息が止まらない状態だ。

 

 どれもこれも、あの4人の問題児たちのせいだ。文字通り、生まれた世界が違う彼女たちの面倒を見ることとなった私の心労は、自分でも信じられないレベルにまで達していた。

 

(仲間が増えたことは嬉しいけど、全員がノーマルなデッキしか持ってないなんて……あの子たちにエロデュエル用のデッキを作らせないと、特別クラスの活動どころじゃないわ)

 

 私にとっての当面の課題はそれだ。彼女たちがエロデュエルに参加するための大前提をクリアさせなければ、他のアカデミアの生徒や塾生たちとのエロデュエルどころの話ではない。普通のデッキで無茶をしても、翻弄されるばかりで何も出来ない姿が目に浮かぶようだ。

 

 別に、彼女たちの実力を疑っているわけではない。青羽社長がその素質を認めたというのならば私はそれを信じるし、それなりの実力を持たない者をこのデュエロ・アカデミアに入学させるはずもないからだ。だからこそ、4人にはエロデュエル用のデッキを作ってもらって、その才能を開花させてほしいのだが……。

 

「明日香! 大変だっ!!」

「ひゃあぁっ!?」

 

 とまあ、そんな風に考え事をしていた私は、ドアをぶち破らんばかりの勢いで部屋の中に飛び込んで来たアンナの声に不意を打たれ、驚きのあまり変な悲鳴を上げてしまった。

 

 本当に元気が有り余っている女の子だと思いながら、何か一大事を伝えに来たであろうアンナへと視線を向けた私は、動揺している心を落ち着かせながら彼女へと私を呼びに来た理由を問いただす。

 

「そんなに慌ててどうしたの? 何が大変なのよ?」

「セレナの奴が、ラビエル・ブルーの上級生と揉めてるんだよ! あいつ、本物のデュエル馬鹿だから、ほっといたらヤバいんじゃないか!?」

「はぁ……ええ、そうね。あの子は筋金入りのデュエル馬鹿だから、放っておいたらマズいわね」

 

 口を開けばデュエルデュエルとうるさい年下の同級生の顔を思い浮かべた私は、再び大きな溜息をついてから顔を上げる。そして、事態の収拾に努めるべく、アンナに案内してもらって、騒動が起きている場所へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「セレナ、ちょっと待ちなさい!!」

「うん……? 何の用だ!? 私はこれから、こいつらとデュエルをするところだ! 下らん用事なら、この戦いが終わるまで待っていろ!」

「そのデュエルを待ちなさいって言ってるの! あなたねえ、いったいどういうつもりでこんな馬鹿なことをしでかしたのよ?」

「馬鹿とはなんだ、馬鹿とは!? 私だって、しっかり考えて行動したんだぞ!」

「へぇ? それじゃあ、何を考えてこんな真似をしたのかを私に教えてちょうだい」

 

 大急ぎでラビエル・ブルーの学生寮へと向かった私は、今まさに男子生徒たちとのデュエルに臨もうとしていたセレナを大声で制止して彼女を叱る。戦いに水を差されたことに不満を垂れる彼女は、得意気な顔をしながら自分の行動の理由を説明し始めた。

 

「この寮に住んでいる奴らが、このアカデミアの生徒たちの中で一番強いんだろう? なら、そいつらを倒せば、私が一番強い生徒ということになる! 最短で最強であることを証明出来る、賢い方法だろう?」

「だからって、道場破りみたいな真似をする必要はないでしょ! 常識でものを考えなさい、常識で! それよりも、エロデュエル用のデッキを持ってないあなたが勝てるわけないでしょう!」

「そんなの関係ない! 私は誇り高きアカデミアの戦士。多少のルールの違いなどで遅れを取ったりはしない。こいつら程度の相手、簡単に蹴散らしてやる!」

「無理に決まってるでしょ! ああ、もう! とにかく、一度寮に帰るわよ! あなたにはみっちりお説教しなきゃ駄目みたいね!」

「嫌だ! 離せーっ!! 私はデュエルする! デュエルするんだ~~っ!!」

 

 まるでおもちゃ売り場で駄々をこねる子供のように床にへばりつき、私を諦めさせようとするセレナ。聞かん坊の彼女をどう連れ帰ろうかと私が悩んでいると、別方向から声があがった。

 

「おい、好き勝手に俺たちを挑発しておいて、やっぱりデュエルは無しだなんて調子のいいこと言ってんじゃねえぞ! このまま帰られたんじゃ、俺たちの腹の虫がおさまらねえんだよ!!」

 

 そう、声を上げたのは、ラビエル・ブルーの制服を纏った金髪の男子だ。人相の悪い不良系の見た目をしている彼は、私たちへ近づくと怒り心頭といった様子で喚き散らす。

 

「こいつは俺とデュエルするって言ってるんだ。特別クラスだが何だが知らねえが、横からしゃしゃり出てきて勝手なことを言ってんじゃねえぞ?」

「セレナのやったことについては私が代わりに謝罪するわ。しっかり言い聞かせて、もう二度とこんな馬鹿な真似はさせない。それで、許してはもらえないかしら?」

「許せないね。俺たちのことを馬鹿にしたこいつのことを、エロデュエルでボコボコにしてやるって俺はもう決めてんだ。邪魔すんじゃねえよ」

「……この子、まだエロデュエル用のデッキを持ってないの。あなたと戦っても、まともな勝負にはならないわ」

「知るか。こいつがそれでも勝負するって言ってるんだ。デッキの準備が出来てなかろうと、まともな勝負にならなかろうと、俺には関係ねえ」

 

 どうやら、セレナは彼のことを相当に怒らせたようだ。ここまで食い下がり、彼女とのデュエルを要求する彼をどう宥めようかと、私は懸命に考えを巡らせていたのだが……

 

「そうだ! 私にデュエルをやらせろ! すべての責任は私が取る! そいつが出した、負けた時の条件だって飲んでやるぞ!」

「……負けた時の条件? セレナ、あなたいったい、彼からどんな条件を出されたの?」

 

 セレナが、デュエルに関する条件についての情報を口にした時、男子の表情が一瞬だけ歪んだ。何か、私に聞かせたくなかったことを聞かれてしまったような、隠し事の存在に気が付かれたという焦りを彼から感じ取った私がセレナにその条件について尋ねると、彼女は何でもないような感じでこう答える。

 

「私がデュエルに負けたら、こいつらの肉便器になれと言われた!」

「んなっ!? 肉便器ぃ!?」

「セレナ! あなたそれがどういう意味だかわかってるの!?」

「わからん! デュエルには関係なさそうだということはわかるが、それ以外についてはよくわからない! だが大丈夫だ、私は負けないからな!」

 

 自信たっぷりといった様子でそう答えるセレナの反応に、私だけでなくアンナも呆れ果てて頭を抱える。自分がどれだけ危険な取引に手を出しているのかが、彼女には全く理解出来ていないのだ。

 

 そう、これこそがセレナがデュエル馬鹿と呼ばれる原因にして、彼女の最大の難点……彼女は、およそ人間社会で生きていくために必要な常識を持ち合わせていないのである。

 

 自分勝手に行動してはいけないだとか、集団生活では時間を守りましょうだとか、そんなルールを順守する精神が無いだとかの話ではない。本当に、まるっと常識が存在していないとしか言い様がない。それほどまでに、セレナの世間知らずは規格外のものだ。

 

 例えば、買い物をする時はお金と引き換えにして品物を購入するという、当たり前のことすらもわかっていない。つい先日にもデュエロ・アカデミアの売店で好き勝手にカードパックを開封し、お金を支払うことも出したごみを片付けることもしないまま、その場を立ち去るという事件を引き起こしたばかりだ(お金は彼女が得ていたファイトマネーから支払わせたし、売店の掃除もさせた)。

 

 セレナの常識知らずは普通の生活を送ることも壊滅的になるほどで、1人だと自動販売機すらも使えないし、大体の機械類の使用は不可能で、動かない物には取り敢えず殴るという対応を取るため、彼女の周囲では何かしらが壊れることが当たり前のことになっている。

 

 そんな調子だから、セレナは年頃の少女としての恥じらいも持ち合わせていなかった。それどころか、性知識も貞操観念も皆無に等しく、普通の人間ならば感じるであろう凌辱や見世物にされることへの羞恥を、彼女は全く感じることがないのだ。

 

 恐らく……いや、間違いなく、セレナは今、ここで全裸になったとしても何も感じない。周囲の男子がどうして興奮するのかもわからないだろうし、彼らに何をされてもその意味を理解出来ないのだろう。押し倒され、輪姦されたとしても、それがどういった行為なのかを知る由もない。

 

 セレナの頭の中にあるのはデュエルのことのみだ。物事はデュエルに関係あるかないかで判断され、関係ないと判断したものには興味を示さない。自分の心を偽ったりすることも出来ず、思った事は何でも素直に口にしてしまう。だから他人への暴言も息を吐くように口から飛び出してくるし、それを悪いとは欠片も思ったりもしない。

 

 そのくせ、プライドが高く煽り耐性が無い。アカデミアの誇り高き戦士と自称し、その力を証明するために誰彼構わずデュエルを挑む。物事を解決する時にデュエルで決着をつけようとする人間のことをデュエル脳と呼ぶと何かで聞いたことがあるが、セレナはその一段上のデュエル馬鹿……デュエル以外のことを何も知らない、ある意味では純粋無垢な人間なのだ。

 

 そんなセレナの性格は、彼女の奇行と共にデュエロ・アカデミア内に知れ渡っている。性知識に無垢でありながら、十分に魅力的な肉体を持つ美少女に対して、よからぬ思いを抱く男は決して少なくはないだろう。

 

「……あなたから話を聞く必要がありそうね。この条件、どういうことかしら?」

「どうもこうも、聞いた通りだよ。俺たちが勝ったら、こいつを可愛がってやろうとしただけさ」

「ふざけないで! あなた、セレナがまともなデッキを持ってないことを知ってたのね!? まともなエロデュエルが出来ないセレナを倒して、手籠めにするつもりだったんでしょう!」

「ちっ、バレちまったか……そうだよ。それの何が悪い? こいつは全部承知で俺たちとデュエルするって言ったんだ。俺たちが強制したわけでも、脅したわけでもねえ。自分から喧嘩売って、不利な条件のデュエルを受けるって言ったのは、全部こいつなんだぜ!?」

 

 男子生徒は、あっさりと自分の思惑を口にして、私を煽ってきた。確かに、彼の言うことは筋が通っているように聞こえるが、実際は違う。性知識を持たないセレナを騙して、自分たちの思いのままに操ろうとしただけだ。 

 

 こんなの、到底許せる行為じゃない。だがしかし、男子生徒はセレナが全てを自ら承諾したという事実を武器にして、私たちへと詰め寄ってくる。

 

「俺とこいつはデュエルをする約束をした。そのデュエルに負けたら肉便器になるという条件をこいつは飲んだ。そこまで取り決めしてやっぱりなしだなんて言われても納得がいかねえ。さんざっぱら煽っといて敵前逃亡するなんざ、恥知らずのすることだ」

「私を馬鹿にするな! 私は誇り高きアカデミアの戦士だ! お前になんか、負けるはずがない!」

「セレナは黙ってて! ……悪いけど、こんな姑息な行為を知りながら放置するなんてこと、私には出来ない。あなたとセレナを戦わせるわけにはいかないわ!」

「へぇ、そうかい? それじゃあ、俺のこの苛立ちはどうしてくれるんだよ? リベンジの機会をお前に奪われた俺のムカつきは、誰が責任取るってんだよ!?」

 

 顔を思いっきり近づけて、鼓膜が破れるんじゃないかと思えるくらいの大声を張り上げて、男子生徒が私を威嚇する。セレナに対する鬱憤を晴らす機会を奪った私に対する怒りをぶつけるようにして放たれた叫び。だがしかし、それが全くの虚偽の感情から発されたものであることに、私は勘付いていた。

 

 きっと、彼は最初からこうするつもりだったのだろう。彼の目的はセレナじゃない、私だ。

 

 セレナは、私をおびき寄せる餌に過ぎない。私にエロデュエルを受けさせるための撒き餌として、彼女は利用されたのだ。

 

 怒っているように見せかけて、心の中では事が自分の思うがままに進んでいることを喜んで、大笑いしているであろう彼の策にまんまと絡め捕られた私は、それを知りながらも、敢えて彼が用意した罠の中へと飛び込んで行く覚悟を決めた。

 

「……わかったわ。なら、こうしましょう。あなたと私がエロデュエルをする。私が勝ったら、あなたは素直にセレナとのデュエルを諦め、私たちを見逃す。あなたが勝ったら、あなたとセレナのエロデュエルを認めるわ。それに加えて……私も、あなたたちの肉便器になる」

「ヒュ~~ッ! その言葉を忘れるなよ? 俺が勝ったら、お前とそこのメスガキは俺たちの肉便器だ! 後から無しとは言わせないぜ、天上院明日香ちゃ~ん!」

 

 私の口から望んでいた言葉を引き出した男は、悪辣な本性を曝け出し、すべて上手くいったとばかりに高笑いし始めた。やはり、彼の狙いは最初から私だった。その態度から確信を得た私は、腕のデュエルディスクを起動し、この状況を切り抜けるための戦いに挑む。

 

「自己紹介が遅れたな。俺の名前は催眠太郎(もよおし みんたろう)だ。お前たちのご主人様になる男の名前を、よ~~く憶えておけよ?」

「……御託はいいわ。さっさと始めましょう」

「ヒヒヒッ! そうだな、始めようぜ……! ああ、今夜からは眠れなくなるな。なにせ極上の肉便器が2つも手に入るんだからよ!」

 

 眠太郎もまた、デュエルディスクを起動して、エロデュエルのスタンバイを終えた。互いが準備を整えたことを確認した私たちは、アンナとセレナ、そしてラビエル・ブルーの寮生たちが見守る中、デュエルを開始する。

 

「「デュエルっ!!」」

 

――天上院明日香VS催眠太郎 LP4000 1マッチ

 

「先攻は私がもらうわ! 手札から【S・HERO アスカ】を召喚! その効果で、デッキから【S・HERO 援交男】を特殊召喚して、性交装備(セックスドッキング)!!」

 

―――――

 

S・HERO(スケベヒーロー) アスカ

ATK1000 DFE1000 レベル3 戦士族 淫属性

 

(1)このカードが場に出た時、デッキ・手札・墓地から、レベル4以下の【S・HERO】モンスターを1体特殊召喚出来る。

(2)1ターンに1度、フィールド上のこのカードを他の【S・HERO】モンスターに性交装備しても良い。

(3)このカードが射精された時、もしくは性交装備が解除された時、ザーメンカウンターを1つ乗せる。(最大5つまで)

(4)このカードは相手カードの効果では自分フィールドから離れない。

 

―――――

 

―――――

 

S・HERO 援交男

ATK1100 DFE1100 レベル3 戦士族 闇属性

 

(1)このカードが性交装備状態になった時、デッキからカードを1枚引いてもよい

(2)自分のスタンバイフェイズ時にこのカードが性交装備状態であるなら、デッキからカードを1枚引く

 

―――――

 

『アスカちゃん、カード引かせてあげるから、俺のちんぽしゃぶってよ~!』

『もう、しょうがないわね……♡ あ~ん……♡』

 

 両手に札束を持った男の前に跪き、そそり立つ陰茎を咥え始めるアスカ。顔を前後に揺らし、丁寧な口まんこ奉仕で男を感じさせる彼女の動きと共に、私の口内にもちんぽと先走り汁の味が広がっていく。

 

 時折、息苦しさを感じさせるフェラチオの快感に頭を揺さぶられながらも、私は手札の補充を行い、攻撃の出来ない最初のターンに十分な動きを見せることが出来た。

 

「……何気にだけど、服を着てる【S・HERO アスカ】を見るのって初めてじゃね?」

「だな。でも、あれって服を着てるっていえるのか?」

 

 観戦している男子生徒たちの話を聞いて気が付いたのだが、私がまだ脱衣系のカードを使われておらず、しっかりと服を着ているおかげで、【S・HERO アスカ】も初めてヒーロースーツ姿を観客たちへとお披露目出来ている。しかし、彼女の着ている服はぴっちりとした体のラインを出すボディスーツ型である上に、おっぱい、お尻、おまんこの部分が綺麗に切り取られているという、卑猥極まりない物だ。

 

 下手をすると裸よりもエロいその格好に若干の興奮を覚えながら、私はカードを1枚伏せ、自分のターンを終えた。

 

『うぉ~っ! いっぱい出た~っ!! アスカちゃん、次はパイズリでお願い!』

『まったく、スケベなんだから……♡ 仕方がないから、おっぱいでちんぽを挟んであげるわよ♡』

『やった! やっぱり持つべき物は、富と女だね!!』

 

 ターン終了時のザーメンカウンター増加効果にて、最低のやり取りを交わす援交男とアスカを尻目に、眠太郎は自分のプレイングを開始する。

 

「俺のターン、ドロー! 俺は【催眠術師レム】を召喚。レムの効果で、デッキから【催眠術】と名の付いたカードを手札に加えるぜ。俺が選択するのは、【催眠術師アルファ】だ」

 

―――――

 

【催眠術師レム】

ATK1000 DEF1300 レベル3 魔法使い族 闇属性

 

このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、デッキから【催眠術】と名の付いたカードを手札に加える

 

―――――

 

―――――

 

【催眠術師アルファ】

 

ATK800 DEF800 レベル2 魔法使い族 闇属性

 

このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、相手フィールド上に存在するレベル4以下のモンスターを1体選択し、デッキに戻してもよい

 

―――――

 

「バトルフェイズをスキップし、カードを1枚伏せてターンエンド。明日香ちゃんのターンだぜ」

「……スタンバイフェイズ時、アスカを性交装備している援交男の効果発動。デッキからカードをドローし、更に通常のドローを行うわ」

 

 最初のターンはお互いに無難な立ち上がりを見せた。手札を補充しつつ、敵の攻撃に備えた盤面を整えたまではいいが、眠太郎には目立った動きを見せる様子がない。

 

 いかつい外見に反した慎重派のプレイングをしている眠太郎は、このデュエロ・アカデミアの最上位クラスであるラビエル・ブルーの生徒だ。ニヤニヤとした不愉快な表情を見せている今も、勝利のためのタクティクスを組み上げているのだろう。

 

 このまま睨みあっていても埒が明かない。ここは、リスクを承知で攻めるべきだ。そう考えた私は、手札から新たなモンスターを召喚して攻撃の準備を整え始める。

 

「【S・HERO 中年男】を召喚! そのままアスカを性交装備!!」

『あっ! まだパイズリで満足してなかったのに~!』

『うっひょひょ~い! アスカちゃんとセックスだーい!!』

『ああんっ♡ んっ♡ すっごく慣れ親しんだおちんぽ、おまんこの奥までハメられちゃった……♡ やっぱり、このおちんぽがしっくりくるわね……♡』

 

 低級モンスターのメインアタッカーにアスカを装備させ、攻撃の準備は万端。軽く腰を振ってセックスの快感を味わうアスカの動きに連動して、私の子宮も中年男のちんぽに押し潰される。

 

 ゾクゾク、びりびりとした快感にお腹を押さえ、膝を震わせながら、私は高らかに攻撃を宣言した。

 

「【S・HERO 援交男】で【催眠術師レム】を攻撃!」

『ちくしょ~! この恨みは、お前にぶつけてやる~っ!!』

 

 攻撃力1100の援交男と1000のレムのバトル。このままでいけば、私のモンスターが勝利し、眠太郎に戦闘ダメージを与えられるはずだが……

 

「罠カード発動、【催眠術 意識攪乱】。この効果によって、【S・HERO 援交男】の攻撃対象を【S・HERO 中年男】に変更する!」

 

―――――

 

催眠術 意識攪乱 通常罠カード

 

自分の場の【催眠術師】と名の付いたモンスターが攻撃対象に選択された時に発動出来る。その対象を別のモンスターへと移し替える

 

―――――

 

「くっ……やっぱり、防御手段を用意してあるわよね……」

 

 予想通り、伏せカードは攻撃を防ぐためのものであった。【催眠術師レム】から暗示を受けた援交男は、ふらふらとした足取りで中年男へと向かって突撃し、彼の返り討ちに遭ってしまう。

 

――天上院明日香LP4000→3100

 

「でも、まだアスカと性交装備している中年男が残っているわ! 【S・HERO 中年男】で【催眠術師レム】を攻撃!」

「こっちの攻撃は防げない。レムは破壊され、俺もダメージを受ける」

 

――催眠太郎LP4000→3000

 

「私はこれでターンエンド。エンドフェイズ時、アスカにザーメンカウンターを1つ乗せるわ」

『おおんっ♡ 子宮に気持ちいいのきたぁんっ♡ あ~っ♡ やっぱりこのちんぽが一番ねっ♡♡♡』

 

 先のターンで1つ。このターンで2つ。アスカに溜まっているザーメンカウンターの数は、合計3つ。ビッチガール♡アスカの攻撃力も十分確保出来た。ここからは彼女の召喚も視野に入れつつ、タクティクスを組み上げても良いだろう。

 

 だが、眠太郎は何かを狙っているような目つきで私を見つめながら、不敵なニタニタ顔を浮かべたままだ。まだ彼がデッキの本領を発揮していないことはわかっている。まだまだ、気を抜くことは出来ないだろう。

 

「俺のターン。先ほどレムの効果で手札に加えた【催眠術師アルファ】を召喚。召喚時効果で、お前のモンスターを1体デッキに戻す。【S・HERO アスカ】は完全耐性を持っているから、選ぶのはもちろん【S・HERO 中年男】だ」

『ああぁっ! アスカちゃーん! もっともっとセックスしたかったのにーーっ!!』

 

 【催眠術師アルファ】の催眠波を受けた中年男が、自らの意思に反した行動を取って私の場から去っていく。悔いを残したような言葉を口にしながらも、しっかりと最後に膣内射精をしているところがとても彼らしい。

 

(場のモンスターはアスカだけにされたけど、お陰でザーメンカウンターは十分に溜まった! 次のターンで、一気に勝負をかけるわ!)

 

 眠太郎はその後、伏せカードを1枚セットしてターンを終えた。攻勢をかけるのに十分な準備が出来た私は、ここが正念場とばかりに切り札を投入する。

 

「私のターン! ザーメンカウンターを4つ乗せている【S・HERO アスカ】をリリースして、手札から【S・HERO ビッチガール♡アスカ】を特殊召喚!!」

『イエーーイッ♡♡♡』

 

―――――

 

S・HERO ビッチガール♡アスカ

ATK??? DFE??? レベル7 戦士族 淫属性

 

(1)このカードは、自分フィールド上の【S・HERO アスカ】をリリースすることで特殊召喚出来る。それ以外の方法では場に出せない。

(2)このカードの攻撃力・守備力は、召喚のためにリリースした【S・HERO アスカ】に乗っていたザーメンカウンターの数×700となる。

(3)このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した場合、そのカードの攻撃力分のダメージを相手LPに与える。

 

―――――

 

 アスカ同様、初めて私たちの前に服を着た状態で召喚されたビッチガール♡アスカだが、その服装はアスカのものよりも輪を掛けて卑猥なものになっている。なにせ、肘までを覆う青色のグローブと同色のタイツを履いているだけで、後は乳首にハート型のニップレスを貼り付けているだけのほぼ全裸と変わりない格好なのだから。

 

 ほぼ全裸の服装とも呼べぬ衣装を纏い、マントを羽織っている様は、さながら露出狂だ。というか、そう言って差し支えない。全裸の方がまだ可愛げがあるなと、私は思った。

 

「【S・HERO ビッチガール♡アスカ】は、召喚の際にリリースした【S・HERO アスカ】に乗っていたザーメンカウンターの数×700ポイントの攻撃力・守備力を得る。ザーメンカウンターの数は4つだから、合計2800ね」

「ほぅ、エースのお出ましか。ククク、やっぱりいつ見てもエロいモンスターだな」

 

 こちらがエースモンスターを召喚しても、眠太郎から余裕の色が消えることはない。むしろ、ビッチガール♡アスカの登場を待っていたかのように笑う彼が何かを企んでいるのは間違いないだろう。

 

 だとしても、ここで臆していては勝利することなど出来ない。虎穴に入らずんば虎子を得ず、危険とわかっていても、そこに飛び込まなければこのエロデュエルに勝つことなど出来はしないのだ。

 

「バトルよ! 【S・HERO ビッチガール♡アスカ】で【催眠術師アルファ】を攻撃!!」

『やぁぁぁっっ♡♡♡』

 

 【S・HERO ビッチガール♡アスカ】に攻撃を命じた私は、眠太郎の出方を窺う。彼が何かを狙っているのなら、ここで動かないわけがない。

 

 その予想通りに、口元を大きく歪めて凶悪な笑みを見せた彼は、待ってましたとばかりに伏せてあったカードを発動し、ビッチガール♡アスカを迎え撃つ。

 

「速攻魔法【催眠術 意識剥奪】を発動!!」

「っっ……!!」

 

―――――

 

催眠術 意識剥奪 速攻魔法

 

自分の場に【催眠術師】と名の付いたモンスターがいる時のみ発動出来る。相手の場のモンスター1体を選択し、このターン中、そのカードの効果を無効にする。

 

―――――

 

「モンスター効果を無効にするカード……!」

「くははははっ! そうだよ! ビッチガール♡アスカのステータスは、自身の効果に依存する! その効果を無効にしてやれば……!!」

 

 狂ったように笑う眠太郎の視線の先には、【催眠術師アルファ】に挑みかかった体勢のまま、ピクリとも動かなくなったビッチガール♡アスカの姿があった。

 

 アルファが彼女の前に立ち、指揮を執るように指を振れば、彼女はその動きのままに反転し、無様に尻を振り始めた。

 

――【S・HERO ビッチガール♡アスカ】攻撃力2800→0

 

「ビッチガール♡アスカの攻撃力が0になっちまった!」

「バトルは止まらねえ! アルファの方が、ビッチガール♡アスカよりもパワーは上だ!」

 

 自身の効果を無効化されたことによって、【S・HERO ビッチガール♡アスカ】の攻撃力が0になってしまう。これでは、攻撃力800の【催眠術師アルファ】すら破壊出来ない。

 

 一気に弱体化したビッチガール♡アスカに勝利したアルファは、主人同様に愉快気な笑みを浮かべながら、術中に嵌った彼女に対して、次々と卑猥な命令を下し始めた。

 

『ビッチガール♡アスカ、全力でオナニーしろ。自分の気持ちいいところを弄って、大声で喘ぎ、無様にアヘり狂え』

『はいっ♡ わかりましたぁ♡ ビッチガール♡アスカ、全力オナニー開始しますっ♡♡♡ おまんこぐちょぐちょっ♡ ちくびクリクリ~っ♡♡♡』

「んんっ♡♡♡ あぁあぁっっ♡♡♡」

 

 秘部と乳首に手を伸ばし、命令通りに激しいオナニーを開始するビッチガール♡アスカ。彼女とも感覚を共有している私は、その快感に歯を食いしばって耐えるも、オナニーの激しさはとどまることを知らない。

 

 自分の知っている弱い部分を、何の遠慮も無しに責め続けるビッチガール♡アスカは、ぶしゅぶしゅとまんこから愛液を噴き出しながら、お尻をぶんぶん振って気持ち良さそうに喘いでいた。

 

『よし、オナニーしながらケツを突き出せ。思いっきり叩いて感じさせてやろう。ドMのお前にはご褒美だよな?』

『はいっ♡ 私はマゾの雌豚なので、お尻ぶたれて感じちゃいますっ♡♡♡ アルファ様にスパンキングしていただけるなんて、とっても幸福ですっ♡♡♡』

『くくくくく……! 正直な奴だ。ほらっ、早速1発目をくれてやるっ!!』

「あぁあああぁああっっ♡♡♡ お、お尻っ♡♡♡ 痺れるぅううぅうっ♡♡♡」

 

 激しいオナニーの快感に加え、スパンキングによる痛みを伴う快感が私を襲う。リズミカルに張られる尻からは電撃のような快楽が響き、オナニーの快楽と相まって、自分がスパンキングで絶大なる快感を貪っているような錯覚を覚えてしまう。

 

「どうだ? どんな気分だ? 自分のエースモンスターが雑魚に嬲られ、自分を追い詰めるようにオナニーしてる姿を見ながら悶える気分はどうなんだよ、明日香ちゃ~ん?」

「くっ♡♡♡ あぁぁっ♡♡♡ だめっ♡♡♡ 乳首もおまんこも、お尻も……っ♡♡♡ 気持ち良すぎて、もうだめぇぇっっ♡♡♡」

「ひゃははははっ!! いい気分だぜ。ウリア・レッドとハモン・イエローの奴らに勝ったからって、調子に乗ってんじゃねえぞ? あいつらなんざ、俺たちラビエル・ブルーからしてみれば、クソみたいなもんだ。まあ、奴らがお前とデュエルしてくれたお陰で、その対策法を練ることが出来たって部分では、俺たちに貢献してくれたがなっ!!」

「い、イクっ♡♡♡ も、もう、イクぅうぅっっ♡♡♡ んあぁあぁああぁあああっっ♡♡♡」

『おほぉおおおおっ♡♡♡ ビッチガール♡アスカ、イキますぅうっ♡♡♡ アルファ様にお尻ぺんぺんされながら全力オナニーして、イクのぉおおおぉっ♡♡♡』

 

 ラビエル・ブルーの寮内に、2つの嬌声が響く。私とビッチガール♡アスカの卑猥な叫びは、重なり合って更にその音量を増しているようだ。

 

 眠太郎の掌の上で転がされ、彼に嗤われながら絶頂を迎えてしまった私は、その場にガクリと膝から崩れ落ちた。失禁し、潮噴きをし、足元に尿と愛液の混合液の水溜まりを作った私を見て、眠太郎が一層凶悪な笑みを浮かべる。

 

「明日香、お前に最高の恥辱を与えてやるぜ。【催眠術師アルファ】、やれ!!」

『アスカ、尻を突き出し、ケツの穴を広げて私に見せろ。お前の一番下品な穴を、この私にしっかりと見せつけるんだ』

『はひぃ……♡ み、みてくださぃ……♡ ビッチガール♡アスカのお尻の穴を、ごらんになってください……♡』

 

 ガクガクと膝を震わせながら、命令に従ってお尻を突き出したアスカは、自身の尻肉を掴み、それを左右に開く。お尻の中央にある窄まりを【催眠術師アルファ】に見せつける彼女は、自分が何をしているのかもわからないまま、ひくひくとそこを蠢かせていた。

 

「キヒヒヒヒヒ……! さあ、気張れよ明日香っ!」

「う、あ……っ♡♡♡」

 

 【催眠術師アルファ】が、両手を重ね合わせ、人差し指だけを立たせる。指2本分の太さとなったそれを広がっているビッチガール♡アスカのお尻の穴に近づけ、思い切り力を溜めるように静止させて、勢いをつけるために引き、そして……!!

 

『んおぉおおおぉおぉおおおぉおぉおぉおおおっっ♡♡♡』

 

 ……ズブリと、一息にビッチガール♡アスカの肛門へと重ねた人差し指を突き刺した。

 

「おほぉおおおぉおおおぉぉおおおぉおおぉっっ♡♡♡」

 

 肛門内に感じる異物感。出すべき穴に挿れられたという屈辱。カンチョーという、下品でふざけた行為を許してしまったという恥辱を感じさせられ、それを肛門内でかき混ぜられる。ズブズブと指を出し入れして、私たちのアナルを虐めた【催眠術師アルファ】は、最後にギリギリまで引き抜いた指を再び根元まで突っ込むように、渾身のカンチョーをビッチガール♡アスカへと繰り出した。

 

『んほぉおおおぉおおおぉおおおおぉおおおぉおおぉおおお……っ♡♡♡』

 

 野太くて、下品で、無様な叫び。人間性すら感じさせない、獣の咆哮のような嬌声。それが、私と同じ姿をした、私と同じ声を持つ女性から発せられている。

 

 いつしか私も震えた膝を無理矢理に立たせ、ビッチガール♡アスカと同じ体勢になってケツ穴をかき混ぜられる快感に悶えるようになっていた。鼻の穴を大きく膨らませたアヘ顔を浮かべ、全て出したと思っていた尿と愛液をしとどに漏らし、アナル性感に震える私もまた、ビッチガール♡アスカと同じような嬌声を上げていたのかもしれない。

 

 そうやって、バトルに負けた【S・HERO ビッチガール♡アスカ】は、攻撃力800のモンスターからカンチョーを食らってアクメし、敗者として最高に無様な姿を観客たちに見せながら……消滅した。

 

――天上院明日香LP3100→2300

 

「おっっ♡♡♡ んおっ♡♡♡ お、おぉ……っ♡♡♡」

 

 ぶっ、ぶっ、とおならが止まらない。緩んでしまったお尻の穴を閉じることが出来なくなっている。

 

 エースモンスターにされた仕打ちと今、私自身が晒している痴態。それらを見れば、私が追い詰められていることなど明らかだ。

 

「マジかよ……!? ビッチガール♡アスカが破壊されちまったぜ」

「効果さえ無効にすれば、ビッチガール♡アスカは攻撃力0の雑魚モンスターになっちまう。眠太郎の奴、既に明日香ちゃんへの対策を講じてたんだな」

「そういうこった! ラビエル・ブルーを舐めるなよ? 何度かエロデュエルに勝って調子に乗っちまったのかもしれねえが、所詮そいつらは雑魚。俺たちみたいな本物のエロデュエリストからしてみれば、女なんざ獲物に過ぎねえんだよ!!」

 

 息も絶え絶えで、足元に卑猥な臭いを漂わせる水溜まりを作って、それでも何とか意識を保っているレベルの私に向け、眠太郎の罵声が飛ぶ。私とのエロデュエルに向けてタクティクスを組み上げてきた彼の姿に、観客たちがある期待を抱き始めた。

 

「おい、これ……明日香ちゃんが負けるところを見られるんじゃねえの?」

「へ、へへ……! どんな風にメス堕ちするんだろうな? た、楽しみだぜ……!!」

 

 今までにない興奮が観客たちから伝わってくる。激しく燃え盛る炎ではなく、地底で煮えたぎっているマグマのような、噴火の時を待ち詫びている極熱の興奮が、徐々にボルテージを上げていることが肌を通じて感じられる。

 

 観客たちが真に求めているのは、強い女性が負け、屈服する姿だという青羽社長の言葉を思い出した私は、彼の理念が間違っていないことを確信するが……今は、このピンチを乗り切るのが先だ。

 

「魔法カード【娼婦の生還】を発動。このターン、これ以上モンスターを場に出せなくなる代わりに、墓地から【S・HERO アスカ】を特殊召喚するわ」

 

―――――

 

娼婦の生還 通常魔法

 

墓地から淫属性モンスターを場に攻撃表示で特殊召喚する。

このターン、自分はこれ以上モンスターの召喚・特殊召喚を行うことは出来ない。

 

―――――

 

「へっ! 無駄なことを……!」

「カードを1枚伏せ、ターンエンド。あなたのターンよ」

 

 エースモンスターを破壊され、LPも削られた。状況は圧倒的に私が不利だ。

 

 私を罠に嵌め、デュエルのペースを握ることに成功した眠太郎は、ここが勝機とばかりに一気に攻勢に出始める。

 

「俺は【催眠術師アルファ】をリリースし、上級モンスター【極悪催眠術師 マインド・ジャッカー】をアドバンス召喚!! クククッ! これでもう、お前は何も出来ないぜ~っ!!」

 

―――――

 

極悪催眠術師 マインド・ジャッカー

ATK2300 DEF1700 レベル6 魔法使い族 闇属性

 

このカードが場に出た時、相手の表側表示のカードを1枚選択する。このカードが場に存在している限り、そのモンスターの効果は全て無効になる。

 

―――――

 

「当然、俺はお前の【S・HERO アスカ】を効果の対象に選択する! これでザーメンカウンターを溜めることも、他のS・HEROと性交装備することも出来なくなっちまったなぁ!!」

「おいおい、これもう勝負ついただろ!?」

「エースを破壊され、デッキの主戦法を封じられたら、勝ち目なんかねえよ!!」

 

 【極悪催眠術師 マインド・ジャッカー】に睨まれたアスカが、体を拘束されたかのように苦しみ始める。ジンジンと響く痛みを伴う快感に悶える私の姿に、眠太郎はご満悦だ。

 

「そのままバトル! マインド・ジャッカーでアスカを攻撃!! マインドジャック!!」

「速攻魔法【計画的な避妊】を発動! このカードの効果によって、私が受ける戦闘ダメージは0になるわ!」

 

―――――

 

計画的な避妊 速攻魔法

 

自分フィールド上にザーメンカウンターが乗っていない【S・HERO アスカ】が存在している時にのみ発動出来る。

このターン、【S・HERO アスカ】が戦闘することによって発生するプレイヤーへのダメージは0になる。

 

―――――

 

「アスカは完全耐性持ちだから、明日香ちゃんの場からは離れない! 戦闘ダメージも受けないなら、このターンの攻撃は無意味だ!」

「いいや! この攻撃による明日香への性的快感は無くならない! マインド・ジャッカー! ビッチガール♡アスカが体験した無様な快楽絶頂を、アスカにも味わわせてやれ!」

「ぎっ、ぐぅうっ♡♡♡ あひぃおおぉおおぉおおんんっっ♡♡♡」

 

 【S・HERO アスカ】の体にマインド・ジャッカーが発した催眠光線がヒットした瞬間、私の中で途轍もない快感が爆発した。つい先ほど、ビッチガール♡アスカが破壊された際に味わった数々の感覚が、一瞬の間に全身で炸裂したのだ。

 

 スパンキングの快感。全力オナニーの快感。カンチョーによる快感。先ほどは別々に感じたそれらの快感が、催眠術によって同時に私の体に襲い掛かってくる。誇張でも比喩でもなく、頭の中を真っ白にする快感に悲鳴にも似た嬌声を上げた私は、その場にガクリと膝をついてしまった。

 

「ひゃははははっ! どんな気分だ? 1つでもイっちまう快感を同時に、それも一瞬で味わうってのはよぉ!? LPにダメージを与えられなくとも、女を辱めることは出来る! これがエロデュエルの醍醐味だぜ!」

 

 眠太郎の嘲笑と観客たちのざわめきが私の耳に届く。勝ち誇り、嗤い続ける眠太郎の姿と、荒い呼吸を繰り返しながら膝をついている私のことを交互に見比べた観客たちは、ひそひそと小さな声で周りの仲間たちと話を始めた。

 

「もう、終わりだろ……明日香ちゃんに勝ち目はないって」

「あそこまでメタ張られてたんじゃどうしようもないさ。眠太郎の作戦勝ちってところだな」

「あ~あ、これで明日香ちゃんは催の肉便器か……ファンになりかけてたから、ちょっとショックだな……」

 

 もう誰も、私が勝つだなんて思ってない。ぶすっとした顔でデュエルを見守るセレナも、怒っているような、それでいて不安でもあるような表情を浮かべているアンナも、このデュエルの勝敗を悟っているようだ。

 

 無理もない。私がここまで無様な姿を晒し、相手に屈服してもおかしくない程の屈辱を味わわされる姿を見せられたのだから。私を倒すためのデッキを作り上げた眠太郎の方が圧倒的に有利だということも、普通の人間ならばわかる。そのメタを突破して勝利することがどれほど困難なことであるかも、この場の全員が理解していることだ。

 

「……もう諦めろよ、明日香ちゃ~ん。サレンダーするなら今だぜ? これ以上、人前で無様な姿を見られたいのか? んん?」

「………」

 

 私へと上から目線から言葉を投げかける眠太郎は、愉快で堪らないといった様子で笑い続けている。憐れみと嘲りの感情が込められているその言葉は、決して情けをかけるためのものではない。これもまた、私を挑発し、逆上させることで、冷静な思考を失わせようとする彼の策略だ。

 

 眠太郎は、もっと私に大勢の人々の前で恥をかかせたいのだろう。万が一にもここで私の心が折れたりしたら、楽しい虐めの時間が終わってしまう。そうならぬよう、私を挑発することでエロデュエルを続けたいという思いもあるはずだ。

 

「まあ、お前が人に見られて感じるド変態だっていうなら、無理には止めねえけどな! せいぜい無駄に足掻いて、無様にイって、俺たちを楽しませてくれよ? 明日香ちゃ~~んっ!! ぎゃはははははははっ!!」

 

 ラビエル・ブルーの寮内に響く、悪辣で不愉快な笑い声。観客たちからも嫌われる悪役(ヒール)としてのムーブを見せる眠太郎は、これを演技でやっているわけではないのだろう。元々、彼はこういう見下げた性格なのだろう。短いデュエルの間のやり取りだけで、その事が十分に感じ取れていた。

 

 まともな勝負をする気もなく、散々相手を弄び、辱め、自分の玩具とする……そんな下劣な男には、少しばかりおしおきが必要だろう。

 

「……何か勘違いしてるみたいね。私のライフは尽きてないし、サレンダーなんかする気はない。デュエルの決着もついてないのに、勝った気になるのは早すぎるんじゃない?」

「あん? ……こいつは驚いた! 明日香ちゃんはエースを倒され、主戦法を封じられてもまだ勝てるつもりでいたのか!? 本当、女決闘者っていうのは、状況がわからない馬鹿ばっか……」

「好き勝手に物申してるところ悪いんだけど、やることがないならターンを終えてくれる? ペチャクチャ喋る前に、デュエルに集中したらどうかしら?」

「……面白え、まだそんな減らず口が叩けるとはな。決めたぜ、お前が泣いて謝るようになるまで、徹底的にこのエロデュエルでぐちゃぐちゃにしてやる! 今までの屈辱なんか目じゃない、最低で最悪な目に遭わせてやるからな!! カードを1枚伏せ、ターンエンドだ!」

 

 ピッ、とデュエルディスクのライトが点灯し、私のターンが回ってきたことを示す。眠太郎の長いお喋りのお陰で随分と体力を回復することが出来た。まだ若干のふらつきはあるが、エロデュエルには何の支障もない。

 

「そう。それじゃあ、私からも1つ言いたいことがあるから、耳を傾けてよく聞きなさい。()()()()()()()()()()()()()()()。勿論、あなたが負けるわ」

「……はぁ? 冗談も休み休み言えよ。お前の場には役立たずのモンスターが1体だけ! 俺の場には上級モンスターが存在していて、お前のタクティクスを完全に封じ込めてる! この状況をどうひっくり返して、俺を倒すっていうんだ? やれるもんなら、やってみやがれ!」

「ええ、そうさせてもらうわ。あなたには少し、お灸を据える必要があるでしょうしね」

 

 ざわりと、私の強気な発言を耳にした観客たちがざわめく。眠太郎の言う通り、状況は最悪に近い。だが、ここからの逆転が可能なのもまた、デュエルモンスターズというゲームの面白いところなのだ。

 

「さあ、行きましょうか! お楽しみは、これからよ♡♡♡」

 

 半信半疑の観客たちを盛り上げつつ、頭の中で使うカードの順番とタクティクスを再確認。それら全てが繋がり、巻き起こす結果を読み取った私は、早速手札から魔法カードをプレイする。

 

「魔法カード【精液(ザーメン)風呂】を発動!」

 

―――――

 

精液(ザーメン)風呂 通常魔法

 

自分の場に存在する【S・HERO アスカ】にザーメンカウンターを2つ乗せる。

 

―――――

 

「……あれ? アスカの効果って無効にされてるよな? それなのに、ザーメンカウンターを乗せるのってありなのか?」

「馬鹿かお前は。無効にされているのは、あくまで【S・HERO アスカ】の効果であって、カウンターを乗せることじゃない。他のカードの効果でカウンターが増えるのなら、それは何の問題もないに決まってるだろ」

「あ、はい、そうですね……」

「……セレナちゃんって、怖い子なんだな。いや、変わった子だってことはわかってたけど、うん……」

 

 エロデュエルに関する疑問を口にした男子に向け、セレナの鋭い突っ込みが飛ぶ。この程度のことがわからないなんて、本当に彼はエリートなのだろうか?

 

「……へっ! 結局、馬鹿の一つ覚えみたいにビッチガール♡アスカの召喚を狙うんじゃねえか。だがな、今のままじゃ【S・HERO ビッチガール♡アスカ】を召喚したとしても、俺のマインド・ジャッカーの攻撃力には届かねえ! これ以上どうやってカウンターを稼ぐつもりだ? あぁん!?」

「あら? もうザーメンカウンターを乗せる必要はないわよ。この2つだけで十分だもの」

「……は?」

 

 私の言っていることが理解出来ないとばかりに間抜けな表情を浮かべる眠太郎をせせら笑い、彼に対する侮蔑の視線を向けながら、私は彼にデュエルの鉄則を説いた。

 

「確かにあなたは私のデッキを研究し、対策を練ってエロデュエルに臨んだ。その結果、ビッチガール♡アスカは無力化されたし、私もピンチに陥った。でもね……私のデッキの勝ち筋が、それだけしかないと本気で思ってるの?」

「な、なにっ!?」

「一流のデュエリストを目指すのなら、勝利に対するアプローチの手段は複数用意して然るべきでしょう? エロデュエルだってそれは同じ。1つの勝ち方に拘って、自身の成長を止めるだなんて馬鹿な真似、私なら絶対にしないわ」

 

 そう言いながら、私は手札から1枚のカードを天高くかざした。光り輝くそのカードを見つめる眠太郎や観客たちに向けて、私は大声で叫びながらプレイングを行う。

 

「このカードは、モンスターの代わりに【S・HERO アスカ】に乗っているザーメンカウンターを2つリリースすることでアドバンス召喚することが出来る! 見なさい! これが私たちが生み出した新たな召喚……()()()()よ!!」

 

 【S・HERO アスカ】の腹部に描かれていた2つの♂マークが消えると同時に、彼女の腹部が大きく膨れ上がった。うっとりとした表情で自身の腹をさすったアスカは、蕩けた顔のまま、自身の胎内に宿った命を生み出すために踏ん張り始める。本来ならば多大なる痛みを伴うはずのその行為だが、エロデュエルならば快感のみを享受することが出来るのだ。

 

『くっ♡♡♡ んんっ♡♡♡ 産道、降りてきてぇ……♡♡♡ 産まれ、るぅうっっ♡♡♡』

 

 産みの苦しみならぬ、産みの悦び。出産による快感をアスカと共に味わう私は、セックスとはまた違うその気持ち良さに腰を抜かしそうになっていた。それでも、懸命に踏ん張って格好を保ち続けながら、デュエルへと意識を集中させる。

 

「スケベなる魂を受け継ぎし淫猥なる英雄よ♡ 女を犯す喜びを力に変え、立ちはだかる敵に精の強さを見せつけなさい♡ アドバンス出産♡ 【S・HERO ドスケベ男】っっ♡♡♡」

『あぁあああああああああああぁああああああああぁっっ♡♡♡』

 

 アスカの胎内から生み出された光の玉が、徐々にその姿を変えていく。やがて、ブーメランパンツ一丁の筋骨隆々とした男性となったそれは光を弾きながら地面に着地し、マッスルポーズを取って、全身の筋肉を見せつけ始めた。

 

―――――

 

S・HERO ドスケベ男

ATK2500 DFE2000 戦士族 光属性 

 

(1)このカードは自分フィールド上に存在する【S・HERO アスカ】のザーメンカウンターを2つリリースすることで、アドバンス召喚扱いで場に出すことが出来る。

(2)このカードが場に出た時、自分のフィールドか墓地に存在する【アスカ】と名の付いたモンスターを性交装備してもよい。この効果で性交装備されたモンスターは、このカードが場から離れた時、墓地へ送られる。

(3)このカードは性交装備しているカードの攻撃力と、このカードの元々の攻撃力の差だけ攻撃力がアップする。

(4)自分のターン中、相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動した時、その効果を無効にして破壊する。この効果は1ターンにつき、自分フィールド上の【アスカ】と名の付いたカードの数だけ発動出来る。

 

―――――

 

「アドバンス出産、だと……!? ザーメンカウンターに、こんな使い方があったなんて……!!」

「はぁ、はぁ……♡♡♡ 驚いたかしら? でも、まだまだこれからよ? 【S・HERO ドスケベ男】の効果発動! このカードが場に出た時、フィールドか墓地から【アスカ】と名の付いたモンスターを性交装備させ、両者の攻撃力の差だけこのカードの攻撃力をアップする!」

「おおっ! これで【S・HERO アスカ】を装備すれば、ドスケベ男の攻撃力は4000だ! 【極悪催眠術師 マインド・ジャッカー】の攻撃力を大きく上回る!!」

「……やっぱりお前、馬鹿だろう? この程度の奴が一番強い寮に入れるなんて、このアカデミアも大したことないな」

「え、ええっ!?」

 

 少しだけ余裕が出たせいか、それとも慌てふためく眠太郎の顔を見れたお陰か、背後から聞こえてきたセレナと男子生徒とのやり取りを耳にした私は、その内容についつい噴き出してしまった。

 

 彼女の言う通り、この状況でドスケベ男と性交装備させるのはアスカではない。それよりも効果的なカードが墓地に眠っているではないか。

 

「私が選択するのは、墓地の【S・HERO ビッチガール♡アスカ】よ! 戻ってきて! そしてまた淫らにアヘりなさい、ビッチガール♡アスカ!!」

『あっはぁぁ……っ♡♡♡ んふっ♡♡♡ 活きのいいデカちんぽ♡ しっかりお相手させてもらうわね……♡♡♡』

『うおぉぉぉぉ……! おぉぉぉぉぉっ!!』

 

 ドスケベ男とねっとりとした大人のキスを交わしながら、彼の巨大な陰茎を膣内へと迎え入れるビッチガール♡アスカ。今までよりも数段上の快感が膣内に響き、子宮が奥まで押し上げられる感覚に涎を垂らして、私は喘ぐ。

 

 しかして、それでも必死に意識をデュエルへと向けた私は、得意気な表情を浮かべて、うろたえている眠太郎へと質問を投げかける。

 

「ここで問題よ。性交装備されている【S・HERO ビッチガール♡アスカ】の効果は、当然ながら無効になっているわ。この場合、彼女の攻撃力はどうなるのかしら? ラビエル・ブルーのエリートさんなら、こんなの簡単にわかるでしょ?」

「ぐっ……! 0、だ……」

「大正解! 流石ね。つまり……攻撃力0の【S・HERO ビッチガール♡アスカ】を性交装備した【S・HERO ドスケベ男】の攻撃力は、そのまま倍になって5000になるということよ!」

「ぐぅぅぅっ! こ、こんな、馬鹿な……っ!!」

「さてと……確か、この状況から俺を倒せるのなら、やってみせろとか言ってたわよね? お望み通り、大逆転を見せてあげる! 【S・HERO ドスケベ男】で【極悪催眠術師 マインド・ジャッカー】を攻撃!!」

『ウオァァァァァァッッ!!』

 

 ビッチガール♡アスカの極上の膣に感激したドスケベ男が、肉棒を倍近く膨らませた状態で敵陣地へと突撃していく。ビッチガール♡アスカと感覚共有を行っている私は、ドスケベ男が一歩踏み出す度に彼の極太ちんぽで子宮を押し潰される快感にイキ潮をぶちまけながらバトルを見守る。

 

「くっ! 【催眠術・意識剥奪】を発動! この効果で、【S・HERO ドスケベ男】の効果を無効に……」

「無駄よ! ドスケベ男には、自分の場のアスカと名の付いたモンスターの数だけ、相手の発動した魔法・罠・モンスター効果を無効にする効果がある! 【催眠術・意識剥奪】は破壊させてもらうわ!!」

「なにぃっっ!?」

 

 頼みの綱であったリバースカードを無効化された眠太郎は、少し前までの調子に乗った姿が嘘であるかのように慌てふためいていた。ドスケベ男に自慢のエースモンスターを破壊されたことでその焦燥は最大限に達したのか、生気を失った顔のまま唇をわなわなと震わせることしか出来なくなってしまう。

 

――催眠太郎LP3000→300

 

「さあ、これで終わりにしましょう! 【S・HERO アスカ】でプレイヤーにダイレクトアタック! ドレインキッス!!」

『ふふふ……♡♡♡ 悪い子には、気持ちいいおしおきをしてア・ゲ・ル……♡♡♡ んちゅぅ……っ♡♡♡』

「んむっ!? んむぅぅぅぅぅぅぅ……!?!?!?」

 

 アスカは眠太郎を優しく抱き締め、ズボンの上から彼の肉棒を刺激しながら舌を絡ませるいやらしいキスをし始めた。豊満な胸を押し当てたり、柔らかい尻へと彼の手を導かせて揉ませたりと、自身の女としての武器をフル活用して眠太郎への攻撃を繰り出した彼女は、最後にニヤリと笑うと彼の口の中にたっぷりと涎を流し込み……

 

「お、おぉ……? んおぉ……っ!!」

 

 ぶびゅっ、ぶびゅっと音がする程の射精へと眠太郎を導くと、ラビエル・ブルーの制服に精液で染みを作る無様な彼の顔に尻を乗せ、完全勝利を行動で示すのであった。

 

「聞こえてないと思うけど……ガッチャ♡ 気持ちいいエロデュエルだったわよ♡」

 

――催眠太郎LP300→0

――WINNER 天上院明日香

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……セレナ、もう誰彼構わずデュエルを挑むのは止めなさい。こんなことがしょちゅう続いたら、私だって面倒見きれないわよ」

「ああ、わかった。そうさせてもらおう」

 

 眠太郎とのデュエルを終えてから数十分後、ウリア・レッドの寮に戻ってきた私は、今回の騒動の元凶であるセレナへとお説教をしている真っ最中だ。

 

 元々、セレナがラビエル・ブルー寮に乗り込むだなんてことをしなければ、こんなことにはならなかった。自分の立場や状況を弁えて行動してほしいと願う私の言葉に対して、彼女は意外なまでにすんなりと了解の意を示したのだが……。

 

「あの程度の奴らと幾ら戦っても私の強さの証明にはならん。私の目標は明日香、お前だ! まずはお前を倒すことに全力を尽くす!」

「……はい?」

「このアカデミアのエリートを倒した明日香を倒せば、実質的に私がこの学園で1番強いということだ! だから明日香、私はお前を倒す! 絶対に倒す!」

「はぁ……どうりで聞き分けが良いと思ったら、そういうこと……? でも、これでセレナが無茶苦茶にデュエルを挑むことは無くなったわけだし……あ、そうだ!」

 

 セレナの魂胆を理解した私は、名案を思い付くと共に手を叩く。そのままセレナへと向き直った私は、鼻息も荒く意気込みを語る彼女に対して、こう言った。

 

「ええ、わかったわ。でもねセレナ、私はあなたとデュエルするつもりはないの。どうしても私とデュエルしたかったら、エロデュエル用のデッキを作ってからにしなさい」

「なにっ!? 私に今までのデッキを捨てろと言うのか!?」

「そうよ。デュエリスト同士、同じ条件で勝負しないとどちらが強いのかなんてわからないわ。あなたは私に挑む立場なんだから、そっちが私に合わせるのが普通でしょ? 本当に強いデュエリストがどちらなのか決めるためにも、このセックス次元のルールでデュエルをしましょうよ」

「むぅ、確かに……だが、これまで使ってきたデッキを捨てるのは……しかし、明日香のタクティクスは見事だった、あれに挑むためには新しいデッキが必要で……あ~、わからん! とりあえず、今日は休む! お前とのデュエルは、別の機会にだ!」

「それじゃあ、その時までにエロデュエル用のデッキを作っておきなさいね。そうじゃないと、私はデュエルしないから」

「わかっている! ……だが、相手の服を脱がせたり、気持ち良くすることにどんな意味があるんだ? あのタクティクスはどういう思惑でプレイを……」

 

 ぶつぶつと私に突き付けられた条件と、自身には理解出来ないエロデュエルのタクティクスについての呟きを漏らしながら、セレナは自室へと帰っていった。一応、これで大きな問題は解決したかなと安堵しながら、被害を被ったもう1人の仲間へと声をかける。

 

「アンナもありがとう。あなたがいなかったら、セレナは今頃ラビエル寮の肉便器になってたわ。面倒をかけちゃって悪かったわね」

「いや、別に構わねえけど……あ~、ん~……その、なんだ……」

「……? どうかしたの? 何か、私に言いたい事でも?」

 

 いつも元気いっぱいのアンナが珍しく口ごもり、指を絡ませていじらしい乙女のような姿を見せていることに違和感を覚えた私は、思い切って彼女へとそう問いかけてみた。すると、アンナも意を決したのか、大きく息を吸い込むと、恥ずかしさに顔を真っ赤にしながら私へとこう答えた。

 

「お、オレに、エロデュエルを教えてくれ!!」

「えっ!? それは良いけど、どうして急に……?」

「だって、これからなんかトラブルが起きる度に、エロデュエルで片を付けるようになるんだろ? そん時、まともなデッキを持ってなかったら負けんのが目に見えてるし、今日みたいに明日香に尻拭いしてもらうのも悪いだろ? 自分の身は自分で守れるようにしときたいし、それに……」

「それに?」

「……今日のデュエル見て、憧れたんだよ。明日香、エロかったけどスゲー綺麗で、格好良くて、可愛くて……お、オレも、あんな風になりたいって、そう思ったんだよ! わ、悪いか!?」

 

 一瞬、アンナが言っていることの意味を理解出来なかった私は、自分が彼女から褒められ、憧れの感情を向けられていることに気が付くと、気恥ずかしさに頬を染めた。まさか、エロデュエルで女の子まで魅了出来るようになるとは思ってもみなかったが、こうして褒められると悪い気はしない。そして何より、仲間が自分のエロデュエルを見て、自分も挑戦してみたいと思ってくれたことが嬉しかった。

 

「ふふふ……! いいえ、何にも悪くないわ。それじゃあ、次のお休みまでに基本的なルールを勉強して、休日にカードを買いに行きましょう! あ、青羽社長に連絡して、分身カードも作ってもらわないとね」

「ぶ、分身……? よくわかんねぇけど、明日香に任せるぜ!」

 

 嬉しいような、むず痒いような、そんなふわふわとした感情で心を満たした私は、久々に女友達との会話で笑みを見せ、安らいだ時間を過ごすことが出来ていた。

 

 まだまだ前途は多難だが、着実に自分たちが前に進んでいる感触は得られている。いつか、5人全員が同じ目標に向かって進んで行けたらなと思いながら、私は初めてエロデュエル仲間が出来た喜びを噛み締めるのであった。

 





次回予告

へっへっへ! これがオレの新しいデッキか~! なんか、感慨深いものがあるよな! よし! このデッキに慣れるためにも、ガンガンエロデュエルをして経験値を積んでいくぜ!

そうやって張り切るのはいいけど、エロデュエルで感じる快感はアンナの予想以上だと思うわよ? それなりの覚悟はしておきなさいよね。

わかってるって! なんにせよ、次回はオレのデビュー戦だ! 思いっきり派手に決めてやらぁ!!

次回『爆乳デッキ見参! 育てて暴れろ! モーモーアンナ!!』

……張り切るのはいいけど、もう少し周りを見てくれると助かるわね。さっきから色々なぎ倒しまくりよ?




最強カード紹介

S・HERO ドスケベ男
ATK2500 DFE2000 戦士族 光属性 

(1)このカードは自分フィールド上に存在する【S・HERO アスカ】のザーメンカウンターを2つリリースすることで、アドバンス召喚扱いで場に出すことが出来る。
(2)このカードが場に出た時、自分のフィールドか墓地に存在する【アスカ】と名の付いたモンスターを性交装備してもよい。この効果で性交装備されたモンスターは、このカードが場から離れた時、墓地へ送られる。
(3)このカードは性交装備しているカードの攻撃力と、このカードの元々の攻撃力の差だけ攻撃力がアップする。
(4)自分のターン中、相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動した時、その効果を無効にして破壊する。この効果は1ターンにつき、自分フィールド上の【アスカ】と名の付いたカードの数だけ発動出来る。

―――――

今日の最強カードは、男性【S・HERO】の上級モンスター【S・HERO ドスケベ男】。場のザーメンカウンターをモンスターの代わりにリリースしてアドバンス召喚の出来る、使い勝手のいいカードよ。

場に出た後は【アスカ】を性交装備出来る効果と、それを活かした攻撃力アップ効果。更には相手のカードの発動を妨害する効果も持っているわ。素のステータスも低くはないから、効果を無効化されても十分に働けるわね。

効果を無効にされた【S・HERO ビッチガール♡アスカ】を性交装備すれば、攻撃力は脅威の5000に! 何よりよわよわまんこに極太ちんぽを捻じ込まれて、ゴリゴリ犯される快感が溜らないわ♡ ザーメンカウンターを活かしたアドバンス出産も気持ちいいし、出来れば積極的に使いたいカードね♡



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爆乳デッキ見参! 育てて暴れろ! モーモーアンナ!!

 

「ほい、頼まれてたものじゃよ。しっかり中身を確認しておくれ」

「わーい! ありがとな、じっちゃん! よっしゃ! これでオレもエロデュエリストの仲間入りだぜ~!」

「アンナ! 大きな声で騒がないの! ……工藤さん、ありがとうございます。本当に助かりました」

「なんの、これが儂の仕事じゃよ。それに、琉ちゃんからの頼みとくれば、断る理由もないからの」

 

 そう言って優し気に笑う老人……工藤七並(くどうなならべ)さんに会釈をしてから、大喜びで騒ぎ回るアンナへと視線を向けた私は、未だにエロデュエル用のデッキを手に入れた興奮に身を任せている彼女に対し、少しきつめの口調で話しかける。

 

「アンナ、嬉しい気持ちもわかるけど、少しは弁えなさい。工藤さんのお店にも迷惑がかかるでしょ」

「うげっ! わ、悪い、悪い……じっちゃんもごめんな。嬉しくって、ついつい声がデカくなっちまったよ」

「ほっほ、良いんじゃよ。それくらいエロデュエルが楽しみってことじゃろう? それだけ喜んでくれたら、儂も満足じゃよ」

「もう、工藤さんは甘いんだから……」

 

 こじんまりとしたカードショップの中に、楽し気な工藤さんとアンナの笑い声が響く。まるで孫とその祖父のようなやり取りを見せる2人のことを、私はちょっぴり困ったように、それでいて微笑ましく思いながら見つめていた。

 

 さて、私たちが今、訪れているのは、この工藤七並さんが店主を務めている【工藤遊戯店】だ。この工藤さんは青羽社長の古くからの友人であり、若いころにエロデュエル界の発展に尽くした名デュエリストだったそうだ。

 

 現在は現役を引退し、このカードショップを経営しており、青羽社長からの依頼を受けた彼は、アンナとその分身カードにぴったりのデッキを見繕い、構築してくれたのである。

 

「取り敢えず、デッキの回し方はカードを確認していけばわかるじゃろう。まずはそれぞれの効果を知ることじゃな」

「特に分身カードはデッキの主軸になるでしょうから、ちゃんと見ておくのよ。エースがどのモンスターなのかもきちんと確認しないと……」

「わかってるって! へへへっ、オレのデッキ! オレのデッキ~!!」

 

 口ではわかっていると言うが、アンナは今でも浮かれ気味だ。ニコニコと可愛らしい笑みを浮かべながら、手にしているデッキを嬉しそうに見つめ続けている。

 

 そんなにエロデュエル用のデッキを手に貰えたことが嬉しいのだろうか? 確かに新しいカードとの出会いは心躍るものだが、あそこまで熱中するのは些かいきすぎなような気がしなくもない。

 ……と、私が嬉しそうにしているアンナへとそんな疑問を抱いていると、カランカランと音を立てて工藤遊戯店のドアが開き、小さな男の子が中に入って来た。

 

「あ、あの……エロデュエル用のデッキが欲しいんですけど、どれがいいですか?」

「ん? おお、君、エロデュエルにデビューするのかい?」

「は、はい! そろそろ良い頃合いだろうって、パパとママが許してくれて……だから、まずはお小遣いでストラクチャーデッキを買おうかなって」

 

 そう、工藤さんに語る少年の様子を見つめながら、私は少し驚いていた。あの子は見るからに若い、というよりも幼い容姿をしている。年齢で言えば、13歳のアンナよりも下にしか見えない。せいぜい、10歳くらいのものだろう。

 

 そんな子が、あんないやらしい遊びに手を出すなんて……という驚きがまず1つ。そして、それを親が許すなんて……という驚きでもう1つ。元の世界では信じられないような常識に驚きながらも、これがセックス次元のスタンダードなのだと自分を納得させる。

 

 ちなみに、隣のアンナは彼らのやり取りがまるで耳に入っていないようだ。デッキのカードをキラキラとした目で見つめ、確認し続けている。

 

 私たちがそんな反応を見せる中、工藤さんは少年にお勧めの構築済みデッキを見せながら、その中でも一押しの商品を彼へと手渡した。

 

「儂のお勧めはこれじゃな。構築済みの【ゴブリンデッキ】最新版じゃ! 持ち味の展開力を活かして場にモンスターを並べ、それをリリースして上級モンスターをアドバンス召喚するというわかりやすい戦法じゃから、初心者にも扱いやすい。【ゴブリン】の名前が付いているカードは大量にあるから拡張しやすいし、プロでも人気の強いカード群じゃよ!」

「わぁ……!! ゴブリン小島が使ってるデッキだ! 決めました! 僕、これにします!」

「うむ! それじゃあ、エロデュエルを始める君にサービスとして、スリーブとデッキホルダーも付けちゃおう!」

「あ、ありがとう! お爺さん!」

「ほっほ! 良いんじゃよ! ……少年はエロデュエルで精通を知り、少女は性の悦びを知る……変わることのない、永久不変の真理がここにあるんじゃな……」

 

 ……しみじみと良いことを言っている風に語る工藤さんだが、その内容は完全にセクハラだ。だけど、これもこのセックス次元では特におかしくないことなのだろう。いい加減、私も慣れなくては。

 

「お爺さん、ありがとう! よ~し! 僕も頑張ってエロデュエルして、女の子たちをイかせまくるぞ~!!」

「ほほほっ! その意気じゃよ! 頑張れ、未来のエロデュエルマスター!!」

 

 ……このセックス次元ではこの会話は普通なのだから、慣れなくては。若干10歳の子供の口から発せられる言葉としてはかなり刺激的な部類に属するだろうが、それでも慣れなくては。

 

 そもそも平然と女性を犯す遊びがショーとして成立している世界に倫理観なんてものを期待する私が馬鹿なのだ。この世界で生きていくと決めたのなら、その辺の違和感も捨て去らなくちゃやっていけな……

 

「なあ、そこのお前! お前、まだエロデュエルやったことないんだろ!? なら、オレとやらないか!?」

「ふえっ!? お、お姉ちゃんと!?」

「そうだよ! オレも今、デッキ手に入れたばっかりなんだ! 初心者同士ってことでさ、俺と一戦やってみようぜ!」

「お、お姉ちゃんと、エロデュエル……ごくりっ!!」

 

 ……そんな風に、元の世界とセックス次元との常識の乖離に頭を悩ませていたせいか、私はアンナが少年にエロデュエルを挑んでいることに気が付くのに少し遅れてしまった。

 

 私がはっとした時には既に遅く、アンナのたわわなおっぱいを目の当たりにした少年が、そのスケベ心のままに元気いっぱいに了解の返事をしているところだったのである。

 

「うんっ! やるっ! 僕、お姉ちゃんとエロデュエルするっ!」

「よっしゃ! 早速始めようぜ! お前、デュエルディスク持ってるよな?」

「ちょ、アンナ!? あなた、いきなり何言って……?」

「まあまあ、良いんじゃないかね? 初心者の2人は儂と明日香くんがサポートすれば、まあ問題無かろう」

「で、でも……」

「デュエロ・アカデミアの生徒たちと戦わせるより、初心者同士のエロデュエルで一度実戦を経験しておいた方がいいと儂は思うぞい。そっちの方が実力も近いじゃろうからな」

「それは……そう、ですね」

 

 工藤さんの言葉に、姑息な罠を仕掛けて私を狙った催眠太郎のことを思い出す。彼のような悪意を持った生徒がデュエロ・アカデミア内にいないとも限らない。そういった男たちが初心者であるアンナに牙を剥く可能性はあるし、何より工藤さんの言う通り、既に長年エロデュエルに親しんできた彼らとアンナでは、その腕前に差があり過ぎてまともな練習にならないだろう。

 

 その点、この男の子ならそこまで危険性はなさそうだし、実力もアンナとどっこいどっこいだ。私の目の届くところでのエロデュエルだし、いざとなれば工藤さんもいる。心配することは、特に無いように思えた。

 

「……わかりました。私もサポートに回って、2人のエロデュエルを応援しましょう」

「やったぁ! 初めてのデュエル! エロデュエル!」

「よし。ならば明日香くんはこっちの子のサポートをしておくれ。儂はアンナちゃんのデッキを知り尽くしとる。明日香くんよりも儂の方が適任じゃろうて」

「私もゴブリンデッキには多少の知識がありますし、その方が良さそうですね。それじゃあ、僕……お名前は?」

「マ、マサオです! 小結マサオ!!」

「マサオくんね。私は天上院明日香よ。一緒に頑張って、勝利を目指しましょう!!」

「は、はいっ!!」

 

 この少年、非常に素直だ。握手をしながらも、目線は私の胸に釘付けになっている。将来有望なスケベ小僧ではないか。

 

 まあ、これもこのセックス次元では当たり前のことなのだろう。多少の無礼やセクハラには動じなくなった私は、むしろ子供からの青い性欲が籠ったその視線をどこか心地良く思いつつ、エロデュエルの準備を開始するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「「デュエル!!」」

 

――神月アンナVS小結マサオ LP4000 1マッチ

 

 店内デュエルスペースでの初心者同士の戦いが始まった。今はエロデュエルを見守る観客もいないため、2人とも必要以上に硬くならずプレイが出来そうだ。

 

 先攻を取ったのはマサオくん。私は彼の手札を確認してから、彼がどこまでエロデュエルの知識を把握しているか質問を投げかけてみる。

 

「マサオくん、あなたのターンだけど、まずはどうするかわかる?」

「えっと……まずは相手の服を脱がせることが基本だから……このカードを使う!」

「うん、正解ね! それじゃあ、思いっきりやっちゃいなさい!」

「は、はいっ!」

 

 私からのお墨付きをもらえて安心したのか、ぱぁっと輝くような笑顔を見せたマサオくんは、手札から1枚のカードを取り出すと早速それを発動させる。

 

「魔法カード【ゴブリンの強姦準備】を発動! このカードの効果により、相手プレイヤーをは、裸にする!!」

「おおっ!? うひゃぁぁっ!!」

 

 魔法カードの発動と共に、どこからともなく出現したゴブリンたちがアンナへと突撃し、彼女の着ている服を剥ぎ取った。

 

 13歳とは思えないほどに発育しているアンナのたわわな乳房とそれに見合った大きめの乳輪と乳首が露になり、ぷるんっと大きく震える。

 素っ頓狂な悲鳴を上げたアンナは、初めての脱衣攻撃を食らって動揺しているが、必死にその羞恥を抑え込んでいるようだ。

 

「うぉぉ……! マジで裸にされちまった……!! や、やっべぇ、でもなんか、興奮するぜ……っ!!」

「ほっほ! アンナちゃん、いい体しとるのぉ! おっぱいもお尻もぷりっぷりで、むっちむちの極上エロ雌ボディじゃわい!」

「んなっ!? そ、そんな恥ずかしいこと言うんじゃねえよ、じっちゃん!!」

「恥ずかしがる必要はないんじゃぞ? しっかりその大きなお胸を張って、誉め言葉として受け取るんじゃ」

 

 味方であるはずの工藤さんから浴びせられた羞恥を煽る言葉にアンナが顔を真っ赤にして抗議するも、その言葉を投げかけた当の本人は涼しい顔で彼女の叫びを受け流している。

 この世界の常識的には、今の発言も普通のことなのだろう。久しぶりに会った親戚の女の子に、「可愛くなったね」と誉め言葉を口にするようなものだ。工藤さんからしてみれば、アンナに対する発言はその程度のもので、彼女の反応は照れ隠しのようなものだと思っているのかもしれない。

 

(やっぱり早くこの世界の常識に慣れないと……色々、気苦労しちゃいそうね)

 

 元の世界との乖離に悩まされながらも、今はエロデュエルに集中だ。マサオくんのためにも、楽しいデュエルを経験させてあげなければ。

 

「あ、明日香お姉ちゃん、次はどうすればいいのかな?」

「そうね……先行は最初のターンに攻撃が出来ないから、次のターンに備えてモンスターを場に出しておきましょう。マサオくんの好きなモンスターを召喚してみて」

「はいっ! それじゃあ……僕は【成人ゴブリン】を召喚して、ターンエンドします」

 

―――――

 

成人ゴブリン

ATK1800 DFE1400 レベル4 獣戦士族 地属性

 

人間ほどの大きさに成長した、ゴブリンの成体。

性欲は人並み以上で、捕らえた女を1日中犯し尽くす。

 

―――――

 

 モスグリーンの体色をした、大柄なゴブリンが場に姿を現す。手にしている棍棒を威嚇するように振り回すその姿は、とても頼もし気だ。

 

 悪くない判断だと、私は素直に思う。攻撃力は一定以上あるし、初手でこれを突破するのはなかなかに苦労するのではないだろうか?

 伏せカードを用意しなかったのはプレイミスだが、そこは初心者のご愛敬だ。満点とは言えずとも、十分に合格点のプレイングを見せたマサオくんに心の中で拍手を送った後、今度はアンナの出方を窺うべく彼女へと意識を向けた。

 

「オレのターン! ……よし、まずはこいつだろ! 出てこいっ! 【牛乳(うしちち)娘 アンナ】!!」

『いえ~~いっ!!』

 

 勢いよくデュエルディスクへとカードを叩きつけたアンナの目の前に、もう1人の彼女が姿を現した。マサオくんは大きく揺れるアンナのおっぱいに目を奪われているが、私の方は彼女の召喚したモンスターに意識を集中させている。

 

 彼女のロリ巨乳体形はそのままに、服装を大きく変えたその恰好。身に纏うのは牛柄の布地面積が少ないビキニと、牛の角を模した飾りが付いているカチューシャだけだ。

 アンナ自身が脱衣しているというのに彼女の分身カードが服を着ているという点から考えると、アンナとあのモンスターの服装はリンクしていないということだろう。

 しかして、かなり際どいサイズの牛柄ビキニを着ているモンスターの姿は裸と同じかそれ以上に卑猥で、服を脱がずとも男たちを興奮させるだけの魅力は十分に有していた。

 

「うむ! まずはプレイの核となるモンスターを召喚したね。いいぞ、いいぞ~!」

「へへっ! 続けてフィールド魔法【牛乳娘の育乳牛舎】を発動するぜ!」

 

―――――

 

牛乳娘の育乳牛舎 フィールド魔法

 

(1)このカードを発動した際、自分の場に【牛乳娘】と名の付いたモンスターが存在している場合、そのカードにミルクカウンターを1つ乗せる。

(2)1ターンに1度、デッキから【乳】と名の付いたモンスターを手札に加えてもよい。

(3)【牛乳娘】と名の付いたモンスターの攻撃力は300ポイントアップする。

 

―――――

 

 フィールド魔法……場に1枚だけ置くことが可能で、文字通りデュエルフィールド全体に効果を発揮するカードだ。特定の種族のモンスターの攻撃力を強化したり、他にも特殊な能力を有していることが多い。

 アンナの発動した【牛乳娘の育乳牛舎】には、攻撃力上昇と手札補充の効果がある。だが、それ以上に私が気になったのは、ミルクカウンターという謎の存在に関する記述であった。

 

(ミルクカウンター……? 私のザーメンカウンターと似たようなものなのかしら? なんにせよ、油断は禁物ね)

 

 一応、ここで【牛乳娘 アンナ】の効果も確認しておいたが、私にはいまいち理解が及ばないものであった。これは頭の片隅に置いておくとして、ここからのアンナのプレイングに注目していこう。

 

「【牛乳娘の育乳牛舎】の効果で、オレはデッキから【牛乳娘飼育員A】を手札に加えるぜ! このカードは自分の場に【牛乳娘】がいれば手札から特殊召喚出来る! そのまま【牛乳娘飼育員A】を場に出して、効果発動!!」

 

―――――

 

牛乳娘飼育員A

ATK0 DFE0 レベル1 悪魔族 地属性

 

(1)自分の場に【牛乳娘】と名の付いたモンスターが存在している時、このカードは手札から特殊召喚出来る。

(2)1ターンに1度、【牛乳娘】と名の付いたモンスターを1体選択し、そのモンスターにミルクカウンターを1つ乗せることが出来る。

 

―――――

 

『ほ~らアンナ、今日もおっぱい育ててやるぞ~! もみもみ、もみもみ~!!』

『んあぁっ♡ んもぉっ♡ もぉ~~~っ♡』

 

 つなぎ服を着たひょろひょろの男が召喚されると共に、【牛乳娘 アンナ】の胸を優しく揉み始めた。丁寧で執拗なその愛撫で快感を貪る【アンナ】は、牛のような鳴き声を口にしながら蕩けた表情を浮かべている。

 

「くぅううっ♡ オレのおっぱい、揉まれてる……っ♡ すげー、きもちいい……♡ これが、エロデュエルの快感なんだな♡」

「キーカードの召還、モンスターの強化、さらにエロデュエルの醍醐味である性の悦びをしっかり楽しめるプレイングを見せるとは……! アンナちゃん、本当にエロデュエルは初めてなのかい? 儂、ちょっと驚いておるよ」

「へ、へへっ! オレ、エロデュエルの才能があるのかな?」

「あるある、大有りじゃよ! 体付きもエロくてプレイングもピカイチ! アンナちゃんは儂や琉ちゃんが思っていた以上の逸材じゃ!」

「へへへへへっ! そういう風に褒められると悪い気はしねえな! そんじゃ、オレはカードを伏せてターンエンドだ!」

 

 工藤さんに褒められて気恥ずかしくなったのか、それとも胸を揉まれる快感のせいか、アンナは顔を赤く染め、煽情的な表情を見せている。

 スタイル抜群の裸の美少女というだけで十分に破壊力はあるのだが、幼さと淫猥さが同居している今の彼女の姿は女の私でさえ心が疼くような興奮を感じてしまうくらいに卑猥だ。

 ちらりとマサオくんの様子を窺ってみれば、やはりというべきかアンナの裸体と目の前で行われている【牛乳娘 アンナ】への卑猥な行為に目を奪われ、痛いほどにちんぽを勃起させてしまっているのがわかる。

 

 もうエロデュエルどころではないなと思いながらも、これからは彼もこういった興奮にも慣れなければならないのだからと思い直し、私はマサオくんへとデュエルの続行を指示した。

 

「さあ、マサオくんのターンよ。ここからどうするか、考えてある?」

「あ!? え~っと……あのお姉ちゃんそっくりのモンスターを破壊した方がいいのかな? それとも、攻撃力が低いモンスターを狙って、LPにダメージを与えた方が……?」

 

 私の声でようやっと我に返ったマサオくんは、慌ててここからのプレイングを考え始めた。幼い彼がアンナの色気に当てられてまともな思考が出来ないことを理解している私は、軽い手助けをすべく口を開く。

 

「マサオくん、【牛乳娘 アンナ】の効果を確認してみて」

「え、えっと……あ! このモンスター、フィールドから離れないんだ! じゃあ、攻撃しても破壊出来ないね」

「そうね。だから、【アンナ】を攻撃するのは無駄になっちゃうわ。だから、ここは攻撃力の低い【牛乳娘飼育員A】を攻撃して、アンナに大ダメージを与えましょう」

「わかった! 僕は、【成人ゴブリン】をリリースして、【マッスルゴブリン】をアドバンス召喚!!」

 

―――――

 

マッスルゴブリン

ATK2200 DFE1800 レベル6 獣戦士族 地属性

 

このカードが戦闘でモンスターを破壊した時、手札か墓地から【ゴブリン】と名の付いたレベル4以下のモンスターを特殊召喚出来る。

 

―――――

 

 私のアドバイスを受けて戦略を決めたマサオくんは、上級モンスターを召喚して一気に勝負を決めにかかる。

 

「更に魔法カード【興奮するゴブリン】を発動!! 墓地のゴブリンカードを除外して、このターン【マッスルゴブリン】の攻撃力を倍にする!!」

 

 攻撃力上昇の魔法カードを使用して、【マッスルゴブリン】のパワーをアップ。粗末な腰蓑に隠れていた巨根が倍以上のサイズに膨れ上がり、雄々しく天を衝くように反り返る。

 これで【マッスルゴブリン】の攻撃力は4400。攻撃力0の【牛乳娘飼育員A】に攻撃が決まれば、一気にアンナのLPを削り切ることが可能になった。

 

「バトル!! 【マッスルゴブリン】で【牛乳娘飼育員A】を攻撃だっ!」

『ウボォォォッ!!』

 

 ドスドスと大きな音を立てて駆け出した【マッスルゴブリン】が、丸太のような腕を振りかざして【牛乳娘飼育員A】に迫る。左右に揺れる巨大なちんぽの荒々しさに私が目を奪われる中、アンナは冷静に伏せてあったカードを発動し、迎撃の構えを取った。

 

「罠カード【パイズリホール】を発動! 相手モンスターの攻撃を無効にし、その攻撃力を半分にした数値分、お互いのプレイヤーのLPを減らすぜ!!」

『お~い、デカチンゴブリンっ♡ こっちの方に、気持ち良い穴があるぜ~♡』

『ウゴッ!?』

 

 胸に実っている豊かな果実を揺らし、挑発的な口調で【マッスルゴブリン】を誘惑する【牛乳娘 アンナ】。その色香に乗せられたゴブリンは攻撃を中断し、性欲の赴くままに彼女の方へと向かって行く。

 

 文字通り、大人と子供ほどの身長差があるゴブリンとアンナがお互いに向かい合えば、その間で起立している【マッスルゴブリン】のちんぽのサイズの規格外さがはっきりと見て取れる。

 自らの腕ほどはあるその巨根を前に舌なめずりをした【牛乳娘 アンナ】は、左右の乳房を擦り合わせると雄々しく律動する肉棒を抱き締めるようにして胸の谷間へと挟み込み、上下に胸を揺らし始めた。

 

『んあっ♡ あっちぃ……♡ オレのおっぱいまんこ、最高に気持ち良いだろ♡ お前のちんぽがびくびくしてんの伝わってくるぜ♡』

『フゴッ! オ、ゴォ……ッ!!』

『ほらっ♡ もっとサービスしてやるよっ♡ ちゅぱちゅぱっ♡ ちゅぅぅっ♡ れろれろ~~っ♡』

『ゴォオオオオォオオッ!?』

 

 張りと柔らかさを両立しているアンナの巨乳によるパイズリからの、亀頭への熱烈なキス。乳圧で竿を責められる快感と鈴口を舐められる刺激に流石の【マッスルゴブリン】も腰砕けになっている。

 自らの涎でゴブリンのちんぽをコーティングし、滑りを良くすることでパイズリの激しさをより増させていくアンナの奉仕によって、【マッスルゴブリン】の攻撃意欲は完全に刈り取られてしまったようだ。

 

「んあぁあぁ……っ♡♡♡ 胸が、あつぃいっ♡♡♡ 硬くて、ビキビキしててっ♡♡♡ んんっ♡ 唇に柔らかいの当たってるっ♡ くっせぇけど、嗅いでると頭ボーッとする臭いが鼻にくるぅっ♡♡♡ ち、ちんぽすげぇ……♡ これが、エロデュエルの気持ち良さなんだな……♡♡♡」

 

 分身カードと感覚を共有しているアンナもまた、【牛乳娘 アンナ】が行うパイズリ&フェラチオによる快感を味わっているようだ。むっちりしたと肉付きのいい尻を左右に揺らし、幼さの残るまんこから愛液を噴き出している彼女の姿は、性の悦びを知ったと表現するのがぴったりだろう。

 やがて、パイズリ奉仕によって限界を迎えた【マッスルゴブリン】は、【牛乳娘 アンナ】の頭をガッと掴むと、赤ん坊の握り拳ほどはある亀頭を彼女の口の中に突っ込み、夥しい量の精液をその内部に注ぎ込むようにして射精を行う。

 

『んぼぉおおぉおおぉおおおぉおっっ♡♡♡ んおっ♡♡♡ おおおぉっ♡♡♡』

『フゴォォォォォォォォ……』

「んぶっっ♡♡♡ んぉおおっ♡♡♡ 口ン中が、どろどろで、生臭ぇ……っ♡♡♡ でも、なんか……すげー、いいきぶん、だ……♡♡♡」

 

――小結マサオLP4000→1800

――神月アンナLP4000→1800

 

 口内射精を受けたアンナがとろんとした表情を浮かべ、恍惚とした声を漏らす。瞳孔にはハートマークが浮かび、完全に雌の悦びに目覚めてしまった様子の彼女は、自分でも気が付かない内に絶頂を迎えていた。

 へこへこと情けなく揺れる彼女の腰つきは非常にいやらしく、股の割れ目からは白く濁った本気汁と綺麗な黄色のおしっこが勢いよく噴き出している。

 快感のあまりに潮噴きと失禁を同時に行っているアンナの姿には、マサオくんや私だけではなく、こういった女性エロデュエリストの痴態を見慣れているはずの工藤さんでさえも目を奪われ、言葉を失っていた。

 

「……はっ!! ま、マサオくん、これであなたのバトルフェイズは終了よ。カードをセットして、アンナの攻撃に備えましょう」

「あっ! はいっ!! カードを伏せて、ターンエンドします! アンナお姉ちゃんのターンです!!」

「は、ふぅ……♡ おっぱい、あちぃ……♡♡♡ エロデュエル、やっべぇよぉ……♡♡♡」

 

 デュエルを終わらせるべく繰り出したマサオくんの攻撃は、残念ながら防がれてしまった。今度はしっかりと伏せカードを用意してからターンを終わらせたマサオくんの胸中には、勝負を決められなかった残念さよりもアンナの痴態を間近で見られる歓びの方が勝っているようだ。

 そのアンナはというと、未だにゴブリンへのパイズリ奉仕による快感の残滓に体を支配されているのか、惚けた表情でうわごとのように何かをぶつぶつと呟いていた。デュエルを遅延させるのも悪かろうと、工藤さんがそんなアンナの尻を叩き、ターンが回ってきたことを教えてあげると――

 

「うひゃいっっ♡♡♡ んあぁあぁっっ♡♡♡ な、なんだよじっちゃんっ♡ 今、全身スゲー敏感なんだから、不意打ちで触るんじゃねえよぉっ♡♡♡」

 

 本当に軽いソフトタッチだったと思う。少なくとも、その現場を見ていた私からすれば、そうとしか思えない触れ方だった。

 右手で優しくアンナの尻を撫でつつ、腕を上へとスライドする。ただそれだけの動きだ。尻肉を揉んだわけでも、激しいスパンキングを繰り出したわけでもない。ほんの少しだけ尻を撫でただけの快感で、アンナの秘所からは先ほどよりも大量の愛液が潮となって噴き出し、彼女の足元にむわりと臭い立つ水溜まりを作り出したのだ。

 

 どうやら……私たちはアンナのロリ爆乳にばかり目を奪われて、彼女の真の武器に気が付いていなかったようだ。

 アンナの最大の武器、それは『全身の感度』だ。恐らく、火が付いた彼女の体は超が付くレベルの敏感さを誇るのだろう。軽い尻へのタッチですら潮噴きアクメを迎えてしまうほどの敏感エロボディ、それこそがアンナの最大の特徴なのだ。

 

「まさか、これほどの逸材とは……!! 琉ちゃんめ、とんでもない怪物を見つけ出したようじゃな!」

「あぁ? なんだよぉ……? それ、褒めてるんだよな? へ、へへっ♡ やっぱオレ、エロデュエルの天才なのか~♡」

「……ああ、お世辞抜きにそうだとしか思えんぞい。行け、アンナちゃん! お主のエロさを爆発させるんじゃ!!」

「へへへへっ♡♡♡ あいよっ♡ オレのターンっ♡ オレは手札から【熟練の牛乳娘飼育員】を召喚! このカードは、召喚時に自分フィールド上の【牛乳娘】モンスター1体に乗っているミルクカウンターの数を倍に出来る! この効果で【牛乳娘 アンナ】のミルクカウンターを倍にするぜ!」

 

 アンナが【牛乳娘飼育員A】と同じつなぎ服を着た男性を召喚した。今度のモンスターはひょろひょろの飼育員Aとは違い、がっしりとした体付きの逞しい男性の姿をしている。

 そんな彼が【牛乳娘 アンナ】の乳房を背後から鷲掴みにし、力強くも繊細な動きで愛撫を始めた瞬間、彼女たちの口からは牛のような鳴き声と甘い嬌声が同時に飛び出し始めた。

 

『んもぉおおぉおおぉおおっ♡♡♡ もぉおおぉおおぉおおっ♡♡♡ んもぉおお~~~~~~~~っっ♡♡♡』

「あっっ♡♡♡ ヤバいっっ♡♡♡ これ、マジでヤバいってっ♡♡♡ 乳首カリカリされっ♡ んおっ♡ 乳輪指でなぞられて焦らされるうぅうっ♡♡♡ お、おっぱい気持ち良すぎて、馬鹿にっ♡ 牝牛になっちまっ♡ おほぉおおぉおおおぉおっ♡♡♡ んもぉおおぉおおぉおおおっっ♡♡♡」

 

 乳首を軽く刺激しながら、期待感を煽るように乳輪を弄る。それと同時に柔らかい乳肉をたっぷりと揉みしだいて快感を馴染ませ、アンナの意識がとろとろになったところで乳首を抓りながら強くおっぱいを揉み潰すことで、待ちに待った鋭い快感を与える。

 何もかもが計算ずくの熟練のテクニックによって、アンナたちは立派な牝牛に仕立て上げられてしまった。

 

 さて、問題はここからだ。これで【牛乳娘 アンナ】に乗っているミルクカウンターの数は4つになった。先ほどの工藤さんの発言から察するに、ここでアンナが勝負を仕掛けて来るのは間違いないだろう。

 だが、彼女の場には攻撃力が低いモンスターしか存在していない。召喚権も使ってしまったこの状況から、どうやって【マッスルゴブリン】を突破するのだろうか?

 

「い、行くぜっ! オレは【牛乳娘 アンナ】のモンスター効果を発動するっ!」

 

―――――

 

牛乳娘 アンナ

ATK0 DFE0 レベル1 獣族 淫属性

 

(1)このカードをエクシーズ素材として【牛乳娘】と名の付いたモンスターのエクシーズ召喚を行う時、このカードは1体で2体分のエクシーズ素材となる。

(2)1ターンに1度、自分メインフェイズに発動出来る。このカードのレベルをこのカードに乗っているミルクカウンターの数まで+して良い。この効果によって変化したレベルは、ターン終了時に元に戻る。

(3)このカードがは相手カードの効果では自分フィールドから離れない。

 

―――――

 

「アンナに乗っているミルクカンターの数は4! 元々のレベル1と合わせて、【牛乳娘 アンナ】のレベルを5にアップさせるぜ! そして、レベル5となった【牛乳娘 アンナ】を素材として、エクシーズ召喚だ!!」

 

 ぷくっと膨れ上がった【牛乳娘 アンナ】のおっぱいが光り輝く。何か、自分の想像もつかないことが起きていることを理解しながらも、私はただその光景を見守ることしか出来ない。

 

「レベル5になった【牛乳娘 アンナ】の右のおっぱいと左のおっぱいでオーバーレイ・ネットワークを構築! エクシーズ召喚!!」

 

 おっぱいが作り出した光の渦の中心から、何かが姿を現す。その眩さに目を開けられないでいる私たちの耳に、堂々としたアンナの召喚口上が届いた。

 

「牝牛の牛舎より、乳揺れと共にただいま参上っ♡ 現れろ! 【ENo.(エロナンバーズ)081 超弩級牛乳娘 モーモーアンナ】っ♡♡♡」

『いよっしゃ~~~っ♡♡♡ 暴れるぜ~~~っ♡♡♡』

 

 ようやく光が消え去った時、そこには【牛乳娘 アンナ】よりも大きな胸を揺らす1人のモンスターの姿があった。小玉スイカレベルの爆乳を揺らすそのモンスターは、格好もより卑猥になっている。

 【牛乳娘 アンナ】の牛柄ビキニから、同じく牛柄模様のスリングショットへ。まんこの割れ目もピンク色の乳輪も丸見えで、勃起している乳首も隠せていないいやらしい姿になった【モーモーアンナ】は、その淫猥な姿と少し動いただけでたぷたぷと揺れるおっぱいを見せつけるように仁王立ちしている。

 

(あれがアンナのエースモンスター……! 効果は!?)

 

―――――

 

ENo.081 超弩級牛乳娘 モーモーアンナ

ATK2800 DFE2000 ランク5 獣族 淫属性

 

(1)このカードのエクシーズ素材は、このカードのエクシーズ素材となったモンスターに乗っていたミルクカンターの数だけ増える。

(2)1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き発動出来る。魔法・罠・モンスターの1つを指定し、このターン中相手は指定されたカードの効果を発動出来ない。

(3)自分フィールド上の【乳】と名の付いたモンスターが相手モンスターの攻撃対象、及びカードの効果対象になった時にエクシーズ素材を1つ使って発動出来る。その対象をこのカードに移す。

 

―――――

 

(プレイングの阻害効果と味方を守る効果!? しかも、そのために必要なコストを召喚の時点で確保してる!)

 

 【モーモーアンナ】は召喚された時点で【牛乳娘 アンナ】に乗っていたミルクカンターの数だけ、効果使用のコストを増やしている。アンナ自身も素材として含めるので、合計5回まで効果を発動出来るということだ。

 これはマズい。向こうのターン中、マサオくんは防御のためのカードの使用に制限がかかってしまう。伏せてある速攻魔法も使えなくなる可能性があるし、そうなれば【マッスルゴブリン】が破壊されてしまうだろう。

 よしんばアンナが魔法カード以外を指定したところで、返しのターンで攻撃力0の牛乳娘飼育員たちを狙おうにも【モーモーアンナ】のもう1つの効果が邪魔をする。 総合的に見て、かなり厄介なカードだとしか言いようがない。

 

 しかも、アンナはこれだけでもこちらの勝算が十分に薄くなったというのにも関わらず、なおも万全の盤面を作るべく、プレイングを続行していくではないか。

 

「更に、レベル1の【牛乳娘飼育員A】と【熟練の牛乳娘飼育員】でオーバーレイ・ネットワークを構築! エクシーズ召喚! ランク1【牛乳娘搾乳兵器 ミルクガトリンガー】!!」

 

 アンナが2度目のエクシーズ召喚で呼び出したのは、搾乳機とガトリングガンが一体化したような奇妙なモンスターだった。

 嫌な予感を覚えながら、私はそのカードの効果を確認する。

 

―――――

 

牛乳娘搾乳兵器 ミルクガトリンガー

ATK0 DFE0 ランク1 機械族 地属性

 

(1)このカードのエクシーズ素材を【牛乳娘】と名の付いたエクシーズモンスターへと移動させ、そのモンスターの装備カードとすることが出来る。その際の効果は以下の通りになる。

 

このカードを装備したモンスターのエクシーズ素材を好きな数取り除く。このターン、そのモンスターは取り除いたエクシーズ素材の数だけ攻撃を行うことが出来る。

 

―――――

 

「うそ……!? 攻撃力2800のモンスターが、最大7回も攻撃してくるの!? そんなの防げないよぉ!」

「へへへっ! 悪いな、坊主! 俺は【モーモーアンナ】と【ミルクガトリンガー】の効果を発動! エクシーズ素材を合計7つ取り除き、このターン中のお前の罠カードの発動を禁止して、更に6回の連続攻撃効果を【モーモーアンナ】に与える!」

 

 これはもうダメだ。マサオくんには悪いが、どうしようもない。

 それでも最後までデュエルを続けることにも意義がある。私は涙目になるマサオくんの肩に手を置いて励ましながら、視線でやれるだけのことはやろうと語り掛けた。そうすれば、彼も弱々しく頷き、しっかりと目の前のエロデュエルへと向き合っていく。

 

「よっしゃ、バトル! 【ENo081 超弩級牛乳娘 モーモーアンナ】で6連発攻撃! ミルクバースト・ガトリングアタックっ♡♡♡」

『ん、もぉおおぉおおおぉおおおぉおおおぉおおおぉおおぉおおぉっっ♡♡♡ おっぱい、搾られりゅぅううぅううぅううぅううぅううぅうぅうっっ♡♡♡』

 

 スリングショットの水着をずらし、【モーモーアンナ】の乳首に装着された搾乳機が音を立てて起動する。

 凄まじい勢いで乳を搾り、たわわに実ったおっぱいからミルクを搾り取っていく【ミルクガトリンガー】の動きによって獣じみた咆哮を上げる【モーモーアンナ】の姿に圧倒されながらも、マサオくんは伏せてあった魔法カードを使用した。

 

「速攻魔法【ゴブリンの肉壁】! これで1回だけ相手の攻撃を無効に出来るけど……」

「んんっ♡♡♡ お、オレのミルクガトリングは止まらねえっ♡♡♡ いけっ♡ 全てをぶっ飛ばせっ♡♡♡ 【モーモーアンナ】っ♡♡♡」

『んもぉおおぉおおおぉおおぉおおおぉっ♡♡♡ おっぱい搾られて、イっちまうよぉおおぉおおっ♡♡♡ あぁああああああああぁあっっ♡♡♡ もぉおおぉおおおぉおおっっ♡♡♡』

 

 搾乳されたミルクがガトリング弾となって雨あられのように私たちへと浴びせられる。たかだか1回の攻撃を防いだだけでは、この猛攻は止められそうにない。

 甘い匂いを漂わせる、ねっとりとした母乳の弾丸を全身に受けながら、悔しさや痛みよりも温もりと歓びの感情が先に湧き上がる敗北を受け入れたマサオくんは、生まれて初めての射精を【モーモーアンナ】のミルクガトリングを浴びせられながら迎えるという、贅沢のようで不憫なようでもある性的体験を味わい、引き攣った笑みを浮かべながら真後ろに倒れて気を失ってしまうのであった。

 

――小結マサオLP1800→0

――WINNER 神月アンナ

 

 

 

 

 

「……マサオくんの様子はどうですか?」

「ほほほ、安心せい。すっかり落ち着いて、楽しそうじゃよ。負けたことは悔しそうじゃが、それ以上にいい初陣になったみたいじゃ」

「それはよかったです。下手したらトラウマになっててもおかしくないんじゃないかと思って……」

「それはなかろうて。アンナちゃんのプレイングは攻め気が強いが、自分も感じている姿を見せるものじゃ。最終的に圧倒的な力でねじ伏せられたとしても、そこに至るまでにマサオくんにも手応えは感じられたはず。楽しいと思ってくれれば、エロデュエルにトラウマを抱えることはないじゃろうさ」

 

 エロデュエルを終えたマサオくんとアンナがシャワーを浴びている間、私は工藤さんと先ほどのエロデュエルについての感想戦を行っていた。

 お互いに初のエロデュエルを経験した2人のことを話しながら、話題はアンナのデッキに関するものへと移っていく。

 

「でも、流石です。工藤さんの作ったデッキ、初めて使うアンナにも完璧にマッチしてました。あの子のことをちゃんと理解して組み上げたからこそ、ああいったプレイングが出来たんだと思います」

「ほっほ! それがデッキビルダーの役目じゃからな。特に、女の子用のデッキを作る時は気を遣うもんじゃよ。それも、今回は勝つためのデッキ構築じゃからな」

「え……?」

 

 しみじみとそう語りながらお茶を啜る工藤さんの含みのある言い方が気になった私は、彼の顔をじっと見つめてその答えを視線で尋ねた。

 工藤さんもまた、私の視線に気が付いたのか、湯飲みを机の上に置いた後、静かにデッキビルドのコツを語り出す。

 

「基本的に大事なことは変わらんよ。男も女も、エロデュエルを楽しいと思ってくれれば良いわけじゃ。じゃが、男は自分の好きなように女の子を虐められるのに対して、女の子は様々な趣向で男から責められることになる。女の子のエロデュエリストにまず必要なのはそれを楽しめる精神じゃが、明日香ちゃんたちの場合はそれだけじゃいかんじゃろ? なにせ、男に勝つエロデュエルをするんじゃからな」

「まあ、そうですね……でも、勝利を目指し過ぎて勝つことだけに注力すると、デュエルの根幹である楽しむということを忘れてしまいませんか?」

「そうなるのぉ。じゃから、儂はこう考えながらデッキを作っとる。【この女の子は、どんな風に扱われたいのか?】とな……性的趣向というレベルではない、もっと心の奥底に眠る強い願いをイメージし、その子が真に望む物を実現出来るエロデュエルが出来るようにデッキを組み上げる。それが儂のポリシーなんじゃ」

「心の奥底に眠る、強い願い……じゃあ、アンナの願いって、いったい……?」

 

 そこで再び湯飲みを手にした工藤さんは、お茶を一口飲んでから話を続ける。

 

「アンナちゃんの場合は本当に単純じゃよ。【女の子扱いされたい、大事にされたい】、これだけじゃ。年相応に乙女心のある娘じゃが、元来の性格のせいで素直になれず、気恥ずかしさ故に女の子としての振る舞いにも引け目がある。好きになった男の子がいても、ついつい素直になれずに憎まれ口を叩いてしまうタイプの女の子だといえば、わかってくれるかの?」

「ああ、なんとなくわかりました。本当は好きな子にも素直になって、可愛い女の子として扱われたい。そういうアンナの願いを実現させるのが、あのデッキってことですか?」

「完全には実現出来んがのぉ。年寄りの勝手な勘じゃが、あの子は既に失恋しておるよ。素直になれぬまま時が過ぎ、想い人は他の誰かとくっついてしまった。それを壊すことも、想い人を奪い取ることも、愛ゆえに出来ない。じゃが、ただずっと想い人が自分以外の誰かと仲睦まじく過ごす様子を見続けるのはあまりにも辛い……じゃからこそ、たったそれだけの理由で全てを捨てて、この世界で生きていくことを望んだんじゃろう」

「それは……こう言ってしまうとアンナに失礼かもしれないけど、軽い理由じゃありませんか? 今までの人生を全て捨てるような理由になるとは思えないですが……」

「13歳のあの子にとって、その恋愛は一世一代のものじゃったんじゃろう。あれだけ思い込みの強い女の子なら尚更の話じゃ。そしておそらく、想い人とくっついた子は、非の打ち所がないくらいの良い子なんじゃろうて。じゃからこそ、想い人とそのパートナーのことを妬ましく思う自分が許せなく、辛かった。何もかもを忘れて、何処か遠い場所に行きたかった……そんな時に出会ったのがセックス次元でのエロデュエル。今までの自分を捨て去って生きていける場所と、自分のことを女として見てもらえる舞台なんじゃよ」

 

 そう、静かに語る工藤さんに対して、私は何も言えなかった。これが彼の勝手な想像だとしても、あながち的外れな意見であるとは思えなかったからだ。

 私は先ほど、アンナがこの次元に残ると決めた理由を軽いと言ったが、それはあくまで私の意見だ。アンナが何を考え、何を経験し、どんな辛い思いをしてきたのかなんて、彼女以外にはわかるはずもない。自らの考えで彼女の選択を軽んじてしまったことを、恥ずかしく思う。

 それと同時に、少しでもアンナの心に寄り添ってデッキを組み上げてくれた工藤さんのことを改めて尊敬した。私よりも短い時間しか彼女と過ごしていないのに、彼女の心の中を覗いたかのようにその考えを読み取る彼の手腕とポリシーに敬意を示しつつ、こう口にする。

 

「……私、まだわかってませんでした。アンナだけじゃなく、特別クラスの仲間たちのことを何にもわかってなかったです。私たちが本当の仲間になるために、もっとみんなのことを知っていきたいと思います。それで、私のことも知ってほしい……そこがまず、私たちの第一歩だと思うから」

「うむ、それでいい。焦らずとも、時間はまだまだ残っておる。3年間の学園生活の中で君たちが何を残し、どう関係を紡ぐかを楽しみにしておるぞい」

「はいっ!」

 

 優しく声をかけてくれた工藤さんに笑顔でそう答え、私は大きく頷く。そして、ここからが私たちの再スタートだと心意気を新たにして、自らのデッキを見つめた。

 

(……大丈夫。生まれた世界が違っても、私たちはみんなデュエリストなんだもの。きっと、わかり合うことが出来るはずよね)

 

 少しずつでいい、お互いのことを知って、本当の仲間に……友達になろう。アンナとも、セレナとも、葵とも、アキとも……きっと、絆を紡ぐことが出来るはずだ。

 そのための鍵は、このデッキとエロデュエルが握っている。デュエロ・アカデミアでの生活の中で、同じ空間で時間を共にする中で、お互いのことをわかり合える日が来ることを願いながら、私は自分のデッキケースを強く握り締めるのであった。

 





次回予告

へっへ~! どうだよ、オレのデッキは!? サイッコーに強くて、凄かっただろ!?

はいはい、もうその話も10回目よ? 嬉しい気持ちもわかるけど、そろそろ気を引き締めなさいよね。

わかってるって! まだまだ強いエロデュエリストは沢山いるし、オレももっと経験を積んで……って、セレナの奴、エロデュエルするのか? 相手は……アカデミアの教師だって!?

あの子、まだエロデュエル用のデッキも持ってないのに無謀が過ぎるわ! ああもう、本当にデュエルゴリラなんだから!!

次回『セレナVS機械試練 攻略不能の連続絶頂!』

こうなったらやるだけやってやりなさい! どうなっても知らないんだから!



最強カード紹介


ENo.(エロナンバーズ)081 超弩級牛乳娘 モーモーアンナ
ATK2800 DFE2000 ランク5 獣族 淫属性

(1)このカードのエクシーズ素材は、このカードのエクシーズ素材となったモンスターに乗っていたミルクカンターの数だけ増える。
(2)1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き発動出来る。魔法・罠・モンスターの1つを指定し、このターン中相手は指定されたカードの効果を発動出来ない。
(3)自分フィールド上の【乳】と名の付いたモンスターが相手モンスターの攻撃対象、及びカードの効果対象になった時にエクシーズ素材を1つ使って発動出来る。その対象をこのカードに移す。

―――――

今日の最強カードはオレのエースモンスター【ENo.081 超弩級牛乳娘 モーモーアンナ】だ! 召喚時に使用したモンスターに乗ってたミルクカンターの数だけ、効果を使用出来る回数が増えるんだぜ!

味方を守る効果と敵の行動を妨害する効果で盤面を制圧して、一気に敵を殲滅する! 味方にここまで育ててくれてありがとな♡ って感謝して、大活躍するモンスターだ!

ちなみになんだけど、081の数字は胸じゃなくてケツの方に入ってるんだぜ。()()()()の語呂合わせなのに尻に入ってるなんて妙な話だよな?


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セレナVS機械試練 攻略不能の連続絶頂!

 

「天上院さん、ちょっといいかな?」

「え? ああ、進藤先生。どうかしましたか?」

 

 ある日の午後、1日の授業を終えて寮に帰ろうとした私は、デュエロ・アカデミアの教師である進藤壊(しんどうかい)先生に呼び止められた。

 柔和で人の良さそうな笑みを浮かべている彼は、困ったように頭を掻きながら悩みの種についての話を始める。

 

「君と同じ特別クラスのセレナさんなんだけどね、もう少し授業に集中するように言ってくれないかな? あの子、毎回授業態度がよろしくないからさ」

「あぁ……ごめんなさい。悪い子じゃない、とは言えませんけど、良くも悪くもデュエル脳というか、なんというか……」

 

 持ち掛けられた相談の内容に頭を痛め、首を振りながら私はそう答える。やれやれ、といった様子で深いため息をついた私は、胸を占めるどんよりとした感情にもう一度深く息を吐いた。

 

 セレナに関するクレームを聞かされたのは、何も今回が初めてではない。彼女が転入して来てからというものの、ひっきりなしに何処からか彼女の行動に対する文句が私の元に寄せられるようになっていた。

 世間知らずどころか常識知らずのレベルにまで至るセレナの振る舞いは、いくら何でも傍若無人が過ぎる。教師たちが何を言っても聞く耳を持たない彼女には、私だけではなくデュエロ・アカデミアの講師陣たちも手を焼いている始末だ。

 

「う~ん……やっぱり、ここは一度ビシッと締めておくべきかなぁ? あの子に影響されて、他の生徒たちが妙な真似をし始めたら困るし……」

「でも、ただお説教しただけじゃあ、セレナには何も響かないと思いますよ。あの子、根っからのデュエルゴリラですから」

 

 セレナに対して言葉でどうこうしようだとかの策は全くの無意味だ。何を言われてもそれはデュエルに関係あるのか? の一言が返ってきて、NOと答えたらそこで会話は終了してしまう。無論、意味のないお説教などに貸す耳など彼女が持ち合わせているはずもなく、説教をしている方が疲れてしまうことは目に見えている。究極のデュエル脳の持ち主、それがセレナという少女なのだ。

 だが、逆を言えば、デュエルでならば言うことを聞く可能性はある。というより、デュエル以外で彼女をコントロールする術が見つからないといった方が正しいかもしれない。

 

 デュエルに負けたらしっかりと授業を受けるだとか、そういう条件を出した上でそのデュエルに勝利を収めれば、デュエル脳のセレナはその約束を律義に守ろうとするだろう。

 あの子はそういった点では非常に律義だ。眠太郎の一件以来、誰彼構わずにデュエルを挑むことはしなくなったのも、私との約束があるからだろう。セレナをコントロール出来るのは、彼女にデュエルで認められた者だけ。そのためにはまず、彼女とデュエルをしなければならないのだが……

 

「……セレナさん、まだエロデュエル用のデッキを持ってないんだよね? それだと少し、デュエルをするのは気が引けるかな……」

「そうですよね……本当、すいません」

「いやいや、天上院さんが謝る必要はないよ。しかし、これは困ったなぁ。私もデュエロ・アカデミアの講師をしている以上、他の生徒たちへの示しというものがある。だが、弱いものいじめのような真似をするわけにもいかないし……」

 

 苦笑、そう表現するのがぴったりの表情を浮かべる進藤先生に対して、自分が責められているわけでもないのに申し訳なさを抱いてしまう。立場故にセレナを放置しておくわけにはいかないが、その立場故に必要以上に彼女を追い込むわけにもいかない。教師というのは、非常に厄介な立ち位置で活動しているのだなと、改めて私は思う。

 

 結局、この日は私の口からセレナに注意をしておくという形で話は決着した。

 どうせ意味がないとわかっていても、こうして先生方や他の生徒たちに迷惑がかかっている手前、放置出来ないのもまた事実である。それでも、これからずっとセレナが引き起こすトラブルに私が対応し続けなければいけないのかと考えると、どうしても晴れやかな気分にはなれなかった。

 

 そんな私の境遇……というより、セレナの生活に変革の日が訪れる。それは、この話し合いより3日後のある授業中のことであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……よく聞こえませんでした。悪いんですが、もう一度言ってくれませんか?」

「何度でも言ってやる。こんな授業、私には無意味だ。デュエルタクティクスは既にアカデミアで習った。今更、お前たちの話を聞く必要はない」

 

 進藤先生とセレナの視線がぶつかり、火花を散らしている。温厚な進藤先生も、セレナの度が過ぎる失礼さに怒りを覚えているようだ。

 最初は軽い注意だった。進藤先生から真面目に授業を受けろと言われたセレナが反抗的な態度を見せるまで、授業は普段通りに進んでいた。それが、一瞬でこの殺伐とした空気に早変わりだ。私たちも男子生徒たちも、普段怒りとは無縁な雰囲気を醸し出している進藤先生の様子に声を失っていた。

 

「なるほど、セレナさんがそう仰るのも無理はありません。別次元では、デュエルタクティクスも私たちの世界よりも進歩しているのでしょう。しかし、郷に入っては郷に従えという言葉もあります。この世界のデュエルを理解するためにも、しっかりと授業を受けた方が……」

「必要無いと言っている。この程度のことしか学んでいない奴らなんかより、私の方が圧倒的に強い。自分より弱い奴に教えを乞う趣味は、私にはない」

「セレナ! 流石にそれは言葉が過ぎ……!!」

 

 デュエロ・アカデミアの生徒たちだけでなく、進藤先生まで馬鹿にしたような言葉を口にしたセレナに対して、私も黙ってはいられなくなった。いくら何でも自信過剰が過ぎると憤慨する私であったが、セレナへの注意の言葉は進藤先生によって遮られてしまう。

 

「……セレナさん。私は今まで、出来る限りあなたの行動を許してきたつもりですが……このデュエロ・アカデミアに関わる全員を下に見るような発言だけは許容出来ません。あなたには少し、おしおきが必要みたいですね」

 

 ゾワリと、進藤先生の背から異様なオーラが噴き出す。私やアンナ、葵、アキは彼が放つ狂気じみた何かに当てられて言葉を失ってしまうが、セレナはそのことをまるで気が付いていないようだ。

 

「ほう? おしおきだと? それで、どうするつもりだ?」

「決まっています。セレナさんも大好きなデュエルで決めましょう」

「良いだろう。私が勝ったら、こんな低レベルな授業には二度と参加しない、私に対して文句もつけるな。わかったな?」

「構いませんよ。ただし、私が勝ったなら、先ほどの発言を訂正した上で、これからは真面目に授業を受けてください。いいですね?」

「ふんっ! どうせ私が勝つのだから、どんな条件でも飲んでやろう!」

 

 教室の前方へと出て行った進藤先生に続き、机を蹴ってジャンプしたセレナも皆の前に出て、彼と向かい合う。

 腕に嵌めているデュエルディスクが起動した次の瞬間には、戦いの準備は全て終わっていた。

 

「「デュエル!!」」

 

――セレナVS進藤壊 LP4000 1マッチ

 

「先攻は貴様に譲ってやる。このアカデミアの教師の力を見せてみろ!」

「そうですか。では、私のターン」

 

 突然始まったセレナと進藤先生のデュエル。先行は進藤先生のようだ。

 人の好さそうな見た目をしているが彼もこのデュエロ・アカデミアの講師、その腕前に期待がかかる。いったい、どんなプレイングを見せてくれるのかと期待していると……

 

「……私はカードを5枚伏せ、ターンエンド」

 

 なんと、彼は手札を全てセットして、それだけでターンを終えてしまった。モンスターゾーンもがら空きにしたままで、このままでは返しのターンにセレナからのダイレクトアタックを受けてしまう。

 

「……貴様、ふざけているのか? まさか、この私に対してハンデでも与えているつもりか!?」

「いいえ、私は真面目にデュエルをしていますよ。セレナさんも全力でかかってきてください。そうしないと……盛り上がりに欠けてしまいますからね」

「くっ! その余裕の態度、すぐに崩してやる! 私のターン! ドロー!」

 

 到底、常識とは思えない進藤先生のプレイングに苦虫を嚙み潰したような表情を浮かべるセレナ。自分が舐められていると判断した彼女は、鼻息も荒く山札からカードをドローする。

 その瞬間、進藤先生の眼がギロリと鋭く光り、彼のタクティクスが炸裂し始めた。

 

「リバースカード、3連続オープン! 【機械試練バイブレーター】、【機械試練イーボイーボピストーン】、【機械試練のペナルティ】!!」

「なっ!? このタイミングでカードを発動だと!?」

 

―――――

 

機械試練バイブレーター

永続罠

①:このカードが表側表示で存在する限り、相手はお互いのスタンバイフェイズ時、以下の効果から1つを選択する。

●膣にバイブを挿入し、ターン終了時まで『弱』で振動させる。このターン、自分モンスターの攻撃力は全て、ターン終了まで攻撃力・守備力が500ポイントアップする。

●膣にバイブを挿入し、ターン終了時まで『中』で振動させる。その後、デッキからカードを2枚ドローする。

●膣にバイブを挿入し、ターン終了時まで『強』で振動させる。このターン、自分は戦闘・効果でダメージを受けない。

②:相手が絶頂するたびに、このカードに絶頂カウンターを1つ置く。

 

―――――

 

―――――

 

機械試練イーボイーボピストーン

永続罠

①:このカードは自分フィールドに「機械試練バイブレーター」が存在する場合発動できる。

②:このカードが表側表示で存在する限り、相手はお互いのスタンバイフェイズ時、以下の効果から1つを選択できる。

●バイブをイボイボにして、『遅く』でピストンを行う。このターン、自分フィールドのモンスターは戦闘・効果では破壊されない。

●バイブをイボイボにして、『中』でピストンを行う。その後、デッキから任意のカードを2枚手札に加える。

●バイブをイボイボにして、『速く』でピストンを行う。このターン、自分フィールドのモンスターは全て、戦闘ダメージを半分にすることで直接攻撃できる。

③:相手が絶頂するたびに、このカードに絶頂カウンターを1つ置く。

 

―――――

 

機械試練のペナルティ

永続罠

 

【機械試練バイブレーター】が場に存在している時、自分は各プレイヤーのスタンバイフェイズ時に『弱』『中』『強』の設定の中から1つ選び、相手が同じものを選んだ時に以下の効果の中から1つ選んで適用する。

●このターン、相手プレイヤーはモンスターの召喚、特殊召喚が出来ない。

●このターン、相手プレイヤーは魔法、罠カードの効果を発動することが出来ない。

●このターン、相手プレイヤーは通常のドロー以外の方法でカードを手札に加えることが出来ない。

 

―――――

 

「なんだ、この罠カードは……? 敵に有利になる効果ばかりじゃないか」

「これが私のデッキ、機械試練です。私は【機械試練のペナルティ】の効果で『弱』の設定を選択し、セレナさんが同じ設定を選んだ場合、このターン中のモンスターの召喚、特殊召喚を禁止する効果を適用します」

「ふん。なんだ、ならばそれ以外の設定とやらを選べばいいのだろう? 私は【機械試練バイブレーター】の設定を『中』にする! この効果で、2枚のカードをデッキからド、あぁあああああああぁあああああっっ♡♡♡」

 

 凛々しく、意気揚々と自身のプレイングを語っていたセレナの声が、甘い快感の色に塗り潰された。目は驚きに見開かれ、全身はカクカクと小刻みに痙攣し、自分の身に何が起きたのかを理解出来ていないように口をぱくぱくと開け閉めしている。

 そんなセレナの股間部分には、ズボンの上からでもわかるくらいの突起が出来上がっていた。耳を澄ませてみれば、ヴヴヴッ、という激しい振動音がそこから聞こえてくる。

 

「あっっ♡♡♡ なん、だっ♡ この、痺れはっ♡ んあぁっ♡ ほっ♡ んほっ♡ おほおっ♡ ま、股がっ♡ ビリビリしてぇっ♡ ふあぁあぁあぁっっ♡♡♡」

 

 腰をくねらせ、甲高い嬌声を上げ続けていたセレナの体が大きく跳ね上がる。その瞬間、ピーッという機械音声が響き、進藤先生の場にある【機械試練バイブレーター】と【機械試練イーボイーボピストン】の上に1という数字が表示されるようになった。

 

「おや、案外呆気なくイってしまいましたね。効果により、絶頂カウンターを1つずつ、2枚のカードの上に置きます」

「なん、だ、このタクティクスは……♡♡♡ あ、頭がふわふわして、甘い痺れが体を駆け巡る……っ♡♡♡ これが、お前のデュエルなのか?」

「そうですよ。私の機械試練デッキの恐ろしさは、まだまだここからです。セレナさんにも存分に連続絶頂機械姦の恐ろしさを味わってもらいましょう」

 

 そう語る進藤先生の微笑は、普段とは違う恐ろし気な雰囲気を纏っていた。狡猾な蛇が獲物を追い詰めているような印象を受けた私は、ごくりと息を飲んでデュエルの展開を見守る。

 男子生徒たちの中には、強気で粗暴なセレナが快感に翻弄されている姿に興奮を感じている者もいるようで、やや前屈みになりながらデュエルを観戦している者の姿がちらほらと見受けられた。

 

「くそっ! こんな、タクティクスがあったとは……っ♡ ふあぁっ♡ こ、これ以上はマズいっ♡ 速攻で、勝負を決めるっ!!」

 

 セレナは自分が追い詰められていることを天性の勘で感じ取ったようだ。

 彼女は【機械試練バイブレーター】の効果で8枚に増えた手札をフルに使い、速攻でデュエルを終わらせにかかる。

 

「手札より魔法カード【融合】を発動! これにより、手札の3体の【月光(ムーンライト)】モンスターを融合し……融合召喚!!」

 

 セレナが発動したのは、私にも馴染み深い魔法カード【融合】だ。手札か場から指定されたモンスターたちを墓地に送ることで、EXデッキから強力な融合モンスターを召喚するために必要なそれを使い、セレナは自分の切り札を召喚する。

 

「現れろ! レベル9【月光舞剣虎姫(ムーンライト・サーベル・ダンサー)】!!」

 

 セレナの叫びを受け、渦巻く青と赤の光を切り裂いて登場したのは、紫色の体をしたグラマラスな美女だ。両手に1つずつ剣を握り、名前の通りの舞姫のような出で立ちでそれを振るうそのモンスターからは、美しさと力強さを感じられる。

 3体のモンスターを融合に使うだけあって、その攻撃力は3000と非常に高い。これでも十分にダメージを与えられるだろうが、セレナは更に手札を使い、モンスターを強化していく。

 

「手札から【月光紫蝶(ムーンライト・パープル・バタフライ)】を墓地に送り、効果発動! フィールドの【月光舞剣虎姫】の攻撃力を1000アップ! 更に、【月光舞剣虎姫】には、墓地と除外されている獣戦士族モンスターの数×200ポイント攻撃力をアップさせる効果がある! これらの効果を合わせ、【月光舞剣虎姫】の攻撃力は4800となった!」

 

 おおおっ、と生徒たちの間からどよめきが上がる。1ターン目にして4000を越える攻撃力のモンスターを召喚したセレナの実力を認識した彼らは、彼女が口先だけのデュエリストではないことを実感しているようだ。

 しかして、そんな生徒たちに対して、進藤先生の方は焦ることもなくただセレナのプレイングを見守っているだけだ。むしろ、彼女のデュエルを採点しているかのような印象すら受ける。

 

「バトル! 一撃で決めてやる! 【月光舞剣虎姫】で、プレイヤーにダイレクトアタック!」

『はぁぁぁっっ!!』

 

 セレナのモンスターが、踊るような動きで進藤先生へと接近していく。両手に持つ剣を光らせ、それを先生の体をずたずたに切り裂くように振るいながら、圧倒的な攻撃力を誇る一撃を彼に叩きこもうとした、その時だった。

 

「罠カード【機械試練・石像の選択】を発動。このカードは発動後にモンスターカードとなって場に特殊召喚されます。そして、相手プレイヤーがこのカードを攻撃する場合、装備している【機械試練バイブレーター】と【機械試練イーボイーボピストン】の設定を次の自分のスタンバイフェイズまで『最強』にしなければいけません」

「なっ……!?」

 

 すんでのところで攻撃を防ぐように召喚されたモンスターの効果を聞き、怯えの表情を見せるセレナ。進藤先生はそんな彼女を挑発するようにして、攻撃の続行の是非を尋ねた。

 

「どうしますかセレナさん。攻撃を続けるか、続けないのか、決めるのはあなたですよ?」

「うるさいっ! ……私は誇り高きアカデミアの戦士! こんなことで臆したりはしない! バトルは続行だ! 【月光舞剣虎姫】で攻撃っ!!」

「素晴らしい思い切りです。しかし……少し、蛮勇が過ぎますね」

 

 大きな音が響き、巨大な石像が無数の斬撃を受けて崩れ去る。ガラガラと音を立て、砂埃を上げてそれが消え去った時、私たちの耳には爆音とも思わしき悲鳴が届いていた。

 

「うあぁあああああああああぁああああああああああっっ♡♡♡ あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ♡♡♡ あお゛おおぉぉお゛お゛っっ♡♡♡」

 

 獣の叫び……そうとしか思えない声が、セレナの口から発せられている。

 甘い嬌声なんて生温いものじゃない。喘ぎ声だなんて可愛いものでもない。あれはもう、理性を失った野獣の咆哮だ。快感に思考を溶かされ、人間としての在り方を失ってしまった少女の姿が、そこにはあった。

 

「ひぐぅうぅううぅうううぅぅっ♡♡♡ おおんっ♡♡♡ んおぉおおおぉおおおぉおっ♡♡♡ ほっ♡ ほおっっ♡ ほひいぃいっ♡♡♡ あひぃいいいぃいいいいいいっ♡♡♡」

「……どうです? 最大威力の振動とイボイボバイブのピストンの味は? 何もかもがぶっ飛んで、イキっぱなしになるでしょう?」

「んおぉおおおおおぉおおおおおおおおおおおおおぉおおっっ♡♡♡ んあぁあああああああああああああああああああああああぁっっ♡♡♡」

「ああ、良い表情ですよ、セレナさん……! 連続絶頂に酔い痴れ、快感の暴力に成すすべなく晒されるその姿こそ! 我ら【ブルブル教団】の求める理念そのもの! さあ、もっとあなたを卑猥で素晴らしい快感の渦に叩きこんであげましょう!!」

 

 遠目から見てもわかるくらいにズボンの股間部分を濡らし、失禁まで晒して叫び狂うセレナ。彼女の股に刺さっているバイブの振動音は先ほどよりも更に大きくなり、激しいピストンを受ける度にぐちゃぐちゃという淫らな水音が離れている私たちの耳にまで届く始末だ。

 そんないやらしい姿を晒し、快感に翻弄されるセレナのことを、進藤先生は愛おしそうな表情で見つめている。嘲笑うでも、スカッとしているような笑みでもない。心の底から、そんなセレナのことを美しいとでも思っているような、そんな狂った笑みだった。

 

「さあ、私のターンです! 私はドローした【平等なる審判】を発動し、手札をセレナさんと同じ3枚になるようデッキからドローします。ここで伏せてあった魔法カード【機械試練ドリルデンマー】を発動。このカードは自分の手札を1枚墓地に送り、相手の魔法・罠ゾーンに置くことで、【機械試練イーボイーボピストン】にドリル回転を加える効果を持っています」

「んごおぉおおおぉおおおおぉおおぉおおおおおおおぉおおおおおぉおおおっっ♡♡♡ おほぉおおおぉおおおおぉおおおぉおおおぉおぉおおぉおっっ♡♡♡ ひぎょぉおおぉおおおぉおおおぉおおぉおおおぉおっっ♡♡♡」

 

 あまりの快感に立っていられなくなったセレナは、その場にばたりと倒れ伏した。脱力した四肢とは相反して腰だけが激しく動き回り、いやらしい尻振りの(ケツふり)舞踊(ダンス)を披露する彼女にはもう、デュエルに思考を割く余裕すらないのだろう。

 超絶振動を繰り返すイボ付きバイブに激しい回転ピストンをされ続け、イキっぱなしにされるというのはどういう気分なのだろうか? こうして疑問を抱いてはいるが、その感覚を体験したいとは絶対に思えない。あの無様なセレナの姿を見れば、猶更の話だ。

 

「がっっ♡♡♡ はあぁあああああああっっ♡♡♡ んめぇえええええええええええええっっ♡♡♡ おおぉおおぉおおおおぉおおおぉぅっ♡♡♡ うほぉおおっ♡♡♡ んほぉおおおっっ♡♡♡ おおおぉおおおおぉおおおおおおおぉおおおぉおおぉおおっっ♡♡♡」

「ああ、素晴らしい……! 本当はもっと時間をかけてあなたを彩ってあげたいのですが……これ以上は、エロデュエルに慣れていないセレナさんが壊れてしまいます。名残惜しいですが、早めの決着といきましょう。手札より、【機械試練官エージェントワン】を召喚します」

 

―――――

 

機械試練官エージェントワン

星4 闇属性 悪魔族 ATK? DFE?

①:このカードの攻撃力・守備力は、自分フィールドの「機械試練」永続罠カードの絶頂カウンター1つにつき300ポイントとなる。

②:このカードがフィールドに存在する限り、「機械試練」永続罠カードは相手の効果を受けない。

 

―――――

 

 教育用の鞭を持った黒光りする機械の人形が場に姿を現す。無機質な目を光らせ、イキ狂うセレナをじっと見つめるそのロボットからは、冷酷で恐ろしい雰囲気が漂っていた。

 

「【機械試練官エージェントワン】は、場の絶頂カウンターの数×300ポイントの攻撃力を得ます。セレナさんの絶頂回数は……13回ですか。【機械試練バイブレーター】と【機械試練イーボイーボピストン】に乗っているカウンターの数は合わせて26個。エージェントワンの攻撃力は26×300の7800ですね」

「おごごごごおおおぉおおおぉおおおぉおおおおおおおおおおぉおおおぉおっっ♡♡♡ んぎぃいいいぃいいいぃいぃいぃいいいいいいいいいぃいいいっっ♡♡♡」

「ああ、またイってしまったんですね? カウンターが2つ増えて攻撃力が8400になりましたよ。そうそう、授業を真面目に聞いていればわかることですが、エロデュエルにおいて女性が感じる快感の度合いは、LPに受けるダメージが大きければ大きいほど強くなるんです。今からセレナさんは4600ポイント分のダメージを受けるわけですが……それがどれだけ気持ち良いかを、実際に味わってみてください」

「ひぎいぃいいいいぃいいいぃいいいいいいいいいいいぃいいいいいいいいいいいいいいっっ♡♡♡」

 

 【機械試練官エージェントワン】が鞭を持つ腕を振り上げる。狙いは怯え、竦む【月光舞剣虎姫】の丸々とした臀部……悪いことをした子供におしおきをするように、それが当たり前のことであるかのように、無慈悲な機械人形は粛々と己の使命を全うすべく主の命に従い、手にしている鞭を振り下ろした。

 

「【機械試練官エージェントワン】で【月光舞剣虎姫】に攻撃。どうぞ味わってください、甘美なる連続絶頂の世界を!!」

『ひぎっ♡♡♡ おほぉおおぉおおおっっ♡♡♡』

 

 パシィイインンっ♡♡♡ ととても良い音が鳴った。ぶるぶると震える【月光舞剣虎姫】の尻肉が波打ち、痛みと快感が混ざり合ったその感覚に涙を浮かべて彼女が悶える。

 だが、その声も次の瞬間にはセレナの咆哮に掻き消され、聞こえなくなってしまった。1発でLPを削り切る威力を秘めた攻撃を受けたセレナは、人知を超えた快感に意識を途絶えさせたり、覚醒させたりを繰り返しながら終わらぬ絶頂へと身を沈ませていく。

 

「あぁああああああああああああぁああああああああああああああっっ♡♡♡ んぎうぅううぅうううぅうううぅううううううううううううぅっっ♡♡♡ おおほっ♡♡♡ おほっっ♡♡♡ おほぉんっっ♡♡♡ あおお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛っっ♡♡♡ んへぇっぇえっ♡♡♡ おへぇっ♡♡♡ あひゅごおぉおおぉおおおぉおおぉおおおっ♡♡♡ おうおうおっっ♡♡♡ おうんっっ♡♡♡ んひぃいいいぃいいいいいいいいいいいいいいいっっ♡♡♡」

「……んん、素晴らしい! 無様! 淫猥! そして壮絶!! 連続絶頂(イキまくり)の名に恥じない、見事な姿に仕上がりましたねぇ、セレナさん……!!」

「んおおおぉおおおおおおおぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉおおおおぉおぉおおぉおおぉおおぉおぉおおぉおぉおおぉおっっ♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」

 

――セレナLP4000→0

――WINNER 進藤壊

 

「せ、セレナっ!!」

「んひいぃいいぃっ♡♡♡ おおぉおおっっ♡♡♡ おおぉおおおぉおおおっ♡♡♡ ほっ♡ ほおんっ♡ おほほぉおっ♡♡♡」

「しっかりしなさい! ちょっと! 私がわかる!? セレナってば!!」

「あぁあああああああぁあああああっっ♡♡♡ あへぇええぇええええぇえっっ♡♡♡」

 

 デュエルが終わり、数々の淫具から解放されても尚、セレナの体からは快感の残滓が消え去らないようだ。エロデュエルのアバター同様にズボンを愛液と尿で濡らし、強気で凛々しい表情を快感で蕩け切らせている彼女の股からは、白く濁った本気汁がとめどなく溢れ続けている。

 ここまでくると、エロいを通り越してただ残酷としか思えない。快感を押し付けられ、その許容量をオーバーしてしまったセレナの体は完全に壊れてしまったのではないかと、見ていて不安になるくらいだ。

 

 だが、進藤先生は悪びれるでもなく、普段通りの柔和な笑みを浮かべると、私たち特別クラスの生徒たちに向けて優し気な表情のまま声をかけてきた。

 

「特別クラスの皆さんは、セレナさんを保健室に連れて行ってあげてください。大丈夫、ちょっと敏感でイキ易い体になってしまったかもしれませんが、精神に異常をきたすレベルの責めはしていませんよ。私は教師であり、プロのエロデュエリストです。その辺のことは弁えていますから」

 

 何でもないようにそう語る進藤先生の姿に薄ら寒い恐怖を覚えた私たちを放置して、彼は中断していた授業を再開する。

 進藤先生がエロデュエルの際に見せた、容赦の無い鬼畜人間としての顔を思い出した私は、彼から逃げるようにしてイキ続けているセレナを抱え、言われた通りに保健室へと彼女を運び込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……やっぱりそうだ。これを見て、明日香」

 

 それから、1時間ほどの時間が過ぎた頃、保健室でセレナの回復を待っている間に、葵が自分のタブレットを私へと手渡してきた。

 その画面には、少し前に掲載されていたセックス次元のプロデュエル界の情報が記事となって記載されており、私はそれを声に出して読み上げる。

 

「『期待の新デュエルチーム ブルブル教団。そのNO.4である【バイブ振動】の強さに迫る』……待って、この【バイブ振動】ってリングネームのデュエリスト、進藤先生じゃない!」

「あの先生、プロだったのかよ!? 通りで強いわけだぜ……!」

 

 セレナを一方的に蹂躙したあの強さも、プロ選手だと言われれば納得がいく。進藤先生は正真正銘の強者であり、セレナとの実力差は天と地ほどに離れていたのだ。

 身近にこんな強いエロデュエリストが存在していたことを驚くと同時に、他の教師たちも彼と同じくらいの腕前を持っているのではないかという疑念を抱いた私は、葵のタブレットを見つめながら、自分がエロデュエリストとしてはまだまだ駆け出しであるということを痛感していた。

 

「……さっきのデュエル、進藤先生はまるで本気を出していなかったわ。それであの内容よ。プロの世界っていうのは、私たちが思っているよりも高い壁みたいね」

「アキの言う通りね……まだまだ、私たちには力が足りない。このままじゃ、エロデュエル界に革命を起こすどころじゃないわ」

 

 エロデュエルを白熱したものにするためには、女性たちが男性デュエリストに勝利しなければならない。今までのようにやられっぱなしではいけないのだ。

 しかし、進藤先生の腕前を見るに、私たちの実力では彼には遠く及ばないことがわかる。私がかつて戦ったゴブリン小島も、デュエルの際には本気を出していなかった。それはきっと、圧倒的な実力差のせいでエロデュエルが快感による虐めとなってしまうことを避けるためだったのだろう。

 先ほどのデュエルのように、やり過ぎることで観客が引いてしまうこともある。その辺の見極めを行った結果、私やセレナはまだまだ赤子のような力しか持っていないと判断され、エロデュエルで手を抜かれた。そのことを悔しいと思えば思うほど、強くなりたいという思いが心の底から湧き上がってくる。

 

「アキ。葵。今日のデュエルを見て改めて思ったけど、あなた達もエロデュエル用のデッキを持つべきよ。エロデュエルは、私たちの知るデュエルとは大きくかけ離れているわ。今までの固定概念を捨てないと、エロデュエルでは勝てない……一刻も早くこの世界のデュエルに慣れないと、私たちは埋もれていくだけよ。そうしたら、他の女エロデュエリストとなんら変わらない人生を送るだけになる。そんなの、この世界に残った意味が無いじゃない」

「……そうね、明日香の言う通りだわ。もう、このデッキは捨てた方が良いみたいね。この世界に残って、エロデュエリストとして生きると決めた以上、この世界のルールに従うべき……つまらない意地を張った結果があのセレナの無様な負けっぷりだっていうのなら、元の世界への未練と一緒にデッキも捨て去ってしまった方がいいわね」

 

 私の提案に対して、アキは肯定の意を示してくれた。葵も声には出さないが頷きを見せ、エロデュエル用のデッキを組むことに異論はないようだ。

 それと同時に、がしゃりと大きな音が私たちの背後で響く。何事かと振り返ってみると、未だに潮噴きと失禁が止まらないために専用のおむつを履かされているセレナが、よたよたとおぼつかない足取りで私たちの元に歩み寄って来る姿が目に映った。

 

「エロデュエル用のデッキは何処で手に入る? 私も、手に入れるぞ!」

「せ、セレナ、今は落ち着いて、体を休めないと……」

「あんな、無様な負け方をしておいて、おめおめと引き下がれるかっ! この借りは絶対に返す! そのためには、エロデュエル用のデッキが必要だ! この世界のデュエルを学び、必ず奴を倒す! そして、そして……はううぅううぅうっっ♡♡♡」

 

 興奮した様子で叫んでいたセレナが、急に可愛い声を上げて股間を抑える。どうやら、熱くなり過ぎたせいでまたイキっぱなし状態に入ってしまったようだ。

 セレナはへこへこと腰を揺らしながら、甘ったるい叫びを上げ始めた。

 

「んあぁあぁああああぅっ♡♡♡ この、イクというタクティクスにも、対抗策があるはずだっ♡♡♡ ぜ、絶頂を抑えて、必ず奴に勝つ術を見つけ……ほおおんっ♡♡♡」

 

 頑張ってイクのを堪えようとしても、激しいエロデュエルで開発されてしまったセレナの体が快感を抑えられるはずもない。ただただイキ続け、悔しそうな表情を浮かべて悶える彼女を落ち着かせた私は、改めて特別クラスの仲間たちと視線を交わらせ、彼女たちと新たな出発を誓う。

 

「強くなりましょう。今までの私たちを越えられるように、この世界を変えられるだけの強さを得られるように、一緒に頑張りましょう。本当に強いエロデュエリストを目指す私たちの戦いをここから始めるのよ!」

 

 







次回予告

セレナには悪いけど、お陰でみんながエロデュエル用のデッキを組む気になったんだからよかったよな! よっしゃ! こっから特別クラスも本格始動だ! 全員でエロデュエルをしまくって……

と、いきたいところなんだけどね。流石に3つのデッキを同時に組み上げるのは工藤さんでも難しいわ。1人ずつ、順番に作ってもらいましょう。

え~!? じゃあ、最初は誰のデッキから作ってもらうんだ? 積極的なのはセレナだけど、あいつ今までの授業のサボりを補填するための補習を受けてる真っ最中だし……

……ちょうどいい機会ね。ここは、同じクラスの仲間のことを良く知るために、話し合いの時間を設けてみましょうか。

次回『拭えぬ悲しみ』

教えて、葵。あなたは何を背負っているの?



最強カード紹介

機械試練バイブレーター
永続罠
①:このカードが表側表示で存在する限り、相手はお互いのスタンバイフェイズ時、以下の効果から1つを選択する。
●膣にバイブを挿入し、ターン終了時まで『弱』で振動させる。このターン、自分モンスターの攻撃力は全て、ターン終了まで攻撃力・守備力が500ポイントアップする。
●膣にバイブを挿入し、ターン終了時まで『中』で振動させる。その後、デッキからカードを2枚ドローする。
●膣にバイブを挿入し、ターン終了時まで『強』で振動させる。このターン、自分は戦闘・効果でダメージを受けない。
②:相手が絶頂するたびに、このカードに絶頂カウンターを1つ置く。

―――――

今日の最強カードは、進藤先生が操る【機械試練】デッキの中核を担う罠カード【機械試練バイブレーター】。

発動すると、相手プレイヤーに直接装備され、毎ターン膣内のバイブを振動させる代わりに何らかの恩恵を得ることが出来るの。ただし、その快感でイっちゃうと絶頂カウンターが溜まっちゃうから、頑張って耐えないとね。

相手を終わらぬ絶頂の渦に叩きこむのがこの【機械試練】デッキの特徴よ。連続絶頂をテーマにしたデッキは他にもあるけど、出来たらお相手は避けたいところね。


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拭えぬ悲しみ

2019年が終わるまでに全員のデッキを揃えたいので、少し頑張ります。

それが終わったらタイミングを作って、皆さんから頂いたデュエリスト案を消化していきたいですね。


 

 

 

「わざわざご足労いただきありがとうございます、工藤さん。本来なら、私たちの方から出向かなきゃいけないのに……」

「ほっほ! 良いんじゃよ。儂もデュエロ・アカデミアの内部を見たいと思ってたし、アンナちゃんのデッキの調子も確認したかったからの。それに、偶にはあの狭い店から出ないと、息苦しくて敵わんわい」

 

 とある休日、私はレッド寮にまで出向いてくれた工藤さんを迎え入れ、挨拶をしていた。デッキビルダーである彼がわざわざ私たちに会いに来たのには、もちろん理由がある。

 先日のセレナの一件を経て、エロデュエル用のデッキの必要性を再確認した私たちは、そのデッキの構築を工藤さんに依頼することにした。アンナのデッキの出来を見れば、彼の実力は疑う必要もないだろう。自分たちの魂ともいえるデッキの構築も、工藤さんにならば安心して任せられる。

 ただ、問題はその順番だ。流石の工藤さんも3つのデッキを一気に構築することは出来ない。分身カードのデザインや発注も考えると、やはり1人ずつしっかりとデッキを組んでもらった方が良いに決まっている。

 

 アキ、葵、セレナの内、誰のデッキから組んでもらうか? その選択権を預けられた私だが、まだそれを決めあぐねていた。

 順当に考えるならば、一番やる気のある者からデッキを作ってもらった方が良い。この場合は進藤先生へのリベンジに燃えるセレナなのだろうが、彼女は今までの授業をサボっていたツケが溜まっており、デュエロ・アカデミア各講師の監視の下、厳しい補習を受けている最中だ。

 それが終わるまでには、少なくとも1週間の時間がかかる。それだけの時間があればデッキの1つは組めるだろう。セレナは2番手として、その前に1つデッキを組んでもらうのが時間を無駄にしない方法だ。

 つまり、1番手はアキか葵ということになるのだが……問題は、この2人の心境がいまいち読めないことだ。

 

 アキは休日になる度にふらりと何処かに消え、夕飯の時間まで寮に帰ってこない。どこでなにをしているかも教えてくれないし、何を考えているかもわかりにくい。

 デュエルに関してもあまり積極的とは思えず、他者との関わりを避けているような素振りを多々見せる彼女を1番手にするのは気が引けた。

 

 では、葵はどうなのかと聞かれると、アキに輪を掛けたレベルでデュエルを避けているのだ。

 アキと比べて人との関わりを断とうとしている感じは薄いが、デュエルに関してだけは私たちの中で最も積極性がない。一応、デュエルディスクやデッキは持ち歩いているものの、私やアンナがエロデュエルを行うことになると、いつの間にか姿を消してしまう。

 正直、どうしてこの次元に残ってエロデュエリストになろうと考えたのかがわからないくらいに、葵はデュエルを避けていた。

 

 総じて、全員が一長一短といった感じで、どうにも決め手に欠けてしまう。それが原因で未だに誰のデッキから組んでもらうかを決められないでいる私だが、こうして工藤さんがわざわざ足を運んでくれた以上、そうも言ってられないだろう。

 とにかく、今日中に誰のデッキを組んでもらうかを決めるしかない。そう思いながら、まずは工藤さんに3人と面談をしてもらおうとした私の耳に、バツの悪そうな顔をしたアンナの弱々しい声が届く。

 

「あ~、実はなんだけどさ……アキの奴、また行方不明だ。もう、寮にはいねえよ」

「嘘でしょ!? 今日は予定を空けておいてって言っておいたのに!!」

「加えて、セレナの奴もさっき補習で先生に連れて行かれちまったよ。多分だけど、帰って来るのは夕方になるんじゃねえかな?」

「もうっ! 何やってるのよ!? 本当に、問題児揃いなんだから……!!」

 

 せっかくこうして工藤さんが足を運んでくれたのに、なんと不義理なことをする奴らだろう。予想外の事態に眩暈がしてくるも、私まで倒れては本気で工藤さんに申し訳が立たないと心を強く持ち、この状況で残っている希望へと目を向ける。

 

「……葵はちゃんと居るのよね? 出かけたり、連行されたりはしてないわよね!?」

「ああ、うん。ちゃんと部屋で待機してるみたいだぜ」

 

 ありがとう、葵。あなたは問題児の中でも比較的まともな子だったみたい。少なくとも長きに渡っての非行のツケを払う子や、行く先も告げずに姿を消す子よりはかなりマシよ。

 

 そう、心の中で葵へと感謝を告げてから、私は工藤さんへと向き直る。そうして、必死に取り繕った笑みを浮かべると、彼女の待つ部屋へと彼を案内した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それからきっかり1時間と30分後、私は1人、部屋の中で物思いに耽っていた。

 頭の中で思い返されるのは、少し前まで立ち会っていた葵と工藤さんとの面談の中で行われたやり取り。葵の抱える傷についての話だ。

 

 面談自体は特に問題無く行われていた。工藤さんの質問に対して、葵は丁寧に回答を重ねていく。デュエルタクティクスに関すること、自分自身に関すること、この世界についての感想等々、葵はすらすらと答えを口にしていった。

 だが、私とアンナは、そんな葵と工藤さんとの間に、何やら不穏な空気が漂っていることを感じ取っていた。別に、工藤さんが葵の回答に気を悪くしているだとかではない。ただ、なんとなく……葵の様子に、違和感があるのだ。

 

 それを上手く言葉にすることは出来ない。だが、彼女と話しているわけでもない私たちにも感じられるその感覚は、直接葵とやり取りしている工藤さんにはよりはっきりと感じられていたのだろう。

 そして、彼はその違和感を解きほぐさなくては、葵のデッキを作り上げることは出来ないと判断した。だからこそ、無礼を承知で彼女の心に踏み込む選択をしたようだ。

 

「葵ちゃん、儂の思い過ごしじゃったら悪いんじゃが……君は、デュエルに対して恐怖を覚えていないかね?」

 

 不意に投げかけられたその質問を耳にした葵の体がビクリと震える。言葉よりなにより、その態度が全てを物語っていた。

 それまで普段通りに話をしていた葵が返答を詰まらせる。視線は泳ぎ、表情は硬くなり、どう反応をすればいいのかを迷っている様子だった。

 

「やはりそうか……君と話していて、不思議じゃったんじゃよ。葵ちゃんの言葉の節々から、デュエルに対する不安と怯えが滲んでおった。デュエルをするために、デッキを組むために儂と話しておるはずなのに、君からはデュエルをしたくないという雰囲気が放たれておる。この矛盾がどうしても気になっていたんじゃ」

「……すいません。こんな、不快な思いをさせてしまって……」

「いや、構わんよ。じゃが、本当に不思議じゃ……。君の言葉からはデュエルに対する怯えを感じると共に、デュエルに対する憧れも同時に感じられる。正の感情も負の感情も、どちらも本心から発せられておる。この老いぼれにはそのことが気になって仕方がない。こんな複雑な思いを抱えている子と出会うのは初めてじゃ」

 

 腕を組み、唸り声を上げてそう呟く工藤さんは、暫くそうし続けた後で目を開け、葵を見つめながら彼女にこう尋ねた。

 

「財前葵ちゃん、君のその心の中にある思いを聞かせてはくれんかね? それはきっと、君自身が乗り越えなければならない壁なんじゃろう。しかし、1人で不安を抱え続けていてもどうにもならんぞい。儂や明日香ちゃんに話すことで、何か壁を乗り越えるヒントが得られるかもしれん。勇気がいる行動だとは思うが、儂や仲間を信じて、どうか話してみてはくれないか?」

「………」

 

 工藤さんの言葉を受けた葵が顔を伏せて俯く。何も言葉を発さず、表情すらも窺い知れぬ状態になった彼女は、数分間そうしていたのだが――

 

「……このセックス次元に誘拐される直前、元の世界で、私は――」

 

 静かに、搾り出すような声で、苦し気にそう語った葵は、直後に信じられない言葉を口にした。

 

「――死のうとしていたんです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこから、葵は自らの過去を語ってくれた。彼女の話を纏めると、こうだ。

 

 葵には義理の兄がいた。両親の再婚で出来た義兄だが、彼は葵を本当の妹のように可愛がり、大切にしてくれたそうだ。

 葵の両親が事故で亡くなり、兄妹で苦しい状況に追い込まれたとしても、葵の義兄は血の繋がりもない彼女のことを見捨てたりはしなかった。自身の技術を総動員し、非合法な手段を用いてでも兄妹揃って生きていくための資金を確保し、必死になって葵を育て続けた。

 時が過ぎ、葵が高校生になる頃、葵の義兄はとある会社の重役のポストに就いていた。葵の世界に存在している一大デュエルネットワークを管理する重要な役目を担っていた義兄は、懸命に仕事をこなしていたそうだ。

 

 そこまで聞けば、必死の努力の果てに地位と名誉を手に入れた男の美談として語り継がれる内容だろう。義妹を大切に思い、懸命に彼女を育て上げた男の素晴らしい物語……だが、ここで話は終わらない。彼の行く先には、残酷な運命が待ち構えていた。

 その運命の歯車を回してしまったのは、皮肉にも彼が大切にし続けた葵であった。

 

「馬鹿だったんです……私は、子供だった。私が自分のことしか考えられない未熟な子供だったせいで、お兄様は……っ」

 

 葵は、優秀な義兄に対して承認欲求を抱いていた。彼を嫌っていたわけではなく、むしろ敬意を持って接していたが故に、その欲望は際限なく膨れ上がっていった。

 その欲求を満たすため、義兄に認められるために、葵が取った行動は、義兄が務める会社が運営するデュエルネットワークでの危険なデュエル……デュエリストとして有名になれば、義兄もきっと自分を認めてくれると信じ、彼女は危険と隣り合わせのデュエルを行い続けたそうだ。

 ネットワーク内で『ブルーエンジェル』を名乗り、観客たちを魅了するデュエルを披露し続けた彼女は、瞬く間にカリスマデュエリストとしての地位を確立していった。

 立ちはだかる敵を全て撃破し、日を増す毎に『ブルーエンジェル』の名が広まっていくことに比例して、増長した葵は徐々に自分自身を顧みなくなる。

 もっと有名になりたい。もっと尊敬されるデュエリストになりたい。そうすれば、きっと兄は自分を認めてくれる……そう信じ続け、己の身を危険に晒し続けた葵の人生は、ある日突然、崩壊を迎えた。

 

 いつも通りの時間にデュエルネットワークからログアウトし、自身の携帯電話を確認した葵の目に飛び込んできたのは、夥しい量の着信履歴。近くにある大きな病院からかかってきたそれに折り返した彼女は、担当医師から驚愕の報せを聞くことになる。

 

 つい数分前、最愛の義兄が息を引き取ったというのだ。

 

 その報せを聞き、動揺しながらも急ぎ病院に駆け付けた葵は、冷たくなった義兄の亡骸と対面すると同時に彼の同僚からある話を聞かされることとなる。

 

 葵の義兄は、ブルーエンジェルが葵であることに気が付いていた。危険なデュエルを繰り返す彼女のことを諫めていた義兄であったが、彼に認められたい一心でデュエルを続ける葵の耳にはその言葉は届かず、むしろ日に日にその過激さを増すデュエルの内容と彼女が起こすトラブルに対して不安を募らせていたらしい。

 やがて、彼はブルーエンジェル=葵を守るために、自身の持つ権力を不当に行使してしまう。その結果、仕事に私情を優先させたと会社側から降格処分を受け、エリートの地位を失うこととなる。

 それでも必死に葵の起こしたトラブルが明るみにならぬように揉み消しを行っていた義兄だが、ストレスと疲労に肉体が限界を迎え、車の運転中に意識を失い……そのまま、帰らぬ人になってしまった。

 

「全部私のせいなんです……お兄様が必死に作り上げた地位を壊したのも、命を失うきっかけを作ったのも、全部私……! 私がデュエルなんかしてたからっ! 周りのことなんて何も気にせず、自分のことばかり考えてたから……っ! 仮想空間でのデュエルに熱中してたせいで、お兄様の死に目にも会えなかった。全部、私が、デュエルにのめり込んだせいで……」

 

 自分の愚かさのせいで、最も大切な人を喪ってしまった。カリスマデュエリストの名声に酔って、デュエルにのめり込んでしまったせいで、義兄を殺してしまった。その事実は、傷つき果てた葵の心にトドメを刺すのに十分過ぎる痛みだった。

 

 兄が死んでから、葵はデュエルに対しての恐怖が拭えなくなった。カードを見ても、誰かのデュエルを見ても、心が燃えることもなくなった。デュエルネットワークからもブルーエンジェルは姿を消し、いつしかその存在も風化しつつあった。

 そうやって、暫く死んだように生きた後、葵は自分の人生にピリオドを打とうとしたらしい。両親の、義兄の後を追って、命を絶とうとしたその時、青羽社長の命を受けたスカウト集団によって誘拐され、このセックス次元にやって来たということだ。

 

 その話を聞いた時、私は葵が何故この次元に残ったのかを理解することが出来た。

 今までの人生を捨てたいだとか、辛い過去を忘れたいだとか、そんな逃げの理由ではない。葵は……心の底から、デュエルを愛しているのだ。

 

 エロデュエルを行い、その全てを見た観客たちが熱狂する様を見て、葵の心は光を得た。久しく忘れていた、デュエルで誰かを熱狂させる喜びを思い出したのだ。

 葵は名声に酔ってデュエルを続けていたのではない。義兄に認められたいという思いの上に、自分のデュエルで誰かを楽しませたいという新たな目的が出来ていた。仮想空間でのデュエルを、ブルーエンジェルとしての活動を、待ち望んでくれている人たちがいたからこそ、彼女はよりその期待に応えるためにデュエルを続けていたのだろう。

 

 葵のデュエルを終わらせるわけにはいかない。彼女はデュエルを心の底から愛している。自分のデュエルで誰かを笑顔にすることの喜びを知っている。私たち5人の中で誰よりも、葵はデュエルを愛しているのだから。

 

 気が付けば、私は自分の部屋を飛び出していた。その足で葵の部屋に向かい、中から人の気配がしないことを悟ったら寮の内部を歩き回って彼女の姿を探す。そこにも見当たらないとなれば、アカデミアの敷地内を探して必死に駆け回った。

 どうしてここまで肩入れしたくなるのか? 優秀な兄との関係に悩む彼女の姿に自分を重ねたからだろうか? それとも、デュエルに居場所を見出そうとした部分が自分に似ているから? いや、違う。もっと単純で、簡単な理由だ。それは、きっと――

 

「葵っ!!」

 

 そうやって、葵を探してデュエロ・アカデミア内の敷地を懸命に歩き回った私は、イエロー寮の程近くにある空き地で彼女の姿を見つけ出した。

 どうやら、彼女はハモン・イエローの生徒たちに絡まれているようだ。息を切らせて彼女たちへと駆け寄った私は、葵と男子生徒との間に割って入る。

 

「あなたたち、何をしてるの!?」

「あぁん? ……これはこれは、特別クラスの天上院明日香さんじゃありませんか。いつもエロい姿を見せてくれてありがとよ。お陰で毎晩のオカズには困らなくなったぜ」

「そう、全く嬉しくない誉め言葉ね。それで、葵に何か用かしら? 随分と彼女にご執心の様子だったけど?」

「こいつがふらふらと俺たちの縄張りに入って来やがったから、ちょっくらご挨拶してたんだよ。そのついでに、エロデュエルでもしようって誘ってたのさ」

「悪いけど、葵はまだエロデュエル用のデッキを持ってないの。あなたたちの誘いには乗れないわね」

 

 そう言いながら、私は葵の手を取ってこの場から去ろうとした。しかし、ガラの悪い男子生徒たちは、私たちの取り囲むようにして進路を遮る。

 

「待てよ。別に何かを賭けてデュエルしようってんじゃねえ。俺たちは、俺たちの縄張りに入って来た侵入者を見逃せねえって言ってるんだ」

「だから、すぐに出て行くって言ってるでしょう。それでこの話は終わりじゃない」

「そういう問題じゃねえんだよ! ……いいか? 今、俺たちの(カシラ)はこの場にいねえ。この状況でお前たちに何もせずに見逃したら、俺たちはリーダー無しじゃ何も出来ない奴らって言われちまうんだよ! 俺たちの領域を犯した奴らには、それなりの誠意を見せてもらわなきゃ示しがつかねえ! ワルにはワルの面子ってもんがあるんだ!」

「……その誠意っていうのが、エロデュエルをするってこと?」

「違う。エロデュエルで勝ったら、俺たちは縄張りを守れたってことになる。負けたとしても縄張りに入り込んだ奴に噛み付いたっていう証が残る。大事なのは何かをしたっていう結果だ。勝った負けたじゃなくて、戦ったって証を残さなきゃならねえんだ。何もしないで帰したってのは最悪なのさ。俺たちにとっては一番ナシな選択肢だぜ」

 

 そう語る不良生徒の話を聞くに、本当に葵によからぬちょっかいをかけるためにエロデュエルを挑んだのではないらしい。彼らには彼らのメンツがあり、それを守ろうとしているに過ぎないようだ。

 それはそれで厄介な話だ。こうなると、私たちにはエロデュエルを受けるか、それなりの誠意を見せるかの2つに1つの選択肢しかなくなる。後者を選んだ場合、相応の辱めを受けることになるのだろう。

 

 となれば……私が取る手段は、たった1つだ。

 

「わかったわ。葵に代わって、私があなたたちとのエロデュエルを受ける。それで構わないかしら?」

「あ、明日香!? あなたがそんなことする必要はないわ! 私のことなんて放っておいて、先に戻って――」

「そんなこと出来るわけないじゃない! 友達を見捨てるなんてこと、私は死んでもしないわ!」

「っっ……!?」

 

 葵に対して、私は自分の正直な想いをぶつけた。言葉を交わした回数が少なくとも、共に過ごした時間が短かろうとも、抱えている悩みを正直に話してくれた彼女は、もう私の友達だ。その友達のピンチに黙っていられるほど、私は薄情な人間ではない。

 友達だから助けたいと思う。支え合いたいと思う。そんな感情を真っ直ぐに葵へとぶつけた私は、驚きに声を詰まらせる彼女を庇うように不良たちの前に立ちはだかると、デュエルディスクを起動した。

 

「さあ、私が相手になるわ! 相手は誰がするのかしら?」

「へっ! なかなか威勢がいいじゃねえか! 俺が相手をしてやるぜ!」

 

 そう言って、今まで私と話していた男子生徒がデュエルディスクを構える。彼の仲間と葵が見守る中、私たちは夕焼け空に響くような大きな声で決闘の始まりを宣言した。

 

「「デュエル!!」」

 

――天上院明日香VS鎌瀬犬 LP4000 1マッチ

 

「先攻は俺がもらうぜ! 俺は手札から【バッドドッグシェパード】を攻撃表示で召喚! 更に魔法カード【バッドドッグの牙唸り】を発動して、お前の服を破る!」

「くっ!? うあぁっ!!」

「明日香っ!!」

 

 人ほどの大きさがある茶色の軍用犬が私へと飛び掛かって来る。鋭い牙が光り、その牙に引き裂かれた私の衣服は、ずたずたになって消え去ってしまった。

 

「ヒュ~! いい体してるじゃねえの! おっぱいもお尻もでっけぇなぁ!」

「デュエルなんかしてねえで、俺たちともっといいことしようぜ! 朝までたっぷりそのデカ乳とエロ尻を可愛がってやるからよぉ!」

 

 裸に剥かれた私に向け、不良生徒たちの野次が飛ぶ。普段のデュエルフィールドよりも圧倒的に近い距離から視姦されることに羞恥を感じながらも、それを表には出さず、私は努めて冷静に振舞った。

 

―――――

 

バッドドッグシェパード

ATK2000 DFE1000 レベル4 獣族 闇属性

 

(1)このモンスターは、自分の場の他のモンスター1体をリリースしなければ攻撃を行うことは出来ない。

 

―――――

 

(デメリット効果持ちの高ステータスのモンスターね。でも、壁として扱うならそのデメリットは関係ない。この攻撃力を越えるのは、私の初手では難しいわ)

 

 攻撃力2000のモンスターを前にした私は、自分の手札をちらりと見てから判断を下した。性交装備(セックスドッキング)をしたS・HEROでも突破出来ない。中年男での相打ちを狙うことも出来たが、ここは慎重なプレイングを選ぶのが無難だろう。

 

「私は手札より【S・HERO アスカ】を召喚! その効果で【S・HERO 援交男】を特殊召喚して、性交装備!」

『んんっ♡♡♡ あはぁん……っ♡♡♡』

 

 攻撃力よりも1ドローを優先した私は、援交男にアスカを性交装備させた。やせ細ったオヤジの存外立派なちんぽがまんこの中に挿入される感覚に、腰がぶるりと勝手に震えてしまう。

 

「ははっ! カードのためにまんこ差し出すなんて、本当にエロい女だな!」

「案外、本当に援交してるんじゃねえか? じゃなきゃ、あれだけ体がエロく育ったりしねえだろ!」

 

 再び、男子たちからの下世話な野次が飛ぶ。しかし、この程度のことで怒ったりしていてはエロデュエルなんてやっていられない。平静に、冷静に、私は自分のプレイングを行うことに集中する。

 

「カードを2枚セットして、ターンエンド。あなたのターンよ」

「ふん……ひん剥かれても顔色一つ変えないたぁ、なかなか肝が据わってんな。女でなけりゃ、ウチのチームに入ってほしいところだぜ」

「残念ね。私が男だったとしても、あなたたちなんかとつるむのは御免よ」

「へっ! 口が減らねえ女だ。しかし、その余裕もすぐに吹っ飛ぶ。一気にアヘ顔に変えてやらぁ! 【バッドドッグテイマー】を召喚だっ!」

 

―――――

 

バッドドッグテイマー

ATK1500 DFE1200 レベル3 悪魔族 闇属性

 

(1)このカードが場に存在している限り、このカード以外の自分フィールドの【バッドドッグ】モンスターの効果は無効になる。

(2)このカードが自分の場に存在している時、【バッドドッグ】モンスターの攻撃力は300ポイント上昇する。

 

―――――

 

「更に! 自分の場に【バッドドッグ】モンスターが存在している時、【バッドドッグドーベルマン】は手札から特殊召喚出来る! こいつも召喚だ!!」

「きたきたキターっ! 鎌瀬の連続召喚戦法、炸裂だぜっ!!」

「一気に食い尽くしてやれっ、犬っ!!」

 

 一気に2体のモンスターを召喚し、【バッドドッグテイマー】の効果でそれら全てを強化した鎌瀬。彼の十八番であるタクティクスの炸裂に、仲間たちがやんややんやの大歓声を送る。

 これで、彼の場には攻撃力2300、2100、1800のモンスターが並ぶこととなった。対する私の場には、攻撃力1500のアスカと1100の援交男しか存在していない。アスカの完全耐性を加味しても、無傷でこの状況を乗り切ることは不可能だ。

 

「さあ、攻めるぜ! まずは【バッドドッグドーベルマン】で【S・HERO 援交男】にアタックだ!」

「そのタイミングで罠カード【ドスケベ・ボンド】を発動! このバトル中、援交男の攻撃力は場のS・HEROの数×500ポイントアップするわ!」

『うおぉぉぉっ! こうなったらヤケクソだーっ! アスカちゃん! 俺の格好いいところ、見ててねーっ!!』

『バウッ!?』

 

 牙を剥いて【S・HERO 援交男】に躍りかかった黒い狂犬であったが、狩りの獲物としてしか見ていなかった彼が自分目掛けてやたらめったらに腕を振り回して突っ込んでくる姿に面食らってしまったようだ。あまりの驚きに動きが止まり、無防備な姿を晒している。

 そのまま、ずっこけて倒れ込んだ援交男の下敷きになってしまったドーベルマンは、きゅぅと可愛らしい鳴き声を残して息絶えてしまう。同じ攻撃力2100のモンスターたちは、仲良く揃って消滅した。

 

「まだまだ行くぜっ! 場に残った【S・HERO アスカ】に【バッドドッグテイマー】と【バッドドッグシェパード】で同時攻撃だ!」

『バウバウッ! グオオッ!!』

『きゃぁぁぁっ!?』

 

 唸りを上げる鞭の動きに気を取られていたアスカは、その合間を縫って飛び掛かってきた猟犬に完全に不意を突かれ、押し倒されてしまった。人をゆうに超える大きさの犬が背後から彼女に覆い被さり、その秘裂へと勃起した犬ちんぽを擦り付けてくる。

 身動きを封じられ、顔のすぐ近くで光る牙に威圧され、アスカは抵抗を諦めたようだ。雄々しく律動を繰り返す犬の肉棒を受け入れるように股を開けば、歓喜の咆哮を上げた【バッドドッグシェパード】が腰を突き出し、アスカの膣へと己の怒張を叩きこむ。

 

『ひあぁあぁっっ♡♡♡ い、犬のちんぽぉっ♡♡♡ ふ、ふといのがぁ、おくにぃっ♡♡♡ わほぉおおぉおおぉおっ♡♡♡』

 

 人のそれと比べてつるりとした感触の、されど太さと長さ、形状が明らかに違う犬のペニス。人外に膣を犯されるアスカの感じている快楽が、私の体にもダイレクトに伝わってくる。

 犬同士の交尾から名の付いた『ドギースタイル』のセックスで私を犯しにかかる猟犬の動きは、テクニックだとか駆け引きなどという小細工なんてまるで考えてない獣特有の荒々しいものだ。

 抜いて、挿れる。ただそれだけの動きを愚直に、されど人間には出来ない激しさを以て延々と続けられれば、私は瞬く間に獣姦で味わえる快感の虜となってしまう。

 

 ああ、マズい……エロデュエルでも十分に変態的な行為に手を染めているのに、犬に犯されて気持ち良くなってしまうだなんて変態を通り越して異常者と呼ばれるレベルだ。

 頭ではそう思っているのに、犬ちんぽに躾けられてしまった体は快感を拒めずにいて、私の意識が人間の女からただの雌犬へと徐々に変質していることが強く自覚出来てしまう。

 荒々しく、雄々しい、犬ちんぽセックス。その快感に酔い痴れ、私は尻を振って犬のように吠えながら交尾を続ける。だが、そんなものだけでは物足りないとばかりに、新たな責めが私とアスカを襲った。

 

「おいおい、【バッドドッグシェパード】のちんぽに夢中になるのはいいが、人間様のちんぽの相手を忘れるんじゃねえよ、雌犬がっ!!」

『むぐぅうううっっ♡♡♡ んんんんんん~~~~っっ♡♡♡』

 

 ずぶりと、喉の奥までを一気に男根が貫く。舌に、喉に、頬に、勃起した人間ちんぽの味と感覚が伝わり、酸欠になった頭がふわふわとした苦しみと悦びがぐちゃぐちゃに掻き混ぜられている感覚を見出し始める。

 そうだ、しまった。まだ【バッドドッグテイマー】の攻撃も残っていたんだった……ぼんやりとした、思考の纏まらない頭でそんなことを思った次の瞬間には、私の体を前後から貫くちんぽたちによる、激しい抽送が始まる。

 

『んごぉおおおぉおおおぉおおおおぉおっっ♡♡♡ んぼぉおおおぉおおぉおおぉおおっっ♡♡♡』

「だっ、だめぇええええぇえええええっっ♡♡♡ 喉まんこと、おまんこいっぺんに犯しちゃだっ♡♡♡ おおぉおおぉおおおおぉおおおおっ♡♡♡ わふっ♡♡♡ おおぉおおおぉんっっ♡♡♡」

 

 口内と喉奥を犯す人間ちんぽが、慣れ親しんだ快感を私に味合わせる。鼻を衝く異臭、舌が痺れるような濃厚な雄の味、息苦しさの中にある快感を与えられる私は、無様に白目を剥いた表情でイラマチオを行い続けた。

 太く熱く長い犬ちんぽによって、未知の獣姦セックスの快感をおまんこに教え込まれる。膣内を引っ掻くカリのような器官がない代わりに、竿の途中に存在している瘤がおまんこを全体的に刺激し続けている。挿入の際も、引き抜く時も、膣内全体を圧迫されるかのような快感を与えられる私の口からは、獣じみた叫びが溢れ出ていた。

 

 四つん這いになって前後から男と雄に犯される私の体の中では、口とまんこから一直線に伸びてきた快感がぶつかり合って爆発している。まるでちんぽに串刺しにされてしまったかのような感覚に悶える私は、全ての意識を快感への対処へと回すことでどうにか自分自身を保ち続けていた。

 

「あ、ああぁあっっ♡♡♡ な、なにっ♡♡♡ 犬ちんぽっ♡ こぶが、膨らんで……っ♡♡♡ う、あぁあああああああああああああぁああああああああああああああぁぅっ♡♡♡」

 

 やがて……私の膣内にどっしりと鎮座するように体勢を構えた猟犬が、低い唸り声を漏らしながらトドメの一撃を繰り出しにかかった。

 ペニスに存在している瘤を膨らませ、がっちりとおまんこの中でホールド。私がどんなに逃げようとしても、腰を振ったとしても、もうこれで犬ちんぽを引き抜くことは出来ない。最後の瞬間まで、彼に従い続けるしかない。

 びくっ、と猟犬の腰が震えたその瞬間、私は自分が辿る運命を感じ取った。彼の長い肉棒の根元から駆け上がってくる熱い迸りを受け止めるために開いた子宮が、どろりと濃い発情汁を垂れ流す。

 

「わおぉおおおぉおおおおぉおおおぉおおぉおおおぉおおおぉおおおぉおんっっ♡♡♡」

『んぼおぉおおおおおおぉおおおおおおおおおおおおおおおおおぉおおおぉっっ♡♡♡』

 

――天上院明日香LP4000→3100

 

 犬ちんぽによる膣内射精の快感を受けた私は、喉を大きく開いて快感による遠吠えを上げた。同時に口まんこを犯されているアスカの方が食道へと流し込まれた精液の勢いに目を見開いて苦し気な叫びを上げる。

 口の中に広がる精液の生臭く、青臭い味に子宮を疼かせ、その疼いた子宮に流れ込んで来る大量の精液によって雌の本能を満たされていく私は、熱っぽい口調で人間とは全く違う犬の射精の感想を漏らす。

 

「なに、これ……♡♡♡ 凄い量のザーメンが、まだまだたっぷり出てるのぉ……♡ ああっ、そんなぁ♡♡♡ こんなに射精されたら、ソリッドビジョンでも孕んじゃうわ……♡♡♡」

「ヒヒヒッ! お前も聞いたことがあるだろ? 犬の射精は、10分以上は続くってよぉ……! そのまま次のターンまで、た~っぷりと可愛がってもらいな」

「はぁあぁんっ♡♡♡」

 

 バトルフェイズが終わり、メインフェイズ2。【バッドドッグシェパード】に犯される【S・HERO アスカ】と、彼女と快感を共有する私の痴態を見てニヤニヤと笑っていた鎌瀬が魔法カードを発動する。

 

「手札より【バッドドッグ射精拘束(セックスロック)】を発動。この効果により、次の俺のターン開始時まで、このターン中に【バッドドッグ】モンスターとバトルを行ったモンスターの効果発動と攻撃を封じる。【S・HERO アスカ】は獣姦セックスに夢中で、性交装備もバトルも出来ねえってさ! 残念だったな、アスカ! ゲヒャヒャヒャヒャ!!」

 

 下品な不良たちの笑い声が空き地に響く。エースモンスターを犬に犯され、身動きを封じられている私を嘲笑う彼らは、愉快で堪らないといった様子で笑みを見せていた。

 

「クククッ、哀れだな、明日香……! それにしても、話題の女エロデュエリストの腕前もこの程度のモンか。焦ったのか何なのかは知らないが、プレイミスが目立ってるぜ」

「さっきのバトルフェイズ時、【ドスケベ・ボンド】をアスカの方に使えば良かったんだ。そうすれば、【バッドドッグシェパード】か【バッドドッグテイマー】のどちらかを破壊することが出来た。ビビって判断を誤ったな、明日香!」

「まあ、お陰で【S・HERO アスカ】の人&犬のWファックが見られたんだから、俺たちとしてはありがたいけどな! ぎゃ~っはっはっは!!」

 

 私のプレイングに対するダメ出しの後で、再び罵声。男たちは完全に優位を握ったことに気を良くしているようで、このエロデュエルも既に勝ったつもりでいるようだ。

 しかして、私は一切焦ることなく先の攻撃で乱れた呼吸を整えると、未だに犬ちんぽを打ち込まれている感覚が続くおまんこから愛液を垂れ流しながら、彼らと同じように楽し気な表情を浮かべて笑ってみせた。

 

「そう、あなたたちでもその程度のことはわかるみたいね。少し見直したわ」

「あん? どういう意味だ? それじゃまるで、お前がわざとプレイミスをしたみたいじゃねえか」

「ええ、そうよ。私はわざと援交男を相打ちさせて、あなたのモンスターたちにアスカを襲わせたの」

「馬鹿な! 苦し紛れの言い訳もほどほどにしやがれ! そんなことして、何の意味があるってんだ!?」

「ふふっ、わからないの? ……その理由は2つあるわ。1つ目は、あなたたちを楽しませるためよ」

「は、はぁっ!?」

 

 驚愕、その一言がぴったりと当てはまる素っ頓狂な叫びを上げた鎌瀬に対して、私はその顔が見たかったとばかりに笑みを浮かべる。彼だけではなく、他の不良生徒たちも困惑を隠せずにいるらしく、空き地にはざわざわとした迷いの声が広がり始めた。

 

「俺たちを楽しませるため、だと……? 何を馬鹿なことを……!!」

「あら、あなたたちは本気でそう思うの? でも、デュエルってそういうものでしょう? ただ勝つだけなら、もっと姑息で地味で確実な手段を取ればいい。だけど、そんなデュエルじゃあ、観客たちを楽しませることなんて出来ないわ。デュエルで一番大事なのは、みんなを楽しませること。対戦相手も、観客も、そして自分自身も……誰もが笑顔になれるデュエルをすることこそが、何よりも大切なことなんだって、私は思うわ」

「だからお前は、わざと俺のモンスターの攻撃を受けたっていうのか? 俺たちにアスカの獣姦レイプショーを見せるために、敢えて不利になるプレイングをしただと……!?」

「別に、おかしなことじゃないでしょう? エロデュエルは、デュエルに比べてエンターテインメント性が増してる。観客たちは、女の子がエッチな目に遭うことを常に期待しているはずよ。その期待に応えることも、エロデュエリストとして当然のこと……たとえダメージを受けようとも、恥を被ろうとも、見ている人たちを楽しませることが出来るなら、私はそうするわ。私が信じている、大好きなデュエルは、そういうものだから」

 

 鎌瀬へとそう言い放った私は、彼から視線を外すと、葵へと真っ直ぐな眼差しを向けた。私のデュエルに対する想いを聞いた彼女は、はっとした表情を浮かべている。

 私は、このエロデュエルの中で葵へと自分の想いをぶつけるつもりだ。このエロデュエルで、私が誰よりも笑顔にしたいと思う人物は、葵なのだ。

 どうか思い出してほしい。怯えないでほしい。立ち直ってほしい。あなたはまだ、前に進むだけの力がある。過去を乗り越えて、このセックス次元でデュエルと共に先に進めるだけの力があるはずだ。

 葵の心の中に残っている、デュエルに対する愛を呼び覚ますように眼差しを向ければ、私の視線に気が付いた彼女が軽く驚いたような表情を見せた。どうやら、私が何を伝えたいかを、葵は感じ取ってくれたようだ。

 

 なら、それでいい。では、ここから華麗な大逆転を始めよう。

 

「そしてもう1つの理由はね……伏せておいたこのカードを使うためよ! 魔法カード【HEROセックスカウト】を発動!」

 

―――――

 

HEROセックスカウト

通常魔法 

 

自分フィールド上に【S・HERO アスカ】がいる時のみ発動可能。

相手の場に存在するモンスターを1体選び、そのカードと【S・HERO アスカ】を性交装備させて、コントロールを得る。

選択したモンスターは【S・HERO】モンスターとして扱い、その効果は無効化された上で以下の効果を新たに得る。

 

このカードと性交装備している【S・HERO アスカ】に乗っているザーメンカウンターを任意の数だけ墓地に送って発動出来る。このターン中、墓地に送ったカウンターの数だけ、このカードの攻撃回数を増やす。

 

―――――

 

『……ねえ、可愛くて強いワンちゃん♡ あなた、本当にこのままで良いの?』

『バゥ……?』

 

 いつの間にか体を反転させ、【バッドドッグシェパード】と向き合う体位になっていた【S・HERO アスカ】が、そんな甘い声を発しながら自分に種付けを行っている猟犬へと声をかける。

 一度射精を行って気が静まっているおかげか、【バッドドッグシェパード】は彼女の話に素直に耳を傾けていた。

 

『こうして私のおまんこにナカダシ出来るのは嬉しいでしょうけど、もう少ししたら射精も終わっちゃうわよね? そうしたら、もう私とはサヨナラよ? とっても気持ちいいこのスケベ穴からおちんぽ引き抜いて、私とバイバイしなきゃならないの』

『グル、ウゥ……ッ!?』

『ほら、見て。あの怖くてむさい男の姿を……! あれがあなたのご主人様。私から離れたら、あなたには彼にこき使われるだけの日々が待ってるだけよ。彼があなたのおちんぽの面倒を見てくれるのかしら? 私とのセックス以上に気持ちいい射精をさせてくれるのかしらね?』

『バウッ! ガウウゥッ!!』

『そうよね、そう……♡ 私もあなたと離れたくないわ。こんなに気持ちの良い犬ちんぽ、もう二度とハメてもらえないだなんてすっごく残念だもの……♡ だから、ね♡ 私のお友達になって、私と一緒にいましょうよ♡ そうすれば、あなたがムラムラしちゃった時は、いつだって私のおまんこで性欲処理出来るのよ♡ アスカのドスケベ極上まんこが、あなたのおちんぽをいつでも気持ち良くしてあげる……♡』

『バウバウバウッ! キュゥウウウンッ!!』

『あはっ♡ 決まりね♡ それじゃあ、可愛いワンちゃん♡ あなたに素敵な力をあげるわ♡ さっさとあいつらを倒して、い~っぱいセックスしましょうね~♡』

『キャウキャウッ!』

 

 四肢を犬の胴体に絡ませ、精液がたっぷりと注がれた腹を揺らして、【バッドドッグシェパード】をだいしゅきホールドしたアスカは、愛しい恋人とするような熱くいやらしいキスを行った。

 犬である【バッドドッグシェパード】とのくちづけを嫌がるどころか、むしろ心の底から悦んでいるかのような彼女は、ベロベロと顔を舐められながらも彼へと己の力を注ぎ込んでいく。

 

「お、おいっ! 【バッドドッグシェパード】!? お前、俺を裏切るつもりか!?」

「ふふふっ♡ あの子も男の子ってこ~と♡ ちんぽとまんこで繋がり合った関係の方が、主従関係なんかよりも強くて素敵な絆になるに決まってるわよね♡」

「ぐおぉぉぉぉ……っ!? ば、馬鹿な、こんなことが……!」

「さて……【バッドドッグシェパード】の攻撃力は2000。【S・HERO アスカ】に乗ってたザーメンカウンターは2つ。攻撃回数は合計3回。あなたの場にいるのは攻撃力1800の【バッドドッグテイマー】だけで、伏せカードは無し。この攻撃、凌ぎ切れるかしら? ……って、その顔を見れば一目瞭然ね」

「ぐぎぎぎぎぃいぃぃぃ……っ!!」

「じゃあ、今回は先に言わせてもらいましょうか。ガッチャ♡ 気持ちいいデュエルだったわよ♡ ただし、あなたのプレイングというよりも、このワンちゃんのおちんぽのお陰でね♡」

「ちっくしょーーーっ!!」

 

 アスカとセックスをしながら駆け出した【バッドドッグシェパード】の牙に【バッドドッグテイマー】が噛み砕かれて1回。アスカの腰振りによって再起したワンちゃんによる体当たりでもう1回。吹き飛ばされた鎌瀬にダメ押しとばかりにアスカのウインク光線が直撃して、最後の1回。

 合計ダメージ、4200。獣姦セックスコンビによるラブラブツープラトン攻撃を食らった鎌瀬は、モンスターの裏切りとデュエルによる精神的な疲弊で気絶してしまい、仲間たちの前で目を回している。

 アスカの立体映像をはじめとしたデュエルの視覚効果が消えて行く中、やはり先に挨拶を言っておいてよかったなと私が思っていると――

 

「……あら?」

『バウッ! バウバウッ!!』

 

 何故だか、ソリッドビジョンたちは完全に消滅したのにも関わらず、【バッドドッグシェパード】だけがこの場に残っている姿が目に映った。

 私のことを愛情と性欲の籠った眼差しで見つめている彼は、尻尾をパタパタと振って親愛の情を示すと、一目散に私の元へと駆け寄って来る。

 デュエルディスクの誤作動で映像が消えきっていないのかと思って身構えた私であったが、【バッドドッグシェパード】は私にのしかかることなく、不意に光の玉となって姿を消した。彼が姿を変えた光の玉は、私の使っていないカードたちが入っているデッキケースへと飛び込み、ぽちゃんと音を立てて完全に消え去ってしまう。

 

「……なんだったのかしら、今の?」

 

 この不思議な体験に首を傾げつつも、夕日が完全に空の向こうへと消え去ろうとしていることに気が付いた私は、慌てふためく不良生徒たちの目を盗んで葵の手を取ると、こっそりと空き地から抜け出してレッド寮へと逃げ帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……明日香、今日はごめんなさい。私のせいで、余計なトラブルに巻き込んじゃって……」

「気にしないで。さっきも言ったけど、友達を助けるのは当たり前のことでしょう?」

 

 夕食後、寮の大浴場で葵と2人きりになった時、彼女はぽつりと今日の出来事についての謝罪を口にした。

 まるで気にしていないと返事をしつつ湯船から上がった私は、最後にちらりと振り返って葵の様子を窺う。

 

 鎌瀬とのデュエルを行っていた時とは逆に、今度は葵が私へと真摯な眼差しを向けている。

 何かを聞こうとして迷っているような、そんな印象を受ける葵からの視線を浴びながら彼女の言葉を待ち続けていた私に対して、彼女は意を決したようにこう尋ねた。

 

「……許されると思う? 今まで散々身勝手なことをしてきた私が、もう一度自分の夢を追うことを……」

 

 迷いを、痛みを、苦しみを……拭えぬ痛みを抱えながらも、それでも前に進もうとする葵の小さな前進を見届ける私は、その質問に対しての答えを返す。

 

「それは葵次第よ。他の誰でもない、あなた自身が自分を許してあげなさい。それが全ての答えになるわ」

「私が、私を……許す……」

 

 もう十分に葵は苦しんだ。もう、これ以上彼女が何かを捨てる必要はない。そんなことを天国のお兄さんが望んでいるはずがない。

 だからもう、葵は自分を許すべきなのだ。そして、前へと歩み出す時だ。そのために必要なものは、もうすぐに揃う。絶対に、葵はデュエルの舞台に戻るべきだ。

 

 あとは全て彼女次第。だけど、私は信じている。葵ならきっと、自分の過去を乗り越えられると。

 何かを考え込むように俯き、水面に映る自分の顔を見つめている葵の姿を一瞥し、私は大浴場を後にする。どうか彼女が、自分で納得出来る答えを見つけ出せますようにと空に輝く月に祈りながら、金色をした半月へと手を伸ばして息を吐くのであった。

 

 





次回予告

義兄の死は、全て自分の責任だ。葵はずっとそう思い込み、自分を責め続けてきた。自分がデュエルにのめり込みさえしなければと、後悔を重ねてきた。

それでも、彼女の心にはデュエルに対する愛がある。数多くの戦いの中で育んできたその感情は、決して消えることはない。たとえ揺らいだとしても、0になることはないのだ。

新たな出会いによって心の支えを得た葵に、自分と向き合う時が来た。自らの胸の中にある大切な想いに気付いた時、蒼き天使がその翼を広げ、新たなる戦いへと飛び立つ。

次回『復活のブルーエンジェル!』

「もう一度、やってみる……! 私が信じる、大好きなデュエルを!」



最強カード紹介


バッドドッグシェパード
ATK2000 DFE1000 レベル4 獣族 闇属性

(1)このモンスターは、自分の場の他のモンスター1体をリリースしなければ攻撃を行うことは出来ない。

―――――

今日の最強カードは、【バッドドッグ】デッキの主力モンスターである【バッドドッグシェパード】。高い攻撃力を持つけど、攻撃をするには他のモンスターの犠牲が必要というデメリット効果も持っているわ。

既に攻撃を終えたモンスターをリリースするか、【バッドドッグテイマー】の効果でデメリットを掻き消すか、それなりの工夫をしないと扱うのは難しいわね。

必殺技は、ぶっとい犬ちんぽで激しく相手を犯す【バッドドッグレイプ】♡ 長時間続く膣内射精を受けたら、どんな女の子もメロメロになっちゃうんだから♡



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復活のブルーエンジェル!

遊戯王の新作が発表されましたね! とか
この作品のブックマーク数が500を越えました! 応援ありがとうございます! とか
メリークリスマス! とか……

色々言いたいことはあったんですけど、大体のことが手遅れになってる感が否めない今日この頃、いかがお過ごしでしょうか? ポンコツです。

さて、今回は葵ちゃんの初エロデュエルをお届けします。楽しんでもらえると嬉しいな……




 鎌瀬とのデュエルから3日後、私は葵と共に工藤遊戯店へと赴いていた。理由はもちろん、葵のデッキの受け取りのためだ。

 工藤さんは急ピッチで仕事をこなし、分身カードの制作も合わせてこんなにも短い期間でデッキ構築を完了させてくれた。しかも、突貫作業であったのにも関わらず、その出来は一級品となっている。

 

「ありがとうございます、工藤さん」

「ほっほ! これが儂の仕事じゃからの。これで葵ちゃんも、エロデュエルが出来るようになったの!」

「……はい」

 

 デッキを受け取り、工藤さんへと頭を下げた葵は、彼からの言葉に短くそう答えた。

 自分の眼を真っ直ぐに見ながら返答した葵の姿に少しだけ意外そうな表情を浮かべた後、工藤さんは嬉しそうに微笑む。

 そうして、受け取ったデッキの中身を落ち着いて確認するために、話している位置から少し離れた場所にある椅子へと腰かけた葵を見つめた彼は、彼女に代わって話し相手となった私に対して、こう尋ねてきた。

 

「なにか、良い変化があったみたいじゃな。葵ちゃんの目に、わずかながら光が戻っておる。雰囲気も全体的に前向きになっておる気がするよ」

「そう思いますか? それなら、よかったです」

「……やはり、若い娘が迷った時に必要なのは、儂のようなじじいの言葉よりも仲間との友情じゃな。言わずともわかる、明日香ちゃんが一肌脱いだんじゃろ?」

 

 そう質問してきた工藤さんに対して、私は曖昧に微笑んだ。自分が何かを出来たと思えるほど、葵に手を差し伸べられたわけじゃない。きっかけのようなものは作ったが、工藤さんが変化を認めるほどに前向きになったのは、葵自身の力だと私は思う。

 だけど、工藤さんはそんな風に笑う私のことを見て満足したみたいで、しきりにうんうんと首を縦に振って、頷き続けていた。

 

 どうにも、気恥ずかしさを感じてしまう。青春の雰囲気なんて、私には似合わない。

 そんな風に考え、この空気を変えようと別の話題を探していた私は、ふと先日のデュエルの後に経験した不思議な体験のことを思い出し、それを工藤さんに話してみることにした。

 

「……そういえばなんですけど、この間、デュエルが終わってもモンスターが残り続けてたんですよね。他のモンスターは消えたのに、1体だけ暫く消えなくって……最終的に、私のデッキケースの中に入っていったように見えたんですけど……」

「む? なんじゃって? ……その話、詳しく聞かせてもらえるかね?」

「え、ええ……ええっと――」

 

 何を馬鹿なと笑われるか、デュエルディスクの故障を疑われると思っていた私は、予想外にこの話に食いついてきた工藤さんの様子にちょっぴり面食らってしまった。

 真剣そのものといった様子の彼に促され、記憶を手繰り寄せて出来る限りその時のことを詳しく話してみれば、工藤さんは何事かをぶつぶつと考えた後に、真面目な表情でこう話を切り出した。

 

「明日香ちゃん。君は、カードの精霊を目にしたのかもしれん。もしくは、その能力に目覚めたのかもな」

「カードの精霊……? ちょ、ちょっと待ってください。私も元の世界で似たような話は聞いたことがありますけど、それってただのおとぎ話でしょう?」

 

 大真面目にカードの精霊という不可解な存在の話を始めた工藤さんに対して、私は困惑しながらもその言葉に反論した。そんな、カードの精霊だなんていう非現実的な存在を信じるわけがないではないか。

 しかし、当の工藤さんは超が付くくらいに真剣な表情を浮かべたまま首を振ると、力強くカードの精霊の存在を断言する。

 

「いや、確かにカードの精霊は存在しておるよ。実はな、儂の孫もカードの精霊が見える人間なんじゃ。儂も最初は子供故の妄想だと思っていたんじゃが、孫の様子を見ていると、本当に精霊が存在しておるとしか考えられなくなってしまったんじゃ」

「工藤さんの、お孫さんですか?」

「左様。儂の孫、初代色欲決闘王(エロデュエリストキング)こと工藤前戯は、カードの精霊たちの声を聴き、彼らと心を通わせることが出来る人間なのじゃ。それ故か、奴はここ一番という場面で驚異的な勝負強さを発揮する。デッキが、カードの精霊たちが、自分の想いに応えてくれているのだと、孫は語っておった」

「え、色欲決闘王!? 工藤さんのお孫さんが、そんなエロデュエリストだったなんて……!!」

「今は日本を飛び出して、海外で活躍しておるがね。そんな孫の活躍を間近で見て、話を聞き続けた儂じゃからこそ、カードの精霊の存在を確信しておるんじゃよ。思えば、奴の身の回りでは数々の不思議な出来事が起きておった。それも精霊たちの仕業だったに違いない」

「は、はぁ……?」

「……明日香ちゃん。モンスターはデッキケースの中に消えたと言っておったな? そのデッキケース、見せてもらえんかね?」

「別に構いませんけど、ただのデッキケースですよ? 中も確認しましたけど、特に異変も見当たりませんでしたし……」

 

 そう言いながら、元の世界のデュエル・アカデミアに入学した時から使っている愛用のデッキケースを工藤さんへと手渡した私は、真剣にそれを見つめる彼の姿に苦笑を漏らしてしまった。

 だがしかし、まじまじとそれを見つめていた工藤さんは、カッと眼を見開くと、興奮した様子で言葉をまくし立て始める。

 

「おおっ!? インスピレーションが湧いてくる! これは……犬、犬じゃ! 儂の心の中には、黒い犬の姿をしたカードの精霊がくっきりと浮かび上がっておるわい!」

「え……っ!?」

 

 工藤さんのその言葉に、私は驚きを隠せなかった。実は、先ほどの話の中で、私は自分が見たモンスターの姿が何であるかを明言していなかったのである。

 それなのに、工藤さんは【バッドドッグシェパード】の容姿をピタリと言い当てた。偶然の一致とは思えないその発言に驚く私に対して、興奮が治まらないといった様子の彼は、ばたばたとせわしなく動きながら言う。

 

「こうしちゃおれん! 急ぎこのイメージを形にしなくては! 明日香ちゃんと共に居たいという精霊の想いを具現化するためにも、この子をカードにしてあげねばならん! 明日香ちゃん、悪いが今日は店じまいじゃ! 儂は今からモンスターの姿を描き、琉ちゃんに相談して新しい【S・HERO】カードとして仕上げてもらわねばならん! それまでの間、このデッキケースは預からせてくれ!」

「あっ、ちょっと!」

「忙しくなるぞい! 葵ちゃんのデッキビルドが終わってて良かった、良かった! 待っておれよ、ワンちゃん! すぐにお主をカード化して、アスカちゃんとイチャラブドスケベセックス出来るようにしてやるからの!」

 

 老人とは思えない俊敏さで店の奥へと引っ込んでしまった工藤さんには、もう私の話に耳を貸す様子がない。どうしてこうなってしまったのかと困惑しつつも、主目的である葵のデッキ受け取りを済ませたのだからまあ良しと思いつつ、私たちは工藤遊戯店を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ねえ、明日香。話を聞いてくれる?」

 

 工藤遊戯店からの帰り道。デュエロ・アカデミアの敷地内に入って、あと少しでレッド寮に辿り着くというところで、葵が不意に口を開く。

 きっと、ここが2人きりで話せる最後のタイミングだと思ったのだろう。葵はどうやら、私に聞いて欲しいことがあるようだ。

 私は何も言わず、視線でYESの意思を伝えた。葵もまた、ふぅと息を吐いて心を落ち着かせた後、静かな口調で語り始める。

 

「この間の明日香のデュエルを見てから、ずっと考えてた。これから自分がどうするべきかを……正直、まだお兄様のことを吹っ切れたわけじゃない。だけど、いつまでもうじうじしてたってどうにもならないってこともわかってる。この世界でエロデュエリストとして()()()と決めたのなら、もう覚悟を決めるべきなんだって……なにより、明日香や工藤さんに色々な面で支えられて、助けられたっていうのに、立ち上がれないなんて情けないことこの上ないでしょう?」

「……エロデュエルに本格的に参加する、そういう意思表示をしたって考えていいかしら?」

「うん……でも、まだちょっとだけ怖いの。踏ん切りがつかない、私なんかがって思いが消えない……だから、身勝手なお願いだっていうのはわかってるけど、もしも私が立ち止まってしまったら、背中を押して欲しいの。友達としてあなたを頼ってもいいかな、明日香?」

「ふふっ……! ええ、もちろんよ! 葵がうじうじしてたら、背中を押すどころか張り倒してあげるわ! 何度だってね!」

「……ありがとう」

 

 顔を赤くした葵が、消え入りそうなくらいの小さな声で呟く。私の返答がこっぱずかしかったのか、はたまた自分の正直な想いを吐露した恥ずかしさが込み上げてきたのか、なんにせよ彼女が照れていることは一目瞭然だ。

 かく言う私も自分で言ったことが青臭すぎて恥ずかしくなってきた。それでも、決して嫌な気分ではなく、私はどこか晴れやかさを感じられる葵とのやり取りに胸を弾ませていたのだが――

 

「ああっ! いた! いやがった! アニキ、あいつです! 俺たちの縄張りに入って来て、犬を倒したのは!」

 

 キーン、と耳に響くような大声が私たちの耳を貫き、子気味良かった気分が一瞬で台無しになる。その声に驚いて振り向いた私たちが目にしたのは、見覚えのある男連中と、彼らを引き連れる大柄な男の姿だった。

 犬、の名前にも憶えがあった私は、彼らが数日前に葵に因縁をつけてきた不良生徒たちであることにすぐ気が付いた。そして、彼らの口振り的に私のことを探していたということも理解する。

 彼らからアニキと呼ばれたリーダー格の男は、そんな私と葵を鋭い眼光で睨みつけて威嚇しながらこちらに近づいて来ると、低く唸るような声で話し始める。

 

「よう、俺が腹痛で留守にしてる間に、子分たちを可愛がってくれたみたいじゃねえか。今日はそのお礼に来たぜ」

「あら、そう。ご丁寧にどうも。でも、気にしなくていいわよ。とっとと帰ってちょうだい」

「ははっ! この状況で怯みもしねえか……! こいつらの言う通り、肝の据わった女みたいだな。じゃなきゃ、女だてらにエロデュエルなんかしねえか」

「……話が終わったならそこをどいてくれる? 私たち、早く寮に帰りたいんだけど」

「ははっ! そうはいかねえなぁ! お前もわかってるだろ? 俺たち不良は舐められたらお終いだ。子分がやられたら、その分、頭である俺がそいつに倍返しして、面子を守らなきゃならねえ。悪く思うなよ、天上院明日香。お前をエロデュエルで完膚なきまでに叩きのめさせてもらうぜ!」

「やっぱりそうなるのよね。わかってたけど……いいわ。その勝負、受けましょう」

「お前ならそう言ってくれると思ってたぜ。『マッドドッグス』のリーダー、柴山駒市(しばやまこまいち)! お前とタイマンを張らせてもらうぜ!」

 

 鼻息も荒くデュエルディスクを起動し、エロデュエルを始める構えを取る駒市。デュエロ・アカデミアの中級寮である【ハモン・イエロー】の不良生徒たちを束ねる彼の実力は、間違いなく折り紙付きだろう。前に戦った鎌瀬も決して弱くはなかった。その親玉となれば、激戦は必至だ。

 油断無く、私も呼吸を整え、デッキを取り出して、駒市とのデュエルに臨もうとする。だが、私がデュエルディスクを起動しようとしたその瞬間、場の空気を切り裂くような叫びが葵の口から飛び出した。

 

「待って! ……そのエロデュエル、私がやるわ!」

「えっ……!?」

「……おう、なんだよお前は? 俺は明日香に勝負を挑んだんだ、関係ない奴はすっこんでろ!」

「関係なくないわ! 明日香があなたの子分とデュエルをしたのも、元はと言えば私が原因。責任は私にあるわ。それなのに、全てを彼女に押し付けて、自分は見てるだけだなんて真似、私はしたくないの!」

「なに? ……ふむ、そういうことか。確かに犬の奴も、明日香は代理でエロデュエルを受けたって言ってたが、最初にトラブルを起こしたのはお前だっていうんなら、確かにお前の言うことは尤もだ。明日香ではなく、お前がデュエルをすべきだろう」

「そういうことよ。だから明日香、ここは私に代わってちょうだい。今度はエロデュエル用のデッキもある。あなたの世話になる必要はないわ」

 

 受け取ったばかりのデッキをデュエルディスクにセットして、私の真横に立つ葵。彼女の横顔は、今までの無気力で覇気のなかった表情から一変した精悍な顔つきに代わっている。

 その変化を驚くと共に、これが本来の葵の姿であることを感じ取った私は、改めて彼女の顔を見つめながら、その意思の硬さを確かめた。

 

「葵、本当に良いのね? あなたが、エロデュエルをするのね?」

「……うん。明日香に甘えてばっかりじゃ、天国のお兄様に笑われちゃう。友達を頼るのと、頼りっぱなしになるのは別物だぞってね……だから、私がやるわ。この痛みも、悲しみも、乗り越えてみせる。私、もう一度やってみる……私が信じる、大好きなデュエルを!」

「……ええ、そうね。それなら、ここはあなたに任せるわ」

 

 再び立ち上がろうとする葵の意思を尊重して、私は素直に身を引いた。このデュエルの結果がどうなろうとも、私は葵を見守るだけ……友達を信じて、デュエルの行く末を見守ろうと決めた私の目の前で、葵と駒市とのデュエルが始まる。

 

「待たせて悪かったわね。始めましょうか」

「ああ、犬の仇はキッチリと取らせてもらうぜ!」

 

「「デュエルっ!!」」

 

――財前葵VS柴山駒市 LP4000 1マッチ

 

「先攻はもらうぜ! 俺のターン! 俺は手札から【バッドドッグチワワ】を召喚! 更に魔法カード【マッドドッグの猛牙(もうが)唸り】を発動! フィールドの【バッドドッグ】モンスターをリリースして、お前のLPに500ダメージを与えつつ服を脱がすぜ!」

「うっ!? きゃぁあっ!!」

 

 薄汚れた小型犬が牙を剥いて葵に飛び掛かる。彼女の肩口にガブリと噛み付いた【バッドドッグチワワ】は、そのまま重力に従って地面へと落下すると共に葵の着ているレッド寮の制服を紙切れのようにびりびりと引き裂いてしまった。

 

――財前葵LP4000→3500

 

 私と、男たちの前に露になる葵の裸体。形の整ったおっぱいとお尻は、大きさこそアンナや私には及ばないものの張りと柔らかさは一級品のようだ。

 サイズ的にも決して小さいわけではない葵の美乳が彼女の挙動に合わせてぷるんと揺れる様に、男たちから歓喜の声が上がる。

 

「ヒュ~ッ! いいねぇ……!! 明日香のデカパイも悪かねえが、俺はお前の乳の方が好みだぜ。丁度いいっつーか、絶妙なバランスっていうか……純粋な誉め言葉として受け取ってくれ」

「ええ、そうするわ。なんだか不思議だけど、悪い気分じゃないしね。それで? あなたは私の服を剥ぎ取って、それでターンは終わり?」

「まさか! ここからが本番だぜ! 【バッドドッグチワワ】には、【バッドドッグ】と名の付いたカードの効果で墓地に送られた時に【バッドドッグトークン】を2体まで特殊召喚出来る効果がある。この効果を発動すると共に、手札からこいつを特殊召喚だ!」

 

―――――

 

バッドドッグの群れ

ATK1200 DFE1000 レベル3 獣族 闇属性

 

(1)このモンスターは、自分フィールド上に2体以上の【バッドドッグ】モンスターが存在している時、手札から特殊召喚出来る。

 

―――――

 

「低レベルモンスターの大量展開……? でも、召喚権はもう使ったからアドバンス召喚も出来ないし、トークンじゃあエクシーズ召喚だって不可能なはず。融合召喚だとしても、わざわざ場にモンスターを出す理由はないんじゃ……?」

「はははっ! 甘いな、明日香! だが、お前はツイてるぜ! このデュエルで新しい召喚をお勉強していきな! 現れろ! 獰猛なる野性のサーキット!!」

 

 私が知る限りの全ての召喚方法に対応していない盤面を作った駒市だが、彼の表情からは漲る自信が感じられる。おそらく、まだ私が知らないタクティクスを披露しようとしているのだろう。

 セックス次元のデュエル技術の進歩に内心で舌を巻いた私は、駒市の足元に彼の周囲9方向を指し示す矢印が付いた枠組が浮かび上がるのを目にする。その中心で堂々と起立する駒市は、自身のモンスターたちを巧みに操りながら口上を叫んだ。

 

「召喚条件は、【バッドドッグ】モンスター3体以上! 俺は2体の【バッドドッグトークン】と【バッドドッグの群れ】をリンクマーカーにセット!」

「これは……! 複数のモンスターを用いた、特殊な召喚!? トークンも使えるだなんて……!!」

「驚いたか明日香!? これがお前の知らない召喚方法、リンク召喚だ! さあ、真打登場だぜ!」

 

 駒市の号令に従い、【バッドドッグ】モンスターたちが矢印の上に飛び乗る。そうすれば、鈍く暗い色をしていた矢印は橙色に点灯し、それに伴って枠の中心から1体の巨大なモンスターが姿を現した。

 

「吼えろ! 唸れ! 狂犬たちの王! リンク召喚! 現れろ! リンク3【バッドドックリーダー ギガウルフ】!!」

『ウオォォォォォォォォォンッッ!!』

 

 逆立つ毛並み。顔に刻まれた傷跡。口から飛び出している、巨大な2本の牙。

 獰猛な狂犬、その言葉にぴったりと合致する黒狼の登場と、リンク召喚という未知の召喚方法に私は面食らってしまう。だが、実際にデュエルに臨んでいる葵の方はというと、私とは対照的に落ち着き払って駒市のプレイングを観察していた。

 

「ほう? その様子からすると、お前はリンク召喚を知ってたみたいだな。知識って点なら、明日香以上か」

「たまたまよ。私はそのモンスターを初めて見たし、効果も知らないわ」

「そうかい! なら、すぐに教えてやるよ! お前の体になっ!! ギガウルフの効果を発動だ!!」

 

―――――

 

バッドドックリーダー ギガウルフ

ATK2300 リンク3 獣族 闇属性

『リンクマーカー 左 上 右』

 

(1)1ターンに1度、墓地に存在する【バッドドッグ】と名の付いたカードを除外することで、以下の効果から1つを選んで発動出来る。

●相手プレイヤーに500ポイントのダメージを与える。

●デッキからこのモンスターのリンクマーカー先にレベル4以下の【バッドドッグ】モンスターを特殊召喚する。

 

―――――

 

「俺は【バッドドッグの猛牙唸り】をゲームから除外して、お前のLPにダメージを与える効果を選択! たっぷりと可愛がってやれよ、ギガウルフ!!」

『ウワォォォォンッッ!!』

「きゃぁあっ!? あっ、ああぁっっ!!」

 

 人間の体などゆうに超える巨体を持つ狼が葵を引き倒す。強引に彼女の足の間に入り込んだ狼は、鋭い牙が生え揃っている口を大きく開けると、葵の股を下腹部ごと頬張るようにして齧り付いた。

 ガチンッ、と金属同士がぶつかり合ったような音が響く。黒狼の牙が体に突き刺さってしまったのではないかと葵の身を案じる私であったが、意外なことに彼女の口から溢れ出ているのは痛みに悶える苦しみの声ではなく、甘く蕩けるような嬌声だった。

 

「んんんんっっ♡♡♡ あううっ♡♡♡ んあぁあっっ♡♡♡」

『バウッ! フッ、フゥッ!!』

「あぁっ♡♡♡ そこ、はぁっ♡♡♡ んくっ♡ あぁっ♡♡♡ ちょ、まってっっ♡♡♡ んんん~~~~っ♡♡♡」

「ひゃひゃひゃひゃひゃ! 犬にクンニされる気分はどうだ? 【バッドドッグリーダー ギガウルフ】はテクニシャンだからな! 気持ち良くなって、イってもいいんだぜ!?」

「あぁあぁっっ♡♡♡ この子、上手い……っ♡ いろんなところ舐められちゃってるぅ♡ あっ、あっ♡ はげひっ♡ んんっ♡ やさしぃ……っ♡ これっ♡ ホントに洒落にならな……あっ♡ だめっ♡ イっ……くぅううぅううぅうううぅうううううぅうぅんっっ♡♡♡」

 

――財前葵LP3500→3000

 

 大きく、葵の腰が跳ねる。傍から見ているだけでもわかるくらいの激しい絶頂を迎えた彼女は、ぜぇぜぇと呼吸を荒げながらエロデュエルの洗礼を受けて悶えた。

 葵を初めての絶頂に導いたギガウルフはというと、強面の顔を歪ませて笑みに近い表情を見せている。そして、文句なしの良いリアクションを見せてくれた葵の下半身を吐き出すと、のしのしと音を立てて主人の下へと帰っていった。

 

「いいアクメっぷりだ。これからもっとヨがらせてやるから、楽しみにしとけよ」

「うっ……♡ これが、エロデュエルの快感……! わかってはいたけど、やっぱりすごいわね……」

 

 股座から愛液を垂れ流しつつ立ち上がった葵が、首を振りながら呟く。頬をほんのりと赤く染めた彼女の表情はどこか扇情的で、ぷっくりと膨らんだ乳首と乳輪のいやらしさも相まって、男たちを興奮させるには十分過ぎる威力を持っていた。

 最初のターンに手痛い(気持ちいい?)ダメージを受けた葵だが、心の強さは保たれている。自分にターンが回ってきたことに、深く息を吸って吐いた彼女は、快感で蕩けていた表情を引き締めると自分のプレイングを開始した。

 

「手札から、【エロティックスター アオイ】を召喚!」

『はぁぁ……っ♡ やぁっ♡』

 

―――――

 

エロティックスター アオイ

ATK1500 DFE1200 レベル4 サイバース族 淫属性

 

(1)このモンスターが場に出た時、相手フィールドのモンスターに魅了(チャーム)カウンターを1つ乗せる。

(2)このモンスターが場に存在する限り、相手の場の魅了カウンターが乗ったモンスターは、このカード以外の【エロティックスター】モンスターを攻撃対象に出来ない。

(3)このカードを攻撃したモンスターは、バトル後に魅了カウンターを1つ乗せる。

(4)このカードは相手のカードの効果では場から離れない。

 

―――――

 

 栗色の髪をした、葵そっくりの少女。彼女との違いはやや胸が膨らんでいることと、全身に描かれたハートやクローバーなどのカラフルなペイントくらいのものだろう。

 これが、葵の分身モンスター。フィールドに降り立った【エロティックスター アオイ】は、全裸でありながらもそれを臆することもなく、むしろ観客たちに自分の姿を見せつけるようにしてポーズを取り続けている。

 

「ほぅ……? エロティックスター、か……初めて見るカード群だな」

「私も初めて使うから、それも当たり前の話よ。あなたは栄えある私のモンスターたちの初観客ってことになるわね」

「ははっ! それに加えて、初勝利した相手にもなるぜ! 可愛いモンスターたちだが、俺の【マッドドッグ】たちの餌にしてやるよ!!」

「あら、そう? でも、そう簡単には私はやられないわよ! 【エロティックスター アオイ】の効果を発動! 場に出た時、相手フィールドのモンスター1体に魅了(チャーム)カウンターを1つ付与する! チャーミングスマイル!!」

『あはっ♡ ぶいっ♡』

 

 葵の命令を受け、その場でくるりと一回転したアオイは、技名通りの可愛らしい笑顔を観客や駒市、そして彼のモンスターへと向けた。

 裸の美少女が屈託なく笑うその姿に興奮を味わうと共に胸の高鳴りを感じた【マッドドッグリーダー ギガウルフ】は、瞳をハート型にしてアオイの一挙手一投足に目を光らせている。

 

「はんっ! こんな小細工を用いたところで、ねじ伏せちまえば関係ねえ! 攻撃力はこっちの方が上なんだからな!」

「確かにその通りね……でも、単純なパワーだけで勝敗が決まらないのは、デュエルの常識でしょ? カードを組み合わせることで、その力は何十倍にも膨れ上がる! 今からそれを見せてあげるわ! 魔法カード【エロティックアピール チャーミングパス】を発動!」

 

―――――

 

エロティックアピール チャーミングパス

通常魔法

 

相手フィールドに存在しているモンスター全てに魅了カウンターが乗っている時のみ発動出来る。

このターン、自分の【エロティックスター】は相手プレイヤーに直接攻撃が出来る。

 

―――――

 

「んなっ!? モンスターを無視した、ダイレクトアタックを可能にしただと!?」

「ふふふっ! あなたの見事なプレイングに応えて、私も魅せてあげただけよ! このままバトルフェイズ! 【エロティックスター アオイ】で、プレイヤーをダイレクトアタック!! 【エロティック・プッシープレス】っ♡」

『は~い♡ 可愛いわんわんっ♡ 良い子だから、そのままじっとしててね~……♡』

『ばふっ!!』

 

 つかつかと歩み寄って来たアオイへとハートになった瞳を向けるギガウルフは、その凶暴な見た目からは想像も出来ないくらいに従順に彼女の言うことを聞き、おすわりの姿勢でアオイの通行を黙って見過ごした。

 可愛い子犬と化したギガウルフの頭を撫で、優しく口づけをした後、【エロティックスター アオイ】は膝を大きく曲げて跳躍し、駒市へと飛び掛かる。

 

『ええ~~いっ♡』

「へぶっ!? ぶふぉぉっ!?」

 

――柴山駒市LP4000→2500

 

 跳躍中に脚を広げ、股間を彼の顔面に押し付けるようにして落下したアオイの攻撃がヒットする。

 女の子に顔面騎乗されている状況は羨ましいが、正直に言ってあれはなかなかに痛そうだ。そのお詫びと言わんばかりにたっぷりと彼の顔の上で腰をくねらせ、いやらしいダンスを披露した【エロティックスター アオイ】は、最後にウインクと投げキッスを彼らに残し、自分のフィールドへと退却していった。

 

「私のファンサービスはどう? いい思いが出来たでしょう?」

「く、ははは……! 面白れぇ! 俺をここまでコケにした女は初めてだぜ! 屈辱とマン汁を味合わせてもらったお礼は、次のターンにしてやらぁ!」

「おお、怖い怖い! それじゃあ、私はカードを2枚伏せてターンを終了するわ。あなたからのリアクション、楽しみにしてるわね♡」

「おうよ、目にもの見せてやらぁ! 俺のターン、ドロー! まずは【バッドドッグリーダー ギガウルフ】の効果を発動! 墓地の【バッドドッグチワワ】を除外して、同じく【バッドドッグチワワ】をデッキから特殊召喚だ! 更に魔法カード【バッドドッグコール】を発動し、場のチワワを墓地に送ることで、デッキから【バッドドッグシェパード】を特殊召喚する! 同時にチワワの効果も発動され、【バッドドッグトークン】が2体場に出るぜ!」

「この流れ……まさか!?」

 

 【バッドドックチワワ】を利用したモンスターの大量展開。このプレイングは、駒市の初めのターンの動きとほぼ同じ……自分の場に3体の【バッドドック】モンスターを用意するための動きだ。

 ということはつまり、この後に彼が取る戦法も決まっている。その予想と違わず、ニタリと獰猛な笑みを浮かべた駒市は、再び自分の周囲にリンクモンスターを召喚するためのサーキットを展開すると、召喚口上を叫び始めた。

 

「現れろ! 獰猛なる野性のサーキット!! 召喚条件は、【バッドドッグ】モンスター3体以上! 吼えろ! 唸れ! 狂犬たちの王! リンク召喚! 現れろ! リンク3【バッドドックリーダー ギガウルフ】!!」

「2体目のギガウルフ……! 攻撃力2300のモンスターが、2体……!!」

「【バッドドックリーダー ギガウルフ】の効果は1ターンに1度きり、2体目を出しても使えねえが……ここで俺は、魔法カード【バッドドックフォーメーション・ラッシュ】を発動するぜ! こいつは場の【バッドドッグ】モンスターを2体選択して、片方のモンスターの攻撃を封じる代わりに、そのモンスターの攻撃力をもう片方のモンスターに加えることが出来る。この効果で、魅了カウンターが乗っていない【バッドドックリーダー ギガウルフ】の攻撃力を上昇させるぜ!」

『『ウオォォォォォォォォォォンッッ!!』』

 

 2体の狼たちの遠吠えが木霊する。共鳴し、高まり合い、戦意を滾らせた狂犬たちは、ぎらついた瞳を葵に向けて唸り声をあげた。

 これで、ギガウルフの攻撃力は4600。攻撃力1500のアオイが攻撃を受ければ、ダメージは3100になる。現在、LP3000の葵にこの攻撃が通ってしまえば敗北は確定だ。

 ただ2体のギガウルフで攻撃するだけならば、葵のダメージは800×2の1600ダメージだけで済んだ。勝負どころの見極めと、勝利のチャンスを見逃さない戦術眼を持つ駒市の実力に感心しつつも、私は葵の身を案じたのだが――

 

「バトル! こいつで終いだぁ! ギガウルフで、アオイにアタック! 喰いちぎれっ、ギガウルフっ!!」

「リバースカード! 【エロティックアピール 握手会】を発動!」

「なぁっ!?」

 

―――――

 

エロティックアピール 握手会

 

自分の【エロティックスター】モンスターが攻撃対象に選択されたバトル時に発動出来る。

その攻撃によって受けるダメージを0にして、モンスターの破壊を無効にする。

攻撃対象が【エロティックスター アオイ】だった場合、破壊を無効にする代わりに攻撃を行ったモンスターに魅了カウンターを1つ置く。

 

―――――

 

『はぁ~い♡ 可愛いワンちゃん、また会いに来てくれたのね……♡ って、あれ~? あなた、また別のワンちゃんみたいね♡ 新しいファンが増えて、とってもうれしいわ♡』

『バフッ!?』

 

 アオイに対して攻撃を行うべく猛然と駆けていたギガウルフであったが、不意に彼女との間に長机が出現したことに驚き、動きを止めてしまう。更に彼女を守るようにして姿を現した黒服のボディーガードたちの姿を見て完全に度肝を抜かれた彼は、攻撃の意欲を失ってしまったようだ。

 そんなギガウルフに対して、アオイの方は非常にフレンドリーな様子で接すると共に彼を自分の方へと呼び寄せた。彼女に優しく頭を撫でられ、キバの生え揃った口にキスを落とされたギガウルフは、とろんと全身を弛緩させて柔らかく温かいアオイとの交流の時間に酔い始めてしまう。

 

『可愛いワンちゃん♡ ほら、ぎゅ~っ♡ ってしてあげるわ♡ あなたの体、ちょっと泥臭いけど、ふわふわしてて気持ちいいわね……♡』

『ば、ぅぅ……くぅ~ん、きゅ~ん……』

『ん~……? 私のお股の臭いが気になるの? さっき、あなたのお仲間にぺろぺろされて、気持ち良くなっちゃったからね……♡ いやらしい臭いがしてムラムラしちゃう? それとも、私の体がマーキングされてるみたいで癪なのかしら?』

『ばうぅううっ! ぐぅうぅうっ!!』

『ああ、どっちもなのね? う~ん、それじゃあ……あなたもここ、舐めていいわよ♡ お仲間の臭いを上塗りしちゃうくらいの激しいクンニ、私にしてちょうだい♡』

『バオオオッ!!』

 

 蠱惑的に、妖艶に……アオイは巧みな話術と振舞いでギガウルフを誘導し、自分の前に跪かさせた。体を反転させ、雄狼を誘うように可愛らしく尻を振れば、ギガウルフの視線はぷりんとしたアオイのお尻から離れなくなってしまう。

 鼻先を彼女の性器に擦り付け、興奮で呼吸を荒くしてたギガウルフは、そんなアオイの言葉を受けるや否や、速攻で舌を伸ばして彼女の性器を舐め始めた。

 

『ばふっ! わふうぅっ!! ぐるぅぅぉおぉぉっ……!!』

『んあぁあっ♡ ふぅうっ♡ あぅぅんっ♡ やっぱり、あなたたちって舐めるのが上手ね……♡ んっ♡ おまんこ一生懸命ぺろぺろしちゃって、私のラブジュースがそんなに気に入ったのかしら♡ ひゃんっ♡ あぁっ♡ そこは、お尻の穴よ……♡ そんな恥ずかしい穴まで涎でマーキングしたいの? ホント、欲張りさんね……♡』

『がうっ! ばうっ! ウオォォッ!!』

『ん……♡ いいわよ♡ ぜ~んぶ許しちゃうから、私のことを気持ち良くしてねっ♡』

 

 愛らしく尻を振り、ギガウルフの顔に性器を押し付けるアオイ。ギガウルフは一心不乱に舌を動かし、アオイの下半身を舐めたくっている。

 その光景を見ている者の中で、ギガウルフが攻撃を仕掛けていたことを覚えている者はどれだけいるだろうか? 葵にトドメを刺すべく猛然と牙を剥いて挑みかかった狂犬は、もはやどこにも存在していない。ここにいるのは、【エロティックスター アオイ】に完全に手懐けられ、彼女に奉仕し続ける忠犬だけだ。

 

 やがて、お互いに熱を帯びた者同士、種族の違いを越えて性の悦びに浸っていた1人と1匹の行為は、アオイの絶頂と共に終焉を迎える。

 

『んんっっ♡ あ、あぁ~~~~~~っっ♡♡♡ くぅぅ……っ♡ きもち、よかったわ……♡ ありがとう、ワンちゃん♡』

『ばふっ!!』

 

 ぷしっ、と音を立ててアオイの膣から愛液が噴き出す。腰をくねらせ、自分の愛液を顔面に浴びたギガウルフの頭を撫でたアオイは、最後にちゅっとリップ音を立てて彼の顔にキスを落とし、離れていった。

 

「……これで、あなたの場には攻撃を行えるモンスターはいなくなったわ。バトルフェイズは終了ね。今、攻撃を行ったギガウルフには、アオイと握手会の効果で2つの魅了カウンターを乗せさせてもらうわ」

「くそっ! ターンエンドだ……! だが、俺の場にはエースモンスターが2体いる。これを突破するのは簡単じゃねえぞ」

「そうね。でも、だからこそ……それをやってのけた時に興奮と熱狂が生まれるの。華麗なタクティクスと圧倒的なパワー! それらを組み合わせたプレイングを見せ、観客たちを魅せる! 私のデュエルを見る人たちが楽しんでくれることが、あの笑顔が、いつしか私の心の支えになってた。もう一度、あの笑顔で世界を満たしたい! 私のデュエルで、誰かを幸せにしたい! 私がこのセックス次元に残ったのは、そんな思いがあったから! 今の私になら、きっとその夢も叶えられる! 志を共にする、信じられる友達と一緒なら……どんな壁だって乗り越えられる!!」

 

 左拳を握り締め、自身の胸に当てる葵。今までの人生、兄を喪った時の痛み、そして再起を誓った時の心の昂ぶりを思い返したであろう彼女は、瞳を開けるとこの場に集まった人々の顔を1人ずつ見つめていく。

 対戦相手の駒市と彼と自分のデュエルを見守る不良生徒たち、最後に私のことをじっと見つめた葵は、小さく微笑みを浮かべると……力強く、頷いてみせた。

 

「どうか見ていて……もう二度と、私は逃げないから! 私のターン! 手札から【エロティックスター ゴーストガール】を召喚! 効果発動!!」

 

―――――

 

エロティックスター ゴーストガール

ATK1000 DFE1000 レベル2 サイバース族 光属性

 

(1)このカードの召喚時、手札を1枚捨てて発動出来る。手札かデッキから【エロティックスター ゴーストガール】を特殊召喚する。

 

―――――

 

「フィールドに【エロティックスター】が3体……まさか!?」

「そのまさかよ! 出てきて! エロスと光のサーキット!!」

 

 忍者のような出で立ちをした2人の女性モンスターがアオイの横に並び立つ。それを合図として頭上へと葵が手をかざせば、彼女の背後に浮かび上がるようにして、青と黄色のサーキットが姿を現した。

 

「召喚条件は【エロティックスター】モンスター3体! 【エロティックスター アオイ】と2体の【エロティックスター ゴーストガール】をマーカーにセット!」

『いえ~~いっ♡』

『やぁぁぁ……っ♡』

 

 アイドルが舞台に上がるように、3体のモンスターが軽やかに舞う。【エロティックスター アオイ】を頂点のマーカーに、2体のゴーストガールがその左右のマーカーへと位置取ると、葵の背後に浮かんだサーキットの中心から蒼い光がスポットライトのように真っ直ぐに伸び、そこに立つ1体のモンスターの姿を照らし出す。

 

「さあ、出番よ! その笑顔で世界を照らして! リンク召喚! 現れて、リンク3! 【エロティックスター ブルーエンジェル】っ!!」

『ふふふ……♡ はぁ~い♡』

 

 輝きの中に立っていたのは、その名の通りの蒼い天使だった。ツインテールの青髪と、背中の天使の羽飾り。そしてアオイ同様のボディペイントで全身を彩っている彼女は、全裸を視姦されることも楽しむかのように微笑んでいる。

 ブルーエンジェル……葵がかつて、自分の世界でデュエルをする際に名乗っていた名前を冠したモンスターは、派手さこそ増してはいるが元は葵とそっくりだ。彼女もまた葵の一部であり、葵がかつての苦しみを乗り越えた証でもあるのだと、私は理解した。

 

 美しく凛々しい天使の登場に目を奪われた私たちの前で、葵はショーを始めるかのように【エロティックスター ブルーエンジェル】の効果を発動する。笑顔を浮かべて躍動する彼女のプレイングを見守る私は、自分が思わず笑みを浮かべていることに気が付いた。

 

「【エロティックスター ブルーエンジェル】の召喚時効果! このモンスターがリンク召喚に成功した時、リンク先にいるモンスターに魅了カウンターを1つずつ乗せる! 2体のギガウルフに、それぞれカウンターを乗せるわ!」

「またそのわけのわからんカウンターか!? 散々好き勝手に乗せやがって、これが何だってんだよ!?」

「……【エロティックスター】は、まだまだ駆け出しのアイドルたち。その歩みは地道で、微々たるものだけど……そうやって進む彼女たちの活動は、決して無駄じゃない! 私も一緒に進むわ、彼女たちと共に! ブルーエンジェル第二の効果、発動!」

 

―――――

 

エロティックスター ブルーエンジェル

ATK2000 リンク3 サイバース族 淫属性

『リンクマーカー 右上 上 左上』

 

(1)このモンスターがリンク召喚に成功した時、リンク先のモンスター全てに魅了カウンターを1つずつ乗せる。

(2)このモンスターが場に存在している限り、魅了カウンターが乗っているモンスターの攻撃力・守備力は、カウンターの数×500ダウンする。

(3)リンク召喚されたこのモンスターが戦闘・効果で墓地に送られた場合、墓地から【エロティックスター アオイ】を特殊召喚出来る。

 

―――――

 

「カウンターの数×500ポイントの攻撃力ダウン!? って、ことは――!!」

「【バッドドックリーダー ギガウルフ】の攻撃力はそれぞれ1300と800までダウンしちまうってことじゃねえかよ!?」

「その通り! さあ、ワンちゃんたち♡ 楽しいショーの中で、戦いなんて忘れちゃいなさいっ♡ エロティック・ハック!!」

 

 効果発動と共に、ギガウルフたちの頭上に浮かんでいたハート型のアイコンが青色に輝き出した。

 楽しそうに笑い、踊るブルーエンジェルに魅了されている狂犬たちは、瞬く間にステータスを下降させ、獰猛な狼から子犬のような可愛らしい存在と化してしまう。

 

「お、俺のギガウルフたちがぁ!! ま、まるで子犬みたいにぃ!!」

「バトルフェイズ! ……に入る前に、魔法カード【エロティックスター♡ソロライブ】を発動するわ!」

 

―――――

 

エロティックスター♡ソロライブ

通常魔法

 

自分の場に存在しているモンスターが【エロティックスター】1体のみの場合、そのモンスターはこのターンの間、相手のモンスター全てに攻撃出来る。

 

―――――

 

「んなぁぁっっ!? 全体攻撃能力の付与だとぉ!?」

「改めて……バトルよ! 【エロティックスター ブルーエンジェル】で2体のギガウルフに攻撃!!」

『は~い♡ ワンちゃんたち~♡ 今度は私があなたたちを気持ちよくしてあげるから、寝転がってね~♡』

『ばうばうばうっ!! きゃんきゃんっ!』

 

 ブルーエンジェルに言われるがままに仰向けに寝転がったギガウルフたちは、大喜びで彼女の性的な攻撃を迎え入れた。

 彼らの大柄な体躯に見合った巨大な肉棒を手にしたブルーエンジェルは、それぞれの亀頭にねっとりとしたキスをした後、優しく両方の手でそれを扱き始める。

 

『ほら、気持ち良くな~れ♡ 私の手で、気持ち良くな~れ~……♡ しこしこ、しこしこ、ふふふ……っ♡』

『わおぉぉぉっ!? ばふっ! ふぅううぅ……っ!』

『私もワンちゃんたちに負けないくらい、ちんちんぺろぺろしちゃうわよ~♡ んふっ♡ ちゅぅ♡ じゅるぅ……♡』

『おおおおおおおおんっっ!?!?!?』

 

 子供の握り拳くらいの大きさはありそうな狼たちの亀頭を口に含み、扱きながら吸い、舐め、刺激する。順番に、丁寧に、フェラと手コキを続けるブルーエンジェルの扱きに、ギガウルフたちは完全に魅了されていた。

 やがて、ギガウルフたちは召喚時に上げた遠吠えよりも大きな咆哮を上げながら、大きく起立したペニスから大量の白濁液を射精する。天高く飛び散ったそれをシャワーでも浴びるように全身で受け止めながら、【エロティックスター ブルーエンジェル】は恍惚とした笑みを浮かべていた。

 

『『わおおぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおんっっ!!』』

『あはっ♡ いっぱい射精()たねぇ……♡ 私のファンサービス、楽しんでくれたんだ♡ ありがとっ♡』

 

――柴山駒市LP2500→600

 

「お、お、お、俺のギガウルフがぁ……! こんな、こんなぁ……」

「し、柴山さん、まだ大丈夫ですよ! 柴山さんのライフはまだ残ってるじゃないですか! 次のターン、もう一度ギガウルフを召喚すれば、魅了カウンターの影響を受けてない分、ブルーエンジェルの攻撃力を上回れ――」

「あ、今のバトルの前に、私は伏せてあった【エロティックスター♡アンコールライブ】を発動していたから。この効果で攻撃力800のギガウルフの破壊を無効にして、ブルーエンジェルともう一度バトルしてもらうわ」

「この鬼畜女ぁぁっ!! 柴山さんを虐めて楽しいのかっ!? おいっ!!」

『ふふふ……♡ 可愛いワンちゃん♡ この凶暴なおちんちんはなにかな~? まだザーメンびゅっびゅっし足りないんだ~♡ それじゃあ、あなたにはとっておきのファンサービスをしちゃおうかな……♡』

『ワワワワッ! ワオォォンッ!!』

『うふふ……♡ 大喜びしちゃって、可愛いんだから♡ ワンちゃんはそのまま寝っ転がっててね♡ 私が上に乗って、動いてあげるわ♡』

 

 再起したギガウルフの肉棒を根元から舐め上げ、精液も全て舐め取ったブルーエンジェルが、がに股の格好で犬に跨る。もはやそれは、人間の女が雄の犬を犯しているようにしか見えず、卑猥さと非日常感の異質なバランスがこの光景の淫猥さをより強めていた。

 腰を振り、お尻をくねらせながら、スクワットでもするかのように膝を曲げたブルーエンジェルは、己の膣内にギガウルフの巨根を受け入れていった。その際、天使のような愛らしい外見からは思いもつかない、下品で無様な嬌声を上げることも忘れはしない。

 

『おぉぉおぉ~~~~~っ♡♡♡ ぶっとい犬ちんぽ、きたぁ♡♡♡ あんなに射精したのに、まだガチガチじゃない♡♡♡ 私のおまんこの中で嬉しそうにびくびくしてるわよ♡♡♡』

『わ、お、おぉぉ……!!』

『あはっ♡ 声が出ないくらいに気持ちいいのね? それじゃあ、もっともっと気持ち良くしてあげるけど、その前に……♡』

 

 そう言って顔を上げたブルーエンジェルは、観客たちへと可愛らしくウインクを飛ばしてから、淫乱そのものといった感じの叫びを上げた。

 

『このエロデュエルを見てるみんなも、私のエッチな姿を見ていっぱいシコってねっ♡ おっぱいもお尻も、一生懸命ぶるんぶるんさせるからっ♡♡♡ ワンちゃんのちんぽで下品アクメ決める私をオカズにして、気持ち良くなっていってねっ♡♡♡』

 

 宣言の後、再びウインク。その言葉の内容に面食らい、言葉を失った男たちであったが、彼女が宣言通りにいやらしい腰使いでセックスを始めるや否や、その困惑は瞬時に興奮へと変わっていった。

 

『おうんっ♡♡♡ 犬ちんぽすごいのぉ♡♡♡ 初めてのセックスでこんなにぶっといちんぽで犯されちゃったら、私おかしくなっちゃうっ♡♡♡ 犬ちんぽ大好きなドスケベエロアイドルになっちゃうぅ~~っ♡♡♡ ワンちゃんのちんぽ♡ わたひの赤ちゃんのお部屋をゴンゴンノックしてりゅのぉ♡♡♡ そのままどぴゅ~~っ♡ っていっぱい射精してぇ♡♡♡ 私に犬の赤ちゃん仕込んで、アイドル引退させるつもりで種付けしちゃってぇぇっっ♡♡♡』

『ウ、ウ、ウオォオオォオオォオオォオオオォオオオオオオオンッ!!』

 

 ブルーエンジェルのおねだりを聞いたギガウルフの中で、何かが弾けた。可愛い子犬のようだった彼の雰囲気は再び強靭な雄犬のそれへと変貌し、声も甘えたものから凛々しい唸り声へと戻っている。

 しかして、その状態からブルーエンジェルへと反撃を行うこともなく、ただただ彼女に挿入している肉棒を逞しく勃たせることだけに全神経を集中しているようだ。どうやら彼の中で優先されたのは、ブルーエンジェルへの対抗意識ではなく、彼女を孕ませることの方で、そのためだけに普段の力強さを取り戻したのだろう。

 

 人間と巨大な狼の本気のセックスは、見る者全てを圧倒している。だが、その異様さを塗り替えるブルーエンジェルの淫猥さが、彼女の揺れる胸や尻の淫らさが、徐々に観客たちの興奮を燃え上がらせ始めた。

 無様なアヘ顔。下品な嬌声。ブルーエンジェルの膣が掻き混ぜられる淫らな水音が響き、ギガウルフの満足気な唸りが男たちの耳に届く。香り立つ性の臭いは人々の本能を刺激して、性欲という最大の欲求を剥き出しにしていった。

 そして……気が付けば、観客たちは誰もが自身の股に手を伸ばし、自慰を行うようになっていた。不良生徒たちだけではなく、対戦相手である駒市でさえも、ブルーエンジェルの、アオイの淫らさに当てられ、魅了されてしまったかのように、一心不乱に己の男根を扱いていた。

 

 こうして場の状況を解説している私も、少しでも気を抜けばこの熱気に当てられてオナニーを初めてしまいそうだ。

 ただ懸命に気を張って、葵のエロデュエルを見届けようと思っているからこそ、私はギリギリのところで踏み止まれているに過ぎない。それくらいに葵の生み出した熱気は凄まじいものだった。

 

『さあ、みんなでイクわよっ♡ ワンちゃんも、私も、みんなで一緒にイっちゃおうっ♡♡♡ カウントいっくよ~っ♡ 3♡ 2♡ 1♡ 0~~~~~っ♡♡♡ あぁああああああああぁあああああああっっ♡♡♡ ワンちゃんのザーメン、きたぁあああああああっっ♡♡♡』

『バオォオオオオオオオオオオオオオッッ!!』

「う、おおぉおおおぉおおおっ!?」

「やべぇっ! 出ちまうッッ!!」

 

 ……この光景を何と表現すべきだろうか? 男たちが次々と射精し、叫び声を上げ、イカ臭いにおいを充満させていくこの光景を、その中心にて犬と交わり、子宮内に大量のザーメンを注がれているブルーエンジェルの下品なアクメ姿があるこの光景を、それら全てを見つめて淫靡に微笑む葵の姿を……どう表現していいかが私にはわからない。

 わからない、のではあるが……そんな状況でも、ただ1つだけ言えることがある。

 ブルーエンジェル=財前葵は、今日この瞬間に復活を遂げた。エロデュエル界に舞い降りたこの蒼き天使は、男も女も魅了する脅威のパフォーマーであることだけは、性欲で沸騰しそうな頭をしている今の私にも理解出来る、数少ない事実であった。

 

――柴山駒市LP600→0

――WINNER 財前葵

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはよう、明日香! 今日もいい天気ね。朝ごはんは何かしら?」

「葵、おはよう。朝から元気ね」

 

 それからというもの、葵の性格は180度ひっくり返ったみたいに真反対のものになっていた。

 陰鬱で儚げな雰囲気は何処へやら、今では元気いっぱいの強気な女の子へと変身を遂げた彼女は、今までの沈みっぷりが嘘であったかのように毎日を楽しんでいる。エロデュエルもそれなりの数をこなしているようで、その腕前はメキメキと上達していた。

 おそらく、というか確実に、この性格こそが葵の本来のものなのだろう。もっと言うならば、ブルーエンジェル状態のあのノリノリの性格が葵の本性であり、それは即ちあの淫乱っぷりはエロデュエルの過剰な演出というわけではなく、葵の心理状態をダイレクトに反映したものということであって――

 

「おはようございます、葵ちゃん! 明日香ちゃん! 今日も可愛いよ~! エロいよ~っ!!」

 

 ……とまあ、そんな愚にもつかないことを考えていた私は、この数日間で葵よりも凄まじい変化を遂げた男たちの声を耳にして正気に戻った。

 レッド寮から一歩外に出れば、そこには十名は下らない人数の男たちが嬉々とした表情で私たちを出迎えてくれていた。頼んでないのにこんなことをされても正直引くだけなのだが、彼らも別に誰かに迷惑をかけているわけでもないので文句をつける必要もないというのが現状だ。

 もうお分かりかもしれないが、彼らは元不良生徒、現私たち特別クラスの追っかけとなった、柴山駒市率いるハモン・イエローの生徒たちである。葵とのエロデュエルで惨敗し、彼女の魅力に骨抜きにされた彼らは、不良を止めてこうして真面目(?)に私たちを応援する集団と化したのであった。

 

「……あの、毎回言ってると思うんだけど、出待ちはやめてもらえる? 他のレッド寮のみんなの迷惑だから」

「はい、すいません! 朝の清掃活動のついでにここを通るんで、ついつい挨拶したくなっちゃうんです!」

「以後気を付けますっ!! アモン・レッドの皆さん、すいませんでした!」

「うん、素直なのはいいのよ。本当に……ねえ、あなたたちって、本当に元不良……なのよね?」

「仰る通りです! 僕たち、明日香ちゃんと葵ちゃんのお陰で更生出来ました!!」

「無理に突っ張るより、エロデュエルに真面目に取り組んだ方が女の子の痴態を見れるってことに気が付けたんで!」

「ああ、そう……これ、良い事なのよね? デュエロ・アカデミアから不良グループが1つ消えたんだから、間違いなく良い事でしょ……?」

 

 柴山たちは非行を止めた。葵も立ち直ってエロデュエルに精力的に取り組むようになってくれた。良い事ずくめなのに、どうしてこうもまあ釈然としないのだろう? 本当に、良い事ずくめのはずなのに、だ。

 デレデレと鼻の下を伸ばして葵に媚びている男たちの姿を見ながら、私はそんなことを思う。でもまあ、釈然としない私を除けば、みんなが幸せそうに笑っているのだからやっぱり悪いことではないのだろう。

 

 特別クラスのエロデュエリストが、また1人増えた。そして、微々たるものながら『不良生徒たちの更生』という実績も出来た。

 着実に、私たちは前に進んでいる……そう考えながら、ファンになった男たちと戯れる葵の笑顔を見た私は、やっぱりこれは良い事ずくめなのだと今度は自信を持って自分に言い聞かせることが出来た。

 だけど、まだまだこれからだ。この状況に満足せず、これからも上を目指して進んでいこうと決意を新たにしつつ、デュエロ・アカデミアで過ごす慌ただしい日常へと、私たちは飛び込んでいくのであった。

 





次回予告

葵「【エロティックスター】……私の、新しい仲間たち。もっとデュエルして、この子たちの扱いにも慣れないと……!」

セレナ「そんなことよりも私のデッキだ! 私のデッキはまだか!?」

明日香「エロデュエルに慣れたい気持ちもわかるけど、まずはこの世界のことをもっとよく知るべきよ。プロデュエル界のこととか、他にも色々と学ぶべきことはあるんだから」

セレナ「それもどうだっていい! 私のデッキはまだか!? 工藤には頼んであるんだから、もう出来る頃合いだろう!?」

葵「届いてないデッキのことを話してもしょうがないでしょ? だったら、今あるデッキを上手く回せるように勉強した方がいいじゃない」

明日香「や、やるべきことが多いわね……! でも、これ全部をいっぺんにこなすことなんて無理なんだから、1つ1つ確実にやっていかないと……」

アンナ「みんな! なんか面白そうなイベントがやってるみたいだぜ! オレたちも参加しに行こうぜ~っ!」

次回『デュエルロボを倒せ! レイドデュエル!!』

アキ「……私の出番はまだなのかしら?」



最強カード紹介

エロティックスター ブルーエンジェル
ATK2000 リンク3 サイバース族 淫属性
『リンクマーカー 右上 上 左上』

(1)このモンスターがリンク召喚に成功した時、リンク先のモンスター全てに魅了カウンターを1つずつ乗せる。
(2)このモンスターが場に存在している限り、魅了カウンターが乗っているモンスターの攻撃力・守備力は、カウンターの数×500ダウンする。
(3)リンク召喚されたこのモンスターが戦闘・効果で墓地に送られた場合、墓地から【エロティックスター アオイ】を特殊召喚出来る。

―――――

今日の最強カードは、私の【エロティックスター】デッキの切り札であるリンクモンスター【エロティックスター ブルーエンジェル】よ。

召喚時にリンク先のモンスターに魅了カウンターを乗せる効果を持っている他にも、相手の弱体化や破壊された時に墓地のアオイを特殊召喚出来る能力を持っているの。

ブルーエンジェルは、私が名乗っていたデュエリストネーム……もう1人の私でもあるブルーエンジェルで、このセックス次元のみんなを魅了してあげる♡

……え? 分身カードにしては、胸が盛られてないかって? あなた、後で体育館裏ね。



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デュエルロボを倒せ! レイドデュエル!!

思ったよりも長くなっちゃいそうだったので、デュエルを2回に分けてお話を投稿します。後半戦を楽しみにしていてください。


 

「私のデッキはまだか!? もう発注は済んでいるのだろう? そろそろ完成する頃合いじゃないのか!?」

「落ち着きなさいよ、セレナ。デッキが出来上がったら連絡するって工藤さんが言ってたでしょ? あなたが焦ったって、デッキが早く出来上がるわけでもないんだから」

 

 ある日の午後、私たち特別クラスの生徒たちは私室に集まって、これから何をするかを話し合っていた。

 今日は何故だか午前だけで授業が終わり、暇を持て余すこととなったので、その時間を有効に使おうとみんなに意見を述べてもらっているのだ。

 ちなみにだが、アキはまたしてもふらりとどこかへ姿を消したため、この話し合いには参加していない。アンナは少し遅れて到着すると言っていたので、今現在この場にいるのは私とセレナ、そして葵の3名だ。

 

「明日香の言う通りよ。まずは落ち着きなさいって。わーぎゃー騒いでたって、何も変わりはしないんだから」

「むぅぅ……! 先にデッキを手に入れたお前は余裕があっていいな。デッキさえあれば、私だって……」

「はぁ、まったく……このデュエルゴリラの意見は放っておいて、私たちは街にデュエルでもしに行かない? アカデミアの生徒以外の人たちとエロデュエルするのはいい刺激になるだろうし、セレナだって観戦することで勉強も出来るでしょ?」

「断る! なんでわざわざお前たちの活躍を見に行かなきゃならないんだ! 私は私のデッキで修行して、強くなる!」

「……あのね、そうやって自信過剰になって進藤先生に挑んだ結果が、あの無様なイキ地獄だったってことをもう忘れたの? リベンジしたい気持ちはわかるけど、だったらそれなりの姿勢ってもんを見せたらどう!?」

「お前のデッキと私のデッキは別物だ。お前のデュエルを見たってなんの勉強にもならん。それに、その辺のぽっと出のデュエリストが、あの男と同等のタクティクス手腕を持っているとは到底思えん。つまり、見るだけ無駄だ。この次元のデュエルを学ぶとしても、他の方法を取る」

「今までず~っとサボってたから、補修漬けの毎日だったくせに!」

「もうそれも終わった! 色々と知識もついた! 少しだけ早くデッキを手に入れただけで偉そうにするな! このまな板!!」

「まな……っ!? あんただってそう変わりはないでしょうが! それに、明日香やアンナが規格外なだけであって、私だって平均くらいはあるわよ!!」

 

 ぎゃーぎゃーとお互いを罵り合いながら、取っ組み合いの喧嘩を始める2人。

 キャットファイトなどという生易しいものではなく、ガチの殴り合いでも始めるのではないかと思わせる剣幕でやり合っている葵とセレナの様子に溜息をついた私は、仲裁も無駄だと判断して好きに暴れさせることにした。

 

 私としては、この空き時間を利用してセックス次元の常識やモラルについて勉強したいと考えているのだが……この状況ではそんな提案も無駄になることは明々白々だ。

 そもそも、デュエルゴリラであるセレナは勿論のこと、彼女とやり合っている葵もなかなかのデュエル脳の持ち主である。この世界のことを深く知ろうとする前にデュエルのことが先に来るのだから、葵も十分にデュエルゴリラの素質があると私的には思っていた。

 

(はぁ……とりあえず、2人の喧嘩の終了待ちね。時間が掛かり過ぎたら、なにも出来なくなっちゃいそうだけど……)

 

 どったんばったんの大騒ぎをしている2人を尻目にそんなことを考えながら溜息をもう一つ。このまま喧嘩の観戦だけで一日が終了することを覚悟した私だが、救いの手は予想外の所から差し伸べられた。

 

「あら……? 工藤さんから連絡が来てるわ。もしかしたら、セレナのデッキが完成したのかも」

「何っ!? それは本当か!? なら、今すぐにデッキを取りに行くぞ!」

「いや、まだ内容を確認してないんだから、動くのは早計……」

「なーなー! なんか今日、街の方でエロデュエル絡みのイベントやってるみたいだぜ!! ちょっと見に行かねえか!?」

 

 救いの手その1、工藤さんからのメールを受け取った私に、セレナが興奮した様子で詰め寄ってくる。お陰で葵との喧嘩は中断され、彼女の意識もデッキの方へと向いたようだ。

 救いの手その2、突如登場したアンナが開口一番に告げた一言は、私たちを街に繰り出させる理由としては打ってつけだ。

 工藤遊戯店に行くことも出来るし、デュエルの修行も出来る。何より、この世界で行われているイベントに参加すれば、セックス次元のデュエル観というものを身を以て勉強することが出来るだろう。イベントに参加したいというアンナの要望も含めて、私たち全員の願いを叶えられる素晴らしい提案ではないか。

 

「よし、決まりね! まずは工藤遊戯店に行って、工藤さんの話を聞きましょう。セレナ、デッキが出来てなくても暴れちゃ駄目よ?」

「わかっている! だが、工藤の奴を急かしはするからな!」

「やっほーい! 大久先輩たちもイベントに参加するって言ってたから、向こうで合流出来るように話をつけておくぜ!」

「イベントねぇ……何をするかはわからないけど、ちょっぴり楽しそうではあるかな」

 

 四者四様に反応を見せながら、私たちは外出の準備を整え、期待を胸に、初めて本格的にセックス次元の街へと繰り出していくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから数十分後、工藤遊戯店での用事を済ませた私たちは、この一帯で最大の繁華街である渥目《あくめ》町を訪れていた。

 街のほぼ全体がイベント会場となっている渥目町の賑わいは想像以上で、その様子に私たちも圧倒されてしまっている。わいわいがやがやと騒がしい街の入り口で立ち尽くしていると、見覚えのある男の人たちが声をかけてきた。

 

「明日香さん! こっちだよ~!」

「大久先輩! よかった、無事に合流出来ましたね」

「俺たちも心配してたんだぁ。今期初のイベントだから、参加者も多いみたいだしなぁ」

「へぇ、その口振りからすると、こういうイベントって定期的に開催されてるのか?」

「そうだぁよ。色んな企業が参加して、エロデュエル界を盛り上げるために頑張ってくれてるんだ。デュエロ・アカデミアもイベントへの参加を奨励してるから、今日みたいに授業を早めに切り上げたりしてくれるんだ」

「ああ、そうだったのね! だから午前中で授業が終わったのか……」

 

 大久先輩の説明を聞き、色んなことに納得がいった私たちはふむふむと頷きながらイベント会場を見て回った。

 イベント参加者の年齢は小学生から大人まで多岐にわたり、彼らは企業やエロデュエル協会などのブースを訪れ、様々なアトラクションを楽しんでいる。

 初心者向けのエロデュエル講習会、新パックの先行販売、企業説明を兼ねたプロエロデュエリストたちの紹介など、本格的にエロデュエル界を盛り上げる催しが開かれている一方で、プロの試合を編集して見やすくしたベストバウト映像集も目に付くようになっている。

 ……まあ、こちらの映像も目的は、エロデュエルを見て勉強するというよりも、AVとしての活用が主体なのだろう。女デュエリストが無様に敗北し、痴態を晒す様を見たいという気持ちを理解しつつも、何処か納得出来ないでいた私の眼に、あるものが飛び込んできた。

 

「し、【新作映像集・青羽コーポレーションプレゼンツ 異次元の女決闘者・屈辱の敗北アクメ】……!? わ、わ、わ、私たちのエロデュエルが販売されてるっ!?」

「な、なんですって!?」

 

 私の叫びを聞きつけた葵とアンナは大慌てで私が見ていた映像ディスクのパッケージを手に取り、そこに書かれている宣伝文句を声に出して読み上げ始めた。

 

「異次元の美少女デュエリストたちに襲い掛かるエロデュエルの洗礼! 今、若き女決闘者たちは、性の悦びを知る……なによこれ~っ!?」

「オレたち、自分の知らない内にAVデビューしてるんだが!? 青羽社長の奴、なんでこういうことを言わねえんだよ!?」

「……ただのデュエル映像だろう? どうしてそこまで動揺している?」

 

 文句なり怒りなりを叫びにしている葵とアンナに反して、セレナは何が問題なのかがまるでわかっていない様子だ。

 彼女の言葉を聞いて理解したのだが、これはあくまでエロデュエルの映像集であり、AVではない。私たちの痴態を鑑賞する目的が主であっても、あくまでエロデュエルの映像集であり、そういったものを販売するのはこのセックス次元では当たり前のことなのだろう。

 だが、それを納得出来るかと聞かれれば、余裕でNOだ。刺激的な謳い文句が並ぶパッケージを見つめながら、私は渋い表情を顔に浮かべる。

 

―――――

 

第一試合 ゴブリン小島VS天上院明日香 

 

屈辱のゴブリン姦による連続レイプ! エースモンスターを犯した後は、プレイヤーに強姦攻撃(ダイレクトアタック)

絶望と屈辱に塗れる明日香の嬌声が、コロシアムに木霊する……!

 

第二試合 監獄守VSセレナ

 

拘束! 懲罰! 輪姦執行!! 無垢な強き少女に襲い掛かる数々の淫らな懲罰と淫獄の罠!

絶対的な権力を前に、セレナの力など無に等しい! 完膚なきまでに叩きのめされる彼女の姿を見よ!!

 

第三試合 牛鬼VS神月アンナ

 

その爆乳を搾り尽くす! 13歳とは思えぬ美巨乳が、乳マエストロの美技によってたゆみ、揺れる!

揉み、吸い、抓り、搾る!! 出るか、必殺の『搾乳アクメ』!? イクのか、爆乳娘アンナ!?

 

第四試合 スコープマスクVS財前葵

 

あなたの全てを暴いてあげましょう、でおなじみのスコープマスクの標的となった葵。今、彼女の痴態が露になる……!!

絶頂! 失禁! そして号泣懇願! 敗者としての無様な姿を余すことなく収録!!

 

第五試合 サドマ・ソドマVS十六夜アキ

 

真の強者の手にかかれば、どんな女も雌奴隷に早変わり! 黒薔薇の魔女がドM女に堕ちる様は大興奮の一言!

痛みと羞恥、そして屈辱の中に快楽を見出したアキの痴態を見たければ、この試合を見逃すな!!

 

―――――

 

 ……わかってはいたが、私たちは全員プロデュエリストたちに敗北していたようだ。それもかなりひどい負け方をしたということが、この映像集の煽り文句からわかる。

 正直、私自身も思い出したくはないが……他の仲間たちがどういうエロデュエルを繰り広げ、敗北を喫したのかは気になっていた。

 

「……試しに買ってみようかしら、これ」

「いやいやいや、やめとけって! どう考えても黒歴史確定だろ!?」

「私は絶対に見ないからね! 私のも絶対に見ないでよね!!」

「むぅ……! 私も自分が負ける姿を見たいとは思わん」

 

 誰にも聞かせるつもりのない呟きであったのだが、思ったよりも近くにいた3人の耳がその声を拾ってしまったようだ。

 物凄い勢いで詰め寄るアンナたちを宥めつつ、冗談に決まっていると言い訳をした私は、これ以上この場に居てもろくなことにならないと判断して、急ぎビデオショップから離れていった。

 

「そ、それで、この後はどうするんですか? やっぱり、デュエルスペースでエロデュエルをするとか?」

「それもアリなんだけどなぁ。今回は、目玉イベントがあるんだぁよ!」

「目玉イベント? なんだ、それ!? おもしろそーじゃん!!」

「【レイドデュエル】っていってな。4人1組のチームを作って、企業側が用意したデュエルロボとエロデュエルをするんだぁよ。最大3チームまで参加が可能で、見事勝利すると色んな賞品が貰えるんだぁ!」

「へえ、面白そうですね。4人1組っていうのなら、ちょうどいいかも!」

「ああ! 私もデッキを手に入れた! これで女デュエリストも4人! チームを1つ作れるぞ!!」

 

 そう言いながら胸を張ったセレナが、つい十数分前に貰ったばかりのデッキを大久先輩へと見せつける。

 ふふん、という擬音がぴったりの得意気な表情を浮かべた彼女のことを、大久先輩は微笑ましそうに見つめていた。

 

「それなら、明日香さん、葵さん、アンナちゃんにセレナちゃんで1チームを組んで、俺たちウリア・レッドのメンバーでもう2チームを埋め合わせて、一緒にレイドデュエルをやるだ!! 普通のデュエルとは色々とルールが違うから、直に教えながら遊んだ方が楽しいだよ!」

「よっしゃ~! やるやる! 参加するぜーっ!! 豪華賞品もゲットして、デュエルの勉強も出来る! 最高じゃん!!」

「デビュー戦としては申し分ない舞台だ。私も参加に異論は無い」

「普段と違うルールってことは、学ぶことも多そうね。いいわ、私も参加する。明日香も大丈夫でしょ?」

「勿論よ! レイドデュエル……多対一のデュエルは初めてだけど、面白そうじゃない!」

 

 大久先輩の提案にノリノリで賛成した私たちは、早速レイドデュエルに参加するための手続きを行いに会場へと向かう。

 そこで待ち合わせていた他のウリア・レッドのメンバーたちと共に参加証にサインをしてから、待ち時間を暫し過ごした後、アトラクション会場の内部へと案内された。

 

「それじゃあ、まずはレイドデュエルの基本ルールから説明するだ。といっても、基本は変わらんだよ。俺たちは相手のLPを0にしたら勝ち、対戦相手であるデュエルロボたちは、俺たち全員のLPを0にしなきゃならねえだがな」

「それだと人数差がある分、私たちの方が有利じゃありませんか?」

「んだから、その分の有利を埋めるためのハンデが用意されてるだよ。まず、デュエルロボのLPは参加チームの数×4000になってる。今回は最大の3チーム参加だから、相手のライフは12000になるだね。それと、開始時の手札も相手チームの数に応じて増えるだ。毎ターンのドローも同じだぁよ」

「ふ~ん、なるほど……他には何か違いがあるんですか?」

「こちらのバトルフェイズで戦闘を行えるのは、各チームにつき1人だけって決まってるだ。逆に、向こうは毎ターン好きな相手に攻撃を仕掛けることが出来ることになってるだ」

 

 私たちは、通常のデュエルと似通っていながらそうでない部分も多数あるレイドデュエルのルールを確認しながら先へと進む。今のところ、LP、手札、バトルフェイズの制限などのこちらに不利な条件が揃っているが、そうでもないと多対一のデュエルなんて不可能だろう。

 そうやって、私たちが質問と回答の応酬を繰り返していると、不意に私たちのデュエルディスクからブザーが鳴り響いた。どうやら、これがレイドデュエル開始の合図のようだ。

 

「わわっ!? もう始まるのかよ!?」

「おお、そうだ!! みんな、ドローの前にデッキから通常召喚可能なレベル4以下のモンスターを場に出すだよ!」

「えっ!? それもレイドデュエルのルールなんですか!?」

「そうだぁ!! 挑戦者側のプレイヤーは1体ずつ場にモンスターを出した状態からデュエルを始める、そういうルールがあるんだぁよ」

「そ、それじゃあ……私は、【S・HERO アスカ】を場に出してから、手札を揃えるわ」

 

 いきなりの特殊ルールに面食らった私たちだが、そういうものだと納得してからの反応は早かった。私もアンナも葵も、迷わずに自分の分身カードを選び、場に召喚する。

 エロデュエルが初めてのセレナに対してアドバイスを送ろうかとも思ったが、彼女もまた歴戦のデュエリストらしく、そんなことで迷うようなタマではないようだ。即座に1体のモンスターを選択し、自分の場に召喚した。

 

「私は【淫獣娘々 セレナ】を選択して場に出そう。これで準備は完了だな?」

「ああ、大丈夫だぁよ。……にしても、これだけエロ可愛い女の子たちのモンスターが並び立つと、壮観だぁなぁ……!」

 

 召喚された私たちの分身モンスターたちを眺めた大久先輩は、溢れ出るエロスを噛み締めるようにしながらそう呟く。

 他のレッド寮の生徒たちもその意見に同意するようにうんうんと頷き、遠慮なくいやらしい体付きと服装をしているモンスターたちを視姦していた。

 

 確かに、大久先輩の言う通りだ。1体だけでも十分に卑猥さを感じられる女性モンスターたちが4体並び立つ様は、壮観の一言である。

 

 おっぱい、お尻、おまんこの部分を切り取ったぴっちりエロスーツ姿の【S・HERO アスカ】は、自らの卑猥な部分を見せつけるようにして堂々と起立している。

 ヒーローらしいと言われれば納得出来る振舞いではあるが、それ以上にただの変態という表現がしっくりきてしまうのが悲しい。それが自分と全く同じ顔つきをしているのなら、猶更の話だ。

 

 面積の少ない牛柄ビキニを纏った【牛乳娘 アンナ】が動けば、それに合わせて彼女のたわわな乳房が上下左右に大きく弾む。

 乳首の形が浮き出るほどに薄く、乳輪が見えてしまうくらいに小さいビキニの卑猥さに加えて、ロリ爆乳の魅力がぎっしりと詰まったおっぱいを好き放題見ることが出来るのだから、男からすれば堪らないの一言だろう。事実、彼女の谷間には食い入るような男たちの視線が集中していた。

 

 初めて服を着ている姿を見ることが出来た【エロティックスター アオイ】は、少し前屈みになるだけでお尻が丸見えになるくらいに丈の短いスカートを履いている。加えて、彼女の下着はお尻の形が浮き出るTバックであるため、少し動くだけで可愛いお尻とアナルを披露することになってしまう。

 しかして、そんなことを気にせずに普通に動き回り、観客たちにサービスとばかりに自らの恥ずかしい部分を見せつけるアオイからは、むしろ彼らからの視線を悦んでいるような雰囲気が感じられた。

 

 そして、今回からエロデュエルに参戦する【淫獣娘々 セレナ】はというと……これもまたなかなかエロスを感じる格好をしている。

 脚と腕を覆うのは、アスカ同様にぴっちりと肌に張り付くタイプのソックスと手袋。これには足首と太腿、手首と二の腕の部分に獣の体毛を表現したかのようなファーが装着されている。

 それ以外の服装に関してだが、かなり際どいとしか言い様がない。下半身を隠すのは超ミニサイズのショーツだけ、左右の腰骨の辺りにこれまたファーが付いているが、そこを隠しても何の意味もないだろう。

 上半身の方も似たようなもので、胸はややボリューミーなファーでトップの部分だけを隠し、他はほぼそのまま。首周りを保護するようなマフラー型の毛はあるが、だからなんだという話である。その服装でアクセサリーとしてもこもこの猫耳と猫尻尾を着用したモンスターこそ、【淫獣娘々 セレナ】というわけだ。

 全体的に紫色で纏まっている彼女の格好は、年頃にしては十分に発育しているセレナの幼い肢体と相まって非常に魅力的に映る。大人の妖艶さと子供らしいあどけなさ、その両方を有している彼女に視線が集まっているが、当のセレナは彼らの劣情には気が付いていないようだった。

 

「……? お前たち、そんなにこいつを見つめてどうした? このカードが欲しいのなら、絶対に渡さんぞ!」

「い、いや、そういうつもりじゃないんだが……まあ、いいか」

 

 警戒心剥き出しのセレナ同様に、モンスターの方のセレナも男たちへと威嚇するような眼差しを向けている。

 その様子を見て、ペットは飼い主に似るという言葉を思い出した私は、分身カードを相手に何をいまさらと思いながらもついつい噴き出してしまった。

 

「明日香、どうかしたのか? なんだ? さっきからお前たち、どこかおかしいぞ?」

「い、いえ、気にしないでちょうだい。それよりも、レイドデュエルに集中しましょう」

「むっ、その通りだな! 機械が相手だとしても、手を抜くわけにはいかない。私の初エロデュエルだ、絶対に勝利で飾ってやるぞ!!」

 

 鼻息も荒く、意気揚々と勝利への意欲を見せるセレナ。張り切る彼女の姿を見ていると、私も自然とやる気が湧いてくる。

 初めてのレイドデュエルだが、負けてもしょうがないとは思いたくない。セレナの言う通り、絶対に勝ってやると決意を固めていた私が、他のメンバー同様にデュエルの準備を完了させると――

 

『挑戦者側のスタンバイ確認。デュエルロボ1号、起動します』

 

 ウィーーン、という壮大な機械音が響くと共に、私たちから程離れた位置に巨大なロボットが姿を現す。

 一昔前に使用されていたデュエル設備が自立駆動しているようなその外見に私たちが圧倒される中、デュエルロボ1号は機械らしく冷静に自らのプレイングを開始した。

 

『挑戦者12名、3チームでの参加と確認。初期手札、10枚で開始します』

『私のターン。私は手札より、【デュエルロボA型】を召喚。2度目の召喚権を使ってもう1体の【デュエルロボA型】を召喚した後、この2体のモンスターをリリースして、アドバンス召喚を行います』

「げぇっ!? 通常召喚の回数も増えてるのかよ!?」

『レベル7【デュエルロボ・マシンアーム】をアドバンス召喚。永続魔法【バリアフィールド】を発動し、バトルフェイズに移行します』

 

―――――

 

デュエルロボ・マシンアーム

ATK2500 DFE2800 レベル7 機械族 炎属性

 

このカードが相手に戦闘ダメージを与えた時、自分はデッキからカードを1枚引く。

 

―――――

 

―――――

 

バリアフィールド

永続魔法

 

自分フィールド上の【デュエルロボ】と名の付いたモンスターは、1ターンに1度だけ、破壊を無効に出来る。

 

―――――

 

「最初のターンから高レベルモンスターを召喚し、それを守るためのカードも出したか! なかなかやるな!!」

「って、ちょっと待って!? あいつ、今バトルフェイズに移行するって言わなかった? 最初のターンなのに、そんなことが出来るの!?」

「レイドデュエルでは先攻はデュエルロボ側が取ることになってて、最初のターンから攻撃が可能なんだぁよ!!」

「それを早く言ってください、大久先輩っ!!」

 

 2本の機械の腕が、拳を握ったり開いたりしながら狙いを定める。私たち4人の方向を向いたマシンアームが、攻撃対象として選んだのは……

 

『私は【デュエルロボ・マシンアーム】で【牛乳娘 アンナ】を攻撃します』

「お、オレかぁっ!? んひゃぁあぁぁっ♡♡♡」

 

 私たちの分身モンスターたちの中で、最も攻撃力の低い【牛乳娘 アンナ】への攻撃をデュエルロボが宣言した途端、マシンアームが凄い勢いで彼女へと発射され、アンナの爆乳をがっしりと掴んだ。

 牛柄ビキニをずらし、生乳を直に触れながらそこを揉み続ける。どこをどう責めれば感じるのかをデータで理解しているデュエルロボは、蓄積された愛撫のデータを基にした機械的な責めをアンナへと繰り出した。

 

「んあぁあああぁっっ♡♡♡ これ、やべぇっ♡♡♡ むねぇ♡ 揉むの上手――っ♡♡♡ ひやぁあぁあっっ♡♡♡ ち、ちくびぃっ♡♡♡ 吸われてるっ♡♡♡ 掌に乳首虐めるための穴があるうぅうっ♡♡♡ 待て待て待てっ♡♡♡ いきなりこれは、マズっっ♡♡♡ んもぉおおぉおおおぉおっっ♡♡♡」

 

 マシンアームの掌部分に存在している穴に乳首を吸い込まれたアンナは、敏感なそこを刺激される快感に眼を見開いて喘ぎ始めた。

 胸を揉む手の動きも完璧で、時に優しく、時に激しくおっぱいを愛撫されるアンナは、乳首と乳房に溢れる快感を堪え切れなくなったのか、牛のような鳴き声を上げて大きく仰け反って絶頂を迎えてしまう。

 

――神月アンナLP4000→1500

 

「やべぇ……っ♡ ライフをごっそり削られた上に、いきなりイかされちまった……♡ こいつ、予想以上の強敵だぞ……♡」

「しっかりして、アンナ! 体勢を整えないと、次のターンでライフを削り切られるわよ!」

『続いて私は、マシンアームで【野蛮なオーク】を攻撃します』

「大久先輩っ! 攻撃が来ますよっ!!」

 

 アンナへの攻撃を終えたデュエルロボが、二度目の攻撃を行う。どうやら、デュエルロボの方は1体のモンスターで各チームのプレイヤーに1度ずつ攻撃が行えるみたいだ。

 最初のターンは防御用の伏せカードを用意することが出来ない。最初はダメージを受けるしかないのだろうと結論付けた私だが、大久先輩はその巨体を揺らしてデュエルフィールド内を駆け回り、そこに落ちていたカードを拾うと、それを使用したではないか。

 

「アクション魔法(マジック)【回避】を発動するだ! これで俺のモンスターへの攻撃は無効になっただぁよ!!」

「えっ!? あ、アクション魔法!? 何なんですか、それ!?」

「デュエルフィールド中に落ちている特別なカードのことだよ。手札に1枚だけ持つことが出来て、今みたいに好きなタイミングで使用することが出来るんだ」

「それを早く言えって! 教えてくれてたら、オレへの攻撃だってどうにか出来たかもしんないじゃんかよ~っ!」

「ご、ごめんよ、アンナちゃん。タイミングが無くって……」

 

 アンナのごもっともな怒りに対して、ペコペコと頭を下げて謝罪する大久先輩。彼の説明を聞いた私が周囲を見てみれば、他の生徒たちもフィールド内を駆け回り、アクション魔法を拾っている姿が目に映った。

 デュエルロボに有利な条件が揃っている代わりに、こういった挑戦者側の有利になる要素も用意されている。本当に普通のデュエルとは大きくルールが違うレイドデュエルの内容に驚きながらも、私は仲間たちへと喚起の声を上げた。

 

「アンナ、葵、セレナ! ここは集中して! レイドデュエルには、私たちが想像もしないようなルールが存在しているわ! 普段以上に万全な状況で挑まなきゃ、あっという間にやられちゃうわよ!」

 

 LPにダメージを受けたアンナが、他の2人が、私の言葉に大きく頷く。先ほどまでの浮かれていた気持ちを落ち着かせると共に、手札を確認してレイドデュエルのタクティクスを練り始めた私たちは、聳え立つデュエルロボに勝利すべく、全力を尽くして思考を巡らせていた。

 通常とは違うルールに不確定要素の強いアクション魔法の存在、それらの要素を上手く組み上げ、仲間同士で協力して初めて、あのデュエルロボに勝利出来るのだろう。このレイドデュエルは、私たち特別クラスの結束を試すのに打ってつけのイベントの様だ。

 

(面白いじゃない。絶対に勝ってやるわよ!)

 

 普段とは違うルールに翻弄されながらも、それ故に闘志を燃やす私たちは、巨大なデュエルロボに打ち勝つという目的の下に結束した。特別クラス初の共同作業がこんなにも早く訪れるとは思わなかったが本当にいい機会だ。

 絶対に、勝つ! そう心の中で吼えた私は、同じような強い意志を感じる仲間たちと共に、デュエルロボへと挑戦状を叩きつけるのであった。

 

 





次回予告

明日香「アクション魔法と特殊ルール、これがレイドデュエル……! 一瞬たりとも油断出来ないわ!」

葵「各ターンで攻撃を行えるのは、チームの中で1人だけ……誰がどう攻めるか、それを他のメンバーがどうフォローするかも大事になってくるわね」

セレナ「ここは私に任せろ! 機械如きに手こずっている場合じゃない! アカデミアの誇り高き戦士としての実力を見せてやる!」

次回『エースカード集結! 燃え上がれ淫乱モンスター!!』

アンナ「オレたちがロボットなんかに負けるかよ! 見てろよ~~っ!!」




最強カード紹介

デュエルロボ・マシンアーム
ATK2500 DFE2800 レベル7 機械族 炎属性

このカード相手に戦闘ダメージを与えた時、自分はデッキからカードを1枚引く。

―――――

今日の最強カードは、デュエルロボが使用する機械族モンスター【デュエルロボ・マシンアーム】ね。

戦闘ダメージを与えた際、デッキからカードをドロー出来る効果があるわ。この能力はレイドデュエルと相性が良く、高い攻撃力のお陰でガンガン手札を補充出来るわね。

って、ちょっと待って? マシンアームってことは、他の部位も存在してるってこと? だとしたら、もしかして……!?


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エースカード集結! 燃え上がれ淫乱モンスター!!

新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

新年一発目ということで、これまで登場したエースモンスターたちを全員出すお話を書きました。本当はここにアキも加えたかったんですが、間に合わなくって残念です。

セレナのデッキやモンスターも登場しますので、楽しんでくださいね。


「先に聞いておく。次のターン、お前たちの中で、あのモンスターを破壊出来そうな奴はいるか?」

 

 デュエルロボとのレイドデュエルの最中、ターンがこちらに回る前に、セレナが私たちへとそう問いかけてきた。

 彼女の質問に対して、手札を確認した私は、大きく首を横に振ってNOの答えを返す。

 

「悪い、俺も無理だ」

「同じく、無理そうね」

「そうか。なら、次のターンのバトル権は私が貰っても構わないな?」

「セレナ、何か策があるの?」

「そういうことだ。奴に目にもの見せてやる!! 行くぞっ!!」

 

 【デュエルロボ・マシンアーム】による3回目の攻撃が終了すると同時に、ターンが私たちへと切り替わった。

 反撃の機会を得た私たちは、各々がデュエルフィールドへと散り散りに駆けていきながら、自分のプレイングを開始する。

 

 私の場合、既にアスカを召喚していることが若干の仇になっていた。アスカが【S・HERO】を呼べるのは、召喚時のみ……既に場に出ている状態では、他のモンスターを特殊召喚することが出来ないのだ。

 カード1枚分のボードアドバンテージを得ることが出来ないのは、この状況下ではなかなかに痛い。それでも、自分に配られた手札の中から最良のプレイングを考える私は、ふと目の前に浮かぶカードの存在に気が付いた。

 

(そうだった。このレイドデュエルでは、アクションカードもタクティクスに組み込まないといけないんだ……! とりあえず、どんなカードがあるかを確認しておかないとね)

 

 普通のデュエルでは考えられないアクションカードの存在を再認識した私は、目の前のカードを掴み、手札に加えると、その効果を確認する。

 

―――――

 

ダメージストッパー

アクション魔法

 

バトルフェイズ時に発動出来る。このターン、自分が受ける戦闘ダメージは0になり、バトルフェイズ終了時に指定したプレイヤーのフィールドにこのカードをレベル1、攻守0、悪魔族モンスターとして特殊召喚する。

 

―――――

 

 悪くない、むしろ当たりの部類に入るカードだ。このカードを使えば、ほぼ確実に1ターンは凌ぐことが出来る。

 手札に1枚しか持つことの出来ないアクションカードは、かなり運要素の強いカードだ。だが、それ故に強力な効果を秘めているカードも多い。

 レイドデュエルでは通常のタクティクスに加えて、反射神経や運の強さも必要とされるのだということをしみじみと感じる私であったが、ターンプレイに制限時間が設けられていることに気が付くと、急いでモンスターを展開し始めた。

 

「手札から【S・HERO 援交男】を召喚して、【S・HERO アスカ】と性交装備! 効果で1枚ドローしつつ、アスカにザーメンカウンターを1つ乗せるわ!」

『あはぁぁあぁん……っ♡♡♡』

 

 ぐちゅぅ、とぬめった音が響くと共に、アスカの嬌声が会場内にこだまする。膣の中に感じる肉棒の感触に甘い吐息を漏らした私は、援交男に抱えられながらのセックスを行うアスカの快感を共有して、腰をくねらせていた。

 

(ああ、もう……っ♡♡♡ みんな、私のこと見てる……♡ おちんぽ突っ込まれてるアスカと、モンスターとのセックスで感じちゃってる私のことを近くで見てる……っ♡♡♡)

 

 四方八方から突き刺さる、熱の籠った視線。味方である男子生徒たちのギラギラとした眼差しを陰部や尻に受ける私は、視姦の快感にゾクゾクとした甘い痺れを感じていた。

 ぱんっ、ぱんっと腰と腰のぶつかり合う音が響く度、彼らの体がピクリと反応する。懸命に声を殺す私のすぐ近くに来て、我慢出来ずに溢れ出てしまう雌の声を聞き逃してなるものかとばかりに聞き耳を立てている。

 普段のエロデュエルの時よりも、ずっと近い距離。触ろうと思えば触ることが出来る、隣に並び立って、何てことでも無いようにずっとそうしていることも出来るこの状況を利用して、彼らは制限時間いっぱいまで、私たちの痴態をすぐ傍で見るつもりのようだ。

 

 その爆乳を飼育員たちに可愛がられ、牛のような鳴き声で叫びながら肉付きのいい尻と胸をぷるんぷるんと震わせているアンナにも、露出の激しいアイドル衣装でフィールド内を駆け回り、スカートを浮かび上がらせ、惜しげもなくパンツや下半身を見せつけているアオイにも、男子たちの視線が集中している。

 しかして、彼らの視線を最も集めているのは、今回初参戦となったセレナの分身モンスターだった。

 

「このデッキの回し方は理解した、行くぞ!! 私は手札から【淫獣(ソウル) 剛腕大猩々(パワフル・ゴリラ)】を召喚! 効果を使い、【淫獣娘々 セレナ】にこのカードを装備する!!」

 

―――――

 

淫獣娘々(にゃんにゃん) セレナ

ATK1500 DFE1200 レベル4 獣戦士族 淫属性

 

(1)このカードに【淫獣】と名の付いたモンスターが装備されている時、このカードの攻撃力は、装備カードとなっているモンスターのレベル×200アップする。

(2)このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した時に発動出来る。デッキか墓地から【淫獣】と名の付いたカード、もしくはテキストに【淫獣】の名称が記されているカードを手札に加え、その後、自分は手札から1枚選んで捨てる。

(3)このカードがは相手カードの効果では自分フィールドから離れない。

 

―――――

 

―――――

 

淫獣魂 剛腕大猩々

ATK1800 DFE0 レベル4 獣戦士族 闇属性

 

(1)1ターンに1度、以下の効果から1つを選んで発動出来る。

●自分フィールドの装備カードを装備していない【淫獣】と名の付いたモンスター1体を対象とし、このカードを装備カード扱いとして対象のモンスターに装備する。

●装備されているこのカードを特殊召喚する。

(2)このカードを装備しているモンスターが破壊される時、代わりにこのカードを墓地に送って、その破壊を無効にしてもよい。

(3)このカードを装備しているモンスターが戦闘を行い、それによる戦闘ダメージが発生した際、このカードを墓地に送ることでそのダメージを0にすることが出来る。

(4)このカードを装備しているモンスターの攻撃力は、そのモンスターが攻撃を行った際のダメージ計算時のみ、500アップする。

 

―――――

 

『はぁぁぁぁぁ……っ!!』

『ウホッ! ウホウホウホッ!!』

 

 セレナが召喚したモンスターは、猛々しいゴリラの精霊のような姿をしている。霊魂的な雰囲気を感じるそのモンスターが【淫獣娘々 セレナ】へと飛び掛かると、彼女はその魂を吸収して自身の姿を変化させていった。

 ネコ科の生物と人間との融合体を思わせる出で立ちから、一気に霊長類に近しい姿へ。体の一部だけを覆っていた毛は腕から肩までをびっしりと覆うように生え変わり、色も紫から茶色へと変化している。

 海賊(バイキング)を思わせる力強く野蛮な風貌へと姿を変えたセレナは、ゴリラのようにドラミングを行って自分の戦意を盛り立て、攻撃あるのみとばかりにバトルフェイズへと突入する。

 

「バトル! 剛腕大猩々を装備したセレナで【デュエルロボ・マシンアーム】を攻撃だ! 【淫獣娘々 セレナ】は、装備している【淫獣】モンスターのレベル×200ポイントの攻撃力上昇効果を持ち、【淫獣魂 剛腕大猩々】には攻撃時に装備モンスターの攻撃力を500上昇させる効果がある! 合計値は2800! マシンアームの攻撃力を上回る!!」

『うおぉぉぉぉっ!!』

『ガガッ!? 戦闘ダメージ、把握。しかし、【バリアフィールド】の効果で【デュエルロボ・マシンアーム】は1ターンに1度、破壊を免れます』

 

――デュエルロボLP12000→11700

 

 野太い雄叫びを上げた【淫獣娘々 セレナ】が、その剛腕を振るって腕だけの機械である【デュエルロボ・マシンアーム】を思い切り殴り飛ばす。ガコォン!! という鈍い音が鳴り響き、ぐるぐると大回転しながら飛んでいったマシンアームだが、魔法カードのお陰で破壊されることはなく、場に残り続けている。

 エロデュエルだというのに、まるで大怪獣VS巨大ロボの映画を見ているようだなと苦笑しながらも、セレナにエロスというものを理解出来るような知性があるとは思えない私は、逆に彼女のプレイングに納得してしまっていた。

 それは他の仲間たちも同様で、比喩表現抜きで()()()()()()()になっている分身モンスターを従えるセレナへと、私たち全員が笑いを堪えているような複雑な表情を向けている。

 

「おい、お前たち! このターン中にもう一度あのモンスターを破壊出来ないのか!?」

「えっ!? あ、ああ、俺たちには無理だ!!」

「セレナちゃん、ごめんだ。(オデ)たちも破壊は無理そうだぁよぉ」

「ちっ、仕方があるまい……あの永続魔法さえ破壊出来れば、ダイレクトアタックを決められたものを……!!」

 

 【バリアフィールド】によって守られた【デュエルロボ・マシンアーム】を見つめながら、セレナが悔しそうに歯噛みする。まだレイドデュエルに慣れていない彼女にとっては、複雑なルールが後出しでぽんぽんと出て来る前に勝負を決めたかったのだろう。それを1枚のカードに阻まれたのだから、悔しがる気持ちも理解出来る。

 

「落ち着いて、セレナ。あなたのモンスターの方が攻撃力は勝っているんだから、次のターンまでに対抗策を考えましょう。【バリアフィールド】を破壊するのか、モンスターを2回破壊する方法を模索するか、その選択を見極め、みんなで協力しなきゃ、レイドデュエルには勝てないわよ」

「ふんっ! 他の奴らなんていても邪魔なだけだ。私1人でも、あいつに勝ってみせるぞ!」

「またそんなこと言って……少しは味方を信頼することを覚えたらどうなの?」

「いいじゃない、明日香。そう言うのなら、1人でやらせてあげなさいよ。私たちのことを頼らないっていうのなら、私たちだって手助けしなければいいだけの話なんだから」

「葵まで! そんなこと言わずに、協力していかないと駄目でしょうに……」

 

 我が強いセレナと葵は馬が合わないようだ。セレナのスタンドプレーの多さに辟易する気持ちもわかるが、今はそんなことを言っている場合ではない。全員で協力しなくては、レイドデュエルに勝利することは出来ないのだ。

 とにかく、話し合いと連携を第一としてタクティクスを考えよう。気の合わないセレナと葵の橋渡し役は私が務めればいい。12人が協力してことに当たることが出来るよう、全力を尽くすべきだ。

 

「お前ら! 喧嘩する前に、相手のプレイングをよく見とけよな!! もう向こうのターンが始まってんだぞ!」

 

 丁度良いタイミングでアンナによる激も入ってくれた。ややギスギスしながらも、彼女の言う通りにデュエルロボの動きに応対しようと構えるセレナと葵のことをちらりと見ながら、私もまた2人の世話焼きにかまけて自分のプレイングがおろそかにならぬよう、意識を集中する。

 

『私のターン、デッキから3枚ドロー……メインフェイズ。魔法カード【ロボットリサイクル】を発動。墓地の機械族モンスターの効果を無効にして、場に特殊召喚します。私が選択するのは【デュエルロボA型】です』

 

 先のターンでリリースしたモンスターを復活させるデュエルロボ。ここから更に魔法カードを使用し、巧みな戦術で盤面を整えていく。

 

『同じく魔法カード【分解改造】を発動します。自分フィールド上の機械族モンスターをリリースし、そのレベルの数だけモンスタートークンを召喚。【デュエルロボA型】のレベルは4。よって、4体のトークンを場に出します』

「リリース用のモンスターが揃った……! 来るわよっ!!」

『私は、2体のトークンをリリースして、手札から【デュエルロボ・サーチアイ】をアドバンス召喚! 更にもう2体のトークンもリリースし、【デュエルロボ・ボックスチェスト】をアドバンス召喚!!』

 

―――――

 

デュエルロボ・サーチアイ

ATK2000 DFE3000 レベル7 機械族 闇属性

 

1ターンに1度、相手フィールド上の表側表示のモンスター1体を選択して発動出来る。そのモンスターの表示形式を変更する。

 

―――――

 

―――――

 

デュエルロボ・ボックスチェスト

ATK2000 DFE2500 レベル7 機械族 地属性

 

このカードが攻撃する時、このカードは相手のカードの効果の対象にならない。

 

―――――

 

「上級モンスターが3体かよ!? 通常召喚の回数が多いって、面倒にも程があるだろ!!」

『私はここで、【デュエルロボ・サーチアイ】の効果を発動します。守備表示になっている【牛乳娘 アンナ】の表示形式を攻撃表示に変更してください』

「げぇっ!? またオレかよっ!?」

 

 人間の顔を模した機械モンスターが【牛乳娘 アンナ】に近づいたかと思えば、彼女の周囲をぐるぐると回って四方八方から舐め回すように彼女の肢体を見始めた。時折、モンスターからシャッター音が響く度に、デュエルフィールドの上空に現在進行形で撮影されているアンナの卑猥な写真が投影されていく。

 揺れる爆乳、柔らかそうなお尻、ビキニの上からでも形がわかる性器と、自らの恥ずかしい場所を全ての人たちに見せつけるようにして撮影を続ける【デュエルロボ・サーチアイ】の行動に、【牛乳娘 アンナ】も黙って座っているわけにはいかなくなったようだ。

 

『やめろって! この野郎!!』

 

 怒りの文句と共にポカリとサーチアイの頭を(頭しかないのだが)叩くアンナ。彼女からの反撃を受けたサーチアイはすごすごと撤退していくが、上空に浮かんでいる映像はそのままだ。

 羞恥と怒りに顔を真っ赤にした【牛乳娘 アンナ】は、まるで闘牛の牛のように鼻息も荒くデュエルロボたちを見つめている。執拗な攻撃に苛立っているのかもしれないが、攻撃力0のモンスターが攻撃表示になっているというのは、デュエリストからしてみればかなり問題だ。

 

「アンナっ、アクションカードを拾って!」

「もう拾ってるって! でもコイツ、役に立たねえんだよ!!」

『準備は整いました。バトルフェイズに移行します。【デュエルロボ・ボックスチェスト】で【牛乳娘 アンナ】を攻撃。ホールド・ショック!!』

「げぇぇえっ!?」

 

 ガコンッ、と大きな音を響かせながら、【デュエルロボ・ボックスチェスト】が箱型になっている体を開く。観音開きの体を開ければ、その内部には人が1人磔に出来るくらいのスペースがあった。

 その内部へと、電撃波を飛ばしてアンナを捕えようとするボックスチェスト。この攻撃が通れば、LP1500のアンナは脱落になってしまう。そのことを理解しているアンナが大慌てしていると……

 

「リバースカードオープン! 【look at me!!】。このターン、相手モンスターは可能であるならば【エロティックスター】モンスターを攻撃しなければならず、その際に発生する戦闘ダメージは半分になるわ!」

 

 アンナを守るために葵が発動した罠カードの効果によって、攻撃の対象が【エロティックスター アオイ】へと切り替わった。

 LPに余裕があり、【牛乳娘 アンナ】よりも攻撃力の高いモンスターを抱えている葵のカバーによって窮地を脱したアンナは、ほっとした表情を浮かべると彼女に向けて感謝の言葉を述べる。

 

「サンキュー、葵! お陰で助かったぜ!!」

「気にしないで。こういうことが出来るのが、多人数デュエルの良いところでしょ?」

「むぅ……! それは私に対する当てこすりか?」

「あら? 皮肉がわかるなんて、デュエルゴリラにも多少の知性はあるみたいね」

「……気に食わん奴だが、タクティクスは見事だ。そこは認めよう」

「ふふっ! ありがと!!」

 

 アンナのカバーに入った葵と、含みのある彼女の言葉に不満げな表情を浮かべるセレナとの会話は、険悪さよりも素直になれない子供同士のじゃれ合いといった雰囲気が感じられる。

 やはり、デュエリスト同士を繋ぐのは言葉よりもデュエルということなのだろう。馬が合わないように見えても、デュエルの中で相手を認め合うことが出来る。どうやら、私の気遣いは無用だったようだ。

 が、しかし、こうしてカバーに入った葵に対して、デュエルロボたちの容赦の無い攻撃が浴びせられることをすっかり私たちは忘れてしまっていた。この次元におけるエロデュエルの攻撃を舐めていたツケは、この後すぐに支払うことになる。

 

『んひぃいいぃいいっ♡ あっ♡ あぁあっっ♡』

 

 【デュエルロボ・ボックスチェスト】の電撃波に捕まったアオイは、その体内へと磔にされてしまった。そのまま、微弱な電撃で乳首や陰核といった女性の敏感な部分を責められ、甘い嬌声をあげて体をくねらせている。

 そこに加わるのが、マシンアームとサーチアイによる追加攻撃だ。2つの手は葵の形のいい乳房と濡れ始めた秘裂を責め、高性能カメラが彼女が機械に責められて感じている様を撮影し、上空へと投影し続けている。

 

『んんんっっ♡ はぁっ♡♡♡ あぁあぁ~~~~っっ♡♡♡ み、るなぁっ♡♡♡ んひっ♡♡♡ しょこっ♡ かきまわしちゃっ♡♡♡ あはぁあああぁああっっ♡♡♡』

 

 電撃で否応なしに体の反応を引き出され、敏感になっている全身を容赦なく責め立てられ、その全てを撮影され、記録される。機械は疲れなど感じない。無機質で無慈悲な責めを、永続的に続けるだけだ。その攻撃が終わる時とは、アオイが絶頂を迎える瞬間に他ならない。

 やがて、マシンアームに両足首を掴まれた彼女は、興奮して盛り上がった性器をぱっくりと開いた恥ずかしい格好を強制された状態で、激しい電流を全身へと浴びせられた。人間の快感を引き出す甘い電撃を受けた【エロティックスター アオイ】の甲高い悲鳴がデュエルフィールドに響く。

 

 紅潮し、興奮でぷっくりと膨れた唇を開いて、喘ぎ叫ぶ美少女。股座からは快感のあまりに愛液が勢いよく噴き出し、その絶頂の激しさを物語っている。

 静止画の連射で、超スローモーションの映像で、アオイの淫らな絶頂シーンが何度も繰り返し上空に放送されていた。機械姦による肉体的な快感と、視姦による精神的な責めを味わったアオイが味わった快感は、当然、葵の方にも伝わっているわけで――

 

「あ、んぅうぅっ♡♡♡ うあぁぁ……っ♡♡♡」

 

――財前葵LP4000→3000

 

「葵、大丈夫か!? オレの身代わりになったせいで……すまねえ」

「へ、平気よ。慣れない快感だったから、ちょっと戸惑っただけ……♡ ダメージも軽減出来たし、これで私たちへの攻撃は凌げた。次のターンからはこっちの反撃よ!!」

 

 制服の股部分をじっとりと濡らし、やや焦点が定まっていない目をしている葵は、それでも自身の無事をアピールしつつ、デュエルの展開に対しての意見を述べた。

 確かに彼女のお陰でアンナの脱落は防げた。次のターンには、確実にエースモンスターを召喚出来るだけの準備も整っている。反撃の準備は、着々と進んでいるのだ。

 大久先輩たちの組も、残るもう1組も、まだ誰も脱落者は出ていない。これならば、そろそろ逆転の目が出てきてもおかしくはな――

 

『私は、速攻魔法【合体・デュエルロボ!!】を発動します。このカードの効果により、自分フィールド上に存在するデュエルロボモンスター、マシンアーム、サーチアイ、ボックスチェストの3体をリリースすることで、エクストラデッキから【スーパーデュエルロボTYPE-X】を特殊召喚します』

「え……っ!?」

 

 ――そんな私の考えを打ち破るように、デュエルロボが手札から魔法カードを使用する。彼の有している3体のモンスターが天高く飛び上がったかと思った次の瞬間、私たちの目の前ではアニメで見るようなロボットの合体シーンが再現され始めた。

 

 ボックスチェストの左右に展開されたマシンアームから、パイプのような器官が伸びる。それを受け取り、内部へと結合されたボックスチェストの上部へとサーチアイがくっつき、人の上半身を模したロボットが完成していく。

 下半身は存在していないが、ボックスチェストの下部分からは激しいジェット噴射が発せられており、それによって移動や体勢維持を行うようだ。

 デュエルモンスターズでいう【XYZ-ドラゴンキャノン】を思わせるその風貌に唖然としている私たちの前で、デュエルロボは高らかにエースモンスターの効果を宣言した。

 

『【スーパーデュエルロボTYPE-X】の効果。召喚時、相手女性プレイヤー全員を裸にします。レーザーカッター!』

「きゃぁっ!?」

「こ、このタイミングでかよっ!? うひぃっ!?」

「ちょっ! 今はまず……あぁっ!!」

「むっ!?」

 

 TYPE-Xの指から発せられた緑色の光線が私たちの体をなで斬りしたかと思えば、次々と私たちが身に纏っている服に切れ目が入り、あっという間に布の切れ端となって地面へと零れ落ちていった。

 上着もスカートも下着も、全ての服を切り裂かれた私たちは、超至近距離から全裸を大久先輩たちに見せつける羽目になってしまう。

 

「うおぉ……!? あ、明日香ちゃんの裸が、こんなに近くで見られるなんて……!?」

「アンナちゃん、おっぱいデカすぎだろ!? 裸になるといっそうデカさがわかるし、めっちゃ揺れてるじゃん!」

「葵ちゃん、おっぱいもお尻も形がいいね! 美乳美尻で、肌もつやつやだよ!」

「あれ? もしかしてセレナちゃんって、案外着痩せするタイプ? 明日香ちゃんやアンナちゃんには及ばないけど、この歳の女の子にしては大分胸がデカいような……?」

「お、お前ら、味方だろうがっ!! なんでこっちのペースを乱すようなことを言うんだよーーっ!?」

 

 裸に剥かれ、全裸姿を仲間たちに視姦されるアンナの叫びが木霊する。いつの間にやら、フィールド中に散らばっていたレッド寮の生徒たちは私たちの元へと駆け寄ってきており、遠慮なく裸になった私たちのことを品評している有様だ。

 大久先輩をはじめ、数人の良心ある生徒たちは目をそらしているものの、前屈みの体勢を取っている。あれでは動きにくそうだなと思いながらも、私が不躾な男子たちからの視線に興奮を感じていると――

 

「おい! 馬鹿なことをやっていないで、デュエルに集中しろ! 次が来るぞっ!!」

『【スーパーデュエルロボTYPE-X】第二の効果。このモンスターは、バトルフェイズ中、相手の全てのモンスターに攻撃出来ます。この効果を用いて、皆さんの全てのモンスターに攻撃!!』

 

―――――

 

スーパーデュエルロボTYPE-X

ATK4000 DFE4000 レベル10 機械族 炎属性

 

(1)このモンスターは【合体・デュエルロボ!!】の効果以外では特殊召喚出来ない。

(2)このカードの特殊召喚が成功した時、相手女性プレイヤーを全員裸にする。

(3)このモンスターは一度のバトルフェイズ中に相手モンスター全てに攻撃出来る。

(4)このモンスターが守備表示のモンスターに攻撃を行った際、その数値を越えた分のダメージを相手プレイヤーに与える。

(5)このモンスターが破壊された時、墓地に存在する【デュエルロボ・マシンアーム】【デュエルロボ・サーチアイ】【デュエルロボ・ボックスチェスト】を自分の場に特殊召喚する。

 

―――――

 

「攻撃力4000のモンスターによる全体攻撃!? しかも貫通効果持ちとか、ちょっと待ってよ!!」

「み、みんな! どうにかして防ぐだぁ!!」

 

 私たちの場には、最低でも2体のモンスターが並べられている。それら全てに攻撃が通れば、間違いなく4000のLPは尽きてしまうだろう。

 裸になった私たちを視姦していた男たちも、ここにきてようやく焦りを見せ始めた。しかし、ちんぽを勃起させているせいで思うように動けず、アクションカードを拾うことが出来ない。防御用のカードを伏せている者もおらず、彼らの生存は絶望的だ。

 

 そんな中、私は焦ることなく既に拾っていたアクションカードを使用し、この窮地を切り抜ける。

 

「アクション魔法【ダメージストッパー】を発動! このターン、私は戦闘ダメージを受けないわ!!」

 

 私の前に出現する薄い銀色の膜。【S・HERO 援交男】を破壊した余波が私へと襲い掛かるも、この膜によって弾かれ、消滅していった。

 これでもう、私は大丈夫だ。【S・HERO アスカ】も自身の効果によって破壊を免れたし、盤面が崩れることもない。問題は他のメンバーの方だと視線を仲間たちへと向けると――

 

「装備されている【淫獣魂 剛腕大猩々】の効果を発動! このカードを墓地に送り、【淫獣娘々 セレナ】が戦闘を行うことで発生するダメージを0にする!」

 

 セレナは無事にモンスター効果を使って、攻撃を凌ぐことに成功していた。男子生徒たちが吹っ飛ぶ中、パワフルなゴリラの魂がセレナを守り、ダメージを防御してくれている姿にほっとした私だが、そのすぐ近くにいる葵の姿を見て心臓が飛び上がるほどの衝撃を感じてしまう。

 葵は先ほどのデュエルロボたちからの快感責めによるショックから立ち直れていないようだ。まともに動くことも叶わず、見つけたアクションカードも防御には役立たないものだったようで、どうすることも出来ないとばかりに悔しそうな表情を浮かべている。

 このままでは、葵がやられてしまう。どうにかして彼女を助けなければと考えた私の耳に、アンナの大きな声が響いた。

 

「アクション魔法【カバーフォーメーション】を発動! 指定したプレイヤーが受けるダメージを、オレが肩代わりする! 効果対象は、葵だっ!!」

「アンナっ!? そんなことしたら、あなたが脱落しちゃうわ!」

「へっ! さっきの借りを返しとかないと目覚めが悪いからな! ……それに、こいつを使わなくてもオレはここで脱落だ。なら、1人でも多くプレイヤーが残った方が良いだろ?」

 

 ギュオンと音を立て、葵へと向かっていた光線がアンナへと攻撃対象を変える。2つの巨大な光線に挟まれ、逃げ場を失いながらも、アンナは私たちへと気丈に笑ってみせた。

 

「後は任せたぜ! ……って、あら!?」

 

 そう、親指を立て、格好良く決めたアンナは、自らを犠牲にして希望を繋ごうとしたのだが、彼女に向っていた光線たちは再び進行方向を変え、あらぬ方向へと飛び立っていく。

 アンナにも、私たちにも予想外であったその出来事に驚き、光線の行く先を見た私たちは、そこに立つ1人の男性の姿を目にした。

 

「アクション魔法【カバーフォーメーション】! アンナちゃんが受けるダメージを、全て(オデ)に!!」

「大久先輩!? なんでっ!?」

「……悔しいが、俺のデッキにはあのモンスターを攻略出来るカードはねぇ。役に立たねえ奴が残るよりも、可能性がある子を残した方が良い! こいつがこのエロデュエル中に出来る、最良の一手だぁ!!」

「そ、そんなっ!!」

「明日香さん! アンナちゃん! 葵さん! セレナちゃん! 後は任せるだぁよぉ!! 俺たちの分まで、あのデュエルロボに目にもの見せて……ぐわぁあぁあぁっっ!!」

「大久せんぱーーいっ!!」

 

 アンナと葵、そして自分の分の戦闘ダメージを受けた大久先輩は、他の男子生徒たちよりも大きく吹っ飛び、地面へと叩きつけられた。

 立体映像による衝撃だとしても、およそ1万を超える数値のダメージを受けたのだから、その強さは相当なものだろう。すぐに彼に駆け寄り、安否を確かめたいと思った私であったが、その感情をぐっと押し留め、カードの効果を発動する。

 

「【ダメージストッパー】の効果。バトルフェイズ終了時、このカードをモンスターとして特殊召喚出来る。私は、アンナの場にこのカードを召喚するわ」

 

 黒くごてごてしたフラフープのようなモンスターをアンナの場に出した後、ようやく私は大久先輩の下へと駆け寄っていった。その際に気が付いたのだが、生き残っているのはもう、私たち4人だけのようだ。

 男子生徒たちは全滅、残されたのは特別クラスの私たちだけ……一気に数を減らされ、絶望的な状況に追い込まれながらも、私たちの闘志は萎えるどころか、逆に激しく燃え盛っていた。

 

「先輩の様子は? 大丈夫そう?」

「だ、大丈夫だぁよぉ……ただ、結構痛かっただぁね……」

「大久、お前は正しい選択をした。お陰で残ったデュエリストが3人から4人に増えた。お前の献身、無駄にはしない!」

「格好つけるつもりが、また助けられちまった……でも、見ててくれよ! 大久先輩に拾ってもらった命で、あのロボットをぶっ飛ばしてやるぜ!」

「み、みんな、まだ説明して無かったけど、レイドデュエルではチームの人数が一定の数まで減ると、残されたメンバーの攻撃回数が増えるんだ。4人まで減った今なら、明日香さんたち全員が攻撃可能になるだよ!!」

「でも、相手の場には攻撃力4000のモンスターがいる。しかも2回破壊しないと場からは追い出せないわ。状況的にはかなりきついと言わざるを得ないわね」

「だとしても……やるしかないでしょう? まさか、諦めたわけじゃないわよね?」

 

 挑発的な私の言葉に対して、3人は何も言葉を発しない。代わりに燃える闘志を秘めた視線を返してくれた。

 まだ、誰の心も折れちゃいない。彼女たちの視線からそのことを感じ取った私は、口元に小さな笑みを浮かべた。そして、彼女たちと横一列に並び、共にデュエルロボを睨みつける。

 背後で私たちを見守ってくれている男子生徒たちの視線を背中……ではなく、お尻に感じながら、私たちは同時に山札に手をかけ、そこからカードを引き抜いた。

 

「「「「私(オレ)のターン!!」」」」

 

 全員一緒にターンを開始、自分たちのプレイングを行う。真っ先に動いたのは私だ。

 

「まずはフィールドを変えましょう♡ 淫乱(ビッチ)にはそれに相応しい、最上のステージがあるんだからっ♡」

 

 そう言いながら【ホテル街♡ピンクスクレイパー】を発動した私たちは、仲間たちと一緒にネオン煌く街並みへと身を潜ませる。

 弾む胸、揺れるお尻、濡れたおまんこ……常にライトアップされるのではなく、ピンク色に輝く照明の中に美少女たちの瑞々しく魅力的な裸体を時折披露して、観客たちの興奮を煽り、私たちから目を離せないようにして、更にカードを使って場を盛り上げていく。

 

「魔法カード【精液(ザーメン)風呂】! このカードの効果で、【S・HERO アスカ】のザーメンカウンターを2つ増やすわ!」

「手札から【熟練の牛乳娘飼育員】を召喚! 【牛乳娘 アンナ】のミルクカウンターを倍にしつつ、明日香がくれた【ダメージストッパー】と【熟練の牛乳娘飼育員】でオーバーレイネットワークを構築! 【牛乳娘搾乳兵器 ビックバストキャノン】をエクシーズ召喚するぜ!!」

「【エロティックスター ゴーストガール】を召喚! その効果で、もう1体のゴーストガールを特殊召喚する! 更に、【エロティックスター♡ソロライブ】と永続魔法【エロティックアピール 一見さん歓迎】を発動!!」

「私は通常魔法【淫獣魂の導き】を発動! 墓地の【淫獣魂】モンスターを除外して、デッキから【淫獣魂】モンスターを手札に加える! 【淫獣魂 剛腕大猩々】を除外し、【淫獣魂 金色獅子(ゴールデンレオ)】を手札に!!」

 

 私たちの盤面が、着々と整っていく。全ての準備を整え、残るは最後の1ピースのみという状態になった時、暗闇に姿を消していた私たちは、高いビルの屋上で並び立ち、まるでスポットライトに照らし出されるようにして姿を現す。

 このフィールドで一番目立つ場所に立つ、裸の女たち。堂々と、恥ずかしがることもなく、むしろ見てくれとばかりに裸体を曝け出す私たちは、不敵で淫靡な笑みを浮かべた後、それぞれ順番に自分の最高の切り札を繰り出していった。

 

「【S・HERO アスカ】をリリースすることで、このモンスターは特殊召喚出来る! 精の力纏いし淫らなる少女よ。その力を高め、全てを魅了する淫姫と化せ♡ 降臨せよっ♡ 【S・HERO ビッチガール♡アスカ】♡♡♡」

「いっくぜ~っ!! レベル5になった【牛乳娘 アンナ】の右のおっぱいと左のおっぱいでオーバーレイ・ネットワークを構築! エクシーズ召喚!! 牝牛の牛舎より、乳揺れと共にただいま参上っ♡ 現れろ! 【ENo.(エロナンバーズ)081 超弩級牛乳娘 モーモーアンナ】っ♡♡♡」

「召喚条件は【エロティックスター】モンスター3体! 【エロティックスター アオイ】と2体の【エロティックスター ゴーストガール】をマーカーにセット! さあ、出番よ♡ その笑顔で世界を照らしてっ♡ リンク召喚! 現れて、リンク3! 【エロティックスター ブルーエンジェル】っ♡♡♡」

 

 私、アンナ、葵の順でエースモンスターを召喚し、残すはセレナだけとなった。彼女もまた手札からカードを発動し、己の最強の切り札を皆に披露する。

 

「私は手札から【融合】を発動! 場の【淫獣娘々 セレナ】と手札の【淫獣魂 金色獅子】を素材として、融合召喚!! 淫靡なる肉体持つ猫娘よ、金色に輝く四肢の魂と交じり合い、新たなる姿へと生まれ変わらん!!」

『グルルゥゥッ!』

『んっっ♡♡♡ くあぁぁ……っ♡♡♡』

 

 フィールドに呼び寄せられた金色のライオンが【淫獣娘々 セレナ】を背後から抱き締めるような体制を取る。そのまま、彼女の膣へといきり立つ肉棒を挿入すれば、彼女の口からは甘く蕩けた声が漏れ、表情も快感を味わう雌のそれへと変わっていった。

 ずちゅっ、ずちゅっ、と大きな音が響くほどに繰り出されるライオンのピストンを、セレナは顔を赤らめながら受け止めている。何度も、何度も、激しく子宮を嬲られ、雄の怒張を受け入れ続けた彼女の肉体は、徐々に輝きを放っていくと同時に【淫獣魂 金色獅子】を全身で取り込み始めた。

 

『あっっ♡♡♡ あぁあっっ♡♡♡ くあぁ~~~~~~~~っっ♡♡♡』

『グオオオオオォオオオォオオッッ!!』

 

 やがて、自らの逸物をセレナの膣へと完全に埋め尽くした金色獅子は、彼女の雌の部分を征服した満足感を表すかのように高々と咆哮を上げた。人間のそれを超えるサイズを誇る肉棒を叩き込まれた【淫獣娘々 セレナ】もまた、甲高い嬌声を上げて性の悦びを示した。

 ぐりぐりと子宮を圧され、体の奥にまで響く快感に悶えるセレナの股間からは、黄金水が綺麗なアーチを描いて噴き出している。その状態のまま、自らの肉体に金色獅子の魂を同化させた彼女は、新たな姿へと変貌を遂げていった。

 

「融合召喚! 現れ出でよ! 黄金の魂を引継ぎし気高き野獣! 【淫獣娘々 放尿失禁獅子(おもらしし)セレナ!】」

 

 金色の毛皮を上半身に纏い、顔にも牙の意匠を思わせる化粧を施したそのモンスターを見て、股間を隠すものが何もなく、つるりとした性器が丸見えなことを除けば、気性の荒いセレナの雰囲気をそっくりそのまま反映したかのような分身モンスターであるなと私は思った。

 まあ、ほぼ全裸の状態でヒーローマントとグローブ&ソックスという変態的な格好をしている自分そっくりのモンスターを従えている時点で私も彼女と同類だ。そうやって、考えを切り替えた私は、他の仲間たちと一緒に眼下にそびえる巨大なロボットを睨む。

 

 ネオン煌く繁華街。天を衝かんとばかりに伸びる摩天楼の頂上に並び立つ4人の戦士たち……こういうと格好良く聞こえるが、その実態は【痴女としか思えない格好の変態女ヒーロー】と【露出の激しいスリングショット姿のロリ巨乳牛娘】と【全裸の方がまだ恥ずかしくないのではないかと思えるレベルの衣装を着たアイドル】と【おまんこ丸見えの動物コスプレもどきの小娘】たちの集合図である。我ながら、酷いの一言だ。

 しかして、私たちは大真面目にエロデュエルに臨んでいる。男子生徒たちのやんやの喝采を浴び、痴態を視姦されながらも、デュエルロボを攻略するため、私たちは全力を尽くした攻撃を行った。

 

「まずはオレからだ! 【ENo.081 超弩級牛乳娘 モーモーアンナ】に【牛乳娘搾乳兵器 ビックバストキャノン】を装備して、その効果を発動! このカードを装備したモンスターのエクシーズ素材を1つ取り除くことで、このターン、装備モンスターの攻撃力を2倍にする!!」

『うおぉぉぉぉぉぉぉおっっ♡♡♡』

 

 モーモーアンナの両胸に装着された搾乳機が動き出し、彼女の母乳を凄い勢いで搾っていく。機械に連結されている巨大な砲門へと溜まっていく白い液体を眺め、搾乳の快感にアンナが牛のような嬌声を上げている様を見ながら、私は彼女のプレイングが終了するのをじっと待った。

 

「んもぉおっ♡♡♡ お、おっ……♡♡♡ こ、これで、モーモーアンナの攻撃力は5600っ♡ 【スーパーデュエルロボTYPE-X】を上回った♡ さあ、バトルだ! さっきのお返しをきっちりとさせてもらうぜっ♡♡♡」

 

 ゴウン、ゴウンと仰々しい音を響かせたビックバストキャノンは、完全に充填(チャージ)を完了して発射の時を待ち侘びている。

 自身の胸を揺らし、しっかりと狙いを定めたモーモーアンナは、アンナの叫びと共に自らのミルクを蓄積させた強大な一撃をデュエルロボ目掛けて放った。

 

「モーモーアンナの攻撃っ♡ 白濁のミルク・バーストっっ♡♡♡」

『いっけぇぇええええええええええぇええええっっ♡♡♡ んんんんもぉおおおおぉおおおおおおおおおおおおぉおおおおぉおおおっっ♡♡♡』

 

――デュエルロボLP11700→10100

 

『【バリアフィールド】の効果を発動。私の【デュエルロボ】モンスターは、1ターンに1度だけ破壊を免れることが出来ます』

「ああ、わかってるよ! だからこそ、オレが先に攻撃したんだからな!!」

 

 モーモーアンナの攻撃によって、デュエルロボを破壊から守るバリアフィールドが剥がれた。つまり、奴を破壊することが出来るようになったということだ。この状況下で最も活躍出来るモンスターなど、考えるまでもない。

 

「次は私の番よ! 【S・HERO ドスケベ♡アスカ】で【スーパーデュエルロボTYPE-X】を攻撃っ!!」

『ガガッ!? ドスケベ♡アスカの攻撃力は2800。ピンクスクレイパーの効果を合わせても、デュエルロボの攻撃力4000には届かないはず……?』

「私1人ならね! 葵、頼んだわよ!!」

「OK、明日香! 私は手札からアクション魔法【同属強化】を発動するわ! このカードは、モンスターを1体選択し、フィールド全体に存在しているそのモンスターと同じ属性のモンスターの数×200ポイント、選択したモンスターの攻撃力を強化する効果を持っているわ!」

「【S・HERO ドスケベ♡アスカ】の属性は淫! フィールドに存在している淫属性のモンスターは、彼女を含めて4体! 攻撃力は800アップするわ!」

『攻撃力、4600! 【スーパーデュエルロボTYPE-X】を上回った!!』

 

 同じ淫属性のモンスターたちに背中を押されたドスケベ♡アスカが、天高く舞い上がると共にお尻を向けてデュエルロボへと降下していく。

 お尻に溜まった桃色のエネルギーを全てぶつけ、【スーパーデュエルロボTYPE-X】の頭部を押し潰した彼女は、爆発四散するロボットを背景にしながら、本体であるデュエルロボへと、作り出したおっぱいハートから桃色の光線を発射して追加攻撃を行った。

 

「【S・HERO ドスケベ♡アスカ】には、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える効果がある! 戦闘ダメージと合わせた4600ダメージをライフに受けてもらうわ! ラブハート・ビッチフラッシュ♡♡♡」

『ガガッガガガッ!? ビビビビビビッ!?』

 

――デュエルロボLP10600→6000

 

『【スーパーデュエルロボTYPE-X】には、破壊された時に素材となった3体のモンスターを特殊召喚する効果があります。もちろん、これにも【バリアフィールド】の効果が発動されます』

「わかってるわよ! でも、発動するのはあなたのカードの効果だけじゃないわ! 【エロティックアピール 一見さん歓迎】には、自分フィールド上に【エロティックスター】が存在している場合、自分ターン中に特殊召喚された相手のモンスターに魅了カウンターを1つずつ乗せる効果がある! あなたのデュエルロボたちにも、ブルーエンジェルの魅力を教えてあげるわ!! バトルっ!!」

『いえ~~いっ♡♡♡』

 

 ぴょんっ、と音を立てて可愛らしく飛び立った【エロティックスター ブルーエンジェル】は、まず最初に【デュエルロボ・サーチアイ】へと顔面騎乗するように腰を下ろす。

 そうやって、自分の股の間でバチバチと火花を散らす機械の前で「やっちゃった」とばかりにあざとく舌を出した笑った後、今度は【デュエルロボ・ボックスチェスト】へと飛び掛かると、モンスターの体を押し倒してからいたずらっぽく笑ってみせた。

 

「最後に残ってる【デュエルロボ・マシンアーム】とは攻撃力が同じだから、このまま攻撃をしたら相打ちになっちゃうけど――」

「私は手札から、アクション魔法【アタックサポート】を発動! このバトル中、攻撃モンスターの攻撃力を500ポイントアップさせる!」

「ありがと、セレナ!」

「ふんっ! 世話の焼ける奴だ!」

『ギャビィィィ!?』

 

――デュエルロボLP6000→4500

 

 セレナの援護を受けたブルーエンジェルは、最後に【デュエルロボ・マシンアーム】の根っこ部分を掴むと、自分のお尻に手部分を押し付けるという逆セクハラまがいの攻撃を行った。乱暴な扱い方をされたせいか、3体のデュエルロボたちからは火花が噴き上がり、今にも壊れてしまいそうだ。

 

「最後は私だ! 【淫獣娘々 放尿失禁獅子セレナ】には、墓地に存在する【淫獣魂】カードを除外することで、全てのモンスターに1度ずつ攻撃出来る効果がある! 【淫獣魂の導き】を除外して、この効果を発動! さらに墓地の【淫獣魂 金色獅子】には、このカードを除外することで、このターン中、【淫獣】融合モンスター1体に、バトルで相手モンスターを破壊した時に攻撃力を1000アップする効果を付与する!!」 

『ビビビビビビッッ!?』

「さあ、バトルだ!! 【淫獣娘々 放尿失禁獅子セレナ】で【デュエルロボ・マシンアーム】を攻撃っ!!」

『はぁぁぁ……っ!』

 

 ネオンライトを浴びながらデュエルロボたちの元へと降下していった放尿失禁獅子セレナは、まず最初の獲物であるマシンアームを捕えると――

 

『ふにゃぁ……♡♡♡』

 

 その両手に、自身のおしっこを浴びせた。

 機械ゆえに水に弱いのか、それとも他の理由があるのかはわからないが、そのお下品な攻撃を受けたマシンアームは、バチバチと火花を弾けさせ、もくもくと黒煙を巻き上げた後、小さな爆発を起こして消滅してしまう。

 

――デュエルロボLP4500→4100

 

「2度目の攻撃! 対象は【デュエルロボ・ボックスチェスト】だっ!!」

『にゃお~~んっ♡♡♡』

 

 マシンアームを始末したセレナは、次の獲物をボックスチェストへと定めて飛び掛かる。胴体を構成する巨大な鉄の塊の上部へと飛び乗ったセレナは、そこで和式トイレに跨る格好をしてから、再び放尿を開始した。

 短時間で連続しておしっこをしているというのに、放尿失禁獅子セレナの放尿の勢いは先ほどよりも上がっている。攻撃力上昇の影響はここに出るのかと思う私は、セレナが相手モンスターを撃破していく様を見守り続けた。

 

――デュエルロボLP4100→2200

 

「トドメだっ! 【デュエルロボ・サーチアイ】に攻撃! 黄金激浪撃(ゴールデン・スプラッシュ)!!」

『ふっ♡ ふにゃぁぁぁぁぁっっ♡』

 

 サーチアイを蹴り飛ばし、視界を上向きに。そのまま自身のまんこを見せつけるように頭の上に立った放尿失禁獅子セレナが、腰をぶるりと震えさせる。

 次の瞬間には、蛇口をいっぱいに捻ったかのような水量を誇るおしっこがサーチアイの顔面へと浴びせられ、彼女の足の間で不名誉な攻撃を受けながらもそのシーンをばっちりと撮影したサーチアイは、自らの役目を全うした上で爆発四散し、それと同時にデュエルの終わりが訪れたのであった。

 

――デュエルロボLP2200→0

――WINNER 挑戦者

 

「いよっしゃ~~っ! 勝った、勝った、勝った~~っ!!」

「凄いだよ、みんな! 初めてのレイドデュエルで、勝っちまうだなんて……!」

「良い連携してたし、良いお尻とおっぱいも見れた! 最高のエロデュエルだったぜ!」

「……ちなみになんだけど、あなたたちって何かしたの? 大久先輩以外、目立った活躍をしてくれたようには思えないんだけど……」

「さ、さあ! 賞品を受け取ろうじゃないか! いや~、本当にいいレイドデュエルだったな~!」

「あっ!? こら、逃げるなっ!!」

 

 レイドデュエルが終了し、私たちも全裸から元の服装へと戻った。ようやく勃起が治まったのか、大久先輩たち男子生徒たちも口々に私たちを褒め称えた後、葵の鋭い突っ込みを受けて一目散に逃げだしていく。

 初めてのレイドデュエルで大活躍した上に、勝利することが出来た。充実感溢れる思いで出口に向かえば、参加賞と勝利報酬がたっぷりと用意されている台が目に入る。

 

「うわっ!? なにこれ!? 全部貰っちゃっていいの!?」

「もちろんだぁよ! レイドデュエルに勝つのって、すごく難しいんだぁ。勝った時の報酬は凄い量だから、みんなで山分けしてもがっぽり大儲け出来るだ!」

 

 台の上には、カードスリーブやケース等のデュエル用品や、ここでしか手に入らないという【デュエルロボ】シリーズのカード、更にはデュエルモンスターズ関連の商品を買う時に使える通貨である【DP(デュエルポイント)】が大量に貯められているカードなど、12人で分けても余るくらいの賞品が並んでいる。これが全部自分たちの物だと考えると、正直言って興奮が止まらない。

 

 その後、大久先輩たちと相談した結果、私たちは【デュエルロボ】シリーズのカードや、デッキケース等の道具を受け取らない代わりに、汎用性が高いDPを多めに貰うことにした。アキの分のDPも確保したから、今度彼女と一緒に出掛けて買い物でもしようと思う。そうすれば、彼女との溝も埋まるかもしれない。

 それにしても……レイドデュエルって、なかなか楽しいではないか。普通のデュエルと違った趣があるし、アクション魔法をはじめとした異次元のルールも存在している。純粋にデュエルを楽しむなら、結構ありな内容かもしれない。

 

 今度はアキも誘ってもう一度遊んでみたいななどと考えながら、上機嫌でレイドデュエルの会場から外に出た私たちは、ほくほく顔でイベント会場を回ろうとしたのだが……

 

「は~い! 押さないで、押さないで!! 売り切れはしないから!」

「落ち着いて整列してくださ~い! 怪我人を出すと、イベント自体が終了する可能性がありま~す!」

「……何かしら、この列? 私たちがレイドデュエルを始めるまで、こんな列あった?」

「さあ? 何か人気商品でも売られてるんじゃないの?」

 

 会場のすぐ横、売店エリアにごった返す人々を見た私は、何とも言えない嫌な予感に襲われた。それは他の仲間たちも同じだったようで、全員が何処か冷え切った笑みを浮かべながらその列の先頭へと歩んでいく。

 どうかこの予感が勘違いでありますようにと、そう思いながら足を進めていった私たちは、その売店で売られている物を目にして、愕然とした。

 

「は~い! たった今行われたレイドデュエルの様子を撮影した映像ディスクはこちらで販売しておりま~す! 焼き増し用のディスクの備蓄は十分ですので、安心してくださいね~!」

「つい最近、デュエロ・アカデミアに設立された特別クラスの生徒たちが全裸で舞い、飛び跳ね、助平に攻撃する大興奮のエロデュエルを見逃さないでくださ~い! なお、彼女たちが盛大に敗北アクメを決めたエロデュエルが収録されている映像ディスクも別売りで販売しておりますので、気になった方はご購入を!」

「いや~! マジで大売れだね! びっくり、びっくり!!」

 

 綺麗に四等分された長方形の中に映っているのは、私たちのエースモンスター。卑猥な衣装を身に纏った私たちの姿をパッケージとした新作の映像ディスクが、もう販売されている。

 【デュエロ・アカデミア 期待の特別クラス女子生徒たちによるレイドデュエル 登場決闘者 天上院明日香 神月アンナ 財前葵 セレナ】……前に見たAVのような作品のパッケージタイトルよりかは大分マシだが、これはそういう問題ではない。

 ばっちりと名前をタイトルに明記された上に、エロ衣装の写真まで同梱だ。加えて、この感じからすると先のレイドデュエルの様子は全て収録されているのだろう。もう、本当に、全てだ。

 

「……なあ、あの映像ディスクって、もしかしてオレが胸を揉まれてイっちまったところも撮影されてんのか!?」

「わ、私の機械姦も!? あれ、結構派手に感じてたと思うんだけど!」

「まさか……私の放尿シーンもか!? あれは私ではないが、私と同じ格好の女が用を足している映像も収録してあるということか!?」

「ええ、間違いなくそうでしょうね。フィールド中を全裸で駆け回って、おっぱいもお尻もぶるんぶるん揺らしながらエロデュエルする私たちの様子は、もうぜ~んぶ撮られちゃってたってわけよ」

「な、な、な……っ!?」

 

 私だけでなく、葵やアンナ、セレナでさえも顔を青くしたり赤くしたりして微妙な反応を見せている。考え得る限り最悪の、恥ずかしいにも程がある仕打ちを受けている私たちの背後では、大久先輩が酷く落ち着かない様子でもじもじとしながら、引き攣った笑みを浮かべていた。

 

「あ、あの……レイドデュエルの様子は、全てイベント会場に生放送されてて、この辺のローカルテレビでも中継されてるってのは常識なんだども……もしかして、明日香さんたちは知らなかっただか?」

 

 その発言を受けた私たちは、明確な殺意を込めた視線を大久先輩へと向ける。8つの目から放たれる鋭い視線を浴びた大久先輩が、ひぃっと声にならない悲鳴を喉から上げたが、そんなことはどうだっていい。

 今、この状況で言えることはただ1つだけで、やるべきことも1つだ。一斉に駆け出した私たちは、大久先輩の目前で同時に脚を上げると、無防備な彼の腹部に蹴りを浴びせながら大声で叫ぶ。

 

「「「「だから、そういうことは先に言え~~~っ!!」」」」

「ごろごるっっ!?」

 

 4人のキックを食らった大久先輩がくぐもった呻きを上げて大きく後ろに吹っ飛ぶ。でも、今度は誰もフォローしない、気にも留めない。

 大久先輩を蹴り飛ばした私たちは、ぷんすかと憤慨してイベント会場を去っていく。途中、好奇の視線を浴びせてくる奴らには怒りを込めた視線を返して黙らせつつ、このイベントに参加しなかったアキのことを心の底から羨ましく思いながら、私たち4人は、奇しくもまったく同じ誓いを心の中で立てていた。

 

――もう二度と、レイドデュエルなんて参加するものか!!

 

 




次回予告

明日香「本当、酷い目に遭ったわ。やっぱりセックス次元の常識を学ぶことを最優先にした方がいいわよ……」

葵「大賛成。エロデュエルに慣れてきたからって、この次元のことを舐めてたわ。もっと注意深く行動した方がいいわね」

アンナ「おい、大変だ! 前に明日香がぶっ飛ばした眠太郎の奴が、レッド寮に御礼参りに来やがった!」

明日香「眠太郎が!? それで、アモン・レッドのみんなは無事なの!?」

アンナ「それが……アキが相手してくれてるんだけど、なんか変なんだ! オレだけじゃどうにもならねえ、助けてくれ、明日香!」

次回 『忌むべき力 サイコデュエリスト』

明日香「アキ! あなたを孤独になんかさせやしない!」



最強カード紹介

淫獣娘々 放尿失禁獅子セレナ
ATK2400 DFE2000 レベル7 淫属性 獣戦士族
融合素材【淫獣娘々 セレナ】+【淫獣魂 金色獅子】

(1)このカードは戦闘では破壊されない。
(2)墓地に存在する【淫獣魂】と名の付いたカードを除外することで発動出来る。このターン、このモンスターは相手モンスター全てに1度ずつ攻撃が出来る。

―――――

今日の最強カードは、私の切り札である融合モンスター【淫獣娘々 放尿失禁獅子セレナ】だ。バトルの際に役立つ効果が満載のビートダウン主体のモンスターで、墓地に存在する【淫獣魂】の効果を発動することで、その強さを更に増加させられるぞ。

融合素材である【淫獣魂 金色獅子】との相性は抜群だ。融合召喚したターンに、一気に敵陣を壊滅させて勝負を決めてやれ!!

……しかし、おもらしって……その名前だけはどうにかならなかったのか……?



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忌むべき力 サイコデュエリスト

やばい、エロがほとんどない!
次の話頑張りますので、ご容赦ください!


 

「待って! 止まって、アキっ!!」

「くそっ! あいつ、足速すぎだろっ!! おーい、待てよーっ!!」

 

 私たちから全力で逃げ続けるアキを追って、私たちは走る。息が切れ、疲れにへばりそうになっても、懸命に足を前へと進め続ける。

 そんな中でもアキへと叫びかけ、足を止めるように言い続けるが、彼女は私たちの言葉に耳を貸すつもりはないようだ。ただひたすらに、私たちから逃げ続けている。

 

 いったい、どうしてこんなことになってしまったのか? それを説明するために、少しだけ時を戻そう。事の始まりは、数時間前に遡る……

 

 

 

 

 

 

 

 この日はデュエロ・アカデミアの休日、完全フリーの日だ。先日のデュエルイベントやレイドデュエルで色んな意味で疲弊した私たちだが、その衝撃からもすっかり立ち直って普通に生活を送っていた。

 休日も女の子らしく、買い物なんかに出かけるくらいには精神的に余裕も出来ている。街中で、レイドデュエルを見た人たちから声をかけられたり、羨望や欲望の感情が込められた視線を向けられたりしながら、私は葵と共にショッピングを楽しんだ。

 とは言っても、今回の買い物は生活用品の買い足しが主であり、世間一般の人々が想像する楽しいショッピングとは随分と差があるだろう。一応、お洒落というか、服を買ったりもしたが、それは摩耗が激しい下着(主にパンティだ)を買っただけであり、私服の購入等はしていない。

 

 まあ、そんなこんなで普通の学生らしい休日を過ごしていた私であったが、そこに突然、アンナからのSOSが入った。なんと、レッド寮にあの催眠太郎が乗り込んで来たというのだ。

 私へのリベンジマッチに燃え、手下を引き連れてレッド寮を急襲した眠太郎は、そこに私が居ないと知ると手当たり次第にアモン・レッドの寮生たちを襲い始めたらしく、アンナ1人では手が付けられないそうだ。

 幸か不幸か、こういう事態に真っ先に反応するであろうセレナは進藤先生の補習を受けに行ったため不在であり、アンナもまだ彼らには見つかっておらず、強引にエロデュエルに巻き込まれるといったことにはなっていないらしい。

 ただ、問題がないわけではない。私たち4人は無事だが、朝から何処かに出かけていたアキが眠太郎が暴れまわるレッド寮に帰って来てしまい、彼に見つかってしまった。アキは紛れもない美少女であり、スタイルも良い。しかも、私たち特別クラスの中で唯一、エロデュエル用のデッキを所持していない。そんな絶好のカモを見逃すほど、眠太郎も甘くはなかった。

 

 今、アンナが私たちに連絡している最中にも、アキは眠太郎と彼の手下を含めた数名の男子生徒たちとエロデュエルを行っている。仲間が絶体絶命のピンチを迎えていることを知った私と葵は大急ぎでデュエロ・アカデミアへと帰り、そこで進藤先生の補習から解放されたセレナを確保したアンナと合流し、レッド寮に舞い戻った。

 どうかアキが無事でいるようにと願いつつ、レッド寮の玄関を開いた私たちが目にしたのは……自分たちの想像を超えた、衝撃の現場だった。

 

 そこには、眠太郎たちに嬲られ、全裸に剥かれた上で徹底的な凌辱を受けたアキの姿が……なかった。彼女は、自分たちを襲って来た男子生徒たちをすべて返り討ちにして、今まさに眠太郎にトドメを刺そうとしているところだった。

 アキが召喚したモンスターが、巨大な茨を振るって眠太郎を襲う。その瞬間に響いた彼の恐怖の叫びを、私たちは暫くは忘れることが出来ないだろう。

 

 絶叫、振動、そして衝撃。老朽化の進んだレッド寮の天井や壁が軋み、ミシミシと音を鳴らす。私たちもまた顔を庇うようにして腕をクロスして吹き荒れる衝撃から身を守ったのだが、その際に明らかな違和感を感じていた。

 

 おかしい、こんな衝撃がデュエルで発生するはずがない。幾ら立体映像を用いたデュエルであろうとも、生み出されるのはあくまで痛みを伴わない衝撃までであって、こんな建物が崩壊しかねないレベルの被害が出るはずがないのだ。

 デュエルによって快感を発生させられるセックス次元ならば、もしかしたらそういった技術が確立されているのかもしれないが……それでも、人体に害が出かねないほどの衝撃や痛みをシャットアウトする技術も確立されていることから考えるに、これは流石に異常としか思えなかった。

 

 やがて、デュエルに完全勝利したアキは、デュエルディスクの電源をOFFにすると共に、悲しそうな表情を浮かべて私たちを見つめた。そして、そのまま寮を飛び出して逃げ始め……今に至るということだ。

 

 いったい、どうしてアキが私たちから逃げ続けているのかなんて、私にだってわからない。だが、何か自分の想像を超えた事件が起きていることだけは察することが出来た。

 この不可解な状況を打開するためということもあるが、何よりアキの浮かべた悲し気な表情が気になって仕方がない私は、彼女から事情を聞き出そうと懸命に追跡を続けているというわけだ。

 しかし、このままでは追いかけっこが延々と続く気がしてならない。アカデミアの裏にある森に逃げ込んだアキは、巧みに地形を利用して私たちから距離を取り続けている。このままでは追いつくどころか、撒かれてしまう可能性が高いだろう。

 

 どうやってアキを止めればいいのか……? その方法がわからず、ただ走ることしか出来ない私の後ろで、アンナが歯軋りをしてから大声で叫ぶ。

 

「あ~っ、もうっ! 本当は使うつもりは無かったんだが……しょうがねえ! こいっ! フライングランチャー!!」

 

 走りながら頭上に手を翳したアンナの呼びかけに応え、空から何かが飛来する。飛行機と大砲が合体したかのような形をしているそれに飛び乗ったアンナは、アキの進行方向を指差すと、フライングランチャーと呼んだその砲門から弾丸を発射した。

 

「おらっ! 止まれっ、アキっ!」

「なっ!?」

 

 雨あられと降り注ぐ砲弾の嵐。無数の爆風に襲われたアキは、流石にこれ以上は逃げきれないと踏んで足を止めた。

 彼女に追いついた私たちは、必死に息を整え、心を落ち着かせてから、質問を投げかける。

 

「アキ、どうしたの? 何故、急に逃げ出したの……?」

「……説明する義理はないわ。これ以上、私に関わらないで」

「そんなこと出来ないわよ。私たち、同じクラスの仲間じゃない」

「なら、もうそれも関係ない。私はデュエロ・アカデミアを退学するわ」

「え、ええっ!?」

 

 短く、淡々とそう告げたアキの言葉に驚く私たち。彼女が冗談でそんなことを言っているわけではないことは、今の彼女の様子からわかる。問題は、どうしてアキが急にそんなことを言い始めたのかという点だ。

 やはり、先ほどの眠太郎とのデュエルで何かがあったのだろうか? しかし、あれは正当防衛なのだから、アキには非があるとは思えないのだが……。

 

「おい、退学するって、どういうことだよ!? ちゃんと説明しろって!」

「自分のことは自分で決めて構わないとは思うが、何も説明されない内に消えられるのは気分が悪い。大人しく事情を話せ、アキ」

 

 怒りと困惑が半々、といった様子でアキへと詰め寄るアンナとセレナ。アキはそんな彼女たちに対して何も答えなかったが、次いで質問を投げかけた葵の言葉に、表情を一変させる。

 

「アキ……あなたが退学を決めた理由と、さっきあなたが倒した男子たちが怪我をしていたことに、何か関係はあるの?」

「くっ……!」

「怪我? あいつらがか? でも、そんなのおかしいだろ!? だって、デュエルで怪我するわけがない! エロデュエルだって、アバターが受けた快感が本物の肉体に影響を出さないような工夫がされてるんだぜ!?」

「ええ、その通りよ。でも、あの男子たちは全員が全員、同じような怪我を負っていた。それも結構な重傷よ。そんな怪我をおしてまで、明日香にリベンジを挑む理由なんてない。つまり、あの怪我はアキとのデュエルで負ったものとしか考えられないの」

「デュエルで他人を傷つけるだと……!? そんなもの、まるきり兵器ではないか!」

 

 普通ならあり得ない考えを言葉にした葵に対して、セレナの叫びが飛ぶ。その瞬間、アキの表情は怒りと悲しみをごちゃ混ぜにしたかのような、苦しみを体現したかのようなものへと変貌した。

 

「……兵器、ね……。その通りかもしれないわ。私は、人間じゃない……魔女なのよ」

「アキ? それって、どういう……?」

「理由が知りたい? なら、私とデュエルしなさい。そうすれば、全てが理解出来る。そして、あなたたちも私に関わろうとは思わなくなるはずよ」

 

 デュエルディスクを起動し、デュエルの構えを見せるアキ。そんな彼女の姿から異様なプレッシャーを感じた私は、ごくりと息を飲んだ。

 共に生活を始めてからおよそ1か月の月日が過ぎているが、アキのことはほとんどわかっていない。人との関わりを避け、孤独であろうとする彼女が放つ謎の威圧感に押されながらも、私はこのデュエルがただのデュエルでないことを悟っていた。

 このデュエルには、アキの未来がかかっている。ここで彼女を引き留められなければ、きっともう彼女は誰かと心を結ぼうとしなくなるに違いない……そんな、確信にも近しい思いを抱いた私は、意を決するとアキの相手に名乗りを上げた。

 

「わかった。私が相手をするわ。ルールはセックス次元のもので良いのよね?」

「ええ、構わないわ。エロデュエル用のカードも好きに使えばいい」

 

 デュエルディスクを起動して、一歩前へ。仲間たちの不安気な視線を受けつつ、彼女たちを安心させるように小さく頷き、アキを見つめる。

 彼女の表情からは、怒りや悲しみ、そして苦痛の感情が読み取れる。その全てを紐解くことは出来ないが、私にもアキが何を望んでいるのかはわかっていた。

 

 アキは、助けを求めている。この苦しみから自分を救い出してくれる誰かを、待ち続けている。

 そこからアキを助け出すには、まずは彼女が何に苦しめられているのかを知る必要がある。このデュエルで彼女の苦しみを理解し、そこから解き放つことを目的と定めた私は、険しい表情を浮かべながらアキと一緒に叫んだ。

 

「「デュエル!!」」

 

 

 

――天上院明日香VS十六夜アキ LP4000 1マッチ

 

 

 

「先攻は私が貰うわ。モンスターをセットし、カードを2枚伏せてターンエンド……」

 

 先攻を取ったアキは、目立った点のないプレイングを見せた。

 物静か、というよりもどこか不気味さを感じさせる彼女のデュエルに飲まれそうになりながらも、私は自分のデュエルをすべく山札からカードを引く。

 

「私のターン! 手札から、【S・HERO アスカ】を召喚! その効果で、デッキから【S・HERO 中年男】を特殊召喚して、性交装備(セックスドッキング)!」

 

―――――

 

S・HERO(スケベヒーロー) アスカ

ATK1000 DFE1000 レベル3 戦士族 淫属性

 

(1)このカードが場に出た時、デッキ・手札・墓地から、レベル4以下の【S・HERO】モンスターを1体特殊召喚出来る。

(2)1ターンに1度、フィールド上のこのカードを他の【S・HERO】モンスターに性交装備しても良い。

(3)このカードが射精された時、もしくは性交装備が解除された時、ザーメンカウンターを1つ乗せる。(最大5つまで)

(4)このカードは戦闘及び相手カードの効果では自分フィールドから離れない。

 

―――――

 

『う~ん、久しぶりのアスカちゃんのまんこ! やっぱり最高に気持ちが良いね~!!』

『ふあぁっ♡ そ、そんなに動かないでぇ……♡』

 

 性交装備状態になり、攻撃力を2000へと上昇させた中年男が、小刻みに腰を揺らしてアスカの膣を責める。自分の内部でびくびくと脈打つ肉棒の感触を感じ、快感を味わいながら、私は攻撃を宣言した。

 

「バトル! 【S・HERO 中年男】で裏守備モンスターを攻撃! メタボリックプレッシャー!!」

 

 姿の見えない、裏守備モンスターをアスカと自身の体重を合わせた強烈なボディプレスで破壊する中年男。立体映像でカードの残骸が飛び散るエフェクトが発生すると共に、アキがその効果処理を行う。

 

「破壊された【アイヴィ・ウォール】のリバース効果、相手フィールド上にアイヴィ・トークンを1体守備表示で召喚するわ。このトークンが破壊された時、あなたは300ポイントのダメージを受ける」

 

「ちっ、厄介だな。地味だけど、いやらしい効果を持ってやがるぜ」

「既に明日香はこのターン中の召喚権を使ってしまった。アドバンス召喚のためにトークンをリリースすることも出来ない。返しのターン、トークンを破壊される可能性は高いだろう」

「でも、明日香の場には攻撃力2000の中年男がいる。生半可なモンスターなら、その次のターンで破壊してLPを逆転させられるわ」

 

 自分のフィールドに出現したツタの塊を見ながら、私は仲間たちとほぼ同じことを考えていた。確かにこのトークンの効果は地味に痛いが、本当にちょっと痛い程度のダメージしか負わない。300程度のダメージなら、十分に取り返しが出来る範囲だ。

 

「私はカードを2枚伏せ、ターンを終了するわ」

「……私のターン、ドロー」

 

 防御用のカードもセットした、準備は万端だ。しかし、私の胸中からは、未だ全貌のしれないアキのデュエルに対する不安感と恐怖が拭えずにいる。

 いったい、彼女はどんなデュエルを行うのだろうか? 緊張感が漂う空気の中、デッキからカードをドローしたアキは、ギラリと眼光を光らせると遂にその牙を剥いた。

 

「手札から【ローンファイア・ブロッサム】を召喚。このカードをリリースして効果を発動、デッキから植物族モンスター【ローズ・テンタクルス】を特殊召喚するわ」

『ギシャァァァァァッ!!』

 

 召喚したモンスターを即座にリリースし、デッキから更に強力なモンスターを呼び出すアキ。

 地面を割り、這い上がって来るツタの中から姿を現したのは、巨大な薔薇の姿をした恐ろし気なモンスターだった。

 

「ここで伏せてあった【アイヴィ・シャックル】を発動するわ。このカードの効果によって、私のターン中のみ、フィールド上の全てのモンスターは植物族となる。【ローズ・テンタクルス】には通常の攻撃に加え、バトルフェイズ開始時に相手の場に存在している植物族モンスターの数だけ攻撃を追加出来る効果と、植物族モンスターを破壊した際に相手ライフに300ポイントのダメージを与える効果を持っている」

「んなっ!? ってことは……!!」

「明日香の場にいるモンスターは中年男とアイヴィ・トークンの2体。【ローズ・テンタクルス】は、3回の攻撃が可能だ。このままでは、明日香にダイレクトアタックが届いてしまう!」

 

 うねり、捻じれ、茨の鞭をしならせる巨大な薔薇。その姿に威圧される中年男とアスカを尻目に、アキは自分のモンスターに攻撃命令を下す。

 

「まずはアイヴィ・トークンに攻撃。ソーンウィップ・1(ワン)!」

「うっ!? きゃぁあぁっっ!!」

 

 最初の犠牲はツタの塊であるアイヴィ・トークンだ。巨大な茨に叩き潰され、あえなく破壊されたトークンの効果と、【ローズ・テンタクルス】の効果によって、私は600ポイントのダメージを受ける。

 その瞬間、私の体に鋭い痛みが走り、予想だにしていなかったその激痛を感じた私の口から、甲高い悲鳴が飛び出してしまった。

 

「あ、明日香!? どうかしたのか!?」

「なに、これ……? ソリッドビジョンのダメージじゃない、本物の痛みが……!?」

「……感じたのね、痛みを。少しは理解し始めたかしら? ……続けて、【S・HERO 中年男】に攻撃。ソーンウィップ・2(ツー)!」

『ぎゃひぃぃぃっ! 久々の出番なのに、あんまりだ~っ!!』

「うっ!? うわぁあぁあっっ!!」

 

 2度目の攻撃で中年男が蹴散らされる。【ローズ・テンタクルス】との攻撃力の差、100ポイントの戦闘ダメージと、300ポイントの効果ダメージを受けた私は、先ほどよりも強く感じられた痛みに再び悲鳴をあげてしまった。

 

「ぐっ……! この瞬間、中年男が破壊されたことで性交装備が解除された【S・HERO アスカ】が場に特殊召喚されるわ」

「ダイレクトアタックは無理ね。でも……【ローズ・テンタクルス】3度目の攻撃! ラスト・ソーンウィップ!!」

『きゃぁあああああああぁあああああああっっ!!』

 

天上院明日香LP4000→1900

 

 攻撃力2100の【ローズ・テンタクルス】と1000の【S・HERO アスカ】の戦闘。当然、数値の低いアスカは吹き飛ばされ、全身に響くような衝撃が駆け抜ける。

 しかし、それに加えて鈍く重い激痛が全身に走る衝撃に三度悲鳴を口にした私は、その場に膝をついて荒い呼吸を繰り返す。視界が霞み、体を動かすことも億劫になる程の痛みの中、私はアキへと質問を投げかけた。

 

「アキ、あなたなの? この痛みは、あなたが生み出しているものなの……?」

「……ええ、その通りよ。これで少しは、私と関わろうとする気持ちも萎えたんじゃないかしら?」

「い、痛み? アキが生み出した? 何言ってんだよ、お前ら!? わけわかんねえよっ!」

「待って! アンナ、あれを見て!!」

 

 事態がまるで飲み込めていないとばかりに困惑するアンナの叫びが木霊する。実際にダメージを受け、痛みを感じている私ですら理解出来ないことの方が多いのだ、それすらもわかっていないアンナには、文字通り意味不明の状況であるに違いがない。

 そんな中、ある一点を見つめてそこを指差した葵が、状況の不自然さに気付くと私たちにそれを伝える。

 

「アキのモンスターが攻撃を行った地面が、あんな風に抉れてる……! あれは立体映像じゃない、本物の地面よ。それなのに、どうしてあんな風になっているの!?」

「まさか、本当に……デュエルのダメージが、現実世界に影響を及ぼしているとでもいうのか!? そんなこと、あり得るはずが――」

「あり得るのよ、私ならね! だって私は……サイコデュエリストなのだから……!」

「サイコ、デュエリスト……? それって、いったい……?」

 

 苦しみを押し殺したような声を漏らしたアキが顔を伏せる。私の声に反応して顔を上げた彼女は、苦悶の表情を浮かべながら自らが持つその奇妙な力について話し始めた。

 

「デュエルによって、周囲に物理的な被害をもたらすことが出来るデュエリスト。それがサイコデュエリストよ。この忌むべき力を持って生まれた私は、周りの人間たちから怖れられ続けた。両親ですら、私のことを見捨てた! こんな力があるせいで、私は家族も友人も失った! あの世界には、私の居場所なんてなかった……! あの世界の全てが、私の敵だった!!」

「そんな……そんな馬鹿な馬鹿な話があるかよ!? デュエルで破壊をもたらすサイコデュエリストだぁ!? ど、どう考えたって、そんなの……!!」

「いいえ、アキの言っていることは真実よ。デュエルのダメージに応じて、私の体にも痛みが走ってる。眠太郎たちも、この能力で怪我をしたんだわ」

 

 ようやく、全ての合点がいった。眠太郎たちの怪我も、デュエルの際に生まれた痛みも、周囲への被害も、全てアキが持つサイコデュエリストとしての力が原因だったのだ。

 そうして、徐々に一連の事件の真相を理解しつつあった私たちに対し、アキは苦し気な声で自らの意思を吐露し始める。

 

「このセックス次元に残ったのは、元の世界に居場所がなかったってだけじゃないわ。デュエルの技術が進歩しているこの世界なら、私のこの力をどうにか出来るんじゃないかって思ったから! だから、これまでずっと研究機関に協力して、データの提供をしつつサイコパワーの治療に努めてきた、それなのに……それも全部、無駄だった!! この力を捨てることは不可能だって、そう言われたのよ!」

 

 アキの瞳から涙が零れる。その悲痛な叫びを耳にした私たちは、全員が何も言えずにただ黙りこくることしか出来ないでいた。

 行先も告げず、不意にふらりとアキが何処かに消えていたのは、この力の治療のために研究施設に出向いていたのだ。彼女は自身の秘密を誰にも告げられず、一縷の望みにかけてデータを提供する日々を送っていたのだろう。

 もしかしたら自分も普通の人間になれるかもしれないという望みを胸に毎日を耐えていたアキであったが、その望みは木っ端微塵に砕かれた。恐らくは今日、研究施設の人間にそのことを告げられたのかもしれない。

 そうして絶望的な事実を突きつけられたアキは自暴自棄になり、絶好の八つ当たりの相手である眠太郎たちとデュエルし、自身の能力を完全に解放した。彼らを傷つけ、叩きのめしたことでサイコデュエリストであることを知られた今、もう学園に残ることは出来ないと、そう考えているのだ。

 

 やがて、自らの苦しみを吐き出したアキは、ゆらりと不穏な雰囲気を纏い、髪を逆立て、狂気の笑みを浮かべながら、憎しみのままに恨み言を叫び始める。

 

「もう、全てがどうだっていい。何もかも、壊れてしまえばいい! 私はこの力で、全てを破壊する! このセックス次元を破壊したら、次元を渡る力を奪って、元居た世界も破壊する! それが終わったらまた別の世界を! そこも破壊し終えたらまた別の世界を! 全ての世界に、私の憎しみをぶつけてやるわ!!」

「そ、そんなの駄目よ! 思い直して、アキっ!!」

「うるさいっ!! 世の中の人間が私を化物と、魔女として見るのなら、私は怪物に成り果てるだけよ! 私はもう、全てを捨て去る! 過去も未来も、人間としての心さえも全て捨てて、憎しみの怪物として生き続ける!! あははははははははっ!!」

 

 狂気に染まったアキの笑い声。それは酷く虚しく、悲しい声だった。

 アキの怒り、悲しみ、絶望、苦しみ……それらの感情が混ざり合い、憎しみとして膨れ上がっていることはわかる。だが、それ以上に彼女は救いを求めているはずだ。彼女の流す涙が、苦しみの中でもがいていることがよく分かるその声が、全てを物語っていた。

 

「アキ……そんなことは絶対にさせない。他の誰でもないあなたのために、私はあなたを止めるわ!」

「私のため? なら、今すぐに私の前から消えて! 救いなど、友情など、私は求めていない!! 私が求めているのは、破壊だけよ!」

「いいえ、違うわ! あなたはそんなこと望んじゃいない! あなたは今、絶望と憎しみに心を押し潰されそうになっているだけなのよ! ここであなたを行かせてしまったら、あなたの心は完全に壊れてしまう。そんなこと、絶対にさせない! あなたを孤独になんてさせやしないわ!」

 

 アキの気持ちを完全に理解することなんて出来はしないのだろう。だが、私には彼女の苦しみが少しだけわかる気がしていた。

 優秀な兄がいるせいで、誰も私を認めてくれないという苦しみ。世界に居場所がなく、孤独感に心が押し潰されそうになったことが何度もあった。この世界の全てを恨んで、憎んでしまったこともあった。全ての人がいなくなってしまえばいいと思い悩むことだってあった。

 けど、本当はそんなことを望んではいない。私が欲しかったのは、()()()()()()()()()()だった。ありのままの私を、天上院明日香を、素晴らしい人間だと言ってくれる誰かと出会って、私自身が自分に自信を持てるようになっていたら、きっとこのセックス次元に残ることなどなかっただろう。

 

 アキもそうだ、本当は破滅と破壊なんて望んではいない。彼女はただ、自分を受け入れてくれる誰かを探しているだけなんだ。

 似た苦しみを経験した私だからこそ、そのことがわかる。そして、ここでアキを孤独にしてしまえば、彼女のその願いは二度と叶わないということもわかっている。

 だから行かせない。アキはここで止める。彼女に自分が1人ではないと教えるために、このデュエルで勝たなければならない。

 

 証明するのだ、デュエルが結ぶ人の絆を……!

 

「エンドフェイズ時、私は伏せてあった【エクスタシー・リベンジ】を発動! このターン中、私が受けたダメージ500毎に、アスカにザーメンカウンターを1つ乗せることが出来る! 私が受けたダメージは2100! よって、4つのカウンターをアスカに乗せる!」

 

 次のターンに備えて準備しておいたリバースカードを発動した私は、アスカのカウンターを最大値である5まで貯めることに成功した。

 アキも私の抵抗に苛立ったように舌打ちをするが、もうターンはこちらに回ってきている。彼女の心を救うため、私は自身の切り札を呼び出した。

 

「【S・HERO アスカ】をリリースし、手札から【S・HERO ドスケベ♡アスカ】を特殊召喚っ! ザーメンカウンターの数は5! ドスケベ♡アスカの攻撃力は、最大の3500よ!」

『はぁぁぁぁぁ……っ! てやぁっ!!』

 

 自身の効果で引き上げられる最大の値まで攻撃力を上昇させた【S・HERO ドスケベ♡アスカ】もまた、私と同様に決意を漲らせた表情でアキを見つめている。分身カードでもある彼女が私の想いを共有してくれていることを感じつつ、私は更にモンスターを展開していく。

 

「【S・HERO 中年男】を通常召喚! これで盤面は整った! 【S・HERO ドスケベ♡アスカ】で【ローズ・テンタクルス】を攻撃!!」

「ぐっ!? あぁあああぁあっっ!!」

 

十六夜アキLP4000→500

 

 戦闘ダメージと【S・HERO ドスケベ♡アスカ】の効果ダメージで一気にアキのLPを削る。苦しそうに呻く彼女の姿に心を痛めながら、私は次の攻撃を繰り出した。

 

「【S・HERO 中年男】でダイレクトアタック! この攻撃が通れば、私の勝ちよっ!!」

『うっひょひょ~~いっ! アスカちゃんとはまた趣の違う巨乳美少女だ~いっ!!』

 

 某怪盗アニメの主人公のようにアキに向かってダイブする中年男。攻撃力1500である彼の攻撃が通れば、残りLP500であるアキの敗北が確定するのだが……。

 

「リバースカード【ピンポイント・ガード】を発動! 墓地からレベル4以下のモンスターを守備表示で特殊召喚し、このターンの間、そのモンスターは破壊されない! 私が選ぶのは【ローンファイア・ブロッサム】!!」

『うえぇぇ~っ!? なんでこうなるの~っ!?』

 

 地面を割って噴き上がった炎に中年男が吹き飛ばされる。鎮火した炎の中からは、先ほど強力なモンスターを呼び出した【ローンファイア・ブロッサム】が何事もなかったかのように揺らめいていた。

 やはり、アキも相当な実力者だ。そう簡単には勝たせてくれない。しかし、私の場には切り札である【S・HERO ドスケベ♡アスカ】が最大攻撃力で存在している。このモンスターを突破するのは、ちょっとやそっとのことではないはずだ。

 

「私はこれでターンエンド。アキのターンよ」

「……私は、再び【ローンファイア・ブロッサム】の効果を使うわ。自身をリリースして、デッキから【ギガプラント】を特殊召喚する」

「また上級モンスターを場に出しやがった! でも、攻撃力はドスケベ♡アスカの方が上だ!」

「でも、それはアキもわかってるはず。彼女ほどのデュエリストが、それだけのためにあのモンスターを呼び出したとは思えないわ」

「……気を付けろ、明日香。アキは何かを仕掛けてくるぞ!」

 

 セレナの忠告に頷きながら、私は油断無くアキのプレイングを観察した。

 確かに、このままアキがやられてくれるとは思えない。彼女の目には、憎しみの感情と共に明らかな闘志が燃え上がっている。あの目は、勝負を諦めた人間がする目ではない。勝つためにデュエルを続ける決闘者のそれだ。

 アキはここで勝負を決めるつもりだと、私は悟った。その予想に違わず、一度呼吸を置いたアキは、私に全ての憎しみをぶつけるようにして叫びをあげる。

 

「私を孤独にさせないですって? そんなことは不可能よ! 私の苦しみは、憎しみは、心の闇は……誰にも理解出来ない! 私の周りからは、どんな人間だっていなくなってしまう! あなたたちだって、そうに決まってるじゃないっ!!」

 

 憎しみと、悲しみ。2つの感情を爆発させるように叫びながら、自身のデュエルディスクにカードを叩きつけるようにしてモンスターを召喚したアキは、既に場に出ている【ギガプラント】とそのモンスターを利用し、私の知らない召喚方法を披露した。

 

「レベル6の【ギガプラント】に、レベル1の【コピー・プラント】をチューニング! 冷たい炎が世界の全てを包み込む。漆黒の華よ、開け! シンクロ召喚!!」

 

 アキのモンスターたちが、光輝く星とエメラルドカラーの光の輪へと姿を変える。交わり、1つとなった星と輪を包むようにして光の柱が出現すると共に、私たちを凄まじい衝撃が襲った。

 

「咲き乱れよ! 【ブラック・ローズ・ドラゴン】!!」

『ギュオォォォォオォッ!!』

 

 咆哮を上げながら姿を現したのは、【ローズテンタクルス】すらも超える巨躯を持つ薔薇……いや、ただの薔薇ではない。美しき薔薇の姿をした、(ドラゴン)だ。

 濃い赤色に染まった、恐ろしくも美しいその姿。鋭い棘を無数に並べた茨を操り、仇成す者を絡め捕り、破壊するという意思を感じさせる血走った眼。

 憎しみの花言葉を持つブラック・ローズの名を冠したそのモンスターの姿に圧倒される私たちの前で、アキは【ブラック・ローズ・ドラゴン】の効果を発動した。

 

「【ブラック・ローズ・ドラゴン】のシンクロ召喚成功時、フィールド上の全てのカードを破壊することが出来る。私はこの効果を発動しつつ、手札から速攻魔法【禁じられた聖衣】を発動。このターン、攻撃力を600下げる代わりに【ブラック・ローズ・ドラゴン】は効果での破壊を免れることが出来る」

「すべてのカードを、破壊……!? なんて凶悪な効果なの!?」

「言ったでしょう。私の周囲からは全てのものが消え去るって……全てを滅ぼせ、【ブラック・ローズ・ドラゴン】!! ブラック・ローズ・ガイル!!」

 

 巻き上がる旋風。黒薔薇の花弁を乗せた暴風が、裏山の中で吹き荒れる。

 デュエルフィールドだけじゃない。このデュエルを見守っているアンナたちをも巻き込むほどの強い風が、アキの憎しみを乗せて荒れ狂っている。その風に飲まれたモンスターやカードたちは全て破壊され、地面を抉る竜巻によって舞い上がった砂埃が私たちの視界を閉ざした。

 

「……これでいい。私は、常に1人。私の傍に誰かが残るなんてことは、あり得るはずがないのだから……」

 

 自身の憎しみを体現する【ブラック・ローズ・ドラゴン】だけを傍に置き、アキが悲し気な声で呟く。その声には無理矢理に自身を納得させているような、そんな苦しみが感じられた。

 やがて、竜巻によって生まれた衝撃が消え去り、砂埃も徐々に収まったことで、私たちの視界も晴れ始めた。最も激しい衝撃が起きたデュエルフィールドの様子が露になり、私の場を目にしたアキは、一拍の後に信じられないとばかりに眼を見開く。

 

「どう、して……? あなたの場に、モンスターが残っている!?」

 

 【ブラック・ローズ・ドラゴン】の効果で完全に崩壊した私の場に、たった1体だけだがモンスターが残っていた。

 腕を組み、防御の姿勢を取る【S・HERO アスカ】の登場に困惑を隠せないアキに対して、私は静かに自分が何をしたのかを説明する。

 

「あなたが【ブラック・ローズ・ドラゴン】の効果を発動させた瞬間、私も伏せてあった速攻魔法【バトンタッチ・ビッチ】を発動させてもらったわ。その効果で、フィールド上の【S・HERO ドスケベ♡アスカ】をリリースし、墓地の【S・HERO アスカ】を守備表示で特殊召喚した! そして、アスカは相手カードの効果、及び戦闘では破壊されない! 【ブラック・ローズ・ドラゴン】の効果をもってしても、彼女を破壊することは不可能よ!」

「ぐぅっ……!」

 

―――――

 

バトンタッチ・ビッチ

速攻魔法

 

自分フィールド上に存在している淫属性モンスターをリリースし、そのモンスターと共通した名称を持つ別のモンスターを墓地から特殊召喚する。

 

―――――

 

「こんな、馬鹿な……!? ブラック・ローズ・ガイルを食らって、生き延びるモンスターがいるだなんて……!」

 

 例え効果で破壊は免れることは出来たとしても、サイコデュエリストとしての能力がある以上、モンスターもプレイヤーも無事では済まない。実際、私も【S・HERO アスカ】も、竜巻をまともに受けて全身が傷だらけ、服もボロボロの状態だ。

 それでも強い意志を持って自分を見つめてくる私たちの視線を受け、アキが動揺すると共にたじろいでみせた。何もかもを破壊する自分の切り札の効果を受けても尚、そんな目をしている私たちのことが信じられないらしい。

 

「……言ったでしょう、アキ。あなたを孤独になんかさせやしないって……! あなたがどれだけ拒絶しようと! 否定しようと! 私たちはあなたの傍にいるわ!」

「なん、なのよ……? あなたはなんなのよ!? どうして、私なんかのためにそこまでするの!?」

「わかるからよ、あなたの気持ちが!! その苦しみがっ!」

「!?!?!?」

 

 憎しみではなく、混乱の叫びを上げるアキ。そんな彼女に答えを返したのは、私ではなく葵だった。

 私同様に、あの暴風の中を生き延びた3人の仲間たちは、ボロボロの姿でありながらも力強くアキへと自分の想いを叫ぶ。

 

「私もあなたと同じ! 自暴自棄になって、全てがどうでもよく感じて、自ら命を絶とうとした! だけど、この世界に来て、明日香と出会って、私は生まれ変わることが出来た! アキ、あなただって変われるはず! 私に出来たことが、あなたに出来ないはずがない! 自信がないというのなら、私だって手を貸すわ!」

「オレは、明日香や葵みたいに、お前の苦しみがわかるとは言えねえよ。でも……お前が本当は優しい奴なんだってのはわかる! 無理に強がって、1人になろうとすんじゃねえ! オレたち、仲間だろうが!」

「……さっき私が言った、兵器という発言でお前を傷つけたとしたら、それは謝る。お前は強いデュエリストだ。お前が傍に居てくれれば、共に切磋琢磨出来れば、私はもっと強くなれる! お前が自分の力を恐れるというのなら、私がそれ以上の力を以てねじ伏せてやろう! だから行くな、アキ!! お前の居場所は、この特別クラスにあるぞ!!」

 

 葵、アンナ、セレナ……3人の叫びを、思いを受け止めたアキの表情が歪む。

 苦しそうで、それでいて嬉しそうなその顔。瞳から零れる大粒の涙。それが嬉し涙だと思ったのは、私の自惚れではないだろう。

 

「……アキ、私たちがあなたの傍にいる。あなたは、決して孤独なんかじゃない。あなたが手を伸ばせば、私たちはその手を取れる距離にいるわ。だから、お願い! 憎しみに負けないで、アキ……!!」

「う、あ……うわぁああぁああああああぁあああっっ! 私を、惑わせるなっ! 私が望むのは孤独! 破壊! 憎しみを世界に振りまくことだけっ! 絆なんて、そんなもの……私には必要ないっ!」

「アキっ!!」

 

 アキが叫ぶ、自身の心の揺らぎを認めたくないと。そして否定する、心の中に生まれた温かな感情を。

 でもその叫びは、憎しみや狂気から発せられたものじゃない。化物になろうとしていた彼女が、人間に戻りたいと願い気持ちを受け入れられないが故に飛び出した叫びなのだ。

 私たちの声は、想いは、届いている。だとしたら、あと一歩だ。このデュエルでアキを止めることで、彼女はきっと本当の自分を取り戻せる。

 

(負けられない、絶対に!)

 

 ほんの少し、あと少しだけでいい。アキの心に踏み込めるだけの強さが欲しい。そう願う私に対し、アキは迷いを振り払うかのように【ブラック・ローズ・ドラゴン】の効果を発動した。

 

「【ブラック・ローズ・ドラゴン】第二の効果! 墓地の植物族モンスターを除外することで、相手の場の守備表示モンスターを攻撃表示にし、このターンの間、その攻撃力を0にする! ローズ・リストリクション!!」

『うっ!? あぁあああぁっっ!!』

「うあぁああああああああああぁ!」

 

 【ブラック・ローズ・ドラゴン】が伸ばした茨に絡め捕られたアスカが、苦しみに叫ぶ。その痛みを共有する私も悲鳴を上げるが、決して心は折れない。

 

「バトル! 【ブラック・ローズ・ドラゴン】で【S・HERO アスカ】を攻撃! ブラック・ローズ・フレア!!」

「あぁあああああああああっっ!!」

 

――天上院明日香LP1900→100

 

「う、あ、あ……っ! 絆なんていらない。私は、私は……っ!」

 

 涙を流しながら、苦しみに悶えながら、アキは自分に言い聞かせるようにそう呟いている。

 自分に手を伸ばしてくれた人間を傷つけることに苦しみを感じているであろうその姿を目にし、痛みを堪えながら立ち上がった私は、自分のデッキを見つめながら強く思った。

 

(お願い、私に力を貸して……! アキを、友達を、あの苦しみから救いたいの!)

 

 孤独に怯え、自身の呪われた力に苦しむアキを助けたい。自分にならそれが出来るだとか、そんな自惚れた考えじゃない。私がそれをしたいから、やってみせたいから、やるんだ。

 デュエルによって生まれたアキの苦しみを終わらせるためには、デュエルで彼女を解放するしかない。彼女に勝ち、自分が孤独ではないと伝えるために、私は強く決意を固め、山札の一番上にあるカードを引く。

 その瞬間、何か温かな波が右手を通して伝わってくると共に、犬の鳴き声が心の中に直接響くようにして聞こえてきた。

 デッキが、モンスターたちが、私の想いに応えてくれたことを感じた私は、わずかな笑みを浮かべて今引いたばかりのカードをプレイする。

 

「手札から【S・HERO シェパードッグ】を召喚! アスカと性交装備!!」

『バウバウッ! バフッ!!』

『来てくれたのね、ワンちゃん! さあ、一緒に行きましょうっ!』

『バオウッ!!』

 

 私が引いたのは、鎌瀬とのデュエルの際に私の元にやって来た、あの精霊が宿ったカード。工藤さんがデザインし、新たに【S・HERO】の仲間に加わったそのカードと交わり合い、力を解放する。

 

『んっっ♡♡♡ ああぁああああああぁあっっ♡♡♡ 犬ちんぽ、硬いぃっ♡♡♡ 奥までずっぽり、はいってるぅぅ……っ♡♡♡』

『ウォォォッ……! ワオォォオオオオオオンンッッ!!』

 

―――――

 

S・HERO シェパードッグ

ATK2000 DFE0 レベル4 獣族 闇属性

 

(1)このカードは攻撃出来ない。

(2)このカードが性交装備状態である時、(1)の効果を無効にして、下記の効果を適用する。

●このカードの攻撃力は、性交装備しているモンスターのレベル+ザーメンカウンターの数×100ポイントアップする。

●このモンスターが攻撃する時、性交装備しているモンスターにザーメンカウンターを1つ乗せる。

●このカードと性交装備しているモンスターには、ターン終了時に発生するザーメンカウンター増加効果は発動されない。

 

―――――

 

「【S・HERO アスカ】のレベルは3。性交装備したシェパードッグの攻撃力は2300まで上昇する! ここに攻撃時のザーメンカウンター増加効果も含めれば……!」

「攻撃力2400! ブラック・ローズ・ドラゴンと互角だ!」

「バトル! 【S・HERO シェパードッグ】で【ブラック・ローズ・ドラゴン】に攻撃! この時、効果発動! 【S・HERO アスカ】にザーメンカウンターを1つ追加するわ!」

『うっ♡♡♡ あっ♡♡♡ んあっ♡♡♡ あはぁあああああっっ♡♡♡』

 

 巨大な犬にしがみつき、股間の逸物を受け入れて喘ぐアスカ。びくんっ、びくんと体が震え、彼女の胎に大量の精液を吐き出した後、シェパードッグが駆け出す。

 巨体に見合わぬ俊敏さで【ブラック・ローズ・ドラゴン】が繰り出すツタを避け、跳躍。吐き出された炎を押し退け、牙を唸らせて龍の喉笛に噛み付いたシェパードッグは、敵モンスターと相打ちになって共に消滅した。

 

「私の、【ブラック・ローズ・ドラゴン】が……!」

「まだ私のバトルフェイズは終わってない! 【S・HERO シェパードッグ】が破壊されたことで、性交装備状態だったアスカが場に戻ってくる! そのまま、【S・HERO アスカ】でダイレクトアタック!!」

「っっ!?」

 

 爆発し、散っていく花弁と共に、アスカが上空から降下してくる。大きく腕を広げ、自身に覆い被さるようにして落ちて来る彼女の姿を見たアキは、咄嗟に身を庇って顔を伏せた。

 この攻撃を防ぐモンスターも、伏せカードも存在していない。アキには防御の手段がないことは、フィールドを見ても、彼女の反応を見ても明らかだ。

 私の分身である【S・HERO アスカ】は、アキの目の前に着地すると、攻撃に怯える彼女を優しく抱き締める。強く、強く……あなたは1人ではないと、言葉ではなく行動で示した私に対して、アキは小さく呟きを漏らした。

 

「……1人じゃなくなったとして、私はどうすればいいの……? この力は消えない。呪いにしかならない。私には、自分がどう生きていけばいいのかがわからない……」

「そうね。でも、その答えも1人じゃなければ見つかるはずよ。一緒に見つけましょう、アキ。あなたの憎しみが消えて、普通の女の子として生きられる道を……」

「う、あ……うわぁあああああぁああああんんっ! あぁあああああぁっっ!!」

 

 デュエルが終わり、モンスターも立体映像も消え去っていく。【S・HERO アスカ】に代わってアキを抱き締める役目を受け継いだ私は、堰を切ったように泣き始める彼女の背を優しく撫で、涙が止めるまで傍に在り続けたのであった。

 

――十六夜アキLP500→0

――WINNER 天上院明日香

 

 

 

 

 

 

 

「……本当に、申し訳ありませんでした。厳罰も覚悟しています」

 

 それから暫くして、私たち5人は学園長室に呼び出されていた。正確には呼び出されたのはアキだけなのだが、彼女を1人で行かせるわけにはいかないと思い、全員でついてきたのだ。

 おそらくは、アキが眠太郎たちとのデュエルで起こしたいざこざと、サイコデュエリストとしての能力が露見してしまったことについての話をされるのだろう。下手をすれば、退学処分もあり得る状況の中、私は鰐島学園長の前に一歩踏み出し、減刑を嘆願する。

 

「学園長。今回の一件、アキの非はそこまで大きくありません。状況を冷静に鑑みて、アキに対する寛大な処置をお願いします」

「オレたちからも頼む! 折角、色々とアキのことがわかったんだ。このまま退学だなんてオチがついちゃ堪んないもんな!」

「みんな……!」

 

 私に続き、アンナや葵、セレナまでもが鰐島学園長へと頭を下げた。自分のために行動してくれている仲間たちの姿を見たアキの瞳が潤み、声が震える中、鰐島学園長が静かに口を開く。

 

「あ~、うむ。君たち、何か勘違いをしているんじゃないかね? 私は、十六夜くんに処罰を与えるつもりはないよ」

「え、ええっ!? そんな、あれだけの被害を出したっていうのに……!?」

「元はといえば、あれは催くんたちが仕掛けたデュエル。十六夜くんはそれに対応したまでで、デュエルに熱がこもってしまったというだけだろう? 退学だとか、停学だとかの厳しい処罰を下すつもりはないよ」

「じゃ、じゃあ、どうして私を呼び出したのでしょうか?」

「君の治療に協力していた研究施設から、詳細な検査結果が出たからそれを伝えてほしいと言われてね。本当は直接話すつもりだったらしいが、十六夜くんは話の途中で帰ってしまったらしいじゃないか」

「え……!? 話の、続き……? でも、私のこの力は、根本的な治療は不可能だって……!」

「ああ、その通り。その力を無くすことは出来ない。だが、その力の方向性を変えることは可能だそうだよ。今の十六夜くんの力は、君の不安定な精神状態を反映しているが故に破壊の能力を全力で前面に押し出している。しかし、君自身の精神が安定さえすれば、その力を抑えることも、別の形で発現することも可能だと、研究員は言っていたよ」

「力を、抑えられる……!? それは本当ですか!?」

「研究結果が正しければね。ただ、それには大前提として、十六夜くんの精神が安定することが必要だったのだが……その問題も、もう解決しているようだ」

 

 そう言った鰐島学園長は、アキと共に並ぶ私たちを見て、ニコリと微笑んだ。

 アキが友達という財産を手に入れたことを悟り、私たちが彼女を支えようとしていることを感じ取った学園長は、うんうんと頷いた後で再び口を開く。

 

「十六夜くん、君には、君のためにこうして頭を下げてくれる友人が4人もいる。彼女たちと共に過ごしていけば、きっと君の抱えている不安や恐れも薄れていくだろう。無論、我々デュエロ・アカデミアの教師陣も出来る限りのケアを行うことを約束するよ。この学園で学び、切磋琢磨し、未来へと羽ばたいてほしい。それが、教育者である私たちの役目であり、望みだ」

「……私は、ここに居ていいのでしょうか? こんな、私が……っ!」

「勿論だとも! このデュエロ・アカデミアが、君の……君たちの居場所だ。十六夜くん」

「ありがとう、ございます……っ!!」

 

 鰐島学園長の答えに深く頭を下げ、感謝の言葉を口にするアキ。私たちも瞳から大粒の涙を溢れさせる彼女の肩を叩いて励ますと共に、その喜びを一緒に噛み締める。

 

「よかったわね、アキ。改めて、これからもよろしくね!」

「ありがとう、みんな……! 本当に、ありがとう……!!」

「……うむ。最初はどうなるかと思ったが、非常に良いチームへと仕上がったじゃないか。これならば、この世界のデュエル界に旋風を巻き起こすことも夢ではないな」

「ん、んっ! ……お言葉ですが、学園長。私たち特別クラスは、まだ完成してはいませんよ?」

 

 私は満面の笑みを浮かべて感想を述べた鰐島学園長に向け、咳ばらいをしてからそう伝える。

 私の言葉に最初はポカンとした表情を浮かべていた学園長も、私の言わんとしていることを理解すると、大きく頷きを見せてから口を開く。

 

「そうだったな。まだ、十六夜くん用のデッキが完成していなかった。至急、工藤さんに発注を頼もう。彼のことだ、数日の間に仕事を済ませてくれるだろうさ」

「よろしくお願いします、学園長」

「ああ、任せてくれ。……十六夜くん、新しいデッキと頼もしい仲間を得た君が、この世界で大きく飛躍することを期待しているよ。頑張ってくれたまえ」

「はいっ!」

 

 涙に濡れた顔をくしゃりと歪ませ、笑みを浮かべて元気いっぱいに答えるアキ。その笑顔は、今まで彼女が放っていた冷たい雰囲気を払拭するには十分な輝きを持っている。

 「雨降って地固まる」ではないが、今回の一件を機に、私たち特別クラスは遂に1つに纏まることが出来た。

 本格的な活動を始めるために必要な最後のピースであるアキのエロデュエル用のデッキの完成を待ちつつ、全ての準備が整った後に自分たちがどれだけの変革をこの世界にもたらせるかを想像した私は、高鳴る胸に鼓動に笑みを浮かべ、湧き上がる予感に素直に心を躍らせるのであった。

 






次回予告

アキ「みんな、本当にありがとう。これからは、自分の能力をコントロール出来るように頑張ってみるわ」

明日香「ええ、私たちに出来ることがあれば何でも言ってちょうだい! 友達として、ばっちり協力するわよ!」

アキ「ふふふ……! 友達、か……! なら、私も明日香たちと同じ舞台に立てるよう、実力を見せないといけないわね。私もあなたたちの仲間として認めてほしいから、全力でエロデュエルにも挑ませてもらうわ!」

次回『日輪と月光の華(サンムーンフラワー)

アキ「温かな日向に咲く花と、月光に映える華。あなたはどちらがお好みかしら?」


最強カード紹介

S・HERO シェパードッグ
ATK2000 DFE0 レベル4 獣族 闇属性

(1)このカードは攻撃出来ない。
(2)このカードが性交装備状態である時、上の効果を無効にして、下記の効果を適用する。
●このカードの攻撃力は、性交装備しているモンスターのレベル+ザーメンカウンターの数×100ポイントアップする。
●このモンスターが攻撃する時、性交装備しているモンスターにザーメンカウンターを1つ乗せる。
●このカードと性交装備しているモンスターには、ターン終了時に発生するザーメンカウンター増加効果は発動されない。

―――――

今日の最強カードは、私の【S・HERO】デッキの新しい仲間 【S・HERO シェパードッグ】。高い攻撃力とそれに見合ったデメリット効果を持ち、性交装備時にそれを帳消しに出来る効果も併せ持っているわ。

上手く使えば、攻撃力2400のモンスターがいきなり場に出て来るわけだから、相手からすれば脅威よね。【S・HERO アスカ】の効果でデッキから特殊召喚も出来るし、なかなか使い勝手のいいモンスターよ。

あと、ぶっとくて長い犬ちんぽはハメられるととっても気持ちがいいの♡ 攻撃時には大量の精液をぶちまけてくれるから、それも魅力の1つね♡


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日輪と月光の華(サンムーンフラワー)

今回の新キャラは活動報告にて、黒狼@紅蓮団さんから頂いたキャラを基に制作しました!

頂いたキャラ案では【ヴィラン】デッキ使いだったんですが、それはまた別のキャラに使ってもらうことにして、キャラクターの造形と性格を使わせていただきました!

本当にありがとうございます! デッキの方も活躍を楽しみにしていてください!


 

「遂に来たわね……!」

「ああ、来た。来やがったぞ……!」

 

 デュエロ・アカデミア内のウリア・レッド寮、その中のアキの部屋にて、私たち特別クラスのメンバーは送られてきた小包を取り囲むようにして座り、それを見ながら同じ言葉を延々と口にし続けている。

 そんな私たちの様子に苦笑したアキは、自分宛の小包を開封しながら上機嫌に話し始めた。

 

「大袈裟よ、みんな。ただ私のデッキが届いたってだけじゃない」

「喜ぶべきことじゃない。これで特別クラス全員が、エロデュエル用のデッキを手にしたことになるわ」

「5人全員がデュエルの準備を整えられたということは、ここからは個人ではなくクラス単位で行動出来ることになる。やれることも大きく広がるはずだ」

「何より、私たちもこれで、正真正銘の同じ目標を胸にする仲間たちって感じがするようになったじゃない? そこは素直に喜べるでしょ?」

「……そうね。これで、私もみんなと一緒。このセックス次元でエロデュエルの腕前を磨く、女エロデュエリストの仲間入りが出来た。嬉しいって、そう思うわ」

 

 工藤さんに組んでもらったデッキを手に乗せ、それを見つめながらアキが感慨深そうに呟く。

 今までの何処か冷たさがあった雰囲気が解け、温かみを見せるようになった彼女の変化を喜ぶ私たちもまた、小さく口元に笑みを浮かべた。

 

「さて、アキもデッキを手に入れたことだし、まずはデッキの回し方を確認しないとね。何度か実戦で試してみるのも良いんじゃないかしら?」

「なら、私が相手になろう。やはりデュエルの腕を上げるには、実践あるのみだ」

「う~ん、セレナ相手でもいいけどよ、やっぱりオレたちの相手って男が多いわけだろ? なら、男子に頼んで相手してもらった方がいいんじゃねえの?」

「大久先輩辺りに頼んでみる? レッド寮のみんななら、引き受けてくれると思うけど……」

 

 デッキを手に入れたらやることは1つ、デュエルだ。しかし、問題はその相手探しである。

 エロデュエルをするのなら、やはり相手は男子の方がいいだろう。しかし、先日の眠太郎との一件で、アキのサイコデュエリストとしての能力は学園中に知れ渡っている。あの日から大きく変化を見せたアキの姿を見ているレッド寮の面々ならばともかく、イエロー寮や自業自得とはいえ被害者である眠太郎が在籍しているブルー寮の人間がアキの相手をしてくれるとは思えない。

 

 どうすべきだろうかと頭を悩ませる私たちであったが、そんな話し合いを中断させるかのように、アキの部屋の扉が叩かれ、扉の向こうから聞き馴染んだ大久先輩の声が聞こえてきた。

 

「あ~、明日香さん? ここにいるだか? 特別クラスのみんなに用があるって言ってる人が来てるんだが……」

「え? どなたでしょうか? デュエロ・アカデミアの生徒?」

「ブルー寮の先輩だぁよ。今、この部屋の入っても大丈夫だかね?」

「まあ、平気ですけど……」

「助かっただ。それじゃ、どうぞ……」

 

 部屋の中の全員がどこか怯えているようにも聞こえる大久先輩の声と、私たちを不意に訪ねてきた誰かの存在に訝し気な表情を浮かべる中、ガチャリと音を立ててドアが開く。その奥から姿を現した人物を見た途端、私たちの表情が強張っていった。

 

 軽く2mは超えていそうなその身長。筋肉質で腕も脚も太く、ともすればデュエルモンスターズのモンスターとして登場していてもおかしくなさそうな巨躯を持つその男性は、窮屈そうに部屋のドアを潜った後、私たちを上から見下しながら口を開いた。

 

「君たちが、特別クラスの生徒……うちの催を倒したのは……? 」

「……私、です。何か御用でしょうか?」

「そうか、君が……十六夜、アキ……」

 

 低く唸るようなその声。口数が少ないことも相まって、とても恐ろし気に聞こえる男性の声に威圧されながらも、アキが睨みつけるような視線を彼へと返す。

 そうやって、暫くアキと見つめ合っていた男性は、ギロリと眼光を光らせてから前に一歩踏み出すと……

 

「素晴らしい! 実に、素晴らしいっ!!」

「……は?」

 

 急に破顔して、アキの手をがっしりと掴みつつ、嬉しそうに声を上げてそう口にした。

 威圧感たっぷりに部屋に入って来た男性が取った予想外の行動に私たちは困惑して声も出せないでいる。そんな私たちの様子を見て取った男性は、しまったというような表情を浮かべた後、冷静に私たちへと自己紹介を始めた。

 

「私の名前は尻田滝 体造(しりたたき たいぞう)、ラビエル・ブルー所属の3年生です。先日に後輩の催眠太郎が皆さんに迷惑をかけたと聞いて、その謝罪をすると共に、最近話題の特別クラスの皆さんに挨拶をしようと思い、こちらに出向かせていただきました」

「は、はぁ……どうも、わざわざありがとうございます……」

 

 用意していた菓子折りを差し出しつつ、丁寧に謝罪と挨拶を行う体造先輩。とってもまともな行動なのに、見た目に反して非常に紳士的なその態度を目の当たりにすると逆に困惑が深まってしまうのは何故だろうか?

 

「あの、催先輩の様子はどうでしょうか?」

「怪我も大したことはありませんよ。あいつはすぐ調子に乗るくせに、とても打たれ弱いんです。アキくんが気にする必要など欠片もありません。体調が万全に戻ったら、私が奴の心身を徹底的に鍛え上げてやりますとも!」

 

 アキの質問に対して丸太のような腕の筋肉をいからせ、拳をぐっと握り締めてそう口にする体造先輩の姿を見た私は、少しだけ眠太郎に同情した。

 そうやって、徐々に緊張感が薄れ、体造先輩が悪い人間ではないことをわかりはじめた私たちは、少し落ち着いた様子で彼の話を聞けるようになっていた。

 そんな私たちに向け、体造先輩は絶賛の言葉を投げかけ始める。

 

「いや~、それにしても……特別クラスには本当に素晴らしいデュエリストが揃っているようですね。デュエロ・アカデミアのトップであるラビエル・ブルーの生徒を軽く捻れる女性エロデュエリストがいる時点で驚きなのに、それが5名もいるとは……!」

「そんな、たまたまですよ。それに、あれはエロデュエルではなく、どちらかというと普通のデュエルでした。私はまだ、エロデュエルを経験してはいないんです」

「おや、そうなのですか? しかし、デッキはあるのでしょう?」

「ええ、まあ……でも、催先輩との一件から、皆は私とデュエルするのが怖いみたいで……」

「ふむ、なるほど……それでしたら、この尻田滝体造がアキくんの対戦相手を務めるというのは如何ですかな?」

「えっ、いいんですか!?」

 

 眠太郎との一件や、アキの力についても知っているであろう体造先輩は、何の躊躇いもなくそう言ってのけた。彼のあまりにも堂々とした態度には、アキだけでなく私たちもびっくりだ。

 その言葉に嘘はないかと聞き返すアキに対して、大きく頷いてみせた体造先輩は、年長者としての落ち着いた余裕たっぷりの態度で肯定の返事をする。

 

「可愛い後輩が困っているのなら、その成長に手を貸すのは先輩の務め。ちょっとやそっとの痛みに怯える程、私は柔な男ではありませんよ」

「た、助かります! 私も出来る限りの努力はします! デュエルの相手、よろしくお願いします!!」

「はい、こちらこそよろしく。では、デュエルスペースに移動しましょう。ここはデュエルを行うには、少し狭すぎますからね」

 

 喜ぶアキを先導し、デュエルスペースへと歩いていく体造先輩。良い先輩に巡り合えたことを喜び、彼の後をついて行く私たちであったが、ふと大久先輩が未だに怯えた様子で震えている姿を見て眉をひそめた。

 正直、最初は大久先輩も体造先輩の容姿に怯えていたのだと思っていたが、よくよく考えればこの2人は同学年のはず。見た目だけでなく、その人となりだってわかっているだろう。

 ではなぜ、大久先輩は体造先輩を怖がっているのだろうか? その理由が気になった私は、仲間たちから離れて大久先輩に声をかけてみると……

 

「尻田滝はなぁ……悪い奴じゃねえだよ。デュエルの腕もピカイチだぁ。だけど、その……まあ、見てりゃわかるって」

 

 と、煮え切らない答えを返すだけで、はっきりと理由を教えてはくれなかった。

 その態度に若干の不安も覚えつつ、私は仲間たちと体造先輩を追って、大久先輩と共に最寄りのデュエルスペースへと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「「デュエル!!」」

 

――十六夜アキVS尻田滝体造 LP4000 1マッチ

 

 若干の不安を孕みながら、体造先輩とアキのエロデュエルが始まった。先攻を取ったのは体造先輩だ。

 

「私は手札から【尻叩騎士(スパンキングナイト) セイバー】を召喚します」

『しぇいやぁぁっ!!』

「うっ!? な、なかなかに、特徴的なモンスターを使うみたいね……!」

 

―――――

尻叩騎士 セイバー

ATK1800 DFE1600 レベル4 戦士族 地属性

 

このカードが召喚に成功した時、デッキからカード名かテキストに【尻叩騎士】と書かれている魔法・罠カードを手札に加えても良い。

 

―――――

 

 体造先輩が呼び出したのは、重厚な鎧を纏いながらも股間部分だけはしっかりと露出させている騎士のモンスターだ。

 聖剣ならぬ股間の性剣を振るい、アキを威嚇するそのモンスターを私たちが見つめる中、体造先輩がモンスター効果を発動する。

 

「【尻叩騎士 セイバー】は、召喚成功時にデッキからカード名、もしくはテキストに【尻叩騎士】と書かれた魔法・罠カードを1枚選び、手札に加える効果があります。私はこの効果で【徴集令】を選択、そのまま発動!」

 

―――――

 

徴集令 

通常魔法

 

このカードは、自分フィールド上に【尻叩騎士】と名の付いたモンスターがいなければ発動出来ない。

相手プレイヤーの上半身、もしくは下半身の服を破壊し、その後、自分はカードを1枚引く。

 

――――――

 

『性なる戦いのためには、先立つ物が必要! 其方の衣類が我らの戦いの大いなる力になることを、喜ぶといい!』

「きゃっ!? ほ、本当に、裸になってる……! でも、半分だけっていうのは、裸よりも恥ずかしいかもしれないわね……♡」

 

 ぱぁん、と大きな音と共に弾けるアキのミニスカート。その下に履いていた赤色のショーツも含めて、アキの性器や尻を隠す衣服は完全に消滅した。

 だが、何故だかタイツは残り続けている。腰から太腿だけを丸出しにしたアキの格好にはフェチズムを感じなくもないが、私たちにとってはこういった嗜好は変態的としか言いようがない。

 

「ふむ、やはり十六夜くんは胸だけでなくお尻も綺麗だ。形もよく、大きさも程良い。後は柔らかさですが、そこには自信がありますかな?」

「そ、それは……よく、わからないです……」

「なるほど。では、私がこのデュエル中に調べてあげましょう。ターンエンド」

 

 羞恥を煽るような体造先輩の質問に顔を赤らめたアキがぼそぼそと答えを返す。彼女の様子を気にすることもせずにしきりに頷いた体造先輩は、【徴集令】の効果でカードをドローした後、アキへとターンを回した。

 

「私のターン! 手札より魔法カード【太陽と月の恵み】を発動!」

 

―――――

太陽と月の恵み

通常魔法

 

このカードのプレイヤーは、以下の効果の内から1つを選んで実行する。

●手札を1枚捨て、LPを1000回復する。

●LPを500払い、カードを1枚ドローする。

 

―――――

 

「私はドロー効果を選択。LPを500払って、デッキからカードをドローする!」

 

――十六夜アキLP4000→3500

 

 お尻が丸出しになっている羞恥にも耐え、懸命に自分のプレイングをするアキ。エロデュエルの洗礼を受けながらもそんなことでで心が弱るような人間ではない彼女は、早速自分の分身モンスターを召喚した。

 

「手札より、【SMF(サンムーンフラワー) アキ】を召喚!」

『ふっ! はぁあっ!!』

 

―――――

 

SMF アキ

ATK1500 DFE1300 レベル4 植物族 淫属性

 

(1)自分のLPが相手より多い場合、このカードの効果は以下を適用する。

●このカードは攻撃表示となり、表示変更出来ない。

●1ターンに1度、相手フィールド上のモンスターを選択し、その攻撃力を半分にすることが出来る。

●このカードの攻撃力は自分フィールド上に存在する他の【SMF】と名の付いたモンスターの数×100アップする。

(2)自分のLPが相手より少ない場合、このカードの効果は以下を適用する。

●このカードは守備表示になり、表示変更出来ない。

●このカードが戦闘する場合、戦闘ダメージは発生しない。

●このカードがバトルを行った場合、ダメージステップ終了時にこのカードのコントローラーは100のダメージを受ける。

(3)このカードは戦闘及び相手のカードの効果では場から離れない。

 

―――――

 

 アキが呼び出したのは彼女そっくりのモンスター。太腿からお尻にかけて真っ赤な薔薇を模したタトゥーが彫られているその体は、主同様に非常にグラマラスだ。軽く覗いている肩口から左胸にかけても同じようなタトゥーが彫られている様子が見える。

 麗しき薔薇のようなそのモンスターを前にした体造先輩は、パチパチと手を叩きながら彼女を賞賛した。

 

「おお! これが特別クラスの生徒たちが持つという、分身カード……! アキくんのモンスターも、とてもエロくて素敵ですよ」

「あ、ありがとうございます……♡ では、【SMF アキ】の効果を発動。私のLPは尻田滝先輩よりも低いので、このカードは守備表示になります」

『んっ……』

 

 呼び出されたばかりの【SMF アキ】が身を庇うような防御の構えを取る。自身の効果で攻撃表示になれない彼女は、守備表示のまま機を窺うような視線を見せていた。

 

「私はこれでターンエンドです。先輩の番ですよ」

「ふむ、これは厄介だ。あのモンスターは破壊も除外も手札に戻すことも出来ない。戦闘ダメージも与えられないとなると、効果ダメージに頼るしかありませんな」

 

 分身モンスターの持つ完全耐性と、【SMF アキ】の持つ戦闘ダメージを無効化する効果によって万全の防御態勢を作り上げたアキの陣形に体造先輩が舌を巻く。

 しかし、むしろそれが面白いとばかりにやや恐ろし気な笑みを浮かべた彼は、手札から新たなモンスターを呼び出すと即座にバトルフェイズに突入した。

 

「【尻叩騎士 デュアルロッド】を召喚! そのままバトル! まずは【尻叩騎士 セイバー】で【SMF アキ】を攻撃!!」

『ふんぬっっ!!』

『あ、ああっっ!』

 

 ちんぽを丸出しにした騎士が一気に敵陣へと突っ込む。巧みな剣技で【SMF アキ】の体勢を崩し、彼女をうつ伏せの体勢で地面へと転ばせた彼は、大きく振り上げた剣で彼女の体を斬り付け……なかった。

 

――バッシィィィン!!

 

『あぁぁああぁあっっ♡♡♡』

 

 なんと、【尻叩騎士 セイバー】は、自身の剣の腹でアキの尻を叩くようにして攻撃を繰り出したのである。

 重い鉄の塊である剣を叩きつけられた【SMF アキ】は、痛みに悶え、悲鳴を上げた。彼女が受けたスパンキングの力強さは、デュエルスペース中に鳴り響いた打撃音が物語っている。

 

「ああ、始まっただ……! 尻田滝の奴、あんまりやり過ぎんでねぇぞ……」

「は、始まったって、何が始まったんですか? っていうか、やり過ぎるって何を……!?」

 

 私の隣でデュエルを見守っている大久先輩が、顔を顰めながら口にした言葉を聞き逃さなかった私は、先ほどから感じていた不安が的中しつつあることに嫌な予感を感じながらそう尋ねる。

 しかし、大久先輩からはその質問の答えは返って来ず、代わりに明朗快活にアキへと話しかける体造先輩の声が、私のその質問への回答となった。

 

「アキくん、そのモンスターと君の感覚は繋がっているそうだね? 今のスパンキングの痛みは、どうだったかな?」

「あ、うぁ……♡ お、お尻が、ジンジン、痺れてぇ……♡」

「うんうん、丁度いいくらいの痛みだろう? 【尻叩騎士】はスパンキングのスペシャリスト。痛みは与えるが、君の骨を砕くような強すぎる力でスパンキングを行ったりはしない。その中に快感を見出せる、ギリギリの痛みを君に与えるのさ」

「んひぃ♡ お、おぉ……っ♡」

「エロデュエルも筋トレと一緒。一度筋繊維をボロボロにすることでそれを回復する際により強靭な筋肉へと変貌させていくように、エロデュエルにも痛みが必要だ。君が感じるその痛みが、アキくんを次のステップに導くだろう! さあ、エロデュエルの超回復を始めよう! お尻を突き出したまえ、アキくん!!」

「うあぁ……♡ は、はぃぃ……♡」

 

 体造先輩に言われるがままに頷いたアキの意思に呼応するように、【SMF アキ】が四つん這いの姿勢になって、お尻を突き出す格好を取る。

 従順なアキの反応に大きく頷いた体造先輩は、もう1体のモンスターに攻撃命令を出した。

 

「続けて【尻叩騎士 デュアルロッド】で攻撃!」

『うっ♡ あっ♡ あぁああぁっっ♡ ああぁああああぁっっ♡』

 

 短い2つの棒を持った軽装の騎士が、太鼓を演奏するかのようにアキの尻を叩く。先ほどの強烈な一撃とはまた違う、絶え間のない連撃によるスパンキングを受ける【SMF アキ】はブルブルとお尻を震わせながらも、徐々にその声には甘さと艶が乗り始めていた。

 これは、彼女がスパンキングの中にある快楽を味わい始めているということだろうか? ずいっとお尻を突き出し、もっと叩いてくれとばかりに左右に腰を振るアキの姿を目にした私はその思いを強めるも、観客たちは彼女の痴態を視姦することで頭がいっぱいになっているようだ。

 デュエルで本物の痛みを生み出す力を持つアキが、男に尻を叩かれて感じている。恐ろしいはずの彼女が、痛みを感じて嬌声を上げている。男たちは自分たちの支配欲、加虐心、サディズムを刺激するその光景に息を飲み、食い入るように2人のエロデュエルを見守っていた。

 

「尻田滝の奴は、とんでもないSであると同時にとんでもないMでもあるんだよ。トレーニングによる痛み、つまりは成長を予感させる痛みをこの上なく愛していて、それを感じることを至上の喜びにしている男であり、他人に痛みを与えることでそいつの成長を促していると本気で思っている男なんだぁ」

「そ、それ、SとかMとかの領域を越えてるんじゃ……?」

「ああ、まあそうだなぁ……とんでもない脳筋変態男だって思ってくれればいいだよ。性格もデュエルの腕も良いんだが、あの性癖のせいで色々と怖がられてるんだよなぁ……」

 

 ようやく大久先輩の微妙な反応にも納得がいった。良い人であることは間違いないが、体造先輩はとんでもない性癖を持っているようだ。性癖、というよりかは思考というか、信念のようなものにも感じなくはないが、変人であることもまた間違いないのだろう。

 私たちが納得し、再びデュエルの行く末を見守る中、何か違和感のようなものに気が付いた体造先輩が自身の手をじっと見つめてしきりに首を傾げている姿が目に映る。いったいどうしたのだろうと考えていると、対戦相手であるアキが荒い呼吸を繰り返しながら彼へと声をかけた。

 

「どうしましたか、先輩……♡ まだ、バトルフェイズは終了していないようですが……?」

「おお、申し訳ない。私としたことが、少し心を乱してしまいました。【尻叩騎士 デュアルロッド】は、1度のバトルフェイズで2回の攻撃が可能。続けて【SMF アキ】に痛みを与えなさい!!」

『はいぃぃいっ、やぁっ!!』

『あうんんっっ♡♡♡ んんんんんっっ♡♡♡』

 

――十六夜アキLP3500→3200

 

 体造先輩の命令が下ると共に、またしてもアキの尻を激しいスパンキングが襲う。土砂降りの雨がアスファルトにぶつかる時のような音が響き続け、むっちりとした大きいアキの尻がスパンキングを受けてぷるぷると波打つ様は圧巻の一言だ。

 淫猥で、スケベで、男たちの劣情を煽る嬌声と打撃音が鳴り続ける。そうやってしっかりと自らのお尻で【尻叩騎士】たちのスパンキングを受け切ったアキは、頬を紅潮させ、発情した表情を浮かべながらうっとりとした声を漏らす。

 

「ふぅ、はぁ……♡ ご指導、ありがとうございました……♡ とても、心地良い、痛み、でした……♡ 尻田滝先輩も、私のお尻の感触を楽しんでいただけましたか?」

「は? 何言ってんだあいつ? 尻を叩いたのは尻田滝先輩のモンスターであって、尻田滝先輩本人じゃねえだろ。尻の感触なんて、感じられるわけがねえ」

「そうそう。エロデュエルってのは、あくまで女どもの痴態を見て楽しむものであって、俺たちが快感を感じることはほぼ不可能なんだよ。まあ、ダイレクトアタックでもされりゃあ話は別だが、こっちからの攻撃で楽しむことは出来ねえよな」

 

 蕩けたアキの声に反応する男子生徒たちは、口々に彼女の発言をあり得ないものだと馬鹿にしている。彼らの言うことは尤もで、普通ならば男性側がエロデュエルで快感を感じることはないし、使役するモンスターの攻撃によって快感を味わうことなんてのはもってのほかだ。

 だが、そんな彼らの考えを否定するかのように首を振った体造先輩は、先ほど浮かべていた戸惑いの感情を浮かばせた表情になりながらアキへと尋ねる。

 

「やはり、私の手に感じられた質感はアキくんの尻の感触だったんだね。私のモンスターがスパンキングを行う度、震える尻肉の感触が私の手に伝わってきていたよ。この手に吸い付く肌の質感、柔らかくも張りのある尻肉の感触、スパンキングによる快感を味わって熱を帯び始めた臀部の温もりまで、しっかりと感じられた。しかし、これはいったいどういうからくりがあるのかね?」

「ふ、ふふ……♡ もう既に先輩もご存知でしょうが、私はデュエルの際に生み出した感覚を現実のものに出来る力を持っています。今までの私には、痛み以外の感覚を具現化する力はありませんでしたが……仲間たちの支えによって、新たな力に目覚めることが出来たんです♡」

「なるほど、それがこの感覚ということですか!」

 

 興奮気味にそう叫んだ体造先輩に向け、アキは踊るような口調で自らの新しい力の解説を始める。

 

「はい♡ 私の分身モンスターである【アキ】を攻撃すれば、その内容に応じた感覚が対戦相手にも伝わるようになったんです♡ 尻田滝先輩のようにスパンキングを行えば、私のお尻を本当にぶっているかのような感覚を味わえる♡ 胸を揉み、乳首を弄れば、その柔らかさと膨らんでいく乳輪や乳首の感覚が♡ おまんこを弄ればイった時の震えや噴き出す愛液の感触が♡ そして、本番セックスを行えば……もちろん、私を犯している時と変わりない快感を味わえます♡ これが私の新しい力っ♡ エロサイコデュエリストとして生まれ変わった、十六夜アキのエロデュエルですっ♡」

 

 満面の笑みを浮かべながらそう言い切ったアキの言葉に、観客たちは茫然とした表情を浮かべていた。にわかには信じられないその話の内容を耳にして、そんな馬鹿な話があるかと鼻で笑おうとする者もいる。

 しかし、実際にその感覚を体験している体造先輩の反応や、先日の眠太郎の一件が、アキの話していることが嘘ではないという信憑性を持たせていく。徐々に、徐々に……彼らの間には、もしも今の話が本当のことだったならという期待感が蔓延していった。

 

「す、素晴らしい……! こんな、こんなこと、セックス次元の技術をもってしても不可能! 正に人知を超えた神の所業です! エロサイコデュエル! 女性に対する愛撫の感覚を男性も味わえる新境地のエロデュエル! わ、私は今、アキくんと共に新しい歴史を作り出している!! 身に余る光栄ですっ!」

「う、うおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

 

 体造先輩の叫びが、遂に蔓延していた期待感を爆発させた。アキの能力が本物であることを悟り、彼女とのエロデュエルは、今まで自分たちが経験したそれとはまったく違うものであることを理解した男子生徒たちは、今まで感じていたアキへの恐怖感を完全に捨て去ったようだ。自分たちが行った性行為の感覚を味わうことが出来るというのだから、その反応も当たり前の話だろう。

 

 普通のセックスでは味わえない、エロデュエルだからこそ出来る愛撫やプレイなんかでも、自分たちが快感を楽しむことが出来る。正にエロデュエルの革新とでもいうべきアキの能力に心を奪われた生徒たちは、彼女と体造先輩のデュエルを固唾を飲んで見守っていた。

 

「私のターン。私は手札から【SMF オシリンゴ】を召喚。効果でこのモンスターを破壊して、2枚ドロー。オシリンゴの効果を発動した場合、即座にエンドフェイズに移ります。私はこれでターンエンドです」

 

 名前の通り、お尻のような形をした林檎を召喚し、それを真っ二つに割ったアキはデッキからカードをドローするや否や即座にターンを体造先輩に返した。

 【SMF アキ】も体造先輩を挑発するように突き出したお尻をふりふりと左右に振り、スパンキングを求めるようにお尻ダンスを踊っている。

 

「さあ、先輩……♡ また私に痛みを与えてください♡ 先輩もスパンキングを楽しんで、2人で気持ち良くなりましょう……♡」

「お、おぉ……っ! 素晴らしい! 素晴らしいっ! アキくん! 君の力をより強くするため、私も全霊を以てお応えしましょう! 私のターン、ドロー!」

 

 体造先輩の興奮のボルテージがどんどん上がっていく。それに比例して、観客たちの興奮も、アキ自身の興奮も高まっていく中、彼は手札から新たなモンスターを飛び出し、切り札の召喚を実行する。

 

「【尻叩騎士 サプライマン】を召喚! このモンスターは【尻叩騎士】と名の付いたモンスターのエクシーズ素材とする時、2体分の素材として扱います! 私は、セイバー、デュアルロッド、そして2体分となったサプライマンの4体の【尻叩騎士】でオーバーレイ・ネットワークを構築! エクシーズ召喚!」

『『『うおぉぉぉぉっ! はぁっ!!』』』

 

 上空に生み出される光の渦。その中にモンスターたちが飛び込むと共に、大きな光が弾ける。

 開いた異次元からの門から姿を現したのは、【尻叩騎士】に共通している陰部を丸出しにした鎧を身に纏った大柄な騎士……巨大なバスターソードを手にしたそのモンスターは、フィールドに降り立つと共に雄叫びを上げる。

 

「これぞ偉大なる騎士たちの王にして、痛みと快楽の支配者! 出陣せよ! 【尻叩騎士王(キングスパンキングナイト) グレートアーサー】!」

「これが、体造先輩の切り札……♡ どうぞ、存分に私を攻撃してください……♡」

「言われるまでもない! 【尻叩騎士王 グレートアーサー】のモンスター効果、発動!!」

 

―――――

 

尻叩騎士王 グレートアーサー

ATK3000 DFE2800 ランク4 戦士族 光属性

『尻叩騎士と名の付いたレベル4モンスター×4体』

 

(1)1ターンに1度、このモンスターのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動出来る。このカードは1度のバトルフェイズで、このカードが持つエクシーズ素材の数まで追加で攻撃出来る。

(2)このカードが破壊される場合、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除くことで破壊を無効にする。

 

―――――

 

「グレートアーサーのエクシーズ素材の数は2つ! よって、攻撃回数は3回に増加! 【SMF アキ】に3連続攻撃っ!!」

『うはははははっ!』

『あっっ♡ あはあぁあぁんっっ♡♡♡』

 

 【尻叩騎士王 グレートアーサー】がアキの尻を掴む。スパンキングによる快感でじっとりと濡れている性器を開き、そこに己の肉棒をあてがった彼は、そのまま一息に腰を前に押し出し、アキの膣内へと自らの怒張を突き入れた。

 ぶっといちんぽを捻じ込まれた衝撃に悶え、圧倒的な質量を誇る肉棒に嬌声を漏らすアキ。そんな彼女の反応を楽しみながら、グレートアーサーは腰を振ってピストンを行いつつ、両手で何度も彼女の尻を叩き続ける。

 

『ああぁっ♡♡♡ んあぁあっっ♡♡♡ あひぃいいんんっ♡♡♡ んあっ♡♡♡ あぁあぁぁあぁっっ♡♡♡』

「んひぃいっ♡♡♡ すご、いっ♡♡♡ お尻ぶたれながらのセックス、すごいぃぃっっ♡♡♡ し、痺れるっ♡ お尻もおまんこも痺れて、すごいのくるうぅうっ♡♡♡」

「お、おぉ……っ! これが、アキくんの膣……! グレートアーサーを通じて、私のペニスにセックスの快感がダイレクトに伝わって……!!」

 

 それは、本当に異様な光景だった。

 尻を叩き、叩かれることで興奮を味わうモンスターたち。その主たちもまた、彼らと同じ興奮と快感を貪り、恍惚とした表情を浮かべ、快楽を声に出して叫んでいる。

 男は雌の尻を叩きながら犯すというサディスティックな快感に酔い痴れ、女は雄に屈服する被虐的な悦びに嬌声を上げる。腰と尻がぶつかり合う音。尻が叩かれる音。愛液を垂れ流す膣を肉棒が掻き回す淫らな水音が響き渡り、観客たちの興奮も際限なく高まっていく……。

 

『あぁあぁっ、あぁああああああぁっっ♡♡♡ 熱いの、でてぇっ♡♡♡ んあぁあああああぁあっっ♡♡♡』

 

 1回目の射精。【SMF アキ】が上ずった声で叫ぶ。子宮に注がれる大量の精液の熱に思考を焼かれながらも、まだグレートアーサーの腰が止まることはない。

 

「んおぉおおおおぉおおおおぉおおおっっ♡♡♡ おしり、ぶたれぇっ♡♡♡ ぶたれながら、たねづけされて……イクうぅううううぅううぅうっ♡♡♡」

 

 2回目の射精で叫んだのはアキ本人だった。スパンキングの快感に慣れ切ってしまった彼女は、射精とスパンキングの両方で快感を味わいながら絶頂を迎える。

 普段の凛々しく美しい表情からは想像もつかないアヘ顔を晒すアキのことを、多くの男子たちが劣情を孕んだ視線で見つめていた。

 

『いぐっ♡♡♡ いぐぅっ♡♡♡ いぐぅううぅううっ♡♡♡ おっ、おぉおおおぉおおぉおおっっ♡♡♡』

「ああぁああああああああぁ~~~~~~~~~~っ♡♡♡ イクイクイクっ♡♡♡ んいぐぅうううぅううぅうううぅっ♡♡♡」

 

 そして、3度目の射精。2人のアキたちの声が重なり、交わり、淫猥さを増した響きを生み出す。

 エロサイコデュエルによって生み出された快感に叩きのめされた彼女たちは、お尻に大きな紅葉を咲かせ、足元に愛液の水溜まりを作った卑猥な姿を曝け出していた。

 

――十六夜アキLP3200→2900

 

「はぁ、はぁ、はぁ……! なんと素晴らしい、エロデュエルでしょう……ここまで気持ちいい射精経験を味わったのは初めてです! アキくんの力は素晴らしい! その力を伸ばすため、もっともっと痛みを与えましょう! 共に快楽と痛みの試練を乗り越えようではありませんか!!」

 

 自身の切り札が行ったセックスの快感を味わい、3度の疑似射精の快楽を楽しんだ体造先輩は、とてもいい笑顔でそうアキに声をかけた。

 彼に尻を向け……というより、お尻だけを浮かせてふりふりと左右に動かしているアキの無様な姿を目の当たりにする男子生徒たちは、ひそひそ声でこのエロデュエルの感想を述べる。

 

「十六夜の奴、女王様っぽい雰囲気だしてたけど……案外、マゾなんだな」

「俺、知ってるぜ! あいつ、プロとデュエルしてマゾアクメ決めさせられたんだよ! その時にドMに目覚めちまったんだって!!」

「ははっ! そうだな! このエロデュエルも防戦一方で何も抵抗しねえし、きっと虐められるのが好きで自分からそうしてるんだぜ! これなら、俺たちも良い思いが出来そうじゃねえの!」

 

 無様で、淫らで、スケベなアヘ顔、アクメ姿。そんなアキの姿を見れば、誰だってそう思うのは当然だ。今の彼女相手なら、楽に勝利出来ると誰もが考えているだろう。

 

「アキくん、君のターンですよ。しかし、何もしないというのならばそれでも構いません。再び、私が君に痛みを与えてあげましょう! 君は痛みと快楽を甘受し、悦びを味わうといい! このデュエルが終わるまで、ずっと、ず~~っとね!」

 

 ぶぴっ、と音を鳴らして性器から射精されたザーメンを噴き出すアキのお尻を眺めながら体造先輩が言う。もう彼も、アキには戦う意思がないと思っているようだ。

 だが、私たちは知っている。十六夜アキという決闘者が、そんなふざけた姿勢でデュエルに臨むはずがないということを……その予想に違わず、赤い手形をつけられたお尻を振りながら立ち上がったアキは、今までのデュエルの中で見せなかった、一際恍惚とした笑みを浮かべながらこう切り出す。

 

「いいえ、もう十分です。尻田滝先輩とのデュエルは、とても甘美で心地良いものでした……♡ だから、ここからは私の番♡ 私が先輩に、痛みを与える番です♡」

「は……?」

「私は手札より、チューナーモンスター【SFM ブラックローズ】を召喚♡ さあ、ここからが本番よ♡」

 

 一転攻勢、その言葉がしっくりと当て嵌まるプレイングに度肝を抜かれる体造先輩を尻目に、アキは自らの切り札を呼び出した。

 

「レベル4【SFM アキ】にレベル3【SFM ブラックローズ】をチューニング♡ 淫らなる陽光と卑猥なる月光♡ 2つの光に照らされ、快楽の華が今、開花する♡」

 

 アキの正面の地面に咲く、巨大な赤い薔薇。濃い真紅の色をしたそれの中心から、麗しき妖精が姿を現す。

 

「シンクロ召喚♡ 咲き乱れよ♡ 【SFM 黒薔薇のアキ】っ♡♡♡」

『ふ、ふふふふふ……♡』

 

 肘までを隠す黒のラバーグローブと同色のタイツ。薔薇を思わせる真っ赤なドレスを纏うシンクロモンスターの登場は、観客たちの興奮に火を付けた。

 残念ながら下半身の衣類が無くなっているために完全なる姿を見ることは叶わなかったが、上半身の格好を見るだけでも十分に淫猥な服装をしていることがわかる。なにせ胸の谷間どころか、上半球が丸見えになるくらいに胸元を開いたドレスを身に纏っているのだ。

 ともすれば乳首や乳輪も見えてしまいそうなくらいに零れている乳房に集まる視線もまた、アキの快感へと変換されているのだろう。

 

 そんな中、嗜虐的な笑みを浮かべる【SFM 黒薔薇のアキ】の視線を受けた体造先輩は、ぶるりと身震いすると共に嫌な予感を感じたようだった。

 

「痛みが人を成長させる……♡ それが、尻田滝先輩のお考えなのでしょう? それなら、私も先輩の成長に手を貸させてもらいます……♡ 【SFM 黒薔薇のアキ】の効果、発動っ♡ ダウナー・ローズ♡」

 

―――――

 

SFM 黒薔薇のアキ

ATK2400 DFE1800 レベル7 植物族 淫属性

『チューナー+【SFM アキ】』

 

(1)このカードがシンクロ召喚に成功した時、相手フィールド上に存在するモンスターを1体選択する。

自分はそのモンスターの攻撃力分のLPを回復し、そのモンスターの攻撃力は0になる。

(2)自分のLPが相手よりも低い場合、このモンスターは攻撃出来ず、表示形式は守備表示となり、変更出来ない。

(3)自分のLPが相手よりも高い時、1ターンに1度、自分の墓地の植物族モンスターを除外し、相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動出来る。

相手の場にそのモンスターと同じ攻撃力・守備力を持つ【ローズトークン】(植物族 レベル1)を特殊召喚する。

(4)このモンスターの攻撃回数は、相手フィールド上に存在する植物族モンスターの数だけ増える。

 

―――――

 

『騎士王さん、さっきはどうも……♡ いっぱいお尻をぶって、痛気持ちいいを味わわせてくれたあなたに、お返しさせてもらうわね♡』

『ぐっ!? うぉぉぉぉぉ……』

 

 【尻叩騎士王 グレートアーサー】のそそり立つ肉棒にツタを絡ませた【SFM 黒薔薇のアキ】は、淫靡に笑うと効果を発動した。

 ずくり、ずすりと音が鳴り、グレートアーサーから力を吸い取っていく度に、彼女の姿がより美しく瑞々しく変化していく。

 

「【SFM 黒薔薇のアキ】第二の効果を発動♡ 攻撃力が0になった【尻叩騎士王 グレートアーサー】を対象に、それと同じ攻撃力を持つ【ローズトークン】を尻田滝先輩のフィールドに召喚します♡ そして、黒薔薇のアキは相手フィールド上に存在する植物族の数だけ、攻撃回数を増やす効果を持つ……つまり、通常の攻撃回数1回に加え、【ローズトークン】が存在していることでもう1回の攻撃が可能になりますね♡」

「あれ、ちょっと待ってもらえるかな? 私の場には攻撃力0のモンスターが2体居て、アキくんの場には攻撃力2400の2回攻撃出来るモンスターが居る。私のLPは4000だから、この攻撃が通ったら負けてしまうね……」

「はい、そうなりますね♡」

「……あの、1ターン待ってもらえないかな? アキくんももう1度くらい、スパンキングの快感を味わいたくは、うっひょぉおおっ!?」

 

 体造先輩の命乞いを無視して、2体のモンスターのちんぽに茨の鞭を伸ばすアキ。そのまま彼らを蹴り飛ばして仰向けに寝転がせると、棘付きの茨で激しくちんぽを扱きながら、嘲笑とも罵倒とも取れる言葉を投げかけ始める。

 

「まさか、あれだけ私のお尻をぶっておいて、自分は痛いのは嫌だなんてことはぬかしませんよね? 痛みは成長の元なんでしょう? だったら、この痛みも快感も喜んで受け入れてくれますよねぇ?」

「お、おぉ……っ! い、茨の棘が、私のペニスに食い込んで……!! こ、これは、新感覚のイタキモだぁ……!」

「ふふふっ♡ な~んだ♡ 先輩もしっかり痛いのが好きなんですね……♡ 薔薇のツタでちんぽ扱かれて感じるだなんて、とっても変態さん♡ 尻田滝先輩はマゾのド変態なんですね♡ だったらほら、もっともっと無様な格好にしてあげますよ♡」

 

 黒薔薇のアキがグレートアーサーの顔にお尻を乗せ、更に激しく肉棒を扱き始める。

 顔面騎乗された騎士王が自分の尻の下でふがふがと荒い呼吸を繰り返す様を嘲笑うアキは、サディスティックな笑みを浮かべて体造先輩を責め立てた。

 

「この変態っ♡ 主がマゾの変態なら、その配下もとんでもないド変態ね♡ 女の子のお尻に下敷きにされてこんなにちんぽ大きくして、救いようがないマゾ野郎じゃない♡ ほらっ♡ もっと痛くして欲しいでしょ!? お望み通りにしてあげるわっ♡」

「うおぉおおおっ!? こ、これは……き、きもちいい~~~~っ!!」

 

 グレートアーサーと【ローズトークン】の体を叩く無数の茨の鞭。アキに行っていたスパンキングにも負けない激しい鞭打ちによって快感を味わう体造先輩の野太い絶叫がデュエルスペースに響く。

 男性がサイコエロデュエルで味わうのは攻撃の際に生まれる感覚だけではない。自分が襲われ、ダメージを受けた際に生まれる感覚もまたこうして味わうことになる。今、体造先輩は2体のモンスターが味わっている茨でのちんぽ扱きの快感と、顔面騎乗の感覚を同時に受け止めているのだ。その快感の強さは、推して然るべきだろう。

 

「あ、アキくんっ! も、もう、限界だっ!! で、でるっっ!」

「アキくん? 何時まで上から目線でものを言っているのかしら? イキたいのなら、それ相応の言葉遣いってものがあるでしょうがっ♡♡♡」

「あ、アキさまぁっ! この私めに、射精の許可をくださいっ! アキ様の茨ちんぽコキで絶頂寸前になっている変態男に、お慈悲をぉ!!」

「ぷっ♡ ホントに情けない姿……♡ いいわよ、イキなさい♡ 女の子に顔面騎乗されて♡ 茨の鞭でちんぽ扱かれて♡ そうやって情けなくイキそうになってるモンスターと一緒に射精しちゃいなさいっ♡」

「は、はいいいいいぃっっ!! おおぉおおぉおおおっっ!!」

 

 びくっ、びくっと腰を跳ね上がらせるグレートアーサーの動きに合わせ、体造先輩の体が痙攣する。植物の集合体である【ローズトークン】は射精こそしないものの、絶頂の快感はしっかりと伝わっているようだ。

 2体のモンスターたちの絶頂+グレートアーサーの射精感+合計4200のLPへのダメージを同時に食らった体造先輩は、その場にがくりと膝をつき、ぱくぱくと口を開閉した後――

 

「す、素晴らしい、快感、でした……がくっ」

 

 ――と、最後の言葉を遺し、気を失ってしまった。

 ソリッドビジョンが消え、モンスターたちが消滅していく中、初のエロデュエルを終えたアキがニヤリと笑い、観客たちへと視線を向け、口を開く。

 

「さあ、お次は誰が相手をしてくれるのかしら? 初めての経験、してみたいんじゃないの……♡」

 

 そんな風に熱を帯びた視線と声色で男たちを誘ってみても、この劇的な逆転劇と体造先輩の最期をを見せつけられた男子たちの中から立候補者が出るはずもなく、だがしかし完全なる怖れの感情だけではない、羨望と畏怖の眼差しを向けられながら、アキは勝利の快感をたっぷりと味わうのであった。

 

――尻田滝体造LP4000→0

――WINNER 十六夜アキ

 

 

 

 

 

 

「……あれ、完全にやり過ぎよね」

「ああ、やり過ぎだな」

「やり過ぎね」

「やり過ぎだろうな」

「……(オデ)、初めて尻田滝よりもヤバいSを見た気がするだぁよ」

 

 鮮烈なデビューを飾れたのは良いが、あれはやり過ぎではないだろうか? 体造先輩に妙なトラウマが刻まれなければいいのだがと心配しつつ、非常に良い笑顔を浮かべているアキを見た私たちも、苦笑じみた笑みを浮かべる。

 デッキが届くまでの間、自分の力を制御出来るようにアキが努力を重ねていたことを知る私たちからすれば、この結果はとても喜ばしいものだ。

 これでもう、アキも自分のサイコデュエリストとしての能力をコンプレックスに思うことはない。彼女の力は、このセックス次元にとっては唯一無二の存在となった。

 Sの男も、Mの男も、どちらも彼女の力で未知の快感を楽しむことが出来る。新たなるエロデュエルの可能性を引き出す力として注目されることになるだろう。

 

 そんなアキのエロデュエルを私たちと見届けた大久先輩は、感慨深そうに頷きながらポロリと声を漏らした。

 

「これで、揃ったんだぁな。明日香さんたち、特別クラスが本格的に動く準備が……!」

 

 彼のその言葉に私たちはお互いに顔を見合わせ、頷き合う。そして、こちらに戻って来たアキを加え、改めてその事実を確認した。

 全員がエロデュエル用のデッキを手にしたというだけじゃない。自らの心の弱さを克服し、前に進む決意を固め、共に歩んでいく誓いを立てた。このセックス次元のデュエル界に新風を巻き起こすため、変革を促すために戦うことを決め、私たちは立ち上がったのだ。

 別次元から集まった5人が、本当の意味でチームになれた……だが、これはまだスタートラインに立ったに過ぎない。むしろ、ここからが本番なのだ。

 

「へへっ! こっちの生活にも慣れてきたし、なんか楽しそうじゃん! おっしゃ! これからもぶっ飛ばしていくぜーっ!!」

 

 失恋を機にこの次元で生きていくことを決めたアンナが無邪気に笑う。

 大きな胸と尻に超が付くほどの敏感な体、そして今後の成長性とエロデュエルに必要な様々な要素を持つ彼女と共に色んなことを学んでいけることが楽しみで仕方がない。

 

「デュエルで皆を楽しませて、沢山の人を笑顔にする! それが、今の私の目標。みんなと一緒なら、絶対に叶えられるわ!」

 

 自分の目標を再確認した葵がぐっと拳を握り締めながら言う。

 過去の痛みを乗り越え、再びデュエルに向き合った彼女のパフォーマンスを間近で見られることは、この上ない幸福だろう。

 

「私は、もっと強くなる! エロデュエルだろうがなんだろうが関係ない! あの男を倒し、奴よりも強い奴も倒し、私が1番であることを証明してやる!」

 

 進藤先生へのリベンジ、そして貪欲に強さを求めて燃えるセレナが大声で叫ぶ。

 デュエル脳である彼女には、お目付け役が必要だろう。色々とトラブルを巻き起こす彼女だが、決して悪い子ではない。しょうがないから、これからもフォローしてあげようではないか。

 

「新しい自分、そして居場所……この力を完全に使いこなして、誰もに誇れる自分になれるよう、私も頑張るわ!」

 

 この世界で居場所を見つけ、新しい自分に生まれ変わろうとするアキが決意を秘めて呟く。

 大丈夫、きっとアキなら出来る。この先に困難が待ち受けていようとも、私たちが傍に居る。彼女を支え、友達として一緒に歩んでいこうと思いながら、私は笑みを浮かべた。

 

「……特別クラス、本格始動ね。これからが本番! 気合入れていくわよ!!」

「「「「お~~~~っ!!」」」」

 

 デュエロ・アカデミアに響く私たちの声。世界に変革をもたらす人間たちが産声を上げ、共に進むための絆を紡いだ。この絆が、この力が、何を生み出すのか? 私たちは何を成すことが出来るのだろうか?

 それは全て、これからの活動にかかっている。一歩ずつ、着実に、努力を重ねていこうと思いながら、私たちは今日、この日、世界の変革に向けた確かな一歩目を共に踏み出したのであった。




次回予告

アンナ「遂に特別クラスも本格的に活動開始だ! これからどんなことするんだろうな!?」
 
セレナ「デュエルだ! とにもかくにもデュエルをするぞ!」

葵「落ち着きなさいよ、デュエルゴリラ。デュエルだけが私たちの活動じゃない、聞いてなかったの?」

アキ「私たちの活動に関して、鰐島学園長と青羽社長が話をしてくれるみたい。もしかしたら、私たちの初めての仕事についても話があるかもね」

明日香「特別クラスの初仕事。どんな内容でも全力でこなして、次に繋げましょうね!」

次回『処女争奪戦! デュエロ・アカデミア 男子デュエル大会!』

明日香「ど、どんな内容でも……って、これを本気でやるの!?」



最強カード紹介

SMF 黒薔薇のアキ
ATK2400 DFE1800 レベル7 植物族 淫属性
『チューナー+【SFM アキ】』

(1)このカードがシンクロ召喚に成功した時、相手フィールド上に存在するモンスターを1体選択する。
自分はそのモンスターの攻撃力分のLPを回復し、そのモンスターの攻撃力は0になる。
(2)自分のLPが相手よりも低い場合、このモンスターは攻撃出来ず、表示形式は守備表示となり、変更出来ない。
(3)自分のLPが相手よりも高い時、1ターンに1度、自分の墓地の植物族モンスターを除外し、相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動出来る。
相手の場にそのモンスターと同じ攻撃力・守備力を持つ【ローズトークン】(植物族 レベル1)を特殊召喚する。
(4)このモンスターの攻撃回数は、相手フィールド上に存在する植物族モンスターの数だけ増える。

―――――

今日の最強カードは【SMF 黒薔薇のアキ】。私の分身モンスターにして、切り札でもあるシンクロモンスターね。

シンクロ召喚成功時に、相手のモンスターを弱体化させつつ自身のLPを回復出来る効果があるわ。【SMF】はLPの調整が大事だから、しっかりとタクティクスを練って使わないとね。

あと、SMFをエスエムファックって読んだ人、怒らないから手を上げなさい。大丈夫、優しくおしおきしてあげるわ……♡


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処女争奪戦! デュエロ・アカデミア 男子デュエル大会!

今回はエロデュエルがありません。ただのエロです。慣れないけど頑張った。

あと、進藤先生をはじめとした多くのキャラ&カード案を提供してくださっている【レルクス】さんが投稿しているこの作品と世界観及び時間軸を共通している【行狂井狂華の絶頂記】からキャラクターのお名前を拝借しました。
興味がある方は、是非とも検索して読んでみてください。こっちの作品との繋がりも楽しんでいただけると嬉しいです。

では、今回もお楽しみくださいね。


 

「本日はご足労いただき、ありがとうございます。青羽社長のお陰で、私たちも活動の目途が立ちました」

「うむ。まずはおめでとうと言わせてもらおう。しかし、我々の目的を果たすための戦いはここから始まる。今はまだ、スタートラインに立っただけということを忘れないでくれ」

 

 青羽社長の言葉に私たちは頷く。およそ1か月ぶりの再会は、デュエロ・アカデミアの学園長室で行われていた。

 特別クラス全員がエロデュエル用のデッキを入手し、本格的な活動を行えるようになったことを祝福すると共に、今後の活動についての注意点等を話しにわざわざ足を運んでくれた青羽社長へと真剣な表情を浮かべて向き合う私たちは、鰐島学園長立ち合いの下で彼の話に耳を傾ける。

 

「我々の目的は、女性デュエリストがやられ役を担うエロデュエル界の悪習を断ち切ることにある。強く美しいエロデュエリストとして君たちが活躍することで他の女性デュエリストたちも奮起し、それに合わせて男性たちも自らを鍛え上げるという良い循環を生み出すことが、この特別クラスの最終的な目標だ」

「理解しています。そのために、私たちもエロデュエルの腕を磨かなければならないということもです」

「それで良い。これから君たちには、デュエロ・アカデミアの生徒だけでなく、他校の生徒やデュエル塾からの挑戦状が叩きつけられることになるだろう。その全てに勝利しろとは言わん。だが、見せ場も無く敗北を続けるということだけは避けてくれたまえ」

「無論だ。私は負けん! 誰が相手だろうと、勝ってみせるぞ!」

「セレナ! 青羽さんに失礼な口を利かないの!!」

 

 自信たっぷりなセレナを叱責した葵であったが、青羽社長はそんな彼女の態度を悪くは思っていないようだ。むしろ、威勢の良さを買っているようで、微笑を浮かべながら小さく頷きを見せている。

 その様子から、彼からの信頼と期待を感じた私は、やや重い重圧を感じて身を強張らせた。ここまで私たちを支援してくれているというのに、不甲斐ない結果を出すわけにはいかないと気持ちを引き締める中、青羽社長の話は次の話題へと移っていく。

 

「さて、ここからはビジネス的な観点を含む話だ。わしは既に、君たち5人に分身モンスターを含むデッキを提供した。その中には当然、新規に作成したカードも含まれている。会社の経営者であり、デュエル協会でも重役のポストに就いているわしであっても、君たちのためにそれなりのコストと労力を使ったのは言うまでもないだろう」

「はい。そのことには本当に感謝しています」

「これまでの支援は君たちへの初期投資であり、わしやデッキビルダー兼カードデザイナーである工藤七並氏の善意が主となってなされたものだ。しかし、わしらもこれ以上の支援を意味もなく行うことは出来ん。君たちにはまず、初期投資に見合った実績を提示してもらいたいのだ」

「……周囲の人間を納得させるだけの材料を提示しろ、青羽社長はそう仰りたいのですね」

「うむ、財前くんはわかっているようじゃな。鰐島くん、あれを」

「かしこまりました」

 

 青羽社長から指示を受けた学園長が、私たちに資料を手渡す。数枚のプリントが纏められているその資料には、『特別女性エロデュエルカードデザイン制度』と銘打たれていた。

 

「特別女性エロデュエルカードデザイン制度とは、実績のある女性エロデュエリストの申請に応じて、専用のカードを作成するという補助制度だ。君たちが使用している分身モンスターたちも、この制度を利用して作成されたものであり、そこにはわしの権力が絡んでいるわけだが……流石に、これ以上はこの制度を用いることは出来ん。未だに実績を出していない君たちを優遇するのにも限度というものがあるからな」

「つまり、青羽社長の支援を受けたいのなら、それ相応の実績を残せということですか?」

「その通り。役員会議や議会において、周囲の人間を納得させられるだけの材料がありさえすれば、君たちを支援する申請も通りやすくなる。新たなるカードの作成や、特別クラスの活動資金、そういった支援をするためには、実績が必要なのだよ」

「なら、デュエルで勝てばいい。挑んできた奴を片っ端から倒せば、私たちの強さが証明されるはずだ」

「うむ、それが一番単純な方法だな。対外試合や大会で優秀な成績を残し、強さを証明すること。これがまず1つ目の実績の作り方。しかし、それ以外にも実績を作り出す方法があるということを覚えてくれ」

 

 セレナの言葉に頷き、人差し指を立ててそう述べた青羽社長は、続けて中指を立ててVサインを作ると次の実績の作り方を説明する。

 

「2つ目、VRモデルの作成及び、エロデュエルの効果技術の向上に活かすための研究映像を協会に提出すること。早い話が、エロ的な実験を行った映像を提出することで、セックス次元の進歩に貢献していると判断してもらう方法だな。実際、多彩な研究施設を持つ【ブルブル教団】に所属している女性エロデュエリストの行狂井狂華なんかはこの制度を利用しているよ。しかし、あくまで教育機関であるデュエロ・アカデミアに所属している君たちには、この方法は使いにくいだろう」

 

 実例を挙げ、解説をしてくれた青羽社長の話に耳を傾けながら、このセックス次元で行われるエロ的な実験というものの過酷さを想像した私は、出来たらこの制度は利用したくないなと心の中で思った。正直、体にどれだけの負担がかかるかもわからないし、精神もまともでいられる確信も持てないので、可能な限り遠慮したい選択肢だ。

 

「そして3つ目、様々な方法を用いてエロデュエル界の盛り上げに貢献し、それを実績とする方法。十六夜くんを除く4名で出場したレイドデュエルなんかは正にこれに当たる。イベントの参加や宣伝活動など、タレント的な活躍でも貢献として扱われることもあるのだよ」

「はぁ~、なるほどな~……纏めるとだ、デュエルで勝って、技術進歩にも協力して、エロデュエル界を盛り上げれば、この世界の奴らもオレたちを認めるようになる。そうすれば、新しいカードや活動するための金が手に入って、更にスゲーことが出来るようになる、ってことだよな?」

「ざっくりしてるけど、アンナの考えは良い捉え方だと思うわ。プロになるために必要なことが、全部揃ってる」

「へへへっ! だろう!?」

 

 得意気に笑うアンナを一瞥した後、青羽社長へと視線を向けた私は、彼が大きく頷いている姿を見て安心した。やるべきことが明確になるのはありがたい。ただ闇雲にデュエルするのではなく、何を目的として活動していくかによって今後の方針も決まってくるだろう。

 取り敢えず、青羽社長が勧めなかった研究映像の提出を除く2つの目標を達成していくことを特別クラスの活動方針にするとして、問題は具体的な活動だ。練習試合の申し込みや大会の開催予定はあるのか? 私たちが参加出来るイベントはあるのか? それを尋ねようとした私であったが、その前に鰐島学園長が口を開く。

 

「さて、ここで私から特別クラスに依頼がある。連休直前に開かれるデュエロ・アカデミア定期デュエル大会を盛り上げるために、君たちの力を借りたいのだ」

「デュエル大会の盛り上げ? その口振りですと、普通に参加するってわけじゃなさそうですね」

「ああ、実は……大会の賞品として、成績優秀者に君たちの処女を贈りたいと思っているんだ」

「「「「うえぇっ!?」」」」

 

 鰐島学園長の突飛な発言に、私、葵、アンナ、アキの4人も素っ頓狂な叫びを上げた。残るセレナは、何が何だかわからないといった様子で首を傾げている。

 

「おい、処女とはなんだ? デュエルに関係あるのか?」

「えっ!? しょ、処女っていうのは……せ、セックスしたことがあるか、ってことよ」

「セックスとはなんだ? デュエルに関係あるのか?」

「あ~! これだからデュエルゴリラは! あのね、処女っていうのはね――」

 

 性知識が疎いセレナへの説明は葵に任せ、私たちは鰐島学園長の提案についての詳しい話を求めた。

 普通に考えて何をふざけているのだと思われる内容ではあるが、ここは性に開けっ広げなセックス次元。その風土にあった考えがあってのことであると信じて、鰐島学園長の話へと耳を傾ける。

 

「まあ、その、なんだ。エロデュエルでは何度も犯され、どんな変態プレイでもこなす君たちが、実は本当のセックスを経験したことがないというのは、男性でいう素人童貞のような情けなさを感じさせてしまうのだよ。やはり、強い女エロデュエリストと聞けば、百戦錬磨の淫乱(ビッチ)を想像するもの。処女というのも無くはないが、イメージ的には非処女であることが望ましい」

「……で、とっとと私たちに処女を卒業してもらうとして、どうせならそれを有効活用しようと思ったってことなんですね?」

「う、うむ……次回の大会の1位から3位までの入賞者と、ハモン・イエローとアモン・レッドの成績優秀者を加えた5名の生徒たちに君たちとのセックスを行う権利を与えることで、生徒たちのモチベーションアップを図るというのが依頼の目的だ。これを引き受けてくれた暁には、デュエロ・アカデミアの運営に協力したという報告を青羽社長とエロデュエル協会に送ることを約束しよう」

「実をいうと、レイドデュエルや十六夜くんの実験データの提出で、先行投資分の実績はほぼほぼ回収し終えているのが現状だ。ここに鰐島学園長からの報告、推薦があれば、間違いなく議会は君たちへの支援を納得するだろう。今後の活動のことも考え、同意してはもらえないだろうか?」

 

 鰐島学園長と青羽社長からの提案を受けた私は、流石に即決出来ないこの問題に頭を悩ませた。

 別に処女が惜しいわけではないがやはり私も年頃の乙女、誰だかわからない相手に初めてを捧げるというのは抵抗感がある。もしも初めての相手が眠太郎みたいな奴だったら、最悪の思い出になってしまうかもしれない。

 この決断を下すには、熟考が必要だ。ここは他の仲間たちと相談して――

 

「私は構いません。別に思いを寄せている人がいるわけでもないですし、その程度のことで今後の活動に益を出せるのなら、喜んで承諾します」

「オレも、OKしようかな……こうして初めてを惜しんでると、何時までもアイツを忘れられなさそうだし……ここは未練を断ち切るためにも、いっちょ派手にやっとくか!」

「えっ!? あ、アキ? アンナ!?」

 

 ――とまあ、私が仲間たちと相談をしようと思っていたら、その仲間たちはすんなりと賞品に処女を提供することを快諾してしまった。

 色々と吹っ切れているアキはともかく、アンナまであっさりと処女を捨てる決断を下したことに驚く中、残る2人も問題無いとばかりに承諾の意を示す。

 

「なんだ、別にデュエルに関係ないものか。なら、別に構わん。それで新しいカードを手に入れられるのなら、惜しくもなんともない」

「私も問題無いわ。考えてみたら、今をときめくカリスマデュエリストが処女だなんて格好がつかないもんね」

「セレナ……は予想通りだけど、葵まで……!?」

 

 デュエル脳のセレナと、アイドル脳(?)の葵は、それぞれ考えていることはバラバラだが処女が惜しくないという部分に関しては同意見らしい。というより、この中で処女を惜しんでいるのは私だけのようだ。

 こうなってしまうと……私も、自分に度胸がないだけのような気がしてならなくなってきた。世間一般で考えればこの4人の方がおかしいはずなのだが、同町圧力というか、その場の空気のようなものが私に重く圧し掛かってきているような気がする。

 

「……残るは明日香くんだけだが、どうかね? やはり、嫌かな?」

「え!? あ~、いや、その、ですね……」

 

 そんな空気の中で鰐島学園長にそう聞かれては、もう返す言葉など1つしかないではないか。

 こうなったら女は度胸の精神で、当たって砕けるしかない。というよりも、抱かれてぶち抜かれるが正しい表現のような気がしなくもないが、そんなことはもう些末な問題である。

 

 仲間たちと、支援者たちの視線を一身に浴び、心臓の鼓動が早まっていくことを感じながら、私は静かに息を吐くと、他の4人同様に平静を装って、返事をした。

 

「ええ、大丈夫ですよ。特別クラス全員の処女をデュエル大会の賞品として提供すること、承諾します!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――まったく、どうして勢いだけでこんなふざけた提案を承諾してしまったのだろう。あの時の私は、間違いなく冷静じゃあなかった。

 言った後に後悔したし、失敗したとも思った。だが、一度吐いた言葉は覆せない。承諾してしまった以上、やるしかない。

 そうやって自分に言い聞かせて、無理に納得しようとしてきたが……実際に今、こうして多くの男子生徒たちの前に立ち、痴態を披露してみると、そんな感情など全くもって無意味であったことを痛感していた。

 

 私たちを見る、男子生徒たちの視線……好奇と期待、そして興奮に彩られた瞳を向けられ、無数の目で視姦される現状に身を竦ませてしまう。

 彼らは皆、私たちがこれからどうなるかをよく理解していた。無数の男たちの前で全裸を晒す私たちの耳に、マイクで拡声された男の声が届く。

 

「え~、改めて報告致します。今回のデュエロ・アカデミア公式デュエル大会では、特別賞品として、特別クラスに所属する5名とのセックスを行える権利が用意されています。彼女たちは皆、処女であり、このデュエル大会で優秀な成績を収めた生徒が自分の初めての相手になることを了承してくださいました。そのことに、男子生徒一同は感謝すること」

 

 一段高い最前列の壇上から、私たちは男子たちの反応を見ていた。羞恥に顔を真っ赤に染め、それと同時に股間で震えるバイブによってもたらされる快感に悶えながら、解説役である進藤先生の話を聞き続ける。

 

「特別クラスの皆さんには、この後のセックスに備えて特別製のバイブを装着してもらっています。このバイブには、特殊な振動波によって膣全体をマッサージする機能が備わっており、処女膜を傷つけない浅い位置までの挿入にも関わらず、女性に深い快感を味わってもらうことが出来る代物となっています」

「んっ♡ んんっ……♡」

「また、セックスを行う前に絶頂を繰り返し続けて疲弊してしまう可能性を考慮して、バイブの設定を『寸止め』で固定してあります。振動波との相乗効果によって、数時間後には彼女たちの肉体は皆さんの肉棒を待ち侘びている状態になっているでしょう」

「は、あぁぁ……っ♡♡♡ ん、あぁ……っ♡♡♡」

「最後に、説明する必要もないかと思いますが……セックス次元のデュエルディスクには肉体を避妊状態にする信号が発せられているので、仮に膣内射精を行ったとしても、彼女たちが妊娠する可能性は0%となっています。今回のセックスは避妊具無しの生ハメ。射精も当然膣内で行うものと考えていますので、溜めに溜めた精液を彼女たちの子宮にぶちまけるためにも、頑張ってデュエルしてくださいね」

「あ、あ、あ……っ♡♡♡ うあぁ、あぁ……♡♡♡」

 

 ヴヴン♡ ヴヴヴヴゥンッ♡ と甘い痺れを与え続けてくれる特別製バイブの振動に自然と嬌声が漏れる。激しく鋭い快感ではなく、体をとろとろに蕩けさせるようなゆったりとした快感が子宮とおまんこで響き、体が火照っていくことを感じる……♡

 だが、この快感だけでは満足が出来ないことは本能で理解出来ていた。本当にあと少しの所で、絶妙なラインを衝いて、私たちの肉体は絶頂を迎えることを封じられているのだ。

 

「だめ、だ、これ……っ♡ オレっ♡ もう、むりぃ♡ イキたいっ♡ イキてぇよぉ……♡」

「くっ♡ あぁっ♡ ……イキ、続けることが、辛いことはわかっていたが……♡ イクことを封じられるのも、それと同じくらいに辛い……っ♡ 早く、この苦しみから、解放してくれぇ……♡」

 

 寸止めの地獄を体験し続けるアンナとセレナは、既に発情しきった雌の表情となって、絶頂を求めるようになっていた。

 無理もない、この状態に追いやられてからゆうに30分は経過している。それまでに何度絶頂を封じられ、期待を裏切られ、性の昂ぶりを発散出来ないもどかしさを味わっただろうか?

 性の悦びの中で最も気持ち良くなれる瞬間、それが絶頂だ。その絶頂を封じられ、快感を抑圧された状態を強いられることは、私たちが思っていたよりも辛いことだった。しかも、それに加えて、男子生徒たちからの視姦による快感と興奮まで感じるとあっては、もうどうしようもないではないか。

 

「はぁ♡ あぁ、あ……っ♡ まって、よ♡ これまだ、開会式も終わってないのに、こんな風になっちゃうなんて……♡♡♡」

「ん、あ……♡♡♡ 大会が終わるまで、何時間もかかるのよ? それまでずっとお預けなの? そんなの、耐え切れるはずがない……♡♡♡」

「……そうだけど、それを強いられてるのよ。優勝者たちに提供される賞品として最高の状態になるように、こうしてイクことを禁じられて……あぁあっっ♡♡♡」

 

 自分が本当に賞品として男たちに抱かれる姿を想像した私は、その興奮によって体を昂らせてしまった。それは他の仲間たちも同じで、みんな一緒に体を震わせて快感に悶える。

 しかし、それでも私たちがイクことは出来ない。イクぎりぎりまで体を昂らせても、絶対にその昂ぶりを爆発させることは出来ない。

 数時間後のセックスに備えて、私たちの体は極上の美食として仕上げられているのだ。男を、精液を、ちんぽを……セックスを求めるスケベな発情ボディへとコンディションを調整させられていることを強く自覚すると共に、再び快感の波が心と体に押し寄せてくる。

 

(ああ、もうだめ……♡ 早くイキたい♡ イかせてっ♡ もうなんだっていいから、気持ち良くしてぇ……♡♡♡)

 

 腰の震えと子宮の疼きを感じながら、私はただただ肉欲を願い続けた。太腿を伝う愛液の量は時間が経つごとに多く、そして濃い臭いを放つようになっていく。

 開会式が終わり、第一試合が始まる頃には、私たちの足元にはそれぞれ雌の臭いをぷんぷんと漂わせる愛液の水溜まりが出来上がってしまっていた。それでもまだこのデュエル大会は始まったばかり、まだまだ試合をこなさなければならない。

 二回戦、三回戦、少し休憩してから敗者復活戦。そこから四回戦が始まって準々決勝からの準決勝、三位決定戦を経て、ようやく決勝戦が行われる。朝8時頃から始まったこの大会がようやく終わりを迎えようとした時には、時刻は午後4時を回るくらいになっていた。

 

 経過時刻は8時間、1日の3分の1にも上る時間だ。その間、ずっとイキそうでイけない状態になっていた私たちは、全員が全員とも完全に頭がおかしくなったアヘ顔を浮かべている。

 口を突いて出る言葉は淫語ばかり。というより、意味のある文章を言葉にすることすら出来ている気がしない。

 私たちの口から飛び出すのは、卑猥で下品な言葉と脳が蕩けた雌が出す喘ぎ声だけだ。

 

「んへぇ♡ ち、ちんぽぉ……♡♡♡ ちんぽちんぽちんぽ♡ ちんぽぉっ♡♡♡」 

「はやく、くれよぉ♡ オレのまんこ、ぐっちょぐちょだからぁ♡ ちんぽくれぇ♡♡♡」

「イかせてイかせてイかせてイかせてっっ♡♡♡」

「おぉぉ……♡♡♡ い、ひ、い、あへぇ……♡♡♡」

「ちんぽくらしゃい……♡♡♡ おまんこにちんぽずぼずぼしてぇ♡♡♡」

 

 全員下品ながに股の格好で、へこへこと情けなく腰を振って愛液を飛び散らさせている。周囲に漂う甘ったるい雌汁の臭いは開会式の時と比べ物にならないくらいに強く濃くなっていて、嗅ぐだけで雄の理性を蒸発させられそうなほどだ。

 もう、私たちからは処女を失う恐怖とか不安なんてものは消え去っていた。今の私たちの頭の中にあるのは、セックスとちんぽを望む浅ましい欲望だけ……早く犯して欲しいという、淫らな願いだけだ。

 

「「「「「あひぃいいいいぃいいいっっ♡♡♡」」」」」

 

 周囲の状況すらもわからなくなるほどに快感に翻弄されていた私たちの体を電撃が駆け抜ける。バイブから発せられたそれに完全に不意を打たれた私たちは、思い切り仰け反って嬌声を上げると共に、5人揃っておもらしをしてしまった。

 本日初めてのおしっこの勢いはなかなかに強く、5つの黄金の線が横並びになって綺麗なアーチを描く様は圧巻の一言だ。そして、それを噴き出している下品な小娘たちの姿を合わせれば、男たちの興奮を誘うことは間違いない。

 

 そうやって放尿の快感を味わい、電撃によって意識を覚醒させられた私たちは、ようやくそこで周りがどうなっているかを確認する余裕が出来てきた。

 瞳孔にハートマークが浮かんでいる快感に支配された瞳で前を見て、そこに並ぶ5人の男たちの姿を見止めた時、私たちの耳が司会の声を拾う。

 

「では、賞品授与です。今回大会の優勝者である只藻 武(ただもたけし)くんから、好きな女性を指名してください」

 

 ……ああ、そうか。この人たちが、私たちの初めてを奪う人たちなんだ。私たちとセックスがしたくてこの大会を勝ち抜いた、欲望剥き出しの男たちなんだなってことが、ぼんやりと理解出来た。

 1人目の男は、肥満体の脂ぎった男だ。獣欲を隠すこともせず、ちんぽを勃起させながら、舐めるように私たちの裸を視姦してくる。

 私の体を見て、アンナ、葵、セレナと視線を移し、最後にアキの裸を眺めたその男は、ふぅふぅと甘い吐息を口にしている彼女へと意地の悪い笑みを見せながら口を開く。

 

「俺は、十六夜アキとのセックスを希望します」

「はい、わかりました。では、十六夜さんは彼とセックスを行ってください」

「あ……♡♡♡ は、い……♡♡♡」

 

 慎重に、丁寧に、膣に挿入されているバイブを引き抜かれるアキ。8時間にも及ぶ寸止め愛撫を受け続けた彼女の性器はぱっくりと開き、いやらしくひくついている。

 溢れ出す愛液は白く濁り、粘度も凄く濃いようだ。たっぷりと掻き混ぜられたクリームを思わせるアキの本気汁を目の当たりにしてごくりと喉を鳴らした私たちの目の前で、彼女は自分を指名した男子生徒にそのたわわな胸を正面から鷲掴みにされた。

 

「あんっ……♡♡♡」

「よぉ、十六夜。俺のこと覚えてるか?」

「ふっ、んっ……♡♡♡ 確か、あなたは――」

「そうだよ。眠太郎たちと一緒にお前にボコされた奴の1人さ。今日は、あの時のお礼をたっぷりさせてもらうぜ!!」

「あぁあっ♡♡♡」

 

 乱暴に胸を揉んだ後、乳首を思いっきり抓り上げた男子生徒の愛撫によって、アキは体を仰け反らせながら盛大に嬌声を上げた。ビクン、ビクンと跳ねる彼女の体は、こんな乱暴な責めでも性感を覚えてしまう程に仕上がってしまっているようだ。

 自らの手で感じ、体を痙攣させて喘ぐアキの姿を見て、くっくと喉を鳴らした男子生徒は、彼女の顔へと自分の顔を近づけ、ニタニタとした笑みを浮かべながら脅すような口調で彼女へと言う。

 

「ほら、ほ~く覚えとけよ? 俺がお前の処女をぶち破る相手だ。こないだの痛みを返すくらい、激しい初体験にしてやるよ……! せいぜい泣き喚いて、俺の留飲を下げるのを頑張るんだな!」

 

 アキの初めてを奪う男は、彼女のことなど何も考えていない。自らの欲望と憎しみをぶつけるためだけにこの大会を勝ち進んだ。

 その目的を果たす機会を得た彼は、あくどい笑みを浮かべてアキのことを挑発している。自分の初体験にはロマンティックさの欠片もないことということをアキに教え、どれだけの屈辱を与えられるかだけを楽しみにしているのだ。

 

 そして、非情な言葉を投げかけることでアキの反応を引き出そうとしたその男子は、とろんとした表情を浮かべて胸を揉まれるがままになっているアキの瞳をじっと覗き込んだ。

 彼からすれば、アキが悔しがるか、行為を拒否する素振りを見せることを予想し、それを上から抑え込むことでまた征服感を得るつもりだったのであろう。

 しかし、そんな彼に対してアキが取ったのは、誰もが予想だにしていない反応であった。

 

「んっ♡♡♡ ちゅぅ……っ♡♡♡」

「んんっ!?」

 

 近づけられた顔に手を添え、自分の側へと引き寄せたアキは、自分を嘲る男子と熱いキスを交わした。しかも、自分から舌を絡め、愛情を込めて奉仕するようにいやらしく舌を動かすディープキスを行っている。

 アキのこの行動には、見ている側もされた張本人も驚きを隠せない。観客たちの前で数分にも渡るキスを行ったアキは、熱を帯びた吐息を口から吐き出しながら、しおらしい口調で自分の初めてを奪う男子へとこう言った。

 

「ごめん、なさい……♡ あの日のことは、私も悪いことをしたと思ってたの。いつか償いをしなきゃとは思ってたんだけど、まさかこんなに早くその機会が訪れるなんて……♡」

「お、おぉ?」

「……こんな私の初めてであなたの気が少しでも晴れるっていうのなら、好きにしてちょうだい。あなたのおちんぽで、私の処女膜を引きちぎって……まだ本物のセックスを知らない子供まんこに、沢山のザーメンを注ぎ込んで……♡♡♡」

「お、おぉ……!! な、なんだよ、お前も素直になりゃあ可愛いじゃねえか。仕方がねえ! そこまで言うのなら、きっちりテメーのエロまんこの中に俺様の精液をぶちまけてやるよ!!」

「ありがとう……♡♡♡ 初体験と罪滅ぼしが一緒に出来るなんて、私は幸せ者ね……♡♡♡」

 

 従順、その一言に尽きるであろうアキの反応に面食らった男子生徒であったが、自分を立てて甘えてくる美少女を相手にして、悪い気分になるはずもない。すぐに鼻の下を伸ばし、デレデレとした表情を浮かべ、今や先ほどまでの悪人面はどこに消えたのかと思わせるだらしない顔をしていた。

 アキは自分に憎しみを持っていたはずの男を手玉に取り、イチャイチャと唇を重ね合わせて恋人同士のように振舞っている。完全発情状態にされた体がセックスを待ち望んでいるということもあるのだろうが、見事に男をコントロールしてしまった彼女の手腕には舌を巻くばかりだ。

 

 ああいう風に男を上手く操る術もこれからは学ばなければならないなと考えながら、すぐにそんな小難しい思考は快感を求める本能に掻き消されてしまう。セックス用のステージに連れて行かれたアキが、足を大きく開く駅弁ファックの体勢で観客たちの前に固定された姿を見た私は、じきに自分も男子たちの前であんな恥ずかしい格好をする羽目になるのかと想像し、興奮を募らせた。

 

 次の指名者は2位の男性、ラビエル・ブルー所属の特にこれといって特徴のない男子生徒だ。司会進行からの発言に食い気味で答えた彼に選ばれたのは、アンナだった。

 ロリ爆乳オレっ娘なんて属性てんこ盛り美少女を選ばない理由がないと鼻息を荒くして語り、年齢とは不釣り合いなほどに育っているアンナのたわわな乳房に目を奪われている男子の正直な選択理由を聞いたアンナは、直接的に自分が誉められたことで照れて顔を真っ赤にしている。

 一本気な性格をしている彼女には、回りくどい方法よりもこうした直球でのアプローチが効くようで、まんざらでもない様子で男子生徒に連れられて、アキ同様におまんこをおっぴろげる恥ずかしい体勢に固定されながら他の仲間を待っていた。

 

 3人目、ラビエル・ブルー最後の1人である男子が選択したのは……私だ。

 痩せぎすの、不気味さを感じずにはいられないその男子は、迷うことなく私を選択して欲望を滾らせた目を向ける。その瞳の中に燃え上がっている雄の力強さに気が付き、自分が捕食対象として見られていることを感じ取った私は、ゾクリとした震えを全身に走らせると共に、子宮をきゅんきゅんとときめかせてしまった。

 名前も知らない、顔を合わせたばかりの男に処女を捧げるという不思議な状況。だが、今の私には不安も怖れもなにもない。ただようやく求めていた快感を、悦楽を、興奮を……この人が与えてくれるのだという喜びと、彼に対する感謝しか感じていなかった。

 

 M字開脚を強制する台に乗せられ、至る所に設置されてあるビデオカメラに発情処女まんこや勃起乳首、とろとろのメス顔を撮影されながら、これもまた青羽社長の会社から映像ファイルとして販売されてしまうのだろうということを私は悟った。

 だが、もうそんなことはどうだっていい。早く、早く……セックスが、したい♡

 

 男子生徒と恋人のするような甘く蕩けるキスを行うアキと、手慰みにロリ爆乳を愛撫してもらってもらっているアンナの横で、私も男とキスを交わし、胸を弄られながら残る2人の到着を待った。絶頂と肉棒、そして膣内射精(ナカダシ)を求める雌の本能に脳を焼き焦がされるような熱を感じる私の表情は、どんどんいやらしくなっていくことが自分でもわかった。

 

 それから10分後、ハモン・イエローの生徒に連れられた葵と、アモン・レッドの男子に連れられたセレナもまた、私たち同様に磔にも近いM字開脚の体勢となり、セックスショーのための準備を整える。

 数百名にも上るデュエロ・アカデミアの男子たちの前で、彼らのオカズになるように、同じ学校に通う男たちの肉棒を受け入れる状態になった私の膣口に、熱い亀頭が触れた。

 

「んんん~~っ♡♡♡ 熱い、ちんぽがっ♡♡♡ 私たちの、中にっ♡♡♡」

「あっ♡♡♡ 先っちょ、はいったぁ♡♡♡ はやく、奥までくれよぉ♡♡♡」

「しちゃうんだ♡♡♡ 本当に、こいつと……♡♡♡ 今日初めて顔を合わせた男と、生ハメセックスしちゃうんだっ♡♡♡」

「どうでもいい、から……♡♡♡ 早く、この疼きを止めてくれ……っ♡♡♡ もう、おかしく、なる……♡♡♡」

 

 自分たちの体内に侵入したおちんぽの感覚に、私たちの理性は崩壊しかけている。これが最奥まで辿り着けば、間違いなく最高の快感を味わえるということを脳ではなく子宮で理解した私たちは、犬のように舌を垂らして荒い呼吸を繰り返すだらしない表情でその快楽を求めて喘いだ。

 

「では、男子諸君はカウントダウンの後で腰を跳ね上げてください。タイミングをずらさないようにね。行きますよ――」

 

 期待が、興奮が、欲求が、爆発する。遂に来る。訪れる。その瞬間が。

 私たちを抱く男の手に、腰に、ちんぽに、力が宿っていく。これから女を犯すという明確な目的、三大欲求に数えられる性欲を最大にまで昂らせた彼らの想いが、私たちの肉体に叩きつけられようとしていた。

 

「3……」

 

 ごくりと息を飲む。ビクビクと体が震える。自分ではどうしようもないくらいに、自分が興奮しているのがわかる。

 

「2……」

 

 男子生徒たちの視線が突き刺さる。ステージに並ぶ私たちのセックスを見てオナニーをしようとしている彼らの真剣な眼差しを受けて、私の体が更に昂っていく。

 

「1……」

 

 来る、来る、来るっ♡ 求めた、望んだ、快感が味わえるっ♡

 早く来て欲しい♡ 一息に、一番奥まで、私の体に雌の悦びを叩きこんで――♡♡♡

 

「おおぉおおおおおおおおおおぉおおおぉおおおおおおおおおおおおおぉおおおぉおおぉおおおおぉおおっっ♡♡♡」

 

 ずちゅんと、膣から脳までを突き抜ける快感。押し上げられた体が、子宮が、喜びの声を上げる。

 いったい何が起こったのか? 理解が及ばない。ただ、気持ちいいが体を駆け巡っていて、それを味わえることが嬉しくて、子宮がぶるぶると震えていることがわかった。

 

 さっき聞こえたあの声は、誰の声だったのだろう? 卑猥で、いやらしくて、喜びに満ちたあの叫びを上げたのは、誰だったのだろうか?

 アキ? アンナ? 葵? セレナ? それとも、私か? わからない。わからない……でも、どうだっていいっ♡♡♡

 

「あぁあああぁあっっ♡♡♡ イイっっ♡♡♡ んいぃいいいっぃいいぃいいっ♡♡♡」

 

 カウントが0になった瞬間に叩きこまれたちんぽは、容易く私の処女膜をぶち破って最奥まで辿り着いた。

 初めては痛いと聞いていたが、バイブによる寸止め快感によって煮込まれていた私の体は既にセックスに対して万全の状態を整えており、一切の痛みを感じることなく男の欲望を受け入れることに成功する。

 

 自分の子宮の入り口に亀頭が触れ、みっちりと膣全体に肉棒が収まりきった感覚に頬を緩めた私は、今まで自分がエロデュエルで味わってきた快感が偽物であることを知る。

 本物のセックスは、ソリッドビジョンで作り出されたそれよりも何十倍も気持ちがいい。確かに、これを知ってしまったら、誰もが夢中になることは間違いない。こうしてセックスがエンターテインメントとして普及してしまうことが納得出来てしまうくらいに、この甘美で絶大な快感は心地良過ぎた。

 

「んおおっ♡♡♡ おおおっっ♡♡♡ ほうぉっ♡♡♡ んおぉおおっっ♡♡♡」

 

 男の分身が膣を抉り、奥を突き、引き抜く……その行動の一つ一つで快感を貪る私の口からは下品な嬌声が、膣からは白く濁った愛液がぶちゅっ、ぶちゃっ、といういやらしい水音が溢れ出る。

 腰が浮かんで、そして沈む度に、私の体を快感が電流となって駆け巡っていた。今までずっと禁じられていた絶頂を存分に味わえとばかりに押し付けられる私は、全身を満たす多幸感に恍惚とした笑みを浮かべながら快楽の沼の底へと沈んでいく。

 

 震え、締まり、蕩けている私の膣。その中に収まっている肉棒の形がはっきりわかるくらいに敏感で、快感を余すことなく味わえるように貪欲さを剥き出しにしている雌の器官。

 ずるるっ、と音がしそうなくらいに勢いよく引き抜かれていくペニスが、そのカリ首が、膣壁に生い茂る襞をこそぎ、捲っていく。一枚一枚の襞に快感を教え込み、カリで私の理性を削り取るようにして、男の最も強い器官が私の弱点を躾けていく。

 

 そうしてギリギリまで引き抜かれたペニスが再び最奥まで叩きこまれれば、私の体はその快感に負けて無様にイキ狂ってしまうのだ。

 どちゅんっ、と体の中で音が響いて、脳天が揺さぶられるくらいに気持ちよくされて、自分が雌であることを理解させられる。セックスという、最高の快感を男女で分かち合う行為に信じられない幸福感を得てしまう淫乱であることをわからされた私は、延々と続く絶頂の中で大声で吼える。

 

「んひっ♡ あ、あぁあああああああああぁああっっは♡♡♡ あ゛あ゛あ゛ああ゛あ゛あっっ♡♡♡ んあぁあぁああ゛あ゛あぁっっ♡♡♡」

 

 終わらない、降りて来られない。絶頂の高みに押し上げられた体は未知の快感に翻弄され続け、体中に満ちる快楽を振り払うことが出来ずにいる。

 子宮も、そんな私の昂ぶりに応じるかのように信じられない位置にまで降りて来ていた。指を突っ込めば簡単に触れられてしまうような浅い位置。ちんぽなら余裕で届いて、そのまま奥まで押し込んで、本来の位置よりも奥にまでぐっと追いやられながら快感を貪れるような、そんな場所に私の最重要器官がある。

 

 ちんぽに何度もダイレクトアタックされて、完全にグロッキー状態にされてしまっている私のまんこと子宮は、もうとっくにLPを0にして敗北を認めていた。デュエルだったら降参(サレンダー)して、相手の出した条件を何でも飲みますって感じの負けっぷり。そんな無様で、淫らで、だけど幸せたっぷりな姿を晒す私は、他の仲間たちと共に大声で喘ぎ続ける。私の痴態で興奮する男たちの歓喜を引き出すように、彼らの興奮によって自らの心を更に昂らせるように、卑猥な姿を見せ続ける。

 

(あっ♡ ああっ♡ 膨らんで、るっ♡♡♡ 私のおまんこの中で、ちんぽ膨らんで、硬くなってるっっ♡♡♡ くる、くるぅっ♡♡♡ ドロドロザーメン、私の子宮にぶちまけられるぅぅっ♡♡♡)

 

 私の中で暴れまわるちんぽの持つ熱が、硬さが、大きさが……文字通り、膨れ上がっていった。それが男の絶頂が近い証であることを知る私は、セックスのクライマックスに待つ最高の悦びを想像して子宮を疼かせる。

 ごんっ、ごんっ、と何度も乱暴に子宮口をノックされ、体の芯に響くその快感に男の遺伝子をその内部に注ぎ込まれることを期待させられて、敗北済みの私のおまんこは大喜びでちんぽに媚びた。子宮も大きく口を開けて、自分を犯す男の亀頭を咥え込む。

 

 後はもう、そちらにお任せします。あなたが気持ち良くなって、私たちの膣と子宮(なか)に精液を放つ瞬間を待ち望んでいます……♡ そんな風に、行動と反応で快楽に従順であることを示す私のまんこが、ぶるりと震えた。それを合図として、ちんぽが一番の強さを以てピストンを繰り出し、ぐりっと奥まで私の子宮を押し込んでくる。

 

 こひゅっ♡ なんて、情けない吐息が漏れた。ゾワゾワと湧き上がる興奮に口元が歪むのがわかった。

 来る、わかる……今、私を気持ち良くしてくれているおちんぽの根元から、雄が満足した証が駆け上がってきている。私の理性に、体に、まんこに、トドメを刺す最後の一撃が放たれようとしているのだ。

 私の眼は、しっかりと今までの処女喪失セックスを撮影していたカメラを見据えていた。瞳孔に浮かんだハートマークを、愛液を噴き出しっぱなしにしているまんこを、揺れるおっぱいを、無様なアヘ顔を、そしてこれから見せるであろう種付けされた瞬間のアクメ姿を記録してもらえるように、それに期待していることを隠そうともせず、完全に性に爛れた思考を持つようになってしまった私は、最後に淫靡な笑みを浮かべ、そして――

 

「んあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あぁああああぁあああああああぁああああっっ♡♡♡ イっっ、ぐうぅううううぅううううううううううううううぅうううううううううっっ♡♡♡」

 

 膣を、子宮を、意識を焼く射精の快感に白旗を上げ、おしっこをまき散らしながら盛大なアクメの瞬間を迎えた。真のセックスの、種付けの、雌としての悦びと快感を知ってしまった私は、恍惚感に表情を蕩けさせて、涎と涙と鼻水でぐちゃぐちゃになっただらしない笑顔をカメラに披露している。

 そして、そんな姿を晒す無様で淫らな雌は、他にも4人いた。全員が同じようにちんぽに完全降伏し、種付けセックスの悦びを理解させられてしまった私たちは、ごきゅごきゅと音を立てるくらいに勢いよく自分たちの子宮が吐き出されている精液を飲み干していることを感じながら、自分たちが味わい、理解した雌の快感に恍惚とした笑みを浮かべるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ~……やっちゃったのよね、私たち……」

「そうね……でも、思ってたよりもずっと楽だったわ」

「うぅ、でもなんかまだ股がむずむずするっつーか、ヒリヒリするっつーか……つい内股になっちまうんだよな」

 

 その日の夜、レッド寮の大浴場で疲れ果てた体を癒していた私たちは、口々に初めてのセックスの感想を述べていた。

 同じ経験をした者同士だからこそ、こうして赤裸々に本音を言えるということに感謝しつつ、それでもやっぱり心の内に秘めておきたいこともあったりするのだが、空気を読めない女筆頭であるセレナが、そんな私たちの本心をずばっと声に出して言ってしまった。

 

「ああ、あれはなかなか気持ちが良かった。だが、1回だけで終わりとは少々拍子抜けだったな。私は少し物足りなく思ったぞ」

「「「「っっ~~~……!!」」」」

 

 絶対に、誰も、言おうとしなかったことを言ってしまったセレナの発言に耳まで顔を赤くする私たち。それはつまり、彼女の言ったことが図星だからこそ見せる反応である。

 私たちのセックスは、男性が射精を1回した時点で終了となってしまった。男子たちも物足りなさそうにはしていたが、賞品の内容はあくまで私たちの処女であって、満足するまでセックスを行うことではないのだ。

 ということで、射精を確認した時点で私たちの賞品としての役目は終わったのだが……8時間の寸止め地獄を味わった後でヤったことが、たかだか10分そこらのセックス1回だけというのは私たち的にも正直いって物足りない。かといって、そこから男を誘うことも出来ずにいた私たちは、今この瞬間に至るまでムラムラを抱えたまま過ごしていたのである。

 

「……なんで言うのよ、アホセレナ。こっちは一生懸命我慢してるっていうのに……!!」

「……あんな気持ちいいこと経験しちゃった以上、もうオナニーで満足出来るとは思えないものね。ホント、どうしようかしら?」

 

 抱えていた欲求不満を見て見ぬふりをして抑え込んでいたが、もうそれも不可能だ。乳首も陰核も勃起し続けてるし、何だったらシャワーを浴びただけで若干気持ち良くなっているくらいには感度が暴走状態である。

 最低でもあと5回、いや7……10でもいいけど、もっと多くても構わない……ええい! 何回でもいいから満足するまでセックスして、このムラムラを解消したい! 私たちの想いはその1つで纏まっており、声を出さなくても意見を共有出来ていた。

 

 とまあ、そんな風に発情状態のまま入浴タイムを過ごしていた私たちであったが、そんな可哀想な私たちの前に渡りに船とばかりに天からの恵みが訪れることとなる。

 

「し、失礼しますっ!」

「へっ!? なぁっ!?」

「お、お前らっ! どうしてここに来てんだよ!? 今、女子風呂の時間だろうがっ!」

「い、いや、それはわかってるんだけど……どうしても、お願いしたいことがあって……」

 

 デュエロ・アカデミアは元々男子校、女子用の風呂なんてものは存在していない。だから私たちはレッド寮のお風呂を時間制で使わせてもらっている。

 今はその取り決めで定められた女子が風呂を使う時間だ。なのに、レッド寮の男子たちがうぞうぞと裸で大浴場に乗り込んで、無遠慮に私たちの裸を鑑賞している。そういったことに対する羞恥心が薄いセレナ以外のメンバーは抗議の声を上げるも、それ以上に彼らの勃起したちんぽに視線が吸い寄せられそうになっていた。

 

(うっ♡ マズい……♡ ずっと性欲を抑えてたから、こうしてちんぽを目の当たりにすると発情しちゃう……♡)

 

 1本や2本どころじゃない。数十人の男子たちがこぞって裸を晒し、肉棒を見せつけ、勃起ちんぽを私たちへと突き出している。その光景は普通ならば通報ものだが、性欲を持て余している私たちの目はこの上なく魅力的に映っていた。

 あれをまんこに咥え込んで、一生懸命腰を振って、膣内射精(ナカダシ)されたら気持ちがいいだろうな……なんて、欲望を剥き出しにした想像を頭の中で繰り広げるくらいに、私たちの思考は茹で上がっている。もう頭の中はセックスのことで一杯で、完全に痴女として覚醒している気がしてならない。

 

 とまあ、普通に考えてお互いがお互いにドン引きする状況の中、風呂場に乗り込んで来た男子たちの内の1人が唐突に土下座をすると、大声で私たちへと懇願をしてきた。

 

「お願いしますっ! 俺たちとセックスください!!」

「……え?」

「い、今までずっと、同じ屋根の下でこんな可愛くてエロい女の子たちと過ごしてるっていう自覚を封じ込めてたんだけど、もうそれも限界だっ!」

「あんなエッチな姿見せられて我慢なんて出来るかっ! 俺たちも明日香ちゃんたちとセックスしたいんだよ!!」

「でもやっぱり無理矢理はよくないし……こうしてお願いして、OKもらってからセックスしようと思って、こんなことをした次第です!」

「特別クラスの皆さん、お願いしますっ! 俺たちとセックスしてくださいっ!!」

「え、ええぇぇぇっ!?」

 

 数十人の男子生徒たちがこぞって土下座して、私たちとの性交を望む。何とも情けなく、可愛らしく、欲望に正直な男たちではないか。その度胸(?)には敬意を払うとして、この要求に対する答えは決まっている。

 

「……ま、まあ、そこまで言われたら悪い気持ちはしないし? むしろ、ここまでされて断るのは心苦しいしね……♡」

「そ、そうだよなぁ♡ オレもそう思ってんだ♡ 1回も2回も変わんねえし、そんなにオレたちとヤりたいっていうんなら、まあまんこ貸してやらないこともないかな~って……♡」

「カリスマエロデュエリストを目指すのなら、経験回数は多いに越したことはないわよね♡ それにほら、ファンは大事にしなくちゃ♡」

「同じ寮で暮らす仲間だもの♡ 親睦を深めるためにも、お願いは聞いてあげた方がいいわよね……♡」

 

 順に私、アンナ、葵、アキの言葉。それぞれが男子たちのためというような雰囲気を装いながら、いそいそと湯船から立ち上がって彼らへとお尻を突き出す格好を取る。自然と腰が揺れ、男を誘うようにお尻を振るようになっている私たちは、完全にセックスを求める淫らな雌犬と化していた。

 

「ああ、セックス? とやらをしたいのか!? なら、私も構わんぞ。あれはなかなか気持ちがよかった。それに、私も満足してなかったんだ。ヤりたいのなら、好きにすれば良い」

 

 最終的に羞恥心の欠片もないセレナが私たちの共通意識を口にしてくれたお陰で問題無く男子たちのお願いを承諾出来た私たちは、四つん這いに格好になっておまんこをぱくぱくと開閉させながら、期待に満ちた瞳で自分たちを取り囲む無数のおちんぽへと視線を向ける。

 

 鼻を衝く芳醇な臭い。ぱんぱんに膨らんでいる勃起ちんぽ。十人十色の大きさ、長さ、形をしているちんぽたち……何人の相手をすることになるのかはわからないが、この数ならば私たちも間違いなく満足出来る。

 明日、明後日が休日であることを感謝していた私は、自分のお尻をむんずと掴まれる感触に甘い嬌声を上げた。

 

「あんっ……♡」

「はぁ、はぁ……っ! あ、明日香さんっ! 明日香さんのエロデュエルを初めて見た時からずっと、こうしたいって思ってました!」

「そう、なの……♡ じゃあ、その思いを思いっきりぶつけてね♡ 私のおまんこと子宮に、あなたの本気を見せてちょうだい♡」

「は、はいっ!!」

 

 ギラギラギンギンに瞳を輝かせ、私たちを見つめる男子たち。肉食動物が獲物を見つけたみたいな雰囲気を放つ彼らに期待を抱き、私は子宮をきゅんっ、と疼かせた。

 仲間たちも自分を犯そうとしている男たちに同様の感情を抱いているようで、全員顔が発情モードになっている。既にぐっちょりと濡れて、奥から愛液を溢れさせているまんこを割り裂いて奥にちんぽが挿入された瞬間、私たちのアヘ声が大浴場の中に大きく響いた。

 

 ――結局、この乱交は1人1回程度で終わるはずもなく、レッド寮に所属する男子たちの大半が私たちを何度も犯し続けるという大宴会状態になってしまった。しかも、噂を聞き付けたイエロー寮、ブルー寮の男子たちも参戦したせいで私たちの休日は丸々彼らの相手をすることで潰れてしまい、私たちは2日半をずっと風呂場で過ごすこととなってしまった。

 

 この週末で行われた大セックスパーティのお陰でデュエロ・アカデミアの男子生徒たちの大半は穴兄弟となり、私たちも含めて不思議な結束力を誇るようになるのだが……この話を知った教師陣に『羽目を外すのもほどほどに』という忠告を受けることになるのは、また別の話である。

 

 なお、セレナはこの忠告に対して臆面もなく「羽目を外してなどいない、ハメられていたんだ」と言ってのけたことで男子生徒だけでなく進藤先生までもを噴き出させたという伝説を作ったことをここに報告しておこうと思う。







次回予告

明日香「ヤりすぎた……流石にこれはヤりすぎたわね」

葵「でもよかったじゃない。これで青羽さんからの依頼も完了したし、学園長からの覚えもよくなったわ」

セレナ「これで新しいカードが貰えるとは、随分と楽な話だな」

明日香「そうね。でも、無限にカードを作ってもらえるわけじゃない。今の自分たちに何が必要かを知るためにも、授業をしっかりと受けないとね!」

次回『バイブパンツを解除せよ! 明日香VSロボガールマニア』

明日香「……もう流石に慣れてきたわ、諦めましょう」


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本家風CM2種(スターターデッキ&ブースターパック)

セックス次元にもカードパックとかデッキのCMあるのかな~、とか考えてたら勝手に書き終わってたなんもエロくないCM風味の駄文です。それっぽいのを考えたらまた書くかもしれません。
皆さんもこんなCMとかあるんじゃね? とか案があったら伝えていただけると(自分が)喜びます。


STRUCTURE DECK【ゴブリンの狂宴】

 

 

今からエロデュエルを始めたい君にぴったりなデッキが登場だ!!

 

「エクシーズ召喚! 悪鬼たちの王、【ゴブリンキング ブラックギガス】!!」

「王の命だ! 愚かな雌どもを蹂躙せよ! ゴブリン・レイプパーティー!!」

 

力を束ね! 犠牲を恐れず! 相手を屠り、虜囚とせよ! 肉便器へと堕ちた雌が産み落とす仔が、君の軍団を更に強くする!

 

「これでトドメだ! 小鬼射精乱舞(ゴブリンザーメンスプラッシュ)っ!」

 

初回特典には人気女プロエロデュエリストたちの敗北アクメ姿を映したブロマイドが同梱!(5種の中から1枚)

更に、強化パックも付属! このカードを使い、デッキを改造するのだ!(15種の中から5枚が付属)

 

「さあ、準備は整った。今宵も凌辱の宴を始めよう……!」

 

プロエロデュエリスト ゴブリン小島監修! スターターデッキ【ゴブリンの狂宴】 3月21日、発売!(税込み1000円)

 

ルールを守って、楽しくエロデュエル!!

 

 

 

 

 

 

BOOSTER PACK【エロデュエリスト アップライジング】

 

 

異世界より導かれし5人の女決闘者たち。彼女たちの覚醒が、エロデュエルに革命を呼び起こす!

 

状況に応じて装備(コスプレ)するモンスターを選択! 融合モンスターで勝負を決めろ! 【淫獣】!!

 

サドとマゾの2つの顔を持つ淫らで美しい花々が今、開花のシンクロ召喚を魅せる! 【SMF(サンムーンフラワー)】!!

 

爆乳娘を更に育乳! 育て、搾り、エクシーズ召喚で勝利を掴め! 【牛乳娘】!!

 

ドスケベアイドル集団のエロライブ、スタート! 全てを魅了するリンク召喚の力を持つ【エロティックスター】!!

 

そして、あのテーマが新たな切り札を得て帰ってきた!

 

「精の力纏いし淫らなる少女よ。その力を高め、全てを魅了する淫姫と化せ! 降臨せよっ! 【S・HERO ビッチガール♡アスカ】!!」

 

「このエロボディで、全てのちんぽを搾り取ってあげるわ! ラブハート・ビッチフラッシュ♡♡♡」

 

精液の白濁に塗れる彼女たちの激闘とセックスを見逃すな!!

 

BOOSTER PACK【エロデュエリスト アップライジング】 4月19日、発売!

 

「あなたたちとのエロデュエル、楽しみに待ってるわよ♡」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あの、本当にこれで良いんですか?」

 

「うんうん! OK、OK! 初めてにしてはいい感じじゃない!」

 

「あ、ありがとうございます……」

 

「今回はアカデミアの学生服での撮影だったけど、次からは裸か際どい服装になると思うからそのつもりでね! まあ、次は明日香ちゃんじゃなくて特別クラスの他の女の子にお願いするかもだけどさ」

 

「そ、そう、ですか……♡」

 

「評判が良かったら男性向け商品のCMにも出演してもらう予定だから、そのことも頭の片隅に置いといてね。もしもそうなったら、新カードや新テーマが登場した時に真っ先に新しいプレイが出来るって特典も付くよ! 明日香ちゃん、楽しみでしょ!?」

 

「え、えっと……そう、ですね……♡ 私たちがエッチなことされてる映像が、CMとして流されちゃうなんて……♡」

 

「ぐふふっ! 順調に染まってきてるね! これは、将来有望なエロデュエリストだなぁ!!」

 

「と、取り敢えず、このCMはこの近辺の街限定でしか見られないんですよね……?」

 

「そうだよ! もっと多くの人たちにスケベな本性を見てほしかったら、頑張って実績を上げてね!」

 

「うぅ……♡ 頑張ります……♡」

 

 



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バイブパンツを解除せよ! 明日香VSロボガールマニア

今回のデュエリストはホネ星人さんから頂いたキャラクター案を基に作成しました!
ホネ星人さん、ありがとうございます!

また、真っ黒プルーンさんから頂いた汎用カードも作中に出させてもらいました。こちらも本当にありがとうございます!


 本日5月1日は、GWという名の長期連休の中にある唯一の登校日だ。ここが休みでさえあれば1週間以上の長い休みを何の心配もせずに過ごせるのだが、祝日になっていないものは仕方がない。諦めて登校するのが吉だ。

 異世界であっても国民の祝日やGWといった行事のようなものは残っていることを不思議に思いつつ、元の世界とこのセックス次元がそこまで乖離していない証でもあるこの状況に少しほっとしたりもしてしまう。まあ、根本的な部分が大問題であるため、こんなものは気休め程度にしかならないことは忘れておくことにしよう。

 

 そんなわけで、月が替わって初の登校日にデュエロ・アカデミアへとやって来た私たちは、直前に受け取ったメールの指示に従って、いつもの講義堂ではなく使われていない空き教室に集合していた。

 十数名程度の生徒たちが集まれるだけの広さがある教室内で待機していると、ガラリと音を立てて前方のドアが開く。カートに乗せられた大きめのケースがまず私たちの目に映り、その後から進藤先生が教室へと入って来た。

 

「皆さん、おはようございます。早速ですが、本日は皆さんに特別授業を受けてもらいます」

 

 教壇に立った進藤先生は、持ってきたケースを開けながらそう簡潔に告げた。特別授業、という単語を耳にした私たちの間に緊張感が走る。

 いったい、何をやらせるつもりなのか? エロデュエルの授業なのは間違いないだろうが、普通にデュエルするのとはまた違う何かをやらされようとしていることを感じ取った私は、進藤先生が持ってきたケースの中身にその答えがあるとみて注意を強めた。それは他の仲間たちも同様で、全員が銀色のケースの中身を一刻も早く見たいとばかりに視線を向けている。

 

 そんな風に期待と不安が入り混じった感情を抱く私たちの前でケースの中身を取り出した進藤先生は、そこそこ大きいそれをゴトンと音を鳴らしながら教壇の上に並べ始めた。

 

「こ、これは……! なんか、嫌な思い出が蘇るような……」

「……こっちを見て言うな。私だって不快だ」

 

 進藤先生が取りだした物。それはバイブと下着が一体化した、見るからにいやらしい代物だった。

 お尻から腰までをすっぽりと覆ってしまうくらいの大きなおむつのような形状をした機械の股座部分に、かなりエグイバイブが生えている。大きさも形も相当で、しかもびっしりとイボイボがあるのも見て取れる。

 そんな淫具が合計5つ。しかも私たちのパーソナルカラーに合わせた色のバイブが用意されていることを見れば、これをどうするかなんて考えるまでもないことだった。

 

「さて、授業の詳しい内容を説明させてもらいましょう。皆さんにはまず、こちらの特別製バイブ付きパンツを装着してもらいます。そして、その状態で1日を過ごしてもらうのですが、この際に10回以上の絶頂を迎えてはいけません」

「えっと……快感に耐える訓練をする、ってことですか?」

「それも目的ではあります。ですが、そのためだけにこんな手の込んだものは用意しませんよ。皆さんには当然、エロデュエルをしてもらいます」

 

 アキからの質問に対してそう返事した進藤先生は、上着のポケットからリモコンを取り出した。

 それを5つのパンツに向けてボタンを押せば、取り付けられているバイブが音を立てて振動を始める。

 

「この下着には、こうしてリモコンの操作に応じて様々な責めを繰り出す機能がついています。そして、リモコンに付いている解除ボタンを押さない限り、皆さんはこの下着を脱ぐことが出来ません。つまり、このパンツを脱ぐためには、リモコンを手に入れるしかないということです。私の持つこれはいざという時のマスター機なので渡すことは出来ませんが、私が選んだ5人の生徒たちに、皆さん1人1人のバイブパンツに対応している子機リモコンを渡してあります」

「そいつらをエロデュエルで倒し、リモコンを奪って、この下着を脱げばいいんだな?」

「正解です、セレナさん。しかし、先ほども言った通り、皆さんは10回以上の絶頂を迎えてはいけないという制約がある。もしもその制約を守れなかった場合は、ペナルティを受けてもらうことになりますよ」

「それはわかりましたが、私たちの方が圧倒的に不利じゃありませんか? 男子の方は私たちに見つからないように逃げ回ってればいいわけですし……」

「ああ、その点も問題ありません。男子の方にも、制約はあるんですよ」

 

 そう言いながら私たちの下に近づいた進藤先生は、手に持つリモコンを見せつけながら解説をしてくれた。

 

「このリモコン、実は電波が届く範囲に制限が付けてあります。まず、バイブを起動して弱振動を与えるためには対象の20m以内に居なければなりません。中振動にしたければ15m以内に、強振動とドリル回転はは10m以内……というように、強い責めをしたい場合は皆さんに接近しなければならないという制約があります。範囲から離れてしまうとバイブの機能が停止するため、責め続けている間は近くにいるしかないんです」

「なるほど、男子側にも自分がリモコンを所持していることがバレるというリスクがあるんですね。それを活かして逃げ回るか、あるいは相手を捕えるかすれば、この試練もクリア出来る可能性がグンと上がると……」

「そういうことです。ああ、勿論ですが、デュエロ・アカデミアの敷地外に出ることは禁止します。それと、エロデュエル中は絶頂のカウントはストップしますので、イクことを抑える必要はありませんよ」

 

 補足として付け加えられた進藤先生の注意を聞き、それが最後のルール説明であることを確認した私は、今の話を頭の中で纏め始める。

 ルールは思っているよりもシンプルだ。私たちの勝利条件は【10回イク前に自分のバイブパンツのリモコンを持つ男子を見つけ出して解除ボタンを押す】ことか【今日1日の間、なんとしてでもイクことを堪える】の2つ。前者の方がまあやりやすい方法だろう。

 

 この試練を突破するには、バイブの制約を理解し、誰が自分のリモコンを所持しているかを探り当てる洞察力や推理力。アカデミアの敷地内を動き回るための体力。そして快感への耐性ともいえる精神力などの様々な能力を発揮しなければならない。

 それに加えて、この戦いは個人戦とでもいうべき形式を取っている。誰が1番早くバイブパンツを解除出来るかの勝負という見方も出来るこの授業は、男子生徒たちとの戦いに加え、同じクラスの仲間たちとも競わなければならないのだ。

 

「終了時刻は午後4時。時間になったらここに集合するということにしましょう。それまでは自由に行動して構いません。では、授業開始です。バイブパンツを装着してください」

 

 そんな進藤先生の宣言と共に、私たちの特別授業は開始されたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私は特別授業が開始してからすぐに教室を出て、校舎を後にした。理由は非常に単純で、屋内は見通しが悪いためにリモコンを所持している人物を断定しにくいという問題点があるからだ。

 他にも、建物の構造を活かして上階や下層階からリモコンを操作された場合、そもそも相手を視認出来ないという状況に陥ってしまうかもしれない。この特別授業をクリアするには、屋外で活動した方が難易度がぐっと下がることは間違いないだろう。

 

 アキたちもそのことには気が付いているようで、すぐに私たちは散開してバラバラの方向に移動していった。これには各個人のバイブパンツのリモコン所持者を一ヵ所に集めないようにするためという目的がある。仲間同士協力するのも悪い手ではないのだろうが、初の授業らしい授業ということで、競争したいという気持ちが勝ったというのも理由の1つだ。

 

 とまあ、そんなわけで私は今、レッド寮へと続く長い道を歩いているのだが……

 

「くっっ♡♡♡ んん……っ♡♡♡」

 

 既に私の膣に挿入されているバイブは振動を繰り返し、私に快楽を与えてきていた。腰を震わせる甘い痺れに嬌声を漏らしながらも、懸命にそれを堪えて周囲を見回してみる。

 

 つい先ほど、振動が一段階強くなったことは感じ取れた。バイブの振動レベルは第二段階の中のはずだ。

 ということは、リモコンを持っている相手は私の15m以内に居るはずなのだが、問題はそれが誰かということだった。

 

(思ったより、生徒の数が多い……! これじゃあ、誰がリモコンの所持者かわからないわ)

 

 本日の授業は短縮日程ということもあり、この時間帯は受講する授業がない生徒たちがぞろぞろと寮へと帰ってきている。お陰で、不審な動きをしている人物を見つけるどころか、個人の顔を見分けることすらも困難な状態だ。

 この位置で立ち止まればもしかしたら私に並ぼうとしている人物を見つけ出すことが出来るのかもしれないが、人の波が出来上がっているこの道で立ち止まるなんて沢山の人に迷惑をかけることは出来そうにない。完全に、失策だ。

 

「んんんんん~~~~っっ♡♡♡」

 

 自分の失敗を恥じ、屈辱に唇を噛み締めた私であったが、その瞬間にバイブの振動が更に激しさを増す。同時に膣内でイボが荒れ狂うようにドリル回転が始まり、私の意識は瞬間的に絶頂まで押し上げられてしまった。

 

「くっ♡ あぁっ♡ ふあぁあっっ♡♡♡」

 

 処女を喪失し、セックスにも慣れた私のまんこを責める機械の振動。イボが襞を捲り上げ、一枚一枚に快感を塗り込むようにして痙攣が続く。

 吸水機能が付いているため、愛液を漏らす心配はないが、こんな人ごみの中で絶頂を迎えてしまったという羞恥が私の体と心を更に追い詰め、尚も続くバイブの振動のせいで絶頂の歯止めが利かなくなってしまっていた。

 

「くぅうっ♡♡♡ この、ままじゃ……っ♡♡♡ あぁっっ♡♡♡」

 

 よろよろとした足取りで何とか道の脇へと外れ、レッド寮へと帰る人たちの波から逃れた私は、膣内のバイブが再び中振動に戻っていることに気が付いて安堵した。どうやら、リモコンの所持者と距離が空いたお陰で、強振動&ドリル回転の機能が停止したようだ。

 再び、半径15mの距離内に存在するリモコンの所持者を探そうとした私であったが、このままここで足を止めていてもそれが困難であることを悟る。この人混みはすぐには消え去ることはないだろう。上手いことこの中に身を潜めさせれば、その間ずっと私を責め続けることも不可能ではない。

 

 ここに留まることは愚策だ。別の場所に移動するべきだろう。

 少なくとも、私はここで2回はイってしまった。再び強振動とドリル回転の機能が解放される位置まで接近されたら、今度は終わらぬ絶頂のループに叩きこまれる可能性もある。ここで足を止めるのは、その可能性を飛躍的に上昇させる選択肢だ。

 

「んんっ♡♡♡ はぁぁ……っ♡♡♡」

 

 私は唇を噛み締め、懸命に嬌声を押し殺しながら人の波に逆らって走った。再びデュエロ・アカデミア校舎へと戻る道を突き進み、足を止めることなく駆け続ける。

 その間、バイブの振動は変わることなく中振動を保っている。どうやら私のリモコンを持っている人物は相当にガッツのある男のようだ。その部分は認めると共に、このねちっこい責めを続けるいやらしさに若干辟易してしまう。

 

 そうやって走り続けている私は、校舎へと向かう道を途中で曲がって、ラビエル・ブルー寮へと進路を変えた。

 後ろを振り向くことなく、レッド寮と同じく帰宅する生徒たちの合間を縫って走り続けた私は、寮の入り口近くで道を外れると生徒たちの姿を観察する。

 

(いける! この状況なら……っ!)

 

 さっきと同じ、大量の人でごった返す寮への道。だが、さっきと今では違うところが1つだけある。さっきの道はレッド寮へと続く道で、今、私がいるのはブルー寮へと続く道ということだ。

 先ほどの場面では、不審な人物は見当たらなかった。そこにいた生徒たちは全員、これからレッド寮に戻るという顔をして道を歩み続けていた。

 リモコンの所持者はその風景に溶け込める人物……レッド寮の生徒として、住んでいる家に戻るだけという顔が出来る人間。つまりは、アモン・レッドの生徒ということだ。

 

 アモン・レッドの寮生ならば、レッド寮に戻る道にいても何らおかしくはない。だが、アモン・レッドの生徒がラビエル・ブルーの生徒たちが生活している寮に向かっているとなれば、その光景は明らかに異質に映るだろう。

 そして、今まさに私の目の前でその異質な光景が出来上がっていた。周囲のブルー寮の生徒たちからも白い目で見られているその生徒へと近づいた私は、彼の腕を掴むとにやりと笑う。

 

「見つけたわよ! あなたが私のリモコンを持っている生徒ね!」

「し、しまった……! バイブ責めに気を取られて、自分が周囲から浮いていることに気が付けなかった……!」

 

 そう言って、自分の軽率な行動を悔やむ赤髪の青年。髪色も派手だが、耳に特徴的な歯車型のピアスをしているからかなり目に付く人物だといえるだろう。

 ブルーの制服の中に赤い服を着ているそんな男がいれば、一発でこいつが私をつけて来たってことがわかってしまう。少し考えればわかることなんだろうが、私の追跡とバイブ責めで頭が一杯だった彼には、そこまで思考を割く余裕がなかったようだ。

 

「くっ! こうして見つかった以上、エロデュエルで決着をつけるしかないな……!」

「話が早くて助かるわ。私が勝ったらバイブパンツのリモコンを私に渡す! それでいいわね?」

「勿論だ! 俺はレッド寮2年、路傍 常人(ろぼう つねと)! 悪いがそう簡単に負けるわけにはいかないっ!!」

 

 レッド寮の制服を着た男子生徒と特別クラスの生徒である私のいざこざに気が付いたブルー寮の生徒たちが観衆となり、周囲に輪を作る。

 その中心でデュエルディスクを起動した私たちは、手札に5枚のカードを揃えた後、共に大声で叫んだ。

 

「「デュエルっ!!」」

 

――天上院明日香VS路傍常人 LP4000 1マッチ

 

「先攻は俺がもらう! 手札から【メカニガール・マキナ】を召喚! その効果でデッキトップから3枚を見て、【メカニガール】モンスターを1枚手札に加えるぞ!」

 

―――――

 

メカニガール・マキナ

ATK1500 DFE1200 レベル4 機械族 炎属性

 

このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、デッキの上から3枚を見て、【メカニガール】と名の付いたモンスターを1枚手札に加え、残ったカードを好きな順番でデッキの上に戻す。

この効果は1ターンに1度しか使用出来ない。

 

―――――

 

 常人が召喚したのは赤を基調としたカラーリングのロボット娘だった。そのモンスターは私がかつて使っていた【サイバー・ガール】モンスターたちよりも更に機械的な外見をしているが、どこか性的にも見える。

 体に張り付くラバー素材の部分と機械的なパーツの組み合わせで構築されている彼女だが、顔は人間味のある可愛らしい出来であった。

 

「機械族デッキ……! 男のデュエリストなのに、女の子のカードを使うなんて珍しいわね」

「俺の【メカニガール】たちをそんな野暮な呼び方はしないでくれよ。人間にはない光沢と質感を持つ、機械の天使たち……それが【メカニガール】モンスターなのさ! やっぱりロボ娘は最高だぜ!」

「は、はぁ……?」

 

 よくわからないが、これだけはわかる。この男の性癖は間違いなくロボ娘好きだ。まあ、完全なる機械ではなく女の子と機械の融合した存在を愛しているのだから、そこまで変態的というわけではない……はずよね?

 

「更に手札からフィールド魔法【メカニガール・ファクトリー】を発動! 俺はこれでターンエンドだ!」

 

―――――

 

メカニガール・ファクトリー

フィールド魔法

 

(1)このカードが場に存在する限り、自分の【メカニガール】モンスターが墓地に送られた時、カードをドローする。

(2)このカードが破壊される代わりに、墓地の【メカニガール】と名の付いたモンスターを除外しても良い。

 

―――――

 

(アドバンテージを稼ぐフィールド魔法……残しておくと厄介なことになりそうね)

 

 バトルでは効果を発揮しない効果だが、じわじわと有利を作り上げることには大いに役立つであろうフィールド魔法の発動に心の中で嫌な顔を浮かべる。早めに除去しなければ、面倒なことになりそうだ。

 

「私のターン! ドロー! 手札より【S・HERO アスカ】を召喚! 効果を発動して、【S・HERO 援交男】を特殊召喚し、アスカと性交装備(セックスドッキング)!!」

 

 アスカを召喚して、効果発動でもう1体の【S・HERO】モンスターを場に出す。お得意のタクティクスを決めた私は、手札補充を行うために援交男を選択した。

 敵にアドバンテージを稼がれる前に、こちらも相応の体勢を整えておきたい。そんな考えの末に選んだ戦術を実行すべく、いつも通りにアスカとモンスターを性交装備させると――

 

「はぁっっ♡♡♡ んあぁあああぁああああっっ♡♡♡」

 

 ――その瞬間、私の膣に脳まで響くくらいに強い快感が生み出された。今までのエロデュエルで味わってきた性交装備の快感などとは比べ物にならないくらいに強く、熱く、そして甘い快感に晒された私は、びりびりと痺れるようなその快楽に腰砕けになってしまう。

 

 どうしてこんなにも気持ち良くなってしまっているのか? 若干ぼやけたままの頭でその答えを探った結果、前回エロデュエルを行った時と今の私では、大きな違いがあることに気が付く。

 

(まさか、非処女になったから!? 本物のセックスの味を知ったから、エロデュエルで感じる快感も増したというの!?)

 

 今まで疑似的なセックスでしか知り得なかった性の悦びを、私はつい先日知ってしまった。多くの男たちに体を差し出し、彼らの欲望を受け止め、熱い精液を子宮の中に何度も注ぎ込まれた。

 今まで、エロデュエル中に使う分身体(アバター)とでもいうべき肉体でしか知り得なかったその快感を現実世界の肉体も知ってしまったからこそ、具体的な快感の記憶を呼び起こされることと開発された女体の2つの相乗効果が生み出され、今までよりも深い快感を味わえるようになってしまったのではないだろうか?

 

 これは……思っていたよりもマズい。下手をすると、この快感に意識を奪われ、KOされてしまう可能性だってある。

 下級モンスターの味わい慣れたセックステクニックでも軽く絶頂を迎えてしまうくらいに気持ち良くなってしまっている私は、その快感を懸命に抑えながらプレイングを続行した。

 

「くぅっ♡♡♡ 【S・HERO 援交男】の効果、発動っ! このカードが性交装備した時、カードを1枚ドローするわ!」

『アスカちゃ~ん! 今日はいつもよりおまんこの具合がいいね~! 俺もサービスしちゃおうかな~!?』

『ふあぁんっっ♡♡♡ あはぁっ♡♡♡ あぁあぁっっ♡♡♡』

 

 ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ、と響き続けるセックスの音。アスカの尻に自身の腰を打ち付け、後背位の体位で彼女を犯し続ける援交男のテクニックに、私は愛液を大量に噴き出してしまう。

 それでも、まだデュエルは始まったばかりだと自分を叱咤して、デッキからカードを引いた私は、更に手札からカードを発動してデュエルを続けた。

 

「魔法カード【強欲な精力剤】を発動! このターン、これ以上の特殊召喚を封じる代わりにデッキからカードを2枚ドローし、更に自分フィールド上のモンスター1体の攻撃力を500アップさせるわ!」

「ぐッ!? ここで最強クラスのドローソースだと!?」

 

―――――

 

強欲な精力剤

通常魔法

 

自分フィールド上に存在するモンスター1体を選択して発動する。

このターン中、そのモンスターの攻撃力は500アップし、デッキからカードを2枚引く。

このカードを使用したターン、自分はこれ以上の特殊召喚を行うことが出来ない。

 

―――――

 

「これで援交男の攻撃力はあなたのモンスターを上回ったわ! バトル! 【S・HERO 援交男】で【メカニガール・マキナ】を攻撃!!」

『おひょ~っ! 金の力を見せてやるよ~いっ!!』

 

 金色に輝くコインを取り出した援交男がそれを【メカニガール・マキナ】へと投げつける。

 投げ銭ならぬ、投げコインという成金丸出しの攻撃を受けたロボ娘は、小さな悲鳴を上げると光の粒となって消滅してしまった。

 

「ああっ、マキナちゃんが!! くっそ~……! だが、【メカニガール】モンスターが破壊されたことで【メカニガール・ファクトリー】の効果が発動する! デッキから1枚カードをドローだ!」

 

――路傍常人LP4000→3900

 

「カードを1枚伏せ、ターンエンド。やっぱり厄介ね、そのフィールド魔法」

「【メカニガール】の恐ろしさと美しさが発揮されるのはまだまだここからさ! こっちもギアを上げさせてもらう! 俺のターン!!」

 

 僅かな戦闘ダメージを与え、ターンを相手へと回す。モンスターは消滅したが、何よりも厄介なフィールド魔法が残っている常人はまだまだ強気のままだ。

 手札も十分、そこから彼がどんなプレイングを見せてくれるのかを楽しみにしながら、私は注意深く常人を観察し続ける。

 

「手札より魔法カード【メカニガール・リバイブ】を発動! 手札を1枚墓地に送り、墓地に存在する【メカニガール】を1体選んで特殊召喚する! 俺は手札から【メカニガール・ギアル】を墓地に送り、破壊された【メカニガール・マキナ】を特殊召喚するぜ!」

「くっ! またデッキからカードをサーチされて……いえ、それだけじゃないわ!」

「気が付いたか? 墓地に【メカニガール】と名の付いたモンスターが送られたことで、【メカニガール・ファクトリー】の効果も発動するぜ! デッキからカードをドローしつつ、デッキトップから3枚サーチだ!」

 

 【墓地に送られる】というのは、何も戦闘による破壊だけを指すわけじゃあない。手札からでも、デッキからでも、例えコストとして支払った場合でも、墓地に対象となるモンスターが送られた時点でその条件を満たすこととなる。

 【メカニガール・リバイブ】のコストで手札から対象のモンスターを捨てた場合でも、勿論この条件は満たされることになる。常人はモンスターを特殊召喚しつつ、2枚の手札補充を行うことが出来た。これでもう、使用した手札と同じ枚数のカードが補充出来た。

 

「更に、【メカニガール・ギアル】には手札から墓地に送られた時に場に特殊召喚出来る効果がある! この効果でギアルを場に出すぜ!」

『はぁあぁあいっっ!! やぁっ!』

 

 今しがた常人が墓地に送ったモンスターが自身の効果で場へと姿を現した。手札からコストになることで自身を特殊召喚出来るモンスターとフィールド魔法の組み合わせで一方的にアドバンテージを稼いだ常人のプレイングに、私は内心で舌を巻く。

 流石、この特別授業の相手役として進藤先生が選出しただけのことはある。レッド寮の生徒だとしても、油断は禁物だ。

 

 このターン、常人は手札を補充しつつ2体のモンスターを場に出したが、まだ通常召喚権を使ってはいない。ここから更にモンスターを場に出すことが出来るのだ。

 2体のモンスターをリリースしてのアドバンス召喚か、チューナーを呼び出してのシンクロ召喚か、はたまた同レベルのモンスターを揃えてエクシーズ召喚をしてもいいし、単純に3体のモンスターを並べて数の暴力に打って出ても構わない。

 

 どんなプレイングを行ったにせよ、ここでデュエルは大きく動く……そんな予感を覚え、緊張感の高まりを感じて喉をごくりと鳴らした私の前で、常人は更にモンスターを展開していった。

 

「2体目のマキナを召喚! 効果は制限により使用出来ないが……俺はこの3体のモンスターを手札に戻すことで、【メカニガール・DX(デラックス)マキナ】を特殊召喚するぜ!」

「っっ!? 切り札の登場ってわけね……!」

 

 2体のマキナとギアルを手札に戻すことで強力なモンスターを呼び出す常人。召喚されたのは、【メカニガール・マキナ】の武装と胸を強化したような赤主体のモンスターだ。

 単純なステータスもそうだが、見た目の淫靡さも更に上がっている。ブースターを噴かせて地面に降り立った彼女の胸は、まるで本物の肉のようにぷるりと震え、お尻もまたぴっちりむっちりとしたいやらしさを放っていた。

 

―――――

 

メカニガール・DXマキナ

ATK3000 DFE3000 レベル8 機械族 炎属性

 

(1)このカードは、自分の場に存在する【メカニガール】と名の付いたモンスターを3体手札に戻すことで特殊召喚出来る。

(2)このカードは戦闘では破壊されない。

(3)このカードが場に存在する場合、自分ターンのスタンバイフェイズ時、手札から【メカニガール】と名の付いたモンスターを墓地に送るか、このカードを除外する。墓地にモンスターを送った場合、このカードは墓地に送られたモンスターの効果を使用出来る。

 

―――――

 

(くっ……! 持ってる効果が【メカニガール・ファクトリー】と噛み合い過ぎてる! 厄介にも程があるでしょう!?)

 

 このカードの効果で墓地に【メカニガール】モンスターを送れば、その時点でフィールド魔法の効果が発動してカードをドローすることが出来る。【メカニガール・ファクトリー】には破壊される際に墓地の【メカニガール】モンスターを除外することでその破壊を無効に出来る効果があるから、ドローもしつつ防御態勢を整えることが出来るということになるわけだ。

 攻守3000の戦闘による破壊耐性持ちモンスターという時点でかなり厄介なのに、そこに破壊が困難なフィールド魔法の効果による手札確保も加わればその布陣は非常に堅固なものになる。この攻撃力を超えるだけでも困難だが、何よりも問題は――

 

「クククっ! 【メカニガール・DXマキナ】は戦闘破壊は不可能。つまり、君の切り札である【S・HERO ビッチガール♡アスカ】の効果は通じない! 最強の切り札を封じられた気分はどうかな? フハハハハハハッ!!」

「くっ……!!」

 

 そう、そこだ。私の【S・HERO ビッチガール♡アスカ】は、相手をバトルで破壊して墓地に送ることで効果を発動する。逆に言えば、墓地に送れなければその効果は発動出来ない。単純な戦闘ダメージしか相手に与えられないということだ。

 【メカニガール・DXマキナ】は、その部分を上手く突いてビッチガール♡アスカの効果を見事に封じ込めていた。常人の言う通り、私の切り札は最大の強みを発揮出来ない状態に追い込まれているのである。

 

 間違いない。このデッキは、私の天敵ともいえる存在だ。アドバンテージ稼ぎの面でも、バトルの面でも、私のデッキへの対策が万全になされているといっても過言ではない。

 

(今まで【S・HERO ビッチガール♡アスカ】のカード効果自体を無効にされたことはあっても、効果が意味を成さない状態にされたことはなかった。進藤先生がこの男子を私の対戦相手に選んだのは、デッキの相性を熟知してのことだったのね……!!)

 

 ただ強いだけじゃない。デッキの相性が最悪といって良いほどに私に不利だ。完全に身動きが封じられたわけではないが、勝利への道筋を丁寧に潰されていることがひりひりと感じ取れてしまう。

 戦闘破壊は無理。攻撃力3000のモンスターを相手にして、一撃で4000ものダメージを与えられる手段は見つからない。効果ダメージでもそれは同じで、どう考えても数ターンの時間が必要だ。

 

 だとすれば、私の取れる手段は1つだけだろう。モンスターではなく、プレイヤーに対する直接攻撃(ダイレクトアタック)しかない。

 何らかの方法でモンスターにその効果を付与するか、もしくは場から【メカニガール・DXマキナ】を追い出して一気に攻勢を仕掛ける。DXマキナにあるのは戦闘による破壊耐性だけで、魔法・罠カードによる破壊は対象外だ。そもそも除外や手札に戻す効果ならば耐性も関係ない。

 

 これが一番わかりやすく、可能性の高い方法。その準備が整うまでの間、耐えることも不可能では――

 

「おっと、俺には明日香ちゃんの考えてることが手に取るようにわかるぞ。DXマキナをどうにか処理して、ダイレクトアタックで勝負を決めようってんだろ? 残念だけど、それはさせないよ。永続罠【メカニガール・ウォール】を発動!!」

「なっ!?」

 

―――――

 

メカニガール・ウォール

永続罠

(1)このカードのプレイヤーは自分ターンのスタンバイフェイズ時、手札からカードを1枚捨てるかこのカードを破壊するかを選ぶ。

(2)このカードが場に存在する限り、相手モンスターからのダイレクトアタックで受ける戦闘ダメージは0になる。

(3)このカードが破壊される時、代わりに墓地の【メカニガール】モンスターを除外しても良い。

 

―――――

 

「……これで、明日香ちゃんの目論見も潰れたな。俺の場には攻撃力3000の戦闘では破壊されないモンスター! 手札補充とダイレクトアタックを防ぐ効果を持つ魔法(マジック)と罠《トラップ》! それら全ての破壊対策も完璧! これが俺の【メカニガール】デッキが誇る最強の布陣! 機械娘完全帝国(メカニガール・パーフェクトキングダム)だっ!」

「ダイレクトアタックまで封じられた……!? こいつ、本当に強い……っ!!」

 

 こちらのタクティクスを全て潰し、自分に有利な盤面を作り上げる……鈍色に輝くロボ娘たちを従える常人の戦術、機械娘完全帝国を前にした私はその堅牢さに息を飲み、眼前に出来上がったロボ娘たちの王国からの威圧にただただ圧倒されるのであった。

 





次回予告

明日香「私のタクティクスを潰し、自身の有利を最大限に広げる戦術【機械娘完全帝国】……凄く厄介で、強固なタクティクスだわ。いったいどうやって、この状況を打開すれば……?」

進藤「路傍くんとのエロデュエルに苦戦しているようですね。しかし、彼のデッキの真骨頂はここからですよ?」

明日香「嘘っ!? アスカがロボ娘に……? これ以上、タクティクスに制限をかけられたらそれこそ勝利の道が見つからなくなっちゃう。考えるのよ、明日香。まだ負けたわけじゃない。絶対に勝ちに繋がる道は残ってるはずなんだから!」

次回『機械化の罠! そのドローが勝利を潰す!?』

進藤「……頑張ってください、明日香さん。このデュエルに勝てば、君はまた1つ進化するはずですから……」



最強カード紹介

メカニガール・DXマキナ
ATK3000 DFE3000 レベル8 機械族 炎属性

(1)このカードは、自分の場に存在する【メカニガール】と名の付いたモンスターを3体手札に戻すことで特殊召喚出来る。
(2)このカードは戦闘では破壊されない。
(3)このカードが場に存在する場合、自分ターンのスタンバイフェイズ時、手札から【メカニガール】と名の付いたモンスターを墓地に送るか、このカードを除外する。墓地にモンスターを送った場合、このカードは墓地に送られたモンスターの効果を使用出来る。

―――――

今日の最強カードは【メカニガール】デッキのエースモンスター【メカニガール・DXマキナ】。召喚には3体の【メカニガール】モンスターが必要だけど、その強さは折り紙付きだわ。

高い攻撃力と守備力に、バトルでは破壊されない耐性能力。更にどんな状況にも対応出来る効果付与と、強力な効果が盛りだくさん。盤面を整えてから召喚することで真価を発揮するカードだから、他のサポートカードをしっかりと用意してから場に出しましょうね。

……それにしても、この子のおっぱい、結構大きくないかしら? 少なくとも、葵とセレナは負けちゃってそうね……。


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機械化の罠! そのドローが勝利を潰す!?

 

 

「さて、俺のターンはまだ続いてる。このままバトルフェイズといきたいところだがその前に……魔法カード【ハート・エレクトロ・ショック】と【強制機械化光線】を発動!」

 

―――――

 

ハート・エレクトロ・ショック

通常魔法

 

自分フィールドにレベル5以上の【メカニガール】と名の付いたモンスターが存在する場合にのみ発動可能。

相手フィールド上のモンスター1体を手札に戻す。

 

―――――

 

―――――

 

強制機械化光線

 

手札から【メカニガール】と名の付いたカードを墓地に送り、相手の場のモンスター1体を選択して発動。

そのモンスターが場に存在する限り攻撃力・守備力を300下げ、種族は機械族となる。

 

―――――

 

「【ハート・エレクトロ・ショック】の効果で【S・HERO 援交男】を手札に! 【強制機械化光線】で【S・HERO アスカ】の能力値を下げ、種族を機械族へと変化させる!」

 

 2枚のカードを手札から発動する常人。そこから発せられた眩い閃光によって視界を奪われた私の耳には、モンスターたちの悲鳴が届いていた。

 

『うひゃぁぁ!?』

『きゃああああっっ!!』

 

 衝撃波によって吹き飛ばされ、手札へと戻される援交男の悲鳴はすぐに消えたが、フィールド上に残り続けているアスカの悲鳴は長く木霊している。

 ビビビビビビ、というアニメでよく聞く光線の効果音が途切れ、閃光によって眩まされた視界が取り戻された頃、ようやくその悲鳴が途切れると共に、私の眼には姿を変えたアスカの姿が映った。

 

 青いメカニカルなボディアーマーを纏ったその姿。脚部と腕を覆う装甲は重厚な光を放っており、堅牢さを感じさせる仕上がりになっている。顔面には右目を覆うバイザーと一体化したインカムマイクが装着されており、元のアスカとはなんら変わりの無い顔であるものの、これのお陰で何処か機械的な印象を覚える仕上がりになっていた。

 腹部と胸部にはハニカム型の装甲があるが、下腹部には装甲はなく、競泳水着のような際どいボディスーツの断片が見て取れる。背面部から見てもお尻がスーツの両脇から零れているものの、それ以外の部分はしっかりと防護されていた。

 

 総じて、ロボ娘というよりかはアンドロイドというような雰囲気を持つ見た目へと変化したアスカ。そんな彼女の姿を見たギャラリーたちは、口々に感想を述べていた。

 

「おお、これはこれでありだな。エロいのもそうだけど、そこに格好良さがあるっつーか……」

「わかる。エロカッコいいって奴だな。ロボットと女の子の融合ってのも悪くねえな」

「【メカニガール】たちよりは人間っぽさが残ってるし、俺はこっちのが好みだぜ!」

 

 ラビエル・ブルーの生徒たちの言葉はごもっともで、私も似たような感想を抱いていた。というのも、普段のハイレグ水着のようなヒーローコスチュームよりも今の格好の方がまともであるし、この姿ならば私たちの世界であっても普通にカード化出来そうな気がしなくもない。

 無論、その際には胸とお尻の大きさに若干の弱体化は必要だろうが……などと、若干平和なことを考えていた私であったが、全ての準備を完了させた常人がバトルフェイズに入り、攻撃を宣言したことではっとし、再びデュエルへと意識を集中させていく。

 

「バトルだ! 【メカニガール・DXマキナ】で【S・HERO アスカ】を攻撃!」

「リバースカード、オープン! 【EROバリアー】! このカードは、【HERO】モンスターが攻撃の対象になった時に発動出来るカードで、相手からの攻撃を無効にする効果を持っているわ!」

 

 突っ込んで来るDXマキナの前にハート型のバリアーが展開された。進行方向にいきなり障害物が出現したことに面食らったDXマキナは攻撃の手を止め、苦々し気な表情(機械なので表情の変化はないのだが、雰囲気的にそう私は感じ取った)を浮かべて自陣へと戻っていく。

 

「上手いこと躱したな。だが、いつまでも凌ぎ続けることなんて出来やしないぜ? 俺はこれでターンエンド!」

「くっ! 私の、ターン!!」

 

 山札から1枚カードを引き、手札を確認する私の背には冷や汗が流れていた。

 相手の場には攻撃力3000の戦闘破壊出来ないモンスターが居て、それを排除したとしても罠カードの効果で直接攻撃は出来ない。持久戦を行おうにも、敵には戦線を支えるフィールド魔法があり、それらを排除することは非常に困難な状況だ。

 

 こちらの取れる手はかなり限られている。まずは何とかしてDXマキナを場から追い出したいところだが、そのために必要なカードは今の私の手札には存在していない。

 ここは、チャンスが来るまで耐えるしかない……今は我慢の時だと判断した私は、勝機が訪れることを信じて防御のためのタクティクスを選択した。

 

「手札から【S・HERO 痴漢男】を召喚。そのままアスカと性交装備させるわ」

『ふぅんっ♡ あはぁぁ……っ♡♡♡』

 

―――――

 

S・HERO 痴漢男

ATK800 DFE1200 レベル3 戦士族 闇属性

 

(1)このカードが性交装備している時、1ターンに1度、相手モンスターの攻撃を無効にすることが出来る。

 

―――――

 

「うぅっ♡ は、きゅぅ……っ♡♡♡」

 

 後背位からの挿入、そこからのねっとりとした腰遣い。私の弱い部分を探り当て、しつこく責め立てるような痴漢男の腰の振りに喉の奥から快楽交じりの声が漏れだす。

 痴漢男に両の乳房を揉まれ、勃起している乳首をカリカリと引っ掻かれるように愛撫されると、ギリギリ押し殺せるレベルの快感が私の全身の毛をゾワゾワと逆立てた。

 

(さっきのガツガツしたセックスもいいけど、ねっとりしたセックスも素敵……♡ 体を煮込まれて、とろとろに蕩けさせられてるみたいで、頭の中がぼーっとしちゃう……♡)

 

 快感の度合いでいえば、援交男とのセックスで味わったそれの方が大きい。だが、痴漢男は様々なテクニックを駆使して、私の体を鋭敏で快感に逆らえないように開発していた。そして、それを開発されている私自身にも強く自覚させるように、じっくりと時間をかけて体の昂ぶりを引き上げているのである。

 じわじわと官能を煽られ、子宮が男を求めるようになっていく様を感じさせるための愛撫。指で、舌で、肉棒で、決して強くはないものの炎が徐々に熱を増していくような感覚を覚えさせられるテクニックに私の表情がだらしなく蕩けていく。

 

「随分と気持ち良さそうじゃないか、明日香ちゃん。自分のモンスターに犯されるのがそんなに気に入ってるのか?」

「うる、さいわね……♡ カードを1枚伏せ、ターンエンド。あなたの番よ」

「くひひっ! 俺のために体を仕上げてくれるなんて、サービス精神旺盛じゃないか! それじゃあ、その期待に応えてやるよ!」

 

 デッキからカードを1枚ドロー。その後、【メカニガール・DXマキナ】と【メカニガール・ウォール】の効果で2枚のカードを手札から墓地へと送る常人。しかし、捨てたカードはどちらも【メカニガール】モンスターだ。

 【メカニガール】を捨てる限り、【メカニガール・ファクトリー】の効果によって手札を補充することが出来る。手札からカードを捨てたとしても、それと同じだけのカードを山札から引くことが出来るのだ。

 

(手札が減ってない……! いいえ、それどころか――)

 

「今捨てた【メカニガール・ジャッキー】の効果で、デッキから魔法カードをサーチするぜ。俺が選ぶのは装備魔法【バイブレード】だ。そして、【メカニガール・ライハ】の効果をDXマキナに付与することで、このターンのバトルフェイズ、DXマキナは2回の攻撃が可能になる!」

 

(――盤面のアドバンテージを稼がれている!)

 

 常人は手札を捨てることによって自分のモンスターを強化し、着々と勝利へのタクティクスを進めている。不動の陣形を作り上げたという自信と安心感が彼のプレイングをより強固なものにし、安定したエロデュエルを行うことが出来るのだろう。

 これはもう、デッキの相性の問題だけではない。路傍常人というエロデュエリストは間違いなく強者だ。私との相性を抜きにしても、彼は十分に強いデュエリストということがこのデュエルの中でひしひしと感じられていた。

 

「さ~て、バトルだ! 【メカニガール・DXマキナ】は【バイブレード】を装備したことで攻撃力が500上昇している! 痴漢男の効果で1度は攻撃を防げたとしても、2回目の攻撃で大ダメージを受けることは避けられないぜ!」

 

 DXマキナが手にしているのはどぎつい蛍光色のバイブだ。ブレード、というからには剣をモチーフにしているのだろうが、どこからどう見てもただのバイブとしか思えない。

 だが、それがどう使われるのかに関してはこれまでの経験で重々に理解出来ている。そうでなくても大きくLPの差を広げられてしまうこの攻撃をただ受けるわけにはいかない。

 

「【S・HERO 痴漢男】の効果を発動し、攻撃を無効にするわ! 2回目の攻撃の際、伏せてある【精液の加護】を発動! 【S・HERO アスカ】に乗っているザーメンカウンターを全て墓地に送り、その数×1000のLPを回復する! アスカのザーメンカウンターは3つ! よって私は3000LPを回復よ!」 

 

――天上院明日香LP4000→7000

 

 1回目の攻撃は痴漢男の効果で防ぐことが出来た。だが、2回目の攻撃はそうはいかない。ブースターを噴かせて突撃するDXマキナに蹴り飛ばされた痴漢男はあえなく消滅し、彼との性交装備が解除されたアスカへと魔の手が伸びる。

 

『くっっ♡♡♡ あぁあああぁああっっ♡♡♡』

 

 お尻を突き出す格好で地面に倒れ伏しているアスカの背後を取ったDXマキナは、手にしている【バイブレード】を彼女の膣へと勢いよく叩き込んだ。その瞬間、バイブの振動は最強レベルに変化し、熟しているアスカの性器を責め立てる。

 

『あぁあぁっっ♡♡♡ そんなっ♡♡♡ だめっ、だめぇえぇっっ♡♡♡』

 

 激しい振動に加え、DXマキナの手によって抜き差しされるバイブによって膣内を満遍なく責められるアスカの口からは、嬌声と悲鳴が混じり合った卑猥な叫びが飛び出していた。下の口からは悲鳴の代わりに愛液が噴き出し、DXマキナの金属で出来た腕をコーティングしていく。

 彼女の味わう快感は、私にもフィードバックされている。子宮を、Gスポットを、入り口の部分を……というようにまんこの全てを犯し尽くす勢いでバイブ責めを行うDXマキナの手によって、私たちは腰を震わせながら盛大な絶頂を迎えてしまった。

 

「んあぁあああぁああぁあああぁぁああぁっっ♡♡♡」

 

――天上院明日香LP7000→4300

 

「あ、あぁああああっっ♡♡♡ ふぅぅううんんっ♡♡♡ んあぁあっっ♡♡♡」

「激しいイキっぷりだったじゃないか。まだデュエルは続けられるかい?」

「だまりな、さ……んんん~~~~~っっ♡♡♡」

 

 挑発的な常人の言葉に反抗しようとした瞬間、膣に挿入されていたバイブを勢いよく引き抜かれたことで、私は再び絶頂してしまった。びゅっ、と熱い愛液が飛び散り、頭の中が快感で染め上げられ、その場にガクリと膝をついてしまう。

 口から洩れる息は熱く、甘く、発情した雌が放つ荒い呼吸に変化している。顔もまた赤く染まり、瞳もとろんとしており、一瞬でも気を抜けばそのまま自慰行為に耽ってしまうそうなくらい、性の悦びが私の全身を駆け巡っていた。

 

「無理するなよ。俺は明日香ちゃんのために言ってるんだぜ? このままエロデュエルを続けて無様な姿を晒し続けるよりも、さっさとサレンダーした方が失うものは少ないだろう?」

「まだ、私は負けてないわ……! 決着のついてないデュエルを投げ出すなんて真似、デュエリストとして出来るはずがない!」

「そうかい。まあ、俺はどっちでもいいけどな」

 

 そう、興味なさげに笑いながら言う常人の目に、今の私の姿はどう映っているのだろう?

 膝はガクガクと笑い、立っていることがやっとという有様。服の上からでもわかるくらいに勃起した乳首と愛液で汚れたスカートとショーツを身につけ、足元に自身が噴き出した雌汁で水溜まりを作り上げた私の姿は、間違いなくいやらしい淫売に映っていることだろう。

 

 それでも懸命に立ち上がり、勝負を続けようとする私であったが……誰の目に見ても、私が限界を迎えていることは明らかだ。

 観客たちは、ここまで私を追い詰めた常人の腕前に感嘆すると共に、ある疑問を口にした。

 

「おい、あの路傍って奴、あれだけ強いのにどうしてアモン・レッドに所属してるんだ? 普通に考えても、ハモン・イエロー程度の実力はあるはずだろ?」

「あぁ? ……そうか、お前ら1年生は知らねえか。あいつは元々、ラビエル・ブルーに所属してたんだよ。けど、既定の成績に満たなかったことでアモン・レッドに降格させられたんだ」

「えっ!? あんなに強いのに、成績が足りないだって!? それじゃあ、元はあんまり強くなかったとか……?」

「あ~、そうじゃなくてだなぁ……路傍の奴は、1年生の時に一切エロデュエルをしなかったんだよ」

「ええ~~っ!?」

 

 事情を知る上級生の言葉に多くの1年生たちが驚きを露にした。この情報を初めて聞いた私も彼らと同様に驚きの表情を浮かべると共に、デュエルの相手である常人の顔を見つめ、こう尋ねる。

 

「ど、どうして、エロデュエルをしなかったの? あなたはデュエルの技術を学ぶために、このデュエロ・アカデミアに入学したんでしょう?」

「それはそうだが、別に新しく何かを得る必要なんてないさ。だって、俺はもう十分強いんだからな。それに俺はロボ娘以外の女には興味はねえし、俺の【メカニガール】たちが汚い雄モンスターたちに犯される姿を見るのも嫌だ。エロデュエルをする必要性が見いだせない上にやったらやったで嫌な気分になるんだったら、エロデュエルなんかしない方がいいだろう?」

「じゃあ、どうして私の相手をすることにしたのよ?」

「へへっ! それはなぁ……明日香ちゃんに【メカニガール・マキナ】のコスプレをしてもらって、俺の童貞を貰ってもらうためさ!」

「は、はぁ!?」

 

 これまでエロデュエルを避け続けてきた常人が今回どうして私との対決を引き受けたのかを尋ねてみれば、彼の口からはとんでもない言葉が飛び出してきた。

 その発言には私だけではなく、デュエルを見守っている他の生徒たちも唖然とした表情を浮かべ、信じられないといった目で彼を見つめているが、そんなことも意に介さない常人は、熱を帯びた口調で自身の目的を私に語り始める。

 

「明日香ちゃんたちが大乱交の果てにデュエロ・アカデミアの生徒たちの大半の童貞卒業を手助けしたって話は俺も耳にしたぜ。けど、俺は初めてのセックスはロボ娘とするって決めてるんだ。まあ、そんなもんは不可能ってことはわかってるんだが……代替案というか、やり様みたいなもんはあるだろう?」

「それが、私にモンスターのコスプレをさせてセックスするってことなのね。呆れた、まさかそんな理由でエロデュエルを引き受けるなんて……」

「悪くない話さ。明日香ちゃんを倒して俺の強さを見せつけると同時に、理想のシチュエーションで童貞も卒業出来る。進藤先生には感謝してるぜ、こんなおいしい役目を任せてくれたんだからな!」

 

 かっかっかと屈託なく笑う常人を見ていたら、呆れを通り越して怒りが湧き上がってきた。

 彼はこの話を引き受ける時、私とのエロデュエルには絶対に勝てると考えていたのだろう。自分の実力に自信があるのか、はたまた私のことを随分と下に見ているのか……どちらにせよ、非常に不愉快だ。

 

 元より、このまま負けるつもりなどはなかったが、最初から勝てる勝負であると考えられてエロデュエルに臨まれたと知った私の闘志は、怒りの炎でメラメラと燃え上がってきた。少しやり過ぎることになるかもしれないが……ここは本気でいかせてもらおう。

 

「あなたのターンは終わり? なら、私のターンね」

「くははっ! 無理すんなよ。明日香ちゃんにはもうこのままDXマキナの攻撃でLPを0にされて負けるか、イキ過ぎて気を失って負けるかのどっちかしかねえんだから、とっととサレンダーしちまえって!」

「……手札から【S・HERO 心中男】を召喚。アスカと性交装備させるわ」

 

『んぶふぅぅ……アスカ~……』

 

 常人の言葉を無視して、少しだけ手にしたカードを場に出すかを迷ってから……私は意を決してそのモンスターを召喚した。

 メタボリックな体系の【S・HERO 中年男】を更に二回りは太らせた、醜いにも程がある容姿をしているオッサンのモンスターは、場に出るや否やアスカの名を呼びながら、彼女を押し倒す。

 

『アスカ~、俺はもうダメだよ~。俺と一緒に死のうぜ、なぁ?』

『んあぁああああぁっっ♡♡♡ あぁあああああああぁああああああっっ♡♡♡』

 

 そう、ネガティブ過ぎる発言を繰り返しながら、彼女の承諾も無しに肉棒を膣へと突き入れる心中男。

 肥えた肉体と巨体の体重を活かした重い種付けプレスでアスカを責め、自身も性欲の限りを彼女にぶつけるようにして腰を振り続ける。

 

「おっっ♡♡♡ しきゅっ、つぶれぇっ♡♡♡ おおぉおおぉおおっっ♡♡♡ んひぃいいいぃいいいいいぃいいっっ♡♡♡」

 

 覚悟はしていたが、その快感は想像を遥かに超える強さだった。子宮を、膣襞を、Gスポットを、叩きのめすようにして繰り出されるピストンの1発ごとに意識が飛び、視界が明滅して涙が溢れる。

 逃げ場のない快感……心中男の巨体に押し潰されるアスカは身動き1つ出来ず、彼の種付けプレスを受け続けている。狂ったように喘ぎ叫ぶ彼女の膣からは噴水のように激しく愛液が噴き出し、いやらしい臭いをぷんぷんと漂わせていた。

 

『おぉおおぉおおっっ♡♡♡ そこ、だめぇっ♡♡♡ もっと、やさしくぅうっ♡♡♡ あはあぁあああっっ♡♡♡ んあぁああああああああぁっ♡♡♡』

「し、ぬぅっ♡♡♡ イキすぎて、しんじゃううぅっ♡♡♡ あぁあああああああぁああああっっ♡♡♡ あぁあああああああああああああああああああぁああああああっっ♡♡♡」

 

 感覚共有によって伝わるアスカの快感が私の体を駆け巡り、全身を揺さぶる。頭の中を激しくシェイクされるような衝撃と、お腹の中に叩きつけられる快楽が混じり合い、絶大な性の悦びへと昇華され、私を包み込んでいく。

 何度も、何度も何度も潮を噴き、絶頂し、嬌声を叫び続ける。アスカも、明日香も、お揃いのイキ顔を晒しながら快楽の頂から降りられずにいる。

 そんな私たちの淫らな姿を見る常人は、はんっ、と鼻を鳴らしてその様子を嗤いながら言った。

 

「なんだ、やっぱり諦めたんじゃないか。俺にLPを削り切られるよりかは自分のモンスターに犯されて気を失った方がマシな負け方だとでも思ったのか?」

「んぐひぃいいっっ♡♡♡ あぁああああぁあああああっっ♡♡♡ んあぁああああぁあああああぁあっっ♡♡♡」

「ははっ! もう聞こえちゃいないか……ま、どうだっていいさ。俺は明日香ちゃんが気を失うまで、このセックスを眺めさせてもらうだけだからな」

 

 ニヤニヤと笑い、心中男に犯されるアスカとその快感を共有する私の痴態を視姦する常人。その表情には、勝利を確信した余裕が浮かび上がっている。

 確かに、この状況を見る者にはそう思えてしまうのだろう。私は勝負を諦め、自らのモンスターに犯されることで敗北しようとしていると思われても仕方がないことだ。

 しかし、私は決してデュエルを途中で投げ出したりなんかしない。この一見勝負を捨てたようなプレイングにも、しっかりと意味はあるのだ。

 

「んぐっ♡♡♡ うぅうっ♡♡♡ この瞬間、心中男の効果が発動するわっ♡ チャンス・アゲインっ♡」

『もぅ♡ そんなに悲観的にならないの♡ 私のおまんこで慰めてあげるから、元気出しなさいって♡』

『んぶふぅぅ……アスカ~……!』

 

 どちゅっ♡ どちゅっ♡ といやらしい音を響かせながら続けられていたピストンの勢いが若干弱まった。感情のままに腰を振るのではなく、落ち着いてセックスを楽しむかのような腰の振りを行う心中男を励ますように、アスカは彼の頭をよしよしと撫でる。

 

『嫌なことがあったのね? でも、あなたはまだ頑張れるはずよ♡ 諦めないで、次のチャンスを待つの♡ そのための元気は、私があげるから……ね♡』

『うぉぉぉぉ……っ! アスカ~! アスカ~~っ!!』

 

「……なんだ? 何が起こってる?」

 

 アスカをオナホ代わりに使うようなセックスから一変、普通のイチャラブセックスのような甘さを醸し出し始めた心中男の変化に常人が眉をひそめた。何か、自分の予想を超える事態が起きていることを感じ取った彼に向け、私は高らかに【S・HERO 心中男】の効果を解説する。

 

「【S・HERO 心中男】が性交装備した時、お互いのプレイヤーは手札を全て捨て、新たに5枚のカードをドローする! 今が絶望しかなくとも、その先にある希望を信じて前へと進む! それが、アスカとのセックスで前向きになった心中男の効果よ!!」

『ぶふぉぉぉっ!! まだ、俺はやれるぞ~~っ! うおぉぉぉぉっ!!』

 

 覇気のない、陰鬱とした雰囲気を纏っていた心中男は、アスカの膣内に夥しい量の精液を吐き出すと共に邪気も打ち払ったようだ。先ほどとは打って変わって元気いっぱいになり、大きな叫び声を出している。

 その声に反応し、私と常人の手札は全て墓地へと飛んで行った。そこから、新たに山札から5枚のカードを引き直した私に対して、常人が余裕綽々といった様子で声をかけてくる。

 

「で、どうだ? 俺を倒せそうなカードは引けたかよ?」

「……いいえ、そんなものは必要ないもの。私は、伏せてあった速攻魔法【スワッピング・セックス】を発動! 自分の場の【S・HERO 心中男】をリリースして、デッキから新たに心中男を特殊召喚! そのままアスカと性交装備よ!」

 

『アスカ! 俺は元気が出たから先に行くよ! 俺の仲間たちのこともよろしく頼んだぜ!』

『ぶひぃぃ……アスカ~、俺のことも慰めてくれ~……』

『はいはい。まったく、困った大人なんだから……♡ あんっ♡』

 

 再び始まる激しい種付けプレス。墓地に送られた心中男に代わって出現した2体目の心中男が、激しく腰を振ってアスカの膣を責め立てる。

 やはりこの快感は絶大だが、既に一度経験しているから多少は慣れた。股から愛液を噴き出しつつも、今度は喋る余裕がある私は、再び心中男の効果の発動を宣言する。

 

「心中男の効果で、手札をすべて捨てて新たに5枚ドロー! ……常人、あなたもドローしたら?」

「……明日香ちゃんは何をしてるんだ? 折角引き直した手札を、またすぐ捨てちまうなんて……」

「むしろ、こんなの明日香ちゃんに不利になってるだろ。路傍は【メカニガール・ファクトリー】の効果で墓地に送られた【メカニガール】の数だけ追加でドロー出来る。今だって、明日香ちゃんの手札5枚に対して、奴の手札は10枚。これを捨てたところで、手札にある【メカニガール】の数だけドロー出来るんだから、路傍の方が有利――」

「……いや、違うぞ! 俺にはわかった! 明日香ちゃんの狙いが!」

 

 手札の入れ替えを連発する私のプレイングに多くの生徒たちが困惑の色を見せる中、ちらほらと私のタクティクスに気が付く者も現れたようだ。

 彼らの慧眼に感心しつつ、その戦略を仕掛けられている常人へと視線を向けてみると……彼の表情からは先ほどまでの余裕が消え失せており、何かを焦り始めている様子が見て取れる。

 

「ま、まさか、お前……!?」

「……引きなさいよ、常人くん。5枚+あなたの手札にある【メカニガール】モンスターの数のカードを。その10枚の手札の中に、何枚の【メカニガール】たちがいるかはわからないけど……沢山ドローが出来て、羨ましいわね」

「ん……? ああ、そっか! そういうことか!!」

 

 流石にここまでくると私の目的を観客たちも理解し始めたようだ。ざわつく彼らの喧騒を背にしながら、私は常人へと挑発的にこう尋ねてみた。

 

「それで? この時点であなたはこのターン中、15枚のドローが確定してるわけだけど……あなたのデッキ、残りは何枚かしら?」

「ぐ、うぅぅぅぅっ……!?」

 

 焦燥感が滲む常人の表情を見つめながら私は思う、奴のデッキの残り枚数は、決して多くはないと。

 デュエルモンスターズのデッキは、ルール上は40枚から60枚の間までならば何枚でも良いということになっているが、コンボやタクティクスに必要なカードを引きこむ可能性を高めるため、基本的には40枚ぴったりが好ましいということになっている。多くのデュエリストたちがこのセオリーを守っているし、私だってそうだ。そして、常人もそのセオリーを守っているのだろう。

 さあ、ここで問題だ。もしもこの40枚の山札から全てのカードを引き終え、0枚になってしまったとしたら、そのデュエリストはどうなるだろうか? ……正解は勿論、()()()()()だ。山札が0枚の状態でドローフェイズを迎えた時、LPの量に関わらずその時点で敗北扱いとなる。

 

 普通に考えるならば、毎ターン1枚ずつドローをしていった場合、デッキ切れでの敗北には35ターンもの時間がかかってしまう。多少のサーチ効果や追加ドローなどを考えても、20回は自分のターンが回ってこなければ、デッキ切れなんてことは起き得ない。

 

 そう、あくまで普通ならば、だ。

 

「俺の手札には、4枚の【メカニガール】モンスターがいる。5枚の引き直しに加え、【メカニガール・ファクトリー】の効果で4枚のカードをデッキからドローするぜ……」

「これでこのターンのあなたのドローは19枚。通常のドローを行った回数は2回で、初期手札の5枚を合わせると26枚ね。そこに【メカニガール・ファクトリー】やマキナの効果でデッキからカードを引いた回数の7回を合わせると……33枚、ということになるわ。もう一度聞くけれど、あなたのデッキの残り枚数は何枚かしら?」

「ぐぎぎぎぎぎぎぎぃぃ……っ!」

 

 歯軋りし、私の挑発に悔しそうな表情を浮かべる常人。私が目で確認出来る限り、彼のデッキの残り枚数はそう多くはない。恐らく、もう10枚を下回っているだろう。

 ドローソースの確保。破壊耐性を持つ強力なモンスター。ダイレクトアタックの禁止。これら最高の盤面を整えられる【メカニガール】デッキだが、決して突けない穴がないわけではない。このデッキ破壊戦略は、常人のデッキには強烈に刺さるタクティクスだ。

 【メカニガール・ファクトリー】のカードテキストには『【メカニカル】モンスターが墓地に送られた時、デッキからカードをドローする』、とある。出来るではなく、()()。これはつまり任意での発動ではなく、条件を満たした場合、強制的に発動してしまう効果ということだ。

 強制効果だから本人が嫌がってもドローするしかない。残りデッキ枚数が少なかろうとも【メカニガール・ファクトリー】が場に存在する限り、常人は【メカニガール】が墓地に送られたならばカードを引くしかないのである。

 

 私の考えが正しければ、常人の山札にはカードが7枚しか残っていない。それを削り切ることが出来れば、次のターンでドローが出来ない常人は敗北となる。

 LPではなく、山札への攻撃を繰り返す私は、新たに手札から魔法カードを発動して、常人を仕留めにかかった。

 

「これで終わりよ! 手札より、速攻魔法【超性交】を発動!!」

 

―――――

 

超性交

速攻魔法

 

手札を1枚捨て、自分の場の【S・HERO】モンスター1体と、それとは性別が異なる相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動する。

その相手モンスターのコントロールを得て、指定したモンスター同士を性交装備させる。

 

―――――

 

『うひひひひひ……! 君、可愛いねぇ……! ちょっとおじさんといいことしようよ……!』

『!?!?!?』

「なっ!? おい馬鹿、やめろっ! お前みたいな汚いおっさんに俺のDXマキナを好きにされて堪るか!!」

 

 カード効果によって指定された【S・HERO 心中男】と【メカニガール・DXマキナ】がその距離を縮めていく。この後、両者の間で何が行われるかを悟った常人の悲鳴にも近い叫びが木霊する中、その時が訪れた。

 

『~~~~~♡♡♡』

『おっほ~! ロボまんこ、きんもちいぃ~~~っ!!』

「うわぁあぁぁっ!! やめろっ! やめろってぇっ!!」

 

 押し倒し、覆い被さり、即挿入。アスカにそうしたように、DXマキナにも激しい種付けピストンを開始する心中男へと常人の悲痛な叫びが響く。

 醜い中年男性に犯され、唇も奪われ、性を受け入れることしか出来ないDXマキナは、全身をぶるぶると痙攣させると共に体の各部から火花を飛び散らせていた。

 

『♡♡♡♡♡』

『おっ、すげぇ! ロボまんこからも愛液が溢れるんだな! 俺のちんぽ気持ちいいか~? んん~?』

『♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡』

『よ~しよし! それじゃあ今から俺の臭いザーメンをお前のまんこの中に注ぎこんでやるから、しっかりロボまんこ締めて飲み干すんだぞ! ラブドールとしてちんぽ気持ち良くして、お前もイっちまえ!!』

『アッ♡ ンアッ♡ ンンン~~~~~~ッ♡♡♡』

「頼むからもうやめてくれーーっ! 俺のマキナを汚さないでーーっ!!」

 

 あまりにも激しく、強大で、甘い快感を味わったDXマキナからは、機械音声で作り出された嬌声と思わしき声が流れ始めた。

 完全に性の悦びをインプットされてしまった彼女の堕ち様を見た常人の叫びが響くも、もう1人と1機のセックスは止めようがない。腰を高く掲げた心中男の渾身のピストンがDXマキナの膣内に叩き込まれ、腰を震わせる程の勢いで奥まで肉棒が突き刺さった彼女の子宮器官に大量の白濁液が注ぎ込まれていった。

 

『オオ~~~~~~~~~~~~ッッ♡♡♡ ナカダシ、アクメ、達成……♡♡♡ HERO遺伝子、インプットシマシタ……♡♡♡』

『な~にがインプットだ! そんな生温いこと言ってないで、ロボ子宮で受精しろっ!! オラッ!!』

『ンオオォオオォオッ♡♡♡ リョ、了解、シマシタ……♡ 目標ヲ、受精ニ設定シマス……♡』

「あぁぁ……マキナ、マキナ~~……」

 

 完全に快楽堕ちしたマキナの名を呼ぶ常人を見ていると心苦しいが、これも勝負の一環だ。彼に向けて確認の意味を兼ね、言葉を投げかける。

 

「心中男が性交装備状態になったことで、手札を捨てる効果が再度発動するわ。この効果を解決して、あなたのデッキにはカードは残っているかしら?」

「うぅ、くそぉ……デュエルには負けるわ、モンスターを犯されるわ、最悪だぁ……これだったらエロデュエルなんかするんじゃなかった……」

 

 常人のデュエルディスクのデッキを収める部分には、もう1枚のカードも残っていなかった。

 心中男との交尾に夢中になるエースモンスターの姿にがっくりと肩を落とし、そう小さく呟いた彼は、その場に蹲ると自らの敗北を受け入れ、大きな溜息をつく。

 その姿には、デュエル中に見せた自信満々な様子は欠片も感じられなくなっていたのであった。

 

――路傍常人 残りデッキ0枚 デュエル続行不可能

――WINNER 天上院明日香

 

 

 

 

 

 

「……ふぅ、これで特別授業の課題はクリアね。まったく、厄介な相手だったわ」

「くそっ、くそぉ……! まさかあんな方法で俺の【メカニガール】デッキを攻略するなんて……!」

 

 バイブパンツを脱ぎ捨てた私は、デュエルが終わって暫くしても立ち直れていない常人に困ったような視線を向けた。エロデュエルの敗北に加え、エースモンスターが犯される姿を間近で見てしまったことにショックを受ける気持ちはわかるが、私には彼に同情する気持ちがそこまで湧いてこない。

 少し悩んだ末、彼に声をかけることにした私は、軽く呼吸を整えてからこう切り出した。

 

「常人、あなたは強いエロデュエリストだったわ。でも、あなたのしてきたことを考えたら、この結果は当たり前じゃなくて?」

「え……?」

「あなたの必殺タクティクス、機械娘完全帝国(メカニガール・パーフェクトキングダム)は確かに強力よ。でも、完璧ではなかった。ドローソースの豊富さが仇となることにもっと早く気が付いていたら、あなただって対策を練ることが出来ていたでしょうに」

「それは……」

 

 私の言葉を受けた常人が言葉を詰まらせる。私の言いたいことを理解し、自分の非がわかっているからこそ、何も言えなくなってしまったのだろう。

 

 きっと、常人が機械娘完全帝国を作り上げた時には、その戦略は確固たる強さを誇っていたのだろう。一部の隙も無い、正に完全無欠の帝国を作り上げたことは賞賛に値するが、彼の問題点はそこで戦略の研磨を終えてしまったことだ。

 デュエルは常に進化している。新たなカードの登場、ルールの追加、制限・禁止カードの入れ替えによる環境の変化等、常に同じ状況でデュエル界が回っていく訳ではない。完璧なデッキを作り、それに相応しいタクティクスを組み上げたとしても、1枚のカードが追加されただけで環境がガラリと変わってしまうのがデュエルモンスターズの恐ろしいところだ。

 私たちデュエリストは、その変化に対応し続けることが求められている。新たな戦略やカードを学び、ルールに適応し、更なる高みを目指す。常人はもう自分には学ぶべきところなんてないと言っていたが、それは完全なるお門違いだ。私たちには、1日だってデュエルの研究をしない日などあってはならないのだから。

 

「……俺がエロデュエルをこなしていれば、機械娘完全帝国の問題点にも気が付くことが出来ていた。自分が完全無欠だと思い込んで、自分だけの王国に引き籠っている間に、周りの奴らは先に進んでたんだな」

「ええ、そうよ。私がこのデュエロ・アカデミアに入学して来たこともそう。世界は常に変化し続けてる。あなたの【メカニガール】たちにだって、活躍と進化の機会を与えてあげなきゃ可哀想よ」

「そうだな……俺は、自分の強さに胡坐をかいて上を目指すことを忘れていたよ。明日香ちゃんとのデュエルでそのことに気が付かされた。もう一度、アモン・レッドからやり直してみる。大好きな【メカニガール】たちと一緒にな!」

 

 表情から傲慢さが消えた常人は、良い笑顔を浮かべながら私に手を差し出してきた。その手を取り、微笑みながら握手を交わした私は、彼に向けてお決まりの文句を口にする。

 

「ガッチャ♡ 気持ちいいエロデュエルだったわ♡」

「ああ! 次は負けないぜ! 進化した俺と【メカニガール】たちの強さを見せてやる!」

「そうね。でも、その時には私も進化してるわ。今回のデュエルで私も自分のデッキの弱点が見えた。この部分をどう補強するかを考えて、次に繋げていかないと――」

 

 そう、常人とのエロデュエルで学んだことを話していた私は、そこでふとあることに気が付いた。それは、進藤先生による私たちの相手となるデュエリストの人選についてのことだ。

 私のデッキは常人に対して相性が悪かった。何とか勝利を収めることは出来たが、私自身にとっても課題の残る勝負であったことは間違いない。

 それは常人も同じことで、デュエルを通して自分の問題点を見つめ直すことが出来た。総じて、お互いにいい刺激を与えあう結果となったわけだ。

 もしもこの結果を進藤先生が見通していたとしたら、彼はただ適当に実力のある男子生徒を見繕っているわけではないということだ。私たちにも、男子たちにも、双方に益があるエロデュエルをするようにマッチアップを仕込んでいるのかもしれない。

 

(女性エロデュエリストの参加によるエロデュエル界そのものの活性化……私たちの目的を部分的ながらも達成させられるような勝負を組んでいるとしたら、これは特別授業の枠を超えた何か凄いことの前準備段階なのかもしれないわね)

 

 青羽社長の理念を実現させている進藤先生やデュエロ・アカデミアの授業内容に感心しつつ、この課題をクリアすることで自分たちの成長を促せることを悟った私は、他の仲間たちも無事にデュエルに勝利出来ますようにと、心の中で祈りを捧げるのであった。

 






次回予告

明日香「この特別授業はただエロデュエルをするだけじゃない。私たち自身の成長を促すための課題でもある。まだまだ、私にも学ぶべきことがあるということね」

路傍「それだけじゃないぜ。俺の他に選抜された奴らも、俺と同じような問題点を抱えてる。きっと、明日香ちゃんたちとのデュエルを契機に、その問題を克服させようとしてるんだと思うぜ」

明日香「問題を克服ねぇ……でも、ウチの一番の問題児にそんな殊勝な手助けが出来るかしら?」

次回『情熱を取り戻せ! セレナVS燃え尽きた天才』

セレナ「っくし!! ……今、誰か私の噂話でもしたのか?」



最強カード紹介

S・HERO 心中男
ATK0 DEF0 レベル1 戦士族 闇属性

(1)このカードが性交装備した時、お互いのプレイヤーは手札を全て捨て、新たにデッキからカードを5枚引く。
(2)エンドフェイズ時にこのカードが性交装備していない場合、このカードを破壊する。

―――――

今日の最強カードは、新登場した【S・HERO】の仲間【S・HERO 心中男】よ。性交装備時にお互いの手札を全て墓地に送り、新しく5枚引き直すという強力な手札リセット効果を持っているわ。

上手く使えば、手札を補充したり、相手の戦略を潰したり、今回みたいにデッキ破壊に一役買えるけど、下手を打てば相手にチャンスを与えることにもなりかねない、ピーキーなカードね。使いどころには十分に注意しましょう。

心中男の種付けピストンセックスは本当にキくわ♡ ちんぽの硬さと太さ、ザーメンの濃さと量は【S・HERO】でも随一だから、ついつい性交装備したくなっちゃうのよね……♡


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情熱を取り戻せ! セレナVS燃え尽きた天才

オリジナルカードの応募が多くなって来たので、また新しく活動報告を投稿します。
次回からは、そちらにカードを送ってくださいね!

毎回ですが、色んな案をくださってありがとうございます!
今後もよろしくお願いします!


 

「……暇だ! 私の対戦相手はなにをしているんだ!?」

 

 今回の課題の内容説明を受けてからおよそ2時間後、私はアカデミアの中庭でまんじりとした気持ちを発散するようにそう叫んだ。

 バイブパンツだの、操作リモコンだの、嫌な思い出をぶり返させるこんな代物とは早くおさらばしたい。だが、それを可能にするリモコンの所持者が私の前に現れないのである。

 

 折角、人目に付きやすい中庭で堂々と姿を晒しているというのに、私の股の中に挿入されているバイブはピクリとも振動しないままだ。装着してから一度も動きを見せていない。

 

(ちっ、私とのデュエルに怖じ気づく気持ちはわかるが、こうも待ち惚けを食らうと苛立つではないか!)

 

 私はギリギリと歯軋りをし、苛立ちの感情を露にする。進藤の奴は私の対戦相手を相当の腰抜けに指定したようだ。これはあいつに何とかして穴埋めをさせなければなるまい。

 このまま課題の終了時刻までリモコンの所持者が現れなければ、この怒りを結集させて奴との再戦に臨んでやるか、などと私が考えていると……

 

「んっ……!?」

 

 ヴンッ、と短い機械音が私の頭の中に響き、膣内で微弱な振動が生まれだした。弱々しく、かつて進藤とのエロデュエルで味わったそれと比べると有って無いような震えではあるが、これは私が待ち侘びた反応だ。

 私の対戦相手はすぐ近くにいる。周囲を見回し、不審な行動をしている男がいないか探していると、バイブの振動が一段強化された。

 

「んんんっっ♡ ふっ、こんなもの……っ♡」

 

 振動が中になっても、そこまで気持ちがいいわけではない。確かに快感はあるが、無様に絶頂を繰り返すほどではなかった。

 だが、振動が強まったということは、リモコンの所持者が私に接近しているという証拠である。それも、振動が始まってからレベルアップするまでの時間から考えるに、一直線に私へと近づいているに違いない。

 

 よく目を凝らして周囲を観察すれば、そんなバレバレの行動を取っている人物が1人目についた。

 頭髪を丁度中央で半分に割って、片方が金、もう片方を銀色に染めた派手な男。自分の存在を主張するように近づいて来るそいつは、私と目が合ったことに気が付くとニヤリと笑ってポケットからバイブパンツのリモコンを取り出してみせた。

 

「くうっ♡♡♡ んん~~っっ♡♡♡」

 

 再び、振動が強まる。今度は強の振動に加えてドリル回転まで加わった攻撃だ、流石に平然と耐えられる代物ではない。

 まあ、進藤の補習のお陰で多少はこういった責めにも慣れている私にとっては問題無いレベルではあるが……何はともあれ、無事にリモコンの所持者を発見した私は、自分の下にやって来たそいつを睨みつけて口を開いた。

 

「お前が私のデュエルの相手のようだな。名を名乗れ」

「ハモン・イエロー2年、舞元 弾(まいもとだん)だ。長話は好きじゃない、とっとと始めよう」

「ふっ、いいだろう!」

 

 カチリと音を鳴らし、バイブパンツのスイッチを切った弾は、腕に装着しているデュエルディスクを起動させて私と距離を取る。

 奴と同じくデュエルディスクを起動した私は、デュエルの準備を整えた後で彼と共に叫んだ。

 

「「デュエルっ!!」」

 

――セレナVS舞元弾 LP4000 1マッチ

 

「先攻は俺がもらうぜ。まずは、俺とのエロデュエルに相応しい格好に着替えてもらおうか。魔法カード【D・D・C(ドスケベ・ダンス・コスチューム)】を発動。この効果により、相手女性プレイヤーの衣服をエロダンスコスに変更する!」

「むっ!?」

 

 弾が魔法カードを発動すれば、私の衣服が光り輝いてその形状を変化させ始めた。

 色は私の髪と同じ紫。素材はつやつやとしたラバー系で、胸を隠す衣類が存在していないどころか、飛び出した乳をより主張させるかのようなデザインをしている。股間部分にはハート型の穴が空いており、背面も尻の肉を丸出しにするデザインとなっていた。

 その状態で同じくラバー製の長手袋とタイツを装着するという、服を着せたいのか脱がせたいのかよくわからない格好になった私は、自分の衣服を変えただけというカードの効果に眉をひそめ、弾へとこう尋ねる。

 

「……おい、このタクティクスになんの意味がある?」

「へぇ、そんなスケベな服を着せられたってのに欠片も恥ずかしがらないとは……相当肝が据わってるか、多少の可愛がりにはビクともしない気の強さがあるってことか。じゃあ、今度はお望みのデュエルタクティクスを見せてやるよ。【ダンスマスター オーイエ】を召喚! 続けて永続魔法【ダンスバトル 1ON1】を発動だ!」

 

―――――

 

ダンスマスター オーイエ

ATK1000 DFE1000 レベル3 悪魔族 闇属性

 

(1)このカードは1ターンに1度、相手モンスターの攻撃を無効にすることが出来る。その時、攻撃したモンスターの元々の攻撃力をそのモンスターのプレイヤーに与える。

 

―――――

 

―――――

ダンスバトル 1ON1

永続魔法

 

(1)このカードがフィールド上に存在する限り、お互いのプレイヤーが場に出せるモンスターは1体のみとなる。

 

―――――

 

「相手の攻撃をトリガーとして発動するバーン効果を持つモンスターと、それを活かすためのロック効果を持つ永続魔法……単純で基礎的なコンボだな」

「そう思うのなら攻略してみせてくれ。俺はカードをもう1枚伏せてターンエンド。君のターンだ」

 

 何処か意味深な笑みを浮かべながらそう呟いた弾は、新たにカードを場にセットして私へとターンを回す。

 自分の手札を確認し、厄介な永続魔法を破壊する術がないことを見て取った私は、取り敢えずとばかりに自分の場を整えるべく分身カードを召喚した。

 

「手札から【淫獣娘々 セレナ】を召喚! カードを1枚伏せ、ターンエンドだ!」

「おや? 威勢のいいことを言う割には何もしてこないんだな? まあ、感情のままに突っ込んで来る猪武者じゃないってことがわかってよかったよ」

「普通に考えて、そんな無謀なことをする奴はいない。あまり私を馬鹿にするな」

「ああ、悪かったな。だが……もうそんな甘っちょろいプレイが出来なくしてやるよ。俺は永続魔法【デス・ダンス・バトル】を発動! この効果により、モンスター名に【ダンス】と名の付いていないモンスターは、毎ターン必ずバトルを行わなければならない!」

「!?!?!?」

 

―――――

 

デス・ダンス・バトル

永続魔法

 

(1)このカードの効果は、カード名に【ダンス】と名の付いていないモンスターにのみ適応される。

(2)このカードが場に存在する限り、各プレイヤーはモンスターを守備表示に出来ない。

(3)各ターンのバトルフェイズ時、お互いのプレイヤーは可能であるならば全てのモンスターで攻撃を行わなければならない

(4)このカードがフィールドに存在する限り、誰もプレイヤーへの直接攻撃は出来ない。

 

―――――

 

 周囲の景色が移り変わっていく。まるで大都市の裏路地のような、スラム街のような、荒れた街並みの中に出来上がっている煌びやかで派手な舞台の上には、【ダンスマスター オーイエ】と私同様の卑猥な格好をした【淫獣娘々 セレナ】が向かい合って立っていた。

 デュエルフィールド内には、耳障りな重低音がけたたましい音量で流れ続けている。咄嗟に耳を塞ぎたくなる衝動に襲われながらもそれを堪えた私は、弾が新たに発動したカードの効果を確認して、小さく舌打ちをした。

 

(攻撃を強制するカード……あのモンスターの効果を発動するためのコンボパーツか。単純だが、面倒なタクティクスだ)

 

 【デス・ダンス・バトル】の効果で私が攻撃を行えば【ダンスマスター オーイエ】の効果が発動してそれが無効になり、私はダメージを受ける。【ダンスバトル 1ON1】がある限りは2体目のモンスターを出してオーイエを破壊することは出来ず、次のターンには再び効果ダメージが発生してしまう。

 モンスターの召喚を封じることで実質的に攻撃回数を制限し、その攻撃にも必ず行わなければならないという制限をかける。そうしてガチガチに固めた相手が何も出来ないままオーイエの効果でLPを0にするのを待つ、それが弾のタクティクスだ。

 

「随分と消極的なプレイをするじゃないか。自分から仕掛ける勇気もないのか? この腰抜けめ」

「そう思うのなら、このコンボを突破してみせてくれ。俺はこれでターンエンド。さあ、君のターンだ」

 

 弾は自分から攻撃を仕掛けることはせず、ただただ私からのアクションを待っている。

 あくまでオーイエの効果を活かしたバーンダメージで私のLPを削り切るつもりらしい。

 

 問題は、今の私にはこのコンボを突破する方法がないということだ。新たにドローしたカードもこの局面では役に立たない。【淫獣娘々 セレナ】を守備表示にも出来ない以上、ここは覚悟を決めるしかないだろう。

 

「……バトルフェイズ。【淫獣娘々 セレナ】で【ダンスマスター オーイエ】を攻撃する」

「はっ! ここでオーイエの効果が発動! その攻撃を無効にして、【淫獣娘々 セレナ】の攻撃力分のダメージをお前に与えるぜ!」

 

 弾が効果の発動を宣言した次の旬k何、モンスターたちが向かい合っているステージの電源が落ち、視界が闇に閉ざされてしまった。

 一拍の間をおいて再びステージ上に煌びやかな電飾が輝き始めると、その中央にオーイエに連れられている【淫獣娘々 セレナ】の姿が目に映る。

 

『さあ、踊れ! 俺の教えた振付通りにな!』

『くっ!? あぁっ!?』

 

 【淫獣娘々 セレナ】の尻を蹴り、彼女をステージの中央部……最も観客たちの目に触れやすい部分へと送り出すオーイエ。

 スポットライトがセレナを照らし、ショーの始まりを予感させる音楽が流れ始め、最後にオーイエが手を叩けば、セレナは男たちに尻を向けていやらしくそれを振り始めたではないか。

 

『うっ、ううっ! 体が、勝手に……!!』

『いいぞぉ! もっといやらしく尻をくねらせろ! 男にちんぽ強請るみたいに、そのエロいケツを振るんだよ!!』

『うあぁぁっっ!?』

 

 右へ、左へ、上へ、下へ……∞の軌道を描くように腰を振り、小刻みに揺らして尻肉を震わせるセレナの顔は羞恥で染まっていた。

 淫猥なダンスコスチュームのせいで丸見えになっている臀部はほんのりと桃色に染まり、男たちの視線に晒されているが故の興奮と屈辱を味わっていることが見て取れる。

 

 そんな、セレナの服の上からではわからない発育の良い臀部の膨らみを食い入るように視姦する男たちの盛り上がりを確認したオーイエは、ニヤリと笑うと曲の終わりに合わせて、彼女の尻へと己の掌を叩きつけた。

 

『あひぃいっ♡』

「んおおぉっ♡」

 

 

 ぱぁん! という乾いた良い音が鳴る。セレナの感じた痛みと痺れを同じように感じる私もまた、視姦されて敏感になった尻に受けたスパンキングに不覚ながらも快感を感じてしまい、間抜けな嬌声が口から飛び出してしまった。

 

「ふふ、いいダンスだったぜ。お前も気持ち良くなれただろう?」

「うるさい、黙れ! 貴様のターンだ!」

「はいはい、分かったっての。でもまあ、俺にはやることはないんだがな」

 

――セレナLP4000→2500

 

 ジンジンと痺れ、熱を持った尻の疼きに歯を食いしばる私は、同じく真っ赤な尻に大きな手形をつけられた【淫獣娘々 セレナ】と悔しさを共有する。

 この屈辱は必ずや十倍にして返してやると私が闘志を燃やす中、弾は大したプレイングもせずにターンを終了させた。

 

「何もする必要がない、これでターンエンドだ」

「貴様……! 私を舐めるのもいい加減にしろ!!」

「舐める、舐めるねえ……このコンボが破れない以上、俺がお前を下に見るのも当たり前の話じゃないか?」

「黙って聞いていれば……! 必ず吠え面をかかせてやるからな!」

 

 腹立たしい。ムカつく。頭にくる。コンボが上手く決まったからといって調子に乗る弾に苛立ちを募らせた私は、勢いよくデッキからカードをドローするや否や、そのカードを早速プレイした。

 

「魔法カード【淫獣連牙】を発動! 手札を1枚捨て、モンスター1体の攻撃力を500ダウンさせることで、そのモンスターはこのターンに2度の攻撃が可能になる!」

「ほう? 【淫獣娘々 セレナ】の攻撃力は1500、500下がったところで攻撃力はオーイエと同じ1000。破壊耐性のあるセレナなら、攻撃力が同じだとしても相打ちにはならない……」

「そういうことだ! 行くぞ! 【淫獣娘々 セレナ】で【ダンスマスター オーイエ】に攻撃!」

 

 1度目の攻撃は先のターンと同じく、ステージの電飾が消え、再び明かりを灯すと同時にセレナがステージの中央部へと移動させられていた。

 オーイエの指導の下、先ほどよりも激しく尻を振るセレナの卑猥なダンスに観客たちからは歓声が沸き上がり、それが私たちの怒りを募らせていく。

 

『ほらっ! こっちの尻にもキモチイイのをくれてやるよ!!』

『んんぅぅううっっ♡♡♡』

 

――セレナLP2500→1500

 

 今度は左の尻肉へと掌を叩きつけたオーイエは、【淫獣娘々 セレナ】の尻に咲く真っ赤な紅葉を眺めて高笑いを上げている。

 しかし、その余裕もここまでだ。怒りに燃える心を滾らせながら、私は2度目の攻撃を宣言した。

 

「続けて2度目のバトル! これで【ダンスマスター オーイエ】は破壊される!!」

『はぁぁぁっっ!!』

 

 【ダンスマスター オーイエ】のバトル無効効果は1ターンに1度だけしか使えない。2度目のこの攻撃を防ぐ手立ては無い……はずだった。

 

「甘いな! 俺は【ダンスマスター オーイエ】を対象に速攻魔法【禁止ドラッグ Blue】を発動するぜ!」

 

―――――

 

禁止ドラッグ Blue

速攻魔法

 

(1)自分の場のモンスター1体を選択し、このターン中、選択したモンスターの攻撃力を1000アップする。

(2)このカードが自分の墓地に存在する場合、自分のモンスターの攻撃力は500ダウンする。

(3)手札を1枚捨てることで、墓地に存在するこのカードをデッキに戻すことが出来る。その後、自分はデッキをシャッフルする。

 

―――――

 

「このカードの効果で【ダンスマスター オーイエ】の攻撃力を差し引き500アップ! これで【淫獣娘々 セレナ】の攻撃力を上回った! 返り討ちにしろ、オーイエ!」

『うおぉぉぉぉっ! 漲ってきたぜ~~っ!!』

『ぐっ!? うぅっ!!』

 

 自分目掛けて飛び掛かって来るセレナを迎撃したオーイエは、彼女の背後を取るとズボンを脱ぎ捨て、そそり立つ逸物を露出させた。ドラッグの効果でハイになっている彼は、何の躊躇いもなく【淫獣娘々 セレナ】の膣内へと己の分身を叩きこむ。

 

『んんんん~~~~~っ♡♡♡』

『ふへへへへへっ! いい穴じゃねえか! ほら、ケツをしっかり振れよ! 一緒に気持ち良くなろうぜ!!』

『うっっ♡♡♡ ぐぅうっ♡♡♡ はあぁぁっ♡♡♡』

 

 後背位で激しくセレナを犯すオーイエ。男たちの視線に晒され、強烈なスパンキングを食らって敏感になっている尻に何度も腰を打ち付けられるセレナの口からは、くぐもった悲鳴が溢れ出ている。

 膣内に潜り込んでいる肉棒も、薬物のお陰か硬く熱く大きくなっていた。熱した鉄のような感触のそれが自分の内部で暴れまわる感覚は、徐々にはっきりとした快感を私へともたらし始める。

 

「おっっ♡♡♡ くぅうっ♡♡♡ あぐぅうううぅっ♡♡♡」

『ふふふ……! 締まりの良い穴だ。ダンスだけじゃなくて、こっちも仕込んでやるよっ!!』

「うあぁあああああああぁあっっ♡♡♡」

 

 ガツンッ、と膣の奥が突かれる。頭の中に火花が散り、快感で全身がやたらめったらに痺れてしまう。

 バイブによる快感など目じゃない気持ち良さに体中を支配される私は、攻撃を返り討ちにされた屈辱とそれを懸命に耐え続けた。

 

『ううっ♡♡♡ あぁっ♡♡♡ んあぁああああぁあああっっ♡♡♡』

『ほら、ギャラリーに見てもらえよ! お前が俺のちんぽぶち込まれて、あんあん喘いでる姿をよぉ!!』

『ぐぅううっ♡♡♡ もち、あげるなぁっ♡♡♡ んあぁあっっ♡♡♡ み、見るなぁあっっ♡♡♡』

 

 ステージの中央でオーイエに持ち上げられ、脚を開かされる【淫獣娘々 セレナ】の悲鳴交じりの喘ぎ声が響く。

 敵の肉棒を受け入れている性器をあられもなく見せつける格好にされている彼女は、羞恥と屈辱と快楽によって激しく身悶えしていた。

 

 身を捩り、どうにかして男たちの視線から逃れようとしても、そんなものは何の役にも立たない。むしろより一層見られていることを自覚してしまい、体が火照っていく始末だ。

 その火照りは膣にも伝わり、感覚を敏感にさせる。きゅっと締まった膣は肉棒の形をはっきりと私に伝えさせ、感じる悦びがまたしても強くなってしまう。

 

「あぁあああああぁあああっっ♡♡♡ うあぁああああああああぁああああああっっ♡♡♡」

『さあ、フィニッシュだ! 盛大にイっちまいなっ!!』

 

 オーイエの腰が引かれ、セレナの体が持ち上げられる。上と下、真逆の方向に大きく離れた両者の腰は、次の瞬間には激しい音と共に再びぶつかりあっていた。

 ぐいっ、と子宮が奥に押し込まれる。入り口から最奥までを貫いた肉棒が私の膣内の全てを責め上げ、そしてトドメとばかりに子宮の内部へと夥しい量の白濁液を注ぎ込んでくる。

 

 強制的に享受させられる雌の快楽。雄の遺伝子を受け止める、刻み込まれる、力への屈服とセットで与えられる快感……屈辱すらも塗り潰す膣内射精の快楽にアヘ顔を浮かべる【淫獣娘々 セレナ】の股座からは、黄金水が綺麗なアーチを描いて噴き出していた。

 

「くくくっ! 小便を漏らすくらい気持ち良かったのか? 普段のすまし顔も、こんなにとろ~んとしやがって……ゴリラ女のお前も、所詮は雌ってことか」

「うる、さい……っ♡」

 

――セレナLP1500→1000

 

 強がってはいるものの、私のLPは残り僅か。このままでは、次の私のターンで勝負が決してしまう。

 新たに【淫獣魂】モンスター召喚することも、守備を固めることも封じられた現状は私にとって相当不利とした言い様がない。だが、それでも勝負を諦めるなんて軟弱な選択をするほど、私は弱い決闘者ではない。勝利を信じて、やることをやるだけだ。

 

 私は瞳に光を浮かべ、強い意志を感じさせる眼差しを弾へと向ける。そんな私の眼光を受けた弾は、自分のターンを開始しながらふっと鼻を鳴らしてみせた。

 

「何がおかしい? 勝っているからって、調子に乗るな!」

「いや、そうじゃないさ。完全に俺の戦術に嵌り、残りライフも僅か。分身モンスターのケツには大きな手形が付けられてて、イキ顔も失禁シーンも多くの男たちに見られた。おまけにナカダシされた精液をまんこから溢れさせてるっつー無様な状態なのに……まだ、勝負を諦めてねえんだなって」

「は……? 私の心が折れたとでも思ったか? 生憎、私はそんな柔なデュエリストではない!」

「……ふっ、いいねぇ。お前みたいな女エロデュエリストにもっと早く会えていれば、俺も情熱を失わずに済んだのかもな」

「……どういう意味だ?」

 

 意味深な言葉を口にする弾に一応そう尋ねてやる。私は空気が読める女なのだ。

 そうしてやれば、その反応を待っていたといわんばかりに何処か物憂げな表情を浮かべた弾は、自身の過去を語り始めた。

 

「俺はデュエロ・アカデミアに初等部から在籍し続けているエリートだった。対戦相手に屈辱のダンスを踊らせる俺のタクティクスは、少年エロデュエル界ではそれなりに名前が知れ渡っていたもんさ」

 

 小学生の頃からこんな狂ったデュエルを教育し始めるとは……子供に別次元への戦争を目的とした教育を施したり、人間をカードにする技術をばら撒く融合次元出身の私がいうのもなんだが、セックス次元とは本当におかしな世界だな。

 

「だが、今のお前はこのアカデミアで最上位の寮であるブルー寮ではなく、イエロー寮に在籍している。エリートならばそうはならないだろう」

「ああ、そうだな。だが、俺は決して成績が低くて降格させられたわけじゃない。俺は、エロデュエルへの情熱を失ってしまったんだよ。愚にも付かない女デュエリストたちのせいでな」

「……一応、聞いてやろう。どういうことだ?」

 

 この場合はこう聞くのが正しいと予感した私は、その勘に従って弾へと質問を投げかける。予想は正しかったようで、弾はベラベラとエロデュエルへの情熱を失った経緯を語り出した。

 

「簡単なことさ。対戦相手に屈辱と羞恥のダンスを踊らせる俺のデュエルは、派手なパフォーマンスが売りだった。元々の高名さも相まって俺に挑戦するデュエリスト共が次々に現れたが……その全員が、俺に勝とうとは思ってなかったんだよ」

「なに? 勝つつもりのないデュエルなど、何のためにするんだ?」

「これもまた簡単、売名のためさ。俺のエロデュエルは派手で、負けたとしても名前が売れる。俺の手で踊らされたエロデュエリストたちは、全員が煌びやかなステージで多くの観客たちに痴態を見られることになるからな。わざと負けて、名前を売って、次の活動の布石とする……そいつらにとって俺とのエロデュエルは勝負じゃない。ただのパフォーマンスだった。目立つための手段だったんだよ」

 

 苦々し気にそう吐き捨て、過去の嫌な体験を思い出した弾は、次の瞬間には鼻を鳴らしてせせら笑っていた。

 

「まあ、そんなことをした奴らは大半が消えちまったがね。だが、やる気のない奴らと延々利用されるだけのエロデュエルを続ける日々は、俺から着実にやる気と情熱を奪っていった。俺はもう、表舞台で戦うつもりはない。セレナ、このエロデュエルを引き受けたのも、お前に勝てば卒業後に優良企業への就職を斡旋してくれると進藤先生に言われたからだ。勝利する方法ではなく、どう負けるかを追求するだけの女たちとデュエルをするのは、もう――」

「いや、当たり前だろう。普通はそうなる」

「……なんだって?」

 

 気持ち良さそうに自分のことを話していた弾だが、そろそろ私も奴に気を遣うのが面倒になってきた。率直に思ったことを口にすれば、弾は静かな怒りを燃え上がらせた雰囲気で私へと嫌味な言葉を吐きかけてくる。

 

「結局、そういうことか。エロデュエルで勝利を目指す特別クラスの生徒も、勝利よりも派手な敗北を優先するのは当たり前だと考えてるということだな。下らん、これだから女エロデュエリストというのは……」

「馬鹿か、貴様は。敗北を求めてデュエルを行う奴を正当化する人間が何処にいる? 私は、お前がそんな状況になったのは、お前自身に原因があると言っているんだ」

「なっ……!?」

 

 弾は何か勘違いをしているようだ。私はデュエルで手を抜くことなどしないし、負けることを当たり前だと考えるなどあり得るはずがない。デュエルは勝利して当然のもの、敗北は即ちカードに変えられるということを意味する融合次元出身の私がそんな軟弱な考えに染まることなどあるはずがないだろう。

 

「自分に挑む者は全員、自分に勝とうとしていない。だから情熱を失ったと言っていたが……ならば何故、より高みを目指そうとしない? 勝利を目指す者には、同じ目的の仲間が集うはず。お前の嫌う敗北を望む者たちから離れるには、お前がそいつらの手の届かない高みまで上り詰めればよかっただけの話だ」

「だからそれは、女エロデュエリストが全員敗北を望んで――」

「いいや、違うな。デュエルとは、デュエリストの魂とは、そんな生温いものではない。お前が本気を出し、高みを目指し続けたのなら、お前の近くには本気でエロデュエルに取り組む女エロデュエリストが現れただろう。そうならなかったのは、お前がデュエルに本気を出さなかったから……デュエルに本気を出さないお前の周囲に、同じくデュエルに本気を出さない奴らが集まっただけのこと。当然の帰結といえるだろう」

「だ、だが……」

「それに気が付いているか? 先ほどお前は自分とのデュエルを踏み台にして次のステップに踏み出そうとする女を蔑んでいたが、今のお前はそいつらと同じことをしているぞ。私とのエロデュエルを踏み台に、良い勤め先を進藤に紹介してもらうつもりなのだからな」

「っっ……!?」

 

 私からの指摘を受けた弾は愕然とした表情を浮かべた。自分自身でも気が付かなかった問題点と、自分が忌み嫌っていた女と同じことをしているという事実が相当にショックだったようだ。

 しかし、そんな精神的動揺などデュエルには関係ない。目の前にある勝利に向けて、全ての力を費やす……それが私たちデュエリストのすべきことであり、全てなのだから。

 

「……本気で来い、舞元弾。今、お前が相対しているのは、お前に本気で勝とうとしているデュエリストだ。お前が求め続けたこのデュエルで本気を出さずして、いつ本気を出すつもりだ?」

「う、おぉ……うおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

 

 弾が吼える。迷いと動揺を振り払うようにして叫びをあげる。奴もつまらないしがらみなど捨て去って、ようやくデュエルに集中し始めたようだな。

 

「手札を全て捨て、魔法カード【禁則事項】を発動! 次の相手のターンのエンドフェイズまで、相手は俺が選択した種類のカードを発動することは出来なくなる! 俺が指定するのは魔法カード! これでお前の切り札である【融合】は使えなくなった!」

「……【融合】が使えない以上、私は切り札を召喚することは出来ない。このまま【淫獣娘々 セレナ】でオーイエを攻撃し、バーンダメージで私が負ける。そう、お前は考えているということか」

「その通りだ! これが俺の本気! お前に勝つために導き出したタクティクス! これを破ることなど、誰にも出来ないはず……だが、だがっ! もしもお前が本気で勝利を望むというのなら、このタクティクスを越えていけるというのなら……!」

「……ああ、見せてやるさ。お楽しみは、これからだっ♡」

 

 弾の場には伏せカードは無い。手札も無い。勝利に至れる様々な可能性を捨て、このターンに勝負を仕掛ける捨て身の戦法だ。

 それが正しいかどうかなんて、結果が出るまではわからない。ただ一つ言えることがあるとすれば、奴は本気でこのタクティクスを選んだ。私を舐めたわけでも、生温い感情で手を抜いたわけでもない。私に勝つために、全力を費やしている。

 ならば、その全力に応えてやるのが礼儀というものだ。弾の瞳に映る赤い炎を見て取った私は、怒りではない別の感情が燃え上がっていることを感じて、知らず知らずのうちに笑みを浮かべていた。

 

「私のターン! ……残念だったな、弾。私の仕込みは、既に完了している! 罠カード【多次元交差融合(ディメンジョンクロスフュージョン)】を発動!!」

「なっ!? 罠カードでの融合召喚だと!?」

 

―――――

 

多次元交差融合(ディメンジョンクロスフュージョン)

通常罠

 

自分のLPが1000以下で、墓地に多次元交差融合が存在しない場合にのみ発動出来る。

自分のフィールド、墓地、デッキからそれぞれ1体ずつカードを選択し、そのカードを除外してEXデッキより融合モンスターを融合召喚扱いで特殊召喚する。

 

―――――

 

「……そうか、前のターンで【淫獣連牙】を使って無謀とも思える攻撃を行ったのは、墓地に融合素材となるカードを送った上で、このカードの発動条件を満たすたえめにLPを調整することが目的だったのか……!」

「そういうことだ! 私はフィールドの【淫獣娘々 セレナ】と墓地の【淫獣魂 剛腕大猩々(パワフルゴリラ)】、デッキの【淫獣魂 黄金獅子(ゴールデンレオ)】の3体を除外して、融合召喚! 淫靡なる肉体持つ猫娘よ、2つの猛々しく雄々しい魂をその身に受け入れ、更なる淫猥さを宿せ!」

 

 【淫獣娘々 セレナ】の纏っていた衣装が弾け飛び、全裸を観客たちの前に晒しながら上空へと浮かび上がっていく。

 ゴリラの逞しい掌に乳房を揉まれ、獅子の雄々しい肉棒に膣を貫かれ、嬌声を上げながら淫獣たちの魂と同化していったセレナは、最後に大きく光を弾けさせるとその姿を大きく変えて再びステージ上へと降り立った。

 

「融合召喚! 現れ出でよ、淫らな舞台で踊るしなやかなる淫獣! 【淫獣娘々 性獣舞姫(エロビーストダンサー)セレナ】!!」

 

―――――

 

淫獣娘々 性獣舞姫セレナ

ATK2800 DFE2400 レベル8 獣戦士族 淫属性

【淫獣娘々 セレナ】+【淫獣魂】モンスター2体以上

 

(1)このカードは融合素材となった【淫獣魂】モンスターの数だけ1度のバトルフェイズ中に攻撃が可能となる。

(2)このカードが相手の魔法・罠カードの効果の対象となった時、墓地の【淫獣魂】モンスターを除外することでその効果を無効に出来る。

 

―――――

 

 アラビアンナイトの踊り子を思わせるベールが施された衣装。口元を薄い布地で隠している【淫獣娘々 性獣舞姫セレナ】は、同じ私の顔をしているのにどこか妖艶さが増しているように思える。

 手首や足首に光る金のアクセサリー。上半身には紫色のアメジストが乳首を隠すように設置された宝石細工のみで、下半身は腰をぐるりと取り囲むように装着された

金の輪の前後から布切れが垂れているだけだ。少し動けば胸が揺れ、捲れた布切れの合間から尻や性器が覗く、という淫らな格好になっている。

 

「さあ、バトルだ! 【淫獣娘々 性獣舞姫セレナ】で【ダンスマスター オーイエ】を攻撃!」

「馬鹿な!? そんなことをすれば、オーイエの効果で2800のダメージを受け、お前のLPは尽きるぞ!」

「無論、そんなことはわかっている! オーイエの効果が発動した時、私は手札から【淫獣魂 爆炎不死鳥(バーニングフェニックス)】を墓地に送ることでその効果を発動! 私が受ける効果ダメージを無効にし、その数値分、選択した【淫獣】モンスターの攻撃力をアップさせる! 【淫獣娘々 性獣舞姫セレナ】の攻撃力は2倍の5600となった! 2度目の攻撃、行くぞっ!!」

 

 先ほどまでのセレナ同様に激しく尻を打ち据えられる【淫獣娘々 性獣舞姫セレナ】であったが、彼女はそれを楽しむように腰を振って、甘んじてスパンキングを受け止めていた。私の尻にも痺れが走るが、むしろ今は心地良くすら感じられる程である。

 そうして、尻に真っ赤な紅葉を咲かせた性獣舞姫セレナの身には、赤く燃える炎が宿っていった。再びスポットライトが照らすステージに立った彼女は、観客たちに淫らな舞踊を披露する。

 

『はっ♡ ふっ♡ はあっ♡ どうだっ♡』

 

 振付も糞もない無茶苦茶な動き。オーイエに教えられた男を誘うような、興奮を引き出すような動きではない、しっちゃかめっちゃかなダンス。それでも、今の性獣舞姫セレナの姿は、今までで一番楽しそうだ。

 激しくジャンプを繰り返したせいで胸の宝石はずれ、乳首が丸出しになっている。暴れ狂う乳房はぶるんぶるんと揺れて、若干痛みを感じたりもしている。それに、ミニスカートくらいの丈しかない布垂れも捲れ上がってしまっていて、叩かれて赤くなった尻も濡れそぼった性器も大勢の男たちに丸見えという状態だ。

 だが、それでも……やっぱり彼女は楽しそうだった。戦いの中で受けた傷も、淫らで卑猥な肉体も、見られて興奮している雌としての本性も、なに一つとして隠すことなく曝け出して、これが私だ! といわんばかりに変態舞踊を楽しむ性獣舞姫セレナの姿は輝いている。

 このデュエルで一番の熱狂、興奮、そして笑顔を生み出した性獣舞姫セレナの姿を見つめ、自分の考えた振付ではなく、自身の意思で踊る彼女の様子に小さく笑みを浮かべた弾は、同じく盛り上がるステージと観客を見ながら満足気に消滅していったオーイエと共に頷き、口を開く。

 

「参ったな……俺の負けか。久しぶりだな、こんなに楽しくって、負けたら悔しいと思うエロデュエルは……!」

「そう思うのなら、また挑んでこい。何度やろうとも私は負けんがな!」

「ふ、ははは……! そうだな、またエロデュエルをしようか。でも、次は俺が勝つぜ!」

 

 快活に、楽しそうに、弾は私に笑みを見せた。その笑顔からは無気力で空虚な感情は消え失せており、奴がこのデュエルを通して失っていた何かを取り戻したことを感じ取った私は、彼と同じように小さく笑みを浮かべてみせたのであった。

 

――舞元弾LP4000→0

――WINNER セレナ

 

 

 

 

 

 

 

 

「……お前のバイブパンツのリモコンだ。受け取ってくれ」

「ああ、これで煩わしい震えともおさらば出来る」

 

 弾からリモコンを受け取った私は、即刻解除スイッチを押してバイブパンツを脱ぎ捨てた。

 ずっと自分の膣内に挿入されていたバイブのエグさと自身の愛液の臭いに表情を顰める私は、それを手にして先に教室へと戻ろうかと思ったのだが、その背に弾からの声が飛んでくる。

 

「なあ! ……お前、進藤先生にリベンジするつもりなんだって? 相手はプロだぜ? 本気で勝てると思ってんのか?」

「そのつもりだ。今は勝てなくとも、力を付けてあの日の借りを返してみせる! ……それがどうした?」

「……いや、なんでもねえ。勝てるといいな、いつかは」

「勝てるといいな、じゃなくて勝つんだ! 絶対にな!!」

 

 そう弾への宣言し、私は再び歩き出した。私のこの発言を無謀だと笑う者は多くいる。今も校舎に向かう私の姿を見て、クスクスと笑い声を漏らす者の姿がちらほらと見受けられていた。

 

(好きに笑っていろ。今に笑えなくしてやる……私は上を目指すんだ、このセックス次元でな!)

 

 笑われるのならば、笑われなくなるだけの力を見せれば良い。有象無象の言葉や嘲笑など関係ない、私は私の目指す場所に向かって突き進むだけだ。

 私はもう負けない、進藤にも、他のプロにも負けはしない。証明してみせる、自分自身の強さを……!

 

(今はまだ通過点どころか、スタートしただけに過ぎない。こんなところで躓いていられるか!)

 

 私は勝った。エロデュエルに勝利し、課題もクリアした。

 後は他の奴らがどうなるかだ。私と同じ戦場に立つ以上、足手纏いになるようでは困る。最低でも、この課題は突破してもらわなければ話にならないだろう。

 だから勝て、負けることなど許さない。一番は私だが、その道のりを共に歩むだけの力があることを証明してみせろ。私は先に待っていてやる。

 

 ……そんなことを考えて教室に戻った私が、自分よりも早くに課題をクリアした明日香に若干のジェラシーを感じることになるのは、これから数分後の話であった。

 








次回予告

明日香「私に続いてセレナもクリア。残りは3人ね」

セレナ「ふんっ! この程度の課題に手こずるようでは、まだまだとしか言いようがないな!」

明日香「進藤先生が集めた刺客は強者ばかり、アンナたちも苦戦は必至ね……それに、対戦相手がすぐ見つかるとも限らないわ。大丈夫かしら?」

次回『卑劣なる罠! アンナVS暴食の悪魔』

セレナ「……対戦相手が私たちへの対策を講じているのは確か、か。何か嫌な予感がするな……」


最強カード紹介


淫獣娘々 性獣舞姫(エロビーストダンサー)セレナ
ATK2800 DFE2400 レベル8 獣戦士族 淫属性
【淫獣娘々 セレナ】+【淫獣魂】モンスター2体以上

(1)このカードは融合素材となった【淫獣魂】モンスターの数だけ1度のバトルフェイズ中に攻撃が可能となる。
(2)このカードが相手の魔法・罠カードの効果の対象となった時、墓地の【淫獣魂】モンスターを除外することでその効果を無効に出来る。

―――――

今日の最強カードは、【淫獣】デッキの新たなる融合モンスター【淫獣娘々 性獣舞姫セレナ】。融合素材の指定が緩く、扱いやすい効果を持つモンスターだ。

融合素材となった【淫獣魂】の数だけ攻撃回数が増える効果と、自身を魔法・罠から守る効果を併せ持つ。多くの【淫獣魂】を素材にすれば、その分攻撃回数が増える上に墓地に溜まった【淫獣魂】を除外することで自身を守ることも出来るぞ!

……なかなかに露出の激しい格好をしているが、見られるのも悪い気分ではなかったな……♡ 私も徐々にこの世界に毒されつつあるということか♡



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卑劣なる罠! アンナVS暴食の悪魔

今回はイーファイブMKⅡさんから頂いた汎用カードを登場させてあります!
素敵なカード案をありがとうございました!


「うっ♡♡♡ あぁぁあああぁああぁあぁッッ♡♡♡」

 

 体中を電撃が駆け巡る。胸も尻もまんこも気持ち良くって何も考えられなくなる。

 ちくしょう、ヤバい……まさか、こんなことになるなんて思ってもみなかった。

 

 男たちに拘束された四肢に力を込めて何とかこの束縛から逃れようとするけど、こいつらは1人につき1本の手足を全身でがっしり抑え込まれてるからビクともしない。それどころか、力んだせいでまんこがぎゅっと締まって、バイブの振動がより強く感じられちまう始末だ。

 

「んくううぅっ♡♡♡ くっ、そぉ……♡♡♡」

「ぶひひひひひっ! アンナちゃん、またイっちゃったねぇ! これで何回目かな~!?」

「卑怯、だぞ……! お前も決闘者なら、正々堂々デュエルしろぉ♡♡♡」

「や~だよ~! ボクチンはエロデュエルが好きなんじゃなくって、女の子にエッチなことをするのが好きなんだ! エロデュエルはそのための手段であって、そんなことしなくてもアンナちゃんにあんなことやこんなことが出来るんだったらそうしちゃうもんね~!」

 

 そう言ってブヒブヒと豚みたいな笑い声をあげる豚みたいな男の名は豚上 太(ぶたかみふとし)。オレのバイブパンツのリモコンを持ってる男だ。

 こいつはオレにエロデュエルを持ち掛けたかと思ったら、その場所を人気の無いこの校舎裏に指定してきた。観客たちの前でエロデュエルをしない時点で何か変だと思うべきだったんだろうけど、人前で裸にされたりイったりするところを曝け出すのが恥ずかしかったオレは、これ幸いにとその誘いに乗っちまったんだよな。

 そして、そこで待ち受けていた豚上の仲間に拘束され、服を奪われた全裸の状態で愛撫され続けている。バイブパンツのお陰でセックスまで辿り着いてないのは不幸中の幸いだけど、それもいつまで保つかわからねえ状況だ。

 

「アンナちゃん、10回以上イったら罰ゲーム決定だよ~! ボクチンたちの肉便器になって、いっぱい生ハメラブラブセックスするんだもんね~! ブヒヒヒヒヒッ!」

「だ、れが、そんな……っ♡♡♡ あぁあぁああああぁっっ♡♡♡ やめろおぉっ♡♡♡ むね、揉むなあぁ♡♡♡ 尻も叩くんじゃねえよぉっ♡♡♡」

「ブヒブヒブヒッ! 強がっても無駄無駄! アンナちゃんはこのままボクチンたちに気持ち良くされて、イキまくることしか出来ないんだよ~! ボクチンたちが飽きるまで感じさせたら、バイブパンツを解除してガンガン犯しちゃうもんね~!」

「ちく、しょぉ……♡♡♡ ダメだ、またっ……イクぅうぅううぅううぅうぅううっっ♡♡♡」

 

 ばしゅぅ、って音がするくらいに激しい潮噴き。くそっ、またイっちまった……。

 これで何回目の絶頂だ? まだ10回もイってねえけど、もう7回か8回はこいつらにイかされちまってる。本当に後がない状況まで追い込まれてるのは間違いない。

 

 どうにかしなきゃって思ってるのに、俺の体は太った男たちの力に全然逆らえねえ。こいつらに胸を揉まれて、乳首抓られて、尻を叩かれると、全身から力が抜けていっちまうんだ。

 こいつらに好き勝手に犯されるのなんて嫌だ。でも、もうどうしようもないかもしれない……オレがそんな弱気な考えを思い浮かべた、その時だった。

 

「オラッ! お前ら、行くぞコラ~~ッ!!」

「ブヒッ!? ひでぶぅっっ!?」

「えっ!? な、なんだぁ!?」

 

 いきなり威勢のいい声が聞こえたかと思ったら、豚上の奴が思い切りぶん殴られて横っ飛びに吹っ飛んで行く姿が見えた。同時にオレの体を抑えていた男たちの力が弱まり、その隙を突いてオレも脱出することに成功する。

 何回もイかされたことで足取りもおぼつかなくなっていたオレは、誰かに体を支えられてようやくひと心地つけた。気が付けば、オレの周りにはガラの悪い男たちがぞろぞろと豚上から庇うようにして並んでて、こいつらがオレの味方だってことを直感的に理解出来た。

 

「お、お前らは……?」

「元デュエロ・アカデミア不良集団【マッドドッグス】……現【特別クラス親衛隊】の行動隊長鎌瀬 犬(かませけん)! アンナちゃんのピンチに参上したぜ!!」

「マッドドッグスって、葵が倒したあの……? お前らが、どうしてここに?」

「明日香ちゃんやセレナちゃんがバイブパンツを履きながらエロデュエルしてるって話を聞いて、こりゃあ特別クラスのメンバーが何かやってんだと思ってな。応援に駆け付けようとしたら、アンナちゃんだけ姿が見当たらないじゃねえか。おかしいと思って人気の無い場所を探し回ったら……こんな卑怯な手段でアンナちゃんを虐めてるやつを見つけたってわけよ!」

 

 ナイスタイミングで駆け付けてくれた鎌瀬先輩に感謝しつつ、オレは疲れ果てた体を落ち着かせようと深呼吸を繰り返す。

 そんなオレを尻目に、鎌瀬先輩は豚上へと鋭い視線を向けて、犬の唸り声を思わせる低い声で奴を恫喝し始めた。

 

「おい、こりゃあどういうつもりだ? エロデュエルでの凌辱ならともかく、多人数で寄ってたかって年下の女の子を嬲りものにするなんざ、男の風上にも置けない野郎だな!」

「ぶひぃ……ぼ、暴力反対~! 話し合いで平和的に解決した方がいいと、ボクチン思うな~……」

「ふざけんな! オラ、立て! このことは進藤のセンコーにも報告するからな!」

「……その必要はありませんよ、鎌瀬くん」

 

 怒気を荒げる鎌瀬先輩を落ち着かせるように声をかけながら、進藤先生が校舎裏に姿を現す。先生の姿を見た豚上は、ビクリと体を震わせて縮み上がってしまった。

 

「豚上くん、君には本当に失望しました。デュエルへの意欲を掻き立てるためにこの実習に参加させたはずが、まさかこんな手段を取ってくるとは……。私の見る目が間違っていました。この件に関しては、後で厳しい処分を下しましょう」

「ブヒっ……!?」

 

 進藤先生は豚上からリモコンをひったくると、解除ボタンを押して俺のバイブパンツを脱げるようにした。

 そうした後でオレの元に近づいた先生は、申し訳なさそうな表情を浮かべ、頭を下げ、オレへの謝罪の言葉を口にする。

 

「アンナくん、本当に申し訳ありません。まさか、こんな下劣な行動をする生徒がいるとは思ってもみませんでした。彼は失格扱いとし、君も課題をクリアしたと扱わせてもらいます。もう、教室に戻ってもらっても構いませんよ」

「………」

 

 勧善懲悪、悪は滅びる。悪いことをした奴が懲らしめられるってのはいいことだし、オレの課題も問題無く突破出来たってことになるんだったら万々歳……って感じなんだが、どうにもイライラが治まらねえ。あんな好き勝手されて、オレ自身の手で豚上の奴をとっちめられないなんて、むしゃくしゃが治まらないじゃねえか。

 

「……先生、オレにエロデュエルさせてくれよ。あの野郎をぶっ飛ばさないと気が済まねえんだ!」

「それは……別に構いませんが、エロデュエルを行えば、ここまで辱められた上にまた彼の手で犯されるかもしれないんですよ?」

「それでもいい! 何だったら、負けたら肉便器になるっていう条件だって飲んでもいいぜ! オレは、自分の手でアイツを懲らしめないと気が済まねえんだよ!」

「ブヒッ!? それ、本当!? ブヒヒヒヒッ! もうお終いだと思ってたけど、アンナちゃんがお馬鹿ちゃんで助かったぶひ! エロデュエルに勝てば処分は無しで、アンナちゃんもゲット出来るだなんて最高じゃないか! 笑いが止まらんぶひ! ブヒヒヒヒヒッ!!」

「テメー! 調子乗ってんじゃねえぞ!? アンナちゃんが負けたとしても、お前の処分がなくなるわけじゃねえんだからな!!」

 

 ガウガウと吼える鎌瀬先輩を手で制して、裸のまま一歩前に出るオレ。それに合わせて、豚上一派からは豚上の奴がデュエルディスクを起動しながら前に出て来た。

 

「後悔しても遅いぶひよ~? アンナちゃんのムチムチエロロリ巨乳、美味しくいただいちゃうブヒ~!!」

「やれるもんならやってみろ! お前みたいな卑怯者は、絶対に許しちゃおけねえ!!」

 

 どこまでもふざけた態度の豚上に怒りをぶつけ、オレもデュエルディスクを起動する。

 今回は現実世界のオレが裸だから、立体映像で作り出されたオレの分身も当然裸の状態だ。でも恥ずかしさを忘れさせるくらいに豚上の野郎への怒りの炎が燃え上がってるから、今のオレには全く気にならなかった。

 

「「デュエルっ!!」」

 

――神月 アンナVS豚上 太 LP4000 1マッチ

 

 絶対に報いを受けさせてやる……! そんな思いを胸に、戦いの火蓋が切って落とされた。

 先攻を取ったのはオレだ。早速、オレは自分のフェイバリットカードを場に召喚する。

 

「いくぜ! 手札より【牛乳娘 アンナ】を召喚だ!!」

『ンモォォォォォッ♡』

 

―――――

 

牛乳娘 アンナ

 

ATK0 DFE0 レベル1 獣族 淫属性

 

(1)このカードをエクシーズ素材として【牛乳娘】と名の付いたモンスターのエクシーズ召喚を行う時、このカードは1体で2体分のエクシーズ素材となる。

(2)1ターンに1度、自分メインフェイズに発動出来る。このカードのレベルをこのカードに乗っているミルクカウンターの数まで+して良い。この効果によって変化したレベルは、ターン終了時に元に戻る。

(3)このカードは戦闘及び相手カードの効果では自分フィールドから離れない。

 

―――――

 

 牛柄ビキニとカウベル姿が印象的なオレの分身モンスター【牛乳娘 アンナ】を召喚したオレは、そのままサポートカードを展開していく。

 

「フィールド魔法【牛乳娘の育乳牛舎】を発動し、その効果でアンナにミルクカウンターを1つ乗せる! 更に【牛乳娘飼育員A】を山札からサーチして、自身の効果で特殊召喚! 再びミルクカウンターをアンナに乗せるぜ!」

『アンナ~! 今日もおっぱい育てに来たぞ~! そ~れ、もみもみ~! もみもみ~!!』

『もぉおおっ♡♡♡ んもぉぉっ♡♡♡ もぉおぉぉぉぉおっっ♡♡♡』

 

 つなぎ服のおっさんが慣れた手つきでアンナの乳を揉めば、アンナは嬉しそうに鳴き声をあげながら胸への愛撫を受け入れ始めた。

 ぷっくりと膨らみ、敏感になっていく乳首も含めて乳を全部可愛がられる快感にオレ自身も悶え、じわじわと込み上げる甘い感覚に熱い息が口から漏れちまう。

 

「んっ♡ ふぅぅ……♡ オレは、カードを2枚伏せてターンエンド。お前のターンだ」

「ブヒヒヒヒ……! それじゃあ、ボクチンのエロデュエルを見せてあげるよ! 手札から【暴食の使い魔 ブートン】を召喚! 手札を捨てて、効果を発動だ!」

 

―――――

 

暴食の使い魔 ブートン

ATK0 DFE0 レベル1 悪魔族 闇属性

 

(1)このカードが場に出た時、手札を1枚捨てて発動出来る。デッキ・墓地・手札から、【暴食の使い魔 ブートン】を1枚選び、場に特殊召喚する。

 

―――――

 

『ぷぎぃ! ぶぶぶぶぶぅ!!』

 

 豚上が召喚したのは、子豚の背中に悪魔の羽が生えたような姿の可愛らしいモンスターだ。そいつが豚上の捨てた手札をバクバクと食べると、同じモンスターがフィールドにもう1体姿を現したではないか。

 

「このブートンも効果を発動するぶひよ。デッキから出でよ! 3体目のブートン!」

『ぷぎゃぁぁぁ!!』

 

 もう1枚手札を捨て、三度子豚のモンスターを呼び出す豚上。ブートンは攻撃力も守備力も低いモンスターではあるが、同じレベルのモンスターが揃えることにこそ意味があるタクティクスであるということをオレはしっかりと理解していた。

 

「いくブヒっ! レベル1の【暴食の使い魔 ブートン】3体でオーバーレイ・ネットワークを構築! エクシーズ召喚!」

「くそっ! やっぱりエクシーズ召喚狙いか!」

 

 オレのデッキは【牛乳娘 アンナ】にミルクカウンターを集めなきゃならない分、スロースターターになりがちだ。相手の切り札の登場は出来る限り遅い方がいいんだが、まさか返しのターンで速攻召喚されるとは思っていなかった。

 渦を巻く光の中からは、三又槍(トライデント)を手にした巨大な豚の魔物がゆっくりと姿を現しつつある。その禍々しい姿に身震いするオレにアピールするかのように、豚上は召喚口上を叫んでいた。

 

「さあ、食事の時間ぶひ! 美味しい料理も女の子も、ぜ~んぶ丸ごと平らげるブヒっ! エクシーズ召喚! 全てを喰らい尽くす暴食の王! 【暴食魔豚(グラトニーピッグ) ブーテスト】!!」

『ブヒィィィィィ……っ!!』

 

 ズガァン、と地面にめり込むくらいの重量を誇る肥えた豚のモンスターが咆哮を上げる。といっても、その鳴き声は豚そのもので、全く怖くはなかった。

 しかし、このモンスターが持つ効果は、オレのデッキにとって最悪の相性を持っていたのだ。

 

「ブヒヒヒヒッ! 早速、ブーテストの効果を発動しちゃうぶひよ! ブーテストは1ターンに1度、エクシーズ素材を1つ取り払うことで、相手フィールドに存在しているあらゆるカウンターを墓地送りに出来るぶひっ!!」

「なっ……!?」

 

―――――

 

暴食魔豚(グラトニーピッグ) ブーテスト

ATK0 DFE0 ランク1 悪魔族 闇属性

【レベル1悪魔族モンスター】×3

 

(1)1ターンに1度、このモンスターのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動出来る。相手フィールド上に存在するカウンターを全て墓地に送り、その後このモンスターの攻撃力を1000上げる。この効果は相手ターンでも使用出来る。

 

―――――

 

『ブヒヒヒヒヒ……ッ!!』

『わぁっ!? は、離せぇ!! んひぃいいぃいっ♡♡♡』

 

 巨大な豚の悪魔が、牛舎の中のアンナを捕らえる。そのまま大口を開けた豚ヤローは、【牛乳娘 アンナ】の乳首に吸い付くと、凄まじい吸引音を響かせて母乳を飲み始めやがった。

 

『ングッ! ングッ! ングッ……ブハァァ~~ッ!!』

『んおっっ♡♡♡ も、ンモォォォッ♡♡♡ オレの、ミルクぅ……♡♡♡ 全部、飲まれ……ぶもぉぉぉっ♡♡♡』

 

 【牛乳娘 アンナ】に乗せた2つのカウンターが、【暴食魔豚 グラトニー】に飲み干され消えていく……両方の乳から勢いよく母乳が噴き出し、それをグビグビと飲まれる快感がオレの脳を焼き、敏感になってる体はいとも容易く絶頂を迎えちまう。

 

「んひっっ♡♡♡ あ、おぉぉぉぉ……っ♡♡♡」

「ぶひひっ! アンナちゃん、今イったぶひね? 柔らかいロリ爆乳がぷるぷる震えてるぶひ! エロ可愛いぶひね~!」

「だま、れ……!! この、最低野郎が……!!」

「ぶひひひひひ! まあ、なんとでも言うぶひ! アンナちゃんの美味しいおっぱいミルクを飲めたお陰で、グラトニーの攻撃力は1000アップしたぶひ! バトルフェイズ! 【暴食魔豚 グラトニー】で【牛乳娘 アンナ】を攻撃っ!!」

 

 母乳を飲み干した豚の悪魔がただでさえデカかった体をもう一回りは大きく成長させ、強さを増した状態でアンナへと襲い掛かってくる。

 股間に生やした醜いブツ……ドリルみたいに渦巻いてて、女の奥まで抉るためのヤバい形をしたちんぽを振り回す豚は、圧倒的な重量でアンナの体を抑え込むとその凶悪なちんぽをまんこの中に叩きこみやがった。

 

『んあぁあああぁっっ♡♡♡ ぶっ、もぉおおぉおおぉおおっっ♡♡♡』

『ブフフフフフゥゥッ!! ブキャァァッッ!!』

 

 後ろからアンナを犯す、後背位の体位でのセックス。1トンはあるんじゃないかってくらいにデカい豚に圧し掛かられる重みがオレにまで伝わってきて、スゲー息苦しい。

 でも、それ以上に息苦しさを感じさせるのは、オレのまんこを誇張表現抜きで抉るエグイ豚ちんぽのピストンだ。穴を奥まで穿る形をしてる上、ドリル状になってるせいでカリが何個もあるちんぽにまんこを擦られてる気分になっちまう。出したり、引き抜かれたりする度、オレの襞が何回も捲り上げられて気持ち良くされちまう。

 

「んあぁああっっ♡♡♡ ぐ、あぁあっっ♡♡♡」

「ぶひひひひひっ! グラトニーのちんぽは凶悪でしょ? アンナちゃんも遠慮なくイっていいからね~!」

「くっ、そぉっ♡♡♡ こんなんで、イキたくないのにぃ♡♡♡ んあぁあああああぁっっ♡♡♡」

 

 アンナの体が、豚の体重と強烈なピストンによる快感に負けて押し潰されていく。ふごふごと荒い呼吸を繰り返す豚のオナホに成り下がって、ドリルちんぽを気持ち良くするための穴を差し出すような格好を取らされてる。

 悔しいのに、こんな最低野郎の前でイキたくないのに……バイブパンツでたっぷり弄られ、乳首を吸われて射乳アクメを決めた後のオレの体は、感度暴走状態になっちまってるせいでどうしてもこの快感に抗うことが出来なかった。

 

『ンモオオォオオオオォオオオォオオッッ♡♡♡』

「んっっ♡♡♡ あぁああああああああああぁあああああっっ♡♡♡」

『ブヒッ!! ブヒィィィイッィイイイィイイィイィッッ!!』

 

 んで、絶頂。オレもアンナも豚野郎も、全員纏めてアクメを決める。アンナの子宮の中にはどろどろのゼリーみたいな濃い豚ザーメンが注ぎ込まれ、その熱を感じたオレも口からかはぁと甘い息を吐き出して腰を震わせていた。

 

――神月アンナLP4000→3000

 

「ぶひひひ! グラトニーとのセックスは気持ち良かったみたいだね。アンナちゃんの母乳を飲ませてもらったお礼は出来たかな!」

「ふざけんなよ……!! こんなもん、屁でもねえ……っ!」

「そうかい? なら、次のターンはもっと激しくいくぶひよ。アンナちゃんの美味しいおっぱいミルクをゴクゴクするのが今から楽しみぶひ~!」

 

 オレを挑発してるのか、はたまた単純にただの変態野郎だからか、豚上の野郎はオレの勃起乳首とデカい胸を見ながらニヤニヤと屈辱的な言葉を投げかけた。

 このターン中に与えられた快感に頬を染めながら、そして豚上の変態行為に憤りを感じながらも、オレは【暴食魔豚 グラトニー】の効果が自分のデッキと最悪の相性を抱えていることに冷や汗を流す。

 

(こいつのせいで、ミルクカウンターが溜められねえ……! 1ターン中に4つのカウンターを溜めようとしても、グラトニーの効果はこっちのターン中でも発動出来るから意味がねえ。かといって、ミルクカウンターを溜めないとモーモーアンナは召喚出来ねえし、勝ち筋が……!!)

 

 オレのデッキは【牛乳娘 アンナ】にミルクカウンターを乗せることでレベルを上昇させ、切り札であるモーモーアンナをエクシーズ召喚することが基本戦術だ。しかし、豚上の切り札はそれを阻害することに最適な効果を持ってる。というより、カウンターを除去するというピンポイントメタにも程があるカードをぶち込んでるなんて、どう考えてもおかしい。

 間違いない、こいつはオレとの対戦が決まった時に、対オレ専用のデッキを組み上げたんだ。アンナの効果を発動させず、一方的にこちらを嬲り殺しにするためのデッキを組んで、オレとのエロデュエルを有利に運ぶ……仲間を使ってオレを拘束しただけじゃなく、デュエルの方にまで卑怯な作戦を仕込んでやがるとは、やっぱりこいつは最低最悪の男だ。

 

「テメー、豚上! 卑怯だぞ! アンナちゃんのデッキを研究して、そのメタを張りやがって!」

「ぶひひひひひ……! それの何がダメなんだい? ボクチンは別にルール違反はしてないでしょ? 勝つために努力しただけなんだから、むしろ褒めてほしいくらいだよ!」

「このっ……! 正々堂々と勝負も出来ねえのか、お前は!?」

 

 鎌瀬先輩も怒りの叫びを上げるが、豚上の奴はそんなものどこ吹く風とばかりに涼しい表情をしてやがる。

 確かにこいつの言うことは別に間違ってないし、反則行為をしてるわけでもないんだが、やっぱムカつくモンはムカつくんだよな。

 

(絶対に負けねえ! こんな奴、ぶっ飛ばしてやるぜ!!)

 

 快感でぼーっとしてきた意識に活を入れ、鋭い眼差しで豚上を睨みつける。そうすれば、野郎はわざとらしく震えあがった後、人の神経を逆撫でる声でオレを煽ってきた。

 

「おお、怖い怖い! そのキリっとした顔がアヘアヘになるのが楽しみぶひ! 雌牛アンナちゃんを雌豚に変えてやるぶひよ~!」

「ほざいてろ! オレのターンだ!!」

 

 大声で豚上の声を掻き消して、その勢いのままカードをドロー。たった今、引いたカードを確認したオレは、早速それを発動する。

 

「魔法カード【禁欲の宝札】を発動! 俺はこのターンのバトルフェイズをスキップする代わりに、自分の手札が5枚になるようにカードをドロー出来る! オレの手札は0枚! よってカードを5枚ドローだ!!」

 

 使い切った手札を即座に補充、新たに引いたカードを確認しつつ、こっからの作戦を組み立てる。

 頭の中で、これだ! って勝ち方を思い付いたオレは、それを現実の物とすべくカードをプレイし始めた。

 

「手札から【牛乳娘飼育員B】を召喚! こいつは召喚時、自分以外の【牛乳娘飼育員】と名の付いたモンスターの数だけアンナにミルクカウンターを乗せる効果を持っている! 更に伏せておいた魔法カード【牛乳娘の育乳レッスン】を発動! フィールド上に存在する【牛乳娘飼育員】と名の付いたモンスターカードの種類の数だけ、アンナにミルクカウンターを乗せる!」

 

 補充したカードと前のターンに仕込んでおいたカードを使い、合計3つのミルクカウンターを一気にアンナに乗せることに成功したオレの前では、【牛乳娘 アンナ】が2人の飼育員たちに可愛がられていた。

 

『アンナ~! 今日もおっぱいを育てる時間だぞ~!』

『もみもみして、コリコリして、可愛がってやるからな~! いっぱい気持ち良くなって、もーもー鳴いていいんだぞ~!』

『ンモォォォ……♡♡♡ も、おぉぉっ……っ♡♡♡』

 

 大きな掌がアンナのデカパイをがっしりと掴み、優しく揉みしだく。乳全体に快感を染み込ませるような、じっくりと気持ち良さを煮詰めていくような愛撫にオレのおっぱいが悦んで、ムズムズと欲求が膨れ上がっていくのが伝わってきた。

 それと同時に、前から勃起乳首を懇切丁寧に弄られんのがかなりイイ。指でカリカリと引っ掻いて、乳輪をなぞるように指で焦らして、早く刺激が欲しいって期待し始めたビンビンの乳首をぎゅっと抓られると、甘い声が抑えられなくなっちまう。

 

「あっっ♡♡♡ んむぅううっ♡♡♡ んもぉぉぉ……っ♡♡♡」

『もぉぉぉぉ……♡♡♡ きもち、いひぃ……♡♡♡ おっぱいがぁ、エロくなってるぅ……♡♡♡』

 

 胸を揉まれ、乳首を弄られる度に、おっぱいにぐんぐんと力が溜まっていく感覚が伝わってくる。自分の胸がいつも以上にずっしりと重みを増して、柔らかさも上がっていくことが、アンナの胸に沈む指の感覚でわかった。

 

 これで、ようやくカウンター3つ……あと1つ乗せることが出来れば、モーモーアンナのエクシーズ召喚に繋げられるんだが……

 

「ぶひっ! そろそろ使っとこうかな? グラトニーの効果を発動して、アンナちゃんのおっぱいミルクをゴクゴクさせてもらうぶひよ~!!」

『ブボボボボボォ!!』

 

 ……やっぱ、見逃すわけがねえか。豚上は【暴食魔豚 グラトニー】のエクシーズ素材をまた1つ墓地に送り、その効果を発動した。

 今度は片方の乳に吸い付き、もう片方の乳をぎゅうぎゅうと遠慮なしの馬鹿力で搾る豚野郎の強引な搾乳テクニックに、不快感混じりの嬌声がオレの口から飛び出す。

 

「うっっ♡♡♡ んぐぅううぅうっっ♡♡♡」

『んもぉおおっ♡♡♡ も、おぉぉぉ……っ♡♡♡』

「ぶひひひひ……! さっきよりもカウンターが多い分、射乳するミルクの量も多くなってるみたいぶひね。グラトニーに飲ませるためにわざわざおっぱいを成長させるだなんて、本当にアンナちゃんは優しい子ぶひ~!」

「だまっ……うあぁああああああぁああああっっ♡♡♡」

 

 グラトニーに搾られる胸から、大量の母乳が噴き出していく。オレのミルクを喉を鳴らして飲み干して、シャワーを浴びるみたいに顔へとぶっかけさせて、一生懸命に育てたおっぱいから力が搾り取られていく屈辱に涙が止まらない。

 やがて、最後の1滴まで母乳を吸い尽くしたグラトニーは、【牛乳娘 アンナ】をぽいっとその辺に投げ捨てて満足そうなゲップをしやがった。人を見下すその視線にオレが苛立ちと悔しさを感じる中、豚上が再び煽りの言葉を口にしてくる。

 

「アンナちゃん、次はどうするぶひか~? バトルフェイズもスキップされるから、もう打つ手はないぶひよね~?」

「……オレは、【牛乳娘 アンナ】を守備表示にして、ターンエンド」

「ぶひひひひひひひっ! 一生懸命守りを固めて、頑張っちゃってるぶひ~! でも~、そんなの意味ないぶひよ~!」

 

 再びカウンターが0になったアンナを守備表示にすれば、豚上のゲラゲラとデブった腹を揺らして大笑いする声が耳に届いた。

 好きに言ってろ、と思いながら鋭い視線を奴へと向けてやれば、それが心地良いとばかりに変態野郎はニヤついた表情を浮かべ、自分のターンを開始し、カードを発動していった。

 

「装備魔法【暴食肉棒(グラトニーペニス)DDT(デンジャラスドリルチンポ)】を発動! こいつを装備したモンスターは、守備表示モンスターを攻撃した時、その数値を超えた分だけのダメージを与えられる! アンナちゃんがモンスターを守備表示にしても、全部無駄ってことぶひ~!」

「ちっ……!」

「さあ、バトルぶひっ! 【暴食魔豚 グラトニー】で【牛乳娘 アンナ】を攻撃っ! 今度は2000ポイントのダメージを受けてもらうぶひよ~!」

 

 ずしん、ずしんと足音を響かせ、アンナへと突進するグラトニー。オレは小さく舌打ちをした後、伏せてあったカードを発動した。

 

「罠カード【パイズリホール】を発動! 相手モンスターの攻撃を無効にし、その戦闘で受けるダメージの半分をお互いのプレイヤーに与える!!」

『クソッ! この豚ちんぽが……! オレのパイズリで搾り取ってやるぜっ!!』

 

 突っ込んで来るグラトニーの巨体を踏ん張って受け止めた【牛乳娘 アンナ】は、両胸でドリル状のちんぽをがっちりと挟むと激しく上下にそれを扱き始めた。

 染み込んでいた母乳と、しっとりと汗ばんだ肌のお陰で、スムーズなパイズリを行うアンナは、目の前にそそり立つ巨大な豚ちんぽに発情した視線を向けている。

 

『この、女を奥まで抉るような形のちんぽ……っ♡♡♡ こんなもんをまんこにぶち込まれたら、アヘり狂っちまうに決まってんだろうがよ♡♡♡ ぜってーそうはさせねえかんな……♡♡♡ じゅるるるるるるっ♡♡♡』

 

 胸でちんぽを扱き、口と舌で亀頭を刺激して、アンナがグラトニーを射精へと導いていく。守備力0の豚ちんぽはあっさりとその奉仕で陥落し、アンナの口内へと大量の豚ザーメンをぶちまけた。

 

『ブブブヒィィィィィィッ!!』

『んごぉおおおっっ♡♡♡ この、ザー汁……っ♡♡♡ ごほっ、げほっ♡ の、喉にはりつき、ごほぉっ♡♡♡』

 

――神月アンナLP3000→2000

――豚上太LP4000→3000

 

 あんまりにも濃い、濃すぎる精液。嚥下するのも一苦労な豚の精液が、口の中いっぱいに吐き出される息苦しさに目を白黒させるオレとアンナ。

 その一方で、パイズリ奉仕によって射精したグラトニーとその主である豚上は、いいものを見れたとばかりに満足そうに笑っていた。

 

「ぶひひひひ! まさかアンナちゃんがパイズリしてくれるだなんて、グラトニーが羨ましいぶひね~! アンナちゃんがボクチンの肉便器になったら、た~っぷりそのエロデカおっぱいでボクチンのちんぽをシコシコしてもらうぶひ~!」

「ざけんな! 誰がそんなことするもんかよ!!」

「ぶひ~っ! そんなこと言ってても、デュエルに勝てばアンナちゃんはボクチンのもの……!! 勝利の時が待ちきれないぶひ! ボクチンはカードを1枚伏せて、ターンエンドするぶひ!」

 

 オレを蹂躙する豚上は物凄く上機嫌だ。自分のLPが減ったことも気にしないくらい、自分の優位性に酔っていやがる。

 でも、オレだって着実に勝つための作戦を実行し続けてるんだ。それをわかっているから、ぐっと屈辱を堪えてあの豚ヤローの成すがままにされてる。もう少しで、勝利のプランが実現出来る……あともう少しなんだ。

 

「行くぜ、オレのターン! オレは手札から2体目の【牛乳娘飼育員A】を特殊召喚! 効果でミルクカウンターをアンナに乗せる!!」

『んっっ♡♡♡ もぉぉぉぉ……っ♡♡♡』

 

 2体目の飼育員Aの愛撫で感じた声を出す【牛乳娘 アンナ】。カウンターを乗せても吸い取られることはわかってる。けど、今のオレにはこうするしかないんだ。

 

「更に手札から【育乳促進剤】を発動! 墓地の魔法カードを除外することで、【牛乳娘】モンスターにミルクカウンターを1つ乗せることが出来る! これでアンナのミルクカウンターは2つ! ここでオレは、【熟練の牛乳娘飼育員】を召喚し、その効果でミルクカウンターの数を倍にするぜ!」

『もぉおっ♡♡♡ んもぉおおぉおおぉおおぉおっっ♡♡♡』

 

 飼育員たちに揉まれて、豚の悪魔に吸われて、搾られて……そうやって敏感になったオレたちのおっぱいに、巧みなテクニックを持つ大きな手が迫る。

 乳輪を引っ掻き、胸を潰すくらいに揉み、乳首を引っ張って、何度も何度も喘がされて……ぱんぱんに張るくらいに丁寧に丹念に愛撫を重ねられたおっぱいは、【熟練の牛乳娘飼育員】の手から解放された瞬間にばるんっ、と大きく震えて全ての準備が整ったことを表していた。

 

「オレはここで【牛乳娘 アンナ】の効果を発動! 1ターンに1度、このモンスターのレベルを乗っているミルクカウンターの数まで上昇させ――」

「おおっと! 危ない危ない、ここでグラトニーの効果を発動するぶひ! アンナちゃんのミルクカウンター、いっただっきま~す!!」

 

 オレがアンナの効果を発動しようとした瞬間、わざとらしい台詞と共に豚上がモンスター効果を発動してきた。わかってはいたが、やっぱりムカつくもんはムカつくぜ。

 アンナを両手で掴み、持ち上げられるくらいのサイズになった【暴食魔豚 グラトニー】は、大口を開けるとその内部へとアンナの両方の乳を頬張った。そのまま、舌で乳首と乳房をべろべろと舐め、口全体でおっぱいに吸い付きながら、アンナの乳からミルクを吸い取っていく。

 

『ぶもおぉおおぉおおぉおおぉおおおっっ♡♡♡ ンモォオオォオオオッッ♡♡♡』

「がぁあああああああぁっっ♡♡♡ こ、れ、はぁあっっ♡♡♡ んあぁああああああっっ♡♡♡」

 

 今までで一番張った乳から、すごい勢いで母乳が吸い出されていく。爽快な解放感と不快な屈辱の合わせ技に翻弄されながら、オレは腰をカクカクと揺らして必死に搾乳の快感に抗っていた。

 股間からは白く濁った愛液が噴き出して、それがオレの腰の動きと合わせて周囲にぶちまけられている。ビンビンに勃起した乳首とデカパイを振り乱しながら愛液をションベンみたいに撒き散らすオレの姿は、豚上の愉悦を大いに煽ってるみたいだった。

 

「ぶっひゃっひゃっひゃっひゃ! アンナちゃん、無様ぶひ~! 惜しかったぶひね、もう少しでエクシーズ召喚が出来たのに! でも、もうこれでアンナのレベル上昇効果は使えない! このターン中にエースを出すことは不可能ぶひ!」

「はぁ、はぁ……くっ!」

 

 確かに豚上の言う通りだ。【牛乳娘 アンナ】のレベル上昇効果は、1ターンに1度しか発動出来ない。オレがこの後ミルクカウンターをどれだけ追加出来たとしても、レベルを上げられない以上、モーモーアンナの召喚には繋げることは出来ないのだ。

 だが、これでいい。オレの作戦は順調に進行している。後は――

 

「ぶひっ! アンナちゃ~ん、ボクチンをあんまり舐めないでほしいぶひ~! アンナちゃんが何を考えてるかなんて、丸わかりぶひよ~!?」

「えっ……!?」

 

 ――ここから、勝利のために動こう、そう考える俺の思考を見抜いたかのように、豚上がニタニタと笑いながら指摘の言葉を口にした。

 奴はオレがただミルクカウンターを吸収させたわけじゃないってことを見抜いている。ただのデブだと思ってたが、こいつだって名門であるデュエロ・アカデミアに入学した生徒なんだ。舐めちゃマズかったかもしれない。

 

 とまあ、そんなことを考えてるオレに向け、豚上はベラベラと自分の考えを喋り始めた。

 

「アンナちゃんは【暴食魔豚 グラトニー】の効果を発動させることで、エクシーズ素材切れを狙ってるんでしょ? 確かにまあ、これで3体分の素材は使い切って、もうグラトニーは効果を発動出来ない……とでも思ったぶひかぁ!?」

 

 そう言いながら、ポチッとデュエルディスクのボタンを押して伏せてあったカードを発動した豚上は、得意気にそのカードの効果を口にする。

 

「速攻魔法【暴食の渇望】を発動! 手札を1枚捨て、墓地に存在する【暴食】モンスター1体をグラトニーのエクシーズ素材として場に出すカードぶひ! これでボクチンはグラトニーの効果をもう1度発動出来る! つまり、あと1ターンはアンナちゃんのエクシーズ召喚を妨害出来るってことぶひ!」

「なっ……!?」

「ぶひひひひ! どんな気分ぶひ? 折角頑張っておっぱいを飲まれる快感と屈辱に耐えたのに、それが無に帰した気分は? グラトニーの攻撃力は現在3000! もう1度効果を使えば4000にまで上がる! 攻撃力0揃いのアンナちゃんのモンスターにグラトニーは突破出来ない! 効果を使うまでもなく、次のボクチンのターンでデュエルはお終いぶひよ!!」

「………」

 

 エクシーズ素材の補充を行い、有頂天にまで舞い上がる豚上。デブの癖にぴょこぴょこ跳ね回り、言葉だけじゃなくて動きでまでオレのことを苛立たせやがる。

 

「どうぶひ~? アンナちゃんは次のボクチンのターンを凌げるぶひか~? 凌げたとしても、切り札は場に出すことは出来ないけどね~! ぶひゃひゃひゃひゃひゃ!」

「……無理、だな。そいつは無理だ」

「ぶひゃひゃひゃひゃひゃ!! そうぶひよね~! こんなにばっちりメタを張ったデッキに敵うわけがないぶひ! 諦めてサレンダーするのが賢い選択ってやつぶひよ!」

「あ、アンナちゃん! まだ諦めんなよ! 絶対、勝利のチャンスは残されてるって!」

 

 俯いたまま、オレは豚上の爆笑と鎌瀬先輩の叱咤の言葉を耳にした。それでも何も身動きを見せないオレに向け、豚上の気持ちの悪い声が響く。

 

「さあ、サレンダーするぶひ! 大丈夫! ボクチン達は優しいから、肉便器のアンナちゃんにも紳士的に対応するぶひよ……! ぶ、ぶひひひ! ぶひひひひひひひっっ!!」

 

 一発で嘘だってわかるその発言。本当に、こいつはムカつく野郎だぜ。

 ふつふつと胸に湧き上がる苛立ちに体を熱くして、わなわなとカードを掴む手を震わせるオレ。そんな怒りにも気が付かないのか、もしくは気が付いていても怖くないと思っているのか、豚上は上機嫌のまま大笑いしていたが――

 

「……本当に残念ですよ、豚上くん。君は、もう少し賢いデュエリストだと思ってたんですけどね」

「ぶひ? 進藤先生、どういうことぶひか? まさか、プロとして活躍する先生が、相手への対策でガッチガチに固めたデッキを使うなんてズルいだなんて言わないぶひよね~?」

「ええ、言いませんよ。デュエリストである以上、勝利のために必要な策を講じるのは当然のこと。私が残念だと言ったのは、君がそこまでしておきながら敗れることに対してです」

「ぶ、ぶひ? ボクチンが、負ける……? 何を言っているぶひ? 先生はこの状況が見えないぶひか?」

「状況が見えていないのは君の方ですよ。そうですよね、アンナくん?」

 

 そう、進藤先生に会話を振られたオレは、そこでようやく顔を上げて……ずっと押し殺してた爆笑を解放した。

 

「あはははははっ! な、何がオレの狙いはわかってるだよ!? ぜ、ぜんっぜんわかってねーっつーの! ダサッ! マジでダサいな、お前!」

「ぶぶぶ、ぶひぃ!? な、何を言ってるぶひか!? アンナちゃんだって、ボクチンに負けを認めて――」

「オレは次のお前のターンを凌げないって言ったんだよ! 何でかって、このターンでデュエルが終わっちまうから、来ないターンを凌ぐことなんて出来ねえだろ? 負けるつもりなんてさらさらねーよ!」

「ぶひぃ!? な、何を言ってるぶひ!? 召喚権も使った! 魔法と罠もセットして無い! ミルクカウンターもなければ、アンナの効果を発動することも出来ない、何もない盤面ぶひよ? この状況から、どうやって逆転するぶひ!?」

「俺の場をよ~く見てみろよ。本当に何にも無いように見えるか?」

「ぶ、ぶひ……?」

 

 オレにそう言われた豚上の奴は、まじまじとオレのフィールドを眺め始めたが……答えには全く辿り着けないようだ。

 本当にこいつは馬鹿なんだなってオレが思った矢先、同じくフィールドを見ていた鎌瀬先輩がポンと手を叩くと正解を大声で口にする。

 

「牛乳娘飼育員モンスターたち……同じレベルのモンスターが、4体も揃ってやがる! そうか、アンナちゃんの狙いはこっちだったのか!?」

「正解です、鎌瀬くん。アンナくんはミルクカウンターを溜めることを目的としているように見せかけて、実は場に同じレベルのモンスターを多く揃えることを目的としていたんです。豚上くんはそれに気が付かなかった。もしも彼が【牛乳娘 アンナ】ではなく、飼育員モンスターを狙っていれば、状況は変わっていたかもしれません」

「そーいうこった! そんじゃあ行くぜ! レベル1の【牛乳娘飼育員A】2体と【牛乳娘飼育員B】、そして【熟練の牛乳娘飼育員】の4体でオーバーレイ・ネットワークを構築! エクシーズ召喚!!」 

 

 上空に出現した光の渦へと飛び込んで行く4体のモンスターたち。そいつらに代わって場に出現したのは、つなぎ服を着たムキムキマッチョな爺さんだ。

 

「数多の牛乳娘を鳴かせ、喘がせ、育て上げた生きる伝説(レジェンド)! 今日もその指技が炸裂するぜっ! エクシーズ召喚! ランク1! 【伝説の牛乳娘飼育員 オキナ】!!」

『ふぉっふぉっふぉっ……! どうやら、儂の出番らしいのぉ……!』

 

 ズシン、と着地音を立てて地面に降り立ったオキナは、不安気に自分を見上げる【牛乳娘 アンナ】の頭を優しく撫で、心を落ち着かせるような静かな口調で言い聞かせる。

 

『大丈夫じゃよ~。儂がすぐに、お前さんを美味しいミルクを射乳()せる一人前の牛乳娘に育ててやるからの~!』

『んっ!? もぉぉっ!?』

 

 つなぎ服の股間部分から爺さんとは思えないくらいに立派なちんぽを露出させ、これまた爺さんとは思えない強靭な肉体を活かしてアンナを抱え上げたオキナは、背中から新たな腕を4本生やし、6本腕になると、それらを全て使いながらアンナに極上の快楽を与え始めた。

 2本の腕でアンナの太腿を掴み、脚を広げさせると、もうぐちゃぐちゃになってるまんこへと自身のちんぽをゆっくりと押し込む。その快感に悶え、びくびくと震えるアンナの体を優しく撫でてやったオキナは、彼女の体が官能に慣れた瞬間を体で感じ取ると、愛撫と共に抽送を行いだす。

 

『ンモォォオッ♡♡♡ オッッ♡♡♡ オオオオオッッ♡♡♡』

『まんこを責め、子宮を刺激することで女性ホルモンの生成を促すと共に胸を愛撫することで一気に牛乳娘のおっぱいを成長させる! これが伝説と称えられる儂の秘伝奥義よ!!』

『ンモォオオォオオォオオッッ♡♡♡ これやばっ♡♡♡ おっぱい、まんこっ♡♡♡ どっちもく、ンモォオオオォオオォオオオオオッッ♡♡♡』

『人の言葉など今は忘れよ! 身も心も、牛になれっ! 雌の器官で快楽を享受し、自身の本能を解放するんじゃ!!』

『ん、おぉ……っ♡♡♡ オレは、牛っ♡♡♡ 雌牛……っ♡♡♡ ンモォオオオオオオオオォオオオオオオオオオォオオォオオォオォオオォオオッッ♡♡♡』

 

 【牛乳娘 アンナ】の声から、理性と恥じらいと迷いが消えた。同時にオキナに可愛がられる胸の感度が爆上がりし、その質感も大いに変化し始める。

 ただでさえデカかった爆乳は更に一回り大きくなった超乳へ、下から支えられる手にずっしりとした重みを感じさせる、スイカップに変化して男の手と指を埋めさせる。

 感度も勿論上昇。乳首も小指くらいのサイズに変化。揉まれて、弄られて、抓られると、意識が遠のくくらいの快感が頭を痺れさせる。その状態でまんこに極太ちんぽまでぶち込まれてるんだから、オレがもうどうしようもないくらいに感じちまうのは明らかだった。

 

『ンモオォオオォオオオォオッッ♡♡♡ ブモッッ♡♡♡ ンンモォオオォオオゥゥウッ♡♡♡』

「あはっっ♡♡♡ これ、キクぅ……っ♡♡♡ まんこもおっぱいもスゲーいいぜっ♡♡♡」

 

 グラトニーに吸われたり、犯されたりしてた時とはまるで違う快感がオレの全身を駆け巡る。ピストン1発ごとに潮噴きしちまってるけど、これはすっげー気分のいい潮噴きだから問題ねえ!

 

「【伝説の牛乳娘飼育員 オキナ】のモンスター効果っ♡ このカードのエクシーズ素材を全て墓地に送ることで、場の【牛乳娘】モンスターのレベルを墓地に送った素材の数まで上昇させる♡ オキナのエクシーズ素材4つ♡ よって、【牛乳娘 アンナ】のレベルも4つ上がって5だっ♡」

「ぶぶぶぶ、ぶひ~~~っ!? しまったぶひ~~っ!」

 

 アンナの効果を使用せずにレベルを上昇させたオレは、自分の作戦がここまで上手くいったことに若干の驚きも感じていた。思っていたよりも豚上の奴がアホだったことが幸いしてるんだが、まあそのことはどうでもいいや!

 今は目の前のデュエルに集中! こいつをぶっ飛ばすだけだ!

 

「行くぜ! レベル5になった【牛乳娘 アンナ】の右のおっぱいと左のおっぱいでオーバーレイ・ネットワークを構築! エクシーズ召喚!!」

『じっちゃん……♡♡♡ じっちゃんのお陰でオレ、一人前の雌牛になれたよ……♡ ありがとうな、じっちゃん……♡』

『おうおう、可愛い子じゃ。それ、仕上げにお前さんの真の力を解放してくるんじゃぞ~!』

『おうっ♡ 行ってくる~♡』

 

 6本の腕から解放されたアンナの体が宙に浮かぶ。胸の谷間から発した光が彼女を包み、大きく弾けた瞬間、アンナの姿は様変わりしていた。

 

「雌牛の牛舎より、感謝の乳揺れと共に只今参上♡ 現れろ、【ENO.(エロナンバース)081 超弩級牛乳娘 モーモーアンナ】っっ♡♡♡」

『へへへへっ♡ ばぃ~~んっ♡♡♡』

 

 全裸で乳揺れを披露しながらフィールドに降り立ったモーモーアンナは、嬉しそうに飛び跳ねては男たちにムチムチとした尻と乳の揺れを見せつけていた。

 豚上もその煽情的な光景の虜になっているが……あいつにはきっちりとおしおきをしなくちゃな。

 

「【伝説の牛乳娘飼育員 オキナ】のモンスター効果! 場に【牛乳娘】と名の付いたモンスターがエクシーズ召喚された時、相手の場のモンスター1体の攻撃力を0にする!」

「ぶひゃっ!? ぼ、ボクチンのグラトニーがぁ!!」

『ブブブブブ……ぷぎぃ!』

 

 オキナの効果によって子豚くらいのサイズにまで縮まってしまったエースモンスターの姿に愕然とした叫びを上げる豚上だが、まだまだこんなんじゃオレの気は晴れない。しっかり、痛い目に遭ってもらうぜ!

 

「バトルフェイズ! モーモーアンナで、攻撃力が0になった【暴食魔豚 グラトニー】を攻撃だっ! 全力おっぱいスイング!!」

『よう、よくも好き勝手にオレの乳を弄ってくれたな! こいつはお返しだ、喰らえ~~っ!!』

『プギャァァ~~~~……』

 

――豚上太LP3000→200

 

 全身を捻り、横っ乳で思いっきりグラトニーをぶっ叩くようにおっぱいをスイングしたモーモーアンナの攻撃によって、哀れな子豚は大空の果てまで飛んで行ってしまった。これでもう、豚上を守る壁は何もない。そして、オレの場にはもう1体のモンスターがいる。

 

「こいつで終わりだ! 【伝説の牛乳娘飼育員 オキナ】でプレイヤーにダイレクトアタック!!」

『ぬぅん……! これまでお前に搾られ、無駄にされていったミルクの恨み……! それらを必死に育て上げた儂ら飼育員の血と汗と涙の結晶を無碍に扱った報いを受けさせてやるわっ!』

「ぶ、ぶひぃぃぃぃぃぃっ!?」

 

 ムキムキマッチョな爺さんが、6本の腕をいからせ、拳をポキペキと鳴らして豚上へと近づいていく。

 肥えた豚野郎の体も2本の腕で悠々と持ち上げたオキナは、一呼吸置いて気を高めた後……

 

『オラオラオラオラオラオラオラオラオラッ! オラァァァッッ!!』

「ぶっ!? ぺぎょっ! ぶひひひひひひひひぃぃぃぃぃぃぃ!!」

 

 豚上の体が宙に舞うレベルのパンチの猛打を繰り出し、奴に報いを受けさせると共にこのエロデュエルに終止符を打ったのであった。

 

――豚上太LP200→0

――WINNER 神月アンナ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「助かったぜ、鎌瀬先輩。アンタが来てくれなきゃ、どうしようもなかった」

「特別クラスの役に立てたなら親衛隊の顔が立つってもんさ! アンナちゃんこそ、スゲーエロデュエルとロリ爆乳だったぜ!」

 

 エロデュエルが終わり、色々な問題行為を咎められた豚上一派が進藤先生に連れられて何処かへ消えて行った後、オレは鎌瀬先輩率いる親衛隊の皆に囲まれて、レッド寮の自分の部屋を目指していた。残念ながら豚上に剥ぎ取られた服は損傷が激しく、まともに着れる状態ではなかったため、代わりの服を取りに行っている最中というわけだ。

 

 親衛隊の皆がいなければ、全裸でアカデミアの敷地内を歩く羽目になっていたと考えるとゾッとする。こんな状況を招いた豚上の奴には、しっかりと進藤先生のお灸が据えられることを期待しよう。

 

(にしても……さっきからこいつらの視線が痛いっつーか、気持ちいいつーか……♡♡♡)

 

 大勢の生徒たちに見られることはなくとも、こうしてオレの周りを取り囲む男たちには裸を見られてると思うと体がかあっと熱くなる。実際、歩く度に揺れる乳とか尻とか、あとはエロデュエルの興奮で濡れちまってるまんこにはしっかりと男たちの視線が突き刺さっていて、それだけでオレは結構気持ちよくなっちまってた。

 こいつらがいなきゃピンチから抜け出せなかったし、何よりオレ自身も悪い気分じゃねえから何も言わねえけど……なんかこう、胸の奥がムズムズするんだよなぁ。

 

 ……なんて、俺が考えてた時だった。

 

『聞こえるか、十六夜アキ! 私の名はマスクド・タイタン! お前が欲しがっている物を持っている男だ!』

「な、なんだぁ!?」

 

 不意に、近くにあったモニターの映像が切り替わり、プロレスラーみたいな恰好をしたマスクマンが映された。

 アキの名前を呼ぶそいつは、堂々とした態度で挑戦状を叩きつける。

 

『俺は逃げも隠れもせん! 部活棟1FのCルームでお前を待つ! 観客たちの前でエロデュエルを行い、貴様が勝てばこいつはくれてやる! しかし、俺が勝った時には、貴様には俺たちの願いを叶えてもらうぞ!』

 

 アキのと思わしきバイブパンツのリモコンを見せつけたマスクマンは、最後に大きく胸を張ってこれまた堂々とした姿でアキを挑発する。こういうのってプロレスを盛り上げるための技術の一つなんだろうな~、と、俺はぼんやりとその姿を見ながら思った。

 

『部室棟1F、Cルームだ! 俺はお前を待っている! 最高に熱いエロデュエル……しようぜ!!』

 

 再度、場所の確認をした後、暑苦しい台詞を残してマスクマンの映像は消えた。オレはああいうのは嫌いじゃない。豚上の奴と比べれば雲泥の差だ。

 アキもここまでされて逃げるわけがないだろう。絶対に勝負に乗るはず……周囲の生徒たちもざわざわと騒いだ後、このビックマッチは見逃せないとばかりに試合会場まで急ぎ足で駆け出して行く。オレもすぐにでも向かいたかったんだが、まずは着替えが優先だ。

 

「鎌瀬先輩、急いでくれ! オレもアキのエロデュエル見てえよ~!」

「それは俺も同じだ! 急ごう、アンナちゃん!!」

 

 じきに始まるであろうアキと謎のマスクマンとのエロデュエルを観戦するため、オレたちは大急ぎで寮へと駆け出したのであった。

 




次回予告

アンナ「急げ~! 急げ~! 急がないとアキのデュエルが始まっちまうぞ~!」

鎌瀬「あのマスクマンは多分、プロレス同好会の生徒だ。あいつら人気ねえから、ここでアキちゃんを利用してガツンと名を上げようとしてるんだな」

アンナ「なんだっていいさ! アキは絶対に負けねえよ! 一生懸命応援するだけだぜ!」

次回『白熱、プロレスエロデュエル! アキVS混闘士!!』

鎌瀬「……さっきからスゲー揺れ。これで14歳って、恐ろしいよな」

アンナ「ん? なんか言ったか?」


最強カード紹介

伝説の牛乳娘飼育員 オキナ
ATK1000 DFE1000 ランク1 悪魔族 炎属性
レベル1【牛乳娘飼育員】モンスター×4体

(1)このモンスターのエクシーズ素材を全て墓地に送って発動出来る。自分の場の【牛乳娘】モンスターを1体選択し、そのモンスターのレベルを墓地に送ったエクシーズ素材の数まで上昇させる。
(2)このモンスターが場に存在している時、自分の場に【牛乳娘】と名の付いたモンスターがエクシーズ召喚された場合、発動出来る。相手の場のモンスター1体の攻撃力を0にする。

―――――

今日の最強カードは、牛乳娘飼育員界の生きる伝説【伝説の牛乳娘飼育員 オキナ】だ!
エクシーズ素材を使って【牛乳娘】を強化する効果と、【牛乳娘】エクシーズモンスターが場に出た時に相手モンスターを弱体化する効果を持つ、便利なサポートモンスターだぜ!

数々の牛乳娘たちのおっぱいを揉み、雌牛に育て上げた実力は本物! 乳弄りも滅茶苦茶上手くて、揉まれると声が我慢出来ねえんだよなぁ……。

6本の腕は愛撫にもバトルにも使える! でもやっぱり、バトルよりもセックスの方が得意みたいだ! もう歳だし、しょうがねえのかもな!


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白熱、プロレスエロデュエル! アキVS混闘士!!

今回はKATUUさんから頂いたカード案を基にしてデュエルを組み立てました!

KATUUさん、ありがとうございます!!

3/13日追記

カード案を頂いたKATUUさんから、何と挿絵を頂いちゃいました!
とても素敵でエロティックな絵ですので、是非ともご覧ください!

KATUUさん、ありがとうございました!!


「十六夜アキさんですね? ……お待ちしていました、こちらへどうぞ」

 

 部室棟に辿り着いた私は、そこで待っていた3人の男子たちに連れられて裏口から控室のような場所へとやって来た。

 そこで、服を脱いでプロレスパンツ姿になった3人の見事に割れた腹筋に目を取られていた私に対し、彼らは1枚の紙切れを差し出す。

 

「これは?」

「入部届です。これに名前を書き、デュエルフィールドに向かってください」

「……これが、あなたたちの望む物ってわけね」

 

 用意されていたペンを使い、入部届へとサイン。一応、変なことが書かれてないか確認してみたが、普通の入部届みたいだ。

 私が内容の確認とサインをしている間、私をここまで連れて来た男たちが自分たちのことやこの試合の目的、対戦相手について説明していたので、そちらにも耳を傾ける。

 

「我々はデュエロ・アカデミアプロレス同好会。正式な部活ではありませんが、エロデュエルとプロレスを愛する同志たちです」

「同好会を部活に昇格させるには、5人の部員が必要。ここにいる3名とリングで待つ部長を含め、4人の同志を持つ我々には、あと1人の部員が必要なのです」

「だから、私をそのメンバーに引き入れようとしてるってことね」

「それもあります。敗北したとしても、デュエロ・アカデミア内でも人気なアキさんとのデュエルを通して、我々の活動に興味を持ってくれる生徒が1人でも現れればそれで良し……まあ、部長も我々も、最初から勝つつもりでアキさんに勝負を挑んだんですがね」

 

 礼儀正しい口調で語りながらも、どこか闘志を感じさせる男子たち。彼らは私とデュエルするわけではないが、それでも気合が満ち満ちていることはわかる。

 とても、イイ……負けてもいいから勝負を挑むのではなく、勝つことを目的としながらそれをパフォーマンスへと昇華させようとする彼らの意志には、素直に好感を持てる。

 プロレスとエロデュエル、どちらも観客を楽しませつつ、熱い戦いで魅せるという部分も共通しているし、彼らとは気が合うかもしれないわね。

 

「書けたわよ。これでいい?」

「……結構です。アキさんが部長とのデュエルに負けたら、これは我々が頂く。部長が敗北したら、あなたのバイブパンツのリモコンをお渡しする。その条件でよろしいですね?」

「ええ、構わないわ」

 

 自分の名前を記入した入部届をプロレス同好会の部員たちに見せ、お互いに条件の確認を済ませる。

 試合の前準備が終わったことを確認した彼らは、コクリと頷いた後で試合会場へと続くドアを指差し、私をその先へと促した。

 

「どうぞ、あちらへ……部長が待っています」

「どうもありがとう。それじゃあ、また後で会いましょう」

 

 デュエルディスクを起動、デッキをセット。何時でもデュエルを始められるようにしながら、ドアノブを掴んでそれを捻る。

 ガチャリ、と開けた扉の先を見れば、そこは細長い通路だった。つかつかと足音を響かせてそこを進む私の耳に、景気のいい実況の声が響く。

 

『さあ、今宵のメインイベントの時間だ! まずは挑戦者の紹介から! デュエロ・アカデミアに突如現れたエロデュエル界の新星! クールな思考と熱い魂を併せ持つ美少女決闘者! 十六夜アキの入場だ~~っ!!』

 

 通路の終わりへと辿り着いた私は、その先に見えるリングへと足を延ばす。試合会場へと足を踏み入れた瞬間、爆発的な歓声と熱気が私を襲った。

 昔、テレビで見たプロレスの試合会場と全く同じ風景。青く輝くリングを取り囲む無数の人々が試合を観戦する様は、映像で見るのと実際に足を踏み入れるのとでは大違いだ。

 この会場に溢れる熱が、彼らの期待が、肌にひしひしと伝わってくる……彼らはこれから始まるエロデュエルと私の痴態に期待しているのだと思うと、ついつい口元に笑みが浮かんでしまった。

 

『見てください、あのパーフェクトな美貌! 胸と尻の肉付きは素晴らしいのに、ウエストはほっそりと引き締まっている! 素晴らしい肉体です』

『ラビエル・ブルーの生徒数名を病院送りにしたり、他の特別クラス生徒たちと共にアカデミアの生徒たちの童貞卒業セックスを3日ぶっ続けで行ったなど、彼女には多くの伝説がありますからね……今回の試合も期待できそうです』

 

 実況だけでなく、解説もいるのかと思いながらそちらの方をちらりと見れば、そこにいたのは私を案内してくれたプロレス同好会の生徒たちだった。

 下働きから実況、解説までこなす彼らの勤勉さに感心しつつ、リングへと体を滑り込ませた私は、無数の男たちから注目される興奮を感じて深い息を吐く。

 

 この感じ、悪くない……今までずっと、サイコデュエリストとして忌み嫌われていた私に向けられる好奇と期待の眼差しは、このセックス次元でなければ味わえなかっただろう。頼りになる、信用出来る仲間たちにも出会えたこの世界のことを、私は非常に気に入っていた。

 だから、この世界で痴態を曝け出せと言われたら素直にそうさせてもらおう。ただ負けて、見世物にされるのは御免だが、勝利を目指した上でそうなるのならば覚悟の上だ。

 私を受け入れてくれた、私に新しい道を指し示してくれたこの世界の人々を満足させるために、この肉体を思う存分活用してやろうではないか。そう考えながらロープに体を預ける私の視線の先に、スポットライトの光が集中する。そして、そこに立つ1人の男の姿を照らし出すと共に、軽快な入場音と実況の声が響き始めた。

 

『さあ、次はチャンピオンの入場だ! 鍛え上げられた肉体! 練磨されし技の数々! そして、燃えるプロレス魂を持つ男! マスクド・タイタン~~っ!!』

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!」

 

 咆哮、疾走、入場。リングに続く道を駆け出したマスクド・タイタンは、全身のバネを活かした跳躍を見せて華麗にリングインする。

 セコンドに付いている男からデュエルディスクを受け取った彼は、それを左腕にセットしながら右手に持つリモコンを操作し、私のバイブパンツを弱で振動させた。

 

「あうんっ♡」

 

 膣内に響く甘い快感に嬌声を上げた私は、内股になって股間を抑える。その反応に観客たちが大きくどよめく中、マスクド・タイタンはマイクパフォーマンスを開始した。

 

「十六夜アキくん、まずは私の挑戦から逃げずにここまでやって来たことを賞賛しよう! 私が君の望む物を持っていることも、今ので理解出来たはずだ」 

「ええ、そうね……♡ あなたこそ、正々堂々としたデュエルの申し込み、感心したわ。姑息な手段を用いない真っ向勝負、嫌いじゃないわね」

「ふっ……お互いにこれ以上言葉を重ねる必要はあるまい。ここからは魂と魂のぶつかり合い、エロデュエルにて語り合おう!!」

「望むところよ!!」

 

 バイブパンツの電源を切り、リング上で私と向かい合うマスクマン。筋肉隆々とした体をいからせ、正々堂々と私と対峙する彼の叫びに合わせて、私もまたデュエルの始まりを宣言した。

 

「「デュエルっ!!」」

 

――十六夜アキVSマスクド・タイタン LP4000 1マッチ

 

「先攻はは私がもらうわ! 手札から、【SMF(サンムーンフラワー) アキ】を召喚! 更にカードを1枚伏せ、ターンエンド!」

 

 まずは様子見とばかりに分身カードを召喚し、カードをセットしてマスクマンへとターンを譲る。

 彼がどんなプレイングを見せるのか、私だけでなく観客たち全員が注目する中、マスクマンは堂々とカードの使用を宣言した。

 

「まずは我々の戦いに相応しい場を用意し、君の格好をそれに見合ったものに変えよう! 手札よりモンスターカード【混闘士(ミックスファイター) H《ヒュージ》ブラスツ】を捨てることで、デッキからフィールド魔法【熱狂のセックスリング】をサーチ! そのまま発動だ!」

 

 金髪の美しい女性モンスターが場に出たかと思えば、彼女は様々なポーズを取って観客たちへとアピールを始めた。

 股間がギリギリ隠れる程度の超鋭角ハイレグスーツを身に纏い、私と同等かそれ以上の爆乳を揺らしてポージングする彼女の行動は、観客たちへのサービスに他ならない。四方の観客席へと満遍なく尻や胸を見せつけたモンスターは、最後にウインクと投げキッスを送るとリングから退場していった。

 

 いったい、あれはなんだったのだろうかと思う間もなく、次の異変が私たちを襲う。私が場に出した【SMF アキ】と、私自身の服装が大きく変化していくのだ。

 ウリア・レッドの制服は消え去り、代わりに乳首と股間部分を申し訳程度に隠すスリングショットのコスチュームが私の身を隠す。黒色を基調とし、真紅の縁取りでデザインされたその服装は、私の乳輪をギリギリ隠せるか隠せないか程度の布面積しかなかった。

 前面部でさえそれなのだから、背面部なんて絶望的だ。お尻の谷間は丸見えで、アナルが見えないだけでも感謝しなければならないレベルの面積しかない。唐突にセクシーな格好に変化した私を見て、観客たちは大声で歓声を上げ、口笛で囃し立て始めた。

 

『マスクド・タイタン、観客たちへのサービスを忘れません。アキ選手のセクシーボディが観客たちの前に惜しげもなく披露されております。ギリギリ大事な部分が見えないのが、逆にエロい!』

『しかし、これはただのサービスではありません。【熱狂のセックスリング】の効果は、それだけに留まらないのですからね』

 

―――――

 

熱狂のセックスリング

フィールド魔法

(1):全てのモンスターは、スケベリングコスチュームになる。

(2):このカードを発動した場合、「ゴングカウンター」を3個、このカードに置く。

「ゴングカウンター」がすべて取り除かれた時、このカードのコントローラーはゲームに勝利する。

(3):「混闘」モンスターが相手プレイヤーに戦闘ダメージを与えた場合、デッキから【混闘】魔法カード1枚を手札に加える。

 

―――――

 

(特殊条件勝利効果持ちのフィールド魔法! カウンターを3つ除去されたら、その時点で私の負けですって!?)

 

 特殊勝利……LPやデッキの枚数に関わらず、ある特定の条件を満たした時点でそのプレイヤーの勝利が確定する勝利方法。最も有名なのは、5枚の【エクゾディア】カードだろう。手札に特定のカードを揃える、フィールド上に指定されたカードを出す等、その条件は様々だが、それを満たすためだけに構築されたデッキが無数に存在しているくらいには、メジャーな勝利条件だ。

 今回の場合、あのフィールド魔法に乗せられた3つのカウンターを除去された時点で私の敗北が決まってしまう。プロレスの3カウントをイメージしているであろうその効果を読んだ私は、緊張感に息を飲んだ。

 

 【熱狂のセックスリング】自体にはゴングカウンターを外す効果はない。つまり、他のカードとのコンボが必須のカードということになる。

 加えて、(2)の効果に目が行きがちだが、(3)の特定条件を満たした場合の手札補充効果もかなり強力だ。マスクマンのモンスターがバトルに勝利し続ければ、実質的に彼の手札は減らないということになるのだから。

 

 この時点で、マスクマンのプレイングには2つの可能性が生まれる。1つは積極的にカウンターを除去し、特殊勝利を狙うプレイング。もう1つはバトルを繰り返して私のLPを削り切るプレイングだ。

 無論、その両方を組み合わせたプレイングを行う可能性も十分にあり得る。今の私が何よりも知りたいのは、カウンターの除去方法だ。それさえ判明すれば、向こうのタクティクスにも多少の予想がつけられるのだが……。

 

「私は手札より、【混闘士 M(モンスター)ディック】を召喚! その効果で、山札より2体目のディックを手札に加える!」

『ウオォォォォッ!!』

 

―――――

 

混闘士 M(モンスター)ディック

ATK1900 DEF0 レベル4 闇属性 獣族

(1):このカード召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキから「混闘」モンスターカード1枚を手札に加える。このカード名の(1)の効果は1ターンに1度だけ発動出来る。

(2):攻撃表示のこのカードは1ターンに1度だけ、戦闘では破壊されない。

 

―――――

 

 冷静に、定石を踏んで……マスクマンは場にモンスターを召喚した。あのモンスターのステータスや効果から察するに、積極的にバトルを行うつもりはあるのだろう。どうやら、相手の戦術は攻撃寄りのタクティクスの様だ。

 問題は、フィールド魔法の展開やモンスターの召喚を行っているというのにも関わらず、手札が1枚しか減っていないということ。豪快なプレイングを見せている反面、繊細にタクティクスを組み上げているマスクマンのデュエルには私も感心してしまうものがあった。

 

「では、バトルフェイズ! 【混闘士 Mディック】で攻撃する時、速攻魔法【混闘技《ミックスアーツ》 ザ・ボディビル・ホールド】を発動する! この効果により、ディックの攻撃力を800ポイントアップだ!!」

「くっ……!?」

 

 ゴリラと見紛う巨漢が筋肉を活からせ、アキへと突進する。背後から彼女の脚を掴んで持ち上げたディックは、そのままアキの両腕も巻き込んで羽交い絞めの格好を取った。

 これは、そう……フルネルソンという関節技だ。本来は肩と首にダメージを与える技だが、ここに脚を巻き込むことによって四肢を完全に拘束した脱出不可能な体勢を相手に強制している。

 分かり易く今のアキの体勢を言ってしまえば、抵抗不能の駅弁ファック。がっちりと極められた首と腕の関節がミシミシと音を鳴らし、関節の部分で抱き締められた脚がぶらぶらと宙を揺れている。

 

 こんな体勢を強制されるだけでも恥ずかしいのに、今の私(というより分身カードのアキだが)は全裸にも近いスリングショットのバトルコスチューム姿だ。当然、ぱっくりと開いた性器の中身が露にもなるし、ずれた胸部分の布からは乳首と乳輪が零れ落ちることになる。

 

『おおっと!? これは嬉しいアクシデントです! アキ選手の恥ずかしい場所が丸見えだ~っ!!』

『Mディックはこれを誘発したみたいですね。カメラと観客に逃れられないアキ選手の痴態をこれでもかと見せつけていますよ』

 

 会場内のモニターに大写しになるアキの痴態。カメラに向かって近づき、がっちりと技に嵌められたアキの体をしっかりと撮影させる男性レスラーは、間違いなくこの状況を狙って引き起こしたに違いない。

 そうやって、じっくりたっぷりとアキの駅弁ファック姿を観客たちのサービスに利用した後、Mディックは膨れ上がったレスリングパンツの下から己の逸物を露出させ、間髪入れずにそれをアキの膣内へと押し込んだ。

 

『あううぅうっっ♡♡♡』

『出た~~っ! Mディックのセックスプロレスリング! 数多の女をマットに沈めてきた股間のビックマグナムがアキの膣内を抉る~~っ!!』

『これは厳しいですよ。完全に成すがままに犯されてます』

『あっっ♡♡♡ んあぁああああっっ♡♡♡ ひうぅううぅううううっっ♡♡♡』

 

 ばちゅん、ばちゅんっ、と激しい音が響く。お尻を腰で叩かれ、屈強な肉体から繰り出される強烈なピストンの連発にアキの体が摩耗していくことがわかる。

 伝わる快感もまた、甘美で強靭なものだった。エロデュエルのシステムとして、痛みもある程度は快感へと変換されるという作用がある。フルネルソンで関節を極められているアキの痛みも快感となり、巨大ちんぽに犯される快感と相まって増幅された状態で私へと伝わっているのだ。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「んひぅううぅうっっ♡♡♡ おっっ♡♡♡ んおぉおおおっっ♡♡♡」

『2人のアキ選手、完全にグロッキー状態! Mディックのちんぽ(ディック)は伊達ではない~~っ!!』

『これは……本当に淫らですね。2人の選手の同時アクメ、期待出来そうです!』

『おおぉおおおぉおおおっっ♡♡♡ んっっ♡♡♡ おお~~~~~~~~っ♡♡♡』

 

 ドデカちんぽに犯されるアキの姿が、観客たちに視姦されている。プロレスの熱狂とレイプの熱狂が組み合わさり、更なる熱狂が会場内に生まれ始めている。

 私もまた、リング袖で腰をカクつかせ、スリングショットの股間部分をぐっしょりと濡らして悶えていた。観客たちの中にはリング上で犯されるアキよりも私の方を見ている者もおり、その視線が私の羞恥と官能を煽る。

 やがて、激しいピストンによって高められていった私たちの体は、最終的に同じタイミングで限界を迎え、男の射精と共に大絶叫が会場内に響き渡る。

 

「いぐうぅううぅうううぅううっっ♡♡♡ あぁああああああぁっっ♡♡♡」

『おひぃいいぃいいいいいぃいいいいいいいいいぃいいいぃいんっっ♡♡♡』

 

――十六夜アキLP4000→2800

 

 腰が抜けるほどの甘美な快感。脳天まで一気に貫かれるほどの強烈な快楽。力強さと甘さを兼ね揃えた絶頂感が、私の体を駆け巡る。

 その場に膝をつき、はぁはぁと荒い呼吸を繰り返す私は、マスクマンの攻撃の恐ろしさを身を以て経験した。特殊勝利にばかり気を取られていたが、通常のバトルも十分に危険――

 

「ここで速攻魔法【混闘技 タッグ・チェンジ】を発動! 自分の場の【混闘士】モンスターを墓地に送ることで、同じレベルの【混闘士】モンスターを手札から特殊召喚出来る! 私は先ほど手札に加えた2体目の【混闘士 Mディック】を特殊召喚! 続けてバトルだ!」

「えっ……!?」

 

 アキを犯し尽くしたモンスターがリングを降り、まったく同じ姿のモンスターがリングへと上がって来る。マスクマンの攻撃はまだ終わっておらず、再び強烈な攻撃を仕掛けようとしていることに気が付いた私は、多少の動揺を覚えながらも自分自身を落ち着かせるために深呼吸を行う。

 私のLPが対戦相手のLPを下回ったことで、【SMF アキ】は守備表示になっている。この状態ならば戦闘ダメージを食らうことはない……はずだった。

 

「甘いぞ、アキくん! 【熱狂のセックスリング】の効果によって、私は既にデッキから【混闘技 メイトプレス・ロック】を手札に加えていた! バトルの際、これを発動だ!」

「なっ!?」

 

―――――

 

混闘技 メイトプレス・ロック

速攻魔法

自分フィールド上の「混闘」モンスターの攻撃力が攻撃対象の守備表示モンスターの守備力を上回った場合、上回った数値分のダメージを相手プレイヤーに与える。

このダメージは効果ダメージとして扱う。

 

―――――

 

『オォォォッ!!』

『きゃぁぁっ!?』

 

 【混闘士 Mディック】がダンプカーのような突進で【SMF アキ】を蹴散らす。そのまま真っ直ぐに私へと突っ込み、体を掴み、そして――

 

「あぁああああああああぁあああああああっっ♡♡♡」

 

 私の体をリング上に押し倒し、覆い被さるようにして肉棒を挿入してきた。

 これはプロレス技なんかじゃない、ただの種付けプレスだ。そう理解した次の瞬間、脳内から言葉という言葉が消え去るくらいに強い快感が私の体を襲い始めた。

 

「んぎぃっ♡♡♡ おうぅっ♡♡♡ ンおっっ♡♡♡ ホひぃっ♡♡♡」

『あ~っと、これは凄い! Mディックに覆い被されているせいでアキ選手の表情は伺い知れませんが、ピストンを受け入れ続けるまんこと尻が凄まじい反応を見せています!』

『カメラ、もっと寄って! 技の掛かり具合をチェックしなきゃ!!』

「あおぉおおっ♡♡♡ ンひぃいいぃいっ♡♡♡ はへぇえっっ♡♡♡ あへぇぇぇぇッッ♡♡♡」

 

 ドスンっ、ドガンっ、と子宮を押し潰す激しいピストンが連続で膣内へと叩きこまれている。分身モンスターではなく、自分自身がこうして犯される快感は久々だが、前に味わった時よりも数倍強まっているように感じた。

 猛々しいプロレスラーのちんぽが、私のまんこを割って裂いて奥へと突き進む。圧倒的な質量と熱、そして滾りを感じさせる肉棒は力強いピストンで私の雌の器官を責め上げ、屈服させるようにして激しく責め続けている。

 私の膣からはぶしゅぶしゅと音を立てて愛液が噴き出し、マットの上にいやらしい水溜まりを作り上げていた。そんな光景がカメラに映し出されていることを実況と解説の会話から感じ取れば、私自身の興奮は更に高まり、それに比例して快感もまた強まってしまう。

 

「いやぁあぁああっっ♡♡♡ み、みないでっ♡♡♡ みないでぇぇええええぇっっ♡♡♡」

『アキ選手の悲鳴が会場に木霊する! しかし、現実は無情! 観客たちの視線を阻む物は何もない! 種付けプレスを食らう彼女の痴態は絶賛大公開中だ!』

『一突きごとに潮を噴く膣! 震える尻の肉! きゅっと締まるアナル! これはディック選手の技は完璧に決まっていますよ!!』

「おおぉおおぉおおおぉおっっ♡♡♡ だ、めぇええええっっ♡♡♡ 実況しないでぇえぇっっ♡♡♡ あっっ♡♡♡ も、もうっ♡♡♡ イっ……くうぅうううぅううぅううぅううぅうううぅうっっ♡♡♡」

 

 ゴリゴリと膣内を抉られ、襞をカリで捲り上げられ、子宮を亀頭で押し潰され……そうして、自分がどう感じているかを解説、実況されると、興奮が止められなくなる。見られているという興奮が、抑えられなくなってしまう。

 快感の絶頂を更に押し上げた、最も高い場所へと追いやられた私の心と体は、全ての快感を解放したその瞬間に真っ逆さまに降下を始めた。失禁と見間違うくらいに激しい潮噴きシーンも、快感のあまりにぶるぶると震えるお尻の肉も、全部この場に集まった人たちに見られている……そう考えると、もう自分ではどうしようもないくらいに体が昂って、気持ち良くなってしまうのだ。

 

――十六夜アキLP2800→2100

 

「……メイトプレス・ロックのダメージは効果ダメージ扱い、よって【熱狂のセックスリング】で手札補充は出来ない。だが――」

「リバースカードオープン! 【ローズヒップ・アタック】!!」

「なにっ!? このタイミングでリバースカードだと!?」

 

―――――

 

ローズヒップ・アタック

速攻魔法

 

(1)相手ターン中に自分のLPが減少した際、自分の場の守備表示の植物族モンスターを選択して発動出来る。そのモンスターの守備力分のダメージを相手LPに与える。

 

―――――

 

『はあぁぁっっ!!』

「むっ!? ぐぉおっ!?」

 

 やられっぱなしでは終われない。事前に用意しておいた伏せカードを発動した私は、僅かでも相手LPを削る気概を見せた。

 予想外の反撃に驚くマスクマンの目が、Mディックに弾き飛ばされてから意識外の存在と化していたアキの姿を捉える。いつの間にかリングポストによじ登っていた彼女はそこから大きく跳躍すると、丸くて大きなお尻で強烈なヒップアタックをマスクマンへとお見舞いした。

 ばいんっ、と音がするようなインパクト。アキのお尻に跳ね飛ばされたマスクマンは、リングロープにぶつかって跳ね返った後、マットの上に膝をついて頭を振った。

 

――マスクド・タイタンLP4000→2700

 

「ゆ、油断した……! まさか、こんな攻撃を仕掛けてくるとは……っ!!」

『マスクド・タイタンがアキ選手のヒップアタックを受けてリングに膝をついた! やはりあのお尻での攻撃は、相当な威力があるのでしょうか!?』

『いや、それよりも不意を打たれたことが大きいでしょう。アキ選手は上手いですね、あの反撃で傾いていた空気を一気に引き戻しましたよ』

 

 ボタボタとおまんこから溢れる精液を零しながら立ち上がる私。呼吸も荒く、まだ全身がふわふわとした恍惚感に包まれているが、デュエルには支障はない。

 同じくして、不意打ちヒップアタックのダメージから回復したマスクマンも立ち上がると、先ほどよりも真剣な表情を浮かべ、プレイングを再開した。

 

「やるな、アキくん! しかしまだ私のターンは終了していない! 墓地から【混闘技 メイトプレス・ロック】を除外し、速攻魔法【混闘技 スプリット・ビー・バスター】を発動だ!」

 

―――――

 

混闘技 スプリット・ビー・バスター

速攻魔法

墓地の「混闘」カードを1枚除外して発動出来る。

フィールド上の「ゴングカウンター」を一つ取り除く。

 

―――――

 

『きゃっ!? あぁっ!?』

『ぬんっ! むぅぅぅぅんっ!!』

 

 ヒップアタックを炸裂させたアキの背後に回ったMディックが彼女の体を抱え上げた。

 体の上下を反転させ、頭を下に向けた状態で飛び上がったディックが、アキの脳天をマットに叩きつけるようにして大技を炸裂させる。

 

『んぎぃいいいぃいいぃいいっっ♡♡♡』

「あはぁああああああぁああああああっっ♡♡♡」

 

 バチバチバチッ、と脳天に火花が散る。アキの感じた痛みは快感へと変換され、私の意識を激しく揺さぶってきた。それは彼女も同様で、強烈な一撃を食らったというのに、その表情はどこか恍惚としてものに見える。

 脚は下品ながに股開きになり、性器も胸も丸見え、ちょっとアヘ顔が入ってる恥ずかしい表情も観客たちに丸見えとあっては、尊厳もプライドもあったものではない。暫くその体勢でビクついていたアキであったが、Mディックに体を放されると同時にマットに倒れ伏し、潰れたヒキガエルのように痙攣する無様な姿をカメラに撮影され続ける羽目になってしまった。

 

「これで私はターンエンド。アキくんのターンだ」

「ぐ、あ……っ♡♡♡」

 

 たった1ターンでLPを半分近く削られた上に、特殊勝利の条件を満たすカードも使用された。私も僅かばかりの反撃で相手のLPを削ることは出来たが、状況は完全にマスクマンに有利だ。

 しかし、私に有利な部分が無いわけではない。マスクマンは一気に攻勢に出たせいで、手札を消費してしまっている。私の手札が3枚に対して、マスクマンは1枚のみ。ここにドローしたカードを加えれば、手札の枚数は4対1、私の方が完全に有利だ。

 

(向こうは完全に短期決戦を狙ってきている。攻撃を躱して粘るか、こちらも受けて立つべきか……?)

 

 マスクマンのタクティクスは短期決戦。ガツガツ攻撃を仕掛け、フィールド魔法の効果で手札を補充しつつ相手のLPを削る。その最中でも特殊勝利の条件を満たすためのプレイングを忘れず、通常の勝利と特殊勝利の2つの勝ち筋からデュエルを制するつもりのようだ。

 それに対して、私はどうするべきか? 相手の攻撃を徹底的に凌ぐか? それとも真っ向勝負に打って出るか……そのどちらもが正しく、間違ったタクティクスだ。

 前者の場合、私が相手の攻撃を凌ぎ切れるかどうかで全てが決まる。相手の手札切れを待ち、そこからじっくり攻めることが出来れば勝利は確実だが、それまでに特殊勝利の条件を満たされないとも限らない。そもそも攻め切られてしまっては、反撃もへったくれもないのだ。

 かといって後者は相手の得意な舞台に立っての勝負ということになる。私の【SMF】はどちらかといえば長期戦向きのデュエルを得意としているから、短期決戦には少し自信がない。しかし、それでも十分に勝算はあるし、何より特殊勝利という勝ち筋が相手に残り続けている以上、こちらの方が安心してデュエルを行うことが出来そうだ。

 

 まさに一長一短、メリットとデメリットの背中合わせ。どちらのタクティクスを取るかでこのデュエルの展開は大きく変わるだろう。勝敗の行方にも関わるこの決断に悩み、考え抜き、私が出した結論は……

 

「……手札から【SMF ローズ・アイヴィー】を召喚。即座に破壊して、効果を発動するわ」

「!?!?!?」

 

―――――

 

SMF ローズ・アイヴィー

ATK0 DFE0 レベル0 植物族 闇属性

 

(1)このカードの召喚時、自分のLPが相手のLPより少ない場合、発動出来る。このカードを破壊し、次の相手のバトルフェイズをスキップする。この効果は1回のデュエルで1度のみ使用出来る。

 

―――――

 

「バトルフェイズのスキップ、か……私の【混闘士】たちのバトルを封じることで、戦局を優位にしようということだな。つまり君は、長期戦での勝利を目指しているということか……」

「……カードを1枚伏せ、ターンエンド。あなたのターンよ」

 

 マスクマンの問いかけに、私は敢えてなにも答えない。静かにデュエルを進める私の様子に訝し気な視線を向けたマスクマンであったが、自分のプレイングに集中すべきだと思い直したのか、すぐにその迷いを掻き消してデッキからカードをドローした。

 

「私の得意戦術が短期決戦だと読んだまでは良い。だが、その程度のプレイングで私を止められると思うなよ! 速攻魔法【混闘技 ミラーリンク・アーツ】を発動! デッキの上から10枚のカードと、墓地に存在する【混闘技】カードを選択、除外することで、選択したカードの効果を発動出来る! 私はスプリット・ビー・バスターを選択! その効果を発動だ!!」

 

 再び、Mディックがアキを抱え上げる。ふらふらな状態のアキの体を抱えたまま跳躍したディックは、先ほどよりも強烈な技を炸裂させた。

 

『んひぃいいぃいいいぃいいぃいいっ♡♡♡ あ、あっ……♡♡♡』

 

 ぶしゅぅぅぅぅっ♡ とバスターを食らったアキの股座から白く濁った愛液が噴き出した。痛みが快感へと変換されたことで、彼女の肉体が絶頂を迎えたのだ。

 完全に発情し、イってしまったアキの姿に観客たちが興奮を露にする。Mディックはそんな彼らを更に煽るように、アキの足首を掴むと自分の股間を枕にさせるようにして彼女の頭部を置き、まんぐり返しの格好で拘束してしまった。

 

『おおっと、これは! アキ選手の潮噴きまんこが観客たちの前に惜しげもなく曝け出されているぞ~! しかも、見られていることで感じているのか、まだまだ愛液の噴射が止まらない~っ!!』

『とんでもない変態ですね。技をかけられて感じていたようですし、アキ選手はマゾの才能がありますよ』

『先ほどの種付けプレスの際には見ないでくれと叫んでいましたが、あれもアピールの一種だと?』

『間違いないでしょう。事実、彼女は今、あの羞恥の中で快感を感じている。十六夜アキ選手は、男に嬲られて感じる変態デュエリストだということです』

 

 好き勝手に批評されているが、それに反論することは出来ない。実際に私は感じているし、マゾの気質もあるのだろう。むしろ、ああして言われてもバレてしまったかとしか思えないのだ。

 がっちりと恥ずかし固めの体勢で拘束され、アヘ顔とイキまんこを大公開しているアキ。そんな彼女の痴態を眺めながら、実況と解説の男子生徒たちは冷静にデュエルの状況も解説し始める。

 

『しかし、これはマスクド・タイタンが非常に有利ですね。ゴングカウンターは残り1つ。これを何らかの方法で除外出来れば、その時点で勝利となるわけですから』

『アキ選手は厳しいですよ。精神的にも肉体的にも追い詰められてます。これはもう、勝負は決まったかな……?』

「……そういうわけだ、アキくん。君は私とのデュエルを長期戦に持ち込もうとしたが、その目論見は今や達成不可能に近い。今から短期決戦に戦略を切り替えたとして、それが上手く機能すると思うかい?」

「………」

 

 私は、黙ってマスクマンの話を聞き続けた。彼は威圧するわけでもなく、ただマイクパフォーマンスの一環として、私に語り掛け続ける。

 

「私の手札は残り1枚、これも場に伏せるからもう手札は無い。しかし、ゴングカウンターを除去することが出来ればその時点で勝負が決まる。十六夜アキ、君に問おう。ここから戦略を修正し、私に勝利するビジョンは見えているか!?」

 

 試合を盛り上げるための挑発を口にして、マスクマンが私へとマイクを向ける。彼の顔へと真っ直ぐに視線を返した私は、ふふっと表情を綻ばせて自信満々にこう答えた。

 

「あなたは1つ勘違いをしているわ。私は最初から長期戦をするつもりなんかない。あなたは私に正々堂々と真っ向勝負を仕掛けて来た。それをのらりくらりと躱して戦うだなんて真似は、失礼に値するわ。それに、これだけの観客の前よ? 熱く燃える闘いを見せるのが、真のエンターテイナーってものでしょう?」

「ほう? 先のターンのプレイングは時間稼ぎではないと? 君はそう言いたいのか!?」

「ええ、そうよ。さあ、マスクド・タイタン……このターンで全てを終わらせましょう! 私とあなたが作る、最高のプロレスエロデュエルを観客の皆に見せつけてやりましょうよ!!」

「よし、望むところだ!! こい、十六夜アキっ!!」

 

 会場の熱気が、狂乱が、興奮が、ぐんぐんと上昇していく。私と彼の最後の攻防に期待を募らせ、今からどんなバトルが見れるのかと胸を高鳴らせていることが離れている位置からでもわかる。

 セックス次元の人々が忘れていた『決着のわからないデュエル』の興奮が今、彼らの心に蘇った。私たちが目指す、エロデュエル界の変革を目の当たりにしながら、喜びに胸を2重の意味で弾ませながら、私はカードをプレイした。

 

「魔法カード【ローズ・コーリング】を発動! このカードは墓地から【ローズ】と名の付いたカードを2枚除外することで、デッキの【ローズ】カードを特殊召喚することが出来る! 私は墓地の【ローズヒップ・アタック】と【SMF ローズ・アイヴィー】を除外することで、チューナーモンスター【SMF ブラックローズ】を場に出して、シンクロ召喚!」

「むっ!? 先のターンのモンスター破壊は、このカードを使うための布石だったのか……! 本気で、私との真っ向勝負をするつもりだったようだな!」

 

 マスクの上からでもわかる楽しそうな笑みにつられ、私もついつい興奮した笑みを浮かべてしまった。この胸の高鳴りを、興奮を、全て注ぎ込んでエロデュエルに勝つ。その想いを膨れ上がらせながら、私は切り札の召喚口上を叫ぶ。

 

「レベル4【SFM アキ】にレベル3【SFM ブラックローズ】をチューニング♡ 淫らなる陽光と卑猥なる月光♡ 2つの光に照らされ、快楽の華が今、開花する♡ シンクロ召喚♡ 咲き乱れよ♡ 【SFM 黒薔薇のアキ】っ♡♡♡」

『出た~~っ! アキ選手のエースモンスター、ここに降臨~~っ!!』

『盛り上がってまいりました! もう目が離せないっ!!』

 

 お尻と胸に刻印された真っ赤な薔薇のタトゥー。むっちりと成長した体は布地の少ないスリングショットのレスリングコスチュームなんかじゃ隠しきれなくて、恥ずかしい部分は露になったままだ。

 潮を噴いていたおまんこも、ぱっくり開いた状態でいつでもちんぽを迎え入れる状況のまま……この状態で、私たちは最後の戦いに挑もうとしている。いやらしさと熱さが同居する肉体で、観客たちの熱狂を大いに煽ってこのエロデュエルに決着をつけようとしていた。

 

「【SMF 黒薔薇のアキ】のモンスター効果! 相手フィールド上のモンスターを選択し、そのモンスターの攻撃力を0にしつつ、自分のLPをその数値分回復する! ダウナー・ローズ!」

 

 【混闘士 Mディック】にツタを絡ませた黒薔薇のアキが、彼の力を奪い尽くす。完全に体力を失ったディックはマットに片膝をつくも、それでも瞳に強い闘志を燃やしたまま私たちを睨んでいた。

 

「【ローズ・コーリング】のもう1つの効果。このカードが墓地に送られたターン、私のシンクロモンスターの攻撃力は除外されている私のカードの数×300ポイントアップする。これにより、黒薔薇のアキの攻撃力は3000……この攻撃が通れば、あなたのLPは0になるわ」

「その通りだ。しかし、私の場には伏せカードが存在している。これがゴングカウンターを減らす効果を持っていたら、LPなんて関係なしで君の負けになるな」

『い、一触即発ーーっ! 凄まじい緊張感! びりびりと痺れる緊迫感! ああ、この試合はどうなってしまうんでしょうか!?』

『も、もう、私にもわかりません! 我々はただ、全てを見守るのみです!』

 

 実況の、解説の、観客の声が、シンと静まる。あれだけ騒いでいた男たちの声が、一切聞こえなくなった。

 彼らは今、私とマスクマンのデュエルを固唾を飲んで見守っている。一瞬の瞬きすらも許さず、このデュエルの全てを見届けたいと望み、食い入るようにして戦いを見守っているのだ。

 

 さあ、始めようじゃないか。私たちの最後の戦い、このバトルのクライマックスを!

 

「バトル! 【SMF 黒薔薇のアキ】で【混闘士 Mディック】を攻撃っ!!」

『はぁぁぁぁっっ!!』

 

 このデュエルで初めて、私は攻撃に打って出た。マットに膝をつくMディックに向けて突進していく黒薔薇のアキの背を見つめ、揺れる乳と尻を眺めながら相手の出方を伺う。

 身動きの取れないMディックに黒薔薇のアキの強烈なキックが炸裂するかと思われたその瞬間、彼は最後の力を振り絞り、その脚を取って最強の技を仕掛けてきた。

 

「速攻魔法【混闘技 ピストン・クラッシュ】を発動!」

 

―――――

 

混闘技 ピストン・クラッシュ

速攻魔法

 

(1)自分の【混闘士】モンスターが戦闘を行う場合、相手モンスターとそのモンスターの攻撃力は同じ値になる。

(2)このバトルで相手モンスターが破壊された場合、自分はゴングカウンターを1つ取り除く。

 

―――――

 

『おぅんっっ♡♡♡ はおぉおおんんっっ♡♡♡』

『ウオォォォォォォォォォォッ!!』

 

 股間の逸物を黒薔薇のアキの性器へと捻じ込み、そのまま大きく跳躍したMディックが落下の勢いをつけた強烈なピストンを繰り出す体勢を取る。空中で黒薔薇のアキの尻を掴み、がっちりとホールドして逃げられないようにしながら、最後の勝負に打って出る。

 空中に浮かぶ2体のモンスターへと、この場の全員が熱い視線を送っていた。彼らがマットに落ちた瞬間が決着の時だと理解している彼らは、声も出せないままその全てを見守る。

 

 跳躍が終わり、空中で2人が静止した瞬間のことを、私たちは忘れないのだろう。その瞬間が緊張のピーク、そこから勢いをつけて落下していく2体のモンスターのことを、誰もが瞬き1つせずに見守っていく。

 

『決まるか? 決まるのか!? マスクド・タイタンの逆転勝利なるか!?』

 

 着地の寸前、実況の声が咆哮のように会場内に響いた。

 期待と興奮が入り混じった、純粋無垢なその叫びが木霊すると共に、Mディックの尻がマットに辿り着き――

 

 ――ズシィィィンッ!!

 

 ……と、大きな音を響かせる。

 私の体には、おまんこから一気に脳天までを駆け上がる強い快感が響き渡り、リング上の黒薔薇のアキと共にW潮噴きアクメを晒す羽目になってしまった。

 

「あぁあああああああああああぁあああああああああああああああっっ♡♡♡」

『ほぉおおおぉおおおぉぉおおぉおおぉおおぉおおぉおおぉおおぉっっ♡♡♡』

 

 雄に与えられた快感で絶頂を迎える2人の雌。その姿を目にした観客たちが、今までとは種類の違う歓声を上げる。

 それは、勝敗を理解したが故の歓声。この熱いデュエルの決着を自分の目で見ることが出来たことへの感動の叫び。徐々に、徐々に……大きくなっていくその声の中から、実況のマイクを通した声が聞こえてくる。

 

『決まった~~っ! 大技ピストン・クラッシュで、アキ選手TKO!! 勝者はマスクド・タイタンだ~~っ!! しかしアキ選手も十分によくやりました。彼女にも惜しみのない声援と拍手を……』

『……いえ、ちょっと待ってください! アキ選手のフィールドを見て!!』

『えっ……? ああっ!?』

 

 ざわめきと歓声。決着がついたと思われたこのデュエルにまだどんでん返しが待っていることを感じ取った観客たちが胸の高鳴りを抑えながら言われるがままに私の場を見る。

 そして、そこにあった1枚のカードの存在に気が付くと共に、このデュエルの真の勝者を理解するに至った。

 

「カウンター罠【シンクロ・リフレクション】! 自分の場にシンクロモンスターが存在する時、相手の発動したカードの効果を無効にし、それを破壊する! ピストン・クラッシュの効果は無効となり、バトルはそのまま続行されたわ!」

「ふ、ふふ……良いデュエルだった。掛け値なしにそう思うよ。だからこそ、私に言わせてくれ」

 

 黒薔薇のアキの膣内へと、大量の精液が吐き出される感覚が伝わってくる。そして、それを最後にMディックが力尽きる感覚もだ。

 どさりとリングに崩れ落ち、消滅していく自分のモンスターを見送ったマスクド・タイタンは、被っていたマスクを取り外して素顔を露にすると、私に向けてはっきりとした口調でこう告げた。

 

「十六夜アキくん、素晴らしい試合をありがとう……私の負けだ」

 

――マスクド・タイタン(山形 陸(やまがたりく))LP2700→0

――WINNER 十六夜アキ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当にいいデュエルだったわ。私たちの目指すエロデュエルを実現させられたといっても過言じゃなかったと思う」

「我々も、プロレスラーとして観客を楽しませることが出来た。部活にも昇格出来ない弱小クラブだが、今日の試合は間違いなくベストバウトだよ」

 

 試合終了後、バイブパンツを脱ぎ捨てた私はマスクド・タイタンことプロレス同好会の会長である山形陸先輩と硬い握手を交わしていた。

 彼とのデュエルはプロレスとエロデュエルのいい部分が混じり合った、掛け値なしに素晴らしい試合だったと思う。観客たちも試合が終わってもなお興奮が治まらず、会場内で感想を言い合っているようだ。

 

 勝者も敗者も関係ない、お互いがお互いをリスペクトし合える理想的なデュエルの決着を迎えたことに満足する私であったが、実はこのデュエルが終わった後にある思いが胸の中に生まれていた。

 わざとらしく咳ばらいをした私は、その感情に従い、山形先輩へとこう話を切り出す。

 

「えっと……あなたたちの目指すプロレスデュエルの形と、私たち特別クラスが目指すエロデュエルの姿はよく似てるわ。観客を楽しませつつ、先の見えない試合展開と女性の痴態で興奮を誘う。とてもいい組み合わせだと思うの」

「ああ、そうだね。これからも機会があれば、共に切磋琢磨して……」

「……機会があれば、ねぇ。なら、その機会を思い切り増やしちゃいましょうか♡」

「えっ……!?」

 

 パシンと下着を履いていないお尻を叩き、それを山形先輩へと突き出す。突然の私の行動に驚いた先輩であったが、私の丸いお尻に貼られている物を見て更に驚いた表情を浮かべる。

 

「あ、アキくん、これは……!?」

「見ればわかるでしょう? 入部届よ。先輩とのデュエルは本当に楽しいものだった。プロレス同好会に入れば、あの興奮をいつでも味わえる上に自分の実力向上にも役立つ。色んな意味で私にもメリットがある、間違いのない決断だと思うわ」

「ほ、本当にいいのかい?」

「……自信を持ってください、先輩。あなたのデュエルは私の心を掴んだ。この入部届は、あなたのプロレスエロデュエルに魅せられた女がいるって証です。どうか私もプロレス同好会……ううん、私が入ったから正式に部活動に昇格出来ますね。プロレス部に入部して、共に高みを目指すお手伝いをさせてください♡」

「ああ、ああ……っ! こちらこそよろしく頼むよ、アキくん! 共に更なる高みを目指し、修練を重ねよう!!」

「はいっ♡」

 

 私のお尻に貼り付けられた入部届を手にした山形先輩は、感無量といった様子で私を部員として認めてくれた。私もこれからの実力向上に一役買ってくれそうで、しかも気持ちいいことを経験出来る部活に入れて万々歳だ。

 

「そうだ! 早速他の部員たちにもこのことを伝えてやらなきゃ! それに職員室に行って、正式な部活として認可をもらえるよう直談判に行かないと!」

「えっ!? 今からですか!? 私、今ノーパンだし、すっごくまん汁臭いと思うんですけど……きゃっ♡♡♡」

 

 エロデュエルの興奮で愛液を漏らしている私からは、発情した雌の臭いがぷんぷんと発せられている。せめてシャワーを浴びて、下着を履いてからそういうことはしてほしいと思ったけど、山形先輩の耳には私の言葉が届いていないみたいだ。

 勢いよく引っ張られ、後片付けをしている部員たちの元へと連れ出され……まあ、その後は職員室へ引っ張られてしまった。職員室まで甘ったるい雌の臭いを振り撒いて進む私には男子生徒たちからの好奇の視線が向けられ、その視線に私が脳裏を焦がすような快感を味わってしまったことは言うまでもないだろう。

 全部の手続きが終わる頃には既に制限時間ギリギリになってしまっていた、私が教室に到着した最後の生徒になってしまった。でも、今の私はそんなことよりも初めて経験する部活動への期待で胸が一杯で、わくわくが押し殺せそうにはない。

 セックス次元に来たお陰でこんな楽しい思いが出来るだから、本当に誘拐されて良かったと思いながら、私はニンマリと満足気な笑みを浮かべるのであった。

 




次回予告

明日香「凄かったわね、アキのデュエル。本当に良い試合だったわ」

アンナ「これでオレたちも4連勝! 残すは葵だけだぜ!」

セレナ「これであいつだけ負けてみろ、特別クラスの汚点として末代まで語り続けてやる」

明日香「セレナ、そんな意地悪言わないの。大丈夫よ、絶対に葵も勝って帰ってくるわ!」

次回『狂気的な愛! 葵VSレイパーデッキ!』

葵「私だけ負けるだなんてあり得ない! セレナの馬鹿に何か言われないためにも、絶対に勝つんだから!」





最強カード紹介


混闘士 Mディック
効果モンスター
ATK1900 DEF0 レベル4 闇属性 獣族
(1):このカード召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキから「混闘」モンスターカード1枚を手札に加える。このカード名の(1)の効果は1ターンに1度だけ発動出来る。
(2):攻撃表示のこのカードは1ターンに1度だけ、戦闘では破壊されない。

―――――

今日の最強カードは、【混闘士】デッキの主力モンスター【混闘士(ミックスファイター) Mディック】よ。
レベル4モンスターでは最高レベルの攻撃力を持ち、召喚時に【混闘士】モンスターをサーチする効果と1ターンに1度の戦闘破壊耐性を併せ持つ、非常に優秀なモンスターね。

プロレスラーとしても観客を楽しませる気持ちを忘れず、サービス精神旺盛なモンスターでもあるわ。私の痴態をカメラに積極的に撮影させてたことからもそのことがよくわかるわね。

それに、モンスターディックの名に恥じない立派なおちんぽも素敵よ♡ 色んなエロプロレス技をかけてもらえるのが今から楽しみ……♡♡♡



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狂気的な愛! 葵VSレイパーデッキ!

お久しぶりです!
や~っと更新出来た……(涙)

久々の投稿、半年待たせた葵ちゃんのお相手は、りゅうだろうさんからアイデアを頂きました!

久しぶりのエロデュエル、楽しんでいってください!

それと、今回からキャラ同士の会話にも一行ずつ空白をあけてみました。
こっちの方が見やすいかなと思ってるんですが、皆さんのご意見を頂けると嬉しいです。


「……ここね、指定された場所は……」

 

 人気の無い広場を歩く私は、呼び出しの手紙を確認しながらそう呟く。

 自分の現在位置と手紙に同封されていた地図の×印が重なっていることを確認した私は、自分以外の誰もいないこの広場でデュエルディスクを装着した左腕を軽く持ち上げた。

 

「んっ、んんっ……♡」

 

 股間のバイブパンツの振動が、ほんの少しだけ強くなる。

 近くにリモコンを持つ者が居る証明であるその振動に甘い声を漏らしながら、この場所へと呼びだした人物を探していた私に対して、イントネーションが変な日本語が投げかけられた。

 

「お待ちしてました、財前葵サン!」

 

「あなたが……私のデュエルの相手かしら?」

 

「ハイ! ワタシ、河合(かわい)・ソーガスキーいいます! 遠い母国からデュエロアカデミアに留学してるので、少し日本語が変かもしれませ~んが……そこは、許してほしいデ~ス」

 

「構わないわよ。デュエルで必要なのは言葉よりも心……魂と魂のぶつかり合いには、言葉も国籍も関係ないわ」

 

「オ~! 勇ましいデスね~! では、早速始めましょう! 特別クラスで一番可愛い葵さんとエロデュエル出来て、ワタシは幸せよ~!」

 

「うふふっ! お上手だこと……! 褒めても手加減はしないわよ!」

 

「望むところデ~ス! ワタシの全身全霊を以て、お相手させていただきます!!」

 

 綺麗な目をした留学生とのエロデュエルに臨む私は、腕のデュエルディスクを起動してエロデュエルの準備を整えた。

 相手もまた同じくデッキをセットして、いつでもデュエルを始められるようにしている。

 

 毒気はないが、こういう相手は油断ならない。

 勘でソーガスキーへの警戒を強めた私は、ソリッドビジョンの展開に合わせて彼と共にエロデュエルの始まりを合図する言葉を叫んだ。

 

「「デュエルッ!!」」

 

――財前葵VS河合・ソーガスキー LP4000 1マッチ

 

「レディファーストで~す。葵さんからターンをどうぞ」

 

「お言葉に甘えて……手札から【エロティックスター アオイ】を召喚!!」

 

『イエーーイッ!!』

 

―――――

 

エロティックスター アオイ

ATK1500 DFE1200 レベル4 サイバース族 淫属性

 

(1)このモンスターが場に出た時、相手フィールドのモンスターに魅了チャームカウンターを1つ乗せる。

 

(2)このモンスターが場に存在する限り、相手の場の魅了カウンターが乗ったモンスターは、このカード以外の【エロティックスター】モンスターを攻撃対象に出来ない。

 

(3)このカードを攻撃したモンスターは、バトル後に魅了カウンターを1つ乗せる。

 

(4)このカードは相手のカードの効果では場から離れない。

 

―――――

 

 自分の分身モンスターを召喚し、カードをセット。

 手堅い1ターン目の動きを見せた私は、そこでソーガスキーへと手番を渡し、彼のお手並みを拝見させてもらうことにした。

 

「では、ワタシのターンデース! ワタシは手札より【狩場に潜むレイパー】を召喚しマ~ス!」

 

『ういっひっひっひっひ……!!』

 

 ソーガスキーが召喚したのは、細い目つきと体格をした不審者丸出しといった風貌の男であった。

 手にはナイフを持っており、【レイパー】の名に相応しい暴力的で危険な香りが漂っている。

 

 ここから、どう動くのか?

 ソーガスキーのプレイングを油断無く観察する私に対して、彼は早速自分のデッキの持ち味をぶつけてきた。

 

「【狩場に潜むレイパー】が自分の場に存在する時、ワタシは相手の場にフィールド魔法を発動出来マ~ス! この効果で、葵さんのフィールドに【フォッグ・シティ】を発動! さあ、ショーの始まりデース!!」

 

「きゃっ……!?」

 

 ソーガスキーがフィールド魔法を発動すれば、それをソリッドビジョンが再現して周囲の風景を変更し始める。

 人気の無い広場が雑多な建物が立ち並ぶ、薄暗い街へと変貌していったかと思えば、そこに濃い霧が立ち込め、デュエルを行う私たち以外の存在を隠すようになった。

 

 霧の街ロンドンを思わせるその光景に圧倒されながらも、私はソーガスキーが発動したフィールド魔法と召喚したモンスターの効果を確認する。

 

―――――

 

狩場に潜むレイパー

ATK1400 DFE0 レベル4 獣族 闇属性

 

(1)このモンスターが表側表示で存在する場合、フィールド魔法を相手の場に発動できる。(そのフィールド魔法の効果は自分にも適用される)この効果によって発動されたフィールド魔法が存在する限り、互いに新たにフィールド魔法を発動、セットできない。

 

(2)フィールド魔法が表側表示で存在する限り、このモンスターの攻撃力は攻撃宣言時のみ500ポイントアップする。

 

―――――

 

―――――

 

フォッグ・シティ

フィールド魔法

 

(1)【レイパー】モンスターが相手に戦闘ダメージを与える度に、相手に「レイプカウンター」を1つ乗せる。

【レイパー】モンスターとの戦闘時、「レイプカウンター」が乗せられたプレイヤーのモンスターの攻撃力・守備力は「レイプカウンター」の数×200ポイントダウンする。

 

(2)自分フィールド上に【レイパー】モンスターが存在する時、手札を一枚捨てることでデッキから【レイプ】もしくは【テープ】魔法・罠カード1枚を手札に加えることができる。

 

―――――

 

(互いにシナジーを持つモンスターと魔法のコンボ! この効果から考えるに、こいつのデッキはじわじわと相手を弱らせていく戦法を得意としてるみたいね)

 

 なんとも趣味の悪そうな戦い方だが、私の【エロティックスター】も似たようなことをしているのだから人のことは言えない。

 戦闘を重ねることで相手モンスターを弱体化させるこのデッキは、フィールドから離れない分身モンスターを持つ私たちからすれば相性の悪い相手だ。

 

 バトルに勝ったとしても負けたとしても、私のモンスターの能力値は下がっていく。

 短期決戦で勝負を決めなければ厳しい戦いになるだろう考えていた私に向け、ソーガスキーがバトルを仕掛けてきた。

 

「バトルフェイズに入ります! 【狩場に潜むレイパー】で【エロティックスター アオイ】を攻撃デース!!」

 

『ひゃははははははっ!!』

 

『くっ、ああっ!?』

 

 自身の効果で攻撃力を上昇させたソーガスキーのモンスターがアオイに襲い掛かる。

 手にしたナイフでアオイを切りつけたレイパーの一撃によって、彼女が着ているアイドル衣装は無残にも胸元から腹部までを斬り裂かれてしまった。

 

――財前葵 LP4000→3600

 

「この瞬間、【フォッグ・シティ】の効果が発動しマ~ス! 葵さんに、レイプカウンターを1つ乗せさせてもらいますよ~!」

 

「うあっ……!?」

 

 レイパーの手で服を斬り裂かれ、アオイ同様に胸元から腹部にかけての肌を曝け出す私に対して、【狩場に潜むレイパー】が再びナイフを振るう。

 私の下腹部の部分に横一線に切り傷を刻んだ彼は、ニタリと満足気に笑うと自分フィールドへと飛び退いていった。

 

「オ~! 葵さん、輝いてますよ~! 今、あなたは、サイッコーに可愛いデ~ス! やっぱり女の子はいじめられてたり、可哀想な目に遭ってる時が一番可愛いデスよね~!」

 

「くっ、趣味の悪い……!!」

 

 デュエルの戦術については何も言うつもりはないが、ソーガスキーの個人的な趣味に関してなら話は別だ。

 レイプされて可哀想な目に遭う女の子が可愛いだなんて冗談じゃないと思いつつ、実際にそれを現実世界ではやらないところにしっかりと彼が理性を働かせている部分を感じ取った私の前で、彼は自分のターンを締めに入った。

 

「ワタシはここで【フォッグ・シティ】の2つ目の効果を発動し、手札を捨てることでデッキからカードをサーチしマ~ス! そのカードを伏せ、ターンエンドです!」

 

「私のターン! ドロー! ……やられたわ。私に先攻を譲ったのも、自分のデッキの持ち味を活かすため……あなたのデッキは守りに入ると脆い。先に攻撃を仕掛けられる後攻の方が有利に立ち回れるものね」

 

「ごめんなさ~い。ですが、葵さんを可愛くしたくて仕方がなかったんデ~ス!」

 

 なかなか小癪な手を使うものだが、そんなことは関係ない。

 反則を犯したわけではないのなら、それも立派なタクティクスの1つ。ソーガスキーが恥じる必要など何もないのだ。

 

 まあ、先の台詞を悪意無しに言えてしまうその神経だけはよくわからないが……それでも、今はエロデュエルに集中すべきだと考え、私は自分のプレイングを開始する。

 

「さて、さっきのバトルでカウンターが乗ったのは私だけじゃないわ! 【エロティックスター アオイ】を攻撃したあなたのモンスターにも、魅了(チャーム)カウンターが乗せられている! 相手の場のモンスター全てに魅了カウンターが乗せられている時、【エロティックアピール チャーミングパス】は発動出来る! このカードの効果で、私の【エロティックスター】モンスターはダイレクトアタックが可能になるわ!!」

 

「ホワッツ!? モンスターを無視して、ワタシに直接攻撃を!?」

 

「更に手札から【エロティックスター バイラ】を召喚! その効果を発動させてもらうわ!!」

 

―――――

 

エロティックスター バイラ

ATK1800 DFE1000 レベル4 サイバース族 淫属性

 

(1)このカードが召喚に成功した時、相手フィールドに存在する魅了カウンターが乗ったモンスター1体を指定する。

このカードが場に存在している限り、そのモンスターは攻撃することが出来ない。

 

―――――

 

『はぁぁぁぁ……!!』

 

『うごぉぉぉっ!?』

 

「オウマイガッ!? ワタシのモンスターがぁっ!?」

 

 白い包帯で全身をぐるぐる巻きにしたマミーのようなモンスター【エロティックスター バイラ】が腕を伸ばせば、そこから伸びた包帯が【狩場に潜むレイパー】へと巻き付いていった。

 彼女の腕から豊満な胸にかけての包帯を全て飛ばし、大きな乳房が丸見えになるまで自身の衣類を使ったバイラの効果によって、ソーガスキーのモンスターは全身を拘束されて動けなくなってしまっている。

 

「さあ、行くわよ! まずは【エロティックスター アオイ】でダイレクトアタック!! 【エロティック・プッシープレス】っ♡」

 

『ファンサービスの時間よ~♡ ええ~~いっ♡』

 

「ぶふおっっ!?」

 

 大股を広げて自分の性器でソーガスキーの顔面を押し潰したアオイは、恥ずかしそうに笑いながら彼の顔面の上で腰をくねらせた。

 ダメージはあるもののそれ以上に幸せな体験が出来ているであろう彼に対して、私は続けての攻撃を繰り出す。

 

「次! 【エロティックスター バイラ】でダイレクトアタック!!」

 

『はああっっ!!』

 

 今度は爪先から臀部にかけての包帯を飛ばし、ソーガスキーを攻撃するバイラ。

 これで完全に彼女の体からは衣類がなくなり、全裸を晒してしまうことになったが、彼女がそのことを気にしている素振りは見えない。

 

 2体のモンスターの連撃が通れば、合計で2900ものダメージを与えられる。

 残りLPは1100。これなら、レイプカウンターを乗せられることを覚悟で一気にソーガスキーにダメージを与えれば決着をつけられる範囲だ。

 

 しかし、そんな私の思惑を砕くようにして、顔の上からアオイを跳ね除けたソーガスキーは大きく息をすってからリバースカードの発動を宣言する。

 

「致し方ありませ~ん。手札を1枚捨て、『迅速なテープギャグ』を発動しマ~ス!!」

 

―――――

 

迅速なテープギャグ

罠カード

 

(1)自分の場に【レイパー】モンスターが存在し、相手モンスターが攻撃を宣言した時に手札を1枚捨てて発動出来る。そのモンスターにこのカードを装備カード扱いで装備させる。

 

(2)このカードを装備したモンスターの効果は無効化され、攻撃も表示変更も出来ない。

 

―――――

 

『ヒャハハハハハハハッ!! ハッハーーッ!!』

 

『もがっ!? むぐぅっ!!』

 

 自分の体に巻き付く包帯を手にしたナイフでかき切った『狩場に潜むレイパー』が、俊敏な動きでバイラに接近するとその口に粘着質なテープを張り付けた。

 不意打ちを受けたバイラは攻撃を中断させ、呼吸が出来ないとばかりに口のテープを剥がすことに集中し始めたことで他の行動が何も出来なくなってしまう。

 

「ちっ、一気に大ダメージを与えられるチャンスだったのに……!」

 

「あ、危なかったデース。本当は【エロティックスター アオイ】の効果を無効化しようとしたのデスが、バイラが強力過ぎました……」

 

――河合・ソーガスキーLP4000→2700

 

「……私はこれでターンエンドよ」

 

「オー、ではワタシのターンです! やられた分のお返しは、きっちりさせてもらいま~す!!」

 

 やる気十分、といった様子のソーガスキーは、早速ドローしたカードを召喚してきた。

 

「【凸撃レイパー】を召喚! 装備魔法【犯罪記録-レイプ・トロフィー】を装備して、そのままバトルフェイズに移りマ~ス! 【凸撃レイパー】の効果で、プレイヤーにダイレクトアタック!!」

 

「きゃっ!? あぁああああぁあああっっ♡♡♡」

 

―――――

 

凸撃レイパー

ATK800 DFE0 レベル3 獣族 風属性

 

(1)このカードの正面に相手のモンスター・魔法・罠カードが存在しない場合、このカードは相手プレイヤーに直接攻撃をする事ができる。

(2)このカードが攻撃する場合、相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠カードを発動できない。

 

―――――

 

―――――

犯罪記録-レイプ・トロフィー

装備魔法

 

(1)このカードを装備した「レイパー」モンスターが相手に戦闘ダメージを与えた時、自分フィールド上にレイパーズ・トロフィー・トークン(悪魔族・闇・星1・攻/守100)1体を特殊召喚する。

このトークンは自分フィールド上にトークン以外の「レイパー」モンスターが存在する限り戦闘では破壊されず、チューナーとして扱う。

また、「レイパー」モンスターが相手モンスターを破壊することで相手に戦闘ダメージを与えていた場合、破壊したモンスターと同じレベルで特殊召喚される。

 

―――――

 

 血走った眼をした、狂気の笑い声を上げ続けている男が、私のことを押し倒す。

 裂けた服を完全に引き千切り、私を全裸に剥いた【凸撃レイパー】は、そのまま怒張したおちんぽを私のおまんこへといきなり叩き込んできた。

 

「あぁあああああっっ♡♡♡ いきなりっ♡ はげっ、しいいっ♡♡♡ あっっ♡♡♡ うそっ♡ こんな乱暴なのに、きもちいいっ♡♡♡」

 

『ウヒャヒャヒャヒャヒャヒャッ! ヒヒヒヒヒィイイッ!!』

 

 後ろから、犬のように四つん這いの体勢を取らされた私を犯すレイパー。

 テクニックもへったくれもない、私のことをオナホか何かとしか思っていないであろう乱暴なその腰使いでも、エロデュエルの中では快感をしっかりと味わえるようになっている。

 

 がつん、がつんとお尻に腰を叩き付けられ、奥の方までおちんぽを捻じ込まれ……乱暴で激しいレイプに慣らされてしまった私は、あっという間にその快感に甘い声を漏らすようになってしまう。

 

「はあぁあっ♡ こんな、レイプなのにぃっ♡♡♡ 激しくて乱暴なピストンで、興奮しちゃうっ♡ ああぁっ♡♡♡ だめっ♡ イクぅ♡ イっちゃううぅうぅうっっ♡♡♡ ああぁあああああああっっ♡♡♡」

 

『ウヒュウウウウウウゥウッッ!!』

 

 最後の瞬間、【凸撃レイパー】は私の体に覆い被さり、全てを飲み込むようにして背後から抱き着いてきた。

 そのままごりごりと奥の奥までおまんこを抉られ、子宮口にぴったりと亀頭を押し付けられた状態で射精を行われた私は、お腹の中で弾ける精液の熱さと勢いに負け、絶頂へと押し上げられてしまった。

 

「あ、あぁぁ……♡♡♡ う、う……っ♡♡♡」

 

 膣内射精され、ぐったりと力なくその場に投げ捨てられた私は、レイプされた直後の悲惨な姿を【凸撃レイパー】が装備していたポラロイドカメラによって撮影される。

 性器から白濁としたザーメンを大量に溢れさせ、半泣きの表情をしている私の姿を映す写真を配下のモンスターから受け取ったソーガスキーは、ニンマリと笑うと嬉しそうな声を漏らす。

 

「とってもとっても素敵ですよ、葵さん……! この悲惨で儚げで卑猥な姿! これこそが女性が最も輝く姿デース! さあ、宴を続けましょう! 【狩場に潜むレイパー】で【エロティックスター アオイ】を攻撃!!」

 

『きゃああああっっ!?』

 

「あんっ♡♡♡ はぁああああっっ♡♡♡」

 

 モンスターにレイプされ、強制的に絶頂させられたとしても、私に休む暇はない。

 分身モンスターである【エロティックスター アオイ】に対しての凌辱が開始された途端、彼女が感じている快感が私に流れ込んでくるのだ。

 

 先の【凸撃レイパー】の攻撃によって、私の体に刻まれたレイプカウンターの数は1画増えている。

 合計400ポイントの攻撃力ダウンを食らっているアオイとソーガスキーのモンスターとの攻撃力の差は800。

 2連続のレイプ攻撃によって、私は一気に1600ものダメージを負うことになってしまった。 

 

――財前葵 LP3600→2000

 

『やっ、やめてぇっ♡ レイプ写真ばら撒かれたら、アイドル出来なくなっちゃううっ♡ AV堕ちしちゃうからぁっ♡ もうズボズボしないでぇっ♡』

 

「あんっ♡♡♡ おくっ♡ 深くまでぇっ♡ おうっ♡ んおっ♡ あひぃいっ♡」

 

 アオイと私がお揃いの嬌声を上げ、腰を震わせる。

 びちゃびちゃと音を立てて射精されたザーメンと共に愛液を噴き出す私と、ぐちゅぐちゅといやらしい音を響かせながらおちんぽを抽送されるアオイの声は快楽に染まりきっていて、レイプという非道な犯罪行為の被害を受けているのに、性感を感じてしまうという背徳感が胸をくすぐってきた。

 

『だ、だめぇっ♡♡♡ おちんぽ、奥まできてっ……♡♡♡ あぁああああああああああっ♡♡♡ 射精されてるうぅうっ♡♡♡ レイプでナカダシされちゃってるうぅうっ♡♡♡ 赤ちゃん、出来ちゃうよぉ……っ♡♡♡』

 

「あぁあぁあああっ♡♡♡ はあぁああああああああっっ♡♡♡」

 

 やがて、私にとっては2度目の膣内射精の快感が子宮に響き、甲高い悲鳴を上げて私たちは同時に達した。

 また1画、私の下腹部にはレイプカウンターの量を示す線が刻み込まれ、それが私のモンスターたちから抵抗する力を奪っていく。

 

「こ、これで、あなたのモンスターたちの攻撃は終わった。次は、私のターンよ……」

 

「フ、フフフフフ……!! 残念ですが葵さん、まだワタシのバトルフェイズは終了していませ~ん!」

 

「えっ……!?」

 

「【犯罪記録‐レイプ・トロフィー】を装備したモンスターが相手プレイヤーにダメージを与えた時、自分のフィールドにレベル1の【レイパーズ・トロフィー・トークン】を特殊召喚します! このモンスターは自分の場に他の【レイパー】モンスターが存在する時、チューナーモンスターとなる!!」

 

「……まさか!?」

 

「そう、そのまさかデ~ス! 速攻魔法【グレー・フォッグ・シンクロ】を発動!! LPを500支払い、自分の場の【レイパー】モンスターのみを素材として、シンクロ召喚が出来る! ワタシはレベル4【狩場に潜むレイパー】とレベル3【凸撃レイパー】に、レベル1の【レイパーズ・トロフィー・トークン】をチューニング!!」

 

――河合・ソーガスキーLP2700→2200

 

 3体の【レイパー】たちが、深く立ち込める霧の中へと消えていく。

 その中でおぞましい何かが膨れ上がっていく感覚に拳を震わせる私の前でソーガスキーが召喚の口上を叫んだ。

 

「濃霧の街に語り継がれる悪夢よ! 今こそ、その伝説の復活を告げ、全ての女を跪かせよ!! シンクロ召喚! 暴虐と淫蕩の怪人! 【語り継がれる悪夢‐レジェンドレイパー】!!」

 

『グハハハハハハハハーーッ!!』

 

―――――

 

語り継がれる悪夢‐レジェンドレイパー

ATK2400 DFE0 レベル8 悪魔族 闇属性

チューナー+チューナー以外の「レイパー」モンスター

 

(1)このモンスターがシンクロ召喚に成功した場合、シンクロ召喚に使用したチューナー以外のモンスターの効果を得る。

 

(2)このモンスターが相手モンスターを戦闘で破壊した場合、自分フィールド上にレイパーズ・ペット・トークンを1体特殊召喚する。このトークンは破壊したモンスターと同じ種族・属性・星・攻/守を持つ。

 

―――――

 

「バトルフェイズ中のシンクロ召喚……ということは!」

 

「ザッツ、ライト!! レジェンドレイパーには攻撃権がある! そして、レジェンドレイパーはシンクロ召喚に使用したチューナー以外の【レイパー】モンスターの効果を得るという効果を有していマ~ス」

 

「!?!?!?」

 

 つまり、今召喚されたレジェンドレイパーは、【凸撃レイパー】のダイレクトアタック能力と相手の魔法・罠カード使用を禁止する効果に加え、【狩場に潜むレイパー】の攻撃力上昇効果も有しているということになる。

 攻撃力2900のモンスターによるダイレクトアタックを受ければ、私のLPは0……敗北が決定し、私はこの男の言いなりになってしまうだろう。

 

「フフフフフ……! いいですよ、葵さん。その絶望に満ちた表情が見たかった! ワタシの望みは、あなたを永遠の責め苦によって彩り続けること! このデュエルの決着がその第一歩……!! 可哀想で可愛い女の子としての姿を、ワタシに見せ続けてくだサ~イ!!」

 

 勝利を確信したソーガスキーが恍惚とした表情を浮かべながら言う。

 そうした後、万全の体制を期した彼はレジェンドレイパーに命じ、私にトドメを刺すべく最後の一撃を繰り出してきた。

 

「【語り継がれる悪夢‐レジェンドレイパー】でダイレクトアタック! 終わらぬ悪夢に沈め! 【レイパーズ・ナイトメア】!!」

 

『ギャハハハハハハハッ! ヒーーッヒッヒ!!』

 

 両手が鍵爪になっているモンスターが、私へとその魔の手を伸ばす。

 伏せてあるカードも、モンスターの壁も突破して、私を犯すべく目前にまで迫ったレジェンドレイパーの姿を見つめた私は、そんな私をご満悦の表情で眺めているソーガスキーと目を合わせると……逆に、微笑み返してやった。

 

「ホワッツ……? 何故、笑って……?」

 

「こういうことよ! 手札から【エロティックスター ボディガード】を特殊召喚! レジェンドレイパーの攻撃対象を、このモンスターに変更させるわ!」

 

―――――

 

エロティックスター ボディガード

ATK0 DFE0 レベル1 機械族 光属性

 

(1)自分の場に【エロティックスター】モンスターのみが存在している場合、相手モンスターの攻撃宣言時に発動出来る。

このモンスターを自分の場に特殊召喚し、相手モンスターの攻撃対象をこのカードに切り替える。

 

(2)このカードの効果はデュエル中1回のみ使用出来る。

 

―――――

 

「あ、アンビリィバボーーッ!? ワタシのフィニッシュホールドが、ガードされて……!?」

 

「【凸撃レイパー】の効果対象は魔法と罠カードのみ、モンスターカードの効果発動は妨害出来ないわ! これで、レジェンドレイパーの攻撃は私からボディガードへと移った!! ダメージは受けないわ!!」

 

「お、お……オーマイ、ゴーーッド!!」

 

 レジェンドレイパーによって破壊された【エロティックスター ボディガード】と同じ能力値を持つトークンがソーガスキーの場に特殊召喚されるが、攻守0のモンスターではこれ以上どうしようもないだろう。

 手札も使い切り、完全に手打ちになったソーガスキーは、ターンエンドを宣言すると共に呆然とした表情で呟く。

 

「あ、ありえない……ダイレクトアタックを宣言された葵さんの表情は、本気で絶望に染まっていた。それなのに、手札にあんなカードがあるだなんて! あの表情が演技だったとでもいうのデスか!?」

 

「ええ、その通りよ。期待を裏切っちゃって悪いけど、ぜ~んぶお芝居♡」

 

「ホワイ!? どうして、そんな真似を……!? 駆け引きが存在したならともかく、あの場面でそんなことをする必要はなかったというのに……」

 

「そんなの決まってるじゃない。このエロデュエルを観てくれている人たち全員を楽しませるためよ」

 

「ワッツ……?」

 

 私の言っている意味がわからないとばかりに顔を顰めるソーガスキー。

 そんな彼に対して、私はエンターテインメントとしてデュエルに臨む者としての心構えを語る。

 

「私たちが目指しているのは、大舞台に立ってデュエルをするプロのデュエリスト。そのためには強さは勿論だけど、それ以上に観客や対戦相手を楽しませるパフォーマーとしての実力も必要でしょう? 何の興奮も、盛り上がりもないエロデュエルに誰が興奮してくれるの? そこに本気の感情を乗せて、相手や観客を騙すくらいの演技で度肝を抜かなきゃ、そんなのただのポルノ映像と同じよ! 本気のデュエル、本気のエロス……そのどちらもを兼ね備えるパフォーマンスこそが、エロデュエルの真の魅力じゃない!!」

 

「え、エロデュエルの、真の魅力……!! 観ている者たちを、楽しませる……!!」

 

「……まあ、今は観客なんか1人もいないんだけどね。でも、あなたという対戦相手を楽しませるために全力を尽くさせてもらったわ。さあ、ここからはクライマックスよ! 敗北の悔しさを忘れるくらい、最高に楽しいエロデュエルを見せてあげるわ!!」

 

 高らかにそう宣言した後、満面の笑みと共にウインクを一撃。

 それでソーガスキーの心を打ち抜いた私は、自分の場に存在するモンスターを指定して切り札の召喚サーキットを構築する。

 

「出てきて! エロスと光のサーキット!! 召喚条件は、【エロティックスター】モンスターが2体以上! 私は【エロティックスター アオイ】と【エロティックスター バイラ】の2体をマーカーにセット!!」

 

『はぁぁ~~いっ……♡♡♡』

 

『むっ、ぶぐっ……♡』

 

 レイプによる被害を受けたアオイと、全裸になって口を粘着テープで塞がれているバイラが、天空に浮かぶ巨大なマーカーへと飛び立つ。

 サーキットからあふれる光の奔流と共に真っ直ぐに伸びたスポットライトを浴びながら場に召喚されたモンスターが立ち上がれば、この場の空気が何処か不思議な高揚感に包まれていった。

 

「さあ、ショータイムよ! リンク召喚! 幻想と淫靡なる舞台の支配者! 現れて、リンク2! 【エロティックスター ブルーマジシャン】!!」

 

『ふふふ……♡ よ♡ろ♡し♡く♡ ちゅっ♡』

 

―――――

 

エロティックスター ブルーマジシャン

ATK1800 リンク2 魔法使い族 淫属性

『リンクマーカー 下 右下』

 

(1)このカードがリンク召喚に成功した場合、相手フィールド上に存在するモンスター2体までに魅了カウンターを乗せることが出来る。

 

(2)このカードが場に存在する限り、相手の場の魅了カウンターが乗っているモンスターの攻撃力・守備力は入れ替わる。

 

(3)1ターンに1度、相手の場の魅了カウンターが乗っているモンスター1体の表示形式を変更することが出来る。

 

―――――

 

「更に、魔法カード【エロティックスター♡ソロライブ】を発動! ブルーマジシャンの攻撃対象を相手モンスター全員にするわ!」

 

「ワ、ワタシの場には、ブルーマジシャンの効果で攻撃力が0になったモンスターが2体……! 彼ら2体にブルーマジシャンが連続で攻撃出来るということは!!」

 

「合計2400ダメージであなたのLPが尽きるってことよ!! 【エロティックスター ブルーマジシャン】で攻撃! 【ブルーハーレム♡マジック】っ!!」

 

『うふふふふ……♡ いっくわよ~♡』

 

 胸元が開き、局部の部分の布が消滅しているバニーガールのようなマジシャン衣装を纏ったブルーマジシャンは、杖を一振りすると一気に数名の分身を作り出した。

 彼女たち全員がソーガスキーのモンスターへと殺到し、攻撃力が0になったおちんぽへとその手を伸ばす。

 

『うふふ……♡ 可愛いおちんぽ♡ いっぱい気持ちよくしてあげるわね……♡♡♡』

『シコシコ♡ シコシコ♡ ほら、気持ちいいでしょ~♡ レイプなんてやめて、女の子に負けちゃいなさいよ♡』

『あっ♡ びくびくしてきたっ♡ イっちゃうの? 攻撃力0おちんぽで情けなく射精しちゃうの? ……いいわよ♡ 思いっきりだしちゃいなさい♡ レイプ魔おちんぽ、マジシャン手コキで成敗されちゃいなさいっ♡』

 

『ウオオオオオオオオォォォ……!?』

 

 無数のブルーマジシャンたちにおちんぽを扱かれ、耳元で甘く苛烈な台詞を吐かれ続けたレジェンドレイパーは、あっという間に敗北を認めてしまったようだ。

 今の彼は、私にダイレクトアタックを仕掛けてきた時の恐ろしさは薄れ、小娘たちに群がられて腰を痙攣させる情けない男としての姿を晒し続ける存在でしかない。

 

 やがて、数多の女性を犯し尽くしてきた凶悪なレイプ魔おちんぽから、申し訳程度の精液が解き放たれた後……手に付着したそれを蠱惑的に舐め取ったブルーマジシャンは、消滅していく彼をニンマリと嘲笑った。

 

『なっさけない射精……♡ クソザコちんぽ、お疲れ様でした~♡ 次はもうちょっと頑張ってよね♡』

 

――河合・ソーガスキーLP2000→0

――WINNER 財前葵

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ワタシはこれまで、自分だけが楽しめるエロデュエルをし続けていました。学校側からあまりにも残虐なレイプ行為を咎められていたのにも関わらず、自己中心的なプレイングとパフォーマンスに拘り続けた……エロデュエルとは、エンターテイメントでなければならない。観客たちを楽しませるどころかドン引きさせるデュエルに価値などないという大前提を、ワタシは忘れていたようデス」

 

 デュエルが終わり、バイブパンツのリモコンを私に手渡したソーガスキーは、自分のこれまでを顧みながらぽつりと呟く。

 膣内に挿入されていた異物感から解放された私は、そんな彼の独白を聞き続け、心境の変化を語る彼の話に耳を傾けてあげた。

 

「これからはワタシもみんなと楽しめるエロデュエルを模索していきマス。観客の皆さんを熱狂させられるエロデュエル……女の子がレイプされる可愛い姿を無理なく見ていただけるワタシなりのエロデュエルを模索していきますね!」

 

「あ、その部分は変わらないのね……まあ、頑張りなさい。あなたが自分なりのエロデュエルを見つけられたら、その時はまたデュエルしましょう」

 

「イエース! ワタシもまだまだでした! 頑張って女の子をレイプしていきマース!!」

 

 どこからどう聞いても犯罪者の言葉としか聞こえない台詞に苦笑しながら、私は大きく伸びをする。

 随分と時間を食ってしまったなと時計を確認して思った後、既に試験を終わらせているであろう仲間たちと合流するために教室へと戻る道を歩き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

デュエロアカデミア特別クラス 特別授業結果報告

 

天上院明日香

十六夜アキ

神月アンナ

セレナ

財前葵

 

上記五名を対象とした選抜男子生徒とのエロデュエルは、彼女たちの全勝という結果に終わった。

男子たちも彼女たちのエロデュエルを経て意識を改善し、より精進していくことを誓った模様。

 

彼女たち特別クラスの実力は既に我々の想像を超える域にまで達しており、セックス次元の常識にも十分に適応している。

青羽社長が提唱する『女性エロデュエリストによるエロデュエル界の改革計画』を次のステージに進める準備は万端であり、彼女たちの活躍の場を広げる時が来たのではないかとデュエロアカデミアは考察しています。

 

是非とも、特別クラスの『デュエルリーグ』への参加を認めてくださるよう、お願い申し上げます。

 

追記・そのために必要なライセンスの取得は特別授業で行う予定です。

 

デュエロアカデミア 教官一同より

 




次回予告

アキ「無事、特別クラス全員が試験を合格したわね。私たち、着実に力を付けられてるみたい」

明日香「この狂った次元に慣れつつあるのが少し怖いけど……ここまできたら開き直るしかないわよね」

葵「アカデミアの先生たちも、私たちを次のステップに進めようって話をしてるみたいよ。次のステップ……どんなことをするのかしら?」

セレナ「何が来ようとも関係ない! 私は勝ち続ける……それだけだ!!」

次回『ライセンス取得! デュエル塾でアナル開発!?』

アンナ「おい、ちょっと待て! なんかスルー出来ない単語出てきたぞ!? 本当に大丈夫なのか!?」



最強カード紹介

エロティックスター ブルーマジシャン
ATK1800 リンク2 魔法使い族 淫属性
『リンクマーカー 下 右下』

(1)このカードがリンク召喚に成功した場合、相手フィールド上に存在するモンスター2体までに魅了カウンターを乗せることが出来る。

(2)このカードが場に存在する限り、相手の場の魅了カウンターが乗っているモンスターの攻撃力・守備力は入れ替わる。

(3)1ターンに1度、相手の場の魅了カウンターが乗っているモンスター1体の表示形式を変更することが出来る。

―――――

今日の最強カードは、【エロティックスター】が誇るアイドル奇術師【エロティックスター ブルーマジシャン】よ。

相手の場のモンスターの能力値や表示形式を変更させる、ちょっとトリッキーな能力を持っているわ。

可愛くてちょっとエッチなマジシャンのショーに見惚れてたら、あっという間に負けちゃうわよ♡

……え? この子も胸が盛られてないかって? あなた、話があるから後でゴミ捨て場に来なさい。命令よ。



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ライセンス取得! デュエル塾でアナル開発!?

デュエル要素皆無です。あと、んほぉ系の喘ぎ声が多発します。

軽く設定を読むだけで十分なお話なので、そういうのが苦手な方は無理して読まずに飛ばしちゃってください!


 

「次のステップ、ですか?」

 

「ああ、そうだ。そろそろ君たちも、活躍の場を広げるべきだと思ってな」

 

 朝一番に鰐島学園長に呼び出された私たちは、学園長室で喜ばしいと思える話を聞いていた。

 特別クラスの活動を次のステップに移す、という彼の言葉に誰もが前のめりになる中、学園長は落ち着いた口振りで話を続ける。

 

「君たち全員のエロデュエル用デッキの完成からそう時間は空いていないが……その間、君たちはレイドデュエルのクリアやデュエロ・アカデミアでの自分たちの体の賞品提供、更には教員たちが見繕った腕利き男子生徒とのデュエルに全勝するなど、見事な活躍を続けている。もはや、君たちの実力は疑うまでもない。それに相応しいステージを用意すべきだ」

 

「それはつまり、プロの世界に飛び込む時期が来たということですか?」

 

「いやいや、流石にそこまではいかないさ。君たちと同年代の少女がトッププロとして活躍しているという実績はあるが、明日香くんたちはまだこの世界に来て日が浅い。それに、青羽社長もじっくりと君たちを育成してからプロの世界に送り込みたいとお考えのようだしな」

 

「君たち特別クラスに挑戦してもらうのは、セミプロが集まりしのぎを削る世界……『デュエルリーグ』だ」

 

「デュエルリーグ……!? それって、いったい……?」

 

 鰐島学園長から話を引き継いだ進藤先生は、私たちに資料を見せながらデュエルリーグについての解説を行ってくれた。

 

「『デュエルリーグ』とは、エロデュエル協会が運営している大会やイベントの総称のようなものですかね。公認のデュエル塾や各アカデミアの部活動など、プロではないエロデュエリストたちが集い、互いの実力を高め合う場でもあります」

 

「あ、それ、少し聞いたことあります。確か、ランクが1~10で分かれているとか……?」

 

「その通りです。デュエルリーグに参加するデュエリスト及びその団体は、最初は最低ランクの1からスタートすることになります。そこから、各大会やイベントに参加したり、リーグに参加しているデュエリスト同士の交流戦を行うことで、結果に応じてランクが上下していきます。わかりやすく言ってしまえば、アカデミアでいうレッド・イエロー・ブルーの寮分けのようなものですよ」

 

「強い者は上へ、弱い者は下へ、か……単純でいいじゃないか。それで? そこで勝ち続けると何が待っている?」

 

「高ランクのデュエリストやその所属団体には、プロとデュエルする機会や育成のための援助が受けられることになっています。また、一定以上のランクに到達しないと参加出来ない大会等もあることから、デュエルリーグでの活躍はイコールでプロの世界やスカウトから注目されることに繋がるでしょう」

 

「なるほど。つまり、これからは学校内だけでなく、学校外の相手とも戦うことが増えてくるということですね?」

 

「シンプルに言えばそういうことです。デュエルリーグには他のアカデミアの精鋭やデュエル塾の生徒たちなど、このデュエロ・アカデミアの生徒たちにも負けない強者たちが揃っています。皆さんの実力の向上には打ってつけかと」

 

「うっは~! 外の連中と戦うって聞くと、なんか本当に活躍の場が広がったって感じがするよな! おっしゃ! オレも気合い入れていくぜっ!!」

 

 アンナのその言葉は、私たち全員の意思を代表したものだ。

 これからより多くの人たちに痴態を見られると思うと恥ずかしいものがあるが、むしろそれを喜ばしく思えなくなっている自分たちがいる。

 それに、デュエリストたるものより強い相手との戦いを求めるのは自然なことであるし、色んな意味で興奮を覚えてしまうのは仕方がないことなのだ。

 

「数日後には、君たち特別クラスのデュエルリーグ加入が正式に決定されるはずだ。それまでの間に、君たちにはやっておいてもらわねばならないことがある」

 

「なんでしょうか? 何かの大会かイベントに参加するとか……?」

 

「うむ、それはな……」

 

 そこで一度言葉を切り、溜めを作った鰐島学園長の反応に少し緊張感を抱いた私たちは、彼の次の言葉に注意して耳を傾けた。

 学園長は、そんな私たちの顔を1人ずつ見回すと、真面目な表情のまま、私たちにすべきことを告げる。

 

「……()()()()()を済ませておいてもらいたい」

 

「……はい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……こ、ここね。その、私たちのお尻を、開発してもらうデュエル塾っていうのは……」

 

 翌日の午前中、私たちはデュエロ・アカデミアから少し離れた位置にあるデュエル塾『ヒップ・ビギナーズ』を訪れていた。

 

 その名前の通り、ここはお尻に関するエロデュエルタクティクスの初歩を教える場所であると共に、女性のアナル開発を行うサービスも行っているらしい。

 懇意の関係である塾長に頼んで、アナル開発を依頼したと昨日告げられた私たちは、緊張にきゅっとお尻の穴を締めながら、塾の更衣室で服を脱いでいた。

 

「それにしても、デュエルリーグに参加する条件がお尻の穴の開発ってどうなのよ? デュエルと全く関係ないじゃない」

 

「そう言わないでよ、葵。理由は昨日、しっかり学園長から説明してもらったじゃない」

 

「まあ、そうだけれどもさ……やっぱり、少し怖いと思わない?」

 

 葵の不安気な言葉に、私は何も答えない。

 確かに彼女の言うことはもっともだが、それを肯定したところで何もならないし、デュエルリーグに参加するには肛門の開発によるライセンス取得が必須条件なのだから仕方がないだろう。

 

 ……おっと、ごめんなさい。話が飛んじゃったわね。

 デュエルリーグの参加条件とか、ライセンス取得とか、その辺のことについて今から詳しく説明させてもらうわ。

 

 ライセンス……正式名称は『SEXライセンス』というのだが、これはエロデュエルにおいてそのデュエリストがどんなプレイを可能であるかを示す免許だと思ってくれればいい。

 これだけ聞いてもポカンとしてしまう人もいるだろうから、もう少し踏み込んで解説させてもらいましょう。

 

 一言でセックスといっても、その内容は多岐に渡る。

 通常のセックスに、大観衆の前で行う露出セックス。性器ではなく肛門を用いて行うアナルセックスや、他にもマニアックなプレイが色々と存在していることはみんなも理解出来るはずだ。

 

 そんなセックスの中には男女の合意があって初めて行える変態プレイも存在している。

 例を挙げるなら、糞尿を用いるスカトロや激しい暴行を伴うリョナプレイなどがそれだ。

 

 そういったプレイを行う際、互いの同意が必要なのはエロデュエルでも同じ。男性がやりたいことをやるために同意もなくそんなことをしてしまえば、女性のトラウマになりかねない。

 しかして、わざわざ対戦の度に今から自分はこういったプレイをしたいのですが、あなたは許可してくれますか? などと相手に同意を求めるのは面倒くさいだろう。

 

 そこで登場したのがこのSEXライセンス制度だ。

 

 変態的なプレイを行うデッキを使う場合、それに応じたライセンスが必要となるこの制度は、男性側の確かな技術の確保だけでなく、女性側がそのプレイを受け入れるかどうかの判断材料にもなっている。

 

 例えば、今回手に入れるアナルセックスライセンスを取得すれば、男性はアナルセックスを行うカードプールが使用可能になるし、女性はそれらのカードを使う男性デュエリストたちと対戦が可能になるといった具合だ。

 こういったSEXライセンスを持っていなければ参加出来ない大会も数多く存在し、マニアックなプレイが見たい人々はそういった大会やイベントに足を運び、それぞれの性癖を満足させているらしい。

 

 ライセンスを取得していない女性に対して、男性エロデュエリストが特殊なプレイを仕掛けることは協会のルールで禁止されている。

 更に、大会においてはリョナやスカトロなどの過激なプレイを行うカードを禁止しているものも多いらしく、SEXライセンス制度は健全なエロデュエルを行うことに一役買っているようだ。

 

 とまあ、SEXライセンス制度について軽く説明したところで、私たちがアナル開発を行う理由についての説明に入ろう。

 といっても、それは至極単純なもので、デュエルリーグに参加する女性デュエリストたちは、原則としてアナルセックスライセンスを取得する必要があるからだ。

 

 SEXの三大性癖。乳、性器、そして尻……それら全てを責め、興奮させることがエロデュエリストの技術であるが、臀部や肛門に関してはその中でもデリケートな扱いを必要とする部位でもある。

 だからといってそこを大会で責めることを禁止してしまえば、三大性癖の内の1つを欠くという見る者もプレイする者も興覚めな展開になりかねない。

 

 尻への責めを封じるということは、アナルセックスだけではなく前後の穴を同時に責める二穴セックスもまた禁じられるということであり、前の穴と胸だけでは物足りない観客たちを満足させるには肛門の解禁が必要不可欠であった。

 

 故に、エロデュエル協会はデュエルリーグ参加者たちにアナルセックスライセンスの取得を義務付けている。

 男性には尻と肛門の扱い方を習得させ、女性にはアナルセックスを始めとした変態行為を受け入れられるだけの臀部の状態を作り出すことを指定することで、三大性癖を満たすことに成功したのだ。

 

 ちなみにSEXライセンスにはほかにも色々と種類があるらしく、それらを取得することで私たち自身も使えるカードプールや参加出来るイベントも増えるらしいが……今はこのアナル開発を済ませてしまうことに集中すべきだろう。

 

 そうやって、更衣室で全裸になった私たちは、自分のデッキから分身モンスターのカードだけを抜き取ると部屋を出て、担当官が待つ部屋へと向かった。

 

「し、失礼します。デュエロ・アカデミア特別クラス5名、準備完了しました……」

 

「ああ、どうも。私がこのデュエル塾の責任者、成宮 亜門(なるみや あもん)です。今日はよろしくお願いしますね」

 

「こ、こちらこそ、よろしくお願いします!」

 

「ははは、そう硬くならないでも大丈夫だよ。ここは初心者にアナルの良さを理解してもらうための場所。設備も整ってるし、担当者の腕も確かさ。安心して、お尻を私たちに預けてくれたまえ」

 

「は、はい……」

 

 塾長である亜門さんは、思っていたよりもいい人みたいだ。

 柔和で穏やかな口調にほっとする私たちに向け、彼は部屋の奥にある巨大な機械を指し示し、言う。

 

「さあ、早速始めようか。あの機械の中に上半身を嵌めてくれたまえ」

 

「わ、わかりました」

 

 言われるがままに5つ並んだ機械の前に立った私たちは、しげしげとそれを観察する。

 巨大な輪に様々な装置がつけられたその機械は、四つん這いになってお腹の部分に輪を当てるものだということを教えてもらった私たちは、すぐさま指示に従って言われるがままにポーズを取った。

 

「……なんだか、ジャック・アトラスのD・ホイールみたい」

 

 そんな呟きを漏らすアキの声を耳にした私がそちらに意識を傾けた瞬間、機械が起動してきゅっとリングを収縮させた。

 綺麗にお腹を挟まれ、そこから抜け出すことが出来なくなった私は、上半身と下半身が分断されたかのような錯覚に陥る。

 

「う、後ろで何が行われてるのか、何もわかんねえ……!」

 

「安心してくれ、アンナちゃん。見えないからといって怖がる必要はないよ。さあ、マシンの横にホルダーがあるはずだ。そこに、君たちの分身モンスターカードを挿入してくれ」

 

「ええっと……これ、かしら?」

 

 再び、亜門さんに指示されるがままに見つけたスリットにカードを挿入すれば、急速に私の意識が遠のいていく感覚に襲われる。

 他の皆も、同じようにぐったりとマシンに囚われたまま意識を失い……次に目を覚ますと、私たちは多くの男性たちが集う、教室の中に立っていた。

 

「え? あ、あれ? ここは……!?」

 

「お待ちしていました。特別クラスの皆さんですね? ご安心ください、ここはデュエルフィールドを展開した『ヒップ・ビギナーズ』内部の一室です。あなたたちは今、それぞれの分身モンスターに意識を転化させた状態で、この教室に召喚されたんですよ」

 

「えっ!? じゃ、じゃあ、私たちの体は今、どうなって……!?」

 

「意識を失った状態で、塾長たちからアナルの開発を受けていることでしょう。こちらでは、初心者塾生の皆さんと実際にカードを使ったアナル開発を体験していただきます。あなたたちは尻を責めるカードにどんなものがあるのかを知ることが出来ますし、男性たちは実物を提示した実践的な尻責めを体験出来る。お互いにWIN-WINだと思いませんか?」

 

「な、なるほど……!! わかりました。少し驚きましたけど、そういうことなら構いません」

 

「ありがとうございます。では、改めて……」

 

 自分たちの分身モンスターに意識を転化させた私たちは、多くの男の人たちの前に横一列に並んで頭を下げた。

 教員が男性たちに私たちの紹介をする中、彼らはいやらしい風貌の美少女である私たちの胸や顔、股間部分に視線を向けっぱなしだ。

 

 そうして、軽い説明と紹介が終わった後、早速とばかりに教官が実物提示教育を開始する。

 

「では、まずは基本中の基本として、邪魔な衣類を剥ぎ取ってしまいましょう。魔法カード【強制脱衣】を発動。この効果により、彼女たちは全裸になります」

 

「んっ~~~♡♡♡」

 

 ぱぁん、と服が弾けて、一糸纏わぬ全裸を初対面の男性たちの前に晒すことになった私たちは、羞恥よりも快感を感じるようになっていた。

 既にこの恥ずかしさは味わい尽くしたし、それを楽しめるようになってもいる。胸や乳首、パイパン性器を曝け出す興奮に顔を赤らめながら、私たちは反転して男性たちへとお尻を突き出すポーズを取った。

 

「うぉぉ……! すっげぇ……!! むちむちのエロ尻とぷりっとした小尻、どっちもいいもんだなぁ!!」

 

「ケツの穴もきゅっと窄まって、可愛らしいもんだぜ。今からあれを俺たちの手で卑猥な縦割れけつまんこにすると思うと、ちんぽが自然と固くなってくるな」

 

「うへへへへ! こんな楽しい授業に参加出来るなんて、このデュエル塾に通っててよかったぜ!」

 

 欲望にまみれた視線がお尻と肛門に突き刺さる度に、ドキドキと胸の高鳴りが強くなっていく。

 これから、どんな風にお尻を気持ちよくされてしまうのだろうという期待と不安が入り混じる興奮を抱く私たちを教材として、男性たちのアナル開発授業が始まった。

 

「では、まずは基本的なコンボから解説しましょう。魔法カード【拷問浣腸】を発動、相手プレイヤーに浣腸を投入します」

 

「んおおおっっ♡♡♡」

 

―――――

 

拷問浣腸

通常魔法

 

(1)相手プレイヤーに浣腸を行う。

相手ターンのエンドフェイズ時、プレイヤーはLPを200支払うか、自ら浣腸液を噴射するかを選択出来る。

 

―――――

 

「お、おおっ♡♡♡ 冷たいのが、どぷどぷってぇっ♡♡♡」

 

「りょ、量、多くないかっ♡ んひぅおおおっ♡♡♡」

 

 巨大な浣腸器と、その内部に溜まる毒々しい液体を見せつけられたかと思った次の瞬間、私たちの肛門にズプリと音を立ててその先端が挿入された。

 初めて、出すべき穴から逆に何かを挿入されたことに対して、生臭い声が口から飛び出る。

 お腹の中に冷たい液体が注ぎ込まれる感覚に震えていた私は、猛烈な便意に襲われると共に歯をカチカチと打ち鳴らし始めてしまった。

 

「む、むりっ♡ 我慢なんて、できなっ♡」

 

「出したい、けどぉっ♡♡♡ こんなっ、沢山の人の前で、お尻から出すだなんてのもむりぃっ♡♡♡」

 

 ぐぎゅるる、ぐるるるる、と下品な音が私たちのお腹から鳴る。

 この苦しみから解放されたいという思いと、ソリッドビジョンの肉体とはいえこんなに大勢の人間の前で排便する姿など見せられないという思いがぶつかり合い、猛烈な便意によって思考が掻き回される。

 

 ぶるぶると5つ並べたお尻を震わせる私たちであったが、担当教官はそんな私たちに更なるカードを使用してきた。

 

「では、ここで新たに【アナルプラグの罠】を発動しましょう。これにより、相手プレイヤーに3ターンの間、絶対に抜けないプラグを装備させることが出来ます」

 

「んぎぃいっ♡♡♡ お? おぉぉぉぉ……っ♡♡♡」

 

 ずぶんっ、と浣腸よりも深い音がした。

 お尻の穴が塞がれる感触を覚えた私たちは、猛烈な便意に負けて肛門を膨らませて浣腸液をひり出そうとするも、お尻の中で膨らんでしまったアナルプラグはどんなに力んでも肛門から抜けてはくれない。

 

 結果として、私たちは強制的に猛烈な便意に耐え続ける選択肢を取らされることになり、その苦しみに私たちの体からは大粒の汗が噴き出し始める。

 

「あ、ぐぅ……っ♡ んぎぃいいいっ♡」

 

「はっ♡ はっ♡ はあっ♡ くる、しぃ……っ♡♡♡ お腹、ぎゅるぎゅるってぇっ♡ だしたいっ♡ ださせてよおっ♡」

 

「……とまあ、このように2枚のカードを組み合わせることで、相手に確実に600ポイントのダメージを与えつつ、便意を堪えさせることでプレイングミスを誘発出来るというコンボが出来上がります。基礎的なコンボとして、皆さんも覚えておいてください」

 

「う、あぁ……♡ 出したいのに、出せないことがこんなに辛いとは……っ♡♡♡ これが、肛門責めのタクティクスということかっ♡♡♡」

 

 正直にいって、舐めていた。アナルを責めるというのは、変態行為を強要することで相手の心を揺るがすことが目的であって、慣れてしまえばどうってことのないプレイだと思っていたからだ。

 だが、私たちは理解する。排泄願望というのは、人間がどう足掻いたって逆らえない代物だということを。

 どれだけ恥ずかしかろうとも、相手の術中に嵌ることを理解していても、この苦しみから解放されるのならばどうなったって構わないという思いが便意の盛り上がりと共に膨れ上がっていった。

 

「……そろそろ時間ですね。皆さんはこちらへ。美少女たちのアナル決壊を眺めるのに、最適なポジションですよ」

 

「ん、おおっっ♡ おおおおおおっっ♡」

 

 ぷくっ♡ ぷくっ♡ と肛門が膨れる。

 アナルプラグの栓はその強制力を失い、排便の自由を取り戻した私たちは、何を考えるよりも早く腹と肛門に力を籠め、溜まりに溜まった便意を解放すべく大声で叫ぶ。

 

「「「「「んおおぉおぉおぉおおおぉおおおぉおおおっっ♡♡♡」」」」」

 

 5つ重なる、獣のような生臭い声。

 ぶぽぉおおおおっ♡ と下品な排便音がそれに続いて、私たちは限界を超えて我慢させられた排泄欲を解放するという生物が逆らえない至上の快感に表情を蕩けさせる。

 

「おっっ♡ んおっっ♡ おぉぉぉ……っ♡♡♡ すご、かったぁ……♡」

 

「え、ええ……♡ 苦しかったけど、凄く気持ちよかったわ……♡」

 

「うぁぁぁ……っ♡♡♡ でも、オレ、こんな沢山の人の前でケツから……っ♡♡♡」

 

「あはは! そんなに恥ずかしがるなよ! いい見世物だったぜ! 美少女が5人揃っての浣腸液大噴射なんて、そうそう見れるもんじゃねえ!」

 

「う、うぅ……っ♡♡♡」

 

 一部始終を視姦していた男たちからの言葉に、私たちは顔を赤らめる。

 ぶすっ♡ ぶちゅっ♡ と大口を開けてまだ残っている浣腸液を噴き出す肛門の様子も見られていることにも羞恥を覚える中、教官はカリキュラムを次のステップに進めた。

 

「では、次にいきましょう。今度は皆さんが自由にカードを発動し、彼女たちのアナルを責めてみてください。特別クラスの皆さんは、勉強のために皆さんに協力してくれているということをお忘れなく」

 

「はーいっ!!」

 

 待ってましたとばかりにデュエルディスクを起動し、私たちのお尻に群がる男たち。

 その中の数名がカードを発動し、私たちは斬首台のような場所に拘束されてしまう。

 

「う、動けないっ♡ このままじゃ、私たち――♡」

 

「へっへっへ……! どの子からいく? まあ、さっきから見てて一番気になってるのは……こいつだなっ!!」

 

「んああぁっ♡♡♡ ほひぃいいいんっっ♡♡♡」

 

 バシィン、と激しい音が響いた。

 続いて聞こえてきたアキの悲鳴にも近しい嬌声を耳にした私は、男たちが彼女の尻を思い切り叩いたということに気が付く。

 

 びりびり、じんじんと痺れているであろう尻の疼きと、未だに浣腸液排泄の快感に酔い痴れているアキは、その状態で更なる快楽を与えられることで、肛門性感の虜にされつつあった。

 

「へへへ……!! でっかくて、むっちむちのエロい尻だなぁ……!! 嬢ちゃん、気付いてるか? お前が一番、お友達の中でケツの震えが凄いんだぜ?」

 

「一発でわかったよ。こいつ、アナルが激弱なんだってな! ケツの穴だけじゃねえ! このぶっ叩かれるためにあるようなデカエロ尻も、こうして弄られると気持ちいいんだろ!?」

 

「おおぉおおおっっ♡♡♡ おんっ♡ んおんっ♡ おおぉおおんっっ♡♡♡ きもひ、いひっ♡♡♡ お尻ぶたれるのっ♡♡♡ アナル穿られるのもっ♡♡♡ きもちいぃいいっっ♡♡♡」

 

 断続的に響く、スパンキングの音。

 肉付きの良いアキの尻が波打ち、男たちの手形が残されていく度に、彼女の口からは被虐的な嬌声が飛び出す。

 

 本当に、アキはお尻が弱いみたいだ。

 あっという間に痛みと羞恥が入り混じるお尻の快感に敗北したアキに対して、男たちは本格的な責めを開始した。

 

「魔法カード【媚薬漬け卵】を発動!! へっへっへ、こいつをアキちゃんのケツの穴に挿れて……っと!!」

 

「お、おんっ♡♡♡ ほぉぉぉぉ……♡ お゛んっっ♡♡♡」

 

「1つだけで満足するアキちゃんじゃねえよなぁ? たっぷり卵をご馳走してやるから、しっかりケツの穴で味わえよっ!!」

 

 1つ、2つ、3つ、4つ……男たちの手で広げられたアキの肛門に、大振りの卵が押し込まれていく。

 肛門を弾き、柔らかく蕩けたアナルを蹂躙されたアキは、ぶるぶると大きなお尻を震わせながらその余韻に浸っていたが……男たちは、そこで再び【アナルプラグの罠】を発動し、彼女の肛門に栓をしてしまった。

 

「ほ~ら、媚薬漬けの卵が5つもケツの中に入っちまったぞ~? 時間が経てば、アキちゃんの尻穴がどんどん敏感になっちまうな~?」

 

「キヒヒヒッ! こっちには山ほどカードがあるんだ。卵にアキちゃんの腸液が染み込むまで、じっくり相手してやるぜ」

 

「ああっ♡♡♡ すごいっ♡♡♡ お尻の中の異物感が凄いのぉっ♡♡♡ じんじん、じわじわ、お尻が気持ちよくなって……っ♡ 私のお尻の中で、卵が熟成されてるっ♡♡♡ これが、アナル快感なのね……♡」

 

 肛門に挿入したプラグをねっとりと弄られたり、お尻を強く揉まれたり、叩かれたかと思ったら、優しく撫でられたり……そんな、男たちの尻責めにアキがうっとりとした声で快感を示す。

 

 もうすっかり、アキはアナル性感の虜になってしまったのだなと考えた私の耳に、葵とセレナの生臭い声が届いた。

 

「んおぉおおおっ♡♡♡ ま、まだ、だっ♡♡♡ こいつにはっ♡ こいつには、負けんっ♡♡♡」

 

「私、だってぇ……っ♡♡♡ 脳筋デュエルゴリラに負けて、なるもんですかっ♡♡♡」

 

 少しだけ膨れている2人のお腹と、その横に転がっているポンプのような道具を見た私は、葵たちが空気をお尻の穴に送り込まれたのだなということを察した。

 ぷくっ、ぷくっと膨れる肛門を必死に締め、相手よりも早くに放屁してしまわないように耐える2人のことを、男たちは見世物としてゲラゲラと笑っていたのだが……。

 

「クックック……! そろそろ頃合いか? いい加減、見てるだけってのも飽きたしな……!!」

 

「2人とも、よく頑張りましたね~? ……勝負は引き分けってことで、2人揃ってこっぱずかしい屁をぶっこいちまいなっ!!」

 

「ま、待て! 貴様ら、何を――おひいぃいっ♡♡♡」

 

「やっ♡ 待ってっ♡ そんなことされたら我慢が――んへおおっっ♡♡♡」

 

――ブゥゥゥッ! ブボォオオオッッ!!

――ぷぴぃぃぃぃっ♡ ぷすっ♡ ぷぅぅっ♡

 

 男たちの張り手を受けたセレナと葵の尻が激しく震える。

 彼女たちの限界ギリギリの我慢はその一撃で崩壊し、2人の肛門は大きく開くと共にそれぞれの放屁音を響かせた。

 

 セレナは恥も外聞もないといったような下品で豪快な放屁を、葵は僅かな矜持を感じさせる可愛らしくも愉快な放屁音を、それぞれが男たちの耳に聞かせながら、恥ずかしそうにお尻を震わせている。

 

「ふへへへへへっ! セレナちゃん、女の子捨ててるなぁ! 馬鹿みたいにデカい屁をかますじゃねえの!」

 

「葵ちゃんはまだ可愛いおならだったねえ! でも、人前であんなに派手なおならをしてる時点で女の子としては最低だよ!!」

 

「ぐっ、ううぅ……♡」

 

「言わないで、いわ、ないでぇ……♡」

 

 羞恥と放屁の快感をたっぷりと味わわせ、屈辱と共に肛門での快楽を2人に刻み込む男たち。

 彼らの言葉に流石のセレナと葵も顔を真っ赤にして悶え、ひくひくとお尻の穴をひくつかせている。

 

 そんな風に、仲間たちが男たちの手で肛門性感を味わわされる様を見ていた私にも、男たちの魔の手が伸びてきた。

 むんずっ、と大きなお尻を掴まれた私は、ぬるぬるとした手でお尻を揉みしだかれたことに素っ頓狂な叫び声をあげてしまう。

 

「ひゃあんっ♡ あ、ふあぁ……っ♡」

 

「え~っと? 天上院明日香ちゃん、だっけ? 君もいいケツしてるねぇ! お尻だけじゃなくて、出るところは出てて、引っ込むところは引っ込んでる、最高にエロい体つきだ!」

 

「こっちの子も凄いぞ! ちっこいのに胸と尻だけは超弩級サイズ! まるで子牛みたいな女の子だ!!」

 

「んもおぉお……っ♡ オレのケツぅ♡ じっくりむにゅむにゅ揉まれてぇ……♡ なんだか、じんわり熱くなってるよぉ……♡」

 

「【媚薬入りローション】のお味はどうだ? ちょっと触られただけでイキまくる敏感なデカケツにしてやるから、大人しく生意気なエロケツ突き出してぶるぶる震えとけよな!」

 

「はぁあぅううっ♡ んっ♡ んはぁぁ……っ♡」

 

 男たちの手がお尻を撫で、肉を揉む度に、私とアンナの口からは悩まし気な声が溢れ、全身から力が抜けていく。

 これから調理される肉に下ごしらえをしているような、そんな気軽さで私たちのお尻の防御力をガンガン下げていった男たちは、ついに全く力が入らなくなり、ぷすぷすと小さな放屁音を鳴らすようになった肛門へと中指を突き入れてきた。

 

「おおんっ♡ おほぉおっ♡」

 

「んほぁあぁ……っっ♡♡♡」

 

 ぐりぐりっ、と指を捻じ込まれ、肛門を無理やり突破される。

 あっという間に指の根元までを咥え込んだ私たちのアナルを弄ぶように指を動かし、奥を穿ったり入り口を刺激したりとしながら、男たちは私たちを言葉でも責め始めた。

 

「わかるか、明日香ちゃん? 今、君のお尻の穴には俺の指が入ってるんだ。これからハメられる指は2本、3本と増えていって、最終的にはちんぽをぶち込めるまで広げられちまうんだぜ?」

 

「ほひいぃ♡♡♡ んほぉおおっ♡♡♡ ほぉおおんんっ♡♡♡」

 

「そうなったらもう、出す穴じゃなくてハメるための穴になっちまうな。ちんぽぶち込まれて、セックスするためにあるケツの穴のことをなんていうか知ってるか? ……けつまんこ、っていうんだよ。よかったなあ、アンナちゃん。今からお友達と一緒に、ケツ穴をけつまんこに開発してもらえるぜ。思いっきり下品に、無様に、情けなく……喘ぎながら、ケツイキしちまえよ!」

 

「んおぉっ♡♡♡ おおぉおおおおっっ♡♡♡」

 

 そう言いながら男たちが新たなカードを発動する。

 彼らが呼び出したのは、腕が細めのドリルのような形状になっている人型のロボットだ。

 そのモンスターは、独特な形をしている腕の先端を私たちのアナルにあてがうと、一気に奥までを貫いてきた。

 

「んほおおぉおおおぉおぉおおおぉおおおぉっっ♡♡♡ おぉおおぉおおぉおおんっっ♡♡♡」

 

「お゛お゛お゛っっ♡♡♡ ん、おぉおおおぉおおっっ♡♡♡ ぶもぉおおぉおおおぉおっ♡♡♡」

 

―――――

 

デュエルロボ・アナル掘削型

ATK1800 DFE1500 レベル4 機械族 炎属性

 

腕部がアナルを穿るためのドリルになっているデュエルロボ。

このドリルに貫かれて性感を感じぬ者は存在しない。

 

―――――

 

「おおおおぉおおおっ♡♡♡ ふがいっ♡♡♡ ふかいぃいいいいっ♡♡♡ そ、そんなにおくまでほじられたらっ♡ んほぉおおぉおおおぉおっ♡♡♡」

 

「お、おがじぐなるっ♡ ケツのあなをほじられてるのにっ♡♡♡ すっげぇきもぢいいっ♡♡♡ んおっ♡ いぐっ♡♡♡ ケツでイクっ♡♡♡ こんなイかされかたしたらっ♡ ケツアクメ癖になっちまうよぉおっっ♡♡♡」

 

 少しずつ抽送を繰り返しながら、奥へ奥へと尻穴を穿っていくデュエルロボのドリルアームによって信じられない快感を味わわされながら、私とアンナは叫んだ。

 未知の部分を開拓される悦びと、腸壁を擦られる快感が混じり合い、鋭くはないがじんわりと響く快楽を与えてくる。

 子宮という明確な終着点がある性器とは違い、その気になればどこまでも貫かれてしまいそうなこの悦びこそがアナルセックスの醍醐味の一部なのだと、そう理解した私たちの耳に、他の醍醐味を味わう仲間たちの声が聞こえてきた。

 

「んおおっ♡♡♡ お゛お゛お゛お゛んっ♡♡♡ すご、いっ♡♡♡ ひり出す時っ♡ 肛門がぶるんって弾けるとぉ♡ 頭の中、スパークしちゃうっ♡♡♡ もっと、ひり出させてっ♡♡♡ お尻の中で卵熟成させるからっ♡♡♡ もっとたくさん、けつまんこでアクメさせてぇえっ♡♡♡ んおぉおおおっっ♡♡♡」

 

 ぶりゅんっ♡ ぶりゅんっ♡ と下品な音を響かせながら肛門から卵をひり出すアキ。

 人間が抗うことが出来ない、本能に刻み込まれている排泄の快感の虜になった彼女は、アナルセックスの最大の快感である出す時の快楽を味わい続けるかのように卵をひり出してはまた入れてもらい、肛門産卵を繰り返していた。

 

「んぎいぃっ♡♡♡ な、ぜだぁ♡ こんな、尻を叩かれてっ♡ 放屁を見世物にされてっ♡ 屈辱、なのにぃ……興奮するううぅっ♡♡♡」

 

「み、みてぇっ♡♡♡ きいてぇっ♡♡♡ 私の恥ずかしい姿っ♡♡♡ 女の子として最低の下品な音ぉ♡♡♡ もっといじめてほしいのぉっ♡♡♡ 私のお尻、みんなの玩具にしてぇぇっ♡♡♡」

 

 セレナと葵は放屁やスパンキングによる屈辱や痛みを快楽へと変換し、背徳感と倒錯が入り混じる悦びに堕ち切っていた。

 

 してはいけない、手を出してはならない……そんな禁を破ることこそが、変態セックスの大きな楽しみの1つだ。

 本来は恥ずべき行為でも、屈辱を味わう行為であっても、今はそれで悦んでしまってもいい。感じてしまってもいいという思いが、彼女たちの理性を完全に融解させていく。

 

「……素晴らしいですね。性器では味わえない奥の奥を穿たれる悦びと、羞恥と屈辱すらも快感に変えてしまう楽しみ。そして、アナルセックス最大の快楽である肛門から何かがひり出される時の悦楽を存分に叩き込んでいる。皆さん、とても優秀です。この調子でいけば、想像以上に敏感で卑猥なけつまんこが開発されるかもしれませんね……!!」

 

「んおおぉおおおっっ♡♡♡ おほぉおおぉおおぉおおぉお……っ♡♡♡」

 

「でるっ♡♡♡ うむっ♡♡♡ またイっちゃうううぅうっ♡♡♡」

 

「ほひっ♡♡♡ んもぉおおぉおっ♡♡♡ おんっ♡ おほんっ♡」

 

「あぁああぁああっっ♡♡♡ くやしいっ♡♡♡ くやしいのにっ♡♡♡ イクうぅうううっっ♡♡♡」

 

「お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛んっ……♡ んお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛っっ♡♡♡」

 

 響く5重のアナルアクメ声と、震えるそれぞれのお尻。

 無数の責めを味わい、アナルの悦びを叩き込まれる私たちの表情は、完全に無様なアヘ顔に仕上がっている。

 

 この日、私たちは掘削、羞恥、そして排泄という肛門の三大快感を存分に臀部に仕込まれ、肉体と意識のW開発によって、数時間後にはお尻を完璧に性器へと改造されてしまうのであった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 大きな私のお尻の片側に『開発済み』の大きな文字。

 もう片方にはアナルアクメを決めている無様な自分自身のアヘ顔写真が貼られている。

 そして、その中央に存在するアナルはすっかり卑猥な縦割れの形状に仕上がっており、左右の証拠と合わせてしっかりとけつまんこが完成されていることを示していた。

 

「我ながら酷い仕上がりね……デュエルリーグに参加する時、これを見せなきゃいけないって考えると気が滅入るわ……」

 

 デュエルディスクにデータとして転送され、同じくデュエルモンスターズのカードと同じサイズのライセンスとして発行されたそれこそが、私たちのお尻の開発が終了したことを示す『アナルライセンス』だ。

 これで無事、デュエルリーグに参加する準備は整ったわけだが……少しだけ、私たちは浮かない気分でいる。

 

 それはこの卑猥なライセンスを事あるごとに披露しなければならないことに対する憂鬱さだとか、初対面の男性たちの前で放屁や浣腸やケツアクメなどの信じられないくらいに下品な痴態を晒しまくってしまったことに対する後悔などもあるのだが、一番の理由はむらむらとした落ち着かない気分のせいだ。

 

 『ヒップ・ビギナーズ』では、例えソリッドビジョンの肉体が相手でもアナルセックスは行われなかった。

 学園長から厳しく厳命されているからと、そう言っていた教官の言葉を忠実に守った塾生たちも自身のペニスを私たちの挿入することはなく、完全に開発だけで終了しているお尻の穴は時間が経つにつれてうずうずと熱を持ち、疼きだしたのである。

 

 開発されたこのお尻がどれだけ気持ちよくなれるのか、試してみたい。

 肝心のアナルセックスを体験していないけつまんこを満足させるためにも、おちんぽを受け入れてみたい。

 

 そんな卑猥な考えを浮かべることにも恥じらいを感じなくなってきた私たちは、さりとてそれを言葉に出すことはせずにデュエロ・アカデミアへと帰還する。

 こうなったらもう、適当に相手を探してアナルセックスをしてみようか? などと考えながら、私たちが校門をくぐった時だった。

 

「……なんか、妙に騒がしくない?」

 

「ホントだ。何かあったのか?」

 

 アカデミアの屋外デュエル場から聞こえてくる歓声に気が付いた私たちは、眉を顰めてその異様な興奮に首を傾げる。

 今日は特に何かイベントがあった記憶はないし、ただのエロデュエルでここまで男子たちが歓声を上げるような事態になるなんてことがあり得るのだろうかと思いながら、私たちがその声の聞こえてきた方向へと歩んでいくと――

 

「……なにこれ? なんでこんなに生徒たちが集まって……?」

 

 そこには、アカデミアの全生徒が揃っているのではないかと思えるくらいの男子たちが集結しており、それぞれがあてがわれた相手とデュエルを行っている光景が広がっていた。

 驚いた私がよくよく周囲を観察してみれば、お立ち台のステージの上には『デュエロ・アカデミア男子デュエル大会』という看板が掲げられており、その横に記載されてある成績優秀者への賞品を声に出して読んだ私は、かぁっと顔に熱が帯びる感覚に襲われる。

 

「こ、今回のデュエル大会の賞品は……特別クラス全員の、アナル処女ですってぇ!?」

 

 前回大会同様に、今回も私たちの体は大会の賞品と設定されているらしい。

 しかも、開発されたてのアナル処女を賞品として提供されるという事実に驚く私は、同じく驚きを露わにする葵とアンナと顔を見合わせて相談を始めた。

 

「な、何か聞かされてた? 学園長か先生たちから、この事態についての解説は受けてた!?」

 

「いや、オレは特には……っていうか、実質的に特別クラスのリーダーみたいな立ち位置にいる明日香が何も聞いてなけりゃ、何も言われてないってことになんだろ」

 

「ってことは……これ、サプライズ企画ってこと? 少しはセックス次元に慣れてきたと思ってたけど、これは予想外だったわ……」

 

 やはり、彼女たちもこのことについての話は何も聞いていないようだ。

 ここまで大掛かりな大会についても聞かされてなかったことからも考えるに、アナル処女を大会賞品として提供することは前々から決定していたのだろう。

 

 それを敢えて黙って、私たちが帰ってきた時点で知らせるなんて……と、この趣味の悪いサプライズに唖然とする中、セレナは平然とした様子で私たちに話しかけてきた。

 

「まあ、これも我々の実績として考慮され、援助を受けられることに繋がるのならば構わないだろう。どの道、あのデュエル塾で恥はかき尽した。前にも似たようなことはあったし、今更尻の穴の処女くらいで喚くこともあるまい」

 

「セレナ、あなたねぇ……多少は恥じらいとか、そんな感情を持ったりはしないの?」

 

「デュエルに関係ないことだからな。それに、その言葉はあいつに言ってやった方がいいと思うぞ」

 

 そう言いながら、私たちがセレナが指差した方向へと視線を向けてみると――

 

「ほら……♡ どう? あなたたちが期待してたスケベなお尻になってる?」

 

「うおぉぉぉぉぉ……!! これが、十六夜さんのお尻……っ!!」

 

「むっちむちで、柔らかそうで、お尻の穴もえっちだ……!!」

 

「うふふ……♡ ありがと♡♡♡」

 

 ――そこには、いつの間にやら裸になって、男子へとに開発されたてのお尻を突き出しているアキの姿があった。

 

「く、黒薔薇の魔女の菊の花をこんな間近で見れるだなんて、俺たちは幸せ者だぁ……!!」

 

「か、開発済みってことは、ここにちんぽハメられるんだよな? あ、アナルセックス、出来ちまうのか……!?」

 

「そうよ♡ あなたたちが優秀な成績を収めさえすれば、私のお尻の穴のハジメテはあなたたちのもの……♡ 私の最初のお尻えっちの相手になりたいなら、頑張って大会を勝ち進んでね♡♡♡」

 

「うおおおおおっっ!!」

 

 ぱちん、とウインクを飛ばしながらアキが口にした言葉に、男子たちの興奮のボルテージが急激に上昇していく。

 既に羞恥とか尊厳とかを投げ打っちゃってるアキの行動に大慌てした私は、彼女の腕を掴むと急いで自分たちの方へと引き摺り寄せた。

 

「ちょっと、アキ! あなた、色々とはっちゃけ過ぎでしょう!? 幾ら何でもやり過ぎだってば!」

 

「あら、そう? どの道、賞品としてこの中の誰かに提供されることが決まってるなら、大会を盛り上げるための行動を取った方がいいと思わない? それに、彼らには裸を見られてるどころか、セックスまでした間柄なんだもの。今更恥ずかしがる方がおかしいでしょ?」

 

「それは、そうかもしれないけれど……」

 

 全裸になって男たちを盛り上げるアキは、彼女なりに考えて行動しているようだ。

 まあ、大半は頭のねじがぶっ飛んだ彼女が気持ちよくなるためにしていることなんだろうが、それでも意外と筋の通った言い分を口にするアキに圧される私に対して、彼女は続け様にこう言ってのけた。

 

「それに、どうせ今晩は眠れないわよ♡ 前のデュエル大会と同じで、全校生徒の相手をお尻の穴ですることになることくらい、想像出来るでしょ♡」

 

「うっ……!?」

 

 艶めかしいアキの言葉に硬直する私たち。

 前回のデュエル大会終了後、お風呂場に乗り込んできた男子たちと3日3晩ぶっ通しで行ったセックスを思い返した私たちは、子宮とお尻の穴をきゅんっとときめかせてしまう。

 

「……開発だけじゃ物足りないって思ってたところだし、丁度良いじゃない♡ 折角だしみんなで楽しみましょうよ♡」

 

 そう言い残して、アキは再び集まっている男たちの下へと全裸で歩み寄っていった。

 誰よりもこのセックス次元に適応してしまっている彼女の姿に唖然としながらも、その言葉に本心を突かれた私たちもまた、少し赤くなった顔を見合わせながら小さく呟きを漏らす。

 

「ま、まあ、確かにこうなった以上は開き直った方が無難というか、賢明というか……」

 

「どうせやることは変わらないんだしね。なら、男子たちを焚きつけて、大会の盛り上げに貢献したって実績を得た方が今後のためになりそうよね」

 

「とっくに裸も見られてるし、これからエロデュエルを続けてればもっと恥ずかしい姿も見られちまうんだ! うじうじびくびくしてる方がおかしいってもんだろ!」

 

「よし、脱ぐか。こんなことで新しいカードや諸々の支援が得られるだなんて、セックス次元はチョロいところだな」

 

 言うが早いが、ぽんぽんぽ~んと着ている服を脱ぎ捨てたセレナに続き、私たちも生まれたままの姿になる。

 そうして、アキと同じく男子たちの輪の中に入ると、彼らの興奮を煽るようにして開発を受けてきたお尻を振り、デュエルへの闘志を掻き立てたのであった。

 

 

 

 

 

 

 ……この後のことは、前回のデュエル大会とほぼ同じことが繰り返されただけだから割愛させてもらおうと思う。

 デュエル大会が終わり、アナル処女を捨て、その後の休日を男子生徒たちとの淫らな行為に費やした私たちのお尻の穴は、すっかり卑猥な縦割れアナルになり……おちんぽをハメられる悦びを、皺の1本に至るまで刻み込まれてしまったとさ。

 

 めでたし、めでたし……で、いいのかしら……?

 

 







次回予告

明日香「い、色々あったけど、これでデュエルリーグに参加する条件は満たしたわ! これからは校外のデュエリストとも戦うことになるんだし、気合を入れていきましょう!」

アキ「早速だけど、新規参入グループを対象とした交流会があるみたい。デュエルに勝てばランクを上げるためのポイントも手に入るみたいだし、参加しない手はないわね」

明日香「同じルーキーってことは、これからしのぎを削るライバルになる可能性がある人たちってことね……その実力、図らせてもらいましょうか!」

次回『突撃デュエルリーグ! ルーキー同士のエロデュエル!!』

明日香「どんなライバルが相手だって、簡単にイかされるつもりはないわ! かかってきなさい!」


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突撃デュエルリーグ! ルーキー同士のエロデュエル!!

お久しぶりです! やっとこさ新作が書き上がったので、続きを投稿します!
今回はリョウタロスさんからカード及びデュエリストの案を頂きました! 感謝、感謝です! (登場が遅くなって本当に申し訳ありません!)

ちなみにですが、次回はエロデュエル抜きの単純なエロ回を予定しています。
頭を使わない分、あまり時間をかけることはないと思うので、ご安心ください。
エロ回といっても箸休めとかじゃなくて普通に今後の展開(というより使うカード)にも関わってくる回だと思いますので、そこもご安心を!

では、久々のお話を楽しんでいってください!


 

「交流戦、ですか?」

 

「ええ、毎月に1回、新規にデュエルリーグに参加した団体同士で交流戦を行う機会があるんです。君たち特別クラスには、そこに参加していただきたい」

 

 例にもよって進藤先生に呼び出された私たちは、今週の土曜日に行われるというエロデュエル交流戦の説明を受けていた。

 といっても、大半が先の言葉で片付けられてしまうわけで、それ以上に解説することなどあまりないのではあるが。

 

「対戦の成績はデュエルリーグのポイントにも影響します。実力の近しい相手とデュエルし、戦績を挙げられる機会ですし、デュエルリーグがどういったものかを理解するためにも、是非とも参加してもらいたいのですがね」

 

「へえ……! いいんじゃねえか? オレもデュエルリーグの空気ってのに慣れたいし、同じ時期に参加したってことはライバルになるってことだろ? 顔合わせしておきたいじゃん!」

 

 アンナの意見に反対する者はおらず、私たち全員の意見としては肯定で固まった。

 進藤先生は大きく頷くと、土曜日に交流戦が行われる場所と時間を教えてくれる。

 

「では、そういうことで。申し訳ありませんが、我々教員は同行することが出来ません。ですが、明日香さんたちなら問題無いでしょう。楽しんできてください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――で、その土曜日。

 アンナとセレナが遅刻ギリギリに集合場所にやって来たことを除けば、私たちは概ね問題を起こさずしてその交流戦に参加することが出来ている。

 

 ……まあ、予想外の事態がなかったわけではない。

 ちらりと横目で私たち特別クラス以外の参加団体を確認した私は、心の中で小さな溜息を吐いた。

 

「え~、では、今月度のデュエルリーグ新規参入団体による交流戦を行いたいと思います。今月の新規参入団体は3つ。『デュエロ・アカデミア特別クラス』に『ちびっこデュエル教室Fクラス』、そして『デュエル道楽会』の皆さまですね」

 

「はぁ~……」

 

 そう、この参加グループが問題だった。

 てっきり、私たちと同じアカデミア生徒と近しい年齢のデュエリストが来ると思っていた私たちは、まだ小学生くらいの子供と、自分たちの父親と同い年くらいの年齢の男性たちとの間に挟まれることになって、予想外のショックを受けていたのである。

 

 デュエルリーグって、許可が下りれば誰でも参加可能なんだ……ということを強く実感しながら、再び左右をちらり。

 左のおじさんたちはまだしも、右に並ぶ子供たちがこんな過激な競技に参加してもいいものかと悩みながらも、これがこのセックス次元でのスタンダードなんだしなと納得出来るようにもなっている自分自身に戦慄しながら、司会を務める男性の話に従って、私たちはデュエルスペースへと移動した。

 

「では、早速皆さまにはエロデュエルをしていただきます。女性側であるデュエロ・アカデミア特別クラスからは2名、残りの2団体からは1名ずつ代表者を選んでください」

 

「……どうする? 誰が行く?」

 

 軽く確認のために仲間たちに声をかければ、どうにも乗り気じゃない彼女たちの反応が返ってきた。

 まあ、それもそうだろうなと考えながら、ならば取り合えず1戦目は自分が行こうと決めて、私はデュエルディスクを起動しながら前に出る。

 

 対面のスペースにまだほんの子供である対戦者が立つ姿を目にした私は、これからあんな子供といやらしい行為に耽るという背徳感に顔を染めてしまっていた。

 

「え~、デュエロ・アカデミア特別クラスからは天上院明日香さんが、ちびっこデュエル教室Fクラスからは裏野泰道(うらのたいどう)くんが代表者という形でよろしいですね?」

 

「え、ええ、構いません」

 

「よろしくお願いしま~す!!」

 

 元気いっぱい、といった様子の泰道くんの挨拶にやはり気後れしながら、純粋無垢な子供とのエロデュエルに心を痛める私。

 とにかく、出来る限り相手にトラウマを与えないようなプレイングを意識しようと心に決めてから、私たちは審判の合図に従ってデュエルディスクを起動する。

 

「では、ルールはオフィシャルルール! LP4000の1マッチで両名の試合を行います!!」

 

「明日香お姉さん! 僕、一生懸命頑張りますね! よろしくお願いします!」

 

「よ、よろしくね、泰道くん」

 

 満面の笑みを向ける泰道くんにぎこちなく挨拶を返して、デッキからカードをドロー。

 準備は整った。記念すべきデュエルリーグ初の試合がこれでは締まらないなと思いながらも、私はいつも通りのあのセリフを叫ぶ。

 

「「デュエルっっ!!」」

 

――天上院明日香VS裏野泰道 4000LP 1マッチ

 

「せ、先攻は僕からか! えっと、ドロー! は、出来ないから……え~っと……」

 

「慌てないで大丈夫よ。ゆっくり考えてプレイしてね」

 

「ありがとうございます! 明日香お姉さん!!」

 

 それなりに場数を踏んでいる私ですら、公式戦の空気に若干緊張しているのだ。小学生である泰道くんはもっと緊張しているのだろう。

 一応、ポイントの変動はあるとはいえ、ここは交流戦の場。多少はルールを緩めても問題無いし、子供相手に本気を出すような大人気ない真似はしたくない。

 

 年長者として、大人らしい態度を心掛けようと泰道くんに声をかければ、彼も落ち着いてくれたのかお礼の言葉と共にプレイングを開始してくれた。

 

「じゃあ、僕はモンスターと伏せカードを1枚ずつセットしてターンエンドします! 明日香お姉さんのターンですよ」

 

「はい、ありがとう。それじゃあ、ドローしてっと……」

 

 非常に落ち着いた立ち上がり。

 最初のターンに服を脱がされたりすることに慣れてた私には、ちょっと拍子抜けするくらいに何も動きのないプレイングだった。

 

(まあ、子供ならそんなもんでしょ。むしろ普通のデュエルをしている気持ちで、向こうにも楽しんでもらうつもりでデュエルした方がいいわよね)

 

 手札を確認しつつ、プレイングを構築。

 泰道くんがこれからもエロデュエルに励んでもらえるよう、決して不快にならない勝ち方を想定しつつ、私は定石ともいえる分身カードを召喚する。

 

「手札から【|S・HERO アスカ】を召喚、その効果を発動し、デッキから――」

 

 HEROモンスターを特殊召喚する。そう、私が効果の発動を宣言しようとした時だった。

 

「はい! ここで罠カード【悪戯少年のカンチョー攻撃!】を発動するよ~ん!」

 

「えっ!? んおぉおおっっ♡」

 

―――――

 

悪戯少年のカンチョー攻撃! 

通常罠

 

(1)相手の場にモンスターが召喚された時、自分の場の裏守備表示モンスターを表側攻撃表示に変更して発動出来る。その相手モンスターを守備表示に変更し、相手は次の自分のスタンバイフェイズまで表示形式を変更出来ない。

(2)このカードの発動時に表側攻撃表示にしたモンスターの名前に【悪戯少年】が含まれていた場合、選択された相手モンスターの効果はこのターン中無効になる。

 

―――――

 

『はははっ! デカケツヒーローにカンチョー攻撃だっ! くらえ~っ!!』

 

『んほひぃいっっ♡ ひ、ヒーロースーツごとお尻の穴に指がぁあぁっっ♡』

 

 ずぶっ、と音がして、お尻の穴をいきなり穿られた私とアスカが馬鹿みたいな嬌声を漏らす。

 一瞬自分が何をされたのか分からなかったけど、じわじわとその衝撃と快感に慣れてきた私は、自分がとんでもない勢いでカンチョーされたってことに気が付いて、顔を真っ赤に染めていった。

 

「はい、これで【S・HERO アスカ】は守備表示になるね! で、僕が表側攻撃表示にしたのは【悪戯少年】の名称を含む【悪戯少年 ショウタ】だから、効果も使えませ~ん! 残念で~した~! べろべろば~!」

 

「くっ! あ、あなた……!!」

 

 純粋無垢な振る舞いが一変。私に舌を出し、嘲笑うかのように挑発してくる泰道くんが狡猾なプレイングを披露していく。

 彼の本性を目の当たりにして、自分が今まで騙されていたことを知った私は心の中で怒りの炎を燃やすも、肛門から指が引き抜かれる衝撃と快感に再び馬鹿みたいな嬌声を口にしてしまった。

 

「んほっっ♡ ほ、おぉおっ♡」

 

「あははははっ! んほぉおおっっ! だって!! ウケるっ!!」

 

「豚みたいな鳴き声だったよね! あんなに綺麗なお姉さんなのに、鼻をふごふご言わせて面白い顔になってたよ!」

 

「豚っ! 豚だって! マジウケる! 豚明日香じゃん! バッカみたい!!」

 

「あ、あなたたちねぇ……!!」

 

 泰道くん……いや、泰道の仲間であるちびっこデュエル教室の面々は、私の痴態を全員で嘲笑っていた。

 彼らと同じように私を嘲り、豚明日香という屈辱的なあだ名をつけた泰道は、純朴さの仮面をかなぐり捨てた本来の性格を曝け出しながら挑発の言葉を口にする。

 

「ホント、お姉さんたちって馬鹿だよね~! ちょ~っと可愛い子供のふりしたら、コロッと騙されてくれるんだもん! 今まで何度もこの手でお姉さんたちを簡単に雌奴隷にしてこれたんだから、やめられるわけないでしょ!」

 

「雌っ!? し、信じられない! あなたたち、まだ子供でしょ!?」

 

「うん、そうだよ。でも、エロデュエルが滅茶苦茶強い子供さ。豚明日香よりも、そのお仲間よりもず~っと強いデュエリスト……それが僕たち、ちびっこデュエル教室Fクラスのメンバーさ! 今まで素行が悪いからって先生たちからデュエルリーグへの参加を禁じられてたけど、ちょっとの間だけ我慢して反省したふりをしたら、簡単に騙せたもんね~!」

 

 子供らしさなんて欠片も感じない、大人を舐め腐った彼らの言動に苛々させられる私に向け、泰道は悪意の籠った視線を向けながら、びしっと人差し指を突き付けて、こう言った。

 

「さあ、今まで我慢してた分、ここで思いっきり暴れるぞ~っ! まずは豚明日香! お前を徹底的に苛め抜いて、悪戯しまくって、僕たちの記念すべきデュエルリーグ初の雌奴隷にしてやるからな!」

 

「誰がそんなものになるもんですか! 大人を舐めてると、ひどい目に遭うわよっ!!」

 

「ぷ~くすくすっ! まあ、そんな態度が取れるのも今のうちだけだよ! デュエルが終わるころには、豚明日香はごめんなさ~い! まいりました~! 雌奴隷にでも何でもなるから、私を許して~ん! お尻ぶりぶり~っ! って感じになってるだろうからさ!」

 

「ぐぅぅぅぅぅぅぅ……!!」

 

 むかつく。本当に何処までも可愛くない子供たちだ。

 だが、相手の容姿を見て、勝手に油断した私にも非がある。

 

 エロデュエルに臨む以上、相手も一端のデュエリスト。

 そこに年齢や性別など関係ないということは、十分に理解していただろうに……と、自分自身の迂闊さを悔やみつつ、手札に伏せられるカードがないことを知っている私は、そのままターンを終了して泰道へと手番を回した。

 

「……ターンエンドよ」

 

「おっ!? 何にも伏せられないの? もしかして、僕たちに悪戯してほしくてわざと防御をがら空きにしてたりして!?」

 

「あり得る! 豚明日香はカンチョーされて気持ち良くなっちゃう変態だもん! きっとマゾの変態さんなんだよ!」

 

「後でそのでっかいお尻をいっぱいぶってあげるからな、豚明日香! 僕たちに感謝して、ご主人様ありがとうございます~ん! ってちゃんとお礼を言うんだぞ!」

 

 1つの罵声が10になり、私へと無数の嘲笑が襲い掛かってくる。

 ちびっこデュエル教室の恐ろしさと腹立たしさを身をもって実感していた私に向け、特別クラスの仲間たちから応援の声が寄せられた。

 

「あ、明日香! 落ち着いていけ! 冷静さを失ったら思うつぼだぞ!」

 

「あんな子供たちに好き勝手させるな! きっちりお前の恐ろしさを教えてやるんだ!」

 

「……ええ、わかってるわ。私は冷静よ。大丈夫、しっかりおしおきしてあげるんだから……!!」

 

 大丈夫、向こうの思惑はわかっている。私を挑発して怒らせることで、プレイングを乱そうというのが子供たちの魂胆だ。

 そこまでの愚を犯す私ではない。たとえ腹立たしくて可愛げがこれっぽっちもなくてムカつく悪ガキが相手であろうと、自分からペースを手放すなんてことはしない。

 

「ふへへへへ! その余裕がいつまでもつかな~? ……僕のターン! 僕は手札から魔法カード【悪戯少年集合!】を発動! デッキか墓地から【悪戯少年】と名の付くカードを1枚手札に加える! 僕は【悪戯少年 エロガキッド】加えて、そのまま召喚だ! 更に、【悪戯少年】と名の付いたモンスターが召喚された時、【悪戯少年 剥ぎ取り小僧】は特殊召喚することが出来る! こいつも場に出すよ!」

 

『いやっほ~!』

 

『うへへへへへへっ!!』

 

―――――

 

悪戯少年 ショウタ

星3 闇属性 戦士族 ATK800 DFE300

 

(1)このカードが場に存在する時、相手はこのカード以外の【悪戯少年】と名の付いたモンスターを攻撃できない

(2)【悪戯少年】と名のつくモンスターが攻撃する時、相手の女性モンスター1体の攻撃力、守備力を300下げる

 

―――――

 

悪戯少年 エロガキッド

星3 闇属性 戦士族 ATK 600 DFE 0

 

(1)このカードが召喚、特殊召喚された時、デッキから【悪戯】と名のつく魔法、罠カード1枚を手札に加える

(2)このカードは攻撃力を半分にすることで相手に直接攻撃できる

 

―――――

 

悪戯少年 剥ぎ取り小僧

星3 闇属性 戦士族 ATK100 DFE500

 

(1)【悪戯少年】と名のつくモンスターが攻撃した時、相手プレイヤーの服を1枚ずつ脱がす(脱がす順番はプレイヤーの自由)

(2)このカードはターンに1度、表示形式を変更することで相手の女性モンスター1体の攻撃力、守備力を0にする。この効果を発動したターン、対象となったモンスターは戦闘で破壊されない

 

―――――

 

「まだまだいくよ! 装備魔法【悪戯ターゲット発見!】を発動して、手札から【悪戯少年 マラボス】を特殊召喚だ!」

 

―――――

 

悪戯ターゲット発見!

通常魔法

 

手札から【悪戯少年】と名のつくモンスター1体を特殊召喚する。その後、相手の女性モンスター1体の攻撃力、守備力を300下げる

 

―――――

 

悪戯少年 マラボス

星4 闇属性 戦士族 ATK1000 DFE500

 

(1)このカードは自分の場の【悪戯少年】と名のつくモンスター1体につき攻撃力、守備力を300あげる

(2)1ターンに1度、このカードが戦闘で相手の女性モンスターを破壊できなかった時、もう1度攻撃できる。ただしこの効果を使った攻撃では相手への戦闘ダメージは0となる

(3)このカードが直接攻撃するとき攻撃力、守備力は元の数値に戻る

 

―――――

 

『ふっへっへっへっへ……! お前たち! 今日のターゲットはあのエロエロなぴちぴちスーツを着た変態女ヒーローだ! 悪戯三昧してやって、俺たちの雌奴隷に堕とすからな!』

 

『おーーっ!!』

 

 一際大柄な男子が他の悪戯少年たちを纏め、全員でアスカに向き直る。

 ギラギラとした欲望の眼差しを隠そうともしない彼らの視線に私が気圧される中、泰道はバトルを仕掛けてくる。

 

「バトルフェイズだ! まずはエロガキッドの効果を使い、攻撃力を半分にしてダイレクトアタック! ……する時、剥ぎ取り小僧のモンスター効果が発動! そのエロボディを晒してもらうよ!!」

 

『行くぞ、剥ぎ取り小僧!!』

 

『任せろっ! エロガキッド!!』

 

「えっ!? きゃああっっ!?」

 

『ああっ!?』

 

 泰道の攻撃宣言を受け、2体の悪ガキモンスターたちが私へと飛び掛かってきた。

 帽子を深めに被った少年によってスカートを剥ぎ取られ、もう1人の少年に露出したショーツ越しに性器を弄られた私は、微弱ながらも確かに感じる快楽に甘い声を漏らしてしまう。

 

――天上院明日香 LP4000→3700

 

「んんっ♡ はうぅううっっ♡♡♡」

 

「へへへ、まだまだっ!! 【悪戯ターゲット発見!】とショウタの効果で、【S・HERO アスカ】の守備力は600ポイントダウンして、400になってる! 守備力が下回ったアスカにショウタで攻撃だっ! 当然、この時にも剥ぎ取り小僧の効果が発動するよ!」

 

『ふふっ! 次は僕の番だぞ~っ!!』

 

『うひひひひっ! そりゃあっ!!』

 

『ああああああっっ♡♡♡』

 

 弱体化されたアスカへと、また別の悪戯少年が突っ込む。

 ボディスーツを剥ぎ取られ、ニップレスと前張りだけの格好にさせられたアスカの胸を好き勝手に弄るショウタのテクニックに私たちが喘がされる中、私もまた剥ぎ取り小僧によって上着を奪い取られ、下着姿にされてしまった。

 

「【悪戯少年】が攻撃したことで、またアスカの守備力が下がった! 続けて剝ぎ取り小僧でアスカを攻撃するよ!」

 

『スケベヒーローのおっぱ~い! 御開帳っ!!』

 

『んはっ♡♡♡ あぁっ♡♡♡ 乳首、両方ぅ……♡♡♡ あぁんっ♡♡♡ こりこりしちゃ、だめぇ……♡♡♡』

 

 2枚のニップレスをべりっと音を鳴らして剥ぎ取った少年たちが、それぞれ片方ずつアスカの胸を担当し、そこを弄ぶ。

 乳首を甘噛みし、指で抓り、思いっきり吸って、乳輪をなぞって、胸を揉んで……そうやって、子供とは思えないくらいに性技に長けた少年たちのテクニックに翻弄されるアスカ同様、その快感を感じている私がショーツ1枚の格好になってその場に跪く。

 

「うっ、くぅ……っ♡ このっ……♡♡♡ こんな、意味のないことをして、どういうつもり?」

 

「ん~? 意味がないってどういうこと? まさか、そんなとろとろアヘアヘにされておきながら、私はこんなことじゃ感じないっ! とか言わないよね~? そんな嘘吐いても、豚明日香が感じまくってんのはお見通しだって!!」

 

「そうじゃなくて、デュエルについてよ。守備表示のアスカに貫通効果を持たないモンスターで攻撃を繰り返しても、私のLPが削れることはないわ。確かに服を剝いだり、モンスターのステータスを下げることは出来るでしょうけど、あそこまで大量展開しておいてLPを一切削らないタクティクスを取るだなんて、どういうつもり?」

 

「ぷ~くすくすっ! 豚明日香ややっぱり馬鹿だね! これはデュエルじゃなくて、エロデュエルだよ? 勝つ方法はデュエルモンスターズのルールに乗っ取ったビートダウンかデッキアウトしかないと思ってるの?」

 

 相当にデッキを回し、カードを展開したはずなのに、泰道はこのターン、私のLPを1ポイントとして削れていない。

 相手の場に伏せカードが無い絶好のチャンスを棒に振るような彼のタクティクスに疑問を抱いた私がそれを投げかけてみれば、嘲笑を浮かべた小柄な少年は得意気にこう返してきた。

 

「僕たちはね、エロデュエルで楽し~く相手をボコボコに出来ればそれでいいの。僕たちを子供だと思って油断した相手をイキ狂わせて、気絶するまで追い込んで……その快楽の虜にする。そうやって僕たちは、これまで何人もの雌奴隷を作ってきたんだよ!!」

 

「……なるほど。通常のデュエルにはない、相手を快楽堕ちさせて降参(サレンダー)させることがあなたたちの目的ってわけね?」

 

「そういうこと! お前たち特別クラスの雌どもも、この交流会で僕たちの玩具にしてやるよ! まずは豚明日香、お前からだっ! 守備力0の【S・HERO アスカ】に対して、【悪戯少年 マラボス】の攻撃力は2200! しかも、自身の効果で破壊されないアスカに対して、マラボスは2回連続攻撃が出来る! この快感に耐えられるか? 豚明日香っ!?」

 

『ぶっふふ~! ついに俺の出番だな! おい、剝ぎ取り小僧!!』

 

『準備OKですぜ、ボス! ドスケベヒーローまんこは、もうぐっちょぐちょのどろっどろです!!』

 

 やや小太りで、他の少年たちと比べて一回り大きいガキ大将がアスカに近付くと共に、剝ぎ取り小僧が彼女の身を隠す最後の砦である股間の前張りを剥ぎ取った。

 少年たちの愛撫によって濡れているそこが露わになり、同じく全裸に剥かれた私の股間もまた十分な湿り気を帯びている様が見て取れるようになったことで、ちびっ子デュエル教室Fクラスの子供たちが大きな笑い声をあげて私を責める言葉を口にし始める。

 

「あっはっは! 見ろよ! 豚明日香のまんこ、滅茶苦茶濡れてるぜ! 子供にあんな風にされて、恥ずかしくないのかな~!?」

 

「恥ずかしいわけないじゃん! むしろ嬉しくって、もっともっとまん汁出すに決まってるよ!」

 

「そっか! 豚明日香はドスケベエロエロド変態女だもんな! きっとこれからもっと恥ずかしい姿を見せて、無様に降参するんだろうな!」

 

「へへへへへ……! さあ、覚悟はいいかな、お姉さん? 【悪戯少年 マラボス】で、【S・HERO アスカ】を攻撃! 2200ダメージ×2回分の快感を味わいなよっ!!」

 

『ふっへっへ! そんじゃあ、女ヒーローのぐちょぬれまんこ、いただくとするか!!』

 

 手下たちの歓声を背に、子供離れした巨根を漲らせたマラボスが、それをアスカの秘所にあてがう。

 そのまま、ぐっと腰を突き出して一番奥まで叩き込んだ彼は、大声で吼えながら激しいピストンを繰り出し始めた。

 

『おっっ♡♡♡ はひぃいっ♡♡♡ あぁあああああぁああああっっ♡♡♡』

 

「んんっっ♡♡♡ お、ふぅうぅっ♡♡♡ んん~~~っ♡♡♡」

 

 マラボスの巨根に犯されるアスカの声と、その感覚を共有する私のくぐもった嬌声がデュエルフィールドに響く。

 正常位で激しく腰を振り、年上の女ヒーローを犯すというシチュエーションへの興奮を思い切りぶつけてくる少年の滾りは絶大で、その雄々しいセックスにギャラリーの少年たちも大賑わいだ。

 

『いっけー! ボスーッ! スケベなだけの女ヒーローなんて、ボスのデカチンで滅茶苦茶にしちゃえ~っ!』

 

「はははっ! 守備力0まんこをぶち犯される気分はどうだ? 豚明日香もこれで一巻の終わりだな!!」

 

『おおぉおおぉおぉおおっっ♡♡♡ はひっ♡♡♡ はひぃいぃいいぃいいぃいぃいいっっ♡♡♡』

 

「んあっ♡♡♡ はぁああああぁあああっっ♡♡♡ あぁああああああぁああああああっっ♡♡♡」

 

 がっつん、がっつん……とおまんこを貫かれる度、体の芯に響くような快感が膣内で弾ける。

 子供とは思えないくらいに力強い腰振りを見せるマラボスのちんぽによって弱点を攻撃され続ける私は、その一番奥にある神聖な器官を押し込まれると共に、熱い滾りを注がれて絶叫してしまった。

 

「はぁあああああああああぁああああああああああああぁああっっ♡♡♡」

 

「へへへへへ……!! まずは1発、膣内射精(ナカダシ)っと……! でも、これで終わりじゃないんだよねっ!!」

 

『ぶひゃはっ! おい、豚アスカ! 今度はこっちにそのでっかくてだらしない尻向けろ!!』

 

『んっ♡♡♡ はぁん……♡♡♡ お尻、ぶっちゃだめぇ……♡♡♡ もっと優しくして……♡♡♡』

 

『うるさいな! 豚は豚らしく、俺のちんぽでぶひぶひ鳴いてればいいんだよっ!!』

 

『んひぃっっ♡♡♡』

 

 1発目の射精を終えたマラボスがちんぽを引き抜くと、アスカの体を反転させて地べたに体を突っ伏させる格好を取らせる。

 その体勢で大きい尻だけを浮かび上げるよう指示を出した彼は、今しがた自分が射精したばかりの精液を溢れさせる秘裂へと再び自身の剛直を叩き込むと、先程にも増した勢いで腰を振り始めた。

 

『おっっ♡♡♡ んおっっ♡♡♡ おうっっ♡♡♡ んん~~~っ♡♡♡』

 

『どうだ? 子供のちんぽでイかされる気分は!? ヒーローのくせに俺たちみたいなガキに負けて悔しくないのか!?』

 

『ふぅぅぅぅんっ♡♡♡ うぅぅうっ♡♡♡ あぁぁああぁああっっ♡♡♡』

 

『へへへ……!! もう何も言えないみたいだな? そのまま意識をぶっ飛ばしてやるぞ、豚アスカッッ!!』

 

 大きいアスカの尻を抱え、一心不乱に腰を振るマラボス。

 ぱちぃん、ぱちぃん、というアスカのお尻が鳴らす卑猥な音が響き、その音を耳にする度に子供たちのテンションは急上昇していった。

 

「よっしゃーっ! いけっ、泰道ーーっ!!」

 

「デュエルリーグ初の雌奴隷をゲットしちゃえ~っ!!」

 

「へへっ! 言われるまでもないやいっ! これで堕ちろ、豚明日香っ! マラボス必殺・悪ガキザーメン種付けだっ!!」

 

『おおぉおおぉおおぉおおっっ♡♡♡ おひぃっ♡♡♡ ん、へぇぇ……っ♡♡♡』

 

「あうっっ♡♡♡ んっ♡♡♡ はぁああああああああああああああっっ♡♡♡」

 

 ドクンッ、という熱い感触が子宮に響き、腰がガクンッ、と痙攣する。

 2回連続の激しい射精を子宮に浴び、胎内を悪ガキのザーメンでぱんぱんにされた私の体がガクガクと痙攣する姿と、まんこからちんぽを引き抜かれたアスカが大きな尻を震わせ、精子を噴き出している光景を目にした泰道は、ニヤリと笑うと私に向けて降参を促す言葉を口にした。

 

「聞こえてるか、豚明日香~? もう気持ち良すぎて何がなんだか分かんなくなっちゃってるでしょ? お前に勝ち目なんかないんだからさ、とっととサレンダーして、僕たちの肉便器になってよ! お友達もすぐに仲間にしてやるからさっ!!」

 

「………」

 

「ははっ! もしかしてイキ過ぎて気絶しちゃった? だったらもう、僕の勝ちだよね? お~い、審判! 勝ち名乗りを――」

 

 挑発の言葉に何も反応を見せない私の様子に、泰道は既に勝利を確信しているようだ。

 審判へと向き直り、勝者として自分の名を告げるように言う彼であったが、そこで何か違和感のようなものに気が付き、顔を顰めた。

 

 ここまでのデュエルを観戦していた審判は、優勢に試合を運んでいた自分を小馬鹿にしたような笑みを浮かべており、どう見ても年上の女性を打ち倒したダークホースとして意識しているとは思えない表情を見せている。

 よくよく周囲を見てみれば、その笑みを浮かべているのは審判だけではなく、私以外の特別クラスのメンバーや、中年男性が揃ったデュエル道楽会の人々も似たような雰囲気を醸し出していることに気が付いたようだ。

 

「……なんだよ? お前ら、気味の悪い顔するんじゃねえよ! 何か言いたいことがあるなら、言ってみろよ!!」

 

 大人たちに馬鹿にされていることを察した泰道がそう叫ぶと共に、彼の仲間である悪ガキたちも一斉にブーイングを口にし始めた。

 そんな少年たちの姿に大きな溜息を吐いた私は……顔を上げ、泰道の目を真っ直ぐに見つめると共に、彼に言い聞かせるようにして言う。

 

()()()()()()()()()()()()()()? この程度のエロデュエルタクティクスで、本当に私たちが降参するとでも?」

 

「えっ……? だ、だって、お前は――っ!?」

 

 今まで、自分のしもべであるモンスターに蹂躙され、思う存分に喘いでいたじゃないかと言おうとしたであろう泰道の目が、驚きに見開かれる。

 その瞳には、つい先ほどまで快感に悶えていたはずの私の顔にまるでその残滓が残っていないことや、マラボスに組み敷かれて犯されたアスカが既に平然とした様子で立ち上がり、戦いの体勢を整えている姿が目に映っていた。

 

「な、なんで……? 今のは僕たちの必勝パターンなのに! 今まで、これで堕ちなかった女はいなかったのに! どうしてそんなに平然としていられるんだよ!?」

 

「はぁ……。あのね、あんまり大人を舐めるんじゃないわよ。あの程度のセックスなら、エロデュエルの中で何度も経験済みなの。さっきの攻撃はあなたたちの中では必殺の一撃なんでしょうけど、私たちの中ではご挨拶の一発くらいのものとしか思えないわ」

 

「う、嘘だっ! さっきだって滅茶苦茶アヘってたじゃんか! 強がってそんなこと言っても無駄なんだからなっ!!」

 

「まあ、不意を打たれたこともあったし、多少は気持ちよかったことは認めてあげる。でもね……子供の浅知恵で簡単に膝を折るほど、私たちは甘い女じゃないの。右も左もわからない世界で、自分の腕を頼りに生きていくって決めた人間ですもの。この程度でやられる覚悟でエロデュエルやってるわけじゃないのよ」

 

「うっ……!?」

 

 素っ裸に剥かれて、乳首を勃起させ、股座からは愛液を垂れ流している無様な姿の私が発する怒気のような威圧感に、泰道が息を飲む。

 

 これまで彼が相手にしてきたのは、あくまで彼らが相手に出来る程度のデュエリストたち。

 どれだけエロく敗けられるかを追求している女性たちであり、しかもデュエルリーグに参加出来ないちびっこデュエル教室の生徒である泰道たちと戦うようなデュエリストである女性たちの腕前や覚悟など、たかが知れている。

 

 残念ながら、私たちはこの程度の快楽では屈しない。

 ゴブリンやオーク、ロボット兵器や悪魔や獣やらに犯されても勝利を収め続けてきた私たちにとって、悪ガキたちの悪戯など屁でもないのだ。

 

「さあ、あなたのバトルフェイズは終了したでしょう? 何もしないのなら、このままターンを回してくれる?」

 

「ちっ……! カードを1枚伏せて、ターンエンドだ。あんまり調子に乗るなよ、豚明日香。次のターンは、もっとひどい目に遭わせてやるんだからな!」

 

 忌々しいといった感情を隠すことなく、場にカードをセットした泰道が悪態を吐く。

 それを無視して、今のターンで3回の攻撃を受けた【S・HERO アスカ】に3つのザーメンカウンターが載っていることを確認した私は、この悪ガキをお仕置きするためのプレイングを開始する。

 

「さて、おいたが過ぎるおこちゃまには、ちょっと痛い目に遭ってもらいましょうか。儀式魔法【セットアップ・メカニカルヒーロー!】を発動!!」

 

―――――

 

セットアップ・メカニカルヒーロー!

儀式魔法

 

(1)自分の場に存在する【HERO】と名の付いたモンスターのレベルが合計7以上になるようにリリースすることで、自分のデッキか手札から【S・HERO メカニガール・アスカ】を特殊召喚する

(2)リリースするモンスターがにザーメンカウンターが載っている場合、その数分だけリリースされたモンスターのレベルを上げてもよい。こうしてリリースされたモンスターの数が1体のみの場合、自分はデッキから好きな装備魔法を手札に加えることが出来る

(3)このカードの発動に対して、相手は魔法、罠、モンスターの効果を発動出来ない。また、リリースされるモンスターの名前に【アスカ】が含まれている場合、モンスターの召喚時に相手は魔法、罠、モンスターの効果を発動することが出来ず、自分は召喚成功時に相手の場にセットされたカードを1枚破壊することが出来る

 

―――――

 

「私はザーメンカウンター3が載っている【S・HERO アスカ】をリリースすることで、デッキから【S・HERO メカニガール・アスカ】を特殊召喚するわ! そして、条件を満たしたことでデッキから装備魔法【メタルHEROウェポン・スプレットアーム】を手札に加え、あなたの伏せカードを破壊!!」

 

「うわっ!? し、しまった……!!」

 

 上空から降下してきたカプセルの中に入ったアスカの体をラバースーツと機械装甲が覆う。

 胸やお尻、おまんこなんかのいやらしい部分は丸見えのまま、メカ娘に似た風貌へと改造手術を受けたアスカは、メカニガール・アスカとして生まれ変わると共に、巨大な鉄拳を飛ばして泰道の伏せカードをぶち砕いてみせた。

 

―――――

 

S・HERO メカニガール・アスカ

ATK2600 DFE2400 レベル7 機械族 淫属性

このカードは【セットアップ・メカニカルヒーロー!】の効果でのみ場に出すことが出来る

 

(1)このカードが場に存在し、相手の場の魔法・罠カードが破壊された時、自分はデッキからカードを1枚ドローする

(2)1ターンに1度、このカードに装備カードが装備された時、相手の場のこのカードより攻撃力の低いモンスター1体を破壊することが出来る

(3)このカードが破壊される場合、代わりにこのカードに装備されているカードを墓地に送ることで、その破壊を無効にすることが出来る

 

―――――

 

―――――

 

メタルHEROウェポン・スプレットアーム

装備魔法

 

(1)このカードを装備しているモンスターは、相手の場のすべてのモンスターに攻撃することが出来る

(2)このカードが墓地に送られた時、自分はデッキから【メタルHEROウェポン】と名の付いた装備魔法を1枚まで選択し、手札に加えてもよい

 

―――――

 

「手札に加えたスプレットアームをメカニガール・アスカに装備して、効果を発動! 【悪戯少年 ショウタ】を選択し、破壊するわ!」

 

『うふふっ♡ ショウタくん、こっちにいらっしゃい……♡♡♡』

 

『わ、わ~~っ!?』

 

 メカニガール・アスカがロケットパンチを飛ばし、ショウタの華奢な体を掴む。

 ジタバタと暴れる彼の体を押さえつけ、乳首を吸わせながらおちんぽを扱く体勢を取ったメカニガール・アスカは、屈辱の授乳手コキプレイで年端もいかない少年のことを責め始めた。

 

『ショウタくんはいけない子ね~♡ 女の子を無理矢理犯すだなんて、男の子として最低よ♡ そんな悪い子には、性技のヒーローとしてきっちりおしおきをしてあげないとね♡』

 

『はうぅぅぅっ!! ゆ、許して、許してぇ……あううううっ!?』

 

『だ~め♡ 罰としてお姉ちゃんのおっぱいちゅうちゅうしながら、おちんぽ汁ぴゅっぴゅしちゃいなさい♡ ショウタくんの可愛いおちんぽからザーメンが1滴も出なくなるまで、じっくり搾り取ってあげる♡』

 

『そ、そんなぁ! ううっ! うああっ! 射精()ちゃうっ!! 射精ちゃうよぉっ! ふわあああああああっ! あっ、ああっ! もうおちんぽミルクびゅ~びゅ~したからぁ! もう精液出ないからぁ! 僕のおちんぽしこしこしないでぇ、アスカお姉ちゃ~んっ!!』

 

『あらあら、急に可愛くなっちゃって……♡ でも残念でした♡ アスカお姉ちゃんはえっちなことしか考えられない豚さんだから、ショウタくんのおちんぽをシコシコするのをやめてあげません♡ いっぱいおっぱいちゅうちゅうしておちんぽ勃たせて、ザーメンぴゅっぴゅしちゃいましょうね~♡』

 

『うあああ……っ! た、助けて、みんな、たすけてぇ……! もう精液出ないからぁ! もうだめだよぉぉっ! うわぁぁぁんっ!!』

 

 豊満な胸をショウタへと押し付けながら、彼の小さなおちんぽをシコシコと扱くメカニガール・アスカが非常に悪い笑みを浮かべながら言う。

 少年の泣き言も聞かず、ただただ彼の幼い肉棒が完全に萎え果てるまで搾精を続けた彼女は、べっとりと手にこびり付いた精液を舐め取りながら他の【悪戯少年】たちへとターゲットを移すようにして視線を向けた。

 

「ショウタが破壊されたことで、他の【悪戯少年】モンスターを守る効果はなくなったわ。あなたの場には伏せカードは無い。フィールド上のモンスターの攻撃力は、100、600、1000……攻撃力2600のメカニガール・アスカは【メタルHEROウェポン・スプレットアーム】の効果で相手モンスター全員に攻撃出来るから、3度の攻撃で合計で6100ダメージを受けることになるわね」

 

「う、うわ、わわわわわ……っ!?」

 

「何か手があるなら今の内に使っておいた方がいいわよ? まあ、その様子じゃあなにもないみたいだけどね」

 

 大慌てで目を白黒させている泰道の様子を見るに、今度は演技をしているわけではなさそうだ。

 完全に詰みの状況に追い込まれた彼が命乞いの言葉を口にするよりも早く、私はメカニガール・アスカに命令を出して3体の【悪戯少年】モンスターたちに攻撃を仕掛ける。

 

「【S・HERO メカニガール・アスカ】で3体のモンスターに連続攻撃! 『ソフトアイアン・セクシャルプレス』っっ!!」

 

『ふんっ……!!』

 

『わ、わぁぁああああっ!?』

 

 背中のバックパックを噴かせ、急速な接近を見せたメカニガール・アスカがマラボスを押し倒す。

 それと同時にエロガキッドと剥ぎ取り小僧のちんぽを掴み、マラボスの巨根をずっぽりとおまんこで咥え込みながら、3人の少年を相手に容赦のない搾精を行っていった。

 

『お、お姉ちゃんっ! そんなにちんちん擦らないでぇぇ!!』

 

『ちんちん取れちゃうっ! 精液出し過ぎて死んじゃうよぉっ!』

 

『うふふ……♡ そんな風に泣いたって許してあげません♡ 女の子のことを大事に出来ない乱暴なおちんちんには、お姉さんがしっかりおしおきしてあげる……♡』

 

『そ、そんなぁ……! 許して、許してぇ……!!』

 

『ぼ、ボスぅ、なんとかしてよぉ!』

 

『あらあら、可愛い子分たちが助けを求めてるわよ? どうにかしてあげないの、マラボスくん?』

 

『う、うぁぁ……! む、むりぃ……! アスカのまんこ凄すぎて、腰に力が入らな……おほぉっ!?』

 

『あ~あ~♡ また射精しちゃったわねぇ♡ この調子でザーメン出なくなるまでおちんぽ可愛がってあげるから、覚悟しなさいっ♡』

 

『う、うわぁぁぁぁんっ!!』

 

 両手と胸を精液で汚し、膣と子宮に大量のザーメンを受け入れながら、メカニガール・アスカが3人の少年たちに無慈悲な搾精を行う。

 最初は大きかった鳴き声も射精量が減っていく毎に段々と静まっていき、最終的には彼らはすすり泣く程度の声量しか出せなくなっていた。

 

『は~い、いっぱいぴゅっぴゅっ出来ましたね~? これに懲りたら、もう2度と女の子を性奴隷にしちゃいけませんよ~? もしも約束を破ったら……わかってるわね?』

 

『ひ、ひえぇぇっ!? ご、ごめんなさいっ! ごめんなさいいいいっ!』

 

 おちんぽが勃たなくなった4名の少年たちは、メカニガール・アスカの脅し文句に半べそを掻きながら土下座で謝罪をしてきた。

 完全に、本気の大人によって()()()()()()彼らの様子に満足気に頷きながら、メカニガール・アスカは最後に彼らを操る主である泰道の下に向かい、彼のズボンをずり下ろす。

 

「あっ、うわっ……!?」

 

「あら、可愛いおちんちんね? 一生懸命に勃起しちゃって……お姉さんに虐められるところ想像して、こんな風になっちゃったのかしら? 泰道くんはマゾなのかしらね~?」

 

「み、見るなぁ! 見るなよぉ……!!」

 

 子供らしい小さなおちんぽを痛々しいまでに勃起させる泰道を言葉で責めれば、彼もまた泣きべそをかきながら必死に私に抗おうとしてきた。

 まあ、もう決着はついた。最後のトドメと言わんばかりにメカニガール・アスカが中指で彼の子供おちんぽを軽く弾いてやれば、限界ぎりぎりだった彼の我慢は暴発し、小さなペニスから白い迸りが発射される。

 

「はうっっ!」

 

「はい、お終い♡ どう? これが大人のエロデュエルの恐ろしさよ。そこに足を踏み入れるつもりなら、勝つだけじゃなくて負ける覚悟もしておくことね」

 

「んあぁ……あ、あぁ……っ!! ひぅぅ……」

 

 びゅく、びゅく……と、子供らしい青臭い精液を少量吐き出した後、泰道はひっくり返って気を失ってしまった。

 子供相手にやり過ぎたかもしれないが、調子に乗ったエロガキを締めるためにはこれくらいの荒療治は必要だろう。

 

 モンスターたちが消滅し、私も泰道もしっかりと服を着た状態に戻ったことを確認した後、私たちのエロデュエルを見守っていた審判が大きく頷き、デュエルの決着と勝者の名前を観客たちに告げる。

 

「そこまで! 勝者、デュエロ・アカデミア特別クラス、天上院明日香!!」

 

――裏野泰道LP4000→0

――WINNER 天上院明日香

 

 

 

 

 

 

「……流石にやり過ぎじゃない? ちびっ子デュエル塾の子たち、ドン引きしてるわよ?」

 

「でも、オレ的にはすっきりしたぜ! 悪ガキどもをとっちめる明日香、流石だったな!」

 

「子供とはいえ、デュエルをするからには立派な戦士だ。あの程度で気を失っていては、私の次元では生き残れんぞ」

 

「ふふっ、そうかもね。でも、このままじゃああの子たちがトラウマを作っちゃいそうだし……次は私が優しくエロデュエルを教えてあげようかしら?」

 

「「「「それは止めておけ!!」」」」

 

 気絶した泰道を気遣う少年たちを見つめながらのアキの言葉に、私を含む特別クラスの全員が制止の言葉を口にした。

 アキが相手をしたら、それこそ本気でトラウマが生成される未来しか見えない。下手をしたらエロデュエルどころか、女性恐怖症になりかねないではないか。

 

「ま、まあ、ほら! ここからはルールを守って楽しくエロデュエル! って、ことで……素直に交流会を楽しみましょうよ」

 

「そ、そうね! これでもうあの子たちも乱暴なことはしないでしょうし、大人としての立ち振る舞いを心掛けましょう、ね!?」

 

 大慌てで葵の言葉に賛成し、仲間たちへと呼びかけを行う。

 そうすれば、アンナもアキもセレナも、一応はそのことを理解してくれたようだった。

 

 取り合えず、初の交流戦は一波乱あったものの、無事に勝利という形で終えることが出来た。

 その後、私たちは『ちびっこデュエル教室Fクラス』と『デュエル道楽会』との交流会を問題なく終え、無事にデュエルリーグへの参戦を果たすことに成功したのであった。

 





次回予告

明日香「無事に交流会は終了! 収穫も多くあった、いいイベントだったと思う……のだけれど――」

セレナ「進藤の奴、私たちがまるで成長出来ていないだと!? 何様のつもりだ!?」

明日香「でも、進藤先生の言うことは尤もだわ。私たちも新しく得た武器を上手く活用出来るようにならないと駄目よ」

セレナ「むぅぅ……ところでアキの奴は何処に行った? さっきから姿が見えんが……?」

明日香「アキなら部活の合宿に行ったわよ。数日は帰って来ないって、連絡があったわ」

セレナ「あいつが、部活だと? むぅ、嫌な予感しかしないが……」

次回『ハードな合宿!? アキのプロレス&セックス大特訓!!』

明日香「大丈夫、だと思うけど……一番ネジが吹き飛んでる子だから、心配といえば心配ね。何事もないといいけど……」






最強カード紹介

S・HERO メカニガール・アスカ
ATK2600 DFE2400 レベル7 機械族 淫属性
このカードは【セットアップ・メカニカルヒーロー!】の効果でのみ場に出すことが出来る

(1)このカードが場に存在し、相手の場の魔法・罠カードが破壊された時、自分はデッキからカードを1枚ドローする
(2)1ターンに1度、このカードに装備カードが装備された時、相手の場のこのカードより攻撃力の低いモンスター1体を破壊することが出来る
(3)このカードが破壊される場合、代わりにこのカードに装備されているカードを墓地に送ることで、その破壊を無効にすることが出来る

―――――

今日の最強カードは、【S・HERO アスカ】が機械の力を得て進化したモンスター【S・HERO メカニガール・アスカ】よ。
儀式魔法、【セットアップ! メカニカルヒーロー】の効果で呼び出せる儀式モンスターね。

セットアップ! メカニカルヒーロー】の効果を満たせば召喚を邪魔されることはないし、(1)と(2)の効果を発動する準備を整えることが出来るわ。
多彩な装備魔法で状況に柔軟に対応しつつ、有利な展開を作り上げる。正に機械のような正確無比なプレイングが求められるカードね。

装備しているカードの種類によって技が変わるから、色々と試してみてちょうだい。
ぴちぴちスーツのメカ娘が好きな人なら、きっとツボに嵌るでしょうから♡


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ハードな合宿!? アキのプロレス&セックス大特訓!!(前編)

次の投稿までは待たせない(1か月経過)(見どころであるエロデュエルなし)(前後編に分けての投稿)(後編まだ書き終わってない)

すいません!許してください!何でもしますから!!
超マニアックなアキのエロ投稿するんで、許してください!!


 

 

「ラスト! 『SMF(サンムーンフラワー) 黒薔薇のアキ』でプレイヤーにダイレクトアタック!!」

 

「う、うおおおおっ!?」

 

 黒薔薇のアキの攻撃によって吹き飛ばされた男性の体が、立体映像(ソリッドビジョン)で作り出されたリングの上に崩れ落ちる。

 デュエル終了のブザーが鳴り、モンスターもフィールドも消え去った部屋の中で、私は倒れ込んだ男子生徒へと手を伸ばした。

 

「大丈夫? 手、貸そうか?」

 

「いや、大丈夫さ。この程度で動けなくなるほど、甘い鍛え方はしてないよ」

 

 1学年上の、『ハモン・イエロー』に所属する生徒である彼は、鍛え上げられた筋肉を見せつけながら私にそう言ってみせた。

 確かに快活な笑顔を浮かべられれるだけの余裕はあるようだが……若干、膝と腰が震えているのは、流石に見逃せない。

 

 とはいっても、そこで彼のプライドを傷つける必要もないし、同じ部活に所属する仲間の名誉を必要以上に貶めることもないだろう。

 

 エロデュエルの練習試合を終えた私たちがひと息ついていると、そこで丁度セットしてあったタイマーが鳴り、それを聞いた山形先輩が私を含めて4名しかいない部員へと声をかけた。

 

「よし、本日の練習はここまで! 後片付けをして、撤収だ!」

 

「ウィーーッス!!」

 

 山形先輩の指示に従い、デュエロ・アカデミアプロレス同好会……いや、私が所属して、合計5名になったことで正式な部活動へと昇格した、プロレス部のメンバーがテキパキと使ったトレーニング器具を片付けていく。

 私もまた、彼らと共に後片付けをした後でトレーニングルームから撤収し、今日の練習について他の部員たちと話し合っていった。

 

「アキくんが所属してくれたお陰で、トレーニング内容の幅が広がったよ! 部活動に昇格出来たこともそうだが、実際にエロデュエルの模擬戦を行えるのは本当にありがたいことさ!」

 

「私も先輩たちとのデュエルで色々と学ぶことが出来ています。何より、こうして部活動なんてことをするのが初めてで……そういった学生らしい経験が出来て、本能に嬉しいです!」

 

「はっはっは! そうかそうか! なら、これからも共にデュエロ・アカデミアプロレス部として青春の汗を流そうじゃあないか! うむ!!」

 

 そんな風に、同じ部活に所属する仲間として、友人として、会話を繰り広げる私たちは、同じ脱衣所に入って1列に並んで服を脱ぎ始めた。

 トレーニングの際に着ていた、デュエロ・アカデミアの正式な運動着(ノーマルな体操服と赤色のブルマだ)を脱ぎ捨て、下着をも脱いで素っ裸になった私は、そのまま山形先輩たちと一緒に大浴場に足を踏み入れる。

 

 決して高級旅館やホテルのような広さはないが……たった5人の人数に対して、十分な広さがあるその風呂場の光景を目の当たりにした私は、目をキラキラと輝かせた。

 家族旅行も、学校の修学旅行も、勿論友達との楽しいレジャーの経験もない私にとっては、自分の家以外のお風呂に誰かと一緒に入るというのは非常に新鮮な経験なのである。

 

「ふぅ~……いい、お湯……♡」

 

 体をかけ湯でざっと流し、綺麗にしてから大きな湯船へと浸かる私。

 プロレスとエロデュエルの特訓で疲れた体に染み渡るお湯の温もりに目を細め、極楽気分な溜息を洩らしながら、ちらりと他の部員たちの様子を伺う。

 

 ぷかり、ぷかりと湯船に浮かぶ私の胸は、正直な話、結構卑猥な光景を作り出している。

 これが『ウリア・レッド』の大浴場であったなら、即座に男子生徒たちが群がるんだろうな……と思いつつ、彼らとは違い、無我夢中で私を襲いに来ないプロレス部の仲間たちの紳士っぷりに感激しながら、私は再び湯船の温もりに身を任せていく。

 

 まあ、彼らにも特訓の疲れが残っていたり、その際に行ったエロデュエルで射精しまくったからセックスする気になれないだけなのかもしれないが……深くは考えないようにしよう。

 のんびり、ゆっくりと、お風呂で今日1日の疲れを癒していた私は、自分に近付いて来る気配に気が付き、視線をそちらに向けた。

 

「どうだい、アキくん。我がプロレス同好会……じゃなくて、プロレス部恒例行事である合宿の1日目を経験した感想は?」

 

「とても、楽しいです。誘ってくださってありがとうございます、山形先輩」

 

「君も我がプロレス部の仲間、誘わないなんて選択肢はないさ。むしろ、男だらけのこの合宿に女性である君が参加してくれたことに感謝しなくちゃならないだろう」

 

 覆面レスラー『マスクド・タイタン』としてではなく、プロレス部の部長である山形大地として私に接してくれる先輩との会話を愉しみながら、彼の紳士さと面倒見の良さを感じ取った私は柔和な笑みを浮かべる。

 今日の練習の際にも自分よりも他の部員たちに私とのエロデュエルを経験させることを優先させたり、しっかりと自分自身も他の部員に恥じないような厳しい特訓をこなしたり、今もギンギンにちんぽを勃起させておきながらいやらしさを一切感じさせない態度で私に接する山形先輩のスポーツマンらしい快活な態度に感激した私は、彼が率いるプロレス部に入部して本当に良かったと思った。

 

(部活に合宿か……数か月前の私には考えられなかった、学生らしいイベントよね……)

 

 アカデミアが連休に入る機会を見計らって、プロレス部は定期的に泊まり込みの合宿を行っているそうだ。

 今回は4連休を活かし、3泊4日の合宿予定となっている。

 

 別に遠出をするわけでもなく、デュエロ・アカデミアから左程離れていない宿泊施設付きのトレーニングジムを貸し切って行われるこの合宿は、何だかんだで部員たちも楽しみにしているようだ。

 しかも今回は女性である私が参加し、寝食を共にするというのだから、期待感は爆上がりという奴だろう。

 

 正直に言えば、私の方も山形先輩やプロレス部の部員たちとの侵攻を深めることを楽しみにしているわけだし……夜のプロレスの方も期待している。

 思っていたよりも特訓がハードで、夜まで体力が保つか心配ではあるが……明日にはこの疲労にも慣れるだろうし、そこまで不安視する必要もないだろう。

 

 とまあ、そんな風に学生らしく合宿を楽しむ私と、年頃の乙女らしくない淫らな期待に胸を弾ませていた私は、真剣な表情でこちらを見つめる山形先輩からの呼びかけを受け、びくりと体を震わせてしまった。

 

「……アキくん。私も他の部員たちも、君には本当に感謝している。同好会を正式な部活に昇格させてくれたこともそうだし、本来は恥ずべきエロデュエルの特訓に付き合い、プロレスとデュエルとの融合によるエンタメ性の発展を目指す我々に協力してくれていることもそうだ。だからこそ、大恩ある君のために、我々も力になりたいと思っているんだよ」

 

「え、えっと……」

 

「隠さなくてもいい。君は今、何かを悩んでいる……違うかい?」

 

「……流石、ですね。私、そんな素振りを見せたとは思えないんですけど、わかっちゃうものなんですね」

 

 山形先輩からの指摘を受けた私は、素直にその言葉を肯定した。

 先輩の言う通り、私は……いや、()()()は今、大きな悩みを抱えている。

 

「……良ければ、その悩みを聞かせてくれないか? 解決の手助けが出来るかもしれない」

 

「はい、実は――」

 

 山形先輩の言葉に甘え、彼やプロレス部の仲間の力を借りることを決心した私は、自分が抱えている悩みについて語り始める。

 事の発端は今より数日前、デュエルリーグに参加し、初の交流イベントを終えた翌日のことだった――

 

 

 

 

 

 

「私たちのデュエルが期待外れとはどういうことだ、進藤っ!?」

 

 その日の朝、私たちは進藤先生に呼び出され、アカデミアにある彼の準備室を訪れていた。

 まずはといった形で前日に行われた交流戦に参加した私たちを労い、賞賛の言葉を送ってくれた先生であったが……その直後に、私たちのデュエルは期待外れだったと述べたのである。

 

 流石にこの言葉に怒りを露わにしたセレナが食ってかかるが、進藤先生は涼しい顔をして同じような言葉を繰り返すだけだ。

 

「言葉通りですよ。君たち特別クラスが見せたエロデュエルの内容は、我々の期待を下回っている……ということです」

 

「だから、それはどうしてだと聞いているんだ! 私たちは昨日、1敗もしなかった! 全戦全勝で交流戦を終えたんだぞ!? それのどこが期待外れだ!」

 

 セレナの言うことも尤もで、私たちは前日の交流戦を負けなしの全勝という成績で終えている。

 最初の1戦以外はデュエルリーグの成績には影響しないが、それでも十分立派な戦績であるはずだ。

 

 しかし、進藤先生はそんなセレナの言葉に首を振ると、詳しい理由を解説し始めた。

 

「無論、全てのエロデュエルに勝利を収めたことは素晴らしいと思います。しかし……君たちは、()()()()()()()をまるで活かせていない。君たちのデュエルには、進歩がないんですよ」

 

「進藤先生、それは、いったい――?」

 

「……アナル、ですよ。君たちは肛門の開発を終え、アナルセックスをエロデュエル内で可能とするライセンスを得た。しかし、それが全く活かされていないどころか……弱点にしかなっていない。これでは何のためにアナルの調教を行ったのか、わからないではないですか」

 

「……!!」

 

 先生の言葉を聞いた瞬間、私たちは表情を強張らせると共に息を飲んだ。

 それは確かに、自分たちでも思っていた課題だったからだ。

 

 アナル開発済みのライセンスを得た私たちは、エロデュエルのタクティクスとしてアナルセックスを活用出来るようになったはずだ。

 しかし、私たちは交流戦で行ったデュエルにおいて、そういった手合いの戦術をまるで披露しなかった。それどころか、開発済みのアナルを責められて、悶絶することの方が多かったのである。

 

「……何度も言いますが、開発された肛門はエロデュエルで勝利を目指す君たちにとって大きな武器になるはずのもの。しかし、君たちの昨日のデュエルを確認するに、武器どころかその真逆の弱点になっているようにしか見えない。これでは開発した意味がまるで存在していない……だからこそ、私は君たちのデュエルを期待外れだと評価したんです」

 

「くっ……!!」

 

 進藤先生の評価を受けたセレナは、何も言えなくなっていた。

 彼女もまた、アナルを責められて悶絶し、エロデュエルで醜態を晒していたことを思い出したからだろう。

 

 アナルの快感は、まんこで味わうものとはまた別の趣がある。

 故に、それに慣れていない今の私たちは、想像を絶する肛門悦楽に悶えることしか出来なかったのだ。

 

「……無論、一朝一夕でアナルセックスを用いた素晴らしいエロデュエルタクティクスが生み出せるとは思っていません。しかし、プロのエロデュエリストを目指すのなら、常に観客を熱狂させるパフォーマンスも必要……私の想像を超え、観る者の度肝を抜くような驚きの戦術を生み出す種として、私たちは君たち特別クラスにアナルという武器を与えた。それを一切無視して、これまでと大差のないデュエルを披露したことには、失望を禁じ得ません」

 

 深く溜息を吐いた進藤先生だが、決して怒ったり私たちを見離したりはしていないようだ。

 この叱責を糧に、私たちが成長を果たすことを信じているからこそ、厳しい言葉を口にしている……先生の態度からは、そんな考えが読み取れた。

 

「デュエルリーグへの参加と、交流戦での全勝の戦績は、君たち特別クラスを支援するに足る実績として上に報告してあります。君たちが望むなら、青羽社長や工藤さんが新しいカードを君たちに用意してくれるでしょう」

 

「それを用いて、アナルを使ったタクティクスを編み出せということですか?」

 

 明日香の言葉に、進藤先生が大きく頷く。

 そうした後、私たち1人1人の顔をぐるりと見回した彼は、最後の締めとしてこんな言葉を口にした。

 

「決して、必ずアナルを使えと言っているわけではありません。ただ、君たちには新たな可能性を見せてほしい。自分が今、持っている武器だけではなく、新たなタクティクスやパフォーマンスで観客や対戦相手をあっと言わせるような何かを見せてほしいんです。このデュエロ・アカデミアでの生活の中で、そういった戦術に必要な天啓が得られるかもしれません。暫く時間を上げますから、じっくりと新しい戦術について考えてみてください。以上です」

 

 

 

 

 

 

「……なるほど。それでアキくんは悩んでいる、と……」

 

「ええ。まあ、そうなんですけど……実は、もう1つ悩んでいることがあって――」

 

 と、進藤先生からのお説教も踏まえて山形先輩に悩んでいる内容を伝えた私は、そこで湯船から立ち上がると彼へとお尻を向ける。

 ぷりっ、とお尻を突き出し、むちむちっ、と音がしそうなくらいに肉付きのいいそこを彼に見せつけながら、卑猥に開発された縦割れアナルを見せつけながら……私は、目下最大の悩みを先輩に打ち明けた。

 

「実は、その……私、とてもお尻が弱いんです。多分、絶対、特別クラスでも1番お尻が弱点になってる、かと……」

 

「お尻が弱い、というのは、アナルセックスの快感に弱いということかね?」

 

「いえ、()()()()です。アナルを穿られるのは勿論、スパンキングも愛撫もなんだったら視姦されることすら気持ち良すぎて……おまんこが、濡れてきちゃってます……」

 

「む、むぅぅ……」

 

 私の淫らな告白を受けた山形先輩が唸りを上げる。

 他の部員たちは、私と先輩が真面目な話をしていることに空気を読んで早めに大浴場を出て行ったようで、彼らがこの場に居たら間違いなく私はお尻を視姦される悦びに負けて愛液を溢れさせ、湯船を汚してしまっていただろう。

 

 恥を承知で、信頼出来る山形先輩に悩みを打ち明け、解決策を求めた私は、お尻を突き出した格好のまま首だけで振り向き、彼の顔を見つめる。

 縋るような眼差しで私が彼を見つめる中、腕を組んで何事かをうんうんと考え込んでいた山形先輩は、がばっと目を開くと思い切り湯船から立ち上がった。

 

 勃起したおちんぽと、日々のトレーニングで鍛え上げられた逞しい肉体を惜しげもなく晒した彼は、私のお尻をぱしんっ、と叩くと……その快感に負け、愛液をこぼしてしまった私へと、大きな声でこう言った。

 

「よし! 弱点を克服し、新たな戦術を得たいなら、すべきことは特訓しかあるまい! プロレス部の仲間たちの力も借りて、明日からはアキくんの悩みを解決するための特訓を開始するぞっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

「みんな、ちょっと集まってくれ。今日のトレーニングについて、アキくんから大事な話がある」

 

 翌日、トレーニングルームに集まり、ウォーミングアップを終えた私以外の3名のプロレス部の部員を呼び集めた山形先輩は、そこで話のバトンを私へと譲った。

 ごくり、と自分が今から話そうとしていることを思い返して緊張を覚えると共に、確かな期待を抱いてしまっている私は、意を決すると赤色のブルマを履いているお尻を仲間たちへと突き出しながら、彼らへとこう告げた。

 

「きょ、今日は、私の弱点を克服するための特訓に付き合ってほしいの……! エロデュエルで責められても平気になるように、私のお尻を鍛えてくださいっ!!」

 

「え、ええっ……!?」

 

 唐突な私のお願いとその内容に驚く部員たちだが、視線は正直だ。

 吸い寄せられるように私のお尻に6つの目が向かい、形と肉付きのいいそこを食い入るように見つめている。

 

 履いている下着の跡すらもくっきりと浮かび上がらせているブルマ尻を視姦する男性部員たちの様子になんともいえない興奮を味わっていると、山形先輩が台車に乗せた大きな装置をドカンと音を立てて私の横に設置した。

 

「ぶ、部長、これは……?」

 

「ああ、ひと昔前の設置型の立体映像(ソリッドビジョン)発生装置だよ。デュエルディスクが開発される前に使われていた代物さ」

 

「そ、それは知ってますけど、どうしてこんな物を運んできたんですか?」

 

「うむ、その理由は実際に見てもらった方が早いだろう。アキくん、頼む」

 

「は、はい……!」

 

 言われるがまま、山形先輩が運んできた装置の前に立った私は、既にセットされていたデッキからお目当てのカードを選ぶと、その名を高らかに宣言しながらフィールドへと繰り出した。

 

「フィールド魔法【熱狂のセックスリング】を発動!!」

 

 私が装置の上にカードをセットした途端、何もなかった空間にプロレスのリングが唐突に出現した。

 それだけではなく、ブルマと体操服姿であった私の格好もかつての山形先輩とのエロデュエルの際に披露したスリングショットのエロコスチュームに変化し、一層刺激的な姿を晒している。

 

「部長、これは……!?」

 

「はっはっは、驚いただろう? アキくんは、デュエルで起きたダメージや使ったカードを現実のものとすることが出来るサイコデュエリスト。その力を使えば、こんな一風変わったことも出来ということさ」

 

 昨日、私との模擬戦でサイコデュエリストとしての力の一端を目の当たりにしていたお陰か、プロレス部の部員たちはすんなりとこの状況を飲み込んでくれたようだ。

 実際に私とエロデュエルを行い、普通のそれよりも強い快感とはっきりとした女体の感触を覚えていたことも一助になってくれたのだろうと思いつつ、私は先輩から再び説明役のバトンを受け取り、仲間たちへと話をする。

 

「さっきも言った通り、私は本当にお尻が弱いの。アナルもそうだけど、お尻を揉まれたり叩かれたりすると一気にアヘっちゃって、プレイングが疎かになっちゃう。だからこそ、ここでその弱点を克服するための特訓をしようと思ってて……みんなにも手を貸してほしいのよ」

 

「な、なるほど……! わかってきたぞ。俺たちはアキくんが呼び出したカードを使って、アキくんのお尻を責めればいい。アキくんは俺たちの攻撃を耐え続けることで、弱点の克服を目指す……そういうことだね?」

 

「正解よ。こんな恥ずかしいこと、大切な仲間であるプロレス部のみんなにしか頼めないの。どうか、私のお尻の特訓に付き合ってちょうだい」

 

「勿論、構わないさ! むしろ、こんな役得があるのかって感じだよ!」

 

 私の頼みを快諾した部員たちが、歓喜にズボンの股間部分を膨らませる。

 雄々しき盛り立つちんぽの様子から彼らの興奮を感じ取った私はごくりと喉を鳴らしながら、早速特訓を開始した。

 

「じゃあ、始めましょう。まずは魔法カード【媚薬ローション】と罠カード【浣腸スマッシュ!】を発動するわ!」

 

 新たに2枚のカードを装置にセットして発動してみれれば、リングの上にたっぷりの媚薬ローションと大きめの浣腸器がポンっと音を立てて出現する。

 それを手に取り、質感を確かめるようにして触れ回った後、3名の部員たちは各々が分担して私のお尻を責め始めた。

 

「すげえな、本当に本物と見分けがつかないぜ」

 

「そうだな。でも、アキくんの尻の方がもっと凄いって」

 

「あんっ♡ ん、あぁ……♡」

 

 馬のように顔が長い伊野木(いのき)先輩が右のお尻を、やや肥満体型にも見える長周(ちょうしゅう)先輩が左を、それぞれ担当して、たっぷりと媚薬ローションを塗りたくる。

 肌に染み込ませるように撫で、奥まで浸透させるように揉み、時折意地悪くぺちぺちと肉を揺らすようにして叩く彼らの愛撫に夢中になってお尻を震わせてお尻を震わせていると――

 

「ひぃんっ♡ んおっっ♡」

 

「ふふふ、本当にいい反応を見せてくれるな。アキくんはアナルが相当に弱いらしい」

 

「んおぉぉぉ……っ♡ おっっ♡ んおぉおおっっ♡」

 

 ずぶっ、と音を響かせながら肛門に浣腸器を挿入したのは、一際体が大きい羽場(ばば)先輩だ。

 たっぷりと媚薬ローションを詰め込んだ浣腸器をお尻の穴にぶち込み、そのまま中身をどくどくと注ぐ彼の責めによって、私は早くも大ピンチを迎えてしまう。

 

「おほぉおぉ……っ♡ お、お尻が、熱い……っ♡ 中も、外もっ♡ 肉も、穴も……っ♡ どんどん気持ちよくなってるぅ……♡」

 

 じわじわと高まっていく興奮に、臀部の感度に、私の声には既に艶が乗り始めている。

 着々と準備が進められ、私を責める体制が整いつつあることにぞわぞわとした感覚を覚えていた私であったが、不意に周囲からシャッター音が響き始めたことに気が付き、顔を上げた。

 

「こっ、これは……っ♡♡♡」

 

 先程まで無人であったリングの周囲に無数の人影があることに気が付いた瞬間、私の心臓が大きく鼓動を鳴らした。

 よくよく見れば、彼らはそれぞれに巨大な一眼レフカメラやビデオカメラ、TV中継の時に使う巨大なカメラ等を所持しており、お尻を責められる私の姿をそれで撮影しているように見える。

 

「モンスターカード、【混闘士(ミックスファイター)サポーター キャメロンマンズ】を召喚した。彼らは混闘士の試合を撮影、中継するカメラマンたちだ。少し雰囲気は違うが、観客(ギャラリー)に見られている気分を味わえるだろう?」

 

「ぶ、部長……♡ こんな、こんな姿を撮影されるだなんて、恥ずかし過ぎます……♡」

 

「本物のエロデュエルの試合でもそんなことを言うつもりかい? 特訓でも我々は手加減をするつもりはない。それこそが君の成長に繋がると信じているからね。それに……特訓を撮影することで、後に反省部分を見つけるための材料にもなる。これもすべて、必要なことなんだよ」

 

「あ、ああっ♡♡♡ ああぁ……っ♡♡♡」

 

 お尻を撫でたり、叩かれたりすることで気持ちよくなっている自分の顔を至近距離でカメラで撮影されている。

 部活の仲間たちに責められ、ぶるぶるむちむちと震えているお尻を舐め回すようにビデオに録画されている。

 四方八方からカメラを向けられて、弱点である尻を、肛門を、丹念に入念に責められてケツアクメしまくる私の姿が、一分の隙もなく記録されることを意識し、それがこのプロレス部に一生残る代物として何度も見返されることを想像した瞬間、私の中で何かが弾けた。

 

「おぉぉっ♡♡♡ んおぉおおぉおおぉおぉおおぉおっっ♡♡♡」

 

 ぶるりんっ♡♡♡ と一際大きくお尻を揺らして、思いっきり突き出して……肛門を決壊させる。

 意識してたわけじゃない。ただ、自ずとそんな形になっただけ。

 思いっきり卑猥で、いやらしくて、淫ら極まりないポーズを取りながら、私は腸内に注がれていた媚薬浣腸を思いっきり肛門から噴射して、絶頂してしまった。

 

(あぁ……♡ 見られ、てる……っ♡♡♡ お尻を震わせながら浣腸液お漏らししてる恥ずかしい姿を、みんなが見てる……っ♡♡♡)

 

 このセックス次元に来てから、私は、嗜虐も、被虐も、羞恥も、何もかも……快楽として貪ることが出来る、淫らな女になってしまった。

 だが、それにより同じ境遇の仲間を得て、抑圧していた本当の自分と向き合い、快楽の底にある幸福を見つけ出すことも出来ている。

 

 今、私が感じている感情は、紛れもなく幸福だ。

 こうして女性として恥ずべき姿を曝け出し、多くの男性たちの前で醜態と痴態を晒しても、それを受け入れてくれる仲間がいるという思いが私に幸せを感じさせてくれている。

 

「うむ、いいぞ! エロデュエルもプロレスも、やるなら派手にがモットーだ! 我慢に我慢を重ねた末の肛門決壊、実に観客たちを盛り上げる素晴らしい痴態だった!!」

 

「あ、ありがとう、ございます……っ♡♡♡ んほっ♡♡♡」

 

 ぶぴゅっ♡ ぶぴっ♡ と僅かに残った浣腸液をひり出しながら、私を褒めてくれた山形先輩へと感謝の言葉を口にしながら、また軽イキ。

 ここまででもう十分に恥ずかしい姿を曝け出してしまった私だが、ここからが特訓の本番で、ここからもっともっと自分が無様で下品なイキっぷりを見せることも理解している。

 

 私を興奮させ、お尻の感度を高め、肛門を柔らかく蕩けさせることには成功した。

 ここまではただの下ごしらえで、ここから本格的に弱点であるアナルをいじめ抜く時間がやって来るのだという私の考えを肯定するかのように、馬場くんが山形先輩へと指示を求める。

 

「部長! 次はどうしましょうか?」

 

「自分で考えろ。アキくんの肛門特訓に関するメニューは、お前たちに一任する。来年には俺はいなくなり、お前たち3人がこの部活を引っ張るようになるんだ。いつまでも俺に頼らず、自分たちの力で後輩の成長を促してみろ!」

 

 部長として、来年から部を引っ張る2年生の自主性を促すための課題を与えた山形先輩が、腕を組んだまま彼らを見やる。

 そんな部長からの視線に息を飲んだ3人であったが、即座にそれを山形先輩からの愛の鞭であることを理解すると、その期待に応えるために私のお尻をどう鍛えるかの話し合いを始めた。

 

「どうする? やっぱりまずは器具で慣らしを――」

 

「いや、待て。これはアナル開発じゃなくて弱点克服の特訓なんだ。慣らし運転なんて必要か?」

 

「そもそもどういう方向性での特訓を行うつもりだ? 筋肉にも瞬発力、持久力、総合筋力のそれぞれを目的としたメニューがある。闇雲にアキくんのアナルを弄っても、特訓にもならないただの遊びになるだけだ。そんなの、彼女に失礼だろう」

 

「まずは目的を定めることが肝心、ということか……」

 

「今回の目標は弱点の克服だ。それを基盤としてメニューを考えるのなら――」

 

 ……ああ、なんてことだろう。彼らは今、私を成長させるために全力でメニューを考え、それを実行しようとしている。

 こんなに親身になってわたしのことを想い、考え、行動してくれる仲間は、元の世界にはいなかった。

 

 やっぱり、私は幸せだ。このセックス次元で、明日香たちだけじゃなく、こんなにも素敵な仲間たちと巡り合うことが出来たのだから――♡

 

「……よし、じゃあまず俺が相手をするから、長周はカードを使っての補佐を頼む。伊野木は傍で確認しながら、アドバイスがあったらガンガン言ってくれ」

 

「おう! わかったぜ!!」

 

 そうやって、私が幸福に背筋からお尻までを震わせる中、特訓メニューについてを話し終えた3人が遂に行動を開始した。

 羽場先輩の指示を受けた長周先輩がカードを手に立体映像発生装置の前に立つと、大声でカード名を叫びながらその発動を宣言する。

 

「【混闘技 ザ・ボディビル・ホールド】を発動!!」

 

「んおっっ♡♡♡ おほぉおおぉおぉおおぉおっっ♡♡♡」

 

 長周先輩がカードを発動した瞬間、私は体を力強く持ち上げられ、背後から抱えられてしまった。

 フルネルソンの体勢になり、何一つとして抵抗が出来ない状況になった私の肛門へと、羽場先輩が己のペニスを勢いよく叩き込んでくる。

 

「い、いきなり、ちんぽぉっ♡♡♡ かだぐで、あつぃおちんぽが、お尻のなかにぃっ♡♡♡ ほぉおおおっっ♡♡♡」

 

「どうだい、アキくん? 俺のちんぽは気持ちいいかな?」

 

「いい゛、ですっ♡♡♡ すごく、硬くて、熱くてっ♡♡♡ お尻の中に挿ってるって、はっきりかんじられてぇっ♡♡♡」

 

 ぐっ、ぐっ、と奥まで腰を押し込み、根元までおちんぽを叩き込む羽場先輩。

 彼のちんぽはとても硬く、そして熱い滾りを持っていて、お尻の中でもその感触が強く感じられていた。

 

「おほぉおっ♡♡♡ だめっ♡♡♡ がまん、できないっっ♡♡♡ お、お尻が気持ち良すぎて、おかしくなっ♡♡♡ おっほぉおおぉっ♡♡♡」

 

 羽場先輩に持ち上げられ、自重によってお尻の深くまでちんぽを受け入れてしまった私は、既にグロッキー状態だ。

 抗えない快感に舌を放り出して喘ぐ私は、少しでもアナル性感を耐えようとしたのだが……そんな私に向け、先輩たちが意外なことを言い出した。

 

「アキくん、無理に耐える必要はない。むしろ、そのまま感じ、喘ぎ、絶頂するんだ」

 

「んおっっ♡♡♡ で、でもそれじゃあ、特訓にならな、おほぉっ♡♡♡」

 

 アナルで感じる快感を堪えられるようにするための特訓なのに、その快楽で思う存分絶頂しろと言う先輩たちへと、私は生臭い嬌声を上げながら当然の疑問を口にした。

 これではただ、3人とアナルセックスをしているだけなってしまう……と考えた私であったが、先輩たちにはしっかりとした考えがあったようだ。

 

「考え方を変えるんだ。快感を耐えるのではなく、受け入れるんだよ。そもそも、どんなに特訓したとしても、肛門性感を耐えられるはずがない。こんなに敏感なお尻なら猶更の話さ」

 

「んおぉおっ♡♡♡ たしか、にぃっ♡ 先輩の、仰る、通りで、おおぉんっ♡♡♡」

 

「だろう? だからここで、プロレス的な考えを取り入れるんだ。相手の技を食らう時には、わざと大袈裟に受ける。そうすることで観客たちを湧かせ、その動きの裏でしっかりと受け身を取ることでダメージを最小限に抑えることが出来るんだ」

 

「さっき部長も言ってただろう? エロデュエルもプロレスも、やるなら派手にがモットーだって。あれも俺たちに対するアドバイスだったんだよ!」

 

「そう、だったんですね……♡ 流石は山形先輩です……♡」

 

 先輩たちに言われて気が付いたが、私のけつまんこの弱さはちょっとやそっとの特訓でどうにかなるようなものじゃあない。

 というよりむしろ、こうして肛門を穿られたら感度が上がって、逆にもっともっと弱くなってしまうことなんて目に見えている。

 

 だから、それを逆手にとって考える。お尻を弱点だと思うのではなく、責められると気持ちよくなれる部位だと考えるのだ。

 

 少し弄られるだけで思考が吹き飛んでしまうアナルによる快感を、体にしっかりと叩き込む。

 味わって当然だと、穿られて嬉しいと、けつまんこを弄られることに対して悦びを感じられるくらいの親しみを得ることが出来れば、それはもう弱点と呼べる存在ではなくなるはずだ。

 

(私は今まで、お尻を責められることを恐れてた……だから、ここを攻撃されると何も考えられなくなっていたのね。でも、普通に考えれば逆じゃない。だってお尻(ここ)は、私をこんなに気持ちよくしてくれる場所なんだもの……♡)

 

 攻撃されたら負けちゃう場所だから、絶対に責められちゃいけないと思っていた。

 でも、それは同時に私がお尻で最高の快楽を味わえるという証明にもなっていて、ここを弄られることで凄まじいまでの快感を得られることも私は理解していたのだ。

 

 気持ちよくなれることがわかってるのに責めさせないなんて、勿体ない♡

 負けるのが嫌なら、お尻を穿られても、弄られても、何度ケツアクメさせられても……それで倒れなくなればいいだけの話だ♡

 

 耐えるんじゃなくて、受け入れる♡ 嫌がるんじゃなくて、悦んでみせる♡

 派手にイッて、アクメして、絶頂して、無様にお尻で感じまくろうとも、喘ぎまくろうとも、最終的にエロデュエルに勝てばいい♡

 

 そのためにはお尻での快感に思いっきり慣れ親しむことが大事なんだって気が付いた私は、ようやく先輩たちの言葉の意味を理解することが出来た。

 

「わかり、ました……♡ 私、思いっきりお尻でイキますっ♡♡♡ 先輩たちからの愛の鞭、お尻でいっぱい受けさせていただきますっ♡♡♡」

 

「アキくん……!! 君のその信頼に、俺たちも応えてみせるっ!! 長周! 伊野木っ!! 精魂尽き果てるまでやるぞっ!!」

 

「「おうっ!!」」

 

 この瞬間、私はプロレス部のみんなの心が1つになったことを感じていた。

 

 私は信頼と共にお尻を先輩たちに差し出し、先輩たちはその信頼に応えるために私のお尻を鍛え抜く。

 その根幹にある熱い絆がお互いの性の迸りとして燃え上がり、私たちが味わう快感をより一層甘美で深みのあるものにしてくれる。

 

 デュエルと同じだ。セックスの中で、私たちはお互いを分かり合う。

 そこに懸ける想いを、相手への感情を、全て分かち合いながら腰と腰を、魂と魂をぶつけ合って、より強い絆を紡いでいくのだ。

 

「いくぞ、アキくん!! 【混闘技 ザ・ボディビル・ホールド】の効果によって、このセックス中に君のお尻の守備力を上回った分のダメージは、そのまま快楽として君に与えられる!! 守備力0のアナルで、俺の突き上げを食らってイけっ!!」

 

「んおぉおおぉおおぉおおぉおっっ♡♡♡ ほぉんっ♡♡♡ おぉおんっ♡♡♡ おっほぉおぉおぉおっっ♡♡♡」

 

 守備力貫通効果のある魔法を使ってからのピストンが、私のアナルへと襲い掛かる。

 でも、もう肛門っていう城門を打ち破られてしまっているんだから、守備貫通もなにもないと思うんだけれど……っていう私の考えは、羽場先輩の突き上げピストン1発で雲散霧消してしまった。

 

 お尻から脳天に駆け上がるような快感が何度も何度も襲い掛かってきて、突き入れられる時の圧迫感と引き抜かれる時の脱力感のコンビネーションが私をどんどんダメにしていく。

 硬くて熱い羽場先輩のおちんぽにお尻の奥を穿られる度に、私は今、出す器官であるはずの穴にこんなにも立派なおちんぽをハメられちゃってるんだな……っていう実感が強く込み上げてきて、それがまた快感へと変換されていった。

 

「おっっ♡♡♡ んぉおおおっ♡♡♡ い、いぐっ♡♡♡ いぐの、どまらなっ♡♡♡ おおおぉおぉおおぉおっっ♡♡♡ おもらひぃ♡♡♡ しおふきっ♡♡♡ どっちもとまらにゃいですううっ♡♡♡」

 

「いいぞ、その調子だ! 思う存分アクメするんだ、アキくん!! 自分をもっと解き放てっ!!」

 

「俺たちもその手助けをするぞっ! 装備魔法【アヘ顔Wピース】をアキくんに装備だっ!!」

 

「にょほぉおおぉおおおぉおおぉおおおおおぉおおぉおおっっ♡♡♡」

 

――――――――――

 

アヘ顔Wピース

装備魔法

 

(1)このカードを装備したモンスターは攻撃力が300下がる

(2)女性モンスターが装備した場合、更に守備力が500下がる

 

――――――――――

 

 長周先輩が発動したカードが、私のサイコデュエリストとしての能力を通じて肉体に効果を及ぼす。

 僅かに残っていたお尻の防御力を下げられてしまった私は、更なる肛門性感を味わいながらアヘ顔Wピースをするという無様な格好を曝け出していた。

 

「おほぉぉおおぉおっ♡♡♡ んぉおおぉおおぉおおっっ♡♡♡ ほぉおおぉおぉおおんっ♡♡♡」

 

「アキくん、忘れてないか? 今の君の姿は、大勢のカメラマンによって撮影されている!! アナルセックスに悶える君の痴態はこれから我がプロレス部の至宝として、永久に部員たちに受け継がれていくことだろう!」

 

「ん、おぉおっ……♡ と、録られてるぅ……♡ お尻の穴を穿られておもらししてるところも、潮噴きしちゃってるところも、全部撮影されてるぅ……♡ これから先、ずっとずっとプロレス部のみんなにこんな姿を見られることになるなんてぇ……♡」

 

「最高だろう? もっともっと、エロい姿を記録に残したいよな?」

 

「……はいっ♡♡♡」

 

 羽場先輩は、心を覗いたかのように正確に私の願いを言い当ててみせた。

 これもきっと、セックスによって私たちの心と体が繋がっているから……肛門性交によって昂る私の心の情熱と、羞恥によって快感を貪って熱くなる体の反応を敏感に感じ取ってくれたからこそ、彼は私がなにを願っているのかを理解出来たのだろう。

 

 もっとエロくなりたい♡ もっと卑猥な女になって、プロレス部のみんなと楽しいセックスがしたい……♡

 そんな私の想いを感じ取った羽場先輩は、思い切り腰を引くと、更に強烈なピストンを打ち込むようにして、腰を私のお尻へと叩き込んできた。

 

「んっほおぉおおぉおおおおおぉおおおおおぉおおおおぉおっ♡♡♡ おおぉおおぉおおんっ♡♡♡ ほぉおおぉおおおおおおおぉおおぉんっ♡♡♡ おっほぉおおぉおぉおっっ♡♡♡」

 

 おしっこが、愛液が、涙が、鼻水が、汗が、幸せが……止まらない♡

 お尻におちんぽをぶち込まれても、お尻からおちんぽを引っこ抜かれても、気持ちよくって、幸せで、体中が多幸感に包まれて、イキっぱなしになってしまう。

 

 アナルセックスの快感も勿論あるのだろう。でも、それ以上に私を幸せにしてくれているのは、どんな私でも受け入れてくれる仲間の存在だ。

 

 身も心も繋がって、無様で淫猥な本性を曝け出せて、お互いが高みに昇るために手を差し伸べ合える、最高の仲間たち。

 昔は持ち得なかったそれを、今の私は手に入れた。プロレス部の仲間という、苦労も幸福も快感も分かち合える仲間が、今の私にはいるのだ。

 

(エロデュエルも、プロレスも、最高ッッ♡♡♡ 熱い魂と魂のぶつかり合い♡ 手に汗握る駆け引きっ♡ 決着の先にある清々しい爽快感♡ そしてなんといっても、お互いを深くまで理解し合えるこの繋がりっ♡ 部活としての始動したこの部の歴史の第一歩に立ち合えたことも、こんな素晴らしい仲間に出会えたことも、全部が幸せっ♡ エロデュエルとプロレスが齎してくれる幸せを、デュエロ・アカデミアの歴史に刻まなきゃっ♡ そのために、私は――っ♡♡♡)

 

 もう私は、カードの効果でアヘ顔Wピースをしているのではなかった。

 自分自身の意志で、自分自身の感情を表すために、最高の幸せを意味するピースサインと満面の笑みを浮かべて、そこにセックスの快楽というスパイスを効かせている。

 

 私や先輩たちがデュエロ・アカデミアを卒業しても、それから何十年、何百年もの月日が流れたとしても、この記録だけはデュエロ・アカデミアに残し続けたい。

 プロレス部が存続し続ける以上、きっと私たちが汗を流し、お互いの絆を深め合ったこの素晴らしい映像が、後輩たちに受け継がれていくはずだから……と、プロレス部の立ち上げに関わった者として、後に続く者たちに何かを残すという悦びに身を打ち震わせた私は、直後に快感によって全身を激しく痙攣させる羽目になった。

 

「んっほぉおおおおおおおおおおおおぉおおおおおおおおおぉおおおおっっ♡♡♡ おほぉっ♡♡♡ ほぉおおぉおおおおおおおおおぉおおおおおおっっ♡♡♡ あ、づいぃいいいいいいいいいぃいいいっっ♡♡♡」

 

 熱く猛々しい迸りが、お尻の中で爆発する。

 羽場先輩が私へと、全ての想いを解き放ってくれたのだと……そう理解した瞬間、私はこれまでで最大のアナルアクメを迎えていた。

 

「あぁ……♡ すごい♡ すごいです♡ 羽場先輩……っ♡ 先輩とのアナルセックスで味わった快感と比べたら、今までのお尻での気持ちよさなんて屁でもない……♡ こんなに気持ちいいことから逃げようだとか、耐えようだとか考える方が間違ってたって、はっきりわかりました……♡」

 

「俺も、最高に気持ちが良かった……! こんなに射精するのは初めてだ。アキくんのお尻は、最高の名器だよ!!」

 

「本当ですか? 先輩にそう言ってもらえて、本当に嬉しいです……♡」

 

 舌と舌を絡めて、お互いの想いを確かめ合うような熱烈なキスを羽場先輩と交わす。

 大量の精液を吐き出したせいで少し萎え気味になってしまった羽場先輩のおちんぽがお尻から抜けていくことに寂しさを覚えた私は、最後の最後まで強く肛門を締めることで先輩への愛と思慕の念を表現して見せた。

 そのせいで、ぬぽんっ♡ なんて恥ずかしい音がお尻から響いちゃったけど……それもまた気持ちいいから問題ないわね♡

 

「ふぅ、んっ♡♡♡ ふぅぅ……♡ はぁっ♡ はぁぁ……っ♡」

 

 2本の脚でリングを踏み締めて、快感と興奮でぼーっとしている頭を抱えた私は、のろのろと両脚を前へと進めた。

 コーナーポスト目掛けて歩いて、そこに両手を置いて、自らお尻を突き出す格好を取った私は、ぽっかりと口を開けて羽場先輩が射精してくれたザーメンを零しているアナルを見せつけながら、言う。

 

「もっと、もっと……♡ ケツハメセックスして、ケツマンコアクメしたい、です……♡ まだまだ未熟で未完成な私のお尻を、先輩たちの立派で逞しい精神注入棒(おちんぽさま)で、鍛え上げてください……っ♡♡♡」

 

 まだまだ、特訓は始まったばかり。私のお尻も淫らな覚醒を始めたばかり。

 今日のトレーニング時間もまだまだあるし、伊野木先輩と長周先輩がまだお尻にハメていない。特訓は、これからも続くはずだ。

 

 むちっ♡ とした肉付きのいいお尻を揺らして、ぷりっ♡ とそれを犯してもらうために突き出して、ぶぴっ♡ と下品な音を響かせながら精液を肛門から噴き出させた私は、淫靡な笑みを浮かべながら特訓という名のセックスを求め、先輩たちへと微笑みかけるのであった。

 



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ハードな合宿!? アキのプロレス&セックス大特訓!!(後編)

書けた!!急いで投稿!!
アキのエロの後半戦、楽しんでいってください!


「よし、選手交代だ! 次は俺が行くぜ!!」

 

 射精して小休止を取る羽場先輩に代わって私の相手を名乗り出たのは、ここまで近くで私たちのアナルセックスを見守ってきた伊野木先輩だ。

 カードでこの場を操る長周先輩に目配せをした後、彼は私の体を引っ張るとマットの上に寝転がさせる。

 

「魔法カード、【混闘技 メイトプレス・ロック】を発動!! 種付けプレスで攻撃力アップだっ!!」

 

「いくぞ、アキくん!! おおおおおっ!!」

 

「んほぉおおおおおおおぉおおおおっっ♡♡♡ な、ながいっ♡♡♡ 深いぃいぃいいぃいぃっ♡♡♡」

 

 伊野木先輩のちんぽは、彼の体格と同じく細長い形状をしており、それが種付けプレスの体位と相まって奥深くまで私のお尻を穿ってくる。

 限界ギリギリまで押し込まれたおちんぽがお尻の知らない場所を突き、それを亀頭ギリギリまで引き抜かれる快感といったら、私の想像を絶する破壊力があった。

 

「一切抵抗出来ずにケツ穴を穿られる気分はどうだ!? だらしないアクメ面をもっとよく見てもらえっ!!」

 

「んほおぉおおぉおぉおぉおっっ♡♡♡ ほぉんっ♡♡♡ おほぉおぉおおんっ♡♡♡ ほひぃいいぃいいっ♡♡♡ おほひぃいいぃいぃいぃいっ♡♡♡」

 

 まんぐり返しの格好でマットに押し倒され、体を一切動かせないままに肛門を嬲られる。

 その快感は言葉に出来ないどころか、私の理性を根こそぎ融解してしまうほどの強さを誇っていた。

 

 奥深くまでちんぽを捻じ込まれ、肛門から腸壁までを支配される。

 そこから一気にちんぽを引き抜かれ、排泄感という絶対に抗えない快楽に紐付けされた悦びを強制的に味わわされる。

 

 こんなの無理だ、勝てっこない。

 こんなお尻の穿られ方したら、絶対にケツアクメするしかないに決まってる。

 

「ほぉおおぉおおおおおおおおおぉおおぉおっ♡♡♡ いぐっ♡♡♡ いぐぅううぅっ♡♡♡ お尻いいですっ♡♡♡ 伊野木先輩のロングちんぽいいれすうぅっ♡♡♡」

 

「さっきからずっとイキっぱなしになっているようだな……だが、それでいい! 存分に快楽を貪り、肛門性交に慣れ親しむんだ!!」

 

「おおおおぉおおおおおおおおぉっっ♡♡♡」

 

 野太い嬌声で伊野木先輩に返事をしながら、お尻の穴に力を込める。

 ぎゅっ♡ と先輩のおちんぽを強く締め付けてみせれば、それがぶっこ抜かれる時の快感がより強く感じられるようになって、私はより無様なケツイキ顔を見せるようになってしまった。

 

「ほぉおおぉっ♡♡♡ おほぉおぉおんっ♡♡♡ ほぉんっ♡♡♡ おほぉおんっ♡♡♡」

 

 間近で幾つものカメラがフラッシュを焚き、私のアヘ顔を撮影する。

 周囲をビデオカメラを持ったモンスターが旋回し、ケツ穴種付けプレスを受ける私の見事なまでのイキっぷりをばっちり撮影していた。

 

 本物のプロレスの試合だったらこの時点でもう勝負がついているような光景だけど、私たちは試合ではなく特訓のためにアナルセックスを行っている。

 その証拠に、伊野木先輩は私のおっぱいも、おまんこも、唇も舌も責めず、ひたすらにお尻の穴へとピストンを繰り出していた。

 

 このセックスは、私に肛門での快感をたっぷりと味わわせ、それに慣れさせることが目的だ。

 だからこそ、それ以外の場所で与える快感に意味がないと先輩たちは考え、そしてそれを実行してくれている。

 

 もっと私を苛烈に責め立てることも、己が欲望に従って好き勝手に愛撫することだって先輩たちは出来るのに、それをしようとしない。

 本気で、全力で、私のために協力してくれている先輩たちの姿は、それを見る私に彼らへの尊敬の念と愛情を深めさせるに十分な雄姿だった。

 

「ん、ぐお、ほぉおおぉっ♡♡♡ い、いぎゅ、いぎゅぅううううぅううぅうぅんっっ♡♡♡」

 

 そうして……たっぷり10分はケツ穴をずぼずぼされ、種付けプレスで丁寧に耕された私は、腸内にぶちまけられた熱い精液の感触に背筋を仰け反らせながら喘ぎ狂い、イった。

 もしもお尻で妊娠することが出来たのなら、まず間違いなく孕んでしまっただろうなと思えるくらいの充足感を感じながらの絶頂は、伊野木先輩のちんぽをギンギンに滾らせられたようだ。

 

 こってりとした熱い精液がお尻の中に溜まり、奥の奥まで開拓された腸がそれを悦んで味わい始める。

 羽場先輩の時と同様、伊野木先輩に最後の1滴までザーメンを注ぎ込んでもらってからちんぽを引き抜かれた私は、2人のカクテルザーメンをお尻の穴に溜めつつ、深い充足感と絶頂感に舌を放り出して悶えていた。

 

「おお、おっ♡ ほ、おぉ……っ♡」

 

「よし、次は長周の番だな。その前に――」

 

「アキくんに気合を入れよう。長周、あのカードを頼む!!」

 

「あいよっ! 魔法カード【混闘技 闘魂注入!!】を発動だっ!!」

 

「んぉぉ……? おっっ♡♡♡ おひぃいいぃいぃいぃいぃいぃぃいいぃいっ♡♡♡」

 

 マットの上でだらしなくアヘっていた私は、羽場先輩と伊野木先輩によって体を反転させられ、マットに突っ伏したままお尻だけを高く持ち上げるような格好を取らされた。

 そうやって、ケツアクメし放題の雑魚お尻を左右から挟み込んだ2人は、それぞれが思い切り張り手を繰り出し、私のお尻を全力で引っ叩く。

 

 ぱぁんっ♡ と凄い音が響いて、絶対にお尻に真っ赤な手形が残ってるだろうと確信するような衝撃がお尻で爆発して……痛みではなく、快感を味わった私は、それによって急速に意識を回復させていった。

 

「アキくん、へばっている暇はないぞ? まだまだ特訓は続く! ケツの穴に気合を入れろっ!!」

 

「は、はいっ♡ 気合の注入、ありがとうございましたっ♡♡♡」

 

 先輩たちからの愛あるスパンキングを受けた私は、一気に体に力を取り戻した。

 さっきまでアクメのせいでガクガクだった脚もすっかり普通通りになって、開きっぱなしになっていた肛門にもぎゅっと力が込められるようになっている。

 

 お腹とお尻に溜まる2人の精液をもう少し留めておきたいと思いつつ、気合を入れ直した精神と身体で次なる特訓に臨んだ私は、最後の1人である長周先輩へとお尻を差し出した。

 

「よっしゃ、俺の番だな! パワーなら部内No1である俺のセックスに耐えられるかっ!?」

 

「お、おおぉおおぉっ♡♡♡ ふ、ふと、いぃ……♡ あ、あぁぁ……っ♡♡♡ こ、肛門っ♡♡♡ けつまんこっ♡♡♡ ミチミチ音を立てて、広がって、るぅ……♡♡♡」

 

 長周先輩のおちんぽは私がこれまでセックスをした誰よりも太く、とても猛々しかった。

 もしかしたら、羽場先輩と伊野木先輩は私のお尻を慣らしてから長周先輩の相手をさせようと考えて彼の順番を後に回したのかもしれないと考えた私は、色々と気遣ってくれる先輩たちへと更なる感謝の気持ちを抱く。

 

 硬さは羽場先輩の方が、長さは伊野木先輩の方が上だが……長周先輩のおちんぽも一級品だ。

 それぞれがそれぞれの優位性を活かしたセックスを行ったことから考えるに、長周先輩はその体格とパワーを存分に振るって私のお尻を犯し尽くしてくれるのだろう。

 

「流石はアキくんだ。俺の太マラを容易く咥え込むとはな」

 

「んおぉう……♡♡♡ ば、羽場先輩と伊野木先輩が、私のけつまんこを解してくれたお陰です……♡ 先輩たちの助力のお陰で、自分がどんどんケツアクメに慣れているのがわかって、私も嬉しいです……♡」

 

「確かに、お尻に刻まれた2人の手形からも熱い滾りを感じるよ。俺たちの本気がアキくんに伝わってくれたこと、喜ばしく思う」

 

「あん……っ♡♡♡」

 

 ジンジン、ヒリヒリと熱を持つスパンキングの跡を優しく撫でられると、恍惚とした不思議な気分になってしまう。

 左右のお尻に叩き込まれた羽場先輩と伊野木先輩の熱と、肛門にハメられているおちんぽから伝わる長周先輩の熱が1つのなって、私の中で渦巻く感覚がどうしようもなく気持ちがいい。

 

 そんな快感に悶え、うっとりとした笑みを浮かべていた私は、長周先輩のおちんぽをアナルで咥え込んだまま、リングから降りる。

 立体映像発生装置の、そのすぐ近くにあるデュエルフィールドへと連れられた私は、そこでカードの束を見せつけられながら、こんな質問を投げかけられた。

 

「どれか使ってほしいカードはあるかい? アキくん自身の考えで、好きなようにこのセックスを彩ってくれ」

 

「う、んぅ……♡♡♡ ほぉん……っ♡♡♡」

 

 沢山の【混闘技】カードや、汎用魔法罠カード、更には効果モンスターのカードなんかを見せつけられながらそんなことを言われた瞬間、私の胸は期待に高鳴ってしまった。

 

 私の肛門をこんなにも押し広げる長周先輩のぶっといおちんぽを、更にこのカードたちで強化する。

 あるいは、私自身のアナル感度を跳ね上げたり、お尻を弱体化させたりして、思う存分イキ狂えるような下地を作ってしまう。

 

 そのどちらも魅力的だし、どちらをもやっても構わないと言われたら、興奮しないなんて選択肢は私にはない。

 お尻に咥え込んだおちんぽの感触を味わいながら、このおちんぽをより逞しくして、アナルセックスを楽しめるようにするカードはどれかと探し回った私は、その答えを見出すと共に台座へとそのカードを叩き付けながら発動を宣言した。

 

「ま、魔法カード【一騎加勢】を、長周先輩を対象に発動っ♡♡♡ これにより、先輩の攻撃力はこのセックス中、1500アップしますっ♡♡♡」

 

「なるほど、瞬間的火力を上昇させるカードの内、最大の数値を誇るカードを選択したようだな! 下手に小細工を弄するより、長周のパワーを伸ばし、それを存分に活かしたプレイをさせた方がいいと踏んだわけか!!」

 

「おっっ♡♡♡ おんっっ♡♡♡ お゛お゛お゛んっっ♡♡♡」

 

 私のプレイングについての伊野木先輩の感想に対して、私は何も答えることが出来なかった。

 攻撃力の上昇効果を受けた長周先輩が自慢のパワーを惜しみなく振るい、強靭な腰の動きで私のお尻へとピストンを叩き込んだからだ。

 

 1発で意識が吹き飛び、2発目で強制的に覚醒され、3発目で自分がイっていることに気付かされる。

 単純であるが故に強力な快感の暴力に晒される私は、長周先輩のパワープレイによって成す術なくイかされまくってしまっていた。

 

「んおぉおぉおおぉおっ♡♡♡ いいっ♡♡♡ いいですぅうっ♡♡♡ ぶっといちんぽでけつまんこひろげられてぇ♡♡♡ すごいちからでおかされるの、きもちよすぎるぅうっ♡♡♡」

 

「その調子だ! 最後まで耐え切って、本気ケツアクメを決めまくれっ!」

 

「おおおぉおぉおっっ♡♡♡ お゛お゛お゛お゛お゛お゛っっ♡♡♡ ほお゛お゛お゛お゛お゛お゛んっっ♡♡♡」

 

 前傾姿勢になって、両手首を掴まれて、思い切りお尻へとピストンを繰り出される。

 おちんぽを叩き込まれる度に私のおっぱいが大きく揺れ、お互いにぶつかり合っては長周先輩のセックスを称える拍手をするような音を打ち鳴らし、おちんぽを引き抜かれる度に私の口からはバイクの排気音のような野太い嬌声が溢れ出した。

 

 なんだか今、自分がD-ホイールになってしまったような気がして……自分が人ではなく、道具のように扱われている状況に興奮を覚えてしまう。

 長周先輩を乗せ、共に快楽の高みを目指して疾走する清々しい爽快感を覚えながら、私は一層彼とのセックスにのめり込んでいった。

 

「んごっ♡♡♡ ほおぉおおっっ♡♡♡ おんっ♡♡♡ んほぉお゛お゛ぉおぉおぉおぉおッッ♡♡♡」

 

「君自身の手で強化した俺のちんぽはどうだっ!? 満足してるか!? 気持ちいいかっ!?」

 

「おぉおぉんっ♡♡♡ んぉおおぉおぉおぉおおぉおおっ♡♡♡ ほぉおおぉおおぉおっっ♡♡♡」

 

「もうまともに喋ることも出来ないか。なら、これでトドメだっ!! 思う存分、イキ狂えっ!!」

 

「お゛――ッッ♡♡♡」

 

 長周先輩のおちんぽが、熱く、硬く、切なくなる。

 みちみちとアナルを広げるそれが秘めた感覚に覚えがあった私がお尻をぶるりと震わせた瞬間、腸内へと待ち望んだものが解き放たれた。

 

 先に射精され、お腹の中に溜まっていた羽場先輩と伊野木先輩のそれにも負けない濃さと量を誇る、精液。

 びゅるるるるっ、という激しい射精音がお尻の中で響くことを感じながら、私は肺から全ての空気を吐き出すようにして、快感の雄叫びを上げた。

 

「んほぉおおおおおぉおおおおおおおぉおおおおおおおぉぉおおぉおおおおおぉおおおおおっっ♡♡♡」

 

 失禁と、潮噴き。私自身が途轍もない快楽を貪り、狂おしいほどの幸せを感じているという証拠である肉体の反応が、絶え間なく起き続ける。

 がくん、がくんっ♡ と腰を揺らし、だらしなくアヘ顔を浮かべながら、私はアナル絶頂の快楽に酔い痴れていた。

 

(ああ……♡ お尻の中に、こんなに沢山のザーメンが……♡ ぐつぐつ煮え滾って♡ 濃さも十分で♡ お尻が、やけどしてしまいそう……♡)

 

 3人分ともなると、お尻の中にあるザーメンの重さは相当なものになる。

 しかも、それら全てが未だに冷めやらぬ熱を持っており、私の中で存在を主張し続けているのだ。

 

 体が、心が、魂が……燃え上がるような、そんな感覚。

 3度のアナルセックスを終え、幾度となく全力のケツアクメをしたというのに、私の中の興奮は衰えることを知らない。

 

(もっと、シたい……♡ もっと、お尻で、セックスがしたい……っ♡♡♡)

 

 欲しいと、イキたいと、願ってしまう。浅ましいほどに、いやらしいことこの上ないくらいに、肛門で味わえる快楽を望んでしまう。

 もう、私の中からお尻は責められるとマズい弱点であるという意識は消え去っている。

 この穴は、柔らかい尻は、大好きなプロレス部の先輩たちをここまで興奮させ、共に快楽を分かち合える素敵な器官であると、そんな想いが前面に押し出された思考を抱いた私は、更なる肛門性感を望むようになっていたが……同時に、彼らの体力が心配にもなっていた。

 

 3人がかりとはいえ、私のサイコデュエリストとしての能力をフルに活かした全力のセックスを行った彼らの体力の消耗は、相当なものであるはずだ。

 慣れない状況下で先輩たちに無理をさせるわけにはいかない。ここは欲望をぐっと堪えて、彼らの体力の回復を――

 

「罠カード【精力増強剤ウルトラX】を発動!!」 

 

「うっ、うおおぉおおおおおっ!!」

 

「えっ……!?」

 

 ――そんなことを考えていた私の前で、先輩たちのおちんぽが硬さを取り戻していく。

 いや、取り戻すなんてレベルじゃあない。先輩たちのおちんぽは、最初のフル勃起状態よりも一回りも二回りも大きく膨れ上がり、天を衝かんばかりの怒張を見せている。

 

 ここまで私たちの特訓(アナルセックス)を見守っていた山形先輩が発動したカードの効果によってで再び体力と精力を取り戻した3人は、ギンギンに勃起したおちんぽを私へと見せつけるようにしながらこちらを睨んでいた。

 

「……こいつは俺からの手助けだ。ここから先はお前たちに全てを任せ、俺は別の場所でトレーニングをすることにしよう。アキくん、ああなった3人の相手をすることは大変だと思うが、最後までやり切ってみせろ! 膝をつかず、屈さず、俺が戻ってくるまで、特訓を乗り切ってみせるんだ! それが、俺から君に与える今回の課題だ!!」

 

「は、はいっ♡♡♡」

 

 山形先輩の使ったカードの効果のお陰で、もう3人の体力を回復するためのインターバルを入れる必要はなくなった。

 むしろ、あんなに大きく勃起したおちんぽをあのままにする方が可哀想で、すぐにでも射精させて楽にしてあげないとという使命感が私の中で燃え上がっている。

 

 先輩たちだって今すぐに私をぶち犯したいはずなのに、もう特訓なんて関係なしにして滅茶苦茶に犯し尽くしてやりたいくらいに興奮しているだろうに……そんな熱を一生懸命に堪えて、紳士的な態度を見せていた。

 山形先輩が去った後、私をリングへと上がらせた彼らは、ギンギンに勃起したおちんぽを私の眼前へと突き出す。

 猛々しいその雄姿と、香しいおちんぽの臭いと、離れていても感じられる熱と硬さにごくりと口の中に溜まった涎を飲み込んだ私は……おちんぽの雄々しさを感じるというたったそれだけの行為で絶頂し、3つの雌穴からそれぞれ別の体液を噴き出してしまった。

 

「おほっ♡♡♡ あぁあぁあああっっ♡♡♡」

 

 尿道からはおしっこが、膣からは愛液が、そして、肛門からは先輩たちから射精してもらったブレンドザーメンが、それぞれ卑猥な音と臭いをまき散らしながらマットの上にぶちまけられていく。

 

 神聖なマットをエロ汁で汚し、小便座りの格好で恍惚とした笑みを浮かべて雌の悦びに浸る私へと、先輩たちが一歩距離を詰める。

 今から犯される、お尻を可愛がってもらえる……♡ そんな期待を胸に息を飲んだ私は、再びその期待だけで絶頂し、だらしなくアヘってしまうのであった。

 

――――――――――

 

 

 

 

――――――――――

 

「おぉおおぉおっ♡♡♡ んぉおおぉおぉおおおっ♡♡♡ おひぃいいぃいっっ♡♡♡ あ、あぁああっっ♡♡♡ イクっ♡♡♡ イクぅううぅうぅうぅうぅうっっ♡♡♡」

 

 トレーニングルームに、私の淫らな絶叫が響き渡る。

 体を大きく仰け反らせ、性感に完全に身も心も委ねた私は、雌穴を穿られる悦びに何度目かもわからないアクメを迎え、多幸感に酔い痴れていた。

 

 本格的なトレーニングが始まってから早数時間、私たちはその間ずっと、休むことなく特訓(セックス)を続けている。

 

 様々なカードを使い、先輩たちのちんぽと私の感度を強化しながらのケツ穴セックスは当たり前にするとして、そこから更に実践を踏まえたトレーニングとして、おまんこの方も同時に犯してもらうことにした。

 ガチガチに勃起して、すぐにでも射精したそうな先輩たちのおちんぽを長く待たせることは申し訳なく思えたし、使える穴があるなら使った方がいいというのは当然の考えだろう。

 

 それに私も、より深く激しい快感を味わいたいと思っていたところだ。

 アナルセックスで味わったあの爽快感と熱を、もっともっと高めてみたい。

 まんことアナルを同時に犯してもらえば、その願望も叶うのではないかという思いを胸に臨んだ二穴セックスであったが……これがもう、最高過ぎた。

 

 おまんことお尻の中で、2本のちんぽが縦横無尽に暴れまわる感覚といったら、思考を全て押し流されるだけの破壊力がある。

 両方から違った刺激と快感を受ける雌穴たちがぎゅうぎゅうに締まり、ちんぽたちへの愛情と隷属を示すかのように媚びてみせれば、それがまた更なる快感を生み出すスパイスとなって私を高めてくれるのだ。

 

 仰向け、うつ伏せの両方の体勢で上下からおちんぽを叩き込まれたり、コーナーポストに手をついて犬がおしっこをする時のような格好になり、その恥ずかしい体勢で犯されまくったり、先輩たちは色んな体位で私と二穴セックスを行ってくれて、その快感の凄さに私はもうめろめろのガクガク状態になってしまっている。

 3人のおちんぽが順番に私のまんことけつまんこに挿入され、段々と熟練度を増して感じる手法を把握していくと共に、私の穴もまた彼らのおちんぽで気持ちよくなる術を理解しているようだ。

 

 先輩たちのおちんぽに、私のおまんことケツ穴が調律(チューニング)されているような……そんな不思議な心地良さと、段々と強まっていく快感に酔い痴れる私は、既にまともに立つことすら出来なくなってしまっている。

 今ではもう、先輩たちに抱えてもらいながら二穴ファックしてもらって、射精後の交代の際にちょっとの間だけお便所座りの情けない格好をするだけだ。

 

「魔法カード【ダブル・サイクロン】を発動! アキくんのまんこのアナルの精液を、一気に噴射するっ!!」

 

「んおぉおおおぉおおおおおおおおおおぉおおおおおぉおおおおおぉおおっ♡♡♡」

 

 凄まじい衝撃が膣と腸内で吹き荒れ、その勢いのままに下品な音を響かせながら2つの穴から合計6射精分のザーメンが噴き出す。

 3人の先輩たちがそれぞれの穴に1回ずつ二穴セックスで射精することを1セットとし、それを10回行った私のお尻には、その数を示す大きな正の字が左右に1つずつ書き込まれていた。

 

「素晴らしいぞ、アキくん! 君は合計30回の連続二穴セックスを耐え切ったんだ!」

 

「あ、ありがとう、ございます……♡ でも、もうふらふらで、まともに動くことも出来なくて……♡」

 

「プロレスラーとして鍛えている俺たち3人をたった1人で相手し続けたんだ、そんなのは当然だよ」

 

「胸を張れ、君のガッツとエロデュエルに掛ける情熱は本物さ!」

 

「は、はい♡♡♡ ありがとうございます♡♡♡」

 

 二穴からのザーメン排泄を終えた私は、先輩たちからの褒め言葉に感動を覚えながら返事をする。

 ここまで特訓に付き合ってくれた彼らに感謝し、一層の奮起を心に誓ったところで、トレーニングルームの扉が開いて、山形先輩が姿を現した。

 

「戻ったぞ! 特訓の成果は……ふふっ、どうやら私の想像を遥かに超えているようだな」

 

「部長! お疲れ様です!!」

 

「見てください、アキくんの尻!! 特訓前とは比べ物にならないくらいに仕上がっているでしょう!?」

 

「ああ、見ればわかる。お前たちも、アキくんも、全力で特訓に臨んだようだな」

 

 何度もピストンを受け、興奮と衝撃によって真っ赤に腫れ上がった大きな尻。

 そこに刻まれた2つの正の字と、一層卑猥な穴と化したアナルと、ぱっくり開いて雌汁を溢れさせているおまんこ。

 

 格段に、段違いに……私のお尻は、レベルアップした。

 私の肉体も、精神も、先輩たちとのアナルセックス特訓によって一回りも二回りも成長したはずだ。

 

「どうだい、アキくん。この特訓で、何か得るものがあったかな?」

 

「はいっ♡♡♡ 先輩たちのお陰で、お尻を弱点だとは思わなくなりました♡ 今後はここを武器として、エロデュエルに活かせるようなタクティクスを考えていきたいと思いますっ♡♡♡」

 

「うむ! お前たち、よくやったな! 後輩の成長を促せたことは、お前たちにとってもいい経験になっただろう。俺の指示なくとも立派に先達としての役目を果たせたことを誇りに思え!」

 

「「「はいっ!!」」」

 

 成長を果たしたのは私だけではない、プロレス部の先輩たちだってそうだ。

 山形先輩に従い、彼の指示の下に動いていた彼らも、今は立派な一人前のプロレスラーとしての頼もしい姿を見せるようになっている。

 堂々と胸を張り、同じくそそり立たせたおちんぽを怒張させている3人の姿を見た私は、彼らへの尊敬と感謝の念を抱くと共に……ゆっくりと手を挙げ、注目を集めた。

 

「あのっ! ……先輩が戻ってきたということは、今日のトレーニングは終わりということでしょうか?」

 

「うん? まあ、そのつもりだが……居残り練習がしたいのかね?」

 

「いえ、その……したいのは練習ではなくって……先輩たちとのセックス、です……♡」

 

 若干の恥ずかしさを覚えながらも、己の意志をはっきりと告げる私。

 そんな私に驚いた視線を向ける3人の先輩たちと、私の考えなど見通しているであろう山形先輩の温かい視線を受けながら、私は先の言葉の真意を述べていく。

 

「先輩たちのおちんぽは、まだ硬く勃起したままです。これはきっと、私のサイコデュエリストとしての能力が強過ぎるが故の弊害……精力剤として使用したカードの効果が強過ぎて、先輩たちはまだまだ満足出来ていないんです。そんな状態の先輩たちをそのままにしておくだなんて、私には出来ません! 先輩たちのちんぽが満足するまで……私とセックスしてください!!」

 

「正気か、アキくん!? 君は今、俺たちとの数時間にも及ぶ連続二穴セックスを終えたばかりだ! 誰よりも体力を消耗しているのは君のはず、なのにその上、俺たちの性処理に付き合うと君は言うのか!?」

 

「大丈夫です、私は頑張れます! 先輩たちの、大切な仲間たちのためなら……私は幾らでも限界を超えられる! 先輩たちが私の特訓に協力してくれたように、私も先輩たちの役に立ちたいんです! だから……お願いしますっ! 遠慮なんかせず、私のことを抱いてくださいっ!!」

 

 やっぱり、先輩たちは優しい人だ。本当はおちんぽがギンギンに勃起して、ぱんぱんに腫れ上がって苦しいだろうに、こんな私のことを何よりも気遣ってくれる。

 そんな先輩たちだからこそ、私は深く尊敬し、彼らの力になりたいと心の底から願えるのだろう。

 

 そう、そうだ。先輩たちは、私にとって大切な仲間だ。このセックス次元で見つけた、かけがえのない宝物なんだ。

 そんな宝物である先輩たちに愛情を伝えるのは当然のことで、苦しんでいる仲間に手を差し伸べるのも扱く当然のこと。

 その両方を同時に行えるセックスは、私にとってこれ以上ない最高の行為なのだ♡

 

「……お前たち、アキくんの好意を無下にするつもりか? レディがここまで言ってくれているんだ、恥を掻かせるような真似はするな!」

 

「ぶ、部長っ!?」

 

「今晩の食事、入浴、睡眠時間に関しては、全てお前たちの自由意思に任せる! しっかりと明日のトレーニングに備え、体調を万全にした上で臨むのならば俺は何も言わん! 今日、これからの時間は好きに過ごせ! 以上、解散っ!! 後片付けは俺がやっておくから、お前たちはもう行っていいぞ!」

 

 私の意志を汲んでくれた山形先輩は、自ら率先して後片付けをし始めた。

 その際、私の肩をぽんと叩き、労わるような素振りを見せてくれたことがなんだか嬉しくて、胸がどきんと高鳴ってしまう。

 

 そうやって、この後の予定を全て一任された私たちは、暫しの間その場に立ち尽くしていたが……まず自分が動かなくては始まらないと判断した私は、先輩たちに向けて再度おねだりの言葉を口にしてみせた。

 

「先輩……♡ おまんこでも、お尻まんこでも、おっぱいでも口でも……全部、好きに使ってください♡ 今日は私、先輩たちのおちんぽをずっとハメていたい気分なんです……♡♡♡」

 

「あ、アキくん……!! いいんだね? 君がそこまで言うのなら、俺たちだって容赦はしないぞっ!!」

 

「はいっ♡♡♡ 特訓とは関係ない生ハメ二穴本気(ガチ)セックス♡♡♡ プロレス部の絆の証として、今日はヤりまくっちゃいましょう♡♡♡」

 

 ようやくその気になった先輩たちが、私と意思を共有してセックスの準備を始める。

 先の特訓の際、最後のローテーションから外れていた長周先輩が一番手となって私のけつまんこにおちんぽをハメ、その状態で私を抱えた先輩は、風呂場までの道を全裸のままのっしのっしと歩いていった。

 

「おっほぉっ♡♡♡ あっっ♡♡♡ ああっ♡♡♡ お尻におちんぽハメられたままっ♡ ジムの中を歩いてるぅ♡ はぁぁ……っ♡♡♡ 恥ずかしい、ですぅ♡♡♡」

 

「ここは貸し切りなんだから問題ないさ! でも、アキくんからすれば、誰かに見られた方が興奮して気持ちよくなれたかな?」

 

「んあぁああっっ♡♡♡ おっぱいっ♡ おまんこぉっ♡ ケツ穴ちんぽで穿られながらっ♡ 先輩たちに体中気持ちよくされるの最高っっ♡♡♡ 私たちの絆っ♡♡♡ たくさんのひとにみてほしかった、ですぅ♡♡♡」

 

「はははっ! 正直でよし! 本当に可愛いな、アキくんは!!」

 

 伊野木先輩も、羽場先輩も、私のおっぱいとおまんこを自由に弄んで楽しんでくれているようだ。

 この後、お風呂場でたっぷりガチハメファックしたり、お部屋でパイズリ奉仕したり、先輩たちのおちんぽが萎えるまでずっとずっとセックスしまくれるんだって考えたら、興奮状態の私はそれだけで軽くイってしまいそうになる。

 仲間と絆を深め合って、より強い繋がりを得るためにちんぽとまんことけつまんこで繋がり合うことへの悦びに微笑みながら、私は先輩たちとの淫靡な夜に溺れ、翌日からの特訓の日々に一層のめり込んでいった。

 

 

 

 

 

 

 ……数日後、プロレス部の合宿が終わる日に、私は先輩たちと記念写真を撮った。

 1枚は普通の写真。もう1枚は全裸になり、まんことけつまんこにそれぞれ先輩たちから1発ずつ射精してもらった後の最高のアヘ顔スマイルを浮かべながら撮った記念写真は、私の最高の宝物として、そしてプロレス部初の合宿の記念品として、大切に額縁に入れられた後、部室へと飾られることになるのであった。





次回予告

明日香「未だにお尻を使ったエロデュエルタクティクスは見えてこない……どうすればお尻を、アナルを使った戦術が編み出せるっていうの?」

進藤「思い悩んでいるところ悪いのですが、特別クラスにエキシビションマッチの申し込みが来ましたよ。相手はデュエルリーグにも参加している、姉妹校アカデミアの生徒です」

明日香「くっ……! まだ答えは見つけ出せてないけど、勝負を挑まれたなら買うしかないわ。その勝負、私が――」

アキ「待って! ……進藤先生、そのエキシビションマッチ、私が出ます!!」

次回『燃え上がる闘魂!!』

アキ「プロレス部のみんなと特訓の成果、ここで見せる! さあ、ショータイムよ!!」


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燃え上がる闘魂!!

久々のエロデュエル!書いてて楽しかったです!
ではまた次回でお会いしましょう!!


「……アキ、本当に大丈夫なのかしら?」

 

「あいつが自ら志願した戦いだ、信じて見守るしかないだろう」

 

 アカデミアの連休が終わって間もない今日、私たちはデュエロ・アカデミアの体育館に集まっていた。

 ここには私たち特別クラスの生徒たちではなく、3つの寮の生徒たちのほぼ全員や、教職員たちもが集結し、デュエルスペースが設立された中央ステージを見守っている。

 

 人でごった返す体育館の中で、特等席と呼べる最前列の席を用意された私は、特別クラスの仲間たちや鰐島学園長、進藤先生、更にはお世話になっている工藤さんといった面々と共に、今から始まるデュエルに対して不安気な面持ちを浮かべている真っ最中だ。

 

 私たちが座る反対側のスペースには、デュエロ・アカデミアの生徒たちにも負けないくらいの数をした人々が観客席に座っている様が見える。

 お揃いの制服を着ている彼らの中から、今回のデュエルの主役の1人である男子生徒が相手側の代表と共に前に出て来た時、私の感じる不安と緊張はピークに達した。

 

「鰐島学園長、本日は急な申し出を受けてくださり、誠にありがとうございます」

 

「これも姉妹校の親睦を深め、お互いのレベルアップを図るための重要な機会です。本日はいいエロデュエルをしましょう、一之宮学園長」

 

 こちらへと近付いてきたデュエロ・アカデミア・ノース校の学園長である一之宮さんが鰐島学園長と丁寧な挨拶を交わす。

 鰐島学園長は柔和な態度で接しているが、一之宮学園長からは彼が発するライバル意識というか、鰐島学園長に対する敵愾心がひしひしと伝わってきていた。

 

「進藤先生、あの……」

 

「……ノース校は、デュエロ・アカデミア系列の学園の中でも中核を担う我々に対するライバル心が強い学校です。特に一之宮学園長は鰐島学園長に対して並々ならぬ思いを抱いているようで、ああいった雰囲気を放っているのでしょう」

 

 一之宮学園長の雰囲気に違和感を覚えた私が進藤先生にそれを質問しようとすれば、彼は先んじて私の聞きたかったことを説明してくれた。

 同じ系列の姉妹校でもライバル関係はあるんだなと、どこにでもある人間関係のごたごたにちょっとだけうんざりとした気持ちを抱えた私であったが、その目の前に一之宮学園長の背後からひょろっとした風貌の男子生徒が姿を現す。

 

「で? 僕の相手になる十六夜アキはどこにいるんだい? 会うのを楽しみにしてたんだけどな」

 

江戸沼(えどぬま)くん、そう焦る必要はないさ。もうじきに彼女もやって来るだろう」

 

「ふふふ……っ! 彼女が行ったエロデュエルは全て確認しましたよ。あのエロくて淫らな体を弄び、快楽に堕ちた彼女の姿を見るのが今から楽しみです」

 

「君にはノース校の代表としての威信が掛かっている。敗北は勿論、下手なデュエルは許されないぞ」

 

「わかっていますよ、学園長。僕は負けない、完膚なきまでに十六夜アキを叩き潰し、ノース校の強さを知らしめてみせましょう!」

 

 自身の勝利を信じて疑わない自信満々の言葉を口にする江戸沼は、そう言いながら私たちの方をちらりと見た。

 その眼差しには、まるでアキの後に私たちも倒してみせるとでも言わんばかりの感情が込められており、そこまでの自信を見せる彼の態度に、苛立ちと共に不安感が募っていく。

 

「学園長、姉妹校とはいえ、特別クラスに対しての突然の交流戦の申し込みを受けるのは、いささか性急過ぎたのではないでしょうか? あの様子から察するに、相手はこちらの戦術や弱点を研究し尽くしているでしょう。無論、アキくんの弱点も――」

 

「わかっているさ。だが、アカデミア系列の中心を成す学園として、姉妹校からの挑戦を理由もなく断るわけにはいかんだろう。それに……代表として志願した時のアキくんの目、なにか秘策があるような雰囲気だった。もしかしたら彼女は、自らを成長させるなにかを掴んだのかもしれない」

 

「ふむぅ……じゃが、わしのところには新カードのデザイン要請は来ておらんかったがのぉ。本当にアキちゃんには秘策があるんじゃろうか?」

 

「ここまで来たら信じるしかありませんよ。アキにはなにか、考えがあるんだってね……」

 

 未だに会場に姿を現さないアキのことを思いつつも、私は先生たちへとそう言った。

 連休中、プロレス部の先輩たちとの合宿を行った彼女は、その中で何かを掴んだようだが……それがなんなのかは私にもわかってはいない。

 

 工藤さんのところに新カードの要望を送ってもいないとなると、既存のカードだけで使える新戦術を編み出したのだろうか?

 あるいは、私たちも知らない他のカードデザイナーのところに新カードの要望を出したのかも……と、考えていたところで、背後から多少のざわつきの声が聞こえてくると共に、アキが姿を現す。

 

「ごめんなさい! デッキの最終調整に手間取っちゃって……」

 

「ほう、これはこれは……! 僕の対戦相手がやっとご登場か。後ろの方々は、サポーターの皆さんかな?」

 

 やや嫌味ったらしい江戸沼の言葉通り、アキはプロレス部の部員たちを伴ってこの場に現れた。

 全員がアカデミアの制服ではなく、プロレス部のコスチュームを纏っていることが若干不自然だが、彼らもアキも周囲からの訝し気な視線を全く気にしていないようだ。

 

「デッキのチェックに協力してもらっていたんです。先輩たちも、ここでデュエルを観戦してもらっても大丈夫ですか?」

 

「ああ、構わないよ。スペースはまだ空いているからね」

 

「ふ、ふふっ! なにをしていたかはわからないが、こんなにギリギリまで時間をかけたんだ。つまらないエロデュエルタクティクスを披露されちゃあ困るよ? んん?」

 

「ええ、わかってる。お互い、今日は全力を尽くしていいエロデュエルをしましょう。あなたをあっと驚かせるタクティクスを見せてあげるわ」

 

「くくくくく……っ!! そうなるといいけどねえ……?」

 

 ねっとりとした粘着質な笑みを浮かべつつ、差し出されたアキの手を握り返して悪手をする江戸沼。

 彼のその態度に不安感と嫌悪感を募らせつつ、私はアキが彼に勝利してくれることを強く望むのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……両者、準備は完了しましたね。では――」

 

「「デュエルっ!!」」

 

――十六夜アキVS江戸沼九里(えどぬま きゅうり) LP4000 1マッチ

 

 程なくして、アキと江戸沼のエロデュエルが始まった。

 先攻を取ったアキが、早速プレイングを開始していく。

 

「私のターン! ……手札から魔法カード【決意の脱衣(キャストオフ)】を発動! これにより、自ら服を脱ぐことでデッキからカードを3枚ドローするわ!」

 

――――――――――

 

決意の脱衣(キャストオフ)

通常魔法

女性プレイヤーのみ使用可能

(1)デッキからカードを2枚ドローする

(2)この時、着ている服を全て脱ぐことで、更に追加で1枚カードをドローすることが出来る

 

――――――――――

 

「ちっ、女だけが使えるドローソースか……だが、お陰で君の服を脱がす手間が省けそうだ」

 

 いきなりの強力なカードを使われたことに江戸沼が苛立ちを露わにするが、即座にそのカードの効果を振り返った彼がいやらしい笑みを浮かべる。

 追加ドローを得る代わりに全裸になるというデメリットを甘んじて受けたアキは、合計3枚のカードをドローすると共に着ている服を消滅させ、大観衆の前に惜しげもなく裸体を曝け出した。

 

「おっしゃ! いきなりアキちゃんの素っ裸、キターーッ!!」

 

「乳も、尻も、でっけぇよなぁ……! いつ見てもエロエロで最高だぜ!」

 

 デュエロ・アカデミアの生徒たちが、最早お馴染みとなったアキの裸に興奮と共に歓声を上げる。

 ノース校の生徒たちもモニター映像越しながらも大写しになったアキの巨乳巨尻に興奮しているようで、対戦相手である江戸沼を羨むような声が漏れていた。

 

「ふぅん……! 素晴らしい肉体だよ。今から君のその胸や尻を蹂躙出来ると思うと、股間の滾りが収まらなくなるねぇ……!」

 

「褒めてもらえて嬉しいわ。でも、手加減はしないからね。手札から【SMF アキ】を召喚!」

 

『はあああっ!!』

 

 7枚まで増やした手札から、己の分身となるモンスターを召喚するアキ。

 主人同様に全裸の姿でフィールドに登場した【SMF アキ】の姿に観客たちが大いに盛り上がる中、アキは更に新たなカードをプレイしていく。

 

「フィールド上に【SMF アキ】が存在する場合、このカードは手札から特殊召喚することが出来る。【SMF アナルローズシード】を特殊召喚し、効果を発動するわ!」

 

――――――――――

 

SMF アナルローズシード

ATK0 DFE0 レベル1 闇属性 植物族

(1)自分の場に【SMF アキ】が存在している場合、手札のこのカードを特殊召喚してもよい。その後、このカードは装備魔法となり、【SMF アキ】に装備される

(2)このカードを装備したモンスターは、自身の効果に関係なく攻撃表示、守備表示を選択出来、その表示形式に応じた自身の効果を発動する

(3)自分ターンのエンドフェイズ時、このカードに成長カウンターを1つ乗せる。(最大4つ)

(4)???

 

―――――――――――

 

『んおっっ♡♡♡ ほぉぉぉぉ……っ♡♡♡』

 

 ぐぷっ、と大きめのサイズをした球体の種が【SMF アキ】の肛門に埋め込まれ、その感覚に彼女が呻き声を漏らす。

 アキもまた、自らのお尻を震わせてその快感に悶えながらも、落ち着いてプレイングを続行していった。

 

「んんっ……♡ カードを2枚伏せて、ターンエンド。この時、アナルローズシードの効果が発動し、成長カウンターを1つ乗せるわ」

 

『ほぉおおぉおおぉっ♡♡♡』

 

 アナルローズシードにカウンターが乗った瞬間、【SMF アキ】が狂ったように吼え始めた。

 彼女の尻からは長いツタが伸び始め、その先端に赤いバラが咲くまで成長する様を目撃した私たちは、文字通り、お尻の穴にバラの種を装備した【SMF アキ】の姿に唖然としながらも口を開く。

 

「まさか、あれがアキの秘策? 確かにあれなら相手にアナルを責められることはないけど……」

 

 自らの最大の弱点であるアナルを克服するための戦術が、相手に弄られる前に自分でそこを塞ぐというものであるのかと訝しむ私たち。

 確かに一定の効果を上げることは出来るだろうが……それでは完璧とは言い難い。

 

 そう考えたのは江戸沼も同じようで、ターンが回ってきた瞬間、彼は非常に愉快気な声で笑いながら、アキのプレイングを嘲り始めた。

 

「く、ははっ! まさか、その程度で自身の最大の弱点であるクソ雑魚アナルを守ってるつもりかい!? そんなものは何の意味も為さないということを、今から君に教えてやるよ!! 僕は手札から【快楽の奇術師 LV1】を召喚だ!!」

 

『ひゃははははは~~っ!!』

 

――――――――――

 

快楽の奇術師 LV1

ATK500 DFE300 レベル1 闇属性 悪魔族

(1)自分ターンのスタンバイフェイズ開始時、場のこのカードを墓地に送ることで、手札、デッキから【快楽の奇術師 LV5】を特殊召喚出来る

(2)1ターンに1度、自分ターンのメインフェイズ時に手札を1枚捨てることで発動出来る。相手LPに相手の手札の数×100のダメージを与える

 

―――――――――――

 

「そのまま【快楽の奇術師 LV1】の効果を発動! 君の手札の数×100ポイントのダメージを受けてもらおうか!!」

 

『い~っひっひっひっひ!!』

 

「んおっっ♡♡♡ ほぉおぉおおぉおっ♡♡♡」

 

 シルクハットを被った小柄な男がアキの背後に出現し、帽子の中から取り出したアナルビーズで彼女を責める。

 ぬぽぽぽっ、という卑猥な音を響かせながらアナルビーズの球体が出入りする度に、アキの背筋ががくがくと震え、お尻もまた卑猥な痙攣を繰り返していた。

 

「おおっっ♡♡♡ んおおっ♡♡♡ ほぉおおぉおおっ♡♡♡」

 

「くくくっ……! モンスターのアナルを守ろうとも、君自身の尻が丸出しならば何の意味もない! 大好きなアナルで存分に悶え、快楽に酔い痴れるといいさ!」

 

「んほぉおおぉおおぉおっ♡♡♡」

 

――十六夜アキLP4000→3700

 

 私たちの懸念は的中した。江戸沼の言う通り、幾ら分身モンスターのお尻を守ろうとも、アキ本人を責められてしまえばなんの意味もないのだ。

 

 効果ダメージを受け、アナルを玩具で穿られるアキの生臭い嬌声が響く。

 相手の攻撃によって僅かなダメージを受けた彼女がその数値に見合っていない快楽を味わっていることは一目で明らかだった。

 

「いい感じに下拵えが出来たね……僕はカードを1枚伏せ、ターンエンド。君のターンだよ」

 

「わ、私の、ターン……ドロー……っ♡♡♡」

 

「マズいぞ。アキの奴、もうケツ穴で感じてまともに頭が回らなくなってんじゃねえか!?」

 

 アキのお尻の弱さをよく知っているアンナが血相を変えて叫ぶ。

 そう考えていたのは私も同じで、本当にアナルが弱いアキは、今の一撃だけで十分に理性を融解させてしまっていてもおかしくないと思っていたのだが――

 

「安心してくれ、アンナ君。アキくんは、そんなに柔じゃあないよ」

 

「えっ……?」

 

 プロレス部の部長である山形先輩……いや、今は覆面レスラーのマスクド・タイタンが自信を感じさせる声で私たちへと告げながら、デュエルを行うアキを指差す。

 彼の指の先では、既に平常心を取り戻したアキが冷静なプレイングを行っている姿があり、あそこから持ち直した彼女の姿に私たちはちょっとした驚きを覚える。

 

「君たちとの合宿は、確かに彼女を強くしたようですね。ですが――」

 

「わかっていますよ、進藤先生。あんなのはまだまだ序の口、アキくんが得た新たな力は、ここからが本領発揮です」

 

 アナル性感で意識が飛ばなくなったことはいいが、まだそれはスタートラインに立ったに過ぎない。

 ここからどうデュエルを展開していくのかが重要だという進藤先生の言葉を、マスクド・タイタンが遮って自信あり気に笑う。

 

 彼だけでなく、アキとの合宿を行ったプロレス部の部員たち全員が余裕たっぷりの笑みを浮かべているところから見るに、今の言葉には嘘も誇張もないのだろう。

 私たちが知らないアキの成長度合いを知る彼らを信じようと決めた私は、アキと江戸沼とのエロデュエルを黙って観戦していく。

 

 このターン、アキは快楽の奇術師を攻撃したが、江戸沼の伏せカードによって防がれてしまった。

 そのまま、更に場に1枚のカードをセットした後、アキは江戸沼へとターンを回す。

 

「エンドフェイズ時、アナルローズシードに更に1つ成長カウンターを乗せる。んっっ……♡♡♡」

 

 めこめこ、とツタが蠢き、更にもう1輪のバラが咲いた。

 着実に成長していくアナルローズシードだが、江戸沼はそんなことを気にするつもりはないようだ。

 

「僕のターン! この時、【快楽の奇術師 LV1】の効果を発動! このカードを墓地に送り、デッキから【快楽の奇術師 LV5】を特殊召喚する!!」

 

――――――――――

 

快楽の奇術師 LV5

ATK2100 DFE1800 レベル5 闇属性 悪魔族

このカードは通常召喚出来ず、【快楽の奇術師 LV1】の効果によってのみ特殊召喚出来る

(1)自分ターンのスタンバイフェイズ開始時、場のこのカードを墓地に送ることで、手札、デッキから【快楽の奇術師 LV9】を特殊召喚出来る

(2)1ターンに1度、自分ターンのメインフェイズ時に手札を1枚捨てて発動出来る。相手LPに相手の手札の数×300のダメージを与える

 

―――――――――――

 

「手札から永続魔法【強制絶頂の代償】を発動! 自分の場に悪魔族モンスターが存在している時、相手が戦闘ダメージ以外の方法でLPにダメージを受けた場合、相手は自分の場のカードを1枚破壊しなければならない!! 更に装備魔法【快感増幅装置】を発動し、【SMF アキ】に装備! このカードを装備しているモンスターの持ち主が受ける効果ダメージを2倍にする!」

 

「なっ!? あの野郎、ダメージの増加と盤面の制圧を同時に仕掛けてきやがった!」

 

「このままじゃ……アキっ!!」

 

 このまま江戸沼の術中に嵌れば、アキは毎ターン手札の数に応じた大ダメージを受け、その度に場のカードを破壊しなければならなくなってしまう。

 そうなれば完全に相手にペースを掴まれ、厳しい試合運びを強いられてしまう……と、アキを心配する私たちであったが、彼女はしっかりと対策を有していたようだ。

 

「手札の【SMF(セクシャルミックスファイター) ハードガイ】を墓地に送り、効果を発動! 自分の場の【アキ】と名のついたモンスターに対する魔法、罠カードの効果を無効にし、それを破壊する! 【快感増幅装置】を粉砕!!」

 

『ぬおおおおおおおっっ!!』

 

 アキの呼びかけに応じて、筋骨隆々とした巨漢が雄叫びを上げながら出現し、江戸沼の発動した装備魔法を粉砕してみせた。

 その後、サムズアップを見せて消滅したそのモンスターへと、2人のアキもまた同じく親指を立ててその苦労を労わってみせる。

 

「今のモンスターは……初めて見るぞ? プロレス部の部員たちをモデルにしたカードか?」

 

「はい。我々の使う【混闘士(ミックスファイター)】カードのデザインを担当するデザイナーに依頼して作っていただいた、新規カードです」

 

「通りでわしのところに依頼が来ないはずじゃ。餅は餅屋にと言うが、アキくんは随分と大掛かりなデッキ改革を行ったようじゃな」

 

 これまでの【SMF】とは違う、新たなカードの出現に私たちが驚く中、マスクド・タイタンは丁寧にそのカード群についての解説をしてくれた。

 工藤さんが納得し、大いに頷いたのと同じように、新カードの出現に観客である生徒たちもときめきを感じているようだ。

 

 ここから、アキはどんなプレイングを見せてくれるのか? ……相手のコンボを一部崩した彼女のプレイングに生徒たちが期待を抱く中、タクティクスを完璧な形で実現出来なかった江戸沼は苛立ちに舌打ちを鳴らしながらも、気を取り直して快楽の奇術師の効果を発動する。

 

「【快楽の奇術師 LV5】の効果を発動! 手札を1枚捨て、相手にダメージを与えるっ!!」

 

「んほぉおおぉっ♡♡♡ おほぉおおぉおぉっ♡♡♡」

 

 先程と同じように、突如として出現した快楽の奇術師によってアナルを穿られるアキ。

 大柄になった悪魔がより大きなアナルビーズを取り出して肛門を穿り回すと共に、彼女に絶大な快感を味わわせていく。

 

 びくん、びくんっ、と体を震えさせ、突き出した尻で存分に快楽を貪ったアキは、股間から愛液を噴き出しながら絶頂し、自身の味わった快感の強さに悶えていた。

 

――十六夜アキLP3700→3100

 

「くっくっく、いい様だ。ここで【強制絶頂の代償】の効果が発動し、お前は自分の場のカードを1枚選んで破壊しなければならない。さあ、好きなカードを墓地に送りな」

 

「ん、ふうぅ……っ♡♡♡ 伏せてあったカードを選択するわ」

 

 相手の罠カードの効果で場のカードを墓地に送ったアキであったが、かなり壮絶な絶頂を迎えた割にはそのプレイングは冷静だ。

 むしろどこかこの状況を楽しんでいるように見えるし、余裕があるようにも見えるのは、私の気のせいだろうか?

 

「ちっ……ターンエンドだ。お前のターンだぞ」

 

 段々と乱暴な本性を露わにしてきた江戸沼が、思ったよりもアナル性感を耐えるアキの姿に苛立ちながら彼女へとターンを回す。

 その態度が気に食わなかったのか、浮かべている笑みを僅かに歪ませたアキは、目を細めながら自分のプレイングを開始した。

 

「私のターン、ドロー。私は――」

 

「この瞬間、リバースカードオープン!! 【悪魔の快楽包囲網】を発動!」

 

「!?!?!?」

 

――――――――――

 

悪魔の快楽包囲網

永続罠カード

(1)このカードが場に存在している限り、悪魔族モンスター以外は攻撃を行うことが出来ない

(2)このカードのコントローラーは自分のターンのスタンバイフェイズ開始時、500ポイントのダメージを受ける

 

――――――――――

 

「来おったか。継続的なバーンダメージに合わせたロック戦法、基本的ながら効果的ないやらしいコンボじゃ」

 

「これじゃあ、アキが切り札をシンクロ召喚したところで攻撃が出来ない……!! 相手のモンスターは悪魔族だし、攻撃だって自由に出来るっていうのに……!!」

 

 定番といえば定番。そして、なにより効果的なその戦術を開始した江戸沼のプレイングに苦々しい呟きが至る所から漏れる。

 特にデュエロ・アカデミア側の生徒たちはそのいやらしいコンボを快く思っていないのか、ブーイングにも似た声が飛び出していた。

 

「ロックコンボなんてつまんねえぞ~! もっと攻撃したり、派手に暴れ散らかしてみろ~!!」

 

「そうだそうだ~! そんなエロデュエルを観てる側が楽しめると思ってんのか~!?」

 

「……くくくっ、雑魚が何か吼えているようだが関係ないね。大事なのは勝つこと、それだけさ。君の肛門を嬲り尽くし、完膚なきまでに叩きのめして、僕の絶対的な強さを刻み込む……それこそがエロデュエルの醍醐味、エロデュエルの存在意義さ!」

 

 ブーイングも、批判の声も気にしない。傲慢な態度を見せる江戸沼は、そんなことを口走って観客たちを挑発してみせた。

 そんな彼のことを同じ学校に通う仲間たちも良くは想っていないようだ。こちらの生徒のブーイングに紛れて、ノース校の生徒たちの批判の声も飛んできている。

 

「なんて言うか、その……嫌われてるみたいですね、彼」

 

「そのようだね。あんな生徒にノース校秘伝のカードである快楽の奇術師を渡すとは、一之宮くんも勝利に目が眩んでしまったようだな」

 

 鰐島学園長が残念そうに呟きながら、対面に座る一之宮学園長を見やる。

 自分の学校の生徒たちが代表である江戸沼にブーイングを送っているというのに、彼もまた江戸沼同様の涼しい顔をしてデュエルを見守っているところを見るに、2人の考えは同じなのだろう。

 

 勝てばいい。内容がつまらなくっても、観客たちからなにを言われようとも、勝負は勝つことが全て。

 エロデュエルの醍醐味である相手を如何にエロく敗けさせるかという部分にすらも目もくれず、ただただ勝利だけを目指すその考え方は、私にはなんだかとても寂しいものであるように感じられていた。

 

「……このままでは攻撃は出来ない。切り札である黒薔薇のアキを出したとしても、この状況は覆らない。どうする、アキくん?」

 

 相手の弱体化と連続攻撃による1ターンキルを得意とする黒薔薇のアキを活かした戦法が、江戸沼には通じない。

 ここからアキがどんなプレイングを行うのかと観客たちが固唾を飲んで見守る中、彼女は拍子抜けするくらいに江戸沼へとターンを回してしまった。

 

「……【SMF アキ】を守備表示に変更して、カードを1枚伏せ、ターンエンド。アナルローズシードにカウンターを1つ乗せるわ」

 

「くはははは……っ! そうだよなぁ!? な~んにも出来ないよなぁ!? それじゃあ、こっちは切り札を召喚させてもらおうか! 【快楽の奇術師 LV5】の効果を発動! このモンスターを墓地に送り、【快楽の奇術師 LV9】を特殊召喚だっ!!」

 

『ひゃ~~~~っはっはっはっはっは~~っっ!!』

 

 盛大な高笑いと共に黒煙が噴き上がり、その中から恐ろし気な奇術師の姿をした悪魔が降臨する。

 愉快さの中に恐怖を同居させるピエロのように、見る者の心をざわつかせる姿の悪魔の化身が、遂に完全体となってアキの前に立ちはだかった。

 

――――――――――

 

快楽の奇術師 LV9

ATK2800 DEF2300 レベル9 闇属性 悪魔族

このカードは通常召喚出来ず、【快楽の奇術師 LV5】の効果によってのみ特殊召喚出来る

(1)1ターンに1度、自分ターンのメインフェイズ時に手札を1枚捨てて発動出来る。相手LPに相手と自分の手札の数×500のダメージを与える

(2)このカードが特殊召喚された時、デッキからカードを1枚選択し、手札に加えることが出来る

 

――――――――――

 

「今度はアキの手札の数だけじゃなくて、あいつ自身の手札の数も加えるのかよ!? しかも、バーンダメージの威力も上がってやがる!!」

 

「これではアキがどれだけ手札を減らそうとも意味がない。どうにかあのモンスターを破壊しなくては、アキに勝ち目はないぞ!」

 

 バーンダメージの威力と条件を更に引き上げた快楽の奇術師の効果にアンナとセレナもアキの不利を感じ取ったようだ。

 【快楽の奇術師 LV9】の効果でデッキからカードを手札に加えた江戸沼は、にたにたと笑いながらそれをアキへと見せびらかしてきた。

 

「僕が手札に加えたのは、【奇術師のしもべ】だ。このカードは自分の場に快楽の奇術師と名のついたモンスターが存在する場合、エンドフェイズ時に墓地から手札に戻ってくる効果がある。つまり、僕はもう快楽の奇術師に必要な手札コストに困らなくて済むということさ」

 

「………」

 

「そして、お前は攻撃も出来ず、効果ダメージを受ける度に場のカードを破壊しなければならない! お得意のシンクロ召喚で切り札を場に出しても無意味!! じわじわとケツの穴を穿り回され、無様に喘いで敗北するしかないんだよ! ひゃははははははははっ!!」

 

 散々アキへと挑発の言葉を吐きかけた後、江戸沼が手札を墓地へと捨てる。

 それをコストとして効果を発動した【快楽の奇術師 LV9】は三度アキの背後へと回り込むと、6本に増やした腕で彼女の尻を徹底的に責め始めた。

 

「ほぉおおぉおっ♡♡♡ んおぉおおぉおおぉおおぉおおぉっっ♡♡♡」

 

 肛門には極太のバイブが挿入され、激しく奥から入り口までを掘削される。

 臀部には4本の腕が幾度となくスパンキングを見舞い、アキの大きな尻に無数の手形を刻み込んでいく。

 

 響く嬌声が、スパンキングの音が、そして江戸沼の高笑いが……アキの絶対的な不利を物語っていた。

 なにも抵抗出来ず、ここから先の展望も見えず、そんな絶望的な状況に追いやられたアキが、トドメと言わんばかりに繰り出されたバイブの引き抜きと激しいスパンキングによって、失禁しながらのアクメを迎える。

 

「んっっほぉおおおぉおおおぉおおぉおおぉおぉおおぉぉおぉおぉっっ♡♡♡」 

 

「あっはっはっはっは! 無様なイキっぷりだな! こんな大勢の観客の前でケツでイかされる気分はどうだ? 何も考えられないくらいに気持ちいいか? えぇ!?」

 

「ん、おぉぉ……っ♡♡♡」

 

 その場に倒れ伏し、お尻だけを浮かび上がらせて悶絶するアキへと、侮蔑の言葉が投げかけられる。

 徹底的なロック戦法とバーンダメージによるねちっこい攻めに辟易としていた観客たちからブーイングが飛ぶが、やはり彼はそんなことを全く意に介していないようだ。

 

「ターンエンドだ。くくくっ、覚悟しろよ? ここからたっぷりとお前を嬲り、尻穴絶頂(ケツイキ)中毒にしてやるからな。サレンダーなんか認めない。僕の望むがままに狂い果て、イキ悶えるがいい!!」

 

 最早、勝負は決したと言わんばかりの表情で余裕を持ってターンを返す江戸沼。

 彼の挑発を受けながら、今しがた受けたばかりの快感に身悶えしながら、うつ伏せになったままびくびくと痙攣し続けていたアキであったが……やがて、その振動も収まると、すっくと立ちあがる。

 

 無言のままに体を払い、深呼吸で気持ちを整え、意外過ぎる程に冷静な態度を見せる彼女の姿に、江戸沼は喉を鳴らしながらまたしても長髪の言葉を投げかけた。

 

「どうした? 負けを悟って逆に冷静になったのか? 出来ることがないのなら、すぐにターンエンドしろ。またすぐに、ケツの穴でイキ狂わせてやる!」

 

「……どうして、かしら?」

 

「……あ?」

 

「今のターンと、その前のターン、あなたはどうして私のモンスターに攻撃を仕掛けなかったのかしら?」

 

 顔を伏せたまま、静かな声で江戸沼へと彼のプレイングに関する質問を投げかけるアキ。

 その言葉の意味がわからないといった表情を浮かべる江戸沼に対して、彼女は更に言葉を重ねて同じ質問を投げかける。

 

「快楽の奇術師はLV5になった時点で【SMF アキ】より攻撃力は高くなっていた。その時点で攻撃していれば、戦闘ダメージを与えられていたはず……今のターンもそう、守備表示とはいえ、あなたが私のモンスターを攻撃していれば、快感による攻撃が出来た。でも、あなたはそれをしなかったわ。どうしてかしら?」

 

「……ははっ、なにを言い出すかと思えば……! そんなもの、勝つためのリスクを減らすために決まっているだろ!!」

 

 またしても、嘲笑。

 アキの問いかけに対する答えを吐き捨てるように発した江戸沼が、心の底から彼女を侮蔑するようにして吼える。

 

「そんなことを聞くということは、お前は僕に攻撃してほしかったみたいだな? 大方、伏せカードに攻撃をトリガーとして発動する罠か魔法を仕掛けてあったんだろ? だが、そうはいかない。エースモンスターであり、僕のデュエルタクティクスの根幹を成す快楽の奇術師が破壊されるかもしれないリスクなんて、そう簡単に背負いにいくものか!」

 

「……エースモンスターが破壊されるかもしれないと思ったから、だから攻撃を行わなかった。得意のロック戦法で確実に相手のライフを削ればそれでいい……それが、あなたの考える最高のエロデュエルってこと?」

 

「そうだ。相手に抵抗を許さず、確実に勝利を掴む! これ以上に素晴らしい勝ち方が存在しているもんか!!」

 

 高らかに、大袈裟に、江戸沼が笑う。

 自らの意見を、タクティクスを、絶対のものと信じて疑わない彼の意見を耳にしたアキは、そんな彼の言葉を黙って聞いていたが……ゆっくりと顔を上げると、これまで彼が自分へと向けていた侮蔑の眼差しすら上回る冷え切った目で、こう言い放った。

 

()()()()()()()、あなた」

 

「……は? 急になにを――」

 

「あなたのエロデュエルはつまらない。観ていて面白くないし、相手をしていても気持ちよくないわ。勝利の確立を求める、堅実なタクティクスで勝ち星を目指す、それ自体は大いに結構なことだけど……こんな地味でパッとしないエロデュエルを、観客やスポンサーが求めると思う?」

 

「……ふはっ! 負け惜しみを! 自分の負けが濃厚だからって、そんな方法で反撃して楽しいか?」

 

「負けが濃厚? なんのことかしら? もしかして、私が負けるとでも思ってるの? それはないわ、だって――」

 

 そう言いながら、アキがデッキからカードをドローする。

 その目に確かな自信を宿しながら、江戸沼ではなく勝利への道筋を瞳に映し出しながら、さも当然だと言わんばかりの口調で彼女は言った。

 

「このターンでデュエルは終わりよ。もちろん、私が勝つわ」

 

「……は?」

 

 あまりにも堂々とした勝利宣言に、江戸沼だけでなく2人のデュエルを見守っていた全ての人々が言葉を失った。

 相手の場には上級モンスター。こちらは攻撃を封じられ、逆転の手立てが全く見つからない不利な状況だというのに、アキはこのターンで決着をつけると言っている。

 耳を疑って当然だった。この状況をひっくり返すことが容易くないことは、誰にだって理解出来ていた。

 それでも……そんな彼女を信じ続ける人々もまた、確かにこの場に存在していたのである。

 

「行け、アキくん。今こそ、君の全てを解き放つ時だ……!!」

 

 マスクド・タイタンが、全幅の信頼を込めた眼差しでアキを見つめながら言う。

 彼や、他のプロレス部の部員たちの想いを込めた眼差しを背に受けたアキは、彼らの信頼に応えるようにして、最後のターンをプレイしていった。

 

「まずは場に伏せてあった魔法カード【過剰な成長】を発動。この効果により、墓地に存在するカードをデッキに戻すことで、このその数の分まで自分フィールド上のカードに成長カウンターを乗せることが出来る。対象はもちろん、アナルローズシードよ」

 

「そうか! 【強制絶頂の代償】でカードを破壊される際、どうしてアキは破壊耐性効果のある【SMF アキ】を選択しなかったのかが不思議だったんだが、全てはあのカードを発動させるための布石だったんだな!」

 

「……そういえば、アキは最初のターンからずっとあのカードにカウンターを乗せ続けていたわ。あのカードに、何か秘密があるのかしら……?」

 

 これまでずっと、装備されていたアナルローズシードは、SMFが持つ強制表示形式選択の効果を無効にするためのカードだと思っていたが……あのカードには、まだ私たちが知らない秘密があるのではないか?

 そんな疑問を抱いた私たちの前で、アキは答え合わせをするかのようにして、アナルローズシードの効果を発動してみせる。

 

「【SMF アナルローズシード】の効果を発動! このカードをリリースすることで、その合計が乗っていた成長カウンターの数以下のレベルになるようにデッキ、手札、墓地からモンスターを選択し、特殊召喚することが出来る!! 私は、レベル2のチューナーモンスターである【SMF トールマン】と【SNF ファットボーイ】の2体を選択し、場に特殊召喚するわ!」

 

『ふほほほほ、ほ~っ!』

 

『ブオオオオオオオオッ!!』

 

 【SMF アキ】のアナルから生えていたバラの花が散ると共に、場に2体のモンスターが出現した。

 片方は痩せ気味の背の高いレスラー、もう片方は彼とは対照的に丸々と太ったレスラーが雄叫びを上げて場に降り立ったことに一瞬だけ驚いた江戸沼であったが、即座に威勢を取り戻すと、アキに向かって吼える。

 

「はっ! そんな雑魚モンスターを幾ら並べても無駄だ! お前が何も出来ないことには変わりはない!!」

 

「……それはどうかしらね? 他人を見下すのも、いい加減にしたらどう?」

 

「な、なんだとっ……!?」

 

 挑発を挑発で返され、怒りを露わにする江戸沼と、そんな彼の反応を愉快気に見守るアキ。

 盤面は明らかに江戸沼が有利なはずなのに、どうしてだか場の空気はアキに味方しているように思えてならない。

 ……いや、そう思えているのではなく、実際にそうなっているのだ。その証拠に、観客たちは全員、彼女のことを応援しているではないか。

 

「アキちゃん、頑張れ~っ!! そんな奴、ぶっ飛ばしちまえ!!」

 

「俺たちに大逆転を見せてくれ、頼むっ!!」

 

「敵校の生徒だが……江戸沼の野郎は気に食わねえ! 俺は、十六夜アキを応援するぞっ!!」

 

「ノース校の威信とかそんなもんは関係ねえ! あんなネチネチした爽快感のないエロデュエルをする奴が俺たちの代表だなんて、絶対に認めねえからな!!」

 

「な、な、な、なんだこれは……? なにが、どうなって……!?」

 

 デュエロ・アカデミアの生徒たちだけではなく、自分たちの味方であるはずのノース校の生徒たちまでもがアキのことを応援し始めたことに、一之宮学園長が驚きの表情を浮かべながら観客席を見回す。

 彼と同じようにこの信じられない現象に面食らっていた私たちであったが、そんな中でも堂々としているマスクド・タイタンが冷静にこの状況についての解説を行ってくれた。

 

「ふ、ふふふ……! この状況は全て、アキくんが描いた脚本(ブック)通りの展開なのさ。ここまでアキくんは敢えて不利を装い、相手の全力を引き出すタクティクスを取った。観客たちが悪役である江戸沼くんに嫌悪感を募らせ、善玉レスラーであるアキくんに勝ってほしいと望むような展開を作り出すために、敢えて追い詰められてみせたんだ」

 

「じゃ、じゃあ、アキはこれっぽっちもピンチになってないってことか!? 嘘だろ!?」

 

「でも、確かに……【快感増幅装置】を破壊したように、アキは致命傷になり得る相手の戦術をしっかり防いでいたわ。全て計算の上で相手の攻撃を受け続けていたのね」

 

「プロレスは受けの美学と呼ばれる格闘技だ。派手に、力強く、お互いがお互いの力を引き出し合って、最高のエンターテインメントを観客に魅せる! エロデュエルもそれと同じ! やるなら派手に! 勝つ時も負ける時も全力で! そして……やられたら、それ以上の力を以てやり返す! それが我々デュエロ・アカデミアプロレス部のモットーさ!」

 

「だ、だが、ここからどう逆転する? アキの場には3体のモンスターが存在しているが、あそこから黒薔薇のアキをシンクロ召喚したところで、逆転の一手にはならんぞ!?」

 

 セレナの尤もな意見を受けても、マスクド・タイタン以下プロレス部の面々は一切余裕の表情を崩さない。

 彼らにはアキが勝つという明確なビジョンが見えているようだ。

 

 いったい、ここからどうやって逆転するのか……? という疑問を抱える私たちであったが、ここまでのデュエルを見守ってきた進藤先生は、別の疑問を抱いており、それについて必死に考えを巡らせている様子であった。

 

「何故だ? どうしてだ? どうしてアキくんはレベル4のチューナーモンスターではなく、()()()2()()()()()()()()2()()()()()()()……?」

 

「え? あ……っ!? 言われてみれば、確かに……!!」

 

「合計レベルは8だけど、そんな手間をかけなくてもレベル4チューナーを出せば事足りるわよね? なんでアキは、あのモンスターたちを選んだのかしら?」

 

 進藤先生の呟きを聞いて気が付いたが、確かにあのプレイングには疑問が残る。

 黒薔薇のアキをシンクロ召喚するのなら、場に出すべきはレベル4チューナー1体だけで十分なはず。なのにアキは、レベル2のチューナーを2体特殊召喚した。

 これでは黒薔薇のアキを出す前に、レベル6のシンクロモンスターを召喚しなければならなくなってしまうはずだ。

 

 どうして、そんな手間をかけたのか? というよりそもそも、アキのデッキにレベル6のシンクロモンスターなんて入っていただろうか?

 

 新たに沸き上がった疑問に私たちが頭を捻る中、マスクド・タイタンは教師である進藤先生のへと、とても楽しそうな口調でこう告げる。

 

「進藤先生、あなたはアキくんを含む特別クラスのメンバーに対して、アナルを使ったタクティクスを考えろと仰りましたよね? まさか、アキくんが編み出した戦術が、アナルローズシードを用いた展開だけだとお思いですか? 彼女は、あなたの指摘を受けて、()()1()()()()()()()()()()()()()()()()()()、それをものにしましたよ」

 

「……まさかっ!?」

 

 マスクド・タイタンの言葉を受けた進藤先生の様子が急変した。

 座っていた椅子から立ち上がり、前のめりになるようにしてアキのデュエルを食い入るように見つめ始めた彼の様子から、ただならぬ雰囲気を察知した私たちもまた、デュエルを行うアキへと視線を集中させていく。

 

 私の、先生たちの、他の生徒たちの、この場に集まる全ての人たちからの視線を一身に浴びるアキは、それを心の底から楽しんでいるように笑いながら、両手を叩き始めた。

 

「さあ、盛り上がっていきましょう! みんなの興奮が、期待が、心の高まりが……私の魂を燃え上がらせるっ♡ プロレス部のみんなとぶつかり合うことで生み出された闘魂っ♡ 熱く、熱く、熱く……炎が燃え滾る魂っ♡ それこそが私を昂らせてくれる、『燃え上がる闘魂(バーニングソウル)』となるのっ♡♡♡」

 

 アキは、燃えていた。心の底から迸る魂の炎を、全身に燃え上がらせていた。

 年頃の美少女の裸だからではない。快感に悶えて無様に絶頂を繰り返しているからではない。

 今のアキの姿には、エロデュエルを楽しむ者としての魅力がこれでもかとばかりに詰め込まれている。

 

 どんな逆境でも諦めない。味わう快楽を楽しみ、貪り、酔い痴れた上で、それ以上の興奮と熱狂を観客たちに与えてみせるという覚悟が、今のアキの姿からは感じられる。

 その決意が、炎となって燃え上がり、見る者全てを魅了しつつ、その心を熱くしているのだと……そう、理解した私たちの前で、アキがプロレス部のみんなとの特訓の果てに辿り着いた境地で得た力を解放してみせた。

 

「レベル4【SMF アキ】に、チューナーモンスター【SMF トールマン】と【SMF ファットボーイ】を……ダブルチューニングっ♡♡♡」

 

「なっ!? チューナーモンスターを2体使用した――」

 

「ダブルチューニング、だとっ!?」

 

 葵とセレナの絶叫が響き、体育館内にどよめきが広がる。

 そんなタクティクス、見たことも聞いたこともない。本来1体のみしか使用しないチューナーモンスターを2体使ってのシンクロ召喚なんて、前代未聞だという観客たちの思いが、そのどよめきはよく表れていた。

 

 自分たちはなにを観ているのか? この場でなにが起きようとしているのか?

 そんな疑問と、それを上回る期待を抱きながらエロデュエルを食い入るように見つめる観客たちの前で、【SMF アキ】が2体のチューナーモンスターたちと熱いセックスに興じ始める。

 

『おっほぉおおっ♡♡♡ トールマン先輩の長いおちんぽが、お尻の奥まで挿ってるぅうっ♡♡♡ あぁああぁあっ♡♡♡ おまんこっ♡♡♡ ぶっといちんぽで犯されてるのぉおっ♡♡♡』

 

 体を前後から屈強な男性たちに挟まれ、両方の穴を同時に犯される【SMF アキ】が歓喜の嬌声を上げる。

 惜しげもなく痴態を曝け出し、セックスの快感に悶える彼女の姿に誰もが夢中になる中、自らの分身である彼女と感覚を共有しているアキもまた、潮を噴き、尻を震わせながら、召喚の口上を口にしていた。

 

「勇士と魔女、双穴(そうけつ)を以て今ここに交わる♡ 魂を震わせる快感に触れ、壮絶なる絶頂と共に雄叫びを上げよ♡ シンクロ召喚っ♡♡♡」

 

『あぁああああぁっっ♡♡♡ 感じるぅっ♡♡♡ 先輩たちのおちんぽからぁ、私のWまんこを通じて熱い魂が伝わってくるぅっ♡♡♡ おまんこいいっ♡♡♡ お尻もいぃいっ♡♡♡ イクっ♡♡♡ イクっっ♡♡♡ イクぅうぅうううっ♡♡♡ んほあぁあああああぁああああああああぁああああっっ♡♡♡』

 

 穴の奥を同時に突かれた【SMF アキ】が、全身全霊の絶頂を迎えて快楽の咆哮を上げる。

 おそらくは自分を抱く男たちからの激しい射精を受け、二穴に熱い滾りを打ち込まれた彼女がアクメと共に光となり、進化を遂げる中、彼女と同様にW射精によるアクメ快感を味わったアキもまた、快感に悶えながらも自分の新たな切り札の名を叫んだ。

 

「さあ、現れなさいっ♡♡♡ レベル8♡ 【SMF 紅薔薇の女帝(スカーレットローズエンプレス) アキ】っ♡♡♡」

 

『ふぅぅぅぅぅ……はあっ!!』

 

 尻と胸に刻まれた、真っ赤な薔薇のタトゥー。

 黒薔薇のアキとほぼお揃いのそれを刻んだ肉体は、主であるアキと同様にそれ以外の余計な衣類を身に着けてはいない。

 ただ、新たなる刻印として燃え上がる炎のタトゥーをもう片方の尻に刻み、爛々と輝く紅い瞳で観客たちを見やった【紅薔薇の女帝 アキ】は、彼らを煽るようにして手を振り、己が肢体を見せつけてみせた。

 

「おぉぉぉぉ……! スッゲェっ!! あれが、ダブルチューニングで召喚されたシンクロモンスターか!!」

 

「エロくて、綺麗で、神々しくて……あんなモンスター、初めて見るぜ!!」

 

「な、なんだなんだっっ! ダブルチューニングだなんだと言ったところで、そんなの見かけ倒しだ!! そのモンスターだって攻撃は出来ないんだ! お前の行動には、何の意味もない!!」

 

「あら、そこまで言うのなら本当に無意味かどうか試してみましょうか? 【紅薔薇の女帝 アキ】のモンスター効果、発動!!」

 

――――――――――

 

SMF 紅薔薇の女帝(スカーレットローズエンプレス) アキ

ATK3200 DFE2700 レベル8 炎属性 植物族

【SMF アキ】×【SMF】と名のついたチューナーモンスター2体以上

(1)1ターンに1度、相手の場に存在するカードを2枚まで選択して発動出来る。そのカードを破壊し、破壊した数×500のダメージをLPに与える

(2)相手がカードの効果を発動した時、自分の墓地から【SMF】と名のついたモンスターを除外することで発動出来る。そのカードの効果を無効にして墓地に送り、そのターン中、このモンスターの攻撃力を500アップする。この効果は相手のターン中でも使える

(3)このカードが自分の場から離れた時、墓地から【アキ】と名のついたモンスターを特殊召喚してもよい

 

――――――――――

 

「あ、相手の場のカードを選択して、破壊……? ってことは――!!」

 

「あなたの場に存在する【悪魔の快楽包囲網】と【快楽の奇術師 LV9】を選択し、破壊! 2枚のカードを破壊したことで、あなたは1000ポイントのダメージを受けるわ!! 『アブソリュート・パワー・エロス』!!」

 

「うっ、うわあああああっ!!」

 

江戸沼九里LP4000→3000

 

 相手の攻撃を封じていた罠カードを破壊され、更にはエースモンスターをも粉砕された江戸沼が炎に包まれて悲鳴を上げる。

 一瞬にして自分の有利な状況を覆された彼は顔色を真っ青にして、うわ言にように何かを呟き続けていた。

 

「あ、あり得ない。こんなの、夢に決まってる! ノース校の秘蔵カードを授かった僕が、こんな女デュエリストに負けるだなんて……!!」

 

「一応、聞いておいてあげるわ。この状況でなにか発動出来るカードはある? あなたの場にはほぼ意味をなくした【強制絶頂の代償】しか存在せず、唯一の手札は【奇術師のしもべ】であることもわかっているわ。もしかしたら墓地から効果を発動出来るカードがあるのかもしれないけど……それも【紅薔薇の女帝 アキ】の2つ目の効果で無効に出来る。ここからの逆転、あなたに可能?」

 

「う、うそだ、嘘だぁぁっ!! 僕は負けないっ! 僕は、僕は……ノース校で1番のエリートなんだぁぁぁっ!!」

 

 現実を認めようとしない江戸沼であったが、勝敗は明白であった。

 観客たちの、仲間たちの、全ての人々からの期待を受けたアキは、そんな彼にトドメを刺すべく、エースモンスターへと攻撃宣言を出す。

 

「行きなさい! 【紅薔薇の女帝 アキ】でプレイヤーにダイレクトアタック!!」

 

『ふふふっ♡ さあ、フィニッシュホールド、いっくわよ~っ♡♡♡』

 

 華麗なステップで江戸沼との距離を詰めた【紅薔薇の女帝 アキ】が、彼の肩を掴むと共に観客たちへと呼びかける。

 彼女の言葉に興奮のピークを迎えた観客たちが歓声を上げる中、【紅薔薇の女帝 アキ】は江戸沼へと熱烈なキスを繰り出した。

 

『ん~っ♡ ちゅぅ♡ んふっ♡ んちゅぅう……っ♡♡♡』

 

「う、うあぁ……や、やめろぉ……! ぐぅうっ!? か、体が熱くなる……!? や、やめろ、やめてくれぇ……!!」

 

『ふふっ♡ もう十分かしらね? それじゃあ、え~いっ♡♡♡』

 

「うわぁぁぁぁぁ……!?」

 

 たっぷりと江戸沼と舌を絡め、彼の股間をそそり立たせるまでに興奮させたことを確かめた【紅薔薇の女帝 アキ】は、唐突に彼の体を放り投げた。

 いつの間にか出現していたロープにぶつかり、その弾性によって跳ね返ってきた彼を見つめる【紅薔薇の女帝 アキ】は、準備運動でもするようにお尻を振ると、自らも勢いよくダッシュしながら、大きなお尻を江戸沼の顔面目掛けて繰り出す。

 

「必殺っ♡♡♡ 『情熱のエンプレス・ヒッププレス♡♡♡』」

 

「ぶぐおおおぉっ……!? おっ、おぉぉ……っ!」

 

 柔らかく大きなお尻が顔面に直撃すると共に、マットの上に押し倒される江戸沼。

 顔面騎乗をしながら彼の顔へとお尻を思いっきり押し付ける【紅薔薇の女帝 アキ】の動きとエロデュエルによるダメージによって絶大な快感を味わった彼は、大きく勃起したおちんぽからびゅくびゅくと音を立てて精液を噴き出し、履いているズボンの股間部分を真っ黒に染める。

 

 2度、3度と尻を揺らし、最後の最後まで江戸沼へと自らのお尻の感触を味わわせた後……【紅薔薇の女帝 アキ】は、主と共に観客たちにアピールするように両手を上げ、満面の笑みを浮かべながら何度もその場で飛び跳ねてみせた。

 

「私のエロデュエルはどうだったかしら? 熱く燃えて興奮出来る、最高のエンターテインメントだったでしょう?」

 

 淫靡に、蠱惑的に、そして挑発的に笑いながらのアキの言葉に、否定の意見を口にする者は1人としていない。

 まんことけつまんこを使ったダブルチューニングからの新切り札の召喚、そして圧倒的に不利な状況をひっくり返しての1ターンキルを見せた彼女は、間違いなく観客たちの心をがっちりと掴む、最高のデュエルを披露してみせた女デュエリストであった。

 

――江戸沼九里LP3000→0

――WINNER 十六夜アキ

 

 

 

 

 

「……如何でしたか、進藤先生? アキくんのエロデュエルの感想は?」

 

「……脱帽、ですよ。課題であったアナルを用いたタクティクスを、アキくんは二穴を同時に活用してのダブルチューニングという更に進歩した形で達成してみせた。そこにプロレスを基盤とした試合運びを加えることで、エロデュエルを見事なエンターテインメントとして仕上げている……彼女は間違いなく、私の想像を超え、観客たちの度肝を抜いた。なんの異論もなく、私は彼女を認めます」

 

 あの進藤先生が、手放しにアキのことを褒め称えている。

 厳しく、冷酷なまでに平常心を保ち続けている彼がそこまで言うことも納得してしまえるほどの圧倒的なエロデュエルを披露したアキの姿には、私たちも唖然とするしかない。

 

 凄い、凄過ぎる……二穴を活用してのダブルチューニング。そんな戦法、私たちは思いつきもしなかった。

 

 弱点を克服するどころか、新たに得た武器を存分に活用するアキのタクティクスを目の当たりにした私たちの胸に、彼女への尊敬の念と共に対抗心が燃え上がる。

 このまま、置いて行かれてなるものか。絶対にアキに追い付いて、そして追い越してみせる。

 

「……アキは、シンクロ召喚にアナルセックスを加えた新たな戦術を編み出した。私たちも負けていられないわ」

 

「アナルセックスをただ単体として見るのではなく、そこに自分のデッキの特色を加えて進化させる……アキは、私たちが考えもつかなかったことをやってのけた。悔しいが、今の時点では負けを認めざるを得ない」

 

「でも、このままで終われるか!! オレたちだってアナルを武器にしたスゲー戦術を編み出してやるぜ!!」

 

「私たちは仲間であると同時に、ライバルでもある。お互いに切磋琢磨し合って、よりエロデュエルの高みを目指していくためにも、ここでアキに置いて行かれるわけにはいかないわね。もっと深くまでタクティクスを考えて、戦略を研磨しましょう。誰もをあっと言わせるようなエロデュエリストになるために、努力を惜しんでいる暇はないわ!!」

 

 どうやら、火が点いたのは私だけではないようだ。

 アキの闘魂の熱にあてられ、デュエリストとしての魂を燃え上がらせた私たちの様子を見て、進藤先生やマスクド・タイタンたちも嬉しそうに笑っている。

 

「アキくん、君の成長は、君が心の底から信頼する仲間たちの心に火を灯したようだぞ。君は良い仲間を得たが、君の仲間たちもまた、君という素晴らしい仲間を得たということを忘れないでくれ」

 

「彼女のデュエルを観て確信しました。特別クラスは、まだまだ強くなる……! どうやら私も気合を入れ直さなければならないようですね」

 

 私たちも、先輩たちも、先生たちも、アキの魅せたエロデュエルによって決闘者としての魂が燃え上がっているようだ。

 更なる躍進と成長を目指して奮起した私たちは、アナルという武器を使いこなすことで先に進んだアキに追い付くべく、自らのタクティクスを進化させるための方法を考え始めるのであった。

 




次回予告

アンナ「ケツを使ったエクシーズ……新しいタクティクス……う~ん、何も考えつかねえ!! どうすりゃいいんだ!?」

進藤「あの、アンナくん。君に大事な話が――」

アンナ「そもそもオレって乳を使った戦術がメインだろ? そこにケツを加えるって言ってもなあ……」

進藤「アンナくん? 聞いてますか? 実は最近、ENoを所持するデュエリストを狙って勝負を仕掛けてくるエロナンバーズハンターによる被害が出ていましてね――」

アンナ「あ~っ、わっかんね~~っ!! どうすりゃオレはパワーアップ出来るんだよ~っ!?」

次回『アンナ危うし!? エロナンバーズハンター、襲来!!』

進藤「……ほら、だから言ったじゃないですか。ちゃんと私の話を聞いてくださいよ……」



最強カード紹介


SMF 紅薔薇の女帝(スカーレットローズエンプレス) アキ
ATK3200 DFE2700 レベル8 炎属性 植物族
【SMF アキ】×【SMF】と名のついたチューナーモンスター2体以上
(1)1ターンに1度、相手の場に存在するカードを2枚まで選択して発動出来る。そのカードを破壊し、破壊した数×500のダメージをLPに与える
(2)1ターンに1度、相手がカードの効果を発動した時、自分の墓地から【SMF】と名のついたモンスターを除外することで発動出来る。そのカードの効果を無効にして墓地に送り、そのターン中、このモンスターの攻撃力を500アップする。この効果は相手のターン中でも使える。
(3)このカードが自分の場から離れた時、墓地から【アキ】と名のついたモンスターを特殊召喚してもよい

―――――

今日の最強カードは私の新たなる切り札、【SMF 紅薔薇の女帝(スカーレットローズエンプレス) アキ】よ。
召喚には【SMF アキ】の他に【SMF】のチューナーモンスターが2体必要だけど、それに見合った強力な効果を持っているわ。

相手の場のカードを破壊してバーンダメージを与える効果に、相手が発動したカードの効果を無効にしつつ自己強化を施す効果、更には場から離れた時に【アキ】を墓地から特殊召喚出来る効果と、色々ともりもりね。

必殺技は、強力なエロ闘気or二穴セックスで相手のカードを破壊する『アブソリュート・パワー・エロス』と、相手の顔面に強力なヒッププレスを繰り出す『情熱のエンプレス・ヒッププレス』♡ 強さだけじゃなくて、エロパフォーマンスでも凄い力を発揮するカードなんだから♡


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クリスマス特別編
新デッキ開発! アキとアンナのイベントMC初体験!!


予告していたクリスマス特別編のお話です!
エロデュエル分は薄いですが、楽しんでいただけたら幸いです!

時系列とかは気にしないでください! お願いします、何でもしますから!!


「わざわざ呼び立ててしまってすまないね。協力、感謝するよ」

 

「いえ、いつも私たちを支援してくださってる青羽社長にご恩を返すいい機会です。私たちに出来ることがあれば、何でも仰ってください」

 

 寒さが厳しくなりつつある冬のある日。私とアンナは普段よりお世話になっている青羽社長に協力を要請され、彼の会社を訪れていた。

 

 最新鋭の機械や設備を数多く揃えた本社ビルの充実さに驚きながら、社長と共にカード開発室と呼ばれる部署に連れていかれた私たちは、そこで新作パックとそこに収録される新規カードについての相談を持ち掛けられる。

 

「もうそろそろクリスマス、子供たちもプレゼントを強請る時期だ。それに合わせ、我々も新しいカードを発売しようということになってな。ただ、普通にカードを売るだけでは他社との差別化は図れない。そこで、今やデュエルリーグで活躍し、注目を集めているデュエロ・アカデミア特別クラスの生徒である君たちに協力を要請しようと思ってね」

 

「それで、私たちに声を?」

 

「うむ。アンナくんとアキくん、どちらもイメージカラーは赤系色で、クリスマスのイメージにぴったりじゃあないか。しかも、元気はつらつとしたロリ巨乳とクールな美人系巨乳と、分かり易くタイプも別々となっている。ということで、今回は君たち2人をイメージしたストラクチャーデッキを作ろうというわけだ」

 

「ってことは、オレたちの新しい切り札が作られるってことか!?」

 

「う~ん、そこなんだがね……新デッキのターゲットはあくまで男性。女性用のエロデュエルデッキを作るわけではないから、新規の切り札を開発するわけにもいかないんだよ」

 

「ああ、そっか……つまり、オレたちをイメージしながらも男向けのエロデュエルデッキを作らなきゃなんないんだな」

 

 少しだけ、新しいカードを貰えないと知って残念そうな顔をしたアンナであったが、すぐに気持ちを切り替えて今の自分たちにすべきことを確認し始めた。

 この子は本当に義理堅いし、受けた恩は返すというしっかりとした芯がある。

 普段、お世話になっている青葉社長に恩返しする意欲はとても強いのだと、アンナに負けないように気合を入れ直した私は、社長をはじめとしたメンバーの顔を見回しながら口を開いた。

 

「開発するデッキは、男性が使って楽しい私たちをイメージしたデッキ。そして、会社としてはデッキと一緒に旧弾のパックも売れてほしい……ですよね?」

 

「うむ、そうだな。難しいオーダーだと思うが、この場の全員の力を結集し、必ずや納得のいく作品を作り上げよう!!」

 

「おおーーーっ!!」

 

 心を1つにして、青羽社長の呼びかけに答える私たち。

 この日より私たちの新デッキ開発とそれに伴う新カードの開発が始まり、それぞれが力とアイデアを出し合って、納得のいくエロデュエル用デッキの組み上げが始まったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……そして、それから数か月後。

 デュエルモンスターズのカード開発、販売を手掛ける企業が揃うイベント会場に、私とアンナはいた。

 

 各季節に行われるこのイベントだが、冬季は非常に企業としての戦略が試される場だ。

 クリスマスから年末年始と、ホビーグッズが最も売れる時期といっても過言ではないこの時期に、ユーザーに期待を抱かせるだけの商品が紹介出来るかはそれぞれの企業の手腕にかかっている。

 

 その中でも、業界で最大手といえる青羽コーポレーションは、多くのデュエリストから注目を集めていた。

 他の企業も全力を尽くし、競争相手に勝るよう様々な工夫を凝らす中、青羽社長がこのイベントで取った作戦は、私とアンナによるコンパニオン&新デッキの実演販売だ。

 

 青羽コーポレーションに与えられたイベントブースに集まった、数多くの男性たち。

 ブースの広さの関係上、100名までしか人を集められないことが残念だが、多く集まり過ぎても緊張してしまうというのが本音だ。

 

 これでも十分、多くの人が集まっているといえるが……エロデュエルで大勢の男性たちに裸を見られ続けた私たちも、ある程度の度胸はついている。

 むしろ、今から自分自身の痴態を見てもらえるということに興奮を禁じ得ない私は、イベントの開始時刻に合わせてアンナと共に檀上へと姿を現し、彼らに挨拶を行った。

 

「良い子のみんな~♡ こんにちは~~っ♡」

 

「今日は青羽コーポレーションのブースに来てくれて、ありがとなっ♡♡♡」

 

「うおおおおおっ!?」

 

 壇上から見た感じ、お客さんは全員が男性。

 年齢は小学生以下が3割と、中高生から成人男性までが7割といった様子だ。

 

 私たちよりも年下の男の子がこんないやらしい遊びに興じているという狂った状況にもすっかり慣れてしまっている私たちは、慣れない笑顔を浮かべながらMC兼コンパニオンとして、場を盛り上げながらイベントを進行していく。

 

「今回、青羽コーポレーションの新作デッキの紹介を任された十六夜アキと……」

 

「神月アンナだ! 今日はみんなにばっちり新作デッキの秘密を教えちゃうから、期待してくれよなっ!!」

 

「うおおおおっ! アキちゃ~ん!! 今日もエロいよーっ!!」

 

「アンナちゃ~ん! おっぱいもっと揺らしてーーっ!!」

 

 卑猥なヤジも慣れたどころか心地良く感じる。

 私のことを性の対象として見る男性たちの視線が心地良くて、子供たちを虜にしていく感覚が興奮を掻き立ててくれるのだ。

 

 少しずつ、作り物の笑顔が興奮と快感による熱を帯びた真の笑みになっていくことを感じながら、私たちはまず、今の自分たちの姿を観客に見せつけるようにしてその場でポーズをとってみせた。

 

「ふふふ……♡ みんなもこの格好が気になってるわよね? サンタクロースのコスプレをするには、まだちょっと早いかもしれないもの♡」

 

「で・も……♡ この格好にもちゃ~んと意味があるんだ♡ そんじゃ、まずはここから話をさせてもらうぜ♡」

 

 ここで今の私たちの格好をあなたたちにも説明しておこう。

 私が言った通り、今の私とアンナは揃ってサンタクロースのコスプレをしているわけだが……当然、それにもこのセックス次元らしいいやらしい工夫が施されている。

 

 赤の布地に白の毛皮。それをあしらった帽子とケープとブーツ……までは良い。

 問題はそこから先、胴体と下半身を隠す衣類についてだ。

 

「へへへ……♡ もう少ししたら写真と映像の撮影は禁止になっちまうからな♡ それまでの間に、オレたちのことを撮っておきたい奴は撮影を済ませておけよ♡」

 

 そう語り、軽くジャンプをするアンナへと男性たちの視線と多くのカメラが向けられる。

 小柄ながらも出るところは出て、引っ込むところは引っ込んでいるロリ巨乳体型の彼女は、その見事な爆乳をマイクロビキニだけで隠した卑猥な格好をしていた。

 

「ほらほらっ♡ サービスしちゃうぜっ♡ 思いっきり、ジャ~ンプっ♡♡♡」

 

「おおおおおっ!?」

 

 胸の頂点だけを隠したアンナが大きく跳び上がれば、乳房を押さえつける役目なんて果たせるわけがないマイクロビキニと共に彼女の胸が大きく揺れた。

 布面積が狭すぎるビキニに覆い隠せない綺麗なピンク色の乳輪も見え隠れしており、魅惑の乳房目掛けてカメラのシャッターが幾度となく切られているが、ステージに近い男性たちの視線は彼女の下半身へと向けられている。

 

 下半身は上半身と同じくマイクロビキニ。当然、秘所を軽く隠すだけの布地しか存在していない。

 その上には一応、極ミニのスカートが履かれているものの、アンナが少しでも動けば秘部も臀部も見えてしまうといった有様だ。

 

 常に丸見えなのではなく、チラリズムを追及するという男性職員たちの意見を取り入れたアンナのエロサンタコスプレは非常に好感触で、男性たちの視線は大きく揺れる彼女の胸と、ちらちらとお目見えする下半身に釘付けになっている。

 

 さて、こうなっては私も負けてはいられない。

 アンナと同じくこの場を任された者として、精一杯の努力をしなければ。

 

「ふふっ♡♡♡ 私の方も写真撮影OKよ♡ いっぱい撮って、満足してちょうだいね……♡」

 

 元気いっぱいのアンナとは対照的な、セクシーな雰囲気を出して身をくねらせれば、男たちの間からどよめきと共にけたたましいシャッター音が響いた。

 私もまた、アンナ同様にエロサンタコスチュームを身に纏ってはいるが、マイクロビキニとミニスカートという格好の彼女とはまた少し趣が違っている。

 

 首に取り付けられた首輪から伸びる2本の紅い布……それが大きな私の胸を這い、そこから引き締まったウエストの脇を通って、秘所で合流するように軌道を描く。

 スリングショットビキニ……それが、私の纏っている衣類の名だ。

 マイクロビキニよりは布面積は多いが、肝心な部分だけを隠せるだけの布地しか存在していないことは変わりないその格好のまま、私は見返り美人の如く観客たちに背を向け、振り返った格好を取る。

 

(ふふふふふ……♡ みんな、食い入るように私のいやらしいところを見て……♡ この興奮、堪らないわっ♡♡♡)

 

 Tバック状態で、ほぼ丸見えの白いお尻。

 乳首以外は隠れていない大きな胸のサイズがまるわかりになるような横乳。

 

 グラビアアイドルのように、それ以上に卑猥で魅力的な姿を見せるように、自分の肉体の武器を総動員した私が男性たちを挑発すれば、彼らは面白いように私のことを見てくれる。

 かつて魔女として恐れられていた私が、こんな風に羨望や好意の眼差しを向けられるようになるなんて……と、その悦びと快楽を味わい続けた私は、いつまでもこうしているわけにもいかないと本日の仕事を思い出し、腕のデュエルディスクを見せつけながらギャラリーに向けて言った。

 

「今、オレたちが着ているエロサンタ衣装は、新発売されるデッキに付属する魔法カードで相手に着せられる服と同じものなんだぜっ♡」

 

「発売されるデッキは2種類♡ それぞれマイクロビキニVerとスリングショットVerがあるから、お好みで選んでちょうだいね♡」

 

 そう説明を行いながら、その場でゆっくり1回転。

 胸、脇、脚、太もも、お尻と、コスプレ衣装の造形とそれを纏った女性がどんな風になるかのモデルとしての役割を果たす私たちは、突き刺さる視線に興奮を覚えながら男性たちの話に耳を傾けた。

 

「おい、お前どっちが好みだよ?」

 

「どっちも好きだけど、俺はスリングショットかな~? 巨乳の女が着た時、バストからウエストまでの間に空間が出来るだろ? あれが股間に来るんだよ!」

 

「逆にマイクロビキニは貧乳でもエロくて似合うよな。ロリ体型にもぴったりだし、着る人間を選ぶスリングショットよりも万能だろ」

 

「その辺はおいおい考えるとしてさ……アキちゃんもアンナちゃんも、マジでエロいっ! 動画も静止画も撮影しまくって、オカズにしなくちゃ!!」

 

 少年、青年、そして大人に至るまで、エロサンタコスプレを纏った私たちに夢中になっている。

 掴みはOKだと判断した私たちはお互いに視線を合わせて満足気に頷くと、興奮によって浮かぶ笑顔のままに商品解説を続けていった。

 

「新発売されるデッキは、さっきも言った通り2種類。それぞれ私とアンナが協力して、イメージキャラクターにもなっているわ。つまり……私たちのえっちなカードも収録されてる、ってことよ♡」

 

「そう聞くと女デュエリスト向けのデッキになってるんじゃねえの? って思うかもしれないけど、そこは安心してくれ! しっかり男向けに調整して、みんなが使ってて楽しいデッキに仕上げたからよ♡」

 

「その辺りの説明は、口でするよりも実演した方がよさそうね。でも、私たちがデュエルするよりも、みんなに新デッキを体験してもらいたいから――♡」

 

「まずはオレたちに協力してくれるデュエリストを募集するぞ! 方法はこれだ! アクション魔法【大当たり! ヒップスロット♡】」

 

 デュエルディスクに魔法カードをセットし、それを発動した私とアンナは、観客たちにぷりっとお尻を突き出す格好を取る。

 目の前に突き出された肉付きの良いむっちりとしたエロ尻に男たちが視線を集中させる中、私たちのお尻には数字が浮かび上がり、スロットマシンのように目まぐるしくそれがシャッフルされ始めた。

 

「今、私たちのお尻には1から100までの数字が表示されているわ♡ スロットが止まった時にお尻に表示されてた番号の整理券を持ってる人は、壇上にあがってちょうだい♡」

 

「さあ、選ばれるのはだっれかな、だ~れかな~っ♡♡♡」

 

 ほぼ丸見えのお尻を思いっきり突き出す私とふりふりと可愛らしく振るアンナ。

 凝視すればアナルも見えてしまうんじゃないかってくらいに露出の激しいそこに視線が集中する中、数字の変換スピードが徐々に遅くなっていく。

 

 カシャッ、カシャッ、カシャッ……と、1度のシャッフルの度に高まっていく緊張感が、お尻を多くの男性たちに見られているという興奮が、ぞわぞわと私の心を掻き立て、堪らなく甘美な感覚を味わわせてくれていた。

 

――テンテロレ~ン! テレテテテテテ~~ンッ!!

 

「おっ! スロットが止まったみたいだな!!」

 

「当選したのは……16番の方と、81番の方! さあ、ステージに上がってきて!!」

 

「おっと! ここからは撮影禁止な! ネタバレが嫌いな他のエロデュエリストのみんなへの配慮をよろしく頼むぜ!」

 

 当選番号の発表と撮影禁止の注意、そしてデュエルの相手となるデュエルロボのセットが終われば、メインイベントの始まりだ。

 私とアンナは幸運な当選者にマイクを向けると、まずは彼らに自己紹介をしてもらった。

 

「はじめまして、ぼく。お名前を教えてもらっていいかしら?」

 

「え、えっと……成田海司(なりた かいじ)、です……」

 

「海司くんね? エロデュエルは好き?」

 

「ぼ、僕、そこまで経験なくって……ちょっと緊張してます」

 

「ふふっ♡♡♡ 可愛い子♡ 安心して、海司くんみたいなデュエル初心者のためにストラクチャーデッキっていうのはあるの。今日は私と一緒にデュエルを楽しんじゃいましょう!」

 

「は、はい! よろしくお願いします!」

 

 私の担当になったのはまだ小学生くらいの男の子で、おどおどとした雰囲気からは大勢の人前に出る緊張がこっちにも伝わってきている。

 この子をしっかりリードして、エロデュエルを楽しんでもらおうと気合を入れる私の横では、アンナが自分のパートナーとなった男性のことを観客たちに紹介していた。

 

「え~っと、オレのパートナーはこのおっちゃんだぜ! 見るからにスケベそうな顔してるよな~!」

 

「勿論さ! アンナちゃんのデカケツに選ばれて、俺って超ツイてる!!」

 

「あははっ! 正直者はオレも好きだぜ! おっちゃん、名前は?」

 

「俺は盛山慶喜(もりやま けいき)だ! 特別クラスではアンナちゃんが推しだぜ!」

 

「おっしゃ! そんじゃ、慶喜のおっちゃんにも楽しんでもらえるよう一生懸命にナビゲートするから、よろしくな♡♡♡」

 

 アンナの相方は海司くんとは打って変わった中年男性だ。

 でっぷりと太った腹をした、いかにもなすけべおじさんといった雰囲気の慶喜さんのテクニックに期待しつつ、アンナも気合を十分に漲らせている。

 

「じゃあ、海司くんには私をテーマとしたストラクチャーデッキを、慶喜さんにはアンナをテーマとしたデッキを使ってもらうわね。2人とも、準備はOK?」

 

「は、はいっ!」

 

「こっちも大丈夫だ!!」

 

「デュエルロボも起動完了! よっしゃ、行くぜーっ!!」

 

 全ての準備が完了し、大勢の観客の前で模擬戦が開始される。

 先攻はデュエルロボに譲り、後攻からのプレイングとなった2人に対して、私とアンナはアドバイスを送り、このデッキの回し方を解説していった。

 

「それじゃあ早速、このデッキのメインとなるモンスターを召喚しましょう! 海司くん、このモンスターを場に出して!」

 

「おっちゃんはこいつな! ビシッと決めてくれよ~♡♡♡」

 

「よ、よ~し……! 手札から【性夜樹娘(クリスマスツリーガール) サンタ・アキ】を召喚します!!」

 

「俺は【性夜宴娘(クリスマスパーティガール) サンタ・アンナ】を召喚だっ!!」

 

『うふふふふ……♡ はぁ~い♡♡♡』

 

『いえ~~いっ♡♡♡ パーティだ、パーティだ~っ♡♡♡』

 

―――――

 

性夜樹娘(クリスマスツリーガール) サンタ・アキ

ATK1000 DFE1500 レベル4 天使族 淫属性

 

(1)このカードが場に出た時、デッキから【エロサンタ爆誕!!】と名の付いた魔法カードを手札に加える。

(2)このカードが召喚に成功した場合、デッキ、または墓地から【性夜樹】と名の付いたモンスターを手札に加えることが出来る。

(3)このカードが魔法・罠ゾーンに存在する時、1ターンに1度、自分のメインフェイズ中に発動出来る。デッキ、または墓地から【性夜樹の飾り】と名の付いた装備魔法を手札に加える。

 

―――――

 

―――――

 

性夜宴娘(クリスマスパーティガール) サンタ・アンナ

ATK1500 DFE1000 レベル4 天使族 淫属性

 

(1)このカードが場に出た時、デッキから【エロサンタ爆誕!!】と名の付いた魔法カードを手札に加える。

(2)1ターンに1度、デッキ、手札、または墓地から【性夜宴】と名の付いたモンスターを特殊召喚出来る。

(3)【性夜宴娘 サンタ・アンナ】以外の【性夜宴】と名の付いたモンスターが場に出た時、このカードに『パーティカウンター』を1つ乗せる。

(4)このカードが破壊される時、このカードに乗っている『パーティカウンター』を1つ取り除くことで破壊を無効にする。

 

―――――

 

 サンタコスプレをした、私たちそっくりのモンスターを召喚したのも束の間、即座にその効果で手札に加えた【エロサンタ爆誕!!】を発動した海司くんと慶喜さんによって、2体のモンスターの衣服は今の私たちが着ているエロサンタ衣装へと変更された。

 

 ウインクと共に豪快な脱ぎっぷりを披露した2体のモンスターへとやんややんやの喝采が送られる中、私たちはそれぞれのパートナーにここからのデッキの回し方を伝授する。

 

「うん! よく出来ました! それじゃあ、次は(2)の効果を使って、このモンスターを手札に加えましょう。そうしたら――」

 

「そのまま特殊召喚ですね!!」

 

「正解っ♡♡♡ 海司くん、飲み込みが早いじゃない♡♡♡」

 

「わぷっ……!?」

 

 頭を撫でて海司くんを褒めてあげた私は、そのまま自分の胸の谷間に彼の小さな顔を押し付けた。

 女性の生肌と体温、そして柔らかい胸の感触に大慌てする海司くんに向けて観客たちから羨望の眼差しが向けられる中、アンナから解説を受けた慶喜さんが次の一手を打つ。

 

「サンタ・アンナの効果発動! 俺はデッキから【性夜宴獣(クリスマスパーティビースト) 酔いどれサンタ】を特殊召喚だ!」

 

『うぃ~……っ! 酒が美味いねぇ~、っと!!』

 

―――――

 

性夜宴獣 酔いどれサンタ

ATK1800 DFE0 レベル4 天使族 光属性

 

(1)このカードが場に出た時、自分フィールド上に【性夜宴娘 サンタ・アンナ】が存在する場合、カードを1枚引く。

(2)フィールド上で表側攻撃表示になっているこのカードを守備表示に変更して発動出来る、【性夜宴娘 サンタ・アンナ】に『パーティカウンター』を2つ乗せる。

(3)自分の場に他の【性夜宴】と名の付いたモンスターがいる限り、守備表示のこのモンスターは攻撃されない。

 

―――――

 

「酔いどれサンタのモンスター効果発動! このカードを守備表示にして、サンタ・アンナにカウンターを2つ乗せる!!」

 

『うい~っ……ロリエロサンタに、先輩サンタからのプレゼントじゃ~いっ!!』

 

『んへぁっ♡♡♡ い、いきなりちんぽきたぁっ♡♡♡ おっ♡♡♡ ちくびっ♡ おっぱいも責められてりゅぅう♡♡♡』

 

 慶喜さんが効果の発動を宣言すれば、勃起したちんぽを露出させた中年サンタがサンタ・アンナに襲い掛かり、背後から彼女を犯し始める。

 小柄な体に反して育っている大きな尻に何度も腰を打ち付け、巨乳を激しく揉みしだきながら、彼女を喘がせる酔いどれサンタのテクニックは、アンナ本体にも伝わっているようだ。

 

「んあっ♡ これ、イイ……っ♡ 思いっきりケツ打たれながら、乳責められるの気持ちいい……っ♡♡♡ んひゃあっ!?」

 

「うは~っ! アンナちゃんの生乳、柔らけ~っ!! 感度も良いみたいだし、いつまでも揉んでたくなるぜ!」

 

「んっ♡ こらぁ♡ 勝手にオレのおっぱい揉むんじゃねぇよぉ♡ あんっ♡ 乳首も弄るなぁ……っ♡♡♡」

 

 マイクロビキニの上から乳首をこねくり回し、胸を揉む慶喜さんに注意するアンナだが、その声はとろんと蕩けたいやらしいものになっている。

 本気で嫌がるどころか、むしろもっと揉んでほしいという欲望を感じさせるそのその声に応えるように、慶喜さんはたぷたぷとアンナの爆乳を揺らし、弄びながら、その柔らかさと重さを楽しんでいった。

 

「あっ♡ んあっ♡ はぁっ♡ んんっ……♡」

 

「ふふっ♡♡♡ こっちも負けてられないわね……♡ 海司くん、手札に加えたモンスターを場に出しましょう!」

 

「は、はいっ……!! 手札から【性夜樹魔(クリスマスツリーデビル) ポルターガイスト】を特殊召喚します!」

 

『キヘヘヘヘヘヘ……!!』

 

『あっ、ああっ……♡♡♡』

 

―――――

 

性夜樹魔 ポルターガイスト

ATK??? DFE??? レベル7 悪魔族 闇属性

 

(1)このカードは通常召喚出来ず、相手か自分の場に存在する女性モンスターを選択し、このカードの装備カードとすることで特殊召喚出来る。

(2)このカードの攻撃力、守備力はこのカードに装備されたモンスターの元々の攻撃力となる。また、【性夜樹娘 サンタ・アキ】を装備している場合、このカードの攻撃力、守備力は+500される。

(3)このカードば場に存在する限り、自分はこのカード以外のモンスターを場に出せず、召喚時に存在していたモンスターはすべて破壊される。

(4)このカードが場に存在する限り、自分はモンスターゾーンにも魔法・罠カードを置くことが出来る。

(5)このカードがフィールドから離れる時、代わりにこのカードに装備されているカードを墓地に送ることでそれを無効にする。

 

―――――

 

 姿の見えない何かがサンタ・アキに憑りつき、彼女の身動きを封じた。

 悩ましい声を上げながら大の字の体勢になった彼女はぴたりとその場に静止し、頬を紅潮させたままぴくりとも動かなくなる。

 

「ふふふふふ……♡ これで、サンタ・アキは【性夜樹魔 ポルターガイスト】の装備カードとなったわ。そしてここから、このデッキの本領が発揮されるの……♡♡♡」

 

 身動き出来なくなったサンタ・アキの卑猥な姿に息を飲む海司くんの頭を撫でながら、愉快気に私は微笑む。

 そうした後、彼に代わってカードの効果の発動を宣言し、プレイングを進めていった。

 

「装備カードとして魔法・罠ゾーンに行ったサンタ・アキの効果を発動! デッキから【性夜樹の飾り】と名の付いた装備魔法を手札に加えるわ!」

 

「え、ええっと……どれを選べばいいのかな……?」

 

「たくさん種類があるから迷っちゃうわよね? じゃあ、まずはこれを手札に加えて、装備してみましょうか」

 

「はいっ! 僕は【性夜樹の飾り パルスシグナル】を手札に加え、それをポルターガイストに装備します!」

 

『あ、あぁぁぁ……っ♡♡♡』

 

―――――

 

性夜樹の飾り パルスシグナル

装備魔法

 

このカードを装備したモンスターの攻撃力は500アップし、1ターンに1度、相手のカードの発動を無効に出来る。

(装備モンスターの体に纏わりつくカラフルランプ。点滅する度に、装備者に快感パルスによる逃れられぬ快楽を味わわせる)

 

―――――

 

『あっ♡ んんっ♡ はぁぁ……っ♡ なにも、されてないのに、イクっ♡ んんん~~~~っ♡♡♡』

 

「んあぁっ♡ 不思議な気分ね……♡♡♡ 体を弄られてないのに、イクくらいに気持ちよくなってしまうだなんて……♡♡♡」

 

 赤、青、緑、黄色……サンタ・アキの体に巻き付いたカラフルなランプが点滅する度に、身悶えするほどの快感が私を襲う。

 時に強く、時にお預けするように弱く、絶妙な加減で私を楽しませる快感パルスによる責めを堪能しながら腰を震わせる私のことを、海司くんが熱の籠った眼差しで視姦していた。

 

「あんっ♡ それじゃあ、場に出てるモンスターで相手モンスターを攻撃しようぜっ♡」

 

「んはっ♡ はぁぁ……っ♡ 攻撃宣言、イっちゃって♡♡♡」

 

 その後、相手フィールドに出ているモンスターを攻撃し、破壊してから、2人の初ターンは終了を迎えた。

 デュエルロボはプログラミング通りのプレイングを披露し、今度は場にモンスターと伏せカードをセットする防御陣形を敷く。

 

「それじゃあ、私たちのターンね」

 

「早速、サンタモンスターたちの効果を発動して、盤面を整えようぜ!!」

 

 返しのターンが回ってきたことを確認した私たちは、それぞれのパートナーへとプレイングのアドバイスを行った。

 私たちの言葉を受け、モンスター効果を発動して手札補充と盤面の展開を行う2人は、新カードの効果を確認しつつ、最適なプレイングを見せていく。

 

「僕はサンタ・アキの効果でデッキから【性夜樹の飾り ライトバイブ】を選択し、手札の【性夜樹の飾り 落書きペンシル】と共に装備!」

 

『あぁああああぁっっ♡♡♡ んんっっ♡♡♡ あぁあああああっっ♡♡♡』

 

―――――

 

性夜樹の飾り ライトバイブ

装備魔法

 

(1)このカードを装備したモンスターの攻撃力は300アップする。

(2)このカードを装備したモンスターに新たにカードが装備される度、自分はデッキからカードを1枚引く。

(柄から赤と緑の光を放つ派手なバイブ。女性器に挿入、振動することで絶大な快楽を与えつつ、見る者にクリスマスムードを感じさせる)

 

―――――

 

―――――

 

性夜樹の飾り 落書きペンシル

装備魔法

 

(1)このカードを装備したモンスターが3枚以上のカードを装備している場合、1ターンに1度、相手の場のモンスター1体を選択し、破壊することが出来る。

(装備した者の体に落書きすることが出来る蛍光ペン。色は赤、黒、ピンク、金から選択し、コントローラーの自由に文や絵を描ける)

 

―――――

 

『凄いっ♡♡♡ すごいぃいぃいっ♡♡♡ バイブっ♡ 激しいっっ♡♡♡ んあぁあぁああああああぁあああっっ♡♡♡』

 

「ふふふっ♡♡♡ 海司くんの装備してくれたバイブで、私もイっちゃうくらいに気持ちよくなれてるわ……♡♡♡ さあ、海司くん♡ サンタ・アキの体に落書きしちゃいましょうか? なんでも好きな風に書いていいのよ♡」

 

「う、うん……っ!!」

 

 ドキドキと胸を高鳴らせた海司くんが、手にしたペンをサンタ・アキの体に向ける。

 そのまま、彼が突き出されたお尻に大きく文字を書いたことを確認した私は、観客たちにそれを見せつけるようにサンタ・アキを反転させた。

 

「サンタさんへ、クリスマスプレゼントはこのデッキにしてください……ふふっ♡ 可愛いお願いね♡ きっと、サンタさんも海司くんのお願いを聞いてくれるわよ♡♡♡」

 

 ぷりっ♡ ぷりっ♡ むちっ♡ むちっ♡ ……と、お尻を振り、性的アピールとそこに描かれた海司くんのお願いを観客たちに披露するサンタ・アキ。

 そうしながら、他の落書きサンプルとして卑猥な文字がこれでもかとばかりに描かれた姿を映像で見せたり、メリークリスマスをはじめとしたクリスマスムードを感じさせる文字を描かれたバージョンを披露したりと、私が落書きペンシルの自由さをアピールする中、アンナの方も動きを見せていた。

 

「俺はサンタ・アンナの効果で、デッキから【性夜宴獣 発情トナカイ】を特殊召喚だ!」

 

『うおおおおっ! ヤリてぇぇぇっっ!!』

 

―――――

 

性夜宴獣 発情トナカイ

ATK1800 DEF1800 獣族 光属性

 

(1)このカードは場に出たターンは攻撃することは出来ない。

(2)このカードの攻撃力、守備力は、【性夜宴娘 サンタ・アンナ】に乗っているパーティカウンター×100アップする。

 

―――――

 

『おい、サンタのおっさん! 俺にもその女使わせろよ!!』

 

『うぅん……? なら、こっちの穴を貸してやろう。むちむちしていて最高に具合がいいぞい』

 

『お、おぉ……? んほぉおおおぉおおぉおおおぉっっ♡♡♡』

 

 人型のトナカイが勃起したちんぽをアンナのアナルに叩き込む。

 何が何だか分からない内に肛門を穿たれ、奥の奥まで犯されたその衝撃に野太い方向を上げるサンタ・アンナだが、まだ快楽の責めは止まらない。

 

「続けて、酔いどれサンタの効果発動! このモンスターを守備表示にして、サンタ・アンナにカウンターを乗せる!!」

 

『さて、わしももう1発ヤるとするかな』

 

『ま、待っへっ♡♡♡ トナカイ極太ちんぽケツ穴にハメられてんのにっ♡♡♡ まんこまで犯されたらおかひく、なりゅうぅうううぅうううんっっ♡♡♡』

 

『おおぅ! ケツの穴を犯されてるお陰か、さっきより締まっておるのう!』

 

『まんこハメられた瞬間、デカケツぶるぶる揺らしやがって……! ドスケベサンタだな、お前は!!』

 

「おおうっ♡♡♡ んはっ♡♡♡ や、ヤベぇ♡♡♡ 二穴セックスやべぇぇっ♡♡♡ まんこと、けつぅ♡♡♡ ムチャクチャ気持ちいいよぉおおっ♡♡♡」

 

 ぱぁん、ぱぁん、と激しいピストン繰り出し、サンタ・アンナを犯す2体のモンスター。

 中年サンタと性欲MAXトナカイによるコンビネーションセックスによって、サンタ・アンナはただただ喘ぐだけの雌と化している。

 そして、その快楽をダイレクトに味わうアンナもまた、マイクロビキニの下で乳首を勃起させ、股間から愛液を噴き出しながら存分に喘ぎ散らしていた。

 

『おっほおおっ♡♡♡ んひぃいいっ♡♡♡ ああぁあああああっっ♡♡♡ きもちいいっ♡♡♡ きもちいいよぉっ♡♡♡ まんこもケツも最高でっ♡ ずっとこうしてたいぃっ♡♡♡』

 

「イクっ♡ いぐぅっ♡ ふたあにゃぁ♡ イクのとまんなぐなっでるうぅうっ♡♡♡ またイクっ♡♡♡ イっちまうううっ♡♡♡ ああぁあああっっ♡♡♡ んああぁあああっ♡♡♡」

 

 イキっぱなしになっている2人のアンナの姿に、慶喜さんをはじめとした男性たちも夢中になっている。

 強気な美少女サンタが醜い中年男性と化物に犯され、その快楽の虜になる様が、男性たちの興奮を大いに煽っているのだろう。

 

 性器を犯される快楽と、肛門を穿られる悦楽。

 2種類の快感に喘ぎ、悶えるサンタ・アンナには6つものカウンターが溜まっており、着実に準備が整っていることを感じさせる。

 

「んひっ♡ ほおおっっ……♡♡♡ こ、これで、メインフェイズは終わりだな♡ 後は、サンタ・アンナで伏せモンスターを破壊しちまおうぜ♡」

 

「海司くん♡ 私たちは落書きペンシルの効果を使って、相手の場のモンスターを破壊しちゃいましょう♡ そうすれば、バトルフェイズでダイレクトアタックが出来るわ♡♡♡」

 

 海司くんは私の指示通りに効果で相手のモンスターを破壊し、慶喜さんはサンタ・アンナでの攻撃を行う。

 既に防御用のモンスターを排除した私たちもまた、デュエルロボへとダイレクトアタックを繰り出したのだが――

 

「罠カード発動、【攻撃の無力化】。これにより、相手の攻撃を無効にし、バトルフェイズを終了します」

 

「ああっ、惜しい!」

 

「凌がれちまったな。残念、残念……」

 

 プログラミングの内容は分かっているのだが、悔しがる演技をする私とアンナ。

 攻撃を凌がれはしたものの、状況はこちらが有利。デュエルロボは私たちの攻撃を何とかして凌ぎ続ける他に選択はない。

 

 再び、伏せモンスターをセットし、それだけでターンを終了させたデュエルロボに対して、私たちはトドメを刺すべくラストターンのプレイングをアドバイスしていった。

 

「海司くん、もうやるべきことはわかってるわよね?」

 

「うんっ! サンタ・アキの効果でデッキから装備魔法をサーチ! 僕が選ぶのは、【性夜樹の飾り ニップルピンドール】! 手札の【性夜樹の飾り アナルスター】と一緒にサンタ・アキに装備だっ!!」

 

『んへおおおっっ♡♡♡ はひぃいぃぃいいっ♡♡♡』

 

―――――

 

性夜樹の飾り ニップルピンドール

装備魔法

 

(1)【性夜樹】と名の付いたモンスターがこのカードを装備している時、他の装備魔法が破壊される代わりに、このカードを破壊することが出来る。

(2)【性夜樹】と名の付いたモンスターが場に存在し、このカードが墓地に存在する時、エンドフェイズ時にこのカードを手札に戻してもよい。

(乳首を挟むローターに鎖で繋がれた人形が取り付けられた装備。振動と痛みで装備した者の乳首を責め上げる)

 

―――――

 

―――――

 

性夜樹の飾り アナルスター

装備魔法

 

(1)このカードを装備したモンスターが5枚以上のカードを装備している時、そのモンスターの攻撃力、守備力は倍になる。

(2)このカードを装備したモンスターが5種類以上のカードを装備している場合、装備モンスターは相手のカードの効果を受けない。

(アナルを責めるビーズ型バイブ。柄の先端にはクリスマスツリーの主役である輝く星の飾りが取り付けられており、装備者の尻をいやらしく彩る)

 

―――――

 

『おぉおおぉおお……っ♡♡♡ あひぃいいいぃいっっ♡♡♡』

 

 乳首を抓られ、アナルを穿られ、全身を快楽責めされるサンタ・アキが嬌声を上げながら体勢を変えていく。

 大の字の格好から尻を相手に突き出すポーズを取り、肩幅に開いた脚の間から上半身を覗かせるようにして体を折り畳む。

 そのまま、両足首を掴んだ彼女は、アヘ顔を浮かべながら全身にいやらしい装備魔法を取り付けた自分の姿を観客たちに披露してみせた。

 

『【性夜樹娘(クリスマスツリーガール) サンタ・アキ】のエロクリスマスツリー……♡♡♡ これで、完成したわ♡ 私のエロボディをこんなに卑猥に飾り付けてくださって、本当にありがとうっ♡♡♡』

 

「うわぁ……! 本当に、綺麗で、えっちだぁ……!!」

 

 全身に巻き付くモールとカラフルランプは快感パルスを発し、何もしていなくても絶頂してしまうほどの快楽を味わわせてくる。

 乳首のローターは激しく振動し、それに合わせてサンタとトナカイの人形が踊るように跳ね回る。

 性器には鮮やかな光を放つバイブが挿入され、溢れる愛液にそれを反射させており、振動音とライトの発光が卑猥さを際立たせている。

 そして、むっちりとした安産型の尻に描かれた無垢な願いと、肛門に突き刺さったアナルバイブが、クリスマスツリーとして完成されたもう1人の私の存在を主張するかのように大きな星を輝かせていた。

 

「凄いよ! アキお姉さんがえっちなクリスマスツリーになっちゃった!!」

 

「ふふふ……♡♡♡ 喜んでもらえたみたいで嬉しいわ♡ でも、凄いのは見た目だけじゃないのよ? 今のサンタ・アキ……正確には【性夜樹魔 ポルターガイスト】だけど、攻撃力は4600♡ 1ターンに1度、相手のカード効果の無効と相手モンスターの破壊効果を発動出来る上に、破壊耐性まで持ってる超強力モンスターなんだから♡」

 

「本当だ! 手札の補充も簡単だし、僕みたいな初心者でも楽に扱えたよ!!」

 

「ふふっ♡ これがクリスマススペシャルデッキ・十六夜アキVerの戦術よ♡ 1体のモンスターをエロクリスマスツリーに仕上げつつ、強力な切り札として育てる♡ 見てて楽しい♡ 育てて楽しい♡ そして、使って楽しいの三拍子を揃えた扱いやすいデッキになってるわ♡」

 

 サンタ・アキの召喚からポルターガイストの特殊召喚に繋げ、そこから装備魔法を補充し続けることで最強のエースモンスターを作り出す。

 小難しいコンボは必要のない、分かりやすい戦術をメインに据えた【性夜樹】デッキは、初心者にぴったりの内容として調整に調整を重ねた私たちの傑作だ。

 

 そうして、自分の作り上げたエロクリスマスツリーことサンタ・アキのことを嬉しそうに見つめている海司くんの頭を撫でる私の隣では、アンナも自分のデッキの真骨頂を慶喜さんと観客たちに披露していた。

 

「手札からもう1体の酔いどれサンタを召喚し、サンタ・アンナの効果で【性夜宴獣 群衆サンタ】を特殊召喚! そのまま効果を発動だ!!」

 

―――――

 

性夜宴獣 群衆サンタ

ATK1300 DFE800 レベル3 天使族 光属性

 

(1)このカードが召喚、反転召喚、特殊召喚に成功した時、自分の場の【性夜宴娘 サンタ・アンナ】に『パーティカウンター』を2つまで乗せる。

(2)このカードの攻撃力は自分の場の『サンタ』と名の付いたカード×200アップする。

 

―――――

 

『お~い! 俺たちも仲間に入れてくれよ~!!』

 

『よっしゃ! 宴だ、宴だーっ! アンナの体全部使って、ちんぽの相手させるぞっ!!』

 

『むごっ♡ ぶむぅうっ♡ んんん~~~~っ♡♡♡』

 

「んはぁぁ……っ♡♡♡ 口の中にもちんぽきやがったぁ♡ 両手も乳も、ちんぽ扱くために使われてぇ♡ オレの全身、ちんぽとザーメン塗れになってるよぉ……♡♡♡」

 

 二穴セックスから更に相手が追加され、胸、両手、両足や髪に至るまでがセックスの道具として扱われている状況に恍惚としたアンナが甘い声を漏らす。

 さながら、乱交パーティの様相を呈している場の状況に観客たちも大盛り上がりしており、それに伴ってサンタ・アンナのパーティカウンターの数も10個まで上昇していた。

 

「ふぅっ♡ はぁ……っ♡♡♡ さあ、慶喜のおっちゃん♡ 仕上げに思いっきりぶちかましてくれよなっ♡♡♡」

 

「おうっ! このカードだな? 俺は、手札から魔法カード【サンタ・アンナ・クッキング♡】を発動するぜっ!!」

 

『んぶおおぉおおおぉおおおっっ♡♡♡ むぐぅううぅうううぅううぅんっっ♡♡♡』

 

 慶喜さんが魔法カードの発動を宣言した瞬間、サンタ・アンナたちの乱交も終わりを迎えたようだ。

 膣に、尻穴に、口内に、全身に……夥しい量の精液を浴びたサンタ・アンナが激しい絶頂を迎え、解放される中、彼女を抱いていた男たちがくたびれた雰囲気で口を開く。

 

『あ~、しこたまヤったら疲れちまったぜ!』

 

『プレゼント配りもしんどかったしな。そろそろ休憩といくか!』

 

『酒! 女! とくれば、残るは飯だけだな! そんじゃ、アンナちゃんにお願いするとしようぜ!』

 

『んっ……♡♡♡ しゃ~ね~な~……♡♡♡ そんじゃ、ご期待に応えて、っと♡♡♡』

 

 ぼふんっ、という音と共に、サンタ・アンナの胸に搾乳機が取り付けられる。

 両手に泡だて器とゴム製のへらを持った彼女は、自慢の爆乳から大量のミルクを搾られる快感に盛大に喘ぎ、潮噴きアクメを迎え続けていく。

 

『んあぁあああああっっ♡♡♡ ああぁあああああああっっ♡♡♡ おっぱいぃ♡♡♡ もっと、搾らねえとぉ♡♡♡ 材料足りねえよぉっ♡♡♡』

 

「んん~~っ♡♡♡ やっぱこの感覚、癖になるぜ……♡♡♡ ミルク搾られると子宮がきゅんきゅんして、まんこがときめきっぱなしになるんだよなぁ……♡♡♡」

 

「おおーっ! 俺の大好きなアンナちゃんの搾乳アクメが間近で見られるなんて、夢みたいだぜ!!」

 

「あっ♡ んあっ♡ よ、よかったな♡♡♡ もっと近くで、じっくり視姦してくれよ……♡♡♡」

 

 とろんと蕩けたアヘ顔を見られる悦びを享受しつつ、アンナが搾乳の快感に身を震わせる。

 ぶるり、びくりと体を痙攣させ、絶頂を繰り返した彼女は、サンタ・アンナのミルク搾りが終わると共に観客たちとデュエルフィールドへと視線を向け、この後の展開に期待を膨らませていく。

 

『へっへっへ……♡♡♡ 材料はこれで十分だな♡ そんじゃ、いっくぜ~~っ♡♡♡』

 

 ボウルに注がれた大量のミルクをかき混ぜながら、小麦粉や砂糖を投入。

 魔法の力で料理を行い、たわわな胸とむちむちのお尻を揺らしながらボウルの中身を混ぜていったサンタ・アンナは、それをそのままオーブンの中に放り込む。

 

『ん~~、ちゅっ♡♡♡』

 

 そして、最後に彼女が熱い投げキッスを送ってみせれば、軽快な音と共に開いたオーブンの中から巨大なケーキが飛び出してきた。

 サンタ・アンナのミルクから作られた美味しそうなショートケーキは彼女の仲間であるサンタクロースたちの下に飛来し、空腹と疲労を感じる彼らを満たす食料となる。

 

『サンタ・アンナミルクの特製クリスマスケーキ♡ お腹いっぱい、召し上がれっ♡♡♡』

 

『わーい! いっただっきまーす!!』

 

―――――

 

サンタ・アンナ・クッキング♡

通常魔法

 

(1)このターン、自分の場の【性夜宴】と名の付いたモンスターの攻撃力は、【性夜宴娘 サンタ・アンナ】に乗っている『パーティカウンター』の数×100アップする。

(2)このカードを発動した時、『パーティカウンター』が10個以上存在している場合、相手はバトルフェイズ中にカードの効果を発動出来ない。

 

―――――

 

「へへっ♡ これがオレの【性夜宴】デッキの真骨頂♡ サンタ・アンナの効果でモンスターを展開しまくって♡ ヤって♡ ヤって♡ ヤリまくって♡♡♡ カウンターを貯めたら一気に攻勢に出るって寸法だぜっ♡♡♡」

 

「サンタ・アンナが場に居ればモンスターは特殊召喚し放題だし、自身の効果である程度の耐性はあるから場持ちも良い。何より、毎回楽しそうにセックスするアンナちゃんの姿が見られるのは最高の一言だな!!」

 

「だろ~? アキのデッキが1体のモンスターを集中的に強化するなら、オレのデッキは大量展開からの超強化! しっかりその辺も差別化されてるから、それぞれのプレイングも楽しめると思うぜ!」

 

 【性夜宴】も【性夜樹】も、基本的にはモンスターを強化して勝負を決めるといったコンセプトは同じ。

 だが、その内容を大きく変えることで、初めてでも使いやすく、それぞれの楽しみを差別化することにも成功した私たちは、パートナーにデュエルの決着をつけるよう声をかけた。

 

「さあ、海司くん! エロクリスマスツリーとして完成したサンタ・アキの力を見せて上げて!!」

 

「慶喜のおっちゃん! サンタ・アンナのミルクケーキで強化されたサンタ軍団で決めちまえっ!!」

 

「よ、よ~し! 行くぞ~っ!!」

 

「攻撃だ! サンタモンスター!!」

 

 海司くんの号令でサンタ・アキの全身の装飾品が輝き、慶喜さんの宣言でサンタモンスターたちが突撃を開始する。

 それぞれが敵の防御を突破し、ダイレクトアタックを決める中、私とアンナの分身ともいえる2体のモンスターたちがフィニッシュホールドをぶちかました。

 

『必殺♡ パーフェクトセクシャルツリーシャインっ♡♡♡』

 

『いっくぜ~~っ♡♡♡ スイートパワー・フルプレスだっ♡♡♡』

 

 サンタ・アキのアナルに挿入されている星飾りにエネルギーが集中し、そこから星形の光線が発射される。

 サンタたちに放り投げられたサンタ・アンナが大きく腕を開くと、肉付きのいい体でプロレスのボディプレスを相手に見舞う。

 

 デュエルロボたちはそれぞれの必殺技を受けてLPを0にし、これにて模擬デュエルは閉幕と相成ったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい! これにて新デッキの紹介実演はお終いよ! 協力してくれた2人に、大きな拍手を!!」

 

「ありがとうな! これで新デッキの楽しさや魅力が伝わったと思うぜ!!」

 

 海司くんと慶喜くんの頬にお礼のキスをして、拍手を送って席へと送り返す私たち。

 

 これでメインイベントは終わりだが、まだ私たちにはやるべきことが残っている。

 この熱狂が冷める前に、残りの宣伝も行ってしまわなければならない。

 

「さあ! これで新デッキの内容については分かってくれたと思うけど、他にも付属するグッズはあるんだぜ!」

 

「ここからは、収録されているカード以外のプライズについて紹介させてもらうわね!!」

 

 そう私たちが口にすれば、背後のモニターにプレイマットやカードスリーブ等の新デッキに付属するプライズ品が表示された。

 その1つ1つをピックアップしながら、私とアンナは男性たちの興味をそそるように解説を行っていく。

 

「まずは、お馴染みプレイマットから! 2種類のデッキにそれぞれ別の絵柄が描かれたプレイマットが用意されてるわ!」

 

「表面にはオレとアキのエロサンタコスプレ姿の写真が載ってるぜ♡ でも、裏面にはもっと過激なモンが用意されてるから、気になる人は買って、自分の目で確かめてくれよな♡」

 

 マイクロビキニ姿のアンナと、スリングショットビキニの私。

 それぞれのデッキに付属するプレイマットには、卑猥なコスプレ姿の美少女たちの写真が載っており、しかも裏面にも秘密があると知った男性たちは大盛り上がりだ。

 

「次に、みんなの大事なカードを守るスリーブだけど、こちらも1デッキ分の40枚&予備15枚が付属するぜ♡ こっちもエロサンタ衣装のオレたちの絵柄だ♡」

 

「ただ、みんなを最高に興奮させられるようなエロいポーズを撮影してもらったから、そっちも期待してちょうだいね♡」

 

「更に更に! 開けてそのままデッキ強化に使える特別パックも付属してるぞ! 初心者にもデッキ改造がしやすいように指南書も付いてるし、おまけにオレたちのエロブロマイドも付属だーっ♡」

 

「ここからは2種類のデッキを同時に購入してくれた人へのサービスになるんだけど、魔法カード【エロサンタ爆誕!!】の3種類目がプレゼントされるわ♡」

 

「マイクロビキニ♡ スリングショット♡ ときて、3つ目の水着はエロ改造済み白スク水だぜ♡ 乳首とまんことケツだけ丸出しの、一番隠さなきゃいけない場所だけ露出してるえっろい格好にしちまう限定カード♡ ここでしか手に入らないから絶対に手に入れてくれよなっ♡」

 

「そして、私たち以外の特別クラスの女の子が好きな人にも朗報よ♡ 2種類のデッキを購入してくれた人には、彼女たちをモデルにした限定カードがランダムでプレゼントされるわ♡」

 

「融合モンスター【淫獣娘々 四角馴鹿(クワトロディルドトナカイ)セレナ】♡ 魔法カード【S・HEROの精夜祭】♡ 罠カード【エロティックスターのクリスマスプレゼント】♡ の3種類が用意されてるぜ♡ どれもスケベなカードに仕上がってるから、期待しててくれよ~っ♡♡♡」

 

「まだまだ、い~っぱい紹介したい内容はあるけど……今、私たちが教えられるのはここまで♡ 続きが気になる人は――♡♡♡」

 

 そこまで商品説明を行ってから、私たちは再び観客に向けてお尻を突き出した。

 男性たちの視線が集中するそこにスタッフがライトを当てれば、赤と緑に彩られた数字が浮かび上がってくる。

 

「「12月24日発売♡♡♡ 青羽コーポレーション新作ストラクチャーデッキを是非とも購入して、中身をチェックしてねっ♡♡♡」」

 

「うおおおおおおっ! OK--っ!!」

 

「よっしゃ~っ♡♡♡ そんじゃ、ここからはまた写真撮影を解禁するから、オレたちのエロケツぷりぷり写真を撮りまくって、SNSで『#青羽コーポレーション新作デッキ』のタグを付けてじゃんじゃん拡散してくれよなっ♡♡♡」

 

「ご要望があれば他のポーズも取るから、時間いっぱいまで撮影会を楽しみましょうね♡♡♡」

 

「わーーいっ! 神対応だーーっ!!」

 

「特別クラスサイコーッ! 青羽コーポレーションサイコーーッ! アキちゃんとアンナちゃん、超サイコーーッ!!」

 

 カメラのシャッター音が鳴り止まない会場の中で、私とアンナは被写体として卑猥なポーズを取り続け、彼らに撮られ続けた。

 ここまでの盛り上がりを見せているのだから、このイベントは大成功といって差し支えないだろう。

 自分たちの役目を果たせたことにほっと一安心すると共に、こうして多くの男性たちから性の対象として見られていることにゾクゾクとした興奮を覚えてしまう。

 

(MCとしての仕事は終わったんだから、ここからはコンパニオンとして来場者に尽くさないと駄目よね♡ それじゃあ、彼らの期待に応えてあげましょうか……♡)

 

 そうして、アンナと共に10分程度の卑猥な撮影会を行った私は、そこで快楽を貪り、十分な充足感を得た。

 その日のイベントは大盛況のうちに終わり、SNSのトレンドでも『#青羽コーポレーション新作デッキ』は急上昇1位を取ると共に、私たちの卑猥な写真はこのセックス次元の世界中に広まるのであった……♡

 



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XmasSpecialデッキ宣伝CM

少し気が早いですが、クリスマス特別編のお話を投稿します!

この宣伝CMパロディと本編をお楽しみください!

(時系列とかは気にしないで! お願いします!!)


 

STRUCTURE DECK XmasSpecial【十六夜アキ】&【神月アンナ】

 

 

「これからエロデュエルを始めたいキミにっ♡」

 

「エロデュエルの中で新しい刺激に出会いたいあなたにっ♡」

 

「「えっちなサンタからのクリスマスプレゼントっ♡♡♡」」

 

 特別クラス完全協力! 十六夜アキ&神月アンナをモデルにした新カード登場!!

 エロサンタコスプレを纏った彼女たちと、クリスマスらしいモチーフを持つテーマデッキでエロデュエルを制せ!!

 

「オレと一緒に乱交パーティしようぜっ♡ 疲れたら、アンナの爆乳ミルクで作ったクリスマスケーキをご馳走してやるよっ♡♡♡」

 

 大量展開! 一斉強化! 大乱交パーティ!!

 群がる男たちの欲望をそのロリ巨乳で受け止めろ♡ 【性夜宴娘(クリスマスパーティガール) サンタ・アンナ】♡

 

「クリスマスツリーの飾り、手伝ってくれる? あなたの好きに飾り付けていいから……ね♡」

 

 装備魔法でエースモンスターを徹底的に強化せよ!

 全ての雄を魅了する卑猥な性樹と化せ♡ 【性夜樹娘(クリスマスツリーガール) サンタ・アキ】♡

 

「沢山の男に輪姦(マワ)されるオレの姿がみたいよなっ♡♡♡」

 

「あなたの手で飾り付けられる、卑猥な私の姿が見たいわよね♡♡♡」

 

 どちらを選ぶかは君次第!

 どっちも魅力的で選べない? なら、どちらも選んでしまえ!!

 

 2種類のデッキを同時購入で特典をGET! Wサンタをゲットして、彼女たちのエロスを更に引き出せ!!

 

「STRUCTURE DECK XmasSpecial【十六夜アキ】&【神月アンナ】♡」

「12月24日、クリスマスイブに発売っ♡♡♡」

「私たちと一緒に熱い性夜を過ごしましょう♡♡♡」

「ルールを守って楽しくエロデュエル、だぜっ♡♡♡」

 

 発売記念イベント、開催決定! 特別クラスの美少女たちとクリスマスを過ごそう!

 詳しくはWEBサイトをチェック!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい! CM用の素材写真の撮影及び、アフレコ終了しましたー! アキちゃん、アンナちゃん、お疲れ様でーすっ!!」

 

「お疲れ様。結構楽しかったわね」

 

「へへっ! 一度吹っ切れるとやっぱ気持ちよくなれるよな~♡♡♡ でも、これでオレたちもお役御免って考えると、ちょっと寂しいぜ……」

 

「何言ってるの、まだ発売記念イベントに参加する役目が残ってるでしょう? それが終わるまで、気を抜かないの!」

 

「わかってるって! ……でも、発売記念イベントって何するんだ? デッキの手渡し販売とかか?」

 

「あ、それもあるんですけど、予定ではデッキ購入者と特別クラスとの乱交パーティを行うとのことです」

 

「えっ!? マジっ!? オレたち5人で、どれだけの数の男の相手するんだよ!?」

 

「予定では100人ですかね。用意してあるデッキがそれくらいの数ですんで」

 

「へえ、そうなの……♡ 単純計算で1人あたり20名の相手を……ううん、関係ないわね♡ だってこれ、パーティに参加してる人は回数無制限でセックス出来るんでしょう?」

 

「まあ、その予定ですけど……やっぱり厳しいですか? 今からでも条件を調節して――」

 

「ああ、ま~ったく問題無いぜ!! ってか、むしろかかって来いっ、って感じだよな!?」

 

「そうね。どうせクリスマスの日はデュエロ・アカデミアの男子たちと1日中ヤリっぱなしになるんでしょうし……その前夜祭としては、十分に楽しめそうじゃない♡」

 

「そ、そうなんですね? じゃあ、このままの予定でいかせてもらいます……」

 

「おう! そんじゃ、オレたちは帰るな! クリスマスイブ、よろしく頼むぜっ!!」

 

「お疲れ様でした。また機会があったら、一緒に仕事しましょう」

 

「……もうどっぷりこの次元にハマってるな。しかし、青羽社長も彼女たちがここまで成長すると見込んでたのかなぁ?」

 

「いや、あれは完全に予想外だろ。嬉しい誤算ではあるけど、もしかしたら俺たちはとんでもない化け物を抱え込んじまったのかもしれないぜ」

 

「ははっ、あんなに可愛くてエロい化け物なら大歓迎だよ。とはいっても……5人の化け物が集合するクリスマスイブ、何が起きそうで怖い気がする……」

 



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