がっこうぐらし!! 〜一匹狼の護るべきもの〜 (イギーさン)
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本編:移動編 第二十七話 たびだち

高校のライフラインはダウンし、もう使い物にならなくなった。生き残った黒田理琉、丈槍由紀、恵飛須沢胡桃、若狭悠里、直樹美紀、祠堂圭、狭山真冬、佐倉慈、太郎丸は新天地、聖イシドロス大学へと向かう。




車体ボコボコ、車検に通したら確実にアウトになりそうなVOXYハイブリッドに乗って、八人の生存者達は大学へと向かっている。

 

「大学まであとどれくらいだ?」

 

「えっと、70マイルくらいかな?」

 

「え、違うよ胡桃ちゃん、あと100マイルはあるよ?」

 

「う・・・」

 

胡桃と呼ばれる少女は何故か地図が読めない。

 

車を運転している少年、(実際は交代した)黒田理琉(くろだまさる)は恵飛須沢胡桃にあとどのくらい離れているのかを聞く。なぜ聞いているのかというとだ・・・最新型車両のはずなのにナビがついていないからだ。よって大学までは紙の地図を使用して向かっている。だが、道なりに走っていてもスムーズに事が進んでいるわけではない。所々事故車で通れなかったり、ゾンビの大群と鉢合わせになったりと、普通なら1時間半で到着できるような道を3~6時間かけて走行している・・・一日は24時間。当然夜がやってくるワケだが、いかんせん綺麗なホテルや旅館がある訳でもないので、車中泊を余儀なくされることに。

 

「やっぱ車中泊ってキツいな・・・」

 

「キャンピングカーとかあればなあ・・・」

 

胡桃は両手を頭の後ろに当てながら言っている。

 

「そンな貴重なアイテム、簡単には見つからないぜ・・・?」

 

 

前部座席に理琉と胡桃がいる。その後ろには、丈槍由紀というピンク色の髪に猫耳帽子を被った少女がウェーブヘアが特徴の佐倉慈という女性と話していたり、狭山真冬という黒髪の少女と、若狭悠里という少女が柴犬の太郎丸と遊んでいたり・・・直樹美紀という少女と、祠堂圭という少女が会話をしていたり・・・

 

 

「楽しそうだな」

 

「混ざってくればいィじゃねェか」

 

「あたしは眠いから良いよ・・・ふあ~~~・・・」

 

「俺も寝るか・・・おーい、お前らもさっさと寝ろよー、早く寝ないとお化けが来るゾ~?」

 

「ヘンな冗談やめろよ・・・」

 

「胡桃の後ろに何かいるぜ?」

 

 

「えッ?」

 

 

 

 

胡桃が後ろを見ると・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ピャーーーーーーッッッッッッ!!!!!!!!!・・・・ってなにもいねえじゃないか、脅かすなよバカ!」

 

 

「ギャハハハハハハハ、たっぷり笑わせてもらったぜ・・・イヒヒヒヒ・・・」

 

「お前覚悟しとけよ・・・?」

 

 

 

胡桃が耳まで顔を真っ赤にしている。

 

 

 

「ねえマサル・・・隣で寝てもいい・・・?」

 

真冬が乗り出して来た。

 

「えっと・・・ここ狭いぞ・・・?」

 

「大丈夫、問題ない・・・」

 

「・・・・・」

 

真冬は理琉の隣で寝る。胡桃が睨んでくるが、理琉は気づいていない。

 

 

 

 

 

 

 

夜中の事。

 

 

 

 

 

 

「ん・・・・マサル・・・起きて・・・」

 

 

真冬が突然起き、理琉を起こした。

 

 

「どうした?眠れないのか・・・?」

 

 

寝起きの彼女は目を擦る。髪は所々ボサボサで、その姿はいつものクールさとは正反対だった。

 

 

「ちょっと外出たい・・・」

 

「死にてェのか・・・?」

 

「そうじゃなくて、今日は流星群が・・・みんな起きちゃうから早く・・・」

 

「どこでそんな情報を・・・仕方ねェな・・・」

 

ショットガンを持ち、静かにドアを開けて外に出た。幸い、近くにゾンビはいないため、2人は車に寄りかかる形で座った。

 

 

「少し肌寒いな」

 

「うん・・・」

 

「・・・なんか、凄く懐かしい」

 

夜空を見上げて一人呟く理琉。

 

「え・・・?」

 

「オマエの姉ちゃんとも、二人で肩を並べてよく星を見たもんでさ・・・そンときの小春ったら凄く星に詳しくて・・・」

 

「ボクもある程度わかるよ。お姉ちゃんに教えて貰った程度だけど・・・」

 

「俺は理系だけど、天文学とかよくわからねェから、真冬に教えて貰おォかな」

 

「フフっ、ボクで良ければ付き合うよ?」

 

「ありがとうな。じゃァ早速・・・北半球では見えない星って―――」

 

 

 

 

真冬と話す時間は、まるで小春と話していた時と同じようにかけがえのないものになっていた。理琉は別に特別な感情を真冬に持っているという訳でもない。真冬と小春は一つしか違わない。容姿もほぼ同じ。一部は真冬より小春の方が勝っているが、それでも彼にとって真冬は守ってあげたいという存在。妹より早くこの世を去ってしまった姉の為にも、真冬を守り抜く・・・彼はそう誓っている。今までも、そしてこれからも黒田理琉は狭山小春の妹、狭山真冬を命がけで守り続ける・・・

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで夜が明けた。珍しく由紀が早起き。

 

 

「ん~・・・ありゃ、マー君と真冬ちゃん、いつの間にこんな寄り添ってる・・・フフッ・・・」

 

 

寝るときは被っていない猫耳帽子。それを外している由紀はいつもの子供っぽい元気な表情というよりかは、どこか大人びていて穏やかな表情をしていたのだ。

 

 

「ヒヒヒ、写真撮って胡桃ちゃんに見せちゃお~」

 

「そォいうこと言うのはこの口かァ~?」

 

「いたいいたい、ごめんなさいもう言いませ~ん」

 

理琉があおむけの状態で由紀のほっぺを両手で抓る。

 

 

「あ、マサル、おはよう・・・」

 

「起きたか真冬。・・・狭くねェの?」

 

「大丈夫」

 

「そ、そうか・・・」

 

 

声を聴いた他の人間も次々と起床した。ただ一人、起きられていない人物が・・・

 

 

 

 

「めぐねえ~もう朝だよ~?」

 

いつまでも起きない女性、慈を由紀が起こしている。だんだん強く揺さぶられていき、とうとう起き上がった。

 

「おはようございまふ・・・」

 

目を細めているため、まだ寝起きの様子。髪もボサボサで、どれがアホ毛(チャームポイント)なのかわからなくなっている。

 

「AM7:00か。まだ先は長い。慌てずに行こう」

 

「「「「「「「はーい」」」」」」」

 

「ワン!」

 

 

 

理琉と胡桃が交代で運転をしている形だ。運転技術が少しでもある人間がいれば心強い、と彼は思っているらしく、胡桃はそれに応えられるようになぜか車の中に入っていた教習所で貰うような本を読み進めている。運転はゲームでならやったことあるとか言っていたが、意外にも遠足の時は無事故(ゾンビ轢殺は除く)で行けたのであまり問題ないのだろう、と理琉は勝手に思っている。

 

美紀と圭は談笑をしており、とても楽しそうだ。美紀が太郎丸を撫でている。太郎丸もかなりご満悦な様子。

 

今度は由紀が後ろからオーディオ機器を弄ろうと前に乗り出してくる。

 

「あ、あんまり変な所触るなよ?」

 

「誤解を招く言い方すンなよ」

 

「どこもおかしくねぇだろ!」

 

胡桃が顔を赤くしてツッコむ。

 

「うん、気を付ける・・・でも・・・触りそう・・・?」

 

由紀が何かのスイッチをポチッ・・・と押した。

 

 

 

 

 

 

 

 

『ザ―――・・・・ねえねえ聞こえる?こちらはワンワンワン放送局!この世の終わりを生きているみんな、聞こえるかな~?』

 

 

 

 

 

 

 

 

「由紀ちゃん、それ、ラジオじゃない?」

 

慈に指摘をされ、由紀も驚く。

 

「あ、本当だ!しかもAMだぞこれ!?」

 

「ということは・・・」

 

「生存者が・・・」

 

「まだいるってことかァっ?!」

 

 

全員は喜び、ハイタッチを交わす。

 

 

 

「とはいうけどさ、電波の発生源わかるのか?」

 

胡桃が疑問を抱く。

 

「発電系能力者とかがいれば可能かもしれねェが、ここは能力者の街じゃァねェ。ンなことはありえない・・・」

 

「だよな・・・」

 

「地道に探すしか、無いってことですよね・・・」

 

「ワウン・・・」

 

 

 

その後も電波の発生源を目指すべく、ゆっくりと車を走らせる。田んぼの真ん中へと差し掛かったが、ここで問題が発生する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

God Damn(クソッたれ)・・・ガソリンがあと少ししかねェ・・・スタンドまであと4マイルも離れてるし・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ガソリンが危機的状況となっているが、無事に済むのか?
次回 がっこうぐらし!! ~一匹狼の護るべきもの~ 第二十八話 ほきゅう
私達は、ここにいます。


皆さま、お久しぶりです。本日からまた連載をスタートいたします。最後まで見ていただけると嬉しいです。最初少しグダグダな展開になってしまいました。これから改善していくので暖かい目で見ていただけると幸いです。


もう2019年も終わりですね・・・正月ネタ書こうっと・・・


りーさんガチャは悉く爆死しました・・・


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第二十八話 ほきゅう

大学へ向かう前に少し寄り道をする学園生活部。しかし車のガソリンが底を尽きた。4マイルも離れているガソリンスタンドに無事到着できるのか?


God Damn(クソッタレ)・・・ガソリンがあと少ししかねェ・・・スタンドまであと4マイルも離れてるし・・・」

 

 

「おいおいマジかよ・・・」

 

全員が顔を青くした。ガソリンのメーターはEを指している。現在いる所からガソリンスタンドまでは結構離れているため、そこまで持ち堪えられるのか不安な所。他の車とは違いハイブリッド車なので多少長くは走れるはずだが・・・

 

「予備のガソリン持ってくれば良かったわね・・・」

 

「すまねェ、俺の失敗だ。急いでガソリンスタンドへ行くぞ」

 

「安全運転でね?」

 

「わかってるりーさん」

 

出来るだけ燃料を節約すべく、時速20マイルほどで走行し、ガソリンスタンドへと向かう。メンバーはガソリンが底を尽きないか不安になっているが、まぁ大丈夫だろう。

 

 

「最寄りのガソリンスタンドにはコンビニもある。食料を調達しつつ、今日はそこで休むぞ」

 

「はいよ」

 

胡桃が返事をした。

 

「あと、胡桃に後で話しておくことが一つある」

 

「ん?何だ?」

 

「着いたら話すさ」

 

はぐらかされ、難しい顔をする胡桃。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

胡桃は一つある違和感を覚えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『温度を感じにくくなっている』ことに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガソリンスタンドへ到着した。由紀が何やらソワソワしている。

 

「俺らが先に中の様子を見てくるから、りーさんたちはこの車にガソリンを入れてくれ。ハイオクで」

 

「ハイオクで走れるの?」

 

「まあ特に問題はないぜ」

 

「わかったわ」

 

 

「くるみちゃん、マー君、疲れてるだろうし、私も行くよ」ムフー

 

何かを感じ取った胡桃。由紀の頬に手を添えた。

 

「由紀に化けた宇宙人め~!本当の由紀をどこへやった~?」

 

「ちょっ!冷たっ!手伝うって言ったのにこの仕打ちひどいよ~」

 

「ンで、本音はどォなンだ?」

 

理琉が腕を組んで由紀に聞く。

 

「コンビニで漫画読みたいなって・・・」

 

「ま、そんなところだな」

 

「だと思った・・・まぁいいや、来たければ来い。ただし、あまり離れるなよ?」

 

「は~い!」

 

「由紀ちゃん気を付けてね?」

 

「大丈夫だよめぐねえ!」

 

そして由紀は胡桃と理琉を引っ張っていき、コンビニの中へと入っていく。美紀、圭、真冬が由紀を心配そうに見ている。

 

「大丈夫かなって思ってる?」

 

「え、あ、その・・・」

 

美紀が返答に困っているが、

 

「大丈夫よ。胡桃とマサル君がいるし、それにああ見えて由紀ちゃんも素早いから・・・」

 

「そういえば、そうですね。私達を助けてくれた時も、由紀先輩が走ってきましたし・・・」

 

 

 

由紀は護身用にMP5(サブマシンガン)を背負い、理琉はFA-MAS(アサルトライフル)ウィンチェスターM1887(レバーアクション式ショットガン)(手持ち)、胡桃はAK-47(ヘビーアサルトライフル)、シャベル(手持ち)を持って行った。

 

「うわぁ、やっぱり荒らされてンな・・・」

 

「ま、漫画売り切れてるし!!」

 

「薬品の類も、ほぼ無しだな・・・」

 

「生活の跡が見て取れるな。いずれにせよ、こんな汚い所で寝たくはないな」

 

「なァ由紀、俺たち、一応裏も見てくるから、ゾンビ来たら知らせるかMP5で倒してくれ」

 

「うん。そうだ、その間に床掃除しとくね」

 

由紀は売り物の棚につるされていた箒とチリトリを取り出した。何をするかと思えば、フロアをてきぱきと掃除し始めたのだ。この光景に理琉も胡桃も目を4回ほど擦った。

 

「なぁ由紀・・・お前最近・・・」

 

胡桃が由紀をジーっと見ている。

 

 

 

「美人になった?とか?」ポッ

 

 

 

「んがァっ」ビターン

 

突拍子のない発言に理琉はギャグマンガの如くコケた。

 

「はぁっ?!」

 

「クールビューティー?」フリフリ

 

「クールビューティーでもねえし!!」

 

「痛てて・・・由紀は前から美人だと思うぜ。タダコドモッポイゲンドウガオオイダケ」

 

「ふぇっ?」カァ

 

最後の言葉は聞き取れなかったのだろうか。

 

「むぅ・・・」

 

胡桃に睨まれている。視線に気づいた理琉。

 

 

 

 

「え、俺何かした?」

 

 

 

 

気づけこの鈍感野郎。

 

 

その日一日はこのガソリンスタンドで過ごすことに。幸いその日の分の食品が少し残っていたのでそれを使うことに。他にも、何か使えるモノをと、メンバー全員で探し回ってみたり・・・コンビニ内を綺麗にして寝られるように改造したり・・・一日生活できるような環境へと変えていった。入り口にはゾンビ対策として大きめの鈴をつるしておくことに。

 

 

・・・と、理琉が何やら車を改造していた。

 

 

 

「マサル、何してるの・・・?」

 

真冬が理琉に訊いた。

 

「あぁ、コレか。ガソリンがなくなっても走れるように、水素電池とソーラーパネルを取り付けたンだ」

 

「どこからそんなものを・・・」

 

「気にしたら負けだ。んで、一応ゾンビに対抗できるよう、車のフロントに刃物を取り付けておく。そうすればゾンビを轢いたとしてもダメージはこの刃物にしか行かない・・・はず・・・」

 

「う、その自信なさそうな顔・・・」

 

「心配するな、自覚はある・・・」

 

「フフッ、そういうことにしとくよ」

 

真冬は背を向け、手を後ろで組みながらコンビニの中まで歩いて行った。

 

「・・・あ、そうだ、忘れてたぜすっかり・・・」

 

コンビニに向かい、胡桃を呼ぼうとしたが、こちらが歩き始める前に胡桃がやってきた。

 

「お、胡桃」

 

「話があるって言ってたよな?」

 

「あぁ。ソレについてだ」

 

理琉は胡桃の右腕にまかれている包帯を指した。

 

「これがどうかしたのか?」

 

理琉は少し暗い顔をし、自分から伝えるにはあまりにも残酷すぎる内容を胡桃に打ち明ける。

 

 

 

 

「オマエに打った薬だが・・・アレにゾンビ化の原因となるウイルスを撲滅する効果は無いンだ。Ω特効薬と書かれているが、原材料名を見たところによるとあの中身は強壮剤と抗生物質しか入ってないンだ」

 

 

「えっ?!!」

 

胡桃が顔を青くした。

 

「それってどういう・・・」

 

「まだ症状が表れていないというのも厄介でな・・・要は、あれはただのビタミン剤に過ぎねェンだ・・・」

 

「そんな・・・」

 

「なァ、それと聞きてェことがある。果夏という少女に咬まれた後、そしてあの薬を打った後、何か自分の体に起こった変化はあったか?」

 

理琉の質問に少々返答できずにいたが、ウソは言えないため、真実を伝えるべく彼女は重い唇を開いた。

 

「最近、温度を感じなくなってきてるんだ・・・今もそう。暑いんだか寒いんだか・・・あと・・・『やつら』に敵と認識されない・・・」

 

「何っ?!」

 

「昨日車中泊する前に周りが安全かどうか確かめたんだよ・・・やつらの内の一体が距離数フィートしかないのにこっちに気づかなくてさ・・・」

 

「ちょっとそれはマズいな・・・」

 

「もしかしたら・・・あたしはもう『あっち側』なのかもしれねえな・・・」

 

「・・・まだ動けるンだよな?」

 

「まあ、AK-47の乱射くらいなら余裕だけど・・・」

 

「なら、まだ大丈夫かもしれない。だが、ちょっとでも調子が悪くなったら俺に言ってくれ。絶対助けてやるから。副部長として、誰一人死なせるわけには行かないからな」

 

「クスッ、お前も言うね。こんな世界じゃなかったらあたし惚れてたよ」

 

「オマエは先輩一筋じゃねェのかよ・・・」

 

「『前』は・・・な・・・今は・・・」

 

「前・・・?」

 

胡桃は少しそっぽを向いている。あの時彼女は自分の手で初恋の相手を殺めたことがまだ心に強い痛みを感じている・・・しかし、彼女の中で理琉に対する別の『感情』が生まれており、先輩を殺めたことの罪悪感とは違う『痛み』が胡桃の胸に来ているのだ。それが何を意味するのか、理琉はもちろん、今の彼女に理解できるはずがない。

 

「あぁもう!この話は終わり!早く行こうぜ!由紀たちが待ってる!」

 

「お、おう・・・」

 

胡桃に手を引かれ、コンビニへと戻っていく。理琉を掴む胡桃の左手は、氷のように冷たかった。しかし、どこからか温かみを感じた。

 

 

 

 

 

 

 

そして夜。

 

 

 

 

 

 

 

「私の出番が少ないんだけど~!」

 

圭が文句を言っている。

 

「圭、落ち着いて・・・」

 

コンビニに置いてあった酒を誤って飲んでしまい、酔っぱらっている。

 

「んもう、翠ちゃん早く原稿提出しないと締め切り間に合いましぇんよ~?」

 

「え、圭、何言ってるの?」

 

「美紀、心配するな、作者の中の人ネタだから」

 

胡桃が美紀の肩をたたく。

 

 

「おいおいそれより圭ちゃん大丈夫なンか?酔いを醒ます薬とかねェの?」

 

 

「持ってないわよそんな都合のいい物・・・」

 

「ましゃるくぅん、酔い止めならここにあるわよ~?」

 

「それ車酔い用・・・ってか佐倉先生何飲んでるンすか?!」

 

「ましゃる君モフモフ~♪」モフモフ

 

「ちょっ!やめろって!胡桃、真冬、助けてくれ~!!」涙目

 

「「知らない」」

 

 

 

「不幸だぁ~~~!!!!」

 

 

 

 

その後酒に酔った慈と圭は寝てしまった。仕方がないので布団をかけてやることに。

 

 

「ったく、酒癖が悪い女性とか初めて見たぜ・・・モカの如くモフられたし・・・トラウマになりかねない・・・」ブルブル

 

「お疲れさま・・・」

 

悠里が少し苦い顔をする。

 

 

「流石にもう酒は無いはず・・・って由紀?」

 

「ん~・・・」

 

「顔真っ赤?!」

 

「酒飲んでないよな・・・?」

 

「あら、由紀ちゃんブランデー入りのチョコレート食べちゃったの?」

 

「おいおい洋酒入りのチョコで酔っちゃうのかよ・・・」

 

 

『全くだらしない子ね!それでも私の妹なの?!』

 

 

「「今小春(お姉ちゃん)の声が聞こえたんだけど・・・」」

 

 

「あたしも聞こえたぞ」

 

「私もよ・・・ってあれ、由紀ちゃんは?」

 

 

 

 

すると、コンビニの奥の扉がギギィっと開き・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんね、お姉ちゃん・・・いい子になるから、もう怒らないで・・・?」オズ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「何事!!?????!!!」」」」」

 

 

「おいおいここでも中の人ネタを・・・まァ可愛いから良いけど・・・」

 

「悠里お姉ちゃん!!」

 

「ゆ、由紀ちゃんっ?!」///

 

「恐るべしブランデー・・・」

 

「胡桃お姉ちゃん、お掃除のお手伝いするよ・・・?」

 

「すげえ、新鮮だ・・・あぁ、ありがとうな!」

 

「マサルお兄ちゃん・・・」上目遣い

 

「ぐはっ」(吐血)

 

「胡桃先輩!早く増血剤を!!」

 

「ここは・・・天国・・・なのか・・・?オマエら・・・先に逝ってる・・・ぜ・・・」敬礼

 

 

 

「死ぬなバカ!!」

 

 

 

「美紀お姉ちゃん・・・真冬お姉ちゃん・・・今の私の方が・・・好き?」///

 

 

「美紀~、戻ってきて~」

 

真冬にペシペシ叩かれる美紀。現実に戻ってきた。

 

後頭部を胡桃に殴られ、我に返る理琉。由紀に一発チョップをかました。由紀は正気に戻り、顔を赤くする。

 

「い、今までの、全部演技だからね?」

 

「いや無理があるな・・・」

 

「記憶残るタイプ?」

 

 

「演技だからぁぁ~~!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

茶番を終え、就寝するメンバー。

 

「お布団いいね~」

 

由紀が太郎丸を抱きかかえて寝ている。

 

「悪いわね、掃除までしてくれちゃって」

 

「あぁ、実はほぼ由紀がやったんだぜ」

 

 

「え、うそ」

 

 

ひ、ひどいよみーくん・・・」ウルウル

 

「みーくんじゃありませんから」

 

「最近は役に立つよな」

 

「まるで普段は役立たずみたいな・・・」ムゥ…

 

 

 

「嘘だよ。昔っから役に立ってるよ」

 

 

 

「そ、そうかな・・・」モジッ

 

「それは、間違いありません」

 

「ワン」

 

「ンだな」

 

「由紀ちゃんは、もう大丈夫ね」

 

う、うん・・・」///

 

由紀は若干顔を赤くし、布団を鼻まで被り照れながら答える。

 

 

 

 

真夜中。

 

 

 

 

 

「・・・」

 

 

由紀が突然目を覚ました。・・・かと思えば懐中電灯を持って外へ出ようとする。

 

 

 

 

 

「由紀ちゃん、どうしたの?」

 

 

ギクッ

 

 

「あのねー・・・おさんぽ・・・星がきれいみたいだから・・・」

 

「だめよ、夜中に外へ出たら」

 

「え~」

 

「そこに座って?」

 

「ぶ~」

 

「す・わ・り・な・さ・い?」

 

悠里は終始笑顔だが目が笑っていない。これはヤバいやつや・・・

 

「ハイ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

案の定、由紀は説教を食らった。

 

 

 

「ん・・・・」

 

 

理琉が目を覚まし、由紀に説教している悠里の姿を目撃する。

 

 

(俺は夢でも見てるンだろうな・・・早く寝よう)

 

 

この光景を見なかったことにし、さっさと眠りにつく理琉であった。

 

 

 

 

 

 




ラジオの発信源を見つけるべく再び動き出す学園生活部。しかし結末は思いもよらぬ方向に・・・
次回 がっこうぐらし!! ~一匹狼の護るべきもの~ 第二十九話 はっけん
私達は、ここにいます。


由紀ちゃんが酔ったシーン・・・またもや中の人ネタを取り入れました。チノちゃんのあのシーンが好きすぎてついやってしまいました。楽しんで頂けたでしょうか?ではまた次回!


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第二十九話 はっけん

ふたたび発信源を探す学園生活部。しかし結末は想像を絶するものだった。


翌日。コンビニを出発した学園生活部。

 

「マサル、発信源わかるか?」

 

今度は胡桃が運転し、理流がスマホ、地図とにらめっこしている。幸いGPSが生きていたため、それを使う。

 

「ン・・・この波を計算すると、そう遠くではないはずだ・・・北北西辺りから信号が・・・いやダメだベクトル干渉出来ない・・・」

 

どこかの超能力者お前は。

 

「・・・何言ってるんだ?」

 

「いや、GPSで発信源を探してる。・・・ここから一番近いブロードキャスト施設まで約10マイルだ」

 

「おっしゃ飛ばすぜ!!」

 

「やめなさい」

 

理流は胡桃にチョップをかました。

 

「痛ってぇな」

 

「胡桃、安全運転よ?」ゴゴゴゴゴ

 

「わ、わぁってるよ」

 

 

 

 

 

数十分走り、目的地のブロードキャスト施設へと到着した。しかし、理流はにわかに違和感を覚えていた。数分前まで聴こえていた放送が途端に無くなり、それっきりずっと聴こえてこないということに・・・

 

 

 

 

 

 

「結構デケェ建物だな・・・」

 

「見るからに怪しい建物ですね・・・」

 

「これ、ドアどこだ?」

 

建物を見る限り、入り口らしいものは見当たらない。

 

「黒田くん、上じゃないかしら?」

 

慈は梯子がかかっているところを指した。

 

「あ、多分そうだな」

 

「本当にいるのかな・・・?」

 

「まぁ、ここから発信されてたンだから、誰かいる事は間違いないが、生きてるという保証はない・・・

 

「ん?」

 

「何でもねえさ」

 

建物に入る前に理琉が何かを思いついた。

 

「あァそうだ。あの中には俺、胡桃、由紀、美紀で行く。そのほかはここで待機してくれ」

 

「先輩大丈夫なんですか?」

 

「ああいう施設ってなァ見た目はでかくても中はクソ狭い空間なンだ。そんなところでもしゾンビと出くわしたらハチの巣にされる。だから少人数で行くンだ」

 

「マサル、気を付けてよ・・・?」

 

非常用の施設。特に生物兵器対策用のシェルターというものは扉が金庫のようで身動きがとりにくい。そういったことが想定される以上、大人数での潜入は危険と判断する。

 

「あァ」

 

 

胡桃たち3人は梯子を上っていく。もちろん理琉が先頭だ。

 

 

「よいしょっと・・・あァ?何だこりゃ?まるで潜水艦の入口みたいだ」

 

理琉たちはハンドルをゆっくりとひねり、入口のドアを開けた。

 

 

「静かだな・・・」

 

殺風景のスペースに、この静かさ・・・何かがおかしい・・・

 

「先輩、開けますよ・・・?」

 

「おう・・・」

 

胡桃はシャベルとベレッタM92(AK-47は担いでいる)を、理琉は右手にウィンチェスター、左手にFA-MASを構え、由紀はMP5を構えた。

 

美紀がゆっくりと扉を開ける。

 

 

 

しかしそこには誰もいなかった。放送者がいるならば、ブロードキャスト機器のすぐそばにある椅子に座っていなければおかしい。

 

理琉は置手紙を発見した。

 

 

 

『扉を開けるな!!

 扉の先には私がいる。なるべく早く始末するつもりだけどうまくやり方がわからない。

 音がしたらそういうことだと思ってくれ。

 置手紙を見つけた人にこの家とこのキーを預ける。

 

 できればあなたと一緒にお茶を飲みたかった。

 できればあなたと一緒に

 ここを出たかった。

 できれば・・・・・』

 

文字の最後の方は震えており、もう手遅れだったという事がわかる。ワンワンワン放送局の放送者は何らかの理由で(・・・・・・・)感染していたのだ。もう少し早く来ればよかった・・・と言い、拳を握り締め机をガンと叩いた。と、この隣にキーが置いてあることに気づく。鍵の形状からして結構大型の車だという事がわかった。

 

 

あれこれ考えていると、扉から不規則な音が聞こえてきた。

 

 

ガン・・・ガン・・・カリカリカリカリ

 

「マサル?」

 

「あァ、送ってくる。その方が相手も楽だと思うし」

 

「気を付けてな・・・?」

 

「あァ・・・」

 

 

 

扉の向こうへと消えた理琉。その一秒後、ズドン!という音が二回響き、理琉はまた戻ってきた。少しだけ返り血がついている。

 

 

「この先に、良いモンがあったぜ」

 

そういうと、胡桃たちを誘導する。

 

 

照明をつけると、そこには棚のようなものが広がっていた。

 

「うわーいっぱーい!!」

 

「なんか学校の地下と似てますね」

 

「ふぅん・・・ならここで暮らしてもいいかもな」

 

「だめだよ!みんなで大学行くって・・・」

 

「そォだったな」

 

「行きましょう。できるだけ早く・・・」

 

 

 

 

 

 

外に戻り、状況報告をする。

 

 

 

 

 

 

 

「どうだった?」

 

「あァ・・・留守だった。でも、お土産はあるみたいだぜ」

 

理琉はポケットから先ほど見つけた鍵を取り出した。

 

「マサル、その鍵は・・・」

 

「ああ、あの車の鍵さ!」

 

理琉が指を差した先には、1台のキャンピングカーが・・・

 

「あれって・・・」

 

「あァ、キャンピングカーだ。これに乗り換える。アレならベッドもあるし、比較的快適だろ」

 

「黒田くん、ガソリンは大丈夫なの?」

 

「問題ない。前ヴォクシーに積んだソーラーパネル、そして水素電池をキャンピングカーへ移し替える。念の為予備のガソリンを持っていくぜ」

 

 

 

 

 

心配は無用だ、と一言言ってから、ヴォクシーについていたソーラーパネルを取り外し、水素電池も外す。

 

「重てえ・・・胡桃、ソーラーパネル持ってくれるか?」

 

「任せとけ!」

 

「美紀!車内すごいよ!」

 

「圭、落ち着いてよ・・・」

 

「足伸ばして寝られるんだよ?!」

 

「圭・・・荷物運ぶの手伝って・・・?」

 

「あ〜・・・ごめん」

 

圭も車へ行き、荷物を運び始める。

 

 

 

 

 

 

エンジンを噴かせ、ガソリンメーターを確認する。

 

「よし、ガソリンは満タンだ。ここしばらくは燃料に困ることはないな」

 

理琉が運転席、胡桃が助手席、その他はダイニングルームへと座る。だが、由紀の姿が見えない。

 

 

 

 

すると、トイレのドアがバーンと開かれた。

 

 

 

 

「水洗最高ー!!」

 

 

 

 

「お前なあ・・・」

 

「先輩・・・年頃の女性としては・・・それにマサル先輩もいるんですよ?」

 

「足伸ばして寝られるからいいよね!」←聞いてない

 

「由紀ちゃん、お行儀良くしよう?男の子もいるんだし・・・」

 

「う、ゴメンめぐねえ・・・」

 

謝罪した由紀。しかし続けざまに

 

「でも年頃の女の子としては、お風呂に入りたいところだよ〜」

 

「確かに、体を洗いたいところですね・・・」クンクン

 

「だったら、ここから2マイル先に川があるからそこで水浴びでもするかァ?」

 

「そうだな。んじゃ、行きますか!」

 

 

 

理琉たちは2マイル先にある川へと向かい、水浴びをすることに。

 

 

 

胡桃と由紀は既に水着へと着替えている。

 

「よーし!!行くよ〜!!!」

 

「ンでも、この時期って・・・」

 

理琉の注意を聞かずに川へ全力疾走する二人。

 

 

 

 

案の定由紀が風邪を引いた。しかし胡桃はなぜかけろっとしている。

 

「鍛え方が違うからな!」ドヤッ

 

「・・・いや、胡桃・・・それってもしかして・・・」

 

理琉に悪寒が走る。

 

「本当は水温を感じなくなってきてるんだよ・・・」

 

胡桃が苦笑いしながら理琉に言うと、彼は少し表情を曇らせた。

 

「やっぱり、抗生物質だけじゃダメだったか・・・」

 

「・・・」

 

 

 

「胡桃、ちょっとこっち向け」

 

 

 

「え?」

 

唐突な発言に戸惑う胡桃。何を想像してたんだろうか。

 

「うーん・・・やっぱり体温が下がってる。低体温症の症状は出てねェが、触っただけでわかる。氷のように冷たい・・・」

 

「もうダメなのかな・・・」

 

「ダメじゃない。オマエには生きてもらわねば困る」

 

「そうですよ、先輩」

 

「美紀・・・」

 

「マサル先輩は胡桃先輩のこと大好きなんですから」

 

「おい俺には小春が・・・まぁ死んじゃった人間をずっと好きでいるのもおかしいか・・・」

 

「あたしはいつでもオーケーだぞ?」///

 

「あのなあ・・・」

 

「マサル先輩は鈍いですからね、多分わかりませんよ、いや絶対わからないですね」

 

「美紀、オマエ俺の人生史上ワースト5に入るほどの最悪のセリフ吐いてるぞ」

 

「知りません。先輩は真冬のキモチも考えるべきです」

 

「ハーレムを作る気は無い。警告タグにヒロインは胡桃と真冬って書いてあるが、それじゃ二股交際(どちらかのヒロインに包丁で刺される運命)になるぞ」

 

「マサル先輩はやりそうですけど」

 

「断じてやらねえ。それよりもさっきから体冷たいのに茹でダコ状態になってる胡桃をどうにかしろや」

 

「胡桃先輩、起きてくださ〜い」

 

「んあっ?あぁ、悪ぃ」

 

「さて、洗濯終わったら出発するぞ。まだ先は長い。日が暮れたら車を止めて即キャンプだ」

 

「はいよ」

 

「先輩、私に運転させてください。覚えておきたいんです」

 

「ん、わかった。だが、教えるのは明日だ。夕方以降の運転は危険だからな」

 

「わかりました」

 

「さて、俺は一つ昼寝でもするかァ・・・」ゲホッゲホッ

 

 

PM5:00

 

 

理琉が寝ている間に胡桃が運転し、10マイルほど移動した。

 

 

車の周りにはカラーコーン、規制線、防犯ブザーを設置し、ゾンビ対策をした。

 

 

 

 

夕食を済ませ、就寝するメンバー。理琉は昼からずっと寝ている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真夜中。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理琉が目を覚まし、外を見た。目線の先にはシャベルを持ったツインテールが・・・

 

 

 

 

 

「なッ!?アイツっ!」ゲホッゲホッ

 

 

咳き込みながらも何とか近くにあったFA−MASを持っていき、胡桃の所へと向かう。

 

 

 

 

 

 

「あの野郎何してンだ・・・ッッ?!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

理琉は目を見開いた。

 

 

 

 

 

 

 

そこには、ゾンビが周りにいても見向きせずに通り過ぎていく様が・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいっ!!待てよ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

胡桃は叫んだ。ゾンビに気付かれ、襲われる。

 

 

 

 

ドドドドドドドドドドドド!!!!!!

 

 

 

 

ゾンビが次々へと倒れていく。

 

 

 

「えっ?!」

 

 

 

 

「何やってンだ大馬鹿野郎!!!!!ゲホッ…ゼェ…ゼェ」

 

 

 

 

 




ゾンビに気付かれない胡桃、咳き込む理琉。この二人には既に異変が・・・
次回 がっこうぐらし!! 〜一匹狼の護るべきもの〜 第三十話 いもうと
私達は、ここにいます。


主人公が突然咳き込み始めました。これからどうなるのでしょう・・・?
では、また次回お会いしましょう!


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第三十話 いもうと

ゾンビに気づかれないほどになった胡桃。これは何を暗示しているのだろうか


「何やってンだ大馬鹿野郎!!!!ゲホッ…ゼェ…ゼェ…」

 

息を切らしながら胡桃を怒鳴りつける理琉。

 

「バカっ!お前何やってんだ!」

 

「テメェこそ一人で何やってンだよ!」

 

 

「胡桃先輩!マサル先輩!」

 

美紀も後から合流してきた。

 

 

「あぁもうっ!後だ後だ!」

 

三人は迫りくるゾンビを次々と撃破していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして車から数十メートルほどの川で血で汚れた服を洗濯している。

 

「・・・せっかく洗濯したのにな・・・」

 

「何やってンだよテメェは・・・もう少しで死ぬところだったぞ・・・?」

 

「悪いな・・・」

 

美紀は、胡桃の顔にゾンビの返り血がついていることに気づき、それを拭き取った。彼女が胡桃に触れた瞬間、一つ違和感を覚えた。

 

「・・・!・・・薬、効いてなかったんですか・・・」

 

一瞬胡桃は黙るが、すぐ笑顔になり、

 

「効いたよ。だから、いるんじゃねえか・・・」

 

「・・・どこにも行かないでください・・・」

 

胡桃は真剣な眼差しで美紀を見つめ、握ってくる美紀の手を握り返した。

 

「逝くつもりはねえよ」

 

「つもりじゃダメです!逝っちゃ・・・だめです・・・」

 

胡桃の表情はとても複雑なものだった。この体がいつ、どこで崩壊するかもわからないのに、絶対に逝かないとは言い切れない。それでも、みなの為、そして死んでいった友人たちの為にも、胡桃は絶対に生きる決意をする。

 

「・・・わかったよ」

 

額を美紀にこつんと当てる。

 

「可愛い後輩のためだもんな」

 

「・・・」

 

 

 

そのとき

 

 

 

バタン

 

 

 

「ちょっと二人共!こんな夜中に何やってるの?!」

 

「やべ・・・ってマサルは?」

 

胡桃が隣に目をやるが、すでに消えていた。

 

「アイツ、抜け駆けしやがった・・・」

 

「後でお仕置きですね」

 

二人で顔を見合わせると、クスクス笑い出した。

 

「な、なんなの?!」

 

 

 

 

 

車内にて。

 

 

 

 

 

 

騒音で目を覚ました圭。

 

「ん・・・?」

 

カーテンを恐る恐る開けてみると、そこにはガミガミと説教されている胡桃と美紀の姿があった。大きめの石が敷かれているところに正座させられているため、かなり痛そう。圭は目を擦る動作を反芻し、何度か瞬きした後、

 

「夢だね・・・お休みぃ・・・クカぁ・・・」

 

と言い、再び眠りにつく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

早朝は胡桃が運転する。理琉が珍しく寝坊助だ。

 

「ZZZ・・・」

 

「マサル、起きて・・・」

 

真冬が理琉を揺さぶって起こしている。

 

「お、起きないと、キスしちゃうよ・・・?」///

 

「ZZZ・・・」

 

「お、起きないのが悪いんだからね・・・?」

 

後ろの方連中、胡桃以外はニヤニヤしながら見ている。もちろん真冬がそれに気づく訳でもなく、彼女は目を瞑りながら自身の唇を彼の唇に運んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「何してんだ?オマエ」

 

 

 

 

 

 

 

 

理流が起きた。数センチ先に真冬の顔が映っている。

 

「ッッッ~~!!!i h b f 殺 w q!!??」//////

 

「文字バグってるぞ?!」

 

「うわっ!?」ゴトン

 

恥ずかしさのあまり梯子から滑り落ちた。

 

「おいおい大丈夫か?」

 

「あぅ・・・痛い・・・」

 

理琉は急いで梯子を降り、真冬の手を取る。

 

「え、あ、うん。大丈夫・・・」

 

念の為後頭部を怪我していないか見ている。瘤や出血は無かったため、安堵の息を吐いた。

 

「じゃあ、出発するか。あ、そうだ。胡桃、今日は美紀に運転させてやってくれ」

 

「おう、良いけど・・・」

 

「すみません胡桃先輩。覚えたくって」

 

「いやいや、大丈夫さ」

 

美紀は運転席に座り、エンジンを噴かせる。

 

 

「出発しますよ?」

 

「直樹さん、安全運転でね?」

 

「ワン!」

 

「任せて下さい!」

 

 

ゆっくりと発進し、公道へと出るキャンピングカー。途中追いかけてくるゾンビや前から迫ってくるゾンビがいたが、それは理琉がすべてショットガンで排除した。相変わらず高速道路やその他一般道も事故車や故障車で溢れかえっており、とても走りにくい。一体どれだけの人間がこの光景を見て絶望したのだろうか。いや、絶望する暇も与えられずに命を落とした人間の方が多いだろう。まるで核ミサイルを撃ち込まれたような・・・建物こそ全壊していないものの、窓や扉などは完全に破壊されており、血痕が至るところにこびりついている。中には自衛隊の車があり、その付近を自衛官っぽいゾンビがウロウロしていることも・・・この街はもう完全に陥落してしまったのか・・・こんな景色を目の当たりにした彼らはきっとこう思う。『地獄よりも恐ろしいかもしれない』・・・と。

 

すべてのライフラインは復旧の目処が立っていない。それはもちろんのこと。非常用に整備された停電時でも使える自動販売機も、今は機能していない。また、商業施設では生存者が争ったような痕跡が残っており、それはとても痛々しいものとなっている。こんな凄惨な景色を背景に非常食を口に入れても味すらしない。乾パンはもともと非常時に食すものであり、味はあまりしない。学校に籠城していた頃はマーガリンやジャムなどで味を補っていたが今はそんな代物はあるわけでもなく、ましてやこんな口内水分を持っていかれそうな食品に水や牛乳が添えられていないというのももっと地獄だ。理琉もほかのメンバーもしかめっ面をしながらも餓えを凌ぐ。それしか無いのだから・・・たまにコーンフレークを食することもあるが、もともと数が少ないので贅沢品となる。学校で食べた肉をまた味わいたいと懇願している理琉。先程朝食(乾パン一個のみ)を摂ったにも拘らず腹の虫が鳴いている。

 

「パサパサする・・・」

 

これには真冬もやはりと言った所。今どきの学生としてはハンバーガーのような一瞬で空腹を満たしてくれるものでないと満足いかない。こうなる前はよく友達とバーガーキングやマックに行ったなぁ・・・と一人つぶやく。

 

ところで、窓際でずっと深刻そうな顔をしながら外を眺めている悠里がいる。彼女も彼女で抱えている闇が大きく、その闇が表に出始めたのだろう。向かい側に座っている胡桃、そして隣にいる慈と圭(&太郎丸)も心配そうな顔で悠里を見ているだけだ。しかし、ただ一人、悠里に話しかけた少女がいた。

 

「りーさん・・・?」

 

悠里は青ざめた顔で由紀の方へ向いた。その瞬間、彼女は一瞬目を見開き、ある言葉を口にした。

 

「るーちゃん・・・」

 

聞いていた人間は全員目を丸くする。今までに聞いたことのない言葉を聞いてしまい、疑問符を浮かべると同時に焦りも出始める。

 

「あ、由紀ちゃん・・・」ハッ

 

ハッとした悠里。正気を少し取り戻し、いつもの悠里に戻った。心なしか、彼女の目が潤んでいる。

 

「美紀、通れる所あるか?」

 

「はい、一応この国道なら」

 

「よし、さっさと行こうか!」

 

「ン?りーさん?」

 

「あっ、ごめんなさい、ぼーっとしちゃって・・・」

 

「そォか。あともう少しだから」

 

「そうね。早く学校に帰りたいものね(・・・・・・・・・・・)

 

「へっ?」

 

彼女の突拍子のない発言に、変な声が出る理琉。

 

屋上の菜園は大丈夫かしら(・・・・・・・・・・・・)・・・・・」

 

これには全員押し黙る。まるで過去の記憶を反芻させているような雰囲気だ・・・

 

自分の言動にハッとした悠里は冗談よ、と両手を左右に振って否定した。

 

「りーさん、何でも出来るのに、冗談は下手なんだなw」

 

「そう・・・冗談・・・」

 

「マイケル?」

 

「ジョーダン(※)・・・って乗せるな!」ウガー

(※)アメリカ合衆国の元バスケットボール選手。2020年現在、純資産は19億USD(日本円にしておよそ2000億円)15年間の選手生活で得点王10回、年間最多得点11回、平均得点は30.12点でNBA歴代1位、通算得点は32,292点で歴代4位 Wikiより

 

「HAHAHAHAHA」

 

理琉と胡桃の夫婦漫才が始まった。悠里にも自然と笑みが零れる。

 

「りーさん笑ったなァ。そう、笑った方がいいぜ。どんな闇を抱え込んでいるのかは俺たちゃ分からねェが、そんな落ち込んだ顔をせず、みんなで笑いあった方が、この先楽だと思うぜ?」

 

「マサルの言う通りかもな!」

 

「そうね。若狭さん、一人で悩んじゃダメよ?」

 

「悠里には、ボクらがいるんだから・・・」

 

「みんな・・・」

 

「暗い顔はやめよう?ね!」

 

由紀の眩しい笑顔に、悠里は救われた。

 

「ありがとう・・・」

 

彼女の体が軽くなる。

 

「私、妹がいるの・・・」

 

「いもうと?Sister?」

 

「ええ。その子は瑠璃って言ってね、いつも迷子になるの・・・私が隣町まで探しに行ったら、お気に入りの帽子が飛んでっちゃったって言ってね・・・なんで忘れちゃってたんだろう・・・最低なお姉ちゃんよね・・・」

 

「・・・なァりーさん」

 

「え?」

 

「その妹さんはどこの学校へ通ってたんだ?」

 

「えっと、鞣河小学校・・・」

 

すると、理琉は大急ぎでバックパックに入っている地図を取り出した。

 

「鞣河小学校・・・鞣河小学校・・・・・・・これだ!!!えっと現在地から・・・進行方向40マイル先に小学校がある。聖イシドロス大学からはおよそ5マイル。この国道沿いだ!」

 

「マサルくん、どうするの・・・?」

 

「決まってンだろ!オマエの妹さんを助け出してやる!あの小学校もどうやらあのクソ会社の傘下(独自設定)らしい。だから恐らく、恐らくだが地下施設のようなところがあるかもしれない!」

 

理琉の憶測に圭が反応する。

 

「でも先輩!もしかしたらあの時みたいに地下でやつらと遭遇するかもしれないですよ!?」

 

「それでもだ!だが望みはある!行こうじゃねェか、りーさんの妹救出作戦へ!」

 

「先輩、この国道沿いですか?」

 

「ああ、およそ40マイル先にある。だが、安全運転で頼むぞ・・・?」

 

「はい」

 

 

 

理琉はいつになくやる気が出ている。普段の彼ならこのようなことは一切無い。だが今回、救出に乗り出した。彼は気まぐれだと言うが、絶対違う。もう誰も死なせたくないという信念から出た、彼なりの美学なのだろう。小春を亡くし、自分を見失っていた彼は、漸く闇の底から這い上がり、一人の人間を助けるミッションへと動き出したのだ。もちろん、今生きているという保証は無い。それでも妹が生きている方に賭け、彼らは鞣河小学校へと目的地を変える。

 

 

 

 

 

 

 

 

「待っててね、お姉ちゃんが助けに行くから・・・」

 

 

 

 




悠里の妹を助けるべく、鞣河小学校へと動き出した彼らは無事に救出することはできるのか・・・
次回 がっこうぐらし!! 〜一匹狼の護るべきもの〜 第三十一話 しまい
私達は、ここにいます。

理琉のやつ急にやる気出したな・・・オマエロリk・・・すみませんなんでもありません。


次回もお楽しみに!

がっこうぐらし!12巻が手元に届き、早速すべて読みました。


素直に言います。泣きました。


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第三十一話 しまい

小学校へと急行する8人+1匹。悠里の妹の運命は・・・?


「小学校へ急行するぞ!」

 

理琉の決断により、学園生活部は目的地を一時的に小学校へと変更した。小学校に生存者がいるとも、全くいないとも限らない。少しの希望に賭け、車を現場に急行させた。

 

相変わらず国道や国道沿いには事故車、故障車、そしてゾンビとなり自我を失ったただの肉塊しかいない。ずっと変わらぬ景色にため息が出るほどだ。

 

 

「事故車が多くて思うように動けませんね・・・」

 

事故車が連なっており、通行の妨げになっている。近くの交差点を曲がり、迂回するが、また事故車や故障車。これを繰り返しているうちに、夜になってしまった。

 

「あと1マイルほどだが、今は危ない。さっさと寝るぞ」

 

「そうだな」

 

「今夜はボクが見張ってるよ・・・」

 

「狭山さん、気を付けてね」

 

真冬は慈にむかって頷いた後、ベレッタとデザートイーグルを腰に下げ、短刀を持って外に出た。

 

 

 

 

「今日はヤケに少ない・・・あれ・・・?」

 

 

 

 

 

暗闇の先の方から、何か聞こえる。真冬は音の聞こえる方向へ耳を傾け、よく聴く。

 

 

 

 

 

ゥゥゥゥァァァアアアァァァ・・・・・

 

 

 

 

 

 

「ゾンビだ・・・」ガチャ

 

サプレッサーを右手に持っているベレッタへと取り付け、ゾンビへ銃口を向ける。左手で短刀を持ち、臨戦態勢だ。・・・と、そのゾンビ、何やら様子がおかしい。

 

「スケッチブック下げてる・・・」

 

ゾンビにヘッドショットをおみまいした後、そのスケッチブックを回収し、全員を起こした。

 

 

 

 

 

 

「これ見て」

 

「何だこれはァ・・・」

 

 

そこには『なめかわしょうがっこうにいます。たすけてください。ごはんとお水さがしてます』と書いてあった。

 

 

 

「察するに、あそこに地下は存在しねえってことか・・・」

 

美紀はスケッチブックを見て、推論を自分の中で構築した。感染した子供にスケッチブックを下げさせ、外へ誘導した後にゾンビ化。そしてその状態でも助けを呼べるようにしてあったのでは、と。所謂特攻式だ。

 

「あ、そういう手もあったんですね」

 

紙をよく見ると、数字のようなモノが書いてあった。

 

「ご丁寧に日にちまで書いてあるぜィ?」2019年8月10日

 

「そうね。でも今相談したいのはそこじゃない。生存者がいるということはやることは一つ。助けに行きましょう」

 

「本当にやるつもりなのかァ?だいぶ日にちが経ってるぞ?」

 

「ええ」

 

「でも若狭さん、夜は危ないわよ・・・?」

 

「それはこの子達も同じです!!」

 

「この子たち・・・か」

 

すると、由紀が机を叩き、

 

「行こうよ!!」

 

と言った。

 

 

「何とかなりそうだが、もしちょっとでもマズかったら引き上げるぞ」

 

「その時は朝まで待ちましょう?」

 

「ンだな、行くか」

 

「私が運転します」

 

今度は圭が名乗り出た。

 

「わかったわ圭さん。安全運転でね?」

 

「了解です!」

 

圭はウインクをし、ハンドルを握った。

 

約1マイル。ゆっくり運転し、小学校の正門へと車を止めた。理琉はFA―MAS、ウィンチェスターへ弾を装填し、FA―MASのマガジンを数本ウエストポーチへ仕舞った。胡桃もシャベル、AK―47を担いだ。

 

「さァてと。一応偵察班と待機班に分ける。まず偵察班は、俺、胡桃、由紀、りーさん、太郎丸だ。あとは車に待機してくれ」

 

「わかりました。気を付けてくださいね」

 

「行くよ太郎丸」

 

「ワン!」

 

4人+1匹による偵察が始まった。校舎内は言わずもがな、真っ暗だ。暗闇に目が慣れると、赤黒い血や原型を留めていない死体がそこら中に転がっており、腐敗臭もする。1Fから地下へと続く階段が無かったため、理琉は舌打ちをした。

 

「地下は案の定無し・・・か・・・」

 

階段を登り、3Fへと向かう。少し歩いた所に大きめのスライドドアがあった。薄暗く何も見えない。胡桃が恐る恐るドアを開けて中を覗いた。

 

 

「うわあぁっ!!!!」

 

 

しかしそこに生存者はおらず、ゾンビが複数いるだけだった。

 

 

「胡桃どけッ!!!」

 

理琉は胡桃を反射的に突き飛ばし、バリケードの隙間からサプレッサーを付けたFA―MASで発砲した。

 

「中にいるかもしれないじゃない!!」

 

悠里に問いかけられるが、

 

「無理だ!!それに1体だけじゃねェ!!」

 

由紀が扉を閉めたことによりなんとかやり過ごした。

 

 

「でも、今聞こえたわよ!!由紀ちゃんも聞こえたよね?ほら、美紀さん達の時だって・・・」

 

「・・・聞こえない・・・聞こえないよ・・・」

 

「そんなはずないわ!よく聴いて!!」ガシッ

 

「うぐっ・・・」

 

「オイ、やめろ悠里!!!」

 

急に理琉に名前で呼ばれ、困惑する悠里。理琉は由紀を背後に回して護っていた。

 

「由紀に八つ当たりしたって何もならねェだろうが!」

 

そうこうしているうちに、ゾンビが1体迷い込んできた。

 

「チッ、クソが!」ドォン

 

ウィンチェスターをゾンビに向かって撃ち、再起不能にさせた。

 

「早く戻らねェと、袋小路になンぞ・・・」

 

「・・・ごめんなさいね」

 

2Fにて

 

「ワウ?」

 

「どしたの太郎丸?」

 

「ワンワン!!」

 

「あァ?どォした。・・・!?」

 

「マサル、どうしたんだ?」

 

「由紀、りーさん、胡桃。オマエらは先に車に戻ってろ」

 

「どうしたんだよ急に?」

 

理琉は太郎丸を担ぎ、2Fの廊下を歩いていく。

 

「ここは俺と太郎丸だけで探す。ゾンビに囲まれる前に早く戻れ!」

 

「何で一人で行くんだよ!!」

 

「一人のほうが楽だからだ。集団で行ったって死亡率は変わらねえ。早く戻れ」

 

「おい!待てよ!!」

 

胡桃の制止も聞かずに理琉は暗闇へと消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・太郎丸、ここから聞こえたのか?」

 

「ワン」

 

「そうか。見てみるか?」

 

「ワウ」

 

理琉はドアを見つけ、恐る恐る扉を開ける。

 

 

「こ・・・この子はッ・・・!?」

 

 

 

 

 

 

 

キャンピングカーへと戻った胡桃たち。

 

「先輩、おかえりなさ・・・って、マサル先輩はどうしたんですか?!」

 

「あぁ、アイツなら2Fを探してる」

 

「えっ・・・マサル・・・?」

 

「一人で探すからあたしらは戻ってて良いって言われてさ」

 

「今すぐ連れ戻しに・・・」

 

 

全員が校舎に体を向けると、昇降口から理琉と太郎丸が戻ってきた。

 

 

「はァ・・・はァ・・・いたぞ・・・りーさん・・・」

 

「えっ・・・?!」

 

「・・・・・??」

 

「るーちゃん?!」

 

理琉に背負われている少女こそ、若狭悠里の妹、るーちゃんこと若狭瑠璃だ。

 

「・・・・・!!!!」

 

「よかった・・・本当によかった・・・」

 

理琉の背中から降り、悠里と抱擁を交わす。

 

「悠里、良かったね。妹が無事で・・・」

 

「うん・・・マサルくん、太郎丸、ありがとう・・・」

 

「あァ。そうだ、佐倉先生。この子痩せ細っちゃってるから何か作ってあげてくれる?」

 

「お姉ちゃんに任せなさーい!」キュピーン

 

沈黙が全員を襲う・・・

 

「めぐねえそういうキャラだったっけ?」

 

由紀に突っ込まれた。

 

「一回やってみたかったの・・・」///

 

「モカに影響されたかめぐねえよォ」

 

全員はクスッと笑った。全員は車の中に戻り、自己紹介をする。

 

「えっと、瑠璃ちゃんだっけ?俺は黒田理琉。よろしくね」

 

「丈槍由紀だよ〜」

 

「恵飛須沢胡桃だ、仲良くやろうぜ」

 

「直樹美紀。よろしくね」

 

「祠堂圭。よろしく、るーちゃん」

 

「狭山真冬・・・よろしく・・・」

 

「佐倉慈です。よろしくね」ゴトッ

 

簡単な食べ物を作った慈はそれを瑠璃に渡し、少しでも腹が満たされるようにした。

 

「・・あ・・・え・・・」

 

「・・・喋るのキツそうだな・・・もしかして、ショックで言葉が発せなくなったとか・・・?」

 

胡桃が推測した。

 

「心因性発声障害はストレスや心的外傷を受けた後に発症しやすいって言うからな・・・」

 

「マサルくん、治せるの・・・?」

 

「発声練習、特にハミング出来るまで行ったらマ行を伸ばす練習、上手く行ったら母音や子音を。もし上手く行かなかった時に咳払いでリハビリした人間もいるらしい。だから、治療はそこまで難しくない。ただこのご時世ということもあるから、時間がかかる・・・しばらくは筆談かな」

 

「わかったわ。やってみるね」

 

「さて、今日はもう寝ようぜ?」

 

「そうですね。もう遅いですし」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全員は就寝し、翌日に備えた。理琉は眠る前にこんなことを考えていた。

 

(しっかし、よくあそこで生きてられたよな・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝。車を動かした胡桃は、目的地の聖イシドロス大学へと到着した。キャンパスの門は閉まっており、入ることが出来ない。

 

 

 

 

「この塀を乗り越えて潜入するぞ」

 

「はいよ」

 

「気をつけるのよ?」

 

理琉、由紀、胡桃、悠里(瑠璃)、美紀、圭(太郎丸)、真冬、慈の順番に敷地内に入った。

 

 

「よっと。ここだな・・・」

 

 

 

敷地内を進んで行くメンバー。

 

 

 

 

 

 

その時

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全員!!持っている物を捨てて手を上げろ!!!!!!!

 

 

 

 

 

「なンだ?!どこからだ?!」

 

茂みの奥から眼鏡を掛けた少年がピストルクロスボウを向けてきた。

 

「全員、全員だ!!!」

 

「どォいうつもりだオイ」

 

理琉の問いかけを聞かない少年。

 

 

 

 

 

 

 

すると

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒュン!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

躊躇なくクロスボウを放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ターゲットは瑠璃。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「センスねェ真似しやがって!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理琉はショットガンを拾い、瑠璃の前に立ち、クロスボウから守る。

 

 

 

 

 

 




クロスボウで威嚇される学園生活部。瑠璃に放たれた矢を理琉はどうするつもりなのか?
次回 がっこうぐらし!! 〜一匹狼の護るべきもの〜 第三十二話 かいこう
私達は、ここにいます。

クロスボウを撃たれ、大ピンチ?!学園生活部の運命は?!

次回もお楽しみに!


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第三十二話 かいこう

ピストルクロスボウで攻撃された学園生活部。しかし、間一髪という所で・・・


「センスねェ真似しやがって!!!!!!」

 

瑠璃の前に素早く移動した理琉は、ショットガンを逆に持ち、クロスボウの矢を叩き落とした。

 

ギィン!!カラカラカラ・・・

 

普段聞かない金属音が鳴り響く。

 

 

「ちっ、何やってんだよ!!」

 

眼鏡をかけた少年が理琉を怒鳴りつける。

 

「何やってる?どの口が言ってンだ?笑わせンじゃねェぞ三下ァ!?子供に向かってクロスボウをぶっ放すクソ野郎がァ!!」

 

理琉はショットガンを上に向かって撃ち、相手を威嚇した。

 

「ッ!?」

 

胡桃がニット帽と眼鏡を着用している少年に近づく。

 

「これでわかっただろ、アイツらじゃないって。なら、通してくれよ」ジリッ

 

「く、来るな!!!」

 

「なんでだよ!!」

 

「アイツらじゃなくても、なりかけ(・・・・)かもしれないだろ?!」

 

「何・・・言って・・・やがンだ?」

 

「あぁっ?!」

 

理琉の堪忍袋の緒が切れた。

 

「空気感染してるチンピラの分際でェッ!?俺の仲間に向かってなりかけだァ?図に乗ってンじゃねェぞ格下がァ!!!!!」ギィン‼

 

理琉は少年の方へ走って行き、息の根を止めようとする。少年もクロスボウで応戦するが、すべて避けられてしまう。

 

「そンなオモチャで俺とやり合うってかァ?!足りねェよオマエ・・・悪の美学ってもンが全く足りてねェ!!!!!!元陸軍中尉の力、なめンじゃねェッッッッ!!!!」

 

 

ドゴォッ!!!

 

 

「がはぁっ!!」

 

理琉は少年の顔面を蹴飛ばし、塀へ叩きつけた。

 

「チッ・・・」

 

「な、なあマサル、空気感染ってどういうことなんだ?」

 

「α系列のことだァ。この息吸って吐くだけの三下(クズ)はもうそれに感染している。顔色からも覗えるが、コイツはあと数日でくたばる。俺たちがトドメを刺すまでも無いぜ。あとこのクロスボウは没収しておこう」

 

「ま・・・待て・・・」

 

「なンだ、まだやり合うってかァ?」

 

「それは・・・僕の・・・だ」

 

「知るかクソボケ。せめてもの報いだと思え。・・・・(何かを思いつく)・・・わァった。返してやるよ」バキィッ!!ベキィッ!!

 

理琉は少年の目の前でクロスボウを完全に破壊し、修理不可能なレベルにまで粉々にした後、少年に返した。

 

「精々、残りの人生、腐った悪党のまま藻掻き苦しめクソ野郎。オマエら行くぞ。ここは危険だ」

 

「あ、あぁ・・・」

 

「行こう・・・ッ!?」

 

「真冬、どうした?」

 

「足が・・・」

 

真冬の左足からは血があふれていた。先ほどのクロスボウの流れ弾を喰らったのだろう。貫通しており、両方から血が出ている。

 

「早く手当しよう。胡桃、担げるか?」

 

「ああ、大丈夫だ」

 

「よし。佐倉先生、進んでくれ」

 

「ええ。わかったわ」

 

こうして、学園生活部は一度キャンパス外へと出た。

 

 

 

 

 

 

「なァ、どォすんだこれから」グビグビ

 

車の中で話し合う学園生活部たち。理琉は高校の水道からあらかじめ取っておいた水(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)を飲んでいる。

 

「正直、先が思いやられますね・・・」

 

「せっかく来てみたけど、あれじゃなぁ・・・」

 

「さっきの瑠璃ちゃんの時もそうだけど、ちょっとあれは危ないよ・・・」

 

「ワウン・・・」

 

「話くらい聞いてみるか・・・」

 

胡桃が提案するが、

 

「「私は反対よ」」

 

悠里と慈は反対した。

 

「御大層な理由があっても、まだ小さい子供にクロスボウを撃つようなクソ野郎共なんだ。もちろん、俺も反対だ」

 

「そうだね、るーちゃんが危ないのはよくないよね」

 

「じゃあボクたちは留守番するか・・・」

 

真冬は瑠璃を撫でながら言った。

 

「ンだな、別に全員で行く必要もねェし」

 

「危ないことしちゃだめよ?」

 

「わかってますよ先生」

 

理琉、胡桃、美紀の3人が、もう一度キャンパスに侵入して話を聞きだす方針に出た。

 

「圭、いつでも車を出せるよう、エンジンをかけておいてくれ」

 

「わかりました、マサル先輩」

 

「ワウン」

 

「さってと、敵地に潜入しますかァ・・・」

 

3人は車を出て、先ほど入った所へと向かった。悠里はというと、キャビンのボックスシートに座り、外を眺めている。真冬はベレッタをリロードしており、由紀は瑠璃と遊んでいる。数分待っていると、何やら理琉たち3人が慌てて走ってくる様子が目に入った。その後ろにはバイクのヘルメットを被った二人の人間が追ってきている。

 

「若狭さん・・・?」

 

「!!??」

 

「由紀ちゃん!圭さん!!」

 

「え!?うんっ」

 

「あっ、はい!!」

 

偵察班3人が戻ってくる。

 

「圭!早く、車出せ!!」

 

「はい!!」

 

キャンピングカーは急発進した。

 

「おい待てっ!!」

 

ヘルメットを被った男二人は足を止めた。

 

 

「ったく、なンなンだアイツらは・・・」

 

「胡桃先輩、運転代わってもらえますか?」

 

「おう、今行プーーーーー!!!

 

 

車のクラクションが響いた。

 

「後ろにいます!!!!」

 

「めんどくせェ、コイツで始末してやる!!!」

 

入口のドアを開けた理琉は、ウィンチェスターをロードし、追ってくるセダンに向かって発砲した。もちろん、ただの威嚇射撃であり、フロントガラスやタイヤは狙っていない。

 

「しつこい奴らだね・・・」

 

「ん?何か聞こえない?」

 

由紀が何かに気づいた。そして、美紀も同時に察する。

 

「圭!ラジオ!」

 

「音量上げて!!」

 

 

『ねえ、キャンピングカーの人、聞こえてる?危なくなったら裏門に来て待ってるよ!!』

 

 

「圭!!もっとスピード上げろ!!追いつかれる!!!」

 

 

理琉がショットガンの弾をリロードしながら言った。

 

 

「どうなっても知りませんよ!!!」

 

 

圭はアクセルを踏み込み、セダンから振り切ろうとする。

 

 

「祠堂さん!次を右、その次左よ!!」

 

「わかりました!!」

 

 

しばらく運転すると、門が見えてきた。そこには大学生と思しき女性たちが待機していた。門の扉を開けている。

 

 

「よし、入りますよ!!」

 

キャンピングカーが敷地に入ると、セダンは引き返していった。

 

 

「チッ、クソめんどくせェな・・・」

 

 

 

 

 

「お疲れ様、大変だったっしょ」

 

車を降りると、そこには先ほどの三人の学生がいた。一人は眼鏡をかけており、もう一人は茶髪をポニーテールでまとめており、もう一人は黒髪セミロングだ。

 

「あァ・・・えっと、アンタらは一体・・・」

 

「えっと・・・生き残り?」

 

眼鏡の女性が適当に答える。

 

「違うっしょ・・・アタシたち、さっきの車の連中とは別グループだよ」

 

「そうそう、武闘派の人とはどうも合わないんだよねー」

 

「・・・」

 

(この黒髪の女性、小春と真冬に似てるな・・・)

 

(マサル、ボクってこんな感じ・・・?)

 

真冬は自分の胸部と黒髪セミロングの女性の胸部との差に少し肩を落としている。

 

 

「そんなわけで、まぁ・・・」

 

 

 

 

 

「聖イシドロス大学へようこそ!!!」

 

 

 

 

 

眼鏡の女性が握手を求めた。悠里が恐る恐る手を伸ばす。

 

 

 

「お世話になります」

 

すると、由紀がぽんっと手を置き、

 

「学園生活部、再スタートだよ!」

 

と、いきなり言い出した。それに釣られて理琉、胡桃、美紀、圭、真冬、慈も手を置いた。

 

 

 

 

「「「「「「「「おーーー!!!」」」」」」」」

 

「ワン!!」

 

 

「な、何!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、校舎内へと案内される。これまでの経緯を全て話した。学校でどう過ごしていたのかということを。もちろん、理琉の過去も。

 

「へぇ~、今まで高校にいたんだ。すごいね。それでそこの少年は元軍人さんだったわけか。んで、そこにいる私達と同じくらいの女性は教師・・・か」

 

「私って、先生っぽく見えないのかな・・・」ショボーン

 

「まァ、はい。そんなところ。三年くらい前に退役しましたけどね・・・」

 

「そんでね、私達は学園生活部っていうんだよ!」

 

「おいゆき・・・一応年上なんだからさ・・・」

 

「あ、敬語とかいいよ。そういうの面倒でしょ?なるほど、学園生活部ね。うちも似たような感じかな」

 

「つゥか、こっちにもそンなのがあったのかァ?サークル的なヤツだろォけど」

 

眼鏡をかけた女性が、ドアの前に立ち止まると、突然振り返った。

 

「ようこそ!ボクたちのサークルへ!!!」

 

「やっぱサークルかァ」

 

「名前に関しては色々揉めたんだけど・・・【自堕落同好会】とか・・・」

 

「部屋の散らかり方を見る限り、その名前は正しいと思うンだが?」部屋の中へ指をさす

 

理琉はPS4やXbox one、WiiUやNintendo Switchなどのゲーム機、そして数々のラノベや邦画が置いてあるのに気づいた。置き方が汚い所為か、『自堕落』と自虐するのも頂ける。

 

「まぁ、とりあえず座ってよ!」

 

だら〜ん・・・

 

ちゃんとした椅子を置いておらず、クッションのようなものにもたれかかったり、寝転がったり・・・その絵面はただのニートだ。

 

「これが同好会かよォ〜・・・えっと、そこの眼鏡掛けてる・・・」

 

「あ!自己紹介忘れてた!ほら、代表!」

 

 

眼鏡の女性は理琉の手を取り、

 

 

「ボクはサークル代表、出口桐子だよ!」

 

 

自己紹介をし、ニコッと笑った。




大学にて新たな人間と出会い、仲間が増えた。しかし、『大学の裏側』を進む人間により、武闘派穏健派の亀裂がさらに・・・
次回 がっこうぐらし!! 〜一匹狼の護るべきもの〜 第三十三話 さーくる
私達は、ここにいます。

大学編以降のキャラクターに声優さん付けるとしたら誰が良いと思いますか?
私だったら・・・

るーちゃん 市道真央(ロリボ)

出口桐子  内田真礼
光里昌   佐藤利奈
喜来比嘉子 南条愛乃
稜河原理瀬 種田梨沙
青襲椎子  沢城みゆき

高上聯弥  福山潤(もしくは梶裕貴)
右原篠生  加隈亜衣
頭護貴人  子安武人
城下隆茂  谷山紀章
神持朱夏  伊藤静

ですかね・・・


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不定期短編集 短編 大掃除

かれらのいない平和な世界。一人暮らしの黒田理琉は部屋の大掃除に追われている。


「ひィ・・・なんだこのホコリは・・・どンだけ掃除してなかったのかを思い知らされたぜ・・・」

 

 

 

時は2019年(令和元年)12月31日。高校は冬季休業へと入っているため、理琉は年末の大掃除をしている。一見キレイな部屋だが、彼の書斎には勉強グッズが2割、ごちうさグッズが8割を占めている状態だ。勉強する気あるのかコイツ・・・

 

「課題は理系と英語以外答えを写してもう終わったさ。あとは俺の『嫁』であるココアちゃんを愛でて年越しを・・・ン?俺ぼっちで年越しなのか?まァ仕方無いよな、胡桃は両親と一緒に新潟の親戚の家に行ってるみたいだし、美紀は圭と太郎丸と温泉旅行・・・佐倉先生は実家に帰省・・・由紀は両親と沖縄旅行・・・りーさんは妹と一緒に年越し・・・真冬は果夏と大阪に行ってる・・・ったく、寂しい人間だな・・・俺の親父もお袋も昔死んじまったからな・・・よいしょっと、これは可燃ごみで、これは危険物・・・」

 

 

毎年そんな風に一人で年を越しているのか?というと、実はそうでも無かったりする。

 

 

 

 

 

 

 

ピンポーン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はいはァい、今開けるぜ~」

 

 

理琉は玄関のドアを開ける。そこには黒髪セミロング、紫の瞳に整った顔立ち、そして年相応の容姿をした少女がいた。

 

 

「マサル君、今年も一緒に年を越そう?そば買ってきたよ!」

 

「小春!毎年ありがとうな。ささ、入って、どうぞ」

 

「おじゃましまーす!」

 

「部屋汚いけど、すまないな・・・」

 

「大丈夫だよ!いつものことだし!」ニコッ

 

「うっ、それはそれで傷つくな・・・」

 

名前は狭山小春。真冬の実の姉だ。理琉とは幼馴染であり、毎年末このように彼の家に遊びに来る。彼は気づいていないが、小春に想いを寄せられている。毎年バレンタインは理琉にしかあげていないし、誕生日も必ず祝ってくれる。毎年そのようにしているのに、気づかない理琉もどうかと思うが・・・

 

「そうだ、大晦日は何観る?」

 

「決まってるでしょ?紅白歌合戦ね!」

 

「そうだったな。毎年恒例だもンな」

 

 

そばを台所に置いた小春は理琉の書斎などの片づけを手伝いに行く。

 

「マサル君ごちうさ好きだよね~」

 

「ココアちゃんが可愛すぎて昇天しそうだよ」

 

「作者さんの心境をそのまま語ってるよ、マサル君・・・」

 

「まァそンなことより、小春。なんかココアのモノマネしてよ」

 

「モノマネって・・・えーっと・・・こほん・・・」

 

 

小春は咳払いをした。

 

 

 

 

 

 

 

「ヴェアアアア!!!!!チノちゃん取られる~!!!」チーン 

 

 

 

 

 

「上手過ぎィ!!」

 

「褒めても何も出ないよ?ww」

 

「そういや、小春もアニメ好きだよな~」

 

「うん!がっこうぐらし!は見たこと無いけどね・・・」

 

「今度観ようぜ、あれ結構癒されるから」(大嘘)

 

 

理琉は知っているが、小春はがっこうぐらし!の内容を全く知らない。また、登場人物が理琉と小春の友達と同姓同名であることも知らない。

 

 

ごちうさグッズ(主にココアちゃん)がぎっしりと並べてある所は他のどのスペースよりも綺麗に保たれているという点で、作者・・・否、理琉のココアへの愛が見て取れる。

 

「マサル君、早く片付けよう?」

 

「はいよ」

 

 

それから時間が進み、ようやく片付けが終わった。

 

 

「ふぅ~・・・小春、ありがとうな。こんな時間まで手伝ってくれて」

 

「えへへ、どういたしまして~。これからそば茹でるね~」

 

「天ぷらとかは俺が作るぜ」

 

「おいしく作ってね~?」

 

「マサル様に任せなさーい!」

 

「それ、めぐねえにやってもらったら?」

 

「まぁ中の人同じだから今度頼んでみるか」

 

「もう、マサル君はいつもメタい!w」

 

「てか、小春ってこんな性格だったっけ?」

 

「本編ではすぐ死んじゃったから作者がうまく性格を安定させるのに手こずってるんじゃない?」

 

「まァそうかもな」

 

 

 

 

そうこうしているうちに、PM19:10に。

 

 

「おっと、もう始まるね」

 

「そうだね!」

 

二人はこたつに入り、そばをすすりながらニュースを・・・そして五分後の19:15、2019年を締めくくる大イベント、紅白歌合戦が始まった。二人は歌で盛り上がり、歌い、踊り・・・部屋はまるでライブ会場のようになった。もちろん管理人からうるさいと怒られたが・・・

 

 

 

そして、23:00・・・・

 

 

 

リビングに布団を二人分敷き、布団に潜る。

 

 

 

 

 

 

「あと1時間で年明けか・・・来年もよろしくな、小春」

 

 

 

「うん、よろしくね、マサル君♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

睡魔に襲われ、二人は眠る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

近くのお寺では、除夜の鐘の音が・・・ボーン、ボーンとひたすら音を響かせ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして2020年(令和2年)1月1日 AM0:00 除夜の鐘108回目の音を最後に、日本人の全員へ年越しを知らせたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Happy new year!!!

 

 

 

 

 




短編は初めて書いたので多少変なところがあるかもしれませんが、いかがだったでしょうか?小春ちゃんの声は佐倉綾音さんのイメージでしたので唐突に中の人ネタを入れてみたくなりました。



何気に理琉のやつ女の子とお泊りデートしてますよね・・・?


あとがき
小春ちゃんは真冬ちゃんと大阪には行かず、理琉と過ごすと決めたのにはいくつか理由があります。彼女がマサルのことが好きというのもありますが、もう一つは、「これは真冬と果夏ちゃんの旅だから、二人で楽しんで行ってきなさい」だそうです。本当にお姉ちゃんなんだな~・・・と思っていて下さいね。良いお姉ちゃんですから!


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何か勝手に異世界へ送られた話 第一話 チュートリアル

この小説の主人公である黒田理琉は学園生活部の人間と生活していた。


だがある日を境に彼は変な世界へと転送される・・・


幼馴染と共に・・・


舞台はあちらこちらで魔物が出てくる世界・・・スライムだのエスタークだのグレムリンだのオーディンだのクロモンなど・・・色々な魔物が棲み着いているらしい・・・


その日。主人公の黒田理琉が目を覚ます。

 

「・・・?何だココは・・・?」

 

見慣れない家屋、見慣れない部屋、見慣れない家具。これら全てが、理琉の違和感と不安をMAXにさせた。彼は飛び起き、周りを確認する。誰もいない。部屋を歩き回っていると、何やら見慣れない武器がある。いつも愛用している銃・・・ではなく、剣のようなもの・・・剣の鍔はハヤブサのような形をしており、とても持ちやすい。

 

「夢でも見てるのか?」

 

ベッドに座りながら考えていると、部屋の扉が開いた。

 

「あ、マサル君、起きたんだ」

 

「おはよう、マサル・・・」

 

「小春と真冬か・・・ってか、生きてたんかよ小春?!!」

 

「この世界ではね?もとの世界じゃ私は靖国神社に納められているはず・・・」

 

「そう・・・なのか・・・?ていうか、ここはどこだ?」

 

理琉は真冬に問いかけた。

 

「よくわからない・・・ボクも起きたらこの世界にいたんだ」

 

「あァそう・・・ていうか何だその格好・・・?」

 

「ボクは一応魔法使いらしい・・・」

 

「魔法使い?って、あの魔法使いか?」

 

「うん」ボッ

 

真冬は指から小さい炎(メラ)を出現させた。

 

「マサルくんにもいくつか魔法が備わっているはずだよ。私は少ししか使えないけど・・・」

 

「うーん、出来っかな・・・」

 

「ここでやるのはマズイから、外にいる魔物で試してよ」

 

「あぁわかった」

 

理琉は着替え、真冬、小春と共に外へ出た。

 

「あそこにちょうど襲ってくるクロモンがいるよ」

 

「本当だ。試してみるか」

 

 

 

 

クロモンが現れた。

 

 

 

 

「メラ・・・!」

 

真冬はメラを唱えた。

 

「ファイアだァ!」

 

理琉はファイアを唱えた。

 

「くー!」

 

クロモンはヒャドを唱えた。

 

「うぅっ・・・!」

 

「いてェ!」

 

「二人とも大丈夫?ケアル!」

 

小春はケアルを唱えた。二人の傷が回復した。

 

「ありがとう、お姉ちゃん」

 

「キヒッ、これで終わりだァ!!!」

 

理琉はルインを唱えた。

 

「くー・・・」ジュワー

 

 

「殺った・・・のか?」

 

 

「マサルもひとまずは魔法を使えるみたいだね」

 

 

「よくわからないが、そうみたいだな。何か頭ン中で魔法名がポンポン出てくるんだよ」

 

「それはこの世界に来てすぐに備えている呪文だね。これから経験を積めば沢山の魔法が得られるよ」

 

「そォか。楽しみだ。そういえば、由紀達は何してるンだ?」

 

「由紀ちゃんたちも恐らく私達と同じ世界に来てると思うよ。どこにいるかは知らないけど・・・」

 

「ンだァそりゃァ・・・探さなきゃいけねえンかよ・・・」

 

「ボクは一応どこにいるかはある程度見当がついているんだけど、魔力反応が薄いからなんとも言えない・・・」

 

「アイツらも何かしらの魔法をもってンのか?」

 

「属性はそれぞれ違うけどね。ボクらは例外として様々な属性の魔法を備えているけど、由紀たちは違うんだ。自分に合った属性、またはそれに近い魔法を備えてるんだ。中には魔法を使えない娘もいるから、その娘は特技で補ってるよ」

 

「なるほどな。そんで俺たちはその魔力反応とやらを探って行けば良いんだな?」

 

「うん。早速探しに行こうと思ってる。マサルも手伝ってくれる・・・?」

 

「もちろんだ。アイツらが魔物に襲われちゃ面倒だからな。早めに見つけ出そう」

 

真冬、小春が仲間に加わった。

 

 

 

 

「真冬、反応はどうだ?」

 

「とりあえず、ここより南にはいない。北へ行こう」

 

「はいよ」

 

 

学園生活部メンバーを探す旅へと出発した3人であった。

 

 

 

 

ステータス

 

 

黒田理琉  Lv.10 せんし

HP 1580

MP 187

AT 210

MT 190

DF 129

MF 94

使える黒魔法

エアロ系

ルイン系

ブリザド系

ウォータ系

ファイア系

サンダー系

バイオ系

メテオ系

ブラッド

特技

かえん斬り

はやぶさ斬り

メタル斬り

ギガスラッシュ

使える白魔法

リフレク

ベクター(オリジナル魔法 効果:物理攻撃反射)

 

武器 理琉専用はやぶさの剣・改

 

 

 

狭山真冬  Lv.10 まほうつかい

HP 1328

MP 230

AT 159

MT 249

DF 130

MF 123

使える黒魔法

メラ系

ギラ系

バギ系

デイン系

イオ系

ヒャド系

ドルマ系

ラリホー系

ルカニ

使える白魔法

キアリー

バイキルト

スクルト

特技

この時点では習得していない

 

武器 小春専用勇者のクリスタル

 

 

 

狭山小春  Lv.10 けんじゃ

HP 1423

MP 190

AT 134

MT 129

DF 230

MF 269

黒魔法

使えない

使える白魔法

ケアル系

レイズ系

ポイゾナ

マバリア

プロテス系

バマジク

スロウ系

エスナ

レジスト

特技

テンションバーン

おうえん

ツッコミ

癒やしの雨

 

武器 小春用賢者の杖

 

 

独自設定なので無視しても構いません↓

 

同じ属性の魔法(ex:ブリザド、ヒャド)でも使う人によっては拒絶反応を起こす。(例えば、普段ブリザドを使っている人がヒャドを使ったら最大HPの30%ほどが削られる)

 

また、回復系に関しては、普段ケアルで回復する人にホイミをかけても問題なく回復する。ただし、ケアルを使う人がホイミを使うと上記と同じことになる。回復系のみだが、どちらにも上手く対応している場合は何も起こらない。




思いつきで書いてみたのですが、どうでしたか?主人公に魔法を使わせたかっただけなんですすみません許してください何でもしますから!(なんでもするとは言っていない。)


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スピンオフ:とある少年の青春物語(アオハルストーリー) 第一話 ニチジョウ

何気なく朝を迎えて、何気なく朝飯を食って、何気なく学校に行って授業を受けて、何気なく放課後を迎えて、何気なく過ごす少年の物語。


※お断り
このストーリーはかれらのいない世界で黒田理琉が学園生活部の面々とどう過ごしているのかを書いたものであり、時系列は由紀ちゃんと理琉がめぐねえの現代国文補習テストを受けている所です(アニメで言う第三話のルート分岐)。理琉の携帯にも慈の携帯にも緊急メールは受信されてない上、この時点で理琉は恵飛須沢胡桃、若狭悠里、直樹美紀、祠堂圭、紗巴果夏(原作:チモシー様)、るーちゃん(この作品では瑠璃と表記)との面識がまだありません。

本編では戦死したオリジナルキャラ『狭山小春』は理琉の幼馴染で、そのつながりで妹の
『狭山真冬』(原作:チモシー様)とは面識があります。

また序盤は前作をコピーいたします。ご了承ください。


俺はいつも通り学校へ行き、聞いても大して面白くもない授業を七コマ聞かされる。

 

「眠い・・・」

 

「マサル君、寝ちゃダメだよ・・・?」

 

隣にいる少女は『狭山小春』。俺の幼馴染だ。マンションも隣で、昔からよく遊んでいる。その妹の『真冬』とも遊んでいることもある。

 

「しゃァねェだろ・・・眠いンだから・・・」

 

七コマ授業・・・これだけならまだしも、今日は現代文のテストが返ってくる日だ。

 

「ゲッ・・・しかも七限現代文じゃねェか・・・テスト死んだわ」

 

「うぅ・・・私もヤバいかも・・・」

 

「よし、どっちか赤点だったらジュースおごりな?」

 

「私に勝てるの?」

 

意地悪な表情で俺を見てくる小春。可愛いからやめてくれ。萌え死ぬ。

 

現代文・・・・・現代文は特に苦手な科目なので、もっと怠い。まだ担当が佐倉慈先生だったからよかったものの、他の教員だったら100%寝ていただろう。

 

 

 

「マサル君、先生来たよ」

 

「ん・・・」

 

「はーい、それでは授業を始めます」

 

 

七限がスタートした。

 

 

「それじゃあ、先週やったテストの答案を返しますね。恵飛須沢さん」

 

「はい」

 

「黒田君」

 

「はィ」

 

「狭山さん」

 

「はい」

 

「丈槍さん」

 

「・・・・・」

 

「丈槍由紀さん?」

 

「はぁい・・・」

 

猫耳帽子を被った丈槍由紀という少女がとぼとぼ教壇へと歩いて行った。ん?待てよ?彼女の制服って緑じゃなくて青だったような気がするんだが・・・何故ここでは緑・・・?ウッ・・・頭が・・・

 

 

「授業が終わったら補習ね?」

 

「めぐねえひどい・・・」

 

「めぐねえじゃなくて、佐倉先生でしょ?」

 

 

 

「Oh・・・クソッタレが」

 

「ヴェアアアア!!」

 

 

「オマエも赤点かァ?」

 

「いや、でもギリギリ・・・」46点

 

「残念だったなぁ~」48点

 

「団栗の背比べだね・・・」

 

「・・・せやな」

 

「よお黒田ぁ!お前48点か?」

 

「藤田も他人の事言えねぇだろ、28点くん」

 

「うるせえ」

 

俺の友人、藤田涼(ふじたりょう)だ。小春を含め、俺たち三人でバカをやっているため、クラスの人間からはなぜかバカトリオ(デルタフォース)と呼ばれている。

 

 

 

授業が終わり、帰ろうとしたところ、

 

「オイ黒田、狭山、僕を置いてくなよ」

 

「オマエ補習だろ?がんばれ」

 

「私はマサル君たちと先に帰ってるからね」

 

「んなこと言わないで補習一緒に受けてくれよ・・・もう一人補習食らってる奴がいるんだけどさ、女の子なんだよ・・・気まずい・・・」

 

理琉と小春は顔を見合わせた。

 

「仕方ねェな、一緒に受けてやる」

 

「そうだね、私も受けるよ。真冬には先に帰っててって伝えるから」

 

三人は国語の補習を受けることに。

 

 

「こんなに赤点が出たの・・・?」

 

「あ、いや、俺と小春はこの藤田(バカ)の付添っす」

 

「バカって言うなバカって」

 

「あ、あはは・・・」

 

 

補習テストを受けていると、由紀が佐倉先生のほうをじっと見ていた。

 

 

「どうしたの?私がそばにいると集中できない?」

 

「ううん。めぐねえとこうして一緒にいられるのは楽しいし、嫌いじゃないよ」

 

「佐倉先生好かれてるねェ」

 

「んもう、黒田君?」///

 

佐倉先生が顔を赤くしていたが、こっちはヘラヘラ笑っているだけだ。あ、俺のテストの結果?8割は行ったぞ、うん。小春に一点差で負けたから、ジュースをおごれ、らしい。解せぬ。藤田のやつもなんだかんだ60点以上は取れていたからまぁよかった。こいつには俺と小春、そして由紀の分のジュースをおごらせよう。

 

 

そういえば、由紀って子と会話したこと無かったな。小春と藤田としか話してなかったためか、他のクラスメートと話すことがまるでない。補習が終わったら、帰りにでも話すかぁ・・・

 

 

そして、補習が終わった。俺たち四人は佐倉先生に手を振って別れる。

 

「ンじゃ、さよなら、めぐねえ」

 

「もう、めぐねえじゃなくて佐倉先生でしょ!?」

 

 

「えっと、丈槍由紀ちゃん?」

 

「うん。そうだよ!」

 

「こうやって話すのは何気に初めてだね」

 

「おぉ、確かに・・・よろしくね!ええっと・・・」

 

「俺は黒田理琉」

 

「私は狭山小春だよ」

 

「僕は藤田涼。よろしく」

 

「うん!よろしくね!そういえば、三人はいつも一緒だよね?ほかにお友達はいるの?」

 

俺たちは静まり返る。普段三人でしか話してないので他の人間とは話さない。目の前にいる由紀と話すのだって今日が初めてだ。

 

「「「オマエ(由紀ちゃん)《君》だけだよ」」」

 

「な、なんと・・・!」

 

由紀がガチで驚いている。彼女は見た感じ友達は多い方。チョーカー女子とその友達と仲良くしていたり、ツインテールでシャベル(ナゼシャベルやねん)が似合いそうな少女、そして見るからにお姉さんオーラを発している上ある部分が大きい少女と仲良く話していることもある。顔が広いんだな。話によれば後輩とも話すみたい。四人、しかもその中には真冬もいるなんて話も・・・

 

 

 

 

 

藤田涼side

 

 

 

あぁ畜生・・・黒田にテスト負けてジュースおごらされる羽目になった・・・僕って本当ついてない・・・ついてないといえば、今日は本当散々だったな。財布は落とす、スマホ無くす、犬に追われる・・・僕はどこぞの上条さんかってんだ・・・

 

「なあ黒田、狭山、丈槍。何が飲みたいんだ?」

 

「あァ、俺レッドブル」

 

「私リポビタンDで」

 

「えっと私はモンエナで!」

 

「ジュースだけに600円も払えないわ!もっと安いのにしろ!」

 

 

「わァったよ。BOSSのブラックコーヒーで」

 

「じゃあ午後ティーで」

 

「私はペプシ!」

 

 

「ハイハイ」

 

 

 

僕たちは帰る方向が同じなため、長く話せる。

 

 

 

 

「それでね胡桃ちゃんが・・・」

 

「ハハハ、何やねんそれ」

 

「俺と小春は昔からの幼馴染で・・・」

 

「はっ!もしかして恋人同士?」

 

「「違います!ただの親友です!」」

 

黒田たちハモりやがった。く~!爆発しやがれバカップルが!

 

 

 

校門まで歩いていくと、そこには黒髪の少女が立っていた。

 

 

「真冬!ずっと待ってたの?」

 

「ボク、やっぱお姉ちゃんと一緒に帰りたいから・・・あ、由紀、マサル、リョ―もいたんだね」

 

「こんにちは、真冬ちゃん!」

 

「チッす」

 

「やあ」

 

総勢5人で学校の帰り道を話しながら帰るのであった。途中、転がってきたテニスボールを踏んで転びました。不幸だ・・・

 

 

涼Side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回は学園生活部のメンバーと出会います。結構無理矢理でしたが、楽しんでいただけたでしょうか?では、次回もお楽しみに!

次回 第二話 デアイ


新キャラプロフィール

名前  藤田涼
年齢  18歳
誕生日 5月2日
血液型 A型RH-
身長  167㎝
体重  57㎏
趣味  ごちうさグッズ集め 秋葉原のアニメイトへ行くこと

モデル 上条当麻

声優  阿部敦

More:何故か知らないが、人の不幸の身代わりになる体質らしい。眼鏡をかけており、勉強出来そうな雰囲気だが、主要科目は毎回ほぼ赤点。

本編未登場。






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第二話 デアイ

スピンオフ第二話です。

学園生活部の三年生メンバーは全員同じクラスという設定になります。

それではどうぞ


翌日。理流たちバカトリオ(デルタフォース)はいつも通り学校へ行く。

 

 

「あァだりィ〜」

 

「どしたの?」

 

由紀が隣の席に座った。

 

「あァ由紀ちゃんか、昨日ずっとFFを徹夜でやっててさ全く眠れてねぇンだよ」

 

「もう、ちゃんと寝なきゃダメだよ?」ビシッ

 

「はいはい・・・」

 

「あ、そうだ!ねえねえマー君(・・・)!今日のお昼小春ちゃんとリョー君と一緒に中庭に来てくれる?私の友達を紹介するよ!」

 

マー君と急に呼ばれ、ビックリする。

 

「お、黒田、丈槍から誘われたのか?」

 

「オマエもだぞ、藤田」

 

「てことは私も?」

 

「そう、小春も」

 

「じゃあ昼休み中庭で待ってるね!」

 

「はいよ」

 

由紀はパタパタという擬音が合いそうな調子で自分の席に戻っていく。

 

「相変わらず健気な娘だな、黒田」

 

その元気さからか、クラス内での人気も高い。ファンクラブまでできるほどというのを理流は過去に聞いたことがある。

 

「オマエあの娘のこと好きなのか?」

 

「僕は恋愛とか分からねえからそういうのは・・・」

 

「そうか・・・俺もだ」(キリッ

 

(マサルくんって鈍感なんだよなぁ・・・)モジモジ

 

そうこうしていると担任の佐倉慈が来た。

 

「はーい、ではHRを始めますよ〜」

 

ふわふわした感じの若い教師、佐倉慈は校内でも特に人気が高く、その可愛さに恋をする男子生徒もいるらしい。だが今日の慈は心なしか暗い表情をしている。

 

「今日の予定は―――」

 

 

 

 

ホームルームが終わり、いつも通り授業を七コマ聞く。

 

 

 

 

 

 

そして四限が終わると・・・

 

 

 

 

「さァて、ほら藤田、小春。行くぜ」

 

「うん、行こっか」

 

「はいはい」

 

三人は由紀との約束通り、中庭へ赴くことに。中庭へと到着すると、数人の女子がベンチに座っていた。

 

「あ!来た来た!ここだよ〜」パタパタ

 

「悪ィな、待たせちまって」

 

「あ、お前らだったのか」

 

「あら、珍しいメンバーね」

 

「そンなに珍しいか?いつもこの三人でいるけどなァ・・・」

 

「今日はね〜胡桃ちゃんたちに新しいお友達を紹介しようと思ってね!」

 

由紀は二人の女子へ現状報告をする。

 

「そっか。あたしは恵飛須沢胡桃だ。よろしくな」

 

「若狭悠里です。よろしくね」

 

「よろしく。俺は黒田理琉だ」

 

「僕は藤田涼」

 

「狭山小春です。よろしくね」

 

「ん?狭山って・・・もしかして真冬の姉か?」

 

「そうだよ?」

 

「全然気づかなかった・・・」

 

「おいおい同じクラスなのに気づかなかったのかよ・・・」

 

「まあ仕方ねェンじゃね?クラス人数多いし」

 

軽く自己紹介を終え、六人は昼食を摂る。

 

「暑い・・・」

 

「そうか?」

 

理琉が愚痴ると胡桃が横から返事する。

 

「胡桃ちゃんは暑くねェのかよ・・・?」

 

「鍛え方が違うからな!」

 

「そういやオマエ陸上部だっけ」

 

「あぁ!」

 

「なんかずっと一人の男を目で追ってただろ・・・?」

 

「はぁっ?!!!!」///

 

胡桃が顔を真っ赤にしながら理琉に詰め寄る。

 

「そそそそ、そんなこと、ねぇぞ・・・?!」

 

「あれ?でも確かに・・・」

 

理琉は一度考え直した。いや、というよりは『あるはずのない記憶』を掘り返していた。その記憶の中の景色を脳内で再生したところ、誤って『凄惨な出来事』を脳内再生してしまい、激しい頭痛にみまわれる。

 

「ッ!?!あグッ・・・」ズキィッ

 

「ど、どうしたのマサルくん!大丈夫?!」

 

小春が慌てて駆け寄った。

 

「あ・・・あァ・・・大丈夫・・・だ・・・『ミッドウィンター』・・・」

 

「えっ・・・?」

 

聞き慣れない名前を聞いた全員は少し困惑している。理琉の目は虚ろになっており、今にも倒れかねない。

 

「すまねェ・・・ちょっと保健室行ってくる・・・」

 

「あたしが送ってく!」

 

「あァ、悪ィな・・・」

 

胡桃に肩を担がれ、運ばれていく理琉。中庭に残された小春達。

 

「ねえ、小春さん。マサルくんって何か持病でもあるのかしら?」

 

「いや、特には無かったはず・・・」

 

涼が口を開いた。

 

「アイツには僕らにもわからない『何か』が視えてしまう。それを視るたびにアイツは体調を崩すんだ」

 

「まるでゲームみたいね・・・」

 

「何とか出来ないのかな」

 

 

 

あれこれ考えていると、理琉と胡桃が戻ってきた。

 

 

 

 

「おォ、心配かけたな・・・」

 

 

 

「マサル君、本当に大丈夫なの?」

 

「ああ、一応な。それにしても、あるはずのない記憶がどうして視えるンだろうなァ・・・」

 

「えっとその、あるはずのない記憶って、何が視えてるの?」

 

「上手く表現しにくいンだが・・・すごく生々しい記憶だった」

 

 

理琉の記憶では、もう一つの世界でゾンビパンデミック事件が起こっていたということ、そして今いるメンバー(涼や小春を除く)で籠城生活を送っていたなど、ありのままを全て話した。この学校にある「冊子」についても全て打ち明けた。信じてもらおうとは思わない。

 

「そんなことって・・・」

 

「残念だが事実なんだ・・・ていうか、奴らは生物兵器禁止条約を知らねえのか・・・?」

 

「仮にそうだとしたら、世界中から非難されるぞ?」

 

「えっと、ランダルコーポレーション・・・だっけ?」

 

「そうだ。そのグループの中に、この高校が入っている。他にも聖イシドロス大学とか、リバーシティ・トロンなど・・・」

 

「結構身近な所がそのグループの傘下なのね・・・」

 

「その通りだ。俺たちはその中でもランダル製薬というところに焦点を置き、調べ始めようと思う。もっとも、この学校に地下があるって時点でもう怪しいとは思ってたンだがな」

 

「地下・・・?」

 

「ああ、あそこは避難区画になっていて、万が一生物災害が起こった時、または核ミサイルを撃ち込まれた時に使うシェルターなんだ。今日の放課後、そこへ潜入する。地下の秘密を暴く。それが俺たちの使命だ」

 

「先生にバレるぞ・・・?」

 

「教師の中にも知らない人間は多数いる。だから怪しまれる事はあまりないだろう。だが教頭や校長に見つかったらアウトだ。あと、この事は絶対にめぐねえに言うな。彼女は責任感じやすいタチだから、このことを聞いただけでも多分壊れる。そんで、今日実行する訳だが、参加したいやつは挙手しろ」

 

すると、胡桃、涼、小春が挙手した。

 

「あたし、あの変な階段の先がどうなっているのか気になる。だからマサル、連れて行け」

 

「僕も、本p・・・じゃなくて黒田の記憶では死んでるみたいだからその避難区画とやらをこの目で見る。そして事件が起こらねえように助力するぜ」

 

「私も・・・マサルくんが心配だからついていく・・・」

 

「・・・了解。これでいいか?他にも行きたいヤツは?」

 

「私は由紀ちゃんと勉強会だから今日はパスするわ」

 

「り、りーさん?!聞いてないよ!?」

 

「由紀ちゃん、この前の現国のテスト赤点だったでしょ?」

 

「う〜・・・マー君の前で言わないでよ・・・」

 

「同じクラスなんだから関係ないだろ・・・?」

 

「じゃァ由紀はりーさんと勉強会頑張ってな」

 

「う〜・・・」

 

 

 

 

昼休みが終わり、五限、六限、七限と授業が進んでいく。もちろん理琉は授業を聞かずに地下へどうやってバレずに潜入、脱出できるかを考えている。ノートに書き留め、今日の放課後、作戦を開始する。

 

 

地下避難区画へ通ずる階段にて。

 

 

「覚悟はいいな?もし問い質されたとしても俺たちには武器が山ほどある」

 

「なあ黒田。気になるんだが、もし関係者以外入れないなら規制線張られていてもおかしくねえんじゃね・・・?」

 

「あぁ。だが、それも想定の内だ。書いてないんだったら入ったって問題ねェし」

 

「ほ、本当に大丈夫なのか・・・?」

 

「大丈夫だ。てかなんで園芸部のシャベルなんか持ってきてんだ?」

 

「え?あぁ、なんとなく・・・?」

 

「そ、そうか・・・」

 

「マサルくん、お待たせ!」

 

「みんな揃ったな。よし、行くぞ!」

 

そう言い、階段を降りようとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

その時・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「胡桃先輩?何してるんですか?」

 

 

 

 

 

 

 




スピンオフのネタがない・・・orz

ここでも地下が出てきましたが、特に進展はないです・・・ただ何らかの形でみーくんと会わせたかったのでこういう形にしました。

ネタが出来るまで、スピンオフの方はしばらくお休みといたします。

本編を進めないと・・・


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