ビリビリしんちゃん (影山明)
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ビリビリのおねいさん登場だゾ

以前から書いてみようかと思った物を書いてみました



埼玉県春日部市

 

 

ここではやまぶき高校美術科の生徒が4人、野原家の元で暮らしていた

 

 

理由はひだまり荘というアパートの内外の壁の塗り替えの為である

 

 

彼女たちが暮らし始めてからしばらく経ち、塗り替えが終わり帰れると思いきや、ガス爆発により崩壊した

 

 

その後も何度か完成と崩壊を繰り返しようやく彼女たちはひだまり荘へと帰る事が出来た

 

 

それまでいつもより賑やかだった野原家はまたいつも通りの野原家に戻ったがどこかしらものたりなさを感じていた

 

 

そんな日々が数日続いたある時

 

 

1人の少女が春日部へと足を踏み入れた

 

 

 

【春日部駅】

 

 

?:ここが春日部ね……さて……私が下宿するのはっと………野原さんってとこか

 

 

 

カエル型の携帯電話を取り出し、下宿先の書かれた受信メールを確認するのは学園都市にある私立常盤台中学に通い、電撃使い(エレクトロマスター)という能力を持つ御坂美琴である

 

 

美琴:うーん、住所が書いてないなぁ……全く、送る前に本文確認しとけってのよ!

 

 

 

怒りからバチンと携帯電話を少々荒っぽく閉じてスカートのポケットに入れて歩き出す美琴

 

 

 

美琴:さて、とりあえずあの交番で聞いてみるか……

 

 

 

?:ねーねー

 

 

美琴:………ん?

 

 

 

突然声をかけられた美琴は後ろを振り向く、すると五歳くらいの眉毛が太く赤いTシャツと黄色い半ズボンの少年がいた

 

 

美琴:なーにボク、お姉ちゃんに何か用?

 

 

 

?:オラ、ボクじゃないゾ……しんのすけだゾ

 

 

 

美琴:あーはいはい、ごめんごめん……えっと、しんのすけくん……?

 

 

 

しんのすけ:いや~ん、しんちゃん、って呼んで欲しいゾォ~

 

 

 

美琴:はいはい、しんちゃん

 

 

 

しんのすけ:んもー馴れ馴れしいぞ、気安く呼ばないでよ~

 

 

 

美琴:あのね!君が呼べって言ったんでしょうが!!

 

 

 

しんのすけ:細かいことは気にしな~い

 

 

 

美琴:はぁ、で?君は一体何の用で私を呼び止めたわけ?

 

 

 

しんのすけ:うーん、何となく

 

 

美琴:何となくで呼び止められたんじゃたまったもんじゃないわ……用が無いんならもう行くわよ……私急いでるんだから

 

 

そう言って美琴は交番の方へ歩き出すがしんのすけが近寄ってきて声をかける

 

しんのすけ:ねーねー

 

 

美琴:何?

 

 

しんのすけ:ここで何してんの?

 

 

美琴:そんなの君に関係ないでしょ、ほら、とっととあっち行きなさい……シッシッ

 

 

美琴はしんのすけを追い払おうと手をパタパタ振る

 

 

美琴に追い払われたしんのすけは美琴を追い抜き走り去る

 

 

美琴(ふーやっと行ったか……やれやれ、さて……ん?)

 

 

美琴が交番を見るとしんのすけが警官に声をかけていた

 

 

しんのすけ:お巡りさ~ん

 

 

警官:ん?何だい坊や

 

 

しんのすけ:あの人が、オラに……オラに…

 

 

警官:あの人が何かしたのかい?

 

 

美琴:………わ、私?

 

 

 

しんのすけ:熱い夜を過ごそうって言っ………

 

 

しんのすけがそう言いかけた瞬間美琴はF1マシンの様な効果音が鳴りそうな勢いでしんのすけに近寄りガシッと掴んで走り去る

 

 

そして公園のベンチに座った

 

 

美琴:はぁ、はぁ……ったく……なんてことを口走ってくれんのよ………あ、汗がダクダクだわ

 

 

しんのすけ:あらん、そんなにオラと熱い夜を過ごしたかったのん?

 

 

美琴:ええい黙れ!!んなわけあるかぁ!勘違いされたら困るから逃げただけよ!

 

 

しんのすけ:んもータレ屋なんだから~

 

 

美琴:それを言うなら照れ屋!それに照れとらんわ!

 

 

しんのすけ:そうともゆー

 

 

美琴:そうとしか言わないっての!

 

 

美琴としんのすけがそんなやり取りをやってるとマサオ達がやってきた

 

 

マサオ:あ!しんちゃん!何してるの?

 

 

しんのすけ:んーとねーこの人がオラを人質に身代金グムム

 

 

しんのすけは美琴に口を塞がれた

 

 

美琴:余計なことを言うな!

 

 

マサオ:ひ、人質……け、警察に行かなきゃ……あ、あ……ヒィィィ~!!

 

マサオは泣き顔で後ろに下がり、振り返って駆けだした

 

 

美琴:ちょっ!ちょっと!ストップ!待てってば!仕方ない!!

 

 

 

美琴はマサオの前に電撃を撃ち引き止める

 

 

マサオ:ヒィッ!か、雷……怖いよ~!

 

 

美琴:あーごめんごめん……とりあえずさっきのは誤解だから……それと聞いていいかな?

 

 

マサオ:は、はい!

 

 

美琴:もー何もしないってば、そんなビクビクしないの、んでさ……野原さんって家知ってる?訳あって探してるんだけど

 

 

マサオ:え、あ……はい……しんちゃん!しんちゃんち探してるって……あれ?

 

 

美琴:ん?どうしたの?

 

 

マサオがしんのすけに声をかけるがしんのすけは既にいなくなっていた

 

 

マサオ:あ、い、いえ……じゃあボクが案内します

 

 

美琴:ありがと、えっと……

 

 

マサオ:ま、マサオです

 

 

美琴:そっか、ありがとマサオくん

 

 

美琴はマサオの案内で野原家に着いた

 

 

美琴:ここかぁ、ん?

 

 

美琴は表札を見てみる

 

 

野原 ひろし

   みさえ

   しんのすけ

   ひまわり

 

 

 

美琴:しんのすけ………っておい!しんちゃんじゃんこれ!え!?これあの子の家!?

 

 

美琴は露骨に嫌な顔をした

 

 

しんのすけ:んもー騒がしいゾ~あれ?人質の人だ

 

 

美琴:はぁ、これから君と一つ屋根の下で一緒に暮らすのか……下宿先、変えよっかな

 

 

しんのすけ:んーオラとしてもお子様体系の人はお断りしたいゾ

 

 

美琴:………な、何ですってぇ~

 

 

しんのすけ:じゃっ!

 

 

しんのすけは家の中に駆け込んだ

 

 

美琴:もうアタマに来た!!徹底的にお仕置きしてやる!!

 

 

美琴も追いかけて中に入り2人は追いかけっこを始めた

 

 

そして寝室でしんのすけは追い詰められた

 

 

美琴:ふ、ふふふふ………さあもう逃げ場はないわよ………大人しくお縄につきなさい!

 

しんのすけ:んべーオラがそう簡単に捕まると思ったら大笑いだゾ!

 

 

美琴:それを言うなら………大間違い……だぁ~っ!!!

 

 

美琴は電撃を放つが運悪く冊子を開けて入ってきた洗濯物を干し終えたみさえにそれは直撃した

 

 

みさえ:あぎゃぎゃぎゃ~!!

 

 

美琴:あっ!!

 

 

しんのすけ:薪割り~!

 

 

美琴:あっ!このっ!ってそうじゃなくて

 

 

 

走り去るしんのすけを追おうとした美琴だが振り向いてみさえに駆け寄る

 

 

美琴:大丈夫ですか!?ごめんなさい……ちょっと加減を間違えて

 

 

倒れたみさえはムクリと起き上がり

 

 

みさえ:キャハッ、肩こりと腰のコリ、取れちゃった

 

 

美琴:ぐほっ!!

 

 

美琴は盛大にズッコケた

 

 

みさえ:あら、貴女……見ない顔ね……ウチに何か用?

 

 

美琴:あ、は、はい……自己紹介が遅れました……私は御坂美琴って言いまして、その……野原さんの家に下宿させてもらうことになってるんですけど……

 

 

みさえ:あー!貴女が御坂さんね、そっかーついに来たのね、こんな狭い家で悪いけど自分の家だと思ってゆっくりしてね

 

 

美琴:は、はい……ありがとうございます

 

 

そして、夜になり、ひろしが帰宅し4人でテーブルを囲んでの夕食

 

 

ひろし:いやーよく来てくれたなぁ美琴ちゃん、歓迎するよ

 

 

みさえ:ええ、昼間も言ったけどここを自分の家だと思っていいのよ

 

 

美琴:はい、これからしばらくの間よろしくお願いします、これ……つまらない物ですが

 

 

美琴は紙袋をみさえに差し出す

 

みさえ:あらあらそんなに気を遣わなくてもいいのに

 

 

ひろし:お、美味そうな饅頭だな……さっそくお茶入れて食べようぜ、食後のお茶といこうじゃないか

 

 

しんのすけ:うわ~い!お茶々お茶々~

 

 

お茶を飲んで笑いながらお喋りをする野原一家

 

 

その後、美琴は風呂に入る

 

 

ひろし:いやーこれでようやく前に戻ったな

 

 

みさえ:そうね、彼女たちが出て行ったからなんか物足りなかったものね

 

 

ひろし:思い切って『下宿先提供委員会』に登録しておいてよかったな

 

 

 

『下宿先提供委員会』とは

 

 

下宿先を探している人のために立ち上げられたボランティア団体のサイト

 

 

ここにメールを送ると住所とアドレスが登録してある提供先がランダムで選ばれ住む家がメールで送られてくる

 

 

提供側にはメールアドレスと誰々があなたの家に住むことになりましたとお知らせが来る

 

 

探している側には選ばれた家の名字と住所が送られてくるが今回はサイト側のミスにより野原という名字のみが送られた

 

 

ちなみに登録はみさえのアドレス

 

 

ひろし:しんのすけ、ゆのちゃん達はいないけど、これからは美琴ちゃんが一緒だからな

 

 

みさえ:ゆのちゃんの時みたいに怒らせるんじゃないわよ

 

 

しんのすけ:うーん、お約束は出来ないゾ

 

 

そして、その頃の美琴は

 

 

美琴:んー!気持ちいいわ……野原家か……ちょっと変わってるけど、いい家族だわ……黒子に感謝しなきゃねぇ……

 

 

美琴はワナワナと震えながら拳を握る

 

 

美琴:通販で大量の荷物を頼んで私のベッドがその大量の段ボールを使用不可能になるまで積んでくれた黒子にねぇ~!

 

 

美琴はその後、ニヤリと笑う

 

 

美琴:帰ったら覚えておきなさいよ………あの………バカ黒子ぉぉぉぉぉ~っ!!!

 

 

 

学園都市から春日部の野原家にやってきた御坂美琴

 

 

彼女はこれから野原家で一体どんな日常を過ごすのか!

 

 

今ここに、常盤台の超電磁砲(レールガン)の野原家での物語が幕を開けるのである




イメージ通りに書き上げられました


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迷子のお世話をするゾ

ある日の朝

 

 

しんのすけ:おやすみ~!

 

 

しんのすけは二階で寝ている美琴の布団に飛び乗った

 

 

美琴:ぐえっ!な、何事!?

 

 

しんのすけ:よっ!

 

 

ひまわり:たっ!

 

 

ついでにひまわりもいたようだ

 

 

美琴:アンタら……普通に起こせないんですか?ていうかどいてほしいんだけどね

 

 

しんのすけ:んーどうしようかな~

 

 

ひまわり:たう~あいやいや~

 

 

美琴:くっ、重い……このっ!ふんっ!ふんっ!

 

 

何とか体を動かしてニョキニョキと布団から出ようとする美琴

 

 

しんのすけ:………あ

 

 

突然、プーッと音が鳴る

 

 

それは

 

 

しんのすけの屁であった

 

 

ひまわりはそそくさと逃げ出した

 

 

美琴:ぐえっ!くっさ!!そういえば昨日の夕食、ニンニク炒めだったっけ……

 

 

しんのすけ:さらにらっきょう付きですぜ姉御

 

 

美琴:誰が姉御か……ていうか降りて

 

 

しんのすけ:ホリデー?

 

 

美琴:私の上から降りろって言ってんの!

 

 

しんのすけ:んもー初めからそう言ってよ~

 

 

美琴:言ったわ!

 

 

しんのすけ:チャプターいくつの何分あたり?

 

 

美琴:私はDVDじゃないのよ!

 

 

そんなやり取りをしたあと美琴は散歩に出かけた

 

 

しかし、しんのすけもついてきた

 

 

美琴:なんで来んのよ、1人になりたかったんだけどなぁ

 

 

しんのすけ:おかまいなく

 

 

美琴:ま、いっか………

 

 

しばらく2人で歩いていると

 

 

女の子:わ~ん!おがあざ~ん!

 

 

男:おいおい、泣き止んでくれよ……これじゃ端から見たら俺が泣かしたみたいじゃねえかよ

 

 

6歳くらいの女の子が泣いていてそのそばには二十歳くらいの男がなだめていた

 

 

しんのすけは駆け寄り声をかける

 

 

しんのすけ:お兄さん何してんの?

 

 

男:ん、いやな……この子が泣きそうな顔して歩いてたんで声かけたら泣き出しちまってよ………弱ったぜ、これから高校時代の担任のアレックス先生と久しぶりに会う約束してんのに、お、そこのお前!

 

 

美琴:ん、何?私?

 

 

しんのすけに遅れてやって来た美琴に声をかける男

 

 

男:ワリィ!この子頼むわ!オレもう行かなきゃならないんだ!

 

 

美琴:え、あっ………ちょっと!待ちなさいよ!!

 

 

男:頼んだぜー!!

 

 

ビュンと去って行く男

 

 

美琴:あの男、次会ったらスタンガン並の電撃食らわせてやる……と、それはそれとして……君の名前は?

 

 

女の子:グスッ、八神……飛鳥

 

 

美琴:飛鳥ちゃんね……どうして泣いてたのかな?

 

 

飛鳥:あのね、お母さんとお買い物に来たの

 

 

美琴:ふんふん、それで?

 

 

飛鳥:お母さんが郵便局でご用済ませてるのを待っててね、ワンちゃんが通って来たからついてったら郵便局がわからなくなっちゃったの、グスッ

 

 

美琴:はいはい、ほら、泣かないの……探してあげるから、ね?

 

 

しんのすけ:あーちゃん見て見て~ビローン

 

 

しんのすけは飛鳥の前で変顔をする

 

 

飛鳥:あはははは!!

 

 

美琴:お、笑った笑った……可愛いから泣き顔よりそっちの方がいいわよ

 

 

しんのすけ:ねーねー美琴おねいさんもやれば~?

 

 

美琴:え?私?私はいいわよ、ガラじゃないし

 

 

しんのすけ:ほっほう、自信がないんですな、意気地無しですなぁ

 

 

美琴:ぬぐっ!わかったわよ、やりゃいいんでしょやりゃ……ほら

 

 

美琴もしんのすけと同じように両頬を引っ張ってペロリと舌を出す

 

 

 

飛鳥:…………

 

 

飛鳥は無表情になってしまった

 

 

しかもしんのすけが美琴の携帯を奪いとり、写メを撮る

 

 

美琴:………人の醜態を………撮るなぁ~!!

 

 

げ ん

こ つ

 

 

美琴:ったくもう、ほら……さっさと探すわよ

 

 

美琴としんのすけは飛鳥の母親を探してあちこち歩き回る

 

 

しばらく探していると母親らしき女性が名前を呼びながら駆け寄り飛鳥を抱きしめる

 

 

飛鳥の母:飛鳥!どこ行ってたの、探したのよ、怪我してない?大丈夫?

 

 

 

飛鳥:ごべんなざいおがあざ~ん!

 

 

飛鳥の母:飛鳥がお世話になりました、ホントにありがとうございます

 

 

美琴:いえいえ、とにかく無事でよかったです……飛鳥ちゃん、もうはぐれちゃダメよ

 

 

飛鳥:うん、ありがとうお姉ちゃん、しんちゃん

 

 

しんのすけ:いやー照れますなぁ、あーちゃん……またね

 

 

飛鳥は母親と手をつなぎながら帰っていく

 

 

それを見ていたしんのすけは帰り道、美琴にそっと手を伸ばした

 

 

美琴はそれをチラッと見ると何も言わずにその手をそっと握る

 

 

手を握られて照れるしんのすけとそれを見てニコッと微笑む美琴

 

 

2人はそのまま家に帰るのだった

 

 

 

そして、その頃

 

 

 

アレックス:わはははは、久しぶりだな迅!迅に会えた感動で胸がジンジンするぜ!

 

 

迅:相変わらずシャレのキレがいいですね、アレックス先生

 

 

喫茶店で担任と再会を果たす迅であった




飛鳥と迅とアレックス師匠の登場

この3人はお気に入りキャラでした

特に飛鳥は動かしやすくて美琴としんのすけのトリオでよく使ってました


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美琴おねいさんの1日だゾ

ある朝、美琴はいつもより少し遅く目覚めた

 

 

美琴:ふぁ、やば……もうこんな時間か……昨日ちょっと遅くまで本読んでたからなぁ……

 

 

軽くあくびをしたあと携帯で時刻を確認しそう言った美琴は一階へと降りて茶の間へ行く

 

 

そこにはテーブルの上に美琴の分の朝食にラップが被せてあった

 

 

美琴:わぁ、美味しそうだ……いただきます

 

 

 

美琴は少し遅い朝食を済ませる

 

 

美琴:ごちそうさまでしたっと……さて、これを

 

 

美琴は流しのシンクに食器を置いて洗っておく

 

 

美琴:よしっと……そうだ、お世話になってるんだからみさえさんの手伝いでもしよう、どこにいるのかな

 

 

みさえを探してあちこち歩き回る

 

 

美琴:あ、いたいた……みさえさーん

 

 

 

美琴は庭で洗濯物を干していたみさえを見つけて声をかける

 

 

みさえ:あら美琴ちゃん、今日は珍しいわね、いつもより少し遅かったわよ

 

 

美琴:あはは、ちょっと遅くまで本読んでしまったので……あ、朝食ごちそうさまでした……食器は洗っておきましたんで

 

 

みさえ:あらあら置いといてもらってよかったのに

 

 

美琴:いえいえ、お世話になってる身なんで……あ、そうだ……みさえさん、何か手伝えることってあります?掃除でも何でもやりますよ

 

 

みさえ:あらそう?じゃあ……お使い頼める?今メモ書くから

 

 

美琴:はい、わかりました

 

 

 

美琴はみさえのメモと財布の入ったかごを受け取り買い物へ

 

 

帰り道、携帯に着信、ディスプレイには白井黒子の文字

 

 

美琴:もしもし?

 

 

『お姉様!今どこにいますの!?黒子は寂しいですわ!』

 

 

美琴:はあ!?寂しい!?誰のせいでこうなったと思ってんのよ!アンタが通販で私のベッドの上に積まなきゃならないほどの荷物を頼んだせいでしょうが!!

 

 

『ぐっ!そ、それは』

 

 

美琴:で、アンタ一体何頼んだのよ……確か前にパソコン部品だとか言って媚薬頼んだわよね

 

 

『…………ですの』

 

 

美琴:は?何だって?もっとハッキリと言いなさい

 

 

『ムラムラボンバーZですわ!飲めばたちまちムラムラとしてしまうという前の媚薬よりさらに強力な』

 

 

美琴:…………へぇ、なるほど………わかったわ、じゃあ最後に黒子………聞いてくれる?

 

 

『はい、お姉様のお言葉でしたら喜んで』

 

 

 

美琴:そう、じゃあ………スゥ

 

 

美琴は大きく息を吸い込んだ

 

 

美琴:そんなゴミとっとと全部処分しろ!!!そして私が帰ったらたーっぷりお仕置きしてやるから覚悟しておきなさいよ!!この大バカド変態風紀委員(ジャッジメント)!!!フンッ!

 

 

大声で言いたいことを言ってぶっきらぼうに切る

 

 

 

美琴:ふー、少し気が晴れたわ……おっと、帰らなきゃ

 

 

 

家に帰った美琴はみさえからそろそろしんのすけが帰る頃だと聞かされ迎えに出た

 

 

美琴:あ、ここか………ふたば幼稚園……お、いたいた

 

 

美琴はバスに乗ろうとしていたしんのすけを見つけて手を振る

 

 

しんのすけ:お?美琴おねいさん、母ちゃんに追い出されたの?

 

 

美琴:違うわ!君を迎えに来たのよ、あ……この子は私が連れて帰りますんで

 

 

美琴はよしながに自分が連れて帰ると伝え、2人で帰っていく

 

 

しんのすけ:んもーバスで帰れば楽チンチンなのに~

 

 

美琴:一個多いわ、まあそんなこと言わないでさ、たまにはいいじゃない……こうやって散歩しながら帰るのも

 

 

しんのすけ:んー悪くありませんな

 

 

美琴:でしょ?

 

 

しばらく歩くとしんのすけが言った

 

 

しんのすけ:美琴おねいさん、ウチまで競争しよ

 

 

美琴:あ、いいわね……負けないわよ

 

 

しんのすけ:オラだって負けないわよ~ん

 

 

美琴:じゃあいくわよ……それ!

 

 

しんのすけ:どおおお~

 

 

 

2人は楽しそうに走りながら帰路につくのであった

 

 

そして夜、疲れからか美琴は早めに休む

 

 

しんのすけはひろしとみさえに美琴とのことを楽しそうに話すのであった



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家族皆で海水浴だゾ

美琴:え、海水浴……ですか

 

 

ひろし:ああ、どうかな一緒に

 

 

美琴:そ、そんな悪いですよ……居候の身で家族旅行について行くなんて……私、その間学園都市に戻ってますから皆で

 

 

しんのすけ:えー美琴おねいさん来ないの~?

 

 

美琴:うん、なんか悪いし……家族水入らずで行ってきなさいな

 

 

みさえ:そんなの気にしなくていいのに……それにね、美琴ちゃん

 

 

美琴:はい?

 

 

 

みさえ:この野原家に住んでいるということは、もう家族なのよ……野原一家の一員なの……だからあなたは御坂美琴であり、野原美琴でもあるの

 

 

ひろし:おう!その通りだ!いいこと言うぜみさえ!

 

 

しんのすけ:いい尻してるぜみさえ!

 

 

げ ん

こ つ

 

 

美琴:……あー……大丈夫?

 

 

しんのすけ:お、おかまいなく……慣れてるゾ

 

 

ひろし:と、とにかく!家族水入らずでとか、オレたちに悪いとか、そんなの気にしなくていいんだ!なっ?一緒に行こうぜ?しんのすけも美琴ちゃんがいた方がいいよな?

 

 

しんのすけ:おお!もちろんだゾ

 

 

みさえ:ねーひまちゃん、美琴お姉ちゃんと遊びたいわよね~?

 

 

ひまわり:たい!

 

 

美琴:…………しんちゃん、ひまちゃん………あ、ありがとう………わかりました、行きます

 

 

ひろし:よし!今度の日曜、出かけるぜー!野原一家ファイヤー!

 

 

しんのすけ・みさえ:ファイヤー!

 

 

ひまわり:たいやー!

 

 

美琴:………え、えっと……ふぁ、ファイヤー

 

 

皆が寝静まった頃、美琴は部屋で荷物を探る

 

 

美琴:………一応持って来といてよかった……これでいいわよね……黒子達いないしね

 

 

 

美琴はフリフリのカラフルな水玉模様の水着を出してそう呟いた

 

 

 

そして、日は経ち……日曜になった

 

 

野原家は海へと繰り出した

 

 

 

ひろし:くー!あちーな~!しかしこれでこそ海ってモンよ!

 

 

みさえ:あら美琴ちゃん、その水着可愛いじゃない、素敵よ

 

 

美琴:あははは、ありがとうございます……ちょっと恥ずかしいですけど

 

 

しんのすけ:ふむふむ、お体も水着も見事にお子様ですなぁ

 

 

美琴:うっさい、ほっときなさいよ……それに、本物のお子様の君にそんなこと言われたくはないわ

 

 

しんのすけ:やれやれ~五歳児と張り合ってどうすんのよ~

 

 

美琴:ぐっ、すっごい腹立つ……黒子といい勝負だわ

 

 

ひろし:よーし!パラソルも立てたし!遊ぶかしんのすけ!

 

 

しんのすけ:よっしゃー!

 

 

ひろしとしんのすけは海へ駆けていく

 

 

美琴:よーし!私も行くわよ!

 

 

みさえ:あらあら、美琴ちゃんったら、私たちも行きましょ、ひまちゃん

 

 

美琴に続いてみさえとひまわりも海へと走る

 

 

しんのすけ:うおおおー!波だゾ

 

 

美琴:ペッ、うー口の中入った~しょっぱ~い

 

 

しんのすけ:お、オラも~

 

 

ひろし:はははは!ほら、第2波が来たぞ……ぐわっ!!

 

 

 

美琴:逃げるわよ!

 

 

しんのすけ:おお!

 

 

みさえ:ぎょえ!

 

 

ひまわり:たぇ~

 

 

ひろし:ペッ!ペッ!ちきしょー!オレも入っちまった~!

 

 

みさえ:わ、私もひまも

 

 

美琴:ふふ、皆海水飲んじゃいましたね……

 

 

しんのすけ:あは~ですなぁ~

 

 

ひろし:はははは!家族だからな!

 

 

みさえ:そうね、さ……お昼にしましょ

 

 

海の家に行き、ラーメンを食べる

 

 

ひろし:そういや不思議だよな……海の家のラーメンって何で美味いんだろうな

 

 

みさえ:そうよね、ホント

 

 

しんのすけ:うーむ、わかりませんなぁ

 

 

美琴:んー言われてみればそうですね

 

 

ひろし:まっ、美味けりゃいいんだよな美味けりゃ

 

 

みさえ:結局それね

 

 

しんのすけ:ですな

 

 

美琴:まぁ、確かに

 

 

食べた後も海で遊ぶ野原一家

 

 

砂で城を作ったり

 

 

ひろし:よし!出来たぜ!野原城!

 

 

みさえ:じゃあ私はお姫様ね

 

 

しんのすけ:オババ様の間違いだゾ

 

 

みさえ:誰がオババよ誰が!

 

 

美琴:お、ひまちゃん、綺麗な貝見つけたね~

 

 

ひまわり:えへへ~

 

 

美琴を砂で埋めたり

 

 

美琴:お、重い………動けない

 

 

しんのすけ:ふー山頂だゾ

 

 

美琴:乗るなー!私は山じゃな~い!

 

 

ビーチバレーをしたり

 

 

しんのすけ:父ちゃん!

 

 

ひろし:おう!みさえ!

 

 

みさえ:ほい、美琴ちゃん

 

 

美琴:よっし、しんちゃん!

 

 

しんのすけ:………っ!とう!

 

 

ひろし:あ、おい!どこ飛ばして……ハッハッハ、しょうがないなぁ、しんのすけくん

 

 

しんのすけ:いやいや、ごめんなさいお父様

 

みさえ・美琴:ん?

 

 

美女:はい、これ……貴方たちのですよね

 

 

ひろし・しんのすけ:いやーすみませんねぇ、アッハッハッハ

 

 

みさえ:美琴ちゃん、私が許す……やれ

 

 

美琴:ラジャ

 

 

美琴は静電気位の電撃をひろし達に撃つ

 

 

ひろし:ぐわっ

 

 

しんのすけ:いやぁん

 

 

そして、日は暮れ、海を離れる

 

 

夜、皆疲れからか夕食後すぐに就寝

 

 

朝までグッスリと夢の中なのであった

 

 

寝る直前、美琴は心で呟いた

 

美琴(めっちゃめちゃ楽しかった~また皆で行けたらいいなぁ)



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キャンプに行きたいゾ①

ある夜、しんのすけはキャンプ番組を見ていた

 

 

家族でキャンプをしているグループもいれば、友達同士でキャンプをしているグループいる

 

 

中には小学生のみのグループでキャンプをしているのもいた

 

 

 

美琴:あれ、小学生だけで平気なのかしら……

 

 

ひろし:ああ、よく親も許したな

 

 

みさえ:色々キャンプについて勉強したみたいね、案外しんのすけにも出来たりして

 

 

しんのすけ:いやーそれほどでもー

 

 

美琴:褒めてない、褒めてない

 

 

番組を見終わったしんのすけは翌朝、風間に電話をかける

 

 

しんのすけ:しもしも~

 

 

『もしもしだろ、何だよしんのすけ……何か用か』

 

 

しんのすけ:いやー昨日チャンプの番組を見ましてな

 

 

『キャンプだろ、それならボクも見たぞ、小学生達だけでキャンプしてるグループがいたな』

 

 

しんのすけ:うむ、そこで風間くん、カスカベ防衛隊でジャンプしたくはないかね

 

 

 

『ジャンプじゃない!キャンプだ!でも面白そうだな、ママに聞いてみるよ……他の皆にも伝えておく』

 

 

 

しんのすけはその夜、ひろし達にキャンプのことを話す

 

 

ひろし:なにっ!?風間くん達と子供だけのキャンプに行きたいだって!?やめた方がいいって

 

 

みさえ:昨日のあれは冗談で言ったのよ、本当に出来るわけないじゃない

 

 

しんのすけ:うー!おケチ~!

 

 

その時、親たちから次々電話が入り

 

 

子供達だけのキャンプは危ないということで行かせないという事が決まった

 

 

 

ひろし:しんのすけ、今度父ちゃんが連れてってやるからさ、なっ?元気出せよ、

 

 

しんのすけ:………今度っていつ?

 

 

 

ひろし:そ、それはだなぁ……

 

 

 

みさえ:うーん、困ったわねぇ………

 

 

 

みさえはチラッと美琴を見る

 

 

 

美琴は視線に気づいてみさえを見て目をパチクリとさせる

 

 

美琴:わ、私の顔に何か………?

 

 

みさえ:美琴ちゃん、お願い!しんのすけたちの保護者として連れてってやって!

 

 

 

美琴:え!?わ、私が!?

 

 

 

みさえ:美琴ちゃんならしっかりしてるし、リーダーシップもありそうだし、安心できそうだもの、ねっ?あなた

 

 

ひろし:お、そうだな……オレからも頼むよ

 

 

 

美琴:………わかりました、行ってきましょう、御坂美琴、責任を持ってしんちゃん達を無事にキャンプに連れて行きます!

 

 

しんのすけ:やれやれー仕方ないなぁ~付き合ってやるか

 

 

美琴:はいはい、付き合って貰うわよ……覚悟しておきなさいよ

 

 

 

笑顔でそう言った美琴は翌日、本屋でキャンプの本を買い、部屋にこもり読み込んだ

 

 

そしてひろしが高校時代に使っていたというキャンプ用品を物置から探しだして一つ一つ確認してリュックに詰める

 

 

 

 

美琴(テントは5人で寝てもらって、私は寝袋でいいか……よし、あとは明日を待つだけっと)

 

 

各家庭の親にはみさえが連絡をいれ、美琴が連れて行ってくれることを伝える

 

 

そして深夜、目を覚ましたみさえが二階の部屋に行くと机に突っ伏して眠る美琴がいた

 

 

みさえ:あらあら、風邪引いちゃうわよ……ん、これは

 

 

美琴の目の前には開きっぱなしのキャンプの本があり、所々付箋が貼られていた

 

 

みさえ:色々調べてくれてたのね……こんなに遅くまで……ありがとう美琴ちゃん、明日よろしくね

 

 

みさえは美琴を布団に移動させて掛け布団をかけてやる

 

 

 

眠っている美琴の寝顔はどことなく笑っているのであった

 

 

みさえ:あら、ふふ、美琴ちゃんも楽しみなのね

 

 

みさえはそういって一階へと降りていった



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キャンプに行きたいゾ②

翌日、皆は春日部駅へ集合した

 

 

美琴に初めて会う風間達は美琴に自己紹介をする

 

 

風間:風間トオルです、今日はお世話になります

 

 

ネネ:桜田ネネです、よろしくお願いします

 

 

ボー:ボアー、ボク……ボー、よろしく

 

 

 

美琴:はい、ご丁寧にありがとう……私は御坂美琴、よろしくね、風間くんに、ネネちゃんに、えっと……ボー、くん?

 

 

 

風間:あ、彼はボーちゃんと呼んでください、皆もそう呼んでますから

 

 

美琴:あ、そう?じゃあ、よろしくねボーちゃん

 

 

風間:あれ?マサオくんは自己紹介しないの?

 

 

美琴:ああ、マサオくんは前に会ってるから、ね?マサオくん

 

 

マサオ:は、はい!

 

 

しんのすけ:オラは野原しんのすけ!ちょっとシャイな五歳児!

 

 

美琴:はいはい、さて、じゃあこれから電車に乗ってキャンプ場まで行くからはぐれずについてきてね

 

 

防衛隊:はーい!

 

 

美琴:と、その前にあそこで飲み物買ってから行きましょう

 

 

 

美琴達は自販機に行く

 

 

美琴(いくら何でも子供の前で自販機蹴飛ばすわけにはいかないか……ここでは普通に買おっと)

 

 

美琴は財布から小銭を取り出し子供達と自分にそれぞれ飲み物を買う

 

 

そして電車に乗り込みキャンプ場に向かう

 

 

 

風間:楽しみだなぁ、ママにダメだって言われたときはどうなることかと思ったよ

 

 

ネネ:そうね、ネネも少し悲しくなっちゃったしね

 

 

ボー:ボクも、ガッカリ、した

 

 

マサオ:ボクも……ため息しか出なかった

 

 

しんのすけ:オラもだぞゾ

 

 

車内はどんよりした雰囲気に包まれてしまう

 

 

美琴:ほ、ほら!今はもう大丈夫だし!それにこれから楽しいとこに行くんだからさ、そんな沈んでないでさ、明るく行きましょうよ、ね?

 

 

美琴は子供達を必死に励ました

 

 

 

皆はたちまち元気になり、ついに最寄り駅に到着した

 

 

美琴達は駅から徒歩で向かう

 

 

しばらく歩くとキャンプ場が見えてきた

 

 

 

そしてキャンプ場に着いて美琴達は用意を始める

 

 

 

美琴:はい、今から色々用意をします、皆で協力して頑張りましょうね

 

 

 

美琴はそれぞれに指示を出し、テントを張ったり、飯盒でご飯を炊いたり、カレーを作ったりした

 

 

美琴(このマッチ……朝急いでたからよく見なかったけど、こうしてみると ヤバいわね)

 

 

 

美琴は火をつけたマッチの箱を眺めている

 

 

それはひろしがキャバクラで貰ったマッチだった

 

 

 

美琴(帰ったらみさえさんに見せてやろ、どうなっても私は知らないもんね)

 

 

ニヤニヤと笑いながら心の中でそう呟いた

 

 

 

そして、日が暮れ始め、美琴は皆にカレーを盛り付けてあげた

 

 

美琴:はい、熱いから気をつけるのよ

 

 

 

風間:ありがとうございます

 

 

ネネ:わぁ、美味しそうね

 

 

ボー:早く、食べたい

 

 

マサオ:もーお腹ペコペコだよ~

 

 

しんのすけ:お腹と背中がくっつきそうだゾ~

 

 

 

美琴:ふふ、実は私もなのよ……じゃあいただきます

 

 

防衛隊:いただきまーす!

 

 

美琴の合図で皆は食べ始める

 

 

マサオ:うん!美味しいよ!

 

 

ネネ:ホント!ウチで食べるより美味しく感じるわ

 

 

風間:ああ!いくらでも食べれそうだね

 

 

ボー:この、自然が、隠し味、あと、皆で頑張ったから

 

 

 

しんのすけ:ボーちゃんいいこと言いますな~

 

 

ボー:ヘッ

 

 

ボーは照れ笑いをする

 

 

 

美琴:そうね、ボーちゃんの言うとおりだわ……皆遠慮しないでどんどん食べていいのよ、まだまだたくさんあるからね

 

 

その後もカレーを思う存分味わう美琴達

 

 

そして夜になり、最後は寝る前に温かいココアを皆で飲みながら夜空を見上げた

 

 

 

マサオ:わぁ~お星様いっぱいだね

 

 

 

ネネ:綺麗………春日部じゃ見れないんじゃないかしら

 

 

風間:こんないい物見れるなんて、来た甲斐があったな

 

 

しんのすけ:うふん、トオルちゃん、私とどっちが綺麗?

 

 

風間:やめろよ、鬱陶しい

 

 

ボー:星達が、ボクたちを、歓迎、してるみたい

 

 

 

美琴:そうね、きっと『よく来たね』って言ってるんじゃないかしら?さ、皆で写真撮るわよ

 

 

テントの前にカメラをセットした三脚を立ててセルフタイマーで集合写真を撮影

 

 

2枚目を撮る直前

 

 

プーっとしんのすけの放屁

 

 

 

しんのすけ以外ずっこけた写真が撮れた

 

 

 

2枚目を撮った後就寝

 

 

しんのすけ達はテントの中

 

 

美琴はテントの側で寝袋

 

 

 

次の日、少し名残惜しいが皆は再び電車に乗り帰って行く

 

 

 

美琴としんのすけは疲れからか家に着くなり昼寝を始めた

 

 

風間達もまた、疲れからか同じように昼寝をするのだった

 

 

ちなみに全員寝顔は笑っているのであった



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美琴おねいさんの友達が来たゾ

ある日、ひろしは仕事、しんのすけは幼稚園に行き、みさえはひまわりを連れて買い物に出かけて美琴以外誰もいない状況になった

 

 

美琴は茶の間でテーブルに頬杖をつき、テレビを適当に見ていた

 

 

美琴:あんまり面白い番組やってないや……やめた

 

 

チャンネルを何回かザッピングしたあとテレビを消す

 

 

美琴:うーん、何もすることないなぁ……どうしよ……ふあ、なんか眠くなって来ちゃった……少しだけ寝るか

 

 

美琴はしばらく考えているうちに眠くなったのでテーブルに突っ伏して眠る

 

 

 

30分程眠ったその時、インターホンが鳴る

 

 

美琴:………ん、あれ………誰か来た、誰だろ

 

 

 

美琴は立ち上がり、出ようと玄関に向かう

 

 

インターホンは何回か連打される

 

 

美琴:はいはい、今出ますよっと……どちら様………で

 

 

 

???:お姉さまアアァァァ~っ!!!

 

 

美琴がドアを開けた瞬間、外にいた人物が美琴に飛びついてきた

 

 

美琴:うわっ!っとと………!

 

 

美琴は衝撃で後ろに倒れて床に頭を打つ

 

 

 

美琴:痛ったぁ~………何よもう……私に何の恨みが………って………黒子ぉ!?

 

 

頭をさすりながら起き上がり、飛びついてきた人物を見るとそこには黒子がいた

 

 

そして陰から佐天と初春も出てきた

 

 

 

佐天:よっ!御坂さん!

 

 

初春:お久しぶりです、って言ってもまだそんなに日が経ってませんけど

 

 

美琴:佐天さん、初春さん……何でここに、ていうか……来るなら来るで連絡くらいくれたって

 

 

 

黒子:お姉さまがどこで生活をしているのか気になって色々調べたところ、こちらの野原というお宅にいることを突き止めましたの

 

 

佐天:あたしと初春は連絡しようって言ったんですけど

 

 

初春:白井さんがですね、知らせない方が自分を見て御坂さんが泣いて喜ぶだろうから知らせるなって意地でも連絡させてくれませんでした

 

 

美琴:なるほどねぇ、ま……何にしてもよく来たわね、佐天さん……初春さん、さ、上がって上がって……お茶くらいは出すわよ

 

 

黒子:わ、私は……?

 

 

美琴:はいはい、黒子も上がんなさいよ……全く、飛びつく事は無いでしょ、おかげで頭が痛いわよ

 

 

黒子達を茶の間に通してお茶を出して4人でお喋りする

 

 

そのうちしんのすけが帰ってくる

 

 

しんのすけ:おかえりー!

 

 

美琴:あ、帰ってきたか………帰ってきたらただいまでしょうに

 

 

しんのすけ:そうともゆー

 

 

美琴:だからそうとしか言わないっての

 

 

 

黒子:あら、お姉さま、その子は

 

 

 

美琴:ああ、この子はしんちゃん、この家の子よ……もう1人は妹で赤ちゃんのひまわりちゃんがいるわよ

 

 

しんのすけ:それから足の臭い父ちゃんのひろしと、おケツのデカい母ちゃんのみさえがいるゾ、そして飼い犬のシロもいるゾ

 

 

佐天:そーなんだぁ、あ……あたしは佐天涙子だよ、よろしくねしんちゃん

 

 

初春:あ、私は初春飾利です

 

 

黒子:私は白井黒子ですの

 

 

しんのすけ:うむ

 

 

佐天:ねーねー御坂さん、今日はここに泊まっていいですか?

 

 

美琴:え?私はいいけど……とりあえず2人が帰ってきたら聞いてみるわよ

 

 

 

そしてみさえが帰ってきて、その次にひろしも帰ってきた

 

 

返事はもちろんOKだった

 

 

 

夜、皆で食卓を囲む

 

ひろし:ははは!随分賑やかになったな!それにこの感じ、あの頃に戻ったって感じだな

 

 

みさえ:そうね、さ……遠慮しないでいっぱい食べてね

 

 

佐天:はーい!

 

 

初春:あ、ありがとうございます

 

 

黒子:お姉さま、はい、あーん

 

 

美琴:やめろっての!

 

 

ひろし:なんかさっきからお姉さまって言ってるけど、2人はどんな関係なんだ?

 

 

黒子:よくぞ聞いてくれました!何を隠そう私とお姉さまは永遠の愛を誓い合っ……うぎぎぎぎ!!

 

 

黒子は美琴に頬をギュッと引っ張られた

 

 

 

美琴:単なる寮のルームメートですよ……それも一方的に転がり込んだね……しかも何を隠そう私がここに住む原因を作った張本人です!

 

 

黒子:おにゅえひゃま……はにゃひてくだひゃい

 

 

美琴:フンッ、ところで黒子……例の物はちゃんと処分したんでしょうね

 

 

美琴はパッと離し、黒子に段ボールの事を尋ねる

 

 

 

黒子:い、いえ……それが、ジャッジメントの仕事があまりにも忙しくて、なかなか取りかかれなくて……

 

 

初春:え?そんなに忙しくなんかありませ……んぐ!

 

 

初春が言いかけたとき、黒子は咄嗟に初春の口を塞ぐ

 

 

美琴:はぁ、だろうと思ったわよ……さて、ちょっとお風呂入るわ

 

 

黒子:お姉さま!私がお背中を

 

 

美琴:いらないわ、アンタは1人で入んなさい……佐天さん、入ろ

 

 

佐天:おー!しんちゃんも入る~?

 

 

しんのすけ:…………おおおう

 

 

 

佐天:おー照れてる照れてる~可愛い~

 

 

 

ひろし:ちきしょー!羨ましいぜ~!

 

 

次の瞬間ひろしをみさえと美琴がギロッと睨んだ

 

 

 

3人で風呂に入り、次に初春、みさえ、ひまわりの3人、最後に黒子と入る

 

 

深夜、4人は二階で就寝

 

 

 

しかし黒子は起きだし、荷物をあさり一本のビンを取り出す

 

 

黒子:ふふふ、こんなこともあろうかとムラムラボンバーZを一本持ってきておいたのですわ、これをお姉さまに飲ませれば……あぁ~んなことやこぉ~んなことも思いのままですわ……さあ、お姉さま……流し込んでさしあげます……わ

 

 

黒子は美琴に近づくが美琴は起きていてニッコリ笑顔で黒子を見る

 

 

 

美琴:黒子、それなぁに?

 

 

黒子:………え、えっと……そ、そうですわ!栄養ドリンク、スタミナボンバー!これを飲めばたちまち元気に………

 

 

美琴:ふぅん………そう………って……んなわけあるかぁ!バレバレなのよアンタはぁ!!

 

 

 

黒子:うぎぇええええ!!

 

 

黒子は黒焦げにされた

 

 

そして、翌日……皆は春日部駅へ

 

 

ホームで美琴と、しんのすけは皆を見送る

 

 

佐天:御坂さん、楽しかったですよ、早く学園都市に戻ってきて下さいね

 

 

美琴:ええ、その時が来たらね、佐天さん達もまたいつでも遊びに来なさいね

 

初春:皆さんによろしくお伝え下さい、ってあれ?白井さん、乗らないんですか

 

 

 

黒子:ええ、私は今日からお姉さまと一緒に一つ屋根の下で

 

 

美琴:黒子………アンタ………

 

 

美琴は黒子をしばらく見つめた後黒子の後ろに行き

 

 

美琴:とっとと帰れ!!

 

 

黒子の背中を蹴飛ばし、無理やり車内に乗せる

 

 

黒子が乗ると同時に扉が閉まり、黒子は扉に顔を押しつけて手でガンガンと叩きながら何かを言っている

 

 

が、電車は動き出し、去って行った

 

 

美琴:やれやれ、やっと行ったか……さて、しんちゃん、帰ろ……

 

 

しんのすけ:ねーねーおねいさーん、オラと一緒に電車の旅に行かな~い?

 

 

美琴:コラー!ナンパすんな~!!

 

 

美琴はしんのすけをゲンコツして脇に抱えて帰って行くのであった



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父ちゃんの大ピンチで悲惨な夜だゾ

ひろし:み、みさえー!開けてくれ~!!

 

 

 

ある日の夜、ひろしは川口とバーで飲んでいて午前様だった

 

 

だが、自宅のドアを必死に叩く姿を見ると、今回はただ事ではないようだ

 

 

 

みさえ:もー今何時だと思ってるのよ……

 

 

みさえがドアを開けるとひろしは飛び込み急いでドアを閉め、鍵をかける

 

 

ひろし:はぁ、はぁ……ヤバかったぜ

 

 

みさえ:全く、連絡無しで遅くなるわ大声出すわ、ドアを叩いて騒音出すわ、何がしたいのよ

 

 

ひろし:す、すまん……軽く飲んで帰るはずだったんだが、その

 

 

みさえ:………とりあえず茶の間に行きましょう

 

 

ひろし:そ、そうだな……あと、水くれないか

 

 

 

みさえはコップに水を入れてテーブルに置く、ひろしはそれをガバッと取り、一気に飲み干す

 

 

 

みさえ:さ、続きを話して

 

 

ひろし:お、おう……それで……

 

 

ひろしが話そうとしたとき、外から声がした

 

 

『ひぃ~ろぉ~しぃ~』

 

 

ひろし:だああああ~!

 

 

 

突然頭を抱えて悲鳴を上げるひろし

 

 

みさえ:ちょっと!やめてよ!子供達と美琴ちゃんが起きちゃうでしょ!

 

 

みさえがそう言った途端、ドンドン!とドアをノックする音が聞こえた

 

 

『ねぇ~開けてよぉ~いるんでしょ~?』

 

 

 

みさえ:ヒィッ!何よこの気持ち悪い声は!

 

 

しんのすけ:んもぉ~うるさいぞぉ~

 

 

 

美琴:ふあぁ、何があったんですか……

 

 

ひろし:ああ、起こしちゃってすまん……ヤツが来たんだよ

 

 

美琴:………ヤツって………?

 

 

しんのすけ:宇宙人?怪獣?

 

 

美琴:………いやいや、それはない

 

 

ひろし:ある意味それより恐ろしいぜ

 

 

 

『もぉ~開けてくれなきゃこのドア壊しちゃうわよ~?』

 

 

美琴:なんか物騒なこと言ってますね……私が対応してきます、ひろしさんは出ない方がいいみたいだし、しんちゃんとひまちゃんをお願いしますね

 

 

ひろし:わ、悪い……頼む

 

 

みさえ:き、気をつけるのよ!

 

 

 

美琴はコクリと頷き、玄関のドアの前に立つ

 

 

 

美琴:ふぅ

 

 

一度深呼吸してドアノブに手をかける

 

 

美琴:こんな夜中にどちら様ですか……ウゲッ!

 

 

 

美琴はドアを開ける、するとそこには図体のでかいオカマが立っていた

 

 

美琴:………な、何の用でしょうか……

 

 

オカマ:あら可愛い子ね、ひろしの隠し子かしら……出てくれたお礼にチューしてあ・げ・る~ん

 

 

オカマは美琴に顔を近づけながらキスをしようと唇を突き出した

 

 

美琴:ちょっ!このっ!ふざけんな!離れろってーの!!

 

 

美琴はオカマの顔を手で押さえてググッと押し戻そうとする

 

 

オカマ:もーなかなかしぶといわねぇ、あ、あれは何?

 

 

美琴:え?

 

美琴はオカマの指さす方を見てしまう、オカマはその隙に美琴の頬にぶちゅっとキスをしてしまった

 

 

美琴:…………!!!

 

 

美琴はゾゾゾっと悪寒が体中に走った

 

 

美琴:…………あ、あ………ああああ~っ!!

 

 

美琴は悲鳴を上げた

 

 

ひろし:どうしたー!

 

 

みさえ:美琴ちゃん!!

 

 

 

ひろし達が駆けつけるとオカマははひろしを見る

 

 

 

ひろしはそれにビクッとする

 

 

 

ひろし:マ、マリリン!オレの家族に何をしたんだ!

 

 

マリリン:あう~ん、ひろしぃ~ん!会いたかった~

 

 

ひろし:会いたかったって………さっきまで会ってただろ

 

 

美琴:………もう、お嫁にいけない………ガクッ

 

 

しんのすけ:大丈夫、オラがもらってやるゾ

 

 

美琴:………はは、そりゃどうも

 

 

ガックリとうなだれる美琴の背中にポンと手を置いてしんのすけはそう言った

 

 

みさえ:で、あなた……このオカマとはどういう関係?

 

 

ひろし:………そ、それは……その

 

 

マリリン:私、ひろしに惚れたのよ、そして言ってくれたわ

 

 

 

━━━━━━バー

 

 

マリリン:ひろし、アンタっていい男ねぇ

 

 

ひろし:フッよせよマリリン……オレに惚れると火傷するぜ

 

 

マリリン:んまーますます惚れちゃう!ねえ、ひろし……今夜私と、夜明けまで付き合ってくれない?

 

 

ひろし:いいぜ、何分、いや、何時間でも付き合ってやるぜ

 

 

マリリン:あう~ん!ひろし大好き~!

 

 

 

ひろし:おいおい、マリリン……川口が見てるじゃないか………ん?

 

 

川口:係長、どうしました?

 

 

ひろし(何だ……この感触は……オレにも付いてるような………玉のような……ま、まさか)

 

 

 

マリリン:どうしたの、ひろし

 

 

ひろし:な、なぁ……マリリン……君は男じゃないよな?

 

 

マリリン:あら、よくわかったわね……でも、性別なんて関係ないわ、愛があればいいのよ!ひろし、これから2人で海で夜明けを見ましょう

 

 

ひろし:ぎゃああああ!!!や、やめろ!寄るな~!金は置いとくぞー!

 

 

ひろしは何とかマリリンを引き剝がし、料金をカウンターに置き逃げた

 

 

マリリン:ひろし~待ってぇ~

 

 

マリリンはそれを追いかける

 

 

川口:ボクはどうなるんすか、係長

 

 

━━━━━━━

 

 

マリリン:と、言う訳なの

 

 

みさえ:へぇ、オカマと夜明けまで

 

 

美琴:ほーう、妻子がいながらそういうことしますか

 

しんのすけ:おぉ~楽しそ~!

 

 

美琴:そうね、じゃあ私たちは邪魔しないんでお二人でごゆっくりどうぞ

 

 

ひろし:ちょっ!ちょっと待て!違うんだ!話を聞いてくれ!

 

 

みさえ:さ、しんのすけ……寝るわよ

 

 

しんのすけ:ほーい

 

 

みさえ:ごめんね美琴ちゃん、起こしちゃって

 

 

美琴:いえいえ、いいんですよ

 

 

みさえ:じゃあおやすみ

 

 

美琴:はい、おやすみなさい

 

 

 

全員そそくさと寝床に戻る

 

 

マリリン:さあひろし、お許しも出たし2人で楽しみましょうね

 

 

ひろし:や、やめろ!やめてくれー!だ、誰かぁ~!

 

 

 

そして、ひろしの悲鳴が空しく響き渡った

 

 

 

『ぎゃああああ!!!』




ひろしを好きなオカマ、遠坂真里亞が登場しました


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美琴おねいさんの怖い人が来たゾ

???:ここが、春日部か……なるほど……さて、御坂のやつはどこにいるのか……

 

 

春日部駅へやってきたある女性は美琴のことを探して街を歩き回っていた

 

 

一方、その美琴もしんのすけ達かすかべ防衛隊達と街をブラブラと歩いていた

 

 

 

風間:今日も春日部は平和だね

 

 

ボー:異常、なし……いいこと

 

 

マサオ:ホントだね、事件があったら怖いもん

 

 

ネネ:何よ根性なしオニギリ!

 

 

マサオ:ええ~!?だって事件なんてやだよ~平和が一番だよ~

 

 

 

しんのすけ:ハグアンドチーズですな、マサオくん

 

 

 

美琴:それを言うならラブ&ピースだっての

 

 

しんのすけ:そーともゆー

 

 

美琴:いやいやそうとしか言わないから………ゲッ!

 

 

美琴は前から近づいてくる人物を見て物陰に隠れた

 

 

風間:あれ?美琴さんどうしたんですか?

 

 

ボー:あの人を、避けてる

 

 

ネネ:あの人、もしかしてお母さんとか?喧嘩して家出した娘を連れ戻しに来たキャリアウーマンとか

 

 

 

マサオ:リアルおままごとじゃないんだから

 

 

ネネ:うるさいわね!黙ってなさいよオニギリ!

 

 

マサオ:ヒィッ!

 

 

そんなやりとりをする子供達に美琴はシーッと指を立てる

 

 

美琴(な、何でこんなとこに寮監がいんのよ……ネネちゃんの言うとおり学園都市に連れ戻しに来たっていうわけ?まあ喧嘩はしてないけど)

 

 

寮監:む?君たち、ちょっといいか

 

 

風間:は、はい

 

 

 

寮監:この辺でこの女の子を見なかったか?

 

 

寮監は美琴の写真を見せる

 

 

風間:い、いえ………

 

 

ボー:見て、ない

 

 

マサオ:み、み、見てないよぉ~!

 

 

ネネ:その人が何かしたんですか?

 

 

寮監:いや……特に何かしたわけでは……

 

 

しんのすけ:オラ知ってるゾ

 

 

 

寮監:何!?

 

 

 

美琴(あのガキ!なんてことを!)

 

 

 

しんのすけ:あっちでいろんな人にあつ~い夜を過ごしたくな~い?って言ってたゾ

 

 

寮監(御坂のやつ……大胆だな……)

 

 

 

美琴:んなこと言ってるかぁ!!

 

 

寮監:…………お

 

 

 

美琴:…………あ

 

 

 

しんのすけのボケにツッコミに飛び出した美琴は寮監と顔を合わせてしまった

 

 

寮監:久しぶりだな、御坂

 

 

美琴:は、はいぃ……ソーデスネ

 

 

 

寮監:急に寮に戻らなくなったからどうしたのか不思議に思い白井を締め上げて聞いてみれば、野原という家に下宿してると言うではないか

 

 

美琴:は、はい………その、訳がありまして……

 

 

寮監:訳なら聞いている……だが……寮監の私に報告もせず、無断で出て行った罰は受けてもらうぞ

 

 

寮監は美琴の首に手を回し、ゴキッとやった

 

 

 

マサオ:ヒィッ!怖いよ~!

 

 

風間:に、逃げろー!!

 

 

 

風間達は寮監の恐ろしさに怯え逃げたした

 

 

 

寮監:さて、罰は与えた……帰るとしよう……と、その前にもう少しだけ観光していくか

 

 

寮監は再び歩き出す

 

 

 

道の真ん中にはポツンと罰を受けた美琴が1人、置き去りにされているのだった

 

 

美琴(二度と、来るな)



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ホントの家族になった日だゾ

美琴:おっすー!今度は私が来ちゃったわよ~

 

 

佐天:おー御坂さん!お久しぶり!

 

 

黒子:お姉さま、黒子は……黒子は……また会えることが嬉しいですの~!!

 

 

初春:白井さん、鼻水ズビズビ垂らしながら言われても何も感動しませんよ

 

 

美琴:相変わらずね、アンタらも……ここも

 

 

ある日、美琴は以前黒子達が春日部に来た時と逆に自分が学園都市に遊びに来た

 

 

もちろん、連絡をしたので駅で黒子達の出迎えを受けている

 

 

 

佐天:久しぶりにセブンスミスト行ったり、ファミレスでお茶したりしましょうよ

 

 

美琴:いいわね、あと……寮の部屋も見ておこうかしらねぇ、黒子?

 

 

初春:白井さん、処分進んでます?

 

 

黒子:そ、それは……その……まあ、5、6本は

 

 

 

美琴:ほう、じゃあ今ここでお仕置きしとこうかしら?

 

 

美琴はポキポキと指を鳴らす

 

 

黒子:ヒイッ!い、今は皆で楽しく遊びましょう?ね?お姉さま……せっかく皆で集まったのですし

 

 

美琴:そうね、そうしましょ……お仕置きはツケにしとくわよ

 

 

 

美琴は佐天達と街を歩きながらおしゃべりしたり、ファミレスでお茶したり、色々な店を見て回ったりした

 

 

 

そんなこんなしてるうち、春日部に帰る時間になった

 

 

美琴:今日は楽しかったわよ……またね皆

 

 

初春:はい、また会いましょう

 

 

佐天:あーあ、私もそっちに住もっかなぁ~

 

 

黒子:だ、ダメですわ!お姉さまと住むのはこの黒子で………あ!

 

 

 

黒子がそう言いかけて電車の扉は閉まり発車してしまう

 

 

 

そして、電車は春日部に着き美琴は家に向かう

 

 

途中、フラリとコンビニに寄り、立ち読みをしていく

 

 

辺りはすっかり暗くなってしまった

 

 

携帯で時刻を見ると既にひろしも帰ってきて皆で夕食を食べている時刻だった

 

 

さらにディスプレイにはみさえからの着信が10件くらいあったことが表示されていた

 

 

 

美琴:やば、漫画に夢中で気付かなかった……でも今からかけ直すのもアレだしなぁ……ま、帰って謝ればいいか

 

 

パチンと携帯を閉じて足早に帰る

 

 

そして美琴は家に着いてドアを開けて中に入る

 

 

美琴:ただいまー

 

 

ひろし:お、帰ってきたぞ

 

 

しんのすけ:今頃帰るとは、不良ですな

 

 

みさえは無言で美琴の前に立つ、表情からして相当怒っている事を美琴は感じ取る

 

 

みさえ:………今まで、どこで何してたの

 

 

 

美琴:あ、ごめんなさい……その、つい寄り道しちゃいまして……あはは、これから気をつけます

 

 

みさえ:何度も、電話したのよ

 

 

美琴:あはは、ありましたね、ちょっと気付きませんでした

 

 

ひろし:おう!腹減っただろ、早くこっち来てメシ食えよ

 

 

美琴:あ、はい……みさえさん、話はまた後で………みさえさん?

 

 

美琴がみさえを見るとみさえは下を向いて震えている

 

 

不思議に思った美琴が覗き込むと同時に顔を上げると

 

 

 

みさえは美琴の頬をパチンと平手打ちした

 

 

 

ひろし:おい!みさえ!

 

 

しんのすけ:母ちゃん!何やってんの!

 

 

 

美琴:いったぁ………ちょっと何を……!

 

 

みさえ:あなたね!私がどれだけ心配したと思ってるの!?こんな時間まで帰ってこないで!それで帰ってきたら何!ヘラヘラして、反省の色が見えないのよ!連絡の1つくらいくれたっていいじゃない!何でそんな簡単なことが出来ないの!

 

 

みさえの言葉に美琴はブチッとしてしまい彼女も怒鳴ってしまう

 

 

美琴:うっさいわね!どこで何してようが私の勝手でしょ!?アンタにあれこれ言われる筋合いないのよ!!

 

 

みさえ:………っ!!

 

 

美琴:それに何よ……どれだけ心配したかって?ハッ、笑わせてくれるわね……アンタなんか……アンタなんか………!

 

 

ひろし:おい!もうやめろ!

 

 

 

美琴:………ホントの母親じゃないくせに……ホントの家族じゃないくせに………!

 

 

 

みさえ:…………

 

 

美琴:いっちょ前に………!母親面してんじゃないわよ!!!迷惑なのよ!!

 

 

みさえ:そう、だったら………出ていって!!そして、二度と帰ってこないで!!!

 

 

美琴:…………っ!あーはいはい!わかったわよ!出てってやるわよ!こんな家、もう二度と帰ってくるもんか!!!

 

 

美琴はバッと飛び出してしまった

 

 

 

ひろし:みさえ、お前……言い過ぎだぞ、そりゃあ気持ちはわかるけど……とりあえず、メシ、食えよ

 

 

みさえ:………ううん、食べたくない……美琴ちゃんが食べてないのに……私だけ食べるなんて嫌

 

 

ひろし:みさえ

 

 

みさえ:あんなこと、言うつもりじゃなかった……あの子が謝って、私が許して……いつもの楽しい晩ごはんのハズだったのに……心配しすぎて………つい

 

 

 

ひまわり:エッ、ふえっ………びええええ~!!

 

 

みさえ:ひまちゃん、ゴメンね……ママのせいで美琴お姉ちゃん、いなくなっちゃった………おバカなママでゴメンね

 

 

 

その時、外からポツポツと雨音が聞こえた

 

 

ひろし:雨だな……よし、ちょっと出てくる

 

 

 

みさえ:あなた、どこへ

 

 

ひろし:ん、ちょっとコンビニに缶ビールをな……しんのすけ、お前も来るか?チョコビ買ってやるぞ?

 

 

しんのすけ:父ちゃん

 

 

ひろしはしんのすけにアイコンタクトをする

 

 

しんのすけはそれを読み取り

 

 

しんのすけ:うわ~い!母ちゃんよりふともも~!

 

 

ひろし:はははは!ほれ、カッパ着てけ……外は雨だぞ

 

 

そして出ていく2人を見てみさえはそっと呟いた

 

 

 

 

みさえ:………おバカ

 

 

 

その頃、美琴は公園の滑り台のトンネルの中にいて雨宿りをしていた

 

 

美琴:あーあ、降ってきちゃったか……どうしよ、止むかなぁ……はぁ、お腹、空いたなぁ……晩ごはん、食べてないからなぁ

 

 

 

ぐぅ~っと腹の虫が鳴く

 

 

 

美琴:しょ~がないか、今日はホテルにでも泊まるか………ん?

 

 

 

美琴が外を見ると2人、近づいてきた

 

それは傘を持ったひろしと雨ガッパを着たしんのすけだった

 

 

ひろし:ここにいたか……ほれ、差さないと濡れるぞ

 

 

美琴:…………どうも

 

 

 

美琴は傘を受け取り、差す

 

 

そして無言で立ち去ろうとする

 

 

 

ひろし:待て!!どこへ行く!一緒にウチに帰るんだ!!

 

 

美琴の腕を掴んで止めるひろし

 

 

 

美琴:離して!私はもう二度と帰らないんだから!!帰れないのよ……!もう……!

 

 

 

最初は強気だったが段々と涙声になる美琴

 

 

ひろし:美琴ちゃん、みさえもやりすぎで言い過ぎだけど、気持ちはわかってやってくれないか……ホントに心配してたんだ

 

 

美琴:…………

 

 

 

ひろし:それに、アイツ……美琴ちゃんを待ってる時も、今も、メシ食ってねえんだ……美琴ちゃんが食べてないのに、自分だけ食べるのは嫌だって言ってな

 

 

 

美琴:…………そんな!

 

 

 

ひろし:だからさ、一緒に食ってやってくれ……そして泊まってけ……それで明日も気が変わらなきゃ、その……帰ったっていいぞ、だけど今だけは帰ってきてくれ

 

 

美琴(みさえさん………!全く!みさえさんのバカ!!)

 

 

 

美琴は傘を投げ捨てて一心不乱に走り出す

 

 

ひろし:あ!おい!ったく……せっかく持ってきてやったのに

 

 

しんのすけ:父ちゃん、行こ

 

 

ひろし:おう

 

 

 

そして、家ではみさえが傘を差して待っていた

 

 

そこに美琴が走って来て立ち止まる

 

 

美琴:…………ハァ、ハァ………!

 

 

 

みさえ:………み、美琴ちゃん

 

 

 

美琴は再び走り出しみさえに飛びついた

 

 

美琴:みさえさあぁぁぁん!!!!

 

 

 

飛びつかれたショックでみさえは傘を手放し尻餅をつく

 

 

 

美琴:ごめんなさい!みさえさん!私が悪かったです!ごめんなさい!

 

 

 

みさえは美琴を立たせて自分も立つと美琴をギュッと抱きしめる

 

 

みさえ:いいのよ、私こそゴメンね……叩いたりして……でも、わかってね

 

 

美琴:…………?

 

 

美琴はくしゃくしゃな顔でみさえを見上げる

 

 

みさえはそんな美琴を見ながら笑顔で言った

 

 

みさえ:心配したりするのは、あなたをホントの娘だと思ってるからなのよ……たとえ血は繋がって無くても、あなたは私の娘、野原美琴、そして私は野原みさえ、あなたの母親よ

 

 

 

その言葉に美琴は嗚咽を漏らし始める

 

 

 

みさえ:そしてあの人は野原ひろし、あなたの父親、あの子は野原しんのすけ、あなたの弟、そして……野原ひまわり、あなたの妹………あと、野原シロ、あなたのペット……5人と1匹、全員そろって野原一家なのよ、だからあなたも家の家族よ

 

 

 

美琴:………うっ、うう………わあぁぁぁぁ~っ!!!

 

 

 

美琴はみさえの胸に顔を埋めて声を上げて大泣きした

 

 

みさえは頭を優しく撫でながら抱きしめる

 

 

ひろし:はは、泣いちまったな……しかし、これで美琴ちゃんはホントの家族になれたわけだ

 

 

しんのすけ:どゆこと?父ちゃん

 

 

ひろし:涙を見せてくれたんだ……他人だったら絶対に見せない涙を………家族じゃなきゃあんなに泣けないさ

 

 

 

美琴はしばらく泣き続けた、そして

 

 

 

美琴:その、ごめんなさい……これから気をつけます………

 

 

みさえ:うん、お願いね

 

 

美琴:はい、あ………

 

 

突然ぐぅ~と美琴の腹の虫が鳴く

 

 

しかし、その次にみさえの腹の虫も鳴く

 

 

2人は顔を見合わせてクスクスと笑う

 

 

みさえ:もーやーねー美琴ちゃんったら

 

 

美琴:みさえさんだって同じじゃないですか

 

 

ひろし:はははは!飯食え飯!とその前に風呂入ってこい、2人ともずぶ濡れだからな!

 

 

美琴:はーい、お父さん

 

 

ひろし:お、おいおい……よせやい

 

 

 

美琴:お母さん、一緒に入ろ

 

 

みさえ:あ、あらやだこの子ったら……

 

 

しんのすけ:…………あ、あの……オラは

 

 

美琴:………ふふ、しんちゃん、出てご飯食べたらお姉ちゃんがひまちゃんと一緒に遊んであげるわよ

 

 

しんのすけ:おお~!で父ちゃん、チョコビは?

 

 

ひろし:………お前、それ信じてたのか

 

 

しんのすけ:少し

 

 

ひろし:しょ~がねぇ~な!買いに行くか!ビールも!

 

 

みさえ:ビールはダメよ!飲みすぎは体に毒!!

 

 

 

ひろし:ちきしょー!厳しー!!

 

 

 

4人:あはははは!!

 

 

 

4人の笑い声が辺りに響き渡った




10話記念で感動エピソードです

しかもひだしんにはないみさえとのケンカです


イメージ通りに書けました

ノッて書いてたので長くなりました


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じいちゃんがやって来たゾ

ピンポーン

 

 

美琴:……あれ、誰か来た……そういやみさえさんお隣行ったまま帰ってこないな……男2人は多分寝てるな……

 

 

インターホンは一度止んだがすぐにまた鳴り出す

 

 

美琴:やれやれ、出ますかね……はいはい、いま出ますよっと……どちら様で………す……

 

 

ドアを開けるとそこにはなまはげが立っていた

 

 

なまはげ:バァ~!

 

 

美琴:うわっ!………とっ……とっ!!あたっ!!

 

 

 

美琴は後ろに下がるが玄関の段差に躓き後ろに倒れ頭を打つ

 

 

 

みさえ:ごめんごめん美琴ちゃん、すっかり遅くなっちゃ………

 

 

なまはげ:バァ~!

 

 

なまはげはみさえの方に振り向き驚かす

 

 

みさえ:でえぇぇぇぇ~っ!!

 

 

なまはげ:ワハハハハ!みさえさん!ワシだべワシだべ

 

 

なまはげは頭を掴んでスポッと外す

 

 

みさえ:お、お義父さん!

 

 

美琴:………へっ?お義父さん?

 

 

 

みさえ:ああ、美琴ちゃんは知らなかったわね、この人は野原銀の助といって主人の方の父親なの、つまりあなたのおじいちゃんね

 

 

美琴:………はぁ、おじいちゃん………か

 

 

みさえ:お義父さん、この子は御坂美琴ちゃん、訳あってウチで今面倒見てる子なんです

 

 

銀の助:ほーそうだべか……驚かしてすまんかったの、んで、オラがこの子のおじいちゃんってのは

 

 

 

みさえ:それはですね………

 

 

しんのすけ:おおー!じいちゃんだー!

 

 

ひろし:何だよオヤジ、来るなら連絡くらいしろよ

 

 

銀の助:おお、しんのすけにちろし

 

 

ひろし:ひろしだよ!息子の名前間違えんじゃねえよ!

 

 

しんのすけ:じいちゃん、オラのも間違えてー

 

 

銀の助:おし!よっ!ち………

 

 

みさえ:やめんかジジィ!!

 

 

美琴(何だ……この人)

 

 

 

そして茶の間に全員座って話す

 

 

 

銀の助:なるほど、それでオラがこの子のおじいちゃんって訳だべか……

 

 

ひろし:ま、そういうことだ……この子は今やウチの家族で娘だからな

 

 

銀の助:いやーまさかこんな可愛ええ孫が出来ちまうなんてなぁ……よろしく頼むだよ

 

 

美琴:は、はい……どうも

 

 

銀の助:えっと、確か……恥骨ちゃんだったっけか

 

 

美琴:恥骨じゃなくて美琴です!『み!こ!と!!』

 

 

銀の助:ワハハハハ!こりゃ失礼!

 

 

美琴:………全く、変な名前にしないで下さいよ

 

 

 

銀の助:すまねえだ、許してけろ鎖骨ちゃん

 

 

美琴:美琴だって言ってんでしょうが!

 

 

しんのすけ:あはは~

 

 

 

美琴:そこ!笑うな!

 

 

銀の助:ワハハハハ!面白ぇなぁ、そうだ、土産があったべ

 

 

ひろし:なんだ?

 

 

銀の助は背負ってきたリュックを開ける

 

 

するとビニール袋が出てきてさらにそれを出す

 

 

ひろし:こりゃきりたんぽ鍋の材料じゃねえか……

 

 

銀の助:んだ、夜に食おうと思ってな……

 

 

ひろし:やれやれ、泊まる気かよ……ちゃっかりしてんなぁ

 

 

そして夜、鍋を囲む

 

 

ひろし:オヤジ、お袋には断ってきたのかよ

 

 

銀の助:置き手紙してきたから大丈夫だ

 

 

みさえ:なんて書いたんですか

 

 

銀の助:えーっとな

 

 

『ひろしんちに行くぅ~ん 探しちゃいや~ん』

 

 

銀の助:だべ

 

 

美琴:………気持ち悪っ……私だったら即破り捨てるわ

 

 

 

みさえ:同感

 

 

銀の助:ワハハハハ!ほれ未婚ちゃん……オラにビールをついでくれんかの

 

 

美琴:だから美琴ですってば……まあ近くなってきたからいいか、はい、どーぞ

 

 

 

銀の助:ありがとさん、くーっ!孫に注いでもらったビールは美味ぇなぁ!

 

 

美琴:そんな、ビール一杯に大袈裟な

 

 

ひろし:はははは!嬉しいんだよ、オヤジのヤツ、ひまわりも早く大きくなって、父ちゃんにビールを注いでくれよ

 

 

ひまわり:たや?

 

 

美琴:じゃあ私がひまちゃんの代わりに注いであげますよ、はい、どーぞ

 

 

ひろし:おっととと、悪いな……くーっ!娘に注いでもらったビールは美味ぇ~!

 

 

美琴:ああ、親子だ……この2人

 

 

みさえ:ふふふ、ホントね

 

 

美琴:しんちゃんにもやってあげようか?

 

 

 

しんのすけ:え、お……お願い………いたします

 

 

 

美琴:あはは、何それ……はい、どーぞ

 

 

しんのすけ:プハー!おねいさんに注いでもらったおジュースは美味ぇ~!

 

 

 

美琴:ふふっ、面白い……やっぱり、下宿先……ここでよかった

 

 

みさえ:私も、来てくれたのが美琴ちゃんでよかったわよ

 

 

ひろし:おう!オレもだぜ

 

 

みさえ:ねーひまちゃん、美琴お姉ちゃんが来てくれて嬉しいよね~?

 

 

ひまわり:エヘヘ~

 

 

しんのすけ:う~ん、オラとしましてはもうちょっとこう、お胸ボインで……うっ

 

 

美琴:あれ~?そんなこというのはこの口かなぁ~?うりゃうりゃ~

 

 

 

美琴はしんのすけの頬を掴んで上下左右に動かす

 

 

しんのすけ:ひょ、ひょひゃったひょ、ひほほ

おへえはんへ

 

 

美琴:うん、よろしい……次言ったらくすぐっちゃうわよ~?

 

 

そして皆の笑い声が響く

 

 

きりたんぽ鍋を囲みながら楽しい夜を過ごすのであった



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ビデオレターを送るゾ

ピンポーン

 

 

『野原さ~ん!宅配便で~す』

 

 

みさえ:はーい、ご苦労さま、あら……これ美琴ちゃん宛じゃない、送り主は……白井……黒子……ああ、あの時の子ね……美琴ちゃ~ん、美琴ちゃん宛に荷物来たわよ~

 

 

『はーい、今いきまーす』

 

 

二階から降りてきた美琴はみさえから受け取り中を開けてみる

 

 

美琴:黒子からか……何かしら……これは……DVD……?

 

 

みさえ:何かの映画かしら……あ、ケースに何か書いてあるわよ……ビデオレターだって

 

 

美琴:ビデオレターねぇ、とりあえず見てみますか

 

 

みさえ:なんか面白そうだから一緒に見ていい?

 

 

美琴:ええ、どうぞ

 

 

美琴はDVDをセットして再生する

 

 

が、画面は何かに覆われたように真っ暗だった

 

 

美琴:あれ、何も見えない……

 

 

『お姉様、如何でしたか、黒子の熱い口づけは』

 

 

なんと黒子の唇のドアップであった

 

 

2人はテーブルに頭をゴンッと打ち付けた

 

 

 

みさえ:気持ち悪っ……

 

 

美琴:なんかすみません

 

 

『白井さん、ダメじゃないですか、カメラのレンズに唾つけて……拭きますね』

 

 

『お!初春~!てりゃー!』

 

 

『ひゃっ!!やめて下さい佐天さん!』

 

 

『おー今日は白地に黒のシマシマか~』

 

 

『ビデオ撮ってるんですからあまり恥ずかしい姿さらさないで下さいよ~』

 

 

ビデオレターはその後、各自の挨拶と寮の部屋が映し出されるが段ボールの山が積まれていた

 

 

そして、終わった

 

 

美琴:まあ、そんなことだろうと思ってたわ……んー私も何かお返しに……そうだ、みさえさん、ビデオカメラってあります?

 

 

みさえ:あるわよ、ちょっと待ってて……

 

 

みさえはビデオカメラを探しだし、美琴に渡す

 

 

美琴:ありがとうございます……さて、何を撮ろうか……お

 

 

ひまわり:たや?

 

 

美琴:ひまちゃ~ん、こっち向いて~ほら~お姉ちゃんだよ~

 

 

美琴はひまわりにカメラを向けガラガラを鳴らして気をひく

 

 

ひまわり:エヘヘ~

 

 

美琴:可愛い~いいわよ~その調子~

 

 

 

『ブリブリ~!』

 

 

美琴:そうそう!ブリブリ~!って………は?

 

 

しんのすけ:お?

 

 

途中からしんのすけのケツだけ星人が割り込み映っていた

 

 

美琴:邪魔をするな!邪魔を!!

 

 

げ ん

こ つ

 

 

しんのすけ:おおう……

 

 

美琴:全く……油断も隙も無い……ちょっと構成考えてくるか……ひまちゃん、一緒にいこうね~

 

 

美琴はひまわりを抱き上げて二階へいこうと茶の間を出ようと立ち上がる

 

 

しんのすけ:全く、母ちゃんみたいにおケチなんだから

 

 

美琴:何か言った?

 

 

しんのすけ:い、いえいえ

 

 

美琴:そう

 

 

美琴は二階へ上がる

 

 

ビデオカメラは置きっぱなしである

 

 

しんのすけ:あはぁ~

 

 

美琴:どんな風に撮りましょうかね~

 

 

ひまわり:あうぅ~

 

 

ひまわりが眠いため美琴は自分の布団に添い寝して寝かしつけていた

 

 

しかし美琴も次第にウトウトとしてしまい眠る

 

 

その隙にしんのすけは

 

 

シロ:ウゥ~ン

 

 

しんのすけ:いやーいいフンですなぁ……何を食べたらこんないいのが出るんですかねぇ~シロさん

 

 

庭でシロのフンを撮っていた

 

 

『ほほ~う、確かにいい物ねぇ~』

 

 

しんのすけ:うっ!

 

 

しんのすけが後ろを振り向くとそこには美琴が腕を組んで立っていた

 

 

美琴:そんなもの撮るなぁ~っ!!!

 

 

げ ん

こ つ

×4

 

 

しんのすけ:うぅ~シロの健康の証を送ろうと……

 

 

美琴:こんなもん送れるか……はぁ

 

 

 

 

 

ひろし:なるほどな、ビデオレターか……

 

 

美琴:はい、そうなんですよ……何を撮ったらいいかわからなくって

 

 

ひろし:だったらメッセージとかどうだ?向こうのにもあったんだろ?

 

 

みさえ:ええ、3人順番に挨拶してたわ

 

 

ひろし:ならウチは全員で撮ろうぜ!三脚立ててさ、皆元気で~すって

 

 

美琴:お、それいいですね!

 

 

ひろし:よし!寝室で撮ろうぜ

 

 

寝室に移動して撮影する野原一家

 

 

数日後

 

 

初春:白井さ~ん、御坂さんからビデオレター来てますよ~

 

黒子:え!?初春!それはホントですの!?

 

 

初春:はい、佐天さんも呼んで一緒に見ましょうよ

 

 

そして、3人でDVDを再生する

 

 

『美琴おねいさんの変顔いきまーす!』

 

 

『ひゃめなひゃい!頬ひっぴゃんにゃいへー!』

 

 

『こら!しんのすけ!やめなさいって!』

 

 

『おいやめろよ!これじゃ送れねーよ、みさえも厚化粧しすぎだし』

 

 

『何ですってぇ!この万年係長の悪臭オヤジー!』

 

 

『ぎゃー!ギブ!ギブ!』

 

 

『びええええ~!!』

 

 

『べろべろべろ~』

 

 

『ひょっと!ひゃめてー!はにゃれてー!』

 

 

DVDには美琴にひっつき美琴の頬を引っ張るしんのすけ

 

 

それを止めるみさえとひろし

 

 

そしてプロレス技をかけるみさえとかけられるひろし

 

 

愚図るひまわり

 

 

カメラに向かって舌をベロベロとするしんのすけとしんのすけを引き剝がそうとする美琴の姿が映っていた

 

 

黒子:お姉様……

 

 

佐天:あははははは!!面白い面白い!

 

 

初春:御坂さん、何だか楽しそうですね

 

 

 

野原一家は今日も賑やかなのであった



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お留守番は大変だゾ

みさえ:しんのすけ~

 

 

ある日の午後、みさえは茶の間でゴロゴロしていたしんのすけを呼ぶ

 

しんのすけ:なーに母ちゃん、オラ忙しいんだけど

 

 

みさえ:どこがじゃ、寝転んでDVD見てたろうが……ママこれからちょっとひま連れてお隣の家に行ってその後スーパーにお買い物行くからお留守番しててもらえる?

 

 

しんのすけ:えーオラこれからダレダレしたりボロボロしたりしたいのに~

 

 

みさえ:あのね!それを言うならダラダラとゴロゴロよ!

 

 

しんのすけ:そーともゆー

 

 

みさえ:はいはい、それはどーでもいいから……ん、どしたの

 

 

しんのすけ:うーむ、今ひとつツッコミが物足りませんな……

 

 

みさえ:あーはいはい……わかったわよ、そーとしか言わないの

 

 

しんのすけ:うむ!

 

 

みさえ(ふふっ、それくらい美琴ちゃんと仲いいのね……さて)

 

 

しんのすけ:ねーねー母ちゃん

 

 

みさえ:ん?

 

 

しんのすけ:美琴おねいさんに頼めば?

 

 

みさえ:あーダメダメ、昨日ひまわりが夜泣きしたときトイレに起きた美琴ちゃんが代わってくれたのよ、だからまだ寝てるの……ね?お願い、チョコビ買ってくるから

 

 

 

しんのすけ:んもーしょーがないなぁー

 

 

みさえ:ありがと、じゃあ誰が来ても出ちゃダメよ、変な人が来るかもしれないから

 

 

しんのすけ:大丈夫だゾ、その時は美琴おねいさんにビリビリバリバリしてもらうから

 

 

みさえ:あのねしんちゃん、美琴ちゃんは女の子なの……わかる?

 

 

しんのすけ:え?だってビリビリ……

 

 

みさえ:ええい!ビリビリしてようがバリバリしてようが女の子なの!OK!?

 

 

しんのすけ:い、イエッサー

 

 

みさえ:じゃ頼んだわよー

 

 

みさえは家の鍵を閉めて出かける

 

 

しんのすけ:よし!オラがしっかりこの家をお守りするゾ!

 

 

しんのすけは各部屋を見て回り最後に玄関に行く

 

 

そして階段を見上げ二階を見る

 

 

しんのすけ:もし変な人が来て二階に上がったら

 

 

━━━━━━━

 

 

変な人:オラ!大人しく来るんだ!

 

 

美琴:きゃあっ!やめてー!誰かー!助けてー!

 

 

━━━━━━━

 

 

しんのすけ:美琴おねいさんが危ない!よし!こうなったら

 

 

しんのすけはバナナを一本急いで食べる

 

 

そして、皮を階段に置いておく

 

 

しんのすけ:これで変な人が二階に上がろうとしても

 

 

━━━━━━━

 

変な人:ぐわっ!なんだこれは!

 

 

しんのすけ:くらえー!

 

 

変な人:いたたたた!や、やめろー!

 

 

━━━━━━

 

 

しんのすけ:ふっふっふ、バナナの皮で転ばせてこのアクションマシンガンで返り討ちだゾ

 

 

しんのすけはしばらく見張っていたが誰も来ることはなかった

 

 

しんのすけ:誰も来ないゾ、あ~あ、つまんないゾ

 

 

飽きてしまい、アクション仮面のDVDを見る

 

 

美琴:ふあっ、ヤバい……寝過ぎた……とりあえず顔洗って………うわっ!!

 

 

しんのすけの置いたバナナの皮に滑って転んでしまう美琴

 

 

しんのすけ:出たな!怪人!くらえー!!

 

 

しんのすけは美琴にマシンガンでおもちゃの弾を発射する

 

 

美琴:いたたたた!ちょっと!しんちゃん!やめてってば!

 

 

しんのすけ:フッ、オラは騙されないぞ……美琴おねいさんに化けて何をする気だ!

 

 

美琴:いやいや、本物だから……とりあえず顔洗わせてね

 

 

しんのすけ:ぬぅ~こうなったら~

 

 

 

美琴:やれやれ、ひどい目に遭った……ふぅ、さっぱりした~

 

 

しんのすけ:怪人めー!くらえー!アクションボール!

 

 

美琴:いてっ!

 

 

タオルで顔を拭いた美琴は一息ついた

 

 

しかし後ろからしんのすけの投げたボールが後頭部を直撃した

 

 

しんのすけ:ワッハッハッハ!思い知ったか怪人!

 

 

美琴:……………ふ、ふふふふ

 

 

しんのすけ:え?

 

 

美琴:やってくれたわねぇ、色々と

 

 

しんのすけ:う、ううう

 

 

美琴:今からたっぷりお返ししてあげるわね、覚悟はいい?しんちゃん?

 

 

指をポキポキと鳴らしてしんのすけにじりじりと近づく美琴

 

 

しんのすけ:う、うわー!怪人が怒ったー!!

 

 

美琴:まだ言うかー!!

 

 

しんのすけはそんな美琴に恐怖して後ろに後ずさりし、振り返って逃げ出す

 

 

そして美琴はそれを追いかけた

 

 

しばらくしてみさえが帰ってくる

 

 

みさえ:ただいまーしんのすけ~?あれ?どこ行っ………

 

 

『ぬおおお~っ!!!』

 

 

みさえ:何があったの!?

 

 

しんのすけの悲鳴にみさえは茶の間の入口に行く

 

 

美琴:オラオラオラ本物だろうがわかったかこのアホガキ!

 

 

しんのすけ:ぬぉ~うぅ~!わ、わかったゾォ~

 

 

そこにはパジャマ姿の美琴にグリグリ攻撃をされるしんのすけの姿があった

 

 

 

みさえ:…………頼む人、間違えたかも

 

 

ひまわり:たいやい



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美琴おねいさんが参観日に来るゾ

しんのすけ:母ちゃ~ん、はいこれ

 

 

みさえ:何?これ……

 

 

しんのすけ:幼稚園からのお手紙、ちなみに昨日の

 

 

げ ん

こ つ

 

 

みさえ:おバカ!貰ったときにすぐ見せなさい!しかも参観日明日だし……

 

 

しんのすけ:来れる?

 

 

みさえ:んー行きたいんだけど明日はちょっとデパート行ってくるのよ……弱ったわねぇ、そうだ!

 

 

しんのすけ:お?

 

 

みさえ:こんな時こそあの子の出番よ!うん!

 

 

しんのすけ:おお!千年の眠りから目覚めるのか!

 

 

みさえ:いや、違うから……さて、ちょっと頼んでこよっと

 

 

みさえは二階で本を読んでいる美琴に事情を説明してパンッと頼む

 

 

みさえ:お願い!美琴ちゃん!明日の参観日代わりに行ってきて!埋め合わせはするから

 

 

美琴:はあ、それは別に構いませんけど……

 

 

みさえ:ありがとう!よーしこれでデパートに気兼ねなく行けるわ!

 

 

美琴:あはは、それは何より

 

 

みさえ:と言うわけでしんのすけ、美琴ちゃんが来てくれるわよ

 

 

しんのすけ:んーオラとしてはやはりグラビアアイドルの吉田 美佳子ちゃんみたいにお胸がボヨヨ~ンでお尻がプリプリッとした……

 

 

美琴:悪うごさいましたね……スタイルが悪くて……

 

 

しんのすけ:気にしない気にしない、いつかいいことあるって

 

 

美琴:………どうも

 

 

そして、参観日の日

 

 

美琴は戸締まりをして幼稚園へ向かう

 

 

園長に事情を説明する

 

 

園長:はい、わかりました……ではひまわり組へどうぞ、あとは担任のよしなが先生の指示に従ってください

 

 

美琴:は、はい……どうもありがとうございます

 

 

美琴はひまわり組へ向かう

 

 

美琴(あんな顔でよく園長やれてるわよね……組長の方が似合うんじゃ……っと、ここか)

 

 

よしなが:はい、皆さん、今日はお母さん達が見に来てくれてますのでいいところをばっちり見せてあげましょう

 

 

園児:はーい!

 

 

美琴:おっすー!しんちゃん、来たわよ

 

 

しんのすけ:お、美琴おねいさん……よっ!

 

 

美琴:はいはい、頑張ってね

 

 

 

マサオ母:あらこの前はマサオがお世話になりました……ありがとうございます

 

 

風間母:ウチのトオルちゃんもお世話になりまして

 

 

ネネ母:ネネもすっかりお世話になっちゃって

 

 

美琴:いえいえ、構いませんよ……私も楽しかったので……はい

 

 

よしなが:はい、じゃあこの動物を答えられる人いるかな~?ブーブー鳴きますね~

 

 

しんのすけ:ほい!

 

 

よしなが:はい、しんちゃん

 

 

美琴:(お、さっそく手を上げるとはやるわね)

 

 

しんのすけ:お昼寝中の母ちゃん

 

 

美琴(ブッ……確かに………って何考えてんのよ私は)

 

 

よしなが:ち、違うわよ……ピンク色でこのお鼻と言えば

 

 

ネネ:はい!ブタさん!

 

 

よしなが:よく出来ました!そうブタさんね

 

 

しんのすけ:おお!トンカツの材料!

 

 

美琴(やめろ!)

 

 

よしなが:じゃ、じゃあ次はこれ……この白と黒で大きい体……誰かわかるかな?モーッて鳴きますね~

 

 

しんのすけ:ほい!母ちゃん!

 

 

よしなが:あらどうして?

 

 

しんのすけ:口癖だから、もー!あなたったらこんなとこに靴下脱ぎ捨てて~!とかもー!しんのすけ!まだあれしてないの!とか~

 

 

よしなが:はいはい、それはあなたのお家だけね、これは違うの

 

 

保護者達からクスクスと笑いが起こる

 

 

美琴(か、帰りたい………)

 

 

よしなが:じゃあ最後に皆で元気よくお遊戯しましょう……曲はチューリップ体操です……お母さんとペアになって踊って下さい

 

 

しんのすけ:ふつつか者ですが、よろしくお願いします

 

 

美琴:いやいや、何言ってんの……ほら、始まるわよ

 

 

曲がかかり、踊りが始まる

 

 

そして、参観が終わる頃には雨が降り出した

 

 

他の園児達は母親が持ってきた傘に入り帰っていく

 

 

美琴:ヤバいわね……傘持ってきてないわ、止むまで待ちましょう

 

 

しんのすけ:やれやれ~しょうがないですな

 

 

2人がしばらく待っていると、遠くから2人に近づいてくる人影があった

 

 

それはみさえとひろしだった

 

 

ひろし:よっ!しんのすけ!

 

 

しんのすけ:父ちゃん!会社クビになったの?

 

 

ひろし:違う違う、出先からそのまま帰ってきたんだ、そしたらみさえが2人を迎えに行こうって言ったからさ、ほらカッパ着ないと濡れるぞ

 

 

みさえ:ごめんね、予報で雨降るって言ってたの言うの忘れてたわ、はいこれ

 

 

美琴:あ、ありがとうございます

 

 

ひまわり:たや

 

 

美琴:うん、ひまちゃんもお迎えありがとね

 

 

ひまわり:エヘヘ~

 

 

そして4人は歩き出す

 

 

しんのすけ:父ちゃんお車で来てくれればいいのに~

 

 

ひろし:まあそう言うなよ、こんなこと滅多にないぞ?家族揃って雨の中歩いて帰るなんて

 

 

みさえ:そうよ、たまにはいいでしょ?こういうのも

 

 

しんのすけ:うむ

 

 

美琴:………ですね……雨に感謝、かな

 

 

ひろし:おう!たまにゃ雨もいいもんだな……

 

 

みさえ:ねえ、雨宿りがてらファミレスでお茶してく?

 

 

ひろし:いいね~!ホットコーヒーで体温めるか!しんのすけもココアで体温めとけ!な?

 

 

しんのすけ:あは~いいですなぁ~美琴おねいさんも飲めば~?

 

 

美琴:はいはい、じゃあお言葉に甘えさせてもらいますよっと

 

5人はファミレスへ向かう

 

しんのすけ:父ちゃん、母ちゃん……美琴おねいさんお遊戯お上手だったゾ

 

 

ひろし:へぇ~やるじゃん!美琴ちゃん

 

 

みさえ:すごいわね~

 

 

ひまわり:たい!

 

 

美琴:あ、あはは、どうも

 

 

仲良く笑いながら歩く野原一家であった



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銭湯でゆったりだゾ

ひろし:ただいま~

 

 

みさえ:お帰りなさ~い

 

 

しんのすけ:父ちゃんただいまー

 

 

ひろし:おかえりだろ、ふぅ、今日も疲れたぜ

 

 

美琴:あ、ひろしさん……お帰りなさい

 

 

ひろし:おう!美琴ちゃん、いい子にしてたか?さて、飯の前に風呂にするか……みさえ!風呂沸いてるか

 

 

みさえ:ごめ~んあなた、お風呂故障しちゃったのよ……業者さんは明日にならないと来ないって

 

 

ひろし:マジかよ~

 

 

みさえ:だから皆で銭湯行きましょうって話してたのよ

 

 

ひろし:銭湯か……ま、たまにゃデカい風呂入るのもいいな……よし!行くか!

 

 

しんのすけ:うっほほ~い!おもちゃ持ってっていい?

 

 

ひろし:しょうがねぇな、急いで取ってこい

 

 

しんのすけ:ほーい

 

 

しんのすけは風呂敷にたくさん詰めて背負ってきた

 

 

しんのすけ:ぐぬぬぬ~!お、重いゾ~

 

 

ひろし:当たり前だ!ていうか多すぎる!一個にしとけ一個に!

 

 

しんのすけは渋々アクション仮面の人形を選び持ってきた

 

 

そして4人は銭湯へ

 

 

ひろし:よし、じゃあしんのすけ……父ちゃんと男湯に行くぞ

 

 

しんのすけ:えーオラ女湯がいいなぁ~

 

 

みさえ:ダメよお家のお風呂と違うんだから……ワガママ言わないの

 

 

ひろし:ほら行くぞ……オレだって出来りゃ女湯に………っと何でもない……じゃあ後で

 

 

 

みさえと美琴の痛い視線を感じ、ひろしはそそくさと中に入る

 

 

みさえ:さ、私達も行きましょ

 

 

美琴:はい

 

 

男湯では服を脱いだしんのすけとひろしが入る

 

 

しんのすけ:んもー何でオラが足の臭いオヤジと

 

 

ひろし:まあそう言うなって……入っちまえば楽しいって……

 

 

しんのすけは洗い場の椅子に座る

 

 

ひろしもその後座る

 

 

しんのすけ:ねえ、父ちゃん

 

 

ひろし:何だ?

 

 

しんのすけ:あっちに母ちゃんと美琴おねいさんがいるんだよね

 

 

ひろし:ああ、そうだ

 

 

しんのすけ:母ちゃ~ん!!美琴おねいさ~ん!!

 

 

 

その頃の女湯

 

 

みさえ:さ、早いとこ頭と体洗ってゆっくり浸かりましょ

 

 

美琴:そうですね

 

 

2人が椅子に座り洗い始めようとしたその時、隣からしんのすけの声が響く

 

 

『母ちゃ~ん!!美琴おねいさ~ん!!』

 

 

 

みさえ:あら

 

 

美琴:しんちゃん?

 

 

 

『あるようでないお胸もちゃんと洗うのよ~』

 

 

 

その言葉に周りからクスクスと笑いが聞こえ2人はカアッと赤くなったあと男湯のしんのすけに怒鳴る

 

 

みさえ・美琴:じゃかあしい!!ほっとけ!!

 

 

 

ひろし:やめろよ恥ずかしい

 

 

しんのすけ:いやーそれほどでも~

 

 

ひろし:褒めてねえよ

 

 

しんのすけとひろしは湯船につかる

 

 

みさえと美琴も同じく湯船につかる

 

 

 

ひろし:ふー生き返るぜ~

 

 

しんのすけ:父ちゃん父ちゃん、アレやって~

 

 

ひろし:何だ?アレって?

 

 

しんのすけ:桃型潜水艦

 

 

ひろし:やらねえよ!何で銭湯まできてんなことやんなきゃなんねえんだよ

 

 

しんのすけ:じゃあ……アレは、パォ~ン!

 

 

ひろし:それもやらねえって!てかそれが1番やりたくねえ

 

 

 

しんのすけ:えー!だってウチではノリノリで……!!

 

 

ひろし:やめろって!わかったよ……一回だけな

 

 

しんのすけ:ウッス!

 

 

ひろし:よし、いくぞ!

 

 

しんのすけ:よっしゃー!

 

 

ひろし・しんのすけ:ぞぉ~さん!ぞぉ~さん!

 

 

 

『公共の場でくだらないことやってんじゃないわよ!!風呂に入らないんならとっとと出ろ!!』

 

 

ひろし・しんのすけ:は、はい!!

 

 

 

みさえ:ったくもーウチの男共は……ゴメンね、美琴ちゃん

 

 

美琴:い、いえいえ………大丈夫です

 

 

みさえ:そういえば美琴ちゃんは銭湯っていつ以来?

 

 

美琴:あー確か……学校の先輩に頼まれて潰れそうな銭湯を助けた時以来かな……

 

 

みさえ:へ~そんなことあったのね

 

 

美琴:ええ、結構楽しかったですけど

 

 

みさえ:それにしても水鉄砲上手いわね~

 

 

美琴:え?そうですか?

 

 

みさえ:ほらひまちゃん、美琴お姉ちゃんがお湯をピュッピュッてしてるわよ

 

 

ひまわり:エヘヘ~

 

 

美琴:ん?面白い?それ!

 

 

そして4人は風呂から上がり、瓶をカチンと合わせてからコーヒー牛乳を飲む

 

 

ひろし:うめ~!!やっぱり銭湯っていったらこれだな~

 

 

しんのすけ:クゥ~!ですなぁ~!

 

 

みさえ:ホント、いいわね

 

 

美琴:いつから決まってんだかわからないけど……恒例ですよね

 

 

飲み終わったあと、帰路につく

 

 

ひろし:ひまのやつ、寝ちまったか

 

 

みさえ:ええ、疲れたんでしょうね……帰ったら起こしてミルクあげなきゃ

 

 

しんのすけ:あふぅ、オラも……眠いゾ

 

 

ひろし:大丈夫か?父ちゃんがおぶってやろうか?

 

 

しんのすけ:うん

 

 

ひろし:よし、じゃあ

 

 

美琴:あ、ひろしさん……私が背負います……ほら、おいで

 

 

美琴はひろしに自分が背負うと言ってしゃがむ

 

 

しんのすけは美琴の背中に乗り掴まる

 

 

そして美琴は立ち上がる

 

 

美琴:よっ……と……うわ、意外と重いや

 

 

ひろし:いつの間にかデカくなってたんだな

 

 

みさえ:そうね、ちょっと前までひまわりくらいだったのに、成長って早いわね

 

 

ひろし:だな、美琴ちゃん……大丈夫か?少ししたら代わるぞ?

 

 

美琴:いえ、平気です……このままで……それより、早く帰って夕食にしましょう

 

 

ひろし:そうだな、よし!帰るか!

 

 

みさえ:ええ!

 

 

こうして5人は家へと帰るのであった



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お探し物が見つからないゾ

ある昼下がり、美琴はベランダから外を眺めている

 

 

美琴:いい天気ね……のどかで……清々しい、学園都市にいたときとは大違いだわ………お、みさえさんだ

 

 

美琴は洗濯物を干しに出てきたみさえに手を振ってみる

 

 

みさえはそれに気付いて振り返す

 

 

美琴:今日もいいお天気ですね~

 

 

みさえ:そうね、これなら洗濯物も早く乾いちゃいそうだわ

 

 

美琴:ふふ、さて……と、静かに読書と洒落込みますか……あれ?

 

 

美琴は机の上を見るが本がなかった

 

 

美琴:どこ置いたんだっけ………確か昨日は………あ、そうだ……下で読んでたんだっけ……探してみるか

 

 

美琴は下に降りてまずは茶の間をあちこち見てみる

 

 

ひまわり:たや?てててて

 

 

茶の間中をあちこち歩き回る美琴にハイハイでついて回るひまわり

 

 

美琴:あはは~ごめんね~遊んでるんじゃないのよ~っと、ひまちゃん……このくらいのご本知らない?って知ってるわけないか……寝室かな……?

 

 

次は寝室へ行ってみる

 

 

美琴:んーダメかぁ……まさかここの中に……あるわけないけど一応見てみるか

 

 

美琴は寝室の押し入れを開けようと手をかける

 

 

しんのすけ:あ!美琴おねいさん!それを開けると

 

 

美琴:ぐえっ!!

 

 

しんのすけが声をかけるが時既に遅し、美琴は布団の雪崩の下敷きになった

 

 

しんのすけ:うーむ、惜しい人を……

 

 

美琴:生きとるわ!!

 

 

しんのすけ:出たなコンビ!!

 

 

美琴:それを言うならゾンビ!って!誰がゾンビか!

 

 

しんのすけ:おぉ~今日はツッコミが光りますな~

 

 

美琴:っと、いけないいけない……探さなきゃ……えーっとぉ?ここかなぁ

 

 

美琴は押し入れの中に四つん這いで潜り込み探してみる

 

 

しんのすけ:………起立!!

 

 

美琴:はい!………いてっ!!

 

 

美琴は声に反応し頭を上げてしまい天井部分に頭を打ちつける

 

 

美琴:ってー………もー!やめなさいよ、頭打っちゃったじゃないの

 

 

しんのすけ:オラ別に美琴おねいさんに言ってないゾ

 

 

美琴:チッ、はいはいそーですか……

 

 

舌打ちしてそう言った後振り返り捜し物を再開する

 

 

しんのすけ:うーむ、いいお尻してますなぁ……パシャパシャパシャ

 

 

しんのすけは落ちていた美琴の携帯で美琴の尻を撮る

 

 

美琴:って!何撮ってんのよ!!返しなさい!!

 

 

美琴はしんのすけから携帯を取り上げ写真を消す

 

 

美琴:ったくもー携帯電話はおもちゃじゃないんだから無闇に触んないでよ……あーダメだわ、はぁ、もういっか……諦めよ

 

 

しんのすけ:諦めるな!お前はそれでいいのか!?

 

 

美琴:いや、たかが本だし……

 

 

しんのすけ:たかが本!されど本!ボボンがボン!!

 

 

美琴:………おいおい、ボボンがボンって何よ

 

 

そんなやりとりをしてるとひまわりが呼んでるように声を出す

 

 

ひまわり:たたやたやたや!!

 

美琴:ん?どうしたのひまちゃん、遊んでほしいのかな~?あれ?これは

 

 

美琴は何かを見つけた、それは探していた文庫本だった

 

 

美琴:これ、どこにあったの?

 

 

ひまわり:たい

 

 

ひまわりは冊子の横のカーテンを指さした

 

 

美琴:何であんなとこに………まあいいか、これで続きが……って何じゃこりゃあ!!

 

 

美琴は本を開いてみると黒のマジックで落書きされていた

 

 

しかも全ページ

 

 

美琴:な………な………これは一体………ん?

 

 

美琴はカーテンを見る

 

 

するとひまわりがあるノートとマジックらしき物を放り投げていた

 

 

 

それを拾い上げ中を見る

 

 

美琴:ほほう、なるほど………そーいう事……

 

 

しんのすけ:あう~んスッキリスッキリ~さーておつやおつや~

 

 

トイレから出てきたしんのすけは冷蔵庫に行く

 

 

美琴:しんちゃ~ん?ちょ~っとこっちに来てくれるかなぁ~?

 

 

しんのすけ:え?

 

 

しんのすけは呼ばれた茶の間に行く、するとそこにはニッコリ笑顔で本を開いたまま持った美琴がいた

 

 

美琴:ね~え、これはな~に?

 

 

しんのすけ:ドキッ……さ、さぁ……何ですかな

 

その言葉に美琴の顔は怒りに変わる

 

 

美琴:しらばっくれてんじゃないわよ!これはアンタがやったんでしょうが!

 

 

しんのすけ:しょ、証拠はないゾ!

 

 

美琴:フッ、それがあるのよね~ほらこれ……アンタのノートよ……『おらのひみつのーと』って書いてあったわ……中に書いてある落書きや字が完全に一致、つまりこういうことよ

 

 

しんのすけ:うぅ~

 

 

美琴:アンタはある時、ノートが見当たらなくてちょうどテーブルの上にあったこの本を使った……で、私に気付かれる前にあの中に隠したってわけ

 

 

しんのすけ:な、何でわかるの

 

 

美琴:そりゃ簡単……だって私は昨日見てるのよ……ノートに落書きしてるアンタをね……

 

 

しんのすけ:ワッハッハッハ!よく見破ったな!ではまた会おう!御坂くん!

 

 

美琴:あ!このっ!逃がすかぁ!!

 

 

美琴としんのすけは家中で追いかけっこを開始

 

 

しかし美琴は玄関でしんのすけを見失った

 

 

美琴:チッ、見失ったか………見つけたらただじゃおかないんだから……

 

 

振り返り去ろうとしたとき

 

 

しんのすけ:あは~まだまだですなぁ~

 

 

しんのすけは下駄箱の下から出てきてドアの前に立つ

 

 

しんのすけ:さて、シャバの空気を……

 

 

美琴:吸えなくて残念ね~

 

 

しんのすけ:うっ

 

 

振り返るとそこには美琴がいた

 

 

美琴:はい、捕まえた

 

 

しんのすけ:あはは~捕まっちゃった~

 

 

美琴:このぉ!!あんな事したあげく謝るどころか隠蔽しようとするとは!

 

 

しんのすけ:おおう~

 

 

美琴:今日という今日は絶っ対に許さないわよ!!徹底的にお仕置きしてやるぅ~!!

 

 

しんのすけ:うおぉ~ごめんくさ~い!

 

 

美琴に徹底的に頭をグリグリとされるしんのすけであった



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優しい美琴お姉ちゃんだゾ

ある日、美琴は一人でゆったりと散歩していた

 

 

美琴:やっぱりいいわね、散歩は……向こうだとほとんど誰かと一緒だったし、さて……ちょっと河原の方へ行ってみますか

 

 

美琴は河原の方へ足を運ぶ

 

 

するとそこには

 

 

ボー:また、あった……きっと、まだ、ある、はず

 

 

美琴:おや、あれは……ボーちゃん……何してるんだろ

 

 

美琴はボーのところへ行き声をかける

 

 

美琴:おっすーボーちゃん、何してんの?

 

 

 

ボー:石、探してる、ここ、珍しい石、いっぱい、ある

 

 

美琴:ホントだ、星形、ひし形……凄いわね……

 

 

ボー:今、トランプのマークの、石を、探してる

 

 

美琴:トランプのマーク?それってハート、ダイヤ、スペード、クローバーの4つ?

 

 

ボー:うん、この前、ハートがあった

 

 

美琴:はあ、なるほど……で、もしかしたらって探してるのね

 

 

ボー:その通り……無くても、探すことが、楽しい

 

 

美琴:あはは、そっか……ねえ、少しだけ手伝ってあげようか?

 

 

ボー:ボア、それ、助かる、お願い、します

 

 

美琴:ほい来た……じゃあ私はこっち探すわね

 

 

ボー:ボク、こっち

 

 

二人は二手に分かれ石探しをする

 

 

美琴(トランプマークの石かぁ……そんなのあるわけ………ってあるし)

 

 

美琴はスペードの石を見つけた

 

 

美琴(…………よし)

 

 

美琴はボーの方を見て何かを考えるとボーの側にそっとその石を置き、声をかける

 

 

美琴:ごめん見つかんないや……ボーちゃんはどう?

 

 

 

ボー:ボクも、ダメ………ボ?

 

 

美琴:ん?どうしたの?

 

 

ボー:石、ここに、あった、やっと、見つけた

 

 

美琴:わぁ~凄いわね~ボーちゃんさすが~

 

 

ボー:ヘッ

 

 

美琴:じゃ、そろそろ行くわ……またねボーちゃん

 

 

ボー:ボア、また

 

 

美琴は河原を後にし、歩き出す

 

 

美琴の姿が見えなくなった時ボーは心の中で呟いた

 

ボー(あり、がと)

 

 

河原から街中へ来た美琴は泣いているマサオを見つけた

 

 

マサオ:わ~ん!痛いよ~!

 

 

美琴:あららマサオくん……どうしたの

 

 

マサオ:グスッ、さっき転んじゃって……何とかここまで歩いてきたんだけど

 

 

マサオが泣いているのはちょうどドラッグストアの前だった

 

 

美琴:お、ちょうど薬局が……ちょっと待っててね

 

 

美琴はドラッグストアで絆創膏と消毒液、ポケットティッシュを買ってマサオに応急処置をする

 

 

美琴:ちょっとしみるけど我慢しててね

 

 

マサオ:う、うん

 

 

マサオに消毒液を垂らしたティッシュで傷を消毒し絆創膏を貼る

 

 

美琴:はい、お終い……これでいいわ

 

 

マサオ:あ、ありがとう……

 

 

美琴:いえいえ、一人で帰れる?

 

 

マサオ:う、うん……何とか

 

 

美琴:そう?じゃあ気をつけてね

 

 

マサオ:はい!

 

 

マサオと別れ商店街に行く

 

 

そこにはネネがいたがマサオと同じく泣いていた

 

 

ネネ:あ~ん!お金落とした~!ママに叱られる~!

 

 

美琴:今度はネネちゃんか……どうしたの

 

 

ネネ:あのね、ママに頼まれてお使いに来たんだけど、途中で犬に追いかけられて、ポケットに入れてたお金落としちゃったの……後で戻ってみたら無くなってたの

 

 

美琴:いくら持ってたの?

 

 

ネネ:ヒック、500円……

 

 

美琴:そっかぁ……じゃあネネちゃん……ちょっと目をつむっててね

 

 

ネネ:え?どうして

 

 

美琴:いいからいいから……ね?

 

 

ネネ:うん

 

 

ネネは目を閉じる

 

 

美琴は気付かれないように財布から500円を取り出し、ネネのスカートのポケットにそっと忍ばせる

 

 

美琴:もういいよ

 

 

ネネ:…………?

 

 

美琴:ねえ、ネネちゃん……ポケットの中は確かめた?

 

 

ネネ:え?あ!あった!でも確かにあの時音が……

 

 

美琴:きっと、空耳だったのよ……それより、お使い行くんでしょ?早く行った方がいいわよ

 

 

ネネ:うん!

 

 

ネネは泣いていたことを忘れて嬉々として歩き出した

 

 

美琴:さて、そろそろ帰るか………

 

 

美琴は家に向かう、辺りはもう夕焼けだった

 

 

途中、電柱の前にポツンと立つ風間を見つけた

 

 

美琴:風間くん、どうしたのそんなところで

 

 

風間:今、塾の帰りなんですけど……鍵持って行かなかったから家に入れないんです、ママは出かけちゃってて

 

 

美琴:んーならウチ寄ってく?

 

 

風間:え?いいんですか

 

 

美琴:家に入れないんでしょ?外で待つよりウチで待ってた方がいいでしょ、いらっしゃい

 

 

風間:あ、ありがとうございます

 

 

風間を家に連れて行きみさえに事情を説明した美琴は風呂に入る

 

 

しばらくして風間の母から連絡があり、みさえが説明する

 

 

みさえ:風間くん、ママが帰ってきたわよ

 

 

風間:あ、はい……しんのすけ……またな

 

 

しんのすけ:あぁ~んトオルちゃ~ん、もっといてぇ~ん

 

 

風間:やめろよ!

 

 

そして風間は帰る直前

 

 

風間:お姉さんが出来たみたいで……嬉しかったです……さよなら

 

 

そう言って帰っていく

 

 

その後、マサオ親子やネネ親子がやって来た

 

 

マサオ母:うちの子がすっかり御坂さんにお世話になって………

 

 

マサオ:うん、手当てしてもらったの

 

 

ネネ母:ネネにもお金を渡してくれたみたいで、落としたお金は交番に届いててさっき取りに行って来ました

 

 

ネネ:ほんと、お姉ちゃんみたいに優しかったの

 

 

 

みさえ(あらあらあの子ったら……)

 

 

しんのすけ:……………

 

 

そして、夕食後

 

 

みさえ:さ、しんのすけ……寝るわよ

 

 

しんのすけ:………ほーい

 

 

寝室の前に来たしんのすけは何かを思い方向を変え走り出す

 

 

みさえ:あ!こら!

 

 

ひろし:なんだ?どうしたんだアイツ

 

 

しんのすけは2階へ上がり部屋をノックする

 

 

しんのすけ:美琴おねいさ~ん、起きてる~?

 

 

美琴:あら、どうしたの?

 

 

部屋のドアを開けて美琴は尋ねる

 

 

しんのすけ:あの、今日……オラ……美琴、おねいさんと寝てもいい?

 

 

美琴:あらら……甘えん坊さんっ、いいわよ……おいで

 

 

部屋に招き入れ二人で一緒の布団で眠る

 

 

みさえ:あなた、見て

 

 

ひろし:ははっ、姉弟みたいだな……

 

 

みさえ:そうね、今日皆が美琴ちゃんをお姉ちゃんみたいだって言ってたから焼き餅やいたのかしら

 

 

ひろし:美琴ちゃんを取られると思ったのかもな

 

 

みさえ:ふふっ、そうかも……さ、寝ましょうか

 

 

ひろし:そうだな、おやすみしんのすけ

 

 

みさえ:おやすみ美琴ちゃん

 

 

みさえはそっと部屋のドアを閉める

 

 

二人は朝までスヤスヤ夢の中なのであった



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皆で動物園に行くゾ①

ひろし:え?今度の連休に行きたいとこがあるって?どこなんだ?

 

 

みさえ:そう、この間オープンした冒険アニマルパークよ、おケイに割引券貰ったの、五人で割引券なんですって

 

 

ひろし:へぇ、オレとみさえとしんのすけにひまわり、そして美琴ちゃんか……なるほどな

 

 

美琴:でも、ひまちゃんは無料だから含まれないんじゃ

 

 

みさえ:それが含まれるのよ、人数さえ揃えば入場料がいる人の分が割引になるのよ、つまり私と主人と、しんのすけと美琴ちゃんが対象になるわけ

 

 

ひろし:つまり、ひまは人数合わせってことか……ややこしい割引条件だぜ

 

 

みさえ:ま、何はともあれ行きましょうよ、せっかく貰ったんだし

 

 

ひろし:だな、車もたまには走らせないとだしな……行くか

 

 

しんのすけ:うわ~い!動物園だ~!

 

 

ひまわり:あ~い!

 

 

美琴:動物園か、いつ以来かなぁ……小学校低学年くらい……かな

 

 

みさえ:で、お出かけに先駆けまして、私から美琴ちゃんにプレゼントがあります

 

 

美琴:え!?プレゼント!?

 

 

ひろし:お?なんだなんだ

 

 

みさえ:ジャジャーン!フニクロで買ったワイシャツとジーパンのセットでーす!

 

 

ひろし:うひょー懐かしいなぁ

 

 

美琴:そ、それを私に?

 

 

みさえ:そうよ?前の子にもあげたの、あなたでそのスタイルは2代目ね

 

 

美琴:はあ、じゃあちょっと着てきます

 

 

しんのすけ:オラがお手伝いしてあげる~ん

 

 

美琴:いやいや、結構

 

 

しんのすけ:結構結構?

 

 

美琴:コケコッコー!って何をやらせんのよ!!

 

 

しんのすけ:自分で乗ったくせにぃ~

 

 

美琴:うっ……と、とりあえず着てきます

 

 

美琴は洗面所で着替えてくる

 

 

美琴:ど、どうでしょうか……

 

 

ひろし:おっ!いいじゃんカッコいいぜ!

 

 

みさえ:いつも制服着てたし、たまにはおしゃれしないとね、美琴ちゃんも女の子なんだから

 

 

美琴:あはは、私の通ってる常盤台では外出するときは制服着用が義務でしたからね……でもありがとうございます、嬉しいです

 

 

みさえ:うふふ、よかった……喜んでもらえて……さて、今度の連休は盛り上がるわよ~

 

 

ひろし:おう!

 

 

しんのすけ:おっしゃー!

 

 

ひまわり:たー!

 

 

ひろし:よし!じゃあいつものやるか!野原一家ファイヤー!!

 

 

みさえ・しんのすけ・美琴:ファイヤー!!

 

 

ひまわり:たいやー!

 

 

ひろし:お、美琴ちゃんも乗ってきたな

 

 

美琴:ふふ、家族ですから……ね?

 

 

しんのすけ:うむ!

 

 

そして、日はあっという間に経ち、いよいよ動物園に向かうときがきた

 

 

ひろし:忘れ物はないかー

 

 

みさえ:ないわよー

 

 

ひろし:戸締まりはどうだー

 

 

みさえ:オッケー

 

 

ひろし:よーし!皆乗ってるな、点呼を取るぞ、みさえー

 

 

みさえ:はーい

 

 

ひろし:しんのすけー

 

 

しんのすけ:あう~ん

 

 

ひろし:おいおい、返事は『はい』だろ……次、ひまー

 

 

ひまわり:たーい

 

 

ひろし:よしよし、最後、美琴ちゃ~ん

 

 

美琴:はーい、いますよー

 

 

みさえ:あなた~

 

 

ひろし:はーい、よし!乗ってるな、じゃあ行くぞ!アニマルパークに向かって、しゅっぱ~つ!!

 

 

4人:オ~ッ!!

 

 

ひまわり:たお~!!

 

 

五人を乗せた車はアニマルパークへと向かうのだった



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皆で動物園に行くゾ②

五人を乗せた車はアニマルパークへと向かった

 

 

 

ひろし:よし、着いたぞ……いやー高速はいいねぇ、スイスイ行けちゃったぜ

 

 

みさえ:ホントね~、さて!今日は張り切って歩くわよ!

 

 

ひろし:よし!とりあえず中入るぞ

 

 

五人はアニマルパークの中へ入る

 

 

みさえ:んー得しちゃった~イエイイエイ~

 

 

美琴:みさえさん、凄く嬉しそうだなぁ

 

 

しんのすけ:タダ、安い……もらう、が母ちゃんの好きなものだから

 

 

美琴:ははっ、なるほどね………

 

 

みさえ:こら!余計なこと言うな!美琴ちゃんも納得しない!

 

 

しんのすけ:は、はい

 

 

美琴:ご、ごめんなさい

 

 

ひろし:まずは何から見るか……えーっとそうだなぁ……象なんかどうだ

 

 

しんのすけ:え?象さん?それならオラの

 

 

みさえ:やめんか!!

 

 

しんのすけ:え?だって美琴おねいさんが見たいって

 

 

美琴:言ってないし……そして見たくもない

 

 

ひろし:ま、とりあえず本物を見ようぜしんのすけ

 

 

象のエリアへ向かう五人

 

 

 

ひろし:やっぱりデカいなぁ象は……いつ見ても驚かされるぜ

 

 

しんのすけ:父ちゃんのマンモスと同じくらいデカいゾ~

 

 

ひろし:ば、バカ!何言ってんだよ!

 

 

みさえ:ったくもう、恥ずかしいったらありゃしない

 

 

美琴:はあ、同感です

 

 

ひまわり:たいやい

 

 

ライオンエリア

 

 

ひろし:寝てるな……百獣の王も動物園じゃ形無しだな

 

 

みさえ:アフリカではちゃんと狩りをするものね

 

 

美琴:なんかテレビで見たことありますね、狩りをしてるの

 

 

しんのすけ:お昼寝ばっかりして、母ちゃんみたいだゾ

 

 

みさえ:やかましいわい!!

 

 

ひろし:確か、ライオンは雌が狩りをして雄は寝てることが多いらしいな……まあ縄張り争いとかはするんだろうけどな

 

 

みさえ:ということは私達で言うと私と美琴ちゃんが狩りをして、あなたたちは寝てるってこと?

 

 

ひろし:だな、いやーそうなったらサイコーなんだけどなぁ

 

 

しんのすけ:ホントホント

 

 

美琴:断固お断りします

 

 

みさえ:同じく

 

 

ひろし:おいおい、冗談だよ……ほら次行くぞ

 

 

五人はその後、熊や猿、キリンなどを見て小動物と触れ合えるふれあいコーナーへと向かう

 

 

みさえ:ほらひまちゃん、ウサギさんよ~いい子いい子しましょ~ね~

 

 

ひまわり:たっ

 

 

ひろし:おーひま、よかったな

 

 

しんのすけ:ほーほー、大人しいですな

 

 

美琴:どれどれ、私も

 

 

しかし美琴が頭を撫でようとしたウサギは逃げてしまう

 

 

美琴:はぁ、やっぱりそうなるか……

 

 

美琴はため息を吐いてふれあいコーナーを後にする

 

 

美琴:私ちょっとあっちで飲み物飲んできますね

 

 

ひろし:どうしたんだ、一体

 

 

しんのすけ:うーむ

 

 

みさえ:…………

 

 

みさえはしばらく黙ってひろしに声をかける

 

 

みさえ:あなた、私もちょっと飲み物飲んでくるわね……適当に見てて

 

 

 

ひろし:おい!みさえ!

 

 

美琴は休憩スペースのベンチで缶ジュースを飲みながら座っていた

 

 

美琴:はぁ、やっぱり電磁波か……そういやシロもあまり寄ってこないしなぁ……この能力……向こうじゃ役に立ってたけどここじゃ役立たずだわ……やれやれ、来るんじゃなかったかな

 

 

『そんなことないわよ』

 

 

美琴:………?

 

 

美琴が声のした方を見るとみさえがいた

 

 

みさえは隣に座り、話す

 

 

みさえ:美琴ちゃん、あなたの気持ちはわかるわ……せっかく撫でてあげようとしたのに避けられたんだものね……

 

 

美琴:はい、私……微力ながら体から電磁波出てるんです……それで、猫とかの動物から嫌われちゃうみたいで

 

 

みさえ:そう、でもね……私思うの

 

 

美琴:え?

 

 

みさえ:たとえ動物達があなたを嫌って避けたとしても

 

 

美琴:…………

 

 

みさえ:私達は絶対あなたを嫌ったり避けたりしないって

 

 

美琴:………みさえさん

 

 

みさえ:それに、ひまもしんちゃんも、あなたに懐いてるじゃない……たいしたモンよ?二人に懐かれるなんて……ね?ひまちゃん

 

 

ひまわり:たっ、あうあう~

 

 

ひまわりは美琴の方を見て両手をパタパタさせる

 

 

みさえ:あらあら~美琴お姉ちゃんに抱っこして欲しいの~?

 

 

ひまわり:あうあう~

 

 

美琴:え?わ、私に?い、いいんですか?

 

 

みさえ:いいわよ、はい……ひまちゃん、美琴お姉ちゃんよ~

 

 

美琴:あ、あはは……どうも

 

 

美琴はひまわりを受け取って胸に抱く

 

 

ひまわりは美琴の顔を見て笑う

 

 

ひまわり:エヘヘ~

 

 

美琴:あ、笑った………

 

 

 

みさえ:ほら、ね?ひまもしんちゃんも美琴ちゃんのこと大好きなのよ、だから来るんじゃなかったなんて言っちゃダメ……子供達も、私と主人も美琴ちゃんと来たから楽しいの……だから来るんじゃなかったなんて言ったらそれを否定することになるの、いい?もう言わないって約束ね

 

 

美琴:はい、わかりました……ありがとうございます……ふふっ、可愛いなぁ

 

 

ひまわりをキュッと抱いてそう言った美琴

 

 

ひろし:いたいた!おい、そろそろ昼にしようぜ

 

 

みさえ:そうね、じゃあここでお弁当食べましょうか

 

 

しんのすけ:うほほ~い!

 

 

ひろし:もう腹ペコだぜ

 

 

しんのすけ:そう言えば二人で何してたの?逢い引き?

 

 

みさえ:違う違う、でも……女同士の秘密よ、ねっ?美琴ちゃん?

 

 

美琴:はい、秘密です

 

 

二人は顔を見合わせてクスッと笑う

 

 

ひろし:あ~あ気になるなぁ~

 

 

しんのすけ:ホントホント

 

 

みさえ:さあさあ、それよりお弁当食べましょ?ほらいろいろあるわよ

 

 

美琴:わあ、ホント……どれも美味しそうですね

 

 

ひろし:なんかごまかされてる気がするが……ま、いっか!よぉ~し!食うぞ~!

 

 

 

『いただきま~す!』

 

 

 

五人は賑やかに昼食を食べる

 

 

そして、その後も見て回り、帰っていく

 

 

 

夜はやっぱり夕食後にすぐ眠り、スヤスヤと夢の中なのであった



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もう一人のじいちゃんがやってきたゾ

ある日曜日

 

 

野原家のインターホンが鳴った

 

 

ひろし:何だよ、日曜だってのに、誰が来たんだ?

 

 

しんのすけ:綺麗なおねいさんかなぁ~ななこおねいさんだといいなぁ~

 

 

ひろし:きっとそうだぜ!よし!ビシッと出迎えてくるぜ!

 

 

しんのすけ:おう!父ちゃん!頑張れ!

 

 

しかし、その期待は見事に打ち砕かれた、何故ならその客はみさえの父、よし冶だったからだ

 

 

ひろし:あ、お……お義父さん……お久しぶりです、あ……どうぞ

 

 

よし冶:ん……お邪魔するたい

 

 

 

よし冶は茶の間へ行くとドカッと胡座をかき座る

 

 

ひろし:なんか機嫌悪そうだな……オレ、何かしたっけか……いや、心当たりはねえな

 

 

よし冶の威圧感に玄関で立ち尽くすひろしが考えていると

 

 

美琴:あれ?誰か来たんですか?なんかいやに静かですけど?

 

 

ひろし:………あ、ああ………とりあえず茶の間に行っててくれ、オレお茶入れてくるから

 

 

美琴:…………?はい

 

 

美琴は茶の間へ行くとゆっくりと座りよし冶の方を見る

 

 

美琴(うわ、何だろう……昭和の親父って感じよね……ちゃぶ台とかひっくり返しそうなイメージだわ)

 

 

よし冶:何を人のことジロジロ見とるか……ワシの顔に何かついとるんか

 

 

美琴:い、いえ………別にそういう訳では

 

 

ひろし:あ、あのぉ~お茶をお持ちしました

 

 

よし冶:ん、すまんたい……ほれ、座らんかい

 

 

ひろし:は、はい

 

 

お茶を渡したひろしは座り、しんのすけ達や自分のところにお茶を置く

 

 

しばらくピリピリとした空気が流れる

 

 

美琴(お、重い……空気が……部屋に逃げたいけど……立ち上がれない………)

 

 

ひろし(やっぱりオレ何かしちまったのか……一体何を………誰か、教えてくれぇ~)

 

 

しばらくしてお茶をずずっと啜ったよし冶が湯飲みを置き、コホンと咳払いをして、沈黙を破る

 

 

よし冶:ひろしくん

 

 

ひろし:は、はい!

 

 

よし冶:何でワシに騙っとったと

 

 

ひろし:え?

 

 

よし冶:孫の事たい

 

 

よし冶はひろしをギロリと睨んだ

 

 

ひろし:え、孫の事って………?

 

 

 

よし冶:しらばっくれてもムダたい、この間秋田のくそじじいが電話をかけてきよったたい

 

 

━━━━

 

『しもしも~九州を吸収~』

 

 

よし冶:それを言うならもしもしたい!それに九州は吸収されんばい!そげん言うなら秋田には飽きたばい!

 

 

『ほほぉ~ギャグの腕あげたの、明太子じじい』

 

 

よし冶:やかましい!早よ用件言わんか!

 

 

『へへ~ん、ワシこの間可愛ええ孫に会ってきたんだよ~ん』

 

 

よし冶:ふん、しんのすけやひまわりにならワシだって会っとるわい、自慢するほどのことじゃなか

 

 

『チッチッチ~もう一人の孫だよ~ん、ビールも注いでもらってええ気分だったな~』

 

 

よし冶:な!貴様!もう一人の孫だったらまだ赤ん坊たい!赤ん坊にビールを注がすとは!

 

 

『へっへっへ~気になるなら会ってくれば~?じゃあの~さよお・な・ら』

 

 

ブッ!

 

 

ツーツーツー

 

 

よし冶:………ぐぬぬぬ!あのくそじじいめ!

 

 

━━━━━━

 

 

よし冶:という訳たい

 

 

ひろし:そ、そうですか

 

 

よし冶はその直後有無を言わさずひろしの胸ぐらを掴みガクガク揺らす

 

 

よし冶:どこじゃ!どこにおるばい!新しい孫は!寝室か!みさえと買い物か!

 

 

ひろし:そ、そこです………そこ

 

 

よし冶:ん?

 

 

しんのすけ:じいちゃん……これこれ

 

 

美琴:スカートをめくるな!!

 

 

げ ん

こ つ

 

 

しんのすけ:おおう~おパンツ見えないんだからいいじゃな~い

 

 

美琴:そういう問題じゃないっつの

 

 

よし冶:アンタが新しい孫とね?

 

 

美琴:え?ああ……そう、です……はい

 

 

 

よし冶:いつの間にそげん大きくなったばい……隠し子かね

 

 

ひろし:ち、違います!ウチで下宿させてるんですよ、事情で住んでたとこに住めなくなったっていうんで

 

 

しんのすけ:そうそう、お預かりしてるんだゾ

 

 

美琴:お預かりって、わたしゃペットか!

 

 

 

しんのすけ:か……か………かりんとう!

 

 

美琴:しりとりしてんじゃないわ!!

 

 

よし冶:名前は何と言うたい

 

 

美琴:あ、美琴です………御坂美琴……学園都市ってところに住んでました、よろしくお願いします……えっと、おじいちゃん

 

 

よし冶:んん、こちらこそよろしくたい……ひろしくん、今夜泊まってもいいかね

 

 

ひろし:は、はい!!是非!

 

 

そして、夜

 

 

皆で夕食

 

 

 

みさえ:もーお父さん、来るなら言ってよ~

 

 

よし冶:すまん、あのくそじじいの電話で腹が立っとったけん、勢いで来てしまったたい

 

 

ひろし:なんか、すみません……オヤジが

 

 

よし冶:いやいや、気にせんでよか……悔しいがそのおかげでこうして会えたんばい

 

 

しんのすけ:嬉しい?

 

 

よし冶:ああ、嬉しいたい

 

 

しんのすけ:オラとひまわりに会えたのは?

 

 

ひまわり:たいや?

 

 

よし冶:はっはっは!嬉しいに決っとろうが!!

 

 

しんのすけ:よかったな~ひま~

 

 

ひまわり:えへへ~

 

 

よし冶:じゃ、早速頼むたい

 

 

美琴:あ、はいはい………どうぞ

 

 

美琴はよし冶のグラスにビールを注ぐ

 

 

よし冶:うむ!アイツの気持ちがわかるばい…………なんか癪だが

 

 

みさえ:ふふ、素直じゃないんだから

 

 

こうして、夜は賑やかに更けていった




20話にしたかったので久しぶりに書きました

やっつけ感満載ですが大目に見て下され


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美琴おねいさんの恩返しだゾ

前から書いてみたかったネタです


ある日の夜、美琴は横になりながら考えていた

 

 

美琴(そういえば、私ここに来てから何もかも世話になってばっかりだなぁ……皆は私も家族なんだって言ってくれてるけど……何か恩返しとか出来ないかなぁ……)

 

 

 

しばらく考えを巡らせ、あることを思いついた

 

 

美琴(そうだ、よし……そうしよう)

 

 

翌朝、朝食を済ませた美琴はとあるところに連絡をする

 

 

美琴:よし、あとは……

 

 

そして美琴はみさえのくれた服に着替えて出かける

 

 

美琴:うん、まあこんなもんか………

 

 

証明写真を撮り家に帰った美琴はハサミで1つ切り取り、帰り道に文房具屋で買った履歴書にのりで貼り項目に記入していく

 

 

美琴:これでよし、さて……お昼食べたら行くとしますか

 

 

昼食を済ませた美琴はそそくさと家を出る

 

 

みさえ:なんか慌ただしいわね

 

 

しんのすけ:うーむ、はっ!まさか!

 

 

みさえ:………まさか?

 

 

しんのすけ:シロのお散歩に行ったのか!?

 

 

みさえ:なわけないでしょ!てかシロのお散歩はアンタの役目でしょうが!!

 

 

ひまわり:ヘッ

 

 

そして、その頃美琴は

 

 

 

店長:まあホントはいけないんだけど……美琴ちゃんの熱意に免じて雇ってあげるよ

 

 

美琴:ありがとうございます、頑張ります!

 

 

美琴はコンビニで制服に着替えてアルバイトを始めていた

 

 

美琴(『働かざる者食うべからず』って言うしね……さ、頑張ろっと)

 

 

 

???:ちょっとアンタ!ボサッとしてないで陳列しなさいよ!

 

 

メガネをかけたふくよかなおばちゃんが美琴にぶっきらぼうにそう言う

 

 

美琴(何よコイツ……偉そうに……おっと、いけない……冷静に、冷静に)

 

 

美琴はフウッと息を吐き、おばちゃんに笑顔を見せて返事をする

 

 

美琴:はぁ~い、わかりましたぁ~

 

 

そして美琴は商品を棚に陳列する作業を黙々とする

 

 

そこに一人の店員が話しかけてきた

 

 

 

店員:あなたが新人ね、私……吉村、よろしく

 

 

美琴:あ、はい!よろしく!私は御坂です

 

 

吉村:はい、それでさ……ここで働くなら意地 愛瑠代(いじ めるよ)さんには気をつけた方がいいわよ……あの人気に入らない人にちょっかいかけてくるから、あ……こちらへどうぞ~

 

 

美琴(ああ、アイツね……どうりで……それにしても……まんまな名前ね)

 

 

吉村は会計のため離れたため美琴はまた黙々と陳列作業に戻る

 

 

 

美琴(ふう、おにぎりが終わりっと……次は……お弁当か)

 

 

 

美琴が弁当を棚に陳列していると

 

 

 

愛瑠代:全く使えないわね!前に教えたじゃない、あれはあそこで、それはそこ!いつになったら覚えるの!?

 

 

???:す、すみません愛瑠代さん……

 

 

 

美琴(またアイツか………うるさいわね)

 

 

 

吉村:ああ、また始まった……愛瑠代さんの弱井イビリが

 

 

美琴:弱井イビリ?

 

 

吉村:そう、あの人弱井さんっていってね、母子家庭で子供を2人育てるためにここで働いてるんだけど……弱井さん優しすぎて気が弱いところがあってね……

 

 

美琴:…………はあ

 

 

吉村:それが気に入らないらしくて、入った当初からアレよ……それに愛瑠代さんの憂さ晴らしとしてもやられてるんだよね……

 

 

美琴:チッ、嫌なやつね………ちょっと行ってくるわ

 

 

吉村:あっ!御坂さん!?

 

 

美琴はある物を持って愛瑠代のいるバックヤードに行き、後ろから愛瑠代の肩をパンパンと叩く

 

 

愛瑠代:何よ

 

 

美琴は振り向きざまに愛瑠代の顔に雑巾を押しつけゴシゴシする

 

 

そして弱井に顔でクイッと逃げるように合図する

 

 

弱井はそれを読み取り、逃げた

 

 

 

美琴:少しは綺麗になりましたか?その薄汚れた醜い顔は

 

 

愛瑠代:何ですって!?私のどこが薄汚れてるのよ!

 

 

美琴:あらあら、ごめんなさいね……気に障りました?私は真実を述べただけですけど?

 

 

愛瑠代:うぬぬぬ!アンタ!弱井の何!?知り合い!?人がせっかく教育してるのに逃がしてくれちゃって

 

 

美琴:いえ、でもね……知り合いだろうとなかろうと、理不尽にやられてるのを見てられないのよ……私は……特に、アンタのようなクズにやられてるのはね

 

 

愛瑠代:キーッ!もう許せないわ!泣かせてやるわ!

 

 

愛瑠代は美琴に殴りかかるが美琴はヒョイッと避ける

 

 

美琴:おっと!甘い甘い……てい!

 

 

美琴は愛瑠代を逆に蹴飛ばした

 

 

愛瑠代は吹っ飛んで壁にぶつかる

 

 

美琴:今の蹴りは……弱井さんの蹴りだと思いなさい……さて、と

 

 

美琴は制服から私服に着替えて店長にやめると伝えた

 

 

働いた分のバイト代を貰い、家に帰る

 

 

辺りはすっかり夕暮れになっていた

 

 

美琴:ただいまーっと

 

 

しんのすけ:おお、美琴おねいさん!ただえりー

 

 

美琴:いや混ざってる混ざってる

 

 

みさえ:お帰りなさい、美琴ちゃん、どこ行ってたの?

 

 

美琴:あ、ちょっと……みさえさん……これを

 

 

美琴はみさえに封筒を手渡す

 

 

そこにはお金が入っていた

 

 

みさえ:美琴ちゃん、これ

 

 

美琴:バイト代です……ちょっとコンビニで軽くアルバイトしてきたんです……まあ問題起こしてすぐやめちゃいましたけど……あはは

 

 

みさえ:いやそうじゃなくて……ってアルバイトしてたのもビックリだけど

 

 

 

美琴:あの、私……お世話になるばかりで、何もお返しとか出来てないなぁと思いまして……タダで住まわせてもらってるし、それに食事だって……だから

 

 

みさえ:全く、おバカね………家族なんだから当たり前でしょ、前にも言ったけどあなたは娘で野原美琴なんだって……だからそんなこと気にしなくていいのよ……これはあなたの好きに使いなさい

 

 

みさえは美琴に封筒を返す

 

 

美琴は翌日、しんのすけや風間達にコンビニでお菓子を奢ってやる

 

 

そこでは弱井が活き活きと働いていた

 

 

一緒にレジ打ちをしていた吉村によると愛瑠代はやめさせられたらしい

 

 

どうやら弱井が美琴に勇気をもらい、店長に報告したそうで弱井のあまりの必死さに真実だと確信し解雇を言い渡したそうだ

 

 

弱井:御坂さん、ありがとうございました

 

 

美琴:いいのよ、別に……これからも頑張ってね

 

 

弱井:はい!

 

 

 

風間:あれ?知り合いですか?

 

 

美琴:ん?さあ、どうかな………ね?

 

 

しんのすけ:うむ、ご想像にお任せします、だゾ

 

 

美琴としんのすけはお互いに笑い合うのだった



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殺人サイボーグと対決だゾ

昔のスペシャルで放送されたSFサイボーグだゾをリメイクしました


御坂美琴が野原家に下宿してから年が明けたある日

 

 

埼玉県春日部市にある駅に、謎の女性が突然現れた

 

 

彼女は車でナンパしてきた不良達をいつの間にか片付け

 

 

八百屋のトラックの前に立ち塞がり、怒って出てきた運転手を片付け

 

 

ある人物の家に向かっていた

 

 

その家とは

 

 

『えーっと………あった……おっ』

 

 

『しんのすけーご飯よー』

 

 

『ほーい』

 

この少年、野原しんのすけの住む野原家である

 

 

雪崩の起きる押し入れから目当ての本を取り出したしんのすけはみさえの声に返事をして茶の間へ行き席に着く

 

 

そしてしんのすけ達が夕食の焼き肉を食べようとしたその時

 

 

突然光ったかと思えば二人の人物がホットプレートの上に着地し、熱さで下へ降りる

 

 

ひろし:何だよアンタ!何しに来たんだ!

 

 

みさえ:そうよいきなり一家団欒のところに現れて

 

 

???:あ、すみません……申し遅れました、ボクは‥19歳の風間トオルなんです

 

 

ひろし:風間くん?風間くんってあのしんのすけの

 

 

みさえ:あの風間くん?

 

 

しんのすけ:えー風間くんはもっと若作りしてたゾ

 

 

風間:あのな!当時は幼かったんだ!

 

 

美琴:あれ、こっちの方も何だか見たことのあるようなないような

 

 

???:んふっ、んふふふ‥‥‥あたしは佐天涙子なのだー!年は年齢不詳って事で

 

 

 

風間:あ、28です

 

 

佐天:こらー!トオルちゃん!女性の年を軽々言うもんじゃあないよ?

 

 

風間:いや、すみません‥‥でもいいじゃないですか、しんのすけ達ですし

 

 

佐天:あ、そっか‥‥…じゃいいや

 

 

美琴:いいんかい!!

 

 

佐天:いいんです、そんなことより……風間くん、あれ言わなきゃ

 

 

風間:あ、そうでしたね

 

 

風間はしんのすけ達に事のいきさつを話す

 

 

未来で19歳のしんのすけが悪のコンピューターをクイズで破壊したこと

 

 

風間の通う東大でサイボーグと戦う機関があり、風間が選ばれたこと

 

 

その機関のリーダーは28歳の美琴であり、副リーダーである佐天と共にしんのすけと過去に交流のあったと言うことで二人を行かせたことなどを説明した

 

 

そしてサイボーグが武器を調達してこちらに向かっていることも

 

 

しかし

 

 

みさえ:大事なことを忘れていたわ

 

 

しんのすけ:明けまして!

 

 

『おめでとうございます』

 

 

風間:違ーう!ですから!先程も言ったようにサイボーグがこちらに

 

 

ひろし:なあなあ、未来ではオレたちはどうなってんだ?

 

 

みさえ:私はどうなってるの?

 

 

しんのすけ:オラ、森山カンナと結婚してる?

 

 

風間:知りたいんですか?

 

 

佐天:聞くのならハンカチのご用意を

 

 

美琴:いや泣ける話なんかい

 

 

ひろし:はははは!今は焼き肉が美味けりゃいいんだよ!

 

 

みさえ:そーよそーよ!

 

 

風間:そうですよね~って!おい!それはボクが貸してた本じゃないか!

 

 

しんのすけ:明日返すってこっちの風間くんに約束してるんだゾ

 

 

風間:………いやいや、そうじゃなくて……だからここは危険だから早く逃げましょうって

 

 

みさえ:これから特上カルビが出るんだけど~?

 

 

風間:………で、では……食べてから逃げましょう

 

 

皆で盛り上がりながら夕食を楽しむ野原家

 

しかし

 

 

みさえ:あー!誰かがウチの窓にプチトマト投げてるわ!

 

 

風間:サイボーグだ!

 

 

ひろし:何でサイボーグがプチトマトなんか投げてくるんだ?

 

 

風間:サイボーグは体は強靱なのですが頭が弱いのです、きっとプチトマトでこちらを攻撃しているつもりになっているのでしょう

 

 

ひろし:へ~え、まっさかぁ~

 

 

ひろしは立ち上がり、窓を開けて声を出す

 

 

ひろし:こらぁ~誰だぁ~

 

 

すると投げられたカボチャがひろしを直撃し、ホットプレートの上に乗っかる

 

 

みさえ:あら~いいカボチャね~

 

 

美琴:いやいやそうじゃなくて

 

 

その直後、サイボーグが大根を手に持ちながら入ってきた

 

 

風間:皆逃げてー!

 

 

みさえ:その大根後で使うから取っといてねー!

 

 

みさえはそう言ってひまわりを抱いて逃げる

 

 

しんのすけも逃げ出した

 

 

風間:ここから先は行かせないぞ!たあ!

 

 

風間はサイボーグにパンチやキックをするが効かない

 

 

佐天もしがみつきポコポコと殴るが効いてない

 

 

サイボーグは佐天を掴んで放り投げた後、風間を様々な野菜で殴る

 

 

風間の顔は腫れ上がり倒れてしまう

 

 

風間(ボクに出来るのは少しでも時間を稼ぐことだ……しんのすけ……その間に少しでも遠くへ逃げてくれ!)

 

 

 

しんのすけ:ヘイ!綺麗なおねいさ~ん!

 

 

しんのすけは戻ってきてカメラでサイボーグを撮る

 

 

風間:戻ってくんなー!!

 

 

風間はしんのすけに向かおうとするサイボーグに膨らませたしんのすけの顔のタコのような物を見せて気を引きしんのすけを抱えて逃げようとするが見つかり追いかけられる

 

 

風間は二階へ逃げ辺りを見回して屋根の上に行く

 

 

サイボーグは階段を上がろうとする

 

 

美琴:ちょっと待ちなさい!上に行くならこの私を倒してからにしなさいよ!このガラクタ!

 

 

美琴の声に反応し、向きを変えて美琴に近づいて攻撃体勢を取る

 

 

美琴:よーし、こっちに来なさい……こっちよ

 

 

美琴は後ろに下がりつつ手招きをしてサイボーグを寝室へ誘い込む

 

 

そして寝室へ入ると同時に電撃を撃つ

 

 

美琴:くらえ!

 

 

しかし通じず、サイボーグは肩を手で払う

 

 

美琴:くっ!効かないか……でもレールガンを撃てば家が……どうする………そうだ

 

 

『サイボーグを止める方法はないのか?』

 

 

『背中のところにスイッチがあるのですが‥‥‥』

 

 

美琴:それだ、よし

 

 

美琴はサイボーグを挑発する

 

 

美琴:ほらほら、攻撃してみなさいよ……しんちゃんを消したいんでしょ?ならさっさと私を倒していきなさい……ぐぅっ!

 

 

 

美琴は近づいてきたサイボーグにボディブローをくらい倒れる

 

 

そして、サイボーグは二階に上がり、屋根を突き破り風間を庭へ放り投げる

 

 

その後

 

 

フィニッシュ

 

 

飛び上がり、しんのすけを潰そうと勢いをつけて落下するがしんのすけは直前で落ちたため助かった

 

 

サイボーグは1階の寝室に落ち、風間がとっさにボタンを押す

 

 

しんのすけは寝室に来て美琴を見る

 

 

しんのすけ:ほーほー、眠る妖怪ビリビリ怪獣

 

 

オヤスミタイマーカイジョ

 

 

 

風間の押したボタンがお休みタイマーだったため再び動き出したサイボーグはしんのすけを狙い這いずり掴もうとしてくる

 

 

しんのすけ:うわー!

 

 

しんのすけは逃げ回り、押し入れを開ける

 

 

すると布団の雪崩に潰され、しまいにはアクション仮面のフィギュアが落ちてきて電源スイッチを押した

 

 

風間:よかった

 

 

 

『風間くん、起きて』

 

 

 

風間:奥さん、これで人類の未来は救われました

 

 

みさえ:帰る前に屋根の穴を塞いでいってね

 

 

 

風間:え

 

 

風間は佐天と修理する

 

 

風間:命助けたのにこの扱い

 

 

佐天:トンテンカンテン、楽しいなぁ~

 

 

しんのすけ:だから明日返すんだゾ!

 

 

風間:嘘つくな!ボクはこれを5歳の正月から探してたんだぞ!

 

 

しんのすけから本を取り上げた風間は佐天と共に玄関から出て行く

 

 

みさえとひろしのまたね~という言葉に風間がもう来ない!と言い残して

 

 

そして、現代の風間は

 

 

風間:あれ~?ないじゃないかあの本、しんのすけは返したって言ってたし……あれまだ読んでなかったのに~

 

 

 

未来の風間に返したため、現代の風間には本は返ってこないのだ

 

 

しんのすけの命は救われたが、引き替えに現代の風間の本は失われたのだった



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美琴おねいさんの宿敵(ライバル)だゾ

ある日の午後、春日部に一人の男がやってきた

 

 

ツンツンヘアーのその男の名は

 

 

上条 当麻(かみじょう とうま)』である

 

 

 

当麻:ここが春日部か……へーえ、結構いいとこだな……

 

 

当麻はぶらぶらと街を歩いていた

 

 

しばらく歩くと公園につく

 

 

当麻:お、公園かぁ……ガキの頃よく遊んだなぁ……どれ、ちょっとブランコにでも……お?

 

 

当麻は何かを見つけ中に入り見てみる

 

 

 

美琴:さーて、どこ隠れたのかしら……絶対全員見つけてやるんだから

 

 

当麻(ありゃビリビリ……何でこんなとこに………)

 

 

美琴:ここじゃないか………ここでもないっと……

 

 

当麻(こんなとこで何やってんだ?見るからにかくれんぼみたいだが)

 

 

 

美琴は当麻に見られてることに気づかず、かくれんぼに夢中になっている

 

 

美琴:ボーちゃんみっけ

 

 

ボー:ボア、見つかった

 

 

美琴:よっし!次は………ん?

 

 

当麻:お?

 

 

美琴と当麻は同じ方向を向く

 

 

 

そこにはガサガサと茂みが動いていた

 

 

美琴:マサオくんみ~つけたっと

 

 

マサオ:ヒィッ!見つかっちゃった

 

 

その後、風間としんのすけを見つけた美琴が後ろを見ると

 

 

当麻:よう、ビリビリ……かくれんぼは終わったみたいだな

 

 

美琴:なっ!なななな………!!なんでアンタがここにいんのよ!!

 

 

当麻:何でって………休日だから観光に来たんだよ……そんなに驚かなくたっていいだろ?

 

 

美琴:いやいや……いるはずのないヤツがいりゃ驚くわよ普通……ていうか!私に会ったのが運の尽き!今日こそ決着つけてやるんだから!

 

 

当麻:決着って……こんな子供達の前で電撃ぶっ放す気かよ

 

 

美琴:ぐっ!

 

 

当麻:それに、お前の攻撃はオレには効かねえんだから

 

 

美琴:う、うるさい!うるさい!

 

 

風間:なんか、因縁があるって感じだな……

 

 

マサオ:うん

 

 

ボー:宿命の、ライバル

 

 

しんのすけ:ほうほう、じゃあこうですな

 

 

 

【江戸】

 

 

美琴:父上と母上の(かたき)!成敗してくれる!

 

 

当麻:面白い!返り討ちにしてくれるわ!

 

 

 

風間:なんで戦国なんだよ!

 

 

しんのすけ:え?じゃあ

 

 

【西部】

 

 

美琴:早撃ちの当麻、アンタの命……取りに来たぜ

 

 

当麻:取れるモンなら取ってみな、保安官さんよ

 

 

風間:西部劇にすればいいってもんじゃないだろ!?

 

 

しんのすけ:いやーそれほどでも~

 

 

 

当麻:はははは!面白いヤツだなぁ……ビリビリの知り合いか?

 

 

しんのすけ:うむ、何をかくそうオラ達はこのおねいさんの人質です!

 

 

当麻:なに!?ビリビリ!まだ間に合うぞ!親の脅迫なんかやめて自首するんだ!!

 

 

美琴:ちがーう!!誰が人質なんか取るか!この子の家に下宿させてもらってんの!寮に訳あって住めなくなったから!あと!ビリビリじゃなくて御坂美琴!

 

 

当麻:そうなのか……オレはてっきり

 

 

美琴:いや、信じないでよ……ていうかアンタは私がそんなことすると思ってたわけ?

 

 

当麻:い、いや……そういう訳じゃ……なんかそこのジャガイモの言うことがやけに真実味を帯びてたから

 

 

美琴:あ、そ……あーあ、なんか白けたわ……さ、他行きましょ

 

 

風間:あ、はい

 

 

マサオ:うん

 

 

ボー:ボア

 

 

しんのすけ:ほーい

 

 

当麻:おい待てよ!

 

 

美琴:何よ

 

 

当麻:勝負、やってやってもいいぜ

 

 

美琴:ホント?

 

 

当麻:おう、ただし

 

 

美琴:ただし?

 

 

【ゲームセンター】

 

 

美琴:なんでこれなのよ

 

 

当麻:あんなとこでオレたちがやり合ったらやべえだろ

 

 

美琴:だからって………

 

 

 

美琴と当麻はアーケードゲーム【三味線の鉄人】で戦いを繰り広げた、のか?

 

 

かくして春日部に来た上条当麻は勝負のあと、春日部駅から再び学園都市へと帰って行った

 

 

美琴から2度と来なくていい、と言われながら

 

 

当麻:不幸だ

 

 

しんのすけ:やれやれ~



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再会と漫才親子だゾ

ある日、美琴はみさえ、しんのすけ、ひまわりと共にサトーココノカドーに来ていた

 

 

みさえ:いい?しんのすけ、美琴ちゃんから離れるんじゃないわよ

 

 

しんのすけ:どれくらいなら離れていい?30メートル?50メートル?

 

 

みさえ:ええい!何メートルもダメ!ちゃんと側にいなさい!

 

 

しんのすけ:んもーわがままだなぁ

 

 

みさえ:はいはい、じゃあ美琴ちゃん、頼んだわよ

 

 

美琴:はい、わかりました、お任せください

 

 

そしてみさえはバーゲンセールへと向かっていった

 

 

美琴はひまわりのベビーカーを押しながらしんのすけとおもちゃ売り場に行った

 

 

しんのすけ:天国ですなぁ~!くぅ~しわよせ~

 

 

美琴:それを言うなら幸せよ

 

 

しんのすけ:そーともゆー

 

 

美琴:そうとしか言わない、っと……へえ、最近のおもちゃは色々凄いのね……進化してるわ

 

 

美琴達がおもちゃを色々眺めていると

 

 

???:あ、あの……御坂さん、ですよね

 

 

美琴:………へ?あ、はい……って弱井さん!

久しぶり

 

 

弱井:お久しぶりです、買い物ですか?

 

 

美琴:ん、まあそんなとこかな……付き添いだけどね、そこの二人は弱井さんの子供?

 

 

弱井:ええ、今日は特別に1つずつ買ってあげようかと思って、普段あまり相手してあげられないので

 

 

美琴:そっか、まあ元気そうで何よりだわ

 

 

弱井:御坂さんも、では私はこれで

 

 

美琴:はーい、またね……ほら、ひまちゃんもお姉さん達にバイバイって

 

 

 

ひまわり:アイア~イ

 

 

美琴とひまわりは手を振り弱いたちを見送る

 

 

 

しんのすけ:達者で暮らせよ~

 

 

 

美琴:おい

 

 

しんのすけ:お?

 

 

 

またしばらく眺めていると

 

 

???:なーかーちゃん!買ってくれよ~!いいだろ~?

 

 

???:ダメだって言ってるでしょ!?全くこの子は

 

 

???:なんだよ~ケチ!使えねえ母ちゃんだぜ

 

 

 

???:なんだって!?もっぺん言ってみな!

 

 

美琴(ゲッ……アイツは……えっと……なんだっけ……あ、愛瑠代か……やれやれ、蛙の子は蛙って訳ね)

 

 

 

愛瑠代は息子にごんっとげんこつをした

 

 

 

???:痛えなババア!ゴンゴン殴りやがって!

 

 

愛瑠代:悪男(わるお)!親に向かってなんてことを!

 

 

美琴(あんまり関わりたくないなぁ……今のうちに離れた方がいいわね)

 

 

しんのすけ:ほーほー、漫才ですかな

 

 

愛瑠代:えっ?

 

 

美琴:ちょっと!何声かけてんの!

 

 

愛瑠代:アンタは、御坂美琴!あの時はよくも私の顔にトイレの濡れ雑巾を!

 

 

美琴:やれやれ、最悪だわ……しかも全然綺麗になってないみたいね……その薄汚い顔は

 

 

悪男:おいお前、オレと母ちゃんは漫才してるわけじゃねえんだよ

 

 

しんのすけ:んーオラとしてはもうちょっとこう、げんこつをシュパッと

 

 

美琴:いやシュパッとって……

 

 

愛瑠代:こうかい!?

 

 

 

悪男:痛え!

 

 

美琴:いや、やるなよ

 

 

しんのすけ:そうそう!で君は……ゴニョゴニョ

 

 

悪男:ふむふむ、なるほど

 

 

美琴:………?

 

 

悪男:母ちゃん、買ってくれないならオレにも考えがあるぞ

 

 

愛瑠代:なんだい

 

 

悪男:オレ、大人になってから働いた給料で好きなだけ買ってやるからな!!

 

 

愛瑠代:なんだって!?

 

 

美琴:いや、いいことじゃん

 

 

悪男:さあどうする!今買わなきゃ大人になってから買うぞ!

 

 

愛瑠代:悪男、アンタわかってないよ……アンタが大人になったときのことを考えてごらん

 

 

 

悪男:え?

 

 

愛瑠代:その時、アンタ………そのおもちゃがまだ好きなのかい!?

 

 

 

悪男:っ!?

 

 

 

美琴:なんだこれ!

 

 

 

愛瑠代・悪男:どうも!ありがとうございました!

 

 

しんのすけ:うむ!よく出来たゾ!

 

 

 

愛瑠代:…………悪男、帰るよ

 

 

悪男:うん、母ちゃん

 

 

 

愛瑠代と悪男は我に返り、ゆっくりと帰って行った

 

 

美琴:…………これで、いいのか?

 

 

 

しんのすけ:うむ、いいんだゾ

 

 

 

美琴:ま、いっか

 

 

ちょっと拍子抜けした美琴であった




なんか書いてるウチにこうなりました

愛瑠代さんの息子の悪男、女の子だったら悪子(笑)


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もしもの時の訓練をするゾ

ある日、美琴はしんのすけたちとテレビを見ていた

 

 

テレビでは災害にあいながらも懸命に生きている人たちのドキュメンタリーをやっていた

 

 

 

しんのすけ:地震ですかぁ……怖いですなぁ~

 

 

みさえ:そうね、地震はいつ来るかわからないし、前々から用意はしといた方がいいわね

 

 

ひろし:だな、非常用持ち出し袋とかな

 

 

しんのすけ:なにそれ

 

 

美琴:ああ、地震とか起きたときのための物よ、地震がきて電気やガスなんかが止まった時に使える物をあれこれ入れたのがそれよ

 

 

ひろし:おう、例えばだな……ガスが止まればメシが作れない、そんな時の為の缶詰め、次に水が止まった時に飲めるミネラルウォーター、今がどんな状況かを知る携帯ラジオなどが入ってるんだ

 

 

 

しんのすけ:ほーほー要するに何でもカバンってヤツですな

 

 

美琴:どこかで出てきそうな名前だけど、まあそんなとこね

 

 

ひろし:そうだ!なあ、今日いっちょ避難訓練をやらないか?もしもの時、パって動けた方がいいだろうし

 

 

みさえ:そうね、そうしましょ!で、いつごろやるの?

 

 

ひろし:それは内緒だ、わかってたらつまらないし、緊張感ないからな……じゃあタイミングは美琴ちゃんとしんのすけに託そう

 

 

美琴:へ?

 

 

ひろし:いつでもいいから、火事とか地震とかを叫ぶんだ、で、オレたちはそれを聞いたら大事な物を持って庭に飛び出す、どうだ?

 

 

みさえ:いいわね!

 

 

その後、しばらくは何もなく過ごし、美琴は部屋でしんのすけと考えていた

 

 

美琴(うーん、いつにしよっかなぁ……どうせなら意表をつきたいわよねぇ……)

 

 

 

しんのすけ:うーん、何て言おうかな~

 

 

 

美琴:ん?火事とか地震とか?

 

 

 

しんのすけ:ううん、怪獣かエイリアンか

 

 

 

美琴はずっこけた

 

 

美琴:あのね!そんなもんいないっての!そんな架空のものじゃなくて!あーもう、いいわ火事で

 

 

 

しんのすけ:母ちゃんがいつもやってる?

 

 

 

美琴:そっちじゃないわ!燃える方の火事!

 

 

 

しんのすけ:なーんだ、はじめからそういってよ~

 

 

 

美琴:ぐっ……ホンッとに腹立つわね君は

 

 

しんのすけ:いやぁ、それほどでもぉ~

 

 

 

美琴:褒めてないっての!!

 

 

 

そして、ついにその時は来た

 

 

 

美琴:よ~し、いくわよ

 

 

 

しんのすけ:おっしゃ~

 

 

 

美琴:大変!2階から火が!火事です!逃げて!

 

 

しんのすけ:美琴おねいさんとキャンプファイヤーやってたんだゾ

 

 

美琴:やってないやってない

 

 

ひろし:みさえ!早く!

 

 

みさえ:ちょっと待って!今パックしてるの!

 

 

ひろし:マジかよ、こんな時に、あ!ぐう!オレもこんな時に腹痛が!うおおお~!

 

 

 

ひろしはトイレに駆け込んだ

 

 

 

美琴:この調子でいざって時逃げられるかしら私たち

 

 

しんのすけ:その後、オラたちの姿を見たものは誰もいなかった

 

 

美琴:やめろ!

 

 

 

避難訓練は失敗に終わってしまうのだった



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プールとボインなおねいさんだゾ

ある日、美琴は子供たちを連れてプールへと来ていた

 

 

水着に着替え、シャワーをくぐり

 

 

腰洗い槽に浸かる

 

 

 

マサオ:ウヒィ!冷たい!

 

 

ネネ:これってなんか意味あるのかしら

 

 

風間:これはいきなり冷たい水に浸かると心臓が驚いて心臓発作を起こしてしまう恐れがあるからそれの防止のためにやるんだよ

 

 

ボー:お風呂でも、シャワーが先、これと、同じ理由

 

 

美琴:よく知ってるわね2人とも……あれ、しんちゃんはどこだろ

 

 

遅れてしんのすけが入ってくる

 

 

しんのすけ:うぅ~ごくらくごくらく~

 

 

 

美琴:ここはお風呂じゃないっつーの!水よ水

 

 

しんのすけ:な~んだ、どうりで冷たいと思った~

 

 

美琴:嘘つけ、さっきごくらく~って言ってたくせに

 

 

しんのすけ:え~?オラが?何年何月何日何時何分何秒?

 

 

美琴:子供みたいなこと言ってんじゃないわよ!

 

 

しんのすけ:何言ってんの、オラ五歳の子供だゾ

 

 

美琴:あーそうだったわね……ほら、そろそろいくわよ、皆ついてきて

 

 

防衛隊:はーい!

 

 

そして準備体操をしていよいよ入水

 

 

 

美琴:ふう、気持ちいい……これは確かにごくらくかもね

 

 

しんのすけ:んもー美琴おねいさん、ここはお風呂じゃないんだゾ~?

 

 

美琴:…………はいはいそーでした!私が間違っておりました!

 

 

風間:やめろよしんのすけ!せっかく連れてきてもらってるのに失礼だろ、それに楽しい雰囲気を壊すなよな

 

 

美琴:風間くんは気にしなくていいのよ、でもありがとね

 

 

しんのすけ:いやぁ、それほどでもぉ

 

 

美琴:アンタを褒めてんじゃないわ!!

 

 

ネネ:さ、マサオくん…ウォータースライダーいくわよ

 

 

マサオ:えーボクやだよ~怖いもん

 

 

ネネ:いいから行くんだよ!オニギリ!!

 

 

マサオ:ヒィッ!は、はい!!

 

 

マサオは強制連行された

 

 

美琴:………ううっ、今、寒気がしたわ……ネネちゃん、ちょっと恐ろしい子ね

 

 

風間:ええ、ボクたちも痛いほどわかります

 

 

しんのすけ:うんうん

 

 

ボー:もう、体験、済み

 

 

そんなやり取りをしていると

 

 

 

「あらぁ~御坂さぁん?」

 

 

美琴:うっ、この癇に触る声は……

 

 

 

???:ヤッホ~奇遇ねぇ、こんなところで会うなんて

 

 

美琴:うるさい、私は会いたくないから嫌な奇遇よ、食峰 操祈(しょくほう みさき)

 

 

 

操祈:あらぁ~?それはあなたのおっぱい力が私よりないから~?

 

 

 

しんのすけ:たまりませんな!!そのボヨヨ~ンなお胸とボンッキュッボンなお身体、オラ操祈おねいさんにオラん家に来てほしいなぁ~

 

 

 

操祈:あらぁ~ご招待してくれるの~?

 

 

しんのすけ:そしたら~毎日操祈おねいさんとお風呂に~

 

 

 

操祈:いいわよぉ~君の体、ゴシゴシ洗ってあげるわぁ~

 

 

美琴:このエロガキ!私がいるでしょうが!私が!

 

 

 

しんのすけ:えー何回も入ってるから飽きたゾ

 

 

美琴:飽きんな!

 

 

風間:因縁の相手がまだいたのか

 

 

ボー:宿命の、ライバル、パート、2

 

 

マサオ:うわぁ、おっきいなぁ

 

 

ネネ:エロにぎりが

 

 

マサオ:ヒィッ!殺気を感じるよ~

 

 

 

操祈:じゃあ私はこの辺でぇ~そろそろ学園都市に帰るわ~

 

 

美琴:2度と来んな!!運動音痴!

 

 

 

操祈:お子さま体型に言われたくないわぁ~バイバ~イ

 

 

しんのすけ:パイパ~イ

 

 

美琴:私への当て付けかそれは!!フン!いいわよ、別に胸だけが女の全てじゃないんだから

 

 

 

ネネ:そうよそうよ!わかった!?男共!

 

 

 

男達:はい!

 

 

 

そして美琴達はプールを堪能し、食事をして、そしてまたプールを堪能し、帰っていく

 

 

美琴の食峰への怒りは、楽しく遊んだせいか帰る時にはすっかり消えていたのだった




食峰操折を出してみました
多分彼女はこれっきりです


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母ちゃんと美琴おねいさんのテニスだゾ【対立編】

北本:ねえねえ野原さん、明日空いてる?このテニススクール、一緒にいかない?

 

 

みさえ:テニススクール、ですか?

 

 

北本:そう、最近新しくできたらしくてね、今オープン記念で一人ワンコインでレッスンできるみたいよ

 

 

みさえ:ワンコイン!?

 

 

北本:そうそう、どうかしら

 

 

みさえ:いいですね!最近運動不足だったし、行きます!

 

 

北本:そう、じゃあ明日

 

 

みさえ:はーい

 

 

北本が帰ったあとみさえはウキウキとする

 

 

しんのすけ:母ちゃん、なんかいいことあったの?

 

 

みさえ:ん?どうして?

 

 

しんのすけ:いつもより気持ち悪いから

 

 

げ ん

こ つ

 

 

みさえ:誰が気持ち悪いんじゃ!

 

 

美琴:相変わらすやってますねぇ、でも私も気になりますね……みさえさん何だか嬉しそうだし

 

 

 

みさえ:あ、あらやだ美琴ちゃん……えっとね、さっきお隣の北本さんからテニススクールに誘われたの……今ならオープン記念でワンコインでやれるらしいの

 

 

美琴:なるほど、お得ですね……あの、私も行ってもいいですか?

 

 

 

みさえ:え?いいわよ、仲間が多い方が楽しいし

 

 

美琴:テニスなんて久しぶりだなぁ……授業で少しやっただけですけど

 

 

みさえ:へーえ、そうなの

 

 

そして、翌日

 

 

美琴、みさえ、北本はテニススクールへ行く

 

 

コーチの説明、軽いレクチャーを受けてから各コートでペアを組み、ラリー形式で練習

 

 

 

美琴:いきますよ、それ!

 

 

みさえ:よっしゃー!ほい!

 

 

 

美琴:お、やりますね……ほいっと!

 

 

みさえ:あっ!

 

 

みさえはボールを打ち損ねてしまう

 

 

美琴:ごめんなさい、ちょっと位置がずれてしまって

 

 

みさえ:いいのよ、気にしないで……さ、続きをやりましょ

 

 

美琴:はい

 

 

美琴とみさえは打ち合いを再開する

 

 

みさえは何度かボールを打ち損ねるが楽しく練習していた

 

 

と、そこへ

 

 

???:ほほほ、そこのおばさん……さっきから見ていたけど、テニスしているようには見えませんでしたわ

 

 

 

???:ええ、ほんと……それにそこのアナタも、リードが下手くそだこと……ふふふ

 

 

 

美琴:何よあんたら……だからこうやって練習してんじゃないの

 

 

みさえ:そうよ、だから邪魔しないでもらえる?

 

 

2人は再び練習再開するが例の2人はニヤニヤして見ている

 

 

 

コーチ:またですかあなたたち、困りますよ、練習生の邪魔をしては

 

 

コーチにそう言われた2人はクスクスと笑いながら去っていた

 

 

美琴:誰なんですか?あの2人は

 

 

コーチ:ああ、ここの常連でプロテニスプレイヤーの酢吾井(すごい)姉妹ですよ、姉の早愛歩(さあぶ)、妹の歩令菜(ぼれえ)のコンビですごく上手いんですが性格があまりよくなくて……ご迷惑をおかけします

 

 

 

美琴:いえいえ、コーチのせいではないですから

 

 

みさえ:そうですよ、気にしないでください

 

 

 

早愛歩:歩令菜、お二人にほんとのテニスを見せて差し上げましょ

 

 

歩令菜:ええ、早愛歩お姉さま

 

 

2人は美琴とみさえに見せつけるようにラリーを続けた

 

 

その途中、何度かニヤニヤと美琴とみさえを見る

 

 

美琴:あいつら………もう頭に来た!

 

 

みさえ:ええ!私もよ!

 

 

美琴達はズカズカと早愛歩達に近づき、美琴がビッと早愛歩達を指差し、言った

 

 

 

美琴:あんたら!来週私たちと試合しなさい!!それまでに練習しまくってあんたらをコテンパンにのしてやるんだから!

 

 

みさえ:そうよ!私たちを甘く見るとどうなるか教えてやるわ!!

 

 

 

早愛歩:ほほほ、おあいにく様、私たちはあなたたちみたいなザコ相手にしてる暇は

 

 

美琴:へえー逃げるんだ、私たちにあれだけ言っておきながら、実はあんた達の方がザコなんじゃないの?

 

 

みさえ:そうよね~さっきのあれもまぐれだったのかもね~

 

 

歩令菜:なんですって!?早愛歩お姉さま!やってしまいましょう!

 

 

早愛歩:そうね、これだけ言われては酢吾井姉妹の沽券に関わるわ

 

 

直後、4人にバチバチと火花が散る

 

 

果たしてどうなってしまうのか!

 

 

続く!!



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母ちゃんと美琴おねいさんのテニスだゾ【特訓編】

ひろし:なるほどな、そんなことがあったのか……嫌なやつってのはどこにでもいるもんだ

 

 

みさえ:あの2人だけは許せないわ、早速明日から猛特訓を始めるわ!頑張りましょ!美琴ちゃん!

 

 

美琴:ええ、もちろん……あんなにバカにされて黙ってられませんからね

 

 

 

ひろし(うっ!熱い!2人から沸々と沸き上がる闘志を感じるぜ!)

 

 

しんのすけ:オラ、母ちゃんと美琴おねいさんを応援するゾ!父ちゃんもするよね

 

 

ひろし:お、おう!もちろんだ!試合だってもちろん見に行く!だから頑張ってくれよ!

 

 

みさえ:ありがとうあなた、しんちゃん

 

 

美琴:ふふっ、2人の応援があれば勝てそうな気がしてきましたよ

 

 

ひまわり:プー!

 

 

みさえ:あーはいはいごめんねひまちゃん……ひまちゃんもママと美琴お姉ちゃん応援してねー

 

 

ひまわり:たい!

 

 

美琴:ありがとうひまちゃん、よっし!やってやる!見てなさいよ酢吾井姉妹!あんたらの鼻を明かしてやるんだから!

 

 

 

みさえ:そーよそーよ!2度とあんな口叩けないようにしてやるわー!

 

 

 

そして、2人の猛特訓が始まった

 

 

 

【ランニング】

 

 

しんのすけがホイッスルを吹きながら先導する

 

 

しんのすけ:ファイト!

 

 

 

みさえ:一発!

 

 

しんのすけ:一撃!

 

 

美琴:必殺!

 

 

 

【縄跳び】

 

 

みさえ:フン!フン!

 

 

美琴:よっ!ほいっ!

 

 

 

しんのすけ:あう~ん、絡まった~ん

 

 

【素振り】

 

 

みさえ:1!2!3!4!

 

 

美琴:5!6!7!8!

 

 

しんのすけ:おおっととと!あう!

 

 

2人の猛特訓は続き、いよいよ試合前日の夜

 

 

 

みさえ:やるだけのことはやったわね

 

 

美琴:ええ、後は明日を待つだけです

 

 

ひろし:いよいよ明日、試合か……今からドキドキしてきたぜ

 

 

しんのすけ:オラもぉ~ドキがムネムネしてきたゾ

 

 

ひろし:胸がドキドキだろ……とにかく!明日頑張ってくれよ

 

 

美琴:はい、もちろん

 

 

みさえ:ええ!

 

 

そしてひろしは最後に言った

 

 

ひろし:あー……最後にこれだけは言っておく……勝敗ももちろん大事だが、怪我だけはしないでくれよ、2人が無事に戻ってきてくれるのがオレたちの1番の願いだからな

 

 

みさえ:あなた

 

 

美琴:ひろしさん

 

 

 

しんのすけ:お、オラもだゾ!お怪我した母ちゃん達は見たくないゾ!

 

 

ひまわり:あっ、あうぅ~

 

 

 

みさえ:しんちゃん、ひまちゃんも

 

 

美琴:心配してくれてありがとう……明日は絶対に勝って、そして、無事に戻ってくるからね

 

 

しんのすけ:お約束だゾ

 

 

美琴:うん、お約束ね

 

 

美琴はしんのすけと指切りをする

 

 

しんのすけ:母ちゃんもお約束ね

 

 

みさえ:はいはい、お約束

 

 

その後、全員眠りにつき、いよいよ試合当日を迎えた

 

 

2人はスクールのコートで酢吾井姉妹と向き合っている

 

 

早愛歩:逃げずによく来たわね、褒めてあげるわ

 

 

美琴:フンッ、そりゃどうも……でもそんなでかい口叩けるのもこれが最後よ

 

 

 

みさえ:そうよ!私たちは今日まで猛特訓をしてきた、その成果をたっぷりと見せてあげるわ!

 

 

歩令菜:ふふふ、そう……じゃあお礼に私たち姉妹の実力もたっぷりと見せなきゃね

 

 

 

コーチ:それでは!これより御坂・野原ペアVS酢吾井ペアのダブルスを始めます!礼!

 

 

 

4人は頭を下げるが終始にらみ合う

 

 

 

そして所定の位置につく

 

 

 

コーチ:ワンセットマッチ!御坂トゥサーブ!

 

 

美琴:よぉ~し!いくわよ~

 

 

みさえ:…………

 

 

 

ついに対決の時が来た!

 

 

さらに続く!!



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母ちゃんと美琴おねいさんのテニスだゾ【対決編】

ついに試合が始まった

 

 

美琴:いくわよ~それ!

 

 

早愛歩:はい!

 

 

みさえ:えい!

 

 

歩令菜:はっ!

 

 

ひろし:すげえ!美琴ちゃんもみさえも相手のボールをしっかり打ち返している!

 

 

 

しんのすけ:おお!

 

 

北本:へえ~すごいわあの2人……野原さ~ん!美琴ちゃ~ん!

 

 

 

みさえ:おばさん……来てくれたんだ

 

 

美琴:幸せ者ですね私たち

 

 

みさえ:ええ、よし!続きいくわよ!

 

 

美琴:はい!

 

 

ゲームは再開された、美琴とみさえのペアは特訓の甲斐もありミスもしつつ何とか食らいついて互角の勝負を繰り広げた

 

 

 

美琴:よっし!3-4で負けてないわ!あと1ゲーム取れば同点だわ、みさえさん!頑張りましょう!

 

 

みさえ:ええ、でもごめんね……ミスが多くて

 

 

美琴:ドンマイです!それにミスなら私もですから……さ、こっからこっから!

 

 

みさえ:ありがとう美琴ちゃん、おっしゃー!やるわよー!

 

 

早愛歩:ふふふ、歩令菜……そろそろ見せてあげましょうか

 

 

歩令菜:そうですわね、早愛歩お姉さま

 

 

 

 

コーチ:チェンジコート!

 

 

 

コートを入れ替え第8ゲームが始まろうとしたとき、早愛歩は言った

 

 

 

早愛歩:ふふふ、野原さん……御坂さん、よくここまで上達しましたね、正直驚きました……しかし、それもここまで……ここからは私たち酢吾井姉妹の独壇場……見せてあげますわ、私たちの真の実力を

 

 

美琴:何それ、じゃあ今まで手加減してたってこと!?ムカつくわね、だったら見せてもらおうじゃないの、その真の実力とやらをね!!

 

 

そして第8ゲームが始まった

 

 

サーブ権は早愛歩なのでサーブを打つ

 

 

美琴:何よ、大したことないただのサーブじゃないの……っよ!

 

 

 

早愛歩:ふふ、いくわよ歩令菜

 

 

 

歩令菜:ええ、お姉さま

 

 

 

歩令菜がリターンした直後だった、2人は同時に走り出す

 

 

そしてみさえがリターンすると2人同時にラケットを構える

 

 

美琴(なっ!?)

 

 

みさえ(えっ!?どっちが打ってくるの!?)

 

 

 

早愛歩:せいっ!

 

 

 

美琴:あ!しまっ!

 

 

みさえ:美琴ちゃん!

 

 

美琴:くっ、なんて手法使ってくんのよ……ったく

 

 

 

コーチ(出たか……双子の姉妹であることを利用した彼女達の得意技……)

 

 

 

姉妹の陽動攻撃(シスターズ・フェイントアタック)!!』

 

 

コーチ(早愛歩と歩令菜の瓜二つな姿を利用し、同じ動きをすることでどちらがリターンするかわからない状態を引き起こし、戸惑う相手の隙をつく……これは万事休すか)

 

 

 

みさえと美琴はその後も何とか食らいつこうとするが2人のフェイントにより翻弄され、息も切れかかり、コート上に倒れてしまった

 

 

 

美琴:はあっ、はあっ……くそっ……勝てない

 

 

みさえ:私、もうダメ……体が言うこと聞かないわ

 

 

美琴:あはは、私もです……悔しいなぁ、でも、やるだけやったんだし……いいかな

 

 

みさえ:そうよね、もう終わってもいいわよね

 

 

 

2人は倒れたまま見合って笑い合う

 

 

 

ひろし:みさえ、美琴ちゃん……よくここまで頑張った……もういい、あとはゆっくりと……

 

 

ひろしがそう言いかけたとき、抱かれていたひまわりが大泣きし始めた

 

 

 

ひまわり:エッ……びええぇぇぇ~!!!

 

 

 

 

ひろし:ど、どうしたひまわり!

 

 

しんのすけ:ひま……!

 

 

北本:ひまちゃんは2人に言ってるんだよ、何をやってるんだって、立ってって

 

 

 

しんのすけ:ひま……よぉ~し!オラも!

 

 

ひろし:しんのすけ……?

 

 

 

しんのすけ:母ちゃん!美琴おねいさん!なにやってんの!!2人がだらしないからひまが泣いてるゾ!!情けないと思わないの!?もしそのまま起きなかったら今度はオラが泣くゾ!!

 

 

 

ひろし:そ、そうだ!立て!あの猛特訓した日々を思い出せ!!そいつらを倒すためにあんなに猛特訓したんだろ!?

 

 

 

北本:野原さん!御坂さん!あんた達の力はそんなもんじゃないだろ!根性出しな根性を!それでも私のお隣かい!

 

 

 

 

 

早愛歩:ふふふ、ムダよ……彼女達はもう立つことも……うっ!

 

 

 

歩令菜:そ、そんな……嘘!

 

 

 

美琴とみさえは声援を受け、フラフラと立ち上がった

 

 

美琴:ふふふ、ひまちゃんが泣いてて、さらにしんちゃんにまで泣かれたら……嫌だなぁ

 

 

みさえ:そうよねあなた、あんなに猛特訓したんだもの……このまま負けたら水の泡よね……おばさんも、お隣として恥じない戦いを見せます

 

 

 

コーチ(立つのか、あの攻撃を受けて……なんて2人だ……初めてみたぞ……しかし、続けさせるべきか)

 

 

 

コーチが考えていると美琴とみさえは位置につき構える

 

 

 

コーチ(やるのか!?よし、ならば審判として最後まで見届けてやる)

 

 

 

コーチはプレイ再開をコールする

 

 

 

美琴(もう惑わされない……あの技は見抜いた)

 

 

みさえ(走るとき2人は左右から同時に走る……だったら)

 

 

 

早愛歩:ほっ!

 

 

美琴(右!)

 

 

 

早愛歩:なっ!?

 

 

歩令菜:ま、まぐれよまぐれ!もう一度!

 

 

 

そしてまたそれを使うが

 

 

 

みさえ(左!)

 

 

 

歩令菜:な、何故わかるの!?

 

 

 

ひろし:すげえ……ウソだろ

 

 

 

コーチ(すごい、相手が打つと同時にこちらも走る……しかも右と左でそれぞれ担当を決めることでより効率よく打ち返す……すごい……すごすぎる!)

 

 

 

早愛歩:私たちのシスターズ・フェイントアタックが……破れるなんて

 

 

美琴:さあ、たっぷりとお返してあげるわよ

 

 

 

そして、2ペアの戦いは白熱し、いよいよタイブレークに突入した

 

 

互角にポイントを取り合い、ついに美琴とみさえのペアがアドバンテージになった

 

 

4人とも必死にラリーを続け

 

 

 

早愛歩:あ!しまった!

 

 

 

早愛歩がロブをあげてしまった

 

 

 

美琴:もらった!

 

 

 

みさえ:いけー!美琴ちゃん!

 

 

ひろし:決めろー!

 

 

しんのすけ:美琴おねいさん!

 

 

ひまわり:たー!

 

 

北本:お!おお!

 

 

美琴はジャンプし、スマッシュの構えをとる

 

 

美琴:いくわよ~『超電磁球(レールボール!)!』

 

 

 

とカッコいい名前を叫んだが、要はただの速いスマッシュである

 

 

 

美琴:………なんか今失礼なことを言われたような……ま、いっか

 

 

 

コーチ:ゲ、ゲームセット!ウォンバイ御坂・野原ペア7─6(セブンゲームストゥシックス)

 

 

 

早愛歩:そ、そんな……私たちが

 

 

歩令菜:負けた……?

 

 

 

美琴:…………

 

 

 

みさえ:あ、美琴ちゃん

 

 

美琴は負けてガクッと座り込んでしまった早愛歩に手を差し出した

 

 

早愛歩:………あなた

 

 

美琴:いつまでそうしてんの……立ちなさい

 

 

 

早愛歩:あ、はい

 

 

 

みさえ:ふふっ、あの子ったら……ほら、あなたも

 

 

歩令菜:え、ええ

 

 

 

みさえも歩令菜に手を差し出した

 

 

 

その後4人の試合に拍手が贈られた

 

 

 

美琴:強かったわよ、プロの試合……これからも頑張ってね

 

 

早愛歩:あら、応援してくださるの?

 

 

 

美琴:なっ!と、特別よ……特別

 

 

早愛歩:ほほほ、素直じゃないガキだこと

 

 

美琴:な、何ですって!?

 

 

みさえ:ふふふ、あなたもお姉さんをしっかり支えてあげなさいね

 

 

歩令菜:ええ、おばさま

 

 

みさえ:コラァ!誰がおばさまじゃあ!!

 

 

 

早愛歩:ほほほほ

 

 

歩令菜:ふふふふ

 

 

 

2人はそそくさと笑いながら去っていった

 

 

美琴:やっぱ嫌なやつ

 

 

みさえ:同感

 

 

 

こうして、美琴とみさえのテニスは幕を閉じるのであった



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母ちゃんの代わりに頑張るゾ

 

ある日の朝

 

 

しんのすけ:こんにちは~

 

 

美琴:あれ、しんちゃん……今日は早いんだね、というか一人で起きたの?

 

 

しんのすけ:うん、母ちゃんまだ寝てるゾ

 

 

美琴:おかしいなぁ、いつもは起きて朝食の支度を……て……しんちゃん、早くしないと幼稚園に遅れちゃうけど

 

 

しんのすけ:うおっ!ぽっかり忘れてた

 

 

美琴:それを言うならすっかり、いいからほら、顔洗って歯を磨いて、お手洗い

 

 

しんのすけ:でも朝ごはんが

 

 

美琴:私が何とかするからほら、さっさとする

 

 

しんのすけ:ほぉ~い

 

 

 

ひろし:うおおお~!やべえ!会社に遅れる~!みさえのやつ何で起こしてくれねえんだ

 

 

美琴:あ、ひろしさん……おはようございます……みさえさんまだ起きませんか?

 

 

ひろし:おう美琴ちゃん……そうなんだ……でもなんか変なんだ……寝てるんだけどなんというか、呼吸が荒いというか……と、とりあえず急がねえと

 

 

 

美琴:………?呼吸が荒い?

 

 

 

ひろしの言葉に疑問を感じた美琴は寝室に入り、声をかける

 

 

美琴:みさえさ~ん?大丈夫ですか?

 

 

 

みさえ:………あら、美琴ちゃん……ごめんなさい、今起きるわ

 

 

美琴:顔が赤い……ちょっと失礼……

 

 

美琴はみさえの額に手を当てた、みさえの額は凄く熱かった

 

 

美琴:ちょっと!熱いじゃないですか!風邪引いたんじゃないですか?

 

 

みさえ:そうみたい、なんかさっきからダルくて……でも家の事とかやらないと

 

 

美琴:ダメです!今日は1日ゆっくり寝てること!家の事なら私が引き受けますから

 

 

美琴は胸をドンと叩いて言った

 

 

美琴:さて、まずは

 

 

 

美琴はしんのすけに朝食を食べさせバスに乗せて幼稚園へ送り出す

 

 

その後ひろしの見送りを済ませ、家の事に取りかかる

 

 

美琴:まずは、洗い物っと

 

 

自分としんのすけとひろしの食器を洗い、かごに入れる

 

 

美琴:ええっと次は……ひまちゃんか

 

 

美琴はひまわりのオムツを取り替えて、ミルクも飲ませる

 

 

 

美琴:美味しかったね~さあ、じゃあお昼寝しよっか

 

 

美琴はひまわりを寝かしつけ、家の掃除をし、洗濯物を干し、みさえのお粥も作る

 

 

 

美琴:大丈夫ですか?食べられますか?

 

 

みさえ:あ、ありがとう……美琴ちゃん……色々、やってくれて

 

 

美琴:いえいえ、お世話になってるんで当たり前ですよ

 

 

しんのすけ:お帰りー

 

 

美琴:帰ってきたか……帰ってきたらただいまでしょ、ほら手洗いとうがいでしょ

 

 

しんのすけ:んもーわかってるって~

 

 

美琴:だったらさっさとやる!そこは冷蔵庫よ

 

 

しんのすけ:ほ~い

 

 

美琴:あ、そうそう……おやつ食べたらシロの散歩行ってきなさい

 

 

しんのすけ:あ、シロが今日は気が乗らないから行かないって

 

 

美琴:なわけあるか!痺れたくなかったら行ってきなさい!

 

 

 

しんのすけ:ほ、ほい!!

 

 

しんのすけはおやつを食べ終わるとそそくさとシロの散歩へ行く

 

 

美琴:全く、口だけは達者なんだから……さて、次……あ……あれ……やばっ……ねむ……く

 

 

美琴はフラフラとなり、テーブルに突っ伏して眠ってしまう

 

 

 

『………のすけ、塩』

 

 

『………い、父ちゃん』

 

 

 

美琴:う、ん……?あれ?

 

 

 

美琴がゆっくり目を開けると、台所にはひろしとしんのすけの姿が

 

 

ひろし:お、起きたか……悪いな、もうすぐ夕食できるから、先に風呂に入っててくれ

 

 

美琴:あ、あの……何で

 

 

 

ひろし:しんのすけがな、シロの散歩から帰ったら返事がなくて様子を見に行ったら君が寝てたんで起こそうとしたらトイレに起きたみさえが言ったんだってさ

 

 

しんのすけ:美琴おねいさん、お風邪引いた母ちゃんのためにお家の事、やってくれたんだよね、オラお背中お流しするゾ

 

 

美琴:あ、そうなんだ……ふふ、じゃあお願いしようかな

 

 

しんのすけ:おっしゃー!

 

 

ひろし:もうすぐ夕食だからあんま長湯すんなよー

 

 

美琴:はーい、わかりましたー

 

 

 

美琴としんのすけは風呂に入り、その後3人で夕食を食べる

 

 

深夜、みさえがトイレに起きて済ませたあと茶の間を覗くと

 

 

テーブルに突っ伏して寝る美琴と床に寝るしんのすけの姿があった

 

 

テーブルの上には文庫本、落書きノート、トランプなどが置いてあった

 

 

そう、2人は徹夜でみさえを看病しようとしていたのだ

 

 

みさえ:そういえばタオル……新しくなってたっけ……ありがとう2人とも、でもこれじゃ2人が風邪引くわよ

 

 

みさえは2人に毛布をかけてやる

 

 

 

その後、みさえは元気になり、朝にはその声が響き渡った

 

 

『こらしんのすけ!起きなさい!あなたも会社に遅れるわよ!』

 

 

美琴:やってるなぁ……では私はもう一眠り

 

 

『美琴ちゃんもそろそろ起きなさ~い』

 

 

 

美琴:てわけにはいかないか……はーい!今いきまーす!

 

 

今日も元気な野原一家だった




30話達成しました!


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ひまわりの夜泣きをあやすゾ

それは、ある日の夜の事であった

 

 

みさえ:ほらほら~ひまちゃ~んいい子いい子~

 

 

ひまわり:びえぇぇぇ~っ!!

 

 

みさえ(どうしたのかしら、今日はやけに夜泣きが酷いわね~)

 

 

ひろし:おい何だよ、勘弁してくれよ~オレ明日仕事なんだよ、寝かせてくれよ

 

 

みさえ:何よ、たまには代わってよ!私だって寝たいわよ!

 

 

ひろし:休みの前の日にな、じゃ

 

 

ひろしは横を向き寝る

 

 

みさえ:全く、足の匂いしか取り柄がないヒゲオヤジが……しゃーない、こっち行くか

 

 

みさえはひまわりを抱いて台所に移動する

 

 

しばらくあやすが一向に泣き止まないひまわり

 

 

美琴:はースッキリ~っと……あれ?ひまちゃん?

 

 

トイレを済ませた美琴が声のする方を見るとみさえがひまわりを一生懸命あやしていた

 

 

 

美琴:どうしたんですか?ひまちゃん

 

 

みさえ:それがわかんないのよ、怖い夢でも見たのかしらね

 

 

美琴:みさえさん、明日も早いんでしょう?私が代わりにあやしますから寝てください

 

 

みさえ:え?いいの?

 

 

美琴:ええ、どうぞ……さーひまちゃん、お姉ちゃんと2階に行きましょうね~

 

 

 

美琴はひまわりを抱いて2階へ行く

 

 

みさえ:ありがとう美琴ちゃん、ったく、あいつも見習えっての

 

 

みさえは美琴に感謝しつつ、眠りについた

 

 

 

美琴:えーっと、ほらほら~ゲコ太だよ~

 

 

ひまわり:びえぇぇぇ~!

 

 

美琴:ボクと一緒に遊ぼうよ~

 

 

ひまわり:びえぇぇぇ~!

 

 

美琴:んーダメかぁ……じゃあ……そうだ、ご本でも読んであげよっか

 

 

ひまわり:びえぇぇぇ~!

 

 

 

色々提案してみるものの一向に泣き止まない

 

 

美琴:やれやれ、これは強敵ね……よいしょっと……はいは~い、ひまちゃん、いい子だからお姉ちゃんとねんねしようね~

 

 

抱いて机の椅子に座り、優しくひまわりの背中をトントン叩く

 

 

しかし、まだ泣いているひまわり

 

 

美琴(ふう、私も泣きたいわ……っと、ダメダメ、みさえさんの為にも頑張んなきゃ)

 

 

美琴はため息をつくが、すぐに気合いを入れ直し、再びあやす

 

 

美琴:えーっと、子守唄~っと……

 

 

美琴は優しく子守唄を歌いながら背中をトントン叩く

 

 

段々とひまわりの目蓋が閉じ、ついにスヤスヤと眠りについた

 

 

美琴:ふう、やっと寝た……さて、私も寝よ……スゥ

 

 

 

美琴はひまわりを隣に置いて眠る

 

 

そして、翌日

 

 

 

みさえ:美琴ちゃ~ん、ごめん、ひまわりは……

 

 

ひまわり:あうあう~

 

 

 

みさえが部屋に入るとスヤスヤ眠る美琴の枕元でご機嫌なひまわりがいた

 

 

みさえ:おはよ~ひまちゃん、美琴お姉ちゃんとねんねしたの~?

 

 

ひまわり:たい

 

 

みさえ:そう、よかったわね、じゃあお姉ちゃんにありがとーってしましょうね~

 

 

ひまわりは美琴の髪を撫でた

 

 

 

美琴:………う、ん………ひま、ちゃん

 

 

 

みさえ:あらあらひまわりの夢を見てるのかしら……さ、ひまちゃん、ミルク飲もうね~

 

 

みさえは美琴に布団をかけ直してひまわりを抱いて部屋を出る

 

 

 

部屋を出る直前、美琴にお礼を言った

 

 

 

みさえ:ありがとう、美琴お姉ちゃん

 

 

 

その後、美琴はしんのすけにボールをぶつけられ、しんのすけにお仕置きをするのであった




なんか思い付いて書きました
何気にしんのすけが出ない

『お留守番は大変だゾ』の前日談です


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ななこおねいさんは妬いちゃうゾ

ある日曜日

 

 

今日はしんのすけにとって嬉しい日である

 

 

憧れの大学生、大原なな子と一緒に遊園地へ行けるからである

 

 

もちろん、美琴も同行する

 

 

 

美琴:しんちゃん、迷子にならないようにね

 

 

 

しんのすけ:んもーオラそんな子供じゃないゾ

 

 

 

美琴:立派な子供だっつの、いいから気を付けること、いいわね

 

 

 

しんのすけ:ほーい

 

 

ななこ:ふふ、なんかお姉ちゃんと弟みたいね……可愛い

 

 

しんのすけ:お、おおう……照れますな

 

 

 

美琴:いや、照れるところじゃないでしょ

 

 

 

そして、3人は入場し乗り物に乗る

 

 

 

【メリーゴーランド】

 

 

しんのすけ:ななこおねいさぁ~ん

 

 

美琴:コラ!暴れるな!落ちる!

 

 

馬に乗る美琴に抱かれジタバタと馬車に乗るななこに手足を動かすしんのすけ

 

 

 

ななこはそれに笑顔で手を振る

 

 

しんのすけ:ななこおねいさ~ん!次はあれ乗ろー!

 

 

美琴:ちょっと!そんなに走ると

 

 

しんのすけ:あう!

 

 

ななこ:しんちゃん!大丈……

 

 

美琴:あーもう、ほら……言わんこっちゃない……立てる?

 

 

しんのすけ:うん

 

 

美琴:うん、さすが男の子ね……どこかで手当てを……あ、あそこがいいわ……歩ける?

 

 

しんのすけ:ちょっと、痛いゾ

 

 

美琴:はいはい、よっと……

 

 

美琴は転んで足を擦りむいたしんのすけを抱き上げ、近くのベンチへ座らせる

 

 

美琴:少し染みるけど、我慢してね

 

 

しんのすけ:くぅ~!効きますなぁ~!

 

 

美琴:あはは!何それ……お灸してるおじいさんみたい、あはは!

 

 

ななこ(なんか、妬けるなぁ)

 

 

美琴:はい、終わりっと……よく我慢したわね、じゃあ次は何乗りたい?

 

 

しんのすけ:あれで峠を攻めるゾ!

 

 

美琴:ああ、ゴーカートね……ていうか峠は攻められないわよ……

 

 

ななこ:しんちゃん、写真撮ってあげるわね

 

 

しんのすけ:カッコよくお願いいたします

 

 

ななこ:はいはい

 

 

 

美琴:よっし!ここでドリフト!

 

 

 

しんのすけ:うおおお~!

 

 

 

遊園地を満喫した後は、ななこのお弁当を食べる

 

 

ななこ:どう、しんちゃん、美味しい?

 

 

 

しんのすけ:は、はい……美味しいです

 

 

ななこ:ふふ、よかった……美琴ちゃんは?

 

 

美琴:え?あ、はい……とっても美味しいですよ

 

 

しんのすけ:あ、オラ……ちょっとおトイレ

 

 

美琴:あ、付いていこうか?

 

 

しんのすけ:お構いなく、オラ1人で行けるゾ

 

 

 

美琴:大丈夫?ここわかる?

 

 

しんのすけ:うむ!

 

 

美琴:ならいいけど……わからなかったら……あ、行っちゃったか

 

 

しんのすけは美琴が言い終わる前に走っていく

 

 

トイレを無事に見つけて用を済ませたしんのすけは、すれ違った女性に付いていってしまう

 

 

そして、女性を見失い、我に返ったしんのすけ

 

 

しんのすけ:あれ、ここどこだっけ……ななこおねいさ~ん!美琴おねいさーん!

 

 

 

しかし、返事はなかった

 

 

遊園地の外れの方まで来てしまったしんのすけはとりあえず歩く

 

 

途中柄の悪い男達がタバコを吸い、酒を飲み、騒いでいた

 

 

しんのすけは時々彼らの方を見ながら通り抜けようとする

 

 

ところが運悪く絡まれてしまう

 

 

男:なんだこのガキ、さっきからジロジロ見やがってよぉ

 

 

男:へっへっへ、酒かタバコに興味があんのか?なんなら教えてやるぜ?

 

 

しんのすけ:ふ、ふん!オラが興味あるのは綺麗なおねいさんとチョコビとアクション仮面とカンタムロボだもん!じゃ!

 

 

そういって立ち去ろうとした時、服の後ろをガッと掴まれ持ち上げられてしまう

 

 

 

男:待てよガキ!オレ達のことをジロジロ見たんだ、喧嘩売ってんのと同じだぜ?

 

 

男:そうだぜ、どうすんだよオイ!

 

 

 

しんのすけ:うぬー!放せー!下ろせー!

 

 

 

ななこ:あ!あそこ!

 

 

美琴:しんちゃん……!

 

 

しんのすけがあまりにも遅いため、心配で探し回っていた美琴とななこは絡まれているしんのすけを見つける

 

 

ななこ:どうしよう……誰か人を呼んでこないと……あ!美琴ちゃん!

 

 

美琴:全く!あの子は!

 

 

ななこがオロオロとしてると美琴はバッと男達に近づく

 

 

美琴:ちょっと!その子を放しなさいよ!

 

 

男:ああ?なんだテメエ

 

 

しんのすけ:み、美琴おねいさん……

 

 

男:へへへ、正義の味方のつもりかよ……オラァ!

 

 

美琴は男のパンチをひらりと避けて腹に膝蹴りを食らわす

 

 

男:おっ!おごぉ!!

 

 

男:おい!

 

 

美琴が足を引くと同時に腹を抱えてうずくまる

 

 

男:て、テメエ!

 

 

しんのすけを下ろし、身構えるもう1人の男

 

 

美琴:チッ、懲りないやつ……いいわ、かかってきなさい

 

 

男:なめてんじゃねえ!!

 

 

男は回し蹴りを打つが美琴はジャンプして避ける

 

 

男:えっ?

 

 

美琴は男が驚いている隙をつき、右足で左頬に回し蹴りを放ち吹っ飛ばす

 

 

美琴:ふう、いっちょ上がりっと……

 

 

しんのすけ:み、美琴おねいさん……どうもありがと……っ!!

 

 

 

美琴はしんのすけをキッと睨み付けてパンッと平手打ちをした

 

 

ななこ:………!

 

 

美琴:もう!バカ!どれだけ心配したと思ってんのよ!いつまでも戻ってこないから事故にでもあったんじゃないかと思ったわよ!

 

 

しんのすけ:………ご、ごめん……くさい

 

 

 

美琴:全く、やめてよね……もう……ホントに、心配……したんだから

 

 

しんのすけ:うっ、ううっ……

 

 

美琴:でも、無事でよかった……

 

 

美琴はしんのすけをギュッと抱き締めた

 

 

しんのすけ:ううっ……うわあぁぁぁ~!!ごめんくさ~い!!

 

 

 

ななこ:しんちゃん……よかった

 

 

ななこは涙を指で拭う

 

 

帰りの電車の中

 

 

しんのすけは美琴に寄り添い、眠る

 

 

美琴もまた、しんのすけの方に傾いて眠る

 

 

ななこ:あら、ふふふ……ホント、姉弟みたい

 

 

ななこは正面から眠る二人を撮る

 

 

ななこ(ホント、妬けちゃうわ……私には普段キザなくらいカッコつけてるのに美琴ちゃんには素直で、美琴ちゃんもしんちゃんの為に、手当てをしてあげて、助けてあげて……そして、叱ってあげて……私、まだまだだなぁ)

 

 

そして春日部に着き、別れる

 

 

ななこは寝る前に呟いた

 

 

ななこ:そういえば、しんちゃん……いつもは私が来ると嬉しそうに出てくるのに、今回は美琴ちゃんから離れなかったなぁ……ふふ、やっぱり、妬けるなぁ

 

 

 

こうして、日曜の夜は更けていくのであった




ななこおねいさん初登場です


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あいちゃんの来訪だゾ

しんのすけ:う~む、いいですなぁ~お天気の良い日にこうやってお日様の光を全身に浴びながらのお昼寝は

 

 

みさえ:何やっとんじゃおのれは……そんなことしてる暇あったらうちのお手伝いでもせんかい!

 

 

しんのすけ:んも~妖怪ガミガミオババ~

 

 

みさえ:何ですって?

 

 

 

しんのすけ:い、いえ……美人のお母様……

 

 

 

そんなやり取りをしていると、インターホンがなり、来客が来る

 

 

みさえ:はーい!うっ!

 

 

そこにいたのはしんのすけの幼稚園の友人であり、しんのすけにぞっこんな酢乙女あいとその執事、黒磯だった

 

 

あい:しん様はご在宅ですか?

 

 

みさえ:あ、はい、ご在宅です

 

 

あい:では、お邪魔させていただきますわ……黒磯

 

 

黒磯:あ、はい!

 

 

黒磯はみさえに耳打ちをする

 

 

黒磯:午後5時にお迎えに上がりますのでそれまであいお嬢様をよろしくお願いいたします、では……あ、昼食は済ませましたので

 

 

黒磯はペコリと頭を下げ、車で去る

 

 

 

そしてあいはしんのすけにベタベタとする

 

 

あい:しん様~あい、会いたかったですわ~

 

 

 

しんのすけ:うむぅ~オラゆっくりお昼寝したかったのにぃ~

 

 

あい:もう~照れちゃって可愛いしん様

 

 

みさえ(やれやれ、あの子が来ると疲れるのよねぇ……あ、そういえばまだ紹介してなかったっけ)

 

 

しんのすけ:かぁ~ちゃ~ん、何とかしてぇ~

 

 

みさえ:しんのすけ、ちょっと2階にいってあいちゃん、紹介してあげて?風間くん達は知ってるけどあいちゃんは知らないでしょ?

 

 

あい:あら?お母様、まだあいが会っていないこの家の方がいらっしゃるのですか?

 

 

みさえ:え、ええ……最近家に来てね、泊まってるの

 

 

しんのすけ:こっちだゾ

 

 

あい:はい、しん様

 

 

しんのすけは2階にあいを連れていき、ノックする

 

 

 

『はーい』

 

 

しんのすけ:ボス、周りをうろついていた女を捕らえました

 

 

 

『よし、よくやった、入れ……って!何やらせんのよ!』

 

 

ノリツッコミと共にドアが開かれ、美琴が出てくる

 

 

美琴:あれ、しんちゃん、誰その子?お友達?

 

 

あい:はじめまして、私、酢乙女あいです、しん様とは幼稚園で同じひまわり組ですわ

 

 

美琴(黒子っぽいしゃべり方するわねこの子)

 

 

あい:そして、しん様を愛しております

 

 

美琴(何ですと!?愛してる!?)

 

 

しんのすけ:いや、オラは子供には興味はないゾ

 

 

あい:で、あなたは?この家の方でしょ?

 

 

 

美琴:え?あ、ああ……御坂美琴よ、この家であの、下宿させてもらってます、はい

 

 

あい:下宿……?

 

 

しんのすけ:早い話が、居候

 

 

あい:ああ!なるほど!わかりました!

 

 

 

美琴:いや!そうだけども!なんか納得いかないなぁ

 

 

あい:ふーん、ま、まずまずですわね

 

 

あいはジロジロと美琴を見回す

 

 

美琴:何よさっきからジロジロ見て

 

 

あい:お胸もないし、しん様が靡く心配もありませんわね

 

 

美琴:ぐぐっ!

 

 

 

あい:さ、しん様、下へ参りましょ

 

 

しんのすけ:ほーい、じゃっ、美琴おねいさん

 

 

美琴:はいはい、さようなら

 

 

美琴は2人が出てったあとドアを閉めて椅子に座り、頬杖をついて赤面しつつボソッと呟いた

 

 

美琴:お子様に言われたくないっつーの

 

 

 

そして、あいは5時に迎えが来て帰っていく

 

 

その車を2階のベランダから見送る美琴は車に向かい、ベーッと舌を出した

 

 

美琴:あの子、苦手だなぁ……はぁ

 

 

部屋に戻り苦笑いをしてそういい、ため息をついた美琴であった



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父ちゃんの秘密がバレちゃったゾ

それは、ある雪の日だった

 

 

ひろし(あれ、おかしいな……あれどこやったっけな……こんな寒い日の出勤にはあれが一番いいんだけどな)

 

 

ひろしは会社に行く前にあるものをガサガサと探し回る

 

 

みさえ:あら、あなたどうしたの?何か探し物?

 

 

ひろし:え?あ、別に何でもないさ……行ってくる!

 

 

ひろしはそそくさと仕事へ行く

 

 

 

みさえ:気をつけてねー

 

 

みさえはそれを見送る

 

 

ひろし(ふー危なかったぜ、危うくばれるところだった……しかし、どこ行っちまったんだあれ、このくらいの時期にはいつも使ってたんだけどなぁ)

 

 

ひろしは道中考えながら歩いた

 

 

その頃、家では

 

 

しんのすけ:あれ?美琴おねいさんここにいたの?お珍しい

 

 

美琴:ん、何かみさえさんが2階の掃除するからしばらくここにいてって言ってたから

 

 

しんのすけ:ふーん、ま、いいけどオラのお邪魔だけはしないでよね

 

 

美琴:するかっての……ていうか君こそ私の読書の邪魔はしないでよね

 

 

しんのすけ:チョコビ二個で手を打とう

 

 

美琴(こいつは……)

 

 

 

そして、みさえは2階の掃除をしていた

 

 

みさえ:ふう、これくらいでいいかしら……あの子意外と綺麗にしてるのね、そうだ、机の引き出しとか見とくか……あの人がいかがわしい本とか隠してないか心配だし

 

 

みさえはひろしの机の本立てや引き出しを見てみる

 

 

みさえ:よし、大丈夫っと……あら?これは……

 

 

みさえは一番下の引き出しの底に何かを見つけた

 

 

 

そしてそれを手に取りしばらく見つめたあと引き出しに入ってたものを元に戻し、引き出しを閉めて見つけたものを持ったまま一階に降り、洋服ダンスに入れた

 

 

 

美琴:………みさえさん、あれ持ってきてから何かちょっと様子がおかしいような……ま、いっか

 

 

2階に戻ろうとした美琴はみさえの様子について考えてみるがすぐにやめて2階に上がる

 

 

 

そして、夜

 

 

ひろしが帰宅し、食事の時間

 

 

みさえはひろしをたまにじっと見つめる

 

 

ひろし:何だみさえ、オレの顔になんかついてるか?

 

 

みさえ:え?いえ、別に

 

 

ひろし:そうか?ならいいけど………

 

 

しんのすけ:父ちゃんの顔にはお髭がついてるゾ

 

 

ひろし:はははは!確かにな!

 

 

美琴:あはは、ホントだ

 

 

3人が笑うなか、みさえだけは無言だった

 

 

そして、食べ終わって洗い物を済ませたみさえは

 

 

みさえ:あなた、ちょっと来て

 

 

ひろし:………?何だ

 

 

みさえはひろしを寝室に呼び、洋服ダンスから2階で見つけたものを見せた

 

 

ひろし:………お前、これ

 

 

みさえ:あなた、正直に答えて……何でこれがここにあるの

 

 

ひろし:いや、何でって……

 

 

みさえ:朝、あなたが探していたのはこれでしょ……

 

 

ひろし:どこで、これを

 

 

みさえ:2階よ、一番下の引き出しの底にあったわ

 

 

ひろし(そうか、そのまま2階で引き出しの整理をしていて、その時みさえが部屋に来たんで慌てて置いたのをそのまま忘れてたのか)

 

 

みさえ:あなた!黙ってないで答えてよ!何でこれがここにあるのよ!!

 

 

ひろし:落ち着けよみさえ!

 

 

みさえ:落ち着いてられないわよ!だってこれは……あの時、全然売れなくて……最後の最後に、私のいないときに……いつの間にか売れてた……あの………不出来な、マフラーなんだから

 

 

 

ひろし:みさえ………

 

 

みさえは涙声だった

 

 

みさえ:ねえ、言ってよ……何でこれが……

 

 

ひろし:…………オレが買ったんだよ……それは、参ったなぁ、奥さん達に口止めまでしたのなぁ……ははは

 

 

ひろしは笑うがすぐに真剣な顔になる

 

 

 

みさえ:………同情したの?売れ残ってたら可愛そうだって、不出来な物で売れてないから自分が買ってやろうって

 

 

ひろし:お前……!

 

 

みさえ:そんな同情いらないわよ!余計に惨めだわ!もうあなたなんか知らない!

 

 

みさえは部屋から出ようとするがひろしが腕を掴み、止める

 

 

ひろし:待てって!待てよみさえ!

 

 

みさえ:放してよ!こんなマフラー!外に捨ててやる!!

 

 

ひろし:ばか野郎!!オレが、オレがそんな、不出来な物だから買ってやろうなんて思うか!

 

 

みさえ:だったら何で

 

 

ひろし:お前が、一生懸命夜なべして必死に編み上げたマフラーなんだぞ……売れなきゃ……意味ないだろうが……それに

 

 

みさえ:それに?

 

 

ひろし:そのマフラーを巻いてるとな……なんかこう、身体がポカポカしてくるんだ……もちろん寒い日に巻くから暖かいのは当たり前だ、だけど

 

 

みさえ:………

 

 

ひろし:お前の気持ちが……こもってるんだよ……巻く人を暖めてあげたいって気持ちが………それを巻くと、お前の姿が浮かぶんだよ

 

 

みさえ:あなた、でもなんでわかるのよ

 

 

ひろし:………何でって……そりゃあ当たり前だろう?

 

 

ひろしはみさえを抱き締めて言った

 

 

ひろし:お前の夫だからだよ………妻の気持ちくらい、わかるさ……もしかしたらそのマフラーは……はじめからオレに巻いてほしかったのかもな……だから人を寄せ付けなかったんだ、きっと

 

 

みさえ:あなた……ありがとう

 

 

ひろし:ああ、オレこそ、ありがとう……こんないいマフラー、もらって……幸せ者だぜ、オレは

 

 

みさえ:当たり前よ、あなたの妻が編んだマフラーだもの、それを巻けるんだから……ホント、幸せ者よ

 

 

そして、茶の間

 

 

しんのすけ:やれやれ~お熱いですなぁ

 

 

ひまわり:たやゆいあいやー

 

 

美琴:ふふ、今日は3人で私の部屋で寝ましょうか

 

 

しんのすけ:うむ、たまにはいい気分南蛮になるゾ

 

 

美琴:それを言うなら気分転換よ

 

 

ひまわり:えへへ~

 

 

しんのすけ:あは~

 

 

深夜

 

 

ひろし:みさえ、静かだな

 

 

みさえ:ええ、きっとあの子達、私たちに気を遣ったのね

 

 

ひろし:全く、バカだな……美琴ちゃんも

 

 

みさえ:だってあの子も家族ですもの……そりゃバカになるわよ

 

 

ひろし:はは、だな

 

 

みさえ:あなた、愛してる

 

 

ひろし:オレも愛してるぜ、みさえ

 

 

こうして夜は更けていくのであった




ふと思い付いたので掘り下げてみました
話を汚してしまったらすみません


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水族館で大騒ぎだゾ

ある日、美琴はかすかべ防衛隊を連れて、水族館へと来ていた

 

 

入場料を払い、いざ中へ入る

 

 

風間:なんかすみません、僕らのために付き合ってもらっちゃって

 

 

美琴:ん?いいのよ気にしなくて、ていうか子供がそんな遠慮しないの

 

 

 

しんのすけ:風間くん、美琴おねいさんとお付き合いしてるの?いや~んけだもの~

 

 

風間:お前はどういう思考回路してるんだよ……そうじゃなくて!美琴さんは僕たちが暇だと言ったからここに連れてきてくれたんだろ!?

 

 

美琴:まーまー風間くん、もういいのよ……慣れたし、いい加減

 

 

しんのすけ:え~なんで~

 

 

美琴:ひとつ屋根のしたに住んでりゃ嫌でも慣れるわ……ほら、せっかく来たんだから色々見てみましょ

 

 

美琴達は早速奥へと歩き出す

 

 

 

マサオ:ヒィッ!ワニだ!

 

 

ネネ:ちょっと!くっつかないでよ!

 

 

ボー:ワニ、カッコいい

 

 

風間:ワニの噛む力はおよそ1000kgあるらしいね

 

 

マサオ:そ、そうなんだ

 

 

ボー:石も、砕く、かも

 

 

美琴:あーやっちゃうかもね……ねえ、知ってる?ワニって噛む力はさっき風間くんが言ってたくらい強いんだけど、逆に口を開く力は弱いんだってさ……だから口を何かで塞いじゃえば開けないんだって

 

 

風間:あ、聞いたことあります!たしかテレビでやってたような

 

 

ネネ:ネネも見た!おっきい輪ゴムとかでやってた気がする

 

 

しんのすけ:ほ~ほ~じゃあ母ちゃんのうるさいお口も塞いじゃえば

 

 

美琴:人間をワニと一緒にすな!

 

 

 

ボー:これ、見て、キタマクラ

 

 

しんのすけ:え?キン……

 

 

美琴:キタマクラだっつってんの!

 

 

ネネ:もう、や~ね

 

 

風間:でも、何で北枕ってついてるんだろう

 

 

美琴:それはね、この魚には皮に毒があって人が食べると死んじゃって、北枕に寝かされるからその名前がついたらしいよ

 

 

ボー:物、知り

 

 

マサオ:うん、すごい!勉強になるよね

 

 

しんのすけ:ほうほう、さすがはパンフレットですなぁ~

 

 

美琴:うっ………

 

 

ボー:………

 

 

マサオ:………

 

 

ネネ:………

 

 

風間:………

 

 

美琴:………あ、あはっ……あはははは

 

 

風間:ま、まあ読んでくれるだけありがたいじゃないか

 

 

美琴:………フォローどうも

 

 

 

その後、カメやヒトデやイソギンチャクなどを見て回り、イルカショーにやって来た

 

 

マサオ:うわぁ、ワクワクするなぁ~

 

 

ネネ:ふん、何よ、さっきまでワニとかにビクビクしてたくせに

 

 

マサオ:うぅ

 

 

美琴:まあまあ、もういいじゃないの……って、しんちゃんは?

 

 

風間:あれ?さっきまでここにいたのに

 

 

ボー:ボアっ!あそこ

 

 

お姉さん:あの~ボク?お父さんやお母さんは?

 

 

しんのすけ:父ちゃんと母ちゃんはいないけど、美琴おねいさんと皆と来てるの!

 

 

しんのすけはショーのステージに立ち、マイクで言った

 

 

美琴:あのバカ!

 

 

風間:やめろよ!恥ずかしいだろ!

 

 

ネネ:もう~嫌

 

 

ボー:………

 

 

マサオ:やめてよ~

 

 

しんのすけ:風間く~ん!ネネちゃ~ん!マサオく~ん!ボーちゃ~ん!美琴おねいさ~ん!見てる~?

 

 

風間:名前を呼ぶな~!!

 

 

しんのすけは美琴達の名前を呼び、手を振る

 

名前を呼ばれた美琴達は周りの客からクスクスと笑われる

 

 

美琴:アイツ……あとで覚えときなさいよ~

 

 

風間:他人のふり、他人のふり

 

 

マサオ:うわぁ~ん!笑われてるよ~

 

 

ネネ:何見てんのよ!見世物じゃないのよ!

 

 

ボー:有名人、みたい

 

 

美琴と風間は赤面し

 

 

マサオは泣き出し

 

 

ボーはなぜか照れ

 

 

ネネは自分達を見て笑う客に怒鳴り

 

 

しんのすけはつまみ出され美琴達のところに戻される

 

 

しんのすけ:あー面白かった、あれ?皆何してんの?

 

 

風間:お前なぁ~

 

 

マサオ:ヒドイよしんちゃ~ん!

 

 

ネネ:もう恥ずかしくてここ歩けないわよ!

 

 

ボー:しんちゃん、後ろ

 

 

しんのすけ:え?

 

 

美琴:よくも恥をかかせてくれたわね、今からたっぷりお仕置きしてやるから覚悟しなさい

 

 

しんのすけ:うっ、頭が……記憶がないゾ、オラは誰、ここはどこ

 

 

美琴:ベタな誤魔化しをするなぁ~!!

 

 

しんのすけは美琴にゲンコツされ、頭をグリグリとされるのだった

 

 

美琴:これで思い出しましたかぁ~?えぇ~?思い出したかって聞いてんのよぉ!!

 

 

しんのすけ:うおぉぉぉ~!!思い出したゾォォォォ~

 

 

美琴:全くもう!アンタってヤツは、アンタってヤツはああぁぁぁ~!!

 

 

そのあまりの凄まじさに、イルカショーより、美琴のお仕置きに注目が集まってしまうのであった




ちょっとやっつけ感ありますが許してください


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湖へドライブするゾ

ある休日、野原一家はドライブへ出掛けていた

 

 

ひろし:とりあえず出たけど……どこ行きたい?

 

 

しんのすけ:オラ遊園地~

 

 

みさえ:えーそれあんたが楽しいだけでしょが

 

 

しんのすけ:んむー!じゃあ母ちゃんはどこがいいの!

 

 

みさえ:そりゃあもちろん!バーゲンセール

 

 

ひろし:そりゃお前が楽しいだけだ

 

 

みさえ:だったらあなたはどこがいいのよ!

 

 

ひろし:オレはだな……うーん

 

 

みさえ:ほらないじゃないの!だったらバーゲンセールに行くのよ!

 

 

しんのすけ:母ちゃんズルいゾ!遊園地に行くんだゾ!

 

 

ひろし:やめろよ!騒ぐなよ!

 

 

3人でやいのやいの言い合いになってしまった

 

 

美琴:ストップ!!

 

 

美琴がバッと手を出し黙らせたあと、美琴は挙手をして言う

 

 

 

美琴:はい、私行きたいとこあります

 

 

ひろし:あ、ああ……どこだい

 

 

美琴:湖が見たいです、ダメですか?

 

 

ひろし:いいねえ湖!行こうじゃねえか!

 

 

みさえ:そうね、たまにはそういうとこもいいわね

 

 

しんのすけ:美琴おねいさんやるぅ~

 

 

美琴:んっふっふ~

 

 

美琴はヒューヒューというしんのすけに誇らしげに笑って見せた

 

 

 

しばらく走り、車は湖に到着した

 

 

 

ひろし:うお~でっけえなぁ~

 

 

みさえ:ほらひまちゃん、アヒルさんのお船がプカプカしてるわよ

 

 

ひまわり:たや~

 

 

 

しんのすけ:いいですなぁ~お?

 

 

しんのすけが隣を見ると、美琴が髪に手を当てながら湖を見つめていた

 

 

美琴の髪が風で靡く姿をしんのすけはジッと見ていた

 

 

美琴:ん?な~に?

 

 

しんのすけ:あ、何でもないゾ

 

 

美琴:ん、そう……ふぅ

 

 

 

美琴はしんのすけから視線を湖に戻す

 

 

見とれているのか考え事をしているのか美琴は動かなくなった

 

 

我に返ったのは携帯の着信音がなってからだった

 

 

美琴:わわっ!っと……何だ携帯か……ん

 

 

 

美琴は取り出して見てみると

 

 

黒子からの着信だった

 

 

美琴:…………

 

 

美琴はしばらく見ていたが電話に出ずに切り、パチンと閉じる

 

 

 

『美琴おねいさ~ん!早くぅ~』

 

 

美琴:は~い!今行くわよ~

 

 

 

しんのすけの言葉に返事をして美琴は行く

 

 

 

ひろし:最後にこれ乗ろうぜって話してたんだ

 

 

美琴:スワンボートですか、いいですね

 

 

みさえ:早速乗りましょ

 

 

ひろしとみさえ、ひまわり

 

 

そして美琴としんのすけが乗る

 

 

美琴:ああ、こりゃいい運動になるわね……よいしょ、よいしょっと

 

 

しんのすけ:おねいさ~ん!オラと一緒にアヒルボートで世界一周しな~い?

 

 

美琴:ええい!ナンパをすな!ナンパを!

 

 

ひろし:お~い!どうだ?せっかくだし競争といこうぜ

 

 

美琴:いいですね、負けませんよ

 

 

みさえ:ちょっと待って!どうせなら女同士で正々堂々やりましょうよ

 

 

美琴:ふふふ、望むところです

 

 

 

ひろしとみさえは位置を変えてみさえが運転席に座る

 

 

ひろし:じゃあカウントいくぞ!

 

 

5!

 

4!

 

3!

 

2!

 

1!

 

 

GO!!

 

 

 

二人は一斉にスタート

 

 

 

美琴:は、速い!

 

 

みさえ:伊達に毎朝自転車漕いでないわよ!

 

 

 

美琴:よ~し、だったらこっちも本気でいくわよ!

 

 

 

みさえ:おりゃおりゃおりゃ~!

 

 

美琴:でえええい!

 

 

 

しんのすけ:おお~!すごいゾ~

 

 

ひろし:す、すげえスピードだ!

 

 

 

そして勝者は美琴に決まった

 

 

美琴:よっし!勝った~!

 

 

みさえ:あ~負けた~

 

 

ひろし:はははは、まあ気にすんな……さ、帰ろうぜ

 

 

美琴達は車に乗り、春日部の我が家へ帰っていく

 

 

夕飯を食べ、寝る前に美琴は黒子に電話する

 

 

美琴:もしもし?黒子?昼間電話したでしょ

 

 

 

『お姉さま!ヒドイではありませんの!私からのラブコールをお切りになるなんて』

 

 

美琴:はいはいごめんごめん、あの時は皆で出掛けてたからそっちを楽しみたかったのよ、せっかく家族で出掛けてるんだもの

 

 

『まあいいですわ、ところでお姉さま、ひとつ聞いても?』

 

 

美琴:なに?

 

 

『お姉さまはそちらの野原さんのお宅がかなり気に入ってるようですが……何がお姉さまをそうさせますの?』

 

 

美琴:…………うーん、何て言ったらいいのかしら……上手く言えないんだけどさ……その、暖かさ、かな

 

 

『…………』

 

 

美琴:なんか、暖かいのよ、この家にいると……

 

 

 

『暖かい?』

 

 

美琴:そう……朝、お父さんが仕事行って、弟は幼稚園、家には私とお母さん、まだ赤ちゃんの妹は元気に遊んで泣いて……夕方ごろ、弟が帰ってきて、夜にはお父さんが帰ってくる、そしたら皆で夕飯、そんな普通の生活が……私を暖かい気分にさせてくれるの

 

 

『お姉さま』

 

 

美琴:この暖かさ知ったら……やめらんないわよ……この生活……

 

 

『………』

 

 

美琴:だから、私しばらくこっちにいるつもりよ……ていうか処分、まだ終わってなさそうだし

 

 

『うっ!』

 

 

美琴:ま、せいぜいゆっくり処分しなさいな……じゃっ、そーゆーことで~っと

 

 

 

『あ!お姉さ……っ』

 

 

美琴は電話を切り欠伸をする

 

 

美琴:ふあっ、さ~てっと寝よっかな

 

 

布団に潜り目を閉じる

 

 

美琴(あ、そういえばさっき、しんちゃんみたいだったかなぁ……ふふ、移っちゃったみたい)

 

 

クスリと笑ったあとスヤスヤと夢の中へいく美琴であった



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黒子おねいさんが泊まりに来たゾ

美琴:ふあっ、いい陽気だから眠くなるわ……少しベランダで風に当たろっと

 

 

ある日の昼下がり、美琴は2階で本を読んでいたが眠くなってきたので冊子を開けてベランダに出る

 

 

美琴:ふう、いい気持ち……さて……ちょっと水でも一杯飲んでこようかな~……ん?あれは

 

 

家の中に入ろうとするが何かに気づいた美琴は振り返り外を見てみる

 

 

美琴:………あれは……もしや

 

 

 

美琴が見つめる先には黒子がキョロキョロとしていた

 

 

美琴:ったく、あの子は……

 

 

黒子:はっ!お姉さまああああ!!

 

 

 

黒子は美琴のところへテレポートして飛び付いた

 

 

美琴:のわっ!っと!いたっ!

 

 

黒子:お姉さま~会いたかったですの~!寂しかったですの~!

 

 

 

美琴の顔にスリスリとする黒子

 

 

美琴:んぐっ!ちょっと……どきなさいよ……このっ!こら!

 

 

美琴は黒子の顔を手で押さえ、グググっと押し返す

 

 

美琴:えいや!

 

 

黒子:ぐふぇ!

 

 

一旦手を放し、勢いをつけて手を突きだし黒子の顔を打つ

 

 

黒子はその衝撃で吹っ飛んだ

 

 

美琴:はあっ、はあっ、全く……相変わらず鬱陶しいわねアンタは

 

 

黒子:ああん、お姉さま……照れ隠しですの?

 

 

美琴:やかましい!ていうか、何で来たのよ、くだらない理由だったらはっ倒すわよ

 

 

黒子:お姉さまがこの間言っていたこの野原さんのお宅がお姉さまを暖かい気分にさせてくれるというのを確かめたくて

 

 

美琴:………そう、じゃあ下に行って声かけましょ……私の一存じゃ決められないし

 

 

2人は一1階に行き、茶の間へ

 

 

美琴:という訳なんです、どうですか?

 

 

 

みさえ:別に構わないわよ、この前も3人来たんだし、黒子ちゃん、ゆっくりしてってね

 

 

黒子:ええ、ありがとうごさいます

 

 

美琴:よかったわね黒子

 

 

黒子:さ、お姉さま、さっそく私とお風呂に

 

 

美琴:まだ早いっての!

 

 

しんのすけ:おかえりー!

 

 

美琴:お、帰ってきた

 

 

黒子:帰ってきたらただいまですわよ

 

 

しんのすけ:おおっ!黒子おねいさん……いつ来たの

 

 

黒子:ついさっきですわ、今日1日泊まらせて頂くのでよろしくお願いいたしますわね

 

 

しんのすけ:ほうほう

 

 

そして、夜になりひろしが帰ってきた

 

 

ひろし:お、何だ来てたのか……久しぶりだな、ゆっくりしてってくれよ、みさえ!風呂沸いてるか

 

 

黒子:うっ、お父様の靴下から何やら異臭が……ゴホッ、ゴホッ

 

 

美琴:そうよ、ひろしさんの足が臭いからね、この匂いはもう兵器と言っても過言ではないわ

 

 

しんのすけ:いつ嗅いでも慣れないゾ

 

 

その後、黒子を交えての夕食

 

 

みさえ:あはは!そしたらおばさんがね

 

 

ひろし:はははは!そうかぁ!面白いなあの人は

 

 

しんのすけ:あはは~

 

 

美琴:ふふふ、そうですねぇ

 

 

黒子(お姉さま……すっかり家族の一員ですわね)

 

 

夕食後、3人で風呂に入る

 

 

黒子:お姉さま~

 

 

美琴:やめろっつーの!くっつくな!

 

 

しんのすけ:う~む、これが弓ですか

 

 

美琴:ちが~う!それを言うなら百合!てかどこで覚えんのよそんな言葉!

 

 

そして、2階で寝る黒子と美琴

 

 

黒子:お姉さま、起きてます?

 

 

美琴:…………なに?

 

 

黒子:私、わかったような気がしますわ、お姉さまがあの時言っていた言葉の意味が

 

 

美琴:…………そう

 

 

黒子:確かに、暖かい気分になりましたわ……夕食の時、それを感じました

 

 

美琴:………黒子

 

 

黒子:明日、私は帰りますが……お姉さま、いつか必ず学園都市に帰ってきて下さいませね

 

 

美琴:わかってるわよ……その代わり、アンタも処分頑張んなさいよ

 

 

黒子:ええ、もちろんですわ

 

 

翌日、黒子は昼食を食べたあと電車に乗り帰っていく

 

 

それを見送る美琴

 

 

美琴:やれやれ、やっと帰ったか……さて、コンビニで立ち読みがてら買い物して帰ろっと

 

 

美琴は鼻唄を歌いながら春日部駅を後にするのであった



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秋田で遊びまくるゾ

野原家はある日、ひろしの実家の秋田へ来ていた

 

 

銀の介:おお、よく来たのぉ、ほればあさん……新しい孫じゃよ

 

 

つる:おやまぁ、こんな可愛い孫がもう一人できるなんてねぇ

 

 

美琴:あはは、どうも……御坂美琴です、はい

 

 

自己紹介を済ませて、5人でしばらくお喋りをする

 

 

しばらくし、ひろしが立ち上がる

 

 

ひろし:しんのすけ、父ちゃんと釣り行くか?

 

 

しんのすけ:おお~!行くゾ~

 

 

 

ひろし:よし!えーっと、竿は

 

 

銀の介:物置に入ってるべ、どら、出してやっぺ

 

 

つる:ひろしは夏休みになると仲間と釣り行ったり、虫取り行ったり、よく行ったもんだ

 

 

美琴:へえ、やっぱり男の子だったんですね

 

 

つる:んだ、そんで昼にきっちり帰ってきて、そーめんペロリと平らげてまた出て夕方頃まで遊び回ってたもんです

 

 

みさえ:ふふ、ワンパクね……しんのすけも似たのかしら

 

 

つる:そっくりですわ、あの頃のひろしを見てるみたいです

 

 

銀の介:2人して大張り切りで出掛けたわ、ひろしもあの時と変わらねえな

 

 

美琴:今のひろしさんからは想像できないなぁ

 

 

みさえ:ふふふ、ホントに

 

 

 

【川】

 

 

しんのすけ:父ちゃん見てみてー

 

 

ひろし:お!釣れたなしんのすけ!待ってろ、父ちゃんが取ってやる

 

 

しんのすけ:ほうほう、なかなかやりますな

 

 

ひろし:父ちゃんも小学校の頃、友達と釣りしたり、虫取りしたりしてたんだ

 

 

しんのすけ:楽しかった?

 

 

ひろし:ああ、そりゃあ楽しかったさ

 

 

しんのすけ:ああ~ん!逃がしちゃうの?

 

 

ひろし:可愛そうだからな、それに川の魚だから食っても美味くないぞ

 

 

しんのすけ:父ちゃんのおケチ~

 

 

ひろし:そういうなよ、ほらまた釣るぞ

 

 

美琴:お、やってるやってる……おーい!

 

 

 

ひろし:お、美琴ちゃん!やってみるか~?

 

 

美琴:え?いいんですか?

 

 

ひろし:ああ、オレの竿、使っていいからさ……ほら

 

 

美琴:ありがとうごさいます、じゃあ……えい!

 

 

美琴は川に釣り針を投げる

 

 

 

美琴:おっ!きたきた~っ!

 

 

 

ひろし:よし!いいぞ!引け~!

 

 

美琴:せい!うっ……空き缶………はぁ

 

 

 

ひろし:ははは!よくあるさ、お、そろそろ帰るか……もう暗くなってきたし

 

 

 

ひろし、美琴、しんのすけは夕焼けの中、歩き出す

 

 

 

その途中、美琴がある木を見つけた

 

 

美琴:あれ?あの木……上に何かある

 

 

ひろし:へえ、あの秘密基地……まだあったのか、懐かしいなぁ

 

 

しんのすけ:秘密基地?

 

 

 

ひろし:ああ、父ちゃんが子供の頃、友達と作ったんだ……あそこで駄菓子屋で買ったおやつ食べたり、取ってきたカブトムシやクワガタを戦わせたり、交換したり、昼寝したり……色々やったなぁ

 

 

美琴:へえ、面白そうですね……あれ?しんちゃんは?

 

 

ひろし:なに?あ!あいつ!

 

 

しんのすけ:と~ちゃ~ん!!

 

 

しんのすけは上に登っていて、木の端ギリギリの位置で手を振る

 

 

ひろし:バカやろう!危ないだろ!早く降りてこい!

 

 

しんのすけ:んもーわがままだなぁ~おっととと!

 

 

ひろし:しんのすけー!!

 

 

しんのすけは足を滑らせて落下した

 

 

ひろしは叫んだが間一髪美琴が受け止めた

 

 

美琴:ふぅ、間に合ったぁ……もう!危ないじゃないの!

 

 

しんのすけ:いやぁ~どうもどうも~

 

 

美琴:全く、ヒヤヒヤしたわよ

 

 

ひろし:ホントだぜ、やめてくれよ

 

 

 

そして帰宅し、鍋をつつきながら話す

 

 

 

銀の介:ほぉ~あの基地まだあったのか

 

 

ひろし:ああ、美琴ちゃんが見つけたんだ

 

 

銀の介:懐かしいのぉ、よくあそこに呼びに行ったもんだべ

 

 

つる:んだんだ

 

 

そして、深夜

 

 

美琴:………あれ?誰かいる?

 

 

 

トイレを済ませた美琴は縁側を見てみる

 

 

そこには

 

 

銀の介とつるがいた

 

 

 

銀の介:おや、煮込みちゃん、眠れねえのか?

 

 

美琴:だから、美琴ですってば……あの時より遠くなりましたよ、名前

 

 

銀の介:いやいや、すまねえ……

 

 

つる:全く、ボケるにゃまだ早いですよじいさん

 

 

銀の介:ははは

 

 

銀の介は茶を啜り、言った

 

 

銀の介:来てくれて、ありがとな……オラ、嬉しかっただよ

 

 

つる:私もですよ、またいつでも来てくれていいんですよ

 

 

美琴:……いえいえ……そんな

 

 

銀の介:照れなくてもいいべ、これからもひろしたちと仲良くな……また会える日を楽しみにしてるだよ

 

 

つる:ええ、さあ、もう遅いから……早よ部屋にもどっておやすみさない

 

 

美琴:はい、おやすみなさい……おじいちゃん、おばあちゃん

 

 

銀の介:わはは、オラが照れちまうべ

 

 

つる:ほほほ、じいさん顔が真っ赤ですよ

 

 

 

銀の介:ばあさんこそ真っ赤だべ

 

 

 

そして、翌日……朝食後に野原家は自宅へと帰っていく

 

 

またいつもの日常が始まるのであった



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フランス語を習うゾ

【ふたば商事】

 

 

部長:野原くん、ちょっといいかね

 

 

ひろし:はい、何でしょう

 

 

部長:実はね、明後日なんだが取引先のふらげ商事のフランス人専務を君に接待してほしいんだ

 

 

ひろし:え!?フランス人!?

 

 

 

部長:そうなんだ、まあ頑張ってくれ、ただしこの接待にはわが社の社運がかかっているんだ、くれぐれも失礼のないように頼むよ野原くん

 

 

 

ひろし:は、はあ……

 

 

ひろしは席に戻り頭を抱える

 

 

 

ひろし(マジかよ~フランス語なんてあんまり知らねえよ……ボンジュールとか、マドマゼルとかしかわかんねえ……どうすっかなぁ)

 

 

 

退社し、家に帰るがひろしは元気がない

 

 

 

しんのすけ:父ちゃん、帰ってきてからお元気ないゾ?ノストラされたの?

 

 

ひろし:それを言うならリストラ、別にされてねーよ

 

 

 

みさえ:じゃあどうしたのよ、食事中も上の空だったし……

 

 

 

ひろし:ああ、実は

 

 

 

ひろしが話そうとしたとき、美琴が風呂から上がって茶の間に来る

 

 

美琴:ふう、いいお湯でした……あれ?どうしたんですか?

 

 

 

ひろし:ん、ああ……実は

 

 

 

みさえ:フランス人の専務の接待……大変な事頼まれたわねぇ

 

 

ひろし:ああ、そうなんだ……一応帰りにフランス語の本を買って電車で少し読んだんだがちんぷんかんぷんでな

 

 

美琴:ちょっと失礼……ふむふむ、なるほどなるほど……ちょろいモンね

 

 

ひろし:ちょっと待て!ちょろいモンって

 

 

 

美琴はひろしが見せた本を手に取り読んで即座に内容を理解した

 

 

 

美琴:ああ、私出来ますよ、英語もイタリア語もフランス語もね

 

 

ひろし:おお!そりゃあ頼もしい!頼む!オレにフランス語をレクチャーしてくれ!この通りだ!

 

 

 

美琴:ちよっ!ちょっと!頭を上げてください!教えますから!

 

 

 

ひろし:ああ、すまん……必死なもんでつい、じゃあ明日1日頼むよ

 

 

美琴:はい、任されました

 

 

 

そして、翌日

 

 

 

美琴:じゃあもう一度いきますよ

 

 

 

ひろし:おう

 

 

 

 

 

美琴『今日はどこへ連れていってもらえるのかな?』

 

 

 

ひろし『えっと、まずは食事です……日本の美味しい和食を味わっていただきたいと思いまして』

 

 

 

美琴『それは楽しみだ、期待しているよ』

 

 

 

ひろし『はい!ありがとうございます!』

 

 

 

美琴:いいですね、飲み込み早いですよ

 

 

 

ひろし:お、そうか?

 

 

美琴:ええ、まあ私が教えてるんだから当たり前かな……なんてね

 

 

ひろし:いやいやその通りだぜ!教え方も上手いしな!もしみさえに習ってたらこうはいかなかったかもな、ははははは!

 

 

みさえ:なんですって

 

 

 

ひろし:あ!みさえ!今のはその

 

 

 

みさえ:何よ!私に習ってたら覚えられないっての!?

 

 

ひろし:悪かったよ!謝る!だからそんな興奮すんなって

 

 

 

みさえ:何よ!女子中学生に習って鼻の下伸ばしてるロリコンオヤジ!

 

 

ひろし:何だよ!そんな言い方ないだろ!?若さに嫉妬すんなよ妖怪シワシワオババ!

 

 

みさえ:なんですってぇぇぇ~っ!!!

 

 

 

ひろし:ぎゃああああああ!!!

 

 

 

美琴:はいはい、こっち行ってましょうね~

 

 

しんのすけ:やれやれ~

 

 

 

ひまわり:たえやえ~

 

 

美琴:どうぞごゆっくり~

 

 

 

美琴達は寝室へ避難した

 

 

そして夜

 

 

ひろし:よーし!明日はやったるぜー!

 

 

しんのすけ:おお~父ちゃんカッコいいゾ~、顔以外は

 

 

 

ひろし:ほっとけい!

 

 

 

美琴:頑張ってくださいね、応援してますから

 

 

 

ひまわり:たいや!

 

 

 

みさえ:フレフレひろし~!

 

 

 

ひろし:おう!皆応援サンキュー!

 

 

 

そして、接待の日

 

 

 

ひろし『どうも、野原ひろしと申します』

 

 

 

フランス人:どうも、ヴァンサン・タベテキナです、今日はよろしく野原くん

 

 

 

ひろし:はい!こちらこそ、えっ?今、日本語

 

 

 

部長:すまんすまん、忘れていた……専務は日本が好きな方でな、ペラペラなんだ

 

 

 

ひろしはそれを聞きガクっと項垂れた

 

 

 

ひろし:ぢぎじょ~!昨日の特訓はなんだったんだよ~!!うあああああ~!!

 

 

 

そして、夜

 

 

話を聞いた美琴は寝る前に呟いた

 

 

 

美琴:やれやれ、私の立場はどーなるんだっての




久しぶりの更新です

元ネタはウルフルズの明日があるさのフランス人です


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春日部大好き!だゾ

ある日の野原家の朝、美琴は家の前を掃いていた

 

 

 

美琴:よし、これで終わりっと……ん、ついでだからこっちもやっとくか

 

 

隣のおばさんのところも綺麗に掃いていく

 

 

北本:あら美琴ちゃん、悪いわね~やってもらっちゃって

 

 

 

美琴:あ、いえいえ……ついでですから、お買い物ですか?

 

 

北本:そーなの、向こうのスーパー、今日は卵が半額なのよ、じゃあね

 

 

美琴:はい、行ってらっしゃい……みさえさんに教えておくかな

 

 

 

美琴は家に戻り、みさえにスーパーの情報を伝える

 

 

みさえはそそくさと出ていき自転車をすっ飛ばす

 

 

 

美琴:ふふ、行った行った……さて、どうしようかな……とりあえず水を一杯

 

 

 

美琴は台所で水を飲む、飲み終わると同時にひまわりが愚図り出す

 

 

美琴:あーはいはーい!どうしたのかな~?

 

 

 

???:どうやらオムツのようですわね

 

 

 

美琴:じゃあそこから持ってきて

 

 

 

???:はいですの

 

 

 

美琴:ありがと……これでよしっと……ん?

 

 

 

???:どうしましたの?

 

 

 

美琴:アンタはどっから入ったんだ黒子~!!!

 

 

 

黒子:お、お姉さま!ひまちゃんが起きますわよ!

 

 

美琴:チッ、じゃあこっち来なさい

 

 

 

黒子は美琴に連れられ茶の間へ

 

 

 

黒子:久しぶりにお姉さまにお会いしたくなりまして、驚かせようと連絡せずにこちらへ……先程お水を飲んでるのが見えたのでテレポートで入りましたの

 

 

美琴:ったくもう、アンタは……やれやれ……

 

 

 

「おかえ理科室に人体模型~」

 

 

美琴:帰ってきたらただいまでしょうが

 

 

 

しんのすけ:そーともゆー

 

 

 

黒子:お久しぶりですわね、しんちゃん

 

 

 

しんのすけ:お久しブリブリ~

 

 

 

美琴:やめなさいって!ほら、帰ってきたらうがいと手洗い

 

 

 

黒子(学園都市第三位が赤ちゃんと子供のお世話……新鮮と言いますか……なんと言いますか)

 

 

 

その後、風間達がやってきて皆で遊んだ

 

 

 

美琴は途中、みさえから買いすぎたと電話が来て助けに行く

 

 

 

その留守番中、黒子は心の声で言ったつもりが口に出ていた

 

 

 

黒子:お姉さまは学園都市に7人しかいないレベル5の能力者の内の第三位、通称『常盤台のレールガン』と呼ばれるお方……なのにこちらでは一般市民と変わらず、黒子はちょっと複雑ですの

 

 

 

マサオ:へえ、すごい人なんですね

 

 

黒子:え?あ、聞こえてましたの

 

 

 

ボー:口が、動いてた

 

 

風間:確かに美琴さんのいた学園都市ではそう呼ばれていて、7人の中の3番目ですごいかも知れないけど……ボクたちにとってはあまり関係ないと思います

 

 

 

黒子:…………

 

 

 

風間:ボクたち、美琴さんを一個人として好きなんです、キャンプに連れてってもらったり、プールや水族館も一緒に行ってもらったりして

 

 

ボー:石も、探してくれた、しかも、ボクが、見つけたことに、してくれた

 

 

マサオ:ケガしたときも手当てしてくれたし

 

 

 

ネネ:ネネにもお金落としたときこっそりくれて落としたのは気のせいだって言ってくれたわ

 

 

しんのすけ:んーオラは遊園地で悪い人たちをやっつけてくれたゾ

 

 

風間:あと、家に帰れないボクを中に入れてくれました

 

 

 

黒子:お姉さま……お優しいのですね

 

 

 

風間:ボクたち、春日部の人間だから学園都市ってところのことよくわからないけど……ここにいる間は美琴さんは『常盤台のレールガン』じゃなくてただの『御坂美琴』なんだと思います

 

 

黒子:……なるほど、よくわかりましたわ……

 

 

 

「黒子ーまだいるー?」

 

 

黒子:はいですの!

 

 

 

「荷物運ぶの手伝って~」

 

 

 

そして、そのあと黒子は帰っていき、夕飯を済ませた後は寝るだけとなった時

 

 

 

ひろし:おい、枕元にこれが置いてあったぞ

 

 

みさえ:手紙?

 

 

ひろし:おう、開けてみよう……これは

 

 

 

しんのすけ:何々?

 

 

ひまわり:たいや?

 

 

 

 

━━━━━野原家の皆さんへ

 

 

こんな私を温かく迎え入れてくれてありがとうございます

 

 

おかげで私は何不自由なく過ごさせてもらっています

 

 

私、この町が大好きです

 

 

そして、野原家の皆も大好きです

 

 

足が臭いひろしさん

 

 

お尻の大きなみさえさん

 

 

ちょっと下品なしんちゃん

 

 

カッコいい人好きなひまちゃん

 

 

ふわふわわたあめなシロ

 

 

皆私の大事な家族です

 

 

ありがとう、そしてこれからもよろしくお願いいたします

 

 

野原家の長女、野原美琴こと御坂美琴

 

 

━━━━━━

 

 

ひろし:ったく、泣かせんな~チキショー

 

 

みさえ:おバカね

 

 

しんのすけ:うむ

 

 

ひまわり:あいや

 

 

そして、2階

 

 

 

美琴(ここにいる間は、私が常盤台のレールガンだってことも、レベル5の第三位だってことも……みーんな忘れてただの御坂美琴として過ごせる……春日部、大好き……私のもうひとつのふるさと、ね)

 

 

野原家の5人と一匹はスヤスヤと眠りにつく

 

 

外では爽やかな夜風が吹くのだった




40話行くんでちょっと特別な話にしたかったのでこうなりました

やっつけ感ありますがご了承くださいませ


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キャンプするのも一苦労、だゾ

それはある日のキャンプでの事だった

 

 

 

美琴:はいはい、では今から色々用意をします、皆で協力して頑張りましょう

 

 

 

防衛隊:はーい!

 

 

 

 

美琴:まずはテント張らなきゃね……えっと、これか……ここをこうしてっと

 

 

 

しんのすけ:フーッ

 

 

 

美琴:はぁ~ん

 

 

 

しんのすけに耳に息をかけられた美琴はテントの足を放してしまい、崩れた

 

 

 

美琴:あー!!あと少しだったのに~!何すんのよ!!

 

 

 

しんのすけ:いやいや~隙だらけだったのでつい、ま~秋心ってヤツですな

 

 

 

美琴:それを言うなら出来心!皆、そいつを取り押さえて

 

 

 

しんのすけは風間達に拘束された

 

 

 

しんのすけ:ああ~ん、何すんの~

 

 

 

風間:大人しくしろよ

 

 

 

ネネ:テント張らなきゃ寝れないじゃないの

 

 

 

マサオ:そうだよ、先にも進まないし

 

 

 

ボー:お縄を、頂戴

 

 

 

美琴:ふう、設置完了っと……さて、次は……ご飯か、まずは水を汲んでこなきゃ

 

 

 

美琴はバケツを手に取る

 

 

 

美琴:ちょっと水汲んでくるわ、皆はここ動いちゃダメよ

 

 

 

美琴はそういうと水を汲みに行く

 

 

 

しんのすけ:さてさて~綺麗なおねいさんは~っと

 

 

 

マサオ:ダメだよしんちゃん!ちゃんとしてなきゃ

 

 

 

風間:こんなところに来てまでやめろよ!

 

 

 

しんのすけ:あは~いた~ねえねえ~!彼女~!

 

 

 

 

風間:あ!おい!

 

 

 

しんのすけは目を付けた女性の方に駆け寄るがそこを横切ろうとしたガラの悪い男の足にぶつかった

 

 

 

しんのすけ:あう

 

 

 

風間:ほら、だから言わんこっちゃない……大丈夫か?

 

 

 

しんのすけ:トオルちゃ~んありがとぉ~う

 

 

 

風間:やめろよ気色悪いな

 

 

 

男:おいガキ共!人にぶつかっといてイチャイチャするたぁいい度胸してんじゃねえか

 

 

 

しんのすけ:んもーおじさん、焼きもち?

 

 

 

男:なわけねーだろ!こいつはちょっとお仕置きが必要みてえだな、おーい!!

 

 

 

 

男が呼びかけると3人くらいの男達がぞろぞろ現れた

 

 

 

美琴:ふーっ、さすがに重いわ……ん?あれは

 

 

 

風間:ごめんなさい、謝ります、だから許してください

 

 

 

しんのすけ:本人もこう言ってますので許してやってください

 

 

 

風間:お前が言うな~!!

 

 

 

男:うるせえ!おい!やっちまおうぜ!

 

 

 

マサオ:ヒィッ!

 

 

 

ボー:絶体、絶命

 

 

 

男達が手を出そうとしたその時、突然男達はずぶ濡れになる

 

 

 

男:ブハッ!何だよこりゃあ

 

 

 

 

美琴:あらあらごめんなさい……なんか熱くなってるみたいだから水かけて冷ましてやったのよ

 

 

 

男:何だとコラ!てめえこのガキ共のママか!?お!?

 

 

 

美琴:どこをどう見たらママに見えるのか知らないけど、保護者なのは確かよ

 

 

 

男:んじゃあちょいと『話し合い』ってヤツをしようじゃねえか

 

 

 

美琴:ああ、いいわよ……たっぷり話し合おうじゃないの、さ、こっち行きましょ

 

 

 

美琴は男達を連れて人気のない奥へ行く

 

 

 

『ぎゃああああああ!!!』

 

 

 

 

美琴:ふう、話し合い終了っと……さて、と

 

 

 

美琴は皆のところへ戻った

 

 

 

美琴:お待たせ~

 

 

 

風間:あ、美琴さん……何かされませんでした?

 

 

 

美琴:ん、大丈夫よ、この通りピンピンしてるわ

 

 

 

しんのすけ:そういえばさっきおじさん達の声が聞こえたゾ

 

 

 

美琴:ああ、あれね……私が水汲み頼んだ返事よ

 

 

 

マサオ:悲鳴みたいに聞こえたけど

 

 

 

ネネ:ま、いいじゃない……あんな奴らどうだって

 

 

 

ボー:ボア

 

 

 

男:お、お水、お持ちしました

 

 

 

美琴:はいご苦労様、さ、もう行っていいわよ……2度とこっち来ないでね

 

 

 

男:は、はい!

 

 

 

水の入ったバケツを持ってきた男は仲間と共に走り去った

 

 

 

そして美琴達はこの後、カレーを作り、星空を眺めて眠りにつき

 

 

 

翌日に春日部へ帰るのだった




キャンプに行きたいゾ②の準備の部分の補完です


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酔っぱらいの相手は疲れるゾ

ある日の夜

 

 

美琴:いっけない、すっかり遅くなっちゃった!

 

 

 

美琴は家に帰るため夜道を走っていた

 

 

美琴:ったく!固法先輩から緊急事態だから来てほしいって言われたから行ってみりゃ!ただのジャッジメントの人員不足による雑用じゃないの!

 

 

 

美琴は向こうでやらされた事を思い返す

 

 

 

美琴:荷物運びとか!交通整理とか!挙げ句の果てにお茶汲みまでさせられて……やってらんないってのよ!

 

 

 

プンプン怒りながら走る美琴だが突然立ち止まる

 

 

 

そこは公園で中から変な声が聞こえたからだ

 

 

 

『ウィ~ッヒッヒッ!男がなんだってのよ~』

 

 

 

美琴:………何かしら、酔っぱらい?

 

 

 

『ぢぐじょ~!今日はとことん飲んでやる~!』

 

 

 

美琴:あ~あ、ありゃやけ酒ね……さ、早いとこ帰って夕飯食べよ、今日は何かな~っと

 

 

 

鼻唄を歌いながら公園を横切ろうとしたとき

 

 

 

『見ィ~たァ~なァ~?』

 

 

 

 

美琴はその言葉にゾクッとし公園の中を恐る恐る見てみる

 

 

 

すると、ベンチに座って酒を飲んでいた人物がゆら~っと立ち上がり、歩いて来ていた

 

 

 

美琴:み、見てない!何も見てない!!さよなら!!

 

 

 

 

美琴は走り出すが追いかけてくる

 

 

 

 

美琴:ちょっと~!何でついてくんのよ~!!

 

 

 

???:待ァでぇぇぇぇ~!!!

 

 

 

美琴:来ないでよ~!!わあっ!!

 

 

 

 

美琴は追ってきていた人物に飛びかかられ地面に倒れてしまう

 

 

 

 

???:ゲヘヘへ~づがまえだ~

 

 

 

 

美琴:ちょっ!この!どいてよ!どきなさいっての!!痛いってば!!

 

 

 

???:うっ!

 

 

 

 

追ってきていた人物は突然口を押さえ美琴から降りた

 

 

 

美琴:痛った~何なのよもう、おっと、早く帰んなきゃ……夕飯に間に合わなくなっちゃう!

 

 

 

美琴は帰るため歩き出そうとする

 

 

 

が、酔っぱらいが突然倒れてしまう

 

 

 

美琴:ちょっと!こんなとこで寝てたら風邪引くわよ、ねえってば!

 

 

 

???:ぎもぢわり~だでない~

 

 

 

 

美琴:あー!もう!しょうがないわね

 

 

 

 

美琴は酔っぱらいに肩を貸し、コンビニまで連れていきトイレに押し込んだ

 

 

 

???:ウォエエエエ!!

 

 

 

美琴(やれやれ、何で私が酔っぱらいの介抱なんかしなきゃなんないんだっての)

 

 

 

壁に寄りかかり、腕組みをして指と足をトントンとしイライラしながら出てくるのを待つ

 

 

 

美琴:ねーまだ終わんないわけ~?早くしてよ~

 

 

 

 

声をかけるが反応はない

 

 

 

美琴:チッ!いつまで中にいんのよ!早く出ろってのよ!!

 

 

 

怒りが限界な美琴はドアを開けてみる

 

 

 

???:グオオオ~

 

 

 

するとトイレの壁にへたりこみ、イビキをかいて眠っていた

 

 

 

美琴:アンタねぇ~!!のんきに寝てんな~!!起きろォ~!!!

 

 

 

美琴は頬をバシバシひっぱたいた

 

 

 

美琴:はぁ、はぁ……チッ、起きないか……なら

 

 

 

美琴はペットボトルの水を買い、頭からかける

 

 

 

???:ヒッ!ちょっと!冷たいじゃない!

 

 

 

美琴:やれやれ、やっとお目覚めね……ほら、とりあえず外出るわよ

 

 

 

 

外に出る美琴と酔っぱらい

 

 

酔っぱらいは話し始め、美琴は残った水を飲みながら聞いていた

 

 

 

酔っぱらいの名前はまつざか梅、友人に誘われ合コンへ意気揚々と行ったが全く相手にされず、友人の方ばかりに男が集まり、自分は人数合わせだと気づき店を飛び出てコンビニで酒を買い込み今まで飲んでいた

 

 

 

まつざか:どうせ私は美人じゃやないわよ、フン!あの男ども!

 

 

美琴:ふう、そりゃ災難だったわね……でもよかったじゃない

 

 

 

まつざか:なんでよ

 

 

 

美琴:アンタの相手はその中にはいなかったって事がわかってさ、ゆっくり探していきゃいいのよ……急いで彼氏作ったってロクでもない男に弄ばれるのがオチよ

 

 

まつざか:そうよね、ありがとう……ちょっとスッキリしたわ

 

 

 

美琴:どういたしまして、じゃ、私はこれで……そうだ、電話入れなきゃ

 

 

 

美琴は携帯を取り出しみさえにかける

 

 

 

 

美琴:あ、もしもし?みさえさん?御坂です

 

 

 

『美琴ちゃん、どーしたのよ、遅いから心配してたのよ』

 

 

 

美琴:すみません、実は……ってこら!何すんのよ!

 

 

電話の最中、まつざかが引っ付いてきた

 

 

 

まつざか:まだ帰さないわ!これからゲームセンターで遊びまくるわよ!付き合ってもらうわ!

 

 

 

美琴:イヤだって!私は帰るのよ!やめてってば!

 

 

 

『ちょっと!美琴ちゃん!?どうしたの!?』

 

 

 

美琴:み、みさえさん!たっ、助け……!

 

 

 

 

揉み合ってるうちに通話は切れた

 

 

 

まつざか:さー!行くわよー!レッツラゴー!イエーイ!

 

 

 

美琴:はぁ、もーどーにでもなれ……

 

 

 

美琴はため息を吐きつつ、まつざかに付き合うことになった

 

 

 

まつざかはゲームで遊びまくり、美琴は呆れ顔でそれを見ていた

 

 

 

美琴(制服じゃないから補導はされないとはいえ……いつ帰れるのかしら……はぁ、お腹空いたなぁ…いいや、帰ろ)

 

 

美琴はまつざかがゲームに夢中になってる隙にこっそりとゲームセンターを出て帰路につく

 

 

 

 

そして、まつざかは何も知らないままゲームをやりまくるのだった




この時の美琴はみさえにもらった服を着ています(ワイシャツとジーパン)


書いててノッたためこんな話しになりました


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お届け物は大変だゾ

ある日曜日、ひろしは休日出勤だった

 

 

 

しばらくのどかな時間を過ごしたみさえたち、そこにみさえのスマホにひろしから一件の着信が入る

 

 

 

みさえ:もしもし、あなた?どうしたの?

 

 

 

『あーみさえ、悪い!オレの……いや、美琴ちゃんの部屋の机の引き出しに今日使う書類を忘れちまったんだ』

 

 

 

みさえ:えー!?

 

 

 

しんのすけ:お?

 

 

美琴:………?

 

 

 

ひまわり:たいや?

 

 

 

『すまん!急いで届けに来てくれないか、3時の会議に使うんだ、じゃ、頼んだぞ!』

 

 

 

みさえ:あ!ちょっと!あなた!もー!まだ引き受けるとは……確か二階だったわね

 

 

 

しんのすけ:事件ですな

 

 

 

美琴:そのようね

 

 

 

みさえは2階の引き出しから書類の封筒を持って降りてきた

 

 

 

みさえ:ごめんちょっとあの人の会社に行ってくるからお留守番頼んだわよ

 

 

 

しんのすけ:えーオラも行きたーい

 

 

 

みさえ:チョコビ買ってくるから、ね?

 

 

 

みさえはそういって車のカギ探すが、ない

 

 

 

みさえ:弱ったわねぇ、じゃあ電車で行くか……

 

 

 

しんのすけ:母ちゃん!オラがお届けしたい!

 

 

 

みさえ:え?でも……

 

 

しんのすけ:可愛い子には足袋を履かせよって言うでしょ

 

 

 

美琴:それを言うなら『可愛い子には旅をさせよ』でしょ

 

 

 

しんのすけ:そうともゆー

 

 

 

美琴:そうとしか言わないわ

 

 

 

しんのすけ:ねー母ちゃ~ん

 

 

 

みさえ:うーん、そうね~、じゃあ美琴ちゃんと2人で行ってきなさい、その方が安心だし

 

 

 

しんのすけ:しょうがない、ついてってやるか

 

 

 

美琴:そりゃ私のセリフだ

 

 

 

こうして2人は意気揚々と出かける

 

 

 

しんのすけ:美琴おねいさーん!早くー

 

 

 

美琴:ちょっと待って、切符買わないと……えっと、ここか……お待たせー

 

 

 

 

しんのすけ:おっしゃー

 

 

 

 

2人は電車に乗ってひろしの会社の最寄り駅に向かう

 

 

 

美琴:えっと、今は……1時か……うん、間に合うかな、あれ?しんちゃん?

 

 

 

 

しんのすけ:おねいさん、オラと終点まで行きませんか

 

 

 

美琴:大人しく座っとれっての

 

 

 

美琴はナンパするしんのすけの頭を鷲掴みにして座席に戻す

 

 

 

しんのすけ:んもー焼き餅~?

 

 

 

美琴:誰が焼くか、誰が

 

 

 

しばらく乗っていると美琴は眠ってしまう

 

 

 

しんのすけ:ほーほー妖怪お昼寝怪人、お?

 

 

 

しんのすけは美人を見つけ途中で降りてしまい直後、扉が閉まり発車してしまう

 

 

 

美琴:うーん…やばっ、寝ちゃった……あれ?しんちゃん?

 

 

 

美琴は目を覚まし伸びをしてしんのすけが座ってた方に目を向ける

 

 

 

美琴:あ、あれ?いない?

 

 

 

美琴はキョロキョロと見渡すがいない

 

 

 

美琴:嘘ぉ!ちょっと!シャレになんないっつの!

 

 

 

美琴は着いた駅で降りる、そこはひろしの会社の最寄り駅だった

 

 

 

美琴:しんちゃんのリュックに書類入ってるってのに!もー!どこ行ったのよ~!

 

 

 

美琴:とりあえず電話するか……ひろしさんっと

 

 

 

 

美琴はひろしにかけるが話し中であった

 

 

 

美琴:チッ、ダメか……とりあえず交番っと

 

 

 

改札から出て交番へ

 

 

その頃しんのすけは

 

 

 

しんのすけ:んもー美琴おねいさんったら~勝手にどっか行かないでよね~あれ?ここどこ

 

 

 

 

しんのすけはキョロキョロと辺りを見回す

 

 

するとクラクションの音が聞こえる

 

 

 

その方を見るとひろしだった

 

 

 

しんのすけは駆け寄り車に乗る

 

 

 

ひろし:どうしたんだしんのすけ、こんなところで

 

 

しんのすけ:父ちゃんこそなにしてんの?クビになったの?

 

 

 

ひろし:ちげーよ、会社の車でお得意さん回ってたんだよ、会社に帰ろうとしてたらお前がいたんだよ

 

 

 

しんのすけ:ほーほー、あ、そうだ……ほい父ちゃん

 

 

 

ひろし:お!書類!そうか届けに来てくれたのかぁ~ありがとなしんのすけ

 

 

 

しんのすけ:いやぁ~それほどでもぉ~

 

 

 

ひろし:一人できたのか?

 

 

 

しんのすけ:ううん、美琴おねいさんも一緒に来たんだけどどっか行っちゃったの

 

 

 

ひろし:なに!?とりあえず会社に戻るか……

 

 

 

会社に戻ったひろしとしんのすけ

 

 

 

 

そこに突然パトカーが止まり、警官と美琴が降りてきた

 

 

 

美琴:もう!どこ行ってたのよ!心配したのよ!

 

 

 

しんのすけ:美琴おねいさん、何か悪いことしたの?

 

 

美琴:あのね!アンタが急にいなくなったから探してもらってたのよ!

 

 

ひろし:そうか、ほらしんのすけ……美琴ちゃんに謝れ

 

 

 

しんのすけ:本人も反省してますんで、許してやってください

 

 

 

美琴:誰に向かって何を言ってんだアンタは

 

 

 

しんのすけ:まーまーガケのコーチョーって言うでしょ

 

 

 

美琴:それを言うなら『怪我の功名』だっつの!

 

 

 

ひろし:ごめんな美琴ちゃん、それとありがとな!2人で届けに来てくれて助かったぜ!じゃっ気を付けて帰れよ

 

 

 

ひろしは会社へ入り、パトカーは去っていく

 

 

 

 

美琴:はぁ~あ……何かドッと疲れちゃった……

 

 

 

しんのすけ:全く~誰のせいなんだか~

 

 

 

美琴:アンタだってぇの!!

 

 

げ ん

こ つ

 

 

 

しんのすけ:おおう~

 

 

美琴:さて、と……帰りに何か甘いもの食べてこうかな……ほら、行くわよ

 

 

 

しんのすけ:ほ~い、オラシュークリームがいいなぁ~

 

 

 

美琴:あ、それいいわね……みさえさんにも買ってってあげましょうか

 

 

しんのすけ:やれやれ~母ちゃんの三段腹が四段腹になりますな~

 

 

 

美琴:あーそんなこと言うとみさえさんに言っちゃうぞ~?

 

 

 

しんのすけ:うっ、それはちょっと……ご内密に

 

 

 

美琴:あははは、ジョーダンよ

 

 

 

しんのすけ:んも~イジワル~

 

 

 

2人は笑いながらケーキ屋に向かうのであった



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お花見は楽しいゾ

ある春の日、美琴はみさえの代わりに買い物をした帰り道を歩いていた

 

 

美琴:さー早く帰ってゆったり読書しよっと……あら?

 

 

 

美琴は公園の木を見上げると、そこには満開の桜があった

 

 

 

美琴:キレイ……もう咲いてるのね、皆でお弁当でも持ってお花見ってのもいいわね……今夜あたり、頼んでみよっかな……なんて、図々しいかしらね

 

 

 

家に帰って、夜になり夕食の時、美琴は公園の桜の話を切り出し、花見の事も言ってみた

 

 

 

すると

 

 

 

ひろし:いーじゃないか、行こうぜ!ビールとかジュースとか持ってさ

 

 

 

みさえ:そうね、じゃあお弁当たくさん作んなきゃね!

 

 

 

しんのすけ:うわ~い!お花見~

 

 

 

美琴:あ、いいんですか?私、その

 

 

 

ひろし:気にすんなって!家族なんだからさ、むしろ嬉しいよ、そうやって『花見に行きたい』って言ってくれて

 

 

 

みさえ:そうよ、あなたはここの娘なんだから、子供が親に遠慮しないの……ね?

 

 

美琴:ふふ、ありがとうございます

 

 

 

そして深夜

 

 

 

美琴(眠れないなぁ……昔からこういう行事の前ってワクワクして寝れないのよね……とりあえず水一杯飲んでくるか……)

 

 

美琴が下に降りると

 

 

 

美琴:あら?しんちゃん?

 

 

 

しんのすけ:おお、美琴おねいさん

 

 

 

美琴:眠れないの?

 

 

 

しんのすけ:いや~なんと言いますか、ギトギトしましてな~

 

 

 

美琴:それを言うならドキドキよ……私もなのよ……これから水一杯飲むけど、しんちゃんも飲む?

 

 

 

しんのすけ:うむ

 

 

 

美琴はコップに水を入れてしんのすけに渡し、もうひとつのコップに自分の分を注ぐ

 

 

 

美琴:プハッ、よし!喉も潤ったし、寝るとしますか

 

 

 

しんのすけ:プハー!ですなぁ~

 

 

 

美琴としんのすけはコップをシンクに置き、眠りにつく

 

 

 

翌朝

 

 

 

美琴:ふあっ、おはようございます

 

 

 

みさえ:あら美琴ちゃん、早いのね

 

 

 

美琴:ええ、何か目、覚めちゃって

 

 

 

ひろし:お、降りてきたな……もう少ししたら起こしに行くとこだったんだ

 

 

美琴:あはは、起きちゃいました、しんちゃんは?

 

 

 

みさえ:あら、まだ寝てるのかしら……

 

 

しんのすけ:んぉ~おはよーござま~す

 

 

 

ひろし:お、起きてきた……しんのすけ、今日は花見だぞ

 

 

 

しんのすけ:おぉ~!んじゃお化粧しなきゃ!

 

 

 

みさえ:せんでいい、せんでいい

 

 

 

ワタワタと支度をすませ、花見に出かける野原一家

 

 

 

空いているところを見つけ、シートを広げ腰を落ち着ける

 

 

 

ひろし:いや~すげ~な~!

 

 

 

みさえ:ほんとね~心が洗われるみたい

 

 

 

しんのすけ:風流ですな

 

 

 

美琴:ふふ、ジジくさいわよしんちゃん……っくし!

 

 

 

 

美琴の鼻に桜の花びらが落ちてきて美琴はくしゃみをする

 

 

 

 

ひろし:はははは!大丈夫か?

 

 

 

みさえ:さ、お弁当食べましょ

 

 

 

ひろし:その前に乾杯しようぜ!この綺麗な桜に

 

 

 

 

みさえ:あ、いいわね!それじゃ

 

 

 

美琴としんのすけ、みさえはジュース、ひろしはビールで乾杯をする

 

 

 

ひろし:かーっ!うめー!花見サイコー!

 

 

 

 

みさえ:ほんと、幸せね

 

 

 

しんのすけ:母ちゃん、腹減った~

 

 

 

みさえ:あーはいはい、さあお弁当食べましょ、美琴ちゃんも遠慮しないでたくさん食べてね

 

 

美琴:あ、はい……いただきます

 

 

 

弁当をワイワイとつまみ、写真も撮り、ゆったりとした時間を過ごす野原一家

 

 

 

美琴:あ、ちょっと私お手洗い行ってきます

 

 

 

しんのすけ:あ、オラもー

 

 

 

美琴:じゃ、一緒に行きましょ

 

 

 

しんのすけ:ほーい

 

 

 

ひろし:おー行ってこーい

 

 

 

みさえ:しんのすけ~美琴ちゃんから離れちゃダメよ~

 

 

 

そして2人の姿は見えなくなった

 

 

 

ひろし:なあ、みさえも少しビール飲んだらどうだ?

 

 

 

みさえ:えー?私はいいわよ

 

 

 

ひろし:たまにゃあいいじゃねえか、せっかくの花見だしさ

 

 

 

みさえ:そう?じゃあ一杯だけ……

 

 

 

ひろし:よし!ささ!グイーッと!

 

 

 

みさえ:ブハーッ!いいわね~!

 

 

 

ひろし:お!いい飲みっぷり!さて、オレも……あ!何すんだよ!

 

 

ひろしがビールを注ごうとしたとき、みさえが缶を奪い取った

 

 

 

みさえ:アンタはもうたっぷり飲んだでしょうが!次は私が飲む番よ!

 

 

 

ひろし:やめとけよ!みさえ!

 

 

 

みさえ:ガルル!うるさいわね!足臭中年オヤジ!

 

 

 

2人がそんなやり取りをしている時

 

 

 

美琴:あ、やっときた

 

 

 

しんのすけ:お待た~

 

 

 

美琴:ちゃんと手洗った?

 

 

 

しんのすけ:もちのろんだゾ!美琴おねいさんは?

 

 

 

美琴:私だって洗ったわよ、さ……戻りましょ

 

 

 

しんのすけ:うむ

 

 

 

そして2人が戻ってみると

 

 

 

しんのすけ:おお、父ちゃん……傷だらけ……母ちゃんは

 

 

 

ひろし:今は近寄らない方がいい

 

 

 

美琴:?何でですか?

 

 

 

みさえ:あははははは!!花見サイコー!お酒がうま~い!!

 

 

 

しんのすけ:酔ってますな

 

 

 

美琴:みさえさん、大丈夫ですか?

 

 

 

みさえ:大丈夫よ~これくらい屁でもないわのよぉ~!!

 

 

 

美琴:あ!ちょっと!みさえさん!そっちは!

 

 

 

みさえはフラフラと他の客のシートに次々上がり込んでは客に絡み、その度美琴が頭を下げる

 

 

 

美琴:すみません、すみません

 

 

 

しんのすけ:あ~あ、母ちゃん怪獣みたいだ

 

 

 

ひろし:はぁ、とんだ花見になっちまったぜ……とりあえず引き上げるか……残りは家で食おう

 

 

荷物をまとめるひろしとしんのすけ

 

 

そして

 

 

みさえ:まだまだ飲むわよ~!

 

 

 

美琴:も~戻りましょうよ~

 

 

 

酔っぱらってはしゃぎまくるみさえとそれを何とかなだめようとする美琴

 

 

 

野原家の花見は騒がしくその幕を閉じるのだった



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雪かきで一騒動だゾ

ある冬の朝、美琴は目を覚ます

 

 

美琴:うう~寒っ……何なのよこれは

 

 

 

腕を組み、震えながらカーテンを開ける

 

 

 

美琴:はーこりゃすごいわ……山盛りってとこかしら、とりあえず下行くか

 

 

 

美琴は下に降りて歯を磨く

 

 

 

そのあと顔を洗いタオルで拭き、トイレを済ます

 

 

 

美琴:う、ん……さて、と……外見てこよ

 

 

 

美琴はドアを開ける

 

 

 

美琴:あらら、道路も車もみんな雪だらけだわ……とりあえず

 

 

 

美琴はポストから新聞と手紙を出し、家に入る

 

 

 

美琴:えっと……雪かきシャベルってどこだろ……

 

 

ひろし:ううう~さみぃ~何だよこの寒さは

 

 

 

美琴:あ、ひろしさん……なんか雪が積もってますよ、昨日降ったみたいです

 

 

 

ひろし:マジかよ~どーりで寒いハズだぜ、とりあえずコタツコタツ~

 

 

 

みさえ:ううう~寒々~あら2人とも、早いのね

 

 

 

ひろし:寒くてよ~目が覚めちまった

 

 

しんのすけ:うおお~お寒い~

 

 

ひろし:しんのすけ、ほれ……入れ

 

 

しんのすけ:うぅ~おこたおこた~

 

 

 

みさえ:私も入ろっと

 

 

ひまわり:あい~

 

 

 

美琴:はぁ~いいですねぇ~

 

 

ひろし:あぁ~そうだなぁ~

 

 

みさえ:えぇ~そうよねぇ~

 

 

しんのすけ:あぅ~ん、いいわよ~ん

 

 

 

ひまわり:たぃ~あいやい~

 

 

そしてあまりの気持ちよさにしばらく眠ってしまう5人

 

 

 

突然ガバッと目を覚ます

 

 

 

ひろし:や、やべえ……寝ちまった

 

 

 

みさえ:恐るべし……コタツの魔力

 

 

 

美琴:ええ、強敵ですね

 

 

 

しんのすけ:お便秘3日目の母ちゃんみたいだゾ

 

 

 

美琴:なるほど

 

 

 

ひろし:上手いな

 

 

 

げ ん

こ つ

×3

 

 

みさえ:やかましい!んなこと言ってる暇あったら雪でもかいてこんかいオラァ!

 

 

ひろし:いってぇなぁ~

 

 

しんのすけ:あうぅ~ん

 

 

美琴:何で私まで~

 

 

 

みさえ:いいから!とっとと行く!!返事は!?

 

 

 

3人:はっ!行って参ります!!

 

 

 

 

3人ともバッと立ち上がり敬礼をして外へ行く

 

 

 

 

 

 

 

ひろし:ぬあ~!さみぃ~!

 

 

 

しんのすけ:ぬぉ~!!

 

 

 

美琴:うひぃ~!死ぬ~!

 

 

 

ひろし:し、仕方ねえ!早くやっちまってコタツに入って温かいもの飲もうぜ

 

 

 

しんのすけ:おお~!

 

 

美琴:それしかありませんね!

 

 

 

ひろし:よし!まずは車の雪だ!

 

 

 

素手で雪を落としていく3人

 

 

 

ひろし:くっ!冷たい……だがオレたちは挫けない!コタツのために!

 

 

美琴:温かい物のために!

 

 

しんのすけ:かき氷のために!!

 

 

 

その時、ひろしと美琴にヒュルリと風が吹いた

 

 

 

ひろし:おバカ!かき氷は夏だろうが!

 

 

美琴:冷たいもん言ってどうすんのよ!!

 

 

 

しんのすけ:ほーほー

 

 

ひろし:ったく、続きいくぞ!コタツに入って温かい物を飲む!

 

 

 

美琴:ミカンを食べる!

 

 

 

しんのすけ:水風呂に入る!

 

 

 

今度は氷り出す2人

 

 

 

ひろし・美琴:いい加減にしろ!!

 

 

しんのすけ:いやぁ、それほどでもぉ

 

 

 

ひろし・美琴:褒めてない!!!

 

 

 

しばらくして車の雪を全部落とした三人

 

 

 

ひろし:いってー手がジンジンしてらぁ

 

 

美琴:私もです、でもこれで終わりましたね

 

 

 

ひろし:ああ、じゃあ次は庭と道路か……スコップ探してくるから待っててくれ

 

 

 

ひろしはスコップを探しに物置に行く

 

 

美琴:ふーやれやれ、あともう少しね……頑張りましょしんちゃ……げぇっ!!

 

 

 

しんのすけは車から降ろした雪をペタペタと車に戻す

 

 

しんのすけ:あ、ペッタン、ペッタンコー!みさえのお胸はペッタンコー!美琴のお胸もペッタンコー

 

 

 

美琴:くっ!

 

 

 

しんのすけ:あー終わった~疲れた~お?

 

 

 

 

 

美琴:ご苦労様ねぇ、せっかく降ろした雪を戻してくれた挙げ句人を侮辱してくれて……お礼にいいものあげましょうか~?ん~?

 

 

 

しんのすけ:い、いやぁ~ご遠慮しときま……うっ!

 

 

 

美琴:まぁ、まぁ……そんなこと言わずにさぁ~

 

 

 

美琴は笑顔ながら指をポキポキと鳴らしてゆらりと近づく

 

 

 

しんのすけ:優しくお願いね?

 

 

 

しんのすけはテヘッと顔を赤らめてそういう

 

 

 

しかし

 

 

美琴:このおバカァ~!!!

 

 

 

 

 

しんのすけ:うおおお~!!

 

 

 

 

ひろし:やーれやれ、やっと見つかったぜ……さ、2人とも続きを……

 

 

 

ひろしが道路を見ると

 

 

 

 

美琴:待てこのクソガキィ~!!

 

 

 

しんのすけ:んもーちょっと軽いジョーク言っただけなのに~!!

 

 

 

美琴:あれのどこがジョークじゃあ!しかも軽くないわァ~!!

 

 

 

しんのすけ:助けて~アクション仮面~!!

 

 

 

美琴:助けに来るかぁ!もし来ても私が返り討ちにしてくれるわ~!!!

 

 

 

ひろし:…………

 

 

 

グルグルと追いかけっこをしている2人を見てひろしはひとりスコップをカランと落として立ち尽くす

 

 

 

そして

 

 

 

みさえ:ズズズ……あぁ~お茶が美味しい~ミカンも美味しい~コタツ最高~

 

 

ひまわり:たいや~

 

 

 

みさえとひまわりはコタツでゆったりと過ごすのであった



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かすかべ防衛隊の缶拾いだゾ

ある休日のファミレス

 

 

しんのすけ:んん~アイスちゃ~んまだかな~

 

 

風間:注文したばっかりだろ~?ていうか本題に入れよ

 

 

ネネ:そうよ、さっきからそればっかりじゃない

 

 

マサオ:ボクだって早く食べたいよ

 

 

ボー:時間が、もったいない、時は、金なり

 

 

 

しんのすけ:んも~皆お真面目なんだから~

 

 

 

風間:ていうか、いいんですか?奢ってもらっちゃって

 

 

 

美琴:ん?ああ、いいのよ……私もちょうど甘いもの食べたかったしね

 

 

 

ボー:ありがとう、ございます……感謝、感激

 

 

 

美琴:あはは、大げさね……で、今日は何すんの?

 

 

 

風間:それなんですよね……パトロールとかじゃ、マンネリだし……

 

 

ネネ:そうよね~

 

 

 

マサオ:うーん

 

 

ボー:難しい

 

 

 

しんのすけ:キレイなおねいさんが春日部に何人いるか調査っていうのは?

 

 

 

防衛隊:却下

 

 

 

しんのすけ:んもーいけず~

 

 

 

活動内容が決まらないまま注文したアイスやケーキを食べる6人

 

 

 

食べ終わった後、店を出る

 

 

 

風間:ごちそうさまでした

 

 

 

ネネ:美味しかったです

 

 

 

マサオ:うん、また食べたいな

 

 

美琴:これくらいならまたご馳走してあげるわよ

 

 

 

しんのすけ:いつでも言いたまえ

 

 

 

美琴:アンタが言うな

 

 

その後、しばらく歩いていると

 

 

 

マサオ:わっ!

 

 

 

マサオが何かに躓き、転んでしまう

 

 

 

風間:大丈夫かい?マサオくん

 

 

 

マサオ:うん、何とか

 

 

 

風間:よかった、でもヒドイなぁ……こんなとこに空き缶が捨ててあるよ

 

 

 

ネネ:ホンッと、マナーの悪いヤツがいるのね

 

 

 

風間:そうだ!今日は落ちてる空き缶を拾ってゴミ箱に入れよう!町をキレイにするんだ!

 

 

 

美琴:あ、それいいじゃない、私も手伝うわよ

 

 

ボー:いい、かも

 

 

 

マサオ:うん!

 

 

 

ネネ:そうね!

 

 

 

しんのすけ:トオルちゃん、ス・テ・キ

 

 

 

風間:気色悪いこと言うな~!!とにかく!今日は町の空き缶を拾ってゴミ箱に入れる!かすかべ清掃隊出動だー!

 

 

 

防衛隊:おおー!

 

 

 

6人は空き缶を拾い、ゴミ箱にどんどん入れていく

 

 

 

美琴:あった、全く……ちゃんと捨てとけっての

 

 

しんのすけ:おねいさ~ん、オラと一緒に缶拾いしな~い?

 

 

 

美琴:マジメにやんなさいよ、 マジメに

 

 

 

美琴たちはしばらく缶を捨てた後、公園で休憩する

 

 

 

風間:ふー随分たくさん落ちてたなぁ

 

 

 

ボー:うん、まさに、ゴロゴロ

 

 

 

マサオ:あはは、でもいいことすると気持ちいいねー

 

 

ネネ:ホント、これで少しは春日部もキレイになったかしら

 

 

風間:ああ!なったさ!何せボクたちがやったんだからね

 

 

しんのすけ:うぅ~ん、トオルちゃ~ん

 

 

 

風間:だからやめろよ!それより、すみません、ジュースまで奢ってもらっちゃって

 

 

 

美琴:ん、いいわよ……それに皆たくさん頑張ったから、お姉さんからのご褒美よ

 

 

皆でジュースを飲み、しばらく公園で過ごす6人

 

 

風間:よし、そろそろ帰ろうか……もうすぐ夕方だし

 

 

マサオ:そうだね

 

 

ネネ:うん

 

 

ボー:今日は、楽しかった

 

 

しんのすけ:うむ

 

 

風間:じゃあ缶はゴミ箱に入れてっと

 

 

 

ネネ:えいっと

 

 

マサオ:よいしょ

 

 

ボー:………ボ

 

 

美琴:うん、皆偉いわね、私も……よっと

 

 

 

しんのすけ:カッコよく決めるゾ、アクションシュート!!

 

 

 

しんのすけは少し離れたところから缶をゴミ箱に向かって投げた

 

 

 

風間:あ!バカ!

 

 

 

ネネ:危ない!

 

 

 

ボー:ボア!

 

 

マサオ:ヒィッ!

 

 

 

美琴:いたっ!

 

 

 

その缶は公園に落ちてた缶を拾ってゴミ箱に捨てていた美琴の頭に当たってから跳ね返り、ゴミ箱に入った

 

 

 

しんのすけ:ワッハッハッハ!華麗に決まったゾ!

 

 

 

 

美琴:やってくれたわねぇ~しんちゃ~ん?

 

 

 

 

風間:さ、さようなら!

 

 

 

ボー:しんちゃん、バイバイ

 

 

 

ネネ:ま、またね!

 

 

マサオ:ヒィ~!待ってよ~!!

 

 

 

風間たちはそそくさと帰っていった

 

 

 

しんのすけ:んも~皆慌ただしいんだからァ……うっ

 

 

 

美琴:風間くんたちはちゃんと捨てられたっていうのにアンタって子は……

 

 

 

しんのすけ:あ、オラ用事思い出した!じゃ!

 

 

 

美琴:こら~!逃げんなぁ~!!

 

 

 

 

美琴としんのすけは帰路で追いかけっこを始める

 

 

 

しんのすけ:オラちゃんと捨てようとしたゾ~!

 

 

 

美琴:だったら投げんなぁ~!!

 

 

 

しんのすけは途中で捕まり、美琴からグリグリとお仕置きを受けるのであった



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美琴おねいさんと父ちゃんの夏の日だゾ

ある夏の日、家には美琴とひろししかいなかった

 

 

みさえとしんのすけ、ひまわりはおケイの誘いにより、真夏のウキウキツアーに泊まりがけで参加している

 

 

美琴(あっついわね……昨日テレビの天気予報じゃ猛暑日って言ってたし……扇風機つけよっと)

 

 

 

美琴は扇風機をつけて風に当たる

 

 

 

美琴:はー気持ちいい~

 

 

 

美琴は扇風機で遊んでみる

 

 

 

美琴:我々は宇宙人だ~この地球は今から我々が乗っ取った~

 

 

 

ひろし:おーい美琴ちゃーん

 

 

 

美琴:うっ!

 

 

 

美琴は部屋を訪ねてきたひろしに遊んでいるところを見られ、カーッと赤くなる

 

 

 

ひろし:ははは、オレも子供のころよくやってたよ……オレ、ちょっと今から急ぎの仕事したいんだけど……ここ使っていいかな

 

 

美琴:あ、いいですよ……じゃあ下行ってますよ

 

 

 

ひろし:ああ、すまないな

 

 

 

ひろしは机に座りノートパソコンをつけて仕事を始める、美琴は扇風機をひろしの方に持っていきひろしに風が当たるようにしたあと一階へ降りる

 

 

 

美琴:さて、どうしようかな……

 

 

 

美琴は茶の間でテレビを見ながら団扇でパタパタあおぐ

 

 

 

美琴:なんか、喉渇いてきちゃった……確か冷蔵庫に……あった、麦茶……夏はやっぱこれよね

 

 

 

美琴はコップを2つ出して氷を入れて麦茶を注ぐ

 

 

 

1つを茶の間に置いて、もう1つをもってひろしのところへ向かう

 

 

 

美琴:ひろしさーん、いいですか~?

 

 

 

『おう、いいぞ』

 

 

 

美琴:はい、これどうぞ

 

 

 

美琴はノックをしてひろしの返事を聞いてからドアを開け、麦茶を机に置く

 

 

 

ひろし:お、悪いね~ちょうど欲しかったんだ

 

 

 

美琴:今日は暑いですからね、じゃあ下行きますね

 

 

 

ひろし:ああ、ありがとう

 

 

 

美琴はまた下に降りて麦茶を飲み、昼食の準備をする

 

 

 

美琴:暑いからそうめんでいいかな……さっぱりしてるから食べやすいわよね……ネギも刻んでっと……

 

 

 

 

ひろし:ふう、ちょっと休憩すっか……お、そうめんかぁ、いいね~

 

 

美琴:あ、ちょうど湯で上がったところですよ……今持っていきますね

 

 

 

美琴は茶の間にそうめんを持っていき、ひろしと食べる

 

 

 

ひろし:いや~夏はやっぱこれだなぁ~

 

 

 

美琴:そうですね、食べやすいですし

 

 

 

ひろし:ああ、さて……もうひと頑張りしてくっか

 

 

 

ひろしは伸びをして2階へ向かう

 

 

 

美琴:ふう、さて……洗い物しよっと……あと洗濯と掃除もしちゃおっかな

 

 

 

美琴は洗い物をしたあと、洗濯してそれを干して、掃除もする

 

 

 

美琴:はーちょっと休もっと……みさえさんこれを毎日やってるんだなぁ……スゥ

 

 

 

美琴は寝室にゴロンと寝転ぶ、しばらくして眠くなり、寝息をたてて眠る

 

 

 

そして、時間は刻々と過ぎ、夕方になる

 

 

 

ひろし:よしっ!出来たぞ!最後に保存してっと……あー終わったぜ

 

 

 

ひろしは伸びをして一階へ降りる

 

 

 

ひろし:美琴ちゃーん、終わったぞー

 

 

 

茶の間に行ってみるが美琴はいない

 

 

 

ひろし:あれ、どこ行っちまったんだ?

 

 

 

ひろしは寝室に行ってみると、そこには気持ち良さそうに眠る美琴がいた

 

 

 

ひろし:洗濯物や洗い物で疲れちまったかな……よく寝てら

 

 

 

ひろしは美琴にタオルをかけてやる

 

 

 

美琴:………う、ん………あれ、私……いつの間にか寝ちゃってた……あ、ひろしさん

 

 

 

ひろし:お、起こしちまったか?

 

 

 

美琴:い、いえいえ……もうこんな時間か……すぐ夕食作りますね

 

 

 

ひろし:待った!今日は外で食べようぜ

 

 

 

美琴:え、いいんですか?

 

 

 

ひろし:ああ、夏だし、せっかくだから冷やし中華でも食べようぜ

 

 

 

ひろしと美琴は車に乗り、冷やし中華を食べに行く

 

 

 

美琴:うん、美味しい

 

 

 

ひろし:だろ~?外回りの時たまに食べるんだ、暑いときはこれに限るぜ

 

 

 

美琴:ですね、それに今日は麦茶とそうめん、そして冷やし中華、夏を満喫してますね私達

 

 

 

ひろし:ははは、だな……今日は色々ありがとな

 

 

 

美琴:いえいえ、そんな……ひろしさんこそ、今日はご苦労様でした

 

 

 

ひろし:おう!じゃあ乾杯といくか!

 

 

 

美琴:ふふ、何にですか?

 

 

ひろし:もちろん夏に、さ

 

 

2人は注文した麦茶のコップをカチンと合わせた

 

 

 

食べ終わり、家に向かう帰り道

 

 

 

美琴は助手席で再び眠る

 

 

ひろし:はは、よっぽど疲れたんだな……色々オレにも気を遣ってくれたからな

 

 

 

ひろしは眠る美琴を見て優しく微笑んだ

 

 

 

ひろし:ホント、ありがとな……美琴ちゃん

 

 

 

 

そして、家に着き、2人はスヤスヤと夢の中なのであった



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みさえママのお看病だゾ

ある日の夜

 

 

 

美琴:っくし!

 

 

 

ひろし:おいおい、大丈夫か?さっきからしてるけど……風邪引いたんじゃないか?

 

 

 

みさえ:あらあら、はい、ティッシュ

 

 

 

美琴:あ、ありがとうございます

 

 

 

美琴は鼻をかんだ

 

 

 

美琴:う~すみません、今日はもう休みますね……おやすみなさい

 

 

 

ひろし:ああ、おやすみ

 

 

みさえ:おやすみ~

 

 

 

ひまわり:たやゆい~

 

 

 

しんのすけ:イカスミ~

 

 

 

美琴はしんのすけのボケにつっこまず、辛そうに2階に上がって部屋に入る

 

 

 

しんのすけ:美琴おねいさんがつっこまない……何か変ですな

 

 

 

ひろし:いやそこかよ

 

 

 

みさえ:別にアンタにつっこむためにいるんじゃないの

 

 

 

ひまわり:へっ

 

 

 

その頃2階では

 

 

 

美琴(なーんかダルいわ……頭もちょっと痛いし……鼻も出るし……)

 

 

 

美琴は布団に潜りながら考える

 

 

 

美琴:っくし!あーまただ……はぁ

 

 

 

枕元のティッシュで鼻をかみ、眠りにつく

 

 

 

そして、朝

 

 

 

美琴(い、痛い……ダルい……とりあえず、下へ)

 

 

 

美琴はフラフラとしながら洗顔、歯磨き、トイレを済ませた

 

 

 

美琴:うぅ~布団に……戻らないと……はぁ、はぁ……あと、もう少し

 

 

 

美琴は何とか2階へ上がり部屋に入る

 

 

 

再び布団を被り、目を閉じた

 

 

 

 

━━━━━

 

頭が、痛い

 

 

体が熱くてダルい……動かない

 

 

 

誰か、助けて……

 

 

 

 

『これでよし、少しは楽になるといいけど』

 

 

 

あ、気持ちいい……冷たくて……体がひんやりしてくる……

 

 

『早く元気になるのよ、美琴ちゃん』

 

 

 

………ママ?ママなの……?

 

 

『はーい、美琴のママですよー』

 

 

 

ありがとう、ママ

 

 

 

━━━━━━

 

 

 

美琴はパチッと目を覚ました

 

 

 

美琴:夢、か……あれ、タオルが

 

 

美琴は額の方に手を当ててみると冷たいタオルが置いてあった

 

 

 

美琴:あれ、じゃあ……あれは……ん?

 

 

 

 

ドアの開く音がして美琴がその方を向くと

 

 

 

みさえ:あら、美琴ちゃん……起きた?お粥が出来たから持ってきたわ

 

 

 

美琴:あ、みさえさん……そっか、そうよね

 

 

 

みさえ:ふふ、あなた魘されてて私のことママって呼んでてね、勝手に返事させてもらったわ

 

 

 

美琴:あはは、お恥ずかしい……

 

 

 

美琴は照れたあと何とか体を起き上がらせる

 

 

 

みさえ:大丈夫?食べられる?

 

 

 

美琴:あはは、情けないですけど起きるだけで精一杯みたいです……身体中痛くて

 

 

 

みさえ:そう、だったら……はい、あーん

 

 

 

美琴:あ、あーん

 

 

美琴はみさえにお粥を食べさせてもらう

 

 

 

みさえ:お味はどう?

 

 

 

美琴:お、美味しいです……とっても

 

 

 

みさえ:そう、よかった……はい、もう一回、あーん

 

 

 

美琴:あ、はい……あーん

 

 

 

何度か食べさせてもらったあと、みさえは美琴の汗を拭き取り、布団へ寝かす

 

 

 

みさえ:じゃあ私、洗濯物干してくるからちゃんと寝てるのよ

 

 

 

美琴:はーい

 

 

 

みさえ:お粥、そこに置いとくから食べたかったら食べていいからね……もし無理そうなら無理しないのよ、私がまた来たときに食べさせてあげるからね

 

 

美琴:はーい、わかりました

 

 

 

みさえ:じゃあまた来るわね

 

 

 

みさえはそういって出ていく

 

 

 

美琴(なんか……幸せな気分だわ…いいのかな……こんな幸せで……)

 

 

 

美琴はそのあと、チラッとお粥を見て体を何とか起こす

 

 

 

美琴:もう少しだけ、食べよっかな

 

 

 

美琴は少しづつ食べ進める

 

 

 

その時、涙が溢れる

 

 

 

美琴(美味しい……とっても……愛情が、入ってて……なんか、嬉しいな)

 

 

 

しばらく食べて美琴は横になる

 

 

 

美琴(さ、もう一眠りしよっかな……お腹も膨れたし)

 

 

 

眠る前に美琴は呟いた

 

 

 

美琴:お腹も一杯だけど……胸も一杯……ありがとう、みさえママ

 

 

 

美琴は目を閉じる

 

 

 

 

再び目を覚ましたのは夜だった

 

 

 

美琴:ん、あれ……もう夜か……あ、みさえさん

 

 

 

みさえ:あら起きた?よく寝てたわね

 

 

 

美琴:ええ、おかげさまでグッスリと

 

 

 

みさえ:ふふ、お粥、温めてきたから……それにタオルも取り替えなきゃね

 

 

美琴はみさえが見守るなか、お粥を食べる

 

 

 

しばらく食べていると

 

 

 

みさえ:しんのすけね、すごく心配してたわよ……幼稚園から帰ってきたときも、寝る前も、この部屋の前に来て、ジッと見てたわ……部屋のドアを

 

 

 

美琴:そう、ですか……しんちゃんが

 

 

 

みさえ:あとこれ、あの子から……おねいさんに渡してって

 

 

 

美琴:手紙?

 

 

 

━━━━

 

みことおねいさんへ

 

 

はやくおげんきになってね

 

 

そしてまたおらにおつっこみをしてね

 

 

おかぜなんかにまけちゃだめだぞ

 

 

ばい のはら しんのすけ

 

 

━━━━

 

 

美琴:ふふ、あの子ったら……私はツッコミのためにいるんじゃないっての

 

 

 

みさえ:あはは、私も昨日そう言ったのよ……でも心配なのよ、主人も、ひまも、そして私もね……早く元気になってまたお出掛けとかしましょうね

 

 

 

美琴:はい、もちろんです

 

 

 

みさえ:さ、ご飯食べたらいい子でおねんねしましょうね~

 

 

美琴:ちょっとみさえさん、ちっちゃい子じゃないんですから

 

 

 

みさえ:あらやだ、ごめんなさいね

 

 

 

美琴:ふふ、いいですよ

 

 

 

みさえ:じゃあおやすみなさい、美琴ちゃん

 

 

 

美琴:ええ、おやすみなさい………ママ

 

 

 

みさえ:…………ふふ、はーい

 

 

 

 

みさえが部屋を出ようとしたとき、美琴はみさえをママと呼んだ

 

 

それを聞いてみさえは振り返り、クスリと笑い返事を返す

 

 

 

そしてそっとドアを閉めた

 

 

 

美琴もそっと瞼を閉じた

 

 

 

その後、美琴は回復し、今日もしんのすけにツッコミを入れるのだった

 

 

 

しんのすけ:父ちゃんは今日も産業ですか~

 

 

 

美琴:それを言うなら残業よ

 

 

 

 

しんのすけ:そうともゆー

 

 

 

美琴:そうとしか言わないっての



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母ちゃんのダイエット大作戦だゾ

ある日の夕食後、のんびりとテレビを見ていたが途中みさえが抜け、どこかへ消えた

 

 

そして

 

 

みさえ:いやああああ~っ!!

 

 

 

ひろし:どうした!みさえ!

 

 

美琴:何があったんですか!

 

 

 

しんのすけ:尻がたるんだんですか!

 

 

 

げ ん

こ つ

 

 

 

みさえ:違うのよ!体重!3キロも増えてんのよ!

 

 

 

ひろし:へ?何だよおどかすなよ、そんなのいつものことじゃないか

 

 

 

みさえ:私にとっては重大よ!先月計ったときはまだよかったのに

 

 

 

美琴:みさえさん、全然細いじゃないですか……そんなに気にしなくても

 

 

 

みさえ:ありがと美琴ちゃん、優しいのね

 

 

 

しんのすけ:いえいえ~お世辞ですから~

 

 

 

美琴:そうなんですよ~って何言わせんのよ……あっ、ちがっ

 

 

 

 

げ ん

こ つ

×2

 

 

 

みさえ:こうなったらダイエットよ!!絶対増えた分減らしてやる!!

 

 

 

ひろし:おお、燃えてる……みさえが燃えてる

 

 

 

たんこぶを作って倒れているしんのすけと美琴の側でダイエット宣言するみさえ

 

 

 

 

こうしてみさえのダイエット作戦が始まった

 

 

 

 

作戦その1【運動】

 

 

 

みさえ:い~ち、に~、さ~ん……うぐぐぐ、し~

 

 

 

美琴:あまり無理しない方がいいんじゃ……

 

 

 

みさえ:いいから、しっかり足持ってて

 

 

 

美琴:はいはい、はぁ

 

 

 

みさえ:ご~お、ろ~く

 

 

 

その後、ランニング

 

 

 

 

みさえ:はぁ、はぁ、はぁ……ほら美琴ちゃん、しんのすけ、ちゃんとついてきて

 

 

 

しんのすけ:お、オラもうクタクタ~

 

 

 

美琴:はぁ、はぁ……わ、私も~

 

 

 

作戦その2【食事制限】

 

 

 

みさえ:……………

 

 

 

 

しんのすけ:んん~チョコビはいいですなぁ~

 

 

 

美琴:このクッキーもなかなかいけるわよ

 

 

 

しんのすけ:では1つ貰っても

 

 

 

美琴:いいわよ、じゃあ私も1つ貰うわよ

 

 

 

 

みさえ:没収

 

 

 

 

しんのすけ・美琴:あ!

 

 

 

 

 

2人のおやつは取られてしまった

 

 

 

 

しんのすけ:ヒドイぞ母ちゃん!

 

 

 

美琴:そうですよ!私達何もしてないじゃないですか!

 

 

 

みさえ:うるさ~い!アンタらに私の気持ちがわかるか~!

 

 

 

しんのすけ・美琴:あひぃ~

 

 

 

 

しんのすけは足で、美琴は手でグリグリ攻撃を受けた

 

 

 

 

しんのすけ:うう~

 

 

 

美琴:参りました~

 

 

 

 

みさえ:フン

 

 

 

 

そして、夕食

 

 

 

ひろし:何だよこりゃ、梅干し添えたお粥少しとたくあん3つ~?

 

 

 

みさえ:そうよ、ダイエットに協力してもらってるのよ、ね?2人とも

 

 

 

しんのすけ:お、おおう

 

 

 

美琴:は、はいぃ~

 

 

 

ひろし(逆らわない方が良さそうだ)

 

 

 

 

3人は寝るときも腹の虫が収まらなかった

 

 

 

 

そして、2日目

 

 

 

 

ひろし:何だよこりゃ~朝飯がロールパン一個~?

 

 

 

 

しんのすけ・美琴:ブーブー!

 

 

 

 

みさえ:ええい!やかましい!四の五の言ってないで食べなさい!

 

 

 

 

ひろし:オレ仕事なのに力出ねえよこれじゃ、あーあ

 

 

 

 

みさえのダイエットに無理やり協力させられている3人

 

 

 

みさえ(よ~し、順調ね……この調子なら……あら)

 

 

 

 

みさえは冷蔵庫から1つのプリンを見つける

 

 

 

 

みさえ(こ、これは……一昨日スーパーで半額になっていたスペシャルデラックスプリン!しかも賞味期限が今日!)

 

 

 

迷っていると2人がニヤニヤと近づいてきた

 

 

 

 

しんのすけ:おやおや~母ちゃん悩んでますな~

 

 

 

美琴:ふふふ~食べないんですか~?

 

 

 

みさえ:う、ううう

 

 

 

しんのすけ:きっと美味しいゾ~プルプルよ~?

 

 

 

美琴:食べないんなら私達が半分こして食べちゃおうかな~?

 

 

 

しんのすけ:おお~いいですなぁ~

 

 

 

みさえ:うう~!あ~!もうやめたやめた~!!

 

 

 

 

 

みさえは2人の間をダッと抜けてプリンを食べる

 

 

 

 

みさえ:んん~!美味しい~!サイコ~!

 

 

 

美琴としんのすけはガッとお互いの手を握り会う

 

 

 

その夜

 

 

 

ひろし:な、何だ……トンカツに……刺身……?

 

 

 

 

みさえ:あなたどうしたの?冷めるわよ、はいビールどうぞ

 

 

 

ひろし:お、おう……おとと……ま、いっか

 

 

 

美琴:ん~美味しっ

 

 

 

しんのすけ:あぅ~ん、しわよせ~

 

 

 

美琴:それを言うなら幸せよ

 

 

 

しんのすけ:そ~ともゆ~

 

 

 

美琴:そうとしか言わないのよ?んふふ~

 

 

 

しんのすけ:あは~

 

 

 

しんのすけと美琴はお互い見合って笑うのだった

 

 

 

こうしてみさえのダイエット作戦は幕を閉じた



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キレイな旅館でお泊まりだゾ

ある日、隣の北本が1枚のチケットをみさえに差し出した

 

 

みさえ:………星空旅館特別宿泊券……これ貰っていいんですか?

 

 

 

北本:ええ、いいわよ、私も行きたかったんだけどさ、期限が明日まででね、それに私今日の夜アメリカに発たなきゃなんないのよ

 

 

みさえ:アメリカに?

 

 

 

北本:そうなの、ロベルトに遊びに来ないかって誘われちゃって、野原さんになら譲ってもいいかなって思ったのよ

 

 

 

みさえ:ありがとうございます、じゃあ貰っておきます

 

 

 

そして北本は帰り、夜

 

 

 

ひろし:へ~星空旅館ね~

 

 

 

みさえ:おばさんが営業開始50周年記念の懸賞で当たった宿泊券なんだって

 

 

 

ひろし:いいのか?そんな大事そうなの貰っちまって

 

 

 

みさえ:おばさん今日の夜アメリカに発つんだって、ロベルトさんに遊びに来ないかって言われて、今頃空の上じゃないかしら

 

 

 

ひろし:そっか、じゃあ行くか……せっかくのおばさんの好意だしな!

 

 

 

しんのすけ:おお~!やった~!楽しみ~

 

 

 

美琴:ふふっ、私もよ

 

 

 

翌日5人は出発

 

 

 

高速道路を走っている

 

 

 

 

ひろし:快調、快調……この分じゃ早く着くな

 

 

みさえ:星空旅館かぁ、やっぱり名前の通りキレイな星空が見えるのかしらね~

 

 

 

しんのすけ:母ちゃんよりはキレイなんじゃない?

 

 

 

みさえ:お黙り!

 

 

 

美琴:まーまー、落ち着いて落ち着いて

 

 

 

ひろし:そうだぞ、せっかくの遠出だ、楽しく行こうぜ

 

 

 

みさえ:そうよね、あ……サービスエリアあるわよ

 

 

 

ひろし:よし、休憩してくか……トイレ行きたかったら今のうち行っとけよ?

 

 

 

しんのすけ:ほーい!オラ行っとく~

 

 

 

美琴:あ、待って……私も行く

 

 

 

ひろし:オレ達も行っとくか

 

 

 

みさえ:そうね、ひまもオムツ変えましょうね~

 

 

 

ひまわり:エヘヘ~

 

 

 

先にトイレを済ませた美琴としんのすけ

 

 

 

ひろし:オレ達も行ってくるから待っててくれ

 

 

 

みさえ:しんのすけ、動き回っちゃダメよ

 

 

 

しかし、しんのすけは土産屋に行ってしまった

 

 

 

美琴:あ、ちょっと!こら!

 

 

 

 

美琴はそれを追い、土産屋へ

 

 

 

美琴:へーいろんなの売ってるわね

 

 

 

しんのすけ:おぉ~!地域限定チョコビ~いいですな~でも母ちゃん買ってくれるかな~ん~でもおケチだしな~

 

 

 

美琴:それ、買ってあげようか?

 

 

 

しんのすけ:え?

 

 

 

美琴:だから、それ私が買ってあげようかって言ってんの

 

 

 

しんのすけ:いいの?

 

 

 

美琴:うん、いいわよ……私も何か限定のお菓子買ってこっかな~

 

 

 

しんのすけ:美琴おねいさん太もも~

 

 

 

美琴:それを言うなら太っ腹……ほら貸して

 

 

 

しんのすけ:ほい

 

 

 

美琴は会計して外に出る

 

 

 

美琴:なんか喉渇いたわね、ジュース飲もっか

 

 

 

しんのすけ:うむ

 

 

 

2人はジュースを買って飲みながらひろし達を待つ

 

 

 

ひろし:悪い悪い!時間掛かっちまった!

 

 

 

みさえ:あらしんのすけ……それは?

 

 

 

しんのすけ:地域限定チョコビ~美琴おねいさんに買って貰ったんだゾ

 

 

 

みさえ:ありがとう美琴ちゃん、後でお金返すわね

 

 

美琴:い、いえいえ……気にしないでください……私がしたくてしたことですから

 

 

 

ひろし:みさえ、オレ達も缶コーヒー飲んでこうぜ

 

 

 

みさえ:ええ

 

 

 

全員喉を潤し、再び出発

 

 

 

しばらく走り、車は星空旅館へ

 

 

 

中へ入り、宿泊券を出す

 

 

 

部屋へ通され、5人はくつろぐ

 

 

 

ひろし:いや~いい眺めだな~来てよかったぜ

 

 

 

みさえ:そうね、あ、美琴ちゃんありがとう

 

 

 

美琴は4人分のお茶を入れて湯呑みをそれぞれのところに置く

 

 

 

お茶を飲み、一息つく4人

 

 

 

ひろし:ブハ~いいね~

 

 

 

みさえ:やだあなたったら、ビール飲んでるみたい

 

 

 

しんのすけ:父ちゃん、お風呂入ろ~!

 

 

ひろし:おしっ!行くか風呂!旅館と言ったら風呂だからな

 

 

 

 

みさえ:私達も行きましょ

 

 

 

美琴:はい

 

 

 

 

露天風呂に入る4人

 

 

 

【男湯】

 

ひろし:あ~生き返るね~

 

 

 

しんのすけ:ごくらくごくらく~

 

 

 

ひろし:お、夕日がキレイだぞしんのすけ

 

 

 

しんのすけ:おお~真っ赤っか~

 

 

 

ひろし:ははっ、ホントだな

 

 

 

【女湯】

 

 

 

美琴:ん~!いい気持ち~はぁ~幸せ~

 

 

 

みさえ:ほ~んと、おばさんには感謝しなきゃね~

 

 

 

美琴:ええ、お土産買って帰んなきゃですね

 

 

 

みさえ:そうね、ちょっと奮発しなきゃかな

 

 

 

美琴:あ、みさえさん、ほら、夕日

 

 

 

みさえ:あら、ホント……キレイね~

 

 

 

ひまわり:たや~

 

 

 

その後、風呂から上がり、夕食

 

 

 

ひろし:おお~すげ~これが一人分かよ

 

 

 

みさえ:さっすがね~

 

 

 

しんのすけ:うお~家のご飯より豪華だゾ

 

 

 

みさえ:当たり前よ、つか旅館と比べるな!

 

 

 

美琴:まーまー、とりあえず食べましょうよ、ね?

 

 

 

ひろし:いよ~し!食うぞ~!

 

 

 

『いただきま~す!』

 

 

 

 

ひろし:うん!うめ~!

 

 

 

みさえ:ホント!いくらでも食べられそう!

 

 

しんのすけ:うっ、ゴホッ!

 

 

美琴:コラコラ慌てて食べない、ほらお茶飲みなさい

 

 

 

楽しく夕食を済ませた4人は少し早いが就寝する

 

 

 

しかし美琴は夜中に目を覚ました

 

 

 

 

美琴:ん、トイレ……行こ

 

 

 

しんのすけ:んん~オラも~

 

 

 

しんのすけも目を覚まし2人でトイレを済ます

 

 

 

 

美琴:あ、来た……じゃあ部屋に……と、その前に夜風に当たりに行こっか

 

 

 

しんのすけ:お、いいですな

 

 

 

 

2人は旅館から出て風に当たる

 

 

 

 

美琴:気持ちいい~いい風ね~

 

 

 

しんのすけ:美琴おねいさん、上見て!

 

 

 

美琴:ん?上?わぁ~キレイね~

 

 

 

 

しんのすけに言われるまま空を見上げると満面の星空が輝いていた

 

 

 

 

美琴:星空旅館かぁ、なるほどね……こういうこと

 

 

 

しんのすけ:おお~すごいゾ~

 

 

 

美琴:来てよかったわね、しんちゃん

 

 

 

しんのすけ:うん、よかったゾ……また来れるかな

 

 

 

美琴:来れるわよ、いつかきっと、ね

 

 

 

しんのすけ:楽しみですな~

 

 

 

美琴:さ、戻って寝ましょ……ほら

 

 

 

 

しんのすけ:ほーい

 

 

 

 

美琴はしんのすけに手を差し出してしんのすけはそれを取り2人は手を繋ぎながら部屋へと帰り再び夢の中へ

 

 

 

翌日家に帰り、またいつもの日常に戻っていくのだった




50話達成しました!


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撮影に参加しちゃうゾ

ある日、美琴としんのすけは川原まで散歩に来ていた

 

 

そこには人だかりができていた

 

 

 

しんのすけ:お?あれなに?人がいっぱいいるゾ

 

 

 

美琴:ん、ホントね……何かしら、行ってみましょ

 

 

 

2人は人だかりに近づいてみる

 

 

 

すると

 

 

 

『次!シーン23!』

 

 

 

美琴:あら、珍しい……撮影みたいね

 

 

 

しんのすけ:おお~オケってやつですな

 

 

 

美琴:それを言うならロケ、へえ、こんなとこでもやるのね

 

 

 

『アクション!』

 

 

 

 

撮影は順調に進んでいく

 

 

 

2人はジーッとそれを眺めていた

 

 

 

 

『カーット!』

 

 

 

監督:んー何か違うのよね~、もっとこうリアリティーを

 

 

 

AD:はあ、リアリティーですか

 

 

 

監督:そうなのよ、ここのシーンはもっと怖がってもらわなきゃ……ん?

 

 

 

美琴:………えっ?あ、私?

 

 

監督は美琴をジーッと見て近づく

 

 

 

監督:あなたちょっと縄で縛られて泣き叫んでくれない?

 

 

 

美琴:は?どんなシーンなのよ……ていうか話聞きなさいよ

 

 

 

 

有無も言わさず縛られた美琴は地面に座らされた

 

 

 

美琴(泣き叫べったって……どうしろってのよ)

 

 

 

 

そこにしんのすけが枝にクモを吊るして美琴に近づけた

 

 

 

美琴:ぎゃああ~!!ちょっと!やめっ!

 

 

 

しんのすけ:ほれほれ~クモだゾ~?

 

 

 

美琴:やめてってば~!!いやああああ!!

 

 

 

監督:カーット!!いいよ~!ありがと坊や

 

 

 

しんのすけ:いやいや~どういたまして~

 

 

 

 

美琴は縄をほどかれた

 

 

 

美琴:はぁ、はぁ………後で……しばく……

 

 

 

 

監督に褒められ照れるしんのすけを見てそう呟いた美琴

 

 

 

監督:ボク、カンフーやってみない?敵をバッタバッタ倒すシーンなんだけどさ~どうもどのスタントマンでもしっくりこなくて~

 

 

 

しんのすけ:おお!やるゾ!

 

 

 

監督:アークション!!

 

 

 

しんのすけ:ほおぉ~アリャリャリャリャ~!!フン!!

 

 

 

しんのすけは尻を突き出し、連続で左右の尻を前後に動かす

 

 

監督:おお~!何その尻さばき!

 

 

 

しんのすけ:フン!百烈尻だゾ

 

 

 

 

監督:お~いいじゃないの!君!才能あるわよ

 

 

 

しんのすけ:おお~!

 

 

 

美琴:どんな才能よ

 

 

 

その後、撮影は順調に進み、ついにクランクアップを迎えた

 

 

 

ロケ隊は引き上げていった

 

 

 

 

しんのすけ:あー楽しかった

 

 

 

美琴:私、あれだけ?

 

 

 

その後、家に帰り数日がたった頃

 

 

 

夜にあるスペシャルドラマが放送された

 

 

 

『尻使い・シン』

 

 

 

 

さらわれたヒロイン、ミーコを救うため、悪の組織に尻で立ち向かう

 

 

 

 

声や姿は差し替えられているが、ほぼそのまま放映された

 

 

 

ひろし:ははは!面白いな!

 

 

 

みさえ:でもなーんかお下品ね

 

 

 

ひまわり:キャッキャッ

 

 

 

しんのすけ:いや~お恥ずかしいですな~

 

 

 

美琴:まあ、私ってバレないからいいか……

 

 

 

こうして、夜は更けていくのだった




ちょっとイマイチかもしれません


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ゴルフで腰が、だゾ

ある日、野原一家はゴルフ練習場に来ていた

 

 

 

ひろし:よーし!来週の会社のコンペに向けてたっぷり練習するぞ!

 

 

しんのすけ:おお~父ちゃんかっこいいゾー

 

 

 

ひろし:よーし見てろよしんのすけ~

 

 

 

みさえ:あんまりムリしないでよ?

 

 

 

ひろし:大丈夫だって……うん、いくぞ!どあっ!

 

 

 

ひろしは思い切りスイングする

 

 

 

ボールは遠くまで飛んだがひろしは腰をゴキッと捻ってしまう

 

 

 

ひろし:はう!!

 

 

 

みさえ:あなた!大丈夫!?

 

 

 

美琴:すごい音しましたよ今

 

 

 

ひろし:ぐあ~いで~!

 

 

 

みさえ:だからムリしないでって言ったのに

 

 

 

ひろしは何とか移動し、椅子にだら~んと腰かける

 

 

 

しんのすけ:大丈夫?父ちゃん

 

 

 

ひろし:ああ、ありがとよしんのすけ

 

 

 

しんのすけ:オラがモミモミしてあげる~ん

 

 

 

しんのすけはひろしの腰を揉む

 

 

 

ひろし:うぐ!やめろ~!

 

 

 

美琴:さて、私もやってみよっかな~

 

 

 

しんのすけ:大丈夫?父ちゃんみたいにならない?

 

 

 

美琴:あんなヘマしないわよ、私若いんだから

 

 

 

ひろし:悪かったな!あんなヘマして!年で!

 

 

 

 

美琴:あ、ごめんなさい……えっと、こう構えて……

 

 

 

しんのすけ:ワン!タン!

 

 

 

美琴:メーン!!

 

 

 

 

美琴はスイングする時にしんのすけの掛け声につられてしまった

 

 

 

美琴:なに言わすのよ!

 

 

 

しんのすけ:いや~何だかワンタン麺が食べたくなりましてな~

 

 

 

美琴:嘘つけ、わざと言ったくせに……ま、ボールは飛んだからいいけど

 

 

 

しんのすけ:おお~すごいですなー学校で習ったの?

 

 

 

美琴:習うか!どこにゴルフを授業でやる学校があんのよ

 

 

 

しんのすけ:な~んだ、ないのか……お、父ちゃん……お腰はもういいの?

 

 

 

ひろし:おを付けるなおを……ああ、少しよくなった……さてみさえは

 

 

 

みさえ:よっこい……しょ!

 

 

 

みさえは打つがあり得ない方へ飛んでしまう、そして、そこにはボールを拾うおじいさんがいた

 

 

 

ひろし:や、やべえ!ファー!!!

 

 

 

おじいさん:………!?

 

 

 

 

おじいさんは声を聞き、逃げた

 

 

 

おじいさん:ふう、すみませーん!助かりましたー!

 

 

 

ひろし:ふう、よかったぜ

 

 

 

 

おじいさんはひろしに手を上げてお礼を言った

 

 

 

 

しんのすけ:ねえねえ、父ちゃん、ファーってなに?何で言ったの?

 

 

 

 

ひろし:ああ、ファーってのはな……ボールが人にぶつかりそうな時にその人に『危ない』と知らせるために言うんだ……さっきみさえのボールがあの人に当たりそうだったからな

 

 

 

しんのすけ:ふーん、お?

 

 

 

みさえの隣の男性が打ったボールが他の人に飛んでいった

 

 

 

しんのすけ:ドレミファー!!

 

 

 

 

しんのすけの声を聞いた人は無事に逃げた

 

 

 

ひろし:ドレミはいらねえよドレミは

 

 

みさえ:あー楽しかった……そろそろ帰りましょうか

 

 

 

 

ひろし:そうだな、じゃあ最後に3人でかっこよくかっ飛ばすか!

 

 

 

美琴:いいですね

 

 

 

みさえ:そうね

 

 

 

しんのすけ:おお~!頑張れ頑張れ~

 

 

 

 

ひろし:よし!いくぞ!

 

 

 

みさえ:ええ!

 

 

 

美琴:はい!

 

 

 

ひろし:でや!

 

 

 

みさえ:えりゃ!

 

 

 

美琴:せい!

 

 

 

 

3人はボールをまっすぐ、遠くに飛ばすが

 

 

 

 

 

ひろし:うぎ!

 

 

 

みさえ:はう!

 

 

 

美琴:うひぃっ!

 

 

 

 

3人とも腰をゴキッと捻ってしまった

 

 

 

 

 

しんのすけ:あ~あ~…… ダメだこりゃ

 

 

 

 

ひろし:あ~いててて……た、立てねえ……

 

 

 

みさえ:あたたた、何でこうなんのよ

 

 

 

美琴:わ、若いのに………いたたた

 

 

 

しばらく動けない3人であった



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バレンタインでチョコを作るゾ

『今日の特集はチョコレート特集!バレンタインで誰かにあげる方も多いんじゃないですか?』

 

 

 

ある日の昼下がり、みさえと美琴はテレビを見ていた

 

 

その番組内ではバレンタインデーということでチョコレートが特集されていた

 

 

 

みさえ:そーいえば今日はバレンタインデーかぁ

 

 

 

美琴:そうですねぇ

 

 

 

頬杖をつきながらテレビを眺める二人

 

 

 

しばらくして特集は終わった

 

 

 

『それでは皆さん、よいバレンタインデーを』

 

 

 

 

みさえ:よいバレンタインデーって何なんだか……さて、そろそろしんのすけが帰ってくる頃だろうからおやつの用意………あら

 

 

 

みさえは戸棚の中から大量の板チョコを見つけた

 

 

 

みさえ:この間半額だからってつい調子に乗ってカロリーオフのチョコ大量に買ったんだっけ……そうだ!

 

 

 

美琴:ほらほら~クマさんだよ~

 

 

 

ひまわり:エヘヘ~

 

 

 

美琴:カエルさんもいるぞ~

 

 

 

 

ひまわり:エヘヘ~

 

 

 

みさえ :美琴ちゃ~ん、ちょっといい~?

 

 

 

美琴:え?はい……何ですか?

 

 

 

ひまわり:ててて、たや?

 

 

 

みさえ:このチョコ使って2人にバレンタインチョコ作ってあげない?この間うっかり買いすぎちゃって……食べるにしても結構かかっちゃうし

 

 

 

美琴:うわ、随分ありますね……まあいいですよ、やりましょう

 

 

 

みさえ:よし!じゃあ早速始めますか!

 

 

 

美琴:はい!

 

 

 

ひまわり:たや

 

 

 

美琴:あ、ひまちゃんはここで見ててね~

 

 

 

美琴はひまわりをキッチンの椅子にトンと座らせる

 

 

 

みさえ:まずはチョコを溶かさないと

 

 

 

チョコを溶かすためお湯を沸かし、チョコを刻んでいく

 

 

 

そして鍋にボウルを入れチョコをかき混ぜる

 

 

 

美琴:よいしょ、よいしょっと

 

 

 

みさえ:あれ~型とるやつどこいったのかしら

 

 

 

美琴:私こっち探してみましょうか?

 

 

みさえ:お願い~

 

 

 

美琴:はいはい、よっと

 

 

 

 

美琴はチョコのボウルをテーブルの上に置き、型を探す

 

 

 

美琴:ないですね~

 

 

 

みさえ:どこしまったのかしら

 

 

 

 

ひまわり:たっ……う~ん

 

 

 

ひまわりは椅子からテーブルによじ登り、溶けたチョコに手を入れてみる

 

 

ひまわり:おーエヘヘ~

 

 

 

 

ひまわりは手についたチョコを舐めた、美味しかったのかにやける

 

 

 

しかし直後、ひまわりは両手でチョコをバチャバチャとやり始めた

 

 

 

ひまわりが手を思い切り叩きつけているためチョコは飛び散っていく

 

 

 

 

美琴:え?ちょ!ちょっと!ひまちゃん!ダメだってば!ストップ!

 

 

 

美琴はそれに気づいてひまわりを抱き上げて阻止する

 

 

 

美琴:あーあ、派手にやってくれたもんね

 

 

みさえ:あらあら、ひまったら、でもまだチョコ残ってるからまた溶かせば何とかなるわよ

 

 

 

美琴:そうですね、じゃあひまちゃんはおてて洗ってきましょうね~

 

 

 

ひまわり:たい

 

 

 

そして再挑戦する2人

 

 

 

ひまわりは今度は大人しく見ている

 

 

 

かき混ぜて完全に溶けたら型に流し込み、冷蔵庫へ

 

 

 

しばらくして、夜になりひろしも帰ってきた

 

 

 

 

皆で夕食を食べ、ひと息ついた

 

 

 

みさえ:今日は食後のデザートがありまーす

 

 

 

ひろし:お、なんだなんだ……フルーツか?

 

 

 

しんのすけ:おお~何かな~おリンゴかな~

 

 

 

 

みさえ:はい、これよ

 

 

 

それはお皿に盛り付けられたハートや星形ミニチョコだった

 

 

 

 

ひろし:お、チョコレートじゃん、これもしかして

 

 

 

みさえ:そうよ、私と美琴ちゃんで作ったのよ、バレンタインデーだったしね

 

 

 

美琴:ええ、愛情込めて作りました

 

 

 

ひろし:はは、嬉しいねえ……会社でもいくつかもらったけど……やっぱ家族が作ってくれたチョコが一番嬉しいぜ、なっ?しんのすけ

 

 

 

しんのすけ:うんうん

 

 

 

美琴:ふふ、そう言われると作ったかいがあるわ

 

 

 

みさえ:ええ、さて、牛乳でも飲みながら皆で頂きましょ

 

 

ひろし:お、いいね~

 

 

 

しんのすけ:母ちゃんわかってる~

 

 

 

そして4人でチョコを食べて牛乳を飲む

 

 

 

ひろし:ブハ~!うめ~!冷えてる~

 

 

 

しんのすけ:くぅ~体の底まで染みる~

 

 

 

美琴:あははは、しんちゃんってばジジくさ~い

 

 

 

みさえ:ホントホント、はいあなた、あ~ん

 

 

 

ひろし:や、やめろって~

 

 

 

みさえ:いいから~口開けて~?

 

 

 

ひろし:んん、あ~ん

 

 

 

みさえ:はい

 

 

 

ひろしの口にみさえはチョコを放り込んだ

 

 

 

みさえ:美味しい?

 

 

 

ひろし:お、おう……まあな

 

 

 

美琴:ふふっ、ほら、しんちゃんも……あ~ん

 

 

 

しんのすけ:あ~~ん

 

 

 

美琴:ほいっと

 

 

美琴もしんのすけの口にチョコを放り込んだ

 

 

 

しんのすけ:あむ、う~んいけますな~

 

 

 

美琴:そう、よかった

 

 

 

 

5人は皆で笑い合うのだった



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リアルおままごとと夫婦だゾ

ある日の午後、美琴はしんのすけを探しに出ていた

 

 

お使いを頼んだしんのすけが帰ってもいい時間になっても帰ってこないので美琴に探してきてほしいと言われたのだった

 

 

美琴:ったく、あの子は……世話が焼けるんだからもう、どこまで買い物行ったんだっての

 

 

 

 

『いいぞー!そこでシュートだ!』

 

 

 

美琴:………ん?サッカーかしら……無邪気ね子供って

 

 

 

『行くゾ!ケツだけローリングスペシャルショットー!!』

 

 

『普通に蹴れよ!しかも方向が違う!』

 

 

 

美琴:いたわ……ちょっと~しんちゃん、買い物はどうし……ふべ!!

 

 

 

美琴は声をかけたがその途中、しんのすけのシュートが外れ、美琴に直撃した

 

 

 

 

風間:ああ!大丈夫ですか!?もう!だから普通に蹴れって言ったろ!

 

 

 

マサオ:そうだよ~

 

 

 

しんのすけ:いや~メンゴメンゴ~

 

 

 

3人がそんなやり取りをしてると美琴はムクリと起き上がる

 

 

 

美琴:って~、もう!どこに蹴ってんのよ!

 

 

 

しんのすけ:いや~ちょっとずれましたな~

 

 

 

美琴:ていうか買い物はどうしたのよ、なかなか帰ってこないからみさえさん心配してるわよ?夕飯だって作れないし

 

 

しんのすけ:じゃあ、ほい

 

 

 

美琴:あ、はい……って、これは?

 

 

 

しんのすけは籠を美琴に差し出し、美琴はそれを受け取るが疑問に思い、訪ねる

 

 

 

しんのすけ:オラもう少し遊んでから帰るから先に帰ってて~じゃ!

 

 

 

 

風間:おい!ちょっと待てよ!

 

 

 

マサオ:あ、待ってよ~!

 

 

 

しんのすけは公園に入り、風間とマサオもそれを追う

 

 

 

美琴:はぁ~あ、全く……しょ~がないなぁ、また迎えに来るか

 

 

 

美琴は一旦家に帰りみさえに渡して説明する

 

 

 

みさえ:もーあの子ったらしょうがないわね~

 

 

 

美琴:私、もう少ししたら迎えに行ってきますよ

 

 

 

みさえ:あ、そう?ごめんね、手間かけさせて

 

 

 

美琴:いえいえ、いいんですよ

 

 

 

美琴は迎えまで読書やひまわりと遊んで過ごす

 

 

 

美琴:………あ、もうこんな時間か……そろそろ行くか

 

 

 

美琴はひまわりと遊んでたが時計をチラッと見て立ち上がる

 

 

 

美琴:ちょっとお兄ちゃんお迎えに行ってくるからね~いい子で待っててね~

 

 

 

ひまわり:たったいや~い

 

 

 

ひまわりは行ってらっしゃいと言ってるような声を出し、手を振る

 

 

 

美琴:お見送りありがとっ

 

 

 

それを見た美琴はニコッと笑ってそう言って出ていく

 

 

 

そして公園に向かい、着くと中にいるしんのすけに声をかける

 

 

 

美琴:おーい、そろそろ帰る時間ですよー

 

 

 

 

『わぁ~ん!もうやめてよー』

 

 

 

美琴:マサオくんの泣き声?いじめられてるのかしら……行ってみるか

 

 

 

美琴は中へ行ってみる

 

 

 

ネネ:さあ!早くこの離婚届に判を押しなさいよ!

 

 

 

マサオ:ヒィ~!許してよ~!ボクは君がいないと何もできやしないテディベアなんだよ~!

 

 

 

美琴:…………何これ

 

 

 

風間:ああ、リアルおままごとなんです……ネネちゃん、これすごく好きで

 

 

 

ボー:設定が、細かい、そして、話も、リアル

 

 

 

美琴:あーだからリアルおままごとってわけね……ていうか皆、そろそろ夕飯の時間じゃない?帰らなくて大丈夫?

 

 

 

風間:あ、そうだった……マサオくんには悪いけど帰らなきゃ

 

 

ボー:ボア、ボクも……帰る、さようなら

 

 

 

美琴:はい、さようなら……車に気を付けるのよ

 

 

 

風間とボーを見送り美琴はマサオ達にも声をかけた

 

 

 

美琴:あーほらほら、おままごとはもうおしまい、そろそろ夕飯の時間だから暗くならない内にお家に帰ろ?

 

 

 

ネネ:あ、そうだった……じゃあマサオくん、また台本作ってるから、またね~

 

 

 

ネネは手を振りながら去っていった

 

 

 

マサオ:わぁ~ん!怖かったよ~!

 

 

 

マサオは美琴に飛び付いた

 

 

 

美琴:よしよし、もう怖くないわよ~お家帰って美味しいご飯食べてらっしゃい

 

 

 

マサオ:うん、さようなら

 

 

 

美琴はマサオを抱きしめて慰め、マサオを見送る

 

 

 

美琴:さて、と……しんちゃんは……っと

 

 

 

 

美琴はキョロキョロと探してドーム型の遊具のトンネルの中で眠るしんのすけを見つけた

 

 

 

美琴:やれやれ、ホンッと……世話が焼けるんだから……よっと

 

 

美琴はしんのすけを抱き上げて帰路に着く

 

 

 

家に帰ってしんのすけは目覚め、ひろしも帰ってきて夕食を食べる

 

 

 

その後、ひろしは『厳選!ピチピチ水着美女写真集』という雑誌を買ったことがバレ、みさえが怒ってしまいお仕置きされるのだった

 

 

 

みさえ:私というものがありながらあなたって人は~!!!

 

 

ひろし:ぐわぁ~!!!みさえ~!ギブ~!!

 

 

 

 

美琴(ま、ウチの夫婦はまだ安心か……)

 

 

 

美琴はテーブルに頬杖をつきながらお仕置きを眺め、少しホッとするのだった




マサオくんの言っていた『ボクは君がいないと何もできやしないテディベアなんだよ~』の元ネタは

ユニコーンのペケペケの『あたいがいなけりゃ』の下りです


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父ちゃんのいない日だゾ

ある日の朝

 

 

 

ひろし:そうだ……今日もしかしたら残業で遅くなるかもしれないんだ……

 

 

みさえ:大変ね~あ、じゃあ夕飯は済ませてくるのね?

 

 

ひろし:ああ、適当に食べてくる……多分帰るの深夜になるだろうから先に寝てていいからな

 

 

みさえ:うん、わかった

 

 

ひろし:それから最近物騒だから気を付けろよ……戸締まりはしっかりな……じゃあ行ってくる!

 

 

みさえ:行ってらっしゃ~い

 

 

 

みさえはひろしを見送り、一息ついた

 

 

 

みさえ:ふう、さて!今日も一日頑張るわよー!

 

 

 

美琴:ふああ、おはようございます

 

 

 

みさえ:あらおはよう、早いのね

 

 

美琴:何か目が覚めたら声が聞こえたので……顔洗ってきます

 

 

 

みさえ:はーい、さて……朝ごはんの支度しなきゃ

 

 

 

みさえは味噌汁や目玉焼きを焼く

 

 

 

みさえ:あーそろそろしんのすけ起こさなきゃ……

 

 

 

美琴:あ、しんちゃんなら私が起こしてきますよ

 

 

 

みさえ:あら悪いわね、じゃあお願い

 

 

 

美琴:はい

 

 

 

美琴は寝室に入り、しんのすけを起こす

 

 

 

美琴:ほらしんちゃん、起きて……朝よ

 

 

しんのすけ:うぅ~ん

 

 

美琴:ほーら、起きなさいっての

 

 

しんのすけ:う~ん、美琴おねいさ~ん

 

 

 

美琴(あら、私の夢見てるのかしら)

 

 

 

しんのすけ:父ちゃんの靴下そんなに好きなの~?さっきから抱きしめてるけど~

 

 

 

美琴(はあ!?)

 

 

しんのすけ:ああ~んオラに投げないで~助けて~ん

 

 

 

美琴:……いい加減に……起きろぉぉぉ~っ!!!

 

 

 

美琴はしんのすけの掛け布団を剥ぎ取った

 

 

 

しんのすけ:あっ、いや~ん……ケダモノォ~

 

 

 

美琴:気色悪いこと言うな!ほら!さっさと顔洗って歯を磨く!

 

 

 

しんのすけ:ほぉ~い

 

 

 

美琴:ふう、さて……お手伝いしよっかな

 

 

 

ひまわり:びええええ~!!

 

 

 

美琴:あーひまちゃ~ん、おっきした~?よしよ~し

 

 

 

みさえ(ふふ、助かるわ……)

 

 

 

色々あり、朝食を食べるしんのすけと美琴

 

 

 

みさえ:そうそう、今日パパ遅いらしいから先に寝てて良いって

 

 

しんのすけ:えー父ちゃんいないの~?

 

 

 

美琴:残業ですか、大変ですね

 

 

しんのすけ:父ちゃんいないと寂しい~

 

 

 

みさえ:ママもよ、ほら!バスが来ちゃった!早く!

 

 

 

しんのすけ:うっ!お腹に異変が!

 

 

 

しんのすけはトイレに駆け込んだ

 

 

 

みさえ:またかー!!

 

 

 

美琴:相変わらずですね

 

 

みさえ:もーやんなっちゃう

 

 

その後、いつものように過ごし、夜になった

 

 

 

夕飯を済ませ、寝る準備をする

 

 

 

みさえ:さ、寝るわよ

 

 

しんのすけ:ほーい

 

 

美琴:あ、今日は私も下で寝ましょうか?何かあった時に一緒に動けますから

 

 

 

みさえ:いいの?じゃあそうしますか

 

 

 

美琴:じゃあ布団持ってきますね

 

 

 

美琴は布団を持ってきてひろしの位置に敷く

 

 

 

しんのすけ:オラに変なことしないでよね

 

 

 

美琴:誰がするか

 

 

 

そして、寝静まった頃

 

 

 

みさえ(何か外から音がするような……気のせいかしら)

 

 

 

みさえはふと目を覚ます

 

 

 

みさえ(ちょっと様子見てこよっと)

 

 

 

寝室から出て茶の間に行く

 

 

みさえ(何もないか……ふああ、寝よっと)

 

 

 

みさえが部屋に戻り寝ようとしたとき

 

 

 

ドアノブをガチャガチャとやる音が聞こえた

 

 

 

みさえ:えっ!?何々!?まさか泥棒!?

 

 

 

『最近物騒だから気を付けろよ』

 

 

 

みさえ:しんちゃん!起きて!美琴ちゃんも!

 

 

 

しんのすけ:ん~なぁに~?

 

 

 

美琴:ふああ、何ですか~?

 

 

 

みさえ:外から変な音がするのよ!ドアノブをこう、ガチャガチャって回してるの!

 

 

 

しんのすけ:おお!ホントだ

 

 

 

美琴:みさえさんはひまちゃんとここに!しんちゃん、行くわよ

 

 

 

しんのすけ:ブ・ラジャー!

 

 

 

美琴としんのすけはみさえを寝室に残し、玄関へ行く

 

 

 

美琴:………

 

 

 

しんのすけ:…………

 

 

 

2人が様子を見ていると、今度は鍵を開ける音がする

 

 

 

しんのすけ:おお~フィッシングして入ってくる気だゾ

 

 

 

美琴:それを言うならピッキング、よぉ~し、そっちがその気ならこっちもやるわよ、入ってくる瞬間を狙って飛びかかるのよ

 

 

 

しんのすけ:よっしゃー

 

 

 

そして、鍵が開き、ドアもゆっくり開こうとしていた

 

 

 

 

美琴:今だ!突撃~!!!

 

 

 

しんのすけ:よっしゃー!!

 

 

 

 

美琴・しんのすけ:うおおおおお~!!!

 

 

 

 

 

???:え?うわっ!!な、何だ!!

 

 

 

2人はドアが開いた瞬間、外にいた人物に飛びかかった

 

 

 

飛びかかられた人物は尻餅をついた

 

 

 

 

美琴:もう逃げられないわよ!観念しなさい!

 

 

 

しんのすけ:そうだ!そうだ!カンチョーしなさい!

 

 

 

?:いててて~おい、何だよしんのすけ、美琴ちゃん

 

 

 

 

美琴:え?

 

 

 

しんのすけ:お?

 

 

 

?:オレだよオレ

 

 

 

美琴:ひ、ひろしさん?

 

 

 

しんのすけ:父ちゃん?

 

 

 

 

なんと謎の人物はひろしだった

 

 

 

 

みさえ:もー人騒がせなんだから~

 

 

 

ひろし:ははは、悪い悪い……実は残業が少し早く終わってさ、川口と打ち上げだ~って飲んで家に帰って、皆が寝てるの忘れててノブ回しても開かないから思い出して、カギ出して開けたら2人がオレに飛びかかかったってわけ

 

 

みさえ:あなたって人は、私達がどんだけ怖い思いをしたか………

 

 

ひろし:ま、待てみさえ!話せばわかる!

 

 

 

みさえ:問答無用じゃオラァ!!

 

 

 

 

ひろし:ギャー!!

 

 

 

美琴:さ、ひろしさんも帰ってきたし……長引きそうだし……上で一緒に寝る?

 

 

 

しんのすけ:うん、ひまも連れてく

 

 

 

そして3人は移動する

 

 

 

ひろし:ま、待ってくれ!助けてくれ~!!

 

 

 

みさえ:早く終わったんなら連絡くらいよこしなさ~い!!

 

 

 

ひろし:ぐあああ~!!

 

 

 

野原家の夜は騒がしく過ぎていくのであった



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練習で悪役だゾ

ある日、美琴としんのすけは散歩をしていた

 

 

 

美琴:いい天気ね~

 

 

しんのすけ:そうですなぁ~

 

 

美琴:たまにはこうやって宛もなくブラブラとするのもいいわね

 

 

 

しんのすけ:悪くありませんな

 

 

 

しばらく歩いていると声をかけられる

 

 

 

「あ、あの……御坂さん」

 

 

 

美琴:………はい……って、弱井さん

 

 

 

しんのすけ:おお、いつかの

 

 

 

弱井:は、はい……お久しぶりです

 

 

 

美琴:えっと、元気でしたか?

 

 

 

弱井:ええ、あの、ちょっと家に寄っていきませんか?

 

 

 

美琴:別にいいですよ、暇でしたから

 

 

 

弱井:あれ、御坂さん……敬語

 

 

 

美琴:礼儀ですから……それより、案内してくれます?

 

 

 

弱井:はい、こちらです

 

 

 

2人は弱井の家に案内され、中に通される

 

 

 

弱井:い、今お茶入れてきますね

 

 

 

美琴:あ……ありがとうございます

 

 

 

しんのすけ:ありがとござますー

 

 

 

 

しんのすけは弱井の子供2人とすぐに打ち解けて遊び始めた

 

 

 

 

しんのすけ:ほれほれ~捕まえちゃうゾ~

 

 

 

 

鬼ごっこをして部屋中走り回る

 

 

 

弱井:あ、家の中を走っちゃ……

 

 

 

美琴:ほらほら!家の中で鬼ごっこしない!静かに遊ぶのよ

 

 

 

美琴は手をパンパンと叩いて3人を静かにさせた

 

 

 

 

弱井:あ、ありがとうございます……粗茶ですが

 

 

 

美琴:あ、いただきます

 

 

 

美琴はテーブルに置かれたお茶を一口飲む

 

 

 

美琴:弱井さん……もう少し強く出れません?

 

 

 

弱井:あ、すみません……私昔からこうで

 

 

 

美琴:でもそれじゃいざって時に子供たち守ってあげられないですよ?愛瑠代みたいなのだっているだろうし

 

 

 

弱井:はい、そうですね

 

 

 

美琴:んーじゃあ今から少し、練習してみますか

 

 

 

弱井:え?練習って

 

 

 

美琴:しんちゃん、ちょっと耳貸して

 

 

 

 

しんのすけ:お?

 

 

 

美琴はしんのすけに耳打ちする

 

 

 

しんのすけ:あっ、ああ~ん、美琴おねいさんの吐息が

 

 

 

美琴:気色悪いこと言ってんじゃない!マジメに聞きなさい!

 

 

 

美琴は再び耳打ちする、

 

 

 

しんのすけ:わかったゾ

 

 

 

しんのすけは子供の一人を連れてきて左手を銃の形にしてほっぺにプニッと人差し指を当てる

 

 

 

しんのすけ:動くなー動くと撃つゾ

 

 

 

弱井:あ……えっと……

 

 

 

美琴:ほら、どうしますか?

 

 

 

 

弱井:や、やめて……ください

 

 

 

 

美琴:ガクッ……ダメじゃないですかそれじゃ……

 

 

 

弱井:す、すみません

 

 

 

美琴:いえいえ、ちょっとお手洗い借りますね

 

 

 

弱井:あ、そこを左に曲がってすぐです

 

 

 

美琴:はいはい

 

 

 

美琴はお手洗いに行ったあと、子供2人を外へ連れ出した

 

 

 

しんのすけは弱井の家に残り、テレビを見ていた

 

 

 

しばらくしても美琴は帰ってこなかった

 

 

 

 

弱井:あれ、おかしいな……御坂さん達、帰ってこない……もうすぐご飯なのに

 

 

 

しんのすけ:おばさん、オラ……知ってるゾ

 

 

 

弱井:え、ホント?

 

 

 

しんのすけ:うん、行く?

 

 

 

弱井:ええ、連れてって

 

 

 

しんのすけは弱井を連れて近くの公園に行く

 

 

2人は中へ入り、奥へと進む

 

 

しばらく進むと休憩所が見え、その扉の近くで腕組みをしている美琴がいた

 

 

 

美琴:やっと来たか……

 

 

 

しんのすけ:ごめ~ん待った~?

 

 

 

美琴:あ、いや……私も今来たとこ……って!デートの待ち合わせか!!

 

 

 

弱井:あ、あの……子供たちは

 

 

 

美琴:さあ?どこでしょう

 

 

 

弱井:もうすぐご飯なので……あの、どこにいるか教えてください

 

 

 

美琴:イヤです、ていうか教えるわけないでしょう?

 

 

 

弱井:………お願い、します

 

 

 

美琴:何も聞こえませんね~

 

 

 

弱井:………子供達を……返して、ください

 

 

 

美琴:はい?何か言いました?

 

 

弱井は目に涙を溜め、歯を食い縛り、体を震わせながら声を張り上げた

 

 

 

弱井:………子供達を……子供達を………返して!!

 

 

 

 

美琴:おっと……ビックリした……

 

 

 

弱井:私の子供たちをどこにやったの!!何かしてたらたとえ御坂さんでも許さないわよ!

 

 

 

美琴:ふふっ

 

 

 

弱井:何がおかしいの!

 

 

 

美琴:やれば出来るじゃないですか……大丈夫、そこの中にいますよ

 

 

 

弱井はドアを開けて中に入る

 

 

 

そこには自販機の近くでジュースを飲んでいる子供たちがいた

 

 

 

美琴:ふう、ちょっと荒療治だったけど上手くいったわ……弱井さんには悪いことしたけど

 

 

 

しんのすけ:匂ってたゾ、悪役……結構楽しんでたでしょ~

 

 

 

美琴:それを言うなら似合ってた、よ……ま、否定はしないけどね

 

 

そして子供たちと外に出た弱井は美琴に声をかけた

 

 

弱井:御坂さん、もしかして……私のために?

 

 

 

美琴:ええ、でも……心配かけてすみませんでした

 

 

 

弱井:いえいえ、こちらこそありがとうございま……

 

 

 

美琴は弱井の言葉を遮るように手を前に出して首を振る

 

 

 

弱井:あ、こちらこそありがとう……御坂さん

 

 

 

 

美琴:美琴でいいですよ……ね?

 

 

 

弱井:あ、ありがとう美琴ちゃん

 

 

 

美琴:うん、それでよし……これからもその調子で頑張ってくださいね……この子達にとって親は弱井さん一人なんですから

 

 

 

弱井:あ、は……ええ、わかった……ありがとう

 

 

 

 

美琴:じゃ、帰りましょしんちゃん

 

 

 

しんのすけ:ほーい、おばさんさよなら~

 

 

 

美琴:またそのうち遊びにいきますよ~

 

 

 

美琴達は弱井に手を振りながら帰路につく

 

 

 

 

弱井(そうだ、この子達を守れるのは私だけ……しっかりしなきゃ……教えられちゃったな、2人に……ありがとう美琴ちゃん、しんちゃん)

 

 

 

子供たちを守る決意を胸に、弱井も子供たちと帰路につくのであった



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