PC版まちカドまぞく/シャミ子覇王ルート主人公生存縛りRTA (セノ)
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Part1/思ったより度合いが大きいことってあるよね
永続罠
相手がドローフェイズ以外でカードをドローした時に発動する事ができる。
その後、相手がドローフェイズ以外でカードをドローする度に、
自分のデッキからカードを2枚ドローする。
はーい、よーいすたーと(棒読み)
シャミ子を育てて我が魔王にするRTAはーじまーるよー。
スタートを押してタイマースタート。難易度は『ぜつぼうまぞく』。スタート地点はシャミ桃入学時点、タイマーストップはED突入前の暗転時点とします。
性別は男、名前は入力速度と慣例を重視して『保安 望亜(ほあ もあ)』。略して『ホモ』*1。女みてぇな名前してんなお前な(JERD兄貴)
今チャートではもちろん幼馴染機能を使用します。ぜつぼうまぞくで非幼馴染スタートは通常プレイでもなかなか…むずかしいねんな…。
種族は人間。ステータスはランダムでもまぁなんとかなりますがぜつぼうまぞくではまずみが強いイベントが多いのでここは独自チャートのために魔力全振り、余ったポインヨは魅力に全振りします。
初期フィートは通常どおりなランダムでもいいのですがここは安定をとってプラスフィートを『器用貧乏*2』と『小金持ち*3』、マイナスフィートを『天涯孤独*4』と『精神汚染*5』を選択しましょう。
さて、ここでスキップできないOPとプロローグが挟みやがりますのでゲーム初見の方のために軽く説明をば。
先駆者様などのRTAで皆さんご存知の通り漫画を原作とした作品のゲーム版がこの『まちカドまぞく』となります。
その圧倒的な自由度と予想外のシビアさにゲーム版『がっこうぐらし!』と共に界隈の話題をかっさらった名作です。こんな作品作っちゃってさぁ…誇らしくないの?
今回走るチャートは通称『シャミ子覇王ルート主人公生存縛りぜつぼうまぞくチャート』です。
『ぜつぼうまぞく』は他のゲームで言うヘルやハードコア*6のようなゲーム内最高難易度になります。
作中で発生する固定イベントを始め、幼馴染み機能の強制ランダム化、サブイベントやら平時に至るまで様々な判定が詳細化し全体的にシビアな状態になるのが特徴です。ついでに好感度や相手のデータなども閲覧不可となります。必要ねぇんだよ!(強気)
特に戦闘に関しては桃クラスのスペックでもないとほぼワンパンで即死するマゾゲーと化します。ま、自分は非戦闘チャートですので関係ないですけどね!(Ride on)
主人公生存縛りに関しては、シャミ子覇王ルートだけなら比較的簡単に達成してすぐに終わってしまうので見せ場の為に追加したオリジナルのレギュレーションです。
本来ならシャミ子の友情、愛情をMAXにして目の前で野良まぞくや野良魔法少女に惨札されるだけで達成できてしまうのですが、これによりプレイに幅ができて試行錯誤の余地ができます。
キャラメイクで男にした理由についてはシャミ子や桃との役割被りをできるだけ避けるためです。
ハードコアにおいては正直チャート組むのがほぼ不可能なレベルでストーリーが分岐します。運や乱数だけでなくプレイ時の表情や仕草ひとつで行動が分岐しますので*7。だからせめて基本骨子が大きくぶれない様に安定をとる必要があったんですね(例の構文)
魔力極振りの理由についてはまたおいおい。
と、ここで飛ばせないOP(怨嗟)が終わりいよいよ本編スタートです。
幼馴染機能によってランダムに選出されたキャラによってスタート地点や過去経歴が微妙に変化します。好感度が見えない『ぜつぼうまぞく』ではこういった些細な違いやキャラの反応から幼馴染を特定しチャートを組み直したり選択する必要が出てきます。苦行かな?
今回は…おっ、ばんだ荘*8近くの一軒家です。これはラッキーですねぇ!
このばんだ荘の近くということはかなりの高確率で吉田家の人々の誰かと幼馴染になっています。チャート組みやすくていいゾ〜コレ。
ちなみに人間スタートの場合は光闇割が適用されない*9のでばんだ荘以外に住居を持つことがままあります。今回は小金持ちフィートと天涯孤独フィートを持っているので桃の様に一軒家で一人暮らしの確率が上がってたんですね。スッゴイカワイソ。
逆にばんだ荘スタートにしたい人は光の一族か闇の一族でスタートしましょう。余計なことをするかガバ運を発揮すると普通に一軒家になったりしますが。
さて、今チャートでは入学式からスタートなので他のアレコレは後回しにして準備をして登校しましょう。
ベッドから起きたら一階に降りて朝シャワーを浴びて新品の制服に袖を通します。ドライヤーとヘアブラシで軽く寝癖を整えたら食パン1枚咥えてばんだ荘へGO!
料理?(技能値が足り)ないです。(あ、ない)
ところで皆様、冒頭を憶えておいででしょうか?
私は望亜くんのステータスを魔力に極振り、余ったポインヨを容姿に全振りしました。つまり全力ダッシュです。
この住所と現在時刻、そしてクソザコナメクジなステータスを考慮すると全力ダッシュで向かわなければシャミ子が家を出るまでに間に合いません。
そして1度シャミ子が家を出てしまえばシャミ子以下の運動性能しか持たない望亜くんでは入学式開始までにシャミ子に追いつける道理はないです。
だから全力ダッシュで向かって家族一同に挨拶して今後のチャートのため好感度を確認する必要があったんですね。
というわけで足を酷使しましょう。もちろん全力で走りますが、この際普通に走るのではなく半ばスキップのように地面を跳ねて走ります。そうすることで誤差レベルで滞空時間が増えて若干ですがスタミナが長持ちします。
おいっちにーおいっちにー…あっぷぇ!
一般通過猫にぶつかりそうになりました。ここで踏んづけてしまうと野生猫との戦闘になってしまいます。
望亜くんのステータスでは野生猫の爪攻撃5発で行動不能になるので戦闘に入ったらリセットです(6敗)
さて、道中即リセットの危機に見舞われましたが、無事ばんだ荘に到達しました。
ゆーうーこーちゃーん!一緒に登校しましょー!
出てきたのは清子さんでした。やさしいやさしい清子さんは汗だくで息も絶え絶えな望亜くんを見て慌てて家に招き入れてくれます。ありがとナス!
ちなみにここで吉田家に「誰?(AKNM)」と言われると幼馴染でもないのにお宅訪問した事になり、恥ずかしさとリカバリーの難しさからリセットです。
お水をいただき、汗も引いてきたところで後のシャミ子こと吉田優子が準備を整えて出てきます。
おはようございます(団長)
え?いつ来たかって?さっき大声で呼びかけたダルルォ!?
聞こえなかったんですか?じゃあなんで清子さんが出てきたんですかね。言い訳は見苦しいってそれ一番言われてるから。
そんなことよりさっさと学校行きますよーイクイク。清子さんお水ありがとナス!気づいたらシャミ子の鞄持ってる良ちゃんも謝々茄子!(国際派淫夢)
イクゾー!
デッデッデデデデッ(カーン)デデデデッ
あっ待ってくださいよ~(シャミ子に置いて行かれる走者の屑)
「…よし、これで大丈夫ですかね」
整えた髪と薄くナチュラルメイクを施した顔を鏡の中で何度も確認する。どうやら問題は無さそうだ。
「せっかくの入学式です!望亜にかっこ悪いところは見せられません!」
グッと両手で拳を握って決意を固める。
そのまま傍らに置いておいた学生鞄を力強く掴み取り、少しだけ早歩き気味に部屋を出た。
どこへ行くのか…と聞かれれば答えは1つ、望亜の家である。
こう言ってはなんだが私の幼い頃からの友達──そう、友達である望亜は体が弱い。
幸いにして致命的な持病だの生まれついての身体障害などは存在しないものの、一般的な女子中学生はおろか幼稚園児にすら劣りかねないほどに弱い肉体を持ってしまっているのだ。
その原因は知っているのだが今の私たちに出来ることは無く──、つまりそれが今の私の生き甲斐の一つともなっていた。本人には少し悪い話だが。
さて、朝ごはんは既に食べ終えてあとは望亜の家に行って一緒に登校するだけ。なので家を出る前に母と妹に一言声をかけて家を出よう、としたのだが…。
「あっ、おはよーゆーこちゃん!」
「望亜!?なんでここにいるんですか!?」
あろう事か、望亜はそこにいた。
かなり疲労の溜まった様子で、水が入っていたのであろうコップを片手にこちらに微笑みかけていたのだ。
うん、いつ見ても数十万の宝石のように素敵な笑顔である。…が、これは吉田家に連なる者として…友としてとてもいただけない!
「あれ、声聞こえてなかった?外から大きな声でよんだんだけどなー。せーこさんも出てきてくれたし」
「それはどうでもいいです!それより1人でここまで来るとか…!」
「まあまあ、気持ちはわかりますがそこまでにしましょう優子。早く行かないと時間的に遅刻してしまいますよ?」
言われてハッとポケットの中からスマホを取り出して時間を確認する。
見れば時間に余裕はある、のだがそれは1人での時の話だ。
「仕方ありません!早く行きましょう望亜!」
「はーい!ありがとね、せーこさんりょーこちゃん!」
笑顔でパタパタと小走りに玄関へと向かう望亜。
ああ、もう!小走りなんかして転んだりしたらどうするんですか!
いつの間にやらカバンを持っていてくれた良子に礼をいいつつ受け取り、バタバタと慌ただしく家を出る私たち。
望亜より少し先行しつつ
「ゆーこちゃん、ちょっと速いよー!」
「ごめんなさい望亜くん、でも待っててあげますので許してください」
謝りながらも望亜の姿を視界に収めながら周囲に気を配る。見回してみるが偶発的なもの以外の危険はなさそう。
どうやら幸いにして今日も何事も無く平和な一日になりそうだ。
「──!」
ピリっとした感覚が肌を叩く。
魔族のそれとも少し違う。これは…魔法少女の?
その感覚に振り向くと、そこには背の低い2人組。
女の子が女の子に肩を貸しながら歩いている。どうやら肩を貸されている子の疲労困憊な様子を見るに少しばかり体が弱いようだ。
が、その体の弱さには覚えがあった。
例えばそう、穏健派の魔法少女に魔族の魔族たるを封じられた魔族の弱体化。
あるべきを封じられた者の些か不自由なそれは、以前にも見た事のあるものだ。
パッと見たところ魔族らしいパーツは見当たらないし、封印だけで済んでいるというのであれば恐らくはどちらも穏健派の魔族魔法少女であったのだろうか。
ともすれば過度な警戒は無意味…かな。
「大丈夫?肩を貸すよ」
「…!いえ、大丈夫です!」
「大変そうだし、遠慮しないで」
赤髪の少女はこちらを見ながら少し考えこんだようだが、しぶしぶと受け入れたらしい。
それでも懐疑的な視線があるのは私が魔法少女だと気付いているからだろうか。
ある程度詳しい人か素質がある人にすれば、知ってさえいれば魔族や魔法少女の
「よいしょっと…」
「かたじけない…!」
「なんで武士言葉?」
「見知らぬ誰かの手を借りねばならぬとは、この保安望亜一生の不覚…!」
思ったより逞しい…というか愉快な子なんだろうか。
そして近づいてわかったがこれは…。まあそういう事もあるのだろう。
しかし意識してよく見てみるとかなり雁字搦め、それでいて凝固な封印である。これをした魔法少女は余程の不器用なのか、それとも急いでいたのか。
ともかく、念の為にしばらくは近くで様子を見てみようかな。大丈夫だとは思うけど用心に越したことはないしね。
「あの、ところで貴女は…?」
「私は千代田桃。たぶん君たちと同じ新入生だよ」
「ちよだもも…さん」
「ちよもも…」
「いきなりフランク」
「ちよだ…千代田…魔法少女…」
ぼんやりした顔でいきなり距離を詰めてくる子と名前を聞いてなにやら考え込み始めた子。
…なんだろう。どうやらこの高校生活、思ったより退屈しなさそうである。
…あれ?杏里ちゃんは?
ゆーこ:5/0
ちよもも:1/0
せーこ:?/?
りょーこ:?/?
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Part2/案外当人の与り知らぬところで物語は動くものだよね
このssは強いシャミ子と弱い望亜くんの提供でお送りします
世界はこんなはずじゃなかったことばかりだけど実質誤差なのでセーフなRTAPart2、はーじまーるよー!
登校して杏里ちゃんと遭遇せずちよももと遭遇してしまった入学式から再開。
まあ元々ランダム要素多いし誤差だよ誤差。ガバにはなりません。じゃけん自己紹介してから入学式に向かいましょうねー。
それぞれの教室に向かうために教室を確認しましょう。できればシャミ子と同じ教室ならありがたいけど好感度稼ぐのはだいたい昼休みや放課後なのでべつに大丈夫です。
今回は…どうやら桃と同じクラスみたいですね。桃姉貴よろしくナス!シャミ子は是非とも杏里ちゃんと仲良くなってどうぞ。
さてそれでは複雑な表情のシャミ子と別れもんもと教室へ向かいましょう。
道中好感度稼ぎのために積極的に話題を振りましょう。コミュ障気味な声掛けでも快く返してくれるのでぼっち兄貴は頑張って声だそうね!
すごいパワーしてるけど、なにかスポーツでもやってたの?
魔法少女やってます。いつの日か、世界を救うと信じて。
魔法少女?あっ(不察し)ふーん…。
魔法少女や魔族云々はこの町では隠されてたりなかったりするのでわりとあっさり教えてくれました。でも周囲にそういうのが無かった(すっとぼけ)望亜くんは「魔法少女って何だよお前の彼かぁ?」みたいな感じです。
教室に入ると既に数人の人の姿が見えます。ここでどんな対応できるかでこれから3年間が決定すると言っても過言ではないでしょう。僕はダメでした…(小声)
先客に挨拶しつつ座席表を見ればどうやらちよももの左隣が望亜くんの席らしいです。これは嬉しいですねぇ!
席が隣なら授業中に声をかけたりして微量ながら好感度を稼げます。授業中に私語をする生徒の屑。
まあそれ以降は先生の注意事項と入学式イベントを行うだけで見所さんは無いので3倍速です。
その間にいろいろな説明をするとしましょう。
さて、本チャートは皆さん知っての通りシャミ子を覇王ENDに導いて無事主人公を生存させることが目標です。
というわけで好感度に関してはミカン姉貴以外であればガンガン好感度をあげて構いません。
実はシャミ子には主人公が周囲と仲がいいほど好感度を稼ぎやすいという特性があるんですね。なのでちよももや吉田家、杏里ちゃんなどの好感度を上げれば上げるほど好感度が上がりやすくなります。
もちろんその状態で下手をすればグッサリ@イグニスターされてしまいますが、刺されるより先にENDまで辿り着けばへーきへーき。
ガンガンみんなの好感度を上げてガンガンシャミ子の好感度を稼いでいきましょう。
そしてそれと並行して随所に存在するシャミ子強化イベントをこなさなければなりません。
アイテムだったり封印解除だったりと様々ですが、とりあえず目下の目標はシャミ子の身体能力向上ですかね…。
これには望亜くんも参加できるので、シャミ子が覚醒したらちよももにビシバシ鍛えていただきましょう。さすがに身体能力最低値のまま進行するのはいやーキツいっす。
どうやら退屈極まりない入学式イベントが終わったようなので帰り際にちよももに声をかけます。
Hey(ネイティブ)彼女!ウチらと一緒に帰らない?
一緒に帰って噂とかされると恥ずかしいし…(SOR)
あっそっかぁ…逝きてぇなぁ(羞恥)
残念ながらにべもなく断られてしまいました。まあほぼ初対面の異性だし多少はね?
ですがご安心を。積極的に関わりに行った事で下校時に特殊イベントが発生します。
というのも、主人公とシャミ子が狡猾なわるまぞくか否かを確認すべく帰宅を尾行してくるんですね。お前ストーカーかよぉ!?
まあ正体を隠した人喰いとかだったら目も当てられないからね、仕方ないね。
そこでPart1での魔力全振りが早速活きてくるわけです。
じゃあもんもに別れの挨拶をしてシャミ子の所へ行きましょう。うまく杏里ちゃんと仲良くなってくれてるといいんですけどねー。
そして既にちよももストーキングは始まってるので、この際RTA走法はしないようにしようね!(4敗)
奇妙すぎる動きを見られた場合、もんもの中での疑惑値と変人度がぐーんと上がった!するのでまあだいたいリセットです。
というわけで廊下ダッシュはせずに大人しくシャミ子と杏里の教室へ。へい優子ちゃんNEWお友達はできた?
どうやら上手い具合に杏里ちゃんと友達になれたようですね、いいゾ〜コレ。
杏里ちゃんはRTAのみならず通常プレイにおいても貴重な情報源として役立ってくれるので仲良くしといて損は無いでしょう。
仲良くなればヒロインの日程や居場所、さらにぜつぼうまぞくにおいてはヒロインからの好感度やらを教えてくれる便利キャラとなります。
ただ好感度を上げすぎると他ヒロインについての情報を教えてくれなくなったり、ヤンデレモードに入るとヒロインに悪評をばらまいてこちらの好感度を下げてきたりします。
やだこわい・・・やめてください!アイアンマン!
とまあ自己紹介をしたら、杏里ちゃんの家は吉田家にわりと近めなので一緒に帰ろうと提案します。
比較的フレンドリーな杏里ちゃんは例え魅力値のステータスが最低値だったとしても快く了承してくれるので、よいこのホモのみんなも安心して誘ってね!
さて、にぎやか3人組withストーキングちよももでワイワイしながら昼中の町を歩きます。入学式なんだから早帰りは当たり前だよなぁ?
と、ここで役に立つのが先程も挙げた「魔力極振り」です!
実は魔力ステータスは光の一族になるか闇の一族になるかしないと、素質という形で現れ実質的に死にステータスになります。
ところが初期ステータス決定で魔力を最大値まで上げた場合、もしくはフィートで「魔力持ち」を取得した場合に限り魔力を発現した状態で人間プレイが可能になります!
そして前者の魔力最大値による発現の場合、個人が持てる量とは思えないほどの魔力を常にドバーッ!と垂れ流し状態になるんですね。
当然ながらこの世界においてそんな人間は野良まぞくの恰好の餌です。よって野良まぞくによる襲撃率が大きく上昇します。
加えてこの入学式の日はシステム的にあらゆるランダムイベントの発生率が大きく上昇します。これらが合わさり野良まぞくの襲撃確率はなんと1000%!(1000%社長並感)
普通ならここでゲームオーバーですが、ここで役に立ってくれるのが先程からこそこそしておる桃色魔法少女。野良まぞくの襲撃から確定で助けてくれます。
例え学校で遭遇していない初対面だとしても確定で助けに来ます。ちよももはほんと神的にいい人だから。
この襲撃イベントを起こすことでシャミ子や杏里、ついでに主人公の魔族魔法少女への認知が早くなるわけです。身を守るための鍛錬の口実もできてそこそこのタイム短縮に繋がります。
というわけで町中に寄り道したりして襲撃を待ちますよー待つ待つ。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
すいませーん、木下ですけどー。まーだ時間かかりそうですかねー?
私は物陰から、犬に吠えられて吉田さんの背中に隠れる男の子を見て苦笑する。
・・・やはり考えすぎ、だったのだろうか?せっかく誘ってくれた保安くんにはちょっと悪いことしたな。
明日学校でまた謝って、また誘ってくれたら一緒に帰ってみようか。吉田さんやあの女の子も優しそうだし、積極的に行くのは少し気恥ずかしいけど別に友達が欲しくないわけじゃない。
思えば中学校までは友達と呼べる友達はいなかった。高校デビューというやつだ、新しいことには挑戦してみよう。
・・・保安、望亜くんか。私の周囲にはいなかったタイプだ。
元気に溢れてる感じで、誰とでも積極的で、でもふとした拍子にフッと消えてしまいそうな感じがして。
男の子なのに女の子のように可愛くて、でも人を引っ張っていける頼り強さがあって、かと思えば犬や虫を怖がるような可愛いところがあって。
・・・うん、やっぱり面白い子だ。
「ゆーこちゃん!へるぷ!へーるぷ!」
「ちょっ!そんなに背中にひっつくと動きにくいですって!」
「あははー、ここのワンちゃんは元気いっぱいだからねー」
制服の背中をガシッと掴み私に縋り付く望亜を庇いながら徐々にスライドするように犬地帯を突破する。
そのまま曲がり角に隠れればちょっと落ち着いたのか、しかしまだ涙目な望亜の背中を摩って落ち着かせた。
「大丈夫、大丈夫ですよ望亜。もう犬はこっちに来れません」
「うぅ・・・次からこの道は通らないことを提案します・・・」
「うんまぁ、少し横道に入ればこの辺に他に犬はいないから大丈夫だと思うよ?」
「だそうですよ望亜。今度安全なルートを探しましょう」
背中を撫でて頭をぽんぽんしていると、ようやく平常心を取り戻したのかいつも通りの望亜に戻った。
「怖かった・・・よ、よし!気を取り直して次だ!」
「ぃよし!任せて!次はー・・・」
立ち直って元気に何処ともしれぬ明後日に向けて勢い良く指さす望亜を見て、私はほっと息を吐く。
こういうところは望亜の長所だ。落ち込んでもすぐに前を向いて全力で真っ直ぐ。私的には少し余力を残して欲しいが。
杏里ちゃんとの相性も良好そうでなにより。これなら私がいない時でも杏里ちゃんに望亜くんを任せられそう。
あとは朝に会った千代田さんだけど・・・どうかな、望亜が誘わないなんて事は無いだろうし、ここに千代田さんが居ないってことは断ったって事だと思う。
やはり、気付かれたのだろうか。警戒されたのだろうか。困った、暫定魔法少女に直接遭遇したのは初めてだからどう出ればいいのかわからない。
やはり未だ覚醒していないからこちらの取れる選択肢がそう多くないのが困りものだ。穏健派ならいいのだけど、過激派なら目も当てられない。
・・・まだ判断には早いし、とりあえず帰ったらおかーさんに相談、でいいかな。
仮に過激派だとしても、未覚醒の魔族と人間を襲うほどではない・・・はず。
「ゆーこちゃん?」
「えっあ、はい。なんですか?」
「ぼーっとしてたけど大丈夫?」
「・・・あー、すみません。少し考え事をですね」
いけないいけない、とにかく今は望亜くんたちの方に集中しよう。
私はこちらを不思議そうな目で見る望亜くんになんでもないと返し、とりあえず肩に乗っている蜘蛛について指摘することにした。
なんで?なんで?なんで?
魔力MAXなのに襲撃が無いじゃーん!有志の検証によると入学式の日に魔力MAXは襲撃のはずなんですがねぇ…。
望亜くんの行動が介入する余地はないからガバではないとはいえ少々痛いですね・・・これは痛い。
うーん、他の何かの要素が襲撃イベントの確率を下げたんですかね?それともただのガバ運なのか。
まあここだけであればまだ全然ロスを取り返せますので続行します。成長速度や効率が変わるだけでどちらにせよ致命的にはなりませんし他の短縮案はまだまだありますのでね。
ではそろそろ帰宅して筋トレをしながら勉強をすることでステータスを
今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。
出会いや過程が違えば関係が変わってくるのも当たり前だよなぁ?
ゆーこ 5/0
ちよもも 1/0
あんり 1/0
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閑話/第69回吉田家家族会議
あと今回は短い上にセリフ多めで語録要素もRTA要素無いので飛ばしてしまって結構です
Part3は半分くらい書けてるので近々上げるゾ
強くなっても根っこはあまり変わってない。これだけははっきりと真実を伝えたかった
「それでは・・・第69回吉田家家族会議を開催します!」
「「わー」」
パチパチパチと2人分の拍手の音が鳴る。
テーブルを囲むのは魔族の眷属兼主婦こと吉田清子、幼馴染ガチ勢との噂名高い現最魔族候補の吉田優子、家族随一の頭脳派との噂もある吉田良子の3名。
母の音頭に乗っかり場を囃し立てる2人の姿はもはや慣れたものであった。
コホン、と気持ちを切り替えて足を肩幅ほどに開いて左手のしゃもじを左斜め上へと掲げる珍妙なポーズから着席状態へ移行した清子は、既に69回目ともなるこの催しについて確認を取り始める。
「さて、この催しも既に69回目。分かっているとは思いますが、これは日々の節目となる何かしらのイベントを機会として互いの情報共有や現状の再確認を行うことが目的です!と、いうわけで何か変わったことがある人は挙手!」
「とは言ってもやっぱりお姉がまぞくに覚醒しないと大きな変化はそうないよね」
「良・・・不出来な姉でごめんなさい・・・」
「う、ううん。お姉を責めてるわけじゃないよ。こればかりは本人の意思じゃどうにもならないことだし」
良・・・!と感動に震える優子は、しかし即座にキリッとした表情で母に向かって挙手する。
「おかーさん、報告が2つ!」
「はい優子!」
「まず1つは新しい情報源の確保です」
「ほう…というと?」
優子はポケットからスマホを取り出し、ちょちょいと操作すると画面が全員に見えるよう卓上に置いた。
「佐田杏里、といいます。なんでも元の学校じゃそこそこ名の知れた情報通だそうで、私と望亜のことも知っていました」
「・・・お姉、その人まぞくか魔法少女の可能性はない?」
「いえ、どうやら顔が広いのと行動力がずば抜けている以外は普通の女子高生みたいです。どちらに与しているという訳でも無いようで、学校にいる魔法少女の情報についても聞き出せました」
「なるほど…優子の方面からも情報が手に入るのはありがたいですね。優子には望亜についてもらってるので、これまでは私か良子でしか情報が集められませんでしたから・・・」
「それと2つ目ですが・・・」
優子が画面をそのままスライドすると桃色の髪を持った少女が隣の席で望亜と談笑している写真が映し出された。
「千代田桃、という名前の魔法少女についてです」
「!・・・千代田、ですか」
優子の口から出た名前に息を呑んで画面の中の桃に注視する2人。千代田の姓を持った魔法少女、それはこの場において非常に重要かつ衝撃を与えるに足る存在だった。
「・・・やっぱり、千代田桜さん、の?」
「だと思います。先の杏里ちゃん曰く、世界を救ったワールドワイドな魔法少女の1人だそうです。偶然だとは・・・」
「思えない。ううん、思いたくないね」
「でも千代田桜さんの御家族なら協力できる可能性はあるかもしれませんよ?」
清子の言に優子は難しい顔をする。否ではないが肯でもない、といった複雑な表情だ。
「いえ、協力を打診するのは少し様子を見てからにしましょう。」
「なぜ?」
「杏里ちゃんが、千代田さんは身寄りが居ないと言っていました。だから、今は知らないとしても事実を知ったらもしかしたら・・・。」
「危険な存在になる可能性は、あるね。」
良子は、目を強く瞑り悩んだように黙り込むと、やがて口を開いて提案した。
「じゃあ…とりあえず協力の打診や情報の開示は控えめに、しばらくお姉に様子を見てもらうって方向でどうかな」
2人はそれに仕方ない、といった風に同意する。
「変に刺激するのもあれですし・・・」
「せめて御先祖とコンタクトが取れれば、そうでなくても一族の力さえ使えれば・・・もどかしいですね」
テーブルの上にどこからか引っ張り出した白い用紙を置き、スラスラと書き込んでいく良子。
と、そこに優子が問いかけた。
「そういえば良子は市内の闇の一族に関しての調査を続行してるんですよね?首尾はどうですか?」
その言葉にピクリ、とペンを止めた良子。そのままペンを置き、傍らに置かれていた鞄からなにやら数枚程度をホチキスで止められた書類のようなものを取り出した。
「うん、前回のに加えてさらに5件の闇の一族を確認した。その中で協力を取り付けられそうなのは・・・2件かな」
「やっぱり光の一族との戦闘に発展する可能性もあるとなるとそのくらいになってしまいますか。それでも多い気はしますが」
「ダメそうな2件は非戦闘タイプの魔族で、特にこれといった能力も持たない一般的な闇の一族の末裔のそれだった。残りの1件はちょっと好戦的すぎて手綱は握れないかな。いざって時に鉄砲玉にするなら十分だけど」
「良が、怖いこと言ってます・・・!」
良子の発言に考え込む清子と若干引き気味な優子。優子に至っては育て方を間違えたか、などと親でもないのに親目線で自分の無力を嘆く有様である。
「それで、協力できそうな2件は?」
「1つは・・・まぞくって言っていいのかな。望亜さんみたいな人なんだけど、多分あれは闇の一族だと思う」
「望亜くん?」
疑問符を浮かべる優子に対し、同意の意志を示す。
「うん、たぶん同じ制服着てたからお姉の学校に通ってる人だと思う。小倉さん、って言う人だよ」
「小倉さん・・・わかりました。こっちでもちょっと接触してみますね」
「小倉さんはなんていうかな、独自の方法でオカルトに精通してる人みたい。千代田桜さんの存在も知ってるみたいだったし」
「確かに、情報源の限られるこちらとしては是非とも接触しておきたいですね。優子が上手く仲良くできるといいんですが、頼みましたよ」
「がってん!」
ぽよん、と豊満な胸を叩く優子。おそらくはドンと任せろ、という意図なのだろう。
「残る1件は・・・場合によるって感じかな 」
「場合による?」
「知ってるかな、たまさくら商店街にある『あすら』って喫茶店なんだけど」
「それなら主婦間の交流で聞いたことがありますね。なんでもすごく美味しいレストランだとか。まぞくの店だったんですか」
清子の言葉にこくりと頷く良子。
「本人達はできるだけ荒事は起こしたくない・・・って言ってたけど、どうかな。どうもあの狐っぽい人は荒事を引き起こしそうな気がする」
「狐っぽい?」
「うん、バクの人と狐っぽい人。積極的には協力できないけど降りかかる火の粉は祓うって言ってたよ。個人的な印象だけど狐の人はかなりのやり手に見える。」
「やり手・・・ですか。でも積極的に協力できないとなると・・・」
若干残念そうな清子。しかし、小倉さんなる人物の協力を新たに取り付けられそうとわかり気分は明るいようだ。
「まあいいでしょう、とりあえずこれで報告は以上ですか?」
「はい!」
「うん」
報告が終わり次第、即座に紙にペンを走らせる作業へと戻る良子。
「よろしい!では優子、小倉さんとの接触、千代田桃の監視と協力の是非について尽力を期待します!」
「らじゃー!」
「良子も、引き続き協力の可否に関わらずまぞくの捜索をお願いしますね。把握してるとしてないでは大違いですから!」
「わかった」
「それでは吉田家一同、全力でもって頑張りましょう!」
「おー!」
「おー」
2人の返事に満足気に頷くと最初と同様の謎ポーズをとりなぜか声高らかに宣言する。
「それではこれにて、第69回吉田家家族会議を終了します!2人ともお疲れ様でした!」
「「わー」」
パチパチパチという拍手の音の後、鼻歌交じりに台所へと戻っていく主婦。
その後ろでは仲良し姉妹がその姿を見送りながらヒソヒソ話。
「なんか今日おかーさんテンションおかしくありませんでした?」
「日頃の疲れとお姉や望亜さんが高校入学した喜びとで混ざっちゃったんだよ、きっと」
「あとおかーさんだけ報告無かった・・・」
「日頃の家事にお仕事に望亜さん関係にといろいろ大変だし、仕方ないと思うよ」
「・・・お疲れ様です」
これいる?
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Part3/誰かアイツをどうにかしろ
思わぬ事態が起きましたがまだまだチャートに狂いは見られないRTAPart3はーじまーるよー!
早速ですが入学式イベント後は本編開始まで大きなイベントは無いので3倍速です。
この倍速中に起きたことと言えばもんもから一緒に下校の許可が降りたこととちょくちょく自主筋トレしてることですかね・・・。
望亜くんの貧弱なステータスでは腕立ての10回もできません。悲しいなぁ・・・。
そうこうしてる間にいよいよ運命の日。これで晴れて吉田優子ちゃんがシャドウミストレス優子に超変身します。制圧型ヒーローにマスクチェンジしそうな名前してんなお前な。
できればこの日までにある程度魔法や魔族関係の知識を身につけさせておきたかったんですが、ゲームの機嫌が悪かったからね、仕方ないね♂。
では起きたら食パン1枚咥えて家を出ましょう。いつものごとく猫遭遇時に踏まないように気をつけつつ全力疾走です。
お、いたいた。ゆーこーちゃーん!
っとおや?どうやら様子がおかしいですね。逞しくとぐろを巻く角に…ゆらゆら揺れる尻尾…。
おめでとう!吉田優子はシャドウミストレス優子に進化した!
現実をまだ受け入れきっていないのか若干遠い目をしながらこちらへ歩いてきます。
原作ではわりと飄々としていましたが何周かしてると割とこういう時はありますねぇ!ありますあります。
こういう時は大抵愛情度が1以上になってる相手がいる時に魔族に覚醒した場合が多いですね。好きな人がいるのに異なる種族と化してしまった心的ストレスがぼんやりシャミ子を生み出します。
まあ明るく話しかけて全肯定望亜くんと化せば問題なく元通りなのでそう深刻に考える必要はありませんぜ旦那!
優子ちゃんオッスオッス!その角と尻尾イケてんねぇ!時代のNEWファッションかなにか?
遭遇と同時にイメチェン(?)を褒めつつどうしたの?と疑問を口にすることでシャミ子が口を開きやすいようにします。
こうすることでシャミ子が口を開くまでの時間が気持ち短縮になるんです。誤差レベルでも積もればそこそこの時間になるからね、ここ大事。
ん?
おや、シャミ子が潤んだ瞳で望亜くんを抱きしめてきました。これは珍しいですね。
これまでの傾向からするに受け入れてもらった感涙から思わずと言った感じでしょうか。ちょっと挑戦的じゃなーい?
しかしこれは思った以上に好感度が高まっているのでは?嬉しい誤算です。
やはり幼馴染スタートは偉大だってそれいちばん言われてるから。
でも精神幼めとはいえ年頃の男の子にこのグラマラスボディはまずいですよ!
案の定望亜くんが顔真っ赤で混乱のバッドステータスにかかっています。こうなると解消されるまでこちらの操作を受け付けません。まぁ操作できても筋力的に脱出は不可能なんですが。
お、ようやくシャミ子が離れて操作が戻りました。んだらば学校に遅れる可能性を提示してさっさと学校へ行きましょう。これ以上はロスになりかねないからね、仕方ないね。
それはまぞくの本能が溢れ出してるんじゃないかなって、思ってしまうのでした(桃色魔法少女)
マジすか(素)
放課後にいつもの4人で集まって朝の話をしたら桃から意外な言葉が出てきました。
過去に例が無い訳ではありませんが非常にレアな乱数です。こんなとこでレアイベ引いちゃっていいのかよ!(閉廷おじさん)
とはいえ、このイベにおいて望亜ができることはほとんど無いです。シャミ子本人の問題の側面が大きく、下手に干渉すると返って面倒な事態を引き起こしかねません。
というわけでここはロスになりかねないので安定をとって放置、労る程度にしておきましょう。
そんなことより特訓だよ特訓!
この段階でシャミ桃の関係がどうあれ特訓イベントはほぼ確定で発生しますので望亜くんも便乗させてもらいましょう。
本来後日に発生する特訓イベントですが、こちらから提案することで開始を早めることができます。
健全なる精神は健全なる肉体に宿る!というわけで特訓、しよう!
なるほど、やっぱ保安くんは一流だよな〜(KNZK)
俺もやるんだからさ(便乗圧力先輩)
ダメです(即斬)
なんでぇ…
まさかのシャミ子からNG発言。そんなに動きたくないのか…(困惑)
と思いましたがなんでも望亜くんは身体弱いんだから無茶しちゃダメだよ!とのこと。
いいだろお前毎朝走ってるんやぞ、と反論すればマジギレで返される始末。
やべぇよやべぇよ…ステータス貧弱だから…。というかお前ここまで過保護ではなかったやろシャミ子ォ!
魔族の本能とやらで感情がひどいくらい強く出てるっぽいですねクォレワ…。
おっとここでちよももインターセプター。トレーニングに信頼のあるちよももがコーチしてくださるそうで、ありがとナス!
その後も渋っていたシャミ子ですが保安くんのため、危険は一切無い、などと根強く説得され控えめですが許可をいただきました。
でも明らかにダメそうになったら切り上げるとの事、まあそれぐらいはね?
じゃけんトレーニング室行きましょうね〜。
「くうぅ・・・!おりゃあー!」
「望亜くん!ふぁいとぉ!」
1キロのダンベルを必死の様相で上げ下げして筋トレに勤しむ保安くんと、それにエールを送りながらどこからかポンポンを取り出し振り回す佐田さん。
などと現実逃避気味にしていると、少し離れたところでストレッチをしていた吉田さんがこちらにひょいと近寄ってくる。
「千代田さん、コーチお願いします!」
「あ、うん」
吉田さんの頼みを引き受け、より効率的なストレッチや運動の方法をレクチャーする。
というかこれ吉田さんを戻すためのトレーニングじゃなかったか?
提案した本人は1キロダンベル上げ下げしてそろそろヤバそうだけど良いのだろうか?
「ふぅん!えぃっ!」
まぞくに覚醒したからか、吉田さんの身体能力はなかなかのものだ。いや動きの細かいところ見るに戦闘のセンスはそれほど高くなさそうだが。
それでも20キロのバーベルくらいなら軽々と持ち上げている。
「すごい筋力の上がり幅だね、元が女子高生平均やや下とは思えないくらい」
「なんか、昨日覚醒してから調子が良くって!どこからか無限の力が溢れてくるみたいで、今ならそんじょそこらの野良魔法少女はちぎなげできそうです!」
・・・ちぎなげ?
まあいい。確かに身体能力向上による全能感は感じてはいるものの、退治しなければならないほど理性が弔われたわけではないらしい。
このぶんなら大丈夫だろう。
そうだ、ちょうど良いしあの事を提案しておこうか。
「ねえ吉田さん」
「はい?」
「吉田清子さん・・・お母さんに、会わせてもらえないかな?」
瞬間、吉田さんの目が鋭くなる。こちらを試すような、観察するような目。
まずい。テンションが上がっていて気分の良さそうな今であれば行けると思ったが・・・時期尚早だったか?
「・・・そうですね。私の家に来てくだされば、いつでもお相手してくれると思いますよ?」
「・・・そっか」
それは事実上の拒否。今の私に、あの結界を無理やり突破する方法など無い。
吉田さんもよくわかっているはずだ。それでなおその返事ということは、そういう事だろう。
やはり、彼女は警戒心が強い。特に身内の事に関してはそうなるのだろう。見ていた感じそんな気がする。
そうなれば、やはり
バテにバテて床に沈みこんだ保安くんと、それを心配する佐田さん。それに気づいて慌ててバーベルを放り投げる(筋力が上がってる?)吉田さんの3人を見て、そっとため息をついた。
──あ、来てくれたんだ千代田さん。
──そうそう、お姉さんのことでちょっとね。
──これ、見てみてよ。
──怪しくない?怪しいでしょ?私も気になってるんだー!
──妹さんから軽い話を聞いて、それから自分で調べたんだけど・・・。これ、やっぱりおかしいよね?
──で、こっちがほら・・・ね?お姉さんの消えた日にちに近いと思わない?
──私は偶然だとは思えないんだけどなぁ。
──ん?なんでそうまでするのかって?
──うーん、一言で言うと・・・シンパシー、かな?
──じゃあこれ、私の電話番号。気が乗ったら連絡ちょうだいね?
──あと、できれば荒事にも対応できるお友達が居れば心強いと思うな。
──じゃあ、またねー!
帰り道。瞼の裏に、瞳に怪しい光を宿した少女の企み顔を思い浮かべ、あらゆる事柄を天秤にかける。
やがて我ながら重々しい溜息を吐き出し、携帯を取り出した。
数回操作し、耳に押し当てれば数回のコールでその声が聞こえた。
『あら、久しぶりね桃。何か御用?』
「…ミカン、少し手を貸してほしい」
みんな忘れてたと思うけどこれRTAだから思いのほか展開早いゾ
しゃみこ 6/2
もんも 2/0
あんり 3/0
みかん 0/0
小倉ァ! 2/0
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Part4/このゲームは戦闘非推奨です
筋力をどうにか上げたいRTAPart4はーじまーるよー!
筋トレしたところから再開です。
望亜くんが死にかけているような気もしますが、本当にヤバいのは倒れ込んで一言も発さなくなった時なので続行します。ただし応援杏里ちゃん以外に特に見所さんは無いので3倍速です。
お、3日経った時点で進展がありましたね。次のトレーニングに移行します。
お次はどこかで見覚えのあるサクラメントキャノンの発射現場である工場跡地で特訓を行います。
ここでは通常の筋トレの他、実戦形式や魔法方面の訓練ができますね。
とはいえ、魔力おばけである望亜くんに魔法訓練などさせたら望亜くんごとここら一帯が綺麗に消し飛ぶ(3敗)ので大人しく逃走訓練と受け身の練習をしましょう。
受け身はゲームのシステム的に身体能力の影響を受けず、一定高度以下の落下や一定威力以下の衝撃を無効化できます。
一定以下の衝撃を受け流せるということは一定以上の魔族の攻撃を食らったら死ぬということです。当たり前だよなぁ?
もちろんそれはこのチャートにおいてロスどころではないので、逃走訓練で回避を上げましょう。
とはいえ、現状シャミ子には魔力コントロールの特訓をしていただかなければいけません。必然的に桃もシャミ子のコーチにつくことになります。
というわけでカモン杏里ちゃん!本気を出してあげるので手加減してかかって来なさい!
やることは単純、相手の攻撃を回避して距離をとる、近づかれるまで逃げ続ける、相手の攻撃を回避して距離をとるを繰り返すだけです。
もんもやミカンならともかく、一般人である杏里ちゃん相手なら最弱ステータスでも回避の目はあります。ガッツで回避しましょう(根性論)
滅茶苦茶判定はシビアですが、いち、に、さん。いち、に、さんのリズムで回避アクションを使えば追いすがる杏里ちゃんを回避できます。
いち、に、さん。いち、に、さん。いち、にゃああああ!
杏里ちゃんに捕まってしまいました。これが敵なら急所狙いの打撃でワンチャンありますが(ワンチャンあるとは言ってない)杏里ちゃん相手にそんなことしたら好感度がやべー事になるので誤って攻撃しないようにしましょう(無敗)
捕まった時にはもがいて振りほどきましょう。時間経過で解放はされますが、もがけば振りほどきの成否にかかわらずある程度の成長ポインヨが期待できます。
おらはなせぇー!とらー!このー!
にゃー!にゃー!
にゃー・・・。
あの・・・離して・・・。
さて無事抜け出せました。ぺっ!雑魚が!
そうそう、忘れてはいけません。回避特訓をしながら工場敷地内の特定のポイントを巡り合りアなんとかの杖を回収しましょう。
本来もう少し後でないと手に入りませんが、ここに来たタイミングで偶然を装えば早期に入手することができます。故意に探そうとするとなぜか見つかりません。
というわけで移動しながら探しましょう。何パターンかありますが、大体縦に刺さった鉄骨が目印になっております。
スッと移動して各鉄骨の下の地面へ何かの拍子に手を当てる様にしましょう。杖のある場所は若干手触りが異なりますので望亜くんは気づきます。
1つ目!・・・どうやらハズレです。2つ目!・・・・・・ダメみたいですね。
3つ目!違うみたいです。4つ目!・・・・・・すいませーん木下ですけどー、まーだ時間かかりそうですかねー?
ちょっとガバ運すぎんよー。まあポイントは5つしかないので次が正解ですね。
手触りに違和感を感じた望亜くんが注視すると、どうやらそこだけ色が違うみたいです。
じゃけん掘り返してみましょうね〜。
ちょっと待って!?杖が入ってないやん!杖が欲しかったから掘り返したの!わかるこの罪の重さ?
杖があるとシャミ子の戦力的価値が上がって野良魔族を相手に有利に立ち回れ、成長効率も若干上がるのでこれは外したくなかったのですが…。
まあ多少強引ではありますがちょっと強引な攻めのチャートに切替えることで埋め合わせとしましょう。これはガバですね・・・間違いない。
では気を取り直して特訓を…おや、工事の音が聞こえますね。どうやら近くで工事作業をやっているみたいです。
見つかるといろいろめんどくさいので少し離れたところでやりましょう。OK?OK牧場?
さて移動したなら回避訓練の再開です。オラオラ来いよ!バーミヤァァァン!(テニミュ)
にゃぁぁぁぁぁ!!!(捕縛)
──にゃー!
──フシャー!
「なにやってるんですか、あの人たち」
「さぁ?」
工場の敷地でキャットファイト?を繰り広げる保安くんと佐田さんを遠目に眺める私と吉田さん。猫のような声を出しながら追いかけっこしているので、この表現で合っていると思う。
「とりあえず、私たちの方も始めようか。いつでも来ていいよ」
「はい!」
そう元気よく返事をして吉田さんが取り出したのは星形が先端についたやたらにファンシーな杖。よくよく見れば持ち手付近には所々に枝分かれのように植物が見える。
・・・もしかしてだが今日のためにノリノリで作ったなりきりアイテムだったりするのだろうか。いや、普段の油断ならない吉田さんからすると普通に魔法的な効果のある杖であるはずだ。
「吉田さん、それは…」
「ふふふ、よくぞ聞いてくれました!これこそは我が一族に伝わる最強武器!その名も・・・おっと、ここから先は企業秘密でした」
「一族に伝わる・・・?」
となると、やはりただならぬ力を有していると認識していいだろう。しかもあの吉田さんから直々に『最強武器』と来たものだ。
「ではでは…ふぉるむちぇーんじ!」
「なっ・・・!?」
彼女が天に向けて杖を掲げると僅かに輝き、次の瞬間にはその姿を変えていた。
それは傍目からしても見目麗しい彼女には似つかわしくないおどろおどろしさを持つ大鎌。その鎌の刃は交差するように3つ存在し、一見すると魔獣の爪のようにも見える。
万が一捉えられれば魔法少女といえど只では済むまい。
「世界をお救いしたワールドワイドな魔法少女と見込んで、全力で胸をお借りします!」
「ちょっとは遠慮してもいいんじゃないかな!?」
彼女が大鎌を振るうと、その3つの刃が分離して射出されブーメランのように回転しながら飛来する。
魔法少女へと瞬間変身して強化された肉体により全て弾き飛ばすが、その弾き飛ばされた刃は木を豆腐のように容易く切り裂いた。
そして、触って気づいたがあの刃はどうも魔力によって構成された部品であるらしい。つまり、その持ち主である吉田さんの意志をある程度反映できる。
予想通り幾本もの木々を切り倒しながらも先程のようにやはりブーメランじみて戻ってくる刃。即座に魔力弾をぶつけて塵一つ遺さずに消し飛ばす。
「むむ、さすがです。では続いて!」
吉田さんがその大鎌を再び振り抜き、さらにもう一振り・・・見れば3枚の刃が射出されるとほぼ同時に新たな3枚刃が生成されているらしい。厄介な!
とはいえ、種が割れればみすみす厄介な軌道を描かせる必要も無い。射出された刃へ即座に魔力弾を連射し、1つ残らず消し飛ばした。
「む、やはり初見でなければ容易く対処されますか。さすがワールドワイド」
「まあ、攻撃そのものは単なる魔力刃だし、1回避けられるまではほぼ直線の軌道だしね。横に振り抜いて3方向から同時に襲いかかるようにしてみるとかどうかな」
「なるほど、勉強になります」
あとワールドワイドって?という私の疑問には答えず、吉田さんは大鎌を空に掲げその姿を変える。
あれは・・・槍?しかも馬上槍のそれだ。
「たあぁー!」
気が抜けるような吉田さんの掛け声とともに、槍の持ち手から膨大な量の魔力が噴射されその槍先をこちらに向けて吉田さんごと音速で突っ込んできた。
「えっちょっ!」
あまりの速度に咄嗟に槍の側面を押さえつけ、地面を削りながらその勢いを止める。
「かかりましたね!」
止められたというのに離しも変形もさせずニヤリと悪い笑みを零す吉田さんと、数箇所に集中して高まる槍の魔力を感知して、即座に滑るように地面スレスレに倒れ込み槍先の延長線上から退避する。
すると槍の笠の縁──よく見れば複数の銃口の様な穴が空いている──から複数の魔力弾が連射され、後ろの木を虫喰いに変えた。
「今のを避けるんですか!?」
「そりゃ、別の動作に移る気配もなければ何かあると思うで、しょっ!」
イナバウアーのような体勢から槍を蹴りあげ、そのまま吉田さんの懐に潜り込もうとする。
が、吉田さんは蹴りあげられて逆向きになった槍から魔力を噴射させて一瞬で数十mは遠くへと退避した。
思わず余波による砂埃に噎せてしまったが、その姿だけは視界に入れたままにする。
「なるほど・・・フェイントというやつですね」
「次はこっちから・・・いくよっ!」
「えっ」
魔力を爆発させて瞬きの間もなく吉田さんの後ろを取れば、彼女は咄嗟にその槍を杖に変化させる。
魔力を伴った拳を突き出してみるが、どうやら杖から魔力障壁を貼っているらしい。拳は極めて硬い壁のような感触に阻まれてしまった。
吉田さんがこちらに振り返り視認する、と同時に腕の魔力を爆発させて強引に壁をぶち破ることで突破し、今度こそインファイトだ。
そのまま拳を吉田さんの急所へと連撃で放とうとする。
・・・?
「・・・あれ、吉田さん。もしかして近接戦闘できない?」
「・・・・・・・・・はい」
こちらの全力の動作に追いつけず、その身を強ばらせるのみの吉田さん。それまでに変幻自在な怒涛の攻撃を見せていただけに簡潔に言って意外だった。
「・・・なるほど、じゃあ吉田さんの課題は近接戦闘の技術かな。咄嗟の状況判断はどうやらできてるみたいだし」
素人だと思っていただけにそのレパートリーと判断力には舌を巻いた。
彼女の戦法はその手数から放たれる初見殺し、と言うやつだろうか。特にあの槍の一撃などは肉体特化の私であったから良かったものの、仮にミカンだったなら普通に反射神経の差で倒されかねない。
「なるほどですね!それでどのような訓練を・・・」
「組手、かな」
「組手・・・?」
「私と、吉田さんで。致死級の攻撃でも身を竦ませないように鍛えよう」
ちしきゅう・・・と呟いて冷や汗を流す吉田さん。
仕方ないだろう、戦闘において接近されたら体を強ばらせてなすがままというのは文字通り致命的だ。多少荒療治になるが矯正する必要がある。
・・・別に槍の隠し武器でビックリした意趣返しとかじゃ無い。
ところで、吉田さんはドンドンと魔力を垂れ流すような戦い方をしているように見えた。もちろんナチュラルボーンな魔族において単純なスペックの暴力とでも言うべき戦法はあまり珍しいものでも無い。
だが、それでもさすがに私に冷や汗をかかせるようなレベルのスペックとなると吉田さん単体の魔力というには少し現実的ではないように思う。
あの武器の力か、それとも他の要因か。
しゃみこ 6/2
もんも 3/0
あんり 4/1
最新話で色々判明したけどこの作品では全て許容範囲内だったので安心したゾ。
でも場合によっては小倉ァ!が真ヒロインだった可能性も微レ存…?
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Part5/乱数の神様は多分RTAを嫌ってると思うんですけど(名推理)
《貴様は投稿から逃げようとしている。逃亡者は呪殺される》
小倉ァ!なまちカドまぞくRTAPart6はーじまーるよー!
望亜くんの回避訓練とシャミ子の魔力コントロール訓練は基本似た感じの繰り返しなので倍速です。
途中でシャミ子の武器を探すのを提案しましたが必要ないとのことでショッピングはキャンセルされました。
まあ好感度上げ以外に特に必要無い上、他で代用できたりするので問題ありません。
おや、学校パートですが何かイベントがあるようですね。
どうやらシャミ子がごせん像を持ってきたようです。シンプルなフォルムだぁ(直球)
ハンバーガーやらポテチやらがお供えされています。杏里ちゃんと小倉のものでしょうか?ここでのお供えはランダムなのでこういうこともあるでしょう。
どうせなので望亜くんもお供えしておきましょう。いい具合にごせんぞの好感度を上昇させたりできます。攻略は無理ですが好感度は上げといて損はありませんからね。
さて、本RTAにおいて望亜くんが購入できるタイミングは先のショッピングか商店街に行ったタイミングのみです。あるいは通販やネットショッピングという手もありますがどちらにしろ微ロスになるので積極的に使いたくは無いです。
つまり望亜くんがお供えできるものはデフォの所持アイテムか家にあるものくらいですね。幸いこういうイベントでは家にあるアイテムも選択できたりします。制作陣はほんと神的に良い人だから(ピネ)
というわけで、家にあったプレイ頻度の低いゲームをお供えしましょう。望亜くんは幼めの性格だからかゲームをそこそこ持っていますので娯楽品には事欠きません。
──このゲームをお供えしてもいいかな。
ありがとナス!ごせんぞもきっと嬉しいゾ〜
(アレってちょっと前に話題になってた怖い奴じゃ・・・いや、もう少し様子を見よう。 私の予感だけでみんなを混乱させたくない)
無事にアイテムをお供えできました。ごせん像の顔が苦悶に歪んでいるような気もしますが現状ごせん像にはアウトプット機能がないはずなので気の所為でしょう。
と、ここでいつの間にか紛れ込んでいた小倉ァ!がごせんぞスイッチを切り替えました。見つけ次第即スイッチ押すその姿勢は見習いたいですね。
当然の権利のように押されたそのスイッチを見て桃が若干慌てていますが時すでに遅し。
シャミ子がふらついた様に席に座り込み目に見えて黒いオーラを発し始めます。シャミ子inごせんぞの登場です。
とは言ってもベースがシャミ子であるので無論戦闘力はクソザコナメクジです。桃に任せておけば万事OKでしょう。
とはいえ、チャート通りであればこの時点でシャミ子はある程度の魔力コントロールと何とかの杖を保有したなかなかの戦力です。杖は無いので劣ってはいますが今の杏里ちゃんと小倉ァ!と望亜くんに太刀打ちできる相手ではありません。
というわけで2人を連れて避難しましょう。たまにここでごせんぞに攻撃を食らってガメオベラになったりしますが、シャミ子の好感度が足りているなら子孫補正で見逃されます。
おや、ごせんぞの方から避難するように促してきましたね。これはシャミ子の好感度が高い証拠です。子孫が世話になっているとして、度々こちらに絡んできます。
まあ攻略はできないんですけどね、初見さん。
では教室を出て少し離れた体育館へと退避しましょう。
ごせんぞと桃の戦闘には数種類のパターンがあり、高確率で校庭、低確率で校舎内をフルに使った戦闘へ発展します。もちろんそこに留まっていれば戦闘に巻き込まれてガメオベラとなることも多々。
その場合のセーフゾーンはここ体育館です。ここだけはあらゆる戦闘行為が及ばず、野良魔族に襲われてもここへ逃げ込めれば魔法少女の救援が来るまで籠城が可能です。
ただし、夏の深夜にこの中に入ると一定確率でホラーイベントが発生してしまい、マイナスフィートの『怖がり』を取得してしまうか、酷い乱数を引いた時にはそのままガメオベラになってしまいます。気をつけよう!(注意喚起ゆうさく)
では桃とごせんぞの戦闘が終わるまで杏里ちゃんと小倉ァ!と交流を深めましょう。
その後はみんな大好き健康ランドです。
「ねぇねぇ保安くん」
「うん?」
恐らくはちよももとごせんぞさん(優子曰く)の戦闘音だろう爆撃のような轟音が響く中、体育館へと避難してきた私たち3人。
時折見える桃色だったり紫だったりする閃光に身を竦ませる望亜に、小倉さんが声をかける。
「いやー、ちょっとした疑問ってだけなんだけどね。なんで体育館なのかなって」
それは避難先にこの場所を選んで私達を連れてきた望亜に対する疑問であるようだった。
「うん?だって避難する時は体育館、でしょ?」
「・・・あー、そっかぁ。そうだねぇ、なるほどねぇ」
若干ぽかんとした表情で答える望亜。しかしそれは一般的な災害による避難の場合なのでは?
まあ戦う力を持たない私たちにとっては外で行われてる魔法少女と魔族の戦いも災害みたいなものではあるけど。
しかし、小倉さんはその回答に一応の納得を見せた様子で面白そうに?興味深そうに望亜を見つめる。
「・・・そっかー、やっぱり保安くん自体は何か特別な知識があるわけじゃないんだね。となるとやっぱり刷り込み、かなぁ?」
何やら不穏な単語を口走る小倉さん。なんだか穏やかじゃない雰囲気だ。
しかし、確かにその疑問には思うところがある。もし私が逃げる場所を選ぶとしたら、多少の流れ弾は覚悟でも距離をとることを選ぶだろう。
咄嗟の判断ではあるが、それでも最初に浮かぶのは絶対に巻き込まれない場所へ向かって逃げる。それが普通だ、たぶん。
しかし望亜はそんなに離れている訳でもない、この学校の体育館を目指した。確かに周囲が囲まれているし、多少頑丈に造られてるとはいえ、魔法少女やらの力の前には誤差でしかない。
ふと、小倉さんが私の肩をちょいちょい、とつついた。
「・・・何?小倉さん?」
「うふ、ふふ、知ってる?杏里ちゃん。なんで全国の学校が災害時の避難所に指定されてるか」
一息ついて続ける小倉さん。
「全国の・・・少なくとも魔法少女がいる地域の学校の体育館にはねぇ、光の一族の結界が貼ってあるんだよ?効果は外からの守りと内側の封じ込めが主だけど」
その言葉を聞いて思わず望亜に目を向ける。
「保安くんは知らなかったみたいだし、居るかどうか確証は無いけど…それを教えこんだ人がいるとしたら、面白いと思わない?」
望亜には、両親が居ない。そもそも居たとしても、望亜自身そうであるように一般人のはずだ。
加えて、それを教えたということは、少なからず望亜を守ろうとする意思があった。
となると、答えは見えてきている。日頃から感じる優子の過保護さ。そしてそれはどうやら吉田家全員がそうであるらしい。
その理由までは分からないけれど、少なくともあの一家は望亜がなにごとかに巻き込まれるのを知っていた、もしくは前提としているきらいがある。
もちろんこれは状況証拠からなる推測に過ぎないけど、その事情を1番知ってそうなのは・・・。
「吉田家の、優子のお母さんだよね」
何度か会ってお話したことはある。非常に若々しく見えるあの温和そうな女性。
守ろうとしている以上悪意はないと信じるが、それでも望亜が危険を呼び込む何かを持っている可能性があるのなら、放置はできない。
「うーん、とにかく話を聞かないことには始まらないよねぇ。万一を考えると千代田さんの協力はほしいなぁ。でも魔法少女はあそこに近寄れないし・・・」
横で考え込む小倉さんを視界から外し、ビクビクと外の様子を伺う望亜の様子を見守る。
私の友達は、どうやらみんな厄介な事情持ちばかりが集まってしまっているらしい。
そっと、ため息を零した。
お、どうやらもんもとごせんぞの戦闘が終わったようです。体育館のドアを開け放し桃たちの元へ疾走しましょう。
Hey桃、首尾はどーよ
ふむ、見事にシャミ子inごせんぞの身体が煤けています。しかし目立った怪我は無いようでなによりです。シャミ子の体に大きな傷がつくと健康ランドに入れなくなってしまいますからね。
桃がごせんぞへの警戒を解くには健康ランドでたれシャミ子と化すごせんぞの姿を見せなければなりません。そうしないとロスとまでは行かなくとも関係を取り持つのが非常にめんどくさいんだよなぁ。
つまりガバじゃな?
ハイクを読め、介錯してやる
『オンセンに メイドのミヤゲ はいらせて』
ポエット!
というわけで健康ランドへ行きましょう。望亜くんは男なので残念ながら裸の付き合いとはいきません。そういうのは仲良くなってから、家でやれ!(CRS)
では冥土の土産に皆で健康ランドへ向かいますが、その道中もんもやごせんぞに戦いの顛末を聞いておきましょう。
こうした雑談が意外と攻略の鍵となる情報をゲットしたり、好感度上昇に繋がったりします。
結局どうだったんですかね・・・?
脳筋魔法少女にゴリ押されるといやーキツいっす(素)
撹乱主体のアサシン戦法とかさすが吉田さんのごせんぞいやらしい・・・
本来はどっしり構えての魔法乱射スタイルなんだけどまだ子孫の体に慣れないからね、仕方ないね
こわいなーとづまりすとこ
そんなこんなで雑談しながら健康ランドへととうちゃーく!
そして桃達と別れて男湯に入りますが軽くシャワーを浴びたらお湯に浸からずカラスの行水ですぐに出ましょう。のんびりとしている時間はありません。
ここは桃達が出てきてシャミ子起床イベントが発生するまでRTAにおいて非常に貴重なお買い物タイムとなります。と言っても買えるのはお土産品やら温泉ゆかりの代物やらがメインであって特に目立ったものはありません。がデフォアイテムよりは効果が大きいものばかりなので《小金持ち》に物を言わせて買い込みましょう。
ジュースにーお菓子にー、あとこれです。『たまさくらちゃんロッド』!
一見ただの幼稚園児から小学生低学年くらいの女の子向けなステッキ状の謎オモチャに見えますし実際そうですが、実はたまさくらちゃんシリーズ共通の仕様として幸運アップの恩恵があります。
と言ってもほんとに誤差レベルですが運が重要となってくるこのRTAにおいてはすがりつきたいくらいのお役立ちアイテムです。
じゃけんさっそく装備しましょうねー。
っと、おやぁ?(JYN・KBR)
何者かに背中を叩かれました。ランダムイベントですかね?それにしたって現在RTA中なのでよほどでない限り早めに話を切り上げ──
ミカンさん!?何出てきてるんですか!早いですよ!
はえー、こんなランダムイベントがあったのかぁ・・・。上手く行けばかなり早い段階でミカン姉貴の好感度を稼げますねぇ!
やっぱり日頃の行いが良いとこういう役得があるんですねぇ。
ミカン姉貴はママ属性というか強い母性を持ったキャラとして設定されており、ショタ気味な望亜くんとはすこぶる相性が良いです。
なのでわりと短時間での好感度上げが可能なんですね。おまけに今はたまさくらちゃんシリーズを身につけていますので子供っぽさが増しており、好感度上昇率がさらに上がっています。
惜しむべくは子供っぽいキャラでの攻略だと恋愛方向が上がりにくい点ですが、今回はシャミ子メインの攻略だしままえあろ。
じゃけん好感度上げますよーするする。
「ハイ桃、久しぶり。まさかこんな健康ランドで待ち合わせとは思ってもなかったわ」
片手を上げて親しい友人へ向けるように言葉をなげかけるミカン。その視線と言葉の先には桃の姿があった。
「ミカン・・・久しぶり。それで、頼んでたのは?」
「もちろん、きっちり調べてきたわ。でも、ちょっとご期待に添えないかもね」
「?」
得意気から一転して申し訳なさそうに顔色を変えるミカンの言葉に首を傾げる桃。
それに対してミカンはポーチから数十枚はあろうかという纏められた書類の束を取り出して差し出した。
「ほら、これがこの市と、念の為に調べた吉田家の前の住所周辺の住民データの一部。具体的には私たちと同年代の子供の五十音順一覧ね。貸しとか魔法少女の情報網までフルに使って調べたから間違いは無いと思うわ」
「ありがとう。・・・確かに、吉田さんのデータや私のデータもある。これなら・・・」
保安くんのデータもある、これで調べ始める取っ掛りができた。と続ける桃に対し、ミカンは書類のうち1ページを横から開いて指さす。
「でもほら、望亜くんの名前があるはずの場所に無いのよ。念の為一覧全部と前後2、3年にも目を通してみたけど、どこにも無かったわ」
「望亜くん・・・?って、無かったって本当に?」
望亜への呼称に一瞬引っかかった桃だが、肝心な取っ掛りが無いという情報に思わず聞き返す。
「ええ、偽名か、ワケありかは分からないけど、一般の住民データには影も形もなかったわ」
「ふぅーん・・・おかしな話だねぇ?」
そう話に加わったのは小倉である。なんと健康ランドの天井近くの通気孔から蓋を外して飛び出してきたのである。その手には何やら電動ドライバーが。
「小倉さん、急に出てくるのはビックリするからやめて」
「あはは、ごめんね?」
「貴女が協力者っていう・・・」
「小倉しおんだよぉ、よろしくね。陽夏木ミカンさん?」
面白そうにミカンの上から下までをじーっと観察する小倉。満足したのか興味を失ったのか、やがて視線をミカンの顔へ向けて自己紹介を行った。
「私のことも知ってるのね、陽夏木ミカンです」
「で、小倉さん。何かな」
礼儀正しく姿勢を直して自己紹介をするミカン。そして小倉に続きを急かす桃。
2人を面白そうに眺めていた小倉はやがて愉快そうに口を開いた。
「いやぁ、こっちでも色々やって情報集めてみたんだけど、暗黒役所のほうにも保安くんのデータはなかったんだよねぇ」
「!」
予想だにしていなかった事実と想像以上の障害に、思わず手元の書類に目を落とす桃。
「普通の役所にも、暗黒役所にも彼のデータは無い・・・なら」
「保安くんは、いったいどこから来たんだろうねぇ?」
それもこれも全部ステータスとフィートとシステムが悪いんだ
Q.体育館とかその下りって原作にあるの?
A.バイオのインクリボン部屋的なアレです。もっと言うならゲームシステム的な都合
ごせんぞ 4/0
もんも 3/0
あんり 5/1
みかん 2/0
小倉ァ! 3/0
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