東方エボリューション (宵闇の魔神ゼノン)
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幻想の世界
最近我が家では「リングフィットアドベンチャー」という者にハマっていまして、家にはプロティンに腹筋ローラーに、いったいこの家族は何をめざてぃるのかなぁ。
仮面ライダーエボル。
特撮ヒーローアニメ『仮面ライダービルド』に登場する地球外生命体であり、スカイウォールが出来る前に故郷の火星を滅ぼしてやってきた人物だ。地球では石動惣一に憑依して仮面ライダーである桐生戦兎たちを利用していた。
火星に住むブラッド族の王族であり、名はエボルト。ビルドとの最終決戦にて「仮面ライダービルド・ラビットドラゴントライアルフォーム」の前に敗れた。
ビルドに敗れ完全に消滅したはずのエボルトは、妖怪たちの最後の楽園にて復活する。
~~幻想郷~~
ビルドに負け消滅したはずのエボルトは、自分が固い地面の上で横になっていることに異常を感じた。
目を開けて体を起こし周りをきょろきょろとする。目の前には薄く霧に包まれた湖がある。
「んあ? どこだここはァ? 俺ァ確かにあの時に消滅したはずなんだが」
自分がいまだに生きていることに不思議に思った彼は立ち上がって背を伸ばし、自分の体を確認する。
「んん? なんだこの体は? この世界の誰かのかァ?」
かつてエボルトは、自らが滅ぼした火星に訪れた宇宙飛行士である石動惣一に憑依していたが、いま彼が憑依しているのは16歳くらいの少年だった。
目元まで伸びている黒髪、血のように赤くなった瞳、意外と整った顔つき、中途半端に鍛えあがった肉体。記憶を探ってみれば、自分が憑依している少年は、神崎零夜というらしく、人里と呼ばれる場所で暮らす普通の人間らしい。
(まァ、しばらくこの体を使わせてもらうとするか)
そう言ってニヤリと笑ったエボルトは、湖の奥に見える深紅の屋敷を見てそこを目指した。
なぜそこを目指すのか、その理由は彼の近くにあった荷物にあった。
エボルトが起きたときにあったカバンには、紅魔館の皆様へと書かれた封書といくつものティーカップがあり、湖の奥にある深紅の屋敷が紅魔館であるとエボルトは直感した。
「さぁて。取り敢えずは記憶通りこの荷物を届けてやるとするかァ」
~~紅魔館前~~
何とか紅魔館に到着したエボルトは、門の前で立ったまま熟睡している女性を見て驚愕した。
中国の拳法家のような服を着て赤い髪を後ろでみつあみにしている女性ーー神崎零夜としての記憶からこの人物が紅魔館の門番紅美鈴であり、良く門の前で居眠りしているのは知っていた。だが、記憶にあるのを見ただけと実際に見るのとでは違いが大きくあった。
とにかく、エボルトが紅魔館に来て美鈴を見た第一の感想が、
(こいつ、門の前でこんなにも堂々と寝て門番として大丈夫かァここは?)
だった。
どうしようかと考え、取り敢えず声でも書けるかと考えた彼は、いきなりグサリという音とともに美鈴の頭にナイフが刺さったの見てまた驚いた。その後、いつの間にか美鈴の隣に銀髪の少女が現れた。
「ごめんなさいね。美鈴には今日あなたが来ることは伝えてあったのだけど、いつも通り寝てたみたいね」
「ア? あぁ、大丈夫だ。(いつも寝てんのかこいつ?)」
いきなり話しかけられてとっさに言葉を返すエボルト。
(こいつァ確かこの屋敷でメイド長として働く女だったよな。名前は確か十六夜咲夜だったか? 時間を操る力を持っていたはず。別の世界に住む仮面ライダークロノスと同じ能力と考えていいのか)
「それで、前に頼んだものは持ってきてくれた?」
「あーこれだな?」
そう言ってカバンからティーカップの入った少し大きめの袋を取り出す。ついでに封書も。
「そうそれよ。前にお嬢様と妹様が喧嘩してティーカップを壊してしまってね、助かったわ」
そう言って受け取った咲夜は代金の入った袋をエボルトに渡す。
紅魔館に用のなくなったエボルトは、神崎零夜の住む人里に向かう。
~~人里前~~
「なんだァありゃ」
紅魔館から歩いて人里に来たエボルトは、大量の妖怪たちが人里を襲撃しているのを見た。
人里の前では体から炎を出し白髪の少女と、妖怪に対して素手で戦っている青いメッシュの入った女性がいた。あの二人がかなりの強者であるのは記憶からわかっていたが、それでも妖怪の数が多すぎて人里を守り切れていなかった。
「はぁ⋯⋯⋯⋯めんどっちィが仕方ねぇか」
彼は懐からエボルドライバーを取り出し腰に装着する。その後、コブラエボルボトルとライダーエボルボトルをドライバーのスロットに差し込む。
『コブラ! ライダーシステム! エボリューション!』
ベルトから音声が流れるとドライバーについているレバーを回し、腕を交差させる。
『Are you ready?』
「変身!」
『コブラ! コブラ! エボルコブラ! フッハッハッハッハッハッハ!』
交差させた腕を開き、ドライバーから出てきたハーフボディが地球儀のように回転した後、彼の体を包み込む。包み込んだ彼の体が現れたとき、彼は仮面ライダーエボルになった。
「エボル、フェーズ1・・・・・・!」
仮面ライダーエボルとなったエボルトは人里に群がる妖怪の群れに突っ込んでいった。
次回に続く
戦「いやいやいや! なんでエボルト生きてんの!?」
エ「さぁな。何か奇跡的な何かで蘇ったんじゃねーか?」
戦「(*´Д`)」
エ「絵文字使うな絵文字を」
戦「(;゚Д゚)」
エ「ぶち殺すぞお前」
戦「おお。やってみなさいよ。この天っ才物理学者の桐生戦兎が返り討ちにしてやんよ」
作「なんでこうなるかなぁ」
次回もよろしく。
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エボルテックフィニッシュ
妹「なんで私なんだ?」
エ「なんでも、作者が東方projectのキャラで一番好きなのが妹紅だかららしいぜ? リアルでもなんでも必ず妹紅を使っているみたいだからなァ」
妹「そ、そうか。なんか複雑だが頑張ってみるか」
エ「んじゃ、始めるとしますか」
~~妹紅~~
私の名は藤原妹紅。
今ではかなり有名話になっている「竹取物語」に登場する藤原家の娘であり、輝夜を憎むあまり不老不死の力を得ることが出来る「蓬莱の薬」を飲んだものだ。
最近では、よく人里に来ることが多くて慧音が教鞭をやっている寺子屋で歴史の授業を教えている。と言っても、私の授業も慧音の授業もつまんないことこの上ないから誰も聞いてないんだけどさ。
そんで、授業を終えた私たちはいつものように川白沢慧音と一緒に団子を食べていたのだけど、なんでタイミング悪く妖怪の群れが出てくんのかなぁ。
まだ慧音の団子が20本残ってんのに。あ、言っとくけど、冥界に住むピンクの悪魔は慧音の10倍は食べるぞ。
⋯⋯⋯⋯ま、まぁ、そんなことは置いといて、だ。(あー思い出しただけでも頭痛い)
「この数何なの?」
軽く数百は超える妖怪の大群がいる。基本妖怪っていうのは群れるのを好まずに単体でいるのが多いんだが、種族の違う妖怪たちがこんなにも群れたのは初めて見たよ。
そんなことを考えいるとき、私の隣にボロボロになった慧音がやってくる。
「慧音、大丈夫そうか?」
慧音は逃げ遅れた子供や住民たちを逃がすときに何度か妖怪たちの攻撃を受けていたからか、服のあちこちが焦げていたりボロッとなっていたりした。
「あ、ああ。なんとかな。一応霊夢には紫を通じて伝えてはあるが、霊夢が来るまでどこまで持ちこたえれるかわからん」
慧音は誰が見てもやせ我慢しているように見える感じだ。くそ、頼む。早く来てくれ。このままじゃ、何度でも蘇る私はともかく慧音の体がもたない。今日は満月じゃないから慧音も全力を出せないし。
誰か⋯⋯⋯⋯っ!
『Ready go! エボルテックフィニッシュ! チャオ』
突然機械の声が聞こえたと思った瞬間、何やら見慣れない鎧に身を包んだ奴が宇宙のようなエネルギーを込めた右足で妖怪たちをまとめて吹き飛ばした。何言っているのかわかんないと思うけど、私自身がわかんないんだ。説明なんか無理!
奴は吹き飛んでいった妖怪たちのほうを見ると盛大に溜息を吐く。
『全く⋯⋯⋯⋯こいつの記憶では妖怪ってのは恐ろしいってあったらどんなものかと思えば、この程度とはがっかりだ。まだ俺に立ち向かったやつらのほうがよっぽど強かったぞ』
ぶつぶつと総独り言をはいていたやつはいきなり私たちの方を向く。その動作に私たちは身構えるが、奴は『そう警戒すんなよぉ』と言って腕を組む。
「お前が何者かわからないのに警戒するなっていうのは無理があるぞ」
慧音はそう言ってより一層警戒の域を高める。奴は『それもそうか』と笑った。
『初めまして、だなァ、お二人さん。俺の名はエボルト。またの名を仮面ライダーエボルだ。覚えておいてくれよ?』
そう言って奴は⋯⋯⋯⋯エボルは後ろから襲ってきた妖怪を裏拳で仕留める。
「私たちを助けた目的はなんだ?」
慧音の次に私が問う。私の中ではこれが一番気になっていた。
『目的ィ? んなもんねぇよ。それにお前らを助けるつもりなんざ毛頭ねぇ。そうだな、強いて言うのであれば、この世界における勢力がどれほどのものかを確かめる為って言っておこう』
なんとなくだが、奴の目的はそれだけじゃない気がした。だけど、こいつにはスキマ妖怪と同じ飄々とした感じがする。そう簡単には答えてくれないだろう。
『さぁて、ここいらの勢力がどんなものかある程度は分かったし、俺はこの辺で⋯⋯⋯⋯』
霊符「夢想封印」
エボルの話を遮るような感じで、エボルの後ろからいくつもの色とりどりの弾幕が飛んでくる。エボルは腰についているベルトのレバーを勢い良く回すと右足にエネルギーを溜める。
『Ready go! エボルテックフィニッシュ! チャオ』
その右足に溜めたエネルギーを後ろ回し蹴りで弾幕にぶつける。すると、エネルギーの爆発が発生し、あたりに煙が充満する。
煙はすぐに晴れ、見てみれば赤と白の巫女装束に身を包んだ幻想郷の素敵な楽園の巫女⋯⋯⋯⋯激怒した表情で博麗霊夢がいた。
次回に続く
エ「どうだったかなぁ読者の諸君?」
妹「これ、私の目線でやった意味あったのか?」
エ「んなもん作者に聞けよ」
妹「それもそうなんだが、作者は今忙しいらしくて」
エ「ハッ! どうせ家の手伝いとかそんなところだろ。んなもんはなぁ、忙しいのうちに入らねぇんだよ」
戦「エボルトがまともなこと言ってるぞ万丈」
万「いやなんでエボルト生きてんだよ!! 誰か説明してくれよ」
戦「知らないよそんなの。それに馬鹿に説明しても理解出来ないでしょ」
万「バカってなんだよバカって! せめて筋肉かプロティンつけろ」
妹「そんなのでいいのか⋯⋯⋯⋯」
エ「あー妹紅。この二人の会話はいつもの事だ。気にしてたら頭痛くなるぞ」
戦「俺にもわかんないことがお前にわかるはずないでしょうが。いい加減理解してくれよ」
万「お前もわかんねぇならバカじゃねーかよ」
戦「俺は天才ですしぃ? お前と比べたら天と地以上の差がありますしぃ?」
エ「あーもう面倒くせぇなこいつら!?」
妹「もうやだこの二人⋯⋯⋯⋯」
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博麗の巫女
霊「幻想郷の素敵な楽園の巫女博麗霊夢よ」
魔「幻想郷のナンバーツーである普通の魔法使い霧雨魔理沙だぜ」
エ「魔法使いに普通の奴がいんのかよ?」
魔「いいんだよ! 東方シリーズでは私の二つ名はずっとこれなんだから」
エ「自称とかではなくて?」
魔「しつけぇなお前! マスタースパーク撃つぞ」
霊「やめなさいよこんなところで。今日は私たちの目線で始まるのよ?」
魔「そうだったな」
エ「まっ、そういうわけだ。いまから始まるぜ?」
霊・魔「「ゆっくりしていってね!」」
エ「⋯⋯⋯⋯それいんのかよ」
~~魔理沙~~
前に零夜に頼んであったアオキノコと薬草がようやく届いた。
零夜は人里でも特に珍しい能力持ちだった。確か「素材を作り出す程度の能力」だったっけ。作り出すといっても、何もないところから素材を作るんじゃなくて、それを作るための媒体となるものが一つ必要となる。例えば、木の杖を作ろうと思えば木材がいるし、ナイフを作りたければ鉄もしくは銀が必要となる。簡単な話がドラ〇エに出てくる錬金みたいなもんだな。
前に「杖もナイフも素材じゃないだろ」って言ったら
「ボクにとっては杖もナイフも核爆弾も素材の部類に入るよ」
って爽やかな笑みで言ってた。核爆弾は絶対違うと思うけど。そんなもん作ったら青筋浮かべた紫来るぞ。
「ふぅ、なんとか回復薬が作れたな。何回か失敗したし。でも後は前妖夢に貰った蜂蜜を合成させて回復薬グレートにするだけだぜ」
実際素材の調合というのはかなり難しい。早苗曰く「外の世界では素材の調合をするために調合士になるか調合検定委3級を取らないといけない」らしい。
零夜は確か準一級持ってんだっけ。
「ま、いっか。今は取り敢えず霊夢の所でも行くか」
長時間調合していたためか、肩の筋肉が凝ってしまっている。特に凝った右肩を回して黒帽子を被った私は、箒を持って外に出る。
霊夢はこの時間起きているはずだから、なんか適当に世間話でもしようかな。
そう思いながら、箒に跨って博麗神社に向かった。
~~博麗神社~~
博麗神社に着くと霊夢に早苗、そして妖夢がいた。
私はみんなに「よっ」と声をかけると地面に着地する。
「あら魔理沙じゃない。どうしたのよ?」
あまり表情が表に出てこない霊夢は、私を見るなりお茶を出してくれる。
くぅ~ホンっと優しい奴だよなー霊夢って。
「回復薬の調合がある程度いったから、ちょっと休憩に」
「はぁ⋯⋯⋯⋯ここは憩いの場じゃないんだけどね」
そう言って苦笑いを浮かべる霊夢。
昔は全く感情を表に出さなかった霊夢は、数々の異変を解決し様々な人や妖怪たちと関わって表情を出すようになっていった。
いつまでもこんな幸せな時間が続けばいいのに。そうずっと思っていた。
~~博麗霊夢~~
最近妖怪が゛群れで行動するようになってから一週間が経った。
様々な所を襲っているらしく妖怪の山に守屋神社に冥界、ちょっと前には紅魔館まで。
戦ったレミリアに聞いたけど、妖怪たちを指揮していた存在がいるらしい。
半分にしたような球体に乗り、白い体を持った物凄い威圧感を持つ人物。上品な感じで口元に手を添えて「おっほっほっほっほっほ」と笑っていたらしいわね。
なんか腹が立つ笑い方だけど。
今更だけど、紅魔館を襲った妖怪の撃退でレミリアの撃退した数に負けたからって、紅魔館の半分を破壊するフランもフランで結構やばいんじゃないかしら? その時は零夜と魔理沙がフランをなだめたみたいだけど。咲夜一日で紅魔館修復お疲れさま。
まぁ、そういったことがここんとこ多いから私も警戒しないとね。私に限って負けることは絶対にないけど、それでもその時の運もあるし。妖怪の大群については私の感もあんまり働かいないし。
今日やってきた庭師に「博麗神社に襲うためのものが無いのでは?」って聞かれたときは笑顔で夢想封印をお見舞いしてあげた。
えっ? 今何やってるかって?
「霊夢、悪いんだが醤油取ってくれないか?」
「それぐらい自分で取んなよ」
神社に居候中の萃香と遊びにやってきた魔理沙との三人で晩御飯中よ。
萃香は何故か魔理沙に対してだけはあたりが強い。以前魔理の心が病んで幻想郷を危険にさらしたことがあったけど、それは機会があれば語ろうかしらね。
誰に語るつもりなのかしら私は。
「そういえば、あれから霖之助さんとはうまくいっているの?」
「ぜんっぜんだぜ」
魔理沙は小さいころから霖之助さんに恋心を抱いていて、魔理沙が異変を起こす前に霖之助さんに告白したらしいけど、あっけなく振られたらしい。霖之助さんは人間と妖怪(何の妖怪かは知らない)のハーフで、噂では幻想郷を作った紫と同い年って言われている。でも、見た目が20歳前後の好青年だから人里で女性から告白されることもあるみたい。
もっとも、魔理沙が振られたのはまだ10代というのが関係しているんだけど。
「その恋が実るといいわね」
「ありがとな霊夢」
魔理沙が満面の笑顔で笑う。その笑顔に私も思わずフッと笑みをこぼす。
その時、私の隣に突如スキマが開いて紫が現れた。
「霊夢。人里で妖怪の大群が暴れているわ」
「⋯⋯⋯⋯っ!」
その一言で私は立ち上がって神社を飛び出す。
なるべく紫のスキマは使わない。アイツは最近結界とかで忙しいから。
神社を飛び出す前に魔理沙が「がんばれよ」言う。私は無言でうなずいた。
~~人里~~
私が人里に着いた時、突然数体の妖怪が飛んできた。
私を襲ってきたというよりは何かによって飛ばされた、というのが正しいかしら。
私は飛んできたほうを見る。
そこには赤を基調とした禍々しい雰囲気を出す鎧の男がいた。後ろにはボロボロになって怪我をした慧音と服のあちらこちらが焼け焦げている妹紅がいた。
奴は二人に振り向いて何かを話している。二人もかなり警戒している。
「あの二人には借りがあるし、アイツもなんだかほっといたら面倒な気がするし⋯⋯⋯⋯あーもう、面倒くさい! 退治しちゃえばいいのよそんなの」
そう言って私は後ろを向いているアイツに向かって
霊符「夢想封印」
私のお馴染みであり最強の技を繰り出した。
でも、
『Ready go! エボルテックフィニッシュ! チャオ』
私の技を足に込めた何かのエネルギーで後ろ回し蹴りをした。その瞬間、エネルギー同士のぶつかり合いにより爆発が起きる。私の地面に降り立ち、煙が晴れるのを待つ。
私の技がこの幻想郷でいかに強かろうが、一発で倒せるほど己惚れているわけではない。
その証拠としてアイツの鎧には傷一つない状態で煙の中から出てきた。
次回に続く
エ「さぁて、これを読んでくれた読者の諸君。今回の話はどうだったかなぁ?」
霊「今回は私たちが人里を襲撃した妖怪たちを知る前の話ね」
魔「みたいだな。というか、意外妖怪たちの大群はいろんな場所襲ってんだな」
エ「俺的には、霊夢の話に出てきた上品な奴に心当たりがあるんだが⋯⋯⋯⋯あいつって某龍玉野菜人の話に出てくるあいつだろう?」
魔「それかなりのヒントだからな?」
霊「だったら私のも大ヒントになるわね」
エ「とりあえず、次回をお楽しみにな」
もしこの作品に関する質問などがありましたら、感想にてお書きください。できる限りお答えさせていただきます。
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博麗神社とスキマの妖怪
作「ホントですねー」
エ「なかなか面白いことになってきたじゃないか。UAも500を超えあがって、生意気だぞ駄作者」
作「なかなか辛辣なお言葉ですねー」
『ふぅ~。ずいぶんと過激なプレゼントだなぁ、んん?』
いきなり後ろから弾幕が飛んできたから咄嗟にエボルテックフィニッシュを放ったものの、さすがのこの俺もあれに対して対抗なしで喰らったら無傷では済まなかっただろうな。
腕組みをして俺を睨みつける少女⋯⋯⋯⋯博麗霊夢を見る。
赤の大きなリボン、脇の見える赤白の巫女服、油断も隙もない態度、数々の激戦を繰り広げてきたかのような面構えに雰囲気。
なるほどなぁ。奴が幻想郷最強と言われている博麗霊夢か。こりゃあ一筋縄ではいかなそうだ。
ん? なんで幻想郷に来たばかりの俺が霊夢について知っているかって? 神崎零夜の記憶を見たんだよ。
忘れているかもしれねぇが、俺はこの世界に来て神崎零夜という少年の体に憑依している。その際にこいつから幻想郷に関する記憶をある程度見ていたのさ。
だがまぁ、まさかいきなり攻撃されるとは思っていなかったがなぁ。
「アンタが誰でどんな目的でここにいるのかなんてどうでもいい。ただ怪しいから退治するだけよ」
『そんな理由で退治する巫女ってかなりの理不尽者じゃねーのか?』
やれやれというかのような態度に霊夢の眉がぴくっと動くが、さすがは幻想郷最強とでもいうべきか。これぐらいの挑発には乗らなかった。
『悪いが、今日の所は相手してやる気が無くてな。今度たっぷりと遊んでやるよ』
そう言ってトランスチームガンを取り出した俺は、毎度のごとくビルドたちの前から消えるのと同じやり方でその場から姿を消した。
「待ちなさいよ!」
消える際に巫女の怒鳴り声が聞こえたが、無視でいいだろう。
~~次の日~~
仮面ライダーエボルではなく神崎零夜として博麗神社に来た。
なぜかって? 昨日、人間の姿に戻った俺が人里にある俺の部屋(エボルトのではなく宿主の零夜の)に一枚の手紙が置かれていたからだ。
手紙の内容はこうだ。
『私はあなたの事を知っているわ。知りたいのなら博麗神社に来なさい』
そう書かれていた。別に俺のことがばれることについてはどうだっていいが。
そんなこんなで博麗神社に来ていた俺は、エボルドライバーをいつでも出せるようにしつつ不敵な笑みを浮かべる。
「何がそんなに面白いのかしら?」
突然隣からそんな声がかかるが、特に驚くこともなく隣を見る。
「おいおい。記憶を見たから知ってはいたが、本当に空間を移動するようだなぁ。こりゃたまげたぜ」
「そういう割には全く驚いているようには見えませんが?」
「まぁな。俺がいた場所では瞬間移動の類は別珍しくもないしな」
そう言ってにやりと笑った俺は、実際に隣に現れた女ーー八雲紫(記憶から推定)の後ろに現れる。
「あら、神崎零夜の口調でいかなくていいのかしら?」
「どっちみちばれてんだから無駄だ。だったら、潔く素手いく方がいいだろう?」
「それもそうね」
扇子で口元を隠した紫に多少の警戒はしつつ、今後の事を考える。
場合によってはこの幻想郷を消滅させるかもしれないが。ま、こんな面白そうな世界を簡単に壊してしまうのがちと味気ない気もするがな。どうせなら楽しんでから壊すのがいい。
ま、そうやって楽しんでいたから生前はビルドに負けて消滅することになったんだが。
「今日貴方を呼んだのは、幻想郷についての説明と「それは記憶見たからいい」⋯⋯⋯⋯私からのちょっとした忠告よ」
言葉の最中で俺に遮られて多少不機嫌な表情をするが、それでも流石大妖怪というべきか、表情をほとんど動かすことなく俺を見据える。
「彼の記憶を見たなら知っていると思うけど、私はこの幻想郷を創った創始者である八雲紫。私はこのスキマを使って外の世界をのぞいている時かあるわ。その時偶然にも貴方たちの戦いを見たの。だからこそ、この幻想郷の住人の中で誰よりも貴方の力とその力の脅威さも知っている」
「ほう?」
「だからこそ忠告するわ。今この幻想郷に囚われこの世界で生きていくしかないあなたに。もし幻想郷を危険にさらしたらただじゃ置かないわよ。それとこの世界で生きていくなら、貴方が憑依している神崎零夜の真似するといいわ。彼は誰からも愛されるような人間だから、生きていくのに不自由はないと思うわよ?」
そう言ってスキマを開いた紫はその中に消えていった。
(別に最悪この世界を消滅させるかもしれないだけで、しばらくはやらねーよ。戦兎との戦いで人間がどういう者なのか多少は知っているつもりだ)
だが、紫が言うようにこの世界で生きていくしかない俺は、しばらく神崎零夜として生活した方がいいかもな。
「あら? 零夜じゃない。何しているの?」
後ろから声を掛けられて振り向くと、そこには昨日会った脇巫女がいた。あれ。寒くねーのか?
「あ、あー。霊夢さん、ちょっと博麗神社に用事ありまして、もう終わったので帰りますね」
霊夢の横を通って階段に足をかける。だが、俺の経験が言っている。どんな時もそう簡単にはいかないってな。
背中に迫ってきた弾幕を紙一重で躱した俺は、いきなり弾幕を放ってきた霊夢を睨む。さすがの俺もそう簡単にはゲームオーバーにはなりたくはねぇ。
「いきなり何をするのですか?あれ殺すつもりでやりましたよね?」
「いつまで神崎零夜の仮面をかぶっているつもりかしら? 貴方が昨日の仮面ライダーであることは勘で知っているわ」
ありゃ? 勘ってなんだけ?
「いつもだったらすぐ退治するんだけど、貴方には選択肢をあげるわ。私に今すぐ退治されるか、それとも戦って退治されるか」
選択肢ってなんだっけ?
「それは選択肢って言わないんだが、知ってるか?」
「ええ、知っているわ。でも、幻想郷の素敵な楽園の巫女直々に退治するのよ? 誇りに思っていいわ」
だめだこいつ。
「はぁ、めんどっちぃが、仕方ねぇか」
そう言ってエボルドライバーを取り出し、腰につける。コブラエボルボトルとライダーエボルボトルをドライバーにセットしレバーを回す。
すぐさま仮面ライダーエボルに変身した俺は、弾幕を放ってきた霊夢に向かってトランスチームガンで撃つ。だが、さすがは巫女の勘。一発も当たらない。
『お前⋯⋯⋯⋯ホントに人間かよ』
「ええ、間違えなく人間よ。ただ、ちょっと普通の人間よりも強いだけ」
『それは人間やめてるっていうんだが、もちろん知っているよな?』
知らないわ、と言ってサマーソルトキックを繰り出した霊夢に、後ろに跳ぶことで回避する。
こりゃあ、一筋縄ではいかなそうだな。
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