アイアンメイデンは「ぎゅっ」てしたい (微 不利袖)
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1、霊夢をぎゅっ

思い付いたら書く性分。それでは、ゆっくり読んでいってね...なんてね


 

 

アイアンメイデン、別名、鉄の処女。起源は中世ヨーロッパとされ、主に刑罰や拷問に用いられた拷問器具。

 

若さを求めたある夫人が、村の処女の血を搾り取る為に作った、とされる逸話も遺されているんだとか...

 

少し話が逸れるが、皆さんは付喪神を知っているだろうか。元来、道具には八百万の神が宿るとされ、付喪神とはソレが悪い方向へと昇華してしまった者...いや、物の成れの果て。

 

性質としては、神というよりも妖怪に近しい存在になるという...

 

元より、誰かを閉じ込めるという役目を果たしてきたアイアンメイデン。しかし今回、少しばかり妙な方向に昇華してしまったようで...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...可愛い娘をぎゅってしたい!」

 

 

 

 

これはとある付喪神の欲望を描いたおはなし...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ...こんなもんかしらね」

 

 

一通り掃除が終わり一息吐く。綺麗さっぱり落ち葉の無くなった境内を見渡し...少しばかり虚しさを感じる。どうせ掃除なんてしても参拝客が来る訳でもなく、足を運ぶのは非常識人と魑魅魍魎。やんなっちゃうわね...

 

乱雑に箒を放り投げ、いつものようにお茶でも飲もうかしら...なんて考えるも、淹れるのが面倒ね、と結論が出てしまう。ひとまずは縁側に座って、うたた寝でもしようかしら。

 

私はよいしょっ、といつものように膝の上へと腰を降ろ...ん?膝?......ってあ?!しまっ

 

 

「つーかまーえたっ!ぎゅーっ!」

 

「ちょ?!アンタまた、って離しなさいよ!」

 

「むふー...くんくん」

 

「バッ?!ちょ、くすぐったいって!やめっ...もぅ」

 

「んー、良い匂いです。石鹸変えました?」

 

 

私はコイツの膝の上、後ろから抱きつかれながら、終いにはうなじの匂いまで嗅がれ...もう、いいや。こうなるとしばらくは動けないし、厄日ね今日は。ウチの神社ご利益無いのかしら...?

 

 

「はぁ...アンタも飽きないわね、ホントに」

 

「んふふ~、霊夢ちゃんが可愛いのがいけないんですよー」

 

 

黒い洋服、ロングスカートに身を包み、黒髪を肩の辺りまで伸ばしたソイツは悪びれもせず、そんな身体がむず痒くなるような台詞を吐いた。

 

あの異変の後、ちょくちょく神社に遊びに来るようになり、隙あらば抱き付いてくるのだ。誰彼構わず、人目も憚らず...

 

 

「んー...今日は魔理沙ちゃんは来ないんですかねぇ」

 

「アンタホントに誰でも良い訳?タチ悪いわよ...」

 

「あー!そんな人のこと尻軽みたいにー、可愛い娘だけですよ」

 

 

...滅してやろうかしらコイツ。とは言え、家事手伝ってくれたり、宴会の後片付けしてくれたりと、悪いヤツではないんだけれど...

 

 

「ん...ふあぁ...んぅ」

 

「んー?眠くなっちゃいましたか?」

 

 

一仕事終えて、時間も良い塩梅となり、日の光も心地よく欠伸が出てしまった。...それに、少し暖かい。

 

 

「良いですよ?寝ちゃっても」

 

「...ん」

 

 

甘い誘惑ともとれる言葉に成す術なく、私は意識を手放した...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...眠っちゃいましたか」

 

 

私の腕の中で、少女はすぅすぅと可愛らしい寝息をたて微睡んでいる。華奢な身体は、少し力を込めると今にも砕けてしまいそうな...そんな儚さを感じてしまう。

 

昔の記憶。私がまだ道具だったころの記憶。私が抱きとめた人たちの苦悶の叫び、溢れ出る鉄の生臭い匂い...全てが残忍で、可哀想で...悲しかった。

 

私は目を閉じている少女の頭にそっと手を乗せる。うん、暖かい。冷たく、ない...それだけで救われる。手入れの行き届いた綺麗な黒髪...よしよしと、撫でる。

 

 

「...んぅ」

 

「おっと...ふふっ」

 

 

少しばかりこそばゆかったのか、くぐもった声が漏れる。膝の上で寝返りをうつような、そんな行為も私に捕らわれている今は、少し身体をくねらせる程度に留まる。

 

まあ、暗めな話はこの辺で...それにしても可愛いなぁ、霊夢ちゃん。仲良くなれてホントに良かった。あと、身長高くて良かったー...身長差万歳よホントに。くんかくんか

 

今までは可愛い娘抱っこしても、ぐさー、いやー!...終わり、だったのに...この身体になれて良かった。神様ありがとう、いやマジで。ふにふに...いや、流石に胸は触らんよ?常識は最低限ある、お手て柔っこいなぁ...ふにふに

 

 

「んふふー、起きるまでは堪能させて貰おうかな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

改めまして...これは残念系お姉さんアイアンメイデン付喪神が、幻想郷の可愛い娘たちを、ぎゅっ、てするおはなしである

 

 




ここまで読んでくださって感謝です。それでは、また


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2、魔理沙をぎゅっ

第2話です...それでは、ゆっくり読んでいってね...なんてね


 

 

からんからん

 

 

「ん、いらっしゃ...なんだ、君か」

 

「お邪魔しますよ、モリチカ」

 

 

拾い集めた外界からの道具たちをのんびりと眺めていた昼下がり。滅多に鳴らないドアベルが久しく音を鳴らし来客を伝える。...が、訪れたのは見知った顔。今回もお客さんではないようで...

 

 

「...まだ来ていないよ、まあそろそろ来る頃だろうけど」

 

「ふふん、心配ご無用。私のタイムテーブルは完璧ですよ、さてさて...」

 

 

お目当てはここの商品ではなく、ここに良く顔を出す知り合いの魔法使い。どうやらここに来る時間も把握しているようで...良くやるよホントに。手口は基本的に不意討ちらしく、今日は扉の脇にしゃがみこんでいる。

 

ふと窓の外を見ると...うわぁ、ホントに分かってるのか、流石に気持ち悪いな。件の魔法使い...魔理沙の姿が見えた。今日も店が騒がしくなりそうだ...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鬱蒼と生える木々の合間を抜け、私は目的の場所へと降り立つ。おっとと...今日は鉄屑やらで飛ぶのも一苦労だ。...さて

 

 

「...今日は居ないみたいだな、ったく」

 

 

一通り店の周りを見回し、ヤツが居ないことを確認する。よし、大丈夫そうだ。前は店の陰から突然だったが、不意討ち以外なら対処はできる。

 

売り払う鉄屑を詰めた袋を担ぎ、満を持して扉を押し開ける。聞き慣れたドアベルが私の入店を歓迎しているようだ。

 

 

「よっ、香霖。今日は持って来てやったぞ」

 

「...すまん、魔理沙」

 

「は?」

 

 

気さくな挨拶に対して一拍おいて飛び出してきた謝罪の言葉に、間の抜けた声で返してしまう。え?なんか悪いことした覚えはあるが、された覚えはないぞ。

 

刹那、後ろから違和感と殺気にも似た嫌な感じ。否、私は知っている、この感じを。謝られた意味を理解し、身体が反応する前にその嫌な予感が現実のものになった。

 

 

「そおい!捕まえましたー!むぎゅー!」

 

「っなあ?!お前、なんで店ん中に!?」

 

「モリチカ、そこの椅子借りますねー、よいしょっと!」

 

「ぐえっ、ってか香霖お前、知ってただろ!?」

 

 

ぐあっ、と懸念していたヤツが扉の陰から突如として襲い掛かって来た。拘束され店内の椅子に座るまで、おおよそ0コンマ2。どうやら入店した時点で私はヤツの掌の上...いや、膝の上ってか、たくよぉ...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は膝の上にモノクロ魔法使いの少女を載っけて恍惚に浸っている。あー、可愛い。金髪少女さいこー。すりすり

 

今はこのお店、香霖堂の店主であるモリチカも交えて、楽しく雑談中である。んふー、すべすべやんなー...すーりすり

 

 

「...おーい、聞いてんのかよお前。あとそろそろ離せ」

 

「んー?なんのお話でしたっけ...あ、やです」

 

「ちぇっ...だから、なんで香霖と知り合いなんだって話だよ」

 

 

あー、なるほど。そういえば魔理沙ちゃんには話していなかったっけ。というか、覚えてたりしてくれてるのかなぁ...。

 

 

「んー...まぁ、保護者?みたいなものですかね、ねー、モリチカ」

 

「...は?どういうことだよ、おい、香霖」

 

「まあ、あながち間違ってないけど...」

 

 

目まで白黒させて、私とモリチカを交互に見ながら、頭にはハテナマークが浮かんでいるようだ。なんかの小動物みたい......撫でちゃお。

 

 

「順序立てて説明しようか...魔理沙は付喪神は知ってるかい?」

 

「んー、なんか道具には神様がいるだとかなんとか...」

 

「それが私ですね、はい」

 

「...いや、なんでそれで保護者になんだよ」

 

「彼女は元々僕の店で取り扱ってた商品の一つだったんだよ」

 

「...は?」

 

 

モリチカがそう話してくれる。そ、元々はここに陳列されてたんですよねー、私。あ、あのお隣さんは売れちゃったみたいですね。覚えてるなー、割と。

 

 

「なんなら、魔理沙ちゃんが持って来た鉄屑の中に私いたんですよ?うりうり」

 

「やめろお前!...ってそうだったのか。覚えてないな」

 

 

頬っぺたを突っつきながらそう話す。まぁ、覚えてなくてもしょうがないかな、かなり姿も変わっちゃったし。ぷにぷに

 

 

「最初に彼女を見た時は驚いたよ。なにせ......いや、この話は止めようか」

 

「ん、なんだよ香霖。そう言われると気になるぜ」

 

「んー?構いませんよ、モリチカ。私の用途の話でしょう?」

 

 

モリチカの能力は見た道具の名前と用途が分かる、というものらしい。まあ、確かに私を見たらビックリしますよねぇ...さすさす

 

 

「私は元々、人を刺して、苦しめて、殺して...そんな道具だったんです」

 

「へ...?それってどういう...」

 

「モリチカ。説明、お願いしても良いですか?」

 

「...彼女はね」

 

 

そう、モリチカは私の昔話を思い口を開き、どこか寂しそうに語ってくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうだったのか...お前、色々辛かったんだな」

 

「んーん、良いんですよ。今はとっても幸せですから」

 

 

少しばかり身体を抱き締める力が強くなった気がする。自分の意思に関係無く、 そんなことを強いられてきたというコイツの顔はどこか、悲しそうだった。

 

 

「こうやって、誰かをぎゅって、できるだけで幸せです...」

 

「お前...」

 

「...くんくん、石鹸変えました?」

 

「私の感動と同情を返せコラ」

 

 

...まあ、今くらいは良いか。私は観念してコイツに身体を預け、束の間のおしゃべりを楽しむことにした

 

 

 




ホントにこれだけの内容ですね。それではまた


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3、妖夢をぎゅっ

割とどこからでも読めるように書いて行く所存ゆえに...それでは、ゆっくり読んでいってね...なんてね


 

 

「えーっと、あれも買った...それも買った、と」

 

 

お買い物用に書いておいたメモを見返し、書いてあるものが今手元にあるか、一通り確認をしていく。...うん、全部揃ってる。

 

私は今、お夕飯の材料やら幽々子様のおやつやらを買いに人里まで足を運んでいる。野菜にお肉にお饅頭、とほとんどがお腹の中へと消えていくモノたち...まぁ、買い出しってそういうものですもんね。

 

空を見上げる。おてんと様はてっぺんを少し通りすぎたところ。所謂おやつの時間ですね...今日の分はまだ残ってた筈、うん。幽々子様は今頃、お気に入りのお饅頭を口に詰め込んでいるだろう...想像に易い。

 

さて、夕方まで時間があるとは言え、早く帰るに越したことはない。さてさて、今日の献立はどうしようかなぁ...

 

 

「美味しいあんみつ、いかがっすか~」

 

 

きゅるるるぅ~

 

 

......なんでこんなところばっかり主に似てしまうんだろうか...ぐすん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわぁ...凄い、いっぱいいるなぁ」

 

 

日々鍛練を積んではいるものの、腹の虫に勝つことは出来ず声のする方へ歩みを進めると、大盛況の甘味処が見えて来た。見たところ、どの席も埋まりに埋まっているらしく、満員御礼と言ったところだろうか。これじゃあ食べられないかなぁ...。

 

 

「あ、妖夢ちゃん。久しぶりー、やっほー!」

 

「へ?...あ、貴女は...」

 

 

しょんぼりしている中で、お店から聞き覚えのある声が私の名前を呼ぶのが聞こえた。この方は、この前の宴会でお世話になった...ひとまずは挨拶を返しておく。

 

 

「妖夢ちゃんもあんみつ食べに来たのー?美味しいよ!」

 

「はい、そうなんですけど...」

 

「んー?...あっ、そういうこと...」

 

 

手元には目当てのあんみつが...しかし周りは席が空いておらず、どうしたらいいのか...。んー...また日を改めましょうか、ちょっと名残惜しいケド...。

 

 

「じゃ、一緒に座る?」

 

「へ?」

 

 

自身の膝の上をぽんぽんと叩きながらそう言われ、間抜けな声で返してしまう。いや、でも流石にこんな人の大勢いるような中でそんな

 

 

ぐぎゅるるるぅ~

 

 

「!...んふふー、遠慮しなくて良いよ?」

 

「.....はいぃ...///」

 

 

多分だけど、周りに漂う半霊もほんのり赤くなっていただろう...うぅ...///

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おやっさんに妖夢ちゃんの分のあんみつを追加してもらって、のんびりと待つ。いやぁ、ラッキーだったなぁ...妖夢ちゃんが偶然、偶然通りがかるなんてなぁ...あー、偶然偶然。

 

 

「はいよ!あんみつお待ちどうさん!」

 

「あ、ありがとうございます...」

 

 

待ちわびた、みたいなキラキラしたおめめで器を受け取る妖夢ちゃんは...もう、ね。優勝よ優勝、異論は認めん。ちなみに私はもう食べ終わり、両手で腰周りをがっちりホールドしている。

 

んー、それにしてもこの綺麗な髪よ。透き通ったような白、勿論さらっさらよ。皆どんな石鹸使ってるんだろう...くんかくんか

 

 

「んふふー、どうです?美味しいですか?」

 

「ふぁい!ほいふぃへひゅ!」

 

 

グッハァ?!は?可愛いか?可愛すぎんか?おいコラ次またおんなじことやってみろ?有無を言わさず結婚だかんな?あぁん?

 

...失礼、少し興奮しすぎましたね。平常心平常心...すーはーすーはー、くんかくんか

 

 

「良かったです。ささっ、ここはおねーさんの奢りですから、好きなだけ食べちゃってくださいな」

 

「へ?そ、そんな...流石に悪いですよ、それに」

 

「はい、あーん」

 

「え?あ、あーん...むぐ、んくっ」

 

「美味しいですか?」

 

「...はい、美味しいです///」

 

 

観念しましたね?んふふー、さらっとあーんまでできちゃって、もうお腹いっぱいですねー。

 

 

「なら良かった。ほらほら、まだまだありますよー?あーん」

 

「ちょ、自分で食べられますからっ...て、あ、あーん...むぐぅ///」

 

「ふふーん、素直に奢られちゃってくださいな」

 

 

器が空っぽになるまでそのやり取りは続いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、ありがとうございました...奢ってもらったり、なにからなにまで...」

 

「んふふー、良いよ。また一緒に食べよ?」

 

「は、はい。それじゃあ、また...」

 

「ん、ばいばーい!」

 

 

再三お礼なんて良いよ、というやり取りもありながら、そう言い、妖夢ちゃんとは別れた。ふー、お腹いっぱいだー。色んな意味で。さてと、お会計お会計、と。

 

 

「おやっさーん!モリチカにツケで!」

 

「あいよー」

 

 

 




楽しいね、うん。それでは、また


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4、大妖精をぎゅっ

それでは、ゆっくり読んでいってね...なんてね


 

「あっははー!捕まえてみろー!」

 

「待て待てー!」

 

「あー、そっち行ったぞー!」

 

「今日こそ逃がすなー!」

 

「ふふっ、今日も元気だなぁ...」

 

 

寺子屋の縁側に座ってそんなことを呟く。今はお昼休みで、チルノちゃんとここに通っている子供の皆で追いかけっこをして遊んでいるところみたいです。

 

...私、ですか?...んー、あんまり体を動かすのは得意じゃなくて...それでも、皆が楽しんでるのを見てるだけでもすっごく楽しいです。

 

 

「そうだねぇ。私も、もう少し若ければ混ざるんですケド...」

 

「そうですか?まだまだいけそうですけど...」

 

「...大ちゃんは良い子だねぇ、良いお嫁さんになるよ」

 

「へ?!いや、そんな...わふっ?!んぅ...」

 

 

突然のお嫁さん、という単語に驚いてしまうも、反論する前に頭を撫でられてしまい言葉に詰まる。この方はよく寺子屋にやって来て、慧音さんのお手伝いをしている人...じゃなくて神様らしいです。お勉強も分かりやすくて慧音さんも信頼を置いているそうで...

 

 

「まだまだ子供なんだから、今の内に遊んでおいた方が良いと思うけどねぇ...」

 

「そ、そんな子供扱いしないでください!...うにゅう」

 

「私からしたら、みーんな子供みたいなものだよ、ほれ」

 

 

そんなことを言いながら、撫でる手は頭からほっぺた、顎の辺りまで下がってくる。ひとしきり撫で終えると、次はご自身の膝をぽんぽん、と叩く。......こ、これは別に私がやりたいとかそう言うんじゃ...むぅ///

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大ちゃんはあったかいですね...」

 

「...そ、そうなんですか?」

 

 

ここは縁側in寺子屋。衣服ごしに伝わってくる体温を全身で感じつつ、私は大妖精、もとい大ちゃんを堪能している真っ只中です。ぽかぽかやで、ホント

 

髪はキレイな緑色、自然由来の妖精は伊達ではなく、深緑をそのまま落とし込んだような色。はー、可愛いわぁ。しかもサイドテールとかもう......反則よ、レッドカード一発退場よホントにありがとうございます。

 

まあ、良い匂いに決まってますわなそりゃあ。あれだわ、香水、香水にしたい。そんで毎日ふりたい。くんかくんかすーはー

 

 

「あ、あの...」

 

「んー、どうかした?」

 

「どうして、寺子屋で先生を?...」

 

 

...まあ、あれなんですけどね、理由。......いや、そんな可愛い少女やらショタやら妖怪やら妖精がいて合法的に撫でたり抱っこできたりとか好き放題できる場所なんてもうヘヴンよヘヴン、ここにお墓建てます。

 

 

「子供が笑ってるの、好きなんですよ。昔は泣いたり叫んだりしか、見聞き出来なかったから...」

 

「あ...そう、でしたね......ごめんなさい、こんな」

 

「良いよ...ほら、私は大ちゃんにも笑って欲しいなー、なんて」

 

 

何重にも厳重にオブラートに包みまくって出たのがその文言。いやぁ、言葉選び完璧やんな、うん。暗い顔させちゃったのは失敗だけどね...ごめんね大ちゃん。

 

 

「!......はい!」

 

「ん、百点満点!はなまるもあげちゃおう!」

 

 

はー、天使。浄化しそう、いやしたわこれ、したした。やっぱヘヴンじゃん、あ、お墓は洋式でお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん...ああ、ここに居たのか。すまないが、午後からの授業なんだが...」

 

「ん、しーっ。けーね」

 

「ん?...おっと、すまないな。また後にするよ」

 

 

少し要件があり、彼女を探していると縁側の方に座っている背中が見えた。声を掛けると、途中で言葉を遮られる。どうかしたのか、と覗き込むと...

 

 

「すぅ...すぅ...」

 

「ふふっ...ありがとね、けーね」

 

 

寝息を立てる大妖精の姿があった。まったく、人の膝の上だと言うのに、ぐっすりと寝ていることだな。まあ、この陽気だと仕方ないか...

 

...いや、羨ましいとか思ってなんか無いからな。...ホントだぞ!まったく...

 

 

 




この子ぎゅっ、てして欲しい、ってリクエストとかありましたら活動報告の方までお願いします。皆の好みとか聞きたいしね。それでは、また


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5、鈴仙をぎゅっ

リクエストありがとうございやす。貰ったもので、あ、これならするする書けそうやんな、ってなったモノからのんびり書かせていただきます。今回は鈴仙ですね、それでは、ゆっくり読んでいってね...なんてね


 

 

「ふぅ...今日も大変だったなぁ」

 

 

高く、空を覆い尽くすほどに鬱蒼とその身を伸ばす竹の群衆、もとい私の住む迷いの竹林のいつもの帰り道を進みながら、そう独り言を呟く。

 

今日はウチ特製のお薬を売りに人里まで向かっていて、今は帰宅の最中です。人里の方々は皆さんとっても優しくて、こんな私でもすんなりと受け入れてくれました...まぁウチのお薬が良く効くから、というのもありそうですが。

 

お薬に関しても、お師匠様から教わった調合方法を自分なりに昇華してみたり、一から配合を考えてみたりと、毎日頑張っています。

 

 

「...れ......い......かー...」

 

「?今何か聞こえたような...」

 

 

いつも通りに帰路を踏みしめていると、どこからかか細い声が聞こえた気がした。んー、また誰かが迷い込んだのかな?

 

ここ、迷いの竹林には時折、外来人の方や人里の方が迷い込んでしまうことが多々ある。だから隠れ住むにはピッタリなんですけどね...少し耳をすませる。

 

 

「...れかー...いま...かー...」

 

「うーん...もう少しかな」

 

 

さっきよりかはっきりと声は聞こえるものの、まだ少し距離があるようですかね...なんだか、聞いたことあるような...?

 

 

「だれかー、いませんかー!」

 

「あれ、この声って...どこですかー!」

 

 

疑念は確信に変わった。どうやら知り合いの方みたいですね...でも声は近いものの、その姿が一向に見当たらない...どこから声が?

 

 

「あっ、鈴仙ちゃん?下だよー、しーたー!」

 

「へ?...あっ、ちょっと待ってて下さいねー!」

 

「助けてー!」

 

 

竹やぶの中目線を落としてみるとそこには、大穴がぽっかりと開いていて、そこから聞いたことのある声がはっきりと聞こえてきた。......あんの悪戯うさぎぃ...!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんなさい!ウチのてゐがこんな...」

 

「んーん、いいよ気にしなくても」

 

 

ふぃー...良かった良かった、あのまま誰も通りかからなかったらここに骨を埋めることになるとこだった...せふせふ。

 

 

「ホントにごめんなさい...そう言えば、どうしてこんなところに...?」

 

「んー...輝夜ちゃんと遊ぼうと思って来たんだけど、如何せんまだ道が覚えらんなくて...そんで、さまよってたら穴にずぼっ、とね」

 

 

んー、ここってどうなってるんだろ。おんなじ場所をぐるぐる回ってるみたいな感覚になるんだよなぁ...わかんないや、うん。まぁ、それはさておき...

 

 

「あ、お願いと言っちゃあれなんだけどさ...」

 

「は、はい...」

 

「お風呂、貸してくんないかな?」

 

 

この泥だらけの身体をなんとかしたいんじゃ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぃー、良いお湯でしたー!」

 

 

鈴仙ちゃんと一緒に入ると思った?残念、ダメでした!...まぁ、鈴仙ちゃん押しに弱そうだから頼めばできそうだけど...流石にえちえちが過ぎる。そーゆーのいけないと思います!私!

 

そんな訳で一人お風呂に浸かって泥やらなんやらを落とした。いや、落とし穴の底に泥水は性格が滲み出てるよてゐちゃんや、可愛いから許すわ。

 

洗面所には既にキレイになった私の洋服が置いてあった。月由来の技術ってすごいやんなー。おら私の生着替えだぞ、喜べよおら

 

しっかりと髪の水気を拭き取り、首にタオルをかける。...あ、あとこれも借りちゃお。洗面所を後にし、お屋敷の中をとことこ歩き回る。まあ、何度か遊びに来ているし、ある程度はお部屋の間取りも分かる。

 

 

「あ、いたいた。鈴仙ちゃーん」

 

「あ、もうお出になられたんですね。湯加減の方は...」

 

「ん、ばっちり。ありがとね」

 

「いえ、元はと言えばこちら側が迷惑を...」

 

 

薬の調合をしている鈴仙ちゃんを見つけ声をかける。んー、気遣いばっちり。この子も将来良いお嫁さんになるやろなー...私の鈴仙をどこの馬の骨かも分からんヤツにはやれん!とか言いたいなぁ...ん?私の役割じゃない?良いじゃんか、それくらい!

 

 

「もう、それは気にしなくていーよ...ただもう一個、お願い良いかな?」

 

「はい、出来ることなら...!」

 

「そっか、じゃあ...」

 

 

すっ、と後ろ手を前へと移動させ、それを見せながらこう言う。

 

 

「髪、といてくれないかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くすぐったくないですか?」

 

「んー、だいじょぶだよー...鈴仙ちゃん上手だねー」

 

「姫様にも良くお願いされますので」

 

 

縁側に腰掛けながら、鈴仙ちゃんと談笑しながら髪をといてもらう。な?!輝夜羨ましい...私も毎晩髪といてもらいたい!一緒に寝たい!夜明かしたい!...失礼、血行が良くなってたからか、かなりアレだったわ。自重。

 

んー、まぁこの辺で良いかな。正直まだしばらくやっててもらいたいけれどね。くるりと身を翻し、鈴仙ちゃんに向けて手を出す。

 

 

「どうしたんですか?」

 

「交代、私もやったげる」

 

「へ?そんな、良いですよ!私は...」

 

「いーから、おねーさんの言うこと聞く!そぉい!」

 

「えぇ?!ちょっ、わぷっ!」

 

 

攻守交代膝の上。ふふん、狙いはこっちよ鈴仙ちゃん!ブラシを半ば奪いとる形で受け取り、ぐいっと鈴仙ちゃんを持ち上げいつものポジションへ。我ながら手慣れてるぅ!

 

 

「へ?ちょっ!なんで膝の上に...ふぇっ」

 

「んー、キレイな長髪だねー...私もちょっと伸ばそっかなー」

 

 

わざとくすぐったくなるようにブラシをかける。ふふん、これでチェックメイトよ。ほな、堪能しましょっかねー。すんすんくんかくんか

 

 

「使ってて思ったけど、良い石鹸使ってるんだねー。そりゃ髪もさらさらな訳だね」

 

「はうぅ...そ、そうですか?んぅ///」

 

 

なんかさ、おんなじ石鹸だとかシャンプーの匂いってさ、興奮するよね。身体からおんなじ匂いするってえっちじゃない?えっちだよね!?賛成多数、えっちで可決します、閉廷。

 

 

「あ、あの!いつまで、んにゅう...やるんですか?」

 

「んー?私が満足するまでー」

 

「そんなぁ!?ふやあぁ...///」

 

 

悶絶するうさぎさんがノックアウトするまで、それは終わらなかったとさ

 

 




筆が乗った。可愛いねー、うさちゃんねー。リクエストは活動報告にて随時募集中につき、良ければどうぞ。それでは、また


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6、ルーミアをぎゅっ

リクエスト二つ目!ルーミアですね。それでは、ゆっくり読んでいってね...なんてね


 

 

ぐきゅるるるぅ~

 

 

「...お腹空いたぁー」

 

 

時間はだいたい...お日さまがてっぺんを越えた辺り。まあ、いわゆるお昼時。お腹の虫が盛大にその鳴き声を恥ずかしげもなく周囲に晒す。そう言えば、今日は朝何も食べてなかったっけ...

 

朝はお日さまが眩しくて元気出ないから仕方ないけど...流石にお昼まで抜いてしまうとお腹と背中がごっつんこしちゃいそう。

 

 

「...何か探そっと、そいっ」

 

 

ひとまずはこのお腹をおとなしくさせないといけない。私はいつもの通り自身の周りを闇で覆い隠す。...よし、これでお日さまは大丈夫。前は見えないけど...匂いで分かるからもーまんたい、さてと探しに行こー、わぷっ?!...木にぶつかっちゃった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「むー...見つかんないなー」

 

 

何度か木やら岩やらにぶつかりながら、何か食べ物を探してみたけれど、何も見つからない。んー...また夜に出直した方が良いかなー、みすちーの屋台もまだだろうし...

 

 

「むー...ん?くんくん、これは...」

 

 

半ば諦めかけていたとき、何かの焼ける良い匂いが鼻を掠める。パチパチという火の跳ねる音と共に水の流れる音も聞こえる。いつの間にか川の近くまで来ていたらしい

 

一旦周りの闇を仕舞い、辺りを見渡す。すると、そこには見覚えのある背中が釣竿の糸を川に垂らしているのが見えた。あ、あれは...!

 

 

「おねーさーん!」

 

「ん、あら、ルーミアちゃん。やっほー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どう、美味しい?」

 

「んー!美味しー!」

 

「あはは、それなら良かった」

 

 

私の膝の上で美味しそうに焼き魚を頬張るルーミアちゃん。最近はご無沙汰だったけれど、よくお腹を空かせているこの子に何か食べさせてあげたらなついてくれた。なに?野良猫か何かですか?可愛くない?

 

はー、このサイズ感はもう娘ですよ娘。ウチの子になりませんかルーミアちゃん?養いますよ、モリチカが。くんかくんか

 

 

「ぷはー、お腹いっぱい!いつもありがと、おねーさん!」

 

「いえいえ、あんなに美味しそうに食べて貰えて、私も嬉しいですよ...ん?」

 

 

満足げに膨れたお腹をぽんぽん、と叩くルーミアちゃん。振り返って満面の笑みでお礼を言ってくれる。あぁ、もう...ね、私も食べる?ルーミアちゃんなら良いよ、本望本望。

 

 

「ほっぺた、ついてますよ...ほら、取れた」

 

「ん、あむっ...むぐむぐ」

 

「 」

 

 

...指が食べられた......馬鹿落ち着け馬鹿お前、ちょっ、一旦深呼吸...すーはーすーはー、くんかくんか...ふぅ、落ち着かない。や、落ち着いてられるか?!無理やんな!?な!!暖かい!!好き!!べとべと!!

 

 

「ぷあっ...ごちそーさま!」

 

「...お粗末様です」

 

 

...分かってやってらっしゃる?もしやこれがじゃぱにーず据え膳、ってやつ?合意?和姦?純愛モノ?...ごめんなさい、ちょっと興奮してました。すーはーすーはー、りぴーとあふたみー、私は常識人、せいっ!...ごめんて

 

 

「よっと、またね!おねーさん!」

 

「ば、ばいばーい...」

 

 

ぴょんっ、と膝から脱出したルーミアちゃんはそう言うと元気そうにとことこ帰っていった。...恐ろしい子、私でも扱い切れないなんて...ちょっと疲れちゃった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

...今日は手、洗わんとこ




脳みそとろっとろにして書けるの良いなぁ...今回ちょっと暴走気味。まだまだ活動報告にてリクエスト受け付けてますので、良ければどぞ!それでは、また


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7、あうんをぎゅっ

リクエスト消化じゃー。今回はあうんちゃんですね。リクエストありがとでした。それでは、ゆっくり読んでいってね...なんてね


 

 

「くあぁぁ...わふぅ」

 

 

木漏れ日が心地よく、欠伸がひとつ口を突いて出てしまう。今日は霊夢さんが神社を開けているので、表に出てお留守番中ですねー。

 

聞いたところによると特に来客の予定はなく...まぁ、参拝客も、ね...。んー、それにしても、今日は良いお天気ですねー、日向ぼっこには最適です!

 

 

「んふふー...む?」

 

 

じゃりじゃり、とあの長ーい階段を踏みしめてくる音がする。珍しくお参りに来た人かな?だとするといつぶりかなぁ...すんすん、あれ?この匂いは...あ!

 

 

「よっ、と...ふぅ。お、あうんちゃん久し振りー!」

 

「やっぱり、おねーさんだ!わーい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おらおらー、ここかー?うりうり」

 

「んー、わふぅ...」

 

 

膝の上に鎮座するわんこみたいな狛犬っ子を撫でまわりながら恍惚に浸る。はー、マジわんこ。可愛いなー、あうんちゃん、飼いたい

 

気持ち良さそうに息を吐くわんころ。どうやら首の下辺りがうぃーくぽいんとらしい...はっはー!それさえ分かりゃこっちのモンよ!そーれ、うーりうり

 

今日は霊夢ちゃんが居なくてちょっと残念だけど...もう気になんないや、なでなでくんかくんか

 

 

「今日は表に出てお留守番してたんだねー、こしょこしょ」

 

「んふー、そうだねー。良いお天気だったし、日向ぼっこも兼ねてねー...わふんっ」

 

 

可愛い理由なこった。耳元から頭にかけて撫でてやるとそんな可愛らしい声が漏れる。はぁー、モリチカ!この子飼いたい!飼ーうーのー!お世話ちゃんとすーるーかーらー!

 

髪はキレイな緑色。ただ、大ちゃんとはまた違いどこか深い色合いをしている...気がする。てか、なによこのくるんくるんのカールは。可愛いが止まらんな、ホントにウチの子は...え、ダメ?ちぇっ

 

 

「えへへー、おねーさんのお膝の上は居心地良いやー。すりすりー」

 

 

あ、ちょ、反則だってあ、あ...好き。あー、擦り付けられてるー、匂い移されてるー、あー、あっあっ...あぁー......ここにもお墓立てよ

 

 

「それなら良かったよー、もふん!」

 

「うにゅう?!わ、わふぅ//」

 

 

 

つーかもうこれよ、これ。このもっふもふのしっぽ!あー気持ちえぇなー。ちなみにあうんちゃんの一番弱いとこでっせここ。そーれ、もっふもっふもふふー!

 

 

「うぅー...くすぐったいよぉー、わふん//」

 

「むふふー、くすぐったくしてるからねー。あー、むっ!」

 

「わひゃんっ//?!」

 

 

もごもご、んふふー、咥えちゃったもんねー。...ん?これってちょっとえっちじゃない?えちえちか?...可愛いからいっか、はもはもー

 

 

「うぅー...//わふぅ...」

 

「ふふーん、これで「アンタ、何やってんのよ...」はえ?」

 

 

は?え、あ...れ、霊夢ちゃん......あ、あははー。いやその、これは...ね。なんというか...

 

 

「お、お帰りなさい...?」

 

「やっぱり滅っさなきゃ分かんないのかしらね?」

 

 

弾幕でぶちのめされました。ぴえん

 

 

 




んー、如何せん知識不足...キャラぶれてたら申し訳ない...。まだまだ、活動報告にてリクエスト受け付けてますんで、良ければどぞ!それでは、また


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8、さとりをぎゅっ

8つ目です。今回はさとりさんのお話ですね。それでは、ゆっくり読んでいってね...なんてね


 

 

「......ふぅ」

 

 

万年筆を走らせる手を止め、一つ息を吐く。あの異変以来、最近は地上との交流も増えた。中でも旧地獄観光ツアーはそれを代表する催しですね

 

仲が良いに越したことはないんですが...如何せん地霊殿に転がり込んでくる仕事も増えに増えた訳なんですよ。地上に出るための申請書だとか、観光参加の承諾書だとかに目を通したりするのも、いったい何度目になるのやら...

 

流石に根を詰めるのも良くないと思い、珈琲でも...と考えを巡らせるものの、今日はお燐が用事で留守なのを思い出す。まぁ、たまには自分で淹れるのも悪くは無いですかね

 

 

「ばあっ!やっほー、おねーちゃん!」

 

「ひゃあっ?!...こ、こいし...もう、驚かせないでよ」

 

「えへへー」

 

 

重い腰を上げ扉の方へ向かおうとすると、突然机の陰からこいしが飛び出して来た...まったく、心臓に悪い

 

 

「はぁ...どうかしたの?」

 

「んふふー、実はねー...はい!」

 

 

何か用があるのか訊ねると、勿体ぶるように手を後ろに回しニコニコとしている。いったい何かしら...ちょっと嫌な予感するけれど

 

 

「珈琲!疲れてるかなって思って、淹れてみたの!」

 

「え、貴女が?...そう、珍しいこともあるのね」

 

 

目の前に出されたのは、いつも私が愛用している珈琲セットの一式だった。...なんというか、珍しい、なんて言ってしまったけれど...良い妹を持ったわね、私

 

 

「もー、おねーちゃんはいっつも一言多いんだからー。あ、お砂糖いくつー?」

 

「もう癖みたいなものかしらね。二つ...いや、三つお願いするわ、あとミルクも少しね」

 

「はーい、ひぃふぅみぃ...と。はい、どーぞ!」

 

 

他愛もない話をしながら、こんな時間も悪く無いわね...なんて考えながら珈琲を待つ。カップに注ぐその手つきに拙さはあるものの、一生懸命なのがひしひしと伝わってくる

 

 

「ん...ありがと、こいし」

 

「えへへー。ほら、熱い内に飲んじゃって!」

 

 

受け取った珈琲を見ながら、唯一の肉親に感謝を告げる。照れ隠しのつもりか、少しばかり急かされるままに、一口......うん、美味しい

 

 

「...うん、美味しいわ」

 

「良かったー、自信なかったから安心したー!」

 

 

言葉にして伝えることの大事さは、ある意味私が一番知っているのだろうか。どこかほろ苦く、優しい甘さを含むそれを飲み下し、自然と口がそう告げていた

 

 

「ん...ふあぁ......ちょっと眠くなってきたわね...」

 

「お仕事で疲れてるんだよ、少しくらいなら寝ても良いんじゃない?」

 

 

温かな珈琲に身体が安心してしまったのか、はたまた仕事疲れからか、睡魔が私を襲う。...そうね、少し仮眠くらいなら良いかしらね...

 

 

「おやすみ、おねーちゃん」

 

「ん...おやすみ、こいし......」

 

 

心地よさに抱かれながら、私は意識を手放した...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恐る恐る、彼女の仕事場である書斎の扉をゆっくりと開く。少し古いのか、ぎぎぃ、という音に怖さを覚えつつも、そのまま開け放つ。

 

 

「こいしちゃん...いけた?」

 

「ふふーん、ばっちり!」

 

 

共犯者であるこいしちゃんにそう訪ねると、得意げな顔でさむずあっぷ。仕事机の方には夢見心地のさとりちゃん...うっし!ないす、こいしちゃん!そして流石永遠亭印のおくすり!

 

 

「いやー、ありがとね。こんなお願い聞いてもらって...」

 

「おねーさんの頼みなら良いよ!それに、面白そうだったしねー!」

 

「...今度ぎゅってしていい?」

 

「えへへー、良いよ!」

 

 

天使は旧地獄にも居た。なんてこった、幻想郷には一婦多妻制は在るんだろうか...。あ、式は洋式...いや、こいしちゃんの着物姿...でもドレスも捨てがたい......二回やろう、うんそれが良い

 

 

「それよりほら、早くしないと起きちゃうよ?」

 

「はっ、そうだった!ありがとね、こいしちゃん!」

 

「ごゆっくりー」

 

 

さて、それでは何故わざわざこいしちゃんに薬を盛ってもらってまでしてさとりちゃんを眠らせたのか、だけど...こんな心読まれたらもう、ね...嫌われちゃうもん、お嫁いけなくなっちゃう!...っておい誰だ行き遅れって言ったヤツ顔覚えたかんなおい。あ、こいしちゃんは退室しました、はい

 

 

「すぅ...すぅ...」

 

 

すやすややんけ。はー、寝顔可愛くない訳がないが?妹が天使なら姉も天使か?姉妹丼か?おいおい、睡姦は趣味じゃ......失礼、気が触れてました

 

 

「それじゃ、失礼して...よっ、いしょっと」

 

「んっ...んぅ......すぅ...」

 

「んふふー、暖かいなー...すりすり」

 

 

起きないように細心の注意を払い、ゆっくりとさとりちゃんの身体を持ち上げ、椅子に座りそのまま膝の上へ。うんうん、よーく寝てますねー。すーりすり

 

 

「きれいな髪やんなー、なでなで」

 

「んぅ......ん...」

 

 

髪の色は薄く桃色がかった紫色。なんとも幻想的な色合いだなー。勿論さらっさら、私も髪質良い方だと思うけど、ちょっと自信無くしちゃうなー...うりうり

 

 

「こんなでも、地底の一番偉い子なんだなー...すんすん」

 

 

私の両腕に抱かれ、寝息を立てているのはこの旧地獄を管理する重鎮。この地底のトップ...こんなちっちゃな身体で良く頑張ってるなぁ...おねーさん感激よ、良い匂い

 

 

「まぁ、今くらいはゆっくりおやすみ...」

 

「ん...すぅ...すぅ......」

 

 

ま、今日くらいは...ね

 

 




心読まれないようにするのに前フリ長かった...筆が乗った。さとりさん難産でしたねー、まあ、私は満足です、はい。まだまだ活動報告の方でリクエスト募集中ですので、良ければどぞ!それでは、また


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9、影狼をぎゅっ

日が開きましたが、今日も書かせて頂きます。今回は影狼になりますね。リクエストありがとうございます。それでは、ゆっくり読んでいってね...なんてね


 

 

「はいっ!ゲームしゅーりょー!」

 

「うわー...負けちゃったかぁ...」

 

 

最後の人間が処刑され、そこで主催から終わりの合図が声高らかに宣言される。むー...やっぱり人間側は難しいや

 

 

「はー、ホントにモリチカは口が回りますねー...そーゆーのに手でも染めてたんです?」

 

「おいおい、人聞きの悪い...せめて話術に長けている、と言って欲しいね」

 

「かー、物の見事に丸め込まれちまったぜ」

 

「私の勘が外れるなんて...」

 

 

各々、ゲームの結果に一喜一憂しながら、参加した人やら妖怪やらと談笑している...まぁ、感想戦と言ったところですかね

 

...ん?あ、ここは香霖堂。今はその一画を借りた形で、皆で集まってゲームをしていたところですね。因みに主催は...

 

 

「んー、惜しかった!あそこさえ乗り切ってたらね」

 

「むぅ...やっぱり人間は難しいよ、影狼ちゃん」

 

 

そう、この子...影狼ちゃんだ。普段は迷いの竹林に住んでいるらしく、時折こうやって人を集めて遊んでいるのだ。うんうん、笑顔が可愛いですね

 

 

「ん...おっと、もうこんな時間か。すまんが私はもうおいとまするとするぜ。またな、影狼」

 

「あら、もう日も暮れちゃってるじゃない。今日はこの辺ね」

 

「あ、ばいばーい!また遊ぼうねー......帰っちゃった」

 

 

と、もうそんな時間になっていたんですね。次々に帰っていった少女たちを見送る。店内に残ったのは私と影狼ちゃん...とモリチカ。急に静かになってしまったなぁ...

 

ふと影狼ちゃんの方を見る...うん、顔には出ていないけれども、どこか寂しそうに見える。しっぽも元気が無いようだ...よし

 

 

「んー、そろそろ新しい役職作った方が良いかもね...そうだ!一緒に考えない?影狼ちゃん」

 

「!...うん!良いよ!私もちょっと考えてたのがあって...」

 

 

ぴこんっ!と耳を立てて、しっぽを振り回しながら嬉しそうに話す影狼ちゃん。この子もまた、わんこなんやなぁって...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでね、こういうことが出来て...」

 

「へー...面白いと思うよ?」

 

 

私がやりたくて遊んでいるゲーム。それの改善だとか、新しい要素だとかの相談に乗ってくれるお姉さん。うんうんと頷きながら、真剣に、楽しそうに話を聞いてくれる...

 

うん、この人なら...相談してみても良いかな?きっと、ちゃんと聞いてくれると思うから

 

 

「...ねぇ、少し別の相談事しても良い...かな?」

 

「んー?...ふふっ、良いよ?」

 

「あのね、実は...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほどねぇ...」

 

「うん、どうしたら良いかな...?」

 

 

楽しくお話!...と思っていたのだけれど、突然のお悩み告白たいむになってしまった。して、その内容は...

 

 

「体毛が、ねぇ...うーん」

 

 

そう、彼女、影狼ちゃんは人狼という半分妖怪?のような存在らしく、狼側の体の特色にコンプレックスを持っているらしい。いや、女の子にとっては死活問題だかんね?マジで

 

 

「へ?あちょっ、お姉さん?」

 

 

んー...でも正直な話、外見ではまったくと言って良いほどに分からない。実際そう言われるまで気にしたことも無かった。元から肌の露出が少ないようには感じてはいたけど、そういう理由だったんだね...んー、乙女やんなー

 

 

「ひぅっ?!お、お姉さん...?」

 

 

私はまぁ、付喪神だからそんなのはないけど...あっ、けーねとかもそんな感じなんだろうか?もしかすると、わりと一般的な悩みなんだろうか...

 

 

「ちょっ、あっ...お、お姉さん!」

 

「んー?どしたの?」

 

「なんで服の中、手を...ひうっ?!」

 

 

影狼ちゃんの後ろに回り込み、襟首から手を突っ込んでまさぐっていると、そう言われる。んー?いや、ねぇ...

 

 

「実際に触ってみよっかなー、って」

 

「やっ、そんな...ひゃうんっ//」

 

 

うーん...確かに少し生えてはいるけど...そんなに気にならないし、むしろ触り心地良いけどねー、さわさわ。むっ、影狼ちゃん...もしや着痩せするタイ...この辺で止そう、うん

 

特に獣臭いわけでもないしねー、くんかくんか。うん、女の子って感じの良い匂いやんなー...まあ、そんなわけで

 

 

「うん、あんまり気にしなくて良いと思うよ」

 

「ひうっ、わ、わかった...わかったからぁ...んぅ//」

 

 

......もうちょっと堪能させてねー。すりすりくんくん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くたぁ......」

 

「...やり過ぎちゃったや」

 

「おーい、そろそろ店仕舞いなんだけど...」

 

 




こんな感じでどうですかね?因みにゲームの名前は、汝は人間なりや?、らしいです。人狼ゲームと似たようなものですかね?活動報告にて、まだまだリクエスト受付中ですので、良ければどぞ。それでは、また


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10、フランをぎゅっ

お久しぶりです。今回はリクエストのフランちゃんです。それでは、ゆっくり読んでいってね...なんてね


 

 

「待て待てー!えーいっ!」

 

「ちょっ、フランちゃん待って待って!?私初心者よ?!あいむぬーぶおうけぃ!?へうぷみー!!」

 

 

今日は紅魔館に遊びに来た...のは良いんですがね、弾幕ごっこ?はやったことないのになんでフランちゃん手加減してくんないの!?ちょ、あぶっ...あ、庭の木が折れた......助けてー!!!

 

 

「ふふっ...咲夜、紅茶お代わりね」

 

「...お嬢様、止めなくても?」

 

「面白いから良いわ」

 

「レミリアちゃーん!?」

 

 

おにー!あくまー!きゅーけつきー!...いや、その通りだったわ!ってぐえぇっ?!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー、楽しかったー!咲夜、私もおやつ欲しいー」

 

「えぇ、直ぐにご用意いたしますね」

 

「はひー...死んじゃうかと思った...」

 

 

弾幕ごっこを終え、レミリアちゃんの居るテラスまで行くフランちゃんと私。ひー...片腕くらいは覚悟してたけど、ケガなくてよかったー...。ん?勝敗?勝てるかこんなん!

 

 

「ふふっ、見てて面白かったわよ。なんなら二回戦でも...」

 

「おやつ食べたらまたやろーねー、おねーさん!」

 

「今日は疲れちゃったな、あははー」

 

 

可愛い顔した鬼畜しかおらんよここには。あいたた、腰が痛いのなんのって...

 

 

「ほらー、おねーさんが座んないとフランが座れないでしょー!はーやーくー!」

 

「はいはーい、よっと」

 

「わーい!お邪魔しまーす!」

 

 

テラスの椅子に腰を下ろすとぴょんっ、と膝の上に乗っかってくる金髪合法ロリ吸血鬼...なんか全部盛りみたいやんなー...にんにくましまし

 

 

「お待たせしました、今日はダージリンとマカロンになります。勿論、貴女の分もありますよ」

 

「ありがとー咲夜ちゃん。んー、いー匂い」

 

「いただきまーす!」

 

 

出された紅茶にお茶請け、うんどれもホントにレベル高いなー...こんなメイドさんうちにも欲しー。なんなら私が仕えるかこの館に。メイド服着てみたーい...誰だ今、キッツって言ったヤツ抱きしめころしてやろうか

 

っと、それはさておき弾幕ごっこに付き合った報酬として、こーの可愛い悪魔ちゃんを堪能しちゃいましょうかねー。くんかくんかすーはー

 

 

「フランちゃんシャンプー何使ってるの?いー匂いだねー」

 

「んぐっ...ふぅ。えっとねー、お姉様と一緒のやつー」

 

 

姉妹揃って良い匂いはポイント高いっすねー。二人でお風呂入って洗いっこしてる姿の想像が捗るのなんのって...え、皆も想像するやろ?な?......な?

 

んー、そうなると一緒にぎゅってしたくなるなー。姉妹丼姉妹丼...やらしくない?ていうか吸血とかされてみたいなー、絵面めっちゃえちえちでしょ。噂には聞くけど気持ちいいとかなんとか...

 

 

「あら、私は最近違うのにしたわよ?もっと良いのが入ったのよ」

 

「えー、そうなのー?...あ、因みに薔薇の香りのやつだよー」

 

 

なるほど...今度くんかくんかさせてもーらおっ。ま、今はフランちゃんを愛でるんですけどねー、すりすりすんすんさーわさわ

 

 

「フランちゃんの羽根、キレイだねー...なんか宝石みたいでとっても素敵」

 

「そうかな?なら嬉しいー!ってひゃっ!?」

 

 

というかスカーレット姉妹のお服なんですけど、羽根が出るようにお背中が結構おおっぴらに開いてまして...まぁ、ね?......とってもいいですね、はい

 

ま、そんな訳で撫で放題ですねー、根本とか良いんじゃないですかー?そーれすーりすり

 

 

「ちょっ、おねーさん...ふにゃぁ...」

 

「んふふー、やっぱりここ弱いですかー...予想通りですねーすりすり」

 

 

いろんな少女たちを撫で撫でぎゅっとしてきた私にかかれば、どこをどうすれば弱いのかなんてお見通しよ!さーてここがこうってことは...はむっ

 

 

「ふやぁっ?!ちょ、やめっ///」

 

「はむはむ...むふふー」

 

 

首筋の甘噛み...やっぱりいいよねー、ここ。いやー、こんなに弱点分かると楽しいなー、はむはむすりすりなーでなで

 

 

「...せめて日が墜ちてからやってもらえないかしらね...」

 

 

呆れる声で言うレミリアちゃん...あ、因みに咲夜ちゃんのストップが入るまで続けましたー、満足しやした

 

 




こんな感じですね。まだまだ、活動報告にてリクエスト募集してますので、良ければどぞ。それでは、また


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11、チルノをぎゅっ

こっちはお久しぶりですね、今回はチルノです。いやぁ、手こずった...遅くなってしまい申し訳ない。それでは、ゆっくり読んでいってね...なんてね


 

 

「あー...あっついわね...」

 

「んー、もう夏ですからねー。ね、あうんちゃん」

 

「はひぃ...暑いですぅ~...」

 

 

お天道様に睨みを利かせている霊夢ちゃんを横目に、ぐったりとしているあうんちゃんをナデナデする。んー、大変ですねぇ二人とも

 

 

「なーんでアンタは平気そうなのよ...全身真っ黒の癖して」

 

「あははー、元々が鉄の処女ですからね。冷たくできるんですよ、身体。ほーれ」

 

「冷たっ?!...そうだったのね......えいっ」

 

「うわっと!?積極的ですねー、霊夢ちゃんは」

 

 

私の冷たさを利用しようと背中に抱きつかれる。むー、いつもは抱きつかれるの嫌がる癖に...現金ですねぇ、可愛いから良いですけど

 

そんな訳で今日も私は博麗神社にて暇を潰しているところですね。ナデナデしているあうんちゃんも心なしか涼しそうに見える。ほーれほれ、ここがエエんやろー?うりうり

 

 

「み、皆さーん!ちょっと助けてくださーい!」

 

「ん?この声は...大ちゃん、かな?」

 

 

縁側でそんなことをしていると、境内の一画から助けを呼ぶ声が聞こえた。ん?大ちゃんは確かチルノちゃんとか、他の妖精さんと遊んでた気がするんだけど...何かあったのかな

 

 

「よっ、と。ほら、霊夢ちゃん、ちょっと行ってくるから離れて、ほら」

 

「やーだー、私ごと持って行きなさいよ」

 

 

様子を見に行こうと立ち上が...れない。背中にへばりついた霊夢ちゃん...もー、今はダメだって。私そんなに力ないし

 

 

「引きずられたく無かったら離れなさいな、良い子だから...ね?」

 

「......分かったわよ。戻ってきたらまた使わせなさいよ」

 

 

私は氷枕か、なんてツッコミは心に仕舞い込み、大ちゃんの声のする方へ...境内の裏にある樹の根本に大ちゃんはいた。それと

 

 

「あ、お姉さん!チルノちゃんが...」

 

「ありゃ、大丈夫?」

 

「きゅう~...」

 

 

チルノちゃんが目を回してバッタリ倒れていた。あれー、大丈夫?どうかしたんかな

 

 

「何があったの?大ちゃん」

 

「それが...」

 

 

んー、説明を聞く限り人で言う熱中症かなぁ...。元々が氷精だし、暑さには弱いって聞いてたけど、こんなになるなんてねぇ

 

 

「軽い熱中症みたいなものかな」

 

「熱中症、ですか...」

 

「...大ちゃん、もっかいゆっくり言ってみて」

 

「え?...えっと、ねっ...ちゅう...しょお...ですか?」

 

 

はー...ご馳走さまです。私天才か?天才だわ、あいむじーにあすいぇあ。なんでもっかい言わされたのか分かっていない様子の大ちゃんを横目にチルノちゃんを見る

 

んー、熱中症なら日陰で寝かせて置けば良くなるだろうけど...氷精ってなると何かで...それこそ氷とかで冷やさなきゃ......ん?冷やす?...やはり天才ですね、私

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はー、冷たいわー...夏はずっと居てくれないかしら」

 

「わっ、ホントですね...ひんやりしてて気持ち良いです...」

 

「わふぅ...お姉さんつめたーい...」

 

「すぅ...すぅ...」

 

 

ここが天国かな?はー、役得役得、身体冷たくできるだけでこんな...あっ、あー......召されるが、こんなん。...そんな訳で倒れちゃったチルノちゃんを抱っこし、両サイドからあうんちゃんと大ちゃんに寄り添われ、背中側にべったり霊夢ちゃん...もう、何よこれ。一周回って四面楚歌って感じだが?前後左右から讃美歌聞こえるが?やっぱ天国かな?はー、みんな良い匂いなの困るが?

 

えふんえふん...さーて、チルノちゃんなんですが氷精なのもあってほんのり冷たいですね。...この、羽根?みたいなのは氷なのかな?...ついっ

 

 

「んっ...んぅ...」

 

 

反応可愛いなぁ...というか、羽根ついてる子は皆こんなえちえち反応なんですか!?ちょっと変な気持ちになるじゃないですかこんな声聞いたら!わきまえますけどね!?抑えますけどね!?鋼の意志で!アイアンメイデンだからね!R15、R15!

 

ふぅ...やれやれ、やっぱり妖精は最高ですね。言わずもがな髪さらっさらー、ちょっと汗でしっとりしてるけど...ってあれ?

 

 

「「「すぅ...すぅ...」」」

 

 

気が付くと三人共寝てる...って、流石に四人となると重いっ...くぅ。...でも、まあ

 

 

「これくらいなら、良いかな...なんて」

 

 

ちりーん...と、風鈴が涼しげに揺れていた...

 

 

 




こんな感じですかね。まだまだ、活動報告にてリクエスト募集中ですので、良ければどうぞ。それでは、また


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12、小鈴をぎゅっ

今回はちょっと書きたい子がいたのでそちらを。それでは、ゆっくり読んでいってね...なんてね


 

 

「こうして、人々の平和は英雄の手によって守られたのでした...めでたしめでたし、と」

 

 

在り来たりなクライマックスを終え、お話の幕が降りる。周りからは手を叩く音と、わー、なんて言う可愛らしい声が聞こえてくる

 

ここは人里にある貸本屋さん。今は里の子供たちにお話を読み聞かせてあげていたところ。んー...いっつも反応がかわいいんですよねー

 

 

「はい、今日のお話はこれでおしまい。次はまた明日、ね」

 

 

名残惜しそうな顔をする子たちもいるものの、しばらくすると子供たちは皆元気よく手を振り、ばいばーい!と声をあげて、それぞれ自分の家族が待つ我が家へと帰っていった。店の中からひらひらと手を振っておく

 

 

「お疲れ様です。これ、どうぞ」

 

「ありがと、小鈴ちゃん...んー」

 

 

店の奥から御盆にカップを一つ乗せこちらに来て、労いの言葉を掛けてくれるのはこの貸本屋、鈴奈庵の看板娘...小鈴ちゃんですね。目の前に置かれたカップに感謝の意を述べ、ぐぐーっと伸びをひとつ...ふぃー

 

 

「今日も多分ですけど...外界のお話、ですよね...?」

 

「んー?そうだねぇ...子供たちの食い付きも良くっていっぱい話しちゃったや」

 

 

ずずーっと出された珈琲を飲み、他愛ない会話を交わす。子供たちも、何回も聞いたようなお伽噺じゃ飽きちゃうだろうしねー。それに...

 

 

「私も!外の世界のお話聞きたいです!」

 

 

小鈴ちゃんの食い付きも良いんだよねぇ...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あのー...」

 

「んー?どうかしたの?小鈴ちゃん」

 

 

今日はいつも子供たちにお伽噺を聞かせに来てくれる、外界に詳しい常連さんに外の世界のお話を、と思ってたんだけど...

 

 

「こ、このまま話すんですか...?」

 

 

いつの間にやらちょこんと常連さんの膝の上に...あ、あの!もうそんな年齢じゃないんですが!?

 

 

「あれ?一日一回、先着一名さま限定の特等席なんだけど...こういうの、イヤ?」

 

「えっ...いや、そう言う訳じゃ「よーし!じゃ、このまま話しちゃおーっ、と!」えぇーっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...とまあ、こんな感じかな...どう?面白かった?」

 

「ほえー...あ、はい!とっても!」

 

 

んー、小鈴ちゃんはいっつも反応が良いからいっぱい出ちゃうなぁ...あ、話題がね、話題話題

 

それにしても、ちっちゃくて可愛いなぁ...今は所謂、あすなろ抱き?ってやつしてるんだけど...お話に夢中で意にも介さず。堪能してます、少女との密着...すーはー、くんかくんか。こんな可愛い娘がいい匂いじゃない訳無いじゃないか!!いい加減にしろ!!すき!!

 

 

「他に何か聞きたいおはなしある?」

 

「他、ですか?んー...あ!」

 

 

お、何かな何かな?おねーさんなんでも話しちゃうぞ?

 

 

「常連さんのこと、知りたいです!」

 

 

...ん?プロポーズじゃん。ちょっと待ってて、モリチカに指輪作って貰うから...あー、式は洋式かなー、小鈴ちゃんのウェディングドレス姿は見たいし。でも和装も捨てがたいなぁ...二回挙げよっか、式。小鈴ちゃんの為ならおねーさん頑張るよ!!...あ、違う?...しゅん

 

 

「私のこと...じゃ、ちょっと待っててね」

 

「え?あ、はい...っとと」

 

 

膝の上から小鈴ちゃんを降ろし、すたすたと連なる本棚の一画へと...確かここら辺りに、と...あったあった。お目当ての本を取り、小鈴ちゃんの元へ戻る

 

 

「?...外来本、ですか?」

 

「そ。それじゃ...」

 

 

椅子に座り、膝をぽんぽんと叩く。ちょっと頬を赤らめつつも、観念したようにさっき同様私の膝の上へ...んー...イイね、スゴく

 

 

「えっと、どこだったっけ...」

 

「この本は...え」

 

 

ぱらぱらと捲る本の表紙には、世界の拷問器具10選、なんていう物々しいタイトル。外の世界じゃこんなのが売ってるんだねー、物騒やんなー

 

 

「お、あったあった」

 

「...アイアンメイデン...?」

 

 

捲る手が止まり、お目当てのページ...そう、私の昔...って、もうちょっと可愛く書いて欲しいなー

 

 

「これ、私」

 

「へ?」

 

 

あー、間抜けな声出しちゃってかーわいー...ま、そんな声も出ちゃうよね...

 

 

「びっくりした?...付喪神って、分かる?」

 

「...常連さんは、悪い方...ですか?」

 

 

...ちょっと震えてる、仕方ないよね。昔はあんなだったし、怖いよね?...でも

 

 

「!...常連、さん...?」

 

「んーん。私は...人のことが好きな、変わり者だよ...」

 

 

ぎゅーっと少し強く、小鈴ちゃんを抱く。人の温もりは、ちゃんとそこにある...

 

 

「...なんで、話してくれたんですか?」

 

「んー?秘密は良くないからね。今度からは、付喪神のおねーさんとして、来ても良い...かな?」

 

 

いつの間にか、震えは消えていた...そして

 

 

「勿論です、常連さんは...常連さん、ですから」

 

「!...ありがと」

 

 

ほんと、良いお嫁さんになるね...

 

 

「小鈴ー、まだ開いてるー?この前借りた本...って、あんた、こんな所にまで...」

 

「あ、霊夢ちゃん。やっほー」

 

「れ、霊夢さん!?いや、あのこれは...!」

 

 

むー、人と付喪神との新たならぶすとーりーが始まりそうだったのになー...なんてね

 

 

「さっさと小鈴のこと放しなさいよ。さもないとこの推理小説の犯人、バラすわよ」

 

「な!?ダメ!!それはダメだって、霊夢ちゃん!!」

 

「犯人はー、隣の「わー!!わー!!分かったからー!!」もう...小鈴、これお願いね」

 

「...ふふっ、はい!」

 

 

 




リクエスト、活動報告にて随時募集中です。えー、咲夜さんと美鈴さんに関しては、どうやって「ぎゅっ」ってするか考えております故に、少々お待ちくださいな。それでは、また


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13、美鈴をぎゅっ

間が開きましたが更新です。それでは、ゆっくり読んでいってね...なんてね


 

 

「ふんふふんふふ~ん♪」

 

 

鼻唄混じりに足を弾ませる。ここは湖畔、うっすらと立ち込める霧の中、少し遠くには見知った顔の妖精さんや、可愛らしい少女たちの姿も見え、こっちに手を振ってくれている。んー、目の保養目の保養っと

 

さて、今日は紅魔館にお呼ばれしているので、あの少女たちとの交流はまたの機会ですかねー。いやー、人気者は困っちゃうなあー。あははー

 

 

「お、今日も真っ赤...んーん、真っ紅ッかだなー」

 

 

もう歩き慣れた道を踏み締め、森の中を進む。すると、木々の合間から目に痛い程に紅い館の屋根が葉の緑を押し退け見え隠れしている。わっかりやすいねー、ホント

 

たったかと歩を進め、これまた真っ紅な装飾のあしらわれた門が、その姿を露にする。その脇にはいつものように腕を組み、仁王立ちしている門番...美鈴ちゃんが職務を全うしていた。っと、挨拶挨拶~

 

 

「やっほー、美鈴ちゃ......ん?」

 

「......ぐぅ」

 

 

近付いてみると...両の目を閉じ、寝息を立てているようだった。特に俯いている訳でもなく、ただ立ったまま寝てる...なんというか、ここまで来ると職人技やんなー...褒められたモノじゃあないケド

 

...しかし、これはチャンスでは?いつもは、そんな歳じゃないですからー、なんてはぐらかされてしまうけれど、今なら抱き放題!...いや、言い方ちょっとアレか。げふんげふん...ぎゅっとし放題なのでは!?

 

 

「んー...ちょっと迷うケド...よし。いざ!」

 

 

ここはおーそどっくすに正面から!ぎゅーっ!...むふー、言うまでもなく、抱き心地はまるですね...んー、なでなですりすりすーはーすーはー...これ、出てるでしょ。まいなすいおん...だっけ

 

背中側へ回した手を、長い赤みがかった髪に絡ませる。んー、まごうことなきさらっさら。お手入れ大変だろうになー...すんすん...んー、良い匂い!それはそう!おひさまの匂い!すき!

 

 

「...やっぱり、他の娘たちよりはおっきいですねー」

 

 

言わない。何がとは決して。ソレ目当てで正面からぎゅってしてる訳ない。たわわ。......ごめんて

 

...ま、冗談は胸囲だけにしてもろて。この高身長、帽子抜きなら美鈴ちゃんよりまだまだ上!つまり私がお姉さんなんですわー。観念してぎゅってされろ!ふんす!

 

 

「...あれ?あ、もう来られてたんですね、こんにちわ...って、ふえっ!?」

 

「んー?お、青色妖精メイドちゃん。フランちゃんもう起きてるー?」

 

「へ?いや、えっと...はい、フラン様はもう起きて...え、門番さんと...え?」

 

 

事案中呼び掛けて来たのは館に住み込みで働いてる妖精メイドちゃんのひとり。あははー、混乱しておるしておる...反応可愛いなー、この娘も。まぁ、今日はフランちゃんとレミリアちゃんにお呼ばれしたのでまた今度、かなー

 

さて、名残惜しいけど...ま、珍しく堪能させて貰ったし満足満足~、と

 

 

「それじゃ、案内よろしくね...えっと、よーちゃんだったっけ」

 

「わ、分かりました......うーん...?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「美鈴、今日は...寝てないみたいね」

 

「ふぇっ!?...さ、咲夜さんですか...びっくりした...」

 

「こっちは貴女が寝てないことにびっくりよ...あら...顔、赤いわよ?」

 

「そ、そりゃ赤くもなりますって...うぅ...」

 

「?」

 

 

 




こんな感じですかね。まだ、活動報告にてリクエスト募集中です。それでは、また


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14、咲夜をぎゅっ

お待たせしました。それでは、ゆっくり読んでいってね...なんてね


 

 

紅魔館にてメイドの長を務める私、十六夜咲夜。いつも通り館の雑務や来客の対応、お嬢様たちへの給仕等々...様々な仕事をこなしていた、んですが...

 

 

「あ、あの...これは一体......」

 

「んー?...従者を思いやる主人の粋な計らい...ってヤツ?」

 

「ふふっ...そうね、そんなところかしら」

 

 

何故お客様の膝に座らされているんですか...?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「むー!負けたー!くーやーしーいー!!」

 

「な、なんとか避け切れたー!......死んじゃうって、これぇ...」

 

 

満身創痍ながら、なんと!弾幕ごっこ初心者の私が!!フランちゃんに勝ちました!!すぺか?だっけ、全部避けた!!お洋服ボロボロだけどね!!

 

 

「あら、随分珍しいこともあるのね。それじゃ、お茶にしましょうか...咲夜」

 

「はい、直ちに」

 

「もっかい!おやつの前にもっかいー!!」

 

「あー、疲れ......ん?」

 

 

いや、あのリベンジマッチは日を改めるのがベターじゃないかなー...なんて......いや待ってフランちゃんそのレーヴァなんちゃら仕舞っておねがあっつぅい!?

 

 

「ご用意できました。妹様、今日はプリンですよ」

 

「えっ!?やったー!!」

 

「ぜーっ、ぜーっ...た、助かったぁ」

 

 

その声で弾かれるようにテラスの席へと飛んで行くフランちゃん。あー、咲夜ちゃんの仕事が速くて助かった...あ、プリン私も食べるー

 

 

「どうぞ此方に」

 

「はひー...ありがとー、咲夜ちゃん」

 

「んー♪おいひー!」

 

「お行儀悪いわよ、フラン」

 

 

疲労困憊ながら、引かれた椅子に腰掛ける。あー、明日筋肉痛かも、ツラい......けどプリンが甘いから良いや。んー、おいしー

 

 

「それでは、私は他に仕事がありますので...」

 

「そう...咲夜、貴女ちゃんと休んでるの?」

 

「...はい、休憩の時間もしっかりとっていますから」

 

「はぁ...嘘ね。妖精メイドから聞いたわよ、最近休んでいるの見てないって」

 

 

む、それは聞き捨てならないなー。身体はちゃんと大事にしないと、人間なら尚更......あ、良いこと思いついちゃったー!それじゃ早速...

 

 

「レミリアちゃん、ごにょごにょ...ごにょ...」

 

「ん?何かしら...うん...うん......ふふっ...ええ、良いわね、それ」

 

「あの、お嬢様...?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あの...そろそろ降ろしてもらってもよろしい、ですか......?」

 

「んー?だめ」

 

 

そんな訳で!紅魔館で一番ガードが硬い咲夜ちゃんは現在私の膝の上なんですわー...クールな娘がこう、恥ずかしがってるのって良いよね?......ね?

 

やー、咲夜ちゃん軽いなー。ちゃんと食べてる?おねーさん心配になっちゃうよこんなの。華奢すぎ......ん?私?...レディにそんなこと聞いちゃダメだよ?分かった?分かったね?ん?返事は?...次は無いよ?

 

 

「ま、たまの休息だと思ってのんびり抱っこされててねー。あーむっ」

 

「むぅ......お、お嬢様!」

 

「あら、良いじゃない。しばらくゆっくりしなさい」

 

「良いなー、おねーさんのお膝のうえー。あーむっ」

 

 

残念!そこのお嬢様、共犯である!!主人の命にはそむけまい!!おっと、フランちゃんはいつも座ってるからね。今日は咲夜ちゃんに譲ってあげてくれると嬉しいなー

 

さて、プリンも食べ終わったところで...いつも通り、少女堪能のお時間です!すんすん...

 

 

「んぅっ!?...」サッ

 

 

...すきだわ。匂いも勿論だけど反応よ、反応。いや、確かに首筋嗅いじゃったけど、けどさぁ......そんな声漏らして身体跳ねさせたうえにさぁ...恥ずかしがって口おさえるってさぁ......見せられなくなっちゃうじゃん!!この先!!えっちなのは良いと思...いけないと思います建前!!

 

でもおねーさんのおねーさんがレーヴァなんちゃらする事は無いのでね......無い、かな...?あったらあったで怖いけど万歳というかなんと言うか。...ごめんて......

 

それにあんまり若い娘に無理して欲しくないしね、だからさ

 

 

「ゆっくりして良いよ......こんな膝ならいつでも貸したげるからさ。いつも、ありがとね」

 

「......はぃ...」

 

 

え、ちょ、いまの小声えっ(ry

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...咲夜、可愛いわねぇ......」

 

「お姉様きもーい」

 

「フラン、お姉ちゃん泣くわよ」

 

 




暴走気味なんだよなぁ...まだまだ、活動報告にてリクエスト募集中ですので、良ければどうぞ。それでは、また


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15、椛をぎゅっ

リクエストありがとうございます。今回は椛ですね...それでは、ゆっくり読んでいってね...なんてね


 

 

ざわざわと葉の擦れ合う音が山を満たす......ここは妖怪の山、様々な妖怪や神に位置する者たちの棲むところ。そんな山に近づく驚異......それを探し、退けるのが私、哨戒を任されている白狼天狗の仕事

 

小高い木の枝に腰掛け、幹に背を預ける。後は何か、いつもと変わった事が無いか...その一点に目を凝らす。まぁ、時折暇をもて余した上司がちょっかいを掛けにくる程度で、最近はこの山も平穏無事ですが...

 

 

「...ん?」

 

 

見通す先に何か、黒が映る。真っ直ぐと山へ歩みを進めるソレを、放っておく訳にはいかない。さて...腹を空かせた妖怪少女なら良いとして...

 

すっくと立ち上がり木から木へ、枝から枝へと跳び移り能力要らずで姿を確認できる距離まで...って、はぁ...

 

内心ため息を一つ吐き、枝葉を掻い潜り侵入者の眼前へと降り立つ。残念ながら予想は外れ...

 

 

「お、やっほー!椛ちゃん」

 

「また貴女ですか......」

 

 

黒い装束を身に纏い、底抜けに明るい声で私の名を呼ぶ彼女...初めまして、ではない。何度目かの邂逅...侵入者に名前覚えられるってなんなんですか、ホントに

 

最早顔見知りとは言え、侵入者は侵入者。無断でこの山に足を踏み入れることは断じて許されることではない

 

 

「何度も言ってますが、この山には「お手!」

 

 

刹那、脳に何かが駆け巡る。この世に生を受ける前から、この身に刻み付けられていたかのような感覚。抗うことの出来ない衝動にも似たそれは、もはや白狼天狗としての本能とも言える...考える前に身体が動く。そして

 

 

「わんっ!」

 

 

ぽすっ、と二人の掌が重なった......死にたい...うぅ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んー、いい風だねー...」

 

「...はい」

 

 

頬を撫でる風に自然と言葉が漏れる。お山の中っていうのもあって、なんだか心地良いなぁー...わさわさ

 

 

「椛ちゃん、今日もお仕事?」

 

「そうですね...」

 

 

一度口が開くと何気無い会話が後に続いてしまう。お仕事なー...私は毎日がお休みだしねー。偉い偉い...なでなで

 

 

「大変だねー...」

 

「あの...」

 

「んー...なぁに?」

 

「そろそろ離して貰っ「だめー」うがぁぁああ!!」

 

 

まぁ、そんなこんなで木の根本に腰掛け、椛ちゃんとのんびりしてます。ってあらら、私の腕の中そんなにイヤ?でも残念!まだまだモフり足りないからだめでーす、離しませーん。もふもふもふー!

 

 

「こらこら、そんなに暴れないのー。さすさす」

 

「わふっ!?ちょ、頭撫でないで下さいっ!!うがー!!」

 

 

せめてもの抵抗と、腕の中でじたばたする椛ちゃん。むー、強情やんなー。あうんちゃんなんか直ぐにおへそ見せてくれるのに...ま、素直じゃないのも可愛いと思います私。くんかくんかすーはー

 

 

「もー...そんなに嫌がられるとお姉さん傷ついちゃうよ?うりうり」

 

「なっ!?顎は...やめっ......くうぅ...」

 

 

んふふー。わんこだもんねー、抗えないねー、可愛いねー......あー、癒される。ホント可愛いわー...む?

 

 

「ぴーす!」

 

「ふえ...?」

 

 

ぱしゃ

 

 

「あややー、気付いてました?」

 

「やっほー、文ちゃん。可愛く撮れたー?」

 

「...はっ、な!?ちょっと!!」

 

 

シャッターの音の後、そんな声が木の上から掛かる。んふふー、まだまだだねー、文ちゃん。そんなカメラに気付かない私じゃないよー?バッチリ決めちゃったもんねーっと、あら?

 

 

「な、ななな!!なに撮ってるんですかぁっ!?」

 

「いやー、親愛なる部下がまんざらでも無い様子で可愛がられてる様子が見えたので...つい」

 

「なんですか!!その取って付けたつい!!」

 

 

あー、見えそうで見えない...ん?あ、違うよ?別に位置関係を利用して文ちゃんの文ちゃんを覗こうとかそんな...ねぇ?......ごめんて

 

 

「それに何がまんざらでもないですか!!そんなこと...!!」

 

「それは...まぁ、見たままと言うか...」

 

「あははー、椛ちゃん」

 

 

口論を遮って少し。いやー、私としては嬉しいし、可愛いから良いんだけどねー...流石にそろそろ

 

 

「尻尾の元気が良すぎるかなー、って」

 

「すっかりなついてますねー」

 

「あっ!?いや、違っ...違う!!これは、その...うっ......うぅ...」

 

 

くすぐったいかなー、尻尾。あら、椛ちゃんそんなに顔真っ赤にしてどう...って椛ちゃん?椛ちゃーん!剣は危ないから!死んじゃうからー!?

 

 

 




はい、わんこ。リクエスト、活動報告にて随時募集中です。それでは、また


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16、正邪をぎゅっ

結構ぎゅっ、しましたねー。これで16人...それではゆっくり読んでいってね...なんてね


 

 

「かー、今日も暇だー...」

 

 

道すがら、そんなことを口走ってしまう程にはな。最近は人里の奴らに悪戯しても、しょうがないなぁ、だの、やれやれ、だの言って憐れむようにあしらいやがる

 

仮にも異変の首謀者だったんだぞ!?もっと怖がれよ!嫌がれよ!!終いにゃ、そんなに構って欲しいのかい?じゃ、無いんだよ!!けっ、人のこと構ってちゃん扱いしやがってぇ...ん?

 

 

「げっ、アイツは...」

 

「~♪...ん?」

 

 

道行く先に人影が見える。あんの黒装束は...!不味い、もし捕まったらこの前みたいに散々な目に...あんなこと、二度とされて堪るか!...って、気づかれた!?やっば...逃げ

 

 

「......ひ、ひぃっ」

 

「...あ?」

 

 

逃げ...ようとしたら逃げられた...?は?短い悲鳴を出して逃げやがったぞ、アイツ...

 

青ざめた顔にあの様子...嫌がってた......?くっ、くっくっくっ...そうかそうか、私のことが嫌、か...

 

 

「待ちやがれ!」

 

「ひぃっ、ぎゃー。たすけてー、いやだー」

 

 

だったら地の果てまで追っ掛けてやるよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いーやー、そんなに引っ付かないでー。ひー」

 

「ハッ...嫌だって言われて、誰が止めるかよ!」

 

 

膝の上で勝ち誇ったように吐き捨てるのはせーじゃちゃん。あー、こわいよー......なんつって。やー...この前は散々嫌がられちゃったからねー。押してダメなら引いてみな、ってやつ?

 

んー、天ノ邪鬼扱いやすーい。チョロいもんさねー。すんすんくんかくんか...うん!女の子の匂い!!

 

 

「この前とはえらい変わり様だな!やっと私の怖さに気づいたか!?」

 

「たーすーけーてー、だーれーかー」

 

「助けなんて来ねぇよ!おらおら!」

 

「ひー」

 

 

いやー、流石の演技力。せーじゃちゃんにはバレる様子無し!こんなだったら、演劇の世界でもやってけるんじゃなかろうか、私...ん?大根役者?はて、なんのことやら...

 

それにしても不思議な髪色やんなー...めっしゅ、だったっけ。せーじゃちゃんぽくて好きよ、私。って、あー、せーじゃちゃんやめて、そんな擦り付けられたらおねーさん変な気分になっちゃうー

 

 

「あっはっは!良い気分だ!」

 

 

んー、みぃーとぅー。ってあ~、もうなにこの子可愛い。屈託の無い笑顔反則。ぎゅってしたい~...この両の腕におさめてナデナデしまくって私の匂い擦り付けたい~...でも我慢です、我慢...だって私、この子の笑顔...守りたいからbyおねーさん

 

 

 




性格、ご想像とぶれてたら申し訳ない。まだまだ、活動報告にてリクエスト募集してますのでお気軽にどうぞ。それでは、また


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17、ナズーリンをぎゅっ

それでは、ゆっくり読んでいってね...なんてね


 

 

「ふぅ...さてと」

 

 

雑多ながら、気付けば長い間世話になっている掘っ立て小屋から外に出て、一つ息を吐く。聖やご主人には、寺に住まないか?と何度か言われているものの...まぁ、ここに少し愛着が湧いてしまったんだろう

 

尻尾に同胞の入っている籠を引っ提げ、両の手には鉤形の相棒を携え、今日も今日とて日課である宝探しに興じ...ん?

 

 

「あれは...」

 

 

ここ、無縁塚では珍しくはない...人影が、少し小高くなった場所の岩の上...そこに腰掛け、決して綺麗とは言えない空を見上げているようだった

 

放っておけばそこらの知能が無い...獣なんかに近い妖怪の腹に収まるのが関の山。なんというか、私も丸くなってしまったんだろうか...

 

 

「もし、そこのお人。ここは少し危ないよ」

 

「ん...えぇ、存じておりますよ...なんて」

 

 

む?...あぁ、そういう訳か...全く、紛らわしいったら無いな

 

 

「君か...私の親切心、返してくれないかな?」

 

「有り難く受け取っときますよ、ナズ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「また、故郷に想いを馳せに...かい?」

 

「ま、そうですね...ふふっ」

 

 

私の膝の上、見上げるようにそう問うのは今回ここに来た目的の半分...いえ、6割...や7、8...?そのくらい逢いたかったナズ!ちっこいのに大人びてる!かわいい!ちゅー!

 

まぁ、半分冗談ですが...やー、ホントに久々やんなー。最近はナズ、香林堂に顔出してくれないから会えなくて寂しかったんですからねー。すりすりすりー

 

 

「あの店に並んでいた時とは随分変わったね...」

 

「あはは。可愛くなったでしょう?」

 

 

大きな耳を揺らしながら談笑を続ける。あの時はまだ鉄屑みたいなものでしたしねぇ...そりゃ変わりますよーだ。くんかくんかすーはー

 

 

「君みたいなお宝を見逃してたなんて...ダウザーとしての腕も錆びてきたかな」

 

「んー...私がここにいたのは、ホントに少しの間でしたからね」

 

 

この場所...私が幻想郷に来た時、その最初の記憶。ここに流れ着いてから一日も経たずに、私は魔理沙ちゃんに拾われて、香林堂に並べられた

 

訪れる人は、魔理沙ちゃんに霊夢ちゃん...そしてナズの三人が多かったかな?その三人は、私からすれば家族に近い...そんな感覚だった。ん?モリチカ?......忘れてた訳じゃないからね?

 

魔理沙ちゃんは特に多かったかなー...あ、魔理沙ちゃんがその時乙女の顔してたのは内緒ね?約束だからね?

 

 

「...ナズ」

 

「...ん?」

 

 

時々...突然、不意に、どうしようもなく寂しさに押し潰されそうになった時...私は、私の始まりに近い、ここに来る

 

 

 

「また、来ても良いですか?」

 

「...好きな時に来ると良いさ」

 

 

少し強く、ナズを抱き締めた

 

 




こんな感じですかね、ちょっと暗め...かも。まだまだ、活動報告にてリクエスト随時募集中ですのでお気軽にどうぞ。それでは、また


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18、お空をぎゅっ

予約投稿丸一日ずれてるの気付かないやつなんて居ます?...はい、居ます。そんな訳でお空の回です。それでは、ゆっくり読んでいってね...なんてね


 

 

「お空ちゃんみーっけ!」

 

「うにゅ!?えー、お姉さんなんで分かるのー...?」

 

「私見つけるの上手いからねー、ふふん」

 

「むー...くやしいー!」

 

 

独特な驚きの声をあげ、木の裏側から観念したように顔を出したのはお空ちゃん。いやー...おっきな羽根がもろだったよ、もろ

 

今日は遥々地底へと訪れてこいしちゃんやお空ちゃんと遊んでます。今はかくれんぼなんだけど...お空ちゃんは良いとしてまだ強敵が一人...

 

 

「あとはこいしちゃんなんだけど、これ見つかるかな「わあっ!」うっひゃあっ!?」

 

 

何の前触れもなく勢い良く奔放な声が掛けられ、突然のことに年甲斐もなく叫んでしまう。へっ、何!?何事!?敵襲!?であえであえ!!...って、あぁ

 

 

「あははー!びっくりしたー?」

 

「心臓止まったかと思ったよ...ともあれ、こいしちゃん、みーっけ」

 

「えへへー」

 

 

ぬあー、可愛い。後ろ手組んで首かしげながらはにかまれると別の意味で心臓が大変なことになっちゃうけど?あー、血が巡ってる気がするー。アイアンメイデンなのにー。地上持って帰っていい?ダメ?しゅん...

 

 

「ねー!次何やるー?」

 

「はーい!こいし様はーい!はーい!」

 

 

かくれんぼが終わってすぐに次の遊びのお話し。んー、二人ともお元気で何より...なんだけど......

 

 

「んー...お姉さんちょっと疲れちゃったや」

 

「えー!?...それじゃ、ちょっと休もっか」

 

「はーい」

 

 

お姉さんもう若くないからさー。あ"?誰や今BBAつったの?...次は無いかんな

 

 

「...お姉さんのお膝の上とったー!」

 

「わっ、とと...今日はお空ちゃんが早かったね」

 

「えへへー」

 

「あ!むー、出遅れちゃったー...」

 

 

休憩するのが決まるや否や、半ば突進するようにお空ちゃんが抱きついてくる。よしよし、なんて撫でてあげると...反応が可愛いんだなー、これが

 

さて、なにがとは言わないけれどやわっこいのを堪能しながら皆でお庭の木の下へと移動する。なにがとは言わないけれど。たわわ

 

 

「よいしょ、と。はい、どうぞ」

 

「えいっ!んー...んふふ~♪」

 

 

先に腰を下ろしてあー、こら身体擦り付けてきちゃダメだってばー。可愛いなあ、もう...すき。なんて言うんだろ...赤ちゃんみたいに甘えてくるのよお空ちゃん。あー、今なら授乳できそう、母性本能フルスロットルよこれ

 

 

「むー......わぷっ」

 

「こいしちゃんはまた今度、ね?」

 

「...約束だよー?」

 

 

残念ながら争奪戦に敗れてしまったこいしちゃんも、すぐ隣に腰を下ろしこっちに寄り掛かってくる。んー...ごめんね、また今度たっくさんぎゅってしたげるからねー。よしよし、ちょっと拗ねてるこいしちゃんも可愛いねー

 

 

「んー...暖かいね、お空ちゃん」

 

「うにゅ...そうかな?」

 

「お空ねー、冬に一緒のお布団で寝るとすっごく暖かいんだよー?」

 

 

え、羨ましい。そのベッド私も入りたいんですけど。可愛い少女と床で組んず解れつしたいー!お互いの体温で暖め合いたいー!濃密な一夜を明かしたいー!...いいじゃん、私も乙女ぞ。一応......さて、堪能しますか

 

 

「髪、キレイだねー...長いとお手入れ大変でしょ?」

 

「んー...?...いつもさとり様が解かしてくれるのー...んぅ」

 

 

さとりちゃん、ねー...ちっこいのにこんな地底のお偉いさんなんだもんねー...しっかりしてるなー。くんかくんかすーはー...んー、おひさまの匂い!ぽかぽかする!

 

それにねー、スタイル良いよねー、お空ちゃん。出るとこ出て引っ込むとこ引っ込んでて...もう凶器だぞ!犯罪だぞ!現行犯だぞ!お巡りさん!こっちです!...ちょ、私は無実ですって!...あれ

 

 

「...ん?あ...ふふっ」

 

「すぅ...すぅ...」

 

「ぐっすりだねー...」

 

 

ちょっと静かだなー、って思ったら...遊び疲れて寝ちゃったのね。ま、それじゃ私も一眠りしようかな...

 

 

「おやすみ、お空ちゃん...」

 

「んぅ...んふふー......すぅ...」

 

 

 




こんな感じですかね。まだまだ、活動報告にてリクエスト随時募集中ですので、良ければどうぞ。それでは、また


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